商工委員会 第23号
- 発言数
- 409 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/13
会議録
○山村委員長 これより会議を開きます。通商産業の基本施策に関する件、中小企業に関する件及び資源エネルギーに関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 通産大臣にお伺いしますが、この造船業の不況というのは全く深刻なんですが、この不況の対策について、大臣に、どうお考えになるかということでお尋ねしたことがあるのですが、それに対して大臣は、いろいろ考えておられる対策についてお答えがあったわけですが、そのお答えの中では具体的な対策についてお話があったのですけれども、どうも大臣の答弁にもかかわらず、そうした対策が講じられているようには見受けられないわけですね。大臣は特に海運関係の専門家でいらっしゃるんで、その実態はよくおわかりになっていらっしゃるわけですから、実態について申し上げることは、時間の関係もありますから省略をいたします。 〔委員長退席、田中(六)委員長代理着席〕 落ち込んでおるこの不況がいつごろになったら大体回復してくるというお見通しを持っていらっしゃるのか、その間の対策はどのように具体的に進めていこうとお考えになっていらっしゃるのか、ひとつ大臣の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○河本国務大臣 造船業界の不況の一番大きな原因は、一昨年の秋の油ショックによりまして、世界の経済が低迷をいたしまして、油の消費量が世界全体で非常に激減をした、そのことからくる船舶の需給関係に端を発しまして、現在のような造船不況ということになっておるわけでございますが、私は、いまのような状態はもうしばらく続くのではないか、こう思っております。 そこで、造船所はいろいろ対策を立てておられるようであります。たとえば多角経営に持っていく、つまり陸上分野をできるだけふやす、こういう多角経営に持っていくとかいろいろやっておられるようでありますけれども、しかし何と申しましても日本の造船業というものは非常に膨大なものでございますから、そう簡単にはいかない。特にこの間、下請の関連企業が非常に多いわけなんです。特に下請の関連企業の仕事が最近非常に減っております。 通産省といたしましては、貿易という面から造船が非常に大きな分野を占めておりましたので、何回か造船業界からも事情を聞いておりますし、最近は運輸省もそれぞれ個々に話を聞いておられるようでございます。いろいろ対策もその間進んでおるわけでございますが、特にこの中小企業関係、関連企業関係につきましては、不況業種に指定するということでいま大蔵省と関係各省との間で相談をいたしておる最中でございます。
○中村(重)委員 労働省からおいでいただいていますからお尋ねしますが、いま大臣が不況業種として指定をする、運輸省もそういうことで対策を進めているであろうというお答えであったのですが、具体的には雇用保険法の調整給付金の指定業種に造船業関連下請企業というものを指定しようとするお考え方であろうと思うのですが、労働省としてはどうお考えになっていらっしゃるのかということです。
○小粥説明員 雇用保険法に基づきます雇用調整給付金の対象業種として幾つかの不況業種を指定いたしておりますが、造船関係も非常に業績が悪くなってきておるということも承知いたしております。 〔田中(六)委員長代理退席、武藤(嘉)委員長代理着席〕 ただし、調整給付金の指定業種は指定基準がございまして、最近の三ヵ月で平均一〇%以上、最近月で二〇%以上、前年同月に比べて生産なり求人なり残業時間なりが落ち込んでいるということが基準になってございまして、造船業全体としてはまだその基準に達しておらないわけでございますが、その中で特に中小企業下請関連部門にしわ寄せがいっているという状況もございまして、実は先日六月一日付で造船業の中の船体ブロック製造業は雇用調整給付金の対象業種としてすでに指定してございます。その船体ブロック製造業以外の部門についてもなお指定の必要があるかどうか、いま運輸省あるいは関係業界からも実情その他をいろいろ聞かしていただいておりまして、指定基準に該当するような数字になってまいりますと、これは雇用調整給付金の対象業種として指定していきたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 造船業の不況、それに関連中小企業が深刻な状態に陥っているということは、これはいまあなたがお答えになった特殊なものだけでなくて、軒並みにそういう状態にあるわけだね。しかも、これはここ二、三ヵ月でそういう状態になったんじゃないわけだ。にもかかわらず、いまごろ実は調査をしているんだということでは、これはお役所仕事ではそういうことで足れりというふうにお考えになっていらっしゃるのかもしれないけれども、それは関連下請企業とかそれに働く労働者というものはそういう状態ではないですよ。深刻なんです。これは造船業の本工の労働者、いわゆる常用労働者というのは残業カットという程度であるのですが、最近はそれがさらに進んで首切りが行われておるということは御承知のとおりだろうと思う。ところが、下請企業の場合は、特殊の部門だけではなくて、全面的に受注量が四〇%程度になっているのですよ。もう六〇%程度は仕事がなくなっている。それで、言うまでもなくこれは指定業種でないんで、一時帰休といったようなことはとうていできない、結局首切りという以外にはないというので、首切りが行われておるということです。その実態はあなたの方では調査をしておられませんか。
○小粥説明員 造船業の中の下請関連部門に非常にしわ寄せがきているということは私ども聞いておりますし、それなりに個別に数字も承知いたしております。 しかし、先ほどお答えいたしましたように、雇用調整給付金の業種指定が原則的に日本標準産業分類にのっとってやることになっておりまして、したがいまして造船業の中のたとえば鋼船製造修理業という形でとらえますと、生産の面もそれからたとえば雇用者の数も、四月現在までしか現在数字はございませんけれども、むしろ前年同月に比べてふえているというような数字が出ておりまして、全体としての指定がなかなかむずかしいという事情にございますので、その中での下請部門が集中している事業部門をどういう形で拾い出してみたらいいか、それに正直言いまして区分けの仕方にいろいろ問題がございますものですから、そうした区分けの仕方を関係省庁ともいま連携をとりながら検討を詰めているところでございます。
○中村(重)委員 いまあなたがお答えになった点はわかるわけだ。だけれども、区分けをしてこれは指定しなければならないだろう、これはまだ早いんだ、無理だというような結論が出るまでには相当時間がかかるわけだね。だから、これは明らかに指定基準に達しているというものからどんどん指定していくというようなことにしなければ、そう何ヵ月もかかっておるというようなことでは話にならないですね。だから、早期にひとつやってもらいたい。大体見通しはどうですか。
○小粥説明員 私ども、造船業関係を全部一括まとめて数字がそろうまで待ってということじゃございませんで、先ほどお答えいたしましたように、すでに数字のはっきりしたものは六月一日からもう指定をしているわけでございますから、これからも業種の仕分けのけりのついたものから逐次やっていきたいと思っております。ですから、数字さえ得られれば早目にやっていきたいと思っております。
○中村(重)委員 ともかく役所の仕事は時間がかかり過ぎて困るから、早急に区分けもして、そして指定をしていくということにしてもらいたい。 中小企業庁長官、あなたの方は調査をしておられるだろうから……。これは深刻な不況の状態になっているのですが、申し上げたように、残業カットだけではなくて人員整理がどんどん行われてきている。こういう状態は中小企業庁としても放置できないわけだから、第三次不況対策といったようなそういう包括的なことだけでなくて、具体的に職業転換給付金制度を適用していくといったようなことが進められていかなければならないし、さらに産炭地域臨時交付金、閉山地区商工業に対する貸付制度といったものもありますね。そういうような事業転換資金の貸付制度をどんどん進めていく、そういう該当する制度がなければ、これを創設をしていくといったような政策を早急に推し進めていかなければならないと考えますが、その点に対する対策はありますか。
○齋藤(太)政府委員 オイルショック以来、原油め輸入量が各国とも減りまして、それから貿易自体が縮小いたしております関係で、造船の受注量が四十九年度も非常に減りまして、五十年度も激減の見込みでございます。そのために造船業界は、当面の仕事は持っておりますけれども将来が非常にお先真っ暗であるということで、現在の仕事の繰り延ばしを図っておるようでございまして、その関係で下請等の残業カット、さらには下請への発注の縮小といったような現象が見られまして、特に下請関係に非常に大きな影響が出てまいりつつあります。 中小企業庁としましては、当面こういった造船並びにその関連部門に所要資金の確保を考えたいと考えまして、今月の三日に発表いたしました市中金融機関によります中小企業救済特別融資制度におきまして、鋼船または木船製造修理業というものをその業種に指定をいたしまして、現在融資のあっせんを受け付け中でございまして、七月から融資の実行をいたすことにいたしておるところでございます。この中におきまして構内下請等もこの対象に加えまして、特別救済融資を速やかに実行いたしたいと考えております。 また、船体ブロック関係は事業者の数が少ない関係もございますので、特に政府系関係の中小三機関からの融資のあっせんを現在行っておるところでございます。 また、信用保険法によります不況業種の対象にも、できればなるべく速やかに指定をいたしたいと考えまして、現在関係方面と折衝を続けておるところでございまして、これもなるべく早く実現をいたしたいと考えております。 そのほか、この間県当局等からもいろいろお話を伺ったわけでございますが、事業転換資金の貸し付け等につきましては、現在の三機関によります転換資金の貸し付けにつきましては極力あっせんを図ってまいりたいと考えておりますが、特に一定の低利によります制度の創設につきましては、ものによりましては立法が必要なものもございますので、至急に所管省でございます運輸省と相談をいたしまして適切な対策の立案にかかりたい、かように考えておるところでございます。
○中村(重)委員 結局、首を切られた労働者も何か仕事を見つけるとか、あるいは商売を始めるといったようなことで生活の道を講じなければならぬ。そのためには職業転換ということになる。それから、関連下請事業者が、造船下請事業ということではどうしても事業を継続してやっていくことはできないという場合は事業転換ということになるわけですが、それぞれ貸付制度というものが行われなければならない。しかも、それは長期、低利でなければならぬ。いまあなたがお答えになったようなことでは、私がこういう対策が必要だということで申し上げていることが満たされるようには私は感じないのだけれども、その点はいかがでしょう。
○齋藤(太)政府委員 この解雇されました従業員につきましての職業転換給付金につきましては、現在こういった給付金制度がございますので、労働省の方にお願いをいたしまして、至急にその適用を図っていただくようにいたしたいと考えます。 それから、事業者の転換資金の貸し付けにつきましては、現在の制度でございますと政府系機関から普通金利で融資をする、こういうことになりますので、金利の面で低利という制度はございませんけれども、その資金のあっせんにつきましてはできるだけの御援助を申し上げたいと考えております。特別の低利による制度ということになりますと、産炭地並みというようなことでありますと立法が必要かと存じますが、そういった立法につきましては所管の運輸省と至急に相談をいたしまして、今後の問題として検討をいたしたいと考えております。
○中村(重)委員 次に、この不況対策として制度融資資金の償還猶予というものが必要になってくるのではないか。具体的には近代化資金あるいは高度化資金、それから政府三機関から貸し付けているところの資金の猶予、いわゆるドルショック法に基づいてなされた措置と同じような措置が必要であろうと私は考えるのですが、それらの点はいかがです。
○齋藤(太)政府委員 高度化資金と政府系三機関の融資分の既往債務の償還期限の延長につきましては、借り入れをしておられます個々の事業者の経理内容に応じまして、ケース・バイ・ケースでできるだけ弾力的に償還延長の措置をとるように関係金融機関を指導してまいりたいと考えております。近代化資金につきましては、償還延期は立法措置が必要でございますので、先ほどの産炭地振興に準じた事業転換貸付金制度の問題の一環としまして、運輸省と御相談をしてまいりたいと考えます。
○中村(重)委員 この支払い手形のサイトが、六十日であったのが百二十日というふうに非常に延長されているわけです。したがって、手形割引融資制度というのを、これは現行法の運用によってもできるわけですけれども、新たにどんぴしゃりというような制度をお考えになる必要があるのではないか。しかも、それは低利のものでなければならないわけですが、それらの点については何か対策をお考えになっていらっしゃいませんか。
○齋藤(太)政府委員 そういった関係の資金といたしまして、市中銀行からの造船向けの特別融資を現在実行中でございますが、同時に政府系三機関につきましても、こういった造船所関係の多い地域につきましてなるべくそちらの方に資金を配分するようにいたしまして、手形の割引についての資金枠について不足のないようにいたしたいと存じます。ただ、低利というのはちょっと困難かと存じます。
○中村(重)委員 その資金の絶対量をふやしていくのでなければ、現在割り当てられておる中で——それぞれ四半期の中で割り当てをしているわけだから、そういう中で操作をしろと言ったってできないわけなんだな。だから、そうした枠を大幅に拡大をしていくというようなことでなければならないのだけれども、その点は十分に考えていますか。
○齋藤(太)政府委員 造船所の所在しております三機関の支店によけい資金を配分するようにいたしたいと考えております。
○中村(重)委員 それから、これは大臣にお尋ねしたほうがよろしいのかもしれないのだけれども、長官でもけっこうです。 中小企業庁ということよりも通産省全体の関係も出てくるのでしょうが、公共事業の拡大、それから優先発注といったようなことを、これは建設省その他関係省と話し合いをやって対策を講じていくのでなければいけないと思うのですが、この点に対しては、閣議等においていろいろ話し合いがなされているのかどうか、具体的な対策が期待できるのか、その点はいかがでしょう。
○河本国務大臣 いろいろ積極的に話し合いをしておりますが、詳細につきましては長官から答弁をさせます。
○中村(重)委員 それから、中小企業庁長官、この県及び造船関係市町村に対する交付金の交付ということが当然考えられなければならない。私は、これは産炭地域振興臨時交付金に準じた措置を当然させなければいけないと思うのだけれども、自治省等とそれらについて折衝を進めているのかどうか、いかがですか。
○齋藤(太)政府委員 現在運輸省におきまして、総合的な造船関係の、特に中小下請も含めましての対策を検討中でございますので、その中の一環として御検討願っておるというふうに思っております。
○中村(重)委員 時間の制約がありますから、大体三、四十分ということでございましたからこれで終わりますが、ともかく私どもの質問に対して、いろいろお考えになっていらっしゃる対策についてお答えもある、また各省とも話し合いをやって、積極的に対策を推進していきたいというお答えがある。私がこの造船下請企業の不況対策についてお尋ねをいたしましたのも、もう一ヵ月以上前のことであるわけです。ところがどうも、さっぱりとは言わないのだけれども、私どもが調査をする限りにおいては具体的な対策というのが進められていない、深刻な状態であるということなんであります。先ほど来通産大臣並びに中小企業庁長官からも労働省からもそれぞれお答えがあったわけですが、ともかく精力的に取り組んでもらいたい、そして積極的にその対策を講じてもらいたいということを強く要請をいたしまして、できるならば講じられた対策等についてこの委員会で御報告をしていただく、そのくらいの精力的な積極的な態度をひとつ強く要請をいたしまして、質問を終わることにいたします。
○武藤(嘉)委員長代理 神崎敏雄君。
○神崎委員 最初にお伺いしますのは、昨日明るみにされた九州電力玄海原子力発電所一号機の放射能漏れ事故について伺いたいと思います。 今回の事故は、予想されていたことだけに、一層重大であると考えるものであります。 まず第一は、事故発生に際しての企業と県、政府の秘密主義、住民の安全無視の姿勢であります。事故発生が十日午前八時二十分、発電停止がそれから約六時間後の午後二時です。県への通報は夜になってからであります。しかも、市当局には何ら通報されていない。そうして、二日間余り後になって、九州電力は記者会見で初めて発表するという経過であります。 河本通産大臣がこの事故発生の報告を受けられたのは、いつの何時ごろでありますか、まずそれを伺いたい。
○河本国務大臣 九州電力から試運転中の玄海発電所一号機につきまして報告がございましたが、通産省といたしましては、点検の結果を待ちまして必要な措置をとりたい、こういうことでいまいろいろ調査をいたしております。 もう少し申し上げますと、玄海発電所一号機、出力は五十五万九千キロワットでございますが、ことしの二月以来試運転を実施いたしておりました。諸種の試験調整を行っておったわけでございますが、六月の十日午前八時二十分、復水器の空気の抽出器排気管に取りつけられておりますモニターによる警報が発信をいたしました。このため、負荷を下げまして、午後二時に停止し、点検することにしたわけでございます。なお、周辺への影響を監視するモニタリングポスト等の指示値は、通常運転時と別に変化はなかった、こういう報告が来ております。
○神崎委員 大臣はこれを聞かれたのはいつですかということです、私が聞いているのは。
○河本国務大臣 正式に聞きましたのは、きょうでございます。
○神崎委員 そこで、私は問題があると思うのです。十日の午前八時二十分に事故が起こって、それで発電停止がそれから六時間後の午後二時で、県に報告したのは夜だ。大臣はきょうそれを聞かれた。これに対して、通産当局は住民への対処についてどういう指導をされておるのかということ。これは、秘密主義、住民の安全無視の姿勢について大臣はどう考えておられるか。きわめて重要な問題であるにもかかわらず、きょうまで大臣の耳にも入れていない、こういう人命無視のきわめて重要な問題を、こういうことでいいのかどうか。大臣は最高責任者ですから、聞かれるのには少しは時間も経過すると思うけれども、これに対する関係の直接責任者は一体どういうふうに感じて大臣にきょうまで言うてなかったのか、それについて明らかにしてもらいたい。
○河本国務大臣 先ほども申し上げましたように、周辺への影響等を監視いたしますモニタリングポストの指示値には別に変化はなかった、こういうことでもあり、私に対する報告等も若干おくれておったのではないかと思いますが、いずれにいたしましても、原子力発電をつくっていきます上におきまして最大の課題というものは、安全性の確保、いかにしてこの安全性を確保するかということが最大の課題でございますし、そのために特に新しいポストを一切つくらないという政府の方針に特例を設けまして、科学技術庁に原子力安全局というものをことし特別に設ける、こういうことも行ったわけでございまして、政府といたしまして、原子力発電の安全性ということについて特別の配慮を払っておるやさきにおきましてこういう事故が発生をしたということは、大変私どもも遺憾に思っております。 なお、詳細につきましては、いまエネルギー庁の長官が参りますので、長官より報告をさせることにいたしますが、まだ着いておりませんので、しばらくお待ちをいただきたいと思います。
○神崎委員 これは、委員長の方で、長官が来られたらすぐこれに対する答弁をさせていただきたい、いま大臣言われたように、五十五万九千キロワットというようなきわめて大量な原子炉の事故でありますから。 そこで第二に、原子力発電としてはいわば後発組であり、先発組の事故等の教訓を生かせる利点があったと言える、しかも放射能漏れのあった個所の細管の材質は、九州電力自身、現在の技術では最高と誇っていたのです。そして、関西電力美浜原発の二号機のものと同じ型であることから、今回のケースが予想されるという指摘があったのに対して、水処理によって防げる、こういう形で強調してきた。ところが、やはり防ぎ切れなかった。以上の諸点を考え合わせると、現在の技術水準は絶対安全とは言い切れないことがいよいよ明白になったと思います。 そこで、真に安全性が確認されるまで、原子力発電所の建設を中止するべきである。中止させることが国民の安全を優先させる政策であると考えますが、この点大臣はどうお考えになりますか。
○河本国務大臣 この原子力発電全体について申し上げますと、わが国はエネルギー資源、特に石油資源に不足いたしておりますので、これからのエネルギー政策の大きな柱といたしまして、原子力とそれから石炭、この二つを非常に大きな柱として考えておるわけでございます。そして、昭和六十年度までには六千万キロワット前後の原子力発電を実現したいということで、ここ数年来計画的に進めてきたわけでございます。御案内のように、現在すでに四百万キロワット程度のものが稼働中でございまして、建設途上のものも千三百万キロばかりございます。それからなお、近く着工予定のものも数百万キロございまして、いずれにいたしましても、すでに相当大量のものが各地で稼働中または建設中でございます。また、世界の状態を見ましても、この原子力発電ということに対しては、各国とも非常に重大に考えまして、今後のエネルギーの中心に考えていきたい、こういうことで、アメリカはもちろんでありますが、ヨーロッパ各国、中近東の国では、油の出るイランにおいてさえ、この原子力発電ということに対して非常に積極的になっておる。こういうことを考えますと、安全性の確保ということは絶対至上の命令だと考えます。しかし、今回、九州電力の玄海発電所で試運転中にこういう事故が起こったということだけで、一切原子力発電の建設を中止するということは、私は行き過ぎである、こう思います。 いずれにいたしましても、この事故を十分検討いたしまして、一体どうしてこういうことが起こったのかということをよく分析いたしまして、そして安全性を確認しながら、私は今後の参考にして、原子力発電政策というものをやはり計画的に進めていくべきであろう、こういうふうに理解をいたします。
○神崎委員 まだエネルギー庁長官、来ませんか。——それについては、いま大臣が最後に言われたこの安全性の問題ですね、計画はいいですが、安全性の問題が最優先にならなければならぬのに、十日に起こって、三日後の今日、大臣が知られる。 〔武藤(嘉)委員長代理退席、委員長着席〕 これはやはり何と言うても、いわゆる企業の秘密主義、これが優先されて、しかもそういう大きな事故を起こしながら県にも市にも報告することがきわめて遅い。これでは周囲におる人や中に働いておる人たちから見まして、きわめて重大な問題で、責任をとらなければならないような問題だと私は思うのですね。 そこで、その点については、時間がきょうは余りございませんので、エネルギー庁長官が来られてから、改めて私はその責任を追及したいと思います。 そこで、次の問題に入ります。 政府は、消費者保護基本法に基づいて昨年の十月八日、第七回消費者保護会議を開き、消費者保護行政推進のために三百五十項目の具体策を決めたと聞いております。 その重点の第一は、消費者の生命、身体を守るために、従来、後追い的に実施してきた商品の安全性、食品や食品添加物の安全性、医薬品の副作用などに関する情報を国民生活センターなどの関係機関や消費者から集め、消費者被害を事前に防止するための危険情報システム、こういう危険情報システムづくりといいますか、こういう点にあったそうであります。この実施状況を簡単にひとつ明らかにしていただきたい。
○岩田(幸)政府委員 先生御指摘のように、昨年十月の消費者保護会議におきまして、今後一年間の消費者行政の重点を決めたわけでございます。その一つといたしまして、危険情報システムというものをつくったわけでございますが、現在のところは、全国に御承知のように百四十ヵ所ばかり消費生活センターというのがございまして、苦情処理その他の業務を行っております。その苦情処理あるいは苦情相談の中から消費者の生命とか健康とか、そういうものに危害を及ぼすようなものがありました場合に、これを国民生活センターのコンピューターに蓄積をいたしまして、その蓄積をされた情報を分析評価をいたしまして、それを消費者とか事業者とかに警告を発する、同時に所管官庁その他に通報いたしまして安全対策を早急に講じようということで、この四月から始めたわけでございます。 現在のところは、全国の消費生活センターからの情報を電算機に蓄積をするという作業をやっておりまして、将来はこれを病院とか消防署とか警察とか、そういうところまで広げまして全国的に被害情報を集めて、それを安全対策の早急な解決に役立てようということでございます。
