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75回国会衆議院1975/06/27

商工委員会 第29号

発言数
224
登壇者
29
会派数
5
開催日
1975/06/27

会議録

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これより会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件、中小企業に関する件、資源エネルギーに関する件並びに経済の計画及び総合調整に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 通産大臣が御出席でございますので、冒頭に大臣にお尋ねをいたします。  最近の経済の動向、景気の動向、こういう状況なり、あるいは本会議等で関係大臣が明らかにされておりますが、資源のないわが国、そういう立場から、いままでとってまいりました高度経済成長ということは、これから低成長といいますか、安定成長の方向に入ると思うのでありますが、通産大臣としては、これからの経済の動向はどのように推移するとお考えでありますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 まず初めに、現在の経済の動向でございますが、この三月、四月のいろいろな経済指標をながめますと、大体底をつきましてやや上向きに向かいつつある、こういうふうに私どもも考えておったわけでありますが、五月の指標が最近出てまいりましたが、ややまた落ち込んでまいりまして、いま少し悪い状態になっております。したがいまして、現在底をついたと言いながら、一進一退で底をはっておるというのが現状でないかと思います。  ただ、その底が、それじゃどの程度の深さの底かと言いますと、いまから一年半前、昭和四十八年の秋に第四次中東戦争が起こりまして、そこから石油ショックが起こったわけでありますが、そのころの工業生産に比べまして約二割落ち込んでおる、二割落ち込んだまま底をはっておるというのが現状でございます。     〔委員長退席、萩原委員長代理着席〕  一年前に比べましても約一割五分落ち込んでおる。だから、非常に深い谷底に落ち込んで、そこを一進一退のままはっておるというのが現状でございまして、こういうことから政府も大変憂慮いたしまして、先般第三次の不況対策というものを打ち出したわけでございます。ただ、この第三次の不況対策も、内容的に見ますとさほど大きな額ではありませんので、現在の非常に大きい日本経済全体の規模から考えますと、どの程度の効果がありますか、若干不安なしといたしません。そこで、一応第三次対策をやってみまして、その効果がどの程度上がるか、二、三カ月たちましてからもう一回十分なる経済界の調査をいたしまして、そして次の対策を考えていきたい、かように考えておるわけでございます。  それから、今後の経済発展の方向でございますが、先ほど高度成長から低成長に移るというお話がございましたが、そのとおりでございませんで、私どもは高度成長から低成長に移るのではなくて、高度成長から安定成長に移っていく、こういうふうに考えておるわけでございます。いっときは低成長だということを言われておりましたけれども、それは今後日本の経済が資源やエネルギーの面から非常に大きな制約を受ける、そこで勢い低成長にならざるを得ない、こういう意見が強かったのでありますが、最近通産省が世界全体からいろいろ資料を集めまして、エネルギーの動向等を調査いたしましたが、大体エネルギーの動向につきましては今後五、六%程度は伸ばしていくことができる、こういう数字が世界全体の資料から出ております。でありますから、相当大幅な経済成長を世界全体がいたしましても、エネルギーの分野からは大きな制約を受けることはない、こういう結論等も出ておりますし、エネルギーの面からくるところの経済成長の制約というものはそう心配することはないのではないか、こういう観点に立ちまして、低成長ではなく安定成長である、こういう方向に持っていきたい。  安定成長の内容はどういうものかといいますと、結局一つは雇用問題を解決することができるということでなければならぬと思います。人口が非常に多いわけでありますが、失業問題が発生しては困りますので、雇用問題を解決できるということが第一だと思います。それから、東南アジアを初め発展途上国に対する経済協力を日本の経済ができる、こういう内容でなければならぬと思います。それからさらに第三には、福祉社会の建設ということがいまの政府の大きな政策の柱でございますが、その福祉社会を実現し、さらに国民生活を向上させていく、充実させていく、そういう内容を実現することのできる経済でなければならぬ、こういう点が私どもは安定成長であろう。低成長ではそれができない、安定成長ではそれができる。したがって、今後は低成長でなく安定成長の方向に日本経済を持っていかなければならぬというのが、いまの政府の考え方でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 これからの経済の動向は、政府としては安定成長を進めるということでございました。  振り返ってわが国の経済の状況を考えてまいりますと、昭和三十五年以来高度経済成長政策をとってまいりました。新産都市とかあるいは全国総合開発計画とか、あるいはまた追い打ち的に新全総、こういうものが相次いで発表され、地方自治体等におきましては、積極的に政府の企業進出奨励を受けて、かねや太鼓をたたいてという表現が適当かどうかわかりませんが、企業誘致に狂奔した時期があります。その企業誘致については企業誘致条例等を策定いたしまして、固定資産税あるいは事業税等を減免して企業の誘致を図って、相当立地したことは御案内のとおりであります。  この立地した工場が、最近こういう経済事情になってまいりましたために経営が悪化しておる、こういう点があろうかと思います。この点についてはどのように把握されておるのか。そしてまた、政府が奨励をし、自治体が誘致をした企業の育成強化、これらに対する問題についてはどのように監督をされておるのか。また三点としては、親会社は健全であって子会社のみがあたふたしておる、倒産の危機といいますか、非常に経営悪化の状況が相当あると思いますが、どのように把握になっておるか、お伺いをしたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いま御指摘がございましたように、昭和三十年代の前半から新産都市あるいは工特地域、こういうことで地方に工場分散を図りまして、国全体の均衡ある発展を図っていくということで、十数年来この政策を進めてきたわけでございますが、先ほども申し上げましたように、日本の鉱工業生産がほぼ一年半の間に二〇%も落ち込んでおる、こういう非常に悪い状態になっておりますので、やはり経営の困難という問題が全国各地で発生いたしております。  そこで、それに対して政府のとらんといたしております基本的な方策というものは、まず第一に需要を喚起していくということ、新しい仕事をつくり出していくということ、これをまず第一に考えております。しかし、新しい仕事を喚起する、仕事をつくり出すといいましても、なかなか思うようにまいりませんので、その間、当然金融問題というものを考えなければなりません。困った企業ができますと、その企業に対して、政府といたしましても政府機関あるいは市中銀行等に依頼をいたしまして、できるだけ金融的なバックアップをしていく、そういう金融上の対策、それからさらに、特にこういう不景気になりますと、影響を受けやすいのは大企業の協力工場、それから中小企業、当然こういう形になります。でありますから、下請企業とかあるいはまた中小企業関係、それに対しては特別な配慮を払っていかなければならぬ。こういうことを柱といたしまして、いろいろ対策を考えておるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 概括的な御答弁でありますが、それでは的をしぼってお尋ねをします。  たとえば地方分散、地方に企業を誘致するというのは、たとえば私は鳥取県でありますが、関西の大きな会社がわが県に子会社を設置する。私のところにもたとえば大阪車輪の子会社として大輪工業、あるいは大阪の大矢製作所の子会社としての日本精機、あるいは田渕電気の鳥取電子、こういうふうに十数社の子会社がつくられておるのでありますが、どこも相当不況の波で苦しい経営をしております。しかし、これは親企業に相当の責任があると私は思うのでありますが、この親企業に対して通産省としては、子会社に対する関係を十分に監督し指導されておるかどうかということが非常にはっきりしない、問題点があるではないか、こういうふうに思っておるのでありますが、親と子の会社関係というものは具体的にどのように指導育成また監督されておるのですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 先ほども申し上げましたように、現在の大変な不景気の影響を受けまして、産業全体が困った状態にあるわけでありますが、特に協力工場それから中小企業側は困っておるということを申し上げましたけれども、たとえばこういうことが発生しておると思うのです。過去数年間の好況時代に親企業が積極的に指導いたしまして、各地にその協力工場を親企業がバックアップしながらつくらせたような事例が相当たくさんあると思います。ところが、不況になりますと、親企業自身が仕事がなくなる。そうすると、自分が指導してつくり上げた協力工場に対しまして、これまでずっと定期的に渡しておりました仕事の量を急に減らしていく。そうすると、地方の協力工場というものは突然の仕事の減少のために非常に大きな打撃を受ける、こういう事例が私は各地に発生しておると思うのでございます。そういう具体的な事例がございました場合には、地方の通産局でその実情を御相談をいたしまして、そして親企業との間にできるだけ仕事を急に減らさないように、また他に方法はないか、本来の仕事のほかに新しい仕事を与えるような方法はないかとか、そういういろいろな具体的な今後の経営のやり方につきまして、できるだけ御相談をしていく、そういうふうに指導をいたしておるわけでございます。  鳥取県の方にどういう事例が発生しておるのか、それはまだ伺っておりませんが、仮に鳥取県の方で、いま申し上げましたような事態が発生しておりましたならば、広島通産局の管轄でございますので、通産局の方で詳細事態を調べまして、こんなに仕事がないが、もう少し仕事をふやす方法はないかとか、あるいは金融的に問題があるならば、その金融的な問題を解決する方法はないかとか、そういうことにつきまして、ひとつ突っ込んだ御相談にもあずからせていただく、そういうふうにさせるつもりでおります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 大臣から、具体的な事例があればということが前提でございますから、それでは具体的な事例を挙げながら、その見解をただしてまいりたいと思います。  大阪市に大阪車輪製造株式会社というのがあります。これは自動車の部品の製造販売を含む会社であります。設立は昭和二十八年の六月、資本金は八億六千二百五十万であります。主な株主は東洋工業、現在の社長の千田美二、丸紅、明治生命、日本生命、富士銀行、三井、三菱、大和、三和、住友銀行の各社であります。この業界においてはまず一流と言わなければならぬ、こう思っております。さらに工場としては、大阪に本社工場を持ち、京都工場、広島工場あるいは東京に連絡所をそれぞれ持っております。  それで、私ども鳥取県の米子市に子会社として大輪工業というのを設立し、資本金一千万円、一〇〇%大阪車輪製造株式会社が持っております。この従業員は約九十名でありますが、これがつくられてまいりました。四十四年に大阪車輪が鳥取県なり米子市から誘致を受けまして、四十五年三月に設立をしております。もちろん大阪車輪製造株式会社の社長が当時社長でありました。しかし、その後工場長が社長になり、一年置きに社長が交代をするというようなケースをとっております。いま大臣がお話しになりましたように、企業が売り上げが少なくなったということでありますが、これは半期ごと、六カ月ごとの決算でありますが、四十八年の四月から九月までの売上高は、大阪車輪は約二十七億円であります。四十八年の十月から翌年の三月三十一日は三十一億八千七百万、そしてその次の四十九年の四月から九月三十日までは三十三億円、こういうふうに売り上げは順次伸びております。そして配当も、株主の配当は一二%を堅持しておる。こういうのが大阪車輪の概括的な経営状況であります。しかし、大輪工業というのは、去年は一千万ないし一千三百万、こういうふうに赤字を出しております。したがって、この子会社は非常に経営が苦しいというような実情にあるわけでありますが、親企業が健全であって、子会社がそのようなことではいかぬ。しかも、大阪車輪そのものは売上高は上昇しておる、こういう現実を踏まえて、親企業が子企業に対して、しかも全額出資の会社に対してこのような措置をとっておるというようなことはやはり適当ではない、こういうふうに思うのでありますが、通産省としては、これらの私が説明した現状をお聞きになってどのようにお考えであり、今後どのように指導しなければならないか、お考えがありますか。

森口八郎通商産業省機械情報産業局長

○森口政府委員 御指摘の大輪工業でありますが、これは大阪車輪製造の一〇〇%出資の子会社であります。ただ、この大輪工業とそれから大阪車輪との違いますところは、もともと鳥取にございます大輪工業は、東洋工業の受注が大阪車輪に急増いたしましたために、東洋工業に主として、ほとんどの部品を供給するために大阪車輪が現地に設立した会社であります。鳥取と広島とが地理的に近いというような関係もありまして設立いたした会社であります。ところが、自動車業界が石油ショック以来非常に不調であります。一部輸出によって好調を持続しておる会社がございますが、特に大輪工業の主たる納入先であります東洋工業は、輸出の不振から昨年秋以降、特に本年に入りましてからは非常に大きな減産を続けておるわけであります。大体二割ないし三割の減産を昨年に比べて続けておるわけであります。  そういうようなわけで、大輪工業が製造いたします部品につきましても、当然受注が大幅に減っておるということで、そういうような点から大輪工業の苦況を招いたのではないかというように考えるわけであります。大阪車輪の方は東洋工業に対します依存率は、先生御存じでしょうが、約半分くらいであります。その他の企業にも相当依存しておりますので、そういうような点が両者の体質の差となりまして、大阪車輪の方はある程度会社の体裁はなしておりますが、大輪工業の方は非常に不況にあえいでおるというような状況になっておるのではないかというように考えるわけであります。  ただ、御指摘のように、大輪工業は大阪車輪の子会社であります。当然大阪車輪の方でも、大輪工業についていかにするかということについていろいろ対策を検討しておるようでありますが、現在の自動車業界の現状から見ますと、相当程度生産規模を縮小せざるを得ないという考え方で現在再建策を考えておるようであります。ただ、私どもが見ておりましても、東洋工業は最大の経営危機をすでに脱しておるというような感じがいたしますので、将来さらに受注量はふえていくのではないかというように考えております。したがいまして、現在生産は相当減らしておりますけれども、将来に向かっては必ずしも生産をいまのような低い水準で据え置くことにならないのではないかというように考えておるわけであります。  なお、地方に進出いたしました会社について、親会社の方がいろいろ経営について助言ないしは援助を与えるということは当然でございますので、私の方も現在詳しい実情はまだわかりませんけれども、実情をさらに調べまして、打つべき手があれば会社について適切な指導等を行ってまいりたいというように考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いろいろお話しになりましたが、東洋工業のトラックの方の後車輪の軸のカバーといいますか、そういうものを確かにつくっておる。しかし、いま大臣がお話しになったように、新しい仕事をやったり、新しい金融措置もやったり、万全の対策を基本的には考えるべきだとお話しになりました。東洋工業の将来展望もお話しになったのですが、親会社は一割二分の配当をして悠々とやっておる、地方に進出をした子会社は非常に気息えんえんであるというようなことについては、私は非常に矛盾があると思うのですね。そういう点については、通産省としてはもっと指導してもらわなければ、地方に出された企業、地方は迷惑ですね。それを閉鎖して、向こうを揚げればいい。しかし、一切のしわ寄せは——地方自治体も、最初は県民も市民の生活もこれによって豊かになる、こういうように宣伝をされて、経済が悪化すると直ちに引き揚げられて労働者は路頭に迷う。こういうことが相次いでいけば、地方都市というのは非常に危険な状態に入ってくるということになりかねないと思うのです。だから、この企業に対してまだ調査不十分だということでありますが、十分調査をされて善処をしてもらいたいということを特にお願いしておきたい、要望しておきたいと思うのでありますが、具体的にそれの指導に入ってもらえますか。

森口八郎通商産業省機械情報産業局長

○森口政府委員 十分調査をして、適切な指導をしてまいりたいと存じます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 労働省にお尋ねします。  この大輪工業は、大阪車輪製造が全部自分のものでありますから、大体月に五十万円取っておる、賃借料だとして年間六百万円ですね、こう言って取っております。それから、指導料、いろいろ技術指導をやるのだからということで、年間二百四十万円吸い上げておる。赤であろうが黒であろうが問答無用。それからもう一つおかしいのは、金融の道は大臣がいろいろとつけてあるということでありますが、金融は一銭も借りなくていい、こういうことになっているのです。全部大阪車輪製造が原料を出して、できたものを吸い上げるということでありますから、大きく赤字が出たりすると買い入れ価格といいますか、子会社から親会社が買う製品の価格は高くする、もうかるというと安くする、こういうかっこうで、黒字といってもほとんどないようなぎりぎりの線しか出していない、こういうのが実態であります。私は恐らくよその会社もこういう傾向ではなかろうかと思うのでありますが、そこに働く労働者は最も厳しい条件下に置かれる。この会社は九十名おりますが、相当数の人数が腰痛を訴えております。したがって、この会社の決算書を見ますと、毎年毎年こういうことが書いてあります。「生産の増強には鋭意努力を傾けておりますが、前期よりの腰痛者の問題等がいまだに尾を引いており、」こういうふうに職場の環境が非常によくないということで、大変腰痛者が出ておるという実情でございます。そういう経緯でございますから、昨年十二月に皆さんはすでにおもらいになりました年末手当も解決をしていない、また春の賃上げの問題についてもいまだに解決をしていない、去年から引き続いて争議に入っておるというのが今日の実情なんです。したがって、これらの問題を一日も早く解決をしていく必要がある。そして、正常化を図ってやらなければなりませんが、前提として約半数以上の首切りということが出されておるようであります。この点について労政局としては、これらの問題を地方における親企業の子企業に対する状況と兼ね合わせて、今後の地域発展と労使慣行の正常化のために対処をする必要があろうと思います。一つの事例を挙げたわけでありますが、これらの問題についてどのように対処をされるおつもりか、お伺いをしたと思います。

細野正労働大臣官房審議官

○細野政府委員 お答えいたします。  大輪工業株式会社におきましては、御指摘のように昨年来、年末一時金あるいは春の賃上げ要求等をめぐりまして労使間の交渉が円滑に進まないという状態で現在に至っているということは、私どもも聞き及んでいるところでございます。この間に、ことしの一月には組合の方から、いま御指摘の親会社を被申立人としまして、組合との交渉を拒否したということで鳥取の地労委に不当労働行為の救済の申し立てを行っているわけであります。また四月には、これも先生御指摘のように、業績悪化を理由としまして逆に会社側から合理化案が提示される、こういう状況でございます。そこで、鳥取の地労委が間に入りまして、五月に組合と大阪車輪との間で団交再開に関する和解の協定が成立をしまして、現在その協定の線に沿って交渉促進の努力が続けられているというふうに聞き及んでいるわけでございます。したがって、私どもといたしましても、こういう現地の努力が実を結んで円満に解決されることを期待しているところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 和解協定ができておるということでありますけれども、全然進まない、今日そういう状況なんです。けさもそうなんです。九十名のうち五十四名も合理化するということをのまないならば進まないということです。しかし、通産省の局長がお話しになり大臣がこれからの安定成長を説かれたように、また東洋工業も将来の展望があるという実情から、それらの問題が円満解決というようなことは、今日六カ月間のそういう争議の中で簡単に解決するとは思えないわけです。労働省としては、こういう実態、親と子の関係、親は健全、子は不健全、しかも子の労働者はほうり出される、こういうような実情であります。したがって、地域と労働者は、最近こういうふうにさえ考えておると思うのです。われわれのような地域においては、資本の産業予備軍的な存在ではないだろうか、そしてその中で働いておる労働者は常に危機感の中で犠牲を強いられておる、こういうふうに評価しております。地方自治体を豊かにして県民、市民のための企業誘致と表向きにはなっております。しかし、その実態は言うなれば植民地のような関係、地方産業労働者にすべての犠牲をしわ寄せして、大企業、親企業のために設けられた安全弁的な存在ではないか。こういうような考え方が蔓延をしてくるということになれば日本経済に及ぼす影響も重大であろう、こういうふうに思うのであります。したがって、労働省としても、労政事務所等を督励し、あるいは地労委等を督励して——独立機関と言いますけれども、そういうことを通産省とも十分連携をとって、少なくとも資本一〇〇%の親企業はきわめて健全であり、この緊急融資に対しても一遍も融資を要請していないという会社でありますから、早急に解決をする必要があろう。そういう意味で今後の地方産業に及ぼす影響大として、この問題について積極的に御指導なり調査をしてもらいたい、こう思うのでありますが、どのようにお考えでありますか。また、あわせて通産省も調査をするということでありますが、企業の健全化を図るために労働省とも十分連絡をとって対処してもらいたいと思うのでありますが、その見解をそれぞれ承って私の質問を終わりたいと思うのです。

細野正労働大臣官房審議官

○細野政府委員 お答えいたします。  先ほど申しましたように、現地の地労委や関係機関がせっかく現在努力中でございます。したがいまして、私どもとしましてはそういう現地の努力が実を結びまして、関係両者が話し合いで一日も早く紛争を解決するということを期待したいと思っておるところでございます。それがいま申しましたようになかなかうまくいかないという場合には、そういう必要が生じた場合には、労働省といたしましても会社から実情を聴取する等、いろいろとまた事態の円滑な進展に努力をしてまいりたい。その際に当たりましては通産御当局ともよく相談の上でやってまいりたい、こういうふうに考えております。

森口八郎通商産業省機械情報産業局長

○森口政府委員 現在の大輪工業の現状はきわめて深刻でありますが、大阪車輪の指導その他を通じて生き得る道を開くよう私どもできるだけ指導してまいりたい。なお、指導に当たりましては関係各省とよく連絡をしてやっていきたいというように考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それでは終わります。

