大蔵委員会 第8号
- 発言数
- 154 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/02/19
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 入場税法の一部を改正する法律案及び相続税法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。広沢直樹君。
○広沢委員 入場税法の一部を改正する法律案につきまして、若干の質問をいたします。 この法案につきましては、さきの四十八年の改正の折に、入場税は一応撤廃すべきである、もしもそれが直ちにできないということであれば相当大幅に免税点を上げるべきである、私はこういうように主張してまいったわけであります。またその当時、附帯決議もついておりますが、今回の改正を見ますと、すでに提案理由の説明にもありましたように、大幅な免税点の引き上げが行われております。そういう意味ではこれは大いに前進したと、私、率直に言って評価できると思うわけであります。しかし、まだまだ問題点もありますので、私はきょうは具体的に伺ってみたいと思うわけであります。 映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ、見せ物の免税点が、現行百円が一挙に大幅な引き上げになっておりますが、ここまで大幅な引き上げをしたというその基本的な考え方について、まず伺っておきたいと思うのです。
○中橋政府委員 入場税につきましては、従来、少額不請求という思想から、非常に低料金のものにつきまして免税点を設定して今日に至っております。その基本的な考え方としましては、入場税につきましては、やはりサービス課税の一つの主な柱となっておりましたので、少額の低料金の部分までは課税しないでおこうというようなことから、そういうことになったと思っております。 ところで、入場税の歴史を振り返ってみ、また他のサービス課税の戦中戦後、今日に至るまでの変遷を考えてみますと、そちらの方では免税点等の操作によりまして課税せられない部分がかなりふえてきております。また、かたがた入場税の課税対象になっております催し物についての性格から言いまして、入場税を課税しないでいいんではないかというような国会の御論議もあったことは、先ほどおっしゃったとおりでございます。 そういう観点から、今回はむしろ、入場税の課税されない部分というものを免税点で大きく考えてはいかがかというようなことで、御指摘のように、大幅に引き上げることにいたしたわけでございます。
○広沢委員 今回の免税点の引き上げにより、一部の特別な料金を除いて、映画、演劇、音楽、スポーツ等大部分のものが課税されなくなる、こういうふうに見られるわけでありますが、私は現状を詳しく調べたわけではございませんけれども、このたび大幅に引き上げになった映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ、見せ物につきましては、大蔵委員会の調査室で出されている資料によりますと、ここまで引き上げられると一般料金にはかからない、こういうことになろうかと思います。一般料金でこの免税点以上になるところはないと思うのですが、その点どういうふうに掌握されておりますか。
○中橋政府委員 おっしゃいますように、今回の免税点が制定せられますと、いわゆる一般料金、大衆が利用いたします催し物への入場料金としましてはほとんど課税にならないであろうというふうに思っておりますし、またそれをねらってかなり大幅に引き上げていただこうと思っておるわけでございます。
○広沢委員 そういたしますと、今後の入場税の課税の仕方として、このように急遽大幅に上がったわけでありますが、一部の特別料金、こういったものは入場税をかける、そして一般的な料金にはかけない、こういうふうに結果的になっているわけでありますが、今後もそういう方針であるというふうに受け取ってよろしいのでしょうか。
○中橋政府委員 今後の免税点の取り扱いについても、いま御指摘のように進めさしていただければと思っております。 国税の中に通行税というのがございますけれども、通行税の現況を考えてみましても、大部分の人が利用いたしますような乗り物につきましてはほとんど課税になっていませんで、一般の観念から見ればかなり上等な部類のものが課税になっておるということでございますので、そういう経験から言いましても、今後の入場税もそういうふうに扱わせていただければと思っております。
○広沢委員 政府の説明によりますと、入場税は消費税の一部、サービス課税である、もう一つは担税力に着眼をして課税する、大別するとこの二つが入場税を課税する場合の考え方であったと思うわけでありますが、その点いかがですか。
○中橋政府委員 入場税の課税理由といたしましては、おっしゃるとおりでございます。
○広沢委員 そこで、今回のこういう改正を見ておりますと、サービス課税ということよりも担税力に着眼をしている、そこにウエートが置かれてきた、こういうふうに理解できるわけであります。その点はそういうふうに受け取ってよろしいのでしょうか。
○中橋政府委員 国税で申しますと入場税、通行税、地方税で申しますと料理飲食等消費税、娯楽施設利用税というのは、もっぱらサービスに対する課税を意図しておるものと思います。その中で入場税は、いままで、先ほど申しましたように低い免税点で、およそ全般的にかかっておりましたけれども、たとえば料理飲食等消費税をごらんいただきますと、やはりある程度の宿泊料金なり飲食料金については課税をいたさない。ということは、一般的な水準から見ましてかなり高額の料金を投じて宿泊をしましたり飲食をしました人について、その担税力に着目をいたして課税をいたしておるわけでございます。 そういう観点から、入場税につきましてもサービス課税を根拠にはいたしておりますけれども、かなり高い料金を払ってそういうところへ入る人の担税力にもっぱら着目をいたしたいというふうに考えております。
○広沢委員 私が先ほど申し上げましたように、大別すると二つある。しかし、そのウエートがサービス課税というよりも——サービス課税といえば、四十八年のときは五十円から百円に、倍に上がっているわけです。今度は十倍以上に上がっている。映画については十五倍ですね。それから演劇、演芸、音楽、スポーツ、見せ物については三十倍に上がっておるわけです。ということは、サービス課税ということで一般的にかけるよりも、その含みもあるけれども、入場税は担税力のあるところから徴収することにしよう。結果的には、先ほどもお伺いしたように、いわゆる映画にしましても演芸あるいは演劇にしましても、これだけの大幅な値上げになりますと、一般料金にはほとんどかからないわけです。いままでわれわれもこれを主張してきたわけでありますけれども、急遽それに上げたということは、いわゆる担税力に着眼した形で今後の入場税の課税は考える、そこにウエートが移ってきた、こういうふうに理解していいんでありましょうか、いかがですか。
○中橋政府委員 入場税についてほとんど全般的に課税をいたしておりましたときには、サービス課税の中での最大の税目として、非常に重要視しておったと言えると思います。今回非常に高い免税点で、いわば一般的な水準から見ればかなり高い料金を払うという担税力に注目するようになったのかと言われれば、むしろそういう方に非常にウエートがかかったというように御理解いただいて結構だと思います。
○広沢委員 そこで、入場税に関する基本的なわが党の考え方なんでありますけれども、入場税が創設されたいきさつについては、昨日も他の委員からいろいろお話がありましたし、私どもも前々から三つの問題点について、わが党の考え方を基本的に述べているわけです。 それは一つは、入場税が創設された趣旨というのは、いわゆる戦時の財源を調達するということ、それから娯楽等の消費を抑制するということ、そこにあったのではないか。ところが、その後こういったことは全く情勢が変わってきておりますね。ですから、入場税を創設したときの当初の考え方と変わってしまっているわけですから、もう一遍基本的にこれを考え直してみる必要があるのではなかろうか。 それからもう一つは、やはり社会的、文化的、教養、教育的な立場からは、人間性を高めるためのそういったものに対して入場税を取るということはいかがなものであろうか。特に営利を目的としないものについては非課税にしてしまうべきではないか、こういう点。 それから第三点は、財源的な依存度はどんなものであろうかと見てみますと、四十八年度の改正のときに財政に占める割合というものは〇・一ないし〇・二だったと思うのですが、正確な数字はいま持っておりませんけれども、後から御説明いただきたいのです。今回の改正によりますと、財政に占める割合というのはどれくらいになっているのでしょうか。これも後から数字で答えてください。 しかし、今度免税点が上がったことによって収入というのは三分の一くらいに減ったはずでありますから、相当ウエートは低くなったということは言えると思うのです。だから、財政が入場税に依存しているなんということは毛頭ないわけでありますね。 こういう三点から考えていきますと、もう一遍入場税に対する基本的な考え方というものは洗い直してみる必要があるのではないか。 先ほども申し上げましたように、サービス課税であるから、消費税の一部であるからということで考えられてきたわけですが、これも今回の大幅な引き上げによりまして、担税力に着目するようにウエートが変わってきたとのお答えがありました。確かにそうです。いま、この百円が千五百円、三千円というふうに免税点が何十倍かに上がりますと、映画を見にいっても、指定席等の特別料金だけしかないということであります。特別料金の中でも免税点以下のものもあるようであります。それから、演劇、演芸あるいは音楽、スポーツ、見せ物につきましても、これはもう一般料金はほとんどかかりません。いろいろデータがあると思いますけれども、この調査室の調べた資料によりますと、かかっておりません。ということは、やはり担税力に着目してきたということになるでありましょう。そういうふうにこれは変わってきているわけであります。その点、基本的にどういうお考えに立っておられるか、もう一遍お答えいただきたいわけであります。
○中橋政府委員 入場税が戦時立法に端を発しておるということから、むしろ今日この世の中でそういう税金が存続しているのはおかしいではないかという御意見もいろいろあったわけでございますけれども、でき上がりましたのは戦時中の要請からであったと思いますけれども、これは昨日も申し上げましたように、そういう端緒でもってわが国の税制を見直すことが非常に迫られまして、そこに消費税というものを物品税とともに大きく導入をし始めたということは、やはり税制全体の上から見ますれば一つの意義があったと思いますし、それは戦争中であれ、また今日の世の中であれ、やはり税制全体というような観点から見ますと、その最初の発端が戦争中であったからということで、あながちこれを排除すべき理由はないであろうと思っております。 それから、当時、消費抑制という観点からそういう消費税が導入されたことも確かだろうと思います。今日はむしろ消費生活が向上いたしましたから、当時から見れば非常にレベルの高い消費行為というものが、今日のわれわれの生活から見ると通常になっておるということもあると思います。しかしながら、それは抑制することに端を発したものであるから一遍全部洗い直して見直せということでございますが、確かに私どももそういう観点から見まして、しかも先ほど来申しましたように、他のサービスに対する消費課税というものの戦争中からの変遷を見てみますと、そういう一般的な消費というものを捕捉しておりました段階から、かなり高級な消費というものに着目をし出してきたということから見ますと、入場税もこの際そういう例にそろえるのも喫緊の必要があるのではないかという考えがいたしたわけでございます。 それからさらに、入場税の課税対象になっております催し物への入場というものがわれわれの生活の教養面を高めるという観点からして再検討すべきではないかとおっしゃる御意見も、まさにそれはそのとおりだろうと思います。確かにその面から申しまして、先ほども触れましたように、入場税というのが一般的な課税で長い間終わったということは、再検討の対象にすべきであるというふうに今回思ったわけでございます。 ただ、その際にも、やはり私どもとしましては、教養を高めるにつきましてもいろんな手段、方法があるわけでございまして、たとえば物品税を課税いたしておりますいろいろな趣味、娯楽、便益のための物品の中にも、今日の状態から見れば、いまおっしゃいましたように、われわれの生活を高め教養を深めるということに相当寄与いたしておるものもあると思います。そういう観点だけから言えば、むしろ入場税も、そういった物品への課税もやめなければならないわけでございますが、それは担税力という意味から言いましても、かなりの高度なものについては税金を納めていただくというのが、全体の仕組みの中では必要でないかというふうに思っておるわけでございます。 それから、財政に対する寄与でございますが、これは国税に移管しまして以後、入場税の収入といいますのは大体百億円をちょっと上回るぐらいの数字でございまして、おっしゃいますように、国税の中に占めるウエートというのは漸次下がってきております。昭和四十八年におきましてはもうそれは〇・一%になっておりますし、今回の改正をやっていただきました後におきましては〇・ ○二%ということでございますから、財政への寄与度という意味から言いますと微々たるものということは言えると思います。 ただ、そこでやはり考えなければなりませんのは、サービス課税というもののわが国におきますところの間接税、消費税の中において占める地位でございます。それからまた、他の消費税としてサービスに対して課税しておるものとの関連でございまして、そういう意味合いから言いますと、やはり課税の程度というのは非常に少なくなってはきておりますが、通行税、料理飲食等消費税、娯楽施設利用税というようなものと一つの仕組みとしましてはやはり存続をすべき税目であるというように思っておるわけでございます。
○広沢委員 いま三点の大きな問題について見解を伺いましたが、私は、税は担税力のある方からいただく、これは当然のことだろうと思います。それについては私、異論はないのですよ。 しかしながら、入場税そのものがサービス課税という面で、いままで改正がありましても部分的に上がってきたという程度であったのを、今回はこのように大幅に、映画については十五倍あるいは演劇、演芸については三十倍と大幅に上がったわけですね。そしてその実態はどうなのかと見ますと、一般料金はもう全部皆無です。特別料金にだけ今度はかかる。こうなって現実を見ると、やはり担税力に着目をした形に入場税の課税様式も変わってきたのだな、今後もやはりこの方針でいくのかと申しましたら、主税局長はそういう方針でいかれる、こういうふうに私は受け取ったわけですが、その点そう理解していいですね。もう一遍念を押しておきます。
○中橋政府委員 そのとおりでございます。
○広沢委員 そこで、そういうふうに担税力に着目してやっていくということになれば、入場税ということだけじゃなくて、一般的な広い意味になってくるわけです。 だから、どうしても入場税というものはサービス課税であるからしなければならぬということにウエートがあるならば、映画を見に行く、あるいは演劇あるいはスポーツを見に行く、あるいは音楽を聞きに行く、こういったような場合はサービス課税として払うのだ、これが大原則でいままで来たわけです。ですから、担税力とは言いながら、少しずつ社会情勢や状況を見合わせながら、そういった方々が見に行くのだから、五%ないしは一〇%の税金は納めてもらってもいいではないか、こういうのがいわゆる消費税の一部であるサービス課税の趣旨だったと思うのです。それが一般の料金にはかからない、特別料金だけということに、この担税力に着目をしたところにウエートが来たならば、やはり入場税そのものの考え方も変わっていかなければならないのじゃないかと思うのですよ。よろしいでしょうか。 そこで、私、もう一つ具体的に伺っておきたいのは、これは確かに主税局長のおっしゃるように、現実われわれがいままで要求してきたように、そういった部面にはかからなくなってきたということは認めます。だから入場税はそのままでいいんだというのじゃなくて、基本的な考え方というものをここでもう一遍こういった機会に私はただしておく必要があると思って聞いておるわけです。 いわゆる入場税というのは営利的な目的のものにかける、営利を目的としないものには入場税はかけないのだ。第一、そういうことはこの入場税法の中にも、いわゆる学校、社会教育関係団体等、あるいは他もございますけれども、そういった方に免税あるいは非課税という措置を講じられておりますね。それも全部という広い意味じゃないのです。一部分ですね。ですから、もう少し広い意味に考えていくならば、こういうような営利を目的としないものについては原則として非課税にするのだというぐらいに考えていってもいいのじゃないかと思うのです。 大体、営利を目的としないものについては、こんな特別料金だとか担税力が相当あるとか、そういう意味に考えた催し物というか映画あるいは音楽、スポーツ、そういったものはないのですよ。ですから、そこの点をもう一遍基本的に考え直してみる必要があるのじゃないかと申し上げているのですが、その点どうですか。
○中橋政府委員 特に入場税の課税対象になっております入場が行われる催し物につきましては、おっしゃるように、大部分は非常に望ましいものでございますし、営利を目的としていないものが大部分だろうと思います。 しかし、私が担税力と言いますのは、催されるものの性質が非常にいいからということでございませんで、いいことをやりましても、そこにある程度の金を投じて入っていけるという人のそういう担税力というのが、その背後にある所得の高さ、資産の高さというものを推定せしめるからこそ課税し得るわけでございます。 ですから、非常にいい音楽を聞きに行くにつきましても、ある程度の、一般の人が入るよりも非常に高い金額でもって入る人、それにはやはりその背後には何がしか、その金高を払って入り得るという所得なり財産という税源があるわけでございます。それが担税力でございますので、確かにこれまでは通常の映画を見に行く、たとえば五百円、千円を払う人も、担税力があるから一割の税金あるいは五%の税金を払ってもらっていいではないかという考え方でございましたけれども、それはたとえば通行税について見ましても、いわゆる一等的な乗客にだけしか課税しない、あるいは非常にスピードを重んじた航空機の乗客だけにしか課税しないというように一方のサービス課税が進んできたことからも反省をいたしますと、いろいろな御議論がございましたことを踏まえますと、やはり考え直してもいいのではないかということからやりましたので、営利という観点より、やはり入る人の担税力ということに非常に重きを置かなければならないのじゃないかと思っております。