○神崎委員 そこで、確認する意味でお聞きしますが、この方針は、情報を収集し、政府が責任を持ってそれを検討し、危険であると判断した場合は速やかに製造、使用、輸出入等を規制する措置をとる、そして政府の責任において事前に防止するということなのか、それとも危険であるという情報だけを国民に提供し、防止措置はもっぱら国民、消費者一人一人が行う、政府はそれを促す、いわゆる情報提供のみを行うという方針なんですか、どちらですか。
○岩田(幸)政府委員 これは情報システムでございますから、情報を集めまして分析をいたしました結果につきましては、一方ではこういう危険な商品があるぞというPRもいたしますけれども、同時に、消費者保護に関しては種々の法律規制がございますので、そういうものと照らし合わせまして、必要なものについては、製造の禁止なり輸入の禁止なりその他の規制措置を速やかに講ずるというようなことと結びつけているわけでございます。(神崎委員「政府はやるのですね、禁止を」と呼ぶ)そうでございます。
○神崎委員 では、具体的な問題として、私は塩化ビニールやフタル酸エステルの問題を例に挙げてお聞きしたい。 塩化ビニールは御存じのように各種のプラスチック製品等に広く使われ、今日では生活に欠かせないものになっております。ところが近年、塩化ビニールの毒性が問題になってきています。アメリカ、西ドイツ、ルーマニアなどでは肝臓がんによる死亡、血小板の減少、ホルモンの障害、肝臓障害、こういう事例が報告されております。また、ニューヨークの病原抑制センターは、四十九年の五月三十一日、ニューヨーク州の塩化ビニール工場の近くに二十九年間居住していた女性が四十九年一月に死亡した原因について、工場から吐き出される汚染した空気が原因であると発表いたしました。さらに、ことしの五月二十六日、わが国で初めて塩化ビニールによる肝臓障害が発見されました。すなわち、三井東圧名古屋工業所で肝臓の変調を訴えた十一人の作業員を名大病院で診察した結果発見されたのであります。それは脾臓が通常の人の五倍にふくれ、胃・食道静脈瘤ができているきわめて重度の病状にあったということであります。 わが国の塩化ビニールの生産量はアメリカに次いで世界第二位であります。通産省、厚生省、環境庁は塩化ビニールの有害性についてどういう認識を持っておられるのか。そして、塩化ビニールによる被害を防止するために、現在どのような処置をとっておられるのか。また、今後これに対してどのような対策をとろうとしておられるのか、明確にひとつ答弁をしていただきたい。
○矢野政府委員 塩ビの毒性問題につきましては、先生いろいろ御指摘になられたとおりの状況でございます。 そこで、現在労働衛生安全上の見地で労働省の方で法律に基づきます規制措置をとろうということで動きがございまして、これは私ども直接でございませんけれども、承るところによりますと、すでに中間答申と申しますか、専門家会議の答申が労働省に提出されたと聞いております。これに基づいて、労働省は七月を予定いたしまして、いわゆる環境衛生基準というものをつくる予定でございまして、相当厳しい基準というふうに私ども伺っておりますが、私どもとしては、労働衛生問題は基本的人権の問題と思いますので、これが決まりましたら、厳重に遵守できるように、また実施できるように業界を強力に指導いたしたい、かように考えております。
○宮沢説明員 お答えいたします。 先生の御指摘の点は塩化ビニールモノマーの発がん性のことと思います。私どもの食品衛生法におきましては、塩化ビニール製の容器、包装について、溶出物の安全性等については以前から検討しておりまして、昭和四十八年に規格基準を改正いたしまして、重金属等溶出物に関する規格をつくっております。 なお、塩化ビニールモノマーがどの程度溶出するかということについても、現在衛生試験所において溶出試験をやっておりますが、私どもいままでに得た情報では非常にわずかである、そのわずかな量について検出がほとんどできないというようなことも聞いておりますが、そういうような試験法でもって、塩ビの溶出基準も今後設定していくために、現在作業を続けております。
○鈴木説明員 環境庁といたしましては、環境中に塩ビモノマーがどの程度存在するか調査したいと思っております。しかし、環境中の塩ビモノマーの測定法につきましては、残念ながら従来まだ確立されておりません。これは労働環境濃度等と比べますと相当濃度が低い状態にあるということ、それから環境大気中には種々の測定妨害物質の存在が考えられまして、こういった物質が塩ビモノマーの測定にどのような影響を及ぼすか、まだはっきり把握されてない点があるからでございます。環境庁といたしましては、現在環境中の塩ビモノマーをより正確に測定できるよう研究を進めております。
○神崎委員 特に環境庁のいまの答弁はきわめて遺憾で、現在は対策を持っておらない、今後についても明確でない。これは事人命にとって重大であって、無責任な現在の状態である。今後の質問でそのことについての対策、対処措置を強く求めていきたい、かように思います。 そこで次に、きょうの問題の中心点である問題に私は触れていきたいと思いますが、一部では第二のPCBと言われておるフタル酸エステル、これについてお聞きします。 フタル酸エステルという化学物質はわが国の生産量はどれだけですか。
○矢野政府委員 フタル酸エステルの生産量でございますが、昭和八年に生産開始されまして、最近の状況を申し上げますと、四十七年で三十五万一千トン、四十八年三十五万五千トン、それから四十九年ではやや落ちまして二十七万三千トン、こういった状況でございます。
○神崎委員 フタル酸エステルの主な用途はどういう部分ですか。
○矢野政府委員 いろいろとその品質で違うようでございますが、九〇%以上が塩ビ樹脂の可塑剤として使われておる、ほとんどが可塑剤だというふうにお考えいただいたらよろしいかと思います。
○神崎委員 この物質の有害性についての研究は、アメリカなどでは一九三五年から始まっている。当局は諸外国の研究結果の資料、文献など詳しく研究しておりますか。研究しておられたら研究しておられる内容、研究してなければ研究してないと簡潔にひとつ答えていただきたい。
○矢野政府委員 詳細にということでございますが、いままで私どもがいわゆる知見の上で言いますと余り問題ないということでございますが、実際問題としては環境庁あるいは厚生省の方でいろいろと研究しておられますので、御答弁をそちらの方にお任せしたいと思います。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように、特にアメリカなどでは相当広範囲にフタル酸エステルの毒性の報告がございます。私どもとしましても、昭和四十九年度から、フタル酸エステルの特に繁用されております二品目ほどを選びまして、慢性毒性あるいはその細胞に対する影響とか、蓄積性とか、代謝とか、こういうものの研究を広範に現在実施中でございます。
○神崎委員 きょうは本会議の関係で時間が制約されておるので、後追い的な質問はできるだけこちらは省略しておるのですから、同じことを二度言わさないように協力していただきたいと思う。 そこで、いま伺いましたように、四十九年から研究されておる、その毒性試験にどれだけの費用を要しましたか。
○宮沢説明員 慢性毒性試験は非常に費用がかかりますが、大体一千万円以内のところでやっております。
○神崎委員 一千万円と聞いて驚くわけですが、私の調査では大体六百万円です。 そこで、食品衛生調査会が定めた毒性試験の基準による毒性試験は、先ほどの答弁にもありましたが、行っていない。つまり急性毒性、短期慢性毒性、長期慢性毒性、局所刺激性、アレルギー性、催奇形性、繁殖に及ぼす影響、依存性、発ガン性のすべてにわたる毒性試験はやっておらない、こういうことを認められるのですね。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 溶出物でございまして、私ども、意図的に加えます食品添加物に比べますと非常に微量であるということで、実はどのように将来取り上げていっていいかということについて議論しておったわけでございます。しかし、やはりいま先生御指摘のように広範に今後この毒性はやっていかなければいけないということで進めておりますが、現在慢性毒性試験であるとかあるいはアレルギーを見るための細胞毒性であるとか、その他私ども逐次必要と思われる試験を追加して今後強力に進めていきたい、こういうふうにやっております。
○神崎委員 今後追加していかなければならぬということは、いまやっていないということを立証したことになる。したがって、冒頭の原子炉と同じように、きわめて当局は人命という問題について軽視もはなはだしい。これでは国民が本当に安心してもう空気すら吸えない。物を食べることもできない。本当に慢性的な、いわゆる緩慢な殺人罪みたいなような行政が行われているということも裏書きされるというふうに言っても言い過ぎでない。こういうものを事前にいわゆる予防措置をどんどんととっていくことが国民に歓迎される行政になる。こういうことが明るみになることについては、いよいよ政府に対する不信がつのる。 そこで、一般毒性についても、動物実験で肝臓障害の事例がアメリカで報告されているのです。特殊毒性についても、動物実験で骨格奇形の例が報告されています。また、昨年四月、愛知県の衛生研究所の動物実験で、一日に〇・五グラム、これを飼料にまぜて食べさせた。そうして三世代までの追跡実験をやった。結果は、親の代で肉眼で見えないが腎臓に穴があく、二代、三代では肉眼ではっきりわかる奇形になったと報告されているのですね。こうした動物実験の結果を重視して、本当に国民の命と健康を守るために政府は万全の措置をとっておるということが言えますかということなんです。これはいまやっていない、今後やるということを言われているのですが、こういうものがもう愛知県で出ているのです。厚生省は五十年度のこうした物質の毒性試験のために要求している費用は一千万円だと先ほど言われた。私の調査では六百万円だが、今度初めて一千万円。毒性試験を全面的に行うためには少なくとも三千万円から一億は要ると関係者も言っているし、私もそう思う。ところが、その十分の一の一千万円をやっと要求する。これでは十分な調査、試験、研究の段階であるとは言えないですね。しかも、ことしの五月二十四日重大な問題が起こっているというのは、岡山で米から高濃度のフタル酸エステルが発見されているのです。今日の調査あるいは試験の体制、こういうような状態で、この現在の水準でいいのかどうかきわめて慄然たるものがある。岡山の事件は一般的にも公表されているのです。それに対して当局がまだ何もやっていない。これから研究をする、諸外国の例も出ている、愛知県でも出ている、岡山では現実に米に高濃度なものが出ている、それが一般報道にも載っている。それに対して一千万円をやっとことしになって請求する、これは厚生省がそういう立場からもっと積極的にやりたいと思っても、予算請求などで大蔵省その他から断られたり、不必要だとか、そういう形でやられているのか。それとも厚生省自身が一千万円も予算を請求してやれば、先ほどから挙げられるようないろいろな広範な人命に対する危険な物質に対する万全の措置に向かって前向きに前進できる、こういうふうな理解の段階なのかどうか、どこに問題があるのか、この点についても当局から明確に私は聞いておきたい。
○宮沢説明員 お答えいたします。 実はフタル酸エステルについては、先ほど来先生が申されましたように、諸外国で非常に先駆けて早くから毒性を研究しておりまして、私どもの持っているものでも、慢性毒性を含めて比較的毒性の低いものというふうに理解しておったわけでございますが、いろいろ疑問とする資料も出てまいりましたので試験を始めたわけでございますが、国立衛生試験所でございまして、設備も人員も十分確保されておりますので、あとは資材費等だけでございますので、いまの予算で私どもが必要とされるものについては十分カバーできていける、こういうふうに思っております。
○神崎委員 厚生省は一千万円だけを請求したということですか。もっと請求したものが一千万円に下がったんじゃないですか、正直に言ってください。
○宮沢説明員 これからいろいろ追加していく試験がもし出てくれば、またそれは追加して請求することになると思いますが、現在の研究費は私どもが十分とした量でございます。
○神崎委員 ちょっと明確でないんだが、あなたの方でそれが最高の予算であって、それで全部できるというふうに思っているといまおっしゃったのですか。ちょっと語尾が明らかでなかったのではっきりしませんので明確にもう一回、これは後日問題にしますからね。
○宮沢説明員 いま行っております試験は、慢性毒性とか、細胞に対する影響であるとか、蓄積性が見られるかどうかとか、それからどの程度溶出してくるかどうか、そういう試験でございます。したがって、現在の研究費で十分賄えております。
○神崎委員 では聞きますが、一千万円でどういうことを具体的にやるのですか。ここで具体的に言ってください。
○宮沢説明員 慢性毒性といたしまして二年間マウスに投与するという実験でございます。それからもう一つ、これは細胞に対する影響でございますが、細胞とこのフタル酸エステルを接触させてどういう影響が出るかということ、それから微生物に対して現在問題になっておりますいわゆる変異原性があるかどうかというような研究であるとか、それから食品の容器からどの程度溶出してくるかどうかとか、そういうような研究が柱になっております。
○神崎委員 フタル酸エステルは大気中、水の中、川ですね、こういう中でも検出されている例があるのですが、御存じですか。
○五十嵐説明員 お答えいたします。 私ども環境庁におきましては、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の施行に伴いまして、特に環境サイドから既存化学物質の総点検の一環を受け持っておりまして、四十九年度の予算におきまして、現在十九河川を選びまして、水質、底質、それから魚介類等のフタル酸エステルを中心といたしました環境調査を実施しております。その調査結果は現在取りまとめ中でございますので、近いうちにそのデータ等については評価を加えて発表したいと考えております。 なお、ただいま先生御指摘になりましたいろいな研究者からの御報告、われわれといたしましても、従来のデータとしては存じ上げております。ただ、非常に微量な環境中におきます分析は、コンタミネーションと申しますか、たとえば試験管あるいはフラスコ、そういったいろんな試験器具そのものからも多少の汚染が出てくるというように、そういった汚染を防ぎましての本当の分析値を知るというのは非常にむずかしい面がございますので、われわれといたしましてもそういったところに十分気をつけました分析を確立いたしまして、現在調査を進めているところでございます。
○神崎委員 他のことではいつもアメリカに追随し、そしてアメリカのものを全面的に受け入れてやられるのに、事人命に対しては、アメリカを中心にして各国の先進国の例を出して指摘し、それがもう数年、早いところでは十数年前からやられていることが、今日まだわが国では、これからまとめてみるとか、発表するとか、研究するとか、こういうところに私は問題があることを指摘しているわけなんです。 たとえばフタル酸エステルを使用した容器、包装材から溶けてこれが食品に混入をしているのです。だから、きわめて広範囲で、重大な問題です。 そこで、一九六〇年、東京で開催された国際がん会議において、食品添加物を定義づけています。その中で、非意図的添加物とは、容器、包装からの混入や食品に残留しているものという点も含んでおるということが指摘されている。わが国においては、意図的添加物の規制しかやっておりません。 そこで、食品衛生法の改正を含めてこれは検討すべきであると私は思うのですが、当局はどう思いますか。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 先ほど触れましたように、塩化ビニール製のものにこのフタル酸エステルは可塑剤として使われるわけですが、これは私どもはすでに溶出量として三〇ppm以下というふうに現在基準は決めておりますが、これは食品衛生法の七条に基づいたものでございまして、アメリカと法律体系が違いまして、私どもはこういう容器を通し、あるいは農薬を通し、食品に残存してくるような、あるいは溶出してくるようなものについては、食品衛生法で十分カバーできるというような体制になっております。
○神崎委員 先ほどからいろいろと質問した中で、私にとってはきわめて遺憾で、国民にとっても不安な答弁ばかりを並べており、今日の現行法を十分に発揮できない段階もある。しかしながら、こういうものがあるから、さらに食品衛生法を改正して国民が安心できるような方向へ持っていく、こういうような形で、法律を改正してでもさらに強化しようとする意図のないことの答弁をいまされたのですが、では今日ある食品衛生法がまともに実施されているという確信を持っていますか、またやっておられるということを良心に基づいてここで発表できますか。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 食品に加えられる添加物等については、十分私どもは国際的に定められた原則に沿って安全性を評価して使用を認めておる。それから、残存する農薬についても、同様に国際機関と足並みをそろえて残存基準を決めておる。それから、容器、包装、こういったようなものから食品に入ってくるものについては、大変スタートがおくれたわけでございますが、いまどういうようなものが一体使われておって、それがどういう毒性があるかというようなことについては調べ、逐次フタル酸あるいは塩ビモノマーというようなものから手をつけて、食品衛生法を発動して基準づくりに今後邁進していく、こういうような状況でございます。
○神崎委員 あなたは最高責任者でないからそういう答弁しかできないと思いますので、時間の都合で次回に主務大臣を呼んで、そして食品衛生法等の改正を含めて検討してもらうように改めてこの問題の提起をしたい、こういうふうに思いますので、この程度で、この法律改正の問題に関する質問は一応保留しておきます。 そこで、時間の関係で三点にしぼってこちら側から申し上げますので、ひとつ関係者はよく聞いておいてもらって、メモをして、きちっと答弁をしていただきたい。 まず、フタル酸エステルはその九〇%以上が塩化ビニールの可塑剤として使われておるのであります。塩化ビニールの毒性、被害例も続出しており、フタル酸エステルについても一部では第二のPCBとさえ言われているのであります。当局は、わが国のフタル酸エステルは外国に比べて純度が高い、二ヵ年の研究の結果、さしあたって規制の必要はない、こういう見解であります。 しかし、わが国のフタル酸エステルの年間の生産量はPCBの四十倍に当たる、先ほども言われましたが、四十万トン以上で、台湾、香港、シンガポール、タイ、韓国等へ輸出もしておる。食品容器、包装材、おもちゃ、医療用具など、国民生活のすみずみにこれは行き渡っており、行き渡っているから環境汚染が進んでいるのです。 一九七二年九月、アメリカで行われたフタル酸エステル環境科学会議のシンポジウムに参加した百人以上の研究者は、差し迫って人間に害を与えるかどうかわからないが、フタル酸エステル環境汚染が進行していることはだれもが認め、人体にフタル酸エステルが残留することを防ぐ何らかの方法を見出すべきである、こういうふうにこのシンポジウムで述べている。 ところが、わが国の研究は、先ほどからみずから言われているように、きわめておくれており、アメリカの医学図書館のリストアップを一例にすれば、一九六九年一月から一九七二年九月の三年八ヵ月に、プラスチックとフタル酸エステルに関する論文の数は、総数百三十五も出ているのです。このうち日本人による論文はわずかに三つで、二・二%です。 政府当局が研究に着手したのが昭和四十七年、しかもいまもみずから言われているように、その試験内容はきわめて浅い。こういう状態のもとで、安全であると言われるということは遺憾であり、国民から見てきわめて危険度が高い。しかも、これらには〇・〇一%の危険度があっても、それが現実には〇・〇一%の確率で実害は生まれているということです。それは面積から言っても、日本では実に一万人以上が被害を受けるのです。これはきわめて重大な問題なんです。今日まで、実害や実験で毒性が証明された例は圧倒的にアメリカです。しかし、先ほど言ったように、アメリカと比べて二十五分の一の面積、この面積から見たら一万人になる。日本は単位面積当たり二十数倍の濃縮された汚染環境の中で国民は生活しているということになります。政府はまさに後追い的に実施してきたこの安全性の措置を事前防止に変えるべきだ、取り組むべきだ。 そこで聞きますが、まず第一、一昨年の七月、わが党の寺前議員の質問に対して、当時の齋藤厚生大臣は、広い範囲のプロジェクトチームをつくり、相当本腰を入れて取り組みたい、こう答弁しているのです。それが今日どういう措置がとられておるのか、これが第一。 第二は、その措置を含めて調査、研究を強化し、さしあたって食品容器、医療用具、おもちゃの安全性のために適切な規制措置を講ずべきであると思いますが、どうですか。これが第二点。 第三点は、この物質の製造段階からの規制を担当する通産省としては、対策を格段強化する用意があるのかどうか。 以上三点についてお伺いしたい。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 フタル酸エステルにつきましては、私ども国立衛生試験所を中心にいたしましてこの研究班をつくりまして、そしてそれぞれの分担者に先ほど来御説明しているような毒性試験を含めて各種の試験をお願いしております。 それからもう一つ、容器、おもちゃ等についての規制でございますが、容器につきましては、先ほど現在もうつくってあるということを申し上げましたが、おもちゃについても近くつくるようなことでいま作業を進めておるわけでございます。 以上でございます。
○神崎委員 齋藤大臣のはどうなっておる。
○宮沢説明員 研究体制のことでございますか。——それにつきましては、衛生試験所を中心に研究班をつくって研究を進めておるわけでございます。
○神崎委員 プロジェクトチームをつくって本腰を入れてやるという答弁を一昨年やっているんだ。それが、いまこれからやるんだと先ほどからの答弁で言われている。主務大臣が国会で答弁したことがやられてない。そのことを問題にしている。 そこで、エネルギー庁長官が来られたので最後の問題に入りますが、先ほど冒頭に質問したときに長官来られておらなかったのですが、先ほども大臣から聞いたのですが、九州電力で、昨日玄海の原子力発電所の一号機が故障しまして放射能が出た。これについて、十日の午前八時二十分に事故が発生し、約六時間後の午後二時に発電停止、そうして夜になって初めて県へ通報して、市には何ら通報してない。そうして、二日後の九州電力の記者会見で初めてこれを発表した。河本通産大臣はきょうそれをお聞きになっている。こういうようなことは一体どういうことなのかということと、このことについてエネルギー庁長官はどの時点で知られ、そしてその時期どういう処置をおとりになり、今日そのことについてどう責任をとろうとされておるのか。事はきわめて重大な問題ですから、これをひとつ答えていただきたい。
○増田政府委員 お答え申し上げます。 九州電力の玄海発電所一号機、現在試運転中でございますが、先生がいまおっしゃられましたように六月十日の午前八時二十分に復水器の空気抽出器の排気管に取りつけてありますモニターの警報が発信いたしたわけでございます。これによりまして故障が発見されたわけでございます。 これにつきましてのその後の処置、報告につきまして申し上げますと、このモニターで警報の発信がありました後、直ちに負荷を下げまして、午後二時には試運転中の原子炉の停止が行われたわけでございます。 それから、報告につきましては、私どもの方には六月十日の十時過ぎに現地から電話で連絡がありまして、資源エネルギー庁は、私を含めましてこの報告は午前十時に聞いておるわけでございます。 それから、県に対する報告でございますが、これにつきましては十日の夜までには終わっておるということを聞いておりますが、これがどういう理由で、私どもの方に対する報告が午前中になされておるにもかかわらず県の方がおくれたのか、これについてはいま調べておりますが、十日の夜には報告は終わっておる、こういうふうに聞いております。
