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75回国会衆議院1975/04/22

大蔵委員会物価問題等に関する特別委員会連合審査会 第1号

発言数
108
登壇者
13
会派数
5
開催日
1975/04/22

会議録

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これより大蔵委員会物価問題等に関する特別委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行います。  酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 両案に関する提案理由の説明は、お手元に配付してあります資料により御了承願うこととし、直ちに質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。中村茂君。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 まず最初に、物価関係の問題から御質問いたしますが、四十九年度の消費者物価の対前年同月比について、まず四十九年の四月がどういう程度であったか、十月がどうであったか、それから五十年の三月がどのようになっているか、そして四十九年度を通じて平均どのようになったのか。なお、四十五年を一〇〇として五十年の三月には消費者物価指数はどのようになったのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。

喜多村治雄経済企画庁物価局長

○喜多村政府委員 消費者物価指数の対前年同月比でございますが、四十九年の四月は二四・九%でございます。十月は二六・三%、昭和五十年三月は、これはまだ東京都の速報しか出ておりませんが、区部速報で対前年一四・〇%となっております。  また、四十九年度の平均でございますが、三月の消費者物価指数は東京都区部だけしかございませんのでこの速報で申し上げますならば、これは四十五年を一〇〇として一五八・〇、前年度比二〇・七%の上昇となっております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 いま四十九年度の消費者物価の指数を大体お聞きしたわけでありますけれども、私はこの四十九年度の物価というものについて考えてみた場合に、やはり結論として、いまだかつてない消費者物価の上昇が示された、こういうふうに思うのです。というのは、私が調べた調査によりましても四十年度が七・四、四十一年度が四・七、四十二年が四・二、四十三年が四・九、四十四年が六・四、四十五年が七・二、四十六年が五・七、四十七年が五・二、四十八年が二八・一であります。四十九年はまだ全国的にはわかりませんけれども、いま東京のを聞きますと二〇・七ということでありますから、この一年間は非常に消費者物価が上がってきた。しかも四十五年度を一〇〇として遂に一五八、こういうところまで上がってしまったわけであります。  ですから、この三月を政府が目標にして一五%に押え込むことに一応成功した、物価は鎮静に向かった、こういうふうに言われますけれども、この年度を通じて見た限りでは一番上がっているわけであります。二〇%もずっと上がったわけでありますし、遂に四十五年度を一〇〇として一五八、一六〇近くまで物価が上がってきた、こういう状況でありますから、何といっても四十九年度は非常に物価が上がった、こういう認識に立たなければいけないというふうに私は思うのです。  企画庁長官のいろいろな話を聞いていますと、三月を一五%、鎮静に向かった鎮静に向かったということです。確かにいまの発表でも、まあ全国的にはわかりませんけれども一四%ということですから、その兆しは見えましたけれども、やはり四十九年度はいまだかつてない消費者物価の値上がりを示したんだ、これをひとつ理解していただかなければ、これからの物価問題についても私は大変なことになってくる、こういうふうに思うのです。  それに関連して、五十年度それから五十一年度の物価、特に消費者物価だけでいいのですけれども、その目標について、何回か聞いておりますけれども、ひとつこの席で明らかにしていただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 確かに四十九年度という年度の物価上昇は非常に激しかったわけです。しかし、それがだんだんと月を追うて鎮静化してきているのです。まあ三月の時点で昨年の三月に比べまして一四%の上昇でございます。しかしその大方は、これは昨年の十一月までに上がったのです。十二月、一月、二月、三月、これをとりますと、年率に直しまして七%、かなり鎮静してきておるわけであります。これを踏まえまして五十年は、ぜひ年度間を通じて一けた台にしたい、こういう考え方でございますが、さらにそれを踏まえまして五十一年度のなるべく早い機会に、この消費者物価の上昇率を定期預金の金利以下に持っていきたい、こういう計画でひとつ万全を期してまいりたいというふうに考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 五十年度を通じて一けた台、そして五十一年度は定期預金の金利水準に持っていきたい、こういうことでありますけれども、しかし、経済がいままでのような高度成長をずっと続けてきた中において先ほど言いましたように四%、高いときで六%から七%。経済企画庁長官がいままでいろいろ言われてきましたように、これからの経済というものは低成長というか安定成長というか、いままでのような高度成長政策ではなかなかいき切れない経済事情にある。そういう中において一けた台に一年かかって持っていく、そして五十一年で定期預金の金利、まあ一年もので七・七五ですけれども、そうなってくると、経済の成長と絡み合わせて考えてみた場合には、やはりこの二年間は非常に高い物価の水準、言いかえれば高物価の政策というふうに見ざるを得ないと思うわけですけれども、その点についてはどうなんですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 何せあれだけの混乱の中から立ち上がるわけです。それから狂乱と言われたような物価を直すのですから、これは一気に直せないのです。そこで大体二年くらいをかけて平常状態に持っていきたい、五十二年にはかなり落ちついた水準にしたい、五十一年のなるべく早い時期に定期預金の金利以下にしたい、こういうふうに考えているのですが、物価が落ちついた以後は、これは成長が低い。したがって、賃金なんかの関係もそう高くはできない。そういうことになりますれば物価はかなり楽だ、こういうふうに考えております。  高成長の時代におきましては、生産性が上がりますから、賃金上昇がありましても卸の方は安定するのです。いまお話しのようにずっと横ばいです。しかし消費者物価の方は、中小企業がありますから賃金の上がりを吸収し切れない、そこである程度の上昇を見た。こういうのですが、経済が静かな成長だということになればその辺の問題はクリヤーされる、物価はかなり落ちつきを示すであろう、こういう見方でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 次に、公共料金の関係についてお聞きしますが、四十九年の十月二日に物価問題調査会家計部会が提言を行っています。この提言について、いままでどのようにこの提言を実際の物価対策に生かしてきたか、ひとつ明らかにしていただきたいというふうに思うのです。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 ただいまお話しの物価問題調査会の最終的な結論を出しましたのは十月四日でございます。この四日に出されました提言につきましては、いまお話しのとおり、物価指数の対前年同月比を一五%に抑制するようにということとともに、公共料金の値上げについて、経済成長率がゼロと見通される現状下で、これが一般物価及び賃金上昇に重大な影響を与えるので、その上げ幅及び実施時期については前記の目標達成の範囲内で抑制するようにというような提言がなされたわけでございます。  これにつきましては、その後の十月十一日の経済関係閣僚協議会におきまして総務長官から内容を報告いたしまして、各省庁がその目標に向かって努力をしたわけでございまして、公共料金につきましては極力抑制的に扱うとともに、実施時期についても十分の配慮を行うということで努力をしてまいったところでございまして、各省庁ともにこの趣旨を十分に尊重いたしまして、現在まで努力をしてきているという状況でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 私のいま質問したのは物価問題調査会の家計部会の提言ですが、いま長官の言われたのは「当面の物価対策に関する提言」ということで、四十九年の九月十八日の物価問題調査会総合部会の方です。  それで、私は、総合部会の九月十八日のものは、四十九年度について、特に五十年の二月、三月を中心にし、三月を一五%に抑え込む、こういう関係だというふうに思うのです。私の言っているのは、言いかえれば、四十九年度もありますが、将来五十年度を含めて、この物価問題というものが大変になってきている、その提言について質問をしているわけであります。したがって、その提言についていままで政府がどのようにやってきたか、これを明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 御指摘のとおり、ただいま申し上げましたのは総合部会における公共料金の取り扱いの問題でございます。家計部会におきましては「ナショナル・ミニマムの確保」というのを一つの柱といたしまして、公共料金体系のあり方についていろいろ御提言をしておられます。この公共料金について申し上げますならば、やはり先ほど来申し上げているとおりでございますが、特にナショナルミニマムの点につきましては、先生御指摘の問題は、家計支出上の主要品目といたしまして二十四項目、百七品目につきまして、総理府統計局から家計調査の結果によりまして選定をいたしまして家計部会に提出をした、この問題について御質問になっているのではないかと思います。  この点につきましては、実は統計局の方から資料として出しまして、家計部会の中でこのそれぞれの品目につきましてどのように選び、そして御討議をいただくかというための資料として出したものでございまして、したがって家計部会におきましても、その中から数品目を選んでそれぞれ討議が行われたわけでございます。したがいまして「ナショナル・ミニマムの確保」という点につきましては、これは資料として提出をいたしたものでございまして、その点については御理解をいただきたいと思うのでございます。  なお、公共料金以外の問題につきましては、物価安定のためのいろいろな御提言がございます。それぞれにつきまして、たとえばフードウイークを設定いたしますとか、あるいはモニター制度などの活用ということで、今回は、いままで府県から推薦をされておりました者を、国政モニターも一般公募というふうに切りかえるなどということもいたしまして、またよく情報を国民に伝えるようにという点につきましては、テレビ等を活用いたしましてやれという御提言に沿った努力をしているのでございます。最大限この御提言を尊重しようということで努力をしている最中でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 私はこの提言について、特に公共料金の関係について再度質問したというふうに思うのですが、特にこの提言の前段では、政府は物価安定の目標を設定しろ、これは先ほど経済企画庁長官の方から言われた、それがまず該当してくるのではないかというふうに私は理解している。しかも重要なことは、この目標を設定して、これを達成するために、若干の摩擦を覚悟の上で物価対策をあらゆる施設を優先して強力に推進すべきである。この場合に市場の機能の活用を前提にして、総需要の抑制、競争条件の整備、それから公共料金の抑制などが基本になる、こういうふうに提言しているわけであります。  そこで、この公共料金について、特に「ナショナル・ミニマムの確保」については、いまも質問に対するお答えにありました百七品目が整理されている中を見ますと、その中の十項目目に「酒類」、その代表品目が清酒、ビール、これが挙がってきているわけであります。それから二十四項目目には「娯楽その他」として代表品目がたばこ。ですから、ナショナルミニマムとしての確保という問題を考えてみた場合に、やはり総理府が家計上の主要品目として百七品目出した、それがナショナルミニマムの品目というふうにまず一つとしては理解してもいいかということです。  それから、そうだとすると、いま問題になっております清酒とたばこはナショナルミニマムの確保の品目に該当してくるわけでありますから、そうなってまいりますと、この確保のために「それらを可能な限り廉価で供給するため」もっと具体的に言えば、清酒にしてもたばこにしても、これを「可能な限り廉価で供給するため」1として、「公共料金体系のあり方についてこのような趣旨から」、廉価で供給するような趣旨から「再検討すること。」こういう提言がなされているわけであります。  したがって、私のお聞きしたいと思いますのは、今度の酒、たばこの値上げに当たって、この提言で言っております「可能な限りの廉価で供給する」その趣旨を十分生かすために、公共料金体系のあり方について再検討する、こういう提言があるわけでありますから、したがって、今度の値上げの中に公共料金の体系のあり方としてこの提言が生かされているのかいないのかという点を明らかにしていただきたいというふうに思うわけであります。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 先ほど申し上げましたように、家計部会でいろいろ御討議をせられますための一つの資料といたしまして、総理府統計局から「家計支出上の主要品目について」と銘打ちまして出しましたのが百七品目でございます。これで十分であるかあるいは不足をしているかということについては、ここでは断定的なことは申し上げられない状況でございまして、真のナショナルミニマムは何であるかということについては、改めて洗い直しをしてみなければならない点もあろうかと存じます。  ただ、家計支出上の主要品目の中に酒とたばこが入っているということは、この資料の中で事実でございます。そこで、具体的にそれぞれの品目につきまして、あるいは公共料金にかかわるものにつきましてどのような対処の仕方をするか、そしてこの提言をどれだけ生かせるかということは、それぞれ各省庁におやりいただきますために、関係閣僚協議会の議を経ましてそれぞれの省庁が扱っておられるのでございます。したがいまして、私どもといたしましては、それぞれの省庁がこの提言にどのような認識を持ってどのように対処されるか、十分に尊重はしていただきたいが、その対処の仕方についてはそれぞれの省庁が御判断をせられる、このように解釈をしているのでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 大蔵大臣にお聞きしたいのですけれども、いまの問題に関連して、いずれにしても総理府を通じて物価問題としてこういう提言がなされているわけであります。しかもこの提言では、「可能な限り廉価で供給するため」公共料金体系のあり方について再検討しなさいという、非常に大きな、しかも重要な問題が提言として出ているわけであります。  いま総理府総務長官の話によると、各省庁に任している、こういうことであります。したがって、酒、たばこの今回の値上げについて、ここで言っております公共料金の体系のあり方にかみ合わせて、またはこの提言が生かされて今度の値上げになっているのかどうか、その点をひとつ明らかにしていただきたいというふうに思うのであります。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 公共料金は抑制ぎみに決定してまいるとは、政府の基本の方針でございます。またいま御指摘のように、そういう御提言がなされて、政府といたしましてナショナルミニマムをそういうできるだけ廉価な姿において確保したいという要請をもって、各省の行政府にそれを期待されておることも承知いたしておるわけでございます。  今度の酒、たばこでございまするが、これは御案内のように両方とも従量税でございまして、間接税でも従価税のものはだんだんと上がっておるわけでございますが、従量税のものは四十三年以来据え置きになっておるわけでございます。また、家計費の中に占める割合から申しましても、四十三年以来ぐんとその比率が落ちてきておるわけでございます。