○広沢委員 それから社会教育的な立場から考えて、入場税を非課税にしたりあるいは免税にしたりというふうなことでいろいろな方法をとっておられるのですけれども、やはり文化水準高揚のために、政府はいろんな団体に別途補助金を出しております。そういった幾らかでも補助金をいただいている団体が催す場合の催し物については、やはり広く考えてこれは非課税にするというふうにすべきじゃないかと思うのです。 そうじゃないと、片っ方は政府から補助金を出している、片っ方は税金で徴収している、こういうような一見矛盾した形が出てくるのではなかろうか。これは理論であって、現実はそういったものについては、今回の改正の中でもう免税点がうんと引き上がったから実際はかからないですよとおっしゃるかもしれませんが、考え方としてどうなのか、ひとつその点も伺っておきたいのです。
○中橋政府委員 現行法までのように非常に課税部分が大きいという際には、おっしゃいますようないろんな配慮でもって個別的にその課税対象から除外する必要というのは生じてくるのだろうと思います。そういう観点から言いまして、現にたとえば学校の先生に引率されて、団体として教育目的のために入場する場合でございますとか、アマチュアのスポーツについては非課税にしますとか、おっしゃいますように、補助金、国の援助を受けておってやっておるような国立劇場等の伝統芸能については非課税にいたしますとか、そういうような配慮も必要だったと思います。 ただ、今回のように、一般的な入場については課税しない、そういうことによりまして課税をする部分というのが非常に少なくなってくるということになればなるほど、私はそういう個別的な配慮というのは必要ないのだろうと思います。むしろそれは、先ほど私が申しましたように、担税力という点、しかもかなり高い水準における担税力ということを考えますれば、本当はもうその一線だけでいいのだろうと思います。しかし、今日までいろいろそういう非課税規定がございますから、今回存続はお願いをいたしておりますけれども、大部分は、いま御指摘のように、もうその免税点で吸収をされ得るようなものでございますし、またそのような免税点の高さというのが必要になるのだろうと思います。 あとは一つ残りますのは、やはりかなり高い料金を払いながら、しかもおっしゃいますように、国からの援助を受けておるとか、国として存続を望ましいと思っておるような小規模な催し物、それにつきましてはどうしてもおのずから料金が高うございますから、そういうものについて何らかの配慮が必要ではないかということも考えられますけれども、今日の入場税の非課税規定を見てみますと、大体そういうものはすでに網羅されておりますから、新たにつけ加える必要もないと思って、特にお願いもしなかったわけでございます。
○広沢委員 おっしゃることはわかります。しかし、いまの学校あるいは社会教育関係、すでに法律の中にありますように、こういった関係につきましては非課税あるいは免税、こういう規定がちゃんとあるわけですね。これは教育的あるいはまた文化的見地からそういうふうにしているわけですが、それだけが、その一部だけが教育じゃなくて、やはり教育というのは社会一般の教育というのもあるわけですね。広い意味で考えて、営利を目的としていないということになれば、そんな高い料金を取るということはほとんどないわけですよ。ですから、そういうようなことを考えていくならば、これはちゃんと非課税にしていくということをやはり考えるべきじゃないか。あるいは高い料金をまた一部取ったとしても、もっと高度な音楽会があったりして、高い料金を取られるというようなことがあったとしても、これは営利目的でやっているのではないということは——営利かどうかということは、基準を設けて判定していけばむずかしい作業じゃないと思うのですね。そういったことを具体的にこれから検討してみなければいけませんが、入場税法の基本的な考え方として、そういった点を取り入れるべきじゃないだろうか。 それから、やはり先ほど申し上げましたように、補助金を受けているような団体は、いまの税法の中で規定されている以外に、それも含めて、これはもう全部免税なり非課税にするというふうにしていくように、はっきり整理すべきではないかと思うのですが、その点についてもう一遍明確にお答えいただきたいのです。
○中橋政府委員 先ほど来申し上げておりますように、やはり担税力というのがこの際のよりどころになると思います。しかも、かなり高い免税点を設定していただいた暁におきましては、その点がより強くなると思います。おっしゃいますように、営利を目的としていないもので、たとえば入場料金が高いものが生じ得ると思います。それはまあねらいは非常にいい催し物ではございましょうけれども、それに参加する人の立場に立ってみますれば、私どもとすれば担税力が非常に強い人でありますから、やはり一〇%程度の負担はしていただいてもいいのではないかというふうに考えますし、仮に補助金が交付されておりますような催し物につきましても、それはおそらく入場料金を下げる効果に働くと思いますけれども、その働いた後でもなおかなり高い、いまおっしゃいましたようなたとえば三千円という非常に高くなったといわれるその免税点を超えるような料金を取ってまで入場させるという場合には、やはりこの程度の負担をあえてしていただく方がよろしいのではないかと思います。 ただ、いまおっしゃいますように、営利を目的としないということを非常に突き詰めてまいりますと、免税興行というのがございます。これはまた非常に別の意味で、営利を目的としないという消極的な態度より一歩出まして、その得ました収益をむしろ公共的ないい目的に寄付しましょうというような興行がございますけれども、そういうことによりましてたとえ入場料金が高くなりましても、すでに免税興行の制度がございますから、そういうのを利用してやっていただければ十分カバーできるのではないかというふうに考えます。
○広沢委員 それから、現行では税率が二段階に五%と一〇%になっておりますが、今回は、改正案によりますと一〇%、大きい方へ一本化しているわけですね。これは一〇%が適当なのかどうか、あるいは五%が適当なのかどうか、あるいはまたその中間がいいのか、この点も非常にむずかしい問題だろうと思うのですが、五%という一つの税率を決めているのを一〇%にしたというのは、どういう意味なんでしょうか。
○中橋政府委員 今回お願いをしております一〇%の税率に至りました見方は二つあると思います。 一つは、免税点を非常に高く設定していただきましたので、現行制度におきますところの五%の税率該当部分というのがそこに吸収をされてしまうという考えでございます。 それからもう一つは、これは先ほど来申し上げておりますように、他のサービス課税を行っております税目の税率との関連でございます。それはもちろんおっしゃいますように、その際にも一〇%がいいのか五%がいいのかという絶対的な基準というのはございません。しかし、今日まで他のサービス課税は、入場税もその一つでございましたけれども、大体一〇%を基準にやってまいりましたから、その一〇%を踏襲するということにしたものでございます。
○広沢委員 やはり私はこの一〇%に、上へ張りついてしまうというようなやり方というのはいかがかと思うのですよ。財源的には、これはもう先ほど申されたとおり、この改正案が通れば〇・ ○二、四十八年度と比べて約十分の一になるわけですね、財政の依存度というのは。ですから、そういうことから考えてみましても、別にこれは財政的にどうしてもこれだけ必要だということでもないだろうと思うのです。ならば、五%の税率が設定されておれば、やはり安くしていくということでもいいんじゃないだろうか。財政が依存しておれば、どうしてもこれだけの財源が必要だという観点から考えられもしましょうが、そういった点はもう一遍検討すべきじゃないだろうかと思うのです。 いまおっしゃるように、横の整合性を考えて、一〇%が適正だ、ここが適当だろうとお決めになったというふうな御答弁なんですが、これはそんなあいまいなものじゃ困るわけですね。 それから次に、外国の例を——これは何でも外国に見習えという意味じゃありません。しかし、こういう大きな改正をしていくときには、やはり諸外国の一つの例というものも見てみなければならないと思うのですが、アメリカ、イギリスあるいは西ドイツ、フランスという主要国の入場税はどういうふうになっているのか、ひとつ御説明いただきたいと思います。
○中橋政府委員 外国の入場税に相当するものにつきまして概括的に申し上げますと、一般的消費税、たとえば付加価値税を採用いたしておる国におきましては、もちろん付加価値税の中に吸収をされて課税になっておるわけでございます、たとえばイギリス、西ドイツ、フランス、イタリアというのは付加価値税の中に吸収をされておりますし、アメリカにおきましては、州の段階におきまして小売り課税、小売りの売り上げ税をやっておりますからその中に含まれるわけで、そういう州があるわけでございます。 さらに、そういう一般的な消費税たる付加価値税あるいは小売り段階の売り上げ税というようなもののほかに、個別的にわが国の入場税に当たるようなものを取っておる国もございます。たとえば西ドイツは付加価値税のほかに、地方税でありますけれども、娯楽税というのを取っております。あるいはまたイタリアでは、付加価値税のほかに国税として興行税というのを取っております。アメリカも実はその州におきますところの小売り段階の売り上げ税として吸収をしておりましたほかに、入場税というのを連邦税として取っておりました。これは約十年ほど前にケネディが、これを漸進的に撤廃をするということで撤廃をした経緯がございます。
○広沢委員 わが国の場合も二十九年に地方税と国税の入場税と、こういうふうに分かれているわけですね。地方税では娯楽施設利用税ですか、そして国税では入場税と、いままで一本できたものが二つに分かれているわけです。 アメリカの例もイギリスの例も西ドイツの例もお話しになりましたが、アメリカは、いま申されたとおり、昭和四十一年に国税の入場税は撤廃されて、いわゆる地方税、州ですが、この州もあるところとないところとあるのですね。それからイギリスの方も昭和三十五年に撤廃されて、いま確かに付加価値税ということになっておりますけれども、付加価値税になったのは四十八年の四月ですか。ですから、その間というのは、もう入場税というのは撤廃されたことになっているわけです。西ドイツは国税はありません。これは地方税の話ですね。 こういうふうに考えていきますと、先ほどからいろいろなことを言いましたけれども、財政の依存度的に見ましても、あるいはその立法の趣旨から考えても、あるいはまた社会文化という、だんだん過去の教育あるいは文化に対する考え方もいまは相当変わり、広がってきているわけですね、そういった点から考えてみましても、やはりサービス課税だからこれはどうしても必要なんだ、それに国税として固執される理由というものがもうないんじゃなかろうか。どうしてもこの入場税というものを国税として必要なんだとおっしゃる意味はだんだん薄れてきているんじゃないか、私は最終的にそう思うんですよ。いかがなものですか。
○中橋政府委員 いまおっしゃいましたように、アメリカとかイギリスでかつてありました入場税相当税目を廃止したことは、私は、むしろその国の税制に対する考え方もやはり影響いたしておると思います。くしくも、その両国は、どちらかといいますと、国の段階におきましては一般的な消費税を持っていなくて、個別的な消費税だけに頼っておった国でございます。しかもその中で入場税というものを廃止したわけでございますが、わが国におきましては、いまおっしゃいますように、地方税として娯楽施設利用税というものがあり、国税として入場税というものがございますが、実はそれは、昭和二十九年に入場税を国税に移管しましたときに、当時ありましたいまの娯楽施設利用税のような課税対象を地方に残しましたから、それを娯楽施設利用税という形で存続したわけでございます。それから、遊興飲食税というもの、今日の料理飲食等消費税というものがそのまま地方税に残っております。それからまた、国としましては通行税というものも持っておるわけでございまして、わが国としては、個別消費税として物品税その他とともにこういうものを持っておるわけでございます。 〔委員長退席、山本(幸雄)委員長代理着 席〕 わが国としますと、今日、一体これからの税制をどういうふうに考えていったらいいかという問題もございますが、今日ただいまの税制としましても、やはり間接税、その中で個別的な消費税というものを持っておる。個々の物品を選びあるいは個々のサービスというのを選んで課税をいたしておるというときには、従来からの経緯といたしまして、個別的な消費課税の対象とサービス課税の対象というのを持っておりますれば、財政に対する寄与がもうほとんどないんだから、やめてしまっても財源とすれば同じではないか、おっしゃいますことはまことにそのとおりでございますが、税制の仕組みという観点から申せば、やはりサービス課税に対する重要性、しかも今日までに果たしてきました入場税のウエートというものも、その際には十分考慮しなければならないのではないかというふうに考えます。
○広沢委員 それから次に、競馬、競輪等、いわゆるギャンブル、これについては据え置かれておりますね。まずその理由はどういうことなんでしょうか。
○中橋政府委員 競馬、競輪への入場料金に対する免税点は、四十八年におきましての改正でも、実は映画あるいは音楽会等への入場について免税点を引き上げました際にも、これは据え置きになっております。 そのときと同じ考え方でございますが、一つには競馬場、競輪場などへの入場料金といいますのは、きのうもお話がございましたけれども、やや性格を異にいたしておると思っております。特にその金高から申しましても、整理料金的な金高でございます。この中で一般的に入る人について入場税を取るのはいかがかという考え方もあるわけでありますけれども、私どもといたしますれば、やはりギャンブル税というようなものが考え得られますれば、またそういうものの考え方を導入し得る余地もあると思いますけれども、そういうギャンブルを行うためにその場所に入場する人の担税力とすれば、映画、演劇、音楽へ入場する人の担税力と別に考えてもいいんではないかというようなことから、免税点の据え置きを予定いたしておるわけであります。
○広沢委員 これは免税点が三十円なんですね。実際に全国あちらこちらで競馬だとかあるいは競艇だとか、あるいは競輪が行われておるわけでありますけれども、これは実際はどうなんでしょう、入場料金は。
○中橋政府委員 私どもの調べました限りにおきましては、一般的に、一般席への入場というのは非常に低うございます。競馬、競輪を規制いたしております法律について入場料金の定めがございますけれども、大体最低限の金高を取っておるのが多いようでございまして、中央競馬でも一般席は百円が最高でございます。また地方競馬におきましても、東京の大井競馬が百円というものを取っておりますほかは、五十円から二十円というような状況でございますし、競輪、小型自動車競走、モーターボート競走等につきましては、大体三十円、二十円という料金でございます。 ただ、特別席というのがございまして、それに入ります料金は一番高いところで千五百円、一番低いところで百円、二百円というようなものを取っておるところもあります。
○広沢委員 この免税点は三十円ですが、その恩恵を受けておるといいますか、そういう競技場は幾つくらいあるのですか。
○中橋政府委員 中央競馬につきましては、全部三十円を超えております。地方競場におきましては、現在のところ、三十一場の中で十四場が免税点以下の一般入場料金を取っております。 小型自動車競走場につきましては、五場のうちの三場が免税点以下の一般入場料金を取っております。 競輪場におきましては、五十場の中で三十六場が免税点以下の一般入場料金を取っております。 モーターボート競走場は、二十三場全部が免税点以下の一般入場料金を取っております。
○広沢委員 免税点三十円とありますけれども、私はこの免税点は必要じゃない、こういう考え方なんです。わざわざ免税点をこしらえるという意味はないんじゃなかろうか。 というのは、先ほども御説明にありましたように、本来、整理料金、会場を整理するというのですか、そういう料金としての性格が強い。それから、ギャンブルに対する社会的批判もございましょう。そういったことにも政策的な配慮というものがなされていいんじゃないかと思いますね。 ですから、これはいまの考え方は大分変わってきておりますけれども、過去においては入場税に消費的なものとかそういったものを抑えるという抑制的な意味があった。そういうようなこととか、ギャンブルに対する社会的批判、こういうことも考えてみますと、やはりこういったものに恩典を与えるという必要は全くないんじゃないかと私は思うのですが、その点どうでしょう。
○中橋政府委員 確かにそういうおっしゃる点も私は考え得ると思います。ただ、今回の改正で考えましたことは、やはり従来の入場税の免税点が二十円、三十円と一般的になってまいりまして、映画について百円というものを設けました際の競馬、競輪への入場料金の免税点三十円をそのまま据え置きにいたしました。いわば過去におきましてすでに三十円という免税点が競馬、競輪場への入場料金についても適用になっておったわけでございますので、今回はその実績を尊重いたしたという次第でございます。
○広沢委員 過去にそういう形になっておったから据え置いたというのじゃなくて、こういうふうに大幅に見直すときにはやはり全面的に見直してみる必要があるし、この競輪、競馬というのは、市町村段階の自治体においても全部がやっているわけじゃないですね。ですから、こういった問題は、いまの据え置いた趣旨から考えて、もう一歩現実を見ていくならば、これはこういう免税点の恩典を与える必要はない、社会的に考えましても私はこう思います。 その反対に、先ほどから論議しましたように、映画とか演劇あるいは音楽、スポーツ、そういった面はわれわれの主張、世論の主張を取り上げてこういうふうに大幅に改正していった、こういう大幅な改正を見直す場合においては、その点をもう一遍考慮してもいいのじゃなかろうか、こういうふうに思うのですが、最後に政務次官に一言見解をお伺いして、終わりにしたいと思います。
