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75回国会衆議院1975/03/14

地方行政委員会 第9号

発言数
248
登壇者
16
会派数
5
開催日
1975/03/14

会議録

大西正男自由民主党

○大西委員長 これより会議を開きます。  内閣提出に係る地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 最初にお尋ねをしておきたいのは、来年度、固定資産税の評価がえの年でありますが、これに対してどのような方針で臨まれますか、お聞きしておきたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御指摘のとおり来年度は固定資産税の評価がえの年でございます。固定資産税につきましては、評価がえの際、土地と家屋の二つが問題になるわけでございますが、土地の面におきましては、最近の地価の状況が、引き締め策の浸透でございますとか、あるいは都市対策の進行等の問題もあろうかと思いますが、かなり上昇が緩和をいたしておるようでございます。そういった土地価格のあり方の状況等を勘案しながら、実態に合った評価がえというものをやってまいりたい、こう考えております。  それから、家屋につきましては四十八年度に一応算定基準を直したところでございますが、その後かなり建築価格の値上がり等もございますので、そういった実態を現在精査中でございまして、これもしかるべく評価がえを行いたい、このように考えております。  ただ、このことに伴います税負担そのものの増高の問題は、やはり税負担の激変とかいったことに関係があると思いますので、この評価状況との関連におきまして税負担調整の状況等についても鋭意精査を加えたい、このように考えておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 勤労者の生活用地、特に小規模住宅用地については、評価がえによりまして負担が急増すると思われます。これに対して何らかの対策をとる必要がありはしないか。特に、大臣の所信表明を拝見しましても、高度経済成長から安定成長、福祉優先というふうな所信が示されておるわけでありますから、この所信を具体化するための具体論としては、税の問題は当然問題になってくるわけでありますが、その点から考えまして、この固定資産の評価がえに伴う勤労者負担の増加に対する特殊な方針があるのか、四十九年、五十年度の税額のまま据え置くというふうな処置はとれないのか、お尋ねしたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 先生もすでに御案内のように、住宅関係、特に小規模住宅関係につきましては、小規模住宅用地につきましていろいろ特例を設けておるのは御承知のとおりでございます。住宅用地そのものについて、四十八年度の税制改正で二分の一、こういう軽減措置を設けましたし、さらに四十九年度改正で二百平米、つまり六十坪以下の小規模住宅用地については四分の一にするといったような措置で、このような負担をできるだけ緩和するための配慮をいたしたわけでございます。五十一年度において評価がえが行われます場合に、この税負担がどのように出てくるかということは非常に問題でございますので、今後税負担の急増というようなことにならないように、税制調査会や中央固定資産評価審議会等の御意見も承りながら所要の措置を考えてまいりたいと思っておりますが、いずれにいたしましても所得も若干ずつ増加はしてまいりましょうし、また地方の財政需要そのものも増加をするわけでございますので、全然そのまま据え置くということは非常に困難なことではなかろうか、こう考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 これは明年度の処置でありますから、いまの税法の問題とは関係がありませんが、しかし政府の経済政策の転換を図っていくという観点に立ちますと、そういう立場に立つ具体方針が必要になってくるわけであって、総論は大変りっぱなことをおっしゃっておりますけれども、各論になってきますと、総論に基づく具体案が一つも出ていないという、そういう弱点があります。これにつきましては十分な検討を加えていただいて、勤労者や小規模住宅用地についての税負担がふえないように善処をお願いしたい、こう思います。これは要望にとどめておきます。  事業所税についてお尋ねしたいと思います。  新しい税金が創設されましたが、この新税の創設に当たりましては、税負担についての正当な理由と根拠を必要とすることは言うまでもありません。事業所税についての提案の理由、課税目的を見ますと、「都市環境の整備に要する費用に充てるため」と説明されております。ごく現象的な説明になっておる。ここで都市問題の原因と結果、それから受益と不利益の関係、責任と費用分担についての基本的な見解というものが明らかになっていない。これが明らかになってきませんと税目的が非常にあいまいになってしまう。その見解についてお尋ねしたいと思う。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 先生も御案内のように、最近、地方財政におきまして財政需要の増高が著しゅうございますが、この中でも特に都市的な財政需要の増高が、つまり都市環境の整備、これに要します財政需要の増高というものが激しいわけでございますが、この点をいろいろ考えてみますと、やはり大都市地域におきましては、人口や企業の過度の集中というものがこういった需要を巻き起こしておるのではないか、こう考えられるわけでございます。  そこで一つには、やはりこういった過度の集中に対する対策を、これは一つだけの手段ではうまくまいらぬと思いますが、あらゆる方策を通じて実施をすべきであるという大きな命題が出ますとともに、現実の問題といたしまして、大都市において発生をいたしております財政需要に対応する財源を何とかして増強してあげたい、求めたい、こういう気持ちが出てくるわけでございます。  この現実の問題の方に照らして考えてみますと、やはりこのような大都市需要の財源をどこに負担をしていただくかということになりますと、大都市における集中の利益を享受するために集まっておる、かつまた集まったことによって大都市の財政需要をかき立てておる、こういうたぐいの方に負担をしていただく、これが大都市周辺に立地をいたします事務所、事業所ではなかろうか、こういうことでございまして、ここに税負担を求めよう、これを第一義に考えたわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 大都市及びその周辺都市に集積します企業の経済活動というものが、道路や港湾、交通、水道などのいわゆる公共施設というものを経済的な社会資本としまして、市場機能を活発化して集積の利益を受けてきておる、そこに税の負担を求めるという御趣旨だろうと思います。  そこで、その点が明確になってまいりますと、この集積の利益の最大の受益者というものが那辺にあるかという問題であります。都市問題の主要な発生源であり、この集積の不利益の生産者である大資本の担税責任、これを明らかにしていくということが特に必要となってくるわけでありますが、この場合中小企業についてどのようにお考えになっておるのか。大都市における中小企業というものといまの集積の利益、不利益の関係、それから中小企業というものが本来大企業の経済活動の部分を担当しておるという性格等から見まして、中小企業に対する事業所税の負担についてはどのようにお考えになっているのか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 大都市におきます集中の利益の享受とか、あるいは都市環境整備のための必要をかき立てた原因、こういう面から考えますと、単純に、単に大企業あるいは中小企業、こういう分け方をするのはなかなか困難であろうかと思います。中小企業の場合といえども集中の利益を受けないことはないわけでございます。しかし、中小企業の場合はその担税力の問題それからわが国における中小企業の現状、こういうことから考えて、できるだけ中小企業の負担はこれを求めない、排除するということが必要であろうという考え方から、御案内の課税標準の特例ないしは非課税の中にも、そういった観点から中小企業の負担を排除するための仕組みを幾つか考えて特例を設けておるところでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、この課税目的というのは集積の利益を享受している企業に対してその社会的な費用を内部化するために課するものである、そういうふうに理解していいわけですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 そのように御理解をいただいて結構だと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そこで内容について少しお尋ねしたいと思いますが、免税点が既設の事業所の場合床面積割が千平米、従業員割が百人となっておりますが、この根拠はどこにありますのかお尋ねしたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 先ほど申し上げましたように、中小企業的なものについてなるたけ負担を求めないということで基準を設けようと考えたわけでございます。この基準の設け方にはいろいろな考え方があろうかと思いますが、千平米ということで床面積を決めましたのは、四十八年度の固定資産の価格等の概要調書をとりましたときに、大都市におきます事業所等の一むね当たりの平均床面積が七百平米ほどに相なっております。それから百坪以上ありますような事業所で抽出調査をいたしてみたのでございますが、一事業所当たりの床面積平均が約九百平米程度になっておりますので、大方そういったところを基準にして、千平米という基準はいかがなものであろうかということで設定をいたしました。この点につきましては、各省庁並びに実際にこの税を徴収いたします地方公共団体、こういったところの意見も十分聞きまして、まあ妥当なところかと考えておる次第でございます。  それから百人でございますが、いろいろな基準がこれもまたあろうかと思いますが、一応中小企業基本法の「中小企業者の範囲」のうち卸売業の従業者数が百人以下という基準がございます。これも一つでございますが、このくらいのところでどうかということで、これも同じように各省庁それから実際に税を徴収いたします地方公共団体、こういうところの意見を徴しまして、ほほ大体そんなところでいいのではないかということで採用いたしたわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 中小企業基本法に規定しております製造業の範囲、つまり資本金では一億円、従業員三百人までは事業所税を課税するなという要求があります。これについてどうお考えでしょうか。検討されるお考えはないでしょうか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 免税点の設定につきましてはいろいろな考え方があろうかと思いますが、平均的な意味で中小企業対策を実施し得るという基準をねらいましたことが一つ。それからもう一つは、やはりこのような税を設定をいたしまして所要の財源を確保するということが大きな命題に相なりますので、このことに基づきます税収入の見込みがどの程度になるのか、それから徴税のやり方がどういうかっこうになるのか、こういったこともあわせ考える必要がございますので、地方団体等とも十分相談をいたしましてこのような線を設定をいたしたわけでございます。したがいまして、もとよりこれは未来永劫絶対のものというわけではもちろんないと思いますので、今後の税制の執行の運営そのものを見詰めながらなお検討はいたしたいと思いますが、現在の場合といたしましてこのような免税点が適当であるというように、私どもとしては考えておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 所要財源の確保につきましては、累進構造をとるとか、いろいろな手段があるわけであって、この場合は中小企業の過重な負担をどう回避するかというところを、私どもは非常に重視しておるわけでございます。その点からしますと、中小企業基本法に規定しております業種あるいは規模、これなどにつきましては課税対象としないという処置をとるべきだ。特に最近のように、政府の経済政策なども高度経済成長から低成長へ、そして経済優先から福祉優先というふうなことを目標とされます限りは、その面における考慮が当然なくちゃならぬと私は思うわけでありますが、いかがでございますか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 免税点をどの程度に設定をするかという点についてはいろいろ御意見はあろうかと思いますが、先ほど申し上げましたような平均的な観点から千平米、百人という線を設定いたしたわけでございます。このことはまた課税標準を何にとるのか、いわゆる外形基準として課税標準を何に求めるのかということとも関連をいたしてくると思います。非常に単純に、従業者への給与支払い額と床面積という二つの代表的なもので単純化をいたしましたので、その点との関連も出てくるわけでございます。  なお、たとえば従業員等で考えてみました場合に、事業所数の割合で考えてみますと百人以上を雇用いたしております事業所数は全体の事業所数の約一%程度、かなり少ない比率に相なっております。こういったことも勘案をいたしたわけでございます。さらにまた、中小企業対策としては別途具体的な施策に基づく中小企業の共同化、こういったような観点からも目をつけまして、そういったような中小企業の共同化等の施設については非課税の措置をとる、こういうかっこうをもう一つ補完的に用いることによって、御趣旨の中小企業対策という線はわれわれとしては考えたつもりでいるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 小規模の事務所については、その負担能力並びに集積の利益、不利益に関する影響の度合いなどからしまして課税の範囲から除外すべきである、これは課税の検討段階から、各省ともその種の意見は、大小にかかわらずあったように聞いております。  そこで、この小規模とは何かという問題でありますけれども、小規模とは、中小企業基本法に準拠すべきものだ、それが一貫性のある政府としての基準になるべきものだというふうに私は思いますけれども、その点はどうでしょうか。  それから、いま課税標準の話がありましたが、床面積、従業員に課税標準を求めた理由はどこにあるのか、お尋ねしたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 前段の方は、御説のように中小企業に税負担を求めないという考え方から、やはり中小企業基本法、これも一つの体系でございますので、こういったものも勘案をしながら、それに背馳をしないようなかっこうで設定をしていくということは当然であろうと思います。ただこれは税でございますので、中小企業基本法の場合には業種別に分けまして、資本金別であるとか従業員別であるとか、こういうことで基準を設けておりますが、税制でこれを採用いたしますときには、何らか平均的なものに持ち込まざるを得ない。そういう面で、免税点というものの設定を考える必要がございますので、私どもといたしましても、中小企業基本法の精神に乗りながら平均的な基準を考えた、このように考えておる次第でございます。  それから、後段でございますが、要するに事業活動を何らかの外形標準でつかまえようということが究極の目的であったわけでございまして、この外形標準のとらえ方としてはいろいろなものがあり得ると思います。たとえば、資本金でございますとか、付加価値でございますとか、あるいは固定資産関係でも土地や償却資産等を含めましたものでございますとか、いろいろなつかまえ方があろうかと思いますが、非常に簡単に考えてみますと、やはり物的要素と人的要素、この二つで企業活動が行われておるものをつかまえることができるという観点に立ちますならば、何らかのかっこうで人的要素と物的要素の代表を選び出す。そのためには、税の実務の執行上非常にこれを簡素化をしていくという要素も別にございますので、そういった点も勘案をいたしました結果、人的要素としては従業員に対する支払い給与額、物的な要素としては建物の床面積、これを外形標準の右代表と申しますとちょっと語弊があるかもしれませんが、そういうかっこうで選び上げるのが適当ではないか、こういうことで選定をいたしたわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この事業所税の創設につきましては、各自治体などにおいても、税財政制度の研究会をつくりましていろいろな発表が行われております。この大阪府の地方税財政制度研究会の研究成果を見ますと、床面積、給与額のみでは、企業活動の規模を的確に捕捉できない、こういう立場をとっております。床面積、従業員数、資産額を総合的に組み合わせて、中小企業をその課税範囲から除外する要件とすることが適当だとしておりますが、この点についてはどうでしょうか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 このような課税標準を選定をいたします経過におきまして、お説のような議論、説がたくさんありましたのは御指摘のとおりでございまして、そのそれぞれの御主張に対しまして、それぞれ私ども理由のあることだと実は考えておるわけでございます。しかしながら、逆にまた非常にたくさんの課税標準を選択をいたしますときに、これに対応いたしましたデメリットと申しますか、困難性と申しますか、それが出てくることも事実でございまして、たとえば固定資産につきましても、固定資産の評価額ないしは土地とか償却資産、こういうものを持ち込みます場合には、一つには現行の固定資産税と二重課税になるのではないか、そのような税金の新設は認められないという、根っこからの税の新設を否定するような事態も出てきたわけでございまして、私どもといたしましては、やはり二重課税ではないかっこうで外形標準をつかまえる必要がある。これは税を新設をいたします場合の一番端的な、理論的な命題として出てきたわけでございます。それからもう一つは、やはり償却資産等をつかまえることも非常に意味のあることでございますが、たとえば、美術性の償却資産、こういうものの把握をどうするのかといったような問題まで考えますと、課税標準を設定いたします際の技術的な困難性が非常に多いわけでございます。最終的にはいろいろな議論が出ましたが、各地方公共団体とも相談の上、これだけ単純化をした方がいいだろう、こういうことで踏み切った次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまの点で、二重課税という問題がありますが、この問題を厳密に言うていきますと、事業税なんというものは二重課税なんだ、実際において、現行のものが。ですからそこら辺の問題を本当に論理的に整理するということであれば別ですけれども、もともとこの事務所税というのは本来物税としての事業税で追及すべきものなんだ。ところが事業税は所得課税をやっている。そこで今度特定の地域においてだけ事務所税を創設するというびほう的な処置になってきた。ただこれは課税主体が違うということは確かにありますけれども、本来言いますと、これは事業税がこういう性質のものだ。物税である限り当然そうなるべきものなんですよ。そこら辺の税の制度全体からこの点は検討しなければいけないものだ。矛盾の上に矛盾が集積されるという感じを私は受けておりますけれども、その点はどうでしょうか。  それから、この課税標準ですけれども、固定資産の価格または固定資産税額、それと給与支払い総額、これは大阪府の地方税財政制度研究会などが主張しております。これにはこれなりのまた一定の論理的な根拠があるのです。固定資産の価格または固定資産税額は物的な側面から事業活動の規模をとらえたものであるという考え方、特に土地は一般に都心に近いほど地価が高い、建物についても地価に相応したものが建設されておるという大都市における実態というものが一つの基礎になってきている。したがって、固定資産の価格というものは集積の利益の享受の度合いというものを最もよくあらわしておるんだ、こういう理論になっております。ですから、固定資産の価格または固定資産税額を課税標準とすることはきわめて適切である、こういう主張が大阪府の研究会におきましては結論づけられておるわけであります。そこでその面からいきますと、二重性を持つ持たぬという問題からいきますと、これは指摘すればたくさん出てくる。その矛盾というものは根本的に税制の問題を改善しなければ解消するものではない。それをやらずにびほう策を講ずる限りは、その種の矛盾は避けがたい。そうしますと、いま言いました固定資産というものを課税対象にするという考え方、これは根拠もあるし、可能性もあるという考え方でありますが、どうでしょう。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 固定資産の評価額を課税標準にするといった考え方につきましては、もちろん御主張のようにそれなりの理由があることでございまして、私ども自身もかつてはそういうやり方も考えてみたことがあるわけでございます。しかしながらここで決定的に困りましたことは、先ほども申し上げましたように、固定資産の評価額そのものを課税標準にして同じ市町村が課税をするという点は、明らかに固定資産税と二重課税になるではないか、そのような税制を新設することは税制度としては認めがたい、こういう議論が税制調査会の中でもずいぶん議論がありました結果言われたのでありまして、私どもとしては何としてでもこのような税制をつくりたい一念に燃えておりますので、あらゆる困難を排除いたしまして新設をいたしたいという考え方でこういう点に対処をいたしてまいったわけでございます。  なお、この点につきまして、現在の事業税が物税でありながら所得課税をしておる分野が多いという点についての矛盾の御指摘がございました。これは前々から申し上げておりますように、私どもも、事業税そのものは物税であるという性格で成り立っておりますので、本来外形標準を持ち込むことが妥当だと思っておりますが、毎々申し上げておりますような諸般の事情からまだ実現に至っておりません。そういう意味からはこの事業所税はまさしくその物税の性格を徹底いたしたものでございまして、言いかえてみますならば、語弊があるかと思いますが、府県で取っております事業税に対応いたしまして、大都市で取ります特別事業税と言いますとちょっと言い過ぎかもしれませんが、物税的性格を持っておるという意味においてはきわめて近い性格のもの、こういうものが改めてできる、こういうことでございまして、この点では、先ほど御指摘のように課税主体も違いますので、二重課税を新たに税制度上に持ち込んだという非難は当たらないわけでございます。いずれにいたしましても、そのような経過、論議等を経まして、このような単純な課税標準に落ちついたわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 給与総額と床面積のみを課税標準とする方法では、事業活動の規模が的確につかまえられないというだけでなしに、税収の伸長性が見込まれない、それから弾力性の確保ということが考えられない、非常に固定したものになってしまう、そういう弱点も存在しております。その点からしますと、その点を補強するための何らかの方法を取り入れる必要がある。それを資本金額にするかあるいは固定資産の価格にするか、そこら辺は検討を要するとしまして、私どもはこれをしなさいという主張はしませんけれども、何らかの方法が必要だということは当然考え得る問題だと思います。  通産省からお越しになっておると思いますけれども、企業活動の規模を捕促しますためには、従業員と資本金のいずれが適当と思われますか、これをお尋ねしたいと思います。