いわば直接税に対しまして従量税たる間接税の負担は、相対的に低くなってきておるわけでございます。間接税の中でも、従量税の間接税は従価税の間接税に比べまして、相対的に低目になってきておるわけでございまして、若干の調整をさしていただきましても、四十三年当時よりまだ低目にわれわれは抑えたつもりでございます。  しかし、低所得者の場合も考えなければなりませんので、大衆たばこ、大衆消費用の酒等につきましては据え置き、または低率の引き上げに遠慮さしていただいておるわけでございまして、総理府の総務長官が言われる趣旨は、大蔵省といたしましても専売公社といたしましても、極力生かし得たものと判断いたしております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 公共料金の体系のあり方という理解の仕方ですけれども、いま大臣が言われるように、税制上からの全体に比較してまずこの程度は上げざるを得なかった、または二級酒等については据え置きにした、だからこの趣旨が若干でも生かされているという大臣のお答えでは、私は納得できない。  公共料金の体系のあり方というものに関連して、公共料金をどういうふうにこれから定めていくか、そして、このナショナルミニマムを確保するためにできるだけ値段を廉価にして供給していく、こういう提案でありますから、まあどうしても上げざるを得ないという立場から、それは清酒の二級酒などについて据え置きにしたというのは、体系というところまで入らないにしても、それを据え置きにするということで、このナショナルミニマムの確保、特に大衆、こういうものの措置をそういう面でしたという意味においてはわかります。しかし、たばこについては全然その考え方というものが明確に出てきていないわけであります。  それから、よく公共料金について凍結するとか何カ月間値上げを予定よりも延ばすとか、こういう問題がいままでにも提起されてきております。しかしこれは、延ばすということであり、凍結するということであって、この提言で言っております公共料金体系のあり方という問題をあわせ考えてみると、体系のあり方ということにはならないのではないか。  したがって、ナショナルミニマムの確保とこの公共料金体系のあり方というものをあわせ考えてみれば、やはり大衆に一番供給され需要が多いというようなものについて思い切って値を、それのみを凍結するとか、できるだけ値上げ幅を低くするとか、そういう思い切った公共料金の体系のあり方というものも、いまの物価あたりが非常に上がってきているこういう中では必要ではないかというふうに私は考えるわけなんです。したがって、これからの問題も含めて、公共料金のあり方の問題は当然非常に問題になってくると思うのです。  そこで、経済問題を一手に担当している福田副総理から、ひとつ今後の公共料金の、特に体系のあり方という提言が出ているこの問題をとらえて明らかにしていただきたいというふうに思うのです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 中村さんがおっしゃるように、体系を再検討すべし、こういう提言はどうもナショナルミニマムというようなことを踏まえて公共料金の決定をいたしなさい、こういうことだろうと思うのです、非常に幅広く申し上げますと。そういう御趣旨を踏まえまして、五十年度の公共料金もそうなっておるわけでありまして、先ほど大蔵大臣から申し上げましたように、酒につきましてもたばこにつきましても低所得者への配慮つまりナショナルミニマム的な考え方を採用いたしておる、こういうことでございますが、今後、公共料金、これはいろいろたとえば国鉄でありますとか、あるいは電報でありますとか、電信でありますとか、あるいは食糧でありますとか、そういうもので問題になりますが、そういうナショナルミニマム的な考え方はできる限り取り入れていく、こういうふうにいたしたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 そうなってまいりますと、もう一度大蔵大臣にお聞きしたいのですけれども、酒について二級酒の据え置きは、そういう意味でわかります。しかし、たばこについてはどうもわからないのですよ、この趣旨が生かされているのかいないのか。上げ幅が少し低いと言われますけれども、そんなに違わないですよね。  こういう趣旨が生かされるとすれば、たとえて言えばハイライトならハイライトについて据え置きにするか、それとも五〇%値上げを二五%にして百円どまりぐらいにするか、そういうやはり思い切った目に見えた措置がきちっとなされているとすれば、私は、十分でないにしても提言の趣旨というものがこういう意味で生かされているな、こういうふうに理解できるのですけれども、どうもたばこについては先ほどこれが生かされているというふうに言われましたけれども、私はなかなか理解できないのですが、もう一度たばこについて、どこのところがどういうふうに生かされているのか、明らかにしていただきたいと思うのです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 体系の問題でございますけれども、これを据え置かなければならぬとか、あるいは一定期間据え置かなければいかぬとか、原価を無視してもいいとか、そういうことはうたってないわけでございまして、いま副総理のおっしゃいましたとおり、いわばナショナルミニマム的な思想の上に立ってできるだけ低廉な価格で供給できるような配慮を、それぞれの品物の個性的な条件を踏まえて鋭意考えていくべしという趣旨と私は了解いたしております。  したがって、たばこの場合におきましてもできるだけ配慮いたしたつもりでございますが、これは娯楽品目の中にカウントされておる商品でございます。そしてこれは財政商品でございまして、これから歳入を確保しようというわけでございますが、したがって、できるだけたくさん御消費いただくものをねらわなければならぬものでもあるわけで、財政商品というのはそういう性格を持っておるわけでございます。したがって、私どもがたばこについて考えましたことは、しかしながら四十三年に比べて家計費の中で占めるたばこの消費の割合というものはそれより落ちておるじゃないか、国民所得に対するたばこの益金の割合も落ちておるじゃないか、全体としてわれわれの引き上げによって庶民がこうむるところの負担というものは以前より高くならないように配慮してあるじゃありませんかということでございまして、財政商品でありながらそういうきめ細かい配慮も加えてあるという意味で、われわれの意のあるところはおくみ取りをいただきたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 特に大量消費であり、一番多く需要があるものについて、これはナショナルミニマムとして確保しなければいけない。しかし、そこのところがまた財政問題から見れば一番財政として吸い上げることのできるところだ。そこなんですよね、大臣。そこなんですよ。いま普通のときではなしに、物価問題全体と関連して、政府もその目標に向かって公共料金をどういうふうに考え方を据えてこれからの物価対策をいろいろやっていくか、こういう中でしょう。しかし、財政全体からして公共料金もある程度上げなければならない。そういう事情の中で、やはりナショナルミニマムを確保する、物価が非常に上がってきても。ということになれば、ナショナルミニマムでありますから、一番大衆が要求し、一番生活の中でも必要な部面について何とかしていかなければならない、こういう事態だと思うのです。  ですから、大臣の言われるのは、普通の経済状態であり、普通の物価の状態の中なら私も話はわかります。しかし、こういう事情の中で、こういう提言がなされてきているときに、平常のそういう考え方で一番大衆が要求するそこのところを外してしまったら、財政問題から見れば大きな穴があいてしまって大変だ、こういうことでは、私は現在の事情の中では絶対これは納得できません。もう少しこの提言というものを、この公共料金の特にたばこの面で私は生かしてもらわなければ、これはどうにもならぬと思うのです。  だとすれば、これは据え置きにするという方法もあるし、値上げ幅をいま考えているよりも若干縮小して、先ほど申し上げましたハイライトの例で、これは五〇%上げないで二五%にすれば、ハイライトは百二十円というやつが百円ですよ。そういう方法でも私はいいと思うのです。  はっきり申しまして、ハイライトを半分、二五%上げの百円にした場合に、財政面からすれば国庫へ入ってくる分と地方税の分について、両方合計してどのくらいの額になるのですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 ただいま先生御質問の数字は、ただいま計算いたしておりません。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 それでは、五〇%、二五%と言うとめんどうくさくなるけれども、ハイライトを値上げしなければどのくらい穴があくのですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 ハイライトだけを据え置くというようなことはできないわけで、それとバランスをとってほかの銘柄との関連も皆見ながら体系を考えているわけでございますので、それだからなかなか答えにくいと思うのでございます。  私が申し上げておるのは、今日のような状況でおまえの言うようなことでは荒っぽ過ぎるじゃないかという御批判でございますけれども、先ほど申し上げましたように、従量税である、そして七年間据え置いておった、そして原料、材料、人件費が上がった、原価が上がったばかりでなく、ほかの物価体系との間のバランスを失しておる、ほかの税金とのバランスも失しておる、したがって目に見えざる減税がこの部面に行われておる、そこの調整をやらしていただくという趣旨で、全体の生計費の中でたばこの消費に充てる部分も相対的に以前より多くならぬように配慮いたしてあるのでございます。そういうきめの細かい配慮がいたしてありますので御理解いただきたいと申し上げておるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 大臣の言っている限りでは大臣の言っていることはわかるのですよ。私の言っているのは、おわかりになっていると思いますけれども、いずれにしても公共料金の体系のあり方を含めてナショナルミニマムを確保するためにできるだけ廉価で供給しろ、こういう提言がある。私はその提言を前提にして言っているわけですよね。だということになれば、たばこの問題に引きかえた場合も、確かに何年か改定しなかったわけであります。だとすれば据え置きは無理としても上げ幅を、特にナショナルミニマムを確保できるというような大衆たばこについて、ハイライトという一つのものでなくも出ている一つの枠でいいんですが、そのものについてもっと考える余地がないのか、こういうことを言っているわけであります。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 あなたのおっしゃること、私もよく理解できるわけでございます。ただ、考えていただきたいのは、七年間据え置いておったということでございます。毎年毎年事態に即して国会で値上げを御相談申し上げてやってまいりますならば、こんな大幅な値上げはやるはずがないわけでございます。私ども、公共料金というかこういうものを上げたくないということで過去七年間、原価が上がりましたけれどもともかく据え置いてきた、この努力はそれだけ買っていただきたいと思うのでございます。  それで、七年間据え置いた後、たまりかねてことしこれだけ上げさせていただきたい、調整させていただきたい、しかし上げましても、四十三年当時の全体の国民所得計算の中で計算してごらんいただいてもわかりますように、酒やたばこに費消される負担というものは決して重くいたしていないつもりでございますので、この程度の調整はお認め願いたいと申し上げておるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 私の言っている趣旨は理解していただいたと思うのです。  またそこへ返っていきますけれども、次の方に移っていきます。  特にたばこについて、たばこの中に占めるコストと税金の割合について明らかにしていただきたいというふうに思うのです。特にできるだけ近い年度のものを明らかにしてください。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 ただいまの先生の御質問につきまして、四十八年度の決算数字で御説明申し上げますと、総定価代金を一〇〇といたしまして、総原価は約三一でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 いま私が言ったのはコストと税金の割合、税金の方も言ったのですよ。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 税金の方につきましては、たばこ消費税が約二七でございます。それからたばこ事業純利益が約三二でございます。たばこ事業純利益の中には専売納付金と内部留保が若干入っておるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 ここに「専売事業参考資料集」の昭和四十七年度の十九ページに出ている四十六年度のものがあるのですけれども、これは総売上高一〇〇%、総原価三一%、販売手数料八、たばこ消費税二七、内部留保四、専売納付金三〇、これは四十六年度のものですけれども、いま私が申し上げたような項目で四十八年度のものをもう一度明らかにしていただけないのですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 四十八年度の対応いたします数字は、総原価が約三二でございます。販売手数料が約九でございます。たばこ消費税が約二七でございます。専売納付金が約三〇でございます。内部留保が約二でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 そうなってまいりますと、今度の値上げで、これは想定になると思うのですけれども、このたばこに占めるコストと税金の割合はどういうふうに移行してくるのですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 本年度定価改定をいたしました場合の対応する数字を申し上げますと、総原価が約三三でございます。販売手数料が約九、たばこ消費税が約二二、専売納付金が二九、内部留保が約四・四でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 これに関連して納付金率の制度についてお聞きしたいのですが、四十六年五月の覚書の内容、パーセンテージを中心にした内容でいいのですが、それと五十年度はこの覚書の中身がどういうふうになっているのか、その点を明らかにしてください。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 四十六年度から試行的に三カ年間施行されております覚書の内容でございますけれども、一つは、毎事業年度のたばこの国内販売総定価代金の五六%に相当する金額からその事業年度に納付した地方たばこ消費税の額を控除した金額、これを第一種納付金と呼んでおるわけでございます。第二種納付金といたしましては、毎事業年度の決算上の利益から第一種納付金を控除した金額の五〇%に相当する金額、これを第二種納付金と言っております。ただし四十六年度以降三年間は、塩事業会計における損失を勘案いたしまして第二種納付金の率は三七・五になっておるわけでございます。  四十九年度につきましては、第一種納付金率は四十九年度限りの措置としまして当初五四・五を考えておりましたけれども、補正後におきましてはこれが五二・五になったわけでございます。五十年度、本年度につきましては税制調査会で当面この制度を続けるということには相なっておりますけれども、まだ覚書は取り交わしておりません。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 この納付金の性格でありますけれども、これが国庫に入っていくわけでありますが、国に入っていくものとしては公社と大蔵省の間の覚書でやっていく。しかもこの率が年々変わってくる。五十年度予算の中では二種納付金の方の率についてはまだ決めていないといういまのお話でしたね。それで、予算の方は値上げの問題が出ている、そして二種の方はまだ覚書していない、こういうことはどういうことなんですか。

