地方行政委員会 第18号
- 発言数
- 234 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/05/06
会議録
○大西委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 統一地方選挙が終わりまして、この選挙ではわが国の民主主義の基盤である地方自治の問題がかつてなく議論をされたと私は思っております。特に住民の福祉や教育あるいは公害対策や土地改造という問題を含めて、その政策論争が財政問題を関連させながら議論を進めてきたことはもう私が指摘をするまでもないところであります。 その中で特に私が強調しておきたいのは、いろいろな議論のいきさつはありましたけれども、これは自民党の候補者を含めて、今日の中央と地方の財源配分のあり方、とりわけ地方財政の確立という問題が強く主張されてまいりました。言うまでもなく、地方の財源確保あるいは自主財源の強化については、交付税率の引き上げを含めて、そしてすべての候補者が共通の課題として指摘をしてきたことでありますけれども、これらの統一地方選挙の経過と結果並びにその中で議論をされました地方の財源確保の問題について、大臣は、一般的なお答えで結構でございますが、どんなふうにお考えになっていらっしゃるのか、所見を承っておきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。 今度の選挙で、いま御指摘のように非常に財源問題が中心になって議論をされてきておるわけでございます。自治省といたしましては、やはり地方自治体に財源をできるだけ与えるという問題を十分考えながら今後も処置をしてまいりたい、こういうことであります。 それにはまたいろいろの制約条項もありますが、その点も十分にらみ合いながら、しかし、現行の範囲内で自主財源を与える工夫があれば、それは考えていっていい、こう思っております。
○岩垂委員 いまの地方財政の危機と言われる問題点をめぐって、いろいろな議論がありました。その中で、これは順序の置き方は別としても、今日のインフレーションの進行と言われるものと、いわゆる財源の不足と言われるもの、あるいは超過負担の過大と言われるものが地方財政の困難をもたらしている理由だということについては、大臣も共通の御認識にお立ちになるかどうか、その点について承っておきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 私は、インフレといいますか、高度成長を図った政治のやり方が適切でなかったのだという認識でよく御質問なり御批判なりをいただいておりますが、高度成長をとってきたこの政策は、その意味では私は間違っておったとは思いません。高度成長を図ったおかげで、ある程度国民の生活も豊かになり、また福祉の問題も取り上げることができたと思うのでありまして、終戦直後のような事態において、福祉の問題などを言っているいとまが実はなかったと思うのであります。しかしそれが言えるようになったということは、やはり高度成長の一つの大きなプラス面である、私はそういう認識に立っております。しかし、高度成長をしてきて、これから今度は低成長の時代に入る。この問題を考えてみますというと、これからもう一度高度成長などということは望み得べくもありません。それは、資源の問題から考えてみてもとうていそういうことは日本に許されるものではないのであります。しからば、そういう低成長時代にいま急に入ったということでございますからして、高度成長時代における一つのはずみがついておるというか、一つの政治の動きがそういう方向へ向いておるということを急にチェックしてしまうということ、またそれがダウンするようなやり方をするということはいけないことである、何としても、やはり低成長ではあっても、福祉の問題等も十分に考慮すべきであるということについては、あなたと御意見を異にしておるわけではないと思うのでございますが、そのやり方、内容の問題について、細かい問題についてのこれからの詰めが行われなければならないのではないか。そのときに当たって問題になるのは、歳入の問題であり、そしてまた歳出の問題である、両面において考えなければいけないのではないか、こういうふうに私は認識をいたしておるわけでございます。
○岩垂委員 高度成長の認識については意見の違いがあるとしても、今日まで高度経済成長政策の中で起こっている、それを矛盾というか、ひずみであるかは別として、低成長時代に入っても福祉の課題というのはより一層努力を重ねていかなければならない課題であるという認識については共通のものがあると私も理解をいたします。 その福祉を進めていく場合に、やはり財政論争に入っていくわけでありますけれども、今日の地方財政の危機というのは、そういう福祉を進めていく上にも、インフレーションというものが非常な危機をもたらしている大きな原因だという指摘を私はしたいわけですが、その点については大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるか承っておきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 私は、インフレーションといいますか、物価高といいますか、そういうものが昨年、一昨年ずうっと続いて、約二年の間一つのカーブを描いて上昇したということは認めないわけにはいかないと思います。したがって、そのことが福祉の問題のみならず、公共施設の問題についても、あらゆる面に影響を与えておるということについては同意見だと存じておるわけであります。
○岩垂委員 それに関連して伺いますけれども、これは五月二日に大蔵省が発表しておりますが、ことしの三月末の税収実績によると、昨年の四月からことしの三月末までの国の税収の累計は十四兆二千九百二十九億五百万円であって、四十九年度の見込み額である十五兆三千七百四十億円を約一兆八百億円も下回った、こういうふうに指摘をされていますが、この数字から、大蔵省が地方交付税の渡し過ぎの課題を指摘をして、そしてその返還を求めるという議論が行われているようでありますけれども、地方交付税の過剰交付金というのは一体どのくらいになるのか、これは財政局長、今日までの状況で結構ですが、お聞かせをいただきたいと思います。
○松浦政府委員 この委員会でも大蔵当局からお答えがあったように記憶いたしておりますが、約一千億弱というふうに言われております。私ども計算をいたしますと大体二千六百億円、それの三二%でございますから九百億ちょっとになろうかと思います。先生御承知のように、過剰交付金と申しますか、四十九年度にやり過ぎているという形になっております。これを返還を求めるということは制度上はあり得ない。返還という観念は当たらない。したがって、新聞に書かれておることは制度の誤解であろう、こういうふうに私どもは考えております。四十九年度に穴のあいた部分については、五十年または五十一年、いままでの通例で言いますと五十一年、翌々年度という場合が多いわけでございます。そのときの交付税から差し引くというのが現在の制度でございまして、五十年にするか五十一年にするか、あるいはその九百億円を何か別に措置をした形で減らさないようにするか、これは大分先の問題でありまして、これからの地方財政の収入の状況がどうなるかを見きわめて、その上で対処をいたしたいと考えております。
○岩垂委員 これは精算の課題だというふうにおっしゃるわけでありますが、それでは、まだ大蔵省から自治省に対してそれらの申し入れ、協議の申し入れということはないと理解してよろしいですか。
○松浦政府委員 法律上そのようなことはできませんので、当然申し入れはございません。
○岩垂委員 もし法律に基づいて五十年に四十九年度のいわばその部分を精算をするということになったとすれば、仮定の条件でありますが、そういう要請があったとすれば、自治省はどのように対処をなさるのか、その点について承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 五十年度に精算をしなければならない法律上のたてまえになっておりませんので、大蔵省からそういう申し出があればお断わりすることもできると思います。仮に応ずる場合には、借入金なり何なりの措置を別途に要求することもできると思います。仮定の問題でございますから、どうするということを現在の段階ではお答え申し上げかねますけれども、いずれにいたしましても、私どもといたしましてはっきり申し上げておきたいことは、現在の地方財政計画に計上してある地方交付税の額だけは絶対に減らすことのないように地方団体に配りたい、信念だけ申し上げておきたいと思います。
○岩垂委員 それでは、それ以上その問題に触れようとは思いませんけれども、五十年度の予算が当初予算の段階で約一兆円の不足が見込まれていることは御承知のとおりですし、それから、その補正予算を加えると歳入不足というのは相当な額に上るのではないかということが指摘をされておるわけでございますけれども、これらのいわば財政上の収入不足といわれるものを、これは大蔵省の議論でありますけれども、赤字公債で実は埋めていこうという考え方が新聞などにも報道されておりますけれども、これらの点についてはどのように理解をしておられるか、承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 国の財政が赤字公債を発行するか発行しないか、このことは直接地方財政には関係ないわけでございます。ただ、従前の例のように国税三税の自然増を財源として補正予算を組みますれば、それに伴う交付税が三二%当然交付になる、そういう形で、補正予算がどういうもので組まれるか、それによって地方財政に及ぶ影響は違うと思います。したがって、われわれは国がどういう財政措置をとるか十分見きわめながら、関連のある部分については、地方公共団体が現在の地方財政計画ベースでうまくいけるように、困らないようにわれわれとしては何らかの処置をとらざるを得ないというふうに考えておりますが、それも景気の先行きその他の見通しが定かでございませんので、ここで余り仮定に基づいたお答えを申し上げることはいかがかと思います。ともかく地方団体の運営に困らないように措置するということを申し上げて御理解をいただきたい、こう思います。
○岩垂委員 いまのようなお答えでありますけれども、五十年度の国の財政が深刻な危機に直面していることは指摘をされているとおりでありまして、これはもう私が言うまでもないわけでありますが、特に景気の立ち直りのおくれが税収の当初見込みを下回ることもこれは必至だと言われておるわけであります。予算の減額補正というようなことも議論の対象になると思いますけれども、当然それが地方交付税の減額ということになる、そうすると地方財政はダブルパンチを受けざるを得ない、こういう状況は、あらかじめの事態でありますが、すでに予想されているわけであります。そういう地方財政の現状というものを私どもは未曽有の危機であるというふうに理解をしておりますけれども、自治大臣はこれについて、地方財政の危機の状況についてどんな認識を持っておられるか、承っておきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 いま御指摘の点は、国の方においてそういう予算において見積もり増があったということであれば、やはり地方財政の場合においても収入の面において見積もり増があり得るわけでありますから、異常な危機であるということについては御指摘のとおりだと思います。
○岩垂委員 この危機に対して経費の節約あるいは人件費の抑制という形を指導なさっておられるようでありますけれども、自治省は、これは松浦さんにお答えをいただきたいのですが、経費の節約というのは一体どのくらい見込みとして見当をつけていらっしゃるのか、承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 四十八年度の決算と財政計画、これの乖離を調べますと、人件費で約一兆の乖離がございます。そのうち人数差から出ておるものが約四千億ございますので、六千億が単価差とそれからプラスアルファというふうにわれわれは推定しております。四千億の問題につきましては、五十年度の財政計画で約三千四百億円の解消を図っておりますから、問題になるのは残りの金額であろうと思います。国家公務員並みにということが仮に全部徹底したといたしますれば六千億くらいの金は出てくるはずだ、しかし人件費という問題は一朝一夕でぱっといくわけでございませんので、われわれとしてはできるだけ努力していただくということを期待しております。 そのほか、物件費その他いろいろとあると思いますが、これは地方団体独自でお考えになる問題でございますので、われわれは計数的にどの程度というようなことを指示もいたしておりません。ただ、本年度の財政計画では、国と同じように八%の節約を財政計画上見込んでおるということは御承知のとおりでございます。
○岩垂委員 人件費の問題に関連して、これは大臣が参議院の予算委員会でもお答えを願っているわけですが、ラスパイレスの指数について、これは仮定の数字であって正確なものではないけれども、およその目安として、目安というか傾向を示すものとしてその数字の扱い方というものを考慮するという御答弁をいただいておりますが、そのように理解をしてようございますか。
○福田(一)国務大臣 法律に参考として書いてありますし、これは準ずるという意味だとわれわれは解釈しておるのでありますが、いま言ったように、参考にするということはそのままということではございません、準ずるという意味もそのままということではございませんから、いまあなたが御指摘のような考え方に立たざるを得ないと思っております。
○松浦政府委員 ただいま大臣がお答え申し上げたとおりでございますが、委員会等でお答えを申し上げておりますように、ちなみに東京都の例をとりますと、東京都と民間の給与は一番近い調査時点で一二%の開きがございます。東京都には八%の調整手当というのが民間にないものがございますので、それを差し引けば一〇四、それを私どもはいけないというふうに考えておりません。そういうふうになっていいのじゃないか。したがって、逆に民間給与の方が低いところでは九七とか九五とかいう数字で法律の精神にのっとっている、こういうこともあり得ると思います。したがって、一〇〇を中心に上下にある程度団体ごとに民間給与水準というものを頭に置いてばらつきが出てくる、それが正しい法律の運用ではなかろうかというふうに考えております。その意味では大臣のおっしゃるとおりである、こういうふうに理解をいたします。
○岩垂委員 そうすると、私ども理解をするところによれば、いままで自治省は地方公務員の給与をラスパイレス指数を挙げて国家公務員並みにしろ、こういう御指導を願ってきたように理解をしていましたけれども、そうではなくて——そうではなくてと言うと言葉が強いのですが、地方差、とりわけ大都市などの公務員労働者の賃金が高いということは、程度のこともあるだろうけれども、やむを得ないというか、それは一応認めるという前提にお立ちになるのかどうか。
○松浦政府委員 ただいま申し上げました東京都の一〇四というようなものを私どもは素直に認めるつもりでございます。ただ、現実に一五%をラスで上回っておるとか、極端なところになると、四〇以上上回っておる、こういうものは私どもとしては認めるわけにはいかないということでございます。
○岩垂委員 それでは、そのラスの数字は大体どのくらいまでが適当とお考えになっていらっしゃるのか、一応の目安を、これはやっぱり自治省が見解を示すべき時期が来ていると私は思うのですけれども、その点について承っておきたい。
○松浦政府委員 私の所管の問題ではございませんが、先ほど行政局長ともいろいろと話をしております過程からお答え申し上げて、まず間違いないかと思いますが、東京都の一〇四というのが理論的には最高だ、東京都より高いところはないとわれわれは見ております。したがって、ほかの大都市で一〇〇を上回るのも四以下の上回りまでということに、理論的に詰めていけば、なろうかと思います。
○岩垂委員 その議論はすでにこの委員会でも議論をされているわけですから、ここで細かい議論に入っていこうとは思いませんけれども、率直に申し上げて、その数字を指摘をして、それをどうやって一体解消していくことを指導なさっていらっしゃるのか、率直なところを。いろいろな方法あると思うのですが、これについて、もし見解が示されているならば、正式な自治省の見解を承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 まことにむずかしい御質問でございますが、一つの目標を定めた場合に、それぞれ地方公共団体がいろいろ知恵をおしぼりになっておやりになることだと思いますので、こうしろ、こうでなければいけないという、こういう指導をしておるとは私どもは思っておりません。 いずれにいたしましても、やはり法律、条例、規則、これにのっとった運用ということが第一でございますから、条例の精神に違反した一斉昇給でございますとか、あるいは渡りでございますとか、そういうやや違法かあるいは違法性を帯びておるというようなものについては、できるだけまずやめるべきである、その後昇給延伸を行うのか、ベースアップの上げ方をやや抑えるのか、その辺の問題は地方公共団体が独自にいろいろお考えになってお決めになる問題ではなかろうかというふうに私どもは考えております。
○岩垂委員 いまお答えをいただいたように、ある程度の地域差というものは考慮せざるを得ない、これが一つ。 それからもう一つは、是正措置といいましょうか、私たちはそれに賛成することはできませんけれども、それは労使というか、労働組合とあるいは首長との間の話し合い、自治体との話し合いということで決めていくことを期待をして、自治省としては別にそのことについて口出しをするつもりはない、このように理解をしてよろしゅうございますか。
○松浦政府委員 まさにそのとおりでございます。ただ一言ここで申し上げておきたいのは、最近の人事委員会の会議で、行政局の方から人事委員会に指導をしたということが新聞に出ておったのは御承知だと思いますが、人事委員が勧告をする場合のやり方というものは全く無視をして地方団体の民間給与との格差というものが非常に低いにもかかわらず、安易に国家公務員のアップ率に準ずべきだという勧告を出しておる例が非常に多いわけでございます。こういうことは十分やっぱり考え直すべきだという強い自治省からの指導があったということだけは御報告を申し上げておきたいと思います。
○岩垂委員 人事委員会というものの機能についていろいろ見解があると思うのですけれども、しかし人事委員会の事務局長を集めて自治省がそういう細かい議論をやっていくというのは、ぼくは少し僣越ではないかという感じがするのです。言うまでもなく、労働条件というのは、労使の関係の中で話し合っていく筋道というものを一番尊重していくということが必要なんであります。その意味で言えば、いま指摘されている議論というのは、ともすると、やっぱりいま政府がやろうとしているガイドラインという考え方と共通のものを、私どもとしては危惧をせざるを得ないのでありまして、こういう点については、一体細かい内容についての指導と言われるものは適当ではないというふうに思いますけれども、その点についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、承りたいと思います。
○松浦政府委員 人事委員会は知事から独立した執行機関でございますけれども、人事委員会に対する一般的な指導というものは自治省の権限にあるわけでございます。法律に基づいた人事委員会の行動が行き過ぎがあれば、それに対してこうあるべきだということを指導することは当然でございまして、私どもとしては行き過ぎであるとは考えておらないのでございます。 特に地方公共団体の人事委員会が関与する職員、これは一般的な意味における完全な団体交渉権がありましても、あれは一般職員は協約締結権も持たないわけでございます。そのために人事委員会が第三者機関というような立場で、人事院と同じような立場で裁定を下すということになっているわけでございます。それが法律の精神を逸脱をして運営されているということになると、やはり問題であろうかと思います。われわれといたしましてはできる限り正しい方向に人事委員会が行動するように指導を今後も続けてまいりたい、このように考えております。
○岩垂委員 次に、歳入の増加への努力として、これもちょっと新聞で拝見をしたのですけれども、たとえば使用料とか、あるいは住民登録事務の手数料であるとか、あるいは水道や交通、あるいは病院など公営企業の赤字をなくしていくための料金への転嫁というか、料金値上げと率直に言っていいと思うのですけれども、そういう問題を御指導なさるというふうに承っておりますが、これからそういうことはあり得るのかどうか、その点を承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 表向き具体的な例を挙げてさほど強く指導するということではございませんが、やはり徴収すべきものは徴収しろということを言ってまいらざるを得ない事態であろうかと思います。 一例を挙げますれば、高等学校の授業料でございますが、現在千二百円、財政計画並びに交付税上は千二百円、団体によりまして全然ここまで取っておらない、特に先生御出身の、一番低いのでございますが、神奈川県なぞは六百円しか徴収しておらない。私学が非常に高くて私学に補助金まで出しておる状況のときに、目立つ公立を一体抑えておく意味がどこまであるのか。これは安い方がいいに越したことはございませんが、いろいろ社会福祉その他住民からの要望が強い場合においては、歳出の増を図るとともにやっぱり歳入の増を図るというのが財政課としては当然の考え方であろうと思います。 そういう意味では、私どもはできるだけ地方公共団体がみずからの手によってみずから検討して住民の了解を得て使用料、手数料を適正なものに引き上げていくという努力は当然とられてしかるべきものだという考え方を持っております。
○岩垂委員 それをどういう形で御指導なさるおつもりか、その手続というか、方法というか、それらについてもちょっと承っておきたいと思うのですが。
○松浦政府委員 毎年地方財政計画その他に基づきまして、国会の御審議の状況と絡み合わせて財政課長の内簡というものを出しております。本年度はいましばらくするとそれをまとめ上げたいと思っておりますが、その中で歳入についてはもう一度検討し直して確保を図れという趣旨を書きたいと思っております。
○岩垂委員 それに関連して、たとえば法人住民税あるいは法人事業税のいわゆる超過課税の考え方、これらの問題についてもその内簡の中で指摘をなさるおつもりがあるのかどうか、これらについても見解を承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 この点については個々のケースいろいろございますし、また私どもの方からむやみやたらに税金をふやせということを言うのもいかがかと思いますので、これは税務局長がこれまでの国会でも御答弁申し上げておりますように、一般的な観念として税務局の方で御指導願いたいと思っております。内簡の中にはこの問題は触れないでいこうかというふうに考えております。
○岩垂委員 東京都が、もう新聞で御存じのとおりに法人住民税の超過課税の考え方をいままとめようとしています。これらについては自治省は別に改めて意見を差しはさむ余地はないと思いますが、そのように理解をしてようございますか。
○首藤政府委員 先ほどから御指摘の超過課税の扱いでございますが、超過課税はもとより地方団体の財政自主権、これを尊重いたしますために、財政上の特別の事情があれば行い得る地方税法上の仕掛けに相なっております。そこで、私どもといたしましては、その特別の財政需要がどうあるのか、そこのところを明確にして、住民の理解を得ながらこれを行っていくべきものだ、そのように考えておりまして、これはこの前ございました全国の税務課長会議等におきましても、法の趣旨を十分尊重しながらこういったことに対処していくべきだという説示を一応いたしております。 それから、具体的には東京都の法人住民税の超過課税の問題でございますが、まだ正式には東京都からは言ってまいってはおりません。しかし、もし東京都が法人住民税において限度いっぱいの超過課税を行うと仮定をいたしますならば、二十三区内では、市町村分合わせてでございますが現在の一七・三%の税率を二〇・七、それからその他の都市では市町村民税分が取れませんので、五・二の県分を六・二にと、こういう分け方をすることができるわけでございますが、こういったやり方を行いますと、大体平年度ベースで四百億余りぐらいの増収になるのではないかというように考えておるのでございます。ただ、この場合も問題は特別の財政需要のあり方でございますが、この金を何に使うのか、どういう財政事情のもとで超過課税をしたいのか、そこのところが法の精神では一番重大な問題でございまして、そこが明確にされ、都民全部のコンセンサスが得られると申しますか、都議会を通じてでございましょうが、そこのところが明確にされて行われるならば、これはそれでしかるべきものである。ただ、くれぐれも何に使うのか、どういう理由でやるのか、ここのところは明確にしておいていただきたい、このように考えております。
○岩垂委員 都財政の赤字を補てんをするというようなやり方ではだめで、もっと使い道個々について適当な指導を、そしてまたその理由を明らかにさせなければそれを認めることはできないとおっしゃるわけですが、その使い道というのは、一般的にはどのように考えたらようございますか。いけないケースを挙げていただきたい。
○首藤政府委員 やはり超過課税でございますので、特別の負担を住民に、通常の税負担以上にもたらすわけでございます。問題はそこでございますので、単純に財政運営上、漠然と、金が足りないのだとかあるいは収支のつじつまが合わぬのだと、何とはなしに金が欲しいからその分負担をしてくれというのでは、やはり超過課税としての筋が合わないのではないか。何に使おうとその使い先を私ども制限するつもりはございません。その使い先の目的が、住民が租税を超過負担をしてもいい、その気持ちになれるような使い方でなければ、やはり地方自治の本旨が泣くのではなかろうか、こう考えておるわけでございます。
