大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/02/04
会議録
○上村委員長 これより会議を開きます。 金融に関する件について調査を進めます。本日は、最近の金融事情等について参考人から意見を聴取することにいたしております。 本日御出席いただきました参考人は、全国銀行協会連合会会長佐々木邦彦君、全国相互銀行協会会長尾川武夫君、全国信用金庫協会会長小原鐵五郎君の各位であります。 参考人各位には、御多用中のところ御出席いただき、まことにありがとうございます。最近の金融事情等について、何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。 なお、御意見は十分程度にお取りまとめいただき、その後委員からの質疑にお答え願うことといたしたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、まず最初に、佐々木参考人よりお願い申し上げます。
○佐々木参考人 ただいま御紹介をいただきました佐々木でございます。本日は、最近の経済、金融情勢と今後の展望について御報告申し上げたいと存じます。 まず、最近の経済情勢について御説明を申し上げます。 二年余りの長期にわたる厳しい金融引き締め政策を初めとする総需要抑制策の浸透により、このところ経済活動は停滞の一途をたどり、不況色が濃厚となるとともに、労働需給も一段と緩和してまいりました。すなわち鉱工業生産、出荷及び生産者製品在庫率、機械受注、民間建設受注、住宅建設新規着工戸数、全国百貨店販売額、日銀券平均発行高増発率、企業倒産、有効求人倍率などほとんどすべての主要経済指標は軒並み経済の落ち込みを示しております。 特に鉱工業生産は前年同月比で見ますと、昨年六月以降、十二月まで連続七カ月マイナスに推移しておりましたが、十二月の速報では一二・八%の減少とかつてない大幅な落ち込みを示しております。また、鉱工業出荷は、同じく前年同月比で見て三月以降十二月まで連続十カ月間の低下となっておりますが、十二月の前年同月比は一二%もの大幅な減少を余儀なくされております。四十九年の年間といたしましても前年比生産は二・三%、出荷は四%の低下となりました。このため製品在庫の調整は予想ほど進んでいないと見られます。 国民所得ベースで見ますと、実質国民総生産は昨年の一−三月期に季節調整後前期比でマイナス四・七%と大幅に落ち込み、その後四−六月期にやや回復した後七−九月期には小幅ながら再びマイナス成長に転じたわけでございますが、十−十二月期も恐らく前期比マイナスに推移したのではないかと懸念されます。民間設備投資の不振に加えて個人消費が名目所得の伸び悩みと物価上昇の影響で停滞していると見られるからでございます。また、好調を続けてまいりました輸出もこのところ先細り懸念が強くなってまいりました。 このように経済の実態は急速に冷え込んできていると判断されます。そして、このような実体経済の動向を背景といたしまして、雇用調整の動きも一段と広がり、一時帰休や失業が増大し、労働需給も一段と緩和してまいりました。また、企業倒産も一部の不況業種からほぼ全業種に拡大しつつあり、件数も漸増傾向で推移し、ここ三カ月は毎月千百件を超えております。 一方、物価の動向でございますが、卸売物価は漸次落ちつき傾向を強め、昨年十二月の上昇幅は〇・二%にとどまり、前年同月比で見ますと一七%の上昇と、久しぶりに二〇%を下回りました。一月は上旬が前旬比〇・二%、中旬が〇・三%の下落となりました。しかしながら、このような卸売物価の鎮静化は、当然のことながら需給の緩和のもとにおいて達成されたものであり、コスト圧力としては依然根強いものがあることを指摘しなければならないと思います。 次に、消費者物価でございますが、東京都区部の指数で見ますと、十一月、十二月、一月がそれぞれ前月比〇・六%、〇・四%、〇・二%とこれまた落ちついた動きを示してきております。このため一月は前年同月比で見ますと一六・八%の上昇となり、久しぶりに二〇%台を下回りました。この三月には一五%以下に抑制することができるであろうと見られます。 次に、金融情勢並びに企業金融について申し述べたいと存じます。 まず通貨供給でありますが、いわゆるマネーサプライの伸びは一昨年末より急速に鈍化を続け、このところ前年同月比一〇ないし一一%台の低水準に推移しております。これは主として銀行の貸し出しが抑制的であるためでありまして、銀行の貸出残高の伸びは、たとえば都銀で見ますと、ここ五カ月間前年同月に比べ一〇ないし一一%台にとどまっているのでございます。 金融市場は、総じて逼迫の状態が続いております。コール市場、手形市場は、財政資金の支払い増もあったため、繁忙のうちにもさしたる波乱がなく推移しておりますが、金利は季節的な変動を示しつつ以前高水準を持続しており、一月末日現在におきましては、無条件物コールの出し手レートは一三%、手形の買い手レートは一三・七五%となっております。また、銀行貸出金利も上昇しておりまして、昨年十二月末の全国銀行貸出約定平均金利は九・三七%となり、最も低かった一昨年二月の六・七一%から二・六六%の上昇を示しました。なお、公社債市況は、このところ堅調に推移しております。 金融市場の動きは以上のごとくでございますが、このため企業金融は昨年の九月ごろから逼迫してまいりまして、法人預金の取り崩しなどが目立っております。日銀の十一月の調査では、主要企業の流動性は、手持ち現預金と売上高との対比で見ますと、一昨年末に前回引き締め時のボトムまで落ち込んだ後も低下の一途をたどり、昨年末には〇・七五とかつてない低水準に落ち込んだと予測されております。有価証券を加えた流動性で見ましても同様のことが申せます。大企業の資金需要は滞貨、減産資金需要を中心に依然高水準を続けており、昨年末の人件費を中心とした支払い繰り延べを勘案いたしますと、これから三月までの企業金融は、引き続き相当の窮迫を免れないものと思われます。 次に、今後の金融引き締めのあり方について所感を申し述べさせていただきます。 すでに申し述べましたとおり、物価は漸次鎮静化してまいりました。しかしながら、これは強力な金融引き締めのもとで初めてここまで抑えることができたのであることを忘れてはなるまいと思います。また、前年比での価格上昇水準もいまだ高い上にコスト圧力は高く、一般のインフレ心理もいまだ払拭されたとは言いがたいのでございます。もし景気が過度に刺激されるようなことがあれば、コスト上昇が直ちに価格に転嫁され、物価上昇が再燃することも懸念されるのでございます。したがいまして、物価の先行きはなお楽観を許さないと言うべきでありまして、このため総需要抑制策の基調は、当面堅持していく必要があると思うのでございます。 しかしながら、さきに御報告いたしましたとおり、経済の実態は急速に冷え込んできております。摩擦現象も次第に大きくなってきており、今後の経済運営いかんによっては、経済が深刻な不況に突入していく可能性も絶無とは言いがたいというきわめて微妙な段階に差しかかってきているのも事実でございます。このことから、物価安定を最重点課題として経済運営を行いつつも、景気がこれ以上落ち込まないよう総需要抑制の枠内で適時適切な弾力的政策展開を図っていくことが肝要であろうかと存じます。この場合大切なことは、金融政策と財政政策のバランスをほどよく保つということでございましょう。どちらか一方のみに偏りましては、かえってひずみを生ずることも懸念されるのであります。このように金融と財政の斉合性を保持しつつ、全体として景気のこれ以上の落ち込みを防ぐとともに、物価抑制の配慮も十分に図っていくことが強く望まれるのであります。 次に、銀行経営につきまして二点申し述べさせていただきます。 まず、当面の問題といたしましては、厳しい経済情勢と総需要抑制政策の浸透の結果生ずる混乱の回避に全力を挙げて当たることが、何よりも肝要と存じます。今後さらに不渡り、倒産の増加といった事態の発生も懸念されますが、健全な企業が金融難のために不測の事態に陥ることのないよう、きめの細かい融資運営をしていく所存でございます。幸い中小企業につきましては、企業が早期に経営面の調整に心がけたほか、政府系や民間金融機関が格段の融資配分をしたこともございまして、このところ資金繰りは比較的落ちついた動きを示しておるように思われます。今後とも中小企業につきましては、格段の配慮をしてまいりたいと存じます。 次に、預金者優遇策につきましては、一昨年来五回にわたって預金金利の引き上げが実施されましたが、依然としてより有利な預金者優遇策を講ぜよとの強い御要望が出ていることは十分承知いたしております。また、インフレ下で預金者が置かれている不利な状況は、ひとり預金者の問題にとどまらず、預金をお預りするわれわれ金融機関の存立基盤にかかわる重大問題でございますので、何とかおこたえし、少しでもお役に立ちたいと腐心しているわけでございます。目減り補償は本来金融でやるべき性質のものではないと思いますので、銀行といたしましては目減り補償ということではなく、金利の幾らかでも高い新しい商品を提供することによって、苦しい立場にあられる預金者のお役に少しでも立ちたいという観点から、今後とも検討してまいりたいと存じます。 しかしながら、率直に申しまして、広範囲の預金者に御満足いただけるような高い金利をつける能力は、残念ながら民間金融機関にはございません。四十九年九月期決算は経常利益で大幅増益となり、一般産業界の減益傾向と著しい対照を示しましたが、これは一時的要因による面が大きいのでございます。趨勢的傾向といたしましては、利幅の縮小とコストの上昇で金融機関の経営環境は一層厳しさを増してくるものと考えております。 以上、最近の経済金融情勢について述べさせていただきましたが、現段階は経済運営のかじ取りがきわめてむずかしい時期にあると申せましょう。またマイナス成長と物価高騰がもたらしたさまざまなひずみを調整し、経済を調和のとれた安定成長へ誘導していく非常に重要な時期でもございます。物価の安定を図りつつ当面のマイナス成長から脱却すること自体非常に難事でございますが、その過程が同時に五十年代における望ましい日本経済のあり方を築く第一歩でなければなりません。 このように考えますと、当面、総需要抑制策の基調を変えることは避けるべきでありますし、中長期的にも経済を引き締めぎみに運営していくことが望ましいと考えられます。 以上で私の報告を終わらせていただきますが、先生方におかれましても何分の御教示、御高配を賜りますようお願い申し上げます。御清聴ありがとうございました。
○上村委員長 次に、尾川参考人にお願いいたします。
○尾川参考人 ただいま御紹介をいただきました全国相互銀行協会の尾川でございます。平素先生方から一方ならぬ御高配、御支援を賜っておりますことを、この席をかりましてお礼を申し上げます。 本日は、最近の金融情勢について御報告申し上げる機会をおつくりいただきまして、まことにありがとうございます。若干の時間をちょうだいいたしまして、相互銀行の取引先中小企業の最近の動向と、相互銀行の現況について申し述べさせていただきます。 最初に、相互銀行の窓口から見た中小企業の動向を御報告申し上げます。 御高承のとおり、四十八年以来、二年間の長期にわたる総需要抑制策は、物価抑制の面ではかなりの効果を上げておりますが、一方その結果、不況色は一段と色濃く、全国各地に浸透しておるのでございます。 まず、取引先企業の生産、出荷、在庫の状況につきまして申し上げますと、ほとんどの業種で、売り上げ、受注の減少から減産を余儀なくせられ、下請企業においても、親企業減産体制の影響を強く受けております。このため、残業カット、人員整理、工場閉鎖等を行っている企業も少なくありません。しかもこのような減産体制にかかわらず、在庫の調整が予想したほど進んでいない企業もあるのが現状でございます。 このようなことから、取引先企業の収益状況を見ましても、原材料、商品仕入れ価格の高騰、人件費の増大などの現象が見られ、またこれらコスト上昇要因の吸収が困難なため、減収、減益傾向か顕著でありまして、採算面も総じて悪化しております。 また、資金繰りの面におきましても、売り上げ減少のほか、検収期間の延長、現金支払い比率の低下、手形サイトの延長などにより、中小企業の資金繰りは一段と悪化してきております。昨年暮れのボーナス支給に際しては、分割払い、社内預金への拘束、製品による現物支給などの動きも見られ、逼迫感は依然弱まっていないのが現状でてざいます。 このような情勢を反映いたしまして、企業倒産の発生は昨年十月以降増勢を強めており、倒産企業数の激増と負債額の大型化が目立ってきております。業種的には建設、不動産業を初め、金属、機械、木材、繊維、弱電が目立っておりますが、不況の深刻化とともに全業種的に広がりつつあるのでございます。 したがって、私どもの窓口から見ました中小企業の資金需要動向も、最近は滞貨、減産資金等の後向き資金がほとんどで、拡張販売資金等の前向きの運転資金の需要は余り見られておりません。設備資金は、公害防止資金等の一部の需要を除いては、総じて低調に推移し、現状では、金よりもむしろ仕事が欲しいというような声もございます。 次に、こうした環境下における相互銀行の現況について申し上げます。 まず、融資量については、四十九年一月から十二月までの一年間における純増額は、一兆三千三百五十八億円、伸び率は一四%となっております。これを四十八年の同期間の実績と比較いたしますと、金額で二千六百三十五億円、率では六・二%の大幅な減少となっております。このような融資量の伸びの停滞は、総需要抑制策の影響を強く受けた結果にほかなりません。 さらに、引き締め政策の浸透は、融資量のみならず資金量の面にも影響を与えており、取引先企業の資金繰りの逼迫化から法人営業性預金の取り崩しが目立っております。したがって、四十九年中の資金量年間増加額並びに同増加率は、ともに四十八年のそれを下回っております。これを増加率で申し上げますと、四十八年中は二五%であったものが、四十九年には一七・二%にまで落ち込んでおります。 このような引き締め下の厳しい環境の中にあっても、私どもとしては現下の国家的要請であります国民福祉推進のため、最大限の努力をいたしております。住宅金融の部門には、ことのほか努力を傾注しております。個々の相互銀行において個人向け住宅融資を積極的に行っておるほか、相互銀行七十二行の共同事業であります相銀住宅ローンセンターを通じて、住宅資金需要についてはできる限り応じております。 ちなみに、相互銀行の個人向け住宅融資の四十九年十二月末での残高は七千八百九十億円にも達しており、昨年一年間の伸び率は実に四四%の高水準を示しております。また相銀住宅ローンセンターの融資残高も創立わずか二年余でございますが、すでに八百二十六億円に達しております。 さらに、一昨年以来全国六地区に信用保証会社を設立し、個人の信用を補完することによって、住宅ローンや庶民ローンの円滑化に努めております。 次に、相互銀行の収益状況について申し上げますと、昨年九月期決算では、税引き後の利益金は前期に比べて三・三%の減益となっております。今後についても、預貸金の伸びの鈍化、貸出金利の上げどまり現象から、収入は頭打ちが予想されるのでございます。 反面、支出面におきましては、四十九年一月及び九月の二回にわたり実施された預金金利引き上げの影響が本格的にあらわれてくるほか、べースアップによる人件費増、公共料金値上げによる物件費の増加等数多くの経営圧迫要因が控えており、私どもにとってはなはだ厳しい収益環境が続くものと覚悟いたしております。 このような経済環境の中で、日本銀行の窓口指導枠も本年一−三月期については、昨年同期枠を若干ではありますが上回る額の指導がとられましたほか、大蔵省の業種別融資規制も昨年十二月末をもって廃止されたことは、まことに時宜を得た措置であると喜んでおります。 しかしながら、なお物価上昇要因の潜在しておる現状においては、しばらくは総需要抑制の基調が続くものと考えられますので、関係御当局においては、政策の運営に際しては、不況業種や中小企業金融へのきめ細かい御配慮をお願いいたしたいと存じます。 もちろん、私ども相互銀行としては、今後とも中小企業金融の円滑化、国民大衆の福祉増進に最善の努力を払い、社会的責任の自覚のもとに、職員の資質の向上を図り、経営体質の改善強化に努めなければならないと存じます。 先生方を初め関係御当局におかれては、これまで相互銀行の育成強化のために格段の御配慮を賜っておりますが、さらに顧客の利便等を考えて、国及び地方公共団体における公金取引の拡充等につきまして一層の御高配を煩わしたく、お願い申し上げる次第でございます。御清聴まことにありがとうございました。
○上村委員長 次に、小原参考人にお願いいたします。
