大蔵委員会 第29号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/04/24
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 本日は、両案について参考人から意見を聴取することにしております。 本日御出席いただきました参考人は、日本労働組合総評議会幹事福田勝君、全国消費者団体連絡会代表幹事工藤芳郎君、日本消費者連盟代表委員竹内直一君の各位であります。 参考人各位には、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。両法律案について忌揮のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。 なお、御意見は十分程度にお取りまとめいただき、その後、委員からの質疑にお答え願うことにいたしたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、まず最初に福田参考人よりお願い申し上げます。
○福田参考人 ただいま委員長から御紹介いただきました総評の福田でございます。 衆議院の大蔵委員会におきまして、参考人の意見を聴取して慎重審議をされるということに対しまして、心から敬意を表したいと思う次第でございます。 私は、酒、たばこ値上げ法案に対しまして反対をし、そして当分この両価格については凍結をすべきである、さらにまた、酒、たばこにかかわるいろいろな諸問題がございますので、これらについては積極的な改善を行うべきであるという立場で、若干の意見を述べたいと思う次第でございます。 今回の酒、たばこの値上げそのものは、間接税による増税を企図したものであって、普通の公共料金の値上げの際には何らかの改善策がそれに伴っておるわけでございますけれども、何ら改善策というものが伴わない、しかもたばこで言えば五割に近い大変な大幅値上げを企図しているということだと思うわけであります。 私は、冒頭にちょっと変なことを申し上げるようでございますけれども、実は、酒、たばこというのは、本来これは食品であります。たばこについても、全専売の労働組合は食品産業の労働組合に入っておるわけです。国際的に言っても、これは食品なのでありますが、本来食品を所管するのは、省別で言えば農林省であろうと思うのですね。それが明治以来、酒、たばこに関する限りは大蔵省所管になっておるということは、これは初めから税金を取るためのものではなかろうかという感じがしてならないのであります。 たばこ耕作者について言っても、米もつくり、野菜もつくり、たばこもつくっているわけですね。これは農民そのものであります。そうすると、農民の所管というのは、本来から言うと政府で言えば農林省であってしかるべきではなかろうか。どうもこの酒とたばこだけが、食品でありながら何で大蔵省なのか。明治以来、酒とたばこを大蔵省所管にしているということは、税金を取るということを主体にしてしか考えていないのじゃないかというふうに思うわけなのでございます。 さらにまた、今回のこの間接税による増税ということは、いま直接税と間接税の比率が七対三になっているということでございますが、それを今後五対五ぐらいに持っていこうということ、さらにまた、近く付加価値税を導入しようという前提ではなかろうかというふうに考えられるわけでございますし、そして何よりも三木内閣が発足以来標榜しておられます社会的不公正の是正ということに全く相反するのではなかろうかと思うわけなのであります。 後ほども、各階層別の比率を私ども入手いたしましたので申し上げてみたいと思いますけれども、酒、たばこともに、低所得者になればなるほど、この比率が高いわけでございます。しかも成年男子の七八%はたばこを吸っているということでございまして、たばこ、酒ともに、肉体労働者なり労働者にとっては、これは非常に必需品なのでありまして、単なる嗜好品というべきものではない、生活必需品になっている。 そういうものを大幅に値上げするということは、間接税による増税であって、社会的不公正の是正という見地から言えば、これは全くの逆行としか言えないと思うわけであります。これによって三千五百億の増税を企図しておられるわけでございますけれども、本来これらの増税そのものは、法人税の増強であるとか幾つかの税の改正によってできるわけでございまして、また三大不公正税と言われる、健康保険の診療報酬の問題、土地あるいは利子配当所得等、それぞれの税体系のもとにおける世間的にも認められている矛盾を是正するだけでも十分にこれだけの税収は得られるものであるというふうに考えるわけであります。二つ目に、以上のような税金の立場で増税をされているために、家計の圧迫という面について何ら考慮されていないと思うわけでございます。私も大変たばこが好きでございまして、一日に四、五十本、多い日には六十本も吸ったりもするわけでございますけれども、個人的に見ましても家計に対する圧迫が、まあ私どもの小遣いに対する圧迫が大変大きいので困っているわけでございます。やめればいいということになるのですが、これがやめられるものなら何も生活必需品とは言わないわけであります。 しかも低所得者ほどその圧迫が大きいということ。具体的に総理府の四十八年の勤労者の家計支出について申し上げますと、第一分位から第五分位、これは御承知のとおりでございますが、酒について言うと第一分位、一番所得の低い階層では二・〇四%、高いところ、第五分位について言いますと一・三九%、これで約二倍近い差がございます。たばこについても第一分位は一・〇三%、第五分位が〇・四九%、これは二倍以上の差になっているわけでありまして、家計に対する圧迫は、低所得者は所得の高い者に比べると大体二倍ぐらいの比重になるわけであります。したがって、単に家計への圧迫だけじゃなくして低所得者層を圧迫している、ここに今回の増税の大変大ぎな問題点があると思うわけであります。 次に、物価に占める問題でございますけれども、物価に占める比率も、総理府の家計調査によりますと、酒の場合のウエートが一万分の二百六、たばこが一万分の二百二十七ということでありまして、合わせて一万分の四百を超えるわけでありまして、これは大変高い比重を持っているわけであります。 物価問題については、後ほど時間があれば物価指数についても述べたいと思いますが、私どもは、政府がいまはじいておられる総理府の物価指数は大変問題があると思っておるわけであります。この三月に一四%になったということが言われているのでありますが、私ども総評春闘共闘委が行いました勤労者の家計支出でもってウエートを出し、それに総理府の物価指数には含まれていない非消費支出等ではじいてみますと、三月時点の物価指数は一八・九%というふうに私どもの試算が出ました。政府の物価指数よりも約五%ほど高いのであります。これが勤労者世帯の実態でございます。もっと高く出しているところもあると聞いております。 こういうような物価指数のもとで、政府は五十年度に一けたにするということを言っておられるわけでございますけれども、公共料金をこれだけ上げ、しかも郵便料金を上げ、さらにことしはいままで抑えられていたいろいろな物価が一斉に値上がりしょうとしている際に、一体、物価指数が政府が言われるような一けたに抑えられるのかどうかについても大変疑問であるし、私どもはこの意味におきまして、物価問題としても、酒、たばこの値上げについては、上げるべきではないと思うわけであります。 あと、個別問題について若干意見を申し上げたいと思います。 まず、酒についてでありますが、清酒の級別審査につきまして大変問題点を持っているわけであります。 御承知のとおり、酒の特級、一級、二級というのは申請によって審査されるわけでありまして、たとえば米の場合でございますと、農民が売る米はすべて等級に格づけされているわけでありますが、酒の場合は届け出たものだけが審査をされるということでありまして、同じ中身を持っていても、地酒であれば、それは審査を受けなければ二級酒である、審査を受ければ、たまたま一級になり特級になるということになるわけであります。したがって、この等級問題が基本的に一つの問題点を持っているし、さらにまた、いま、一般に言われているようにおけ買いがやられていて、大手三十社のおけ買いの比率は大体六五%程度と言われているわけであります。そうすると、このおけ買いで大手の会社が零細企業からびん詰めを買って、それに大手のラベルを張れば、もうそれで一級になり特級になるということになりますね。 これはどう見ても矛盾でございまして、同じ中身のものが、地酒であるために二級である、大手に買われてくると特級になる、そして高い税金を飲まされる、中身は一緒である、こういうばかげたことがまかり通るということは大変消費者をばかにしたものであると言わざるを得ないのであります。 表示の問題につきましても、最近、業界の自主規制によって日付なり原材料についての表示がされつつあることはまことに結構でありますけれども、もう一つ、税率についての表示、税金がどれだけかかっているかということは表示の中にぜひ入れるべきであろう、こういうふうに考えるわけであります。日付の問題については、一番日付を必要とするビールに製造の日付がついていないわけであります。 今回、二級酒は据え置きで、ビールについて税金を上げようとされているわけでありますが、ビールは最も大衆酒であって、二級酒の税金を据え置くならば、ビールの税金も据え置くというのが当然ではなかろうか。こういう点でも大変手落ちがあるように思われてならないわけであります。 さらにまた、酒の免許制度についてでありますが、いま生協なりスーパー等で、特に私ども生協活動等をやっている人からいろいろ聞きましても、免許が非常に厳しいために酒が売れないということで大変悩んでいるわけであります。酒は自由価格でございますから、当然これはいまのような厳しい免許行政でなくして、生協なりスーパー等でも売れるようにすべきであろうと思うのです。 つい最近聞いた話では、ある小売業者が酒の値段を安くしようとすると、酒の組合から袋だたきに遭って、その後ろに税務署がいるということであります。これは具体的事実であります。したがって、現在行っている免許行政というのは、実は国税庁による酒税保護のための免許行政ではないのかと言わざるを得ないわけでありまして、一貫して税金を取るために免許行政をやっているという点について、厳しく批判をしておきたいと思う次第であります。 次に、たばこの問題についてでございますが、たばこの値上げは四十三年以降行われていないと言われていますけれども、私個人にしてみても、いままではいこいを吸っていた。それがいつの間にかハイライトになって、最近はセブンスターを吸っているわけでございますが、いまいこいはなくなってしまいました。ついこの間、ある政務次官にお会いしたらエコーというたばこを吸っておられるわけであります。私どもはエコーなんというたばこを吸ってもいいんですけれども、吸っていると、あれは少しけちじゃないかぐらいに思われるのが関の山であります。政務次官くらいにおなりになると、エコーを吸うということは選挙対策上もよろしいかと思うのですけれども、ハイライトか百円のたばこくらい吸っていないと、あのやろう、少しけちじゃないかと思われるくらいの誘導策が実は行われている。いつの間にか六十円のたばこが百円のたばこを吸わされるというくらい、また吸わないと、そういう現品がだんだんなくなるようなところへ持ってきているのが現状であります。ですから、たばこの値上げが行われていないのじゃなしに、事実上は値上げがされているということですね。この点は、誘導策によってやられているということを強調しておきたいのであります。 それから、専売益金の問題はもう先生方よく御論議いただいたところだと思うわけでありますが、六〇%の専売益金をどうしても維持しなければならないという理由は何らない。これはもういままで野党の各先生方が論駁されたとおりであろうと思うのです。 それから、専売制度についてだけちょっと私ども申し上げたいのでありますが、現在の専売制度は、財政専売制度と申しますか、財政調達のための専売制度になっていて、いわば私どもの希望する公益専売制度と申しますか、生産者と労働者、消費者の利益をまず優先させるような意味での専売制度ではないのじゃなかろうか。税金を取り、財政を調達するための専売制度になっているという基本的な欠陥があると思うわけであります。 さらにまた、いまのようなたばこの自給率が六割程度であって、だんだん自給率が減ってくるということになりますと、専売制度の維持すら——実はたばこを自給するという前提といまの専売制度というものは基本的に一体のものであると思うだけに、この自給率を下げてくるといういまのやり方、外葉依存の政策というものは専売制度の基本をも揺るがす問題ではなかろうか、こう思いますし、また最近のようなアメリカ式のたばこといいますか、人工の味をつけて、どのたばこを吸ってみてもよく似たような味、こういうものじゃなくして、喫味に基づいて、いわばたばこの原点に返るようなたばこというものがあっていいのじゃなかろうかというふうに実は考えておるわけでありまして、いまのたばこの価格、それから専売制度、最近のたばこの傾向につきましても、基本的にいろいろ疑問点を持っているわけであります。 最後に、時間も参りましたので結論だけ申し上げてみたいと思うのですが、私は、財政法三条によって、酒、たばこを国会で審議をされて結論を出されることは大変結構だと思うわけであります。これについては大変賛成なんでありますが、ただし国会にすべてをお任せしたという意味じゃなくして、国会で最終的結論を出される際には、ぜひとも国民の声を聞いていただきたい。これだけ大衆必需品でございますし、だれしも飲み、まただれしも吸っているものでございますから、きうは参考人の意見をお聞きになったわけでございますけれども、私どもは、でき得るならば全国的な公述の場であるとかいろいろな機会を広く持って、それらの意見を聴取して最終的に国会で決めるというふうにしていただきたいのであります。 そしてまた、価格の問題だけじゃなくして、いま酒の問題、たばこの問題について若干の意見を申し上げましたが、こういう価格改定の際には、酒なりたばこの問題についての全面的ないろいろな批判が、日ごろからあるものが全部出てくるわけであります。この際、現在の酒なりたばこについて一体これで妥当なのかどうか、そういうことについて、価格の問題だけじゃなくして全般的な国民の意見を聞いて、そして国会の場で最終的に決めるという、今後はぜひこういうシステムにしていただきたい。二、三の参考人の意見だけでは尽くしませんし、私どもの意見が全部国民の意見を代表しているということでもございませんので、ぜひ多くの国民の声を聞いて最終的に国会でまとめるというふうに、もう少し時間と場所をひとつ国民に提供していただきたいということをお願いいたしまして、私の意見を終わりたいと思う次第であります。御清聴ありがとうございました。
○上村委員長 次に、工藤参考人にお願いいたします。
○工藤参考人 全国消費者団体連絡会の代表幹事をしております工藤芳郎でございます。御依頼を受けました酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案について、私の意見を述べさせていただきます。 結論から先に申し上げますと、私は、酒やたばこは国民の日常生活と深い関係を持つものでありますから、これらの値上げに反対であります。以下その理由ないし値上げの不当性を述べさせていただきたいと存じます。 第一は、今回の政府の提案理由を見せていただきますと、酒については、「現行の酒税の税率は、昭和四十三年の改正を経て今日に至っているものでありますが、その税率が所得水準の上昇、物価水準の変動にかかわらず定額に据え置かれているために、税負担が相当程度低下しておりますので、その調整を行う必要があります。」と、こういうふうに述べられております。たばこについても同様でございます。 この提案理由説明は、明らかに税収をいかにふやすかという観点からつくられたもの、説明されたものでございますけれども、その効果、つまり物価の高騰、国民生活へ及ぼす影響という点は捨象されているのでございます。故意に捨象をしたというのであれば、現実的でございませんし、国民生活無視の政治姿勢と御指摘申し上げなければなりません。また、過失というのであれば、早急にこれを改めていただきたいと思うわけでございます。 いずれにせよ、酒が、酒類全体でございますが一五%ないし二二%、たばこはまた平均四八%、こういう大幅な値上げが国民生活に及ぼす影響というものは、きわめて大きいのでございます。 具体的に見てみますと、まずビールを例にとってみましょう。ビールの大びんの小売価格は、最近サッポロビールと朝日麦酒が値上がりしましたのでこれを除きますが、現在百六十円であります。このうち四二%の六十七円九銭が酒税であります。今回の改正で二二%、十五円引き上げられますと、酒税は一本当たり八十二円になりますから、小売価格は百六十円から百七十五円へと値上げをされます。いままで一日一本のビールを飲んでいたといたしますと、一年間に五万八千四百円を支出していたことになります。酒税の増税によって小売価格が値上がりいたしますと、年間支出は六万三千八百七十五円になります。いままでの予算内でやりくりをすると、三百三十四日だけ飲むことができます。あとの三十一日、つまり一カ月間は禁ビールデーになる。ビールを飲んではならないことになるわけでございます。 また、たばこについて見ましても、一日ハイライトを二箱吸う人を例にとりますと、毎日百円、月に三千円の支出増となりますから、一カ月のたばこ代が、これまでの四千八百円から、七千八百円ということになるわけでございます。 以上の具体的な事実を通じて御指摘申し上げたいことは、三木内閣は、田中内閣時代のいわゆる新価格体系という名の公共料金を中心とする政府主導型の物価値上げ政策の延長もしくは第二ラウンドを始めたのではないだろうかということでございます。 御存じのとおり、ちょうど昨年の三月十六日、当時の二階堂官房長官は記者会見で、石油製品の一斉大幅再値上げを行うに際しまして、この際石油製品価格の改定により新価格体系に移行するのはやむを得ないものと判断した、こう述べられました。これをきっかけに、御存じのように、電力九社が平均五六・八二%、東京瓦斯が四六・八五%、大阪瓦斯四六・八%、名古屋の東邦瓦斯が四〇・三%、私鉄の通勤定期が四五・三%、六大都市のタクシーが六六・七%、こういったものを中心に、公共料金の大量、集中、そしてかつてない大幅な値上げが進められたのでございました。 そして、このような値上げは、昨年三月十六日の毎日新聞が予想しておりますように、全面的な値上げが一巡したところで物価の安定も初めて期待できる、こういうふうな論評のように期待した向きもあったのでありますけれども、どうも昨今の動向を見てみますと、すでに三木内閣が発足されましてから、たとえば全国に二百五十二のガス会社がございますけれども、その中で現在四十七のガス会社から値上げ申請が行われておりますし、また経団連が二月中旬から三月中旬にかけて景気動向に関する意見調査という調査を行ないましたが、これを見ましても、大企業の六四%が製品価格の値上げを計画しているということが言われております。しかもその値上げ幅も、紡績の六〇%を筆頭に、鉄鋼の一五%ないし二〇%、紙パルプの一〇%ないし三〇%などきわめて大きいのであります。加えて、一斉地方選後には、消費者米価、麦価、私鉄、国鉄、電話、電報、電力などの公共料金引き上げがメジロ押しに控えているということが言われております。 このように見てみますと、昨年スタートしたいわゆる新価格体系という名の列車は、今日なお終着駅のない、果てしない旅路へ国民を連れていこうとしているのではないでしょうか。 ただ、田中内閣が公然と値上げを宣言したのに比べまして、三木内閣は公然とは値上げをするとはおっしゃっておられません。ただ黙って国民を迷路に連れていこうとしていると言えば過言でありましょうか。酒、たばこといった間接税、つまり担税感といいますか、負担感を持たせない実質上の値上げこそは三木内閣の体質を物語っているというように思われてならないのでございます。「最初は処女のごとく、最後は脱兎のごとく」ということわざがございますけれども、どうかそのようにならないでほしいと期待をするものでございます。 第二の不当性は、三木内閣は不公正の是正を公約とされておりますが、間接税の逆進性から見まして、酒、たばこの値上げはむしろ不公正を拡大すると言わなければならないと思います。 たとえば、前に申し上げましたように、ビールを一日一本飲んでいますと、年間二万四千四百五十五円の酒税を負担しておることになります。それで、賃金がたとえば年間二百四十四万五千円の労働者がいたといたしますと、この労働者にとっては一%の負担割合でございます。一方、ちょうどその十倍に当たる年収二千四百四十五万円の社長さんがいたといたしますと、この方の負担割合は〇・一%にしかならないのであります。この労働者がこの社長と同じ負担割合になるようにしたいとすれば、一年間にいままで三百六十五本のビールを飲んでいたのを、三十六・五本のビールしか飲まないようにしなければならないということになるのであります。これでは不公正の是正になるどころか、勤労市民の生活水準を引き下げることを強いるものと言わなければなりません。 第三番目に御指摘申し上げたいのは、間接税のあり方についてでございます。 その一つは、いま政府が検討中と言われております、間接税と直接税との比率を考え直さなければならないとする傾向であります。昨年発足されました政府の税制調査会で、田中首相が間接税の強化を同調査会に要請したと言われておりますが、今回の値上げもその線に沿ったものと言えるのでございまして、これまた田中内閣当時の方針の延長でありますとともに、これがさらに進められると付加価値税の導入につながるという意味で、消費者、国民は大変不安に思っております。 取りやすいところから取りやすい方法で取るという物価値上げ政策は、多くの国民がその本質について理解を深めるにつれて、必ず大きな反発を呼ぶものだと私は申し上げたいのでございます。 もう一つは、現在でも酒、たばこはその他の主要課税物品に比べまして間接税の負担割合が高いのでございます。たとえば真珠の指輪や総キリ三重ねもののたんすなどが非課税なのが不当であることは当然でございますけれども、各主要品目に対する負担割合を広範な国民生活本位に検討し直すということも必要だというふうに考えております。 最後に申し上げたいことは、審議に関してでございます。 酒、たばこともに、広範な各層国民生活に欠かすことのできないものでございますが、特にたばこについては、その価格は公共料金でございます。昭和三十六年の五月に出されました経済企画庁「図説物価白書」によりますと、「公共料金とはその決定が国会の議決、政府の決定、政府の認可のいずれかによって行なわれる料金または価格をいいます。」というように解説がありまして、その内訳といたしまして、国会の議決によるものを七種類挙げております。つまり国鉄運賃、郵便料金、電報料金、電話料金、たばこ、ラジオ、テレビ聴取料が挙げられているのでございます。 さて、言うまでもございませんが、公共料金の値上げということになりますと、多くの識者も指摘しておられますように、値上げに際して、まず第一に決定原則が明らかにされなければなりません。さらに根拠法令、そうして算定基準、こういったものが示される必要があります。また、必要に応じて審議会への諮問、そして答申、あるいは公聴会の開催などを通じて、広く国民の声を吸収するのが通例でございます。 このような観点から申し上げますと、酒、たばこについての審議は、広範な国民、消費者のコンセンサスが、手続的にも内容的にも得られたようには思えないのでございます。どうか対話の政治を強調される三木内閣のもとでは、ぜひとも公共料金にふさわしい審議をお願いしたいものでございます。 特に公共料金の場合、値上げの当否を決めるのは、一般的に適正な原価であるかどうか、あるいは能率的な経営がなされているかどうかということが大きな観点になります。そのためには、必然的に製造原価などが明らかにされなければその適否を論ずることはできません。私たちは消費者団体として、いつも値上げの適否を判断する基礎資料が関係各省から寄せられないことで大変困っております。今回の酒、たばこについては、国権の最高機関であります国会で慎重審議されるのでございますから、そのようなことがあってはならないということは当然でございます。しかし、新聞などで拝見いたしますと、当委員会でもそのようなことがあったやに承っておりますが、このようなことではとうてい国民の納得は得られないのではないでしょうか。 さらに、専売事業審議会並びに中央酒類審議会の皆さん方は大変御苦労されておりますが、この構成、さらに運営についても十分再検討していく時期ではないかと存じます。 もう一つだけこの機会につけ加えさせていただきますが、大蔵省と国民生活とは本来大変深い関係を持っているのでございますけれども、国民との窓口がない。私たちは銀行、保険問題についていま研究をさせていただいておりますけれども、こういった点についても国民との窓口が開かれておりません。その他の各省は、たとえば運輸白書、厚生白書と白書などを出されておりますけれども、大蔵省の大蔵白書といったようなものに私たちはお目にかかったことがございません。その意味で、私たちが納めた税金が一体どのように使われているのかといったようなことさえ国民は知ることができない。大変私は困った問題だと思っているわけでございます。 以上、私は酒税、たばこの定価を上げることに対して反対する立場から意見を述べさせていただきましたが、どうか委員会の諸先生方におかれましては、国民生活の現状、そうして値上げ内容が十分消費者、国民に納得されていないのだという現状をも十分お踏まえの上で、十分慎重に御検討賜りまして、値上げをされないように御尽力をいただきますようお願いを申し上げまして、私の発言を終わりたいと思います。
