商工委員会 第24号
- 発言数
- 579 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/06/17
会議録
○山村委員長 これより会議を開きます。 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。 内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、多賀谷真稔君外十九名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、荒木宏君外二名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、予備審査のため本委員会に付託されております参議院議員桑名義治君外一名提出の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案について、法務委員会、大蔵委員会及び物価問題等に関する特別委員会から連合審査会開会の申し出がありましたので、これを受諾するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会は来る六月十九日木曜日午前十時から開会する予定でありますから、御了承を願います。 ————◇—————
○山村委員長 次に、連合審査会開会申し入れの件についてお諮りいたします。 地方行政委員会において審査中の内閣提出、石油コンビナート等災害防止法案について、連合審査会の開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会の開会日時につきましては、地方行政委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせいたしますが、来る六月十九日木曜日午前十時から開会の予定でありますから、御了承ください。 ————◇—————
○山村委員長 内閣提出、商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。神崎敏雄君。
○神崎委員 まず初めにお伺いしたいのは、今回の改正案で上場商品の法定主義をやめて政令で上場商品を決めることにしています。これは上場や廃止の手続を簡単にして経済の実態に合わないものを廃止するのだと説明されておりますが、さしあたっては人絹などの上場廃止が目的なのですか、どうですか。それをお伺いしたい。
○天谷政府委員 上場商品を、上場を廃止したりあるいは新規に上場したりしますためには、取引の実態ということを注目する必要があると存ずる次第でございます。現在、人絹糸につきましてはメーカーがすでに三社に減少しており、それから系列化が進行しておりますためにほとんどヘッジをする必要等がなくなっておりまして、現在、福井の人絹取引所は開店休業状態になっております。 また、綿花、綿布につきましても商品取引をする経済実態が消滅いたしておりまして、事実上これは取引が停止されておるというような状況でございますので、こういうものにつきましては政令で上場を廃止するということを考えておる次第でございます。
○神崎委員 大体、趣旨、ねらいというものはよくわかりました。 そこで、いわゆる産構審流通部会定期市場問題小委員会の答申では、新規上場品目の拡大に際しては、わが国経済が国際化している状況にかんがみ、国際商品を上場させていくことが望ましいと、こういうふうに述べておりますね。さしあたっては廃止を重点にやるにしても将来は適格商品を上場させていくという方針であることは間違いないと思いますが、念のために上場商品をふやす考えもあるのかどうか、これを次に伺いたい。
○天谷政府委員 通産省関係の商品について申し上げますと、たとえば銅地金でございますが、これにつきましては現在日本では、メーカーの建て値制、これがロンドン・メタル・エクスチェンジにスライドする建て値制がとられているわけでございますけれども、その中小問屋等はロンドン・メタル・エクスチェンジでヘッジすることがいろいろむずかしゅうございますので、国内におきましてこのヘッジをするような機関をつくることが望ましいという希望を持っており、仲間で仲間取引等を現在小規模に行っているような状況でございます。 〔委員長退席、塩川委員長代理着席〕 したがいまして、銅地金につきましては、日本国内におきまして取引所をつくりたいと、こういうような希望もあるわけでございますけれども、ただこれにつきましては一体その銅地金を上場した場合にロンドン・メタル・エクスチェンジとの関係はどうなるのであろうか、あるいはその建て値制との関係はどうなるのであろうか等々、種々の技術的な問題がございますので、そういう技術的な問題をよく解明しました上で上場するかしないか、上場する必要があるかどうかということを判断したいというふうに考えております。 それから、ウールトップにつきましても上場の検討がかなり進められているわけでございますけれども、ウールトップの上場につきましても、ウールトップのみを上場する場合あるいはウールトップと毛糸とを並行して上場する場合等があり得るわけでございますが、この両者の関係につきましても当業者等の意見をよく聞きまして、将来上場するか否かの方針を決めていきたいというふうに考えております。
○神崎委員 大体いまの問題について、今回は上場商品の一部を廃止する方針であるということは第一問でわかりました。そして、将来また逆に上場商品をふやすこともあり得るということもわかりました。 そこでお聞きしますが、上場しているがために生産、流通、消費にかえって弊害を生じると判断される実例はありますかどうか。これはひとつ簡単に答えていただきたいのですが、またその反対に、上場していないがために生産、流通、消費が円滑に進まず、国民経済に障害を生じているというものもある、こういうふうに言えると思いますが、これは一体どういうふうになると思いますか。
○天谷政府委員 通産省関係の商品で申し上げますと、毛糸につきまして種々の意見がございます。特に昭和四十八年の初めごろ、毛糸の価格が暴騰いたしまして、取引所におきましてキロ三千円というような値段が出ましたこと、それから昨年の終わりくらいには、今度はキロ九百円台というようなきわめて安い、コストを大幅に割ってしまったような値段が取引所で生じましたこと、こういうふうに値段が上下に大幅に動くということは、生産、流通、消費上好ましくないという意見もございますので、われわれとしましては、こういう極端な値動きにつきましては、市場管理策等を実施することによりまして、そういう極端な場合をできるだけ少なくする。そして、本来の取引所の機能が発揮されるような方向に指導をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○神崎委員 最後に、国民経済に障害を生じると言えるものはないかということを聞きましたね。それについてはどうです。
○天谷政府委員 一般的には、国民経済に障害を生ずるというようなことは余りないかと存じますが、ただ毛糸の場合のように、三千円と九百円というように余りにも値動きが激しくて、そのためにオーストラリアの羊毛業者が日本の値動きの大きさに振り回されておる。そして、好況のときには物すごく大量の買い付けをし、不況になると今度はばったり買わなくなってしまう、こういうようなことでは、日本と安定的な貿易をするのに非常に支障を来すというようなことで、日豪貿易のあり方という側面から苦情を持っておるということを聞いております。こういうことは、日本の原料供給市場の安定ということが、日本経済の安定的発展のためにきわめて重要であるということを考えますと、国民経済上、必ずしも好ましいことではないと思います。 ただ、三千円になったり九百円になったのは、取引所だけの問題ではなくて、それぞれほかの、取引所の外の一般経済上の諸問題と複合して発生しておりますので、すべてを取引所の責めに帰する、欠陥に帰するということは穏当ではないというふうに考えております。
○神崎委員 国民経済上好ましくない、こういうふうに政府当局も認めておられるというふうにいまの答弁を通じて了解しました。 そこで、新規上場や上場廃止が政令にゆだねられ、行政府の裁量の余地が大きく拡大されました。 そこで、二つの点でお聞きしますが、具体的にどういう経過を経て、上場商品や廃止商品を決定するのか、これが一点。 次は、また決定権を取引所に与えず、行政府に決定権をゆだねる理由は何か。 この二点について答えていただきたい。
○天谷政府委員 上場するか否かにつきまして、最大の利害関係を持つのはやはり当業界であると存じますので、まず上場するかどうかにつきまして、当業界にその必要性ありや否や、それからそれが国民経済上妥当な必要性であるかどうかというようなことをよく判断して、政令によりまして上場を決めていきたいというふうに存ずる次第でございます。ですから、まず当業界の意見をよく聞くということが第一でございますが、しかし当業界だけの利害によりまして判断すべきではなくて、やはり国民経済上の見地からその必要性を判定しなければならないと思いますので、当業界、取引所等の意見を聞いた上で政令をもって決めるという手続にいたしたいと思う次第でございます。
○神崎委員 そういうことを認識の上で政令で決めるとおっしゃったのですが、できたらその政令の趣旨といいますか、骨格といいますか、それをここでいま発表できますか。
○天谷政府委員 政令の形式はきわめて簡単で、何々品目を指定するというだけのことになると存じます。
○神崎委員 国民経済に及ぼす影響がきわめて大きくて好ましくないというように言われているところから関連して、きわめて簡単に、こういうものは好ましくない、この方がよろしいというふうに政令できめるのだと言われるところに問題があると思うのです。だから、それほど国民経済に好ましくないような影響を与えるようなものを、そう簡単に、これはいい、これは悪いというようなことを行政府が一方的に決められるというところにいろいろ問題点があって、われわれがここに疑惑を感じたりあるいはいろいろ質問しなければならない要素があるわけなんですね。そこをもう少し、国民経済にきわめて大きな影響がある、しかも好ましくない影響があるのだから、好ましい影響じゃないのだから、そこをひとつ国民の前に、理解力あるいは説得力のある中身を説明していただきたい、こう思います。
○天谷政府委員 どういう商品を上場するかにつきましての大枠の要件は法律に定めてございますので、行政府が勝手に恣意的にやるというようなことはないわけで、法律の要件に従って判断するということがまず基本でございます。 それから第二番目には、その国民経済上の見地といいましても非常に問題なことは、むやみに投機的に動き過ぎて一般大衆等に迷惑をかけるということにならないかどうかという判断が重要であろうかと存ずる次第でございますが、先ほど申し上げました銅地金あるいはウールトップ、こういうものを考えてみますと、銅地金につきましてはロンドン・メタル・エクスチェンジという国際的な取引所があることでございますし、それからウールトップにつきましては、豪州に脂づき羊毛の国際的な取引所がございまして、そういう取引所が水準を決めておるわけですから、日本の一部の投機業者が、買い占めをやったり売り惜しみをやったり、市場に対して独占的な行為をするとか不公正な取引をするとかいうことによりまして、一般大衆に迷惑をかけるというようなことには、その場合には余りならないのではないかと思うわけでございますが、その二品目以外につきましては、いま現実に考えておるものは通産省関係ではございませんけれども、将来そういうものが何か出てまいりました場合には、余り投機性が激しくて一般大衆等に被害を及ぼすようなことがないかどうかというようなことは、きわめて慎重に検討をしたいというふうに思うわけでございます。
○神崎委員 先ほども紹介しました産構審小委員会の答申は、上場適格商品についていろいろと触れておりますね。そこで「適正な市場管理を行い得るという見通しがない限り、その上場には慎重を要しよう。」とか、また上場された商品が円滑に機能し得るか否かについては、いわゆる適格性のほか、相当程度、市場管理問題に依存している、こういうふうに述べておりますね。要するに、新規に上場商品を決定しても、うまくいくかどうかの重要なかぎは市場管理問題にあるということです。この市場管理の直接の責任はどこにあるのか、だれにあるのか、この点明らかにしてほしい。
○天谷政府委員 取引所の基本的な性格が会員組織でございますので、会員の自治を相当程度尊重しておるわけでございますから、市場管理の第一次的責任は取引所にあるというふうに考えております。ただ、取引所の市場管理が国民経済的な立場から見て不十分であると考えられる場合には、主務省が、行政指導あるいは法律に基づく権限の行使によりまして、適切な市場管理を行っていきたいというふうに考えております。
○神崎委員 冒頭の、会員の、と言われたところを、語尾をもうちょっと大きな声で言うていただきたいのです。会員の利益本位と言われたのか、そこをもう一回。
○天谷政府委員 取引所の基本的性格が会員組織ということになっております。当業者を中心とする会員組織ということになっておりまして、その会員の自治の原則というものを認めておりますので、取引所が、まず市場管理につきまして、自治の精神に基づいて妥当な市場管理を行うということが第一次的な責任でございます。第二次的には行政官庁が介入するということでございます。
○神崎委員 これは会員の利益本位にということですね。どうですか、そこをちょっとはっきりと。
○天谷政府委員 会員の利益は、取引が公正に行われまして、取引所が正常に機能するということが会員の最大の利益であると存じますので、価格が乱高下したり、一部のものが市場に対して不当な介入を行ったりするということは、会員一般の利益に反するものというふうに考えます。
○神崎委員 そこで、私は、政府は商品取引所の市場管理能力についてどういう評価をしているのか伺いたい。今日の取引所の市場管理能力に国民的信頼があると判断されておるのかどうか。もしそうであれば、日常的に直接的に市場を管理しておる取引所に商品の上場廃止の決定権を与えても不思議ではないと思うのですが、当局は取引所の市場管理能力についていまどういう評価をしておられるか、これを聞きたい。
○天谷政府委員 多数ある取引所につきまして、一般的に市場管理能力がどの程度あるということを評価するということは必ずしも容易ではないと存じますが、われわれとしては、現在の取引所は市場管理につきまして相当の働きをしておる。しかし、物価狂乱時のようなああいう異常事態におきましては、取引所の管理能力を超えるような相場の乱高下等が起こりますので、こういう場合には、政府が介入することによりまして、取引所の管理能力の不足を補強していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○神崎委員 取引所に政府が介入するというのは、どういうふうな根拠で介入されるのですか。
○天谷政府委員 まず、価格が乱高下し、それが一部の業者等の買い占め、売り惜しみ等の行為等に起因するというふうに考えられます場合には、法律的には商品取引所法の九十条に基づきまして市場管理に介入することが可能でございます。それからまた、取引所の組織そのものに対して、不当な役員の解任であるとか、そういうふうな一般的な監督も商品取引所法に基づいて行うことが可能でございます。
○神崎委員 一部業者の売り惜しみ、買い占め等によって乱高下をする、そういうことから一般国民経済に及ぼす影響とか、そういうようなことからこれは容易でない、こういうときには法的根拠に基づいて政府がこれについて介入をする、それで国民に不利益な影響を与えない、こういう形にしていく、こういうふうにいまの答弁で理解して間違いありませんか。
○天谷政府委員 不十分でございますので少し補足さしていただきますと、そういう一部業者の買い占め、売り惜しみ等につきましてコントロールするのはもちろんのこと、一般に価格の水準が不適当である、その理由が買いあるいは売りが過剰に過ぎるというような場合には、証拠金率を上げ下げする、たとえば場合によってはその丸代金を徴収するとか、臨時増し証拠金を徴収するとかいうようなことを行いまして、需要と供給が異常に不均衡にならないように管理をするというようなことも必要でございますし、さらに極端な場合には、取引所の立ち合い停止を命令するというような監督の方法もございます。
○神崎委員 商品取引所のあり方を根本的にこの際検討すべきであるという世論もある。第三次の改正、すなわち昭和四十二年の第五十五国会、これに際して当衆院商工委員会でもこういう附帯決議を行っております。「商品取引所のあり方について根本的検討を加えること。」こういう附帯決議を厳しくつけているわけです。そうして、今回の答申は、一定のそれにこたえたものになっているようなところもあります。しかし、改正案では、こういうふうなことが一切見送られておるのです。 そこで、定期市場の運営に当たる商品取引所の機構、構成員などを現状のままにしておくというように判断されたのはどういう理由なのか。こういう決議があるのにこれを避けられているということ、ここをひとつ明確に聞かしていただきたい。
○天谷政府委員 答申におきましては、取引所の合併統合の推進、あるいは取引所の役員に対する監督権の強化、あるいは商品取引所連合会の強化等が述べられているわけでございますが、これを今度の改正に取り込まなかったのは、この問題が重要でないと考えたからでは全くございません。答申のうち、最近の経験に徴しまして、価格の乱高下の防止あるいは委託者保護の徹底等が特に緊急を要するというふうに考えられましたので、答申のうち特にその緊急を要する分だけをまず先に発車させまして、あとの残された問題につきましては、重要でないと考えるわけではなくて、この問題につきましても今後慎重に検討いたしまして、なるべく関係者のコンセンサスも得た上で法律改正に持ち込みたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 取引所の機構の合併統合等につきましては、一般的な方向としましては、この合併統合にだれも反対はないわけでございますけれども、それでは具体的にどの取引所とどの取引所を合併統合するのかというようなことになりますと、これは関係者の利害がいろいろございますし、あるいは他方、政府が、A取引所とB取引所は合併すべきであるということを頭から決めてかかることも困難でございますので、もう少し関係者の間で合併統合等につきまして機が熟するように、政府といたしましてもできるだけ積極的に指導していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○神崎委員 そこで、河本大臣にお伺いしますが、大臣、よく法案が採決されるときにわれわれは附帯決議をいたしますね。附帯決議したら必ず時の大臣は発言を求められて、ただいまの附帯決議に対しては尊重いたしまして、そして前向きに必ずこれを実行するとか、あるいは善処するとかいうお約束をいつもされます。恐らくきょうもこの採決に際しては附帯決議が出ると思います。ところが、この附帯決議というものが、自後における法律改正とか、あるいは新しく出てくるところに常にそういうものが尊重されないのですね。いまの場合でもこういうやつが五十五国会でできている。ところが、いまの答弁を聞いておってもそうでないのですね。そういうことは、私はやはり議会軽視というか、審議権に対する尊重度の問題、これが非常に軽視されている。私の調べでは、そういういまの答弁のような状態ではないのです。これは、大臣はその当時通産大臣でなかったのだから、私は、このこと自体についてはいま河本さんに対して責任を追及しようとは思いませんが、しかしこの法案を作成されている間には、大臣も前の附帯決議だとかいろいろお調べになったり、また聴取されたと思うのですが、私の調べでは、これは業界の強い反対に遭って、この改正案に対してこの点が盛り込めなかった、こういうふうに伺っているのですが、大臣、この附帯決議というものはどのような効力があるのか、附帯決議なんか何ぼつけても一顧だにせられないとするなら、これはしたって仕方がないことになりますね。その附帯決議だとか、議会側の討議の中で認められたり、あるいは前向きに検討するという答弁は、われわれとしては国民の前でやっているのですから、そして主務大臣がそのような御発言をされるということは、われわれはもちろんのことですが、国民もやはりきわめて関心と期待を持つわけですね。ところが、次に新しく出てくるときにはそれがもう捨てられてしまって一顧だにされないという場合はどういうことになるのか、特にこの場合は、業界の強い反対でそういうようなことが盛り込まれなかったというに至っては、私はやはり言語道断である、こういうように思うのですが、これについて、今後のこともありますので、ひとつ大臣の御意見を聞いておきたいと思います。
○河本国務大臣 まず、附帯決議についての考え方でございますが、私は、附帯決議というものは、政府がそれに対して、今後その趣旨に沿って行政を進めてまいります、そういうことを約束しておるわけでございますから、その趣旨をあくまで尊重いたしまして、行政にこれを反映していかなければならぬ、こういうふうに理解をいたしております。 いま御指摘のように、昭和四十二年七月二十日には、衆議院の商工委員会におきまして附帯決議が三項目ばかりつけられておりまして、今後の行政の指針を示されておるわけでございますが、なおこれを実現するために、政府といたしましても産構審に答申を求めたわけでございます。そして、昨年の四月に答申があったわけでございまして、この附帯決議の趣旨及び産構審の答申に基づきまして原案を作成したわけでございますが、先ほど審議官が申し述べましたように、残念ながらこの附帯決議及び産構審の答申を全部織り込む、こういうことにはなっておりません。部分的には取り入れておりますが、全部織り込むには至っておりません。その点は大変遺憾に思っておるわけでございますが、今後とも機会を見まして、この附帯決議の趣旨が順次実現されるように努力を続けてまいりたいと考えます。
○神崎委員 それで、いま言いましたことについての裏づけになることを、大臣にもよく聞いておいていただきたい。 現在の取引所は会員組織となっておりますね。そうして、その会員資格は、上場商品の売買や売買の取り次ぎ、生産または加工を業として営んでいる者に限るとされております。 そこで、主な商品取引所の役員がどうなっておるかを見てみますと、理事長や理事に大量の売買取引を行う取引員が任命されているところがきわめて多い。七四年度の資料で見ますと、大阪穀物取引所の理事長は中井繊維株式会社の取締役会長であります。中井繊維は、この取引所で第二位の売買高を誇る商品取引員であります。しかもなお、この中井繊維の社長は、取引所の市場管理委員会委員です。また、横浜生糸取引所は、副理事長二名が取引員であり、市場管理委員会九名中九名が取引員です。時間もかかりますからすべては言いませんが、東京穀物商品取引所の市場管理委員長はカネツ商事の会長でありますが、この取引所の第一位の売買実績を誇るのがカネツ商事なんです。これは四十九年度は第三位です。 全国の取引所はおよそこういう実態にある。つまり、現在の取引所は、営利追求の民間法人がその運営の支配権を握っているということです。審議官、よく聞いておいてもらいたい。現行法第三条三項で、「商品取引所は、営利の目的をもつて業務を営んではならない。」こういうふうに決めております。果たして今日の取引所の実態のどこに公益性の尊重が認められておるのか。政府のこの点についての見解を私は明らかにしていただきたいと思う。
○天谷政府委員 いま御指摘がございましたように、通産省所管の商品取引所の理事の構成を見てみますと、商品取引員が占める割合が三五%、それから一般会員の占める割合が五〇%、学識経験者の占める割合が一五%、こういう構成になっておるわけであります。商品取引員の占める割合が三五%であるということ、その三五%の内数でありますが、一八%が専業取引員であるということでございまして、方向としましてはもっと学識経験者の割合、すなわち現在一五%でございますが、これをふやすような方向に持っていくということが望ましいと存じております。 ただ、この商品取引所の構成といたしましては、当業者それから取引員等々がメンバーとなってつくっております会員組織でございますので、これが入っておればすなわちすべて、何と申しますか、極端な営利に走って、取引所の公正中立性が確保されないということは、そこまで言うのは言い過ぎではなかろうか。要するに、全部取引員等を排除いたしまして、すべてが中立の学識経験者等から構成されなければならない、理事が学識経験者だけで構成されなければならないというふうに考えるまでのことはないのではなかろうか。もう少しこのバランスをよく改善していくということが必要ではなかろうかというふうに存じております。 なお、役員等が不適正な行為を行いました場合には、取引所法の規定によりまして、こういう好ましからざる理事等につきましては解任をすることが可能でございます。
○神崎委員 そうすると、いま私が指摘いたしましたこうした構成内容ではよくない、だからこういう構成内容は改革していく、こういうふうに理解してよいですね。
○天谷政府委員 そういう方向で改革を進めていきたいというふうに考えております。
○神崎委員 その答弁は一応いただいておきます。というのは、先ほども言いますように、いまあなた自身がおっしゃった、一部の業者が買い占めあるいは売り惜しみ等をやって非常に市場を混乱さす、そして一般国民に悪い大きな影響を与える、こういうことを言われて、これに対して政府は行政介入までしてこれを正常といいますか、そういう形の方へ持っていくために介入するんだ、こういうことを言われた。先ほどは会員組織であり、会員の利益本位にやるんだ、こういうことを言われた。ところが、従来からはそうなってないから、先ほど紹介したような附帯決議がこの委員会でなされ、にもかかわらずそれは生かされておらないで、それで現状が依然としてこうなっている。産構審もこういうことについては好ましくないという指摘をしている。そして、第三条の三項では、商品取引所は営利の目的をもって業務を営んではならないんだ、こういうふうにこの法律自体がやはり指摘もしているわけですね。ところが、その現状は、おつくりになっている法律で厳しく歯どめをしようとしておられるのに、現状はそうでない、違った形で、こういう構成は好ましくない、したがって改正していかなければならない、こういうふうに認められることについては、基本的には矛盾がありますね。だからそれを、ではどのような形で可及的速やかに、一般国民が見てこれは民主的であり、いわゆる一般会員の利益擁護に非常に役立つ、こういうような形に前進されるのはいつごろのことなんでしょう。
○天谷政府委員 取引所がその性格上外部資金を相当大幅に導入をしており、それからまた取引に精通していない大衆等を巻き込むというようなこともあり、それからまた外務員と一部の取引員等の姿勢には好ましくないというような問題もございますので、取引所のあり方につきましては世上の批判にさらされないよう今後とも一層取引所のあり方、取引員のあり方、外務員のあり方あるいは市場管理等につきまして取引所及び取引員の自覚を促すとともに、機に応じまして主務官庁といたしましても行政指導を強化していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○森(整)政府委員 ちょっと補足して説明させていただきたいと思いますが、先生御指摘のような取引所が公正に運営が行われるということの趣旨が産構審に盛り込まれておりまして、いまの御指摘の問題につきましては、法律の改正を待たずにできるものは通達で処理するということで、一つは業界外の有識者等を積極的に理事に委嘱するということを指示いたしました。 それから、第二点の商品取引所の市場管理問題でございます。いま横浜生糸も御指摘がございましたけれども、そういう問題も考えまして、要するに市場管理委員会がこの場合それじゃこうする、こういうことを一々具体的に決めるよりも、もう少し抽象的な管理基準を設けたらどうだろうかということで、たとえば取り組み高が非常に多くなりますと証拠金を増徴する、それも幾らという、六万五千円を七万五千円にするとかいうふうにあらかじめ規定してしまって、それに従って発動していくというようなことを指示をいたしておるわけです。これはまだできてないところがございますが、通達では敏速かつ的確な市場管理を行うために具体的な発動基準を至急設定せよということを指示いたしました。期日は五月十四日でございます。これは通産、農林共同通達でございます。
○神崎委員 いま時間の関係で、発言されたことについての末梢的なことについて余りひっかかろうとは思っておりませんけれども、抽象的な管理というような言葉をお使いになる、そこが問題なんですよ。法律というものは抽象的であってはだめだ。やはり法律というのはきちっと決まったら遵守するのでしょう。抽象的な管理体系でよろしいということになったら、これは非常に抽象的なんですからね。そういうような言葉でやられているということになると、これはまた問題が残るわけです。だから、幾らか弾力性といいますか、そういうようなものについてはよい方へ少し入り込まれる弾力性は認めますけれども、抽象的ということになれば全体的に普遍的なことになる、あるいは総体的な現象も起こる。だから、そういうことは、法律をおつくりになる場合はそういうようなことではなしに、やはりきちっとされて、そうしてそれを守らないような人には、あるいはそういうような事業者あるいは役員、そういうものに対してはぴちっときめつけをしなければならぬと思うのですね。抽象的にやっておられると、そういうことはやはり決まりがつかないと思います。 そこで、今日商品取引所の存在は先ほどから言いますように国民の経済の実態と乖離している、こういう事実は明らかなんです。国民生活に重要なかかわりを持つ商品の多くは、定期市場では商品取引所に上場されていない。それがために、国民生活に大きな支障を及ぼしていると言えるものは皆無に等しいと言っていいと思うのですね。こういう意味からも商品取引所は果たしてどうしても必要なものなのかどうか、こういう疑念が生まれてくるわけであります。加えて、取引所の運営に公正さ、公益性に欠ける面が多々ある、先ほどから指摘しているように。その点への本格的検討が要求されているのが今日なんです。しかるに、政府は今回の改正案ではその基本的な点を避けている。なぜ取引所のあり方への根本的改革を避けたのか、先ほども言いましたが。私は、これを重ねて伺うとともに、取引所の現状を放置したまま、上場商品を拡大することは適切でない、現状のものを改革しないで。この点も、大臣、あわせてひとつここで発表していただきたい、伺っておきたいと思います。 現在の情勢で、こういうような状態で拡大していく。一方では国民には非常にかかわりのあるものが上場されておらない。したがって、国民生活からは余り支障がない。それでもなおかつ商品取引所が必要で、そうしてさらにまだふやしていくというような形になれば、どういうことになるのだろうか。大臣、どうですか。
○河本国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたように、今回の改正は、御指摘もございましたけれども、産構審の答申の内容等から見ましてもなお数点積み残している分もございます。したがいまして、十分な内容を盛った改正でない、こういう御議論も出てくるかと思いますが、しかし現状から考えますと相当な改革であるとも言えると私は思うのでございます。数点にわたる相当思い切った改革もいたしておりまして、今後とも取引所に対する監督を強化できるような内容も盛っておりますしいたしますから、監督にはさらに十分気をつけます。 それから、上場商品を政令で決められることにもなっておりますが、これは先ほど来審議官が答弁いたしておりますように、経済事情の変化——最近は非常に経済情勢が次から次へ変わっていきますので、政令によってこれを動かしていこうという考え方でございますが、仮に上場商品が増加するという場合におきましても、取引所に対する監督を十分厳重にいたしまして、御指摘のようなことのないように今後とも配慮してまいりたいと思います。
○神崎委員 次に、そうしたら問題を変えまして、取引員と外務員について伺います。 商品取引員の許可に四年間という期限をつけることにしていますが、四年間の営業姿勢や四年間の財務内容の充実などが再点検されるということになり、財務内容強化のために無理な売買や市場の価格操作などが活発化するおそれがあると私は思うのですが、この点どうですか。
○天谷政府委員 御指摘のようなことがあるということは、許可更新制の趣旨にはなはだしく矛盾いたしますので、許可を更新する際におきましては、財務内容のほか営業姿勢を厳重にチェックをして、これをもって許可を更新するかしないかということの有力な判断材料にしたい、こういうふうに考えます。したがいまして、短期間に急速にもうけようというようなことで、外務員等を使いましていわば不公正な取引をするとか一般大衆を欺罔するというようなことがございました場合には、許可の更新に際しまして厳重にチェックをいたして、そういう弊害を防止したい、こういうふうに考えます。
○神崎委員 それは一々あなたの方で、外務員がそういうことをやっているかやっていないかということをチェックできますか。
○天谷政府委員 いま申し上げましたことは、取引員の許可の更新のことを申し上げたわけでございますが、外務員につきましては、この外務員が好ましからざる行為をしたというような場合には、これは取引所が外務員を監督いたしておりますので、不適正な行為の多い外務員につきましては、これは二年ごとに登録を更新しておるわけでございますが、再登録の際にそういうものはチェックをするというような方向に取引所を指導していきたいと考えます。
○神崎委員 商品取引員の統合、それから零細業者の切り捨てなどを含む特定有力業者による再編成を促進させることが行政当局の政策、方針に掲げられている以上、みずからの経営内容充実のために、外務員へのノルマ制の復活など、いろいろな悪弊が生じることも予想されるべきであると思います。前回の改正で登録制を許可制に改めたことがかえって裏目に出て、紛議の多発を招いた、これが事実なんです。この点を予想した対策などは、いま考えておられますか。
○天谷政府委員 前回、一部にそういう弊害が認められましたので、今回は、いま先生のおっしゃいましたようなことが起こりませんように、よく注意して運営をしていきたいというふうに存じております。
○神崎委員 前回がそういうことがあったということを認められたので、次に進みます。 外務員の権限を拡大していますが、一部には外務員廃止論もあります。当局の、外務員は必要であるとする理由をひとつ明らかにしていただきたい。
○天谷政府委員 商品取引所が成立していきますためには、当業者資金のみならず、相当程度の外部資金が流入してくる、導入されるということが、ヘッジ等の機能を行わしめるために必要であるというふうに考えます。その場合に、一体どの程度の外部資金が望ましいかということにつきましては、いろいろ問題のあるところでございまして、一義的、数字的に申し上げることはむずかしいと存ずる次第でございますが、ともかく、ある程度の外部資金は必要である。その外部資金が必要であるということを認めますと、この外部資金を導入するためのシステムといたしまして、外務員制度というものを維持するということが必要ではなかろうかと存ずる次第でございます。もし、外務員制度を否定いたしまして営業所に来るお客だけで商売をしなさいということにします場合には、外部資金の不足の問題あるいはコスト高の問題等が起こるほか、弊害といたしましては、やみの外務員的なものが発生いたしまして、これも取り締まればいいではないかという御意見もあろうかと存じますが、なかなか取り締まりということはむずかしいことでございまして、競馬におけるのみ行為的なことが起こってくる可能性がなきにしもあらずということでございますので、健全な外務員制度を維持するということは必要ではなかろうか。外務員制度を完全に頭から否定してしまうということは、現在の商品取引所制度を維持する以上、そこまでやるのは行き過ぎではなかろうか。現在の外務員制度をなるべく健全化するという方向で指導をしていきたいというふうに考える次第でございます。
○神崎委員 物には原因と結果というものがあるのですが、非常に問題を起こしているという問題の原因には、相当なやはり比重といいますか、外務員のあり方に問題があるからいろんな弊害が起こってくるということは、これはもう一般に常識的なんですね。あなた方もそういうことをお考えになるからこういう規制を強化されてきたのでしょう。届け制を許可制にしたり、何年間ごとに点検したりして、チェック機関をずんずん厳しくされてきたということはそこに原因があるということを知っておられるからでしょう。そのときに、健全な外務員ならよろしい、不健全なものはぐあいが悪い、もうあなた、そんなこと聞かぬでもわかっておるわけだね。そうなると、健全なとはどのようなカテゴリーを言うのか、不健全なというのはどういうカテゴリーを指して言うのかという論議をせなければならぬことになってくる。だから、そういうようなことはやはり答弁としては私は適切でないと思うのです。そういうことがあるから質問せなければならぬ。全部健全なものだったら質問せぬでもいいのですよ。積極的に賛成しますよ。しかし、いろいろと巷間に、国民大衆経済の中で、先ほども認められたように悪い影響が拡大されていく、どこに原因があるのか、取引所の役員構成に問題が一つある、あるいは上場されていないものはどうなんだ、されているものはどうなんだ、そこへずんずんしぼっていくわけでしょうね。ところが、いろんな弊害が出てくる、なぜかというところへいくと、いまあなたが言われる不健全な外務員に問題点が多々出ている、これが原因だということになって、一般の人たちが、前にも言われたように、ギャンブル場だというふうな極論まで言われる。実際そうかもわからないと私も思いますよ。そういうことになってきて、業績を上げなければならぬからノルマになる。ノルマになれば無理をしますよ。これはもう当然起こることなんですね。そこはやはり健全なものは必要で、それまで言うのは行き過ぎだ。そういうようなわかり切ったことではなしに、先ほども大臣も認められたように、委員会はこういうことに問題があるのだと指摘し、産構審も指摘し、法律にもそのことをうたっているのだから、そういうことはやはり積極的に私は解決されるべきだ、もっともっと厳しくやられて、一般のそういう出資者といいますか、あるいは買われる方といいますか、そういう方々や売る方々にそういう影響のないような、本当にガラス張りな、納得のできるようなことをやっていただきたいということを言っておきます。 時間の関係であと一問ですが、現行法第四十四条の商品取引員の許可の基準の中には、「その受託業務を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、その受託業務の収支の見込みが良好であること。」という条項があります。この許可基準を満たすためには売買扱い高をふやすことが求められるということです。また、外務員もこれで受託業務ができるようになるのです。 これらの点を総合して考えますと、この改正案が意図しようとしまいが、結果的にはより多くの大衆資金を商品市場に流入させることになる。加えて弁済機関の創設という点もあわせ考えますと、政府は商品取引市場にこれまで以上に大衆資金を流入させようという方向を打ち出したとしか考えられない。ある程度の委託者保護と市場管理の処置を強化しておいて、だから安心して商品取引所に参加できますよというふうに一般大衆への勧誘がやりやすい状況にすることが、これが今回の改正案の中心だと理解せざるを得ないのであります。そういうふうに理解してよろしいかということが一つ、もしそうでないとするならば、どの点に大衆の参加を制限する条文があるのか、これを明確に答えていただきたい。
○天谷政府委員 法改正によりまして外務員の権限を拡大し、それから委託者債権の保全措置のうち、外務員の権限の拡大は、外務員の委託の勧誘と受託の限界のあいまいさからくる委託者紛議というものを防止するとともに、外務員の行為につきましての取引員の責任の明確化を図るということを目的としたものでございます。また、委託者債権の保全措置は、商品取引員の倒産により委託者に不測の損害をこうむらしめることを防止するためでありまして、いずれもこれによって一般大衆資金の流入を増加させるというような意図を持ったものでは全くございません。しかしながら、一般大衆、特に商品知識のない者、それから資金がない者が商品取引に参加することは好ましくないと考えておりますので、今回の法改正におきましても書面によってその商品取引の内容を説明させるという義務を外務員に課すことにいたしておりますとともに、家庭婦人等経済力のない者を無差別的に勧誘するということは現在も禁止条項になっておりますが、この禁止条項を徹底させる。それから、新規委託者に対する知識、資力、信用の調査というようなことも十分に行うように指導をいたしておるところでございまして、これによって無制限に大衆が参加することがないようにしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○神崎委員 時間の関係でそれの答弁に対する反論はまたの機会にしますが、無制限に大衆資金を導入するというようなことを私は言っておらないのです。非常に大量に、いま言ったように一般の資金を導入するのが結果としてねらいである、起こり得るということを言っているのであって、また実際問題としては、これではそうなりますよ。だから、無制限というと、これはどこまでも無制限ですから、そんな極論を言っているわけではないのですから、質問したものに対しては不十分な答弁をして、そして質問せぬことはえらく拡大して答弁されるということは余り適切でないですね。(「質問時間を決めるからいかぬのだ」と呼ぶ者あり)今回の改正案は一定の委託者保護の処置を強化しているとは言え、重要なことは取引所のあり方への根本的検討とその改善を回避しているということ、こういうことなんですね。さらに、取引員の許可期限の設定や外務員の権限拡大などの措置は、大衆の投機資金の流入の一層の拡大につながり、紛議の多発を招く恐れがあるという点なんですね。つまり、今回の改正案は有力な取引員の利益優先に中心が置かれている、こういうことなんですよ、最前から言っていることは。結局として大多数の国民の利益に合致するものではない、こういうことを指摘しておきますが、一面は、先ほども私も認めているように一定の委託者保護の措置は強化している、法案では。その点は認めているのです。しかしながら、実際問題としてはこうだ。しかも、国民が要望してやってくれということ、ここをこういうふうに厳しくしてくれ、またしなければならぬと言って、この委員会では前回には附帯決議までつけている。それも生かされておらないということは、業者のそういう有力な人々の圧力に屈服してそのことを避けられているということを指摘して、それも単なる思いつきやら推測で言っているんじゃなしに、こちらもちゃんと調査して、そういう意見も聞き、一般の方のことも聞いた上で質問しているのです。だから、いまも横から言われたが、本会議の関係で時間もこういうふうに申し合わせをしておるから、そのルールには一応従いますけれども、本当に不十分な答弁については、一々それに対してはやはり納得のいくまで質問せなければならぬのですね。私が質問したいまの柱はそこなんだということをよく認識してもらって、先ほど大臣も、よく言うことはわかる、だから積極的にそういうふうにこれからやっていこう、こういうふうに答弁されていましたことを、だから私はそれによってされるということを期待しますが、大臣、最後に、やっていただけますか。
○河本国務大臣 今回の法改正に関連いたしましての幾多の問題点を指摘されました。その点につきましては、今後運営に際しまして十分気をつけてやってまいります。
○塩川委員長代理 佐野進君。
○佐野(進)委員 私は商品取引所法の一部を改正する法律案について質問してみたいと思うわけでございますが、まず最初に大臣にお伺いをしたいと思うのであります。 この審議につきましては、すでに二日間にわたって審議が続けられ、多くの方々から専門的に突っ込んだ形における質疑が続けられておるわけでありまして、いまさら私が原則に返って質問するのも何かそぐわないような気もいたしますが、大臣がこの問題についてどう考えるかということについてこの際ひとつ明らかにしていただきたいと思うわけであります。 大臣は経済界に身を置いておられて、いわゆる証券取引ないし商品取引等については相当深い知識を持っておられると私どもは判断するわけであります。そういうような判断に基づいて、この法案を提案せられるに当たって、提案理由の説明さらにそれに対する補足説明等、幾つかの問題を提起せられて本法案の審議を求めておられるわけであります。今日の経済情勢、いわゆる変動きわまりない世界的な経済情勢の中で、わが国経済も一年一年、いや半年と言ってもいいような短期間におけるところの一つの経済情勢の変化の中に激しく揺れ動いておる、こう言っていいと思うのであります。そういうような状況の中でだれが得をし、だれが損をするかということを私ども考えてみると、常に損をするのは一般国民大衆であり、常にその中で一定の利益を得、あるいはまた損失を防ぎながら伸びつつあるのは、組織と財力とを持ちつつある巨大なる力を持つ企業であり人たちであると言っていいと思うのであります。こういう中でいま提起されているこの問題は、最も弱い立場に立つ一般国民大衆の利益を商品取引所という場において行われる行為の中でどうやって守り、健全なる運営をさせていくかというところにこの目的があるように私は考えるわけでありますが、大臣は本法案を提案するに当たってのそれらの経過並びに考え方について、この提案説明に書かれ切れない、書き得ない真意等について具体的にひとつお考えを明らかにしていただきたいと思うのであります。
○河本国務大臣 御案内のように、今回の法改正についての基本的な方針につきましては、提案理由の説明の際にいろいろ申し上げたわけでございますが、要するに、取引所の機能でございます商品の公正な価格の形成、それから価格変動に対するヘッジング、これが順調に行われる、こういうことのためには、昭和四十二年の本委員会のいろいろな附帯決議、さらにまた産構審の答申、いろいろ書かれておるわけでございますが、その趣旨をできるだけ改正に盛り込みまして、そして健全な取引所の運営ができるように、同時にあわせて大衆投資家の保護も十分やっていきたい、こういう趣旨から今回の改正をお願いしておるわけでございます。
