大蔵委員会 第33号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/13
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。
○松浦(利)委員 きょうは、もうすでに衆参の予算委員会等でそれぞれわが党の代表が質問をし、政府答弁をいただいておりますから、それをさらに煮詰める意味で少し細かく質問をして、これからの財政の見通し、あるいは五十年度の経済見通し等について、政府の、特に大蔵大臣の的確な御答弁をいただきたいと思うのであります。 まず第一点は、歳入欠陥の問題であります。これは事務当局で結構でありますが、御承知のように「昭和五十年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」の中では、政府の経済見通しの鉱工業生産の伸びを五・四%、こう見込んでおるわけでありますが、これに対して大体法人税収の伸びを五%というふうに想定をしておるわけです。具体的に法人税の伸び率が一%低下をした場合にはどれくらい税収に影響するのか、その点をひとつお答えいただきたいと思います。
○中橋政府委員 五十年度の法人税収の見込みをもとにいたしまして、法人税の伸びが一%落ちますと、約六百億円減収になるという計算になります。
○松浦(利)委員 さらに事務当局にお尋ねをいたしますが、この五十年度の経済見通しに伴う雇用者所得の伸び、これを大体一七・一%と見込んでおるのですが、この雇用者所得の伸びが一%ダウンした場合には、推定税収見込みは幾らダウンするのですか。
○中橋政府委員 一人当たり雇用所得の伸びが仮に一%落ちるといたしますと、源泉所得税で約五、六百億円の減収になる計算になります。
○松浦(利)委員 御承知のように、今回の春闘は、もちろん可処分所得等を含めてでありますが、当初雇用者所得の伸びを一七・一%、一応こういうふうに想定しておったわけですけれども、実質的な伸びが二二%程度にとどまったわけですね。そうしますと、当初見込みから四%ダウンをしたということになります。そうすると、この雇用者所得の伸びが低下したことによる税収欠損というのは、推定二千四百億というのが計算上出てくる数字になる。その点間違いないですね。
○中橋政府委員 一人当たり雇用所得の伸びにつきましては、確かにおっしゃるようなお話が出ると思います。 ただ、給与総額全体の問題でございますので、春闘に伴いますところのベースアップのほかに、さらに時間外給与の問題あるいはボーナスの問題というのがございますから、今後そういったものが一体どういうことになりますか、給与総額全体は五十年度の税収予測では実は雇用も含めまして一八%伸びると見ておりますから、そういうものとの関連で一体どういうふうになるかというのは、今後の、先ほど申しましたようなボーナス、時間外給与の問題も含めて判断いたさなければならないと思っております。
○松浦(利)委員 いま私は具体的な基礎数字をいろいろお聞きしたのですが、そこで大臣に基本的なことについてお尋ねをいたします。 御案内のとおりに、今度の五十年度の予算のバックグラウンドになった経済見通しの中で、実質経済成長を四・三%というふうに想定しておられますね。ところが、今日四十九年度から五十年度に来てますます経済は冷え込んできておる。実質成長というのは中間では予測できませんが、現実にマイナスに落ち込んでおるということも想定される。ということになりますと、年間を通じて四・三%の実質経済成長を維持するためには、今年度の後半は二けた台の経済成長を見込まなければ、実質平均四・三にならないですね。前半で落ち込んできておるわけですから、平均して四・三をとるためには、後半でどうしても一〇%台の経済成長を見込まなければ、五十年度を通しての四・三実績というものは出てこなくなるんですよ。その点は間違いないでしょう、大臣、どうですか。
○大平国務大臣 四十九年度の実質所得のあり方が、先般企画庁から発表がありましたように、〇・六%のマイナスであったということでございます。この〇・六%というのは、これはしかしながら年度間全体を通じての話でございまして、承りますと、上半期が高くて下半期が低くなっておると聞いております。したがって、その低くなりましたポイントから五十年度がスタートするわけでございますので、仰せのように、五十年度の実質所得の伸びは相当高い水準でなければ、つじつまが合わないというあなたの御指摘はそのとおりだと私も思います。
○松浦(利)委員 そうしますと、その風速一〇%近くの経済成長というのは、今日の日本経済ではもうそぐわないですね。急激に一〇%成長するなどということは考えられない。ということになると、実質四・三%の成長ということはもう実質不可能だ。政府にまた狂乱物価をつくり出すという方針があれば別です。五十年度の後半に狂乱物価をつくり出すような一〇%台の経済成長を望むという政策を打ち出されるならこれは別です。しかし、もはやそういうことはできないのだというのが大方の予想であり、政府当局の判断だと私は思う。 ということになりますと、実際に四・三%の経済成長というのは五十年度ではむずかしいということに私は判断できると思う。ということになりますと、財政を担当しておられる大蔵大臣としても、これをバックグラウンドにした五十年度の予算でありますから、これからの実質成長はどれくらいになるのかということは当然予測しておらなければならぬはずです。われわれ素人でも計算すればわかるのですから、大臣はこういう状態を踏まえて、五十年度の経済見通しは何%だというふうにお考えになっておりますか。
○大平国務大臣 ことしの予算を編成するに当たりまして、政府として四・三%という見通しを立てて御発表申し上げておるわけでございます。これにつきましては、いま松浦さんが御指摘になるような問題性は確かにありますけれども、政府として経済の見通しを改定するかどうか、いつ改定するか、そしてどのように改定するかというようなことはまだ決めておりませんので、私がいまこの立場でこういう見当であるというようなことは国会で申し上げるわけにはまいらぬと思います。その点をひとつ御了承いただきたいと思います。 それから第二点、しかしながら現実の税収は実質所得ではなくて名目所得の増減にかかっておるというように私も考えるわけでございます。これとても、実質所得と同様にこれから先十カ月の経過期間におきましてどのような推移をたどりますか、これをよく見ないと、現実に財政運営の基調になります歳入をどう見積もってまいるかということも見当がつきかねるわけでございます。したがって、予算委員会でもお答え申し上げましたように、いましばらくそういった問題につきましては緊張した財政運営をしなければならぬということだけがいま申し上げられる精いっぱいのことでございますけれども、計数的なことをいま申し上げられる段階でないというように申し上げておるわけでございます。
○松浦(利)委員 大臣は衆参を通じての予算委員会でもそういうことを言っておられたのですが、しかし率直に言って、四・三%という経済成長というのはもう見込めないでしょう。見込めるとすれば、後半にさっきから言ったように二けた台に乗せなければならぬわけですから、そういうことが不可能だということになれば、四・三というのは修正しなければならぬ数字でしょう。そのことは認められますでしょう。
○大平国務大臣 五十年度の実質所得の伸びを四・三%の水準において実現しようということは、これまでの経過から判断いたしまして容易ならぬことであるという御指摘は、よく私にも理解できます。
○松浦(利)委員 そういうことになりますと、率直に言うと、雇用者所得の伸びが一%ダウンすれば約六百億、さらに法人税の当初見込みが一%ダウンすれば六百億、いま事務当局が言われたとおりですね。ということになりますと、相当大きな額がやはり歳入欠陥としてあらわれてくる。約一兆近くの数字が出てくるということが推定できると考えられますね。それは四十九年度の歳入欠陥が七千六百八十六億、そういう具体的な数字ではないが、財政をあずかる当局として少なくとも一兆近くの歳入欠陥が出てくるんではないかということは容易に想像できるんじゃないですか。その点はどうですか。
○大平国務大臣 同様な御質問が先般参議院の大蔵委員会でも出てまいったわけでございます。これに対しまして、御案内のように、私どもの答えといたしましては、年度が始まったばかりでございますので、そしてことしの経済がどういう態様において推移してまいりますか、内外の状況が定かに展望できない今日、ことしの税収を見積もりましたに比較いたしましてこのくらいの減収を来すであろうなんということはわからないし、またそういうことを推定する材料も十分持っていないというように申し上げたわけでございます。 ただ、しかしながら、いまあなたが御指摘のように、いままでのデータを基礎にして一つの試算を試みるということは可能である、それは私どももいろいろやってみておるわけでございます。これは、こういう仮定で計算すればこうなるということでございまして、いま主税局が持っておる限りの材料を駆使して、こういう仮定で一応計算上の数字としてやればこうなる、あなたにさっきお聞き取りいただきました法人の益金が一%減れば六百億減る、そういう計算が出てくるわけでございますが、計算上の数字としていままでわれわれが計算しておりますことは、事務当局から御報告させます。
○中橋政府委員 いろいろ政府の経済見通しの中で生産、物価、個人消費支出、その他の伸びをもとにいたしまして五十年度の税収を見積もっておるわけでございまするから、その点につきましては、今日政府といたしましても、物価の安定とか景気の緩やかな回復を実現すべく努力をいたしておるさなかでございまするので、それを一々改めてどのくらいの数字かということは私どもも立ち得ないわけでございます。 ただ、七千六百八十六億という税収が四十九年度に落ち込みました、いわばそういう土台、基礎データが落ちたわけでございまするから、そういう落ち込みをもとにいたしまして、しかしその後におきますところのカーブ、伸びというものは一応あのときに想定しましたものを使うということにいたしまして、概略計算をいたしますと、約九千億円ぐらいの数字が出てまいるわけでございます。 もちろん、その中にも、いろいろ四十九年度の税収の減を招来いたしました要素といたしまして、たとえば非常に大きく作用いたしましたものの一つとしてあります土地の譲渡所得、これが一体今年どういうふうな動きをするかとか、先ほど申しましたようなボーナスが昨年の十二月に出るだろうということで見込み違いをいたしまして、それも一つ要素として入っておりますけれども、こういったものが一体今後の動きでどうなるかとか、いろいろ単純に計算いたしましたものとしてはまだまだ不備でございます。そういう点は条件づきでお聞き取り願いたいのでございますけれども、概略いたしますと、先ほど申しましたような約九千億円という数字が出てまいるわけでございます。
○松浦(利)委員 概略、四十九年度のデータを基礎にして九千億程度の歳入欠陥が計算上は出てくるのだという御報告だと思うのですが、ということになりますと、大蔵大臣がこれもきのうの参議院の予算委員会でいろいろと今後の対処の仕方を答弁なさっておるわけですけれども、問題は物価との関連で、率直に申し上げて九・九%という三木内閣としての至上命題がありますね、物価を一けた台九・九%にするのだという方向がありますね。そうしますと、大体この四月、五月で物価上昇率が三・二%現にもう上がっているわけです。九・九%のうち三・二%はもう食ってしまっているわけですね。だから、残りの十カ月で六・七%に抑えなければならぬ。六・七%に抑えるということになると、単純平均しますと毎月の物価上昇率というのは〇・六七%に抑えなければいかぬということになるわけです。しかも財政はこういう状態だということになりますと、直接的に消費者物価に関係のある生産者米価、消費者米価、こういった直接国の財政にかかわってくる問題をどう扱うかということは大変な問題になると思うのですよ。 そこで、この際大蔵大臣に明確にお尋ねをしておきたいのですが、麦の七月一日実施は、大蔵大臣は大分抵抗されたようですが、三木内閣の方針としては一応延期、五十年度は上げないということではなくて七月一日は見送りだという方向が出されたわけですけれども、大蔵大臣としては直接かかわってくる財政負担、特に米価の問題、こういうものについてどういう方針で臨まれようとするのか。 歳入欠陥がある、しかも生産者米価は上げなければならぬ、それに対応する消費者米価との関係あるいは財政負担、こういったものを含めてどのようにこれからの財政運営を考えておられるのか、米価に対する大蔵大臣としての考え方、これをひとつお示しいただいておきたいと思う。
○辻政府委員 米価の問題の具体的な取り扱いにつきましては今後の検討を待たなければならない問題でございますが、四十九年度産の生産者米価の水準を前提といたしましても、御承知のように、コスト逆ざや五八・七%、売買逆ざやで三二・八%というような大幅な逆ざや関係があるわけでございまして、そのための財政負担も巨額に上っているところでございます。仮に五十年度の生産者米価が引き上げられるといたしますならば、さらにこの逆ざやが拡大するわけでございます。生産者米価一%引き上げに伴います財政負担の増加額は約二百億円でございます。 一方、家計支出中に占めます米代の割合は、四十九年度で二・六%というところにまで低下をいたしてきておりますので、消費者家計に与える影響には当然配慮しなければなりませんが、国民の御理解を得まして相当の改定を図る必要があるというふうに考えておるところでございます。
○松浦(利)委員 私はそのことはよくわかる。それじゃ大蔵大臣にお尋ねをするのですが、三木内閣が至上命題としておる一けた台の物価という問題、九・九%ということは、財政の面から見たらこれからは非常にむずかしいのだ。三木内閣が九・九%、一けた台、こう言っておるけれども、実質的に、財政的に見て九・九%というのは非常にむずかしくなってきたというふうに大蔵省の方は判断しておられるのですね。そう判断しないと、いまのような御答弁は出てこないですからね。九・九%にするためには、先ほどから言ったように、もうないわけですから、もう先に食ってしまっているわけですから。その点について、ひとつ的確にお答えをいただきたいと思います。
○大平国務大臣 私は物価担当の大臣でございませんので、大蔵省の立場で、米価に対し、あるいは麦価に対しての御質疑がございましたのでお答えいたすわけでございますが、麦価に対しましては近く審議会が開かれる予定でございまして、まず農林省がこれに対処いたしておることと思うのでございます。農林省から近く御協議があるものと期待をいたしておりまして、まだどうするかということは決めておりません。 米価につきましては、いま事務当局からお話がございましたような状況でございまして、財政当局といたしましてこの米価については重大な関心を持っておりまして、妥当な解決をしなければならぬといま考えておるということを申し上げさしていただきます。
