大蔵委員会 第26号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/04/18
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、ただいま審査中の酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案につきまして、物価問題等に関する特別委員会から連合審査会開会の申し入れがありましたので、これを受諾し、連合審査会を開会いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会の開会日時につきましては、追って公報をもってお知らせすることといたします。 ————◇—————
○上村委員長 次に、酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。増本一彦君。
○増本委員 十六日の質疑で留保した部分につきましては、さらに二十二日の理事会で資料が出るとのことでありますので、それまで質問はさらに留保をさせていただいて、次のテーマに移ります。 酒税の引き上げの問題ですけれども、今回の酒の税の引き上げについては、シェアの高くなっているものにねらい撃ちをしてきているということがあるわけですね。日本酒を例にとりましても、昭和三十七年には、二級酒が八十二万五千キロリットルの消費量で二七・八%だったのが、昭和四十八年には七十五万五千キロリットルで一二・二%。ところが、逆に一級酒の方は、四十八年には、四十年の九・三%のシェアと比べても、九十万二千キロリットルで一四・五%とふえてきている。一級酒以上について値上げをして、二級酒は上げていないというけれども、国民の中で一級酒の需要がふえてきている。そこへ酒税の税率の一五%の引き上げということをやるという。これは一級酒以上にしたということを政府はおっしゃっておっても、やはり国民から見れば、これがとりもなおさずお酒の価格の引き上げにつながる。これは、やはり大衆課税の手口を実はすりかえてごまかしているものだというように言わざるを得ないのですね。 そこで、まずお伺いしたいのは、一級酒一五%の税率の引き上げで一体増収がどのくらい図られるのか、ビール二二・三%でどのくらいの増収が見込まれるのか、その点の数字はおわかりでしょうか。
○中橋政府委員 ビールの今回の増税におきまして、初年度増収額は七百七十億円でございます。 それから、清酒一級につきまして、特に特級と分別してございませんので、清酒特級、一級でお答え申し上げますと、初年度で二百十億円を予定いたしております。
○増本委員 酒税の引き上げは直ちに価格に転嫁される。この価格へ転嫁されてくるということは、必然的に起こることだろうと思いますが、その点については、転嫁をさせずに、できるだけ価格の引き上げを抑えて国民の負担を軽減させる、こういうような措置はおとりになるのでしょうか、どうですか。
○中橋政府委員 酒税だけに限りませんけれども、間接税は一般的には現実の納税義務者と担税者とは違っておりまするので、税額は転嫁することを予定いたしておるわけでございます。 また、今回の増税につきましても、それが小売価格の中にはね返るということは当然予定いたしておりまして、それにつきまして、一体、家計にどの程度の影響を及ぼすのか、またその結果小売価格の中に占めますどころの酒税の負担率が、たとえば四十三年あるいはその後の経過とどういうことになるのかということを検討の上、今回の増税の率を決めさせていただいておるわけでございます。 したがいまして、たとえば清酒特級で二二%、清酒一級で一五%程度の増税をしました金額は、やはり小売価格の中に反映をせられるということを予定いたしておりまするので、特にそれが予定どおりに転嫁されないような措置をとるつもりはございません。
○増本委員 すでにビールは二つの銘柄が値上げをしておるわけですね。朝日麦酒が三月七日、サッポロビールが四月四日。さらにこれで酒税の引き上げが行われて、ビールで二二・三%上がるということになると、これだけでほぼ十五円ぐらいの値上げがさらに予定されることになりますね。政府はそれはそのまま認める、こういうことになるのですか。
○中橋政府委員 ビールの大びん一本で申しますと、今回予定をいたしております酒税の増税額は約十五円でございます。したがいまして、その十五円というものは当然小売価格にはね返るということを予定いたしております。
○増本委員 大臣、いかがなんですか。一昨日もお話ししたように、いま物価の安定が第一義的な政策の課題だ、そうしてそれを何とかして安定しなければいけないと言っているときに、企業内の要因で値上げがすでに行われているものは、ビールは二社、二つの銘柄について値上げが行われた。さらにそれに加えて、今度は国が進んで価格転嫁の原因になるようなことをやろうとしている。これでは物価安定が第一義的な政策課題だなんて私はとうてい言えないと思います。そういうことは私は政治姿勢として十分に反省されてしかるべきだと思いますが、いかがでしょう。
○大平国務大臣 私はそのように考えないのであります。物価の安定ということは、増本さんに劣らず私も政策の第一義的な道標として鋭意追求していかなければならない課題と考えておるわけでございます。しかしながら、その物価の安定というものは、すべての品物がそれぞれ安定した物価の位置を保っていって初めて安定できるわけでございまして、特定の物資が不当に、無理に抑えられた姿であって安定状態が招来できるものではないと思います。 ビールの場合におきましても、この前にも申しましたように、石油危機以前の価格がそのまま据え置かれておるわけでございまして、石油危機等によりまして原材料が上がり、そしてそれがまた人件費の値上がりとというような姿において価格に反映してまいりまして、その他の物資がいろいろ価格調整の姿で進んでまいりましたのに、ビールはまだそういう過程を経ていないわけでございますので、そういう調整はやはりなし終えないと本当の意味の物価の安定というのは期待できないと私は考えております。 それから第二に、しかし税金をこういうときに取るということに対しましてはいかがなものかというあなたのお話でございます。なるほど税金を取りますと、間接税でございますので、それがそのまま価格に転嫁されることを予想いたしておるわけでございますので、それだけ価格の上昇を招くことは必至でございます。それはわれわれも十分承知いたしておるわけでございます。 このことにつきましては、提案の理由にも申し上げましたとおり、酒税は従量税でございまして、昭和四十三年以来据え置かれた状態にございまして、その他の税金が諸物価の値上がりとともにいわば物価調整がなされておるという状況にございますが、従量税の面につきましては、酒とかたばことかというようなものにつきましてはそのままそういう物価調整が行われていないわけでございますので、相対的に税負担が軽くなっておる。いわば意図せざる減税がそこに行われておるということでございますので、七年もたったことでございますので、このあたりで最小限度の調整をやらしていただいて差し支えないのではないかというのが政府の考え方でございます。
○増本委員 この酒税の今回の引き上げだけで見ましても、清酒の一級がいま一・八リットル千百八十円ですよね。今度酒税の引き上げだけで四十六円九十八銭上がるから千二百五十円くらいにはすぐぽんと上がってしまうわけでしょう。ビールだって百八十円に上げた朝日やサッポロがこれでまた十五円上げれば百九十五円になる。いまの百六十円ということで見たって、百七十五円ぐらいにはぽんと上がるわけですよね。 これまで狂乱物価以降調整をしていなかった分についてこれは調整をせざるを得ないという面があったので、ビールなどは値上げを政府も承認をしたというようなお話もありましたけれども、ではそのこと自体を一つ考えてみましても、たとえば今度朝日麦酒の場合、二十円値上げをされましたね。ところがその取り分を見てみれば、結局メーカーが十二円も取って、そして卸が二円五十銭で小売店が五円五十銭。いま狂乱物価以降の経済の状態を見てみると、大きなスケールメリットもあるメーカーの方よりも、小売店などの零細の方がより圧力を一層かぶって苦しい状態にあるということも、これはもう否定できない事実なのに、やはり大手の方に取り分が優先をしているわけですね。 いままでは値上げ分の取り分というのは、メーカーが四〇%、卸が二〇%の小売店が四〇%というような割り振りが普通だったそうですが、今回この二十円の値上げについてはそうなっていないわけですよ。結局この値上げを見たって、大手のメーカーのいわばツケを国民の方に回すような値上げであって、その上に加えて、なおかつ国の財政の確保だということで、さらに酒税の値上げによって価格転嫁を認めて、全体として国民にそのツケを回してくるというようなやり方というのは、これが本当に国民生活を安定させるという立場に立った物価対策なのかどうか。そこのところで私は、大臣のいまの御答弁はいただけないし、疑問が非常にあるのですね。 では、こういうようなメーカー優先の割り振り方を認めて、これをさらにほかの麒麟だとかサントリーの値上げについても同じような方向で認める、こういうようなことになるのですか。
○大平国務大臣 誤解しないようにしていただきたいと思うのでございますが、酒類の価格につきましては酒造業界で決められることでございまして、政府は関与していないわけでございます。認める認めないという問題は起こらないわけでございます。したがって、またその値上げ分の配分につきましても、業界内部の話でございまして、私どもがそれを決めて割り振りをいたしておるわけではないのでございますので、政府をおとがめいただくことは筋違いだと思います。
○増本委員 かつてビールは価格凍結の品目の中に入れたわけでしょう。入れましたよね。そのときには、価格について一定の行政指導で抑えるということをやったわけです。それができるのだったら、こういう値上げの幅やそれから値上げの配分についてだって、これは政府ができないという話はないんじゃないですか。それはもう自由だ、だから政府をとがめられても困るというような言い方は私は納得できません。値上げするしないという一番基本的なことを行政指導ということで凍結までやられるわけだから、そういうような政治的なやり方ができるくらいだったら、それを今度の場合には自由に認めて、しかもメーカー優先に取っていくというような——今度の場合にはメーカーが全体の六割を取るというやり方でしょう。通常の場合には四割だったのが今度は六割だ。その値上げを決めた上でさらに酒税の値上げで十五円上乗せられるということになるわけだから、それは国民にとっては大変な問題ですよ。そこのところが、これは政府はとがめ立てされる覚えはないというようなことでは私は絶対にないと思うのです。いかがでしょう。
○大平国務大臣 仰せのように、あの狂乱物価のときに臨時的に行政指導で値上げを抑えたことはございましたけれども、それはその後解除をいたしてございます。それから業界が自主的にそういう価格を決めて、業界内の了解を得て、納得のもとで業界が安定した状態にありますことは結構なことと思っておるわけでございまして、その中に政府がわざわざ介入いたしましてそれが多いの少ないのと言うようなことは、私はできるだけ避けるべきだと思います。 しかし、仮にメーカーが十二円幾ら取って卸が幾らで小売が幾らだという配分は不公正じゃないかと言いますけれども、メーカーの場合は、先ほど申しましたように石油危機以前の価格をそのまま据え置いておるわけでございまして、原材料の値上げがそのままだ価格に反映していないという事情がありますことは、増本さん御承知のとおりでございます。
