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75回国会衆議院1975/05/30

大蔵委員会 第32号

発言数
104
登壇者
11
会派数
5
開催日
1975/05/30

会議録

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これより会議を開きます。  国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。  この際、福祉定期預金創設等について政府より発言を求められておりますので、これを許します。高橋銀行局長。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 福祉年金受給者等を対象とする特別利率の定期預金の創設に関する概要等について御報告申し上げます。  激しいインフレのもとにおきまして、いわゆる預金の目減り問題につきましては、昨年来種々議論されてまいりましたところでございます。この間、私どもといたしましては、その問題に対します対策の基本は、まずインフレを抑えることであると考えまして、そういう観点から一昨年来厳しい総需要抑制策をとってまいりました。幸いその効果があらわれまして、最近では物価はかなり落ちついてきております。  それと同時に、預金者の立場にも極力配意してきたところでございますが、ことに昨年の九月にには、当委員会におきます御論議の趣旨を踏まえまして、定期預金金利につきまして一律に〇・五%の引き上げを実施したところでございます。  しかしながら、本年に入りましてから全般的な預金の目減りの補償はともかくといたしまして、対象、金額等をしぼってでも弱い立場にある預金者に何らかの措置はできないかという声が高まってまいりました。しかしながら、個人預金を何らかの観点から対象となる人を限定し、またその預入金額を限定して、そういう限定の範囲内において優遇金利をつけるという問題は、その預入対象者なり預入限度をいかにしてうまくチェックすることができるかという点できわめてむずかしい問題がございます。現在の諸制度のもとでは、一般的には適当な方法が見当たらないと申してもよいかと思います。  また、民間の預金金利の問題でございますから、あくまでも民間金融機関自身の負担できる限度において考えることが必要でありますが、それにはおのずから限度がございますことは当然であろうと思います。したがって、実質的に優遇の意味があるものとするためには、預入対象者なり預入金額限度をかなりしぼらざるを得ないという問題もあるわけでございます。  これらの問題につきまして、年初来苦吟を重ねてまいったのでありますが、民間金融界におきましても国会における議論を踏まえまして、これらの問題点について鋭意検討を重ねてまいりました。  その結果、特に現在の情勢のもとで弱い立場にある老人等に限定してでも社会の要請にこたえたい、技術的な面からいって、預入対象者を老齢福祉年金受給者等に限定すれば、預入者の資格や預入限度のチェックを混乱なく行えること、また利子負担の面から申しましても、一人当たり五十万円の預入限度を設ければ、ある程度優遇した金利の定期預金を設けることは可能であるという結論に達して、これを実施したいという要望書が先月ろ全国銀行協会連合会等から提出されるに至りました。  大蔵省としては、この民間金融界の試案を検討してまいりましたが、諸般の情勢を総合的に判断いたしました結果、この際は臨時の措置として、一定期間を限ってただいま申し上げたような案でこの問題を処理するのがよいとの結論に達しまして、けさほど臨時金利調整法に基づく所要の手続をとるため、大蔵大臣から日銀政策委員会に対し発議をいたした次第でございます。  発議の概要は、福祉年金、その他一定の年金、給付金等の受給者について一人当たり五十万円を限度として預入される一年定期預金の金利を、現行の預金金利の最高限度を上回るものとすることができるよう所要の変更を加えられたいというものでございます。  これからは、この発議に基づきまして金利調整審議会等が開かれ、所要の手続をし、実施することになろうかと思います。  以上、簡単に御報告申し上げました。     —————————————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 大変長い懸案で、インフレ下における預金者の保護、預金の目減り、そういう問題について政府当局は適切な措置を講ずべきであるという議論は、もうかなり長い、一年半以上前から、買い占め売り惜しみ問題で騒がれた四十八年の後半から議論が重ねられてきたところであります。そういう長い経緯があったにもかかわらず、一年半もこれが実現しなかったということは政府の怠慢である、大蔵省の不熱意であると言わざるを得ない感じがいたすわけであります。銀行局長はその辺についてどう弁解なさるか、まず見解を聞きたい。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 形としては、非常に長い議論を重ねて時間がたって、やっとこんなところへきたのかという形で、怠慢といいますか、そういうそしりを免れないと思うのでございますが、実際は、預金の目減りを補償するということには非常に技術的にもむずかしい問題でございますし、またこれはある意味では、理論的にと申しますか、言うべくして行いがたいことではなかったのかというふうに私は理解しておるわけでございます。非常にむずかしい問題であったのだということで、時間が延びましたことは、この問題のむずかしさというものを物語っているんじゃないかというふうに私は思っておる次第でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 私も長く大蔵委員会で議論しておりますから、そう乱暴な素人議論をするつもりはありません。しかし、何回か当時の福田大蔵大臣も、検討したい、やってみたい、実は四十九年六月のボーナス預金の期限が切れた段階で何とかしたい、いろいろ答えてきた。  ところが、高橋さんが銀行局長になった最初の大蔵委員会で大平さんは、預金目減り対策は全く考えていない、すなわち昨年九月の預金金利の〇・五%引き上げで事終われり、こういう明快な答弁がなされました。当時、佐藤観樹君も大変憤慨して、私も関連質問で、過去の経緯と違うということで食いついた覚えがございます。  ところが、大蔵大臣と銀行局長がそういう新種預金は全く考えておらぬという明確な答弁をしたにもかかわらず、今回、大変タイミングがずれたときにこれが実行される。これは、大平さんや高橋さんはやりたくない、むずかしいと逃げていたのを、福田さんは、いままでの経緯があり約束があるから何とかやってほしい。特にいまの三木内閣の経済閣僚の最高の地位にある福田さんがそういう意見でありますから、三木さんも三月十九日の本大蔵委員会で、目減り対策は何らかの形で断固やりますと、大変強い姿勢を述べられました。けさ私はその議事録をざっと読んでみて、ははあ、この三月十九日の総理の一声が渋々大蔵省のしりを上げさせ今日に至ったんだなあ、こういう感じがしてならぬのであります。ですから大蔵当局としては全く渋々、国家の最高権力者である総理大臣の言明であるから色をつけなければならぬという苦しい心境で今回の提案になったのではないだろうかと思うのですが、局長、邪推でございますか、そのとおりでございますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 いろいろ御承知でございまして、非常にお答えしにくいのでございますけれども、私どもとしては全般的な目減り補償とか、あるいは過去にさかのぼっての補償ということはとてもできないという立場はとっておったわけでございます。預金者全体にできるだけ配慮しましょうという考えは持っておって、金利の場合で処置するならばそういうふうにしたいというのが私の実は心境でございました。  先ほど申し上げましたように、本年に入りましてから預金全体ということからやや視点がしぼられてまいりまして、対象を限定するなり金額を限定してでもやったらどうかというような、昨年等とはやや空気が変わってきたと申しますか、限定すれば何とかできるのではないか、それからまた、金融機関の負担できる範囲内でというようなところまでおっしゃってくるようになったわけでございます。そうしますと、そういう現実性のあるといいますか、がんばればできるかもしれないという御提案には、私どもも一概に拒絶反応を示したわけではないのでございます。  しかしながら、非常にむずかしいなあということで苦慮しておったわけでございますが、ただいま御指摘の三月十九日の当委員会におきまして、総理大臣が必ずやりますということをおっしゃいましたので、これは私も内閣の指揮下にある行政官でございますから、何かつくり上げなければならないという気持ちになったことは確かでございます。それから民間の金融機関といろいろ御相談し、この程度のことならばできるのではないかということになったことは否めないことでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 局長、正直でよろしいと思いますが、私もそういう観察をしてきたわけであります。  そこで、このインフレにより弱者が痛めつけられているそのときに、一方、金融機関の利益というものは膨大に出ている。特に都銀あたりの決算を見ると、去年の九月期を見ても大変な利益だということで、庶民は、みんなこんなに物価高で苦しんでいるときに、金融機関ばかり何百億ももうけを取ってまことに不公正である、それがけしからぬという気持ちに発展をし、やがては反社会的存在であるという非難に発展をしてきている。それやこれやを勘案したときに、銀行のそういう利益というものをもう少々減らさせていいのではないかという議論も一方には起こってきた。ですから、そういうタイミングのときに当然こういう措置をやるべきであるというのが、われわれ社会党の提言であったわけであります。  われわれは政審会長を先頭にして、当初、郵便局で五十万、他の金融機関で五十万、合わせて百万円の預金金利を二けた台に乗せてほしい。同時にそれは一世帯一口、平等公平にやるべきである、こういう主張をしてきたわけであります。なぜわれわれが一世帯一口、公平平等にと言ったか、その根拠を私は銀行局長にぜひ認識をしてもらいたいのであります。  銀行局長、憲法第十四条に、「人種、信條、性別、社會的身分又は門地により、政治的、經濟的又は社會的関係において、差別されない。」こういう規定がありますね。そうすると、今回のは七十歳以上の年寄り全部じゃないのですね。全部ならまだこれはある程度年齢における公平平等ということが言えると思います。ところが、経済的なラインを引いて差別をするわけですね。老齢福祉年金をもらっている者ともらっていない者という差別をつける。これは経済的差別じゃないんですか。あるいは社会的身分の差別、十四条のどれに該当するでしょうかね。  憲法学者が厳密に議論をすれば別でありますが、常識的に今回の措置を見ると、憲法第十四条の精神に反するというところまではいかないにしても、この規定からながめてどうも妥当性が薄い。この憲法を完全に実現をするというような姿勢に欠けているという感じがいたすわけであります。憲法十四条と今回の措置の間にそういう妥当性を欠くような点は全くないと言い切れるのかどうか。将来、これは憲法違反だという訴訟を起こされたときに、国会議員は大蔵委員会でそういう観点から何ら議論もしてないではないかという国民からのそしりを私は免れないと思う。  そこで、この問題についてもここで少々論じておく必要を痛感するわけでありますが、銀行局長としてはどういう見解でおるのか、ちょっと聞かしてください。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 憲法十四条には法のもとの平等という規定がございます。まあ新憲法の目玉のような大事な規定でございますけれども、これの解釈といいますか、そういうことにつきましてうかつなことを言って——憲法問題ですから非常にこわいことではございますが、変なときには取り消すという留保というようなことをつけまして私の考えを申し上げたいと思いますが、この法のもとの平等という規定でございますけれども、これは一律に機械的に平等に扱えということではないというのが通説かと思います。したがって、形式的には不平等であっても、実質的に平等を目指すものであれば許される。ただ、その実質的に平等を目指すというものが勝手に解釈されてはいけないというふうな説があるようでございまして、民主主義的な原理といったようなものがその根っこにあるの、だというような説が学者の書いたものにはよくあるようでございます。そこで、たとえば社会福祉といったような、形式的には不平等でも実質的に平等を目指すというようなことも法のもとで許されているというようなことであろうかと思います。  私ども今度やろうかと思っておりますこの預金も、一応国家が法律で社会的に経済的に立場の弱い人であるというふうに認定いたしまして、そして特別の年金あるいは給付金等を与えている人に対象をしぼったということでございまして、そういう人に民間の私的契約である預金で優遇をいたしましょうというのは、その年金受給者等というふうにしぼった考え方の線上に沿っておるものであると思いますので、この憲法違反問題は起きないのではないかというふうに私は考えている次第でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 局長、老齢福祉年金をもらっている、もらっていないという概念は、社会的身分でしょうか。これは何でしょうか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 私、わかりません。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 森政務次官、いま局長がおっしゃるのは、憲法十四条違反ではないと思う。私は先ほどから大変用心深く、この条文から見て妥当性を欠くような措置ではないか。  というのは、老齢福祉年金というのは大体全部七十歳以上、無拠出のもの。ところが今度の場合、七十歳以上全部じゃなくて、所得制限があって、おまえのところは収入が多いから、所得が高いからおまえはだめだよ、所得のない、貯金のできないような人たちに、貯金をしたら恩恵を与えるという逆な、社会通念から見たら何というか仮装預金、本人の金じゃない、家族の金、そういうものが積まれるという傾向が強い人たちだけを抽出したわけ。だから、七十歳以上の老齢年金の資格の当然ある者であっても外されるわけですね。外された者から見れば差別ですね。いわゆる経済的な差別をされたことになる。なりませんか。政務次官はどう考えますか。

