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75回国会衆議院1975/06/18

石炭対策特別委員会 第7号

発言数
336
登壇者
17
会派数
5
開催日
1975/06/18

会議録

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 これより会議を開きます。  石炭対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中六助君。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 近く第六次の石炭の審議会の答申が出るということに一応なっております。その中で炭鉱離職者対策がうたわれてないのじゃないかという懸念を、非常に皆さんがしておるわけでございますが、その点につきまして、これは通産省に聞いた方がいいのかとも思いますが、やはり労働省の方にちょっとお聞きしたいのですが、大臣、どうでございましょうか。

守屋孝一労働省職業安定局失業対策部企画課長

○守屋説明員 先生御案内のとおり、ただいま石炭鉱業審議会におきましては、今回の答申につきまして種々検討がなされております。私ども、直接の事務当局といたしましてはこれは通産省所管になると存じます。私ども、審議会には傍聴はさせていただいております。そういう中で、委員の方々から種々御意見も出る中に、離職者対策等につきましても御意見をお聞きはしておりますが、今回の答申の基本的な方針というものが、離職者対策の部分をさらに深く議論するというようには伺ってはおりません。しかし、離職者対策をもうやめてしまえというような御意見があったということも、私は承知しておりませんので、労働省といたしましては、離職者対策は従前同様に今後とも続けていくべきものであろうというように考えております。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 二千万トン以上をキープするという至上命題がはっきりするならば、やはりそこに働く労務者、炭鉱労務者というものが中心になっていくわけでございますから、いずれにしても、そういう炭鉱関係の人々の処置、離れる者あるいはこれに就労する者、そういう者の処置には、ぜひとも万全を期してもらいたいと思います。  特に気になるのは、石炭及び石油の特別会計で、炭鉱のこういう離職者に対して、のけ者にしようというような意図がなくても、何かそういうふうになっていく傾向があることが憂えられるわけでございます。いま筑豊地帯で、特に炭鉱離職者の緊急就労対策事業と産炭地域開発就労事業という二つが大きな問題になっているわけでございますが、この緊就の方は五十二年三月まで閣議決定をして、一応五十二年まで目安はついているわけでございます。開就の方は何らそういう縛りはないわけでございます。毎年、労働省も非常に積極的に予算を見ていただいておるわけでございますが、緊就の方は五十二年で終了するのかどうか、それでもうぶっつり切ってしまうのかどうか。やはり関係者はこれも非常に懸念しておりますが、この点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 現在、産炭地域におきましては、いわゆる緊急就労対策事業、産炭地域開発就労事業、この事業が石炭特別会計の予算で実施いたされております。いま田中先生御指摘の緊急就労対策事業につきましては、昭和三十九年、四十年当時、いわゆる第二次石炭合理化計画当時、法律によって緊急就労対策事業が実施されておりましたのを、いわゆる離職者対策としてたてまえが変わりまして、その後は引き続き予算措置によって実施されております。法律にかわりまして、その当時から、いわゆる閣議決定によって三年間ずつ、この緊急就労対策事業の実施が行われてきております。いま御指摘になりましたように、四十九年に閣議決定が行われまして昭和五十二年三月末までということでございますが、これは四十年以来そういう形で継続実施してまいっております。開就事業の方は予算措置で実行いたしております。  いずれにいたしましても、高度成長時代の労働力不足時代、そういう中でも、この産炭地域におきましては、合理化によって閉山された離職者が依然として産炭地域に滞留していた。こういう人たちの就労を一時的に確保するという意味で、この二つの事業が実施されておりました。こういう人たちは依然として、不況のあおりを受けまして失業が深刻になった時代に、なおさら重要な問題でございます。したがいまして予算措置とはいえ、私どもは、こういう人たちの就業の場が安定的に確保されるまでは、こういう事業を継続実施すべきである、一応こういうふうに考えておるわけであります。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 いままで事務当局からも説明させましたけれども、いまから先はますます離職者問題が大事なときでございますから、いろいろな御議論があるやに聞いておりますけれども、労働省としては、いまから先もずっと続けていくという姿勢で、問題を見ているということを御理解いただきたい。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 労働大臣、遠藤局長の力強い言葉を聞きましたので、そういう二つの事業については私も安心できるわけでございます。  もう一点お聞きしたいのですが、二千万トン維持のためには、どうしても労務者の定着というものが問題になることは冒頭にも指摘しましたが、そういうものとの関係で、つまり炭鉱労務者に対する労働環境の改善とか、労働力をどうして確保するかというようなことについて、労働省が、答申とひっかけてでもいいのですが、あるいはこれからどういうふうにしようかということについて、この二点についてどうお考えか、お聞きしたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 私は前に北九州におりまして、筑豊炭鉱を若いときずっと歩いたこともあるのです。こういうふうに変化するエネルギーの中において、しかも石炭が新しく見直されている時代でございますから、やはり経営基盤の確保とか魅力ある職場にする、あるいは安全の問題、こういう問題を、一通産省だけにあらず労働省もともどもにやって、そういう方向に——賃金の問題もございましょう。これは労使関係でお決めいただくことでございますけれども、そういう推移なども拝見しながら、ひとつ魅力ある職場にしつつ、新石炭政策というものが労働者の諸君にいい職場になるような、そういう方向で問題を解明してまいりたい、こう思っております。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 日本のエネルギー、特に石油は九九・八%まで外に頼らなければならぬ。石炭が唯一のエネルギー資源でございますので、どうか労務者のそういう対策を十分、今後とも配慮していただくことを重ねてお願いいたしまして、私の質問を終わります。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 次に、岡田春夫君。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 最初にちょっと委員長に伺っておきたいのですが、きょうは新政策の質問だと思うのだが、労働省の所管として新政策について何ら説明がなくて、われわれは質問するのですか。それを先にやらないで質問を始めるということは、ちょっとおかしいのじゃないか。通産省のときは、当初に恐らく通産大臣から新政策の概略説明があるだろうと思うけれども、労働省だって、新政策について何らかの見解がなくては困るわけでしょう。それを委員会の運営として、新政策の説明がなくて質問に入るといったって、何の質問をするのです。委員長にちょっと伺っておきます。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 速記を始めて。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 では若干、私は質問をいたしてまいりますが、伝えられるところによると、通産省が中心になりまして、石炭問題の新政策を近く発表する、こういう点につきましては、午後の通産大臣の際に私は質問いたしますけれども、これは言うまでもないことですが、石炭の新政策の一番の基本の問題は労働問題であります。この労働問題について労働大臣は、新政策が発表された場合において、どういう方針でいかれるのか、その基本点をまず伺いたい。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 いままでもそうでございますが、どういう新政策が発表されるか存じ上げませんが、労働省といたしますと、労働者の諸君の職場として安定したもの、そしてそれが生活の向上につながる、そういうふうな方向で、新政策の場合でも従来の考え方を推進してまいりたい、こう思っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 もし差し支えなければ、きょうは石炭部長も出ておりますので、新政策の中での労働関係の問題について、概略、御説明をいただきたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 労働問題でございますけれども、今回の答申の骨子の中に、現在、労働として取り上げておりますのは、「労働環境の改善と労働力の確保」という点で取り上げておるわけでございます。これは幾つかの項目に分けてございますけれども、賃金問題につきましては、労働者にふさわしいものであるべきであるというようなことも提言してございますし、なお、炭鉱年金につきましては、その給付額の引き上げについて検討すべきであるというようなことも提言してございます。また、労働時間の改善の問題でございますけれども、これにつきましては、出炭量、賃金等々の問題もございますので、当然、労使間の話し合いによるものでございますけれども、場合によりましては、今回新たに改組されます審議会の中で検討したらどうかというようなことも提言しておるわけでございます。なお、そのほか職場、生活環境の整備、教育、研修の必要性と、現在持っております保安センターの活用というようなことも提言してございますし、今後、生産を維持する観点から、定年退職者に見合う数といたしまして、毎年一千名程度の補充をすべきであろうということも提言してございます。  大体、以上のようなことが、「労働環境の改善と労働力の確保」という項目で具体的に提言してあるような次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 大臣に伺いますが、いまのような内容については、初めておわかりになったのですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 事務的には通産省と私の方でいろいろ話をして、模様は聞いていますが、正式な場所においての話は、私はいまここで初めて聞いたわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 石炭鉱業審議会の中における労働省の役割り、こういう点をひとつ伺いたいのです。もちろん言うまでもなく、石炭鉱業審議会は通産省の所管です。しかし、これほど労働問題が重要になっているときに、労働省はどういう形で御参加になっているのですか。先ほど守屋課長は、傍聴しているだけだ、発言権がない、こういう話なのだけれども、一体、新政策を出すのに労働問題がこれほど重要なのに、労働省はノータッチでいいと思っているのか、あるいは緊密な連絡がついているのか、一体そこはどうなのですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 第一次合理化以来、石炭鉱業審議会の審議の内容につきましては、いま先生御指摘のように、石炭鉱業審議会そのものは通産省の所管でございます。私どもは、それを事務的に所管いたします通産省の石炭所管部局と緊密な連絡をとって、その中のいわゆる労働関係の点、当初はいわゆる合理化による離職者対策が重点でございました。それから次第に変わってまいりまして、離職者対策と並んで労働力の確保対策あるいは作業環境の問題、こういった問題につきまして審議会で議論が行われ、答申が行われてきております。その間、事務当局といたしましては、通産省の担当所管部局と私どもの間で、答申の内容等につきましても緊密な連絡をとりながら、労働省所管の関係事項につきましては、私どもはその答申が出れば、その答申の線に沿って行政を強力に推進すべく、事前の緊密な連絡をとりながら審議会の答申を受けとめる、こういう姿勢でまいっております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 答申が出ればというお話ですが、答申の出る前における通産省と労働省の政策樹立に関する協力関係はどうなのですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 もちろん事務的には事務当局の間で、そういった審議会の答申の中に盛り込まれる事項について、事前の連絡は十分受けております。それを行政の上にどの程度どういう形で実施できるか、こういった点を中心にいたしまして、緊密な連絡はとってまいっております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それでは、やはり責任は一緒におとりになるわけですね。そういうように理解しておきますよ。  賃金水準の問題等についても、先ほど高木さんからちょっと考え方が出たわけですが、私、ちょっと聞き漏らしたのかもしれない、速記録をお調べください。地下労働とはあなたおっしゃらなかった。労働者にふさわしい賃金、こういうふうに先ほどおっしゃったように私は記憶しておりますが、それでいいのですね。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 地下労働者にふさわしい賃金ということを申し上げたと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 私は全体から見ると、昨晩、私は第五次答申と昨年の中間答申、それから伝えられる新政策の中心的な問題、この三つを労働問題で対比してみますと、賃金問題その他、労働問題に関する点は明らかな後退だろうと思う。新しい政策を樹立する場合に、労働者の問題が一番中心にもかかわらず、私は明らかな後退があるという感じがする。その具体的な例をここでお話をしたいと思います。  第五次答申の場合には、賃金の問題については「他産業とのバランスをも考慮して、」云々、こうなっている。それから昨年の七月二十二日の中間答申、これによると、賃金水準は「労働条件の適正化を図る必要がある。このため、関係労使をはじめとする関係者の努力により早急に類似の他産業なみの水準に労働条件を引上げるよう努めるべきである。」他産業並みに賃金を上げろ、こういうことが非常に明確に実は出ておる。ところが、今度のものは、高木部長の答弁を聞くと、地下労働者にふさわしいという程度の賃金水準が書かれているだけであって、ふさわしいというのは、これはきわめて主観的な判断なのです。やや下でも、ふさわしいと言えばこれだけだ、上にいっても、ふさわしいと言えばこれだけだという、きわめて抽象的なものであって、むしろこの三つの案を比べると、賃金問題については一歩後退という印象を免れない。  それから、労働時間の問題についても、中間答申では労働時間の短縮を非常に明確にうたっている。そしてこれを「労働条件の適正化を図る必要がある。」という形でうたっている。ところが今度は、労働時間の改善の問題については、出炭量の問題、賃金収入の確保の問題もあるので云々という形で先ほど御答弁になった。これはいかにも出炭量の関係があり賃金収入の関係があるから、労働時間は短縮しなくていいのだという理解なのです。その証拠に、労働時間の短縮ではなくて労働時間の改善という言葉になっている。短縮という言葉を限らない改善という形で、必ずしも短縮を意味しない。しかも、私は大変これは疑問があるのだが、労働時間の問題について労使関係でやるのは当然のことです。しかしながら、場合によっては石炭審議会でこれを決めるということまで入っている。何か労使関係に介入をするというような考え方も感じられる。私はこういう点からいくと、労働時間の問題についても、改善という今度の新政策の考え方というものが、中間答申より一歩後退しているのではないかという印象を与える。こういう点から言って、労働省はこういう問題についてどういうようにお考えになるのか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 審議会の今回の新政策、いわゆる石炭新政策と従来の考え方との間に食い違いがあるのではないか、むしろ後退しているのではないか、こういう御指摘のようでございますが、いままで労働時間の合理化、短縮というようなことを言われておったにもかかわらず、今回は出炭量の維持とか賃金収入の確保の問題もあるので云々、労使間で決められるべきであるけれども、場合によっては審議会で慎重に検討を要する、これはおかしいではないか、こういう御指摘かと思います。  私どもは、本来、労使間で決められるべき問題であるけれども、地下労働という関係で、できるだけ長時間労働にわたることのないようにと、これは労働基準法でも定められておりますし、時間外労働についても規制がございます。そういう中で、必要があれば審議会等で、こういった労働時間の問題についても、労使間の問題として一応取り上げられるにしても、それに対して審議会の立場から助言をするとか、こういう方が望ましい、こういうこともあり得るだろう、こういう趣旨だと私どもは解しております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 地下労働にふさわしいというのは、どういう意味ですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 地上の一般の製造業、生産に従事する労働者と違いまして、地下労働の場合は非常に労働密度が過重である、こういったことから労働時間の制限が労働基準法にも定められております。そういった関係が十分考慮されなければならぬ、こういうことだと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 賃金水準が地下労働にふさわしいということを言っているのですよ。だからいまの答弁はちょっと違うのだが、時間がないからどんどん進みます。  賃金水準が地下労働にふさわしい賃金というのは、一体どういうことなのですか。ふさわしいというきわめて主観的な問題で賃金水準を決めるということは、私ちょっとわからないのだけれども、たとえば昨年の中間答申のように、類似の他産業並みの賃金にする、あるいはそれ以上にする、こういうことなら、賃金についての新政策の考え方がはっきり出るわけだ。ふさわしいなどという、それも最近はやりのなじまない言葉ですな、法律用語として国会においてなじまない言葉です。こういうことで賃金の水準が決まったなどということでは、賃金をある一定のところでストップさせても、これはふさわしいということになるので、もし、こういう形で答申が行われるとするならば適当ではないと私は思う。こういう点について、労働省の見解はどうですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 石炭対策につきましては、実は十年ほど前の第二次合理化当時から私、担当をいたしておりまして、その当時から、炭鉱労働者の賃金問題は、いずれの審議会の答申の場合も問題になってきたところでございます。  いま先生御指摘になりましたように従来から、せめて他産業並みに炭鉱労働者の賃金を上げるべきである、そういう方向で努力をしてまいりました。それには石炭鉱業の経営上の問題もあるだろうし、経営基盤の確立というような問題もある。あるいは先ほどからお話が出ておりましたように作業環境の整備、特に保安問題、生命に危険を及ぼすような状態から労働者の生命を確保する、こういった問題もあります。従来、戦前は炭鉱労働者の賃金が一般の地上労働者より高かった、こういう事例も審議会の席で話は承っております。ただ、賃金だけ高ければそれでいいのかということになりますと、これは私見でございますが、必ずしもそうでない。やはり安定した職場である、それから生命の危険にさらされないように保安が確保されること、と同時に、労働時間なり賃金なりが、他産業労働者と比較しても遜色ないような魅力ある職場である、こういった全体のバランスの上に立って初めて、石炭産業が安定し、労働者が安心して働ける職場として確立するということだろうと思います。  したがいまして、地下労働にふさわしいというような言葉は初めて出たことかもしれませんけれども、賃金問題についても、そういった点が十分考慮されながら、労働者が納得のできるような賃金水準というものが保たれるべきである、私はこういう趣旨だろうと解釈いたしております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 通産省と労働省が一体になって、労働問題を新政策の中でやっておるとあなた御答弁になったから、それをあなたに伺っているのであって、私は、地下労働をやっている石炭労働者の場合、賃金が高いのがあたりまえだ、これは世界の各国の例を見てもほとんどそういう趨勢になっている。ふさわしいという意味は、他産業に追いつくということばかりではなくて、それを超えてもいい、むしろ超えるべきである。そういうことでなければ労働力の確保はできないと思う。こういう点について労働大臣、どういうようにお考えになりますか。私は、地下産業は他産業よりも非常に困難があるのですから、むしろ高くあるべきだと思うのだが、そういう意味でふさわしいというように理解してもよろしいかどうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ただいま安定局長からもお話がございましたが、賃金だけではございませんが、やはり地下労働の労働者が魅力ある職場だと感じて仕事ができるようにということが、ふさわしいということの一つの要素だと思うわけです。それはどういう水準であったならば、それがふさわしいという名に値するか、これはいろいろ比較の問題、先ほど先生お話がございましたような適正化の問題、他産業との比較の問題、いろいろございますが、いずれにいたしましても、それは地下労働であるという特殊労働の中で仕事をするわけですから、そういう職場に入っていくという魅力がなければならぬということは言えると思うのでございます。  ただ、具体的にどういう賃金水準であるべきかということは、労使間でお決めになることでございますが、国として一つのてこと考えておりますのは最低賃金でございます。この最低賃金につきましては、最低賃金審議会において石炭鉱業の最低賃金をつくっておりまして、この最低賃金が四十九年三月につくられておりましたのを五十年四月十日に改定をいたしまして、月額五万七千五百円というのを月額八万一千二百五十円、四一・三%の上昇を見たということでございます。そういう角度からも国としてはやってまいりたい、かように考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いろいろおっしゃるけれども、私は大臣に意見を伺いたかったわけであります。だけれどもその前に、局長、御答弁だから、いまの炭鉱労働者の状態はふさわしいのですか、どうですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 現在、春闘等を経ながら、いろいろ賃金水準は動いております。したがいまして、現在の賃金水準がこれで十分ふさわしいかということが具体的にどうかと言われると、私もちょっと困りますが、いずれにしろ、魅力ある職場にするように、やはり賃金水準を労使で考えていかなければいかぬという一つの方向づけである、かように考えております。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 岡田委員からいろいろ話がありましたが、私は、地下労働として一番大事なことは、やはり安全の問題だろうと思う。命あっての物種でございます。そういうことからしますと、ふさわしい職場、魅力ある職場としては、まず安全、そしてまた、ほかの金属あたりと一体、賃金がどういうふうに推移しているかということを、私はずっと注目しているわけです。そういう意味からしまして、去年、ことし、金属と石炭の賃金の関係がどうなっているか、労使でお話しいただくことですけれども、その推移など拝見しながら、ただいま局長が申されたように、ことしは八万一千二百五十円、金属が七万七千五百円、こういうことなども実は注目しているところであります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 これは私、まだまだ伺いたい点があるのですが、時間に制限がありますので、あと多賀谷君が賃金問題をやることになっておりますので、留保しておきますが、現在の石炭労働者の賃金はまだまだ安い。国際的な情勢から見ても、地下産業である石炭労働者の賃金は多くの国において最高であります。それは当然だと思う、最も危険な状態をやるわけですから、保安の問題も大切です、生活環境も大切です。しかし、賃金の問題を、まずそういう点から労働省はお考えをいただきたい。  そこで、先ほど高木石炭部長の答弁だと、新政策の場合に一千名の労働力の確保、こういうことを言っておられるのですが、労働省としては、どういう根拠からこの一千名をお出しになったのか。

守屋孝一労働省職業安定局失業対策部企画課長

○守屋説明員 この一千名につきましては、石炭鉱業審議会の中の専門委員の方々の間での御議論、御討議の中でこの数字を出す際に、現在二万何がしの常用労務者の方がいらっしゃる、そのうちで定年になって退職していかれる方を、そのまま年度を移行いたしまして計算すると一千名になるというような話で、私どもは伺っております。  一体どれぐらいリタイアするかという議論になってきますと、これは定年のみならず、その他いろいろな要素がございまして、それぞれの産業なり、また企業の性格によりましても一律に申し上げかねる面がございます。現在、たとえば一般的なリタイア率三%とかいうようなことも言われておりますが、坑内労働の場合、必ずしもそうも言い切れない問題もあると思いますし、審議会での御検討の際、いま申し上げましたような形で一応計算されるということも一つのあり方かというように考えております。しかし、いずれにいたしましても、私ども、今後石炭二千万トン以上という中で、この交代補充要員の確保という問題は、石炭の今後の帰趨を決める一つの重要なポイントであるというように考えておりますので、今後とも十分検討していきたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いまのお話だと、リタイア、いわゆる補充ですね、結局は現在の生産規模に対する補充の要員として一千名を考えている。新政策で生産の規模が広がるわけですね。その分はどうなるのですか。

守屋孝一労働省職業安定局失業対策部企画課長

○守屋説明員 石炭鉱業審議会において討議されました中身では二千万トン以上ということでございました。私ども、その以上という点は、二千万トンを絶対に切らないようにという産業政策上のかたい決意かというように考えております。で、これは今後三年ごとのローリングプランでもって見直しなり検討がされることになっておりますので……(岡田(春)委員「いや、そこはいいよ、わかっているし、あなたの所管でないから」と呼ぶ)そういう絡みがございますので、そこから人数が出てきているということでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 だってあなた、補充要員なら、現在二千万トン、去年、四十九年二千二十五万トンですよ、それの補充要員として一千名でしょう。きよう、あなた労働省の所管だから私、まだ質問しないのだけれども、午後からやるつもりなのだが、生産規模はどうなるのですか。二千万トン以上などというあいまいな言葉は、私は聞きたくないのです。少なくとも生産の規模を拡大しなければならないはずだ。新しいフィールドの問題あるいはまた現在、事業団手持ちのいわゆる封鎖炭鉱の問題、当然、労働力が要るではないですか。こういう点は一千名プラスアルファですか、どうですか。労働省の所管として伺いたい。