萩原幸雄自由民主党

○萩原委員長代理 以上で、野坂浩賢君の質疑は終了いたしました。  佐野進君。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 きょうは時間が余りありませんので十分質疑を行うことができませんが、時間内において私は繊維の問題等を中心にしまして、後で加藤先輩からそれぞれお話がございまするけれども、私なりに質問をしてみたいと思います。  通産大臣にその前にお伺いをしたいわけでありまするが、いわゆる景気問題につきましては通産大臣は閣内においても大変積極論をとって対処しておられる。景気のそれぞれの指標も回復の傾向にある、こういうように判断されておるようでありまするが、私どもが実際に産業界あるいはその他各方面の事情を聴取してまいっておるところによりますれば、通産大臣の見解とは相反して非常に深刻な様相が日一日と深まりつつある、こういうような印象を深くしておるわけであります。特に中小企業関係あるいは中心堅企業等においては、もはやこの状態が続くならば経済的に水浸しの状態となって、それを脱することもでき得ないし、脱したとしてももう再起不能にならざるを得ない、こういうような深刻な情勢の中にあえいでいる。蓄積されたと言われているものもほとんど吐き出しておる。こういう状況はもうすでに大中小を問わず、特に中小はその状況が深刻である、こういうような印象におけるところの訴えが非常に強いわけでありまするが、大臣はその面からすると、あるいは私の聞き方が間違っておるかもわかりませんが、非常に楽観的な見解を発表されておる部面もやや多いように受けとめられるわけでありまするが、この際日本経済の将来の展望、現状を踏まえた将来の展望について大臣の見解を明らかにしていただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 経済の現状でございますが、私は決して楽観をしておるわけではございません。経済指標の動きを見ますと、三月、四月は大底をつきましてややよくなったかな、こういうふうな感じの数字が出ておりますけれども、五月の数字はまた悪くなっておる。しかも、大底をついたといいましてもその底が非常に深い。もう少し具体的に申し上げますと、一年半前の鉱工業生産の水準から見ますと、二〇%も落ち込んでおる。一年前に比べても一五%以上落ち込んでおる。そういうふうに非常に激しく落ち込んだその深い底を一進一退のような状態ではっておるというような状態で、しかも五月の数字はやや悪くなっておる、こういうことを申し上げたわけでございまして、いまの状態は楽観どころか大変心配をいたしておるわけでございます。そのために六月十六日に御案内のような第三次の不況対策を実施することにしたわけでございますが、これとても現在の日本経済の規模の大きさから考えますと、どの程度の刺激の効果が出てまいりますか、もう少し様子を見てみませんと何とも申し上げかねる、こういう状態でございますので、もうしばらくたってからもう一回詳細な産業界の実情を調査いたしまして、何らかの対策が必要でなかろうか、こういうふうにいま考えておるところでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 私は、この前のときも大臣に質問をいたしたとき、景気問題に触れたのでありまするけれども、その際特に繊維産業の面においてはいわゆる落ち込みが一定の歩どまり的な形の中で好転への兆しが見えているという、そういうところを中心にして説明されたので、私の印象では、あるいは大臣は日本経済の現状については一定のいわゆる落ち込みはもう終わったのだ、こういうような認識であられたのじゃないかという印象を強くしたわけであります。しかし、いまの質問に対するお答えでは、それに対する私の認識あるいは当時の認識が違ったのかなという気でいま答弁を聞いておったわけであります。  それでは、私は各方面の意見を実は聞いておるわけでありまするけれども、大臣が、公共投資を前半に七割を支出するとか、あるいは住宅建設に対して相当の支出をするとかいう第三次不況対策の骨子の中に盛られた事項は、今日の日本経済の現況に照らし合わして有効であると考えてそういう対策をとられたのであろうと思うのでありまするが、私は全くこの対策は微温に過ぎるという印象をもって片づけざるを得ないと思うのです。  きょう実は福田副総理を企画庁長官として呼んで質問をしたいと思って、時間があいているからということであったのですが、外国要人と話をしているから来れないということで大変残念なんですが、通産大臣は積極論の立場に立っておるということでありまするから、その点について福田大臣と対比した形の中でお答えをいただければいいんじゃないかと考えたわけですが、それが不可能な段階でいま質問しているわけです。  そこで大臣、どこへ行ってどのような話を聞いても、結局この状況をこの程度の対策の中で進める限りにおいては、もはや立ち直りのきっかけをつかむことすら不可能な状態にならざるを得ないというのが各産業おしなべて一貫した認識のようであります。普通ならでこぼこがあるわけでありますが、そう大きなでこぼこもない、消費もだめ、生産もだめ、あるいは輸出も伸び悩む、あるいは原料の値上がりが続く、製品価格は据え置かれる。一体どこに日本経済の活路を見出していくのか、全く見出し得ないではないか。そうなれば景気はますます落ち込む、落ち込むことによってだれが大きな被害を受けるかということになれば、結果的に一般国民がその最大の被害を受けざるを得ない。まさにいまやその大きな被害を受けつつある国民により以上深刻なしわ寄せが寄ろうとしておる段階の中で、第三次不況対策で示された程度のことでは、私は全く微温に過ぎるという印象しか得られないわけでありますが、大臣の見解をこの際聞いておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 大体ことしの国民経済の規模が百六十兆円であると言われております。今回の第三次対策によりまして、直接間接約一兆八千億前後の有効需要が喚起される、そういう計算になっておりますが、百六十兆の規模のところへ一兆八千億ということでありますから、その効果に対して私どもも確信が持てないわけであります。しかも、これまでの不況は、不況と申しましても十数%の高度成長を続けておりました経済が五、六%に落ち込んだ、そういう場合を不況と言っておったわけでございまして、現在のように一挙にマイナス成長に落ち込んでしまった、こういう事例はかってなかったわけであります。経済がなお活力を温存しております場合には、仮に一兆八千億というふうな刺激でございましても、これが非常に有効に働くということも考えられますけれども、他のいろいろな要因というものが冷え切っておるという場合にはなかなか有効に働かないということは、皆さんも御承知のとおりだと思います。  そこで、この経済を刺激する方法はどうかという問題でございますが、現在設備の実質の稼働が約七割という状態でございますから、金融が緩和いたしましても、新しい設備投資は特殊な分野を除きましてなかなか起きてまいりません。それから、貿易の状態も、いろいろ工夫はしておりますけれども、世界経済全体の状態が御案内のような状態でございますから、輸出、輸入とも予定どおり伸ばすことがなかなか困難である。それから、個人消費は御案内のとおりでございます。これが冷え切ったままなかなか需要が起こってこない、こういうことでございます。ただ、幸いなことには貯蓄が非常にふえておるわけでございます。特に郵便貯金など国が財投の原資として活用し得る貯蓄が非常にふえておるわけでございます。国民消費が減って貯蓄がふえておるということであれば、その貯蓄を私どもはもっと有効に活用していく、財政投融資にこれを活用することによりまして有効需要を喚起していく、国民消費がふえなくてもそういう形で国民消費にかわる有効需要を喚起することも可能である。その財源は貯金という形で出てきておるわけでありますから、これがこれからの唯一の大きな活路ではないか、こういうふうに私は考えておるわけでございます。  なお、世界各国とも積極的にいろいろな景気対策を立てておりますから、いまの状態ではアメリカの経済も日本の経済もヨーロッパの経済も、秋ごろからはやや好転するのではないか、こういう気配になっておりますが、問題は九月のOPECの総会で油の問題がどういうふうに取り扱われるか、これは非常に大きな影響を及ぼすであろう、こう思っております。したがいまして、油を値上げさせないために、私どもは早く産油国との間に消費国が対話の場を持たなければならぬ。これが世界全体の景気政策に大きく響く、こういうふうに考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、一応第三次対策というものがスタートしたばかりでございますので、もうしばらくいたしましたならば詳細に産業界の実情を調査いたしまして、やはり次の手を考えていかなければいけないのではないか、こういうことを痛感しておる次第でございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 時間がありませんから詳しく質問することができませんが、もう一点だけ大臣に質問してみたいと思うでありますが、結果的にいま言われておるように、世界的な経済も非常に落ち込んでおるが、しかしやや安定した状況にある。しかし、わが国を取り巻く最も至近の距離にある東南アジア諸国の経済は、わが国の経済動向に大きく左右されるわけであります。そのわが国がいわゆる落ち込みを続ける形の中で、結果的にそれらの国々も非常に深刻な様相を呈しつつある、こういうことが強く指摘をされておるわけでありますが、こういうような状況の中で、わが国が国際的にも果たさなければならぬ責任がまた大きいと思うのであります。そういうことで、私はもうこの段階に来たら、どうだこうだということもいろいろあると思うのでありますが、大臣が先ほどお話しになられたとおり、いわゆる過去のパターンに基づくところの対策を繰り返しておるという段階の中における処置、いまはそれすらやってないわけでありますけれども、それではむしろ足りないのではないかというような印象を深くしておるわけでありますが、公定歩合も〇・五、〇・五というような形の中で、全くやっておりますよという形を示すだけの状況であるし、その他金融の面の緩和対策についても、いわゆる景気をある一定程度刺激するということではない。そういうような形で先ほど申し上げましたとおり、輸入品の値段は上がる、あるいは油がだぶつくことによっていわゆる滞貨金利の負担が大きくなるというもろもろの悪循環が発生しておるわけでありますから、この際、大臣に決断を持って日本経済のいわゆる景気回復に対するところの積極的な対策をひとつとってもらいたい、こう思うわけでありますが、この点大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 まず第一番に、東南アジア諸国との関係でございますが、日本の景気の落ち込みのために、日本の輸入貿易全体が非常に大きく落ち込んでおりますが、特に東南アジアからの輸入が激減をいたしております。そのことのために、東南アジアが非常に不景気になる。東南アジアが不景気になりますと、日本の輸出貿易も結局東南アジアに対するものは減る、こういう悪循環が続いておる。どこかで悪循環を断ち切らなければならない。そこで、もう少し東南アジアからの輸入をふやす方法はないか、特別の方法はないか、こういうことをいまいろいろ検討をいたしておるところでございます。  また、公定歩合のお話が出ましたが、一昨年景気の調整策といたしまして、連続五回公定歩合を引き上げておりますが、最後には二%引き上げて景気調整に当たっておる。その前は一%引き上げておる。四・二五%から九%まで、合計四・七五%というものを五回にわたって引き上げたわけでございますが、最後の二回は一%、二%というそういう大幅な、思い切った対策というものを立てておるわけでございます。私は、その当時の金融対策を立てられた方はなかなか英断を持って当たられた、こう思います。やはり現在の景気の情勢を考えますと、私はちびちびやるというのも一つの方法かもわかりませんが、それでは効果が期待できない。やはり効果が期待できるような方法を、つまり現状に合ったような方法を考えていかなければならぬのではないか。金利の問題は、これは大蔵省や日本銀行のお決めになることでありますけれども、一昨年のことを思い出しますと、もう少し私はやり方があるように思います。これは金融を預かっておられる方々の積極的な対策をひとつ望みたいと思う次第であります。  いずれにいたしましても、現在のような情勢が続いておりますと、私は失業問題が大きく発生するのではないか、こういうことを心配いたしますし、かつまた病気にたとえますと、こういう重病が長い間続きますと、体力が根本的に弱ってしまいましてなかなか将来の活動もできにくくなる、こういうこともありますので、やはりあまり重い病気の状態を長く続けるということはよくない。一刻も早く健康状態に戻すということの政策が必要である、そういうことから、先ほど申し上げましたように、できるだけ早い機会におきまして経済界の実情を再調査しなければいかぬ、それによる対策というものを考えていく必要がある、こういうことを痛感しておる次第でございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 それでは、大臣への質問を終わりまして、あと長官ないし局長に質問してみたいと思います。  中小企業庁長官、いま大臣がお話しになられたような状況、私が質問したような状況の中で、中小企業対策としてはこれからがいよいよ深刻な様相、幸い現在は倒産件数等はそれほど多くない、不況のわりに持ちこたえておる状況、これは通産行政その他各方面の努力によってそういう状態が保たれておると思うのでありますが、しかしこの七月、八月にかけて、私は各方面の情勢を分析すると、非常に深刻な段階を迎えるのではないか、こう考えるわけでありますが、これらに対して中小企業庁としてどのような措置を講ぜられようとしておるか、簡潔で結構でありますから、対策の一端をひとつお述べいただきたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○齋藤(太)政府委員 中小企業の景況も、この二月を底にいたしまして、生産も三月から若干上向いております。それから、出荷も三月から前月比が伸び始めまして、在庫が減少の傾向にございます。ただ、何しろその生産水準が非常に低い水準でございまして、四月で見ましても生産指数は九九でございまして、まだ昭和四十五年の水準に達していない、こういった深刻な状況でございます。  こういう状況でございますので、一次、二次、三次にわたります不況対策を講じまして、特に需要の造出面の対策に力を入れておるわけでございますが、中小企業の特に金融面の措置といたしまして、これまで民間金融機関によります中小企業救済特別融資を三月までに約二千億実施をいたしましたが、現在さらに五百五十億の追加融資の申請を受け付け中でございまして、来月から融資の実行をいたすべく現在審議中でございます。  また、信用保険法に基づきます不況業種の制度につきましても、一応六月までで期限が切れることになっておりましたけれども、こういった不況の状況でございますので、大半の業種につきまして九月まで延長いたしたいと考えて、その手続を進めておるところでございます。また、最近不況の度合いが強くなってまいりました造船関連下請関係をこの不況業種に追加指定をいたすべく、同じく現在手続中でございます。  そのほか、官公需につきましては、なるべく早く今年度の官公需向けの発注計画を決定いたしたい、前年度よりもずっと力を入れまして、さらにその率の引き上げを目指したいと考えております。  また、融資の返済猶予につきましても、極力弾力的に措置するよう政府系機関を指導いたしておりまして、四十九年度の返済猶予は、件数にいたしまして三万件、金額で千六百億に達しております。さらに弾力的にこれを実施いたしますよう三機関を指導してまいりたいと考えております。  またこれまで、ただいまも御質疑がございましたように、公定歩合が一%引き下げられておりますけれども、金融面でいろいろ苦しい状態にございますので、中小企業対策といたしましても、さらに金利が下がることを私どもとしては期待いたしておる次第でございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 それでは、生活産業局長にお尋ねをいたします。  いま大臣の答弁にもありましたとおり、東南アジア方面も非常に深刻な経済情勢に置かれつつあり、結局わが国にその活路を求め、繊維製品を初めそれらの国々の産品の輸出を図ろうといたしております。こういうような形の中において、わが国の繊維業界はいわゆる底入れが成ったというように言われておるけれども、実際上なお多くの課題を抱えておるとき、これらの国々からの輸入問題というものは非常に深刻な問題となりつつあるわけであります。これに対して秩序ある輸入あるいは関税の問題等々いろいろな是正措置について、業界あるいは消費者等の中における一定の部分におきましても、それらについて強い要望が出されておるようでありますが、生活産業局としてはこれらに対して、業界を守ると同時に、わが国の経済の立場においてどのような対策を立てておられるか、その点について答えていただきたいと思います。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○野口政府委員 最近の景気につきましては、全般的な動きは中小企業庁長官の方からございましたが、繊維は悪くなったのが比較的早かったこともございまして、ことしの一月を底に徐々ながら回復の兆しはあるわけでございます。もちろん業種、業態によりましてでこぼこがございます。末端ではアパレル、特に婦人服等はいいというような話を聞いておるわけでございます。業界が、また私どもも同じでございますけれども、心配していることは、景気が回復していく過程において輸入が激増するのではないか、特にこの二年間の不況によりまして、体力が弱っているところへ輸入というような形で需要が頭打ちになったら、これは再び立つことができないほどの痛手をこうむるのではないか、こういう懸念が非常に強くかつ広いわけでございます。最近の数字から申しますと、これはこの前もお話し申し上げたと思いますが、非常に大ざっぱに言いまして、前年同期に比べて繊維製品の輸入は半分ぐらいといういわば低水準でございまして、これを裏返しますと、日本の主要輸出国でありますところの近隣諸国から言わせれば、対日輸出が落ち込み過ぎているという感じを持っているかと思うわけでございますけれども、一方、日本の繊維製品は非常に痛手をこうむっておるということも考えなければならぬというふうに思っております。  そこで、しかしともかくこの過程において、われわれは何としても秩序ある輸入というのを実現しなければならぬという観点に立って、いろいろ努力をしておるわけでございます。  第一には、基本的にはもちろん景気の回復と申しますか、振興ということでございますけれども、貿易の出入り口におきまして、輸入の急増を避けるために、商社とかあるいは流通業者に対しましては繰り返し強力な指導をしてきております。実は昨日も大手商社の幹部を集めまして最近の状況について意見交換をしつつ、輸入について自粛を重ねて要望したわけでございますが、大手商社とすれば、現在のような状況を考えてできるだけ協力する、こういう姿勢は示しておるわけでございます。  他方、対外面におきましては、アジアの近隣諸国と継続して話し合いを進めてきておるわけでございます。大島つむぎの問題、絹撚糸の問題、あるいは絹織物の問題等につきまして、中国あるいは韓国等と話し合いを続けてきて、ある程度の成果をおさめているということは、先生御高承のとおりだと思うわけでございます。  このような努力を積み重ねることによりまして、現在比較的落ちついているとは申しますものの、将来の急増に対する歯どめをかけてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 中小企業庁長官ないし生活産業局長には、今日の中小企業、なかんずく繊維の業界における特殊事情を十分配慮されて万全の対策を立てていただきたいということを要望し、最後に地下水の保全及び地盤沈下の防止に関する問題、これはもう時間がなくなりましたので、立地公害局長から、私どもは寡聞にしてまだこれらの問題についてよく知らされておらないわけでありますけれども、この種法案の提出が用意される過程の中でいろいろな問題が各方面に発生した、こういうことを聞いておりますので、関係当局としての立地公害局においてはひとつ十分検討して、誤りない対処をしてもらいたいということを要望したいと思うわけでありますが、その間の経過を若干報告していただいて、私の質問を終わります。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤政府委員 実は地下水の規制の問題につきまして、自民党の方におきまして、この問題について昨年からことしの初めにかけまして相当深くいろいろ御研究になられまして、われわれ関係省庁もその中に入りまして、いろいろ討議を続けてまいってきております。問題は、地下水の過剰くみ上げによりまして、最近、相当の個所におきまして、地盤沈下なりあるいは地下水が塩水化するという傾向が出てまいっておりますので、これを何らか規制しなければいけないという問題でございます。われわれ通産省としましては、昭和三十一年から工業用水法を運用してまいりまして、そういうような地盤沈下地帯につきましてはできるだけ積極的に工業用水の代替水を手当てすることによって、産業に影響を与えないように配慮をいままでやってまいったわけでございますけれども、なかなかほかの産業、特に農業とか上水道につきましては工業用水の手当ての範囲外にいままでなっておりまして、ほとんど野放しで地下水がくみ上げられておったというようなこともございますので、それらも含めまして、総合的に地下水の規制をやらなければいけないというのが今度の問題点になっておるわけでございます。  われわれ通産省といたしましては、事水の問題でもございますし、特にいま御議論になっております繊維産業は地下水の依存度が圧倒的に高いわけでございまして、八〇%を地下水に依存しておる。しかも、中小企業が非常に多いということもございまして、われわれとしては、この地下水の規制法を仮につくる場合には代替水の保証を十分に取りつけるということと、仮にそれが時間がかかるとすれば、もう少しきめの細かい産業別の使用の合理化の方法なりあるいは使った水をまた回収して使うとかというような、いろいろな多角的な問題の検討の上に立ってこの問題に対処してもらいたいということを強く申し上げておるわけでございまして、この法案は党の方で御検討になっておりますので、その後どうなりますか、まだ私どもは承知しておりませんけれども、通産省の立場としては、とにかく代替水のめどを十分に立てながら法の運用ができるようにお願いをしている状況でございます。