田口健次郎通商産業省産業政策局調査課長

○田口説明員 御説明申し上げます。  企業活動は、いわば総合的な有機体として活動しておるわけでございますので、一つだけの基準を、これだけが正しいということで取り上げるということは非常にむずかしいのではないかと思います。また税務でございますとかあるいは金融でございますとか、あるいは中小企業のカルテルを認める認めない等々、行政、政策の目的によってもまたこの基準は変わり得るのではあるまいかと思います。  一般的にいま用いられております資料といたしましては、資本金の金額でございますとか総資産でありますとか、あるいは従業員の多い少ない、あるいは売上高、それから所得、付加価値、並べてみましてもたくさんあるかと思います。理論的には、これを全部取り上げて総合的に判断していくということが必要ではあるまいかと思います。  それから、業種によりまして、いわゆる労働集約的な業種と資本集約的な業種ということで、同じ従業員をとりましても、資本の多い少ないもございますし、資本についても同様のことが言えるかと思います。  それからいわゆる資料、データの面から申しますと、売上高とか所得とか付加価値というものは、時とともに非常な変動をするというようなこともございます。  そういったことで、御高承のように中小企業の定義につきましては、資本金と従業員、両方使っておるわけでございまして、一概にどちらということは、非常に申し上げることはむずかしいのではないかと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 事業の規模を捕捉しますためには売上金が一番正確だということは、だれが考えても言い得ることだと思いますけれども、売上金の問題になりますと、付加価値問題も出てくるわけでありますから、私たちは資本金という考え方も一つ存在すると思うのですが、これについてはどうお考えでしょうか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 もちろん外形標準としてつかまえます場合に、付加価値、売り上げ、それから資本金、こういったものも一つの判定の材料になり得るものであるという点につきましては、私どもも否定をいたしません。同感でございます。しかしながら、企業の実態を見てみました場合に、資本金の大小にかかわらず、非常に営業活動、企業活動が違うということがたくさんございますことも事実でございますし、いずれにいたしましても、企業活動の状況を外形標準でつかまえるときに、われわれとして最も単純に物を考える場合には、やはり物と人との面からつかまえた方が妥当ではなかろうか。いろいろ議論をした末、こういうことに相なったわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その物の部分が足りないと言っているわけなんです。物というものをもう少し正確に表現し、捕捉し得る材料を課税の標準として取り上げるべきだということをお尋ねしておるわけです。ですから、たとえば企業活動を見てみますと、非常に精鋭な管理機構というものを置いておいて、そうして作業というものはほとんど下請の業者に委任をする、さっき通産省の方もおっしゃっておりましたけれども、そういう形態の企業活動というものが最近におきましてはかなり強化されてきておる。そういうふうな状態を見ました場合に、単純に床面積だけということ、そうして従業員数だけということではきわめて不合理になってくる。これはどこかで補強しなければならぬ。その補強をどこでするかという問題については、私ども一定の見解を持っているわけではありません。大阪府の税財政研究会の意見をここでお尋ねをしたり、あるいは資本金という問題などを取り上げて、見解をお尋ねしておるわけであって、そのいずれにするかは別としましても、もう少しこれは正確に事業の実態が捕捉できるものを取り上げていく必要がありはしないかということをお尋ねしておるわけです。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 お説の内容は非常によくわかるのでありまして、私どもといたしましても、いろいろな要素をつまみ上げて事業の活動状況を外形標準として精緻につかまえる、この方がベターだとはもちろん思っております。しかしながら、また一方、これが税金であるという面から考えますと、課税標準はできるだけ単純であることが望ましいという実務上の問題もございますし、先ほど申し上げました他の税目等と絡みました税制の理論上の問題もございますし、その間の調和点と申しますか、においてこの二つの課税標準を選んだわけでございまして、もちろん、先ほど御指摘がございましたような意見を持っておられました大阪府、こういったところとも十分議論をし、かつまた税制調査会においても十分議論をしていただいた末、完璧だとはもちろん申し上げかねますが、こういった状況でスタートをするのが適当であろうということで判断を下したわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その適当であろうというのが、その内容にわたって説明してもらわなければ私は適当ではない、きわめて不十分だから補強する必要がありはしないかということをお尋ねしておるわけなんです。これが適当であるとおっしゃるとすれば、なぜ適当であるか、いまおっしゃいますように、この制度自体の中にも不十分さはあるし、なお完璧ではないとおっしゃっておるわけでありますから、そうしますと、その不十分であり完璧でないというのはどこに要因があるのか、それは克服できないものかということについてお尋ねをしておるわけであります。  その克服の方法としまして先ほどから私が例を挙げておりますのは、資本金額もありあるいは固定資産の評価もあるということを申し上げておるわけでありますが、こういうものをここに取り入れる見込みはないわけでしょうか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 先ほども申し上げましたように、資本金の額でございますとかあるいは固定資産の価格とか、こういうことも一応候補としていろいろ検討の材料には挙げて検討いたしたわけでございます。しかし、それぞれに先ほど申し上げましたような難点がございまして、この税を新設をする現在の時点としてはこれを採用することが非常に困難な事態にぶつかったわけでございます。  そこで、非常に単純ではございます、完璧だとは言いかねるかもしれませんが、人的な要素として給与支払い総額、物的な要素として床面積、こういう単純なものに仕立て上げた方がいいだろう、それでスタートするのが適当だろう、こういう皆さんの合意に達しまして、このような案を提案をいたしておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 税率は、新設の場合に、平米当たり五千円になっておりますね。それから、既設の場合ですと平米当たり三百円、給与総額の〇・二五%、一律になっております。これが一律になっておりますのはなぜでしょうか。これは累進制にすべきではなかろうか。しかも、きわめてしやすい課税の内容になっております。  そしてもう一つは、課税団体に税率の選択ができるようにすべきではないか、これを標準法として設定する必要があるのではないかと考えますが、この点はどうでしょうか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 この税は、先生も御案内のように、企業の地域の行政サービスに対します受益、こういうところに着目をいたしました物税にいたしておりますので、課税標準の大小によりまして累進税率を設けるということにはそぐわないわけでございまして、一定の税率で徴収をするというのが物税として適当であろうかと思っておるわけでございます。  それから、事業所税を一定税率として標準税率としなかった理由でございますが、これは、大都市に共通をいたします都市環境の整備に要します財政需要に応ずる、こういう考え方でございます。そうなりますと、大都市における行政サービスと企業活動の受益関係、これはおおむねどの都市においても同質のものであろうと考えられるわけでございます。なおかつ、この税が目的税というかっこうで設定をされておりますこともございまして、これは一定税率が適当である、こういう考え方をとったわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 これは物税という立場をおとりになっておりますことはよくわかりますけれども、企業の実態を捕捉します点から言いまして、きわめて不十分な課税対象が選ばれておる。その点からしますと、累進構造という問題は、要するに地方自治体の公共的なサービスの受益をするという内容などからしましても、規模が大きければ大きいほどそういう受益度も高いという一面もあるわけであって、ですから、これは累進制にしたからといって、税理論の上から言っておかしいという性質のものではないと私は思いますが、その点はどうでしょうか。  それから、もう一つ私がこの際お尋ねしたいのは、この事業所税をつくられますこの機会におきまして、事業税の矛盾を解決する措置がなぜとれないのか、これは私は非常な疑問を持っているわけです。新しい課税の仕方で地方税を創設しようというときでありますし、いままで事業税というものは、確かに特例によりまして課税の仕方を変えることはできましたけれども、そのためには非常な調査能力を必要とする、あるいは人員も必要とするというようなことで、これをなかなか実行しなかった。ですから、物税でありながら所得課税が行われておったわけでありますが、この際このような事業所税というふうな物税を創設しますならば、この機会に事業税というものを本来の物税として全般的に施行するということがなぜできないのか、私はここに非常に疑問を持っておるわけであります。この点についてお尋ねしたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 事業税の物税化につきましては、毎々申し上げておるわけでございますが、そのようなことが望ましいことは当然でありますけれども、いろいろまたむずかしい問題点がありまして、まだ解決を見ないのでございます。  何と申しましても、かつて一度付加価値税的な付加価値要素を導入をいたしまして物税化をされましたこの事業税が、そのまま法律どおりに実施をされませんでいまのようなかっこうになりました歴史的経過も示しておりますように、わが国の税負担が、やはり収益のない事態において税を負担をするという点に対するコンセンサスがなかなか行き渡りませんことと、それからもう一つには、これを物税化いたしますと、現在の事業税の課税の状況に非常に大きな変動が出てまいりますこと、これは御案内のとおりでございますが、こういうことに対します抵抗、それからさらには非常に事業者の多数を占めております中小企業におきまして、これは毎年度の赤、黒の変動が非常に激しゅうございますが、その赤、黒の変動の激しい時代に一定の額の税負担をしていくということが、そういった業種についてまた非常に問題である、こういったようなことが次から次に議論が出てまいりまして、なかなかけりがつかないわけでございます。  私どもといたしましては、この物税化について決してあきらめておるわけではございませんで、今後ともいろいろ検討をし、進めてまいりたいと思っておりますが、現在の段階では税制調査会等においてもコンセンサスが得られない、こういう実情であることだけを申し上げておきたいと思います。  一方、そのような事態でもございますので、今回事業所税を新設いたします場合においては、これは新たに設定をする税でございますから、物税的な性格を徹底をさせる、強化をする、こういう考え方で、この事業所税に取り組んだわけでございます。その意味では、言葉がまずいかもしれませんが、現在の事業税におきます物税化の徹底をいたしていない分野を事業所税が若干でも補完をいたしたとでも申しますか、こういった関係にあるのではなかろうかと考えておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それこそ二重課税の実態を追認していることになってくるのですよ。この事業税というものは事業活動そのものに対する課税ですから、そういう税理論に立って創設したものですから、当然その立場に立って課税をするということでなければ、これはおかしいことなんだ。ところがそうなっていない。所得課税をやっている。  そこで御承知のように、好況であろうと不況であろうと、大企業の約三〇%が事業税を払っていない。法人税ももちろん払っておりませんけれども、払っていない。こういうふうな矛盾した状態が出てきておる。ですから、大きな企業で公共団体のいろいろな公共サービスを受けておりながら、事業税を一銭も納めない、あるいは府民税、市民税にしましても所得割を納めない、こういう矛盾した状態、これこそ不公正の典型じゃありませんか。これをなぜ放置していくのか。しかも、これにつきましては欠損法人と言うておりますけれども、この欠損法人というのは、赤字会社でも倒産会社でもないわけなんです。要するに法人税法と租税特別措置法によりまして、もうけを頭から差し引いてしまうから、税法上の欠損法人になるのであって、十分に利益を上げておる成長企業というものが欠損法人として税金を払っていない、こういう矛盾したことが許されていいですか。その点からしますと、物税化を速やかにやるべきだ。これは税制調査会がどう言いましょうとも、これはもう諮問機関にすぎないものであって、政府がやろうと思えばやり得るものなんです。ところがそれをやろうとしないんでしょう。やろうとしませんから、所得税というものが二重に取られておるわけなんでしょう。しかもそれが損金算入されますから、交付税にも響いてくる。こんなものは損金算入すべきものじゃありませんよ。所得に対して課税しておって、何で損金算入が要りますか。物税だから損金算入するんでしょう。ところが事業税というものが、そのような矛盾の上に矛盾を重ねる状態になってきておる。いま物税の新しい事業所税を創設するのでありますならば、なぜこの事業税の矛盾をこの際一掃する処置がとれないのか、私はまことに不審に思っている。いま課税が激変するとおっしゃった。確かにそれは激変します。資本金が三百億も四百億もあって、労働者を二万も三万も使っておって、それが欠損法人になっている。つまり、その欠損法人というのは赤字法人じゃない、税法上の欠損になっているわけだ。それは租税特別措置によるもうけの控除があり、あるいは法人税法によるもうけの控除がある。それに事業税の損金算入まで入れますと、約三〇%というものがもうけのうちから引かれてしまっている。そこでもうけておっても欠損法人になっている。そこには一銭も事業税がかからない。こういう矛盾の状態をいつまでほっておくのですか。いま事業所税をつくりまして物税というものをここで新しく実際において施行するのでありますならば、本来物税である事業税というものをこの際整理をして、事業所税とあわせて、事業所税は課税主体が違うわけでありますから、事業税と事業所税というものを課税主体別に整理をして、そして合理的な課税制度を設けるべきだ。だれが考えたってこんなことはわかることなんだ。それをなぜおやりにならないのか。それは要するに大企業に対する課税が重くなってくる。当然のことなんだ、税金払っていないわけなんだから。それは当然解決しなくちゃいかぬ問題であって、そこのところが社会的な不公正を是正するという三木内閣の最大の公約と違うのですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 事業税を物税化していくことの必要性ないしはそれに対する努力、こういった点については毎々申し上げておりますように、何もそれを否定しておるわけではないのでございますが、実際の問題として、税制調査会そのほかの御議論にかけました場合に、先ほど申し上げましたような諸種の難点が指摘されて、なかなかコンセンサスが得られない、実現ができないという状況が現実の問題でございます。そういう際でございますので、もちろんこれに対する努力を惜しむというわけではございませんが、一方において、今度は市町村がそのような物税を考えてみました場合に、市町村の課する物税は徹底した物税化のかっこうをとろう、こういう考え方を私どもはとって、この事業所税を考えておるわけでございます。  そういう面から言えば、片一方で非常に実現困難な事業税の物税化の要素を、市町村における事業所税ということで多少なりとも補完をすると言うと語弊があるかもしれませんが、そういう考え方、立場をとったもの、こう御理解がいただけるのではないかと思うわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 コンセンサスが得られないとおっしゃいますけれども、得られないのがおかしいじゃないですか。事業税は物税だ、初めからこうなっているんだ。物税であれば所得課税するのがおかしいのであって、物体に対して、事業体に対して課税すべきものなんだ。これがあたりまえのことでしょう。そのあたりまえのことがなぜコンセンサスが得られないのか。なぜそれが政府としては実行できないのか。ここは依然として私どもは疑問に思っている。納得できない点なんです。それは、新しく物税にこれを転換をする、従来の税の概念を根本から改定するというのでしたら、これはいろいろ議論があるでしょうけれども、事業税というのは、事業活動に対して課税するものだ。そのためにつくられたものだ。それが、課税段階におきましてはそうなっていなくて、所得課税になってしまっている。要するに、所得税の二重取りになってしまっているわけだ。そういうことがなぜ直されないのか。道理に合わぬことなんだ、税の理論に合わぬことだ。それがいつまでもこのようにして放置されてきておる。その上に立って、今度新しく課税主体を別にした事業所税ができてくるということになってくるわけでありますが、そうしますと、なんですか、そういうふうに物税が新しくできましたから事業税はますます物税的な性格というものは阻却してしまって、あいまいもことしたものになっていくわけですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 事業所税を物税としてつくりましたことによって、事業税はますます物税たる性格があいまいもことなるのかというお尋ねでございますが、そんなことは私ども考えておりません。事業税も物税として進んでいくべきものだ、徹底していくべきものだ、変えていくべきものだと思って努力はいたしておるのでございますが、先ほどから申し上げておりますように、幾つかの難点によって容易にコンセンサスが得られない、改正ができないという事態でございます。そういう事態でございますので、新たにつくる市町村の物税は徹底した物税で行こうという考え方でこの事業所税と取り組んだ、こういうことを申し上げておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 市町村の事業所税というものが創設されておりますのに、なぜ初めから物税として存在している事業税というものが物税としての課税ができないのか。新しくできるものは物税として認めていっておるんでしょう。初めから物税として存在している事業税というものはなぜ物税化ができないのか、そこがわからぬと言うのです。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 毎々申し上げておりますように、過去一度この事業税は物税化を法制的にはされたことがあったわけでございます。しかし、これの実施ができないでいまのようなかっこうになってきております。こういう歴史的な因縁があるのかと思うわけでございますが、非常に長期的に考えてみました場合には、一定の会社も赤字の場合もあれば黒字の場合もありますから、所得課税でありましょうとも物税でありましょうとも、長期的に見ました税負担はほぼ均衡がとれるようなかっこうで税率が設定されるべきものだと思っておりますが、現在のわが国の状況では、毎年の利益の状況等に応じて税を負担するという慣習が徹底をいたしておりますせいもございましょうか、いまのような状況で完全な物税化にいたしますと、収益と関係なしに税負担が激変する、このことの影響が大変だという説が一つにございます。とともに、特に収益の変動の著しい中小企業においてその問題がなお実際問題として激しくあるのだ、こういう説もあるわけでございます。私どもとしては、物税にしたいという案はいつも税制調査会に持ち出すのでありますが、そういう面でコンセンサスが得られないというのが事実でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 税制調査会というものがどういう性格のものか私は知りませんが、それは執行権を持つ機関じゃないでしょう。諮問機関なんでしょう。政府が相談する場所なんでしょう。だから、このような矛盾したことがそこで抵抗を受けるということ自体がおかしいのであって、いまおっしゃいますように収益と関係なしに税負担が激変する、それは当然必要なことです。物税はそんなものです。収益と関係なしに税金をかけるから物税と言うんでしょう。そして物税として事業税をつくったんでしょう。そうであれば、収益とは無関係に事業体に対して税金がかかっていくわけでありますから当然のこと。中小企業の問題をおっしゃっておりますが、中小企業の経過措置につきましては幾らでも方法があるのであって、それを口実にしてこの問題の解決を遷延するということは許されません。中小企業に対する特例措置なんというものはどういう方法でもあるわけです。それは、そのことが必要であればどのような規定でも織り込める性質のものだ。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 税制の改正をいたします際に、税制調査会、もちろん諮問機関でございますが、これに諮りまして、これには御案内のように各界の代表者御参加でございますが、そういったことで御審議をいただいて、国民的なコンセンサスを得て政府原案を作成する、こういう立場を政府としてはとっておりますので、この点税制調査会がオーケーをしないでもおまえは提案をしろ、こういう御叱責かと思うわけでございますが、私の立場としてはそれ以上はお答えが申し上げられないわけでございます。  それから、事業税が物税である以上、収益に比例をしないで負担が出てあたりまえだとおっしゃるのは全くそのとおりでございまして、私どもも、もともとそういう性格の税であるのだから、物税的思想を持ち込もうという主張を絶えずしておるわけであります。これが現実の問題として受け入れられない、コンセンサスが得られないという現状である、こういうことを申し上げるよりほかにございません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それは違法を合法化しようとしていることなんだ。そんなことは政府がやるべきことじゃないし、いつまでも放任すべきことじゃありませんよ。物税として設けられました税金が所得税になってしまっている。つまり目的に反する課税が行われておるという内容のものです。それがコンセンサスが得られないから困っておるんだというようなことでは、政府の責任は果たされません。そんなことをあなた認めて——いつまでも私どもも放置できません。物税でないというのなら別ですよ。物税なんだ。それがそもそも事業税ができました根拠になっているんだ。それならそれに基づいた課税方式をとらなくちゃいけませんよ。物税であるといって事業税をつくりながら、課税の方式は所得課税をやっておる、物税を否定している。それは明らかに税の創設からしてペテンじゃありませんか。そんなペテンな状態をいつまでも放任できますか。しかも今回物税というものが新しく設けられて、市町村におきまして物税課税が行われる、物に対する課税が行われる、そういう状況になっておるのに、依然として、以前からあります事業税の矛盾は放任されている、積み残されてしまっている。しかも、いつになっても解決する当てはまだつかないというんでしょう。それでは余りにも無責任と違いますか。もう少し責任ある態度を明らかにしてもらいたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 毎々申し上げておりますように、事業税を物税化していくということについての努力なりは、私どもとしましては十分いたしておるつもりでございます。ただ、力及ばずしてこれが実現を見ないことについて御叱責を賜っておると思うわけでございますが、今後とも物税要素の導入ということについてはわれわれはなお努力し、また税制調査会等にもいろいろ御説明を申し上げ、コンセンサスが得られるように努力してまいりたいと思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 これは行政上の措置の問題じゃないわけです。税の性格の基本にかかわる問題なんですよ。ですから、行政措置が不十分であるとか十分であるとかいう問題でなしに、そもそも税の目的に反する課税が行われておる、違法な措置なんだということです。ですから、これはいつまでも放置しておくべきものではありませんし、当然是正をしなくちゃいけません。しかも、これをやりますと税収は非常にふえる、ふやすことができる。大企業はほとんど無税になっている。一億以上の会社で三〇%以上というのが、景気がよかろうと悪かろうと、毎年、欠損法人として扱われて税金を払っていないわけでありますから、その点だけでも大きな税収源になり得るという要素のものであります。今回の税法の改正によりまして、納税義務者は、個人事業税の場合ですと非常に減少しておりますが、法人事業税の伸び一二四%と比べますとはるかに大幅な一三五%が見込まれておりますね。法人事業税の税収の伸びは個人事業税の伸びよりはるかに少ないわけなんです。この少ないところの主要な原因の中に、いま言いました物税を所得課税をしておるところに一つの大きな根拠があるのです。そういう面から見ましても、これは速やかに改善の措置をとってもらいたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御説のように全法人の約三〇%欠損法人がございます。それで、事業税の負担がないという点についていろいろ不公平の面があるということは、私どももそのように考えておりますので、物税化を進めたいと思っておるわけでございます。ただ税収全般の問題につきましては、物税にいたしましたときの税率と所得課税の場合の税率とのバランスを全体額においてほぼ同じと設定をいたしました場合においては、景気のいいときには所得課税の方がうんと伸びてまいります。いままでの事態としては、地方財政は、こういうかっこうであったために、実収としてはかなり伸びてきておるのではないか。これは、どちらの税額が実態的にふえるかは、景気の状況等によりましてかなり長期的な目でもって考えなければならぬものではないかと考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それは税率などによって変化が生じてくるものであって、ここでいま議論をする性質のものじゃありませんが、いずれにしましても、資本金が二百億、三百億あって、労働者が二万、三万働いておる、たとえば石川島播磨重工、こんなものが租税特別措置によって欠損法人として扱われる。税金は市町村民税の均等割、大阪の場合ですと五千円ですけれども、五千円しか払っていない。そんなことは許されるもんじゃないですよ。それを直すためには物税化を厳密にやっていくということが必要なことであって、元来そういう目的で税金はつくられておるわけでありますから、そのことを申し上げておるのでございます。  そこで、目的税として今度は事務所税ができたわけでありますが、目的税は原則としては交付税の基準財政収入額には加えないという性質のものだと私は思っております。目的税でありますから使途が限定される。そして基準財政収入額というものは交付税の対象になるわけでありまして、交付税は一般財源でありますから、したがってこれは算入すべきものでないと思いますけれども、この点はどうなんですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 先生も御案内のように、目的税の場合に基準財政収入に算入をいたすものといたしていないものとございます。算入をいたしません場合には、単位費用を策定いたしますときに、特定財源として差し引いて単位費用を落とす、こういうかっこうで操作をしておりますのは御承知のとおりでございます。今回の事業所税を、目的税でありながら基準収入に算入をいたすことといたしましたのは、先ほど申し上げましたように、都市環境の整備という大きな財政需要のためにこれを充てるわけでございますが、この税収が増加をいたすことによりまして、同じような立場にあります他の市町村、つまり課税主体になり得ない市町村、これに対する同様な事態も想定できるわけでございまして、基準収入にこれを算入いたしますと、一方で交付税の財政需要を伸ばせるという結果が招来できますので、そういった手段を通じて周辺の他の都市とか、そういった面における都市的な需要に対する財源措置もあわせ行うことができる、またその方が事態に合うのではないか、こういった考え方から財政収入に算入をし、財政需要を伸ばす、こういうかっこうをとったわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、独自財源としては、当該市町村に対しては税収の二五%しか貢献をしないということになってくるわけですね。その二五%というものをもってしまして、いま大都市問題の矛盾の中で行き詰まっております地方財政、特にこういう都市的な態容の発展をした都市におきまして一体可能なものかどうか。わずか二五%しか独自の財源が上がってこないという点ですね。そういうもので、果たしてこの税がつくられました目的というものが達成できるのか。しかも税収を見ますと、当初におきましては二千億とか三千億とか言っておりましたけれども、最近の自治省の試算によりますと、平年度で八百億円にすぎない、そういう状況のようでありますけれども、この程度のことで、基準財政収入額にこれを入れました場合、この課税主体であります市町村の財政問題が一体どのような実際上の利益を受けるのか、まことに疑問と言わざるを得ませんけれども、この点はどうお考えでしょうか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 この税を徴収し得ます地方団体にとりましてのメリットが、基準財政収入に算入することによって当該税収額の二五%だけになるということにはなりません。そういうことではございませんで、この税を基準収入に算入いたしますことによって、当該額だけ都市的な財政需要が増加できますので、言いかえて申しますと、その分だけ交付税の算定基礎が伸びるわけでございますから、それとの合計ということに相なろうと思います。  それから、全般で平年度八百億ほどの税収入でございますので、都市的な需要の充足に対して十分であるかどうかという面につきましては、私どもも、八百億か千億か、その程度で十分な財源付与であるとは決して考えておりません。しかしながら、いずれにいたしましても、こういうことで都市的な税源を増加していくということは、それはそれなりに効果のあることであることは、これは先生も御否定はなさらないと思うわけでございまして、私どもとしては都市税源増強ということの一環としてこれを実施するわけでございまして、今後とも地方税源の充実という点についてはまたいろいろと検討もさせていただいて、その方向に向かって邁進をいたしたい、こう考えておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 さっきの指定都市の陳情の中にも含まれておりますけれども、これを基準財政収入額に加えますというと、当然その額分だけの交付税額は減少をするという結果というものが現象的には出てくるわけです。単純に言いますと出てくる。ですから、結局、独自財源としては二五%しか課税主体には残ってこないという内容になってくるわけであります。しかも、税収というものが当初算定されておりますような規模のものでありますと、なおそれでも財政的な困難に対する対策としては一定の効果性を持ってきますけれども、いまのようなわずかばかりの税額で、しかもこういう処置をとられてきますと、結局、課税主体であります市町村というものは期待するほどの大きな恩典を受けないという結果になってくるのは当然であって、私はここのところはなお改善をする必要があると思う。  それから不交付団体は、これまた別になってきますが、不交付団体というのはどれくらいあるわけですか。