○森(美)政府委員 この入場税の問題に関しましては、担税能力の問題大衆娯楽の問題あるいは芸術性の向上の問題それとサービス課税、そういったものを結び合わせまして一つの結論を今回出したわけでございます。将来ともいろいろ研究課題にはしたいと思いますが、そういう意味で、今回の問題は御了承いただきたいと思います。
○山本(幸雄)委員長代理 午後一時より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時三十四分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○上村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 私はきょうは、社会党の相続税に対する最初の質問者として、このインフレ下の中で一体税体系がどうあるべきだろうか、しかも日本の税制の中で唯一の資産課税である相続税のあり方、これは果たしてどうあるべきだろうか、こういうきわめて次元の高い政策的な問題について、せっかく副大臣である森政務次官もお見えでございますし、主税局長もお見えでございますので、その辺を中心にしながら、中身としては相続税の課税最低限の引き上げの問題、あるいは妻の座の税制の優遇の問題、この辺に焦点を当てながら少しお伺いをしたいと思うわけであります。 まず、主税局長にお伺いをしたいのでありますけれども、税一般としていろいろな機構、機能と申しますか、財政の持っている機能があると思うのでありますけれども、それはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○中橋政府委員 税が景気の動向に対しまして、たとえば自動的に調節作用を営むということが今日の経済情勢についても働き得ると思います。その効果を一番果たしますものは、何と申しましてもいわゆる弾性値の高い税金でありますし、それをもたらしますものは、累進税率構造を持っております各税目が一番その効果が高いということになると思います。
○佐藤(観)委員 要するに、税というものは国の財政の中心であり、それと同時に、税をある部分に重くし、ある部分に軽くする、これが何らかの、国の経済運営全体にそれなりの税の持っている機能というものがあるわけですね。その機能というのは、いま局長がお話しになりましたように、一つは景気の動向という問題もあるでしょう。それから、とにかく資源の最適な配分という国民にとってはだれにも必要なもの、そういったものに財政が支出をしなければいかぬ、その問題もあるでしょう。それからもう一つは、やはり一番大きな所得の再配分、この機能も税というものにはあるんではないだろうか、こういうふうに私は考えるのですが、この考え方についてはいかがでございますか。
○中橋政府委員 それはおっしゃるとおりでございます。いま佐藤委員が冒頭に、今日の物価、インフレということに焦点を当てられて御質問がございましたから、私もその点で今日の税制の果たす機能を一番端的にそういう観点で申し上げたのでございまして、もっと深く税制の果たす機能ということであれば、ただいま挙げられましたいろいろな機能を持ちながら、しかも公経済の財源を賄うために税制があるというわけでございます。
○佐藤(観)委員 これは国税庁で毎年出している「私たちの税金」という本でございますけれども、ここにいま言った三つの税の機能、役割りが書いてあるわけであります。この中で私は、特に今度の相続税の審議をするに当たりまして、この税の機能の中での三番目のいわゆるフィスカルポリシーとしての景気調整作用、これとの関連もあるわけでありますが、所得の再配分という観点について少し考えてみたいと思うわけであります。 ここにも書いてあるわけでありますけれども、「社会の構成員が等しく豊かな生活を営むことが国民の福祉の向上につながるが、財政はその収入と支出を通じて、個人間の所得の格差を調整する働きをする。すなわち、収入面においては、累進税率制度をとって高額所得者には重く、低額所得者には軽い課税を行い、他方、歳出面においては、生活保護、年金、失業保険などの社会保障関係の給付を中心に低所得者に比較的多くの財政支出がふり向けられている。」後半の歳出の部分については、これはいま予算委員会で本当にそういった部分に振り向けられているかどうかを検討しているわけでありますけれども、要するに所得の再配分機能、これが税の中に一つの大きな役割りとしてあるわけですね。 特に今度のインフレの中でこの部分に私は非常に焦点を、税としては直接税、間接税、直接税の中にもいろいろありますけれども、特に所得の再配分機能、この部分にこのインフレ下における税制というものは大きな焦点を当てなければいけないというふうに考えるわけでありますけれども、この点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○中橋政府委員 インフレの時代のもとにおきまして、いまおっしゃいますように、所得であれあるいは資産であれ、その再配分を果たす役割りというのをやはり税制は持つことは確かでございます。しかし、それを果たしますのは、冒頭に申しましたように、累進構造が一番効果があるわけでございますけれども、その際にはやはり累進構造をつくりましたときの経済情勢、そのときに意図しました所得なり資産の再配分というものと、それからその後におきますところのインフレの進行と申しますか物価の上昇によりまして、その意図した再配分機能がその後どうなっておるかということを考えることも、特にこのインフレあるいは価格の上昇の場合には必要なわけでございます。 と申しますのは、価格が上昇し、累進構造がそのままであれば、累進構造をつくったとき以上に累進効果が働くわけでございます。それは実は本来意図しなかった以上の累進効果を単なる価格の上昇という意味において果たすわけでございまするから、確かに累進構造によって所得、財産の再分配機能を働かさなければなりませんけれども、やはりそのときに意図した程度というものと、その後におきますところのインフレの進行、物価の上昇というものがそれをどのように変えるか、また前に考えましたときに比べて必要以上に過分に累進構造が働くという場合には、むしろインフレに対する調整の必要も出てくるわけであります。
○佐藤(観)委員 もう局長は先々の私の質問の前になるべく予防線を張っておこう張っておこうということで、どうも累進構造がインフレになれば上の所得の人には非常にきつくかかってくるので、その予防措置であるという観点で予防線を早くも張られておるわけでありますが、まだ私の質問はそこまで行っていないので、それはいずれお伺いするわけでありますが、私はインフレになればなるほど、さらに詳しくお伺いしますように、低所得者の人々、所得の少ない人々については、これは実質所得が維持できるように税においても配慮をしなければいかぬ。それと同時に、逆にインフレでもうけた人、この人についてはカットをして、このインフレ利得を国に還元してもらって、そしていま申しました低所得者の人々に還元をしていく、これがどの税においても税の持っている、あるいは全体的な経済政策における税制の役割りでなければならないと思うわけであります。 そのインフレ利得が累進税率になっておりますから、インフレになればなるほどその累進税率がかなりきつく効いてくるということも事実でございましょうが、それ以前の問題として、これだけインフレが進んで、もうけた人とインフレ弱者の人がいる、この際に、税の制度から言って、もうけた人については吐き出してもらい、弱者については、もうけた人の分からいわゆる所得の再配分機能を発揮をしてその穴埋めをしていく、これがこのインフレ下における税制の基本的なあり方であると私は思うわけでありますが、この点は御確認いただけますか。
○中橋政府委員 税制の持つ本来的な機能といたしまして、インフレのときにインフレによる利得者にはきつく、インフレによる被害者にはできるだけの配慮をするということは基本的なことだと思います。
○佐藤(観)委員 そうしますと、このインフレでもうけた人は一体だれだろうか。つまり、資産の形態として、どういう資産はインフレにも強かったのだろうか、もうかったのだろうか。これはどういうふうにお考えになっていますか。
○中橋政府委員 インフレのもとにおいて一番利益を得ますのは、債務者の地位に立ちやすい人、しかもそれを利用しまして実物資産を持ち得る人であります。
○佐藤(観)委員 そういうことになりますね。債務者の立場に立って実物資産を持つ。ここが今度は非常に問題になってくるわけでありますが、特に日本ではこの二、三年においては土地を持っていた人、この人たちが一番大きな債務者利益を受けてきた。あるいは大きな企業が債務者側に立っていて、借りたお金の償還の場合には実質的には非常に得をした。こういう問題もあるわけですが、ここでやはり問題になるのが資産所得と申しますか、実物所得と申しますか、これを持っていた人がこのインフレにも一番強かったし、インフレ利得を享受したと申しますか、もうけたと申しますか、したことになると思うのですね。 したがって、全体的な税制のあり方としては、インフレ弱者、つまりもうけると申しますか、アーニングできなくなった階層の人々をインフレ弱者と呼ぶならば、それに相対するインフレ利得を受けた人々、いま局長からお話がありましたように、債務者の立場に立ち、あるいは実物を持っている、簡単に言えば土地家屋、こういった資産を持っていた人々のインフレ利得をカットして、そしてインフレ弱者に配分をする、これが本来現実的には、抽象論でなく現実の言葉を入れれば、これが今度の全体的な所得税法の改正、法人税法の改正、土地の譲渡所得の改正、利子配当所得の改正、それからここに出てくる相続税の改正、こういったものの税全体のあり方でなければならないと私は思うわけであります。その点についてはいかがでありますか。
○中橋政府委員 全体的な構想としてはそういうことを非常に重点に置かなければなりませんが、その際にもう一つ、先ほど来申しておりますように、インフレに対する調整ということも、所得税におきましても、相続税におきましても、あるいは酒税その他におきましてもまた必要なことは、今回の税制改正のものの考え方の一つであるわけであります。
○佐藤(観)委員 そこで、もう一つ私は注意をして見なければいけないと思うのでありますが、これは景気動向の問題とも非常にからんでくる問題でありますけれども、いまGNPの中で個人消費が占める割合はおそらく五四、五%ではないかと思うのですけれども、そこで、景気が回復するためには個人消費が回復をしなければいかぬ。しかし、年末には確かに額面だけでは、ボーナスが出、あるいは公務員の差額が出、あるいは米の代金が出ということで大きな財政支出があったわけでありますけれども、実態面の消費としては、事実上、たとえばデパートの売り上げを見てもその消費自体が回復をしていない。これは先行きに対するいろいろな不安もあるからと思うのでありますが、もう一つ、そういうマクロでなく考えなければいかぬことは、いわゆる所得階層別の五分位を総理府の家計調査報告を通して見ますと、第一分位と第五分位、この実質的な収入の伸び、これはもう局長に聞くまでもないと思いますが、どちらの方が伸びているとお考えですか。細かい数字は別に結構ですが、全体的にどちらが伸びているか。
○中橋政府委員 所得の伸びは、最近になりましてやはり高額所得階層の方の伸びがかなり伸びておるということになっています。
○佐藤(観)委員 そうですね。このインフレの中で、家計調査報告を見ても、第一分位から第五分位に向かって、第一分位の伸びと第五分位の伸びとでは一倍半ぐらいの伸びの違いがあるわけですね。こうなってきますと、低所得者の方はますます収入の伸びが少なくなってくる。しかもその中で時間外手当がなくなる、あるいは臨時のいろいろな手当がなくなるということで、第一分位の方が収入が少なくなってくる。第五分位の方は収入が伸びていく。このインフレの中でますます勤労者の人々の所得の格差が広がってくるわけですね。 そういうことを考えてみますと、税の体系としては、これは所得税のところでもっとゆっくりお伺いをしますけれども、本来、所得税減税をもっと大幅に行い、それと同時に、第五分位に属するような人々の場合にはむしろ富裕税等も考えなければいかぬ。私は具体的な経済政策、税のあり方としてはそれがこのインフレ下における税の役割りだと思うわけであります。その点はいかがでございますか。
○中橋政府委員 その場合に、やはり先ほどおっしゃいましたインフレによって利得を得るというそのやり方でございますけれども、いまおっしゃった一般的な所得という中には、いかなる所得分類であるかという問題があると思います。インフレによって非常に利得を得る、たとえば譲渡所得等によるところの所得でありますのか、単に名目的な伸びを示しますところの給与所得であるのか、いわゆる勤労性の所得であるのかというような分別をする必要はあると思いますけれども、全体的には所得の高い人につきましては累進構造が非常に働いておりますし、特に今年の改正案におきましては、税率について所得税の改正をお願いいたしておりません。ということは、逆に申しますと、名目的に非常に伸びの高い階層については、累進構造がより強く働くわけでございます。と言いますことは、おっしゃいますように、全体的に見れば、所得の伸びの高い階層についてさらにそれを上回った税負担をしてもらうというのが今回の改正でございます。
○佐藤(観)委員 いまのインフレというのは——今後のインフレがどうなるかを見通すのは非常に興味があるし、非常に重要なことであるし、大きな問題でありますが、特に田中内閣以後のインフレというのは、戦後かつてないインフレになっているわけですね。この中での税制のあり方として、単に従来どおりの累進税率というととだけで、果たして税制の面で弱者を救済し、インフレ利得を得た人々についてチェックをし、そして富の再配分を図るということが済むものとは私は思わないわけです。 これはおそらくあとからの質問にあるということで、局長は累進税率を強く言われると思うわけでありますし、それからたとえば土地の譲渡所得等についても、累進税率がかなりきつく働くように若干改正されたということも私は理解をするわけでありますけれども、これだけの戦後初めての大きなインフレの中で、それは自動的にビルトイン・スタビライザーが働くからそれでいいんだというふうには私は思わないわけです。 この辺が、実は大蔵大臣にもお伺いをしたいと思うのですが、きわめて高度な政治的な判断の問題になると思いますので、せっかく政務次官もお見えでございますからお伺いしたいのですが、全体的に今度はあまり所得税の減税もない、それから法人税もそれほど大筋において強化したということもない、それから逆の面で、先ほど言われたインフレに強い実物資産を持っていらっしゃる方、あるいは巨額な貨幣的な資産を持っていらっしゃる方、こういったインフレに強い人については強化をするというようなことも、私はどうも今度の税制の改正全般を見てみても、そういうような体系になっていない。そこは局長は、自動的に累進税率が働くからチェックができるんだという観点に立っていらっしゃいますが、私は、これだけの異常なインフレの中で、それだけでは税の本来的な役割りは十分でないのではないかと思うわけであります。そこで、高度の政治的な政策的な問題でありますので、政務次官の御意見をお伺いしたいと思うわけです。
○森(美)政府委員 今回の改正によりまして、相当累進構造の点も直しておりますので、相当効くのじゃないかと確信しております。
○佐藤(観)委員 どうも局長の答弁からちっとも出ないのでありますが、局長にもう一回改めてお伺いします。 先ほどの私の冒頭の質問のように、インフレの中でインフレ利得を得た者については、これをチェックし、そうして税という形で国の財政に還元をしてもらい、それからインフレ弱者については財政支出という形で、いろいろな形がありますが、何らかの形の給付をし、そして富の再配分を図るのがインフレ下における税の本質であり役目である、こういうことの原則論については、私はお認めをいただいたと思うわけであります。 それでは、相続税法に限らず、所得税法、法人税法あるいは土地の譲渡、これは租税特別措置法に入ってきますが、あるいは間接税の強化、こういうような今度の税法改正の全体を見てみて、果たしていま申し上げました税の持っている所得の再配分という機能、特にインフレ下ではますますそれをしなければならぬというこの事態に当たって、今度の税制の改正というものは、たとえばこういうものはこうなっていますから、確かにインフレ利得についてはチェックをし、インフレの弱者については、これは歳入の場合と歳出の場合がありますけれどもこうなっています、確かに現在のインフレに対して税制としても十分な役割りを果たしていますというような税制の改正というのはあるだろうか。 あとでまた個々に討議しますから、あまり細かいことは要りませんが、全体の総枠として、今度の税制改正というのは、そういった意味で、このインフレの中で、インフレ利得に対してチェッグをし、そしてインフレ弱者に対していろいろな形で、たとえば所得税の大幅減税をしたとするならば税の面で私は低所得者に対する所得の再配分を行う一つの具体的な例になると思うのですが、どうもそれもない。そうなりますと、今度の税制改正の中で全体的にどういう役目を税が果たしているだろうか、これについてはどういうふうにお考えになっていますか。
○中橋政府委員 今日のインフレ状態に対する今回の税制の態度でございますが、おっしゃいますような、インフレに立ち向かうと申しますか、それを抑制しようというような点としまして考えたことと、それからもう一つは、インフレに対していかに調整をするかという面と、二点実は今回の税制改正で考えたわけでございます。 インフレに対して立ち向かっていく、あるいはこれを抑制する方便ということでの例としましては、一つには所得税の減税というようなことにつきましては、今回新しい減税としてはかなり消極的な立場をとらざるを得なかったということでございます。もちろん、それには基本的に昨年度の大幅な減税の平年度化というものが非常に大きいということもございますけれども、その程度でひとつがまんをしていただく、それがむしろインフレ抑制に非常に効果があるのではないかという基本的な態度でございます。 それから、法人税につきましても同様でございまして、法人税にも若干の弾性的な要素がございますから、これもほとんど改正をいたしませんで、みんながまんをしていただく。今回の税制をそのまま存続するということが、むしろインフレ抑制に非常に働くのだという基本的な態度でございます。 それから、現在の所得課税であれ財産課税であれ、総合的なものでございまするから、一つ一つの所得の色合いを見ないわけですけれども、たとえば土地の譲渡所得につきましては強化をするというようなことで、インフレについての利得がむしろそれによって打撃を受けるようにするというような観点を考えております。 それから、別途インフレに対する調整としまして、所得税におきましては、後ほどいろいろ御議論をいただきますけれども、いわゆる経済的な弱者に対する所得税のいろいろな配慮がございますけれども、そういうものについては普通の控除の引き上げよりは大幅に上げるとかいうことをいたしております。 その他、いろいろインフレに対する調整措置としましては、相続税なり酒税なりというものがございます。