○佐野(進)委員 今日の経済情勢の中で、いわゆる商品取引所を通じてその機能を発揮させ、いわゆる商品のヘッジ等を初めとする一連の役割りを果たしたい、こういうようなことはその内容について明らかにされておるわけですが、それを今日の経済情勢の中で、大臣は先ほどいわゆる産構審の答申を経た中でこの問題についての役割りを果たそうとしておる、こう言われましたけれども、産構審答申では盛られておる事項等について幾つかの事項をここの中に盛られていないわけであります。盛られていないだけでなく、前回来の審議の中で、この程度のものでは非常に不足ではないか、こういうような意見が多く出されておるわけでありますが、それらの点についてはどのように今後その不足しておる事項等について対処していかれるお考えであるか、この際原則的な問題としてお聞きをしておきたいと思います。
○河本国務大臣 確かに御指摘のように産構審の答申に盛られておる内容で大きく分類いたしまして五つばかり今度の法案に盛っておりませんが、今後機会を見ましてできるだけ実現を図っていきたい、こういうふうに考えております。
○佐野(進)委員 そこで、その五つの問題があるわけでありますが、これを一つ一つやっておると時間がございませんので、いまなされた大臣の答弁でそれをできるだけ早く具体化すということでございますから、それでひとつ次に進みたいと思います。 そういたしますと、今日の情勢の中で大臣が提案理由を説明されておる中で、商品取引所制度の正常な機能を阻害している問題点といたしまして、商品取引員の営業姿勢や財務内容に必ずしも十分でないところがある、あるいはまた過当投機等により取引所価格が乱高下し、公正価格の形成に支障を来す場合も生じている、こういうようなことを説明されておられるわけでありますが、こういう問題について、この法案の審議を通ずる中において、特に関連の深い委託業者の紛議であるとか、あるいは委託者の資産の不当流用、あるいは商品取引員の倒産等、そういう問題について触れられてきたわけでありますが、こういう問題が当面する大きな課題であることを私どもも理解するわけでありますけれども、この制度の改正によってこれらの諸問題が解決でき得るという確信をお持ちになられますか。私はこの点については非常に疑問視して、まだこの程度ではなかなかいかないのではないか、こういうような気がするわけでありますが、この点について大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。
○河本国務大臣 商品取引が健全に運営されるためには、やはり何と申しましても取引員自身がしっかりしておらなければいかぬと思います。そういう意味でこの資格検査等を四年ごとに行いまして、これまでの営業姿勢はどうであったか、資産内容はどうか、こういう点を十分チェックいたしまして、そして許可を更新するかどうかを決める。とにかく取引員自身が内容的にもしっかりする、かつ営業方針においてもしっかりしておる、こういうことが大事であるという意味におきまして、法改正にひとつ織り込んでおるわけでございます。 さらにまた、過当投機が過去何回か起こっておりますが、そういう場合にはどうすべきか、あるいは大衆投資家の保護をどうするかとか、あるいはまた外務員の素質が非常に悪い、このためにトラブルが絶えない、一体これはどうしたらいいかといったような幾多の問題等につきまして、できるだけのことは織り込んでおりますので、私は完全無欠とは言いませんけれども、現時点におきましては考えられる最善の策である、こういう考え方のもとに提案をいたしまして御審議をお願いしておるわけでございます。
○佐野(進)委員 審議官の、いまと同じ答弁をひとつ求めます。
○天谷政府委員 商品取引には種々の問題が山積をいたしておりますので、今回の改正をもってすべてを解決するということは困難でございますけれども、現状を相当程度改善するということはわれわれは可能であるというふうに信じておる次第でございます。 中身といたしましては、いま大臣が答弁されましたように、商品取引員につきましては許可の更新制度等によりましてその資質を向上せしめる、それから外務員につきましてはその責任を明確にいたしまして、紛議等の防止を図る、それからまた価格の乱高下等につきましては、市場管理策を強化いたしまして事態を改善したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○佐野(進)委員 私は、この法律案の改正の趣旨等をつぶさに見てまいりますと、結果的にその内容において取引員に対する態度あるいは外務員に対する態度等々いろいろございますけれども、今度の問題の処理の中で一番大きな改正点の目玉とも言うべきものは、そういうようなことだけでなく、いままでは上場の商品についてはいわゆる法定商品と政令で決める商品があった、今回の場合には、その商品については政令で決めることができる、法定を廃止した、こういうところに一つの問題点があろうと思うのでありますが、この上場商品につきまして今回定義の改正をしたその必要性、いわゆる法定で決めていたものを政令で決める、そういうような形の中に、いろいろな意見がありますけれども、そうしたその経過といいますか、そういう形の中でどのようなメリットを得られるとお考えになっておられるか、この際ひとつ聞いておきたいと思うのであります。
○天谷政府委員 商品取引は、経済の実態がそういう商品取引を必要とするかどうかということによりまして決められるべき筋合いのものであるかと存じます。先ほども申し上げましたように、人絹糸あるいは綿花、綿布等は経済の実態がもはやこのような取引を必要としないようになりましたので、法律には書いてございますけれども、実際には取引が行われないというような状況になっておる次第でございます。ところが、それが法律で指定されてございますと、機動的にそういう実態に法律を合わせるということが困難になりまして、その間にギャップができるというようなことがあろうかと存ずる次第でございます。したがいまして、法律でもってどういう商品を上場するかということの大枠を決めていただきまして、現実の上場なり廃止なりは政令で機動的に行えるというようにしていただきました方が、実態と法制との間のギャップを軽減することができるというメリットがあるのではなかろうかと考えておる次第でございます。
○佐野(進)委員 そうしたら、その法律で現在決められているもので上場が廃止されたもの、休止されているもの、そういうものは削除して、現にいまも政令があって指定することができる、そういう政令によって決めることができるという現在の制度を活用すれば事足りるんじゃないですか。あえてその法律を改正することによってその品目を全く削って政令に全部一任した、こういう意味は、いわゆる法定、国会の中で議決した品目よりも政令において政府の権限の中でこれを処理する方がしやすいという、その判断の基準について私はどうなのかということをさっき聞いておるわけです。
○天谷政府委員 上場品目の追加につきましては、先生御指摘のとおりであろうかと存じます。それから、上場品目の廃止につきましては、先ほど申し上げました三品目につきましては、今回の法律改正において法律で削除するということでも同様の効果が生ずるかと存じますが、将来また、何と申しますか、実際に取引されなくなってしまったような商品の上場廃止につきましては、法律でやるというのもなかなか大げさで、時間がかかりますので、むしろ機動的に政令ベースで廃止できるというふうにしておいた方が実態に即しておるのではなかろうかというふうに考えた次第でございます。
○佐野(進)委員 審議官、私の聞いているのは、現状に合わなくなったものを法律で規定した上場品目としてやるならば、それはそれでも復活する可能性もあるわけですね。そのときはもう要らないけれども、後で客観的な情勢、主体的な条件の変化で復活する場合もあるわけです。そうした場合、削ってしまってもいいし、しまわなくてもいいというものを、あえてこれを法律から削除して政令事項に全部してしまったということは、国会に対する報告あるいはその処置をする場合において通産省の権限の強化ということで、一般的な国民の利益にはそぐわない行為をされたとしても、そのことに対して何ら制約を受けなくなる。そういう歯どめを一体どういう形の中で考えておるというか措置されておるのか。いや、そんなことは考えないで、ただ便宜的にそうすればいいのか。そのことをこの法律を改正する一つの中心的な問題として私はどうなのかということを聞いておるわけです。その辺について大臣の答弁を求めたいと思うわけでありますが、それでは、これだけやっておりますと時間がなくなりますので進みますが、それに関連して、現在上場商品として検討しておるものはどのようなものがあるのか、そして法律でいま規定している中ですでに廃止というか休止しておるものもあるので、上場を廃止する商品とはどのようなものがあるのか、この際これは審議官に聞いておきたいと思います。
○天谷政府委員 通産関係と農林関係がございますが、私は通産関係について申し上げます。 現在、上場につきまして若干の動きがある品物としましては、銅地金及びウールトップがございます。銅地金につきましては、ロンドンメタル取引所におきまして国際的な商品取引が行われておるわけでございますけれども、日本の中小業者等はロンドンに一々ヘッジするということは非常に技術的にもむずかしい点がありますので、日本国内におきましてそういうヘッジの機関ができれば便利であるというふうな考えを持っているというふうに聞いております。しかし、まだこの問題はそれほど具体的になっておるわけではございませんので、日本に銅地金の取引所をつくった場合にどういう問題が生じるであろうかというようなことを慎重に検討した上でなければ、上場すべきかどうかというふうなことは、まだ判断できないというふうに思うわけでございます。 それから、ウールトップでございますが、現在、豪州におきまして、脂づき羊毛の取引所が開設されておるわけでございますが、ウールトップの方が、そういう国際的な商品市場の関連ということから考えますならば、毛糸よりも適切ではないかというような考えもありまして、その上場が従来から検討されておったわけでございます。この場合に、ウールトップを上場する場合に、毛糸との関係ということがいろいろむずかしい問題があろうかと存じますので、毛糸の上場をどうするかということとの関連におきまして、ウールトップの上場につきましては、なお検討をいたしたいというふうに考えております。
○森(整)政府委員 農林関係につきましては、ただいまのところ廃止するものは考えておりません。 新たに追加するものとしましては、一応取引所側で検討されておりますのは、合板と液卵でございます。 液卵につきましては、われわれも業界の意見をいろいろ聞いておりますが、まだいろいろ問題があるようでございます。 それから、合板につきましては、関西と関東で動きが違います。関西の方で関西合板研究会というものを設けまして、合板先物取引の取引要領というのをまとめまして、いろいろ検討されているようでございます。関東におきましては、商社の系列化が進んでおりまして、主として建て値制が行われておるようでありまして、取引所の上場については消極的でございます。 するめは、すでにイカがとれなくなったことと、それから北海道の漁連の共販体制が進みまして、その必要性が認められないということで、事実、上場は行われておりません。そういう関係で、政令の整理をする必要がございます。
○河本国務大臣 最近の経済事情は、非常にテンポが早く動いておりますので、その非常に早く動いております経済事情に即応するために今回のような措置をとったわけでございますが、しかし、いずれにいたしましても、いま審議官が申し述べましたように、新規の上場商品等につきましては、あらゆる角度から慎重に検討いたしまして決定をしたい、こういうふうに考えております。
○佐野(進)委員 大臣、ちょっと中座されるようですから、大臣に対する質問は、いわゆる法定品目、それが今度は政令品目になるわけです。法定品目と政令品目では、品目が決定される場合は同じであっても、いわゆる法定というものの持つ意味が非常に違うのではないか。したがって、それが今度は政令になった場合、国民的な立場からするならば、この持つ内容によって、いろいろ何か政府権限だけが大きくなって国会権限が縮小されるのではないかというような形の中で、デメリットがあらわれるのじゃないかということに対する歯どめがもしあるならば、どういう形の中で処置していくのかという、政治的な質問をしたわけです。 審議官に対しては、廃止する、上場を予定する、政令で指定するものと廃止するもの、どういうのがあるか、廃止する方も含めて質問しているわけですから、もう一度ひとつ答弁してください。
○天谷政府委員 通産関係で廃止するものにつきましては、人絹糸と綿花と綿布でございます。
○河本国務大臣 上場商品を政令によって決めるということにいたしましても、私は別にデメリットは起こらない、こういうふうに思います。
○佐野(進)委員 そのように処置するということで理解をいたします。 そこで、次の質問に移りたいと思いますが、次は商品取引所のあり方について質問をしてみたいと思います。 いわゆる産構審の答申の中でも、この商品取引所の項についてはいろいろ触れておるわけでありまするが、特にこの問題につきましては統合問題が一つの大きな問題になっておるわけであります。この統合問題につきましては、それぞれすでに質問もありましたし、答弁も行われておるわけでありまするが、各取引所を複数商品市場とすることに対してどのように考えておられるかということをまず聞いておきたいと思うのであります。当初案では合併手続を整備するというような予定ではなかったのか。それがこのような形に現在のような状況の中でなってきている経過を含めてひとつ説明をしてもらいたいと思うのです。
○天谷政府委員 商品取引所の地域的な統合を行いますと、複数商品を扱う取引所ができるということになり、財務基盤の強化という点から見れば好ましいことであるというふうに考えておりますけれども、他方、現在の商品取引所法の基本原則になっております当業者主義というところから見ますと、若干問題が生じてくるというふうなことが考えられるわけでございます。
○佐野(進)委員 それですから、統合ということについて、今回それについては合併手続等による整備等々のことが考えられておったと私は聞いておるわけですが、それが今回見送られ、統合という形の中においての処置というものがとられていない、その経過について話をしてもらいたい。考え方じゃなくて、それがどういう形の中でそうなったのかということであります。
○天谷政府委員 合併による統合強化につきましては、方針としましてはだれも異論がない問題でございますが、立法化を進める過程におきまして、それでは現実具体的に合併統合のプランがあるのか、それの内容はどうなっておるのかというようなことが問題になりまして、その辺をチェックしてみますと、実際には、総論はいいわけですが、各論としては、現実具体的な合併のプランというものは、現段階では残念ながらまだないというのが実情でございます。 そういうわけで、現行法におきましても、それでは統合合併が不可能であるかといいますと、現行法でも統合合併は、技術的に若干複雑ではございますけれども、やってやれないことはないわけでありますし、現実具体的に合併のプランはないということであれば、その総論だけでもって早急に改正をするという緊急性が乏しいではないかというような問題もございまして、今回は改正案には盛り込まなかった。しかし、合併統合は必要であるという認識はいたしておりますので、取引所等を指導いたしまして合併統合が推進されるようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○佐野(進)委員 そこで、次の問題に進みます。 この商品取引所に関係する問題ですが、今回三十六条第一項に商品取引所の脱退会員に対する持ち分払い戻しの制限、こういう形の中で一部組合員が脱退した場合において払い戻しを制限することができるようにするわけでございますが、そうすると、このような措置がこの法律以外他の法律の中で適用されておる、あるいはこういうような法律があるという具体的な例がございますか。
○天谷政府委員 他の立法例といたしましては、中小企業協同組合法の二十条一項、それから農業協同組合法の二十三条一項等におきまして、定款の定めるところにより持ち分の払い戻し制限ができるというふうに規定しておる例がございます。
○佐野(進)委員 これは会員の既得権を侵害するというような形の中でもし争いが提起された場合、法律的に疑義はございませんか。中小企業団体という特別のものじゃないわけでありますから、その点は疑義は発生する条件があると思われるのですが、ございませんかどうか、この点明らかにしてもらいたい。
○天谷政府委員 具体的な制限は定款によって定めるということになっておりますので、法律上の疑義は生じないというふうに考えております。
○佐野(進)委員 将来事件が発生しないということであればいいわけでありますが、この種問題についてはとかく発生する可能性がありますので、ひとつ注意を促しておきたい。そのようなことがない状態にすることにしてもらいたいと思うわけであります。 次に、商品取引員の問題について質問してみたいと思います。商品取引員の問題については、先ほど来質問の中で明らかにされておりますとおり、すべて悪の根源であるがごとき印象を一般的に流布されておりますし、特に外務員等の教育あるいは指導等々との関連の中で、一定の社会的な被害なり批判が起きた場合、商品取引員の行為に結びつけられた形の中で論評なり批判が加えられておるわけでありますが、この商品取引員に対する現状の認識について通産、農林当局としてはどのようなお考えを持っておられるか、この際明らかにしていただきたいと思います。
○天谷政府委員 商品取引所制度の運営のためには適切な外部資金の導入が必要不可欠でございますけれども、商品取引員は一般大衆からの受託という形を通しまして外部資金の導入を図ってきたものであり、商品取引員がなくては取引所は成立しない。そういうふうに商品取引所制度の中における中心的な役割りを果たしてきたと存じます。しかし、取引員の中には、自社の利益追求に熱心な余り大衆への働きかけが過度になり、その結果、時として商品市場の過当投機を招いたり委託者との間に紛議を多発せしめて、取引所制度の正常な機能発揮を阻害するという事実があったことも確かでございますので、今後こういう弊害につきまして是正のための努力を重ねていきたいと思う次第でございます。
○森(整)政府委員 天谷審議官のお答えのとおりだと思いますが、やはり商品取引員の財務と営業姿勢、要するに信用だと思うのです。 〔塩川委員長代理退席、武藤(嘉)委員長代理着席〕 この問題につきまして、われわれもなお一層の努力をしなければならないでしょうし、商品取引員自身が、いやしくも商品取引に対する世間の批判を招くというようなことのないように徹する、やはりこれは商品取引員が一つのかなめでございます。取引所を中心として健全な運営を図るべきだとわれわれは考えておるわけでございます。
○佐野(進)委員 そこで、そういういまお二人が答弁されたような考え方、役割りは評価するけれども、若干心配だ、こういうニュアンスにおけるところの答弁があったわけでありまするが、届け出が許可になり、許可をさらに更新する、こういうような形の中で四年制にした理由ですね。四年というのは、一体いかなる目安によって四年というものを決めたのか。これは一年であっても二年であっても三年であってもいいんじゃないかという気がするわけですが、四年という一つの時期を決めたその根本的な理由をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○天谷政府委員 許可の更新に際しましては、財務内容それから営業姿勢等をチェックすることになっておるわけでございますが、そういう営業姿勢、財務内容等は言うまでもなくその社の経営方針によるものでございます。経営方針を評価するに際しましては、役員の任期が商法上二年であるということを注意すべきではなかろうか。したがいまして、その二年の倍数二期くらい、四年くらいが一つの基準の期間になるのではなかろうかというのが第一点でございます。 それから第二点といたしまして、更新の期間が余り短期になりますと、商品取引員は委託者との継続関係の上に成り立っておるものでございますが、余り細切れになりますと信用を失う、委託者との間の信任関係が薄れてしまうという問題があろうかと存じます。 それから第三番目に、取引員は許可にかかわる営業につきまして相当程度の投資をしておるわけでございますが、投資の回収に一定の期間を要するということも考える必要があろうかと存じます。 それから第四点としましては、前回の許可制移行後四年たっておるというのも、余り重要ではございませんが一つのメルクマールであります。 その次に、他の法律による許可等の期間、これはいろいろばらつきはございますが、そういうものも参酌いたしまして四年とした次第でございます。
○森(整)政府委員 同様でございます。
○佐野(進)委員 そうすると、問題は、紛議が発生する、あるいは倒産が起きる、こういうことがいわゆる更新制へ切りかえていった大きな理由だと思うんですね。それでなければ更新という言葉の持つ意味がないと思うのでありますけれども、そういうことがこの更新をする形の中で、たとえば取引員の倒産を防ぐとか、あるいは取引員あるいは外務員と一般のお客との関係の中における、相互間における紛議を防ぐとかいう具体的なメリットがどのような形の中で予測されますか。これは予測する以外にないわけでありますから、大して意味がないんじゃないかという意見等もありますので、この点についてひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。
○天谷政府委員 先ほども申し上げましたように、許可更新に当たりましては財務内容と営業姿勢の両面をチェックすることになるわけでございますが、特に営業姿勢のチェックということが重要であろうかと存じます。不当な取引をしたりあるいは外務員等の姿勢がおかしなものにつきましては、不断にそれに対しましてにらみをきかすことができるということになりますので、営業姿勢を正させ紛議等を少なくする上に常時にらみがきくと申しますか、そういうことになるのではなかろうかと存ずる次第でございます。 また、財務内容のチェックは従来とも常にやってきたことでございますが、許可制によりましてさらにそのチェックを強化したいと存ずる次第でございます。
○佐野(進)委員 そのようにして更新制をとることによって、社会的問題が発生するようなことに対して大きな歯どめができる、こういうことでありますが、そういうように歯どめをするとともに、この法律の改正によりましては、四十七条の二の第一項から第九十条に至るまで取引員に対するいろいろな制限と申しましょうか、条件と申しましょうか、そういうものを課しておるわけでありますが、この種問題、いわゆる条件を課した形の中において処置をしようとする、そのことの考え方の根本的な条件は一体どういうことなのか。たとえば商品取引員の兼業及び他の法人支配の現状がこのような条件を生み出す大きな要因であったのか、あるいはそういうような条件を生み出すために幾多の弊害があったと思うのでありますが、その弊害が結果的に今回のような届け出、勧告の規定を設けるような条件になったのかどうか。時間がございませんので、原則的な面だけで結構ですからお答えをいただきたいと思います。
○森(整)政府委員 許可制に移行する際に資産内容が非常に強く見られるということから過当勧誘等の弊害を非常に呼んで、その営業姿勢が非常に云々されて社会的な指弾を受けるという事態が確かにあったことは、私ども率直に認めざるを得ないと思います。しかし、その後の許可制につきまして、逆にそういう営業姿勢そのものが非常に問題になりまして、むしろ営業姿勢に非常に重点を、置いた。そのほかに社会的な信用、たとえば脱税というような問題も相当加重的にチェック材料に入れてまいりました。そういう経過を経ました今日、今後更新制をとるに当たりましては、過去の事例はわれわれも大いに参考といたしますし、恐らく商品取引員自身も相当慎重にならざるを得ないとわれわれは判断をいたしておるわけでございます。
○佐野(進)委員 答弁がちょっとすれ違いになったようであります。私は具体的な例としてどういうものがあったかということを一、二聞かせてもらえればいいと思ったのでありますが、それはそれといたしまして、次へ進んでみたいと思います。 いまのような形で結果的に第四十七条以降、それぞれ取引員に対する一定の問題について規定をいたしておるわけでありますが、この規定によりますと、商品取引員がグループ化あるいは系列化することによって向かい玉であるとか自己玉の規制が無意味になっているというようなこと、あるいは今回の改正における支配関係の届け出制はこの対策としては不十分ではないかということの議論等もあるわけであります。さらに、こういう場合、この内容につきましては特殊な専門家でなければ理解でき得ないほどむずかしい内容がいろいろ含まれておるわけでございますので、そういうような場合、主務大臣はどのような形の中でこれに対処していくのか。今回の改正によって支配関係の届け出制はこれらの対策では不十分だという意味において私はこのような質問をしてみたいと思うのであります。また、勧告ということが第五十条の二に出ておるわけでありますし、さらにまた主務大臣の売買取引の制限の強化ということが第九十条に出ておるわけでございますけれども、勧告ないし主務大臣の権限の強化と関連いたしまして、勧告をするという場合、その基準は一体どういうところに置いておくのか、あるいはまた、もし勧告に従わなかった場合その罰則というものは一体どうなのか、これがあるのかないのかという点を含めてこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
○森(整)政府委員 御指摘のように、今回の支配関係についての届け出、兼業もそうでございますが、片方の被支配法人の財務の悪化が商品取引員の財務を悪化させる、相互に関連があるわけでございます。あるいは逆に支配関係を利用して市場支配あるいは例の自己玉、向かい玉、それは一応名目的には他人のものになる、そういうようなおそれがあるわけでございまして、取引員の受託業務の健全な遂行を図るために、その支配関係が問題になる場合には勧告できることにしたわけでございますが、この規定を適切に運用することによりまして随時われわれも監督、指導を行い、御質問のような対策としては、常時監視することで変な事態が起こるということにはならないようにしたいと考えておるわけでございます。 それから、御質問のように、どういう場合に勧告をするかということになりますと、これは非常にむずかしい問題でございますけれども、従来の経験がございます。不動産に手を出して、かえって商品取引員が倒産をするというようなことが間々見られました。われわれそういう事例を参考にいたしまして、本来の商品取引員としての受託業務の健全な遂行に支障が生ずると認めるときには当然勧告ができると考えております。その基準といたしましては、ある取引員とその支配関係のある他の取引員と双方を合わせて自己玉、委託玉の合計が非常に多くなってくるというようなことは当然その一つの基準にいたしたい。自己玉は制限しておりますけれども、脱法的にそういうものを使ってやるという場合に、その合計数が非常に過大になるというような場合は当然われわれは発動の基準にいたしたいと考えておるわけでございます。 それから、最後に御指摘になりましたように、勧告に従わなかった場合にはどうなるのかということでございますけれども、先ほど来御質問のように四年ごとの更新でございますから、天谷審議官からお答えがございましたように、私ども相当にらみはきかせられるのではないかということでございますし、勧告に従わないような場合には、許可の更新の際にわれわれとしても当然その事情を考慮せざるを得ないというふうに運用してまいりたいと思います。
○佐野(進)委員 取引員の問題についてはその他聞きたいことがたくさんあるわけでありますが、時間が迫ってまいりましたので、外務員のあり方について質問をしてみたいと思います。 外務員の問題につきましては、第九十一条からそれぞれ規定をされておるわけでありますが、今日社会的な問題、いわゆる大衆のお客に対する被害その他が発生した場合すぐ外務員の行為に結びつけて社会的な批判を受ける、こういうような形になっておりますし、結果的にそれが取引所の信用あるいは取引員の信用に大きく傷をつけると申しましょうか、悪い影響を与えておるわけでございますので、外務員の問題につきましてはたびたび指摘がされておるわけでありますが、この外務員の制度に対して両省はどのような認識を持っておられるか、この際明らかにしていただきたいと思います。
○天谷政府委員 外務員の制度全般につきましては、取引所がある程度の外部資金を導入しなければならないとすれば、その外部資金を導入するための機関として外務員の存在は認めるべきであるというふうに存じております。ただ、この外務員が従来紛議を多発せしめる有力な原因となったことは事実でございますので、こういう紛議が起きることの原因等を追求し、これを矯正していくということがきわめて重要であるというふうに考えております。
○森(整)政府委員 天谷審議官の言われたとおり、外務員の問題がうまくいけば、紛議の問題も発生しないし、よく商品市場を適正化できるというふうに考えておることは間違いございません。ことにみなし代理権を認めたということは、いままでややもしますと外務員の整理をする、あるいは外務員を切ってしまうというようなことで責任逃れをするというようなことがございましたが、むしろそれは商品取引員の責任である、それから商品取引員自身が外務員のいろいろな給与条件等につきましてもっと積極的に自分の問題として考えるようにすることによりまして、外務員の資質の向上等によりまして——少し口はばったいかもしれませんけれども、証券市場がやはりいろいろ定着をしてきました過程、そこまで商品は行っておりません。ですから、そういうものへわれわれは持っていきたいものだという願望を持っているわけでございます。
○佐野(進)委員 私の質問が十分答弁する方に伝わっていないのかもわかりませんけれども、いわゆる外務員のあり方という問題は、この法律を運用する際、社会的な批判、いわゆる委託者を保護する、こういう形の中において最も大きなポイントの一つになっているわけです。しかも、それは外務員といえども全部が悪い人ばかりではないわけで、正当にまじめに仕事をやっている多くの人たちがあることは事実だと思うのです。ただ、一部誤った考え方、一部誤った指導をする取引員、それがいるかいないかはわかりませんが、そういうような形の中で問題が発生していくわけです。その発生している根源をどうやって取り除くかということが、法律を改正したり指導したりする場合の根本的なあり方でなければならぬと思うのです。この法律改正の中においては、こういう問題に対する規制がどういうように変わっていくのかという点についてのその内容については、私はきわめて不十分なような気がするわけであります。 さらにまた、外務員に受託の権限を与えるということが、紛議をなくするという今回の法律改正の趣旨から見るならば、むしろ紛議を助長するのではないか、トラブルが多くなっていくのではないか、こういうような疑念を持たざるを得ないわけでありますが、こういう点についてどういう歯どめをかけられるのか。 さらにまた、この紛議発生の条件の中で、先ほど申し上げました一部の外務員の誤った考え方に基づいてそれが起きるわけでありまして、これはあくまでも外務員の資質の向上、外務員に対する社会的な地位の確立あるいは安定的収入の確保等等一定の条件を図らなければなりませんし、同時に、そういう問題を発生した人に対する一罰百戒といいますか、一定の処罰といいますか、そういうものもやはり必要になってくるのではないか、罰だけでなくして、よくする面については積極的によくして安定させていくと同時に、やはり悪い行為をした人たちに対してはその行為にふさわしい処罰をする必要があるのではないかと私は考えるわけでありますが、そういう点についてはどのように処置されようとしておるのか、この際明らかにしていただきたい。
○天谷政府委員 先生御指摘のとおり、外務員制度のあり方が商品取引所制度がうまく運営されるか否かということにきわめて重大な関係を持っているというふうに信ずるものでございます。そこで、外務員制度のあり方を正すためには、各方面からのアプローチが必要であるというふうに存じます。法律の改正はそのうちの一部でございます。 まず、基本的には外務員の資質を向上させるということが必要であろうと存じますから、まず研修制度の拡充ということが重要である。研修制度は取引員による研修制度と全商連による研修制度と二つございますが、現状ではなお不十分であると存じますので、外部講師等も多数お招きいたしまして、その研修制度を充実強化することによりまして外務員の資質を向上させる、それから現在外務員の給料制度につきましては、完全歩合制というのは原則として禁止ということになっております。固定給と歩合との併用というのはかなりあるわけでございますが、これもできるだけ固定給をふやすというような方向を助長することによりまして、外務員の過当競争等を防止したいというふうに考えるわけでございます。それからまた、取引所の外務員に対する監督を強化いたしまして、何も知らない家庭の主婦等を誘うとかいうようなことがなくなるように厳しく取り締まっていきたいというふうに思います。取引所が外務員の登録制度を実施しているわけでございますから、そういう営業姿勢のよくない外務員につきましては、再登録をしないとか登録を削除するとかいうようなことで取り締まっていくということが必要であろうかと存じます。 なお、今回の法改正におきましては、みなし代理権の付与ということを行ったわけでございますが、それを行おうとする理由は、これまで外務員は委託の勧誘ということを認められておりまして、受託業務はできないことになっておったわけでありますが、この委託の勧誘と受託ということの限界は非常にあいまいでございます。そのあいまいさのゆえに紛議がたくさん起こったという弊害が認められますので、この際、委託の勧誘というような不明確な概念ではなくて、代理権を付与するということにより外務員及び取引員の顧客に対する責任というものを明確化しよう、それによりまして取引員が責任をもって外務員を一層指導監督していくという体制が確立されるように誘導したい、こういうねらいを持っておったわけでございます。
○佐野(進)委員 私は、時間がなくなりましたから、最後に幾つかの点について一括質問してみたいと思うわけでありますが、いまいろいろお話がありましたけれども、この答弁の中に盛られておることは、結果的に取引員あるいは取引所あるいは外務員、ともに今日の情勢の中でその機能を十分発揮しながらその法律に定められた役割りを果たしていくために必要な措置として今回の法律改正が行われているのだ、こういうぐあいに言われておるわけでありますが、その一つの大きな対象としては、一般大衆がこの種きわめてむずかしい専門的な取引に参加することによって不測の損害を起こす、こういうことがやはり社会的な批判を受ける大きな条件になり、そのことが本来持つこの取引所の機能、取引員あるいは外務員の果たすべき機能、役割り、こういうものをゆがめた形の中で社会に映しているという形の中において非常に大きな問題があろうと思うのであります。したがって、大衆を参加させる場合、一定の条件の中でこの段階に到達しておる人でなければいわゆる新規委託をすべきではないとかどうとかいう倫理規定にならざるを得ないと思うのでありますけれども、指導方針の中で、その種方針を定める中でこの種紛議を発生させない、こういうような措置が必要ではないかと考えるわけでございますが、この点についてひとつお答えをいただきたいと思います。 さらに、受託業務保証金制度の問題につきましては、新しい制度としてこれが発足するわけでありますけれども、この制度の持つ意味はそれなりに理解でき得ますけれども、しかし理解するということだけでなく、この運用には慎重な配慮とそして当局の積極的な指導というものがなければ、この制度そのものが非常に大きな将来への禍根を残す種になる、そういう懸念等もあるわけでございますので、この点についての考え方を明らかにしていただきたいと思います。 さらに、大臣には、いままでの質問を通じて、私が質問しました趣旨についておわかりであろうと思いますので、最後に、私の質問してきました改正案に対する全体的な情勢の中で積極的に対処するという意味におけるところの見解の表明をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○天谷政府委員 先生の御指摘になりました第一点につきましては、そういう御趣旨を体しまして、現在全商連がやっておりますところの禁止事項等の徹底を図っていきたい、こういうふうに考えております。 第二点につきましては、指定弁済機関の問題であるかと存じますが、その弁済等がいたずらに遅延することがないよう、十分な監督をしていきたいと考えるものでございます。
○河本国務大臣 商品取引所の健全なる運営を図るのにはどうすればよいかということについて問題点を御指摘になりました。 御指摘になりました御趣旨をよく体しまして、今後運営をしていきたいと思います。
○武藤(嘉)委員長代理 野間友一君。
○野間委員 今度の改正の一つの大きな柱として委託者保護、こうあるようですが、そしてそれは主として一般大衆の委託者を念頭に置いたものであろうと思いますが、この一般大衆の商品取引への参加の問題について、これはいつごろから起こったものであるのか、その原因は一体どこにあるのか、この点について、まず、大臣がもう退席されるようですから、認識をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○河本国務大臣 取引所の問題に関連をいたしまして、大衆参加という一つの大きな問題がございます。当業者と大衆とのシェアがどの程度であれば健全なる価格形成ができるか、ヘッジができるか、こういう問題であるとか、大衆が参加するについてはこの保護をどうするか、こういういろいろな問題があろうと思いますが、この大衆がいつごろから参加するようになったか、どういう形の参加か、こういうふうな問題につきましては政府委員の方から答弁をさせます。
○天谷政府委員 大衆の参加は、これは昔からあったと思います。昔というのはいつかというと、それは徳川時代からあったことであるというふうに存じますが、特に目立って大衆の参加がふえ出しましたのは、昭和三十年代になってからであるというふうに考えます。 この大衆の参加が目立ってふえ出しましたことの一つの原因としては、昭和二十七年の取引所法の改正によりまして外務員制度を認めたということがある程度の関係を持っておるというふうに考えております。
○野間委員 おっしゃるように、三十年代から四十年にかけて一般大衆の商品取引への参加を図るため、商品取引員、当時は仲買人というふうに呼ばれておりましたけれども、これはむちゃくちゃな勧誘をやった。そこで、統計等を見ましても、取引高がこのころ急速に伸びておるというふうに出ております。そして、委託者と仲買人の間で紛議が多発する。そこで、四十二年のあの改正のときには、委託者保護を目的とした改正をされたわけですね。しかも、四十二年から八年たった今日も同じような目的を持った改正案を出さざるを得ないということになっておると思うのですね。 この最も大きな原因は何かということを調べてみますと、取引員の姿勢とかあるいは営業姿勢、これについては基本的には四十二年のときも今日も変わらないと思いますが、このことは、考えてみますと、四十二年のときに、委託者を保護すると言い条、その中身である委託者債権の保護とかあるいは一般大衆の取引参加、これについて明確に一つの線を引くというか、そういうきっちりしたものがなくて、基本的なそういう点にメスを入れることができなかった、さらに取引員の営業姿勢あるいは財務内容の向上を言いながら、流用制限問題についても事実上放置してきたということに起因しておると私は考えるわけです。 そこで、具体的な点に触れながら今度の改正案がどの程度のものであるか、これを見ていきたいと思うのです。 この法律の目的とする商品の価格形成の公正化と流通の円滑化、こういう点から一般大衆の取引参加問題についてまずお聞きをするわけですが、四十六年の二月の衆議院の予算委員会において問題になりました。当時の宮澤通産大臣は、当時の会議録を見ますと、こういうふうに言っておるわけですね。「本来商品取引所というものは正常な機能を持っておったと思いますが、大衆を巻き込みましたことによって、もう本来の目的を離れて非常な社会的な悪を生みつつあることは明らかでございます。」つまり、正常な機能を持っておったけれども大衆を巻き込んだことによって本来の機能を離れた、こう言っております。さらに、同じような趣旨ですけれども、「この制度は、本来商品の取引価格の安定をもって発足したわけでございますけれども、はからずも大衆を巻き込みまして、ただいま御指摘のようなたくさんの不幸なできごと、社会悪を生んだ」「本来の目的と違ったところでそういう結果を生じたわけでございますから、今後この商品取引のあり方を検討するときに、そういう事実起こったこと、事実をやはりもとに考えなければいけないのではないだろうか。そういたしますと、まずこれは当事者だけのこと、専門家だけの取引であって、大衆は巻き込まない、」こういうふうにしなければならぬということを当時の通産大臣が言っておるわけですね。この事実については御存じのはずなんですね。 ところで、本改正案においては、その大衆の取引参加問題に対する基本的な考え方がいまの宮澤通産大臣の答弁とは異なっておると私は思うのです。私は異なっておると思いますけれども、どういう認識を持っておられるのか。異なっていないというふうに言われるのか、その点いかがですか。
○天谷政府委員 大衆の参加の程度によるわけでございますが、ともかく過度に一般大衆、内容をよく知らない一般大衆が参加するということはきわめて好ましくないことであるということにつきましては、宮澤通産大臣の御意見と全く同じでございます。
○野間委員 ちょっと、私正確にこれを読んだのですがね。「まずこれは当事者だけのこと、専門家だけの取引であって、大衆は巻き込まない」とはっきり言っておるのですよ。大衆の参加の度合いでなくて、これは当業者との関係はあると思いますが、そうはっきり言われておるわけですね。今度の改正案は、宮澤さんが言われたこの当時の方針、これと全く同じような方針をもって臨んだのかどうか、もう一遍その答弁を願いたいと思います。
○天谷政府委員 一般大衆の定義の問題になろうかと存じますが、一般大衆の中に大ざっぱに言って二通りあろうかと存じます。一つは、家庭の主婦のように商品取引に関する専門的知識も不十分であり、かつ資力も不十分である、こういうカテゴリーでございます。それからもう一つのグループといたしましては、俗に吉野ダラーとか、なにわダラーとかいうことがいわれますが、相当の資金を持ち、かつ専門的な知識も持っておる、ただし当業者ではない、こういう意味の大衆でございます。 第二の意味の大衆、すなわち当業者でないが取引内容についてはしっかりした知識を持っておるという人たちが、リスクを承知しながら、しかしその取引に参加するということにつきましては、別にこれを禁止すべきあるいは制限すべき問題ではないというふうに考えます。他方、家庭の主婦のようなグループにつきましては、これが取引に参入するということは好ましくない問題であるというふうに考えるわけであります。
○野間委員 これは、また質問を進めていきますけれども、宮澤さんの言われている方針とは違うと思うのです。この産構審の答申にも同じような趣旨のことが書いてありますね。いま大衆を二つに分けて言われたのですけれども、たとえば十六ページのところで「大衆化市場であることまでも意味するものではない」。「定期市場への大衆参加については、一定の制限を加えるべきものと考える」。あなたのおっしゃるのはその大衆のうちの第一の部類に属するものについての制限ということがこの方針にあるのだと思いますが、この一般大衆の参加問題について考えてみますと、この法の目的から見てあるべきでないという考え方を、いま申し上げたように政府は少なくとも四十六年当時までは持っておったと私は思うのですね。 四十六年の十一月に出された商品取引所審議会の意見具申によりましても、「実質上の当業者主義が強く貫かれる体制に速かに戻ることが肝要である。」こう言っていますね。この場合の「実質上の当業者主義」これはつまり一般大衆の資金の導入を受けない、こういうことを意味するほかはないと思うのです。これはいまの宮澤さんの答弁から、あるいはいま申し上げた商品取引所審議会の意見具申、これなどを精査しますと、そういうようにとるのが素直な、真っ当なとり方だと私は思うのですね。 なるほどこの産構審の答申になりますと、商品取引所審議会の意見具申に比べて、当業者主義の原則の点から考えますとかなりぼやけておるということは言えようかと思います。しかし、いま指摘しましたように、「いわゆる大衆化市場であることまでも意味するものではない」。「定期市場への大衆参加については、一定の制限を加えるべきものと考える」。かなりぼやけておりますけれども、これまた明らかに制限をしなければならぬということを言っておるわけですね。 そこで、本改正案がこの答申の立場を貫いた、趣旨説明によりますとそういう趣旨のことが書かれております。しかし、とうていこの中身を見た場合に、この大衆参加の制限の問題、これについて貫いておるとは私は思われないわけです。 そこで、お聞きしたいのは、この改正案の中で、いま申し上げた宮澤通産大臣あるいはいまの審議会の意見具申あるいは答申、これらの中の大衆参加の問題について具体的にどのように盛り込んだのか、ひとつ明らかにしてほしいと思います。
○天谷政府委員 この改正案の中におきまして大衆参加に基づく混乱を防止することに関連する規定といたしましては、外務員に対しまして書面によって取引の内容を説明する義務を課しておるというところが一つ、それから外務員の責任範囲を明確化したということが一つ、この二点でございます。 それからなお、間接的に関連のある問題といたしましては、市場管理につきましての規定を強化したということでございます。 なお、一般大衆の参加の制限につきましては、この法律改正案ではいま申し上げた程度しかやっておりませんけれども、昭和四十七、八年ごろに取引所におきまして外務員の勧誘の禁止事項というものを決めまして、たとえば家庭の主婦に対する勧誘等は外務員は行ってはならないというふうに決めておるわけであります。あるいは新規に取引に入ってくる者につきましては、その建て玉の大きさを制限するというようなこと、あるいは資力等につきましてよくチェックした上で取引をさせるというようなことを外務員に指導をいたしております。あるいはまたテレビ、ダイレクトメールによる広告等につきまして、取引所で規程をつくりまして、そういうふうな一般大衆の目に触れるような広告というものは禁止し、あるいは中身を厳重に規制するというような自己規制の規程をつくりまして、大衆の参加が起こらないように自己規制を行っておるという次第でございます。