森美秀自由民主党大蔵政務次官

○森(美)政府委員 今回の私どもがとろうとしている福祉預金につきましては、経済的な弱者に対する特別の措置として、たとえば税制上の問題とかいろいろな問題で配慮するというような、別の場合でもあり得るような気がするわけでございます。御了解いただけましょうか。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 いわゆる弱者で、生活水準の低い、収入が限定されてわずかだ、だからそういう人たちを今回の預金金利一〇%で救済するのだ、だからこれは差別は全くない、所得制限のあるような七十歳以上の年寄りが除外されるということは経済的な差別ではない、こう言うのですね。

森美秀自由民主党大蔵政務次官

○森(美)政府委員 そうではなくて、税金なんかの場合でも十分にそういうことはあり得るのではないかとお答えしておるわけであります。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 それは税金の場合は——憲法に定められた規定は、法律をもってしなければ、公共の福祉といえども変更できないのです。今回の措置は法律措置じゃないのですよ。行政措置なんですよ。それだけに私は、厳密なうるさいことをいま提言しておるわけです。あくまで憲法にあるそれぞれの規定というもの、保障というものは、公共の福祉といえども法律をもってせずんばできないのですね。いわんや十四条の規定の差別と少しでも感ずるようなことは、法的な手続が必要なんです。今回のは法的な措置は何もとらないで行政でやれる範囲内でやった、こういうわけでありますから、なおさら十四条の問題等十分勘案をしなければならぬではないか。  特に委員長は法律学者ですから、ここらの問題について委員長からも伺いたいところでありますが、まあ筋違いですからやめますけれども、いずれにしても、われわれが一世帯百万、郵便局と他の金融機関で五十万ずつ、合わせて百万と言ったゆえんは、全世帯公平平等に取り扱わなければいかぬぞ、差別をしてはならぬぞという精神が社会党案にあったわけですよ。  ところが、今回の案はそういうことを完全に捨ててしまっているというところに、私は大変な不満があるわけであります。そのために憲法第十四条まで持ち出して、これは経済的な差別にならぬのかと——憲法に違反するとまで私は言ってないんだ。この十四条の精神から言って、完全に妥当性がありますと言い切れるか。そう言われてみると、なるほどこの措置は、法律上やる措置でないだけに少々まずいなあという感じを持たぬのだろうか。そういう点から、私は、これから訴訟を提起されたときの心の準備というものをやはり政府はきちっと持たないと、これは法的な措置をとらないだけに問題が起こるという感じがしてならぬのであります。どうでしょうか、政務次官。