○上村委員長 次に、竹内参考人にお願いいたします。
○竹内参考人 日本消費者連盟の代表委員の竹内でございます。二つの案件について意見を申し述べさせていただきます。 まず、値上げについての問題ですが、これは提案側は値上げをする必要について、諸物価も上がっているのだからこれくらいのことは上げていいではないか。そしてその理由に必ず言うことは、家計の中に占めるウエートがそれほど大きくない。これはあらゆる公共料金について常に提案側はそう言うのですけれども、個別の価格、料金についてのウエートというものを問題にすれば、全部のものが非常に小さくなるのです。 ところが、私たちが問題にしたいのは、アップする額よりもアップ率を問題にしたいわけです。国鉄料金にしろ何にしろ何十%ものアップ率、これが物価全体に波及する。そのことをいつも素通り——素通りというか隠して、アップする額がたとえば米の場合でもコーヒー一杯分だとか、そういうことを言って国民をごまかそうとする。これについては断固として反対をしたいのです。アップ率が問題だ、そういうことなんです。 御承知のように、物価の現象というものは非常に心理的な要素が大きいものですから、政府が何十%もの値上げをすれば、政府があれだけやっているんだからわれわれもそれぐらい上げてもいいだろうということで、民間の企業は同じくらいのアップ率で上げてくる。そこが恐ろしいということなんです。そういう意味から、私どもは、これほどの大幅なアップ率を政府がみずからやるというその姿勢に問題があるという意味で反対をしたいわけです。 それから、今度は税金の制度の問題なんです。今度の提案理由の中に、福祉を増進するために金が要るんだ、そのために酒税や専売益金をふやさなくてはいけないということが述べられているわケですけれども、私が問題にしたいのは、そもそも税金というものは一体どういう原理原則で取るものだということが全然議論が詰まっていない。言うなれば、税金についての哲学がないということなんですね。 税金の講釈を素人の私がするまでもなく、税金というものはもともとは、明治政府のあれを見てもわかるように、最初は地租だとか酒税だとか、そういった形の税金が非常に大きなウエートを占めていた。所得税が導入されて初めて累進課税という制度が入ったわけです。そこで、近代の税制というものの理念は、負担能力に応じて負担をする、それが負担の公平だ、それを第一の原則にしなくてはいけないということは、近代の税制の根本原則だと思うのです。 ところが、日本の税制の場合に、所得税は累進課税であるけれども、法人所得については比例税率でずっと来ている。なぜ法人税が比例税率でなくてはいけないのか。民法上は、自然人も法人も同じ人格者として権利能力を持っている。にもかかわらず、なぜ税の上でこういう差別がなくてはいけないのか。憲法に言う法のもとの平等という点からすれば、おかしいではないかということを申すわけです。 それでかつて、いまは大蔵のOBになった私の知人に聞いてみたんです。なぜ法人税は累進課税でできないのかと聞きましたら、だって所得税が累進課税になったのも明治の二十何年じゃないか、それまではそういう制度はなかったのだ、であるならば、法人から累進税率で法人税を取ることはちっともおかしくないんだ、それはみんなの力次第だと大蔵のOBがはっきりそう言いました。私はそれに力を得て、その後、法人税も累進課税にするのは憲法上の権利ではないかと、私たちはそういうように主張しているわけです。 そういう趣旨からいたしますと、私どもは間接税というものはなくすべきものだという考えを持ちます。ところが、さっきも話が出ておりましたように、直間比率という言葉を常に政府は持ち出して、それがどうもアンバランスになってきたから間接税の比率をふやす方向へ持っていくのだ、そういうようなことをおっしゃっている。そこに私は哲学がないということを言いたいわけなんです。 そういう観点からこの酒税について言うなれば、これは本来なくす方向で処理すべきものであるというように考えます。しかし、一挙になくすることがでぎないというのであるならば、暫定的に、経過的にできるだけそのウエートを小さくし、そして簡素な制度にして、だんだんなくす方向に持っていくべきじゃないかというように考えるわけですが、そういう観点からすると、いまのお酒の税金の制度というものは非常に複雑である。特に級別制度というのが税金を取るために設けられておって、そのために私たち消費者は、特級のお酒がいいのであって、二級のお酒が悪いのだというような誤ったイメージを与えられておる。 それから、もう一つ申すなれば、いまの税法がまがいものをはびこらせているということを申し上げたいわけです。それは酒税法の第三条三号の口に、「米、水及び清酒かす、米こうじその他政令で定める物品を原料として発酵させて」云々と書いてありますが、「その他政令で定める物品」というものの中に水あめ、ぶどう糖、グルタミン酸ソーダ、クエン酸、乳酸、それからアルコール、そういったものが入っている。こういうものを、言うなればまぜくったものがこの税法で言う清酒としてまかり通っている。昔ながらのお米だけでつくったものも清酒であるなら、そういうまぜくったものも清酒としてまかり通っている。われわれ消費者はどれを見てそれを識別すればいいのか、いまの制度では全然わかりません。 この四月から業者が自主的に原材料の表示をいたしましたけれども、あれだって非常に不十分ですね。醸造用アルコールそれから醸造用糖類、あとわからないです。グルタミン酸ソーダやクエソ酸、そういうものを入れているということがちっともわからないですね。そういうようにいまの税制がまがいものをはびこらせている、ここに問題があるということです。 そこで、私どもは、食品というものはやはり本来の製法で本物をわれわれは食べたい、飲みたいのだということを主張して、いろいろ表示の制度、を変えろという運動をやっているわけですけれども、お酒あるいはウイスキー、そういったものについても同じことが言えるわけなんです。 そこで、私たちは、このお酒の行政がなぜ大蔵省の専管のようになっているのかということを問題にしたい。特にお酒の品質について、かつてサリチル酸が問題になったわけなんですけれども、あのときも私どもは、なぜ厚生省がこれは危ないと言うならば禁止できないのだと言ったら、いや、食品衛生法のらち外になっている、外れているのです、酒税法の管轄になっているから何とも言えません、こちらは大蔵省にお願いするだけですというように、非常にへっぴり腰なんですね。食品衛生についての責任を持っている厚生省がなぜそんなへっぴり腰をしなくてはいけないのか。私はそういう意味で、お酒も食品であるならば、お酒の安全性については厚生省が責任をもって処理すべきではないかということなんです。 そこで、大蔵省のこのお酒にかかわっている職員、大体二万人ぐらいいるというように聞いておりますけれども、なぜお酒の税金を取るために、及びお酒の免許制度を維持するために、二万人もの職員を張りつけておかなくてはいけないのかと言うのです。他方、脱税が多い。特に法人税なんかはとてもじゃないが手に負えないということを知っておりながら、これだけの大量の人間を張りつけておくというのはおかしいではないかということなんです。 そういう意味で、免許制度も販売免許はもう撤廃すべきである。そしてそういう細々した、言うなればおせっかいに類するようなことから手を引いて、税務署の職員は直接税の方に主力を注ぐべきではないかというように考えます。とにかく、お酒というのは非常に個性を重んずる商品でありますから、私どもは、こういうお酒の品質表示の制度を抜本的に改正することによって、地方の地酒がみずからのブランドで堂々と売れるような表示の制度、それから流通の機構をつくらなくてはいけないというように考えているわけなんです。そこで、税制に関連をして申しますと、本物が飲めるように、本物が有利に売れるようにというような税制が導入さるべきじゃないか。たとえば果汁一〇〇%のジュースは税が免除になっている。ああいう制度をお酒にも導入してきて、本物のお酒、お米だけでつくったものについての酒税は安くする、そういうことを取り入れていくべきじゃないかというように考えます。 それから、もう時間がないのではしょって申し上げますけれども、次はウィスキーなんです。ウイスキーも同様、本物でないものが堂々とまかり通っている。不当表示が多いですね。そしてあの中にどれだけのアルコールがまぜくられているか。あるいはフレーバーが入っていたり、いろいろな人工的な手を加えて本物らしく見せかけて高い値段で売られている。しかも外国から、つくって半年もたたないようなモルトを輸入してきて、スコッチモッルトを入れていると言って売っておる。 外国では、たしかモルトというものは三年以上寝かしたものでないと販売してはならないという法規制があるやに聞いているわけですけれども、日本にはそれがないために、それを利用してウイスキーの製造販売が急成長している。そのためにまがい物をわれわれはだまされて飲まされている。こういうことはぜひがしっと規制をしていただきたいというように考えるわけです。 もう時間がないのでたばこについて申し上げられませんけれども、私自身がたばこをのまないものですからこんなことを言ってはなんですけれども、たばこというものはがんのもとになるとかいろいろ言われているわけですけれども、国民の健康を守るという職責を負っている国がなぜこういった問題のある商品を直営で売らなくてはいけないのでしょうか、これは私の素朴な疑問です。むしろそういうことよりも、いま問題になっている医薬品の研究開発というのは非常に金がかかるし、むずかしい問題がいろいろある。現に問題を起こしておるわけなんですけれども、ああいったものこそ私企業の営利原則に任しておかないで国が直接タッチすべきじゃないのか。私は、たばこを専売にするよりも、医薬品こそ真っ先に取り扱うべきものではないのかというように考えます。そこで、最後に申し上げたいことは、国会でこういう機会を与えられて非常にありがたいわけなんですけれども、私どもが選挙で一票を投じるのは、私たち有権者として国会議員に代理人としてわれわれの意向どおりに国会で活動してほしいという意味で委任をしているのですが、委任というのは決して白紙委任ではございません。具体的な案件が起こったならば、代理人である議員さんの方からもっと積極的にわれわれ有権者に、主権者に、こういう案件が持ち上がった、それについて有権者としてはどういう考えを持っているかということを、もっと綿密に聞いてほしいということを申し上げたいわけです。 審議会に消費者代表なりが入っているからいいではないかと言いますけれども、あの委員を選ぶのについては、われわれ有権者の意向も何にも聞かないで、自分たちに都合のいい人を選んできて、これが消費者代表でございというような形で済ましているという、まことにあれはわれわれ有権者を愚弄するやり方ではないかと思うわけです。だから、われわれが政党不信を持つようになったのはそういう問題があるからなので、むしろ政党不信をなくするためにも、代理人である議員さんの方から積極的に、具体的な問題についてもっともっとコミニュケーションを持ってもらいたいということを最後にお願いをして終わります。 —————————————
○上村委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 お三人さんには大変お忙しいところ御苦労さんでございます。 特にお三方、もう少し国民の意見を聞く機会を、福田さんの表現をかりれば、必需品に近いものでありましたのでもう少し国民の御意見を聞く機会があってよかったのではないか、またあるべきであるという、これはお三方とも述べられたわけであります。私たちもそのことについては国会の中でも非常に主張をしてきたわけでありますが、いろいろな関係がございまして実現をしなかった。きょう不満足ながら三人の参考人の方に御意見を聞かしていただくわけであります。 それで、まず第一点、福田さんにお伺いをしたいのでありますが、たばこ、酒、こういったものが、インフレマインドと申しますか、心理的に与える影響というのが非常に多い。特に公共料金に近いような形でのこういった値上げというのは、国民の方々への影響が非常に大きいと思うわけであります。 それで、先ほどちょっと福田さん自身も言われていたわけでありますが、政府の発表している物価指数、これはもちろんインフレマインドに対するものというのは指標としてはなかなかむずかしいわけでありますが、われわれの実感から言っても、どうも政府が一三・九に抑えたのだ抑えたのだというのが、実はどうも余りぴんとこない。本当だろうか。確かに総理府の数字を聞いてみると、それはそれなりに一つの理屈にはなっているわけでありますが、どうもその辺がぴんとこないわけであります。 私も詳しくは聞いていないのですが、総評の方で何か独自に、本当に生活実感に合った物価指数というものをはじかれているということをお伺いしたわけでありますが、その数字が一八・九%の物価上昇に対前年比なっているというふうに先ほどお話があったわけですが、その点について、どういう実態かということをもう少しお聞かせを願いたいと思うわけであります。
○福田参考人 いま佐藤先生からの御質問でございますが、たばこ、酒のインフレマインド、これはもう米なんかとあるいは匹敵するくらいの非常な影響があると私ども思っております。 物価指数の問題でございますが、先ほど私が申し上げましたのは、ことしの三月時点での試算が一八・九%というふうに出たということでございまして、年間のあれではございません。年間はもっと高く出るわけであります。そこで、実は物価指数問題につきまして、ことしくらい物価指数に振り回された年はない。労働者の賃金問題もそうでございますし、すべてのものがこの物価指数で、農産物価格まで物価指数で抑えられる。その物価指数が正しいのならばそれなりに妥当性があると思うのですが、これは昨年の十月に学術会議からもすでに提言がされておりますし、また学者の方々からもいろんなことが言われているし、私どももこの物価指数問題については前から非常に問題点を持っております。 実は西ドイツでは、五種類ぐらいの物価指数を出しております。本来、物価指数というのは、いまは年金にまで物価スライドしているのですから、年金世帯の物価というのは一体どうあるべきかと言うならば、全国平均のものではなくして、年金世帯の物価指数を出すべきだと思うのです。 それから、フランス、イタリア等では労働組合の手で物価指数をつくり、そして政府と突き合わせて物価指数というものを策定するというところまでいっております。日本の労働組合はこの意味で大変おくれているわけですが、そこで、いま先生から御質問がありましたように、私どもおくればせながら昨年の十月に、全国はなかなかできませんので、首都圏の三百五十世帯をランダムにとりまして、そして綿密な調査をやってウエートを出してみたわけであります。ウエートを出してみまして、さらに五分位もとっていろいろやってみましたが、政府の四十五年にやりましたあの物価のウエートとは勤労世帯の場合は若干違ったのが出てきているということが一つございます。 それから、政府の物価指数の中でいろんなことが指摘されているのですが、その中で一番大きな比重が出ていないのは非消費支出、たとえば税金であるとか社会保険料とか、こういうものがあの中に入っていないわけです。ところが、一般の家計にとってはこれは非常に大きな比重を占めるわけであります。そこで、これを入れて計算をしてみますと、昨年の十月時点で二八・六%、それからその後は、これは毎月やっておりませんので政府の指数を使って計算をしてきたのですが、十月で二八・六%、十一月が二七・五%、十二月が二五%、それから一月が二一・二%、二月が一八・四、三月が一八・九というふうに、これは機械的に試算したのですけれども出てまいりました。 これはあくまでまだ一つの試算の段階でございますけれども、ウエートが違い、そして非消費支出を加えただけでもこれだけ——三月の時点がいまおっしゃったように一四%となりますと、ここで約五%ぐらいの差を実は生ずるわけなのであります。 そうすると、これはまことに私ども労働組合としても責任があるのですが、ことし賃上げを一五%程度で抑えられますと、実際はこれは大変なマイナスであるということが歴然として出てまいっておるまうな次第でございまして、実はこの物価指数問題については、大蔵委員会の先生方はもちろんのこと、各党の方にもぜひお願いしたいのは、今後ますます物価指数問題というのは重要な比重を占めてくると思いますから、これを本当に国民が納得するような妥当なものにするために国会の場での検討もお願いしたいし、それから物価指数の内容は、指数だけが発表になって中身は全然発表になっておりませんし、あの審議会等にも全く政府の選んだ学者だけが入っていて、国民の声を聞くように実はなっていないわけでございます。 したがって、こういう重大な意義を持つ物価指数問題について、私どもも積極的に運動をしても、物価指数の不当性、いろいろインチキのある、問題のあるところを大きくクローズアップしていきたいと思いますと同時に、国会の場におきましてもぜひ取り上げて御検討いただきたい。この問題は国民生活に直結する問題であり、家庭の主婦なんかは、物価指数がどうもおかしい、実感と離れているということはだれしも言っている。あの二倍分くらいがどうも実感として妥当なところじゃないでしょうか。そしてあの実感というのは、そんなに間違っていないと私ども思っているのです。私どもやってみると、まあ二倍までは出ませんけれども。したがって、この物価指数問題は非常に重要な問題でございますので、ぜひ国会の場でも積極的に取り上げて御検討いただきたい。 ことしは五年目の改定の年に当たりまして、改定のたびに物価指数を低く抑えるようなことが政府の手でやられておるだけに、ことしは非常に重要だと思いますので、重ねて、むしろ私どもの方からも先生方にお願いをしたいと思っている次第でございます。
○上村委員長 この際、参考人各位に申し上げます。 本日は、本会議が開催され、委員の質疑時間が申し合わせにより割り当てられております。答弁は簡潔に御協力のほどをお願いいたします。
○佐藤(観)委員 われわれも特にたばこの値上げに反対をするのは、どなたからも言われましたように、社会的不公平の是正を言っているのに、これは全く均一に、しかも均一ということは、逆を言えば低所得者ほど、所得の少ない人ほど非常に重い比重でのしかかってくるということ、そのことを考えてみますと、いま指数等のお話がございましたけれども、一五%という数字は所得に全く関係なく、いわゆる所得階級別の五分位に関係なく一五%ということでございますから、そのこと自体から考えてみても非常に矛盾が多い物価指数だと私は思っているわけであります。その意味で、いまの御意見は私たちも非常に重要だと思いますので、今後さらに御意見を聞かしていただいて、参考にさしていただきたいと思うわけであります。 それと、今度のたばこ、酒等の値上、げには直接関係してきませんけれども、福田さんにもう一点だけお伺いしておきたいのは、政府の方は御存じのように、物価上昇をさせないための決め手としていわゆる賃金インフレ論というのをとっていて、賃金が上がるから物価が上がっていくのだと言う。われわれに言わせれば、基本的な構造の間違いをおかしているのではないだろうかと思うわけです。お三方からもお話がありましたように、公共料金に近いものの値上げというようなこと、たばこ、酒に限らず、十月から郵便料金、その後さらに国鉄、私鉄、NHKの受信料等々、それから電信、電話、こういったようなものが上がってくるということを考えますと、政府が言っているような一五%の賃金抑制というのでは、とてもじゃないけれども生活が果たしてできるだろうか、むしろ生活ダウンではないだろうか。特にかつての隅谷委員会の報告でも、この賃金インフレ論というのは間違いであるということが言われているわけでありますけれども、労働者の生活実感からこの賃金と物価上昇の関係というのはどういうふうに見ていらっしゃるか、福田さんにお伺いをしたいと思うのです。
○福田参考人 私も、いま先生がおっしゃったとおり、賃金インフレ論というのは全くためにするものであって、賃金の上昇というのはインフレの結果後追いである、これは先生もいま言われましたように隅谷さんも言っておられると同時に、ついこの間まで生産性本部におられました金子美雄さんも、むしろ資本の側に立つ方も実ははっきり言っておられるわけでございまして、この賃金インフレ論というのは、賃金を上げなければいかぬのはインフレの結果である、物価が上がった結果上げなければいかぬという、いままで後追いの関係にあったということを私どもも労働者の中にいま強調しているし、みんなそう思っているわけでございます。 いまのような状態でございますと、先ほど申しましたように、実際の物価指数がインチキであり、また家計調査の結果からも出て、昨年上がりました三三%と言われるものにしましても、実際としては物価がその程度上がっておるわけでありまして、ことしもしこのまま一五%程度に位賢づけられるとしますと、物価はその以上に上がっておるわけですから、完全にこれはマイナスになってしまうということでございまして、このままでいけば私どもはマイナスになる。したがって、五月の段階で本当に一五%ラインを少なくとも突破しなければいかぬということで、いま懸命な闘争体制をとっているわけでございますので、まさに私どもも先生おっしゃるとおりでありますし、こういうことに惑わされないように、労働者はもう実感を持っておりますけれども、一般の方にも今後宣伝をし、納得していただきたいと思っておる次第でございます。