○野間委員 これは麗々しく言われますけれども、まさにあくまで自己規制ですよ。先ほど言われたそのほかには、外務員の勧誘のあり方とかあるいは書面による説明ということ、これは当然のことだと思うのです。これは後でまた時間があれば別途論ずるとして、問題なのは、宮澤さんの言う当事者、いわゆる当業者ですね。当業者主義の立場に立つか、それともこれをとらないかということが私は基本的な問題ではなかろうかと思うのです。そうでなければ、いま言われたように単に、これは全商連の内規のことだろうと思いますけれども、こういう業者あるいは取引所に何とかということでこれを任すだけの話で、結局立場そのものが当業者の立場に立つかどうかということが、やはり基本的な政府の施策としてどういう態度、どういう立場をとるか、どういう施策をとるのかということの私は分かれ目だと思うのです。その観点が違いますと、たとえば過当投機の対策とかあるいは委託者保護、基本的にはその対処の仕方が異なると私は思うのですね。 そこでお伺いしたいのは、いま当業者主義の立場をとるのか、とっておるのか、あるいはとらないのか、その点についてひとつ明らかにしてほしいと思います。
○天谷政府委員 商品取引所の組織につきましては当業者主義をとっておりますけれども、商品取引所に入ってくる資金の性格につきまして当業者の資金以外は入れるべきでないという御趣旨でございますならば、そういう当業者主義はとってはおりません。先週金曜日に大臣が答弁されましたように、ある程度の外部資金の導入は商品取引所か機能を発揮する上で必要であるというふうに考えております。
○野間委員 結局実質的には、当業者主義というのは、いま読み上げましたけれども、単に当業者というのはそういう取引員だけの問題ではなくて、どこから金を持ってくるかという点からとらえなければ当業者主義なんてあり得ないでしょう。そうでしょう。そのことを審議会の意見具申の中でも言っておるわけですよ。だから、その立場から、実質上の当業者主義という点からしますと、とってないというふうに私はいま理解したわけですけれども、そうだとすれば私はこれは大変なことだと思うのです。結局そうなりますと、金を集めるのに単に取引員あるいは外務員、これらが自粛をせいとか、あるいはその内規も私は知っております、十二項目ですか、取引所指示事項というのがあります。こういうものしかないわけですね。ところが、先ほど申し上げました四十六年の予算委員会の宮澤発言でもあるいは審議会の意見具申でも、それをやはりチェックしなければならぬ、制限しなければならぬ、それが実質的な意味での当業者主義なんだと、宮澤さんは当事者と、こう言っておられます。そうだと思うのですね。その点から考えましたら、いまの政府のとっておる立場、通産省のとっておる立場は、これには矛盾する。私がいま申し上げておるのは、この産構審の答申ですね、この線に即してやったのかどうか。やったということを説明の中でも書いてある。しかし、これは生かされてない、こういうことになると思うのですね。そういうような立場に立つ以上、私は、現状はあれこれいま言われた、書面による云々と言われた、あるいは不当な違法な勧誘、これを何とか内規によってチェックしていこうと、こう言われた。しかし、それでは私は改善されない、こう考える以外にないと思うのです。 たとえば内規、あるいは外務員にすべて取引所指示事項、これを何とか守らすのだと、こう言われますけれども、たとえば商品取引に無知な大衆の参加はよくない、こう言われます。これは産構審の中にも書いてあります。一体無知か無知でないか、区別をどうつけるのかということ、これは外務員なり取引員、特に外務員、これが自分の判断で決める以外ないと思うのですね。つまりは外務員ないしは取引員、これにすべて任せるということ以外の何物でもないと思うのです。これで一体改善されたのか、いかがですか。
○天谷政府委員 仰せのとおり、どの程度取引に関する知識を持っているであろうか、あるいはどの程度取引をするに必要な資金を持っているであろうか、こういうようなことのチェックは外務員もしくは取引員が窓口となってやる以外には方法はないだろうというふうに考えます。これを役所が直接やるということは不可能であろうというふうに存じます。したがいまして、取引員及び外務員がその判断において公正であるか、判断能力を持っておるか、判断する十分な意思を持っておるかというようなことが大切であろうと存じます。したがいまして、先ほど申し上げましたような指示事項あるいは広告の規制等々によりまして、その知識の乏しい大衆の参加というようなことを防止する方向で進めていきたいと考えているわけであります。
○野間委員 ですから、結局取引員や外務員、これの判断にかかるわけですね。つまり一定の制限する基準が法律やあるいは政令にないからです。(「あなた任せだ」と呼ぶ者あり)まさにあなた任せです。その内規が一体何か効果があるのかないのか、これによって一体これが効果を発揮しているか、この点ですけれども、これは出されたのは四十八年の四月二十六日であります。この違反した場合の処分なり処置、これは書かれておりません。処分については、それから一年以上たった去年の七月四日に「処分等の処理要領」、これが出されております。 ところで、この処理要領に基づいて処分された例が一体あるのかないのか、いかがですか。
○天谷政府委員 通産関係の取引所については、処分の例はございません。従来、やり方によりますと、外務員の法的責任が不明確でありますために、紛議等が起こりますと外務員がいなくなってしまう。(「逃がしてしまうんだ」と呼ぶ者あり)いわば昔風の言い方をすれば、わらじを履かせてしまうというようなことが起こるわけでございまして、今回の法律改正によりまして取引員の責任を明確化することによりまして、こういうような弊害をなくしていきたいというふうに考えます。
○野間委員 それじゃ、農林省から……。
○森(整)政府委員 取引所で、これは外務員の処分問題がどうなっているかということでございますけれども、実際にいろいろ紛議を起こしました場合に、取引所の定款上、信義則違反ということで、農林関係で見ますと四十六年に、これは三名になりますか、要するに外務員の取り消し処分が一名、外務行為の停止処分が二名、四十七年には外務行為停止処分が一名、それから四十八年には新規登録の停止処分が二名、四十九年には新規登録停止処分が二名というような実情になっておるようであります。そのほか除名処分が一件ございます。
○野間委員 あれだけ膨大な取引をやりながら、いま聞いたら、わずかそんな程度なんです。つまり先ほど不規則発言がありましたけれども、これはぐるになって逃がしているのですよ。こんなものは期待できるはずはありません。 ところで、この取引所の指示事項、これはほとんどは直接委託者と接する外務員の勧誘姿勢、これに関するものである、そのとおりですね。それは私は、実際にないよりましだと思うのです。これはなければ困ると思う。しかし、実際には効果を果たしていない。いろいろ考えてみますと、やはり一番基本的な問題は、取引員の収入、これの九〇%以上が売買手数料によっている現実だと思うのです。ここにあると思うのです。つまり麗々しくこういう基準を設けましても、結局取引員が一般大衆を巻き込んで取引高を上げる、そして利益を追求するというのは、これは当然だと思うのです。これで効果を上げようなんというのは、もうとんでもない話です。取引員が幾ら外務員に対して不当な勧誘をしてはいかぬと、こう訓示をしたとしても、一方において先ほどから出ておりました歩合給の問題、あるいはトラブルが起きた際の過酷な減俸制度、このもとで極端に高いノルマを押しつける、こういう現状のもとでは、無理をして勧誘行為をするのは私はむしろ自然ではなかろうかと思うのです。 〔武藤(嘉)委員長代理退席、塩川委員長 代理着席〕大衆参加を法律でチェックしなければ、いかに取引員やあるいは外務員に対して訓示規定をたれて、こういうものを置いたって、いま申し上げたような取引員の実態からしたら、期待のできようはずがない。通産管轄では処分がない。農林管轄ではいま幾つか挙げられました。しかし、この膨大な取引の中で、膨大な矛盾やトラブルが起こっておる中で、わずかしかこれで捕捉することはできない。このいままでの経過、実態が、その効果の問題について如実に物語っておると、こう言わざるを得ないと思うですね。ですから、真に答申を尊重するというような態度をとるならば、これはやはり委託者の範囲に関する制限、これを法律で行う必要があると私は思うのです。これは外国でもやっておる例がありますね。どこですか。
○森(整)政府委員 西独でそういう例があるようでございますが、これは公定の仲買人というのがございまして、そういうものを通じまして売買取引をする資格につきましては、取引所が認めた者に限るという限定がつけられておるようでございます。ただ、この制度は実物の先物取引というような性格がどうも強いようでございまして、われわれの知っている限りでは砂糖とコーヒーの二つしか現在機能しておらない、余り利用されていないように聞いております。いろいろこういう外国の事例もわれわれ参考にしておりますけれども、いろいろ歴史なり慣習なり、いろんな問題の上に積み上げられている問題でございまして、いま直ちに委託者をどうするということにつきましては、たとえば新規と申しましても、われわれ調査いたしました。ほかの取引所で一回やったことがあるけれども、その取引所で初めてだというようなものもございます。いままでの考え方は、むしろ受ける方から押さえ込んでいくということでいろいろ取り扱いを決めてきた。やはりやりたい方をお断りするというのは——確かに一般大衆といいますか、そういう方が余り危険なものをやるということは慎んでもらいたいという意味で、むしろわれわれといたしましては、たとえば枚数を制限してしまう、新しい方は枚数を制限するという考え方がございますけれども、これもどの程度がいいのかというような問題がございます。この辺についても実態の調査を進めておりますけれども、ある程度のものは何かできそうな感じもいたしますけれども、今後の検討課題だと思っておるわけでございます。
○野間委員 西ドイツのケース、これは実際どういう効果を果たしておるか調べてみましたけれども、どこへ行きましてもよく知らないわけです。研究していないのですね。何度も言っておりますように、実質上の当業者主義をとる限り、また冒頭から申し上げておりますように、三十年から四十年にかけてむちゃくちゃな勧誘をやって、そして一般大衆を泣かしに泣かしたわけでしょう。先ほど天谷さん、テレビか何かでこれを放送しておるとか、広告しておるとか、あるいはいまの内規の問題を言われましたけれども、こういうものは普通の人の目には触れませんよ。私も見たことありませんし、今度初めて勉強してわかったわけですから、最も専門的でないところ、ここには全く周知徹底はされていない、これは明らかですね。専門家は知っておるかもわかりません。そこの問題なんですね。そこが一番被害を受けてひどい目に遭わされておる。しかも、取引員の体質が、歩合によって営まれておるわけでしょう。歩合ということになりますと、できるだけ大衆を巻き込んで、主婦でも何でも結構ですよ、甘言を弄してようけ連れてきて資金をほうり込む、この中で経営しておるわけでしょう。ですから、こういう体質からいいますと、単に外務員にこれを訓示するとかいうことだけでは効果が上がらないのは当然だということをるる申し上げておるわけです。ですから、法律やあるいは政令でこれを制限せい、これが宮澤通産大臣言われた当事者主義であり、またこの実質上の当業者主義ということになろうかと思うのです。ですから、外務員をいかにあれこれしたところで、結局しわ寄せは全部大衆、そこへ行ってしまって、取引員そのものの体質を変えなければ、これまたうまくないのは当然だと思う。今度の改正の中で、いまの許可期間の更新ですね、これがあります、四年ごとの更新。先ほど答弁を聞いておりますと、この四年の期間を設けた理由についてあれこれ言われておりました。しかし、何一つとしてこれは真っ当な理由じゃないじゃありませんか。これだけ経済情勢が変動して、しかも最初政府が考えておったのは、この更新の期間は二年であったはずです。これが業界の強い要望によって四年にずるずると後退した、これが事実じゃありませんか。四十六年に許可制が始まってちょうど四年目になるとか、あるいは他との関係とか、あれこれ言われました。これは一体どこにそんな理由がありましょうか。なぜ二年にしないのですか。最初は二年の予定だったはずです。業界の意向によってこれを変えた、これはもう明らかです。いろいろな本に書いてあります。いかがですか。
○天谷政府委員 更新の期間を四年とした理由につきましては、先ほども申し上げたことでございますので繰り返しません。二年という案も確かにございましたが、四年にいたしましたのは、業界の意向に動かされたということではなくて、先ほど申し上げました理由のほか、ほかの立法例を見ましても、宅地建物取引業は三年、建設業は三年、それから漁業権の免許は五年、指定漁業の許可が五年、無線局の免許が五年、放送局の免許が三年というようなことになっておりますので、そういうようなことも参考にいたしまして四年ということにいたしたわけでございます。
○野間委員 それを参考にされて何で四年になるのですか。理由ないじゃありませんか。いま挙げられた例の中でも、これは皆それぞれ性格が違いますけれども、三年というものはずいぶん多かったじゃありませんか。いま読まれた中でも三年が多い。それを参考にして四年にしたと。むしろ、会社役員の任期が二年だ、だから二年にするべきだったけれども、それではと四年にしたという話も先ほどありましたですね。これだけ目まぐるしく変動し、しかもいろいろな問題を抱えておるとき、後でまた辰巳商品等の問題については触れますけれども、本当に大衆を保護するという観点に立つならば、この更新期間をできるだけ短くするというのが当然じゃありませんか。 そこで聞きますが、四十六年から今日まで許可制をとってこられた。ところが、今度はそれに四年間の期限つきで更新を行っていく。そのつど審査するということのようですけれども、この四年の更新、こういう制度を新たに設けたということで、取引員の営業姿勢なり何なり、これに対する効果が本当に出てくるかどうか、あなたどう考えますか。本当にあなた、これで保証できますか、効果があるというふうに。
○天谷政府委員 保証はできかねますけれども、われわれとしましては、この制度の運用によりまして効果が上がるというふうに信じておる次第でございます。
○野間委員 保証しかねるようなものをよく出してきましたですね、失礼な。むちゃじゃありませんか。これは無責任じゃありませんか。保証はしかねる、しかし四年だ。審議官、これはできるだけサイクルが短い方がいいんじゃありませんか。これが大衆を保護することになるんじゃありませんか。いかがですか。
○天谷政府委員 保証しかねると申しましたのは、そういうことの保証について能力がございませんので、保証しかねるというふうに申し上げた次第でございます。 期間の四年につきましては、二年か三年か四年か五年か、これのうちどれが絶対正しいということを申し上げる自信はございませんけれども、先ほども申し上げましたように、役員の任期であるとかあるいは取引の安定性であるとか等々の先ほど申し上げました理由から考えまして、四年が妥当であるというふうに考えた次第でございます。
○野間委員 それがわからぬわけですよ。何で役員の任期とか取引の安定から四年にしなければならぬのか、その理由が私はわからないわけです。これは更新するわけでしょう。営業姿勢がりっぱであれば、何もこわいことはないわけでしょう。あなたのおっしゃるのは、いかにも更新する際の審査で落ちれば結局大衆が損害を受ける、取引の安定を欠くというようなことしか私は聞こえないわけです。真っ当に健全に経営さえしておれば、これがサイクルが短くても何ら痛痒はないわけでしょう。むしろその方が、大衆の方から言えばこれは真っ当である。いまいろいろお聞きしましても、私は四年のこの期限が全く無意味である。先ほどいみじくも言われた保証の限りではない、そういう姿勢でこれを出されたこの意味、これはまさに業界の強い意向によって通産省がこの四年のこれをとった、こう考えざるを得ないと思うわけです。 そこで聞きますが、許可の際の審査基準、これはどうなっているかということ、四十六年の許可のときの基準と比較していかがですか。
○天谷政府委員 許可の更新の基準といたしましては、財務内容それから営業姿勢、この二つをチェックすることになっておるわけであります。
○野間委員 経営体制が十分であること、事務処理能力が十分なものであること、諸法令の遵守状況に問題のないこと、営業姿勢が社会的信用を保持するのに十分なものであること、四つの審査のポイントですね、これがあるというふうに聞いております。そして、この中で四番目の営業姿勢、これが減点法をとった中で百点、こういうことになっておるというふうに私は聞いておりますけれども、これはそのとおりですか。
○天谷政府委員 先生のおっしゃったとおりでございます。
○野間委員 四十六年の許可の時点で、二百六十二社の申請に対して全社が許可されたわけですね。そのランクの内訳を見ますと、これはA、B、C、D、四つのランクがあります。C、Dというのは条件づきの許可ですね。このランクの内訳、これは二百六十二社がどういうふうになっておったのか、これをお聞かせ願います。
○天谷政府委員 農林、通産を合計いたしました数字がちょっといまございませんので、とりあえず通産関係の分だけ申し上げさせていただきます。 A、B、C、Dに分けまして、Aが共管が二十七、専管三十七、計六十四、それからBが共管八、専管三、計十一、Cが共管十三、専管二、計十五、Dが共管五、専管〇、計五、以上でございます。
○野間委員 そこで、このAあるいはB、これについてお聞きするわけですが、このA、Bというのは、これはおおむね取引員として問題はないというふうに判断したものと思いますけれども、そのとおりでしょうか。
○天谷政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○野間委員 ところで、四十六年の許可制に移行した後、違法行為によって、これはのみ行為とかいろいろありますけれども、処分を受けたのは通産と農林合わせて五件と聞いております。その会社名と処分内容、そして許可時点においてこのランクづけはいかがであったのか、これをまずお聞かせ願いたいと思います。
○天谷政府委員 許可移行後、通産関係の商品取引員に対する百二十三条の規定に基づく処分は以下のとおりでございます。 昭和四十六年度は、丸上商会に対する許可の取り消しが一件でございます。それから、昭和四十七年度は、万栄株式会社に対する一ヵ月間の受託業務停止が行われました。昭和四十八年度はございません。昭和四十九年度は、辰巳商品に対する六ヵ月問の受託業務停止と続いて同社に対する許可の取り消しが行われました。 以上の三社に対します前回許可時のランクづけは、丸上商会がA、それから万栄がC、辰巳商品がAというふうになっております。 なお、この間に軽微な違反行為に対する処分として戒告等行っているものがございますが、その状況を申し上げますと四十六年度が二十八件、四十七年度が二十三件、四十八年度が十三件、四十九年度が九件というふうになっております。 またほかに、同期間中に取引所の指導監査におきまして、法令違反の疑いがあるため定款による処分を行ったものもございますが、よろしゅうございますか。
○野間委員 いいです。農林省。
○森(整)政府委員 農林関係におきましても、先ほど天谷審議官が申し上げました四十六年の丸上、四十九年の辰巳、いずれもAというランクでございました。それからあと受託業務停止が、四十六年にマルキというのがCでございましたが、ございます。それから、四十九年に二件受託業務停止がございますが、これはいずれもAのランクのようでございます。
○野間委員 審査の基準を四つのポイントをつくり、そしてまた詳細、減点法をとって内規としていろいろとやっておられます。その中でとりわけ営業姿勢に非常にウエートを置いて、五〇%、百点、これを置いて審査をして許可された。Cもありますけれども、Aがこのような処分を受けておる、これまた事実であります。 そこで、四年の更新も絡むわけですけれども、許可制にして審査の中身は非常に厳格にと言われるわけですけれども、しかしAのランクをしたものでもこういうふうに悪いことをして処分を受けておる、こういう実態をどういうように見たらいいのか。辰巳商品というのは大変なことですけれども、これはAでしょう。どういうことでAにランクづけされたものがこういう処分を受けたのか、この理由について特徴は何か、お聞かせ願います。
○天谷政府委員 A、B、C、Dのランクづけは営業姿勢について行ったものでございます。当時の時点におきましてA、B、C、Dのランクをつけたわけでございますが、まことに不明でございまして申しわけのない次第でございますが、将来についてまで見通す能力が非常に不足しておりましたために結果的にははなはだ申しわけない結果になっておる次第でございます。
○野間委員 結局、大衆参加の問題一つ取り上げましても、これは繰り返しはいたしませんけれども、当業者主義、しかも実質上の当業者主義を貫かねばならない、このことが再三問題になりながら今回の改正でもこれを取り入れてない、内規に任せておるということ。しかも、これは主として外務員の不当な勧誘をどうチェックするかということですね。しかも、取引員の実態が先ほどから申し上げているような実態である。審査の基準につきましてもA、B、C、Dのランクを設けて審査されても、いま不徳のいたすところ、不明だ、先の見通しがなかったというようなことを言われましたけれども、実際これで非常に迷惑をかけているわけですね。辰巳のごときはものすごいですね。委託者から預かった分が四億三千万円で業務保証金は四千四百万、ものすごく迷惑をかけているわけですね。しかも、この中で、専門家がリスクを覚悟の上でやるのはともかくとして、大衆を巻き込んでえらい迷惑をかけておる。これだけの審査基準を設けながら、結局問題の本質は、法律で制限する以外には大衆が依然としてこの取引に入ってくることを阻止することはできない、こう言わざるを得ないと思うのですね。だから、そういう意味からして答申の線からも非常に後退している、とりわけ四十六年の当時の宮澤通産大臣のあの線から非常に後退している、この点が非常に遺憾だと私は思います。 そこで次に、余り時間がありませんけれども、完全分離保管の問題について少しお聞きしたいと思いますが、これは産構審の答申の中でも「完全分離保管を行う必要があり、このための具体的方策につき、早急に検討を行い、実施に移すべきである。」こう言っております。ところが、改正案を見ますと、これは行われていないわけですね。これは通産省にいろいろ聞きますと、その精神を生かせばいいじゃないか、こういうふうに言われます。これは指定弁済機関の問題あるいは受託業務保証金を従来よりふやす、こういうことが中身のようです。完全分離保管の意義は、委託者の優先弁済金をどう保証していくか、確保するかということ、それから委託者資産の取引員による流用をどう禁止していくか、これが完全分離保管の意味だと思うのですね。クリアリングハウスでも設けて云々ということも産構審の答申の中に出ております。これを全うして初めて委託者債権の保護ということになると思う。いま申し上げた意味で今度の改正の中でとられておる措置、これが完全分離保管そのものを全うするだけの効果がある、こう考えておられるかどうか。
○天谷政府委員 完全分離保管の目的は、先生おっしゃいましたように、委託者資産の流用の制限、それから委託者債権の保全ということであろうかと存じます。しかしながら、商品取引員はその業務の性質上、取引所に対する売買証拠金、受託業務保証金の預託、値洗い差金の支払い及び他の委託者の一時的損失の立てかえ等の受託業務を行うための支出を必要といたしまして、そのための多額の資金が必要でございます。こういうような状況におきまして委託者債権の完全分離保管を行うことは、いま申し上げましたこれらの資金については取引員の自己資産を用いなければならないということになりまして、取引員の資産の流動性を著しく低下させ、かえって取引員の財務を危うくするということが懸念されるわけであります。そのほか、これらの支出は委託者のためにする運用という性格も持っておりますので、この種の運用まで禁止するということは必ずしも適当ではないのではないかと考えられる次第であります。したがいまして、今回の改正におきましては、委託者資産の管理方法を定めるほか、受託業務保証金につきましてはその預託方法を改める等の制度の拡充を図るとともに、商品取引員が委託者債権を弁済できないときには、当該商品取引員にかわりまして委託者に対して代位弁済する機関を設けることといたしまして、実質的に委託者資産の流用制限、委託者債権の保全を図るという答申の趣旨にものっとった措置を講じようとしている次第でございます。
○野間委員 いまあれこれ言われましたけれども、趣旨説明の中では、昨年の四月十七日の産構審答申の趣旨に沿い、その改善を図るための措置だ、こう書いてあります。そして、答申の中では、先ほど指摘しました「委託者債権の完全分離保管制度の確立及びわが国におけるクリアリング・ハウス等の清算・担保機構の早期確立を図るものとすること。」こう書いてある。しかし、いま聞きますと、そうじやないわけでしょう。だから、答申の趣旨に沿って云々とあるけれども、これはあなたの方ではまたいろいろ言い逃れされます。実質的にはそれをとっておるんだと言われるかもわからぬ、実はそうじゃありませんけれども。完全にこれはだましですよ、趣旨説明。実際に完全分離保管制度をとっておりませんね。これは各委託者別に完全に分離して保管するわけでしょう。こういう制度をとっておりませんね。しかも、具体的ないままでの経過を踏まえまして考えてみますと、受託業務保証金、これは現行では委託証拠金の大体六〇%のようですね。しかし、実質的にはこれは三〇%程度のものである、これは認められると思うのですね。これはいかがですか。
○天谷政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
○野間委員 ですから、結局六〇%の場合でもその半分でしょう。出してないのですよ、金を。今度多少上積みをされても、これだって結局同じことが起こるわけです。その理由は幾つかあります。一つはのみ行為であります。これをやれば金が上に上がりますよね。あるいは過剰預託の問題もあります。それから益金、追い証金、それから臨時増し証拠金、さらには証拠金の預かり時のタイムラグ、幾つかケースがあろうかと思います。それはそれとしても、結局実質的にはこの程度なんですね。 もう時間がなくなりましたけれども、しかも今度は指定弁済機関ですか、これを設けられる。これは最低限度四〇%でしょう。そうですね。
○天谷政府委員 いままだそのパーセンテージについては具体的に決めておりません。
○野間委員 では、幾らにされる予定でしょうか。私は四〇%というふうに聞いておりますけれども、いかがですか。
○天谷政府委員 まだ具体的に決めておりませんが、いま先生がおっしゃいましたような程度をめどにして検討いたしたいと思っております。
○野間委員 これは委員長、どうしましょうか。まだこの点について最後の詰めが残るのですけれども、時間のようですから、私はこれで若干残りますので保留さしてもらって、午後の初めにやらしていただきたいと思いますけれども。
○塩川委員長代理 いまの質問で答えをとってください。それで、あと再開のときに若干の時間を考慮しますから、いまの質問、答弁をとってください。
○天谷政府委員 いま答弁いたしたとおりでございます。
○野間委員 それでは、とりあえずこれで留保して終わります。
○塩川委員長代理 午後二時四十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時五十二分休憩 ————◇————— 午後二時四十分開議
○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。野間友一君。
○野間委員 休憩前に引き続いて、この完全分離保管問題について少し質問を続けたいと思いますが、先ほどのお話でも、受託業務保証金、現行では六〇%といいますけれども、実質は三〇%くらいである、こういう答えもありました。ところで、本改正案ではこれがどう改善されるのかということであります。九十七条の二の二項の二号の、主務大臣の定める料率や主務省令で定める方法等の現在考えている具体的な内容について、数字でちょっと簡単にお答え願いたいと思うのです。
○天谷政府委員 今回の改正で率を一〇〇%に上げたいというふうに考えているわけであります。
○野間委員 一〇〇%に上げた場合、先ほど申し上げた実質的には六〇%で三〇%である。一〇〇%というふうになりますと、実質はどのくらいになるのか。私は六〇%というふうに理解しておるのですけれども、いかがですか。
○天谷政府委員 実質は三〇%という先ほど来のお話でございますが、これは分母を何にとるかということと実は密接な関係がありますわけで、委託本証拠金のほか臨時増し証拠金、定期増し証拠金、追い証、こういうものを全部足しまして、一般にいわれておる非常に広い意味の委託証拠金というものを分母にとりますと、委託本証拠金が大体それの半分くらいになりますので、したがって六〇%は実質は三〇%だ、こういうことを申し上げておったわけでございます。したがいまして、そういう意味で申し上げれば一〇〇%は五〇%になるということになろうかと存じます。
○野間委員 最低弁済額については、いまのところまだ考えていない、こういうことでしたね。最低弁済額何%か、指定弁済機関のですね。
○天谷政府委員 具体的な数字はまだ決めておりません。
○野間委員 これは早く決めないと、また大変なことになると思うのです。やはり委託者債権をどう保護するかということで、いまそれを片方で証拠金を上げるわけでしょう、保証金。片方でこの最低弁済額を幾らにするか。これは損をさせないというのがたてまえでしょう。それはまだ考えてないということですけれども、そうなるとこれは審議になりませんね。 もう一つ確認しますけれども、九十七条の二の第三項、当該商品取引員が「商品市場における売買取引の受託により生じた債務を弁済することができない場合」、こういうのがありますけれども、この中に取引員の許可取り消し、取り消し処分ですね、これによって倒産した場合も当然含まれると思いますけれども、いかがですか。
○天谷政府委員 おっしゃるとおり含まれます。
○野間委員 結局これもとにかく渡るわけですけれども、前に比べてそれではどのように改善されるのか。しかも、これが完全分離保管と実質的には本当に同じような役割りを果たすのかどうかということになりますと、私は非常に心もとないと言わざるを得ないと思うのです。先ほども若干触れましたけれども、例の辰巳商品ですね。この場合には十億円の負債を抱えて倒産した、こういうふうに聞いておりますが、委託者への債務はこの場合には四億三千万、ところが受託業務の保証金はわずか四千四百万、こういうふうにものの本にも書いてありますけれども、これは間違いありませんね。
○天谷政府委員 間違いございません。
○野間委員 そうしますと、受託業務保証金は委託者債権の約一〇%程度ということになるわけですね。これはのみ行為が非常に多かったわけですけれども。これを例にとると、たとえ仮に最低弁済額が四〇%ということになったとしても委託者には債権の五〇%しか返らない、こういう結果になろうかと思うんです、今度の改正においても。そうすると、やはり私は完全分離保管、これをとらない以上委託者の債権は保全できない、こう言わざるを得ないと思うんです。 それからもう一つ関連してですが、流用禁止の問題ですね。完全分離保管のもう一つの柱、これは流用禁止にあるということのようですけれども、これについては五十四条の二で委託者の資産については主務省令に従って管理しなければならぬ、こうなっておりますね。問題はこの主務省令が一体どういうことになるのか、中身の問題であります。これは委託者一人一人の資産を銀行預金等にして別々に保管する、取引員の事業への流用はもとより、委託者間における委託者集団の流用も禁止する、こういうことになるのかどうか、この点はいかがですか。
○天谷政府委員 預金等は、個々の委託者別になるのではなくて、委託者グループとして分離保管されるというふうにしようと考えております。
○野間委員 そうしますと、確かに区分経理によって取引員のものと委託者のもの、これは分けられるかもわかりませんが、しかしその委託者は個個の委託者についてのものではなくて、これは完全分離保管になればそうなりますが、そうはなってないわけでしょう。そうすると、その委託者の一つのグループの中でこれは流用できる。流用できると申しますか、実際流用を規制する方法はありませんね。そうなりませんか。
○天谷政府委員 個々の委託者間の預かり資産の流用については、これはやむを得ないというふうに考えております。
○野間委員 そうしますと、結局流用ができるということになりますと、A、B、C、D、たくさん委託者はおりますけれども、それぞれが集団の中では流用されるということになりますと、これはやはり答申が言っておる完全分離保管、これとは違ったものになる、流用の禁止はしないわけですから。こういうことになりますと、答申を私は踏みにじると申しますか、答申の趣旨に即してこういうものをやってない、こう言わざるを得ないと思うんです。これはこれでいいんだというふうにお考えでしょうか。これをすることによって、いままでの流用いろいろありましたけれども、これが規制される、こういうようなことになるのかならないのか。つまり完全分離保管の質問の冒頭にも申し上げたけれども、これは実質的には優先弁済権の確保とかあるいは流用の禁止、これにはならないんじゃないか。つまり完全分離保管、このものがどんなに言われてもこれは生かされたことにはならない、こう言わざるを得ないと思うんですね。いかがですか。
○天谷政府委員 本当に完全に完全分離保管をするということになりますと、答申にありますクリアリングハウスの設置というようなことまでいきませんと徹底はしないということになるかと存じますが、現在日本の現状におきましてクリアリングハウスの設置等は、取引慣行の相違等もございまして、早急に行うということは現実的ではないと存じますので、答申の線よりは若干後退しておりますが、しかし現状から見ますと相当の進歩である、改善であるというふうに考えまして、現状においてできる限りの努力をして完全分離保管の線に接近をいたそうとしておるわけでございます。今後とも事情の許す限りにおいてさらに完全分離保管の線に近づくように努力を重ねていきたいと考えております。
○野間委員 いま言われましたけれども、やはり答申の線から後退しておりますね。これは認められました。ですから、答申がいま申し上げたような完全分離保管と言いながら、しかも趣旨説明の中では答申の趣旨に即してという表現も使われておる。しかし、いまの答弁にありましたように非常に不十分で後退しておるということですけれども、答申の線に即しても完全分離保管をとらなければならぬと私は思うのです。一体これで委託者債権の保全になるのかならないのか、そういう保証があるのかないのか、その点と、完全分離保管制度をとる用意があるのかないのか、この点についてさらに質問をしたいと思います。
○天谷政府委員 先ほども申し上げましたように、現状と比べますと委託者の債権の保護のために相当の改善がなされると存じますけれども、答申の線に完全に即しているわけではございませんので、なお今後ともそういう方向で努力を重ねたいと考えております。
○野間委員 努力だけでは非常に不満ですけれども、時間が参りましたのでこれで終わります。しかし、いま私がずっと質問をしてきたのは、一つは大衆参加をどうするか、法律で制限せよ、こういうことを申し上げました。しかし、これは答申やあるいは宮澤通産大臣の発言にもありましたけれども、これからも後退しておる。内示等について、ないよりましだ、私そういう評価はするのですけれども、これでは不十分だということ。それから、いまの完全分離保管一つ考えてみましても、答申の線からもはるかに後退しておって、これで委託者の債権が十分保全できるかと言いますと、決してそうではない。あの辰巳商品の場合でも、ああいうケースが起きた場合でも委託者債権を保全することができない、これは事実であります。ですから、少なくとも大衆参加を制限する、あるいは完全分離保管をきっちり答申の線に即してやるということは急務だと私は思うのです。こういう取り組みについて、いまの質疑を聞いておって、最後に通産次官に答弁を願って、私は質問を終わりたいと思います。
○渡部政府委員 ただいままでの野間委員の御質疑を聞いておりまして、大変専門的なむずかしい問題でありますが、基本になることは、大衆投資家の皆さんにできるだけ迷惑をかけないようにする、そのための改正であります。ベストであれば最も好ましいことでありますが、法律改正はなかなか一遍に何もかもということでなっておりませんので、ベターと言えるかもしれませんが、今後できるだけベストを望んで研究するようにいたしたいと思います。
○野間委員 最後の答弁の語尾がわかりませんでしたけれども、私が申し上げておるのは、いまいろいろ問題、欠点がある、これを近い将来少なくとも産構審の答申に従ってやるべきだということですけれどもね。
○渡部政府委員 おっしゃる御趣旨のとおりでありまして、そういう方向に進んでいかなければなりませんが、その過程として、いままでのいろいろな御質疑にありましたので、十分その意を体しましてこれから進んでいきたいと思います。
○野間委員 終わります。
○山村委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 まず第一点、お伺いしたいと思いますのは、商品取引所制度がわが国経済の中で果たしてきた役割りについて簡潔にお答えいただきたい。 それから、今後高度成長から低成長経済に移行することになろうと思うのでありますが、そういう中におきまして本制度がどういうような役割りを果たすことになるのか。 以上二点についてお伺いしたいと思います。
○天谷政府委員 日本経済の中において取引所がこれまで果たしてきた役割りでございますが、取引所は、できるだけ広範囲の需要と供給をミートさせることによりまして公正な価格の形成を行わせることに資してきたかと思います。第二点には、取引所での反対売買を行うことによりまして価格変動に対するヘッジングを可能にしてきたというメリットがあろうかと存じます。第三番目には、取引所における清算取引を通じまして、時間的にも現在と将来の需給をバランスさせることによりまして価格の平準化ということを推進した、こういう点が取引所の果たしてきた機能であったかと存じます。 次に、高度成長から低成長への移行の過程におきまして取引所の機能がどう変わるかということでございますけれども、低成長下におきましては特に価格の安定というようなことが問題かと存じますので、取引所の機能と低成長経済とが直接どの程度結びつくか、必ずしもストレートには言えないかと存じますが、価格の公正な形成という機能を通じて、低成長過程下におきましても、しかるべき社会的機能を果たしていくべきであると考えます。
○近江委員 いままで果たしてきた役割りにつきまして御答弁あったわけですが、商品の公正価格の形成あるいは価格の平準化、価格変動に対する保険、ヘッジ、そうした機能があるというようなお話であったわけですが、しかしながら、たとえば毛糸相場等を見ますと、年に六十回あるいは七十回ストップ高、ストップ安というような状況があるわけであります。そういう中で過当投機が指摘されるなど、本制度が正常に機能していない面があるように思えるわけですが、この点について御答弁いただきたいと思います。また、現状はどうなっておるかということです。
○天谷政府委員 毛糸の相場が一時キログラム三千円になったり、それから一年たつかたたぬうちに九百円に下がったりというような非常な乱高下がございましたことはきわめて残念なことでございます。ただ、この相場の乱高下は、取引所があったから乱高下がその結果として起こったということは必ずしも言えないのではなかろうかと存じます。まず、当時の経済状況が余りにも過剰流動性ができ過ぎたというような背景があり、その背景の上でオーストラリアにおきます羊毛の生産が低下してしまって、そこで需要と供給のバランスが著しく崩れた、こういうようなことが背景にございまして、その背景の上で取引所における投機を今度は誘発してしまったというようなことが指摘できるのではなかろうかと思います。したがいまして、そういう状況下におきましては、過当な投機がスパイラル的に進行しないように臨時増し証拠金を取るとか、極端な場合には取引所の立ち会いを停止するとかいうようなことによりまして、そういう市場管理を通じまして相場を冷やしていくというようなことが必要であろうかと存じております。
○近江委員 その原因というものはいまずっとおっしゃったわけでございますが、市場の責任というものは全然なかったのですか。その点についてどうですか。
○天谷政府委員 取引所の外におきまして、一方では過剰流動性の存在、他方では羊毛の生産量が低下してしまったこと、こういう不均衡が背景にあったわけでございますが、そういう不均衡に基づく価格形成、したがいましてその場合には価格の暴騰でございますが、その価格の暴騰を取引所における投機が加速したというような弊害があったと考えるものでございます。
○近江委員 そうした状況はそうしょっちゅうあるとは思いませんけれども、やはり適切なそういう指導ということは政府が責任をもってやる必要がある。非常にあの期間は長かったし、また異常なそういう幅があり過ぎた、このように思います。今後厳重に政府としては反省をし、姿勢を正してもらいたいと思います。 〔委員長退席、萩原委員長代理着席〕 それから、前回の四十二年に委託者保護に重点を置いた法改正が行われたわけですが、その後におきますこの商品取引員と委託者との間における紛議状況、それから商品取引員の倒産の状況、原因、さらに取引価格の乱高下等の状況について御答弁いただきたいと思いますし、これらに対してどういう処置がとられてきたか、取引員に対する検査、処分の状況についても伺いたいと思います。
○天谷政府委員 いま三問御質問があったかと存じますが、順番にお答えを申し上げます。 まず、紛議と倒産の推移でございますけれども、昭和四十三年度の紛議件数は五十二件、以下四十九年まで順番に申し上げますが、二十九件、六十四件、五十五件、四十五件、二十三件、十四件という推移になっておりまして、昭和四十五年の六十四件がピークであり、四十九年の十四件が一番低い、そういう数字になっております。 次に、最近の商品取引員の倒産状況でございますが、通産関係でありますが、倒産件数は四十六年が三件、四十七年がゼロ、四十八年が一件、四十九年が一件、計五件ということになっております。 次に、毛糸等の価格の乱高下についてどういう措置を講じたかという御質問でございますが、まず乱高下の原因であるところの取り組みの内容を把握するということが必要でございますので、委託者建て玉の調査報告というようなことをやらせております。次に、取り組み増大の防止のために臨時増し証拠金の増額徴収というようなことを行いました。次に、買い占め防止のための建て玉及び委託建て玉の制限というようなことをやっております。それから次に、乱高下抑制のための値幅制限の強化、次に実質的な新規売買の制限のための丸代金の徴収、次に新規売買の停止または市場の売買休止、こういうような措置等を必要に応じて、場合に応じて講じたわけでございます。昭和四十八年の乱高下の場合には、毛糸は四十八年三月九日より同月末日までの間市場の休止、それから綿糸につきましては、四十八年十二月の上限価格の設定というようなことを行っております。 それから、商品取引員に対する処分の状況に関する御質問でございますが、これにつきましては、通産関係におきましては、昭和四十六年度は丸上商会に対する許可の取り消しを行っております。四十七年度は万栄株式会社に対する一ヵ月間の受託業務停止を行っております。昭和四十八年度はございません。昭和四十九年度は辰巳商品に対する六ヵ月間の受託業務停止、同じく同社に対する許可の取り消しを行っております。 以上でございます。
○近江委員 農林省からも同じ点について報告を聞きたいと思います。
○森(整)政府委員 お答えいたします。 農林省関係の紛議件数でございますが、四十六年度が百三十二件、四十七年度百十七、四十八年度七十四、四十九年度五十六でございます。 それから、倒産状況でございますが、天谷審議官のお答えしたのと同一のことでございます。 それから、乱高下対策につきましても同様でございます。 それから、具体的な例といたしましては、輸入大豆で例の豆腐騒動の起こりましたときにいろいろ売買停止等の措置がとられております。もちろんその過程に臨時増し証拠金を増徴するなどいろいろございます。それから、生糸につきまして、これは四十八年の三月九日から十五日まで立ち会いを停止しております。そのほかには、最近の実例といたしまして、砂糖につきまして、取引員協会の自粛によりまして、事実上の立ち会い停止が精製糖について行われております。 それから、取引員に対する処分の状況でございますが、許可取り消しにつきましては四十六年と四十九年に一件ずつ、先ほど通産省でお答えしたとおりでございます。受託業務停止については四十九年に二件ございます。
○近江委員 紛議件数は若干減ってきているようでありますが、通産省に比べると農林省が非常に多いわけですね。だからといって何も通産省がいいとは私は言っていないのです。通産省にしてもこれは非常に多過ぎる。この点について両政府委員から反省の言葉を聞きたい。
○天谷政府委員 紛議件数は、商品取引所が正しく機能しているかどうかということを示すいわば体温計のようなものでございまして、紛議件数がいま御指摘になりましたように多いということは、われわれとして大いに反省すべきことであるというふうに考えております。今後も法改正その他種々の手段を通じまして、こういう紛議等が多発しないように指導を行っていきたいというふうに考えております。
○森(整)政府委員 先生御承知のとおりでございますが、この紛議件数は取引所から申し立てのあった件でございます。われわれ、取引所の中、それぞれのバランスを見ておりますと、何と申しますか、取引所として挙げてきているものと、その事前の処理段階で消えてしまっているものと、必ずしも申し立てによる紛議件数によって各取引所の紛議状況というのを一律に形式的に論ずることはいささかどうかという感じもいたしますけれども、いずれにせよ、われわれが知っている限りでは、外務員とお客さんとの間に、自分はこういうつもりだったというのと、そうでないという、どうもそういう内容の紛議が多うございます。したがいまして、その辺の問題を何とか解決しなければいけないのではないだろうかということで、いろいろ今後そういう点について重点的に考えてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○近江委員 今後の考え方はわかるわけですが、こうした紛議をたくさん出しておって、反省の言葉を私は聞きたいと言っているのですよね。今後はこうするということはわかりますが、それについては反省しているのですか。