○小原参考人 ただいま御紹介をいただきました全国信用金庫協会と全国信用金庫連合会の会長を兼務いたしておりまする小原でございます。平素私ども信用金庫は諸先生方にいろいろお世話に相なっておりますることを、この機会に厚く御礼を申し上げます。 本日は、最近の金融経済情勢について意見を申し述べるようにとのことでございますが、まず最初に、信用金庫の現状につきまして一応御説明申し上げたいと存じます。 御案内のように、信用金庫は地域金融機関として、北は北海道から南は鹿児島、沖縄に至るまで、全国各地でそれぞれ地域社会向上のため活動しておるのでございまするが、現在その数は四百七十六金庫、本支店を含めた店舗数は四千四百六十カ店を数え、その預金量は昨年十二月末で十六兆八千六百六十億円を突破、貸出額も十三兆三千五十億円に迫り、政府系金融機関及び民間金融機関を含めた全金融機関の中小企業向け貸出額の二〇%を占めております。 また、その会員数は四百二十五万人に達し、信用金庫と取引関係にあるものは、預金面で五千九百七十三万口座、貸出面で二百八十一万先数を数えているのが実情でありまして、わが国中小企業並びに国民大衆の金融機関として重要な役割りを果たしているのでございますが、さらに一層中小企業の健全な発展と国民生活の安定に寄与するため、現在、躍進第二次三カ年計画を実施し、業界を挙げてその完遂に努力を傾けているところであります。 次に、最近における預金増加の状況でございますが、信用金庫といたしましては、国民大衆の貯蓄機関としてその貯蓄向上に努めるとともに、余裕資金の吸収を通じインフレの抑制に協力してまいったのでございますが、やはり経済の低成長ということもありまして、四十九年中の預金量の増加は前年に比べかなりの低下を免れ得なかったのであります。しかし、なおかつ金額では二兆二千五百七億円の増加、増加率では一五・四%と、金融機関の中では非常に順調な伸びを見せているわけでございます。 一方、貸出面におきましても、不急不要の貸し出しの抑制など、当面の課題である総需要抑制政策に協力してまいったことはもとよりでございますが、かかる中にありまして、日ごろまじめに努力しておる健全な中小企業までが不況のしわ寄せと大企業からの過当な影響により経営破綻を招くことのないよう、十分留意してまいったのでございます。特に、昨年十月から十二月にかけてのいわゆる年末融資に際しましては、九千五百億円の目標を掲げて中小企業に対する円滑な融資に努力したのでございまして、この結果、四十九年中の貝出増加額は一兆三千百八十三億円、一一%増しの実績をおさめたわけでございます。 また、社会福祉の観点から協力を要請されておりまする住宅金融につきましても、四十九年三月から九月までの六カ月間に約一千億円の増加を見せており、九月末の残高は一兆一千九百三億円、総貸し出しに占める割合は九%と、全金融機関の中で最も高い比率を示しておるのでございます。 さらにまた、最近の貸出金利の動きでございますが、昨年九月末の貸出約定平均金利は九・四九六%と、同年三月に比べて〇・四三六%とかなりの上昇を示しておりますが、しかし、他金融機関に比べますと過去一年間の上昇幅は最も少なく、預金金利の再三の引き上げ、人件費の上昇等によるコスト上昇のはね返りを最少限度にとどめるよう努めている次第でございます。 さて、最近の経済情勢についてでございまするが、長期にわたる総需要抑制政策の結果、卸売物価、消費者物価ともこのところ鎮静化の傾向があらわれてまいっておりますることはまことに結構なことと存じまするが、このため反面におきまして不況が深刻化し、ことに中小企業において倒産の多発化を見ていることははなはだ懸念すべきことでありまして、われわれも中小企業の金融機関の立場から今後とも万全の配慮をしてまいる所存でございますが、諸先生方におかれましても、この面についてきめ細かな対策を御検討くださるようお願いいたしたいと存ずる次第でございます。 なお、これに関連して、この際私ども信用金庫がぜひお願い申し上げたいことは、一つは、かねてから御要望申し上げている日銀資金の中小企業への供給の問題でございます。 日本銀行が都市銀行を通じ大企業に資金を融通をされますことも、それはそれなりに結構でございまするが、資金供給の公平化の意味合いからも、中小企業の面にもひとつ御配慮をいただけるようお願いしたいと思うわけでございます。もしこのようなルールが確立されまするならば、今後万一憂慮すべき事態が発生した際におきましても、全国信用金庫連合会を通じ各信用金庫が日銀による低利の資金を中小企業に供給することができまするわけで、このような弾力的な金融政策をぜひお願いしたいと存じています。資金の貸し出し方については十分注文をつけてくだすって結構でございますから、中小企業の育成のため、実現促進方ぜひ御努力いただきたいと思うわけでございます。 また、これと同時に、経済的弱者の立場にある中小企業の健全な発展を図る意味合いと、これに従事する民間中小企業専門金融機関の活用を図る見地から、資金運用部資金の全国信用金庫連合会への預託など、財政資金の活用についても日ごろからお願いしていることでございまするが、この際、重ねて御要望申し上げる次第でございます。 次にお願い申し上げたいことは、信用金庫が地域の金融機関として、地域経済や地域住民の生活向上により十分に寄与できるよう、その機能の充実化について御配慮願いたいということでございます。 この面につきましては、お願いしたい事柄もいろいろ多いわけでございますが、特に次の三点について早急に御配慮をお願いしたいと思うわけでございます。 一つは、信用金庫法の中に銀行みなし規定を設けていただきたいということであります。現在、信用金庫は各種公金の取り扱いや公庫、公社、事業団等の業務委託や資金取り扱いの面で、他金融機関に比べ著しい制約を受けているのが実情でございます。これは、それぞれの団体の根拠法におきまして信用金庫がその取り扱い金融機関として指定されてないことによるものでございます。さりとて、これらの法律について一つ一つ改正をお願いいたしますことは非常に長期間を要し、また手間を要することでございますので、この際信用金庫法の中にこの面の取り扱いが一括可能となるよう、銀行みなし規定を設けていただきたいと思うわけでございます。信用金庫の経営内容も現在では非常に充実してまいっておりますし、またこれらの面の取り扱いは単に信用金庫としての希望というのではなく、地域住民の強い要請でもございますので、ぜひ御配慮をお願いしたいと存じます。 第二にお願いしたいのは、信用金庫における外国為替業務の取り扱いでございます。最近は、信用金庫の取引層である中小企業の中にも海外との取引を持つものが非常にふえてまいっているのでございまするが、これらの取引者の利便を図り、その取引の円滑化に資するため、ぜひこの外国為替業務の取り扱い促進をお願いしたいと思うわけでございます。信用金庫業界でもすでにこのための体制整備を進めているのでございまして、所要の法律改正を早急に御措置いただけるようお願いしたいと思うわけでございます。 最後にお願い申し上げたいことは、現在信用金庫業界で準備を進めておりますところの、業界独自の構想になる信用保証機構の設立について御理解、御協力をいただきたいということでございます。これは、信用金庫が標榜しますところのいわゆるすそ野金融の円滑化に資したいという趣旨に基づくものでございます。無担保無保証などの制度により個人、中小企業、零細企業への小口融資の利便化を図ってまいりますることは、現行の信用保証協会の機能を補完するとともに、現在高まっておりますところの福祉金融充実化の期待にこたえるゆえんでもあるわけでございまして、今後この面でいろいろ要望申し上げたいことが出てまいると存じまするが、よろしく御配慮くださるようお願い申し上げる次第でございます。 以上申し上げまして、私の意見を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 —————————————
○上村委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。村山喜一君。
○村山(喜)委員 御三方には御苦労さまでございます。私も簡単に質問を申し上げますので、要点のみを簡潔にお答えいただきたいと思います。私に割り当てられました時間は三十分でございますので、初めに御要望申し上げておきます。 まず、先ほどから景気の今日の見通しの問題についてお触れになっておいでになるわけでございますが、私たちも主要経済指標を見ながら、いま日本経済が総需要抑制のもとで不況の局面を迎えているわけでございますが、それはもう下手したら失速状態の中で再び浮揚力を失うような形になるのではなかろうかということを危惧いたしておるわけでございまして、そういう中から、いまいろいろな御説明がございましたが、企業の流動性というものが〇・七五カ月分程度しかない、こういうような状態の中で、十二月の年末金融の融資を、中小企業を中心にいたしまして、政府の三公庫を初め、あるいはそれぞれの金融機関の立場でおやりをいただいたわけでございますが、その間、そういうような金融緩和といいますか、金融の特別な配慮措置も手伝ったとは思いますが、私は、一つは企業間信用の増大という問題があるのではないか。それが下請企業や流通段階の企業に支払い延期というような形の中でとにかく十二月の年末を繰り越して、一月から二月、三月の段階において処理をしなければならないものが相当出てきているのではないだろうか。そういうようないわゆる延べ払い信用の問題と、それから企業間信用の増大の問題をどういうふうにとらえておいでになるのかということについて、まずそれぞれの立場でお伺いをいたしたいと思うのでございます。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 非常にむずかしい問題でございまして、率直に申し上げまして私どもも的確にはつかめておりません。ただ、いま村山先生からお話しのように、また先ほど私が申し上げましたように、中小企業に対しましては政府系、民間金融機関を通じまして特別な配慮が行われましたので、何とか無事に越年もできたということであろうかと思います。 ただ、私がこれから心配をいたしますことは、率直に申しますと、いままでのところ非常に厳しい金融引き締めが行なわれましたけれども、それはどちらかと申しますと、私どもは大企業に大きくしわを寄せたわけでございます。そうして、相対的な問題でございますけれども、中小企業のほうには従来と違いまして特別な配慮をいたしました。したがって、それだけ大企業が非常に苦しくなっておりますので、苦し紛れに、ただいま先生のおっしゃった下請に対する延べ払い、そういった広い意味での企業間信用の増大ということが相当行われておるであろう、私はこういうふうに思います。 総額がどのくらいになりますか、的確に私どももつかめませんけれども、中小企業の方からも、あるいは大企業の方からも、こういうふうに締められたので手元は空っからだ。したがって、ある程度従来現金であったものを手形で払う。手形の六十日、百二十日というふうなことを現実に聞いております。そういった現象は起きておると思いますし、繰り返して申し上げますが、大企業は大企業だけではなく下請との関係、その他いろいろ広いつながりを持っておりますので、率直な感じを申し上げますと、これ以上大企業を資金的に苦しめますと、その影響が中小企業の面に非常に大きく出てくるのではないか、こういった点を一番懸念をいたしております。
○尾川参考人 先生の御質問でございますが、確かにそういう傾向があると思います。しかし、この前の不況のときのようなそう大きな企業間信用とか、あるいは大企業からの延べ払いというようなものは比較的まだ少ないんじゃないかと思っております。 それともう一つは、今日まで好況の影響で中小企業は相当の自己資本を持っておりますので、これでそういうふうな信用取引とかいうようなものに対しては、なるべく悪い影響を及ぼさないように努力をしておるというのも一つの原因ではないかと思うのでございます。 それと、私ども中小企業金融機関といたしましては、やはりそういうふうなものが結局中小企業の弱体化につながるのでございますから、そういう申し出を受けますとなるべく資金需要に応じていきたい。幸い——幸いか不幸か知りませんが、この年末あたりの資金需要がそう旺盛でなかったために、私どもは相当の手持ち資金を持っておりました。したがって、そういう申し出に対してはずいぶん対処いたしまして、そういう面につきましては余りお困りにならないような措置をとったと考えておる次第でございます。しかしながら、こういうふうな状況でございますから、おっしゃるとおりのものは、私どもよくわかりませんが、相当あるということは想像されるわけでございます。
○小原参考人 ただいまのお尋ねでございまするが、最近私ども窓口で見ておりますと、中小企業の中で大、中、小とございますが、一番最初は上の方の中小企業が資金繰りが苦しくなって不況が深刻化したというふうな影響がありましたが、その当時はその次の中、零細という方はまださほどでなかったのでございます。それが中の方へ浸透してきて、現在では零細企業にまでそういうものが浸透してきたというのが現状ではないか、こういうふうに考えまして、この春は、いまお尋ねの時期には、零細企業までそういうことになったということをお答え申し上げたいと存じます。
○村山(喜)委員 通産省の企業経営の実態調査の状況を見てみましても、生産調整、減産体制に移りまして在庫調整をやろうということでやっても、在庫率は依然として上昇をしている。製品在庫率の四カ月、五カ月分を抱えて、それがさっぱり動かないという状態の中にある企業が最近はきわめて多くなっているようでございます。そういうようなのを見てみますと、その製品というのは、あの狂乱物価の中で原材料が値上がりになった時代につくられたものである。だから、それを抱えておる力があるうちはよろしいのですが、それがさっぱり動かないということになってまいりますると、これは二月から三月にかけて大変な混乱状態が出てくるのではなかろうかというふうに私たちは危惧しているのでございます。いま尾川さんの方から、まだそういうような企業間信用とか延べ払いというのは前回の引き締め期に比べたら少ないようだということでございますので、そういうような傾向がこれからも続いて三月を越していけるということになるならばきわめて幸いだと思いますが、これにはよほど注意をしてかかりませんと、これ以上の大変な状態が生まれる可能性があるということを考えておりますので、それぞれの金融機関の方々が実情に対処した適切な手を講じていただきますようにお願いをしておきたいと思います。 それから、第二の問題でございます。 去年の十一月十四日に金融制度調査会の答申がございまして、十二月二十五日に銀行局長の通達で、大口融資規制の問題が取り上げられたわけでございます。これは五十五年から実施をするということで五カ年間の経過措置がございますが、自己資本の二〇%ということでおやりいただくことになるわけでございます。都市銀行の場合、十三行のうちの十二行がこれに該当している。二十九件の融資の件数が該当しているというふうに聞いている。それで、三井物産、丸紅、日商岩井、これは都市銀行の二行から、それから三菱商事は四行から、伊藤忠は三行から、それぞれ限度超過融資を受けているというふうに聞いているわけでございます。十大商社のうち八商社が十六件で、残りが商社を除く大企業向けの融資だというふうに承っているのでございます。富士銀行は自己資本額が三千五百億、その限度額からいいますと七百億。これに対しまして、三井物産と丸紅にお貸しになっていらっしゃると思うのですが、それぞれ限度額を超えておりますね。 そこで、きょうはやはり全国銀行協会連合会の会長としておいでをいただいておりますので、私は、そういう立場からいまトータルで挙げてみますと、大手商社に対する累計額は全部で六千億程度になるだろうと思うのです。その六千億の超過融資額を、これからそういうふうな形の中でどういうふうにして解消していくのかということになってまいりますると、そのやり方のいかんによりましては相当大きな影響を金融市場にもたらすというふうに考えておるものですから、そういうような意味から、どういう措置をこれからとろうとしておいでになるのかという点についてお伺いをしたいわけでございます。 答申の中にありますように、私は、銀行の経営上の危険分散というような意味はあまりないと思うのです。問題は大銀行と大企業との間の癒着という問題にメスを入れなければ解決はできない問題だというように考えておりますし、そして信用の適正配分という上から問題をとらえていかなければ解決ができないのではないかと思うのでございます。やはりこの際、系列の大企業の資金はあくまでも都市銀行を中心にしたメーンの銀行が世話役になって確保していくんだという方向でお進みになるのだったら、それはまたいろいろな問題が出てまいりましょうし、それから、これからの日本の経済の方向というのは安定成長の路線を歩くんだということで考えていくならば、これはまた一つの解決の道もありましょうし、この大口融資規制の問題に対応する対策を進めるに当たりましては、いろいろな角度から御指導もされるだろうと思いますので、その点について承っておきたいのであります。 