○佐藤(観)委員 どうも私が考えているような答えは出てこないわけであります。所得税の減税については、詳しくはまた所得税法のときに審議をするわけでありますけれども、ただ気になるのは、所得税の減税は若干はしているわけでありますが、しない方がむしろインフレ抑制になる、これはある意味では消費が抑えられるからという観点だと思うわけでありますけれども、そういうふうに理解してよろしいですか。
○中橋政府委員 さようでございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、つまり所得税減税が働く所得階層というのは、私はむしろ先ほどから論議をしているインフレ弱者——ただいまのインフレ弱者という表現が余りにも狭いんで私はもう少し広く使いたいのでありますけれども、インフレ弱者に属しているだろうと思うのです。というのは、たとえば昨年度一兆四千五百億の大型の所得税の減税をしたと言われますけれども、昨年の三〇%台の春闘で事実上増税になっているということは、年末調整で取られるサラリーマンが非常に多かったということでもわかると思うのであります。このことはまた詳しくやるにしても、したがって昨年の減税というのは、事実上、実所得を伸ばすには至っていない、これは私は事実だと思うのであります。 そういう面で、今度は広い意味でのインフレ弱者に対する所得税の減税というものがむしろ行われなくて、所得税の減税を行わない方がインフレ抑止に効果があるのだという考えには私はどうも納得ができないわけであります。これは今度は相対する資産に対する課税の問題、相続税、贈与税あるいは土地の譲渡といった資産に対する課税と税の中での体系の問題だと思うので、若干所得税の減税問題について触れておきたいと思うのであります。この問題についてはもう少し数字を使って改めて所得税法のときに審議をしますので結構でございますが、この一点だけちょっと片をつける意味で御答弁願いたいと思います。
○中橋政府委員 所得税につきまして、物価調整減税ということを常に考えるわけでございますけれども、そういう観点から申しますと、恐らくそれは極端な考え方を突き詰めますと、インデクセーションの導入ということになります。インデクセーションの導入ということになりますと、課税最低限を物価に比準いたしまして引き上げると同時に、累進税率の構造を同じように緩和しなければならないのでございます。しかし、それをやらないということは、逆に申せばそれだけ累進構造というのはきつくなるわけです。それをやらないということは今回の税制の一つの根幹でございまして、みんながまんをしていただくが、一番がまんをしていただかなければならないのはより高額な所得者でございます。ついこの間までの高い累進構造というのを名目が上がったものにつきましても甘受しなければならないというところは、私はインフレに向かって立ち向かう、がまんをしなければならない、所得税制のことしの態度のあらわれであろうと思っております。
○佐藤(観)委員 所得税の問題をまた改めて詳しくお伺いしますが、先ほど土地の譲渡について強化がされた、確かに税法上は強化をされたのでありますけれども、私は一言言わせておいていただけば、遅過ぎるのじゃないかと思うのですね。ただでさえも不動産屋さんはばたばた倒れていく。これは田中インフレの中で私は少し土地が動き過ぎたと思うわけでありますから、そういう面ではそのこと自体はいいのでありますけれども、しかし、いまさら強化をしても、もう売れなくなって、売ろうと思っても売れないという土地がずいぶんあるぐらいでありますから、土地の譲渡所得の課税を強化したということは、私が冒頭にお伺いをしましたようなこの異常なインフレ下における税制のあり方、税の持つ富の再配分機能の強化という意味で、いま局長は一つのプラスの面として働くように言われましたが、私はもうすでにこれは時期を失してしまっている強化策ではないかと思うわけであります。 これは一言言わせておいていただきますが、そこでいまの線に沿っていくならば、やはりインフレ利得を得た者についてはチェックをしていく、これが昨年の超過利得税。こういった形はインフレ利得に対する税の働きとしての一つのあり方だと私は思うわけです。超過利得とものは違いますけれども、先ほどお話ししましたような唯一の資産課税、片方では民社党さんは富裕税という話をずいぶん前、二、三年前からこの大蔵委員会でもずいぶん論議をなさっていらっしゃる。わが党もしているわけでありますけれども、そういった意味で、片方では低率ではあるけれども、ある程度時間をかけて富裕税というものも創設をしたらどうか、このインフレの中で資産を持っている者、あるいは有価証券を持っている者、あるいは貨幣資産を持っている者に対してかけるべきであるという議論がある。 そうしてその中で、富裕税は新たな創設でありますけれども、相続税というのはそういった意味での資産にかけられる唯一の課税であるわけですね。その場合に、実体的にはあとから詳しくお伺いしますけれども、実物資産、特に土地の財産が非常に多い、あるいは貨幣の資産、残りは貨幣の資産ということになると思いますけれども、そういうことを考えてみますと、先ほどお伺いしましたように、土地というものはインフレに対して非常に強いものであった、価値が下落しないものであったわけですね。そのものに対して今度の相続税法が全体的に課税最低限を上げるという形で緩和をされていく。その緩和の中身についてはさらに詳しくお伺いしますが、全体的には緩和をされていくということは、私は、このインフレ下における税制の基本的なあり方としては逆行ではないだろうか。 お答えは、いや、それはインフレ利得の問題もありますが、インフレに対するバランスと申しますか超過累進税率が働き過ぎるということもあるのでというお答えになると思いますけれども、私は全体の税のあり方としては、相続税法の緩和ということは、政策的にも逆行であるというふうに考えるわけであります。その点についてはいかがお考えでございますか。
○中橋政府委員 おっしゃるとおり、私ども今回お願いをいたしております相続税の改正は、異常な物価上昇あるいは地価の上昇に対応するための調整措置であるというふうにもっぱら考えております。おっしゃいますように、インフレ利得という問題を税制上問題にしなければならないというこの際、そういった方向を考えなければならないことは重々私ども思っておりますが、いまたとえばその一つの施策としまして、富裕税というお話が出ました。私も富裕税というものは検討に値する重大な問題と思っておりますけれども、むしろそこで考えなければなりませんのは、私は富裕税といいますのは、資産性の所得とそれからそれ以外のもっぱら勤労性の所得と申しますか、そういうものとの所得税の問題として実は把握をすべきでないかというふうに思っております。 と申しますのは、わが国においてかつて富裕税を設けましたときにも、あるいはまた現在富裕税を取っておりますドイツの例を見ましても、その際にはやはり所得税の最高税率というものとの兼ね合いがございます。ということは、結局富裕税をつくれば富裕税でもって取る。いわゆる所得の高い階級については、所得税で取る部分もありますけれども、富裕税で補完的に取る部分もあるということで、富裕税の創設と所得税の税率との調整ということは必ず行われるわけでございます。 したがって、私は、おっしゃいますように、インフレの利得ということになれば、一般的な富裕税というような問題よりは、やはり個別のそういった分類的な所得税あるいは分類的な財産税ということになったら一番御理解がいただけると思います。と申しますのは、相続税であれ富裕税であれ、その財産構成を見てみますと、確かにおっしゃられるように、現在は土地が一番ウエートが高うございますけれども、あるいは場合によれば、非常にインフレに弱い預金で持っておる場合もかなりあるわけでございます。そういうものについての分別が一々できない、統一的に処理しなければならないところに、やはり相続税なり富裕税の問題があるということもあわせてお考え願いたいのでございます。 そういう観点から申しまして、相続税というのは、むしろ現在までの状況は、たとえばその七割が土地をもって資産を構成しておるから、本来これをなお強化すべきであるという御意見も確かにあり得ると思います。しかし、その強化をするのを、たとえば四十一年に考えました累進構造をそのまま、その程度に考えるのがいいのか、その後におきますところの地価の上昇なり物価の上昇で、その当時考えていなかったほどの累進構造をなお今日以後も、むしろそれを強くそのままの形で期待した方がいいのかという問題になりますれば、私はやはりある段階、ある期間が経過いたしますれば、後者の観点というのも取り入れなければならないのではないかということで、今回の相続税の改正をお願いいたしております。
○佐藤(観)委員 富裕税の問題は、言葉で富裕税と言っても、実体的にどういうふうにするかということは非常にむずかしい問題でございまして、ただ私がいま富裕税と言ったのは、そういう論議もかなり前々からあるインフレ下の状況の中で、現実にある相続税のあり方としてはどうだろうかということで、富裕税について私もそれ以上深く立ち入るつもりはないわけであります。 相続税というものは、とにかく富の過度の集中を防ぐという性格を一番端的にあらわしたものである。対象人口は非常に少ないわけでありますけれども、税の持っている一つの役目である資産の再配分といった意味の非常に端的にあらわれた性格を持っているのが相続税だと私は理解をしているわけです。その意味において、インフレでますます勤労性所得の方は、ほとんど財産というほどのものもつくれない。ところが、資産性の所得の場合には、それがますます価値が高くなってくる。その際に、資産性所得の方は優に引き継げる。そういった相続税法の改正というのは、確かにインフレ調整だと言われますけれども、やはりいまのインフレ下における税全体のあり方としては逆行ではないかなというふうに思うわけであります。 それは局長の答弁では、いや、実体、中身としてはむしろインフレの調整なんだと言われているわけで、この問題、いつまでやっていてもそのこと自体は私は変わらないと思うので、少し税の中身に入っていきたいと思うわけであります。 今度の相続税の改正で一番問題になるのは、一つは課税最低限の引き上げの問題だと思うのです。私たちは所得税法のときには、課税最低限の引き上げをせい引き上げをせいと言いますが、相続税のほうは、基本的には私は逆だと思っているわけであります。それで、今度は基礎控除が六百万から二千万になる。これも恐らく局長の答弁では、物価調整です、つまり四十一年度の基準ベースに戻すだけですということになると思うのでありますけれども、最も大事な基礎控除が六百万から二千万になる。つまり逆に言えば、二千万以下の遺産については相続税は一銭もかからぬということについて、どういう理由なんだ、その点をまずお伺いしたい。
○中橋政府委員 御指摘のように、私は、相続税はやはり富の集中をある段階において排除する、財産の再分配を図るという税金だろうと思っております。ただ、一体どの程度の人にそういうことをやったらいいのかというのは、やはりそのときそのときの国民の所得の状況、資産の状況から判断をしなければならないのではないかと思います。 たとえば、私どもはいまごく最近におきます基準年次と考えておりますのが昭和四十一年、このときに最近においては一番大きな改正が行われましたが、昭和四十一年において、大体毎年死ぬ方は七十万人くらいの人間になっておりますけれども、相続税を課税される遺産を持っておった人というのは一・四%でございました。それが逐次その後二、三回課税最低限の引き上げは行われましたけれども、ほとんどその後におけるいろいろな価格の上昇を反映し切れませんで、昭和四十八年、現在の課税最低限が設けられた年でございますけれども、そのときにはこの一・四人という率が四・二人になっております。 もちろんわれわれも、一・四人という数字が、たとえ四十一年を基準と考えましても、その後の状況から見まして絶対に守らなければならないような数字とは思っておりません。だんだん国民の富が上がってまいりますれば、この数字が上がるのは当然でございますし、またアメリカであれ、イギリスであれ、ヨーロッパの諸国であれ、そういう数字を仮にとってみましてもかなり高いところにございますから、だんだんわが国も幸いにして国民の富が上がれば、これも上がっていっていいのだろうと思います。 しかし、たとえばこの七年間に一・四から四・二に上がってきたということは、国民の富が非常にふえたということのほかに、もろもろの価格の異常な上昇というのがあずかって力があると私は思っております。これをこのまま現行法を続けますと、五十年度においては約五・〇程度になるという見込みがございます。正確に申しますと四・九程度になるという見込みでございます。 そこで、今回の改正では、被相続人に着目いたしましての課税人員というものをある程度の数字にするのが現状から申して適当ではないかということで、まず、課税最低限の問題を考えたわけでございます。 この場合やはり一番基本になりますのは、いまの相続税の課税対象の七割を占めておるのが土地でございますから、土地の価格は一体どの程度四十一年から伸びてきておるのかと申しますと、宅地価格指数で約四倍、正確に申しますと三九六・二%に四十九年度でなっております。あるいはまた、国民所得の一人当たりの金額で見ましても三三九・六%ということになっております。そういうふうに大体四倍をこの際の目標にいたせば、先ほど私が申しましたようないわゆる課税人員割合というものも適当な線に来るのではないかということであの四十一年当時の課税最低限、配偶者と相続人四人で一千万円というのを、今度五十年度における改正では四千万円にしていただこうということでもって発足をしたわけでございます。 そういうことによりまして、先ほど申しました現行法のもとにおきまして課税をされる死亡者の率が四・九から二・八程度に下がる。大体このくらいの率が、ヨーロッパの国のその同じような数字に比べてみてそんなに不当なものでもないというようなことから、この課税最低限をとらせていただくことにいたしたわけでございます。
○佐藤(観)委員 その課税される被相続人の人数の問題でありますけれども、いまの御説明ですと、要するに四十一年度の大体の死亡者数の比率を一応基準に置いている。そしてその数字の比率自体はさしたる特別の意味はないけれども、一応その基準に戻したい。現実には二・八でありますからまだ戻っていないわけでありますけれども、戻したいということでありますが、四十一年の死亡者数に対して被相続人が約九千人という数字、これは一体どういうふうに考えたらいいんだろうか。その四十一年当時の相続税のかかる人々の資産、課税最低限が一千万、四十一年当時の国民の生活レベルの中で、これは一体どういうふうに考えたらいいんだろうか。それが基準になって一応いろいろな数字を使い、四倍ということにいま原則的になっているわけでありますけれども、四十一年当時の相続税の実態的な状態というのをどういうふうに理解したらいいのか。そこに今度の改正をある程度合わせたいということになるわけでありますが、四十一年当時の状況というのは、では一応このくらいが適当だというその理屈づけというのは一体どういうことになるのだろうかということが私にはよくわからぬわけですが……。
○中橋政府委員 私は、先ほど昭和四十一年当時のいわゆる被相続人で申しました課税割合一・四に返すのを目標にいたしておると申し上げたわけではございません。だんだん国富がふえてくれば当然上がってしかるべきものだと思いますし、今回二・八に幸いなりましたとしまして、またその率はますます富がふえるにつれてヨーロッパ並みにふえるのだろうと思っております。それで、昭和四十一年当時に一体どういうような事情であったのかということでございますが、これもいろいろな数字のとり方がございますけれども、およそあのときの相続人が配偶者を含めまして五人で一千万円で、まずまずこの程度の人は、不幸亡くなったとしましても、相続人については相続税がかからない程度というのを考えたわけでございます。いろいろな地域をとりまして、このくらいの宅地と、その上にこのくらいの家を持っておる、ごく通常のサラリーマンがある程度の年齢に達して持っておる、それも地域によって非常に異なります。東京都内であれば一番高いわけでございますけれども、そういうようなものが一体どの程度課税されないであろうかというようなものを基準にいたしまして、この程度の非課税限度であれば相続税としてもほどほどの線ではないかというのが、当時の四十一年度の線であったと思っております。 それを大体基準にいたしまして今回やるわけでございますけれども、たとえば住宅地のほかに建物を三十坪持っておりましたり、あるいは平均的な数字から推定をいたしまして、宅地、建物以外の資産をどれほど持っておるか、その場合に一体どれくらいの宅地が今回の課税最低限で相続税がかからない程度であるかというようなものを勘案いたしまして、地域的に、東京都内におきましてもある程度の面積の宅地を持っておりましても、今回の改正であれば課税にならないであろうというような線を見出したわけでございます。
○佐藤(観)委員 そこで、それに続いて、基礎控除が二千万に、相続人が五人、奥さんと子供四人としますと、四千万の控除が働くわけですね。 〔委員長退席、村山(達)委員長代理着席〕 そうすると、一般的に考えて、四千万というと遺産としてかなり高いのじゃないか。いま一番近い統計となると四十八年になると思うのでありますけれども、果たして現状で、四千万の遺産を引き継ぐ人というのは一体どのくらいいるのだろうか。相続税を払う人というのは、いままでですと大体三万人と言われているわけでありますけれども、三万人の中で四千万以上の人々というのはどのくらいの割合を占めているのだろうか、少しその辺の実態をお知らせをいただかないと、奥さんと子供四人で四千万までの遺産には一銭も税金がかかりませんということになると、どうもわれわれ貧乏人としては、少し額が大き過ぎないかということを感ずるわけでありますが、いまの四十八年における総遺産の実態はどういうふうになっておりますか。