○岩垂委員 住民のコンセンサスということは、都議会の同意というふうに考えてようございますね。
○首藤政府委員 それは、もちろん都議会が住民を代表なさいまして御議決をなさるわけでございますから、御指摘のとおりでございます。その場合に、都議会における議論も十分尽くしていただきたい、こう考えておるだけでございます。
○岩垂委員 その事情というのは、たとえば法定外普通税についても同じように理解をしてようございますか、市町村の場合。
○首藤政府委員 基礎的な考え方は全く同様だと思います。ただ、法定外普通税の場合は、先生も御案内のように三つほどの条件がついておりまして、二重課税にならないように、それから物の流通を妨げないように、国の政策に違反をしないように、こういう三つのケースがございますので、その分だけが法的な要件としてつけ加わってくる。それから許可制度がとられるとか、これだけのことでございます。
○岩垂委員 これは財政局長に承りたいのですが、昭和四十九年度で新しく赤字を出しそうな団体あるいは出すだろうと言われる団体、もうぼつぼつ明らかにできると思うのですが、その点はどんな団体になっておりますか。
○松浦政府委員 先生御承知のように、決算には若干テクニックが加わりますので、正確なことはわからないのでございますが、先月の二十日ぐらいから各団体の四十九年度の収支じりがどうなるかという見通しを承っております。もう一週間ぐらいするとある程度まとまろうかと思っております。ただ一般的な傾向としては、予想外に、決算は四十九年度はわれわれが考えておったよりもよかったようでございます。去年よりは都道府県でも市町村でも若干赤字の団体がふえるかと思います。それも本当に何倍というような数字ではなくなるのではなかろうかという推定をしております。 いずれにいたしましても、去年は先生方の御協力をいただいて補正予算の措置が十全にいったことと、もう一つは予想もしておらなかった金額が年度末に、例の超過負担の解消という形で、やってしまった事業に追い打ちで金が来たので使う暇もなかった、こういう状況が重なり合ってのことだというふうに私どもは推測をいたしております。四十九年度の決算じりについては口角あわを飛ばして心配するような数字は出てこないと私ども確信を持っております。
○岩垂委員 いずれにせよ、大臣さっきおっしゃいましたように、安定成長期に入ったわけでありまして、好むと好まざるとにかかわらず、もう一遍高度成長に戻ることは、周囲の事情から考えてもあるいは政策上の基調から考えてみても、考えるべきではないと思うのでありますが、しかしいまのように考えてみますと、いわゆる安定成長期というか、低成長期の地方財政のあり方というものがこの辺で問い直されてみなければならない時期が来ているように私は思うのです。いろいろなやり方があろうと思うのです。しかしたとえば、景気の作用を一番まともに受けやすい法人税というものに依存をしている姿というものが、果たして地方財政の安定した財源として考えていいのかどうか。たとえば所得税を五対五という議論はともかくとしても、そういうやり方というものをここで考えてみなければならない事態がきているのではないだろうか。これらのことについてどのような見解を持っていらっしゃるか。 それから、いわゆる低成長の時代の中での地方財政のあり方について抜本的な問い直し——三木さんの好きな言葉でありますが、問い直しが必要ではないだろうか、これらについての御意見を承っておきたいと思うのであります。
○松浦政府委員 一般論から考えますと、やはり高度成長の段階において、地方財政計画を超える相当の増収を持って地方団体が財政運営をしております。そうなれば、勢い規模がふくらんでおるわけでありますから、そういった収入が期待できない状況になると歳出が多くなって歳入が足らなくなる、当然の結論でございます。この一般的な傾向は、国の財政を問わず地方の財政を問わず個人の消費を問わず民間の産業を問わず全国共通の問題であろうかと思う。したがってもう一度視点を改めて、期待し得る歳入に見合う歳出ということをもう一度考える。そして、その歳出をいかに効果的に住民サービスに結びつけていくかということを考え直すべき時期にきておるのではないだろうか。幾ら地方財政だけがんばってみたところで、国の財政とつながっておりますので、国が歳入がなければ地方にどうこうということもできないわけであります。やはり一億総一定割合を縮むといいますか、縮小するという努力が日本の経済のために必要であろうかというふうに考えておるところでございます。 翻って、もう一つのお尋ねのございました国との関連の問題でございますが、私どもといたしましては、時代時代によって議論が非常に違うわけでございます。あの高度成長の時代には所得税系統の税金はできるだけやめて、法人税系統の税金をたくさんくれという要望を極端に地方団体から受けたわけであります。景気が悪くなると法人税のように不安定なものはいけない、こういう考え方は私どもには解しかねるのでございます。やはりいまの割合というのは、法人税、所得税それに国税の影響を受けない固定資産税、そういったようなものがうまくミックスされているわけでございます。比較的国のように大幅な激動はないという意味においては非常にうまくできておるのではないだろうか。ただ、交付税率の問題については先生と意見が合わない部分があるかと思いますけれども、いま所得税を主体に税制を改めたとすると、法人が少しよくなったときには法人をくれという議論がまた起こってくる。これはもう私どもとしては慎むべきことではなかろうかという気持ちを持っております。現在の制度が絶対正しいとは申しませんけれども、地方団体のためには比較的安定的な、有利な制度になっておるのだという理解を私どもとしてはいたしております。
○岩垂委員 あと、地方債の問題について、少しこの際ですから承っておきたいと思うのです。 いま申し上げましたとおりに、地方団体の歳入構造というものが非常に不安定になってきている、この点はもう申し上げるまでもないわけでありますが、さりとて地方団体が持っている恒常的な財政需要に見合った十分な、安定的な歳入構造というものをすぐつくるという条件はないとすれば、結果的には、財政需要と歳入構造とのギャップを埋め合わせる手段として起債というものが用いられている。これはいろいろ議論があるわけですが、そういう実態がある。特に、地方団体が住民に密着した仕事を持っているという立場から見るならば、そういう手だてを含めて歳入を確保しなければならぬということにならざるを得ないと思うのでありますけれども、そういう立場から見て、起債の役割りそれからその地方自治体の財源の自主的な確保と言われる問題から見て、現在の国の起債に対する許可制度というものはもはや撤廃されるべき時期が来ているのではないだろうか。これは長い議論の経過があるわけでありますが、この点についてはどのような見解を持っておられるか、改めて承っておきたいと思うのであります。
○松浦政府委員 現在の地方債の許可制度、これは個々の団体の財政運営が誤った方向に行かないように、あるいは政府資金の配分というものがございますので非常に弱小な団体の方に政府資金を回すといういろいろな配慮が必要である、その他の事情から存続してきておりますが、現在でも、特に経済がこういう状況になりまして全体の資金問題の関連もございますので、いままでより以上に許可制度を外すというための条件は完備されておらないというふうに考えております。当分、これは存続をさせていただきたいという考え方でおります。
○岩垂委員 いまの議論で言うと、まあもうここでは繰り返しませんけれども、自治法の二百五十条の「当分の間」が何と四分の一世紀続いているわけです。常識から見ても、法律の解釈から見てもあるいは当時の金融財政事情と言われる条件から見ても、今日の条件というのは変わってきている。これはだれでも指摘できるところだと思うのであります。その意味で、地方自治体、地方団体のいわば財政自主権ということを強調するだけではなくて、起債が持っている、地方債が持っている今日の条件から見てもう少し自由化していくという手続をおとりになるお気持ちはないか、この点について承っておきたいと思うのであります。
○松浦政府委員 地方債というのは借金でございまして、将来返さなければならない。これはたとえが非常に悪いかもしれませんけれども、地方団体の財政を運営する者の立場から言いますと、一つ一つに注意を払っておりませんと非常に大きな問題になる、そういう意味では麻薬に似たものじゃないか。けがをして痛いときに麻薬を飲んでも、それは医者の処方に従えばよろしゅうございますけれども、常時麻薬を飲みますとこれは中毒になってしまう。許可制度がなくなっていつでも起債を起こせるというようになりますと、財政は全く乱れ過ぎてしまう。そういう意味で、決して地方でどうこうという気持ちよりは、むしろ地方の財政が起債によって安易な運営に流れて毒されないようにしていただきたいという気持ちが非常に強いわけです。具体的に財政規模をふくらませるためには一定の財源がなければ地方債で処理をする、そういう形で処理が全部つくようになりますれば、地方財政の規模というのはどんどんふくらむわけです。そうして、とどのつまりは償還財源に苦しんで、またそのために地方債を発行する、こういう形の悪循環が生じてくる可能性がある。そういう観点から私どもは個々の案件について、たとえば体育館をお建てになるあるいは市民会館をお建てになる、そういうものについて地方債以外の一般財源があるかないかもよく御相談をした上で許可をしていくということが、起債によって地方財政を乱さない一つの基本的な問題であろうかと考えておるところでございます。したがって、御趣旨のように、私どもは、余り細かい事務的な手続がよけいかかるというようなことはできるだけ簡素化をするという方向でまいりたいと思いますが、基本的な部分の、いわゆる財政運営にかかわる部分については、いましばらく私どもの指導のもとに置かせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○岩垂委員 麻薬という議論は、少なくても地方自治という立場から見て、とりわけ住民自治という立場から見て、少し言葉が過ぎるのではないだろうかと私は思うのであります。というのは、地方の財政というのは、そこに住んでいる人たちの自治で議論をしていくというのが筋道であります。無論、それは総枠で考慮をしなければならぬことがないとは言いません。しかし、今日の状況から見て、いま財政局長が言われた言葉というのは、少し地方自治体を侮辱した言い方ではないだろうかと思うので、その点はぜひ、お言葉遣いの問題ですから余り揚げ足を取るつもりはございませんが、御注意をいただいた方がいいんじゃないだろうかというふうに思うのであります。 何はともあれ、もうしばらくの間という言葉をいまいただきました。もうしばらくの間というのは財政的にはどんな金融財政状況というものを想定しておられるか、それは、なぜ私がそんなことを言うかというと、この地方自治法が議論になって、「当分の間」というものがはまってきた経過の中にはいろいろないきさつがあることはもう天下周知の事実であります。それらの事実を踏まえた上でなおかつしばらくはとおっしゃるわけでありますが、その点について、どういう条件が完備されることが自治省当局としてはその枠を、許可制を切りかえていくという一つのめどになるのか、メルクマールになるのか、この辺はやはり申し述べておいていただきたいと思うのであります。
○松浦政府委員 麻薬という言葉を使いまして不適切であったことはおわびをいたします。いずれにしても、気持ちとしては、安易な運営に流れるおそれが出てくることを警戒をしたいという意味でございます。 しばらくの間と申し上げましたのは、私は当分の間という意味でございまして、やや何かえらい短期のようにお受け取りいただくと困るのでございます。私どもとしては、地方団体が本当にもう少し——そういうことを言うとまたおしかりいただくのかもしれませんが、一つの団体の経営、いわゆる民間に行われている経営、こういう観念で歳入歳出について常に厳密に、しかも真剣にお取り組みいただいて、金が足りなくなったら国に行けばいいんだというような気持ちが相当程度、われわれはあるような気がするんでございますが、これが払拭されないとなかなかそういう状況には私どもとしては行きかねるんではないか。残念ながらそういう意味では、地方公共団体の国に対する依存の考え方というものがやや強過ぎるんではないかと思うのであります。このことは、常々、地方団体の幹部にお会いをした場合にはお話しを申し上げておるところでございますので、率直偽らざる気持ちを申し上げてお許しをいただきたいと思います。
○岩垂委員 それならば、百歩譲って、そういう許可制度というものが「当分の間」ということで続くとしても、たとえば総枠規制方式というのが議論になっていますね。これはもうぼつぼつ地方自治体を信頼するという段階が私は来ていると思うのですが、自治体の公債費が一般財源の一定の範囲内でおさまるような、つまりそういう最高限度枠を設定して地方財政上の適債事業の範囲内において、自治体が独自に起債し得るというような、そういう道筋というものを立てるべき時期が来ているのではないかという議論は長いこと続いていると思うのです。つまりもう一遍言うと、総枠規制方式というふうにお改めになるお気持ちはないかどうか。
○松浦政府委員 総枠規制方式というのは、地方債計画のことであろうかと思うのであります。地方債計画の中における一般会計部分、この部分は少なくとも地方財政計画の中に入っておるわけでございますが、これが自由に伸び縮みするということになりますと、御承知のように地方財政計画の意味がなくなってしまうわけです。そういう意味からも総枠を規制をいたしますが、ただいま先生がおっしゃられたように、総枠は規制しても地方団体に自由に任したらいいのではないかということになりますと、一つの団体でございませんものですから、やはりどれだけの枠を各府県にどういうふうに振るかという作業はどうしても必要になってくるし、その場合の適債事業か不適債事業かということを審議をするとすると、結局、結果的には一件審査になってしまう。したがって審査の手続はきわめて簡素になるようにわれわれとしては努力をしてまいりたい。しかし許可制度は続けさせていただきたいということを申し上げているのはその趣旨でございます。ただ町村等につきましては、単独事業等については、県ごとに枠を配分をいたしまして、その中で知事が市町村に対する認可をするという手続をとって、わざわざ自治省まで市町村がおいでをいただかないで済むような方法はできるだけ今後もとっていきたい、こう考えておるところでございます。なお公営企業等の、本当に独立採算で、事業面とのにらみ合いから起債の必要なものについては計画上の不足が出てくれば大蔵省と折衝をいたしまして、その枠を広げる地方債計画を実質的に変更する、こういう努力はこれまでも繰り返してまいりましたが、今後もこれは怠らないでまいりたいと考えております。
○岩垂委員 つまり聞くところによると、一件審査方式というのが年々何か細かくなってきているという認識を持っている人々がいますが、そのような方向ではなしに、できるだけ自主性を尊重する方向での指導を考慮するというふうに理解してよろしゅうございますか。
○松浦政府委員 私どもとしては、先ほど来申し上げておりますように、地方財政の上において個々の団体が起債によって問題が起こるというようなことを避けるために、先ほど来御説明申し上げているように許可制度を存続したいと申し上げているわけでございます。手続はできるだけ簡素化をしたい、ただ不適債事業に起債が当たるようなかっこうになってみたり、そういうことのないようにという配慮だけをするつもりでございますので、いままで以上に一件審査の傾向が強いということがございましたならば、ぜひ御指摘いただいてわれわれも自戒をしてまいりたいと思います。
○岩垂委員 関連をして、私も起債のことは余り詳しくないのですが、大体聞いてみて言っているわけですが例の資金区分のことも細かくどうも借入先を限定して、市場公募や縁故債などの民間資金を自治体の判断に任せていないというふうに承っていますが、そういうことはないですか。
○松浦政府委員 先生方からのいろいろ御指摘もございますように、われわれとしては地方債の原資をできるだけ政府資金、公営企業金融公庫、金利の有利なものをできるだけふやすようにいたしたいということが基本的な考え方でございます。したがってこういった有利な資金は市町村等のできるだけ弱小なところに配分をする、そして残ったものを縁故にするわけでございますが、たとえば一つの事業について政府資金が半分、縁故が半分、これは決めてやりませんとどうにもなりません。そういう意味で決めております。縁故をどこからどういう条件で借りろということは、私どもは指示をいたしておりません。地方団体は当然一番有利なところからお借りになるという前提で努力されておると思います。ただ縁故の枠を許可をいたしましても、地元の銀行がなかなか貸さないというような事情がありました場合、困ったと言ってくる場合がございます。そういう場合は私ども地元の銀行に、何とか貸してやってくれというむしろ横からサポートするような意味での行動はとりますが、それ以外に口を差しはさむということは避けております。
○岩垂委員 許可の時期の問題も、これは実は私ども川崎でも関係したのですが、せっかく許可をいただきながらも、時期がもう年度末も押し迫ってということもあるわけでありますけれども、この年度末に集中するという傾向は、財政上の見通しが非常につけにくいという状況のもとである程度やむを得ないにしても、予定額を含めてもうちょっと早い時期に許可をするというふうなことをお考えになる条件はないのかどうか。そうしませんと、市場環境から見ても一時期に集まっていくということになりますといろいろ問題が出てきますので、それらについての善処について、この際御意見を承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 全く御指摘のとおりでございまして、できるだけ地方債の許可については時期を早めるようにこれまでも努力をしてきておりますが、特にことしはいろいろこういった経済状況でもございますので、極力これを急がせるようにいたしたいと思っております。 また現実の問題として、許可ができない場合であっても、一応理論的に納得のできるものについては内定を通報するというやり方もあろうかと思います。そういう方法も交えて、地方公共団体が現実の財政見通しを得るのに困難なことにならないように努めてまいりたい。ただ実際は金の借り入れは全部年度末になってしまうわけでございます。この辺のところは先生も御承知のとおりだろうと思います。そのときの資金事情によっていろいろと影響が出てくると思います。それら借り入れの困難なような事態がございますれば、大蔵なり日銀なりにお話をするということは、これまで以上に自治省としては続けてまいりたいと思います。
○岩垂委員 それに関連して、これは四月二十七日の日本経済新聞に出ているわけですが、例の全国知事会などが地方財政強化のための、仮称地方公共団体中央金庫と言われるものを設置するという動きがあるようでありますが、自治省はこの全国知事会や公営企業金融公庫などで議論をされているこの金庫の設立の動きについて承知をしておられるかどうか。
○松浦政府委員 どういうわけで唐突に新聞に掲載されたのか、私ども理解できないのでございますが、昨年もこの委員会で中央金庫についての御質問をいただきましたときに、自治省としてはこれは悲願だ。ただこの悲願を達成するためには幾つかの難関があって、これまで二十数年にわたって努力をしてきたけれどもできなかったんだ、今後も努力をしていきたい、こういうことをお答えを申し上げた記憶がございますが、現実の問題としては、そういった周囲の金融機関が、できること——まあどこがいやがっておるか申し上げなくてもおわかりいただけるかと思いますが、相手の壁が非常に厚いものでございますから、今後もこれを、地方団体が望む問題であるようでございまするから、われわれとしては実現に努力はいたしたいと思っております。いつどうだという見通しを得るほど簡単な関門ではございません。その点は御了承をいただきたいと思います。
○岩垂委員 例の東京都の申請した起債の許可の問題について承っておきたいと思うのですが、今日まで許可をいただいてはいないわけですが、その理由について改めて少し見解を承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 東京都の起債につきましては、四十九年度年度末に迫りまして起債の申請がございました。それを私どもとしては事務的にもいろいろお話を承りましたけれども、とうとう起債は許可しなかったわけでございます。 それは第一には、東京都に対しては他の地方公共団体並みにあるいはそれ以上にすでに起債を認めておる、その上に数百億の起債を認めてくれというお話でございました。したがって、公平の見地からも東京都だけに追加起債を認める理由はないということが第一。それから第二の問題は、これは決して本当の理由ではないのでございますが、いやしくも給与の金が支払えなくなったから振りかえてというようなことが非常に世間に言われておる。そうなると、実質的に給与に起債を認めたことになることはやはり好ましくないじゃないかという裏の見方と申しますか、そういう問題がございます。基本的には、前段に申し上げましたように、他の地方公共団体並みあるいはそれ以上にきちんと計算方式をして東京都にはすでに起債を認めておる、その上に東京都に認めるということになれば、他の地方団体から申請があった場合にも全部断れないじゃないか、そうなると地方債計画は何のためにあるかわからなくなる これが正式の理由でございます。
○岩垂委員 さっき給与に起債を充当するのはということで、裏の事情ということをおっしゃいましたけれども、昭和四十六年に交付税の不交付団体四団体に対して百六十億許可をしたという経過があるわけですね。これはもう御存じのとおりです。今度都はそれと全く同じ方式をとって、そして起債の許可の要請をしたわけでありますけれども、これは自治省はその時々の条件によって解釈が異なるというふうに理解をせざるを得ないと私は思うのですが、この点はどのように御理解いただいていますか。
○松浦政府委員 これは全く先生の御指摘とは私どもの考え方は違うわけでございます。不交付団体に給与財源が措置できない、足りないということを財政運営上率直に認めた場合、充当率を不交付団体についてだけ引き上げて、かわりに事業に当たっておった金が給与費に回る、これは財政の仕組み上当然そうなるわけであります。そういう場合には不交付団体だけでございますから不公平はございません。今度は東京都だけでございます。それもほかの団体並みに認めておる上への上積みということでございまして、およそ考え方が違うわけでございまして、私どもはその時点時点においてということを申し上げておるわけではございません。たとえば今年度、非常に税収入が予定より減収になっておるというようなことがございましたならば、不交付団体には交付税は差し上げられませんから、あるいは振りかえという手をまた使わざるを得ないかもしれません。そういうふうに、不交付団体でございますとかあるいは日本の地方団体全体でございますとかというバランスのとれた制度の中での考え方はようございますが、個々の、一つの団体についてだけほかの団体よりよけいにという考え方、これはおかしいじゃないかということを申し上げておるわけでございます。
○岩垂委員 都の今回の事態というものが人件費などの放漫財政にあるからだというようなことをおっしゃる方々もおられるわけですが、たとえば都財政に占める人件費の割合というのは、御承知のとおり四十九年度予算で三四・一%、これは他の団体より低いわけですね。これは御承知のはずだと思うのですが、その点についてはいかがでしょう。
○松浦政府委員 私どもは、地方団体の財政規模の中に占める人件費が高いから少ないからということでどうこう申し上げているということは、究極的にはないわけでございます。要するに、それだけの人件費を払うことが財政の圧迫になっておるかどうかということの問題だと思いますので、東京都のように不交付団体で非常に財政規模の大きいところにおいて人件費がよけい出ておっても割合が低くなるということもあり得るわけでございまして、その角度から東京都の人件費がどうこうということを申し上げたことはございません。私どもが申し上げておりますのは、さっきも申し上げましたように、国家公務員に比べて一・ ○四程度ならば納得ができるということを申し上げておるわけでございまして、それを一四%も超えておるじゃないか、プラスアルファを四百億円も出しておるじゃないかと、現実の給与運営をつかまえて御意見を申し上げておるというところでございます。
○岩垂委員 ラスパイレスの問題で議論をなさってらっしゃらないから、私は言う必要がないかもしれませんけれども、四十六年はラスパイレスは都は一一九・一、それに比べて四十九年は一一八・三と、〇・八も落ち込んでいるということは御存じですね。それから、もっと率直に言わしてもらうと、革新知事以前の状態というものを数字を比べてみても、四十二年が一二六・五、四十四年が一二五・三、四十六年が一一九・一、四十八年が一一九・〇、そして四十九年が一一八・三というように、実はラスパイレスは低下しているというふうに私どもはつかまえていますけれども、これは自治省も同じ見解にお立ちになりますか。
○松浦政府委員 私どもは、東京都が特に人件費をめぐる給与行政について努力をされておって、年々ラスパイレスが下がっておるということはよく承知をいたしております。その意味で、事務当局との話をしておる際にも、努力をしておることは認める、しかしいまの結果がいいということは言えないということを申し上げておるところでございまして、先生のおっしゃるようにだんだん下がっておることは率直に私どもも認めておるところでございます。