守屋孝一労働省職業安定局失業対策部企画課長

○守屋説明員 これは生産の規模と関連いたしますので、ちょっと石炭部長から。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいまの一千名と申しましたのは、定年退職で離職される方々を最低一千名は補充しなくてはならぬという意味で、答申の中に提言してあるわけでございますけれども、ただいまの岡田先生の御質問の生産規模との関係につきましては、現有炭鉱の生産規模が将来どうなるか、あるいは新鉱開発の規模あるいは事業団の保有鉱区の再開発の規模、こういう点につきましては具体的にいろいろ試算しております。ただいま、ここで申し上げるか、あるいは昼からの御質問でお答えするか、どちらがいいかによってお答えいたしますけれども、千名については、いま申し上げたような考えでの提言でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 やはり生産規模の話を伺わないと、いままでずっと十五分ばかり質問したけれども、いまの話だけだと新政策ではないですよ。いままでの継続ですね。新しさなどというのは全然ないような感じがするので、生産規模はどういうふうになるという、少なくとも十カ年の計画なら昭和五十五年と昭和六十年ぐらいの数字はお出しになれると思うのだが、二千万トン以上という、その以上のことはひとつぜひ出していただきたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 四十九年度の生産量が二千三十万トンでございます。この中には大手の坑内掘りあるいは坑外の露天掘りというものが入っておりましての二千三十万トンでございまして、現有炭鉱の坑内掘りを中心にしました大手炭鉱だけでいきますと、千八百万トン強というのが、今後の見通しであろうと思います。それに今後、事業団の保有しております鉱区の再開発あるいは消滅鉱区の再開発あるいは新鉱の開発というようなことで、現在私どもが試算いたしましたところでは、炭量的に年間約五百万トン前後の掘れるフィールドはあろうと思います。しかし、これも条件が全部そろった場合、五百万トンというような数字になりますので、いろいろなことを試算し、労働の確保の問題あるいは地域の鉱害問題、そういう点をことしの調査費において現在、調査をしておる段階でございますけれども、そういうものをベースにいたしますと、少なくとも半分の規模ぐらいまでは五十五年あるいは六十年に掘れるのではなかろうかということで、私どもは、まあ二百五十万トンをとりましても、千八百に二百五十ということで二千万トン以上というような数字を掲上しておるわけでございまして、先生御指摘のようにいまここで二千数百万トンという規模を出すことは、需要業界に対する今後の取引の問題もございますので、そういう点を考えました場合、具体的になってない数字をいまここで掲上するということは危険ではないかという考えもございまして、私どもとしましては、需要がふえるのでございますから、経済性のある炭であるならば、できるだけたくさん掘っていただくという気持ちには変わりございませんけれども、いまここで数量を、二千何百万トンというようなことを固定することは危険ではないかというような考えもございまして、これは昨年の十一月、あるいは中間答申によりましても、二千万トン以上の規模を確保するのだというようなことで、生産関係については一応審議会の方の御意見として決定しているような次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 高木さん、あなたのその答弁は、私のことしの二月の予算委員会のときの答弁を一歩も前進していませんね。同じことを言っておられます。速記録を見せましょうか。そのときに、今度の審議会のときまでに数字を出しますということを、あなたよりも増田エネルギー庁長官が答弁していますね。で、私は生産規模の問題はここでやりません。後でやりますから、午後の答弁のときに数字を出していただきたい。  そこで、きょうは労働省の方に伺いますが、いまの御答弁を聞いても、守屋さん、遠藤さん、大臣もおわかりでしょう。少なくとも現有規模が千八百万トン、それから手持ち炭鉱あるいは封鎖炭鉱、新フィールド、これで五百万トン。それを、大変おかたいのだが二百五十万トン、半分に見た。そうすれば、現有炭鉱で一千名補充する、リタイアで補充するということなら、こっちの分の五百万トンまたは二百五十万トンの方も、それだけの労働力は要るということになりますね。一千名プラスアルファだということでしょう。大臣、論理的にそういうことになりませんか。大臣に伺いたい。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 この答申の素案の中にも、今後二千万トン以上の生産を確保する、維持する、そのためにいわゆる死亡、リタイア減耗補充要員として、最低限一千名以上の確保が必要だ、こういうことでございます。いまおっしゃったように現有の千八百万トンに対して一千名ではなくて、二千万トンを維持するために最低限一千名以上必要である、こういうことでございまして、私どもそう解釈いたしておりますが、実績を申し上げますと、四十八年、四十九年、いずれも大手炭鉱だけで千七百名程度の新規採用がございます。そのうちの約半数程度が三十歳以下の若年労働者でございます。で、私どもはぎりぎり最低限、政策方針として千名以上の減耗補充が必要だ、新規採用が必要だということが指摘されておるわけでございまして、これで十分だ、事足りる、それ以上は必要ないということを考えておるわけではございません。今後出炭規模が拡大されるということになりますれば、それに応じて、それに必要な労働力の確保が必要になってくる、私ども、かように考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あなた、そんなことを言って、それでは御答弁は一千名以上ふやさないという意味ですね。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 決してそうではございませんで、二千万トンの生産を維持するためには最低限千名が必要だ、こういう審議会の御指摘であり、御意見であろうかと思います。現実にはそれを上回るものが確保されておりますし、今後、出炭規模が拡大されるということになれば、それに必要なものはまた確保の必要が当然出てきますし、私どもはそれに応じた行政を進めていきたい、かように申し上げておるわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あなた、一千名という問題を、そうこだわってはいけないと思いますよ。リタイアにほとんど消化されてしまいますよ。そういう点で、あなた方、新しい企業の関係をそれほどやると言っておるのに、その分についてはプラスアルファにならざるを得ないではありませんか。常識から考えてそうなるではありませんか。これは大臣に政治的な見解を伺いたい。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 局長も御答弁申し上げましたように、従来でも一千名——前にあったかどうか知りませんけれども、いままでの話ですと千名以上の者が入っている。ですから、今度千名と言うておっても、それはリタイアした方々をカバーする問題だけにあらず、また、さっき石炭部長の話を聞くと、大規模に出炭量が多くなれば、コストの問題なりあるいは市場の問題等々もある、こういう話などもありますから、これは何も一千名に限定するわけではなくて、その分、必要なものについては、私の方も労働力の問題については真剣に取り組んでまいりたい、こう思っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いま大臣、答弁されたとおりですよ。千名以上入ってくるのですよ、千名以上の人がまたリタイアしている、いいですか。数字を実数で言いましょう。あなたの方には実数で言った方がいいと思います。昨年一年間、四十九年三月の大手八社の在籍は二万一千四百十六名、そして約千九百二十名が入っている、そしてことしの春では二万一千六百七十三名になっている、結局二百五十七名ふえている。これは現有炭鉱の問題ですよ。新規にふえる炭鉱の問題については、一千名ではとても足りないということですよ。そういう点の御認識は大臣、いただけますか、どうですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 おっしゃるとおりですよ。いまからふやす分については、それに応じてふやすようにしていくわけです。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 プラスアルファですね。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 はい、プラスアルファです。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 一千名プラスアルファだというように理解いたします。  それから、基準局長からさっきお話があったが、いわゆる生活環境、作業環境の問題、こういう点を考えると、先ほどの御答弁を伺っていると余りはっきりしなかったのだが、新規雇用で労働者をどんどん連れてくる、その場合に一番問題は住宅問題ですよ。住宅が伴ってないのですよ。いま、御承知の夕張新炭鉱が開発になった。この場合、予想以上に労働者が集まった、これはなぜか、住宅が非常にいいからですよ。こういう住宅問題については、基準局としては余り関係がないのだろうけれども、あなたがそういう答弁をされたから私は言うのですが、やはり生活環境を整えるということが非常に重要になってくると思います。特に住宅問題について、それに伴うような体制を考える必要がある。こういう点について、基準局長では所管外だと思いますので、遠藤さん、先ほどから盛んに御答弁したがっているので、御答弁ください。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 炭鉱労働者のいわゆる確保につきましては、従来からいろいろ議論がございまして、賃金問題もその重要な柱でございます。と同時に、住宅、環境の整備、いわゆる福利厚生施設ということがやはり非常に大きな問題になってまいっております。従来のようないわゆる長屋炭住、そういったものでは困る、いわゆる他の地上労働者のように、一般の製造業の労働者と同じように、やはり鉄筋のアパート、そういった設備がどうしても必要だ、こういうことが従来、審議会等でも非常に力説されております。私どもの方でも、いわゆる雇用促進事業団で行っております雇用促進融資、この住宅融資につきましては、炭鉱労働者の採用につきまして、この融資を炭鉱労働者にも振り向けるということで、いわゆる炭住の改良、新しい住宅の建設、こういった面にも私どもは十分力点を置いて、運用をしてまいっておるわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 私が聞きたかったのはその点なのです。雇用促進事業団は、いままでのスクラップ・アンド・ビルドという表面の臨時措置法に基づいて、雇用促進事業団の仕事が進められておった。しかし、表面はスクラップ・アンド・ビルドといっても、実際上はスクラップ・アンド・スクラップ、撤退政策ですよね、それのための事業団の仕事である。それが今度は新政策でビルドだというのだから、それに適応した雇用促進事業団の法律改正なり行政運用上の措置なり、これが当然必要だと思うのですが、これについては大臣いかがでございますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 私も、よその国の炭鉱労務者が働いて勤めておるところを、あるいはまた住んでおるところを見ておりますが、やはりそういうものが必要でございますね。そういう方向にいかなければいけません。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それでは事業団法の法改正を検討されますか、どうですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 この場で法律改正と言われても、すぐに私、わかりませんけれども、そういうふうな方向に問題を見ていくということに御理解をいただきたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 局長はどうですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 炭鉱労働者のいわゆる確保のために、いまの事業団の運営が法律改正をしなければならぬのかどうか、運用の面で十分、そういった先生の御指摘のような御趣旨が生かされるかどうか、こういった点は私どもは十分検討してまいりたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 時間がないのであれですが、基準局長に伺いますが、坑内石炭労働者の超過労働の時間の実績を伺いたい。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 御承知のとおり、石炭につきましては労働基準法において休憩時間も含めて実労働が八時間、こういうかっこうになっております。それに対して実績がどうなっているかというお話でございますが、規模が三十人以上の石炭鉱業の常用労働者一人当たりの実労働時間は、四十九年の平均で申し上げますと一九〇・九時間となっております。これを所定内、外に分けてみますと、所定内労働時間は一六七・六時間であります。一方、所定外労働時間は二三・三時間となっております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それはまた換算し直さないとちょっとわかりにくいから、私の方で調べているから実数でいきましょう。去年の末の労働時間で、拘束八時間以外に超過勤務が、三井砂川の場合は百二十五分、高島炭砿は百五分、夕張炭鉱は九十分、南大夕張炭砿は九十分、芦別が六十分、大手の炭鉱で大体二時間または一時間。坑内労働から見て超過勤務がこのようにあるということは、これは大変なことだと思うのです。労働強化だと思うのです。ILOの条約と対比をして、基準局長、これはどう思われますか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ILOの条約では御承知のとおり七時間四十五分、いまの労働基準法は八時間、ただ残業につきましては、労使間の協定をやっても坑内労働は二時間以上残業できない、こういうふうに相なっております。ただその場合に、二時間の残業というのは八時間を超える二時間というわけでありますので、個々の企業体で八時間以下に労使協定で労働時間が決められておれば、八時間から残業の計算をやる、こういうことになるわけでございますが、いずれにいたしましても地下労働でございますので、先ほどからお話がございましたように、地下労働の特殊性ということを考え、一般でも時間短縮ということがいろいろ行われておりますので、そういう観点から考えますと、労働時間についてはさらに短縮の方向に努力しなければいかぬ、かように考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 この点も質問したいのですが、時間がなくなってきたので……。  あなたのさっきの御答弁は間違っていますよ。これは、あと多賀谷さんから具体的にやりますが、それよりも短縮をしなければならないという点があなたとしての御答弁なのですよ。労働時間の改善問題については、先ほどの答申素案に、これについては労使間で決めるべきだが、石炭鉱業審議会の中でも、これについて勧告をすることもあり得る云々という文章が入っているのだが、私はこれは改善とかなんとかでなくて、短縮とはっきりすべきだと思う。  そこで、質問の点として伺っておきたいのは、ILOの四十七号条約をどうして批准されないのでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 先ほど申し上げましたように、この条約とわが国の労働基準法との関係で、いろいろ抵触するところがある。条約では一日七時間四十五分ということになっておりますし、それから残業をする場合にも、具体的ないろいろの場合が規制されております。労働基準法ではそういう規制はございません。  そこで、このILO四十六号条約につきましては、現在のところ批准の運びに至っておりませんが、いずれにいたしましても、労働基準法上の問題でございますので、労働基準法の施行の実情、さらには問題点等について、現在、学識経験者からなる研究会において、いろいろ調査をしておりますので、そういう調査の推移、さらには一般の各方面の御意見も聞きながら問題を整理してまいりたい、かように考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 時間がないからあれしますが、少なくとも、ILOの四十七号条約に抵触するとあなたはお話しになった。まさに違反しているわけだ。それは、抵触というのは違反ではないのですか、合致するのですか。抵触するというのは違うのですか。あなたは首を振ったけれども、真っすぐ前に振った方がいいですよ。抵触するということは、違反しているという意味ですよ。  私は国際問題については若干あなたよりも詳しいはずだが、ILOは何も一律に国際的に各国に割り当てるということではありません。だから、その実態は私はよくわかっていますけれども、今日の日本の労働の実態、地下労働の実態、石炭産業の実態というものは、ILO四十七号条約にまさに抵触する、それに沿っていないということが実態であります。これはやはり速やかにILO四十七号条約を批准して、それに合致するようにさせなければならないはずです。その点が一点。  第二の点は、炭鉱労働者の場合に組夫といわれる問題がある。この組夫の労働条件が著しく悪い。この問題について基準局では一体どういうことを考えておられるか。それから、組夫の組織化の問題については、どういうことを考えておられるか。時間がないから、私は一括して質問をいたしてまいります。  特にこれは、新政策が実行される場合に、先ほど高木石炭部長が答弁されたとおりに、新鉱の開発、閉山あるいは封鎖炭鉱の再開発があるわけですね。その場合に、組夫の立場というものが非常に重要になってくるわけです。たとえば、掘進の問題とか、あるいは準備作業に、組夫というのは非常に必要になってくる。この問題について答申の中で全然触れていない。なぜこれに触れていないのですか。労働省が共同の責任をお負いになるなら、なぜこの点をお触れにならないのか。こういう点について、どういう見解をお持ちになっているのか。答申案はまだ出されておりませんから、大臣として、これは答申案の中にこの点をお入れになるというお考えならば、その点を明確にお答えをいただきたいし、組夫問題について伺っておきたいと思います。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 石炭鉱業におきます組夫の問題は、私どもも前々から非常に注目しているところでございますし、関心が高いところでございます。現在、組夫は約六千名で、総労働者の一六%程度おるということに承知しております。  この組夫につきましては、通産大臣の承認または鉱山保安監督機関に対する届け出制がしかれておりますので、そういう形で把握するわけでございますが、いずれにいたしましても、合理化の問題、保安確保の問題から、いろいろ問題がございます。私ども、監督指導に当たりましては、こういう坑内の人たちについての労働時間であるとか、それから割り増し賃金の問題であるとか、保安の問題は別でございますが、こういうことに時間を割いて、集中的にやっておるわけでございますが、それにいたしましても、一般産業に比較して違反が、残念ながらやや多いということでございます。率直なところ、こういう組夫等については、今後ともわれわれの地方の監督機関を通じながら、監督指導を強化してまいりたい、かように考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 大臣、この組夫問題というのは非常に重要なのです。いわゆる答申案の中にやはりこの一項を入れるべきだと思いますが、大臣ひとつ、これについて御意見を伺いたい。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 岡田さんに反論するわけではありませんけれども、ILOのあれは四十七号ではなくて、たしか四十六号条約です。  それから、いまの組夫の問題が、こういう大事な石炭特別委員会で出たことを、私の方でも石炭鉱業審議会ですか、そちらの方に申し入れをしまして、考えてもらう材料に、皆さん方の御意見をお伝えしておきたい、こう思っております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それではこれで終わりますが、確かに御指摘のとおり、私初め四十六号と言って、後、四十七号に変えました。ただし、これは四十六号を入れるということだって大変問題なのですよ。この条約ができたのは一九三五年ですからね。戦争前の条約ですからね。それさえもまだ日本は実行されておらないということなのですから、四十七号になれば、これは一週間四十時間の労働の問題です。これは戦後の問題です。ですから四十六号はぜひ早く批准してもらいたい、こういう点を強く要望いたします。  時間がありませんので、あとは多賀谷さんからやってもらいます。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 石炭部長にお尋ねいたしますが、いま四十九年度の日本の炭鉱労働者の能率は、月どのくらいになっておりますか。それから諸外国。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 国内の昨年度の能率が七十トン弱でございます。国外の能率につきましては、昼からの予定でございましたので、いまここに資料を持ってきておりませんけれども、日本の能率が海外に比べましても高いということは、はっきり言えると思います。ただしアメリカの露天を掘っているところは別でございますけれども、坑内掘りでは最高であろうという数字でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 労働大臣、新しいデータがちょっとないのですが、一九七一年に西ドイツが一カ月に六十九トン、ベルギーが四十トン、それからフランスが三十七トン、オランダが四十五トン、英国が五十四トン、そのときに日本は六十三・四トン、今日七十一・八トンになっております。露天を除きますと、まさに最高の水準をいっているわけです。しかも、これは一カ月を二十二万と計算をしておりますから、外国がそうなっておるかどうかという問題も一つあるわけです。要するに、何にしても最高をいっているということです。なぜ最高をいっておるかというのが一つ問題なのですよ。それほど自然条件はいいのであろうか。これは一つは、わりあいに能率の悪い炭鉱を全部つぶしてしまったというのもあるでしょう。しかし、先ほどからずっとお話があっているように、かなり超過労働の上に立っている、そのことを認識をしなければならぬですね。  そこで、見直し論が出ておるときに、とにかく、いま週休二日制と言っておるときに、旗日に休めないという労働者がおる。それは炭鉱労働者なのですよ。十二日の旗日に休んでいない。一体こういう状態で今後、若い者を集めるというのは不可能ではないですか。鉱山、メタル山あたりは最近はみな旗日も休んでおる。しかし炭鉱は旗日も休んでいない、こういう状態ですね。一体、抜本政策というけれども、そういう点を基本的に解決をしなければならない問題があるのではないか、こういうように思うのです。  それから先ほどの四十六号の問題でも、あの条約をいまごろ批准するのはちょっと恥ずかしいわけです。その次の条約はもう一週間に四十時間が出ておるのに、いまごろ百二号条約を批准するのがちょっと恥ずかしいように、これも恥ずかしいぐらいなのですよ。ですから、そういう状態に日本はある。そのものですらまだ批准できない、国内の法整備ができていない、こういう認識をひとつ持ってもらいたい、こういうようにまず思うのですが、労働省としては今度のいわば第一次新政策といいますか、これについて、労働条件の改善についてどういう注文を出したのか、これをお聞かせ願いたい。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 これはもう多賀谷先生御専門で、一番お詳しいはずでございますが、従来、十年前から、いわゆる石炭合理化の当時は、離職者対策というのが労働問題の最重点でございましたが、その後、出炭量の変遷もあり、労働力問題としましては重点が、離職者対策から労働力確保の問題に移った。そこで問題になりますのは、賃金の問題であり、労働時間の問題であり、作業環境の問題であり、福利厚生施設の問題であり、あるいは保安の問題である。要するに一言で言えば、炭鉱労働者が、じいさん、親の代に引き続いて後の二世、三世が安心して、安定した職場として働けるような魅力のある職場にする必要がある。そういう線に沿って労働力確保対策をやる必要がある、こういう趣旨で一貫して今日までまいっておる、かように考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 新政策の考え方はわかりましたけれども、その新政策にどういう点で盛られているのですか。そのあなたの気持ちが、どういうような文章になってあらわれているのですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 私どもは、離職者対策と並んで労働力確保対策が重点的な柱として立てられるという以上は、ただいま申し上げましたような点を十分、審議会としても御考慮をいただいて、労働条件なり作業環境なり生活環境というた点について、審議会の御意見をお聞かせいただきたい、かように申し上げているわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 銀行は来年度から週休二日制になる、公務員もなる、こういう実情ですよ。炭鉱の方はまだ旗日にも休めぬという状態で、一体、労働者が集められますか。しかも、若い労働力を期待しておるというならばなおさらでしょう。ですから、私はいままでのことを責めるわけではないのですよ。しかし、新政策というふうに打ち出す以上は、長い間忘れられてきた労働者の労働条件の問題について、いまの時期に合うように注文を出すべきではないか、こう思うのです。現状からわずかに前進ぐらいでは、新政策に乗る労働力はとても集まらないと思うのですよ。ですから、現時点で、もうどんどん炭鉱以外は進んでいる状態でしょう。そういう中に超過労働で生活をしておるというような状態が残っておる。そして日曜日以外にはほとんど休みがない。こういう状態は新政策に文章として、政策として盛り込まなければ、意味がないのではないか、こういうように私は思うのですが、これをひとつお聞かせ願いたい。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 賃金問題と並んで労働時間の問題が、労働条件として、あるいは労働者の立場で重要な問題であることは、私ども十分承知いたしております。いま先生御指摘のように旗日に休むかどうかということは、むしろ逆に言えば二の次の問題であります。要するに、地下労働として適正な労働時間がいかにあるべきか。大勢として申し上げますならば、労働時間はできるだけ短い方がいい。一般の地上労働が労働時間短縮の方向に向かっているということであれば、地下労働につきましても、炭鉱労働者の場合も、やはりそういう方向に天下の大勢として向かっていくべきだろう。その中で一体、週に何日休むのがいいのか、旗日を休むのがいいのかどうか、これは労使の間で決められるべき問題であって、旗日は休むべきだということを行政の立場で言うことはいかがか、私はかように考えておるわけであります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 役所が休んでおって、国民の方が話し合えというのはちょっとおかしいのですが、私は日にちを言っているのではないのですよ。要するに休日が少ないという話をしているわけだ。その例に挙げたわけですが、しかし他の国民が休んでいるのに働くというのもおかしいのですよ。ほかの工場あたりは現実にほとんど休んでいるでしょう。それは高炉とか、それから転炉とか、そんなものは休んでいませんよ。しかし、工場全体としては旗日は一応休みの形式になっているのですよ。ですから、そういうような状態にしておいていいかどうか。そこで、私は具体的にひとつはっきり盛ってもらいたいと思うのですよ。新政策について、労働条件はかくあるべきだということを、労働省としては、はっきり盛ってもらうようにしてもらいたい。そういう中で一体、労働力が集まるかどうかというのは次の検討事項になる。いまから十年なら十年を見通してやるのですから、いまの時点を言っているのではないのです。ですから、ぜひ大臣の方で、こういう問題がありますということを十分言っていただきたい、このことをお願いしておきます。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 私はまだ新政策というものを詳しく読んでもおりませんから、そういうお話があることを頭の中に入れまして、私の検討事項、勉強事項にしたい、こう思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 勉強事項ですか。これは答申の中に入るわけでしょう、いま局長が話をしたようなことが。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 新政策につきましては、いま石炭鉱業審議会で御審議中でございまして、先ほど岡田先生から御指摘のございました点も、私ども事務当局としては十分受けとめまして、石炭特別委員会でこういう御意見がございましたことも審議会に申し上げて、十分御審議いただきたい、かように考えております。ただいまの多賀谷先生の御意見につきましても同様でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 われわれは素人が議論しているのではないのですよ。あなた方が審議会にどういう文章を入れるかどうか、みんなわかっておるのですよ。わかっておって話をしているわけですからね。役人が知らぬで審議会から出ますか。ちゃんと裏で大蔵省とか、みんな話をしておいて出るのでしょう。いままで全部そういう答申のぐあいになっているのですよ。いやあ答申が出てきて役所がびっくりなどということは一回もないのですよ。それをひとつ十分意思を反映できるように、労働力の確保のできるようにぜひ出してもらいたい。  それから大臣、組夫という話は昭和三十五年ぐらいから議論をされている。ところが一向前進しないのですよ。労働省の方は、率直に言いますと同じような扱いをわりあいにしてくれるのです。通産省の方は全然しないのです。  そこで高木部長、とにかくいま一六%、組夫がいる。いま組夫の問題を避けて通れなくなっている。ですから、これを一体どういうようにするのか。後から私は年金の問題も聞きますけれども、そういう問題もはっきりすべき時期がきておる。われわれの主張は、組夫なんて認めないで、全部本鉱員にしろ、かつて昭和三十年まではなかったではないか、こういう主張をしている。しかし、どうしても必要とするならば、一体どういう制限をして、これは安定法の問題もあるが、どういう地位に位置づけをするかというものを明確にしてもらいたい。そうして、やはり同一労働同一条件の原則を確立をしてもらいたい。これは労働省よりもむしろ通産省が逃げているのですよ、率直に言うと。毎回やるのですけれども、逃げ回っている。そして、われわれ一番心配するのは、閉山が起こったときですよ。きょうも連絡によると、天草の久恒鉱業の志岐炭鉱が閉山を発表した。四百名、これは必ず組夫がいるのです。そうすると、この組夫には残念ながら合理化事業団からの交付金がこないのですよ。労働省は、失業をしたら離職者対策の中に入れるが、そういう問題を一体どうするか、これはもう十数年来の懸案の問題ですから、明確にしてもらいたい。要らないなら要らない、要るならどういう待遇をするのか、これもきわめて明確に表現をしてもらいたいと思います。  それから次に、年金について質問を厚生省にしたいと思うのです。厚生省は、どちらかといいますと定款をオーソライズするという形ですけれども、時間がありませんから、私は現状の問題点だけを指摘しておきますと、第一に、五十歳まで勤めないと、二十年勤めても三十年勤めても資格がないという現状ですね。そこで、残念ながら筑豊炭田では、やめても勤めるところがないから、四十九歳でやめた、三十年おったけれども、石炭年金の恩恵にはあずかれなかったという例は枚挙にいとまがないのです。炭鉱を探すにも、ないわけですから、本人の責任ではないわけですね。自分が四十八歳でやめた、しかし、どこにも炭鉱がない、ですから資格がないわけですよ。こういう例はずいぶんある。ですから、なるべく五十歳まで勤めさせようという気持ちも一つはあったのですけれども、しかし、いま一体、若年労働者を入れる場合に、二十の者が入って三十年間保障する山があるかといったら、なかなかないでしょう。ですから私は、この年齢制限というものはひとつぜひ撤廃をしてもらいたい。要するに、二十年勤めたら資格をやる。しかし、それは給付の時期ではありませんよ。給付は厚生年金と同時の資格で給付されるのですから、坑内は五十五、坑外は六十になるわけですから、これは給付の時期を言っているのではない。資格がつく五十歳という年齢を、ぜひ資格要件から外してもらいたい。これが一点。  それから、財源の関係があるから、石炭部長に伺わなければいかぬのですけれども、あなたの方は、年金を引き上げるようにするということを答申の中に盛られようとしておりますけれども、一体どのくらいを考えられておるのか、これをお聞かせ願いたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいま年金の方には各企業から四十円納めているわけでございますけれども、それによります各労働者に渡る金額が少ないので、これを上げてもらうという姿勢で、年金の見直し、給付額の向上ということをうたっているわけでございますけれども、金額を幾らにしろということは、これは労使間の問題でもございますし、また厚生省の管轄でもございますので、一応上げるということにつきましては、石炭業界の方の了解をとっておりますけれども、金額につきましては、幾らに落ちつくかという点は、いまのところ未定でございます。

坂本龍彦厚生省年金局年金課長

○坂本説明員 石炭年金の受給要件の問題でございますが、現在の石炭鉱業年金基金の定款によりますと、五十歳以降に退職するということが一つの条件になっております。これは、石炭鉱業における労働力の確保という見地から、この制度ができましたことと関連いたしまして、やはり長期間石炭鉱業において労働していただくことを期待する、こういうような意味で、一つはこういう条件が設けられているというふうに私ども理解しております。  それと同時に、またこの年金の額あるいはそれに要する費用、こういったものの計算、つまり、制度のそういった財政上の仕組みの上におきましても、そういった条件を前提にいたしまして、どれだけの財源をもってどれだけの給付が可能であるか、こういったような仕組みを決めておるわけでございます。  そういった点から、確かに先生御指摘のように、五十歳以前に退職するということによって、年金の給付が受けられない人が出てくる、これは確かにそういう事実はあるということは、私ども理解できるわけでございますけれども、制度ができましたとき以来、今日までの、そういった基本的な考え方もございますし、さらに坑内員としての期間が五十歳前で切れましても、さらに坑外員として炭鉱に勤務すれば、その期間もまた通算するというようなことにもなっておりますので、この問題につきましては、そういったこの制度の基本問題と関連いたしますし、また財政上の問題もございますので、いま直ちに先生のおっしゃるような方向に向けて内容を変更できるかどうか、私もいまここで確実なお答えをちょっといたしかねるわけでございますけれども、そういった問題を含めまして、果たして今後の石炭鉱業年金のあり方はいかにあるべきか、私ども十分また考えさせていただきたいというように思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 年金で加入期間の資格というのは幾らでもありますよ。しかし、何歳にならないと資格がないというのはないのですよ。もらうときの資格、五十五歳でもらうとか六十歳でもらうとか六十五歳でもらう、それはありますよ。しかし、あなたは五十歳までおらなければ上げませんよというような、そんな年金はないのですよ。三十年おっても五十歳にならなければやらぬ。ところが、そういう方は、炭鉱さえあれば勤めにいくのですよ。坑内から坑外にいくといったって、肝心な炭鉱がないのですから。ことに、いまから若年労働者を集める、それには年金があるのだといっても、五十歳になるまでおらなければ資格がないというのでは意味ないでしょう。ですから私は、厚生省の方で、これは通産省もそうですけれども、矛盾を指摘してもらいたい。いまから三十年間絶対大丈夫ですという保障ができるような炭鉱はどのぐらいあるか、私どももわかりません。ですから、あなたは五十歳にならなければだめなのですというのは、ちょっとやっぱり資格条件がおかしいではないか、こういうように考えるわけです。これはどちらかといえば通産省です。厚生省の方はできた定款を法的には保証をするだけですからね。よろしいですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいまの先生の御趣旨につきましては、すでに年金の上昇ということについては、石炭業界の方にも強く指示をいたしまして了承をとっておるところでございます。ただし、四十円をプラス幾らするかという金額までには、うちの方はタッチしておりませんけれども、姿勢については石炭業界も了承しておるところでございますので、今後、労使の問題あるいは厚生省との話し合いの問題において、それを解決していきたいというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 厚生年金がいま物価スライドでいきますと、四十八年度に五万二千円であったのが五十一年度には御存じのように八万五千円くらいになっていく。そのときに七千円の石炭年金では全く魅力がないですよ。これは読みかえ規定とかそういうふうな換算率はやめて——いまのままの物価スライドだけでいっても、そのくらいなのですね。ところがそれが七千円の年金がつきますといったのでは全然魅力がないではないか、こういう感じですから、これはひとつ、ぜひ飛躍的な前進をお願いいたしたいと思います。  そこで先ほど岡田さんから質問がありましたけれども、まず第一に炭鉱ほど危険なところはない。この前、保安をやりましたけれども、建設業が大変な災害があるといっても、炭鉱の場合はもう一けた違うわけですから。そうして作業環境が非常に悪い中で、親子代々勤めた人が主軸になっておる、あるいは戦争に敗れて外地から引き揚げた人が主軸になったから、私は今日、労働力の確保ができたと思いますけれども、私はなかなかいまから困難だと思います。ですから、地下労働というのは非常に危険な作業であるということから、私はやはり最初が肝心だと思いますので、新しい答申にはもう少し明快にぜひ明示を願いたい、こういうように思いますが、部長どうですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 私、一存でこの答申をどうこうということはできませんけれども、先生の御意向がありましたこと、また岡田先生からの先ほどの御発言、そういう点を審議会の方にも反映さすべく努力したいというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 先ほど田中六助代議士からもお話がありましたように、実はいま筑豊炭田では大変な騒動が起こっているわけです。一つは暴力事件も起こっておるわけです。問題は、坂田市長が石炭部長に会ってと書いてあるのかどうかわかりませんけれども、石炭部長の言として、とにかく石炭生産に直結しない産炭地振興、鉱害復旧、離職者対策、それから失業対策というのは石炭石油特別会計の枠から外す、こういう意向であるという記事が出ました。これは私は、かねがねそういう意見を一部の委員の人がしておることは知っております。それで非常に心配をして、政治的に打ち上げられたと思うのですけれども、それはそれで結構だと思います。  そこで問題は、一体、長い間、歴史的にも日本経済を推進してきた原動力になった過去の労働者を見捨てるのか、あるいは地域を、鉱害をこんなにしておいて、見捨てるのかという、政府に対する非常な怨嗟の声となってあらわれつつある。これはもう率直に言うと自民党内閣も容易でないです。それは産炭地振興をしない、鉱害もしない、しないとは言わないけれども、石炭特別会計の枠から外されたら一般会計でしょう。一般会計は、それでなくてもいま窮屈だと言っているのに、ことに緊就とか開就というような、いままで石炭特別会計の枠の中で支出されておったものが一般会計に移されると、結局一年くらいはいいだろうけれども、そのうちになし崩しになくなるのではないかと心配するのはあたりまえです。しかもどこの会合に行きましても、やはりかつてのような炭鉱の賃金をくれるようなところはないし、そうして本当に企業らしい企業はまだ来てないし、何とか維持をしておる。それは緊就とか開就がなかったら、あの地域は大変な悲惨な状態が現出する。いまでも悲惨なのですけれども、もしないとしたら大変なことになると思うのです。それで、これはやはり住民を安心させる意味においても、この際、明快に答えてもらいたい。要するに石炭の生産と運命共同体で進みますということを、会計上はっきり答えておく必要があると思う。これは政治問題ですね。これをひとつ大蔵省と労働大臣から決意を聞きたい。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 北九州の皆さん方が大変心配されておることを私も存じ上げております。先日、知事さんなども参りました。私は、やはり炭鉱の労務対策というものと離職者対策というものは大事なものだ、こう思っておりますから、余り心配されないようにということを申し上げたのですが、そういう姿勢でやってまいります。

小山昭蔵大蔵省主計局主計官

○小山説明員 お答えいたします。  ただいまの多賀谷先生の御質問にありました事実関係について、私、実は全く承知しておりませんので、ここでお聞きした上で、いま考えていることを申し上げるということになろうかと思います。  まず、おっしゃいましたような緊就事業、開就事業あるいは鉱害復旧事業あるいは産炭地の振興事業、これらにつきまして特別会計から外すという動きがあるのかどうかということだと思います。この石炭石油対策特別会計に現在特掲されております石炭対策事業でございますが、これらが今後どういうような扱いをするかということは、石炭特会、これは御承知のように五十一年度末までということに一応なっておりますが、そのあとどうなるかといったようなこと、あるいは石油の対策事業とからめての特別会計のあり方自体をどうするのかというようなことが、いずれ遠からず検討の課題にならなければならないだろうというふうに私も考えておりますが、しかしながら現時点におきまして、いま先生がおっしゃいましたような幾つかの事業をこの石炭対策から外す、この特別会計の対象となっている石炭対策から外すというような考え方が、通産省なり労働省なりにあるというようなことは、私はまだ何も聞いておりません。したがいまして、現時点におきまして大蔵省の考えいかん、こう仰せられましても、まだ全く事業官庁さんの方から御相談を受けてない段階でございますので、お答えできませんけれども、そういう考え方があるということは全く聞いていないということをもって、お答えにさせていただきます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうすると大蔵省自体としては、いわば事業官庁から言ってこなければ、大蔵省みずからはそういうことについては発言をしないし、現状のままでいく、こう理解してよろしいですね。

小山昭蔵大蔵省主計局主計官

○小山説明員 ただいまも申し上げましたように、この特別会計は特定の財源、御承知のように原重油関税という特定の財源をもちまして石炭対策と石油対策を進めていく、こういう会計でございますので、大蔵省といたしましても、もちろん石炭対策なり石油対策なりの今後の基本的なあり方というものは、当然勉強していかなければなりませんし、その中でどういう事業に重点を置いて財源の配分をしていかなければならないかということは、当然考えなければならないわけでございますが、第一義的には、やはりそれぞれの事業についての所管といいますか、主体的な責任をお持ちのお役所があるわけでございますから、それぞれのお役所の方から、こういう事業を石油についてやりたい、こういう事業を石炭について進めなければならない、こういう構想を当然お出しいただいて、それを受けて私どもの方で検討する、こういうことになろうかと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 五十一年度までいまの石油、石炭の特別会計があるわけですが、五十一年度までは動くことは絶対にない、こう見ていいですか。