○中橋政府委員 四十八年度の数字でございますが、ちょうど四千万円というところの数字を持っておりませんので、申しわけございません。五千万円以下で申しまして、課税を受けました人の割合で申しますと、七一・八%の人は五千万円以下でございます。それから三千万円以下の人で申しますとその数字は四八・〇%でございますので、四千万円以下ということになりますとこの真ん中辺よりちょっと上ぐらいのところになるのではないかと思います。
○佐藤(観)委員 そうすると、五千万円以下の人が相続税を納める人の大体七割であるという実態になっているわけですね。その中で、いわゆる今度の改正の中には、土地の値上がりというものが非常に高いがために、局長の言葉をかりれば、インフレ調整の相続税減税ということになるわけでありますが、遺産の額別に土地の占めている割合、これは何か数字がありますか。
○中橋政府委員 遺産の多寡の階級別に遺産の中に占めます種類で、たとえば土地がどれくらい占めておるのかという数字は現在とっておりません。ただ総じて言えますことは、何と申しましても相続税は執行面のむずかしさもございますので、不動産を把握いたしておるのが相当部分でございます。 それからまた、土地の価格が非常に上がっておるということから、相続財産、課税しておりますものの財産で申しまして約七割は土地でございます。やはり大体この七割というのは、財産の階級別に見ましてもそんなに違っていないのではないかというふうに思われます。
○佐藤(観)委員 また少し話がもとへ戻るのですが、平均して遺産の中の七割が土地であるというふうに理解をして、そうしますと、インフレでだんだん土地が上がってくる。インフレで上がるという言い方は余り正確じゃないかもしれませんが、土地の値段が上がってくる。これは旧来から持っていた人、つまりインフレになるから土地が上がるぞといって買った人じゃなくて、意図せずして昔から土地を持っていた人でも、それだけ自分の資産はふえたことになるわけですね。それから土地が値上がりするぞといって買った人々、この人々も事実その目標どおり土地の値段が上がっていった。 そうなると、どちらにしてみても、前者の意図しないでずっと古くから持っていた人についても、これはインフレによって土地の値段が上がってきたわけでありますから、自分は何もせずにインフレのために土地の評価が上がってきた。それからインフレをうまく利用しようと思って買った人、これもうまく利用できたわけでありますね。ですから、そういった面で、いずれにしろこの遺産の額が上がってきたというのは、どちらの場合をとってみても、これは要するにインフレの恩典を受けたやはりインフレ利得——利得と言っても悪い意味での利得じゃなくて、インフレによって額はとにかく上がってきた、あるいは不労所得だということは言えるのじゃないかと私は思うのです。 そういうことから考えてみますと、冒頭の話にまた戻るわけでありますけれども、調整というようなことではなく、やはりそれなりに高い土地、高く評価される家屋に住むように、インフレの恩典と言うと変な言い方でありますが、若干なりともそういった意味でのインフレによる利便と申しますか、利便と言うのもおかしいですが、まあ利得という言葉を使えば、インフレ利得を得てきたわけでありますから、冒頭にお伺いしましたように、これはやはりむしろチェックをすべきじゃないか。 ただ、チェックをする場合に、なお一層相続税を強化する必要があるかないか。これはまた少し話は別だと思うのでありますが、いまこういった状況の中で土地が上がってきた、土地が七割遺産の中で占めるという状況の中で、インフレで土地が上がってきたのに、そのインフレ利得に対して追認をするような形の減税というのは、政策的に決して好ましいこととは私は思わないわけであります。しかも、その人数が三百万人も出てきた、それでとても税務署がかなわぬというので若干減らそうというならまだわかりますけれども、最大ふえても三万人なんですね。三万人でありますから、評価の問題ではいろいろむずかしい問題はありますが、取り扱いとしてそんなに手に負えないような、税務署の職員の方は大体五万人でありますから、三万人の方が相続税を届け出てもそう困るような数字にならぬわけでありますから、あえてこの際、冒頭に申し上げましたような意味も含めまして、相続税のこういった意味での減税はする必要がないんじゃないかと私は思うわけであります。大体いままでの答弁でお話は出てきていると思いますが、その点について再度お伺いをしたいと思うわけであります。
○中橋政府委員 おっしゃいますように、同じ五千万円なら五千万円の財産を、土地で持っておった人と預金で持っておった人は、たとえば四十一年から見まして損得は大分違っておると思います。しかし、土地を評価として五千万円いま持っておる人は、かつては非常に安い時代に買ったもの、あるいは親から相続をしたものでありますから、その金銭評価額だけで見ますれば非常に利得を得たようには思いますけれども、また一面、考えようによりましては、仮にその土地を売ったとしましても、同じところの土地はそれ以上買えないわけでございます、みんな同じように上がっておるわけでございますから。それによって、その土地を持っておるということで非常に利益を得たというわけにはまいりませんで、むしろそれを売ったときに、金銭にかえましたときに、預金の形で持っておった人と比べれば非常に有利であるから、その所得についてはもっと重課をしていいではないかという考えはわかりますけれども、単に持っておるということにつきまして、相続税なり富裕税という財産を課税標準にします場合に、より強く分別して考えなければならないものであるかどうかという点につきましては、私はやはり疑問に思うわけでございます。 しかも、そのときに、ある程度の人が自分の住んでおった土地として、あるいはその上に家屋として所有しておりましたものが相続財産となるときに、常にやはり相続税を納めて、その部分を縮小しなければならないかというのは程度の問題でございます。 そうしますと、やはり冒頭に申し上げましたように、財産の再分配というのを一体どの程度のところでやらなければならないのか。それは全部やれという御意見ももちろんでございましょう。しかし、相続税の性格から言いまして、やはりある程度の数字、いまで申せば、百人亡くなった中では三人程度ぐらいというのが一番いい数字ではないかというふうに私は思います。
○佐藤(観)委員 大体私の質問の冒頭から累進税率の話がちゃんと防波堤になっていますので、いまの質問をずっと続けていっても答えは一緒だと思うのでありますが、もう一つお伺いしたいのは、妻の座の優遇の問題であります。 一般的に妻の座の優遇の問題については、私たちも長年主張してきたことでございますし、相続税の改正のときに、その都度、もう少し優遇の仕方があるのではないかということを言ってきたことは事実であります。議事録を調べてみれば十分おわかりのように事実であります。 しかし、今回のように全く青天井にしていいかということになると、これは私は少し問題ではないだろうか、若干疑問を差しはさまざるを得ないわけであります。今回の改正で、つまり法定相続のうちの相続分に当たる三分の一の相続ならば、幾らの額でも税金はかかりません、三十億の遺産を引き継ぐというような人が出て、そしてその三分の一の十億の遺産を配偶者が引き継いだ場合には、この場合も一銭も税金がかからぬわけですね。これは幾ら妻の座優遇といっても、少し私は変な意味で大蔵省は思い切りがよ過ぎたのではないだろうか、こういうふうに思うわけでありますが、この点についてはどういうふうにお考えになって法定相続分の三分の一についてはまるまる非課税にしましょうとお考えになったのか。 私たちも、配偶者の場合には、通常の場合、主人が亡くなって遺産を継ぎ、奥さんはまた何年か生きて同世代間の相続はその次の今度は下の相続に、縦の相続に、いずれ奥さんが死んだ場合にはもう一回相続税がかかるわけでありますから、その面で二重課税になるのじゃないかということで、緩和をするということについては反対ではないわけでありますけれども、しかし幾らあってもまるまる三分の一法定相続分については非課税である、これは私は、ちょっと行き過ぎではないだろうか、これだけ富の再配分が叫ばれ、あるいは資産所得に対して、いま質問したようにいろいろ問題になっておるときに、ちょっと行き過ぎではないだろうかと思うわけでありますが、これはどういう観点からお考えになったのか。
○中橋政府委員 いわゆる配偶者に対します相続税の配慮ということもかなり長い問いろいろ御議論がございました。また相続税制を見てみましても、その間いろいろな考え方が出ております。 いまから十六、七年前に初めてそういうことを導入いたしましたときには、配偶者の相続分に応じましてその二分の一の税額を軽減するという制度を導入いたしました。それからいまから十年足らず前にやりましたときには、法定相続分と三千万円の限度というのを兼ね合わせながらやったこともございます。しかしまた、四十六年でございましたか、そういう法定相続分ということよりはむしろ三千万円という限度でもってやったらいいじゃないかということでやったわけでございますが、確かにそれまでの考え方は、大部分はおっしゃいますように配偶者、特に妻に対する相続税の配慮として行う場合にも、ある程度の限度を設けてきたことは事実でございます。 私どもが今回のような改正案を考えましたのは、思い切りよ過ぎたというおしかりを受けましたけれども、そのものの性格といたしまして、配偶者の相続税について配慮をいたしますのはなぜかということを申しますと、一つには、すでに御指摘のように、同じ世代間におきます相続という問題でございます。本来相続税は、いかなる経路を経ましてもその財産がある一人のところに到達するにおきますところの負担が常に等しいというのが、一番理想的であろうとかねがね私は思っております。しかし、それをやりますためには非常にむずかしい計算が必要でございまして、それはなかなか実行しがたいものでございます。そういたしますと、私は、特に妻と申しますか配偶者という特別の地位にある人の間における相続というのは、かなり思い切ってそういった面の配慮を加えていいのではないかという気がいたします。 それからもう一つ配偶者の相続について配慮をいたしましたゆえんは、やはり配偶者がその財産を維持する、あるいはふやすということにつきまして相当の貢献をしてきた、その貢献についても配慮をしていいんではないかというようなことを考えざるを得ないわけでございます。 そういった同世代間の相続あるいは配偶者の貢献に対する配慮ということを考えました場合には、いままで考えてきましたような数字の限度をもって、一体どこで切ったらいいのかというなかなかむずかしい問題がございます。三千万円がよろしいか、あるいは、今回それをさらに四千万円に引き上げることをお願いいたしておりますけれども、四千万円がよろしいか、一億がよろしいかということになってまいりますと、それはもう程度の問題になってまいります。 したがいまして、今回の改正におきましては、むしろもう先ほど申しました二つの考え方を徹底いたしまして、思い切って妻の相続分について相当な配慮を加える。ただその場合には、残念ながら、まだわが国におきますところの夫婦間におきます財産制度と申しますか、そういうものを、ぴったりとこれに持っていくわけにもまいりません。そういうことも配慮し、およそ普通の家族構成の場合におきますところの配偶者の法定相続分というのを頭に置きまして、金額の限度は設けないということに踏み切ってお願いをしておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 財産というものが配偶者あって初めてできたことであるという評価、このこと自体は原理的には私は正しいと思うのですね。ただ、いま私の論ずる観点として、余り高額なものを優遇することはないじゃないか、特にインフレの中でますますそうじゃないか。それに対して、それなりに税制の中に累進税率が働きますということが一つあるわけでありますけれども、今度の場合には、この配偶者の法定相続分の非課税というものについては、これは当然のことながら、非課税でありますから、累進税率だってもちろん全然働かぬわけですね。 したがって、四十八年度の総遺産額の実態を見てみても、先ほどの残りの約二八%の人々というのは、総遺産額が五千万以上ということになるわけですね。それ以上の非常に限られた人々については、全く配偶者については税金がかからなくなるということになりますと、非常に高額な人、全く一部の人にこの恩典というのは非常に厚くかかってくるということですね。 だから、確かに妻の貢献をここで認めるということは大事でありますけれども、今度は非課税でありますから、累進税率が全然働かぬわけでありますから、非常に限られた、いま三万人の人の話で五千万以上遺産を引き継ぐ人はその二八%。そうすると、五千万を区切りとした場合のそれの三分の一の部分というのはまるまる税金がかからなくなってくる、たとえば三十億あっても十億については税金がかからぬということになりますと、この恩典を受ける人というのは、遺産が高ければ高いほど額としては非常に大きく働いてくる。これは非常に限られた人に非常な恩典がかかっていく。 これはいまの税制の中で、税のあり方として、私は、妻の貢献を認めることは結構だけれども、おのずとそれにもある程度限度が必要じゃないかと思うわけであります。その点についてはいかがでございますか。非常に一部の人に非常に強くこの恩典が働くんじゃないだろうか。
○中橋政府委員 先ほど申しました五千万円の遺産で区切りまして、上の方は二八%程度と申しましたが、その場合に課税最低限四千万円と申しますのは、配偶者と子供四人が相続人の場合でございますから、仮に配偶者だけが相続人の場合もございますし、子供さんがもう少し少ないという場合もございますので、そういう人たちにはもっと課税最低限が低くなりますから、必ずしもその二八%だけの人がその恩典を受けるというわけではございません。 しかし、いずれにいたしましても限度はございませんから、今回の改正によりまして、この改正なかりせば納めたであろう配偶者の相続税はゼロになりますので、その分は確かに軽減になります。しかし、その場合にも、現在の相続税の計算の仕組みは、配偶者その他の相続人の納めるべき総税額というのを一たん出しますから、その場合には配偶者以外の相続人の相続税負担というのは、配偶者の税金がゼロになることによって、その累進税の効果が削られるということはないわけでございます。 それから、これはもう先ほど御指摘のとおりでございますから十分おわかりのことなんですが、仮に上の方の財産が三分の一配偶者に相続をされまして、その税金がそのときには納めないということになりましたとしても、やがてまた次の相続のときにはそれ相応の相続税というものは納めるわけでございますので、全部そのまま永遠に税金がかからないということでもございませんから、やはりその場合には私どもは妻に対する配慮、配偶者に対する配慮ということから申せば、そういうことで配偶者に相続財産が行くということによって、また配偶者が潤いを得るということの方がむしろ望ましいのではないかというふうに思っております。
○佐藤(観)委員 私もあの二八%という数字を使ったのは、その人だけが別に恩典を受けるというわけではありませんが、要するに、いわゆる相続税を払わなければいけないほどの遺産を持った人のざっと四分の一、つまり高額の遺産になればなるほど、たとえば五千万で切ってみれば約二八%の人々、四分の一というきわめて少ない人々、しかも三万人を対象としての話をしているわけですからね、きわめて少ない人に、しかも多ければ多いほどそれが非常に効いてくるということは、妻の座を守るという意味では私は認めないわけではありませんが、しかし全く限られた人数に非常にこの恩典が効いてくるではないか。 それはいま局長が言われたように、また私も申しましたように、妻ということに限れば、奥さんが亡くなったときには、これはもう一度相続税がかかるわけでありますから、その面では確かにそのことは認めますが、しかし全く青天井にしてしまうということについては、やはりこれは庶民感情から言って合わないのではないだろうか。本当に妻の座を守るというのだったら、私は本来ならばこれは所得税で配偶者控除という形で守るのが本筋ではないか——本筋というか、そこまで妻の座というものを認めるのであったならば、所得税の配偶者控除でももう少し考えるべきではないだろうか。妻の座を税制上守るというのだったらば、本来的にはもっと長い期間の所得税の問題で考えるべきではないだろうかと思うわけであります。それとの関連については、局長はどういうふうにお考えになりますか。
○中橋政府委員 確かに所得税につきましても、私は民法の夫婦の財産制度というものが今日の姿と変わってまいりますれば、そういうことの制度をとっております国の例にならう必要もあるかとも思いますけれども、今日のような財産制度である限りにおきましては、やはり基礎控除と同額の配偶者控除ということでやってまいるのが、やはり所得税におきましては配偶者に対する配慮のぎりぎりではないかと思います。