○岩垂委員 過去に不交付団体に対して、財源対策費が交付税上幾らくらい計上されたことがあるか、それに対して許可はどのくらいになっているかということを、もし数字があれば教えていただきたい。
○松浦政府委員 四十六年に百六十五億認めたということでございますが、帰ってみませんと、ちょっと正確な数字ではございません。誤った数字を申し上げると申しわけないと思いますから……。
○岩垂委員 先ほど松浦さんおっしゃいましたけれども、四十九年の十二月の補正予算によって給与改定の財源措置が不交付団体について九百十億円計上されているわけでありますけれども、これについて、許可の状況をこの間愛知、神奈川について承りましたけれども、それを含めてちょっとお教えをいただきたいと思います。
○松浦政府委員 補正予算では、不交付団体には財源措置は一切いたしておりません。(岩垂委員「ごめんなさい。起債の問題です」と呼ぶ)はい。そこで神奈川と愛知の問題でございますが、これは給与改定を行いました補正予算、これと関連して計画の補正のようなものを皆様方にもお示しをしたところでございますが、これによりまして交付税の再算定をやったわけであります。その結果、財源超過額が著しく減少をする団体は要するに税収入がそれほど伸びないということでございます。非常に財政運営が激変をするわけです。これは先生からも御要望がございましたので、検討しますということをお答えをし、愛知と神奈川にそれぞれ百億円ずつお認めをいたしました。しかし、大阪と東京につきましては財政規模に比較をいたしまして超過額の落ち込みが計数としてほとんど取るに足らない数字でございましたので、東京と大阪にはお認めをしなかった、こういうことでございます。
○岩垂委員 ロス額といいましょうか、それは一体どのくらいが大きくてどのくらいが取るに足らないのかという線を、大体どんなふうにお引きになっていらっしゃるか、これはやはり承っておきませんと一つのめどが立たないと思うのです。その点をぜひ教えていただきたい。
○松浦政府委員 今回の具体的処理の問題でございますが、計数的に申しますと、三けたになりましたのが愛知と神奈川、二けたにしかならなかったのが東京と大阪でございます。しかも東京と大阪は財政規模が愛知、神奈川に比べればふところが深いわけでございます。したがって、そういう形で判断をいたしまして愛知、神奈川にお認めをする、大阪、東京にお認めをしないという方法をとったわけでございます。
○岩垂委員 自治省の方式というのは、四十八年度と四十九年度の再算定を比較しておられるわけですね。ところが、税の落ち込みやベアの支出はともに四十九年度が問題になるわけでありまして、当初算定と再算定で議論すべきものではないかという考え方もあるわけです。要するに財源不足というのは四十九年度の問題だから、当初見込んでいた税が落ち込んだ、つまり歳入が落ち込んだから、その上で大幅なベアがインフレーションによって進んだという状態なんですから、そういうふうに勘定すべきではないかという考え方についてはどのようにお考えでありますか。
○松浦政府委員 これは考え方の問題でございますが、これからだんだん経済の状況が安定成長という形になりますと、この計算の仕方にいろいろ問題が起こるだろうということを考えまして、しかも不交付団体というのは、ほかの団体に比べれば財源超過額だけ余裕があることは間違いがないわけです。そういう意味では余り安易な形で地方債を認めるという形はとるべきでないし、当然ベースアップ財源というのは当初予算の中で不交付団体は考えておくべきだという指導をこれまでも繰り返してきておる。したがって、前年度との対比において妥当であるという考え方を東京都についてはとったわけでございます。
○岩垂委員 東京都について申し上げますと、いろいろ事務当局で議論をなさってお話し合いを続けておられるわけですから、私からいろいろ言うことはないと思うのですけれども、しかし、やはり今日の東京都の財政の困難な状況というものは、都民にとって非常に深刻な状態をもたらしているわけであります。私は別に松浦さんが選挙で報復的手段で東京都に認めないなどということは考えておりません。そんな考え方で受けとめてはいませんが、だとすれば、今日の条件のもとで東京都の起債という問題は、基本的にこの段階で考え直していただく、そしてもう一遍この問題について検討を煩わすということを、私の立場からも要請をしたいわけであります。どういう条件が整備されるならば道筋が生きるのかということについては、やはり一定の見解を、これはそれが同意できるかどうかは別として、示すべきではないだろうか、このように思いますけれども、見解をこの際承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 現在の地方債の許可制度というのは各地方公共団体について公平に行う、これはもう当然のことだと思います。したがって、東京都だけに起債を認めるというようなことが考えられるのは、法律の上からはたてまえは準用再建団体になっていただく場合以外はないと思います。ただそこで、どうしても準用再建団体にはなりたくない、みずからの力で解決をしたい、そのためには地方債を活用して、むやみやたらなことはしないけれども一時赤字を消すための対策として認めてほしいという御要求が出てくるのはあろうかと思います。それであれば、少なくとも基本的にことし認めた地方債が来年認められるということはないわけでございますから、それだけ地方債を発行したものに見合う規模をどこかで詰めるという計画をお立ていただかないと、来年以降もまたその起債を認めなければ東京都は回らないようになります。そのことは事務当局にもよく申し上げてあるわけです。要するに合理化計画——合理化計画という言葉がいけなければ、財政の立て直しの計画というものをおつくりになって、こういうふうにいたします、だから、一、二年の間こういう形になりますから地方債でバランスをとらしてくれ、こういうお話があってしかるべきではなかろうかというのが私どもの気持ちでございます。言いかえますならば、こんなことは一体国会にも諮らずにできるのかということになりますが、準用再建団体ならばこれは法律にのっとってできるので、その一歩手前の運用再建というものが一体できるのかできないのか、そのこともあわせて私どもは検討し、東京都にそういった努力をするという気構えがございますればじっくりお話し合いをし、また皆様各委員の御了解もいただいた上でないと、これは運用の問題でございますから、なかなかむずかしいと思いますが、努力をしてみたい。このことは事務的にはよく東京都の方に伝えてございます。
○岩垂委員 東京都が都の職員組合との間に多くの摩擦を起こしながらも、現実になおかつ再建への努力を続けているということは——私が言うのも変な話なんですけれども、続けている事実は、何人も否定し得ないと思うのであります。それらの事実を踏まえた上で、自治省当局がこれらの東京都の努力というものを多としながら、せっかく起債というものが持っている、私がなぜ先ほど迂遠に許可制度をぼつぼつというふうに言ったかという意味も、これだけの矛盾が今日起こっている、法律の解釈をめぐってもこれだけのずれが起こっている状態について、一度制度の問題を見直すべき時期が来ておる。そのような見直しをしなければならぬという条件のもとで、なおかつ東京の問題についてそれほどシビアな条件を押しつけているということは、どうも私は少し自治省の統制が強過ぎるのではないだろうかというふうに考えざるを得ないわけであります。東京都が重ねている努力というものについて松浦さんはどのようにお考えになっていらっしゃるか、これは最後の質問でありますが、承っておきたいと思います。
○松浦政府委員 四十九年度の地方債の申請は都と区と合わせて約八百億でございます。努力をしておることは私どももよくわかりますが、あくまで財政でございますから、先ほど申し上げましたように、努力したけれども五十億しか歳出は節約にならなかった、それで起債八百億と言われてもバランスがまるっきりとれません。仮に東京都に八百億起債を五十年に認めたとして、それで何とか財政がやれたといたしますれば、来年一体どうなるのでございましょうか。また同じように認めなければだめだということになると私は思うのです。その辺のところをお考えいただいて、ことし仮に起債を認めれば五十一年度以降は通常並みの起債しか認めないでもちゃんと財政が回っていくという環境ができませんと、東京都だけに毎年八百億ずつ、ほかの団体に配る以上に地方債を認めるというようなことはとても考えられない、私はこう思っております。
○岩垂委員 この問題はこれ以上私が立ち入ってみても、要するに政治論議では片づく問題ではございません。しかし、にもかかわらず各地方自治体がみんな努力をしている経過というものを考えてもらわないと、そこに住んでいる住民にとってはやはり重大な問題をもたらしかねない条件があると思うのであります。特に私が言いたいのは、賃下げや首切りや合理化と言われている中に含まれている暗いイメージというものを考えざるを得ません。そういう事態というものは、そこに働いている労働者の立場から見ても容認し得ないところであります。そういう点から見ても、これらの自主的な東京都の努力というものに対して自治省がもっと親切な見方をすることはできないのかどうかということについても、これは意見を述べておきたいと思うのであります。まあこれ以上これに立ち入って質問するつもりはございませんけれども、そのように考えます。 最後にもう一つ、大変細かい問題で恐縮ですが、実は細かくはないのですけれども、委員会で御視察をいただいた例の川崎の直下型地震の問題です。 防災遮断帯の問題を、もう皆さんこの委員会で御議論をいただいて御理解を願っているわけですが、概算で九千億という金額に上るというふうにとりあえずの計画が出ているわけであります。これは実は地方自治体でめんどうを見るわけにはいかない。そんな金があるわけがないのでありますが、最近ふえている地震の状況、あるいは大分地震というような状況のもとで早急な手だてというものが求められているわけであります。これは委員各位が御理解をいただいているわけでありますが、これは実は地方自治体がすぐ防災遮断帯を自分の銭でつくれなんて言ったってむちゃな話であります。聞くところによるとコンビナート防災法が緑地帯の建設費ということで国と地方団体と企業で三分の一、三分の一、三分の一というふうな案があるようでありますけれども、このケースと私は今度の場合違うと思うのであります。これらについて、特交でというふうに議論を申し上げていいのかどうかは別として、やはり自治省なり国が財政的な措置をとることを私はお願いしたいと思うのでありますけれども、何かいい知恵がないか、あるいはどういう道筋があるのかということをお教えいただきたい、こう思うのであります。
○松浦政府委員 コンビナート法と根本的に違うと言われることがちょっと……。
○岩垂委員 いや、根本的にはとは言いませんけれども、いま緊急を要する課題ということと直下型地震という条件があるものですから、いわゆる緑地保全ということとは少し違うのではないかということです。
○松浦政府委員 まことにむずかしいお尋ねでございますが、私、川崎でどういう計画があるかということもお聞きしておりませんし、具体的なケースとして、ケース・バイ・ケースで、川崎市の方にいろいろの問題があれば、どっちみち私の方に御相談があると思います。川崎の財政がそれをもって回らなくなるというようなことのないように、一般論として努力をするという答えを申し上げて、御容赦をいただきたいと思います。
○岩垂委員 念のために申し上げますと、九千億というのは何も川崎の計画じゃなくて建設省の計画だということが一つと、それが緊急に必要だという条件が迫っているということが二つと、それからその問題についてはもちろんおっしゃるとおりに具体的なケースとして相談をしなければならぬと思いますが、それについて、ぜひひとつ相談を細かくしていただきたい、このことをお願いを申し上げて、以上で終わります。
○大西委員長 山本弥之助君。
○山本(弥)委員 すでに他の委員からいろいろ御質問があった問題ですが、一応確認の意味で、要点だけお聞きしておきたいと思います。 いよいよ四十九年度における国税の減収が三月末で明らかになって、新聞にも発表になっておるわけでありますが、八千億ということになり、このことによる交付税へのはね返りの問題については五十一年度の問題でありますので、当面、来年の問題あるいは本年度の問題には関係がないということが言えるのでありますが、ただ所得税の減税ということは、五十年度におけるいわゆる個人住民税の減収に結びつくのではなかろうかという懸念がございますし、また五十年度におきまして八千億の処理について、特例措置でその半分ぐらいは四十九年度の国庫の歳入として見込んでおりますので、それの影響が五十年度にあらわれてくるということだと思うのであります。これはいろいろな意味で地方財政にも影響のあることは当然なわけでありまして、先ほど御答弁があったと思いますが、四十九年も、財政局長は、地方公共団体としては非常に楽な経理のできる財政計画であるというふうなお話もあり、またそういうことが推定できるような財政計画の措置がなされておるわけです。五十年度におきましても、財政計画は、ベースアップは九%の財源を見込んでおる、また土地の先行取得も一般財源からこれを購入するというようなことで、まあある程度まで楽な経理が各自治体もできるというふうなことが推定されるような財政計画に相なっておると私ども思うわけであります。ところが、そういうふうにある程度まで本年度の税源を先取りするというような措置、このことは景気の浮揚がどうなるかという先の見通しも相当困難な予測ではなかろうか、こう私は思うのでありますが、四十九年度に——これもまだもう少したたなければというようなお話があったやに思いますが、もう一回、四十九年度、各自治体がどういった決算ができるかどうかという見込み、それと五十年度のこういった要素を踏まえまして、財政計画との関連において地方公共団体、これはまあ多様であるわけでありますが、府県、市町村がどういう影響を受けるであろうかということについて、重複いたしますけれども、お聞かせ願いたいと思います。
○松浦政府委員 四十九年度の決算でございますが、都道府県での赤字は私どもまだはっきりわからないのでございますが、五、六団体ではなかろうか。非常に赤字の団体が多いと思っておりましたが、決算上は黒字になっております。 ただ、ここで問題なのは、四十九年度で四十八年度から持っておりました繰越金とそれから積立金を吐き出しての結果でございますから、実質的な単年度の収支は相当赤字になっておろうかと思います。いずれにしても、最終の収支じりは私どもが思ったよりはよかった。市町村の赤字も、現在の段階では余り明確に申し上げかねますが、去年が、四十八年が百二十前後であったかと思います。まあ二百前後ぐらいでとまるのではなかろうか。同じことは、積立金を取り崩し、繰越金を使って、単年度の赤字は実際には出ておるだろう、こういうふうに見ております。 五十年度の見通しでございますが、国税三税を基礎にいたしまして交付税を計上いたしておりますが、これは先生おっしゃられたように四千億、実質的に、例年でございますれば本年度分を四十九年度分に繰り上げております。そのうち二千数百億、三税が入ってまいります。その分だけは今後の状況によってはさらに追い打ちの影響が出てくるわけであります。ですから、結果的に交付税が、補正のときに国税三税を正しいものに置き直して補正したとすると、交付税が減額されるという可能性も出てまいります。この点については、先ほども岩垂先生にもお答えを申し上げましたように、私どもとしては、現在決定してある交付税は絶対に地方公共団体に現実に配らなければいけないと考えておりますので、もし穴があけば借り入れの方法等、何らかの手段によって、大蔵省との関係だけにとどめて、地方団体には影響を及ぼさないという方向で努力をいたすつもりでございます。 さらにもう一つ大きな問題は、地方税の問題があろうかと思います。これは御承知のように、四十九年度を基礎にしております住民税でございますから、その見通しが確かであれば余り大きな影響は受けないと思います。市町村の固定資産税、その他国の税金とリンクをしておらないものもございます。そういう観点からはさほど大きな心配はいたしておりませんが、法人がなおなお落ち込むというようなことになりますと、法人住民税、事業税等に非常に大きな影響が出てまいります。その辺のことは現在の段階では判断をしかねますけれども、現在の地方財政計画に計上してある地方税までの収入が地方公共団体にないということになりますれば、当然財政計画上歳入に穴があくわけでございますので、交付税の借り入れをするなりあるいは一般的な問題として先ほどお答えを申し上げましたように、地方税を増発するなり、これは国のやり方との関連も出てまいります。いずれにいたしましても、補正要因を除きまして、現在の地方財政計画の歳入というものは地方団体の手に確実に入るというための方策をとる必要があるというふうに考えております。
○山本(弥)委員 そういたしますと、五十年度の地方財政計画に計上してある地方税の歳入欠陥ということは余りないだろうというふうに言えるわけですか。
○松浦政府委員 私が申し上げましたのは、国の場合に比べまして、住民税は四十九年度を基礎にいたしております。したがって四十九年度はおよそ見込みがついておりますので、余り大きな変更がないだろう、さらには税の大宗をなす市町村で固定資産税というのは、これは景気に全然関係ないわけであります。そういった要素があるから、国ほど影響を受けることはなかろうということを申し上げておるわけでございまして、現在の段階でそう心配がないなどということを申し上げるのは、まことにおこがましいことであろうかと思います。私ども、景気によってどうなるか、その行方を見定めながら、少なくとも税金が仮に穴があいた場合でも、それを穴埋めするような歳入の方策は講ずるように努力をしていきたいということを申し上げてお許しをいただきたいと思います。
○山本(弥)委員 自治省ではいつも地方財政計画をにらみながら予算編成期にはいろいろ御指導をなさっておられるようでありますが、私どもの県の例をとりますと、知事選挙がありましたので、県の予算は骨格予算を計上したので、六月補正によりましてどういう予算を組むかということが大体見当つくわけであります。新聞で報道いたしますところによりますと、市町村が、ちょうど財政計画の伸びと同じような二四・何%という伸びの予算を編成されたということが地元の新聞に報道されておるわけであります。いろいろ予算編成期におきましての指導から言いますと、五十年度の予算というものは財政計画では二四・一%でございましたか、それに対して前年度に比較いたしまして基本的にどのくらいの予算を編成するのが妥当である、その点についてどういう御指導をなさったのか、あるいはなさらなければそれで結構ですけれども。
○松浦政府委員 伸びといいましても、前年度が非常にふくらんでおるか、ふくらんでおらないかということによって非常に影響が違うと思いますので、規模をどの程度伸ばせというような指導は、私どもとしては自信がございませんのでいたしておりません。ただ財政計画上に合った形で四十九年度を運用しておれば、一般、平均的な団体では財政計画程度の伸びは見込んでも歳入はあるはずだという説明はしておるということでございます。あとは、具体的には交付税がどの程度行くかということの見通しについては、地方団体ではなかなかわからないわけでございますので、特殊な事情がない限り需要の伸びは大体この程度まで見込んでもいい、収入についてはこの程度の増収は見込んでおけ、こういう程度の指導をいたしておるところでございます。
○山本(弥)委員 これは私内簡を見ておりませんが、日本経済新聞に出ておりますところを見ますと、これは推定記事だと思うのでありますが、「地方財政危機に直面している各地方公共団体に対し「五十年度の歳出規模を対前年度比二〇%増以内に抑え込むべきである」との考え方を基本に指導していく方針である。」というふうな記事が出ておりますが、そうすると、これは間違いであるわけですね。
○松浦政府委員 表向きにそういうことを申し上げているわけではないのでございますが、先ほど申し上げましたように、四十九年度の最終規模というのは大体決算の方が多いわけでございますから、規模がふくらんでおります。それとの見合いを考えると、二〇%前後の伸びでないと、特殊な収入がないとなかなかやりにくいぞということを、財政課長あたりが、事務的な相談に来たところには御説明を申し上げているそうでございます。
○山本(弥)委員 このことはどちらでもいいと私は思うのでありますが、五十年度の予算編成——経済見通しその他もわからないわけでありますから、指導の方も非常にむずかしいとは思うのでありますけれども、とにかく財政計画では二四%をちょっと超す、一%か二%という一応の伸びということになっているわけであります。個々の指導におきまして二〇%以内に抑えろという指導、これはもとより人件費も抑え込めということも含めてだと思うのであります。そうなりますと、五十年度の予算というものは、府県、市町村を通じまして、各地方公共団体の当面している財政運営というものはきわめて厳しいものであるということを御指導になったのだと思うのでありますが、そのことを、私ども御指導の点にとやかく言うわけではないのですが、ただそう財政計画にあらわれておる面からのみではなくて、実際の過去の決算を通じまして、地方公共団体が五十年度の運営というものはやはり楽観を許さないきわめて厳しいものであるということを、自治省の課長さんが指導されたとなれば、私はそういうものであったということを十分自治省でも認識されておるものだ、こう思います。そこで、ただいまの答弁で、一応の五十年度の財政運営につきまして私安心したわけでありますが、繰り返し御答弁なさっておるように、国の補正予算の際にもし三税の減額補正ということが行われるならば、それだけ交付税にも影響を与える。しかし財政計画に考えられておる収入といいますか、歳入につきましては、交付税の確保、計上されておる額の確保あるいは多少地方税の落ち込みに対しましては、それをも含めまして何らかの財政措置を考えるという言明をされたわけでありますが、これは繰り返しいままでも聞いておることで、私ども、地方公共団体としてはそれなりにそれぞれの団体が責任を持って財政運営をやる上において、そういった国との関連において出てまいりました財政計画の見込み違いというものに対しましては、何らかの方法でこれの補てんをするということでありますので、これはぜひそういうことで折衝していただきたい。それは五十年度予算の運営がきわめてむずかしい情勢にあるという認識に立たざるを得ないのじゃないか、私こう思いますので、その配慮は十分願いたいと考えておるわけであります。 そこで五十年度も含めまして、当分いまの経済の見通しというものがいわば低速経済に切りかわっていくのだという一つの転機であることについては、これはもうだれも認めておるところであるわけでありますから、これに立って地方財政の運営をしなければならぬことは私は当然であろうかと思うのであります。また地方自治体もそれなりにこのことを考えておると思うのであります。その努力といたしましては、私当面考えられますことはこれは自治省が統一地方選挙を通じまして自民党と一緒になってということは言い過ぎかもわかりませんが、自民党がパンフレットまで出しまして人件費攻撃といいますか、を執拗に続けておられたわけであります。私どもの県でも、途中からそういうことは余り言わなくなったというのは、東北はこの点は自粛しておるから話題にならぬし、そういうパンフレットを配ってもだれも相手にしないということがあったかもわかりませんけれども、確かに今後の地方自治体のあり方といいますか、三木総理の言ったことが間違いないといたしまするならば、福祉に重点を置くとなれば、当然地方自治体としてもそれにこたえていくというか本来の使命に邁進しなければならないという体制になるわけであります。そうなりますと、当然人的サービスといいますか、そういった人を通じてのサービスが強化されることは当然でありますので、この人件費の問題に十分関心を払わざるを得ないということは私もよくわかるわけであります。そこで、この人件費の問題に関連いたしまして、歳出で大きな問題として各自治体で問題にしましたのが、超過負担とかあるいは機関委任事務についての不十分な財源措置ということになるわけでありますが、この二つが当面、五十年度以降解決をしなければならない大きな問題である、こう私は考えております。 そこで人件費の問題につきまして、公務員部長に来ていただいておるのですが、私はこの際議論をしようと思いませんけれども、いろいろ皆様方の書いたものを読ませていただいたわけでありますが、その中で、元の次官の柴田さんが、人件費の増ということについては十分対処しなければならぬということと同時に、国家公務員との関連においてこだわることは、これはどうかということも書いておられるわけですが、私どもの乏しい経験というか未熟な経験から言いましても、きわめて良心的な知事あるいは市町村長が私は大部分だと思います。それはいたずらに選挙目的だとか、あるいは職員をおだてるとか、あるいは迎合するとかというようなことではなくて、本当に自治行政を強化するということについての努力を払っておると思います。そのためには、柴田さんも言っているように、国家公務員と同じであるということが、人員構成から言ってもあるいはその他のいろいろな要素から言いましても、私は必ずしも妥当な議論ではないというふうな考えを持っております。 そこで、端的にお聞きしますけれども、公務員部長、国家公務員と同じということになりますと、何も人事委員会だとかあるいは地方団体が自主的に給与体系を決めるということは必要ないのですね。そういうことにすれば簡単にできるわけですね。だから、今後国家公務員と同額ということを指導されるのかどうか、あるいは端的にお聞きしますと、どの程度の——ラスパイレスというのは、私はもう時間が余りありませんので、そこまで論議することは細谷先生にお譲りしたいと思うのですけれども、いろいろな欠点のあることは事実なんですね。それは自治省でも認めておるわけで、必ずしも正確なものではない。しかも国の平均年齢と一緒にしてやるというようなところも現実とちょっと違う。将来の財政負担になることはあり得ても、それはある程度まで地方自治体が国みたいに定着していないということも考えられますし、多くの職員、ことに清掃だとかあるいは屎尿とかというような労務者は移動が激しいのですね。そういったことと関連いたしますと、いまの給与体系からいきまして、現実はそう国と開きはない。ただ、平均年齢の関係その他をラスパイレスで国並みにすることによりまして、一割高くなるということになるわけでありますけれども、現実の給与体系そのものはそう開きはない、私はこう思うのであります。それも今後の職員構成によりましてどうなるかということには問題があろうかと思うのです。 そこで、どう指導されるのか、どの程度までは、仮にラスパイレスの比較をとってみて完全に国並みの体系にせいということなのか、あるいはどのくらいの範囲がいいのか、あるいは実質的に将来の地方公共団体のお金、税収はいままでの伸びはない、福祉行政によって人は食わしていかなければならぬという体制を踏まえて、責任がある運営について気をつけなければいかぬということにとどめるのか、その辺の指導につきましてお聞きしたい。先ほど岩垂さんも言われたのでありますが、人事委員会の事務局長まで集めていろいろ指導された。内容はよくわかりませんけれども、人事委員会の機能を骨抜きにするのか、あるいはどういう指導をなすったのか、その辺のこともお聞きしたいのですが、いま申し上げたそういった基本的な問題についてお聞かせ願いたい。 それから財政局長には、国並みに給与体系をすっかり右へならえしてやるということでなければ、他に財政的な措置、いろいろ新聞にも、自民党の出されたパンフレットにもありますけれども、交付税だとか地方債だとか、そういったいわゆる泣きどころを押さえて人件費を抑え込む措置をとるというような、かたい決意でもって臨んでおられるのかということをお聞かせ願いたいと思います。