○松浦(利)委員 私は、物価担当大臣でないことはわかりますよ。しかし、三木内閣としての九・九%という方針が出されて、国民に約束しておられるのですね。ところが実際に——私は大蔵大臣は正直な方だと思うから質問しているのですよ。率直に言って、九・九%を維持していくためには財政というものの負担がふえてくるわけですよね。ところが財政は、先ほど言ったように、現実に五十年度予算、国会を通った予算の執行すら、これは四十九年度のデータだけれども、約九千億の赤字が出るということになってきますと、財政でカバーできる分野というのはないわけです。そうすると、その部分については当然、先ほど事務当局が言われたように、消費者の方にある程度負担をお願いしなければならぬと、こうなってきておる。 ということになりますと、計数的に、数字的に見て非科学的なことを言っているのですよ。科学的な根拠のもとで、数字というのは冷厳なものですから、もうすでに食っておる部分があって、毎月〇・六七しかないわけです。残っておるのは六・七しかないわけですから、そういうものを想定したら、九・九%を維持しますよ、こう片一方で言っておるのは、財政面からは不可能なことを言っているわけですよ。そういうときには正直に、率直に言って九・九%は非常にむずかしくなった、財政面から見ても非常にむずかしくなったのだ、だから国民の皆さんはこういう点はこうしてもらいたいということの協力を求めるべきであって、片一方では九・九と言っておいて、結果的に年度末になったら、それはいつものとおり目標数値でありまして、公約はしましたけれども実質的にはできませんでした、それで終わり。それじゃいけないと思う。 大蔵大臣は財政当局者として三木内閣の一員でありますし、しかも主要な経済閣僚のメンバーであり、三木内閣を支えておる大臣ですから、そういう意味では、この矛盾についてそれではどう対処するかという具体的な対応を示して言われるならいいけれども、そうでなければ、むずかしいならむずかしいと、私は正直に言っていただきたいというふうに思いますね。
○大平国務大臣 もう釈迦に説法でございますけれども、物事、矛盾がないと非常に楽なんでございます。矛盾があるから苦心があるわけなんでございます。(「文学的だなあ」と呼ぶ者あり) 内閣といたしまして、九・九の消費者物価を年度末までに達成いたしたいということも内閣の目標でございますけれども、財政の硬直化を打開いたしまして、バランスのとれた経済財政の運営を図ってまいるということも政府の目標なんでございまして、どちらが重くてどちらが軽いというわけにいきません。したがいまして、私が申しましたように、どちらの目標も達成していかなければいかぬわけなので、それに最大限の努力を傾けなければいかぬわけでございます。 したがって、いま大蔵省の見解を求められれば、こういう考えで臨んでいきます、そして物価当局とも農林当局ともよくお話をいたしまして、妥当な結論を出さなければいかぬと考えておるわけでございますが、財政当局としての考えはどうだとあなたが聞くから、私はこういうふうに考えておりますということを正直に答えておるわけでございます。
○松浦(利)委員 大臣、正直にお答えいただいたことがわからぬのです。私は文学的じゃないものですからわからぬのですが、それは端的に言って、財務当局として苦しいことはわかりますよ。しかし、実際に非常にむずかしい。もっと平たく言えば、大蔵当局としては、これから財政負担が増大することは拒否する立場にあるわけでしょう。拒否する立場にあるということは、数字的に九・九という枠を超えなければならぬ、こういうことにならざるを得ない。そうなるんですよ、数字的に見ても。ですから九・九を政策目標として努力するということは、財政当局も結構ですよと言っても、しかし非常にむずかしくなってきておるということだけは事実でしょう。景気よくばっばっと言われるほど簡単なものじゃない。非常にむずかしい。そのことだけは認められるのじゃないかと思うのですよ。文学的かどうかは別として、その点ひとつお答えいただきたいと思うのです。
○大平国務大臣 各般の経済の運営でございますが、これはバランスのとれた運営を図ってまいらなければいかぬわけでございますし、そういう中でいかに消費者物価を九・九%に抑えていくかということは、これは私は容易ならぬ目標であろうと思うのでございまして、政府が英知をしぼってやらなければならぬことであるばかりでなく、国民から広く御協力を得なければならぬことでございますし、内外の経済の状況というものも平穏に推移していかなければなかなか達成ができないものと思うわけでございます。そのことは、あなたの御指摘のとおり、私よく心得ておるわけでございまして、いま非常に困難な課題を背負って汗をかいておるということでございますので、どうぞひとつ御協力を願いたいと思います。
○松浦(利)委員 非常にむずかしい、だから国民全体の協力をいただきたい、こういうことですから、われわれが提起することもひとつ聞いていただきたい。 そこで、いま財政当局が一番望むことは、税収が落ち込まないようにするためには、ある程度の景気刺激策をとってもらいたい、ある程度の景気刺激策をとらなければ税収がさらに落ち込む。ですから、大蔵省の財政担当の立場から言うなら、ある意味でもう少し景気を上げてもらいたいということを大蔵大臣は考えておられるんじゃないですか。これはまた話は別の角度からになりますが、それはそうでしょう。その点どうでしょうか。
○大平国務大臣 財政当局の都合で、歳入を十分に確保するために景気が上向くことを期待しておるというようなやぼな考え方ではいけないと私は考えております。そうではなくて、この経済危機からの立ち直り、それから堅実な上向き方向に向いてまいること、そのために財政も金融も奉仕しなければならぬと考えておりまして、その結果として私どもが所期いたしておりまする歳入が確保できることは幸せと考えておるわけでございまして、筋道の考え方といたしましては、いま申したような道理でものを考えておるわけでございます。
○松浦(利)委員 筋道の入り方、入り口、出口の問題だと思う、インとアウトの関係だと思うのです、いま言われたことは。私は単刀直入に裏から申し上げたのですけれども。ですから、政府が今度第三次不況対策というのを十六日に発表なさいますね。その中で、財政当局が担当しなければならない幅というのはどういうものが想定されておるのでございますか、それはきょうお示しいただけますか。
○大平国務大臣 大部分は財政金融当局が考えなければならぬことでございまして、いわゆるどういう献立で第三次景気対策というようなものを考えるかということは、目下鋭意検討いたしておるわけでございます。 いまの段階におきましてどういう筋道で考えておるかということを申し上げますと、財政面からもっと活発な接近が行われなければならぬのではないかという御指摘が政府部内にもございまするし、また経済界にもございまするし、野党方面にもありまするし、いまやそういった一つのコンセンサスが、中身の問題は別にいたしまして、そういう要請があるように思います。私どもといたしましても、できるだけそういうラインに沿って可能なことを考えていかなければいかぬと思っておりまして、したがって、大蔵省といたしましては、まず四月二日に成立いたしました予算、またそれと一緒に策定に相なりました財政投融資計画というもの、このものは忠実に実行するんだということを鮮明にいたしておるわけでございます。あなたがいま御指摘のように、ことしの財政には歳入面に一つの暗い影が伴っておるということでございますけれども、しかしながら、いまの経済がこういう停滞状況にございますので、財政の運営自体がいま消極的になってまいりますと、経済の支えの大きな柱を失うことになるわけでございますので、財政の運営はきちんと国会でお認めいただきました予算計画どおり実行いたしますということをまず鮮明にいたしておるわけでございます。言いかえれば、歳入の心配があるから実行予算を政府、行政府で別途組んで各省庁に節約をお願いするというようなことは原則としてしないという態度をとっておるわけでございます。これは区々たる景気政策以上に政府の姿勢として非常に大事なことだと私は考えておるわけでございます。 それから、そういう前提に立ちまして、その運営の仕方でございます。去年は、御案内のように、公共事業費は四半期ごとに契約を規制するということをやったわけでございます。ことしはそういうことはしないということを決めたわけでございます。何らの制約を加えないということにいたしておりまして、いま公共事業の契約は大変順調に推移いたしておると聞いております。 ところが、それだけをもってまだ足れりとしないじゃないか。たとえば住宅公庫に対する申し込みのように、上半期に予定いたしておりました計画はすでにもう五万戸もオーバーするような申し込みが一日にして集まるというような状況でございますので、これに対しては単に予算の計画どおり何らの制約を加えずに実行するのだということだけでは足らないのじゃないかということもございまして、下半期を上半期に一部繰り上げていくということで対策を考えなければならぬのではないかということで、住宅政策等につきましては、どの程度上半期に繰り上げるべきかというような点について、建設当局といまお話し合いをいたしておるわけでございまして、そういったことが今度の第三次の景気政策の一つの中身になるのではないかと私は考えておるわけでございます。 その他の公共事業につきまして、単に規制を加えないということだけで足れりとするか、もっと契約を促進する措置を講ずるかどうかというようなことも、確かに第三次対策を考える場合の一つの問題になるのではないかと考えておるわけでございます。 金融の面につきましては、中小企業金融あるいは公害金融等につきまして特段の配慮をいたしておりますことは御案内のとおりでございまして、特に金融政策につきまして、いまかつての不況期におけるような苦情はございません。ございませんけれども、しかし今日、金融面から景気の立ち直りというようなことに対して、首切りになるようなことがあってはならないと思うので、その点に対する配慮も、これは第三次対策というような舞台があろうがなかろうが、当然、金融政策上、政策当局としては考えておかなければならぬことと思っておるわけでございます。 本来、財政金融当局といたしまして当然やらなければならぬような問題、この時点において考えなければならないようなことを今度の経済対策閣僚会議ではひとつお諮りしてお決めいただくというようなことにいたしたいものと思っております。
○松浦(利)委員 これは十六日に結果が出てから、また機会があればその内容について質問させていただきたいと思うのですが、ただ、いま言われましたように、公共事業の枠を外す、あるいは繰り上げて契約をしていくということになりますと、五十年度後半は、具体的に言うと景気回復の手だてがなくなるわけですよね、全部繰り上げてしまいますから。仮にそのことで景気が浮揚しなかった場合の五十年度後半の対策というものが、財政上はできなくなってくるのではないか、そういう点についてはどんなふうに考えておられますか。当面は現在を糊塗すればいい、今日どんどんやればいい。五十年度後半に仮に景気が浮揚しなかった場合にはどうするかという手当てはあるのですか、ないのですか、その点をひとつお聞かせいただ一きたい。
○大平国務大臣 上半期に契約が集中する、六五%になりますか七〇%になりますか集中するということは間々あったことでございまして、それよりも多く上半期に契約が集中したこともあるわけです。しかし、下半期につきまして、だから下半期は追加計画枠の拡大をやらなければならぬじゃないかということには直ちにならぬわけでございまして、ただいままでの経験から申しましても、上半期に大いに集中して契約をいたしますけれども、下半期は追加しなくて済ましておる年度もあったわけでございます。 したがって、それはそのときの状況を見ながら財政当局として判断しなければならぬわけでございますので、いまからそのときにどうするかというようなことは、いま私の頭にはございません。とりあえずいまの段階において何をすべきか、どの程度できるかという点について懸命に考えておると御承知願いたいと思います。
○松浦(利)委員 懸命に考えていただくことは結構ですが、問題は、これは六月三日の住友銀行の調査だったと思うのですが、仮に四十九年度に対してとの五十年度に二%経済成長を上げるためには、現在通った予算にさらに一兆円の公共事業が必要ではないかという調査結果が報告されておるのですね。それほどいまの日本の経済というのは冷え込んでおるわけですね、底かどうかは別にして。ですから、この五十年度の後半のかじ取りというのが私は五十一年度に対しても非常に重要な影響を与えると思うのです。 ですから、そういう予測をせずに、ただ第一次だ、第二次だ、第三次だ、第四次だと行き当たりばったりそのときそのときに政策を出して、現実にそれじゃ五十一年度はどうなるかという見通しがない。極端な言い方をすると、いまの政府の経済あるいは財政の対処の仕方というのは、瞬間瞬間、せつな的に傷口を手当てするだけで、長期的な見通しがないのですね。少なくとも私は、今度の第三次不況対策というのが仮に実施されるとするなら、五十一年度はどうするのか、そのためには住友銀行の調査でもはっきりしているように、五十年度に二%上げるためには公共事業があと一兆円必要だ、こういうように民間の調査機関からデータが出されておるのですから、それに対応して政府の方はどうするのか、それじゃそういうものに対する財源措置なりなんなりはどうするのかという対応の仕方が出てこなければならぬと思うのです。国民というのはパーセンテージで生活しておったり、見通しで生活しておるのじゃないですからね。 だから、そういう意味で私は、大蔵大臣が一生懸命しておられることはよくわかりますが、これからの第三次不況対策が出た段階で、五十一年度の経済がそのことによってどうなるのか、五十年度の後半がどうなるのかということをあらかじめ予測して——もう時間が来ましたから、次の機会にその点については触れさせていただきたいと思います。これは予告しておきますから、文学的な表現にならぬように、ひとつ具体的にお聞かせをいただきたいと思います。 最後に、いまそういった経済政策をとりながら、約五六%を占める個人消費が停滞しておるというのが非常に大きな影響をしておるのですよ。郵便貯金が二十兆、こういう国はないそうです。しかも第一分位の非常に低所得の人たちほどそういうものに頼っておるのですね。しかも、その二十兆というそういう低所得者がつめに火をともすようにして貯金をした郵便貯金がこれからの景気対策として住宅その他に使われていく、政府の景気刺激策として使われていく、何かそこに非常に矛盾を感ずるのですが、それはそれとして、大臣は、経済見通しの中で一番大切な個人消費は一体いつごろから伸び出すのか、その点についてはどういうふうに大蔵省当局としては予測しておられるのでしょうか。その点をひとつお聞かせいただいて、私の質問を終わります。
○岩瀬政府委員 個人消費の動向でございますが、御指摘のように、最近非常に停滞をして、昨年の暮れぐらいまではマイナス、伸びが非常に緩やかだったわけでございます。ことしの一月ごろから、やはり実質所得がプラスになってまいりましてから、それから物価がある程度落ちついてきたという状況もございまして、個人消費の伸びは着実に伸びてきております。 ただ、その伸びが非常に鈍いというか、先行きから見ました場合に個人消費の伸びとしてこれからどの程度期待できるかという点は、やはり一つには物価の問題もございましょうけれども、政府の方から施策をいろいろやって個人消費が伸びていくというようなことにはなりませんので、やはり何といいましても物価の安定というものが前提になってくるのではなかろうかと思っておりますが、私どものいまの見方で申しますと、いままでの政府の施策をやってまいりますことによりまして、景気が若干ずつ上向いてくるに従いまして個人消費がそれに対して順調に伸びていくのではないかというふうに見ております。