森審一自治省財政局交付税課長

○森説明員 事業所税の課税団体であります指定都市それから首都圏の既成市街地あるいは近畿圏の既成都市区域を有する都市のうちで、四十九年度の当初算定におきまして不交付団体となりましたのは、東京都の特別区、三鷹市、武蔵野市それから堺市、芦屋市それから西宮市、この六団体でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この六団体は不交付団体でありますから若干影響が違ってくるということは考えられますけれども、交付団体になってきますと、同じ税制のもとにおきましてやはり大きな格差が生じてくる。これについてはどういう処置をとられるのか。交付団体と不交付団体では、受ける受益に大きな変化が生じてくる。これはどうされますか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 その点でございますが、先ほど申し上げましたように、この税収入の一定額を基準収入に算定することによって、全国的にその額だけ需要が伸ばせるわけです、交付税の際の基準財政需要額が。そういうことに相なります。交付税の総額と税収入の基準収入になりました総額との合計額で需要を算定してよろしゅうございますから。したがいまして、交付団体といえども、この税が基準収入に算定された額だけ交付税が減るのではなくて、需要が伸びますから、その伸びた分とこの二五%の分だけは税収入がふえるわけであります。言いかえますと、これが基準収入に算定された額だけ交付税は減らないということでございます。需要が当該額だけ伸ばし得ますから。そのことによりまして他の交付団体にも交付税を通じての財源措置の余慶が及ぶ、こういうことでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その問題につきましては、また損金算入の問題と関連してくるのですよ。これはまた後でちょっとお尋ねするとしまして、そこで、この課税団体の範囲を限定していらっしゃるわけなんですね。この限定をされました根拠についてお尋ねしたい。  たとえば四日市ですね、それから千葉県の市原市、こういうところなどが、コンビナートなどによりまして、特に公害対策あるいは水質対策ですね、こういう公共負担というものが増加してきて、緊急に解決を迫られておる。環境整備が重要になってきておる。こういうところの団体がこの課税団体から除外されておるという点ですけれども、この点はどうしてなんでしょう。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 この税の本来の目的が、最初から申し上げておりますように、過密状況に陥っております都市の環境整備の財源を得る、こういうために設定をいたしたものであります以上、ある程度どこかで線を引きまして、そういった状況にある都市でもって課税ができるということにせざるを得ないわけでございます。そこで、いろいろこれについても議論があったわけでございますが、人口五十万以上の市に限りましたのは、現行の地方自治法におきます大都市、政令都市、これになり得ます一つの資格基準として人口五十万といった都市規模が想定をされておりますし、そういった都市を想定をする。とともに、例の近畿圏整備法あるいは首都圏整備法等において、非常に過密的な状況になっておるという認定のもとで線引きをされております、いわば既成市街地の所在する都市、こういうところを取り上げるのが妥当であろうということで、一応これで線を引いたわけでございます。  なお、御指定のように、全く類似したような市で同様な財政需要がある市があるではないか、こういうことは御指摘のとおりだと思います。こういう点については、今後この税制のあり方等の推移を見ながらなお検討させていただきたい。とともに、そういったような市が、この税が創設をされました場合に、類似の法定外税等を企画をするというような場合には、またいろいろ相談にも乗っていってあげたい、こう考えているわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 まあ今後検討するんでなしに、この際検討してほしいんですよ。それで審議しているんです。それで、これは大阪の地方税財政制度研究会の意見としましても、課税区域につきましては都市地域を形成する市町村の区域も含めるべきだ、こういう主張をしております。この主張によりますと、企業の集中が生み出します集積の不利益を排除して都市の再開発を図ることを目的とするものでありますから、このような集中過密の現象は、大都市の市域を越えて周辺市町村に拡大しておる。特に大都市的な現象というものが、特徴がそこにあるんだ。したがって、こういう市町村も、集積の不利益の排除と都市の再開発の必要性に迫られておるから、課税区域としては、大都市の市域に限定せずに、人口規模のみでなしに決定すべきである、こういう研究結果を発表しております。この点から見ますと、さっき挙げました典型的な公害都市など、こういうものは当然配慮に加えるべきものだというふうに思いますけれども、これが加えることができないのはなぜか、この点をお尋ねしたいのです。  もう一つは、目的税としてつくりましたけれども、さっきから言っております事業税の関係があるのです。事業税という問題、これは御承知のように地域を限定していないわけであって、すべての企業に対して物税として課税をするという性質になっておるものでありますから、この事業税というものの精神を生かしますものでありますならば、もう少しこの区域の問題などについては考慮を払っていかなくてはだめだというふうに私は思いますが、この点どうでしょうか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 この税の創設の際に、その目的をどうするかということが一番議論になりましたのは、最初に先生の御指摘のありましたとおりでございまして、そのことがまた、この税金ができるかできないかということの基礎をなしたわけです。  そこで、やはり人口の過度集中等の状況によって都市的需要がかき立てられておる、それに対応する税源だということで本税制が成立をいたします根拠が与えられました以上、何らかの線を引いて、都市的なそのような需要が一般的に起こっておると見られる共通条項と申しますか、そういうことで線を引いて、その地域に限って取り得るというかっこうにせざるを得ない税金であるわけでございます。ちょうど都市計画税が都市計画区域だけに課し得ますのと同じような意味で、そうなるだろうと思うわけでございます。  第二点に、それでは五十万以上の大都市だけでなくて、周辺都市においても同じような状況があるではないかとおっしゃいます先生の御主張は私もよくわかります。そのとおりだと思います。そういった都市に対しても、ある程度の財源の強化を図るべきであるという点においては全く同意見でございますが、それならば、そのような線をどこで引くかということがその次の問題になるわけでございまして、この点は一応五十万以上の市、ないしは既成市街地のある市、こういう線引きをやるということで、一応の合意が成り立ったわけでございます。  それから、次に第三点でございますが、回りの都市におきまして、これはむしろ事業所、事務所よりも、人口のスプロール現象等によりまして住民が増加をするといったようなことで都市需要がふえている、これはよくわかるわけでございまして、ここに事業所税を適用いたしましても、事業所が大きなものがありませんと、これは税収になりませんので、その点における矛盾もございます。そこで、最終的には先ほども申し上げたように、交付税の場合、この税を基準収入に算入することにより、当該市町村財源の一般の増加額を、都市的な需要の財政需要をふやす、こういうやり方をやりますことによって、回りの周辺都市においても、たとえば人口急増等で補正を受けております都市、こういったものの財政需要額を増加をさすということができますので、回りの市町村にもこの税の影響のしみ出し利益が出る、こういう体制をわれわれとしてはとったのでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その波及的な効果というものがどの程度測定できるか、これはなお未確定な要素を持っておるものであって、さっき幾つか例を挙げましたけれども、大企業の進出によりまして特殊な都市整備が必要な市域、そういうところは対象にすべきだ、なぜこれが対象にできないのか、ここのところに私は疑問を持っております。いま申しました四日市、市原あたりの問題、これはどうされるのか、このままでいいのか。この都市環境の整備という命題からしまして、当然これは重要な対象になる市域であるというふうに私は思いますが、こういうところを課税区域に入れるということはお考えになりませんのかどうか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 先ほど申し上げましたような理由によって、何らかの共通の最大公約数とでも申しますか、基準によって課税都市を指定をしなければならぬということに相なりますので、現在のところはごらんをいただいておりますような基準で地域を指定をした、こういうことでございます。したがいまして、これも今後この税のあり方等にかんがみまして、いろいろなお検討を続ける余地はあろうかと思いますが、現在のところはいまの線で合意を得られておりますので、これで適当であると考えております。  それから、なお四日市とかいったような特殊の事態の都市でございますが、この都市等におきまして、先ほども申し上げましたように、この法律に言う指定市では事業所税が取れるわけでございますから、全く同じような特殊な事情があるからという理由で類似の法定外税、こういったようなものをお考えになるといったこともまた理由があることだと思っております。そういった点については十分打ち合わせもし、またお話も承って適宜な指導をしていきたい、こう考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 法定外税の自主的な課税をやるべきだというお考えですか。それについて相談に乗っていくということですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 やるべきだと申し上げたのではございませんが、全く同じような事態で同じような需要があって、それに対応する特殊の収入が得られる、こういうことで当該団体で法定外を起こす、こういうような合意が得られますれば、それはそれなりにこの精神に照らして適当なものではないか、こう思っておるということを申し上げたのであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 自治省がそのような御意見をお持ちであるならば、むしろそれはいまの事業所税法の中に含めて処置すべきである、そうしても何らの矛盾もあり得ないということだと私は思いますけれども、その点どうでしょうか。  それから、もう一つお尋ねしたいのは、この事業所税の損金算入は——損金算入するわけでありますけれども、事業所税が損金算入され、そして事業税が損金算入をされる。ですから、この損金算入がかなりの額になってきますが、この損金算入によります交付税の減収見込みなどはどの程度にお考えになっているのか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 まず前段の問題でございますが、課税区域を法定をいたします場合には、先生御案内のように、何かやはり共通の基準でどこかで線を引かなければなりませんので、いまのような線を引いたということでございます。  それから第二点でございますが、事業所税が平年度収入八百十二億程度の場合に、これが損金算入をされますと、地方交付税の減が八十五、六億に相なろうかと思います。それから住民税の法人税割の減、法人事業税の減、こういったものを入れますと、二百十八、九億、約二百二十億足らず、こういったものが地方団体の減収に相なろうかと思います。したがいまして、八百十二億だといたしますと、差し引きをいたしますと、約六百億、純増と申しますと、そういったことになろうかと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 これは物税ですから、この点については、損金算入については一定の根拠が存在しますから、これについていま私がどうこうと言う性質のものじゃありませんが、事業税の損金算入問題というのは、当然これは検討しなくてはならない。これはさっきから言っておりますように、所得課税をやっておるわけでありますから、これについては、もともとこれは物税にしなくてはいけませんが、物税にするのに時間がかかるとしますならば、損金算入は当然やめるべきだ、暫定的な措置としてもとるべきだと思いますが、この点はどうなんですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 また先ほどの議論に戻るわけでございますが、やはり事業税そのものが物税だということで想定をされておりますし、また大部分が所得課税にはなっておりますが、物税扱いになっておるものも現にあるわけでございまして、私どもとしては、事業税が物税であるという性格を放棄するということは、口が曲がってもそのようになりたくないと思っておりますので、これを損金算入しない、つまり所得課税にしてしまうということについては賛意を表することができないのでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 損金算入を認めるのでありますならば物税にしなくちゃならない。損金算入を取りやめるのであれば、これは所得課税でいいわけなんですよ。それで、あなたの方は両方がだめなんだ、物税にすることもむずかしい、それなら損金算入をやめろ、損金算入はやめられません、こうおっしゃっているわけですね。ここが問題なんですよ。つまり、当然物税でありますから物税にしなくちゃいけません。それができれば損金算入は当然行い得るものだ、できなければ損金算入をやめなくちゃならない、そういうことなんでしょう。ところが、あなたの方は、物税にもしないし損金算入もやめない、こう言うのでしょう。そこに二重の違法性がある。論理上の矛盾がある。ですから、これはもちろん物税やってもらえば問題は解決します。できなければどうするのです。できなければ、それまでの過渡的な、暫定的な処置が考えられないのか。それは損金算入をやめることだ。それは当然のことなんでしょう。もうけに対して課税しているんだから、損金にする必要は一つもない。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 私どもといたしましては、先ほどから申し上げておりますように、事業税そのものの物税としての性格は失いたくない、これは物税化をしていきたいという希望、希求を持って努力をいたしておるわけでございます。したがいまして、物税であるという性格を事業税から放棄させたくございませんので、これを損金不算入するという制度に賛成をするというわけにはまいらないのでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それは、あなた、問題の立て方があべこべだ。逆になっている。物税であれば損金算入はやめるわけにはいかない、物税でないから損金算入は根拠がない、こうなっているのですよ。だから、あなたは物税というたてまえを本当に貫徹されますならば、いまおっしゃるように、損金算入は当然必要だ、これは論理あるでしょう。ところが、一向に物税になりそうにないでしょう。いつになってもコンセンサスが得られない。所得課税をやっている。しかも一方におきましては、損金算入だけはもう物税として扱っていると同じようにしてこれを扱っていらっしゃるのでしょう。これは二重の不当な処置になっている。まず、いまは実際において物税でないわけですから、そうすれば損金算入をまず廃止する、暫定的にそういう処置をとっていく、そうして物税化ができましたときには損金として扱っていく、これが当然の処置なんでしょう。あなたのおっしゃっているのはあべこべやがな。物税として残したいから損金算入をやめられない。残したいとおっしゃっても、実際にはいま物税じゃないわけだ。いまそうなっている。いまの状態からして損金算入というものは妥当性を欠いている。そこを何とか片をつけなきゃいけませんがな。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 おっしゃっておられますことはよく理解ができるのでありますが、ただいま御指摘のように事業税そのものが物税ではないということではないのでありまして、現在、現に保険会社とか電気会社というように物税そのもののかっこうで取っておる税目もあるわけでございます。ただ所得課税の分野が非常に大きいので、これが早く物税化をすべきだという御指摘を受けておるわけでございます。この点につきましては私どももいままで苦労してまいりましたが、まだ成功いたしませんけれども、今後ともなお努力をしたい、こういうことでございます。したがいまして事業税が物税でないということではないのでございまして、損金不算入という制度はやはりとりがたいのではないかと思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 物税でないということではないが、物税にはしていないわけでしょう。いま保険会社や電気会社、ガス会社の収入金課税の問題をおっしゃいましたけれども、収入金課税は物税と違いますがな、これは。収入金に対して課税しているのでしょう。要するにこれは収入に対する課税になっておる。だからこれは即、物税という関係じゃない。そこら辺はもやかししてもらっては困る。外形標準課税などをやっているわけじゃない。ですから、そこのところは依然としてこれは物税になっていない。物税だとおっしゃるけれども、物税になっていないのだ、これは。なっていなければ、その損金算入の根拠はないということなんだ。だから物税になったときに初めてこれは損金算入の根拠が生まれてくる。あなた方、先取りされているのだ。損金算入をして、損金として大資本の負担を軽くしてやる。しかも一方におきましては物税として課税しておりませんから、何百億の大資本が事業税を一銭も払わないことになっている。一銭も払わないけれども、払った場合にはこれは損金になるんだ、こうなっている。ここのところをもっとすっきりしなければあきませんわ。物税であれば物税であるように扱っていく。物税であるからこそ損金算入ができる。物税として取らないのであるならば損金算入はやめるべきだ。これは当然の論理でしょう。そこのところを両方ともあなた方は大企業にいいように扱っていらっしゃる。物税扱いをしない、しかも損金算入はする、こういうことなんでしょう。ここをやはり変えなければいけません。そこの税に対する基本的な態度というものを変えていかないと、この事業税に対する疑問はとどまるところを知らず深まってくるばかりだ。矛盾がひど過ぎます。  これはいまあなたにこれ以上言っても、なかなかすぐに損金算入をやめますとは答えられぬだろうと思う。しかし、これは本当にまじめに研究してもらわぬといけませんよ。いつになってもこの問題は残っていきまっせ。ですから、いまあなたがおっしゃいますように損金算入をやめるわけにはいきませんというならば物税をやってもらいたい。物税をやらぬのであるならば、これは損金算入すべきでない。当然のことなんです、これは。それについて御意見を聞いておきたい。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 毎々申し上げておりますように、私どもとしては事業税の物税への徹底と申しますか、事業税の本来の物税たる性格を明確にさすという方向に向かって今後とも一生懸命努力をしてまいりたい、こう思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 一生懸命努力するとおっしゃいますから努力してもらいますけれども、もう少し努力も効果のある努力をせぬとあきません。いつになっても解決しないままではいけません。  もう一つ聞いておきますが、事業税に制限税率を設けましたね。何でですね。

大西正男自由民主党

○大西委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

大西正男自由民主党

○大西委員長 速記を始めて。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御案内のように、標準税率制度を採用いたしております税額について標準税率超過課税をいたしますときに、一般的に市町村税等においては制限税率がありますのは御案内のとおりでございます。従前、府県税であります事業税等にはこれがなかったのでございますが、超過課税を行います場合に、やはり税負担全般の状況から考えて一定の限度があってしかるべきではないか、こういう議論があり、これは制限税率として設けることが適当であろうと判断をいたしたからでございます。  なおもう一点は、具体的に法人事業税に非常に無制限な超過課税が行われます場合には、先ほども御議論がございましたこれの損金算入のことに関連をいたしまして、交付税その他の他の地方団体の税源が減少するという事態が生じますので、やはりこれは超過課税を地方の自主性として許す上においても制限税率の設定が必要ではないか、こう考えたからでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 またそこで損金算入の問題をおっしゃいましたが、だから損金算入をやめなさいと言っているのだ。道理に合わないことはやめなさいと言っている。制限税率などにしましても、これは地方自治体の課税自主権に対する侵害です。従来標準税率しかなかったわけなんでしょう。それをいまごろにわかに制限税率を設けて制限を加えてしまう。ですから、たとえばこういうことをやりますと、東京都などはどうなっておりますか。東京都は事務所税による増収と事業税の制限による税収減はどうなりますか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 東京都の場合、今回の法律によりまして、制限税率が一割増しの一三・二というところになりますと、初年度計算で四十六億、それから平年度で二百二十億余りの、現在の見込み一四%の税率から比べた場合の減収が立とうかと思います。それから事業所税の創設に伴います東京都の増収額は、現在の見込みでは初年度で約八十億、平年度で約三百億になろうかと思いますので、差し引きをいたしまして、初年度で四十億弱でございますか、それから平年度で八十億円、このくらいの増収は見込めるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いま事業税の超過課税分、東京都で平年度五百億と言っておりますが、今回の制限税率によりましてこれが大幅に減少をしまして、事業所税の増収分と差し引き計算しますと、七十五億円程度上回るという程度にとどまっておりますね。その程度のことをもってしまして、この東京における都市問題が解決するのかという問題にまた返ってくるんです。あなた方がおやりになっているのは、すべてこそくで、どこかで何かするとどこかで制限をつけてみるんですね。そういうことが絶えず繰り返されております。  この地方税法の改正案につきましては、いま事業所税につきましてお尋ねをしただけでありますが、時間が来たと委員長がおっしゃっておりますから、これできょうは打ち切っておきます。  まだ私どもの方としましては、この問題につきましてはたくさんの問題が残されておりますし、いずれ後の審議の機会もありますからお尋ねをさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしましても、この地方税制につきましてはもっと厳密で、もっと公正で、もっと抜本的な方針を出してもらいませんと、矛盾だらけの内容のものや、あるいは現行税制との関係におきましても全く不合理な制度が解決を見ないままで積み重ねられていくというふうな状態になっております。これにつきましては、今後さらに検討を要求しますとともに、私たちは改善を求めていくつもりでおります。  このことを申し上げまして、時間のようですから終わらせていただきます。

大西正男自由民主党

○大西委員長 小濱新次君。

小濱新次公明党

○小濱委員 公明党を代表する立場で地方税法の問題について御質問をしていきたいと思いますが、多少ダブる点もございますが、ひとつ誠意ある御答弁をよろしくお願いしておきたいと思います。  まず、地方財政の基本である税財源の配分についてお尋ねをいたしますが、参議院の都合で大臣が欠席であります。左藤政務次官と首藤税務局長、それから大蔵省の方々にこれから順次御質問をしていきたいと思います。  そこで、総理の施政方針でも現在の地方財政のあり方について見直すと言っておられました。また、これまでもたびたび当委員会においても国、地方を通ずる税源配分について附帯決議などがされてきたところでございます。政府はこの問題に対してどのような検討を重ねてきたのかお答えをいただきたい、こう思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘をいただきましたように、地方財政の現状にかんがみまして、地方財政の根本的な見直しを行い、地方の自主財源を強化していくということは、非常に必要なことだと私どもも考えておりますし、従来に引き続き、こういったことについてはあらゆる方法を検討しながら努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。  最近の事例を申し上げますと、先生も御案内のように、地方税源のうちでは特に差し迫って都市的な税源が枯渇をしておるので、この都市的な税源の充実を図るべきであるという悲願が私どもございまして、この点につきましては、四十九年度の法人住民税の税率の引き上げ、それからことし御審議をいただいております事業所税の新設、こういったようなことで都市税源の充実について努力をいたしてまいったわけでございます。今後ともこういった努力は当然続けなければならないわけでございますが、全般的に国と地方との税源の再配分というような大問題に取り組みます場合には、これは当然国と地方との行政事務のあり方、再配分問題とも関連をいたしてまいりますし、それからもう一つには、現在の国民の租税負担全般が国民分配所得に対して二〇%でございますが、これでいいのかどうかということも関連をいたしてくるかと思います。そういった点について十分検討を重ねながら、できるだけ地方税源の充実を図ってまいりたいという気持ちでおりまして、具体的には地方制度調査会や税制調査会にその内容等の諮問をいたされておるようでございますが、そういった結果等も踏まえながら努力をしてまいりたい、私どもとしてはそう考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 大蔵省の方の見解はいかがですか。