○佐藤(観)委員 確かに根本には民法の七百六十二条のいわゆる夫婦の別産主義に事は起因をしているわけでありますけれども、しかし、相続税のいまの現状では、少なくも四十九年度では納める人は三万人、それにお子さんたちがついてくると、実際に納める形になるのは人数がふえますけれども、いわゆる課税上の相続人というのは三万人と考える。その中の非常に高額の遺産を受ければ受けるほど妻の座というものが高く認められるというのは、妻の座というものはこれはもう全般的なものでありますから、いわゆる世帯全部にわたるものに関連する妻の座を税制上守るということから考えると、全く限られた人々だけの妻の座を守ることになるのではないだろうか。 したがって、もし本当に大蔵省の方で妻の座を税制上守るというならば、もっと広い範囲にわたるところの所得税法で本来解決すべきものである。本来というと若干言葉は強過ぎますけれども、私たちも妻の座を税制上守るということは相続税の中でも主張してきたわけでありますから、そのこと自体は原則としていいわけでありますが、このように青天井にしてしまうと、私はちょっと賛成しかねる。きわめて人数が限られた、しかも所得が多ければ多いほど優遇される度合いが非常に高くなってくるというあり方というのは、妻の座を守るという言葉で金持ちを守るという形になってしまうだろう。 そこで、本来ならばやはり所得税で基礎控除以上に何らかの手を考えることが本筋じゃないだろうか。私は所得税においてそれをもっと本当は延長して、相続税におけるこの部分、上の方はある程度カットをして、上限なら上限を設けて、その分だけやはり所得税で考えるのが本筋じゃないだろうかと思うのです。 とにかく、長い長い論議の中で妻の座を税制上守るということが進んできたことは事実です。進んできたことは事実ですが、ここまで行ってしまうと、さらにもう少し精査をして、全くこれだけ限られた人のためだけに青天井にしてしまっていいものかということについては疑問がある。 そこで、いま局長は、所得税法の基礎控除と同額にするのが限度でありますということですが、その点について再度お伺いをしたいと思うのですね。つまり、所得税法の中でどうして基礎控除と同額でなければいけないのか。もし妻の座を相続税法上守るということならば、これは本来的にもう一歩発想を転換して、あるいは前進をさせて、所得税の中でももう少し考えるべきことではないだろうか、こう思うわけでありますが、その点について再度お伺いをしたいわけです。
○中橋政府委員 所得税におきまして配偶者の地位をどの程度に配慮するかという問題、これも逐次所得税で私は前進をしてきたものだと思っております。基礎控除とあの当時の配偶者控除を設けましたときには、本来でございますと、基準的な生計費が一体一人のときには幾らかかるであろうか、奥さんをもらって二人世帯になったときには幾らかかるであろうかというものをメルクマールにして設定すべきものであったわけでございます。 したがいまして、二人世帯になりましたならば、基礎控除の金額よりは少なくて済む配偶者控除の金額というのが理屈の上では出てくるわけでございますけれども、そこを今日の所得税におきましては、むしろ基礎控除と同じであるということにいたしましたし、もう扶養控除もその線まで・到達をいたしましたから、そういう控除の面におきまして配偶者をさらに基礎控除よりも多くすることによって配慮をするということは、実はなかなかむずかしいのではないかというふうに思っております。
○佐藤(観)委員 もう時間もちょうど来ましたので終わりますが、要するに、この問題について私の言いたいのは、妻の座を税制上守るというけれども、その守られる人というのは非常に限られた人であって、しかもその限られた人というのは遺産が多ければ多いほど税制上守られる度合いが多い、要するに金持ちの奥さんであればあるほど守られるという形になるというのは、これはどうも好ましいことではないというふうに私は思うわけであります。 これは同僚議員からまだまだいろいろと御質問があるかと思いますので、私の質問はこれで終えておきます。
○村山(達)委員長代理 小林政子君。
○小林(政)委員 まず最初に、入場税の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 今回、入場税法の改正によって一応映画、演劇など免税点を引き上げる、こういう措置がとられたわけですけれども、このことは、文化、芸術等に対してさまざまな団体が多年にわたって非常に熱心に運動を続けてこられたことが一応ある程度一歩前進をしたというふうに言えると思いますし、私どもも何回かこの入場税問題については委員会の中でも、本来文化、芸術等に対して課税の対象とすべきではないのではないか、こういう角度からいろいろとこの廃止ということについても取り組みを強めてまいりましたけれども、今回の措置は一歩前進をしたということが言えるというふうに考えております。 ひとつお伺いをいたしたいのは、このような文化とかあるいは芸能という問題に対して、課税の対象としてこれを見ているわけですけれども、民間の自主的な文化運動あるいは芸能運動というようなものを発展させていくという立場から、一体このことについてはどう見ていくべきだろうか。まず、自主的な運動をどう発展させていくべきなのか、あるいはまた、課税という問題とこの問題とは一体どういう関係に位置づけているのか、こういう点についてお伺いをいたしたいと思います。
○中橋政府委員 もろもろの民間の文化活動が自主的に行われることは、私どもも結構なことだと思っております。ただ、税金の面から申しますと、結構なことはいろいろたくさんあるわけでございますが、そういうことについて、たとえば仮に利益が出ましたときにそれに課税するのがいいのかどうか、あるいはそれに参加するについて何らかの負担をしますときに、それについて税金の負担をあわせてやっていただくのがいいのかどうかというのは、また別の観点だろうと思います。 そういうことから言いますと、非常に結構な文化活動が行われまして、たとえばそこへの参加をするために負担をなさるある種の負担料金というものがありましたときに、それについて担税力を認めて課税をするということは、税金の立場から言えばまた無理からぬことだと思っております。しかもそれは、確かに従来いろいろ御議論がございました、ほとんど全面的に課税をするのがいいのか、あるいは今回のように他のサービス課税の例にならいまして、相当部分のところは非課税の分野に置くということでもって対処するのがいいのかということは、これはもちろんその時々の税制からの考え方でございます。 確かに昭和十三年以来のこういったサービス課税の動きを見てまいりますと、入場税についてはその課税分野の維持というのが長きにわたっておったということは確かでございます。いろいろ御議論があったことも参酌しまして、今回思い切って免税点を大幅に引き上げるという形で、大部分の課税を除外するという措置を講じたわけでございます。
○小林(政)委員 私はやはり文化とか芸術、芸能というものは、人間の、特に青少年にとっては欠かすことのできない非常に重要なものであるし、また成人にとっても、この問題は非常に重要な性格を持っているというふうに思っております。しかし、いまおっしゃられたように、戦費調達というような発想の中から入場税が当時発足をいたしました。それ以来一貫して、文化、芸術、芸能というようなものは何かぜいたくと言いますか、担税力があるからそこに税金を課税すればいいのだ、こういうような考え方というものがずっと一貫して流れている。 そして今回、実質的にはある程度のところまでは課税の対象から外されているわけでございますけれども、しかし、こういうものを本来もうけの対象としてしか見ないという考え方ですね。私は、この考え方というものは、文化、芸術、芸能というものを、何か利益が相当あるところに課税をするのはあたりまえなんだ、相当もうかっているというふうな見方の中から出てきているのじゃないだろうか、このように思いますけれども、その点についてもう一度お伺いをいたしたいと思います。
○中橋政府委員 入場税につきまして、私どもが担税力ということを申しますのは、そこで行われております高度の芸術、文化に伴いまして多くの利益が出ておるなどとは思っておりません。私どもの言っておりますのは、そういう芸術なり文化が催されます、その催し物は非常に結構なものでございますが、それに入るに際して、それに参加するに際して、普通一般で考えられているよりもかなり高い料金を負担する、そういう負担し得る能力、それに入っていく人の負担能力というものを勘案いたしまして、そこに担税力を見出すわけでございます。 したがいまして、行われておる芸術は非常に程度の高いものでありますけれども、そこにお金を払って入っていく人の担税力というものは、やはり税金を考えます場合には忘れてならないと思います。
○小林(政)委員 私は果たして、それではいままでのように、こども劇場とかあるいはまた自主的な文化サークルというところの会の人たちが、本当によりよいものに自主的に参加していこうということでいろいろと取り組みを強めてまいりましたけれども、会費制というようなことでやっている場合に、国税当局がそこに相当豊かな担税力があるということで見てきたのかどうか。 特に、こども劇場のような場合には、子供たちの豊かな情操を伸ばしていきたい、そのために親が実際にいろいろと協力をしながら、その会の発展のために取り組みも強めてき、毎回非常にすぐれた芸術、あるいはまた非常に高い文化性のものを取り入れてやってこられた、こういうことは十分御承知だろうと思うのです。 それを、やはりそこにある程度の担税力というものがあるのだからというふうな見方が、今回入場税そのものを残していくということにもつながっていくのじゃないか、こう思いますけれども、私はむしろこの問題については、実質的にこども劇場あるいは労音、労演などについての会費制でやられている自主的なものについては、今回は免税点から見ても外されたからもうそれでいいのだということにはならないと思うのですね。本来の本質的なこういうものをどう見ていくのかという問題が基本的な問題として残るのではないか。そうして、本来こういうものについては課税の対象とすべきではないのではないか、このように考えておりますけれども、この点についてもう一度お伺いをいたしたいと思います。
○中橋政府委員 自主的なサークル活動の形をかりて行われるいろいろな文化的な活動そのものについて、私はとやかく申しておるのではございません。その中で行われます文化的な水準というものも、ものによりましては非常に高いものがございましょう。しかし、それだからと言いまして、自主的な活動をやりますからといって、一般の人が見まして非常に高い会費を納め、非常に高い入場料を払っておるというときには、私はやはりそれ相応の負担をしてもらっていいのだろうと思います。 したがいまして、今回の改正で、もちろんそういう自主的な活動をやっておる人たちは、そんな突拍子もない会費、入場料金を要求するわけもございませんから、恐らく課税になる場合はないと思いますし、今後ともそういう事態になろうと思いますけれども、それなるがゆえに、いかなる料金を取っても入場税を課税すべからずというお考えでございますれば、今回の入場税の改正で私どもがとりました考えとは相入れないのでございます。やはりある程度の水準を超えて高い料金を取られることには、私どもは今後といえども担税力ということから応分の負担をしていただかなければならないと考えます。
○小林(政)委員 自主的なそういう労音あるいは労演などの会費というのは、これはそんな高いものではございませんし、大体千円から千五百円ぐらいの会費の中で、いろいろとオーケストラあるいはまた外国のポピュラーなども、非常に文化性の高いものも取り入れながら、みんなでよいものを観劇していきたい、こういうところから出発をしているわけですが、特に物価上昇のもとにおいて、今後外国のものだとかあるいはまた相当程度の高いものなどを見ていこうとする場合には、課税対象となるような三千円、四千円、五千円とふえていくという危険性が出てくるのではないか、このように考えますけれども、それらの問題についてどのようにお考えになっていらっしゃるか。
○中橋政府委員 確かに、過去の例を見てみましても、映画とか音楽会とかへの入場料金というのは、だんだん上がっていっておるのが趨勢でございます。今後も、幸いにしましてそんなに上がらなければよろしゅうございますけれども、上がってまいることになり、しかもそれが一般的な水準であるということでございますれば、やはりお願いをしまして免税点の改定ということをやっていただかなければならないと思っております。
○小林(政)委員 私は最後に、この入場税問題につきましては、免税点の改定を引き続きという御答弁ですけれども、本来このような文化あるいは芸術というものを課税の対象として見るべきではないのじゃないか。しかも国税のこの今回の措置等を見ましても、税収はもうほとんど三十億程度残すだけなんですね。ですから、今回思い切ってこのような文化、芸術等に対する入場税というようなものをなくすべきではなかったか。それをなぜあれほど強い世論が盛り上がっている中で、わずかな税収にすぎないものを今回残されたのか。 この点については、やはりサービスや一般の商品に対して課税をするということは当然なんだという考え方が、ともかく形だけでも、これは税収そのものは減っても残していくのだということにつながったのじゃないかというふうに思われますけれども、この点もう一度お伺いをいたしたいと思います。
○中橋政府委員 その点につきましては、御質問の委員の方々にもお答え申しましたけれども、やはり一般的な水準を超えましてかなり高い料金を負担されて映画をごらんになり、あるいは音楽会を聞きに行かれるという方々については、私は応分の税金を負担していただいても、いまのわが国におきますその種の税金から見ましてそんなにひどいことでもないし、また一般の入場者から見まして、そう税制が不当であるというふうにも思わないと思います。やはりサービス課税全体を横にもながめてみまして、ある程度の水準を超えて高い入場料金を負担なさっている方には、それ相応の負担をしていただかなければならないと思っております。
○小林(政)委員 最後に私は、やはりこういうものには課税すべきではないし、本来もっと国が力を入れて、いわゆる文化政策としてそれを発展さしていく、特にこども劇場その他については、地域の中に、よりそのようなよい芸術に親しむというものをつくり上げていくという点で、むしろ国が積極的にこれらの問題には力を入れて取り組むべき対象であって、具体的にはむしろそういう自主的な運動をもっと発展さしていくというような文化政策を政府が積極的にとるべきではないか、そしてよいものに接する機会を積極的にもっと広げていく、こういうことがいま非常に重要ではないか。 とかく精神的なゆとりというようなことがいろいろといま言われておりますときに、また青少年が今後本当に成長していく上で必要な豊かな文化性、芸術性というものを高めていく上からも、むしろ国の文化政策としていろいろと援助をし、協力をしてやっていくべき対象のものではないだろうか、私はこのように考えます。この点を強く要望いたしまして、時間の関係もありますので、次の点に入りたいと思います。 私は贈与税の問題について、特に妻の座をめぐってお伺いをいたしたいと思います。 まず、端的にお伺いいたしますけれども、婚姻中の夫婦間において不動産を取得いたしまして妻の名義にした場合には、夫から妻への贈与ということに認められて、贈与税の対象になるのでしょうか。まずその点からお伺いをいたしたいと思います。
○中橋政府委員 夫だけが所得を持っておる、あるいは財産を持っておりまして、妻の名義で住宅を取得しましたという場合には、妻がそれを取得するについての資産を持っていないわけでございますから、恐らくそれは反証のない限りは、夫から贈与を受けたものになるというふうに解釈されます。
○小林(政)委員 現行の贈与税の場合には、居住用の不動産ということに限定はしていますけれども、その取得資金あるいはまたその居住用の家屋については一応税の免除ということがとられているわけですが、しかし、それはいろいろな控除ということでもって行われていることであって、税制としてはこれは贈与税の対象ということになるわけですね。
○中橋政府委員 そういうことでございます。
○小林(政)委員 婚姻期間が二十年以上経過したという夫婦の場合には、先ほど申し上げたような居住用不動産については一応配偶者の控除ということでそれを認めておりますけれども、居住用以外の部分について、自分が住んでそこで生活をしていくというもの以外、たとえばお店を開いてそこで何か営業をやるとか、あるいはまた人に貸すにしても、たまたま住宅をつくるならその一階の一部分を何とか店舗にしたい、こういったような場合にはそれは対象になりますか。
○中橋政府委員 ちょっと御質問の趣旨がわからないのでございますけれども、夫が持っておる家屋の一部を妻の名義の店舗にするという場合のお話だろうと思いますが、そういう場合にもやはり同じように贈与税の問題として考えられます。
○小林(政)委員 しかし、居住用の土地あるいは家屋については、これは一応配偶者控除ということで、二十年以上の場合には対象外なんでしょう。そこをまずお伺いしたいと思います。
○中橋政府委員 いま御指摘の居住用不動産を配偶者から贈与を受けました場合の控除制度というのは、文字どおり居住用不動産でございますので、恐らく御質問の御趣旨は、事業所と住宅の併用住宅につきましてそういう問題が起こった場合のお話だろうと思います。 そういう場合には、居住用の部分につきましてはやはり居住用不動産についての配偶者控除の適用はございますけれども、事業用不動産につきましてはその控除の適用はありません。
○小林(政)委員 それじゃ、もう一つ端的にお伺いいたしますけれども、共かせぎをしております夫婦が共同して土地を購入した、この場合に夫婦いずれかの名義にした、妻の名義なりあるいはまた夫の名義なりどちらか一方の名義にした場合には、これは贈与になりますか。
○中橋政府委員 いまのお話は、共かせぎの夫婦がそれぞれ持っております財源を使いまして実質的には二人で買ったものを、形式的に一人の名義にするというお話だろうと思いますけれども、そういう場合には、なぜ一人の名義にしたかということで、恐らく一人の所有に移したことになりましょうから、やはり贈与の問題が生じてまいります。
○小林(政)委員 私はここで民法との関係でお伺いをいたしたいと思いますけれども、婚姻中に形成された財産、ともかく婚姻をしてその間に形成された財産というものは、夫婦のどちらにその名義を移しても、私はそれは自由じゃないかというふうに考えておりますけれども、これらの問題について、実際民法の点から婚姻中に得た財産についてはどのような見方をしているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○井関説明員 この点につきましては、私どもの世界では実質的なものを問題にいたしますので、名義と実質が違っている場合も間々あることでございます。したがいまして、実質的に二人の共有であるということになれば、名義いかんにかかわらず共有だと考えますし、それが名義を移したのが名実ともに移したということになれば、贈与ということもあり得るかと思います。
○小林(政)委員 夫婦の間でともかく共同で得た財産をどちらか一方の名義にしたのですね。一方の名義にはしたのだけれども、しかしそれは、たとえば夫であれば夫名義である、したがって夫の財産である、こういうことになるわけですね。 しかし、実際に家庭の中でのさまざまなやりくりの中で共同でそれを購入したという場合に、一体何を判定の基準にしてこれは夫のものであると言われるのか、名義がそうなっているから夫のものであると言うのか、その点もう一度お伺いしたいと思います。