○佐藤(観)委員 消費者運動をやっていらっしゃる工藤参考人、竹内参考人にお伺いをしたいのですが、いまのお話の中にも述べられておったわけでありますし、また福田さん自身も述べられておったわけですが、たとえば、たばこの場合にはこれだけ税金が高く入っているということは、正直言って国民の皆さん余り御存じない。われわれが選挙区でいろいろ話をすると、本当にほおっという顔をなさるわけです。これは財政専売がいいか悪いかという基本的な問題もありますが、いずれにしろやはりわれわれ国民の側からいくと、これも一部は福祉に回るわけでありますから、そういった意味でやはり、このたばこにはある程度きりのいい数字で、幾らか税金が入っていますという表示ができぬものだろうか。大蔵省は絶対に反対するに決まっておりますがね。ですけれども、たとえばたばこについてはそういう具体的な方法が考えられるだろう。 それから、ビール、酒については公正取引委員会でもいろいろ問題になっておるわけでありますが、不当表示と言っていいと思うのですが、品質と級別との問題、そのほか福田さんも言われておりましたビールの日付をつけるべきである、あるいはスーパーへの免許の問題、いろいろ税率だけの問題ではなくて、具体的に、国民の側から見ると、どうもまがいものばかり食べさせられたり、飲まされたりしているのではないかという疑問があるわけであります。 そこで、ビール等については具体的にはたとえば日付を入れさせる、これは一つの具体的な改善策だと思うのですが、そのほかに、先ほど言われたようなもろもろのそういったまがいものがどうも横行し過ぎるということに対する具体的な防止策と申しますか、表示の面において具体的な御提案がありましたら聞かしていただきたいと思うのです。
○竹内参考人 私、先ほど少し申し上げましたけれども、いま日付のお話が出ましたけれども、ウイスキーもあれは日付が必要なんです。と申しますのは、たるの中に寝かしておく分には、あれは寝かしておけばおくほど品質がよくなると言われておりますけれども、一たんびん詰めにいたしますと、長く置いておきますと、たるからしみ出た成分が沈でん、結晶するのですね。それで苦情が出たこともございます。ビールはもちろんです。ですから、お酒は実行しておりますが、ウイスキーやワインもやはり製造というよりもびん詰め年月日ですね、これははっきりと大きく書いてもらわなくては困る。これは商品、特に食品については、製造日付というのは基本的な条件になっておるのです。ところが、大蔵省所管になっておるために、そんなことがいままでやられていない。そういう意味で、私は食品の行政は厚生省に移せということを主張するわけです。 それから、まがいものが横行しているというのは、先ほどもお酒について申しましたけれども、清酒という名前でピンからキリまで、十把一からげにあの中に入っておって、しかもそういう変なものを、変なものと言っては悪いですが、そういったものは政令で定めるとして、一体何が入っているのかわれわれにはわからないということですね。だから、それを今度表示しろと言って、渋々業界は最初は醸造用酒精と書いておりましたけれども、酒精なんていまごろの若い人はわからないからアルコールと書けと言ったら、それはまた渋渋アルコールと直しました。それから今度は、醸造用糖類で勘弁してくれと言うのですね。糖類じゃわからないから、水あめ、ブドウ糖とはっきり商品名で書けと言ったのに、これは業界は争っております。 そのほかにグルタミン酸ソーダ、それからクェン酸、乳酸、そういう有機酸が入っているのだけれども、そういったものは勘弁してくれと言うのです。書く場所が狭いから勘弁してくれと言うのです。あんな大きなラベルがあるのに書く場所がないと言うのです。 そのほかウイスキーも、とにかく英語ででたらめなあれが書いてある。レアオールドから何とか物すごいことが書いてあります。それでそれを言いますと、あれはデザインですと言うのですね。英語はデザイン、飾りだと言うのです。とにかくふざけております。だから、ああいうものは、日本人に売るものには日本語で書けということを私たちとしては要求しております。 それから、モルトの酒齢と申しますけれども、あれは三年以上というよその国並みに規制をしろと、まあ規制ができないまでも、業者は実質的に何年以上のものだと保証しますということを表示しろ、それからアルコールを何%入れているか、それも書けということを要求しているのですけれども、いまのところ洋酒の方は応じませんですね。 それから、ビールについては生ビールが問題ですね。純生、びん生、それから本生、三通りがあるのですね。それで、われわれはあのたる生が本当の生ビールだと思っていたら、半年ももつようなのが純生だ、びん生だ、本生はそうじゃないが、びん生と言って売られているのです。では、生とは一体どっちなんだということになりますね。そういう言葉の乱れが非常にひどいですね。結局それは消費者に売らんかなということで、そういう表示が乱れている。これは徹底的に直せということを要求しているところです。
○上村委員長 山中吾郎君。
○山中(吾)委員 私、一言だけ各参考人の方にお聞きしたいと思うのですが、実はきょうの参考人の皆さんは反対の立場の方ばかりで、実は賛成の方がおられて、賛成論に対してきょう大いに論議をしたかったのですが、賛成の参考人がおられない。このことは国民に賛成論者が一人もいないというふうに解釈してしかるべきではないかと思っておるのです。この法案を通したい与党の推薦がないということは、そういう人が見当たらなかったのか、あるいは時間を早くぐらいの程度に考えているならばふまじめである。こういうことは珍しい。私はそういうことを考えながらお三人の方の御意見をお聞きしておりましたが、非常に本質論的に、この税そのものの技術的な問題あるいは物価の当面の問題を超えて、本質論として非常に矛盾があることをお三人の論議の中に私は洞察をいたしまして、私自身もこれほど矛盾を感ずる行政制度はないと思っております。そういうことを考えて、どうしたらいいかという根本論をひとつ皆さんに一言ずつお聞きをしておきたいと思うのです。 というのは、一つは国民の健康管理という立場から言いますと、酒とたばこは節酒節煙、これがどこか行政になければならないし、未成年者にはそういう習慣を形成させない行政も必要であるし、一たん習慣がつけば嗜好品的になって、やめたくてもやめられない、この大衆性をどうするかということも含んで、国民健康管理の行政の部門である。 それから一方には、伝統的に、これは世界的にちょっと共通した点があるのですけれども、国家の財源の目的でこの税制が存在をしておる。しかし考えてみると、国家の収奪性から言えば最も典型的なもので、国民の健康管理を無視して、飲み助の心理的弱点を追求して重税を課するというのは、最も典型的なモラルのない税制で、最も古典的な税制だと私は思います。しかし、前者の国民健康管理の面から言えば少ないほどよろしい、財源的に言えば多いほどよろしい、この二律背反の目的がこの税行政の中に内在をしておるものですから、酒とたばこの税制をどう根本的に解決するかということは、恐らく政府自身、大蔵省の担当者の中にも問題意識があるであろうし、これに対して問題意識がなければ、私は民主社会における国家公務員の資格がない、そう思っておるわけなんです。 そこで、なかなかこういう機会がございませんので、お三人の方に、国民の健康管理の立場と国の財源目的の立場の二律背反したものを含んだこの税制をどうすればいいかということをひとつ参考にお聞きをしておきたい。一言ずつで結構です。
○福田参考人 いま山中先生から大変基本的なことを言われましたが、これは社会主義国なんかでも酒なりたばこなりは、中国なんかへ行きますと、すぐたばこを勧めてまいる、本人はのまないのだけれども勧める。それくらいにこれは世界的なものでございますし、私は個人的にもこれは両方ともやっております。ですから、言われる健康上の問題としては、ほどほどに個人がやるべきものであって、これを国としてどうするという問題ではもちろんなかろう。そうすると、ほどほどにし、そしてまた国民の嗜好品的な性格を持っておる。だれでも全部がやるわけでもないというものであるならば、酒税を国家の財源の国税三法の一つであるとか、あるいはたばこでもってどうするとか、税金の穴を埋めるというような考え方がむしろ問題なのではないか。 国民の嗜好品であるならばそれはそれなりに、また節煙なり節酒をすることが健康上いいということであるならば、ある意味ではそれに対応した税制をとり、そしてここで穴のあいたものは、私どももきちっと税制に対する要求を持っておりますけれども、そこで十分に税金は取れるわけだから、そういうことにすれば、いま先生の指摘された二つの点は何ら矛盾なく私どもはやれるというふうに実は思うわけでございます。 また、私どももそういう立場から、いままでは私どもの側も与えられたものだけやっておりましたけれども、今後は運動として地酒の二級酒を買う運動でもやろうか、そういうふうに国民に積極的にひとつ訴えていきたい、与えられたものから私どもも選択をしてこれに対処していきたい、こういうふうに思っておる次第であります。
○工藤参考人 酒にいたしましても、たばこにいたしましても、酒を飲むからそれが健康を害する、あるいはたばこを吸うから健康を害するというのではなくて、その飲み方、飲む諸条件によって、それが百薬の長にもなれば、大きな害にもなるというふうに私は理解をしております。 今日、三十代、四十代の働き盛りの人たちに自律神経失調症という病気がかなり多いわけです。これはかなりインテリ層にも、文化人にも多い。この社会の現実の、特に経済的な圧迫、現実に圧迫されているだけでなべ将来に対する見通しがないために、非常に国民がいま不安に陥っております。人間の健康上悪いのは、病気は気の病と言いますけれども、やはりそういった精神的な不安、こういったものから来る疲労というものは、必ずしも酒を飲んでも回復しない。 酒というものは、非常に愉快に健康的に飲めば疲労が回復して非常によろしいわけで、やはり健康の問題については、医学的な見地からはまた御専門家がいらっしゃいましょうからあれでございますけれども、飲むことに問題があるのではなくて飲み方、飲む条件、そういうものの害が発生するとすれば、それはたばこ、酒そのものに求めるのではなくて、その他の社会的な要因に大きな問題があるのではないだろうかと私は理解をしているわけです。 価格との関係でありますけれども、これは読売新聞の「ここにひずみが…」という連載物がありまして、その三回目に「酒がぜいたく品」なのかというクエスチョンマークが出ているわけですね。この読売新聞の記者の方は、酒というのは生活必需品であるという結論を出しておられる。 この論理の展開といたしましては、多聞酒造会社の網野博敏さんという常務取締役のお言葉を引用してありますが、「十年前は清酒全消費量の一二、三%に過ぎなかった特級、一級酒の消費量が、いまや四〇%」になっておる。値上げをしても酒の売り上げが落ちないということなんで、酒はやっぱり国民生活にとって、公衆の日常生活と切り離せない関係にあるのだという意味で生活必需品だという論理を展開しておられるわけですけれども、今日、やけ酒というような形で飲む人もありましょうけれども、やっぱり本当に健康を回復するため飲めるような酒を、何といいますか、たばこもそういうふうな形で考えるのが私は本筋で、やっぱり社会悪の根源はもうちょっとほかのところに私は考えるべきじゃないだろうかと思います。
○竹内参考人 私はたばこはのまないので、たばこについては意見はないのですけれども、酒について申しますと、値段を上げれば飲まなくなるだろうという前提での御質問かと思うのですけれども、値段を上げれば所得の低い人は飲まなくなるかもしれません。だけれども、所得の高い人は幾ら値段を上げても平気で飲むという、そこにやはり不公平が出てくるじゃないかということなんです。 そこで、健康管理という点からいたしますと、たばこはよく知りませんけれども、お酒はやっぱり酔っぱらい現象というのは、これは自然の歯どめになりますね。まあ酒に強い人、弱い人ございますけれども、それが一つの自然に備わった歯どめだと思いますけれども、もう一つは、私は余り外国へ行っておりませんけれども、酔っぱらいに対して日本の社会というのは非常に甘いのじゃないか。ああいうのをこれは法律で規制するというのもどうかと思いますけれども、そういう点が一つあると思いますですね。 そうして、やはり社会的に、さっきも出ましたように、酒はほどほどに飲むという習慣をつけるようにすべきではないのか。それを高くして飲めないようにしようというのは、いかにも悪らつな悪代官的やり方じゃないか、私はそれは反対するのです。
○山中(吾)委員 私、いまの本質論を聞くことで終わりたいと思うのですが、福田さんも財源論にするのはけしからぬ。これも賛成です。こういうものにつけ込んで重税を課するということは私はよろしくないと思う。工藤さんの節酒節煙論を前提として生活必需品、これそうすると、重税を課する根拠はどうもない。竹内さんのお話も、重税を課して飲めないようにするなんということはいかぬ。そういう論で皆反対なんで、どうも国民全体は恐らく酒とたばこの重税は賛成が一人もない、一億国民にないのじゃないかという感じがするのですが、にもかかわらず、国家の既得権思想ですかね、前々から重い税金を課する習慣があるから、既得権をひとつ維持していこうというので、どうも重税を課しておる以外に根拠がなさそうである。 そういうことを考えるので、ひとつ国民運動も起こしながら、こういう悪税をなるたけ少なくして、そうして一方に財源目的にしておるために、どこかに国家自身が暴飲暴食を奨励する、あるいは容認をする、あるいは節酒節煙に対してはむしろ知らない顔をするというふうな、これくらい道理に反するいろいろな派生行動が出る問題はないのではないかと思うので、ひとつそういうことを考えながら、お互いにこういう問題を簡単にすらすらと物価スライド制に基づいて上げていくような習慣は、国会でも阻止していかなければいかぬ。これはこういうふうな非常にむずかしい問題であるということをつくらなければいかぬのじゃないかと思うので、皆さんもひとつ住民運動としても努力していただきたい。 この国会には、参考人はとにかく賛成論者一人もいない。これは厳粛なる事実でありますから、確認をして、それだけお聞きして私は終わりたいと思います。
○上村委員長 小林政子君。
○小林(政)委員 きょうは、本当に参考人の皆さんにはありがとうございます。私はいまお話を伺っておりまして、特にたばこと酒税の今回の値上げの問題につきまして、税負担のあり方、特に間接税のあり方は不公正であるというお話がお三人の参考人の方からも出たわけでございますけれども、政府は、税収の非常な伸び悩みということで、五十年度についても財政欠陥が生ずるということを見込まれている。したがって、益金率を高め、そしてその納付金を歳入財源に充てていくということがきわめて重要なのだという意味のことを強調いたしているわけでございますけれども、私は、このような形で間接税のいわゆる負担をふやしていく、酒、たばこという逆進性を持つものをふやすことによって財源を確保していくということは、国民にとってもいろいろと問題があると思いますが、三人の参考人の方に、一体このような状況のもとでの財源確保ということについて、それぞれ御見解をぜひこの際お伺いをいたしたいというふうに思います。
○福田参考人 これは、私ども大衆団体でございますから詳しくはじいているわけではございませんが、私どもも五十年度の税制改正に対しましての一定の見解を持っておるわけであります。 その基本としては、減税と増税の部分と両方その中に含まれておるわけでございますが、給与所得者、夫婦二人の四人家族で年収二百八十万円までを無税としろというのが一点であります。それから二点目として、納税の原則は自主申告で行うべきである。いまこの申告の闘いを私どもが組織をいたしまして、ことしは三万を超える申告者が出ているわけであります。こういう要求を出しているわけであります。 それから、さらに三番目といたしまして、インフレ下の富の格差拡大を是正するために富裕税を新設すること。預貯金、有価証券、土地建物等を対象に、資産一億円以上の保有者に対して税率三%を課税しろ。これらに対する積極的な増税の方向を出しております。 それから、さらに四番目には、大企業の税負担を高めるために、法人税制の改革及び租税特別措置を改廃すること。この点も同様でございます。 こういうようなことによりまして、五番目に税負担の逆進性を高める酒税の税率の引き上げ、たばこ定価の値上げは行わないで、高福祉高負担論に立った間接税増税をやめ、さらに付加価値税の導入は将来においても行わないということができるという立場に立ちまして、今回のこのたばこ、酒の値上げに反対しておるわけでありまして、これに三千五百億ですか、穴があくじゃないかという指摘に対しましては、私どもは十分にこれを補てんできる財源を持っているという立場で、実はこれの値上げに反対するということの主張をいたしているわけであります。
○工藤参考人 財源がないから間接税を増税する、あるいはまた、今後は付加価値税の方向へ持っていく、こういう論理でありますけれども、これは基本的に、特にこの近年を見ましても物価高、インフレというのが出てきまして、この中で国民生活が圧迫されたことは言うまでもありませんけれども、逆に巨大企業あるいは企業集団というものは大変な利益を上げているわけであります。そのいわゆる高利潤というものをそのままほうっておいて、そして財源を確保しよう。一方、不況は深化しておりますので、いままでみたいに法人税が上がらないという点があるのでありましょうが、それはやはりインフレ、物価高の中で非常にふところをふやした巨大企業に全然目を向けないというところが一つ問題であります。 制度的には、いま福田さんも言われましたように、租税特別措置法という問題は古くて新しい問題でございますから、こういうところに私は消費者運動としても今後目を向けたいと思っているわけなので、株式配当非課税の問題とかこういったもの、これは株式の相互持ち合いをどんどん進めて、今日のような寡占体制をつくり上げておるという国民生活を圧迫するような要因にもなっておるわけですから、そういった点ではどうしても租税特別措置法というものを改正していく、これは制度的な問題であります。 また、ことしの予算などを見ましても、大企業向けの産業基盤整備中心の公共事業投資が三兆円を超えておりますし、また総額一兆円を超える防衛予算といったようなものがあるわけですから、これは予算の配分の問題になるわけです。こういった点も十分国民の前に正すべきものは正して、そしてどうしてもこういう国民福祉に使わなければならない財源がないということならば、あるいは納得いくかもしれませんけれども、先ほども申し上げましたように、大蔵省が国民に対して一体何を考えておるのか。 よく私どもは運輸省や通産省に対して、私鉄運賃や電気料金やガス料金の値上げをやめてほしいということを要請に参ります。そうすると、運輸省や通産省の方々は、何しろ大蔵省が言うことを聞いてくれないのでということで、同じ役所の中でも大蔵省の皆さん方に対しては、何か全く一段と高いところにおじきをするような姿勢があることを私はよく承知しておる。だから私たちは、では運輸省の皆さん、通産省の皆さんがんばってください、国民が後押しをしましようというようなことをよく言うのでありますが、どうかもっと国民とのパイプを太くしていただいて、そういった国民福祉の財政を具体的に政府の方で、問題点は十分おわかりのことだと思いますので、お示しをいただけば、こういう酒、たばこから、低所得者からしぼり上げるというような方向は少なくともしなくて済むのじゃないかというように思っております。
○竹内参考人 財源確保の方法としまして、先ほどもちょっと申しましたけれども、法人所得、それから資産所得から税金をたっぷり取ればよろしいということを申し上げたいわけです。たっぷりという意味は、私たち勤労所得はぎりぎりまで取られている。法のもとの平等ということは、法人も同じ税制で取るべきだということなんです。それによって財源は十分に確保できると思う。これは大蔵省の人に試算させればすぐ出てくるだろう。仮にいまの所得税の税率と同じようなやり方で法人税を取ったらどれくらいの税収があるか、これはすぐ出てくると思います。びっくりするほど出てくるのじゃありませんでしょうか。 そういうことをしますと、今度は反対論としまして、みんな脱税のために会社を分割したがると言うのです。それじゃ独禁法を改正しなくても自動的に分割するからいいじゃないか、私はそういうようにからかうのですけれども。 第二番目には、それじゃ価格に転嫁すると言います。利益金から税金を納めるのに何で価格に転嫁するのか。そういうばかな議論を大蔵省の方はおっしゃいますけれども、これは納得しかねます。 それから三番目には、そんなことをすると企業家が企業意欲をなくするからいまのように甘くしておく。それじゃわれわれ勤労者は何だと言いたくなるということです。 そこで今度は、税制の根本的な改正はそれとして、当面いまの税制のもとでも、法人所得、資産所得を十分に捕捉するということに力を入れれば、さっきも申しましたが、そのために間税に張りついておる職員を大幅に直税の方へ回して税の捕捉に努めればずいぶん税収が上がるはずだ、私はそう見ているわけです。
○小林(政)委員 いまのお話で、間接税というものをふやしていく、そういうところに財源を求めるなどということは、これは本当にとんでもないことだというお三方の御意見でございますし、私も、財源をどこに求めるべきかという点について、いまお話を伺った内容をさらにきちっと整理をし、そしてその方向をやはり運動の中でも皆さんと御一緒に強めていくことが必要だということを痛感いたしております。 もう一点お伺いいたしたいのは、ただいま竹内先生の方からもお話が出ましたが、独禁法との関係もございますけれども、酒税の中でも特に今回のビールの値上げの問題です。 これはいままでの動きを見ておりますと、四社しかないビール企業で、ほとんど同一の時期に同一の額の引き上げが、ここのところ三回かもうすでに連続行われてきております。こういう状況が続くもとで、価格競争というものが本当に行われているんだろうか。特に麒麟麦酒の場合には、市場の占有率も六〇%を超えるというような状況のもとで、今回の酒税の引き上げに伴って、もうすでにビールの値上げがやられておりますけれども、恐らくまた同じ価格に値上げが行われていくのではないかということが予想をされるわけでございますが、やはりどうしても原価の公開をさせていくということがいま非常に大事になってきているんじゃないか。これらの問題について、皆様方消費者の立場から、独禁法の問題とも関連して、いろいろと御研究もされていらっしゃるというふうに伺っておりますので、ぜひこの際、御意見をお伺いさせていただきたいというふうに思います。