佐野進日本社会党

○佐野(進)委員 じゃ、終わります。

萩原幸雄自由民主党

○萩原委員長代理 以上で、佐野進君の質疑は終了いたしました。  加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 お許しを得まして、お預けになっておりましたあまたの案件について質問をさせていただきます。与えられた時間が非常に短うございますので、答弁される方々に最初にお願いをいたします。質問に対してお答え願いたい。イエスかノーか、やるかやらないか、予算をつけるかつけないか、冗長な御答弁で時間をとられますと、その分だけは延長させていただきます。  第一番。漏れ承るところによりますと、公害小業でありますチッソ、これに通産省の事務次官が融資の推薦状を出されるやに承っております。それは事実であるかないか。もし、事実であるとするならば、その融資の目的、用途、金額、担保物件等々はいかに相なっているか、これを承りたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 チッソの子会社に五井チッソ石油化学というのがございますが、ここが先年爆発事故を起こしまして、最近復旧したわけでございますが、その復旧費が約五十数億円かかっております。その復旧費の一部、約二十三億円の融資の問題につきまして、きょう通産省の方から開発銀行の方に対して、融資について検討してもらいたいということを推薦するような手続をとらせることにいたしたわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 私は、公害企業であるからというので融資をするなとか融資が反対という意味ではございません。そういうことを申し上げるのではございません。が、事公害企業に融資をなさる。いわんや被害者救済にこれが回る、被害者を救済しなければならない企業が国家から資金を受けるということに相なりまするならば、これはそれ相当の配慮があってしかるべきでございます。世界公害会議の宣言並びに世界公害会議で行われたあれこれの決定事項について御配慮があったかなかったか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 先ほども申し上げましたように、これはあくまで設備投資に対する融資でございまして、チッソそのものに対する融資ではございません。子会社の石油化学の設備に対する、その設備融資である、こういうふうに御理解いただきたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 大臣がどのように御答弁なさろうと、行く先は決まっておる。世界公害会議、一公害の世界宣言、この会議に私も出席をいたしました。経団連の代表も同時出席なさっていらっしゃいました。その席で常に日本が攻撃を受けるのは何かといえば、公害設備、これは企業の責任において行わなければならない。被害者救済は企業の責任において行わなければならない。にもかかわらず、日本はそれを行っていない。公害除去の設備を、先進諸外国は企業みずからがこれを持っておる。日本はそれを企業が負担をしない。しないところの方が多い。これは不平等である。なぜかならば、生産する製品のコストに及ぼす影響が大きいからである。したがって、それを一般普通の貿易として扱えば、これはガットの精神、平等の精神に反する行為となる。ゆえに日本からの輸入物資については、諸外国が、先進国が公害除去のために投資している企業投資、その率を関税としてかけるべきである、アメリカからの提案、カナダが賛成、EC諸国が賛成、そうして日本もいわゆるガットの精神に従って平等な貿易ができるようにすべきであると何度も日本に対して勧告を出しておる。にもかかわらず、あえてそれをなさった以上、チッソに、つまり被害者救済をしなければならない会社に対して融資をなさったということは、当然世界の注目を浴びるということを知らなければならぬ。配慮があってしかるべきである。いかなる配慮と根回しをなさいましたか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 私の理解をいたしておる限りにおきましては、国際的に論議をされておりますいわゆるPP原則は、公害規制措置に対応する汚染防止の費用に関するものである、こういうふうに理解しておるわけです。公害の被害の補償のための費用はその対象にはなっていない、こういうふうに理解をいたしておりますが、今回の場合はこういうことには関係なく、チッソの子会社である五井の石油化学の設備の一部に対する融資である、こういうふうに御理解をしていただきたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 スコラ哲学的答弁をなさっても、世界はそう見ませんよ。  次に私は、配慮があればよろしい。もし、なかったとするならば、いまからでも遅くない。また世界会議で日本が先進諸国から袋だたきに遭わないように、この袋だたきに遭うということはやがて日本の輸出を妨げるからでございます。いまからでも遅くない、当然配慮、根回しがあってしかるべきであります。やる気があるかないか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 御注意の点は十分配慮をいたしまして、善処いたします。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 次に、さきに山一證券に対して二百億余の金が日銀法に違反して融資をされた件がございました。そのときにも私は予算委員会で質問をいたしましたが、それと今日と同じ状況下にあります。すなわち、中小企業は倒産が続出でございます。特に繊維産業にそれがはなはだしい。そういうやさきに、繊維産業に対しては融資も少なければ、スズメの涙で事を濁しておきながら、大企業に対する融資は、開銀融資も輸銀融資も日銀融資も、のみならず、金融引き締めの最中でも、外国から使用目的を明示せずに借りられるダラーなどもこれあって、あれこれで大企業は金融の面においては保護をされておりますけれども、中小企業には遺憾ながら——中小企業庁長官、さっきあなたは答弁なさいましたけれども、いまや担保がないからもう借りる能力すらなくなっておる。だからこそわれわれは、政府融資の返還を延期してあげなさいとか、あるいは中小企業の担保を時価にスライドして見直しをしなさいとか何度も言うておるのに、それが行われていない。大企業にのみ手厚くして中小企業は殺されていく、倒産していく。それを見殺しにしてよろしいか、大臣の決意を承りたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 現在の経済情勢は中小企業に対して非常に大きな悪い影響を及ぼしております。したがいまして、中小企業に対する金融は特別に配慮を払いまして、昨年の年末には七千億という特別の枠を設定いたしまして特別融資をいたしました。ことしになりましてからも、その都度特別の配慮を払ってきておるところでございます。したがいまして、私は中小企業に対する金融は金額的にも、それからそのやり方におきましてもずいぶん配慮を払ってきたつもりでおりますが、ただ残念なことには、仕事の量が非常に減っておりますので、金を借りましても仕事をして利益を上げてそれを返すことができない、期限が来ましてもなかなか返せない、こういう深刻な事態が発生をしておるわけでございます。そういうことから、そういう事態にはそれぞれ具体的に相談に乗りまして、返済猶予というふうなことにつきまして、特に政府系の三機関に対してはそういう場合には十分相談に乗るように、こういうふうに行政指導をいたしますと同時に、民間の金融機関に対してもできるだけ相談に乗るように、こういうふうに指導をいたしておるところでございます。  また、繊維産業の現状につきましては、先ほど局長が申し上げましたが、やや好転しつつあるとはいえ、依然として不況の状態を脱したという状態ではございませんので、これらに対しましても考えられる金融というものに対しては積極的に配慮を払っていきたい、かように考えておる次第でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 言葉はりっぱでございます。にもかかわらず、倒産は続出しております。町の中に交通事故のない日はあっても、工場に倒産のない日はございません。特に繊維産業に倒産のない日はございません。大臣のお言葉どおり本当に実をもって臨んでいたならば、この倒産はもっと少なく、もっと早く解決したはずでございます。もう一度申し上げます。町に交通事故のない日はあっても、繊維産業に倒産のない日はございません。それでよろしいですか。特に私はこれから一つ一つ具体的にお尋ねいたします。  中曽根通産大臣は、この席でかつて、繊維産業の構造改善事業を推進するに当たって、正直者がばかを見ないように必ず手当てをいたしますと言われました。私はそのときに、天竜社という固有名詞を出して詰めを行いました。天竜社はコールテン、別珍をつくっている。構造改善については、政府の命令に最も忠実にこれを履行したグループでございます。そこに倒産が続出したのです。そこに休業が続出したのです。その二千六百有余の企業のうちの半分以上が休業のやむなきに至り、社長は日雇いに出て、日射病で倒れて死んだ。理事長は本当に腹を切って、首をつって死ななければならぬという状況に追い込まれた。中曾根通産大臣は、これに対して正直者がばかを見ないように手当てをすると言われた。何を手当てなさったです。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○野口政府委員 お答え申し上げます。  先生が御指摘になりましたように、織機登録特例法を通す際の附帯決議に、中小企業団体法を守ってしっかりやってきた産地についてはいろいろ考えろ、こういう附帯決議がございました。その国会の附帯決議を受けまして、私ども行政を担当しておる者といたしましては、その面に配慮して仕事をやってきたつもりでおるわけでございます。ただ、具体的の問題になりますと、いろいろ問題が出てくるわけでございますが、いまその一つの例として天竜社を先生お取り上げになったんだと思います。天竜社は先生が御指摘のように、無籍織機解消問題というのに前から非常に真剣に取り組んできた業界でございます。それにつきまして、過去のことになるわけでございますけれども、そういうような経過を踏んまえまして、政府としては四十九年、昨年でございますけれども、商工中金から必要な資金といたしまして十億円ほどの融資をあっせんいたしたということがございます。ただ、その後いろいろ融資条件等に問題があって話は煮詰まらなかったというふうに聞いておるわけでございます。それからもう一つ、やはり昨年、小規模企業経営改善資金、これは無担保、無保証、年率七・二%という条件の金でございますけれども、これを少額でございますが二千万円ほどを貸し付ける、これは貸し付けが実行になりました。これは例でございますけれども、こういうようなことで、及ばずながら行政当局としても産地の問題につきましてお手伝いをしたつもりでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 大臣、よく聞いてくださいよ。構造改善、特にやみ織機の問題、これをまじめに行って、この地区だけで七億余の欠損をしたのですよ。したがって、政府はこれに対して十億の融資をすると詰めが行われていた、しかしそれは流れておる。いまお聞き及びのとおり、十億貸すと言っておきながら二千万しか貸していない、これが実態なんです。これで救えますか。これであなたがさっきおっしゃいましたように、中小企業に対して手厚い施策が行われたと言えますか。  大蔵省にお尋ねする。通産省からこのコールテン、別珍に関して何か援助措置を要請されたことがありますか。

岡崎洋大蔵省銀行局特別金融課長

○岡崎説明員 具体的にコールテン、別珍についてどうこうするという御相談にあずかったことにつきましては、私が着任して以来のことといたしましては記憶がございませんが、繊維一般につきましては絶えず中小企業庁と連絡をとりまして、いろいろの地元の事情あるいは融資の資金量の問題等につきまして協議をし、配慮に努めておるということは事実でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 時間が少のうございますから、質問にストレートで答えていただくよう再度お願い申し上げます。  関税のことについて、何か通産省から相談なり協議なりがございましたか。

松尾直良大蔵省関税局企画課長

○松尾説明員 コールテン、別珍につきまして通産省から具体的な話を承ったことはございません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 大臣、よく聞いてくださいよ。あなたのおっしゃったことが具体的に行われているかいないかをいま詰めを行っているのです。この件も何度も話し合いが行われたはずです。もう一度私はその当時の資料を読み上げます。  日本がアメリカから別珍、コールテンを輸入するときの関税は五・六%、ECからこれを入れるときには三・五%、韓国から輸入するときは五・六%でございます。しかるところ、日本が世界で最も優秀な別珍、コールテンをアメリカへ輸出するときには、アメリカは別珍に対して二五%をかけております。コールテンについては三八%をかけております。日本がECへ輸出するときには一七%、こういう状況でございます。     〔萩原委員長代理退席、委員長着席〕  ちなみに他の物質について調べますと、日本が自動車をアメリカから輸入するときには六・四%、ECも同じでございます。しかし、大型のトラックについてはプラス二〇%の税がかけられております。しかるところ、日本がアメリカへ自動車を輸出するときには三%から四%でございます。EC諸国また七・五%程度でございます。このアンバランスを是正すべきであるということを何度も何度も申し上げた。しかも、この税率は日本の繊維産業が底力があり、非常に強かったときの税がそのまま今日行われている。先ほど政府側の答弁にもありましたように、いまや長年の不況に耐えかねて日本の繊維産業の国際競争力は非常に弱まっている。大臣、聞いてください。日本の自動車産業が強いのか、繊維産業が強いのか、これはどっちが強いのです。明治から大正、昭和の初めにかけては、繊維は強かった。その当時の税制がいまなお行われている。自動車のような日本で強い産業と比べてみても、大変なアンバランスであるということをお気づきでございましょう。なぜこれができないのか。  もう一つ大蔵省、外貨があり余っていたので繊維輸入については特別に二〇%関税率を引き下げられた。それが今日外貨がなくて引き締め、引き締めという時代になっても、なお下げっ放しで下げたままに行われておる。これで行政指導のよろしきを得ておるということが言えますか。この件については、私はかつて大蔵大臣であった大物衆に何度も言うた、大平君にも何度も言うた。やらせると言っておった。大臣はやると言うておって、それが事実行われていないとするならば、担当行政官の怠慢と言わざるを得ない。どうなんですか、これは。やる気があるのかないのか、これもまたいまからでも遅くない、やる気があるのかないのか。やらぬと言うなら、理由を承りたい。