○松浦(利)委員 いま非常に抽象的に言われたのですよ。私はいつごろから上がるのですか、こう聞いておる。ここに日銀の百貨店の売上高の統計、発表した数字を持ってきたのですがね。ですから、私が申し上げたのは、いつごろから個人消費は上向くとお考えになりますか、そのことをひとつ大臣、これはいつごろなのか、その点ぐらいはもうわかっておられると思います。福田経企庁長官は夏の終わりか秋の初めには薄日ぐらいは差すでしょう、こういうお話をされましたけれども、大蔵大臣としてはどういうふうにお考えになっていますか。
○大平国務大臣 いま事務の方から話がございましたように、すでにもう上向いてきておるわけでございます。
○松浦(利)委員 もう時間がありませんから言いませんが、上向いてきておるというのは何を根拠に上向いてきておると言われるのかわかりませんが、私が言うのは、実質的に消費が回復するということですよ。上向くということと回復するということとは違うのですよ。徐々に上向いてきておるということと、回復してきておるということと大分違うでしょう。
○岩瀬政府委員 御説明が足りませんでしたので、恐縮でございますが……。 実質消費支出の伸びを見てまいりますと、四十九年の十−十二月の四半期はマイナス四・七でございましたが、五十年の一−三月では八・三プラス、月別に申しますと五十年の一月がプラス三・二、二月がプラス九・七、三月がプラス一一・六というふうに上がってきておるわけでございます。 ただ、それは一般的な伸びとして足取りが鈍いではないか、したがって国民消費総支出の中で占める割合からいってもうちょっと上げてもいいではないかというような御意見、あるいは景気の動向から見てもうちょっと刺激をすべきだというふうにつながってくる御意見もあるわけでございますけれども、これは何と言いましても、物価の鎮静化と同時にだんだんと上向いてくるということが実証されておるものでございますから、全体的にはやはり経済施策のよろしきを得れば消費支出が伸びてくるというふうに解釈していいんではなかろうか。それがいつごろからかということをいまから明示して申し上げるわけにはまいりませんけれども、趨勢として大体伸びてきております。
○松浦(利)委員 ちょっと議論の余地のある数字ですが、時間がもう五分超過しましたので、これで終わります。
○上村委員長 武藤山治君。
○武藤(山)委員 大蔵大臣に先にちょっとお尋ねいたします。 いまの経済情勢、動向の問題についてはきょうは質疑する時間がありませんので、個別問題でございますが、大蔵大臣、引揚者団体全国連合会というのを御存じだと思います。会長は自民党の中野四郎さん、事務局長は外山貞次という糸山英太郎の選挙違反で逮捕された人です。そういう引揚者団体全国連合会というものと、もう一つ全国在外預送金者連盟、外地から預金と送金をした人たちの引揚者の連盟、この二つあるのでありますが、二つあるということをいままで認識しておりましたか、どうですか。
○大平国務大臣 大変恐縮でございますが、詳しいことを私よく存じませんでした。
○武藤(山)委員 この二つの引揚者団体が、いま政府やあるいは不動産銀行や日本貿易信用株式会社などに対していろいろな数字を掲げて、払い下げあるいは補償要求、そういうものが行われておるのです。ここにも文書がありますが、これは幾つも問題があるものですから二時間ぐらい時間がないと全部質問し切れませんので、きょうは前段の総論的なことだけちょっと大臣の認識を深める意味でお尋ねをしておきたいと思うのであります。 彼らが主張しているのは、引揚者特別交付金というものを交付されたときに残額が出た、その残余金額が約二百五十億から二百六十億あるはずだ——彼らの要求ですよ。それを引揚者団体全国連合会にぜひくれ、引揚者団体全国連合会は各県に福祉施設をつくりたい。すでに百十一億円の予算書をつくって具体的に引揚者団体全国連合会は自民党のおえら方にお願いをしている。倉石政調会長も三年前にそれはいいことだ、また福田大蔵大臣も諸君の要望に沿うように努力しよう、竹下副幹事長も当時諸君の要望はよくわかったと答えている。だから、あたかも二百六十億円があると引揚者団体全国連合会の会員全部が現在も思い込んでいる。そのために金を集め、会費を集め、参議院選挙に糸山英太郎の選挙運動を彼らは結束してやった。そのために外山事務局長は逮捕された。果たしてその二百六十億なり二百五十億は本物があるのか幽霊なのかということが、この質問の一つのポイントであります。 もう一つは、そんなに金が余っているなら、引揚者団体全国連合会にやらずに、外地から台湾銀行、朝鮮銀行を通じて内地に金を送った人たち、これは預送金者ですね、この人たちに当然補償すべきだ。この人たちは朝鮮銀行、台湾銀行を通じて、戦争で負けた、すぐ金を全部送った。汗水たらして外地でためた預金を全部東京に送った。ところが、政府は皆さんの送った金を閉鎖機関令によって、あるいはいまの不動産銀行や日本貿易信用株式会社をつくるために、全額を預金者に払い戻さないで国が取っちゃった。その金をまた不動産銀行、日本貿易信用株式会社にくれた。それが今日の元金になって不動産銀行になり、日本貿易信用株式会社になっている。それは法律に違反しないという大蔵省の見解が当時の一萬田大蔵大臣から答弁されている。議事録がここにある。したがって、私はそれが法的な手続上瑕疵があったなかったということをいまここで論争しようとは思わない。これは最高裁判所まで裁判で決着をつける以外に解決はできないと思います。 私がきょうここで大臣の見解、大蔵省の処理方針を伺いたいのは、この二百六十億円があるのかないのかと同時に、もしあるとするならば、その金をこういう預金送金者に補償すべきではないか、引揚者団体全国連合会にやるべきではないという考えからであります。 もう一つは、海外から兵隊で引き揚げてきた、あるいは外地に居住しておって引き揚げてきた方が、当時どの港に上陸しても全部その港で二百円だけ本人に所持させて、残余のものは全部国が預置した。今日も預置されている。こういう状態にある。 そこで、この問題を少し大臣に認識してもらうためにこれから質問に入りたいと思うのであります。 すでにそれらの問題については、月刊雑誌新現論というのの十二月号に出ております。それから国会タイムズのつい最近の五月十二日号に彼らの運動している内容が出ております。さらに、引揚者団体全国連合会の内部における討議の状態は、議事録がここに入手されております。それらに基づいて、これらの人たちの言っていることが事実なのかどうなのか、事実でなかったら事実でないと政府ははっきり答えて、彼らが一生懸命努力している徒労をこの辺できちっと中止させなければならぬ。社会全体に及ぼす影響は大変大きい。しかもそれを、政府与党の大臣経験者や現職の大臣や政調会長が、あたかもその連合会の要望が正しいがごとき前提で返事をしている。大変重要だと思います。 そこでまず第一点、簡単なものから入りますが、当時引揚者が所持しておった税関預置物件というのはどのくらいあって、今日までにどのくらい本人に返還して、残余のものが今日どのくらい大蔵省に保管されているのか、まずそれを最初に明らかにしてください。
○吉田(冨)政府委員 先生のおっしゃいますそれぞれの上陸港で税関が直接保管したという物件は、件数で四十七万件、口数、これは大体人間の数とお考えいただけばいいですが、二十八万件でございます。さらに、外地で在外公館その他へ預けまして、それが米軍の手を通じまして日銀、当時の引揚援護局を通って税関の方に回ってきたものがございます。外地といっても十八カ所ぐらいのごく一部的なところでございますが、こちらの方が件数では二百二十一万件、口数で五十万七千件ございます。両方合わせますと、件数で二百六十八万件、口数で七十八万七千件でございます。ただ、最初申しました税関が上陸港で直接保管しておりますのは、現金と証券類その他でございます。それから後で申しました外地で預けまして税関に来ておりますのは、現金はございませんで証券類でございます。その後、二十八年九月からこれの返還を開始いたしまして、ことしの四月までの数字がございますが、合計で申しますと、件数では二百六十八万件ありましたのが四十一万五千件返しまして、現在残が二百二十六万五千件ございます。口数で申しますと、最初七十八万七千件ありましたのが十六万四千件返しまして、六十二万三千件残っております。パーセンテージで申しますと、返しましたのが件数では一五・五%、口数では二〇・九%でございます。 そのうち、その問題は、現金も含んでおりますが、上陸港で税関が直接保管したものにつきましてやはり一番問題だと思うのですが、これは最初申しましたように、四十七万件ありましたのが二十五万二千件返っておりまして、大体五三・九%返還しております。口数で申しますと四四・四%返還しております。
○武藤(山)委員 人数にしてまだ六十二万三千人ですね、該当者が。件数にするとまだ大変あるわけですね。二百二十六万五千件が預置されている。大蔵省はいまそれを管理しておるわけですね。しかし、所有権者はまだ生きているわけですね。現実に所有権者というものの存在を認めているという今日の処置の状況ですね。まだ国のものにはなっておりませんね。それは局長、間違いないですね。
○吉田(冨)政府委員 それはそれぞれの方からお預かりしているものでございまして、PRその他でお預かりしておりますことをいろいろやっておりまして、現に、たとえば四十八年では八千五百人の方から照会がございました。四十九年には四千三百人の方からいろいろ照会がございました。 ただ、照会がございましても、先ほど申しましたように大部分は外地で預けられた方が多うございまして、外地のごく一部しか税関に来てないものですから、なかなかこちらは持っていないということはございますが、でも大体税関で預かりましたものは名前の確認が済みましたらお返ししておりまして、四十八年に約八百五十四人、それから四十九年に五百一人の方に返しております。
○武藤(山)委員 かつて大蔵省では、これらの預置物件を所有していた者は申し出るべきだ、申し出なさいという方針で、ポスターもつくって宣伝をし、NHKでも放送した。そのときの金額が七十八億円程度というのがNHKの当時の放送。それからつい最近、糸山英太郎を推薦してくれという自民党の要請のときの引揚者団体全国連合会との会合の席で、自民党の嶋崎参議院議員、この人が答えた金額は、不明ではあるが約四、五十億円になると言っている。連合会の人たちにそういう説明をしている。だから彼らのその後の議事録をずっと見ていくと、大体七十億から八十億の評価をしているわけですね。この預置物件だけですよ。現実にはこれはどのくらいあるものですか。
○吉田(冨)政府委員 このお預かりしております物件の内訳につきましては、いろいろ雑多なものがたくさんございまして、たとえば旧日銀券とか、それぞれおっしゃいます通貨類あるいは証券類あるいは個人間の債権債務の証書、中には遺髪まで入っておりまして、非常にいろいろ雑多なものがございます。それで、それぞれの分類につきましてはまだ的確なものを把握しておりませんので、昨年度から五十一年度までにかけまして各個人別のカードをつくって現在分類中でございます。 ただ、御参考になろうかと思いますのは、これまで四十一万件、口数で十六万四千件をお返ししました段階における記録がございますが、それを見ますと、円表示のありますものが約十四億五千万円ございます。ただ、その中には現在換金可能でないと思われるものもかなりございまして、換金がはっきり可能であるという、たとえば旧日銀券とかあるいは国債証書というものだけを計算いたしますと約二千万円。十四億五千万円のうちではっきり換金可能である、いま現在法律上換金できるというのは二千万円にすぎない。これは過去に返したものにつきましては記録がございますが、将来のものにつきましては現在整理中でございます。
○武藤(山)委員 そうしますと、骨とう品価値とすると七十八億円ぐらいになるのか五十億円ぐらいになるのか、一体どういうことになりそうですが。
○吉田(冨)政府委員 中にはいろいろ通貨類で古い外国の通貨等もございまして、若干骨とう品的なものもあろうかと思いますけれども、大部分は先ほど申しました個人間のいろいろ債権債務証書とか小切手類とか、あるいは預金証書であっても外国の銀行に対する預金証書というものは現在もう価値はございませんので、余り価値のあるものは少ないのではないかと思っております。しかし、現金類あるいは日本の国債というものについては相当な価値がございます。これについてどのくらいかはまだ調査中でございます。
○武藤(山)委員 大臣、佐藤さんは沖縄返還なくして戦後は終わっておらぬと言われましたが、まだ戦後は終わってないですな、大蔵省は。こういうものが戦後処理として残っているのだから、戦後は終わっていない。いつ終わらせようとするのか。この問題をどのように、いつごろまでに決まりをつけて、もう一切解消するのだということにするか。未来永劫にこれはずっと残しておくのか。本人が申し出てくるだろうということで五十年もこれからまだこのまま置くのか。三十年を経過した今日、この辺でピリオドを打つのか。打つとしたらどういう打ち方をするかがまた問題であります。 引揚者団体全国連合会はとにかくそっくりくれと言っているわけですよ、払い下げ運動をやっているわけですから。しかもその払い下げ運動を四十八年の自民党の政調会長は、「引揚者自体も力強い団結の上に立って政治状勢を作って欲しい。」私も努力するが、おまえら団体の方でもとにかくそれが取れるように政治情勢をつくれ、こういうことを政調会長が連合会側の申し入れについて言っているわけですね。同時に、「始めて立候補する青年、糸山英太郎君を是非推薦して欲しい。父君も引揚者であり、糸山英太郎君なら当選すれば、団体側の力強い味方になる。」倉石政調会長はそう言っているわけです。だから、それをとにかく何とか払い下げしようということで、いまでも引揚者団体全国連合会は一生懸命運動しているわけですよ。再来年の参議院選挙が近づいてくると、これがまた来年あたり再燃するのですよ。 昭和四十五年九月十二日に当時の大蔵大臣、いまの経済企画庁長官の福田さんが連合会と会見をしたときの彼の言も、なかなか彼らに期待を持たせるようなニュアンスである。「一応個人から預ったものであるから直ちに引揚者団体に払い下げることは出来ない。」そうしたら引揚者団体が、「一定期間を区切って無主物として、国の所有にし、もっとも縁故の深い当団体に払い下げて有意義な活用を図ってはどうか。」福田大蔵大臣「それはよいことである。その方法しかあるまい。」そういうことを言ったわけですね。一たんとにかく無主物として国有財産にして、それから連合会の諸君たちの要望どおり処理することがいいだろうと連合会の要望をここで追認しているのだ、考え方としては。 おまけに、そこで御丁寧にちゃんと第一条から第四条までの法律案をつくって、「「税関預置物件」所有者返還の期限を昭和四十八年九月三十日とし、無主物として国家に帰属させる。」という法律案を実は用意して、さも本当らしく——これは大概ひっかかるね。こういう法案までくっつけて引揚者の各支部へ、こういう運動をやるのだから君ら早く会費を集めろ、そして糸山英太郎を何が何でも勝たせろ。これはみんな本気にいたしますよ、支部長は。しかもその議事録が全部載っているのだから。福田さんがどう答えたとか、倉石さんがどう答えたとか、竹下登さんまで出てくるのだから。こういうことを公然と団体がやっているわけだね。 これはやはりきちっと一回、いま預置している権限のある者が態度を明らかにして世間を惑わさないようにする責任がある、義務がある。それは行政を預かる者としての責任じゃなかろうかと私は思う。大平大蔵大臣、どう思いますか。