森美秀自由民主党大蔵政務次官

○森(美)政府委員 はっきり申し上げまして、余りわからないのでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 これは特に後で、訴訟を起こしたゼンセン同盟の方の指導者である竹本委員から恐らくまた憲法違反論が出るのじゃないかと思いますので、限られた時間でありますから、次の項目に移っていきます。  先ほど局長から、きょう日銀政策委員会の方へ大蔵大臣が臨時金利調整法に基づく発議を行った、こういうお話がありました。今回の措置は、この臨時金利調整法の中に規定されている第四条「金利の最高限度は、常に、一般金融市場の情況に相応するようなものでなければならない。」一般金融市場の状況に相応するかどうかということが基準になっておるのですね。現在の金融情勢、金利状況、公定歩合操作の状況等々から勘案して、この第四条とどういう関係になりますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 今回目減り等の問題が起きまして、こういう特別預金をつくるというときに実は一番問題になった条文がこれでございまして、つまり、仮に特別の預金をつくるというふうにして特別の金利をつけましょうという場合に、臨金法との関係はどうなるのかということで、実はこれは一月ごろから法制局ともう数カ月にわたってやったわけでございます。法制局の方は、この四条で読めないかもしれないというような意見もあったわけでございます。ただ、金融機関で行っております金利は、必ずしもこの臨金法で全部を規制しているわけではございません。つまり、臨金法に基づく告示で除外されているというものがずいぶんございます。  したがって、これは金利調整審議会でこれから御議論いただくわけでございますけれども、一般の金融情勢の金利というのにはなじまないというような結論が出るかもしれません。したがいまして、その点は今度やります場合に、一般の情勢に応じて直すというようなこの四条は働かないんじゃないかというふうに、これは私見でございますが、まだ金利調整審議会でどういう議論になり、どういうふうになるかでございますけれども、そういうような感じでおるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 そういたしますと、臨時金利調整法第四条には該当しない別枠のものにする。そうすると、現在、大蔵告示で「臨時金利調整法に基づく金融機関の金利の最高限度を定める件」、こういう告示が出ておりますね。この告示を見ると、大体最高限度のものが定期預金、納税準備預金、その他の預金と三つになっていますね。そうすると、その他の預金の中にも入らない、この告示にも全く載らない処置ができるということになるのですか。それとも一の中にもう一項、四つ目ができるのですか。その他以外に福祉預金という名前が載るのか。それとも告示は出さないのか出すのか。  それともう一つ、その次にある「金融機関の預金利率に対する規制の緩和等について」という、蔵銀四〇八というのがありますね。これは逆に預金金利はなるべく縛らないで、できるだけ金融機関の金利自由化の方向の思想。しかしその中にはやはり二年もの何%、一年もの何%、全部こう書いてあるのですね。そうすると、この両方にも該当しない新しい制度が今回の措置と理解していいのかどうか、それはどういうことになるのですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 技術的な点でございますので、最終的にどうなるかという確答は申し上げるわけにまいりませんけれども、告示で現在の定期預金の最高限度は八分となっております、それを一割と書く、あるいは一割二分と書くということも一つの方法でございますけれども、恐らくこれはただいま申し上げました四条の関係で、八分はそのままになっているのじゃないか。そうしますと、今度やりますのはやはり告示の追加ということで、八%というものを適用しなくていいというような告示を追加することになるのではないかと思います。  それから、後段で御指摘がございました緩和についてという通達でございますけれども、これは実は昔は定期預金の三カ月は幾ら、六カ月は幾らというようなことを告示でがしっと決めておったわけでございます。それがむしろ金利は自由化した方がいいという思想から、最高限度一本というものだけを告示することにしよう、そしてできればその下で弾力的な預金をやろうというような願望を持って出した通達でございますが、これは当院も御案内のとおり、金融機関の種別、大小によりまして非常に力の差がありますので、一度にそういうふうに最高限度だけ決めておいて自由化することになりますと、弱肉強食的なことが起きるのではないかというおそれから、日本銀行でガイドラインというものをつくって、精神は自由化、弾力化の方であるけれども、それが過度に急激にならないようにというようなつもりで出した通達でございます。  したがって、今度特別の預金に特別の金利を明示しませんで、対象外でありますよというような告示になったとしますと、この点についても競争が起きるかもしれません。その点はむしろ私の通達ぐらいで一つのめどを示してやろうかというふうに考えておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 第四条が該当しない措置がとれるとなると、これは法律軽視になるな。法律無視になるね。法律では、金利調整法で最高限度を定めなければならない。これに全く関係なしに今回の一〇%預金が設定できるとなると、これは法律無視だね。その関係はどうなるのですか。日銀政策委員会なり、あるいは審議会なりの議を経れば、法律にあることを外して、これは法律規定とは別枠だなんて簡単にできるのですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 これは第二条をごらんいただきますと、「必要があると認めるときは」というようなことがございまして、すべての金利を告示の対象にせよというふうにはなっていないわけでございます。  現在でもこの金利というようなもので告示の対象外になっておりますものは、たとえばコールレートとかあるいは外貨預金とかといったようなものがございまして、それからまた、相銀等の貸出金利といったようなものもたしかこの告示ではなっていなかったかと思います。むしろこれは業務方法書などで規制しておったかと思います。したがいまして、すべての金融機関の金利を告示で全部網羅しなければならないというふうにはなっていないというふうに私どもは解釈しているわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 それは高橋さん、いまのは詭弁ですね。それはコールローンとか外為の外国からの外人の預け入れとか、そういうものと、今回の日本に国籍のある日本国民の、しかも年寄りが一口五十万だけ預金を組むという場合とは事の性質が違う。これは銀行間同士の預金レートなどと根本的に事の性質が違う、個人の預金なんですから。いままでの慣例からいって、個人の預金は全部告示で最高限度を明示しているのですからね。  いまの、外国との取引がどうの、銀行間の取引のレートが告示に入っておらぬからというのは、余りにも変動が激しく、需給関係によって自由に操作しても国民に迷惑が及ばない、だから、いま申し上げた三つの点は告示の中へ入らぬでもいいと思うのですよ。しかし今度の場合は、それと同列に取り扱うということは、私は法の精神からいって好ましくないのじゃないかと思うのですが、あくまで私は素人ですからね、あなたの弁解に負けるかもしらぬけれども、ちょっとおかしい感じがいたしますね。おかしくないですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 その点は、十分法制局と打ち合わせ済みでやってきておるわけでございます。  また御指摘がございましたので、もう一度それはあれしてみます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 次に、この五十万円、年一〇%はマル優関係はどうなるのですか、税金関係は。いままでのマル優預金の中に含むのか、マル優とは全く別で、特別に自動的にこの利子については免税措置なのか、この辺の詰めばどうなっているのですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 特別に免税にするというようなことは、税法等の関係でできないと思います。したがって、この人の既存のマル優の範囲内でやっていただくということになろうかと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 マル優の範囲内でやる。現在、七十歳以上の所得制限を受けない老人の預金というのは、一体どんな状況にあるのでしょうか。生活保護の一歩手前くらい、一カ月に一万円やっとの年金をもらっておる人が、五十万円の定期を組める状況というのはあるのかどうか。一体、七十歳以上の老齢福祉年金をもらっている人の預金状況というのはどうなっているのでしょうか。これはあなたたち知らぬとは言えないでしょうね。一年半もこの問題に時間をかけてきたんですから、実態把握しているはずでしょうね。どうですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 一年半もあって知らぬとは言えぬ、非常に痛いところをつかれたのでございますが、実は本当にそのデータは持ち合わせておりません。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 農協中央会や農業団体がいろいろ陳情書を持って私どものところに来ておるのですが、そういう数字でちょっと見ると、世帯主は貯金をしているけれども、七十歳以上の年金をもらっている老人の預金というのはまことに微々たるものである。問題にならない。したがって、現在ある家族の預金を全部解約してこちらにこれが移動してくる、こういう感じが強いわけであります。そういう場合の既存の定期預金からの振りかえ、せがれの名前のものあるいは孫のものを振りかえて、おじいさんなりおばあさんの名義の定期に簡単に繰り込ませる、振りかえさせる、そういう措置も認めるわけですね。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 預金の場合、現実にその人ないし代理人がお金を持ってまいりまして、その人のものであると言ったことを、窓口で真実の預金者であるかどうかを確認することはマル優の場合にございます。今回もせめてその程度のチェックはしなければならぬと思いますけれども、しかし、その人の名前で持ってこられました預金、現金というものがあれば、その人の預金として扱わざるを得ないと思います。いわば名義貸しといったようなことの問題なんでございますけれども、特別の預金をつくりますればそういうようなことが起きやすいといいますか、そういうことは否めないと思いますけれども、それはあくまでも預金者の良識、道徳といったような問題が基本なんだろうと思います。  それからまた、今回の場合、これはもろ刃のやいばみたいで弁解すればおしかりを受けることになるんですが、金額限度がございますので、それも五十万という限度がございますので、それほど乱用されることもないんではないかというふうに思っておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 最後に、途中で五十万定期を組んだが一年間持てない、解約、そういう老人あるいはこの該当者の場合、解約時の金利は、現在の定期預金を解約した場合の金利と同じなのか、それともいままでのものよりは一%高い金利をつけて解約の際にも認めるのか、そうするとそれは幾らになりますか。六・五くらいになるんですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 定期預金の解約の場合、一応その途中の解約レートというのは決まっております。今回の場合、新しくしてそれからという場合の途中で起きたというときには、現在のレートよりも優遇したいという気持ちは持っております。したがって、いまはっきり申し上げるあれではございませんけれども、いまは五・七五になりますので、いま武藤先生のおっしゃったような六・七五くらいで扱えるようにしたいと思っております。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 これを具体的に日銀の政策委員会にきょう発議をし、これから金利調整審議会にかけ、実際に実行するのはいつからですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 順調に審議、手続が進みましたならば、民間の準備等もございますが、おおむね民間では月曜日から扱うというのがコンピューターや何かで非常に区切りがいいものですから、恐らく二十三日の月曜日でございますか、その辺が一番確率の高い日でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 すでに銀行局には、都銀、地銀信金、相銀はやります、信用組合もやりますということの上申がなされているが、他の農協関係、郵便局、これはいつから実施される準備が進んでおりますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 郵便局の方は郵政省でございますけれども、民間にこういう動きがございます、それからわれわれもこういうふうに検討しておりますということは、常時郵政省に連絡してございました。したがいまして、郵政省の方も、私どもの民間の金融機関の実行にそうおくれることなくやるように準備を進めていると聞いております。問題は、向こうも郵政審議会でございますか、これを開いてそういう新しいものをつくるというような決定を得た上でやるわけでございますから、二十三日と同時にできるかどうかはわかりませんが、恐らくそう遅くなくてできるかと思います。  それから、農協の方もほかがやるということならばということでやっておりますけれども、農協は民間金融機関と一緒にできると思います。

武藤山治日本社会党

○武藤(山)委員 大体割り当ての時間でありますからやめますが、私どもが要望してきた内容と比較して、大変後退に後退をした羊頭狗肉の策である、そういう感じがしてならぬわけであります。しかし、これは法改正を必要としない行政上の措置として大蔵省が実行するということでありまするから、われわれがこれ以上ここで、これをこういうものに切りかえて直ちに出直せと言ったところで、恐らく大蔵省はもうきょうの発議で実行段階に入っておる問題でありまするから、これ以上の注文をつけてもやむを得ない事態でありますから渋々引き下がりますけれども、大変不満であるということを最後に付言して、私の質問を終わりたいと思います。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 限られた時間でありますので、二、三、問題点だけ伺います。  私どもはかねてから預金の目減り問題について、その補償問題を質疑をいたしまして要求をしてきたのでありますが、この特別の金利をつけるという問題でも、個人の定期性預金に限って金額を五十万ないし百万ということで実施をすべきである、こういう政策を出してまいりました。  ところで、今回、先ほどの報告を伺いますと、インフレ被害を受けている層、これの対象として福祉年金というふうな銘を打って出されたのでありますが、先ほども法律的な点から論議がありましたけれども、福祉の問題、あるいはインフレ被害を受けている層に対する福祉を及ぼすべき対象として大蔵省としてはどういうふうに考えているか、これは税制の問題もありますし、金融の問題もありますし、行政のさまざまな分野にわたるわけですけれども、そういった大蔵省の福祉を及ぼすべき対象についての基本的な考え方を、まず初めに伺っておきたいと思います。かねてからの論議と今回出されたものとの開きが余りにも大きい、こういう点から基本的な考え方を、これはほかの分野にもまたがりますから、ひとつ政務次官からお伺いしたいと思います。