○福田参考人 ついこの間麒麟麦酒の本社へ行きまして、社長と四、五十分にわたりましていろいろ消費者団体で交渉を持ちました。工藤さんとも一緒に行きましたので後ほど補足があると思いますが、麒麟麦酒の方は、しばらくがんばってみたいというようなことをこの間は言っておりましたが、先生がおっしゃるように、朝日、サッポロに続いて近く二十円値上げすることはもう必至の情勢にあるというふうに私ども思ったわけであります。 麒麟麦酒の社長が言うには、原料が上がったとか、あるいはまた、人件費が上がっているとかというような月並みなことを盛んに言っておるわけでありますが、少なくとも麒麟麦酒が六〇%のシェアを持っているということ、このことは独禁法上の企業分割にもかかわる問題であろうと私どもは思うし、六〇%もシェアを持っておれば相当効率的な経営ができるわけで、それが一五%とか二〇%のシェアを持っている会社と同じように価格を上げなければいかぬという理由には、少なくとも常識的に言ってもならないはずです。 したがって、先生のおっしゃる原価の公開等についても、ある程度の数字は社長から聞きましたけれども、それ以上のものはまだ入手しておりませんので、ぜひこの点は原価の公開をさせて、少なくとも六〇%のシェアを持つ麒麟麦酒はやはり抑え込まなければいかぬということを、私どもの運動の方向として考えるわけであります。 それと同時に、ビールの問題について、何でビールだけが四社か。酒は三千ぐらいある。ウイスキーも大分あれしておりますが、ビールというのは大衆のだれでも飲むものでございます。ビールだけが何で四社にしぼられているのか。この点はもっと——外国の例なんかからいっても、地方へ行けば違ったいろいろなビールがある。どうもこれは大蔵省がいろいろな形で指導しておるんじゃないかと思うし、日本だけが何でこうなっているのかについて私ども基本的に疑問を持つわけでございます。 これは酒のように地方色豊かなビールがあってしかるべきではないかというふうに思うし、どれを飲んでみても同じような味がしておってどうもよくわからぬので、こういうものではなしに、もっとビールの本質を生かしたような、値段も違えば質も違って、それぞれ特色のあるようなものを出すべきではなかろうか。特にビールについてはそういうふうに私どもは考えまして、そういう方向も今後積極的に私ども運動の中へ出していきたい、こう思っておる次第でございます。
○工藤参考人 私は酒とたばこと区別して申し上げたいと思いますが、たばこの価格については、先ほど申し上げましたように、私は公共料金という位置づけをしております。 ですから、今日独占禁止法の改正問題の中で原価の公開ということが少なくとも公正取引委員会からは出されたわけですけれども、それをめぐっていま御議論があるところでありますけれども、、民間企業に対して原価の公開を要求するに際しては、李下に冠を正さすという言葉がありますけれども、まずもって国営事業あるいは公益事業と言われているような企業は、当然のことながら、国民に対して経営内容の実態、それから原価の公開といったようなものをしていただかなければならないと思います。 私たちはのぞき趣味的で企業の秘密を知ろう、原価の中身を知ろうということを言っているのではありません。値上げをするに際して、先ほども申し上げましたように、適正な原価なのかどうなのか、適正な利潤であるのか、こういったようなことを十分確かめたいためにそういうことを実は迫っているわけなんであります。 そういう点で、公益事業あるいは国営事業である企業主体は、当然原価の公開をしていただきたい。そうでなければ、独禁法の改正などということはなかなかできない、こういうふうに思っているわけです。 それからビール、酒のことでございますけれども、この前麒麟麦酒に行きました。同じビール会社でありましても、たとえば資本金で見ますと、サッポロビールが百億、朝日も大体百億、それに対して麒麟麦酒は二百八十八億でございます。それから営業利益で見ますと、昨年の秋の決算と申し上げておきますけれども、サッポロビールが二十一億の営業利益、朝日麦酒が三十一億五千百万の営業利益、それに対しまして麒麟麦酒は二百億を超える営業利益を持っている。それから純利益で見ましても、サッポロビールが十三億八千七百万、朝日麦酒が十三億七千四百万、これはほぼ同等でありますが、これに対して麒麟麦酒は九十四億九千二百万というふうに、同じビール会社でありましても、規模が全然違っている。ところが、これが同時値上げをいつもするということでございます。 先ほどの読売新聞をちょっと引用させていただきますけれども、これは清酒の例でありますが、「自由価格のはずの清酒の値段が、ほとんど例外なく同じ値段なのも不思議といえば不思議だ。それには秘密がある。国税庁が中小メーカー保護を建前に、“圧力”をかけるのだ。かつて、清酒がいっせいに一・八リットル当たり六十円値上げしたことがある。価格カルテルの疑いで、当然、公正取引委員会が調査に乗り出した。ところが実態は、九十円値上げしたいという業界の要望を国税庁が六十円に抑えたことがわかってケリ。国税庁酒税課は、「酒類等の生産及び販売を管理する」(大蔵省組織規程)ことになっているが、統一価格を押しつける権限はない。しかし、国税庁は酒税の延納、酒造米購入の助成金といった酒造業者保護策を適用しないことをにおわせながら、暗に業者に価格カルテルを強要する。しっぺ返しを恐れる業者は、例外なくその示唆に従う。中小メーカー保護の大義名分があるから、国税庁にはやましい気持ちはないに違いない。低い価格に足並みをそろえる場合はいい。しかし、高価格維持を事実上、国税庁がバックアップする可能性がないとはいえない」という業界の声もある。 これは読売新聞の引用でございますけれども、私たちはこういうことがあってはならないということを考えております。
○竹内参考人 なぜ麒麟麦酒がこれだけのしてきたか、サントリーが独占に近い状態になっているか。これはいろいろ原因がありましょう。たとえば宣伝に物すごい金を使う、そういう点もありましょうけれども、私が一つ申し上げたいことは、お酒が甘いからなんですね。甘い理由は、先ほども申しましたようにアルコールをたっぷり入れなくちゃいけない、それには水あめ、ブドウ糖のような、あるいはグルタミン酸ソーダのようなものを入れて味つけをしなくてはいけない。そして、何か酒屋の言い分によりますと、女性に飲ませるために甘くするんだと称して大手のお酒が甘くなったので、地方の地酒メーカーがみんな甘くしちゃった。そのために甘いのがいやだというのがウイスキーだのビールに嗜好が移っていった、これは一つあると思うのです。 ですから、ああいう水あめ、ブドウ糖を入れるような酒はもうつくらないように、この酒税法第三条の「その他政令で……」というのはもう消してもらいたいわけです。そうすればビールやウイスキーに移った嗜好がまたもとに戻ってくると私たちは確信しているわけなんです。 そこで、今度は原価の公開のお話なんですけれども、企業というものは大きくなればなるほどこれは私企業という名に値しない、公共性がだんだん高くなってまいります。だから、その辺のお父ちゃんお母ちゃんでやっている何とか産業と麒麟麦酒や新日本製鉄と同じ企業の秘密なんという言い分は私は通らないと思いますので、企業が大きくなればその公共性に対応してディスクロージャーと申しますが、企業の内容をガラス張りに、社会にオープンにすべきである。 いまある制度としては有価証券報告書の制度がございますが、これは株主保護のためですけれども、さしあたりあの制度を拡充して、いまのあれだけじゃ業務の実態はよくわからないのです。あれをもっと詳しく部門別に営業の実態がわかるようなものにして、だれでもその企業がいまどういう仕事をやってどういう状態にあるかということを知れるようにする。 それからまた、株主権をもっと強化して、いま帳簿を見られるのは何株以上とかえらく制限があるようですけれども、自由にそういう帳簿も閲覧できるとかいうようにしておいて、私は、原価をつくって出してこいと言っても、これは本当の原価は出してくるはずがないと思うのです。仮に本当のものを出してきたって、半年、一年後に出してきたらもうその時点では使いものにならないものだし、私は常にいつでも見にいらっしゃいという体制にしておけば、専門家の人がその会社を調べればいいのであって、原価はわれわれがはじき出せばいいのではないかというようにも思っているのです。
○小林(政)委員 それではあと一点、これは福田先生にお伺いしたいと思うのですけれども、先ほどたばこの国内産葉の問題で、もっと自給率を高めていく必要があるのではないか、現在六〇%台ということで、外来葉といいますかよりももっと国内産葉を、自給率を本当にもっと向上させていくということが非常に大事だと思うというお話をされましたけれども、実際、国内産葉の場合は耕作面積あるいはまたその耕作に携わる葉たばこ耕作農民の方々が減少をしていることも事実でございますし、いろいろな理由があるんだと思いますけれども、このように自給率が逆に下がってきているというような現状、この問題について、また今後の計画の中でもこの問題について位置づけをどうしていくべきかという点も含めてお話をお聞かせいただきたいと思います。
○福田参考人 いま先生から御指摘のありましたたばこ耕作者でございますけれども、たばこ耕作者の数が年々実は非常に減少して、しかも耕作面積もまた減少している状況でございまして、四十三年ころに二十六万世帯あった耕作農家が、四十八年には十三万ということでございますから、全くこの五年ぐらいの間に半分になるというくらいの激変の状況でございます。これは農業の中でも大変減少率がひど過ぎるくらいひどいわけでございます。 これは何と申しましても、たばこをつくっていてもなかなか引き合わないということが一つと、それからもう一つは、政府、専売公社がやっている外葉依存政策によるものである。いわば農業と同じ方向で出ていると思うわけであります。ですから、昨年四四%生産者価格が上がったことはたばこ耕作者農民にとっては大変結構なことであると思います。しかし、そのことを今度の値上げの理由にしているわけですけれども、これは先ほど言ったように、非常に問題があると思うのです。 そこで、今後のたばこ耕作の自給率をなぜ高めなければいかぬのかということでございますけれども、たばこの場合は食品と違って、いわば換金作物でございますから、一遍依存をしてしまうと、食糧以上に外国から値段の面で振り回されるおそれが非常に強いんじゃないかということでございますね。したがって、換金作物でございますので、その意味では食糧よりももっとこの点は慎重に扱わないと、外葉が安いからということで依存をしていると、いつの間にか外葉を高く売りつけられることが予想される。 それからまた、専売制度で私ちょっと申し上げたいのは、専売制度というのは本来そこの国の自給ということを前提にしてやはり発足しているわけです。私どもは専売制度が必要だということを認めている。そうすると、外葉に依存をしてしまえば、外葉への依存率を高くする、この中間に業者が立ってくるということになりますと、だんだん専売の必要性というものがなくなるのではないか。事実、そういうことです。やはり日本のたばこ耕作者というものと専売制度というのは結びついているわけです。そういうふうに私ども思うわけです。 たばこ耕作の場合は、米と違って投下労働力が多くかかるのですが、一町歩程度なら何とか家族労働でやれる面がございますので、ぜひたばこについてもこの米と同様に生産費所得補償方式がとられるように、この点は大蔵委員会の先生方にもぜひ強くお願いしたい。たばこ耕作者であるから生産費だけでいいんだとか、あるいはまた地場賃金並みの安い賃金でいいんだということはないのであって、米にいま認められておるような方向で、ぜひたばこも国が、公社が全部買うわけでございますから、米も同様なんでございまして、米と同様な形で生産費所得補償を行っていただけるならば、国内の自給率はもっともっと高まるであろうし、またそれが消費者、専売に働いている労働者、また耕作者、三者とも非常によくなる方向である、そういう方向が公益専売制度であるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○小林(政)委員 ちょうど時間が来てしまいました。公共料金の問題につきまして、もっと国民の意見を十分聞いた上で、そして国民の声を反映して十分審議をしてほしいと言われましたことにつきましては、私どもも全く同感でございますし、公聴会とか何らかの形で、あるいはまた公共料金についてはもっといわゆる根拠法なども明確にした上で、国民の率直な声を私ども反映さしていくようにこれからも努力をいたしてまいりたいというふうに思っております。本日はどうもありがとうございました。
○上村委員長 坂口力君。
○坂口委員 参考人の先生方には大変どうもありがとうございます。 二、三の点をお聞きをしたいわけでございますが、まず第一に、今回のたばこ、酒の値上げによりまして、いわゆる消費者物価への直接の影響というものがいろいろ言われております。直接の影響としまして、たばこの場合に〇・六%というような数字が言われておりますが、これは物価全体に及ぼすいろいろの波及効果を考えますと、私どもこれだけではとどまらないのではないか、何か将棋倒しのように次々と大きく波紋を描いていくように思うわけでございますが、この酒、たばこの値上げによる消費者物価への影響についてのお考えを、お三人の先生方に一言ずつお聞きしたいと思います。
○福田参考人 この波及効果については、むしろ心理的な影響と具体的なものと両方あると思うのですが、心理的影響というのは、たばこ銭にもならぬというくらいにたばこの値段というものは昔から安いものだということになっておったわけです。たばこ銭にもならぬどころか、たばこ銭が一番高いということになりますと、五割も上げると、たばこも上げたんだからと、これは米と一緒でございまして、国の価格でございますから、この心理的影響というものは非常に高いものだと思いますね。 私なんかも人にたばこをやったりもらったりしますけれども、十箱もらえば、いままでたとえばセブンスターであれば千円であったものが、今度は千五百円になるということになりますと、これはちょっとばかりたばこも考えなければいかぬということになりまして、そういう意味の具体的な数字は、上がった結果どうなるかということをいろいろ具体的に今後家計調査等で調査しないとちょっとこれはわかりにくいものがあるのですが、心理的な影響というのは、米と同じくらいのものを酒、たばこというものは持っているというふうに私は確信しております。
○工藤参考人 先ほど福田さんからも言われましたが、指数というもののとり方が今日再検討されなければならない時期に来ています。この点は二つ問題があると思うのです。 一つは、年間一千万の所得者もそれから二百万の所得者も同じように国民として見られる、そして家計に及ぼす影響——物価指数というのは、御存じのように消費者物価でありますと四百二十八品目、卸売物価でありますと九百二十八品目を基礎にしておるわけでございますが、その基礎になっている品目そのものの選び方が第一に問題になります。その選び方を審議をすることについても、消費者団体、私たちだけが代表じゃありませんけれども、そういう消費者の代表あるいは勤労者の代表といったような方が入れられていませんで討議して決められているということでありますから、統計のとり方そのものに問題があると思います。 それからもう一つは、たばこや酒がどういう影響を与えるかと言いますと、たとえば給料十五万の勤労者がいるといたしますと、その人のお小遣いが二万なら二万、その範囲内で与える影響を見ませんと、家賃を削ってたばこを吸うとか酒を飲むとか、これは許されないことなんでありまして一ですから項目ごとに構成比が一体どうなっているのかということを見てみませんと、構成比といいますか、二万円なら二万円のお小遣いの中でどれだけの嗜好品が買えるか、あるいは酒などは、酒を飲まないともう仕事もできないというような大変好きな方もいらっしゃいますから、そういうふうに具体的に見てみないと、家計費全体に占める割合とか、あるいは消費者物価全体に与える影響というものを出してみましても、果たしてそれがどういう意味があるのか私はよくわからないので、私の考えといたしましては、酒、たばこというものは、一定の限られた、個人の財布の中から出すという点でその比重の重さを考えたときには、これは大変ばかにならない。先ほど具体的な例を、たばこ、ビールで出しておきましたが、そのように考えております。
○竹内参考人 従来の経過を見ておりますと、政府が公共料金を上げますと、とにかく待ってましたとばかり芋づる式に、直接には関連のある物資、たとえば米を上げれば、みそ、しょうゆ、パン、ああいったものが上がるし、そのうち関係のない新聞までつれて上がるというような実績があるのです。ですから、よく経企庁は何かコンピューターではじいて波及効果は何%だなんて出しますけれども、ああいう人間の意思が働かないという前提でコンピューターではじけばそうなるのでしょうけれども、企業は待ち構えているのです。特に最近はその傾向が非常に強い。 ですから、私は、政府主導型の物価高ということはこれははっきりしていることだと思いますし、そういう意味での波及効果は非常に大きいと思うし、いま政府は、いや物価は鎮静してきた、心配ないというようなことを言っておりますけれども、何か大地震の前のようにエネルギーがたまっていると思いますね。だから、政府が上げれば待ってましたとばかり大揺れが来るのじゃないか、私は非常にその危険を感じます。
○坂口委員 竹内参考人にひとつ続いてお聞きをしたいわけでありますが、先ほど、酒、たばこの値上げによって福祉を充実させるという政府の税制に対する哲学のなさということを御指摘になりまして、また法人税の累進課税の問題にも触れられたわけでございますが、直接税と間接税の割合、特に関接税についてのお考えでございますね、先ほども若干答弁の中に出てきたと思いますが、もう少しおつけ加えいただくことがございましたら、この際お聞かせをいただきたいと思います。
○竹内参考人 間接税というのは、税の歴史から言いますと、歴史をさかのぼればさかのぼるほどそういった形の税金が主流を占めておって、そして近代国家において初めていわゆる負担能力に応じた税制、応能負担の税制というものが確立してきたということになっているわけです。ですから、税制の大きな流れから言うなれば、間接税というものはなくなるのが理想である、そう思いますね。 ところが、どういうわけか、直間比率なんという言葉をいつまでたっても言っておりますね。あんなのはおかしいと思う。そして何かというと、フランスでは間接税の比率が高いとか、ヨーロッパの国をいつも引き合いに出しますけれども、それじゃアメリカのことをなぜ引き合いに出さないんでしょうかと言うんですね。アメリカは直接税の比率が八六か何か、ずいぶん高いですね。高い方は言わないで、低い方のフランスばかり引き合いに出して、だから間接税をどうだこうだ、国際的なあれだなんて言うのですけれども、大体直間比率なんというあんなものは何にも理屈はないと思いますね。ただ取りやすいから取っておる、いままでそういう実績があるから取っておるというだけなんですね。 だから、私が申し上げた哲学というのは、間接税というものはなくなす方向でいくべきものだ、しかし、いまあるものはまあ尾骸骨のようにじっとしておくしかないということならば、それはそれでいい、だから上げるなんというのは逆コースだということを言いたいわけです。
○坂口委員 続いて、そのお考えのもとに先ほども述べられたと思いますが、酒の安全性の問題について触れられまして、安全性の問題等については厚生省の管轄にすべきではないかというようなお考えのように承ったわけでございますが、先生のお考えでありますと、特にお酒なんかは大蔵省の管轄ではなしにもう厚生省の管轄で管理をすべきものだ、こういうお考えでございますか。
○竹内参考人 酒類だけなんです、厚生省がノータッチといいますのは。われわれこのごろ食品の安全性ということに目覚めてやいのやいのといろいろな問題を言っているんですけれども、厚生省も都合がいいと見えまして、いやあれは国税庁へ行ってくださいよ、こっちは関係ないと言ってすぐ追っ払うんです。まことに無責任です。しかも、サリチル酸についてどうだこうだと国会でも議論になっても、大蔵大臣は、いや明治の時代から使っておって何も被害がないから安全だというようなことをおっしゃっていたかと思うと、いややめましたなんということになったり、そうしてそういうものを違反して入れているか入れていないかというチェックのあれもないですね。 国税関係で、税務署の人でそのための試験管を振れる人が幾人いるでしょうかと思いますね。だから、大体あれはおかしいですよ。おかしいんだけれども、厚生省は大蔵省に遠慮して一言も言わないのです。だから、これはわれわれ消費者が、市民が言わないと直らないと思うから、私は幾ら恨まれても言おうと思っているのです。
○坂口委員 ありがとうございました。福田参考人にお聞きをしたいと思いますが、一番最初におっしゃったことで私ちょっと聞き漏らした点があるわけでございますが、三千五百億の増税に伴って、何ら改善策というものを伴っていないというお話がございました。この点をもう少し具体的にひとつお願いしたいと思います。
○福田参考人 大体、物事値上げをするようなときは何らかの引きかえ条件といいますか、たとえば国鉄で上げるときはまあ三方一両損というようなことで、労働者にもある程度犠牲をしわ寄せをし、それから駅の改善をどうしますとかサービスを少しつけ加えまして、そうしてやるものだと思うのですよ。大体公共料金でも、普通の場合ですと、やはり値上げはするけれども、こういうことはある程度改善をいたしますというものをつけ加えましてやるのですが、今回の場合は一体値上げをすることによって、いま私ども三人でいろいろなことを指摘いたしましたが、何か具体的に改善策があるのかどうか。 酒についても、これはもう先生方よく御存じのことばかりわれわれ申し上げておると思うのですけれども、何回も御指摘のところで、こういうことは改善するから、それじゃこのぐらいの値上げはどうだろうか。たばこについては、いろいろ言われるこういうものは改善していく、どうだろうか、こういうようなものが何か出てきて、そうして国民にもやはり訴えていくというものがないと、ただ単に値上げでございます、五割上げます。上げないのは二級の酒だけですから、それで私は、何にも入ってないから、それじゃ地酒の二級酒でもみんなで買おうじゃないか、そうすれば値上げはないし、一石二鳥で地酒の業者も助かるだろうし、酒を飲むならそういうことでもしたらどうかということで、本当に言おうと思っておるのはそこにあるわけで、何か国民に納得させて、こうするからこうするというようなものがあるのがやはり普通のやり方ではなかろうか。上げるばかりが能じゃないので、そういうことであればわれわれも大いに議論をして、きょうも政府案に対する賛成者も大分出て——何もないから賛成者がおいでにならぬのじゃないかと私は思う次第でございます。
○坂口委員 それから、たばこの益金率の問題がございますが、竹内参考人のようにもう間接税というものをなしにしていくのが本来なんだという御意見であれば、益金率の問題をいまさら出すのは変な形になるわけでございますけれども、現実といたしまして約六〇%、最近それが五四%ぐらいに落ちていっているということになっておるわけですが、とにかく五〇%台あるいは六〇%の益金率というものがあるわけであります。この益金率の問題につきましても、この委員会でこれが妥当なものなのかどうか、あるいはまたこの六〇%の益金率の理論的根拠は何かというような討論もなされたわけであります。今回のこの討論の中では、そういった益金率の根拠は何ら出てこなかった。これは出てこないのが当然だと思うわけでありますけれども、この益金率なるもの、これは現実問題としてどのようにお考えになるか、福田参考人と工藤参考人にひとつお伺いしたいと思います。
○福田参考人 いままでずっと六〇%あるいはまた五〇%台を維持してきたというのは、そういうふうに歴史的に見るとあるいは六〇%程度の益金率であったということにすぎないわけであって、今度値上げしなければ、たしかにこの五〇%を割って四六、七%程度になるかと思うのですが、しかし四六、七%程度でなぜいけないかということを私どもはむしろ反論したいわけで、先ほど山中先生でしたか御質問がありましたように、節煙をするあるいはまた節酒をするというようなことが国民的に言ってもそう悪いことではないということになりますと——それからまた値上げの結果、私どもたばこを少し少なくしなければいかぬと思っておるわけです。もう値上げされたらどうにもやっていけない。 そうした場合に益金率というのは一体どうなるのか。いろいろなことから言っても、それを維持しょうと思っても、値上げをしたら維持できるのかどうかということもまた問題になりますね、額の面から言うと。ですから、これは結果論であって、値上げをするのが是か非かというのがむしろ基本であって、益金率を保たなければならないという不文律はないはずだし、それは全く逆の発想方法に立っている。したがって、税金を取るということ、財政の面しか頭にないからそういう発想方法になって出るのであろうというふうに私は考えております。