○吉瀬政府委員 団体側にそういう御要望があるということは私ども存じております。ただ、先ほど関税局長から御答弁申し上げましたとおり、年間数千件という照会がまだある。また事実、毎年度返還して処理をしている、こういう段階でございます。私どもはあくまでも、引き揚げてきてその物件を領置された方にかわって保管しているわけでございまして、そういう状況が継続している間は軽々に判断できない問題じゃなかろうか、こう思っております。
○武藤(山)委員 私が言っていることを、軽々に判断しろと言っているとあなたは受け取っておるのか。私は、軽々にこれを処理しろなんて一言も言っておらぬ。軽々とは何か、内容を明らかにしてくれ。
○吉瀬政府委員 御質問が軽々に処理しろというように私どもは受け取っておりません。ただ、この問題の処理を急ぐということは、現在これだけの請求がある段階においてはすぐにわかにはできない、こういうことを申し上げているわけでございます。
○武藤(山)委員 すぐにわかにできないとするならば、先ほど私が言ったように、いつごろをめどにやるのか。未来永劫にやるのか。一年間一人も請求者がなくなるまでは、このままこの制度を続けて誤解を生むことを放置しておくのか、それを明らかにしていただきたい。
○吉瀬政府委員 私どもがかわって保管しておりますその所有権の当事者、こういう方がほとんど出てこなくなった段階、その時が判断の時期ではなかろうか。これが一件であるとか数件であるとか、ここら辺は事実判断に基づいてそのときの判断にかかる、こう思っております。
○武藤(山)委員 大蔵大臣、先ほど私がいろいろな団体側と政府あるいは与党の話し合いの経過をちょっと申し上げたが、そういうことが行われている。また恐らく再来年に向かって来年あたりから話が持ち上がるに違いない。こういう問題がいまあるのですから、この問題について大蔵大臣としてはきちっと現実の内容、具体的事実、大蔵省の方針——もし局長が言うような段階が来て、無主物にする、政府のものにする、しかし、したものを団体に払い下げするというニュアンスを与えることがいいかどうか、大臣はどうですか。その場合に、いよいよもう請求者がなくなった、無主物にして政府のものにしよう、それを団体に払い下げすることがいいと思うかどうか。仮定の問題でありますが、どう考えますか。
○大平国務大臣 いまのわれわれの任務は、返還広報を積極的に行いまして、可能な限り返還に努めることだと承知いたしておるわけでございます。それがほとんど終わったという段階におきましてどう処理いたしますかということについてまで考えておりませんけれども、政府といたしましては、その段階におきまして事の処理については慎重でなければならないものと思います。
○武藤(山)委員 もし引揚者団体全国連合会が大平大蔵大臣に要望してきたときに、福田前大蔵大臣と同じような認証を与えますか。もし現実に連合会から無主物にしてわれわれにくれ、こう言って要求された場合、福田さんと同じ答えを出しますか。
○大平国務大臣 せっかくいま返還に努力いたしたいということに力点を置いてお答えしたいと思います。
○武藤(山)委員 そういうあいまいな態度を示しておけばおくほど、連合会に、やがて自分たちのものになるぞという宣伝の具にまた使われる。そうすると、いままで倉石さんなり福田さんが答えたことが生きている。あなたがこの辺でぴちっとそのことについてピリオドを打たないと、この議事録はさらに広がっていって、末端の引揚者のところへこれが利用される。社会的に好ましくないですよ、そういうことが行われるのは。もしそれを本席の議事録にとどまる答弁として出すのは好ましくないと大臣が認識なさるなら、大蔵省は早急に、この議事録を貸しますから、こういう過去の答弁があったが、大蔵省当局としてはそういう処理方針などは全く考えておらぬ、これは大臣の見解である、そういうことを連合会にはっきり言うべきだと私は思う。それが親切であり、行政のあるべき姿勢だと思うのですが、大平さん、どう思いますか。
○吉瀬政府委員 先ほど御説明申し上げましたような現状でございますので、私どもといたしましてはこういう処理を絶対する、しないとか、そういう種類の確定的なことを判断するまでの段階に至っていないわけでございます。したがいまして、ある意味でそういうものがすぐ処理されて連合会の資産になると考えることは、やはり期待として過大ではなかろうかという感じを私ども持っておりますが、さらにそういう手続を踏むということまではいま考えていないわけでございます。
○武藤(山)委員 しかし局長、あなたの方の部下が連合会との会合に関連していないのなら、私はそこまで言わないのだ。四十八年九月十八日、大蔵省、厚生省陳情。そのときに大蔵省の輸出課——吉田さんがいたのか、そこで先ほど申し上げたいろいろな意見を連合会側は述べて、政治折衝以外にはないという答えが出たから、さらに政治家を動かそうということで、また動き出すのです。だから大蔵省だって、ちゃんと一回そういう陳情を受けているのですよ。恐らく一回だけじゃないと思う。ですから、あいまいな態度でおくと誤解が誤解を生み、こういうものを種にしていろいろなことが起こるんだ。しかも外山貞次という、この間の選挙で逮捕された事務局長がとにかく全国に号令をかけているのですから、何が起こるか予測できないいろいろな被害が起こると思うのですよ。そのために言っておるのです。 しかし、局長がかたくななそういう態度をとっておるのだから、これ以上やっていると時間がなくなるから次に移ります。きょうはあくまで総論としてやっているわけですから、まだ続きます。 第二に、引揚者団体全国連合会、さらに全国在外預送金者連盟、両方とも誤解をしている節がある。それは約二百六十億円。片方、引揚者団体全国連合会の方は二百五十億円と言っているのですが、特別交付金残二百五十億円を福祉施設をつくるという意味で直ちに連合会に払い下げてくれ、交付してくれ。ところが当時の倉石政調会長は「直ちにOKはむづかしいが、その方向は非常によいと思うから必ず努力する。」これは二百五十億。片方の預送金者連盟の方は、特別交付金の残はもっとあると言っている。 大体この出発が幽霊なのか本物なのかわからぬことによって、またこれも全国へえらい誤解と迷惑とロス、金銭的な支出——両方の団体ともあたかもそれが取れると思っているから、飛んで歩いたり何かしている。私はこんなばかなことが三年間も五年間も続いていること自体不思議でならぬのですよ。それはやはり大蔵省自体がぴちっとそのことを与党の偉い政治家にも言うべきですよ。事実はこうなんです、そんなことはないんです、団体側の言っていることは間違いなんですとぴちっと言わぬと、この幽霊がいつまでも続いていく。 大体、引揚者特別交付金の残額があるのかないのか。二百五十億円という連合会の言い分、あるいは預送金者の言う二百七、八十億というのは何からそういう数字が出てきたと思われるか。その特別交付金を出した当時の状況、それをひとつ説明してくれませんか。
○吉田(冨)政府委員 この問題は総理府からお答えがあると思いますが、その前に大蔵省輸出課のお話が出ましたので、それについてちょっと御答弁しておきたいと思います。 関税局の輸出課は、この問題の税関におきますPRあるいはいろいろな整理、金額の把握というものについては所管でございますが、その他の大きな方針につきましては理財局の方で所管しておりまして、輸出課ではそれ以上のことは言えませんので、先ほど大臣の御答弁にもありましたように、輸出課といたしましては、できるだけPRに努めて周知徹底さして、なるべく早く返還したいという努力をしておりますし、また、そういうことをやることは言ってないと思いますけれども、もしそれ以上のことを言っておりましたならば、われわれの権限外の話でございますので、お断わりしておきたいと思います。
○島村政府委員 引揚者交付金のことについて御説明申し上げますが、本年三月末日までに引揚者交付金として交付いたしました金額は千六百三十六億円でございます。当初、昭和四十二年に引揚者交付金として見込みました金額、これは単なる見込み額でございますが、千九百二十五億円でございます。したがいまして、見込み額から現在の支給金額を除きました残額は、二百六十九億円というふうになるわけでございます。しかし、この千九百二十五億円というのは単なる見込み額でございまして、この見込みによりまして毎年交付金額を支給するものでございます。
○武藤(山)委員 見込み額、これは閣議で決めたんですね。議事録にするためにはっきり答えておいてください。
○島村政府委員 そのとおりでございます。
○武藤(山)委員 そうすると、閣議で千九百二十五億円くらい引揚者交付金が必要だろうということをまず決めた。この閣議で決めた見込みというものは予算とは違うわけですね。閣議了解事項というのは、これはいつでもその金は使えるという性格の決定なんですか。それとも現実に個々の者が、私は引揚者であります、まだ特別交付金をもらっておりませんと申し出た者だけにこの金は使い得るものであって、政府といえどもこの見込み額が残っているから自由に勝手に、どのように処分してもいいという性格のものなのか、そうでないのか。これは見解を明らかにするのは主計局ですか。
○吉瀬政府委員 あるいは主計局の方かもしれませんが、かわりまして御答弁いたしたいと思います。 実は、この交付金の千九百二十五億円というものは、閣議決定でやりました単なる見込み額でございます。これは引揚者の方々の年齢とかそういうことに応じまして、十年元金均等償還の国債を七千円から十七万円という区分でやっておるわけでございます。したがいまして、これに対する歳出予算額を確保したわけでもございませんし、実績に応じて出ていくということで、この差額がありましても、それが当然財源として何か確保されているというものとは違うということでございます。
○武藤(山)委員 そういたしますと、これは財源として残っているものではないし、予算にも計上されてない、単なる閣議でこの程度申し込みが来るかもしらぬぞというお互いの意思合わせをした数字であって、これは何ら予算上使えるものではない。したがって、連合会が、その金を各県の引揚者の福祉施設の費用に使うのだから余った金をわれわれによこせ、縁故者にその金を分配するのが正当だという主張は間違っていますね。
○大平国務大臣 仰せのとおり心得ています。
○武藤(山)委員 そういたしますと、全国の何十万かの引揚者がきょうがきょうまでその二百六十億なり——いまの説明では、金額の差は二百八十九億ですね。だって、千九百二十五億から千六百三十六億でしょう。そうすると、これを差し引きずると、二百八十九億だね。
○島村政府委員 二百六十九億でございます。
○武藤(山)委員 だけれどもおかしいね。千九百二十五億が見込みでしょう。現実に支給したのは千六百三十六億といま言ったじゃないの。ぼくはメモしたのですけれども、それを算術計算すると二百八十九億になるね。いいですね。
○島村政府委員 そのとおりです。
○武藤(山)委員 この数字を間違えると、政府もいいかげんだと、これがまたいいかげんな話になって、どっちが本当だかわからぬという議論になるよ。この議事録は全国に配られるのだから。恐らくきょうのこの大臣の答え、理財局の答えは、全国の引揚者団体全国連合会と預送金者がまたこれを全部読みますよ。だから正確を期してください。そうじゃないと、いままで言っていたことがあるいは本当かもしらぬ、きょうのはまたこっちが違うかもしらぬと言ってまた迷う。これははっきり確認をしておきたいのです。 そうすると、この二百八十九億というものは全く幽霊であって、将来縁故の団体に分配するとか、あるいは朝鮮銀行、台湾銀行から預金送金をした人たちに補償金として使える性格のものではない。第一そういうものはないのだ、予算はないのだ。彼らは残余の未払い金という表現を使っておる、残余の未払い金という言葉を使っておる。しかし、残余の未払い金というものではない。はっきりしていいですね。はっきり答えてください。
○辻政府委員 先ほど理財局長からもお答え申し上げたとおりでございまして、予算上の使用残額があるというような問題ではございません。
○武藤(山)委員 したがって、引揚者団体全国連合会や預送金者連盟が要求をして、縁故団体にくれてくれという要求をされてもそれには全くこたえられない性質のものである、応じられない性質のものである、そういう理解でよろしいですな。大蔵大臣、はっきり大臣でもわかるでしょう、専門的なことじゃないのだから。幾ら要求されてきてもそれは要求に応じられるべき性質のものじゃないということだけは、大蔵大臣としても言えるじゃないですか、金がないのだから。
○大平国務大臣 仰せのとおりです。
○武藤(山)委員 大変中身がはっきりしてきました。そういたしますと、いま正規な手続でこの請願書なども何人かの代議士のところに配られておるわけですが、それを見ても、やはりいまの金がある、こういう前提に立っておる請願書なんであります。したがって、国会議員はこの請願書も受け付けるべきでないという答えが出てまいりました。私はやはりそういう点ははっきりしておかぬといかぬと思うのです。 この請願書を読むと、現在、政府が保管している引揚者に交付された残額の未処置分二百五十億円並びに税関保管金八十億円、合計三百三十億円を朝鮮、台湾両銀行在外預送金者に返還されたい。戦後、自分たちの預金や送金が十分の一なり百分の一に値切られたわけだから、この金があるならそういう人たちに補償せよ、返還してくれ、こういう請願なんですね。この請願は全く根拠のない幽霊を追っかけているようなものである、こう理解すべきだと思いますが、いかがですか。
○辻政府委員 その当時の閣議決定でございますと、見込みといたしまして特別交付金の支給総額は千九百二十五億円であるということになっておりますけれども、先ほど申しましたように、予算上そういうものが残額として残っておるという趣旨のものではございません。
○武藤(山)委員 残額として残っておる性格のものじゃございませんと言うのでしょう。だから全然、請求されても要求されてもそういうものには、元がないのだから、ないものを何とかそれを縁故団体にくれなんて言われたって大蔵省は応ずることができないという意味でしょう、辻さん。何もいま私が聞かぬことをあなたはぽこっと立ち上がって変な答えを出したけれども、何ですか、いまあなたが答えた意味は。
○辻政府委員 事実関係を申し上げただけでございまして、御趣旨のとおりかと思います。
○武藤(山)委員 それでは、大蔵省にはいっぱい役人がいるのですから、だれか目についたと思いますが、六月八日の朝日新聞の「声」の欄、「在外預送金を取りもどそう」倉敷市北山波奈代、七十一歳のおばあさん、この人の投書を読むと、知らない人は政府はひどいなと、こう思うね。外地で一生懸命働いてきた、そのころそういう人たちが八十五億円程度の金を内地へ送った。ところが、ある者は送金額のわずか一%、多い人でも一〇%程度しかお金を支給してもらえなかった。そうして、残ったお金の六十八億円は政府が取ってしまった。さらに、残ったお金は現在の日本不動産銀行や株式会社日本貿易信用の設立資金に回されてしまいました。私たちは一言の断りも聞かなかった。戦後のどさくさに紛れて行われたのでしょう。いずれにしても、これは許せない横暴だから取り戻そうという呼びかけを、このおばあさんは全国へやっているのです。したがって、大蔵省はこれを見たらほうっておいてはいかぬですね。やはり大蔵省として、理財局長名なりあるいは管轄の局長名でこの投書に答えるべきである。答えてくれますかくれませんか、投書で。