斎藤欣一日本専売公社総務理事

○斎藤説明員 御質問の覚書の趣旨でございますが、専売公社が国庫に納付します金額と申しますものは、公社法四十三条の十三という規定がございまして、それによってやるわけでございます。したがいまして、法律的にはあくまでいまの法律の規定によってやります。  ただいま監理官から説明を申し上げましたように、大蔵省との間の覚書でいろいろなことをやっておりますけれども、これは法律を運用する考え方としてそういうことでやっていこうということで、五六%とかあるいは三七・五%とかいろいろ申し上げましたけれども、実はきっちりそうはなりません、法律の方できっちりやりますものですから。当然、本年度の予算の納付金率といったようなものは今後大蔵省といろいろ相談をしていくわけでございますけれども、これは四十三条の十三の規定によりまして計算をいたしましたものを予算に計上しておりますので、その点は別に差し支えはございません。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 そうなってまいりますと、ナショナルミニマムを確保するために大衆が特に要求しているたばこ等については値上げ幅を考えたらどうだ、こういうことに関連してくるわけでありますけれども、要はこの納付金のところにしわ寄せすればどういうふうに価格を変えてもいいわけですよね。これは双方の覚書でできるわけですね。そうすると私はそうむずかしい問題ではないというふうに思うのですけれども、どうですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 ただいまの御質問でございますけれども、われわれの方といたしましては、たばこ事業の益金率という概念を重視いたしておるわけでございます。たばこ事業の益金率と申しますのは、たばこの総定価代金分の専売納付金プラスたばこ消費税プラス公社の内部留保ということでございますけれども、このたばこ事業益金率が昭和四十二年度に六割を切ったわけでございます。そして四十三年に定価改定をお願いしまして、この益金率が六三%に上がったわけでございます。自来四十七年に至りますまでは大体六一、二%を確保できたわけでございますけれども、四十八年以降これが五九・三になり、五四・三になり、もし本年度定価改定をいたしませんと四六・五%に相なるわけでございます。  この六〇%につきましては、もちろん六〇%そのものずばりでなければならないという規定はございませんけれども、過去の経緯から見まして、やはり六一、二%を維持していたという実績が一つございます。それからさらに、諸外国におきますこういったたばこ消費に対します税負担を見ますと、先進諸国におきましては大体が七割を超えておるというような実情でもございます。しかしながら、諸般の情勢によりまして、先ほど来御議論がございます物価の問題、公共料金抑制の問題等々がございますために、六〇%の益金率を維持すべきではありますけれども、今度の定価改定をお願いいたしました暁におきましても、これが五六・九%というところでとどまっておるわけでございます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 いま古今東西を問わずどこの国もたばこをその国の大きな財源の一つにいたしておりますことは御案内のとおりでございまして、いま監理官の申し上げましたとおり、七〇%程度の税金をいわば常識的に申しましてたばこに課しておるということが現実でございます。これはずいぶん昔からやっていることでございます。  いま私どもこういう今度の値上げをお願いいたしまして、五六%程度の税金をお願いするということになるわけでございます。これをかげんすればたばこの値段を安くすることができることは中村さんのおっしゃるとおりでございますけれども、私どもといたしましては、この財源は非常に確実な財源でございますし、確実な財源は確実に手に入れまして、そしてこれを社会福祉その他に有用に使わしていただかなければならぬわけでございます。  われわれは歳入を確保するには鬼のように強くならなければいけませんけれども、歳出はやはり仏のような気持ちでこれは有用に使うわけなんでございますから、両々相まちましてわれわれがたばこの値段を上げさしていただきたいと遠慮ぎみにこれはお願いしているわけでございますけれども、ぜひ御理解をちょうだいしたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 取るところからは鬼のようになって取ってもらいたいと思う、取らなくてもいいところからはにこにこして取らぬようにしてもらいたい。それが逆だから私がいろいろ言っているわけなんです。取るところからはにこにこして取らないで、取らなくてもいいところから鬼のようになって取ろうとしているから、私はいろいろ言っているわけなんです。  それで、先ほどもありましたけれども、益金率が六〇%、過去からもそうであるし外国は七〇%までいっている、こう言うのですけれども、これは民間の最たる企業だというふうに言われる松下電器ですら、一昨年一年間の利益は一千億円なんですよ。ところが、専売の益金は七千億円なんです。松下電器の七倍なんですよ。今度値上げして、それは率は五六・九%と言うけれども、全体に上がった中の率ですから、予算でも示されているように相当な収益になっているわけです。そういう中における——もう何回か言いますけれども、特にこういう物価の変動の中におけるナショナルミニマム確保という前提の中から公共料金の体系のあり方についてどうするかという提言のある中で、取る方ばかり鬼のようになって鬼のようになってと、こう言われても、私は何といってもこれは理解できません。まだこれからも審議は続いていくわけでありますけれども、この趣旨をこれから生かしていくようになおいろいろな形で努力していただきたい、私はそういうふうに思うのです。  時間が参っておりますから、最後に聞きたいと思いますのは、公共料金が、たばこ、酒、いまずっと論議されているわけであります。それから郵便料金もまた提案されている。それから民間の取り扱う公共料金でも、ガスの料金がどうなってくるのか、電気の料金がどうなってくるのか、私鉄の運賃がどうなってくるのか、大学の授業料はすでに値上げになる、こういうふうに民間の取り扱い方を含めて公共料金という問題が、これからの物価問題にどういうふうに対処していくかという非常に重要な問題としてあると思うのです。特に公共料金がそれぞれ値上げになってくると、物価をつり上げていくという心理状態が、いままでの例からいくと全般に出てまいります。  それから、現在不況という中で、それに関連して総需要の抑制という問題はありますけれども、完全失業者は一月で九十九万人に達した、こういう中では、この総需要抑制で不況という問題に絡めて、そうこの状態を続けるわけにはいかない要因もある。それから、春闘がいま行われているわけでありますけれども、…ずれにしても賃金の引き上げがそれぞれ行われていく。公定歩合の〇・五下げが行われて、また〇・五下げたらどうだというような情勢がある。言いかえれば、これらのそれぞれの条件は、景気をそれぞれ刺激していく要素になってくると私は思うのであります。それから、海外の要因というものについても予断を許さない。特に穀物、食品等についてはあると思うのです。それから地価等の問題についても、これは特に今年度の予算を通じて住宅関係について力点が置かれている。それに関連して総需要抑制の問題を絡めながら、やはり地価についても相当動き出すのじゃないかというような経済事情にある。  こういうものを総体的に考えてみた場合に、当初物価についての目標をお聞きしたわけでありますけれども、今度の公共料金、特に酒、たばこというような問題を上げたりしていった中で、その目標が果たして達成できるかどうか、非常に私は疑問になってくるわけであります。  最後に福田長官から、この物価、特に公共料金をあわせた問題について、締めくくりの御回答をひとつお願いいたしたい、こういうふうに思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 お話のようにいろいろむずかしい要素があるわけです。基本的には不況の問題とそれから物価の問題、これを同時に解決していかなければならぬ、こういうことでございます。  しかし、その中でもやはり物価対策、これはどうしても優先させなければならぬと思うのです。その優先させた物価対策の中で摩擦現象として不況現象というものが出てくる、それに対しては物価の安定基調を損なわない程度の対策はとらなければならぬ、こういうふうに考えております。  物価を上げる要素といたしましては、賃金が生産性向上の率を超えて上昇する、これはやむを得ないことだと私は思いますけれども、しかし、これは物価を押し上げる要素にはなるのです。それからもう一つは、企業がいま非常に収益状態が悪いわけです。その企業の収益状態を改善しよう、こういう考え方から製品やあるいは取り扱い商品の値上げの動き、こういうものがある。その他にもいろいろ物価を押し上げる要素がありますが、しかし悪い要素、賃金問題そういうことにつきましては、何としても労使双方に御理解のある妥結をひとつ図ってもらいたい。それからまた、商品価格あるいは製品価格の引き上げ、この問題につきましては、経営者にどうしても自粛をしてもらわなければならぬ、こういうふうに考え、お願いをいたしておるのです。  しかし、悪い要素ばかりじゃない、いい要素もあるのです。海外の穀物価格が最近低落傾向にある、これなんかは大変わが国の物価状態にはいい影響をもたらすであろう、こういうふうに思います。また円が強含みな動きになっておる、強含みが続きますれば、これもまたわが国の物価にはいい影響がある。また、公定歩合が〇・五でありますけれども下がった。私は、長期的に見まして、わが国の金利水準というものは少し高過ぎる、そういうことを考えますと、金利はさらに下がる傾向になり、コストがそれだけ減る、こういうことになる。  そういうプラス、マイナス両面を総合いたしまして、酒、たばこ、郵便料金、いま御提案していることを前提といたしまして、これは五十年度中の物価上昇は一けたにとどめ得る、またしなければならぬ、これは万難を排してそれを実現いたしたい、こういうふうに考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 終わります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 野間友一君。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 政府は、物価抑制が第一義的な課題である、その枠内で不況対策を講ずると何度も言明をされておりますけれども、現在でもそのとおりであるかどうか、まず御確認願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 現在でもそのとおりでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 現在物価問題は新たな憂慮すべき事態を迎えておるというふうに私は認識をしておるわけです。一つは、経済企画庁が二月二十四日に発表した「転換期における企業行動に関する調査」、これがありますけれども、これによりますと、七〇%の企業が主力製品の値上げで利潤を確保しようとしておることは御承知のとおりであります。同じように経団連がアンケート調査を行って三月二十五日に発表したわけですけれども、それによりますと、大企業の六四%が値上げの期待をしておる、こういうこともまた出ておるわけであります。  すでに四月に入ってからフィルムとかあるいはカメラ、自動車それからビール、これが相次いで値上げされたわけですけれども、この経団連の調査によると、しかも値上げを具体的に考えておる業種を見ますと、紡績の六〇%、これを筆頭にいたしまして、鉄鋼、化学、これは一五から二〇%。鉄鋼については、きょう神戸製鋼の社長の記者会見がございましたけれどもね。紙パが一〇から三〇%など、十二業種にわたって、しかも値上げ幅が非常に大幅だというのが特徴ではなかろうかというふうに思うわけです。こう見てみますと、物価が再び急騰するおそれがある。こういう時期に御承知の公定歩合の引き下げがなされたわけですけれども、同時に物価の安定に配慮する、こういうこともまた言われておるわけです。  それでは、この時点における物価の安定を配慮するということは、具体的にどういうものでなければならぬか、こう考えるわけですが、これは言うまでもなく大企業製品の価格の凍結という措置をとらなければならぬ、私はこういうふうに思うのです。大企業は、その値上げをし、また続々と値上げを期待し、または予測される。こういう中で、一方で景気刺激策をとりながら大企業製品の価格の上昇に歯どめをかけないということは非常に危険である、こう考えざるを得ないと思うのです。例の石油危機のときにも私たちはいろいろな苦い経験をしたわけですけれども、私はまず大企業の価格の凍結、これをどうしてもやる必要があるんじゃないかというふうに思うのですけれども、この点について、経企庁長官それから大蔵大臣の所見をまずお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 考え方としては野間さんのおっしゃるように、とにかく大企業といいますか、メーカーやあるいは商社、その製品や取り扱い商品の価格引き上げ、この動きが非常に強いのです。これがまたとにかく私どもの頭痛の種なんです。いま企業の収益状態が非常に悪いものですから、そういうふうな考え方になることは無理からぬところであると思います。しかし物価を上げてしまったのでは、これは企業もまた元も子もない、こういうことになりますので、これはどうしても、凍結を法的にという考え方までとる必要は私はないと思うのですが、そういうふうな方向で企業も協力してもらわなければならぬ。そのために、一方におきましては総需要抑制政策、これは堅持してまいります。  それから他方におきまして、重要物資につきましては、商品ごとにその価格と需給につきまして行政的に厳重な監視体制というか、そういう体制をとりまして、企業側で期待をするその期待が現実化しない、こういうための万全な姿勢を整えてまいりたい、こういうふうに考えているのです。  お話のように六割、七割という企業がそういうことを考えておるという状態でございまするけれども、現実の問題としてその期待が実現する、これはきわめて限られた商品についてのみである、私はこういうふうに考えております。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 大企業の製品の価格形成に問題がありはしないかという御指摘でございましたが、いまのように操業度が落ちておる段階で、単位当たり上げたいという気持ちを持たれる面がありはしないかと私も心配いたします。と同時に、原価要素で石油危機発生以来そういった変化が価格で十分吸収されておるかどうかというような点、検討すべきものがありはしないかと思います。  しかし、いずれにいたしましても、物価の安定ということは企業の存立にとって大事なことでもありまするけれども、それよりも何よりも、いまの経済の立ち直りは物価の安定を通じて消費が健全な立ち直りを示して、本格的な経済の活力がそこからついてこなければならぬわけでございますので、いま副総理も言われましたとおり、みんなが自制いたしまして、この微妙な重大な段階を波乱なく乗り越えなければならぬのじゃないかと考えております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 重ねて副総理にお聞きするわけですけれども、大企業製品の価格の凍結の問題ですけれども、これは法律上の歯どめというか措置としては、いわゆる安定法ですね。あれにかからない場合には行政上の強力な措置ということになろうかと思うのですけれども、繰り返しになりますけれども、石油危機を契機としたあの前後の軒並みの便乗あるいは先取り値上げ。最近の物価動向を見ましても、大企業製品の値上げが非常に顕著になっておる、卸売物価もまた続騰に走っておるという状況が、昨今実際に出ておると思うのですね。そういう中で、やはり単なる行政指導というか、企業協力という言葉がいまありましたけれども、それでなくて、やはりこの際強力に価格の凍結ということに思い切って踏み切るということが、公共料金の値上げを抑制するということと同時に、いまの物価対策としては当面やはり必要な重要な柱じゃないかというふうに私には思えて仕方がないのですけれども、さらに重ねてこの点についての答弁を求めたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 総需要抑制政策、これが堅持されておりますれば、これは企業の方で値を上げようとしたって、それは実現するはずはないのです。しかし、一方において景気対策も講じなければならぬという複雑な要素はありまするけれども、とにかく法を発動して、法的に規制をしなければならぬというような情勢とは考えません。もしそんなことがあれば大変なことですがね、まあ、ちゅうちょなく法を発動しますよ。しかし、そういう状態ではない。総需要抑制政策を堅持する、それから個別の物資につきまして、需給と価格につきまして厳重な行政指導を行えば、物価対策としては万全である、そういうふうに私は考えております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 いや、別に安定法とか、法律を発動して云々ということを私はいま申し上げているわけじゃなくて、逆に、単なる企業協力による行政指導ということだけでは、これの歯どめはなかなかできないのじゃないか、こういうことを申し上げているわけです。現に、いま申し上げたように自動車とかフィルムとか、すでに値上がりが済んでしまっておるし、鉄もいまの動きからすれば一万二千円以上、神戸製鋼等がそういうアドバルーンをすでに上げておりますし、こういうのが続々と出てくるという現状を踏まえた上で、やはり強力な凍結の歯どめをする必要があるということを私は申し上げているわけです、行政指導として。  この点についてはいささか消極的ないまのお話ですけれども、こういうふうに続々と大企業製品が値上げされ、現に予定されておるという中で、一方たばこですね、いま審議しておりますたばこ、酒はこれは酒税の値上げということになりますけれども、一種の公共料金、私もそうだと思いますけれども、それから郵便料金、そして消費者米価あるいは麦価についても、新聞報道によりますと、何かそういう動きがあるというふうにも私は承知しておるわけですけれども、こういうふうにして、公共料金が軒並みに値上げされようとしておる。  こういう点から考えますと、民間のとりわけ大企業製品、これらの値上げの露払いと申しますか、そういう役割りを公共料金の値上げが果たすのじゃないか。露払いと申しますか、むしろ田中内閣のときに新価格体系ということでずっと全部上げましたけれども、これの総ざらいと申しますか、そういうふうにもとっていいのかもわかりませんけれども、いずれにしても、このように公共料金がずっと軒並みに上がりますと、これに相呼応して民間の製品がどんどん上がってくるということが出てくると思うわけですね。その点から考えて、どこで物価の安定に配慮するというような歯どめがあるのか、ちょっと私も疑問に思うわけです。ですから、現時点での物価対策としては、公共料金の値上げと大企業製品の価格の凍結、これをどうしても強力に行わなければならぬということを強く指摘いたしまして、たばこについて少し質問を続けていきたいと思うのです。  平均四八%ということですね。酒は二二%ということのようですけれども、非常に大幅ですね。先ほどの論議で四十三年から据え置いておるという話がたばこについてありましたけれども、いずれにしても非常に大幅な値上げがいま予定されておる。  そこで、たばこについて大蔵大臣にお聞きしますけれども、今回の値上げが喫煙者にどの程度の負担増を強いておるかということなんですけれども、時間の関係で私の方で、専売公社の調べ、これを見てみますと、四十九年の六月の時点で一カ月のたばこ代の平均が男が三千二百七十一円、女が二千三百八十四円、こうなっておるようですけれども、これは事実かどうか、まず事務当局に確認をしたいと思います。