○神崎委員 あなたはそれについて九州電力へどういうようなことを指導されたり意見を言われているかということが一つ。 十日の十時にあなたは聞いている。なぜ大臣にけさまで言わないのか。大臣はいま聞いたというのでしょう。それであなたの立場はいいのですか。こんな重大事件は聞いたらすぐ大臣に言わなければならぬのと違いますか。大臣に対するあなたの任務というものが、そういうあいまいなことになっておっていいのか。大臣はこの席で初めて知られたか、あるいはけさ、質問する以前に聞かれたくらいであって、大臣としたってこれは重大な問題だと私は思うのです、部下を掌握する面でも。また、あなたが大臣に対してそういうような重大な問題を三日後で知らすということは一体どういうことなんだ。それを一言答えてもらって私の質問を終わります。
○増田政府委員 大臣に御報告申し上げるのがおくれましたことについては、私も反省いたしております。ただ、これにつきましては、先生も御存じのように検出されました放射能は〇・〇三三キュリーということで、試験中の発電炉におきます一つの故障ではございますが、非常に低い数値でございます。それから、これがどういうところから発生したか、またその付近に放射能漏れがあったかどうか、それらの事実について私どもは報告を各項目につきまして九州電力当局から求めておったわけです。 ですから、本来先生の御指摘のようにこういう事故が起こった場合に直ちに第一報を大臣にいたし、それからその後いろいろ確かめた各種の数値、それからこの事故の大きさ、その他につきまして大臣に御報告申し上げるというのが当然私の役目でございます。一応こういういろんな事実を収集いたしまして、その上で大臣に御報告申し上げようということでおくれたわけでございます。この点につきましては反省いたしております。
○神崎委員 〇・〇三三だから大したことはないというようなことについては問題じゃないのです。原子力発電所が事故を起こしている、このことが問題なんです。しかも、九州電力がこういうことになったら大臣にすぐ報告すると同時に、その他の原子力発電所に対して、九州電力ではこういうような事故が起こっている、おまえさんのところはみな安全かとすぐ総点検をさせるということがあなたの任務であるということを厳しく追及しておいて、私の質問を終わります。
○山村委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 きょうは限られた時間であります。私は、その中で三点質問をしたいと思います。限られた時間でございますので、関係者は簡潔にひとつ御答弁をいただきたいと思います。 この前の委員会でも、私は鋼材引き上げ等のそうした企業の価格引き上げの問題を聞いたわけであります。御承知のように、今年の春闘におきます賃金引き上げは二二、四%と非常に低い額で抑えられておるわけでございます。そういう中で四月は二・二、五月は一%、こうした消費者物価が高騰してきておる。この席におきまして福田経企庁長官は、一番いま心配なのは、いわゆる企業製品の価格引き上げである、こういうことをおっしゃっておるわけでございます。ところが、企業の方にはいわゆる引き上げようという動きが依然としてあるわけであります。いまその企業がいろいろと考えておることとして、一つは企業のコスト負担を軽減する、あるいは操業度を向上させるために実需をつけていく、そしてできれば製品の価格引き上げをしたい、こういうようなことが取りざたされておるわけであります。公定歩合も八%になりましたし、この金利負担もかなり軽減できるわけであります。さらにまた、政府は第三次不況対策を十六日には出そうといたしておるわけであります。こういうことをにらみ合わして企業としても考えておろうかと思うのでありますが、しかし実際の動きとしてはいま国会に独禁法もかかっておりますし、あるいは政府の消費者物価指数今年度一けた、こういうようなことで自粛の気持ちもないことはないと私は思うのですが、国会が終わりますと値上げの動きをしようということがいろいろ言われておるわけであります。特に鉄鋼等におきましては、七月の第二週ぐらいからもうそういう動きをしようというような動きも感じられておるわけであります。こうした特に鋼材引き上げ等の問題につきましては、御承知のように産業の米と言われておりますように、非常にすそ野が広くその影響というものは大きいわけであります。現在またすべてのユーザーが鋼材の値上げ分を吸収できるような状態ではなく、必ずこれは他の製品価格に再転嫁され消費者物価がはね上がることは、これは必至であります。また、従来のこの経緯から見まして、鋼材の値上げは必ず船舶、自動車、機械等の大口需要に対する折衝というものが手間取って、住宅建設その他の小口需要向けが先に値上げされる、こういうことで消費者物価に対する影響が非常に早くあらわれてくるわけであります。内需につきましては、現在いろいろ言われておりますのは、底入れの機運というものが見受けられておる、特に建設、自動車、家電等を中心に徐々に回復に向かいつつあるんじゃないかと言われておりますが、この政府の不況対策の推進に伴ってそういう傾向が加速されると考えておるわけでありますが、この内需の不振をカバーしてきた輸出というものは現在やや停滞ぎみであるわけですが、長期的に見ますと、世界のこういう景気動向というものは今後は回復に向かうということは考えられるわけであります。世界のこうした鋼材需給は中長期的には鋼材不足になることは間違いないと思うのです。したがいまして、現在の内需あるいは輸出の落ち込みというものは、私は値上げの理由にはならぬ、このように思うわけであります。 それから、さらに業績面から見ましても、鉄鋼業界の業績というものは他産業に比較して決して悪くなく、相当の利益を上げておるわけであります。三月期におきましては、大手高炉メーカー五社がいずれも黒字決算となっておるわけです。パイプ類の輸出が好調な住金が前期より大幅増の三百三十八億円の経常利益を上げておりますし、経常利益は、新日鉄が同じく三百三十八億円、川鉄が百八十一億円、鋼管が二百八億円、神戸製鋼が八十二億円、五社全体では前期に比べて七・七%の増収、〇・九%の純利益増になっておるわけです。このために会社が一割配当を維持しておるわけですが、こういうような経理状況のもとで、直ちに値上げの必要があるかという問題であります。 また、このコスト面から見ましても、原料炭の値上がりにつきましては、日本の鉄鋼業界が昨年買いあさったのが原因じゃないかということも言われておるわけですが、そういうことでみずからがまいた種、これに起因しておるというものがかなりあるわけであります。そういう点におきましてはみずからがやはり刈り取る。そういうことからいきますと、製品価格に転嫁するのは不当じゃないか、このように私は思います。減産による固定費増あるいは人件費増、販売経費増、金利上昇分のコストアップ要因につきましては、金利につきましては公定歩合八%になっておりますし、これはやはり実質金利というものは下がってくるはずであります。そういうことで、企業努力でこれは吸収すべきでありますし、またそれが可能じゃないか、このように思うわけであります。 さらに、減産につきましては、これは鉄鋼だけではなく、他の産業はもっと深刻であるわけです。現に希望退職や新規採用の中止、新入社員の自宅待機、管理職の賃金カット等にまで追い込まれておるところも多いわけであります。鉄鋼につきましては役員のいわゆる報酬カット程度で済んでおりますし、こういう姿勢から見ましても、安易に引き上げをすべきじゃない。今後七月の第二週ぐらいからそういう動きが始まるだろうということが一般に予想されておるわけですが、以上私は、きょう時間の関係で長々と申し上げたわけでございますが、こういうような動きに対して、大臣なり局長はどのようにいま監視をしておるわけですか。福田長官もこの企業の引き上げは何とかして自粛をしてもらいたいということを言っていますが、通産大臣として産業界にそういう要請をしていますか。
○河本国務大臣 まず、自由主義経済社会におきましては、製品価格の決定というものは需給の関係によって決めらるべきである。政府が行政介入をする、あるいは行政指導をするというようなことは極力避けなければならぬというのがたてまえだと私は思います。ただしかし、非常に重要な商品で、それが国民経済全体あるいはまた国民生活全体に、大幅な値上げ等によりまして、あるいは極端な物不足等によりまして非常に大きな影響を与える、こういう場合には、これは当然通産省といたしましてもそういうことのないように行政指導をする、こういうことをたてまえとしておるわけでございます。 さて、鉄鋼の問題でございますけれども、鉄鋼は国民経済上最大の重要性を持つ商品でございますので、その動向につきましては通産省といたしましても非常に重要に考えまして、ずっとその動きを見守っておるわけでございます。ただ、いま鉄鋼業界の状態につきましていろいろお話になりましたが、実情は少し違うように私は思います。と申しますのは、大体昨年の秋、暮れごろまでは鉄鋼業界の状態は非常によかったのです。たとえば生産なんかもほとんどフル生産に近い状態、それから輸出なども価格が非常に高い水準にいきまして、世界各国から引っ張りだこになる。昨年は三千数百万トンという鋼材の輸出が行われましてかってない好況を呈した、こういう状態であったわけでございますが、その後、世界経済全体の落ち込みと日本経済が意外に落ち込みました関係で、内需も大変減る、それから貿易関係も極端に悪くなる。たとえば貿易関係などは数量ももちろん減っておりますが、価格などもいっときに比べましてほぼ半分になっておる。それから、国内の需要も減っておりますので、昨年の秋はほぼ一億二千万トンベースの生産が行われておりましたが、いまは一億トン前後というふうに大幅に落ち込んでおります。そういうことで年がかわりましてから急変をしたというのが実情だと思います。そこで、三月期の決算の利益等いろいろお述べになりましたけれども、この利益のほとんど全部は昨年の十月から十二月までの分でございまして、一月以降は大幅な赤字になっておる。それをバランスいたしまして、なお先ほどお述べになりましたような黒字決算であった、こういうことだと思います。そういう状態でございますから、四月以降ももちろん非常に深刻な赤字経営が続いておるわけでございまして、そこでいま御指摘のような鋼材値上げ問題がくすぶっておるわけでございます。どの程度の値上げがいつごろから行われるかということについてはまだはっきりしておりませんが、先ほど申し上げましたように、国民生活あるいはまた国民経済全体にとりまして重大な影響力のある品物でございますから、その成り行きをいま厳重に見守っておるところでございます。妥当な値上げ等あるいは価格の修正等が業者間で行われる場合には、通産省はもちろんこれは介入したりする意思はございませんが、当初に申し上げましたように、国民経済または国民生活に重大な影響が及ぼされるという場合には、これは総合的に判断していろいろな行政指導もしなければならぬ、こういうことでいま見守っておるというのが現状でございます。
○近江委員 需要供給で決定される、しかし重大な影響があるので見守りたいということを言われておるわけですが、いずれにしてもそういう需要供給ということは非常に大きな要素でありますけれども、これだけ大きな基礎資材でありますし、ただその需要供給だけという観点は私は弱過ぎると思う。あくまでも政府は一けたに抑えるという、それだけの公約をしているわけです。労働者の賃金だってあれだけ抑え込まれている。こんな中でこういうように物価がどんどん上昇してくる。勤労者の生活はどうなるかという問題ですよ。ただ見守っているだけでいいのですか。現実に産業界は、国会が終わった第二週ぐらいから動こうとしている。こういう動きに対して大臣は傍観しているのですか、国民生活をあなたは守るのですか、どういうように姿勢をとるのですか。
○河本国務大臣 物価問題は三木内閣の最大の公約でございます。消費者物価を来年の三月末に九・九%に抑える、卸売物価は七・七%に抑えるということは最大の公約でございますから、その実現はあくまで期さなければならぬ。これはもう総理初め全閣僚が一致して取り組んでおる課題でございます。現在のところ、副総理もこの委員会の席上でお述べになりましたように、そんなに物価問題は言われるほど深刻な状態ではない、私はこういうふうに考えます。今後の政策運営よろしきを得れば、政府の目標というものは十分達成できる、こういうふうに考えておるわけでございます。 鉄鋼の値上げは、先ほど申し上げましたように、国民生活と国民経済全体に非常に大きな影響がありますので、これはできるだけ低く抑えてもらいたいというのが私どもの念願でございまして、そういうことのために、操業率が上がればコストも安くなるわけですね。いま操業率が非常に落ち込んでおりますからコストが非常に高くついている。それから、金利水準は非常に高くなりまして、二年前に比べますと二倍以上になっておる。それから、借入金額なども何倍かにふえておるということを考えますと、金利水準の負担というものが非常に経営を圧迫している。それから、輸出なども非常に激減しておるということも先ほど申し上げたとおりでございます。 そこで、いま政府といたしましては、もう少し輸出を伸ばす方法はないだろうか、あるいはまた金利水準を全般に低下させる方法はないだろうか、鉄鋼を含む産業全体の稼働率を上げる方法はないだろうかということで、いま一生懸命に取り組んでおるわけでございまして、各省の間で意見を調整しております。多分来週の初めまでにはその意見の調整ができ上がると思うわけでございますが、そうなりますとまた原価計算なども大分とり方が違ってくる、こう思います。そういう状態でございますので、決してほうっておるわけではございませんで、非常な重大な関心を払いながらその推移を見守っておるということでございまして、非常に重大に考えておるわけでございます。
○近江委員 そうした政策をとりつつ重大な関心を持って見守っておる、その態度はわかるのですよ。わかりますが、福田長官も、企業製品の引き上げということが、政府の公約した九・九%に抑え込む、その破れる一番の原因であるということをおっしゃっておるわけです。政府として、第三次不況対策を含めてそういう対策をおとりになるということはわかりますけれども、それじゃ企業自体に対してどういう指導をなさっておるのですか。ただ政府が環境づくりだけをするからというような、そんな甘いあれですか。企業自身が、国民生活にこれだけ影響を与える、物価を押し上げてくる、そういう認識を持つためにどれだけ指導をしておるのですか、それを聞いているのです。今後どうなさいますか。
○河本国務大臣 現在の物価動向を申し上げますと、卸売物価は全く安定しておりまして、七・七%という目標は相当大幅に下回ると思います。そこで、問題は消費者物価でございますけれども、消費者物価の形成は大体工業製品が約三割、それから農産物が約四割、サービス料金等が約三割のウェートを持っておるわけでございまして、そういう意味におきまして、消費者物価に対して工業製品も非常に大きな影響力を持っておるわけでございます。そういうことから考えまして、工業製品の値上げということに対しては、単に鋼材のみならず全部の製品に対して、通産省といたしましてその管轄下にある商品につきましては非常に大きな関心を払いまして、ずっとその動向を調査いたしております。特に重要な商品につきましてはフォローアップをいたしまして詳細掌握をしておるわけでございまして、決して放置をしておるというわけではございません。ただ、当初に申し上げましたように、自由主義経済におきましては物の値段というものは需給関係によって決まる、こういうことでございまして、その物の値段の形成が比較的順調に行われるという場合には、これは介入しないというのがたてまえだと私は思うのです。何から何まで介入していくということになったら大変なことになりますから、それは大体介入しないというのがたてまえだと思います。ただしかし、繰り返して申し上げるようでございますが、それが国民生活であるとかあるいは国民経済全体に非常に大きな影響を及ぼす。たとえば消費者物価にそれが非常に大きな影響を及ぼす、そして政府の公約が実現できない、こういうことにでもなればこれは大変でございますから、そういう重大な場合に限って介入をしたり行政指導したりしていく、こういうたてまえでございまして、決して放置しておるとか何もやらぬというわけではないわけでございます。
○近江委員 そういうフォローアップしておるということはわかるわけですよ。重大な関心を持っておることもわかるのです。それじゃ、鉄鋼は国民生活に重大な影響はないのですか。あるのでしょう。あるということははっきりしているじゃないですか。そうであるならば、現実に国会が終わった時点から動き出そうと業界がしておることに対して、あなたはどうするのですか。ただ需給関係だけで任しておくのですか。国会でもこれだけの論議が行われておるのですから、当然大臣として業界に対して自粛を要望するとか、こういう第三次不況対策あるいは公定歩合の引き下げといろいろ手を打っているわけですから、あなたとしては強力な指導をしてあたりまえじゃないですか。その答弁が一つも出てこないじゃないですか。同じようなことばかり答弁をしておる。その点についてはどうですか。
○河本国務大臣 実は鉄鋼業界におきましては、先ほど申し上げましたようにことしになりましてから情勢が激変をいたしましたので、もっと早く大幅な値上げをしたい、こういう動きがこの春以降ずっと続いておったわけです。しかし、それに対して通産省といたしましては、国民経済上非常に大きな影響がある物資でございますから、近く第三次不況対策もやる予定である、それによって需要も喚起せられる、金利水準も下がる、あるいは貿易対策も行う、こういう一連の対策を行うから、そうするとコストもまたおのずから違ってくるはずである、最悪の状態で原価計算をしてこれだけ足りません、こういうことではよろしくない。だから、政府がどの程度の不況対策をやるか、そのことによってどの程度原価計算が変わるか、それを見守った上でもう一回原価計算をし直して、そしてできるだけ低い水準で値上げをするように、こういうふうに指示をしておるわけです。そういうことで、この春以降くすぶっておりました鉄鋼の値上げもいまなお具体化しないで、第三次不況対策の状態を見守っておるというのが実情でございます。決して放置しておるわけじゃございませんで、そういうふうにいろいろと注意を与えておるところでございます。
○近江委員 では、七月に国会が終わった時点で動き出そうとする、そういう姿勢に対しては、通産省としてあなた指導しますね。これはもう時間がありませんから簡潔に言ってください。
○河本国務大臣 繰り返して恐縮でありますけれども、それが需給関係に基づく妥当な値上げであり、国民生活に大きな影響がない、あるいは国民経済に大きな影響がないということであれば、これはもう自然の成り行きとして介入する意思はありません。ただしかし、余りにも値幅が大きくて国民生活や国民経済全体に悪い影響を与える、非常に大きな影響を与える、こういうことであればそのときには当然行政指導をいたします。
○近江委員 これは何回も申し上げておりますが、非常に波及効果が大きいわけですから、大臣としては国民生活の安定ということを最重点に頭に置いて今後ひとつよく監視をしていただきたい。これを特に要望しておきます。 それから、その次の問題ですが、いわゆる大規模小売店舗法が昨年施行されまして、既存の大型スーパー、月賦百貨店は今年の二月末までに閉店時刻と休業日数を通産省に届け出、地元の商工会議所が事務局となって運営される商調協で調整がなされておるわけですが、全国的な調整の状況はどうであるかということについてお聞きしたいと思います。天谷さん、あなた答弁長いから簡潔にひとつポイントよく答えてください。
○天谷政府委員 既存店舗の休業日数それから閉店時刻の調整は、各地域の商工会議所に設置されておりますところの商業活動調整協議会、俗称商調協におきまして地域の具体的な実情に合わせまして調整するというたてまえになっており、全体としては円滑に調整が行われてきておると考えております。 調整の結果につきましては、数字等は申し上げますと長くなりますので省略させていただきまして、中小商業者による寄り合い百貨店等は例外といたしまして、大規模店舗につきましては閉店時刻は全般に繰り上げられ、休業日数は増加している方向に進んでおります。 以上でございます。
○近江委員 そういう中で問題は起きてませんか、その点どうなんですか。
○天谷政府委員 問題はあちらこちらで若干ありますが、たとえば会津若松の長崎屋等につきましては、新聞でも報道されておりますように、当方が出しました勧告に対しまして、長崎屋がまだ回答していないというような問題がございます。
○近江委員 勧告まで出されて従わない、そういう問題に対してはどうするんですか。通産省はあの法律に基づいていろいろやっておるわけでしょう。商調協でもそれだけの案が出て、しかし大手は不満である、言うことを聞かない、勧告にも従わない、これどうするんですか。
○天谷政府委員 勧告に対しまして長崎屋の方といたしましては、法律上これに従う、従わないの自由を有しております。従わない場合には行政処分に対する異議の申し立てを長崎屋が提起するか、あるいは訴訟を提起するというような道も開かれておるわけでございます。なお、通産省といたしましては、六月三十日までに長崎屋との間で話し合いができない場合には命令を出すという段取りになるわけでございますが、ただ現在長崎屋と当方との間で、事態をいかに収拾するかということにつきましてなお事実上の話し合いを続けておりますので、長崎屋の出方を見守って、六月三十日までに命令を出すか出さないかということを決めたいと存じております。
○近江委員 長崎屋のような例は、ほかに全国にあるのですか。あったら言ってください。
○天谷政府委員 現在のところ、長崎屋以外にはございません。
○近江委員 これは現実の問題の処理の中として、この法律の成立についてもいろいろな実態調査等もやり、この法律が生まれたわけであります。それぞれの言い分はわからぬでもありませんけれども、この小売り商業の振興等につきましても政府としては力を入れておるわけでありますし、力関係からいいましても、少なくとも政府は勧告も出し、そしてまた命令も出そうとしているわけでありますから、こういうことの与える影響というのは非常に私は大きいと思う。政府としては真剣にこの問題に取り組んでいただきたい。大臣から一言この問題についてお聞きしたいと思います。
○河本国務大臣 重大な問題でございますので、十分注意をいたしまして運営をいたします。
○近江委員 次の問題は、これは環境破壊といいますか、非常に大きな問題でございますので私申し上げたいのですが、それはガソリンスタンド等の汚泥、廃油の処理問題なんです。公害対策基本法及び廃棄物処理法に基づいて、産業廃棄物処理の第一原則は、事業者がみずからの責任において行うことになっておるわけであります。したがって、ガソリンスタンドなど石油類の販売業者から出る汚泥、廃油を事業者自身に処理させることが最も望ましいわけであります。 そこで、この事業を所管する資源エネルギー庁としては、この点につきましてはどういうような監督指導を行ってこられたのか。また、厚生省に産業廃棄物処理問題懇談会が設けられておるわけでありますが、資源エネルギー庁としてはどのように参画して協力してきたか、時間の関係でポイントをひとつお答えいただきたい。
○増田政府委員 お答え申し上げます。 ガソリンスタンドから発生いたします廃油処理の問題につきましては、先生の御指摘のとおり、これは環境を破壊します非常に大きな問題でございます。これにつきまして通産省はどういうように指導してきたかということについてお尋ねでございます。これにつきまして、当省としても従来から、ガソリンスタンドを所管する立場から、この問題についてはいろいろの意味で取り組んでおるわけでございます。具体的に申しますと、ガソリンスタンド関係者あるいは廃油の発生源であります潤滑油製造業者その他を含めまして、給油所環境対策推進協議会というものを設立いたしまして、ここで各種の廃油処理の対策というものを検討さしておるわけでございまして、具体的には共同処理施設の設置の促進その他に取り組んでおるわけでございます。 また、ただいま申し上げました給油所環境対策推進協議会につきまして、これは東京本部だけではなくて、地方ごとにこれを設立すべきであるということで、その支部の設立を勧奨している、こういう状況でございます。 それから、厚生省の懇談会につきましては、私どもの方の立地公害局がこれに参加いたしまして一緒に協議いたしておる、こういうことでございます。