○吉瀬政府委員 御承知のとおり、朝鮮銀行、台湾銀行というような閉鎖機関の預金者の預金に対しましては、すでに在外財産問題調査会の答申に基づきまして、当時の朝鮮の例で言いますと一・五対一というような換算率ですでに支払われております。ところが、この投書によりますと数十億のものがあって、それがどうも国庫に納付されたようだというような質問でございます。私どもといたしましては、これは朝鮮銀行が当時の発券銀行でございまして、発券銀行に伴う国庫納付金とかあるいは閉鎖機関の清算に伴う当時の清算所得税、こういうものを取りまして、なお余った剰余金で不動産銀行なりまたほかの貿易信用というような会社が設立されたわけでございます。 御質問の趣旨は、こういう投書が誤解というか一つの事実認識に立った議論としてあるようだから何か答えたらどうかという御議論と思いますが、私ども投書という形ではなくても何らかの形で御連絡いたしたい、こう思います。
○武藤(山)委員 このおばあちゃんに何らかの形で答えたいと言うから、それを期待しております。 私は、これからまだ一時間くらいやりたいのです。実は皆さんの預送金した金が十分の一なりあるいは百分の一なりに削られていたそういう状況の中で、たとえ日本経済復興のためといえどもなぜ株式会社日本不動産銀行、貿易信用株式会社という民間金貸し会社にその金を使わせたのかという疑問が残る、この疑問の問題については、これは憲法論になるので相当の時間もかかると思います。しかし、きょうは私の持ち時間は十二時五分までという四十五分間でありますから、これに二、三分入ったところで意味がないので、この朝鮮銀行、台湾銀行からの預送金の行方は一体どういうことになったのか、それが国民の納得のいく処置であったろうか、これらの問題については次回の一般質問のときに譲りたいと思います。理財局長、用意して頭をみがいてきたようでありますが、大変恐縮ですが、持ち時間が来ましたので、私の質問は終わりたいと思います。
○上村委員長 増本一彦君。
○増本委員 まず、公共料金をめぐる問題から大臣の所見を伺いたいと思います。 御承知のように、歳入欠陥を理由にしていろいろと公共料金の引き上げが取りざたされるようになっています。予算委員会等でも若干の質疑があったようですけれども、この時点で財政的にもいろいろ問題がある、国の決める公共料金の据え置きが一層財政の負担を招くというようなところから、いま公共料金の引き上げ問題、あるいはこれまでの公共料金の凍結政策を白紙に返せというような意見も大蔵省あるいは財政当局などで議論をされているやに聞いているわけです。五十年度の予算編成のときには、御承知のように、これは大臣自身も参画をされて、たばこ、郵便料金以外は値上げを見送るという方針であったように私は了解をしているのですが、いまここでこういう値上げ問題が再燃してきているという点を見ますと、これは非常に重大な問題だと思うわけです。 そこで、私は、こういう当初の方針はあくまでも堅持していくべきであると考えますが、まず大臣のお考えを伺いたいと思います。
○大平国務大臣 財政当局に公共料金凍結の政策を白紙にしていくべきだという議論があるという御指摘でございますが、そういうことはございませんで、従来どおり公共料金というのはできるだけ、可能な限り低目に抑えていく、抑制の方針ということは財政当局といえどもよく心得ておるわけでございます。さればこそ今日の予算をごらんいただきましても、財政負担によって公共料金と言われるものの水準が低目に抑えられておりますこと、米価といわず運賃といわず、増本さん御承知のとおりでございます。私どもが申し上げておりますことは、公共料金といえども物価であり料金であるに違いはないわけでございまして、できるだけ抑制の方針はとるものの、原価というものを無視して、いつまでも原価と遊離した姿に置いていいものかどうかという点については、私ども疑問を持つものであります。 今日、利用者の負担にすべきか一般の納税者の負担にすべきかという議論がそこで起こってくるわけでございまして、原則として利用者にお願いするのが筋合いでなかろうか。部分的に財政がお助けすることも考えられますけれども、原則はやはり利用者負担であるべきじゃないかという点、これは財政当局ばかりじゃなく政府全体の一致した見解であると承知いたしております。 それから、抑えるにいたしましても、今日抑え込んでおきまして、今日利用するものの負担を後年度に漫然回していいものかどうかという議論も成り立とうかと思うのでありまして、きょうの負担はきょうの負担でなるべく処置しておくことが正しい行き方じゃないかと考えておるわけでございます。 第三に、物価とか料金というものを急に大きく上げたり下げたりすることはよくないことでございまして、今日ただいま御案内の、この間御審議いただきました酒、たばこにいたしましても七年間も据え置いておったわけでございまして、二割程度酒を上げさせてもらう、それは理解できるとしても、たばこについて四割八分も上げることはけしからぬと言われるわけでございますけれども、これは七年間も据え置いておったという事実を考えてみますと、この値上げをもっていたしましても四十三年の相対的な水準に達しないわけなんでございます。一挙に大幅に上げるなんということはできるだけ私どもやりたくないわけでございまして、なるべく無理をしないのがよろしいんじゃないかと考えておるわけでございます。 お言葉じりをつかまえて恐縮でございますけれども、公共料金の引き上げというお言葉をお使いになりましたけれども、そして世上一般も増本さんと同様に引き上げというようなことを言っておりますけれども、私どもは、これは調整なんでございまして、一般の物価、料金、人件費等の値上がりの中でこのまま不当に低く置いておきますことはいろいろな不都合が起こりますので、若干の調整をさせていただいておるという、ごく謙虚なお願いをいたしておるんだというように御理解をいただきたいものでございます。
○増本委員 いまの大臣のお答えを聞いていますと、結局、前段では可能な限り抑制、この方針は変わらない、しかし、利用者負担を原則にして負担はさせていかなくちゃいけない。あるいは、いまここで抑えておくと後々また問題が起きるから、やはり上げるということをしなくちゃいかぬ。どっちにしろ、引き上げでなくて調整だというお話だけれども、調整というのはダウンする意味での調整じゃなくて、やはりアップですね。ですから、抑制の方針だと言いながら、実際には財政当局としては公共料金の引き上げの方向で基本的な方針は決められているのだというように承らざるを得ないのですね。 実際にいま、たとえば国鉄運賃とか特急料金、電信電話料金、あるいはもう今月に審議会が開かれる麦だとかあるいは塩の売り渡し価格についても新聞などで値上げというものが報道される。こういうようになってきますと、当初、予算編成方針の中ではこういうものは据え置くのだというようになって、これは言ってみれば、国民の側から見るといわば公共料金凍結の政府としての公約に等しいものであると思いますが、いまの大臣のお言葉ですと、この公約自身が非常に怪しくなってくる。あるいはそういう具体的なことで検討を始めておられるということだと、公約違反に着手されているというように言わざるを得ないのですが、大臣のその点についてのこれまでの経過とお考え、今後の方向という点について、もう一度具体的な事実に即して御答弁をいただきたいと思います。
○大平国務大臣 五十年度の予算編成に当たりまして、仰せのように、予算上調整を考えないものと考えさしていただくものとを分けたことは御指摘のとおりでございます。 すなわち、酒とたばこ、郵便料金等につきましてはそれぞれの改定をお願いしようということで予算を編成いたしたわけでございます。それから米価、麦価、塩等につきましては値上げを予定しないことで予算が組まれておるわけでございまして、私といたしまして予算を忠実に施行する責任を持っておるわけでございますので、生産者米価も消費者米価も据え置いたままで予算を計画どおり実行するということになりますと、あえて異存を唱える筋合いのものではないと思うのでありますが、もし年度途中でこれを改定するというようなことが起こった場合に、財政負担というような問題は新たな問題になってくるわけでございますので、なるべくそういうことのないように希望いたしておるわけでございます。
○増本委員 生産者の米や小麦の価格という点については、いまの物価変動等から見れば、これは生産費やあるいは労働報酬その他との見合いで考えてあげなければならない、これはもう当然のことだと思う。私が当初申し上げたのは、そういう意味で消費者に直接かぶってくる問題で、いまでももうすでに、たとえば麦についても経済企画庁は抑えるという方針があるというような方向で国会でも答弁をされているが、しかし大蔵省の方では、追加財政との関係で、食管会計上の問題から生産者麦価の引き上げとの絡みで消費者麦価についても消費者に負担をさしていこうというようなお考えはまだ決してなくなったわけではないし、米価審議会の中でそういう方向はやはり堅持をされていくだろうというように思うのですね。 ですから、いま私が申し上げたいのは、ともかく消費者にかぶるような公共料金についてはこれを抑えていく、値上げはしないというたてまえで一応予算編成のときの経済方針、経済政策というものが決められてきていたはずだと思うのですよ。それが少なくともこういう歳入欠陥を理由に、財政的な面から言っても利用者負担の方に肩がわりをさせていかなければならぬというところからにしろ引き上げ問題、大臣が言う調整問題というものが出てくるということになると、当初閣議でそういう約束を国民に対してされておりながら、大臣の御答弁だとまだ歳入欠陥の見通しについてもこれからの予算執行の中で具体的に出てくるという性質の問題であるにもかかわらず、いまここで値上げ問題が先行していくというのは公約違反のそしりを免れないではないかというように考えるんですが、くどいようですけれども、その点はいかがなんでしょう。
○大平国務大臣 何が公約違反か私にわからぬのですが、私どもは予算を編成させていただき、成立させていただいたわけでございます。この予算を忠実に実行させていただきたいと考えておるわけでございまして、新たな財政需要がこの予算に加わるということは、当然のこととして御遠慮していただきたいと考えておるわけでございまして、米価が低位に維持されるということは増本さんに劣らず私も希望するところなんでございますが、一方において、生産者米価が上がって消費者米価が据え置かれるということに万一なった場合、それじゃそのお金はどこから来るのか。天から来るわけでもない、地からわくわけでもない。これは財政で負担しろということになるのでありますれば、それは私どもすでに八千四百億もの負担をいたしておるわけでございますので、財政当局として御遠慮いただきたいということは、あなたが大蔵大臣になっても同じだろうと思いますよ。それを公約違反だなんということでおしかりをいただくことわりは、私には理解できません。
○増本委員 いまでも、たとえば鉄鋼が一五%値上げをしよう、それから自動車、カメラ、フィルムあるいは塩ビ、そういう生産資材を中心にした値上げの方向でのいろいろな運動あるいは意見、行動というものがずっと始まっているわけですね。そういう中で、一方、産業界、財界の方では不況対策で金利をもっと下げろとかあるいは景気の底入れをもっとやれとかというようなことで、そういうものとの絡みもあるんでしょうが、第三次のいわゆる景気対策というものも行われていく。いますでに公定歩合が二次にわたって引き下げをされて、それからさらにいろいろな面で金利の引き下げが金融的な政策の絡みで行われてくる。 そうすると、当然、需要を喚起していこうということですから、原料資材の値上がりは必然的に起こってくるだろう。一方、これを経済企画庁の方では極力抑えていこうということで、今度の予算委員会でも答弁がありましたけれども、そういう中で財政当局を中心に公共料金の引き上げというものを国が率先して行うというようなぐあいになると、この面では、全体としての物価の安定という上から言っても経済企画庁と財政当局の大蔵省との間は考え方も手だても何かちぐはぐで、片っ方は上げろと言い、片っ方は抑えろと言う。そういう意味では、もう一つ政府そのものが物価対策について統一的なきちっとしたものを持っていないというぐあいにも感ぜられるわけですが、そういう点は大臣はどういうようにお考えなんですか。
○大平国務大臣 増本さんは、生産者米価の方は上げるのは当然じゃないかというようなことを言われて、消費者米価の方は上げるのはけしからぬという御意見のようでございますが、私は、そういうことをすると財政負担になるじゃないか、それは大蔵大臣としては非常に困るんだ、なるべく御勘弁いただきたいということを言っているわけで、これはあたりまえのことじゃないですか。それから、鉄鋼価格の問題は、鉄鋼会社がどういうように対処いたしますか、通産省がどのようにいたしますか、これは私として御答弁する資格はございません。
○増本委員 いやいや、そうじゃないんです。大臣、今度の第三次景気対策でも、いわゆる財政金融の手法によってやっていく面が非常に大きいわけですね。その中には当然金利の問題もあるし、あるいはそのほか需要を喚起する意味で財投の手当てもしなくちゃならぬというような中で、当然そういうものを見越しての原料資材の値上げの動向というものは具体的に動いている。それを極力抑えていこうということも一方ではとられるわけでしょう。政府はそういうことをおっしゃっているわけですね。 その一方で、その同じ政府が決める公共料金については、引き上げを図っていく方向というものがいまの大臣の御答弁の中からも出てくる。そういう意味では、物価対策そのものとしては一本化して抑えていくという方針ではないですね。公共料金も含めてもっと全体を抑えて物価の安定をきちっと図っていくという意味での強い気構えあるいは態度、姿勢というぐあいになっていないではないかという意味で申し上げているんですがね。
○大平国務大臣 値上げしていこうなんて私言っていないんですよ。低位に維持されることが望ましいわけなんです。財政負担になるようなことは御免こうむりたいと言っているんですからね。米価も低位に据え置かれることを私は非常に念願いたしておるので、あなたに劣らず念願いたしておるわけで、大いにこれを引き上げてやろうなんというそんなことを考えておるわけでは毛頭ありませんから、もっとよくよく大蔵大臣の立場というものを理解してくださいよ。 新たな財政負担は御免こうむりたいということなんですよ。それから物価は、何であろうと低位に、努力しておさめていかなければいかぬということにおいて、私は各閣僚に少しも劣らない熱情を傾けてやってまいっておるわけでございまして、財政負担になるだけに、より一層私が熱心でなければならないわけなんで、そのことはあなたもよくわかってくださいよ。お願いします。
○増本委員 大臣、そういうようにおっしゃるのでしたら、いま問題になっている消費者麦価については、大臣としては予算編成のときにすでに食管会計に繰り入れている分で十分賄えるということで、消費者麦価の方への転嫁はしないという方向で臨まれるというようになるのでしょうか。その点はいかがですか。