○工藤参考人 これは間接税を今後どうしていくかという問題で、政府はまさにこの方向を強化していこうという方向でありますから、現実的に、消極的になりますけれども、最小限現在のこの間接税をこれ以上税率を上げさせないようにするということは国民の要求だと思います。方向としては、竹内さんも先ほど言われましたように、税金のあるべき姿としては、逆進性を持っているというようなことから本当に公平の負担にはなりませんので、これは廃止する方向に向かうべきだと思う。 この財源をどうするかといいますと、先ほどお答え申し上げましたように、やはりお金というのはあるところから取る、ないところから取るというのは本筋じゃありませんから、租税特別措置などという、大蔵省が計算しただけでも七四年度だけで年間七千二百七十億であります。われわれ消費者団体で計算したのは約四兆二千億ぐらいありますけれども、こういう財源が獲得できるわけでありますから、やはりもっとこの税制の問題などを大蔵省が国民に広く問いかけて、そして国民の意見を聞きながらやれば、こういう間接税を強化する方向にはならないだろうし、またそうしてもらっては困る、こういうふうに考えております。
○坂口委員 竹内参考人にもう一つ最後にお聞きをしたいと思いますが、先ほどお酒の流通機構というものについて少しお触れになりました。それから先ほどの議論の中にも、本物に対する税制のあり方、あるいはまたそれをよりょく変えるためのあり方というふうなお話もございました。酒の流通機構というものについてのお考えをもう少しお聞かせいただきたいと思います。
○竹内参考人 私は、お酒の免許の中で特に販売免許、これを問題にしたいわけなんですが、なぜ大手の酒がこういうように大消費地に出回るか、あるいはキリンビールが出回るか、これはやはり販売免許と関係があると思うのです。 というのは、そういった問屋さんなんかは大手のメーカーの系列の中に入っている。だから、地方の地酒屋さんが自分のラベルの酒を出荷したいと言ったって取り扱ってくれない、そんなわずかのロットのものじゃ邪魔になるから扱わないと言ってはねられる。だから、自分たちが自信のある品質のものをわが社のラベルで都会地に飲んでもらいたいと思って出そうとしても、流通機構がそれを阻害しておるということを言いますね。ですから、中小メーカーの人たちは、販売免許はいまの酒の三悪の一つだ、こう言いますね。 だから、私はなぜこの販売免許というものがなくてはいけないのかということ、過当競争を起こして倒産すると酒税のあれが落ちるからやっているんだというようなことをよく国会答弁でおっしゃいますけれども、そんなことは自由にしておけば、過当競争でみんなぶっつぶれるというのなら、あらゆる商品全部ぶっつぶれているはずなんですけれども、そういうへんてこりんな議論を国会で堂々とおっしゃるというのは、まことにおかしいと思うのです。 そういうことですから、免許制なんというものは——そして特によけいなおせっかいをいたしますね。何か距離制限があったり、生協なんかには卸さないとか、どうしてああいうしちめんどくさいことを、しかも法律にはっきり書いてない、ああいう営業の自由を阻害するようなことをなぜするのだろうかと思いますね。あれはやめた方がいい、私はそう思うのです。それは、いま独禁法が問題になっておりますけれども、いわゆる寡占企業の流通支配というその手段に使われているという点が問題だろうと思うのですね。 ですから、ビールはこんなに寡占化してしまったのだからどうしようもないし、ウイスキーもそうですけれども、三千幾らある清酒の方はまだまだ競争条件を促進する素地があるわけですから、それを阻害しておるいまの流通機構のそれを取り除いていくということによって、せめて本物、品質のいいものがわれわれ自由に選択できるようにあってほしい、そういう意味で、流通機構のあるべき姿からいって免許制度はやめた方がいい、そういう主張をしておるわけです。
○坂口委員 終わります。
○上村委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、御多用のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 本会議散会後再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時五十三分休憩 ————◇————— 午後二時二十一分開議
○上村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。武藤山治君。
○武藤(山)委員 大蔵大臣、いよいよたばこ、酒の審議も大詰めに参ったようでありまして、きょうは最後に大臣の率直な見解を聞かしていただきたい。 野党の皆さんが大変詳しくたばこ、酒の値上げの意図は何であるか、原価がどうであるか、いろいろな角度から追及をしてまいりました。百円のたばこを百五十円にする、あるいは八十円のたばこを百二十円にする。この上げ幅は、大臣、ずいぶん高くなるものだな、余り感心せぬ、国民に喜ばれないな、そういう感じを持ちませんか。
○大平国務大臣 おっしゃること、その限りにおきましては全く同感でございますが、きのりも私が各委員の方々にお答え申し上げましたように、これは過去七年間据え置いておったということでございます。したがいまして、今度値上げと申しますか、調整の決断をさしていただくにつきましては、ただいま御提案申し上げておること、武藤さんにとりましては相当大幅ではないかというおしかりでございますけれども、この程度は許されてしかるべきではないかという感じを持ちまして御審議を願っておる次第でございます。
○武藤(山)委員 大臣は、この程度の、五割の値上げは許されてしかるべきだと言うが、庶民は許していいかということになると、ちまたで聞くと、五割も一挙に上げるということは許せない、大平大臣何をやっておるんだというのがちまたの声ですよ。したがって、各参考人もあるいは各委員も、ここでこんな大幅な値上げはけしからぬから撤回したらどうだ、こういう見解を述べているわけですね。大詰めに来て撤回する意思は持てない、このままどうしてもこれは強行したい、こういう決意には変わりありませんか。
○大平国務大臣 もう一遍考え方を整理させていただきますと、いま申し上げましたように、酒にいたしましてもたばこにいたしましても、その小売定価は四十三年以来七年間据え置かれておった。その間の原材料費、人件費等の諸原価の上昇ということがございましたけれども、七年間ともかくも公共料金を抑えるという趣旨に沿いまして据え置かれてまいったということが第一でございます。しかし、いつまでもこんな上昇いたしました原価を埋めないでおくということもできませんので、私もこういうことをやる羽目になりましたことを大変不運の大臣だと思っておりますけれども、しかし、ここで踏み切らしていただきたいと存じたわけでございます。 それから第二の理由は、たびたび申し上げておりますように、専売納付金は前年度当初予算で三千四百四十億円でございましたが、このまま置いておきますと千二百億円程度減少いたしまして、二千二百七十八億円程度になるものと見込まれます。財政専売制度としての専売公社の立場から申しまして、ここである程度の調整をせざるを得ない状況になっておるんじゃないかと判断したわけでございます。 第三の理由といたしまして、武藤先生御案内のように、ことしは老齢者年金、福祉年金を初めといたしまして、各種の福祉行政の前進をやらしていただいたわけでございますし、すでに両院を通過成立さしていただきました所得税、相続税、入場税等の減税もやらしていただいたわけでございまして、そういったものとこのたばこ、酒の値上げというような問題は一体となっておるわけでございまして、そういうことを可能にするための動かしがたい一つの条件になっておるわけでございます。そのあたり、御説明申し上げるまでもないことでございますけれども、整理の意味で申し上げておきたいと思います。 第四番目に、日本のたばこの小売定価並びに税負担率は、たびたび御説明申し上げておりますように、諸外国より相当低目に据え置かれておりまするし、今回の値上げをもっていたしましても、諸外国には及ばない程度に抑えてあるわけでございます。 第五番目に、個人消費支出が前の値上げのときの四十三年度から七年間に約二・六倍になっておるわけでございます。その間、たばこの売上代金というのは一・七倍になっておるわけです。今度の改正をやりますとこれが一・九倍になるわけでございますが、依然として二・六倍より下目に抑えて、個人消費を相対的に圧迫しないような配慮を加えさしていただいておるわけでございます。 なお、申すまでもなく税制調査会、財政制度審議会等に御諮問申し上げて、この程度の負担の調整を図ることは適当である旨の御答申もちょうだいいたしておりますことは御説明申し上げるまでもございませんけれども、したがいまして、せっかくの御提議でございますけれども、そしてその御趣旨は私もよく理解されますけれども、財政を預かる立場から申しまして、何とかこれでやらしていただきたいということでございます。
○武藤(山)委員 大平さんは、こういう時期に遭遇をしたのは不運の大臣だといま言われた。いろいろ常識的な質問をしたいのでありますが、三十分ぐらいでやめないと山下さんがまたわあわあ言いそうでありますから、結論だけ尋ねますので、答えも簡単、要領よくお願いしたいと思います。きょうの新聞を見ると、専売公社は百円のたばこを——今度百円たばこがなくなってしまうわけですね。百円たばこというのをつくってもいいような示唆をけさの新聞報道、読売新聞がいたしておりますが、百円たばこをつくりますか。大臣どうですか。
○泉説明員 昨日佐藤委員にお答えいたしましたように、今後の情勢を見て検討いたしたい、このように考えております。
○武藤(山)委員 今後の情勢を見てというその情勢は、参議院段階における審議の状況という意味なのか。たばこの値上げ幅が余りにも高くなり、あるいは自動販売機も百円入れておつりなしで便利だ、そういう国民の要望などが出てくる情勢を指すのか。どちらの情勢ですか。
○泉説明員 それらすべての情勢を考えて検討いたしてまいりたいのであります。
○武藤(山)委員 それらのすべての情勢が出たときに、われわれが前々から希望していたシビルミニマムの大衆たばこ、大衆ができるだけ安いたばこを所得に応じて購入しておる、そういう大衆たばこの値幅も情勢によっては検討してしかるべきだと思うのですが、大蔵大臣の見解はいかがですか。
○泉説明員 すでに申し上げておりますように、今回の定価改定によりまして、二千五百億円の増収を図るということを前提といたしましてたばこの値上げを考えておりますので、お話のように、大衆たばこについて値幅をどうというふうなお話になりますと、それがはなはだ困難になることがございますので、そういった点につきましては慎重にしなければならない、このように思っております。
○武藤(山)委員 大臣、所得税の減税を二千五百億円程度やって、たばこと酒の引き上げでそれは全部また庶民から吸い上げて、賃金はできるだけ抑えて、物価は一四、五%上がる。庶民が日常必要な物価はもっと上がっておる。総評の調査では、毎日使うような品物だけの指数をずっと見ると、一八%から二〇%年度間上がっておる。そういうような状況では可処分所得が減っちゃっている。五十年度の見通しからいっても、そういうものを総合勘案して計算してみると可処分所得はかなり減る。しかも、所得税の減税をちょっぴりやったが、酒、たばこで取られちゃうんだ。国民感情から言うと、せめて物価上昇よりも上回った賃上げでもしてもらわぬことには実質所得水準は低下だ、こういう批判が出てきますね。大臣はそういう批判は当たらないとここで言い切れますか。
○大平国務大臣 日本が購入いたします原料、燃料、材料、そういったものがめっぽうもなく上がったわけでございまして、したがって、これは全国民の努力によりまして、あるいは技術の改良あるいは生産性の向上によりましてこれをカバーしない限り、国民の生活が究極においてそれだけ窮屈になってまいることは、だれが考えても理解できるところであろうと思うのであります。一昨年来の世界的なこういう資源危機をどのように克服するかということにつきましては、日本ばかりでなく、世界各国がいま非常な難渋をいたしておる段階でございまして、苦しいのは日本ばかりでないと思うのであります。何とか政府も国民もこの際この難局を打開するために協力いたしまして、早いところ、この危機を脱却をいたしまして、実質的な所得が着実な向上のカーブを記録することができるような日を迎えたいものと念願いたしておりまして、それは武藤さんも全く同感であろうと思うのであります。ここしばらくが非常に大事な試練の時期であろうと思うのでありまして、こういう試練の時期でございますけれども、できるだけ国民の生活を損ねないようにやらなければならない。財政の運営もそういう頭で最善を尽くしておるわけでございますので、何とぞ御理解をいただきたいと思います。
○武藤(山)委員 国民の生活を損ねないように配慮しなければならぬ。かくあらねばならぬという当為の世界については一致しますよ。しかし、現実に損ねていくような政策展開をいまの内閣はしている。それに対する責任というのは一体だれがとるのですか。すでに四十九年度の税収見積もりも、八千億円も欠陥が生ずる。四月の歳入を四十九年度に使えるような手だてをすでにした。この間の新聞によると、五十年度の歳入欠陥は二兆円になんなんとするだろう。それに米価と公務員の賃上げを計算すると、あるいは三兆円からの不足を生ずるだろうと新聞は報じている。この新聞の報道が全然当たらないのか当たっているのか、主税局長はどうお考えになりますか。
○中橋政府委員 四十九年度の税収が落ち込んだということが五十年度の税収に影響することは確かでございます。それが一体幾ばくになるかということは、実は今後の経済情勢を見てみなければわかりませんので、いましばらく時日をかしていただきたいと思っておるわけでございます。 歳出の事情につきましては、恐らくかなりの補正要因というものが例年あると思いますけれども、それについてはまた非常に厳しい態度をとるということは、この間の大臣のお話にもありましたとおりでございまするので、その新聞報道はいままでのべースで記事が書かれておるというふうに私は思っております。
○武藤(山)委員 この新聞も、「大蔵省筋が二十二日明らかにしたところによると」と大蔵から出ているんですね。そしてこれを読むと、もう公務員のベアを全然しない、米価も上げないという計算でいっても二兆円の穴があく、こういうんですね。これはきのうの質疑応答の中で大蔵大臣は、長年の努力をした主税局を信頼しと、こういう答弁をしていますけれども、これは一主税局の問題ではなくて、政府全体の経済見通しの失敗、先見性の欠如、そういうことが結局こういう歳入欠陥をもたらすのでしょう。その当事者の責任者はだれですか。こういう見積もりをし、それがもし見積もりにやや近い程度までいかなかった場合の責任というのはだれにもないのですか。 ただ国民は、ああ、こんなに穴があいちゃって、歳入欠陥ができて、また国債発行されて、ついこの間の三月の国会で大平さんは私に、国債発行はできるだけもう縮小し、今後は返済財源にもできるだけ回るようにしたい。新聞にも出たし、テレビでも報道したね。一カ月たたぬうちに、今度は逆にまた、一兆円も国債を発行しなければこの歳入欠陥が補えないというような状況だという新聞報道になってきますね。国民は一体だれを信用したらいいんですか。財政を預かる大蔵大臣を信頼する以外に国民は信頼する場所がないんですね。したがって、責任も大蔵大臣にあるのじゃないですか。ありませんか。
○大平国務大臣 仰せのとおり大蔵大臣にございますわけでございますし、大蔵大臣以外の責任ではございません。
○武藤(山)委員 大蔵大臣はその見積もりの過ち——過ちとまで言わないにしても、ずれを国民にどのように弁解をなさり、こういう歳入欠陥が出たのはこういうためで、私としてはまことに不運な大臣だけれども、これはこういう方法で処理しなければならぬというこれからの処理の方針、それを明らかにしてください。
○大平国務大臣 将来の展望を考える場合、政府の経済の見通しを歳入見積もりのべースにとったわけでございますが、しかし、その経済の見通し自体は政府がつくられたものでございますけれども、それが税収にどう響くかということのエステイメーション、これは私の責任でやったことでございます。そしてそれが狂ったわけでございますから、私はだれに訴えようもございませんで、その責任は私にあると考えております。したがって、われわれは、今日の経済の力で支えられる財政というものは、本来ならばもう少しつましいものでなければいかぬということになるだろうと思うのでございます。 しかしながら、政府は一方各種の分野におきまして国民にいろいろな公約をいたしておるわけでございますから、その公約を実行しなければならぬ厳粛な政治責任を持っておるわけでございます。したがって、私の責任といたしましては、予算を通じて公約いたしましたものは何としても財源を調達してこれを充足しなければならぬ責任がまずあると思うのでございます。したがって、そのために、すでに成立している予算の中でこれの見直しを行いまして、できるだけ不要なものの節減を図り、これを緊急やむを得ないものに振り向けてまいる努力をしなければなりませんし、新たな財政需要に対しましては極力厳しい態度でもって、御了解を得て、なるべく負担を軽減していく方向に最善の努力をいたすべきだと思うのでございまして、そうすることによって、新たな負担増をお願いする前に、まず政府の歳出面におきましての最善の努力をぎりぎりの限度までやっていかなければならぬのが、まず第一の責任であろうと思うのでございます。 そういうことをやった後で、それで財政の執行が円滑に行われるということになれば結構でございますけれども、それがしかもなお行われないという場合におきましてどのように処理してまいりますか、これは歳入歳出両面を通じていろいろな工夫をしてまいらなければならぬと思うのでございますが、これはあくまでも財政当局のエゴイズムに走ってはいけないわけでございまして、国民本位の立場に立ちまして、国民とともに苦しむ態度でこういう難局を切り抜けなければならぬのが私の責任であろうと思っております。
○武藤(山)委員 大臣は、大臣を辞職して責任をとるというような考えは全くない、みずからがこの難局をどう切り抜けるか、前向きの処理を責任を感じてやる、こういう心境のようであります。私は昨年の九月あなたに、大蔵大臣に就任されて最初の大蔵委員会で、経済の動向についていろいろ質問をいたしました。それ以来大平財政のあり方、金融政策のあり方などをずっとながめてきたのでありますが、やはりこれまた国債を一兆円あるいは一兆五千億円も発行するとなりますと、またまた日本の経済というのは大平財政から次の時代に大変変わった方向に動き出して、そのツケがまた回り回ってきて財政が大変なことになると思うのですね。 されば、他に何かいい方法があるか。これはもうあるところから税金を取るか、国債の発行か、それ以外に手はないと思うのです。幾らいま節約をしても限度があります。昨年いろいろ庁費や何かの節約をしたところで五、六百億円、幾らやっても、これは大平さんが号令をかけて節約をさせても、二、三千億円が限度ではなかろうかと私は思います。もちろん公共事業を完全にある程度ストップをして、その金の支出をやめて予算の補正をすれば別でしょうが、それもなかなか、いまの不況に対する財政の役割りを考えたときにはできない。そうなってまいりますと、われわれが言っておった富裕税なり財産税なりあるいは大企業に対する税負担をもっとかけるなり、そういう何らかの方法を講じて税収を図って財政の立て直しをしない限り、これはやはり国債の悪循環で雪だるま式に大きくなっていくという方向を、ここ当分の間日本がたどるであろうという大変な心配を私は持つのであります。 きょうは三十分くらいでやめろということですから、この論争は後で五月の連休後の一般質問の中で続けたいと思いますが、いずれにしても、大臣、これは政府としては大変国民に謝らねばならぬ、やはり見通しの過ちを率直に国民の前に訴えて、政府がどういう方法をとれば国民の合意が得られみんなの協力が得られるのか、やはりそういう姿勢を大蔵大臣みずからが示さないと、安易なことだけを国民の前に発表したのでは、日本の財政経済というものは大変な局面になるだろう、こう私は憂えるのでございます。 次に、専売公社は現在借金が四十九年度二千四百三十億円、五十年度は借入金が一千億円ふえる、これは長期ですね。短期の一年間の回転資金は別として、五十年度に長期のものが一千億円ふえる、なぜですか。
○泉説明員 お話のとおり、今回定価を改定いたしましても、五十年度中に長期借入金が千億ふえます。そのふえる理由は、御存じのように、私どもたな卸し資産として葉たばこを二年分持っております。その二年分の在庫が、数量の増加とそれから価格の上昇と、この両面からいたしまして年年千三百億あるいは千五百億程度増加してまいる趨勢にございます。それと工場の建設等新しく固定資産を取得いたしまするのが約三百億ないし五百億の増加になります。 そういうことからいたしまして、これらを内部留保で賄えない限り借入金によらざるを得ないわけでありまして、その借入金の増加が五十年度は千億というふうに予測されるわけでございます。
○武藤(山)委員 借金が三千四百三十億円、一年間で払う金利が百十八億円ですね。百十八億円の金利をもし払わずに済んだとするならば、大衆たばこ、たとえばエコーとかしんせいを十円幅ぐらい引き下げできるのじゃないですか。もし百十八億の利息を払わないと仮定して計算したら、幾らたばこを下げられるか、たとえばしんせいとエコーに限って考えた場合、十円下げられるのじゃないですか。
○泉説明員 百十八億円の金利を払わずに済ませればとおっしゃるけれども、現実には払わなければなりませんので、ちょっとあれですが、仮に払わなくても済むということになった場合、エコーはちょっと無理でございます。エコーは昨日もお答えいたしたと思いますが、今回の定価改定後需要が相当ふえますので、四十九年度は約二百億本の販売数量でございますが、これが三百億本の販売数量になると思いますので、これで十円値上げ幅を抑えることにいたしますと、とてもそれだけの金額を賄うわけにまいりません。 しんせいは御案内のように数量が少のうございますので、しんせいだけでございますとそれは可能かと存じます。
○武藤(山)委員 それから、副総裁、予算書の貸借対照表を見ると、減価償却引当金が、五十年度千四百七十八億円が三角になっているね。ということは、この引当金はすでにもう取り崩して使ってしまっているということですか。この引当金は預金として残っていないという意味ですか。この貸借対照表で三角になっているのはどういう意味ですか。
○斎藤説明員 公社の場合、資産の価格は、償却をした分は差っ引きまして、現在の価格で計算をしております。したがいまして、それは見合いの関係で、これだけはとにかく償却済みとして減価しております、そういう意味にとっていただければ結構だと思います。
○武藤(山)委員 そうすると、この引当金は積んである方じゃない、現金としてこれだけのものが引当金として積み立てしてあるという意味じゃないんですね。
○斎藤説明員 おっしゃるとおりでございます。