名本公洲大蔵省主計局主計官

○名本説明員 税源配分という観点からでなく、財源全般の問題といたしまして、私の方からお答えさせていただきたいと思います。  ただいま税務局長がお答えになりましたところと私どもの考えておりますところと基本的には変わるところはないわけでございまして、地方財政全般を考えてまいります場合に、都市財源、特に全体的に見てまいりますと、市町村の財源というものが、過去から現在にかけまして、だんだんその自主財源の占める率が市町村の方においてウエートが下がってきておる、したがって、その方面で薄くなっておるということが考えられるわけでございます。したがいまして、ただいま税務局長がお答えになりましたように、四十九年度、五十年度とそちらの方の自主財源の強化ということを図ってまいってきておるわけでございますけれども、基本的にはこれは地方自治体の執行いたします事務の量との関連において考えてまいらなければならない問題であるというふうに考えておりまして、本年地方財政の硬直化の問題全般を地方制度調査会の方でお取り上げでございますが、その中においても御検討になるように伺っております。この問題は非常に大きな問題でございますので、そういう各方面の方々の御意見を伺いながら、私どもの方としても慎重に検討させていただきたい、かように考えておるところでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 これは自治大臣にお伺いしようと思っておったわけですが、おいでになりませんので、政務次官の御見解をただしておいた方が適当であろうと思います。  地方制度調査会に諮問をしていることもわかります。いろいろと御努力をなさっていることもよく承知をしておりますが、それはそれとして、自治省としてどのような方向で、いつごろを目途に、どういうようなお考え方でこれから対処していこうとしているのか、そういう方向づけというものについて大臣の御見解を承ろうと思ったのでございますが、この点について政務次官からお答えをいただきたいと思います。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 基本的には、やはりこの地方財政というものの現状から考えまして、国と地方との税源再配分あるいは行政事務の再配分の見直しというふうな問題に関連いたしまして、とにかく地方の自主財源の強化ということが重要な課題であることは申すまでもございませんし、自治省としてもその線で努力をしていかなければなりません。  そこで、いまお尋ねの点につきましては、いま自治省として、地方の行財政の問題につきましては調査会にいろいろ諮問も申し上げ、検討していただいております目標といたしまして、少なくとも今年の夏、七月末をめどとして見通しを立てていただきたいということでお願いいたしております。さらに、引き続きましてその調査会におきまして、今後のいろんな山積された問題についてどういった方向で進めるべきかということについての御意見をいただこう、こういう考えでいまお願いしておる段階でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 次に事業所税について、これも政務次官並びに局長からお答えをいただきたいと思います。  今回、長年の懸案であった事業所税が創設の運びとなったわけでございますが、この創設の目的及び基本的な考え方、これをまず承りたい、こういうふうに思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 先生も御案内のように、最近地方団体における財政需要が非常に増高してまいっておりますが、特に大都市及びその周辺地域におきましては異常な人口や企業の集中、これが原因になりまして都市機能の逼迫、こういう現象が起こっております。都市環境を何とか整備をいたしますために大変な財政需要が要る、その財源を何とか得たい、こういう事態が起こっておりますことは御案内のとおりでございます。こういったことに対応いたします方策としては、全般的には過疎過密の弊害の除去といったような基本的なことを当然考えなければならぬわけでございますが、何よりも現実的な問題といたしましては、このような大都市地域における増高しておる都市環境整備のための財政需要に充てる財源を確保さしてやる、これが現実的には一番大事な問題ではなかろうか、こういう認識に立っておるわけでございます。  そういう場合に、そのような財源を確保するときにだれにその負担を求めるかということでございますが、やはりそういった状況から考えますと、都市における集中の利益の受益者である、また都市における環境整備の需要をかき立てた原因者である、こういったところから応分の負担を求めるべきではないか、こういう考え方が出るわけでございまして、そのような思想に基づいて大都市周辺所在の事業所、事務所に事業所税という物税を負担をしてもらう、こういう考え方に立ったわけでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 この事業所税は大都市財源の充実、また、企業活動が受けた行政サービスの利益の還元であるということでありますが、これに対してわれわれは決して反対するものではございません。むしろ賛意を表するものでございますが、今回の政府案ではその対策が指定都市、首都圏の既成市街地、近畿圏の既成都市区域及び人口五十万人以上の都市となっているわけですが、現在の都市財政の現状は、何もこれらの大都市のみならず、中小都市でも非常な財源不足を来しているわけでございます。しかも、行政サービスの利益の還元という点についても、これは中小都市も同様であるわけですね。したがって、大都市のみならず中小都市にも範囲を拡大すべきである、こういう点についてやはり見解を承っておきたい、こういうふうに思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 都市における財政需要の実態が御指摘のとおりであることにつきましては、私も全く同感でございます。しかし、この税がそもそも考えました基本といたしまして、先ほど申し上げましたように、人口や企業の過度集中によりまして引き起こされた財政需要、これに対応をいたします目的税源として設定をするということになりますと、やはりどこかに、そういった人口なり企業なりが集中をしておるという意味でのその課税都市の線引きをせざるを得ないことになるわけでございまして、この線引きをどこに求めるかということが問題になろうかと思う次第でございます。  そういった観点から私どもといたしましては、一応常識的にも政令指定都市というものが通常大都市と言われておりますので、こういったものに着目をいたしますとともに、御案内のように地方自治法で、政令指定都市になり得ます人口要件として一応人口五十万都市といった考え方もございますので、指定都市でなくても五十万以上の人口を持つような都市なら事態は全く同じだろう、こういうことでこれを入れました。とともに、この大都市周辺で既成市街地域を持っておりますようなところ、ここも過度の都市関係の集中があるとみなされておる地域でございますので、そういうものを取り上げて一応の線引きをいたしたわけでございます。したがいまして、これらの市以外の市においても財政需要があるということについて決して否定をいたしておるわけではございませんが、その市の財政需要の実態とかあるいは事業所税の今後の実施の実態等も十分勘案をしながら、その課税範囲については今後ともなおいろいろ検討を進めてみたい、このように考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 政務次官、行政サービスの利益の還元という点については中小都市でも同様でございます。したがって、大都市のみならず中小都市にも範囲を拡大すべきであるという説明がいま局長からもいろいろとございましたが、これもやはり大臣の御見解を承りたい、こう思っておったわけですけれども、ひとつきょうは政務次官からこの見解を承っておきたい、このように思います。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 いま税務局長から御答弁申し上げましたように、大都市におきます集積の利益と申しますか、そういうものは一般都市よりもさらに大きいというような一つの物の考え方がございますし、そういう意味で、人口集中の非常に高度に進んでおります先ほど申しました大都市及びその周辺都市、人口五十万以上の政令で定める都市というところにとりあえず本年からこうした事業所税を賦課する、そういう税源を付与しようという考え方でお願いをしておるものでございますが、御指摘のように確かにいろいろな点につきましては、これらの市以外の市につきましても、そうした都市に対します人口の集中がもたらしますいろいろな問題について、そのために都市としての機能が低下して、そして都市環境の整備を必要とするという事態につきましては、大都市ほどの急激なものではなくても、一般的にそういったものは十分考えられるのでございますので、まずことしはこういった形でスタートさせていただきまして、今後そういった市におきます財源あるいはまたそういう必要性、そして事業所税のすでに実施いたします部分につきましての実施状況というものを十分見た上で検討を続けていきたい。そして、そういった必要性があるならば、そういうところにまで拡大していきたい、このように考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 事業所税は事業所の床面積、従業員の給与支払い額が課税の対象となっているわけですが、創設の目的の一つである行政サービスの還元という立場に立つならば、その他、償却資産、資本金をも当然課税の対象に加えるべきである、私どもはこういう考え方を持っておるわけであります。また事業所税は、当初の案では、国税と地方税と合わせて何か千七百億円を見込んでいたように、これは新聞でも発表されまして、私ども承知いたしておりますが、今回の政府案では約八百億円ということでありますが、新税としては八百億円はそう大した大きい税ではない、こう考えるわけでございます。  先ほども対象地域や課税対象についての意見を聞きましたけれども、創設の趣旨を生かすためにも、地域課税、この対象を大幅に拡大すべきであるという、少なくとも二十万都市なり三十万都市にもこの適用を行うべきであるという、こういう考え方を私どもは持っておるわけですが、この点についてもお答えをいただきたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 第一点は、事業所税を創設をいたします際に、課税標準が床面積と給与総額だけになっております。これだけでは、大都市の行政サービスを受けておることに対する応分の負担という意味では不十分ではないか、もっと償却資産とか資本金とかいう要素を入れるべきではないかという御指摘でございまして、まさしくそのような御議論もあるわけでございまして、実はこの税の創設の経過におきましても、私ども各省庁ないしは地方団体等とも、十分意見交換をし、かつ税制調査会等にも御議論をいただいたわけでございますが、そのような経過でも、御指摘のような事柄はいろいろ議論になったのでございます。  ただ、この事業所税を創設をいたします場合に、課税標準を選びますが、これは企業活動の状況を外形でつかまえます一つの外形標準でございますから、これを何に求めるかについてはいろいろ議論がございますけれども、一つには、税制上の扱いでございますから、非常に単純明快なものがいいだろう、こういうことが一つございます。とともに、もう一つは、税理論として、いままでございます固定資産税やそのほかの税と二重課税というかっこうになっては望ましくない、税制の成立の基本が危なくなる、こういう問題もございます。そういうこともございまして、結論的には、建物の床面積、それから従業者の給与総額、不十分かもしれませんが、この二つでもって、外形標準として右代表ということでこれを課税標準に選んだ、こういう経過をとったわけでございます。  それから、資本金につきましても議論があったのでございますが、この資本金については、先生も御案内のように、資本金の大小にかかわらず、企業活動の大小、非常にアンバランスな点もございますので、やはりなかなかこれを取り上げることもむずかしかろう、こういうことで、これは取り上げるに至らなかったのでございます。  それから第二点でございますが、御指摘のように、去年の秋、地方税としてのこの事業所税を考えました際に、国税としての同様な税を国の省庁の方で御立案になりました。これを抱き合わせて一本にいたしまして、国、地方ともどもこういった税金を起こしてはどうかという案が出ましたのは御指摘のとおりでございます。その際の両税合わせましての収入見込みは、第一の素案でございますが、そのときには御指摘のような金額に相なっておったのでございます。その後いろいろ議論がございまして、国税の面においては、こういう地域的に限った税金を新設するということについていろいろな議論、難点が持ち出されました。なお、完全に没ということではございませんが、非常に難点があるのでもっと検討すべきだということに相なりました。地方税だけはこういった状況から起こすのが適当であろうという経過になったわけでございます。  その際の地方税の税収見込みは、約九百億余りのものが地方税、こういうことになっておったわけでございます。今回御提案申し上げておりますものが、平年度は八百十二億ほどでございますが、そのころ考えておりました地方税としての事業所税、これに比べましてそう後退をしたと申しますか、少なくなったというような事態ではないのでございます。  それから第三点の、二十万都市、三十万都市、こういったところまで範囲を広げていくべきではないかという御説は非常によく理解できるのでございますが、先ほども申し上げましたように、本税を創設をいたします理由が、都市機能の再開発、環境の整備、こういうことに要する財源を確保するという意味でスタートをいたしますので、さしあたり、やはりそういった面では人口や企業が過度に集中しておると一般的に見られます大都市並びにその周辺、ここで起こすべきだということで御審議をお願いをいたしておるわけでございまして、なお今後の財政の状況やこの税の実施の状況等を十分検討して、でき得べくんはこれを拡大をしていくということについて私ども努力をしてみたい、こう考えておるのでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 政務次官にさらにいまの問題についてお尋ねしたいのですが、いま税務局長からいろいろと御説明がございました。私どもも、努力は認めますし、ここまで前進をしてきたその経緯は尊敬できますし、また私の質問に対して税務局長も理解はできる、このようにもおっしゃっておるわけですが、なかなか困難な事情があってこういう形態になったという説明でございましたが、この問題について、将来に対する自治大臣のお考えを、かわって政務次官からお答えをいただきたい、こう思うのです。きょうは代表でありますから、ひとつ……。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 確かにこうした新税を設けますとき、どういった形で税金を課したらいいかという課税標準、これはできるならば簡明なものが、単純にしてわかりやすいものが望ましいことは申すまでもございません。今度初めてそういったことについてやるわけでございます。先ほど御指摘のような、従業員割というふうな形のものと床面積を課税標準としたという点について、もう少し検討の余地がないかということでございますが、こうした点で、最も端的に企業活動の実態を象徴するというものでとらえたのが、御審議をいただいております今回の新税の課税標準でございまして、今後そういった問題について、なお十分検討はしてまいりたいと思いますが、とりあえずこういう形で、いろいろ理想と申しますか、そういうあり方について、本当に課税標準としてりっぱなものにしていくように今後とも努力はしなければならない、このように考えておるところでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 次に、事業所税についてお尋ねをしていきたいと思います。  千葉県の京葉コンビナート地帯の石油精製業は、四十九年三月期の決算においては軒並み欠損法人となっております。また最近の工業新聞においても、その内容が詳しく報道されておりました。したがってこれらの会社は、法人税、法人住民税所得割は納めず、事業税についても、所得課税となっているため課税されていない、こういう実情になっております。しかるに、個人住民税の千葉県の平均は一人当たり一万七千三百十二円、こう出ておりました。友納知事も、県内に何百平方メートルの敷地を持ち何百人の従業員に給料を払っている企業がちょっと赤字になれば県税を免れるというのはどう考えてもおかしい、こういう御意見のようでございました。  すでに四十六年七月の税調の長期税制のあり方でも、法人事業税の外形課税が望ましいと言っているわけですが、早急に外形課税に踏み切るべきではないか、また、このことについて、これまで事業税の外形課税に対する検討を行ってきたかどうか、この点についてお答えをいただきたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御指摘がございましたように、千葉県の石油企業が最もいい例としてあるわけでございますが、当該企業が赤字決算であるために事業税を納付をしないという点について問題の御指摘がありましたのは、そのとおりだと私も考えます。  この点はやはり、法人事業税そのものが、本来物税として課税を外形標準によってやるべきだということであるにもかかわらず、大部分の企業が所得課税になっておるという点から出ておる問題点でございまして、私どもといたしましては、御指摘のように、前々から、事業税について何らかの外形標準課税を持ち込めないかということについて検討もし、また議論もし、税制調査会等の場においてもお諮りを申し上げてきたのでございますが、なかなかいろいろ問題がございまして、これが現在まで実現に至っていないのでございます。  去年は、千葉県におかれましては、特に石油産業に目をおつけになりまして、千葉県独自の措置として、売り上げ金額による外形課税を考えようかという試みを検討をなさったことがございます。  ただこの場合に、千葉県だけで物を考えますと、やはり県内における売上額といったようなものの把握とか、いろいろ問題点がございまして、なお検討を要するということで、今後の石油関連企業を持っております各府県の共通の研究課題として研究を続ける、こういうことで現在検討中でございますが、それもその一例でございます。  いずれにいたしましても、私どもとしては、御指摘のように、できるだけ事業税に物税としての性格を徹底させるために外形標準課税を持ち込むという点については、そうありたいと考えております。その点につきまして今後ともなお検討を続けながら、かつ税制調査会等にも諮ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 今後低経済成長に入るわけですが、これまで不交付団体であった神奈川県でも五十年度は交付団体に落ち込むかもしれないという事態に追い込まれているような財政の内容であります。税源が十分あるところも交付団体ということでは、税財源の配分等の立場から根本的対策を立てなければならない。  そこで神奈川県の実態が出ているわけですが、「法人数に関する調」というのをとってみました。これによりますと、資本金一億円未満の法人、これは中小企業でありますが、七万四千六百法人数がございます。このうち欠損法人数が二万六千八百五十七社ございます。資本金一億円以上の法人、これは大企業でありますが、二千三百五十四、このうち欠損法人数が三百六十七社ございます。法人数が計七万六千九百五十四社のうち欠損法人数が二万七千二百二十四社、こういう数字が出てきております。これは四十九年三月三十一日までに申告または決定があった法人数でございます。したがって今後は不況によって欠損会社はなおふえる一方であろう、こういうことから、神奈川県の交付団体という話が出たわけでございます。  この欠損会社は、法人住民税の均等割だけで、法人税、事業税、法人住民税の所得割は全く納めていないわけですから、企業活動を行って公共の利益を受けているが、これではどうしても不合理である、こういうふうに私どもは考えておるわけです。  そこで、当面都道府県の税源の充実のために、事業税の外形課税を真剣に検討すべきである、私どもはこういう考え方を持っておるわけです。  いろいろと申し上げましたが、いまの問題についてひとつお答えをいただきたい、こう思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御指摘のように、最近経済が低成長時代に入ってまいりましたとともに、景気の下降によりまして、欠損法人の数がふえてきておる、こういう状況がございまして、これが地方財政に大変困難な影響を及ぼしておるということは、御指摘のとおりであろうと思うわけでございます。  そこでこの事業税のあり方が、本来企業活動に応じました、行政サービスの受益に応じました応分の負担、こういうことで物税的な考え方に立ちまして、企業のコストとして税負担を行うということの本来の趣旨から、これが物税化をさるべきであるという点につきましては、先ほども申し上げましたように、全く同感でございまして、ただいまなかなかうまく実現をいたしていないのでございますが、今後ともこの点は、物税的な外形標準の導入について私どもとしては努力を重ねていきたいと思っておるわけでございます。  なおまた、いまのように景気が下降いたしておりまして欠損法人が多い事態においては、現在の所得課税のあり方がより一層地方団体に影響を及ぼしておるという点は、これもまた御指摘のとおりであろうと思うのでございますが、一般的に所得課税と物税でありますときと、どちらが税収入としては総体の額が多いのかという問題になりますと、これはおのずといろいろ問題があるわけでございまして、景気がよろしくて収益が上がっておるような事態にありましては、むしろ単純に税額だけを考えますと、所得課税の方が税収の増加がある。いままでのように景気のよかったときには、そういった法人をたくさんお持ちの団体では税収の自然増がたくさんあったという事態もあったのでございまして、これは税収総額のあり方としてはかなり長期的な見地から両方の税の税率等のあり方を考えるべきであろう。物税にいたすにいたしましても、そういった長期的な観点から税率の設定等を考えるべきであろうと考えております。  なお、神奈川県が例示に出ましたが、これは特に去年は自動車産業等の不況に起因をいたしまして財政状況が非常に困難な状況に立ち至っておることは私どももよく承知をいたしておるのでございまして、こういった点については財政当局等においてもいろいろ所要の措置を検討いたしておるようでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 これも政務次官にひとつお尋ねをしたいと思います。  ただいまの問題についていろいろと御見解を伺いましたが、参考までに神奈川県の税の伸び状況をお話をいたしますと、法人県民税、これは四十八年三月決算でありますが、四十五億円で一三四・六%、こういう伸び率になっております。それから、四十八年の九月には四十七億で一三〇・九%、四十九年三月では五十一億で一一二・二%、四十九年九月決算では四十五億円で九五・一%。とうとう下がってしまいました。五十年三月はどういう決算になるであろうか。いま局長からもいろいろ説明ございましたけれども、非常に落ち込みが激しいので、今後どういう状態になっていくか。相当減るものと私どもも考えておるわけでございます。  さらに法人事業税でありますが、四十八年三月、二百八十五億円、二四・七%、四十八年九月は二百九十三億で一二八・六%、四十九年三月では三百二十五億円で一一四・〇%、それから四十九年九月決算では二百八十七億円で九七・七%。とうとう落ち込んでしまいました。五十年三月が不安でたまらない、こういう状態になっています。  ここで、ただいま税務局長も外形標準でやるべきだという御意見もございました。また、そう持ち込む考え方でもある、このようにかたい決意を述べられました。これは大臣、政務次官の相当力強い御意見が大事になってくるわけでございまして、そういう点での今後の、将来に対するお考えをただしておきたい、こういうように思います。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 景気の動向によってそういった法人事業税のようなものがいろいろ県の財政に及ぼす影響というものが大きいことは御指摘のとおりでございます。そういった意味からいきましても、いま税務局長から御答弁申し上げましたように、事業税につきまして収入金額あるいは資本金額、付加価値等の外形基準を用いるという方が、確かに、より適切な面があろうかと思います。そういったことで、ただいろいろこういった外形基準をそのままストレートに導入するというときに、われわれがもっと検討しなければならない経営基盤の脆弱な中小企業の問題とかいったものも十分考えなければなりませんが、そうした問題も十分検討しながら、いま御指摘のような方向に持っていって、もう少し地方財政、特に府県におきます税源の安定を図るように将来とも努力をしなければならない、このように考えておるところでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 次に、事業税の制限税率についてお尋ねをしておきたいと思います。  今回の改正で、法人事業税については標準税率一二%の一割を限度として一三・二%の制限税率を設けたわけでございますが、これに対して、先日の参考人の意見聴取の際にも今回の政府の措置は東京都に対する報復措置ではないかという厳しい御批判もあったわけでございますが、なぜこのような措置をとったのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御案内のように地方税法では地方団体の課税上の自主性を尊重いたします方法の一つとして標準税率制度を設け、これに対して標準税率を超過をする課税をしてもいいというフリーハンドを与えておりますが、その場合にも、通常の形態ではやはり各地域における税負担がそれほど極端に違ったのでは税の負担の均衡上おもしろくない、よろしくない、こういうことで、標準税率超過課税をいたします場合にも、いわゆる最高限度としての制限税率の定めが設けられておりますのは先生御承知のとおりでございます。ただこの制限税率につきましては、従来府県税につきましては、特に事業税につきましてはこの制限税率の規定がなかったのでございます。と申しますのは、市町村ほどたくさんの数があるわけでもなし、またバラエティーが異なっておるということがあるわけでもないので、府県の場合に超過課税が行われる場合にはおのずと常識的な線が引かれるのであろう、こういう想定のもとに制限税率がなかったのであろうと言われておるのでございますが、制限税率がなかったのでございます。それに対しまして、今回事業税につきましてもやはり超過課税をいたします場合に一定の限度を決めるということは、理論上もまた法的にもそのようにすべきではないかということで制限税率を設けることにいたしたわけでございます。  それから第二はこの事業税についてでございますが、これも先生御案内のようにこの事業税の税額が企業会計上損金に算入をされますので、法人事業税につきまして大幅な超過課税が行われました場合には、他の税目、つまり国の法人税であるとか地方の法人住民税、法人事業税、これに減収をもたらしますとともに、法人税の減収に伴って地方交付税に対しても影響を及ぼす、こういうことがございます。したがって、非常に大規模な法人、特に他府県に支店を持っておりますような分割法人、これをたくさん持っていらっしゃいます大規模な府県が法人事業税について超過課税をなさる場合には、その影響がきわめて大きく他の財政力の弱い府県や市町村に及ぶわけでございます。こういう実態が事実上あるのでございますが、今回、昭和四十九年に東京都が事業税におかれて標準税率の一二%を一四に上げるという超過課税を実施をされたのでございます。このことに関連をいたしまして、実はその他の道府県やそれから市町村等からも、大規模な法人を有しておる団体が超過課税をするということは非常に他の団体に及ぼす影響が大きいから、これはできるだけ慎んでいただくようという反響が大変に起こったような経過があるわけでございます。  そこで、法人事業税について制限税率を設けるといたします場合、その制限税率をどの程度にするかということが問題になってまいりますが、これも先生御案内のように、他の税目におきましては平均的に大体制限税率の限度は二割増しを限度とするというのが相場でございます。そこで、事業税につきましては、他団体に及ぼす影響が非常に大きゅうございますから、通常の税の二割増しの半分程度でがまんをしていただく、超過課税をやる場合には、他団体に対する影響を考慮して、他の税目なら二割増しまでいけますけれども、事業税の場合はその半分程度でがまんをしていただくよう制限税率を設定するのが適当ではなかろうか、こう考えたわけでございます。そこで、一割増しという制限税率を設定をいたすことにいたしたわけでございます。なお、この問題につきましては、去年の税制調査会それから御案内の地方制度調査会、こういったところでもこの議論が出たのでございまして、やはり制限税率を設定をするのが適当であろう、こういう御答申もいただきましたので、そのような踏み切り方をいたした次第でございます。したがいまして、東京都に対する報復という言葉がどこから出てくるのかわかりませんが、そのようなことは決して考えていないのでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 参考人の意見ということでちゃんと説明してありますので、小濱が言っているわけではありません。  そこで、大蔵省にひとつお尋ねをしていきたいと思います。  いまの問題、事業税を法人所得の計算の際に損金算入すること自体に問題があると私どもは見ているわけです。いろいろとこれは論議の的になっておったわけですが、法人所得の計算において、事業税を損金算入しないように税体系を改めるべきではないのか、この点についていかがでしょうか、お答えいただきたいと思います。

西野襄一大蔵省主税局税制第三課長

○西野説明員 ただいまお話のありましたように、租税公課につきましては、法人税額等を除きまして、原則として所得の計算上損金に算入されているところでございます。事業税も損金に算入されているところでございますが、この事業税を損金に算入することについての御議論かと思います。  事業税が課税されております根拠というものを考えてみますと、これは事業者が事業活動を行うに当たりまして、地方団体の各種の施設を利用するとか、その行政サービスの提供を受けているということに着目されまして、それに必要な経費を分担すべきであるという考え方に基づいてなされているものと思います。したがいまして、事業活動に伴うコストと観念されるのでございまして、これを損金に算入するということになっておるわけでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 事業税を損金算入することは私どもはどうしても納得ができない、こういう考え方を持っているわけです。いろいろと議論を振り返ってみても、どうもおかしい論議になっているわけですね。いまの説明でも私どもはどうもわからない、こういうふうに言わざるを得ない、こう思うわけですが、これは時間を要するのじゃないかと思いますから、この程度でこの問題は打ち切りますが、どうかひとつ政務次官もこういう内容のものがあるということをよく理解をしていただき、この問題に対する御研究、御検討を私どもはよろしくお願いをしたい、こういうように思っているわけですが、この点について政務次官から、できれば一言お答えいただきたいと思います。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 確かに重要な問題でございますので、今後とも十分検討してまいりたい、このように考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 先ほど税務局長からいろいろこの問題についての御答弁をいただきました。そこで、都道府県民税に対する制限税率は、これまで都道府県民税の法人割以外は設けられなかった、この説明はございました。事業税に対して何でもかんでも制限税率を設けてはいけないと言うのではございませんが、現在都はすでに、先ほど局長からのお話もありましたように、一二%に二%アップしているわけですね。そして一四%の税率としているわけです。それを、今回はすでに実施している東京都の税率をさらに引き下げる措置をとろうとしているわけですから、せめて東京都の現状を認めるぐらいの措置をとれないものかどうか、心配しているわけです。こういう点から、これでは報復措置と言われてもやむを得ないのではないか、こう私どもは思っているわけです。  政府は、他の自治体に、これも局長が慎んでもらうという言葉を先ほど使っておられましたが、迷惑がかかると言っておるわけですけれども、所得課税として損金へ算入しているという矛盾を残しながらこのような措置をとることは、私どもはどうしてもまた納得ができない、こう言わざるを得ないわけですね。しかも、制限税率の幅は、最低の都道府県民税及び市町村民税の法人割でも約二〇%であります。当然最低二〇%の幅を持たせるべきだがどうか、こういう私の考え方です。  そこで、少し私の集めました資料を見てみますると、これは局長よく御存じのとおり、都道府県民税標準税率掛ける制限税率、これでいきますと、倍率は非常に高いですね。相当の倍率を示しておりますよ、これは細かく全部申し上げませんけれども。こういう点で、いまのように、どうしてもこれは最低二〇%の幅を持たせるべきだという私の考え方が起こってくるわけです。こうすれば東京都の問題も解決できるわけです。報復措置なんて言われないでも済むわけなんです。この考え方について、ひとつぜひ誠意ある御答弁を、これは局長と政務次官からお願いいたします。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘がございましたように、通常の税目、市町村におきます住民税でございますとか府県におきます住民税でございますとか、こういうたぐいのもので、制限税率が二割増しというかっこうで設けられておりますのは御指摘のとおりでございます。  そこで、今回の東京都の事業税に対します超過課税でありますが、一二%の標準税率を約二割増しの一四%というところまでおやりになったわけでございますが、この事業税については、先ほどから論議になっておりますように、これが損金に算入をされます性質上、他団体に非常に大きな歳入上の影響を及ぼすわけでございます。先生すでに御案内のように、東京都が去年法人事業税の超過課税をやりました後、直ちに神奈川県でございますとか大阪府でございますとか兵庫県でございますとか、こういったいわゆる大県、大きな法人をたくさん持っております府県が、同様に標準税率超過課税をやろうではないかという動き、これは実現をいたしておりませんが、これを見せたことも御案内のとおりでございます。  そこで、標準税率超過課税をやります際に、この事業税がそのように他団体に大きな影響を及ぼすという点に着目をいたしますと、同じように大規模の府県が事業税に非常に大幅な超過課税をやっていくということ、これが蔓延をいたしますと、他の弱小府県なり市町村なりは、これが集まりますと非常に大きな影響を受けまして、財源を奪われるという事態が生ずるわけでございまして、先ほども申し上げましたように、市長会や知事会等におきましてもこれは大変なことだということで、大県における事業税の超過課税をぜひ慎んでいただくよう自治省としても強力に指導してくれ、こういう話が大変巻き起こっておったわけでございます。そのような経過にかんがみまして、この事業税の超過課税が他団体に大き影響を及ぼしますから、自治体としての自主権を制限する気ではございませんけれども、制限税率の、標準税率超過課税をやる場合にも、通常の税目のような二割アップというような大きなことをやらずに、せめてその半分ぐらいの一割程度のアップでがまんをしていただくように、こういうように制度を設けるのが、他団体への影響等も勘案をいたしまして適当なのではないか、このように考えたわけでございます。こういったことは、先ほども申し上げましたように、地方制度調査会や税制調査会等におきましてもいろいろ議論をいただきまして、御答申をいただきまして踏み切ったわけでございます。まあ他団体に対する影響、人に影響を及ぼすから、そこで自主権の発揮も通常のケースの半分くらいでがまんをしていただく、こういう制度を考えたというように御理解を賜りたいと思うのでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 政務次官にお尋ねをしたいのであります。  いまもお話がありましたように、一割を限度として一三・二%の制限税率を設けたわけですね。そういう点で東京都は〇・八%下げられるわけです。この問題について何か措置ができないかという、そうすべきではないのかという私どもの考え方をいろいろ御質問しているわけですが、これは自治大臣から承りたかったわけですが、きょうは政務次官からよろしくお答えいただきたいと思います。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 今回は事務所事業所税というものの新設もいたしておるところでございます。そういう意味において、実質的な減収になるわけではなくて、むしろ増収になるわけでございますし、それから東京都だけがそういうことで一つの租税体系の中で先に突っ走るという形においては、全体の秩序維持というふうな問題もございますし、法人の総合的な税負担にも大きな影響を及ぼす問題でもございますので、制限税率を設けるということにつきましては、そういう意味の適正化という意味からもやむを得ない措置ではないか、私はそのように考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 次に、法人の徴税猶予についてお尋ねをいたします。  法人住民税の徴収猶予などの規定は、これは商法の改正による影響を取り入れないこととしているわけでありますが、それはともかく、従来から法人住民税などの徴収猶予の規定は法人のみの優遇税制として批判されていたものでありますが、この徴収猶予の規定は廃止すべきである、このように私ども考えるわけですが、この点についてお答えいただきたいと思います。

石見隆三自治大臣官房審議官

○石見政府委員 お答え申し上げます。  いまお示しがございましたように、地方税法の第十五条の三の規定によりまして、法人関係の事業税あるいは住民税につきましては徴収猶予の制度が設けられております。この制度は、御案内のように、法人税と歩調を合わせまして、同じ考え方のもとに設けられておる規定なのでございます。この点につきまして、このような法人に対します徴収猶予の制度が、個人の事業税等に比しまして優遇されておるんではないかという御指摘であったかと思うのでございます。御案内のように、法人の事業税は法人税と同様に、事業年度が終了いたしまして後二カ月以内に申告納付をすることとされておるわけでございますが、一定の条件のもとに、三カ月間を限りまして徴収猶予の制度が設けられておるところでございます。  一方、個人の事業税につきましては、御案内のとおり、十二月三十一日現在におきまして所得を確定いたしまして、当該確定いたしました所得を課税標準といたしまして課税がされるわけでございますが、その納期は翌年の八月あるいは十一月ということになっておるわけでございまして、この点両者あわせて考えました場合、法人につきましてこの制度があることが特段個人と比べて優遇と申しますか特別な措置になっておるということにはならないんではないかというふうに考えておるわけでございます。  なお、従来から法人の事業税におきます徴収で、いまお示しのございました徴収猶予がとられました場合には、徴収猶予の期間に応じまして延滞金も徴しておりますので、この面から見てまいりましても、個人に比べまして格段の優遇措置であるというふうには理解いたしておらない次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 この制度がいつできたのであろうかと思っていろいろと資料を調べてみました。二十六年の十一月の資料もいろいろと拝見をさせていただきました。また、そのできた背景とか問題について私もずっといろいろ読ませてもらったんですけれども、その資料によると、現在では法人企業のみを特に優遇するものとして批判をされている、こういう項目も載っておるわけです。ですから、法人優遇措置にこれは間違いない、こういう点で廃止すべきではないのか、こういう見解を私どもは持っていた。この問題についても、これは大事な問題でありますから、ひとつ政務次官からこの点についてもお答えをいただきたい、こう思います。

石見隆三自治大臣官房審議官

○石見政府委員 政務次官の御答弁の前に、事務的な点でございますので、ちょっと御説明させていただきたいと思います。  ただいまも申し上げましたように、法人と個人と比較をいたしまして、決算が確定しあるいは課税要件が成立いたしました時点から具体の納税の手続が行われる期間を考えました場合、法人の場合には徴収猶予期間を含めましても五カ月、しかもその三カ月間につきましては延滞金を徴収するという制度をとっております一方、個人の事業税につきましては課税要件が整いました十二月三十一日から八カ月あるいは十一カ月たちましてから納税がされるという納期の面から見まして、この面のみを見ました場合、個人と法人と比べまして特段法人が優遇されておるというふうには私ども理解いたさないのでございます。と同時に、その間個人におきましてはもとより延滞金等がかからないわけでございますので、この点におきましても、法人と個人と比べましていま申し上げましたような考え方ができるんではないかというふうに存じておる次第でございます。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 私もこの個人事業税と法人事業税の徴収猶予期限というものを調べてみますと、御指摘のような、特に個人事業税の納付者は法人事業税と比べて優遇されていない、逆に率が悪い、そういうようなことは、私もこの納付期限の徴収猶予期限というものを見た限りにおきましてはそういった考え方を持ちませんが、先生の御指摘の点につきましてはなお検討させていただきたいと思いますが、私は徴収猶予期限だけを取り上げてみました場合にはそういった考え方はないんじゃないか、このように考えるものでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 この制度がいつできて、その背景はどうなのかということで、本当は少し私も論議をしたいのですけれども、時間の制約を受けておりますので、この点については次回に譲ります。  そこで、いよいよ時間もなくなりましたので、もう二点だけお尋ねをしてやめておきたいと思います。  今回入湯税が標準税率四十円から百円に引き上げられました。現在の制度では、温泉地でも温泉を引いている宿泊施設に泊まったお客は課税の対象となっているわけですが、温泉の引いてない宿泊施設のお客は課税の対象になっていない。消防、環境衛生、観光施設の整備のための目的税という本税の趣旨から考えて、温泉地であれば、温泉を引いてない宿泊施設に係る入湯についても適用すべきではないのか。私のところは非常にそういう関係の業者が多いので、この点については税務局長にまずお尋ねをいたします。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御指摘をいただきましたように、温泉所在市町村、ここにはお客さんがたくさん参りますので、環境関係、それから消防関係、こういったものの財政需要に着目をいたしまして、入湯行為に対して入湯税が課せられておる。これを今回標準税率を百円に上げたいという御提案をいたしておるのでございます。  御指摘のように、その他の観光地においても同じような財政需要があるのではないかとおっしゃることは全くそのとおりだと思います。そういったこともあろうかと思います。しかしその場合にも、その他の観光地において、では何を課税標準にして税を取るかということになりますと、その他の観光地の財政需要のあり方もそれから実態も、これはもうばらばら区々でございますので、ちょうど温泉地においてお湯を引いておればその入湯についてかけるといったような適切な課税標準なり何なりの把握が、制度として設けます場合にはなかなか困難な問題があろうかと思います。そこで入湯税をその他の観光地全部にも適用するという点については、この限度の引き方について非常に問題がございますので、法的にはなかなか解決がむずかしいわけでございます。しかし、そのような根本的な精神から考えてみますと、確かに観光地であってお客さんが非常に多い、そのための財政需要がたくさんあるというようなことでございますならば、たとえて申しますならば、何かに着目をいたしました観光税的なものを法定外普通税としてお設けになって、そのための財政需要を賄っていかれる制度をおつくりになる、このことは当該団体の自主的な行為としては結構なことだと思いますので、そういった事態があれば私どもとしては十分御相談に応じたい、そういう面で解決をしてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 私はどこがこうだということを申し上げるわけじゃありませんが、御存じのように、温泉には元湯というのがあるのです。全然水道水をうめないものです。それを今度はうめていくわけです。そして量を多くしていくわけです。何百人もの宿泊施設を持っているようなホテルではほとんど元湯に水道を入れて薄くして、そうして皆さん方に温泉として提供しているという、これは逆になりますが、そういう姿もあるわけです。ですから、温泉と一口に言っても、ほとんど元湯のないような温泉に入れられている場合もあるということです。そういう点で、温泉を引いてない宿泊施設にもこれは当然適用すべきであるということですか——箱根町がそうだということじゃありませんよ、これは。私は大変なことになりますので……。おしかりを受けますから……。この箱根町の例を挙げますと、入湯税の対象宿泊施設数が四百三十軒、宿泊人が年間三百三十万人、四十円の場合の税収は一億九十四万円、百円の場合は三億二千万円、それから入湯税の対象外、これが九十軒ありまして、推計二十万人、四十円の場合の税収は八百万円で、今回は二千万円、こういう形になる。いろいろと開きがある。この問題が現地にはあるわけです。そしていろいろな御意見が出てまいります。そういう点で、やはり温泉を引いてない宿泊施設に係る入湯についても適用すべきではないのか、その元湯ということからぐうっとたどってまいりますと、当然これは適用対象になってくるなという感じを受けるわけです。もう一度局長にお尋ねをいたします。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御指摘をいただきましたような状況が実際問題としてあるだろうということは容易に理解ができるところでございます。しかし先ほども申し上げましたように、一応法定税というかっこうで税を設定をいたします場合に、何らかに線を引いて課税標準を求め税を課するという体制を法的な立場ではとらざるを得ませんので、いまの状況としては温泉地、こういうことで線を引く、元湯から引いてきた、こういうことで線を引くというよりほかに法定税としての取り扱いがなかなかむずかしい、こういうことでございます。したがいまして、実際問題として、その他の観光地におきましても、お客さんが集まるといったようなことで財政需要がたくさんある、これに対応する税源が欲しい、こういうようなことでありますならば、この入湯税そのものの本来の精神から考えてみました場合に、いまとり得ます方法は、何らかの適当な課税標準、適正な課税標準をめっけまして、法定外普通税というかっこうで税を起こす、こういうことは許されておる制度でございますので、そういった制度について御検討いただくならば、私どもとしてもその検討に関与さしていただくことについてはやぶさかでない、こういうことを申し上げておるわけでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 政務次官にお尋ねいたします。  観光地は温泉のあるなしにかかわらず財政需要が非常に多いわけですね。ごみだとかそれから屎尿処理であるとか、消防関係もそうですけれども、とにかく大変な量を処置している、こういう事例がございます。本税の目的からすれば、そういう面では公平を欠くというようなことになるのではないかという考え方を私どもは持っておるわけであります。私ども、これはそういう点での検討をすべきであるという考え方ですが、ただいま局長からもそういう要請があれば検討する用意があるということでしたけれども、政務次官の考え方を聞かしておいていただきたい、こういうふうに思います。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 入湯行為に対しての課税というのが、入湯税が法定の目的税として設けられたあれだと思います。そういう意味から考えますと、いま御指摘の点について、入湯税をそういう温泉地域でない観光市町村にも設けるということは私はできないと思いますが、まあ日光市あたりは、そういった観光というものに着目いたしました法定外普通税を設けて、すでにそういった課税をしておるという例もございますが、特別のそういった法定の税目として入湯税が設けられたという点を拡大するということは非常にむずかしいと思います。ただし、確かに御指摘のような、そういった観光市町村におきましては、ほかの市町村に見られない財政需要があるわけであります。そういう意味での必要性から考えますと、いま申しましたような法定外普通税の新設とか、そういった問題で解決する以外にないのじゃないか、私はそのように思うのであります。