○植弘政府委員 非常に多岐にわたっての御質問でございますから、場合によっては落ちるところがあるかもしれませんけれども、お許しいただきたいのですけれども。 まず、基本的に私どもが地方公務員の給与水準、これについてどう考えるかということが基本問題であろうかと思います。そこでラスパイレス指数というのを比較に持ち出しているのですが、地方公務員の給与がどの程度の水準にあるべきかという点は、先生に申し上げるまでもなく、非常にむずかしい問題だと思います。給与決定要件といいますか、要素といいますか、これは労働条件の決定の中でもむずかしいのですから、特に現在のような公務に従事するわれわれ公務員の給与をどう決めるかということは大変むずかしいことで、いまさらここで申し上げるまでもないと思います。 そこで、国家公務員につきまして人事院が官民較差の実態調査をやりまして、追随主義をとっているわけでありますが、その意味では地方公務員の給与の水準というのは同じく税金を原資としておりまして、従事している業務が公務の提供という、公務サービスといった非常に酷似して同一性が強い国家公務員の給与水準をまず考えて、これに均衡をとるべきであろうというのが大前提なわけでございます。もちろん地方公務員法二十四条の第三項には、単に国家公務員のみならず、他の地方公共団体なり民間企業なり、そういったものの実態を考慮しなさいという訓示規定がございます。しかしその前段に生計費の問題がありますが、国家公務員の給与水準の中には、当然に民間における給与の実態なりあるいはまた生計費の実態なりというものが加味され、含まれて毎年人事院が勧告しておるわけでありますから、少なくとも国家公務員の給与水準に準ずる形をとることによって、二十四条三項が意図しておりますところの地方公務員の給与決定原則の趣旨は十分生かされるであろうということから、ずっと国家公務員に準じなさいということできたわけであります。 その場合に、では準ずるには一体いまの水準はどうかということになりますと、現在の統計学的な処理からいきますと、やはりラスパイレスが最も実態をあらわすものだと言われております。もちろんいま先生おっしゃりたかったのは、給与というのは単価掛けの定員といいますか人員でございますから、単価が低ければ、人数が多くてもそう大したことはないではないかといったようなことになるのかもしれません。それから単価にいたしましても平均年齢、年齢の要素がありますから、平均年齢が低ければ全体の給与費は上がらぬではないか、こういったようなこともあると思いますが、やはり何かを基準にして物を考えることになりますと、できるだけ同じような条件のもとに存在するということを前提にしないことには比較にならないわけであります。したがって、年齢が三歳も五歳も違う平均年齢の場合に、それによって平均給与が幾ら違うと言いましたところで、これは意味がない。やはり同じような経験年数のもとに、同じ学歴を卒業した者が一体どのような給与を受けているのかということを比較する、これが統計のABCといいますか、出発点であろうと思います。そういう意味からいたしますと、ラスパイレス方式で、まさに同じような学歴で同じような経験年数の場合にはどのような状態で給与水準が分布されているかということを見るわけでございます。もちろん人事院が給与勧告をいたします場合も、民間給与との比較はラスパイレス方式を使っておるわけであります。そういうことからラスパイレスを使っておりますが、いま先生御指摘のように、私どもも発表の当時から申し上げておりますように、一〇〇%だと申しておりません。しかしながら大量的な立場で見ますときには、現在では最も精度が高いということは多くの人が認めているところだと思います。その点については先生方もお認めいただいたと思います。もちろん一〇〇%でないという点は私どもも認めております。そういうようなことでございますから、私どもとしてはあくまで国家公務員の給与水準に準じていただきたいということが一つであります。 それからもう一つは、地方自治の原則といいますか、立場から、やはり地方団体みずからの立場で決定すべきである。そうなると一体何かといいますと、これも釈迦に説法で恐縮ですけれども、地方自治を考えます場合には、住民自治と団体自治がございます。といたしますと団体、その団体の中における民間企業との関係はどうかというのは非常に大きな要素であると思います。そういう意味からいきますと、先生おっしゃいますように、地方によっての差は当然出てくるだろうと思います。だれが考えても、東京都や大阪市というものと過疎地帯における町村とが一緒の水準ということは、常識的にも考えられないと思います。そこにはおのずから差があるということは私どもも承知いたしております。しかし百分の百といいますか、国家公務員とのラスパイレス一〇〇に近づける努力というのがまず先であろうと思います。 そこで、この前の人事委員会の事務局長会議にも私どもはそういった各県別の民間の資料、すなわち労働省の民間事業の給与水準といいますか、給与実態の調査資料も出しました。 そこで、もう一つ申し上げますと、人事委員会の事務局長会議をやっていろいろ指導した点はどうかという点がございましたが、私どもも、人事委員会に対しても自治省設置法なり地方公務員法に基づきまして技術的な指導、援助、監督というものは、当然やらなければならない責務だと思いますが、しかしながら、人事委員会と申しますのは、これもまた言わずもがなでございますが、いわゆる知事部局なり市町村長部局と違いまして、第三者機関的な要素を持っております。したがいまして、その場合における指導というのは、一般の知事部局なり市町村長部局の職員に対する指導とは、おのずから差があってしかるべきであろうということでございますので、私どもは、人事委員会に対しましてはいろいろな資料を提供しながら、人事委員会独自で判断していただきたいということを言っただけでございます。個別的に各人事委員会はこうすべきであるというところまでは言っておりません。ただ、その場合に人事委員会の機能を弱めたのではないかとおっしゃいましたが、実は逆でございまして、私どもは、人事委員会が本来あるべき機能を全うしたならば、不合理に不適性に上がっている給与がある程度ストップされたのではないかということを申し上げたわけでございます。と申しますのは、人事委員会の勧告に当たっても、民間との関係をいろいろ考えた場合にはそれほどの差が出てこない、それからまたもう一つは、給与の運営が適正であるかどうかという点につきましても、人事委員会には監理機能というのがございますが、こういう機能もやりますと相当程度適正な運用ができたのではないだろうかという感じがするから、そこらのところにおいては十分目を見開いていただきたい、そして人事委員会がその信ずるところによって適切な措置をされるならば、地方公務員における給与管理というものはもっと適正さを保持できるのではないだろうかということで要請したわけであります。それで、オープンの会議でございましたから新聞社等入っておりましたが、おおむねの新聞記者が、異例とは言っておりましたけれども、要請という言葉を使っております。私どもは、何もしかったり、こうしろと言ったつもりはございません。やはりあるべき姿において人事委員会の機能が十分に発揮されるようにお願いしますということを申し上げたわけでございます。 それからもう一つは、現在の給与水準が高くなった原因には、先ほど制度論が出ましたが、制度は国家公務員とほとんど同じでございまして、いわば運用において適正でない面が多いわけであります。したがいまして、その意味では制度は制度としてある程度いまのままでいいと思いますが、運用の面においては、不適正なものをこの際是正していただきたいということがまず第一の願いであります。 それこれ考えまして、私どもといたしましては、国家公務員の給与水準に準ずることが地方公務員の給与としては最も大事であるという点の指導方針は変わりません。しかし、だからといってすべてが一〇〇でなければならないとは考えておりません。一〇〇に近づける努力はすべきである。したがって、その意味では一〇〇より若干出るところもあってもよろしいし、ということは、逆に言うと一〇〇より低いところがあってもこれは常識ではないだろうか。しかし、それじゃAの県は一 ○三にしろ、Bの県は一〇〇でなければならぬとかCの県は九〇でなければならぬとか、そういったような個別的にやるつもりはございません。それはそれぞれの団体が民間の事情等も考えながら、国家公務員の水準と合わしてどうあるべきかということを真剣に考えていただきたい、そういう意味では地方議会でも十分自分の地方団体の状況はどうであるかを認識していただいて御審議を賜りたい、このようにお願いしているところであります。
○松浦政府委員 ただいま人件費についてのお尋ねでございますが、御承知のように、人件費につきましては、国家公務員の給与水準に基づいて地方公共団体の単価を算定し、それを使って財政計画を組んでおるところでございます。したがって、私どもといたしましては財政計画上これ以上のものは組めない。そうなりますと、財政計画を超えてよけい人件費を出しておりますと、これは必ず財政上の影響が出てくる、そういう観点から私どもは人件費というものについて真剣に検討すべきだということを地方団体に申し上げておるわけでございます。いずれにいたしましても、先生御指摘いただきましたように、特別交付税だとかあるいは地方債だとかいうようなことでいろいろ締めつけながら人件費を直させよう、そういうことは全然考えておらないわけでございます。ただ、人件費が多額に支出されておられるがために財源が足りないから何とか財源をくれと言われても、私どもとしては措置する方法がないぞということを申し上げておるところでございます。現実の問題としては、特別交付税におけるプラスアルファの問題、それから起債につきましては、赤字が大きくなりました場合に、制限というのは別の角度から法律的な規定があるわけでございます。これ以外につきましては、特別交付税あるいは地方債をもって人件費問題に結びつけてとやこうの指導をするという考え方は持ち合わせておりません。
○山本(弥)委員 まず、財政局長の地方債なり交付税あるいは特交等を通じてのいわゆるラスパイレス指数を一〇〇に近づけるというような、そういう財政措置による締めつけということはしないということで、私どもは安心いたしました。 なお、公務員部長さんにいろいろ公務員部長の立場としてのお話承ったわけでありますが、私、机上で考えればそうだと思います。しかし、現実に生きた地方公共団体を運営しているわけですから、それが本当に人件費というものの重要性、ことに末端市町村におきましては人的サービスというのは今後強化されるわけですね、そして人がふえるということに対処してどう地方自治体のあり方を考えていくかということを真剣に取っ組まなければならないのが、府県も同様でありますが、ことに末端市町村はそうなんですね。ただ机の上でお考えになるようなことだけでは、そういった実情は本当に妥当しておるかどうかということを十分把握できないのではないかというふうに私ども考えます。私どももかつて首長時代に、渡りもいたしましたし、あるいは足を長くしたり操作もいたしました。それはそのときの人的構成あるいは超過勤務といいますか、超過勤務の場合はそれが多くなればなるほどあるいは増員しなければならぬということになりますけれども、配置転換によりまして短期間の問題を解決するようなわけにはいかぬ、増員することによりまして年間を通じての人員配置を考えなければならぬという問題もありましょうし、それから超勤というのは、これは折小野さんが指摘されたと思いますけれども、課長の場合と係長の場合と、あるいは本当に末端で働く人の場合とは、同じ超勤でもその性質上手取りの額が違うのですね、同じ仕事をいたしましても。これは超勤の性格上から言ってそれを変えるわけにはいかぬですね。そういった場合に何が一番合理的であり、一つは超過勤務を強いないで、そして人事管理をどう適切に行うか。財政負担もより以上オーバーしないという場合には、超勤を切る場合もありますし、渡し切りの超勤にする場合もあります。それらを考えますと、現実の仕事の性質上、国家公務員よりも当然一号、二号アップすべきではないかということも首長なりあるいは管理職の立場から出てくるのですね。したがって、ラスパイレス、ラスパイレスということにこだわり過ぎますと、本当の生きた行政は私はできないと思うのです。理論的にはいろんな話し合い、何が適切な議論であるかということは詰めることはできると思いますけれども、現実の運営からいきますと、そういった、それこそプラスアルファの要因を考えませんと、生きた人間を本当にフルに能力を発揮させるということはむずかしいのです。それは組織が大きくなればなるほどあるいは組織で動かすことは可能でありますけれども、ある程度過渡期のときだとかあるいは職員の数が少ないという場合には、そう画一的にはできないと私は考えるわけですから、いろいろ長広舌を承るべきでありますけれども、私どもも言うべきことは言わなければいかぬのですけれども、そういった実態をよく認識を願いたい。 承るところによりますと、今回何か九人か七人自治省で増員になったのを地方の指導監督といいますか、それに回す班を三班ほどおつくりになる。もう地方自治体の置かれている問題は人件費のウエート、先ほど私冒頭に、解決する問題は人件費の問題と超過負担の問題をまず今後の経済見通しのときにはやらなければいかぬということを申し上げたように、人件費の問題は真剣に取り組まなければなりませんが、ばかの一つ覚えみたいにラスパイレスで、三班の人が中部、東部、西部で、そのことばかりに重点を置いて回りますと、本当の生きた末端の行政というのはつかめないと思うのですね。そして職員がみんな萎縮しまして、それでなくとも正直に言って、地方公務員を含めまして公務員のお役所仕事という非難は、必ずしもいま払拭されたとは言えない状態であろうかと思います。そういうときに、とにかく朝出て五時まで仕事をして帰ればいいじゃないかという気分を醸成しますと、それこそ行政そのものは全く惰性の行政になる。このことを十分把握されまして、そういった生きたところをつかむような監察を願いたい。そしてラスパイレスより一割前後、もう下げるのは困りますけれども、上になってもやむを得ぬのだということはよく見ていただかなければいかぬと思う。五割も高い、一五〇ぐらいになっているということは、それはちょっとおかしいなという感じが私どもしますけれども、皆さんの宣伝しているのは例外の例外を取り上げている。私は予算委員会で大臣から答弁を受けたのですが、どこかの市で退職金四千万もらったというようなことになれば、それに応酬するようなことも、こういう例があるじゃないかというようなことを、書いたものもありますけれども、言いたいわけです。だからそういうことはもっと大局から、むだのない行政、現に私の隣県の原子力船の母港の陸奥湾ですが、いかに国がむだな金を使っておるか、人件費のむだ遣いより以上のむだな金を使っておるということの大きなあれなんですね。問題は、国も地方もそういうところを握って総合的に行政をやりませんと、むだをなくするということに重点を置かないで、ラスパイレス、ラスパイレスというようなことでは、本当の今後の重要な段階、歳入は減る、歳出はいろいろふえてくるというときに対処するためには、それだけの覚悟が要りますね。民間と役所の違うところはそこかもわかりません。民間は社会的責任なんかを考えないで、どんどん首切ればいいという考え方につながるわけですね。しかし公共団体はそうはいきませんわね。住民相手に仕事をしなければいかぬ。しかし民間の考えもいいところは取り入れなければいけない。 私は、新聞で松戸市は非常によくいっているということを宣伝されましたから、恐らくラスパイレスも低いのではないかと思って見ましたら、やはり一三〇幾つですね。それはそういうことと関連しているのですね。それはいかに能率よくやるかということと、それに関連して人件費をどう考えるか。恐らくこれも、将来もっと積極的に仕事をやる段階におきましては、私は大きな問題になろうかと思いますけれども、しかし当面、そういった努力を買っていかなければならぬのじゃないか、こう思うのですが、要はむだをなくする行政ということに重点を置いて、人件費が元凶だ、人件費さえ解決つけばほかの問題はもう全く自然に解決がつくような議論は今後避けるべきではないかというふうに考えます。 これは大臣からどうです、私がいまくどくいろいろな例を入れて申し上げたのですが、議論になったかどうかわかりませんが、そういった生きた行政について大臣は御賛成になりませんか。
○福田(一)国務大臣 私はこの委員会でもしばしば申し上げております。いつでもそういうように申し上げておるのですが、人件費の問題というのは一つの問題である、これが全部ではございません。たとえば超過負担の問題も、これはわれわれは積極的に解消する努力をしなければいかぬということは、私は、自治大臣就任のときからの考え方でございまして、決して人件費オンリーで政治をやろうなどと考えておるわけではない。しかし今日の場合においてこれは無視するわけにはいかない、これも一つの大きなテーマとして考えなければいかぬという意味で、人件費の問題に触れていきたい、こう考えます。
○植弘政府委員 ラスパイレスが非常に悪事のごとく大分非難されましたが、ちょっとラスパイレスのために弁解しなければなりませんが、いま山本委員のおっしゃいましたように、ある程度地方団体の実情によって考えるべきであるという点については、私も、程度の問題は別として理解をいたしております。しかし、先生にちょっと御理解いただきたいのは、一、二号が高くてもどうだという御議論がございましたけれども、仮に二号高いとすればラスパイレスでは五から六の間なんです。そうすると平均で一〇以上ということになりますと、先生の引例されました一、二号がどうだということのいわば常識の線をはるかに超えたということになるわけであります。そこらのところに問題があるわけでございまして、ラスパイレス、若干の欠点はあるといたしましても、やはりラスパイレスを一つの基準にしてお考えいただかないと困るのじゃないだろうか。まあ全体的な先生のおっしゃる気持ちは、私ども勝手で失礼ですけれども、市にもおったこともございますし、よくわかっておるつもりでありますが、だから先生のおっしゃることが無理だとは私は決して思っておるのではございません。ただしかし、ラスパイレスをもってある程度、給与水準がどの程度かということをそれぞれの地方団体ごとにやはり検討していただく資料として、十分価値があるのじゃないかという点だけをひとつ弁解させていただきたいと思います。
○松浦政府委員 財務調査官の御指摘だったと思いますが、せっかく私ども善意で、地方団体のためによかれと思って制度化をしようと思っておりますので、制度のために一言弁明をさせていただきますが、これはいまの指導課長をキャップにいたしまして、新たに財務調査官二人を置きたい、そして三方面にそれぞれ受け持ちを持たせたい。これは給与の問題を下げろとかどうとかいう問題は本来公務員部の問題で、私どもは財政運営がきちんといっているかどうか、その中でもちろん人件費が少し多過ぎるのじゃないかという議論も起こるかと思いますが、基礎は、いまのような状況では、たとえば地方債課なり財政課なりが、地方債なり特別交付税なりの配分について団体の事情というものを十分考慮し切れないうらみがあるわけでございます。そこで財政局の中にそういう班をつくりまして、そこで個々の団体からの御相談やら御要望やらを全部範囲をつぼめて丁寧に把握しておく、その把握したもので、こういう団体にはこの地方債は認めるべきだということをその担当者が発言をすれば地方債課長はそれに従え、それから、たとえば岩手県で非常に雪が降って雪がどうだということであれば、その事情を聞いているわけですから、調査官から財政課長の方に、岩手県の雪はことしはひどい、だから増額を認めなければいかぬ、こういう申し出があれば、石原財政課長がその調査官の意見に従って配ると、要するに非常に細かに地方団体の実情をよく知っておって、臨機応変にそれぞれのところに措置を求めるようにいたしたいというのが今回の制度の趣旨でございますので、できた調査官が給与圧縮担当官のように思われると、就任した人も非常に不本意だろうと思いますので、そのためにも一言だけ弁明させていただきます。
○山本(弥)委員 そうであろうと実は思っておったわけなのです。ただ、いまみたいに自民党のちょうちんを持って選挙のときにラスパイレスというものが強調されたものですから、その惰性が続かないように、まあ選挙も当分ないと思いますけれども、松浦財政局長のような本当の水戸黄門式の行脚をやっていただきたい。地元の意見を吸い上げるということに努力を願いたい。ことに、後で申し上げますけれども、国との関係にどこに不合理があるのか、これは自治省の大きな使命ですよ。いろいろな細かい議論をやりましても、自治省が地方自治体のことを考えなければ自治省の意味はなくなるのですね。これはない方がいいということになるわけです。だから国の方に顔を向けないで、むしろ自治体の自主性の運営にいかに、いわゆる地方自治をいかに育てていくか。先ほども失言されたように、麻薬のようだ——かつて私も自民党の幹部の方に、三十何年でしたか、陳情に行きましたら、岸幹事長のときですが、地方自治体はどら息子だ、その一言で知事会を含めて大会をやった記憶があるのですけれども、その頭があればいい自治はできないんですね。代議士の先生の中には二通りあると思うのですよ。自分の言うことを聞く地方自治体は非常に持ち上げますけれども、言うことを聞かない骨のある知事や市町村になりますと、これはどら息子扱いにされるわけですけれども、そういうふうにいまのお回りになる方も本当にその趣旨を生かすように努力を願いたい、かように考えております。 そこで、歳出のもう一つの問題。私は人件費につきましては、実質的に、全く地方公共団体はその置かれた立場で生きた行政をやる意味において人件費の問題を考えるべきだ。それは、将来の自治体のあり方が人的サービスを強化しなければならぬということに当面するために、それの使命を全うするためには、どうしても人件費の問題はどうあるべきかということについて真剣に考えなければならぬという意味におきまして、私は軽視はできないと思っております。しかし、そのことに重点を置けば、ほかの大きな解決すべき問題が地方自治の立場において等閑視されるということを心配しているわけであります。 もう一つの柱は、やはり今日の補助金行政ですね。補助金行政のいわゆる超過負担の問題あるいは機関委任事務の問題、これは徹底的にもう来年度からやるようにおやり願いたいと思うのですが、一応単価補正は不十分ながら解決を見たような体制になっておりますが、運営費はまだ残っておるわけであります。しかし、対象差だとか数量差の問題をこの機を逸せずに私は徹底的に調査をして、いわゆるその他の補助金行政、知事会では、すでにもう皆様方のお手元に行っておりますように、零細補助金は廃止すべきである、あるいはメニュー方式にすべきであるというようないろいろな意見を毎年出しておるわけです。それを真剣に討議いたしまして、自治省が中心になって、私は各省手ごわいと思いますけれども、解決していただきたい。これは精算方式が一番はっきりするわけですが、精算方式でも地域的に私は不公平が出ると思いますので、それはとり得ないとすれば、この問題は解決つけるんだ、これが解決しませんと、私は今後の経済の見通しの上に立って、がんが後年度に持ち越されるのではないかということを非常に心配しますので、どうされるかということ。個々の例は申し上げませんが、お聞かせ願いたいと思います。