と申しますのは、すでに公明党さんもあるいは民社党さんも銀行法の改正というものについて大綱を発表しておいでになりますし、社会党といたしましては、今国会に銀行法の改正案についての継続法案をいま提出しているわけでございます。そういうような意味から、また後ほど金融機関の社会的責任という問題にも関連をすると思いますが、場合によればこういうような問題を機会にいたしまして、いままでそういうような努力はしてこられたわけでございましょうが、好ましくない方向に行くとするならば、法的な規制も加えなければならないという国民の声も出てまいるでありましょうから、この銀行局長通達の方向をどういうふうに踏まえてこれからの局面を切り開いていくかということについての御所見というものはきわめて大事でございますから、お伺いをいたしておきたいと思うのでございます。 これは佐々木参考人にお伺いをする点でございますが、時間の関係がございますから、次の点にあわせて尾川参考人、小原参考人からもお伺いしたいと思いますのは、金融機関の社会的責任というのは一体何だ、これをどういうふうにとらえておいでになるのかという点についても、御三方からあわせてお話をいただければ大変ありがたいと思うのであります。 以上です。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 大口貸し出しそのものについてのとらえ方、全くただいまの先生のお考えと同感でございます。危険分散というふうな点よりも、むしろ資金の公平な配分、そうして大企業と金融機関の癒着、こういった二つの点を中心にして、こういった時勢でございますからこの問題が取り上げられたものと思います。 いま企業と金融機関の癒着ということを申し上げましたけれども、簡単に具体的にお話を申し上げますと、たとえば、ただいまお話のありました丸紅と富士銀行との関係でございますけれども、昭和三十年ごろは丸紅の金融機関からの借り入れの中に占めます富士銀行の貸し出しのシェアは三二、三%ございました。私どもはそれを何とか低減していこうと、そういう努力を重ねてまいりまして、現在では富士銀行は丸紅のメーンということになっておりますけれども、丸紅の総体の借入金の中に占めます富士銀行のシェアは一三、四%まで落としておりますということを、まず申し上げておきたいと思います。 それから、企業と銀行との癒着でございますけれども、たとえば昭和三十八年の三月末時点でとってみまして、そのときの富士銀行の広義の自己資本の二〇%、それを超えております貸出先は当時は八社ございました。それが現在では丸紅、三井物産、それと日本鋼管と三社というふうに減ってまいっております。それからたとえば三十八年の三月末では、丸紅に対します富士銀行の貸し出しは、当行の広義の自己資本の二〇%をはるかに超えまして五三・七%でございました。それが昨年の四十九年の十二月末では三七・四%というふうに、広義の自己資本との割合は低減をいたしております。このことをまず申し上げておきたいと思います。 そこで、今後どうするかという問題でございますけれども、実際問題といたしまして、現在持っております借入金を急激に回収しようと申しましても、なかなか困難なことであろうかと思います。そこで五年間という経過期間が設けられておるわけでございますが、その間に全然貸し増しをしないということになりますと、商社としても苦しい場合がございましょうから、ラインの中におさまるまで貸し増しをいたしますときはそれについても一つの算式が与えられている、その中で考えながら処理をいたしてまいるわけでございますが、私どもは、銀行の自己資本の増加とそれから商社に対する貸し出しをいままで以上に抑えていく、この二つの方法によりまして、経過期間内にラインの中におさまるように処置をしてまいりたいと思います。 その中にはもちろん一部ラインのうんと下の銀行もございますから、そういったところから借り増しをしていくということもあろうかと思いますが、それはその時々の金融情勢、商社とその取引銀行とのいろいろな関係によって実現する場合もございましょうし、実現しにくい場合もあろうかと思います。いずれにいたしましても、富士銀行といたしましては他行に丸紅の貸し金を散らすということに重点は置きませんで、いま申し上げましたように、丸紅の貸し金をできるだけ押えて、そうしてその間銀行の自己資本も広げていく、こういう二つの方策を重点にいたしましてこの問題を解決してまいりたい、こういうふうに考えております。 それから、この問題に関連いたしまして銀行の公共性、社会的責任という問題でございますが、私はやはり高度成長から低成長に日本の経済は変わっていく、これを頭に置きまして、私どもの社会的責任を果たすためにどういった行動をしたらよろしいかということを考えるべきであろうかと思います。 そこで、従来は高度成長ということでございますから、もっぱら銀行もあるいは国の施策も、率直に申しまして、大企業に重点が置かれがちになっておりましたと思います。銀行の場合も資金の需要者、借り手の方に考え方のウエートがかかっておりましたことは確かでございます。しかし低成長になりましたならば、私どもはそういった考え方でなくて、考え方を銀行の預金者、資金の提供者の方にもっと重点を置いて考えていくということをやってまいりたいと思います。そうしてまた、資金の配分につきましても、従来のような大企業に偏ることなく、中小企業の方に重点を置いてまいりたい、こういうふうに思っております。たとえば全国銀行について見ますと、四十一年の九月には中小企業に対します貸し出しは全体の香し出しの三一%で、それが四十九年の九月には四〇%になっておりますが、そういうふうにウェートを上げていく。上がり方は小さいようでございますが、片一方を押えてこれをふやしていくということで相当の努力が要るわけでございますが、そういった点につきまして今後とも私は努力を重ねてまいりたい、こういうふうに思うのでございます。 重要なポイントだけ簡単にお答え申し上げました。
○尾川参考人 私どもの社会的責任について意見を申し述べさせていただきます。 私どもは、金融機関の社会的責任は他の一般企業に比べてまさるとも劣らないものだと自覚しております。したがいまして、私ども金融機関の経営姿勢並びに金融機関に職を奉ずる者の行動姿勢は、他の一般企業の方々以上にその倫理性が強く要求せられるものと考えております。私ども相互銀行といたしましては、基本的には相互銀行法の第一条に定められております「国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資する」ことを目的といたしまして、なるべく安い金利で豊富な資金をお客さんに提供して、その機能、役割りを十分に発揮していくことが私どもの社会的専任を果たすものであろうと考えておるのでございます。 そのために、協会におきましては、常々教育研修の強化充実には格段の配慮をいたしておりまして、昭和四十一年に私が協会長をしておりました当時、私の発案で企業教育実践要綱というものを策定いたしまして、よき社会人の育成と健全な職業観の形成を相互銀行の人づくりの重点としてまいりました。また、最近におきましては、私ども相互銀行に対するお客様の見方、お客様からどう受けとめられておるかということを知りたいということで、その実態を調査するために、相互銀行のイメージに関する御意見を聞かしてくださいということを御通知申し上げまして、お客様のニーズに極力こたえたいということを配慮いたしておるのでございます。金融機関の役職員が職務に関連して批判を受けるというようなことをするということは、まことに遺憾な点でございますから、その点については特に重点を置きまして、しばしば倫理に関する研修を重ねまして、資質の向上に努力して、それによって社会的責任を果たしていくという重大な決意を持っておる次第でございます。
○小原参考人 金融機関の社会的責任はどうかというふうな御質問でございますが、私ども信用金庫といたしましては、金融を通じまして国民生活う安定をはかるということが第一の要点だというふうに考えております。そしてその目的は、地域金融機関でございますので、地域住民の幸せに奉仕するというのが第一の問題でございます。 それから第二といたしましては、中小企業の健全な育成を図っていく、これにはどうしたらいいかということが自分たちの非常な責任だというふいに考えております。 それから三番目には、国民大衆の家庭生活を、いかに豊かに生活ができるかということについて金融を通じて心配するということが大切な要素でのろうと思っております。 これらを一生懸命やりまして、日本の国内に貧乏人のない、中産階級が一人でも多くなるような世の中をつくるべく努力することが私どもの責任だ、こういうふうに考えておる次第でございます。 以上でございます。
○村山(喜)委員 時間がありますれば、週休二日制実施の方向に向かってどう対処するかという問題や、これから問題になりますコンピュータリゼーションの発展の方向から、どういうふうな問題としてこの問題と取り組んでいくのかというような問題についてもお伺いをいたしたかったのでございますが、後ほどまたそれぞれの委員の方からお話があろうかと思いますので、割り当ての時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
○上村委員長 武藤山治君。
○武藤(山)委員 割り当ての時間が四十分ぐらいでありますから、答えは私の聞きたい結論だけ言ってくだされば、決して舌足らずだとか揚げ足を取るようなことはしませんから、結論だけひとつお聞かせを願いたいと思います。 何といっても日本の金融機関の大黒柱は、全国銀行協会加盟の都市銀行と地方銀行であることは申すまでもありません。昨年十一月末の預金の残高を見ても、都銀は四十一兆円、地銀は二十七兆円。この数字を見れば、もう圧倒的な力を持っている金融機関である、こういうことは言えると思います。昔のことわざに「大樹は風に当たる」という言葉がありますが、そういうところにはどうしても風当たりが強いのは事の当然だろうと思います。そういう立場から、やはり都銀の動向、協会長の発言というものは大変国民が注視をしている、こう認識をしなければならぬと思うのであります。でありますから、そういう意味で、あなたのここで発言したことは、国民は即、なるほど実行されるなと期待をするに違いありませんから、そういう意味でひとつはっきりしたお答えをいただきたいのです。 第一は、預金の利子を、現在大銀行は千円以上について利子をつける、千円以下の端数は、五百円、六百円、七百円には利子がつかない、これは不当であると、実は預金者、大衆からこういう抗議の運動が起っていることは協会長も御承知のとおりです。協会長はそれを、四月以前にも付利単位を百円にしたいということを新聞に発表しているのでありますが、いつから百円以上の預金に利子をつけますか、時期をひとつ明言してください。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 これは全銀協としての問題ではございませんけれども、私自身はこういうふうに考えております。簡単に申し上げると、当初、貸し金については百円から利息を取る、預金は千円からでないとつけない、こういう話でございまして、私もこれはそれじゃ貸し金の利息も千円からちょうだいするということにいたしたら預・貸し金同じような単位になると、こう考えたのでございますけれども、現在、そうでなくても銀行から借り入れをしております人は債務者利潤を得ておる。これは当然でございます。これに拍車をかけるということを考えまして、私はこの案は取り消しましたわけでございます。 それでは次に、預金の付利単位は貸し金と同じように百円にする、これは私結構だと思います。ただ、残高が千円未満のものは現在コンピューターに繰り込んでおりません。したがって、残高千円未満のものもコンピューターに繰り込むということには大変な、いまの設備ではできません。そこで私が考えましたのは、付利単位と付利残高を別にしよう、したがって、普通預金でも単位は百円単位で利息の計算をいたします、しかし残高千円未満のものにつきましては、大変恐縮ですけれども利息はひとつしんぼうしていただきたい、こういうふうに落ちつけたいというのが私の考え方でございます。 そこで、何とかこれを早くそういった結論にいたしまして付利単位を百円にいたしたいと、こう思います。ただし、付利残高は千円以上と、こういうことで私の考え方はきまっておりますので、これをしかるべき方面へいろいろ地固めをいたしまして、私はなるべく早く、こういうふうに方針を決定をいたしましたということをはっきりさせたいと思っております。それはできれば四月を待ちませんで、あるいは二月でも三月でも、根回しのでき次第、そういう決定を発表いたしたい。実際に普通預金の利息は二月と八月につけておりますので、実際には八月からということになろうかと思います。
○武藤(山)委員 実際には八月ですね。ぼくがいま聞きたかったのは各金融機関が預金金利を計算するのは、二月と八月の年に二回になっていますね。それを協会長は、四月以前にということを新聞で言っているわけですから、預金者から見れば、二月から実施するなという感じなんです。しかし、時間的、物理的な関係で二月からは、もういま二月ですから、なかなかむずかしいのじゃなかろうかというので私はいま質問しているわけなのです。結局八月になってしまうのですか。四月以前はだめなのですか。時期だけ言ってください。
○佐々木参考人 利息の計算は二月に決算が終わります。そうして、その決算日以降の利息の計算を八月に計算をいたします。したがって、利息の計算は八月になりますけれども、利息の計算の方法はそれを決定いたしましたとき、それはあるいは二月の決算後すぐということになろうか、その辺はもっと詰めたいと思います。
○武藤(山)委員 そうすると、三月一日現在ごろの預金は大体百円単位で利つけする、こう理解していいですか。
○佐々木参考人 二月末までに決定いたしましたら、そういうことになります。
○武藤(山)委員 いや、なりますじゃなくて、いつ決定するかと、あなたの決意を聞いているのだから。
○佐々木参考人 私は、なるべく早く決定いたしたいと思っております。
○武藤(山)委員 なるべくというのは、六カ月先もなるべくだしね。あなたは四月以前にと言うから、少なくとも三月一日現在ごろからの預金は、百円以上のものは全部今度は計算単位に入るようになる、そう受け取っていいか、こう聞いているわけです。
○佐々木参考人 三月一日と具体的には申し上げられませんけれども、それがもっと早くなるかもしれませんし、私のいまの考えでは、どんなに遅くなりましても三月末までには決定いたしたい、こういうふうに思っております。決して八月まで延ばすというふうなことは考えておりません。
○武藤(山)委員 時間がとにかく四十分ですから、そうあれもこれも議論していると一つで終わってしまいますから、次に行きます。これも全銀協の会長として、週休二日制を一月十八日に都銀の従業員組合と交渉し、週休二日制実施の基本姿勢を示した。これは日本経済にも朝日にもみんな出ていますから、これは新聞の誤報だなどというようなことはないと思うのですが、それで、五十一年度上期中に実施をしたい意向だ、こうなっていますね。 もう私が申し上げなくても、世界の情勢というのは、イギリスは一九六九年、フランスは一九三七年三月から、西ドイツは一九六一年七月、イタリアは一九六五年、スイスは一九六四年から、オランダも一九六一年から実施と、このように先進工業国家では、金融機関は全部週休二日制になっていますね。こういう情勢を踏まえて恐らく会長は組合との折衝の中で、五十一年度上期を目標として準備に入る、したがって、土曜の預金獲得なども歩かない。こういうような土曜日の仕事量をずっと減らして、ひとつ来年度に実施ができるような準備をしよう、こういうことの趣旨が新聞等で報ぜられておるのでありますが、これは確実にそういうめどで全銀協傘下の銀行に取りつけをして、実行の段階に必ずいけるという約束ができますか。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 銀行経営者側といたしまして、この問題につきまして労働組合と交渉いたしておりますことは全然ございません。いたしておりません。事実を申し上げます。(武藤(山)委員「新聞はうそですね」と呼ぶ)組合側との交渉は全然いたしておりません。ただ、私どもはいろいろな点を考えまして、なるべく早く週休二日制が実現いたしますことを希望いたしております。 しかしそれには、私がしょっちゅう申しますよりに、社会的なコンセンサスを得るということが金融機関の性格上絶対に必要である、こういうことを一つ申しておりますわけでございます。それからまた、社会的なコンセンサスを得ますためには、従来土曜日に営業いたしておりますのが休業いたしますと、いろいろな意味でお客様に何らかの御不便をかけることも事実でございますから、そのおかけする御不便がなるべく少なくて済むように、いまから体制を整えておきたい。それにはこういったことを考えたいというのが、新聞に出ておりましたことでございます。 ただ、いまの武藤先生の、五十一年上期から実行できるかというお話につきましては、銀行が完全週休二日制に踏み切りますには、銀行法の改正も必要でございます。したがいまして、銀行一存できめるわけにはまいりませんけれども、私どもはなるべく早く社会的なコンセンサスが得られることを希望いたしておりまして、それに備えて、かりに五十一年上期にそういった、ああそれじゃ週休二日制に踏み切ってもよかろうと結論いただきましたときにかける御不便をなるべく少なくするように、いまからその体制を整えておきたい、こういうことでございます。 組合の方とは、まだ全然交渉いたしておりません。