森美秀自由民主党大蔵政務次官

○森(美)政府委員 今回の福祉預金につきましては、先ほども申し上げましたように、福祉年金受給者を対象とするということにしたわけでございますが、根本的な福祉についての大蔵省の考えとおっしゃられましても大変むずかしい問題でございまして、私どもといたしまして、答える方法というのか、あるいはその福祉とは何ぞやという問題については、ここで私から申し上げる材料を実は持っておりませんもので、御了承いただきたいと思います。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 ちょっとよくわからなかったのですが、この問題は従来からいろいろ論議が重ねられて、私たちは、目減り補償をやるべし、特別の利付の場合、個人の定期性預金、これを広く対象にすべしということを言ってきたわけです。当初、事務当局ではいろいろな理由を挙げられて困難である、こういうふうな返事を伺っておったのですが、特に特別の利付の預金の場合も、銀行局の金融年報で報告されたところでは、さまざまに検討したけれども実施は困難であるとの結論に達した、こういうふうに報告をされておるわけですね。  そういった点から困難であるというふうに言っておられたのが、福祉と銘打って実施するということになれば、おのずからこの福祉についてどの層を対象とすべきかという考え方、これについての一定の検討を経て今回のような運びになったのではないかというふうに思われるわけですが、そういう点から、どうも政務次官のお話はよくわかりませんでしたので、局長に、この預金の分野での福祉という問題について銀行局はどう考えているか、重ねてお伺いしたいと思います。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 一般の問題としまして、いろいろ目減りを補償しろということ、あるいは法人はやらぬでもいい、個人だけでというようないろいろな案がございまして、そして、とにもかくにもそういうのには非常に難点がございます、実行上も技術的にも非常にむずかしいものがございましてできませんということをたびたび申してきていたわけでございます。その中で一番大きな難点でございますのは、そのチェックということでございます。私どもはそのチェックというようなことができるかどうか。それから、もちろん、その金融機関の負担の範囲ということもございます。その辺が大きな制約だったわけでございます。  今回のこの特別な預金というのは、実は国の社会保障政策といいますか、そういうものですでに一つの証票なり何なりが出されておりまして、そのチェックということについて新たなる行為をする必要がないし窓口でも混乱が起きない、対象をしぼり確定しやすいということで、その難点が一つ解消されたわけでございます。  それから、実は福祉預金というように言われておりますけれども、先ほど武藤委員も羊頭を掲げて狗肉を売るとおっしゃいましたが、私の気持ちとしましては、これを福祉預金などと大それたことを言うつもりはないのでございます。したがいまして、先ほども私は福祉年金受給者等に対する特別の利率の定期預金というふうにわざわざ申し上げたわけでございまして、五十万ぐらいのものに高い利息をつけたからそれで福祉が全うできるなどというような大それたことを申し上げる気は、私は持っていないわけでございます。  ただ、福祉年金等というのは長ったらしい名前でございますから、自然と略称みたいなことになって、福祉とかマル福とかマル老とかというふうなことは使われることになるかもしれませんが、私の方は、これで福祉でございますというようなつもりで対しているわけではございません。もちろん、福祉年金等の受給者に対していささかなりとも寄与したことになるかなという効果は考えておりますけれども、これで福祉だというふうには考えておりませんので、ただいま先生の御質問に、福祉ってどう考えているのだと言われましても、ちょっとお答えできないことでございますが……。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 福祉と言えるようなものではないということをみずから言われたのですが、金融に関する福祉の論議は、これは従来もありましたし、今回は報告された内容についてお伺いするということですから、その点に限ってお尋ねしたいと思うのですが、技術的な点だということになりますと、特に年金受給者だけではなくて、ほかにも技術的にすでに他の制度によってその範囲が特定できる層はありますね。また、いま言われた、とても福祉と言えるものではないというふうなことからすれば、たとえわずかなものでも、基本的な論議は別としまして、範囲を拡大するということもこれは考えられるべきことではないか。たとえば、生活保護世帯でありますとか、あるいは障害者であるとか、すでに関係の省庁からも一定の意見が出ているという報道もありますが、こういった点について大蔵省としては、技術的な点ということなら解決できる他の分野について、みずからまだまだ不十分なもの、むしろ羊頭狗肉というふうなそしりさえあるこういった問題についての手当ての方向としてはどんなふうにお考えですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 老齢福祉年金だけを考えておるわけではございませんで、厚生省などとも相談いたしまして、一応所得制限のある年金受給者等というようなものに限定したらよかろうということで、現在、老齢福祉年金、障害福祉年金、母子及び準母子福祉年金、老齢特別給付金あるいは特別児童扶養手当及び特別福祉手当あるいは児童扶養手当、原爆被爆者特別手当、原爆被爆者健康管理手当といったような、こういう人たちをその対象にしようかと思っております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 そうすると、いま言われた点はまだ関係省庁と協議中で、たとえばいま答弁があったような対象の人たちを初め、制度の趣旨を少しでもインフレ被害救済、いわゆる福祉の名にたとえわずかでも近づけるための努力は今後も続けられる、こういうことですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 ただいま申し上げましたもので厚生省との間ではセットしておるわけでございます。したがいまして、ただいま申し上げましたような人たちを一応対象に実行してみたい、かように考えております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 税制の方では、たとえば障害者の関係、特に特別障害者については税制の上からも老齢者よりもむしろ優遇をしておるわけですが、そういった向きだとか、あるいは労働者の関係で失対労務者とか、他の省庁の関係の分野についてもなお協議の余地はあるのじゃないですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 他の省庁からもいろいろ御要望があり、それは現在話し合っておりますけれども、一応現在は先ほど申し上げたものでスタートしてみたい、かように考えております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 ところで、預金の原資はどういうところから調達するかという関係ですが、先ほども少し話が出ておったかと思うのですけれども、所得収入でもってこの預金を使う、あるいは従来の定期預金を取り崩して使う、いろいろな場合が考えられると思うのです。ことに、こういう制度も十分使えない、もう貯蓄なんかとてもできないという層も統計によれば出てきておるわけですから、そういった点からも、どういう資金調達で使われるかという点は、実際の運用の上でもかなり問題になろうかと思うのです。  従来の定期を解約してこれに乗りかえをしたい、こういう場合には従来の定期の取り扱いはどんなふうになりますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 一般に、既存の定期預金の解約をいたします場合に、途中のレートにつきましては一つの定めがございまして決まっておりますので、恐らくそのレートで行われるということになるのではなかろうかと思います。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 そういたしますと、従来の定期は経過期間によって、また当初の約定期間によって解約の場合の扱いが若干違いますから一概に言えませんけれども、たとえば二年ものの場合は当初八%になっておる。ところが、六カ月経過して一年以内ということで解約をすると、これがいま五・七五ですか、つまり約定から見れば二・二五%減少することになる。ところが、今度の分は一〇%と言われておりますから、上乗せ分が二年ものに比べれば二%になる。つまり、原資がなくて従前の分を解約していわゆる乗りかえていったときにはかえってマイナスの結果になる。局長はきわめて不十分だということをみずから認めておられるのですけれども、この解約の場合の扱いを従前のいわゆる乗りかえといいますか、そういう扱いをする余地はないのかどうか、この点はいかがでしょうか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 御指摘の点は、人情論といいますか、そういうものとしては非常によくわかる話なんでございますけれども、実はまた新たな問題も起きてくるかと思うのでございます。  たまたま二年の定期預金を持っていた人がその店で乗りかえるといった場合にはあるいはわかるかもしれませんけれども、そうでない場合には、本当に目的がこうで解約いたしますという場合に優遇してくださいということ、これが新たに高利の預金につけかえるからということで正当化づけられるとするならば、たとえば病気でおろしますというような場合にもどうだという話になりかねませんし、あるいはまた、たまたま定期預金でなくて債券を持っていたりした人が、それを売ってこれに切りかえようかという場合の扱いなどはどうすればいいのかとか、新しい問題が出てくると思うのでございます。  わずかな救いは、同一店舗で乗りか見た場合に何とかなりませんかね、こういうようなことだろうと思うのでございます。それ以外の場合にはちょっと特別扱いするということの方がむずかしいのではないかと思います。せっかくの御提案でございますので、同一店舗で乗りか見た場合にそういうことができるかどうかということは研究してみてもよろしいかと思います。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 同一店舗の場合は検討という話ですが、いま局長の言われた中で、病気でおろすというのは、次にもう一度継続するという、いま問題提起したのとちょっと違いますからこれは別として、債券などを持っておるという場合、つまりいま言っておるのは、他に十分な資産がなくて、こういった制度ができたそのときに、わずかにある従来の定期を利用せざるを得ない、そういうことでもしてみようかという場合にかえって不利になる、あるいは特別の金利といったメリットが十分働かない場合が決して少なくないのではないか。  たとえば、貯蓄増強中央委員会の調査では、むしろ貯蓄をおろす人が低所得者層に大変ふえておる、物価高の影響から低所得層を中心に貯蓄を引き出す世帯がふえたということを言っておりますし、それから四十九年度の統計では、国民の全平均としましても二十五万円しかふえていない、これは大変傾斜がありばらつきがあるわけですから、五十万という枠自体も問題ですけれども、しかしそれでも、従前のやっと積んだ定期をせめてこれに乗りかえようかということは、それなりの実態があり、その場合の要求というのはそれなりの理由があると思うのです。  技術上の、取り扱い上の問題点は、店舗が違っても次に契約する場合はこれを使うわけですから、前に積んでおった定期を使うということの書類上の処理は考えればできると思うのですが、これはたまたま境界として出ておる話でありますけれども、そういう点が同一店舗以外でもできないか。たとえば乗りかえについては従来例はなかったかどうか。そういうことも含めてなお検討の余地はあるんじゃないでしょうか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 従来、乗りかえといいますのは、実は中途解約をして乗りかえるんじゃなくて、定期預金の期限が切れて流しておって、気がついてまた新しく定期預金に続けますといった場合のことがありまして、それに対する金利の特別扱いといいますか、扱い方は決まっております。解約して新しい金利にする、新しい預金にするというような場合には実は定まっていないわけでございますし、また従来はそういうことは行われなかったわけでございます。  いま先生がおっしゃっておりますこと、せめて同一店舗で乗りかえる場合に何か特別の扱いはできないだろうかということぐらいの問題として民間の銀行と相談してみたい、かように思っております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 こういった問題が起こるのは、仮に一年ものなり二年ものなりある場合に、受付期間が六カ月という案が出ておりますから、満期までいけばその点は問題としてはかなり解消されるわけですけれども、そういう意味からこの受付期間について、従来言われておった期間を、これでもかなり延長しているんだという話もありますけれども、そういう問題点を拾い上げるためにも、いまの同一店舗内での継続の問題と絡めて期間の点もひとつ検討の余地はないでしょうか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 今回の措置、これの大きな背景としましては物価情勢といったようなものでございますので、私ども、ともかくただいま総力を挙げて物価と闘っておるわけでございます。したがって、ともかく来年の三月には一けた台に持っていくということをやっております。そういう環境を踏まえまして、臨時的に一時的な措置としてやろうということでございますので、半年前後の取扱期間であれば十分ではないかと考えて、半年にいたしておるわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 それから福祉年金の場合に、年金証書なりあるいは関係書類が社会保険庁の方へ提示になりますね。これが一定期間、そういった書類手続に要する期間がありますね。その間、関係書類が手元にない、こういう問題があると思うわけでありますが、この取り扱いの問題を解決するための事務当局の案としては、どういった処理を考えておられますか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 証書が保険庁あたりに提出されました場合には、必ず預り証がかわりに発行されております。したがいまして、本証がない場合でも預り証で窓口で扱うようにという指導をするつもりでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 郵便貯金の方は先ほど局長からもお話がありましたが、郵政省の方かち直接ひとつこの点についての方針なり現在の考えなりを聞かしていただきたいと思います。