小濱新次公明党

○小濱委員 最後に、自治省と大蔵省にお尋ねをして終わりたいと思います。  国税の租税特別措置は国の要請によるもので、国の租税特別措置によって法人税などの国税が減免をされている。そのはね返りによって地方税も減収を余儀なくされている、こういう姿になっているわけです。このことについて地方自治体側は強い不満を示している。そこで、国の政策の影響による地方税の減収は断ち切るべきである、こう考えるわけですが、この点について、まず大蔵省からお答えをいただきたいというように思います。

西野襄一大蔵省主税局税制第三課長

○西野説明員 租税特別措置は、個々の政策目的のために租税の基本原則の調和を図りながら設けられているものでございます。それで、国税で設けられました租税特別措置につきまして、地方税におきましても同様な措置を講ずることが適当と考えるものもございますし、それからまた、国税の特別措置の影響というものを地方税で回避するということが、課税技術上困難なものもございまして、一義的に扱いますのは事実上むずかしいのじゃないかというふうに考えられます。したがいまして、この問題につきましては、いま申し上げましたような事情を考慮しながら、国の特別措置が地方税に自動的に影響することのないように、個々の特別措置につきまして、地方税にも及ぼすことが妥当なのかどうかという検討がさるべきものでございまして、今後におきましても、このような方向で考えられていくべきではないかと考えております。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御指摘をいただきました租税特別措置の地方へのはね返りでございますが、これは原則としては、できるだけこの租税特別措置が地方税に影響することについては遮断をしていくべきであるという考え方に私どもは立って努力をいたしておりますことは御案内のとおりでございます。  ただ、いま大蔵からもございましたように、租税特別措置にもいろいろございまして、中には、たとえば少額貯蓄のマル優でございますとか、こういったたぐいのように、地方税においても同じような目的で扱っていくのが適当であろうというのもございますし、また課税技術上の問題等もいろいろございます。そういった点も含めながら、原則としては遮断をしていくべきだという考え方で私どもとしては今後臨みたいと考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 この問題について政務次官に最後にお尋ねしておきたいと思います。  いま大蔵省の見解を伺いました。そうしてまた税務局長から何とかこの地方へのはね返りを遮断する方向で努力をしていきたいという話がございました。そういう点で、私どもとしては、でき得れば具体的にどんな方法が考えられるのか、ここで本当は伺いたいのですけれども、そのことは無理な注文のように考えられますので、大いにひとつ今後努力をしてもらわなくちゃなりませんが、そういう点で今後に対する考え方をひとつ伺って、私の質問を終わりたいと思います。

左藤恵自由民主党自治政務次官

○左藤政府委員 いま税務局長からも申し上げましたとおり、とにかくできるだけこの地方税へのはね返りを遮断するという基本的な考え方につきましては、私はそういうことで努力をしなければならない、このように思います。そういった意味におきまして、今後、税制調査会等の御審議を煩わしながら、とにかく可能な限り租税特別措置の整理合理化という問題に努力してまいりたい、このように考えておるところでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 以上で終わります。

大西正男自由民主党

○大西委員長 この際、暫時休憩いたします。本会議終了後に再開いたします。     午後一時三十五分休憩      ————◇—————     午後四時九分開議

大西正男自由民主党

○大西委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。折小野良一君。

折小野良一民社党

○折小野委員 五十年度の地方税法の一部を改正する法律でございますが、まず最初に、住民税について御質問を申し上げたいと思います。  私どもかねて住民税の審議に当たりまして、課税最低限度がどれだけになるのかということは一つの大きな関心の的でございます。政府におきましても、そのような面を十分考慮して所得控除、そういうものの検討がなされておるというふうに考えるわけでございますが、五十年度の住民税につきまして、従来百一万円ですか、これに対しまして、今回課税最低限を百二十一万円程度に引き上げる、約一九%程度の課税最低限度の引き上げということがなされておるわけでございます。今回の改正によりますこの課税最低限度の根拠と申しますか、どのような理由、どのような根拠、どのような論拠、こういうようなもので約二十万円、一九%程度の課税最低限度の引き上げが行われたのか、お教えいただきたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 住民税の課税最低限のあり方につきましては、先生も御案内のように、住民税の特殊の性格から、国の所得税そのものと同じでなければならぬと私ども思っていないのでございますが、経済情勢の変遷や生活、いわゆる最低生活費等の控除に伴いまして、できるだけこれを引き上げていきたいという念願を持っておりますことは御承知のとおりでございます。  そこで、ことしは、ただいま御指摘をいただきましたように、サラリーマン、夫婦子二人の標準家庭の場合、課税最低限が百二十一万八千円になりますような引き上げをいたしたわけでございます。  この根拠でございますが、一つには、課税最低限のあり方が、市町村の財政状況あるいは住民税の所得割を納めます人の、納税義務者の分布状況、こういったことを考えたことももちろんでございますが、従前の例から考えまして、おおむね、大した変化のない年におきましては、国税における課税最低限の八割ないし八割二、三分という程度のところに地方住民税の課税最低限がありました過去の歴史的な事実がありますことは、先生も御案内のとおりでございまして、一応めどとしてはそのようなことも考えまして作業いたしたわけでございます。  それからもう一点は、昨年行われました国の所得税の非常に大幅な減税によりまして、特にサラリーマン減税というかっこうでの給与所得控除の引き上げの影響が非常に多く地方税にも出ますので、今回この百二十一万八千円という課税最低限を設定をいたしました際も、減税額そのものは四千六百億を超えるという、いままでにない大きな額になったのでございますが、そういった状況も勘案をして百二十万余りの課税最低限、これが適当ではなかろうかという判断に立ったものでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 いろいろな理由で課税最低限の引き上げを行われたということでございますが、いまの御説明によりますと、おおむね概計的なといいますか、こういうような標準を考慮されてのことだというふうに考えられます。しかし、私ども、そのほかに、昨年からことしにかけての国民の税負担、これに対する実質的な影響というものがいろいろな形であったのじゃないか、そういう面は考慮されなかったのか。たとえば大幅な消費者物価の値上がり、最近の数字ですと、前年同月比二二・四%というような——二四・幾らですか、というような大幅な消費者物価の値上がり、こういうものもございました。それから、政府の各機関で調査をしておられます標準生計費あるいはそれに類するような調査の結果、こういうものから見ますと、国民の生活費というものが非常に高くなってきておる。ある数字によりますと、これが三〇%あるいは三〇%以上も上がっておる、こういうような数字も出てまいっておるわけでございます。そういうような数字から判断をされる国民生活の実態、そしてまた、そこから出てくる国民の税負担の実態、こういう面をどういうふうに御考慮になったのか、先ほどの御説明につけ加えて、そういう面の御考慮があったのでありますならば、その点の御説明をお伺いしたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 全く、御指摘をいただきましたような事柄は、住民税の課税最低限を設定いたしますときの重大な要素になるものと私どももまた考えております。したがいまして、そのような傾向にも十分意を用いたつもりでございます。  若干具体的に申し上げますと、いわゆる基準生計費と申しますものがございますが、これは昭和四十一年以降は算定をされておりませんが、これを物価指数等で直しました昭和四十九年度のいわゆる基準生計費、こういったものが恐らく九十二万円余りに相なろうと思いますが、こういったこと、それから、いま御指摘をいただきました標準生計費、これは百二十六万程度に相なっておると思いますが、これはいわゆる標準生活費でございますので、最低生活費そのものとは考えておりませんが、こういったものももちろん参考にいたしたわけでございます。  それから、物価の値上がり状況等も実は考えたのでございますが、これは先生御案内のように、四十九年、去年の課税最低限の算定をいたします際に、ことし、どうせ例の給与所得控除の大きな影響が住民税に出てまいりますので、その減税分を先取りするというかっこうで去年はかなり課税最低限を引き上げましたのは先生御案内のとおりでございます。  そこで、四十九年度分と五十年度分の課税最低限の引き上げの比率を考えてみました場合、四十八年は、先生御案内のように八十六万五千円でございましたのを、ことし百二十一万八千円にいたしました。四〇%余りのアップに相なっておるわけでございます。この二年間の、昭和四十七年から昭和四十九年にかけましての物価指数の値上がり率等を調べてみますと、二年分で約三六%に相なっております。したがいまして、それらの点も考えまして、物価の値上がり率、それから標準生計費、基準生計費、こういったものも勘案をいたしました末、先ほど申し上げました要素とかみ合わせまして百二十一万余りの課税最低限を設定いたした、こういうことでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 今日のように物価が非常に急激な速度で値上がりをする、こういうような情勢のもとにおきましては、いわゆる形の上の減税というのは本当の意味の減税であるかどうか、これは疑問なんですね。そういうような点からいたしますと、課税最低限の引き上げ、これは形の上ではなるほど住民税の減税だ、こういうふうに言われますが、実質的に果たして減税になっておるかどうか、こういう点につきましては、やはり国民の生活の実態というものを考えて検討されなければ、必ずしもその表面の金額だけから、あるいはアップ率だけから簡単に喜べないのじゃなかろうかというふうに考えます。特に、昨年からことしにかけましての急激な物価の上昇、これが国民の生活を非常に圧迫をしておる、特に低所得者層におきましてその影響は大きい、こういう点から考えますと、やはり課税最低限のあり方というものにつきまして、私ども、もっともっと関心を持つべきだと思うのでございます。  一応、いままでの御説明から、今回の課税最低限の設定は、そういう面の御考慮も十分なされた上のことであるというふうに判断されるわけでございますが、もう一歩、物価の上昇その他を十分勘案いたしまして、実質的な減税になっておるのかどうか、あるいは百一万円の課税最低限が百二十一万円になった、その二十万円のどの程度のものが物価上昇とかそういうものによるものであって、実質的な減税がどの程度になるのか、その辺の見当がつきましたら、ひとつ御説明を願いたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御案内のように、これはなかなかむずかしい計算を要します問題でございますが、いわゆる単純に物価調整減税だけを行う場合という想定に立っていろいろな方式で計算をいたしますと、物価調整そのものの調整所要額は二千八百億余り、約三千億弱、このくらいを物価調整減税の必要所要額と見ることもできようかと思います。それに比べまして四千六百億ほどの減税になっておりますので、大部分が物価調整減税であるということは事実でございますけれども、実質的な減税も皆無であるとは言えない程度のものではなかろうか、こう考えております。

折小野良一民社党

○折小野委員 わかりました。  次は事業税についてお伺いをいたします。  今回、事業税につきまして制限税率を設ける、こういう改正を提案されておるわけでございます。すなわち、従来、事業税につきましては制限税率の決まりがなかったということなんです。従来の制度の中で、事業税について標準税率だけを決めて、制限税率の決まりがなかったということの理由、住民税等につきましては制限税率が前々からあったわけですから、その点をひとつまず御説明を願いたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 一般の標準税率を設定をいたしております税目におきまして、制限税率が一般的には存在をしておるのにかかわらず、道府県税である事業税についてこれがなかったということは御指摘のとおりでございまして、この理由でございますが、立法時の様子等を私ども承ってみますと、従来、都道府県が超過課税を行うというようなケースはそう一般的にはなかったのでございます。また行うといたしましても、きわめて特殊的な事情のもとに例外的に行われる。事業税の場合は、いままででございますと財政再建の場合に行われた事例が二、三ございますが、そのほかはなかったわけでございます。そこで、市町村のように三千以上も団体があり、その団体の内容もいろいろバラエティーに富むというような事態では、財源の所要額そのものの額が非常に変動いたしまして、超過課税を行う場合も、その必要度の度数が非常に違うという事態がございますので、負担の均衡を図るという観点から、超過課税をやるにしても一定の限度ということで制限税率が設けられておったのでございますが、都道府県の場合はいま申し上げましたようにきわめて類似した四十幾つかの県であるということと、それから超過課税を事業税において行われるということが一般的には余りそうなかったということ、また都府県の場合にはやるとしてもそう極端なことは行われないであろう、こういったような観点から、特に事業税にはこれが設けられていなかった、このように私ども承っておるわけでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 従来事業税につきましては、一般的になかった、あるいは余り予測をされない、こういうことで制限税率という決まりがなかったわけなのでありますが、今回それをあえて、都道府県の実態というものは昔と今日とでそう違っておると思えないのでありますが、今回新たに制限税率を設けたということは、端的に申しまして東京都の不均一課税に対する対抗手段である、こういうふうに申していいのじゃないか、そういうふうに考えるわけなんですが、そういうようなことが国の制度として果たして適当であるのかどうか、あるいはそういうことを全然予測しなかった、その辺はうまくいくであろうというふうに思っておった従来の考え方というのがうかつであったのか、その辺、私ども非常に疑問に思うわけでございます。やはり制度として考えていきます以上は、いろいろな事態を考えまして、そしてそれに対応する対策というものは考慮していかなければならない。それがたまたま一つの自治体が特殊な事情によってそれに対して特定の措置を講ずる、それに政府は直ちに報復的な措置を講ずる、こういうようなあり方というのは決して思わしいあり方ではないのじゃなかろうかというふうに考えるわけです。東京都が昨年事業税の不均一課税を実施したということからですが、今後やはり制限税率を設けなければならないという事態を考えてこういうふうな措置をされたわけでございますか。いかがですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 一般的に申し上げますと、最近のように経済の成長が鈍化をしてまいりまして、都道府県の財政も、事業税関係の伸長がなかなか望めなくなった、こういったような事態から、新たに独自の財源を確保するために事業税の超過課税をしたいという、こういう機運が最近は出てまいっておるわけでございます。特にこれは、東京都の標準税率超過課税が端緒になったことだけは確かでございますが、東京都が去年二%の超過課税をなさいましたことに関連をいたしまして、他の大府県、たとえば大阪でございますとか神奈川でございますとか兵庫でございますとか、こういったようなところでも、事業税の超過課税を考えてはどうかという検討がなされておりますような事態になっておるわけでございます。そこで、このように超過課税の機運が生じてまいっておりますと、やはり税負担の均衡とか、そういう面から考えてみましても、超過課税そのものは結構でございますが、その限度という意味での制限税率の設定というものが大勢として必要になってくるのではなかろうか、一般論ではこう言えるわけでございます。  それから具体的な問題といたしましてはもっと切実な問題があるわけでございまして、東京都が二%の標準税率超過課税を行われたことによりまして、先生も御案内のように、この税目は他の税目に非常に影響を及ぼしますので、国の法人税の減収、それを通じて地方交付税の減収、それから住民税法人税割の減収、法人事業税の減収、こういうかっこうで他団体に大きな影響を及ぼしますものですから、他の団体、つまり他の道府県、それから市町村、この団体が、このような大府県における超過課税の風潮が大きく蔓延をしたのではとても大変だということで、何とかこれは、他団体の財源を奪うという観点から慎んでいただきたい、こういう動きが去年の年末から表面化をいたしたわけでございまして、これは知事会なり市長会あたりからも私ども絶えずやかましく言われたわけでございます。こういった事態でございますので、超過課税をいたすにいたしましても、他団体に影響を及ぼす税目については、これは控え目に超過課税をしていただく、こういうことをお願いをせざるを得ないだろうと私ども考えたわけでございます。この意味のことを地方制度調査会ないし税制調査会等にお諮りを申し上げましたところ、そのとおりであろう、こういうことで御答申をいただきましたので、通常の制限税率の半分でがまんをしてくださいという意味での、一割増しの制限税率の設定、これに踏み切ったわけでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 今回の制限税率を設けるという改正が、東京都の事業税の不均一課税に端を発した、これはおっしゃるように私どももそうだと思っておりますが、私どもは、こういう機会に、やはり根本的に制度を見直す必要がなかったかと思うのです。ただいま局長の御説明の後段にありますように、事業税の不均一課税あるいは超過課税というものが他団体に非常に大きな影響を及ぼす、これは税法上最も気をつけ、あるいはそういうことのないような措置を講じていかなければいけないことじゃなかろうかと思うのです。ですからそれは率が高かろうと低かろうとその影響するところは同じだというふうに申していいんじゃないかと思うのです。東京都は何といっても財源的には最も豊富な自治体であって、その影響を受ける他の自治体は東京都よりかもっと財政的には苦しいところもたくさんあるわけなんであります。そういうところの犠牲において東京都が新たな財源を求めなければならない。私はこういうような形になることは自治の発展のために大変望ましくない結果じゃなかろうか、そういう結果が出ることは、その制限税率をどこに置こうと同じことなのでして、やはり基本的に他の団体に影響が及ばない形で根本的な改善というものがなさるべきじゃなかったか、こういうふうに考えます。  それにはいろいろございますでしょうが、まず法人税の損金勘定になるというところに一番基本があるわけでございまして、そこのところを遮断をする、こういう基本的な改正というものをどうしてやられなかったのか。これは多かろうと少なかろうと他の団体に影響が及ぶということは変わりないわけなんです。少なくも他の団体に及ばないように、自分の責任においてやるのだという形をちゃんととるべきだった、あるいはとらせるような改善策を講ずべきであったのだ、こういうふうに考えるわけですが、いかがですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 お説はよくわかるのでありまして、そのとおりだと思います。私どもも、一方で地方財政の自主性ということで超過課税が許されておりますが、これが他団体に影響を及ぼすという面においてはやはり慎重な節度ある配慮をしていただきたい、地方団体はお互い同士でございますからそういうことで配慮をすべきだと思っておりまして、その後も先ほど申しましたような他の大団体等が事業税の超過課税という話が出てまいりましたときには、自主性ということはございますが、なるたけ慎重に、他の影響も配慮の上お考えをいただきたいということを指導をいたしておる次第でございます。  いずれにいたしましても、二割であれ、一割であれ、超過課税をすれば他団体に影響を及ぼすことはそれはもう先生御指摘のとおり事実でございますが、ここは程度の問題ということもございまして、同じ影響するにしても影響の度合いが低ければ低いほどベターであることはそうではないかと思いますので、一方、地方税制で保障されております自主性の尊重ということを配慮をしながら、他団体に及ぼす影響ということも勘案をしたその調整点ということで、二割の普通の制限税率の限度を半分程度で御勘弁をいただく、このように考えた次第でございます。  それからこれを損金に算入しない制度のあり方につきましては、これは事業税を完全に物税化をするということと絡んで起こる問題でございますが、やはり事業税そのものは本質としては物税ということで成立をいたしております税金でございますし、そうであるならば、税の性格としてその超過課税の分だけを損金不算入にするとかなんとかということは、やはり制度上適当な取り扱いとは考えられませんので、むしろ方向としては事業税を物税に純化をしていくという方向について私どもは今後なお努力を続けていきたい、こういう考え方でおるわけでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 いまの御説明を承りまして、二割を一割にすればそれだけ影響度は少なくなる、それは確かにそのとおりだと思います。しかし、もっとよりいい方法をというふうにやはり考えていくべきじゃなかろうか。少しであっても影響は影響です。しかもその影響するところは富裕な団体だけじゃないわけでむしろ非常に財政的に困っているところに対する影響は、たとえ小さくともそれなりにやはり大きいのだというふうに考えます。そういうことがそれぞれの地方団体間の不信感をあおるということになってまいります。特に東京都の場合、東京都と都下の市町村との間の不信感というものも、こういう面からあるいは出てこないとも限りません。そういうようないろいろな面からいたしますと、やはりできるだけ根本的な解決を図っていくということが政府として必要な施策じゃなかろうか、こういうふうに考えます。  税の性格からのいろいろな問題もいまございましたが、そのことと他団体に対する影響、この問題と果たしてどちらに比重があるかという問題でございますが、その辺も十分御考慮いただきまして、今後はひとつよりよい方向に、ベターだというふうにおっしゃいましたが、さらにベストに向かって御努力をいただきたい、こういうふうに考えておりますので、今後のより一層の改善を期待いたしたい、こういうふうに考えます。  それから次には、今度入湯税が改正になりましたね。一人一日四十円が百円に改正されました。その理由は、温泉に来るお客さんがたまたまその温泉場にやって来てごみを排出する、あるいは屎尿を残していく、後、行政上いろいろと処理しなければならないような問題を残していく、それを地元の自治体が処理するのはやはり大変だ、この財源を何とかということが基本的な理由だというふうに言われております。もっともだというふうに考えます。しかし、そういうような事情はただ単に温泉場に限らないわけです。いわゆる観光地というところにおきましては同じような事情があるわけです。そういう事情に対して特定財源を付与するということでありますならば、他の観光地におきましても、それに見合うような何らかの特定財源というものを与える考慮がなさるべきじゃなかろうか。かつて京都市で観光税の問題が、いろいろと地元の論議を呼んだことがございます。しかし、そういう観光地におきましては、ごみ処理とか屎尿のくみ取りとか、その他いろいろなことに対しまして何とか財源が欲しい。特にそういう問題はよそから来た人が残していくんだから、と同時に、その経費もそういう人たちに何とか負担してもらいたい、こういう気持ちは同じであろうというふうに思うのでございます。そういうような状況の財政需要に対する一般的な財源の配慮、こういう面は自治省の方では考慮されておりますかどうか、まずお伺いいたしたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘をいただきましたように、観光地におきまして外来の客として見えました方々、これの引き起こします財政需要、これに対応いたしまして、その方々から応分の負担をちょうだいするという考え方で入湯税が設けられており、そのことはまたその他の観光地についても同じではないかという御説は全くそのとおりだと私も考えます。ただ法定税として税目を設定いたします場合、入湯税の場合におきますと、温泉所在地における入湯行為、こういうことで一定の課税標準を明確に設定をいたすことが可能であるわけでございますが、その他の観光地の場合を想定いたしますと、財政需要のあり方もまちまちでございますし、それから課税標準のとり方も団体によっていろいろ実態が違おうと思います。そこで、法定税として入湯税というようなかっこうで設定をすることが、実は普遍的な意味では非常に困難なのでございます。そこで私どもといたしましては、そのような観光地においてもこのような精神に基づいて財源が要るということはもう事実でございますから、その団体が自主的に適当な課税標準をお選びをいただいて、たとえて申しますならば、ただいま御指摘がありましたような観光税といったようなものを法定外普通税として御設定になりますならば、私どもとしてはこれには積極的に応援をいたしたい、このように考えておる次第でございまして、現在も先生御案内かと思いますが、栃木県の日光とか岩手の平泉とか、こういったようなところではこのような観光税の法定普通税の設定があっておるわけでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 法定外普通税、それが適当なものがあれば結構なんですが、なかなかその辺適当なものがないというのが関係自治体の悩みの一つじゃなかろうかと思います。先ほど申し上げた京都の観光税、あれにいたしましても、あの当時いろいろな論議があった、問題があったというふうに聞いておるわけなんでございます。そういう中でございますので、適当な法定外普通税をつくってやっていくというのはなかなかむずかしい面があろうかと思うのでございますが、そういう面につきましては、自治省あたりいろいろと検討をして、こういうものはどうだろうか、あるいはこういう方向でやったらどうだろうか、こういうような指針みたいなものは何かできませんですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 個別の団体におきまして観光体制の態容が、見るものも違いますし、お客の来方も違いますし、それぞれ違いますので、一律にどうこうということは言いにくいと思いますが、そのような団体から相談がありますれば、私どもとしてもできるだけ積極的にこれを援助をするというかっこうで相談に乗りたい、こう考えております。