○武藤(山)委員 しかし、日本経済新聞にそう出ておりますから、私はそれをいま言ったわけでありますから、これはまあ新聞側の誤報ということにあるいはなるのかもしれませんが、いずれにしても、さらに一月二十四日に「各種金融機関、証券界首脳の集まる金融団体協議会の席上で、佐々木会長が公式に「土曜休日に伴う銀行業務のあり方について検討している」と述べ、その早期実施の必要性を強調した」。そのとき小原信金協会長は、郵便局も同時にしてもらわぬとということで、「郵便局も含めて早期実施をぜひ促進してほしい」という進言をしたことも書かれているわけであります。 そこで、信用金庫の立場から週休二日制についてどのようなお感じをお持ちでおるか、ちょっと表明願いたいと思います。
○小原参考人 信用金庫としましては、週休二日制については、これは時代の要請であるというふうに考えまして、賛成をしているものでございます。 ただ、これを実行していただきます場合には、やはり全国銀行協会さんの方が先達になっていただいて、われわれ金融機関が全部足並みをそろえてそういうことをやっていただく。それから郵便局が、郵便貯金が週休二日制にならないでやはり週休一日だということでは私どもはちょっとまずいから、ちょっと待ってということになります。それから、むろんこれには農協さんもやはり週休二日制をやっていただくというふうに、全部の金融を取り扱うものがそろって仲よくひとつ週休二日制ができますようなことを希望しておるというのでございます。
○武藤(山)委員 もうすでに一年半以上前から、週休二日制の問題については特にわが党は本委員会に銀行法の改正案を提案してきた経緯があります。なぜ先進国が皆やっているのを日本でできないのか、ネックは何なのか。これをいろいろ私なりに反間してみると、金融機関はかなり前向きに、やってもいいというところまで来ている。にもかかわらずできないのは何か。自民党が議員立法に賛成しないからなのか、大蔵省がそれは困る、大蔵省サイドではうんと言えない、これは内閣全体の問題だ、総理の決断だという状況なのか。このネックがどこにあるのかが、これは大変重大なこの問題を実行する上での問題点なのです。 副大臣、どうですか。そういう世界の大勢から見て週休二日制はどんどん進んでいるのですが、なりたての森副大臣にひとつ政治家として見解を伺っておきましょう。
○森(美)政府委員 銀行法の十八条を改正しまして、早急にこの社会的要請にはこたえるべきだと考えております。
○武藤(山)委員 政治家としてあなたの答弁は百点ですが、それをあなたが自民党内なり政府の中で推進できる力があるかどうかがこれから問われるのですが、あなたはそれを真剣に推進する御決意はありますか。
○森(美)政府委員 真剣に検討いたしまして、前向きで処置したいと考えております。
○武藤(山)委員 それでは森政務次官のこれからの政治力に期待して、大蔵省、政府のサイドがもうそういう態勢なんだということになれば金融機関はやれる、こういう状況ですから、これは早急にひとつ一番高い政治的判断が求められているわけでありますから、せっかくの御努力を期待いたします。 次に、去年この委員会に佐々木さんがおいでになったときも議論をしたのでありますが、あなたは、預金目減り対策というのはやりたくない、もし目減り対策という場合なら、これは政府が財政的に援助してやるべきなんだ、金融のサイドから見た場合にはそういうものの考え方は通用しない。私もそれは理解できます。できますが、今日のインフレ、物価高の状況の中で——あなたは私の質問に対して去年の五月八日にこう答えたですね。「インフレがどんどん進行してまいりますと、いわゆる銀行に対します預金者——債権者でございますが、預金者は債権者損失をこうむる、この損失を何らかある程度補てんできたならばというのが、私どもの願いでもあるわけでございます。」「預金の目減りにつきましては、これは私どもも非常に頭の痛い問題でございます。」まあやるとは言っていないのですけれども。しかしその後、全銀協の会合の中で、一口百万円までぐらいはやれるじゃないか、やろうじゃないかという相談をした記事は去年何回か新聞に出ましたね。私は、だからできると思って期待していたんです。 そのうちに大蔵省がわずかの金利を上げて二年ものを八%にぱっとしたら、あれで事終われりで、その後はこの問題で銀行協会としても誠意ある態度が見られない。これはどうですか、いまの金利二年春のを八%にしたからもうこれでやむを得ないんだ、金融サイドからいけば、これ以上もうできないんだ、こういう心境ですか。それとも近々に、また時期を聞きますが、いつごろまでにこんな新預金を考えておりますか。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 昨年武藤先生の御質問に対してお答えいたしましたことは、ただいまおっしゃったとおりでございます。ただ、そのとき私は、これは金利体系全体の問題もございますということをつけ加えさせていただいたように思います。私どもといたしましては、率直に申しまして、二年定期ができた、これでいわゆる預金者目減り対策は終わりだというふうには毛頭考えておりません。したがって、その後も私どもは、できればもっと長期のたとえば三年定期、こういったものが考えられないだろりか、あるいは複利貯金というふうなものは考えりれないだろうかといろいろ検討いたしておりますが、なかなか結論が出ない。 そこで、この間堀先生から予算委員会で提案がございました。私はそのとき申し上げました。もう簡単に申し上げますが、目減り補償ということは、立場上、これは銀行の務めではございません。その力もございません。しかし、預金者が非常に苦しんでおられますことは日々はだ身に感じておりますので、何とか幾らかでも利回りのいい新しい商品を開発いたしまして提供したい、こういうことは常々考えておりますので、その点では堀先生と全く同様、武藤先生も同じようなお考えです。 ただ、私どもは、そういった対策を具体的に立てます際に、やはり技術的に絶対にいろいろなひっかかる点がないか、これだけは十分に検討いたしたいと思うわけでございます。ですから、いまの堀先生の問題につきましても、この間、賛成か反対かとおっしゃられましたのですが、新商品を提供しようという点では全く堀先生と同じです。ただ、堀先生のお考えも非常にいいと思いますけれども、私どもから見ますと、技術的に幾らかこの点はどうだろうかと思われます点がございますので、それは前向きに詰めていきたい、こういうことを申し上げましただけで、気持ちはちっとも変わっておりませんし、何とか新しい商品をと思っております。
○武藤(山)委員 何とか前向きにはわかるんです。去年の五月から何とか前向きになんですが、前向きばかり向いていてもう一年もたっちゃうんですよ。だから私は、時期を聞いているわけなんです。しからば、その新預金をいつごろなら決断と実行でやる、それを国民は聞きたいんですよ。するずるずるずる、目減り対策ができないか、何か新しいものを考えて預金者、債権者を保護しますと言っているが、これは物にならないんじゃだめなんです、やらなければ。いつからやるかということを聞いているんです。
○佐々木参考人 先生のおっしゃるお気持ちもわかりますけれども、実際問題といたしまして、さてこれをやろうというときには、難点が全然ないとはいかないかもしれぬが、できるだけないものをいたしたい。 いま先生のお話の、四月からやるのか五月からやるのかというお話でございますけれども、それは時期は私としても明言できませんけれども、この間の堀先生の私案というふうなものも出てまいりました。こういった技術的な難点を詰めるにはそれほど時間はかからないと思いますので、そんなに遠くない時期に私は実現するんじゃないか、堀さんの私案といわずこれに関連いたしまして、変わるかもしれませんけれども、何か新しい商品を提供いたしたい、こういうふうに思っております。
○武藤(山)委員 これも本当は銀行局長がいれば——これは大体銀行局長が判断、決断しないで邪魔しているんですね。もう都銀は去年の段階でやりますと言っていたんですよ。一番ピークのときには三百万までぐらいはやりましょうとまで都銀は新聞に出しているんですよ。ところが大蔵省が、これは労働金庫がまいっちゃうぞ、いや、これは信用組合がまいっちゃうぞというようなことをにしきの御旗にして、そういう銀行の姿勢というものを途中でみんなそいじゃっている。これはやはり大蔵省の責任だな。きょうは銀行局長がいないから質問できないけれども、ぼくは大蔵省としてももう少しそういう点は業界の動向というものに敏感に、よし、それじゃ許可してやろう、そのくらいの姿勢がなければ、いつになったってできませんよ。これはもう一年ごたごたやっているんですよ。福田さんがここの委員会で言明したのはおととしの暮れなんだから。そういう状況では、これは行政怠慢ですよ。国民の方向を向いていませんよ。これは後で銀行局長によくまた相談をして、いつごろやるかということの時期を大蔵省からも今度指導上はっきりしてもらいたい。 とにかく時間がないから次へまた進みます。 第四点は、住宅ローンの問題であります。 この前佐々木さんは、やはり私の質問に、これからの銀行のあるべき姿は、国民のニーズにこたえる金融機関になるんだ、それは福祉金融なのか、まあ福祉金融も含めてとにかく国民のニーズにこたえるような銀行にならなければいけないということを言明されたんですね。その後住宅ローンは、もう住宅を建てたくもローンを借りられないという人が一ぱいおる。もちろん住宅金融公庫なら金利が有利だ、長期だ。だから住宅金融公庫が受け付けを開始すると、ぱっと短期間にもう一ぱいだ、これ以上いま資金がないという状態ですね。この間も三万戸か追加を出したら、年度内のものはもう一週間でばたっと終わりですね。 ですから、住宅ローンの要請、需要というものはまだかなりあるんです。あるんだけれども、この貸し出しの状況を見ると、都市銀行の状況あるいは全国銀行の状況、住宅ローンの残高に占めるシェアを見ても、全国銀行は現在四・六、これは去年の九月です。その後のは出ていないのですが、去年の七−九月の状態で、全国銀行で四・六、都市銀行で四%ですね。それから三カ月の四半期別の増加額を見ましても、住宅ローンのシェアは現在七−九月が一二・三という数字が出ている。その前の期が一二・二、その後十月から十二月、現在の状態というのは私はふえてないんじゃないかと思うんですね。この率はふえる傾向にないんじゃなかろうか。 もちろん預金準備率の引き上げや窓口規制などがあって総貸し出し増加額自体がずっと縮められておりますから、ピークのときの四十七年の七−九月ごろ、十月ごろから見ると、総貸出金額が二分の一以下ですからね。ですから、そうふえないという理由もわかるけれども、しかし、このシェアから見ると、まだまだ住宅ローンに対する需要にこたえていないのじゃなかろうか。都銀の場合、申し込みに対する充足率というのはどのぐらいになっておるのだろうか。先ほどの信用金庫の場合の伸びから見ると、都銀の方はぐっと低い感じですね。これは協会長はどうお感じになっておりますか。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 私どもといたしましても、住宅ローンを長期安定的に供給していきたい、こういう希望は持っております。ただ、何分にも、先生も御承知のように全体の枠が非常に小さいものでございますから、なかなか御不満のあることも、これまたよく承知をいたしております。 ただ、数字をちょっと申し上げてみますと、四十二年の三月からずっと見てみますと、全体の貸出金の中に占めます住宅ローンのシェアは、四十二年の三月は〇・一%、翌年が〇・二、ずっと上がりまして四十八年の三月が二・六%、これは都市銀行です。それから四十九年の三月が三・六、昨年の九月が、いまおっしゃった四%、こういうふうに残高の中に占めますシェアはともかく上がってまいっております。それから、非常に苦しい中でも、昨年の三月期をとってみますと、その間に全体の貸出増加額の中で住宅ローンには一一・二%回しておる。それから昨年の九月には、全体の貸出額の中で一二・三%を住宅ローンに回しておるわけであります。だから、非常に苦しい中でも一〇%以上、できれば一五%ぐらいは住宅ローンに振り向けたい、こういった努力をしておりますことをひとつ御了承いただきたいと思います。
○武藤(山)委員 そこで、たとえば窓口規制をずうっとやられておりまして、昨年十月−十二月期の都銀の貸し出しは一兆二千九百五十億円、窓口規制は一兆三千七百億円で、都銀の場合は、窓口規制の枠をはみ出ること二百五十億ですね。地方銀行の六十一行は窓口規制枠が一兆六百三十億円、それに対して貸し出しが一兆二百六十三億で、逆に窓口規制の枠の未消化が三百六十七億と、こう新聞は報道しておりますね。地方銀行の法は窓口規制を三百六十七億円達成していない状況ですね。新聞の報道が間違いなら別ですが、新聞にはかなり詳しく出ております。 そうすると、あなたの傘下の地方銀行の方はどうなんでしょうかね。そういう枠が三百六十七億余っているという状況は何を意味するかというと、やはり需要に応ずる姿勢がないのか、相手に担保がないために貸さないというのか。窓口規制枠よりもさらに貸し出しが三百六十七億少ないというのは一体何を意味するのでしょうか。私は、そういうのはもっと住宅ローンへどんどん出したらいいと思うんです、枠がまだあるのなら。
○佐々木参考人 ただいまの地方銀行につきましてのお話は、私、実情を承知いたしておりませんので……。
○武藤(山)委員 日本経済でも朝日でも全部そういう銀行の資金の状況を新聞で報道していますよ。その中を読んでみると、こんな大きく銀行の状況が出ておりますね、十月から十二月まで実質預金が三二%ふえて、十二月の全国銀行はどうだ、と。この記事の中に、いま私が申し上げたような、日銀の窓口規制の額まで達成しない地方銀行、規制枠よりも三百六十七億余った。素人から言わせれば、じゃあ銀行は金が余っているんだ、余っているんなら住宅ローンなどを申し込んだら、どうしてもっと借りられるようにならぬのか、こういう疑問を持つわけですよ。だから私は、どうも全銀協はそういう点では住宅ローンに対する姿勢というものがまだ弱い、もうちょっと熱を入れていいんではなかろうか、こういうことを言いたいわけなんですが、あなたの見解はと、こういま尋ねたわけなんです。地方銀行のことだからあなたわからぬ、と。しかし、全国銀行協会の傘下に入っているわけですから、あなたがキャップなんだから、あなたに聞く以外聞きようがないわけなんですね。それはいいでしょう。いずれにしても、そういうニーズにこたえるための金融機関としての姿勢をやはりきちっとしなければいけないと思うのであります。 次に第五番目の問題は、これはまた古くて新しい問題の歩積み両建て問題でありますが、大蔵省の私どもに配る歩積み両建ての状況からいくと、歩積み両建てはまことに少なくなって良好の状態にある。たとえば金利措置済みをしたものは地方銀行と都市銀行は一〇〇%、金利を〇・二五%安くしろというのが大蔵省の指導でありますが、預金に対応した貸付金についての金利措置は一〇〇%やっていると言うんだ。これはどうも事実に大変相違するような感じがするのです。感じばかりじゃなくて、私はこの間偶然ぶつかった。各銀行から借りておる企業の両建て預金、拘束預金、担保、そういうようなものを具体的に一つの会社を調べてみると、いや驚くべき拘束性預金がある。都市銀行ですけれども、一流の大商社の三井物産の商手をちゃんと割引をする担保に二億三千万取って、おまけに工場財団の抵当権を全部満額設定している。なおかつ預金を一億円積んである。その預金を下げようとしても下げさせない。都市銀行でこういう銀行がある。これはあなたのところじゃないですよ、富士銀行じゃないですよ。 今度は金利をどう計算しているかというと、預金があるのに〇・二五%引き下げるという措置もしていない。だから、上辺は大蔵省へ報告しているこの拘束性預金等に関する報告集計表というものも、最近はマンネリ化しちゃって実態に合わない数字じゃないのだろうか。これは銀行協会長として、天地神明に誓って一〇〇%全部金利措置をしておると言い切れるだろうか、どうでしょう。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 両建て歩積みの問題は、全く私どもといたしましても十分気をつけなければならない問題でございまして、全銀協といたしましても、傘下の銀行にその趣旨は十分徹底をさせておりますつもりでございます。ただ、先生の御指摘のような具体的な事例がございますれば、これはまことに残念なことでございますので、どうか率直にその銀行に御指摘をいただきたい、こういうふうに思います。 それから、ただいまの報告でございますが、これは従来は、率直に申しますと、ただいま先生が御懸念になったような点も幾らかあったかと思います。したがって、最近はその報告書の作成につきましては一〇〇%厳正を期しまして、もしもその記載に誤りがございますれば責任者が責任をとるというところまで徹底をさせてございますので、私は、真正な、正確な報告がなされておるものであるというふうに考えております。