○増本委員 私は、原料の値上げが直ちに価格に転嫁されるということ、このこと自身を実は承認はしていないのです。だから、大臣がおっしゃるように、転嫁されていないという事実はあるけれども、しかしメーカーそのものはいまの状態でも十分にやっていけるし、企業としての利益は十分に上げているというように考えているから、その前提に立って質問をしているわけで、その点は大臣としても誤解をなさらないようにしていただきたい。 そこで、これからの日本酒の業界について政府はどういう方向でお考えになっているかということを、いわば酒税の出てくる源泉ですから、そういう意味でお尋ねをしたいのです。 御承知のように、酒米の割当制が四十四年に廃止をされて、それでその後中小のメーカーを擁護しようというたてまえで一種の不況カルテルが五年間続けられましたね。これが去年の六月で終わった。そういう事態の中で、これから中小メーカーというのはどういうようにして生きていこうかということが、いま非常に大きな業界の中での関心になっておる。政府の方も、ことしの三月で中小の酒造業者に対する中小企業構造改善事業をおやめになっているという事実もあるわけですね。一体、皆さんの方はこの日本酒、清酒の中小メーカーの保護育成を今後どういう方向でお考えになるのか、その点をまずはっきりさせていただきたいと思います。
○磯辺政府委員 お答えをいたします。 ただいま先生御指摘のように、確かに清酒業者つまり日本酒メーカーというものの中に占めます中小企業者の割合というものはかなり多いわけでございます。これは数で申しますと、製成規模で二百キロリットル以下の零細企業が全企業の約二分の一ということになっております。 それからまた、最近日本酒の需要というものが他のウイスキーとかビール等の需要増に押されまして若干低下してきておる傾向にある。したがって、生産が需要に対して若干オーバーぎみになってきておる。その結果いわゆる古酒の在庫がふえてきておる、こういったことは事実でございます。業界全体として必ずしも好況な業界ではない。 しかも、その中においてそういった零細企業が多いということが、いわゆる清酒製造業者に対する行政のむずかしい点があるわけでございます。御承知のように、中小企業近代化促進法の規定によりまして昭和三十九年度から四十九年度まで種々の措置が講ぜられたわけでありますけれども、この措置も昨年度をもって切れたというようなことがございまして、今後私たちは小規模な企業の経営というものがますます苦しくなってくるのではないかということを心配しております。 しからば、国税庁としてどういったことを考えるかということであります。けれども、現在私たちとして考えておりますことは、一つには協業化といいますか、販売力のあるものと合併していく、あるいは事業提携していくといったような方向、それから小規模経営者の組織化、これは協同組合または協業組合をつくっていく、あるいはまた商品にそれぞれ特色を出すことによって新たな需要を開発して販路を広げていくというふうなことに進めるべきではないかということを考えておりますが、またそのほか金融面あるいは保全担保の運用や、税制の改正等でお願いしている酒税の納期限の延長制度、そういったことを講ずることによりまして中小零細企業というものの保護育成を図っていきたいと考えておるわけであります。しかし、何分にもこれはあくまでも国税庁が外から手をかすことでありまして、基本的には業界及びこれらの業種が自主的にいろいろと考え実施する構造改善事業についてこれをプッシュしていくというのが中心であろうかと思いますので、今後できるだけそういった方向で、業界の自主的な構造改善事業というものの推進を図ってまいりたい、かように考えております。
○増本委員 先ほども御答弁の中でお話がありましたように、いまでも大体おけ売り量というのは全体の三分の一以上になっていますね。結局、三千二百社ぐらいの酒のメーカーのうち二千五百社ぐらいがそういう形でおけ売り損になっている。これがいまの実態ですね。 いまの次長のお話ですと、一つは協業化を図っていくというが、同じ規模の業者が集まっていくならともかく、そうじゃなくて、大手に吸収合併されるような形になっていくと、ますますそういう意味での——いままでだっておけ売りあるいはおけ買いでたたかれて従属関係が完全にでき上がっちゃっているわけでしょう。それをただ形の上で合併するということでは、これはもう中小メーカーそのものを保護していくということではなくて、ますます従属化させる、経営権そのものさえ奪ってしまうというやり方になりますよね。 しかも、そういう中で自立の道を不完全にしろ何とかつくっていこうということでやってきたこの構造改善事業だってストップをしてしまって、新たな手だてが打たれていない。結局、いま上位の三十五社で販売量が五〇%以上になっているという事態を見たら、これはもう中小メーカーというのは生きていく道はないんじゃないですか。そうして国民の方は、いわばテレビのブランドのそういう大手のメーカーの酒だけ飲んで、そして中小メーカーの特徴を生かしたものというのはますますシェアから除かれて、月桂冠だ、やれ何だという中にまぜこぜにされたままで、いわば日本酒そのものの生命すら危うくなっているというのがいまの事態じゃないですか。 ですから、ここのところをどうしてやるのかということがはっきりしない限りは、この中小メーカーをきちっと保護するということには絶対にならないと思うのです。その点についての具体的な方策を政府は持っているのかどうかということを私は伺っているのですが、その点はいかがですか。もっとはっきり具体的に答弁してください。
○磯辺政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、確かに清酒業者というのは零細企業が多いということが非常に問題であります。同時に、その中でおけ売りあるいはおけ買いというのがもうすでに酒造業界の慣行になっておるということも事実でありますが、ただ従来は、おけ売り、おけ買いの場合には、生産数量の制限等がございました時代においては、むしろこれは売り手市場的な問題がございましたが、これが生産数量の統制あるいは原料米の統制というものが外されて自由につくれるというふうになってみますと、若干今後は買い手市場の色彩が強くなっていくということも考えられるわけであります。 それでは、そういった中小零細メーカーというものは単に大メーカーに対しておけ売りだけをしていくというふうなことで、全く生産の基盤が失われるのではないかというふうなことが心配されるわけでありますけれども、むしろ業界におきましても、現在委員会を組織いたしまして、こういった問題について取り組んでおります。それからまた、国税庁としても、業界の自主的な検討を待って、こういったおけ売りを主体とする中小メーカーについて検討を進めてまいりたいと思いますが、おけ売り企業の縦の系列化ということもさることながら、むしろおけ売り企業そのものの横の系列化というものを進める、そうすることによって、中小零細メーカーの立場を強くしていくというふうな方向で指導していくのが現在の基本的な考え方であります。
○増本委員 この構造改善事業が終わった段階で新たな計画というものはあるのですか。いまお話しになったような点での具体的な施策、計画というものはあるのですか。
○磯辺政府委員 やはり業界の自主的な盛り上がり、あるいは自主的な構造改善事業というものを期待しているわけでありますけれども、いま具体的に何があるかという御質問でございますが、これはただいまいろいろと検討しておるということを申し上げるしかないわけであります。
○増本委員 中小メーカーの人たちの具体的な要求というのはどういう要求なんですか。それは国税庁の方でつかんでおいでになるのですか。
○星野政府委員 ただいまのところ、特にはっきりした形での申し出は聞いておりません。ただ、先ほどから議論になっておりますように、中小メーカーの今後の将来というものは、自由化という前提に立ちますときに非常に厳しいものがありますので、先ほどから御答弁しておりますように、酒造組合中央会を中心にいたしまして目下どういう対策を講じたらいいか、特に一番問題になっておりますのは先ほどお話に出ましたおけ売り業者の問題でございますので、このおけ売り業者を今後どういうふうにしていくか。業界のタイプとしましては、いわゆる卸を通じて販売する生産者と、それからおけ売りのものと、それからいわゆる直売方式によるものと、大きく分けて三つに分けられるわけでございますが、そのうち一番問題になるのはおけ売り業でございますので、これを今後どういうふうにやっていくかというのがいまの業界の一番の関心事でございます。
○増本委員 大手の方がますますいろいろな点で自給体制を強力に進めよう、自社での生産を増大させていこう、こういう動きがあるわけでしょう。その間にはさまってというか、そういう動きが強く出てきているので、特に二千五百社にも上るようなおけ売り依存をしている中小メーカーというのが、あっぷあっぷしてくるという事態なんでしょう。 だから、それだったら強力にしていくという点では、一つはこういう大手の自給体制というようなものをどこかで規制するなりコントロールするということをあわせて考えていかなければ、手だてというのはとれないのじゃないですか。いまそういう醸造工場やなにか、大蔵省の方では自由にどんどん認可していく、大手が設備投資をし工場をふやして自給体制を拡大していこうということに対しては、全部フリーパスでチェックもしないでやってきているのですか。
○星野政府委員 現在増設につきましては特に免許を必要としないことになっておりますが、工場の新設の場合には免許を必要とすることになっております。
○増本委員 具体的な実際の動きはどうですか。
○星野政府委員 現在、特に大手の方でそう大きな工場の新設というものは、一、二ございますけれども、全体としては、やはり現在の時点で工場を新設しますと、用地の手当てとかあるいは機械、設備、建物等のコストが非常に高くつきまして、減価償却費を考慮しますと、自製酒の場合にかえってコストが高くなるという状況でございますので、現時点では大手のメーカーもおけ買い酒に頼る方がコストが安いということで、現在おけ買いを続けている状況であります。
○増本委員 大臣いかがですか。こういうようにいま中小メーカーが経営の困難にぶつかってきている。日本の伝統的な酒を守っていくということは、これは一つ大切な問題ですよね、しかもそれが地場産業であるという場合が非常に多いわけですから。ところが、それが大手の圧迫やそれからいろいろな問題で経営困難にも陥ったり、あるいは先行きの見通しが非常に立たないということで困っておる。 ところが、それに対応する政府の施策というのは、いま具体的にいろいろ検討しているけれども持ち合わせがない。ここは一番、はっきりと具体的な方策というものを手だてとして考え、それを実行していくというような、いま大切な時期ではないかと思うのですが、その点は大臣としてはどのようにお考えなんでしょう。