○松浦政府委員 ただいま山本先生から御指摘がございました問題、超過負担、これについては大臣も毎回おっしゃられておりますように、きわめて大切な問題、国の責任において全部解消するという方向を御答弁申し上げておるところでございます。私ども自治省といたしましては、国に要求することは要求する、地方にこういうふうにやってほしいということは、やはり申し上げることは申し上げる。私どもは決して国の方を向いて行政をしているつもりではございません。常に超過負担等については、ほかの機関と非常に大きな摩擦を起こしながら今日まで過ごしております。今後も摩擦を恐れずにこの問題の解消に向けて努力をしたい。具体的には、物に対します超過負担につきましては、御指摘をいただきましたように学校、住宅、保育所という一番事業費の多いものについて、おおむね私どもとしては、今後の物価騰貴等をはめ込んでいく限りにおいては、地域差も考えていけばほとんど超過負担はなくなったと考えておりますが、施設についてもまだ一、二問題がございますので、本年度同じような調査を行って解消を図りたい。 御指摘のように、問題が残っておりますのは運営費系統でございます。去年調査をいたしました運営費系統については、ことしで約半分、来年半分という形で約束がついております残っております運営費系統の問題もございます。これは、先ほど申し上げました残っている施設系統とあわせて実態調査を行いまして、明年度以降においてできるだけ短時日の間にこれを解消するという方向で努力をいたします。 なお、最後にお話しがございました対象なりあるいは数量なりの問題は、私どもは厳密な意味での超過負担とは、毎回申し上げておりますように考えておりません。超過負担という言い方をいたしますと、非常に関係方面がいやがりましてかえって問題が進まない心配もございますので、われわれとしては、補助政策の問題として、行政の中身をレベルアップするために社会常識あるいは経済情勢に合ったものにしていかなければいけないじゃないかということで、これは前向きに内容を改善するという方向で各省に要求をしてまいりたい。ことしでも体育館の数量が二〇%引き上げになっております。こういう方向で大きな問題について一つずつ片づけていくという努力は惜しまないつもりでございます。
○山本(弥)委員 いまの数量差だとかあるいは対象差の問題、単に補助金ではなくて負担金みたいな性格を持っておるものは、当然各省でいやがるにいたしましても、私は、数量差、対象差というものに取り組むのだということでいかなければ本当に地方公共団体は納得しないんじゃないか。話し合いの中から、これは妥当な数量であるとか、これは対象を個々に拡大するのが妥当であるということでなければならぬのじゃないか。機関委任も同じでありますけれども、いわば分担をする、負担をするというからには、国が省令的にあるいは補助金的な性格ではなくて、本当に負担金の性格から言いまして当然相手も納得させるような努力をするという話し合いの中から決めるべきではないか、かように私は思うのです。もう一度その点、結果においてよくなれば私ども文句はないのですが、自治省がそういう他の省との折衝の関係におきまして、そういう手を用いることが有利に数量差あるいは対象差の解決に向かうのだということであればこれは私どもは方法は問題にしないでいいと思うのでありますけれども、しかし補助金なり負担金を受ける方の府県や市町村にすれば納得した体制で国と地方公共団体が協力するのだということでなければならぬと私は思うのですね。負担金のごときは恩恵的な補助金ではないわけでありますから。保育所の問題は厚生大臣が任意に決めるのだ、裁量できるのだというような省令なり規則の改正ということで逃げるということはよくないのじゃないか。やはりそれだけ国が責任を持つならば、当然地方公共団体も納得する体制で解決つけなければならぬじゃないか、こう思いますので、その問題に真剣に取り組んでもらいたいと思います。
○松浦政府委員 私どもも全くその点については同感でございます。ただ自治省が予算をつけるわけでございませんので、それぞれ関係省にそれぞれの事情がございます。その辺のところは先生よく御存じのことだと思いますが、自治省としては方向として努力するということは繰り返して申し上げておるところでございます。ただ現実の問題としては、これらの問題には、相当、直しようによっては多額の経費を要する問題でございます。国の財政の事情にもよると思います。さしあたりはまず単価の問題を、私どもは厳密な意味の超過負担ととらえ、これを早期に解消する。その上でということでございませんと、両方一緒にできればよろしゅうございますけれども、それではなかなか高望みになります。そういう意味で現在単価の解消に努力しておるところでございます。できる限度においてはある程度先生の御指摘をいただいた数量差等についても触れてまいらなければならぬのではないか、こう考えております。
○山本(弥)委員 その点は十分努力を願いたいと思います。 そこで、これは予算委員会でも大臣に質問したのですけれども、いま六団体と自治省との間で委員会みたいなものをつくりまして、自治省からおいでを願って、そのことを各省に連絡をするような組織ができておるのですが、これは活用されておるのか、できただけで、一つも会議を開いていないのか、その辺のいきさつはどうでございましょうか。
○松浦政府委員 現在までに数回会議が開かれまして、どういう方向で行動をとるかということについての議論が行われているようでございます。
○山本(弥)委員 自治省も、予算を大蔵省と折衝する他の省との関係において非常に苦労がおありだと私は思います。そこで、いまの六団体との委員会方式に自治省だけが顔を出すということではなくて、英断的に、これは予算委員会でも申し上げましたが、総理府なり、本日おいでを願っておる行政管理庁、行政管理庁が適当かどうかわかりませんが、また地方制度調査会もありますが、何か強力な委員会をつくりまして、今後の新しい経済の転換期における最も解決をつけなければならない補助金一般、超過負担を含めまして、あるいは委任事務の不当な、いわゆる地方自治法と財政法との関係を見ますと一体どうなっているか、立法の趣旨が統一されていないようなことも含めまして見直しをやり、補助金行政のあり方を検討する強力な委員会をつくるということを自治大臣は強力に推進願えませんでしょうか。
○福田(一)国務大臣 お考え、一つの考え方であると思いますが、さしあたりいまは地方制度調査会がありまして、その問題についていま検討を進めておるところであります。さしあたり六団体との話し合いをこれから始めまして、そうしてそれを効果的に利用していく、こういうことで処置をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○松浦政府委員 私どもいろいろ考えておりますが、自治省の動き得る範囲というのは、やはり役所でございますから、一定の限度がございます。そこで、私どもいま考えておりますのは、たとえば学校の問題で仕様という問題がございます。住宅でございますと、標準設計というものがあるわけでございます。学校には標準設計がないわけでございます。そういったところに超過負担が出てくる問題もございますので、文部省の方で標準設計ができないならば、いやだと言っておつくりにならないならば、六団体に権威ある建築学者を入れて、顧問のような形でも入れて入れられると思うのでございますけれども、そういうものも六団体で超過負担解消のために自分の経費でつくっていただいて、それをもって私どもが大蔵省なり各省なりに折衝する、そういうようなうちでやり得ない問題も、できるならそちらで取り込んでいくということを検討してみたらどうだろうかということを個人的にいろいろ考えておるところでございます。いずれにしてもなかなかむずかしい問題で、相手のある問題でもございますから、われわれない知恵をしぼりながら努力していくつもりでございますので、なお、しりをたたいていただきたいと思います。
○山本(弥)委員 確かに、お話のとおり住宅の場合は単価補正であるいは可能な場合もあろうかと思います。学校の場合は非常にいいお考えだと私は思います。そういうことによって前進するということであれば、これは六団体としてもどうしても取り組まなければならぬ問題だと思います。保育所等あるいは社会福祉施設になりますと、いろいろ住民の要求その他に関連し、あるいはりっぱなものをつくろうかという配慮も働くのではないかと思いますので、それらもどこまでが、これは余分なものである、これまでは基本設計の中に包含すべきものであるということをやはり市町村によく認識させる必要が私はあると思うのです。それをある程度まで、締めつけるようなことではなくて、これまでは認めるべきだというふうなことをよく話し合っていただきたい。そのためにも、ちょっと二の足を踏まれましたが、自治大臣、地方制度調査会でも結構ですが、自治省が苦労しないで、各省、大蔵省も入れた強力なそういったものをまず積極的にお考え願いたい。検討でなくてお考え願いたい、私はこれを強く要望しておきます。この問題とあわせてそういった大きな問題を片づけていきませんと、今後の転換期における地方自治体の運営は、非常に問題を抱えながらますます苦しい立場に追い込まれるのではないか、こう思います。その点どうぞよろしく考えていただきたいと思います。 それで、行政管理庁お見えになっておりますが、行政管理庁の方で財政硬直化に関連いたしまして、いろいろ定年制の問題だとか、あるいは補助金の問題、そのほかにもう一つ項目がありましたね、そういった問題について検討をされておるようであります。私はその検討した草案を欲しいと言いましたらいただけなかったのですが、これは一応基本的なものはあるのですか。あればいただきたいと思っております。 それで、補助金の問題につきましてはいま自治省の方にお願いしたわけですが、乗り出すからには、国の補助金がどこにむだがあるかということと関連いたしまして、あるいは廃止すべき補助金は何であるかということの検討も必要だと思いますけれども、よく知事会あたりで出ておりますのも読んでいただきまして、それらを監理委員会にも反映するように努力願うとともに、いまの超過負担だとか、あるいは機関委任事務、補助金一般につきまして、地方公共団体の側、国の側というよりもむしろいま問題は、地方団体側に立って補助金のあり方はどうあるべきかということを真剣に検討すべきときに当面していると私は思うのです。そういうお考えでおやりになりますか。あるいは現地調査にもお出かけになるようでありますが、その辺の経緯をお聞かせ願いたいと思います。
○吉村説明員 今回の補助金に関する行政管理庁の監察は、ただいま先生おっしゃいましたようなお話の中で、特にむだな補助金はないかということに中心を置いて監察するということになっております。 超過負担の問題でございますが、われわれといたしましては、今回の監察では特に超過負担の問題を調査対象として取り上げるということにいたしておりません。その理由の一つは、超過負担の問題は先ほどからいろいろお話ございますように非常にむずかしい問題をはらんでおりますし、現地調査をいたすにいたしましても、相当人数的にも時間的にも余裕がないとなかなか正しい調査ができないという考え方をしておりまして、超過負担の問題をもし取り上げるとすれば、今回の補助金行政に関する監察以外にまた別途に計画して調査をやる方が適当ではないかというふうに考えている次第でございます。 それから、最初お話がありました定年制の問題とか、あるいは機関委任事務の問題につきましては、多分監理委員会の方で、これは委員の先生の提言という形で総理大臣に意見が出されておりますが、その中にそういった問題が持ち込まれておりまして、そういった問題をまた今度は行政改革本部の方に総理の方から検討するように、こういう御指示がございました。その行革本部には自治省の方からも出ていただいておりますし、その辺でまた御検討がされるような方向に進んでいるというふうに聞いております。
○山本(弥)委員 定年制の問題は私いま御質問しようと思っておりませんけれども、国の立場よりも——いま補助金行政というのは、むだのあるものは廃止することは結構なんです。必要だと思いますが、と同時に、いまの不合理な委任事務あるいは超過負担の問題、これが国の一方的な、ことに負担金だとか、機関委任事務は国が責任を持たなければいかぬのですね。昔の憲法下における府県政、市町村政の時代とは違うのですね。しかもこれがいろいろ地方財政との関連を持ってくるわけですから。その問題も人手が足りぬと言われればそれまでですけれども、むしろ別にそういう企画をされてでもその問題に年内に取り組んでいただくように、よく大臣にもお話を願って、いまの国の財政硬直化という問題の解決だけではこれからの問題は決まらぬのですね。地方自治体をどう運営していくかという問題がより重要になる転換期と私どもは認識しているのです。そうなりますと、国との関連においてむだをなくすると同時に、そういった無理を強いるような、国はむだがなくなったけれども、地方にはむだが出ている、しかも苦しめるというようなことのないように、それをおやりにならぬと意味がないのじゃないかと思いますので、十分庁内でもその点検討してもらいまして、自治大臣のお話しになったこととも相関連して、私はあらゆる角度から検討すべき問題だと思うのです。民間の出先機関もおありでしょうが、そういう方に市町村でも回らせて、座談の中から本当の真相をつかむ、あるいは、片々であってもそういったものをつかみ取るようなこともおやり願う方が、新しい企画で調査を進める上に役立つのではないかと私は思いますので、その辺のことを十分庁内で協議を願いたいということを強く要請いたしますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 それからもう一つ、これは行政管理庁にも関連がありますが、行政管理庁も地方制度調査会も、もう十年前になりましょうか、行政事務の配分と財源の配分についての答申が出ているのですね。いま許認可の整理で、どんどんというほどじゃなくて、まあ小出しにやっているのですね。これではいかぬのでして、そういった行政事務のむだが いまの人件費の問題にも響いてくるわけですし、機関委任事務の人件費の問題にもはねかかってくるわけですから、十年もこういったじみな仕事で、しかも大事な仕事を放任しているのが国なんですね。だからこれは、行政監理委員会の場合は、せっかく相当の経費を投じてやったのですが、国としては取り上げる大臣は一人も——まあ取り上げたけれども途中で消えたというようなことも過去にありましたけれども、それほどむずかしい問題でありますけれども、やはりもうある時期に、私ども、行政事務の再配分だとか、あるいは整理とかいうことを考えれば、国と地方との財源配分なんていうのは無視できない、だから、財源配分が先行すべきだということを主張したこともありましたけれども、ことしあたりは、ほかの方のことをやらぬでも、事務の再配分と、それから財源の配分に関連した問題に真剣に取っ組んで、むだを排することによって人件費もある程度までめどをつけるというようなことを、ことしはそこに重点を置いておやりになるべきじゃないかと思うのですが、これはどうなんですか。そういうことを強く主張されないのでしょうか、どうでしょうか。
○吉村説明員 私から御答弁するのが適当かどうか、ちょっと疑問がある問題だと思いますけれども、行政事務の再配分の問題につきましては、多分先生のおっしゃったのは、昔、臨時に設置しました臨時行政調査会の意見のことをおっしゃっているのかと思います。臨調の意見というのは、もうかなり古い時代のことでございますので、また行うとすれば、また新しい時点で行政実態をよくつかんだ上で検討するということになろうかと思います。また、そういった問題を取り扱うにいたしましても、先ほど申し上げました、関係省庁で行政改革本部というのをつくっており、その行政改革本部で検討するというのが適当じゃないかと思います。行政管理庁はもちろんこの行政改革本部のメンバーでございますので、先生の御意見につきましては、帰りましてよく上司に報告いたします。 そういうことでございます。
○山本(弥)委員 地方事務官の地方自治法の改正すら、自治省は約束をしながら、自治大臣は出してこれないのですね。ですから、どちらも非常にむずかしい問題だと思います。思いますが、いまの大事なときにそういった問題に取っ組めないようだと本当に困るのですね。これはひとつよくお話し願って、この問題も早急に、熱心な長官ができないとなかなかめんどうかと思いますけれども、前進したり後退したり、とにかく大臣がネコの目みたいにかわりますから、私どもこれに賛成しがたいのですけれども、とにかく三年でも四年でもじっくり腰を落ちつけてやってもらわなければ、福田自治大臣なんかもそうなんですけれども、かわるものだから、責任逃れみたいなことを言って、みんな次官以下にお任せになるということでは、本当の政治的な発言といいますか、行動、改革というのはできないと思う。ことに改革というようなことはとてもできないと思いますので、松澤大臣にもよくお話願って、ぜひ積極的に、ことし−来年といういまの過渡期に取っ組んでいただけないか。来年はまたいろいろな長期計画が出てきまして、そしてその方に追われるようなことのない基本的な問題に取っ組んでいただきたいと思う。これは自治大臣も促進願いたいと思いますが、自治大臣はメンバーじゃないのですか。
○福田(一)国務大臣 私もメンバーの一人だと思っております。
○山本(弥)委員 どうぞひとつ強く発言を願いたいと思います。 それから、歳出問題の、申し上げることは大きいのですが、二つの人件費といわゆる補助行政との問題を取り上げたのでありますが、歳入につきましては、これまた財政硬直化の問題でいろいろ新聞にも新しい税制が取りざたされておるわけであります。地方税の問題につきましても、国の関連において財政硬直化打開の道として、国ばかりでなくて、地方税の問題につきましても、これは十分御配慮願いたい、かように考えております。 そこで、今年度——税務局長お帰りになったようですが、山下さんがおられるからあれですが、本年度地方自治体は、先ほどもちょっと話に出ました苦しい財政の中でいろいろな現行制度ででき得る問題について模索しているのではないかと私は思うのですが、その動きはどうでしょうか。市町村はまだ集まっていないと思いますが、府県の動きからいきますと、超過課税の問題あり、法定外普通税の問題あり、いろいろあろうかと思うのですが、どういう傾向にあるか、もしおわかりでしたらお聞かせ願いたいと思います。
○松浦政府委員 全体的な動きとしては、まだいろいろ模索中なのではないかと思いますが、一般的な傾向としては法定税の超過課税、特に府県では自動車税と法人住民税、ここいらについて検討を始めているということを聞いております。市町村でもやはり動きがある場合、特に大都市でございますが、法人住民税、こういうことだろうと思います。具体的に本年度に入って新規に超過課税を起こしたという報告等についてはまだ十分集まっていないし、選挙でございましたから、終わってからの行動だろうというふうに私どもは推定をいたしております。
○山本(弥)委員 先ほど岩垂さんの質問に対しまして、税務局長は税法上の原則に従った答弁をされていると思うのですが、私は、こういう複雑な時代になった場合に、個人に対する負担加重ということは問題だと思うのでありますが、むしろ使用料や手数料というものとのにらみ合わせで、そういったものを上げるよりも、あるいは超過課税、まあ法人がねらわれるわけでありますが、その意味で企業の方の団体で防衛策をもうすでにとりつつあるというような新聞記事も出ておるわけでありますが、これは余り締めつけるというやり方はできないまでも、地方自治体の妥当なそういった超過課税あるいは新税につきましては、納得できるものはある程度まで積極的に取り組む、使用料、手数料の増額と関連して、むしろ使用料、手数料を増額するよりも、こういった問題の方が、税として取る方が妥当であるというような場合には、そういったものをある程度まで認めていくというような、しゃくし定規でなくてこれまた考えていくという試行錯誤を一つやらすことは必要じゃなかろうか、私はこう思うのですが、どうお考えになりますか。
○松浦政府委員 先ほど税務局長からお答えを申し上げた考え方が自治省の考え方でございまして、法律の精神から逸脱しないものについて、これを抑制をするという考え方はございません。
○山本(弥)委員 歳出面に関連いたしまして、歳入面として、そういった住民負担の過重にならない範囲内で、いわゆる現行税制、税の不公平を是正するという意味においてのいろいろな模索がこれから行われると思うのでありますが、その場合には積極的にそれらの問題と取り組む姿勢で臨まれることを私は要望しておきます。 それから、時間の関係であと二点だけ御質問いたしますが、一つは交付税の特交の率を、これはもう引き下げていいんじゃないかと思いますが、どうでございましょう。
○松浦政府委員 前々からお答えを申し上げておりますように、特別交付税の額が相当多額に上ってきておりますので、ルール的にお配りしているものを普通交付税に移しかえて税率を下げたらどうだという御意見に対して、前向きに検討すると いうお答えを申し上げてきたところでございます。ちょっとまだいろいろ問題がございまして、考え方は変わっておりませんが、今年は法案としてお出しをするまでに至らなかったわけでございます。 いずれにいたしましても、この問題については先生の御指摘の考え方と違っておりませんので、実現の方向に向かってさらに努力をさせていただきたい、かように考えます。
○山本(弥)委員 私ども、今度の交付税の改正案に対しまして修正案を出したいと思っておりますけれども、法の改正はともかくとしまして、そういったきっかけをつくるような配慮を少し早目に、特交の一部をルールに従って配分するというようなことをおやりになる意思はございませんか。
○松浦政府委員 ちょっと御指摘の意味が、あるいは間違っておるのかもしれませんが、どうも先生のお話を伺っておりますと、ルール計算でできるものは特定の時期に一部配りなさい、そして年度末までルールで配れないようなものは年度末に配りなさい、こういう御趣旨と受け取っていいかと思いますけれども、それも一つの方法であろうと思っておりますので、その問題についても、せっかくの御指摘でございますから、われわれとしては事務的に検討に入らせていただきたい、かように考えております。
○山本(弥)委員 最後に、私どもは議員立法で五年前に過疎対策の臨時措置法をつくりましたのですが、もう五年たちまして、後期の五年に入るわけであります。これは、自治省から国土庁の方に主管がえになったと思うのでありますが、当時から人口の減少率、年間二%ということであったわけであります。あるいは財政力指数の制限ということになるわけですが、一応この法律は時限立法であるわけであります。後の五年で国土庁も相当力を入れて過疎対策を推進していただくものだと私思うのでありますが、この前地方自治体の首長側の参考人を呼びました際に、いわゆる準過疎地域の町長さん、蒲田という京都府下の町長さんだったと思うのでありますが、これが非常に困っておるということであります。私ども岩手県の場合はもともと過疎ですから、年率二%、五年間で一〇%も流出となると、本当の人口希薄地帯になるわけでありまして、もともと過疎であった村が、一〇%以上流出いたしませんでも、十年もたちますと過疎の町村との間に相当開きが出てくるのじゃないか、格差が出てくるのじゃないかというふうな感じがするわけであります。そういう準過疎につきまして、法律の改正はともかくとして、国土庁としてどう配慮していくつもりかということをお聞かせ願いたいと思います。 財政局長の方から、実際どの程度の格差というものが出てきておるのか、出てきておることは間違いないと思いますが、それを交付税その他の補正で、過疎地帯と準過疎地帯との均衡をとるためある程度めんどうを見ておるのかどうか、その辺の事情をお聞かせ願います。
○松浦政府委員 法律改正ででもないと国土庁の方はなかなかお答えしにくいと思いますので、私の方からかわってお答え申し上げます。 準過疎の問題につきましては、あくまで国勢調査を基礎に計算をいたしておりますので、数字上どれだけわずかの差で過疎に該当しないものであっても過疎としては扱えない、こういう制度は数字の切れ目でいつでも問題が起こるわけでございます。したがって、条件を緩めても、今度はまたその次のところとの問題が起こってくる。したがって、私どもは過疎という観念はいまの観念で行かざるを得ない。そして、国勢調査がことし行われますけれども、数字が出ればまたそれによって過疎団体が変わってくる、こういう制度で仕方がない。 ただ、先生がおっしゃられましたように、過疎の問題につきましても人口急増の問題につきましても、数値がやや不足であるために大きな特典が受けられないという団体と、わずか上回ったために恩典を受けておる団体とには実質的に差がないじゃないかという議論については、制度を数字ではじいておる以上当然出てくる問題でございます。初めはその点は割り切っていこうと思っておりましたけれども、いまの制度というのはこういうかっこうになってしまっておるわけで、過疎と人口急増はこっちに乗っかっておりますけれども、真ん中のところだけはどうにもならない。その真ん中のどうにもならないというところで、財政力の比較的ある団体、それから財政運営のしやすい、急増もないし過疎もないという団体はしばらくおくにしましても、数値の計算上のわずかの差から恩典が受けられないというところと、受けておる団体との間には極端な段差がついております。その段差をできるだけ解消しようという形で、一昨年の特別交付税から、準過疎団体それから準急増団体というものを実態で、これは国勢調査でなくて、住民登録をとりますから実態でございますが、その実態をつかみまして、どういう評判が立つかわかりませんでしたけれども、さっき先生がおっしゃられた試行錯誤的に特別交付税の配分を行ってみました。非常に結果がよろしいようでございましたので、四十九年度の特別交付税においてはさらにそれを倍増する、倍より少しよけいふえたかもしれませんが、そういう形で特別交付税の配分をしております。われわれとしては、もう少し実態を見きわめながら、さらに措置を厚くする必要があればその方向で行きたいと思っております。それで御了承をいただきたいと思います。
○山本(弥)委員 その場合に、起債をした場合の償還といった問題について、特別交付税である程度まで見るような配慮もしておるわけですか。