○森(整)政府委員 もちろん商品取引の顧客でございますから、およそ取引員が顧客と紛議を起こすということは、われわれもってのほかだ、こういうふうに考えているわけでございます。われわれ、そういう立場に立って、確かにいままで紛議が多かったということ、ことに許可制移行の段階において非常に多うございましたけれども、なおその紛議の件数がまだ皆無でないということにつきましては、われわれの指導不十分ということで、今後重点的にそういう点を考えながら対処してまいりたいと思う次第でございます。
○近江委員 改正案提出の理由、それからこの商品の定義の改正につきまして、これまで上場商品を法定主義としてきたわけですが、この二点につきまして簡潔にお答えいただきたいと思うわけです。 それからもう一点、上場商品の指定及び廃止を政令で行うこととした理由。以上三点について天谷さんからお伺いしたいと思います。
○天谷政府委員 まず、法律改正の理由でございますが、これは昭和四十二年に附帯決議をいただきまして、改正の必要性を強調されておられることでございますし、以後の経過に見ましても、取引員と委託者との間で紛議が後を絶たない。それからまた、商品取引員の倒産によりまして委託者が非常な迷惑をこうむっておる、あるいはまた過当投機による価格の好ましからざる乱高下が生じているというふうに、問題が絶えませんので、こういうことについて改善策を講じなければならないというわけで、産業構造審議会の流通部会の定期市場問題小委員会におきまして二年間にわたって検討をしたわけで、その結果昨年四月に答申をいただいたわけでございます。今回の改正案はこの答申のすべてにわたって実現されておるわけではございませんけれども、委託者の保護、それから市場管理の適正化ということが特に緊急を要する問題であるというふうに考えられるような状況でございますので、こういう点を中心として改正の御審議をお願いしておる次第でございます。 第二番目に、商品の定義を変更したわけでございますが、その理由は、現行の上場適格要件中に「耐久性を有する物品」というふうに書いてあるわけでございますが、これは物品そのものに具有する特性を示すものであるのに対しまして、改正法におきましては、貯蔵方法の発達にかんがみ、合理的経済コストで貯蔵することのできる物品も対象とし得るよう「相当期間の貯蔵に耐える物品」というふうに要件を改めたわけで、いわば規定をやや精密にしたということでございます。 それから第三番目に、現在の上場商品で廃止を予定されているものの御質問だったかと思いますが、これにつきましては、通産関係におきましては、人絹糸、綿花、綿布、この廃止を予定いたしております。理由は、人絹糸は現在メーカーが三社に減っておりまして、しかも、その販売先もほとんどが系列化している状況で、市中の浮動玉はきわめてわずかでございます。したがいまして、最近の人絹市場はヘッジの必要性もなく、出来高も昨年五月ごろから激減をしておるという状況でございまして、廃止をいたしましても余り大きな影響はないというふうに考えております。綿花は三十九年八月から、綿布は三十一年六月から立ち会い中止中でございまして、廃止の影響はないというふうに考えております。 以上でございます。
○森(整)政府委員 上場商品の件で農林関係について御説明をいたします。 するめは現在政令で指定されておりますが、最近共販体制に移りまして、その必要性がなくなったということで、これを政令で廃止いたしたいというふうに考えております。 それから、新規の上場の予定品目でございますが、一つは合板でございます。それからもう一つは、液卵がいろいろ検討をされておりますけれども、液卵につきましては、まだ業界の調整は非常にむずかしいように思います。それから、合板につきましては、関西、大阪の方で非常にその希望が強い。いずれそういう当業者の意見を十分聞きまして、上場商品に指定するかどうかを判定いたしたいというふうに考えております。
○近江委員 どれを廃止してどれを上場するかというようなことはまだ私は聞いてないのですね。肝心の聞いたことについてあなたは答えてないのだ。上場商品の指定及び廃止を政令で行うこととした、このことをまず第一に聞いているわけですよ。 それから、いま両省から答弁があったのですが、通産省では新規商品としては何を考えておるかという点ですね。 それから、こういうものが廃止になると、当然そこに従事しておった人の問題等もいろいろあるわけですが、そういう人々の配慮についてはどう考えておりますか、これは両省から。 以上の点について御答弁してください。
○天谷政府委員 失礼いたしました。 まず、上場商品の決定を法律ではなくて政令でやるということにいたしました理由は、上場商品の決定は経済の実態に即して行われる必要がある。経済の実態は時に非常に移り変わるわけでございますが、現在は、先ほど申し上げましたように、十数年の間取引されない商品がそのまま法律上は残っておるというように、実態と法律との間でギャップが生じやすい、法律では必ずしも機動的に廃止手続がとれないというようなこともございますので、その辺機動的に行えるように政令で指定するということに改正したいというわけでございます。 それから、廃止した場合に失業その他の影響はどうするかという問題でございますが、福井の人絹取引所につきましてはその問題がございますので、福井の人絹取引所の専業取引員である五社につきましては、これが名古屋の繊維取引所の取引員たる資格を得られるように、目下あっせんを進めておるところでございます。 それから、新規上場商品でございますけれども、これにつきましてはまだ何も具体的に決めているわけではございませんが、若干の動きがある品物としましては、銅地金又びウールトップがございます。銅地金につきましては、中小業者等がロンドン・メタル・エクスチェンジではヘッジが不便であるので、国内でヘッジできるような機関があることを一部の業者が望んでおりますが、果たして必要があるかどうか、あるいはそういう取引所に銅地金を上場した場合にどのような問題が生じるか等々検討をした上で、上場すべきかどうかを判断したいというふうに考えております。ウールトップにつきましては、かなりの期間にわたりましてウールトップの上場が検討されているわけでございますが、ウールトップを上場した場合に毛糸をどうするかというようなことが大きな問題でありますので、なおその辺についてよく検討した上で決めたいというふうに考えております。
○近江委員 この廃止というようなことになってきますと、そこに働いておる従業員の人々とか、非常にこれは社会的な問題もあるわけです。新しいそうした取引所に資格を取るようにするとかいうような御答弁があったわけですが、しかし受け入れの問題等もあろうかと思いますし、そういうトラブルのために絶対に困らないように、これはもう当然政府としては十分な対策をとる必要がある。これは非常に大事なことであります。この点について大臣からひとつその決意をお聞きしたいと思います。
○河本国務大臣 上場廃止等に伴いまして失業問題等が発生をいたしませんようにいろいろ配慮をいたしております。 具体的な対策等につきましては審議官の方から答弁をいたします。
○近江委員 森局長からも、農林省の管轄について同じ質問をしますから、答弁してもらいたいと思います。
○森(整)政府委員 函館の海産物取引所でするめが上場されておりましたが、これは四十七年四月に解散をいたしました。その場合、するめ会というのがございまして、現物の取引が同時に別に行われておった。そういうところで、職員がそれに従事するということで円満に解決をいたしておるというふうに理解をいたしております。
○天谷政府委員 先ほど従業員の失業問題について申し上げませんでしたので、補足をさせていただきます。 福井人絹取引所に関しましては、従業員は円満退職をして、それぞれ就職をいたしておりますので、特に失業問題は生じないというふうに考えております。 それから、東京と大阪の取引所の人絹の上場廃止に伴う失業問題でございますが、これは東京、大阪では人絹専業ではなくて、ほかにも看板を持っておりますので、これまた特に重大な失業問題が生ずるということはないというふうに考えております。 なお、失業問題、非常に重大でございますので、慎重に配慮をしていきたいというふうに思っております。
○近江委員 現実に存在し機能しておった、そういうところのそうした廃止であるとかいうことになってまいりますと、非常に影響というものは大きいわけであります。したがいまして、政府としては最大の努力をして、そこに働くそういう人たちが苦労しないように配慮をするように十分ひとつ力を入れていただきたい。この点を重ねて要望しておきます。 それから、砂糖はこの上場商品であるわけですが、この砂糖の価格につきましては砂糖の価格安定等に関する法律があるわけですが、この商品取引所における価格形成との関係というものはどのようになっておるわけですか。
○森(整)政府委員 砂糖につきましては、砂糖の価格安定等に関する法律がございまして、粗糖の輸入港の倉庫の段階での価格が、安定帯が上下限について決められております。その中で、その粗糖から生産される精製糖の価格を安定させよう、並びに入ってまいります粗糖、ローシュガーですが、それをその価格の中へ安定させよう、こういう制度でございます。したがいまして、現在精製糖は一応立ち会い停止をしておりますが、粗糖につきましては立ち会いを行っております。しかし、その考え方は、あくまでも安定帯の価格の中での価格変動、その中で価格の指標を求めていくという考え方でございまして、結局上下の幅はございますが、その中での取引を円滑に行うという趣旨で取引の制度が認められているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○近江委員 この商品取引員につきまして、売買取引の受託の許可を無期限から四年ごとに更新するようになったわけですが、それの理由ですね、それからさらに四年とした根拠、効果につきましてお伺いしたいと思います。 なお、この許可が更新されない場合の従業員、外務員に対してはどうするのか、以上の点について両省からお伺いします。
○天谷政府委員 商品取引の許可、現在は無期限になっておるわけでございますが、そういたしますと一部の取引員が許可の上に安住いたしまして、委託者との間の紛争を多発せしめたり、あるいは放漫経営に陥ったり、いろいろ好ましくない問題が出てまいりますので、許可の期間を限定するということによりまして、適時適切に営業姿勢と財務内容のチェックをいたしまして、委託者に迷惑をかけないような方向に持っていきたいというのが改正の趣旨でございます。 また、更新の期間を四年といたしました理由、これはこの四年がいいのか三年がいいのか、数学的に証明するというようなことは不可能でございますけれども、一応の考え方を申し上げますと、会社の経営姿勢をチェックするわけでございますから、その評価といたしましては役員の任期と関連させるのが妥当ではなかろうか。役員の任期は商法上二年であることもございまして、二期四年程度を基準とすることを一つの理由と考えたわけでございます。それからまた、商品取引員は顧客との間で信頼関係を保つということが必要でございますけれども、この信頼関係を保つためには、ある程度の営業の継続性ということが必要であり、余り短いとかえって信用を失うおそれがあるということも考えられます。また、取引員が営業施設等に相当額の投資をいたしておりますので、その回収のための一定期間というようなことも考慮に入れる必要がある等々の理由により四年ということが妥当ではないかと考えたわけでございます。 なお、その他の法律等を見てみますと、大体三年ないし五年というものが多うございますので、中間として四年というふうなことの一つの参考といたした次第でございます。 それから次に、商品取引員の許可が更新されなかった場合に、その従業員あるいは登録外務員に対してどういう措置を講ずるかというのが第二の御質問であったかと存じます。商品取引員の許可の更新は、その取引員の財務内容が健全であり、かつ営業姿勢が良好であれば当然認められるわけでございます。したがいまして、各取引員が許可が更新されるように常時努力するとともに、主務省及び関係取引所におきましては、許可の更新が認められるよう各商品取引員の営業姿勢及び資産の両面につきまして指導を強化し、全取引員の許可の更新が受けられるようにしていきたい、それが最も望ましいと考えておる次第でございます。 なお、経済状況の変化その他によりまして、財務面の悪化の回復がその会社だけでは困難であるというような場合も考えられますので、そういう場合につきましては合併等を指導するということが必要であろうかと存じます。 不幸にしてどうも営業姿勢が悪い、財務内容の改善の見込みがないというようなことで更新ができない場合の措置でございますが、これは一般的、抽象的に言うことは困難であろうかと存じますが、具体的にそういう問題が起こった段階におきまして、大量失業等の社会問題を引き起こさないように万全の措置を講じたいというふうに考えております。
○近江委員 これは農林省も答弁は同じだと思いますから、次へ進みます。 更新の際に財務内容改善、営業姿勢の見直し等が挙げられておるわけでありますが、その営業姿勢のよしあしの判断の基準は何ですか。
○天谷政府委員 判断の二本の柱といたしましては、財務内容と営業姿勢でございます。 財務内容につきましては、新規許可の場合と同様に、最低純資産額を維持しているのみならず、流動比率、負債比率等の財務比率も考慮して受託業務の規模に応じた財産的基礎を有していること、及び委託手数料収入によって受託業務の経費が賄われているということが主たる基準でございます。 次に、営業姿勢につきましては、紛議の発生件数が一番重要であろうかと存じますが、そのほか脱税、企業犯罪等、信用業務を行うにふさわしい社会的信用の失墜行為のないということが判断材料になろうかと存じます。 許可の更新の審査に当たりましては、更新制をとった趣旨にかんがみまして、委託者保護に遺憾のないように万全な審査を行いたいというふうに存じております。
○近江委員 法改正によりまして商品取引員の兼業業務の届け出、他の法人支配の届け出、主務大臣の勧告規定が設けられておるわけでありますが、兼業、他法人支配の現状というものがどのようになっておるか、ひとつ簡潔に説明してもらいたい。現状でどういう弊害が生じてこういう法改正になったのか、以上の点について御答弁いただきたいと思います。
○森(整)政府委員 農林省の方から御答弁申し上げますが、商品取引員がその業以外の業務を行っております場合に、兼業の方の財務状況が悪くなる、したがいまして商品取引員が受託業務を行っておるその金に手をつけたりするという場合がございます。それから、委託者の資産が逆に兼業の方に回ってしまう、流用されるというおそれもございます。また、支配関係の問題になりますと、ある商品取引員が特定の法人の株を大分持っている、株式の大部分を所有しているという場合には、今度持たれている方の財務が悪化すると、商品取引の財務に悪化を及ぼすという、いろいろそういう相互関係がございます。そこで、その中で特にやはり商品取引員の経営姿勢の問題に絡むわけでございますけれども、不動産に手を出して、そっちが悪くなって本当の方が倒産をするというような例も最近ございました。したがいまして、こういう兼業業務、それからやはり支配関係を持っている関係につきましては、受託業務を健全に行う上からは、やはりそれも管理しなければならないという観点から、今後常時その財務条項をより把握しようという趣旨で届け出制をとったわけでございます。 現実の問題といたしまして、兼業についてはどういう事業が行われているかということにつきましてわれわれが調査いたしたところによれば、不動産業、金融業、商業等を行っている例が兼業については多いようでございます。それから、支配関係につきましては不動産業、金融業者、それから他の商品取引員等に対しまして、要するに悪く言えばダミー的なものを持っておる、そういう例があるように見受けられます。
○近江委員 それから、商品取引員の受託にかかわる財産の管理について定める主務省令、第五十四条の二、この内容について簡単に説明をいただきたいと思います。
○天谷政府委員 委託者から預託を受けたものまたはその計算に属するものは、委託者から請求されましたときには遅滞なく返還すべきものでございます。したがって、安全かつ適当な流動性を持った状態でこれを保全しておくということが必要であります。このために、具体的な管理方法といたしましては次のとおりすることを考えております。 第一番目に、国債、地方債の取得、銀行預金、郵便貯金、金銭信託による運用、これが第一でございます。第二に、商品取引所への預託、受託業務保証金の流動部分、委託玉にかかわる売買証拠金、それから受け渡し証拠金、値洗い損金、これに限りまして商品取引所への預託ということを考えております。第三番目に、一定限度における他の委託者の損金に対する流用、大体以上申し上げたような方法を考えておる次第でございます。
○近江委員 この市場管理対策としまして、この法改正によりまして商品取引所の大口建て玉等に関する報告、売買取引等の制限の強化が図られるわけでありますが、これによりまして過当投機による著しい価格変動、価格操作等が本当に事前に防止できるものかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○天谷政府委員 従来の制度によりますと、現実に価格の乱高下、過当投機等が起こった場合でなければ、それに対する市場管理を法律上はできないということになっておったわけですが、それでは不十分でございますので、そのおそれがある場合にも市場管理の権限を発動いたしたい。その前提といたしましては、市場の状況を把握するということがまず何よりも必要でございますので、今回の改正におきましては、大口建て玉の内容、特に売買取引の特定人への集中状況等を把握するという体制を樹立いたしまして、それによって過当投機等に対処しようという次第でございます。われわれといたしましては、こういう規定によりまして、十分に過当投機等の実情を把握することができるというふうに考えております。
○近江委員 取引等の制限の発動基準というものについて説明をお聞きしたいと思います。 それからさらに、適正な市場管理を行うためには、資金量の適正または過剰といった点まで検討することが必要じゃないか、このように思うのですが、以上二点についてお伺いします。
○天谷政府委員 まず、第一点の発動基準の問題でございますが、具体的には、市場における売りまたは買いに占めるところの特定の商品取引員または特定の委託者もしくは特定のこれらのグループの比率が異常に高くなり、不当に価格を操作し得るおそれがあるような場合、そういう場合で著しく市場の公正な価格形成機能を害することとなるおそれがある場合、こういうような場合を想定しておるわけでございます。 次に、外部資金の流入がどの程度あればよいのかという御質問であったかと存じますが、これを一義的に言うのは非常にむずかしいというふうに存じております。昭和四十八年度におきまして、大衆の占める割合、それから当業者の占める割合というのを見てみますと、綿糸、人絹糸、スフ糸、毛糸、ゴム、この五品目につきまして、内訳は略しますが、これらを合計してみますと、当業者玉が一二%、一般大衆玉が六八%強というようなことでございました。これは一つの参考でございますが、理論的にどの程度がいいということは困難であろうと存じます。われわれとしましては、この現状がこれでそのまま非常に結構だということでもございませんので、できるだけ外部の、特に一般大衆の資金が入ってこないように措置をいたしたいと考えておる次第でございます。取引内容を知らない一般大衆の資金であるとか、あるいは過当投機、市場操作等をやりたいような資金であるとか、そういう質の悪い資金の導入等を制限する方法を実施することによりまして、こういう好ましからざる外部資金の割合が低下するように努力をしていきたいと考えております。
○近江委員 次は、外務員につきましてお聞きしたいと思いますが、今回の法改正に伴いまして、外務員の権限はどのように変わるかという点が一点であります。 二点としまして、外務員が新たに商品市場における売買取引の受託ができるようになることに伴って、取引員と同じように外務員の財産内容の健全化を図るというようなことが必要ではないかと考えるわけですが、その必要はないのかどうか、これが二点であります。 第三点として、外務員が顧客に交付する書面はどういうものであり、どういうような説明がなされるのか。 第四点として、今後の外務員の資質の向上、監督体制の整備について、どのように考えておられるか。 時間の関係がありますので、いま飛ばして申し上げたわけですが、簡潔にひとつ御答弁いただきたいと思います。 さらにつけ加えて、外務員についての今回の改正で、外務員制度を取り巻く問題というものが解消できるのかどうか。 以上、五点について簡潔に御答弁いただきたいと思います。
○天谷政府委員 まず第一番目の、外務員の権限でございますけれども、従来は委託の勧誘ができるということで、受託はできなかったわけですが、今回は受託ができるということにいたしたわけでございます。同時に、外務員のした行為は取引員が責任を負う。外務員が取引員の代理権を持つものとみなすということにいたしまして、外務員及び取引員の責任範囲を明確化いたしたわけでございます。 第二問でございますが、代理権を付与したことに伴いまして、外務員の資産内容等についてもチェックする必要があるかないかということでございますが、外務員にみなし代理権を与えますと、商品取引員の責任が明確になりまして、あれは外務員のした行為であるからわしは知らないというような言い逃れが困難になるわけでございます。逆に顧客の側からすれば、外務員ではなくて取引員の責任を直接追及し得るということになるわけでございます。したがいまして、顧客の保護という観点からいたしますならば、取引員の資産が重要であって、外務員の資産はそれほど重要ではない。何となれば、外務員はみずから責任を負う必要はないわけで、取引員が責任を負うからでございます。取引員と外務員は、内部関係といたしまして取引員が外務員を従来より以上に注意深く管理するということが必要になろうかと存ぜられます。 第三問は、書面交付義務を課した理由とその内容でございますけれども、従来紛議の発生原因の一つに、委託者が商品取引の仕組みを十分理解しないまま取引を行ったことによるものが多かったと考えております。そこで、今回外務員の権限を拡大いたしまして、営業所以外の場所で受託業務を行うことができるとしたことに伴いまして、外務員が営業所以外の場所で売買取引の受託を受けようとするときは、委託者に対しまして商品取引の基礎知識について誤解のないよう十分書面で説明をさせ、誤解に基づくトラブルが起こるということを未然に防止させようとしておるものでございます。書面による説明の内容といたしましては、売買取引の条件のほか、委託証拠金に関する事項、受託についての禁止事項等、従来紛争の種となりがちであった事項を考えておるわけであります。なお、この説明義務の違反に対しましては、罰則はございませんけれども、取引所による外務員登録の抹消等によりまして、秩序を維持していきたいというように考えておるわけであります。 次の第四問は、外務員の資質の向上の問題であったかと存じますが、外務員の資質を向上させることが紛議を防止するために最も必要なことであるというふうに考えておる次第でございます。この資質向上というのは、これは言うはやすくして行うは非常にかたいことでございますが、一つには、研修制度を拡充するということがきわめて重要であるというふうに思っております。現在全商連で行っておる研修は六日間程度でございまして、その内容及び期間について十分とは言いがたい状況でございますので、これをさらに拡充強化したいというふうに考えております。研修期間を長期化するのみならず、研修内容につきましても、りっぱな外部講師を多数招聘いたしまして、広く経済、流通問題等も含めるほか、また再登録に際しましては再研修を義務づけるというような措置も指導してまいりたいと考えております。 次に、外務員制度に関する問題は、いま申し上げましたような改正によりまして解決されたかどうかという御質問であったかと存じますが、外務員制度につきましては、商品取引の仕組みがきわめて複雑でありますので、どうしても紛議の発生を招きやすいわけでございますが、あらかじめ書面により十分説明をさせる。受託する場合には委託者に十分に理解をさせること。また第二点として、外務員の行為に対する商品取引員の責任を明確化する。こういうことによりまして、取引員みずからも監督体制を強化させる等のいま申し上げました改正点があるわけでございますが、これによりまして従来の外務員制度に伴う問題点は大幅に改善し得るのではなかろうか、全部解決というわけにはまいりませんが、大幅に改善できるのではなかろうかと考えておるわけでございます。
○近江委員 研修制度等は今後重視するということをおっしゃっているわけですが、こういう点につきましては、しっかり中身を充実して教育をできるようにやっていただきたいと思います。 それから、時間がありませんから続けてやりますが、大衆参加のあり方と委託者債権の問題ですが、一つは、大衆参加についてどういうような考え方を政府として持っておられるか、また取引所の制度上どの程度の大衆の資金の参加が望ましいかという点が一点であります。 第二点として、大衆参加については限度を設け、たとえばアメリカ式に一般大衆が委託し得る数量の制限をしたり、あるいはドイツ式に一般大衆で参加できる資格要件を決めるという方法について検討する必要があるのではないかと思うのですが、この点についてはどうか。 第三点として、委託者債権の保全について、答申では完全分離保管を行う必要がある、このようにしているわけですが、これを指定弁済機関制度とした理由、経緯等について聞きたいと思うのです。 それから第四番目としまして、指定弁済機関制度の仕組み。以上、時間がありませんから簡潔にお答えいただきたいと思います。 〔萩原委員長代理退席、委員長着席〕 それから、商品取引所審議会の拡充強化、二点として商品取引所行政の一元化についてどう考えるか、この二点について最後に大臣からお答えいただきたいと思います。
○天谷政府委員 大衆参加の問題でございますが、家庭の主婦等経済力のない者あるいは取引の内容につきまして十分な知識のない者、こういう人たちが商品取引に参加するということは種々の弊害が生ずると存じますので、これにつきましては取引所ベースでこういう委託の勧誘等をしないように禁止事項といたしておるわけでございます。また、今回の法改正につきましては、先ほど申し上げましたように書面による説明義務というものを定めましたほか、新規委託者については初めから大口取引の委託を受けないこと、大口取引者につきましては信用状態について十分調査することというような指導も行っておるわけでございまして、これらの運用によりまして商品取引に参加することが不適当な者を排除することとしたいと考えておるわけでございます。なお、米国、ドイツ等の制度等も参考にして、もっと厳しい規制ないし制限を検討せよという御意見があったかと存じますが、政府といたしましても、好ましからざる大衆参加の制限につきましては、今後とも十分に検討をしたいというふうに考えております。 次に、大衆資金の割合が一体どの程度が望ましいかという御質問もあったかと存じますが、これにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、数字によって示すことは困難であるというふうに存じております。で、好ましくない大衆資金の流入を制限することによりまして、その結果として一般大衆資金の割合が低下する方向に誘導をしていきたいと存ずる次第でございます。 次に、完全分離保管の問題でございますけれども、先ほども申し上げましたように、今回の改正によりますところの完全分離保管は、答申で規定しておることをそのまま全部実現はいたしておりません。若干のギャップがあるわけでございますが、今回の改正によりましても相当程度委託者保護の実を上げることができるというふうに存じておるわけでございます。 次に、指定弁済機関の仕組みでございますけれども、これはまず前提といたしましては、一〇〇%の受託業務保証金の取引所への積み立てということを前提といいますか前置いたしまして、ただ、それを強行いたしますと、結果的には取引員がその営業をする上において必要な資金まで吸い上げて取引員の財務内容を悪化させるというおそれもございますので、そこのところを手当てするために、取引員が集まりまして、この相互補助的な機関として指定弁済機関を樹立する、委託者が委託本証拠金の弁済をまず取引所に求めまして、取引所で積み立てておりますところのこの受託業務保証金がなくなってしまって、その段階で弁済不能ということになりました場合には、指定弁済機関が残りの委託者債権につきまして弁済をするという仕組みをとることにより、委託者の債権の保護を図ろうとすることになっておるわけでございます。 以上でございます。
○河本国務大臣 第一の二元行政の問題でございますが、これは農林省と十分連絡をとりまして、一元的に運営できるように、よくその間協調を保っていきたいと思います。 それからなお、審議会の今後の運営方針でございますが、今回の法改正をお認めいただけることになりますと、審議会の権限も強化されることになりますので、大いにその機能を発揮してもらう、そういう方向で運営をしていきたいと思います。
○近江委員 終わります。
○山村委員長 竹村幸雄君。
○竹村委員 先日もお伺いいたしましたように、昭和四十八年度を例にいたしますと、量におきましては、生産量と出来高との比較が、ゴムでは四一・七倍、小豆では百十八倍、手亡は百二十四倍にも達しております。また、質におきましては、先ほどからも言われておりますように、通産省関係では、当業者玉一一・九%に対して自己玉一九・四%、大衆玉六八・七%にも達し、ゴムに至っては当業者玉はわずか四・一%にすぎないのであります。また、農林省の関係を見ても、七〇%以上が大衆玉であります。 先日の御答弁によりましても、出来高が生産量に対して著しく多い場合だとか、ある程度の大衆参加が必要だとか、抽象的に表現されておりますが、具体的に出来高が生産量の何倍以上を著しい状態と思われるのか、ある程度の大衆玉というのはどれくらいか、大衆玉と当業者玉のバランスはどれぐらいがいいと考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。
○森(整)政府委員 御指摘の問題につきましては、商品によっていろいろ性格が違うと思います。たとえば大衆玉と当業者玉についても同様なことがどうもわが国にもございますし外国にもあるようでございます。大衆的な投機資金がどの程度であるべきかということにつきましては、結局一般投機家の売買数量が、取引を行ったその結果としてしか把握できないという問題がございます。したがいまして、あらかじめ総量についてそれを事前に規制していくということは技術的に非常にむずかしい問題がございます。しかし、そういうものについて何らかの対応策を考えなければならないわけでございまして、投機資金がどの程度あればということにつきましては、商品取引所の平常時の実態が参考になると考えられますので、当面このような実態に基づいて指導してまいりたいと思います。しかしなお御指摘のように、大衆玉が入り過ぎているかどうかという基準を何か明確化する必要があるとわれわれも考えておりますので、諸外国の例も参考として今後十分検討いたしてまいりたいと思います。 しかし、一般的に問題になりますのは、過当投機がある場合に、いろいろな規制が行われます。たとえば新規の建て玉を規制するとか、あるいは価格の乱高下があったり出来高の増大等の現象がありますが、こういう場合に丸代金を徴収いたしますとか証拠金を増徴するとか、そういう市場管理の基準を明確化して自動的に発動できるように、それを抑制することができるようにすでに指示をいたしておりますから、それができ上がれば新規建て玉の減少なり既存建て玉の整理が自動的に行われる、そういう場合に外部資金は当然流入が制限をされることに相なろうかと思います。しかし、御指摘のように商品取引の知識に乏しい大衆の資金が無定見に流入することは確かに好ましくないとわれわれ判断をいたしておりますので、新規の委託者につきまして何か顧客管理といいますかカードをつくらせるとか、あるいは新規取引者につきまして受託の枚数制限ということができないだろうかというようなこともあわせて検討をしてまいりたいと考えております。しかし、御指摘の問題はもう一つ、当業者の取引をもう少し拡大することも必要だとわれわれ判断をいたしておるわけでございまして、そういう新しいお客の開拓につきましても当業者に重点を置いていくよう、そういう点につきましても十分指導をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○竹村委員 通産大臣にお伺いいたしたいわけでありますけれども、今日、農産物を初め数多くの商品について価格支持的制度がとられております。その目的は、自給率の向上、価格の安定、国際価格の変動が激しい場合に、国内生産の保護の立場から安定化させなければならないという三点にあると思います。 ところで、この三つの目的を達成するための価格支持制度と商品市場との調和が必要であろうかと考えるわけであります。この両者、価格支持制度と商品市場における価格形成とをどう実態化していくのかという問題があります。 先日も申しましたように、生糸の一元化輸入一年延長によって国内生糸相場は一万一千五百円でありますが、一方、国際価格は七千円から八千円であります。生糸の輸入規制によって一キログラム当たり三千円から四千円が絹織物業者、そこに働く労働者、そして消費者の負担増になっており、生糸の年間消費量が約四十万俵であるから国際価格との差が三千円であれば七百二十億円、四千円であれば九百六十億円の負担増となります。また、製品が高くなれば売れなくなるから被害はもっと大きいのであります。 一方、絹製品の輸入は無制限でありますから、現在の政策をとり続けるなら絹織物業界は重大な影響を受け、壊滅的な打撃を受けるが、中小企業を守る立場からこの事態をどのように打開されますか、お伺いいたしたいと思います。
○河本国務大臣 これは主として農林省関係の物資が大部分でございますから、先に農林省の方から御答弁していただきます。
○森(整)政府委員 先生御指摘のように、絹糸価格の安定制度をとっておりまして、国内の生産者の問題が出てまいり、そういうことから一元輸入措置の延長ということによりまして、国内で生産されます絹製品との競合が問題になる、要するに輸入される場合と国内で生産される場合との競合が問題になるという問題でございますが、一元輸入に係ります生糸の一部一万八千俵を特別に随意契約で売り渡すことによりまして絹製品の業者の苦境を救おうというのが今回の措置であったと思います。そういう問題でございますが、この問題につきましてのとりあえずの延長ということでございまして、今後残された問題は、業界に対しましてどういうふうに処置していくかということにつきましては、農林省といたしましても通産省と十分相談をいたしまして、むしろ通産省のお考えに従っていろいろ善処をしてまいりたいと考えているわけでございます。
○河本国務大臣 絹織物の中小企業は非常な苦境に立っておる、これに対する対策でございますが、絹織物の一部の品目につきましては高水準の生糸の価格と輸入絹織物によりまして圧迫を受けておる、なかなか採算がとりにくいということにつきましては先ほど農林省の方から御答弁があったとおりでございますが、このために今回一元輸入をいたします一部のものにつきまして、一万八千俵ですか、これを輸入原価で一部の業者に分配をする、こういう対策をとっておるわけでございますが、いずれにいたしましても根本的には構造改善事業をある程度強力に進めていく、それを政府がバックアップしていく、そしてその間いろいろの金融対策等も講じていきまして、絹織物の関係の業者が何とか困らないようにいろいろきめの細かい対策を講じていきたい、こういうことを考えておる次第でございます。
○竹村委員 いま大臣から答弁いただいたわけでありますけれども、いかにいろいろな施策を講じましても、先ほど申しましたように、原料が全体で海外実勢から見て七百二十億も九百六十億も高くつくようではそれに的確に対処したことにはならないと思いますので、原料の生糸をどうするかという問題を基本的に解決すべきであろうと思うわけであります。 そこで、生糸の一元輸入は一年延長して来年五月末日までということでありますけれども、来年度の具体策がない限り、さらにずるずると延長されていくおそれがあるわけであります。その結果、物価水準に応じて基準糸価が引き上げられていくから、さらに海外糸価との格差が拡大し、絹織物業界、中小企業に非常な不満が強まるから、市場価格を無視して、本年は一万八千俵でありますけれども、来年度はさらに大量の生糸を輸入価格という特別価格で売却をせざるを得ないようになってくる。そうなりますと、公正な価格形成の場であり、商品の指標的役割りを果たすと言われる商品市場の持つ現在の相場を無視したところの輸入価格というもので売却をされるということになりますと、生糸の商品相場における指標的役割りというのは薄くなってくるのではないかというふうに思うわけであります。さらに、基準糸価の決定、一元輸入によって、先ほどから申し上げているように絹織物業界に重大な打撃を与える上に、さらに蚕糸事業団は輸入糸価と国内相場の差額をとり、莫大な利益を上げておるというふうに思うわけであります。私の試算だと、一キログラム差額が二千円というふうに見ましても、大体百億程度になろうかというふうに思いますけれども、絹織物業界を二重に収奪しているのではないかというふうに思います。こうした莫大な資金は、いま苦しんでおる中小企業に還元すべきであるというふうに思うわけでありますけれども、どのように考えておられるかお伺いをいたしたい。農林省の方からまずお伺いをいたしまして、最後にこの問題解決のために通産大臣の決意と施策についてお伺いをいたしまして、安定価格制度と市場取引制度の関連についてもお伺いをいたしたいというふうに思います。
○森(整)政府委員 先生御承知のように、特別に随契で売り渡します量のいかんによろうかと思います。むしろただいまわれわれが考えておりますことは、蚕糸事業団が生糸の商品取引所における価格を参考にして、それは高いから、むしろ安く提供をしたいということが今回の措置だと思います。 そこで、その量が多くなってくると、その商品取引の価格そのものに影響するのではないかというお話だと思いますけれども、その量によりけりというふうにわれわれは判断をいたしておるわけでございまして、全体四十万俵、国産三十万俵、輸入十万俵、そういう位置づけからしまして、むしろ特別の売却制度だというふうに理解をいたしておるわけでございます。 それから、差額問題等につきましては、私の専門外でございますので、農蚕園芸局の繭糸課長からひとつ答弁をしてもらいたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○泉説明員 一元輸入制度の運営に当たりまして、日本蚕糸事業団の輸入生糸の売買に伴いまして膨大な差益が出るのではないか、その使い方はいかん、こういう御質問と承るわけでありますが、一元輸入は二月に一万五千四百五十俵実施いたしまして、第二回を近く二万俵実施するという段階でございます。実は差益が発生するかどうかという問題につきましては、輸出国のわが国への出し値の動向もございます、国際価格と言われるものでございますが。それから、年度間を通じます輸入数量、それからその時期もございます。対外的な関係もございます。それからまた、輸入品の国内売り渡しの数量、時期、それからこれらに伴います金利、倉敷等必要な経費があるわけでございます。そういう点からいたしますと、非常に多くの不確実な要素がございまして、現段階におきまして輸入差益が発生するかどうかということを見通すということは実は困難なわけでございます。情勢の推移を見守る必要があるというふうに考えておるわけでございますが、将来におきまして、結果といたしまして輸入差益が生ずるというようなことが確実に見込まれるような事情のもとにおきましては、その適切な使途について慎重に検討する必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○河本国務大臣 最近の繊維業界の様子を見ておりますと、不況のどん底から見ますと幾らか立ち直りつつあるという気配でございますが、絹織物の関係だけは例外でございまして、これには御存じのようないろいろな理由があるわけでございまして、非常に高い繭糸を使わなければならぬ、こういう問題もございますし、それからさらに韓国等から天然糸が相当入ってくる、こういう問題等もございます。なかなかむずかしい問題が山積をいたしておりますので、そういうものを総合的に考えまして、一体この問題をどう処理したらいいか、これはなかなかむずかしい問題でございまして、通産省だけでも処理しにくい問題がたくさんございますので、いまいろいろと総合的な対策を立てておるところでございます。
○竹村委員 いま農林省の方から差益が出るかどうかわからない——私は出るというふうに確信をいたしておるわけでありますけれども、出た場合は適切な配慮をしたいということでありますが、最後に大臣にお伺いをいたしたいと思います。 もともとこれは国の一元化輸入という施策によって高い生糸を絹織物業界が買わされるわけでありますから、その場合出た差益というのはその業界に還元するのが至当であろうというふうに思います。この場合、差益が出た場合にはその産業の振興施策等で絹織物業界に還元するというふうに決意を表明していただきたいというふうに思うわけでありますけれども、お答えをいただきたいと思います。
○河本国務大臣 この一元輸入という問題は、関係農家の保護、こういうことからスタートしたわけでございますが、農家だけを保護して絹織物の中小企業はほっといていいかということになりますと、私はそうはいかぬと思います。やはり同じようにいろいろと対策を考えていかなければならぬと思いますので、仮に蚕糸事業団から大きな利益が出たという場合には、これは政府全体の問題といたしまして、通産省、農林省が十分相談をいたしまして、今後この問題を総合的に解決するのには一体どうしたらよいか、こういう角度から検討してまいりたいと思います。
○竹村委員 終わります。
○山村委員長 加藤清二君。
○加藤(清二)委員 委員長のお許しを得まして、積み残しになっております私の質問、これだけに集中して終わりたいと存じます。 自民党の皆さんも大分顔触れがおそろいのようでございます。物理的に大詰めに来た感がございます。しかし、答弁の内容になりますと、遺憾ながらすれ違いが多いようでございます。要求をいたしました資料を見ますと、履き違いが多いようでございます。このままで仮に衆議院を通過したとしましても、これですと、参議院の見通しは立たないようでございます。そこで、もう与えられた時間がほんの少々しかございませんから、答弁なさる方々もそのつもりになって簡潔に要領よくお願いしたいと存じます。 第一番、質問が非常に熱心でございまして、出そろったようでございます。通産省もまた非常に熱心でした。農林省も熱心でした。新婚旅行を犠牲にしてまでこの答弁の準備をなさったようでございます。まことに結構です。野党筆頭理事の中村理事もその誠意に感じてか、質問を取り下げて、この採決の促進に協力すると言ってらっしゃる。そうなると、もう私は最後であります。 そこで、大臣にお尋ねする。いままでじっと聞いてみえましたあなたは、質問者の意見を筋違いであるとか履き違いであるとお考えか、それとも委員諸君の質問は筋が通っているとお考えか、いずれでございますか。
○河本国務大臣 いろいろな問題点につきましての御質問がございましたが、いずれもこの商品取引を今後健全なものにするためには一体どうすればよいかという観点に立ってのきわめて熱心な質問であったと思います。
○加藤(清二)委員 立案者はこの改正案について、立案に当たって一体立法府の意見を聞こうとしていらっしゃるのか、いらっしゃらないのか。審議会の答申をどう考えていらっしゃるのか。全協連の意見をどう考えていらっしゃるのか。こう並べてみますと、どうも立案に当たって審議会の答申は骨抜きにされている向きが非常に多い。いま大臣が質問者は筋が通って非常に熱心であった、傾聴に値するという御答弁があった。にもかかわりませず答弁のすれ違いが多い。たとえば、預託者の完全分離の問題にしても、何ら答弁らしい答弁が行われておりません。一体この法案が通ってだれが得するか、だれが損するか、メリットはどこにあって、デメリットはどこにあるかお考えになったことがございますか。時間がございませんので、参議院で答弁なさるときに、よく心得て答弁してください。私の目から見ますと、どうも最初に申し上げましたように、外部団体に押し切られているという感を払拭することができません。内部のと申しましょうか、立法府の意見が入れられたとするならば、立法に当たって事前に相談があったはずである。事前に相談のあったという委員の顔ぶれを私は遺憾ながら知らない。規制をする、取り締まりをするという法案を改正するに当たって、取り締まられる方とよく打ち合わせをして行われるなどというようなことはもってのほかのひがごとである。大臣、どう思われますか。
○河本国務大臣 立法府の御意見といたしましては、去る昭和四十二年の七月に附帯決議がございまして、この問題について三点ばかり今後の問題点として指摘をしておられるわけでございます。また、審議会につきましては、この御趣旨を体しまして過去二年間ばかり審議をしていただきまして、昨年四月に答申をいただいたわけでございますが、その答申の内容にも、四十二年に立法府から御指摘をいただきましたいろいろな問題点を含んでおるわけでございます。にもかかわらず、なぜその審議会の答申を全部入れないか、こういうお話でございますけれども、確かに五つばかりの点では審議会の答申を取り入れてないところもございますけれども、残余の分につきましては大部分審議会の答申を取り入れるようにいたしまして今度の法案作成に当たったつもりでございます。万全のものかと言われますと、決してそうであると断定することはできませんけれども、現時点においては私は最もいい案である、こういうふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○加藤(清二)委員 与えられた時間が非常に少のうございますので、すれ違いの答弁をなさらないように願いたい。 答弁漏れでございました個々の案件について二、三お尋ねいたします。 福井人絹取引所が不能になりました。五名だけ名古屋へ取引員を招致するという話でございます。通産省にお尋ねする。あの福井は、一体通産省の通産局管内でいくと大阪じゃございませんか。なぜ名古屋がこれを受けなければならないのか。また、もし受けるとするならば、いつからこれが始まるか。その場合にシート料をどうお考えになるか。だれが取るのか。次に、せっかく福井から名古屋へ生まれ変わって得たその権利をまた売買の対象にするといううわさが巷間流れている。そういう場合にどう対処なさるか、承りたい。