○大平国務大臣 いま経済界が不況下でございまして、需給のバランスが円滑にまいりませんで難渋をいたしております。これはひとり酒造業界ばかりではございません。いろいろな業界が抱えておる問題でございます。そこで、各業界におきまして、規模の大小の間に問題が起きておりますことも御指摘のとおりでございます。しかしながら、酒類業界におきましては、これが担税品である、財政商品であるという関係からいきまして、免許営業になっておるわけでございます。したがって、政府の力で生産を規制いたすことができる立場にあるわけでございますので、他の業界に比べましては対応力を政府として持っておる、手だてを持っておる業界でございます。 したがって、われわれに与えられた権能を活用いたしまして業界の実態を掌握し、業界内外の声をよく聴取いたしながら、政府といたしまして仰せのようにこういう段階をどのように乗り切ってまいりますか、とりわけ中小酒造業者をどのように擁護してまいりますか、大資本との間の調整をどうしてまいりますかにつきましては、細心周到な配慮をしてまいらなければなりませんし、またそれは私どもの立場で、権能でできることでございますので、政府としての事態の推移に応じてそれなりの対応をしてまいるつもりでおります。
○増本委員 いま大臣は、担税商品を扱うところであるからやはり特別に考えなくちゃいかぬと言われた。そのときに、そういう業界から政府ないし与党が政治献金やあるいはそれに等しい対価を受けるというようなことについては、大臣はどういうようにお考えですか。
○大平国務大臣 政治献金の問題でございますが、これは、これを受ける方の側が強要するというようなことをやることは適当でないと思いますけれども、自発的に浄財を御献金されるということは一向に差し支えないことだと思うのであります。しかし、受けた方といたしましては、これは政治資金といたしまして公明に処理いたしてまいることは当然の責任であると考えております。
○増本委員 こういう担税商品を扱っていて、しかもそれがたとえば清酒のように地場産業で零細業者が非常に多い、しかもそれに対して政府は困っている業者に対して具体的に手だてを現実にとっていない。そういうところから政治献金をもらうというのは、ほかの民間からの政治献金をもらうのもいかぬけれども、なおかついろいろ重大な問題があるのじゃないか。 たとえば、酉政会という団体が酒造会館の中にあるのですね。ここだけだって、四十七年の上期から四十九年の上期まで見ましても非常に巨額の政治献金が出ていますよ。四十九年の上期には、酉政会から国民協会に二千六十万円出ています。しかもこの酉政会のほかに、四十八年の九月十一日に東友クラブとか地域産業研究会という二つの政治資金団体まで生まれまして、それでこの東友クラブが四十八年の下期に二千万円、四十九年の上期に千五百万円、それから地域産業研究会が四十八年の下期に二千万円、四十九年の上期に千五百万円、それぞれ国民協会に献金がなされている。これは全部特別会費と臨時会費という名目で集めた金です。 いま業界で、中小零細企業を中心にしてメーカーが非常に困って、政府に何とかしてくれ、しかもそれで四十九年の春には清酒の値上げまでやったわけですね。そういうことで、これは献金を受け取れば、見返りに値上げをするというような疑惑を国民は持たざるを得ないし、しかも本来政治として具体的にやるべき手だてをとらないで、それで自民党・政府の方は政治献金を受け取っている。これはどうなんですか。大臣はこれは財政商品だ、担税商品だと言われている、それを生産する業界との関係で、こういうことは正常な関係だと思われますか。国の財政を賄うような性質の製品を扱っているようなものに対しては、国との関係ではもっとフェアできれいでなくちゃならぬはずですね。政治献金なんというものはやめて、本来政治として何の対価の必要もなくやるべきことを具体的に手だてをとっていくということこそ、政府・与党としてとるべきことではないですか。 そういう意味で、これは自民党の最高幹部の一人でもある大臣としては、私はこういうことは好ましくない、やめるべきであるという態度を明確に表明なさるべきであると思いますが、いかがですか。
○大平国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、個人であれ法人であれ団体であれ、自発的に政治献金をされるということは、特にとがめ立てをするべき性質のものではないと私は思うのでございます。民主社会におきまして、政治に関心を持ち、政治に貢献しようという立場におきまして政治に献金をされることは、一向差し支えないことではないかと思います。ただ、受けた方がこれを公明に処理いたしてまいることが当然の務めであると考えておりますことは、先ほど申しましたとおりでございます。 酒類業界におきましても、日本酒造組合中央会を初めといたしまして幾つかの団体がございまして、自由民主党との間にも長いおつき合いがあるようでございます。この自由民主党と酒類業界との間に、私は別に不当な関係が結ばれておるとは考えておりません。
○増本委員 私は納得できませんね。第一、一つは企業からの献金ですよ。参政権というのは、これは自然人である国民なんでしょう。だから、自然人である国民が、個人が一定の相応の献金をするというのは、社会的に妥当な限度だったらこれは問題ないかもしれない。しかし問題は、一つは企業ですよ。しかもその企業が財政商品だと言われている酒の業界、政府は価格の面でもいろいろな面でも、いろいろな点で配慮をしなければならないという政策的な要請も生まれてくる業界です。そこから政府・与党が献金を受けるというのは、これは民主社会において許されるということには絶対にならないし、政治の清潔さという点から見たって、これは好ましいことではないというのは当然じゃないですか。 しかも、こういう献金というのはコストにはね返るということは確実でしょう。四十八年の下期から四十九年の上期だけで一億八百二十万円の献金ということになっているのですね、自治省に届け出た分だけで見ても。政治献金についてのツケも国民に回ってくるというようなことが、大臣から、そういうような点についての配慮も全くなしに、これはもう民主社会ではあたりまえなことだなどと言われるのでは、これは民主社会そのものについての基本的な考え方を改めていただかなければならぬというように私は思います。いま一度大臣の御答弁を伺っておきたいと思います。
○大平国務大臣 それはどうもあなたと私の見解の違いなんでございます。私は、民主社会におきましてそういうことは許されてしかるべきことと思うのでありまして、問題は、そういった政治資金のやりとりというようなものが公明に行われて、そしてそれが公明に処理されてるということが民主社会においては大事なことであると思うのでありまして、そういうことが保証される限りにおきましては、別段とがめ立てすべき性質のものではないと思います。増本さんと私とその点についてやや見解を異にすること、残念でございます。
○上村委員長 ちょっと速記をとめてください。
○上村委員長 速記を始めて。 本会議散会後再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ————◇————— 午後四時二十五分開議
○上村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。増本一彦君。
○増本委員 午前中に引き続いて、最後の問題について二、三伺いたいと思います。 専売公社法で専売事業審議会がつくられて、それぞれの方が委員になっておられますが、この中には消費者の代表が入っていませんね。これまでの質疑で明らかなように、専売の製品はおしなべて国民消費者大衆に非常に大きな影響を持つものであるし、特に専売製品というのは、ほかの関係での競合のないもので、しかも国民生活に非常に深いかかわりを持っている。それの事業を運営していく上でのいろいろな基本的な点を審議し、そして意見を述べていくという審議会ですから、当然消費者の側の国民の代表というものを入れるべきではないかというように考えるのですが、その点についてはいかがでしょう。
○西沢政府委員 先生御案内のとおり、専売事業審議会は九名の委員から成っておるわけでございます。専売公社法の九条第四項によりまして「学識経験のある者、たばこを耕作する者その他専売事業に直接関係を有する者及び公社の職員」こういう構成になっておるわけでございます。それで、現実の委員会は、学識経験の方が委員長を含んでおりますけれども七名でございます。それからたばこ耕作者の代表者が一名、それから公社の職員が一名、こういうふうなことに相なっております。 ただいま先生の御質問の消費者代表の問題でございますけれども、学識経験者の先生方の中にはたばこをお吸いになっておられない方もございますし、またお吸いになっておる方もおいでになるわけでございます。したがいまして、特に消費者代表をこの専売事業審議会に入れる必要はないのではないか、かように考えております。 ただし、公社の方では、別途消費者の代表の方と懇談会を催して、一般の消費者の方々の意見聴取についても細心の努力を払っておることも先生御案内のとおりでございます。
○増本委員 大学の先生とか新聞関係の出身者の方、あるいは国鉄の理事をやっている方とかのほかに、企業の代表取締役をやっている方も入っておられる。そういう企業の代表の方たちが逆に一般の国民に、実際のそれぞれの営業の面では、それを侵害したり、あるいは権利を損ねたり、いろいろ問題を出しても放置しているというような事態もあるし、決してそういう人たちが国民消費者大衆の立場に立って、専売事業その他の上で健全な運営なり発展をやっていくというようなことを保障できるというぐあいにはいかないように思うのですね。 たとえば、これはまず大蔵省に先にお伺いしますけれども、サントリーが昭和四十二年の三月十六日に神奈川県津久井郡藤野町の吉野地区というところに、畑五十一・五平方キロ、山林三十七・九平万キロを買収してウイスキーの原酒工場をつくるという計画を立てたのですが、これについては事前にいろいろ内面的な指導その他が大蔵省との間でやられているはずだと思いますけれども、それについてまずいきさつからお伺いをしてみたいと思います。
○磯辺政府委員 ただいま御質問の件でございますが、これは結論から申しますと、こういったサントリーの酒造工場をつくるときに、製造免許の付与のときにはそういった相談がございますけれども、その前提となります土地の取得の段階におきましては、国税庁の方には何らそういった相談はないわけでございます。 このいきさつを申し上げますと、これは私たちがこの問題につきまして会社の方で聞いたわけでありますが、四十一年の十二月ごろから藤野町の吉野地区に工場を誘致したいというふうな動きがございまして、その吉野地区の住民四十三名の方が町長あてにその要望の表明があったのでございますが、その後四十二年一月の十八日に地元民、町側サントリー間で工場誘致に関する会合を行い、それからさらに同年一月二十四日にサントリー側としましては、町長あて、サントリー原酒工場計画書を提出し、そして四十二年三月十六日に土地売買の基本契約書の締結が行われた、そのように聞いております。
○増本委員 この用地買収の際に、この関係地主には六十度Cぐらいのお湯を毎日三百トンずつ供給する。そうすればふろにも入れるし、そのお湯で洗たくもできるし、炊事もできる。それから優先雇用もやっていくし、原料のこうじの優先供給などもいろいろやっていく、こういうようなことを言うて買収をしたわけです。 ところが、その後の温排水の処理をどうするのかという問題があるわけですね。御承知のように、あそこは相模湖という人造のダムがあって、これは神奈川県の県民の水がめになっているわけです。温排水の処理そのもの一つをとりましても、これは水質の保全その他の関係で、あるいは環境基準等の関係でも非常に公害の問題として大きな問題になる。ところが、この温排水の再生処理は地主が一切責任を負って、買う方の、本来出す会社、工場を建てて出すサントリーの方では一切責任を負わないというたてまえになっているのです。 そこで、せっかく環境庁から来ていらっしゃいますので、こういう湖等に温排水を出すということについての公害規制との関係はどういうようになっておるのか、その点をまず説明しておいてください。