松尾直良大蔵省関税局企画課長

○松尾説明員 二〇%の関税一律引き下げの件につきましては、前回先生からの御質問がございまして、そのときにお答えをいたしましたとおりでございまして、これは繊維だけではございませんで、先生も十分御承知のように、農産物等は除きまして、要するに工業製品というものについて一律に引き下げる。その背景となりましたのは、一つには日本の関税体系の中で製品の関税が非常に高いということを是正するという、関税体系の是正というところに一つの目的があったわけでございます。それが時期としましては円対策という時期に行われたということでございまして、そういう外貨の対策と全く無関係であったということではないということも先生御指摘のとおりでございますが、一方におきまして、そういうわが国の関税体系として製品関税の高過ぎるのを是正すべきだという関税率審議会の長期答申というものにのっとっておりますので、これを一般的に円対策の問題がなくなったからもとへ戻すという性格のものではないというふうに私ども考えておるわけでございますが、個別になおきめ細かく検討すべき性格のものである、こういうことを前回お答え申し上げましたわけでございまして、現在もそのとおりでございまして、私どもこれを一斉に戻せというような指示は特に上からいままで受けておりませんし、あくまでも個別の問題として検討してまいりたい、かように考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 個別の問題としていま私が申し上げている、たとえばコールテン、別珍の問題、非常なアンバランスがある、それは御理解できたでしょう。これについて検討をして是正する用意があるかないか。  委員長にお願いする。もしないというお答えであるならば、それは無理です、課長ですから。関税というものは、これはみんなバックに政策がある。したがって、政策を論じられる、それのやれる、いわゆる当事者能力のある人を呼んでもらいたい。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 理事会に諮りまして善処いたします。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 もう一つの問題がございます。大臣、これでこの案件が片づけば最後でございますから……。  いま私はあえて輸入関税について申し上げました。アンバランスを是正してもらいたい、その一例としてこれを申し上げました。この件はこれだけではありません。コールテン、別珍だけではないのです。繊維全般にわたって言えることでございます。アメリカのごときは、非常な高関税で、従量税、従価税を併課しておるわけでございます。量を超えるときに。しかもなお割り当て制でございます。全部数量割り当てがございます。つまり言えば、アメリカは繊維の日本からの輸入に対して、きわめて過酷な制限をいたしております。台湾に対してもしかくさようでございます。韓国に対してもアメリカは遠慮会釈なくきちっと輸入制限をいたしております。いま日本の繊維産業が不況であるという一つの理由は、総需要抑制だけではありません。消費需要は順調に伸びている。しかし、生産部門の操業が非常にダウンしてもなお糸値はなかなかに回復しない、出血生産をあえてしなければならない、こういう状況。なぜそうなったか。それは、製品の輸入が余りにも多過ぎるからなんだ。これはやがてその製品に直接携わる業界のみならず、その製品の材料である紡績や機屋にまで大変な影響を及ぼしているわけです。すなわち、二〇〇三の三千万スクエアヤールの輸入について、私はその非を先回あなたに訴えたわけでございますが、このようなことが次々行われては、日本の繊維産業はたまったものじゃない、ますます弱くする。弱くする結果はどうなるかというと、オイルダラーであり余っているところのOPEC並びにOAPECへの繊維の競争入札に至るまで負けてしまわなければならぬことになる。それが具体的事実なんです。私は、イランの関係者にもイラクの大使にも何度もお目にかかって、この問題について詰めをしておりますが、もはや彼らの日本の繊維産業に対する評価は、輸出能力なし、国際競争力低下、こういう評価でございます。これほど大きなインジュリーがあるのに、何ゆえに二国間協定に踏み切れないのか、もう一度大臣にお尋ねいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 最近の輸入の状態を見ますと、むしろ私は鎮静化の方向に行っているのではないかと思います。  それから、二国間協定といいますと、やはり総合的にいろいろなことを考えなければなりませんので、にわかに結論を出すことはむずかしいということで、なおその結論に到達しておらぬわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 輸入が鎮静化しておるとおっしゃるが、じゃ、具体的にお尋ねいたします。  コールテン、別珍の需要がやや伸びたとなったら、またぞろ輸入がふえてきたのですよ。それからもう一つ、二〇〇三の三千万スクエアというのは、日本オール関係生産の一カ月半分ですよ。これで鎮静したと言えますか。そういうことを生活産業局長、そんなふうに指導しておってはいかぬですよ。そんなふうに教育しておってはいかぬですよ。具体的事実をあなたはよく知ってみえるはずです。あなたの部下を使って、具体的調査をしていらっしゃるはずです。私はそれを是としております。熱心さは買いまするけれども、事実を大臣によく認識させる必要があると思います。  お尋ねする。コールテン、別珍の輸入がふえてきたでしょう。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○野口政府委員 お答え申し上げます。  大臣が落ちついた、鎮静化しつつあると申しましたのは、私、考えまするに、繊維製品全般の傾向を大所高所からお述べになったものと考えております。ですから、先生が御指摘のように、種々雑多の繊維製品の中で、ふえ、あるいは将来ふえそうだというようなものはもちろんございます。その例として先生がいま別珍、コールテンの例をお話しになったんだと思います。別珍、コールテンの輸入の状況は、確かに一月から三月までは比較的落ちついて、大体月十万から十五万平方メートルぐらいだったわけでございますが、四月になりまして四十万平方メートルを超える輸入があったわけでございます。そういうことで、三月ぐらいまでは非常に落ちついて、むしろ激減しているというような状況だったわけでございますが、繰り返すようですけれども、今後、先生の御指摘のようなことが懸念をされるわけでございます。  ただ、実績から申しますると、別珍、コールテン合計で申してみますと、一−四月の輸入は、これを前年同期で対比いたしますと七%の減少ということになっているわけでございまして、別珍、コールテン、これは先生御指摘の天竜社が日本の大部分を生産しているわけでございますけれども、長らく不況に苦しんだわけでございますが、幸いなことに、昨年の夏ぐらいから景気回復の兆が出てまいりまして、ただいままでのところ、他の繊維製品に比較すれば、率直に申しますと景気はいい方だというふうに考えられるわけでございまして、これをたとえば生産で申し上げますると、ことしの一−四月の生産は、別珍、コールテン合計で見まして、前年同期比で約七割の増加、それから伝統的に輸出産業でございましたが、輸出もおかげさまで五割の増加、こういうことになっているわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 そういう耳当たりのいい、聞きざわりのいいことばかり教育するものだから、本当に景気が回復したと思い込んでしまうのですよ。  それじゃ、お尋ねする。天竜社の機は全部動いていますか、何割動いておるか。動いていないのがまだたくさんあるじゃないですか。知多織はどうです。生産調整をやらせてくれと言って要求が出ているじゃないか。工賃はどんどん切り下げられておるじゃないか。あくまで政府の行政指導はきめ細かく、病気の人に対してはカンフル注射をするぐらいの親切心があってしかるべきなんだ。ちょいと芽を吹きかけてきたらまた輸入が押し寄せてきた、これじゃもとの姿には返れませんよ。もとの姿に返れないとするならば、通産省が何ぼ金を投入して構造改善を何度やられても、この構造改善は砂上の楼閣に終わる。通産省の大義名分は構造改善にあるんだ。この構造改善を目標に、いかにすべきかを基本的に考え直す必要がある。そういうやさきに前年度比七割ふえた、それだけ聞くと膨大にふえたように聞こえますけれども、その七割は全体の生産数量から、あるいは稼動機数からいったらほんのわずかなものなんだ。そういうデータのとり方、そういう発表の仕方が誤解を生むもとになる。それならいいこと幸いもう関税のことも大蔵省はやらぬでもよろしいということになっちゃう。具体的事実を明らかにしなければいかぬ。  さてもう一つ、二国間協定を中心に私は質問を進めます。その前提があちらこちらに出ております。近藤駒太郎、日本衣料縫製品協会の会長、アメリカへ渡られまして、アメリカの同業種の方々と相談の上、やはり発展途上国からの過激な輸入が両国にインジュリーをもたらしている、ゆえにこれは制限すべきであると意見が一致いたしました。引き続きEC諸国といま交渉、EC諸国もこの日米両国の意見に傾いてまいりました。当然これは多国間協定となります。それ以前に二国間協定が行われなければならぬことになります。それでもなお大臣は二国間協定はお預けでございますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 二国間協定をやりますのには、いろいろな前提条件があるわけでございまして、いまお述べになりましたような動きがあるということは承知しておりますけれども、なお私どもといたしましては、客観的な数字等を十分調べまして慎重にこれに対処していきたいと考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 日米が合意に達した、ECもこれに参加した、そうして制限を始めましょうと言うた場合に、なお日本の通産大臣は、この三国の共通した意見並びに具体策、これに反旗を翻されますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いまのお話は、なるほどそういう話は進んでおるんですけれども、それは民間の団体がそういう話を進めておるわけでございまして、それからアメリカと東南アジアとの関係、ヨーロッパと東南アジアとの関係、日本と東南アジアとの関係というものはやはりもっと総体的な立場から判断しなければならぬ問題等もございますし、もう少しいろいろな動き等を十分調べまして、先ほど申し上げましたように慎重に対処したい、かように思います。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 慎重に対処なさることに反対ではない、それは大臣の自主性を尊重いたします。しかし、これだけ空気が動いてきているにもかかわらず、二国間協定はだめであると言うておられますと、三木内閣の人気にかかわりますよ。  その証拠を申し上げます。きのう私の手元へ、ぜひ輸入制限をしてくれと言って代表が来られました。米沢市、足利市、桐生市、八王子市、小千谷市、五泉市、金沢市、長浜市、鹿児島市、結城市、伊勢崎市、秩父市、武蔵村山市、加茂市、十日町市、小松市、京都市、名瀬市の右代表、この代表はどちらかというと市会議長さんが多うございましたので、自民党の市会議員のお方が多かったわけでございます。この方々がぜひ輸入の制限をしてもらいたいと言うて来られました。しかも、その手近かな手段としては、あなたが二国間協定がなかなかできぬできぬと言って、だめだだめだとおっしゃられるものですから、ついに伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案、これは先年ここで五党一致して通した振興法でございます。その伝統産業にかかわる、つまり五党が一致してこれを育成しなければならぬと決めたその業種にかかわる産品だけは輸入制限をしよう、こういうことでございます。これをぜひ推進してもらいたいという希望でございます。いま別室で五党の代表がそのことについて詰めを行ってみえる。今国会にこの法案が問題になるのは当然でございます。いまその詰めを行っている最中、自民党もこれに対して提案をし、代表の人の御意見によりますと制限もやぶさかでない、そういう内容だということなんです。こうなってきたら大臣としては、以上挙げました市の代表、市議会を代表して来ておられる、市役所を代表して来ておられる、その人の意見に耳をかす気があるのかないのか。次に、院内において五党が代表してこれを行っている、参議院の方でも五党が代表してこの詰めを行っている、そういうやさきに、これに耳をかす気はあるかないか。同時に、私はここに議員の名簿を持っております。その中には長谷川四郎君が桐生代表で、荒舩清十郎君、木村武雄君、田中角榮君、これらがこの制限に対しては賛成である旨で、ここへ、この会議に参加していらっしゃる。にもかかわらず、政府がそれを行わないとすると、自民党は意見対立でございますか、この方々はよろしい、賛成だと言っている。そうして、その集会に臨んで堂々の応援演説をやってみえる。大臣はもっていかんとなされる。いま挙げた名前だけじゃありませんよ。二百人の余の名前がここへ書いてあるのですよ。その人たちは賛成だと言っている。この人たちは賛成だけれども、なおできないとなると、この方々は選挙区に向かって、衆議院解散、選挙前に何とおっしゃるのです。大臣にお尋ねしたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 伝統産業振興法によりまして指定されました伝統産業の育成ということは、これはもう当然図っていかなければならぬと思います。これの改正の機運が起こってまいりましたのは、御案内のように例の大島つむぎの問題でございますが、この問題につきましては先般来通産省の代表が韓国に二回参りまして、特に後の場合は、政務次官を団長とする代表団が参りまして先方の政府といろいろ折衝いたしました結果、本年以降は秩序ある輸入に切りかえます、そして数も大体三万五千反ないし四万反に抑えます、同時に韓国製品であるという品物の明示もきちんといたします、こういう話し合いをして帰ったわけでございます。  そこで、先般この委員会におきまして、その数量に間違いがあるのではないかというふうな御質問がありましたので、早速、再び、韓国の新聞にそういう記事が出ておるかどうか、われわれの確認したことと違うことが出ておるじゃないかということで先方と交渉いたしましたところ、それは日本政府の言われるとおりである、韓国の新聞の記事は間違いである、こういうふうな答弁等もございまして、そして双方が協力いたしまして、今後は秩序ある輸入、こういうことでやっていこう、こういう話し合いが決まったわけでございます。  私どもの基本的な考え方は、日本は資源のない国でございますから、やはり自由貿易をたてまえといたしましてやっていかなければいろいろな点で不都合が生ずるわけでございますし、さらにまた最近は新国際ラウンドの話し合いということも始まったやさきでございますので、何とか貿易の制限ということを起こさないで、自由貿易という旗のもとにひとつ世界全体が歩調をそろえられるようにということでいま一生懸命努力をしておるわけでございます。  そういうやさきでございますので、お話しの点はよく理解できるわけでございますが、しかしなお輸入制限とかあるいは輸入禁止とか、こういう問題につきましてはどうしても慎重にならざるを得ない。でありますから、もう少し慎重に対処したいと思いますので、その点はひとつ御理解をしていただきたいと思う次第でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 理解ができない。慎重、慎重で、一体いつ行われるのですか。  大臣の退席要求の電報がこちらへ回ってまいりました。これはもうやむを得ません。大臣を拘束できないかわりに、嶋崎政務次官を呼んでもらいたい。  嶋崎君はいかなる資格で韓国に渡り、いかなる権限でさようなことを勝手に決めてみえたか。少なくともこれは、国際貿易にかかわる問題である。こういう案件は農林省では必ず委員会に諮ってから行かれる。いかなる権限で行って、決めてきたことを勝手に押しつけるのか。この委員会にそんなことを押しつけられたって、行かれるときに相談に乗っていないし、本委員会は彼にそういう権限を与えていない。大臣が退席要求であるなら、結構です。嶋崎君を呼んでもらいたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 通産省を代表して私のかわりに行ってもらったわけであります。  なお、私は退席をさしていただきますが、いま政務次官を呼びまして、その間の事情を説明させます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 生活産業局長にお尋ねする。  農林省では同じ繊維でもちゃんと二国間協定が行われ、合意に達して割当制が行われている。ただ、それはガットの三条ないしは四条、十二条に言うところの二国間協定ではないけれども、明らかに二国間協定で合意に達して絹糸の割当制限が行われている。しかも、底値を維持する制度までできている。農林省ではノリ、これもきちっと割当制限が行われて、しかもノリは日本の生産期には輸入しない、つまり日本のコストに影響を及ぼしてはいけないからということで、端境期に足らざるところだけを輸入するということになっている。これは御存じでございましょうが、この商工委員会においてもいまから二十年も前に決議を行ったのです。同時に農林委員会においても決議を行い、それが年々連綿として続いていま割当制限が行われているわけなんです。あなたは慎重、慎重と言っているけれども、農林省が二十年も前にやったことを、なぜ通産大臣は今日になってもなお慎重にしなければならぬのか。一体、河本通産大臣は何年大臣をやるつもりだ。やらずに慎重、慎重と言ったら、これは食い逃げじゃないか。そして、選挙区に行ったときだけはやってあげます、やってあげます、そんな食い逃げをしようとするから三木内閣の濁一点だと言われなければならぬ。先ほどの私の質問に対して答えていない。生活産業局長としてはこれに対してどうアドバイスをし、どう大臣を援助なさるおつもりですか。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○野口政府委員 繊維製品の貿易につきまして、ガットに基づく国際繊維取り決めの制度がありまして、わが国はこれにもちろん入っているわけでございます。したがいまして、基本的な考え方といたしましては、その取り決めで定めているような状況が発生した場合に、日本も当然その取り決め上の権利義務の関係を発動することはできるということ、これは私どもの基本的な考え方でおるわけでございます。ただ、現実の問題になりますると、要は秩序ある輸入というものを実現するというのが基本的なねらいであるわけでございまして、そこに至るまでに、秩序ある輸入を実現するためにいろいろな手段、方法あるいは政策的な措置もあろうかと思うわけでございます。それはそのときの客観的な環境と申しますか、あるいは状況に応じた措置をとってまいる、こういう考え方で、先年来、先ほどから問題になっておりますようないろいろな措置をとってきたわけでございます。昨日、先ほどもちょっと触れましたけれども、商社の首脳を集めまして自粛を要請したということもございますし、あるいはおとといでございますか、第一回の綿製品の需給協議会を開きまして、輸入の問題を含めて需給の円滑な適合が行われるように話し合いの場を持ったわけでございます。そういうような措置を積み重ねて、秩序ある輸入というのを目指してやっているわけでございます。客観的な情勢が、全般的に申しまするとかなり落ちついたような状況でございますので、その辺の判断といたしまして、いままでの行政努力を積み重ねてまいる、当面そういう構えでおるわけでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 言葉あって誠意がなくちゃいけませんね。秩序ある輸入をする、言葉は結構ですよ。どこの秩序を保つのです。あなたが指導、育成、強化しなければならぬ繊維産業がばったばったと倒れている。それは輸入が多いからだ。当業者たちはアメリカまで出ていって制限をしましようという相談をしている。それだけじゃ足りないから、議員にアピールして全国大会までやって制限してくれと言うておる。そこへ出席した議員さんたちは、みんなそうだ、そうだと制限に対して賛成している。にもかかわらず、それができない。秩序とは一体どこのことを言っておるのか。韓国の秩序ですか。台湾の秩序ですか。日本の繊維業界はインジュリーで被害が多過ぎてばたばた倒れているというのに、それで秩序は保たれていますか。何を言うんです。  もう一つあなたにお尋ねするが、先ほど大臣がいみじくも言いました。先回ここで私が質問いたしました東亜日報、これの記事は間違いであると、韓国に問い合わせたら答えた、こうおっしゃられました。その件について、嶋崎君が来るでしょうから、その前に聞いておきたい。  第一点、それは日本のだれが尋ねたのですか、韓国のだれが答えたのですか。少なくともその記事は、韓国の権威ある東亜日報でございます。私はいずれが正しいかということを聞いた。特に四万反と九十八万メートルでは食い違いがある。九十八万メートルであるならば、これは四万匹の話なんです。四万反でありとするならば、これはすなわち九十八万メートルの半分以下で足りるということなんです。だから、いずれが本当かとお尋ねしたのです。  もう一度お尋ねする。大臣の御答弁の方が正しかったとおっしゃるならば、日本のだれが韓国のだれに尋ねて、そうしてそういう答弁になったか、お尋ねします。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○野口政府委員 この前のこの委員会における御質問に応じまして、通産省といたしましては外務省を通じまして正式に韓国政府の見解を求めたわけでございます。韓国政府からもちろん外務省を通じて公電で戻ってきたわけでございます。どなたに会ったか、私そこまではっきり覚えておりませんけれども、しかるべき向こうの、多分商工省でしたか、商工省のしかるべき権限のある方に会ったものと了解しております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 あなたがやられたんじゃないのですね。もう一度念を押しておきます。ということは、これは尾を引きますから、私も調べに行きますから、もう一度確認しておく。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○野口政府委員 もちろんそれを確認しろというのは通産省からの指令と申しますか、要請でございますが、それを行ったのは外務省でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 外務省のだれです。

野口一郎通商産業省生活産業局長

○野口政府委員 アジア局だと思います。アジア局から向こうの在ソウル大使でございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清二)委員 委員長からの電報が参りまして、時間だから終了されたいということですから、委員長の仰せのとおりに従います。しかし、委員長お聞き及びのとおり、まだ答弁になっていません。それから、大臣がはりきり言いました。私が退席するから関係の政務次官を回すとおっしゃられました。それから、いまの最後の質問、外務省のだれであるか、まだ答弁ができません。ですから、本日は委員長の命にこれ従ってこれで打ち切りますが、残余の質問を今国会中にさせていただけますよう、委員長の特別な御配慮をお願いしますが、委員長の答弁を要求します。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 加藤委員の御協力を感謝いたします。  質問についてでございますが、これも理事会において諮りまして、できるだけ御期待に沿えるよう協力いたします。  午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十四分休憩      ————◇—————     午後一時三十六分開議

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。神崎敏雄君。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 私は、いま問題になっておる牛乳の値上げについて質問をいたします。  牛乳販売業者は、その八割から九割が従業員四人以下の小零細業者によって占められております。その経営と生活はきわめて不安定な状況に追いやられているのであります。その主な原因はどこにあるのか、農林省からお聞きいたしたいと思います。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 お答え申し上げます。  飲用牛乳の値上げが、先生御承知のとおりいま問題になっておるわけでございます。中央酪農会議という生産者団体の方から、二月二十六日でございますが、現在の飲用牛乳が一キログラム当たり九十八円でございます。それを百三十八円に、上げ幅で四十円、四一%アップという形で要求が出されました。その後、乳業メーカーと生産者団体の問で交渉が続けられております。  で、乳業メーカーの方としては、なかなか消費が上向いていないこと、それから牛乳の専売店、要するに小売屋さんでございますが、専売店等が、値上げはむしろ消費の減退を来すというようなことで反対をいたしておりまして、交渉が難航いたしております。そういうことで交渉がなかなか進展しておりませんが、五月の半ばに至りまして、生産者団体の方は、いまの生産者乳代を一キログラム当たり上げ幅で十五円にしてはどうかということで——当初の要求は四十円でございましたけれども、一キログラム当たり十五円ではどうかということで交渉いたしておりますけれども、現在のところ、交渉が依然まとまるということではないわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 交渉がまとまっておらないらしいのですが、牛乳販売業者の粗利益は二百cc当たり現在幾らになっていますか。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 二百cc当たりと言いますのは牛乳一びん当たりでございますが、関東地域の標準で申しますと、二百ccが四十六円で消費者に売られております。その中で生産者のいわば取り分が二十円四十三銭になります。これが四四・四%になります。それから、乳業メーカーの取り分が九円三十三銭でございます。二〇・三%でございます。そして、最後に牛乳の小売屋さんの取り分、これが十六円二十四銭でございます。したがって、三五・三%でございますので、いまお尋ねの件は、粗利益で言いますと一本四十六円中十六円二十四銭、三五・三%になるわけです。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 いまのは大体全国平均の数値をお出しになったと思うのですが、もっと具体的な例はまた後で申しますが、現在の牛乳販売業者の経営がきわめて危機的な状況にあることは当局も認められますかどうか。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 先生の御指摘のとおり、現在約二万店ほどの小売屋がございますが、非常に労働集約的で、零細経営でございまして、その経営はなかなかむずかしゅうございます。特に牛乳屋さんの場合は、新聞屋さんと同じように家庭配達というのが特徴でございまして、それが他の小売屋さんには見られない特色でございますが、近年、大型スーパー、いわゆる量販店の出現等によりまして、それとの関係でなかなかむずかしい問題にも立ち至っておるというのが現状でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 むずかしいというのは非常に中身が複雑なんで、経営がいわゆる危機的な状態にあるということを認めるかどうか、これを聞いているのです。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 経営につきましては、前に申しましたように、店主と家族経営的な形で数人の従業員が働きながらやっておりまして、販売店を私も何軒か拝見しておりますが、その中で特に、いままでで言いますと、販売本数が落ちてくる。これはむしろスーパーにお客をとられて、宅配、要するに家庭に配達する本数がだんだん減ってきている。(神崎委員「危機かどうかということだけを言ってください」と呼ぶ)その点は、まだ危機というほどではないと思いますが、経営はなかなかむずかしい状態にあると思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 むずかしいということは、経営が苦しいということになっておるということを認めますね。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 そのとおりでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 いま生産農民が要求している値上げ幅は、二百cc当たりになると幾らになりますか。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 二百cc当たりに換算いたしますと、三円をちょっと上回ったところでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 この要求を私は否定できないと思います。正当な要求であると私は考えるのですが、当局の判断はどうですか。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 正当なものであると考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そこで、その二百cc当たり三円強の値上げをそのまま末端小売価格に上乗せしないで解決することを考えるべきであると私は思うのです。当局も、末端小売価格を上げずに生産農民の要求も認めるという解決方法を追求する方向で行政指導をしようと考えておられるかどうか、この点お聞きしたい。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 お答えいたします。  牛乳の製造販売経費の中で、特にいま申しましたように、たとえばメーカーから卸す価格が二百cc当たりで言いますと二十九円七十六銭になるわけでございますが、その中で、生産者に渡される、いわゆる原乳代と呼んでおりますが、要するに乳代でございますが、原乳代はいま申しましたように二十円四十三銭でございますから、約七割ぐらいあるわけでございます。その七割自身は相当高い割合を占めておりますから、値上げ幅が大きい場合にはやはり末端に影響せざるを得ないわけです。しかし、さりとて、これを途中の、たとえばメーカーにできるだけ合理化してやってもらいたいと思っておりましても、メーカーの中には大手もありますし中小乳業もありまして、なかなかむずかしいと思います。末端の価格に反映させないようにおまえの方が国で何か考えられないかということでございますが、飲用乳価につきましては従来から当事者で自主的に価格を形成いたしておりまして、末端に波及しないように考えるというような、いわばたとえば不足払いとかあるいは二重価格というのはなかなかむずかしいと考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そこで、乳業メーカー大手三社の経営状況に関してお聞きしますが、二百cc当たり三円強の値上がり分をメーカー段階で吸収することが全く不可能なのでしょうか。メーカーはその根拠を明らかにしておりますか。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 現在の牛乳の生産量が年間約三百万トンございますが、そのうち約半数が大手、要するに雪印、明治、森永でございまして、残りの半数が中小企業、要するに中小乳業あるいは農協系のプラントによって生産されておりますので、その分まで負担するのは、中小乳業や農協プラントはまたなかなかむずかしゅうございます。それから、大手の場合も、現在のところ私の方では一直接この問題について当事者として具体的に原価その他について十分な話し合いが行われているというようにはまだ聞いておりません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 大体、大手メーカー三社、あと約一千社ぐらいは中小生産メーカーといいますか、そういうもの、しかしそれはほとんど牧場を持っていますね。そのうちの牧場を持っているいわゆるメーカーといいますか、そういうものとそうでないものとは掌握されていますか。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 大手の三社、雪印、森永、明治につきましては、営業報告書あるいは有価証券報告書が公表されておりますから、それで、たとえば売上高の中に占める利益率はどうであるかというようなことは把握できますが、中小乳業あるいは農協プラントとなりますと、把握すべき報告書等がございませんので、十分その内容をつまびらかにすることはできません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 牧場を持って、そこで直接に小売店なんかへ卸しているというような企業の数は掌握されているかどうかを聞いているんです。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 いまおっしゃったのは恐らく大手の乳業以外の中小乳や農協プラントの数だと思いますが、現在学校給食に牛乳を納めているものから類推いたしますと、約七百に余るわけでございます。ただ、その中には、恐らくたとえばA県とB県と両方にそれぞれ納めているのがダブって計算されておりますから、実質は七百を少し下回るかと思いますが、おおむね七百と考えていただけばいいと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 牧場を持っておるのが大体七百くらい、またがっておるのを引いて、もう少し下回る。それよりも本当の中小といいますか、細かいのは約三百くらいにしかならない、こういうことになるのですが、いま市販している牛乳ですね、いわゆる市乳と言うのですか、市乳の二百cc当たりのコストは一体どのくらいになっていますか。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 飲用牛乳につきましては、その生産原価を農林省で把握する仕組みになっておりませんので、原価が幾らかと言われてもちょっとわかりかねるわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 これは通産省、中小企業庁ですか。当局で握っていますか。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○藤原政府委員 いまの御質問の牛乳の原価につきましては、残念ながら私どもも把握いたしておりません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 農林省も通産当局も両方とも掌握しておらない。そうして、いま牛乳のいわゆる小売販売店が困って経営が危機である。そうして、三円強の値上げは妥当である。いろいろな観点から承認されたんですが、コストというもの、いわゆるメーカーから出るコストが掌握されないで、何を根拠に、何を基準に、いまそういう判断やそういう答弁が返ってくるんだろうか。コストというものの基準から見られて、困っているとか、あるいはそのくらいなことはやむを得ないだろうとか、こういうような答えが出てくると私は思うのですが、その基本的な基礎になるコストが掌握されないで、これがいいとか悪いとかという判断は何を根拠にされているんでしょうか、両当局からひとつ聞きたいと思います。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 私どもの方で、飲用牛乳につきましては、かつて三十七年と三十九年ごろは、行政指導で、たとえば具体的な額は幾らかというようなことを、末端価格は幾らであるということまで決めて指導したことがございましたけれども、昭和四十二年に至りまして、国民生活審議会の消費者保護部会で、そういうような具体的な価格の指導をしますとそれを契機に一斉に価格が値上がりする、独禁法の運営上も問題があるという指摘がありまして、自来、政府としては行政介入ができない、またやってはいけないという形になってきているわけです。したがいまして、飲用牛乳については、生産者とメーカーあるいはメーカーと小売りの間で自主的に協議をして決めるというシステムになっておりますので、原価について、たとえば特に具体的な製造販売の経費については明確に知っていないわけです。生産者の乳価につきましては、もちろんこれも具体的なものは農林省の生産費調査でいろいろやっておりますけれども、そのほかに、たとえば私どもの方は、乳製品向け、つまりバターとかあるいは脱脂粉乳と言われるものにつきましては保証価格というものをつくっておりますので、その関係で、ことし、前年に比べて一キロ当たり一四・七%保証価格を上げたことがございます。それとの関係で、農家等も市乳については約一五%ばかりの値上げをしてもらいたいというように理解をしておるわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 私は後でまた事例を挙げますけれども、この吸収する三円強ですね、これは酪農農民の立場もよくわかるし、支持をする。ただ、その問題が、いわゆるメーカーからストレートに小売販売店やらあるいは一般消費者、こういうものに全部しわ寄せされていく、そしてメーカーだけがぬくぬくとそこで高利潤を上げている、こういうような形についてそれを立証するために、代表している乳業三社、この三社はたくさん引当金としてありますけれども、たとえばその中で非常に多額に計上している面を、私は、一つの有価証券報告書によって退職金の給与引当金、これの一例を挙げて吸収できるということを立証するために申し上げたいと思うのです。  明治乳業の場合、四十九年四月一日から四十九年の九月三十日、この間に引当金として使用したのが九千五百万円です。この間に積立金は七億九千二百万円です。これで使用額の九千五百万円と七億九千二百万円とを対比しますと約八倍ですね。これを積立金として、残額として持っている。それから、雪印乳業の場合ですが、四十八年四月一日から四十九年三月三十一日、使用しました額は二億一千六百万円、この間に積立金は二十一億円、これは使用額の十倍以上ですね。退職給与金引き当ての積み立て残額を見てまいりますとどうなるか。昭和四十五年三月末を例にとりますと、雪印は七十六億円、森永は二十七億円、明治が二十億円、それが四十八年三月末になると、雪印は何と百九億円、森永は四十七億円、明治は三十億円、四十九年の三月末になりますとどうなるかと言えば、雪印は百二十八億円、森永は五十二億円、明治は三十三億円、四十九年の九月末、昨年の九月末は、まだ雪印も森永も出しておりませんが、明治は出しておりまして、これは四十億円。こうなりますと、雪印の場合は四十五年から四十九年の間に大体七十六億円が百二十八億円になっておる。森永の場合は二十七億が五十二億になる。明治の場合は、四十九年の九月ですが、二十億が四十億になっている。通常の年間使用額で計算してみますと、使用した跡から見ても、明治乳業の場合は四十年分の残額がある。森永は五十年分持っている。雪印は六十年分に相当するのです。これ以外にも内部留保はたくさんありますけれども、いま退職引当金の積み立て残額を紹介したのですが、こうした大手メーカー三社が値上げ分を吸収しても、これは倒産するでしょうか。こうした大きな留保残高だけを見ても、三円強のものを吸収しても、これは全く倒産するというようなことは考えられない。こういうことをいま数字として立証しているのですが、当局ではこれについてどういう考えとどういう意見をお持ちになりますか。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 お答え申し上げます。  生産者団体が言っております一キログラム当たり十五円というのを、これが満額実現したという場合には、仮に七月から来年の三月まで一体どれだけよけいに引き上げ額が要るか、金を払わなければいけないかといいますと、大体生産量にその一キログラム当たり十五円を乗じまして、そしてそのうち半分が大手である、これを計算いたしますと大体百七十億になります。一方、いまお話しの雪印乳業等の大手三社の四十九年度の利益額の合計は、当期利益だけで約三十六億円でございます。それから、当期未処分利益で約五十億でございますから、とうていそれではカバーし切れないと思います。  いまの退職引当金の方は、法律上認められたものですから合法的だと思いますので問題はないと思いますが、もう一つは、いまの大手乳業メーカーは、市乳、要するに飲用乳のほかにバターとか育児用の粉ミルクとかあるいは調味料それから冷凍食品というような一種の総合食料産業のような形に変わっておりますから、いろいろな利益がそこに累積されておるというように考えておりますので、市乳だけに全部の利益をはじくというのはまた無理ですが、仮に全額をはたいても、いまのような形でとても引き上げ分はカバーできないだろうと考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 私は、内部留保のすべてを分析して累計すれば、もっと大きな額が出てくると思うのですが、たまたま三社の退職引当金の残額だけを紹介しただけなんです。  いまの三円強を吸収したら、大体いまあなたがおっしゃった百七十億、こういうことになるのですが、いま私がここで紹介した四十九年九月末、雪印と森永はまだ出ておりませんが、明治が出ておるが、引当金が残っておるのです。それをいまざっと合計しましたら、二百五十八億ですね。それは法律で認められているのだから置いておいてもいい、こういう形式論といいますか、教条的な理解もそれはそれなりで成り立つと思うのですよ、法律で保障されているのだから。しかしながら、いま紹介したように、雪印の場合は二億一千六百万円しか使用していないときに二十一億円も残しておる。明治の場合は、九千五百万円しか使用してないのに七億九千二百万円も残す。こういうゆとりのある経営が、法律的に保障されているからといって、一方ではやられて、そうして値上げした分をストレートに小売販売店やらあるいは一般消費者に転嫁していくということについてどう思うか。もっとそういうような一般小売店やら——あなたもいま一般小売店の経営が非常に苦しいということを認められているのですから、そういうものへ転嫁していくというやり方についてはどういうような形で行政指導をされるか。  そうしてまた、通産当局にも聞きますが、いまの一般小売業者がどのような形で苦しんでいるかということから見ても、私は、公取との関係からそういう形への介入ということについては厳格なものがあっていいと思いますが、私はいま実情と現状をここで知っていただくために申し上げているわけですが、こういう観点から見ての行政指導といいますか、一般小売業者を守る、あるいは一般消費者を守る、こういう形から見て、このような経営財政内容であれば、どのような形でその大メーカーを、主として大メーカー、しかも牧場を持っている——私の住んでおるところにも「いかるが牛乳」というのがありますよ。だから、そういう中小メーカーの中身もよく知っていますが、とにかく実情は一般の小売販売店のいまのような危機的なものではない、そういうものから見ても、どういう形でこういう問題について、いわゆる政府当局といいますか、関係当局、行政責任上の当局はどのような指導やら手を打つといいますか、対処されるといいますか、それについての考えをひとつ聞かしていただきたい。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 農林省は過去に、いま申しましたように三十七年あるいは三十九年には牛乳価格の具体的な値上げ幅の限度を定めて、関係者に対して指導を行ったことがございますけれども、その後、先ほど申しましたように、昭和四十二年の二月に国民生活審議会から要望もありまして、その後農林省は具体的な値上げ幅の限度を示すということはやっておりません。しかし、牛乳の供給あるいは価格の安定を図るために、農林省といたしましては、牛乳の価格について値上げの動きがある場合には、牛乳の価格というのは当事者が自主的に決めるべきであるというのが基本姿勢でございますけれども、そういう姿勢を堅持しつつも、必要に応じて関係者に対しては、値上げ要因はできるだけ企業努力で吸収すべきだというような形で、値上げ幅を極力圧縮するという形で指導を行ってきましたし、今後も必要な場合必要に応じて、この指導方針をとってまいりたいと考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 メーカーにですね。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 そのとおりでございます。