泉美之松日本専売公社副総裁

○泉説明員 お話のように、昨年六月の調査におきましてはそのような数字に相なっております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 これが四八%仮に値上げされますと、男の場合には千五百円以上、女性の場合には千円以上の負担増となる数値が出てくるわけですが、こういう負担増の反面、一方では公社経営について少し数字を拾ってみますと、四十八年度の純利益が、これは納付金プラス内部留保ですが、約三千七百六十六億円ですね。四十九年度が、これは見込みですが、三千三百三十一億円、こういうふうになるわけですね。公共料金の中でもこんなに大きな純利益を上げながら、なおかつ値上げをするということ、これのいろいろな問題についてすでに大蔵委員会等で論議されておりますので、その論議を私はここで繰り返しはいたしませんけれども、政府のいろいろな答弁等を見てみますと、たばこは財政専売だ、だから当然だ、こういう説明を聞いておるわけですね。  私はこれ自体問題があると思うのですが、しかし、仮に政府の立場を前提として考えた場合、単に財政専売だからといって、いま大蔵大臣は鬼のようにして金を取るという表現もされたわけですけれども、やはりたばこについて言いますと、これは公共企業、公営企業ですね。そういう点から、国民にサービスする、安くという話もありましたけれども、こういうことも十分踏まえた上で料金については考えなければならぬということは当然だと思うのです。  つまり、この値上げについては、単なる財政専売ということではなしに、物価問題としてどうなのかということと、それからさらに安くてうまいたばこをどう国民に保障していくかという点からこれを考えなければならぬ、これは当然だと思うのですね。したがって、納付金さえ確保すれば後はどうでもよろしいというようなことが専売公社なり大蔵省の基本姿勢であるとは私は思いませんけれども、その点についての基本的な姿勢そのものをひとつお聞かせ願いたいと思います。

泉美之松日本専売公社副総裁

○泉説明員 まず最初の前段の問題で、確かに男子一人当たりの消費金額というものは今回の値上げによってふえるわけでございますが、それはその方が同じ銘柄のたばこをそのまま吸っておられる場合に四八%程度ふえるわけでありますが、実際におきましては、定価改定を行いますと安い方の品物に銘柄転移が起こるのが普通でございまして、私どもの従来の経験から計算いたしますと、四八%名目的に値上げいたしましても、実質公社の収入がふえますのは三一%程度にしかならない。したがって、これは消費者の方がどういう銘柄のものをお吸いになるか、これはその方々によってそれぞれ違うわけでありますから、一概には申し上げませんけれども、全体として見ますと三一%程度の消費支出の増と見ていただいていいのではないかと思います。  それから、専売公社は純利益を相当たくさん上げておる。お話ごもっともでございまして、昭和四十八年度にはたばこ事業の純利益は三千七百六十六億、五十年度の見込みといたしましては五千六百七十三億でございますけれども、それはいわゆる税金相当の専売納付金として国庫に納まっていってしまうものが大部分でございまして、四十八年度で申し上げますと三千五百六十一億、それから五十年度で申し上げますと四千七百七十五億円というものは国庫に納付される専売納付金になるわけでありまして、専売公社の純利益と申しましても、それは税金に相当する専売納付金が入っておる金額でございまして、専売公社の内部留保として残りますのは、四十八年度におきまして百八十八億円、五十年度の見込みが七百十七億円になっております。これは今後予算を執行した後の姿で見ますと幾らになりますか、五十年度におきまして果たしてその金額を確保できるかどうか、これはなかなか容易ならぬ問題だと思っております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 私はそれはもう知った上で、基本姿勢について、単に利益を得ればいいということだけではないということをお聞きしているのです。  そこで、公社の販売姿勢あるいは販売方針についてお聞きするわけですけれども、毎年育成銘柄を指定して、特定銘柄の重点的な販売促進をやっておられるわけですね。最近の銘柄を見てみますと、チェリーとかマリーナ、おおぞら、こういうものが指定されておるようですけれども、そこでお聞きしたいのは、育成銘柄の指定条件は一体何なのかということですね。その指定することのねらいというか意図は一体何なのかということなんです。どうですか。