小山昭蔵大蔵省主計局主計官

○小山説明員 仰せのとおり、現行法の規定が五十二年三月末までということになっているわけでございますが、では、その間法律改正がないかどうかということは、現時点では全くわからないことであろうかと思います。それは、五十一年度の事業というものはどういうものをおやりになるのか、通産省さんなり、あるいは労働省さん、あるいは政府全体として、このエネルギーの問題あるいは石炭、石油対策についてどういうふうに対応していくかということを、これからまさに検討されるのだと思いますので、その前に先取りして大蔵省の方で、いや、もう一年間はいまのままの形で、この特別会計の骨組みは変えないでいくのですよということを、一方的に言う立場にはない、こういうことだと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そういたしますと、まず通産省にお尋ねしますが、通産省は、私がるる説明するまでもないと思うのですが、これは率直に言いますと政治問題なのですよ。ただ会計の区分というような問題ではないのですね。われわれを見殺しにするのかとか、われわれを見捨てるのかという、こういう大きい問題ですよ。それはもう大変なショックなのですよ。鉱害にしても緊就、開就にしても、財源的にも緊就が七十一億、開就が五十九億でしょう。これは大部分が筑豊炭田。それだけ購買力があるわけですから、これはもう商店街あたりも大変なことになるでしょう。それに鉱害復旧でもそうです。鉱害復旧が筑豊炭田だけでまだ千三百五十九億ぐらい残っている。福岡県だけでも千八百九十九億残っている。ですから、こういう問題をないがしろにされるということになると、住民としては全く忍び得ないものがある。ですから私は、こういう問題は政治問題だから、はっきりここで答えておいたらいいと思うのです。いつになるかわかりません、それは確かに理屈を言えば、石炭の答申が出る、その財源をどうするかというので、どうなるかわかりませんけれども、いま火の手が上がっておるわけでしょう。それなら毎日、毎日上京をするということになったらどうしますか。ですからこの問題は、政治的に石炭特別会計の中に入れて一緒にいくのだというならば、政府としてははっきりした方がいい。これは住民としては、ただ財源の区分けだというように認識してないのですよ。ですからその点は、はっきりこの際、明言をしておく必要がある。私は十年先の話をしているのではないのですよ。今日、火の手の上がったようなときに、一体どうおさめるのか。これはいつになるかわかりませんよ、とにかく予算を五十一年度組むまではわかりませんよというのでは、それだけの間は非常に不安ですから、とにかく特別会計としては依然として置いておく、こういうようにはっきり明言をされる必要があるのではないか。これはひとつ通産省と労働省から明確にお答え願いたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 先ほど先生の方から田川市長の発言の問題がございましたけれども、まずその点について弁明させていただきたいと思います。実は田川の市長とは全然私、お会いいたしておりませんので、その点、どういう御趣旨で田川の市長が言われたか、私が言明した、あるいは石炭部長の意向ということで各新聞に出ているようでございますけれども、どういう本意でおっしゃったかは、私どもも理解に苦しむところでございますけれども、二月以降、市長とはお会いいたしておりませんので、その点、はっきりさしておきたいと思います。  ただし、今回の石炭政策は、エネルギー政策の中での今後の石炭問題はどうかということで石炭鉱業審議会の方に諮問いたしております。実は福岡の知事がお見えになりましたときに、今度の政策はいま申し上げたような趣旨で、石炭のあり方ということで検討いたしております。鉱害問題、産炭地問題につきましては、産炭地は産炭地振興法の法律に基づいていろいろ仕事をやっておりますし、鉱害問題は復旧法に基づきましていろいろ仕事をやっておるわけでございますけれども、そういう点から鉱害あるいは産炭地の新政策なり今後の政策のあり方ということは検討いたしておりません、それははっきり申し上げておりますけれども、別に振興対策費あるいは鉱害対策費を打ち切るべきであろうということは、私としては言えもしませんし、そういう考えも持っておりません。その点はっきりさせておきたいと思います。  なお、ただいまの石特会計の問題でございますけれども、石炭部といたしましては、少なくともいまの石特会計の中で振興問題、鉱害問題も含んで、今後いろいろ処置をしていきたいということで、資源庁長官の方にはいろいろ御相談しているところでございまして、石炭部としましては、いままでの石炭政策の財源の中で見ていけるのではなかろうかということで、意思は変わっていないつもりでございます。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 先ほどもちょっとお答え申し上げましたけれども、先日来、筑豊の方々がそういうことで非常に不安を持っていること、また知事さんからも陳情があり、先ほどはまた田中委員に対してもお答えしたのですが、この際、改めて労働省として、御質問に対して基本的にお答え申し上げます。  労務確保対策と同様に離職者対策は重要でありますので、基本的に従来の方針を変える考えはございません。とにかく不安のないように対処してまいりたい、こう思っております。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 三浦久君。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 通産省と労働省にお尋ねいたします。  石炭対策第六次答申を前にして、従来の石炭対策の重要な柱である産炭地振興それから鉱害復旧、離職者対策としての炭鉱離職者緊急就労事業、それから産炭地域開発就労事業、これらが石特会計から除外されるのではないか、こういう不安が関係団体の中で非常に強まっています。もしそうであれば、これは産炭地域住民にとって死活の問題であります。私のところにも、また労働省それから通産省にも、たくさん関係団体からの陳情が来ておると思いますけれども、この問題についての基本的な考え方を、まず通産省、労働省からお聞かせをいただきたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいま多賀谷先生の御質問にもお答えしましたとおりでございまして、鉱害対策あるいは産炭地域振興対策ということは、現在やっておりますとおり引き続き実施いたしたいということでございまして、先ほど申し上げましたように、今回の答申の中では直接の審議対象にはしなかったけれども、従来の対策の趣旨を十分尊重いたしまして、それぞれ実情に即し、引き続き必要な対策を講ずるべきであるというようなことも、提言をいただいておるような次第でございます。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 ただいま労働大臣からお答えございましたように、私どもも離職者対策につきまして従来の方針を変える考えはございません。今後とも離職者が現に産炭地域に存在する限り、この人たちの対策に万全を期してまいるつもりでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 通産と労働にお尋ねいたしますけれども、新石炭政策についての答申が行われた後、石炭安定に関する新しい法律が国会に提案されるようになるというふうに聞いておりますけれども、新法律が制定をされた場合、石特会計、これをそのまま存続させていく意思なのかどうか、お尋ねいたしたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 先ほども申し上げましたように、石炭部といたしましては、現在の制度がそのまま延長された方がベターでございますので、そういう気持ちではおります。ただし、先ほどいろいろ大蔵の方からも御説明がございましたように、石油の方の財源問題、いろいろな点もございますので、私が一存で、これが永久に続くということを、いまここでは答えられませんけれども、石炭部といたしましては、いまの対策をそのまま続けていただきたいというのが念願でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 労働省、どうですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 ただいまお答えいたしましたとおりでございますが、新政策が答申が出されました後におきまして、どういう法律が出されるのか、私、その点はつまびらかにいたしておりませんが、いずれにいたしましても、こういった産炭地域の皆さん方が不安を醸し出されることのないように、万全の体制をとってまいりたいと思います。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 通産省の石炭部長の御見解では、石特会計もそのまま残していきたい、こういう御意思なのですけれども、それは私ども大変結構だと思います。しかし、石特会計内における石炭勘定の占める比率というのが年々低下をいたしているわけですね。昭和四十八年では八〇・五%、四十九年では七六・四%、また五十年では六九%、これはかなり大きな減少だと思うのですけれども、こういう石炭勘定の比率がどんどん下がってきているというところに、実際には地元の人々の不安というものが出てきているのではないかと思います。この勢いでもって石炭勘定の比率がどんどん下がっていくということになりますと、結局は仏つくって魂入れずというような結果にもなろうかと思うのですね。そういう意味で、これからも、この石特会計に占める石炭勘定の比率を高める、特にその石炭勘定の中で緊就、開就それから鉱害復旧、産炭地振興、こういうもののウエートを高くしていくように、この問題につきましては、それぞれまた私どもが、それぞれの関係委員会、また地元の人々の陳情、そういうもので要求はしていきたいと思いますけれども、石炭勘定の比率を高めていただくように要望申し上げておきたいと思うのです。  それで私は次に、緊就と開就の問題についてお尋ねをいたしたいと思いますけれども、これは労働省ですね。緊就は閣議決定で五十二年の三月三十一日まで措置が延長になっています。その後どうなるだろうかというのが、これまた自治体関係者また労働者の強い不安なのであります。御承知のとおりに、現在のインフレ、不況の中で、全国的にも大変失業者がふえています。ことしの三月でも失業者は百十二万人に及んでいる。前年同月の九十万人に対して二十三万人も失業者が上回っている、こういう状態が出てきているわけですね。特に田川の市、郡というのは、この失業情勢というのは一層厳しいものがあるわけであります。たとえば田川市、郡合わせてわずか十五万人くらいの人口であります。ところが、五月の末で失業保険をもらっている人たちが二千五百四十二名おります。それから中高年の就職促進の措置を受けている人が千百九十九名です。合わせて三千七百四十一名、これが完全な失業者です。そして制度事業ですね、いわゆる一般失対それから特開、開就、緊就、こういうものに吸収されている労働者が七千八百十九名おります。そうしますと、これだけ合わせただけでも一万一千五百名以上の人々が失業状態にあるという、そういう深刻な失業情勢なのであります。  職安に行くと、もうおわかりだと思いますけれども、もう人でごった返しています。で、失業保険の保険金の給付や、また雇用対策法に基づく各種手当の支給ですね、これも二週間に一度ではとてもさばき切れないというので、現在では四週間に一度しか支給されていないという、そういう状況ですね。全く収入のない人々が、四週間に一度しか、そういう就職促進の手当であるとか失業保険金だとかがもらえないという、そういう実情が現実にあるわけですね。そして、この失業情勢というのは、かなり長く続くのではないかというふうに一般に言われております。こういうふうに大変な状況が田川では出現をいたしておるわけです。そして、緊就とか開就に働いている人々だけでも二千四百名おるのです。これは大変な高率であります。ですから、これ以上、緊就が打ち切られて完全な失業者がたくさん出てくるというのでは、本当に困ったことだというので心配をされているわけですね。  五十二年の三月三十一日まであるわけなのですけれども、いまから心配するのは少し早いではないかというようなお考えもあるかと思いますけれども、いまの田川のこういう実情を私は無視するわけにいかない。こういう実情に即した措置をおとりいただくということが非常に大事なことではないかというふうに考えているわけなのです。それで開就はもっと不安な状態ですね。閣議決定もない、年々の予算措置で行われているというわけですから、この緊就と開就の問題について、今後どういうふうにされるお考えなのか、ひとつ意見をお承りいたしたいと思うのです。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 私も地元で、福岡県出身の一人でございまして、筑豊地区、なかんずく田川市、郡の現状をよく承知いたしております。いま御指摘になりましたいわゆる雇用保険の給付を受けている人たちの実情も承知いたしております。実は二週間に一回が四週に一回になりましたのは、昨年の暮れに成立いたしました新しい雇用保険法によりまして、従来のような二週一回でなくて四週一回にした方がベターだ、これは関係者の御意見の一致によりましてそういうことになりました。その間、安定所の窓口の余力をできるだけこういう人たちの再就職に振り向ける、就職指導なり相談なり、あっせんに振り向ける、こういう体制になっておるわけでございまして、企業で、会社、工場で働いていれば月給で月に一回。ですから、むしろその余力を再就職に全力を振り向けてもらいたい、こういう御要望もありまして、四週一回という認定給付になったわけでございます。  開就、緊就の就労者あるいは失業給付を受けている方あるいは雇用対策法によるいろいろな諸給付の対象者は一万名くらいおります。その中で、いま御指摘になりました緊就あるいは産炭地開就事業に就労している方につきましては、御指摘のように昭和四十年に、法律に基づいて実施されておりましたいわゆる緊就事業が予算措置に切りかえられました。これは第二次石炭合理化計画のときのいきさつ、先生御承知だと思います。その後、三年おきに閣議決定によってこの緊就事業が実施されてきております。昭和五十二年三月で一応現在の閣議決定の内容が切れるわけでございますが、これは従来とも三年おきにそういう事態が起こっておりまして、これは閣議決定がなければできないのか、あるいはやらないのかという疑問がいつも提出されておりますけれども、私どもは現にこういった田川、筑豊地区で、血の流れている、いわゆる言ってみれば人間が就労しているわけです。こういう人たちがいる限りは、これをむやみやたらにぶった切って事業をやめますということは、私どもはできません。このことを再三再四、私は、この十年間、現地の代表の人が再三私のところに見えまして、皆さん方が、そんな生首を切られて働けないようなことをいたしませんということを申してきておりまして、先ほど田中先生あるいは多賀谷先生に申し上げたとおりでありまして、先ほど大臣からお答えになりましたように、こういった事業の取り扱いについては、従来の方針を変える考えは持っておりません。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 それは緊就についても開就についてもというふうに承っておいてよろしいですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 いずれも同じ石炭鉱業から離職された方々でございまして、いずれも同様でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 開就と特開の枠の問題についてお尋ねいたしたいと思いますけれども、現在の開就の枠は三千二百名、特開は五千、十カ月予算と、こういうふうになっているわけですね。ところが、実際に開就も特開も十カ月は働いていないわけなのですね。開就も特開も大体同じような状況ですけれども、毎年五月の下旬か六月の上旬に事業が始まります。そして一月の中旬まで行われると、もう一月の中旬からは仕事がない、こういう状態が例年続いているわけなのですね。それでは仕事のないときは公共事業に行けばいいではないか、こういうようなお考えのようですけれども、実際に総需要抑制のあおりを食らって、公共事業というのはもうほとんどない。公共に紹介をされている人というのは、職安の統計によってもごくわずかですね。こういう特開とか開就の仕事がなくなって、それで公共にそれが全部吸収されるというような状況にはないわけなのですね。それで私は、この開就、特開の枠というものをもっともっと広げて、そしていまの失業情勢に見合うような弾力的な措置というものをとる必要があるのではないかというふうに思っておるわけなのですけれども、五十年度予算を見ましても、やはり枠は同じですね。五千と三千二百、こういうふうになっているわけですね。この枠をもっと拡大する御意思があるのかないのか、これをお尋ねしたいと思います。

守屋孝一労働省職業安定局失業対策部企画課長

○守屋説明員 特開事業あるいは開発就労事業というこの事業は、先生も御承知のように、事業本来の趣旨といたしましては、一時的に雇用の機会が著しく不足している、いわゆる産炭地域、あるいはその他の地域についても同じでございますが、そういうような地域におきまして、そこの地域開発との関連において臨時的な就労の場をつくるというのが、制度本来の趣旨でございます。そういう意味では、民間雇用の場が一時的に著しく減少した地域でやるのだという前提と、もう一つは、民間公共にまず就労していただく、というのは、いまの社会なり経済の仕組みの中ですと、雇用の場はどこにあるかというと、第一次的には民間にあるわけでございます。そういう意味合いをもちまして、まず民間一般公共事業に就労していただくという前提でこの事業をやっております。ということは、裏返して言いますと、この事業は、就労の場を確保するための補完的な事業であるということでございます。そういう意味合いで、先生、先ほどからおっしゃっています、年間通じて十二カ月に延ばすという意味は、あるいは就労を保障するという前提かとも存じますが……。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 いやいや、言うてないことを言ってはいかぬよ。十二カ月にしろというような要求はいましてないでしょう。もっと枠を、五千人の枠をもっと広げろ、三千二百人の枠をもっと広げろと言っているわけで、何か想定問答集みたいなもので答えてはだめですよ。

守屋孝一労働省職業安定局失業対策部企画課長

○守屋説明員 どうも失礼いたしました。  そういうような補完的なものでございますので、やはり事業の性格上、もう必要最小限という点に限られてくるということでございまして、一つには今後の景気の見通しというものも絡んでまいりますが、そういう中で、たとえば産炭地域開発就労事業の方の今後の見通しの中におきましても、また、こういうところに就労される方の数というものにつきましても、閉山があの地域でもうほとんどないというような状況の中から、枠をふやすという点につきましては、非常に困難な問題があろうか、かように存じております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 たとえば四十九年度で、田川市、郡でいろいろ統計を出したのがあるのです。労働省の方は四十九年度の問題については、まだ正確に数字をつかんでないようですけれども、各自治体がつかんでいるものがあって、それを私、手元に持っているのですが、全部言うと時間がかかりますから、田川市の問題だけ言いますと、たとえば開就に就労している人員が六百五十なのですね。そして、年間延べ人員が九万二千百五十なのです。開就の場合は二十五日就労ですね。そうすると、わずか百四十一日しか働いてないことになるのですね。これは二十五日就労というと約六カ月。現実に昨年は、開就に就労している人たちは六カ月しか働いていない、こういう状況なのですよ。開就の場合というのは、御承知のとおり四十七年ぐらいから全然開就に入れてないわけですね。あなたたちが入れてないわけでしょう。ですから、人間が固定してしまっておる。背番号ではない、補完的なものだとは言うけれども、実際の実務の運営上は背番号みたいなものになって固定化してしまっているのですよ。あなたたちも入れないわけですよ。そうすると六百五十が延べ頭数で九万二千百五十。そうすると六カ月しか実際に働いていない。それではこの人たちが公共にいっておるかといえば、これは皆さんが職安から統計をとればおわかりのとおりですよ。ここで一々読み上げると時間がありませんけれども、たとえば昨年の四月では四十四人しか紹介していない。一番多いときで、十一月で百七十九名しか公共には紹介されてないのですよ、田川の職安で。十二月は七十五名です。一番少ないのは、五月では三十名しか公共に紹介されてないわけですね。そうすると開就に勤めておる人たちはもう全く行き場がない、こういうことになっておるわけですね。そうしたらやはりもっと枠をふやして、そして六カ月を、八カ月とか十カ月とか十二カ月とか働けるようにしてやるというのが、弾力的な運用だと思うのですね。何でも十カ月予算だからそれでやるのだ、雇用情勢がどうなろうと十カ月なのだというのは、これは余りにも硬直し過ぎていると私は思うのです。ですから、いまのような厳しい失業情勢にあるわけですから、弾力的な運用を行うという意味で、この枠をもっと大きくして、就労の機会を与えてやるというお考えが労働省にはあるのかないのか、労働大臣にお尋ねしたいと思います。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 就労の実態が非常に厳しい、これは私も田川地区の実態はよく承知いたしております。先ほど申し上げたとおりでございます。  ただいま申し上げましたように、開就あるいは緊就あるいは特定地域開就、この事業制度本来の趣旨も御理解いただいておると思います。私どもはこういった実態、実情に即しまして、極力、民間事業あるいは民間公共事業の求人開拓をいたしまして、こういう人たちにまず優先的にそういった事業に働いていただく。それで、それに補完してこういった緊就、開就、特定開就、こういうことを実施しておるわけであります。なかなか厳しいことも御指摘のとおりでございます。これはもともとそういった趣旨でございますので、その間のつなぎは、いわゆる雇用保険法による失業給付も行われておりまして、私どもは今後とも、こういった実情を十分踏まえながら、こういった人たちにできるだけ就労の場を確保していくという努力をしてまいりたい、かように考えておりまして、最優先的には民間の安定した雇用の場ということでございますので、県当局あるいはそれぞれの自治体とも御相談しながら、民間の工場誘致等も私ども、進めておるわけでございまして、先般来、田川地区に隣接しまして日産の工場が稼働を開始いたしました。ここで九百名、地元地区の人の就労が確保される、こういったこともございますし、いわゆる小零細企業ではなくて、そういった中堅企業的な企業の誘致等によりまして、民間の職場が確保されることに、まず第一に私どもは努力をしたい。補完的にこういった事業を、いま御指摘のような、できるだけ私どもとしては実情に即した運用をしてまいりたい、かように考えております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 たてまえと実情というのは違うのですね。民間に就労ができれば一番いいわけですね。ところが実際にできない。公共にもいかれない。こういう現実があるわけなのですよ。ですから民間に就労するまでの間、待っておれぬ。こういう切実なせっぱ詰まった情勢というのが、田川市、郡では出ているということなのですね。ですから私は、やはりもっとこういう制度事業に楽に入れるような予算措置をとるべきだというように思いますので、それを強く要求しておきたいと思うのですよ。  それで特開の問題についても同様なのですね。結局、もう一月の中旬になってしまうと全然仕事がない。こういう状況なのです。それで、この特開に就労する人たちというのは、中高年の就職促進の措置を終わった人々なのですけれども、これは開就と違ってどんどんふえておるわけですよ。そうでしょう、毎月、毎月ふえているのです。この中高年の就職促進措置を終わった人たちは、措置切れの人、こう言っていますけれども、この措置切れの人がどんどん、どんどんふえてきているのですよ。そうすると、この人たちをやはり吸収するためには、いまの五千の枠ではとても足りない、こういう状況だと思うのですね。それで私、この特開の枠をどういうふうにふやしていくのか、また、十カ月予算ではなくて十二カ月予算にするとか、そういうことを労働省としてはお考えにならないのかどうか、お尋ねしたいと思うのです。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 この特定地域開就事業の実施につきましても、先ほど担当課長から御説明いたしましたように、これは一時的な臨時的な、いわゆる就労の場を確保するということと同時に、当該地域の開発振興に役立てる、こういう二つの目的を持っておりまして、したがいまして事業主体は当該市町村でございます。御承知のように、筑豊地区の市町村はいずれも財政困難な状態にございまして、この事業の実施につきまして、私どもは超過負担をできるだけさせないように、地方自治体の財政負担を軽減するように極力努力をいたしてまいっております。そういったことで、従来とも事業の実施に支障を来さないような配慮をいたしてまいっておりますけれども、この事業の規模を拡大することにつきましては、むしろ自治体自体がなかなか思うようにいかない、こういう事態でございまして、県当局の援助なり私どもの方のそういった財政的な配慮というようなことによりまして、こういった事業の実施が円滑に行われますように、従来とも努力をいたしてまいりましたし、今後とも最善の努力をいたしてまいるつもりでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 これは自治体がやらないからしようがないのだというような御意見に聞こえるのですけれども、実際にこの措置切れの人がどんどん出てきているでしょう。いま、こういう措置切れの人々に対して労働省はどういう手を打っているのですか。毎月、中高年の措置の申請をする人だって百名、毎月毎月、措置切れの人が百名以上出ているわけなのです。こういう人たちは、いま、もう全然特開に就労できないのです。大臣、これはことしの二月からは全然入れてないですよ、特開に。すると、どういう措置をおとりになっているのですか、措置切れの人に。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 先ほど申し上げましたように、こういった人たちは、いわゆる民間の職場に就職したいという御希望者でございます。したがいまして私どもとしましては、こういった人たちのための求人開拓に最大の努力を集中いたしております。と同時に、こういった人たちが本当に安定した職場に就職をしていただくためには、やはり何がしかのその人の能力に応じた技能を身につけていただく、こういうことがどうしても必要でございます。したがいまして、こういった産炭地域につきましては従来から特別な職業訓練、職業講習、指導等も行っております。こういった点に重点を置いて、いま指導もいたしております。と同時に、措置切れといったような問題もございますので、本年に入りまして期間の延長等を実施いたしましたことによりまして、措置切れが先に延びていく、その間にいま申し上げましたようないろいろな職業指導なり訓練なり講習なり、そういった御相談、あっせんを重点的にやってまいる、こういう努力を続けておるわけでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 延長しているのだというお話ですけれども、これは結局、特開事業がないからですよ、大臣。わざわざこそくな手段として、この中高年の措置を半年間を、また半年延長する、こういうようなことをやっているわけなのですよ。これは労働者にとっても非常にきつい話なのです。たとえば措置のときの手当というのはきわめて低いものです。千円ちょっと出るような、そういう指導手当をもらっているだけなのです。非常にきつい。特開に働けば、もっともっと収入はあるわけですね。それを特開事業がないからというので、措置切れの人々は、また今度六カ月措置が延長される、また半年間は苦しまなければならぬ。それで職業訓練をしているとおっしゃいますけれども、延長になっているほとんどの人が、ただ手当をもらうために延長になっているだけであって、実際には自宅待機をしているというのが実情なのです。こういう実情があるわけですね。昨年の十一月に措置切れになった人というのはひどいものでもって、特開にも入れてもらえない、公共事業もない、延長もない。それで四月十四日になって初めて就労できた、こういう状況ですね。そしてことしの二月からの措置切れの人々は、特開に入れないで措置の延長をやっている、こういう状況なのですよ。そうすると、これはやはりそういうこそくな手段でもって、いま一時しのぎの対策を立てるのではなくて、五千名なら五千名の枠を、その実情によってもっと広げていく、そして失業者を吸収していく、こういうことを当然お考えにならなければならないことなのだというふうに私は考えるのですね。そしてそのための結局、強い行政指導というものを、各市町村また県に対してもやるべきだと私は思う。この点いかがでしょう。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 先ほど来申し上げておることの繰り返しになるかと思いますけれども、こういった特定地域開発就労事業の制度本来の趣旨の点もございます。また一方、地方自治体の財政上の問題もございまして、なかなか拡大実施については、いろいろ私ども行政指導も十分いたしておりますけれども、問題がある点もございます。何にいたしましても、こういった人たちを本当に安定した職場に再就職をしていただくということに、私どもとしては最重点を置かなければならないし、その間の臨時的なつなぎとしての開発就労事業ということからいたしましても、両々相まって、こういった人たちの生活の安定に最善の努力を重ねてまいりましたし、今後とも、そういった趣旨で努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 抽象的なお話で、就労の機会を増大をしたい、こういうふうにはおっしゃっていらっしゃるけれども、しかし、それでは現実に失業している人をどうするのかという問題になると、全然お答えがないのですね。私は非常に残念に思います。  それで自治体の財政事情云々ということですけれども、この問題に関して言えば、やはり自治体の超過負担というものが、自治体では非常に大きな重荷になっているのです、特に産炭地の場合は。ですからこの事業費単価をもっと上げる。たとえば特開の場合にはわずか五千八百円でしょう。そうすると開就の場合には八千五百円ですから、せめて開就並みに上げていくとか、それから補助率も三分の一ですけれども、これを緊就並みに五分の四にするとか、そういうような財政的な手当てというものをしながら、現実に発生している失業者の吸収というものを図っていかなければならないのではないかというふうに私は思うのですね。ですからこの点、労働省の方も大蔵省をかなりプッシュしていただきたいと私は思うのです。この特開の問題に関して言いますと、福岡県がこの特開事業を全然やっていないのですよ。これも一つの問題点だと私は思っているのです。ですからこの県営の特開事業を起こすように、いまの情勢に見合った措置をとるように、ひとつ県に強力な指導を、労働省にしてほしいと私は思うのですが、いかがでしょう。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 地方自治体の財政負担につきましては、この補助率が三分の一ということでございますが、ただ、その地方自治体の負担分につきましては、自治省とも従来とも緊密な連絡をとりながら、地方自治体の負担分について一般交付税なり特交分で十分裏打ちする、こういうことで超過負担を起こさないようにいたしてまいりましたし、また、超過負担が出ましたものにつきましても、私どもは最大限の配慮をいたしまして、自治体に迷惑をかけないように努力をしてきているつもりでございます。ただ、超過負担の非常に大きな部分を占めておりますのは、いわゆる人件費でございます。そういった関係で、人件費の面でそういった超過負担を来すことがないように、自治体に対しましても私どもは十分申し入れもし、改善方をお願いいたしております。今後ともそういった点で事業実施が円滑に行われるように、また先ほど御指摘のような趣旨に沿いますように、努力をしてまいりたいと思っております。  それから県営が行われていない。これは先ほど、この事業の制度本来の趣旨を申し上げておりますように、当該地域の失業者に対しまして臨時的な就労の場を与えるということと同時に、当該地域の振興開発ということが一つの柱になっております。したがいまして、本来これは市町村が実施すべき性格のものでございまして、県がその地方自治体の中に入り込んで、こういった事業を県独自で起こすということは、これは制度の趣旨、目的からいたしましても、ちょっといかがかと思います。しかしながら、県の方でこういった事業を実施したいという御希望があれば、これは実情に即して、また検討をしてみたいと思いますけれども、いまのところ、そういった自治体の財政事情等に十分、国なり県なりが配慮しながら、自治体に事業を実施していただくというのが、一番実情に適しているのではないか、私どもはかように考えます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 県が実施するのはその趣旨に合わないというようなお考えを、労働省がお持ちだということは、それでは県が特開をやりたいというのを、いままで労働省が抑えておったということなのですか。地元では昨年以来、非常に深刻な失業者が出ているので、県に対しても特開事業を起こしてくれというような大衆的な要求をずっとしておるのですが、労働省がそれをずっと抑えておったということなのですか。どうなのですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 この特定地域開発就労事業を県が実施したいという希望は、私どもはいままで承知いたしておりませんし、県からやりたいという希望の申し出もございません。私どもといたしましては、そういったことは考えておりません。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 そうすると、いろいろな趣旨から言っても、県がやっても、各市町村だって県なのですし、緊就だって全部やっているわけですよ。県営の緊就も開就もあるわけなのですから、技術的な問題から言えば全く支障はない。県がやる気さえあれば、これは県営の特開を起こしても、法律にも違反しないし制度の趣旨にも違反しないと考えているのですが、いまの局長のお話ですと、若干趣旨に沿わないけれども、しかし福岡県から申請があれば検討したい、こういうことなのです。そうすると、はっきり趣旨に反しているというのではなくて、県営の特開も、いまの制度の中で活用しようと思えば十分に活用し、起こせるのだというふうに承ってよろしいのですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 また繰り返すことになるかと思いますが、特定地域開発就労事業というこの制度を設けました趣旨は、当該市町村がこれを実施するという性格のものと私ども考えております。したがいまして、従来とも、この制度が始まりまして以来、県からこの事業を実施するという考え方も出ておりませんし、私どもの方で直接県営で実施してもらいたいという希望も、いままでのところ承知いたしておりません。したがいまして、やはり本来の趣旨からいたしまして、これは当該市町村が当該市町村に居住する離職者、失業者を対象にして事業を実施すべきものだと考えております。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 県が、措置切れがたくさん出ているし、各市町村の財政事情も困難だから、ひとつ県営の特開を起こそうということで労働省に申請をした場合、それについてはどういう措置をおとりになるつもりですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 これは県からそういう申し出があるかどうか、私ども承知いたしておりませんけれども、先生が御指摘のように県からそういう申し出がもし、あったといたしましたならば、関係の当該市町村と十分御相談の上で検討してみたいと思います。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 それからもう一つ、時間がありませんので最後にお尋ねしておきますが、特開に働いている人が、六十五歳になるともう紹介されないという事態が頻繁に起きているのですね。これはどうしてそういうふうになっているのですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 この特定地域開発就労事業は、そもそも中高年齢者の雇用の促進に関する特別措置法という法律がございまして、この法律によりまして国が制度的に中高年齢者の人たちの就職、再就職に援助、助成をするのは、四十五歳から六十五歳までがたてまえになっております。したがいまして、この特定地域開発就労事業につきましても六十五歳までが、国が制度的に援助し助成をする対象として考えられておる、こういうことでございます。したがいまして、こういった六十五歳を超した人で、なお就職の意思、能力があって働きたい、就職をしたいという人たちにつきましては、全国の安定所の窓口で就職の指導をし、あっせんをすることはもちろんでございますけれども、ただ、そういう人たちに対して法律による制度的な援助、助成は行われない、こういう趣旨でございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 さっき、この特開とか開就というのは身分保障ではなくてつなぎの仕事だ、こういうお話だったでしょう。では、六十六歳の人が、職安から公共には紹介されている、公共がなくなったから特開にこようと思ったら、もう入れないのですね。これは全然補完的な役割りを果たしていないということになるわけです。この四十五歳から六十五歳は、あなたたちの方で省令で勝手に決めているわけだ。そうでしょう。この略称、中高年就職促進法ができたときに衆参両院で附帯決議が行われていますよね。これでは「中高年齢者等の年齢の範囲については、雇用失業情勢の変動に応じ弾力的に運用できるよう配慮すること。」こうなっておりますね。それからまた「第二十一条の就業の機会の増大を図るための事業として行なう特定地域開発就労事業及び公共事業のうち特に特定地域開発就労事業については、その実施地域、事業内容及び運営方針を定めるにあたって、同事業が中高年齢失業者等に対する対策であることに留意し、雇用失業情勢に応じた弾力的な運用を図るとともに、就労者の安定した雇用への再就職について配慮すること。」こういう決議があるわけですね。そうすると、この法律が制定されるときから、もう省令で六十五歳までに制限するということについては、いろいろ議論がなされているのですね。そして失業情勢が悪化してくる、そういうような情勢の変化に見合って、これを弾力的に運用しろ、そういう附帯決議までなされているわけです。そうすると私は、いまの時点でこそ、この六十五歳という年齢の問題について、労働省が弾力的に運用する時期なのだというふうに考えているのですけれども、その点についてはいかがですか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 これは中高年法が制定されます際に、一体その中高年齢者の範囲はどうかということで、いろいろと御議論のあった点でございます。いわゆる六十五歳を超える年齢層につきましては、これは国が法律制度による労働市場に適応する年齢層としては考えられない。六十五歳を超しますと、これはむしろ社会保障、社会福祉の対象として考えるべきで、こういう人たちが就職して働く場合には、これはむしろ生きがいという観点から、こういう人たちに対する労働の場というものを考えるべきものだ、こういう御意見でございました。したがいまして私どもも、中高年特別措置法の対象としては六十五歳まで、それ以上のものにつきましては、そういった意味の社会参加、生きがいという観点から、こういう人たちの就職のあっせんもいたしますし、お世話をいたしますけれども、ただ、この法律による制度的な援助の対象にはならない。こういう点はその当時から明確になっておったわけでございます。私どもはこの弾力的運用という中で、六十五歳の年齢を引き上げるということにつきましては、当時から明確にその点をお答え申し上げておったつもりでございます。

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦委員 もう時間がないからやめてくれという要請が再三ありますので、やめますけれども、これは大変問題があるのですよ。あなたたちが勝手に四十五歳から六十五歳の間と決めてしまっているわけですよ。ところがこれはやはり勤労の権利を保障するという立場からなされている制度だと思うのです。そして、この中高年の就職促進に関する法律を見ても、その目的でいえば「その能力に適合した職業につくことを促進する」と書いてある。そうすると、入り口条件として四十五歳から六十五歳までを見るならばいいけれども、それを出口の条件として、結局、現在働く能力があり、働く意思があるその人たちを、六十五歳になったらぽっと紹介をしないというようなやり方は、私は憲法違反だと思うのです。憲法の勤労の権利の保障というのは、政策的プログラムを規定したものだなどと言われていますけれども、しかし、その勤労の権利の保障に基づいて具体的に政府が施策を行ったのだ、それは憲法上の権利に私たちは定着していると思う。それを、働く能力があり意思がある者を、六十五歳になったらぽっともう紹介しない、あとは民間に任せるのだ、公共事業なのだ、こんなやり方は、私は最低の社会保障制度だと思うのです。働く能力があり意思がある者に生活保護を受けなさいとか、こんな対策は、私は労働対策として許されないと思うのです。だから大臣、私は六十五歳以上の問題について、ひとつ大臣の御見解をお聞きして、私の質問を終わりたいと思うのです。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 いろいろ、うちの政府委員等の御答弁にもありましたように、私たちは働く諸君のことについては考えておりますが、いまも私たちの考えというのは、六十五歳以上の人は生きがいということにおいてお考えいただくという感じをずっと持っております。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 小宮武喜君。

小宮武喜民社党

○小宮委員 きょうは審議会の答申もはっきりしておりませんので、一般的な問題について一、二点、質問したいと思います。  まず第一点は、先ごろの本委員会で私、質問したことがございますが、長崎郊外の三菱石炭鉱業の高島炭砿で合理化案が出されております。そこで、会社、組合、いろいろ話し合いをいたしまして、ようやく了解点に達したようでございますが、そうなりますと八百八十名からの人たちが離職することになるわけでございますが、この人たちの就職あっせんの状況はどうなっておるのか。会社側では、北海道の大夕張の方に、ひとつ希望する人は転勤をさせたいということを言っておりましたけれども、何せ西の果てから北の果てでございますから、なかなか行きたがらないし、また、特にこういった不況の中で就職が非常にむずかしいのではないか、こういうふうに考えますけれども、現状の就職あっせんの状況はどうなっておるか、ひとつ御説明を労働省から願いたい。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 先般、つい十日ほど前でしたか、現地の高島の町長さん、それから高島の町会議長それから県の代表者が私のところに見えまして、この高島砿の合理化による離職者がかなり多数出る、八百八十ぐらいですか、これについて労働省としても真剣に取り組んでもらいたいという御要望がございました。  実は二、三年前ですか、高島地区には例の炭鉱労働者のための福祉センターもつくりまして、高島砿が今後存続していく炭鉱として、私どももそのつもりで対策をとってまいったわけでございますが、不幸にしてこの合理化案が発表されまして、離職者が出るということになりました。  御承知のように、先生、地元で十分御承知でございますが、こういった離職者につきましては、私どもやはりできるだけ他の炭鉱に就職してもらいたい、それができない人につきましては一般の会社、工場で働いていただこうということで、従来の長崎地区の炭鉱離職者の再就職あっせんにいろいろと努力をしてまいりまして、その経験を生かしながら、こういった人たちの再就職対策を講じてまいりたい、かように考えておりますが、現在までの状況は、求職申し込みをした人が二百二十八人。八百八十と言っておりますが、現実に離職をして炭鉱から離れた方が六百名余りでございます。そのうちで求職申し込みをした人が二百二十八名でございます。これに対しまして求人が、地元はほとんどございませんで、東京とか京阪神、福岡地区、こういったところから約二百五、六十名の求人が参っております。したがいまして、就職相談によりまして、一応いま求職申し込みをしておられる人につきましては何とかあっせんができるのではないかと思っておりますが、何しろ六百名からの方でございます。その他につきましては今後、いま申し上げましたように最大の——地元の町長さん、町議会の関係者、これも組合の関係の方でございます。県当局と協力いたしながら、こういった人たちの再就職に万全を期してまいりたい、こういうふうに考えております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 県外に出ていくということについては非常に抵抗が出てくるわけですが、求人申し込みが二百五十何名ということを言われましたけれども、果たして離職する人たちが就職希望をどのような形でやられておるのか知りませんが、一応やはり労働者の就職希望について何かアンケートでもとってやられているのかどうか。そうしないと、ただ求人申し込みがあるといっても、これは県外といっても、いま御承知のように九州でもむずかしいでしょうし、ほとんどは大阪、東京、名古屋とか、こういった大都会に集中するわけですけれども、再就職はいろいろな家庭の事情とかなんとかで、なかなか行きたがらぬという問題もありますので、非常に心配するわけですが、そういった意味では就職希望を一回ぐらいとられたことがございますか。