折小野良一民社党

○折小野委員 入湯税の今回の改正によりまして、税率が四十円から百円に上がった。これは形の上では二倍半になっておるわけでございます。ところが自治省からいただきましたこの資料によりますと、入湯税の税収としての金額、これはそんなに大きくは上がっていないわけでございます。改正によるもの十九億八千三百万ですか、これぐらいしか上がっておりません。四十九年度の見込みが四十五億七千八百万ですから、四十円が百円に上がった、二倍半に上がった。それをそのまま持ってきますと、もっともっと上がりそうなものだというふうに考える。あるいはこれを逆に考えますと、四十円で四十五億七千八百万という税金が上がったということになりますと、入湯税を納めた人は延べ一億二千万人ぐらいになりますか、それぐらいの人が納めたということになる。今度は百円で本年度の収入見込み額を割ってまいりますと、六千何百万。まあ半分とまではいきませんけれども、それぐらいは入湯客が減ずる、こういうような考え方が出てくるわけなんでございますが、まさかそうじゃなかろうと思います。この中にはいろいろと事情があるのだろうと思いますが、どういうようなことでございますか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御指摘をいただきましたことは、算定の基礎の考え方によるものでございます。  御指摘のように、入湯客大体一億二千万まではございませんが、一億一千五百万ぐらいを私どもは想定をいたしております。この人数が減ると考えたわけではございませんで、実は標準税率を百円に引き上げましたが、ことし五十年度中にこの標準税率に税率を直してしまいます団体が一〇〇%全部はそろわないだろう、こういう想定を実はいたしたのでございます。これは昭和四十六年に二十円から四十円に税率を引き上げましたときの実績でございますが、初年度にその標準税率までの引き上げをいたしました団体が六一%余り、六割ちょっとしかございませんでした。次の年に大体そろった、こういう大勢でございましたので、ことしは初年度の見込みとしてはその程度のものしか標準税率の引き上げが行われないのではないかという想定でございますが、その前提のもとにはじいた数字でございますので、いささか少ない数字に相なっております。

折小野良一民社党

○折小野委員 法律の規定を見ますと、入湯税の場合は標準としてというふうに書いてありますのですが、これは通常の場合の標準税率、こういうふうに考えてよろしいのですか。どうなんですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 そのとおりに、標準税率とお考えいただいて結構でございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 としますと、入湯税についてもいまのところは制限税率はない、まあ入湯税だから、そう制限しなければならないほどの理由もない、こういうことだと思いますけれども、法律の構成としまして、ある場合においては標準税率、ある場合にはただ単に標準としてというような書き方がしてある。ある税目については制限税率を設けてある、ある税目については制限税率がない。ない制限税率の中においても、たまたま必要になってくれば制限税率を新たに設けるとか、まあいろいろな形があるのですけれども、こういうような点は、やはりはっきり地方税の場合には標準税率でやって、そして制限税率この程度、その範囲は地方の自主権の範囲内で地域の実情に応じて財源の弾力性として認めるのだ、あるいはこの税目については標準税率ではいけないのだ、こういう税の性格によってやはり決まった一つの方式というものをとっておくことが必要なんじゃないのでしょうか。あるいはいまのような状態でよろしいのでしょうか。どういうふうにお考えになっていますか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 入湯税につきまして、制限税率は設けてございませんのは、先ほど御指摘をいただきましたように、こういった性格の税でございますので、負担の均衡という意味でそれほどの上限を決めるということはまず必要なかろう、こういう考え方に基づくものでございます。  それから、たとえば制限税率のございませんもののもう一例で自動車税等がございますが、これはまた車の大きさがいろいろ種類がございますものですから、標準的な標準税率を決めておいて、その上下に車の大きさに応じて割り振っていただいても差し支えがない。ゴルフ税、娯楽施設利用税のゴルフの場合も同様な考え方でございますが、そういった思想をとっておるものでございます。  一般的には、先生御指摘のように、すべての税目について標準税率のありますものについてはやはり制限税率といったようなものを設けて、その範囲内で自主権を発揮をしていただく、これが妥当なことかと私も思いますが、税目によりましては、それまでの必要のないものがある、それはそのままにしてある、こういうことでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 次は、たばこ消費税についてお伺いしたいのですが、大蔵省と専売公社、見えていますね。  たばこ消費税そのものについてお伺いをいたします前に、今回のたばこの値上げ、この問題に関連をいたしまして少しお伺いをしておきたいと思っております。  この国会に提案をされております製造たばこの値上げの法案によりますと、最も高級なたばこ、こういうたばこについての値上げ率というのが、わりあい低いのではないか。それよりかもっと一般の人たちが多く吸うたばこの方がもっと値上がり率が高くて、普通の人はめったに吸ったことのない、まあ私どももあんまり吸ったことありませんのですが、そういう高級たばこについての値上げ率というものが非常に低いようでございます。これは税金のことにそう大して大きくは関係しませんが、しかし、たばこ消費税もその価格というものにある程度影響がありますので、そういう面からひとつ御答弁をいただきたいと思うのですが、それには何か特別な理由がございますか、お伺いいたします。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 専売公社でございますが、ただいまの御質問にお答えいたします。  たばこの定価の引き上げを認めていただきましたのは、前回、昭和四十三年五月からでございます。四十三年当時から今日まで、いろいろ原価が上がってまいってきておりますが、このコストで見まして、原価の上がった額でございますが、高い価格のたばこも低い価格のたばこも、大体同程度上がっております。というところから申しますと、たばこの値上げで、そういう失われたといいますか、上がったコストをカバーしていくというためには、高い価格分のたばこも安い価格分のたばこも同額程度上げるということが、理屈の上から申しますと妥当ではないかというふうな考え方も一つございました。しかしそうは申しましても、先生御指摘の率から申しますと、価格の低いたばこは上げ率が高くなっております。こういうことがございまして、結局、実行案でお願いいたしておりますのは、十本当たりにしまして、たばこには一級、二級、三級と、法律で定価が決まっておりますが、その一級品につきましては、十本当たり二十五円程度、それから二級品につきましては二十円程度、三級品につきましては十円程度というふうな値上げをお願いいたしております。つまり低価格品ほど値上げの幅を抑制はいたしております。  率につきましては、先生御指摘のように、低いものが十円上がります場合と高いものが二十五円上がります場合と、率には額ほどの開差は出てまいらないという実態になっておりますが、考え方はそういうことでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 原価の上がり幅がそう変わらないから大体同じぐらいの額を上乗せしていく、こういうような考え方のようでございますが、専売公社は、あるいは一つは商売だというふうに言っていいかと思いますので、そういうような配慮もあろうかと思います。  ですから、そういうような措置によってだんだん国民の嗜好を高い方へ高い方へ持っていこうとしておるんじゃなかろうか。今度は逆に低い方で言いますと、私どもが昔から愛好した「ゴールデンバット」というのがございます。これは十円ぐらい上がるということになるようでございますし、さらに、最も低いものでは「敷島」これは今回は値上げから外されておる、こういうことでございます。それも安いたばこはできるだけ値上げをいたしませんということで、結局いまの風潮といいますか、そういうような面からいたしまして、弱者救済というような面に相当配慮した、こういうような聞こえ方、これが私どもにするわけなんですが、しかしながら、実際「ゴールデンバット」なんというたばこは、出てさえおれば愛好者はまだまだ多いんだと思うのです。私どもはたまたまその顔を見ますと、昔がなつかしいものですから、ときには買います。しかし、たまたま買ってもその次の日にはもうないというようなことなんです。普通のたばこのみの習慣というのは、同じ種類のものを毎日のむというのが普通のたばこのみの習慣です。としますと、結局安いたばこは吸わせないようにしておる、そういう政策がむしろとられておるんじゃないか、そして、だんだん高いたばこを買わせるようにいろいろと考えてやっておるんじゃなかろうか、こういうふうな考え方が出てくるわけなんです。それがそうであるかどうかわかりませんですよ。そういうような点については、専売公社の方としましては、本心、どういうような考え方で価格の改定をしたりあるいは販売政策をやっていったり、そういうふうにされておるんでしょうか。その辺、まずちょっとお伺いしたいと思います。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 先生の御指摘は、安いたばこから高い価格の方向へ消費を誘導しておるのが専売公社の考えではないかという御指摘だと思いますが、専売公社といたしましては、そういう意識を意図的に持っておるわけではございませんで、一口に申しますと、消費者の方の需要に即応して供給するということを眼目といたして営業をいたしております。  ただ、先生の御指摘のように、そうは言いながらだんだん安いたばこが姿を消していくあるいは量が少ないではないかというお話でございますが、これは最近のたばこの消費の動向といたしまして、特に最近における所得水準の向上等もございまして、一般的な消費物資がそうであるように、たばこにつきましても、多様化、高級化の方向へまいってきております。ということで、われわれはそういう消費者の要求にこたえるべく、需要即応の原則をとりましてやってまいっておるわけでございます。  それからもう一つ申し上げたいことは、たばこの消費の傾向といたしまして、最近どんどんフィルターつきのたばこが好まれるようになってまいりました。具体的に申しますと、たとえば十年前の昭和四十年には、わが国におけるフィルターたばこのシェアというのは四〇%でございました。今年度はそれが大体九六%というふうになっております。ということで、もうほとんどがフィルターたばこということでございます。先生御指摘の、たとえば「バット」のようなたばこ、これは専売制度始まって以来の古いたばこでございますが、こういうフィルターのつかないたばこというものはだんだんシェアが減ってまいっておるということがございます。それからもう一つ、「敷島」と先生おっしゃいましたが、「朝日」のことかと思います。「朝日」につきましても同じような傾向がございまして、ああいう口つきのたばこというのは非常に需要が減ってまいっております。ということで、「バット」につきましても「朝日」につきましても、その需要は全体の一%にも満たないというような状況に今日はなってまいりました。これは十年前はかなり大きなシェアがありました。  ということで、非常に需要が少なくなってまいりますと、この配分の方法が大変むずかしゅうございます。現在、たばこの小売店は本土で二十三万軒程度ございますが、その一%にも満たないものをまんべんなく配るというのは大変むずかしゅうございます。特に「バット」とか「朝日」、こういったような古いたばこは、地域にすれば農漁村とか、年齢階層にしますと高い階層の方が好んでおられるわけで、そういう地域的な分布とかその他の要素を考えまして、全店には置きませんで、店を限定いたしまして置かしていただくということで、御不便をかけておる向きもあるかと思いますが、決して先生御指摘のように高段階への誘導がわれわれのねらいであるということではございませんで、あくまでも消費者の需要即応ということでやってまいっております。

折小野良一民社党

○折小野委員 もう一つお伺いします。  最近は輸入たばこがたくさん入っておりますね。それも消費動向に応じてということであろうかと思いますが、この輸入たばこの価格というものは、別に法律で決められるわけではありませんね。国産のたばこは法律で決められる。ところが輸入たばこの価格というものは、たしか行政ベースで決められるということになっておると思うのですが、こういう扱いというのもちょっと私どもはおかしいのではないかというふうに考えておるのです。そういう点については、どういうことでそういうような制度になったのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤説明員 お答え申し上げます。  現行の法制度のもとにおいて輸入たばこの定価が法定によらなくていいという理由は一体どういうことかと考えてみますと、大体次のような理由によるのではないかと思われます。  まず第一番目に、消費されておるたばこのほとんどが国内製品になっておりまして、輸入たばこのシェアというのは非常に微々たるものである、したがって国内製品が根幹であって、それを法律に基づいて定めるということで抑えておけば足りるのではないか、そういう考え方ではないかと思われます。輸入たばこのシェアは、全体のたばこ消費の中で、本数で言いますと一%以下でございます。それから、金額では二%以下でございます。  それから第二番目には、御承知のように輸入たばこは国内たばこよりも値段が高うございます。そういう点から言いますと、どちらかといいますと大衆品ではないということが言えるかと思います。  第三番目には、輸入たばこの価格の決定に当たりましてはいろんな要素を検討しなければならないわけでございますが、まず輸入原価、これが一つの大きな基礎になります。輸入原価を決めるに当たりましては、為替レートの変動ということが一つの大きな要素でございます。そういう為替レートの変動を含んだ輸入原価をもとといたしまして、さらに国内品の価格とのバランスを考慮していかなくてはいかぬ、これは競争関係がございますから、そういう関係もございます。そういうふうなことを考えますと、輸入たばこにつきましては、法定してしまうということにちょっとなじまない面があるのじゃないか。  大体主な理由としてはその三つではないかと思われるわけでございますが、そのような事情を検討いたしてみますと、御意見ではございますけれども、現行の制度でやむを得ないんじゃないか、そういうふうに考えております。

折小野良一民社党

○折小野委員 たばこの値段につきましては別の委員会でいろいろと検討されることと思いますので、この辺でやめておきたいと思います。  ところで、このたばこ消費税なんですが、私どもは、たばこ消費税という税金は地方税の中では非常にいい税金じゃないかというふうに考えます。それはきわめて普遍的であるということ、そして安定的であるということ、こういう点からいたしまして、地方団体といたしましては、こういうような税目をぜひひとつ地方の税目にと、こういう希望が非常に強いように考えるわけでございます。もちろん、たばこ消費税として地方税に相当部分が出てきておるわけなんでございますが、こういうようなものはひとつ基本的に考え方を改めまして、専売益金の段階から全部を地方税ということで地方に持ってくる、こういうふうに改正すべきである、こういうふうに考えるのでございますが、自治省としてはいかがお考えでしょうか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘がございましたように、たばこ消費税が地方団体の財源として非常に普遍的であり、安定的である、こういう意味でまことに望ましい、特にまた地方団体には数少ない間接税、こういう面でも大事ないい財源だと私どもも考えている次第でございます。  最近のたばこ消費税の専売益金中に占めるシェアでございますが、これは先生も御案内の幾らかの曲折も経まして、だんだん地方の取り分がふえてまいっておりまして、昭和三十年ごろは消費税のシェアが二〇%足らずでありましたものが、最近は四〇%台に乗り、特に四十九年の予算におきましてはもう国の益金とほぼ半々になる、こういう状況にまでなっておるのでありまして、私どもとしては、貴重な財源でありますだけにこれの増収は望ましいと思っておるわけでございます。ただ、まだこの専売益金も、一方国の方から考えてみましても、国の重要な財源であることもまた間違いがないのでございまして、すべてを地方税にするということは非常にむずかしかろうかと思っておるわけでございますが、現在シェアを高めてきておりますようなかっこうで、将来とも地方の有力な財源として存続をさしていきたい、こう思っておるものでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 地方税法の抜本的な改善、そうして地方の財源の拡充、私どももそういうことを強く主張をいたしますが、現段階におきまして新しい税源を持ってくるということはなかなかむずかしいことなんです。そういう中におきまして、最も地方税にふさわしいものはやはりたばこ消費税、こういう税目じゃなかろうかと私どもは思いますし、確かに一面国にとってもいい財源であろうと思うのですが、しかし国の立場からしますと、もっと取れる税目というのはあるわけなんです。そういう点からしますと、ひとつ今後自治省大いにがんばっていただきまして、それをもっともっと地方の方にたくさん持ってくるように御努力をいただく、そして最終的にはたばこ消費税というのは全部これは地方の財源だと、こういうふうにしていただけると大変結構だと思うのです。それは一つは、地方自治体におきましても地域に結びついたいろいろな問題があるわけなんでございますが、私どもの郷里の、特に漁村あたりになりますと遠洋漁業に出てまいります。何週間もあるいは何カ月も出ていく、そういった場合に、よその港に寄港してそこでたばこを買ってもいいわけなのでございますけれども、やはりできるだけ、その間に必要なたばこはまず地元を出ていくときに買っていこうじゃないかと、こういうことを言っているわけなんです。それは地元の自治体の立場としましても、そうしてもらえると結局それだけ税金が地元に落ちるからということでもありますし、土地の人たちも、そういうことで地元に役立つならばできるだけ地元で買っていこうと、こういうふうにしているわけなんですね。こういうようなことはやはりそれらの人たちの郷土意識というものを育て、あるいは自治意識というものを育てるのに非常に役立つのじゃないかというふうに考えます。こういうような点からいたしましても、ひとつ今後、たばこ消費税というものをもっともっと重要視していただきたい、そしてその財源をふやすことに努力をしていただきたい。そのことはただ単に地方の財源がふえるということだけではなしに、そういうような自治意識を育てるために非常に有効である、こういうふうに考えるからでもあります。その点についてひとつ、いま大臣おいでになりましたから、大臣の御見解を承りたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 お説のとおり、たばこ消費税というものはいい税源であるということは、私もよく理解ができます。特に地方自治体の税源が少ない、もっと新しい税収入を与えなければいけないというたてまえから言えば、これは確かにおっしゃるとおりだと思うのであります。いま税務局長からもお話を申し上げましたとおり、国としてもこれはいい財源だからといって、ちょっと引っ張りっこみたいなことになっておりまして、なかなか実現は困難であると思いますが、そういう非常に強い御要望を持っておいでになるということは私もよく理解をいたしまして、もしそういうことがございますれば発言もするようにしたいと思いますけれども、努めますというところまではいまだ申し上げる段階には来ておらないかと存ずるわけでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 ひとつせっかく御努力をお願いをいたしたい、かように考えます。  ところで、今度の税法改正の中の一つの目玉は事業所税の創設ということでございます。この点につきましては地方、特に大都市、こういう地域におきましては非常に期待をしてまいったわけでございます。ところが、この賦課の方法につきまして私ども疑問といたします点が二、三カ所ございますので、その点についてのひとつ当局の御意見をお聞かせいただいておきたいと思っております。  事業所税を賦課できる団体というものは、限られております。これは大部分がいわゆる大都市、都市化の進んでおる地域、こういうことでございまして、そういうような地域におきまして都市化の進展に伴って発生をする新たな財政需要、これに対応しよう、こういうような御趣旨だと思うのでございます。ところが、その線の切り方なのでございますが、五十万の都市ならば都市化が進んでおる、あるいは四十万の都市ならばそうでない。五十万の都市ならば、都市化に伴う財政需要が非常に大きくなってきておる、四十万の都市ならばそうでない。こういうようなことは言えないのではなかろうかと思います。やはり四十万の都市でも三十万の都市でもそれなりの実情というものはございますし、そしてまた、そういう実情に対しましてそれなりの苦労というものはいたしておるわけでございます。そういう点から考えますと、事業所税を取り得る団体を決めてしまうということはどうなのか、あるいは今回はそれで決まったにしましても、将来さらにこれを広げていくということ、これは当然考えられていいことじゃなかろうか、こういう点について、自治省といたしましては、どういうふうなお考えで今回このような団体を制限するというふうな決め方をされたのかあるいは将来に対してはどういうふうなお考えをお持ちであるのか、お伺いをいたしたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 ただいま御指摘をいただきましたように、事業所税を創設をいたしました本来の考え方が、大都市ないしはその周辺地域におきますように、人口や企業が集中をいたしましたことによって都市化が進み、それが都市の環境整備のための財政需要をかきたてておる、その地域における都市の環境整備のための目的財源を得しめる、こういうことでスタートをいたしましたので、そのような人口、企業が集中いたしております地域の団体が課税団体になる、こういうことにならざるを得ないわけでございまして、そこで、そのような団体をどこに線引きをして選ぶかということが問題になったわけでございます。  この点に関しましては、通常言われております政令指定市はもちろん該当いたしましょうが、これに準ずるようなものとして、人口五十万、これは地方自治法上のいわゆる政令指定市の人口要件でもございますので、そういったものは類似した都市だということで五十万以上の市を一応選びました。それから、大都市周辺の市街化施設の整備をされております整備地域、これを持っております都市も選ぶというかっこうをとりまして、スタートをいたしたわけでございます。したがいまして、御説にございますように、五十万と申します人口のみの差が都市的な需要のあり方についての絶対要件ではないという意味からは、人口が若干違いましても、同じような事態にある都市もあろうかと思うわけでございます。しかし、こういった点につきましては、先ほども御指摘がございましたように、今後この税の運営の状況でございますとかあるいは都市財政需要のあり方の状況でございますとか、こういうことを勘案をしながら、この目的に合うような形で課税対象区域を広げていく、こういうことについては十分努力をしたいと思っておるわけでございます。  なお、一言申し上げますことは、このような税収が市町村の税収として設定をされましたことによって、交付税を通じまして、つまり交付税の都市的な基準財政需要額を増加さすという副次的な効果が出ますので、そういった措置を通じて、都市的な財政需要を持ちます都市にこれのしみ通りがいいと申しますか、こういう事態が起こることは先生も御承知のとおりでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 事業所税の本来の趣旨が都市的な財政需要に対応する財源としてということでございますが、こういう都市化の実態というものが一番何にはね返っていくかといいますと、これは地価あるいはその固定資産の評価額、こういうものにはね返っていく、こういうふうに通常見ていいんじゃなかろうかと考えます。したがいまして、今回の事業所税の課税標準は、事業に使われておりますその面積ですか、単純に面積を課税標準にされておるわけなんでございますが、その土地の評価額、こういうものを課税標準に採用されることの方がより都市化の実態というものを税金に反映させる、こういうことになるんじゃなかろうか、こういうふうに考えるのでございますが、この点についてはどういうような御見解であったのですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 事業所税が純然たる物税としてスタートをいたしますので、この課税標準をできるだけ簡易な単純な形での外形標準ということでつかまえたいという観点から、人的要素として給与支払い額をとりました。それから物的要素として、御指摘のように床面積をとったわけでございます。この床面積を採用いたしますにあたりましては、ただいま先生御指摘をいただきましたと同じような議論を、私どもも絶えずいたしたのでございます。  何をもって物的な標準とするかということにつきましては、建物の床面積もございますし、土地、償却資産、こういったようなことも皆それぞれ考え得るわけでございまして、それぞれの適否につきまして議論をいたしたのでございます。実は、その結果最も単純な床面積にいたしてしまいましたのは、土地をとります場合、償却資産をとります場合等におきましてやはりいろいろ難点が出てまいりました。特に土地の場合でございますと、いわゆる有効に使っております土地、未利用地、こういったものの扱いの問題でございますとか、償却資産の場合はリースの償却資産をどう考えるかとか、こういった難点がありますとともに、何よりも困りましたのは、このような評価額を用いますと、現在市町村がとっております固定資産税と全くの二重課税になる。そのような二重課税の税目は認めるわけにまいらぬ、こういう理論的な主張が税制調査会等で出てまいったのでございます。これで二重課税であるから認められないということになりますと、事業所税の存立そのものにもかかわる問題になるわけでございまして、私ども、何とか二重課税にならない課税標準の選び方ということに苦心をいたしたわけでございます。その結果、最も単純な形として床面積、これを右代表選手として選んだ、こういう経過でありますことを正直に申し上げておきます。

折小野良一民社党

○折小野委員 次に、同じ事業所税に関連をいたしまして、特に非課税の関係でございますが、いろいろと非課税の規定ができておりますし、さらにこれに伴って新たな政令等における具体的な非課税の範囲というものが決まっていくであろうと思うのでございますが、そういう中におきまして、いわゆる中小企業、こういう考え方をこの非課税の考え方の中に入れるということ、そういう考え方はなかったのか。たとえば、中小企業につきまして、資本金一億というような基準がございます。そういう資本金というようなものを事業所税の非課税の考え方の中に入れていく、こういうような検討、こういうものはなされなかったのかどうか。私ども、通常、大企業と中小企業というようなことで、中小企業につきましてはいろいろと制度上の配慮というものがなされておるわけでございます。したがいまして、今回の事業所税につきましても、やはりそういうような配慮というのが一つの立場として考えられていいんじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございますが、そういう面の検討はいかがでございましたか、お伺いします。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御指摘の中小企業に対します配慮は実はいたしたわけでございます。中小企業といえども大都市における行政サービスの受益といったような面、それから集中の利益の享受といった面は同様かと思いますが、やはり中小企業本来のあり方に照らしまして、このような目的税源の負担を小さな企業までしていただくというのは適当であるまいということで排除をする考え方をとったのでございまして、その一つのあらわれは、免税点といたしまして床面積が千平米、約三百坪でございますが、これ以下のものは課税をしない、従業者数が百人以下のものは課税をしない、こういうことで体の大きさ、これを基準にいたしまして非課税規定を設けましたのが一つでございます。  それからもう一点は、中小企業の共同化等の施設につきましては、やはりこれをいずれも非課税措置にするという措置をとりまして、各種の共同化事業あるいは中小企業振興事業団等から融資を受けます事業、こういったようなものを対象に選びまして、このような施設については非課税とする、こういう二つの措置によりまして中小企業に対する対策を考えたつもりでおるわけでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 いまの御答弁の中にもございましたが、非課税の範囲の中におきまして、中小企業の振興のために国の方でいろいろな施策を講じておる、その施策に沿ってやったものについては非課税にする、こういうことで、中小企業振興事業団のいわゆる高度化資金によってやられたものにつきましては、これはおおむね非課税ということになっておるわけでございます。しかし、中小企業の振興事業団ができる前に、行政上の施策として同じような施策がずっととられてきておったわけですね。これが、ある時期に振興事業団ができましてその事業を吸収していった、こういう経過があるわけなのでございますが、そうした場合に、振興事業団に直接関連するものは非課税である、その前のものは非課税にならないのか、実質は同じなわけなんですけれども。そういう点、お伺いをいたしたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 中小企業振興ないしは助成にかかわりますものに対する非課税でございますが、税制度におきます非課税制度でございますので、法定の非課税制度といたしましては、やはり何らか、法定と申しますか確たる線の引けるもの、こういうものを選び出しまして非課税規定というものを置いたわけでございます。そういう意味で、これは通産当局とも相談をいたしたのでございますが、振興事業団法、これに基づきますものを法定の非課税規定にする。ただし、これは先生も御案内のように、この法律につきましては、課税標準の特例ないしは非課税規定の扱いにつきまして、地方団体にも非常に独自の特殊の事情がたくさんあろうかと思いますので、地方団体の条例減免にかなりの権限を移譲いたしておるわけでございます。  そこで、ただいま御指摘のありましたような、それ以前に行われました育成措置によるものでございましても、たとえば同じ団体の中で同じように存続をしておるといったようなものについては、その団体の実情に応じて減免措置が条例措置で行われる、こういうことはあり得て当然のことか、こう考えておるのであります。

折小野良一民社党

○折小野委員 個々の税目につきましていろいろとお尋ねをしてまいりましたが、最後に、一般的な税の問題について一、二点お伺いをいたしたいと思います。  最近、地方団体の人件費の問題が非常に大きな問題になってまいっております。この問題につきましては、私は、実は今後交付税の審議の際に御質問をいたしたい、こういうふうに考えておるのでございますが、この人件費と税金との関連で、世間一般に、人件費がその自治体の税収を上回る、こういうような考え方が行われておるわけでございます。どの程度そういうような実態になっておるのか、また人件費の高い、安いというものもそれに関連をしてまいりますが、それが高いからそうなっておるのか、あるいはそうでないのか、いろいろな事情はあろうと思っております。いずれにいたしましても、現実に税収よりは人件費の方が上回っておる、こういう自治体が相当出てきておるというふうに言われておりますが、自治省としましては、どの程度出てきておるのか、それをつかんだ数字、何らかございますか。あるいはパーセンテージでも結構です。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御指摘のような団体が出ておりますが、ただいまその具体的な数字を持ってまいっておりませんので、調べまして後ほど御連絡を申し上げたいと思います。