佐藤健司日本専売公社総務理事

○佐藤説明員 お答え申し上げます。  公社の姿勢といたしましては、販売面におきましてやはり消費者の嗜好にできるだけ対応した銘柄といいますか、そういうたばこを供給したいということでございます。最近の消費者嗜好の多様化と申しますか、あるいは高度化ということもございますが、全体といたしまして、日本だけに限らないわけでございますが、アメリカ式のたばこと申しますか、アメリカンブレンドというものが非常に世界的に多くなってきておるわけでございます。  公社の態度といたしましては、いままでは、そういうアメリカ式のたばこでなくて、イギリス式のたばこを主としてつくって販売をいたしておったわけでありますが、そういう全体の傾向に即応いたしまして、公社としても、四十五年ぐらいからがそうでございますが、アメリカ式のたばこで軽くて味のうまい、マイルドなものを商品として提供してまいったわけであります。そういうものがいわばいまおっしゃいましたようなチェリーでございますとかマリーナでございますとかおおぞらになるわけでございますが、こういうものを私どもとしては育て上げるといいますか、またそういうものが伸びていく銘柄であるというような点でやってまいったわけでありますが、やはり全体の需要の傾向としましては、そういうアメリカンブレンドというものが最近ずっとふえておるという状態でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 要するに、ソフトでうまみのあるものということのようですね。と同時に、ニコチンとかあるいはタールの緩和というかそういうことと関連あると思いますけれども、いろいろ本を読みますと、そういうことが書いてあります。  それで、その指定銘柄としてはセブンスターとかチェリーあるいはおおぞら、こういうものがありますけれども、いずれにしてもこのすべてがいわゆる上級たばこであるわけですね。ここで、私がいま申し上げたもうかりさえすればいいのじゃないかということとの兼ね合いで聞くわけですが、いま単にマイルドという表現がありましたけれども、緩和でうまみのあるたばこということだけでなしに、経営のうまみがかなり緩和され、しかも消費者の嗜好を、高いたばこを吸うような方向に誘導しておるというのがその実態ではなかろうかと思うのです。この四十八年度の業務概況報告書によりますと、「数量目標は達成したものの、育成銘柄の不振により利益目標を達成しえず、市場における経営成果の実現に問題を残した。」こういう指摘をしているわけですね。  つまり、このことから言えることは、育成銘柄が他の銘柄に比べて利益率が非常によいということ、こういうことを示しておると思うわけですね。ですから、利益率のよいこと、これが一つの育成銘柄指定の条件になっているというのが公社のこういう指摘の中にも出ておると私は思うのです。しかもいま申し上げたように、下級品と申しますか三級品にはこのような緩和な本格ブレンドしたたばこがないわけですね。ほとんどというか、すべてが上級たばこ、高級たばこ。おおぞらというのが八十円、これが辛うじて二級品で一つあるということだけなんです。  しかも、それらの売り出しの趣旨をいろいろ拾ってみますと、たとえばおおぞらについて言いますと、こういうふうに業務概況報告書にも書いてあるわけです。「緩和の本格ブレンド製品を中級価格群に投入し、中下級品喫煙層の転移を促して消費の量的、質的水準の向上をはかる。」こういう記述があるわけですね。これは出ておりますから、そのとおり読んだわけですけれども、これを見てみましても、おおぞらそのものが、要するに中下級品の喫煙層をおおぞらの方にずっと引き連れていけ、これがねらいであるということが明らかに出ております。そして「量的、質的水準の向上をはかる。」こういうことも書かれておるわけですね。  みねについては「チャコールフィルター製品(セブンスター)の需要が旺盛なのにかんがみ、チャコールフィルター付の、本格ブレンド高級品を発売して、次期主力価格群の育成に資する。」こういうふうに書かれておるわけですね。つまり、このみねを次期の主力価格群——これは非常に高いたばこですね。出すごとに高いたばこを買うように買うように、ちゃんとこれは書いてあるわけですね。  さらに外国たばこ、たとえばマールボロとかあるいはオールドスプレンダーですね。ライセンス商品と言われておりますけれども、これらについてもその趣旨が「外国著名ブランドを、ライセンス製造販売し、消費し好の高級化、多様化傾向に応えるとともに、高級品市場育成の先駆的役割を期待する。」つまり、マールボロとかオールドスプレンダー、こういうものによって、ずっと高いところの市場を開拓して、そこにほうり込んでいく。  ですから、おおぞらにしてもあるいはみねにしても、これはその他ほとんどそうですけれども、指定銘柄というのは利益率を高くして、そして高いところに消費者の嗜好をずっと引き連れていく、こういうのが一連の専売公社あるいは大蔵省がとった方針の中で明らかに出ておるわけですね。しかも、いまはたとえばニコチンとかあるいはタールが健康に害があるということで、フィルターつきの緩和されたこういう味、これも一つの指導をされて、しかもこういうところに消費者の嗜好がずっと移っておる。それに乗りまして、利益率の高いたばこにどんどん国民を引き連れていく。  先ほどの概況報告書の中にもありましたけれども、数量は消化したけれども、しかしそのお目当ての銘柄品がこれは売れなくて利益がうまいぐあいにいかなかった、こういうことまで書いているわけですね。ですから、こういう点からしたら、やはり国民に高いたばこを買わせて、そして利益の幅を上げていく。まさにこれは営利会社と同じような方針を立てておる、こう言っても私は過言じゃないと思うのですね。  こういう方針をどうしても変えなければならぬ。特にニコチンとかあるいはタールが少ないたばこ、これは必ずしも、高級品あるいはおおぞらのような中級品と申しますか、これでできるものが、大衆たばこ、つまり下級品でできないことはない。これをやらない。これはやはり国民軽視、大衆軽視の専売公社なり大蔵省の方針だと私は思うのです。一体これらについてどういうふうに思われるのか、御見解を承りたいと思います。

泉美之松日本専売公社副総裁

○泉説明員 いろいろお話がございましたが、いわゆる本ブレ製品というのがすぐ利益率の高い銘柄かと申しますと、そうではございません。必ずしも一概に本ブレ製品の利益率は高いというわけにはいかないのでありまして、概して申し上げますと、古くから売り出した銘柄のものは、その葉組みを後になってなかなか変更することができませんので、古くから出ている銘柄は利益率が比較的低い。新しいのは、まあいろいろ御意見はあろうかと思いますけれども、財政専売として専売納付金を確保する必要上、できるだけの範囲で利益率を確保するように努めております。そういうために、新しい銘柄のものは比較的利益率が高いというのが実情でございますが、しかし、その中でも本ブレ製品だけ特に高いというわけではないわけでありまして、その点は誤解のないようにお願いいたしたいと思います。  お話のように、いま二級品で本ブレ製品なのはおおぞらだけでございまして、三級品にはいわゆる本ブレ製品はございません。それでは三級品で、今度定価法を改正していただきますと三級品の最高は二十本入りで八十円ということに相なるわけでございますが、その範囲で本ブレ製品をつくれないかということになりますと、これは技術的にいろいろ検討しなければならぬ点があるわけでございますが、葉っぱだけからいたしますと、本ブレ製品に使いますのは、御存じのようにバーレー葉が中心になりまして、それに黄色なりあるいはオリエント葉をまぜてつくるわけでありまして、そういう意味ではバーレーは国産葉の中では比較的安い方でございますので、原料費としてはそれほど高くならないわけでありますが、香料を相当たくさん使わなければならないということと、それからそのほかの材料費等がかかりますので、必ずしも葉っぱが安いからその総原価は安くなるというわけにもまいりかねます。  一番肝心なのは、結局その三級品に課せられる専売納付金の額、これがどのようになるのか。この前から私どもが申し上げておりますように、今後は専売納付金の率を一律五六%とかあるいは五四・五%とかといった数字でなしに、銘柄別に、値段の高いものと低いものとで納付金の率を変えるように、価格群別にお願いしたい。そういうふうにもししていただけますならは——現在は御存じのように、ゴールデンバットとかしんせいとかいったものはもうコストを賄うだけでありまして、地方消費税もほとんど賄えない。いわんや専売納付金は賄えないような姿になっておりますが、その専売納付金の率を低めてもらえますと、まあまあ何とか研究できるのではなかろうかと思いますが、現在のままですと、三級品につきまして本ブレ製品を出すことは事実上不可能でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 全国たばこ新聞等を見ましても、五十年度の新しい製品についても「外国からの輸入品との競争になるのですから、おそらく現在の輸入品百五十円銘柄程度のものとの競争になるでしょう。」これは木村総裁が言われたことですが、去年の五月一日付の全国たばこ新聞に載っているんです。先ほど指摘をした一連のいわゆる銘柄品のねらい、これがずっと一貫して五十年度についても貫かれておるわけですね。高いところの市場開拓を外国たばこでどんどんやっていく、そこへぶつけていく。消費者の嗜好を高いところに高いところに持っていこうとするのが、一貫してこの五十年度にもあらわれておるわけですね。  私が言いたいのは、何で本当にタールやあるいはニコチンの少ないマイルドなたばこをいわゆる大衆たばこの中に入れていかないか、こういうことなんです。ですから、単に益金とか利益の幅を大きくするということだけじゃなくて、本当に大衆に奉仕するという性格からすれば、そういうたばこを極力積極的に開発して、そうして大衆に奉仕する、これを還元していく、こういう姿勢がなければだめだということを私は申し上げておるわけです。  ですから、抜本的にこういう点についての洗い直しをして、同時に、もう時間が来ましたので私非常にはしょったあれになりますけれども、たばこの値上げについてはいろいろ言われておりますけれども、公共料金の中でも特に利益を上げながら上げるというのがこれなんで、しかも六〇%が一つのめどになる、これから落ちておるから云々というようなことで、上げようとしているわけですけれども、物価が続騰する現状の中では、せめてたばこぐらい値上げは抑制するということはもう当然だと私は思うのです。  専売公社のこういう方針について一体どういうふうにお考えになるのか、最後にひとつ副総理とそれから大蔵大臣にお聞きして、時間が来ましたので、私は質問を終わらざるを得ないと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 野間さんのお話を承りましても また副総裁の答弁を聞きましても、いかに専売公社が納付金を国庫に納めよう、こういうふうな努力をいたしておるかということがよくわかったような気がします。しかし、その中でやはり健康問題につきましては、これからも販売政策を進めていく上において私は特に注意してまいらなければならぬ、かように考えます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 公社の経営の問題、技術開発の問題等につきましては、常に最善の努力をいたしまして、仰せのような方向で努力をいたしたいものと考えます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 酒税法の一部を改正する法律案、それから製造たばこ定価法の一部を改正する法律案、この二法案につきまして、私は物価安定、そして国民生活の安定を確保する、そうした立場から少し質問してまいります。     〔上村委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕  これらの法改正の理由は、大体五十年度の予算の財源を確保するということだということですけれども、申すまでもないようなことだけれども、私たちはこの予算自体に非常な疑義を持ちました。そうして、この本予算の修正を主張してまいったわけであります。  その要点は、政府は、これは福祉予算であると大変御自慢であるのだけれども、その内容を見ていきますと、これは物価安定であるとか、福祉であるとかいうことに名前をかりて、その実はやはり強い者はますます強くというような、大企業を優先に、そして国民生活はむしろ圧迫されていくというような、従来の路線を基本的にまだ変えていらっしゃらない、また本当に変えようとしていらっしゃるのかどうかというようなことに疑義を持った。そして、この本予算を本当の意味の国民福祉に修正すべきである、こういった主張に基づいての修正案でございましたけれども、この本予算は国会を通過してしまいましたから、せめて関連する法改正ないしは今後の行政措置については、本当に物価安定の方向に、そうして国民福祉の方向にそれを措置しなければいけないのじゃないかと私たちは痛切に思うわけであります。  ここで副総理の所信を承ってもいいけれども、大概それは賛成であるとおっしゃるだろうから、時間がもったいないから聞きません。  それで、大蔵大臣にこれは伺いたいのですけれども、お酒についての趣旨説明を見ますと、四十三年の税率改正以来、物価水準の変動によって税負担が低下している、だからこれを調整する必要があるんだ、こうおっしゃっている。それから、たばこにつきましても、同じように、その定価が物価水準の変動によりこの税負担が低下しているのでその調整をする必要がある、こうおっしゃっているわけであります。  ところで、では国民生活はどうなんだと言いたいのです。総理府の家計調査の報告の五分位階層別を見ますと、特に中低所得者層は昨年の九月以降、名目上の所得水準は確かに上がっておる、にもかかわらず、これはまさに物価水準の変動によって実質的な所得、収入は減じている。それで、消費支出は下がっておりますし、エンゲル係数は四〇%以上になっておる、こういった実態があるわけですね。  酒、たばこは物価水準によって相対的な調整をする。では国民生活の方は一体どうするのか。国民生活もこうして物価の水準でもって直ちに調整することができるかどうかという問題ですね。こうしたところに、私たちから見ますと、これはまさに国民生活の方の調整が先なのか、あるいは政府の方の財政の調整が先なのか、こう聞きたいわけです。国民生活は二の次、三の次、後回しで結構、そのようにわれわれには受け取れるけれども、大蔵大臣、いかがでございますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 酒の問題、たばこの問題は、これはひとり産業政策として政府が取り扱っておるのでなくて、御承知のように、これは歳入を確保する手段としてこういう品物を活用させていただいておるわけでございます。それは国民生活の安定を図るために、財政がその機能を果たすためにやむを得ずとっておる手段の一つであるわけでございます。そういうたばことか酒とかに負荷された目的を外して、国民生活的観点からだけ、いわば産業政策的観点からだけ問題にいたしますならば、仰せのようないろいろ考え方があると思うのでございますけれども、財政的な見地が介入いたしまして、こういう商品に財源を期待いたしたいわけでございます。したがって、それだけは国民に御負担をお願いすることを初めから決めておるわけでございます。  ただしかし、負担をお願いするにいたしましても、それが不当な負担にならないようにできるだけ配慮しなければならぬわけでございまして、その点につきましては、先ほどからるる御説明申し上げておりますように、こういう従量税につきまして七年間据え置いた関係上、他の税目との間のバランスも失しておるわけでございまするし、また、国民の消費の中でたばこないし酒に費消する部分の相対的な比重は落ちておるわけでございますので、若干調整を認めていただいて、そこで財源の調達を図らしていただこうということでございます。  しからば、あなたが言う一番低所得層すれすれのところにそれじゃどのようにこういう増税措置が影響するかという点の御質問でございます。その点につきましては、計数的に事務当局から説明させます。