○井関説明員 その点は一概に申し上げるのは大変むずかしいわけでございますが、先ほど申しましたのは、私どもでは名義だけに頼らない、名義も一つの判断基準であるということでございます。したがいまして、共かせぎの夫婦が二人の財源でもって買いますと、それは共有の財産ということになるのが普通だと思います。そうしますと、共有財産につきましては民法の推定規定がございまして、持ち分は二分の一ということになる場合が多いのじゃなかろうかと思います。そういう趣旨で申し上げたわけでございます。
○小林(政)委員 私、いまの生きている社会の実情というものを考えますと、一般の家庭で夫婦が共かせぎをし、そしていま激しい物価高の中で何とか生活を維持していく、しかしマイホームの夢も実現をしたいということで、生活費を夫が全部まかなっていく、妻の収入については、そのうちの幾ばくかを積み立てなり何なりして、そして何とか土地を購入する、あるいは家を購入する、こういうことというのはどこでも私は行われていると思うのですね。あるいはその逆の場合もあると思います。妻の所得で生活をし、夫の収入についてはそれを何らかの形で住宅用地なり何なりに向けたい。こういうようなことというのは、一般家庭の中ではどこでも行われているわけです。 そして、やがてその土地を購入した場合に、これは名目的に、では夫の名義にしておきましょう、あるいは妻の名義にしておきましょうというようなことが行われるのであって、それでは一階は妻の名義にして二階を夫の名義にしようなんということは、現実の問題としていま社会の中ではどこでも行われていないわけです。 こういったようなことを考えるときに、私はやはり夫婦間での住宅だとかあるいはまた土地だとか、こういったようなものについての贈与という問題が現実にいま贈与税の課税の対象になるということは、法務省の立場から見ても今後改正をしていかなければならないんじゃないだろうか、この点についてどうお考えになっていらっしゃるのかをお伺いしたいと思います。
○井関説明員 ただいまの点は、夫婦財産制一般の問題とも関連いたしますし、妻の相続分その他の相続人一般との関係がございますので、目下法制審議会の民法部会身分保障委員会というところで審議中でございまして、それを全般的に広く見直そうじゃないかということで四十六年以来やっております。その結論をまって考えたいということが法務省の考え方でございます。
○小林(政)委員 いま審議会等にかけてその問題についても、実体と形式といいますか、そういうもののもっと統一をした方向を打ち出したいということでございますけれども、私は税制の点からも、具体的にいまの社会の実態というものを踏まえて、夫婦間における贈与に対して贈与税が課税されるという問題はどのように今後検討されていこうとしているか、その点をお伺いしたいと思います。
○中橋政府委員 いまのお話の夫婦共かせぎでそれぞれの財源を持っておって土地なり家屋を買いましたときには、共有の道というのが開けておりますから、むしろそういうことでおやりになれば、恐らく贈与税の問題というのも生じないのではないかと思います。 一般的に、いま御質問の夫婦間におきますところの贈与の贈与税の問題ということになりますと、贈与税といいますのは実は相続税の補完税でございますので、余りそういう配慮は不必要ではないのかという気がいたします。現にございます配偶者への居住用不動産の贈与税の控除制度も、実は先ほどもいろいろお話がございました配偶者に対しますところの相続税、贈与税の配慮の一つとして生まれたものでございます。しかも、そのときにはまだ相続税におきますところの配偶者に対する配慮というのがそんなに徹底もいたしておりませんので、むしろ贈与のときにおきますところの夫婦間の居住用不動産の控除制度ということによりまして、それを補完しようというような考えが働いておったと思います。 そこで、今回提案をしております相続税の改正のように配偶者に対する配慮が徹底して行い得ますならば、私は一つの考え方としては、そんなに贈与税において配偶者に対する配慮というのは必要ないのではないかというふうに考えております。しかし、今回の改正におきましては、これまでにそういう居住用不動産につきましての配偶者への配慮というものがすでにございましたので残しましたけれども、今後の方向といたしますれば、私は相続税におきますこの配偶者への配慮ということでもう相当程度カバーされておるというふうに考えております。
○小林(政)委員 いま夫婦間における贈与の問題についての見解を伺ったわけですけれども、婚姻期間二十年という期間を置いていますよね。その場合にのみ対象となる。それがたとえば十年であるとかあるいは二十年以下であるというような場合には、夫婦間における贈与についても、配偶者控除というものが現在適用されていないんですね。いかがでしょう。
○中橋政府委員 確かに現在の居住用不動産の贈与税におきますところの控除制度は、婚姻期間という制限がございます。それは相続税の配偶者に対する配慮につきましても、実は婚姻期間の長さというのを一つの条件にしておりました。今回、相続税におきますところの配偶者への配慮につきましては、その婚姻期間という条件を撤廃するように御提案を申し上げております。それが、私が先ほど申し上げましたように、相続税におきましての配偶者への配慮を徹底したということの一つでございます。 したがいまして、既存の制度として居住用不動産の配偶者への贈与についての配慮というのは、今日までの制度をそのまま存続する。ただ金額を最近の実勢に合わせて引き上げるということだけにとどめたものでございまして、むしろ今後におきますところの配偶者への配慮は、徹底した相続税におきますところの配慮でもって考えてまいりたいと思っております。
○小林(政)委員 そうしますと、婚姻期間の二十年というこの期限は、一応今回の措置によって取り外したというふうに理解してよろしゅうございますか。
○中橋政府委員 先ほど来御説明いたしておりますように、相続税におきましての配偶者への配慮については婚姻期間の条件を外しましたが、贈与税におきますところの居住用不動産についての配偶者への配慮は、これまでの制度をそのまま存続をいたしまして、金額だけを最近の実勢に応じて引き上げたものでございます。
○小林(政)委員 二十年には満たないけれども十五年であるという場合には、一応その対象としては全然認められないのですか。
○中橋政府委員 現行制度におきましても、今回の改正におきましても、その点は改正をいたしておりませんから、ある程度二十年という婚姻期間を持った人だけに適用をするものでございます。 と申しますのは、なぜあのときに贈与税につきましてそういう配慮をいたしたかということは、長い問いわば婚姻生活を営んできた配偶者に対して、特別にそういう居住用不動産を相続のときを待たないで贈与する人につきまして配慮をしようというものでございますから、ある程度の年限を経た配偶者にだけその制度を適用するということにしております。
○小林(政)委員 それでは、二十年に満たなくても夫婦間において実際に財産を形成してきているという事実を一体どう認定するのか。どう認識しているのか。二十年たてば妻の果たしてきたそういう役割りというものは相当大きなものがある、しかし、二十年をたたなければそういうものも認めないということは、いまの実情から言っても私はおかしいんじゃないかと思うのです。 御承知のとおり、最近婦人の社会的な進出というものは非常に大きく前進しておりますし、まして雇用労働者の中で三分の一を婦人が占めているんですね。しかもその婦人雇用労働者の中でも、約半数以上、五〇%を上回る数が既婚婦人です。この場合に、子供を抱え、そしてまた社会的にも活動するという人たちが、すべての働く婦人の数の中の半数を上回っている。 こういう実情の中で、それじゃ家庭の中で、いわゆる別産制をとっておりますから、夫の名義だ、妻の名義だ、この家は夫の名義になっているとか、あるいはここの財産については妻の名義だ、そういうことがいまの実生活の中で一々やられているというふうに認識されているのですか。私は、二十年間たてば夫婦間の贈与については一応配偶者控除ということで認めるけれども、十七年だとか十六年だとかいうのじゃ認められない、婚姻後形成された夫婦間の財産を一体どう見るかということは、重要な問題だと思うのです。私はこれは十分検討をしていただきたいと思います。 この問題について私は、法務省からも見解を伺いたいと思いますし、また贈与税ということで課税の対象になっていることについても、ひとつ明確にお伺いをいたしたいと思います。
○中橋政府委員 夫婦間の贈与税の問題につきまして一つの基本となりますのは、民法上におきますところの夫婦の財産制度が大いに影響しておると思います。これにつきましては後ほど法務省の方からお話があると思いますが、現在の民法の制度のもとにおきまして、夫婦の、夫婦と申しますか、配偶者の他の配偶者に対する寄与というものを認めていないというわけではございません。私は、むしろ非常に徹底して認めて、それを相続の段階で処理しようということに今回割り切ったつもりでございます。 したがいまして、今回の相続税におきますところの配偶者への配慮は、従来とっておりました婚姻期間の制限もなくしましたし、先ほど来非常に徹底し過ぎたといっておしかりを受けておりますが、限度も撤廃をいたしました。そういうことで、私は、夫婦の間におきますところの配偶者の寄与という問題についての相続税上の配慮は十分いたしたつもりでございます。 そういうことにおきまして、私は、今後の方向としては、贈与税という問題としては余りそれを考えなくてもいいのではないか。むしろ相続の段階で妻に対する配慮が非常に厚ければ、おのずとそれに相応の財産の移転が行われるはずでございますから、私は十分それでカバーできると思っております。
○小林(政)委員 私は、新しい憲法のもとで男女の婚姻生活というものは本当に平等であるし、対等である、こういう立場から考えても、ここに二十年という区切りをつけて、二十年たった者については配偶者として当然の控除をするけれども、夫婦間であっても二十年以前であれば対象にはしないということは、ちょっと筋が通らないと思うのです。何を根拠にされて二十年とおっしゃるのですか。なぜ十五年じゃいけないのですか。どういうことなんです。
○中橋政府委員 恐らくそのときに考えましたのは、長年連れ添った配偶者への配慮ということだったと思います。長年連れ添った糟糠の配偶者ということになりますと、一体幾らの年限がいいかということは、おっしゃるように断定的なものはございませんけれども、やはりそのときに考えられたのは、一つには、世上いろいろ言われておりますように、二十五年が一つの区切りでございますから、それの少し前というようなことで二十年という制度ができ上がっておったと思います。 また、そういう二十年という期間も、相続税におきます現行法の配偶者への配慮については、もちろん導入をいたしました。しかし、今回はむしろ相続税につきましては、おっしゃるような問題もございましたから、相続税におきますところの配偶者への配慮につきましては、その年限を取っ払ったわけでございます。
○小林(政)委員 相続税について配慮したと言われますけれども、先ほど来から問題になっておりますとおり、青天井で、ごく一部の人が優遇されるということでは、私は妻の座を本当に守っていく、優遇していくということにはならないと思うのです。夫婦間でお互いの共同的な財産をどう処理していくかということは、これは全く自由な問題であって、この場合に二十年たたなければどうだとか、年限を切って夫婦間での財産の譲渡について贈与税の対象にするなどということは、これは私は今後当然改めていかなければならないのじゃないかと思います。 また、確かに民法の中では、わが国の場合には別産制という制度をとっております。したがって、その別産制のゆえに、どちらかの名義にすれば、夫の名義にすれば夫の財産であり、妻の名義にすれば妻の財産になるというたてまえをとっていますけれども、現実にいま各家庭の中では、先ほどからも何回も言っているように、家を建てようとする場合には両方が協力をする。こういう形の中で、それじゃどちらが財源を支出したのかということ、家を購入するその財源はどちらが出したのだということが問題じゃないんですね。おわかりになりませんでしょうか。共同の財産だと思うのです。
○中橋政府委員 いまお示しになりました例で申しますと、夫婦それぞれが財源を持っておりまして、共同して財産を取得しましたならば、それ相応に共同で所有できるという道がございますから、そういう形をとっていただければ、贈与税の問題は起こらないわけでございます。 それから、基本的に夫婦間におきますところの財産の贈与問題が贈与税を引き起こすから、どうもおかしいという御意見につきましては、これは民法の夫婦の財産制度というものが基本にございまするから、そこの問題を処理していただかなければ、贈与税だけではなかなか割り切るわけにはまいらないわけでございます。
○小林(政)委員 実際に先ほどの共同の財産という問題で、両方の名義にするという人が最近はある程度出てきているかもしれません。しかし、普通の一般の家庭の中では、これは共同の財産なんだ、二人の名義にしましょうということよりも、現実の問題としては、どっちの名義でもいいじゃないですかということで、どちらかの名義にしているわけですね。そうじゃありませんか。
○中橋政府委員 最近は、共有の場合には共有の登記をするという例が非常に多うございます。おっしゃいますように、夫婦間におきますそういう共有的な財産というのを前提になさるならば、むしろ登記も共有という形をとられるのが、配偶者の地位を確立する上においてはなお望ましいことだと私は思います。
○小林(政)委員 私は、ともかく夫婦間においてそれをどちらの財産とするかということは、いわゆる別産制だということでそういうものを区別すべきではないし、夫婦間の財産というものは、当然もう本当に自由に行っていいものであろうというふうに思います。財産そのものが共有なんですよね。所得そのものが共有の中でつくり上げてきた財産である。ですから、そういう点から考えれば、夫婦間において財産の贈与が行われるということは、私はちょっと普通は考えられないと思うのですよ。まして十八年までだったらいけないのかどうなのか、二十年というのがどういうところから出てきたのか。長年にわたっての配慮から出てきているのだということですけれども、二十年に満たなければ譲渡についても贈与税がかかるのだ、こういうことは私は納得ができないと思いますけれども、この点についてもう一度お伺いをいたしたいと思います。
○中橋政府委員 ある程度の年限の婚姻期間を持ちました配偶者への居住用不動産の贈与につきまして、特に贈与税につきまして配慮をしようという場合に、一体どれだけの年限をもって条件とすべきかということは、なかなか一概には決めがたいわけでございます。しかし、おのずと相続税の補完税にすぎない贈与税につきましてそういう配偶者への配慮を特に設けるということにつきましては、いわば相続の段階で処理されましょうけれども、生前そういうことを措置しておきたいという人のために設けた制度でございまするから、やはりある程度の長さの婚姻期間というのはどうしても必要なわけでございます。 そのときに長さをどの程度にするかということは、一つの一番短い条件としますれば、俗な言葉でございますけれども、先ほど繰り返しましたように、銀婚とかそれよりもう少し前の時期とかいうのが一つの線に出てまいるわけでございまして、それが十五年でいかぬのか、十年でいかぬのかと言われれば、絶対いかぬということは申し上げられませんけれども、やはりある程度の長さの婚姻期間が必要であるということでございます。
○小林(政)委員 この問題については、私はどうしてもこの二十年という点に非常にひっかかります。二十年以下であっても、夫婦間の財産という問題については当然これは対象にすべきであって、二十年というのは、相続税のときには婚姻期間を外したわけですから、贈与税の場合も外すべきが当然ではないだろうか、このように思います。これはぜひひとつ検討をしてもらいたいというふうに思います。 それから、法務省の方にもう一つだけお伺いをいたしたいと思いますけれども、先ほどからもお伺いしているわけですけれども、婚姻中の財産につきましては、婚姻前にあった財産ということであればこれはともかく、婚姻の期間中に夫婦が協力をして得た財産の問題については、これはどちらかと言えば共有財産という性格を当然持つべきではないだろうか。その共有財産についてそれが贈与の対象になるということについて私は非常に納得がいきませんけれども、見解をもう一度お伺いいたしたいと思います。
○井関説明員 ただいま民法の七百六十二条で、「自己の名で得た財産」はそれぞれ別産制になっているということは御指摘のとおりでございます。ところで、この自己の名で得た財産というものは一体何なのかということが一つ問題になろうかと思います。 先ほど来御指摘のような共かせぎのようなもの、両方がお互いにお金を出し合って物を買ったというようなものまで、名前が夫名義だから夫の別産だということを言う人は、最近は少ないのじゃないかと思います。それは実質は、二項の、両方が金を出し合って買った財産なんだから共有だという議論の方がむしろ多かろうと思います。 それから後段の、いま御質問のありました夫婦が協力して得た財産、これは大変むずかしい言葉でございまして、実質的に共かせぎの夫婦もおりますし、じっと家庭にとどまっている奥さんもいらっしゃいます。その両方を含めた意味なのか、あるいは後者の意味なのか、その辺を区別して議論しなければならないと思うわけであります。いま問題になっております共かせぎでかせいだお金で購入したような品物は、むしろいま私どもの世界では共有だと考える人が多いのだろうと思うわけでございますが、そういう明らかな証拠がない通常の家庭の奥さん、家事に専念しているというような人の、夫の名義で買い受けた財産、これが一番問題になるのじゃなかろうかと思うわけでございます。 この問題につきましても、一方には、そういう物は、婚姻中に得た財産は一切共有にしろという議論もございます。それでは余りにも不公平だから、まだまだ考えなければいけない問題が多いから、もうしばらく様子を見ようという議論もございます。その辺が、いま夫婦財産制についての議論の大きな分かれ目になっているところだろうと思うわけでございます。その点は今後しばらく、先ほど申しました審議会の議論等を検討してみたいと思うわけでございます。