○武藤(山)委員 とにかく時間が制限されておるわけですから、あまり論争する時間はないのですけれども、いまの歩積み両建て問題はどんどん言ってくれ、と。しかし、言うとしっぺ返しを食うんですよ、その企業が。それが心配でぼくら言えないんですよ。どこどこの企業にどういう金融機関がこういう拘束をしているぞということを幾つか持っていても、言ってやれないのですよ。言うと意地悪されて、その企業は下手をするとつぶれてしまうのです。だから、この歩積み両建て征伐というのは非常にむずかしいのです。銀行の中へ自分で入っていって、個々の口座を見て、借りと預金の中を自分で確かめない限りできないんで、これはなかなか不可能。だからしようがない、目くそ鼻くそ論みたいに、小さな問題の一つが発見されたときにそれが膨大に取り上げられる傾向になる。 これは佐々木さん、あまり気持ちよくないと思うのでありますが、この「新現論」という月刊雑誌、創刊二十五周年というのですからかなり古いのでありますが、これの場合の歩積み両建ての記事を読むと、国民は都市銀行というのはひどいな、けしからぬなということをやはり感じますね。私もさっと読んでみて、これはひどいと感じた。 東宝酒造という酒づくり会社が手形を出した。その三百万円の手形を担保に都市銀行へ金を借りに行った。いままでも全然知らない人じゃないようだ。そうしたら、あなたの知り合いのだれかに三百万の定期預金をさせてください、その定期預金を持ってくれば三百万を貸しましょう。そうしたら、この業者、それはけしからぬ、強制貯金だ。そこで悶着が起こって、支店長、次長と一問一答をやったことが全部ここに書いてある。これはきっとテープレコーダーにとって書いたものだと思う。そうして、その都市銀行の頭取に直接手紙を出したら、頭取からの指示、命令ということで、お尋ねのような貸し出しは一切しておりません、それだけ答えておこう。相手にどんどん突っ込まれて聞かれると、そんなわけにいかない。そういうことで、これをずっと見ていくと、今度は責任は全部次長が悪いんだ、おまえがそういうことを言ったんだ、銀行の方針ではない、そうしていろいろ逃げるんですね。これはまた次号が楽しみなんですよ、この続きが出てくる。 こういう都市銀行が具体的に、まだ現実にあるんですね。だから、消費者や零細預金者は、都市銀行へ貯金をして、一生懸命金を不時の場合にと思ってためても、その金が何に使われているかなんていままでは関心を持たなかった。最近は関心を持つようになってきた。自分たちのなけなしの預金が何に使われ、社会的にどう貢献をし裨益しているかということを預金者も感じるようになってきた。ですから、こういう記事が次から次に書かれていきますと、銀行というものは、もう社会的責任を果たすどころではない、全くけしからぬ、金もうけの亡者だ、こういう感じを持たせますよ。この記事はあなたも読んだと思うのです。どう感じますか。
○佐々木参考人 その取引の事柄については私も聞いておりますけれども、その雑誌は読んでおりません。したがいまして、具体的な問題につきましては、ああ言った、こう言ったということになりますので、この席で武藤先生とお話をすることは控えまして、御希望がございますれば、いつでも銀行としてこの問題についての御説明を申し上げたい、こういうふうに思っております。 ただ、ただいま御指摘のようなことがございました点は、何と申しましても遺憾でございますのぐ、今後十分気をつけたい、こういうふうに思っております。
○武藤(山)委員 次に、先ほど村山君が質問したこととなるべくダブらぬようにと思って、項目を大分変更いたします。 いま独占禁止法改正をめぐって、持ち株制限、株の分割、大商社や金融機関もその範疇に入ると思うのでありますが、金融機関の証券の保有というものが都市銀行十三行で七兆七千百三十九億円、地方銀行六十三行で四兆五千三百三十九億円、長期信用銀行三行で一兆七千九百九十三億円。これは去年の十一月末ですね。現在もっとふえているか減っているか、それはわかりませんが、この中の国債部分はほんのわずかであります。私は国債金額を分類しないでいま言っておりますが、こういう中に、銀行業務に直接深いかかわり合いがあり、やむにやまれず買わざるを得ない株、それとは別な、やはり支配権を握っちゃうような株の保有、経営まで重役を派遣して銀行の子会社みたいにしてしまう、そういう企業の株式がかなりあると私は思うのですね。この都市銀行サイドだけで七兆七千百三十九億円の証券保有額というのは多過ぎると思うか、これが適正と思うか、この中で改善をしなければならぬという感じを抱くか、協会長の見解を聞かしてください。
○佐々木参考人 銀行の総資産の中に占めます有価証券の比率はここ十年ぐらいほとんど変わっておりませんで、大体二・三%でございます。この比率は変わっておりません。 ただいま先生のお話の点でございますが、たとえば東京、大阪、名古屋と三つの証券市場で約千七百銘柄上場されております。その中で、銀行は御承知のように一〇%以上は持てませんけれども、一〇%まで持ちまして、金融機関が一位から三位の間に顔を出しております銘柄が約四百五十社ございます。それだけを見ますと、何か限度は一〇%だけれども、場合によったら人を派遣し、その企業を支配するのではないかという御懸念をお持ちになるのももっともであろうかと思います。 しかし、その約四百五十社の中で、上位三位の中に一行か二行か三行か顔を出しておりますその銀行がそれぞれ競合関係にございますので、そういった点を見ますと、銀行の産業支配につながるおそれがないというふうに見られますものが約三百十社ございます。それから、銀行は一〇%まで最高持っておりますけれども、銀行が筆頭株主でなくて、しかも筆頭株主と銀行とのシェアが一〇%以上開いておる、こういうときも金融機関の産業支配のおそれはないと一応考えてよろしいので、それが約六十社ございます。それからまた、あるグループで会社をつくるといったときに銀行が一〇%持った、こういったものを見ますと、これも一応産業支配とは関係ない。それから、株は持っておりますけれども、その会社に対しては銀行の貸出金はゼロだという優良会社の場合、まず心配ない。 こういうふうに具体的につぶしてまいりますと、一〇%の保有の限度の中で金融機関が産業を支配するおそれはまず実質的にないと私は思います。そのおそれがございますれば、独禁法第十条で、実質的な競争制限をするということで保有を禁止すればよろしい。それが発動されたことはございません。そして、私どもは何も支配のために持ったのではございませんし、大部分が安定株主工作あるいは資金調達の増資、こういう面で持ちましたので、その点は十分御了承いただきたいと思います。株はなるほどふえておりますけれども、私どもが市場で買いましたものは、ふえた分り約二〇%、それは安定株主工作を考えましても、会社に持ち株がない、場で拾ってください、残りの八〇%は増資とか転換社債によって転換をした、どういうものが大部分でございますので、私は、いまの銀行の有価証券保有が決して多過ぎるとも思いませんし、それが金融機関の産業支配につながるというふうにも思っておりません。御了承いただきたいと思います。
○武藤(山)委員 もうそろそろ時間でありますから、その各論はできませんけれども、やはりいまの適正な競争というものを阻害する市場支配権や企業支配権を持つ大商社なり銀行なり大資本というものはみずからがえりを正す、そういう経営姿勢に改善をしないと、思わざるところで大衆の総反撃を受けるだろうと私は思います。そういう意味においては、銀行のあるべき姿は大変重大な時期に来ておる、こういう点を一層自覚を願いたいと思います。 それから最後に、相銀と信金の皆さんに質問する時間がなくなっちゃってまことに恐縮でありますが、御勘弁いただきたいと思います。銀行家というのはゴルフに招待されようが、銀座のバーで飲もうが、得意先から現金をもらおうが、全く収賄罪にならないのですか、都市銀行の役員、行員を含めて。
○佐々木参考人 私もちょっと不勉強でございましたけれども、聞きますと、なりませんそうでございます。
○武藤(山)委員 そうなんです。ならないのです。それで私も、社会的責任とか公益性を持つ企業は何らかのそういうモラルというものをきちっと確立させる法的規制は必要だと思うのですよ。少なくとも収賄罪が適用される、準公務員並みにですね。それが証拠に、信用金庫と労働金庫は収賄罪になるんですよ、小原さん。信用金庫の職員は、そういうことをやって物をもらったり、ゴルフへ行ったり、バーに連れていかれて接待を受けると収賄罪になる。労働金庫もです。小さいところはそうやっていじめて規制しておいて、都市銀行、地方銀行はらち外なんだ。いま経済の罰則整備に関する法律というのがある。その中に都市銀行、地方銀行は入っていないのですよ。小さいやつだけ入っている。これは不合理と思いませんか。こういうのはやはり公正に公平に取り扱うべきだと思うのです。どう思いますか、会長として。
○佐々木参考人 これは全くの私見でございますけれども、先生の御意見全く同感でございます。不公平だと思います。
○武藤(山)委員 私たちは、そういう点をも今後の銀行法の改正の中にきちっと入れる。いまの銀行法も地方銀行は資本金二百万円であるとかなんとか書いてあるわけですからね。二百万で銀行をつくれるはずがないので、もうこの銀行法も全然時代おくれ。日本銀行法もそうですね。したがって、これらの改正にわれわれはいま着手をしておるわけでありますが、ひとつ銀行家の皆さんからもその改正をめぐって、われわれはこういう意見を持っておる、こういう点が心配だと、どんどん意見を今後出していただきたい。そういうものも十分参考にしながら国民のニーズにこたえ、社会的責任を果たす銀行法改正を実現したいとわれわれは期待をいたしております。 最後に、いま窓口規制で一−二月の各銀行の貸し出し額が決まりましたね。都市銀行が九千百億、地方銀行四千三百億、これが前年同月比で都市銀行五・三%増、地方銀行が五%増。相互銀行が二千七百五十億。全体の金額で一番大きいのは何といっても都市銀行と地方銀行でありますから、ちょっと都銀の会長の方からだけ聞きたいのですが、いまの景気の状況は、先ほども中小金融機関の責任者から話がありましたように、金よりももう仕事なんだ。中小企業は仕事が欲しいのだ。その仕事が欲しいのを充足させるためには、一体いまのような金融のあり方でいいのか。財政のあり方でいいのか。私は二十九日の晩、大平さんにここでその問題で一時間、少々の手直しをすべきだ、そういう段階だということを強く要求したわけでありますが、この窓口規制の数字で一−三月はそう問題なく推移できるのかどうか。もう私の割り当ての時間はちょうど終わったのですか、一言ひとつ。
○佐々木参考人 お答えいたします。 このままでできると思います感じが六分、無理かと思います感じが四分、感じだけ申し上げました。
○武藤(山)委員 わかりました。 終わります。
○上村委員長 荒木宏君。
○荒木委員 参考人の皆さんには大変御苦労さまでございます。先ほどそれぞれ御意見を伺いまして、尾川参考人と小原参考人の方からは、社会的責任を果たす、社会福祉を心がけていろいろ御苦労になっている、こういうお話を伺いました。 〔委員長退席、村山(達)委員長代理着席〕 佐々木参考人の方からも、先ほど同僚委員の御質問で御見解を伺ったのでありますが、やはり何といいましても規模が大きい、社会的な影響が非常に大きいということで、特に佐々木参考人の方からやや進んでその点についての御意見を伺いたい、こう思うのでございます。 まず、いまもお話がありましたけれども、一−三の貸し出しの方針が、年末から年を越しまして企業の資金需要の点についても一層厳しさを加えておるようでありますが、貸し出しに当たって先ほどおっしゃった社会的責任というものを具体的にどういうふうに運用の上で実現なさっていくのか、こういった点について会長としていま少し突っ込んだお考えを伺いたいと思います。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 先ほど私は、社会的責任という考え方について、具体的に資金配分の公平ということも考えるのがその一つだ、高度成長から低成長へということを申し上げましたが、実際に私どもはそういった方針で苦しいこの金融引き締めの中を泳いでまいっておるわけでございます。具体的に、中小、個人という中小企業に対します貸し出し、これはたとえばその中小企業がこれだけ金が欲しいということに対しましてどういったふうな枠を配分しておるかということを申し上げてみた方がおわかりやすいかと思うのでございますが、もちろん金融引き締めでございますから中小企業に一〇〇%というわけにはまいりませんけれども、実際の引き締め方は大企業の方に強く当たっておるのでございます。 たとえば、これは四十八年の十−十二月、ちょっと古いところでございますが、この際は大企業からの申し出に対しましては一五・七%の枠の配分をしております。中小企業に対しましては二五・一%、これは私のほうの銀行の数字でございます。それからことしの一−三月につきましては、これは昨年の事情もございますが、大企業につきましては一四・二、中小、個人に対しましては一三・四。昨年の四−六につきましては、大企業につきまして二〇・八、中小、個人につきましては三〇%。昨年の七−九につきましては大企業が一五・八、中小企業が二四。昨年の十−十二月になりますと、私が申し上げましたように、大企業は非常に締め上げてまいりましたから苦しくなる、これでは当然中小企業にも影響が出るということで、昨年の十−十二月は初めて大企業が一六・八に対して中小企業はそれよりわずか多い一七・七。具体的にはこういった枠の配分をいたしまして、私が申し上げました社会的責任、その中の一つの資金配分についての留意をいたしておる、こういうわけでございます。
○荒木委員 いまの社会的な情勢から申しますと、特に業種によって、業績とからんで資金需要の性質も違えば意味合いも違う、私はこう思うのですね。大企業、中小企業の規模別の枠というもの、それはそれであとでまたひとつお尋ねしたいと思うのですけれども、もちろん経営採算の点がありますから、貸出先の業種、業態、営業状態を抜きにしてそれだけで貸し出しを決めるというわけにはいかないと思います。 ただ、いまの政策の面から言いまして、また社会的な要請から申しまして、特定の業種を決めて、ここは貸し出しを抑えていく、あるいはこの方へは進んでいく、こういうふうなやり方を業界としてとっていらっしゃるかどうか。いまの業界の方の貸し出しの方針、社会的な責任を踏まえての方針というものが、不況業種には業種ごと抑制方針だ、時流に乗った産業の方は業界ごと進んでいく、こういうふうな方針をおとりになっていらっしゃるのかどうか。協会としてはいかがでしょうか。
○佐々木参考人 全銀協の会長でございますけれども、個々の銀行の貸し出しの方針というものにはタッチをいたしておりませんので、協会長ということでなく、富士銀行頭取といたしまして私がどういうふうにやっておるかということでお答えをいたしたいと思うのでございます。 ただいまのお話のように、業種によって進む、あるいは業種によってはそれほど進まないというふうなことは、それぞれの銀行の業種とのつながり方がございますので、一般論といたしましては、そういった方針を立てることももちろんあろうかと思います。ただ、個々の具体的な案件を審議いたします場合には、必ずしもそういった一般的な立場にだけはとらわれませんで審議をいたしております。