陣野龍志郵政省貯金局第一業務課長

○陣野説明員 郵便貯金といたしましては、ただいまのところ市中の金融機関がこうした預貯金を取り扱うという方向で進んでおりますので、ほぼ同一の歩調をもちまして実施するように、ただいま検討を進めておるところでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 これで質問を終わりますが、内容についてはいろいろ伺って、その対象の範囲、なお関係省庁と協議をして拡大するという問題、あるいはいわゆる乗りかえの場合の扱いで部分的にしろ検討する問題などを伺ったのでありますけれども、全体としまして、当初に言いましたように、本来論議になりました趣旨、インフレ被害から目減り補償をしていくという問題、そして私どもが質疑の中で指摘しておきました点から見ますと、はるかに問題の質的なとらえ方が違っておる今回の措置でございまして、局長みずからそういう点を認められたわけで、私どもはなお、この全体としてのインフレ問題の解決、被害救済のために政府がとっておる措置が、むしろ公共料金だとか物価値上げにつながっていくような措置だということを大変遺憾に思っておるわけです。  同時にこのことが、金融機関側においても資金コストの関係だとかその他の点から中小金融機関にはずいぶん圧迫になり、むしろ都市銀行の経営戦略といいますかシェア拡大といいますか、そういう大きな路線のたなごころの中にあるという点も指摘をしておかねばならぬと思うのです。そういう点から、この従来から続けられてきました論議が行政措置としてはこういう形で発表になったわけですけれども、決して問題が解決しておるんじゃなくて、むしろこういう点での物価対策や、それからインフレの補償の点は、さらに大きな今後の課題として質疑の中でも取り上げ、また問題指摘も続けていくべしということを申し上げておいて、質問を終わりたいと思います。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 広沢直樹君。

広沢直樹公明党

○広沢委員 ただいま議題となっております預貯金の目減り補償問題につきましては、長い間論議が行われてきておりますけれども、結論が出ないまま今日に至ったわけです。そして先ほど御説明がありましたように、やっと福祉定期預金という形で出されてきたわけでありますけれども、その間の経過は、不況の深刻化で公定歩合の引き下げ問題がタイムスケジュールに上ってくる、そういうことになれば当然貸出金利も下げられる、ところが、その当時の議論の中では預金金利は下げないというお話もあったわけです。ですから、こういう相当論議された預金の目減り問題については立ち消えになるのではなかろうかというようなことが新聞にも出たことがあります。  そこで、先ほど銀行局長からお答えがありましたように、過般の大蔵委員会で三木総理が再度、この件については必ずやるという公約をなさった。当時、私も三木総理に対してこの問題についてはお伺いしたわけでありますが、これだけ大きな問題となり世論が喚起されてきたわけでありますから、当然これはやらなければならない。いま出された問題については、先ほどの御説明を聞いておりますと、はなはだ不十分である、決して納得できる問題ではありませんけれども、その当時も私は三木総理には、やはりここまで大きな世論になった以上は、やらないということは国民の中にますます不信を植えつけることになるから、何らかの形でこれはやらなければならないじゃないかというふうに申し上げたわけですが、そう意味からは、一応ここに苦心の策として出てきたことは評価しなければならないと思うのです。  そこで、この福祉定期預金の創設に当たって、基本的にはどういう考えが基本になっておるかということを、まず私はお伺いしたいわけです。それは基本的には、いわゆるインフレによるそういう金融資産の目減りということをとらえて預金の目減り補償をするべきではないか、こういう考え方もありますし、あるいはそういう中で社会的弱者といいますか、福祉年金の受給者といった方々をまず補償しなければならないという福祉的な考え方、こういうことも一つの考えの基本にあるでしょうし、さらには銀行関係から考えますと、預金獲得といいますか、そういう銀行サイドの考え方に立った、いわゆる貯蓄手段の一つとして過去にもありましたボーナス時だけの定期預金、これにある程度金利を上乗せをしてやるというやり方とか、あるいはくじつき預金、そういったいろいろな銀行サイドの預金獲得のやり方の一つとしてやったという考え方もありますが、どういう考え方が主点になっているのか、この点が先ほどの局長の説明では非常にあいまいであるわけです。その点はどこにポイントが置かれているのか、ひとつ御説明いただきたいわけであります。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 こういう制度で簡潔に申し上げるわけにはまいりませんけれども、金融資産の目減り補償として何かできないかという議論というものがありまして、それは非常にむずかしいんだということでさんざん議論をしてきたわけでございますけれども、そういうことをやっております間に、せめて社会的に弱い立場にあるといいますか、あるいは所得の稼得能力の少ない人の預金ぐらいは優遇したらどうかというふうに変わっていったかと思います。  したがいまして、私の考えとしましては、目減り補償としての対案としてこれを出したということよりは、むしろ稼得能力の少ない人の預金といいますか、経済的に立場の弱い人の預金について、銀行の負担できる範囲内で優遇するということを考えたらどうかというようなことにこたえているのが一番かと思います。  三番目の、これをもって金融機関の預金獲得競争の手段とするために金融機関が考えてきたことではないかという点は非常に少ない、これはむしろないのではないかというふうに私は考えているわけでございます。

広沢直樹公明党

○広沢委員 そうしますと、考え方としてはいま三つあるわけでありますけれども、いまのお答えによりますと、いわゆる社会的に弱い立場の人たちに対する一つの対策として銀行側が考える、あるいは政府もそういう対策の一つとしてこれを推進する、こういうわけですね。むしろ私どもは、いわゆる背景があのようなインフレ、特に昨今の狂乱物価というようなことで、金融資産に対する預貸の関係での不公正が非常に拡大してきているといったところを是正するのが、今日、社会的問題ではないかということでこの目減り問題に取り組んだわけですし、当局もそれをもとにして検討するということでやってきたわけですね。ですから、そういう意味から言いますと、これはやはり基本的にもう少し考えを改めていかなきゃいけないのではないだろうか、こう思うわけです。  まあ社会保障的なことは当然やっていかなければいけない。わが国の社会保障が非常におくれているということは、ここで議論するまでもないことであります。しかしながら、そういうことであるから今度、銀行を主体として金融機関がこういう態度をとっていくんだということであれば、これはいままでの議論とは別個の形態ではなかろうかと言わざるを得ないのですね。そうすると当局は、非常にむずかしい問題には違いありませんが、こういうインフレ等による預貯金の目減り問題については基本的にどういう考え方を持っているのか、これは再度お伺いしておかなきゃならないと思うのですね。いかがでしょうか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 インフレ等によって債権者が損をし、債務者が得するという事実は否定できるものではございませんが、それをどういうふうにして直すかという手段は非常にむずかしいのでございます。預金というようなことで例示的に挙げられておりますけれども、これを一体どこでどういうふうにして是正したらいいのかということについて、実は私は本当に妙案がないわけでございます。したがって、何としてもインフレをとめることであるというようなことでがんばっているわけでございまして、そういう金融資産全般に起きる目減りというものを公平にコンペンセートするというようなことは、まずできないことではないかというふうに私は考えておるわけでございます。