○天谷政府委員 まず、福井は大阪通産局の管轄下であるのになぜ名古屋に福井の五名をあっせん・しようとしているかという御質問でございますけれども、これは通産局の管轄は一応そういうことになっておりますけれども、福井と名古屋の地理的関係は、福井と大阪の地理的関係に変わらず緊密でございますし、また、取引員の定員の状況等も勘案いたしまして、名古屋にお願いするのが適切ではないかと考えた次第でございます。 次に、いつからというお話でございますが、これにつきましては、現在のところまだ話が煮詰まっておらず、申請書も出ておるような段階ではございませんので、申請書等が出た段階で早急に処理をしたいというふうに考えております。 次に、シート料の問題でございますけれども、許可された取引員がそのシートを売却するというようなことがあっては非常に好ましくないことと存じますので、五名の取引員が名古屋において営業を継続する意思等を十分にチェックした上で処理いたしたいというふうに考えております。
○加藤(清二)委員 答弁漏れ。名古屋の繊取ですか、穀取ですか。名古屋には人絹はないはずでございます。名古屋のどこへはめ込むのですか。
○天谷政府委員 名古屋における繊維取引所を考えております。
○加藤(清二)委員 その場合に、人絹をやらせるのですか。それともコットンですか、ウールですか、化繊ですか。
○天谷政府委員 名古屋の取引所に現在上場されておる商品を念頭に置いております。
○加藤(清二)委員 しからば、福井の人絹はこれでもうおしまいということですね。
○天谷政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○加藤(清二)委員 問題が残るようですね。五人だけは生き残っても、あとは問題が残るようです。 なぜこのようになったかと言えば、それは余りにも乱高下、余りにも外部資本の流用等々で不要論が発生したからでございます。取引所不要論が発生した。それが原因で、福井県においても、長年の福井人絹でございまするから延長したいところはやまやまであるが、延長してもらいたいという声はもう出てこないのです。ここらあたりをよく御検討願いたい。 次、ウールトップを上場させるという話でございます。これは一体いつからどこでどうなさるおつもりですか。
○天谷政府委員 一部にそういう要望があることは承知いたしておりますけれども、現段階におきましていつどこでどうするというような具体的なことにつきましてはまだ何も決まっておらない段階でございます。
○加藤(清二)委員 具体的な御質問がいままでの質問者からたくさんありましたにもかかわりませず、御答弁がないから私が締めくくりで聞いておるのでございます。 私はこれは反対ではございません。なぜかならば、取引所がヘッジの場を忘れてギャンブルの場と化するにはいろいろな理由がありまするけれども、一つには現物が非常に少ないというところにギャンブルが発生するわけでございます。コットンのように生産量も多ければ上場される玉も大きい場合には、これを独占したり、これを売り惜しみ、買い占めなどということは小資本ではできないわざでございます。玉が少ない、生産量が少ないというところは小資本でもギャンブルが成立するわけでございます。この意味においてトップが上場されることは私はギャンブルを少なくする意味において賛成でございます。しかし、もしそれしかりとするならば、コットンにおいて二〇、三〇、四〇が上場されております。じゃ、ウールの三六、五二、六〇は一体どうなるか。特に四八だけが上場されて、その陰の製品である四九がなぜ問題にされないのか、ここにウールがギャンブル化される一つのポイントがあるわけでございます。大衆が引きずり回されるとさきの大臣がおっしゃられたが、ここにその原因があるわけでございます。なぜ四九、三六、五二、六〇を放置しておいてトップのところへ突然飛躍をなさるのか。
○天谷政府委員 まことに先生御指摘のとおり、そこにつきましていろいろ問題があるというふうに存じますので、その品目の範囲の拡大等につきまして検討を続けたいというふうに考えておりますが、伝統のあることでございますので、種々利害関係調整の必要がございますので、慎重に検討いたしたいと存じます。
○加藤(清二)委員 時間がだんだん迫ってきたようですから簡潔に御答弁を願います。 大臣、この問題について検討をすると言われましたが、本当に検討した結果、トップとともに四九をどうするか、三六をどうするかということを並行して検討なさる余裕がございますか。ございますとするならば、だれと、どこで、どうなさる御予定でございますか、それを具体的に聞いておきたい。
○河本国務大臣 新規の上場につきましては、先ほど来繰り返し答弁がなされておりますように、いろいろな角度から十二分に検討いたしましてその結論を出したい、こう思います。 いつ、どこで、だれと相談するかということ等につきましていまここでまだ申し上げられる段階ではございませんが、十分慎重に検討を続けまして、万遺漏ないように取り計らっていきたいと思います。
○加藤(清二)委員 いつというめども立っておりませんか。
○河本国務大臣 いつというまだ結論を言う段階ではございません。
○加藤(清二)委員 せっかく農林省の政務次官さんがいらっしゃいますからお尋ねいたします。 農協の員外利用は何ぼ許されておりますか。
○江藤政府委員 員外利用は五分の一でございます。
○加藤(清二)委員 五分の一とおっしゃいますと、会員の二割ということでございますか。——では、通産省にお尋ねする。消費生活協同組合の員外利用は何ぼ許されておるか。通産省は制限する方へ回っておるから御存じのはずだ。——私、時間を急ぎますから、こういう時間は省いてください。
○天谷政府委員 恐縮でございますが、中小企業庁と連絡の上御返答を申し上げます。
○加藤(清二)委員 消費生活協同組合の員外利用の許可基準は大体五%でございます。すなわちいかなる場合も会員外に利用するという場合は、その機構、その制度等々によって基準があるのです。取引所の員外利用は何ぼですか、基準を承りたい。
○天谷政府委員 特に明確な基準はございません。
○加藤(清二)委員 指導目標は何ぼですか。
○天谷政府委員 大臣も御答弁いたしましたように、外部資金の割合が七割程度というのが現状でございますが、一般の主婦等の資金等が導入されることを規制することによりましてこの比率が改善されるような方向で漸次指導をしていきたいと考えております。
○山村委員長 加藤委員に申し上げます。お約束の時間がかなり過ぎておりますので、そろそろ締めくくりをお願いいたします。
○加藤(清二)委員 この質問は、各党各委員が何度も質問したところでございまするけれども、いまだに答弁がないので、時間のロスを承知でお尋ねしておる。 これは明らかにもはや員外利用の方が員内利用を超過しているのです。それだったらもう会員制は必要なくなってくる。それだったら会員に与えられておる権利というものは必然的に喪失しなければならぬ。日本の法体系から言って、いやドイツの法体系から言っても必然的にそうなっている。なぜ商品取引所だけの員外利用が会員の二倍も三倍も許されていいのか。それに対して基準すらも、指導目標すらもないというあなた任せの自主規制だから問題が絶えないのである。もし、しかりさようとするならば、会員に与えられたる特権、これは剥奪されてしかるべきである。なぜ員外の人の方が多いのに員内の会員だけで権利を取得していなければならぬのか、大臣もっていかんとなされる。
○河本国務大臣 ごもっともな御質問でございますが、この員外の大衆玉と当業者玉との割合がどうあるべきかということ等につきましては、ここ数日間いろいろな議論があるわけでございまして、その比率が一体どこが妥当なのかということ等については、学説もあるいはまた商習慣においても定説がないわけでございます。ただ常識として言えますことは、結局取引所の機能というものは商品の健全な価格形成及び価格のヘッジング、こういうことが眼目でございますから、員外利用が全然ないということも困るわけでございますが、ただそれが著しく均衡を逸すると、こういう場合にはややもすると不健全な取引ということ等にもなりますので、その問の取引の動向等を詳細ウォッチをいたしまして、今後過当な取引が行われる、あるいはまたそのバランスが崩れる、こういうふうな場合には厳重に行政指導いたしまして、そういう取引が正常な姿に返るように十分気をつけていきたいと、こう思います。
○加藤(清二)委員 この答弁はいただけません。現に過超であることはもう百も承知の上のことなんです。この間うち、委員の皆さん、質問なさった全員が、員外利用が多過ぎると。定説だの何だのということは、通産省にも前例これあり、農林省にも前例これありだ。それをごらんになればおのずから明らかなところなんだ。ここらあたりに本法案は会員のための法案改正であって、一般大衆あるいは日本経済の健全化のための法案ではない、改正案ではないと言われるゆえんがあるわけなんです。せめて参議院でこの問題が審議される期間中には、指導方針がどの程度であるかぐらいははっきりしてもらいたい。その指導方針がなくてあなた任せであるから、会員がやりたいほうだいのことをやる。 時間が来たようですから、最後に、外務員の横暴が盛んに言われました。そのうちの一つとして彼らに固定給がないからだという話でございます。そのとおりです。固定給なくしてノルマがあれば当然横暴に走るのは、これは人の理の当然でございます。したがって、固定給をつけて安心して働けるようにする必要があると思います。いわんや外務員が取引員のトカゲのしっぽであってはならぬと思います。悪いことを思い切りさせておいて、いよいよそれが見つかったら、長のわらじを履かせる。まるきりこれは徳川時代なんだ。それで被害者が尋ねていけばどうなるか。その被害者に対して、そんな取引員はおりませんと言って断る。これが苦情処理のほとんどを占める処置の仕方なんです。これであってはならぬと思います。最低限百歩譲って、固定給をつけ、これをふやして、歩合制から脱却させる、これだけは御答弁いただきたい。
○天谷政府委員 現在固定給の割合が四九%、歩合給が一〇%、固定、歩合併用が四一%となっておるわけでございますが、さらにこの比率中この固定給の割合が増加するように最善の努力を傾けたいと存じます。
○加藤(清二)委員 結論。私どもは考え方が違いまするけれども、資本主義経済下ケインズを追求している今日では、私はこの機構は必要だと思います。必要を唱えます。しかし、日本の商品取引が日本の経済の恥部であってはならぬと思います。いま現在では遺憾ながら恥部でございます。これを回復させることが指導、育成、強化の責任者である通産大臣、農林大臣の任務であり、それを援助するためのりっぱな法律をつくることがわれわれ立法府の任務でございます。この任務が本当に達成できるよう、行政の責任者である通産大臣も農林大臣も覚悟を新たにしていただきたい。 以上です。
○河本国務大臣 取引所の現状につきまして御指摘がございました。今後の運営につきましては、法改正ができました上におきましては、問題点を御指摘になりました線に沿いまして、十分注意をいたしまして運営をいたします。
○江藤政府委員 今回の法律の改正に当たりまして、国会の諸先生から熱心な御審議をいただき、数々の御指摘もいただいたわけでございますから、今後私どもといたしましては十分改正の趣旨にのっとって、国会の御意思等も十分体しながら、今後の運営の万全を図ってまいりたいと存じております。
○山村委員長 以上で、本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○山村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 商品取引所法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○山村委員長 本案に対し、武藤嘉文君外三名より自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党四党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。佐野進君。
○佐野(進)委員 附帯決議案につきまして、提出者を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 商品取引所法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 商品取引所の運営基盤を強化するため、商品取引所の整理統合の推進について従業員の生活の安定に留意しつつ指導するとともに、その円滑化を図るための措置について検討すること。 二 商品市場における過当投機を防止し、商品取引所制度の機能を正常に発揮させるため、市場管理について適正かつ機動的な措置を講ずるとともに、当業者主義の原則を確立するため、一般大衆の参加の限度について検討すること。 三 商品取引員の許可の更新に当たつては、営業姿勢等について厳格に審査し、委託者の保護に万全を期すること。 四 商品取引員及び外務員の資質の向上を図るため、研修・教育機関の設置について検討すること。 以上であります。 附帯決議案の各項目の内容につきましては、審査の過程及び案文によりまして御理解をいただけるものと存じますので、詳細の説明を省略さしていただきます。 委員各位の御賛同をお願いいたします。 以上です。
○山村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山村委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、附帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。河本通商産業大臣。
○河本国務大臣 ただいま御決定になりました御決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、今後行政を進めてまいりたいと思います。 —————————————
○山村委員長 お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○山村委員長 次に、内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、多賀谷真稔君外十九名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、荒木宏君外二名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案並びに予備審査のため本委員会に付託されております参議院議員桑名義治君外一名提出の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。板川正吾君。
○板川委員 独禁法改正案について質問いたします。 持ち時間の関係がありますから、きょうは課徴金、同調的値上げ、公取の独立性、この三点にしぼって質問をいたし、他は後日に譲りたいと思います。 まず私は第一に公取委員長にお伺いをしたいのです。それは六月十二日の新聞によりますと、公取委員長は六月十一日の記者会見で、独禁法の中で課徴金は修正しなくちゃならぬということを要求する、こういう意味のことが報道をされておるわけであります。国会の審議の場で、いま審議中の法案について正規の場所で意見を言わずに、重要な修正案を要求するというような発言は事実かどうか、もし事実であればこれははなはだ不謹慎な発言であると思いますが、この点をまず確かめておきます。
○高橋(俊)政府委員 私は、月に一回だけ定例記者会見をやらねばならぬことになっております。いまの御指摘の点でございますが、そのときの質問にいまの課徴金制度、公正取引委員会はこれでよいのか、困らないのかという趣旨の質問がありました。私はその場合、この委員会においてもそういうニュアンスのことはお答えしておりますが、困らないと言ったらそれはうそになりますから、運営上相当困ることになるであろうということは申しました。しかし、修正を要求する立場にないことは、これはもう常識的でございまして、私がそういう言葉を用いたことはあり得ません、ありません。しかしながら、新聞報道というものは何といいますか、時としてそういう発言者の意向をやや誇大に伝えるといいますか、そういう傾向なきにしもあらずでございまして、翌日の新聞を見ると、修正を要求という見出しがついている新聞もございました。私はこの点大変遺憾に思います。しかしながら、これはもうそういうふうなものが出てしまえばどうにもならないわけでございまして、そのために私の立場、私がつまらぬことを言うという悪い印象を持たれたということについて残念に思います。 しかしながら、確かにこの場において答えないことを新聞記者会見で答えたという点は多少違うのでありまして、私はここでもそういうニュアンスの答弁はいたしたつもりでありますが、その点を記者会見でも繰り返した、こういうふうにお受け取りいただきたいと思います。要求する立場にないということは私だけでありませんで、だれでも知っているはずであります。その点を申し上げておきます。
○板川委員 いろいろ公取委員長に対する風当たりの中に、一言よけいに物を言うということもありますから、ひとつ注意してもらいたいと思います。 総理府総務長官に伺いますが、課徴金というのは法律的にいかなる定義を持つのか、そして今回の課徴金、カルテル課徴金ということになるのでしょうが、この設定した目的は何か、この二点についてお伺いをいたします。
○植木国務大臣 課徴金制度は、違法カルテルが多発いたしまして累犯も多いという現状にかんがみまして、禁止規定の実効性を確保するための行政上の措置として、違法カルテルにより得られました経済上の利得につきましてその納付を命じようとするものでございます。すなわち、課徴金の目的は禁止規定の実効性を確保することでございまして、その法律的な性格は行政上の措置でございます。また、算定の基本的な考え方は、違法カルテルにより得られた経済上の利得を納付させようとするものでございます。 この行政上の措置としての課徴金に類似いたしました制度といたしましては、国民生活安定緊急措置法による課徴金、税法上の重加算税がございますが、いずれも刑事罰と区別された行政上の措置としての性格上、一定の要件があれば当然課されることとなっております。今回の課徴金につきましても、違法なカルテルを排除し、競争秩序を維持するという行政目的を達するために行政官庁である公正取引委員会が、対価に影響のある違法カルテルが行われたときに、行為者ではなくて利得を得る者に対しまして、一定の基準に従ってその額を算定し、行政手続によってその納付を命ずるものといたしております。制裁的な効果を持つことは否定できませんけれども、行政罰ではございません。このような課徴金は刑事罰と性格を異にしておりまして、全く異なった観点から適用されるものでありますので、一つの事件に一方のみが適用されることもあれば、両方が併科され得る場合もございます。
○板川委員 課徴金とは、財政法三条にもありますように、租税以外のものを国が法律に基づいて徴収する、こういうことだろうと思いますが、課徴金の性格というのは、いま違法なカルテルによって経済上の利得者、不当利得ですね、不当な利得者に対して課徴金を取るのだ。そして、その取る目的は、違法カルテルの抑止効果をねらって独禁法の目的を果たす、こういう趣旨でよろしいですね。——わかりました。 次に伺いますが、今度の改正案の中に事業者団体がカルテル違反をした場合に、公取は構成員全員に課徴金をかけなければならない、こういう規定がございます。この規定の、なぜ全構成者にかけなければならないという規定をとったのかという点と、事業者団体が違法なカルテル行為をする場合には、みずから決定をし、みずから実行した者、すなわち首謀者といわれる会社と、上級の機関の決定に従って付和雷同的に、どこもやるんだから、わしもやろう、こういうことで上級機関の決定に従った者となぜ区別をしなかったのだろう、その点をひとつお答え願いたいと思います。
○植木国務大臣 ただいま申し上げましたように、課徴金は違法カルテルにより得られました経済上の利得についてその納付を命じようとするものであります。したがいまして、事業者団体の競争制限行為の場合には経済上の利得を受ける構成事業者に課徴金を納付させることにしているのであります。構成事業者以外の者といたしましては、事業者団体自体または決定に関与した役員に納付を命ずることも考えられるのでございますけれども、いずれも経済上の利得を受ける者ではなくて、制度の考え方にそぐわないことのほか、それぞれ次のような問題があると私どもは考えております。 それはまず第一番目に、事業者団体でございますけれども、課徴金の額の算定をいたしますためには、構成事業者の売り上げを調査しなければなりませんので、作業といたしましては節減にならない、また支払い能力に疑問があるという点であります。 次に、決定に関与した役員の問題でありますが、役員が個人の資格で役員になっている場合には、その出身企業に課徴金の納付を命ずることには疑問があります。また、売り上げの多い企業は役員を出さないというようなことをすると回避が容易であるということ等の技術的問題がありますほか、課徴金の性格に違法行為者に対する制裁という色彩を強めることとなりますので適当ではない、このように考えているのであります。
○板川委員 前にもありましたように、公取に行政的な裁量の余地を与えない、行政的な要請に基づいて全部にかけるということにしたという説明もありましたが、私は、この事業者団体の場合に、みずから決定に参画し、そしてそれをみずから実行したという、いわば首謀者とそのほかのいわば付和雷同者と、これを区別した方が扱い方がいいのではないかという考え方を持っておるのですが、それは私の主張だけにいたします、後でその問題、関連ありますから申し上げておきますが。 次に、総務長官は私の質問に対して、公取の手数を省くために簡明な方式をとった、こういう答弁をいたしておりますが、今度の課徴金の取り方に関して、いまでも実際本当にそう信じておるでしょうか。簡明な方法をとった、公取の手数を省くのだ、こういう答弁をいたしておりますが、この答弁に誤りないですか。
○植木国務大臣 課徴金の算定方式につきまして一番苦心をしたということは、さきに申し上げたところでございますけれども、私どもといたしましては、できるだけ簡明にいたしたい、そのために基準率をとりまして、そしてそれに二分の一をかけるという方法をとったわけでございます。さらにまた、十万円以下の課徴金につきましては、いわゆる足切りをするという方法をとったのでありまして、課徴金は、先ほど申し上げましたように不当な利益を得たものに対しましてこれを納付を命ずることになるわけでございますから、したがって私どもといたしましては、非常に苦心をいたしました結果、このような方法をとることになったわけであります。
○板川委員 苦心したとかなんとかいうことを聞いているんじゃないのです。本会議の私に対する答弁で、公取の手数を省くために簡明な方式をとったと言っているのですよ。そしてまた、当委員会では、公取の陣容をもってすれば課徴金の事務の処理は可能であると、六月三日における勝澤委員の質問に答えておるのです。本会議では、簡明な方式をとった、当委員会では、公取の現在の陣容をもってすれば課徴金事務の処理は可能である、こう言っているのです。だから、この考え方にいまなお間違いないでしょうということを確認しておるのですから、間違いありませんと言ってくれればいいんです。
○植木国務大臣 政府素案の段階で一つの案を考えましたことは御承知だと思いますが、それではやはり非常に問題がございますので、できるだけ公正取引委員会の負担を軽くするようにという努力をしたつもりであります。
○板川委員 努力をしたつもりじゃない、そうできると言っているんですよ、あなたは。課徴金事務の処理は現在の公取の陣容をもってすれば可能であると、こう明確に勝澤委員に答えているじゃないですか。だから、それは一たん国会の審議の場で発言したのですから、いまなおそういう信念には変わりはないだろうという前提で先へ進みましょう。 そこで、課徴金の計算方法の算定の根拠、七条の二の一で、業務ごとに算定の基準率を定めていますが、この根拠はどういうことですか。どういう根拠に基づいて千分の三十、二十、十と、こういうふうに決めたんですか。根拠を示してください。
○原政府委員 千分の三十、すなわち百分の三といたしましたのは、法人企業統計その他の統計を見まして、売上高に対する純利益の額が幾らかということの統計がございますので、全般として使うときにその率を用いた、そういうことであります。
○板川委員 過去十年間の法人企業の統計によって、売上高純利益率を出したというのですから、その出した統計の数字を言ってみてください。
○原政府委員 法人企業統計によりますと、三十九年から四十八年の平均が二・九%、それから、通産省でつくっております「わが国企業の経営分析」というので、三十九年から四十八年の平均は三・四四%、それから日銀の統計でございますと、三十九年から四十八年、これは日銀の「主要企業経営分析」の全産業が三・五二%、そういうことになっております。
○板川委員 そんなこと、隠したってわかることですよ。あなたの方でとったのは、過去十年間の四十五年までの全産業の平均の売上高純利益率というのは二・九%でしょう、いま言ったように。その後になると三・四%、五・二%という数字があるけれども、一番低い方をまずとった。この全産業の二・九%をとったのはどういう意味かといいますと、これは製造業が四・四%、卸売が一・一%、小売業が二・二%になっておるんでしょう。間違いないですね、これは。
○原政府委員 法人企業統計によりますと、全産業が二・九、製造業は四・四、卸売業が一・二、小売業が二・二でございます。
○板川委員 総務長官に伺いますが、今度の基準率が千分の三十、百分の三ですね。それから、小売の場合に二・二%を事務の簡便化を期して切り捨てて二%にした。卸売が一・一%の純利益率だけれどもこれを一%に削った。そして、製造業四・四%であるのを、その他として製造業を何で三%に削っちゃったんですか。その他のサービス業が三・七%という統計が一緒に出ておりますけれども、それを製造業を合わせたとしても、これは算術平均ですが、四%になる。この千分の三十というのが千分の四十というふうになっているんなら一応理屈はわかりますよ。ところが、この製造業というのが一番カルテルの違反率が多いところじゃないですか。そこで一・四%も削ってしまうというのは、どういう魂胆なんですか。
○植木国務大臣 この点につきましてはいろいろ私どもも論議をいたしましたが、製造業の中にもいろいろな業種がございまして、高い、低い、いろいろなものがございます。したがいまして、全産業の三%というのをとることにしたのと、さらにもう一点は、安定成長期に入っておりまして、最近の経済情勢も、御承知のようにすでに利益率一%を割るというような状況のところも出ております。したがいまして、私どもといたしましては、両面からいま申し上げましたように、全産業の純利益率をとったのであります。
○板川委員 なぜ製造業を含めたところを千分の三十にしたのですか。これは同じ統計の中では四・四%ですから、千分の四十四になる。だけれども、端数を四捨五入するという意味で切るなら四十と書かなくちゃならない。それを三十にしておる。その他のものを、サービス業等を含めてもこれが三・七%ですから、平均したって四十じゃないか。これを三十にしたのは何かと私は聞いているのですよ。そして、最近は悪いと言っていますけれども、最近だけとったのじゃいかぬから、過去十年間の平均じゃないですか。だから、過去十年間という長期的な利潤率を見たのじゃないですか、景気のいいときもあるし悪いときもあることを。それを四・四%という製造業のやつを三%にして、これは行政の便宜のためですか、簡単にするためですか。それをしかしそのままとるというなら、それはいま言ったように景気のいいときも悪いときもあるというのだけれども、後でこれを二分の一にするのじゃないですか。二分の一にするならなぜ小売には二%にし、卸には一%にし、大企業がある製造業に四・四%をなぜ三%に引き下げたのですか。理屈がわからぬじゃないですか。
○原政府委員 私どもは、なるべく簡便にしようという趣旨で一つの率を実は使おうと思ったわけでございますが、一つの率を使おうとすれば、やはり全産業の平均になる。ところが、全産業をとりますと、明らかにそのパーセンテージより低いものとして卸売業と小売業がございますので、それをそのまま適用するのは若干酷かなということで、卸と小売だけは別にした、そういうことでございます。
○板川委員 あなた、そんなのは答弁になりませんよ。卸と小売というのは別にとって、外して低くして、二・二を切って、一・一を切って一と二にしたのでしょう。だからそこで、今度はそれを含めた全産業の平均が二・九%だから三%にしたというのはおかしいじゃないですか。そんな理屈で、そのままとるというならまだしも、これは後で二分の一に、半分に切るのでしょう。それならあなた、ここで正確に四・四%か四十かにしたらいいじゃないですか。総務長官、この理屈わかりませんか。私の言っていることわかりませんか。
○植木国務大臣 いまおっしゃっておりますことは、私どもわからないわけではございません。したがいまして、先ほど申し上げましたように、論議をした内容の中に、いまお話がございます千分の四十というものをとってはいかがであるかということを論議いたしました。しかし、できるだけ簡明にいたしますために……(発言する者あり)
○山村委員長 御静粛に願います。
○植木国務大臣 私どもといたしましては、平均的な売上高経常利益率を基準とする。そして、小売と卸は二%と一%と、それぞれ別の率をとる、こういうふうにしたのであります。
○板川委員 これは納得しませんね。行政上簡便にするならもっと小売業を低率にするならわかるけれども、カルテルで一番もうけ得をする製造業、この悪質なところを一番率を低くするというのは納得できません。このことは問題として残しておきましょう。そのほかたくさん指摘すべき問題がありますから。 じゃ次に、その特に低率にした三%をさらに二分の一にするというのはどういうわけなんですか。外国では大体違法な不当利得をした場合には二倍、三倍という罰金をかけたり課徴金をかけたりするのが普通なんだけれども、何でこの場合二分の一にするのですか。 たとえば国鉄の場合は鉄道営業法によって、不正乗車した場合には何倍取られますか。普通運賃のほか二倍課徴金を取られて合計三倍取られるのですね。法律に違反して不正な乗車をした場合には三倍取られるのですね。国が、個人の違反に対しては厳しく三倍も違反金を取るのでしょう。これも課徴金でしょう、税金じゃありませんから。国鉄の違反金も課徴金だと思いますよ。ところが、今度は四・四%の実績を持つのに三%にしてそれを二分の一にする。何で二分の一にする理由があるのですか。これ、どういう意味ですか。
○原政府委員 まず、課徴金は、先ほど総務長官から答弁申しましたように……(発言する者あり)
○山村委員長 不規則発言は御注意いただきます。
○原政府委員 行政上の措置としてまず取るということで、画一的に適用しなければならぬ。外国の例は、たとえばドイツ、これは行政罰でございます。行政罰は、日本の場合には罰金という制度がございますから、そこで……(発言する者あり)いや、それは関係があるわけでございまして、そういうことで行政罰のようなことはできない。日本の場合には罰金もあれば損害賠償もある、第三の制度でございます。 そこで、振り返ってみまして、カルテルによる利得というものは一体何かというと、それはやはりカルテルがあった場合となかった場合の差を本当は考えなければならぬ。いまこれを標準にいたしましても、率を掛けますと、それは利益の全額でございます。カルテルによった場合、コストというものをどう考えるか、それはまた一つ問題でございますが、私どもはやはりコストというものを考えませんと、これは公取の試案は、カルテルの値上げ分と数量を掛けるということになっておりますけれども、あれもやはりコストの値上がりというものは引くのがたてまえでございます。コストを引くとなれば利益になるわけでございます。そこで、要するにカルテルがあった場合となかった場台というのは、コストの関係その他の関係から見て、それは全額というわけにはまいらない。多い場合もあるかもしれませんが少ない場合もあるわけでございまして、そこで二分の一と決めた、こういうことでございます。
○板川委員 それはあなた、そんな理屈言ったって通りませんよ。実際違法なカルテルで値上げした。値上げした実行日と値上げした額、品物の数を掛けて、違法行為でもうけた率が出るのです。そして、それもめんどうだから千分の三十と二十と十にするといって端数を切って、それをまた何か二分の一にするなんというのは理由がわからぬと言うのですよ。そして、郵便の違反とか鉄道の違反だなんというと三倍も取っているのに、同じ違法な行為をしたのに今度は二分の一にするという理屈がわからぬ。総務長官、あなた答えてくださいよ。総務長官に答弁を求めているのですから。
○植木国務大臣 二分の一にいたしましたのは、カルテルによる利得が、対象商品の売り上げによる利得の全部ではなくてその一部であるというところから、その半分をカルテルによる利得とみなしたのでございます。さらに、課徴金は損金に算入することはできませんので、したがって課徴金のみならずさらに税金の面におきましても重ねて一つの……(発言する者あり)
○山村委員長 御静粛に願います。
○植木国務大臣 制裁的なものがあるわけでございますから、そういう意味において二分の一というふうにしたのであります。
○板川委員 何かこうわからないのだね。制裁的な性格を持たないんだ、だから二分の一にしたんだ。だって、重加算税だって課徴金だけれども、これまた制裁的じゃないかもしれないけれども、逆にたくさん取っているんじゃないですかね。それはいいですよ、話がこんがらがるから。しかし、二分の一までまけるという理屈がどうもわからぬね。——いいです。私のわからぬところはみんなわからぬのだから。とにかく不当利得を没収してやり得をなくするんだというのがカルテルの課徴金の目的だと言っているのに、だんだん割り引きしていったらこれは目的を果たさないんじゃないかと思いますよ。 じゃ、次を言いましょう。経常利益の低い企業ですね、利益率が低い企業がカルテルに違反した場合は、過去三年間にさかのぼって計算をする、そうして売上高と経常利益率を出して、その十分の一を限度として減額査定する、こういう規定があります。これは同じカルテルで値上げに参加しながら、過去の収益に応じて取り方が違うというのは、これまた理屈に合いませんね。同じカルテルをやって値上げをした、つかまった、過去三年間の経常利益を見て、低ければその分まで、十分の一まで減額をしてくるという制度、これはどうも同じカルテルをやりながら過去の収益率によって差がつくというのは、これまた理屈の通らぬ話じゃないですか。これはどういう根拠と考え方でこういう発想が出たんですか。
○植木国務大臣 仰せのとおり、一定の率の決定に当たりましては、基準率と基準率の十分の一の間で各事業者の経常利益率によることといたしております。これは限界企業等のことを考えまして、違法行為を行ったということは事実であり、不当な利得を得たということは事実でありましても、やはりそういう企業については何らかの配慮をすべきではないかということを考えて、このようなことといたしたのであります。 過去三年間の問題につきましては、過去の記録で明らかとなる計数でありまして、また経常利益率が「基準率未満であると認められる場合」と定めておりますので、これは納付命令を受けるべき者が公正取引委員会に対しまして意見を述べ、証拠を提出する機会等を活用して資料を提出させるように運用することにしているのでございます。
○板川委員 同じカルテルをやって差がつくのはどうだという質問を私がしているのです。それには答えないで、過去の記録で明らかなように——それは次に質問しようと思っていたら先に答弁している。私は前もって言っておくのは、余り行き違いがないようにしたい、時間がもったいないしと思って、ある程度内容を伝えておったわけですが、私の前の質問には本当に答弁がないのですね。どうせこれは理屈に合わぬ理屈ですから答弁できないと思いますよ。じゃ、それはそれでおきましょう。減額措置をする場合に政令で決めるとか言っておりますけれども、あなたのいまの話は、限界企業だからある程度まけるんだというと、じゃ不景気の場合にはみんなカルテルをやっていいという理屈につながってきますね。もうけがないところはみんな協定して値上げしていいんだということにつながっていきますが、どうですか。限界企業ならやっても仕方がないんだという思想につながるんじゃないか。(「カルテルを奨励しているじゃないか」と呼ぶ者あり)
○植木国務大臣 違法カルテルに対する抑止的な効果をあらわしますために、今回のこの課徴金の制度を採用したことは御承知のとおりであります。 〔委員長退席、武藤(嘉)委員長代理着席〕 しかしながら、この課徴金という行政上の措置によりまして限界企業等に重大な影響を及ぼしますと、非常に大きな経済的な混乱も起こるわけでございますから、したがって私どもとしてはカルテル奨励などということはとんでもないことでございまして、そういうものについては特別の配慮をする、しかしながら課徴金という行政上の措置は採用をする、こういうことにしたのであります。
○板川委員 どういう言い回しをしても、不景気でもうけが薄くなったらば、まあカルテルやってもうけて、見つかっても課徴金も取られません、こういう思想につながっていくんです、考え方が。それもまた後でそのことも立証しましょう。 で、この減額措置をする手順というのを聞きたいのですよ。総務長官は、いまも言いました。減額措置をする手続、手順というのは過去の記録で明らかになっている計数を使うのだから、これは問題ありません、こう言っておるのですね。過去の記録で明らかになっている、この過去の記録というのは何を指すんですか。たとえば違反業者が減額をしてもらう場合に、一体過去の記録を、自分の記録だけじゃこれは証明になりませんよ。少なくともどれだけ売り上げがあって、どれだけ経常利益率があったというのは、自分の、企業者個人の資料なんかじゃ、あなた公取が取り上げるはずがないんじゃないですか。だから、その過去の記録で明らかになっている計数を使うんだというのは、一体何を使うんですか。
○原政府委員 過去の記録と申しますのは、通常、会社は公正な決算処理に基づいて決算をしなければならないことは商法で決まっておるわけでございますが、その決算書類に基づいてやる、それを使うわけでございまして、それを企業の方がそういう決算書類に基づいて出したものであるということであれば、それを採用するということになろうかと思います。
○板川委員 会社が決算報告で会社の決議として出したものをそのまま使うわけじゃないでしょう。会社の資料だけを公取はうのみにするわけにいきませんよ。それはやはりちゃんと税務署の証明なりがなくちゃならぬ。税務署の証明がなくても、個人の書類だけでよろしいんですか、この過去の計数というのは。税務署の証明がなくていいんですか、あるいは公認会計士の責任ある証明がなくていいんですか。
○原政府委員 私ども考えましたのは、会社の決算で、公認会計士の監査を受けておればもちろん結構でございますけれども、格別に税務署ということまでは考えておりません。
○板川委員 大きな会社はあるいは公認会計士がやっておる、署名したものですから、そんなにインチキはできないと思うのですが、じゃ、全国の何とか協同組合が、たとえば石油販売商業組合ですか、これが全国的にカルテル違反をやってつかまったという場合には、一体過去の記録で明らかになっている計数をどうやって事業主は持ってくるのですか。大企業の場合はいい。石油精製会社とかそういうのはいいですよ。私が質問する念頭にあるのは、たとえば三万二千名の全国石油販売商業組合といいますか、ここで個人経営もある、それから有限会社もある、株式会社もある。こういうところの人が減額をしてもらいたいと思ったときに、どういう手続、過去の明らかになっている計数を使うんですかというんだ。それを言ってくださいよ。
○植木国務大臣 過去の記録につきましての証明でございますけれども、この資料につきましては、その正確性につきまして公正取引委員会がチェックをせられるべきものと私どもは考えております。
○板川委員 公取委員長に伺います。では、大企業の場合は、あるいは税務署の証明がなくても考課状で出された書類で一応見るかどうか知りません。しかし、いま言ったように個人経営、有限会社、小さい会社、こういうような、石油販売店ということに考えて答弁してもらいたいのですが、そういう会社が過去の記録で明らかになっているというのを持ってくる場合には、その会社の何か書類だけでよろしいんですか。それともあなたはこの場合に納税証明書が必要じゃないか、こう言っておるんです。ところが、納税証明書だとすると、国税通則法によってもその売上高だとか経常利益率だなんて、そんな証明書を出すことは法律上できないんじゃないんですか。これははっきりしておりますが、大蔵省から来ておるから言いますが、とりあえず公取委が減額措置を申請されるときに過去の記録で明らかになっているというものは何を考えておるのですか。あなたも提案者でしょうから言ってください。
○高橋(俊)政府委員 確かにおっしゃるように有価証券報告書を作成して出す義務のある会社、これは比較的問題ないと思うのです。これはある程度相当さかのぼっても取り得ると思いますが、そうでない事業者、これは圧倒的に多数でございます。それにつきましては、本人が申し出ただけの数字をうのみにするというわけにはまいりません。いままでの経験によりましても、他の場合ですが、本当の数字を書いて出さない、あるいは全部報告を出してこないというのもございますから、こういう問題があって非常にトラブルが多いと思いますが、少なくとも税務署等の証明があればいいです。しかしながら、税務署の義務は、過去三年間に限り納税証明なんですね。納税とは所得と税額だけなんです。したがいまして、売上高はサービスとして税務署がつけてくれればありますけれども、これは断わられればそれきりなんです。そこに問題があります。それからさらに、三年をさかのぼった場合、理論的には六年までさかのぼるわけですが、税務署の書類の保存期間が五年しかないわけです。ですから、六年となれば全く何もないということになりますから、いずれにしても問題は売上高の把握という点が大変困難であろうと思います。全く不可能とは申しませんけれども、全部信用しないわけではありませんが、売上高については証明の得ようがないという現状でございます。
○板川委員 では、業者は減額申請をするときに、どういう方法でどういう証明をもらってくるんですかと私聞いているんです。国税通則法の百二十三条では納税証明書の交付というのがある。国税通則法の施行令では、納付証明書の交付をする場合には確定した税額並びに納付した税額及び未納の税額、あるいは法人の場合には所得の金額、これだけしか書かれていないんですね。その範囲ならば、あるいは納税証明書を出せると言っているわけですよ。しかし、売上高と経常利益率というのを出さなければならないんでしょう。それでなければ減額できないんじゃないですか。 大蔵省に聞きたいんですが、税務書類の保管期限というのは法律上はないんじゃないですか。ただし、税務署の扱いとしては、正直な者が納め過ぎたという場合は三年間のうちには戻すとか、不正なやつがごまかしたのがわかったら五年間さかのぼって徴収するとかいう意味で、五年までは取るという書類があり得るかもしれませんが、しかし税務署の書類の保存期間というのは別に法令的には決まってない。こういうことになりますが、それはそれとして大蔵省ひとつ伺いますが、零細業者、石油販売店などがこういう場合に売上高と経常利益率というのを証明してくれと言ったら証明を出しますか。
○横井政府委員 お答え申し上げます。 先生からお話がございましたように、現行制度は納税者御本人が請求された場合に出るということが第一点でございます。第二点が、所得と税額それから納税額、未納税額という点でございます。それから第三点が、三年に限るということでございます。以上からいたしまして、現行制度のもとにおきましては、売上高及び経常利益率、これは納税証明の方法がないということでございます。 なお、最初にございました保存年限の問題でございますが、これも先生の御指摘のように、現在の税法におきまして一般の場合が三年、偽り、不正等がございました場合において五年、こういう更正期限になっておりますので、そういうことからいたしまして国税庁訓令及び各国税局の訓令におきまして五年というふうに定めておるのが実情でございます。
○板川委員 納税証明書に書かれてあったとしても、発行期限は三年間だ、こういうように法律上なっておるようですね。そうしますと、地方の三人か五人使っている有限会社などが減額をしてもらおうというときに、過去の記録で明らかになっている計数をもう一遍はっきり言ってください。どこで使うんですか、何を使うんですか。これは総務長官、私に何回も答弁しておるんですから、それを言ってください。
○植木国務大臣 経常利益率は、通常事業者の決算の記録により算出が可能なものと考えられます。したがいまして、過去の記録で明らかとなっている計数と申しますのは、決算の記録に表現され、したがってたとえば値上げ幅の調査のように特に新たな作業を必要とするものではございません。
○板川委員 公取委員長に伺います。 そうしますと、各個人が決算していることもあるでしょうし、個人で青色申告しているところもあるかもしれませんが、とにかくその個人の出した資料で、過去の記録で明らかになっているというものを出して、それを公取は減額の基礎にするんですか。ほかの税務署とかあるいは総理府とかの証明がなくても、個人の資料をそのままうのみにして減額するんですか。この点ひとつはっきり言ってください。
○高橋(俊)政府委員 原則として、うのみにはできません。ただし、もしも人間が幾らでもおって費用も幾らでもあるというならば、疑わしきものは全部実地調査をする。これはしかし相当膨大な作業になりますから、実際上はできないということを申し上げざるを得ないわけでございます。そういうべらぼうなことはちょっとできないと思います。
○板川委員 そうしますと、こういうことになるのでしょうか。恐らく減額措置をされたいから地方の事業者は適当な書類をもって、自分でつくったやつなり適当なやつを、税務署じゃ証明してくれませんから、減額措置の要求を公取にします。しかし、公取はその一方的な数字をうのみにするわけにいかないから、これは実地調査をする。本人もわからないのですから、企業者自身が出そうと思っても資料がわからないのですから、それを今度は公取が三万二千件の違反構成員と目されるところへ行って、帳簿を一々調べてそれが本当であったかどうかを調べ直すのですか、そしてそのためにそんな手数をかけて十分の一までまけるのですか、まけるためにそんな手数をかけるのですか、公取が。それを答えてください。