遠藤政夫労働省職業安定局長

○遠藤(政)政府委員 炭鉱離職者の再就職対策につきましては、もう先生御承知のとおり、過去十年間、閉山あるいは合理化によって離職者が出るということが決まりますと、そういった対象者を一人一人、就職相談をいたしまして、どういった職種を希望するのか、どういった地域に行きたいのか、こういったことをきめ細かく御相談の上で、私どもの方の安定行政の出先機関と、それから会社側も、自分のところの関連企業その他に協力しながら再就職あっせんをいたしておる。こういう炭鉱離職者の再就職につきましては、非常に経験を積んできております。離職者の方々、一人一人について、そういった意思の疎通を欠くことのないように、十分な配慮をしながら、あっせんをしてきておるつもりでございます。高島の場合も、いままでの経験がございますので、こういった経験を生かしながら、万全を期していきたいと思っております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 ひとつ万全の対策を立ててもらいたいということをお願いしておきます。  もう一つ、私、きょうの委員会でもそうですか、非常に抵抗を感じる言葉があるのです。それは質問する側にも答弁する側にも、よく組夫という言葉を使われるわけですが、人権尊重が叫ばれておる今日、たとえば女給さんにしてもホステスという名前に変わってきておるし、あるいは小使さんにしても用務員という言葉に変わってきておるし、あらゆる形で、そういうような呼称がみんな変わってきておるわけですね。その場合に、依然として炭鉱にだけは組夫ということで、これは何十年来と使われた言葉で、まあ言いやすい言葉で、つい口から出るのでございましょうけれども、私はどうも組夫という言葉に非常に抵抗を感ずるのです。ひどいときは、これは官庁の書類の中でも組夫という言葉が使われておるわけですが、こういった言葉は各企業とも、各産業とも、こういった呼び名については非常に改善されて、いまごろは下請という言葉も極力避けるようにしておるわけです。だからやはり口でお互いに話し合う場合に、つい口から出るということはやむを得ないとしても、少なくとも公文書上からは、組夫とかこういった言葉は改めてもらいたい。私、この言葉を聞くたびに、何か侮べつ的な印象を受けるので、非常にこの言葉に抵抗を感じておるわけですが、この点については労働大臣から、ひとつ労働大臣として、こういった組夫とか——労働大臣は組夫という言葉は使っておりませんよ。しかし、こういった言葉をやはり改めてもらいたいということを、きょうもしみじみ感じましたので、これに対して労働大臣からの所見と、特に通産当局の方がよくこの言葉を使いますので、その点、ひとつ通産当局から、石炭部長からも御所見を承りたいと存じます。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 女中というのがお手伝いさんというふうに変わってきまして、そういうものが一つの人権尊重の用語になっているわけですから、先生のおっしゃったことは自分として非常によくわかるから、私自身も使わないようにいたしますし、ほかの者にも使わせないような雰囲気をつくってまいりたい、こう思っています。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 どのような名称がよいかは直ちに浮かびませんけれども、先生のいまの御趣旨を尊重いたしまして、何かいい名称があるかを検討してみたいと思います。

小宮武喜民社党

○小宮委員 呼び名をどうするかは、私もいますぐ頭に浮かびませんけれども、われわれは少なくとも、いままでいろいろな運動の中で、やはり人権尊重という立場から、昔からの下請だとか組夫だとか、こういった侮べつ的な響きを持つところの言葉については改めていこうということで、いろいろ運動の中でやってきた経験がございますから、呼び名をどうするかは別として、やはり組夫とかという言葉はひとつ改めていただいて、呼び名については、ひとつ当局の方にそれぞれお願いしたい。  これで私の質問を終わります。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 この際、午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時十分休憩      ————◇—————     午後二時五分開議

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  ただいま理事が一名欠員になっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 御異議なしと認め、理事に多田光雄君を指名いたします。      ————◇—————

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 次に、石炭対策に関する件について調査を続けます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中六助君。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 第六次の石炭政策の答申が近く出るであろうということは、前から予測されておりますし、作業も順調に進んでおられるようでございます。御承知のような石油情勢に端を発するエネルギーの大きな変動で、わが国は四つの島が大きな波をかぶっておったわけでございますが、こういう点から石炭の見直し、石炭政策の再検討ということが、いまほど強く言われているだけではなくて、実質的にもう検討しなければならない時期になっておるわけでございます。その重大な石炭審議会の答申でございますが、その作業にずっとタッチしております通産省、いまの段階で通産省としてこの答申案について言えるだけ、つまり私どもに国会の審議の材料となり得る点、こういう点を、まあある程度の制約はあるかもしれませんが、あからさまに、ここで報告をしてもらいたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 六月の十二日に石炭鉱業審議会の総合部会を開催さしていただきまして、今回の答申の骨子という段階で、いろいろ御審議いただいたわけでございます。答申は正式答申ではございませんけれども、答申の骨子に盛られております内容につきまして、簡単に御説明させていただきます。  内容といたしましては九つの項目に分かれておりまして、第一の項目が「石炭政策見直しの背景と新石炭政策の基本的理念」ということで記載してございまして、これには三つの項目がございます。「石炭政策見直しの背景」「石炭の重要性の認識」「新石炭政策の基本的考え方」という三つの項目になっております。  簡単に内容を御説明申し上げますと、昭和三十八年よりの石炭政策はスクラップ・アンド・ビルドによる社会政策を主としたものであったということが第一でございまして、第二には、一昨年の中東戦争を契機といたしまして、エネルギーの安定確保が必要となった。三番目に、石炭の経済性の回復でございます。これは、昨年三千円以上の炭価アップをしていただきましたこと、そういうことから総合エネルギー政策のもとにおける石炭政策の確立が急がれているのだということが背景となっております。  「認識」の点でございますけれども、一つは、石油埋蔵量の百倍に当たるものが石炭といたしまして世界各国に分布しているということでございます。二番目は、石炭のクリーンエネルギー化、流体エネルギー化の技術研究が進められている現在であるということを提言してございます。三番目に、二大石油生産国である米ソも、石炭の増産を積極的に進めておりまして、なお、西欧各国でも生産規模の維持に努力しておるということが提言してございます。四番目に、石油依存度の低下、エネルギー源の多様化ということが必要である、こういう重要性の認識という点を提言してございます。  「基本的考え方」といたしましては、石炭を可能な限り活用していくことを基本理念とするというふうにうたってございます。それから国内炭の生産維持、海外炭の開発及び輸入の円滑化、石炭利用技術の開発促進を目的とするのだということが、基本的理念としてうたってございます。  二番目の項目といたしましては「新石炭政策のフレームワーク」でございまして、これも三つの項目に分かれておりまして、一つは「政策実施のための見通し期間及び実施計画」でございまして、五十一年から六十年の十年間の見通しのもとに、政策体系を策定するということでございます。それから石炭供給、石炭企業経営の安定化を図るため、三年間の具体的な計画を確立する。この計画は毎年一年ずつ延ばしていきますいわゆるローリングプランとするということをうたってございます。  それから二番目に「総合エネルギー政策及び他のエネルギー政策との有機的連けい」でございます。エネルギー需給及びエネルギーのコスト、価格体系における石炭の位置づけにつきましては、総合エネルギー調査会との連絡を密にしながら、向こうの方でも審議していただくということを書いてございまして、電源開発における石炭火力の比重あるいは石炭価格と電力料金との関係を、国としてもはっきり方針を出すことを期待するというふうにうたわれております。  三番目が「一般炭と原料炭の関係」でございます。一般炭と原料炭は品質あるいは用途あるいは需要業界が異なる反面、生産者価格にとりましては条件はほとんど同じでございまして、石炭選炭コストというものを除きますとほとんど同じでございますので、そういう点から見まして、一般炭と原料炭の価格におけるバランスというものについて配慮をするべきであろうということを提言してございます。  三番目が「国内炭生産の維持」でございまして、「国内炭生産に関する基本的考え方」は、原料炭につきましては品質上の特性、国際的需給の状況、輸入炭の交渉力保持の観点から、また一般炭につきましては、電源の多様化、二番目に国内資源の活用、三番目に国際エネルギー政策への協力という観点から、国内炭の生産維持は不可欠であるというふうにうたってございます。また、現有炭鉱の生産能力、新規炭鉱開発の可能性と現在の見通しを前提といたしまして、二千万トン以上の生産規模を維持するというふうにうたわれております。  二番目に「生産体制」でございますけれども、現有炭鉱につきましては、労使双方の自主的努力のもとで、現行の私企業体制を維持するというふうにうたってございます。また、新規炭鉱につきましては鉱・公害、露天採掘跡地の利用の問題等がございますので、関係地方公共団体等の了解と協力を前提とするということもうたってございまして、地方公共団体、需要者、石炭企業により構成されます共同開発体を主体として進めていくことが適当であろうというふうにうたわれております。なお、鉱区調整の強化を当然やるべきであるというふうにうたわれておりますし、一方、閉山対策といたしましては、資源の枯渇、不良炭鉱等のためにやむを得ず閉山する場合におきまして、炭鉱という労働集約性の高い企業でございますので、不幸にして閉山があった場合にも、労働者の退職金支払いということを考えるべきであるというふうにうたわれております。  それから三番目に「石炭企業の収支改善」でございますけれども、できるだけ早い機会に石炭企業の経常収支が黒字になることを目的として、需要業界あるいは生産者の協力を求めております。また需要業界の価格面での協力を求めると同時に、直接需要者のみに負担をかけないように、ということは最終需要者というようなことでございますけれども、最終需要者とあわせて財政の強化という点もうたってございます。  四番目が「石炭価格の基準」でございますけれども、一般炭は石油火力と比較されるものといたしまして、石油火力より割高になる場合におきましては、国民経済的に許される範囲におきまして、電力料金との関係を考慮しつつ、割り高分を吸収するということについて検討しろということでございます。また原料炭につきましては、輸入原料炭価格を基準といたしまして、競合財価格の一時的変動にかかわらず安定的に維持できるように考えるべきであるということを指摘してございます。また、そのための基準炭価を通産大臣が決定するように指摘してございます。  五番目が「格差の是正」問題でございますけれども、自然条件、立地条件等、企業努力以外の理由によって生じます収益上の格差につきましては、安定補給金等の傾斜配分について考慮すべきであるということをうたってございます。  六番目に「労働環境の改善と労働力の確保」につきましては、午前中御説明したとおりでございます。  四番目に「海外炭の開発・輸入」という項目を取り上げてございます。  「海外炭の開発・輸入の必要性」ということにつきましては、石油依存度の低下、エネルギー源の多元化、分散化を進めるためにも、海外各地に多量に賦存しております石炭が、今後、重要な役割りを果たすものと考えまして、また石炭企業が持っております技術を積極的に活用することが、海外協力を円滑に進め、石炭企業の体質改善にも役立つということで、海外開発あるいは輸入の必要性ということをうたってございます。  二番目が「現状」でございまして、現状は、数量でございますけれども、原料、一般入れまして約六千万トンの輸入、うち一般炭は特別に昨年度、審議会で許可いただきまして、実質としては四十万トンという数字がうたわれております。  三番目が「原料炭」でございまして、原料炭問題につきましては現在、輸入体制は整備されております。ただし、長期契約の二五%というものが、日本側が何らかの形で開発協力をしておりますので、おおむね現在の原料炭の輸入につきましては、従来の方針を踏襲すればいいのではなかろうかということがうたわれております。  四番目の「一般炭」でございますけれども、一般炭につきましては、新設される石炭火力は一応五十五年五百万トン、六十年度千五百万トンというふうにうたわれておりますけれども、ただいまこの数字につきましてはエネルギー調査会の方の審議の状況、あるいは電調審の方で検討いたしておりますので、少々変わると思いますけれども、将来こういうように石炭火力の建設によります石炭の需要の増大というものに対しまして、安定的、効率的に輸入するための、輸出国との開発協力あるいは石炭専用船、港湾、ストックヤード等を含む一貫した輸入体制を整備する必要があるということがうたわれております。  五番目に「国内炭と輸入炭の関係」でございますけれども、国内炭優先を原則とするというふうにうたってございます。また、輸入炭につきましては品質面や供給安定性の面で、国内炭をより有効に活用できるということをうたってございます。  五番目が「需給調整」でございます。これが三つの項目に分かれておりまして、一つが「需給計画」。これは先ほども申し上げましたように、三カ年のローリングシステムによります需給計画を政府が策定するということになっておりまして、これを受けまして石炭業界と大口需要業界は、需給計画に基づきます三カ年の「供給・引き取り目標」を設定するというふうにうたわれております。  それから三番目の「輸入炭の活用」でございますけれども、先ほども申し上げましたように自然条件の悪化へ事故等によります一時的な生産減少に対しまして、供給の安定性を維持するため輸入炭を活用すべきであり、なおストックパイルとして輸入炭を活用することが望ましいというふうにうたってございます。  六番目の「技術研究開発」でございます。  「現状」につきましては、水力採炭等世界に誇り得る技術もあるわけでございますけれども、技術研究、特に利用技術の研究がおくれているということを指摘してございます。  二番目の「促進すべき技術開発の課題」でございまして、長期的課題といたしましては石炭のガス化、液化の開発、緊急課題といたしましては、今後の深部、奥部移行に対処する保安確保、労働環境改善、究極的には自動化、集中制御等の省力化技術の開発ということの必要性をうたってございます。  三番目の「技術開発の推進」でございます。総合的、計画的に推進するため石炭技術研究所の充実を図ること。あるいは公立の研究所、大学、民間の関係企業の研究所への参加の必要性。ガス化、液化に対する鉄鋼、電力業界の協力を求めておるところでございます。  四番目が「国際協調の推進」でございまして、OECD、IEA等におきます石炭の技術開発につきましては、国際的な共同研究あるいは情報交換、技術者の交流等がすでに活発化してきておりますことからして、わが国も国際協調の必要性があるということをうたってございます。  七番目に「保安の確保」でございます。  二つの項目がございまして、一つは「基本的方向」でございまして、深部化に伴う地圧の増加、温度上昇、ガス量の増加等、自然条件の悪化に対する保安確保に対する援助あるいは研究、教育の充実の必要性ということをうたってございまして、「具体的対策」といたしましては骨格構造の整備促進、保安確保工事、保安機器の整備拡充、保安技術の研究開発の促進、保安教育の強化、指導監督の充実という点がうたわれております。  八番目に「政策実施手段」でございまして、「石炭鉱業合理化事業団及び電力用炭販売株式会社」でございますけれども、これは新石炭政策との関連で組織、機能について検討すべきであるということがうたわれております。  二番目の「石炭技術研究所等」でございますけれども、石炭技研あるいは現在持っております鉱山保安センター等の諸機能の効率的な活用を図ることということがうたわれております。  三番目が「法律措置」でございまして、所要の法律措置を行うべきであることがうたわれております。  「その他の措置」といたしまして、資源エネルギー政策との均衡に配慮しつつ、その他の所要の措置を検討することというふうにうたわれております。  また、石炭鉱業審議会につきましては、現在の審議会のあり方について極力簡素化し、実のあるものに改組しということで、政策部会あるいは経営部会、需給・価格部会という三つの部会を新たに設けたらどうかということがうたわれております。  最後に「鉱害対策、産炭地域振興対策、離職者対策」でございます。  この三つの対策につきましては、今回の石炭のあり方という新しい政策の中での直接の審議対象にはいたしませんでしたけれども、従来の対策の趣旨を尊重いたしまして、それぞれ実情に即し、引き続き必要な対策を講ずべきであるということが提言されております。  以上、簡単でございますが御説明を終わります。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 いま今度の六次答申の概略を説明いただいたわけでございますが、そうするとこの六次答申では、石炭の一つの採炭の基礎として、二千万トンは必ず確保するということを明確にうたうわけですね。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 先ほども申し上げましたように、案の中には二千万トン以上の生産を維持するということがうたわれております。まだ正式の答申ではございませんけれども、現在うたわれておりますことは大差ないような形で出てくるものと思いますし、また先週の十二日に審議会の各委員からいろいろ御意見が出ましたことをベースにいたしまして、ある程度の修正というのは出てくると思いますけれども、生産数量につきましては何ら変わるところはないというふうに考えております。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 そうすると、大体十年間ぐらいは二千万トン必ず維持できるという確信を、科学的なデータでお持ちですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 試算といたしましては、いろいろそういう試算をいたしまして、現在の山をベースにしながら、今後、再開発できるところ、あるいは事業団の保有鉱区等々の開発と合わせまして、二千万トン以上を十年間の目標として維持したいというのが原則でございます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 ぜひとも二千万トンをその期間キープしてもらいたいのですが、いままでの答申はスクラップ・アンド・ビルドということで、石炭のトン数を言っておっても、それがそのとおりなかなか実行できなかったということに問題があったような気がしますし、それから二千万トンを本当に維持するには、スクラップ・アンド・ビルドの中に隠れた質的なものが非常に問題を抱えていると思いますので、その点、皆さんベテランだから、十分配慮の上、よろしくお願いしたいと思います。  次に問題なのは、六次答申では石炭審議会を、新石炭対策に対応したものとして極力いままでのものから簡素化する、しかも実のあるものにしたいという報告のようでございましたが、もう少し具体的に、この審議会をどうしたいのか、どのように簡素化するのか。と申しますのは、私どもがずっとこの審議会の答申を見ておりますと、通産省は隠れみのに使うというような表現は別にしても、この審議会のメンバーが何年もほとんど変わらない。時代の変遷があり、新しい何かを注入しなければいかぬのではないか。よその部門ではそういうことが行われているのだが、ただベテランであり、なれておるということから、少しの動きもない、むしろボス化したような形で考え方も定着する。やはり新しい革袋に新しい酒を盛るというようなベースがなければ、新政策というものはうたわれないのではないか。過去の答申に誤りがあったとするならば、この審議会のメンバーの人にも責任があると私は思うのです。それが口をぬぐったようなかりこうで、いつも同じようなメンバーが、来る日も来る日もいるというような印象を強く受けておるわけでございますが、この点どうでしょうか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいま石炭鉱業審議会には十一の部会がございまして、定員四十五名ということで運営しておるわけでございます。ただいま先生から御指摘のございましたとおり、いろいろ審議をしていただく私どもとしても、問題があったのではなかろうかというふうに考えておりますけれども、今回の新政策を機会にいたしまして、もう少し簡素化して実のあるような審議会の運営をやったらどうか。これはまた一方、石炭業界の方からもいろいろそういう御意見も出ておりますし、また、組合の方ともいろいろ御相談しておりますけれども、今回はできるならば、先ほども申し上げました政策部会、経営部会、需給・価格部会という三つの部会を設けまして、政策部会においては、経営全般問題あるいは収支問題、新鉱開発の問題。それから経営部会におきましては、労働問題、あるいは不幸にして発生するような場合があります閉山問題。あるいは需給・価格部会におきましては、いわゆる石炭価格の問題、将来の長期取引の問題等々につきまして、この三つを中心にして考えていけばいいのではなかろうかというのが現在の案でございます。  なお、このほかに鉱害部会というのがございまして、普通、臨鉱法の方に審議会の設定がうたってあるべき性質のものでございますけれども、現在、鉱害復旧の臨時措置法の中には、鉱害問題についての審議会がございませんので、いま合理化法に基づきます石炭鉱業審議会の中で鉱害問題を取り扱っておりますので、この部会だけは、いずれ鉱害関係の法律改正の時点までは、当鉱害部会としての存続が必要であろうというふうに考えております。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 いずれにしても審議会を、ひとつ新たな模様がえのためには、魂も入れてもらいたいという気持ちでございます。  長期にわたって国内の石炭生産を維持していく、つまり二千万トンをずっと維持していくということのためには、石炭産業が成り立たなくては話にならないのです。いつも国におんぶしていく、これは私企業みたいな、本当言うと私企業か何かわけのわからぬような実態ではないかと思います。しかし、それでも私企業の体制を整えて、自由な経営の方が親方日の丸よりもいいというメリット、そういう点を考えれば許されるという見解も成り立つわけですが、石炭経営者は必死でやっておるから、そういうことはとんでもないと言う方もおるかもしれませんが、私は、いま言ったような見方をされてもしようがないような現実があったのではないかと思う。  いずれにしても収支改善の目途を立てなければならないわけでございますが、トン当たり二千六百円ぐらいの赤字が出るとかいううわささえ聞いておるのです。そういうことでは非常にお先真っ暗でございますし、そういう点の配慮といいますか、そういう点についてどういうふうにお考えか。そういう石炭企業が黒字になるということが至上命題と思いますが、その方途というようなことが、もちろん行政指導をいままでやってきた皆さんの中には、頭にあると思いますが、その点はどうですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 四十九年度末の石炭企業大手の平均が約千五百円強ということで経常損失がトン当たり出ているのは事実でございまして、先ほど、本年度の賃金交渉で労使間で妥結しましたベースを入れますと、大体いま先生が御指摘のとおりの二千五、六百円の赤字になるのではなかろうかと思います。本年度の見通しでございますけれども、またこれに恐らく流通経費の増加分とか、あるいは鋼材その他の値上がりというようなことを加味いたしますと、恐らく炭価が一定であるとするならば、約三千円前後の赤字が、ことし出るのではなかろうかと思います。一方、近いうちに恐らく石炭業界と需要業界の方の炭価交渉が始まるものと期待しておりますけれども、この赤字を消すべく需要業界の方に、石炭業界として炭価交渉等でお願いになるのではなかろうかというふうに考えております。  またこういう炭価交渉の方で幾ら上げていただくかの結果にもよりますけれども、私どもといたしましては、少なくともエネルギーとして見直されました石炭に対する需要業界の協力ということもベースに置きつつ、不足する分につきましては財政で援助しつつ、石炭企業ができるだけ早い機会に黒字になることを目的として、政策をいろいろ練っているわけでございまして、まだ具体的な数字につきましては、これはちょっとここで申し上げるわけにはいきませんけれども、数案つくりまして、大蔵の方ともいろいろ現在、打ち合わしている最中でございます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 炭価のこれからの決め方、その決定価格を具体的には、いまここでは言えないということですので、この問題は、具体的に言ってもらわなければ先に進めませんから、次に移ります。  石炭価格の中で問題になるのは、いま、あなたの指摘なさったように、いつも電力用炭の価格でございます。これと必然的にさらに結びつくのは電力料金の関係でございますが、この問題について結局、電力用炭の価格をユーザー側にどうするかというようなことが、頭の痛い、いつも炭価の決定のときに問題になるのですが、一つの方法として、電力料金でそのまま電力用炭の価格がカバーできるというようなことも、一つの方法ではないかと思われるのです。こういうことについて通産省はときどき考えておるというようなことを聞くわけでございますが、現状はどういうふうになっていますか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 私どもといたしましては、一般炭につきましては大口需要家である電力業界の方の協力を得たいという希望でございまして、現在、油と比較いたしましても、恐らく石炭の方がカロリー当たりで見ましても安いという状態になっているのではなかろうかと思います。しかし一方、電力料金との関係がございますので、その辺、十分慎重に炭価アップをお願いしなくてはならぬ点であろうと思いますけれども、電力用炭につきましては、いわゆる電力業界といたしましても石油危機以来、電力供給エネルギー源の多様化という見地から、石油依存度の低下あるいは国内資源の活用という見地から、また、いま申し上げました石炭の相対的な競争性の回復という点から、十分、石炭の重要性について認識いただいておるところでございますので、そういう点、電力業界のいろいろ問題がございますけれども、協力が得られるものというふうに考えております。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 石炭の国内炭鉱の新規開発の問題でございますが、これは前の委員会のときの質問の一部にもありました。それから石炭業界でも問題になっておりますが、いろいろな新規開発についての具体的な措置として、あなたたちがいつも説明しておるのは、通産省が第三セクターに出資できるというような形、つまり合理化事業団が第三セクターに出資するという形で、国が何かそれに参加したらどうかということ、これは実は余り業界では好んでない面もございます。やはり政府の一つの援助があるという以上はチェックも必要でしょうから。そういう意味で、この第三セクターというのが大きくクローズアップされておるわけでございますが、事業団と第三セクターの関係、こういうものについて、いま通産省が考えておることはどういうことですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 第三セクターの考え方につきましては、例の鉱害問題あるいは地元の協力ということが得られませんと、今後たとえば天北の新鉱開発等々におきましても、なかなか困難ではなかろうかというようなことで、第三セクター方式を、地元も入りましたいわゆる共同開発体に対する第三セクターというようなことで考えておるわけでございまして、これは当然、需要業界も入っていただくというような考えも持っておりますけれども、これにつきましては合理化事業団からの出資の必要性について現在、検討を加えておるところでございます。  なお、こういう第三セクター的な考え方につきましては、当然、審議会の中での政策部会の新規開発というような項目でも、十分検討をいただかなくてはならぬところだろうと思いますけれども、私どもといたしましては、こういう開発形態の方が、今後より合理的に開発できるのではなかろうか、といいますのは、先ほど申し上げましたように露天掘り等がございますと、跡地利用等の問題もございますので、地元の御協力あるいは了解ということも大きなファクターになってまいりますので、そういう方々も入っていただいた共同開発体への国の関与という方がベターではなかろうかという考えでございます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 今回の第六次答申の概要の説明を受けたわけですが、いま質問しておりながら私、ずっと考えるのですが、新しい革袋に新しい酒を盛るというのだったら、何かまだ新しいものが出てきて、本当に石炭政策というものを見直すことになるのではないか。見直すというけれども、同じようなことが行われるのではないかなと、項目を見ていると思うのですね。それでただ一つ私も責任が多少あると思うのですが、私の選挙区が大騒ぎして、鉱害対策とか産炭地振興対策とか、離職者対策が今度の答申に欠けておる、それは大変だということで、特に筑豊地帯が大会を開いて、また東京に来て押しかけて、通産大臣の私邸まで乗り込むとかなんとか大騒ぎするものですから、それはいけないということで、私もこういう鉱害対策、産炭地振興対策、離職者対策は第六次の答申に盛り込むようにお願いするようなことは、一応、各審議会の委員の方にもお願いして回ったわけですが、本当は考え方に二通りあって、純粋な石炭だけの石炭特別会計ではないか、こういう後向きの処置は、この石炭特別会計に盛り込むべきではないという考え方もあるわけです、一つの考え方に。そういうことで、そういう離職者対策とか鉱害対策、産炭地振興対策を落としたか落とさぬか、それは疑問で、それは断定はできませんが、この特別会計というものが五十年以降も存続させるかどうかということに第一、疑問を持つし、そうあったら困るがなあということが、私は頭に浮かぶのですが、その点に対するお答えをひとつお願いしたいということと、つまり、石炭特別会計を石炭プロパーにして、あとのアフターケアをやるものについては別のところに、あるいはそれぞれの専管の省の予算に組ませるか、あるいはその特別会計を第二石炭特別会計というような考えでそこに盛り込むか、そういうようなことも一つの考えとして出てくるわけですが、その二つの点について、第一点は、この石炭特別会計は果たしていつまであるのだろうか。それから第二点は、この特別会計を、アフターケアの部分とあるいは石炭プロパーの石炭特別会計にするというようなこととの二つに分けるような考えはどうかということについて、御見解をお願いしたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 現在の特別会計法は期限といたしまして五十一年度まででございまして、これの中には産炭地域対策あるいは鉱害対策、離職者対策、こういうものに金を出すのだということもうたってございます。現在のところ石炭部としてはこれを変える考えもございませんし、とやかく言うあれはないと思います。  なお、二番目のいわゆる石炭プロパーの問題とほかの群に二つに分けたらどうかという御指摘がございましたけれども、この点につきましては現在そういう考えを持っておりませんけれども、一つの方法として検討はしてみたいというふうに考えます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 私の時間も経過しましたし、篠田先生もお待ちですから、これで終わりますが、本当を言うとまだまだ、いろいろな問題がございますし、これから答申が実際に出て、それから、これが裏づけになって実行されるわけでございまするので、その正式の発表を待って、またいろいろな御質問をしたいと思います。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 篠田弘作君。

篠田弘作自由民主党

○篠田委員 田中委員の質問と多少重複するところはあると思いますが、私は通産大臣に対して二、三の質問をしたいと思います。  まず一点は、石炭特別会計は五十一年度限りで廃止されることになっておりますが、これをこのまま延長していく考えが通産大臣にあるか、また、そういう方策をとっておられるかどうか、お答え願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 延長の方向で関係方面と交渉するつもりでございます。

篠田弘作自由民主党

○篠田委員 いま田中委員から言われました、新しい石炭政策の中から鉱害、離職者対策、産炭地振興を抜いて、一般会計から出したらいいではないかという、審議会の中にそういう意見があるようであります。しかし、石炭は明治以来百年の歴史を持って、それが非常なエネルギー革命によって危険に陥ったときに、どうしても一般会計からでは処置ができないということで特別会計をつくったにもかかわらず、わずか十五年足らずの石炭政策をやって、鉱害とか離職者対策とか産炭地振興といったような石炭にとって最も重要な部門を占めるものを、後向きだから一般会計から出すというような意見が審議会にあるということは非常に残念であります。同時にまた、それに従って通産省がこれを後向きと認めるかどうかということをお答え願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 審議会の方でいま検討をしていただいております一番の骨子は、一昨年の中東戦争以来、日本のエネルギー事情というものが根本的に変わったわけでございます。その根本的に変わったエネルギー情勢の中におきまして、エネルギーとしての石炭の占めるべき地位、立場、役割りというものはいかなるものであるか、こういうことについて御検討していただいておるわけでございます。そういう意味におきまして、先ほど御指摘のございました幾多の問題点、たとえば鉱害対策、産炭地域振興対策、離職者対策、こういうふうな問題につきましては審議の対象にはいたしておりません。しかし、それは決してそういうことが重要でなくなった、そういう意味では絶対ございませんで、審議をお願いをいたしました趣旨は、私が先ほど申し上げましたような趣旨でございますので、そういうことになっておりますが、いま申し上げましたような、こういう三つばかりの問題というものは、石炭政策を進めていく上におきまして、やはり依然として非常に重大な問題であろう、私はこういうふうに考えております。したがいまして、こういう問題につきましては、従来の対策の趣旨というものをさらに尊重しながら、それぞれの実情に応じまして、引き続き必要な対策というものを継続していきたい、こういうふうな考え方でおるわけでございます。