折小野良一民社党

○折小野委員 私もはっきりした根拠を聞いているわけじゃございませんが、ただ話としてちょっと聞いておりますところでは、地方団体の中の三七%ぐらいの団体が人件費が税金を上回っておる、そういう実態になってきた、こういうふうに聞いております。もしそれが事実ならは——それが事実でなかったにしましても、多少違っておったにいたしましても、相当程度の自治体におきまして人件費が税収を上回る、こういうような実情が出てきておるだろうというふうに考えます。こういうような現状の中から考えてまいりますと。やはり基本的な行政費というものは税金で賄われるというのが本来の、そして当然な制度のあり方じゃなかろうか、私はそう考えるわけでございます。  もちろん、税金につきましてもいろいろな問題があり、あるいは税金と人件費とを結びつける必然性というものは余りないかもしれません。しかし、常識的には、やはり税金を人件費が上回った、こういうような考え方は、現在各地において行われておる一つの考え方でございます。そういう点から見ましても、基本的な行政費というものは税金の範囲内で賄われる、これがやはり正しいあり方じゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございまして、そういう点から、今後税金の面あるいは行政改革というような面、そういう面で考えなければならない問題がいろいろあろうかと思いますが、ひとつ大臣のそういう問題についてのお考え、そしてまた、それに対する対策、こういう面についての御意見がございましたらお伺いをいたしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 お説のとおり、税金と人件費との比率の問題をどうとらえていくのが今後正しいかということについては、考え方はいろいろあるわけでございますが、本当を言えば、やはり地方で納めた税金でもって人件費が賄われるというのが一番好ましい姿であることは私は間違いないと思うのでありますけれども、しかし、それについて見ると、なかなかそういうふうになっているところもそう多いとは言えませんので、だんだんそういう人件費の方が上回ってくるところも出てくるということもあるので、やはり新しい税源を与えるという意味でわれわれとしてもいろいろ工夫をしていかなければならないのではないか、こういう意味では今後やはり努力をしなければならない、かように考えておるわけでございます。  事業所税は、御案内のように、五十万以上のところにしかしておりませんけれども、これを三十万に下げるとか、あるいは二十万に下げるとかというようなことでもすれば、また一つの税源が別に出てくるかもしれません。あるいはもっと新しい一つの税というものも考えてやろうというお考えもあろうかと思うのでありますが、今後御趣旨のような気持ちで地方団体に新しい税源を与えていくということについては努力をいたしたいと考えておるわけでございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 ただいま大臣の御意見のように、税源というものを今後さらに充実するように考える、これも一つでございましょう。そしてまた、自治体の事務というものについて考え直す、こういう面も一つございましょう。まあ、いずれにいたしましても、今後の中央から地方を通ずる制度の改革に関連をする問題になってこようかというふうに考えますので、ひとつそれらの両面からの御検討をお願いいたしたいと思います。  それから、最後にひとつお伺いをいたします。  今日、地方税法の一部改正案をわれわれ審議をいたしておるわけでございます。そして、これが衆議院を通過したといたしましても、さらに参議院に参りまして、現在のスケジュールからいたしますと、三月末ぎりぎりにこの法律案は成立をする、こういうふうに予測をされます。これが成立をいたしますと、直接地方におきましてこの法律に伴います新しい条例の制定、こういうようなことを行いまして、地方団体が具体的に課税その他の実行に入る、こういうことになるわけでございます。ところが実態は、地方団体におきましてはおおむね三月いっぱいで予算議会が終わってしまう。四月の初めはほとんどどの地方団体においても議会が開かれるということはございません。したがいまして、税に関連する条例というものは、国から示されました準則に従いましてそれぞれの首長が専決処分をする、そしてそれで実行しながら後日の議会に事後承認を求める、これが実態のようでございます。もちろん、年度の半ばにおきまして税に関する条例をいろいろと審議する機会もないではございません。しかし多くの場合、私がただいま申したような、そういう実態になっております。税を審議するということは非常に大切なことでございますし、もともと、議会制度が起こったのは、王様によって勝手に税金を取られないようにということから議会制度が起こったわけなんです。  そういう点から考えますと、地域住民にとって最も大切な地方税、それを審議するための議案が長の専決処分で行われる。議会において、住民の代表による正当な審議というものがほとんど行われないというこの実態、これは何としてもおかしいんじゃないかというふうに考えます。もちろん、条例につきましてはいろいろと地域住民の権利義務に関係するものがございまして、どれが重い、どれが軽いということはないと思います。しかしながら、少なくも税に関する条例は最も重い条例の一つではないか。それが現実には何ら地域住民の代表によって審議されないまま行われておる現実、これをそのままほっておいていいものだろうか。やはりこれに対しては何らかの方法というものを考えていく必要があるんじゃないかというふうに考えるのですが、この点について具体的に税務局長、あるいはより広い立場におきまして大臣の御見解をまずお伺いいたしたいと思います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 地方団体の税条例の制定が地方税法の改正が行われました後になりますことから、御指摘をいただいておりますような事態が起こっておる、全くそのとおりである、私も心からそう思うわけでございます。この点につきましては、やはり地方税が住民にとりまして、また団体にとりまして最も重要な条例の一つでございますから、十分な審議があってしかるべきもの、そのためにはいろいろの対策が要ろうかと思います。ところが御案内のように、現在の実情におきましては、国の予算編成が十二月に始まります通常国会にかかりまして、そのときに国の税法ないしは地方税法等の骨子も決まりまして、年が明けましての提案になりまして、ただいま御審議いただいておりますような状況に相なっておりますので、この点はぜひ速やかに、私どもといたしましては、地方税法を私どもも早く提案をいたしますとともに、御審議もなるたけ年度内早い機会に終えていただくということを一つにはお願いを申し上げたいと思うわけでございます。  なお、基本的には、国と地方団体の会計年度が変わってまいりますならば、これは非常にスムーズに行くと思うわけでございますが、先生御案内のように、国と地方との会計年度の変更の問題、これは長いこと議論をされておりますが、なかなかいますぐには緒につかない、こういう問題である点も御承知のとおりでございます。  こういったことを勘案いたしますと、私ども地方団体を指導いたします場合においてとり得ます措置は、地方税法の仮案が一応提案をされましたならば、そういったものを前提に地方団体にも知らせるわけでございますが、地方団体も正式の税条例提案以前に、たとえば議会等の場におきまして、そういった仮案に基づく予備審査とでも申しますか、そういうことでもしていただいて審査をしていただく、こういうことも一つの方法かと思いますので、そういった点について指導もいたしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 ただいま局長が申し上げましたとおりでございますけれども、お説のとおり税の問題、特に住民に課する税を専決処分でやるというようなことは、自治という精神から考えてみても好ましい姿ではございませんので、御趣旨を体して今後も善処したいと思いますが、それに関連してお願いしては恐縮でございますが、なるべく速やかに御可決のほどをお願い申し上げる次第でございます。

折小野良一民社党

○折小野委員 基本的な問題でもございますし、ここだけで解決つく問題ではないと思いますが、今後十分な御検討と善処をお願いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。

大西正男自由民主党

○大西委員長 安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私、一時間半時間をいただいておるのですけれども、大分時間がおくれてまいりましたので、できるだけ圧縮して実のある御答弁を大臣からいただこう、こう考えておりますので、お願いしたいと思います。  社会党の今度の地方税法改正法案に対する考え方は、後で党自身の改正法案あるいは修正案として提示いたしますので、その点もきょうは触れません。私もこの委員会のOBなんですけれども、しばらくこっちに来ておりませんので、現在の優秀な現役の諸君のように細かいことをよくわからないことは大臣と同じだと思います。(笑声)  ですから、大づかみなところでまず初めに伺いたいと思うのですが、地方税法改正法案を政府がお出しになったわけですから、現在の段階において国税と地方税とはこれでいいのだというお考えでお出しになったのだと私は思う。しかし、毎年何か新しい税ができたり、あるいは内部の修正が行われたり、そうしておるわけであります。長期的に見て国税と地方税はどうなければいけないのかというお考え方をもって政府は立っておられるのかどうかということです。目先の事象を見ながら税目をふやしたり、あるいは変えたりというふうなことで何か対応しておるような気がしてならない。社会党の私たちは、国税、地方税配分五〇%五〇%、こういう主張を従来からしておりますけれども、いまの配分のあり方で満足なのかどうか、満足でないとすればどういうふうに変えていこうというお考えをお持ちなのか、そいつをひとつ伺います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 安井さんに御指摘いただいたように、私、実はまだなって早々でありますし、特にそういうことの専門ではございませんが、しかし、いわゆる税源、税の配分、国税で取るか地方税で取るか、国税で取った場合に交付税をどういうふうにするか、この問題というのは一つの基本的な問題として研究しなければならない面であると思っておるわけでございますが、さしあたりの来年度の問題につきましては、ただいま提案をいたしておりますようなことでお願いをいたしたいと思っております。しかし、あなたがおっしゃったように、国と地方を五分五分の形で税の配分をするのがいいんじゃないかというのも一つのお考えであろうかと思うのであります。それは、地方公共団体というものの自治能力をできるだけ伸ばしてやろうという気持ちが多分に入った税の配分の仕方であろうかと思うのでありますが、さしあたりいまのところは七対三みたいな形に一応なっておりまして、その点御不満の点もあるかと思いますけれども、いまここですぐに大臣はどういう考えを持っておるんだ、こうおっしゃっても、就任早々でございまして、余りこれと申し上げるような確たる意見は持ち合わせておりませんけれども、しかしあなたがお述べになった意味、また社会党がいつも言っておられるような意味も一つの参考として今後の問題に対処してまいりたい、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私どもは、あるいはいろいろな問題があるのかもしれませんけれども、フィフティー・フィフティーという一応の考え方を持ってやっているのですけれども、七、三といういまのものでいいのかどうか、これで満足なのか、もう少し変えなければいかぬのだろうか、そのことについてこれは実務の税務局長にひとつ伺います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 ただいまの、国と地方との税源配分が七、三であり、交付税を国の三税から地方の固有の税源として持ち込みまして、これで約半々、こういう体制であることは先生御承知のとおりであります。結論的には半々にはなっておりますが、税そのものとしては七、三である。こういう体制は、私ども自身としては必ずしも十分なものだとは思っておりません。もっと地方団体に自主財源としての税源を付与すべきが本来である、このように考えておるわけでございます。ただ、この点につきましては、先生も御案内のように、地方団体三千余りの団体を考えてみました場合に、税源の偏在という事態がございますものですから、この税源配分のあり方いかんによりましては、国、地方を通じた税収入そのものの総額が増加をいたしませんと、現在の両方の配分を適正に行うことができないという事態が起こり得ますことは先生も御案内のとおりでございます。  それともう一点は、国と地方との事務配分の問題でございますが、これについてもいろいろ問題がありますことは先生御承知のとおりでございます。こういった両面をにらみ合わせながら、方向としては地方税源を増強していくという方向でわれわれは対処いたしたい、こう考えておる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 地方税源をふやそうという方向についての御趣旨はそれでわかるのですが、ただどういうふうな方向でふやそうかという長期的な見通しというかビジョンというか、そういったものがどうもないような気がするので、その点今後の問題としてやはり十分検討していただきたい。こう思うわけです。  それからもう一つ、住民税の課税最低限と所得税の課税最低限との違いの問題なんです。私たちの一部には、課税最低限は、所得税も住民税も同じにすべきだという議論もあります。それからもう一つは、税源再配分という意味から、所得税の方はどんどん課税最低限を上げて減らしてしまって、むしろ住民税の方はそのままにするかあるいは上げるかして、所得税を住民税に移してしまう。将来は、個人所得課税というのは地方自治体の税源だというふうにいくようにだんだん移してしまう。そういう意味合いでは、むしろ課税最低限を所得税は上げても住民税は上げないでおいた方がいいという考え方もあるわけですよ。ですから、課税最低限を同じにすべきであるというのは、所得課税という本質からしてそうではないかという議論と、それからいまのと二つあるわけですが、これは大臣より税務局長、自治省としてのお考え方はどちらを向いているのですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 住民税と所得税の課税最低限のあり方につきまして、先生御指摘のように、同じにしてしまうべきだ、同じ所得課税だから同じが適当だという説と、やはり違ってあたりまえだという説と二つありますのは御指摘のとおりでございます。  同じであるという説は、同じ所得課税であるから、所得税の方も住民税の方も同じ階層以上のところから税を徴収するというのが正しいという考え方でございましょうが、この点につきましては、私どもやはり所得税と住民税とは基本的に性格の違うところがある。所得税の場合は、いわば財源確保の手段でありますことはもちろんでございますが、所得再配分といった機能が非常に強いが、住民税の場合は住民会費的な性格が非常に強いという色彩から、やはり所得税に追随をいたしまして、課税最低限を全く同じにしてしまうことはどんなものだろうか、余り適当ではないのではなかろうか、このような考え方を私どもは持っておるのでございます。所得税と同じにいたしますと、田舎の市町村等において住民税を納める人がほとんどいなくなる、こういう事態も非常に重視をしなければならないと思っておる次第でございます。  そこで、住民税と所得税の課税最低限については、もちろん相関関係は持ちますが、必ずしも一緒である必要はないと私ども考えて、地方財源の充実ということに対処をいたしたいと思っておるわけでございますが、この場合住民税と所得税との間の税源の移譲の問題、配分の問題、これは先ほど申し上げました国、地方を通じます税源配分、事務配分、こういった問題と絡んで、でき得べくんば、やはりなるたけ地方所得税としての住民税に多額のものを移譲していただくような方向で検討していくことが適当ではなかろうか、私はそのように考えて今後対処をいたしたいと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 所得税を国税から地方税に移すという方向で、住民税の課税最低限を余り上げないというのなら私は納得できるのですよ。そういう方向づけを明確にしてお考えになっているなら納得できるのだが、ただ所得税と住民税は違うのだから違うのだということでは、どうも十分理解できないと思います。これもすぐ簡単な結論が出る問題ではないと思いますから、ひとつ私はそう思うのだということだけきょうは申し上げておきたいと思います。  それから、国の政策変更によって自治体の既得権である財源に侵害を受けたということで、自治体の側から反発が起きています。その案件が最近二、三相次いでいるわけですね。たとえば、先ほども質問がありましたように、事業税の超過課税を自治省が制限税率を低目に抑えることによってカットするということに対する東京都等の反発が一つあります。予算委員会の木村公述人もそのことを述べておりました。  それからもう一つは、大牟田市が電気税の非課税措置について、これは国の自治権に対する侵害だという立場から、違憲という立場で行政訴訟を起こすということを市議会も決めたという報道がきょうもありました。これもそうだと思いますね。しかし、もっと考えてみれば、租税特別措置を国税の段階で数々講じていく、あるいは地方税の段階でも講じていく、そのことによって自治体の税源が、国税に行った場合も、住民税なり事業税なりに響いて、侵害されていくし、地方税法のストレートの改正によってこれも侵害されていく。財源についていま自治体はのどから手が出るような時期にあるだけに、私はこういう事象が相次いで起きているということを見逃すわけにはいかぬように思うわけであります。それぞれのケースについて問題は違うと思うのですけれども、この問題について自治省としてどういうふうにお考えなのか、ひとつ御見解を伺います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 大変広範な問題でございますが、まず最初に、今回事業税に制限税率を設けることとした理由でございますが、御案内のように従前事業税については制限税率がなかったのでございますが、最近経済情勢の変更等に伴いまして、都道府県においても事業税を超過課税をしたい、こういう動きが出てまいりまして、そういう場合に、地方自治体における自主性はもちろんのことでございますが、税負担の各県間における均衡の問題がそれほど大きく食い違うという点についても問題がございますので、通常制限税率が設けられております他の税目と同じような意味で、制限税率を設けたらどうかという必要性が生じたことが一つ。  それからもう一点は、これも先生御案内のように、事業税がその性格上損金算入という制度に乗りますために、大団体が事業税において大幅な超過課税をやりました場合には、他の団体に及ぼす財政上の影響が非常に大きい、他の地方公共団体の財源をその超過課税によって奪うかっこうになる、こういう事態も現実の問題として起こりますので、大規模な団体が大幅な超過課税をやらないようにという要求が、これは知事会あたりないしは市長会あたりからも強く持ち出されておったのでございます。そういったことをかれこれ勘案をいたしまして、一方で地方団体の課税上の自主権を尊重しながら、他方でまた他団体に及ぼす影響をできるだけ軽くしていきたい、こういう考え方から、通常の税におきましては二割増しの制限税率を、事業税においてはその半分程度でがまんをしていただく、こういう制限税率を設けたらどうか、こういう案に立ったものでございまして、この点は地方制度調査会や税制調査会等の御審議もいただいた結果、こういうことにしようということで踏み切ったわけでございます。  それから第二点は、大牟田市等に代表されます電気税に伴います非課税措置の地方財政に対する影響でございますが、これはこの非課税措置が地方団体に対して非常に大きな影響を及ぼしていることは私どもも決して否定をいたしません、そのとおりのことであろうと考えておるわけでございます。しかし、電気税の場合はこれは消費税でございますので、二つの面からこの消費税に対する非課税の配慮が行われておりまして、一つは、家庭用電気に対しては免税点を設けるということで、一定水準以下の消費に対してはかけない。それからもう一つは、産業用電気に対しては、やはり原料課税になるということは消費税の本質上望ましくないんではないかといったことで、一定の基準を設けて非課税措置が設けられておる、こういうことだろうと思います。この非課税措置のあり方そのものに対しましては、私ども自身も実は現行の非課税措置のあり方そのものが完全に適正であると思っておるわけではございませんで、これをできるだけ整理をしていきたい、こう思っております。ことし現に二十四品目の廃止につきまして御提案を申し上げておるのでありまして、これはできるだけ整理をしていきたいと思っておりますが、これがやはり地方税法上決められた非課税措置ということで法定をされております以上、憲法九十二条に基づきます地方税のことに関します法律であります以上、これをもって憲法に違反をするのではないか、違反をするからその補てんを国に要求をするのだ、こういう筋道の立て方はいささかいかがなものか、このように考えておるわけでございます。これはあくまでやはり非課税措置をどうあるべきかという立法措置で解決をしていくべき問題であろうと思っておるわけであります。  それから第三点でございますが、国の租税特別措置、ないしは地方の租税特別措置が地方団体の課税権に影響を及ぼします、これはそのとおりでございます。  そもそも租税特別措置は、その時代時代における政策的な意図を体しまして法律措置としてこのようにするということをお決めいただくわけでございますから、これはそれぞれの内容の是非につきまして議論が行われ、立法政策として解決をされていくべきものだろうと基本的には心得ております。ただ、国がとります非課税措置等が直ちに地方税に影響するというようなことは望ましいことではないと思いますので、その内容のいかんによりましては、地方税に影響をしてこないようにできるだけこの特別措置の遮断をやっていくということについては私も全く同感でございまして、そのような方針で今後とも対処してまいりたい、こう考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 問題がたくさんあって、しかも一つずつ性格が違うのですが、それからまた特に大牟田市の場合の憲法論、いわゆる租税法律主義というものの考え方、条例というものをいわゆる法規範の中のどこに位置づけるか、そういう解釈論があると思うのですよ。一概にこれは退けることはできないと私は思うのですが、いま私がここで取り上げて特に申し上げているのは、かつて超過負担の解消措置のために、住民税だったか固定資産税でしたか、制限税率を下げたりして、そのことによって自治体の税源が減少したことに対して国が補てん措置をやったことがありますよ。一遍にできないので、漸減措置か何かやりながらやったことがありますよ。ですからあのころのことを考えれば、自治省の方も国の政策によって地方の財源に影響を与えるような場合は非常に慎重で、その財源の激変に対して昔はいろいろな配慮をしていたような気がする。ところが近ごろは、国が、法律が変わったんだからしようがない、おまえたち勝手にやれというふうにぶん投げていく。そういうことに対する自治体の側の反発がいま幾つかの事例として上がってきているのではなかろうかと私は思います。租税特別措置というふうなことの地方財政への影響というのも、これは問題が大き過ぎるかもしれませんけれども、しかし、そういうふうな国が政策的に自治体の財源をふやすのならいいですよ。減らすような場合は、同時にそれに伴うような対策措置というものをやはり考えてあげる必要がある。それが交付税で埋めるのか、せめてそこだけは起債をよけい上げますとか何かの措置も必要だし、大牟田の新聞で見るだけでも、七五%は交付税で補てんされても、残りの二五%というのはあの町にとってはすごく多いのです。ですからもう少しきめの細かな対策、実際はなかなかむずかしいと思いますよ。現実にはむずかしいとは思いますけれども、そういう考慮を払う必要があるのではなかろうかと思うのですが、どうですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 御説のように、かつて固定資産税の制限税率が非常に高くありました地域において、この制限税率を引き下げましたときに、その地域全般の市町村の財源が非常に枯渇をいたしてまいりますので、それに対する財源措置を講じた事例がありますのは御指摘のとおりでございます。それから全般的に申しまして、国の施策等によりまして地方団体の財源ないしは税源に非常に大幅な変動が起これといったような場合には、やはりそれに対するきめ細かな財源補てんの策を全体として講ずべきであろうということも筋道としてはそのとおりだと思います。そういった意味で、私どもも全般的に地方税源の充実ということを考えてまいっておるわけでございますが、今回の措置にいたしましても、市町村税源の充実ということで事業所税の創設等を考えましたし、昨年はまた法人住民税の引き上げというようなものを措置いたしました。そういった全般的な措置によりまして財源の増強措置そのものを図っておるわけでございます。いずれにいたしましても、国の措置によりまして非常に大きな影響が地方税源に出るといったような場合に、財政全般を見ました結果、やはり所要の措置をする必要があるという事態では当然補てん措置を講ずべきであろうと思うわけでございますが、最近とられております措置では、新たにそれだけの大きな税源を奪う、そのために補てんを即リンクしてやるというほどの大幅なものが出ていない、こういうことではなかろうかと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 大臣、たとえば東京の場合だって、法人事業税が頭打ちで、いままでの税収が予定よりも減るというふうな事態が起きる。事業所税ができたからいいじゃないか、こう言うかもしれぬが、これは東京だけじゃなしに、人口五十万以上の都市にはみんなあるのですから、等しくいくわけですから、東京都としては、これはやはり減っただけ減ったということになると思うのですよ。ですから、そういうものに対する対策だとか——大牟田市の場合だって、自治体が国を訴える、国が訴えられるというふうなのは余りみっともいいことじゃないと私は思うのですね。ですから、いまここで、このようにきちっとしますというお答えがすぐ大臣から出るとは私は思いません。税務局長が耳打ちしたって、すぐここですぱっとそういう答えが出るとは思いませんけれども、自治体を怒らせないような、もっときめの細かい対応をすべきだと思うが、どうですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 私は素人ですから、局長その他からいろいろ教えてもらってやっておることも事実でありますけれども、ただ、いままで東京都の場合などでも、事業税の超過課税を二%でしたか、一四にされたわけですね。今度のこれでいきますと、それは確かに減りますね。だけれども、その点については、今度事業所税をつくったから、それで大体補えるんじゃないか、一応そういうような考え方を持っておるようであります。その当否の問題はまた別にいたしまして、一応埋められる。  それから大牟田の場合は、いままでずっとその式できたんですけれども、今度初めてそういう問題が起きてきたわけであります。これは一種の訴訟問題でございますけれども、これをどういうふうに措置していくかということは今後の一つの課題にはなると私は考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 きょう、どうしようこうしようというお答えを得るつもりはありませんけれども、そういう具体的に提起された問題点にはやはりきちっと答えていく、そういう構えで臨んでいただきたいと思います。  それからもう一つ、事業所税の問題を伺いたいと思うのですが、私どもがずっと長い間、ぜひこの税金をつくりなさいと要求していたのが一応できた形なんですけれども、しさいに点検して私の意見を申し上げるだけのゆとりはきょうはありませんが、幾つか問題があると思う。その中でも、課税団体の制限を法律の中でしてしまったということについては、私はやはり問題があると思う。この点は、私たちがずっと長い間主張してきたところと大分違うわけであります。  二番目は、非課税あるいは課税標準の特例がすごく多過ぎて、当初、予算をしていたのよりも大分、骨抜きといいますか減ってしまっているという事態、これも問題があるのではないかと思う。  三番目は、この特例措置を講ずるに当たって業種間にさまざまな不公平が起きているのではないか。大ざっぱな処理の仕方なものですからね。いや、大ざっぱじゃない、細かな配慮をしたのだと言われるかもしれないけれども、しかし現実にいろいろ不平の声を私ども聞くわけですよ。ですから、全く特例措置をやらないのならあるいはそれで問題は解決するのかもしれないけれども、特例措置をやればやるだけ不公平だという声が出てくるのは、私は当然だと思う。電気税の免税措置が毎年いろいろ出てくるのと同じです。  大まかに言ってそういうふうな問題点を私は感じたわけであります。  課税団体の制限の問題は、さっきの折小野さんとのお話の中で伺っておりましたから、これはもう多くを申しませんが、一番おしまいに私が申し上げた点について伺っておきたいと思います。  その前に、霞が関ビルはどれぐらい税収が上がるのですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 霞が関ビルは、床面積が全部で十五万五千九百五十八平米ございます。そこで、このようなビルを建てるといたしますと、当時建てました値段等で計算をいたしますと、七億八千万ほどの新設時の税負担に相なります。それから、この霞が関ビルの中で千平米以上の、免税点に該当いたしません、つまり課税になります面積は六万四千七百平米ほどでございまして、先ほどの十五万平米の約四割ぐらいになりましょうか、そのくらいの面積がいわゆる既設分の事業としての課税対象面積に相なります。これに三百円ずつかかるということでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 現実には大分落ちるわけですね。私は、あのでかいビル全部が課税対象になって、これでいくと七億八千万円入るのかと思ったら、そうじゃなしに……。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 それは入ります。新設分事業は全部入ります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 新設のときは入るが、既設の場合は。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 それは約半分……。