○近江委員 ガソリンスタンドなどは、これは言うまでもなく全部中小企業が多いわけですが、個個に汚泥や廃油を処理するのは非常に困難であるわけですね。そこで、共同で処理施設を設ける必要があるわけでありますが、いまおっしゃったわけですけれども、その設置状況は現在どうなっているかという問題、たとえば東京都の石油販売商業組合では、都から埋め立て地の払い下げを受けて汚泥、廃油、空きかんなどの処理工場を共同で設置する計画はあるということを聞いておるわけですが、それをどのように実情を把握しておるかという問題であります。また、どういう援助をしようとしておるのか。 さらに、この東京都の例で言いますと、現在は共同処理場がないため、ガソリンスタンド等におきましては廃棄物処理の第二の原則、すなわち処理業者への委託という方法をとらざるを得ないわけですが、いわゆるこの処理業者は都道府県知事の許可制で、許可業者は四十八年度現在で約千七百社ということを私聞いておるわけですが、そのうちの約千二百社は収集、運搬だけを業としておる。最終処理までの設備を持っておるものはきわめて少ないわけです。東京都でも同様であろうかと思うのですが、その実態はどうなっておるか。 それから、いわゆる出てきた廃油は全国でどれだけあるか。しかも、完全に処理できるものはどれだけあるか。その差はいわゆる不法投棄であるわけです。その推定値はどうなっておりますか。
○増田政府委員 共同施設の設置状況でございますが、これにつきましては、兵庫県に共同施設を設置いたしたわけでございます。これは廃油の共同処理施設といたしまして建設いたしました。これにつきましては、公害防止事業団その他もこれのいろいろな施行について当たりましたし、またいろいろな補助金その他も出しておるわけでございます。こういう共同施設で処理いたすということで各県でいろいろ計画が出ておりますが、これにつきましては、たとえば先生の御指摘の東京都におきましても、共同施設を一つ建設しようということで計画はでき上がっておるわけでございますが、現在はその土地の取得につきまして、いろいろのところを当たっておりますが、まだ土地の取得ができておらないということで、この推進方を東京都その他と現在打ち合わせ中でございます。 それから、先ほど先生から御指摘がありましたように、ガソリンスタンドが自分のところで処理できない、あるいは共同施設ができないときにどういうようにしておるかということでございますが、これにつきましては、先ほどおっしゃられましたように、運搬、収集をやっております業者に委託するわけでございます。その業者がみずから処理施設を持っております場合はそこで処理されるわけでございますが、運搬、収集だけをやっておりますところはこれを処理場に持っていく、こういうことになっておるわけでございます。この処理場につきましては、これは私企業で、廃油処理設備を持っておるところに持っていくということでやっておるわけでございます。 それから、発生数量その他につきまして、これはなかなか把握が困難でございますが、一応私どもがつかんでおります数字を申し上げますと、全国での廃油の発生量は大体二十一万キロリッター、こういうようにつかんでおります。どういうようにこれが処理されておるかということにつきましては、先ほど申し上げました処理業者に依頼いたしますのが大体十六万キロリッター、それから自己処理でやっておりますのが大体五万キロリッターということでございます。 これの中で十分処理されてないと推定される数字がどれくらいあるかということでございますが、これにつきましては、先ほど申し上げました処理業者に渡します十六万キロリッターの中の大体十三万キロリッターは再生利用ということで私どもつかんでおりますが、残りの三万キロリッターにつきましては焼却その他が行われているということになっておりますが、一部の、これは言葉はきついかもしれませんが、不心得の収集業者が適当に処理しているのではないかということで、これの監視に努めておるわけでございます。それから、残りの五万キロリッターにつきましては、これはガソリンスタンドが自分の焼却施設その他をもちまして、大体三万キロリッターは処理をいたしておるということになっておりますが、その残りの二万キロリッターにつきましては、私ども報告で聞いておりますのは、たとえばふろ屋に供給しておるとかその他になっておりますが、これが全部そのようになっておるかどうかということにつきましては、必ずしも把握ができていない。ここら辺に非常に問題があるわけでございますが、先ほど先生がおっしゃられましたように、この廃油というものは非常な環境破壊の原因になっておりますので、私どもも十分力を入れてこの廃油処理については万遺憾ないように努めていきたい、こういうふうに思っております。
○近江委員 自己処理であるとか、こういういわゆる処理場の能力というのは何ぼあるのですか。
○増田政府委員 産業廃棄物処理施設といたしまして、一応処理能力が出ておりませんのでいまのお答えになりませんが、廃油類の油水分離施設というものが全国に二百三十六ヵ所、それから焼却施設が百四十二ヵ所ございます。
○近江委員 要するに何ヵ所あるというようなつかみ方でこういう根本的な問題が解決できますか。どれだけのことが処理できるか、その差は不法投棄であるとか、いいかげんな処理がされている。幾ら政府が公害十四法案を初め、そういう法律をつくっても、こういう根本的な押さえがなくして、どうして河川や海の汚濁を防ぐことができるのですか。通産省が根本原因ですよ。あなた方が環境を破壊しているんだ。どれだけの処理能力があるか、それもわかりません、何ヵ所あります、そんなのんびりしたことを言っておって環境破壊が防げますか。通産省は何やっているんですか。 この廃棄物処理業者の中には悪質な無許可の業者もおるわけです。たとえば昨年九月、汚泥や廃油をマンホール、みぞ、下水、工事跡などにたれ流し同然にしていて警視庁に摘発されている者もおります。この間のニュースでもそれは出たわけでありますが、こういう犯罪は厳しく取り締まる必要がありますし、またその一方、十分な設備と技術を持って許可を受けた処理業者等については、公害防止の立場から金融、税制その他の助成措置を講じて、その健全な育成を図る必要があると思うのです。そのための現在及び将来の対策について具体的に、簡潔にお伺いしたいと思うのですが、あなた方、本当にどれだけのものが不法投棄されているか、どのぐらいとにらんでいるのですか。いまこういう数値をおっしゃったけれども、再生処理されていると言っていますけれども、その実態だって、何だかわからぬでしょう。通産省は総点検したらどうですか。どれだけのものが処理できるのか。二百三十六ヵ所と焼却炉、まずこれを総点検して、これだけの能力はある。したがって、出てくる廃油の量から引けば、その差はもうどこかに処分されておるに間違いないんだ。早急に総点検やりますか。どうですか。
○増田政府委員 この問題につきましては私どもも真剣に取り組んでおるつもりでございます。この廃油処理事業の推進状況につきましては、ここに手元にございますが、各県の問題点、全部各県ごとの報告も取りまとめておりまして、各県にどこがネックになっておるかということで、たとえば土地の取得ができない、あるいは資金問題について援助がなければならないということにつきましては、通産局その他を使いましてできるだけの推進を行っておるわけでございます。そういう意味で、一応全国的に調査をしてこの問題点の解決に努めておるわけでございますが、一番問題になっておりますのは、これは数県で現在出ておりますが、先ほど先生からも御指摘ありましたが、共同施設の計画はでき上がっておるわけでございますが、なかなかこの共同施設の設置場所の取得がむずかしい。具体的な場所が一応決まりかけておるところもありますが、この共同施設の設置につきまして、最終的にその土地の取得が困難であるという点が残っておりますので、これらにつきまして、先ほどの御趣旨に沿いまして、できるだけ早くこの共同施設を設置できるように私どもも努めたいと思っております。
○近江委員 それで、先ほど二十一万キロリットルということをおっしゃったわけですが、二百三十六ヵ所の油水処理装置での焼却なんというものは、これはまた大気汚染を出しているのですよ、実際上。この二百三十六ヵ所でどんなに処理できるのですか。ほとんどが不法投棄でしょう。大体あなた方だって推定はわかるでしょう、何十万キロを不法投棄しておると。大体の数値は何ぼですか。大体の見込みがなくて対策も何も立てられるわけがないじゃないですか。
○増田政府委員 廃油発生量、先ほども申し上げましたように、全国では二十一万キロリッターということの数字で推定いたしておるわけでございますが、これに対しまして、再生利用施設というもので処理されておるということでつかんでおりますのが大体十三万キロリッターでございます。その残りにつきましては、焼却その他で処理されておるというのが現在私どもがつかんでおる数字でございます。 いまおっしゃられましたように、焼却ということではなくて、やはり環境の問題、それから資源の再利用の問題から、私どもはこの全量を再生利用というものの対象にいたしたい。そのための施設あるいは共同施設、あるいは各企業でこの再生利用を業としておるものもございますので、できるだけ引き受けさせるということでやっていきたいというふうに思っておりますが、先ほど申し上げましたように、共同施設の設置につきましては、土地問題その他がありまして、私どもが推進いたしておりますのに対しましておくれておるというのは、これは事実でございまして、できるだけこれを推進するように努めていきたいと思います。
○近江委員 自然環境に恵まれたわが国は、川であるとか海であるとか、そこがいわゆる生物資源、重要なたん白資源にもなっておるわけですし、景観の上からいきましてもこれは非常に大きな資源であります。そういうことを結局壊しておるのは通産省です。その通産省がみずから顧みることなく、こういう実態もわからない、そういうことでいいのかという問題であります。いまエネルギー庁長官は、反省して、今後そういう把握をし、早急に対策を進めたいというお話があったわけでありますが、これもはっきり申し上げて非常に抽象論であります。今後こういうことをやるという具体論まではっきり出ていないでしょう。こういう姿勢で本当にいいのですか。これは時間があれば、もっと私やりたいのですけれども、ほかの委員も質問しなければいけませんから終わりますけれども、最後に大臣、この点についてどのように反省され、今後どういうように対策をとられていくのか。いままでの悪かったことはこれでもうはっきりしておるわけでありますから、その点についてお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○河本国務大臣 わが国におきましては、廃油の量も非常に大きくなっております。したがいまして、この回収処理というものについていまいろいろ御指摘があったわけでございますが、対策等につきましても不十分な点があったようでございます。その点は十分再検討いたしまして、今後ともこの処理につきましては万全を期していきたいと思います。 ————◇—————
○山村委員長 内閣提出、商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、全国商品取引所連合会会長鈴木一君及び全国商品取引員協会連合会会長清水正紀君、以上二名の方を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○山村委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹村幸雄君。
○竹村委員 横浜生糸の昨日の相場についてお伺いいたしたいと思います。
○二瓶説明員 お答え申し上げます。 六月十二日の生糸の相場でございますが、横浜の生糸取引所でございますが、六月限、当限でございますが、これが一万一千五百円、七月限が一万一千六百三十五円ということでございます。
○竹村委員 また、糸価の海外実勢についてひとつお伺いをいたしたいというふうに思います。私の手元の資料では、海外の糸価の実勢価格については、欧州市場では中国系が八千円、ブラジル系が七千円、米国市場においては中国系が七千五百円、韓国系が七千円、ブラジル系が六千五百円ということになっておりますけれども、この数字は間違いないですか。
○二瓶説明員 先生がただいま申されました生糸の国際的な相場につきましては、おおむねその線でございます。
○竹村委員 蚕糸事業団の輸入一元化価格については、大体国際価格、いわゆる海外実勢価格で輸入されるというふうに理解してよろしいか。
○二瓶説明員 日本蚕糸事業団が輸入の委託をいたしまして、これに対しまして輸入業者の方が応札をするわけでございますが、これの予定価格、これにつきましては幾らということはちょっと申し上げかねるわけでございますが、必ずしもただいま先生の申されましたような国際的な相場というものとは限っておりません。
○竹村委員 これからの問題になるということで、国際相場になるかどうかわからないということでありますけれども、国際相場と余り変わりないというふうに理解してよろしいか。
○二瓶説明員 先ほど先生が国際的な相場を申されましたが、問題は、ただいまわが国におきましては、生糸の一元輸入措置、これを実行いたしております。そういう面もございまして、国際相場が相当下がっておる。したがいまして、今度日本が日本蚕糸事業団で輸入をいたします際、これに応札する価格、これにつきましては、むしろただいま先生が申されましたものよりは高い線であるいは応札するのではなかろうかというふうにも思われます。必ずしも同じではございません。
○竹村委員 いま承りますと、国内における横浜生糸の市場相場が大体一万一千五百円、海外市場、これを平均いたしますと約七千五百円から八千円ぐらいになるわけでありますけれども、わが国の生糸相場が国際相場の五割ほど高くなっておるわけでありますけれども、その事情について、蚕糸事業団が生糸の五十年度の基準糸価を決定いたしました、一元化輸入を一年延長するということを決めたことが最も大きい理由ではないかと思うわけでありますが、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○二瓶説明員 一元輸入措置につきましては、先生御案内のとおり、昨年の八月一日から初めてこの一元輸入措置をとったわけでございます。で、これは総需要抑制等の事情もございましたし、輸入の増加というような問題もございまして、非常に市価が低落をいたしました。それで、日本蚕糸事業団で国内生糸を、当時は九千九百円でございますが、買い入れをやったわけでございますが、それでもなかなか市価を支えることができなかったというような事情に基づきまして、繭糸価格安定法の規定によりまして、昨年の八月一日からこの生糸の一元輸入措置をとりました。それがことしの五月末で切れるということになったわけでございますが、事態は変わっておらないという認識に立ちまして、さらにことしの六月一日から来年五月末まで一年間延長するということにしたわけでございます。 そこで問題は、この一元輸入措置につきましては、輸入の禁止とかあるいは輸入の規制というような考え方でございませんで、むしろわが国の必要とする需要に見合った生糸を秩序立てて輸入しようというようなことでやっておる制度でございます。ただ問題は、現在韓国なり中国なり等におきまして相当生糸の生産がございます。輸出の要請が強いわけでございます。そういうことで、こちらは適正量の輸入ということで一応この制度をとっておりますが、輸出をしたい国の方の希望の数字からすれば、むしろ下回るという関係があろうかと思います。したがいまして、よそに市場を開拓して売るというようなことも必要になってまいるというようなことで、非常に大きなシルクマーケットの日本がこういう措置をとっておりますので、したがいまして国際的な相場の方は相当下がっておるということは事実でございます。
○竹村委員 いまいろいろと理屈をつけておられるようでありますけれども、結果的に輸入規制をやっておるということは変わりないわけであります。国内相場が蚕糸事業団が定めた安定価格によって高くされているのは、国内の養蚕家保護、いわゆる生産者保護だというふうに思います。養蚕家保護そのものは、国内の原材料確保と自給力の向上という意味で評価でき、決して反対ではないわけであります。むしろ積極的に原材料確保と自給率を向上させるために抜本的な対策を立てるべきだというふうに考えておりますけれども、ただいま行われているような一切のしわ寄せを絹織物業者、そしてそこに働く労働者、消費者に押しつけて解決しようとするような姿勢は絶対容認できないところであります。また、このようなやり方では養蚕家育成にも原材料の自給率の真の向上にも決してならないと思うのであります。今回の法改正の基礎となっている産構審答申、ここに産構審答申の「商品取引所制度の改善について」という冊子がありますけれども、この冊子の六ページのところに、現状認識として、「わが国経済の国際化等経済の発展に伴い、商品の生産、流通、消費の形体が大きく変化しているにもかかわらず、」と指摘されておりますとおり、中小企業もこうした経済の変化に対応するために、デザインの開発、製品の質の向上に努力し、合理化、近代化を図り、経済の国際化の中での発展を目指して努力をしているところであります。しかるに、先ほどもお聞きいたしましたように、生糸相場が国の政策によって国際価格より五割近い高値に決められていることは、業界にとっては輸出競争力をつけることはおろか、輸入製品についても対抗することができなくなり、中小企業の振興から見れば明らかに大きな矛盾であると考えております。こうした事態を中小企業政策、産業政策の立場から考えるならば、何とかしなければならないというふうに考えるわけでありますけれども、通産省としてはどのように考えておられますか。
○野口政府委員 私ども、機屋その他生糸を原材料にするその加工製品を担当しております者といたしましては、全く先生のおっしゃるとおりでございまして、もちろん三十万の養蚕農家も大事だと思いますけれども、いまおっしゃるように、中小企業を中心とする機屋その他生糸を使って生産している業界のバランスのとれた発展を図ることが私どもの使命と心得ております。
○竹村委員 具体的にどうされようと考えておられますか。
○野口政府委員 もちろん一般論といたしまして絹織物業界の体質改善を図る等の施策もございますけれども、問題は、いま生糸との関連においてお答えをさしていただきたいと思いますけれども、おっしゃるとおり、私ども見ますように、一番大事な原料でありますところの生糸が何といいましてもやはり国際価格から遊離している。その辺の理由はいま農林省の方から説明したとおりでございますし、当面の問題、暫定的な問題としてはやむを得ないと思うわけでございますけれども、ともかくいろいろないきさつがあって、先日来また一年延長するというようになったわけでございます。これの対策といたしまして、この一元輸入制度、当面やむを得ないものかと思うわけでございますけれども、ともかく養蚕農家とそれから機屋さん、この両者ともに長期的に共存共栄を図っていける体制にしなければいかぬという認識につきましては、私どもも農林省も全く一致しているわけでございます。それで、早速いかにあればいいかということについて検討に入りたい、つまり基本的な体制の問題でございますね、そういうことで、できるならばこの一年延長した期限が切れるときまでに成案を得たいということで直ちに検討に入っておるわけであります。それはやや長期の策でございますけれども、さればといって一年間何もしないのかということでは困るわけでございまして、私どもいろいろ農林省側と相談したわけでございますが、当面二つの措置をとることにいたしたわけでございます。 一つは、生糸の蚕糸事業団の運営の仕方なんでございますけれども、やはりユーザーの立場あるいは私どもの立場から見まして、運営の仕方についてもっとうまくやってもらいたいという点がいろいろあるわけでございます。たとえば機屋が欲するような糸を欲するようなときに、価格的にもあるいは質的にも手に入れられるようにするように機動的に運用する。その具体策はいろいろあろうと思いますが、それは今後検討するといたしまして、それをやる。 それからもう一つは、生糸を原料にしております機屋もいろいろあるわけでございます。あるいは生糸を原料にして絹製品をつくっている業界がいろいろあるわけでございますけれども、やはりその中でも付加価値の低い、逆に言えば原糸代が製品のコストの中において占める割合の非常に高いもの等とか、あるいは韓国、中国等から、特に中国でございますけれども、非常に輸入されておって、それによっていろいろ影響を受けているという中小企業の業界がございます。そういう中小企業の業界に対しましては、事業団が輸入する生糸をできるだけ安く、具体的には輸入価格に準ずるような値段で、一定量を限度でございますけれども、供給する、こういう措置をとろうではないかということで農林省側とも合意を見ている次第でございます。 そういうような方法で当面をしのいでいって、長期的には共存共栄できるような仕組みを考えていかなければいかぬ、こういうふうに考えております。
○竹村委員 いま御答弁いただいたわけでありますけれども、これから検討するということと基本的な考え方を承りました。私どもの方から申し上げるならば、昨年八月に輸入一元化を決めるときにすでにその対策というものが立てられているべきであろうというふうに思います。さらに、ことし六月から始まる生糸年度において一年間延長するという時点では、少なくともはっきりとした具体的な対策が立てられなければならないというふうに考えておるところであります。この問題について後ほどまたお伺いをいたしたいと思いますけれども、付加価値の低い産地については被害が大きい、付加価値の高い品物を製造しておるところについては被害が少ないというふうな認識もまた問題があろうかというふうに思いますけれども、後ほどまた御質問をさせていただきたいというふうに思います。 これに関連をいたしまして、先日加藤議員の御質問に答えて、先進国におきまして繊維の輸出規制を一面受けながら輸入規制をやらずにいる国は日本以外にはないというふうに答弁をされたように覚えておりますけれども、原材料の輸入を規制いたしまして、国際価格よりも異常に高くして、一方製品の輸入を自由にしている国はこれまた日本以外にはないというふうに思うわけであります。六月二日付の繊研によりますと、「このところ韓国の繊維業界は輸出が好転したことから設備の増強を急いでいるが、とくに織布業界は商工部七五年繊維工業設備調整計画を一部修正し綿織機一千台、絹織機二千台、合計三千台の増設ワクをこのほど発表したのに対し、枠獲得をめぐって激しい競争を繰り広げており、相次いで増設許可の申請が行われている」と報道しております。このような事態を放置しておいていいのかどうか。一昨年でしたか、与野党で大変苦労しながら無籍織機の有籍化に対する法律等も本委員会で決定をしているわけでありますけれども、その登録織機問題との関連においてもひとつお答えをいただきたいというふうに思います。
○野口政府委員 ただいまの新聞報道が事実であるかどうか、私ども実はまだ確かめていないわけでございますけれども、韓国政府におきましてはやはり繊維産業が韓国の産業の中において大事なものだということで、基本的には育成を従来からとってきたというふうに承知はしております。 ただ、日本のこういう繊維産業の不況な状況がございます。もちろん韓国の繊維業界も不況であったようでございますけれども、日本側のこういう状況等を踏んまえまして、やはり韓国政府側の日本と韓国との繊維製品をめぐる貿易につきましても十分なる理解あるいは協力を得たいということで従来からも接触をしておったわけでございますし、ことしには当省の政務次官にも行っていただきましていろいろな話し合いを持ったわけでございます。それは例の大島つむぎの問題もございます。撚糸の問題もございます。絹織物の問題もございます。そういう問題についていろいろ話し合ったわけでございますけれども、基本的には日本政府の考え方あるいは日本業界の不況の状況、問題点につきましては十分なる理解を示し、でき得る限り協力をしたいという意向を韓国政府側は示しておりました。具体的な問題につきましては先日も私、答弁いたしましたが、大島つむぎ等につきましては具体的な合意も得ておるわけでございますが、そういうような方向でいるというふうに聞いております。
○竹村委員 先ほど若干答弁の中にあったわけでありますけれども、蚕糸事業団から、非常に被害の大きい産地に対して輸入生糸を特別売却するというふうな話があったわけでありますけれども、売却の価格はできるだけ輸入価格に近いものにしたい、こういうことでありました。もし、取引所の価格をベースとしないなら、今回特別売却されるその生糸価格というものは、取引所の価格形成機能との関係についてどのように考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○二瓶説明員 先ほど通産省の方から答弁ございましたように、日本蚕糸事業団におきまして、輸入生糸の一部の数量につきまして特別売却をやるということを考えております。その際は、その売り渡し価格は輸入価格を基準として決めたい、こういうことでございます。 そこで問題は、この特別売り渡しと一般市場、いわゆる取引所の価格形成機能との関係でございますけれども、この特別売り渡しにつきましては、一般市場とは全く別に、特定の業者の方に限りまして、しかも数量の方も限定をいたしまして、直接随意契約によって売り渡しを行うということでございます。したがいまして、生糸取引所の価格形成機能に直接影響を与えるものではないのではないか、かように考えております。