○武藤(山)委員 大臣、いまのお話を伺って、借金の三千四百三十億円、これは長期ですよ。これ以外に短期が三千億ばかりあるわけですね。両方で六千億ですね。そういうふうに企業体に借金を長期のものまで他の機関から借り入れさせて、金利を百十八億も払うというロスをやらせて、なおかつ国は専売事業だから六〇%程度の納付金は取るんだという形で、借金させてまで国に取り上げるわけですね。私は、これはちょっと専売事業経営上よろしくない、経営の健全というものをまず第一にさせて、借金をしない程度でやれるようにして、それで専売益金というものを決めていく、そういうふうに経営の体質をきちっと改善して、借入金というものは短期だけ、長期は借りなくても内部留保資金でやれる、そういう体制に切りかえていくべきだと思うのですが、大臣の見解はいかがですか。
○大平国務大臣 いまの専売公社の経営のやり方が不健全であるとは私は思いません。一事業といたしましてそういうやり方をやることは合理的であると思います。 ただ、あなたがおっしゃるように、内部留保を豊富にいたしまして、そういった経営費用が少なくて済むようなやり方も確かに一つの方法に違いないと思うのでございますが、いずれをとるかということは、いずれがよろしいか、いずれが絶対的に正しいかということでもないと思うのでございまして、お説の長所、短所というような点についても篤と検討させていただきたいと思いますけれども、いまやっておりますことが不健全であるというようには私は考えておりません。
○武藤(山)委員 私は、借金を三千億もして、それで大蔵省と専売公社で取り決めをした率だけは何が何でも取る、おまえら借金をして経営してきても決めた額だけは納付しろ、こういうあり方というのは、やはり独立採算をある程度認めてやらせる専売事業に、借金を内部で持ってこれだけもうかるなら、借金は長期資金は一切しないで短期だけは借りてやってもよろしい、私はそのくらいまで経営というものを大蔵省は見てやらなければいかぬと思うのですよ。しかし、もう時間ですからこの論争はできませんけれども、こういう内容もやはりもっと大蔵省は見てやらなければいかぬだろう、こう思います。 それから、これは国税庁。この間まで一本百六十円のビールが百八十円になった理由、それからメーカーの名前をちょっと明らかにしてください。
○星野政府委員 ビールにつきましては、ことしの三月の七日に朝日麦酒が、またこの四月の四日にサッポロビールが、それぞれ末端希望価格でもって二十円のアップをいたしたわけでございますが、この価格の引き上げになりました原因について考えてみますと、実は一昨年、四十八年の秋でございますか、朝日、サッポロそれからサントリーが価格の改定をしまして、四十九年の一月に麒麟麦酒が価格の改定をしたわけでございますが、その後例の石油ショックが起こりまして、原材料費等の高騰が非常に激しいものがございました。 そこで、ビール会社としましては、昨年の秋ごろから、この石油ショック後のコストアップ要因を解消するために、価格の引き上げをしたいという動きが出てまいったわけでございますが、当時物価情勢が非常に厳しいときでございましたので、私どもといたしましてもビール各社に要請しまして、極力企業努力によってそのコストアップを吸収するようにということで要請してまいりまして、各社もかなり経費の節減等につきまして大幅な努力をしたわけでございますが、それにもかかわらず経営の内容が非常に悪化してまいりまして、そうしたコストアップ要因をどうしても企業努力だけでは吸収できないということで価格の改定をさしていただきたい、こういうふうになったわけでございます。 なお、その際、流通業界におきましても、やはり一昨年以後のコストアップ、人件費のアップ等もございますので、そうした点も考慮しまして、同時に流通のマージンも引き上げる、このようになったと報告を受けておるわけでございます。
○武藤(山)委員 そうすると、間税部長、三月と四月に朝日とサッポロが上げた、この百八十円に値上げをしたのは、今度の酒税法の改正で税率が上がる、それをコストの中で吸収し切れないということで上げたのですか、それとも今度の税制改正とは関係なく値上げした、こう見ていいのか。きょうの新聞を見ると、吸収し切れないから今度ビールを百九十五円にすると出ているのですよ。そうすると、百八十円に上げたばかりでまた二カ月か一カ月で百九十五円に値上げするのですか。業界のいまの情勢はどうなんです。
○星野政府委員 ただいま御説明申し上げました末端希望価格での二十円のアップといいますのは、これは純粋のコストアップ要因でございまして、したがいまして、今回の増税が実施されましたとすると十五円アップするわけでございますが、それとこの前の二十円とは全然別個のものでございます。
○武藤(山)委員 そうすると、百九十五円に値上げという申請が出てくる可能性は濃いですね。百九十五円という希望が出てくる情勢は濃い。それとも、そういうことはない、当分一年半か二年くらいは百八十円でいく、こういう見通しでいいのか、その辺をちょっと明らかにしてください。
○星野政府委員 酒の価格は御承知のように自由価格がたてまえになっておりますので、私どものところに業界から百八十円を認めてくれとかあるいは百九十五円を認めてくれ、こういうふうなことは申してまいらぬわけでございまして、これはあくまでそれぞれの事業者が自主的に判断して決めることになっております。したがいまして、現在朝日、サッポロが百八十円の末端希望価格がとられているということになりますと、さらに増税がそれに行われるということになれば、これは自由価格でありますから、はっきりした見通しはっけられませんけれども、一応百九十五円くらいになるのではなかろうか、こういう私どもの推測でございます。
○武藤(山)委員 大平大臣、ビールがこの間まで百六十円が百九十五円になりそうなんですよ。庶民は怒りますね。黙っているのが不思議だと思うのですよ。特級のウイスキーばかり飲んでいる人にはわからないと思うのです。本当に病気をした人でないと病気のつらさはわからないのと同じで、特級酒ばかり飲んでいる人には庶民の痛さがわからない。私はそういう意味で、ビールが百九十五円になりそうだといういまの間税部長の情勢判断、これは大蔵大臣、少し業界の、四社しかないのですから、まさに寡占企業なんですから、こういう点は大蔵省はひとつ企画庁と打ち合わせして、やはり行政的に幾らか介入をして、この間上げたばかりでまた一カ月か二カ月で百九十五円にするのは困る、何とかこれはもうやめてくれぬか、方法ないかと、大臣として少しこの四社に対して相談を持ちかける必要があると私は思いますが、どうですか。
○大平国務大臣 石油危機以後、現在では人件費が上がりましたけれども、今日まで自重をしていただいておったわけでございまして、これは大変な努力だったと思うのであります。私といたしましては、朝日あるいはサッポロ等が持ちこたえられなくなりまして値上げに踏み切られたということでございまして、非常に残念に思いますけれども、あなたのおっしゃるように寡占業界でございまして、今後ともできるだけ自重願って、原価の高騰ということにつきまして極力合理化で押さえ込むような努力はお願いするつもりでございます。
○武藤(山)委員 割り当ての時間ですからやめますが、どうも不思議でならぬのは、一級酒と二級酒とどこが違うんだろうか、これが本当にここが違いだというところを間税部長教えてくれませんか。一級酒と二級酒の違いはどこが違うのか。値段が違うのはわかっているんだ。中身の質だな。
○星野政府委員 突然の御質問でございまして、私、余り技術的に詳しくないのであるいは若干正確を欠く点がございますかもしれませんので、間違っておりましたら後ほど訂正させていただきますが、一つにはやはり米の精白歩合というものが非常に違っております。たとえば三割するか四割するかというふうなことの場合、やはり高級酒はどうしてもその精白歩合が高くなる。したがって、歩どまり率が悪くなるわけですね。それだけコストが高くつく。 それからもう一つは、酒には一定の基準でアルコールの添加が認められておるわけでございますが、やはり高級酒になるほどアルコールの添加率が低い。たとえば本醸造とか純米醸造とかいうふうなものになりますと、純米醸造の場合にはアルコールがゼロということになっておりますが、本醸造の場合にはアルコールの添加率が一トン当たり百二十リットル以下というふうに定められておりますので、そういう意味でどうしてもアルコールを使った酒に比べるとコストが高くつく、こういうことでございます。
○武藤(山)委員 税務署は仕込みから精米度からそういうものをもう最初から、これは一級酒にする仕込み、これは二級酒の仕込みということで白米度などをきちっと区別をしているのですか。それとも醸造試験所の技師が口の中に入れて、もごもごとやって出して、これが一級、これが二級、これは特級と昔のとおりのやり方をやっているのですか。私も昔税務署にいたんで、試験所から来て、ぴょっと出してはやって、こんなことでわかるんだろうかという疑問がいまでも残っていて、特級酒、一級酒、二級酒の差というのはどこにあるのかという疑問を大変持っているのです。そこはどうですか。 なぜそんなことを質問するかというと、国税庁からもらった大手酒造会社のおけ買い割合をちょっと見ますと、日本で一番大きい酒造会社は七四・九%、七五%はおけ買いなんですね。下請につくらしているのですよ。自分のところでつくっているんじゃないのですね。自分のところでは二五%しかつくっていないのだ。ところが、テレビや新聞でじゃんじゃん宣伝するから、そういう酒だけは中身がまずくても宣伝で買わされちゃっておるのだ。だから、そういういまのおけ買いの比率を見ると、一位から四位、五位、この辺、七位当たりは六六・五、こういうように大体全国の上位三十五社のおけ買い状況をずっと見せてもらったのですけれども、上位十位から上あたり、ひどいですね、自分のところじゃほんのちょっぴりしかつくっていない。後はレッテルだけ自分のところでくっつけておるのだね。だからこういう点で、一級酒と二級酒の違いなんというのはさほどないのだと私は思うのですね。宣伝であそこの酒はいい酒だと思い込ませて、過当広告だな、それで国民をそこへ引きずり込んでいる。つくられた需要、こういうような感じがしてならぬのであります。 しかし、もう割り当て時間を三分過ぎましたので、約束を守らぬといけませんからやめますが、後で一般質問のときにひとつ一級と二級の違いはこれだという納得のいく説明をしてもらいたい。 一応大臣も、本法案を撤回する気持ちはない、不運の大臣だということであきらめているという心境のようであります。しかし、こういう国民が怨嗟の批判をしているときに公共料金の値上げを、公的な料金の値上げを政府みずからが率先してやるというこの姿勢は、田中内閣よりももっとやり方が暗くて、しかも言っていることとやっているこの法改正の中身が国民にはごまかしに見えるのであります。私は、そういう点を強く苦言を呈して、一応質問を終わりたいと思います。
○上村委員長 小林政子君。
○小林(政)委員 きょう午前中に、酒税とたばこ定価法の改定についての参考人からの意見の陳述がございました。私も質問をいたしましたけれども、そこで三名の参考人から一様に言われましたことは、昨今のインフレあるいは不況、こういう異常な物価上昇がなおかつ続いているという状況のもとで公共料金を引き上げるということは、他の物価の引き上げに相当大きな影響を持つということであります。今回、公共料金であるたばこ、そしてまた酒税のこの間接税が引き上げられるということは、これは間接税ですから当然価格に転嫁をされる。したがってその価格が上昇する。こういう中で他の物価を押し上げるという点ではこれが非常に大きな要因になるのではないだろうか、このように私は思いますけれども、いかがでしょうか。
○大平国務大臣 仰せのとおり価格を押し上げる要因になると思いますが、しかし、これをやめまして他の方法による、あるいは公債の発行というような姿によって同じ金額の収入を確保するということになる場合、それは回り回ってまた価格を押し上げることになるわけでございまして、一方的に公共料金を据え置くことが物価政策としてベストであって、これを引き上げることは非常に悪いのだというような見方は私はとっておりません。
○小林(政)委員 これはもういまの物価の上昇の状況といいますか、政府は対前年三月比で消費者物価一四%ということで、一応安定の兆しが見えてきたということを言っておりますけれども、実際には、これはもうここの委員会でも何回も論じられたように、値上げ期待というものが非常に強まってきておる。そしてその中で、消費者米価、あるいはまた麦価、あるいは国鉄その他の一連の公共料金の値上げという問題も、ともかく赤字を出しているのだ、したがって料金の改定を、値上げを行ってほしい、こういう動きがメジロ押しにすべての民間企業あるいは公共料金を問わずいま出てきている、こういう情勢が現在の状況だと思うのです。 私は、ここでもって一歩間違えば、やはりあの石油ショックのときのようなああいう狂乱物価にまた再び入っていかないという保証はないと思うのです。恐らく新価格体系が敷かれたああいう状況に、路線が敷かれた上を本当にこれからも一路邁進していく、このことに国民は非常に不安を感じているわけです。 私は、こういう中で政府が、いまいろいろとここの委員会でも逆累進だとかあるいはまた低所得者であればあるほどその負担というものが非常に高いものであるとかいう幾つかの問題点も指摘をされておりますけれども、このような酒、たばこの間接税をここで、しかもこれはたばこ四八%、一級酒一五%、酒税平均二二%、このようなかつてない大幅な値上げをいまのこのような一歩間違えば一斉に値上げが沸騰するといわれる情勢の中でやるということは、これはやはり他の物価その他に相当波及的効果というのでしょうか、影響力は相当大きいものが出てくることは間違いないと私は思うのです。 大臣に伺いたいのですけれども、こういう情勢の中で、ともかく酒、たばこを上げるんだ、これはもういまの財政状況その他から勘案して歳入の充実を図っていくという上で、たばこの益金率を高めて、あるいは酒ももっと間接税を引き上げるということは、具体的に他のものがどんどん値上げしたときに、これはみんなやむを得ないやむを得ないということで一体政府はこれを認めるのか、それとも政府がいま主導的なこういう役割りを果たそうとしている中で、大企業製品の鉄鋼その他の値上げ等について本当にこれを抑制するという具体的な対策を片方に持ってそしてやっていることなのか、具体的にはどういうことなんですか。
○大平国務大臣 過去七年間、物が上がったけれども据え置いてきたわけなんですよ。それで四八%といいますが、これは七で割りますと七%弱になるわけなんです。毎年ちびりちびり上げておりますと、こんな大幅な値上げにならぬはずなんです。しかし、私ども先生がおっしゃるように公共料金というようなものはできるだけ押さえていかなければいかぬものと心得まして、過去七年間押さえに押さえてきたわけでございます。それが原材料も上がり、人件費も上がってまいりまして、専売益金もだんだんと五〇%を割るというような事態になりましたので、したがって、ここらあたりでひとつほかの物価との調整をとらしていただこう。政府は進んで上げようというわけでは決してないわけでございます。 これだけの所要財源を直接税で求めるよりは、私はこの間接税で求める方が負担の公正に役立つんじゃないか。それからまた、税金でお願いする方が公債に頼るよりは物価政策上健全でないか、国民のためじゃないかという判断が政府にあるわけでございますので、進んでこういうものを前後の分別もなく上げておるというようなことではないことは、よくよく御理解を賜りたいと思います。
○小林(政)委員 しかし、今回の値上げは、一応その専売のいわゆる益金率、そして総合納付率をともかくかつての六〇%近くのところまで持っていきたいということで実際には改定が行われたことは事実ですし、私は何も法的に——これはいままでの推移をずっと見てみますと、確かに四十三年の値上げによってたばこ事業益金率が六三%になった。そしてたばこ事業の総合納付率が五八・四%、それ以来ずっと下がってきて、そして四十九年に益金率五四・三%、総合納付率が五四%と、こういう事態に下がってきているということは、これはもう提出をしていただいた数字の資料を見ればはっきり出ているわけですけれども、これをさらに今回改定して、益金率を今回の改定によってとりあえず五十年度は五六・九%、そして納付率五二・六%まで持っていくということですけれども、実際六〇%に近づけていくというこういう法的な根拠というのはあるのですか。
○大平国務大臣 六〇%に近づけなければならぬ法律的根拠があるなどと私は申し上げた覚えはないのでございます。私ども三千数百億円をたばこの値上げによりまして歳入として確保いたしたいということでございますが、こういう方法によることが、直接税によって確保するよりは、あるいは公債の増発によって確保するよりは健全だという判断でございますし、かたがた専売益金にいたしましても、ここ数年来益金率も落ちておりますし、かつて六三%までまいっておったものが、このままほうっておきますと四六%程度になりそうだということでございますので、ここで五六・九%までの調整をさしていただいて差し支えないのじゃなかろうか、こういう道を選ぶことが国民のためにも政策として一番適切でないかという、そういう判断をいたしたわけでございますし、物価政策としても私はそれが正しい接近の方法であろうと考えたわけでございますことを御理解いただきたいと思います。
○小林(政)委員 私はこの財源確保あるいは税収の確保の問題については、先ほど来から大蔵大臣は、やれこれは直接税で求めることよりも、あるいは公債で求めることよりも云々ということをおっしゃっているわけですけれども、一体財源はどこに求めるかという点についても、私はきょう参考人の方にいろいろと御意見を聞かしていただきました。やはり公債だとかあるいは直接税とかあるいは間接税で云々ということよりも、やはりどこに財源を求めるかと言えば、いままでのいわゆる大企業に対する特権的な減免税、それらを洗い直していくということによって、当然財源の確保というのは大蔵省がちょっと計算すればすぐに出るでしょうとその参考人の方も言っていましたけれども、問題は私はやはりはっきりさせていく必要があると思うのです。 いまこの物価高の中でともかくそういう問題には全然手を触れないで、そしてともかくここでもってたばこと酒のこの間接税を最も取りやすい形で、というふうにもその参考人の方も言っていました。取りやすいところから徴収をしていくというようなやり方というのは、これはやはり改めていくことが必要だというふうな見解を私どもは持っております。 今回のこの値上げのやり方といいますか、この問題もいろいろ見てみますと問題点があるわけです。たとえば四八%の平均値上げ率ですけれども、これは五〇%、四〇%、三〇%と何段階かに分かれておりますね。これは専売公社にお伺いいたしますけれども、具体的に今回の値上げを行う中で一体どういう配慮がされて今回の値上げ率をお決めになられたのか、お伺いをいたしたいと思います。
○泉説明員 四十三年に値上げをいたしましてから今日まで七年間になりますが、その間、昨日からいろいろお話がございましたけれども、原料費、材料費、人件費、一般管理及び販売費、こういった原価が上がっておりまして、この原価の上がり方は、高いたばこも安いたばこも余り変わりなくほとんど同額上がっておるわけでありますから、本当を言いますと、そういうふうに原価の上がった額に応じて同額上げることが望ましいわけでありますけれども、しかし、それは今日の物価情勢、国民の生活状態から考えまして適当でないということの判断のもとに、一級品につきましては五十円ないし六十円、二級品につきましては四十円、三級品は原則として二十円、ただし、ゴールデンバットにつきましては十円だけ上げる、それから朝日につきましては、近く製造中止ということを考えておりますので据え置きにした、こういうことでございます。
○小林(政)委員 私は、特にこの五〇%値上げをしたこの状態というのをずっと見てみますと、これは昭和四十八年の資料ですから少し数字は古い数字ですけれども、国内普通製品が二千六百七十一億本、そのうち、具体的にセブンスターの場合は五百十億本ですね。それからチェリーの場合には三百十七億本、ホープの場合には二百六十三億本、そしてまたハイライト七百七十三億本、おおぞら三十六億本、いま言った銘柄で八〇%を占めるわけです。この八〇%というのは、需要度の非常に高い、しかも中級の普及品であり、中心銘柄とも言われていますね。そして、全体の製造本数の中の約八〇%の売り上げを占めているところに値上げ率が五〇%。そうして吸ったこともないたばこで余り名前がわかりませんけれども、ベンソンアンドヘッジスとかマールボロとかオールドスプレンダー、こういったようないわゆる紙巻きたばこで特級品と専売公社が言っている、ここのところの値上げ率は逆に三〇%。 やはり先ほど来からもいろいろお話があったように、ハイライトだとかあるいはまた百円クラスのたばこ、あるいは八十円クラスのたばこというのはいま一番普及していると思うのですね。そうして製造本数の中でも八〇%を占めているここのところを五〇%の値上げをして、あと残された二〇%のところが、いわゆる特級品と言われているいまちょっと舌をかみそうになって読み上げたところが三〇%というのは、私はこれはちょっと筋が通らないと思うのです。確かに三級品と言われているゴールデンバットだとかあるいはまたニコー、しんせいというようなところも一応四〇%、三〇%と区切りができてはいますけれども、最高級品が三〇%で、そして一般の普及品でありすべての人たちがいま希望の高いそういうところに五〇%の値上げ率を持ってきたというのはどういうことなんですか。
○泉説明員 先ほど申し上げましたように、原価の上昇は特級品につきましても三級品につきましてもほとんど変わりがない程度上がっておるわけであります。そこで私ども考えましたのは、一級品につきましては、先ほど申し上げましたように五十円ないし六十円。したがって、今回の改定によりましてベンソンアンドヘッジスとかマールボロ、オールドスプレンダーといったような特級品につきましては、それぞれベンソンアンドヘッジスにつきましては六十円上げます、それからマールボロ及びオールドスプレンダーにつきましては五十円上げる、こういうことにいたしたのであります。 高い銘柄のものの率をもっと高くすべきじゃないかという御指摘でございますけれども、こういう高い銘柄のたばこは売れる本数がきわめて少量でございまして、それを値上げをすると、かえってますます消費が減退するという傾向になりますので、私どもとしては、これ以上大きく特級品の値上げをすることは必ずしも専売公社の収入増加という点において好ましいやり方ではない、このように考えまして、二十本当たり六十円ないし五十円の値上げにとどめたわけであります。率から申しますと、おっしゃるとおり値上げ率は三〇%というふうに低くなっておりますが、実情は、そういうことからいたしまして、特級品の値上げ幅を大きくするということが決して収入増加にはならないのであります。