○荒木委員 昨年の初めでございましたか、全銀協では中小企業に対する特別融資制度三千二百億でしたかをお決めになりましたね。あの中には、私の記憶ではその後繊維産業も入ったかと思うのですが、これは業界としては繊維産業についてはいまの大変な不況の時期でいろいろ貸し出しの面でも特別に計らう必要がある、こういうことでやられたのではないかと思うのです。業界全体としてはそういう繊維産業に特別の融資をつけようということでありながら、一方、個別の実施段階になりますと、今度は繊維に対しては貸す方は抑える、こういうことに相なりますと、個々の銀行の貸し出し態度をいま伺っているのではなくて、せっかくお決めになった協会としてのこの融資制度の運用がむしろ当初の意図に沿わない結果になるのではないか、こういう点から協会長としてのお考えを伺っておるわけであります。 そういうふうな立場からごらんになりまして、特定の、しかも社会的にも要請の強い業種について抑制をするというやり方を協会としては是認なさるのかどうか、そういうふうなことを伺っておるわけであります。
○佐々木参考人 ただいまのような御疑問をお持ちになりますことは、もっともだと思います。御承知のように、一昨年の暮れから検討を始めまして、昨年、都市銀行二千億、地方銀行千億、信託銀行二百億、こういう枠を設定いたしました。その当時はオイルショックによってまじめな経営をしております中小企業が経営難に陥っては困る、これを救済しようということであの枠を設定いたしましたけれども、その後の経済、金融情勢の変化に伴いまして、そういった狭い観点からでなく、もっと広く、オイルショックに直接関係あろうとなかろうと困った企業は救済しようということで、実際問題として中小企業救済特別融資の枠を使い始めております。そこで、真っ先に中小ガス、それから日本熱学関係、その次にいまお話しの中小繊維工業というものをこの特別救済融資の枠の中で取り上げたわけでございます。 こういった特別救済融資の中で取り上げている業種につきまして、銀行がたとえば貸し出しについてかなりシビアな見方をするということは相矛盾するのではないかというお話は一応もっともだと思いますけれども、実際問題としてこの救済融資の枠はかなりの実績を示しまして、ここへ入ったものは私どもとしてはできる限り取り上げてまいってきておるわけでございます。したがいまして、これは率直に申しまして、もちろんケース・バイ・ケースでございますけれども、全体としてはこういった特別救済融資で取り上げているのだから、その他のものについては、枠は苦しいし、十分慎重に検討しろ、こういうことは当然経営姿勢としても出てくるのではないかというふうに考えます。
○荒木委員 ちょっと最後のところがずれるのですね。協会としてこういうところへ進もうということを決めた。ところが、実際問題としてやるとなると、そこのところはいまおっしゃったシビアな見方が今度は前面に出てくる。 私はいろいろな機会に都市銀行から融資を受ける業者、個人の人たちから話を聞くのですけれども、当初にお決めになったあれが全く役に立たなかった、そんなことは言いはしませんよ。それはそれで業界の方としてもいろいろ銀行と御相談をして、そして立て直しのためにいろいろと協議は進んだけれども、しかし実際は、最初に制度が設けられて、社会的責任という意味合いからもこれでひとつ果たしていこうということにはなかなかまいっておらない面がある。ですから、協会長のお立場として、まだ枠も残っておるように聞いておりますから、この年度末までの自余の運用についても、いまの個々の実施段階を再度よく検討をされ、同時に、各行の自主性の面はもちろんありましょうけれども、それを見ながらも、いまの社会的要請にこたえるという点から、当初の方針が十分生かされるようにせっかくの御努力をお願いしたい、こういうことから申し上げておるわけです。その辺から、お尋ねしておる意図を十分くんでいただいてひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。
○佐々木参考人 簡単にお答え申し上げます。 ただいまの荒木先生のお話、ごもっともでございます。御参考までに申し上げますと、ただいまお話のございました中小繊維工業からは、融資を受けたいという件数が四千三十三件、希望金額が四百七億という申し込みがございました。それに対しまして、これは九月末の数字でございますか、取り上げました件数が二千六百六十五件、金額が二百二十億、こういう数字になっておりまり。私どもとしても、いまお話しの点を十分頭に入れまして今後善処してまいりたい、こういうふりに思います。
○荒木委員 一言伺っておきますが、それは枠が残っておれば——いま、はみ出した分がありますね。申し出を受けて、全部応じ切れないで積み残しがありますね。これは中小繊維が一つの例なんですけれども、その積み残しの分についても自余の残枠を充当できるようにひとつ御努力をお願いしたいと思うのです。その点もひとつ御答弁をお願いします。
○佐々木参考人 御趣旨に沿って善処いたしたいと思いますけれども、御承知のように、この特別救済融資につきましてもいろいろな条件がついております。たとえば信用保証協会の保証があるとか、そういった方の手続がそろいますれば、いまの先生のお話に十分沿えるというふうに思います。
○荒木委員 私の方の実際に聞いておりますところでは、各支店に本店からのこの分の枠があって、そしてその枠がもう終わった、特段の指示がないということで信用補完の措置を云々するまでに窓口で話がだめになっておしまい、こういうふうなことを聞いておりますので、いま会長のおっしゃったような方向で、残余の分の消化についてはひとつ乗りおくれ分も含めて御検討いただきたいと思います。
○佐々木参考人 十分趣旨が徹底いたしますように、各銀行に連絡をとるようにいたします。
○荒木委員 今度は回収についての公共性といいますか、社会的責任と申しますか、これのお考えを伺いたいと思うのですが、新規に貸し出す場合は融資先の採算の問題その他いろいろあると思うのですが、すでに貸し付けておる分の回収については、いまの社会的要請という点から協会としてはどのようなお考えでありましょうか。
○佐々木参考人 余りにも一般的な御質問でございますので、ちょっとどうお答えしたらよいか私にはわかりませんので、もう少し具体的にお話をいただきますればお答え申し上げたいと思います。
○荒木委員 たとえば都市銀行側の採算といいますか、実質貸出採算、取引ぶりとか言われておるようですが、そういったことだけが先に立って、それの低いところ、効果の上がらないところはどんどん回収をしていく、こういうふうなことでは——都市銀行の効率性ということ、採算ということ、これはもちろんあるでしょうけれども、いまの時期での金融機関のあり方として協会長としてどのようにごらんになるか、方針をひとつお伺いしたいと思うのであります。 ある都市銀行では、こういった採算重視のために取引ぶりのよくないところはどんどん回収をしていく、それがその方向でのみ実際に行われますと、やはり現在のインフレ、不況の中での矛盾というものがどうしても大きくなってくる。ひいては社会的な批判といいますか、都市銀行のあり方についての問題提起もより厳しくなってくると思われるのですが、こういった回収についての協会としてのいまの社会的責任を踏まえた上でのお考え、これをひとつ聞かしていただきたいと思います。
○佐々木参考人 お話のとおりでございまして、単に銀行の取引のうまみだけを考えまして回収するとか、あるいは貸し進むということであってはならない、私はこういうふうに考えます。
○荒木委員 具体的な例の提起は本日は控えたいと思うのですけれども、ひとついま会長がおっしゃったような方向で、全銀協としても理事会なりいろいろな機関組織があるように伺っておりますから、その席上で会長の方から、国会でこういう意見もあったということで提起をしていただいて、そして協会としてその点についてのいまの会長の御意向がよく通るような手だてを具体的におとりいただきたい、かように思うのでございます。 もちろん、協会内部のいろいろな従来の経緯がございましょうけれども、本日を機会にこの回収についての採算第一主義というふうな点の再検討をひとつ内部でもお願いをしたい、こう思いますが、いかがでございますか。
○佐々木参考人 ただいまの荒木先生のお話は、理事会その他で私は十分各頭取方に徹底をさせるということにいたしたいと思いますけれども、銀行協会の会長という立場上、銀行の貸出政策にまでタッチをするわけにはいきませんので、たとえばこの問題につきまして全銀協会長といたしまして傘下のメンバー銀行に通達を出していいものかどうか、その辺のことはこれから検討させていただきたいと思います。いずれにいたしましても、ただいまの荒木先生のお話は理事会その他適当な席で十分御披露して皆さんの反省を促したい、こういうふうに思います。
○荒木委員 会長は二十八回の全国銀行大会でごあいさつをなさいましたね。覚えていらっしゃると思いますが、金融界として節度ある態度をとりたい、社会の指弾を受けることのないように、聞くべきものは聞いてそして努力をしたい、こういう趣旨のごあいさつをなすっておりますですね。社会的責任に関する委員会というのも設けていらっしゃるようですから、この際はひとつそういったごあいさつの趣旨だとかあるいはいまの社会的な都市銀行に対する見方、関心と申しますか、そういうふうな社会情勢を十分踏まえていただいて、協会長としてひとつ勇気を持って事に処していただきたい、かように思います。 いま貸し出し回収の点についてお尋ねしたのですが、今度は金利の点でございます。金利機能の活用ということがしばしば言われておるのですけれども、預金金利が上がってくる、そうすると、経営戦略の上から当然貸出金利も上げていく、あるいはまた、逆に貸出金利の方がどんどん上るがと、今度は利ざやが開くという社会的な指摘があって預金金利の方が上がる、いろいろなケースがあると思うのですけれども、金利を引き上げる場合に、いま都市銀行としては一般的には既契約分の貸出金利を引き上げる、こういうこともあろうかと思うのですが、そういうふうなときに、それは全く経営上の戦略問題として任されておるのかどうか。 それから、一たん利息を先払いでもらっている、その分まで上げるというようなことは、いまの社会的な情勢からいって、協会としては、特にそれはもう経営者の自由裁量でやることなんだというようなお考えなのか。金利の引き上げ問題についてひとつ協会長のお考えを伺っておきたいと思います。
○佐々木参考人 個々の貸出金利をどういうふうに処理をいたしますか、これは各銀行の判断に任せておりまして、協会はタッチをいたしておりません。
○荒木委員 それでは、その問題はまた場所を改めてお伺いすることにいたしますが、会長のいらっしゃる銀行ではこれはいかがでございますか。たとえば金利の引き上げに応じなければ貸さないというふうな、そういったような趣旨の金利引き上げのやり方はおとりになっておりませんか。
○佐々木参考人 個々のケースで判断をいたしますのであれでございますが、一般論といたしましては、金利の引き上げに応じなければ回収をする、あるいは新規の貸し増しをしないということは私はないと思います。 ただ、その他のいろいろな条件がございますから、それとの絡み合わせであるいはお客様が、金利の引き上げに応じないから貸し増しをしてくれないのだ、あるいは一部を回収されたのだ、こういうふうにおとりになるケースも全然ないとは私もちょっと断言いたしかねます。
○荒木委員 この点はまた後日お伺いすることにいたします。 ここで金利についてもう一言。歩どまり率というのがありますが、これについて伺っておきたいのですけれども、この歩どまり率が高くなってまいりますと、実質金利は一応高くなる、かように思われるわけなんです。先ほど大企業と中小企業と、こういうことを資金枠の問題で伺ったのですけれども、表面金利はともかくとして、実質金利が大企業と中小企業と比べて業界全体としてごらんになっていまどんなような状態であるか。私どもとしては危険負担の問題でありますとかいろいろな要素があると思うのですけれども、先ほど中小企業に配慮ということを非常に強調されましたので、資金の量だけでなくてその質の問題、あるいは実質金利の面でもそういう方向で見直しをし、協会としてひとつ前向きになるように会長として御努力をいただきたい、かように思っておるのでありますが、いかがでしょう。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 ただいま先生からお話がございましたように、現在では平均貸出レートは大企業に対しますものよりも中小企業に対しますものの方が低くなっておりますことは御承知のとおりでございます。ただお話しの実質金利ということになりますと、率直に申しまして、預金の歩どまり率が中小企業の場合の方が大きゅうございます、したがって、実質の金利負担は中小企業の場合の方が重い、こういうふうに思います。大ざっぱに申しまして、大企業の場合は仮に歩どまりが二〇%である。そうしますと、八〇で一〇〇の金利を負担いたします。ところが中小企業の場合、歩どまりが仮に五〇であるといたしますと、五〇で一〇〇の金利を負担いたします。確かに重いと思います。そういった点、私ども十分頭に入れまして今後対処してまいりたい、こういうふうに思います。
○荒木委員 頭に入れて対処していただく方向は、中小企業の実質金利を軽減する、そういった方向を頭に入れて対処していただく、こういうことでございますね。
○佐々木参考人 そういうわけでございます。
○荒木委員 私どもは、この都市銀行の社会的責任については、もちろん貸し出しの面、これはいろいろ資金の量、質の問題で、また機会を改めてだんだんお尋ねをいたしたいと思うのですが、同時に、預金者との関係で先ほど目減り補償の点がいろいろ論議になっておりました。 端的に申しまして、前九月期決算では経常利益で五一%余りですかふえている。これは、理由はいろいろ先日来も論議がありました。貸倒引当金の率の推移の問題とかありますけれども、しかし一口に言えば、貸出金利がどんどん上げられた、預金金利がなかなかそこまでいかない、利ざやが開いてそのための利益という一面もかなり指摘をされておるように思います。四十八年の四月から見ますと、一年定期で預金の方が二・五%、都市銀行の約手貸出平均金利は三・一一四%ということで利ざやが開いております。私思うのですけれども、インフレの目減り補償ということが論議になっておって、先ほど参考人のお話ですと、これはまた別のサイドからやるべきことで金融の任務ではない、新種商品の開発で知恵をこらしたい、こういうお話なんですけれども、しかし、どんどん高金利で上げていくということがインフレ対策としてとられる、総需要抑制政策の一環として物価を抑えるためにひとつ金融手段を活用する、しかし、なかなかそうは言っても物価高はすぐには解決をしない、これがごらんのとおり昨年一年の経過ですね。 そうすると、預金者の方はインフレで目減りをする。国民生活白書によれば、四十八年で一世帯二十一万円余りですか、そういう計算も出ておる。一方、都市銀行の側は、それに対する対策としてとられた結果によって、この利ざやが開いて、利得がある。先ほどの預金金利の上昇と貸出金利の上昇の幅の拡大ですね。だとすれば、同じインフレ問題をめぐって、片や目減りが生じ、片や対策の結果と言い条利得が生じている。この点のアンバランスの問題は、金融機関としても十分にお考えいただく必要がある。ことに相互銀行、信用金庫の同じ時期の利益の伸びから見ますと、都市銀行の方は率からいって約倍ぐらいになっています。 ですから、そういう点で、別の、金融サイドの問題ではないとおっしゃるけれども、しかし現実にその問題をめぐって利益がふえているという点から見れば、協会長としてどういうふうにお考えになるか。いまこの問題については論議もずいぶんと起こっておりますし、いろんな指摘もなされておるところですけれども、片方が損をして片方が得をしているというこの問題について、もちろんいわゆる債務者利得の問題があります、銀行はトンネルだけだという話もありますけれども、現実にその仲介に立って利ざやという問題でもうけているということから見れば、金融の問題ではないと言い切れないというふうに思うのですけれども、ひとつお考えを聞かしていただきたい。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 最初に私が目減りは金融機関の問題ではないと申しましたのは、これは考え方のたてまえを申し上げたわけでございます。金融機関はインフレに対しまして中立な立場にございますので、目減りが起きた、そら金融機関が補償ということは、一つの考え方としては出てこないのではないかと思います。ただ預金者が、先ほども申し上げましたように、非常に苦しい立場におられます。そして、いま先生がおっしゃいましたように、現実に銀行は、これからの収益はどうなるかは別といたしましても、現在収益を上げております。したがって、その一部を目減り補償という考え方ではございませんけれども、銀行が現在の利得の一部を吐き出して、そうして通常の利回りよりも高い新しい商品をお客様に提供する、こういうことは十分考えたいというふうに思っておりますわけであります。 