広沢直樹公明党

○広沢委員 これはただ預貯金だけの問題ではない。金融資産すべてに影響してくるということですから、その意味はわからないではないのです。しかしながら、すでに議論がなされてきましたように、こういうインフレ高進の中で不公平を是正していかなきゃならないということでまず第一番に議論になったのが、こういう金融資産の目減り問題なんですね。ですから、施策としてはあらゆる面に手を加えていかなければならないと思いますが、まずもって金融関係においては、この預貯金の目減りをどうするかということは当然真剣に考えていかなきゃならない。他に影響があることはわかります。  ですから、私どもも、全面的にその減った分だけ全部カバーしてしまえという考え方は非常に大きな問題があろうというので、少なくともそういうことに対する政府の責任、そういったものを考えて、それに対応しただけの前向きの姿勢というか手段を講じなきゃならない。わが党としてもこれに対するいろいろな考え方をすでに要綱として発表しているんですが、先ほど申し上げたようにやはり目減り対策の一つとしても考え、そしてまた、その中でも比較的弱い立場にある方々に対する配慮もするということで、一応私どもは小口預金について一定の限度を設けて、そしてそれを物価の関係とにらみ合わせて、二けたの物価上昇ですから二けたの金利にすべきではないか、そういうふうな案を提示してきたわけですね。  まあ一定の限度を五十万にするか百万にするか、それぞれ議論はあろうかと思いますが、その小口預金についてやることによって、一応預金者に対してはまんべんなく対策が講じられるんではないか。その中に、いま銀行局長が提案しましたような福祉定期預金に該当する方々も当然含まれてくるのではないか。なおかつそこで福祉的な政策をより盛り込んでいくためには、諸外国でも採用しつつあります、政府みずからの責任ということでやっているいわゆる特別貯蓄国債、こういったものを発行して、老齢者あるいは母子家庭あるいは心身障害者、いわゆる福祉手帳をお持ちになっていらっしゃる方に対しては特に配慮する、こういうふうにしていけばこういう不公正の拡大ということはないのではなかろうか、満足とまではいかなくてもということで一応提案をしてあったわけであります。  そういうことから考えてみますと、先ほどもいろいろ議論もありましたように、確かに一面では弱い立場にある人たちに対しての配慮、これには反対はしません、当然のことだと思いますけれども、目減り補償の対策として考えた場合の一般預金者に対する考え方から言うと、これはまた非常に格差が出てきたのではないか、この問題をどう考えていくのかということをひとつお考えいただきたいと思うわけです。これはいますでに発議をされておりますから、いまから取り下げてもう一遍やり直すということはやれないかもしれませんが、今後の問題としてこれはやはり考えていかなければならない問題ではなかろうか。  いわゆる世界的なインフレの中で、諸外国においてはそういった問題についてはすでに積極的に取り組んで対策を講じているわけです。世界的インフレ高進の中で、わが国の物価上昇なんというのは狂乱と言われるような問題を起こしているわけでありますから、それに対応した臨時的処置としても、目減り対策というものは当然今後も検討し、実現していく方向にやっていかなければならぬ。福田副総理の言葉をかりるわけではないのですけれども、技術的にむずかしいと言えば何もできないよ、こう言ったのと同じことでありまして、これは前向きに取り組んでいかなければならないというふうに考えるわけですが、その点基本的にどうお考えでしょうか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 本当にむずかしいのでございます。前向きに取り組む、そういうふうにお答えするのは簡単なのでございますけれども、非常にむずかしい問題であります。  一般の預金者というものに対する配慮といったようなもの、これはもちろん重要なことでございますし、このような情勢のもとにおきまして、景気対策等の関係からいろいろ金利問題というものはささやかれておるわけでございますけれども、個人的な意見になりますけれども、従来どちらかと言えば預金者は損をしている、借りた人が得をしているというような結果になっております。そういうことができるだけないように、資金の提供者の立場というものが相対的に優遇されるといいますか、いままでよりは大事にされなければならぬという考えは持って対処していきたい、そういうふうには思っております。

広沢直樹公明党

○広沢委員 少し内容を伺っておきたいと思うわけであります。  対象となる福祉年金受給者についてでありますけれども、これはいわゆる福祉手帳を持っている方々すべてが含まれるのかどうか、具体的にはどういう内容になっているのか、この御説明がなかったように思うのですが、一応簡単に説明していただきたいと思います。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 現在考えておりますのは、老齢福祉年金受給者、障害福祉年金受給者、母子及び準母子福祉年金受給者、老齢特別給付金の受給者、それから特別児童扶養手当及び特別福祉手当の受給者、それから児童扶養手当の受給者、それから原爆被爆者特別手当、原爆被爆者健康管理手当の受給者というものを対象に考えておるわけでございます。

広沢直樹公明党

○広沢委員 それは私が承知しておりますものを申し上げますと、昨年十一月現在で、老齢者は約三百九十七万、障害者が四十二万、それから母子、準母子の家庭が七千七百、大体それが一応対象になるようなニュースが出ているわけでありますが、そういうことに間違いないのかどうか、どうでしょうか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 受給人員でございますが、五十年度の予算ベースで申し上げますと、老齢福祉年金が四百二十八万人、障害福祉年金が五十七万人、母子及び準母子、これが五千人、老齢特別給付金が十三万一千人、それから特別児童扶養手当というのが八万人、児童扶養手当が二十万四千人、それから原爆被爆者四千人、原爆被爆者健康管理手当、これは約八万人ということで、トータルいたしますと五百三十五万六千人、こういうことでございます。

広沢直樹公明党

○広沢委員 その中でたとえば母子家庭をとらえてみましても、五千家庭とおっしゃいましたけれども、実際はそんなものではないわけですね。そうすると、母子家庭の中でも該当しない方が、あるいは老齢福祉年金を受けておられる方でも該当しない方が出てくる、こういったところにやはり一つの格差というもの、差別というものが出てくるのではなかろうかと思うのですが、その点の内容はいかがなものですか。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 ただいま申し上げました方々は、すべて年金証書ないし手当証書を持っておられる方々だと思います。そういう方々は除外される扱いにはならないと思うわけでございます。

広沢直樹公明党

○広沢委員 それでは、時間がありませんので、最後に政務次官にお伺いしておきたいと思うのですが、先ほども申し上げましたように、その観点がやはり目減り補償というよりも社会的に弱い立場に対する新しい制度である、それは短期的なものである、こういうことなんですね。その点が非常にあいまいじゃないか。この議論の一番の問題点は、やはりこのインフレによって被害を受けた、それにどう対応していくかという一環であったと思うのです。ですから、当然預貯金の目減り補償の問題というものについてはそういう背景からとらえて考えていくべきじゃないだろうか、こう思うのです。  そこで、御承知のように総理の諮問機関である国民生活審議会のそれに対する答申におきましても、「老齢者預金の実質価値維持を目的として、老齢者に対象範囲を限定するとともに、一定の購入限度額を設けて、額面を物価上昇率に応じて調整して償還する」いわゆる特別貯蓄国債の発行、こういうことやら、いろんな前向きに目減り補償と取り組む提言をしているわけです。私どもも、いますぐインデクセーション、いわゆる物価スライド的に物を考えるということはむずかしいかもしれませんので、短期的にこれは今度の処置として考えるように提案したわけですが、将来にわたってやはり物価スライド導入ということを含めて考えていかなければならないのではないか。  四十九年度から厚生年金にしましてもあるいは国民年金にしましても物価スライドを導入したわけですね。さらに、いまの国民生活審議会におきましても、前向きに、インフレ対策としてはインデクセーション的な考え方を取り入れていくべきであるという提言をしている。そういうことについて、政府はまた当局はどういうふうに取り組んでいくお考えなのか、その点をお伺いしておきたいと思います。

森美秀自由民主党大蔵政務次官

○森(美)政府委員 銀行局長が冒頭に、年初来この問題について苦吟をしたということを発言しておりますが、私ども、預金の目減り対策につきましては大変に苦しみ、悩んだわけでございます。ただいまの御質問の問題につきましても、考えてみればむずかしい問題ばかりでございます。これも検討をしたいと考えております。しかし、検討と言いましても、なかなか前に立ちはだかっている問題が余りに多いということを御了解いただきたいと思います。