○竹村委員 特別売却する数量はどれぐらいですか。
○二瓶説明員 五十生糸年度、年間を通じまして一万八千俵を限度とするということでございます。
○竹村委員 時期は五十生糸年度中ということですか、それと価格等についてお伺いしたいと思います。
○二瓶説明員 先ほども申し上げましたように、今生糸年度中ということで、一万八千俵を限度とするということでございます。したがいまして、この六月から来年の五月末までの間で一万八千俵ということでございます。 価格の方は輸入価格を基準として売り渡すということでございます。(竹村委員「基準ではわからない」と呼ぶ)したがいまして、日本蚕糸事業団で輸入をいたします。輸入いたしまして、それから売却をするわけでございますけれども、これは極力早目に売り渡すということで、通常であれば相当長く持ちますので、金利、倉敷等が相当その上にオンされるわけでございますが、この分につきましては極力短い期間に売りますものですから、そう金倉が余り多くかからない形で売却を進めたい、かように考えております。 〔委員長退席、前田(治)委員長代理着席〕
○竹村委員 時間がありませんので、この問題ばかりやるわけにまいりませんけれども、商品取引所の目的に、公正な価格形成の場であるというふうに最も大きい目的としてあるわけでありますけれども、そういたしますと、いま日本国内においては、先ほどもお答えいただきました一万一千五百円という生糸価格が公正な値段であるというふうに規定をいたしましたら、今度特別売却される生糸価格が、はっきり値段の方はわからないけれども、輸入価格に近いということになれば、先ほども申しましたように、海外の実勢価格が大体八千円程度ということでありますから、相当いまの商品市場価格から見て安くなるというふうに思うわけであります。公正な価格形成をやっておると言われる商品市場における相場と、今回そうしたことを、全然公正な価格でなく無視されて放出されることについての商品市場との関連についてひとつお答えをいただきたいというふうに思います。
○二瓶説明員 わが国の生糸の需要量、これは大体四十万俵前後でございます。その需要量の中の一万八千俵を特別売り渡しということで、直接的に随意契約で特定の方に売却をするということでございます。したがいまして、四十万俵という数字の中の一万八千俵ということでございますので、取引所の公正な価格形成という面につきましてはほとんど影響はないのではないか、かように考えておるわけであります。
○竹村委員 この問題についても後でもう一度お伺いをいたしたいというふうに思います。 先ほどのお答えの中で、付加価値の低い、特に裏生地産地を中心にして特別売却をするというふうに言われましたけれども、丹後にいたしましても長浜にいたしましてもあるいは西陣にいたしましても、その受ける被害は同じであるというふうに思うわけであります。付加価値が高いから被害が少ないというものではなかろうというふうに思います。多くの例があるわけでありますけれども、ここに一つだけ具体的な例を申し上げてひとつ参考にしていただきたいし、考え直していただきたいというふうに思うわけであります。 西陣のネクタイ業界の問題について一つ申し上げたいというふうに思います。同業界では知識集約化、付加価値の高い製品の開発、合理化、近代化、協業化を図り、国際競争力をつけようということで、先般もネクタイ団地をつくり、共同でデザイン開発を進める等、いま努力をいたしておるところでございますけれども、生糸の国内相場と国際価格との格差が非常に大きいために、国際競争力をつけて勝つどころの騒ぎではなくて、いまフランスやイタリアからのネクタイ製品の輸入増加で非常に頭を痛めておるところであります。当業界の生糸消費量は年間約一万俵であります。原材料の差額が一キログラム三千円といたしますと、年間十八億円の負担増となります。さらにまた、四千円であれば二十四億円が負担の増となりまして、重大な影響があるわけでありますけれども、こうした問題についてどのように考えられますか。 さらに、昨年四月与野党一致の提案で成立を見ました伝統産業振興法によって絹織物を初めとする伝統産業を育成発展させようとする方針にも大きく矛盾いたしますし、また現在ここで成立をいたしました法律を受けて、全国各地の産地が力を合わせまして、和装産業振興都市協議会を結成いたしまして、地方自治体、地方議会、業界が一体となって和装産業振興のために努力していることに対しまして、政府みずからが法律を無視して水をかけることになるのではないかというふうに思いますけれども、現状をどのように把握をしておられますか。また、こうした事態に対して是正をしなければならないと考えておりますけれども、もう一度お答えをいただきたいというふうに思います。
○野口政府委員 まことに先生のおっしゃるとおり、われわれ通産省の立場からいたしますと、できるだけ原料価格が安い、あるいは安い原料を使いたいというのは私どももそう考えているわけでございますけれども、先ほどもちょっと触れましたように、片方において養蚕農家を保護するために価格支持政策を国としてとっているわけでございまして、この価格支持政策をとっている限りにおいては、やはりその基本を揺るがすような大量の輸入及びその輸入価格をベースとする安い価格での供給ということもまたいたしにくいであろうということは、われわれわかるわけでございます。こういう制度は基本的にいかにあるべきかということにつきまして、やはり早急に検討すべきだという考え方でございますし、当省も農林省もそういうことで進み、今後検討を始めるわけでございます。したがって、現在の生糸の価格支持政策に悪い影響を与えぬ範囲内ということになりますと、先ほど農林省から御答弁がありましたように、ある一定量に限らざるを得ない。それから、売り方等につきましても相当シビアな制約がつく、特別売り渡し制の対象になる業種もそう広げるわけにいかないということで、やはり付加価値の低い、つまり原料糸価の価格の変動によって影響を受けやすい、つまり影響の大きい、そういうものからやらざるを得ないと思うわけでございます。そこで、私どもの方は、われわれ内々の感じで、これはまだ農林省とも相談中でございますけれども、コストの中において占める原糸価格の割合が七五%以上というような辺を運用のめどにせざるを得ない、こういうことでございます。 だだいま具体的に御指摘のあったネクタイのことでございます。ネクタイ業も、御指摘のように、フランス、特にイタリアからの輸入品の競合にさらされているわけでございます。けれども、コストの中で占める原糸の割合ということから見ますると、やはり何といってもいろいろ加工される高付加価値のものでございますので、原糸価格の変動は、他の裏ぎぬその他から比べますると、薄められているのではないかというふうに考えるわけでございますが、なおよく実情は調査してみたいというふうに考えております。
○竹村委員 なお実情を調査するということでありますから、これくらいにとどめておきたいと思いますけれども、先ほども申しましたように、付加価値が高いから、付加価値が低いからということで原料の国際価格との差額というものは変わらないということをひとつ認識をしていただきまして、適切な措置を早急にとっていただくように、ひとつ希望を申し上げておきたいと思います。 それから、生糸の一元輸入を今後とも続けていくのかということについて、その見通しについて、ことし一年だけのものか、あるいはまた来年も続けるのかどうか、通産省と農林省、両省からお聞きをいたしたいと思います。
○二瓶説明員 一元輸入制度は、先ほども申し上げましたように、来年の五月末までということで延長いたしておるわけでございます。問題は、今後の生糸の輸入制度、この面につきましては、先ほども野口局長からお答えを申し上げましたように、現在の一元輸入制度ということだけでいいのかどうか、さらに検討をしたい、通産省ともども検討をしたいということで考えておるわけでございます。
○野口政府委員 先ほどから述べておりますとおり、できるだけ早く、より望ましい制度に移行するのがいいのではないかというのが私どもの考えでございますけれども、何分本件は農林省の所管の問題でございますので、私どもの方も今後とも農林省とよく相談し、ユーザー側の考え方を反映させながら検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○竹村委員 通産省と農林省の考えが基本的には違うと思うのでありますけれども、生糸の一元的輸入問題は、次のような問題を国内に引き起こしておると思うのであります。 その一つは、養蚕家の経営を安定させるために行われている繭糸価格安定法によって蚕糸事業団が行っている生糸の一元的輸入によって、国内相場と国際価格の価格差を一層増大させている。また他方、生糸は輸入規制されているが、絹撚糸や絹織物の輸入が制限されていないので、絹製品の輸入が急激に増加をしているわけであります。絹撚糸においては、ことし二月の輸入量は、昨年九月に比較いたしますと実に二十八・三倍にもなっているというふうに言われております。絹織物業界の中小企業は、高い原料を買わされ、国際競争力をなくしているばかりでなく、輸入する絹織物にも押されているのが現状であります。他方、養蚕農家は、現在の基準糸価の決め方が低過ぎるためにコストを補い得ずという不満があるわけでありまして、さらに将来、国内の織物業界の活動低下と製品の大量輸入のために国内生糸の需要減があるのではないか、またその結果、大量に生産をふやしたら価格が安くなるのではないかという不安のために、コストを引き上げるために思い切った生産の増大に踏み切れないのが現状でないかというふうに思うわけであります。 抜本的な解決方法といたしまして、一つの意見として、養蚕家保護のためには食管会計並みに政府の補助金を出すべきである、あるいは不足払い制度を取り入れるなどして糸価は自由価格の水準を維持すべきであるという考えがあるわけでありますけれども、この点についてどう考えられますか。
○二瓶説明員 まず一つは、養蚕農家の方も現在の糸価は低いというような意見もある、他方、需要者の方からは高いという話があるということで、養蚕業の振興という問題もありまして、不足払いというような制度が考えられぬかという問題でございます。 これにつきましては、問題点といたしましては、まず絹製品は必需品ということに必ずしもなっておらないわけでございます。そういうものにつきまして、相当の財政負担を行って市場価格を安くするというようなことが果たして許されるかどうかということがございます。たとえば、一キロ当たり三千円というのを不足払いするというようなことを考えますと、国内生産は大体三十万俵ございます。一俵が六十キログラムでございます。したがいまして、これで五百四十億円という膨大な財政負担となるというのが一つございます。 それから、先ほども申し上げましたように、わが国の生糸の需要量は約四十万俵でございます。国内生産がただいまも申し上げましたように約三十万俵でございます。したがいまして、不足分というのが約十万俵という、これは概数でございますが、そういたしますと、この十万俵の輸入というものを軸にいたしまして四分の三を占める国内産のものについて不足払いをするという制度が果たして妥当であろうかどうか、財政負担の問題も関連が当然ございますが、そういうような問題点があるわけでございます。 それから、現在も不足払いというものにつきましては、農産物につきましては大豆、なたね等につきましては実施をいたしております。ただ、これも財政負担等の問題もあろうかと思います。したがいまして、これも作付面積等相当減少傾向をたどっているという実績がございます。別途生産振興奨励金というものも交付しながら増産対策をいま進めてはおりますけれども、不足払い制度の問題としては減少しておるという実例もございます。 そういうことからいたしますと、ただいまのような不足払い制度というものをとりました際も、必ずしも養蚕振興というものにつながるかどうかという点も疑問でございます。いろいろそういうような問題点がございまして、必ずしも不足払いということが適当かどうかというのは、はなはだ疑問であるということでございます。 それから、食管制度のように、ちょうど米のように、農家が保有するもの以外は全部買い上げるといいますか、そういう形の何か買い上げをということでございますが、これも先ほど申し上げましたような必需品と必ずしも言えない生糸について、主要食糧である米と同じような扱いをするのが果たして妥当かどうかという問題、またこの買い上げ水準あるいは売り渡し水準、そういうものの決め方もあろうかと思いますけれども、それによりましては、これはまた相当の財政負担も当然出てまいる、管理経費も出てまいるということもございまして、これも非常にむずかしいのではなかろうか、かように考えるわけでございます。
○竹村委員 いまの御答弁を聞いておりますと、何だかんだ言いながら、来年も再来年もまたその次の年もいまの方法、いわゆる一元化輸入方式をとらざるを得ないというふうな考え方になるわけでありますけれども、この方法をとっていきますと、イタチごっこではありませんけれども、どんどん国内の生糸が高くなってくる、その結果、国際価格とのバランスがさらに大きく崩れて、近い将来、ただいま一万八千俵の放出ということでありますけれども、もっともっとたくさんの特別価格での売り渡しという問題も出てくるでありましようし、機屋がどんどんつぶれていくということは火を見るよりも明らかでありますので、抜本的な対策を、検討するということでなしに、早急に立てていただきたい。そうでなかったら、この一元化輸入方式も必ず破綻をしてしまうというふうに思うわけであります。 それでは、次に移りたいと思いますけれども、「商品取引所制度は、商品の公正な価格の形成及び価格変動に対するヘッジングの場を提供することにより商品の生産、流通の円滑化を図ることを目的としている」と本法案の一部改正の提案理由の説明で述べておられますけれども、今日、商品市場はそうしたヘッジングの場よりもギャンブルの場となっておるという強い世間の批判があります。このことについてどう考えておられますか、商品取引制度と価格安定の関連についてもお答えをいただきたいと思います。
○天谷政府委員 商品取引所は、本来のあり方といたしましては、価格変動の大きい商品につきまして先物取引を行う。その機能といたしましては、自由、公開の売買取引が大量に行われまして、需要供給が寄り合うことによって公正な価格の形成が行われるということをまず期待しております。また、第二に、取引所での反対売買を行うことによりまして、現物取引に伴う価格変動に対するヘッジングが可能になることを期待いたしております。さらにまた、三番目に、取引所における清算取引を通じまして、価格の平準化が行われるということを期待しておるわけでございます。 これが本来あるべき取引所の機能であるというふうに存じますが、この取引所の機能を発揮いたしますためには、当業者以外の資金がある程度流入するということがどうしても必要であろうというふうに存じます。この資本主義社会におきまして、リスクを分散するということが必要であり、そのためには、たとえば損害保険あるいは生命保険というような場合にも、多数の人の資金をそこに導入いたしまして危険の分散を図っておるわけでございますが、商品取引の場合におきましても、同様にその危険の分散を図るためには、当業者以外の資金の導入が必要である。ただ、この場合に、その一般大衆のうち、その商品につきましてほとんど知識を持っていないまま、盲めっぽうにもうかるんじゃなかろうかということで参加してくる、そういう傾向がふえておる、あるいは十分な資金がないまま、なけなしの金を投入するという傾向がふえておるということははなはだ残念でございまして、今後ともそういう資金が過当に取引所市場に流入してくるということがないように指導をいたしていきたいというふうに考えております。
○竹村委員 いまある程度の外部資金というふうにお答えいただいたわけでありますけれども、ある程度というのは、大体どのくらいですか。ある程度という言葉の意味から言うならば、少なくとも半分以上になるということはないと思うわけでありますけれども、そのある程度は大体どのくらいに考えておられますか。
○天谷政府委員 どの程度の外部資金の流入が必要かということにつきまして、一般的、理論的に結論を出すということは困難であろうかというふうに存じますが、ただ常識的には、外部資金の割合がその当業者の資金量を若干上回る程度というふうなことが言われておるようでございます。
○竹村委員 私の方の考えでは、先ほどある程度と言われた、そのある程度という意味が、もとにある当業者資金よりも若干上回るということをある程度という表現をされることは不適当だというふうに思いますし、われわれとしては、少なくとも当業者玉を大きく上回るということは、今日、市場に対してギャンブルの場であるという、そういう批判もまたやむを得ないではないかという立場に立っておるわけでありますから、その辺のことについて早急にどれぐらいが適当であるかというふうにひとつ考え方を整理をしていただきたい。そうでなければ、何を基準に市場を監督あるいは指導していくのか。基準も何もなしにある程度ということでどういう指導ができるのか。その点について非常に不安を感じるわけでありますから、それについて早急にひとつ整理をしていただきたい。 先ほどの話の中で、一般的に当業者玉は実需に基づいて行動し、大衆玉は投機を追求することによって行動するから、市場に両者が入ることによってバランスするというのは、一般論としてはわかるわけでありますけれども、しかし現実は、業者もやはり利ざやかせぎ、端的に投機をねらいとして売買することは、否定しようのない事実であろうかというふうに思います。そうなれば、明らかに市場のバランスが崩れ、全体が投機の性格が強くなるのは明らかであろうというふうに思います。当業者玉と大衆玉がバランスするというのは机上の形式論ではないかというふうに思いますし、この前の狂乱物価はそれを証明するものではないかというふうに思うわけであります。もしもそうでないというふうに考えられるならば、そのメカニズムについて説明をしていただきたいというふうに思います。
○天谷政府委員 前回の狂乱物価のときのことを先生が引例されたわけでございますが、前回の狂乱物価のときにおきましては、商品市場の中におきましてもそれから商品市場の外におきましても、物の需給がきわめてアンバランスになったというふうに考えております。物不足であるという考え方が一般にびまんいたしましたために、それでは先高になるであろうということで、先高になるならばいまのうちに買っておいた方が得であるという計算が働きまして、仮需要が商品市場の内においても外においても非常な勢いで起こったわけでございます。これは異常状態でございまして、こういう事態に対処いたしますためには、その商品取引所における市場管理とともに、一般的な経済政策によりまして、経済全体の均衡を保つということが必要であろうかと思います。要するに、一般的に物資の需給が著しく不均衡になりました場合には、これが商品市場に波及する、あるいは増幅されて波及するということは不可避であろうかと存じます。その場合には、市場管理を強化するというような措置が必要ではなかろうかと存ずる次第でございます。 それから、その当業者玉と一般大衆の資金とのバランスの問題につきましては、ある程度と申し上げたわけでございますが、非常に画一的に数理的にはっきりした数値を打ち出すということは、その根拠もありませんので、われわれとしてはかなり幅を持って、当業者の資金と一般大衆の資金とのバランスが著しく均衡を失しないように指導をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○竹村委員 私が申し上げているのは、いまの指導してまいる方法として著しく均衡を失しないという、この著しくという基準がないわけであります。著しくというのは一体どのくらいか、ある程度というのは一体どのくらいか、何も具体的な基準がないわけでありまして、結局は指導はできないというふうに思うわけであります。業者任せといいますか、業界の言いなりになるといいますか、そういうことでなければ、指導する基準も何もなしで指導いたしましても、だれも従わないというふうに思うわけであります。 一つ具体的な例としてお伺いをいたしたいと思いますけれども、昭和四十八年度における上場商品の各商品ごとの生産量、出来高を御報告をいただいて、そして出来高の生産量に対する倍率等をお聞きしたかったわけでありますけれども、時間の関係もありますので、ひとつ出来高の生産量に対する倍率だけをお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○天谷政府委員 倍率だけ申し上げますと、綿糸の二十単が二・九倍、三十単が〇・四倍、四十単が〇・五倍、人絹糸が二・六倍、毛糸が六・六倍、スフ糸が〇・一三倍、ゴムが四十一・七倍、こういうふうになっております。
○竹村委員 農林省もお願いします。
○森(整)政府委員 農林関係物資についてお答えいたします。 小豆が非常に多うございまして百十八倍でございます。それから、精製糖が十六倍、生糸が十三倍、乾繭が十一倍でございます。
○竹村委員 大手亡は私の調べたところでは百二十四倍というふうに記憶しておりますけれども、間違いないですか。
○森(整)政府委員 百二十四倍となっております。
○竹村委員 結構です。 ただいま御報告をいただきましたけれども、各商品間において生産量と出来高の比率が、お聞きいたしましたとおり、大きな相違があるわけでありまして、通産省の関係においてはスフはわずか〇・一倍に対しまして、綿糸でも二十番手で二・九倍、四十番手で〇・五倍、ゴムに至っては四一・七倍にも達しておるわけであります。さらに、農林省の方の関係では、小豆では何と生産量の百十八倍の出来高が記録をされておるし、大手亡に至りましては百二十四倍になっておるということであります。この数字だけ見ましても、商品市場がヘッジングの場であるというよりも、むしろギャンブルの場である証明ではないかというふうに思うわけであります。先ほどお答えをいただきました著しいアンバランスというのは大体どれくらいを指して言われるのか、ひとつお伺いをいたしたいというふうに思います。
○天谷政府委員 非常に難問でございますが、外務員等が勧誘する場合の禁止事項等をいろいろ定めておりますが、本当の素人で取引の内容を何も知らないまま売ったり買ったりするという、こういうふうなものに対する規制を強化いたしまして、よくリスクを承知した上で売買をする、自己の危険をよく承知した上で、ビジネスの内容も熟知した上で取引をする場合には、心ずしもそれは当業者ではなくとも社会的に非難すべき投機と考えることはないのではなかろうかというふうに存じます。そのバランスが一体それじゃどれくらいであるかということを、役所が一義的に申し上げるということは困難でございます。
○竹村委員 ちょっとお答えが違うように思うわけでありますけれども、私がお聞きしたのは、著しいと先ほどおっしゃった、その著しいという言葉の意味をお聞きをいたしておるのでありまして、スフでは〇・一倍でありますし、小豆では百十八倍、大手亡では百二十四倍と非常に差があるわけでありますけれども、著しいというのはどの辺——ぼくは百十八倍なり百二十四倍というのは著しいというふうに感じるわけでありますけれども、そうしたことに対してどう考えられますか。
○森(整)政府委員 先生も御指摘のように、農林物資につきましては生産量に対します出来高がわりあいに倍数は高いと思います。たとえて言いますと、シカゴの穀物で大豆を見ましても大体十倍、これは世界的にいろいろ取引が行われておるわけでございますが、アメリカの生産量に対しまして十倍でございます。ですから、大体そういう程度の、農産物につきましては非常に変動が激しいし、そういう要素が相当あろうかと思います。 ただ、先ほど手亡なり小豆につきまして御指摘がございましたので、若干私からお答えいたしますけれども、これはやはり、たとえば小豆でございますと北海道に産地が限られておるわけであります。それから、輸入品の適格品がないという要素がございます。そのわりに流通段階が非常に複雑、また少数のたとえばあんこ屋さんみたいな方々が介在をするという、こういう関係で、非常に取引の流通が長いといいますか、単位が非常に多い、こういう要素がございます。したがいまして、そういう違いが農産物の中にはあろうかと私どもは思っております。 それから、天谷審議官がお答えになりました件に関しまして、それではいままでの実績としまして当業者玉と大衆玉の比較を見てまいりますと、大体当業者が三割、その他の大衆玉というのが約七割、これは出入りはございますけれども、通産物資についても大体そんな傾向ではなかろうか。われわれが一応めどにしてまいりますとすれば、自己玉等はいろいろ規制しておりますから、そういう大衆参加が非常に過熱になるかどうかということは、この辺をめどに考えたらどうだろうかというふうに思っております。