○松浦政府委員 特別交付税で過疎団体については特別の措置はしていないわけでございます。準過疎団体に特別交付税で措置をするというのは、起債を根っこにとって償還を見るというのは非常に複雑な制度になりますから、生で見ていってしまいたいということで、一年にまとめて一千万とか千五百万というものをつかみで特別交付税で配る、そのかわり認めた起債の償還を交付税に入れるということはいたしません。償還額を特別交付税で見ておるというふうにお考えいただいても結構かと思います。
○山本(弥)委員 国土庁、何か改正するような、あるいは国勢調査の様子を見て、過疎はあと五年残っておるわけですが、それを見直すというようなこともお考えになっていないわけですね。
○田中(暁)説明員 おっしゃるように、実態的に余り差がない、境界線上にあるいわゆる準過疎団体との間に現在財政上の措置等相当な開きがありますので、御心配のような面があろうかと思います。ただ、現在の過疎団体もすでに全国の市町村の三分の一に達しておるわけでございます。いわゆる準過疎団体を入れると半数近くになるのではないかと思われます。そういうことになりますと、この法律の趣旨でございます特例措置としてやるという趣旨よりは、松浦局長から御答弁いただいたように、やはり財源調査一般の問題として配慮していただくということであろう、まあそういう趣旨からいたしまして、今度五十年国調の結果が出ますと、四十五年と五十年の人口減少率をもって追加指定はいたしますが、要件の緩和ということは現在のところ考えておりません。
○山本(弥)委員 ちょっと聞き漏らしましたが、条件に合致する町村をそれに加えるということはおやりになるのですか。
○田中(暁)説明員 五十年国調の人口の結果が出まして、四十五年との人口減少率一〇%という要件に当てはまれば追加するわけでございます。
○山本(弥)委員 終わります。
○大西委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時二十一分休憩 ————◇————— 午後五時六分開議
○大西委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。多田光雄君。
○多田委員 きょうは大臣も来ておられますので、地方財政全体について若干お伺いしたいと思います。なお午前の御質問ともあるいは二、三同じような質問もあるかと思いますけれども、その点ひとつ御了承願いたいと思います。 今日の日本経済は非常に深刻な不況に見舞われておりまして、中小企業の場合でも、相当な中堅企業までが倒産が出ている。そして労働者の解雇、あるいはまた、政府はいろいろ否定はされておりますが、ガイドラインという言葉に示されるように日本型の所得政策、こういう点などが導入されているわけなんです。政府はこういう事態に対処するために二月十四日と三月二十四日と二日にわたって不況対策を打ち出しているわけです。その内容は何点かありますけれども、要約すると、一つは五十年度事業の契約を上半期に集中をさせる契約率を六五から六六%というように言われておるのですが。二番目は公定歩合の引き下げと、窓口規制ですね、これの廃止というような点。それから三番目は社債発行額の増加というようなことが中心でして、公共事業の早期執行については地方自治体もこれに従うような状況になっているわけです。 そこで、この地方自治体の財政状況はどうかといいますと、これまた先刻御承知のとおり、不況のあおりと国の統制的な財政運用方針によって、かなり破産的と言っていい状態にあるわけです。その上、法人関係税の伸び悩み、それから住民税の伸び悩み、大変な落ち込みになっておりまして、これが当分続くというところに、一層事態を深刻にさせているものがある、こう思うわけです。そこで、こうした地方財政状況を踏まえた上で、公共事業を進めるには強力な財政対策が必要になると思いますが、これをどうするつもりなのか、ひとつ伺いたいと思います。
○福田(一)国務大臣 お説のとおり不況対策をやってまいっておるのでございますが、この場合にただいま御提示になりましたようないわゆる公共事業の繰り上げ施行という問題、それから公定歩合の引き下げとか、あるいは銀行における引き締めの緩和というようなことが議題になっておるわけでありますが、自治省として直接関係のあるのは、いわゆるこの公共事業の繰り上げ施行ということでございます。このことにつきましては、御案内のようにわれわれは財政計画というものを立てまして、そして、やはり公共事業をやる計画をつくっておりまして、その範囲内において繰り上げ施行するということで、御案内のように、いまのところはあるのでございます。でありますから、ここでわれわれとして何らかの措置をとるという必要は考えておりません。
○多田委員 三月二十四日だと思いますが、高木大蔵事務次官が例の第二次の不況対策を発表したときに、四十九年の地方債を千七百七十一億円増加するということと、超過負担の是正の問題、こういう問題を言っておりましたけれども、いま大臣のお話によれば余り支障のないというお話でございますが、一方大蔵ではそういうふうな地方債の増加あるいは超過負担の問題まで触れているわけなんですが、この点どのようにお考えになっておるのですか。
○松浦政府委員 高木次官が言っておられるのは、五十年度の地方債計画をつくります際に、交通と上水につきまして四十九年度に一千億余の起債をあらかじめ認めて、それを五十年度に使うという措置を講じました。それと年度末に細々とした単価の引き上げ等の問題で少し追加をいたしましたものを指して言っておいでになるのだと思います。したがって、五十年度というような表現を使っておられますけれども、実質的には四十九年度の問題としてすでに片をつけた問題でございます。新たに地方債の増発というようなことを高木次官が指摘しておられるのではないということを私どもは確信いたしております。
○多田委員 そうすると、大臣はほかには何もいま手はないわけでございますか。これは当然に地方自治体にいろいろな出費が多くなるわけですけれども、特別な手はないわけなんですか。
○松浦政府委員 公共事業の着工率を高めるということは、あくまで財政計画の中の数字の問題でございますので、理論的に手を打ちようがないわけでございます。私どもとしては、地方債の許可をできるだけ早める等、地方団体がやりやすいように技術的な御協力は申し上げるつもりでございますけれども、財政計画を変更する必要はない。公共事業費が補正予算で大幅に増額をされるというようなことになりますれば、当然裏負担の問題がございますから、これは地方債の増発なり、交付税の増額なりということが必要になろうかと思いますけれども、財政計画の中では、まさに本年度の国の予算に盛られておる公共事業費は全部計上いたしてございまして、裏負担もそれに見合うものが財政計画で保証されておるわけでございまして、それ以上に手の打ちようが理論的にないというふうに私どもは考えております。
○多田委員 ところで、そう言っておられますけれども、私は、事態はやはり逆の方向に向かっていると思うのですね。四十九年度における国税三税が当初見通しより大幅に落ち込むことになったということですね。これは八千億と言われているわけですが、四十九年度の地方交付税が約一千億減額されることになるというようなことも言われているわけですね。従来だとこの精算は五十一年度に行う、翌々年度ですね、こういうことになっているわけですけれども、国の財政危機という絡みで、大蔵省はこの精算を五十年度に行うということも言っているわけですが、これはいわば景気浮揚という、あなた方のおっしゃっている立場から言っても、あるいは自治体財政健全化から言っても行うべきではないと思いますが、この点は質問もあったと思いますが、もう一度ひとつ確認しておきたいと思います。
○松浦政府委員 四十九年度の交付税の過大算定、そういう言葉が当たるかどうか知りませんが、よけいに配ってしまっておる、それが法律上の制度としては翌々年度までに精算をされるということに、法律の規定になっておるわけでございます。五十年度に精算するか五十一年度に精算をするかは、大蔵省が勝手に決められる問題ではございません。当然自治省と協議をして、内閣としての態度を決めるということでございますので、大蔵省がどうしても五十年度に精算するということでございますれば、九百億穴のあいた分は別に措置をしてもらいたいということを当省としては当然言わざるを得ないと思います。逆に申し上げますならば、財政計画に計上した交付税は一文も欠けることなく実質的に配る、地方団体に迷惑をかけない、そのための対策は自治省としては責任を持ってやりたいと私どもとしては考えておるところでございます。
○多田委員 仮に自治省がいま善意でそういう態度をとられたとしても、いまの地方自治体の財政危機というのはそれほど生やさしいものではないというふうに私は思うのです。たとえば四十九年度の地方債発行は一体幾らになっておりますか。それから、前年と比べてどうなっておりますか。これは新聞には出ておりましたけれども、もう一度ひとつ確認したいと思います。
○松浦政府委員 ちょっと数字を持っておりませんので、すぐ調べさして御回答を申し上げますが、傾向としては枠外地方債は前年度より若干ふえた程度でございますので、地方債計画上の伸びにちょっと加わったものが地方債の発行としては伸びておるかと存じます。
○多田委員 その資料はよろしいです。私の手元にあるのでは、地方債計画は二兆五千百六十一億円ですね、これを上回って発行した枠外債が八千九百二十三億円、合計でトータルが三兆四千八十四億円、こうなるわけですね。これは四十八年度に比べて実に四千二百四十二億円という増加になるわけですが、結局、地方自治体がますます借金財政に苦しんでいく、つまり、政府側がいままで言っていた、人件費が高いとか、あるいはまた云々ということだけではもう済まない、私は、やっぱり根本的な問題があるだろうと思うのですよ。たとえば不況になる。そうすれば一層また住民の要求が強くなってくる。そういう要求が強くなってくれば、当然地方自治体としてはそれにこたえていかなくちゃならないというこの順繰りは、これは恐らく日本の社会が動いている限りは絶対とまらない傾向だろう、こう思うのですね。また、地方自治体としてはそれにこたえていかなくちゃならない。そういう点から言っても、非常にこの地方財政の困難というのはますます苦しくなっていくし、それから借金財政になっていくんじゃないか、われわれはこういう当然の不安を持つわけです。そこで、五十一年度あたりから、これまで発行してきた地方債の返済額が急増して、これがまた財政を圧迫していくということは自治省自身が地方制度調査会あるいは国会などの答弁でもこれは予想しているところだというように私ども思うのです。こうした事態を解決するためには、従来やってきたように、私どもとしてはぜひ緊急の交付金を交付すべきではないか、こう思うわけです。この点について、いままで国会本会議の代表質問その他でも必ずしも十分な答えを得ておりませんけれども、いままで再三出してきているものを、なぜこういう緊急事態でいまなお出そうとしないのか、これについてひとつ伺いたいと思います。
○松浦政府委員 これまでも御説明申し上げておりますように、地方財政計画できちんとバランスがとれ、きょうの午前中の山本先生の御発言にもございましたように、去年に比べて一%ベースアップ財源をよけい組む、さらには臨時土地対策費を組む、比較的私どもとしてはゆとりのある財政計画を組んでおるわけでございまして、財政計画を超えている部分の歳出に見合う歳入、これはいままで税の自然増という形で賄われておったと思いますけれども、それが落ちたからといって直ちに国の責任において財源を措置するということは、いままでの考え方からは著しく逸脱をすると思うわけでございます。したがって、五十年度の財政計画に当たりましても、交付税の増額あるいは特別交付金の支出、そういったものを当省としては大蔵省に要求していない、こういうことでございます。
○多田委員 大臣にお伺いしますが、いまの地方自治体の財政の困難、いまの財政局長のような答弁で一体克服できると思うかどうか。単に数字のごろ合わせではないわけですよ。この点、本当に私、率直に大臣の意見を伺いたいと思うのです。どうでしょうか。
○福田(一)国務大臣 御案内のように、高度成長から低成長へ入りまして、そして国自体の収入も減ってくる段階でございます。もちろん、そういうような事態においては、地方の収入も減るということは考えられるのでありまして、それがいわゆる一つの地方財政の危機と言われておるゆえんであるかと思うのでありますけれども、私は、この経済全体というもの、それから日本の国のこれから進むべき道というものを考えてみましたときに、高度成長のときから低成長へ入る段階におきましては、やはりどうしても一つのショックが起きることはやむを得ないことだと思うのでありまして、そのショックが起きたといたしましても、その段階においてわれわれがいわゆる賢明な方法をとって、一時は少し苦しい面があっても、それを乗り越えていくことによって、次に大きくこの新しい事態に処する政策が出てくるものであると私たちは考えておるわけでございます。でありますから、財政危機がある、いままでのようにはできない、それは全部国の責任であり、またすべて問題はそこにあるのだ、こういうことになりますれば、この御論を突き詰めていくというと、一体いままでやってきたことは何なのだ、ひとつここいらで解散をしろ、こういう議論になるわけです。国民に聞いてみようじゃないかという議論に通じていくと私は思うのでありまして、ここで、それだから何でも地方がやろうとすることについてわれわれが全部これを充足していかねばならないというふうには考えません。しかしそう言ったからといって、歳入の方はできるだけ地方財政が十分あり得るような歳入を考えていくということは、われわれ自治省としては当然なことでもありますし、また、超過負担のようなものがありますれば、これはもちろん解消するように努力することも必要である。同時にまた、地方自治体は、いままで言われておりますようないわゆる人件費のやり方というものについては、ここで大きく反省をしてもらうということも、私は必要でないかと思うのです。大体景気のいいときだったものですから、それが一つは、地方自治体が人を得るのに非常に困難であるために、俸給を高くしなければならなかったとか、あるいは渡りとか、いろいろな便法も講じなければならなかったというお話もよく承るのでありますけれども、しかしこういうときに、一応正常な運営の姿に戻していくという反省もあってしかるべきではないのだろうかというのが、私たちの考え方でございまして、非常に苦しくなってきたのはこれは国の責任だから、全部ここでやり直せとおっしゃっても、私は非常にむずかしい問題に相なろうかと思うのでございます。
○多田委員 大臣のお言葉で、幾らか国の責任もお感じになっているというように私は思うのですけれども、私は、やはり大半は国に責任あったと思うのですよ。これは前、ここの委員会でも述べましたけれども、たとえば過密過疎という今日の大きな社会問題これが地方自治体の財政問題やその他に大きな影響を及ぼしている。こういう問題にしましても、根本はやはり国の施策にあったということは、これは間違いないことなのですね。なぜならば、総理大臣自身がいままでの高度経済成長の中で、過疎、過密のようなひずみができた、こういうふうにさえ言っているわけですから。ですから、やはり主要な責任は国にある、こういうふうに思うのです。何もかも国にやれなどということはだれも言っているわけじゃないのですよ。問題は、国のやり方の根本、あるいは姿勢をここで変えたらどうかということを私は言っているわけなのです。 それから、地方自治体の困難と言いますけれども、さっきも言いましたけれども、単に赤字が幾らできたというだけのものではないのですね。いつかここで、この間参考人を呼びましたときに、地方財政の危機は一体どこに出てくるのかということを聞きましたら、生きている住民の立場から見てその要求が十分果たされないことなんだ、こういうように言っておりましたですよ。しかもその要求はぜいたくなのかと言えば、当然子供を産めば学校へ行く、その学校をつくってもらいたい、あるいは幼稚園をつくってもらいたい、そういう正当な要求なんですから。それにどうこたえていくかということは、これは地方自治体だけでなくて国が第一にやらなくちゃならない問題なんですね。なぜならば、三木総理自身が福祉を充実するということを再三言っていたわけですから。 そこでちょっとお伺いしたいのですが、これも先ほどあったと思いますがね、自治省は自治体の財源確保のために使用料それから手数料の引き上げ、あるいはまた法定外普通税の活用による増税政策を行うというふうに決定して、間もなく開かれる全国の財政担当者会議で指導するというようなことも伺っておりますけれども、これは一体どうなんでしょうか。
○福田(一)国務大臣 先ほどのお答えを若干、あなたの御質問で補足させていただきたいと思ったわけでありますけれども、一体日本が敗戦後今日まで経済が復興したということについては、私は全部が全部自民党あるいは保守党の政策が間違っておったというふうには、もちろん考えておりません。私はあの敗戦の困難な時代に実は南方から帰ってきて、あの時分の事情をよく知っておりますけれども、いまのような事態というものは想像することもできなかったくらい、実は伸びてきておるわけです。あの当時に、高福祉とか福祉などという——福祉ところじゃない、食うか食わぬか、生きるか死ぬかの問題が中心であったと思うのです。それを今日までこういうふうに一応経済を充実して、そして私たちが福祉の問題を取り扱えるようになったということは、私は保守党、これはまああなた方からおしかりを受けるかもしれぬが、保守党としてはここで声を大にして、どうです、うまくやったでしょう、あるいは、うまくやったねと一言ぐらいは言っていただいてもいいと思う。 しかし、そういうやり方をしてきたことが、今日また一つのマイナス面が出てきた。それはどういうことかと言いますと、金というものはどんどん入ってくるものだという印象を国民に与えましたから、国民は自分の欲しいものは何でも政府がやってくれるものだ、あるいは地方自治体がやってくれるものだ、こういうような考え方を国民が持って、非常な多様な欲望を持ってきたというのが今日の事態であると思うのであります。私は、国民がそういう多様な要望を持つということは決して悪いとは申しません。しかし、また同時に、こういうふうな事態になってきたときにはそれをある程度やはりセーブして、そしてここ一年なり二年なりは、まあ伸ばすことはもちろんしなければならないかもしれぬが、いままでは一年に三歩も五歩も前に出たのを、まあまあせいぜい一歩くらい前へ出て、そして地固めをしていく。一年や二年の間は地固めをしていく。そしてその次にはまた、できたら二歩伸びられるくらいにしていく。余りたくさん、昔みたいに五歩も十歩も伸びるということはできないかもしれぬけれども、せめて一歩でなくて二歩ぐらいは伸ばせるような工夫をしていくというのが、この五十年、五十一年にわたるところの財政経済政策のあれでなければならない。それが長い目で見た、日本の国民に対してわれわれが果たす義務であり、それがまたわれわれの財政経済政策の根幹をなさなければならない、こういう考え方を持っているわけでございます。 でありますから、この前いろいろ参考人が来られて、そして国民の希望をかなえるためには当然何でもそういうことはわれわれせざるを得ないじゃないか、こういうお話があったということでありますけれども、そういう考え方では、この日本の現状というものは切り開いていけないのだ。そこで一応はやはり一歩下がって、どういうことができるかということを考え、そしてまたその上に立って、そうは言っても何もしないというわけにいきませんから、やはり少しでも前へ、前向きに進んでいくということをここ一両年やって、そして地固めをしていこうではありませんか、こういうことを申し上げておるのでございます。でありますからして、住民の要望を何でも入れるのが政治であるというふうには、われわれはこの場合には考えられない。高度に伸びてきたときには、できるだけひとつ住民の要望も入れた政治をやろう、やるというのは当然なことだ、そういう意味ではあれですが、一つの惰性になっておりますそういうことを、何でも受け入れるというわけにはいかない。と同時に、収入が減るということになれば、歳入歳出の別の面もひとつ考えなければならないという問題を取り上げざるを得ないんじゃないか。そこにまた事業費の節約であるとか事務費の節約とか、あるいは人件費の問題とか、いろいろな問題もまた出てくる。これらを両者考え合わせて、歳入歳出の両面をひとつここで見直しながら、しかしやはり考え方としては、住民の要望をできるならば満たしていくような政策をとろう、こういうことをわれわれはいま考えておるわけでございますので、この点は、おしかりを受けるとか御批判を受けることはあれでありますが、政府がいま考えておることはこういうことであるということだけはひとつまず御理解をしていただきたい、かように考えておるわけであります。
○多田委員 私の質問にちょっと答えてください。
○松浦政府委員 使用料、手数料あるいは超過課税に対する自治省の基本的な態度でございますが、先生御指摘のように、十六日に財政地方課長会議を開きまして、そのときに事務的に御指示を申し上げたいと思っております。 一つは、使用料、手数料の問題でございますが、やはり社会の常識に合った使用料、手数料というものは、特定のものに与える恩典に絡むものでございますから、適正に徴収してほしいという指導をいたしたいと思います。 超過課税の問題につきましては、積極的に超過課税をやりなさいなどという指導をするつもりはございません。いろいろの事情があって超過課税をしたいという団体にあっては、法の定めるところにのっとって適正にやってほしいということを申し上げたい、こう思っておるところでございます。 使用料、手数料につきましても、午前中もお尋ねがございましたが、たとえば高等学校の授業料に例をとりますと、財政計画上では国の大学の授業料との対比から千二百円ということを定めております。しかるに、ある団体においてはもう十何年据え置きで六百円しか取っておらない。こういう団体もあるわけでございます。私学との不均衡が叫ばれているときに、私学に多額の金を補助しなければならないという現実を踏まえながら、公立だけが極端に安くなっているということは私どもとしては決して望ましい方向であるとは考えておりません。われわれは常識的な単価で計算をいたしておるものでございますから、そういう手数料等雑収入の徴収不十分なところについては、なお徴収すれば財源がありますよということは御指導を申し上げてまいりたいと思っております。
○多田委員 いまの大臣のお話を伺いまして、これはもう一昨年の石油ショック以来この国会でずいぶん論議されたことで、高度経済成長の中身は一体何なのかということは、かなり具体的な事実で天下に明らかになっている問題なんですよ。つまり、高度経済成長をやってきて、これは田中前総理もよく言ったことですけれども、終戦直後に苦しかったけれども、しかしいまはこうなったじゃないか。これは余りいい説明には私はならない、こう思うのですよ。どんな国でも、生きて働いて生活をしている以上は、そこには社会の発展があるわけですから、社会の発展の中には必ず、未開発国と言われた国だって改善されていくわけですよ。それは余りいい説明ではない。 結局、私は大臣から伺ったことで、一つは、スローテンポではあるけれども、やはり大資本を中心にする高度経済成長を志向するような路線、これはやはり変わってないなという印象を受けました。それからいま一つは、これは住民の要求をやはり私は基本に据えてない。国という言葉を使われておりますけれども、国とは何ぞやということにもなるわけだけれども、生きて働いている住民の福祉、これをやはり根本に据えてないなという印象を私は受けたわけで、この限りにおいては地方自治体や住民の苦しみは私はやはりなくならないというふうに思っております。 そこで、三木内閣も福祉向上を盛んに言っておったわけですが、増税が福祉につながらないことは、およそこれはもうはっきりしていることなんです。増税をやる前に、これも今国会でずいぶん言われていることなんですけれども、そしてまた大臣も国の全体の経済政策を述べておられますけれども、そうであるならば、本当に社会的な公正、経済の民主主義というたてまえを言うならば、たとえば特権的な減免税、こういうものを思い切って計画的に処置していくということをなぜなさらないのかというように思うのです。これは国の発表している数字と私どもの発表している数字は大分違っているようですが、私どもはかなり長期にわたって詳細に見ただけでも、国税関係で約三兆円あるとわれわれは見ているんですよ、この特権的な減免税は。これは単純に一晩や二晩で計算したものじゃありません。それからこれの地方へのはね返りや地方税独自の分で約一兆五千億あるだろう、こう見ているんです。その額にはいろいろ異論もあると思いますけれども、こういう問題に本当に手をつけないでいて、そして住民に対して増税を強いていくということは、私は決してこれは福祉向上型じゃないというように思うのですね。 そこで、たとえば電気税の非課税措置の廃止の問題にしても、この間参議院でのわが党の神谷議員の質問に対して約束しているようですけれども、これを一体いつまでにやる予定なのか。それからそのほか特権的な減免といわれるこの減免措置の検討は一体どうなっているのか、これをひとつ伺いたいと思います。