○小林(政)委員 それで、これは公社が販売政策の上から今後の主力価格群としていこうということでいろいろ本格ブレンド銘柄として普及を図っていこうとするらんだとか、みねだとか、あるいはまたハイライト・エキスポートだとか、ミスタースリムだとか、こういう次期のいわゆる主力価格製品というものは、逆に今度は四〇%なんですね。 やはりこれは専売公社の販売政策というか、いわゆる最高級品には率は低くて、そして今度その次の本格ブレンド銘柄として大いに売り込んでいこう、そういうものは四〇%。そしていま最も必要度の多い、そこのところに値上げ幅の最高のパーセントを置くというようなこういうやり方というのは——専売公社の販売方針については、いろいろとまだ私はお聞きしたいことがあるのです。意見も持っているのです。 原価も含めて実際の原材料と価格とが一体どう一致しているのか、価格の決定に原材料を具体的にどのように関連させているのかという問題も、私はもう少し聞きたいところなんですけれども、時間も大変何かせかれております。その問題については、私はむしろこういう専売当局のあり方、販売方針といいますか、今後幾つかの問題点を含めてお聞きしたがったのですけれども、この点についてはさらに適当な機会にお聞きもしたいというふうに考えます。 時間がなくなってまいりますので、先に進ましてもらいたいと思います。 私はもう一つ専売公社にお聞きしたいのですけれども、五月一日からたばこの価格が上がる。しかし、実際にはいま御承知のとおり国会で審議しているのですね。それにもかかわらず、こういうものがたばこ屋に配られているのですね。「五月一日からたばこの定価が次のとおりにかわりました」。ここに新価格が全部書かれている。これはもうすでに小売屋さんに回っているわけですけれども、実際に国会でまだ審議をしている真っ最中に、こういうちゃんと「五月一日から」ということで、しかも「日本専売公社」ということで小売屋に回っているということは一体どういうことなんですか。
○泉説明員 私どもとしましては、国会審議中であることは十分承知いたしておりまして、小売店に対しましては、国会審議中であるから国会の審議が終わって五月一日から定価改定を行えることになった場合にはそれを掲示するようにということで指導いたしておるので、まだ定価改定が実施されませんので、また今日の審議の状況から見ますと五月一日に実施できる見通しもございませんので、小売店に対しましては五月一日にそれを掲示することはしないようにという指導をいたしております。
○小林(政)委員 あなた、一体これはどのくらいお刷りになったのですか。まだ審議をしている最中に「五月一日から」という、これはもう使えないでしょう、五月一日と書いてあるものを。こういうものを一体どのくらい刷って、具体的にどのくらいの損失をしたんですか。
○佐藤説明員 お答えいたします。この定価表は、いわゆるパンフレットは別にございますけれども、小売店が二十四万六千ございます——ただ、この定価表だけは、私どもとしてもこの審議中にお配りするということについては非常にぐあいが悪いと思っておりますものですから、これを封筒に入れまして厳封をいたしてございます。そうして、特別な指示があるまではこれを開封してはいけないというあれをしております。
○小林(政)委員 何を言っているのです、あなた。改定の準備ということでシールを用意されるとかなんとかということは、日にちも入っているわけじゃありませんからいいと思います。しかし、五月一日からこういうものがこういう新価格に改定されますということで、これを小売店にまくなんということは……(「まいてない」と呼ぶ者あり) いや、私はこれを小売店から手に入れてきたのですよ。こういうことがやられるということは、一体、国会の審議をどう心得ておるのか、私は問題だと思います。具体的にどのくらい刷ったのですか。
○佐藤説明員 お答えいたします。 刷りました部数は、販売店の数並びに——まあ大体それでございますが、ただこの定価表につきましては、先ほど申し上げましたように、厳封をいたしてございまして、私どもの指示がない以上はあけてはいけないということになっております。 それで、この定価表につきましては、たばこ専売法三十五条に、営業所において定価表を掲げなければならないという規定がございまして、これに違反した場合には七十四条によりまして五万円以下の罰金に処せられることになっておるわけでございます。そういう関係で、開封につきましてはかたくしないように、私どもの指示があるまではしないようにということでお配りをしておるわけでございます。
○小林(政)委員 五月一日は既定の事実ということで、国会でいろいろと論議されていても、ともかく五月一日はもう既定の事実なんだ、実施されるんだと、こういうことでこれは準備をされたものなんでしょう。
○泉説明員 この点につきましては、五月一日までにたばこの定価改正法案が国会を通過いたしまして、五月一日に実施することになったならばこれを掲示するという予定のもとにあらかじめ小売店に配りまして、定価改定の実施が決まりましてそのときに指示があったらあけるようにということでやったわけでありまして、別に国会の審議をそれによって拘束するとかいうようなつもりでは毛頭ございませんことを御了解いただきたいと存じます。
○小林(政)委員 私は、やはりこういう国会の審議の最中に、もう五月一日からはこれは既定の事実なんですというたてまえでこういうものを——それこそいろいろと地方選挙その他で皆さん忙しい中で一生懸命国会の審議を十分やっているわけでしょう。そのときにこういうものを勝手につくって既定の事実みたいにやるということは、私はやはり問題だと思います。これはもう使えなくなるものですから、この五月一日というのはもう破棄処分するわけでしょう。結局、公社の損失じゃないですか。どうなんですか、副総裁。
○泉説明員 私ども、定価改定事務の都合上、国会審議中であるにもかかわりませずそのようなパンフレットを作成いたしまして配付いたしましたことにつきましては十分責任を感じておりまして、まことに申しわけないと存じますが、ただ事務遂行上あらかじめ定価改定日を予定いたしておつたものでございますから、それに応じて仕事を進めたのでありまして、別に他意がないということを御理解いただきたいと思います。それから、そのパンフレットにつきましては、もちろん五月一日とか、あるいはもし今後定価の内容が変わりますれば、それに応じてその上に張り紙をいたしまして使うつもりでございますので、それがむだになるということではございませんので、御理解いただきたいと存じます。
○小林(政)委員 次の問題に入ります。 私は次に、時間がありませんので、審議会の問題について大蔵大臣にお伺いをいたしたいと思います。 御承知のとおり、この酒税問題あるいはその他酒に関する問題等につきましては、中央酒類審議会という審議会がございます。これはもう大臣十分御承知のとおり、今回の酒税の改正に伴い、清酒業界では不況の中での売れ行き不振の問題だとか、消費の伸び等も余り見込まれないとか、あるいはまた表示の適正化をどう図っていくべきかというようなことも消費者団体などからいろいろと意見が出ておりますし、あるいはまた、今回の改正によって未納税の移出制度の問題だとかあるいは酒税の納期限の延長の問題なども、今回の制度上の改正あるいはまた完全自由化体制というような問題の中で、いまさまざまな酒税に関する問題が起こってきていることは、これはもう大臣もよく御存じだと私は思います。こういうような価格の値上げ問題も含めて酒類審議会——この中央酒類審議会は大蔵省設置法第四十一条に基づく大蔵大臣の諮問機関です。具体的な酒類に関するさまざまな問題、生産の問題、あるいは供給の問題、あるいは価格等に関する重要な事項についても調査をし、あるいはまた審議をするということが大蔵省設置法に基づいてきちっと書かれておりますけれども、こういう審議会が、大臣、ここのところ十年間一回も開かれたことがないんじゃないですか。私は、いま間接税問題も含めていろいろ論議されているときに、一体この今回の値上げ幅が、これは税調の答申に基づいてと言えばそれまでのことですけれども、そのほかにも付随してさまざまな問題が出てきているときに、こういう審議会を通じていろいろと意見の聴取をするなりあるいは論議をするというようなことは、審議会があるんですから私は当然やるべきじゃないかと思うんですね。 現在、中央酒類審議会の委員というのは何名ですか。
○星野政府委員 まず酒類審議会の過去の開催回数でございますけれども、四十二年から四十四年まではそれぞれ年に二回、四十五年から四十九年までは年に一回ずつ開催されております。 それから、なお酒類審議会の委員で現在任命されておりますものは、現時点で申し上げますと二名でございます。これは現在任期切れで新たに任命されていない委員がございますので、現在任命されて残っておりますのは二名でございます。
○小林(政)委員 中央酒類審議会というのは二十一名の委員をもって構成するということで、これは昭和四十年の時点で相当やはり全国地域婦人団体連合会だとか、日経新聞の常務取締役さんだとか、全国優勝企業団体中央専務理事さんだとか、あるいは大学の教授だとか、あるいはビール卸売組合の中央理事長だとか、全部読み上げるのは大変ですけれども、二十一名で構成をされて、そしてさまざまな酒類に関する問題等について諮問を行い、そしてまた、これは大臣が諮問しなければ開かれないのですから、大蔵大臣が諮問をしてそしてその問題についていろいろと論議をしてもらう、こういう審議会があるにもかかわらず、私が聞いたのではほとんどいままで開かれていなかった。いま聞きますと年一回くらい、二人だけで、二人だけですよ、二十一名のところ。一体何を審議されてきたんですか。
○中橋政府委員 酒類審議会は、先ほどお話しのように、酒類の生産、供給、価格に関する重要な事項、あるいは級別のことにつきまして調査審議するのが任務でございます。いまお話しの、たとえば酒税あるいはそれにまつわるもろもろの制度につきましては、これは酒税法の体系でございますから、政府といたしましては、政府の案を立てます前には税制調査会の御意見を聞きますし、また、それが法案になってまいりますから、国会の御審議を煩わす問題でございます。酒類審議会に期待をいたしておりまするのはむしろ酒類の生産、流通のいわば業界の中におきますところの問題を主としてやっていただくことにいたしております。
○小林(政)委員 それにしても二十一名の委員が構成をしているこの審議会がいま委員が二名だけ、これは廃止のつもりだったんですか、それともこれは常時これからも——やる気がないのでやめてしまうのか、どういうことなんですか。
○星野政府委員 大蔵省設置法によりますと、先生の御指摘のような「酒類の生産、供給及び価格に関する重要な事項について」調査する、こういうふうに規定があるわけでございますが、実は中央酒類審議会の権限につきましては、酒税法第三十七条の規定によりまして、酒税法並びに酒団法の「法律の規定によりその権限に属せしめられた事項を調査審議」する、こういうことになっているわけでございまして、酒税法、酒団法で現在権限として認められておりますのが、具体的には次のようなものが規定されております。 一つは、酒税法第五条第四項によりまして、酒類が特級または一級の規格に該当するかどうかの審査をするということ。 それからもう一つは、不況事態が生じているかどうかの判断基準、これはいわゆる酒団法に基づきまして業界が自主的にカルテルを申請することができることになっておるわけでございますが、そのカルテルの申請に対する大臣の認可の判断基準を定めるために、この酒類審議会でもって基準を定める、こういうことになっておるわけでございます。 それからもう一つは、酒税保全のための命令についての審議ということで、これも酒団法第八十五条で大蔵大臣が業界に命令するときにこの審議会に諮問する、こういうことになっているわけでございまして、そういうことで権限が実は酒税法でもって制約されているわけでございます。 したがいまして、この辺は実は設置法との関係の調整の問題が一つあるわけでございますが、私どもとしてはこれは法制局等とも協議いたしまして、その権限の問題につきましてはいろいろ検討したわけでございますが、やはり酒税法の実体法の規定に沿って運用するのが筋であろう、こういうことでございまして、したがいまして、現在は主として特・一級の審査という仕事をやっているわけでございまして、その中央酒類審議会でもって特・一級の審査をしますので、その審査技術の向上と全国的な統一を図るために、中央酒類審議会で現在品質部会というのを年に一回やりまして、そして審査を行っている、こういうことでございます。
○小林(政)委員 私はその中身の、いま権限がああだとかこうだとかいうことじゃなくて、ちゃんとはっきりと大蔵省設置法第四十一条によれば、中央酒類審議会は「大蔵大臣の諮問に応じて、酒類の生産、供給及び価格に関する重要な事項について調査審議する」というふうに書いてあるのですよ。価格も含まれているのですよ。それで現在二名なんですよ。これで十年来ほとんど何もやっていないという状況で、二名だというようなこういう審議会は、本当にやる気があるのかどうなのか。 もう一つ、審議会の問題をついでに聞きたいと思うのですけれども、専売事業審議会というのがありますね。この専売事業審議会も大蔵大臣がこれを任命するという制度をとっているあれですけれども、ここの専売に関する審議会が何をいままでやってきたのかということについての資料を提出してもらいました。これは具体的な専売事業審議会の四十九年度の過去一年間の審議状況、これは十回にわたって開かれております。しかもその内容は、喫煙と健康の問題についてとか、あるいは葉たばこ収納価格及び五十年度たばこ耕作面積についてということだとか、製造たばこの定価問題について、第七回目にも製造たばこの定価について、第八回目も製造たばこの定価についてという形で、十回にわたってこの審議会は開かれているわけですけれども、この審議会には消費者代表というのが一人も入っていないのですね。 しかも、この専売事業審議会の審議された中身を見てみますと、健康の問題にしろ、価格の問題にしろ、非常にやはり消費者と直接関係のある問題が審議をされている記録が出ておりますけれども、ここには全く専売とは関係のない日本国有鉄道の理事だとか、あるいは日本鋼管株式会社の社長だとか、こういうような人たちが含まれているわけです。私は、具体的に審議会の民主化という問題は非常に重要な問題だと思うのです。消費者団体を入れるようにしてもらいたいというふうに思います。 あるいはまたさらに、ここで審議された内容等についても、これをやはり公表もしてもらいたい、このように思いますけれども、もっと審議会というものを重視し、民主化し、ガラス張りにしていく、そして多くの国民の意見をそこにやはり反映をさせていくような関連のある消費者代表、直接関係のないような日本鋼管株式会社の社長さんだとか、まあ何らかの形で関係があるのかもしれませんけれども、こういう人が専売事業審議会に入るということは、私はやはりまじめに考えておかしいと思うのですよ。もっと民主的な審議会のあり方という問題を含めて御答弁をいただいて、これで私の質問を終わりたいと思います。
○上村委員長 答弁者の方にちょっと申し上、げます。簡明にお答えください。
○西沢政府委員 専売事業審議会のメンバーといたしましては九名おります。ただいま先生が申されました、たとえば日本国有鉄道理事は直接関係ないではないかというお尋ねであったかと思いますけれども、現在の職がどうあるかということよりは、各先生方の過去の豊富な御経験をわれわれとしては生かしていきたいという趣旨でございまするので、現職が直ちに専売云々と関係あるなしという観点だけから委嘱いたしておるわけではございませんので、その点はよろしく御理解いただきたいと思います。 それからなお、消費者につきましては、この九名の先生方の中にはたばこをお吸いにならない先生方もおりますし、たばこをみずからお吸いになる先生もおいでになりまするので、消費者の気持ちは十分にその先生方を通じて理解できるのではないかというふうに考えております。
○大平国務大臣 審議会の構成、そしてその運営につきまして、できるだけその設置の目的を達するにふさわしい人選並びにその運営につきましては、十分配慮してまいるつもりでございます。
○上村委員長 山田耻目君。
○山田(耻)委員 二月二十一日にたばこ、酒の値上げ法案が本会議に上程されましてから、二カ月余りが過ぎてまいりました。大臣も述べておりますように、非常に不幸な、不遇な大蔵大臣であった。われわれ大蔵委員も、国民の怨嗟の声の中で、文字どおり重たい荷物を背負ってこの二カ月間来たわけです。私のこの最後の質問で終わるわけでございますけれども、無理が通れば道理が引っ込む式の古い日本人的パターンの中で、国民の生活を厳しく圧迫する公共料金の引き上げというものが、強引に押し切られたという感じがしてなりません。 数日前の閣議で、今日の歳入欠陥を問題にして議論されたときに、閣僚諸君の中で意見が対立をしていたと新聞は報道しています。酒やたばこの公共料金引き上げがどうやら見通しがついた段階で、この時期に合わせて、私鉄、バス、電気、ガス、こうした一連の公共料金の引き上げもこの時期に解決しなければならないという主張が強く述べられたと新聞は報道いたしております。 私は、今回のこの酒、たばこの値上げの一番の前提は、国民のコンセンサスを得られる努力が非常に薄かった、今日、特に政府は物価を抑えるということを政治の最重要課題としておると、総理も、大平大臣も施政方針で述べておりましたけれども、そういう物価を安定させ、抑制させるということを中心の政治課題に置きながら公共料金を引き上げていく、しかも異常な率で引き上げていく。かつてなかった率である。それを求めていながら、国民のコンセンサスを本当に怠ってしまっていた。私は、この種の事態が大きな反発を受けたのであるし、歳入欠陥という理由で他の公共料金の引き上げもやらなければという意向が述べられるに当たって、国民の皆さん、審議しておったわれわれ大蔵委員全体にとっても、非常に不愉快な気持ちがいたしております。 私は、大平大臣に一言伺っておきたい。いま予定しておるこの公共料金、きょう間もなく酒、たばこは衆議院大蔵委員会を通過すると思いますけれども、このような審議の仕方を二度としないように、もっともっと国民のコンセンサスを得るようなあらゆる手だてを講じながら公共料金の引き上げはやっていかなくてはいけない。やはりこの覚悟を十分持っていただきたい。 第二には、本年度は公共料金の引き上げは提出された法案以外は一切行わない、われわれはそれらについて物すごく反対いたしますけれども、提案者である政府自身ももうこれ以上出さない、こういう腹構えをひとつ述べていただきたい。二つ目には、将来にわたって公共料金の引き上げについては、申し上げたように国民のコンセンサスを得るために最大の努力を尽くす、その過程で条件が満たされるまでは公共料金は凍結する、この立場をお約束いただけるのかどうなのか。二点について御質問いたします。
○大平国務大臣 予算編成を通じましていやおうなく公共料金問題に触れざるを得なかったわけでございますが、予算編成を通じまして予算に組み込みました料金問題は、予算全体を忠実に執行いたしまして国民に対する歳出負担にこたえてまいらなければならない政府の立場でございますので、これは実行さしていただきたいと考えておりまして、それ以外の公共料金につきましては、ただいまその値上げについて考えておりません。 第二の問題でございます。これを一定期間凍結する考えがないかということでございます。こういう考え方は過去においてもありましたし、またこれを現に実行いたしたこともあるわけでございますが、現実は一部実行し、一部調整のためやむなく公共料金に触れざるを得ないという経過になっておると思うのでございます。将来どのようになってまいりますか、これは私だけの立場でお約束することはできないと思いまするけれども、公共料金を抑制的基調において取り扱ってまいるという政府の基本方針はあくまで貫いていかなければなりませんし、財政を預っておる私といたしましては、公共料金を上げていただいて財政を切り盛りしたいという気持ちが強いのでありますけれども、この政府の基本方針には従わざるを得ないと考えておりますことを御了承いただきたいと思います。
○山田(耻)委員 公共料金というのは非常に逆進性を持つ性格のものなんで、いわゆる貧富の差なく、分け隔てなく取り上げていくものである、これが非常に大きな声で、この委員会を通して各委員から述べられてきたところなんです。私は、政府が歳入欠陥を起こしておる、だから公共料金等について逆進性を持つものに手を染めていく、無理をやればいまの支配体制では押し切れる、こういう甘い判断をなさっておるのではないかと実は心配しておるのですよ。私は時代は変わりつつあると思うのですよ。 御存じのように、四十八年暮れから続いてきたこの激しい狂乱物価と言われたインフレ、このインフレの中でインフレ利得者というものが非常に大きくふくれ上がってきておることはあなたも御存じでしょう。だから、超過利得税というものも、かっこうだけかけてはおりますけれども、御存じのように一部、二部上場法人に今日蓄えられておる含み資産は四十五年から四十九年において八十三兆円とも言われておるのです。こういうものを野放しにしておいて、なぜ逆進性が言われておる公共料金の引き上げに大衆課税的なものをおっかぶせていくのか私はわかりませんよ、政治家の一人として。当然欧米諸国でやられておるようなこうしたインフレ利得者に対して富裕税をかけるということをなぜおとりにならぬのですか。 私は、税全体の仕組みについて多くの問題を、この酒、たばこの値上げの問題は教えてくれたと思うのです。国民全体もそういう怒りに満ちた声をわれわれに伝えてきています。これらも含めて、これから開かれる一般質問の段階で深めていきたいと思いますけれども、どうかひとつ公共料金の値上げについては、国民との合意を得るために、全体を明らかにしながら手だてを尽くしていく、その中から公共料金の引き上げというものは行われていくのだ、このことを、私、くどいようでございますけれども、重ねて申し上げまして、反省を求め、ある意味では警告になるかもしれませんけれども、これからの国会審議というものはそこに非常に大きな眼を向けながら審議に入っていくのだということもあわせて申し添えまして、私の質問を終わりたいと思います。
○上村委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○上村委員長 両案に対し、自由民主党を代表して村山達雄君外四名よりそれぞれ修正案が提出されております。この際、提出者より両修正案の趣旨の説明を求めます。山下元利君。 ————————————— 酒税法の一部を改正する法律案に対する修正案製造たばこ定価法の一部を改正する法律案に対する修正案 —————————————
○山下(元)委員 私は、ただいま議題となりました自由民主党の提案にかかる二つの修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨と内容を簡単に御説明申し上げます。御承知のとおり、政府原案におきましては、両案とも本年三月三十一日までに成立することを目途とし、それぞれ所要の施行期日を定めておりますが、あらためて申し上げるまでもなく、現在すでにその期日を経過するに至っております。両修正案は、このような事情に伴う施行期日等の修正に関するものであります。 まず、酒税法の改正案につきましては、原案において、税率の引き上げに関する部分を除く改正規定は本年四月一日から、税率の引き上げに関する改正規定は本年五月一日から、それぞれ施行することとされていたのでありますが、これをいずれも公布の日の翌日から施行することに改めるとともに、関連規定について所要の整備を行うことといたしております。 また、製造たばこ定価法の改正案につきましては、その施行期日を本年四月一日から公布の日に改めることといたしております。 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○上村委員長 これにて両修正案の趣旨説明は終わりました。 —————————————
○上村委員長 これより両原案及び両修正案を一括して討論に入ります。討論の通告がありますので、順次これを許します。村岡兼造君。