○小林(政)委員 それでは、婚姻中に取得した財産、夫婦の協力によって得た財産、ところが、それが解消する場合があり得るわけですね。たとえば夫が死亡したということもそうでしょうし、あるいは離婚ということが起きた場合もそうでしょうし、あるいはまた別居をするというような事態も起こるでしょうし、そのような場合に、その夫婦が協力をして得た財産、それに対する分割請求権というものは当然妻は持つわけです。夫も持ちますけれども、妻も持つわけですね。 この場合に法務省としては、婚姻期間中に協力をして得た財産、これらの問題についての分割請求という問題を一体どう見ているのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○井関説明員 夫婦が婚姻関係を解消する場合としたら、死別と生別とがございます。生別のときはいわゆる財産分与請求権ということで、一切の事情をしんしゃくして、家庭裁判所が最終的には決めるということになります。死亡した場合には、いまの現行法では三分の一の妻の相続——子供がある場合には三分の一でございますね。子供がなければ、それぞれに応じてその相続分が決められておりますけれども、その相続分がそれに見合うものだというふうに私どもは考えておるわけです。 ところが、その相続分につきましてはそれだけでいいのか。先ほど御指摘がありましたように、妻の貢献度にはピンからキリまでございますでしょうから、そういうものをもう少しきめ細かく決める必要がないのかという点が一つ問題になっておりまして、その点をいま審議中でございます。
○小林(政)委員 私は、この問題についていま審議中だとおっしゃるので、これはひとつ十分実態に即した検討をして、いま本当に憲法の中で保障されている、あるいは民法で保障されている男女の、やはり家庭の中における妻の優遇という問題を、期待にこたえられるようなものにしていただきたいということを特に強く要望をいたしておきたいと思います。 私は、妻の優遇の問題については、大体二つの問題について質問をしたわけです。いわゆる婚姻期間中に協力によって得た財産というものは、当然これは夫婦間の贈与ということで贈与税をかける対象から外すべきではないか。そしてまた、しかも現在の税制の中で二十年間という期限が切られていることは非常に不合理ではないか。この問題については妻の寄与度だとかいろいろなことが言われておりますけれども、あくまでも協力をしてそして得た婚姻中の財産という問題については、当然贈与税の対象というような見方で見るべきではない、しかも二十年というようなことについてはこれを取り外すべきである、こういうことを二点にわたって質問をいたしたわけですけれども、この問題につきまして、いまの社会的な通念から考えても、これには非常に不合理性が伴っているというふうに考えますけれども、この二つの問題について、主税局長からもう一度御答弁を願いたいと思います。
○中橋政府委員 夫婦間におきます贈与の問題につきましては、先ほどお答えしましたように、やはり民法の夫婦間におきます財産制度というものが基本になると思います。いま御質問の、夫婦がそれぞれ相応の財源を持っておりまして、そして得た財産でございますれば、それはもう当然その寄与しました財源に応じて、共有という制度がございまするから、贈与という問題は生じてこないわけでございます。 むしろそれではなしに、一方に財源がないのにそれに対して財産が移る、その者の財産にするという場合に贈与の問題が生じてまいりまするから、それを、今日の民法のもとにおきまして、夫婦であるからその財産の移転につきましては贈与の問題は起こしてはいかぬと言われましても、ちょっと贈与税の方ではなかなか処理ができないわけでございます。 それから、そういう場合におきましても、現在とっております居住用不動産についての配偶者への配慮について、婚姻期間の制限があるということはおかしいではないかという御指摘、これも先ほど来お答えをいたしておりますけれども、相続税の補完税たる贈与税において配偶者への配慮として居住用不動産というものを考えましたけれども、その場合には、さらに長年婚姻期間を重ねた配偶者という条件をつけても、そんなに不合理ではないと私は思います。むしろ、今回の改正によりまして、婚姻期間のない相続税における配偶者への配慮ということで、その問題は十分カバーをされる問題であると思っております。
○小林(政)委員 次の問題に入りたいと思いますけれども、ただ、いまやはり私どうも納得できませんけれども、妻が内職なりパートなりしながら本当に協力して、そして婚姻中に得た財産。ところが、こういうお金も印があるわけじゃないわけですよ。たとえば、それではあなたは幾ら出したのですか、実際にはパートをやり、あるいはまたやりくりをしながら、あるいは内職をしながら、お金に印をつけているわけじゃありませんから、幾ら幾らは妻が出して、幾ら幾らは夫が出したというようなことでなくても、それによって生活費をカバーし、やりくりをし、そして協力して得た財産ということになりますと、これが贈与の対象になるという点は、やはり私はどうしても納得いきません。 こういう実態というものが現実にいまの社会の中にはあるわけですから、この点についてはもう少し実態を具体的にひとつお調べもいただき、そしてこういった夫婦間での贈与という問題は、この際当然取り除くべきではないか、こう私は思うのです。この点について是非再検討をしていただきたいというふうに思いますけれども、いかがですか。
○中橋政府委員 先ほどから毎々お答えいたしておりますように、それは個別に、その財産がどういう財源で取得をされたかということが明らかにならなければ、一体そのものはだれのものであるのか、夫のものであるのか、妻のものであるのか、共有であるのかということはわからないわけでございます。それを一々ここで御議論をしておっても繰り返しになりますが、それを根本的に解決する道は、何といいましても民法におきますところの夫婦の財産制度というのが基本でございまするから、それが直らない限りにおきましては、おっしゃいますように、夫婦間におきますところの財産の移転、贈与が起こらないということにはなかなかまいらないわけでございます。
○小林(政)委員 これはもう水かけ論で、どこまで行ってもあれですけれども、もう少し社会の実態というものを現実に調査していただきたいと思います。そしてその上で、妻のものであるか夫のものであるかわからないということではなくて、実際に婚姻中に協力してできた財産という問題は、たとえ夫の名義になっていようと妻の名義になっていようと、これはお互いの協力の中でつくり上げてきた財産である、こういうふうに見るのが至当ではなかろうか。 何の仕事でもって幾ら月給をもらってというのではなくても、パートをやったり内職をしたりというような中で、婚姻期間中にお互いに努力をし協力しながらつくり上げた財産という問題は、夫の名義だけになるべきものではありません。当然これは妻が一緒に協力をし、そしてつくり上げてきた財産である。結婚する前からあった財産ということを私は問題にしているのじゃないのです。婚姻後に得た財産という問題については、これはやはり妻と夫の協力の中で、それは妻が働いていないということで、あなたの所得の出どころはどこなんだ、所得の出どころがわからないじゃないか、だから夫のものなんだ、こういう見方をすべきではないし、おっしゃるように、民法が別産制をとっておりますので、したがってそれが妻の名義になっていれば妻であり、あるいはまた夫の名義になっていれば夫だということになりますけれども、現実には婚姻後の財産というものは共有の財産であり、しかも当然、その財産についての贈与というようなことがあってはならないものだ、このように私は考えておりますし、こういう点については是非ひとつ実態を再調査していただいた上で、引き続いて私はこの問題についてはまた改めて御質問をいたしたいというふうに思います。
○中橋政府委員 いま小林委員のお話を伺っておりますと、パートタイマーとして働いておるからということを言っておられましたけれども、どうもパートタイマーでなくても、およそ夫婦というものの財産は夫婦の共有であるべきだというような御意見かと思います。 しかし、その御意見は私は毛頭否定するものではございません。確かにそういう立場というものはありますし、そういう制度をとっておる国もございます。しかし、それは何といいましてもやはり民法というものがございますから、そちらの方で律していただかない限り、私どもの方で、夫婦だから婚姻後に生じた財産は常に共有であります、というふうには処理できないわけでございます。
○小林(政)委員 次に入ります。次に、相続税の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 最近、先ほど来からいろいろと論議をされておりましたけれども、相続税あるいは贈与税の問題については非常に税額も大きくなり、また課税件数等もふえてきております。しかし、その主要な原因というのは、やはり生活上必要な財産、特に住居用に使っております土地だとか家屋だとかいうものの課税価格が非常に高くなってきている、ここに私は主要な原因があるのではないだろうかというように考えております。 特に相続税の場合には、固定資産税の評価額をもとにして一応評価され、評価方式という形をとられているわけですけれども、家屋の場合等も私も少し調べてみました。ところが、これは四十八年に固定資産税の新しい評価額が決まりまして、そして現在五十年度は三年目を迎えるわけですが、この間評価額そのものは一応四十八年で据え置いているわけですけれども、現在また新しい家なども建っております。こういう中で木造の場合には一・六倍になっておりますし、あるいはまた鉄筋の場合には一・五倍、あるいはまた軽量鉄骨の場合は、これは場所にもよって違うのでしょうけれども、これは私の地域ですけれども、一・四倍という形で、家屋についてもやはり物価が上昇しているということの関係もありまして、相当上がっているわけですね。 この問題については、住宅用の家屋については、相続税の場合には固定資産税額そのものを基礎にして一応計算をされているわけですね。いかがですか。
○横井政府委員 御指摘のとおりでございます。固定資産評価額の一・〇、これを相続税の評価額というふうにいたしてございます。具体的に申しますと、その家を再建築、新築をするというふうな場合の価格から減価償却をいたしました価格、これを固定資産税の評価額というふうに地方税の方では運用されておりますので、それによっておるわけでございます。
○小林(政)委員 住宅用の用地の場合はいかがですか。
○横井政府委員 土地につきましては、昨日も御質問があったわけでございますが、方式といたしましては、市街地につきまして路線価方式、それ以外につきまして固定資産税評価額の倍率方式ということがございますが、これはいずれも売買実例、精通者意見価格をもとにいたしまして、正常価格と申しますか、専門的には仲値と呼んでおりますが、仲値を出しまして、それの七〇%を評価額といたしまして路線価あるいは倍率を決定する、こういうふうな方式をとっておるわけでございます。
○小林(政)委員 時間がなくなりましたので先へ入りたいと思いますけれども、結局そうしますと、いま路線価方式、あるいはまた倍率方式というようなものをとりながら、実際には「相続税財産評価に関する基本通達」に書かれているこの内容でやられているということですけれども、いま、これは昨日もちょっと問題になりましたけれども、実際問題として自治省では、御承知のとおり、評価額の上昇が非常に極端に税制にはね返って、そして税負担というものが激増するということを何とか緩和しなければならないということで、特に生活資産の中でいわゆる住居用の土地、これについては課税標準額を評価額の二分の一として認めているわけですね。こういう取り扱いをしながら一応やっているわけですけれども、相続税の場合には固定資産税の評価額というものがもとになって、そしていま言われた数字で評価をされるわけですね。 私は、この固定資産税のいわゆる特別措置といういまの二分の一をとられているこのやり方を、相続税についてもいまのような状況のもとでは住宅用の土地については検討すべきではないだろうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○中橋政府委員 相続税におきましては、その評価は時価でございます。いろいろな政策的な配慮を入れない時価でございまして、恐らく固定資産税で仮にそういう方法で配慮をなさっておるといたしましても、相続税としましては、やはり時価は時価でございますから、それをとることにしなければならないと思います。そういったいまおっしゃるような配慮は、課税最低限というものを随時見直すことによって、課税対象をどの程度にするのかということで考えなければならない問題と私は考えております。
○小林(政)委員 私は、確かに課税最低限を引き上げるとか、あるいはまたその他の措置によって配慮していくということもこれは一つ必要なことだというふうに考えますけれども、問題は、相当遺産総額そのものが高額になるというこの原因が、さっきお話のあったように、土地の価格が四倍だ、五倍だというような評価になっているわけでしょう、実際に。そのために遺産総額というものが全体的に非常に高まってくる。こういう問題を、確かに課税最低限を上げたり、基礎控除を引き上げたりというようなことでいろいろとやられると同時に、やはり住宅用の資産については、遺産総額そのものを大きく引き上げていく根本の原因の評価ですね、ここのところに、私は時価ということではなくして配慮を加えるのは当然じゃないだろうか、政策的にも行うべきではないだろうか、こう思いますけれども、いかがでしょう。
○中橋政府委員 仮に評価がそういうふうに上がりまして、しかも一方で、そういう評価の上昇を勘案いたしまして課税最低限の引き上げを行いまして、それを超えるような財産を持っておられれば、これは相続税の課税を受けてもらわなければ仕方がないと思います。
○小林(政)委員 私は先ほど来から、インフレという中で、実際にはいままで大した評価もされないような土地であっても、あるいはまたそこに何か、自分の責任とは関係なく大きな道路ができたというようなことで、大変土地の価格が上がった、しかし実際に依然としてやはり住宅用として自分はそこに引き続いて生活をしているのだ、むしろかえって騒音がひどくなって困ったものだというような場合に、遺産総額が地価の高騰によって相当高くなる、それによって多額の相続税が住宅用の資産についても課税されてくるというようなことになりますと、これは私は一つ問題じゃないだろうかと思います。 問題は、先ほど来から言っておりますとおり、相続税というのは生活資産については本来課税の対象にすべきではない。私は特にそういう考え方を持っておるのです。農地にしても、あるいはまた個人の住んでいる住宅にしても、あるいはまたごく小規模の事業所のそういう零細の施設にしても、生活のためには最小限の資産というものが必要ですけれども、そういう生活に必要な資産については課税の対象にすべきではない。 先ほど来から問題になっておるような土地を投機の対象にして相当もうけたとか、そういう場合こそ、富裕税的なものも含めて、資産の再配分ということでこれに対しては課税すべきだと私は思いますけれども、最小限の生活をしていくに必要な資産については相続税の課税対象から外すべきであるし、また資産の再配分という税制が持っている性格から言っても、そういうものは当然外していくべきではないだろうか、こういうふうに考えていますけれども、実際に資産総額そのものが個人の責任とは関係なく上がっているわけですから、これについて検討を加えていくということが必要ではないだろうか。ただ単に減税措置をとるとか基礎控除の引き上げをやるとかいうようなことだけではなくして、そこにこそ根本のメスを、やはり一つ特別措置的なものを加味したものが必要ではないかと思いますけれども、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○中橋政府委員 生活に必要な最小限度という概念は非常にあいまいでございまして、このことに関しましては、小林委員と私とは全く違った考え方だと思いますけれども、生活に必要な最小限度は相続税を課税すべからずという意味におきましては全く一致しておりますが、しかしそれがかなり多額のものになりますときには、私はあえて相続税の課税を受けてもらわなければならないという点について、全く違うわけでございます。 それで、一般的に、たとえば地価の上昇が、先ほども申し上げましたように四倍になりますというようなことを勘案しまして、四十一年の課税最低限である配偶者、子供四人の相続人の場合の一千万円が四千万円になるということで、それでもってカバーし切れないほどに仮に評価せられました資産がありとすれば、その超える部分についての相続税というものは、相続税の性格から言いましても甘受していただかなければならないものだと思っております。
○小林(政)委員 いま自治省では個人が住んでいる住宅用地に対しては評価額の二分の一というような特例といいますか特別措置をとられているわけですし、さらにまた二百平方メートル以下の住宅用地については、これは小規模住宅ということでさらにその二分の一、実際には四分の一の評価ということになっておるわけです。こういうことが自治省ではやられていて、そして相続税の場合にはその具体的な財産の評価を行うということで、固定資産税のいわゆる評価額というものがもとになっているわけでしょう。私は、そこのところをやはり特例の措置をとるということは、やはり一回限りだと言っても遺産総額そのものがふくれ上がっていることが根本になっているわけですから当然のことじゃないか、そのことを強く要望もし、またお答えもいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○中橋政府委員 固定資産税におきましては、おっしゃるように、そういった小規模の住宅用地というようなことで配慮をいたしておりますが、相続税におきましては課税最低限ということで、およそ必要な最小限度の生活に支障のないような部分ということで判断をいたして、たとえば四千万円という課税最低限があるわけでございます。そういうことによりますれば、およそ考えられておりますような土地とか家屋等を持っておられるぐらいの程度であれば課税最低限の中に入るものだろうと思っておりますから、それを超えるものにつきましてはやはり相続税を納めていただかなければならない、こういうことでございます。
○村山(達)委員長代理 次回は、来る二十一日金曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十二分散会