有島重武公明党

○有島委員 どういうふうに影響するか、それは〇・六である、ないしは酒を入れて〇・七である、そんなことはいいです。ただ大蔵大臣の姿勢というものは、国民生活は後回し、そういうお立場でございますね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 国民生活を守るためにわれわれは必要な財源を確保せねばならぬ、その必要な財源を確保するために酒とかたばこの最小限度の値上げをお願いしておるということでございます。

有島重武公明党

○有島委員 もう一つさかのぼって言えば、国民生活を安定するという大義名分は、それはそうでありましょう、しかしここでもって、物価水準が、変動したからこうする、物価水準が変動したから酒を上げる、たばこを上げる、こういうことでございますよ。それ以上に物価水準の変動によって苦しんでいる国民の方とのバランスの問題ですね。その物価水準の変動ということを非常に大きくうたってあるから、いま物価対策特別委員会と大蔵委員会と連合審査しているわけでございますよ。そのことをおっしゃるならば、ではこのことが物価水準の変動を安定する方向に役に立つのか、そういうことになりますね。この酒、たばこの値上げが物価水準の安定に役に立ちますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 必要とする財源を確保する手段として、政府は、直接税に依存するか、間接税に依存するか、あるいは公債に依存するか、いろいろな手段が考えられるわけでございますが、その財源を調達する手段として酒税と専売納付金を考えた。なぜ考えたかというと、所得税、直接税を考えるよりはこの方が私は国民に負担をお願いする場合により適切じゃないかという判断をしたわけでございます。  すなわち四十三年度、国民所得計算で個人所得は三十九兆四千百七十七億、それに対して所得税が一兆六千百三十一億でございます。この率は四・一%でございますが、これが四十九年度は四・九%に所得税の負担率は上がっておるわけでございます。  同じような筆法で酒の場合を考えてみますと、四十三年度の一・三%が〇・八%になっておるわけでございます。今度の値上げをお願いいたしましても、五十年度の経済見通しで計算いたしますと、依然として〇・八%程度におさまるわけでございますので、所得税でお願いするよりは間接税でお願いした方が、私は負担の公平を考えた場合に適切であろうと判断いたしたわけでございます。  つまり、財源が必要でなければこういうことをお願いしたくないわけでございますが、財源が必要なためにこういうことをお願いいたしておるわけでございまして、純粋な物価政策的見地から申しますと値上げはしない方がいいに決まっているわけなんでございますが、世の中財源を必要とする場合もあるわけでございますので、必要とする場合には一番適切な方法を考えさしていただきたいというわけで、こういう方法をとらしていただいたわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 それじゃ結局、やむを得ず国民生活は後回しにいたしました、そういうことでございますよ、伺っていると。それから所得税のパーセンテージが上がってきた。これも実は物価水準が上がって、そして名目所得が上がって、税率が上がって、こういうことがあるわけでございますね。  それで、政府自身もこの物価安定が第一であると言っていらっしゃるわけです。だからこの観点に立って、やはりこれをもう一遍考え直していただかなければならない。そのための審議をしているわけです。ですからお考え直しをいただきたい、こういうわけです。  それで、先にまいりますけれども、これは大蔵省で御発表なさいましたもので、「五十年一月 大蔵省」と書いてありますけれども、「製造たばこ定価法の改正について」の「一 定価改定の理由」、この第一番目の理由に「財政専売の危機」をお挙げになっておる。そして「公社の存立意義にかかわる重大な事態となる。」こういうことが理由の第一番になっておるわけでございます。その重大事態というのは、これは一体何事かと私は言いたい。重大事態はむしろ国民生活の方が重大事態なんで、この公社が重大事態というのはどういうことなんですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 値上げを見送りましてこのままで置きますと益金率が五〇%を割ることになるということでございまして、御案内のように長い間六〇%前後を維持しておりました益金でございます。諸外国は先ほども申しましたように七〇%を超えておる状態でございますし、それに付加価値税がかかっておるような状態でございます。したがって、日本の場合、私は専売益金は決して高くないと思いますが、財政専売としてたばこが設けられておる以上、ある程度の専売益金は確保をしていただく必要は財政当局としてはあるわけでございます。したがって、専売公社に対しまして、この専売益金の納付というものをぞんざいにお考えいただいたら困ると思うのでございまして、ある程度の納付は厳しい格率として遵守していただいて国庫に納めていただかなければならぬと思うのであります。その場合、この値上げによりまして五六・九%程度になるわけでございます。どの限界が重大な問題かというのは、それぞれの判断、主観的な判断に依存する場合もあると思いますけれども、五〇%を割るというような事態は専売制度にとりましてはゆゆしい事態でないかという判断でそういう表現になったものと思うのでございまして、六〇%程度の益金はたばこに期待いたしましても決して無理ではない、財政当局といたしましてはそういう判断を持っております。

有島重武公明党

○有島委員 重大危機なんというと国民はびっくりしちゃって、これは大変だと思うかもしれないけれども、その根拠というのは五〇%を割る。ではどうして六〇%でなければいけないのか。これは慣例的なことである、そんなこけおどしみたいなことで——不況の中で、そうして物価高の中であえいでいる国民生活の方が本当に重大危機でございますよ。こういったところから言っても、まるで政府機関の方はちょっとでもこうした率が下がってくると重大問題である。国民生活は先ほどの御答弁のようにまず後回しにしてもこれを是正しなければいかぬ。戦中には「欲しがりません、勝つまでは」、こういうのがございましたね。これではまるで国民中心主義よりも政府中心主義、こういった姿勢がここでも非常に露骨に感じられる。これは非常に不適当な理由づけではなかろうかと私どもは言わざるを得ない。  確かにいまお答えになったように、たばこの益金率について先進諸国は七〇%くらいであるというようなことを本会議でもっておっしゃった。私は聞きたいんだけれども、では外国の七〇%という数字はこれはいつの統計ですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 お手元にどういう資料がいっているかつまびらかにいたしませんけれども、イギリスが六〇ないし七〇%になっておる表でありますれば、一九七四年六月現在でございます。それからその他の国、たとえばイタリアが六〇から六三、フランスが六八から六九、オーストラリアが五五、西ドイツが六〇から六二というふうな数字の表でございますれば、七五年の一月末現在の数字でございます。

有島重武公明党

○有島委員 そういうわけでございまして、これは石油ショック以前の統計じゃないんですか。それじゃ、それ以来外国の状況はどうなっているんですか。ますますそのパーセンテージが上がっているんですか、あるいは下がっているんですか、その辺はどうなっているんですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 ただいま申し上げましたイギリスは、一九七四年でございまするので昨年の数字でございます。それからその他の諸国につきましては、七五年一月ですから本年でございます。

有島重武公明党

○有島委員 それじゃ、これがその以前の時点から上がっているのか下がっているのか、それはどうなんですか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 現在、当分の間ずっと変わっていないようでございます。

有島重武公明党

○有島委員 これはそんなはずはないと思うのです。あちらの方でも同じように、いま世界的にそういった利益率というものが、そんなに五年前、十年前と同じというわけにはいかない。  それで、いまこちらでは四十七年までは六〇%台であった、そう言って、それが六〇%を割ったから大変だというふうにおっしゃっているらしいけれども、十年前はどうですか。

泉美之松日本専売公社副総裁

○泉説明員 先ほど監理官からお答えいたしました率は消費税率でございまして、フランス、イタリアは専売国でありますけれども、納付金につきましては消費税率を使っておりまして、日本と違っております。したがって、消費税率でございますから、法律で決まったものでございまして、これは数年動いておりません。ただ、御存じのように、イギリスはECに加盟いたしましてから付加価値税を設けまして、それから付加価値税の税率はEC国の中でも漸次統一する方向にありまして、高い国は下げる、安い国は少し高める、そういうことによっての多少の動きはございますけれども、最初に申し上げました消費税率の方はほとんど変わっておりません。  ということは、結局その消費税率を守るためには値上げをしないとやっていけませんので、各国ともしばしば値上げをいたしておる実情にあります。

有島重武公明党

○有島委員 それから、個人の消費支出が四十三年から三倍になっている中でもって、今回のたばこの値上がりによってたばこの占める割合は約二倍までにするのだというようなことを大蔵大臣はおっしゃっておる。これは四十三年ということも出ておりますけれども、このときの個人消費支出の三倍という数字は、これは先ほどの五分位で申しますと高額所得者が入っている平均値ということになろうかと思いますけれども、低所得者は一体どうなっておりますか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 総理府統計局の家計調査年報からの数字でございますけれども、四十三年度の第一分位の方たちの年間収入を一〇〇といたしますると、四十八年度は二〇五になっております。一カ月の消費支出は、同様に四十三年を一〇〇といたしまして四十八年度が一八九になっております。うち、たばこの消費でございますけれども、四十三年を一〇〇といたしますると四十八年度は一二四になっております。  そこで、一カ月当たりの消費支出に占めまするたばこ消費の割合でございますけれども、これは四十三年度一・六でありましたのが四十八年度一・一になっております。  その後の数字がまだ私どもに手に入っておりませんけれども、個人消費支出全般の動きを見ますると、四十八年度から五十年度の政府見込みでまいりますると、約四五%の増になっております。したがいまして、こういった状況は第一分位の方たちについても同様な引き伸ばしができるのではなかろうかというふうに推定はいたしておりまするけれども、数字は持ち合わせておりません。

有島重武公明党

○有島委員 いまの数字をお持ちでないと言うけれども、これは詳しく申しますと、高所得者はおっしゃるとおりかもしれない。低所得者についてはこのとおりにはまいりません。それでその間の物価の値上がり、特に生活関連の物資の値上がりというものの低所得者層に対する影響、そういったことを勘案してまいりますと、これは本会議でもって大蔵大臣のおっしゃったことは余りにものんき過ぎる。  それで、たとえば中小企業の利益率ですね、それから私なんか直接いろいろな話を聞くわけだけれども、四十五年あたり月に百万程度の仕事をしている小さな工場みたいなところで、それで二十五万円くらいの所得を得ることができた、そういうことになっておるわけですね。では、いま二十五万の所得を得るためには一体どのくらいの仕事量をしなければならないのか、大体幾らぐらいになると大臣はお思いになりますか。