ただ、提供いたします新しい商品につきましても、その提供の仕方、つまり対象とかどういうふうにするか、その辺のことは十分詰めませんと、また新しい不公平の問題あるいは技術上の問題が出てまいりますので、その辺は十分関係者で詰めたい、こういうことでございます。 それから、いまお話もございましたが、確かに九月期は三月期に比べまして都市銀行の利益は五一%上がっております。その中で、ただ計算上の、有価証券の売却損が減ったとか、貸倒引当金を繰り入れ率の引き下げによって吐き出す、そのために利益になったとか、そういったものを除きますと二三・七%の増加でございます。 これもただいま先生からお話がございましたよりに、貸出金の金利は公定歩合の引き上げと同時に預金金利に先行して上がりました。預金金利はおくれております、一年もの二年ものがございますから。したがって、この三月期の決算をごらんいただきますとわかります、貸出金利はもう大体上げどまった、預金金利の負担はこれからふえてくる。しかも今期は、昨年の九月期は貸出準備金の繰り入れ率が二度にわたって引き下げられまして、その二度分が残っておりましたけれども、今度は一度分しか残っておりません。そういったことで、この三月期の収益は減益になりますことはほぼ間違いない。そういった点も頭にお入れをいただいて、どういったふうな新商品を開発するのがいいかということを御研究いただきたいと思うのでございます。 それから、私は、先般の堀先生の私案に対しても、これは全面的にこんなものは問題にならないと申した。新しい商品を提供しようということでは大賛成でございます。ただ、私の考え方は、ついでに申しますが、日本では大体世帯の概念がはっきりいたしておりません。仮に三千万世帯あるけれども、とりあえず四−五に限れば大体一千万世帯ぐらいしか新しい預金をしないのではないか、このお話もわかります。ただ、制度として考えます場合に、三千万世帯あるけれども、預金に来る方は千万だ、こう仮定して考えることに何かやはりもう一つ問題が残るのではないか。 それから一世帯五十万ということ、これに一〇%の金利をつける、こういうお話、これは仮に年二分通常金利よりも高いといたしますと、半期で一%、半年おやりになる。そうしますと、五十万まるまるお預けになっても半年の余分に取れる金利は一世帯五千円。そういうふうに広く浅くこの特別措置を考えるのがいいのか、あるいはもっと対象をしぼって、そのかわり幾らかでも、厚く考えて差し上げた方がいいのか、そういった問題点がございますということを申し上げましただけで、私は、はっきり申し上げますけれども、考え方としては銀行が目減り補償をするということではございません、しかし、銀行の経理の許す範囲、経理をよく考えながら、何とか特別の金利のつく新しい商品をお客様に提供したい、こう思っておりますわけでございます。
○荒木委員 時間が来ましたので、最後に質問を少しまとめて申し上げてお答えをいただきたいと思うのですけれども、いま会長のおっしゃった点で、これらの新しい商品と言い条、目減りは過去に起きているわけですね。ですから、先のことは別にして、いまの時期に片や目減りで損失をする、片やそれを扱って利ざやの拡大でもうけている。だとすれば、それのバランスをとるというふうなことが社会的な必要性と言えるのではないかということで言っておるわけでありまして、私どもの計算では、いま預金の定期の保有額、一世帯平均八十二万円余りとして、定期預金の保有世帯を仮に九百万世帯と概算をいたしますと、それに一〇%の利子を上乗せをすれば、所要の資金は大体七千億余りということになります。そうしますと、昨年、一昨年の都市銀行の経常利益あるいは純利益から見ますと、これは決して賄えない範囲の金額ではないということでありますから、基本的な考え方は先ほど来伺ったのですけれども、そういう具体的な提案がもうすでにいままで私どもの党だけではなくて、他の党からも出ておりますけれども、そういったことも含めてひとつ御検討をいただきたい。それをお答えいただきたいのが一つであります。 それから二つ目は、いま銀行の職場の問題で、やはり社会的な責任問題ということが論議をされておると思います。会長の本年の年頭の社内報でのごあいさつを伺いますと、銀行間の競争はまことに厳しいものがあるということで、こういうふうにおっしゃっておりますね。「優勝劣敗を賭けた真の意味の銀行間競争が展開するものと覚悟しなければなりません。」それに従って当然銀行の職場の金融労働者が、たとえば預金獲得競争のために時間外その他で駆り立てられて、目標が決められて、精神的にも肉体的にも大変な苦労をしなければならない。だんだんと外交に回る人の比率がふえてきて、そして外に出るのも大変えらいし、中に残るのも仕事がかぶさって大変だ、こういう過当競争が、会長御自身は優勝劣敗の大変な競争だ、こうおっしゃっているのですけれども、いま経済のさま変わりの中で、つり合いのとれた経済の発展を目ざしていこうというこの社会全体の姿の中でこういう優勝劣敗をかけた過当競争を標榜して、さあ、預金獲得をしてこいということで駆り立てるような姿が果たしていまの社会に似合った銀行の職場のあり方であろうか、私はそう思うのであります。したがって、この問題もひとつ協会としてぜひ御検討をいただきたい。 たとえば、どんどん時間外に外交に駆り立てていくというようなこういうやり方を、都市銀行については、都市部の外交比率は全体の従業員の方の中の何%ぐらいだ。仮の話がですよ、まあ五%ぐらいだとか、あるいは地方銀行はまあ一〇%ぐらいとか、こういう外交人員の比率の上限といいますか、こういうふうなことも一つの方法ではなかろうか。いろいろな向きから指摘されておるようでありますけれども、これはほんの一つの指摘を申し上げただけでございますが、そういうふうな過当競争を抑えていくというふうな手だてを協会としてひとつお考えいただきたい。 それからもう一つは、そうすることによって、この余剰の人員といいますか、それを住宅相談コーナーでありますとか中小企業の相談コーナーであるとか、そういったサービスに十分向けられるような形の方向へ協会としてぜひ大きな筋を進めていただきたい、かように思いますので、その二点について簡潔に御意見を伺いたい。 それからもう一つ、森政務次官に伺っておきますが、先ほど週休二日制について、同僚委員の質問に前向きで取り組むということを答弁されておりました。ところが実情は、四十八年の四月にこの問題で閣僚懇談会がありまして、専門委員会を設けるということで民間の労働者の分は第四分科会ということになりましたが、これが会議が開かれないままでストップしております。ですから、先ほどの御答弁の趣旨に従って、この各省間の連絡の事務会議を即時再開をして、二日制実現の方向で事務整理を進める。同時に政府として、閣僚懇談会があるようでありますが、その討議を進めて、先ほどの答弁の手だてが具体的に進むような形でひとつ段取りを進めていただきたい。分科会の再開その他を含めてです。その点についての答弁を簡単に伺って、質問を終わりたいと思います。
○森(美)政府委員 研究してみます。
○佐々木参考人 私ちょっとうっかりいたしまして、先生の最初の御質問はっきり聞き取れませんでしたので、まず二番目、三番目の問題についてお答えをいたしたいと思います。 私の正月の行内誌の一部を先生から御引用いただき、そのとおりでございますが、経営に携わっておる者といたしまして、何と申しましても自由主義社会の中では企業間でそれぞれ競争をいたしておりますので、そういった意味で非常に厳しい優勝劣敗の時代になったということは、私、間違いなくうたいましたわけでございます。しかし、これは必ずしも強引にノルマを与える、あるいは残業をふやす、こういうことではないのでございます。そういったこととは別に、仮に同じ時間働くにいたしましても、その時間をどういうふうに効率的に働くか、こういったことをいままで以上にもっと真剣に勉強するというふうなことを含めてでございます。 かねがね私は、魅力ある職場づくりということを行内でも申しております。それは率直に申しまして、人間でございますから、ペイもよろしい方がよろしゅうございましょう。労働時間も短い方がよろしゅうございましょう。自分の能力を上役が認めてくれる、こういう職場でなければ、これはまた魅力のある職場とは言えない、こういうふうに思うのでございます。 そういった意味で私は経営に携わっております。非常に厳しい世の中にはなってまいりましたけれども、私の方の銀行に関します限り、残業時間は大体において漸減をいたしてまいっております。そういった効果が上がるように、合理化、機械化の面でも十分気をつけておりますことを御了承いただきたいと思います。 それからまた、外訪活動の問題がお話に出ました。私の方は、大体各都市銀行似たようなものだと思いますけれども、一万八千名の行員がおりますが、男女ほぼフィフティー・フィフティーでございますから、男子行員が約九千名、その中で外訪活動に当たっております者は大体千三百名ぐらいかと思います。そういった意味で、男子行員の甲に占めます外訪活動に当たっております人員は約一五%、男女込めますと八%前後、こういうことになろうかと思います。この点につきましても、先ほど、週休二日制を実施するについてはなるべく不便が少なくなるように、そしてまたお客様にも早くなれていただくようにということで、銀行の人事部では、それまでの一つのステップといたしまして土曜日の外訪活動をやめようか、こりいったふうな方向に向かっていま検討をいたしております次第でございます。先ほど先生からお話のございました、そういった外訪活動をやめることによって浮いた人員を住宅ローンの相談なり何なりに充てる、こういう御発言に対して私も全く賛成でございますから、何とかそういった方向に早く各金融機関そろって踏み出すようにいたしたい、こういうふうに考えております。 それから、最初のお話は、あるいは私聞き違えておりましたら大変失礼でございますから訂正をいたしますが、銀行は確かに前九月期も収益を上げましたけれども、これはインフレによって収益か上がったものであるというふうには私は解釈しておらないのでございます。したがいまして、これはただ観念の遊戯だとおっしゃるかもしれませんけれども、そういった意味で銀行はインフレに対して中立でございますので、インフレによって銀行が利潤を得たからそれで預金者の方に目減り補償をするのだ、こういった考え方には私はどうしてもなれないのでございます。しかし、そういった原則論だけを、観念論だけを振りかざしている時期でもございませんから、銀行としてできるだけ預金者の苦しみをやわらげて差し上げる、こういう方向では十分検討いたしたいというふうに思っておるわけでございます。
○上村委員長 坂口力君。
○坂口委員 参考人の皆さん方には大変お忙しい中をまことに御苦労さまでございます。お伺いしたいことの幾つかの中で、すでにもう御議論の出たものもございますし、あるいは一部重複するかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。 まず最初に、先日の一月三十一日の衆議院の予算委員会でわが党の矢野書記長が、銀行の社会的責任について質問をいたしました。その中の幾つかにつきましてもう少し詰めた議論をさせていただきたいと思うわけでございます。 一番最初に、先ほどもお話が出ておりましたが、歩積み両建ての問題でございます。先ほどお話を伺っておりますと、そういったことがないように指導をしているというお話もございました。私のほうにしても二百数十件こういった問題についての意見が届いております。先日の予算委員会におきましても、銀行局長さんの方から、そういった点があれば即時相殺しろという指導をするという御発言もあったというふうに思います。 この問題は、たとえば貸出金利が九%となっておりましても、歩積みや両建てというようなことがございますと、実際には一五、六%にもなるというような声もたくさんございますし、またアンケート調査等を見ましても、四十七年から八年、九年と、最近に至りまして若干こういうふうな苦情と申しますか意見が上昇してきているという事実もございます。このことにつきまして、先ほども指導しているというふうに言ってお見えになるわけでございますけれども、やはり指導しているというふうにおっしゃる以上は、皆さん方の方にもそういう話というのがかなり上がってきていることは事実だろうと思います。もう少しこの辺のところをお聞かせいただきたいのと、それから、尾川参考人、それから小原参考人、御両人にもこのことに対する御見解を承りたいと思います。
○佐々木参考人 お答えいたします。 私ども、先ほどから申し上げておりますように、この問題については自粛これ努めておりますわけでございますけれども、いろいろな問題がございますことも耳にいたします。これも事実でございます。大変私ども残念に思います次第でございます。先ほどもこの問題につきまして、何かそういった具体的な事実がございました場合ひとつお申し出をいただきたい、しかしそれを申し出をするとやはり後の融資を断られる、新規融資は受けられない、こういう心配があるからなかなか表面に出ないのだ、こういうお話でございましたけれども、それもまた私はよくわかると思います。しかし、ともかく銀行協会といたしましては、この問題にはっきり自粛の線を打ち出しておりますので、それに反しましたような事実がございました際は、銀行協会の中にも苦情相談所というふうなものを設けておりますので、そのお取引先の方直接でなくてもよろしゅうございますから、どうかしかるべき方が具体的に問題をお持ち込みいただいてよく御相談をさせていただきたい、こういうふうに思いますわけでございます。
○尾川参考人 歩積み両建ての問題はいつもしかられてばかりおりますが、なかなかこれは私どもが考えておるとおりに必ずしもいってないというような実情もあるのじゃないかと思うのでございますが、しかし、私どもが各行から報告を受けております点においては、ほとんどもう整備してある、こういうことになっております。もう金利措置をしたものが九九・七%で、あと〇・三%くらいで金利措置が済むというようなことでございまして、拘束預金も五・八%というような低率になっております。 しかし、やっぱり少しひどいじゃないかというような苦情をおっしゃいます中には、銀行も多少行き過ぎたことをやっておるというようなことも私は決して否定いたしませんが、そういうことにつきましては、常々協会の会議の席でお互いに自重しようじゃないかということを申し合わせておりますし、また大蔵省との懇談会の席上でも、検査部長さんにおいで願いまして、いつもこの点をお伺いをいたしまして、自粛いたしますからどうぞひとつこの点については十分の御注意をしていただきたいということで、検査の際にもこの点は非常に厳重な検査を受けておりまして、表の上からはほとんどなくなっておる。実情と多少違うかもしれませんが、しかし非常に少なくなっておるということは事実でございますから、今後といえども十分にまた申し合わせをいたしましてこの点ははっきりしていきたい、こういうふうに考えております。
○小原参考人 歩積み両建てにつきましては、信用金庫協会としましても、そういったようなことのないようにできるだけ自粛するように努めております。歩積み両建てにつきましては、戦前はこういう問題は一つもなかったのでございますが、戦後どうもこれは昭和三十年ごろからこういう歩積み両建てのようなことが行われるようになったのじゃないか、こういうように思っておるわけなんであります。 私ども若い時分から金融の仕事をやっておりますが、前には、金を借りに来る人がありますと、その人の預金がございますればまず預金は全部下げてしまう。預金は全部下げて、足りない分だけ貸すというのが昔の金融のあり方だった。ところが、いつの時代か私ども知らないうちに、仮に一千万円の金を貸すときに、二百万円とか三百万円とかの預金がなければ貸さない、こういうふうな風潮が出てまいりまして、これはだれが考えたか知りませんけれども、非常に最近はこれが極端になった。こういうことでございまして、皆さんからいろいろ御指摘をいただいております。私は先ほど申し上げましたように、金を借りに来た人がありますれば、その人の預金がありますればまず預金を全部下げちゃって、残りの分の不足分を貸すというのが原則じゃないかというふうに考えますので、そういったことにつきまして、今後も信用金庫協会でできるだけひとつ指導してまいりたい、こう存ずる次第でございますから、よろしくどうぞ。
○坂口委員 だれが考えましたか、こちらがお伺いしたいところでございますけれども、このような歩積み両建てというようなことが今後ないように、これは改めて各銀行等に通達をお出しいただけるかどうか、その一点だけ、それじゃ佐々木参考人からだけで結構でございますから、ひとつお伺いしたいと思います。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 先ほども申しましたように、通達では出ておりますわけでございますが、もう一度しかるべき席で、なるべく早くと申しますよりもあるいはきょう理事会がございますので、先生のお話を伝えまして、ただこれは書面で出しますかどうか、私は差し支えないと思いますが、そういった方向で協会の方の事務局と連絡をとってみたい、こういうふうに思います。