○大平国務大臣 仰せのように、麦価については国際価格が若干下がってまいりましたので、食管会計はその限りにおきまして若干のゆとりを持ってきておりますが、大幅な赤字には違いないわけでございます。国際価格が若干下がったからと言って、麦価はいいかげんでいいなんというようなことを大蔵省として考えたら、これはえらいことでございます。そういうことは考えていないわけでございます。 そういう状況はございますけれども、この麦価につきましても、やはりできるだけ低位に抑えるように努力をしていかなければなりませんし、財政負担を結果するというようなことはできるだけ慎んでいただきたいというように念願をいたしております。
○増本委員 いま低位に抑えるとおっしゃったのは、やはり上げることにはなるのですか。
○大平国務大臣 下げるような状況ができたら下げていただきたいと思いますが、いま不幸にしてそういう環境ではないようでございますが、改定をいたすにいたしましても、できるだけ慎重にしていただいて、できるだけ低位に抑えるようにしていただかなければならぬと考えております。
○増本委員 そこで、もう一つ、審議会に同時諮問をするんだということが新聞その他の報道でも伝えられているのですが、つまり生産者価格と消費者価格を同時に諮問して同時決定をする、そういうお考えを大蔵省としてはあるいは大臣としてはお持ちなのか、この点はいかがですか。
○大平国務大臣 それは農林大臣がおやりになることでございまして、同時諮問にするか、別な分離した諮問にしますか、そのあたりは農林大臣の権限でございまして、私はそんなことを言った覚えはありません。私といたしましては、生産者の価格と消費者の価格というようなものは相連関したものでございますから、同時に御論議をいただくことを希望しておるということは申し上げたことがございますけれども、諮問のやり方を決めるのは農林大臣でございます。
○増本委員 しかし、同時諮問が好ましい、望ましいというお考えを大臣はお持ちのようですが、私はこれは大変不当だというように思っているのです。 一つは、麦だけで考えてみますと、御承知のように九五%が輸入ですから、五%をいわゆる生産者麦価の問題で考えればいいわけですね。ですから、輸入価格との見合いで決めていく政府の売り渡し価格の問題と、この生産者麦価をどうするかという問題とは別にリンクさせる必要はないということだろうし、それから食管法で決めた基本的な精神というものからすれば、生産者に償う価格というものと消費者の家計で賄うに足る価格というものとはやはりきちっと分けたたてまえでできているのが食管制度ですから、そういう精神に沿ってそれぞれ独自の検討を要する問題だという意味で、これは私の見解ですけれども、ひとつ大臣としてもその点は十分配意をしていただきたいというように思うのです。 それからもう一つは、いわゆる総需要抑制政策というものがとられて、その中で、たとえばことしの春闘を見ても、二二%、一四%という賃上げにとどまった。結局、国民には相当な耐乏生活を強いている。そういう状態ですから、財政的な追加支出は極力抑えていこうという立場でお考えになっているのだというお話ですけれども、だからこそこの消費者米価の点についても、国民に耐乏生活を強いているときだから、やはりいまこそ食管制度というものをきちんとその精神にのっとって正しく守っていくという立場で、ひとつなお財政当局としても対処をしてもらいたい。これは私の強い要望ですけれども、その点について大臣の御見解を伺っておきたい。
○大平国務大臣 先ほど事務当局からもお話がありましたように、米食費の家計費の中に占める割合というのは、二・六でございますかになっておると思うのでございます。戦前は二割程度まであったと思うのでございまして、戦後ずうっとその比重は下がってまいりまして、今日二・六%程度にまで落ちておるわけでございます。私ども政治をやってまいる者といたしまして、家計の立場というものは、あなたの御指摘を待つまでもなく十分考えなければならぬことでございます。それは米価ばかりでなく、公共料金その他の政策を考える場合、いつも考えていることでございまして、こういったことをお願いいたしましても決して無理でないと判断して初めてお願いをいたしてきた経緯がございます。 今後もそういうことでやってまいるつもりでございまして、もとよりできるだけ低位に抑えていかなければなりませんし、でき得れば据え置かれることが一番望ましいことでございますが、その据え置きが財政の負担において行われるということについては、今日私ども直ちに甘受するわけにはいけないと、理屈の上から申しましても、財政の事情から申しましても、そういう事情にありますことは先ほど申し上げたとおりでございます。
○増本委員 私が公共料金の引き上げについて、気持ちをわかってくれと大臣はおっしゃるけれどもこだわったのは、結局、財政の負担でそれを回避する、抑えていくというようなことは困る、そうすると、それでも上げていくという方針を全体として政府がおとりになるときには、結局利用者負担ということで、消費者に全部ツケが回ってくる。だから、ここのところで財政的な努力も含めてそれを抑えていくということで、財政当局だけでなく、経済全体の運営にも責任を持っておられる大臣ですから、そこの辺まで含めて検討をし、覚悟を決めていただきたい、そういう気持ちがあるから、こだわっていろいろお伺いしたわけです。 そこで、いまこういう経済の状態の中で、いわゆる地方財政の危機が非常に深刻になっておる。大臣もあるいはもうお読みになっていると思いますけれども、六月六日に全国知事会が行われて、そこで「地方行財政に関する今後の措置についての中間報告」というものが出されました。その中には、たとえば税制の改正の中で外形課税方式を取り入れるとかいうような、非常にこれから研究もしなければならない問題もありますけれども、「国税の租税特別措置の影響および地方税の非課税、特別措置によって地方税の減収額は五十年度で三千九百八十二億円にのぼっているので、これを全面的に見直し、特に企業の交際費課税について強化するほか利子・配当所得の課税の特例、海外市場開拓準備金などの各種準備金制度などを整理縮小する。」というような提言をしているわけですね。 私たちも財源確保その他で、すでに何回となくこの種の議論をしてきたわけですが、すでに全国知事会でも、地方財政の再建のために積極的にこうした税制改正の方向についての提言までしてきている。この点について、こういう要望に沿って地方財源の確保を図っていくためにやはり積極的に取り組まれる必要があるというように考えるのですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○中橋政府委員 国といわず地方といわず、今日の経済情勢のもとにおきまして、いろいろ税収の問題として研究しなければならない問題は多々あると思っております。いまお話しのような地方税収の問題としましては、第一次的には自治省がまたいろいろ御研究になることと思っておりますが、私どもももちろん総合的な税負担という観点で、国税、地方税を通じて今後も検討をしてまいる所存でございます。 いまおっしゃいました中で、たとえばいままで所得課税に依存しておりましたものを外形標準課税に移すという問題、これもかねて言っておられますけれども、一つには、実は所得課税と言いますのは、確かに今日のような経済情勢になりますと、思ったような収入が得られないという難点があることは事実でございます。しかしまた、過去の長い間の高度成長の時代には、実は逆に、地方団体は非常に伸びのいい税収を享受しておったはずでございます。ここがまたその所得課税のいいところであり、悪いところなんでありますから、そういう点もあわせて、両々今後検討しなければならないことと思っております。 それから、いまおっしゃいましたように、一つの国の租税特別措置に伴いまして、地方税が同じく減収になるという問題もございます。この問題に関しましても、私どもはかねてより、やはり国が一つの大きな政策目的を立てて、それの誘因的な効果をねらう租税特別措置をとりました以上は、できますればやはり地方団体もそういう方向に乗っていただいて、できるだけ早くその政策効果をあらわらすというのがいいのではないかというふうに従来考えておりました。もちろんそれは地方税制の独特な判断がございますけれども、今後はやはり国の租税特別措置の見直しということと関連して、地方税へのはね返りの問題というものももちろん討議しなければならないと思っております。 そのほか、三千九百億円と言われました中には、大部分は地方税法独自の非課税措置というのがございます。この点については、なお今後、自治省を中心にして御検討になるというふうに考えております。
○増本委員 それから、この中間報告を見ますと、もう一つは超過負担の解消、これはわが党も三カ年で超過負担の解消を図るべしという提言をし、改正案も今国会に出しているわけですけれども、これを見ますと、「国が五十年度に行った解消措置は単価差のみを対象としているが、数量差、対象差も解消すべきである。」というような提言もあるわけですね。 大臣、予算の査定の際に、全体としてやはりこういう超過負担を極力解消していく。それぞれの補助金その他いろいろな関係でそれぞれの担当各省に分かれますけれども、やはり予算を編成していく過程で当然その中心にお座りになる大蔵大臣として、いまこの地方財政圧迫の大きな原因あるいは地方財政の硬直化の大きな原因にこの超過負担の問題があるので、この点の改善についての大臣のお考え、方向、そういうものを財政当局の責任者としてどのようにお考えになっているかお伺いしたい。
○大平国務大臣 まず第一に、超過負担とは何ぞやということを決めないと、地方自治団体が超過負担とごらんになるものと私どもが超過負担と見るものが一致しておれば結構でございますが、必ずしもそうでない場合も多いわけでございます。私どもといたしましては、実際事業を実行いたしまして、それが結果として予算が不足しておったからその差額が超過負担だというようには単純に見ないわけでございまして、最も能率的に適正に行われた状態において不足が起こったというものを超過負担というように観念しておるということを、まず御理解おき願いたいと思います。 それから第二に、しかしそういったことが起こることは決して私どもの名誉でないわけでございますので、増本さんのおっしゃるとおり、予算編成の段階におきまして、各費目にわたりまして適実な積算をしてまいる、単価を決めてまいるということをしなければならぬことは当然でございます。そのように今日までも努めてまいりましたけれども、年度の途中におきまして異常な物価異変が起こる、四十八年度のような状態は御案内のとおりでございまして、一たん決めた単価を三回も更正しなければならぬような事態に見舞われたわけでございまして、こういう不安定なときにおきまして、せっかく適実なものとして決めました単価も、そうではないという結果が生まれることがありますので、関係各省と相はかりまして実態調査をいたしまして、その調査に基づきまして後で財源を差し上げて解消を図るということで、いままで二千億円近くのそういった解消への努力をやってまいりましたことも御案内のとおりでございます。 今後もそういった努力は続けてまいらなければならぬと思います。こいねがわくは、そういったことをしなくて十分円滑に予算が執行できるような環境を早くつくることがまず第一でございますけれども、そういったことがあった場合におきましての措置といたしましては、いままで鋭意進めてまいりましたことは今後も進めていく、解消に努力してまいることは当然と心得ております。
○増本委員 あと通告した質問があるのですけれども、後ろが本会議で切られていますので、せっかく来ていただいてまことに申しわけありませんけれども、これは後でまた政府からいろいろお伺いして、個別の折衝に譲らしていただきたいと思います。
○上村委員長 坂口力君。
○坂口委員 きょうは、過日の予算委員会で五十年度及びそれ以降の成長率を三、四%前後と答弁をなすっているところから、こうした経済情勢下で福祉、社会保障等について今後どう対処をしていかれるかということを中心にお聞きをしたいわけでございますが、時間が三十分以内と限られておりますので、多くをお聞きをする時間はないと思います。 れは六月七日の日本経済新聞でございますが、「社会保障見直しの時」という特集がございまして、ここで大平大臣がいろいろお答えになっておりますが、粗々これを見せていただいたわけでございますが、その中で、「経済や財政状態のいかんにかかわらず、福祉を第一義的道標にすること自体が「病」だ。もちろんそうは言っても、福祉追求の工夫をしなければならないのだし、そのためには税制だけでなく、社会保障制度全体についても見直しが必要だ。」こう御答弁をなすっているわけであります。 新聞でもありますし、少し言葉少なでありますので、これだけでは真意のわかりかねるところもございますし、若干誤解を受ける点もなきにしもあらずと思うわけであります。もう少し低成長下における社会保障についてのお考えをおつけ加えになるところがありましたらひとつお聞かせいただきたいと思います。
○大平国務大臣 福祉とは何ぞやということになりますと、これは大変むずかしい問題だと思うのでございます。金殿玉楼に住むことが幸せか、所得が非常に多いことが幸せか、そういうものでもないと思うのでございまして、われわれの幸せというのは、物質面もございますれば同時に精神面の満足もなければなりません。したがって、財政とか経済とかいうようなことと福祉が全的にうらはらになっておるというように見ることも間違いじゃないかという考えが一つございます。これはごくあたりまえの常識だと思うのでございます。それから第二に、しかしながらそうは申しましても、現実に政府が行っておる福祉政策というようなものはいろいろな形で法律制度とか財政に裏づけられていろいろ実行いたしているわけでございますので、経済が財政を支え、財政が福祉を支えるという手順がやはりなければならぬと思うのでございまして、したがって、経済や財政は疲労いたしておるけれども福祉は大変充実しておるというような関係は私はできないのじゃないかと思うのでございまして、やはりお互いに充実した福祉を可能にしようと思えば堅実な財政、健全な経済がなければならぬ。そういう意味のことを申し上げたつもりでございまして、きわめてあたりまえなことを申し上げたつもりでございます。
○坂口委員 もう少しお聞きをしたいような気持ちもするのですが、時間がちょっとございませんので進みますけれども、この中で、社会保障制度全体についても見直しが必要であるとおっしゃっている。その見直しの中身でございますが、どういう方向に見直そうとしておみえになるのかということがはっきりしない。いまお答えになりました総論的な意味での大臣のお気持ちというのは理解ができましたけれども、その中でどういうふうに税制だけではなしに社会保障制度の方を見直そうとしておるのであるか、その辺の方向性のようなものをもう少しお聞かせいただきたいと思います。
○大平国務大臣 社会保障制度全体は独走して成り立つものではないと思います。したがって、見直しということは、当然、経済や財政の歩みと歩調がある程度合ったものでなければならぬわけでございますが、坂口さんも御承知のように、わが国の社会保障制度はいま制度として整備がたいへんよくできてまいりましたけれども、なおまだ制度的に充実してまいらなければならぬところもございますが、同時に実態的には大変高年齢社会が進んでおるわけでございますので、現在の負担というようなものだけで漫然将来を展望するわけにもまいらない。 だから、実態と制度と両面を将来にわたって展望いたしまして、そこに出てくる社会保障の負担というものは、財政が経済とどういう関連を持ってくるのかということを考えていかなければいかぬと思うのでございます。したがって、そういうことがわれわれの検討しなければならぬことであろうと思います。来年度からいろいろな経済社会の中長期の計画を立てるにいたしましても、そういったことを十分吟味して立てなければならないのではないかと思います。 同時に、第二に、しかしでき上がりました制度の運営につきましていろいろな点が指摘されておるわけでございまして、そういった改善もどういうところからやってまいるかというような点も、あわせて見直していかなければならぬじゃないかというような気持ちを申し上げたつもりでございます。