○清滝説明員 お答えいたします。 現在、水質汚濁防止法で規制が定められております項目の中には、まだ温排水につきましての項目がございません。それで現在は、温度に対する規制も今後必要だということで中公審の温排水分科会におきましてその検討を進めております段階でございますので、現段階では規制対象になっていないというのが現状でございます。
○増本委員 温排水をそのままたれ流すということ自身は好ましいことなのかどうなのか、その点はどうですか。
○清滝説明員 温排水によります水質への影響というものはかなり複雑でございまして、一概にはは——その水域におきます環境が閉鎖性なのか、さらにその水量がどれくらいであるかということによりましてかなり複雑でございます。したがいまして、ただいま確か三百トンとおっしゃったと思いますけれども、その水量とそこに流入いたしますときの温度がどのくらいになりますかということは明確でございませんので、明確にはいまちょっとお答えできませんが、少なくともわれわれといたしましては、環境保全の立場からいたしますと、できるだけ環境水に近いものを流していただく方がよりベターだというふうに考えております。
○増本委員 ところが、ここにこの企業がその土地のあっせんをした町の町長あての特約条項という文書があるのですが、その文書によりますと、この温排水の方は供給を受けた地元、売った売り主の方の地権者ですね、この人たちの方で処理をしろということで知らぬ顔の半兵衛になったものですから、住民の方で結局土地をだまし取られたということで、いまその返還を求めてサントリーの会社との間でいろいろ紛争が起きているのです。 だから、こういうように新規の工場を建てるという上で地元の協力も得なければならないのに、もうそこのところは企業の非常に横暴なやり方で住民の感情も逆なでをする。ましてやそういうような企業姿勢、営業姿勢があるわけですから、私は国民の経済との関係あるいは生活との関係というようなところから見て、健全な専売事業の審議を尽くしていくというようなことは、こういうところには期待はできない。だからもっと純粋に、本当に勤労者、勤労階層からの消費者代表という者も入れ、あるいは小売店などの意見もそういう中で反映できるような仕組みというものをもっと民主的につくっていく必要があるのではないかということで申し上げるわけですが、そういう方向での検討というのは全くないのかどうか。これは最後にひとつ大臣に伺って、私の質問を終わります。
○大平国務大臣 先ほど監理官の方からお答え申し上げましたように、現在の審議会の構成の中に学識経験者が七名おられまして、これらの方々が消費者の利益を代表されておると理解できないわけではないと私も思いますけれども、しかしなおこの運営、構成につきまして検討の余地はありはしないかという示唆がございました。私どもといたしましてもなお検討してみまして、改善すべきものがございましたならば改善して、運営の適正を期していきたいと考えております。
○増本委員 終わります。
○上村委員長 坂口力君。
○坂口委員 まず最初に総裁にお聞きをしたいわけでありますが、たばこ耕作審議会の答申を受けて昨年の九月九日に総裁は記者会見をなすっているわけであります。そのときに、来年度のなるべく早い時期に全銘柄について平均五五ないし六〇%値上げをする、これが一項目。それからその次に、比較的安いたばこの値上げ幅を大きくして、高いたばことの格差を縮めるということが一つ。それからもう一つ、特別措置を講じて低所得層や老人に対する値上げの影響を緩和する、この三つのことを言っておみえになると思いますが、これは間違いございませんか。
○泉説明員 まことに恐縮でございますが、いまお話の九月九日に記者会見いたしましてお尋ねのような三点を申し上げたのは木村総裁でございます。目下御病気中でございますので、私かわって出席しておりますが、いまお尋ねのようなことの発言を木村総裁がされたことは事実でございます。
○坂口委員 その二番目に申しました比較的安いたばこの値上げ幅を大きくして高いたばことの格差を縮めるという、この項についてお聞きをしたいわけですけれども、この総裁がおっしゃった意図と申しますか、なぜ安いところをより高くして格差を縮めるということの結論が出たのか。
○泉説明員 それはやや誤って伝えられておると思います。木村総裁が申しましたのは、御存じのように、たばこにつきましては現在国内製造のものでございますと最高のものがクロスライセンスによって製造いたしておりますもので、これが二十本入り百五十円でございます。最低が二十本入り三十円のバットになっております。 ところが、当委員会で御説明申し上げておりますように、昭和四十三年以降のコストアップは、高い銘柄も低い銘柄も同じような金額で値上がりしておりますので、したがって木村総裁が申し上げましたのは、その格差がいま百五十円と三十円、こう開いておりますけれども、今度値上げするときはその五倍の格差を縮めるようにしたいというのが一つでございます。 そういうふうにするには、率から言うと下級品の方の値上げを多くしなければならぬわけでありますが、しかしそれはなかなか容易でありませんので、自民党の方のたばこ小委員会というのがございまして、そこにお諮りした際にも、そういう格差を縮めるということは今日の段階で適当でない、こういうことで、現在のところ定価改定案といたしましては、御案内のようにクロスライセンスのものが最高二百二十円、それからバットは四十円、したがって従来の五倍の格差というものは依然として残るような案になっておるわけであります。 そういう意味で、今回の定価改定案は、総裁が当時申し上げました格差を縮めたいという趣旨のものにはなっておらないのでございます。
○坂口委員 このほか総裁は公社に三つの責務があるということをつけ加えておみえになるわけでありますが、一つは消費者に良質のものをできるだけ安く提供する。それからある程度の利益率を維持して国と地方自治体にそれぞれ納付金と地方たばこ消費税をきちんと納めて財政に寄与する。もう一つは、法律で明記されているところに従って生産者に適正な利益を得させるということを言っておみえになるわけです。 消費者に良質のものをできるだけ安く提供するということでありますけれども、いわゆる大衆たばこと言われているもの、これは専売公社の方が考えておみえになる大衆たばこはどの辺のところを言っておみえになりますか。
○泉説明員 まず前段の木村総裁が、専売公社が公共企業体として負っている使命について三点を挙げられました点については、これは私も先般当委員会において御説明申し上げたとおりでありまして、専売公社の経営者といたしましては、その三つの責務を果たすべく努力いたしておるわけでございます。 ところで、後段の御質問の大衆たばことは何かということになりますと、これはなかなかむずかしい問題でございまして、大衆たばこというのを最も大量に消費されておるたばこという意味で申し上げますと、これは御存知のとおり、四十九年度中の数量で申し上げますと約七百三十億程度がハイライトでございまして、その次の五百八十二億というのがセブンスターでございますので、ハイライト、セブンスターが大衆たばこということになりますが、しかし、たばこの場合には所得と銘柄の関係が必ずしも合致しておりませんで、低所得者の人が安いたばこを吸うかということになりますと必ずしもそうでない傾向がありますので、安いたばこを大衆たばこと言えるかどうかということになると、そこになかなかむずかしい問題があるわけでございます。そういう意味で、私どもとしては、量的に言えばハイライト、セブンスターが大衆たばこであるし、それから安いという意味で言えば、いわゆるシガレットで言えば三級品でございますね、それが大衆たばこになろうかと思います。したがって、量的に多く消費されるかあるいは価格が安いかどちらに重点を置くかによって大衆たばこの内容は違ってくると存じます。
○坂口委員 これは安い方はよくわかるわけです。安いたばこというのは値段の低いもの、これはよくわかるわけですが、大衆たばこと言われる場合に、いまおっしゃるように売上高の高いポピュラーなものというところが大衆たばこになるのであろうと思います。そのセブンスターあたりが、今回上げ幅としては一番大きいわけですね。いままで百円でありましたものが百五十円になるわけです。この辺の大衆たばこと言われる部分に一番上げ幅を大きく持ってきた、これは上げることによって上がる全体の利益をうんとふやそうということになれば、皆さん方としてはここに持ってこなければならなかったのでしょうけれども、しかし、先ほど一番最初に触れましたとおり、低所得層や老人に対する値上げの影響を緩和するというような発言、あるいはまた、消費者に良質のものをできるだけ安く提供するというこの辺の発言のニュアンスを踏まえて考えますと、最も多く売られている、もしくは最も多く買われているところに一番値上げ幅を大きく持ってきたというのはどういうわけですか。
○泉説明員 これは先ほど申し上げましたように、昭和四十三年に前回たばこの定価改定が行われましてから今日まで七年になるわけでございますが、その間、値段の高い銘柄あるいは値段の低い銘柄も余り変わりがないほどコストアップしておるわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、木村総裁としてはできるだけ値上げ幅を値段の高いものも安いものも同じ程度に上げたいという最初の気持ちであったわけでありますが、自由民主党の方と御相談申し上げたところ、そういうふうにはなかなかいかないということで、当初五五・二%の値上げ幅を考えておりましたのを、現在御提案申し上げているように四八%に落としたわけでありまして、その段階で比較的低価格のものを安くする、たとえばエコーとかわかばといったものの値上げ幅を縮める、あるいはゴールデンバットにつきましても値上げ幅を縮める、こういうことをいたしたわけであります。ただ一番多く吸われておりますハイライトにつきましては、現在八十円でございますが、これを四十円、率からいたしますと五〇%になりますが、四十円上げまして百二十円、それからいまお話しのセブンスターにつきましては、百円から五十円上げまして百五十円、上げ幅の率は五〇%、こういうことにしたわけでありますが、なぜそういうふうにするかと申しますと、たばこの定価を改定いたしますと、日本のたばこは比較的安いとは言いましても値上げ幅がかなり大きゅうございますので、ふところぐあいに相当響くことは事実でございますので、したがって、いままで吸っておった銘柄から比較的安いたばこにかえるという傾向が起きてくると思います。これは四十三年当時の値上げの経験からいたしましても、名目的な値上げよりも実際売られるたばこは価格の低いものが多くなってくる。そういうふうになりますと、今度の定価改定によりまして、御案内のとおり当初は三千億円の増収を図る予定でありましたが、それができませんので四八%の値上げということで、二千五百億円の増収を図るということに落ちついておるわけでございますが、その二千五百億円の増収を上げるには、やはり第一銘柄であるハイライト、第二銘柄であるセブンスターについて相当の値上げをしないと下の方に落っこちてしまって、実際上それだけの収入を確保することができない、こういうことからいたしまして、いまの第一銘柄と第二銘柄の値上げ幅は五〇%にしておるわけでございます。