藤原一郎中小企業庁小規模企業部長

○藤原政府委員 いまお尋ねの件でございますが、牛乳業の実態につきましては私どもつまびらかにいたしておりませんので、確たる御返事を申し上げにくいわけでございますが、一般的に申しまして、小売業がいま非常に困難な状況にあるというのは仰せのとおりでございまして、私どもとしては、小売業の高度化といいますか近代化というふうなものを、中小小売商の振興法に基づきまして、極力資金的な面を含めまして援助をするという立場でございます。  いまお話しございましたメーカー出し値というふうなものへの介入という点につきましては、これはやはり非常に慎重を要することだと思います。簡単に、いつも一般的にどうこうということは申せないかと思うわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 価格介入については私は言っておりませんから、ただ現状をよく調べて、大メーカーがこういうような内部留保を膨大に持っている中で行われるという現状を知っていただいた上で、対処してほしいということを言っているのです。  そこで、販売業者の二百cc当たりの粗利益は、二円四十七銭という資料もあるのです。ここにありますが、先ほど農林省は四十六円とおっしゃったですが、これは大体の平均のランクを説明されたのですが、二百ccで販売価格が三十三円、仕入れ価格が三十円五十三銭、粗利益は二円四十七銭、こういう資料もあるのですね。こういうような実態の中で、三円という額は業者に絶対に吸収できません。二円四十七銭しか利益がないのに、三円を全部業者が吸収することはできない。これは具体的にできぬのですね、やれば全部つぶれてしまいますから。そこで、私がいま言ったように、大手乳業メーカーこそ、この努力と工夫をすべきだと私は考えるのです。  重ねて当局の見解を聞きたいのですが、いま積極的に、前向きにといろいろ表現もあるでしょうが、この実態で小売業者やら一般消費者が困る中で、一方ではそれは認められている、この現状で当局はどのような形で業者を守ろうとするのか、こういうことなんです。これは後で私の見解を言いますけれども、それをひとつ農林省と、通産次官お見えだから、そういう立場からひとつ具体的に御答弁いただきたい。私は、いまこういう状態にあるということを皆さんに知っていただきたいために、そして共通の認識となるために、ここで現状を紹介しているのです。これがいま来ている現状なんです。だから、町ではいま大変なことになっているのですね。それはどうですか。

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 牛乳の値段の交渉は生産者、それから乳業メーカー、それから小売の三者、それに消費者がございますから、その間でいろいろ話し合うということもなかなか時間がかかる、ある面ではやむを得ない面がありますが、やはりできるだけ早くこの問題が決着がつくことを私たちとしても祈っているわけでございます。  その場合に、私たちとしては、いま申しましたように、基本的立場としては、飲用乳につきましては行政介入をしていないという形でございますので、しばらくその推移を見ていきたいと考えておりますが、やはりどうしてもどうにもならなくなった場合には、物価対策上、関係者に、合理化その他で上げ幅を極力圧縮するようにというような形で指導せざるを得ないんではないかと思います。ただ、具体的に幾らにしろとか、これはいま言いましたように独禁法上違反になりますので、それはできないと思いますが、抽象的、一般的な形でできるだけ圧縮して末端まで影響が出ないように、なるべく影響が少なく終わるようにという形での指導は、場合によっては必要な場合があり得るかと考えております。

渡部恒三自由民主党通商産業政務次官

○渡部政府委員 ただいま神崎先生の質疑の中で、小規模事業者としての牛乳小売店の実情、よくわかるのでありますが、ただ原料価格が上がって、それを一般消費者価格に影響させないためには、その中間で何らかの形でこの上がった価格を吸収しなければならないわけでありますが、これが大きな企業であるとかあるいは工場であるとかいう場合ですと、合理化をするとか機械化をするとかで価格吸収をするわけでありますが、牛乳のような場合、なかなか価格吸収ができないと、これはだれかが相当の犠牲を払わなければならない。ところが、これが末端の牛乳小売店というようなことになりますれば、いまお話のとおりに非常に苦労をして、しかもなかなか合理化というようなことも困難であるし、また資本力も少ないところでありますから、なかなか容易でありませんので、そういうような実情を十分承知した上で、いま中小企業の近代化促進法等が通りましたし、あるいはまた小規模企業に対する御承知のような金融助成といったもろもろの施策等もありますので、こういうようなものを十二分に活用して前向きの姿勢をとっていくように進めてまいりたいと存じます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 大体、通産次官と農林省の考え方を聞いたんですが、先ほど言われたように、何と言っても二万軒の小売店がある。これは中小企業対策からしても私は重要だと思うのです。これはいま言われたように、三円強です。これは支持します。これは、酪農農民だってやりきれない。それを全部ストレートでメーカーが小売店に言ってきた場合、小売店はいま言ったように二円四十七銭しか粗利益のないところで、三円かぶるというわけにはいかぬ。そうすると、それは消費者の方へ行く。その中で、いま言った三社だけで、いま紹介した退職金の引当金の残額だけで二百五十八億も持っているんだ。そして、いまそれを全部吸収したって百七十億だと言っているんだから、これを全部かぶれと言うたら言い過ぎになるかもわからないが、少なくともこれを動かす中で、流通をする中で、これだけのものが利用をされるというような財的余力のあるメーカー、これに私は大きくやはり行政指導というか、どういう指導というかあなたの方に任せますが、とにかく、いま全国二万軒の小売店が危機に立っているということはもう確認されているんだ。それを私は、中小企業庁としても、通産省としても放置するわけにはいけない、こう思うわけです。  そこで、政府の助成措置施策として、販売業者が取り扱い品目を拡大するとかあるいは広い意味での業種転換のための経営技術、市場情報、金融、税制、こういう点などで、私は何らかの形で政府は助成しなければならぬ。さらに、あるいはまた協業、共同化、これについての助成も業者の要求に基づいて当局もやはり積極的に援助しなければならぬ、私はこういうふうに思うのですが、こういうことは次官、約束していただけますか。

渡部恒三自由民主党通商産業政務次官

○渡部政府委員 先ほど申し上げましたように、これは中小企業の中の特に小規模企業が先生御指摘の牛乳販売店の場合は非常に多いわけであります。ですから、これらについては、御承知のように、いま昭和五十年度の予算でも小規模企業対策のための金融であるとか、いろいろな経営合理化面の指導であるとかやっておりますが、まだまだこれで十分であるというようなわけにはまいらないのは仰せのとおりでありますから、いま私ども、来年度の予算、来年度の施策、そういうものの検討をいたしておりますが、特に中小企業の中の小規模企業の対策についての積極的な施策を打ち出したいということで、目下鋭意検討中であります。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 最後にもう一遍、次官と農林省に伺いたいのですが、こうした現状をよく知っていただいて、積極的に中小零細企業者としての立場から援助し、考えていかなければならぬ、前向きに検討する、こういう返事をいただいて結構なんですが、これからこういう業者の団体の方々が現状を訴えられたりあるいはその対処についての陳情等に行かれた場合に、ひとつそういう立場に立って、国会答弁だけではなしに、具体的な業者の立場に立ってひとつ積極的に当面する問題を解決して、そして一般消費者もあるいは販売店も両者が成り立っていくように、そして大手メーカーだけがぬくぬくとやらないような、そういうような形で、積極的にその業者団体の方々の相談によく乗ってやってもらえるようなことをやっていただけるかどうか、最後にこの答弁をいただいたら質問を終わります。     〔委員長退席、田中(六)委員長代理着席〕

鴻巣健治農林省畜産局牛乳乳製品課長

○鴻巣説明員 牛乳の小売屋さんたちに対しましては、私どもいろいろふだんからお話も承っております。先生も御案内の全乳連の田部会長とも私もよく懇請をいたしますが、先生の御注意のように、これからも小売屋さんから機会あるたびによくお話しを承って、その中から、小売屋さんが経営が成り立つように私たちもいろいろな意味で努力してまいりたいと考えております。

渡部恒三自由民主党通商産業政務次官

○渡部政府委員 ただいまの神崎先生の御質問、御意見、私どもも共感の面が多いのでありますが、ただ、いまの乳製品の大手メーカー三社、これは食品面で農林省の所管でありますので、そういう先生の御意見等も、中小企業あるいは小規模企業あるいは消費者、こういう面を守る立場で、われわれの側から農林省等にも十分意見を申し上げておきたいと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 私の残り時間は、続いて野間議員から質問します。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 野間友一君。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 不況対策について、少しお伺いしたいと思います。  六月十六日、経済対策閣僚会議で第三次の不況対策を出されたわけです。これについて、中小企業関係の対策は一体どうなっておるかということについて、少し最初にお伺いしたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○齋藤(太)政府委員 最近の中小企業の要望は、資金よりも仕事がほしい、こういうことでございますので、第三次の不況対策におきましても、特に需要の喚起と申しますか、新しい仕事をつくり出していく、こういうところに力を入れまして、住宅金融公庫の融資の問題でございますとか、あるいは公共事業の一層の上半期への繰り上げの問題でございますとか、あるいは公害防止関係の政府系機関への財投の融資をふやしまして、こういった公害防止関係の投資を活発化する、そういうことによりまして回りめぐって中小企業関係の仕事がふえるように、こういうふうなところに力点を置いた次第でございます。  また、そのほか中小企業に特に関係する部門といたしましては、融資の確保それから返済猶予をさらに弾力的に行うとかあるいは官公需の確保に一層力を入れる、こういったことが今回の第三次の不況対策の中心をなしているものでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 時間がありませんので、一点だけ問題をしぼって少しお伺いしたいのは、例の不況業種の指定ですね。これの現況と申しますか、指定業種の数それからこれは経緯が一体どうなっているのか、これについてお伺いします。

齋藤太一中小企業庁長官

○齋藤(太)政府委員 現在、中小企業信用保険法に基づきますいわゆる不況業種の指定になっております業種数は、告示をいたしました段階での業種数では四十五でございまして、これを産業分類上の四けた分類によります分類で見ますと、二百五十八業種でございます。企業者の数にいたしまして約八十万企業が対象になっておりまして、特に製造業で見ますと、製造業のほぼ半数に当たる事業所が該当するような指定の現状になっております。  これはことしの六月までという一応の期限で指定をいたしておったのでございますけれども、依然として不況の状況が深刻でございまして、六月で打ち切りますと、まだ資金需要の強い面がございましていろいろ不十分なことになるおそれがございますので、これを延長いたしたいと思いまして現在作業をいたしておったところでございますが、大半の業種につきまして九月まで延長いたしたいというふうに考えておりまして、明日官報に告示する予定でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 九月まで大半の業種についてこれを延ばす、これは二十八日の官報に告示をする、こういうことですね。伝え聞くところによりますと、わが党の神崎委員が長官にいろいろ聞いたところによりますと、自動車部品、自転車関係、それからテレビ部品、合成洗剤、テレビのキャビネット、それから顔料、塗料、アンチモニー、印刷インキ、畳、これらは外れるというふうに聞いておりますけれども、それでいいのか、新たに加えられるものはあるのかないのか、あわせてお答え願いたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○齋藤(太)政府委員 今回十一業種を一応六月末で削除いたしまして、新たに七業種を追加する予定にいたしております。  削除いたします業種は、最近やや不況からの立ち直りが見られる業種でございまして、ただいま先生御指摘ございましたように、主なものは自動車部品、付属品関係、テレビジョンの受信機の部品関係、その他自転車等でございます。  それから、追加いたしますものは、主たるものは造船の下請関係でございまして、そのほかにも食料品加工機械製造業でございますとか写真用のレンズとか特殊工具といったようなものが今回の追加の中に入っております。     〔田中(六)委員長代理退席、塩川委員長代理着席〕 結局十一業種削除いたしまして七業種追加をいたしますので、二百五十四の業種が九月まで指定の対象になってまいる、こういうことになろうかと存じます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 先日私も地元に帰りましたら、和歌山では地場産業として前にも要求したわけですが、ふすま、建具、家具、それからボタン、こういうようなのが和歌山の製造業として、地場産業として非常に深刻な不況に陥っておる。これらについては不況業種の指定を受けておるわけですけれども、これはさらに継続しろという非常に強い要請があるのですけれども、ここでひとつ、これらも九月まで延長するという確認をまず求めたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○齋藤(太)政府委員 いまお話のございましたふすま、建具、ボタン等は九月まで継続することになっております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 いま七業種と言われましたけれども、造船下請等々ですね、これを少し正確にお答え願えますか。

齋藤太一中小企業庁長官

○齋藤(太)政府委員 造船の下請につきましては、非常に広範囲の業種にわたっておりまして表現にいろいろ苦心をいたしたのでございますが、告示の業種名といたしましては、船舶用機関、船体部品、船体ブロックという業種名で指定をすることにいたしております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 追加される七つの業種を個別的にお答え願いたいと思います。

齋藤太一中小企業庁長官

○齋藤(太)政府委員 第一が食料品加工機械製造業でございます。第二が針状ころ軸受け、ベアリングでございますね、第三が特殊工具、第四が写真用レンズ、第五が船舶用機関、第六が船体部品、第七が船体ブロック、以上の七業種でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 それから、先ほど冒頭に言われた第三次の不況対策の中での官公需の受注機会の増大、これについて御承知のようにわが党は少なくとも五〇%以上にしろ、これを義務づけるような法案をすでに出しておるのですけれども、口を開けば政府はいつでも受注を増大する、こういうことを言われておるわけですね。これを具体的に今度の不況対策の中で、いままでと変わった新しい施策なりやり方、こういう新機軸を出して、そして本当に確保できるような方法を実際考えておるのかどうか、いかがでしょうか。