篠田弘作自由民主党

○篠田委員 エネルギーとしての石炭ということは、これは当然でありますけれども、石炭を見直すということは、言いかえれば石炭産業というものの重要性を見直して、有機的な運営をするということでありますから、エネルギーである石炭というものだけを取り上げるということはどういうことかわかりませんけれども、そういう施策というものがお互いに関連をして、石炭政策の見直しというものができると私は思います。それを、そういう問題は後ろ向きであるからというようなことを発言している委員もあるそうだが、先ほど田中委員からも言われましたように、審議会のいわゆる考え方、あり方は、私は立場が違いますから別に批判をする考えはありませんが、事実問題として審議会の最初の失敗は、何といっても輸血をしなければならない危篤の病人に、逆に千二百円のコストダウンという血を抜いたことから始まっている。それ以来、五回の答申がありましたが、答申が出るころには、いつでも事態はさらに進行しまして、常に手おくれ手おくれです。そういうような状態は率直に認めてもらわなければ、学識経験者やいろいろの権威が集まっておるからといって、それの言ったことが神様のお告げであるかのごとき、いま田中委員から隠れみのと害われましたが、そういうような形で通産省が、審議会の言うとおり、過去の失敗というものを何ら認めないで今後やっていくならば、何回の答申が出ても石炭の見直しはできないと私は思う。そういう点について、通産大臣の確固たる見解をお聞かせ願いたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 先ほども申し上げましたように、エネルギー事情が激変をしたわけでございます。その中において石炭がどういう役割りを果たすべきかということについて、いま検討していただいておるわけでございますが、当然、現在の石油事情から考えまして、石炭の果たすべき役割りというものを非常に重視していかなければならぬ、これまでと根本的に考えを変えて重視していかなければならぬという立場に当然なると思います。先ほど高木石炭部長が、現在の審議会における審議の模様等につきまして中間報告をいたしましたが、その内容も大体そういうふうになっておると思います。しかりといたしますならば、石炭が非常に重視されるということになりますと、石炭政策を実行するために、それに付帯するいろいろな仕事、先ほど御指摘のございました鉱害対策それから産炭地の振興対策あるいは離職者対策、こういうものに対しましても、これまで以上に力を入れていきませんと、新しい強力な石炭政策というものが実行できない、こう思います。でありますから、審議の対象にはいたしておりませんが、それはそういう趣旨でございますので、決してこれを軽視するという意味では絶対ございません。むしろ、これまで以上に重視をいたしまして、新しい石炭政策を実行するために必要なこれらの対策というものは十分やっていきたい、また予算の裏づけも十分やっていきたい、こういうふうに考えております。

篠田弘作自由民主党

○篠田委員 河本通産大臣の考え方あるいは熱意は認めますが、実は石炭特別会計の財源であった原油の関税収入の中から十二分の十を石炭特別会計に繰り入れるという従来のやり方でありましたが、この四十八年に廃止されるときに、私は何回も石炭当局に向かって、これがなくなっても十二分の十は確保されるのかと聞きました。そうすると当時の局長、石炭部長以下皆、そのとおりだ、必ずやりますと言った。ところがその後そうはならないで、五十年度の予算は恐らく十二分の八・二くらいになるだろうという計算になります。そうしますと、その差額というものは二百七億円以上になる。口ではやる、やると言うけれども、現実として石油関税の十二分の十は繰り入れられていない。そういうことがありますから、河本大臣の御意見、熱意は認めますが、どうかそういうことのないように、産炭地の振興とか鉱害とか離職者対策を、一般会計に回して間違いなく予算をとるといっても、一般会計は毎年毎年、大蔵省とかいろいろな関係と相談をしながら取るのでありまして、安定性がありません。そういうことから、私はやはりそれは新しい石炭政策の中に鉱害、離職者、産炭地振興といった有機的な関連のあるものを入れて、そして予算をつくってもらいたいということをお願いし、また希望いたします。  これで終わります。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 岡田春夫君。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 午前中の質問に引き続いて、労働問題も若干不十分でございましたので、もう一度戻って通産省の意見を聞く場合もあります。それはひとつ御了解の上で質問を進めさせてもらいますが、今度答申されると言われている政策は、何か新しい政策である、盛んにそう言われているのです。場合によっては、第五次までの答申とは違って新しい第一次の新政策である、こういうような意見も実は出ているようです。そうすると、そこら辺まず確かめておきたいのですが、新政策というのはどこが一体新しいのですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 一次から五次までの政策といいますのは、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドということで、縮小の方向に向かいつつ、その中で振興もやり、あるいはできるだけなだらかな閉山の形で持っていくというのが主体でございまして、いわゆる地域問題、社会政策ということを主体にした政策ではなかったろうかと考えております。今回の新しい石炭政策でございますけれども、名前は六次でも、あるいは新政策でもいいのでございますけれども、私などとしましては、少なくとも前みたいなスクラップの方向に向かう石炭政策ではないという意味からも、新政策ということで発足した方がいいのではないかという気持ちでおるわけでございます。  なお、いままでの五次までの石炭政策の中におきましては、油との競争関係におきまして、価格が上がらない、ほとんど一定であるということを前提にいたしまして、その中における財源の確保等いろいろな問題があったわけでございますけれども、先ほどから御説明いたしておりますように、エネルギーとしての石炭ということで、石炭の価値も回復したわけでございまして、今後、遠い将来をながめますと、まだいろいろ問題はあろうかと思いますけれども、少なくとも現在の生産規模を最低ベースといたしまして、先ほどからいろいろお話がございますような「以上」の方向にできるだけ早い機会に持っていきたい。価格面でも、経済性の問題から、需要業界の取引協力も強く要請していいのではないかという趣旨によりまして、需要業界と石炭業界の量の取引、価格における協力あるいは不足する分の財政協力というような点におきまして、石炭をできるだけ長期に維持していくということを基本にしておるわけでございまして、そういう点からいけば、いままでの一次から五次までの政策とは、ある程度意味が違うのではなかろうかと考えてるお次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 スクラップ・アンド・ビルド、いわゆる撤退作戦と言われておる。この撤退作戦をやめて、今度は生産規模を拡大するという方向で新しい政策だ、こういう意味なのか、撤退はやめたが、現状を維持するという政策なのか、それはどっちなのですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 撤退はやめたが現状維持という意味ではございませんで、午前中も御説明いたしましたように、四十九年度の生産量は二千三十万トンでございます。この中には、鉱命的にはそう長く続きません露天掘りの生産量も百七、八十万トン入っておりますし、なお山によりましての深部移行に伴う保安上の問題あるいは一部炭量の枯渇という点からいきまして、現有鉱のみで考えました場合には千八百数十万トンというようなことになるのではなかろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、事業団が保有しております鉱区、いままでに消滅いたしました鉱区あるいは新しく掘れるところもございますので、本年度二億五千万の予算を大蔵の方からいただきましたが、それをベースといたしまして現在、調査にかかりつつあるところでございます。こういうことから考えますと、一応図上的には五百万トンぐらいの規模の山ができるのではなかろうか、しかし、内容的にいろいろ検討いたしますと、これは一緒にスタートした場合でございまして、時期のおくれとか地域の問題等もございますので、御協力を得つつとはいいながら、いろいろ問題もあろうと思います。そういうことも解決しつつ、五百万トンの約半分と見ても二百五十万トンでありますので、量的には二千万トンという数字ではございますけれども、内容的にはいま申し上げたような新鉱開発を進めつつ拡大していくのだという姿勢でございます。  この数字につきまして、二千三百あるいは五百という目標数字をぴしゃっと定めるべきではないかという御意見もございますけれども、いま調査もやっておるような次第でございまして、この辺の具体的な数字が決まってくれば、ローリングプランの中での目標ということで入れていけばいいわけでございます。いまここで直ちに何年先が何万トンというようなことは、需要業界に対する供給責任という点からいきましても、仮にそれが供給できなかったということになりますと、いろいろな問題が発生するのではなかろうかということもありまして、規模といたしましては二千万トン以上ということにしておりますけれども、午前中も御指摘のございましたそういう数字につきましては、ローリング計画の中で具体的に詰めていったらどうかという気持ちでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いま質問しようと思ったのを先に答弁されてしまったのだが、ここら辺は後で、またもっと掘り下げて質問いたします。  答申はいつお出しになるのですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 六月十二日に総合部会で骨子についての審議をいたしましたことは、先ほど御説明したとおりでございまして、このときに、それぞれの業界、それぞれの団体から、いろいろな意見が出ております。これを尊重いたしまして、今月の二十四日でございますけれども、三人の専門委員の先生を中心にいろいろ修正あるいは文書の形での考え方の整理をしたい。また、きょういろいろ先生方の方からの御指示もございますので、そういう点も加味しながら、できることならば二十四日に文書にしたいというふうには考えております。ただし、片一方、石炭の発電所の建設等の問題もございますけれども、先ほど私、五十五年度五百万トン、六十年度千五百万トンということを申し上げまして、数字が一部変わるであろうということを申し上げましたが、総合エネルギー調査会及び電事審が今月末及び来月の初めに開かれるようになっておりますので、それとも十分連絡をとりつつ、はっきりした数字で石炭の答申を出した方がいいのではなかろうかということになりますと、あるいは七月に入ってからになるのではなかろうかと思いますけれども、業務上あるいは来年度の予算編成上、六月じゅうにぜひ答申をいただかなくては、何か支障があるというわけでもないので、その辺は組合の方々とも御相談しつつ、最終答申日を遅くとも七月の十五日ごろまでには、ほかの審議会との関係で出したいと考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 ちょっと高木さん、私、時間が五十分しかないので、要点だけお答えいただきたい。  河本通産大臣は二月二十六日の予算委員会分科会で「私も一部の新聞でそういうことを見ましたが、これは重ねて急いでいただきまして、できるだけ、遅くとも六月ぐらいには出していただくように取り計らっていきたいと思っております。」と述べておられます。あなたは、六月中に出すのだとおっしゃっておる。ところがもう七月になる。ここら辺は、大臣、一体どうなのですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 作業を進めておるわけでございますが、当時は六月いっぱいというふうに一応予定しておりましたが、いま石炭部長が答弁いたしましたように、少しはおくれるかもわかりませんが、七月の中旬までには出る予定でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 七月の中旬というと、予算の概算要求は七月いっぱいですから、あと十五日しかないのですよ。私はあえてあなたの食言問題を責めようとは思っていない。思っていないけれども、これは新年度予算の問題で、先ほども御質問があったように財源が伴うという問題ですから、そういう点から言うと七月十五日ということでは遅過ぎることになるのではないか、こういう点を懸念するから私、御質問をしているわけです。この点はどうですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 予算の編成は八月末まででございますので、その点からいきますと時間的には問題ないと考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 しかし、そういう点は、予算上の問題が非常にありますので、今後ひとつ十分御努力をいただきたい。あえて私は食言の問題は言いません。  そこで、具体的に伺ってまいりますが、まず第一に、生産の規模の問題です。これは先ほど高木さんにも速記録をお見せいたしましたが、重要ですから読んでおきます。「高木政府委員 五十五年度と六十年度の見通しを、私どもとしましては計算いたしまして、五十五年と六十年には二千万トン以上の数字を間違いなく出せるという見通しが立ったものですから、ああいう数字を出したのでございますけれども、では、その前後の五十八年度はどうなるかとか五十三年度はどうなるかというような数字は、いまのところまだ出しておりませんので、その辺もあわせまして、今後検討したいと思っております。」また、増田エネルギー庁長官は「ただ、これも先生よく御存じのように、二千万トンという数字に持っていきますためには、国の努力のみならず、需要業界その他の相当な援助、協力を得なければ達成できない。その点を詰めて、具体的な数字を出したいと思っておりますが、形といたしましては、二千万トンないし二千万トン以上を確保する、」と言っている。だから、数字はあるはずです。昭和五十五年と六十年の数字をここにお出しいただきたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 先ほども田中先生の御質問でお答えしたとおりでございますけれども、現有の将来のあり方あるいは事業団の保有鉱、新鉱を含む将来のあり方ということについての検討はいたしております。ただし、その数字がまるまる乗ってくるかどうかというようなことも、現在の調査費、例の二億五千万の調査費でございますけれども、そういう調査費で調査している結果をはっきり見た上で、ローリングプランの中で、生産数量が二千百になるのかあるいは二百になるのかということを決めていった方がいいのではなかろうかということでございまして、現在は二千万トン以上という数字でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そうすると、あなたはこの予算委員会でも答弁しているし、それからきょうの答弁にもあるのだが、二千万トン以上という数字以上は出せない、計算していない、こういうことですか。五十五年も六十年もそういう数字はないのだ。逆に言うならば、さっきの答弁などを聞いていると、現有炭鉱で大体千八百万トン。それから約五百万トンあるけれども、それを半分に見て二百万トン強。だから二千万トン「以上」という言葉がついたのは、これはきわめて政策的な発表で、いかにも生産規模が拡張したような印象を与えるために出しているのであって、実際は二千万トンしか考えていないのだ、こういう意味ですね。二千万トンということならば、これは第五次答申の昭和四十七年六月二十九日の答申も、それから昨年の中間答申も、二千万トンはもう全部書いてある。それならば、新政策で二千万トンという数字は何も新しいものではないではないですか。生産規模の拡大なんてないではないですか。生産の数においては二千万トンで、以前も昨年も全部同じ。新政策で生産規模を拡大して、エネルギーの中に石炭の位置づけをするのだとおっしゃるならば、石炭はこれだけになります、試算としては——あなたは現在、試算しかできないと思いますよ。試算としては、たとえば昭和五十五年には二千四百万トンになります、昭和六十年には二千五百万トンになりますと、「以上」なんという抽象的な表現ではなくて、試算表の数字があるはずなのです。その数字を出してくださいと言っているのです。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 二千万トン以上という数字につきましては、同じ石炭鉱業審議会の昨年の中間答申にもありますように、そういう表現になっておりますし、なおその前に、昨年の七月の総合エネルギー調査会との関連におきます総合部会の方の答申の数字も二千万トン以上ということになっておりまして、生産量そのものについての考え方は全然変わっていないわけでございます。むしろ、それを維持するためのいろいろな政策手段というものを、たとえば需要業界の協力とかあるいは新鉱を開発するためのどういうような手段とかいうことを、今度の審議会でいろいろ検討していただいているわけでございまして、数字そのものは、先ほどから申し上げますように、消滅区域あるいは新地域の区域での可能炭量、生産量というようなことで、いろいろ数字はつくっておりまして、これをベースにして、先ほど申し上げますように、約半分ということを申し上げておりますけれども、審議会の方でも、数字そのものは前の総合部会でも確認いただいたという数字でございまして、現在これを二千二百とかあるいは二千五百とかという数字を、政府として目標数字を出すことは危険ではなかろうかという感じでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 あなた、計算しているなら、どうして出せないのですか。昭和五十五年と昭和六十年、どうして出せないのですか。需要、ユーザーの方の問題があるからといったって、そんなことは理由になりませんよ。逆にユーザーの方は、それだけのものが出てくれば一つの目安ができるから、かえっていいのですよ。それならば試算しているものをお出しくださいということで伺って、いまたとえばどういう数字が出ても、そこで試算の問題が一々後まで尾を引くような問題ではないですよ。皆さんの方でどれぐらいのめどを持っているのだ、五十五年にはどれだけになります、六十年にはどれだけになりますという数字を、試算表が出せないなどという話はないと思う。  大臣、どうですか。そうでない限りわからぬではないですか。二千万トン以上などという、「以上」というのは数字ではありませんよ。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 今度の答申で研究をお願いいたしておりますのは、石炭のエネルギーにおいて果たす役割りというものは非常に重大になった、これまでと事情が一変したので、一体どういうふうな石炭政策をとったらいいかということにについて答申をしていただいておるわけでございます。したがいまして、先ほど部長が申し述べましたように、これまでの過去三十年間の石炭政策と違いまして、これからは全然違った方向での石炭政策というものを進めなければならぬ、私はこういうふうに思っております。そういう意味におきまして、前向きの政策である。答申も二千万トン以上と、こういう数字になるのではないかと思いますし、ここらあたりの趣旨は繰り返し申し上げておるわけでございますが、しかし、二千万トン以上ということは確定をいたしておりましても、いまここで、五十五年に幾らだ、六十年に幾らだということは、諸般の事情から具体的にちょっと申し上げにくいのではないか。それよりも、とにかく二千万トン以上ということにして、ふやせるだけふやしたい、こういう考え方でございまして、これまでとその点が大分事情が違うと思うのです。具体的に数字は言いませんけれども、しかし、とにかくふやせるだけふやす、こういう考え方でございますから、その点をひとつ御理解いただきたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 この問題はまだ留保しておきます。私はまだそれに納得できませんよ。しかし、一点だけ伺っておきたいのは、それでは数字はあるのですね。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 試算した数字はございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 ある、それを出せないというのは、石炭対策特別委員会に出せないというのはおかしいではないですか。どういうわけで出せないのですか。さっきから、需要界の方のいろいろ何かがありますからということだけが理由になっているようだが、どうしてこれは出せないのですか。五十五年、六十年の数字の試算表ぐらい出せないという話ないと思うのですよ。「以上」などという数字でない言葉を使うなどというのはおかしいと思いますよ。常識で考えても、どうですか、現有炭鉱の場合に、先ほどの答弁等を聞いていると、いや千八百万トンだ。しかし、ことしの場合、約二千五十万トンですね。二千三十万トンでしょう。その場合だって、夕張新炭鉱の数字はまだ入ってない。それから、あるいはその他九州の場合のあれがありますね。そういう数字は今後の中で見込んでいくならば、現有炭鉱の二千万トンは確実ですよ。いいですか高木さん、九州の場合、有明ですか、それから夕張新炭鉱、それを含めれば現有炭鉱二千万トンは間違いないですよ。その上に封鎖炭鉱あるいは事業団の手持ち炭鉱、そういうのをいわゆる再開発する、あるいはまた露頭炭の開発をやる、新フィールドの開発をやる、そういうことになれば、二千万トンどころではないはずですよ。少なくとも二千五百万トンは見込めるはずなのです。こういう点は一体どうなのです。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいま先生の御指摘の点でございますけれども、私などが試算いたしました過程におきましては、大手につきましてはA、B、Cというグループ分けをしておりまして、Aというのは増強できる炭鉱でございます。Bというのは維持の山でございます。それからCというのはいわゆる縮小せざるを得ない炭鉱、一部深部に入ります、いろいろな条件から、ある程度縮小せざるを得ないという炭鉱群に分けての大手炭鉱については試算しておりますし、また中小炭鉱につきましては、炭量面から何年続くかというようなことの検討もいたしております。それに先ほど申し上げました約五百数十万トンのうちの半分というようなことをとりまして、いろいろ計算した結果が二千万トン以上になるということでございまして、試算としましては、いろいろ個別は別といたしましても、山別に検討いたした集計の表というようなものは持っておりますので、あるいはこういう点についての御説明をもう少し詳しくさしていただければ、御理解いただけるのではなかろうかというふうに考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 大臣、どうですか。試算表の数字が出せないという、そんなばかな話はないでしょう。試算表ですよ。試みに計算するのですよ。それを五十五年と六十年は計算できていますと、ことしの二月から言っているのです。いまだにこれは出せないと言っている。  大臣は先ほどから盛んに、エネルギーとしての石炭の位置づけを云々と、こうお話しになっている。特に一般炭の例を見ると、大体ことしは四十万トンですか輸入用一般炭、昭和五十五年には大体五百万トンないし六百万トンですか、それから六十年には千五百万トン、こういうことになってくると、実際問題として石炭を見直します、石炭の重要性を確認します、こうおっしゃるけれども、国内における一般炭の位置づけというのはどんどん下がってきているではないですか。火力発電はどんどんふやす、その反面に石炭の方は二千万トン以上などという言葉で抑えておいて、外国から輸入するいわゆる一般炭は、ことしは大体四十万トンないし五十万トンとすれば、五十五年にはその十倍になる。六十年には三十倍になる。これでは日本の国内の石炭、特に一般炭を守るということにならぬではありませんか。そういう意味で私は、少なくとも二千五百万トンを目標にしなければ話にならぬですよ、こういうことを大臣に申し上げたいわけなのです。  それからもう一つ、大臣、これはぜひお考えいただきたいのだが、石炭の見直し見直しという宣伝をしておかれて、実際問題として生産規模の点でいろいろな企業があるでしょう、しかしながら第五次答申のときも二千万トンだ、昨年の場合も二千万トンだ、新政策になっても二千万トンだ、まあ「以上」という言葉がついたかどうかだ。これでは見直しという印象を一般の国民にも与えないし、役所の中でもそういう印象を与えませんよ。やはりやるのなら積極的に二千五百万トンまで何とかやりましょう、こういうお考えでやってもらわないと、私は本当に新政策としての考え方が出てこないような感じがする。そういう点で、私たちの計算から言うならば、現有炭鉱二千万トン、それから事業団あるいは封鎖炭鉱が大体二百万トン、露頭炭が三百万トン、これを加えれば二千五百万トンにはなるはずだ。何もいま五十一年のときにそれをやりなさいと言っているのではない。五十五年なり六十年にその目標を、少なくとも五十五年にはそこら辺を目標にしてやりますということははっきりしないと、昭和六十年になっても二千万トン以上ですなどという話では、新政策としての印象を与えません。こういう点はひとつ大臣、十分お考えをいただきたいと思うのだが、もう一度大臣からの御意見を伺っておきたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 ふえるということは大変結構だと思いますが、先ほど石炭部長が言っておりますように、試算のやり方についてもう少し詳しく説明をさしていただければ御理解いただけるであろう、こういうことを言っておりますから、もう少し詳しく説明をさせます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それではもう少し詳しく、時間の範囲内でお答えをいただきたいのです。詳しく御答弁になるなら、数字を出していただきたいのです。数字を出して御答弁になるなら、御答弁伺いましょう。数字を出さないで、経過の説明だけなら伺わなくて結構です。数字をお出しになるかどうか、どっちかはっきりしてください。数字を出したっていいでしょう、大臣。試算ですもの。答弁は、数字をお出しにならないなら要りません。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 数字で御説明いたします。  現在の大手炭鉱の四十九年度の生産、これは四十八年度の……。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 合計だけでも結構ですよ、いろいろ問題があるなら。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 大手炭鉱の生産量が、四十九年度、原料炭が千五十九万トン、一般炭八百三十八万トン、合計で千八百九十七万トン、これが現有の山でございまして、これをA、B、Cという、増強分と維持分と一部生産を縮小していくというグループに分けてございます。これでいきますと、A群が五十五年度千八百六十万トン、A群と申しますのは……。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そこら辺はいいですよ。数字を中心にやってください。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 A、B、Cに分けておりますけれども、A群で見た場合千八百六十万トン、B群で見た場合が千七百五十六万トン、C群として見ました場合が千四百五十三万トンというように大手関係はなるのではなかろうか。六十年度は、A群として見ました場合が千七百六十八万トン、B群が千六百五十八万トン、C群が千四百五万トンというような数字になろうと思います。  それから中小関係でございますけれども、これは露天も含んでございます。四十九年度が百九十五万トンでございまして、五十五年度百十五万トン、六十年度が百十二万トン。現有だけで申しますと、五十五年度、AとDと足したもので千九百七十五万トンという数字になります。それから六十年が千八百八十万トンとなります。それから先ほど申し上げましたBと中小とを入れましたものが五十五年度で千八百七十一万トン、六十年度で千七百七十万トン、それからCプラスDという形で見ますと、五十五年度が千五百六十八万トン、六十年度が千五百十七万トンというような数字になりますので、このAプラスDの千九百七十五あるいは千八百八十という数字をとりまして、これは現有を守るのでも、こういういろいろな問題があって、相当な努力を必要とするという数字でございます。これに先ほど申し上げました新鉱の五百万トンのうちの半分ということで二百五十万トンということをプラスいたしまして、二千万トン以上ということを申し上げている次第でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 これは数字を後で速記録で調べた上で、また私、具体的に質問いたしますけれども、お話を聞いた限りでは大体二千二百万トンくらいということですね、新規のものを入れて。大体そんなことではなかろうかと思うのですが、そういうことになりませんか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 新規の方の開発のテンポというものも、これは現在、調査いたしております調査結果も待たなくてはなりませんし、いま申し上げましたA、B、Cあるいは中小ということにつきましても、これは一応の会社計画をいろいろ内部で検討したことでございまして、これは今後の石炭のいわゆる取り組み方ということにつきましても、この数字は一部変更のある可能性もございますので、私どもといたしましては二千万トン以上ということにさせていただきたいということでの答申の数字でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 この問題ばかりやっておりましてもあれですから次に進みますが、また多賀谷君も後でこの問題について質問をすると思いますので留保しておきます。  しかし、われわれとしては、先ほど申し上げましたように二千五百万トンを目標にすべきである、また実際にこれは掘れるはずである、こういうように考えておりますので、大臣、ひとつ鉱業審議会あるいは実際に政府が方針をお出しになるときには十分御検討をいただきたいと思います。必要があれば社会党としての方針を具体的に持ってまいっても結構でございますから、御検討をいただきたいと思う。  そういうような政策を進めていくということになりますと、法律的にはこれは臨時措置法ではやれないのではないか。この点は実は二月に私が予算委員会の分科会でも、やれないのではないかということを伺ったら、高木部長の個人的な見解としては、どうも無理があるように思います、新しい法律についてはやるのですかと私が聞いたら、そこら辺は研究してみますということでした。もう御研究の結果、新しい法律をお出しになるというお考えなのか、措置法を改正するのか。私は新しい法律でいくべきだと思うのだが、この点についてはどうです。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 所要の法律措置を講ずるというふうに答申には恐らく出ると思いますけれども、私どもといたしましては当然、法律改正ということで次の通常国会には御審議をお願いしなくてはならぬようになるのではなかろうかというふうに考えております。現在、まだ法制局の方とか、あるいは大蔵省の方等との打ち合わせはいたしておりませんけれども、内部といたしましては改正の方向で、いろいろ内容も検討しているような状態でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そうすると、新法ではなくて措置法の改正ですね。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 新しい法律でいきたいというふうに考えております。ただし、現在の臨時措置法が余りにも過去のいろいろな政策が載っておりまして、これとの関連をどうするかということが一つございますので、この点だけはひとつ御理解いただきたいと思います。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 新しい法律でいくという方針だというのはよくわかりました。  そこでもう一点、これは午前中の質問に関連するのですが、実はあなたの方のお読みになったものも、ある新聞には概略出ているのですよ、新政策の答申の概要というのが。これに基づいて私、質問していきますが、どうも見ていると、労働問題などは生産第一主義の立場に立って、労働強化の方向にいくのではないかという感じがしてしようがない。そこで、午前中の質問の中で、私はそのまま労働省の方の答弁では納得できなかったのだが、地下労働にふさわしいというあの言葉ですね、これは一体どういうことを意味するのか。地下労働にふさわしいという賃金ならば、現在の類似他産業の賃金よりも上がるべきだ。上がるべきだということも含めて地下労働にふさわしいという意味を考えておられるのか、それ以下であっていいということをお考えになっているのか、そこの点は、ひとつ石炭部として御意見を伺っておきたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 石炭鉱業の労働者の方々の大半が地下で作業されるわけでございまして、労働環境あるいは仕事の困難さ、あるいは保安上の問題ということを考慮いたしますと、ほかの地上産業に比較すれば当然、私は高くあってしかるべきだという判断でございます。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 聞こえなかったそうで、もう一回。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 どうもまことに済みません。耳が悪いものですから、申しわけない。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 石炭鉱業の特殊性と申しますか、炭鉱の労働者の方々の半分以上は坑内に従事される方々でございまして、いわゆる坑内の作業と申しますと、環境の問題あるいは、いろいろな困難性の問題あるいは保安の問題ということもございますので、地上の一般産業の方々よりも当然高い賃金であってよかろうというふうに、私個人としては考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 地上のとおっしゃいましたが、中間答申では「類似の他産業なみ」こういう言葉が出ていますね。「類似の他産業」というのは地上労働だけを意味しているのではない。坑内労働でも金属産業の労働賃金の問題もある。これと比べて、それ以上であってもいい。これは金属産業の場合にもいろいろな困難はあるでしょうけれども、石炭産業の場合、困難な問題が非常に多いことはあなた、よくおわかりのとおりなのです。それよりも多くていいということをあなたは念頭にして、このようにお答えになっていただけるわけですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 私個人としては、そういう考えでございます。ただし賃金問題あるいはその他の労働条件の問題ということにつきましては、これは労使間の協定に基づく、話し合いに基づく決めでございますので、これに私などが立ち入るべき性質のものではないと思います。私個人といたしましては、当然高くあってしかるべきだというふうに考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 それから先ほどの御説明を伺っていると、いわゆる石炭企業の自立安定といいますか、こういう面でのお話があったわけです。その場合に、やはり一番問題になってくるのは、先ほど問題になりましたトン当たり千五百円の問題がありますが、現在なら二千五百円ぐらい、これは炭価問題が決まりませんから二千五百円ということになるわけですが、それ以外に企業の負担として大きな問題は、累積赤字の問題だと思うのです。  この累積赤字は一体どういうようになっているのか。五十年度の予算を見ると、肩がわり対策費として大体二百億の予算が組まれております。しかしその二百億ということしの肩がわり対策費というのはいつまでの分なのか、この辺が必ずしも明らかでない。これは私の一つの推定でございますけれども、これは第四次の答申までの企業のいわゆる累積赤字を、こういう形で肩がわりをしていたのではないか。これがことしの予算の中にも二百億として出ているのではないか。そうすると第四次以降、すなわち第五次、五次ということになると四十八、四十九、五十ですか、この三カ年間の累積赤字は一体どうなるのか。この数字はどれくらいあって、新政策の発足のときにはこの三カ年間の累積赤字はどういうふうに処理されるのか、この辺が答申の中にどういうふうに出ているのか、この辺を伺っておきたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいままで肩がわりといたしましては、一次の元利補給金、第二次の再建交付金、第三次の再建交付金ということで、五次対策までに三回の肩がわりを実施しておるわけでございます。この分につきましては、継続していただけるならば、一応たな上げという形になりますので問題ないと思います。  四十九年度の損益といたしましては、これは大手八社の決算公表による損益でございますけれども、百七十四億という数字になっております。四十九年度末までの肩がわり後の繰り越し損益の累積でございますけれども、七百四十二億というような決算公表の大手八社の損益計算になっております。この大半が北海道炭砿汽船株式会社でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 企業の具体的な安定を図るということになると、大臣、これだけの累積赤字を何らかの形で処理をしませんと、結局具体的な安定はできないわけですよ。こういう点について答申の中でどういう結論が出るのかわからないが、少なくとも累積赤字はどうします、その上に立って企業の安定を図ります、こういう計画がありませんと、企業の安定と口だけで言っても、これは話にならぬと思うので、ここは経営者としても抜群な能力を発揮されました通産大臣として、こういうめどについて答申で明確にすべきだと思うが、この点はどうでしょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 答申の方はどういう形になるかわかりませんが、いずれにいたしましても繰り返して恐縮でございますが、エネルギーにおいて石炭の果たす役割りというものが画期的に重要になる、こういうことでございますので、その重要な役割りを果たすためには、石炭企業というものが健全経営でなければならぬということは当然でございます。具体的にどうこうということは申し上げませんが、石炭企業を健全経営にするために、政府としても必要な措置は講ずるつもりでおります。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 ということになってまいりますと、石炭の特別会計の財源は、いままでのような千百億程度では問題にならぬ。さっき篠田委員も言ったように十二分の十の問題もありますが、十二分の十を超えてでも、思い切った財政上の措置が必要になると私は思うのだが、この点はどうです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 石炭政策を進めていく上におきまして必要な財源措置は、どういう形になりますか、いまここで最終的に申し上げることは差し控えますけれども、とにかくいずれにいたしましても、どういう形になろうと、必要な財源措置は講じていく、そういうふうに考えております。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 いまの御答弁ではきわめて抽象的なので、ひとつもう少し、めどになることをお答えいただきたい。五十年度は千百億円ですから、少なくとも千百億円よりも思い切ってふえるであろう、めどとして五十一年度はそう考えてもいいかどうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 新しい石炭政策を実行していく上におきまして必要な経費は確保いたします。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 そのお約束は忘れないようにしてくださいよ。ぜひ、ひとつ確保してもらわないと、せっかく新政策とおっしゃいましても、財政上の裏づけがない限りは政策は実行できないわけですから、こういう点は、ひとつ思い切ってやっていただきたい、そういう決意がおありであろうと思うのだが、時間がないから進めます。  第三セクターの問題を私は触れたかったのですが、これは多賀谷氏から具体的にやってもらいますが、ただ一点だけ。  私はなぜ第三セクターにしたのか理由がわからないのです。特にこの間、石炭鉱業審議会では、地方公共団体の代表として出ている北海道の知事は、今日のように財源が枯渇しているときに、第三セクターとして地方公共団体から金を出せと言われたって出せませんよとまで言われている。そこまできているのに、この答申の説明などを見ていると、極力地方公共団体に協力を要請するなどというような文面があちらこちらに見える。たとえば住宅の建設などについても、地方公共団体に協力してもらうなどというようなことが出ておる。これは逆に言うと、政府の方は金を出さないから地方公共団体におっかぶせろ、こういう意味ですか。そういう意味で第三セクターというものをつくろう、こういうお考えなのですか。私は第三セクターをつくるという意味がどうもわからない。  若干、意見になりますけれども、今度の答申案の素案なるものを見ていると、今度生産のコストまで干渉する、需給関係もやる、石炭の価格も決める、それから坑内のいろいろな指導というのはいままでどおりやる、ここまでいったら事実上国家管理でしょう。それなら公団でやった方がいいではありませんか。わざわざ第三セクターなどという名前のものを目新しくおつくりになるよりも、公団でいった方がいいではありませんか。しかも地方公共団体は金は出せない、こう言っておるのだから、ここまできたら思い切って公団でおやりになったらいいではありませんか。全企業を公団にしなくても、少なくとも新鉱開発の部分だけは公団でやるべきだと思う。こういう点、第三セクターをことさら選ばれた理由をむしろ伺いたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 まず初めに、地方公共団体に金を負担していただくという考えは全然ございませんので、その点を初めに申し上げておきたいと思います。  この第三セクターの考えと申しますのは、いわゆる鉱・公害対策を含めた地域住民との関係調整あるいは地域の総合開発の問題あるいは需要の確保という点からいきましても、ただ、いままでどおり一石炭企業が掘るということではなくして、今後の開発に当たりましては、むしろ住民の協力も得つつ、需要業界の確保の約束も取りつけつつ、一つの開発企業体をつくった方が、より安定した新しい山の開発になるのではないかという考えから、第三セクターという発想を持ったわけでございます。  先ほど住宅問題につきましての御質問もございましたけれども、この問題につきましても、金を地方公共団体に負担していただけるところは、それで結構でございますけれども、別に負担という意味で申し上げておるのではございませんで、いままでの山の開発の状態から考えますと、住宅は必ず坑口になくてはならぬというのがいままでの思想であったのではなかろうかと思いますけれども、今後こういうような開発に当たりましては、たとえば住宅も一定の住宅街というところにあれしまして、そこから通うということ、ひとつ都市型の住宅ということも考えられるのではなかろうか。そういう点からいきますと、やはり地方公共団体の御協力というものがなくては、スムーズに運営できないのではなかろうかという思想からの第三セクターの発想でございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 伺っていると、何か地方公共団体の協力関係がいままでよくなかったので、こういうものをつくって、もっと協力させよう、こういう印象にも受け取れますが、私、大臣にちょっと伺っておきたい。  大臣も御存じのように政府の金を出すという場合に、第三セクターの場合には金はなかなか出しにくいと思いますよ。公団の場合ならば出しやすいと思いますよ。こういう点から言っても、政府の金を思い切って出させるという場合には、大臣どうですか、むしろ公団に踏み切って、そういう形で政府の資金を使う方が、いまよりやりやすいのではありませんか、どうですか、大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 そういう意見も確かにあるわけでありますけれども、しかし、企業の能率を上げるという意味で、果たして公団という形をとる方がいいのかどうか。むしろやはり第三セクターというふうな、いま部長が申し上げましたような構想でやる方が、企業としての能率が上がるのではないか。こういう観点から、いま第三セクターということを考えておるわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 企業の能率とおっしゃるけれども、現存炭鉱はそのままなのですよ。それで、答申案の内容は新規の企業の場合における問題を言っているのですよ。これは第三セクターだろうと公団だろうと余り違わないではないですか。企業の能率については、運用上で幾らでもやれることなのであって、公団だから役人でやらなければならない、第三セクターならば役人は全然除外して経営者でやるというものではないのではないですか。そういう点は運用上の問題で幾らでもやれるのではありませんか。どうですか、大臣。この点が一点でございます。  第二の点は、時間もないからはしょって一遍にやります。電力用炭株式会社、合理化事業団の改組云々という話があるのですが、これで新規な事業体をもう一つおつくりになるのですか。ここら辺はどうなっているのですか。さきの点は大臣どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 御質問が二つございましたが、後の分につきましては部長から答弁をいたします。  先のものにつきましては、いろいろ考え方はあろうと思いますが、ただいままでの検討のところは、第三セクターの方が能率がよかろうということで、いま進めておるわけでございます。