西沢公慶大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○西沢政府委員 先ほどの御説明の中で、私第一分位の数字を申し上げたつもりでございますけれども、第五分位の方の話をちょっとさしていただきたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 もうあと五分しか時間がないから、そっちはいいから、いまの質問……。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 二十五万円の所得を得るということは、いまの状態において容易ならぬことで、どれだけの仕事をそのために確保しなければならぬかということは、業種によっていろいろ違うと思いますけれども、今日のような状況におきましては大変な御苦労であろうと思いますが、どれだけの仕事を抱えなければならぬかということを私とっさにいまお答えする用意はございません。

有島重武公明党

○有島委員 これは一律的には申せませんけれども、そういった状況から見まして、ひとり専売公社だけがこうしたパーセンテージが下がったからと言っても、これは日本の経済そのものが新しい時代を迎えて、一つの新しい一方向をこれからつくっていかなければならぬというときに、それをひとり大蔵省関係だけが、これは重大危機である、これはこうしなければならぬというようなことは、これももう一遍お考え直しいただかなければならないんじゃないか。そして、大体六〇%とおっしゃるけれども、そのことを墨守しなければならないのであるか。あるいはこの時期に直ちに——直ちにと言っても五六・九だということでございますけれども、どうしてもそこまで持っていかなければならぬものかどうか、そういったことももう一遍考え直す余地がおありではないか、こう申し上げたいわけであります。  それから、もう時間がなくなっちゃいましたけれども、三木総理はここにいらっしゃいませんけれども、本会議でもって総理はこういうふうなことをおっしゃっているわけなんですね。公共料金の値上げが物価安定と矛盾するのじゃないかという広沢委員の質問に対しまして、酒、たばこ等の公共料金の値上げがすぐに物価安定に対して非常に大きな影響を持つという判断ではなかったわけでございますと言っていらっしゃるわけですね。     〔山下(元)委員長代理退席、上村委員長着席〕 そういう言葉で言っていらっしゃる。御記憶があろうかと思うのです。  これは福田さんも大体同意見でいらっしゃると思うのだけれども、同意見と思ってよろしいでしょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 公共料金は、とにかく物価が非常にむずかしいこういう際ですから、これは全部凍結だ、据え置きだと言えば、それはもう物価政策は非常にやりいいのです。やりいいのでございますけれども、とにかく諸物価がみんな上がっておる。それから人件費も上がっておる。そこで、政府の所管するというか、政府の関係するものの価格あるいは料金、つまり公共料金、これだけを長きにわたって据え置くというわけにはいかないのです。そこで、逐次政府の関係する諸物価、諸料金も経済の動きにならって均衡をとらなければならぬ、こういうことになるのであります。  まだ国鉄の問題があり、電信の問題があり、電報の問題があり、塩の問題があり、穀物の問題がある。いろいろありますけれども、そういうものの中で、酒とたばこ、郵便料金、これだけはことし解決しておこう、財政の立場からいたしましても、どうしても全部を放置するというわけにはいかぬ。そこで、これはやむを得ざる措置としてそういう措置をとったわけであります。これはひとつ御理解のほどをお願いしたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 ここでもって、すぐには大きな影響を持たないと思うと判断しておったのだというようなことをおっしゃっておる。すぐにというのは時間的にすぐにという意味なのか、直接にというようなメカニズム上のことなのか、そういったことも聞きたいわけなんだけれども、政府は、いずれにしても公共料金の値上げがすぐには物価安定に悪い影響を持たない、間接にないしは時間をおいて影響を持つのならばいいんだ、そういったお考えですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 私は総理が答弁をしたその席におりませんで、そこでどうもはっきりしたことは申し上げられませんけれども、たばこの値段が上がりました、あるいは酒の値段が上がりましたと言えば、直ちにそれはそれだけの物価への反応があるわけなんです。ただ総理がおっしゃるのは、おそらくさほど大きな影響がないんです、こういうことをおっしゃっておるんじゃないかと思います。時間的から言えば、上げた瞬間からそれはそういう影響がある、これは私はそう考えます。