○坂口委員 恐らく値段の高い方のたばこも、安い方のたばこも、いわゆる人件費でありますとか経費でありますとか、そういった原価に匹敵するところはそんなに違わないということなんだろうと思うんですが、けさからもいろいろ問題になっておりましたこの原価でありますけれども、とにかく原価が上がったからという表現になっているわけでありますが、たとえばセブンスターですと大体幾らぐらいの原価になるんですか。これは言えますか。大体で結構でございます。
○斎藤説明員 けさほどから問題になっておりますが、銘柄別の原価、これはいろいろな関係がございまして、実はそういうふうに出しておりませんが、価格群別には整理したものは持っております。そこで、セブンスターの場合はただいまワンパック百円、百円のグループのたばこにはそのほかいろいろなものがございますけれども、これの総原価に地方消費税を加えたもの、これも一応会計上はコストとして落ちるわけでございますが、これが五十年度は六十六円というような予定でおります。
○坂口委員 あとでまたこれは出していただけるのでしょうから、そのときに議論さしていただくといたしまして、一番最初に申しました総裁の発言の中の、特別措置を講じて低所得層や老人に対する値上げの影響を緩和するというこの発言に対する措置というのは、どのようにとられておりますか。
○斎藤説明員 実は低所得者対策と申しますのはいろんな点で大事なわけでございますけれども、たばこの場合にも、さっき副総裁から申し上げましたように、必ずしも低所得の方が安いたばこをお吸いになるということでもございません。ございませんが、現実の問題としてたばこが上がりますと、低所得の方がお困りになるという現実はあり得るわけでございます。そういった場合に、何かとにかく手は打てないのだろうか。たとえば、これは結局そういうことにならなかったようでありますけれども、そのころの新聞によりますと、郵便料金を上げる、その場合に低所得者の方には年間に何枚かただのはがきを配って対応するといったような記事もございました。 そんなことを参考にいたしまして、いろいろと考えてみたわけでございますけれども、これは実際の事務の運営から申しましても大変むずかしい。それからまた逆に、低所得者の方に対するいろんな感情的な問題もございましてなかなかむずかしいといったような問題もございまして、結局、先ほど副総裁から申し上げましたように、比較的下級の銘柄というものの値上げ幅を最終的には少なくするということによって、さきに申しましたように、必ずしも所得の低い方が安いたばこをお吸いになるというわけではございませんが、それにしましても、低い銘柄のものを上げ幅を少なくしておけばある程度そういった配慮にもなるかということで、そのようにいたした次第でございます。
○坂口委員 いまおっしゃったような意味では、低所得層や老人に対する値上げの影響を緩和したことにはならぬと思うわけですね。いままでセブンスターを吸っておみえになった方に、今度値段が上がるからあなたはたとえばゴールデンバットにかえろ、煙さえ出ればいいじゃないかと、そういう調子にはいかないわけでありまして、恐らく総裁が記者会見でおっしゃった意味も決してそういうふうな意味でおっしゃったのではないのだろう、もう少し高い次元の発言をしておみえになった、こう私は思うわけですが、いまおっしゃるように、いろいろ考えたけれどもいい案が浮かばなかったという発言がございましたが、これはやろうと思えば幾らでもできるわけでありまして、ただやる気持ちがだんだんと後退をしていったということじゃないかと思うのですが、これは現在の審議の中で、もう一度この部門について何かお考えになるお気持ちはございませんか。
○泉説明員 お話のように、総裁が九月九日に発言されました当時におきましては、総裁としてもいろいろ低所得者にとって今回の値上げが大きな影響を及ぼすということを恐れられまして、何かいい案はないかということをいろいろお考えになられたわけであります。ただ、先ほど申し上げましたように、公社としてみますと、価格の安いものも高いものもコストとしては同じぐらいに上がっておりますものですから、なかなかそういう値段の安いものを多くするというわけにまいりかねたのでございます。 そこで、従来からも比較的老人の方の喫煙の多い銘柄につきましては、老人ホームとか養護施設などに入っておられます方あるいは保養所に入っておられる方などに対しまして、年に二回特別に無償で交付するという措置をとっておりますが、これを少なくとも年四回ぐらいにふやし、また量もふやしてそういう御老人の方にたばこを安く吸っていただく、こういうことにしたらどうかということで、その点を考えておる次第でございます。
○坂口委員 老人ホーム等の方が一番好んでお吸いになっているたばこというのはどんなものかということがわかっておりますか。わかっていなかったら結構ですが、わかっていましたら……。
○斎藤説明員 老人ホームの方には希望の銘柄を、いま副総裁が申し上げましたように、老人の日とそれからお正月とに差し上げることにしております。したがいまして、別にバットでなければいかぬということではございませんでして、ハイライトもございますし、エコーもございますし、チェリーもございます。ただセブンスターの場合は別の製造事情がございまして、大変一般にも品切れをしておるといったような事情もございますものですから、セブンスターだけは需要が見合うまでは御遠慮申し上げておりますが、ほかの銘柄はお好きな銘柄をお贈りしております。見てみますと、そういった銘柄で一番大きな銘柄ですと、マリーナという銘柄が一番大きくなっております。それからハイライト、エコー、そういった順序になっております。
○坂口委員 そういたしますと、いまおっしゃった年二回であったのを年四回にしていきたいという、これはまことに微々たる気持ちだけの考え方ではありますけれども、最初のとにかく金のない者は安いゴールデンバットあたりを吸えという、貧乏人は麦を食え式の発想とは若干違うと思うのですね。その辺のところをもう少し、いままでの年二回を年四回にする、これは一つの前進には違いありませんが、いままでは老人ホームだけですね、違いますか。いままでの範囲というものを若干拡大するとかなんとか、その辺のところのお考えはございませんか。いままでなすっている範囲というのを、それではもう一遍お聞きします。
○泉説明員 お答えいたします。 いままでたばこを無償で年二回、一回二百本ずつ差し上げておるわけでございますが、その対象にいたしておりますのは老人ホームの場合約十万人、それかららい療養所の方が九千五百人、それから国立保養所の場合これは二百人ほどでございます。 それで、今後この対象をどういうふうにふやしていくかについては、まだ成案を得ておりませんけれども、もう少し対象をふやしていきたいという考えで検討いたしておるわけでございます。
○坂口委員 そういたしますと、もう一度念を押してお聞きをいたしますが、老人ホームやらい療養所あるいは国立療養所というところにいままで年二回、一回二百本ずつお渡しになっていた。これを年四回にするとかあるいは年六回にするとかいうこの回数、それから提供する範囲の拡大ということについては、現在さらに検討を続けておみえになる、こういうふうに理解させていただいてよろしゅうございますか。
○泉説明員 そう御理解いただいて結構でございます。
○坂口委員 特別措置として総裁が言われたのが、いまおっしゃったことだけに匹敵するのかどうか、私もわかりかねる面がありますが、もう少し広範囲な、たとえば生活保護を受けておみえになります家庭とか、あるいはまた一人暮らしのお年寄りでありますとか、そういった何らかの範囲の拡大ということをひとつ検討していただくことを私はここにお願いをするわけであります。 それから、その問題はそれでおかしていただきまして、もう一つは身体障害者のたばこ販売の問題がございます。御承知のように、身体障害者福祉法の第二十二条に、いわゆる公共施設内での売店設置の優先措置というのがございます。すなわち、身体障害者の職業的自立を図るために、公共的施設内での売店設置の促進を図るというものであります。この売店の種類といたしましては、新聞でありますとかあるいは書籍でありますとか、たばこ、事務用品、食料品その他の物品を販売するための売店ということになっております。この措置の内容といたしまして、国、地方公共団体の設置した事務所その他の公共的施設の管理者は、身体障害者から申請があったときは、その公共的施設内での売店の設置を許すよう努めなければならない、こういうふうになっております。 そこでお聞きしたいのは、国及び地方公共団体の設置した事務所及び公共的施設内での売店設置状況、売店の中でもたばこの売店の設置状況、その中で身体障害者の方がやっておみえになる売店の状態ですね、申請数やその許可数、あるいは不許可数でありますとか、あるいは審査中の数でありますとか、その辺のところがわかりましたらひとつお願いをいたします。
○泉説明員 お尋ねのたばこ小売店でございますが、昭和四十八年度末におきまして全国で二十四万三百八十八店あるわけでございますが、そのうち身体障害者の方がたばこの小売をしておられますのが五千五百八、それから母子福祉法に基づきます母子福祉家庭の場合が二千十六というふうに相なっております。
○坂口委員 申請して不許可になった例等がありますか。
○泉説明員 四十八年度中の数字を申し上げますと、身体障害者の場合この五千五百八にふえましたのは、四十七年度末には五千二百二十八店であったわけでございますが、申請によりまして指定いたしましたものが四百三十六店、それからいまお話しの法を適用して特に指定いたしましたのが三十七店、合計四百七十三店でございますが、他に御希望によって廃業されたものが百九店、それから亡くなられました方の店が二十九店、それから要件に該当しなくなって法律の不適用になりましたのが五十四店、合計百九十三店減りまして、プラス、マイナスの結果、五千五百八店になったのでございます。この指定をいたしました四百三十六店あるいは法適用しまして特になにしたものが三十七店、そのもとになる申請件数はちょっと手元に持っておりません。
○坂口委員 もう一つ、身体障害者福祉法の第二十四条に「専売品販売の許可」というのがあります。すなわち、身体障害者の職業的自立を図るため、たばこ小売人の指定を受けやすくするという項がございますが、専売公社は身体障害者からたばこ小売人指定の申請があったときは、当該身体障害者がたばこ専売法第三十一条第一項各号に該当する場合を除きその指定に努めなければならないということになっております。いわゆる三十一条第一項というのは六項目あるわけでありますが、これは読み上げるまでもないと思いますので割愛いたしますが、たとえば「製造たばこの取扱の予定高が公社の定める標準に達せず」云々というようなのも中にはございます。 この三十一条第一項に該当する場合を除きですから、これ以上のもので、たとえば先日も少し話が出ておりましたが、新しい小売店をつくろうと思います場合に距離の問題がございますね。その場合に、これが本来の距離からいきますと若干問題がある、だけれども、身体障害者の場合には特別に許可するとか、そういったことはございますか。
○泉説明員 その点につきましては、本来ならば百五十メートルであるとか、あるいは二百メートルであるとか、田舎の方になりますともっと距離が長くなりますが、そういう基準がございますが、身体障害者の方から申請がございましたならば、その距離を二割減したところで、それで要件に該当すれば小売人として指定する、こういう運営をいたしております。
○坂口委員 そのほか、いまたとえば一例として距離のことを申し上げましたが、距離以外のことで条件緩和の項目が何かございますか。