広沢直樹公明党

○広沢委員 最後に一言申し上げておきたいのは、やはりこういう世界的インフレの中で諸外国においてもすでに先進諸国十数カ国においては物価スライド導入という問題も具体的に実施しているところもあるし、いま鋭意検討しているところもあるやに聞いているわけであります。当然わが国においてもこういう国民世論の要望についてはその実現を図るべく鋭意前向きに検討すべきであるということを強く要望して、質問を終わります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本委員 先ほど来いろいろ御論議が重ねられておるのでございますけれども、まず第一に、この特別預金といいますか、新しい考えを打ち出して実践に移すことが遅過ぎたというわれわれの印象を非常に残念に思いますので、一口申し上げます。  銀行局長は財政金融が専門で国際政治史の方は余りお得意でないかもしれぬが、国際政治史の中にはツー・レイト・ジョンソンという言葉がある。これはジョンソンがアフリカに駆けつけたときに余り遅かったのでツー・レイト・ジョンソンというあだ名をもらったのですが、今度のこの措置はいろいろと検討にむずかしい要素があることも私よくわかりますし、また先ほど来指摘されたように大蔵省が怠慢な問題もあっただろうと思うが、いずれにしましても、われわれがこれを最初に取り上げてから約二年たっておる。  先ほど私の話が出ましたが、仲間のゼンセン同盟が裁判に訴えたのは四十九年三月ですから、それからでももう一年以上たっておるが、裁判に訴える前の準備期間が半年以上あって、われわれが問題を取り上げたのは四十八年の夏であります。そういう意味でいまごろの実現ということでございますが、その実現の問題は、実現かどうか後でまた議論するとして、とにかくツーレイトである。おまけにツーリトルである、少な過ぎるということも一つわれわれは非常に残念に思いますから、一口だけ申し上げておきたい。  そこで本論に入りますが、私どもがこの問題を取り上げた基本のモーティブから言いますと、大分ずれておるので、その点を少し申し上げてみたいと思うのですが、私が特にこの目減りの問題に重点を置いて取り上げた第一の理由は、インフレを抑制するということであります。総需要抑制とか先ほど来いろいろ言われましたが、一つ覚えの総需要抑制だけでインフレはなかなか押さえられないし、のみならず、その総需要抑制に踏み切ったのがこれまたツーレイトなんです。半年以上おくれておる。その点については、ドイツの物価が七%あるいは六%に押さえられていて、大体日本の四分の一でありますけれども、それは前大戦におけるドイツの苦い経験もあるし、あるいは恩給生活者が千万人からおるという特殊事情もありますけれども、そのドイツが打った手、その時期というものから比較すると、余りにもおくれておるし、余りにも生ぬるいし、逆の調整インフレ論なんというものがあったわけですから、そういう意味でインフレに対する認識が全然ない。  そこで、政府の目を覚まさせるにはどういうことが一番いいだろう、いろいろ考えまして、とにかく裁判にでも持っていくような大きな問題に火をつけて、私は予算委員会においても財政のデフレーターの問題を取り上げて、政府の予算の中にも、いまのように物価が上がれば実際の仕事の量から言えば何兆円というむだがあるではないかと言ってもぴんとこないらしい。そういう意味で裁判をしようということまで考えたわけでございますが、根本の動機は、インフレに対して無知であり無感覚であるということの目を覚まさせる意味で、目減り補償をやれということを言い出したわけであります。  しかし、これは、今日になって総需要抑制がとにかく行われて、不徹底ではありますけれども一応その取り組みができたので、まあまあということでございますが、ただ私が言いたいことは、日本人はドイツ人と違って、これはイギリスの外務大臣をしましたスチュアートの言葉ですが、インフレに対して犯罪的に無知である、あるいは無感覚である。このことをわれわれは忘れないように、特に銀行局は通貨の問題もあるわけですから、インフレに対して犯罪的に無知でないように、最も敏感であってほしい。これはしかし、日本の政治においては、はなはだ遺憾でございますけれども、まことにでたらめであったと思います。  第二の私が取り上げた大きな動機は、いわゆる目減り補償でありますが、この目減り補償は、今度お考えいただいた制度というものとわれわれのねらいとは大分離れておるということを残念に思いますので、一つ指摘しておきたい。  まず、これからということになるでしょうが、事務的なことも少しお伺いしますが、これから特定の福祉年金を受けた五百三十万人かの人を対象にしてこれをやるというのですけれども、これからやるのであって、いままでの高い、たとえば去年は大体二四・五%消費者物価が上がったが、そういうときの犠牲を受けた人に対する目減り補償ということには全然これは関係ないではないか。日本でインフレの救済をしなければならぬ、社会的公正の立場からインフレの救済をやるということになれば、四十八年、四十九年の激しいインフレの過程の中で受けた犠牲をどういうふうにカバーしてやるか、これが政治だと思うのですね。  これから先の問題は、いまおっしゃったように、僕は来年消費者物価は一けたになるとは思いませんけれども、福田さんを初め、政府が一生懸命やっておられるから、これに大いに期待をするとして、これから先はまあまあとしても、いままでインフレのために受けた非常な犠牲を一体どういうふうに考えようとするのであるか。これで目減り対策はもう一巻の終わりにするのか。これはこれからのインフレ弱者あるいは社会の弱者に対する思いやりの政治の第一点として取り上げたけれども、より本格的には、四十八年、四十九年のインフレの犠牲に対しては第二弾、第三弾として本格的な取り組みをする意思があるのかないのか。これは目減り補償の重大なポイントだと思いますので、まずその点をひとつお伺いいたしたい。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 いま御指摘のように、いろいろ問題はあるわけでございます。過去のものにさかのぼって目減り補償をするということは、現在私どもとしては考えがないといいますか、うまい手だてが見つからないということでございまして、その点は何と申しますか、おわび申し上げるより仕方ございません。

竹本孫一民社党

○竹本委員 政務次官に一つお伺いするが、こういったこれからのものができる、要するに、行政事務的に言えばこういうところかもしれません。しかし、政治的に社会的な不公正の是正を言われる三木内閣の基本姿勢の問題として考えれば、目減り補償ということが、これから預けた者に一〇%、普通で言って八%なら八%を一〇%にしてやるということで、これも一つの思いやりの政治かもしらぬが、本当に犠牲になった者の救済がこれで置き忘れられるということになれば問題だと思うが、技術的にむずかしいことや犠牲が大きいこともよくわかるけれども、やはり政府としては、これは大臣にも言わなければならぬが、ひとつ本格的に取り組んでみるべきではないかと思いますが、政務次官、いかがですか。

森美秀自由民主党大蔵政務次官

○森(美)政府委員 竹本委員のおっしゃることよくわかりますが、過去のものになりますとなかなかむずかしゅうございます。私どもはそれなりに将来に向かって、先ほど御指摘のございました一けた台を超すのじゃないかどうかという問題を含めまして、ともかくインフレを撲滅するということに一生懸命やっておるということは御了解いただける、こう考えております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 次官、局長の御答弁も一応承っておきますが、やはり政治としては、一番激しいインフレ過程の犠牲者というものに対する救済、それを過去の犠牲は泣き寝入りというようなことでは政治にならないということだけは鋭く指摘いたしておきたいと思います。  それから、目減り補償という問題のそもそものことについて一口申し上げておきたいが、これは文字どおり目減りを補償するということなんですね。だから目減りはさせないということなんだ。そのためにはどういうことをやるかということになれば、これは銀行局長も世界の例をよく知っておられるから一々申し上げる必要もありませんが、必ずしもブラジルだって完全ではありませんけれども、それぞれそれなりの努力をしているわけだ。そこで、私は目減り補償の原点に帰って考えてみればどんなことかということについて、前にちょっと申し上げたこともありますが、念のために、私がこういう問題を取り上げたそのきっかけを一口申し上げて御参考に供したい。  私はここに「平均有銭」という本を持っておる。これは魯迅とも親しいと言われる内山完造さんが、一九四九年五月、中国で上海が解放せられたときに中国特有の物価騰貴で大変経済が混乱した、それをどう抑えたらいいかということで考えついた今日で言う安定価値計算制度の導入について書いたものなんです。  どういうことをやったか一口に申し上げますと、これは上海だけではない、七つの都市でやったんですけれども、上海では白米が一・五六斤、それから食用油一両と書いてある、当時どのくらいかわかりませんが。それから布が一尺、それから大事な燃料一斤と書いてある。要するに衣食住と言いたいところですけれども、米、油、それから着物の布、燃料、この四つを一単位としてそれだけの一単位をそろえるのにどれだけの金がかかるか。当時では三百十五元だそうですけれども、三百十五元かかる。だから三百十五元銀行に預けたときには、三百十五元預かったとしないで一単位預かったとするんです。  したがって、十年後に物価が十倍になったとするならば、一単位買うのに十倍かかるんだから、預かったのは一単位であるから三百十五元の十倍、三千百五十元を返すということにするんですね。だから預けた人は損をしない。損をしないから安心して預けるということで、共産主義国の資本の蓄積に一方では充てる。それから、安くなっても大体三百十五元は三百十五元くれるんです。そういうことがあるからこれは得だということで、みんなが預け始めたので物価鎮静の効果はあったんでしょう。下手な総需要抑制よりもよほど効いたんだ。  そういう意味で、とにかく中国の考え方というものは、中国にそれだけの必要があったということも事実ですけれども、一つの新しい考え方を導入して、今日で言う安定価値計算制度というものを導入したんですね。「折実単位儲欸」、こういうむずかしい字が書いてあるけれども、要するに単位で預かる。私は銀行局長に宿題だと言ったのもそれなんですが、銀行というものは一万円札を十枚預かるという倉庫業みたいなものなのか、いま言ったように、一万円で買えるある一単位の生活物資がある、その単位を預かるというふうにして、もっと言うならば、経済価値を預かるということに考えるのか、その辺の定義を一度明確に聞きたい。銀行法の根本問題だ。  私はこれを将来また問題にしますが、いずれにいたしましても、目減り補償というのはそういう意味で一単位、米にしても、布にしても、油にしても、燃料にしても、これだけの金があればこれだけの単位のものが買えるというその購買力を預かる、その購買力を物価騰貴によって損をさせないように補償する、埋めてやる、これが目減り補償なんですよ。そういうことから考えれば、いまの五百万人を対象にするという今回の制度なんというものはおよそほど遠い。過去のものは泣き寝入り、これからのものでも、ただ福祉年金をもらっている人が一%か二%少しいい金利をもらうということだけであって、貯金に対する目減りの補償ということとは余りにもかけ離れておりますという本質的な問題を正しく理解をしてもらって、やはり目減り補償の問題については本格的な検討が必要であるということを私は指摘しておきたいと思います。  ゼンセン同盟が訴えたときも、事の起こりを一口に申し上げますが、大体女子従業員の皆さんが三十万円から四十万円ぐらい貯金しているのです。それは何だというと結婚の支度金なんですよ。結婚の支度金として大部分は預けておる。ところが、こんなに物価が上がっちゃったもんだから、結婚の支度どころか着物が何枚買えるか。三十万円なんて言って、いま大島つむぎが六十万円するという話を聞いたことがあるが、着物半分しか着られない。幾らヌード時代でも、ヌードで結婚式に行くわけにはいかないのだから、やはり着物は着て行けるだけの預金をするというまじめな努力を、政府も見てやらなければいかぬ。その結婚支度が三分の一もできないようなことになる、これは目減り補償にならぬでしょう。そういうことでこの裁判も起こしているわけでございますから、この目減り補償の本質はどこにあるかということをよほど真剣に考えてもらいたいというふうに思うのであります。  ちょっと銀行局長、事務的なこともお伺いしますが、今度の特別預金制度で人数は五百三十五万人とかいう話でありましたけれども、大体それによってカバーしなければならない銀行の特別の負担というものはどのぐらいになるという見通しであるか、その見通しがあればそれを承りたいということが一つ。  次に、先ほど農協の問題や信用金庫の問題も出ましたけれども、そういう場合によっては弱いあるいは特殊な事情の中にある金融機関に対しても政府はあくまでも補助は一切やらない、おまえしりぬぐいはやれという立場であるかどうか、この二つだけお伺いいたします。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 五百三十五万人で五十万ということでございますから、全体が行きますと大体二兆五千億ぐらいになろうかと思います。現在の一年定期の七・七五と、仮に一〇%ということに決まりますれば二・二五でございます。したがって、まるまる全部来ますと五百六十億ぐらいの利子の増加になろうかと思います。  問題は、その預金がどういうふうに各機関別に配分されるかということなんでございますが、実はこれは私の方は確たる資料がございません。一応個人預金を一〇〇としまして、現在の都銀、地銀といったようなシェアというものがございます。それを単純に掛けていいのかという問題があるのですけれども、それを総預金の中に占める個人預金のシェアということからいいますと、問題になる農協あたりが大体一五%ぐらいになるわけです。郵便局なども大体似たような数字でございますけれども、実態は仮にその一五%のシェアで分けるとすれば、五百六十億の一五%ということで六、七十億になりましょうか、その辺が農協の負担増になるのかなというのが、実は非常に機械的な数字でございまして、自信があるわけではございません。農協等は、むしろ今度の対象の三割ぐらいはうちに来るのではないかというようなことで御心配なさっておられるようでございます。  また郵便局の方はいまのところ余りあれでございませんけれども、私の個人的な感じを申しますと、今度の場合でも郵便局のシェアがむしろ高まるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  したがって、一応そういったような計算で割り掛けてみました場合の経常益に対する影響というものは、それぞれ一割というところぐらいが一番大きいところで、後は数ポイントというようなことだと思います。したがって、まあまあ耐えられるのではないかというふうに、マクロの数字で考えておる次第でございます。  それから、後の方で財政から何か援助をするつもりはないのかということでございますが、それはいまのところ考えておりません。