齋藤太一中小企業庁長官

○齋藤(太)政府委員 中小企業に対します官公需の受注機会の確保につきましては、毎年閣議決定をもって方針を決定することになっております。五十年度につきましては、現在各省庁それから公社、公団と細目の打ち合わせ中でございまして、なるべく早く閣議決定をいたしたいと思いまして、いま作業を急いでおるところでございます。  前年度は御承知のように二八%強の目標に対しまして、十二月末での途中の集計では二九・四%という数字でございましたが、いま四十九年度の実績につきましても最終的な集計中でございましてまだ全体がまとまっておりませんけれども、ほぼ三〇%に達しそうな見込みでございます。で、五十年度につきましてはぜひこれをさらに上回りたい、かように考えまして各省庁にいろいろお願いをいたしておるところでございます。  その具体的な方策についてはいま検討中でございますが、たとえばこの委員会でも御要望のございました、入札の資格審査等を従来は一年に一回やっておりましたのをなるべく回数をふやしてほしい、こういう御要望が実際業界からもあるわけでございますので、そういうことを各省庁でやっていただくようにお願いをするというようなことを内容としては検討をいたしておるところでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、依然としていま不況が深刻に続いているということの中で、私は、今度の第三次の不況対策を見ましても、これでは非常に不十分である、特に中身について、問題は総論ではなしに各論だということになると思うのです。そういう点について、さらにわれわれも政府に強く今後も続けて要求しますけれども、本当に真剣に受けとめて、総論だけではなしに各論としてこれを実施すべきであるというふうに思います。これについて最後に次官の答弁を求めて質問を終わりたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業政務次官

○渡部政府委員 ただいまの野間委員の御質問のとおりに、これは第三次不況対策で今日の深刻な不況問題が解決するかと言えば、これは私どもとしてもそのような甘い考えに受けとっておりません。まだまだ今日の深刻な不況問題に対処して、産業政策を特に担当しておる私どもがやらなければならない問題点は非常に多いというふうに認識をいたしておりますので、来年度予算あるいは来年度の施策等もいま検討中でありますが、今後あらゆる面でこの不況対策というものを継続していく覚悟であります。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長代理 近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 まず初めに、中小企業の問題をちょっと聞きたいと思います。  具体例をちょっと出したいと思うのですが、この不況下におきます中小企業の状況というものはきわめて重大な局面を迎えておると私は思います。そこで、いろいろ言われておるわけですが、最近のこうした中小企業の倒産の状況、こうしたものについては、倒産原因等については、分析も政府においてはいろいろやっておられると思いますが、この中小企業の実態につきまして、中小企業庁初め通産行政がどのように対処しておるか、またその責任をどう考えておるか、根本的な態度において欠けておるものがある、私はこのように思うわけであります。  そこで、私は、この通産行政の一環をなす地域振興整備公団が関与しております地域零細企業団というものがまくらを並べて倒産をするようなことがあってはならぬ、こういう観点から質問したいと思うのですが、この具体例とじまして、北海道の夕張額縁工業協同組合、この倒産の問題について質問したいと思うのですが、公団はこの協同組合に対してどういう関係を持つものであるか、またあわせて、倒産に至った経緯をひとつ簡潔に説明をしていただきたいと思うのです。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 ただいま先生の御質問の夕張額縁工業協同組合でございますけれども、地域振興整備公団が造成いたしました夕張工業団地に、工場の建物譲渡制度という制度に基づきまして、当工場には十事業者が協同組合をつくったわけでございまして、出資金六千万円をもちまして協同組合を設立いたしまして、四十六年の十月に進出した企業でございます。当組合の進出につきまして、地域振興整備公団は、先ほど申し上げました譲渡制度に基づきまして、土地を十五年の割賦、これは千四百万円でございます。なお、工場建物を十五年の割賦、無利子で譲渡する、これは二億一百万でございます。なお、工場内の機械設備につきまして、設備資金としまして七千万円でございますけれども、これは十年の償還でございます。なお、操業の時点におきまして、三回にわたりまして、長期運転資金といたしまして、一億一千万円の融資を積極的に行って、当工場の再建なりを図ってきたわけでございますけれども、不幸にしまして、昨年の暮れ倒産したという実態でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 経営につきましてのアドバイスであるとか、通産省が常に言っております企業診断等につきまして、もっと助言をすべきであった、指導すべきであった、私はこのように思うわけであります。また、こういう額縁というような工業をそのように誘致をする、そもそもその根本的な計画というものにつきまして、いまどういうような反省をされておるわけですか。

高木俊介資源エネルギー庁石炭部長

○高木政府委員 融資をいたしますときは、当然公団が中心になりまして当工場の再建の可能性ありゃどうかということも十分検討した上で融資をしておるわけでございますけれども、不幸にしまして夕張額縁は倒産したということでございます。  それで、今後そういうことがあってはならぬというようなことの観点にも立ちまして、三月には、企業の診断のために公団と通産局及び本省で調査をいたしております。今後もこういう点に十分注意いたしまして倒産のないような形で融資もしていきたいというふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 政府が肩入れをいたしましたこうした中小企業の協同組合等の団体が倒産していく、これはもう根本的にやはり政府の中小企業政策の貧困さ、また総合的にバックアップをしていく、こういう施策が欠けておるということはもうはっきり言えると思います。  私は、以前に、福井の染色団地を取り上げて質疑したことがあるのですが、あれなどは全くもう見通しも何もめちゃくちゃ、そうしてそこに誘致した企業は全然操業も開始できない、結局は大手商社が国が融資した土地を肩がわりして大企業がその土地を手に入れていく、こういうことは、場合によれば、深く入っていけば刑事事件にもなるような問題じゃないかと私は思うのですね。農民からは、これはいわゆる国策であるからということで安く政府が土地を買って、そうして中小企業を誘致して、操業しない間にばたばたと倒産するような状況になる、そうして大企業が肩がわりで買っていく、私は厳しくこの問題は指摘したわけですが、それ以後政府の姿勢もかなり改まっておるとは思っておったのですが、またこういうような倒産をさせておる。少なくとも、政府が責任を持ってこういう誘致をさせておるわけですから、そういう状態に至る前にいろいろなそうした対策というものは手が打てるはずなのですね。これができてない。もう重大な反省をしてもらわないと、全国にこういうような政府が奨励してやっておるところはたくさんあるわけですよ。もっとアフターケアと言いますか、力を入れないといけないと私は思うのですね。そういう点、ひとつ中小企業庁の次長、もう一度答えてください。

小山実中小企業庁次長

○小山(実)政府委員 先生の御指摘のように、国の助成によります集団化等の高度化事業につきましては、最近は事前にその振興事業団なり都道府県が協力をいたしまして診断を十分に行いまして、そのフィージビリティー等を確かめた上で融資をするということにいたしておるわけでございます。従来その辺につきましていろいろ不十分な点があったことはおわび申し上げなければいけませんが、今後はさらにその辺につきまして十分診断を徹底してやり、そういうことのないように努力してまいりたい、かように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 政府はこうした振興事業団であるとかいろいろな形でされておると思いますが、いままでこういう制度が発足してからどのくらいこうしたような倒産の状況になっているのですか。いまつかんでおる範囲で何カ所ぐらいあるのですか。

小山実中小企業庁次長

○小山(実)政府委員 申しわけございませんが、いま手元に資料を持っておりませんので、後刻調べて御報告いたしたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 少なくともこうした団地の倒産問題を私は質疑するということを言っておるわけですから、当然そういうことはもう準備しておくのがあたりまえのことなんですね。そういう姿勢からして、こうした質疑のときだけ答弁しておけばいいのだという姿勢では、こういうことは幾らでも起きますよ。どう思いますか、政務次官。私が言っておることは無理ですか。

渡部恒三自由民主党通商産業政務次官

○渡部政府委員 いまの近江先生の御質問でありますが、いまの中小企業の倒産、政府が地方振興のためにいろいろ企業進出等をさせてこれがもろに受けておる、これは基本的には政府の政策転換といいますか、物価対策がすべてに優先するという、これはかなり多くの国民的合意の中に物価対策がすべてに優先するということで、これは産業に対してはかなり無理な総需要抑制政策、いわゆる物をつくらせない、物を売れない、物の動きをとめるという不況政策をやったわけですから、その不況政策の影響を強い者よりは弱い者が受けて、いま近江先生御指摘のようないろいろな問題が今日起こっております。  そこで、いま当面する日本の産業政策を預かる私どもとしては、この政府の政策転換による物価優先ということで行われた総需要抑制政策によって被害を受けている先生御指摘のようないろいろな問題をこれからどう救済していくか、あるいは切り抜けていくかということが私どもに課せられた一番大きな問題であるという認識においては、決してわれわれ欠けておるものではありませんが、いまたまたま数字の面で先生御指摘のような資料を直ちに出すことができなかったことは大変申しわけないことだと存じております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 私はいま一例を出したわけですが、少なくとも政府が計画をチェックし、そして認定をしてこうした対策をとってやらしておるところ、こういうところがばたばた倒産していくということになってきますと、政府は一体何をしているのだ、政府が言うとおりやれば皆倒産するのか、苦しい立場に追い込まれるのかということになるわけです。ですから、もっとそういう企画、そして総合的なそうした対策を立て、少なくとも政府が方針を決めてやらしていく以上は、やはりそこが安定した経営ができるようにめんどうを見ていくのが私は当然だと思うのですね。そういう点が非常にずさんな現在のやり方というものをよくひとつ反省をしていただきたい、このように思います。私も今後方々のところを、一度また現地を見に行きまして、問題点をまた一遍指摘したい、こう思っておりますが、いままで政府がやっておりますそういう団地についてさらに総点検をしてしかるべき手を打つ、こういうことはなさいますか。これはひとつ次長にお伺いしたいと思います。

小山実中小企業庁次長

○小山(実)政府委員 先生の御指摘を待つまでもなく、国際経済情勢の変動に応じまして、特に産地等にどういう影響があるかという問題につきましてはいろいろ調査をしておるわけでございますが、その一環といたしましてもそういう団地の現状をよく把握し、それに対する適切な対策を講ずるということは非常に重要なことでございますので、今後そういう方向で努力してまいりたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 じゃ、ひとつ今後はいま次長がおっしゃったように充実した対策をとって、そういうことを二度と起こさないようにやっていただきたいと思います。  それから、この不況、さらに物価高という中で非常に苦しい状態が国民生活に押し寄せておりますし、企業も苦しい状態に追い込まれておるのではないか、私はこういうこともわかるわけであります。しかし、そういう中で来春卒業する大学、高校あるいは中学生、こういう青少年たちが社会に羽ばたいていく、希望に燃えて卒業というものを迎えようとしておるわけです。     〔塩川委員長代理退席、武藤(嘉)委員長代理着席〕 ところが、来春は採用中止である、あるいは採用計画もさっぱり決めておらない、こういうようなところが続出してきておるわけですね。こういうことになってくると、青少年に与える影響というものは大変なものですね。確かに現在働いておる人たちを守るという立場もわかりますよ。しかし、そういうことを希望に燃える青少年たちに全部押しつけてそういう道を閉ざしていくという行き方、しかも真剣な討議がなく、いまだに計画も立てていない、大手企業等を中心にそういうところが非常にたくさん出ているわけですね。  そこで、きょうは文部省なり労働省も来られているわけですが、大学、高校、中学、来春の卒業生に対してどういう計画になっているか、まずそれをお伺いしたいと思います。

岩崎隆造労働省職業安定局失業対策部長

○岩崎政府委員 来春の中高卒それから大卒者の問題につきまして、企業がどのような採用計画を立てているかという問題から申し上げたいと思いますが、御案内のように、中卒者につきましては例年その卒業の年の一月、それから高卒につきましては前の年の十月一日から選考開始ということになっておりまして、実際に企業の側から、私どもが扱っております全国の公共職業安定所に求人の申し込みをするということの受付を、中卒につきましては六月一日から、それから高卒者につきましてはすでに五月十五日から開始したわけでございます。     〔武藤(嘉)委員長代理退席、塩川委員長代理着席〕  それで、いま先生がおっしゃいますような経済事情は確かに響いておりまして、これはまだ私ども中間の数しかわかりませんけれども、東京都を例にとってみますと、六月十四日現在ですから二週間ばかり前でございます。それが最新の数字でございますが、中卒は非常にわずかでございますので高卒を取り上げますと、六月十四日現在、求人が七万四千三百三十五人という数字になっております。これはことしの三月卒業者につきまして、昨年の六月十四日という同期で求人数を見ますと、その当時よりも一六%減という数字になっております。実際にことしの三月に卒業しました高卒者の求人倍率は、最終的には十月一日選考開始の時点において三倍強になっております。現在一六%中間的に減っておりますけれども、何と申しましても高卒者につきましては、まだまだ求人意欲というものは企業の側では強いと思いますので、現時点一六%減といたしましても、十月の時点でやはり二倍以上三倍弱というような数字になるのではなかろうかと推察いたしております。  それから、大卒の問題につきましては、私ども直接安定機関で扱っておりませんから、数字としていまから企業がどういう採用計画を立てているかという点は必ずしも明らかではございませんが、先生御指摘のように、ことしは非常に景気の見通しが立てにくいために、企業の側といたしましても、例年ですと二、三月ごろには翌年の三月卒業者の採用計画を立てるわけでございますが、本年はまだ大多数の、特に大卒を必要とする大企業につきまして採用計画が立っていないということは事実でございます。  私どもといたしましてもことしの春の卒業者について実は内定取り消しとか、あるいは入職時期の延期というような問題が出ましたので、早速職業安定機関を通じ、あるいは業界を通じまして各企業に強力な指導をして、そういったことのないようにやったわけでございますが、それと同時に、選考時期が、大卒につきましてはあまりに早過ぎるということから、来年卒業者につきましては例年七月に選考開始をいたしますのを、十一月に選考開始をする。ですから、この秋までには大企業としてもある程度景気の見通しも立ち、それから採用予定人員の計画も立ち、その上で大卒の本格的な選考をしていただくということに現在期待しております。  現在のところわかっておりますところでとりあえず御報告を申し上げます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 こういう企業の姿勢というもの、いわゆる経営努力を尽くし切っての採用停止であるのか、あるいは削減であるのか、こういう点からいきますと、非常に企業オンリーで考えておるのじゃないか。やはり青少年に対するそうした配慮というものが企業側に本当にあるのかどうか。私はこの企業モラルというものについて厳しく問いかけをしておるわけです。こういう点につきまして、特に通産省等はそうした製造業を初めたくさんの企業を抱えておるわけですが、こういう安易な気持ちに企業をさせておいていいのですか。渡部さんは特に青少年に対しては非常に熱意を持っておられるということをかねがね聞いておりますが、こういう企業の姿勢は放置していいですか、どう思われますか。まず、局長からお伺いしたい。

和田敏信通商産業省産業政策局長

○和田政府委員 五十一年度の新規学卒者の採用に関しましては、ただいま労働省の方から御説明があったとおりでございます。通産省といたしましては、先般六月十六日に第三次不況対策を決定いたしまして、景気の回復に努めておるところでございます。今後とも経済動向を注視いたしまして、職業不安等の起こらないように経済運営に万全を期していき、新しい希望を持って学校を出られる方々がその希望を託すに足るようなりっぱな就職先に関しまして、遺漏のないように万全の努力を行ってまいりたい、このように考えるものでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 ことしの三月に卒業した人で自宅待機という人もかなりおったわけですが、いまその人たちはどうなっていますか。

岩崎隆造労働省職業安定局失業対策部長

○岩崎政府委員 数字を若干申し上げますと、今年三月卒業者のうち私ども職業安定機関を通じまして職業あっせんをしておりますのは中卒、高卒でございまして、中卒につきまして、細かい数字でございますが、三月末現在で調べましたところでは八十九件七百七十八名、高卒者は五百三十五件一万六千四百六十五名、こういうことになっております。それから、大卒につきましては私ども直接職業安定機関で扱っておりませんので、これは私ちょっと一括して恐縮でございますが、文部省の調べによりますと、やはり三月末現在で、二百二件二千九百四十五名ということになっております。ただ、これは私ども、一月以降採用内定取り消しあるいは自宅待機というような動向が出てまいりましたので、全国の職業安定機関を通じ、あるいは業界団体を通しまして、強力に指導をいたしまして、その撤回を求めた結果、これ以外に相当数は撤回をいたしております。しかし、その結果三月末に出てまいった数字がこういう数字でございます。  現在六月でございますが、この自宅待機といっても一週間あるいは二週間、一カ月、二カ月というような人も非常に多いわけで、現時点で見ますと中高卒者については、約五%程度の人を除きましてほとんどの者がすでに入社はいたしております。大卒者につきましても約八〇%ぐらいはすでに入社をいたしておりまして、若干二〇%程度がいまの時点でまだ入社をしていないという状況になっております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この大卒については文部省が直接就職等の世話をしておるということを聞いておるわけですが、いま労働省からお話があったように、二〇%ぐらいはまだことし三月卒業した者が残っておる。そういう企業の姿勢もあるわけですし、来春卒業予定時点については、この二〇%残った学生について、また来春卒業生について、企業側に対してはどういう要請を文部省はするのですか。

十文字孝夫文部省大学局学生課長

○十文字説明員 先ほど労働省の審議官の方からお話がございましたように、ことしの初めに今春大学卒業予定者で自宅待機中の者が大ぜいいるということで、これを何とか改善しなければいけないという話が持ち上がりまして、私ども早速大学関係八団体を通じまして実態把握に努めました。その結果、三月現在におきまして約三千名の自宅待機があるということでございまして、早速そういう実態を労働省の方にも御連絡申し上げまして、これに対する善処方の努力をしてきたわけでございます。労働省におきましては、先ほどお話もございましたように、かねてから企業に対しましては自宅待機を極力避けるように指導しておられまして、さらに、やむを得ず自宅待機という措置をとらざるを得ないというものにつきましても、その処遇につきましては十分な処遇をしてほしいということを企業側に求めてまいりました。  なお、文部省といたしましては、直接学生の就職あっせんをいたします仕事は大学でございまして、その大学が個々の学生について企業との間で就職のあっせんをするということでございまして、私どもはそれに対する指導なり援助なりをするという立場でございまして、したがいまして、そういう具体的な個々の事情のある、自宅待機の措置を受けているという学生につきましては、それぞれの大学におきまして企業との間に立ってあっせんに努めてきたということでございます。その結果、一応現在のところ今春大卒者については、約五百五十名ぐらいが自宅待機という実態かと思います。     〔塩川委員長代理退席、田中(六)委員長代理着席〕  なお、御参考までに、今春大学、短大を卒業したと思われます数、これはまだ正確にはわかっておりませんけれども、従来の卒業予定の数の見込み、それから卒業予定者に対する就職者の比率というものから推定いたしますと、約三十四、五万人と見込まれます。そういたしますと、その中の五百五十人でございますから一%にも満たない数というようなことになろうかとは思います。しかしながら、なおそういう措置を受けているということは本人にとっては大変遺憾な事態でございますので、今後とも労働省とよく連絡をとりながら事態の改善に努めていきたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 労働省の岩崎さんにもう一度お伺いしますが、ことしの三月卒業した学生でまだ残っておる人に対してさらにどういう対策をとるか、それから来春卒業生について企業側に対してどういう要請、指導をしていくか、この二点、同じ問題について政務次官から簡潔に決意をお伺いしたい。

岩崎隆造労働省職業安定局失業対策部長

○岩崎政府委員 いま先生御指摘の点は、文部省からもお話がありました自宅待機を現在まだしている大学卒の就職予定者だと思いますが、私ども長期にわたりますようなものにつきまして、先ほど文部省の方からもお話がありましたが、たとえば少なくとも基準法に基づきます六〇%の休業手当を保障するというようなことは指導をし、現にそういうふうに実行している企業が多いわけでございます。したがって、これが最終的に結局は採用されなかったということになりませんよう、私どもも鋭意そういう企業に対しましては今後も指導を続けてまいるつもりでございます。  それから、来年卒業予定者につきまして、採用計画等の促進につきましては、私どもすでに五月の半ばに全国の職業安定担当課長それから担当の係長会議等を通じまして全国の職業安定所を督励し、そしてそういった中高卒、また大卒は私ども直接ではございませんが、企業に対して積極的に採用をするような、求人計画を立てるように要請をすることを命じております。現在それが着々進行しておると思いますが、また同時に、先ほども申し上げましたが、特に主要業種団体につきまして個別に懇談会のような形で私ども主宰して、いろいろと雇用状況、今後の雇用見通し等を聞く中で、特に来年卒業予定者につきましての採用計画を推進し、そして求人をするようにということの要請もいたしております。今後さらに八月、九月ということになってまいりますと具体的な採用予定人員というようなものが出てまいると思いますが、そういう際に、それが非常に予定よりも下回る、来年卒業予定者で就職できない者が出てくるというような状況が予想されることになりましたら、さらにそういった人たちを需要すべきはずである労働市場圏、東京とか大阪とか名古屋とかいうようなところを中心といたしますものについての求人開拓あるいはそういったところの業界につきましての呼びかけももっと強力にいたしてまいりたい、このように考えております。