○植木国務大臣 先ほど申し上げましたように、その資料の正確性については公正取引委員会がチェックをすべきものと考えておりますが、この資料が明確でございませんときには確定できません。したがいまして、認定の方法がございませんから、その場合には原則に戻りまして基準率であります千分の三十が適用されるということになります。
○板川委員 これは非民主的な考え方ですね。じゃ、なぜ減額をするという措置を法律で書くのですか。主権者ですよ。違反行為をしたというけれども、やはり国民ですよ。法律でそういうことを、減額することができると言ったら、法律上減額できるような措置を講じてなくちゃだめじゃないですか。やる方法がないから今度千分の三十、百分の三を取るといったら、これは乱暴な話じゃないですか、そういう考え方は。それは国権の上にあぐらをかいた考え方じゃないですか。もう一遍答えてくださいよ。そんな、そういう証明する方法がないから、そうしたら割引はしないのだ。しかし、制度上割引がある。しかし、制度上割引されるために証明する何らかの機会なりを与えないで、ないものはしないのだというのは、そんな国民の立場を離れた一方的な考え方はないじゃないですか。どうですか、法制局でもいいですよ。そういう法制のあり方というのがあるのですか。どうなんですか。
○武藤(嘉)委員長代理 板川委員に申し上げます。いまのところ法制局は呼んでないので、呼ぶようにいたします。
○板川委員 じゃ、総務長官、答えてくださいよ。あなたは過去の記録で明らかになっている計数を使うのだと国会で答弁しているのじゃないですか。だから、過去の記録の明らかになっているところをひとつどうやるのだということを言いなさいよ、あなた。そうすれば、出ないから、やる方法がなければまけないのだという理屈は、国民の側から言えばそれは通りませんよ。
○植木国務大臣 私どもの考え方は基準率で取るというのが基本的な考え方でございますけれども、ただ先ほど来申し上げておりますように、限界企業等についてみずから過去の記録で明らかとなっている計数、資料を提出いたしましたならば公正取引委員会の判断によりまして、すなわち公正取引委員会が受け身の立場でそれに審査を加えまして、そしてどのような率を適用するかということになるのでありまして、したがって私どもとしましては基本的には基準率というものが適正なものであると考えておるのであります。
○板川委員 だれが見てもこれは答弁になりませんね。これはいつまでも同じところでつかえておりますから、先へ行きましょう。しかし、この減額なんという措置はだめですよ。こんなものとりっこないのだから。 なお、もう一遍申し上げますが、課徴金を取る違反者、これは三年の時効ということになっている。三年前から継続しているカルテル違反があった、価格の値上げ等の。これがつかまった場合には、その前の三年といいますから、つかまった時点からいえば六年ですね。その日の属する前の決算期ということになれば足かけ七年か八年になるような場合がありますが、そういう三年から六年、七年にかけて、売上高と経常利益率というのは、全くいまと同じでありますが、三年前でもできないし、どうして六年も前までできるのですか。これ、せっかく減額措置を法律で——事務の簡便化を図って公取の手数をなるべく少なくしてまけてやろうとさっきから言っているのですが、まけてやる制度がちっとも生きないじゃないですか。この六年という場合、どうして売上高と経常利益率というのを計算するのでしょうか。これはいままでの質問、答弁にありましたように、とにかく本人が出したのでは、公取は本人が出したのだから間違いないのだというわけにいかないでしょう。そんなことは公取がやるわけにまいりませんよ。そうでしょう、公取委員長。これはできるはずがない。だから、だれかの公的な証明がなければだめですよ。証明するところは税務署以外には普通ないんじゃないですか。隣の業者に証明してもらうとか協同組合に証明してもらうなんというわけにいかないでしょう。だから、六年も前は、さっき言ったように大蔵省でもそういう証明をするのは、あるにしても三年までだと言っておるのですよ。だから、この法律は、結局はこれは生きないんじゃないですか。これが生きるのですか。生きない法律を書いて、いかにも減額するような幻想を与えるんじゃいけないじゃないですか。どうなんですか。
○植木国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、基準率が適用せられるというのが原則でありますが、いまのようなお話の場合には、過去の記録で明らかとなっている計数を出すということになります。しかしながら、この過去の経常利益率が資料等により確定できない場合は認定の方法がございませんから、原則に戻りまして基準率が適用されることになるわけでございます。 先ほど来お話がございますような、非民主的というお話もございましたが、記録が乏しい小規模事業者につきましては十万円未満は納付させないこととしておりますので、この点で作業の対象とならないものが多いということも申し添えさせていただきます。
○板川委員 それとは違うことなんですよ。認定の方法を明らかにしておかなければだめですよ。六年前でもこういうふうに手順を踏めば減額ができますよということを、法律をつくった場合にはちゃんとはっきりわかるようにしておかなければだめじゃないですか。認定の方法がないのにあるかのごとくやって、減額をする、できないからそれは認定の方法がないのだから基準率だなんて、こういう法律の立て方というのは、あなた、ありませんよ。十万円未満を切り捨てる、これまた乱暴な話ですが、これは後にいたしましょう。とにかく減額措置を要請する企業者側にとって方法がないということだけ明らかになりましたから、それはさておいて先に行ってみましょう。これは予算委員会なら本当はもうおしまいになってしまうものですよ。けれども一応先へ行きます。 課徴金を計算するときにはカルテル商品の売上高を基準としながら、減額するときには今度はその企業の全商品の売上高の経常利益率で減額する率を出すというのですよね。過去三年間の売上高を合計して経常利益を出して、それで比率が幾らだ、その比率が基準率より低かったらその分だけまけましょうというわけだけれども、しかしカルテル値上げした場合に、たとえば石油でガソリンだけ値上げした場合に、それは数量と金額を掛ければわかりますね。ところが、経常収益というのはガソリンだけじゃない。ゴルフ道具も売っておりますしほかの仕事もやっている。その企業活動の全体の経常利益を売上高で割るなんというのは大体おかしいのじゃないですか。どうしてこういう関係のない数字をかみ合わせて、どうして十分の一まで減額しなければならないと言うのですか。
○植木国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、限界企業に対する配慮をいたしますためにこのような措置をとることにしたのであります。
○板川委員 限界企業の配慮のためにね。 ではひとつ、限界企業について伺いたいと思うのですが、経常利益率が低かったから基準率の十分の一にまけられた、そして十万円はこれまた限界企業を考えて、事務の簡便化を考えて免除をした、そういう計算で、一体カルテルで値上げして、値上げ分が幾らまでであったならば免除されるとお考えですか。これはわかっているでしょう。
○原政府委員 十分の一といたしますと、普通一・五でございますが、普通の場合は六百六十六万、十分の一ですから六千六百六十六万でございます。それは値上げでありましても値上げ後の売上額が六千六百六十六万ということでございます。
○板川委員 私の計算では小売業者が一億、卸売業者が二億、製造業者が一億五千万、ここまではカルテルで値上げしても過去の経常利益率が一番低い線で押さえられたら十万円以下となって免除される、こういう計算になりませんか。これは公取委員長、どうですか。
○高橋(俊)政府委員 ただいまおっしゃったうちで製造業の一億五千万は、実は一億五千万ではなくて六千六百六十六万円です。一・五を掛けた場合ですね、六千六百六十六万円と訂正していただけば結構だと思います。ほかの点はおっしゃったとおりでございます。
○板川委員 製造業が六千六百六十六万円ですか、それじゃ訂正いたします。卸売が二億、小売が一億、そこまでカルテルで値上げをしても——しかしこれはおかしい、私は一億五千万円と言ったんだけれども、これは後でよく計算してみます。 とにかくその程度までカルテルで値上げしても、過去三年間の収益が悪ければ十万円未満ということで課徴金はかからないわけですね。そういうことになればこの減額措置というものは、結局は違法カルテルを抑止するというよりもカルテルを奨励するような方向に利用されるんじゃないかと私は思うのです。悪質な業者は計算して、この程度までカルテル値上げしても、過去が赤字だからあるいは過去にもうけがないから十万円以下で大丈夫だということによって、その売り上げまで値上げをする、その辺までいったらやめたと言う、こういうことになれば十万円以下で課徴金は取られない、こういうことになりますと、これは恐らく違法カルテルを抑止する効果よりも奨励する効果になるんじゃないか、こう思いますね。 総務長官、政府案の考え方で、たとえば百円の品物を百二十円に値上げした場合には一体幾らの課徴金が取れると思うのでしょうか。基準率で計算していただきたいと思います。——じゃ、いいです。めんどうですから、また私が言いましょう。政府案で、百円のものを百二十円にカルテル値上げをしてつかまって課徴金を取られるということになれば、一・五%ですから、製造業は三円です、小売は二円です、卸売は一円です。さらに、三年間に収益がなければその十分の一まで免除されます。私ども社会党が出しておる課徴金は、百二十円に値上げしたならばその値上げした分を課徴する、こういう考え方に立っておるわけですが、とにかく百円のものを百二十円に上げて三円か二円か一円か取られて、もうからなければその十分の一までまかるといったら、課徴金のカルテル抑止効果というのはないのじゃないかと私は思うのですが、この点は公取委員長答えてください。どうですか。
○高橋(俊)政府委員 正直に申し上げまして、十分の一に軽減されるといまおっしゃった点、抑止効果としては、値上げ幅等との関係にもよります。非常に小さな値上げ幅の場合だったらどうかと思いますけれども、そうでなければ原則としては抑止効果はきわめて乏しいものである、こう申し上げざるを得ないと思います。
○板川委員 総務長官、お答え願います。
○植木国務大臣 値上げ額の中にはカルテルがありませんでも値上げが行われたと認められる部分も含まれておりまして、課徴金の算定についてはこれを控除する必要があることは制度の趣旨から申しまして当然だと存じます。したがって、同じ値上げが行われましてもカルテルによる利得は直ちに算定されるものではありませんで、値上げ額と政府案の課徴金額とを単純に比較することは適当でないと考えておるものでございます。通常の場合は、売上高を基準にいたしました企業の純利益率は余り大きいものではありませんで、売上高の一・五%を課徴金として徴収することは、一般的に言いまして相当大きい抑止力となると考えます。また、税法上の取り扱いにつきましては先ほども申し上げたとおりでございまして、それだけ負担分は大きいと存じます。
○板川委員 違法に二十円値上げしてつかまったら、悪くて三円返して、もし過去のもうけがなければ三十銭でいい、二十円のうちの三十銭しか納めないでいい。これは製造業が三十銭、小売が二十銭、卸が十銭と、二十円値上げして最低の場合にはその程度でいいということになれば、私はカルテルの抑止効果というのはない、こう思いますね。これまたどうも私に対する答弁がまともじゃないのですが、その点明らかにしておきましょう。 〔武藤(嘉)委員長代理退席、委員長着席〕 公取委員長に伺いますが、こういう思想で、限界企業がカルテルをやっても仕方がない、こういうことになりますと、独禁法の不況カルテルの認可、従来不況カルテルの認可というのは、鉄鋼業界なんか非常に安易にやってきましたから、今度は厳しくやるという方針をとられておる。しかし、この減額措置との絡み合いあるいは見合いにおいて、今度は不況でもうけがないところはカルテルをやってもうけても仕方がないということになると、不況カルテルの認可についての考え方というのは変わらざるを得ないのじゃないですか。これはしようがない、許可しないでやっても、向こうが違法でやるだろう、やっても、課徴金かけても取れないから、減額されるからやめたと言って、どんどん不況カルテルを認めていくという傾向になりませんか。これは独禁法の運用上の考え方について伺います。
○高橋(俊)政府委員 不況カルテルの認可の私どもの方の態度は、かなり厳しくしておるわけでございます。それといまの限界企業というもの——限界企業という意味は私はちょっとわかりにくいと思いますけれども、要するに過去において、過去三年間の業績がふるわなかったもの、こういうふうなものでありまして、その中には非常な大企業もあれば中小企業もある。限界企業というと何か零細企業と間違いやすいのですが、そういう意味ではないと思います。要するに過去の業績が悪かったもの、そういうものがカルテルをやって、たとえば値上げをやる。そのほか操短を勝手にやるというふうなことをやっても、余り大したおとがめにならないというふうなことになることはよろしくないのですけれども、しかし現在では排除措置しかないのですから、何らかの形で課徴金制度というものが設けられれば、それは抑止力として働く。ただし、十分の一という点は、先ほど申し上げたように、いかに限界企業、先ほど申し上げたような業績ふるわない企業といえどもほとんど大してこたえないというふうなことになってはやはりまずいのではなかろうかと、これは私ちょと言い過ぎかもしれませんが、その程度の感触を申し述べます。
○板川委員 不況カルテルの認可は二十四条の三でしたけれども、いずれにしましても、私はこういう考え方は今後の独禁法の運用上非常に問題になる思想だと思います。 次に伺いますが、この課徴金を取る手続、手順というのを説明してもらいたいと思うのですよ。それをただ十三業者の石油業者というのじゃなくて、一番しょっちゅう方々でやっております全国石油商業協同組合ですか、三万二千名の構成員を擁しておりますから、この三万二千名の全石連がたとえばカルテルで違法な値上げをした、そしてそれは課徴金を取る。こういう場合に石連のことを、そういう数を念頭に置いて一体公取はどういう手順と手続で課徴金を取り、減額査定をするのか、手順と手続を説明してください。
○高橋(俊)政府委員 事務当局を使わずに私が直接お答えいたします。 まず最初に、これは全部手続だけずっと申します。事件として取り上げるという場合には、私どもの方で立件手続というものを決裁で必要とします。立件手続でございますから、これは四十六条を適用できるという意味においてその手続は必要でございます。それから、もちろんこの前に下調査が相当期間ございますが、その次は立入検査を実施いたします。これは数は、そのときどきの必要性に応じてどのくらいやればいいか、われわれの方で持っている人員の数等を考えて決めます。その次に、証拠が挙がれば、相当期間、二、三ヵ月もちろんかかりますが、勧告をいたします。勧告をいたすのに対しまして、実は今後は一年以内の行為については過去の違反行為についても勧告をするという事態が生じますが、それ以前の行為ですと課徴金の対象となる事実があれば、これは事実認定だけをやります。それから、証拠が不十分である、証拠が挙がらないという場合には打ち切りでございます。これは問題ありません。それから、勧告をしたのに対しまして、これはした部分について申しますが、応諾をすればそのまま審決になります。応諾をしない場合は審判手続を経た上で審決に至るわけでございます。さらに、その審決を執行するという、審決執行のための職員が別にございます。それが違法行為を排除するに必要な措置を命ずるわけでございます。 さらにその次が、今度は課徴金の関係になりますが、最初に報告を出すように命令を出さなければなりません。報告というのは、先ほど申しました売上高それから実行期間がいつからいつまでであるかという問題、これは大変認定がむずかしゅうございますが、それをやります。売上高とそれから違反行為者、ついでにやるとすれば、この場合に過去三年間の総売上高、その場合は対象商品が広がります。それから経常利益の認定のための資料を得るということでございまして、認定のための資料を得るという問題の中には先ほどのような問題が含まれて大変複雑なことになりますが、その意見の徴求、証拠の提出をさせることになります。それは別途にやっていいのですけれども、これはやるとすれば私は同時にやった方がよかろうと思います。 それから、対象の売上高の調査をいたします。その調査には書面で調査の足りるもの、有価証券報告書のあるもの等はこれは書面調査で足りる場合が多い。しかし、書面調査によれない場合は実地調査を行います。この実地調査の件数をどのくらい見るかという点が問題点でございますが、こういういまおっしゃいました三万二千名というふうな商業組合でありますと、実地調査の率は相当高くならざるを得ないだろうと思いますが、書面でカバーできるものもございます。 その次に、今度は経常利益率の調査というものがございますが、これまた過去三年のいわゆる経常利益に当たるものを調べまして、それと総売上高との比率を調べる。それについてはかねてとってはありますが、それについて今度は売上高が一千万円に満たないものと経常利益率が二%以上のもの、これは小売でございますから、それを超えるものはその調査を要しません。つまり一方は切り捨てになり、一方は初めから基準率を適用する、減額になりませんから、それは除きます。そして、やはり書面調査と実地の調査を行わなければならぬものは相当あるであろうと思います。 次に、納付命令書を作成いたしまして、算定された納付金の金額を記入して、相手先にこれを送達いたします。これは特別送達という方法によりますが、それで普通の場合ですと入ってくる。それを全部チェックする。チェックしたときに滞納になっておる分については督促を行い、さらにその督促にも応じない場合には強制執行をやって徴収をしなければならぬということになりますが、さらにこの納付金の金額そのものについて不服のあるものは審判手続を要求いたしますので、その審判の結果によって審決を下す。で、金額を確定する。さらに不服ならば、これは裁判に係属する。こういう順序になります。 手続だけを申し上げました。
○板川委員 総務長官、ちょっとあなたの過去においての答弁、現状の公取の人員で可能だということを頭に置いて聞いてください。 まず、違反行為があった場合には下調査をする、これはいろいろあるでしょう。今度はその次は立件手続で四十六条で調査をする、立入検査をする、証拠を集める。三万二千件を頭に置いてください。立入検査をし、証拠を集めるという作業をいたします。その後今度は証拠を集めて審決により排除措置を命ずる、違反だからそれをやめなさいという排除措置を命ずるために勧告をする。勧告をして応諾すれば、勧告審決ということになってカルテル行為は一応そこでストップされる。争えば次に残されていきますから、勧告措置を素直に業者が受け入れて、勧告審決で排除措置がとられた、こういうことにまず整理をしておいてください。 そうしますと、今度は課徴金の計算に入る。課徴金の計算に入ると、報告の徴求、全事業者に対して、どういう売り上げがあり、いつからいつまでやったかというのを、送達手続という書留書面で全員に書類を送り、あわせて意見があれば出してもらいたいということを言うそうであります。そういう書面が今度は上がってくる。それはたとえば三万二千件に出したとすると、大変な日にちもかかると思いますが、とにかく書類を受けた方も税務署へ行ったり何か、書類がとにかく通用するかしないかわからないけれども、書類をつけて返ってくると思います。そうすると、事業所の書類と公取が調べた売上高とを審査して、そして違っておれば今度は立入検査なり何かしてそれを確かめる。——通産大臣、退席されましたが、また後でやりますから。立入検査をしてその資料を確かめる、実地調査もする。こういう形の中で今度は課徴金に対する結論を出す、こういうことになりますね。そして今度は、減額措置はどういうふうにやるのかというと、その数字が出たら、今度は減額調査をやる。そのためにまた全員に対して報告を求めて、最初の報告で大体とれておるそうですが、ここで報告を求めて、損益計算書とか貸借対照表とかそういう公認会計士の証明なんかをもらって、とにかく減額措置に対する資料の報告を求める。過去三年間の売上高と経常利益率の割合の報告を求める、これはできないかもしれませんが。そういうようにしてなおかつ意見があれば実地調査をして、そして本人の意見をあらかじめ聞いて今度は納付命令書を作成する。あらかじめ聞くというのは報告で聞くのかもしれませんが、とにかくそういう手続をして課徴金を最終的に計算をして納付命令書を出す。それでこれも書留で全員に出すということになります。もちろん異論があれば審判にやりなさいとわざわざ法律に書いてありますから、審判にやるでしょう。納付命令書を出して、相手がどうもこの数字は気に食わない、これでは一方的だ、こういうようにして納めなかったなら、公取が今度は督促をする。督促をして納めなかったら強制執行を行う。国税滞納処分の例によって強制執行を行って、そして押さえた物を競売に付して課徴金を取る。これも税務署の役割りから何から何まで公取がやることになるわけですね。 そういうことになるのですが、こういうような複雑な事務を、特に一番複雑なのはやはり減額措置ですよ。減額措置が一番複雑です、この計算が、証明もないし。そういうものをやって納めなければ、強制執行まで、国税庁の代替みたいなことまで全部やって取り立てようというのですが、これで現状の公取の陣容をもってすれば、最も簡便にやったから執行はできる、こういうふうにお考えですか。こういうことができると思っておりますか。
○植木国務大臣 課徴金という新しい制度を採用いたしますと、公正取引委員会の一件当たりの事務量が増大をするということは当然でございます。ただ、政府案は全体として公正取引委員会の事務処理について配慮を加えているのでございまして、一体事務量がどれだけふえるかということの試算につきましては、事務的説明を受けましたが、事業者団体に関する立件件数の見方でありますとか、過去三年間の経常収支率の調査の所要日数の見方等についてまだ十分に煮詰まっておりません。他方、本制度の一般的抑止効果によりまして違法カルテル事件が減少すると見込まれますし、また十万円以下のものにつきましては切り捨てということをいたしておりますので、公正取引委員会の運営よろしきを得まして、効果を発することができるのではないかと思うのでございます。 なお、課徴金制度を行政上の措置として性格をつけ、これを採用します以上は、ただいま公取委員長がお話しになり、また板川委員が御指摘になりましたような手続は必要となるものと考えます。
○板川委員 この間とりました公取の資料によりますと、全国小売酒販組合中央会十二万二千五百名、全国理容環境衛生同業組合連合会十一万一千六百名、全日本美容環境衛生同業組合連合会九万二千名、全国菓子工業組合連合会六万名、全国青果小売商組合連合会五万二千名、全国クリーニング環境衛生同業組合連合会三万五千名、日本絹人繊織物工業組合三万三千八百名、全国石油商業組合連合会三万二千名、全国電器小売商業組合連合会二万六千九百名、全国豆腐油揚商工組合連合会二万三千七百名とありますが、もしこういう法律が通れば、こういう組合を今度は——たとえば石油の精製会社が中心にカルテルなんかやりませんよ、十二、三じゃふんづかまっちゃいますから。ですから、今度は三万二千名を動員して、そちらの方からカルテルをやる、合法ですから。そして、課徴金をかけられない、こういう形に、カルテルを合法的に、脱法しようという方式を、こういう全国組合を通じてやってくるに違いありませんね。だから、いままでは石油販売組合、山形にあるとか北海道にあるとか、比較的小さい県単位でやっていますけれども、今度は県単位じゃないですよ。全国連合会でやりますよ。これでできますか。だから、これは私は最初から心配しているんだ、公取はできないんじゃないかと。だけれども、現状の公取の陣容をもってやれると言っている。現状の人数で、公取委員長できますか。たとえば、もしこのうちの一つでもカルテル違反をやった場合には、摘発をして課徴金が取れますか。公取委員長の答弁を求めます。
○高橋(俊)政府委員 率直に申しまして、三万二千名というふうな団体がカルテル行為といいますか、八条一項一号違反行為を行った場合は、事実上はもう現陣容ではとうていできない、こういうふうに申し上げざるを得ないわけでございます。試算したものはございます。これを含まないで、普通の比較的小型の組合を中心とした事業者団体のそれによる事業量がどうなるかという試算は、この間お求めがございましたから、いずれ正式に御提出することになりますが、もうすでに数字はわかっております。
○板川委員 去年やった違反者五十ぐらいを中心に、二百二十名単位で考えた場合には、二百名から三百名ぐらい不足だというその資料はいただいておりますが、恐らく今後、この法律が通れば、いままでのようなカルテル違反はやりませんよ。全国組織でやりますよ。これは当然じゃないですか。法律が、それでやっても適用されないということは、合法的なんですから。いや、合法的というより、取れないのですから。取れないようになっているから、合法的じゃなくても、手がつかなければ、そういうふうに指導されていきますよ。だから、この改正案というのは法律的に抑止効果を持たないんじゃないかということが私は頭にあるわけです。公取委員長、ひとつこの点お答え願いたいのですが。 課徴金の納付命令に関する売上高調査を事業者に求めますね。それは郵送して、文書で報告を出してください、幾ら売り上げたかどうか。中に意地の悪いやつがいて、あるいは悪知恵の働く弁護士がいて、課徴金の調査をそのままやれば何千万か取られるかもしれない、それなら報告を出す必要はないじゃないか。報告を出さないと言ったらどうなるかというと、二十万の罰金ということになる。それ以上の措置はない。だから、二十万罰金を払っても、一千万も課徴金を取られるなら売上高調査なんか出さない方がいい、たとえばこういう指導で、ある業者団体がやった場合に、公取はそれに対抗する措置がありますか。
○高橋(俊)政府委員 いまのこのたてまえは、事業者団体に対して報告を命ずるのではなくて、構成事業者ということになっておりますから、構成事業者の中に、たとえ刑罰を受けても出さない、金額で比べて、二十万の罰金ならこっちの方が得だというふうな考えの者は余りおらぬと思います。やはり刑罰を食うということと、金で済ませられるということならば、相当巨額のものでない限り、非常に大きな額になって、二十万と比べればはるかに得だ、そういう打算で対応してくる者は、よほどどうかしていると私は思うのですがね。ことに大きな額を食うというのは、比較的大企業ですね。大企業の場合には何億ということになる、一億にもなり得るわけですから、それなら二十万払った方が得だという計算は成り立ちますが、何百万程度のものと罰金刑とを比べるというのは、ちょっとおかしいのじゃないかと思いますが、私としては、やはりそういういうことがないことを望む。あった場合には対抗手段があるかと言われれば、私どもはそういう悪性のものは実地調査をして報告を出させるというふうに仕向けるのが一つのあり方だと思います。
○板川委員 憲法上に、不利な自白は強制されないという規定もありますから、それは、どうぞ公取がおいでなすって、逃げも隠れもいたしませんから、調査をして判定してください、決定してください、間違ったら争います、ということで報告を出さなければ、二十万を公取としては罰金として——これは値上がりして二十万ですよ、いままでは二万円ですが。大企業は、二十万でも、それは新聞に公表されれば恥と思いますが、地方の中小企業なんかは、何も公取が飯を食わしているわけじゃないじゃないか、そんなことは別に、弁護士のところへ相談に行ったら、二十万払えば、それで向こうが調べに来たら取られればいいんだ、こういうことになるのじゃないか、こう思うのですが、いずれにしましても、課徴金の取り方についてはいろいろ問題があると私は思います。 総務長官にこれを言わせるのは私は酷だと思って副総理に来てもらおうと思っておったのですが、結局、カルテルのとり方は実際実現不可能じゃないだろうか、また減額措置等についてはどうも無理があるのじゃないですか。われわれもカルテルで、たとえば四%にしてそれでその半分の二%までまけようという行政の便宜といいますか、そういうような措置まで反対しようとは思っておりません。それはある程度の手数を省くために便宜も省略も必要です。だけれども、省略すると言いながら、実際はめちゃくちゃに手数がかかるようにしている。減額措置の例がそうです。そういう点、カルテルに対するかけ方というのは、われわれはかけることには賛成だけれども、今度の改正の大きなポイントですから、これが実行できたら相当な影響を与えることは事実だと思いますから、かけることには賛成ですが、とにかくこのままではこれは抑止効果どころか、逆にカルテル奨励になります。こう思います。 福田副総理、実はいまは芝居が終わった後へ来て、どうも困ったのですが、初めから言うのは時間がありませんが、課徴金の取り方が実は非常に問題がある。そして、正直言うて満足な答弁ができない。特に割引を十分の一にするなんというのは、本当に手数ばかりかかって実際上できない、こういう感じがいたします。後でひとつ総務長官から聞いていただいて、この点の修正というものを——総理も修正に応ずべきじゃないかという見解を発表いたしておりますから、この点についてひとつ政府の取りまとめに御協力を願いたい、こう思います。一応課徴金はそれで終わりといたします。 次に、寡占企業の同調的値上げ問題について伺いますが、時間が七時二十分までですから……。 寡占企業の原価公表の変形として四十条の二というものが提案されております。ところが、いままでの当委員会における審議の質疑応答を見ますと、どうも総理府と公取と法制局、それぞれの間に微妙な言い回しがあって、場合によると全く正反対な解釈もとれる、こういう点があると思います。 そこで、私はその点を明らかにしたいと思うのですが、総務長官は本会議でこの同調的値上げ問題についてはこう答弁しておるのですね。「「職務を行うため」とは、独占禁止法の規定の具体的運用に関する職務をいうと解されるのであります。しかし、現行法のもとでは、単に同調的値上げの形をとっているという事実のみをもって、直ちに独占禁止法上問題とすることは困難でありまして、通常、第四十条によって値上げ理由の報告を求めることはできないと解しております。」こういうように本会議で私の質問に対して答弁をいたしております。これは速記録を正確に読み上げました。 また、公取委員長は、六月三日の当委員会で、勝澤委員の質問に答えてこう言っているのですね。「私は、結果を先に述べますが、四十条の二が入ったことによりまして、四十条の職権ですね、それと四十三条の公表権、これは何ら影響を受けないと解釈しております。それでも四十条の二が加わりましたことは十分に意味はあります。と申しますのは、四十条は職務の必要上ということでありますから、その都度ケース・バイ・ケースで判断するということがたてまえでございます。四十条の二の場合はこういうふうなことで早く言えば同調的値上げを行ったものは文句なくその理由を徴求される、そしてそれについて国会に年次報告の中で公表される、こういうことが明らかに定められておりますから、私はその点でのいわば宣言的効果といいますか、あらかじめそういうことを決めておくということについて十分意義はあると考えておりますが、では四十条はそのために制約されてしまうかというと、それはそれでその場合の判断によって調査権は十分残る、ある、狭められておらないと解釈しております。」これが勝澤君に対する答弁であります。 今度は法制局は、これまた違った答弁をしておるのですが——ちょっといま見当たりませんから後で申し上げましょう。 いずれにしましても、総務長官と公取委員長とは、四十条の二が入ったことに対して、四十条との関係でどうも意見の食い違いがあるように思われるので明らかにしますが、総務長官に伺います。 四十条では同調的値上げの調査ができないかのごときニュアンスで、しかし現行では直ちに問題とすることができない、こうあなたは答弁しておりますが、この直ちにできないというのは一体どういう意味ですか。これはたとえば自動的にそれはできないけれども、しかし公正取引委員会が必要と認めたならばそれはできるという意味でありますか。それとも、直ちにできないというのは——四十条では直ちにできないというのはどういう意味でおっしゃっておるのですか。この点を、重要な点ですから、明らかにしてください。
○植木国務大臣 先ほどお読み上げになりました私の答弁及び公正取引委員会委員長の御答弁については、私は食い違いがあるとは思いません。同一の趣旨のことを表現を変えて言っているというふうに私は理解をいたしております。 それから、直ちにということはどういうことかということでございますが、これは形の上で直ちにという意味でございますので、そのように御理解をいただきます。
○板川委員 法制局の味村部長ですか、あなたは答弁がどうもあやふやな、どっちつかずな答弁をしますが、いまの点でよろしいですか。
○味村政府委員 私の答弁、舌足らずの点があったというおしかりでございますので、もう一回申し上げておきます。 現行法の第四十条は、「公正取引委員会は、その職務を行うために必要があるときは、」云々と、調査権を認めているわけでございます。その職務と申しますのは、これは私どもは独占禁止法に定められました具体的な職務を行うためである、つまりカルテルならカルテル違反の事件があるというふうに嫌疑があります場合に、そのカルテルを摘発するというためにこの四十条の調査権限が与えられているというふうに解釈をいたしております。 四十条の二は、これに対しまして、いわば寡占業界におきまして同調的な値上げが行われました場合に、そのような現在の独占禁止法に認められております具体的職務の執行の必要の有無を問わないで、この同調的値上げがあったという事実のみによって調査をすることができる、報告を求めることができるという点で、四十条によっては賄えない、調査できないケースをこの四十条の二によって報告を徴収することができるように、公正取引委員会に権限を与えたものであるというように考えております。 〔委員長退席、前田(治)委員長代理着席〕
○板川委員 その点はこの間あなたが答弁したのと同じですが、しかしあなたは独禁法四十条は、具体的なたとえば違反の疑いがある、そういうようなときでなければ四十条の調査のための強制権というものは働かない、こういうふうに解しておるのですか。その点、もう一遍念のために伺います。
○味村政府委員 公正取引委員会の具体的職務は独占禁止法によって与えられている職務でございます。したがいまして、その具体的職務を遂行する上において必要がある場合が、この調査権限の発動の要件であると存じます。
○板川委員 では、こういうことでしょうか。四十条に定められておる調査のための強制権限の範囲というのは、これは独禁法の中に具体的な規定がなければ働かないと言いますが、それでは同調的値上げについては具体的規定がないからこの四十条は働かない、こういうふうにおっしゃっておるのですか。それはどうなんですか。
○味村政府委員 ただいま私が具体的にと申し上げましたのは、独占禁止法に具体的に公正取引委員会の職務として決められているものという意味で具体的にと申し上げたわけでございます。 同調的値上げがありました場合に、これはあるいはカルテルによって同調的値上げが行われるというケースもあり得るかと存じます。そういう場合にカルテルの嫌疑があるということでございますれば、現行法の四十条によりまして調査権を発動することができると考えます。しかし、カルテルの嫌疑はないのだ、ただプライスリーダーシップなりなんなりによって同調的値上げが行われたのだという場合には、現行法の四十条の規定によっては調査ができないというように私は考えております。
○板川委員 その点は問題である。法制局は、プライスリーダー的なことでやった場合には四十条は働かない、こうおっしゃるのですね。この独禁法の解釈というのは、総務長官が決めるわけでもない、公取が決めるわけでもない、最終的には上級審である高裁か最高裁へ行かなければはっきり決まらないわけですよ。その場合に法制局の見解というのが一つの大きな参考になるのじゃないですか。だから、あなたの発言は非常に重要なんですよ。でたらめな発言じゃなく、ひとつ願いたいのです。 じゃ、プライスリーダーがあった場合には働かないということがどうして言えるのですか。たとえば独禁法三十五条の四項を見てください。公取の経済部の所掌事務がここに書いてあるじゃないですか。具体的に三十五条の四に、「経済部においては、左の各号に掲げる事務をつかさどる。」「事業活動及び経済実態の調査に関すること。」そういう規定がある。この四十条は、あなたは知っているだろうと思います。釈迦に説法かしれませんけれども、八章第一節なんですね。よく見てくださいよ。八章第一節というのは公正取引委員会の設置法でしょう。設置法的規定の場所でしょう。わかりますね。よく読んでください、あなたは商売なんだから。設置法でしょう。設置法の調査の権限というのは目的にかかるんでしょう。あなたがしょっちゅう言っている第一条の目的だ。第一条の目的にかかるんでしょう。第一条の目的を果たすために四十条で、公正取引委員会の設置法でこういう権限を与えておる。そして、具体的には三十五条でこういう調査を必要とするという担当部もあるでしょう。違反の事実がなくても、公取は国会に対して、独禁法の運用上のいろいろな意見を総理を通じて出す場合もあるでしょう。こういう法律をつくってもらいたい、自分は法律をつくる提案権がないからこうしてもらいたい、あるいはこういう措置をやります——四十条というのは独禁法違反の疑いがあるときばかりじゃないのですよ。独禁法運用上必要という場合には、これは将来国会や内閣に意見を申し上げる前提としても調査する必要がある、その権限が三十五冬の四にあるんじゃないですか。あなたの話を聞くと、プライスリーダーでやったのは四十条は働かないと言う。違反の事実が明らかじゃないと四十条は働かないかのごとく言っているのは間違いじゃないですか。どうなんですか。
○味村政府委員 独占禁止法三十五条の四は、経済部の所掌事務を規定したわけでございます。経済部の所掌事務として「事業活動及び経済実態の調査に関すること。」とございますが、この調査は、強制調査であるとも任意調査であるとも言っていないわけでございます。四十条の方は、これは強制調査の規定でございまして、これに違反すれば罰則があるわけでございます。そういたしますと、四十条の調査というものの権限は、これは先ほど申し上げましたように、公正取引委員会の「職務を行うために必要がある」ということでございまして、公正取引委員会の職務は、先ほど申し上げましたように、具体的に独占禁止法の規定にあるその職務を指すものだというように考えております。
○板川委員 この公正取引委員会の任務というのは、ただ違反者を取り締まるという警察権的なものばかりじゃないのですよ。それは将来国会に対してこういう措置をしてもらいたいというためにいろいろの調査ができるのじゃないですか。たとえば商社の調査、これは四十条でやったのでしょう。これは別に違反の疑いがあるから十大商社の調査を四十条でやったわけじゃないでしょう。しかし、その実態を経済部が必要として調べて、将来これは法律をつくらなくちゃいかぬかなという前提で調べる場合もあるのですよ。あなたの言うのは、この違反で罰則がついているからと言うが、それはそういう場合もあるでしょう。だけれども、四十条というのは、公取の第一条の目的を果たすための調査の一般的な権限であって、それは罰則のかかる場合もあるし、かからない場合もある。いずれにしても、そういう広範な権限が四十条にあるのじゃないですか、目的と並べて考えて。 じゃ、公取に伺いますが、従来四十条でどういう調査をしてまいりましたか、ひとつその調査の実績を知らしてください。
○高橋(俊)政府委員 従来やってきました、いわゆる今回の同調的値上げに対する対策とも言うべき四十条の二のそのもとをなしたものというのは、管理価格の調査でございます。ですから、ただいまおっしゃいましたように、直ちにそれが違反の疑いありというのでありませんけれども、管理価格というものはすでにあったので、これは任意調査でやった部分と四十条による強制調査とがまじっておりますが、強制の四十条の方の調査だけ申し上げますと、四十一年にバターと家庭用合成洗剤についてやりました。それから、五年間ばかり飛びまして、合成石炭酸。それから、手編み毛糸とか鋳鉄管、それから螢光放電管というものを四十七年に行っております。なお、家電製品の二重価格の表示実態調査、二重価格というのが問題になりましたので、こういうものを行っております。それから三番目に、再販の関係の実施状況に関する調査を四十条で行っております。それから四番目、これは実は国会の本会議等での要請がございましたので、私ども実は本旨じゃなかったのですけれども、カルテルの疑いがなしとしないじゃないかということから、買い占め、売り惜しみの調査を四十八年三月に行っております。これは大豆、木材、生糸、綿糸、羊毛、モチ米、こういうようなものについて行っております。五番目には、紙の価格形成に関する実態調査でございますが、四十九年三月に行っております。六番目に、第二次商社調査——第一次は任意でございましたが、第二次商社調査は四十九年四月以降でありますが、これは四十条でございます。それから七番目に、原油の購入価格に関する調査、これは四十九年十月に行っております。 以上であります。
○板川委員 公取委員長、体が悪いそうですが、恐縮ですがもう少々いてください。 過去四十条を使用して調査したのは、四十一年から七年まで管理価格調査を六回もやっています。家庭電器の製品の二重価格表示に関する調査もやっていますし、いま言った再販や紙や商社の調査もやっているわけですが、法制局、ちょっと伺いますが、管理価格の調査というのは、そうしますと、六回もやっていることは、これはあなたの言う、四十条でやったことは公取は違法な行為でありますか。
○味村政府委員 公正取引委員会は独立して職務を行っておりますので、法制局としては具体的な案件につきましては意見を申し述べることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○板川委員 あなたの考え方から言うと、こういう管理価格や原油の購入価格や——なぜこういうのが必要かというと、独禁法の目的、これを果たすために設置法として四十条がある。これは幅広く解釈されるべきである。そうすると、管理価格についてのいまだはっきりした規定がないから、将来これは独禁法を改正してもらって管理価格というものをこうすべきじゃないか、こういう調査権が公取にあるはずだ。 〔前田(治)委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、そういうのは、四十条でやったのは、あなたの議論から言うと、いままでやったことは公取は全部違法な行為をやって、権力を乱用して勝手に調査をしたということになるんじゃないですか。どうなんですか。
○味村政府委員 私が四十条の規定の解釈として申し上げたことは先ほど申し上げましたとおりでございます。具体的な職務というものが法律に規定がしてある。その独占禁止法に定められた職務の執行のために必要であるというときに、四十条の規定によって調査をするのだ、報告を求めるのだという考えでございます。 ただ、具体的に公正取引委員会がどのような御必要があるというふうにお考えになってそのような調査をなさったかということは具体的に承知しておりませんし、公正取引委員会は独立して職権を行うことになっておりますので、法制局としてはこの点については意見を差し控えさせていただきたいのでございます。
○板川委員 だって、あなたは、さっきからの議論から言うと、これはいままでの公取の調査権を否定するようなことになるんじゃないですか。私は、これは可能だと見ておるのですよ。さっきも言ったように、一条の目的から、設置法的な規定である四十条から言って、それは広範な調査権があるのだ。あなたみたいに具体的な違反事件でなければできないというような考え方というのは私はおかしいと思う。(発言する者あり)
○山村委員長 御静粛に願います。
○板川委員 大体、公取の任務というのはいわば司法的な任務が多いのでしょう。罰則がつくというのはそこにあると思うのですよ。罰則がつくというのは、ただ普通じゃなかなか言うことを聞かないから、出さないから、そうすると独禁法を運用するのに不十分だからということで罰則がつけてある。準司法的な行為をやるについての調査というためでもある。罰則がついているというのはそういうためもあると思うのです。しかし、四十条は別に罰則をかけなくちゃならない場合もあるし、かけなくてもいい場合もあるのですから、それは運用で、裁量でやるべきなんですから、その調査の権限が具体的に違反と思われるものがなければできないというのは、私はどうしてもそれはおかしいと思う。とにかくこれは今後の公取の運用上もやはり——では、公取委員長、一体そういう解釈でどうなんですか、今後公取の運用というのは。
○高橋(俊)政府委員 具体的に独禁法違反の疑いがあるような場合にしか四十条を発動すべきでないということであれば、何のために、では四十六条があるのか。四十六条は、これは独禁法違反の疑いがあるときでございます。ですから、それを具体的に直ちにその違反の疑いがあるのじゃないけれども、しかしこれは放置できる問題ではない、十分検討しなければならぬというふうな場合に四十条を発動します。しかし、私どもはこれを乱用する気持ちはないのでありまして、当然その独禁法の目的にきわめて近い、もうそれに沿ったものであって、しかも具体性を持っているという問題について、その基礎となる調査をどうしてもやらなければならぬと考えたときに運用するものである、こう思いますので、疑いがなければやれない、こうなりますと、将来のために調査するということができないということになります。
○板川委員 法制局、この四十六条のこれは、ではどういうことになりますか、いまの公取の委員長の発言から言って。これはさっき言いましたように、具体的な事例があれば四十六条でもう調査をする。罰則は同じ二十万ですけれども、四十六条を発動するということになっている。だから、あなたの言うのは、では四十六条という場合には、どういう場合にこれは発動するのですか。
○味村政府委員 先ほど私が申し上げました四十条の「その職務」というのは、具体的に独占禁止法に定められている職務だということを申し上げまして、その一例といたしまして、カルテルの疑いがあるときということを申し上げたわけでございまして、カルテルの疑いがあるときだけにしか四十条の規定が働かないということを申し上げたわけではございません。そのほかにも、公正取引委員会では株式保有制限とかいろいろな規定が……(発言する者あり)