有島重武公明党

○有島委員 それにもかかわらず、すぐにはというようなことを三木総理がおっしゃっていたのですから、三木総理がどういう御認識でいらっしゃるのか、それを本当は聞きたいところです。福田さんからどういう気持ちでそんなことを言っちゃったんだろうということをひとつこれは念を押していただいて、次のチャンスがありましならば、またぼくは質問したいと思います。  このことは先ほどからの各委員からのお話にも出ておりましたけれども、ともかくいま非常に微妙な物価情勢の中にあって、酒、たばこの公共料金の値上げということが直接ないしは間接に——いま福田さんは、それは上げればその瞬間から物価が上がるなんというようなことをおっしゃった。これは一番ディレクトな問題でございますけれども、それは計算の上から〇・六かどうか知りませんけれども、それがどう波動を生んでいくか、これをよく考えていただきたいわけなんです。それが私どもの国民生活安定ということから申すと非常に大きな影響を持つ。  もう時間が来ちゃいましたからこれで終わりますけれども、こういった立場から、このたびの公共料金の一連の値上げは絶対にすべきではない。本当に物価の安定をしたということを見届けた上でもってやるべきじゃないか。いつか福田副総理は、デノミのことを私が伺いましたならば、これは物価が安定してから考えましょう、こうおっしゃった。同じように、こうした非常に微妙な状態の中で政府が行う措置でございますから、これは時期をおくらせるなり、ないしはもう少し別な工夫をなさるなり、これは現時点では絶対にすべきではない、このように私は主張したい。  時間が参りましたから、これで終わります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 時間もごく短時間ですから、端的にお伺い申し上げていきたいと思います。  副総理、郵便料金の問題ですね、これは昨年来郵政省もぜひともやってもらわなければいかぬということで一生懸命やろうとかかったのですけれども、これも政府部内でもいろいろ議論があったと思いますけれども、郵便料金は十月まで延ばすということになったのですね。これは政府の誠意を相当示したと私ども理解しておるのですけれども、郵便料金は延ばせて、たばこはどうしてもやらなければならぬというその理由をちょっとお聞かせ願いたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 これは物価と公共料金との関係、これを見ておるわけなんです。そこで、大体四月という月は消費者物価が上がる月でありまして、去年でいいますと二・七%ぐらい上がっているのです。大分落ちついてきたその時期でございましたが、それにしても二・七%上がる、それから五月からだんだんと横ばいというか静かな状態になりまして、これが秋まで続く、それから暮れにかけてちょっと上がる、そういう推移をたどっておるわけなんです。  そこで、何としても公共料金は上げなければならぬ。そこで、あまたある公共料金の中で郵政、それからたばこ、酒、こういう物だけをことし片づけよう、こういう考え方にしたわけですが、その中で酒とたばこは四月の物価上昇期を避けて五月、それから十月、これもまた次の静かな時期でありますので郵便料金は十月、こういうことに考えたわけなんでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それは郵便料金の方は国民生活に非常に影響が強い、酒、たばこの方は、強いことは強いけれども、郵便料金に比べて強くないというような判断がありましたか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 それよりも、酒とたばこは  一般会計の財源として非常に重大な関係がある、これは早くやって早く増収を得たい、こういう配慮があったと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 私は、公共料金はいつまでも据え置くことはできないという政府の見解も理解できる点があると思いますけれども、今回の場合に、酒、たばこの値上げの心理的な影響というものを政府はどのようにお考えになっておるのか、特に物価全体に対する悪影響という問題をどのようにお考えになっておるのか、大したことはないというふうにお考えになってこの五月にやるというふうになったのか、これを率直にお聞かせ願いたいと思うのです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 非常に率直に言いますと、公共料金で改定しなければならぬものはたくさんあるのです。その中で、物価との関係で、内容的にもまた心理的にも一番軽微な影響はこれは酒とたばこじゃないか、そういうふうに考えたのです。郵政なんかになると、これはややそれと違って多少強い影響があるんじゃないか、そんなふうに考えた次第でございますが、まあとにかく公共料金を上げるということになると、内容的にもまた心理的にも何がしかの影響があります。ありますから、それに対しましては、どうしても総需要抑制政策その他物価への波及を防止するというための万全の対策はとらなければならぬ、こういうふうに考え、またとるつもりでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 私は予算委員会の審議等を通じて、酒、たばこの問題も、政府が税金を上げたいという気持ちはわかるのですけれども、春闘の推移その他を見ていて、やはりこれは延期をした方がいいなという政治的な判断に落ちつくだろうという楽観的な見通しを持っておったのです。  いまの春闘の問題でも、この前、私、予算委員会で副総理にお尋ねしたことがございました。来期の三月で九・九%にするためには、一七・一%という政府の一つの試算を持っているというお答えでございましたね。そういう状態から見て、いま進行しております春の賃上げの交渉というものが予想以上に厳しい状態にあるわけですね。特に民間——これから官公労の人たちがこういうことになるかわかりませんけれども、民間の人たちは一番厳しい見通しの、たとえば日経連が予想を立てた一五%以内というようなものに近いような、あるいはそれよりなかなか厳しいような状態に落ちつくかもわからないという状態もあるわけですね。これは民間の労使にとって非常にしんぼうをした、あるいはしんぼうしなければならぬなという感じが出てきているというふうに私は思うのですね。  こういうふうな状態を見て、政府はちょっと甘く考えておるのじゃないだろうか。案外春闘の賃上げは安くおさまっていくんだなというような感じを持っておられるんじゃないか。そういうふうなこともあって、景気政策もそろそろ出していくというようなこともやるから、これだけは財政収入を確保するためには絶対やらなければいかぬというふうに考え直されてきたんじゃないかという感じを持つのですけれども、その点いかがでしょう、春闘との問題は。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 どうも春闘の推移を見ておりますと、労使双方は非常な良識を発揮されまして、まあ私どもが言うなだらかな決定、こういう方向へ動いているのじゃないか、またぜひそういう方向へ動いていただきたいというふうに思っているのです。そういうふうに最終的になった、こういうことになりますると、これは政府の物価問題に対する責任は非常に重大だというふうに考えるわけです。  まず第一に春闘のなだらかな解決、その決定を見まして思いつくことは、これは政府の責任は山よりも重いな、こういうような感じに恐らくなるだろうと思っておりますが、そういう気持ちでこれからの物価政策、諸政策をひとつ誤りなきを期してまいりたいというのが私の率直な気持ちでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この半月ほど前でしたか、もっと近いときでしたか、経団連の土光さんが、正式の政府に対する要望として、酒、たばこの値上げも延期をしてもらいたいんだ、そうしないと、財界の皆さんもいろんなチャンスがあれば値上げをしたいのだという気持ちが非常にたくさんある、これもわれわれは自粛するから、政府としても酒、たばこの値上げを延期するぐらいのことはやってもらいたいのだというようなことを、私は新聞記事で拝見したのです。これは経団連の土光さんとしても、まあいろいろ思惑があるかとも思いますけれども、私は非常に良識のある発言だと思うのですね。  また、ああいう立場の人が政府に、政府も非常に困っておるということを知っておりながら、この際大局的に見て、酒、たばこの値上げはやめてくれと言わないで延期してもらいたい、こう言うことは、現在の四月のいろいろな要素を含んで経過しておる状態から見て、物価はなかなか安定と言っても非常にむずかしい要素がたくさんあるのだ、したがって、経営者としてもあるいは労働者としても、予想以上に低いところでいろいろ真剣に考慮しているということであって、こうような状態を見ても、やはり政府がこの際、物価の問題について非常に重要に考えておるとすれば、ここのあたりで政府としても何らかの誠意と言ったらおかしいのですけれども、何よりも物価を安定さすことが大事なんだという立場から、やはりそういう大きな立場からこの問題の実施についてお考え直しをしてみる、そういう余地がないかどうか、その点をひとつお伺いしたいのです。こういうように大新聞に大きな活字で載ったことですから、私は当然副総理はごらんになっておると思うのですけれども……。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 財界の一部の人に私お目にかかりますと、酒、たばこをストップしたらどうだとか、あるいは評論家、学者の中にもそういう意見があります。またストップまでいかぬでも、せめて少しずらすことはできないかというような議論もあるのです。私は非常に傾聴すべき意見だ、こういうふうに思うのです。  思いますが、今回の御提案をするに至りました経過におきましては、これはもうずいぶん議論をしまして、とにかく酒、たばこは五月に上げないと、これは財政の方で支障がある、こういうことになる。それから郵政の方も、おくればせではありまするが遅くも十月には上げたい、そうしないと企業の経理はもとより、職場の秩序、そういうものにも関係してくる、こういうような郵政当局の強い要請もありましてああいう段取りを組んだわけでありまして、いろいろ議論をし、また議論の中にはいまお話しのような趣旨のことも去来したわけでございますが、結論といたしましては、酒、たばこはぜひ五月実施をお願いしたい、かように考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 私が質問したいことは、いろいろ細かい問題がありますけれども、それは全部きょうはやめたいと思います、この点だけなんです。  つまり、政府はいろいろ努力をされて三月末のところで一四%台に消費者物価を落ちつけることに成功した。このことは率直に言って政府の非常な努力のあらわれであることは私も認めますけれども、しかし、このままで行くというふうには政府も考えていないと思うのですね。副総理も何回も言っているように、第一、春闘の問題も一つの課題であったでしょう。また今後のいろいろな物価の動きを見ても、悪い方に変化する要素もかなりたくさんあるわけです。その第一難関と言われておった春闘が、政府が予想している以上に労使が自粛するような傾向があるということですね。これはやはり労働者としても経営者としても、大事な局面になれば真剣に考えている一つのあらわれだと私は思うのですね。  そういう点では、今後不安な材料がいっぱいあると私も思うのです。いっぱいあると思う現段階においては、政府も何らかの反応を示す必要があるんじゃないか、私はそう思うのですね。たとえこれが半年と言わないでも、三カ月でも、もっとはっきりするまでは政府みずからが、こういう政府が本当に処置できる公共料金については半年とは言わない、三カ月でもとにかくもっと様子を見てみよう、政府もそのつもりで努力をしてみるというような配慮があってしかるべきだと私は思うのですがね。  それがないところを見ると、福田さんとしては、あるいは大平さんとしては、もう今後の物価は大丈夫だ、ここらで酒、たばこのようなものを上げても大丈夫なんだというような確信がおありになって、この問題をかなり強硬——強硬とは申しませんけれども、私どもいま実は地方選挙を一生懸命やっているのです。一生懸命やっているからこの委員会に出る時間もないようなときに、こういう連合審査ももっとおくらしてもらいたいということでおったのですけれども、この委員会でそういうこともかなり詰めてやろうとしている、それが私はわからないのです。  せめて三カ月でも——三カ月という意味はもっといまの物価状況、見通しがはっきりするまで、労働者も自粛した態度をとっておりますし、経営者も、土光さんが言うように、上げたい上げたいというものを抑えようとしているわけだ、抑えたいから政府もそういうふうな一つの意思表示をしてもらいたい、こう言っておるわけだ。そこのあたりは、ひとつ政府の経済政策の総責任者としての副総理はもっと考えていいのではないだろうか、こういうように私は思うのですけれども、この点いかがでしょう。副総理と、それから大蔵大臣の大平さんにひとつ率直なお考えをお聞かせいただきたいと思うのです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 大変ごもっともなお話だと思うのです。つまり労使双方がいま非常な努力をいたしまして、物価も、この賃金問題もなだらかな解決だ、こういう方向へ動いておる。もしそれがそういうふうなことで最終的なところまでいくということになれば、政府は政府でその労使の熱心な努力に反応をする、こういう姿勢を当然とるべきだと私は思うのです。ただ、その姿勢というのが、酒、たばこ、公共料金というようなことに限る必要はないのじゃないでしょうか。要するに、五十年度中にとにかく消費者物価は一けたにとどめる、こういうことを宣言しておるわけなんですから、そのことについて責任を持つ、そしてそのためにあらゆる努力をする、こういうことでありまして、酒、たばこの問題、これを延ばすというようなこと、それは考えられないことはありません。ありませんけれども、これはまた他方財政の問題というものがある。財政がえらいことになってきちゃったのです。ひょっとしたら歳入欠陥が出るかもしらぬというような状態になっておる際なんで、この酒、たばこの値上げ問題を延ばすというのもまた非常にむずかしい問題かと思いますが、そういう財政収入にかかわりない方面におきましてあらゆる努力をいたしまして、そうして労使双方の御熱誠にはぜひおこたえしなければならぬ、こういうふうに考えます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 私は、ここで副総理も率直なお話をなさっておられると思いますので率直に申し上げますけれども、いまの日本のスタグフレーションという状態は、副総理が大きな声で指導なすってきたような短期決戦という状態はもう過ぎ去っておると思うのです。やはり一四%台に抑えたというところで、短期決戦という基本姿勢は変えていかなければならないと私も思うのです。そういうふうな意味もあって公定歩合の引き下げ等もおやりになっておるし、景気の刺激等の問題もお考えになっていると思うのです。物価は少々上がっても、それよりももっと、景気を余り冷やし過ぎてはぐあい悪い、またスタグフレーションという問題は半年や一年で解決できる問題じゃない、もっと三年、五年にかかって総合的な一つの政策でもってこの問題を抑えないと抑えられる相手でないのだというふうな問題なんですね。  そういうふうなことですから、ここでぜひともこれを抑えよ、これを抑えよということは私も申し上げるつもりはないのです。ないけれども、せめていままで一生懸命やってこられた、そうしてそれを直接労働者諸君が聞いたかあるいは聞かぬか、それは知りませんけれども、客観的な事実としては、現在の春闘の民間レベルにおいては非常に自粛した姿が出ておるわけです。また業界としても、上げたい上げたいというものを何とか抑えようという努力をしようとしているわけです。これは物価を抑えようというよりも、それぞれの立場から日本の現在の状態、物価の状態を見てそういうふうな判断を自然にしつつあるというときですね。それでまた、今後物価がこれで大丈夫だということを副総理もお考えになっていないと思うのですね。大蔵大臣もお考えになっていないと思うのです。  そこで、いま私が申し上げておるのは、物価がここらで大丈夫だ、スタグフレーションという状態に対しては短期決戦はできない、相当長期の総合的な努力が必要だということにしても、せめてここらあたりは、政府もひとつ労使のいろんな努力に感応して、そうして何らかの施策を打つことの方が政治的に見て大きな意味があるんだというような御判断を、まあそれはどうしてもできないと言えばしようがないのですけれども、それはひとつ政府部内で真剣に議論をしてもらいたいと私は思うのです。  確かに酒、たばこの問題は郵便料金に比べて影響は少ないという御判断も、私はそう狂っていないと思います。思いますけれども、いまこの段階では、政府が公共料金として出している問題はこれだけなんですね、郵便料金は十月まで延ばしておるわけですから。去年だって非常にむずかしいときに、国鉄料金を延ばすときにも恐らくそういうふうな配慮で延ばしたわけでしょう。国鉄料金を延ばすときのむずかしさは、いま酒、たばこを延ばすときのむずかしさよりも、はるかにむずかしい問題を政府はやってきているわけですね。そうでしょう。  だから、私はいつまでもとは申しませんけれども、やはりいまの物価の問題が一応ここらあたりで大丈夫だな、これからはもっと落ちついた、もっと長期の見通しで物価問題を考えなければならない、公共料金も時が来れば上げなければならないし、あるいはものによってはいろいろな物価も上げていかなければならない、と同時に、景気も余り冷え過ぎないように回復さしていかなければならない、短期決戦じゃいけないので、四、五年の見通しでやっていこうという、そこへ移る大事なときなんですから、ひとつこの問題も、私は二、三カ月というふうに申し上げたいと思うのですが、つまりその意味は先ほどから申し上げているとおり、見通しが立つまでということで、この問題についての御検討を賜りたいと思うのですが、いかがでしょう。それは絶対できないというふうにお考えですか。  これは特に大蔵大臣にその問題をお伺いしたいのですけれども、やはり財政の責任者として非常に苦しい問題だと私は思うのですけれども、もっと大きな意味で、いま私が申し上げたような意味を意味があるというふうに御判断ができれば、ひとつそういう時期の問題を検討していただくような余地があるかないか。あるかないかと言えば、ないというふうに言うだろうと思うのですけれども、そこらあたりは何とかもっとお考えいただくことが必要だと思うのですけれども、いかがでしょうね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 和田さんのおっしゃることよくわかりますが、政府といたしましては、歴代の内閣が公共料金につきましては長い間据え置いたり、引き上げの幅を縮めたり、ずっと苦労を重ねてきたわけでございます。  あなたが御指摘のように、去年も消費者米価の引き上げを御遠慮したり、国鉄の運賃の値上げを半年間据え置いたり、いろいろいたしましたですね。これが普通の一般の物価水準より上に上げるのを遠慮するわけでなくて、ほかの物価よりずっと下目に抑えておるところの若干の調整をさしていただこうとするものさえ抑えてきたわけですよ。  それから、酒、たばこにいたしましても、先ほどから申し上げましたように、三カ月どころじゃないのです。七年間がまんしてきたのですよ。でございますから、七年間がまんしたのだから、あと三カ月くらい君まけたらどうだと言うのと、まあ七年間がまんしたのだから、このあたりでやらしてくださいと言うのも、御理解いただけるのじゃないかと思うのです。  要するに、私はそういう点で、公共料金については政府は和田さんのおっしゃるとおり、血を吐く思いで今日まで抑えてきたわけでございます。野党の皆さんからおしかりばかり受けましたけれども、実際はほんとうに苦労を重ねてきたのですよ。それをひとつ御理解いただきたい。したがって、労働界の皆さんに対しても、私はそれは御理解していただきたいと思うのでございます。  それから第二は、財政的な見地からの私の言い分もひとつ聞いていただきたいのは、それじゃ公共料金はあなたのおっしゃるとおりにするといたしまして、その始末をどうするかということになると、結局それは公債を出すということになると思うのですよ、始末せにゃいかぬのだから。公債は結局、私はこれは赤字公債にならざるを得ないと思うのでございます。あなたが言う非常に大事な微妙な段階、ちょうどこれで短期決戦の時代は終わって、長期に本腰を入れて本格的な地固めをやらにゃいかぬときに、日本が安易に赤字公債国に転落したらいかぬと私は思うのですよ。そういうようなことは物価政策の根本を壊してしまうと思うのでありまして、したがって、いろいろな切々とした思いはあるでございましょうけれども、ここは非常に大事なところでございますので、政府の苦心のあるところもひとつ御勘案いただきまして、何とかここをしのがしていただきたいとお願いしたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いや、大蔵大臣のおっしゃることもよく私わかっております。そうしていま財政収入が非常にピンチに達しておるということも理解をしておるのですけれども、そこでかわるものとして国債の問題が出ておるわけですけれども、非常にむずかしい問題だと思います。  そこでひとつ、先ほど私が申し上げたように、いまのスタグフレーションという問題に対する基本的な姿勢がいままでの短期決戦からかなり長期にわたるもっと総合的な判断による経済政策に移っていかなければならないという点から見て、つまりそういうことを国民もその気になるために、いまのような問題をお考え願えぬかということなんですね。  これは大蔵大臣、私はほんとうに予想以上でした、いまの春闘の相場と言われるものがいまのような状態で推移していることは。私は一七・二%というものが中心になって、大きいものは二〇%、あるいはそれ以上超していくのじゃないか、それも無理のないことだというふうに考えておりました。だけれども、実際の推移はそういうものじゃないのですね。これは、私は反省します、私は自粛しますということではないのですよ。実際に現在の立場を労働者は労働者なりに受けとめておる姿だと私は思うのです。  そこのあたりは、やはり大局的な政治を見る場合に、政府としても先取りみたいな意味、先取りということじゃないのですけれども、やはり一つの政治姿勢として、この問題についてはその時期に応じたような態度をとるのがしかるべきじゃないか、こういうふうに申し上げておるわけで、いまお二人の責任者からのお話は十分わかっております。わかっておりますけれども、そういう私がいま短い時間で簡単に指摘いたしましたような問題をひとつ御考慮いただいて、これを処理する場合にもぜひともこれは御考慮いただきたい。何らかの形で御検討いただきたい、こういうふうに思うわけで、この点を強くお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これにて連合審査会は終了いたしました。     午後八時十九分散会

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