○村岡委員 ただいま議題となりました酒税法及び製造たばこ定価法の両改正案並びに両案に対する修正案について、自由民主党を代表して、賛成の意見を表明いたします。 昭和五十年度は、わが国の経済を安定した成長の軌道に円滑に乗せるためのいわば調整期間であります。 したがって、政府が五十年度における財政運営の基本方針を、予算規模の圧縮と公債発行額の縮減等に置き、昨年度に続いて抑制的な基調を堅持したことは、この意味で当然と言えるのであります。 その中にあっても、国民的な要請にこたえて、福祉の向上や生活の安定のための施策を積極的に推進する一方、税制の面においても、減税を困難とする情勢下にありながら、所得税負担の軽減を初め相続税等についても相当の減税を実施したことは、当面なし得る最大限の努力として、これはまたそれなりに十分評価できるところであります。 しかしながらすでに四十九年度においては八千億円もの税収不足が見込まれるという予期せざる事態さえ生じており、たとえこれが最近における極端な景気の落ち込みという特殊な経済情勢を反映したものとしても、安定成長を目指さなければならない今後の経済のもとにあっては、従来のような高い歳入の伸びが期待できないことは明らかであり、これらの施策や減税を実施するに当たっては、同時に、今日のこの厳しい財政環境を十分に自覚しなければなりません。 政府に対し、新たな視野のもとに、税・財政全般にわたるより適切な施策を確立するよう一層の工夫と努力を要請することはもちろんでありますが、この際、国民にもまた、ある程度の負担を分かち合うという理解ある態度を求めざるを得ないのであります。 国民の批判にこたえ、利子、配当、土地税等について課税の強化を図り、税制のえりを正したことも、政府のとるべき当然の姿勢ながら、他方、酒及びたばこの租税負担が、所得や物価水準の変動に照らし今日すでに相当の低下を来していることも周知の事実であり、その見直しを行うことは、もはや避けることのできない段階に来ているのであります。 もちろん、質疑の過程でも論議のありましたとおり、どの程度をもって適正な税負担と見るかについては、それなりにいろいろ見解の分かれるところでありましょう。しかし、これらの物資がいわゆる財政物資としてこれまでに果たしてきた実績や使命を全く度外視できるわけのものではなく、過去数年間において累積した負担低下の割合から見るならば、極力圧縮を図りつつ行う今回程度の引き上げは、調整措置の域を出ない必要最小限のものと言うべきであり、まことにやむを得ないところであります。 また、見直しに当たっては、これらが嗜好品に属するものとはいえ、安易に大衆負担をもたらすようなことは厳に慎しむべきであり、物価安定を最重要政策とする現在、大衆消費の面について万全の配慮を要することは言うまでもありません。今回の両改正案において、清酒やウイスキー類の二級を初めとするいわゆる大衆酒を増税対象から除外するとともに、低価格のたばこについて、採算上はむしろ他の上位銘柄より問題があるにもかかわらず、その引き上げ幅をできる限り抑えようとしていることは、この点に対する慎重な配慮としてまことに適切であり、十分な評価を惜しまないものであります。 また、両案に対する修正案の趣旨は、両案がその目途としていた三月三十一日までに成立を見ておりませんため、施行期日について所要の善後措置を講じようとするものであり、適切な措置と認める次第であります。以上、私は、両案並びにこれに対する修正案について、それぞれ賛意を表明して、討論を終わります。(拍手)
○上村委員長 佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 私は、日本社会党を代表して、酒税法及び製造たばこ定価法の各改正案並びに両修正案について、反対の立場を明らかにするものであります。 反対の理由の第一は、今回の措置が国の財政収支の帳じりを合わせるため、国民大衆の犠牲を踏み台にした安易な財源対策であるということであります。 政府の提案理由の説明によれば、一方で福祉対策もやりました、生活安定対策もやりました、さらに減税も実施しました、しかしそのためには財源がない、したがって税負担の低下している酒やたばこの増税をこの際実施したい、こういうことであります。 これらの政策や減税自体についても、もちろん大いに批判のあるところでありますが、いまそれはさておくとして、仮にこれらが国民大衆のための施策であり、大衆負担を軽減するための減税であるというならば、何ゆえにこれを相殺するような形での大衆負担によりその財源を求めようとするのか、欺瞞もはなはだしいと言わざるを得ません。 減税一つとってみても、今年度の所得税減税は二千五百億円程度のミニ減税であり、物価上昇を加味すればなきに等しいものであります。ところが一方では、今回の改正によって三千六百億円、ほぼ所得税減税の一・五倍の増税が行われるのであります。これでは、財政の帳じりは合っても、国民のふところの帳じりは全く合いません。その上これは、所得税も地方税も納入できない低所得層にしわ寄せされ、生活保護者からも取り立てるという過酷な増税措置であります。 このような逆進性の強い大衆課税の強化によらなくても、財源調達の手段ならば他に方法は幾らでもあるのであります。われわれがかねてから指摘しているように、インフレで潤った者から取るべきであります。不公平税制の代表たる租税特別措置を根本的に洗い直し、大企業や高額所得者に対する課税を強化する、さらにはわが党が主張しているように、土地の再評価税、富裕税の創設など、ぜひとも実現しなければなりません。これらで今回の増税額の数倍もの財源が見出せるのであります。いまこそ税制の重要な機能の一つである富の再配分機能を遺憾なく発揮させ、真に公平な税制の確立を期すべきときであります。 第二は、物価抑制を表看板にする政府が、みずから公共料金の引き上げにより、物価再上昇の口火を切ろうとしていることであります。 ようやく鎮静化してきたとはいえ、物価の趨勢はいまなお予断を許さないところであり、酒やたばこの値上げがこれのみにとどまらず、くすぶり続けるインフレマインドを強く刺激することは明らかであります。政府は今回の増税の消費者物価指数に及ぼす影響を〇・七%程度と、単なる数字の上で過小評価しているようでありますが、他の物品値上げに与える心理的な影響を考えれば、事態は数字で割り切れるような容易なものではありません。 さらに十月には、郵便料金の引き上げも予定されているようであります。今日の物価高を招いた責任が、一にかかって政府の失政にあるにもかかわらず、耐乏生活を忍んでひたすら物価安定のために協力してきた国民にいま与えられるものは、これらの公共料金の引き上げであります。しかも低所得者層ほど相対的に重くのしかかる間接税を強化することは、社会的不公正是正を表看板とする三木内閣の大きな柱が崩れたと断ぜざるを得ません。 第三は、これらの税負担の適正水準について、何ら説得力のある根拠のないまま、いたずらに過去の負担水準に固執し、大幅な増税を押しつけようとしているということであります。 たとえ負担率が低下傾向にあるとしても、たばこについて言えば総合納付率はいまだ五四%台を維持し、また、酒類についても、清酒一級は二六・六%、ビールは四一・九%、ウイスキー一級は三二・六%と、依然として他の間接税との比較においても非常に高い負担率となっているのであります。ただ単に沿革的なものや実績上の単純な数字の羅列によって負担の低下を説明しても、現在の水準が低きに失するという何の根拠にもならないのであります。 さらに、収入金額で見るならば、専売益金では四十三年度に四千六百四十四億円であったものが、四十七年度には六千六百六十二億円、四十八年度には六千九百四十五億円となっており、また、酒税においても、四十二年度の五千七十九億円が、四十七年度には七千百五十九億円、四十八年度には八千二百二十六億円と、いずれも着実な伸びを示しているのであります。たばこ四八%、酒二二%とかいう大幅な増税を国民大衆に押しつける積極的な理由は、どこを見ても見当たらないのであります。 以上のような理由により国民に背を向けた今回の改正案には断固反対するものであります。なお、両修正案につきましても、原案に反対であるという基本的立場において、反対の意向を表明せざるを得ません。以上をもって反対討論といたします。(拍手)
○上村委員長 増本一彦君。
○増本委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、酒税法及び製造たばこ定価法の各一部を改正する法律案並びに自民党提出のその修正案に対し、反対の立場を表明して討論いたします。 まず第一に指摘しなくてはならない点は、今回の酒とたばこの各値上げ案が、物価安定と生活擁護を求める国民の期待と要求を著しく踏みにじることであります。大企業が不況による減益の回復を口実に製品の軒並み大幅な値上げを強行しようとしているときに、これを抑え規制しなくてはならない責任のある政府が、みずから進んで、現行価格でさえ約六千八百億円もの膨大な黒字経営を続けているたばこの値上げなど公共料金の値上げをすることは、いかなる遁辞を弄そうと決して許されることではありません。三木内閣と自民党の責任はまことに重大であります。さらに指摘しなくてはならぬことは、今回の値上げが約三千五百億円の歳入確保を口実にした露骨な大衆収奪、大衆課税である点であります。 大企業のための租税特別措置などの特権的減免税は、政府試算でさえ約五千六百億円にも達し、法人税負担率は、資本金一億円以下の法人が資本金百億円以上の大企業法人よりも高く、逆累進というはなはだしい不公正な結果を生み出しているのであります。歳入確保の道は、このような大企業優先の不公正な課税の是正にこそ求められなければならないのであります。また、四次防予算や大企業の産業基盤整備のための公共投資の削減などによる歳出抑制にこそ財政運営の努力を向けるべきではありませんか。それを勤労者の生活に欠かせぬ酒、たばこに対する重課によって国民の生活苦を一層激しくする方向で解決しようとするところに、三木内閣と自由民主党の大企業優先、国民生活軽視の抜きがたい政治姿勢があると言わなくてはなりません。 第三に、本法案審議の過程における原価の公表の拒否や公聴会開催の拒否に見られる議会制民主主義の軽視の態度も看過することはできません。たばこの製造原価や総原価とその構成要素を各銘柄別に明らかにして、適正な原価、費用、利益を厳密に検討して、国民の納得のいく価格の決定をすることは、国の専売事業としてはきわめて当然のことであります。しかるに、政府はかたくなにその資料の提出すら拒否したことは、国政調査権を踏みにじるものと言わなくてはなりません。 また、総額三千五百億円にも上る負担を国民に押しつける今回の値上げ案が、国会法五十一条二項に定める重要な歳入法案であることが自明のことであるにもかかわらず、広く国民の意見を直接その審議に反映させる基本的制度である公聴会を、自民党の反対で参考人招致に変えざるを得なかったことも、国会法軽視の批判を免れることはできません。 政府・自民党がわが党を初めとする野党の主張や資料の要求に対して、徹底的に審議を尽くす立場から、従来の慣行や先例にとらわれることなく、速やかに必要な資料を提出し、また広く国民の意見を聞くための公聴会その他の制度の活用に積極的な態度をとることを強く求めるものであります。 最後に、今回の値上げ案に当たって、政府が専売制度の民主化や、中小零細のたばこ小売業者、たばこ耕作者、酒造業者などの経営の安定については、何一つ従来の態度に対する反省と改善の姿勢さえ示していない点も強く指摘しなくてはなりません。財政専売の強調によって、いまや専売公社制度は完全に国民収奪の機関に転化しつつあると言わなくてはなりません。また、中小零細酒造業者に対する構造改善もすでに打ち切られ、おけ売り依存による大企業への従属の進行を放置し、推進している事実も厳しく指弾さるべきであります。わが党は、これら政府の態度に対する厳しい反省と制度の抜本的改善を強く求めるものであります。 以上のとおり、本法案並びに自民党提出の修正案は、まことに不当きわまりないものであって、強く反対の態度を表明して、討論を終わります。(拍手)
○上村委員長 坂口力君。
○坂口委員 ただいま議題となりました製造たばこ定価法の一部を改正する法律案並びに酒税法の一部を改正する法律案と、さらに両修正案について、私は公明党を代表して、反対の意見を表明するものであります。 反対の第一の理由は、政府は税負担の適正化という名目で、五十年度の財政収入を確保するために、酒及びたばこの増税、値上げを行おうとしているのであります。税の適正化を掲げるのであれば、まず第一に、大企業、有資産者等を優遇する税制度を根本的に改善するのが筋道であります。所得の低い人ほど負担が重くなるたばこの値上げや酒税の引き上げ等は逆累進性の強い間接税の強化であり、大衆課税の強化以外の何物でもありません。しかもその額は、酒、たばこを合わせて約三千五百億円という大幅な値上げによる歳入の増収を見込んでおり、所得減税の二千四百八十億円を約一千億円も上回るものであります。この数字が示すように、財源調達を目的とした値上げである以上、専売益金などを含めた全体としての税体系の中で考え、最も筋の通った国民から信頼される改正を行うべきであります。 反対の第二の理由は、物価対策の見地からであります。 三木内閣は、真剣に物価問題に取り組むのか疑わしいと言わざるを得ません。現在、最大の政治課題である社会的不公正の是正のために、インフレや物価の鎮静を行うことが急務であることは論をまたないのであります。しかるに、政府は、たばこが平均四八%、酒は二二%の引き上げを行い、政府みずからが抑制できるものをあえてなそうとすることは、他の公共料金値上げへの導火線となるだけでなく、再び政府主導型の物価高騰をもたらすことは明らかであります。三木内閣自身が公約した物価安定を、みずからが踏みにじるような値上げ両法案は、当然凍結すべきであります。 反対の第三の理由は、たばこや酒の構造的な問題であります。 政府は、不況や物価高の経済状況をみずからつくるたびごとに、たばこの専売益金率の低下や酒税の税負担率の低下を理由に、国民の反対を押し切って改正を行い、増収を行ってきているのであります。たばこは専売制度をとっており、一方、酒は従量税制度というような構造的な問題に手をつけず、値上げや増税で済まそうとする政府の安易な態度には賛成できないのであります。 最後に、政府がどう言葉をかえようとも、どう理由をつけようとも、嗜好品というより生活必需品であり、結果的には消費者、ことに低所得者層ほど負担増になることは言をまたないのであります。 私は、政府に対して、適切な、しかも公正な税制度全般の確立を図ることを要求して、反対の討論を終わります。(拍手)
○上村委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております二つの法案並びにこれに関連する二つの修正案に対して、反対の討論を行います。 五つの理由を挙げたいのでありますが、第一は、政府が物価政策、これを一番優先すると言いながら、今度安易な財源対策に出て、公共料金、酒やたばこを値上げするということは、財源対策としては一つの方法かもしれませんけれども、物価を抑制するというみずからの政策に反し、またそれを国民に対して要求するみずからの道義的基盤を失うということであります。 政治において一番大切なものは国民の信頼であり、その政府、政治家の道義的な基盤であると思いますけれども、みずから料金を引き上げておいて、国民に物価の抑制を叫ぶ、全くナンセンスでありまして、政府が物価対策に対する道義的な責任をみずから放棄したということが重大な問題であると思うからであります。 第二は、これを機会に物価がもう一度狂騰するというか、上昇すると申しますか、物価上昇の契機をみずからつくっていくということであります。 御承知のように、委員会審議でも私も言いましたけれども、政府が経済政策の転換のタイミングを誤ったということのために、今日の不況は非常に深刻であります。そういう意味から言えば、コストインフレの危険は非常に大きい。すなわち操業率は下がっておる。資材その他は上がっておる。こういうときに、結局それが転嫁をされて物価騰貴を来すというきっかけを財界、経済界は求めておるわけでございますけれども、それが大きな問題であるし、また不況が非常に深刻で、おおむね五兆円以上のデフレギャップがあるのではないかと私は思いますけれども、これの救済対策を講ずるということは、一つの救済インフレになることでございますから、その面からも物価は上がろうとしておる。あらゆる面から物価が上がろうとしておるときに、その再燃の空気にこれが拍車をかけるという意味においては、物価問題がいよいよ重大になるということが第二の理由であります。 それから第三の理由は、私どもはこの機会に、いま労使も協力をしなければならぬし、官民も一体に協力をしていかなければならぬ。経済の新秩序、社会契約の基本路線に沿ってつくらなければならぬ。そういう重大な時期を迎えておると思うのでありますけれども、おかしなことに、政府の方が自粛をしないで、春闘に関する労使の方が自粛をした。これでは全く逆でありまして、政府が自粛をすることによって、労使により一層の自粛を要求する。そして、新しい社会契約的な新経済秩序をつくるということをわれわれはまじめに考えなければならないこの重大な段階において、政府がみずから料金を上げていくということは、そういう新しい経済秩序を生み出す一番大事な契機を失うことになりますので、これが重大な問題であると思います。 第四番目には、先ほど来指摘されておりますような大衆課税で、二千五百億円のたばこ、千七十億円の酒ということになりますと、大衆は毎日十億円の増税の負担に泣かなければならぬし、先ほども言われましたけれども、特にこれが税を納めていない、民社党で言えば逆所得税の対象にもなるべき人たちも、酒が上がり、たばこが上がるので生活の重圧を受けるということでございますので、大衆課税の矛盾が非常に深刻である。一方においては目減りの補償も十分にやらない、あるいはやろうとしない。しかもインフレ利得者に対する課税もやろうともしない。そういう中で毎日十億円の、しかも税金を納めていない人までも対象とした大衆課税が行われるということは、許しがたいことであると思うからであります。 最後に、国会法第五十一条第二項の問題につきましては、大蔵委員会の判断に任せると法制局も言いましたけれども、大蔵委員会に判断を任されるとしても、大蔵委員会は独自に、勝手に馬をシカと言うわけにはいかないのであります。一番大事なことは、客観的事実というものが根本である。委員会が間違えた解釈をすればそれで全部通るといったようなものではなかろうと私は思います。 そういう意味で、総予算あるいは重要な歳入法案は国会法第五十一条第二項では、明らかに公聴会を開けと書いておる。したがって、その手続をとらなかったということは違法である。私どもは、いかなる分野においても違法というものは一切許さないという基本的なたてまえを持っておりますので、もし政府が五十一条第二項にかかわりないんだと言うならば、重要な歳入法案ではないということを具体的に示すべきである。何も示していないじゃないか。そう言うことで重要でないのか。重要な歳入法案でなければ、こんなにまた急ぐことも無理することもないわけであります。 いずれにいたしましても、一方で、場合によっては強行採決もやろうというような構えまで示さなければならぬような重要な歳入法案、それを国会法に関する限りは、重要な歳入法案ではないと思った、ないと考える、そういうことで、事実を曲げるわけにはいかない。そういう意味で、どうしてもこれは明らかに五十一条第二項には違反しておる。違法なものは許しがたいということであります。 以上の五つの理由で、われわれは反対せざるを得ないということを表明して、簡単に討論を終わります。(拍手)
○上村委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○上村委員長 これより順次採決に入ります。 まず、酒税法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、村山達雄君外四名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
○上村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。
○上村委員長 起立多数。よって、本案は修正議決いたしました。 次に、製造たばこ定価法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、村山達雄君外四名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
○上村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。
○上村委員長 起立多数。よって、本案は修正議決いたしました。 —————————————
○上村委員長 ただいま議決いたしました製造たばこ定価法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して村山達雄君外三名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。山田耻目君。
○山田(耻)委員 ただいま議題となりました製造たばこ定価法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して簡単に御説明申し上げます。 この決議案は、専売事業のより適切かつ円滑な運営を期するため、専売納付金と地方たばこ消費税の配分のあり方を初め各般にわたる事項について、政府並びに日本専売公社当局に対し、十分な努力と検討を要請するものであります。 個々の事項の趣旨につきましては案文でほぼ尽きておりますので、案文朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。 一、専売納付金と地方たばこ消費税の適切な配分に配慮するとともに、日本専売公社の公共企業体としての経営の自主性と責任体制の強化を図るよう検討すること。 二、たばこ事業の運営にあたっては、消費者、葉たばこ耕作者、小売人、専売公社職員等関係者の意見を十分に尊重すること。 三、専売納付金制度、価格問題等専売事業の諸問題について抜本的な検討を深めるとともに、専売事業審議会の審議にあたっては、専売公社職員、消費者等の意見についても配慮すること。 四、将来のたばこの定価の改定にあたっては、専売事業の公共性に留意し、合理的な価格形成方式を確立するとともに、専売関係審議機関及び専売事業関係者の意見に配慮すること。 五、専売公社職員の労働基本権問題は極めて重要な問題であるので、諸般の事情をふまえて公共企業体等関係閣僚協議会の検討の結果をまって適切に措置すること。 六、葉たばこの国内生産について、生産性の向上によりその安定的基盤を整備することに努めるとともに、その諸施策等については耕作者の意見も反映されるよう配慮すること。 七、国民の喫煙と健康に関する関心に鑑み、喫煙と健康に関する科学的研究を一層強化し、国民がより安心して吸えるたばこの供給に努めること。 以上であります。 何とぞ御賛成をいただきますようお願い申し上げます。 最後に、申し上げました七つの項目の中に専売公社職員という言葉を多く述べております。この専売公社職員とは専売の労使を指しておることに留意をしていただきたいと思います。 以上です。
○上村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。大平大蔵大臣。
○大平国務大臣 ただいま御決議になりました事項につきましては、御趣旨に沿って十分配慮いたします。 —————————————
○上村委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— —————————————
○上村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。午後四時三十六分散会 ————◇—————