竹本孫一民社党

○竹本委員 私どもは、これは一口百万円、一〇%というようなことを考えておったわけですが、それは一応別にいたしまして、今度の五十万円のいまいろいろ御説明にあった問題については、これは先ほどの告示の問題や通達の問題と関連しますが、この特別預金制度がいつ始まるのかはわかったけれども、終わるのはいつ終わるのか。要するに恒久的というか半恒久的な制度としてやられるのか、あるいは一年ぐらいちょっとやってみるというだけの問題なのか。私どもは先ほど申しましたようにインフレを政府に再びやらせないようにしなければならぬという見地、そしてインフレの犠牲者は何らかの形において常に救わなければならぬという見地から、私どもの考える制度は半恒久的な制度として打ち立てなければいかぬ、そういうことでまた警戒警報にも使いたいと思いますが、いま銀行局の方でお考えになっている特別預金というものは期間的にはどういうことになるのですか、お考えを承りたい。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 インフレの抑圧ということを至上命令として闘わなければなりませんので、とにかくこれはその闘いが早期に終わるようにというような願望も込めまして、一時的なものとして扱いたいというふうに考えております。とりあえず年末まで受け付けるというような考えで現在おります。

竹本孫一民社党

○竹本委員 年末までとおっしゃいましたね。しかし、それは年末か年度末か、それもちょっとわからぬが、年末までと言っても、これは経済政策の問題になりますけれども、来年三月に一けた台にする、九・九%か何かその辺になるというお考えのようだけれども、私どもの見通しでは、消費者物価は来年も一一%ぐらいになるであろう。そういうふうにぼくは見ておるのだけれども、一〇%か一一%かは別として、要するに日本におけるインフレというものはむしろもう構造的に定着しておるわけだから、なかなか簡単に抑えることができない。それに余りいい制度だとは思わぬけれども、せっかく苦労された努力の成果は認めるとして、やっとそれを考えついたのに、しかし年末で打ち切って、後はまた野となれ山となれということもちょっとおかしいと思うが、その辺のお考えをもう少し承りたいと思います。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 後は野となれ山となれということじゃなくて、ともかくも一けた台の物価を目ざしてやるという一方の考えと整合性を持って、とにかく年末まで受け付ける。その預金は一年定期でございますから、来年いっぱいというような形で考えておるわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 いずれにしても、物価が高い間はインフレの犠牲者が出るわけなんだから、努力目標は三月に一けたということであっても、そうはいかない場合もあるし、いかなければいかなかったときの犠牲者を出さないように、制度としては、半恒久的と言うと言葉が大き過ぎるかもしれませんが、ことしとか来年とか言わないで、相当期間の存続ができるような制度にしておいて、もしその必要がなくなればやめればいいので、もしここで一年足らずで切ってしまって、さあまたその制度を続けるかどうかということについてそれぞれの機関のエゴも出てきて話がめんどうくさいというような制度を考えるよりも、もう少し半永久的なものを考える方が、制度の考え方としても親切に徹するゆえんではないかというふうに思いますので、これは要望をいたしておきます。  それから、第三の私どもがこの問題を取り上げた契機というのは、やはり貯蓄を本当の意味で奨励しなければならぬ。しかるに、貯蓄をすれば損をするというようなことではだれも貯金はしない。そういう意味で、特に銀行局でありますから申し上げるわけだけれども、この前もたしか申し上げたと思うが、やはり私はいろいろ言うけれども、経済の基本は勤倹貯蓄にあると思っている。たまたま去年中国に参りましたけれども、中国では「勤倹建国」という言葉を使っておる。勤倹貯蓄によって国を建てる。なかなかいい言葉である。共産主義といえども勤倹貯蓄によって国を建てていこうと言っておる。そういうときに、資本主義の国では消費は美徳で踊ってさえいればいいのだということではおかしい。  そういう意味で、われわれの生活理念の問題も生活体系の問題も含めて、やはり勤倹貯蓄か勤倹建国か言葉は別としまして、もう少し貯金をしたら損をしないというたてまえを打ち立てなければならぬと思いますが、その点について、銀行局は単なる目減り補償だけの問題でなくて、もう少し真剣に勤倹建国、勤倹貯蓄というものについて取り組みをやるべきであると思いますが、具体的なお考えがあれば承って終わりにいたします。

高橋英明大蔵省銀行局長

○高橋(英)政府委員 具体的なということではあれでございますが、いまの竹本委員の最後の御指摘、まことにそのとおりだと思います。その線に沿ってやっていきたいと思います。      ————◇—————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 次に、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  両案は、去る二十八日質疑を終了いたしております。  これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等かちの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表して村山達雄君外四名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。山田耻目君。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。  御承知のとおり、公務員グループの共済組合制度につきましては、新制度の発足以来、幾多の改善措置が講ぜられ、特に昨年度におきましては、退職年金等の年金額の算定について、いわゆる通算退職年金方式に準ずる算定方式を導入する等、自主的本格的な改正が行われたところであります。  しかしながら、年金制度の総合的な見直しに対する国民の関心は大きく、厚生年金、国民年金等については、近々大幅な検討が加えられると伝えられております。共済組合制度につきましても、経済社会の変化等に即応し、引き続き根本的な再検討を進めるよう強く望まれているのであります。  本附帯決議案は、このような見地から、共済組合制度の充実を図るため、今後なお検討を要すべき諸点を取りまとめ、その実現方について、政府において一層努力されるよう要請するものであります。  個々の事項の趣旨につきましては、案文でほぼ尽きておりますので、案文朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。   政府は、共済組合制度の充実を図るため、左記事項を実現するよう、なお一層努力すべきである。  一 共済組合の給付に要する費用の負担及びその給付内容の改善については、他の公的年金制度との均衡等を考慮しつつ、適切な措置を講ずるよう検討すること。  二 国家公務員共済組合等及び公共企業体職員等共済組合からの年金について、国民の生活水準、国家公務員及び公共企業体職員の給与、物価の上昇等を考慮し、既裁定年金の実質的価値保全のための具体的な対策を早急に進めること。  三 長期給付の財源方式については、他の公年金制度との均衡を考慮しつつ、その負担区分のあり方について検討すること。  四 旧令、旧法による年金額の改善については、引き続き一層努力すること。  五 国家公務員共済組合及び公共企業体職員等共済組合両制度間の差異について、早急に是正するよう検討するとともに、国家公務員等退職手当法第五条の二に規定する公共企業体職員の退職手当についてすみやかに改善措置を講ずるよう検討すること。  六 家族療養費の給付については、他の医療保険制度との均衡を考慮しつつ、その改善に努めること。  七 長期に勤続した組合員が退職した場合において、医療給付の激変を避けるため、退職後に相当の期間にわたり継続できるなど現行の任意継続制度とは別個の措置をとることについて検討すること。  八 労働組合の非在籍専従役員が、共済組合員としての資格を継続することについて検討すること。  九 共済組合の運営が一層自主的、民主的に行われるため、運営審議会において組合員の意向がさらに反映されるよう努めること。  十 公共企業体職員等共済組合に関する制度について、学識経験者等により調査審議する機関の設置について検討すること。 以上であります。  何とぞ満場一致の御賛同をいただきたく、お願い申し上げます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  お諮りいたします。  本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。大平大蔵大臣。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○大平国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては御趣旨を体しまして十分検討いたしたいと存じます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 木村運輸大臣。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしまして御趣旨を体し十分検討いたしたいと思います。     —————————————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

上村千一郎自由民主党

○上村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十四分散会

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