○坂口委員 それから、社会的責任につきましても先ほどから御議論がございましたが、いろいろ銀行の社会的責任について三人の皆さん方からお話がございました。預金者の利益を守ることが主眼であることには、これは皆さん方も御異論ないと思います。また皆さん方はお話の内容も、そういうことをいろいろの表現でおっしゃったのだろうと思うわけであります。それであればこそ国の方も、預金者保護という立場で銀行に対しまして手厚い保護もしているというふうに思うわけです。 しかし、銀行のいわゆる不動産投資というものを年次別に見せていただきますと、不動産投資が最近かなりふえているというふうに思うわけです。社会的責任から言えば、最近の不動産投資によって、それが原因でかなり土地の値上がり等があるわけでありますので、インフレ促進の一端を銀行が担っておみえになるという言葉は若干言い過ぎかもわかりませんが、そういう言い方もまたできるのではないかと思うわけです。目減りの問題が一方でありますし、一方においてインフレに拍車をかけるような不動産投資というものがある。これは銀行の本来の目的等からいきますとかなり問題がありはしないか、こう思うわけでございますが、この不動産投資等について、佐々木参考人からひとつ御意見を伺いたいと思います。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 銀行は商品としての土地は持っておりません。銀行が買いましてそれを売る、そういった目的で土地を購入することはございません。ただ、いまお話しのように、こういった業種柄、比較的お客様の御便利なところに場所を取ろう。それからもう一つは、従来やはり店舗の新設あるいは配置転換につきまして御承認を得ましても、これはいついつまでに現実に不動産を取得して店舗をここへつくる、こういう計画を出さなければならぬ、そういったふうな制限もございまして、よく私どもが言われましたように、時期を急ぎますために、幾らかある程度高いのもがまんいたしまして、やむを得ず手に入れたことがあったことも事実でございます。しかし、そういった点もいろいろ御勘案いただきまして、最近では御当局の方針も、一年ごとじゃなくて二年ぐらいの期間で考えるようにしようというふうなことに方針を御変更いただきましたので、私どもそういった面では非常にやりやすくなっております。このことを御報告申し上げます。 それからまた、いまの御指摘の点でございますが、私どもといたしましても、だんだん銀行経営そのものが非常に厳しい環境に置かれるようになってまいっておりますので、いま申し上げましたように、商品としての不動産は、もちろん従来も今後も持ちませんが、店舗用の不動産にいたしましても、価格の点は従来以上に十分慎重に検討してやってまいりたいと、このように考えております。
○坂口委員 この議論はほんとうはもう少しさせていただきたいわけでございますが、時間の都合がございますので、次の問題に移らせていただきたいと思います。 これも先日の予算委員会で問題になったことでございますけれども、都市銀行の融資状況を見ますと、先ほどもここでも議論がございましたが、四十八年の十月から四十九年の九月までの一年間の貸出額が四兆九百九十億円になっております。そのうち資本金一億円以下の中小企業あるいは個人に対しましては一兆七百二十三億円で、全体の二六・一%になっております。一億円以上の企業に対しまして七三・九%が貸し付けられている、こういう結果が出ているわけです。 先ほど佐々木参考人は、大企業には厳しく、中小企業には厚くしてきたつもりだという意味の御発言をされたというふうに思いますが、この数字を見ましたわれわれの感じと、佐々木参考人がおっしゃる御意見との間にはかなり隔たりがあるように思うわけでございますが、それとも、いままでの状態が最近以上に大企業のほうにより多く出ていて、最近はようやくこれだけになった、こういうふうにおっしゃるのか。私ども、この数字を見ました限りにおきましては、まだもう少し中小企業の方に厚くすべきではないかという気がするわけでございますが、もう一度御意見を承りたいと思います。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 ただいまの坂口先生の数字、私はちょっとそれに該当するものを持っておりませんけれども、この一年間に、たとえばいまのは四十八年の九月でございましたか、その時点での全体の貸し出しの中に占めます中小企業のシェア、それ以下をその後の一年間に貸し出しをしておるということは、私はございませんと思います。先ほども申し上げましたように、非常に苦しい中でも、少なくとも昨年一カ年間あるいはその前をとりましても、中小企業の方により多くの配慮をして配分をいたしております。これは後ほど数字をよく先生のおっしゃる時点と合わせましてお届けいたしましても結構でございますけれども、そういったわけで、たとえば都銀だけについて見ますと、四十四年の九月末では、総貸し出しの中で中小企業の占めるシェアが二六%でございました。それが四十九年の九月末には三五・一%と、こういうふうに改善をされております。それはその一年一年をとってみましても、それまでの中小企業のシェア以上のものを割り当てて、そうしてシェアを上げてきたということでございますので、なおよく数字を調べてみますけれども、昨年一年間は大企業にそれまでの比率よりも貸し出しをいたしましたが、中小企業にそれ以下ということはございませんと思います。 ただ、ここで申し上げますのは、私どもは、大企業、中小企業といいましても、中小の中に、いわゆる基本法によりますも中小だけでなく、もう少し広い範囲のものもあるいは入れて考えることもあろうか、このように考えます。
○坂口委員 それから、一番最初三人の参考人からお話を伺ったわけでありますが、中小企業の金融状況についての御発言で、私の聞き間違いであれば御指摘をいただきたいわけでありますけれども、皆さんのおっしゃる金融状況の把握の仕方に若干差があるように感じたわけであります。 佐々木参考人は、最近の中小企業の金融状況は比較的落ちついた動きを示しているというふうに御主張なすったと思います。それから尾川参考人は、中小企業の資金繰りはなお悪化しているというふうにおっしゃったとお聞きしたわけであります。それから小原参考人の方からは、ディスカッションの中で、中小企業のうちでも上中下とあって、上の方が初め苦しくて、最近は中下の方にもそれがだんだんと波及してきているというような御発言があったように聞いたわけでありますが、この辺についてもう少し突っ込んだお話を伺いたいと思うわけであります。三人の参考人に順次お聞きしたいと思います。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 私どもの窓口から見ました感じを申し上げましたので、したがいまして、相互銀行さんあるいは信用金庫さんが窓口からごらんになったお感じとは幾らか違うと思います。 ただ先ほども、在庫はちっとも減らない、しかしこれは持ちこたえているんだというお話が先生からございましたけれども、これにつきまして、私は率直に申しましてこういう感じを持っておるわけなんでございます。在庫はちっとも減らない金融は苦しい。それなら一体何が在庫を支えておるのか。これは金融が支えておるわけでございます。 それでは、在庫を支える金融が銀行、金融機関から出ておるかと申しますと、必ずしもそうでない面があるのではないかという感じを私は依然持ち続けておるわけでございます。非常に金融が引き締まってまいります、そのとき、よく前の日本銀行の総裁がおっしゃいましたことは、企業が収益で上げた手元流動性には引き締め政策は及ばない、こういう発言をしばしばされておりましたけれども、私はそれは事実だろうと思います。在庫はふえている。金融は締まっております。しかし、御承知のように投げ売りはそんなに出ません。その点を聞きますと、いや仲間では投げ売りは出ているんだ、たとえば問屋の段階では。末端の消費者段階、バーゲンセールはございます。これは全体から言えばわずかです。仲間では投げ売りは出ているんだけれども、それは仲間の問屋が持ってるんだ、こういうことでございます。それが事実だろうと私は思うのです。それじゃ拾った間屋の金融はどこからついているか。それがなかなかむずかしい、よくわからないわけでございます。 そこで、やはりこれはインフレによって各企業か相当な利潤を上げて、金融引き締めによってある程度出ましたけれども、まだどこかにはそういった隠れた力があるんではないか、私にはこういった感じがいたしますわけでございます。それといまのお話の中小企業の問題とは直接はつながりませんけれども、何か一部、少なくとも私どもが関係を持ちます中小企業につきましては、そういった力も残っており、それに対して政府系の金融機関もいろいろ厚い配慮をする。私どもも、先ほどから申し上げておりますように、いままでは大企業が非常に困り過ぎるくらい金融の引き締めのしわを大企業に寄せて、中小企業の方へ配慮いたしました。それと最初に申しましたそんなものが一緒になりまして、これだけひどい引き締めが続いておりますにもかかわらず中小企業の倒産は、御承知のようにもう十月から千百件以上超しております、年間ではおそらく一万一千七百件かの数字が出ておりますが、昨年のそれに比べてこれだ、そういうことだと思います。 全体といたしましては、何か私は率直に申しまして、いま申し上げましたような感じが出ますわけであります。それが、先ほど相互銀行協会会長さんでしたか、全国信用金庫協会会長さんでしたか、まだ企業間信用はそんなに膨張してないような感じもするとおっしゃった、その辺にもつながるのではないか、こういった感じがいたします。これは率直な私の感じでございます。
○尾川参考人 私は、悪化しておるということは二つに分けて御報告申し上げました。それは採算面の悪化ということでございますが、これは御承知のように人件費、物件費等で資金が非常に膨張してくるのでございますが、これに見合うところの製品の価格を値上げするとかあるいは取扱量をふやすとかいうようなことができませんから、それで減益傾向が出て採算面で悪化しているということ、これはそろばんの問題であります。 それから資金繰りの面につきましては、検収期間の延長とか売り上げの減少、それから現金支払い比率の低下、手形サイトの延長、こういうふうなことで資金繰りが悪化している、こういうことを申し上げたわけでございます。
○小原参考人 私が先ほど御返事申し上げましたのは、中小企業の中でも上位のものが一番最初に苦しくなったということを申し上げて、その次が中くらいで、最近はごく零細企業というふうに申し上げたと思います。これは、石油ショックがありましてから後、一番苦しくなったのは、中小企業の中でも比較的上部、大きな規模のところが苦しくなって、そこいらの倒産がかなり多かったと思います。その次、昨年の夏ごろからは今度は中くらいの人が——中くらいの中小企業は比較的その時分にはまだどうやらやっておったのですけれども、昨年の夏ごろから非常に苦しくなった。そして去年の暮れごろからは零細企業が苦しくなったということで、これからの破産とか倒産とかいうものは零細企業にまで及んできたということを私は申し上げた次第でございます。
○坂口委員 いま、もう一度三人の皆さんからお話を承り直したわけでございますけれども、尾川参考人、小原参考人のお話をお伺いいたしますと、やはり苦しい現状が続いている、あるいはまた、だんだん下の方、小さな方へ小さな方へとその苦しさが波及しているという御意見だろうと思うわけであります。 そこで、佐々木参考人にもう一度お伺いしたいわけでありますが、先ほどお伺いしましたときにも、若干私の方の数字と佐々木参考人の方の数字との違いあるいは時期的なずれというようなものがあるようでございますので、一致しませんでしたけれども、私どもの手元にあります数字から見ますと、佐々木参考人が言われるように中小企業にかなり手厚いという感じは、ちょっと受けないわけであります。 そこで、いま尾川、小原両参考人からも御意見が出ましたけれども、佐々木参考人が考えておみえになりますのと、相互銀行さんあるいは信用金庫さんの方から見るのと、見方がやはりかなり違うということも、これはおわかりいただけたのじゃないかと思うわけであります。 そこで、これから三月期を迎えるわけでございますが、これからの資金繰り等に対して、中小企業に対していままでとは違った面での配慮というものを私はやはりしていただきたいと思うわけでありますけれども、その辺についてひとつお話をお伺いいたします。
○佐々木参考人 お話の御趣旨はよくわかりますので、その方向で十分善処いたしたい、こういうふうに思います。
○坂口委員 それでは、もう時間もございませんので、目減りの問題について尾川参考人と小原参考人のお二人に、一言ずつで結構でございますがお伺いいたします。先ほど佐々木参考人からはいろいろ御意見が出ておりました。このことも詳しいことを申し上げるいとまもございませんが、この目減り対策ということを私たちはやかましく言っているわけでございますけれども、これに対する御意見をひとつ伺いたいと思います。
○尾川参考人 目減りが非常に大きい、何とかしてくれなければいかぬというような御要望があることもよく承知しております。私どもは、そういうことも踏んまえて、その御希望に沿いたいと思うのでございますが、中小企業金融機関は非常に採算が悪うございまして、もうすでに前期減益になっております。今期はさらにべースアップとか、さらに預金金利の引き上げの影響とか、あるいは物件費の騰貴、なお採算面で悪くなると思うので、よほど慎重に取り組まなければならぬと思うのでございますが、われわれの能力の許す範囲内ではやはり何らかおこたえをしなければならぬ、その能力を超えてまで無理をしてそういうことをして、経営を悪くするというわけにはまいりません。その能力の範囲内というものがどういうことであろうかということは、これからいろいろ事を考えて対処したい、こういうふうに考えております。
○小原参考人 目減り預金につきましては、この間も予算委員会で私どもお答え申し上げましたのですが、非常に私ども信用金庫は、ほかの金融機関と違いまして、個人預金のウエートが非常に多いということです。 それからまた、これは私が予算委員会に参ります前に、農業協同組合の人たちから再三お話がありましたのですが、農協さんにいたしましても個人預金がほかの金融機関に比較して非常に多いということで、したがって、その目減り預金を扱いますというと、これはほとんど個人預金ということになりますので、われわれ個人預金の多い金融機関としてはかなり骨の折れることでございます。 しかし、この問題は今日いろいろ意見はございますけれども、やはり預金者のニーズにこたえると申しますか、こたえていかなければいけないのじゃないか、こう思いまして、政府なり、また皆さんの方でお決めくださいますならば、私ども力のある範囲におきまして、できるだけ御協力申し上げるというふうな考え方でございます。
○坂口委員 これもすでに議論の済んだところでありますけれども、最後に、週休二日制についてもう一つだけお聞かせをいただきたいと思いますが、先ほどからいろいろ御議論がありましたが、一応行う方向で、その時期的な問題についての検討に入っているというふうに理解させていただいてよろしゅうございますかどうか、佐々木参考人だけで結構でございますから。
○佐々木参考人 お答えをいたします。 申し上げましたように、私どもは週休二日制の早期実現を望んでおります。これには社会的コンセンサスが得られなければなりません。また、銀行法の改正も必要でございます。私どもは、なるべく早くそういったすべての手続が完了いたしますことを希望いたしておりますし、これも申し上げましたように、幾らかやはりお客様に御不便をおかけすることになるのは確かでございますので、そのおかけする御不便をなるべく少なくて済むように、早くわれわれとしてもいろいろな準備を整えたい、こういうふうに考えております。その準備は、いつでも実行できるように、できるだけ五十一年の上期実施を予定いたしまして、一応準備だけは完了するようにしたい。しかし、お話ししますように、社会的コンセンサス、銀行法の改正、いろいろございます。そういうことでございます。
○坂口委員 ありがとうございました。
○上村委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、御多用のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 次回は、明五日水曜日、午後五時理事会、五時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十五分散会