○竹村委員 大体七割ぐらいが大衆玉で三割ぐらいが当業者玉が適当ではないかと言われましたけれども、それではある程度の資金が必要であるのが七割ということについては、言葉の持つ、先ほどの説明から受けます感じからいったら納得できないわけであります。私、ただいま量の面から百十八倍の取引高あるいは百二十四倍の取引高、ゴムの四十一・七倍の取引高等は非常に多いのではないか、危険が伴い、ギャンブル化しておるのではないかというふうに指摘をいたしましたけれども、今度は質の面から見ましても、売買玉の分類を見る限りでは、取引所の機能を積極的に評価されているというふうには思えないわけであります。 数字がいろいろありますけれども、時間の関係上個々の数字を省略いたしますが、通産省の関係では、綿糸は比較的高くて三三・七%が当業者玉でありますけれども、人絹糸は一一・二、スフ糸は二〇・六、毛糸は二二・五、ゴムに至ってはわずか四・一%が当業者玉でありまして、残りは全部大衆玉あるいは自己玉になっておるわけであります。農林省関係におきましても、一般玉が当業者玉を大きく上回っておりますし、この資料による限り、先ほども申しましたように、商品取引所はギャンブルの場であるとの指摘はやむを得ないというふうに考えるわけでありますけれども、もう一度御答弁をいただくといたしまして、通産省の関係でも当業者玉が一一・九%に対しまして、非常に投機的な性格が強いと言われております自己玉が一九・四%、一般大衆玉が六八・七%にも達しております。このようなバランス実態は非常に好ましくないと思うわけでありますけれども、その点についてもお答えをいただきたい。先ほども若干お答えをいただいたわけでありますけれども、一般玉と当業者玉とのバランスについて、大体どの辺がめどかということをお答えいただきたいと思いますし、この中で自己玉が相当数ありますけれども、産構審答申の中で厳格に規制すべきであるというふうに指摘をされております自己玉は、このパーセンテージの中にどれくらいあると考えられますか。
○天谷政府委員 現状におきましては、いま森局長が言われましたように、一般玉の比率が大体七割、通産省の場合は六八%程度でございます。この六八%という現状が果たして好ましいものかどうか、私は改善の余地があるというふうに存じております。そこで、それじゃ一体何%減らせばよろしいのであるかということにつきまして私は正確な答えを持っておりませんが、勧誘等におきまして、先ほど来申し上げておりますように、本当の素人を引き入れるというようなことを厳しく規制していくということで、まず投機玉、一般玉が自然に減っていくはずである。それからまた、結果的には価格の著しい乱高下等が起こりまして、一般の取引を撹乱するというような結果が出ないように、一つはそういう素人の取引の規制、勧誘の規制ということ、二つ目には価格の乱高下等の撹乱現象を規制するというようなことを通じまして、次第に一般玉の比率が下がるという方向に誘導をしていきたいというふうに考えます。
○竹村委員 いろいろ御答弁いただいたわけでありますけれども、答弁について納得しかねますので、質問を保留いたしまして、本日はこれで終わりたいと思います。
○前田(治)委員長代理 竹村幸雄君の御質問は留保された状況で一まず終わりまして、午後二時五十分から委員会を再開することにしまして、この際、暫時休憩いたします。 午後一時五十二分休憩 ————◇————— 午後二時五十三分開議
○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、多賀谷真稔君外十九名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、荒木宏君外二名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案及び予備審査のため本委員会に付託されております参議院議員桑名義治君外一名提出の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案の審査のため、来る六月十八日水曜日午前十時三十分より、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、参考人の人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○山村委員長 商品取引所法の一部を改正する法律案について、質疑を続行いたします。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 参考人各位には御多用中のところ本委員会に御出席いただき、まことにありがとうございます。 両参考人におかれましては、目下審査中の商品取引所法改正案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じます。 御意見聴取は質疑応答の形で行いますので、さよう御了承願います。 なお、念のため申し上げますが、発言する際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横山利秋君。
○横山委員 この法案について質問をする冒頭、私は特に同僚の諸君に聞いてもらいたいニュースがございます。私がなぜそれを同僚諸君に聞いてもらいたいかというと、同僚諸君の批評が出ているからであります。公に市販されておる業界新聞でございますから、私がこれを引用したからといって、だれも怒る人はないと思います。 「商取ニュース」という新聞でございます。その中に「記者席」というところがございます。そこに「全協連の理事会に臨席した通産、農林の両担当課長、法案審議の見通しやら、国会方面の感触、さらには業界に対する注文などをひとくさり。」と書いてある。「定刻に顔をみせた通産省の鯨井商務課長、法案審議の見通しを述べたあと、商取法改正法案に対する国会方面の感触を披露した。」そこまではまだいいのです。 「それによると、議員は三つのタイプに分けられるという。一つは、この改正法案はなまぬるい、このていどならあえて改正する必要はないとする委託者保護型で、全体の七〇%がこの範ちゅうに入る。この組は、選挙民から、何千万円巻き上げられたとか、一家心中があったとかの話を聞かされているせいか「紛議一件あったら即許可取り消しというわけにはいかないか」とか、「毎月、書面で建玉状況を確認させ、返送させたあとでなければ新規売買をさせないようにしてはどうか」といった奇妙な提案をしてくるそうだ。」だれのことを言っているのでしょう。少なくとも私はこの商工委員の中のどなたかがこれに該当するという印象を受けるわけであります。 「次に多いのは、繊維(とくに毛糸)の上場をやめろという議員。繊維は国民生活に密着しており、従業員も多い。これを取引所に上場させ、オモチャにしているのはケシカラン。上場廃止を約束するなら法案は通してやる−という繊取無用論型議員が約二五%。」二五%とか何%というのは、私はこの商工委員の同僚諸君の枠内だと思う。私は法務委員をしておりますから、まさか私まで勘定に入れているわけじゃないと思うのであります。 「そして最後に「許可を更新制にするとは行き過ぎだ」とする取引員ベッタリ型が五%」べったり型だそうでございます。 「やや遅れて登場の農林省堤商業課長、「農林関係の先生方も同様の見解だ」と前置きして「国会議員や一般に対するPR不足を痛感した。四十二年の法改正時と同じていどの認識しか持っていないむきが多すぎる」と実情を訴えたあと、次のように対応策についてアドバイス。」と書いてある。 何でしょう、これは。われわれに対する侮辱じゃありませんか。失礼にもほどがあると私は思う。ただ、私が五年前当委員会において主張いたしてまいりましたその主張点についてはどうもこの中に入っておりません。私はあえて言うならば取引所を中心にして商品取引は充実強化すべきだ、こういう立場でありますから、このパーセントの中には入ってはいません。しかし、これは同僚の皆さん、全協連ですよ。全協連というのはきょういらっしゃる鈴木さん、その取引員の会合へ行って国会議員をこういうふうに侮辱するとは言語道断だと私は思うのであります。われわれは何かの範疇に入る。名前こそ出していないけれども、国会議員というものはお客様べったり型だとか取引員べったり型だとか、わけもわからぬとか、事情がわかっていないとか、五年前とちっとも変わらないとか、そういうことを取引員の会合で言うておいて、ここでもみ手をせんばかりにしてこの法案を通してくれという無礼千万な態度を私は許すわけにいかぬと思う。どう思いますか。私だけが怒っているわけじゃない。皆さんもこれをごらんになったら、もちろんこれは「記者席」という記事でありますから、このとおり言ったかどうかは、それはわからぬ。それは私も弁解があるだろうと思う。だけれども、火のないところに煙は立たぬと言いますが、この三つの範疇に分けるやり方については当たらずといえども遠からざる国会議員の批評をいたしておる。しかも、商品取引でいま一番、五年も前から問題になっておりますのは、取引員の体質改善なんであります。取引員の体質改善をしなければならないということを私どもは年来主張してきた。それは取引員全部じゃありませんよ。一部の取引員である。けれども、それによって商品取引の社会的地位というものを向上したいと思っておる。その取引員の会合へ行って、お役所の人が国会議員の品評をするとは私はどうも納得ができないのであります。自分が該当しているとかいないとかというわけじゃありません。この法案審議をする裏手でこういう国会の批評をされて私どもは黙っているわけにはいかないのであります。 まず、この問題を処理してもらわなければいかぬ。大臣の御意見を伺います。
○河本国務大臣 実はその話は初めて聞くのでございまして、もう少し実情を調べさしていただきたいと思います。
○横山委員 何だったらこれをちょっと大臣のところへ持っていってください。——一応もくそもないのであります。私はこれを見ただけであります。あなたもこれをごらんになって、これは市販されている業界新聞でありますから、私が見る前にとっくに各社会に全部配布され、取引員も全部見ており、関係者も全部見ておるのでありますから、実情も調査もくそもない。私はそれを見て怒っているわけでありますから、大臣もそれをごらんになってから判断をしてください。
○河本国務大臣 確かにこの「商取ニュース」の「記者席」という囲みの中に出ておりますが、このままの話をしたということであれば、これは大変申しわけないことだと思います。いずれにいたしましても、この事実をもう少し調べさしていただきたいと思います。
○横山委員 くどく言いますけれども、恐らく私の経験をもってするならば、商品取引という問題については大臣も余り御就任以来検討なさっていらっしゃらないのじゃないか、大臣ばかりではありません。前の大臣もその前の大臣も商品取引についてそんなに通産行政全般の中でウエートを置いていらっしゃいません。もっと言うならば次官も局長も余り一生懸命じゃないのであります。商品取引はまさに通産、農林の課長さんが一手に掌握して仕事をしておる、私はそう言っても過言ではないと思うのであります。これは過言ではないのですよ。だから、きょう私が御質問をしようと思っておるのですけれども、一つの方向が違ってきておる。違ってきておることについてお気づきにならない、そういう感じが私はいたします。課長が大手を振って全協連の会合へ行って国会の批評をし、国会議員の品定めをして得々としておる。そして、きょうこの審議に際しては課長さんは後ろの方におってあなた方が御答弁をなさる。いんぎんに御答弁なさる。見られたざまじゃないですよ、こういうばかげたことは。まじめさが足りませんぞ。それは大臣並びに次官も局長も商品取引については下僚に任せっきりであるところから生ずると思います。私は、あなたが実情を調べたいとおっしゃるなら調べてもよろしい。だけれども、それをごらんになっただけでまるっきりそれがうそだとあなた思いますか。活字に多少の修飾はあるかもしれぬ。けれども、それは仮に修飾があったところで、もうその業界新聞は全国に行っているわけですよ。周りの人みんな見てますよ。取引所の人みんな見てますよ。お客さんみんな見てますよ。何と考えますか。国会を何とその人たちは考えましょうか。商品取引について国会議員はこんな認識しかないのか、役所は国会議員をばかにしているじゃないか、こういう認識を持ちますよ。それが事実であったかないかよりも、もうすでにそれは現実の問題として全国にそのニュースは流れておる、そういうことを大臣はどうお考えになりますか。
○河本国務大臣 いずれにいたしましても、ああいう記事が載ったということはまことに申しわけないと思います。 つきましては、もう少しその間のいきさつ、事情をよく調べさしていただきたいと思いますが、あの記事自身のことにつきましては大変申しわけないことである、かように考えております。
○横山委員 大臣、あなたは五年前もちろん通産大臣ではございませんでした。五年前の商品取引所法の改正に当たって国会が決議をいたしました附帯決議を御存じでございますか。——あなたに直接聞きたい。ほかの人は言う必要ありません。
○河本国務大臣 附帯決議は聞いておりません。
○横山委員 その附帯決議の内容はどう御記憶でございますか。あなたがいま知らなければ知らないで結構です。附帯決議の内容はどういう内容でございますか。御存じでございますか。——いまあなたは御存じなければそれで結構です。
○山村委員長 横山委員に申し上げます。質問するときは委員長の許可を得てからやっていただきます。
○河本国務大臣 承知しておりません。
○横山委員 そこで、私はあなたにも言いたい。先ほど私が言った、こういう法案については、あなたは、大臣は、政務次官は、事務次官は、局長は、恐らく法案について十分歴史的な事実、それからどういう方向が本当のあるべき基本方向かということについて、大臣として御判断をなされなかったと私は思うのであります。 附帯決議は、 政府は、本法施行にあたり、次の諸点について 適切な措置を講ずべきである。 一、最近における商品取引の実態にかんがみ、商品取引所のあり方について根本的検討を加えること。 二、経済の実情に対応し、上場商品の適格性について再検討すること。 三、過当投機の抑制および委託者の保護について、さらに万全の対策を講ずること。 この附帯決議の中で今回の改正で行われていることは何ですか。三番目が少し行われているだけであります。第一番に掲げてあります「取引所のあり方について根本的検討を加えること。」については、今回の提案は、政府案は、いささかもそれを行っていないという点について大臣はお認めになりますか。
○河本国務大臣 根本的なあり方については検討を加えたというところまでは私はいかないと思います。ただしかし、運営その他の面におきまして相当な改善を加えておることは御承知のとおりでございます。
○横山委員 大臣は法案をよく御存じでそういうことをおっしゃっているのでしょうか。三つある。取引所の根本的改善の検討、上場商品の再検討、委託者保護の万全の対策、三つなんですよ。国会が満場一致で決議いたしました附帯決議三つなんです。これが五年前与野党が一生懸命議論をして、一致した方向なんです。今回の政府案はそのうちの第三だけではないのかと私は言っている。もちろん第二の上場商品については法律から外して政令に移すということですから、ある程度、半分、三分の一ぐらいかもしれません。けれども、一番大事である取引所のあり方について根本的検討を加えるということは、政府案の改正に何が入っていますか。ないじゃありませんか。
○河本国務大臣 先ほども申し上げましたように根本的な検討と言うには値しないかもしれませんけれども、たとえば取引員の資格の非常な条件の強化であるとか、あるいは一般の取引者に対して迷惑をかけないためのいろいろな措置とか、そういう面では、組織そのものの根本的というのには値しないかもわかりませんが、私は相当な改革であると考えますし、さらにまた上場の商品取引等につきましても、ある程度機動的に行えるようにいたしておりますし、第三の問題につきましては御指摘のようにある程度やはり考えておる、こういうことでございまして、第一と第二の面では全然考えておらないのじゃないかと……(横山委員「何がありますか」と呼ぶ)そういうことは、私は少し実情と違うように思うわけでございます。(「具体的に言ったらいい」と呼ぶ者あり) なお、具体的につきましては政府委員から答弁をさせます。
○横山委員 私がくどく大臣に伺っておりますのは、冒頭に申しましたように商品取引のあり方について大臣みずからがもう少し一生懸命になってもらわないと困る。何もお役人の意見を聞いていないのであります。 大臣、第一の商品取引所のあり方について根本的検討を加えるということについては、この答申には出ているのですよ。答申には、二、三列挙をいたしますと、整理統合問題が出ています。これは五年前にここでずいぶん議論したことなんであります。いま取引所が二十幾つありますね。どうして一体統合しないのか、できるではないか、また通信、交通が発達している今日、するべきことが当然のことではないか。五年前の話なんです。しかも、答申にはそれが整理統合問題として、「このプロセスは、商品取引所が歴史的に成立してきたものであること、現状では商品取引所を通ずる現物の受渡しには地域性があること等を考慮すると、段階的に行われるべきであり、また、複数商品上場制を原則とすることに鑑み、地域的に進めることが妥当である。」等々、具体的に問題を提起しているのですよ。それが何もこの法案には出ていないのですよ。 その次に、「全国商品取引所連合会を各商品取引所を通ずる中央機関として法制的に拡充、整備するとともに、商品取引所における運営の一体化を図り、商品取引員の監査、紛議調停、外務員の講習、登録、広報活動等の共通業務を行わしめる等その運営の充実を図ることが必要である。」具体的に出ていますね。そのほか、私の言うこの商品取引所のあり方についての根本的検討については、私、これは十分だとは思いません。思いませんが、少なくとも具体案の三つや四つは出ているのですね。それをあなたは御存じでしょうか。御存じでなおかつそれを今度の法案に含んでおらないことについて、大臣としてそれでよろしいとあなたは責任を持って決裁をされたのでしょうね。どうです。
○河本国務大臣 根本的な改革でないということは、これは御指摘のとおりでございます。しかし、現段階におきましてはまず最善の改革案である、私はこういうふうに考えております。
○横山委員 そんな抽象的なことを言わずに、私は取引所のあり方について根本的再検討という国会の院議がある、そうしてまたこの産構審の答申には具体的な改革が出ておる。それにもかかわらず政府案の中には何もない。あなたは自分じゃ、ないけれどもありますと言うけれども、何があるんですか、何が。私が言うように、第三の決議であります委託者保護については芽が出ている、上場商品については政令にゆだねるという方法で芽が出てはいる。けれども、取引所のあり方についての根本的検討についてはないではないかと言っているのが、あなたわからないのですか。
○河本国務大臣 さっきも申し上げましたように、根本的な改革というのには当たらないかもわかりませんが、改革といたしましては取引員の資格の強化であるとか、そういう面でやはり私は改善の跡は見られると思います。
○横山委員 同僚委員は私とあなたのやりとりを聞いて、水かけ論だとは思っていないと思いますよ。あなたが不十分きわまる答弁をなさっておられることを同僚委員もおそらくみんな知っていると思うのです。だけれども、時間の関係がございますから、もうこれはあなたも十分おわかりになって物を言っていらっしゃる、私の言うことがわかって物を言っていらっしゃると思いますから、次へひとつ移ります。 商品取引所法の第三条は、商品取引所の性格をうたっています。すなわち「商品取引所は、法人とする。商品取引所は、会員組織とする。商品取引所は、営利の目的をもつて業務を営んではならない。」と出ています。つまり取引所は営利の目的を持ってはならない、しかも一般法人である、会員組織である、これが取引所の基本的な三原則だと私は思います。しかし、私はもう前から特に取引所のあり方について主張をいたしておるわけでありますが、たとえば取引所がこの一般の法人でありますために、利益が出れば税金を出しておるわけであります。これは証券取引所も同じだと思います。一体この証券なり商品の取引所が一般法人で一般の法人税を出すという論理というものが、われわれが考えかつ期待をする取引所として妥当であろうかどうか。端的に言うならば、取引所が商品取引の中心であり、そしてある意味では業界の自主組織であり、そして取引所が中心になってこの商品取引というものが健全に発展をするということを私は声を大にして言っておるわけであります。仲買が従業員を採用する、そんな一つ一つに政府が介入しておるわけですね。仲買が何をやる、これをやるについても一々政府に対してお伺いを立て、それこそ課長さんがやってきて国会議員の品定めをするような雰囲気でやっていらっしゃるわけであります。 そういうことのあり方よりも、私はいま証券取引所と商品取引所と区別してみますと、証券取引所における社会的地位、証券取引所における取引所の実力、社会の信用、全く商品取引所とは月とスッポン。そういうことを鈴木さんの前で言うのは大変恐縮だと思いますけれども、いまの商品取引所に対する社会的認識も世間の批評もきわめて証券に比べて低いのであります。アメリカにおいては日本の状況と逆だそうでありまして、後で鈴木さんにも、アメリカにいらっしゃったそうでありますからその点を聞きたいと思うのでありますが、アメリカでは商品取引所の方が勢力が強いのだそうであります。証券よりも商品取引所の方が力が強いのだそうであります。日本はどうしてそういうことになっておるのか。商品取引を健全にする基本的な方向というものは、私は、役所が何から何まで、取引員の言うことやることを一々チェックをするのをやめて、そうして取引所を育成強化することによって自主的な運営を図る——いま大蔵省は証券取引所に対してそうやかましく言っていませんよ。ですから、今後、商品取引所法を改正し、あるいは行政指導するに当たっては、商品取引所を強化、拡大するという基本線を失ってはならぬと思うのであります。大臣がこの法案について十分念査もなさらなかったと言っては失礼でありますが、この法案作成のときに十分に御参加をなさらなかったと思いますから、私はくどく申し上げるのでありますが、商品取引をこれからよくしようと思うなら、商品取引所の運営を全からしめようとするならば、取引員についていろいろな是正をしようと思うなら、一から十まで政府が首を出すのをやめなさい、そうして取引所を強化して、取引所を中心にして商品取引が自主組織を持って、自主的能力を持って運営をする、こういう方法にしなければだめだ。私の年来の主張であります。ですから、先ほどのこのお手元にいきました「商取ニュース」も、べったり型、べったり型といって国会議員をみんな区分けいたしましたが、あえて言うならば、私は取引所べったり型と言われてもよろしい。しかし、それでなければ本当に商品取引というものは、長期にわたって健全な自主的な能力を持たない、そう私は確信をいたしておるわけです。この点について大臣の御意見を伺いたい。
○河本国務大臣 実は私もこの法律案に関連をいたしまして、いろいろな数字を調べてみました。おっしゃるように、証券取引と商品取引の数字は非常に大きな差がありまして、全然数字が違っておる、一けたも二けたも違っておる。こういうことで、その取引の規模等については大体わかったわけでございますが、おっしゃるように、やはり健全な商品取引というものが行われるためには、取引所そのものがやはり強化されなければならぬ、こういう点につきましては、私も全く同意見でございます。
○横山委員 それでは、この答申にございます取引所の整理統合並びに全国商品取引所連合会を中央機関として法制化する、今回実現ができなかったことなのであります。これらの、答申の中にあります取引所強化については、次の機会に本委員会、国会に提出を大臣はお約束していただけますか。
○河本国務大臣 商品取引所を強化しなければならぬということについては申し上げましたが、さてしからば、その具体的な内容はどうかということ等につきましては、よく検討させていただきたいと思います。
○横山委員 あなたは答申をごらんになったのでしょう。読んでないのでしょうか。私が先ほどわざわざ言いましたのは、院議は決まっておる、答申は出ておる、しかし政府案にはない。あなたは大臣として、その一連の動きというものに責任を持っておるのかと言って聞いたのです。あなたは答弁なさいませんでしたね。しかし、これは大臣としてごらんになっているはずだと私は言いたいのであります。もし、ごらんになってなかったならば、いま言ったとおりでございますから、取引所を強化するというならば、少なくとも政府の機関であります産業構造審議会が答申をした内容くらいは次の機会に実現をする、今回はできなかったけれども次の機会には実現をするぐらいがどうして言えないのですか、大臣として。どうなのです。