○山村委員長 御静粛に。
○味村政府委員 いろいろな職権を与えられておりますから、そのような職権を……(発言する者あり)
○山村委員長 静粛に願います。
○味村政府委員 そのような職権を行うために……(発言する者あり)
○山村委員長 御静粛に。
○味村政府委員 そのような職権を行うために必要がありますときには、四十条の規定によって調査できるわけでございます。四十六条の規定は、これは具体的な違反事件と申しますか、それについての調査の権限を与えたわけでございまして、四十条の「職務を行うために必要があるとき」という方が広いというようには考えられるわけでございます。しかし、「その職務」と申し上げますのは、たびたび申し上げて恐縮なんですが、具体的な職務である、このように考えております。
○板川委員 一番具体的にあなたが言ったのは、プライスリーダーで値上げした場合には四十条も働かない。もちろん、それでは四十六条も働きませんよ。では、これは独禁法の目的に照らして、一体公取は十分な目的に照らした活動ができますか。調査もしないでできますか。プライスリーダーの場合には四十条は働かないと言っている。もちろん、四十六条も働きませんよ。そういうことでプライスリーダーでどんどん値上げしていって、独禁法が実質的に空洞化してしまう。それでは困るでしょう。そのために、いろいろの対策を立てるために、公取に国会に対する提案権というのがあるのではないですか。内閣総理大臣を通じて国会に意見を報告する、国会に善処を求めるということがあるのではないですか。そうすると、そういうようなことまでもできないという解釈をとられると、これは重要ですよ。 では、ひとつ法制局に伺いますが、先ほど公取委員長が四十条を使用して幾つかの調査をいたしました、その中には、具体的に管理価格なんかはプライスリーダー的なものでありましょう。あるいは具体的に違反の事実がないものも四十条でやったことが、これがこの四十条の解釈をはみ出した行為である、こういうふうにお考えですか、もう一遍答えてください。
○味村政府委員 どうも繰り返して恐縮でございますが、私の答えは前回と同じでございまして、具体的に公取がおやりになったことの当否という問題は、これは公取は独立して職権を行使されるわけでございますので、内閣法制局としては意見を申し述べることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○板川委員 では、この点は留保しまして……(発言する者あり)理事が何とかやってくださいよ。
○山村委員長 板川委員に申し上げます。 ただいまの問題につきまして別室で理事会をやっておりますので、他の質問をお続けいただければありがたいと思います。(発言する者あり)和気あいあいと進んでおる委員会でございますので、ひとつ御協力をお願いいたしたいと思います。
○板川委員 じゃ、委員長、この問題は一応たな上げしていきますが、総務長官と公取で一致している点があるのですよ。それは四十条の二ができたことによって四十条は何ら狭まるものではないという解釈は一致しているのです、大体いままでの答弁を見ても。この点はさっき公取委員長の見解に総理府総務長官が賛意を表明しましたから、その点はもうそれ以上だめを押しません。 次は、同調的値上げをする場合、当該商品の取引の基準として用いる価格について、三ヵ月以内に値上げしたときは、こうありますが、こういう取引の基準として用いる価格、これはどういうものが取引の基準として用いる価格ですかということを総務長官に伺います。 これは総務長官、ちょっと聞いてください。ビールの値上げがこの前も大体三ヵ月置いて麒麟が上げたのですが、今度も朝日麦酒が三月七日に値上げを発表した。サッポロビールが四月四日に値上げを追従した。いずれも大びん百六十円から百八十円、こういうことになった。しかし、業界第一位のシェアを持つ麒麟がまだ値上げを決めてない。それで、これは恐らくこの独禁法上同調的値上げで批判を受けないように考慮して、サッポロが値上げした四月四日の三ヵ月後七月四日以降、朝日が値上げしたときよりも約四ヵ月後、延長国会が終了する日、この辺に値上げのめどをつけているのだろうと思うのですよ。延長国会が終わった日がちょうどサッポロが値上げして三ヵ月目ですから、そこで三ヵ月と一日たった場合には、これは同調的値上げとしてこの四十条の二によって報告をされなくてよろしいんですか。いいですか、麒麟麦酒が七月五日以降に値上げしたならば、同調的値上げとして四十条の二が働いて報告をしなくてよろしいのですかということなんです。
○植木国務大臣 第四十条の二の規定というものは、一定の要件のもとに事業者が取引の基準として用いる価格について引き上げをしたときに、公正取引委員会が価格引き上げの理由の報告を求めることができるようにするものでございます。したがって、単に発表したということでこれをとらえようとするものではなく、実際にその価格を取引の基準すなわちいわゆる建て値として用いるかどうかにより判断されるものであるということは言うまでもございません。取引の基準として用いているかどうかにつきましてはケース・バイ・ケースに判断されるべきものでありまして、ここに一定の条件を仮定して論ずるのは適当でないと考えます。 ただいま仰せの三ヵ月というのは、厳密に三ヵ月以内というふうに私どもは考えております。
○板川委員 新聞の報道を見ますと、これは四月二十六日の新聞ですが、「値上げ宣言してから五十日 大半、旧値のまま 「麒麟」が動かずやむなく ビール 左党にはありがたいが…」ということで、ビール値上げについて、三月七日、四月四日にそれぞれ朝日、サッポロが値上げしたけれども、実際は値上げをしない。なぜかというと、値上げした分はリベートで返して、そうして麒麟が三ヵ月後に値上げするのを待って今度はリベートを廃止する、こういう形をとろうとしている。こういう場合には取引の基準としておる値段というのは、名目的な値上げの日を言うのか、実質的な値上げの日をとろうとするのか、どうも総務長官の答弁がはっきりしませんが、これはひとつ公取の見解を伺いましょうか。
○高橋(俊)政府委員 これは値上げを実施すると言って形の上で実施しまして、しかし新たにいままでその商慣行にないリベート制を設けて、ちょうどその値上げ分相当額をリベートの形でもって帳消しにする、こういう場合は値上げがなかったものとみなされます。一般には基準となる価格はいろいろございます。標準価格と称するもの、それから小売の標準価格を決めてそれに一定の割合を掛けるもの、そのほかいろいろございますが、要するに建て値という言葉はこれは全部に通用するわけではございませんが、大口需要者に対して値引きがある、リベートがある、こういう通常の商慣習による値段の差異、これはあり得るわけです。しかし、そうではなくて、基準となる価格を、今度は新たにリベートを設ける、それから新たに値引き制を設けて全部その値上げ分を帳消しにする場合は値上げはなかったものとみなす、こういうのがはっきりした見解でございます。
○板川委員 総務長官、いまの解釈でよろしいですか。
○植木国務大臣 いまビールを一つの例として挙げられましたけれども、取引の実態等について私は承知いたしておりません。答弁をすることは差し控えさしていただきたいと存じます。
○板川委員 法制局、ひとつこういう場合は、この法律は名目的な値上げをした日、たとえば三月七日、四月四日、七月五日以降、こういうことになれば公取は報告を求めることができないというのか、それともその間にリベート方式をとって実質的には値上げをしないでいた、そして麒麟が上げる七月五日以降ひとつ一緒にリベートは撤廃する、こういう形の場合には報告がとれるのか、この点をひとつ解釈上法制局の解釈を言ってください。
○味村政府委員 取引の基準として用いる価格というのは、これは実質的に取引の基準として用いる価格を指すと考えます。したがいまして、名目的に建て値を引き上げた、しかし実質的には引き上げないでリベートという形で、とにかくあらゆる取引について全部リベートを出すんだというような場合でございますれば、これは実質的には取引の基準として用いる価格は上がってないわけでございますから、先ほど公取委員長のおっしゃったとおりの解釈になろうかと存じます。
○板川委員 法制局にしては珍しく明快な答弁です。それではわかりました。その点はわかりましたが、さっきのやつはまたたな上げして、私の時間は二十分までというのですが、ちょっと恐縮ですがお願いいたします。 これは主として法制局に伺いたいのですが、主務大臣協議と公取の独立性という点について実は伺いたいと思うのですが、御承知のように独禁法は経済秩序の基本法である、経済規制法である。公正な自由競争を確保というこの法律の目的を達成するために、私人の権利や利益を規制する法律であることは私が言うまでもない。この点についてはそう意見が違うはずはないと思います、適切な表現かどうかは別として。 そういうことを実は念頭に置いて次のことを質問したいのですが、それは独禁法違反を取り扱うのに物統令違反のように司法権を使わずに、行政組織である公正取引委員会で取り扱うようにしてある立法の趣旨というのはどういうことにあるのでしょうか。
○味村政府委員 司法権と申しますと、具体的な争いのある事件につきまして法規を適用いたしましてその決着をつけるということでございます。しかし、独占禁止の問題はそのような具体的な法規を適用するわけでございますが、争いがあるというようなものではございません。行政権の一種であるということでございますので、行政機関たる公正取引委員会がこの仕事をやることになっているのだと考えます。
○板川委員 じゃ、買い占め、売り惜しみ法、これも違反は裁判所にいきますが、同じように経済取引の中で独禁法という規制法がある。違反した場合に裁判を行わずにどうして公取にやらせるのですかという、この公正取引委員会という行政機関を置くという趣旨、これはどういうところにあるのでしょうかと言っているのです。
○味村政府委員 買い占め、売り惜しみの場合にはその買い占め、売り惜しみ防止法の規定に違反した者に罰則をかけまして、その罰則につきまして裁判所が管轄権を持つということになっていようかと思うわけでございます。刑罰につきましては管轄権は裁判所に属しているわけでございます。しかしながら、独占禁止法に規定しております公正取引委員会の職務は、たとえばカルテルの違反行為を排除するとかあるいは不況カルテルを認可するとかいろいろな行政措置、行政処分を行うわけでございまして、刑罰を科するとかそのようなものではございませんので、したがって行政機関の行うところになっているということかと存じます。
○板川委員 行政機関であることは事実ですよ。それを否定しているのじゃないのですよ、行政委員会ですから。しかし、公取の職務上、本来なら独禁法に違反したならば、違反の場合には、争いの場合には裁判所で扱ってもいいと思うのを、なぜ行政委員会である公取という組織でやるのでしょうか。 じゃ、伺いますが、行政機関だ、行政機関だとあなたは前からそればかり言っているのだけれども、じゃなぜ公取に第一審の機能を与えているのですか、独禁法違反の問題についてこの第一審的な役割りを公正取引委員会になぜ与えているのですか。ひとつその考え方を伺いたい。
○味村政府委員 公正取引委員会が独占禁止法によって行うこととされております職務は、刑罰を科するとかあるいは他人の間の争いを解決するとかそういう問題ではございませんで、カルテルを排除する、あるいは私的独占を排除するというような性質上行政行為に属するものでございます。したがいまして、これは裁判所にいかないで公正取引委員会という行政機関をもって行わさせるということになっていると存じます。しかし、公正取引委員会は御指摘のように第一審的機能と申しますか、それを持っているわけでございます。それは公正取引委員会が独占禁止政策の言ってみれば専門家である。そういう専門家であるところから、事実の認定につきましても法律の適用につきましてもまず専門的な判断をしてもらおう、そしてそのような専門的なしかも中立的な機関でございますから、そういう中立的な機関が行いましたものは裁判の面においても尊重しようということであろうかと存じます。
○板川委員 これは公正取引委員会になぜ第一審的な機能を持たせるのか、これは独禁法を守っていくというたてまえから言うと、司法的な機能が多いからじゃないですか。あなたは行政機関だ、行政機関だと言って非常に——行政機関であることは事実なんだ。本来なら私は独禁法専門の裁判所をつくるというのが、第一審をつくるというのが一番いいと思う。しかし、それは憲法七十六条の二項で特別裁判所の設置というのが禁止をされておる。しかし、憲法七十六条で禁止はされているが、裁判所法の三条の二項では、行政機関が前審として、第一審として審判することを妨げないと、こう裁判所法三条の二項にあるじゃないですか。公取はまさにこの裁判所法第三条の二項によって、前審的な第一審的な審判をすることを妨げないということで、司法的な機能を果たすために、これは行政機関ですからわれわれは準司法と言うわけですけれども、その司法的な機能を果たすために第一審の役割りを与えているのじゃないんですか、どうなんですか。
○味村政府委員 理論的と申しますか、理論的にこれが司法的機能かと申しますと、やはり理論的には行政的機能であろうかと思うのです。先ほど申し上げましたように、刑罰を科するとかあるいは私人間の争いを法規を適用してどちらかと決着をつけるというのが、これが司法的機能ということでございまして……(板川委員「だから、準と言っている」と呼ぶ)だから、これは行政的機能であるというように考えるわけでございます。そして、そのような公正取引委員会の審決にいわば一審的なものを与えておりますのは、これは公正取引委員会が独立して、しかも中立で、専門的な委員の方々から成っております、そういう判断でございますので、その判断を司法手続上も尊重しようということであろうと存じます。
○板川委員 公正取引委員会というのは、この独禁法を運用する、独禁法運用上経済専門の知識は必要だ。その点では経済専門の関係者をそろえて、そして公正な準司法的な機能を果たさせようということで第一審的な、そういう機能を前提に、第一審としての機能を法律で持たしているのだろうと思うのです。だから、公取は行政機関であるが、内閣の所轄に属するとしても職権行使の独立性を認める、その独立性というのはいわば公取が他からいろいろの干渉を受けないで独自に判断をすることができる、そのためには政治的にもあるいは行政的にも中立性を持つ必要がある、その方が公正である、こういうことであろうと思うのですね。 ところが、審判手続の前後二回にわたって主務大臣、ここで言えば通産大臣が主だと思うのですが、主務大臣と協議せよと、こういう規定が今度置かれる。これは田中六助委員もさきに指摘しましたように、裁判官に対して判決を下す前にあらかじめ被告の身内の者に相談しなければならないと強制するのと同様であって、これは裁判所ならば裁判官は重大な背任行為になるのですね。守秘義務に反するんじゃないですか。審決寸前になって、直接この審決を通産大臣なり他の主務大臣と協議するということは、司法権の独立性を侵すということと軌を同じくするんじゃないか、これでは公取の公正と信頼というのを保持することができなくなるんじゃないかと、こう思うのでありますが、特に審決前の大臣協議なんというのは、これは全くおかしいと思う。主務官庁の意見は審判中に十分反映ができる、公取委員長も、意見があれば審判の途中で、この主務官庁は大臣の意向を体した意見を十分開陳することができると言っている。そうして、そういう審判を積み重ねていって、一年たつか二年たつか知りませんが審判を積み重ねていって、ほぼ黒白が明らかになったというところで——これは通産大臣、聞いてください。通産大臣が、これはぐあいが悪いからといって公取委員長のところへ、それは分割、営業譲渡しないでくれと、こう言ったところで、公取委員長は準司法的な手続を経て結論が、黒白がもうほぼ出ているというときに、通産大臣から言われたからああそうですがと言って今度は黒を白と言うわけにはいかない。そうすると、協議というのは、いままでも言ったとおり最終的には公取委員長が判断する、こういうことになりますと、公取委員長がそれはできませんということになってしまうと、これは通産大臣、協議して公取に断られて、それこそ恥の上塗りになる感じがしますね。だから、私は公取の独立性というものを考えた場合に、少なくともこの審決寸前なんというのは全く公取の機能から言ってもわれわれはどうしても納得できない考え方です。この点は通産大臣どう思いますか。
○河本国務大臣 今回の総理府がおつくりになりました改正案は、私はずいぶん念を入れてつくっておられると思います。と申しますのは、十二月に国民各層の代表をお集めになりまして独禁法の懇談会をスタートさせたわけでございますが、何回かにわたってこの懇談会をお開きになりまして、いろいろな意見を幅広く聴取しておられます。さらにまた、それが終わりました後も非常に長期間にわたりましてありとあらゆる角度から御検討になって、最善と思われる案をおつくりになったわけでございますから、私も現段階におきましては、いろいろの御批判もあります、いまのお説のような意見もあるかもわかりませんが、現段階においては最も妥当なものであると、こういうふうに考えております。
○板川委員 最後に断られたら、本当に恥の上塗りになりますよ。これは本来やるべきじゃないと思います。 法制局味村第二部長、最後ですが、あなたの答弁を速記録で読むと、どうもあいまいで、われわれ素人にはどっちともとれるようなことを言っていて、よけいなことが一言入っておる。たとえば田中六助氏の質問に答えて、あなたはこういう答弁をしておるんですね。「公正取引委員会が行政機関である、行政目的を達成するための機関であるということは争いのないところでございまして、」だれも争ってないのです。「行政機関でございます以上、政策的に主務大臣との協議が必要である」——政策的にですよ。問題になっているところは、行政審判的な審決手続を経てきているのですから、不況カルテルなんかの政策的な判断とは違う。「政策的に主務大臣との協議が必要であると判断される場合にその協議を必要とするということは、別に公正取引委員会の性格に反するものではないと考えます。」全く正直言って質問をはぐらかしている。その次はこう言っている。「公正取引委員会の行います措置というものは、この独禁法第一条の趣旨を達成するためでございまして、それは結局国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とするわけでございます。国民経済の民主的で健全な発達を促進するということは主務大臣もまた考えているわけでございますので、その間に協議をするということは何ら独禁法の趣旨に反するものではない」、主務大臣は、今度は独禁法の共管官庁になるのですか。当然、経済的民主的発展を促進するということは主務大臣も考えておるのだから、だから話し合うのはあたりまえだ。これでは公取が独自に独立した判断でやるということと反するのじゃないですか。あなた、そういうわけのわからないことを言っておるのだけれども、この答弁を訂正する意思はありませんか。どうなんです。
○味村政府委員 公正取引委員会は、具体的な職務の行使を行うことによりまして独占禁止法の目的を達成するというために設けられたものでございますが、独占禁止法の目的を読みますと、第一条の一番最後に、「国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。」言ってみればこれが究極の目的だということであろうかと思います。もちろんその究極の目的を達成いたしますために公正取引委員会は具体的に独禁法によって与えられた職権を行使するわけでございますが、その職権を行使して、そのための究極の目的は何かと言えば、「国民経済の民主的で健全な発達を促進する」ということであろうかと思うわけでございます。そのような意味をここで、先ほど先生のお読みになりました点につきまして申し上げたわけでございます。
○板川委員 あなたの答弁は、恐らく将来争いになって裁判所で読まれたとき、この人はずいぶんわけのわからないことを言っているじゃないかという感触を受けるんじゃないですか。実際われわれ見て、一体何を言っているのか、あなたの考え方というのはあいまいでわからない。いずれしかし最終的には裁判所が解釈することだけれども、どうもこんな答弁というのは私はおかしいということだけ——田中氏は時間がなくてそれに触れなかったものですから、私はこの答弁は全く法制局としてでたらめな答弁だということだけ言っておきます。 委員長、最後ですが、私の前の留保した問題はどうしていただけますか。
○山村委員長 板川委員に申し上げます。 ただいま理事会をやっておりまして、理事会の決定に従いまして明日にでも……。ただいま理事の皆様おいでです。少々お待ちください。——先ほどの板川委員の質疑における独禁法第四十条の解釈問題につきましては、速記録を検討の上、適切な措置をとることといたします。
○板川委員 それでは、私の質問終了時間も来ましたから、これで終わります。
○山村委員長 横路孝弘君。
○横路委員 初めにちょっと課徴金の問題の詰めを行いたいと思いますので、高橋さん、ちょっとだけいてください。 先ほどの植木さんの答弁で、七条の二の一号、二号、三号という区分の問題なんですけれども、七条の二を見ると、公正取引委員会は次の各号に掲げる区分に応じて命じなければならない、このようになっているわけです。先ほどの総務長官の答弁では、そこの千分の三十、小売は千分の二十、卸は千分の十というのが原則であって、そしてあとは何か事業者の方から資料を出したときには二号、三号に変わるんだみたいな答弁がございましたけれども、これをちょっと確認しておきたいのです。次の各号に掲げる区分に応じて命じなければならないわけですから、どの区分に該当するかということは公取で判断しなければならない事項だろうと思うのですけれども、いかがですか。総務長官にお尋ねします。
○植木国務大臣 仰せのとおりでございます。
○横路委員 そこで、四十八条の二です。四十八条の二で「公正取引委員会は、納付命令をしようとするときは、当該事業者又は事業者団体の構成事業者に対し、あらかじめ、意見を述べ、及び証拠を提出する機会を与えなければならない。」——機会を与えなければならないということですね。いわばこれは公取の方の義務であって、納付命令を受けている事業者の方の義務ではないということも解釈としてよろしいですか、総務長官。
○原政府委員 仰せのとおり、これはそういう場合、簡易聴聞の手続でございまして、公取の義務でございます。
○横路委員 ですから、これは別に立証責任をそこで転換しているわけではないわけでしょう。そうすると、あくまでも公取が、たとえば十万円未満である場合、納付を命じなくてもいい、「命ずることができない。」となっていますけれども、売上高そのものについてはすべてについて調査をしなければならぬわけですよ。調査して、そしてなおかつ立証責任は公取にあるわけですよ、一号、二号、三号のどれに該当するかというのは。それはいまの総務長官の御答弁で、だから前の答弁、訂正されますね。それはよろしゅうございますね。
○植木国務大臣 立証責任は公正取引委員会にございます。
○横路委員 だから、別に一号が原則というわけじゃないわけですよ。そうでしょう。一号であるのか二号であるのか三号であるのかというのは、公正取引委員会がさまざま手を尽くして証拠調べをして確定しなければならない、つまり責任を公取が負っているわけですね。公取委員長、どうですか。
○高橋(俊)政府委員 納付命令を出すためには、そういう手順を踏んで、こうであるという確実な証拠といいますか、それを確認した上でなければできないということになると思います。
○横路委員 ですから、先ほど税務署の納税証明書が必要なのか、あるいは事業者の方の決算報告書でいいのかという議論がありましたね。議論を聞いていますと、総務長官の方はそれを言いっ放し、それから公取の方も言いっ放しということで、詰まってないわけですけれども、結局問題は、立証の責任は公取にあるわけですよ。そうすると、事業者が出してきたものですぐ判断していいのかどうかということですよ。そこが問題になってくるから、私は、公取委員長の方はやはり何らかの手を尽くして調べたということでなければ、たとえばそれに協力しないで東京高裁の二審の方に持ち込んだ場合に、ではどういう判断を受けるかというと、要するに審理不十分で差し戻しというケースになっちゃうわけですよ。そこは手を尽くさなければいけない。だから私は、業務量がふえる、こういう理屈だと思うのです。総務長官、それはおわかりでしょうか。先ほどのお答えはそうじゃなかったのですよ。そうじゃなくて、それは一号が原則で、あとは事業者の方が証拠を出せばそこがひっくり返るみたいな、だから公取の方の——植木さんの御答弁は多分その辺勘違いされておったのだろうと思いますけれども、たとえば六月三日の答弁でも、いわば課徴金の対象となる事業者が意見を申し出たり、あるいはまた資料をもちまして公取に対して判断を求めるという、公取が受け身の形で判断を下すという考えを取り入れているのだとおっしゃったのは、私はそういう誤解があったからじゃないかと思うのですね。そこははっきりされたわけですから、そうすると、あらゆる点で立証を尽くさなければならぬという点が、実は公取の事務量として区分の問題が一つありますね。それからもう一つは、事業者団体に対する構成員の問題と、この二つの問題が問題としてあるわけですよ、その量を大きくする問題として。この辺のところはおわかりでしょうか。
○植木国務大臣 わかっております。
○横路委員 そうすると、本当は先ほどのように余り議論しないでも実は済んだわけだろうと思うのです。 そこで、高橋さんにお答えを願いたいのですが、その区分に応じて命じなければならぬということになると、いま言ったようにその区分をまずどれにするのかということで、全部の売上高を調べて十万円以下を落とさなければならぬ、これは赤字にせぬければならぬという作業が一つある。もう一つは事業者団体に対して構成員を調べなければならぬということになるわけですね。従来からの御答弁で、事務量が大変だという御答弁はあるわけですけれども、現実の問題としてやはりやるのはむずかしいのじゃないでしょうか。私は率直にその点についての高橋さんの御見解をひとつ承りたいと思います。
○高橋(俊)政府委員 あしたにはこの間の要求資料がまとまっておりますので出しますが、非常に控え目に計算しましても、現在のわれわれの動員可能な人間、しかもそれは法律が改正された場合に増員される人間を含めましても、その二倍を超える人員を必要とし、さらに大事件が加わればそのまた倍になると考えていただきたい。だから、二倍以上、それから三倍というふうなことが考えられます。試算は大変困難でございますが、そういう数字が明日には資料として出るはずでございますから。現実問題として二倍とか三倍とかという、控え目に見てもそういうふうになる、となりますとまあ不可能だと言うほかないわけでございます。
○横路委員 総務長官、いま、要するに事務量として不可能だという答弁が実際の運用に当たる公取の責任者から出たのです。これはわれわれ国会の問題なんですけれども、不可能な法案を通したって意味はないですね。不可能な条項をつくってもこれはしようがないですね。どうですか。運用に当たる人が不可能だとおっしゃるわけですから。
○植木国務大臣 公取委員長は現在の段階でそのような見通しを持っておられるのでありましょうが、先ほど私申し上げましたように、公取の事務量が課徴金という新しい制度を導入することによりまして増大するということは、これは私どもも認めます。しかし、私どもといたしましては、一般的な抑止効果によりまして違法カルテル事件が減少すると見込まれる等、いろいろ考えまして、公取の運用よろしきを得れば可能ではないかというふうに考えているのであります。
○横路委員 あなた、そういうことをおっしゃってもだめですよ。いままでの三回の審議で、運用は全部公取です、立法の趣旨とかそういう法の解釈については、私と法制局にお任せくださいなどというような答弁まであるわけでしょう。運用は全部公取です。だから、公取の高橋さんの発言に対しては、大体それにかぶせて全部いままで答弁されているじゃありませんか。その公取の委員長が現実に——だから私は植木さんに、さっき勘違いがあったから先ほどのような答弁になったのじゃないかということをだめを押したわけですよ。つまり、その区分を含めて全部これは公取の責任であるわけでしょう。その上で事業量を計算したら、これは不可能だと言っているのです。法律を決めたって不可能だと運用の責任者が言っているものを、あなたがどうして可能だということになるのですか、それは。だめですよ。
○植木国務大臣 公正取引委員会が試算をしております事務量につきましては、事務的な説明を受けておりますけれども、事業者団体に対する立件件数の見方でありますとか、過去三年間の経常利益率の調査の所要日数の見方等もまだ詰まっておりません。したがいまして、総理府といたしましてはこの際判断は避けたいのでございます。
○横路委員 高橋さん、公取で計算されたというのは、何件で大体何人ぐらいと想定して、その上で何人ぐらいということですか。それはいまの段階で知っておられる限りの範囲で結構ですからお答えください。
○高橋(俊)政府委員 これはもうとうに提出しておらなければならぬものをあしたまでお待ち願いまして、資料提出がおくれましたことをおわびいたしますが、いま総務長官の方で検討の上で疑問があるとおっしゃいましたが、私の方でまとめたものをどういうふうな見方をしたかと申しますと……(横路委員「簡単でいいです、件数と人数と」と呼ぶ)簡単に申し上げますが……
○山村委員長 横路委員に申し上げます。質問は、正式に発言の許可を得てから質問してください。
○高橋(俊)政府委員 カルテルについて申しますれば、四十九年度の実績で勧告に至ったものが三十一件、自発的な排除等が四十四件ございます。これは合わせますと七十五件になります。それに対しまして想定した対象のカルテル件数は五十件と想定しております。ですから、これは控え目であるということ。事業者団体の場合には同じく四十九年度の実績、これは勧告と自発的排除等を含めまして百五十二件、これを八十件にしぼっております。ですから、決してこの扱い件数としては大きくない。事業者団体の一件当たり、一団体当たりの人数は二百二十名というふうな計算をしておりまして、これは実績では大体二百八十名ぐらいになっていると思います。そういうふうな見方でございますから、決して過大なものではなくて、その結果が実は先ほど申しましたように相当大きな数字になる。三倍近い数字と、二・二倍という上下両方の計算をしております。
○横路委員 そうすると、たとえば全国石油商業組合連合会、先ほど板川委員の方から発言がありましたが、あの場合構成員大体三万名ですね。そうすると、あの事件一件を調査するために、いまの掛け算をして出てくるのより上回るわけですから、たった一件調査するのにさらに多くの人数が要るということになるわけですね。 そこで総務長官、内容については総務長官の立場でいろいろ意見があるかと思いますが、ただ運用に当たっている公取委員長が不可能な業務量だとおっしゃれば、そこをひとつ総務長官としても考えて、そういうことにならないようにやらなければならぬと思うのですね。これから後は国会の方の仕事になると思うのでありますけれども、不可能だというものを法律として無理して通すというのもいかがかと思うのですが、その辺のところはいかがですか。
○植木国務大臣 政府から提案をいたしました法律案は妥当なものであると考えております。しかし、ただいま商工委員会において御審議をいただいているわけでございますので、御審議の結果を待ち、成立をこいねがうばかりでございます。
○横路委員 これ以上は多分水かけ論の範疇だろうと思いますが、理屈と問題点は総務長官にも十分おわかりいただけたろうというように思うのです。これは後は政治的な判断になるわけですが、本当は総務長官だって政治家なんですから、この辺のところで決断してもいいと思うわけなんですが、十分ひとつ公取の方の運用の実態というものをわれわれの方としても見ていきたいというように考えるわけです。 次に、ちょっとお尋ねしたいと思うのですが、独禁法の二十八条で、先ほどの質問の続きになりますが、職権行使の独立性というものが保障されていますね。これは植木総務長官は、独立性が保障されているという意味は何かと言ったら、職権を行使するに当たって他の介入を受けないことだ、そういう御答弁でしたが、この他の介入ということは事業者団体とかいろいろあると思うのですけれども、行政からの介入というのも当然他の介入を受けない介入の中に入ると思うのですけれども、総務長官御答弁いただきたい。
○植木国務大臣 そのとおりでございます。
○横路委員 介入するというのは、いろいろな手続がたくさんございますけれども、要するに公取の権限に対して、たとえば事実を認定してそれに対して法的判断を加えるというようないろいろな作業があるわけですが、それに対してやはり介入するというのは影響を与える。たとえば事業者団体なら事業者団体が横から出てきて口出しをして影響を与えるとか、行政なら行政が影響を与えるということだろうと思うのですが、総務長官よろしいですか。
○植木国務大臣 私もそのとおり理解しております。
○横路委員 たとえば国会に対する意見の提出とか年次報告について、内閣総理大臣を経由して出すというのがありますね。たとえば四十四条なんかそうだろうと思うのですが、この場合に内閣総理大臣が修正や変更は加えられますか。
○植木国務大臣 これは加えることはありません。
○横路委員 そこで、公取の「組織及び権限」というところを見ますと、二十七条で「公正取引委員会は、内閣総理大臣の所轄に属する。」いわば行政組織上、総理府の長である内閣総理大臣のもとに属して総理府の外局になっているわけですね。しかし、内閣総理大臣に指揮監督権はない、これもよろしゅうございますね。従来の答弁で出ている点です。
○植木国務大臣 そのように理解しております。
○横路委員 そこで、この二十八条の独立性というのは何から由来するかということです。その二十七条で一応行政組織上内閣総理大臣の所管に属するというのがあって、二十八条がいわば独立して職権を行うという規定になっているわけですね。この独立性が何から由来するかということで、これは総務長官も御答弁されていますけれども、準司法的な機能を持っているからだという御答弁がございました。この公正取引委員会の持っている準司法的機能というのは一体何かというと、それはやはり独禁法の運用が排除措置の命令という特殊な準司法的性格を持つ処分を中心にして審査とか審決をやる、つまり事実認定、法的判断というのを経て命令を出すという性格にあるだろうと思うのです。本来なら特別の司法機関が必要じゃないかと私は思うのですけれども、それは憲法上特別裁判所というのが設置できない。しかし一方、憲法上デュープロセスの要請というものがありますから、最終的な判断はやはり裁判所の判断にしなければだめだ。これを公取だけの判断にしたのでは、やはり違憲という問題が多分起きてくるのだろうと思うのですね。だから、最終判断はやはり裁判所に持っていくという仕組みになっていて、形式上行政組織は二十七条で決めながら、二十八条でその職権の独立を規定するということだろうと思うのですけれども、これは大体従来の総務長官の御答弁をつなぎ合わせて私は話をしたわけですが、よろしゅうございますね。
○植木国務大臣 違反行為の排除につきましては、そのように理解をいたします。
○横路委員 つまり違反行為を排除するためのいろんな手続があるわけですから、それをもって準司法的機能、したがってそこに機能の由来がある、職権独立の由来もあるということでよろしゅうございますね。
○植木国務大臣 そのとおりであります。
○横路委員 そうすると、独立性というのは、いまの逆の面からの言い方になるのですけれども、どこに一番要求されるかといえば、たとえば八章二節以下の調査、勧告、審判、審決というようなところに一番その独立性というのは要求されるわけですね。
○植木国務大臣 そのとおりであります。
○横路委員 そこで、最初に五十三条の場合の協議の問題についてお尋ねしたいと思いますが、この協議というのは審判手続が終わって合議をする前にするのですか、合議の後にやるのですか。
○植木国務大臣 審判をいたします前と審決前でございます。
○横路委員 ちゃんと聞いておってもらわなければ困りますね。五十三条の場合に、審決をしようとするときは協議をしなければならぬという規定になっているでしょう。その場合は、審判手続が終わって合議をする前にやるのか、合議が終わってからやるのかということです。
○植木国務大臣 審判手続の後であります。
○横路委員 その審判手続が終わってから後はわかったのですが、合議の前か後かということです。
○植木国務大臣 審決の合議の前であります。
○横路委員 審判手続並びにその審判、審決というのは作業として二つあると思うのですね。事実を認定するという作業、それに対して法的判断を加えるという作業、このどれに対して協議はやるのですか。
○植木国務大臣 審判前と審決の合議の前の間では時間が非常に経過をいたしておりますから、いろいろな問題について協議をすることになります。
○横路委員 そのいろいろな問題というのは事実の認定について行うのですか、それとも法的判断について行うのですか、両方やるのですか。
○植木国務大臣 法的な認定、事実の判定等について行うことになります。
○横路委員 両方やるのですか。作業はどういう作業になるかと言うと、つまり事実認定と、その認定した事実に対する法的判断と二つあるわけですよ、これは。そこは全く裁判所の持っている司法的機能と同じなんですね。この二つやらなければだめなんですよ、事実認定と法的判断。これのどっちをやるのですか。両方やるのですか、片っ方しかやらないのですか、どうなんですか。
○植木国務大臣 両方やることになります。
○横路委員 協議というのは協議をすることですね。協議をするというのは、そうすると合意を目的として話し合うということなんですけれども、これはやはり相手方に影響を与えることでしょう、どうですか。それが目的として行われるわけでしょう。
○植木国務大臣 協議をいたしましても、協議が調わない場合には最終判断は公正取引委員会に属するわけであります。
○横路委員 私はどっちがあれしたとかこうしたとかというのを聞いてないのですよ。協議というものは何かと言えば、協議というのはつまり相手方に対して影響を与えることを目的として行われるんでしょうと聞いておるわけですよ。
○植木国務大臣 影響を与えるということではありませんで、独占的状態の排除というのは、違法行為ではないわけでありますから、したがってその間行政との調整が必要である、そういう観点から協議というものをとったわけであります。
○横路委員 影響を与えないような協議だったらやる必要は全くないでしょう、あなた。
○植木国務大臣 公正取引委員会と主務大臣との間に協議が行われることによって合意が成立することがございます。それが一番望ましいわけでありますけれども、合意が調わないときには公正取引委員会の判断に属するのでありますから、影響を与えるというのは私は理解ができません。
○横路委員 協議というのは合意を目指して話し合うということでしょう。いいですか。公取の方は何かというと、いまのお話ですと審判手続が終わってからでしょう。これから合議に入る前にやるというわけでしょう。その合議は何かと言うと、事実認定と法的判断であるわけですよ。先ほどの答弁だったら、この両方について協議をやるというわけでしょう。そうすると、それは何かと言うと、事実認定と法的判断というのはまさに公正取引委員会の二十八条の、独立してその職務を行うということですよ。さっき私ずっと詰めてきたのは、何かと言うとそこでしょう。まさにこの二十八条というのは何かと言うと、それはこの手続のところについて言っているわけですよ。ここでほかから圧力を受けない、影響を受けない、だから介入を受けない、だから独立だ、こうなるわけでしょう。だから、その協議というのは、やはり相手に影響を与えないような協議だったら意味ないからやめてしまえばいいのですよ。影響を与えるんだったら、やはり独立性を侵すことになるんじゃないか、こういうことです。理屈はおわかりですね。
○植木国務大臣 先ほど来影響というお話でありますけれども、その影響という意味に問題があろうかと存じます。その影響というものはいい意味での影響ということでありますならば、これは合意を目指すための協議なのでございますから私は望ましいことであると思うのでありまして、職権の独立性を侵すような影響というような意味でありましたならば、私はこれはとるべきではないと存じます。
○横路委員 つまりそういう意味だったら取るべきだ、こういう御答弁ですね。私たち主張しているのはそのとおりなんです。つまりいい意味とか悪い意味とか、善意だったとか悪意だったとかいうようなことは問題にならぬわけです。司法権の独立というのは、一番大きいのはやはり行政からの独立でしょう。それは何かというと、それは善意でやったとか、いい意味でやったとか言っても、結局そこに何らかのそういうものがあると、これはやはり制度として正しい司法権の行使ができないというところから、司法権の独立というのはまず第一に行政からの独立、もちろん立法府からの独立というようなこともありますけれども、これが言われているわけですよ。だから、いまお話があったように、いい意味とか悪い意味とか言っちゃって、そこでいい意味ならいいだろう、悪い意味だったら、いま植木総務長官、それならない方がいいとおっしゃった。私はだから制度としては残すべきじゃない。総務長官のいまの意見に全く賛成なわけですよ。よろしいですか、そういうことで。
○植木国務大臣 先ほど申し上げましたように、独占的状態に対する措置は、従来の違反行為とは違うのでございますから、一つの事業分野全体に対するものでありますから、行政の調整を図るために協議が必要であるということで、私どもはこれをとったわけであります。
○横路委員 いや、あなた、いい意味の協議ならいいけれども、悪い意味の協議はだめだとおっしゃったでしょう。だから、悪い意味の協議だったら協議を外した方がいいとおっしゃった。こういうものはやはり制度なんですから、実質的にたとえば八幡と富士の合併のときに、それは協議なんという規定がなくたってやったわけでしょう。実質的にやったということと、制度としてあるということとは非常に大きく違うわけですね。私たちが問題にしているのはそこなわけです。制度として協議というものがある。それは善意だろうと悪意だろうと制度としてある限り、やはり一定の影響を事実認定と法的判断に及ぼすということになるから、それだったら、公取のいわば二十八条の独立性というのが侵される、そういう可能性なり危険性があるということでやはり制度として残すべきじゃない、こういう意見なんですよ。私の意見はおわかりでしょう。わかりますね、総務長官。
○植木国務大臣 先ほど来の影響というその影響の意味がいろいろな解釈ができるものだと思うのでありまして、現在も御承知のとおり審判手続を経た後に協議をするという例は不況カルテル、合理化カルテルの取り消しの場合にあるわけでございまして、私どもとしてはそれと同じものとして考えているのであります。
○横路委員 それはあなた、自分で答弁しながら、どこでどういうぐあいにごまかしているかということをわかっておられるからそういうことになるので、先ほどの答弁は私は非常に貴重な答弁だ、これからの国会の意思を明らかにする上では非常に貴重な答弁だというように思います。 そこで、まだまだ問題があるんです。ちょっと二、三だけ指摘しますと、たとえば五十二条ですね。五十二条には被審人の防禦権というものが保障されているわけです。そうすると、審判手続を終わってからの協議ということになりますと、これは被審人の防禦権というのは一体どうなりますか。審判手続が終わってから今度協議をやるというわけでしょう。それはいわば被告にされている被審人の防禦権と全く関係のないところでやるわけですよ。これはこの五十二条を侵すことになりませんか。
○植木国務大臣 五十二条にあります被審人の防禦権といいますものは、審判の手続中のものでございますから、これは協議とは異なります。
○横路委員 つまり審判の手続中のものでしょう。手続が終わるわけでしょう。普通の裁判でもいいですよ。裁判をやって被告というのは防禦権があるわけです。一生懸命やりますね。終わりますね。終わるでしょう。終わってから、今度全く関係ないところで他の行政府が介入してきて、そこで相談する、協議をするということになれば、つまり持っている防禦権というのは完全に侵されることになるじゃありませんか。そうでしょう。だって、手続は終わっちゃっているのですから、終わっちゃってて、後は知らないところで公取と行政府がやる。行政府がいろいろなことを言うわけでしょう。それは被審人の権利、義務に関することです。だから、これは五十二条に反するでしょう。そんな審判の手続と関係ないところでもって、関係ない第三者と言っちゃうと悪いかもしらぬけれども、ともかく第三者が出てきて、そこで協議をやるということになれば、防禦権を侵されることになるでしょう、これは。
○植木国務大臣 これは手続の順序の問題だと存じます。矛盾はいたさないと私は理解いたします。
○横路委員 では、ちょっと法制局にお尋ねしますが、結局五十二条で防禦権というのは決められていますね。つまりいろんなことに対して不当であるという理由を述べたり、立証する資料を提出したりということですね。そこでいわば被審人の権利を守っているということだろうと思うのですね。その手続が終わっちゃったところで今度は第三者であるところの行政官庁がのこのこ出かけてきて、先ほどの御答弁ですと事実認識と法的判断の両方に対して協議をするというわけでしょう。まさにその事実認識について、どういう事実なのかということを被告は争う権利を持っているわけですよ。どういう法的判断なのかということをもちろん意見を言う権利がある。それを、手続が終わっちゃったところで今度のこのこ第三者が出てきて物を言うということになれば、それはやはり被審人の権利が侵されたということに、これは法律をやっている者だったら当然のことじゃないでしょうか。
○味村政府委員 審判を行います際には、審判開始決定書が被審人に送達されるわけでございます。審判開始決定書に事件の要旨が記載されておりますから、これによってどのような事実について審判されておるかということがわかるわけでございます。そして、そのような事実をもとにいたしまして法律の適用ということの問題になるわけでございますから、この審判手続におきまして、被審人は十分その事実並びに法律の適用についてこの五十二条の規定によって意見を述べることができる、あるいは立証することができるということになっておりますので、協議があるからといってそのような被審人の防禦権を侵害したことにはならないと考えます。
○横路委員 私聞いているのは、五十三条の方の協議をさっきから問題にしているんですよ。五十三条の協議というのは、審判手続が終わってから合議の前に行うという御答弁でした。もう一度どうぞ。