○泉説明員 そのほか小売人として指定いたします場合には、先日も申し上げましたが、取り扱い予定販売数量というのが一つの基準になっておるわけでございますが、その基準につきましても、いま申し上げましたような、大体二割ぐらい少なくても身体障害者の場合には小売人として指定する、こういう運営をいたしております。
○坂口委員 厚生省お見えですか。 たばこの有害性の問題につきましては、いろいろのデータが出ていると思いますが、外国のデータもありあるいはまた日本のデータもあり、中には疫学的なデータもあり、あるいはまた、病理学的な立場からのデータもあろうかと思います。このたばこの有害性ということについて、現在厚生省では粗々どのように把握しておみえになるか、お聞きをしたいと思います。
○島田説明員 お答え申し上げます。 ただいま御質問のようなたばことたとえば発がん性の関係のデータでございますが、たばことがんの発生の関連につきましては、昭和四十九年の厚生省のがん研究助成金によります研究班の報告によりますと、たとえば肺がんでございますが、たばこを吸う者の肺がんによる死亡の危険率は、たばこを吸わない者に比べまして三・六倍高いというような報告を受けております。 そのほか肺がんだけでなく喉頭がんその他のがんがございますが、あるものについては有意差をもって高い、あるものについてはそれほどでないというようなデータがございます。
○坂口委員 そうしますと、たばこをお吸いになる方も、いわゆるヘビースモーカーとそうでない人とはこれは大分違ってくると思うのですが、この三・六倍とおっしゃったのは、大体一日にどのくらい吸われたところからこの有意差というのは出てくるわけなんですか。それとも、そういうような差がないのか、その本数あるいはまた葉巻だとかあるいは普通のたばこだとか刻みだとか、そういうふうな種類によっても違うのか、その辺のところがわかりましたら……。
○島田説明員 本数につきましては、ただいま三・六倍と申し上げたのは、実は一九六五年に、その時点で四十歳以上の成人につきまして二十六万五千人を調査いたしております。したがいまして、一九六五年から約十年間フォローをいたしておるわけでございますが、その中間報告でいまの数字を申し上げたわけでございます。それによりますと、三・六倍と申し上げましたのは、年齢、本数、それらを全部込みにして、平均数でございます。間もなくこの年齢階級別あるいは本数別の正確な数字が出てまいるということを研究班の方から承っておるわけでございますが、ただいまのところはまだ途中経過でございますので、そのような姿でございます。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 それから、葉巻と紙巻きたばこでは、外国の文献を見ましても紙巻きと葉巻では若干違うようでございます。もちろんパイプ、葉巻では、身体に与える影響が紙巻きたばこより少ないということを聞いております。
○坂口委員 人による個人差もありましょうし、それから吸う本数によっても違うと思いますし、あるいはまた肺がんの場合なんかは、住んでいる地域の大気の汚染度等にも関係をして差が出てくるのではないかという気もするわけですが、本数によらずやはり差がある、吸う人と吸わぬ人とが歴然とした差があるということになれば、たとえば現在の普通の日本のたばこにも、健康のために吸い過ぎないように注意しましょう、こう書いてあるわけですね。本数が多くても少なくてもこういう差が出てくるのだったら、吸わないように注意しましょうが、吸わないようにしましょう、こういう文句ならいいわけでありますけれども、吸い過ぎないだけでは、健康のためにならぬということにもなるわけですが、この辺どうですか。
○島田説明員 ただいま申し上げましたようなデータの中で、先生の御質問にございますように、たとえば肺がんとの関係におきましても、喫煙本数が多ければ多いほど危険が高いということは、これは当然言われるのじゃないかと思います。したがいまして、当然、吸い過ぎなければ、危険は減ってくるものと思われます。心臓血管系の疾患、また慢性気管支炎の予防のためにも吸い過ぎないということは必要かと思いますけれども、何本かというようなことになりますと、非常にむずかしい問題があるようでございまして、現在何本吸っているかということだけを問題にするわけにはいかないのでございまして、生涯吸っておるその総本数にも関係が出てまいりますし、十九歳未満で吸ったか、あるいは二十五歳未満で吸ったか、三十歳未満で吸ったかという、いつの時点からたばこを吸い始めたかというようなことも影響があるようでございます。 したがいまして、学者の意見を総合しますと、これは私の意見というよりも学者の意見でございますが、十本以下であれば危険度は少ないだろうというようなことが言われておるようでございます。
○坂口委員 いかに悪いかということがよくわかったわけですが、この悪いところから税金を取ろうというのですから、よけい悪いわけであります。 専売公社の方は、吸い過ぎないように注意しましょう、この吸い過ぎないというのは、どの辺のところに置いてお書きになっているのですか。それはいまおっしゃったようなことを背景として、ただ漠然と、アメリカあたりもやっているから、ちょっとまねしてやっておこうという意味ですか。
○泉説明員 先ほどもお話が出ましたように、たばこによって肺がんであるとか心臓とかに悪い影響がありますのは大変個人差がございまして、したがって、何本吸ったら吸い過ぎであるかということは、必ずしも一律に申し上げかねます。吸うその人の体質その他によるわけでありますし、また吸い方にもよるわけでございます。同じ本数を吸っても、ゆっくり吸った場合に比べて、せかせか吸えばそれだけ害は多くなる。それから、一本のたばこを吸う場合に、根元まで、指が黄色くなるまで吸うと、これはニコチン、タールの摂取量が多くなりますので、そうするとやはり害を受ける程度が多くなります。 そういうことでございますので、私どもとしては、やはり個人的にその人が気をつけて、自分の適量はどの程度で、これ以上超えると多くなり過ぎる、たばこの箱をごらんになるたびにそういうことを思い起こしていただきまして、吸い過ぎないようにお願いいたしたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○坂口委員 専売公社としては、ちょっと吸って早く捨てて、早く次のをまた買えという意味だろうと思うのです。 もう一度厚生省の方にお聞きをいたしますが、このたばこの有害性について、いまおっしゃったような、いわゆる肺がんに対して、あるいはまた慢性の気管支炎でありますとか心臓疾患、心臓血管系、こういったことに対する害を先ほど挙げられたわけでありますが、これ以外に、何か特別に影響するという新しい研究をなすったりとか他の部面での何か研究というものがあれば、ひとつお教えをいただきたいと思いますし、専売公社の方も独自にたばこの人間に対する有害性等について常に研究をしておみえになると思うのですが、その辺のところで新しいものがあるならばひとつ挙げていただきたいと思います。
○島田説明員 先ほど申し上げましたようながん研究助成金という中で、喫煙とがんの関係、喫煙と他の呼吸器疾患との関係というようなものについての研究を、疫学的な調査という面から追求をいたしておることでございます。
○泉説明員 専売公社といたしましては、健康と喫煙の問題が生じましたのは御存じのように十数年前からでございますが、その当時から、公社の内部に中央研究所というのがございますので、そこでいろいろ研究し、さらに公社に病院が東京と京都に二つございます。そこの病院におきましても健康と喫煙の問題を研究いたしておったわけでございますが、昨年から中央研究所の一部に生物実験センターというのを設けまして、そこでマウスとかラットとかいったものを使いまして、喫煙のそういう小動物に及ぼす影響を十分調査していこうということで、実験センターで種々研究を進めております。 そのほか、昭和三十二年から外部の学者の方に委託いたしまして、委託研究をいたしております。その内容は、喫煙と肺がんの関係、心臓血管系に及ぼす問題、内分泌、つまりホルモン系の問題、それから免疫機構、さらには行動薬理学的な特性など広範な研究に取り組んでおるわけでございまして、昭和三十二年当時、年間七十万円の委託費でありましたものが、昭和四十九年におきまして八千万円、昭和五十年度におきましては九千万円と増額いたしまして、そういった学者の方に種々研究をしていただいております。 その研究はたくさんございますけれども、その中で最近特に世界的に注目されておりますのは、人間に最も似たサルを使いまして、そしてそのサルに喫煙の習慣を与えまして、サルが喫煙することによってどういう変化が心臓なりその他の内臓に出てくるか、これは人体実験がなかなかできませんので、人間に最も近い動物でやるとすればサルが一番適しているわけでございます。そのサルを利用いたしまして、そういう実験をいまやっておる最中でございます。
○坂口委員 厚生省の方、ありがとうございました。この問題、聞いておりますと切りがございませんので、研究の方も現在中間だそうでありますので、質問の方もこの辺にとどめておきたいと思います。 大臣、余り大臣にお聞きせずに、たばこを吸ってもらってはいけませんのでお聞きをするわけでありますが、一つは、このたばこの値上げが消費者物価に及ぼす影響等の問題もかなり重要な問題だろうと思うわけです。それから低所得層、先ほど話に出ました老人でありますとか、その辺に対する措置というものも取り上げなければならない問題だろうと思うわけです。 そこで、今回のこの値上げの原因等につきましては、いままでにもここで何度か御答弁をいただいておりますが、その理由と絡めて、消費者物価に及ぼす影響、それと先ほど話に出ました低所得層の問題をどのようにお考えになっているか、この辺でひとつまとめる意味でお聞きをしたいと思います。
○大平国務大臣 消費者物価のとらえ方はいろいろ考えられると思いますが、わが国におきましてはCPIの指数にどれだけたばこの値上げの影響があるかということで一応はかっておるようでございます。それによりますと、この値上げによりまして〇・六%の影響があるということでございます。 それで、消費者物価の足取りを押さえ込みまして、この三月末に一五%程度にとどめたい、これはほぼ達したようでございますが、今年度の末、すなわち来年の三月末までに消費者物価は一けた台、九・九%以内にとどめたい、そのために万難を排して努力したいというのがいま政府の目標になっております。これはもとより政府が踏み切りました、いま御審議をお願いしておりまするたばこの値上げを前提にいたしまして、つまり〇・六%のCPIへの影響というものを前提にいたしまして、これを一けた台にとどめたい、そういう努力目標をいま打ち立てておるわけでございます。それが一つの説明の仕方であろうかと思います。 それから第二に、消費者物価を問題にする場合に、よく国会の内外におきましても議論があるわけでございますが、あるいは税金を上げるとかあるいは公共料金を上げるとかいうことが端的にCPIに影響することは、これはもとより逃れられない結果であろうと思うのでございます。したがって、それは端的によくないことであるからやめろという御主張が非常に強いことも、私どもよく承知いたしておるわけでございます。 しかし、それならばそういうことをしないで代替手段があるかということを考えますと、いつも議論は、必要な歳出に要する財源が要ることを前提にいたしますと、結局、公共料金の値上げによるべきか、あるいは一般的に税金等の引き上げによるべきか、そういう選択になってくるのではないか。