○河本国務大臣 産構審の答申は、一昨々年から二年間ばかり審議していただきまして、昨年答申をいただいたわけでございますが、その中に記載してありますいろいろな意見等につきましては、いまここでどうするこうするということについては全部お約束をいたすわけにはいきませんけれども、しかしおっしゃるような方向で前向きに検討をいたします。
○横山委員 大臣、くどく言いますけれども、大臣としてこれはごらんになっているのが当然で、あなたは、政府案を確定なさいますときに、これには書いてあるけれども、どうして政府はこれをやらないのかという御質問があって当然、あなたが質問しなければ、役人の人は、答申にはこう書いてありますけれども、今回実現できませんでしたと言って説明されてもまた当然。両方ともなかったとしたならば、いよいよもって商品取引の関係者はやるせがない話ですよ。あなたは、この取引所の改正案について、どうもいまの質疑応答を聞いていますと、まるっきり御存じないようだ。大臣として、答申が出たけれども実現ができない以上は、その責任はこうである、その理由はこうである、その次にはこうする、そういう御返事が明白でなければおかしいと思いますよ、私は。 次に伺いますが、この点も私は大臣がお答えがなくとも腹の中で私の気持ちがわかっていただけると思いますから、次へ進みましょう。 福井の人絹取引所がなくなるというわけで、私、名古屋でございますが、名古屋の繊取へ五社くらい引き取る、こういうわけでありますね。そこで、時間の関係でちまたの疑念だけ伺いますから、これは大臣でなくても結構でございます。五社に対して、なぜ五社だけか、なぜほかの人も名古屋へ引き取らぬかという疑問が一つ。五社が将来名古屋でシートを売ってしまうのではないかという疑問が一つ。三つ目の疑問は、これは通産省ですね、私がくどく言った合併統合に関連をして、こういうやり方は、通産省の所管ではあろうけれども、一体農林省と十分相談したか。一つのモデルになりますが、こういうやり方について、両省は一致しておるのか、この点を伺います。
○天谷政府委員 福井人絹取引所におきましては、時代の推移によりまして人絹の取引所における現実の取引がほとんどないという状態になりました。そこで、福井人絹取引所の会員のうち専業者が五社ございまして、この専業者は取引員として生活していく以外に道がございませんので、従業員等の失業等も考えまして、これが名古屋の取引所の会員になることによりましてその問題を解決したい、こういうふうに考えた次第でございます。 それから、この五社が名古屋の会員になりましたあとでシートを売却して売り逃げするのではないかという御疑問の点につきましては、この五井が名古屋の会員になりましてから営業を継続するという意思をよく確かめて許可をするという方針でやっておるわけでございます。 以上の点につきまして、農林省とはよく打ち合わせをやっておりまして、意見のそごはございません。
○横山委員 短い時間でたくさんのことを聞かなければなりませんから、いまの点についてもさらに若干の確めたいところがございますけれども、次へ移ります。 この、法律から上場商品を政令にゆだねる、そのこと自身は別といたしまして、いまそれでは国会の附帯決議にもございます上場商品の適格性について再検討しろということにこたえて、今回は品物の名前を言わないで政府に任せてくれということのようであります。しかし、ああそうかと言うわけにはまいりません。そこで、一体この政令はいつごろ出すのか。そしてまた、その政令を出すことによって、その政令の中に上場商品の洗い直しが入るのか。入るとするならば、なくなっていく商品は何で、新たに上場される商品は何であるか。伝えられるところによりますと、最近問題になっておりますのが電気銅、それから合板、それから毛糸の問題とも関連いたしますトップ、この三つが具体的なうわさの的であるようであります。したがいまして、いま言いましたように、いつ政令は出る、政令の中ですぐにこの洗い直しが出るのか、出るとするならばなくなっていく商品、新たに登場する商品は何を予想してこういうことをしようとするのか、この点を伺います。
○天谷政府委員 政令につきましては、今年中に政令を出す方針で検討を進めております。 その際、現在の上場品目から落とす方向で考えておりますのは、人絹糸、綿花、綿布の三つでございます。 次に、新たに上場する品目につきましては、現在のところ検討中でございまして、まだ方針を決める段階ではございませんが、ウールトップ、それから銅、こういうものにつきましては当業者の方で希望もございますので、果たして上場することが妥当であるかどうか、どういう問題点があるか等々を詰めまして、方針を決めていきたいと存じます。
○横山委員 私は、この新たに追加されるべき商品に関連をしてどうしても大臣に御忠告をあえていたしたいと思いますのは、取引所の強化という問題と、それから実際産業を担当していらっしゃる人たちの意見がときどき違うことがあるわけです。なぜかと言いますと、取引所の社会的信用、地位が低いからなのであります。商品取引所というものが証券取引所と比べて社会的地位が低いから、おれのところの生産品、おれのところの取り扱っている商品を取引所に上場させてそれによってヘッジをする、そういう利益と、何かおもちゃにされる、もうけの対象にされる、投機の対象にされそうだというその危惧というもの、そういう判断に迷いを生じておると思います。したがって、上場商品を追加いたしますためにも取引所の社会的信用、取引所の機能、そういうものを充実強化する、あるいは整理も統合もする。そういうことをしなければ取引所関係者が上場商品をふやしてもらいたい、ふやしてもらいたいと言っておるばかりでは実現しませんよ。私は当初、五年前にはこんな商品取引なんか要らぬという立場でございました、率直に言いますと。こんなものは、小豆でおじさんやおばさんをだまかして自殺させたようなものは要らぬという立場でございました。全く素人の国会議員として、一番最初のことは恥じ入るばかりでございます。けれども、いまはそうではありません。あるべき社会的使命を商品取引の機能が十分に果たすとするならば、いかにあるべきかという点をひたすら追求をしておるつもりなのであります。そういう点では、これも御注意でありますが、上場商品を追加するにしても、取引所の機能強化をお考えになりませんと、産業界は余りいい顔しません。政府が、大臣が、みずからこの問題について十分のお力を加えませんといけませんよ。私はそういう御忠告をいたしたいと思いますが、大臣どうお考えでございますか、上場商品に関連して。
○河本国務大臣 ごもっともなお話でございますから、十分御意見を尊重して運営してまいりたいと思います。
○横山委員 指定弁済機関の問題について質問をいたします。 大体、指定弁済機関という言葉が私は余り気に食わないのであります。端的に伺いますが、政府が指定して弁済機関をつくる、弁済基金をつくるわけですね。これは幾つあってもいいんですか。政府は幾つも指定するつもりでございますか。
○天谷政府委員 指定弁済機関は取引員が相互に団結しまして保証し合う機関でございますので、取引員が機関をつくりまして政府に指定を申請いたしました場合には、その適格性を判断して認可をする。ただし、現在のところ全国で一つしか申請の見通しはございませんので、適格なものは一つしかできないということになろうかと存じます。
○横山委員 法律上は二つあっても差し支えないですね。一つとは書いてありませんね。法律上は二つあってもいいことになりますが、よろしいんですか。 なぜそういうことを聞くかといいますと、建設業の支払い基金、あれが国会審議のときにはだれしも一つだと思っておったわけです。ところが、仲間割れが生じまして、法律論からいうと二つあっても、二つ申請されても許可せざるを得ないということで、とうとう二つできたわけであります。この法律も、私は法律論としては何も指定弁済機関と書かぬでもいいじゃないか、法律の中へ商品取引弁済基金とずばりなぜ書かなかったか。社団法人商品取引弁済基金というふうにぴしっと書けば、そんなものは一つに決まっておるわけですね。それにもかかわらず、指定弁済機関として政府が指定するということになっておる。そうして、一つと書いてないんですから、その点どういうつもりか、私は聞きたいのであります。
○天谷政府委員 法律上では、指定弁済機関の数は複数であってもいいというふうに読めるかと存じますが、現実の指導方針としては、指定弁済機関の財政的基礎、弁済能力が問題でございますから、これが多数できるのはそういう面から見まして好ましくないと思いますので、できるだけ一つになるように指導をしていきたいというふうに考えております。
○横山委員 大臣おわかりでしょうね。建設委員会でも同じことでした、こういう答弁でした。ところが、仲間割れが来て、そうしてもう一つつくりたい、ああいうやっとは一緒にやらぬ、おれたちはおれたちでやるということになりまして、すったかもんだかやって自民党が真っ二つに割れまして、そうして片一方の人が長年大臣もやった人であるだけにとうとう一年か二年たって指定弁済機関のようなものが二つになったわけです。この法案の欠陥の一つはここにあります。商品取引弁済基金とずばり書いて、そうしてややこしい指定だとかなんとか言わずに、社団法人でありますからそうすればよかった、これは私の指摘であります。 それから二つ目、自由加入ですね。伊藤忠、丸紅、恐らく入りません。なぜ入らないか、つぶれる心配がないから。おれのところはそんな商品取引をやったって、つぶれる心配はないよということになりますね。そうすると、つぶれる心配のあるやつだけが入る、これは理屈ですよ。つぶれる心配のあるやつだけが入って、つぶれる心配のないやつは入らないということなんです。強制加入じゃありませんからね。 それから、従来全協連で清水さんのところで任意におやりになっておりました相互保証制度、組合ですね、あれはこれによってなくなるのですか。これは清水さんに聞いておってもらって役所に答えてもらいたい。
○天谷政府委員 指定弁済機関ができますれば、その機能がそちらに引き継がれることになりますので、発展的に解消するということになると存じます。
○横山委員 ここでもまた大臣に聞いてもらいたい。あえて私をして言わしむれば、これは大変清水さんに失礼になるかもしれぬが、仲買の皆さん、取引員の皆さんが、五年前の国会の決議もあるけれども、相互保証で自分たちの組合をおつくりになりました、それを今度政府が認知するという結果になるわけであります。そうなんですね、結局は。いろいろな言い方はありましても、清水さんのところの組合はなくなる。そうしてそれを引き継いで、政府公認のこの指定弁済機関ができるということであります。そうして、残念なことに時間がだんだんなくなるので焦ってくるわけでありますが、四十億の積み立てをなさるというわけですね。お隣に座っていらっしゃる鈴木さんの商品取引所は、私がさっきからやきもきしておるようにちっとも充実強化はされない。取引員の方は生まれた自分たちの子供を認知してもらって、そこへ四十億積み立てられる。まさに金力と権力を、政府の保護を受けて指定弁済機関はきわめて成長するという結果になるわけであります。そうでしょう。 そして、指定弁済機関は、弁済することができないときは、と書いてあるのですね、取引員が弁済することができないときは、指定弁済機関が弁済する。注意してくださいよ。弁済することができないときは、となっている。横山という取引員が弁済ができないと決まるまでには、不渡りを出してからどのくらいかかると思いますか。半年や一年はかかります、そうでしょう。それまで指定弁済機関は動かないのですよ。少なくとも、弁済することができないおそれが著しいときは、ならわかる。何と手厚い保護を指定弁済機関は受けるのでありましょうか。指定弁済機関は取引員に対する立ち入り調査権がありません。商品取引所は立ち入り権を持っております。政府も立ち入り権を持っております。一つの仲買、取引員がつぶれたときに指定弁済機関が、立ち入り権のない人間が、完全に弁済することができないときまで知らぬ顔してこうやっておるんでありましょうか。もし、本当にやるんなら立ち入り権、調査権を指定弁済機関に与えなければなりません。そうでしょう。そんなことをするよりもなぜ指定弁済機能を商品取引所にさせないのかと私は言いたいのであります。なぜ商品取引所の機能をほったらかしにしておいて仲買の弁済組合を認知する弁済機関を新しくつくらなければならないのか。政府は一体何を考えているんだ。私の言いたい焦点はまさにそこにあるわけであります。 あなたは、私に先ほど抽象的に同感なさいました。抽象的には取引所を強化しようと同感なさいました。けれども、いまやろうとしていることは、取引所はそのままにしておいて、指定弁済機関が四十億ぐらい積み立てるまで税金もただにすると言うんですよ。取引員から指定弁済機関へ出す負担金ばただになるのですよ。それだけ至れり尽くせりの保護をするくらいだったら一体なぜ立ち入り調査権も持っておる取引所をしてそれをさせないのか。あなた、どうお考えになりますか。これが私の取引所論の最も根本論であります。なぜ政府はそこへ考えを及ぼさないのか。答申の基本的な理念、国会の附帯決議の基本的な理念というものをなぜ踏まえないのか。何を考えているんだ。私は委託者保護が充実されるのを否定するものではありません。けれども、商品取引の大黒柱は取引所ですよ。政府が余りやいやい言うものではありませんよ。そして、仲買の皆さんもそれぞれ自主的な努力、協力、改善はなさるにしても、仲買の皆さんが法律的庇護を受けて余りにも権力を持ち過ぎることについて、一体取引所はどうなるのですか。取引所も同じような仕事をしていますよ。指定弁済機能のような仕事を現に少しやっているじゃないですか。やっていることなら、なぜ取引所にこの仕事をさせないのですか。大臣、お答えになりますか。——いや、大臣に聞きたい。
○河本国務大臣 まず、この法案の作成責任者から説明をさせます。
○天谷政府委員 商品取引所と指定弁済機関とは、仕事の内容から言いまして、取引所の方は公正な価格の形成あるいはヘッジングの場をつくるというようなことでありますのに対し、指定弁済機関の方は取引員に異常な事態が生じまして弁済能力がなくなった場合に顧客を保護するという別個の目的を有すると考えましたので、指定弁済機関は取引所の外における別機関といたしたわけでございます。従来も証拠金等は取引所に積んだわけでございますけれども、この場合の取引所は単純なる預託機関といたしましてそれを管理しておっただけでございまして、取引所が弁済責任等を負うことはなかったわけでございます。取引所に弁済責任まで負わすということは取引所の本来の目的とは違うかと存じますので、別個、独立の機関をつくり取引員に責任を負わすことが妥当かと考えた次第でございます。
○横山委員 大臣、おわかりですか。あなたは、いまの答弁でそれでよろしいとお考えですか。私の質問といまの御答弁とであなたはどう御判断になりますか。この点は商品取引の基本的な方向に関する問題でございますから、私はあえて大臣に、きょう御答弁がなければ一遍ゆっくり考えてもらいたい。歴代の通産大臣も、問題になれば商品取引についていろいろ検討もいたしますが、しかし恐縮でございますけれども、どうもほうりっ放しが多い。そしていま、この指定弁済機関が、法案が成立すれば発足しようとしている。それはどういう結果をもたらすか、どういう方向にこの車が動いていくか。これは法律ができれば直ちに——もうすでに全協連を中心にして準備委員会をおやりになるようだ。そして、減税の損金なる扱いを受けてこれが非常な発展をする可能性がある、そういうことなんです。それは商品取引のあるべき姿、方向に合致をしていない。取引所ができないはずはない。取引所の中で、完全な機能ではない、少なくとも取引所の分局なり外局なり何なり取引所の一つのあれとしてやれと言うのでありますから、私はめちゃくちゃなことを言っているわけじゃない。しかも、取引所は一部それをやっているわけであります。お答えになりますか、それともいまの答弁で終わりでございますか、大臣。
○河本国務大臣 私は、いまの政府委員の答弁でいいのではないか、こう思います。
○横山委員 大臣の御答弁に大変失望いたします。私も、話がわかっておってなおかつここは一応そういうふうに言わなければならぬということかと善意で解釈しますけれども、それにしても大臣のいまの御答弁で大変失望いたします。 それから、別なことで聞いておきたいのですけれども、取引員のあるべき姿について、四年更新になる、更新のときにでも新しく免許のときにでも厳しいやり方になっておることは私どもよく知っておるわけであります。ところが、このごろそういう許可制度と言っても、株式会社ですから、たとえば横山取引員の株を多数買って横山という人間をやめさせて乗っ取りをしてやれば、わざわざそんなむずかしい許可制度で新規免許を頼むとかなんとかせぬでもいいのであります。そういう事例がすでに二、三ございますね。それは一体どうお考えでございますか。商法上やむを得ない、そういうふうな立場にお立ちになりますか。
○天谷政府委員 いまの御質問はシート売買の問題……(横山委員「とは違います」と呼ぶ)さようでございますか。
○山村委員長 答弁者は質疑者の質問に対する答弁だけをするようにしてください。不規則発言に答弁する必要はありません。
○天谷政府委員 許可を受けたときとは違う、その許可を受けた取引員の会社を買収することによって人格が変わってしまったならば、許可をしたときとは事情の変更が生ずるから不都合ではないかという御質問かと存じますけれども、その場合には営業姿勢、それから財務内容等をよくチェックいたしまして、次の期間更新のときにはもちろんこの厳重なチェックをいたしますし、それから途中におきましても、その取引員の業務等につきまして違法行為等があればもちろん処分いたしますし、その他不適切な行為があれば行政指導をいたしていきたいというふうに存じます。
○横山委員 まだたくさんの問題を控えておるのでありますが、残念ながら私の時間がもうあと五分かそこらでございます。 そこで、実は先ほどから鈴木さんと清水さんにわざと聞いてもらっておったわけであります。ですから、短い時間ではございますが、御両所に所見を聞きたいのです。私が先ほどからるる申しておりましたこと、つまりこの法案はいろいろな欠陥がある。そしてまた第二番目に、政府はなるべく手を引いておけ、そして取引所が充実強化するようになれ、その方策を商品取引の基本的方向としろというのが第二点であります。それから、取引所の合併とかあるいは取引員のあるべき姿とかいう今後の商品取引のあるべき姿について、抽象的で結構でございますから、お二人にそれぞれ所見をひとつ——私の持ち時間からいいますと三分ずつくらいでございまして大変恐縮でございますが、所見をお二人からお願いをいたしたいと思います。
○鈴木参考人 御指名でございますので、簡単ながら所見を申し上げます。 まず第一に、今回の商取法の改正につきましては、いまお話がありましたように、二年来意見が出ておりました。また、全商連としても意見を出しておったのでありますが、その重要部分がこの法案に盛られておらないということについて非常に遺憾の意を表する次第でございます。 いまアメリカにおきましては、証券業界よりもはるかに隆盛をきわめております商品取引業界でございますが、今回商品取引所法という法律を改正いたしまして、商品先物取引委員会法というものをアメリカは制定いたしまして、これは五人委員会でもって連邦政府の権限のさらに強いものをこの五人委員会に委譲いたしまして、官民一致いたしまして商品取引所の新生面を開こうという非常に画期的なことをやっておるのでございますが、これに対しましてわが国の今回の商取法の改正というものはまことに、さっき月とスッポンという話がありましたが、そのように思うのでございます。 なぜこのように日本の商品業界が小さいかということにつきまして、いろいろな理由があると存じますが、その主なものを申しますれば、先物取引ということの経済的の本当の理解というものが、アメリカに比しまして非常に日本では低いのであるということが一点、もう一つは、業界自体の問題でございますが、過去におきまして幾多の行き過ぎをいたしまして、信用を失墜しておった点があったという、この二つの点にあると思うのでございます。 さて、日本はいま経済大国ということになっておって、世界で一、二の物資の輸入国でございます。世界の物資がどんどん入ってまいります。こういう条件を考えますならば、かってロンドンの取引所というのも同じでありましたが、いまシカゴのボード・オブ・トレード、シカゴの取引所というのがアメリカの中心でございますが、これに匹敵する先物市場を日本において実現することは決して不可能ではないと私は思うのでございます。全商連といたしましては、こういうように国際的な総合取引所というものを実現するために努力をいたしておるわけでございますが、これを実現させますためにはやはり商取法の抜本的な改正が必要となるのでございます。現在、商取法の基本みたいに思われておりますのは、物資別縦割り制度とそれから当業者主義ということがございますが、こういうものについて大修正を加えていただいて、先ほど横山委員が御指摘になりましたように、通産、農林の行政の一元化ということをまず第一にやっていきたい、これは政府はなかなかやれませんので、国会方面におきまして特にお力をいただいてこれを実現しなければならぬと思うのでございます。主務省関係にお願いすることは、そういう意味で取引所の合併の規定をぜひ早急に入れていただきたいということでございます。 それから、上場商品も、落とすものは落とすが、拡大するものについては、いま申されましたような合板であるとか銅であるとか、そういうようなものについては積極的にお役所、政府が推進をしていただくということが大事であろうと思います。 それから、横山委員の仰せになりましたように、取引所というものは法律を見ますれば全く自主的にできておるのでございますが、この点につきましてお役所方面ではややもすればいろいろ細かい御指摘がございますが、もっと自主的な運営を取引所にお任せを願いたいということが一つでございます。 それから、取引員に対しましては信賞必罰、悪い者はどんどん切るということをもう少し厳格に励行していただきたい。一遍許可すればあとは野放図であるというようなのが現状でございます。また、われわれ取引所自身に対しましては、一番の使命は市場管理でございまして、公正なる価格を形成するというのが市場管理の役目で、これは適切なものをいろいろなケース、計画をつくりまして、自動的に動くような、だれにもわかるような市場管理をいたしておるわけでございます。また、取引員に対しまして、取引所自体はやはり財務管理を厳重に見、またその営業姿勢につきましても監査をして厳重な指導をいたすことをやっておるわけでございます。また、紛議というようなことが起きますれば、これに対する公正な調停をいたすということは当然でございます。 全商連全体といたしましては、わが商品先物業界というものが日本の経済社会にもっとクローズアップされていくというためにふさわしい強固な組織をつくりまして、先物取引という自由経済社会において最もすぐれた流通経済機能というものを普及発展させたいと存じておる次第でございます。