岡田春夫日本社会党

○岡田(春)委員 これで終わりますが、これは必ずしも納得いたしません。ちょっと二分ばかりふえましたが、簡素化というような点を考えて、石炭鉱業審議会の簡素化なども考えられる、とするならば、合理化事業団のこういう問題も含めて、生産、需給調整というものを含めた公団の形の方がもっと簡素化になる。そういう点を含めて、実は電力用石炭の問題などを聞きたかったのですが、こういう点から考えて、簡素化するならばその方が全体として簡素化されるし、監督指導もそれの方が私はいいと思う。しかも、大臣が言われましたが、経営の能率を上げる云々というのは、運用上の問題で解決ができる問題なのです。私は、公団に踏み切る最もいい時期だと思う。しかも、経営者の中でも、いまや私企業ではやれないのだという意見が非常に強くなってきている。ある会社の社長などは国家管理、国有でなければもうだめですと言っている。そこまできているのですから、竿頭一歩を通産省が踏み出されることが最も必要だと私は思いますので、強く要望します。  第二の点の御答弁がまだ高木さんからなかったので、こういう点を含めて御答弁をいただくことと、もう一つつけ加えます。  石炭審議会ですね、これを改組されて、政策部会と経営部会と需給部会ですかに分けて部会をつくられるというお話ですが、こういう場合にやはり労働者の代表が全部入らなければだめですよ。経営の問題も労働者と一体関係ではありませんか。それから政策もしかりです。需給だってそうではありませんか。こういう点、要望を含めて、高木さんの御意見を伺って、私は質問を終わります。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 電力用炭株式会社につきましては、現在、電力用炭販売株式会社法という単独法に基づきまして、電力用炭株式会社が電力用炭向けの石炭の販売関係、購入関係というようなことで、形式上は瞬間タッチということでやっておるわけでございまして、そのほか、融資の問題あるいは専用船の使用の問題というようなことを、いま業務としてやっておるわけでございます。この電力用炭株式会社につきまして、今後単独法でいくか、あるいは新たに今度法律改正される合理化事業団の中に吸収してしまうか、あるいは合理化事業団の子会社として、いままでどおりの機能に、なお輸入炭等々の業務も含みまして強化していくかというふうなことは、現在、法律問題もございますので、検討中でございます。  審議会につきましては、先ほど一応考えられる案として三案を申し上げたわけでございまして、政策部会あるいは経営部会あるいは需給という問題については、これは当然、労使の問題だろうと思います。ただし、価格問題につきましては、なかなか需要業界の方もいろいろな問題がございますので、これは需要業界と石炭業界の方との話し合いになるのではなかろうか。今度の審議会の中には組合の方も入っていただくのは当然でございまして、各部会への振り当てというようなことは現在まだ未定でございます。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 いま岡田さんから質問がありました点の方から先に、続いて質問をしていきたいと思います。  第三セクターというのは一体何ですか。株式会社ですか、公社ですか。ここには共同開発体とあるのですが、一体共同開発体というのは何ですか。現在の法律の中でどういうカテゴリーに入る会社ですか、お聞かせ願いたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 共同開発体というような表現であらわしておりますけれども、これはいわゆる各関係者、地方公共団体あるいは需要業界あるいはかつての炭鉱業者——これは技術を利用するには、かつての炭鉱の技術を利用した方がよりベターであろうと思います。そういう方々等の協力を得まして開発会社をつくるというのも一つの案ではなかろうかというふうに考えております。また、地方の公共団体の御了解を得るというようなことも、答申の中には一応盛り込まれる予定でございますけれども、いま考えております共同開発体というのは、大型の開発の場合にこういう問題が出てまいりまして、小型の、小さな露天掘りとかそういうことにつきましては、一応地元の協力を得るということだけで、今後、採掘そのものは進んでいけるのではなかろうかという考えでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 何ですか、これは商法に基づく会社ですか。漠としておるからわからぬわけですよ。共同開発体というけれども、地方自治体の方は、資本金は出さないでただ協力態勢であるのか、いや会社の構成員であるのか、あるいは道路、港湾等で最近行っておるような、私企業から金を出させて産業道路をつくる、ああいうような公社的なものであるのか。それは一体何であろうか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 まだ具体的にどういうふうに持っていくということは決めていないわけでございまして、今後採掘していく上には、そういうところの協力も得なくてはならぬということで、答申の中には共同開発体というような表現になっておりますが、これをどういう組織にするかということは、今後もう少し検討させていただきたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 大臣、これははっきりしないのです。はっきりしないから疑問が起こるわけですよ。一体だれが責任を持つのだ、どういう機構でやるのか、ただ共同開発体といっているけれども、関係地方自治体は協力をするという意味だけのものであるのか、いや構成員に入るのであるか、資本金はどうするのか、そしてだれの責任で運営していくのか、さっぱりわからぬわけですね。ですから、この時期になると、もう明確にしておくべきではないか。そこに金がないのに、いまごろ自治体において資本金を出せなどと言われても困る、いや最近の公企体は全部赤ではないか、しかも海の物とも山の物ともわからぬものに、と言うと言葉が大変失礼ですけれども、いまごろ資本が出せるか、いろいろな疑問が起こる。だから、これは一体何であるか。これは大臣どういうふうにお考えですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いま、また部長が言いましたように、答申が出ましてから、これを具体化していこうということでございまして、まだ具体的な内容は決まっていないわけなのです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうすると、これは全国一本の共同プロジェクトの場合なのですが、三つなら三つということを想定すると、三つのいわば大規模開発を一本で行うのか、それから個別的にその地域の炭鉱開発に別々につくるのか、そういう点はどうなのですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 全国一本という考えではございませんで、その地区を含むそれぞれの団体というふうに考えておりまして、一つというわけではございません。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうすると、一つ疑問になりますのは、いま残されている地域でも有望な地域は可能かもしれません。ところが石炭はある程度どうしても維持しなければならぬ。そうすると、いわば限界炭鉱になるか、あるいは初めから採算を割るけれども、どうしてもそれは開発をしなければならないという国の要請から必要である地域は、これは別々ですから、それはとてもそういう共同体がつくれないのではないか、こういう感じがするわけです。一番有望なところだけ一つできたから、あとはいろいろ候補地を決めたけれども全然動かなかったという可能性もある。一体これは何のメリットがあるのか。せっかく市町村まで巻き込んで、そして物の考え方も自由競争、私企業という考え方がある。私企業的な個別的な競争という考え方があるでしょう。そうすると一体、政府というのは何をするのだ。こういうことの疑問に逢着せざるを得ないのですよ。ことに新しい地域というのは非常にリスクが多いわけですから、一体そういう個別的にやった場合にどうするのだ、一体、実るのかという疑問に私は逢着せざるを得ないのですが、そういう点はどうお考えですか。そしてどこにこのメリットがあるか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 再開発あるいは事業団の保有鉱区ということで考えますと、現在までの鉱業権者はすでに事業団の方に売りに出し、あるいは消滅いたしまして、その当時においてすべての精算をしているわけでございます。そういう点からいきますと、一たん売りに出した、あるいは手離したところの鉱区を、もう一遍かつての鉱業権者に採掘をやらすということは、これはいろいろ法律上も問題があるのではなかろうかと考えておる次第でございます。そういう点から、ただし、かつての鉱区を持っていた鉱業権者の方々は、一番その技術に対しては詳しいわけでもございますし、また現在、そういう能力も持っておられるところでございますので、こういう点も採掘するに当たっては請うた方がいいのではないかという考えでございまして、こういうような一つの開発事業体をつくったところに許可するような方向に持っていったらいいのではないかという考えでございまして、まだ具体的に株式会社にするとか、どういう団体にするとかという具体的な案は持っておりませんけれども、ただいま申し上げたようなことからの発想でございまして、第三セクター的な考えで今後やっていった方がスムーズにいくのではないかということの考えでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は、どうもこれは政府がしり込みをして責任の回避になるという感じですね。ですから非常にリスクの多い、将来がはっきりつかめないものをいまからやるわけです。だれがやったって間違いないものではないのです。その場合に一体、そういう個別の共同体を別々につくるのだ、しかも、それは地方自治体まで入れてやるのだ、こういうことでは私は、本当の意味の新鉱を開発して一定量の出炭を維持することは不可能だ、こういうように考えざるを得ないわけですけれども、今日、私は全体的に見ると、この答申は残念ながら制度ができてないのです。  答申というものは、目標と制度ができなければ答申にならないのですよ。これは制度的に見るとほとんどゼロですよ。肝心な受け入れのさらが全然わからないです、この答申をもしこのとおりに入れるとするならば。そうでしょう、どこだって、ドイツだって英国だって、英国は国有という形で再建をしたわけでしょう。ドイツだって、ルール炭田を一社にして、そうして一社で石炭を維持、強化したわけでしょう。私はいま一社にせいとか何とか言っているのではないのですよ。この案のどれを見ても受けざらが全然ない。まず開発にないでしょう。ただ書いてあるだけ。それからあれだけ流通機構の問題がいままでずいぶん問題になった。この流通機構についても、一言もその受けざらについて書いてない。ただ電力用炭株式会社を改組するとか、こういうことが書いてあって、一体どうするのだということが書いてない。それから外国から入れる場合に、その輸入する石炭についてどういうふうにするか、それは外国から入る場合に高い場合もあるし、安い場合もあるでしょう。国内炭の生産を圧迫しないように入れるというならば、一体どういうような制度でそれを調整していくかということも書いてない。ですから結局、これは私から言うならば答申になっていないのですよ。その受けざらと機構というのが重点でなければならぬ。ですから、その機構と重点というものを全然抜きにして論議をされても意味がないわけですよ。私どもは、そういう意味においていままで公社なり、今度は公団という方式をとっておるわけですが、石炭資源活用法案を出して、公団方式でいくように主張している。その公団というのはどこにメリットがあるかといえば、いわばこの新しい鉱区の開発は公団でやるとか、それから販売は一元化するとか、外国炭をプールをする機関であるとか、それから外国で開発する場合には、その公団を中心で、いま石油開発公団がやっているような方式をとるとか、そういういろいろな機能を集めたものを、公団という仕組みでやろうとしているわけです。ところがあなたの方の答申は、全然、機構が書いてなければ、どういうようにそれが動いていくかということがなければ、これは全く答申にならないのですよ。ですから問題はそこではないのかと思うのですよ。一体それをどういうように考えておるのか。いま開発の話があるが、政府が一歩退いた形で開発せいと言ったって無理ではないか。それから次に流通機構は一体どうするのか。それから輸入炭が入ってくるときには、一体どういうようなことをやるのか。それからここに書いてありますね。競合エネルギーの価格の変動があっても国内炭に影響のないようにやる。一体どういう機構でやるのか、どういう制度でそれを行うのかということについて全然触れていないが、一体それらの点についてどういうふうに考えているか、お尋ねしたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいま流通問題についての御指摘もあったわけでございますけれども、私どもは現在の電力用炭株式会社を何かそういうような形に使えないかということで、いろいろ検討しておるわけでございまして、これにはいま法律上の問題もございますので、まだ具体的にこうするというところまでは至っておりませんけれども、大体、先生の御趣旨のような形で、いわゆる国内炭に圧迫を加えぬような輸入炭の取り扱いというようなことも頭に置きつつ、電力用炭株式会社法なりあるいは合理化事業団の現在の石炭鉱業臨時措置法なりというものを検討しておる最中でございまして、これは答申を受けてからでも、そういうような政策面あるいは受けざら的な問題は解決するのではなかろうかというふうに考えておりまして、並行しながらいま検討している最中でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は、政策としてはそれがかなめではないかと思うのですよ。そういうものを抜きにして答申をしてもらっても困るのですよ。どういうような機構でいくのですか。それは私は行政の問題ではないと思いますよ、私企業を扱うのですから。私企業を扱う場合に、そういう制度的なものを後から検討しますではなくて、それは当然、審議会の先生に答申を求めるべきでしょう。そういう機構はどうするのだというのは、私は、幾らにするというようなことよりも一番肝心なことではないかと思うのです。また、いままでそれで紛争してきたのですよ。全国一社とか全国三社とか流通機構の一元化とかいろいろ言われたが、いままでいろいろもめてきたのは皆、機構の問題です。そして残念ながら一番失敗したのは日本ですよ。よその国は全部、イギリスだってこれは別の意味において、フランスだって、そして西ドイツだって私企業でルール炭田を一社にして、九〇%から出炭を得るようにしたのです。ですからそういう制度は確立したわけですよ。日本だけはばらばらできたわけです。ですから、そういう機構を今度はぴしっとしなければ答申にならない。もしそういうことが何も書いてなければ、われわれは返上せざるを得ないわけです。国会に任すというなら任してもらってもいいです。しかし、そういう機構の確立というものがなくして、答申を幾ら読んでみても、一番かなめな点が抜けておるのではないか、私はこういうように思います。でありますから、答申をいただくときには、そういう機構をはっきりしてもらいたい。どういう方式でいくのだ、そうしなければわれわれは判断をする判断の基礎がない、こういうように思うのですが、どうですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいま並行して検討しているところでございますので、できるだけ御趣旨に沿うような答申をいただくように努力するつもりでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 大臣、どうですか。私が言うのは無理ないと思うのですがね。制度ができていないのに、たとえば一例を言いますと、外国から輸入炭を続けても国内炭に影響のないように、あるいは競合エネルギーが価格の変動をしている、要するに、いま石炭は安いけれども、やがて外国から入ってくる石油が安くなることがあるかもしれない。その際にはやはり何らかの石炭政策を検討、石炭の生産の維持が続けられるようにする、こういうふうに書いてある。そうすると、それは一体どういう方法でするのだということがなければ、私は意味がないと思うのですがどうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 お話のように、幾らりっぱな答申が出ましても、政策の方向が決まりましても、それをいかに具体的にどういう機関で実行していくかということが決まりませんと、これはお話にならぬわけでございまして、やはりこの受けざらと申しますか、実行するための機関はどうあるべきか、こういうことが一番大事だと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 衆議院で「新石炭政策の確立に関する件」ということを決議いたしました。これには、やはりそういう機構問題を頭に入れながら各党が皆、案を持ち寄ったわけであります。でありますから、そういうはっきりした機構をつくっていただきたい。私どもは公団をつくるというのは、単に公団をつくるというだけではなくて、そういう機能を兼ね備えるために公団という組織をつくるのだ、こういうようにも物を考えておるわけです。でありますから、ぜひそういうようにお願いをしたいと思いますが、しかし、何にしても個別に、しかも自治体をまじえて第三セクターというのは、私から言うと、政府が一歩下がって逃げたのだ、こういうことしか考えられないのですがね。どうですか。一番肝心なところですから、私は再度聞くわけですけれども。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 新規開発の問題につきましては、審議会の政策部会でも御検討いただくようになっておりますし、また現在、大蔵の方から金をいただきました二億五千万をもちまして調査をやっておる最中でございますので、そういう結果を持ち寄りまして、審議会の政策部会の方ででも、国としてのはっきりした姿勢を出していただきたいというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 これはひとつ、われわれはずっと懸案にして煮詰めていきたいと思いますが、私は反対ですね。やはり公団が——公団といいますか、政府の責任で全国的な一本の組織でやってもらいたい。それはもう地方の協力は必要です。私はアイデアとしては悪くないと思うのですよ。しかし、道路とか港とかとは違って、石炭の開発というような非常にリスクの多いものに自治体を入れてやるというような、こんなことが一体、可能かどうか、私は非常に疑問であると思うのです。  それから、私は大臣にこの前も質問をしたわけですけれども、残念ながら、ここの文章には頭を出していないのです。これはあるいは石炭側から言うべき問題ではないかもしれませんけれども、現実問題として石炭の需要の問題と関連をすれば、やはりいま一番距離的にも近く、活用のできる電力会社というのは九州電力と北海道電力である。そうして九州電力と北海道電力は一番電気料金が高い。ですから、これを一体どういうようにするのであるか、これをやはり解決しておかないと、北電は炭価を上げようとはなかなか言わないでしょう。しかし日本経済全体としては、広域的に考えると、これは北電に使ってもらうのが一番いい。それは東京電力まで輸送するのは輸送費がかかる、きわめて不経済な話です。しかし北海道電力の方は、残念ながら高い石炭を買う余裕がない。こういう場合一体どういうようにするのですか。私は、電力業界全体がやはり責任をもって、内部でプールするとかいろいろな仕組みがなければ、一社だけ交渉しても限度がある、こういうように思うのですがね。これはひとつ大臣からお答え願いたいのです。この前、私は質問しましたけれども、そういうような方向で検討しましょうということでありますが、残念ながら現実そうでしょう。いまは御存じのように油よりも石炭の値段が下がっておりますから、いまはいいですけれども、少し油よりも石炭の値段が上がってきますと、それはやはり油を使いたい、こういうことにならざるを得ないでしょう。ですからやはり、これも制度ですけれども、全体的に、では北海道と九州は石炭を使う、自分たちは油を使う、だからそのかわり、この調整をやるという何らかの制度を確立すべきではないですか。これは全部補給金か財政措置でいきますか、その差額は。どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いま御指摘のように、北海道電力は高い石炭を買って、それを料金に上乗せするという余裕はないわけです。若干あるかもわかりませんが、それでは解決できない。そこで残りの、北海道電力が使う以外の一般炭は、電源開発に主として売っておるわけでございまして、電源開発から九電力に電力を供給する、いまそういうことになっておりますので、その過程を通じて料金の調整を行うということにすれば、実質上、この問題は解決できるわけでございますので、いまそういう方向で研究をしておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 大臣よく御存じのように、電源開発から九電力に売るのは原価主義でしょう。そういう操作ができますか。しかも、いま電源開発がやろうとしている地域を見ても九州と北海道でしょう。そうすると、結局北電と九電に売るわけですよ。長崎の離島に発電所をつくって中国電力や関西電力に送るなんて考えられないのです。結局はそこの問題にくるわけです。残念ながら石炭の地域が偏在しておりますからね。それは外炭の場合なら、あるいはどこかの、いわば日本列島の中央部に島でも買収して貯炭場をつくることも考えられないことではないでしょう。しかし、電源開発がやるにしても、どちらかというと九州と北海道ということにならざるを得ない。一つは公害問題がありますからね。どうしてもそういう問題にならざるを得ない。それはどのようにやるのか。これははっきりしなければ、私は長期計画立たないと思うのですよ。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいま先生の御指摘の電力料金と石炭価格のあり方ということにつきましては、審議会の中のワーキンググループが十分いま検討しておるわけでございますけれども、まだ、それを具体化するというところまでにはいってもおりませんし、いろいろな問題を内蔵しておりますので、むしろそういう認識のもとで、電事審なり、あるいは総合エネルギー政策という立場から総合エネルギー調査会の方で御検討いただくということにゆだねておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 石炭部としての案はどうなのですか。エネルギー庁でもいいですよ。エネルギー庁としては、そういう火力発電と九電力あるいは電発との関係はどういうように見ているのか、これをお聞かせ願いたい。いわゆる行政官庁としては、どうしたらいいかという意見があるのでしょう。ことに、エネルギー庁の場合はいいわけですね、両方あるから。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 公益の方は私の所管ではございませんので、いまどうということをここで申し上げられませんけれども、石炭価格と油の価格、現在の時点におきましては石炭の方が安うございますので、まず第一は油並みに引き取ってもらうということをいま強調しているところでございます。なお今後、石炭と油の価格がどうなるかということにも、一つ関係してくるわけでございますけれども、もし将来、石炭の方が高くなったというような場合の先生の御懸念につきましては、電事審なり、あるいは総合エネルギー調査会の方で御検討いただくということになるのではなかろうかと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 発電所というのが一年や二年でスクラップされるなら問題ないのですよ。発電所というのは長期的なものでしょう。ですから、一火力発電所をつくれば五十年なら五十年あるわけでしょう。やはり電力会社としては、長期的な見通しを持たなければ発電所の建設はできませんよ。そういうちゃんとした制度があって、そして石炭を使っても十分やっていけるという見通しがなければ、その制度をつくってやらなければできない。後を追ったのではだめなのですよ。いまはなるほど安いかもしれないけれども、その保証はないわけでしょう。ですから、そういう点こそ、この答申に必要ではないだろうか。  高木さん御存じのように、私どもがここ十数年議論しているのは変わらないのですよ、問題点は一つも。速記録を見て自分の発言がいやになるほど、同じことを言って回っているのですよ。それでも一つも解決してない、解決する芽が出ていないというのですよ。むずかしいことを言っているのではないのです。あなたも二十年ぐらいそれはやっておられるから十分わかる。私どもも、これをやって、ああ、ここがウイークポイントだ、これを今度改正しなければならないというのがわかる。それが全然解決をしていないということでは、私は答申の体をなさないと思うのですね。これをひとつ答申の正式なものが出されるときに、はっきり明記をしてもらいたい、かように思いますが。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 「総合エネルギー政策及び他のエネルギー政策との有機的連けい」という項目を今回の答申の中には一応指摘してございまして、エネルギーの需給及びエネルギーのコスト、価格体系における石炭の位置づけについてということで、総合エネルギー調査会において審議していただく。なお、電源開発における石炭火力の比重及び石炭価格と電力料金の関係につきましては、石炭政策の見通しのかなめとなるものでございますので、国として方針を定めることということで、一応答申の中には書いてあるわけでございます。  そういうことで、先ほど数字が変更になるかもしれませんと申し上げましたが、今後、増になる石炭火力の必要量としての五百万トンあるいは千五百万トンという数字が出るということ自体は、これは電調審の方の御審議もあってのことでございますので、十分、今後の石炭火力への期待あるいは価格という問題も御検討をいただいた上での数字が五百なりあるいは千五百ということで、今後の答申の中には数字が出てくるものということで期待しております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 数字が出ましても、価格がはっきりしなければ、生産、供給側も見通しがつかない。需要者側も数字が出たなら、それを引き取らなければならぬとは言っておるけれども、やはり価格問題に圧力が加わってくるでしょう。ですから、その制度をひとつつくってもらいたいと私は思います。  それから格差の是正の問題ですね。すなわち、自然条件によって各山のコストが違うわけです。これは差別価格の導入や安定補給金の傾斜配分等について検討すべきであるということですが、差別価格の導入というのは、Aという炭鉱は幾ら、Bという炭鉱は幾らというので、コストだけではありません、利潤も見るのでしょうけれども、そういう山別炭価を決めるという意味ですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 これは一方法としての考えでございまして、現在でも原料炭等におきましては、それぞれの需要者と石炭企業との間で、ある程度の色のついた差額的な供給、引き取りをやっておられるはずでございます。価格も同じようでございまして、そういう点も十分、需要業界の方の御協力を得なければなりませんけれども、まず、この格差是正という問題につきましては、政府といたしましても、現在ただ単にトン当たり幾らということで出しております安定補給金等も十分検討して、格差是正に役立つような安定補給金なり今後の助成のあり方を考えるべきではないかという趣旨でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 後段の安定補給金の傾斜配分、これはわかりますね。これは財政が見るということ。その前の差別価格の導入というのは、これは山別炭価ということをお考えですか、こう聞いておるのです。これもAという製鉄会社とBという炭鉱とで話し合って、苦しいから少し高くしてやろうということで、いい場合もありますけれども、Cというのこそ助けてもらいたいと思っても、必ずしもCのところにはいままでのいろいろの事情でいかなかったという場合もあるでしょうし、これも私ははっきりした方がいい。これを見ると、差別価格の導入というのは山元炭価である、こう考えてもいいのですか。  それから、原料炭というのは品質の問題ですから、原料炭や一般炭の品質ということで値段の差がつく、これは当然ですが、そういう意味ではなかったでしょう。恐らく原料炭を産出しているところで、少し経営が悪いから、ある一定期間、一般の価格よりも少し高く買ってやろうというようなことをやっておるところもあるというような意味ではなかったかと思うのですけれども、やはりそれは制度に乗せたらどうか、少なくともこの差別価格の導入というのは、制度的にそういうことをおやりになるつもりでお書きになったかどうか、これをお聞かせ願いたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 現在、石炭業界と需要業界で、ただいま先生から御指摘のございましたような原料炭の品質の問題とかそういうことによっての、ある程度の差別価格の導入が行われておりますので、これを強調したいということで提案したわけでございまして、制度的に国として差別価格をどうすべきであるということは、現在、考えておりません。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 差別価格というのは、これは品質の問題ですか。私はそうでなくて、現在行われているのは、炭鉱の事情が悪いから、少し製鉄会社、高く買ってもらえないだろうかというので話がついて、事実上、差別価格が行われておる、こういうようにおっしゃったのだと思ったのです、差別価格というのは。そこで私は、そういうAとBとの市場関係の問題でなくて、差別価格というのを制度にしたらどうですかというのは、山元炭価というのをお決めになるのですか。もう時間がありませんから、もし私が言う山元炭価というのをお決めになるならば、その財源はどこで見るのか、高いところはどこで見るのですか。コストが安いところから取ってきて、高いところに補給するのですか、こういうことを聞いている。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 現在、石炭業界と需要業界で行われておりますのは、先ほど申し上げたようなことでございまして、ここに書いてございます差別価格の導入は、山元炭価、いわゆる手取りとの関係において政府が格差を設けるような、いわゆる差別価格ということを設定する考えは、現在のところはございません。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうするとあとは安定補給金の傾斜配分ということだけですね。そこでそれだけで一体、限界炭鉱の維持ができるだろうかという疑問に、私は率直に言うと逢着するのです。財政は限度がありますよ。そうするとコストが非常に高くなっているところは安定補給金の傾斜配分をやる、その程度で限界炭鉱、たとえばある一定水準の出炭量を維持できるだろうか、なかなかむずかしいのではないか。そこで財源をどこに求めるかという問題であります。そこで、あるいは輸入炭の安い場合もあるでしょう。あるいはまた特にコストの安くいく炭鉱もあるでしょう。そういうものをある程度ひとつ価格調整のために金を出してもらって、そして財政だけでなくて、そういうものを原資としてプール的な資金に使われたらどうか。そうしなければ現実問題として、みみっちいわずかの安定補給金に終わるのではないかという心配があるのです。どうですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 現在、炭鉱のトン当たりの経常収支でございますけれども、千五百円強の赤字でございます。これに今回の春闘によるいわゆる労務費のはね返りというのが約千円あるのではなかろうかと思いますけれども、そうしますと炭価が全然横ばいであるとすれば二千五百円強、それに今後のいわゆる流通経費のアップ分とか、あるいは鋼材、資材その他のアップ分を入れますと、炭価が一定であるとするならば、本年度もトン当たり三千円くらいの赤字になるのではなかろうかというふうに考えられます。しかし現在、炭価問題につきましては、まだ交渉開始はしておられませんけれども、恐らく近いうちに需要業界と石炭業界との間で炭価の交渉が始まると思います。これで炭価の面で幾ら見ていただけるかということがまず第一にございまして、その後なお赤字ということであるならば、当然財政の援助ということによって、できるだけ山が早い機会に黒字に転化するように努めるというのが私などの考えでございまして、いま、ただ単に財政だけのウエートというものではございませんで、いわゆる石炭の見直し、エネルギーとしての石炭の価値というものが出てきたならば、当然、炭価面における需要業界の協力も仰いでいいのではないかという考えでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私は現状で考えているのではないのですよ。かなり長期的な話をしているのですよ。ですからいま上がれば限界炭鉱はコストはペイする。しかし、いまはできても、それが続くだろうかという心配をしているのです。ですから制度をつくっておく必要があるのではないか、私がさっきから言っているのはそれですよ。というのはこれは答申ですからね。あなたの方は十カ年計画でやろうとしている。ですから制度というものはちゃんとつくって、それはすぐ動かなくてもいいわけです。ですから、こういう時期に制度というものをつくるべきです。産業政策というのはいいときにつくるべきですよ。大体悪いときに産業政策をつくるとうまくいかない。そのときには間に合わない、少なくともその谷には。それで好況になって、その次の谷に間に合う。いままで何回だって経験したでしょう。やってみたときは、次は間に合わないで、その次にも山がきて、またその谷がきたときに、ようやく法律が動き出す。ですからそういう意味で、先にちゃんと枠を組み立てておいたらどうか、私はこういうことを申し上げておるわけです。  そこで最後に、時間もありませんが、やはり賃金というものをはっきりしておく必要があるのですよ。というのは、コストの大部分は賃金でしょう。いま炭鉱はどのぐらいですか、五十数%の労務費になっていやしませんか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 コスト約六〇%近くが労務賃金でございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 ですから今日のような情勢で、しかも労働力が不足をして、十分な労働力の確保ができるかどうか不安がっているときに、坑内の労働者、これは最高であるべきですね。この坑内の労働者の賃金を最高なら最高で押さえておいて、それはどうなのだろうか。いま新政策が始まるときに、そういうものをも確立しておく必要がある。そしてその上、コストはどうなるか、そのコストにおいていろいろ競合エネルギーとの関係はどうか。これは新政策が始まるときの一番のポイントですよ。どんなに節約しても賃金はとにかく六割を占めるわけですよ。