安井吉典日本社会党

○安井委員 新設じゃなしに既設。いま既設でしょう。ちょっと、もう一度教えてください。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 ただいま申し上げました金額は、新設時の分は建築主がそのまま払いますから、これは、一回限りでございますが、そのまま入ります。それから既設分になりますとその中にいろいろな業種が入ります。三百坪未満のような小さな業者が入りますと、これは既設分は負担をいたしませんので、これは免税点で落ちます。その結果、免税点以上のものが先ほど申し上げましたように約六万四千平米程度の使用面積になりますが、これに廊下そのほかの共用部分を足して計算をいたしますと、十五万五千平米のうち五六%程度の床面積が既設分として入る、こういう計算に相なるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 そうしますと、四四%分は課税対象にならない、こういうことですね。しかし、都市的ないろいろな施設をやるためにこの税金を取るのだ、先ほどもそういう説明があったし、法律にもそう書いてあるわけですね。しかしあそこのビルに二万人いるのか三万人いるのか私は知りませんけれども、あそこにビルができたことで地下鉄も大拡張をしなければならない、道路も大変だ、上下水道、電気は民間会社かもしれないけれども、都市的ないろいろな支出というものは、ものすごくばかでかいビルができたことによって公共的な負担がふえてくる。それにもかかわらず現実のあのでかいビルの半分しか対象にならぬというのも私はどうも腑に落ちないように思う。中小企業でようやくこの基準に達した人は、頭からぼんと来てしまって、あれも分解するから中小企業に半分はなってしまうのだ、こういうことなのかもしれませんけれども、その辺、矛盾があるように思うのですがね。どうですか。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 当該ビル、霞が関ビルの例示でございますが、大きなビルを建てましても、これが貸しビルというかっこうで貸されるわけでございます。現実に企業活動をしておりますのは、その中に一定の面積を占めて企業活動をしておるその一人一人の企業者ということに相なるわけでございまして、大きなビルに入っておりますからといって、全部が大企業であるわけではないわけでございまして、その中でほんの小さなスペースを占めておる中小企業がもちろんあるわけでございます。そういう意味で、この税は、中小企業からは税負担を求めないという一応の原則を立てまして処理をしました結果、外形標準で面積と従業者数で一定規模以下の小さな業者である、こういう判定をすれば、それはどこに入っておろうと個々には負担を求めない、このことは妥当なことではなかろうかと思っております。  それからなおもう一点申し上げますことは、大きな会社で支店をたくさん持っておって、それが霞が関ビルの中に小さなスペースの支店を持っておった、こういう例示の場合は、当該市域内におきます支店は全部名寄せをいたしますから、その部分が千平米以下でありましても、そのような支店をあっちの地域、こっちの地域たくさん持っておる、五つも十も持っておるということであれば、その合計が千平米以上になればかかる、こういうことに相なるわけでございますので、そういった点では中小企業対策という線からは外れていない、こう考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 一つの大きな建物ができることによっての包括的な公共負担ということから考えれば、たとえば総体的な課税を内部で分割するとか、何か別な方法がなかったのかとも思うのですが、いま御説明ありましたが、どうも何か盲点があるような気がする。もう少し時間があれば伺いたいが、時間の節約をしてくれというお話ですから少しはしょりますが、私が最初に申し上げました内容において公正を欠くという一つの例で、ハイヤー、タクシー業者の人が、バスやトラックの方は非課税になっているのに、ようやく二分の一ぐらいの数字でがまんをしなければならないというのはおかしいというお話もあります。いろいろ私どものところにも不平の声が聞こえるわけですが、きょうはこの一つの例だけをとって政府としてのお考えをお聞きしたいのです。  バスやトラックと同様にハイヤー、タクシーも免許事業であるという点は同じであります。特にトラックは貨物を運ぶが、こちらの方は人間の命を運んでいるという点の任務の相違もある。荷物を運ぶ方を尊重して人間の方を尊重しないのかという声もあるようであります。しかも非常に労働集約的な事業だ、合理化は非常にむずかしくて、小さな車でも運転手は一人あるいは二人いなければいけない、そういうふうな事態の中でもう少し、少なくもトラックとかそういうようなものと同じようにはいかないのかという話があります。不公正是正は三木内閣の看板だそうですから、そういう不公正がないようにしてくれという声のようでありますけれども、これについて自治省としてのお考えを伺います。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 この税は都市環境の整備のために充てます目的税ということでございますので、いわゆる都市計画法に規定をされております都市施設、これはこういうものを整備することによって都市環境が整備をされるわけでございますから、そういう都市施設については非課税措置、そのほかの配慮を払ったのでありますが、この都市施設のうち、一般的に申しますならば、民間の事業等がやらなければ地方公共団体が自分ででもやらなければならぬもの、市町村が自分ででもやらなければならぬもの、こういうたぐいのものをまず第一に取り上げて非課税措置をとったわけでございます。そういう観点から考えますと、まさしく交通輸送機関というのは都市施設に当たるわけでございますが、その場合、人間を運びます都市施設としては大量輸送機関としての鉄道、それからバスでございますね、こういったものが主役になるべきものでございまして、タクシーのケースをお考えをいただきますと、これはまさしく交通機関ではございますが、大量輸送機関としてのバスだの、電車だのというものの機能を補完をする一つの役目を持っておる補完的な施設であろう、こう判断をいたしたのでございます。その結果、タクシーの場合は全免ということにいたしませんで、その補完的機能というところに目をつけて二分の一、こういうかっこうをとったわけでございます。ハイヤーの場合は営業の仕方が、もう先生御案内のように全然違いまして、これはいわゆる都市計画法にいう都市的施設として市町村がかわってでもやらなければならぬものというたぐいの都市施設に該当するかどうか、これはおのずと線が引けると思いますので、交通施設につきましては、先ほど申し上げた鉄道、バス、それからトラック、こういうたぐいのものを非課税にし、補完的機能を持つものとしてタクシーを二分の一にした、ハイヤーはいずれの措置もとらなかった、こういう区別をつけておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ただ、タクシー、ハイヤーでも大きな企業の方はそう問題はないと思います。ただ、現実には零細な企業が大分あるようですから、そういうようなものに対する配慮というものがないのかどうかということを私は考えるわけであります。きょうはちょっと時間が十分ありませんので、やりとりはできませんが、このような特例措置に対する不満が次々あらわれてきているという現状、これから言って、あと理事会等で最終的な問題を詰める段階も来るのではないかと思うし、これが衆参両院を通過するまでに大分時間もあると思います。そういうような中でもう少し、一応一つの例だけ申し上げたのですけれども、その他にも例があるとすれば、そういうようなものについて最終段階、この法律が通過するまでの段階において再検討すべきではないか。それから今度の国会でどうしても間に合わないものについては、次の改正段階において十分検討をして解決案を提起をするということもあるのではないかと思います。ですから、私がいま申し上げているのは、今国会で不公正是正のための最大限度の努力をしてもらいたいということが一つ。それでも十分にいかなかった場合は、次の段階で解決の方向を見出してほしいということ、このことですが、どうです。

首藤堯自治省税務局長

○首藤政府委員 この税におきます非課税措置あるいは課税標準の特例等につきましては、原則を立てまして、これは政府部内各省庁等にもわたりまして一々細かなところまで全部検討いたしまして、合意に達して提出をいたしておるものでございます。したがいまして、いずれも理由づけと申しますか仕分けをいたしまして、理由のあるもののみを非課税措置として掲げているわけでございます。したがいまして、この非課税措置のあり方そのものを現在ただいま修正をする必要があるというようには考えておりません。  ただ一点だけ申し上げておきたいと思いますことは、このような税でございますので、具体的にこれを適用いたしますときには、各地方団体ごとの独自の事情によりまして、この法律に掲げております非課税規定ないしは課税標準の特例の原則的な考え方等に照らし合わせまして、当該団体が自主的に所要の減免措置を講ずることが適当なケースが非常に多かろうと思います。たとえて申しますならば、当該都市が長期建設計画をもちまして一定の計画のもとに一定の地域に工場を誘致をしたとか、施設をつくらせたとか、こういったようなケースもあろうかと思いますので、そういった点については地方団体に条例減免というフリーハンドを与える、こういう措置を条文にも掲げておるわけでございます。  こういう条例減免の措置の適切なる運営によって地方団体ごとにいろいろ出てきます特殊事情、これには対処をしていっていただきたい、法律の立て方としては、原則的に筋を立てた減免措置の規定を現在改正をするつもりはない、こういうことでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私の言い方もまずかったと思うのですが、いまの条例措置はわかりました。それから、私の言い方が悪かったというのは、この法律の修正をこの国会で自治省に出してこいというふうにおとりになったとすれば、これは無理でしょう。私はその点は委員長の方で最終段階おまとめになるまでの間の国会における配慮として提起しているわけです。ただ、来年度以降の問題についてはもう見直し何にも要らないというのは、私はどうもおかしいと思う。いろいろ問題があると思うのですね、大臣。ですから、残った将来の問題についてはやはり常に見直しをし、洗い直しをしていくという態度が必要だと思うのですが、どうですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 お説ごもっともだと思っております。      ————◇—————

安井吉典日本社会党

○安井委員 じゃ、税法を一応これで終わります。

大西正男自由民主党

○大西委員長 この際、警察に関する件について質疑の申し出がありますので、これを許します。安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井委員 警察庁、防衛庁からもおいでいただいているはずでありますが、いま沖繩県で一番大きな問題になっておりますのは、去る十一日、米海兵隊が、那覇から海洋博会場へ行く途中、海洋博の隣です、そこに名護市や恩納村があるわけですが、その四市町村にまたがってキャンプ・ハンセンがある、そこで実弾射撃をやる、その実弾射撃の場所というのは県道百四号線が走っている、その県道越しにりゅう弾砲をぶち込むというそういう演習で、これについては、沖繩の県民は総体的な世論の反対の中にあるということであります。  沖繩県議会も反対議決をしているし、今度の十一日の事件では地元の名護市も全会一致で反対議決をしている。そういう中を押して行われた射撃で、その射撃を押し切ろうとするのに対して、それを阻止しようとする県民とのトラブル、それに対して十一日の場合は、沖繩県警の機動隊が米軍のヘリコプターに乗って追っかけていき、制圧をしたという事件であります。私はそういうふうに聞いているわけでありますが、その事態の認識に  ついてまず伺っておきたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ただいま御質問の問題でございますが、三月十一日に米軍がキャンプ・ハンセンで演習を行おうといたしました。この際、米軍の射撃演習に反対をする人たちが集団で反対行動を行うということで、そのうちの数十名は演習場の特に危険な着弾地域にもぐり込む、こういう事態がございました。  そこで米軍は、ヘリで、もぐり込んでいる状態等を見ておりましたけれども、現実に三十名余りでございますけれども、中に入っているということでありましたので、米軍の演習射撃開始時刻、それから開始の態勢が準備されておる、こういうような状況もありましたので、警察におきましては米軍のヘリに便乗をいたしまして、もぐり込んでおる反対派の人たちを探し、その地域に着陸をしてそのうちの三名の人を施設外に連れ出す、こういう行動をいたしたわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その事態の背景はいまも申し上げましたように、名護市が十一日の定例議会で「県道一〇四号線生活道路封鎖実弾射撃演習に対する抗議決議」を全会一致で採択をし、屋良知事もその日在沖米軍司令部にデービッド少将を訪ねて抗議をする、翌十一日には沖繩県議会は緊急本会議を開いて、自民党の議員の人たちも、安保条約を容認するわれわれの立場だが、しかし実弾射撃演習の中止を要請する決議には賛成をするということで、全会一致の議決が行われています。去年も議決されていますね、これは。ですから、県道越しの射撃だということ、県道をストップしてこの射撃訓練をやる。しかし、道路はストップされたって、そこに住民の家もあるし、小学校もあるわけですよ。その頭越しの射撃であるということに、このような県民総ぐるみの反対意思が表明されている、私はそう思うわけであります。  ここで、ひとつ幾つかの点について伺っておきたいと思うのでありますが、沖繩警察の県警本部の出動というのは、米軍の要請によって出動したものだと聞いておりますが、そうですか。それからまた、これに対して防衛施設庁はどういう役割りを果たしたか、それを明らかにしてください。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 米軍並びに防衛施設局、それから県警本部、それぞれ平素から連絡をよくとっておるわけでございますが、本件演習に関しましては、演習実施の旨、施設庁を通じわれわれも承知をいたしておりますし、また射撃に伴う諸問題についての警察措置の要請ということにつきましては、米軍側から要請がございました。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○銅崎政府委員 防衛施設庁としましては、米軍からの警備の要請を受けまして、その要請に基づいて警察の方に警備を依頼いたしました。

安井吉典日本社会党

○安井委員 警察は、この事件の処理についてどのような判断によって出動したのかということです。現地の新聞によりますと、不発弾が多く、きわめて危険なので緊急を要した、だから米軍のヘリコプターに乗って行ったんだというふうな言い方を県警本部がしているというふうに伝えられております。それが主体なのか、それともその地点からもぐり込んだ人たちを排除しようということが主体なのか。人命救助が主体なのか、排除が主体なのか、どちらでしたか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 端的に申しますと、両方でございます。当日、米軍が射撃を開始し、また基地内の措置につきましては、米軍自体でも警察権というものを持っておりますので、直接米軍が実力行使をするということも可能でありますけれども、われわれといたしましては、基地外から中に入り、そして着弾地域等にもぐっておる、こういうことでありますし、射撃の時間も切迫しておりますし、かつこの着弾地周辺は不発弾が多くて危険な地域でもございます。その点が一点と、それからまたこの着弾地は高さ三百メートルの山岳地帯ということで、これを保護し、外に排除するというためには、徒歩で参りますと大変時間を要する、こういうこともありましたので、ただいまのようなことで至急に、緊急にこの人たちを外に連れ出す必要があるという判断のもとに実施したわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ヘリコプターは何機使ったのか。それから機動隊員は何人ヘリコプターに乗ったのか。それはどういうふうな状況だったのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ヘリの実数は二機で、延べ三機でございます。二機に二十三人ずつ分乗いたしましたので四十六人でございますが、その後一機に七名が乗りました。したがいまして、合計五十三名というのが、乗った警察官の数でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 そのヘリコプターはどのような行動をしたかということです。伝えられるところによりますと、阻止行動に出ている人に三機のヘリコプターがかわるがわる低空飛行で飛んできて、ずっと上を飛んでいるのじゃなしに低空を飛んでくる。ヘリですから、物すごい風圧が生ずる。その風圧で圧迫をし、追い詰めていった。けがをした人も中にあったとかいうふうな報道でありますけれども、つまり警察官を現地に運搬するということが目的だったのか、それよりもヘリコプターで、ベトナムでやっているような掃討作戦をやるつもりであったのか、その点ひとつ明確にしてください。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 私たち警察官が乗りましたのは、キャンプ・ハンセンの米軍基地から直行で真っすぐ四・二キロの距離でございますが、兵員輸送用のこのヘリで警察官を運んでもらったということでございます。あるいはいまお話しのようなことは、米軍自身が偵察と申しますか、基地内にどういう人が入っておるかということを発見するために行動したときのことではないかと思いますけれども、私たち警察官が乗りましたのは直行で参っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 最初に私が、阻止に来た人を排除することが目的なのか、あるいはその人たちを保護し危険から救うことが目的なのかということを伺いましたけれども、どうやら現地にもぐり込んだ人たちから言わせれば、いまのようなヘリコプターによっての排除行為——ベトナムでジャングル作戦で米軍がよくやるのは、逃げ込んだ人を見つけるために、ヘリを低空でわあっとやれば、草が割れて、それで人を見つけてつかまえるという、そういうやり方でベトナムでやっているのをそっくりそのまま持ってきたのではないか、そういうふうに感じたというふうに伝えられています。すぐに運んで、人を運ぶことだけが目的だというよりも、私は、そういうふうな形で制圧ということに、警察官が乗った米軍のヘリコプターが使われたのではないか、こう思うのですが、もう一度伺います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ただいま申しましたように、立入禁止区域の中に入っておる人たち、これを外に保護をして連れ出すということでありまして、現実には三人の人を恩納岳の東側中腹のその東側で発見をして連れて帰った、こういうことでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ヘリコプターに警察官を乗せてくれというのは、警察側が要求したのですか、それとも米軍の方がお乗りなさいと言ってきたのですか。それから、警察側が米軍の方に要請した時期はいつでしたか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 米軍から乗りなさいというのではなくて、警察側から、乗りたい、もぐり込んでいる地点まで部隊を輸送するために乗りたい、こういうことで申し入れをいたしました。実際に飛び立つ直前でございますから、正確な時間はあれでございますけれども、乗りました時間が一回目は午前十時二十分でございますので、そのちょっと前であったかと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 前の段階から事前に計画的に米軍の間と話し合ってそういうふうな運びにしたのとは違いますか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 事前にヘリ使用についての打ち合わせ等は全くございません。

安井吉典日本社会党

○安井委員 米軍の装備、兵器を日本の警察が共同に使用したというケースは私、寡聞にして余り知らない。日米の警察と軍隊が共同作戦で日本の人に強力な規制行為を行うというのも余り例を知らないわけであります。  そこで、ここでやはり明らかにしておいていただきたいのは、警察がこの規制行為を行ったその容疑は何なのかということ、それから米軍のヘリコプターまで使って行動を起こしたそのことについての法的な根拠はどうなっているのか、そのことについて伺います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 この演習場は、立入禁止、少なくとも演習、射撃をする時間は立入禁止になっております。したがいまして、同じ立入禁止の演習場の場所にもよると思いますけれども、軽犯罪法による立ち入ってはならないところに立ち入った場合というところに当たる部分もあり、また刑事特別法の二条で、米軍の施設、区域で立ち入ってはならない、というような場合に当たる場合もありますし、刑法百三十条に当たる場合もあり得るということでありまして、事態によるわけでありますが、今回の場合には立ち入ってはならない演習場地域に立ち入った、こういうことで、これを保護かつ排除をするということでございます。また米軍のこういう装備、ヘリコプターに便乗するということにつきましては、警察との間に格別の協定とかそういうものはございません。また、法規等におきましてその点について規定したものはないと承知いたしております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 それでは後の部分の、ヘリコプターに乗せてもらったその法的な根拠というものは何もないけれども、頼んで乗せてもらった、そういうことですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 これは、警察官部隊員の輸送のために現場でお願いをしたということでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 地位協定とか何かの援用とか、そういうことではないのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 格別にはございません。

安井吉典日本社会党

○安井委員 これは、防衛施設庁の見解はどうですか。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○銅崎政府委員 私ども、演習当日の安全の確保といいますか、特に人命につきましては、先ほど話がありましたようなヘリコプターによる人の確認等を米軍の方にお願いして、人がいたら絶対撃たないようにということでお願いしているわけでございますが、そういうことで人命の尊重というのを第一義に私ども考えておりますので、現場におきましてやはりそういう人命の保護と、危ないところから出てもらうという判断を警察の方がされて米軍の方にお願いした、こういうふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 県の警察当局が米軍ヘリに乗せてもらうということについて、事前に警察庁に相談がありましたか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ございませんでした。

安井吉典日本社会党

○安井委員 警察庁としては、県警本部のこのようなやり方はやむを得ない、あるいは正当だ、こういうふうに御判断ですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 この三月十一日当日の具体的状況のもとにおいては、やむを得なかったと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いまの警備局長の御答弁はどうも自信がないように思う。相談を受けたらもっと別な答えを出したかったのだが、向こうが勝手にやったからしようがないのだというふうに受けとめているような御答弁のようであります。私は警察庁の方が県警をかばって言われるのではないかとも思うのですが、いずれにしても、まさに県民感情に逆行するような県警本部長の判断、やり方ではなかったかと思う。そのことが各方面において、今度の事件に対する県民の鋭い反発というふうな形になっている。だから私は、県警本部のこのようなやり方に対し、県警本部長はもう少し慎重でなければならなかったのではないか、軽率ではなかったか、県警本部長の責任をやはり明らかにすべきだ、それぐらいの事件ではないかと思うのですが、どうですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 当時の状況から申しますとやむを得なかったものと考えるわけでございますが、警察としてはできるだけ人に頼らないで自分の装備をフルに活用する、またそれで足りないところはいろいろの措置、工夫等も行う、こういうような点を基本にしてやってまいりたい、またやってまいるべきだというふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 沖繩には沖繩の心があります。二十数年間アメリカの軍事支配のもとにあった沖繩であり、それだけ米軍に対して特殊な感情を持っている。自衛隊に対しても激しい反発を持っているのは御承知のとおりです。そういう沖繩であります。だから日米が共同で県民を圧迫していく、米軍はもちろん、県警と防衛施設局とみんなぐるになって県民を押えつけている、アメリカを守るための警察だ、そういうふうな反感もあるようであります。私は、復帰前だってこんな事態はなかったのではないかと思います。だから沖繩の場合は警察権の発動はもちろん、一つ一つの行政においては、そういう歴史的背景を十分に見きわめた上の行動でなければならぬと思う。その意味では、まさに沖繩県民の感情を逆なでしたような今度のやり方ではなかったか、私はそう思うわけです。  十九日に海兵隊は再度訓練をやろうというふうに発表しているそうであります。その段階でも警察は米軍に、ヘリコプターに乗せてください、そういう形で依頼しますか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ただいま申しましたように今回の具体的状況のもとでの事案でございますので、本来のたてまえであります警察自身の装備というものを中心にして対処していくようにしてまいりたいと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 これは本来は外務省の安保条約そのものの運用にかかわる問題ですから、そこでの議論になるわけですが、きょうはちょうど国家公安委員長がお見えの際ですから、今度の事件の警察のあり方の問題だけにしぼってお尋ねをしているわけでありますけれども、さらに、県道を封鎖するというやり方も問題なわけなんです。さっきも申し上げましたように、県道を封鎖したらそこで交通は途絶する。しかしその中に住家がたくさんあるんですから、学校もあるんだから、阻止隊が阻止しなかったらその頭の上をりゅう弾砲の弾が百二十発も飛んでいくというふうな状況になるところであったわけであります。ですから県道封鎖だとかそういうふうな事態に至らないように、演習そのものをやめることが最大の目標でなければならぬと思います。とりわけこの百四号線という道路については、防衛施設庁と建設省との解釈がいまだにまちまちなんですよ。これは道路ですから、県道ですからね。しかし、その県道までアメリカに提供したのではないと言うし、いや、これは県道だから県道だ、そういうようなことで、管轄権についての意見が完全に一致したものではないという状況の中にあるわけであります。ですから、このような危険な演習場を使うということをやめさせるべきだと私は思う。海洋博の会場はすぐそばなんですからね。そういう間近なところでそんなような問題が繰り返されているということは、私どもはがまんできないと思うわけであります。  きょうは、外務大臣に、あるいは防衛施設庁長官に、明確に答弁を求めるということにすればよかったかと思いますけれども、きょうの段階は警察だけの問題としてしぼるわけですが、そこで私は国家公安委員長にも申し上げたいのは、こういうようなことで警察はこの警備について責任を負えますか。県民のそのような感情の中で、安保条約なり地位協定を遂行するために警察はやらなければいけないと言ったって、責任を持った警備なんかできるわけないじゃないですか。だから私はこのような時点で、住民の安全を守ることのできないようなあり方において演習場があるということ、そしてまた、そういうところで警察は米軍に協力して十分に守れるような状況にないということ、私はそれは自治大臣としても国家公安委員長としても率直にそういうことを発言すべきだと思う。そういう中で、こういうような場所における演習は今後はやめるべきだということを警察の立場から、あるいは自治体の住民を守る、自治体の問題を処理する責任者の立場から、私はそういう発言があってしかるべきだと思うのですが、どうでしょう。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 実は私がその話を聞いたのはけさほどのことなんでありますが、とにかく事はどうであろうとも、警察がアメリカのヘリコプターに乗って行動したということは、これはどう考えてみても好ましい事態ではないと私は考えております。したがって、今後はそのようなことがないようにすべきではないか、こう考えますが、後段であなたのおっしゃった問題、すなわちこういうものはやめさせたらいいじゃないかということになりますと、日米安保条約というものに基づいてわれわれがアメリカ合衆国に提供した施設、区域であることだけは明瞭でございます。このこと自体は明瞭なんです。ただ、そういうような区域は非常に危険な区域であるということも事実でありますけれども、提供した以上は本当にちゃんと使えるようにして差し上げるのが筋じゃないか、私はこう思うわけです。そこいらをどういうふうに処理していくかということについては、警備が全然できないということになればいまあなたのおっしゃったようなことにもなるかもしれませんが、私としてはできるだけ警備をし、そしてそういう不法行為が起きないようにして、そしてアメリカがこれを使うということをこの際であるからやめさせる、言うなればこのキャンプ・ハンセンにおける演習等は全部やめさせるというようなことはいささか過ぎておると思うのでありまして、私自体は、とにかくこの日米安保条約というものはわれわれの安全、国の安全、国民の安全を守る、安全を確保するという意味において不可欠のものであるという見地に立っておることは御承知のとおりであります。これは各党によって御意見が違うかもしれませんが、われわれはそういう見地に立っておりますから、その見地から言うと、演習区域として提供している以上はそういうような演習ができるようにすることがわれわれの義務である、こういうふうに考えております。しかし、それだからと言って、今度のように警官がアメリカのヘリコプターに乗っていったということは、冒頭にあなたが指摘されたように非常な疑義を起こす問題であると思いますので、これは厳に慎むべきである、私はかように考えておるわけであります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 初めの点については、民衆の支持のない警察権の行使というのは、これは全く無意味なんです。そのことを明確にしておかなければならぬと思います。  それから、安保条約そのものについての意見は、これは私は大臣と全く違います。そのことをきょうは議論するつもりはありませんし、また時間もありませんが、国会から調査団を派遣するという話もあるし、その他の質問の場がありますので、きょうのところは警察権の行使のありようについての問題点だけお尋ねをした形で終わります。

大西正男自由民主党

○大西委員長 次回は、来る十八日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後六時五十六分散会

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