渡部恒三自由民主党通商産業政務次官

○渡部政府委員 ただいま近江先生御指摘のように、人間の生きがいというのはやはり世の中が自分を必要としておるということであります。まして学校を巣立つ、夢を持って世の中に出ようとする若者たちが、せっかく希望を持って決まった就職が停滞する、あるいは自宅待機を命ぜられる、これはその青年の夢を打ち破ることになるのでありまして、産業社会というものが若者たちに夢を持たせ、生きがいを持たせるために、これはどんなに大事なものであるかということを先生の御指摘によって痛感をいたしたのでありますが、ただ産業界は役所やあるいは公共団体と違って、赤字を税金によって負担するというような性質のものでありませんから、不況が継続すれば、産業の発展が衰えればどうしても人を採用できなくなってまいります。そういう意味では、基本的には私ども産業を活発にして若者たちを大いに必要とする産業界をつくるように努力をしていかなければならないし、同時に、産業を発展させるのも人間、人でありますから、そういう意味では、一時期の不況で人を粗末にするというような考えで産業のあすの発展があるはずがありませんので、産業界の人間に対するモラルというものも私ども強力に指導をしていきたいと存じます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 大学卒につきましては文部省が責任を持ってやっておるということなんですが、ところが労働省の方では中卒、高卒がやはり主力である、私はここに一つの隘路があろうかと思うのです。学生課長もこの点はっきりしておかないと、このように労働省にお願いしています、労働省は主に中卒、高卒なんですよ。いわゆる大学当局が大卒についてはやる、この辺に間隙ができますよ。それじゃ、文部省は企業に対してどういう要請をするのですか、どういう指導をするのですか。また、労働省はその隘路についてどうするのですか。それをはっきり詰めておかないとだめですよ。

十文字孝夫文部省大学局学生課長

○十文字説明員 先生の御指摘ではございますけれども、各大学が大学卒業予定者に対しまして就職あっせんをやっております立場は、職業安定法の系列のもとで大学がそれぞれ都道府県に届け出をいたしまして、職業安定法のもとにおける就職あっせん業務を行っているわけでございます。そういう意味で、全体の雇用関係の安定を図るという観点では、やはりどうしても労働省において直接企業を御指導いただくはかなかろうと思いますが、私どもといたしましても、決してそれでなおざりにしているということではございませんで、今後の状況いかんによりましては、企業の方への直接の御依頼ということも、労働省あるいは通産省とも御相談をしながら努力してまいりたいと思っております。

岩崎隆造労働省職業安定局失業対策部長

○岩崎政府委員 いま文部省の方からもお話がありましたとおり、私どもの職業安定法による紹介といたしましては、中卒、高卒については職業安定機関がそれぞれの中学校それから高等学校当局と密接に連絡をとりながら、求人の関係は全部掌握をしてやっておるわけでございますが、大学につきましては、現在職業安定法の三十三条の二に基づきます無料職業紹介ということで、それぞれ私どもが認可をいたしまして大学当局が直接職業紹介ができるようにという仕組みでやっておるわけでございます。したがいまして、私どもも手をこまねくということではございませんで、もちろん従来は中高卒につきましては、金の卵とかいろいろなことで非常に求人秩序が乱れます点もございまして、私ども一括してやっており、大学につきましては、選考時期それから求人活動時期というようなことを統一歩調をとってもらうように、企業側また大学側の協力を文部省ともどもに要請をしてまいっておったわけでありますけれども、特に卒業予定者につきまして非常に就職が困難であるというような状況が出てまいりますれば、これは私ども、職業安定機関も通じまして求人開拓その他の努力は今後状況に応じましていたしてまいる所存でございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 よく両省連携をとって、どうか青少年のそうした希望を打ち砕かないように全力を挙げていただきたいと思うのです。また、通産省も、ひとついま政務次官もおっしゃったように、それぞれの立場からよく指導の徹底をしていただきたい。これをお願いしておきます。  一般質問の時間はもうあまりありませんので、あと一問聞きますが、雇用問題ですけれども、非常に倒産しております中小企業にとりまして、さきに成立しました雇用調整給付金制度、これは一時帰休を実施した中小企業に対して国が休業手当の三分の二を支給することにしておるわけですが、この対策も限界に来まして、休業手当の自社負担分を出せない中小企業が非常に続出しておるということを聞いておるわけであります。この自社負担分が払えないというようなことになってきておる案が、これに対して金融対策であるとか、こういう問題については中小企業庁はどういうようにしているのですか。それからさらに、雇用調整給付金制度の適用期間の延長についてはどういうように考えているか、この二点につきまして中小企業庁、労働省から簡潔にお答えいただきたいと思います。

小山実中小企業庁次長

○小山(実)政府委員 雇用問題につきましての必要な資金の負担の問題でございますが、これは私どもといたしましては政府系三機関の融資の重点を引き続き滞貨、減産等に伴う運転資金というものに置いてやっておるわけでございまして、その一環としてそういう点についての必要資金についても十分に配慮寒いりたい、かように考えております。

岩崎隆造労働省職業安定局失業対策部長

○岩崎政府委員 雇用調整給付金制度の適用を受けます業種指定の延長問題でございますが、これは一月一日から施行いたしまして、原則として指定をいたしましてから六カ月間が一応その適用期間ということになっております。一月一日に、業種としては一月一日から適用するものとして三十九業種指定いたしました。その後三月、四月、五月というふうに追加指定をしてまいっておりますが、その一月一日から適用になった業種の分につきましては今月いっぱいで六カ月の期間が過ぎるわけでございますので、それにつきましては、一つ一つの業種、業界につきまして、その後の景気の、私どもが指定する場合の基準といたしております指数をいろいろ点検いたしまして、延長指定をすべきものは延長をする、それから景気が上向いて一応指定は延長に至らずに適用期間でいいのではないかということの仕分けを、現在一つ一つについて検討をいたしております。これは今月いっぱいで切れるわけでございますから、早急に——指定業種の延長は法律の規定上は三カ月を区切りといたしまして延長する、それからまた、再延長ということも、どうしてもまだ必要だという場合にはあり得るわけでございます。当面一月一日からのものの七月一日以降三カ月間の延長について、現在鋭意検討中でございます。      ————◇—————

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 政府提出、石油備蓄法案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、参考人の人選及び出席の日時につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党

○近江委員 引き続いて法案の審議に入りたいと思いますが、大臣はまだ来ないのですか。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 近江巳記夫君に申し上げます。大臣は本会議との関係上、半までには必ず参ります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この法案の体系が、民間企業に強制的に備蓄を義務づけまして、違反者には罰則を課する、いわば規制法的な内容になっておるわけですが、こうした法体系になさった理由をまず初めにお伺いしたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 今回御審議いただいております石油備蓄法が規制法の形になっている、これにつきましてどういう理由で規制法的なものになっておるかということについてお答え申し上げます。  石油備蓄を九十日で達成いたしますためには、これは官民挙げてのの努力をいたしませんと、それに要する膨大な資金あるいは立地の問題その他いろいろな困難があるわけでございます。そのうちの、国が備蓄の推進のために財政、金融面で援助いたします関係につきましては、先般御審議を経まして成立いたしました石油開発公団法の中に、いわゆる共同備蓄会社に対する出資あるいは融資規定その他の促進のための規定が入っておるわけでございます。  それから、今回の備蓄法につきましてはその内容が二点に要約されるわけでございますが、第一点は、備蓄を計画的に推進すること、それから第二点は、備蓄されました石油を必ず保有してもらうという二点に要点が集約されるわけでございますが、これにつきましては、まず通産大臣から一般的な計画を出しまして、それに合わせて各企業の実施計画を提出してもらう、それに基づきまして次に通産大臣からいわゆる基準備蓄量という、各社が備蓄をいたしますいわゆる保有の義務づけの規定になっておるわけでございます。これによりまして備蓄を先ほど申し上げましたように計画的に、しかも公平に各企業に不均衡でなく行う、このための法律でございます。そういう意味で、計画提出あるいは備蓄数量の保持ということにつきましては規制法的な体系になっておるわけでございます。  これにつきまして、こういう法律でなくて行政指導でやったらどうかという御意見も一部にあったわけでございますが、この重要な備蓄を先ほど言いましたように計画的にしかも公平に行うためには、やはり法律によって規制すべきではないかという考えから、今回の備蓄法の御審議をいただいておるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この九十日の備蓄は、政府が国際エネルギー計画、IEAに加盟したことでより具体的なものになってきておるわけですが、政府が国際的に約束したことであるわけです。この協定によりますと、本年七月一日までに九十日分の水準に引き上げるべき期日を決定することになっておるわけですが、わが国はこの決定を待たずに五カ年計画を策定しておるわけですが、その理由というものは一体どういうことですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 今回、昭和五十年度を初年度といたしまして五年間に九十日の備蓄を達成するという備蓄増強計画を立てましたのは。先ほど先生から御指摘ありましたこのIEPというものとは私どもは直接関係のないもの、こういうふうに考えておるわけでございます。  IEPにおきましては、いまお話がございましたように、まず六十日の備蓄の保有義務、それから九十日に向かって備蓄をふやすという努力目標が規定されております。また、努力目標の達成期日につきまして、先ほどおっしゃられましたように、ことしの七月一日までに多数決で決めよということになっておりますが、この多数決で期日が決まりましても、これは義務づけというよりは努力目標という形の規定になっておるわけでございます。  私どもが九十日という今回の計画を立てましたのはたまたま数字がぴたり合うわけでございますが、やはり石油の消費が相当大きな国におきましては、九十日を持つというのが一つのめどになっておりまして、たとえばOECDにおきましては、昭和四十六年に勧告がなされております。この勧告は、ヨーロッパにおけるOECD加盟国に対してでありますが、九十日を持てということになっておりますし、またヨーロッパ共同体、ECにおきましても、やはり九十日ということで加盟各国に対して勧告をいたしております。そういうことで、大体西欧諸国もすでに九十日を目標として備蓄の充実を図り、またすでにほぼ達成をいたしておるわけでございます。  そういう意味で、日本も九十日というものを目標にして本年度からこの計画を達成いたそうということでございます。そういう意味で、IEPとは直接に関係はございません。IEPで決まるからどうしてもこの九十日ということではございませんで、切り離して考えられ得るものでございます。ただ、私どもも九十日というものを立てますときには、やはりIEPの規定も一応考慮に入れたということは、そのとおりでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 九十日を備蓄するということになってまいりますと、相当な財源問題が生まれてくるわけであります。九十日備蓄達成に要する資金は、私の聞いておるところでは、原油代が六千六百億、タンク設備が三千七百五十億、用地費が二千四百五十億、総計一兆二千八百億が必要であるということですが、この資金の実質的な官民のいわゆる負担割合はどうなるかという問題です。今日の不況インフレという中で、こうした九十日備蓄をしていかなければならない、こういうことになってまいりますと、今日の経済というものがどのようになっていくかということも非常に大きな影響になろうかと思いますので、きょうは福田副総理にも来ていただいたわけでございます。  まず、この実質的な官民の負担割合は大体どうなっていますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 この五年間の備蓄計画で、総所要資金量は、先生からいま御指摘ありましたように、約一兆二千八百億円という計算になっております。ただ、このうちの約半分、六千六百億円、これが備蓄のために保有されます原油代でございます。これにつきましては、たとえばいまの六千六百億円と申し上げました原油代の九割は政府が保証いたしまして石油開発公団を通じて供給するということになります。最終的にはこれはもちろんその融資されました資金を民間企業が返済しなければなりませんが、しかし資金手当てにつきましてはその九割を国が政府保証で行い、また金利につきましては四%の利子補給がついている、こういう形になっております。  そこで、大体の負担割合がいまのような計算でどういうようになっているかということでございますが、政府が、融資その他で、設備の増強のための資金の貸し付けあるいはいま申し上げましたような政府保証による融資、これを両方合計いたしますと、総所要金額の大体七割くらいに達すると思います。内訳は、政府保証によりますいまの原油代金の供給につきましては大体四五%くらい、それから設備資金のためのたとえば開銀その他の政府機関からの融資、それから石油開発公団から共同備蓄会社に対する融資、これらが約二五%、両方合計いたしまして先ほど申し上げましたような大体七〇%になります。そういう意味で、純粋の民間負担が約三割、こういう計算になるわけでございます。

近江巳記夫公明党

○近江委員 これだけの巨額の一兆二千八百億が要る、それの約三割が純粋に民間が出す金であるということであります。しかし、こういう経済下においては非常に厳しいのじゃないかという見方もいろいろとあるわけです。  そこで、背景としての経済情勢、今後の政府の方針というものはきわめて重要な問題になろうかと思いますので、背景についてお伺いしたいと思うのですが、最近の通産省の発表を見ますと、五月におきましては出荷が非常に減少してきておりますし、在庫が増加しておるということを伝えられておるわけでございます。先月の委員会、今月の初め等の委員会では、景気は今後底に入り、若干上向いていくのじゃないか、こうした見通しも述べられたわけでございますが、こういう出荷あるいは在庫等を見ておりますと、さらに悪くなるのじゃないかというような感じもするわけであります。政府は第三次不況対策も発表されておるわけでございますけれども、その見通しについて長官からお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 政府はかねがね景気は底をついた、だがその底から立ち上がる浮揚力が非常に弱い、何らかの対策を必要とするということを申し上げてきておるのです。私は、今日その基調は変わらないというふうに見ております。三月から生産は上昇に転じまして、四月、五月とずっと続いておるわけです。五月の出荷が落ちた、こういうことでございますが、五月という月は連休があった月でございまして、その点も考慮しなければならぬし、また出荷が落ちたその内容も、船舶、この関係を除外してみますと、これは大体横ばい、そういうような状況で、私どもが申し上げておる基調に変化はない、こういうふうに見ております。  そこで、景気浮揚の力が弱い、それに対して何らかの対策を講ずるということにつきましては、いまお話しのような第三次不況対策ということを決定したわけであります。この第三次不況対策はいろいろな内容を含むものでございまするけれども、特に住宅建設の促進、また公共事業の繰り上げ執行、それらのことによりまして、需要喚起効果とすると約二兆円ぐらいなものになるだろう、こういうふうに見ておるわけでありまするが、その措置によりまして、私どもが常々申し上げておるように第二・四半期ごろからは景気が上昇に転ずるということを期待し、またそのように政策誘導をやってもらいたい。もとより経済は生き物でございまするから、そう的確にいくかどうかということにつきましては、これからの推移を慎重に見守ってまいりたい、その推移に応じまして機動的、弾力的の手配を講じてまいりたい、さように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 第三次不況対策を出されたわけですが、どれほどの効果が期待できるかという問題であります。いま長官は、住宅であるとか公共事業等でかなり効果が出るんじゃないかということをおっしゃっているわけですが、第二次不況対策では公共事業の上期契約率が六五%、第三次では七〇%ということで、その繰り上げを図ったということを聞いておるわけですけれども、契約が直ちに実需に及ぶかという点を見てまいりますと、そうじゃない。実際上、設計の段階で、設計、見積もり、そういうことに忙殺されて、実際のそういう実需にまで入っておらないということを聞いておるわけですけれども、その辺今後どうされるか、お伺いしたいと思うのです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 三月から生産が上向きに転じたということは、これは一つには第一次、第二次不況対策、その効果も私は響いておる、こういうふうに見ております。第三次不況対策、これはまだ決定をしたばかりでありまして、まだ実施には御指摘のように多少の時間は要しまするけれども、やはり決定したということに伴いまして、もう業界等におきましてはそれのための対応ということが始まるわけでありまして、そういう動きを刺激するという効果はあるし、また実際契約が始まるという段階になりますれば、その契約執行に伴うところの実需というものも起きてきましょうし、いまとにかく景気は、生産が増加に転じた、そういう際でありますので、二兆円足らずという少ない需要喚起の効果でありまするけれども、それでもかなり私は効果があるのではあるまいか、そういうふうに見、また期待しているのですが、これから経済がどういうふうに推移していきますか、その推移によりましては、もとより機動的、弾力的な手配をしなければならぬ、そういうふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 こうした公共事業や住宅融資が上半期に集中されておるわけですが、そうすると、下半期はどうなるわけですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 過去の実績から見ますと、上半期の公共事業の執行は平常時におきましては大体六五%なんです。それを昨年は、また一昨年は、総需要抑制政策というので、上半期の契約率を五〇%台に抑えるということをやった。そこで、今回はこれが七〇%だというので、総需要抑制下における契約率に比べますとこれはかなりふやしておるのですが、しかし平常時の六五%に比べますると、これはわずかに五%の増加である。しかも、過去の不況時において繰り上げ執行した事例というものが多々あるわけでございまするが、そのときにおきましては七五%執行ということもいたしておるのです。そういうようなことでありまして、六五%の平常時の執行率を五%繰り上げたということで、下半期の事業計画に欠陥を生ずる、今日の時点においてはそういう状態ではないわけであります。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いままで第三次——第三次はこの十六日だったですかに出されたわけでございますが、そういう効果という点から考えていきますと、これまで以上のそうした不況対策、第四次ということになるんでしょうか、大蔵省はこうした点については乗り気じゃない、不況対策というものは第三次で終わるというような含みを持ったそういうことも若干聞いておるわけですが、第四次不況対策が必要であるのかないのか、この辺については長官はどのように御判断されますか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 ただいま第四次不況対策を講ずるということは予定はいたしておりません。おりませんが、経済は生き物でありまするから、これからの推移いかんによりましては、いろいろと対策を考えなければならぬ。機動的、弾力的に対処してまいります。そのことは御承知おき願いたいと思います。

近江巳記夫公明党

○近江委員 経済活動の停滞というものは日本だけではないわけですが、ヨーロッパにおきましても、ドイツは当初GNPは二%というような目標を立てておったということを聞いておるのですが、六月初めにゼロ成長に改めた。さらにはマイナスになるんじゃないかという判断もあるということを聞いておるのです。政府としては、実質成長率を四・三%と見込んでおられるわけでございますが、現段階においてこれは妥当と思っておられるわけですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 四・三%という成長率は、これは年度初頭から経済は上向きに転じてなだらかな回復過程をたどるであろう、そういうことを前提といたしまして四・三%、こういうことにいたしたわけでございますが、その後、申し上げておりまするように、どうも景気回復のテンポがくずれておるのです。第一・四半期、四−六のこの三ヵ月におきましての足取りというものは、これはどうも本格的な景気回復過程というふうに言うことはできない。生産は確かにふえてきておりまするけれども、まだ底をついたという段階である。まあ景気回復過程ということは、今日になりますると、第二・四半期、つまり七−九の期間になろうか、こういうふうに見ておるのでありまして、そういう実態的なずれがありますので、四・三%というのは、ちょっとこれは実現されそうもない、そういう数字とは思いまするけれども、その四・三%実質成長というその目標の背景となっておるなだらかな成長ということは、これは少しのずれがあるものの、これからそのような経過をたどるであろうし、そうたどるようにいたしたい、こういうふうに考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 この四・三%は少し無理じゃないかというような、そうした含みを持ったことをおっしゃっているわけですが、そうすると、これは改定なさるわけですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 上半期の実績というものが十月ごろになったら出てきます。——十月以降になりますね、大体出てくる。そういうようなことを踏まえまして、改定というところにいくのかいかないのか、これは年末とか年度末、その時点になって検討してみたい、こういうふうに考えておりますので、ただいま成長率を変更するということは考えておりませんです。