その賃金の六割は一体どうなるのか。そしてその決め方によっては、労働力が集まらないというならば、まずそれを基本にして物を組み立てていく必要がある。ですから炭鉱の場合にこういうような状態になっておるし、ここ十数年間非常に苦労しておるわけですから、まず賃金は幾らだ、その上にコストは幾らだ、こういう土台からまず新政策をつくることが必要ではないか、こういうように私は思うのですが、大臣どういうようにお考えですか。これは労使の問題だからというのではなくて、これは基本ですよ。やはり基本問題というのはちゃんとしておかなければ結局崩れていく。日本はかつてフランスよりも出炭が大きかったのですが、残念ながらいまはフランスが三千万トンぐらい掘っておるのに、まだ日本は二千万トンぐらいでしょう。炭層を見てごらんなさい。フランスの方がよほど日本よりも悪いですよ、炭層状態というのは。これはやはり政策がなかった、われわれが反省しなければならなかったのですね。イギリスだって一億二千万トンか一億三千万トン、やがて一億五千万トンを目標にしておる。西ドイツだってやはり九千数百万トン、やはり一億トンですね。わが国だけですよ、二千万トン。きょう、大臣、熊本県の天草の志岐という無煙炭の炭鉱が閉山をした。これは年産十万トンですよ。わずかな小さい炭鉱ですけれども、ついに新政策にも魅力がないし、やっていけないというので閉山をした。きょうですよ。当然こういうものも発表されておるのも知っておる。とてもわれわれ中小企業にはこれは報いがない。そしていま幾ら埋蔵量がありますかというと、JISでやりますと千六百万トンある。十万トンで千六百万トンあれば百六十年あるのです。まあこれは全部掘れやしませんけれどもね。みすみす百六十年ある炭鉱がいま閉山をしたわけですよ。そしてその隣の魚貫というもう閉山をした炭鉱があります。これらを総合開発すればまだまだできるのです。こういう状態が現実に起こっておる。そういう中でこの賃金の問題と、いま起こったこの時点について一体どういうようにお考えであるか、この二点をお聞かせ願いたい。それで終わります。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 当初にも申し上げましたように、今回の新しい石炭政策というものは、石油ショック以来、石炭のエネルギーにおける地位、役割りというものが根本的に変わった。だから石炭というものを新しい立場から見直さなければならぬということから、今回の政策はスタートをしておるわけでございます。そういうことでございますので、これまでと違いまして、あくまで前向きに、これを積極的に解決していくということが、私は基本であろうと思います。  そういう意味におきまして、一つは労務問題でありますが、やはり積極的に石炭問題を取り上げるためには、新しい労務者が石炭業界に入ってこなければいかぬわけでございまして、そのためには保安の問題とそれから労働条件の問題、これを適正に解決していかなければ入ってこない。そういう意味におきまして、御指摘の労務者を確保するための保安と労働条件ということに対しては、十分考えていかなければならぬと思います。  それから当初に御指摘のございました新政策は抽象的であってはいかぬ、それがいかなる機関で、いかなる具体的な方法で進められるかということについても、同時に早急に決めなければならぬ、こういう御指摘もございました。その二つの点は十分心にとめまして、そういう方向で検討していきたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 最後にちょっと。  いま、つぶれた炭鉱の話を私がしたわけですけれども、どういうふうにお感じになっておりますか。私もきょう非常にショックを受けたのです。きょう新聞社が来て、その情報を入れてくれたわけですよ。きょうここで質問する午前に入ったわけです。経営状態というのは余りよくなかったのですけれども、それでも何とかがんばってきたのです。この時期にとにかく百六十年ある鉱山がつぶれるということは非常に残念です。どういうお感じであるか。  それから午前中からいろいろ審議をしておりますと、この答申について労働省や厚生省はもうつんぼさじきと言ったらあるいは言い過ぎかもしれませんが、つんぼさじきにある、こういう感じを受けたわけです。これはひとつ十分連絡をとって、そうして、たとえば年金の場合は厚生省とか、あるいはまた労働力の確保その他住宅の問題もありますから、労働省とか、十分ひとつ合議をして進めてもらいたい、このことを要望しておきます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 新政策を進めていく上におきましては、各省の協力が必要でございますから、その点は十分連絡はとるようにいたします。  それから閉山の問題でございますが、これは私もいま初めて聞くわけでございまして、新しい石炭政策を議論しておる最中に、そういう事態が起こったということは大変遺憾に思います。いずれにいたしましても事情をよく調べてみますが、いまこの場で具体的に申し上げることは差し控えます。  いずれにいたしましても、全力を挙げて新しい石炭政策に取り組んでいきたい、かように考えます。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 多田光雄君。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 非常に時間が短いものですから、何点かかいつまんで大臣にお伺いしたいと思うのです。実はしばらくの間、非常に大事なときだったのですけれども、いろいろな都合で大臣にこの席で質問ができなかったことを非常に残念に思っております。  そこできょう冒頭にお伺いしたいことは、五月二十一日の第二回総合エネルギー対策の閣僚会議で、新聞報道によりますと、増田エネルギー庁長官が、今後十年間のエネルギー長期見通しを説明して、経済成長率は六%可能と述べているわけですが、それを裏づけるエネルギーの安定的な供給の保証があるとお考えになっているのかどうか、この点をひとつ大臣にお伺いしたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 第二回の総合エネルギー対策閣僚会議が先般開かれましたが、その会議に通産省のエネルギー庁から資料を提出いたしました。これは世界各国から資料を集めまして、今後のエネルギーの見通し等を総合的にまとめ上げたものでございますが、その結論は、いまお話がございましたように、今後世界全体の経済が五、六%成長するに必要なエネルギーの供給は総合的に可能である、こういう結論になっております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 そういう確信は閣僚全体の確信なのですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 これは、資料の集め方も偏ってはいけないということで、現存しております世界全部の資料の最新のものを集めまして、そしてそれを総合的に調整したわけでございます。でありますから、私どもといたしましては最も権威のある資料である、こういうふうに考えております。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 昨年の総合エネルギー調査会の中間報告で、たとえば六十年代を目指して日本のエネルギーの大宗を、石油をなるべく減らして原子力、LNG、あるいは輸入炭、そういうものに力を注いでいくというようなことが出ているわけですが、そのエネルギーの中のこれからチャンピオンとなる原子力発電所についていえば、現行の三百八十九万キロワットから六千万キロワットというけた外れな目標を立てた。これが崩れたことは御承知のとおりです。この問新聞に出ておりましたが、二月二十日の電気事業連の社長会議で、昭和六十年の六千万キロワット・プランの再検討と、せいぜいやって二千五百万キロワットだというようなことを当事者が言っているわけですね。これは安全問題、立地問題、その他いろいろあるわけですが、こういうことを御承知で、なおかつ原子力を二〇%近い比率でもって、しかも確信があるというふうにお考えなのでしょうか。これは特に政策的な問題ですから、大臣にお伺いするのです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いまお話しのように現在、原子力発電で動いておりますものは約四百万キロでございまして、それから着工準備中あるいはまた具体的な計画がある程度煮詰まりつつあるものが千三百万キロばかりございます。これらはいずれも順調にいけば数年のうちに完成をするということでございますから、現在、稼動中のもの及び近く完成予定のものを入れますと千七百万キロになります。この最終の完成時期は大体五十六年ぐらいになると思うのでございます。それ以降のものにつきましては、まだ具体的に計画が進んでおりません。抽象的な計画はありましても具体的な計画としては進んでおらぬわけでございます。しかし、一般的に申し上げまして立地問題等から原子力発電所の建設というものは非常に困難になりつつある、こういうことは確かに言えると思います。ただしかし、日本のエネルギー事情を考えますと、国産に準ずる原子力エネルギー、原子力発電というものは、これはやはり可能な限りふやしていきたいという考え方でございまして、六千万キロという昭和六十年の目標数字というものは、あるいは達成できないかもわからぬと私は思いますが、さりとて、この計画をいま直ちに放棄してしまうというのは少し早過ぎるのではないか。仮にこの計画を変えるにいたしましても、もう少し検討してみる必要があるのではないか。こういうことで、まだこれを正式に修正するということには至っておりません。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 今日の日本経済の成長制約要因の第一はエネルギー問題なのですね。これは日本だけではないのです。したがって、エネルギー問題は単に経済問題というよりは、文字どおり政策の根本問題と言っていいと思うのです。しかも、エネルギーの長期見通しの中で原子力に非常に大きな期待をかけている。それがいま大臣がおっしゃったようになかなか危なっかしい、そういうエネルギーの見通しが十分立っていない、そして、経済社会基本計画もいまだにできていないという中で、十年後の石炭政策をこれから立てるというわけですね。大臣は石炭を見直すとおっしゃっておりますけれども、それで本当に確信を持てるのかどうなのか、私ども大変疑問があるわけなのです。  そこで私、ここで産業界の新聞をちょっと御紹介したいと思うのです。これは四月三十日の日刊工業新聞の社説で「石炭の見直しは発想の転換で」というのがあるのです。あるいはお読みになっているかもわかりませんが、一部、私、読んでみます。こういうことを書いているのです。こういうことはいままで経済新聞に出たことはないのですよ。「国際政治情勢は、この数年間に大きく変化し、不安定になってきている。そのうえ、資源保有国間に台頭してきた資源ナショナリズムは強まりこそすれ弱まる方向にはない。したがって世界のエネルギー事情が、こんごどのように動くか全くわからない状況におかれているからである。」四行ほど飛んで「石油に代わるエネルギーとして考えられている原子力、天然ガス、石炭の利用計画などについての検討は具体性を欠き、新規性に乏しい論議に終始しているように思われる。  とくに、国内石炭産業のあり方については、二千万トン以上は生産できないだろうといった自己規制した論議だけが先行、原料炭主義に間違いがないか、経済埋蔵量が本当に少ないか、需要確保のための政策は作れないか、といった問題が提起されていない。これでは真の見直しとはいい難い。発想を変え、より具体性に富む石炭産業の見直しをする必要がある。」こういうことをいままで経済新聞は書いたことはないのです。むしろ石油だ、石油だと持ち上げてきた新聞なのですよ。私は、ここに書かれています「こんごどのように動くか全くわからない」というのは経済界だけではないのではないかと思うのです。政府それ自身がこのエネルギーの問題に見通しをしっかり持っていないから、したがって非常に動揺があるし、長期見通しも不安定である、私はこういうふうに考えざるを得ないのです。  ついでに申し上げますが、いま原子力について大臣は準国産だと言われましたけれども、しかしそのプラントから、濃縮ウランはほぼ一〇〇%近くアメリカに依存しておるわけでしょう。そういうものが本当に準国産と言えるのか。これを除きますと、日本のエネルギーの自給率はいまよりもっとダウンするのです。私は率直に言って、三木内閣のエネルギー政策は、時間がないのでこの非常に大事なところを飛ばさざるを得ないのですが、やはり田中内閣のエネルギー政策と基本的に変わってない。一つはアメリカの石油戦略への追随ですよ。たとえばIEAへの加盟ですね、昨年、閣議で決めました。そこで義務づけられた消費節約の運動、備蓄の強化、そのままなのです。それから、増産に結びつかない石炭政策、安全性無視の対外依存の原子力、この方向は何も変わっていないと私は思う。先ほどるる石炭部長が話をされたけれども、一番根底にあるこの産業、経済動脈のエネルギーの大宗が外国依存になっている。したがって、経済の自主性というものが保障されないのですよ。私はそういうふうに思うのですね。これはこの程度にしておきたいわけですけれども、そういう意味では、これからやる石炭政策の問題にしても、非常に不安定なお話しか私は承ることができないわけです。  そこで、大臣にお伺いしますが、石鉱審の総合部会が先ほどお話があったように、六月十二日から開かれて、その答申素案と称するものが新聞に出され、きょうはまた報告を聞きました。これに対しては、先ほどもお話がありましたけれども、産炭地の地方自治体あるいは各界から、さまざまな批判が出ておるのです。  私が特に興味を持ったのは、同じく業界紙の日本経済新聞なのです。これは六月十六日の社説です。これも私ちょっと読ませていただきたいと思うのです。大臣もお読みになったかと思いますが、ぜひ聞いていただきたいと思うのです。「政府は昨年夏、エネルギー長期計画をつくったが、一年も経たぬうちに実行困難が明らかになっている。この計画(総合エネルギー調査会見通し)では、原子力、次いでLNG導入に力を入れ、昭和六十年度に原子力を五千万キロワットないし七千万キロワット、LNGを三千六百万トンないし六千二百万トン見込み、これらにより輸入石油の一次エネルギーに占めるシェアを四十七年度の七五%から六一−六四%に引き下げることをもくろんでいる。しかし、原子力開発は安全性に絡む発電所立地・建設が難航し、LNG導入計画も必ずしも順調に進んでいない。計画目標の達成はもはや不可能であり、エネルギー政策はいわば振り出しに戻った形である。」そして三点指摘しています。これが私、注目しているところなのですが、「第一に、国産エネルギー最優先の方針を明確にし、実行しなければならぬ。国産最優先は旗印としてはすでに掲げてある。しかし、内容が全く伴っていない。」少し飛ばします。「第二に、日本列島大陸だなを中心とする国産エネルギー開発の主体がいまのように私企業であっていいか、が問題である。」これは業界紙ですよ。「第三は、安全、公害、節約などを含めた技術開発体制を官民一体でつくり上げる必要があることである。」こう言っているのですね。  私がこれを読んだのは、ただお聞かせするだけではないのです。ここで非常に注目に値する問題があるわけですね。それは、日本経済新聞の社長は、御存じのとおり、この答申案をつくった石炭鉱業審議会の総合部会の部会長なのです。もちろん社長個人とその新聞の論調とは私は必ずしも一致するものだとは思いませんが、時が時だけにこれは異常な感じを私に与えるのです。  それからもう一つ、長くなりますが、第三回エネルギー対策閣僚会議に招かれた有沢広巳さん、この人は総合エネルギー調査会の部会長さんですね。円城寺さんはいま言ったとおりです。それから稲葉秀三さん、総合エネ調のガス部会長です。それから向坂正男さん、この人は石鉱審の専門委員です。それから土屋清さん、この人も石鉱審のメンバーです。こういう九氏の方々が政府のエネルギー政策に対してさまざまな意見を出されている。向坂氏のごときは、本当にエネルギー危機は十年後の一九八五年にくるとまで言っているということが新聞に出ているのですね。  ところで政府は、従来、何事も私どもが聞きますと石鉱審の答申待ち、エネ調の答申待ちと言っているのです。その答申をなさっておる方々が、さまざまな意見をいま発表しているわけです。つまり、このことはどういうのだろうか。まあ言論の自由だから何をおっしゃってもよろしいと思いますけれども、一見、矛盾しているように見えますが、これは政府の諮問の仕方が、その内容において果たして適切な諮問なのか、あるいはまた石炭鉱業審議会がその諮問の枠から出られないのではないか。というのは、先ほど部長が報告し、いろいろ答弁しておりますが、まるでこの答申を自分がつくったかのような、もう確信ある発言です。まあ事務局ですから十分御存じでしょうけれども、私はそういう意味で、この諮問の仕方が本当に抜本的に日本のエネルギー政策、石炭政策を検討していくという意味で出されたとお考えになっているのかどうか、これを大臣にお伺いしたいと思います。これはもっとも前任者の出された問題ですけれども。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 一年半前の石油問題が起こりましてから、日本だけではございませんで、世界全体で、石炭のエネルギーにおいて占める地位が根本的に再評価されたと私は思います。埋蔵量から言いましても、石油は大体一千億トンでありますし、石炭はその百倍である十兆トンであると言われておるわけであります。しかも、油のように一カ所にかたまらないで世界各地に散在しておる。そういう意味から石炭が世界全体で根本的に見直されまして、石炭をそのまま活用するということだけではなくして、石炭の液化あるいはガス化という新しい技術にも積極的に取り組んでいく、こういうことが世界各国でいま歩調を合わせて進みつつある。こういうようにエネルギーの分野では革命的な変化が、ここ一年半の間に起こってきたと思います。そういう一年半の革命的な変化の中でありますから、その間、政府のエネルギー政策が当然それに即応して変わっても、それは変わらない方がおかしいのであって、変わってしかるべきであると思うわけでございます。  そういう背景を踏まえまして、今度、石炭問題を審議会に答申をお願いしておるということでございますので、政府もこれまでの石炭政策とは意気込みが違うというふうに私どもも考えております。国内炭の問題だけではなくして、外国からの輸入炭の問題は一体どうするか、あるいは一般炭と原料炭の問題は一体どうするかというふうなすべての問題を含めまして、石炭を根本的に評価し直さなければならぬ、こういうことでございますから、これまでのような後ろ向きの対策ということではなく、方向転換をいたしまして、前向きの対策という形で今回、この問題に取り組んでおるというふうに、ひとつ御理解をしていただきたいと思います。決しておざなりにやっておるわけではない、こういうふうに御理解していただきたいと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 私は、大臣のそのお言葉を別に否定するわけではありません。言葉としては私は賛成なのですよ。しかしながら、大臣がそういう御発言をなさっているそのときに、先ほどありましたように、日本に数少ない無煙炭の志岐炭鉱がつぶれているのですね、なお数十年掘れるだけの埋蔵量を持ちながら。  もう一つ大臣に注意していただきたいことは、石炭を掘れということは、外国の石炭を入れてくれということを言っているのではないのです。なければ入れなくてはいかぬでしょう。しかし、国内炭を掘りなさいということを言っているのですよ。石炭一般論を解説しているのではないのです。貴重な国内の資源を掘りなさい。私は、これで全部自給できるとは思っておりませんですよ。石油も要るでしょうし、原子力の開発も要るでしょう。しかしながら、貴重な国内資源に立脚するという立場に立たないと、原子力も石油も石炭の果てまでも外国依存になってしまって、非常に不安定な自主性のない日本の経済建設になってしまうのだ、このことを私は言っているのです。だから、大臣が本当に石炭を見直すというお考えであるならば、これはもちろん金のかかることではありますが、思い切って日本の国内炭を増産していく。それは一遍に倍にもなりませんでしょうが、一定の中期、長期の計画を立てて増産していく。二千万トンといったって現状維持なのですから、しかも、これは最盛期の約三分の一です。そういう意味でぜひやっていただきたいと私は思うのです。  この間、私、大臣を通して総理大臣にということで、新石炭政策の策定についての申入書というのを大臣にお渡し申し上げましたし、総合エネルギー調査会の会長や石鉱審の会長さんにもお渡しいたしました。ここの中には、新しい石炭政策の私どもの考え方、その他産炭地の問題、それからいま当面する最も重要な問題について触れておりますが、これについて御検討になっていただいたでしょうか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 先生の方から大臣の方にお出しになりました復興公社案、あるいは社会党の方からもいただいておりますけれども、公団法いわゆる活用法案という案、そのほか鉄鋼業界の意向あるいは電力業界の意向、それに石炭業界あるいは組合、それぞれの意見をいろいろ尊重しながら、現在、審議会の方の骨子をまとめつつあるところでございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 大臣、読まれておらないようですけれども、政党の出す申入書はぜひひとつ真剣に読んでいただきたいと思うのです。半端なものではなくして、やはり日本の経済の問題、将来の問題を考えて、私どもはこれが最も正しいと考えて出しているものですから、ぜひ読んでいただきたい。  その中で私は、非常に時間がなかったのですが、拙速をやめて、いまの段階で十分検討してもらいたい、そして各界の意見を聞いて石炭政策を樹立してもらいたいということを大臣に申し上げたはずなのです。これは時間がありませんでしたから、お忘れになったかもわかりませんが、この文書の末尾にも特にそのことを強調しているわけです。拙速かどうか、出てきたものを見ましたら、これは決して私どもが満足できるものではありません。それどころか、非常に不安定な見通しの上に立っているということがますますはっきりしてきた。  そこで、私は大臣にお願いしますが、先ほど冒頭に申し上げましたように、この委員会においても、大臣が就任されてから来られたのは三回なのです。私のきょうの質問時間は、大臣との往復でたった四十分なのです。ですから大臣も、この石炭の特別委員会をそれこそ特別なものとお考えにならないで、いろいろな院の運営もありますけれども、ひとつ積極的に出ていただきたい。そして真剣になって、この石炭特別委員会で日本のエネルギー、石炭問題のこれからの運命を考えていく必要があると思うのです。  それとあわせて、きょうは私のお願いその他が大変多くなりますが、昨年の十一月かに日本学術会議が「資源・エネルギー関係の研究体制について」という、政府に対する勧告を出しましたね。これは大臣お読みになっているかどうか存じませんが、ここには非常にりっぱな見解が述べられていると私は思うのです。そこで、拙速を排して各界の意見を聞いていくという意味で、審議会とあわせて日本学術会議のこういう方々と真剣に話し合う場を持つことはできないかどうか。  さらに私、お願いしたいことは、産炭地の自治体の代表、労働組合の代表あるいはCO患者で苦しんでおるような方々、文字どおり石炭政策の裏表になっているところです。大臣、国会が終わってからでもよろしいですが、そういう方々の意見を真剣に聞いて、これからつくる石炭政策に反映される御意思があるかどうか。やってみましょうではなくて、ぜひこれはやっていただきたい。  日本学術会議の方々、産炭地の自治体の代表、労働組合の代表あるいは公害で苦しむ九州の住民代表の皆さんと真剣に話し合っていただきたいと思うのです。前の中曽根通産大臣は炭坑に入られたというふうに言っておられましたが、炭坑に入ることも必要だろうけれども、まず各界と話し合って正確な政策をお立てになる必要があると思うのです。この点はどうでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 これからの政策の進め方の手順といたしまして、来月の中旬に審議会の答申が出るわけでありますが、その答申が出ますと、それを参考にいたしまして政府の方では今後の石炭政策を決めるという手順になっております。その答申が出ました段階におきまして、いよいよこれをどういう形で実行するかというときに、私はいま御指摘のようにできるだけ広く各界の意見もさらに聞いてみたいと思います。せっかくの御提案でございますから、そういうふうに努力をいたします。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 その各界という場合、ユーザーや業界だけではなくて、私のお願いしているのは特定の、たとえば名前を挙げているのです。日本学術会議がこれだけりっぱな提言をしているわけです。この学術会議の専門家の皆さん、あるいは数少ない石炭産業の研究家それから労働組合、産炭地の自治体代表、こういう方々とはぜひ会っていただきたい。これはどうなのでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いま具体的に名前を決めるわけにはいきませんが、できるだけ幅広く会いまして、いろいろな意見を聞いてみることにいたします。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 ぜひ、それはやっていただきたいと思います。もうすでに労働問題や価格の問題は、非常に短い時間ですが、いままでも当委員会でやってきておりますので、私は、どうしてもそのことを冒頭に大臣にお願いしたかったわけです。  そこでもう一つお伺いしたいのは、さっきから問題になっている第三セクターの問題。私もさっきから聞いていて、いよいよ日本の国の石炭政策それから石炭企業はくるところまできてしまったな、率直に言ってそういう印象を受けるのです。石炭産業は、御存じのとおり明治以来、国の財政に寄生したいわば寄生虫みたいなものです。そして今度の十数年のスクラップ・アンド・ビルドの中でも、会社に出しただけで一兆円近いでしょう。今度は国の金だけではなくて、地方自治体にまでおんぶして生きていこうというのです。私は私企業をつぶせと、いま言っているのではないのです。先ほど部長は地方自治体から金を出さないようにすると言っているけれども、そんな甘いものではないのですよ。住宅を今度は移す。敷地はどうするのですか。だれが買うのですか。市営住宅ですか、県営住宅ですか。道路を舗装しなければなりませんでしょう。つまりここでも企業は集積の利益を受けるのです。過去のあの第三セクターで、どれだけ地方自治体が開発の下請になってきたか。それがいま地方自治体の財政困難の最大の原因の一つになっているのです。つまり私の言いたいことは、恐らくこれは、部長が言ったように地方自治体は協力します。鉱害を抑えます。そうして住民運動を抑えていく、そういう結果になりますよ。それが協力なのです。それから、これも部長が言った、消滅鉱区をまたもとの住友や三井に返すわけにはいかない、そんなかっこうの悪いことはできないから。そこで、かっこうよく地方自治体やユーザーも入れて第三セクターをつくって、あなたが言ったように実質的に、もとの旧事業者である三井、三菱、住友にまたやらしていく。どこが違うのですか。そしていま一つは、石炭企業と需要家は、国の金だけでなくて地方自治体まで今度は食い荒らしていくのです。これはもう手のひらを見るよりはっきりしているのです。これが本当の石炭政策につながるかどうか。だから私はくるところまできたと言っているのです。  つまりそのことは、エネルギーというものは公共性を持ってきているのです。しかも石炭を重視しなければならない。ところが利益本位の私企業は、開発も国におんぶだ、炭価も助成により国におんぶだ、坑道掘進も国におんぶだ。先ほど言っていたように、もうすでにそれは公共性を持ってきている。それ以外に生きる道はないのです、少なくとも炭鉱について言えば。だから私どもは、この間、石炭の基本法案と公社法案を出して、石炭産業だけはどうしても国有化しなければならない、いま現実にそういう状態になってきているのですから。去年、おととしは、石炭協会の会長も、景気が悪いものだから、私企業よりは公企業の方がいいよなんて発言していた。このごろは少し景気がよくなったから、また私企業にやらしてくれ、こういう調子のいいことを言っている。大臣、私企業は私企業としてやらしたらよろしいでしょう。国の持っている鉱区について言えば、本当に国の百年の大計を考えるのであれば、六十億トンあるのですから、仮にそのうちの三分の一としても二十億トンです、それを本気になって国が掘っていくという姿勢に立つかどうか、それが石炭を見直すというあかしだと私は思うのです。外炭を輸入したから石炭を尊重したのではないと思うのです。そういう意味で、こういう答申の素案が出ておりますけれども、真剣に日本の石炭産業のあり方という問題を——すでにもうイギリスやフランスやその他では国有、公有化してきているわけでしょう。何にもこれは資本主義に矛盾するものではないのです。憲法にも矛盾するものではありません。そういう意味で私は、そのことを含めて真剣にお考えになっていただけるかどうか、これをお伺いしたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 石炭の問題につきましては、これまでと違ってあくまで前向きに検討していく、こういう基本的な姿勢を申し上げたわけでございます。そういう立場に立ちまして、今後も新しい石炭政策を具体的に進めていく上においてはどうしたらよいか、こういうことを一生懸命考えておるわけでございまして、第三セクターの問題につきまして断片的に石炭部長が申し上げたようでありますけれども、これも最終的にどういう形にするかということは、まだ決まっていないわけでありまして、果たして日本の現状において、どういう形が最も能率的であるかということ等につきまして、よく検討して、一番能率のよい方法を考えていく、こういうことで今後とも検討を進めていきたいと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 私どもの考えている法案大綱にも出したのは、私企業は私企業で残してよろしいというのです。私企業は現在、一番いい鉱区を持っていますし、労働力の基幹部分を持っているし、最大の技術を持っているのは今日の私企業なのです。これをわれわれはつぶすなどと言っているのではないのです。これはこれとしてやらせなさい。国が買い上げた鉱区はまだ六十億トンあるのだ。それを第三セクターなどというものでやるのではなくて、国が直接、日本の産業の動脈であるエネルギー、これのしっかりした大黒柱を立てるのだという意味でやったらどうなのかと言っているのです。私どもは全部国有化しろなどということを言っているのではない。そんなことをいま言ったら、それこそ子供だましのことです。まず、われわれのやれる範囲から、仮に五十万トンでも百万トンでも国が率先してやっていく、そういう姿勢をお立てになったらどうなのか、そのことなのです。決してそれは誤解なさらないでください。それはきちんと私どもの法案にも出ておりますし、この間の申し入れの中にも載っているわけです。  そこで大臣が、これから第三セクターの問題もあるけれども、お考えになっていることは、そういう抜本的な問題まで含めてお考えになるということなのかどうなのか、それを伺いたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いまの話は国営でやったらどうか、その方がいいのではないか、こういうお話でございますけれども、私どもは、いまの段階では国営でやると能率が少し落ちるのではないか、いまの第三セクターというふうな形でやった方が能率が上がるのではないか。とにかく新しい仕事を始める以上は、能率が上がるということが一番大事でございますから、そういうことをよく考えまして今後とも善処していきたい、こういう考え方でございます。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 能率が上がるということは、ペイするかどうかということだと思うのですね。日本のエネルギー問題は地方自治体に任せられないのです。国が責任を負わなければならないのです。イギリスだってペイしているかどうか疑問でしょう。しかし、自国の産業の大黒柱を立てているという意味で、同じ資本主義国でもフランスやイギリスはやっているわけでしょう。アメリカだって膨大な独立宣言をやって石炭の見直しを始めてきているわけだ。確かにこれは私企業であるけれども、私は単にペイするかどうかということが最大の弱点であったと思う。大臣もこの間言ったのですよ、経済性ばかりにエネルギーはかかわっていたからと。そうして百年の大計を逸しているわけだ。時間が来ましたので、そういう問題を含めて検討していただきたい。  なおかつ私、もう一つ申し上げたいのは、大臣にこれはささやかな願いです。これから日本の炭鉱は深部に入っていきます。この間も参考人が深部の問題で言われておりました。いつも部長なんかはそのことを第一の理由に挙げているわけだけれども、相当技術を高めていかなければならない。そういう意味で日本に試験炭鉱をつくってみたらどうか。これは私がちょっと調べたのですが、豪州のクインスランド大学は試験鉱山を持っているのですね。そこで技術を研究し、いろいろやっているわけですよ。だから規模の大小は問いません、日本も国がやはり試験炭鉱を持って、そこで技術、機械そのものを研究していく、そして保安も研究していく。そういう試験炭鉱のようなものを北海道とか九州の産炭地でつくってみる。もし、どうしてもいま言ったように国が全面的に出るのがなかなか困難だというような局面があったとしても、こうやって石炭の企業を激励していく、あるいは技術者を養っていく、あるいはそれに並行して鉱山学校をつくって労働者を養成していく、この程度のことは国がやっていかぬことには、どんなに大臣が、私は炭鉱を重視します、石炭を重視しますと言ったって、これはそうはうまくいかない。日本の石炭は二千万トンに低迷して、今後輸入炭がどんどんふえていく、そして依然としてエネルギーの大宗はあちら任せということなのです。大臣はあと一年続くのか二年続くのか私はわかりません。しかしながら、国の百年のことを考えるのは、一年でも二年でも大臣をやった方の責任だと思う。私ども政治家の責任なのです。そうだとすれば、先ほど私が提起した問題、私どもは復興公社というのを考えているわけですけれども、そのことも含めてひとつ御検討願いたいけれども、さしあたりそういうふうな技術者を養成していく、技術の向上を図っていく、そういう試験炭鉱のようなものをつくってみる、あるいは鉱山保安学校をつくって中堅の労働者を養成していくということは、二千万トンを維持する上で私は不可欠な問題だと思うのです。なぜなら、労働力が最大のネックになるのですから。これは河本通産大臣に、いま不況の問題であなたが発言しておられたけれども、あの力を半分出されるだけで私はやれると思うのです。どうでしょうか、御検討なさっていただけるでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 試験炭鉱をつくるかどうかは別といたしまして、いま試験炭鉱をつくるのは、新しい技術者の養成であるとか、あるいは新しい労働力の確保であるとか、そういうことが目的である、こういう趣旨のことをお述べになりましたが、私はその目的は全く賛成であります。したがいまして、具体的にこれをどう進めていくのがいいのかということをよく検討させていただきたいと思います。