○坂口委員 いま大臣がおっしゃいますように、社会保障の制度そのものが成熟過程にあると申しますか、まだ成熟していない現段階におきまして、しかもなおかつこの低成長下でこれを成熟させていかなければならない。この前向きな中で大臣がお取り組みをいただいているというふうに理解をしたわけでございますが、新聞のこの一行だけから察しますと、何となく社会保障制度というものをできるだけ切り詰めていきたいというような意味が感じられないでもなかったものですからいまお聞きをしたわけでありますが、いまお聞きしました大臣の御答弁からは、低成長下でもなおかつ成熟させていかなければならない、その路線に沿っての中の改革である、こういうふうに主張をされたというふうに理解をさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。——では、次の段階であわせて御答弁をいただきたいと思います。 ところで、もう少し具体的な問題に入りたいと思いますが、先日も厚生省から四十八年度の国民総医療費が発表になりまして、推計でありますけれども、三兆九千四百九十六億、約四兆円という額が出たわけであります。この数字からさらに推察ができるといたしますならば、四十九年度は五兆三千億円程度になるのではないかという推測がなされておりますし、また五十年度におきましては六兆円の大台を突破するのではないか、こういう予想もされているわけであります。 諸外国と比較をいたします場合に、GNPに対する総医療費の率というものはかなり国によって差がありますが、日本はまだ必ずしも高い方ではない。昭和四十七、八年ごろでありますと、大体三・五、六%ぐらいのところを上下しておりましたし、おそらく四十九年度はもう少し上がっていると思いますが、四%になっているかどうかというぐらいのところだろうと思います。アメリカあたりは六%を超えておりますし、先進ヨーロッパ諸国で大体四%から五%の間にある、こういう数字ではなかろうかと思います。 このような中で、医療費というものはまだまだ上がっていかざるを得ない状況にあるわけでありますけれども、これは少ないにこしたことはないわけでありますが、諸般の事情を考えますと、先ほど大臣もおっしゃいましたように、高齢者社会というものがだんだん進んでくるということもございますし、いろいろの条件を考えますと、まだ上がらざるを得ないいろいろの客観情勢があると思うわけであります。この点どのようにお考えになっているか、ひとつお聞かせいただきたい。
○辻政府委員 国民医療費の問題につきましては、ただいま御指摘がございましたように、五十年度で申しますと、六兆を超えまして六兆四千億程度になると見込まれております。これがGNPに占めます比率は四%を若干上回る程度になろうかと思います。 今後の医療費がどういうふうになるか、なかなかむずかしいところでございますが、従来の国民総生産なり国民所得に占めます医療費の割合は、若干上がりぎみながら比較的安定してまいったわけでございます。今後の日本経済全体の成長がどのくらいになるかということとも密接に関連する問題であろうかと思いますが、なおまた、国民医療の中で医療費問題を考える場合、いろいろ問題があるわけでございます。たとえば乱診乱療というようなよく言われております問題をどう考えるかというようなこともございますので、そういうものを含めまして今後検討すべき問題であると考えております。
○坂口委員 厚生省の方にも少しお聞きをしておきたいと思いますが、今回のこの数字をどのようにごらんになり、そして将来の医療問題についてどのようにお考えになっておるか、粗々のところをひとつお聞かせをいただきたい。
○中野政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおりに、今後、人口の老齢化その他、医療費を相対的に押し上げる要因が将来の問題としては非常に強いというふうに考えるわけでございまして、また一方、国民の側の強い需要に応じまして、医師、歯科医師あるいは看護婦さん等のいわゆる医療従業者の数をふやすという教育養成の計画も目下進行中でございます。 これらの要素をあわせ考えますと、それなりにGNP比率の医療費が上がりぎみに推移するだろうということは一応言えるわけでございますが、問題になりますような国民医療のあり方についてのいろいろの問題点も含めまして、そのような大きい医療費をいかに調達するか、またいかに適正に、むだのない医療ということで運用していくか、そこら辺について今後いろいろ努力しなければならない問題が多い、かように考えます。
○坂口委員 このふえてまいります医療費をどういうふうに乗り切っていくかということは、一つは医療費が使われなくて済めばそれにこしたことはないわけでありますけれども、先ほども申しましたとおり、客観的な情勢は決して減るとは思えない、むしろふえていくのではないかという情勢でございます。 その中で、これを乗り切っていきますためには、これは国庫負担をふやすか、それとも保険料を上げるか、あるいはその両方でいくか、それ以外にないと思います。このことについてどういうふうな方向をとっていこうとなすっているか、大蔵省の方のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○辻政府委員 ただいまでも医療費に対します国庫負担は非常に大幅になっておるわけでございまして、全体の四兆足らずの社会保障関係費のうち四八%、約一兆九千億を若干欠ける額が医療のための国庫負担ということに相なっておるわけでございます。なおまた、こういう国庫負担の割合は、諸外国に比べましても相当高いことになっておるわけでございます。 今後の医療費の見込み等につきましては、先ほど厚生省からも御説明申し上げましたように、人口構成の変化という問題もございますし、また診療報酬の組み立て方、その他医療制度のあり方の問題もあるわけでございますが、全体の社会保障の費用負担という問題につきましては、これは年金を含めてでございますけれども、御承知のように現在のわが国の社会保険料の負担というのは、諸外国に比べましても非常に低くなっております。したがいまして、社会保障の充実に伴いまして社会保険料の水準につきましてもやはりこれは引き上げていく必要があるんではないか、そういうふうに考えております。
○坂口委員 この社会保険料が諸外国に比べて低い云々の問題はいつも問題になることでありますけれども、われわれが一般会計全体に占める社会保障費というものを申しますときに、非常にパーセントが日本は低いということを申しますと、皆さんの方では、そのほかの国民所得に対する税率が違うじゃないか、あるいはまた、六十歳以上の人口の総人口に占める割合が違うじゃないかというようなお話が常に出るわけであります。ただし、またわれわれの方から言わしむれば、一人当たりの国民所得がうんと違うじゃないか。その辺を考えますと、一人当たりの全体の所得の中から税金を払った残り分を比較したときにどうなのかということになるわけでありますけれども、これはいまお話が出ましたので申し上げるわけでありますが、当然のことながら日本の方が低いわけであります。 そういうふうな中で、今後保険料というものをどんどん上げていくことができるか。特に先ほど一兆九千億とおっしゃいましたが、その中で恐らく一兆円は国民健康保険に対する補助だと思うわけであります。この国民健康保険一つ例にとりましても、いままで四十七年、四十八年は一五%ぐらいずつ保険料を上げてまいりまして、四十九年度は平均いたしましても三〇%前後上げているわけでありまして、恐らくこの分でいきますと、五十年度も各自治体ともそれぐらい上げざるを得ないという実情ではないかと思うのであります。非常に低所得層あるいはまた老齢者の多い国民健康保険の中で、それをさらに今後上げていくということは非常にむずかしい情勢だと言わざるを得ないわけであります。ただし、大蔵大臣がおっしゃるように、全部が全部それを国庫負担で果たして賄っていけるかということになりますと、おっしゃるとおりここにも問題はあるだろうと思うわけであります。 私はこの医療費の問題を考えていきますときに、大蔵大臣も前回の予算委員会で言われましたとおり、医療保険等の制度上の問題もやはりいろいろあわせて考えていかざるを得ない、むしろそのことが非常にいま重要な時期になっているのではないかというふうに思うわけです。前回もお聞きしましたときに、退職者医療制度の問題等についても前進がないということを大臣はお答えになったわけでありますが、やはり今後の医療を支えていきますためには、どうしても保険の統合もしくは改善の問題に取り組まなければならないときが来ているというふうに思うわけですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○大平国務大臣 大体、自分で努力しないでええことはないかという根性が一番いけないのです。そういうことがびまんしたのではとても国がもたぬわけなので、財政がもたぬし、国ももたぬし、家計ももたぬし、企業ももたぬということになるのですけれども、社会保障におきましても座して福祉の充実を待つというようなことではいけないので、やはりみんなが相当な負担にみずからたえていただくということはどうしても根本的に大事じゃないかと思います。 それから、国が負担するにいたしましても、地方公共団体が負担するにいたしましても、またその他の保険者が負担するにいたしましても、これは非常にお金は大事であるということでございまして、みんながそういう資源を大事にするということに徹していただかなければならぬのじゃないか。そういう前提がある限りにおいて、あなたのおっしゃるいろんな制度の改正は生きてくるのじゃないかと思いますし、そういう前提がないと、いろいろ制度を改正いたしましても、ますます矛盾が拡大するのじゃないかと思います。 実は社会保障制度というのは非常に精緻にできておりまして、まだ勉強をよくしなければいかぬ面がございまして十分自信を持って申し上げられるほどじゃございませんけれども、考え方といたしましては、そういう制度改正という点につきましては私も結構だと思いますけれども、根本の心構えだけ忘れないようにしてもらいたい、そう思います。
○坂口委員 ことしの初めでありましたか、厚生大臣が国保を段階的に統合していくという案をおっしゃったやに新聞で承ったわけでありますが、少なくとも県段階で、市町村によりましても国保の財政というものもかなりな差がございますので、各都道府県段階で統合してはという意見もありますが、これに対する大臣のお考えはいかがでございますか。
○大平国務大臣 厚生省の方からお聞き取りをいただきたいと思います。
○中野政府委員 お答え申し上げます。 先生の御指摘のとおりに、かつて新聞に大臣の一つのお考えとしてそのような記事が載ったことも承知をいたしております。現在のところ国保には、たとえば高齢化の問題とかいろいろな問題がございまして、その一つには確かに弱小な保険者と申しますか、規模も小さく財政基盤も弱い、その保険者の問題が一つの問題としてございます。 これに対しましては、現在のところ、先生御承知のとおりに、国民健康保険の調整交付金あるいはその他の特例的な補助金というようなことで、一応の財政的なてこ入れと申しますか、それをやりまして、その弱小保険者の保険の運営の破綻状態を一応防いでまいってきているというふうに考えているわけでございますが、いずれにせよ今後の国民健康保険の運営の一つの重要なポイントであることは事実でございまして、その点も含めてわれわれといたしましては総合的に問題を前向きに進めて検討してまいりたい、かように考えているわけでございます。
○坂口委員 いまの厚生省のお話、どういうふうにお受け取りになりましたかどうかわかりませんが、大臣の発言ほど明確でなかった、どうでもとれるような答弁でございますが、これは大臣、私の申し上げているのは決して無理なことを言っているわけでもありませんで、どちらかと言えば非常に大臣寄りの発言をしているわけでありまして、おっしゃるとおり、この社会保障費というものがだんだんとたくさん要るようになってくる、制度を充実させていかなければならない、それに対しては財政も必要である。特にこの医療等の問題でもそのことが言える。 それで、それぞれの人が応分の負担をということを大臣は言われるわけでありますが、この医療の場合に例をとりますれば、それぞれの負担をしているのですけれども、なおかつ制度上のいろいろの問題があって、負担をしているにもかかわらず非常に不公平になっているというような現状があるわけです。たとえば医療保険は九種類に分かれておりまして、非常に負担をしているのだけれども、かかるときには率が悪い。あるいはまた、わりに負担の率は少ない人が、逆に今度は医療を受けるときには率がいい、こういうふうなアンバランスがあるわけでありまして、その保険料を現状の制度のままでどんどんどんどん上げていくのではなしに、そういう欠陥は是正をして、そして上げるべきものは上げる、こういう段階を踏まなければならないのじゃないかということを実は申し上げているわけであります。 そういう意味で、ことし大臣が退職者医療制度の導入という問題をお取り上げになりましたのは、非常に大きな前進ではないかというふうに私は理解をしているわけであります。そのことについて私はいま申し上げているわけでありまして、ひとつそういう意味での厚生省からのお話も含めて大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○辻政府委員 わが国の医療保険制度におきまして、いろいろな制度が分立しておりますことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、制度間に給付なり、あるいは保険料なり、財政力に関して格差がございます。先ほど来御指摘の国民健康保険は、老人でございますとか、比較的所得水準の低い階層を抱えておりますために相対的に財政力が弱い。したがいまして、その分だけ大幅に国庫負担に依存しておる、かような関係になっているわけでございます。 そこで、私どもといたしましても、今後において広い意味で各制度間の財政調整を進めていく必要があると考えているわけでございます。しかしながら、一挙にその財政調整をやるというのはいろんな点からむずかしい点もございますので、ただいまお話のございました退職者医療制度の導入を当面の課題としたらいかがであろうか。 健康保険に入っておりまして、比較的若い間は病気をしないで済んでおる。それが定年退職等をいたしますと多くの者は国民健康保険に移行する。そういたしますと給付の率も低くなるということになりまして、退職を境にして給付の関係も非常に激変をいたすという状態にございますので、そういう不均衡を是正する、あわせてそういう制度間の財政調整に資するというのが私どもの考え方でございまして、ただいま厚生省当局と鋭意折衝いたしまして、できるだけ早く実現をいたしたいと考えておるところでございます。