○福田(一)国務大臣 まあ考え方を述べろとおっしゃったから述べたんですが、それだからといって、私は何も大企業を優先して保護しようなどと毛頭考えてはおりませんから、この点もひとつ明らかにさしておいていただきたい。 今日までそういうような一つのやり方をした根本のあれは何かと言えば、日本の輸出を伸ばしたかった、われわれがそういうことをやったのは実は日本の輸出を伸ばしたかった。私はいまから十数年前に通産大臣をやりました。そのときにはまだ外貨が二十億ドル、しかもその二十億ドルのうちで七億ドルくらいはいわゆる借金の証文をふところに入れていたわけでありまして、現ナマは十二、三億しかなかったんです。で、いつ何どきパンクするかわからないような状態でありまして、これで果たして日本の経済をもっていき、日本の国民生活を安定することができるかということを考えて、そうして何としてもやはり輸出を振興しなければならないという問題に取り組みました。それが特定産業振興法という法律で、中央突破を図らんといたしたわけでありますが、これは実際には成立を見ませんでしたけれども、自来やはりそういうような意味で何としても日本の経済を伸ばすには、日本には資源がないから、その資源をよそから安く入れて、そしてこれに加工をして輸出を伸ばすということが必要である。ところが、その当時におけるところの会社というものは、それほどの財産を持っておったかというと、いわゆる世界の国々、アメリカでもフランスでも大体自己資本というものは五〇%から六〇%、七〇%ある。ところが、日本の企業というものは一〇%か一五%しかいわゆる自己資本というものを持っておらない。そういうような自己資本を持っておらないような会社を後ろからしりをたたいてますます輸出を伸ばしていくというには、ある程度のことを考えてやらざるを得ない。それはその意味で、いまあなたのおっしゃったような特権的なものに連なっていったかもしれません。私は、そういう意味では何もそれを否定しておるわけではありません。しかし、いまこの段階においてそういうことを直していこうという場合に、またここで一挙にその問題を解決しようと思ってもなかなか困難でございます。しかし、これは私は国務大臣という立場から申し上げたのでありまして、自治大臣としては、そういう税制の問題についてまず一番先に私が申し上げる筋ではない。これは大蔵省が一応考えなければならないことです。もちろんこれは地方にもそういう問題はたくさんある、関連の問題はございますから、われわれは決してそれに目をつぶっていていいということではございませんけれども、しかし今後のいわゆる財政審議会の運営の問題であるとか、あるいはまた地方制度調査会等々の問題であるとか、いろいろの面において是正をすべきものは今後是正をしていきたいと思うのであります。私はあなた方野党の方がおっしゃっておられる気持ちも十分くみ取りながら、しかも今後の日本の経済というものをりっぱな姿で伸ばしていき、そしてそれによってまた国民の生活を充実し福祉を向上させていく、こういうふうにしなければならないと思うのであります。どんないいお薬でございましても、よけい飲みますと、これは命を失うわけでございます。財政経済の運営をする場合に、余り急激なことをやって、たとえそれがいいことであっても、それが非常な問題を起こす可能性もあるのでありまして、現実に政治を担当しておる者としてはそういう面も考えながら、漸進的に問題の改革をしていかなければならないと思っております。でありますから、私はあなたがおっしゃっておられる意味は頭から否定しておるのではありません。しかしこの段階においてそういうことをすれば歳入が減るわけであります。ある意味において、そういうふうに会社を抑えていけば、その会社からのいわゆる所得収入というものは減ってくるでしょう。その場合にはどういうようにするかという問題も考えなければなりませんし、いろいろの副作用というものも考えまして、しかしもし、いまあなたがおっしゃるような面があるとしますならば、私は、三兆円とか一兆五千億円という数字を決して肯定はいたしませんが、しかし、もしそういうような面で特に目に余るようなことがあれば、われわれとしても直していくということについては決してやぶさかではございません。ただ、これを急激に直すということはなかなか困難ではなかろうかと思いますが、漸進的にやっていく。これが、いわゆる足踏みをしながら、しかも地固めをして前に進んでいくという財政経済政策ではなかろうか、それは地方行財政にもまた同じようなことが言えるのではないか、こういうふうに私は考えておるわけでございます。
○多田委員 その足踏みをひとつ述べてください。その漸進的にやっているという、電気税だとかそれから特権的減免措置、どういう措置をとられているのか。
○松浦政府委員 私、直接の専門ではございません。税務局長が来ておりませんので、かわってお答え申し上げますが、ことしでも非課税措置を廃止をするという措置を何品目かについてとっておるわけでございます。議論のございます製品価格上の五%の問題等についても、将来にわたって検討するということを税務局長から御答弁を申し上げておるはずでございます。
○多田委員 いや、その特権的な減免措置、いろいろたくさんの法律がございますけれども、そういう問題についてもどのように手をつけておられるのかということなんです。あるいは地方自治体へのはね返りもあるわけですし、地方税そのものにもあるわけですから、どういう手をとられておるのか、これを伺っておるわけです。
○松浦政府委員 基本的には国の税制の問題で、税制調査会等の御答申をいただきながら政府が決めておるものと思います。私どもといたしましては、先生はそういったものがあれば地方財政がもっと楽になるはずだという視点から物をおっしゃられておるように承るのでございますが、御承知のように、仮に一兆五千億の地方税がございますれば、交付税は一兆五千億減らせということに必ずなるわけでございまして、私どもとしては財政計画上で必要な歳出と歳入とをバランスをとっておるわけでございますから、税収がふえれば交付税は減る、税制が改められて税収が減れば交付税がふえる、こういう形のものだと理解をいたしておりますので、これが直ちに財政計画上の問題にはね返ってくる論議とは私ども考えられないのでございます。
○多田委員 およその考え、わかりました。いずれにしても私いま大臣のお話を伺い、そしてまた財政局長のお話も伺いまして、皆さんがおっしゃるように、ここ一年で地方財政がまた前向きになるような、そういう希望的な観測は私はいま持ち得ないわけです。そういう小手先ではどうにもならないだろうというように私ども考えておるわけです。ですから私どもの党としても、超過負担の解消の問題だとかあるいはいま申し上げました特権的減免税の問題であるとか、あるいは財源の国と地方自治体との均分の配分を大きく一歩前進させるために、たとえば交付税の四〇%引き上げの問題であるとか、さらにまた起債枠の確保の問題であるとか、そういう点を前々から主張してきたわけです。いま大臣のおっしゃったような問題について、私さらにまたこれから詳しくお伺いしたい、こう思っております。 次に伺いますのは私立高等学校の問題ですが、文部省から来ておりますね。——いま高等学校が国民教育というふうにさえ言われるぐらいに、都市では中学卒業生がほとんど高校進学という状況は、だれでも知っておるわけなんですね。そういう中で特に私学の高等学校の場合ですけれども、全国平均で言うと高校生の約三〇%が私学だというふうに聞いております。私の住んでおる札幌では六〇%が私学に通っているんですよ。そしてその私学の学費の値上げあるいはまた父母負担の増加の問題、これは皆さん御承知のとおりだと思うのです。それからまた私学と国公立の学力の格差というものも、これはむしろ年々ふえてきておるというふうにさえ私どもは見ておるわけなんです。 そこで私学の問題でひとつ文部省に伺いたいのですが、四十五年の日本私学振興財団法の成立、これにあわせて私学助成五カ年計画を立てましたね。そして人件費の二分の一を到達目標として、最終年度には五〇%のめんどうを見るというふうなものを立てていたわけですが、これの四十九年度における到達の実績、これを特に高校と大学を分けて、ひとつどの程度にいっているか説明していただきたいと思うのです。
○高石説明員 まず大学について申し上げますと、四十五年から、当省の考え方は、教員の人件費を中心にいたしましてその二分の一を国の補助金で出していこうという思想から、それが経常費の中心的な内容として進められてきたわけでございます。現在の時点ですでに教職員につきましては二分の一の助成制度が四十九年度に完了しておるわけであります。ただその後、私学助成の内容についていろいろな意見がありまして、およそ経常的な経費、人件費を含めた物件費その他についても対象にするというようなことから経常的な経費全体を対象にしていきますと、四十九年度末で人件費、物件費合わせますと大体一五、六%という数字になるわけでございます。高等学校につきましても大体同じような数字かと思うわけでございます。
○多田委員 これは非常に大事な問題なんで、自治大臣、聞いていてください。 いまお話がありましたように文部省が五カ年計画を立てたけれども、実際に達成したのは教職員の人件費の一五、六%であったということなんですよ、五〇%目標はですね。高校の場合もそうだった、こういうことなんですが、それは数字の上でもそうなんですが、この場合の五カ年計画は、私が承っておるのでは、たとえば学費の値上げを抑えていく、それから私学の財政基礎を強めていく、それからもう一つは、教育研究条件の改善を行って国公立の格差を是正していく、この三つが主要な指標というか、目標であったようなんです。そして政府としては明治百年以来の画期的な措置だとまでうたい上げていたけれども、結果はその程度であったということなんです。しかもその結果というものが、いま一五、六%いったと言うけれども、実はそのことによってさらに大きな格差が生まれてきているということなんですよ。たとえばそれがやられた昭和四十五年以来、授業料の値上げは、これは大学の場合ですが、急カーブで上がっていっているのです。そして四十五年の平均八万五千六百六十六円が四十九年には十三万七百九十円ですか、五三・八%のアップ。授業料がですよ。ですからこれが昭和三十五年から後半五年間に上がった二三・六%の上昇に比べますと、まさに二・三倍のスピードで、皆さんがこの助成をしている五カ年計画の中で上がっていっているということです。それから高校の場合も、ほぼこれに匹敵するわけです。そして五十年だけでも東京で四六・六%ですか。大阪では三九・九%。私のいる北海道でも二八%の大幅値上げがいまやられようとしているんですね。こういう状況で、実際は学費の値上げもストップできなかったところは逆に急カーブを描いて上がっていっている。それから教育研究条件、これも時間がありませんから長々申し上げる必要ないと思うのです。たとえて言えば、札幌のある私立の高等学校です。これは有名校ですが、名前を伏せておきますが、ここでは納付金収入、つまり授業料その他ですね。これが収入の六八・五%を占めている。ところが支出の方を見ますと、何と人件費、これは私学安いわけですよ、八七%。そして教育費が四・四%、管理費が一・九%、設備費に至っては〇・九%。ここの校長さんに会って聞きましたら、いささかも恩恵ないどころか、逆に七〇年代に入ってから、つまり昭和四十五年以後急激に私学の内容は苦しくなってきている、こう言っているんですね。これは計画がそうさしたと言っているんじゃないですよ。つまりその計画はほとんど焼け石に水であったということを言っているんです。それから私学の財政基礎を固めるという問題にしても、これはたとえば私立大学の債務総額は四十二年度の千三百六十一億円から五年後の四十七年には二千六百四十五億、こういうふうにふえていっているわけですね。この第一次五カ年計画は一応善意があったとしても、私はこの計画の裏の中に各私学に対する政府の介入があるという点で、もろに賛成するわけじゃありませんけれども、これが思うようにいかなかった、この原因は一体何だとお思いになりますか。
○高石説明員 四十五年当時に私学助成に踏み切った背景、いろいろあろうかと思いますが、本来私立学校は、自前で学校経営をするという長い伝統に支えられて私学経営が行われてきたわけでございます。ただ、私学のわが国の教育に占める責任、役割りが非常に拡大しているというような観点から、国が積極的な援助の手を差し伸べて、私学の健全な発達を図っていきたいというのが発想でありまして、当時はまず教職員の人件費について二分の一助成を達成すべきだというのが中心の議論として行われたわけでございます。その人件費につきましては、すでに大学についても二分の一助成という、その目的のもとに今日まで助成をしてきたわけでございます。ところが、わが国の経済成長による経済の変動というのが非常に激しいことから、そうした国の助成を上回って大学が出資しなければならない人件費、ないしは物件費、そういう問題に相当な経費を突っ込んでいかざるを得なかったというような観点の因果関係で、今日私学の関係者の方々が十分満足いける状態の助成でないという声が出ているのではなかろうかというふうに思います。
○多田委員 この第一次五カ年計画の破綻については、自民党の西岡武夫、当時の文教部長ですらも、破綻を示唆するようなことをすでに四十八年の四月の段階で言っているんですよ。一々申し上げる必要もないと思いますけれども……。これは私はやはり私学に対する物の考え方、ここに相当違いがあるんじゃないかと思うのです。この間松浦財政局長が私学に対してはあり余るほどのサービスをしている、これは自治省の立場でしょうけれども、そういうことを小濱委員の質問に対して答えておりましたけれども、ともかく昭和三十年代後半にわたって公立の高等学校がなかなかふえないということで、いえば私立の高等学校が肩がわりしたようなものですよ、これは。そしていま私立の高等学校の比重が非常に大きくなってきている。しかも私学というのは公的な教育機関でしょう。もちろん国公立とは違いますけれども、教育基本法に基づいてみてもそうなんですよ。それから私学独自の学風その他等も必要とされる。そういう中で私学の果たしている役割りというものがどういうものなのか。それがお恵みでなくして、それを本当に発展させていくという立場をとれば、私はたとえばこの助成の問題でもっと真剣に考えなくちゃならなかったというふうに考えるわけです。それが逆に非常に格差が大きくなっていく、それから財政、経営基盤も危なくなっていく、それから父母負担がたえられないところまで来ている。特にこれは高等学校のごときはひどいですよ。こういう状態の中でさらに私伺いたいのは、文部省は四十九年度に一応第一次五カ年計画というか、これが終わって、そして三カ年計画を立てましたね。これは一体満足に滑り出しましたか。この中身というのは、たとえば大学について言えば、経常的な経費の半分を見るということ、それから高等学校以下について言えば、全経常費の二分の一を国と地方自治体で半分ずつ見ていくということだったわけですが、これは一体どうなりましたか。
○高石説明員 五十年度予算につきましては現在の私学の経営実態、そしてわが国の財政状況、そういうことを勘案いたしまして、大学等につきましては五七%増の大幅な要求になったわけでございますが、やはり国の助成策を講じていく場合には、国全体の財政との絡みも考えていかなければならないし、それから私学に支出する経費一切、私学側が言われるとおりの全く二分の一というような助成方式をとるについても、なお十分検討していかなければならないきらいがあるということで、五十年度の国の財政支出につきましては、従来の内容を大幅に改善しながら、私学の経営の安定ということに力点を置いた国の助成措置を講じたわけでございます。
○多田委員 文部省は当初、大学は別にして高校の場合の初年度ということで三・五%、これは百七十億要求しましたね、概算要求で。これが八十億円に減額されたわけですが、この三カ年計画を立てたのは文部省自体が立てられたわけですけれども、いま三カ年計画は存在するのか、もうそういうものは御破算になってしまったのか、これは一体どうなんですか。
○高石説明員 現在政府全体といたしましては、高校以下につきましては地方交付税制度の基本を踏まえながら、国、地方を通じた援助を強化していくという立場に立っているわけでございます。したがいまして、高等学校以下に対する財源措置は、国の直接の補助金と地方交付税制度の仕組みによって、総合的に大学等に準ずる措置で助成を拡大していくという方式でございますから、文部省が要求している時点でのいろいろな考え方はPRその他でいろいろ申し上げるわけでございますが、最終的な政府の意思といたしましては、いま申し上げたような措置で拡充を図っていきたいというふうに思っております。
○多田委員 私の聞いているのは、いわゆる三カ年計画で三カ年後に高校の場合は国と地方団体でもって五〇%運営費を見ていくという、この計画は一体いまでもあるのかないのかということを聞いているのです。
○高石説明員 文部省の事務当局としてはいろいろありますが、現在の政府の立場でそういうものを三カ年で実現するという意思決定はしておりません。
○多田委員 文部省も政府の一部でしょうがね。大蔵省来ていますね。これは文部省から百七十億の要求があったという、これを八十億にしたというこの理由はどういう理由ですか。
○廣江説明員 高等学校、中学校、小学校、幼稚園の私立学校につきましては、設置監督の所轄庁が都道府県知事とされていることもございまして、従来から地方交付税におきまして、私立大学等に対する国の措置に準じた助成がなされるよう財源措置がなされてきました。今後とも基本的にはこの方針を堅持することが適切と考えております。しかしながら都道府県ごとの私立学校に対する経常費助成の実態を見ますと、都道府県間に相当の格差が生じていますので、先ほども文部省の方から御説明のありましたとおり、現行制度の基本を変更することなく都道府県による助成を促進するための当面の誘導措置として、新しく都道府県に対する補助金八十億円を計上した次第でございます。予算編成の過程におきましてはいろいろのことがございましたですが、政府といたしましては先ほど御説明いたしましたとおり八十億円を計上して、これで御審議をいただいておるわけでございます。さよう御承知願いたいと思います。
○多田委員 そうすると、大蔵の言うのは、一つはいままでは交付税で見ている、これを本旨にしながら、都道府県の格差があるからこれをなるべくなくするように誘導するために、新たに八十億の国からの補助を認めた、こういうことになるわけですね。そうですね。
○廣江説明員 大蔵が言うのではございませんで、内閣としてかように決まったということを申し上げたわけでございます。
○多田委員 はい、わかりました。 そこで文部省にもう一度先ほどの計画を聞きますが、それは文部省の中で生きている計画ですか。つまり政府全体のものにはなってないけれども、大蔵も拒否されたけれども、文部省としては、そうすると五十年度の予算というのは、そういう当初持った計画の初年度のようなつもりで組んだのですか、単なる単年度として組んだのですか、どうなんですか。
○高石説明員 事務当局といたしましてはいろいろな長期的な対応策、プランを考えながら仕事をしていくわけでございます。また予算というのは国の財政状況その他を勘案しながら具体的な数字が固められていくわけでございます。したがいまして基本といたしましては、文部省としては高等学校以下の幼稚園まで、また大学につきましても、もっと国の援助を拡充していくという基本線を踏まえながら今後拡充に努力をしていくということでございますので、五十一年度以降どのような形でその拡充工作を樹立し、予算化していくかというのは今後の検討課題でございます。
○多田委員 自治省に伺いますが、昭和五十年度の私立高等学校、これは私立高校以下ということになりますが、これの交付税の総額は幾らでしょうか。それから生徒一人当たり幾らなのか、これは四万三千円とも聞いておりますけれども、これをちょっと伺いたいと思います。
○松浦政府委員 これまでたとえば共済組合の補助金というようなものを外して、いわゆる私学助成のみについて言及をしてまいりました。その限りにおいては地方財政計画では六百八十六億円という数字になっておりまして、そのうち国費が八十億円、すなわち交付税では六百六億円。普通交付税に実際に算入されておりますのは、過去から、物件費でございますとか一部の建築費というようなものについてはめ込んでおりましたものがございますので、それらを合わせますと五十年度の計画としては一応七百九十五億円、これだけの金額を予定いたしております。
○多田委員 そうしますと、さっき言ったように生徒一人当たり幾らになりますか。
○森説明員 現在の、ただいま局長が申しましたような総額から逆算いたしますと、小、中、高の生徒一人当たりは四万三千円の予定でございます。
○多田委員 高校の場合は。
○森説明員 高、中、小、含めまして四万三千円になるであろうというように考えております。
○多田委員 これを見ますと、さっき言った六百八十億でも、対前年度比の伸びが一四七%ですね。これは、この交付税でめんどう見るようになってから、昭和四十五年以降を見ますと、対前年度の伸び率が一番の落ち込みなんですね。四十六年が二〇〇、倍になっていますね。それから四十七年もやはり倍になっておる。四十八年が一六二%、四十九年が一六一%、そして五十年がいま言った六百八十億を入れましてでしょう、これは。一四七%。それから高校生一人当たりを見ても、これはひどく落ち込んでいるのですがね。 これは松浦財政局長、この間あなたの発言で、私立には非常にサービスをしております、こういうことだったんだけれども、この落ち込みは一体どういうことなんでしょう。
○松浦政府委員 私学の問題については私どもも文部省と同じ考え方で、大蔵省とは意見が合いません。私学問題については都道府県間にアンバランスがあるからということではなくて、日本の国の教育を支えるという意味から、やはり国に一半の責任がある。したがって、私どもは国が負担をし、それに合わせて地方が裏負担をするという形をとるべきだというのがわれわれの年来の主張でございます。ただ残念なことには、文部省と同じように大蔵省と意見が合いませんので、政府の一致した意見になっておらない、こういうことでございます。したがって、これまで文部省がおとりになってこられました二分の一に到達する過程よりもややおくれぎみに、私学の助成が交付税に入ってまいります。ところがここ一、二年私学問題が非常に重要になりましたので、交付税の総額を勘案しながら急激にこれを引き上げげて国の基準に合わせるべきだということで、四十八、四十九と措置をいたしましたので、元が少なかったものですから伸び率が非常に高くなった。四十九年度では大体国のやり方に一致をいたさせておりますので、国の予算の伸びに比例して伸びるという結果になった。したがって伸び率が四十八、四十九より形式的には落ちたというかっこうになっておりますが、国の大学に対する補助のやり方と交付税の算入とが全く同じ段階まで来ました現在では、当然の結果であろうかというふうに考えております。
○多田委員 それはどうも私納得できないのですがね。大学の伸びを見ますと、さっきも話があったけれども、今度の対前年度伸び率は五七・四%なんですよ。ところが他方、たとえばこれは概算要求にしても、百七十億を要求して八十億しか入ってこない。これは四十何%ですね。本当は私立というのは大学から幼稚園まで一貫しなければいかぬのです。そういう意味では、財政局長言ったとおりなんですよ。しかしどうしてこの期になって、しかも高校の需要が非常に大きくなってきて、特に高校なんかの経営が大変苦しいという段階で、どうしてこの段階で大学の伸び率よりもダウンするのか、しかもまたその交付税の伸び率が前年度よりも落ちるのかという、この点もう少し詳しく答えてください。
○松浦政府委員 先ほど申し上げましたように、五十年度では全く大学に対する助成金の算定方法と同じにいたしております。これを超えるというわけにはいきません。その結果の数字がこうである。逆に申し上げますならば、過去が非常に低かった。低かったところから思い切って引き上げた段階の伸び率が高くなって逆になった、こういうふうに御理解をいただいたらいいかと思います。 四十九年から五十年度の伸び率の比較の問題でございますが、実は財政計画上には、支出を実際には憲法上問題があってできない学校法人にあらざる幼稚園、これに対する助成まで一応四十九年度は見込んでおった。しかし使わないものであるならばこういう見込み方をすべきでない、法律が改正されて憲法上支出が許されればまたそのときに直せばいいという考えで、四十九年度には八十億よけいなものが入っており、それは五十年度では落としております。そういう関係で伸び率が違ってきていると思いますが、内容といたしましては大学と何ら変わりない形にいたしておりますので、その点は御理解をいただけるかと存じます。
○多田委員 そうしますと、財政局長、先ほどこれは大蔵と見解が違うという話でしたけれども、少なくとも文部省が試案か何か知らないけれども持っている、三カ年間でともかく国と地方自治体とで高校の運営費の五〇%をめんどう見ていくという、このことについては賛成なんですね。そして、もし賛成であるとすれば、この伸びではそうならないのですよ。実際は五カ年計画でも文部省が言ったわずか一五・六%なんです。自治省のこの伸びでもならないのです。それが実際どういう計画で進められるのか。
○松浦政府委員 私どもは所管官庁でもございませんし、私学の内容も存じません。したがって、政府部内の一機関でございます文部省が大学に対する助成としていろいろ算定なさる方法を、そのまま高等学校、中学校、小学校にも使っていくということが一番正しいやり方であろうと思って、今後ともその方向で行くつもりでございます。ただし、その財政支出がどのくらいの金額になるか、これは文部省と大蔵省でお決めになることだと思いますが、それだけの同じようなやり方で高等学校以下の学校についての財政措置が必要であるというものについての半分は国に持っていただいてしかるべきではないかという考え方は、先生御指摘いただきましたように自治省としてはそう考えております。ただ現実の問題として、当省が大蔵省に要求するわけではございませんので、文部省にぜひそういう方向でやってくれということを、五十年度の予算についても私どもとしては大いに文部省のしりをたたいたということが実情でございます。
○多田委員 それでは次に伺いますが、現在、私学高校生を持つ父母負担の軽減を図るため、都道府県の中で授業料補助を行っていますね。その都道府県の名前を言ってください。
○高石説明員 それでは県名を申し上げます。 北海道、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、石川、長野、岐阜、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、岡山、鳥取、島根、広島、山口、福岡、長崎、熊本、大分、鹿児島でございます。