○味村政府委員 審判が、この審判開始決定書に記載されております事件でない事件について行われますというと、これは被審人の権利を侵害するわけでございます。したがいまして、あるいは協議の結果この審判開始決定書に記載されていない事件、事実について事実認定が行われるということになりますと、そのような場合には、確かに被審人の権利を侵害するということになると思います。しかし、審判開始決定書に記載されております事実につきまして審判を行いまして、そして協議を行う、そしてその協議の結果いろいろ主務大臣から意見が出されました場合に、その意見が、要するにたとえば事実の認定に関するものでございますれば、この審判開始決定書に記載された事実の範囲にとどまるものであれば、もうすでに審判手続中に五十二条の規定によりまして防禦権を行使いたしておりますから、特に協議によって侵害をするということはないと思います。
○横路委員 問題は、確かにそれは決定書を送って、それから審判手続が始まるわけでしょう。始まって、お互いにいろいろ事実を出したり何かしながらやるわけですね。審判手続が終わっちゃってから後でしょう、問題は。終わっちゃってから第三者が出てきていろいろとたとえば協議をするというわけですから、事実認定のところでは、いろいろな事実も持ってくるわけでしょう。いままで皆さん方、何を協議するということの御答弁によれば、債権債務の関係がどうだとか譲渡先はどうだとかと、こうやるわけでしょう。つまり産業官庁の立場からそれをやるわけでしょう。だから、その審判手続の中に参加してやるなら別ですよ。これはまた六十条、六十一条でできるわけですよ。そうじゃなくてその審判手続、これはもう双方こうやり合うわけです。それが終わっちゃってから後、事実認定と証拠判断をどうするかというときに、のこのこ第三者があらわれてきてああだこうだと、それは全くあれでしょう、事実もやっぱり出してやるわけでしょう、協議するわけですから。いままでの御答弁だと、そういう御答弁になっているわけですね。だから、これは幾ら最初に事実が明らかになっているったって、まさにその最初に送った、こういう事件でやりますよという、その事実があるかないかということで審判を行うわけですから、それが終わっちゃってからひょっこり第三者がやってきてあれこれ口出しをするということになると、それは被告の防禦権というものは——そこで官庁が何を出すかわからないわけですから。そうでしょう。総務長官どうですか。
○植木国務大臣 協議の対象となります審決案というものは、審判手続を経まして作成され、協議の際新たな証拠による議論を行うことは適当ではないと考えます。しかし、特に必要がありましたならば審判手続の再開ということもできるわけでございますから、そこでもう一度審判を行うということが可能でございます。
○横路委員 これは同じ問題ですよ、別の角度から。 三十九条では、事業者の秘密を他に漏らしてはいけないという規定がありますね。そのためにわざわざ五十三条では事業上の秘密を保っため必要があると認めるときには非公開まで決めていますね。そうすると、事実認定と協議対象について、この規定に触れませんか。総務長官どうぞ。
○原政府委員 これは、職員は、その職務に関して知得した事業者の秘密を他に漏らしてはならないということでございますが、法律上、他の官庁と協議しろということになっておるわけでございますから、法律上この場合には協議をしなければならぬということになっておるわけでございますから、この規定は排除されると考えます。
○横路委員 あなた、三十八条を見なさいよ。三十八条では、ただし書きで、この法律に規定する場合は、この限りでないという規定がちゃんとありますよ。三十九条にはないばかりか、罰則規定までついているじゃありませんか。
○原政府委員 これは、従来からも協議の場合には、協議の規定が、ほかの規定でもございます。その場合でも同じように他に相談をしておるわけでございますが、この規定の適用はないわけでございます。
○横路委員 この規定の適用がないなんてのはどこにありますか。
○味村政府委員 三十八条の「意見を外部に発表してはならない。」となっておりますこれは、今回の独占的状態の排除の際の協議につきましては、協議するということが公正取引委員会に義務づけられているわけでございますから、三十八条の規定は当然に適用がないと考えます。三十九条は「秘密を他に漏し」ということになっているわけでございまして、漏らすということは、やはり正当な理由がないのに漏らすということでございまして、これは先ほど申し上げましたように、協議が義務づけられている場合にはこの三十九条の規定は働かない、このように考えます。
○横路委員 先ほどの納税証明書、要するに税の申告なんかは税の申告という目的のためなんだから、これはほかには使えないと言って大蔵省は例の守秘義務のときにがんばったわけでしょう。他に漏らしてないのだからいいのだなんというばかなことにならぬですよ、それは。
○味村政府委員 協議をしなければならない、こういうふうに規定をしているわけでありますから、協議をするのに必要なことはお互いに話し合うということでございますので、その限りにおきましては、この当該法律におきまして、それが正当な行為とされているわけでございますから、おっしゃるような国税の場合の守秘義務とは違うのではないかと考えます。
○横路委員 ですから、その場合に、私の言っているように、ちゃんとただし書きで「この法律に規定する場合」というのは三十八条の「意見公表の禁止」のところに入っているじゃないですか。要するに総理府で余り詰めておらなかったのでしょう。この協議というのは、経過から言うとかなり政治的にぱぱっとおりてきて、検討する間もなく出てきたから、その辺の詰めがちょっとしてなかったということじゃないでしょうか。総務長官いかがでしょうか。
○植木国務大臣 先ほど申し上げましたように、現行法上にもある規定でございますから、同じ解釈をとっているわけであります。
○横路委員 だから、協議の性格が違うのですよ。この前荒木委員との間にその議論をやっているでしょう。それはだめですよ。それは通らぬですよ。
○植木国務大臣 私どもは同じ性格のものとして協議を取り上げたわけであります。
○横路委員 そのときだって対象が違うということで、それははっきりしているわけでしょう。それは協議の性格が違うわけですよ。
○植木国務大臣 事業者の秘密に関しましては、性格が違うということは言えないと存じます。
○横路委員 事実認定と法的判断という、審判手続と審決というところでやる協議ですよ。
○植木国務大臣 先ほども申し上げましたように、不況カルテルの取り消しの際にも、その認可についても協議をしているわけでありますから、同じものと考えます。
○横路委員 いいですか、この規定がなぜあるのかということですね。なぜあるのかというのは、ある意味で言うと、これは四十六条の強制権限を与えているわけでしょう。かなり強い強制権限を与えているわけですよ。これとのバランスの上で三十九条があり、それから審判というのは公開が原則だけれども、事業上の秘密を保つために必要があるときには公開しないことができるという規定になっているのです。その規定とのバランスの上にある規定ですよ。不況カルテルのときとは全然性格が違うわけですよ。
○植木国務大臣 六十六条にあります「認可・審決の取消・変更」の中の不況カルテルの取り消しの認可の場合と同じ性格のものであるというふうに私は考えます。
○横路委員 これはたとえば四十六条も使う。審判手続を経過した上で、事実認識と法的判断という前の協議ですよ。これは合議の前でしょう。性格が全然違うわけでしょう。だから、私が言っているのは、つまり先ほどの五十二条の防禦権の問題、それからいわば事業者の秘密保持の問題、こういう問題について、やはりこれは現行法となじまないわけですよ。一生懸命、ここに規定を入れたからこっちの方の規定はなくなるのだ、こうおっしゃいますけれども、法律というのは、そういう矛盾をした規定を入れるのが大体おかしいわけでしょう。そうですね。違いますか。
○植木国務大臣 特に新しい性格のものを取り入れた改正とは私は考えておりません。
○横路委員 そうすると、職務の独立性というのは一体何ですか。二十八条というのはどういう意味ですか。二十七条で行政府の組織だ、しかしそれは形式的に形の上では行政組織だけれども、実際には先ほど言ったような準司法的機能があるから独立して職権を行うという二十八条の規定になっているわけでしょう。その意味は一体どこにあるのですか。そして、一貫して手続というのは、当事者といいますか、被審人の権利義務関係を明らかにしながら進むようになっているわけです。合議も公開しないことになっているのですよ。五十六条、「公正取引委員会の合議は、これを公開しない。」こういうことになっているわけでしょう。ところが、その前に関係ない第三者がこう出てきて、そして協議を行う。協議の内容は何かといったら、事実認識と法的判断についてだというわけでしょう。事実認識と法的判断に対して、いわば合意を目的として話し合うというわけですけれども、つまりそこのところがまさに公取の職権分野で、独立が保持されているところであるわけでしょう。そこに対してのこのこ出てきて協議をする。協議をするっていうのは何かといったら、公取に対して意見を言うのじゃないのですからね。意見を言うという規定だったらまだいいと思うのですよ。意見を申し述べることができるという規定じゃなくて、協議をするわけですから、影響を及ぼすということでしょう。そうすると、独立して職権を行うということにならぬじゃありませんか。一連の手続の上で考えなければ、私はいけないことだと思うのですね。幾つか私はこう問題を出したでしょう。それを今度はトータルで考えてみたらどういうことになりますか。まるきり公取なんというのは行政府の下にあるようなものじゃありませんか。一生懸命審判を行って、最後にちょこちょこ出てきてぱっとそこを変える、変えようと努力するわけでしょう、行政官庁というのは。違いますか。
○植木国務大臣 協議の場合に合意を目的として協議をするわけでありますが、合意が得られなかった場合には公正取引委員会の判断にゆだねられるわけでありますから、したがって、そういう意味において二十八条の職権行使の独立性というものを侵すものではないというのが私どもの考えであります。
○横路委員 幾つか問題があるということはおわかりいただけたろうと思うのであります。 最後に公取委員長、ちょっと委員長おられないうちに幾つかの議論をしたのでありますけれども、この二回目の方の協議ですね、これは先ほどのお話ですと審決手続が終わってから合議が始まる前に協議をするのだそうです。協議の中身というのは事実認識と法的判断の二つ、両方とも協議の対象になる、こういうことです。つまりこれは、私に言わせれば職権を独立して行うという規定、つまり公取が持っている審決権を侵すものになるというように私は思います、これは公取の自由裁量じゃ決してないのですから。五十四条の規定を見てもおわかりのように、「独占的状態があると認める場合には、」「規定する措置を命じなければならない。」、「なければならない。」になっているのですよ。つまりそこには自由裁量の余地はないでしょう。独占的状態があれば、命じなければならないと、こうなっているわけです。そこにのこのこ出かけてくるわけですね。私は法律的にも、被審人の防禦権なりあるいは合議の非公開という問題なりあるいは事業者の秘密を守るという問題なり、さまざまな問題が、やはりまだ整理されてない。どうも余り十分な法的検討というものが行われないで、政治的にこの協議というものが持ち込まれた。この文理解釈からいって、どうしてもそう言わざるを得ないのでありますけれども、公取委員長、この協議というのがやはり制度として残るというのは、非常に公取のこれからの職権について大きな制約になるのじゃないかというように私は思うのですけれども、そこら辺のところを積極的御答弁をいただきたいと思うのですが。
○高橋(俊)政府委員 私としては、どうもこの問題については余り見解を述べることはいかがかと思います。ただし、協議の性格がどうも、つまり不況カルテル等の認可並びに——認可の場合はこれは審判はありませんが、取り消す場合には審判を要する。ところが、これは実態に即さない規定なものですから使ったためしがないのです、審判をするに際してですね。これは一回限りでございますが、「あらかじめ、」と書いてあるだけでして、他は何も書いてない。だから、あらかじめですから、どこの段階でやるのかということは、経験もありませんし、実は確立しておらぬのです。それに対しまして、今度の独占的状態に対する審決の直前における——審決の直前と思いますが、二度目のあれは同列に考えていいものなのか、あるいはやはり相当質の違うものと考えるべきものなのか多分に議論のあるところであるということだけは申し添えておきたいと思います。(「質が違うことだけは事実だ」と呼ぶ者あり)同じものだと言い切れるかどうかについて、その点に議論があり得る問題であるということは申し添えますが、ただしこの問題について私、私見をここで申し述べることは遠慮さしていただきます。
○横路委員 さっきの法制局みたいなことでありまして、見解を述べるのを差し控えるというのもこれまたおかしな話でして、公取委員長としてどうなのかと聞いているのに、私見を述べるのを差し控えるなんということじゃ、あなた答弁席に何のために座っているのかということになるわけですよ。そうでしょう。しかし、公取委員長のその気持は十分わかりますから、この前の記者会見で後でいろいろあったようでありますから。私としては、いま言ったようないろいろな問題が後の協議にある、これは総理府の方でもその問題点の所在くらいはわかっていただいたろうというように思うわけです。この点は保留にして次の問題にちょっと進めたいと思います。 七条の括弧書きです。これは明快でないという御答弁がありましたけれども、幾ら読んでみてもやはりよくわからないということですね。そこで、少しずつ言葉の解釈を詰めていきたいというように思いますので、御答弁いただきたいと思います。 七条の括弧書きの「当該措置の実施後」というこの「当該措置」というのは何ですか。
○原政府委員 それは括弧の外の排除措置でございます。
○横路委員 排除措置ということですね。そうすると、「実施後」というのは、その排除措置が終わった後、こういう意味ですか。
○原政府委員 そういうことでございます。
○横路委員 そうすると、総務長官にお尋ねしますけれども、すでに公取が行ってきた排除措置については、答弁でも確認されていますように、状態規制も行われているわけですね。つまりカルテル協定破棄後の実効を確保するという形で違法行為の排除のための措置が命じられてきているわけです。これは最高裁判所の判例もありまして、たとえば将来にわたる不作為あるいはその報告を命ずること、こういうことも当然だ、こういうことになっているわけです。ですから、現行法七条の解釈として排除措置については状態規制も行われている、その状態規制そのものは現行法七条の解釈として違法ではない、こういう御答弁が法制局の方からもあるいは総務長官の方からもたびたび何回もあるのですけれども、そこをまず確認してから議論を進めたいと思いますが、総務長官よろしゅうございますか。
○植木国務大臣 ただいままで答弁してきたとおりでございます。
○横路委員 つまり違法ではないわけですね。——つまりその措置というのは違法な措置ではない、排除措置の問題ですね。最高裁の判例も出ていますけれども、それは読み上げることを差し控えますが、いままでとってきた状態規制、具体的に行われているわけでしょう。これはケースを述べるのをやめます、いままで議論していることですから。これは違法な措置なんですか、どうなんですか。私は違法な措置ではないと思いますけれども、いかがですかと、こう聞いているわけです。
○植木国務大臣 具体的なケースにつきましては、いろいろございますので、この際論評を差し控えさしていただきたいと思います。
○横路委員 いままで質疑の中で出てきたケースについてはいかがですか、繰り返しませんが。
○植木国務大臣 公正取引委員会が、ケース・バイ・ケースで必要と認められたときだと私は考えております。
○横路委員 あなた、またそれだったら四十条のあれと同じですよ。何を言っているのかさっぱりわからない。 この前の、たとえば渡辺三郎委員の質問にいろいろ答えておりますね。その中で原さんからの御答弁もあるわけですけれども、いろいろ議論はあるけれども、公取が判断してやってきた。これについては味村さんだって、それに乗っけて、いままで全部認めてきたじゃありませんか。どっか答えたくないところがあるんですか。
○味村政府委員 私は、現行法の排除措置として認められるものは、改正法においても排除措置として認められるということを申し上げたわけでございます。具体的に公取のおやりになったどの措置が該当するとか該当しないとか、そういうようなことは申し上げる立場にもございませんし、申し上げておりません。
○横路委員 佐野委員の質問に答えて、「しかし、単にカルテルを破棄しろという命令だけでは足りないで、もっと別の措置も命ずる必要があるという場合には、これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置として、カルテルを破棄しろという命令以外に何らかの命令をすることもできるわけでございます。」と、こういうお答えがありますね。最高裁の判例でも、将来の不作為を命じたケースとか、それから報告を求めるケースについて、これは当然できるんだということで、こういう解釈になっているわけです。——じゃ、これを確認していただきましょうか。 最高裁の「昭和二十六年行ナ第一七号 判決」これは東宝株式会社と公正取引委員会の関係の事件です。この中に「公正取引委員会はその違反行為を排除するために必要な措置を命ずるのであるが、ここに違反行為を排除するために必要な措置とは、現在同法に違反してなされている行為の差止、違反行為からもたらされた結果の除去」——もたらされた結果の除去ですね、これは当然である、こう言っているわけですよ。さらに、「これにのみ止まるものと解するのは、同法のになう使命に照らして狭きに失する。」から、将来の不作為についても命じ得る、こういう非常に明快な理由になっているわけです。 あなた、この判例に対して異を唱えられるのですか。
○味村政府委員 先生のお読みになりましたのは東京高等裁判所の判決でございますが、東京高等裁判所の判決それ自体に対して私の論評を申し上げる立場にございません。あくまで裁判は尊重するということでございます。
○横路委員 それは確定された判例でしょう。それに対して私が聞いているのは、いままでこの委員会の審議でも幾つかのケースが挙がっていますよ、みんなそれぞれ。ここで一つ一つ挙げて詰めますか。それに対して何か文句つけたいような気持ちが先ほど来の答弁でにじみ出ているわけですよ。いままで公取が七条排除措置としてやったケースであなた方おかしいと思うケースがあるなら、それを挙げなさいよ。それははっきりしなければだめでしょう。そこがこの七条括弧書きのポイントなんですよ、議論は。
○味村政府委員 私は、この法案を審査するに当たりまして、この解釈につきましていろいろ検討をしたわけでございます。 排除する措置ということでございますが、違反行為を排除する措置ということでございますので、要するに、違反行為を排除して、競争が自主的に制限されていない状態に戻すというのが排除措置であるというように考えたわけでございます。したがいまして、その際にそのような競争について制限されない状態に戻すという措置というものはいろいろあり得るであろうというふうに考えております。
○横路委員 だから、それはいろいろあり得るんなら、それでいいのですよ。だから、七条について、この判例も、「違反してなされている行為の差止、違反行為からもたらされた結果の除去等」これは当然だ、そしてしかもこれにとどまるわけではなくて、将来の不作為も命じ得るという判断になっているわけでしょう。そうでしょう。だから、いまの御答弁の限りではいいのですよ。そうしたら、なぜ個々のケースについていろいろ何か問題があるとか、ああだとかこうだとか、よけいなことを一言おっしゃるのですか。だから、どこか違う点がある、おかしいという点があるなら、おかしいというぐあいに指摘してくださいよ。
○味村政府委員 具体的な措置についておかしいとかおかしくないとかいうことではございませんで、私どもとしてはそのような具体的措置がおかしいかおかしくないかを申し上げる立場にないということでございます。
○横路委員 おかしいとかおかしくないということでないというなら、それはそれでいいですよ。ただ、それを申し上げる立場にないなんてよけいなことを言うから、わからなくなるのですよ、それこそ。 総務長官、一言確認しておきますけれども、いままで現行法七条の排除措置で公取がとられた措置、何か問題があるようなケースございますか。
○植木国務大臣 ありません。
○横路委員 そこで、たとえば将来の不作為を命じたものがありますね、価格の決定を共同でしてはいけないとか、東宝ですと、「将来その一方の製作する映画の全部又は大部分を他の一方にのみ排他的に配給するような協定又は申合をしてはならない」とか、これは新聞社のケースですが、「今後新聞紙の販路の拡張または維持のために自社との競争関係にある他の新聞社から不当に見本紙または本紙の供給を受けないことを条件として新聞販売店と取引してはならない」とか、こういうような措置を命じた場合に、いままでそういうケースはあるわけですね。その括弧書きでいって「当該行為の影響を排除する具体的措置の内容の届出」あるいは「具体的措置の実施状況の報告」ということは、一体何になりますか。そういう不作為の命令を出した場合に、つまりそれが当該措置の実施後になるわけでしょう。将来の不作為をやっていけないというのは、これはどういうことになりますか。
○植木国務大臣 従来のものにつきましては、行為を排除するための必要な措置でございまして、今回の改正によりまして、違法カルテルの場合、現行法では認められないケースが少なくないと考えられますので、この改正は定型的にこのような措置を命じようとするものであります。
○横路委員 私は一般論なんか聞いてないのですよ。具体的な、不作為を命じたケースについて、後の「具体的措置の内容の届出」とか「具体的措置の実施状況の報告」というのはどんなことになりますか、こう言っているのです。
○植木国務大臣 現行法によりますと、価格の問題等につきまして具体的な措置をとるというようなことは考えられていないという解釈のもとに新しいものをつくったものであります。
○横路委員 いいですか、「当該措置の実施後」というのは、行為を具体的に排除する必要な措置をとった後だというのでしょう、さっきの答弁は。総務長官いいですか。括弧書きの中の「当該措置の実施後」というのはどうかと先ほど聞いてみたら、行為を排除するために必要な措置、それをとった後だというわけでしょう。そうすると、その必要な措置というのはいままでどういうケースがあるかというと、不作為を命じたケースがありますよ。じゃ、不作為を命じたケースの場合に、一体その後で何を届け出て、何を報告するのですか、何もないじゃありませんかと言いたいわけですよ。あなたが言っているのは、価格カルテルの場合のことをいま御答弁になったわけですね。それは後で聞きますから、それはいいのです。私のいまのケースでお答えください。何もとることはないでしょう、その場合は。
○植木国務大臣 括弧書きに書いてありますものを適用するということが必要でないものにつきましては、現行法のとおりで措置せられるべきものであると考えます。
○横路委員 つまり、その場合は後は何もないわけですよ。届け出だって、実施状況の報告だって、不作為を命じて将来やっちゃいけないというのに、後でもってこういう措置をとりましたなんという届け出というのはないわけでしょう、それについて報告まで命じているわけですからね。それから、たとえば協定を破棄した後の周知徹底措置を命じているケースもありますね。この場合は、一定期間、価格とか生産数量、販売数量の報告が排除措置として命ぜられた場合、あるいは中には、その周知徹底の方法についてあらかじめ公取の承認が必要だというのもあるのですよ。この場合も、後の措置というのはないですね、内容の届け出とか実施状況の報告というのは。
○植木国務大臣 事業活動の影響が残りますれば、そのようなことがあると存じます。
○横路委員 何ですか、事業活動の影響というのは。私がいま聞いているのは、周知徹底措置として、いろいろ命ぜられた場合、これを周知させなければいけない、それからその周知徹底の方法も、たとえばあらかじめ公取の承認が必要だというようなケースもあるわけですよ、一々事件を申し上げませんけれども。そういう場合には、その後の「内容の届出」とか「具体的措置の実施状況の報告」なんというのは、この規定は意味がないでしょう。こういうことですよ。
○植木国務大臣 当該行為についての影響というふうに御理解をいただきたいと存じます。
○横路委員 それはまたカルテルの価格なんかの場合は別に問題があります、それは別だと言っているわけですよ。私がいま言っているのは、周知徹底の方法がその排除措置の中身だった場合の話をしているわけですね。あくまでもその具体的ケースについてお話ししているわけです。たとえば「新たな販売価格を決定するためにそれぞれ速やかに取引先別に交渉を行うこと」というケースがありますね。この場合もどうですか、あと何か具体的な内容の届け出、具体的措置の実施状況の報告なんというのがありますか。しかも、このケースは、それに対して報告を求めているわけですね。どうなりますか。
○植木国務大臣 当該措置というものは、主文の個々の文章の一つ一つを指して論ずるのは適当ではないというふうに考えております。
○横路委員 何ですか、それは。突然いまになって、何が個々のケースについて論ずるのは必要じゃないのですか。この括弧書きの「当該措置」というのは、いいですか、さっぱりまだ意味がわかっていないのですよ、あなた。「行為を排除するために必要な措置」、これを受けているというわけでしょう、「当該措置」というのは。だから、「実施後」というのは、排除措置が行われた後はというわけでしょう。その実施後の問題を問題にしているわけですね。そうすると、私が聞いているのは、いろいろなケースが過去にある、それはその行為を排除するばかりじゃなくて、その状態を排除するのも中に含まれているじゃないか。そうすると、そういう排除措置が出た場合に、その後でとるべき、つまりここでもって事業者の自主的な内容の届け出とか実施状況の報告をしなければならぬことになっているわけでしょう。それは全く意味がないではありませんか、こう言っているわけです。何をやるのですか。何もやらぬでしょう。後で、立法趣旨そのほかはいろいろとお尋ねしますよ。だから、具体的なケースについてお答えください。
○植木国務大臣 括弧書きのものにつきまして意味のない場合もございます。
○横路委員 そうなんです。具体的に規制のところでもって状態規制ということになれば、全く意味がないわけですよ。だから、カルテルの価格だけだと言ってがんばっているわけですね。ところが、文理解釈から言うと、私らが心配しているのは、政府素案の中にカルテル破棄後にとるべき措置というのがありましたね。こことの関係で、要するにカルテル協定の破棄がカルテルに対する必要な排除措置であって、それ以外は影響を排除するための措置ということになってしまうのではないかということを心配しているから言っているわけですよ。それはおわかりですか。——そうすると、どういうことになるかというと、それはもう大改悪ですよ。大後退になるわけでしょう。これはそういう解釈なんですか。
○植木国務大臣 私どもは、先ほど来申し上げておりますように、この新しい改正によりまして排除措置の内容を強化するものでありますから、いま申されたような考えはとっておりません。
○横路委員 文理解釈からいくと、つまり「当該措置の実施後当該行為の影響を排除するためにとることとなる」云々という、この「当該行為の影響を排除するためにとることとなる」というのをあらゆる場合についてこれを該当させるというように考えれば、この「当該措置の実施後」というのは、その括弧の前の「行為を排除するために必要な措置」というのを受けているのですから、それではここは行為規制だけじゃないか、状態規制は括弧書きだけなのかという心配があるわけですよ。いままでみんなが質問しているのはそれを言っているわけです。だから、そこをそうじゃないとおっしゃるならば、もうちょっと中身を明確な規定にしなければだめですね。ちょっとわかりづらいですね。どうですか。
○植木国務大臣 わかりにくいという論議はこの間から行われておることは私も承知いたしております。ただ、「当該措置の実施後」と申しますのは、命ぜられました措置のすべての実施後という意味ではございませんで、排除措置が行われた後においても残るであろう影響がある場合にという意味でございます。
○横路委員 だって、ここには「当該措置の実施後」になっているのですよ。そうして、この「実施後」というのは何を受けているかというと「行為を排除するために必要な措置」を受けているという答弁がさっきあったわけでしょう。だから、これは明確じゃないですよ。違いますか。
○植木国務大臣 ただいま仰せられました点について、特にそういう文言があるために明確を欠くという御意見があるということは承知いたしております。
○横路委員 そこで問題は、高橋さんにお尋ねしたいのですけれども、この条文は価格の原状回復命令、カルテルを破棄しても価格が下がらない、これをどうするかというところから出発していて、現行の七条でできるという解釈もあったけれども、いろいろな議論もあったけれどもそこをはっきりさせようと、こういう経過で出てきたんでしょう。簡単でよろしいです。その経過で出てきたという点をお認めいただければよろしいです。
○高橋(俊)政府委員 私はそうだと思います。
○横路委員 そこで、いまおっしゃったようにこの文言、それは単純に「当該措置の実施後」という言葉があるから明快でないのかどうなのかという点になれば、私はただ単にその言葉を除いたからといってそれで明快になるものじゃないと思うのですね。問題はいま言ったように、要するに価格の原状回復命令、ただその価格を引き下げるということを公取の命令にするといろいろ問題があるから、業者の方から何か自主的にそこら辺で新しい価格を設定するようにさせようじゃないかというのが立法の過程でこういう文章になったんだと思うのですね。これは総務長官いかがですか。
○植木国務大臣 原状回復命令というものが問題であるということにつきましての理由は、もう再三述べておりますので省略させていただきますが、カルテルの排除後の措置といたしまして、いま御指摘になりましたような点についての配慮も必要であるという考え方で、こういう考え方を取り入れたわけであります。
○横路委員 原さんが、わりと率直にその経過というのは、渡辺さんの質問に対して述べておられるのですね。いろいろ考えた、考えてとにかく排除措置をしても、価格というものは残っている場合が多い。そうすると、とにかく幾らにしろというのはこれは自由経済というか、独禁法の精神からして市場で決まるべき筋合いであるから、それを幾らにしろということはできない、しかしいま残っているとすれば、それはいまのカルテルによる影響じゃないか、そういうものは価格として残っている、だからそういうカルテルでない価格にするためにはどうすればいいかというようなことを考えた結果、カルテルによらない価格、ただし決めるのは別に公取が決めるのじゃなくて、業者が自主的に決めなければならない、そういうことで定型的にこれができるのだということを確認する意味も含めて、括弧書きをこのような表現にしましたという経過がずっと述べられているわけですね。ですから、私は率直に、いま公取委員長の方からも総務長官の方からもお話がございましたが、つまり本来一番そこを明確にするためには、この括弧書き全部取ってしまって、(価格の引き下げを含む)、こう書けば高橋さんは一番喜ぶだろうけれども、これは自民党の諸君がどうも認めないということになるわけですね。そうすると、一つのケースとして、さっき言った神崎製紙の事件も参考になるのですけれども、もう一つアメリカのFTCが、カルテル排除措置として新価格の設定命令を出したケースがあるのです。これは一九六二年の一月六日の同意審決ですけれども、その中に排除命令として、従来の価格、価格表、割引などを破棄し、新価格等を設定することという命令を出しているのです。これは根拠規定は連邦取引委員会法の五条の(b)でありまして、規定そのものは、不公正な競争方法を用いることを差しとめすることができるということで、あそこはかなり自由に、自由裁量で主文というものを現状に合わして出せるようになっているわけですね。そうすると、ともかくカルテルを破棄したあとで、新価格の設定をしなければならぬということをはっきりさせる趣旨がこの括弧書きの中に書かれればいいわけでしょう。さっきの総務長官の御答弁でも、私がいろいろ状態排除のケースを尋ねました。つまり不作為を命じた場合とか、それから報告義務を命じたケースとか、それからまた販売価格を設定するために取引先別に交渉を行うことというようなケースですね。こういうケースの場合は、この解釈から言うと、結局そのあとの当該行為の影響を排除するための措置としてやっちゃっているわけですから、あと業者の方で何を言うかといっても何も言うことないわけですね。業者の方で言うことは何かといえば、それは想定しているのは、カルテル価格の破棄の場合だというわけでしょう。そうすると、ここはそういう趣旨だということを、専門家はたくさん皆さん方おられるわけですから、表現は考えていただくことにして、(価格の引き下げを含む)というのはまずい、しかしそうじゃないような、つまり業者の方に自主的に新価格を設定させるということができるような趣旨を含む内容にすれば、いろいろなごたごたした議論がなくなるのじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。これは高橋さんと総務長官と両方から御答弁いただきたいのです。
○植木国務大臣 御指摘の点につきましては、いまこの委員会で審議をせられているわけでございますから、審議の過程におきましてどうぞ十分に御審議をいただきたいと存じます。
○高橋(俊)政府委員 結局突き詰めてまいりますと、ただいまおっしゃったように、実施排除命令を行ってもなおかつ残っている影響、こういうことになりますから、それは何だと言えば、通常ほとんどの場合は、私どもの経験から言えば価格である。いまの条文だけですと、この括弧書きがないとしますとカルテル価格に触れることができない。だから、価格を再交渉してこいというふうなことは、従来やっておりますが、それがそうでなくて、カルテル価格が実勢と遊離しておればそれではいけないんだという趣旨ですね。そのかわり幾らにしろということは一切言わないというふうなことに突き詰めていくとなる。そういうことが書いてある。ちょっとわかりにくいようだけれども、そういう意味であると解するならば、それをもう少しわかりやすくすれば、本旨は違わないということなんでありますから、私はそれでよいのではないかという感じがいたします。
○横路委員 高橋委員長のお話もわかるのですけれども、文理解釈としてはあなたが説明するようにならぬのですよ、ここは。この言葉のままではですよ。いままで大分高橋さんがんばっておられましたが、あなたが一生懸命がんばろうという希望はわかるのですけれども、現実の法解釈として、その希望が通るかといえば、必ずしもそうじゃないわけですよ。そこを委員長としてもけじめをつけてもらわないと、先ほどのように——先ほどのようにといいますか、この議事録を見ていますと、やはり総務長官と法制局の方が高橋さんより一枚上手でありまして、法解釈と立法精神については、私と法制局の言うとおりでありまして、運用は公取がなさっているから、これは公取委員長の言うとおりですというような答弁が随所に出てくるわけですね。そこのところは、やはり括弧書きの解釈としては、文理解釈をしていくと問題が残るわけです。だから、もうちょっと明快にした方がいいんじゃないかというような植木総務長官の御答弁もありましたし、趣旨は、ともかく立法の趣旨からいって高橋さんのおっしゃっていることが入るような趣旨に何とか努力するということで——この七条の括弧書きこのままにこだわると、これは公取自身が後で大変なことになりますよ。だから、そこのところは、本当は高橋さんに少し詰めていこうかと思ったのですけれども、それはちょっと気の毒ですからやめたんでありまして、そういうことなんです。 七条の括弧書きはもうちょっと明快にするということでありますから、これはこれで終わりとして、もう一つ、さっき保留になっている問題なんで聞くのはちょっと恐縮なんですが、時間が若干ありますから……。 あの四十条と四十条の二も、法制局の解釈は論外ですが、高橋公取委員長の従来の解釈もこれまた文理解釈からどういったってならないんですね。四十条の二は、三ヵ月を一日超えれば四十条でやれるんだという御答弁でしたね。これは高橋さん、いまもそのようにお考えになっているんですか。
○高橋(俊)政府委員 四十条の二によって四十条が何ら排除されないということであれば、従来も調査は行っておりましたから、一日を超えた、つまり四十条の二に該当しないものについて特に必要があると思ったときはできると私は思います。しかし、それは、四十条の二をつくるならばその精神はあくまで尊重すべきであって、「三箇月以内」というふうにこれが決まってしまえば、それを本旨とするということはやはり守っていくべきである。しかし、さればといって、意図的に一日ずらしたというふうなことが明らかである場合に、一切それに手をつけることができないかということならば、それは従来どおりできるものである、ただしそれは公表の点において食い違いがございまして、国会の年次報告に入れることはできません。ですから、その公表の方法、手段等は別途でございます。調査はできるということです。
○横路委員 一日ずらすようなのは、いわば脱法的行為だというんでしょうけれども、四十条の二の解釈からいうと、「報告を求めることができる。」というだけで、別に禁止規定じゃないわけですよね。禁止規定じゃないから、そこで一日超えたから脱法だという議論には、法律論としてはならないわけですよ。悪いけれどもそうなんですね。だから、結果的にはどうなるかといったら、四十条の二のところは四十条からすっぽり落ちちゃうんですよ、法律の反対解釈としては。高橋さん、そういう認識を持っておられないと、幾ら御本人ががんばったって、結局、法律というのはひとり歩きしていっちゃうんですよ。少し後々のことも考えてもらわなくちゃ困ると思うのです。希望をおっしゃりたいというのはわかるのですけれども、ましてさっきのような四十条の解釈でしょう。それもちょっとやりますけれども、そこのところはどうですか。素直に認められないと自己矛盾になるのですよ。一日超えるとできるということになると、もう一歩進めれば超えても超えなくても四十条でやれるじゃないか。いまもちょっとそういうニュアンスがございましたけれども、それだったら四十条の二なんというのは要らないじゃないかという議論になるわけですよ。私なんか、いろいろ考えてみたけれども、これを全部取っちゃうか、あるいはむしろ届け出ぐらいにするしか方法がないと思うのですけれども、これはいかがですか。
○高橋(俊)政府委員 いまおっしゃったような意見が学者グループの中にあることは私承知しております。ですから、そういう有力な意見があるということも承知の上で申しておるのです。しかし、いま、「理由について報告を求めることができる。」ということだから、ねばならないではないので、それは義務規定ではない、こういうことから法理的におかしいとおっしゃったのですけれども、「求めることができる。」ということは、四十条によって具体的に示された、こういう基準によるこういう行為はこうなりますよということですね。その可能性が十分ありということで示すところに意味があるわけです。しかも、それは国会への年次報告を必ず伴う。一遍理由をとったら黙ってほっておくのじゃなくて、それは、ずっと時期はずれますけれども、国会に年次報告するのだということで、全く抽象的な四十条の規定とは違うという感じです。しかし、さればといって、いま「できる。」という規定ができたから、四十条はそれ以外の場合にはできないんだということになりますと、これは確かに大変な制限になります。そういうことはわかっています。しかし、そう解釈する必要はないのじゃないかと思います。ただ、その点で解釈が分かれる可能性があるということだけは私認めます。実際、反対論があるのですから、そういう反対意見があるということは私は否認いたしません。
○横路委員 そういう危険性があるわけでしょう。そういう解釈の可能性があるわけでしょう。そうすると、公取委員長、そこでがんばっておったんじゃ全然だめじゃないですか。だから、あなた、後のことも少し考えてもらいたいと言っておるわけですよ。 もう時間なので、最後にちょっと一点だけ。四十六条と四十条のさっきの関係ですけれども、四十六条は「事件について必要な調査」ですね。つまり、独禁法違反の疑いのある事件というのは四十六条でいくんじゃないですか。こっちの方が、立入調査権限から物品の押収権限から全部あるわけですよ。そういう強い権限を持っておるわけですから、独禁法違反の疑いのある事件は、四十六条は四十五条を受けているわけで、たとえば一般の人から事実報告があった場合には、事件として立件をして調査するわけでしょう。つまり、そういう独禁法違反の疑いのある事件というのは、私は四十六条でやっていると思うのです。いままでそうでしょう、高橋さん。
○高橋(俊)政府委員 独禁法違反の疑いのあるものは事件として四十六条でやっております。
○横路委員 そうすると、法制局、違反の疑いのある事件は全部四十六条にいっちゃうのですよ。そして、四十条の趣旨というのは何かといえば、いろいろなコンメンタールを見ても、立法当時の、石井良三さんという人の「独禁法」という本を見ても、これは、一つは、公取の趣旨ですね、「職務を行うために必要がある」というのは、さっきあなた、一条のところを、よけいなところで一生懸命お話しになっていましたけれども、これは基本はどういうぐあいにいくかというと、まず二十七条の「この法律の目的を達成するため、公正取引委員会を置く。」というところにいって、それから一条の「目的」にいって、一条からもう一度、たとえば経済部の所管事務とか取引部の所管事務というようなところにいく、こういう法律構成になるんじゃないですか。違反事件は全部四十六条でいままでもやっているわけですし、そこに規定があるんですよ、さらに強い権限が。そうすると、それは強い権限を与えられて違反事件として全部やるわけですから、その前の段階は、だから四十条でやるということになると、四十条というのは違反の有無と関係なしに職務を行うために必要があるときにはやるということだろうと思うのです。私は、たとえば何かないかと考えて特定の企業に対して調査をやるというのは、四十条だって合理性がないということで無理だと思うのです、特定の企業に対して何かないかといって探すための調査をやることは。ただ、業種とか企業集団に対して、この公取の目的を達成するために各部が現実に持っているたとえば事業活動とか経済実態の調査、たとえば価格がどういうような市場メカニズムの中で形成されていくのかというようなことというのは、常に掌握しておかなければならぬわけですから、その調査がなかったら、あなたいきなり事件がぽんと入ってきてそれでやれるなんというようなものじゃないわけでしょう。そういう趣旨で四十条というのは解釈すべきじゃないんですか。これは当然四十六条というのがあるのですから、その関係でいけばそういう解釈になる。だから、違反の疑いがなかったら四十条でできないなんというのは、ちょっとさっきの法制局答弁は行き過ぎじゃないか。それから、六月六日の植木総務長官の答弁も行き過ぎだというように思います。六月三日、四日程度の法制局あたりの解釈ぐらいにしておいた方がよろしいんじゃないですが。
○味村政府委員 おっしゃいますように、四十条と四十六条にそれぞれ公正取引委員会の調査権の規定があるわけでございます。四十条は公正取引委員会の一般的な調査権を規定したわけでございまして、四十六条はその違反事件がございます場合の特殊の調査権を規定したものだというように考えます。したがいまして、たとえば四十六条の規定に掲げていないような調査というものが、四十条によって違反事件について行われるということはあり得ると思います。
○横路委員 つまり違反の疑いがあって事件として立件してやるのは四十六条でいくわけでしょう。みんな四十六条でやっているわけですよ。そうすると、その違反の疑いがあるというんじゃなくて、その前の段階で——前の段階というのは、違反の疑いのある事件は全部四十六条でやるわけですから、四十条というのは公取の設置法のところの二十七条一項、それからあと三十五条の四とか三十五条の四の二というように解釈してやるというのが従来の運用でもありましたし、そうではないかということです。
○味村政府委員 いま申し落として失礼しました。 先ほど私が違反事件がある、違反事件の疑いがあるということを申し上げましたのは一つの例として申し上げたわけでございまして、そのほかに公正取引委員会はいろいろな職務を持っているわけでございます。具体的に法律に規定されているわけでございますから、そういったいろいろな具体的に規定されている職務を行うために必要がある場合には、四十条の規定によって強制的な調査権があるということでございます。(「だから質問に答えなさいよ」と呼ぶ者あり)したがいまして、先ほど申し上げましたように違反の嫌疑があるという場合に、四十六条の規定によって調査をするということが普通であろうかと存じます。しかし、たとえば公務所に対する資料の提出などというのは、四十六条に規定がございませんから、こういう場合には四十条の調査権が、公務所に対する報告徴収でございますね……(発言する者あり)
○山村委員長 御静粛に願います。
○味村政府委員 要するに、私の申し上げておりますことは、四十条というのは一般的な規定でございまして、およそ公正取引委員会の行います職務を行うに必要があるときには、四十条の規定が働く。四十六条は、この四十条の規定の調査権のいわば特則というようなものでございまして、これは違反事件を処理する際に働く調査権である、こういうことでございます。
○横路委員 公務所関係はちょっといますぐ見つからないんですが、たしかどこかに規定があったような気がするんですが、いずれにしても独禁法違反の疑いがあるという場合は四十六条でやる、そしてそれ以外は四十条だということでよろしいわけですね。
○味村政府委員 違反事件がございますときには四十六条の特則によってやる、しかしその特則以外に四十条の規定によって調査をする場合もあるだろうということでございます。
○山村委員長 次回は、明十八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後九時十五分散会