その施設を利用するあるいはそのサービスの提供を受ける者が納めるか、一般的に国民一般が薄めて負担するか、どちらがいいかという選択になってくると思うのでございまして、政府といたしましてもそういった点を十分考えまして、その中でこれはやはり利用者に御負担をいただく方が全体として適切でなかろうかという判断、この判断につきましてはいろいろな御意見があろうと思いますけれども、政府のよって立っておる立場は、これは一般の税金によるべきものでなくて、そのサービスの提供を受ける者、施設を利用する者、そういう者が払うべきものである、それが適当であるという判断に立っておるということを申し上げておるわけでございます。 それから低所得者の問題でございます。 そういうことを考える場合に、坂口先生のおっしゃるとおり、低所得者の問題をいつも念頭に置かなければならぬことは当然のことでございます。その場合、こいねがわくはそういう事態、値上げがなくて済むということが一番望ましい姿でございまするけれども、財源需要が中央地方を通じてある場合におきまして、それを何によって賄うかという場合、低所得者への影響を最小限度にとどめるにはどうしたらいいか、あるいはやる場合におきましても低所得者への影響がどういうように結果するであろうかということをよく見きわめてやらなければならぬことは御指摘のとおりだと思うのであります。 これにつきましては、たびたび御答弁申し上げておりますとおり、四十三年以来そういった点もいろいろ考慮して、政府といたしましても、いろいろの原価の値上がり、人件費のアップがございましたけれども、たばこの値上げというのは御遠慮申し上げておったわけでございますけれども、もう七年もたちまして、全体の消費の中でたばこに対して費消するところの値のウエートが下がってきておるわけでございますので、この程度の値上げをお願いいたしましても無理ではないのではないかという判断をいたしたわけでございまして、低所得者に対しましても、ずっとごらんいただいてもわかりますように、今度の値上げをもっていたしましても四十三年にはとても及ばない水準において値上げを図っておりますことでございますので、そういう配慮を加えてあるということをあわせて御理解をいただきたいと思います。
○坂口委員 消費者物価への影響が〇・六%という数字を挙げていただいたわけですが、昨年の十一月の消費者物価が前月比で〇・五%アップ、東京でございますけれども、こういう数字が出ておりますので、これは昨年十一月の消費者物価の前月比〇・五%アップをちょっと上回った数字になるわけであります。 四十三年以来値上げがされていないということもいま強調されたわけですが、私どももいつまででもこれを上げずにこのままでずっといけないということは、この経済情勢下においてよく理解できるわけですが、ただその時期の問題だろうと思うわけです。そういう意味で、ようやく物価の動きというものがいままでとは違ったコースをとり始めてきた現在において、このたばこの値上げというものがまた次の一つの引き金としてかなり大きな影響を与えはしないかという危惧を持つわけであります。またわれわれのこの危惧というのは当たっているとも思うわけです。 そういう意味でいま反対の質問を続けているわけでありますが、この問題、まだこれからいろいろの質問をさせていただきますので、その中で随時お聞きをしていきたいと思うわけです。 益金率の問題につきましても、先日ここで出ました。この前の答弁をお聞きいたしておりましても、六〇%の益金率というものが、外国との比較において決して高いものではないというような御発言であったかに記憶いたしております。外国と比べまして、イギリスあたりの七五%でありますとか、オーストラリア、西ドイツあたりの七一%というものに比べますと、確かに六〇%というのは低いわけでありますけれども、しかし日本よりももうと低いところもたくさんあるわけでありますし、外国とのいろいろの諸条件の違う中でたばこの益金率だけを比較して、日本が低いからこれはこのぐらいでいいんだというこの議論というのは少し乱暴過ぎるというふうに思うわけでありますが、この六〇%の益金率のもう少し何か確固たる根拠というものはございますか。
○西沢政府委員 先般、当委員会におきましてお答え申し上げたと思いますけれども、諸外国の益金率に比べまして、ただいま先生御指摘のとおり、六〇%というのは決して高いわけではございません。それからさらに、昭和四十三年度に定価改定をお願いいたしまして、そのときには六三%まで益金率が回復いたしたわけでございますけれども、自来四十七年に至りますまでは、大体六一、二%をたどってきたという経緯もあるわけでございます。 それで、四十八年度の石油ショック以来これが五九・三になり、四十九年度の見通しとしましては五四・三、さらに五十年度もし定価改定をいたしませんと四六・五というふうに極端に下がってくるわけでございまして、われわれとしましては、やはりこの六〇%というものは今後とも一応のめどとして維持していきたい目標値であることには間違いないわけでございます。 それから、あるいはこの六〇%につきましては、先生御案内のとおり、地方たばこ消費税が二八・四でございます。それから国と地方との取り分を大体とんとんにいたしますと、それが五六、七%になろうかと思います。それから過去の経緯で公社の取り分でございます内部留保が大体平均しまして四%台であったという経緯もございます。それを足しますと、やはり六十何%というふうなことにもなろうかと思います。
○坂口委員 ちょっと細かなことをお聞きしますが、この益金率が六〇%のときと、それから益金率が、先ほど五四%とおっしゃいましたかね、五四%のときとでは、この納付金、それから消費税、内部留保、これはどのぐらいな割合で変わりますか。わからなければ結構です。——わからないようでありましたら、ひとつ後でまたこれはお教えをいただきたいと思いますので、ちょっと保留させていただきます。 いずれにいたしましても、今回の値上げでかなり庶民のふところに影響を与えることは事実でありますし、特に低所得層に大きな影響を与えることは事実だと思うわけであります。先ほど大臣からもいろいろの考え方等についてもお話がございましたが、財政的にどうしてもそれだけの税収が必要であるということもわからないわけではありませんけれども、しかし一方におきまして、法人税でありますとか租税の特別措置の不公平是正というような問題がそのままにされておいて、そして今回の値上げという問題が持ち出されたところに、やはり国民のどうしても割り切れぬものがあるのではないかと思うわけであります。 そういう意味で、今回のこのたばこ値上げの問題は、今後のそういった法人税あるいはまた特別措置等の改正という大きな問題の中で考えていかなければならないと思うわけでありますが、その辺どのようにお考えになりますか。
○大平国務大臣 財政は財源の配分を適正にやってまいるということが任務でございますが、同時に、財源を公平に国民の担税力の中からちょうだいするということも大きな任務であろうと思うのでございます。したがいまして、税でいただくにいたしましても、あるいは政府の提供するサービスあるいは政府の販売するこういう財政商品の販売でちょうだいするにいたしましても、それらが限界におきまして公正、公平であるように考えなければならぬと思うのでございます。税金に非常に偏り過ぎるとかいうようなことも望ましくないことと思うのでございます。また、税金の中におきましても、それぞれの公正、公平が保たれるようにしなければならぬと思います。 御案内のように、長い間据え置かれた従量税を今度直させていただいておりますのもそういう趣旨であるわけでございます。したがって、たばこにつきましても七年間据え置かれたということでございますので、これを調整させていただくことが他の税収との負担の公正を期する上におきまして妥当な措置であろうと考えたわけでございまして、これにはいろいろな評価、御見解があろうと思いますけれども、政府の考え方といたしましては、できるだけ公正を期して歳入を仰ぐということを考えてまいったつもりでございますし、今後もそういう方針を追求してまいることでございますので、いままでとってまいりました方針を今後変えるというようなこともございませんで、忠実にそういう方針をできるだけ貫いてまいりたいと考えております。
○坂口委員 新しい問題に移りたいと思いますが、参議院の予算総括の段階で公明党の黒柳議員が取り上げました値引き販売の問題がございます。これは専売法違反であるかどうかということが問題になりまして、一応この値引き問題について今国会中に何か結論が出されるということであったと思うわけでありますが、この結論が出たのかどうかということ、それからひとつお聞きしたいと思います。
○大平国務大臣 黒柳議員から参議院の予算委員会におきまして御質問がございました点に対しまして、三月十三日、たばこの大口購買者に対する値引き販売について、私は次のように答弁をいたしました。先般御指摘の専売法違反の問題はきわめてむずかしい問題であるが、たばこの流通秩序が混乱しないよう、従来にも増して十分に注意してまいりたい、これに関連して法律改正の必要があるかどうかについては、学識経験者の意見をも徴して多角的に検討してまいりたいと、このようにお答え申し上げたわけでございまして、政府といたしましては、今後この答弁の方向で専売公社を指導してまいりたいと考えております。
○坂口委員 この値引き問題が国会で初めて議論になりましたのは四十三年の改正のときであったと思いますが、いかがですか。
○泉説明員 この問題が問題になりましたのは四十三年のときではございませんで、最初に問題になりましたのは昭和三十七、八年であったかと思います。その後問題になりましたのが四十六年のときでございます。
○坂口委員 そういたしますと、昭和三十七、八年から問題になっておるわけでありますから、もう十年以上たっているわけであります。前回の四十三年、四十五年のときにも、これは専売法違反であると一応認めて、そして法改正の検討を約束されていると思うわけであります。 それから、私は四十三年からだというふうに思っておりますが、私の記憶違いで、いま昭和三十七、八年からということをおっしゃったわけであります。そういたしますと、それよりもさらに前からそういうことになっておるわけでありまして、もう十二、三年この問題が一応違反というふうに認めて法改正の検討がされていたにかかわらず今日までに至っておるわけであります。間違いございませんか。
○泉説明員 この大口販売の場合の値引き販売につきましては、当初これは専売法違反であるからというので、専売法違反として検挙し、そして反省を求めるということで検挙処罰をするという方針で進みました。しかし、それの実績は、たとえて申し上げますと昭和四十三年度には三十六件、四十四年度には十二件、四十五年には十三件というふうに相当検挙いたしまして、そういうふうな処分をいたしたわけでございますが、なかなかそれによっては片づかないということになりまして、先ほどお話しの四十六年に法改正すべきではないかという御質問がございまして、そのとき当時の総裁が、要すれば法改正について検討したい、こういうことを申し上げたわけでございます。 〔山下(元)委員長代理退席、委員長着 席〕 その後、私どもいろいろ検討いたしますと、法改正をするといたしますと、まあ法改正する場合にいろいろの方向があるわけでございますが、一つにはいまの定価制度をやめまして最高販売価格にして、それ以下の販売はできるようにするというのが一つのやり方でございますが、そういうふうにいたしますと、大口の場合のみならずすべての場合に、自分にもう少し安く売ってもらいたいという要求が出てきて、いま定価販売によって販売されているたばこの販売というものが非常に混乱してしまう。小売店の中に、そういう要求をされるとつい安く売るという方が出てきますと、そういうことになってはたばこの販売秩序というものが乱れてくるおそれがありますので、いまの定価制を改めてそういうふうな最高販売価格制にするということは適当でないということになります。 それから、いま一つの方法といたしましては、そういう大口の場合に限って公社から直接販売する、いま公社は卸の機能を果たしておりまして、公社から直接小売店に売るわけでございますが、そういう大口販売の場合は特殊な形態だから、公社が直接販売するというやり方もございます。しかし、こういうふうにいたしますと、いまそういう大口消費者に販売いたしておりますたばこ小売店の利益を侵害することになりますし、小売店の方からの反対が強くてそれができない、こういったことになるわけであります。 そのほかいろいろの方法を検討してまいっておるわけでありますが、なかなか名案がないということで、実は苦慮いたしておるというのが実情でございます。