○多田委員 それが授業料補助を行っているところですな。
○高石説明員 名称はいろいろございますが、要するに父兄負担の学資軽減補助というような形で行われておりまして、その内容はいろいろな執行の方法がございます。一定の金額を、たとえば二万円なら二万円の金額を徴収しなければその分を学校法人に県が交付するということで、本人に直接渡らないで学校法人の経理の中でその金額を交付するという方式もございますし、それから父兄へ直接授業料分の援助というような形もございまして、その執行の方法は各県それぞればらばらでございます。
○多田委員 新聞の報道によりますと、都道府県が出している授業料の直接補助分については今度国の八十億の補助対象には含まないというようなことが新聞に載っておりましたけれども、これはそうですが。
○高石説明員 まだ最終的な交府要項を決定していないわけでございますが、考え方を申し上げますと、父兄負担の軽減ということで保護者に直接県が助成するものは、これは経常費という範疇に入らないということで、大学でいきますとちょうど育英奨学制度、幼稚園でいきますと就園奨励金の援助というのと似た性格を持つわけでございます。したがって、経常費助成というのは学校法人に対して都道府県が交付する経常的経費というような中で処理しなければならない。そこで、先ほど申し上げましたように、授業料免除につきましてもいわば積算の基礎として一人頭一万円とか二万円という積算をしながら学校法人に対して経費を交付するというようなやり方もございますので、一概に授業料免除がここで入るとか入らないというふうに断定できないわけでございますが、少なくとも保護者に直接渡す経費、これは対象から除外すべきが至当であろうというふうに考えております。
○多田委員 保護者に直接渡すか渡さないか別問題として、ともかくかなり多くの県で授業料補助という名目で、学校にいくか直接いくかは別にして出ているわけでしょう。その分について、たとえば都道府県なりがやる場合に、そうするとそれを八十億の補助対象にしないという考えですか。
○高石説明員 先ほど申し上げましたように、最終的な結論をまだ出していないわけでございますが、学校法人に対しての経費、経常費助成という中身で授業料のそういう措置がとられている場合についてはこれは対象にし得る余地があるというふうに考えておりますが、個人に直接渡す分については対象から除外されるべきであろうというふうに考えております。
○多田委員 わかりました。 そこで、これは自治省に伺いますが、自治省は四十三年二月二十四日に授業料の直接補助は好ましくないという意味の自治省見解を発表しましたね。その内容を簡単に言ってください。
○松浦政府委員 「父母の教育費負担を軽減するために、私立学校の在籍者に対し一律に補助金を交付することを内容とした条例を制定することは疑義があると考えられますが、御見解をうかがいます。」こういう質問に対しまして、「このような措置をとることは甚だしく不適当であり、地方自治法第二百三十二条の二の法意に違反するおそれがある。」こういう回答を出しております。
○多田委員 それはなぜ法意違反になるおそれがあるというのですか。
○松浦政府委員 このような種類の補助金は、特定の事業等を助長するということよりは家計補助金的な色彩が強いこと、それから第二番目には高等学校につきましては、ただいま文部省からのお話もございましたように、学校に助成をするという形で授業料の引き下げとするという方法があるわけでございます。個人に金を渡すという形は地方自治法上は余り好ましい形だとは考えられないということのようでございます。
○多田委員 これは大臣に伺いますけれども、いま言った私立の学生、特に私の場合いま高校生のことを聞いているのですが、これに対する授業料補助というものが家計補助のようなものだという意味のことを言っているのですよ。しかし私は、これはいまの段階では非常に不適切な言葉だと思うのです。先ほど来言っておりますけれども、三十年代後半から公立の高等学校が本当に政府の援助その他によってできなかったのですよ。そして私学の高等学校に入らざるを得ない。しかもその私学は非常な財政難から、いまじゃ年額十万、十数万とべらぼうに授業料が上がっていく。そういう意味で教育の機会均等あるいはまた私学といえども公的な教育機関であるという立場から言って、幾つかの地方自治体がすでにいろいろな形で授業料補助というものをやってきているわけです。そういう意味でこういう通達はやはり撤回して、そして地方自治体が授業料補助を行えるような道をとっていく。あるいは国自体がそういう意味でもっと補助枠を大幅に拡大していくという措置をとるためにも、こういう通達は撤回した方がよろしい。少なくとも高校についてはいま違うと思うのです。これはたとえば大学だとか小学校、中学校の場合は、小中は義務制ですからある意味では選択の自由がまだあるわけですよ。大学もまたこれは選択の自由があるでしょう。しかし、高校がこれまで国民的な教育になって、そして都市では一〇〇%近い者が公立の高等学校に進学したいが、公立の高等学校の窓口が狭いからやむを得ず高い授業料を払って私学に行く。それすらも自由意思に基づくものである、あるいはそこに対する地方自治体の援助が家計補助だ、これはもう今日の段階から言えば、ちょっと言い方が実情に合っていないと私は思う。こういう意味では、この通達の撤回もしくは高校に対する授業料補助というものをもっとオープンにしたらどうかというように私は思うのですが、どうでしょうか。
○松浦政府委員 ちょっと申し忘れましたが、これは四十三年当時の起案文章をそのまま持ってきて申し上げているので、それはあるいは時代感覚のずれがあるのかもしれません。ただ、そこにも書いてございますが、「この問題は制度の改革あるいは私立学校に対する公的財政援助等の措置を通じて解決されるべき問題であって」みだりに個人に公費を配るということは適当でない。また、「公益上必要性があるものとは言い難い。」という、まあ四十三年の状況でございますからごしんしゃくをいただきたいと思いますけれども、こういうことも書いてあるわけです。個人個人に授業料の補助という形で金をお出しになるよりは、私学に、人数にその単価をぶっかけたものを御交付いただいた方が手続も非常に簡単なんでございます。もし個人に交付するということになると、個人の領収まで全部取らないといけない。学校に交付すれば、一千人分まとめて学校が受け取りました、ただし、受け取ったものの単価が千円でございますれば、考えられた授業料より千円下げます、この方がよほど事務的にも簡素化であり、いろいろの間違いも起きないだろうし、また個人に現金を渡すというような行政というのは地方団体もできるだけやるべきでないという観点から申し上げているわけでございまして、これは私の所管でございませんので、ここで結論を申し上げかねますけれども、いずれ行政局の方へも先生の御趣旨を伝えまして、検討はしていただくようにいたしたい、こう思います。
○多田委員 いま財政局長の言った趣旨もわからぬわけじゃないのです。しかし、それ以上にいまの教育の状況、高校進学の問題あるいは私学の現状というのは深刻な問題だし、またそれ以上に父母負担というのは深刻な問題なんですね。以前は、たとえば私学と言えば、これは戦前は御承知のとおり公費の援助がなくてもやれましたですよ。戦後は、先ほど大臣、高度経済成長のいろいろなことを述べておられましたけれども、新しい変化の中で私学はそうせざるを得ない状況に追い込まれてきているわけでしょう。それから、いま私学に行っている子弟の家庭というのは決して裕福な者すべてじゃないですよ。特に高校だとか大学の場合はそうなんです。裕福な者もいるでしょうけれども、むしろ家庭教師も入れられない、特別な教育もできないという一般勤労者の子弟が私学の生徒に多いのですよ。そういう実情から言えば、いま局長が言われたようにそういう通達というものはやはり再検討する必要があるだろう、ひとつ十分検討していただきたいというふうに私は思うのです。それでここで、いま私の述べてまいりました私学の高校に対する援助について、一言大臣の意見を聞かしていただきたいと思うのです。
○福田(一)国務大臣 いろいろお話を承っておりまして感じますことは、やはりこれは、私学の問題をどのようにとらえて国が処置をするかということが根本の問題でありまして、そういう意味でこの問題を見ていくべきではないか、こういうことでございます。あなたのおっしゃるような授業料の補助であるとかあるいは何かこう個人にあれをするとかいうようなことではない。もうすでに九〇%も高校へ進学するという状況になっておるんですから、これをいわゆる教育の問題の根本としてどうとらえていくかということが一番望ましい解決である、こう思っております。
○多田委員 次にちょっと別な問題に入ります。文部省の方、もうよろしいです。大蔵省の方もよろしいです。 これは自治省に伺いますが、交付税について政府自治省は三一%でやっていけるというふうに言っているわけですけれども、全国の地方自治体の交付税率引き上げの声というのは依然として強い。むしろますます強くなっていると言っていいと思うのです。これはやはり基準財政需要額の算定が実態を無視している、あるいは実態とかけ離れている、ここに一番大きな原因があるというふうに思うのですね。で、これは非常に小さいことのように思うけれども、実態と離れているという問題について、私は実は積雪寒冷地の除雪の問題をちょっと伺っておきたい、こう思うのです。 そこで、これは札幌の場合ですけれども、職員費を除いたこの除雪費については、その決算額と基準財政需要額の差は非常に大きな違いがあるんですね。たとえば四十七年度の違いは四億五千百九十万、それから四十八年が六億一千七百二万、四十九年が八億九千二百八万、こういう大きな開きがあるわけなんです。で、五十年度は札幌の除雪費は約十四億近くという状況で、交付税では三億幾らなんですね。こういう状況になってきている。そこで、なぜこのように実態と比べて著しい差があるのか、これをひとつ伺いたいと思います。
○森説明員 いまお話のございました札幌の除雪費の実際の決算額につきましては、私ども急遽調べようとしたのですが、どうも調べることができませんので、後ほど時間をかけて調査をしてみたいと思います。 それで、除雪費関係の寒冷補正をやっております基本的な考え方といたしましては、道路につきましては、一つは昭和二十五年から昭和四十四年までの二十年間の現実の積雪の量をとりまして、積雪の量の多寡によりまして八つの級地に区分いたしまして、それぞれ必要な経費がどれぐらいかかるであろうかということ。それから道路につきましてはさらに、降雪の量のほかに幅員というものも除雪経費に直接影響してまいりますので、そういうような計算も一緒に含めまして除雪に必要な経費を算定しておるところでございます。 それで、その経費につきましては毎年逐次増加してまいりまして、普通交付税に算入しております除雪関係の経費といたしましては、四十九年度が道府県分で二百十七億、市町村分が二百九十七億、合計五百十四億。ただ、これは全国数字でございますから、札幌の数字はただいま申しましたように決算はわかりませんが、四十八年度が九億三千七百万、四十九年度は十二億六千五百万、これだけ除雪費として普通交付税に算入しておるところでございます。 なお、ただいま申し上げましたような普通交付税の数字は通常の場合の道路の除雪費でございますので、年によりまして異常な豪雪等がございました場合には、それぞれの実態によりまして特別交付税の額をさらに上積み加算する、こういうやり方をやっておりますので、御了承いただきたいと思います。 それで札幌の具体的な決算額につきましては、若干時間がかかりますけれども、後ほど札幌市当局に問い合わせてみたいと思っております。
○多田委員 これは札幌からもらった資料なんですが、道路維持補修費のうち除雪費については、職員費を除くということになっているのですが、四十七年度は、除雪費の決算額が七億九千四百四十万九千円、これに対する基準財政需要額は三億四千二百五十万。それから四十八年が決算額が十億一千二百二十一万、それに対して基準財政需要額が三億九千五百十九万三千円。それから四十九年の決算見込みとして除雪費が十三億九千二百六万、それに対して基準財政需要額が四億九千九百九十七万五千、こういう資料が私の手にあるのです。さらに、四十九年の決算見込み額の中の幾つかの内訳を言いますと、拡幅除雪費が三億七千九百六十七万、それから運搬排雪費が五億二千七百二十一万、それから歩道除雪費が三億四千五百九十五万、それから除雪機械の償却費が一億三千九百二十一万、それに対して、いま言った基準財政需要額が四億九千九百九十七万、こういうことになっているのです。差し引き八億九千二百八万の差が出ているわけです。この差の中で私一つ伺いたいのは、自治省は除雪機械の交付税算定をどういう基準でやっておりますか。
○森説明員 除雪機械の単価につきましては、先ほど申しました積雪の度合いによりまして級地区分をいたしておりますが、最高の八級地で、これは四十九年度の単価でございますが、六百五十万、一級地で四百五十万、こういうふうに見まして、それを五年間で更新するというように計算をいたしております。所要の台数といたしましては、八級地で三十三台、一級地で二十台、こういうように計算をいたしております。
○多田委員 だからそういう中に、非常に大きな実態と離れたものがあるということを私は言いたいのですよ。たとえば札幌でいまどれだけの機械を持っているかといえば、これは専門的な言葉になりますが、たとえばグレーダーという機械は九百万円です。これを三十二台ですよ。それからロータリーの大、千六百万円が八台。それからロータリーの小の千二百万円が二台です。それからダンプの七百八十万のとブルドーザーの八トン車、これは七百万円、これが二十六台。それから十四トン車、一千万円のが十四台。こういう全然けた違いの数字なんです。こういうふうに、一つは実態が非常にかけ離れているというふうに思うのです。 そこで、大臣は北海道開発庁の長官もやっておるわけですね。特に札幌のような大都市の場合は、単に小さな都市の除雪とは違うわけです。つまり都市機能が麻痺してしまうのです。ですから、たとえばランクに分けて、雪が降ればその晩のうちに除雪してしまうというものもあるし、それから翌日いっぱいかけてやるというものもありますし、一日、二日延びてもいいというのもあるわけですけれども、本当に都市機能を維持していくためには、その晩のうちに撤去しなければならない。こういう実情からいって、これは特に札幌だけではございませんけれども、除雪費については各地でかなり大きな食い違いが生まれてきているわけです。そういう意味で、今度交付税算定の場合、この除雪費についてひとつ再考できないかどうか、これを財政局長にお願いしたいわけです。
○森説明員 先ほどの御説明でちょっと肝心な点脱落いたしまして、大変失礼いたしました。 先ほど申しました機械の単価その他の数字は、交付税の算定に用いております人口十万の標準団体についての、人口十万の団体の道路の除雪対象面積を二百万平米というふうに想定した場合の数字でございます。札幌のような大都市になりますと道路の面積がこれの何十倍になりますか、非常に大きな数字になりますので、それによりまして除雪費用もそれだけ増額されるということになります。ちょっと説明を申し落としましたので、補足させていただきます。
○松浦政府委員 せっかくの御指摘でございますので、よく札幌市当局と実態の突き合わせは行ってみたいと思います。直すとか直さないとかいうことはそれからの問題であろうかと思います。ただ、一般論として申し上げておきたいのは、都道府県なり、特に指定都市でございますと市でございますから、基準収入は収入額の七五%しかとっておりませんので、現実の需要には理論的に合いようがないわけでございます。税金の二五%分だけは割り落としをした形にしないと、計算が合わないわけでございます。先生のおっしゃるように、二倍も三倍もかけ離れているということでございますと問題でございますが、交付税の基準財政需要額が七五%程度であれば、それでいいという形に計算上どうしてもならざるを得ません。そのことだけはひとつ御理解を賜っておきたいと思います。
○多田委員 それは十分承知しておりますよ。しかしそれでも地方自治体は大変だということなんです。 そこで、最後に移ります。これは自治体病院のことです。 これは自治省に伺いますが、地方公営企業の料金はどのようにして決められるのですか。
○山本(成)政府委員 御案内のように、地方公営企業の料金制度につきましては、たとえば上水道のように条例で決めるだけで終わるものもございます。それから交通のバスの料金でございますが、これらにつきましては所管庁の認可が要る。あるいは病院のように、国が一方的に定める体系によって料金を取るというふうなものがございます。いずれにいたしましても条例でみずから決めるか、あるいは条例だけで決められないというタイプに分かれるのではないかと思います。
○多田委員 公営水道なんかですと、これは地方自治体の長が地方公営企業法の二十一条に基づいて、適正な料金ということで決めることができるわけですけれども、自治体病院については、料金は決めるといっても、地方自治体の議会では決める権限がないんですね。診療報酬や薬価はすべて中医協で決められてくるわけです。そういう意味では地方公営企業法の第二十一条と矛盾しないと思いますか、あるいは矛盾すると思いますか。どうですか。
○山本(成)政府委員 結論的には、私どもは矛盾するとは思いません。理由について申し上げますと細かくなりますけれども、ただいま申し上げましたように、たとえば運輸省の認可制度によりますバスの料金決定のように、形は違いましても、やはり国の一方的な関与があるものもございます。しかもなお交通についてでございますが、民間で企業としてやっておるものがある、公営企業でやっておるものもあるというふうなことでございまして、簡単に言えば、国のそういう決定によって、あるいは関与によって料金が決まるからということのみをもって、公営企業でないということは言えないと思います。
○多田委員 公営企業でないとは言っていないのです。この公営企業に独立採算制がやはり強制されているわけでしょう。ところが、独立採算制の公営企業である病院が診療報酬をみずから決めることもできない、こういう状況になっているわけでしょう。そこで、これは厚生省に伺いますけれども、全国の病院の中で自治体病院の比重はどの程度のものか、特に、たとえば全病院数の中で占める比重あるいは取扱患者数の中でどれだけ占めるのか、これをひとつ述べてください。
○田中(明)説明員 全国の病院の中で自治体の開設する病院は、病院数にしまして大体八分の一に当たっております。それから病床でこれを見ますと、約二割に当たっております。
○多田委員 地方自治体の病院が全国の病院の中で占めている比重というのは非常に大きいわけです。この病院が、独立採算制を強いながら、実際はみずから料金を決定できないということになって、そこから一般会計からの持ち出しが行われているわけですね。一種の超過負担と言ってもいいくらいのものだと思うのです。 そこで、自治大臣に残っていただいたのは、住民の命と暮らしと言いますけれども、まさに命そのものを扱っております地方自治体の病院に、独立採算制を強いられながら、実際は地方財政から補てんもしているということで、私は、中医協の構成メンバー、この中に地方自治体の代表というかあるいはまたその意見が反映できるようにすべきだと思いますが、どうでしょうか。これほどの大きな比重を持っている地方自治体病院、これがいま言ったようにみずから料金を決定する権限もない、こういう状況なんですよ。どうでしょうか、それは。
○福田(一)国務大臣 私は、中医協のそういうような会合においては、ある委員を通じてそういう問題が出ておると思います。またそういう議論も出ています。いま非常に地方の公立の病院が経営が苦しいということについては出ております。これはこういうことで申し上げてどうかと思うのですが、私らのところは、私は福井ですけれども、そういうものは余りつくってもらっちゃ困ると言うて医師会がえらい反対しまして、そういうものはつくらないのです。また、そういうものをつくれと言うところもありまして、そういうことでいろいろ問題があるのじゃないかと私思うのです。実際には選挙のときに、今度はつくるんだというようなことを言ってやってみたけれど、今度はお医者さんの方で反対してつくらせなかった例もあるし、それからまた、そういうことを選挙で約束したものだからつくってしまった。つくることはつくったけれども、それだけの十分なお医者さんも確保できなければ、看護婦も確保できない、サービスもよくない、だから人は入らない、ますます悪くなる、こういうところもあると思うので、そこいらの問題、やはり地方の公立の病院だからといって全部が全部同じようなことではないと思う。やむを得ず、これはなるほどつくらざるを得なかったのである、病床を入れないわけにはいかないのだ、そういうことをよく考えないとならないのじゃないかと私は思うのです。(多田委員「大臣、私はそういうことを聞いているのじゃないのですよ」と呼ぶ)いやいや、この問題を扱う上において基礎的な問題なんですよ、私が申し上げておるのは。だから、そういうことも含めて、それは中医協のところへそういう意見も出ておると思います。だけれども、地方のそういう病院の問題は、一つの専門的な問題としてもう少し研究をした上で臨んでいく方がいいのじゃないのかと私は思うのです。それを一つのお医者様の何かの医薬の問題、医療の問題等にすぐに持ち込んでいいのかどうかということは私はあると思います。しかし、あなたがお考えになっているようなことは、いままでも質問がありましたけれども、大体みんなよくわかっておるわけなんで、その事情もよくわかっておるように私は理解をしております。
○多田委員 これは厚生省に聞きますけれども、そういうことは検討されましたか。たとえば、これだけ大きな比重を持っている地方自治体の病院の声を何らかの形で反映さしていく、あるいは構成メンバー二十人ですか、そういう中に地方自治体の声を反映できるような代表を入れていくということを検討されたことがございますか、あるいは現在でいいと思っておりますか。
○田中(明)説明員 中医協の委員の構成につきましては、御案内のとおり、診療を担当する側といたしまして、医師、歯科医師及び薬剤師を代表する委員合計八名ということになっておりまして、委員の選出に当たりましては、現在それぞれ関係団体である日本医師会、日本歯科医師会及び日本薬剤師会からの推薦を受けているところでございます。 いま御指摘のようなことにつきましての御意見はわれわれもいろいろ伺っておりますけれども、日本医師会には病院に勤務する医師も多数加入しておるわけでございまして、これらの方々の意見も十分反映されているとわれわれは考えております。
○多田委員 病院代表もいるようですけれども、しかし、実際には基準看護もやっていないというような病院の代表が行ってみても、私はそれがまるごと悪いと言っているわけじゃないけれども、本当に地方自治体の病院の特殊的な状況、こういうものを反映できるかどうか、私は大変疑問に思っているし、いま大臣がしばしば反映されていると言っているけれども、私は厚生省でもいま一段これは検討していただきたい、こう思うのです。 そこで、最後に伺いたいのは、国立病院の特別会計に一般会計から繰り入れておりますね。これはどれくらい繰り入れていますか。
○田中(明)説明員 私の所管でございませんので、ちょっと詳しい数字はお答えできません。
○多田委員 私の手元で先ほど聞いたのでは、国立病院の特別会計に一般会計からの繰り入れ、これは四十八年度は五百六十七億、それから四十九年度が五百五十億、それから五十年度が四百六十六億というように聞いているのですよ。こういう金が国立病院の場合に繰り入れられているわけですけれども、その理由はどういうわけですか。
○田中(明)説明員 これも私の所管でございませんので、私が聞いておりますところを申し上げますと、社会保険の診療報酬というのは、御存じのように、一般的な適正な医療が被保険者に対して確保されるような仕組みになっているわけでございますので、特別な高度の不採算医療というようなものにつきましては、国といたしまして医療行政の観点から別途その確保を図るというような観点に立って、特別に一般会計からの支出を考えられているというふうに聞いております。
○多田委員 結局、高度の技術あるいは高度の器械を入れているといっても、それ相応の診療報酬もあるわけですね。結論は、やはり今日の診療報酬制度のもとではどこの病院であってもこれは大変なことだということなんですね。それは国だから一般会計から援助できるわけですよ。そういう意味で、私は自治大臣に残ってもらいましたのは、この地方自治体病院にしても苦しいのは——いつか財政局長は医師と看護婦の不足だ、これが一番大きな理由だと言っておりましたけれども、私はそれは一般には否定はしないけれども、もっと根本的な問題に原因があるわけですね。そういう意味では、地方病院に対する国からの補助というものはもっと真剣に考えてみる必要がある、私はこう思うのです。 最後に大臣の御意見を伺っておきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 ただいまの多田さんの御希望は胸にとどめておきます。
○多田委員 先ほど言ったように料金がみずから決められない、しかも独算制を強いられている、国自身が一般会計から国立病院の中には金を回している、これはやはり矛盾していますよ。しかもその決定にも参画できない。そういう意味ではやはり独立採算制ということの鉄枠ではめるのではなくて、一般会計からもっとどんどん繰り入れていく、それ以上に、国の地方自治体に対するさまざまな援助というものが必要になっているのじゃないか、私はこう思っております。 大臣の答弁を伺いましたから、これで終わります。
○大西委員長 次回は、明七日水曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五十二分散会