近江巳記夫公明党

○近江委員 物価の問題と不況対策、こういういわゆるジレンマの中で経済運営の悩みというものはある、大変だということはわかるわけでありますが、物価の安定を図りつつ、しかもまた中小企業等の倒産を防止して不況の克服を図っていかなければならない、非常にむずかしい問題であろうかと思いますが、長官もきょうは非常にせいておられますし、非常にこれはむずかしい問題でありますが、企業としては何とか値上げをしだいというようなムードもあるわけですし、こういうところをどういうように自粛をさせ、しかもこういう二つの問題を解決していくか、まとめの所感を伺って、福田長官は帰ってもらっていいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○福田(赳)国務大臣 世界各国同様、わが国も物価と不況、こういう相矛盾した二つの問題の解決に追られておる、御指摘のとおりでございます。そういう中におきまして、私は日本の状態というものは国際社会の中では比較的順調に推移しておる、こういうふうに見ております。物価という問題、これにつきましても卸売物価の上昇率は年度間七・七と見ておったのです。卸売物価は消費者物価から見ると、その先行指標といってもいいくらいのものです。それが今日この時点におきましては一年間の上昇率が二・一だ、こういうところまで来ておるわけなんです。それから、昨年と違って賃金の決定、これが一三%程度というところにおさまりそうだ。また、海外からの輸入物資の価格、これも昨年は大変上がった年でございますけれども、ことしは上げどまり、ものによっては激落をするというものもかなりある、こういうような状態。金利の方はどうかと言えば、これは昨年は上がる年であったわけでありますけれども、ことしは逆に下がる年である。そういうようなことを考えますと、私はこれは物価政策はかなり好調子の中でこれを前進し得る、こういうふうに考えております。  他方、景気の方は、とにかく非常に心配しておったその景気、底固めの段階だというところまで来ておるのです。これも施策よろしきを得て、経済見通しでなだらかな成長回復ということを言っておりますけれども、それができるようにというふうに存じておるわけでありまして、ひとつ最善を尽くしてインフレと不況、このむずかしい問題の解決に当たってまいりたい、かように考えております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いま福田長官からも非常に厳しいそうした答弁があったわけでありますが、そういう中で備蓄を進めていくということで財源問題をさらに聞きたいと思いますが、財政資金分としましても現在の特別会計の予算規模をはるかに超えるものであるわけでありまして、長期的な財源対策がなければ実現不可能じゃないかと思うわけです。その点具体的な考え方というものを明らかにしていただきたい、このように思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 この備蓄を推進いたすための財政金融措置、それに必要な財源問題につきましては、昭和五十年度につきましてはただいまお話ございましたように石炭及び石油特別会計の中から支出しました分と、それから一般財投からの支出分、それに加えましていわゆる政府保証による資金の供給、こういう三本立てになっております。一番初めに申し上げました石炭石油特別会計から支出いたしております分が約五十億円になっておりますが、初年度は五十億円で済むわけですが、これがやはり逐年非常に増加するということからいいますと、これを今後石炭石油特別会計で賄い切れるのかどうかということにつきましては非常に問題があるわけでございます。そういうことで今後の財源問題につきましては、私どもはこの備蓄を推進するという立場で大蔵省当局と十分話し合って財源問題の確保を図りたい、こういうふうに思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 いわゆる原油価格の高騰ということが国民生活に大変な影響を与えてきたわけですが、この秋にはまた値上げをしようという動きが見られるわけであります。そういう中でこうした備蓄に対してまた資金が要る、こういうことはいわゆる製品価格への上乗せといいますか、そういう心配はありませんか。その点ひとつお聞きします。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 備蓄が相当なコスト負担ということになるわけでございますが、ただ私どもが計算したところによりますと、いわゆるコストとして計上されます分、すなわち金利負担分あるいは償却の分、それから固定資産税、それから備蓄基地を運営いたしますための人件費その他の費用というものを一年間に販売いたします石油製品全部に掛けますと、大体三百円から四百円という計算になります。三百円ないし四百円と申しますのは、大体製品価格が三万円を若干切る数字になっておりますから、それに対しまして一%ないし一・五%ぐらいのコスト負担になる、こういうことでございます。このコスト負担につきましても、できるだけ国が財政金融措置でめんどうを見て、この負担が直ちに値上げにならないようにいたしたい。また、これを口実にして大幅な値上げが行われないように十分な指導を行っていきたい、こういうふうに思っております。

近江巳記夫公明党

○近江委員 時間が来ておりまして、宮田委員に譲りたいと思いますが、私は留保しまして、また本日の宮田委員の後かあるいはまた来週質問したいと思っております。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 引き続き、宮田早苗君の質問を許します。宮田早苗君。

宮田早苗民社党

○宮田委員 私ども民社党も、九十日石油備蓄を前々から提唱してきたわけであります。しかし、企業の採算ベースを考えますとき、このうち三十日分を負担する限界から公団等にその機能を持たせるべきだという、これが基本的な考えでございました。九十日備蓄に必要な資金は総額で一兆二千八百億円ということですが、産油国の値上げの動きに関する報道も大変多いわけでございます。また、予測の困難なことはわかりますが、原油価格また建設費の上昇等によって今後五年間大変むずかしい状態が起きてくるんじゃないかと思いますが、この一兆二千八百億円という試算をした根拠をまずお尋ねします。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 お答え申し上げます。  一兆二千八百億円の試算の根拠を申し上げますと、そのうちの一番大きな要素をなしておりますのは備蓄のための原油代金でございます。この原油代金は、今後六十日から九十日分に積み増す分を、端数を省略いたしまして大体三千万キロリットルという計算をいたしております。これに現在の単価、一キロリットル当たり大体二万二千円を掛けまして六千六百億円、これが原油の代金でございます。これが第一の要素でございます。  それから次は、タンクその他の施設を建設いたしますための費用でございますが、ただいま申し上げました約三千万キロリットルの備蓄増を収容いたしますためのタンクは、十万キロリットル入りますタンクを三百七十五基建設する、こういう計算になっております。これは貯油率をわりあいに高く見ておるわけでございますが、その理由は、追加いたします三十日分につきましてはこれは保有してもらうわけですから常時動かないということでわりあいに貯油率を高くしております。この三百七十五基につきまして一基当たりを十億円と計算いたしまして、それが三千七百五十億円、これが第二の要素でございます。  それから第三の要素は、これは用地でございますが、大体十万キロリットル入りますタンクを建設いたしますための防油提その他を含みます土地が、坪で申しますと一万三千坪という計算になっております。これを坪当たりの単価を大体五万円ということで計算いたしましたのが合計二千四百五十億円。坪数は四百九十万坪でございますが、これの坪当たり五万円でいま申し上げました二千四百五十億円。これが第三の要素でございます。  以上の三つを合計いたしまして一兆二千八百億円という計算をしたわけでございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 今後のエネルギーに対する考え方でございますが、この法律はこれから五年間に九十日分の備蓄をするということになっておりますが、これと並行してエネルギー全体の割合、たとえば石炭はどのような考えを持つか、あるいは原子力の関係をどう考えておるか、これについてお答え願いたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 今後の日本におきますエネルギーの構成がどうなるかということにつきましては、現在総合エネルギー調査会で検討をいたしておるわけでございます。これは通産省の諮問機関でございまして、各界の専門の方々の参加をいただきまして、ことしの一月から作業に入っております。この結果につきましては、大体来月の中旬ないし下旬ごろには一応の結果が出る、こういうことで計算しております。その中で、ただいま先生から御質問のありました大体何%になるかということにつきましては現在まだ作業中でございますので、はっきりした数字は申し上げる段階にないのですが、いまお尋ねの国内石炭につきましては現在大体二千万トンか二千百万トンでございまして、日本の総エネルギーの中で四%ぐらいの地位を占めるわけでございますが、これにつきまして十年後、昭和六十年におきます生産を、大体やはり二千万トンの横ばいではないか、こういうことで計算しております。これにつきましては、ただいま申し上げました総合エネルギー調査会とは別に、石炭鉱業審議会で石油危機以後の新しい石炭政策の見直しをやっております。これも近くこの結論が出る予定になっておりますが、そこで現在検討中のものも大体二千万トン、こういうことになっております。  それから、原子力でございますが、原子力につきましては昭和六十年度におきます原子力の総エネルギーにおきます比率は、これもいまの作業の結論が出ませんとはっきりした数字が出ないわけですが、諸外国のエネルギー計画その他から言いましても、総エネルギーの大体一〇%前後に持っていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 エネルギー問題が問題が経済成長の基礎になる、これは当然なことでございますが、この備蓄法案におきましては、目標が五年間で九十日の備蓄ということになっておりますだけに、今後五年間、さっき福田長官はことし四・三%という成長率をおっしゃっておりましたが、五年間の成長率に対してどのようにお考えになっておりますか、その点……。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 私どもの方は、成長率につきましては経済企画庁が経済審議会その他でいま検討しておりますので、成長率の方はまだこれを計算する段階になっておりませんが、ただ石油の今後の需要の伸び、それからそれに対して節約がどれくらいになるかということで業種別に一応はじきましたものがございます。これは石油業法に基づく石油供給計画その他がございます。これらを基礎といたしまして、四十九年度を初年度として、伸び率を大体四%から五%の間の需要増、こういうことで計算しております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 備蓄増強策の一つとして、石油開発公団が共同備蓄会社に対し出資あるいはまた融資できるように公団法が改正されたことに関連いたしまして二、三お伺いするわけですが、五十年度予算では共同備蓄会社に対する出資として三十億円、タンク等の施設融資として五十億円が計上されておりますが、これはずばり言って年度内に一カ所でも実現できる見通しがありますかどうか、この点お答え願いたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 共同備蓄会社の建設につきましては、私どもの方にいろいろ建設計画について御相談を受けております。ただ、これにつきましては、やはり事前に地元の住民の方々あるいは関係市町村その他の御了解を得なければなりませんし、またそこが備蓄基地として適当かどうかにつきまして、やはり事前調査が要るわけでございますので、それらの話が全部実を結ぶとは思っておりませんが、ただ幾つかの計画が出ておりまして、これらのうちの幾つかが今年度中に一応発足するものと私どもは期待しておるわけでございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 九十日備蓄のためには、単純に計算をしてみましても毎年度五日ずつ積み増しをしなければならないわけですが、全体で三千万キロリットルということでございますので六百万キロリットルの施設が来年三月までに日本のどこかに建設されなければならぬ、こういうことに計算の上ではなると思います。具体的な立地の地点の地名まではおっしゃっていただかなくてもよろしいわけですが、どこが単独で、あるいはどことどこが共同備蓄会社の設立を計画中という程度で結構でございますから、九十日備蓄という大プロジェクト遂行の初年度にふさわしい計画を聞かしていただきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 初年度の五十年度におきましては、すでに前から建設計画で建設中の大体五百万ないし六百万キロリットルのタンクが完成するということになっておりますので、初年度については新しい大規模な立地基地なくして、現在のタンク建設でこれが達成されると思っております。ただ、今後につきましては新しい立地が必要なわけでございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 今後の問題についてでございますが、いまは長官おっしゃいましたように土地あたりもある程度手当てがされておるその土地ということで可能かもしれませんが、さきの説明によりますと五百万坪の土地が必要になるわけでございますので、大半はこれから土地を探すといいますか、見つけてやらなければならぬということなんでございますので、そういう点は、いまここでお聞きしようと思いませんが、十分に御配慮する必要があるんじゃないかと思います。特に需要が前年実績の横ばいあるいはまた微減というケースもあるわけでございまして、前年実績をベースに審議会に諮るわけでございましょうが、このような場合も備蓄増強を続けていかれるものかどうか、この点もお聞かせ願いたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 将来日本の経済がずっとゼロ成長で進む場合は備蓄のテンポもそれだけ落ちるわけでございますが、ただ私どもが計画いたしておりますのは、九十日分の備蓄は万が一のことがありましたときの影響その他を考えまして、できるだけ早く達成いたしたいと思っております。ただ、経済成長率が非常に低い場合につきましては、先ほど申し上げました三千万キロリットルの新しい備蓄施設はそれだけ減少してくるわけでございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 共同備蓄会社に対する政策面からの優遇策にもかかわらず、企業は採算に乗らない備蓄には消極的にならざるを得ないのじゃないか、こう思います。わが国の石油企業の実態を見ますと、最近は赤字決算の予測記事がよく出ておるわけでございます。備蓄会社方式を将来の石油業界再編の手段とか手法とかいう考え方で使えないものかどうか、この点もお聞かせ願いたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 いま御指摘のありましたように、石油会社、ことに民族系石油会社が経理状況が非常に悪いわけでございまして、そういう意味で今後の備蓄を企業が達成いたしますに当たりましてはいろいろな困難があると思います。私どもも国としてそれに対するできるだけの促進を行いたいと思っております。  ただいまお尋ねの共同備蓄会社につきましては、これが業界の再編成とどういう関係があるかというお尋ねだと思いますが、私どもは、共同備蓄会社を企業が建設することによりまして共同化と申しますか、たとえば原料の共同購入とか、あるいは製品につきまして現在非常な交錯輸送が行われまして各社の製品がむだに交錯輸送されているという状況につきまして、こういう共同備蓄会社ができますればそれらに対する改善がこれを契機としてできると思います。ただ、共同備蓄会社ができることによって直ちに企業の合同、合併というものにまで至るか、これは今後の推移を見なければなりませんが、いずれにいたしましても現在非常なむだをやっております各企業間の問題点が、共同備蓄会社によって解決していくことについては、これは相当な効果があるのではないかと思っております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 民族系石油企業の育成ということに仮に本法の重点を置くものとすれば、個々の企業に対する石油公団融資の利子補給あるいはまた共同備蓄会社に対する施設融資、これらの条件はさらに緩和すべきだ、こう思いますが、この点はどうですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 日本の中では外資系と民族系両方が大体半分ずつの取り扱い量になっておるわけでございますが、備蓄という国策が立てられて、これに各企業に協力してもらうに当たりましての国が行います各種の助成策につきましては、私どもは民族系と外資系はこれを差別するつもりはございません。ただ、現在やっております金融財政措置をもう一歩進めなければならないと思っております。五十年度につきましては、ほかの制度に比べますとこれも相当優遇策になっていると思いますが、先ほど申し上げましたように、たとえば四%利子補給というのは国が相当な姿勢を示したものと思っておりますが、私はこれをさらに進めていきたい、こういうふうに思っております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 私どもがこのことによって若干不安に思いますのは、九十日の備蓄をこの種の法律で義務づける、備蓄をするということ出は企業にそれだけの負担をかけることにもつながると思いますし、それが結果として製品にかかってくるんじゃないか。このねらいは、安定供結と同時に製品のコストが少なく済むということでないといけないと思いますので、いま申し上げました小まめな対策が特に必要じゃないかと思いますので、この点は十分に考えていただきたいということであります。  次に、安全、公害に対する国民感情から、もちろんこの前の法律でこの点についてある程度の対策はできたわけでございますが、この種の関係が出てまいりますと、国民感情から計画遂行上むずかしい問題がまだまだ出てくるんじゃないかと思いますので、これについて政府は国民に対してまた地域のそういう感情に対してどういう対策をもって臨もうとされるのか、この点をお聞きします。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 九十日備蓄計画を達成いたしますためには、ただいまお話のありました立地問題、保安の問題、災害対策の問題が最も重要であると思います。これができなければ、九十日備蓄政策は国策あるいはわが国の経済保障のためにどうしても必要だと言いましても、これは実現が非常にむずしいと私どもも思っております。そういう立場からこの保安、防災の問題につきましては全力をもってこれに対する措置を行っていきたいと思っております。  具体的には、今国会に提出されております石油コンビナート等災害防止法によりまして、各種の防災計画、防災施設その他の設置が行われることになっておりますし、また同法に基づいて消防法の改正も行われておりますが、これによりまして従来の制度の改善が行われるわけでございます。昨年の末に水島の不幸な事故、あるいはその後四日市の火災その他がございましたので、これらの経験を踏まえて防災対策の完全化を国を挙げて行いたい。通産省といたしましても、この石油業を所管する立場で防災については十分な指導を行うということを考えておるわけでございます。  こういうことを背景にいたしまして、地域の住民の方々の十分な理解と御協力を得て今後これを達成していきたい、こういうことで考えております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 立地いたします地元への対策が特に必要ということでございますが、具体的に、この前電源三法というものができていろいろ対策を立てられたわけでございますが、石油も原子力と同じような感情というものがあるわけでございますので、電源三法のような法案が必要なときが来るのじゃないかと思いますが、そのときにこういう法律的なことによって具体的な対策を立てるという考え方がございますかどうか、お聞きします。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 電源の方につきましては、電源立地促進対策の交付金というものができまして、これによりまして関係市町村、府県に対しまして周辺地域における公共用施設の整備というものが大幅に図られる制度になったわけでございますが、これと同じような制度が備蓄基地にできるかどうかということにつきまして、私どもは一つの検討課題として考えております。現在のところは、都道府県に対しましてこの安全対策の調査費というものを交付いたすことになっておりますし、また都道府県の備蓄推進のための各種調査それからPR運動その他の資金が国から交付される、こういうことになっておりますが、それをさらに進めまして、ただいまお尋ねのありましたように、公共用施設の整備に補助金を出すということができるかどうか、これは財源の問題もございます。ただ、考え方といたしましては私も、地域の方々に対して協力、理解を得ますためにはこういう制度が、電源ほどの金額には至らないまでも必要じゃないかというふうには個人的には思っております。そういう意味で、いろいろの検討も五十年度の予算のときにはいたしたわけでございますが、一応調査費、調査その他の交付金だけで五億円だけ計上になっておるわけですが、来年度の予算を要求いたしますときに、いま先生の御指摘になった点も十分検討していきたい、こういうふうに思っております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 せっかく通産大臣お見えでございますので、大臣にひとつお聞きをいたします。  いまの質問に関連をするわけでございますが、これに要する土地が五百万坪、すでに百五十万坪程度はあるということでございますが、それをのけましても三百五十万坪の土地を用意しなければならぬ。しかも、最初の答弁にございましたように、十万キロのタンクが三百七十五個ですか、こういう膨大な設備になるわけでございまして、石油に対する国民感情、さっきも言いましたように、原子力以上に非常に抵抗が強いのじゃないか。また、立地されたその地方自治体、これは大変に努力をしなければなかなか実現をするものじゃないというふうに思います。その際、地方自治体がやりやすいような方法といいますと、法律あたりをつくって、それが可能になる、こういう方法が過程の中ではやはり起きてくるのじゃないかという気持ちがするわけでございますが、そういう状態を先取りして法案をつくるというようなお気持ちが大臣におありかどうか、お聞きします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 この石油備蓄政策というものは、国民経済のセキュリティーと申しますか、今後運営上どうしても必要な政策であるということで、通産省の政策の中でも最重要課題として取り組んでおるわけでございますが、これを順調に実現するためにはいろいろな要件の整備が私は必要だと思います。  その第一は、企業自体の体力を強化するということ。先ほどお話がございましたが、石油業界の体力が弱っておりますので、石油業界自体の体力をとにかく強化しなければならぬ、こういう大きな課題があると思います。  それから第二には、安全対策ということが絶対の要件だと思います。備蓄政策即安全対策だ、こういうふうに思うわけでございますが、今回は一連の法律の改正等もできましたので、ある程度その面は整備された、こういうふうに私は思います。  それから第三が、やはりいま御指摘の地元の協力、積極的な理解、こういうことが必要だと思います。その一つの柱として電源を開発するときのあの法律のようなものをつくったらどうか、こういうお話でございますが、私どもも今後そういう法律が必要かどうか、とにかく何らかの形で地元の協力を得なければならぬということは事実でございますので、どうすればいいかということについて積極的に検討しなければならぬ、五十一年度以降の大きな課題である、こういうふうに考えております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 この法律の実施に当たって企業、私企業が義務を負うということになっておるわけでございまして、もちろんそれにたえ得る体力をつける、大臣がおっしゃったとおりでございますが、この計画どおり実施ができなかった場合、政府はどういう対処をなさるつもりか。罰則というところがございますので、極端に言いますと罰則の方ばかりが取り上げられるというようなことになりかねぬのじゃないかというふうに思いますが、その点についてお答え願いたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 この法律が、一応規制法と申しますか、企業に義務を負わせる形の法律になっております。石油の備蓄を増進していきますために、やはり国が計画を立てて、計画的に備蓄を増進しなければならない。それからもう一つは、備蓄されました石油がやはり備蓄されたまま、というのは、これを勝手に使われては困る、こういう点があるわけでございまして、それを規制する法律になっておるわけでございます。  そういうことで、お尋ねの備蓄義務を果たさなかったときにはどうなるかということにつきましては、この法律の第十条に規定されておりますが、その場合はまず勧告をいたしまして、この備蓄義務を果たすように各企業に対して要請をいたすわけでございます。ただ、ほかの企業が相当な努力をして備蓄義務を果たしているにもかかわらず、ある企業だけが備蓄を怠っておる、それで、それに対する何らの努力をしていないという場合には、これは命令をかける、それで、命令に従わないときには最終的に罰則がかかる、こういう規定になっておりますが、私どもは、この法律が非常にきつい規制法で、そして命令をかけて罰則でやるということではなくて、やはりこれは官民一体となって備蓄を達成する、こういう立場で運用していきたいと思います。ただ、中に、ほかが全部備蓄を推進しているにもかかわらず、この備蓄を怠る企業があった場合は、やはり命令それから処罰の権限というものは残していきたい、こういうことで考えておるわけでございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 最後でございますが、もちろん官民一体にならなければこの実現というのはむずかしいわけでございましょう。また、企業が大変努力をしたにもかかわらず、その地域の住民感情でそれがなかなか許されない、こういうような傾向というのもたびたび出てくるのではないかというふうに思うわけでございますので、この種の関係について、ここでなかなかお答えはされにくいとは思いますが、そういう予測をしない問題というのが私は各地域に起こってくるのではないかと思いますので、そのことをあらかじめ過去の事例から想定をして、それに対する対策を早目に立てる、このことが私はいま一番大切なことじゃないかと思っております。私ども民社党としても、最初言いましたように、九十日の備蓄、これには決して反対しておるものではないわけでございます。要はどうしてこれを実現し、達成するかという、このことでございますので、特に何回も言いましたように、国民感情に対する理解の仕方、この点については特に気をつけていただきたい。せっかく大臣おいでになりますので、その点の決意をひとつ述べていただきたい、そして終わります。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いろいろ建設的な御意見を拝聴いたしました。ごもっともな御意見でございますので、御趣旨を体しまして、この計画がりっぱに成就いたしますように今後とも努力を続けてまいりたいと思います。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員長代理 次回は、来る七月一日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十三分散会

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