○坂口委員 そういたしますと、いろいろの考え方をいま聞かしていただいたんですが、その中で苦慮しながらもどの方向を選ぼうとしておいでになるのですか。
○泉説明員 目下のところ、どういう方向で行うかということはまだ考えておりません。先ほど大臣がおっしゃったように、学識経験者の意見を聞いて多角的に検討をするという方向で検討をしてまいりたい、このように思っております。
○坂口委員 そうしますと、結論はいつごろまでに出されるのですか。大体の目安、大体いつごろまでには出せるという目安。
○泉説明員 いまあらかじめいつまでともお答えできません。まあ学識経験者の委員の方に委嘱することはできるだけ早くやりたいと思っておりますが、その議論をいつまでに決めてくれと言うわけになかなかまいりかねます。しかし、こういう問題でございますので、できるだけ急いで結論を出すようにいたしたいとは思います。
○坂口委員 煙に巻かれた答弁でありますけれども、ではひとつ早急に結論をお出しいただきたいと思います。 それから、自動販売機が全国に、私どもの調査に間違いがなければ現在十六万四千台ぐらいあるはずでありますが、これはもし仮に値段が改定になったということになりますと、当然全部改造をしなければならないわけであります。四十三年の改正のときにはこういったものはなかったのか、あるいはあったときにはどう処置されたのか。それから、一台当たり現在では七万円ぐらいかかるというふうに聞いておりますけれども、いわゆる小口小売店などではこれは大変なことだろうと思うんです。四十三年のときの実例がありましたら、どのように処理されたかということをまずお聞きをしたいと思います。
○泉説明員 たばこの自動販売機につきましては、お尋ねのとおり昨年九月三十日現在につきまして調査いたしました台数が十六万四千台でございます。そのうちにもうすでに今度の定価改定後のたばこの販売がその自動販売機によってできるというものが三万六千台でありまして、これは何の措置も講じなくてもいいわけであります。それから今回の定価改定によって改作を要するものが、したがって十二万八千台になるわけでありますが、その十二万八千台のうち三万台はもう古くなっておって、また改作することが事実上不可能であるというものが三万台ございます。したがって、改作の必要な台数は九万八千台ということになります。 もっとも、これは昨年九月三十日現在の自動販売機を調査した数字でございますので、九月三十日以後小売店の方で自動販売機を購入いたしておりますと、この上にプラスアルファになるわけであります。私どもとしては、大体十万台近いものの改作が必要だというふうに考えております。 それで、お尋ねの昭和四十三年のときにはまだたばこの自動販売機は非常に少のうございまして、全国で七千台しかございません。したがって、その当時は改作に要する経費が少なくて済みましたので、公社から一台につき三千円の金を出しまして改作を促進したわけでございます。今回はお尋ねのように、改作をいたしますと、機種によりましていろいろ違いますけれども、五万円ないし七万二千円程度になるということでございます。
○坂口委員 こういう直す話等をいたしますと、何となく値上げを認めたような形の議論になるわけでありまして、こちらも言うのは非常に困るわけでありますけれども、決して認めたわけで言っているのではありませんで、遠い将来そういうことがあるやもわからぬということを申し上げておるわけでありまして、やはり過去の四十三年のときにどうであったかということをひとつ参考にしなければならぬと思うわけでありますが、もしも仮に値段が変わるということになりますと、一台当たり七万円ぐらいもかかるということになれば、これは小売店にいたしますれば大変なことだと思うのです。前は三千円ずつ出されたということでありますが、今回は、そうしますと七万円かかると七万円ずつ出されるわけですか。
○泉説明員 先般当委員会でお答えいたしましたように、公社といたしましては、今回定価改定をいたしますと自動販売機の改作を必要とすることになります小売店の方は——もちろん自動販売機を設置いたしますのは今日の人手不足の関係で、人手を節約するという意味で持っておられるものでありますけれども、しかし定価改定によって改作を必要とするということになるという点におきましてはお気の毒な面がありますので、何とかこの改作を促進する意味である程度の補助金を出そうかということを考えまして、実は二十二億円の予算要求をいたしたわけでございます。 ところが、予算折衝の段階におきまして、たばこ小売人の組合の方では、そういう自動販売機を設置しておるのは全国の二十四万の小売人のうち約半数にしかならない、したがってそういうふうにごく一部の人だけ——ごく一部とは申し上げかねますけれども、半分の方だけが利益を受けるような方法よりも、全体の人が利益を受けるようにマージンをできるだけ早く一割に戻してもらいたい、こういうお話になりました。したがって、定価改定が行われますと、いま全銘柄一割でありますものを、一〇%、八・八%、八%というふうに金額によってマージン率を違えて、一〇%以外のものは引き下げるわけでありますが、その引き下げたものを来年の一月一日以降は全銘柄一〇%に戻す、それによってたばこ小売店としては全体として五十年度中にマージンが約百六十億円ふえるので、その二十二億ほどの補助金をもらうよりもそちらの方が望ましいということになりまして、補助金は要らないということになりました。結局、マージンを来年一月一日から全銘柄一〇%にするということに相なったわけでございます。
○坂口委員 いずれにいたしましても、小売店に対してそのときそのときの政策の変化によって大きな負担をかけるということはどうしても避けなければならないことだと思いますので、今後の成り行きによりますけれども、やはりいかなるときに対しても手厚い対策を常に考えていくということが重要なことだと思いますので、われわれもその点を強く申し入れをしたいと思うわけであります。 それから、自動販売機の普及につきまして、自動販売機のメリット、デメリット両面あると思うわけでありますが、これもいつも問題になることでありますけれども、いわゆる二十四時間営業というものは悪影響がないかという問題がございます。特に未成年者は酒もたばこも禁止されているわけでありますから、この未成年者の問題と二十四時間営業という問題もございます。この規制をやるのかやらないのかということがございますが、この点について何か最近結論が出ておりますか。
○西沢政府委員 自動販売機につきましては、一般的な労働力不足の問題を背景といたしまして、商店経営の省力化あるいは消費者の利便等のためその普及というものはわれわれとしてはやはり時代の趨勢ではなかろうかということで考えておるわけでございます。そうして同時に、今後とも未成年者の喫煙の防止策につきましては弊害をなくするようできるだけの指導をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○坂口委員 ちょっと初めの方を私聞き漏らしましたが、そういたしますと、規制の方向でこの検討をするという御発言だったんですか。
○西沢政府委員 自動販売機につきましては、ただいま申し上げましたように、やはりこれの数がふえていくということは時代の趨勢でございまするので、なかなかこれを制限的にしていくということは……(坂口委員「二十四時間営業ということに対する規制は」と呼ぶ) その点につきましても、なかなかむずかしいのではなかろうかというふうに考えております。
○坂口委員 昨年の審議では、一応規制の方向で検討するということになっていたと思うわけですが、いまお聞きいたしますと、少しむずかしいというふうになって、いささか方向が変わったような感じでありますが、メリット、デメリット両方あると思いますけれども、未成年者等の問題を考えましたときに、やはり規制の方向に進むべきではないかと私自身は思います。この問題もひとつさらに御検討をいただきたいと思います。 それからもう一つ、物持委でわが党の石田議員がたばこの問題について質疑をいたしておりますが、総務理事がこの値上げの動きに対して、不測の事態に対処したいと、こういうふうに述べておいでになるわけであります。この不測の事態というのは恐らく仮需要の問題ではないかと思いますが、この問題についてどのようにお考えでございますか。
○泉説明員 四十三年の定価改定のときの経験からいたしましても、たばこの定価改定を行いますと、その旧価格の時代にできるだけ買い置きをするということになります。これを仮需要と申しておるわけでございますが、その仮需要の数量がどの程度になるかということはなかなか容易に推測することができませんけれども、四十三年のとき、あのときは名目で一八・六%の値上げのときに、約半月分の仮需要が出たわけであります。 ところが、今回はその一八・六%の二倍以上の値上げになりますので、したがって、今回の場合におきましては一カ月分以上の仮需要があるものというふうに考えまして、したがって、その仮需要に対応いたしますために、職員には休日、祭日をつぶして増製に努めてもらいますし、それからまた、定価改定の前に小売店に緊急配送を行いまして、消費者の方がそういうものを買う場合に、品切れになって御迷惑をかけるというようなことがないようにいたすことに手配をいたしております。 ただ、そういうふうな場合にも、パチンコ店等大口の場合には、そうたくさん買い占められては一般消費者に渡る分が少なくなりますので、一般消費者にはできるだけ供給するつもりでおりますけれども、大口消費者の場合におきましてはある程度規制をさせていただく、こういうことで対処いたしたいと思っております。
○坂口委員 もうすでに一つの方針に乗っかって一挙に突っ走ろうというようなお考えのように聞こえますけれども、これはもう少し腰を落ちつけてゆっくりやっていただいて、そして小売店に対しても、あるいはまた需要者に対しても、そういうあわてふためく場がないような時期にひとつお選びいただけるといいんじゃないか。現在余りにも急に、何とか決められた日時までに事をしようと思うからそういうことが起こるのでありまして、ひとつ一服吸っていただきたいところだと思うわけであります。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 それでは、きょうの分はこれで終わらせていただきます。
○山下(元)委員長代理 次回は、来る二十二日火曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十五分散会