○坂口委員 間がありませんので、一言だけ大臣にお答えをいただいて終わりにしたいと思うのですが、いまいろいろ御答弁がございましたが、この制度間の問題を検討する時期に来ていると私は思うわけでありますが、大臣のそれに対するお答えを一言だけで結構でございますからお聞きして終わりにしたいと思います。
○大平国務大臣 私もそう感じまするし、そしてそれは厚生当局からいい答案を出してもらいたいと思っております。
○坂口委員 どうもありがとうございました。
○上村委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 私はきょうは一つ提言をして、大臣のお考えを承りたいと思います。 問題は、中高年の独身婦人に対する所得控除の制度を新たに考えてもらいたい、こういうことでございます。 中高年の独身婦人に対する所得控除ということを私が申し上げるのは、御承知のように、ことしは国際婦人年でもありますし、わが国の婦人の地位というものは、いろいろ問題が指摘されておりますように決して高いものではありませんし、特に中高年の独身の婦人の社会的な立場というものは非常に弱いものである。そういう意味でこの問題を取り上げてみたい、また大蔵省としても是非検討をしてもらいたい、こういう意味であります。 私自身、今日の政治はいろいろ批判をいたしておりますけれども、その一番大きな矛盾と申しますか弊害というものは、今日のデモクラシーがいわゆる組織化された大衆デモクラシーである、オーガナイズド・マス・デモクラシーである、そのプリンシプルは、メア・ウント・メアと言った人もおりますが、もっとよこせもっとよこせである。そういう行き方には私は常に反対をしておるつもりでありますが、いま申し上げる中高年の独身の婦人の立場というものは、そんな圧力団体にむしろなり得ないところに問題がある、かように考えまして、その弱い立場の人たちにこそこの際温かい手を差し伸べてやるべきではないか、たまたま国際婦人年であるということも考えまして、この提案をいたしたいというわけであります。 どういうことを考えておるかという私どもの構想は、まだ十分検討し尽くしたとは申しませんけれども、こういうような考え方であります。 独身婦人のうちで年齢の四十五歳以上の者で老年者に該当しない者について、所得税においては所得制限を設けまして、それが三百万円がいいかどうか、これも検討を要しますけれども、一定の所得制限のもとに中高年の独身婦人控除というものを設ける。たとえば控除額は二十万円の控除をしたらどうか、地方税については十六万円の控除をしたらどうか、こういう内容であります。 どういうわけでそういう提言をしたいと考えるかと申しますと、先ほども簡単に申しましたけれども、何と申しましても日本におきまして婦人の地位が弱いし、いま私が申し上げている四十五歳以上の婦人というのは、いわば一つの戦争の犠牲者であるということであります。と申しますのは、ちょうど戦争中に自分の結婚のチャンスを自分の意思ならずして失ってしまった人が多いということでありまして、この間国際婦人年でいろいろ婦人の方々の御意見も聞いてみまして、私も、そういう点に対するわれわれの配慮というものが少な過ぎたということを反省しながら、この提言をいたしておるわけであります。 戦争中に自分の相手の男性が戦場に行って死んでしまったということのために、婚約はしておったけれども結婚はしないという人もおるでしょうし、あるいは適齢期を迎えておったんだけれども、戦争のごたごたの際でついにチャンスを得ないままになってしまったというような人もたくさんいるようであります。そういう意味で、これらの人たちというものは結局戦争の一つの犠牲者ではないか。それに対して今日までいろいろ戦争の被害者、犠牲者というものには政府としてはできる限りの手を伸ばしてきたでありましょうけれども、これらの婦人に何が与えられたであろうかという反省をまずしたいと思うのであります。 特に、この日本の婦人の地位ということについては、大臣も御承知のように、たとえばまず賃金の問題から考えてみましても、これは労働省が発表した四十八年度の「婦人労働の実情」というものによりますと、一九七二年に西ドイツでは男子に対して七〇%、フランスでは八七・八%、オーストラリアでは七八・四%であるけれども、日本の賃金収入というものは大体半分、五〇・二%になっておるということでございまして、これは男女同一労働同一賃金と言われておりますけれども、現実にはまだまだ婦人は半分くらいであります。そういうことの結果としまして、四十七歳前後の人の賃金は、これは調査の年にもよりますけれども、八万五千円前後ではないかというような統計も出ておるようなわけでありまして、まず第一に収入が非常に少ないということであります。 次には、これらの婦人に対しては税においては基礎控除があるだけで、特に別に大きな控除はないのではないかと思いますが、その控除の面でも、少ない収入に対して控除は余りやられないで、全額税金の対象になりかねないということであります。 それからもう一つは、四十五歳以上の婦人ということを対象にしましたのは、日本では定年の問題がある。この場合に定年制がどうだという議論はまた別といたしまして、大体において女子は男子に比較して三年か四年定年が早い、早くやめなければならぬというような実情であります。 さらに、これらの人が住まいを構えるという場合を考えてみると、公営住宅法の十七条ということでございますけれども、これはそういう独身婦人が入ることができないように法制上規定されておる。とにかく結婚の相手がいなければ公営住宅には入れないということになっておりますから、収入は少ない、税金は別に控除も大してない、定年は早く来る、しかるに家を構えようと思えば、ひとり者の婦人は安い公営住宅には入ることができない、こういうような状況であります。 貯金の目減り問題も、われわれが取り上げて、政府は政府らしい、余りぱっとしませんが、寸志の程度だけれども、とにかく福祉定期預金というものを考えられた。ところが、これらの婦人の貯金の目減りという問題もいろいろあるのですけれども、いま申しましたように、定年は早く来るし収入は低いということになれば、少なくとも働ける間には若干蓄積をしておかなければならぬと思うのですね。その蓄積をしておこうと思っても、税金で持っていかれてしまうということでは余りにもお気の毒であるから、目減り問題は別としまして、これに対して何か税の控除の面で、これまた寸志でございますけれども、ひとつ考えてみたらどうかということを私どもは考えまして、大臣のお考えを承りたいと思うわけであります。 時間がないので急いで簡単に申しましたけれども、まず第一に、日本におけるそうした戦争のために結婚のチャンスを心ならずも失ってしまって独身でおるそういう人に対する社会保障その他全般の面での思いやりが、果たして十分であると大臣は考えておられるか。 第二に、国際婦人年に当たりまして、大蔵省は大蔵省の立場で、税なら税の面でそういう人たちに対する一つのプレゼントをすべきであると思うが、そういうお考えはないか。この点について、一般論として、あるいは常識論として大臣のお考えを承ってみたいと思います。
○中橋政府委員 まず、税金の問題が主でございますので私から御答弁申し上げます。 いま御指摘のように、確かに戦争の結果、当時の配偶対象適齢者というものが多く戦死をしたということから、いまおっしゃったような年齢を中心としまして、独身である婦人がいろいろな面で非常に他の人たちに比べて精神的にも物質的にも恵まれないという事態がかなり多いということは私もよく理解をいたしますし、また、国際婦人年ということを契機にいたしましていまの御提言がありましたこともよくわかるわけでございますけれども、そういう事態に対して所得税でもって何か温かい配慮をする道が一体可能かどうかということになりますと、私は非常にむずかしいのじゃないかと思います。 いま竹本委員がおっしゃいましたのも、恐らく、同じような戦争の犠牲者であります寡婦につきまして寡婦控除というものが所得税で認められておりますから、そういうものと同じような考え方を一つの発想としておられるのだと思います。確かに寡婦控除といいますのも、あの当時、多くの戦争未亡人が特に生活が非常に苦しいということで所得税の配慮をしようということから設けたわけでございます。 その当時考えましたことは、やはり扶養親族を擁しておるということを一つの大きな条件といたしまして、そういう者についてはかなり余分な経費がかかる、それを何か配慮できないかということが発端でございました。その後、だんだんその扶養親族でありますところの子供さん方が大きくなったものでございますから、独立をしました際に寡婦控除がなくなってしまうという問題がございました。一応基礎控除くらいの所得であれば税法上の扶養親族でなくても、そういうものを持っておる寡婦はやはり同じように寡婦控除を適用したらどうかということで今日の形になりました。 その後、たしかいまから数年前でございますけれども、さらに同じような考え方で、扶養親族がなくても寡婦控除というのを認めてはどうかという御議論がございました。そのときにはかなり所得税法上のいろいろな問題もございましたけれども、やはり従来からの寡婦控除との関連で、扶養親族を有しない未亡人につきましてはそのかわり所得制限を設けますということで、百五十万円で創設をいたしまして、今日三百万円に上がっておるわけでございます。 そのときに考えました一貫しました思想といいますのは、そういう寡婦は、扶養親族を持っておりあるいは持っていなくても、何といいましても結婚ということで生じますところのいろいろな係累があるわけでございます。配偶者を失ったということでもやはりそういった係累があるわけでございまして、その係累の最たるものは扶養親族という形で出るわけでございます。たとえ扶養親族でなくても、やはり遠く離れておる親戚の者というようなものもございますから、そういった意味での所得減殺的な要素、掛かり増し費用というものを何らかしんしゃくしなければならないのじゃないかということであれば、所得税法上もかなり乗り得るのでございます。 しかし、いまおっしゃいましたように、確かに賃金のレベルから言い、あるいは一般的な、社会的な地位ということから言って、これらの人たちがより恵まれないということ、あるいは定年が早い、同じ定年でありましても、その後もやはり一人で暮らしていかなければなりません。ましてや、おっしゃいますように、公営住宅がないというようないろいろなハンディキャップというものもあることは確かでございますけれども、やはりそういう配慮というのは、この所得税法上のいろいろな控除でやっていくのはなかなかむずかしいのではないか、いまお聞きしまして、私は直感的にそう思うわけでございます。 むしろ、こういった面については、税で概括的に大量的に処理をするというよりは、もう少しきめ細かい配慮の上で、社会保障の一環としますか、どういうことが適当かどうかわかりませんけれども、そういう方法の方が可能ではないかということをいまお答えしなければならぬと思います。
○竹本委員 会議の方が迫っておるようですから、簡単に大臣のお考えをお聞きしたいと思うのですが、三つに分けて申します。 一つは、これは対象になる人は所得制限によってずいぶん違うけれども、まあ百万人前後だろうと思うのですね、だから金額にしてもきわめて少ないものである。それだけれども、いま申しましたように非常にお気の毒な事情にあるんだから、それに対して温かい手を差し伸べるということについて大臣は反対であるかということ、あるいは、もっと言うならば、私がいま数え上げた理由は根拠のないものと考えられるかどうかということが一つ。 それから第二番目は、いま、局長は主税局長であるから、何もかも所得税でめんどうを見ることはどうかというようなお考えもあるように承ったんだけれども、それもごもっともだ。しかし、同時に、所得税は所得税のあり方の中に、いまの社会的なニーズなり社会的な要求なりというものを織り込んで考えるということも、より高い政治の判断ではないかと思うがどうか。 たとえば、これも私がこの席で言ったと思っているが、老人扶養控除の問題等も、親孝行はどうだこうだといろいろ議論のある中で、やはり気の毒な老人を抱えておる家庭においては、税の上からもそれに対する一つの敬意を払うというか誠意を尽くすというか、老人扶養控除を考えたらどうだということでわれわれが主張して、これは老人扶養控除というものが現にできておる。だから、所得税でそういう問題を考えてはならぬのではなくて、むしろ所得税の場を通じてこそそういう新しいあるいは正しいあり方というものを模索するということが本当ではないかと思うが、この点はどうか。 それから第三点は、いま寡婦の問題が出ましたけれども、とにかく、特に四十七年ですか制度が拡充をされまして、扶養親族はいなくても寡婦は寡婦としてお気の毒だから——まあこういうことになりますと、その寡婦の場合と行かなかった独身者の場合とどう違うのだ、社会的ないろいろな立場、必要というものはほとんど差はない。もっとセンチメンタルに言えば、行って一人になった人もさびしいだろうけれども、結婚を全然しないで戦争の犠牲にだけなった人の方はもっと気の毒ではないか、そういうことも考えなければならぬ。むしろバランスから言えば、戦争でお嫁に行けなかった人たちの方の立場をより多く同情して考えるべきではないか、私はさように思いますが、以上三点について、これは大臣から政治家としてのお考えを承って終わりにしたいと思うのです。
○大平国務大臣 本日初めて御提言をいただいたわけでございます。しかも非常に具体的な御提言でございます。現行税制との関係につきましては主税局長からもお話がございまして、問題がないわけではございません。また税制以外の手段へはみ出す面がないわけでもないわけでございますが、こういった問題につきまして、御提言をちょうだいしたばかりでございますので、卒然と感想を述べるというようなことではいけませんので、もう少し勉強さしていただきまして、後日答弁さしていただきたいと思います。
○竹本委員 まだいろいろ論議したい点もありますけれども、ぜひひとつ前向きに検討してもらうように強く要望して、質問を終わります。 ————◇—————
○上村委員長 この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、金融に関する件について、日本銀行総裁森永貞一郎君に参考人として出席を求め、その意見を聴取することとし、その日時につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○上村委員長 次に、連合審査会開会申し入れの件についてお諮りいたします。 すなわち、目下商工委員会において審査中の内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、多賀谷真稔君外十九名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、荒木宏君外二名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び予備審査のため付託になっております桑名義治君外一名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、以上の各案について、商工委員会に連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、委員長間で協議の上、公報をもってお知らせいたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十二分散会