多田光雄日本共産党・革新共同

○多田委員 時間が来ました。一般炭と今後の石炭の価格の問題、それから財政問題も実は用意してきておりましたけれども、時間がなくてできませんが、大臣、この石炭の問題は問われている問題の一つだと思います、日本の産業がどっちの方向を向いていくかという。そういう意味で、大臣が先ほど私に御答弁になったようなそういう一つの熱意というものを、ただの熱意で終わらせないで、石炭の増産と日本の経済を自主的に発展させていくという意味で、ひとつぜひ思い切った措置をとられ、そして各界の意見を聞いて、りっぱな石炭政策をつくっていただきたい、またつくろうということを、心からひとつお願いを訴えて、私の質問を終わりたいと思います。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 松尾信人君。

松尾信人公明党

○松尾委員 私は、きょうは独占禁止法の改正につきまして、参考人の方々に意見の聴取をして、そして質疑をしてまいりましたので、非常に各委員の質疑と重複するかと思うのでありますが、これはお許し願いたいと思います。  石油危機以来、石炭に対する認識というものが非常に深まってきた。いろいろ変化もしてきている。そういう中で、やれ新鉱の開発だとか、または再開発等の明るい材料も一部に出ておりますけれども、しかし、一方では企業経営の行き詰まり、そういう点から規模の縮小、人員の整理というような動きが出ておりまして、閉山に対する不安というものがぬぐい去られておりませんし、かえって強いものがございます。現在、政府では五十一年度からの新石炭政策の諮問を行って、間もなく答申も出ようとしております。六月十二日に審議会の総会を開いてということでありましたが、これはおくれておるようでありますけれども……。  私がここでお尋ねしたいと思いまするのは、今回の諮問に当たっての石炭の重要性に対する認識、また基本的な考え方はどうか。特に今回は十二年ぶりの見直しとも言われておりまして、それなりの変化と、後退から前進へというものが期待をされておるわけでありますが、では従来の政策から何がどのように変わってくるのか、そして従来の政策からの脱皮をどのようにして図ろうとしておるのか、これが私の第一番目の質問でございます。お答え願いたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 一昨年秋の第四次中東戦争を契機といたしまして、石油危機が勃発したわけでありますが、それ以降、世界各国がエネルギー政策を見直そうということで、全部再検討に入ったわけであります。     〔委員長退席、多田委員長代理着席〕  日本におきましても同様に、今後のエネルギー政策はどうあるべきかということについて、いま検討しておるわけでございます。私は各国によって若干事情は違うと思いますけれども、この石油ショックが起こりまして以降、石油の役割りももちろん依然として重要でありますけれども、石炭と原子力、特に石炭は非常に重視されるようになった。石炭の果たす役割りというものが改めて見直されるようになった。そういう客観情勢のもとにおきまして、いま新しい日本の今後の石炭政策のあり方について、審議会に答申をお願いしておるわけでございますが、そういうことでございますので、これまでの石炭政策は後ろ向きの政策でありましたけれども、今後の石炭政策は前向きの政策に変わる、そういう意味におきまして根本的に立場が変わってくるのではないか。石炭のエネルギーに占める役割りというものが非常に大きく変わってくる、こういうふうに理解をいたしております。

松尾信人公明党

○松尾委員 従来は後ろ向きが今回は前向きだ、そのようなお答えであったのですけれども、非常に内容はわかりません。本当にこれはわれわれが、どうかということを一つ一つ聞いていかなくては、具体的な答えは出ないと思うのでありますけれども、いまも問題になりました新鉱開発に、地方公共団体、需要者、石炭企業、この三者による共同開発体、これはいわゆる第三セクター方式ですか、このようなことが考えられておる。     〔多田委員長代理退席、委員長着席〕  いろいろ、そこには問題がございましょうけれども、この三者というものが、どのように役割りを分担していくのか。これはいかがですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 第三セクターの構想でございますけれども、一つは地方公共団体、ユーザー、石炭企業で構成される共同開発体の設立ということでございまして、一定規模以上の炭鉱を開発する場合には、当然、鉱害対策を含めた地域住民との関係問題あるいは地域の総合開発、需要の確保というような見地から、地方公共団体、需要者及び石炭企業により構成された第三セクターで開発した方がいいのではなかろうかという発想でございます。関係者の総意に基づく協調体制につきましては、第三セクター体制は関係者の協調体制によって成立するものと思いますし、共同して責任を持ちまして事業を推進するという考えでございまして、資金不足による開発不能を解消する一つの方策でもあろうかと思います。また、三者のおのおのの長所を集約したものでございますので、地方公共団体は地域開発という観点からも参加していただき、また需要者の方は、将来引き取るということに対する保証の問題からも参加していただくということが、むしろ供給の安定確保という点にもつながるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。  なお、地方公共団体の現在の財政事情からいたしまして、私どもとしまして、この地方公共団体に金を負担さすという考えは、現在のところ持っておりません。政府といたしましても、従来どおり新鉱開発につきましては当然、融資を行うということが前提でございまして、開発そのものがスムーズにいくようにということの考えからの第三セクターの構想でございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 そうしますと第三セクターが一生懸命になって新鉱を開発する。そのときの金の出しぐあいでございますけれども、地方公共団体には金は出させない。そうすると新鉱開発に必要な所要資金、これはだれとだれが出して、どのような負担の割合になっていくわけですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 この中には需要業界も入っていただくつもりでございますし、いわゆる石炭企業の方も技術として参加していただくという考えを持っておりますので、そういう方々の開発投資に対する融資の御援助というものも、現に鉄鋼業界等におきましては、有明の新鉱開発あるいは北炭の新鉱開発あるいは九州における松島炭鉱の新区域への転換に対する融資というようなことを、需要業界の立場としまして、いわゆる将来の引き取りというようなことから協力をいただいておるのも事実でございますので、こういう協力も得られるのではないかというのが、一つ考えとしては入っておるわけでもございますし、また、いままでの新しい開発の炭鉱に対しましては、御存じのように石炭鉱業合理化事業団から開発融資ということで、相当な金を融資しておりますので、そういう点は今後も引き続き融資業務として、予算の確保には努めたいというふうに考えております。

松尾信人公明党

○松尾委員 いまの石炭企業が新鉱開発にどのくらい金が出せるかという問題でありますが、これは現在の操業を維持する、それが精いっぱいであるし、だんだんその操業の維持も困難になってきておる。ですから人員整理もするのだし、そして行き詰まったところでは閉山の問題が切実にいま地域住民の方々に出ておる。そういうときに果たして企業にどのような力があるのか。金を貸すということでありますけれども、金を借りればやはり払わなければいけないのだし、現在の企業を維持するのが精いっぱいでありまして、そういう面で融資の援助といいますけれども、これは全額融資になっていくのではないだろうか、また需要者、需要者といいますけれども、需要者の方のそのような新鉱開発に対する熱意、それから資金的な余裕、こういうものはどのように見ておりますか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 現に、現在までに閉山されましたところの事業団が保有しております鉱区とか、あるいは消滅しました鉱区に対しまして、掘りたいという希望を持っておられる企業が数カ所あるのはもう事実でございます。これは現在の法律体系からは、すでに事業団の方に一回お売りに出したということで再開できませんので、この点は次の国会のときに法案を改正してお願いしなければならぬ点でございますので、そういう点から考えますと、決して需要業界の方であるいは石炭業界の方で、全然金を負担できぬという状態ではないのではなかろうかというふうに考えております。  また天北の開発につきましても、これは大半が三菱の鉱区でございますけれども、そのほか中小関係の鉱区の問題、少々入り乱れて入っておりますけれども、この辺は総合開発という、これが仮に開発されるということになった場合は、当然、地域の御協力を得つつ、なお露天掘り、坑内掘り、あわせて開発しなくてはならぬ地域にもなっておりますので、いわゆる露天型の総合開発後の跡地利用の問題、こういうことも考えますと、第三セクター的な一つの共同体で開発していただく方が、よりベターではなかろうかというふうに考えております。  また天北等につきましては、すでに三菱の方からも、電力の方でお使いいただくならば是非開発したいのだ、融資面については、あるいは投資面については、話を聞いておりませんけれども、希望のあることは事実でございますので、決してただ架空にこの点を、ここへ答申の形で出しておるのではございませんで、ある程度具体性があるということをお含みおきいただきたいと思います。  なお、そのほか今回の二億五千万の調査費をもちまして九北にわたりまして調査をいたしておりますので、そういう点である程度の経済性のある掘るべきところが出てくるならば、当然、石炭鉱業審議会の部会の方でいろいろ御検討いただいて、決まったことに対しては、国としても十分助成なりを実施しながら開発していくべきではないかというふうに考えております。

松尾信人公明党

○松尾委員 どうもある程度具体性があるとかいうようなことでありまして、これはうまくいくかどうか、私は非常に心配なのですよ。そうしてむしろこのような過渡的な機関をつくっておいて、余り自信もない、そういうことをやってみて、政府の責任をその間、少し転嫁するような、逃げていくような姿勢があるのではなかろうかということを心配するわけであります。  二億五千万の調査費、これでどのような新鉱開発の計画が出てくるか、そういうことも考えますと、それは調査費なんかも思い切って使う、出す、そして少しでも有望というようなところは思い切って開発する。それを若干助成するとかいうようなやり方でなくて、政府がすべての責任を負って、そして勇敢にこれを進めていくというのが新石炭政策であろう、私はこのように認識するわけであります。仮にあなたの方の説に一歩譲りまして、うまくいけばいいわけでありますけれども、これが思ったとおりいかなかった場合には、新鉱開発をどのように次は考えますか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 調査関係は本年度だけではございませんで、当初六億の予算要求をしたわけでございますけれども、もちろん本年度一年で済むわけでもございませんので、来年度も同じように調査関係を進めさせていただきたいというふうに考えております。  また、こういうところの調査の結果を見ますと、恐らく先ほど申し上げたような、すでに掘りたいというところもございますし、また掘れるところも出てくるということで、午前中も御説明したのが、一応、図上的な計画でいきますと五百万トンくらいは採掘可能ではなかろうかということで、そのうちの二百万トン強ということを安全的にとりまして、二千万トン以上の体制を堅持するという姿勢で臨んでおるわけでございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 大きな責任があるわけでありますから、やはり早く明確に、その責任というものはもう国がとるべきである。企業だとかそういうものは力がないというように私は思います。ということで、こういうことを繰り返しておりますとこれだけで時間がなくなりますので、次に移らなくてはいけません。念のため、くどく申しておきますけれども、やはりもう時が来た。そして新鉱開発については国が全責任をもってやるべきである。そしてこのような新しい制度をつくって、少しでも国が責任回避をするようなことではいけませんということを指摘しておいて、次に移ります。  次は、石炭の価格の問題であります。これは審議会の中でも大変問題とされておるようでございますけれども、この炭価は、企業の経営というもの、これを何としても安定させなくてはいけない、これは従来からの問題であります。そして一面では、価格の問題が解決されないでは石炭の問題はすべて解決されない、そのように思います。どのようにこの炭価の問題について解決していこうという決意であるか、これはきちっとお答え願いたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 炭価問題につきましては、単年度で申しますと、四十九年度末の石炭鉱業の大手八社でございますけれども、経常収支の状態は、トン当たり千五百円強というような赤字になっておりまして、先ほどの春闘によりまして一応賃金問題も片づいたわけでございますけれども、トン当たり約千円のはね返りがくるということになっております。また、そのほか輸送費のアップの問題あるいは鋼材その他、坑内のいろいろな資材等の値上がりも考えますと、炭価が仮に据え置かれたということを前提にいたしますと、約三千円強の赤字がまた本年度も続くのではなかろうかというふうに考えられます。現在、まだ炭価交渉に入っておりませんけれども、恐らく近いうちにこういう赤字解消の方向に向かいました炭価交渉が、需要業界、石炭業界との間で始められるものと思います。また、これで幾ら炭価がアップするか、いろいろむずかしい問題もございますけれども、これによって赤字が今後幾ら残るか、あるいはそれに対する財政の補てんをどうすべきかということを、単年度的には考えるべきだろうと思います。  なお、長期的な問題としましては、今後の輸入炭の価格の動向がどうなるか、あるいは油の価格がどうなるか、あるいは輸入一般炭の価格がどうなるであろうかというようなことは、審議会の中の専門委員会の下のワーキンググループというところで、今度いろいろそういう作業はいたしておりまして、一応のめどと申しますか、数案をベースにいたしまして、そういう炭価になった場合、当然片一方コストというものも、企業からお出しいただきました数字をいろいろ修正もし、あるいは甘いところは見直しもし、いろいろ検討しておるわけでございまして、それの炭価といわゆるコストという関係から見まして、ここ十年先まではちょっと見ておりませんけれども、三年先までの見通しは立てた上で、いま、いろいろ財政当局ともお話ししている最中でございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 掘れば掘るほど現在、企業は赤字になっておる。炭価の決定がいままでいろいろな要素を加味されておりますけれども、結局ペイするだけのものではない。それをどうするかということは、いろいろのエネルギーとの比較だとか何とかでは国内炭が不利だ、石油がどんどん上がっていけばいいですけれども。ですから、これはいろいろの基本的な問題はありますけれども、結局はこの日本の石炭産業をどうしていくのか。そうして新エネルギー政策の中で石炭を見直すということになりますと、炭価というものも思い切った発想をしませんと、いままでの考え方では、なかなか企業がペイするだけのことはない。企業が立ち上がれない。そうすると行き詰まる。行き詰まっていろいろな問題が起こる。閉山が近づく。そうして新鉱開発等に対しても出すだけの金がない。悪循環を繰り返すばかりだと思うのであります。大臣、ひとつ炭価の問題、これは新しい発想をしなければ、私は解決する問題でないと思います。  いろいろ質問したい点もありましたけれども、もう時間がほとんどなくなりましたので、あと一問いけるかどうかわかりませんが、ひとつ炭価の問題は専門の政府委員から十分お聞きになって、そうして過去のいきさつをお調べになって、そうして現在、その炭価で企業がどのような収支の状態になっておるのか、ペイしておるのかどうか、掘っても掘っても損するというようなことは、これはどうしたらいいのか、そういう企業をどのようにやっていくかという重大な問題があるわけです。ですから、これはひとつ大臣とされましては、しっかり勉強をして、そうして炭価を思い切った発想で決めていく。そういうものがないと、今後もこの炭価の問題から、あらゆる問題が派生的に起こって収拾がつかない、こう思うのでありますが、ひとつあなたの決意を聞いて、私は、よくやったなあ、そうでなくではいかぬ、それが新石炭政策の基本だ、このように認識したいと思っておるから聞いておるわけであります。ひとつあなたのお考えを聞かしてください。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 炭価の問題は私は聞いております。この問題を解決しませんと、石炭政策が前進しませんので、これは何らかの形で解決するつもりでおります。

松尾信人公明党

○松尾委員 よくわかりました。ただ、ちょっと気がかりになりますのは、何らかの形とおっしゃるわけでありますが、くどく、くどく申し上げますけれども、基本的な問題でございまするので、新しい発想でひとつやってもらいたい、これは重ねて私は希望いたしまして、私の質問をきょうは終わります。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 小宮武喜君。

小宮武喜民社党

○小宮委員 私は政府を信用しないというわけではございませんけれども、今度の新石炭政策の基本的な方向として、二千万トン体制を基本にしておられるわけでございますが、この二千万トン体制にしても、今後十年間、この間に国の財政負担の問題、あるいは需要家との関係の問題、あるいはまた今後の石油事情の変化の問題、さらには輸入炭価格の問題等々から、本当に政府がこの二千万トン体制を絶対崩さぬということで、この方向を堅持するのかどうかということを、私はまず御確約をしていただきたいと思うのです。大臣、どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 これはやはり一番基本の問題でございますから、答申が二千万トン以上、こういうことで出ました場合には、それを最高の方針として、それを中軸といたしまして、いろいろな政策を進めていきたいと思います。

小宮武喜民社党

○小宮委員 これはやはり問題になるのは、これは先でも触れますけれども、輸入炭の価格の問題、あるいはそのことによって需要家との負担の問題、また、国の財政負担の問題等々から、本当にここでもう新政策を打ち出される今日、やはり政府の考え方をはっきりただしておかぬと、そういった事情の中で、どのように政府の考え方が変わっていくかということを私は恐れるものですから、ここで再確認をするということでございます。  それから二千万トンの問題、いろいろ問題になっておりますが、これはいままでの説明によりますと、二千万トンというのは、いわゆる石炭の長期安定供給の立場から、私は二千万トン以上ということに決まったと思います。ところが、これは先ほどから言われるように、それでは二千万トンずつ掘っていた場合に、今後、何十年間石炭を掘られるのか。これはちょうど昨年、ここで参考人を呼んで、いろいろ可採炭量の問題で参考人の意見を聞いたわけですが、ある参考人は、理論可採埋蔵炭量は約二百億トン、安全炭量が百億トン、その中で実収炭量は五十億トンから三十億トンである。しかもこの数字も、経済性とか設備投資とか労働力を抜きにした考え方であるので、経済炭量はさらに減るものと思われるという意見を述べられております。もう一人の参考人は、現在、経済的に稼働できる可採炭量は数十億トンぐらいであるが、現状の状態で掘るとすれば、十億トン台である。しかし、本当に必要だということで採算を度外視して掘るということであれば、二十億トンぐらいは可能であろうということを、この本委員会で参考人の学識経験者の方が言われておるわけです。したがって、二千万トン体制というのは、私は何十年間掘るのかということになると、いわゆる経済ベースで掘れる可採炭量をどれだけに見ておるかということを知りたいわけです。したがって、先ほどからいろいろ問題がありましたけれども、やはりあくまで通産省が考えておるのは、いわゆる経済ベースで考えてこれくらいだというような判断に立っておられると思いますので、そういった意味で、二千万トンずつ掘った場合に、今後何十年間、国内の石炭を掘られるのか、その点、根本的な問題に触れますので、その点についての所見を通産省から聞いておきたいと思います。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいま先生の方から、国内の石炭の炭量問題についてのいろいろの御指摘があったわけでございますけれども、昭和二十七、八年ごろ、通産省の試験所を通じまして測定いたしました炭量については、二百億トンというような数字の出ておるのも事実でございます。また、このうち安全炭量としては四十四億トンとか、あるいは実収炭量で三十一億トンとか、いろいろな資料の数字が出ております。  私どもが今度の二千万トン以上という数字の対象にいたしました一応の可採炭量でございますけれども、これは、現時点において一万五千円以内で掘れる炭量は幾らあるかということを計算したわけでございまして、現在の稼働しておる炭鉱及び消滅あるいは事業団が保有しておる鉱区の炭量というものを計算いたしますと、一万五千円以内で掘れる炭量としては約十億トンあるということを当石炭部として説明ができる数字が約十億トンということでございます。またこの十億トンは、ただいま申し上げましたように、当時の一万五千円ということをベースにして計算しておりますので、仮に三万円で掘るあるいは五万円で掘る、これは仮定の数字でございますけれども、こういうことで炭量を見直しますと、当然これはふえてまいりますし、また、この一万五千円で掘れる十億トンというものも、仮に一万円でということになれば、これはまた量が制限されるような次第でございます。なお、一定の時期におけるコストをベースにしておりますので、将来のコストの増というものに対しては、当然またこの炭量というものは見直しをしなくてはならぬ数字ではなかろうかというふうに考えております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 しかし、ずっと午前中からの説明を聞いておると、いわゆるこの二千万トン体制というのは、長期安定供給という立場から大体二千万トンということで抑えたというふうに、私はずっと印象を受けておるわけです。だから、いま私が言っているのは、一万五千円で掘れる経済ベースの可採炭量は十億トンだということでございますが、そのことを初めから想定をして、そして結局、二千万トン掘れば五十年間は続くというふうに考えられたのか、それとも余り二千二百万とか三千万と言ってみても、現状は二千二百万トンでもこれは四十九年度、四十八年度達成できないわけですから、やはり安全係数をとって二千万トンというように、こちらの経済ベースは一応抜きにして二千万トンということを決めたのではないかというふうに私は考えるわけですが、一万五千円の経済ベースで掘れば十億トシある、また三万円も出せばもっとふえる、これはもう当然ですね。しかし、そういうような意味で、今度のこの二千万トン体制というのは、十億トンということでいわゆる二千万トンで掘っていくと五十年間は掘れるという計算までして、この二千万トンということに大体、基本的方向を決めたわけですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 新鉱関係あるいは事業団の保有鉱区の炭量というのが三億数千万トン、この十億トンの中に入っております。それから、残りの七億トン近い炭量というものは、現有鉱を中心にして考えておりますので、いま先生の御指摘の点とは、そうそごはないのではなかろうかと思います。  なお、現在のコストでございますけれども、一つの炭鉱で特に飛び抜けて高い、一万七、八千円のコストという山はございますけれども、これはもう御存じのように、この前合理化をやった九州の山でございます。その他の炭鉱におきましては、一番高いところでも一万五千円前後でございますので、いまの山が続いてくれるということであり、あるいは新鉱開発あるいは再開発というような点からいきますと、二千万トンの確保ということは、午前中も何回もほかの先生方の御質問に対しても御説明いたしましたけれども、二千万トン以上の生産の維持は、一応自信のある数字ということで、答申の方に出ている次第でございます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 いまの十億トンとか二十億トンとかという数字は、いわゆる通産省がこれから開発しようとか、あるいはすでに閉山されておるものの再開発の分も含めて言っておるわけですから、やはりこの十億トンというのは、いまこの次に質問しますけれども、通産省が新たにいままでと別に見つけて、またそういうような山があったということではなくて、日本全体の埋蔵量から言って、この十億トンというのは、経済ベースでなら、これだけは掘れるということでございますから、したがってその点、これは一万五千円のコストでは大体十億トンということでございますが、こればかりやるとちょっと時間がございませんから、また改めてやりますけれども、通産省は、国内炭田の開発を推進するために、北海道、九州を中心に、新鉱の開発あるいはすでに閉山しておる炭鉱の再開発を、八地区選んで石炭鉱業事業団に調査を依頼したということが言われておるわけでございますが、その八地区とはどこどこかということと、いわゆる経済ベースでいった場合の八地区の可採炭量は幾らになるのかという点をひとつお答え願いたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 いま先生の御指摘の八地区というのは、五地域の十六地点ということで予算のときにはお願いしたのでございまして、本年度は二億五千万の予算を認めていただきまして、現在、実施するところを事業団にいろいろ調査をお願いしておるわけでございます。先生、八地区というあれでございますけれども、本年度できたら九地区やりたいというようなことで、本年度、単年度限りで済むとは思いませんけれども、いろいろ地方の要望のあったところ等もいれまして、九地区の調査をやりたいというように考えております。  なお、この九地区の中には予算要求のときの地区と一部変更になっておるところもございますので、先ほど申し上げました十六地点については、うちの方で計算しました炭量としては三億数千万トンあるということでお答えさしていただきます。

小宮武喜民社党

○小宮委員 私が非常に聞きたいのは、結局その八地区か九地区かは別として、それぞれの地区でいわゆる可採炭量が何トンくらいあるのかということです。というのは、たとえば仮に全部集積すれば総額としては埋蔵量が二百億トンとかいうけれども、こういうふうにばらばらにある場合、結局、何トンくらい掘って何年間続くのかというようなこともわれわれは知りたい。掘ったけれども、すぐまた十年か十五年でつぶれた、なくなってしまった、炭量が枯渇したというような問題、特に閉山後の再開発の場合でも、そういうような問題が心配されるし、労働者は採用された、それで炭がなくなったら、また閉山だというような問題が出てまいりますので、石炭を非常に活用するということは非常にいいことだけれども、そういった事後の対策そのものも、われわれはやはり頭の中に置いておかぬと、石炭だけを資源活用ということで掘った、そして掘ってずっと回った、そして後でそこは十年か十五年でつぶれた、また二十年たったらつぶれたというような問題が起きてきたら、そのたびごとに労働者の離職対策という問題が出てまいりますので、知りたいわけですが、これは後で資料でもあったらひとつ出してください。  それから、いま言われるように、いろいろ輸入炭の問題が出ておりますが、いま石炭の需要拡大ということで、やはり電力業界でも呼びかけをするし、火力発電所はどんどんつくりなさいということも、われわれは主張しておるわけでございますが、そういうような意味で、電源開発等で四十九年から五カ年計画で全国三カ所に五百万キロワットの発電所を建設する計画がありますね。その発電所に要する石炭だけでも、年間一千二百万トンが予想されておるわけですが、われわれは、石炭を活用しなさい、石炭の需要拡大ということで発電所の建設をやりなさいと推進してきておる立場から見れば、やはり石炭の安定供給ということについては、われわれも責任を持たざるを得ないのです。しかし、国内での石炭の供給というのは、一般炭にしてもやはりできるだけ国内炭をフルに活用して、なおかつ足りない場合は、そういうような意味では海外炭の輸入もやむを得ないのではないかというように考えますけれども、たとえば五十一年度から六十年度までの海外炭の輸入計画は、大体年度ごとにどうなっておるのかということがまず一点、それから海外炭と国内炭との価格差はどうなのか、その辺の見通しについてお聞きします。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 五十年から六十年度にわたります輸入炭の見込みということでございました。先ほどの答申の骨子のときにも御説明したと思いますが、一応五十五年度五百万トンないし六百万トンあるいは六十年度千五百万トンというような数字を記載はしてございましたけれども、この数字につきましては、ただいま電調審の方とそれからエネルギー調査会の方でいろいろ御検討をいただいておりますので、むしろ架空の数字よりも、もう少し具体的な数字を掲載した方がいいということで、数字の変更のあることをお許しいただきたいと思います。  昨年の七月二十三日であったと思いますけれども、一応、輸入炭としての可能性ということから検討した数字は、うちの方でいろいろつくりまして、五十五年度一千万トンの輸入は可能である、あるいは六十年度二千万トンの輸入は可能であるというような数字をお出ししたわけでございまして、その数字と、いわゆる先生、先ほどお話しの今後、石炭火力の建設ということとの見合いにおきまして、輸入炭の量が最終的には決まってくるものというふうに考えております。当然これには国内炭の供給ということを第一条件として、残りの不足分を輸入するという考えでございますので、その点ひとつ御理解いただきたいと思います。  それから輸入炭と国内炭の価格差でございますけれども、現在は輸入炭といたしましては、昨四十九年度八十万トンの輸入ということで、審議会の方で御承認をいただいて許可したわけでございます。ただし、実際輸入の割当をやりましたのは、八十万トンまでいきませんで五十数万トンでございまして、そのうち現在までに入ってきましたのが約四十万トンでございます。これは主にソ連と中国、豪州、米国というようなところから入ってきておりまして、価格は、昨年度四十万トン入りました実績から見ますると、これはいわゆるスポット物でございまして、長期契約というような観点に立っておりませんので、CIF価格でございますけれども、中国炭で大体トン九千四百円から一万八百円とか、あるいはソ連炭で七千六百円から八千七百円、豪州炭で七千四百十円、あるいは米炭で一万二千九百十円というような価格で、昨年度の一般輸入炭のCIF価格が決まっております。  それに対しまして、国内炭の揚げ地の石炭火力向けの一般炭、これはカロリーが高うございまして、産炭地で使います石炭とカロリーが違うのでございます。揚げ地でたいております一般炭は約六千百カロリー前後でございますけれども、いま八千五百円というのが国内の一般炭の価格でございます。そういう点から見ますと、スポット物の輸入炭よりも現在、安いというのが実態でございますけれども、長期契約あるいは将来の輸入量というものとの見合いによりまして、当然、輸入炭の価格というのは変動があるものというふうに想定いたしております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 六時十一分までというのではどうにもなりません。時間がございませんからほかの方をやりましょう。  今度大きな問題になってくるのは、長崎県の場合は離島炭鉱が多いのです。したがって、この離島炭鉱で問題になるのはボタ捨て場の問題なのです。これはいろいろ公害問題と絡んで、もうすでに問題が出つつあるわけです。九州の場合、いま言われた北海道と違ってみんな海上炭田ということで、ボタ捨てに非常に大きな問題が起きつつあるわけです。したがって、このボタ捨ての問題を通産省としてはどのように考えておられるのか。いままでは掘ったボタを海上投棄でやっておるわけですが、やはり公害問題がこれほどやかましくなってまいりますと、これが漁業組合との関係で、従来のように安易にボタを海中に投棄するということはなかなかできなくなってきた。だから、このボタ処理の問題は、通産省としても根本的に検討しておいてもらいたいと思うのです。そうしないと、これは石炭を掘らなければいかぬわ、そのかわりボタ処理に困るということで、大きな問題になりますので、その点ひとつ考えてもらいたいと思うのですが、ひとつ何か考えがあればお聞かせ願いたい。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ボタの問題につきましては、これは直接は立地公害局の方で、保安という見地からいろいろやっておられるわけでございますけれども、石炭部といたしまして、いわゆる海面を汚すというような点からの防止問題としまして、たとえば堤防をつくるとか、いろいろなそういう問題に対する融資は、鉱害事業団を通じてやっております。今後、いま先生御指摘のありました増大するボタの処理という問題につきましては、十分検討させていただきたいと思います。

小宮武喜民社党

○小宮委員 ボタも浅いところならいいのです。もう沖の方は急傾斜ですから、そのボタを埋めて防波堤をつくろうとか護岸をつくろうといっても、いまの技術からいけば、なかなかそう簡単にはいかぬのですよ。だから、この点はひとつ研究課題として検討してもらいたいと思う。  最後に、いろいろ言ってみても、いまの石炭勘定というのは、いわゆる石油の関税による収入によって大体賄われておるわけですから、そうすると、やはりわれわれが幾らここで言っても、まだいろいろ質問はあるわけですが、いまの二千万トン体制を維持していくために、また、企業の現在の経営状態から言っても、ぼくらがいろいろな質問をしても、問題はこの大きな枠にはめられてしまう。だから、この石特会計の財源は石油関税収入によって大体決まるわけですから、その意味で、いわゆる新石炭政策が始まる昭和五十一年から昭和六十年までの石特会計の財源の見通しがどうなるのか、石油の伸び率はどうなるのか、あるいは石油ショック以来、石油の輸入関税の引き下げの問題等もいろいろうわさされておりますし、そういうような観点から、やはり何といってもこの石特会計の財源の確保という問題が、いまでもこれは少ないわけですから、これからの二千万トンの体制を支えていくということになると、もっと財源をふやさなければいかぬ。しかしながら、現在では石油の輸入関税で賄われておるというようになった場合に、これが今後どう動いていくのか、この点がわれわれが非常に関心を持ち、また、今後の石炭政策に大きな影響を及ぼすことになりますので、その、点特に通産大臣からひとつお答えを願いたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 石油の供給計画は去る四月につくり直したわけでございますが、これは一月の予算編成のときにつくりました数量よりも大分減っております。しかし、石油の消費量というものは景気の動向によって決まるわけでございまして、GNPが一%伸びれば、およそ三百万トン石油がふえる、こういうことでございますので、必ずしも今後の経済動向いかんによって、その数量は果たして四月に決めたものがそのまま正確なものかどうか、それはもうわからないと思います。しかし、そういうふうな石油の数量いかんにかかわらず、今後の石炭政策を進めていきます上に必要な政策のための資金というものは、あくまで確保していきたい、どんな形であろうと、あくまで確保していきたい、こういうふうに考えております。  特別会計も五十一年度まででありますが、これも関係方面と折衝いたしまして延期する、そういう方向でやっていきたい、こういうふうに考えております。

小宮武喜民社党

○小宮委員 ちょっと大事な点をもう一点。  それでは、今後の石炭政策を推し進める上において、いまの石油輸入関税による石特会計の中で、もし石特会計が不足するような場合が仮にあったとしたら、たとえばどこからでも財源を持ってきて必要な財源は調えるということですね。これは大事なことですから。そういうように理解していいですね。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 そのとおりであります。

小宮武喜民社党

○小宮委員 これで質問を終わります。

田代文久日本共産党・革新共同

○田代委員長 次回は、六月二十五日水曜日、午後一時理事会、一時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時十六分散会

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