○清水参考人 一九七三年、いまから二年前に、いわゆる商社のお偉方が国会に物価高騰についていろいろ参考人として呼ばれたこともありましたけれども、あのときこそ商品取引所が非常に活況を呈し、非常につなぎの入った年でございます。日本というのはGNP世界第二位といっておりますけれども、戦後三十年かかりましてこれだけの復興を見ましたが、御案内のように資源というものは何一つ国で産出する材料というものはございません。結局その材料の手配師といわれる商社が海外から物を輸入してきた、そして幼稚園の先生が色紙を配るようにその材料を私ども国民に与えてくれたから、産業が勃興した、こういう仕組みでございますが、商社がたとえばオーストラリアから輸入するものですと、鉄鉱石はオーストラリア国の九五%を輸入しております。御存じのように、食肉牛は四五%、それから羊毛になりますと、これは英国属領でございましたので英国にたくさんいきますが、日本では二〇%を輸入しております。いわゆる輸入大国でございますが、その二〇%の羊毛トップを輸入しますと、直ちに日本の商品取引所の毛糸市場にこれを売りつないでおります。ところが、高原相場といわれた一九七三年、昭和四十八年でございますので、全部この商社のつなぎは損失になりました。毛糸で損しました金額が商社二百億、生糸は四百億。これは、生糸は生産者も入っておるではないかという計算になりますけれども、ゴムになりますと、日本には生産者が一人もおりません。これは百八十億取られております。砂糖では二百億とも三百億とも言われております。そうしますと、国内の商品取引所で商社が売りつなぎをして損しました金額が、九百八十億ないし一千億というものが取られているわけですから、この取引額、証拠金額というものになりますと、この数倍、数十倍という金額になるわけですが、これでこの年は初めて証券の取引高を日本国内で商品取引所の売買高が追い越した、売買金額において追い越したという年でございます。しかしながら、こんなもので驚いたのでは、一つもしようがないことでございまして、これを海外へつないだものはどのくらいあるかというと、実は商社は一兆円取られているのですね。これはどういうことかと言いますと、鉄鉱石を九五%輸入すると言いましたが、それだけ輸入してしまうのにこれが値下がりしたらどういうことになるかということになりますと、それを鋼材、鉄材、みんなパイプならパイプ、板なら板というようなものに売りつないでいるわけですね。食肉牛に至ってはシカゴのマーカンタイル取引所に豚バラも枝肉もそれぞれ上場になっておりますから、これを売りつないでいる。御承知のように、その年は大豆の暴騰がありましたが、大豆でも相当つなぎ損、電気銅でもつなぎ損、それからベニヤ板、合板ですね、これでも大きな金額の赤字を出しました。これは全部保険料として海外に取られて、これは安心立命の料金ですからいたし方ないわけですね。それで、要するに日本の産業はこれだけ勃興しているわけですね。私ども思うのですが、海外に旅行する場合、私どもの保険というものはアメリカの保険会社へ保険して行っているわけですね。そして、今度はついこの間、タンカーが燃えた、東京海上か大正海上でもかぶったかと思うと、これは英国の保険会社にまたつなぎをしているから、それでそっちから保険をとってきたから大丈夫なんだ、こういう話も聞きますが、これは経済大国と言えるのでしょうか。要するに、日本という国はばかなものを生産している生産大国であって、決して経済大国ではない。アメリカなり英国なりの経済衛星国であり、経済属国であり、経済扶養国でしかない。なぜなら、そっちへつないでいるではないか。日本の国内でそのつなぎを十分満たすような商品取引所に持っていかなければいけない、こういうふうに私どもは考えるわけで、それはやはり海外につなぐことは結構です、リスクをかぶらないのですから。しかし、日本の国民というものはそういうふうにリスクをかぶらない国民かというと、そうではないのですね。去年の暮れに有馬記念というレースがありましたけれども、三分間で百三十億、この間のカブラヤオーの勝った日本ダービーでも百何億かのものがただの三分間で売れているのです。これはもう本当のリスクをかぶっているのですね。つまり、元本保証で定期預金しているわけじゃないのです。元は返ってこないのです。三着以下になったら要りませんという金が三分間で百億集まるのです。このエネルギーを平和利用できないか、これが商品取引所なんですね。ですから、投機に満ち満ちてこそ初めてそれはヘッジが可能なんです。それをややもすると、この国会の先生方はどうしても、投機の渦と化したとか投機とヘッジの数量とどっちが多い、こういうようなことを言うのですね。実際の実物取引をしているのならば、それは北海道の小豆だけで足りるわけですけれども、やはり投機を拡大させようと思うから中国産も拡大して許容しようということでヘッジが可能なようにしていくわけですが、そういうことで、私の話す話は非常に長くなりますので、この辺でとめますけれども、どうかひとつ取引所に深い御理解をいただいて、その上での法律改正、いわば前向きの改正をしていただきたい。それがいつも同じところに足踏みをしているような改正では困る。私ども、横山先生から御指摘を受けました今度の指定弁済機関の問題につきましても、取引所を差しおいて僣越ではないかというふうに、ちょっと耳が痛く感じましたけれども、私どもはやはり取引所というものは非常に公正な場所であるけれども、そこに仕える取引員というわれわれは非常にいままで点数が悪かったではないか、これをやはり評価していただくのには、どうしても自分から態度で示さねばならぬ。それにはもう一つ裏にある、商品取引でもうけようと思って来るお客、これが損をするのを弁償しようというのではありません、損はあなた持ちですよ、しかしながらもしもわれわれの仲間に倒産するものがあって、預けた金が銀行がつぶれたために取れなくなったというようなのと同じ感じの、いわゆる不測の損失に泣く者はないようにしよう、これはわれわれの共同の責任で弁済しようじゃないかということを提唱いたしまして、大変僣越でしたけれども、私どもが取引所に先立って弁償をするということを提唱したわけで、そのことによって一つでも前進するということであって、われわれが評価していただき、そのことによって商品取引というものの御理解が少しでもいただける、そういうことであれば結構だ、こういうふうに思ってしたわけでございます。よろしくどうぞひとつお願いいたします。
○横山委員 ありがとうございました。 一言だけ——もう本当に一言だけ。いまの清水さんのお話、同僚諸君も政府もお聞きになったと思うのでありますが、要するに問わず語りで、清水さんがおれがつくった基金だ、こういうことが非常に法案審議の中で暗示を受けますね、大臣。暗示を受けますよ。 私の質問を終わります。
○山村委員長 加藤清二君。
○加藤(清二)委員 お許しを得まして質問をしたいと存じます。 最初に承ります。先ほど横山議員が新聞記事に触れられましたが、私は一体どの範疇に属するのでございましょうか。三つの区分けをなさったようでございます。しからば、私はどの範疇に所属するでございましょうか。
○河本国務大臣 先ほどの新聞記事の件でございますが、ああいう趣旨であれば大変申しわけないと思っております。つきましては、十分至急に取り調べたいと思いますので、どうかひとつしばらくの間お待ちいただきたいと思います。
○加藤(清二)委員 私も横山委員もなぜこんなことを言わなければならぬかと申しますと、社会党議員ではありますけれども、資本主義の今日のこの時点においては取引所というものは必要であるという認識に立っているからでございます。不必要論者ではございません。お互いにその必要性をよりよくアウフヘーベンするために協力を申し上げている。にもかかわりませず、それが理解していただけませんと、次はどういう結果になるか。新聞、ラジオ、テレビで何を言われましょうとも、民主主義の今日でございますから、私どもはこれに対して否定はいたしません。しかし、する場合には真実を語っていただきたい。特にこの会員組織でございます全商連の関係の皆さんにぜひ真実を基礎とした報道をしていただきたいということをお願いします。 なぜかならば、あれを放置しておきますと次に発展するのです。この法案が通った後とかあるいは通らなかった後必ず発展をいたします。今度は個人攻撃になります。次から次へと個人攻撃が出ます。それが最初は活字でございます。しかし、その次は電話でございます。次は面接でございます。だれがニュースソースであったか、だれがそれを提供したかを私は問いません。それも自由だからです。しかし、真実に基づいた報道、真実に基づいた批評をしていただかないと事が間違ってまいります。 〔委員長退席、塩川委員長代理着席〕 そのようなことが神聖にして侵すべからざる国会の発言にまで悪影響を及ぼすということを私は恐れるからでございます。通産大臣にこれについての御所見をお願いしたい。
○河本国務大臣 私も全く御意見のとおりだと思います。 民主主義の時代だから何を言ってもいい、そういうことは絶対ないのでございまして、やはり常に真実を伝える、こういうことでなければならぬと思います。そういう意味におきまして先ほどの記事はまことに申しわけない、こう思いますので、しばらく御猶予をいただきまして真相を調査したいと思いますので、お待ちいただきたいと思います。
○加藤(清二)委員 誤解があってはいけませんから、補足しておきます。 私は、先ほど横山委員が提出なさったあの記事を真実だとは思っておりません。もし、あれが真実であったとしたならば、公務員の秘密を厳守しなければならぬ規制を逸脱したことになる。そのようなことをまさかエリートの官僚のお方がおやりになるなどとは思いません。そんな頭の悪い人は、公務員規則を逸脱するような行為をなさるお方は通産省にはないと、私の二十有余年の通産省との間柄において私は信じております。しからば、それはフィクションであった。まあフィクションでも、あれを是認しておきますと、次から次へとエスカレートするからでございます。その点をよく考慮に入れて、大臣としてはこの法案が、いずれどうなるかは知りませんが、衆議院を通過する前に何らかの御答弁を、あるいは結果報告をお願いしたい。同様なことを、農林大臣はお忙しい中をわざわざ御出席ですが、遅刻をしていらっしゃったので、重複すると時間が問題になりますから、よく御相談の上——これは通産省だけではありませんから、ぜひひとつよく両省御相談の上、公務員の機密に関する問題であり、神聖にして侵すべからざる国会の場の権威を失墜することになりますから、これだけは両省よく御検討の上、腹のすわった御答弁をお願いしたいと存じます。 続いてもう一つ問題があります。それは国会議員とか県会議員というだけじゃございません。この商品取引所あるいはそれを構成する会員は国法によって守られているわけでございます。国法によって許可を得ているわけでございます。それなるがゆえに取引所の場所も会員の任務も取引所員の員数までが制限されているわけでございます。自由主義経済に必要な機関ではあるけれども、おのずからそこには規制措置があって、その規制措置はやがて現役の会員や取引所員やあるいは取引所を間接的に保護しているわけなんです。これが本当に自由放任であったならば、取引所員だってもっとどんどんふやせばいいでしょう。そうでしょう。ところが、それは行われていない。自由自由と言いながらおのずから自由を守るためにも規制がある。道路交通規制と一緒ですね。私はこの法案、この機構をそのように受け取っております。だからこそ、これを廃止論ではなくして存続論、育成論をとる方でございます。もし、それがなければ、これは私の趣旨も変えなければならぬということになってくる。これについてまず通産大臣はどうお考えになりますか。
○河本国務大臣 先ほど来のお話の御趣旨はよくわかりました。そういうようにいたします。
○加藤(清二)委員 しかし、その取引所や会員が自分の権利を行使する場合に、先ほど鈴木さんがなるべく自由にしていただきたいとおっしゃった、そのとおりです。といいながら国会とか政府の行政指導や忠言のみならず、今日もっともっと大きい圧力が取引所や会員に押し寄せているということを大臣は御存じでございましょうか。権利を正しく行使するには、規制はあるけれども自由でなければなりません。しかし、その行政指導の任とかあるいは立法の任でない部外の方から圧力が加えられている。その圧力は部内の者でなければわからない原因を取り立てて、会員やあるいは取引員に圧力を加えておる、こういう具体的事実があったとしたならばどうなさいますか。これは両大臣に聞きたい。特に農林大臣に聞きたい。
○安倍国務大臣 先ほどの御質問、私途中で参りましたのでつまびらかにいたしませんが、通産大臣と御相談をいたしまして善処をいたします。 それから、いまの御質問でございますが、私も自由主義経済の中にはおのずから秩序というものが必要であると思いますし、また規制等も行うことが自由経済を正しく運営することになる、こういうふうに考えておりますので、今度の改正案もそういう見地に基づいて出されたものであると了承いたしておるわけであります。
○加藤(清二)委員 通産大臣、いまのことについて、あったらどうするか、指導系統以外から圧力があったら、これに対してどうしますか。
○河本国務大臣 そういう事実に近いことがあるようでございますが……(加藤(清二)委員「ないとおっしゃるなら証拠を出します」と呼ぶ)それにつきましては、政府委員の方から先に答弁させます。
○天谷政府委員 御質問の内容がよくわからないところがあるのでございますけれども、お教えいただきたいと存じます。
○加藤(清二)委員 私はあえて抽象的に申し上げた。固有名詞や事実の詳細をここで論議する問題ではないからでございます。警察ざたになったりあるいはその筋が手入れをしなければならないような案件が行われているという事実を、通産大臣も農林大臣も御存じなければ、あなたたちは長生きをしますよ。
○塩川委員長代理 加藤先生、答弁が要りますか。
○加藤(清二)委員 いいえ、あったらどうしますかという答弁を要求しておるのです。
○河本国務大臣 具体的な事実をお話しになりませんので、どういうふうに答弁を申し上げていいのかわかりませんが、警察ざたになるような事実が仮にあったとすれば、それは大変遺憾なことだと思います。それはやめなければいかぬと思います。
○加藤(清二)委員 産構審の答申にも抽象的に書かれておりまして、すでにそれは調査済みのことと存じます。しかし、そこらあたりが先ほど横山委員が言いました、証券と商品と比べて商品の方が品は品でも品位が低いと何度も何度も言われた、そこらに原因があるわけなんです。上場商品の数をふやしたいとするならば、まずそれ自体に要求されるのは、その品位を、みずからの品位を上げなければならぬでしょう。三品市場とは何かと尋ねられますと、私はときどき答えることがある。左のほっぺたを張られ、右のほっぺたを張られ、それでなお足りぬで頭のてっぺんをピンはねされるから、それで三ピンである。これでは伸びようがないです。これでは品位の上げようがないんです。さればこそ、これはもう商品市場を語る者が必ず最初に言い出すことは何かといったら、品位が低い。私は非常に遺憾に存じます。そうあってはならないことだからです。私は、いまそこにお並びの御両所はともに品位の高い人だと思います。全部が全部、品位が低いなどとは毛頭思っておりません。しかし、中に一つ二つ、ほんの少数でもそういう事件が連続的に行われておりますと、ついつい商品取引所無用論というものが発生してくるわけなんです。それではいけないというので答申が出、答申を出す前に、五年前にわれわれが附帯決議までつけて法案を通し、答申となり法案改正となってきたわけです。 そこでお尋ねする。両大臣、答申はよう御存じですね、お尋ねします。答申にあったけれども、改正案にないものは何と何ですか。
○河本国務大臣 答申に盛り込まれておりました事項であって、今回の法改正において規定されなかった事項は五項目ばかりございますが、その第一は、商品取引所の合併規定であります。第二は、委託者債権の完全な分離保管及びクリアリングハウスの問題であります。第三は、取引所の理事長及び監事の主務大臣の承認制であります。第四は、商品取引所の中央機関の法制化でございます。第五は、会員資格の拡大と、以上五点だと思います。
○加藤(清二)委員 農林大臣、それでよろしいですか。
○安倍国務大臣 いま通産大臣から御答弁申し上げたとおりでございます。(「理事が一人もいないじゃないか、呼んでこい」と呼ぶ者あり)
○加藤(清二)委員 まだまだありますが、いま委員席から声あって、あちらの方ががらあきではないか、理事が一人もいなくて、これで法案審議ができるか。なぜかならば、いまも鈴木会長からもこの点は修正してもらいたいという意見が出ている。いま、あなたたち御両所の御答弁で、答申とは大分かけ離れて、答申に盛られているけれども法案に盛られていない、片手落ちであるという御答弁、さすれば、修正をするか附帯決議をつけなければならぬ。その場合にはおのずから委員長ないしは理事がその局に当たるというかっこうになるわけだ。その相手がいないじゃないか。委員長どうする。ふまじめだ、やる気がない、全然やる気がない。
○塩川委員長代理 加藤委員に申し上げます。 ただいま理事の出席要求を強く要請いたしておりますので、審議を続行していただきたいと存じます。
○加藤(清二)委員 私は審議を引き延ばすのが目的ではございません。まじめに審議をし、われわれ委員はすでに後ろ指をさされているのですから、それにこたえるようにまじめに審議をしたいと思えばこそのことで、決して引き延ばそうとか、きょうこれを流そうなどという、そんなよこしまな気持ちは毛頭ございません。 さて、この法案に盛られたことにつきましては、これはまた他の委員の皆さんにもお願いすることとして、私はまず第一番に、今度の法案は片手落ちになっているにもかかわらず、声あっていわく、今度は委託者保護ができます、今度の法案が通れば委託者が保護されます、こういうことが盛んに流布されている。委員諸公の中にも、だからこんなものは早うぽんぽーんと通しちゃったらいいというべったり組もいるわけだ。しかし、それをもし本当にわれわれが額面どおり受け取って、そうだそうだということにいたしますと、どういう結果になるか。何せ部外者は素人衆が多い。素人衆はきょうのことや、あるいはきょうのことが後から活字になった場合のうたい文句、宣伝文句を信用して、それほど安心なところならば、ギャンブルでなければ大丈夫だろうというので、素人衆の資金が次から次へと導入されてくるようになります。しかし、その結果は危険がいっぱいでありましたということに相なりまするならば、ギャンブルにちょうちんをつけることはやめて、せめて、この先は落石が多いですよとか、この先行ったら急カーブが多いですよというぐらいの指標は示すべきだと思います。この点について両大臣はどうお考えです。
○河本国務大臣 商品取引所の運営につきましては、あくまでも健全な運営が望まれるわけでございますから、行き過ぎがあるとか、そういう場合には、当然やはり何らかの注意が必要であろう、こう私は思います。
○安倍国務大臣 ただいま通産大臣も御答弁なさいましたように、私もやはり商品取引所法の目的を大前提とした商品取引が行われなければならぬと思うわけでございますし、そのためには、やはり不当ないざこざが起こってくるような、そうしたことは避ける、避けさせなければならない、そういうふうなたてまえでいろいろの措置を講じていかなければならぬ。私は、今回の法改正は、そういう意味における一つの前進ではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
○加藤(清二)委員 一歩前進ではあるけれども、答申に盛られている内容それ自体も五つも六つも骨抜きにされている。これだけでは安全ではない。その安全でないものを、今度は大丈夫です、今度はよくなりましたという宣伝は、これは間違いだと思います。ついては、両会長さんにこれについての御所見を承りたい。
○鈴木参考人 ただいまのお尋ねは、基金ができてそれで安心であるという面はもちろんあるわけでありますが、それにも増して倒産をしないようにするということが私は第一だと思うのでございます。それに対しましては、法案には別に盛られておりませんが、取引所関係といたしましては、厳重なる財政の監査、営業姿勢の適不適ということについて、十分なる監督をいたしてまいるというつもりでおります。
○清水参考人 全く鈴木参考人の申し上げたとおりでございます。
○加藤(清二)委員 さすが、先ほど私が申し上げましたように、最高権威の四人さんは品位も高く上品でいらっしゃる。こういう方ばかりが会員になっていらっしゃれば、もう事は間違いないと思う。これは当然のことです。なぜかならば、商品取引所法九十四条、不当な勧誘等の禁止で、誇大な宣伝や誇大な間違った誘導は禁止されているはずでございます。それは当然御存じのはずでございます。だから、私は法のたてまえから言っても、余り皆さんが大丈夫だ大丈夫だ、今度はよくなりましたというようなことを素人の皆様に宣伝なさることは、法律違反の疑いの出てくることと存じます。したがって、ここの発言が大事なんです。外務員の皆さんは受け売りして尾ひれをつけますからね。大臣が大丈夫だと言ったからこれ大丈夫ですよ、こういうことになる。両会長が大丈夫と言ったから大丈夫ですよ、こう尾ひれをつける。これはわれわれの発言がギャンブルにちょうちんをつける結果になる。気をつけなければならぬことだと存じます。 そこで承りたいのですが、その抜けたうちのいわゆる一般大衆資金、委託者、この完全分離保管が答申から抜けたという意味、抜けたという大義名分、なぜこれを抜いたか、これを承りたい。
○天谷政府委員 お答えいたします。 完全分離保管の目的は、委託者資産の流用制限、それから委託者債権の保全というところにあるかと存じます。しかしながら、商品取引員はその業務の性質上取引所に対する売買証拠金、それから受託業務保証金の預託、それから値洗い差金の支払い及び他の委託者の一時的損失の立てかえ等の受託業務を行うための支出が必要でございまして、そのため多額の資金を必要といたします。こういう状況下におきまして、委託者債権の完全分離保管を行いますことは、これらの資金について取引員の自己資産を用いなければならないことになりまして、取引員の資産の流動性を著しく低下させ、かえって取引員の財務を危うくすることが懸念されます。その上、これらの支出は委託者のためにする運用としての一面を持っておりますので、これらの運用まで禁止するということは必ずしも適当ではないというふうに考えられる次第でございます。したがいまして、今回の改正におきましては、委託者資産の管理方法を定めるほか、受託業務保証金につきましてその預託方法を改める等制度の拡充を図るとともに、商品取引員が委託者債権を弁済できないときには当該商品取引員にかわって委託者に対し弁済する指定弁済機関を設けることといたしまして、実質的に委託者資産の流用制限、それから委託者債権の保全を図ることとしたものでございます。
○加藤(清二)委員 あなたね、それは模範答案でしょうけれども、答弁がすれ違ってますわ。私は、答申に委託者の金と業者の金とを分離しなければならぬ、これはいままで何度も何度も唱えられてきておることなんです。しかも、そのように行政指導が行われておるはずなんです。にもかかわらず、今度の法案になぜ入れなかったかということを聞いておるのであって、倒産したらそこで預託者が困るだろうから、それはこういうふうに始末します、そんなこととは関係抜きだ。あなたの言っていることは、それはとどの詰まりの話なんです。
○天谷政府委員 失礼いたしました。 今度の改正案におきましても、委託者の金と、それから取引員の金との経理の区分につきまして規定をいたしております 〔塩川委員長代理退席、委員長着席〕
○加藤(清二)委員 これは両省にお尋ねいたします。 両省は、会員の会計について立入検査をして、明らかに分離されているということを確認していらっしゃいますか、いらっしゃいませんか。
○天谷政府委員 立入検査をして確認をいたしております。
○加藤(清二)委員 しからばお尋ねいたします。 これは農林省も同じですか。
○安倍国務大臣 立入検査をした限りにおいては確認をいたしております。
○加藤(清二)委員 それではもう一つ、その件についてお調べになりましたときの銀行残高、これをきちっとしていただきたい。資料として提出願いたい。 それから、私が固有名詞を申し上げましたら、それについても疑念のあった場合には立入検査をして、その分離状況を、経理状況をはっきり調査することは可能ですね。私はあえて名前は言いません、固有名詞は言いませんが、それは可能なんですね。もし、可能とするならば、私は期日を指定いたします。その日の銀行残高、分離してある預託者の金は何ぼであるか、会員の自己資金は何ぼであるか、これははっきりやれますね、お尋ねします。出していただきたい。出すか、出さぬかでいいです。
○森(整)政府委員 特定の会社を名指しされるということは、いささかちょっと問題があると思いますけれども、われわれのできる限りということは、結局帳簿の整理、検査ということに相ならざるを得ないかと思いますが、その限りでは可能でございます。通産省ともよく協議いたしまして、その点についてもし具体的に何か疑念のあるものがあればわれわれとしても検査をいたしたいと思います。
○加藤(清二)委員 そんな抽象的に逃れようといったってそれは無理ですよ。余りそのものずばりで言っては失礼に当たりますから、私はほかに例をとりましょう。 たとえばどの会社でも、どこの会社でも労働者がございます。その労働者が社内預金ということをいたしております。この社内預金は会社の利益金ではありません。したがって、これは当然分離預金されているはずでございます。分離預金をされれば銀行残はいつの日にでも取れるはずでございます。簡単に取れる。電話一本入れたらすぐに取れる。あなたたちがはっきり分離されているとおっしゃるから、そうお尋ねするわけなんです。諸帳簿や証憑書類をひねくり回す必要はないんだ。委託者のあるいは労働者の預金は一括どこの銀行にどう預けられているか、それだけわかればほかの帳簿を探る必要はないんです。できますね。
○天谷政府委員 この法律改正案が成立いたしました場合には、いま先生がおっしゃいましたように、完全に分離するということが可能になると存じます。
○加藤(清二)委員 あなたすれ違い答弁しちゃいかぬよ、時間を食っちゃうから。私の質問とはすれ違いのことを答えておっちゃいかぬ。 すでに分離されていると答えたでしょう。すでに今日の時点において分離されている、過去に立入検査したこともあるとおっしゃった。私はその前提に基づいて物を言っておるんであって、この法律が通ったらどうこうなんて、そんなことは質問していない。だから、分離されていると両大臣がお答えになり、過去において立入検査したということもあるとおっしゃるから、それじゃ立入検査したときの当日残をはっきり公表——いや公表とは言わぬ。企業機密に属するならば公表とは言わぬが、発表できますねと、それからなおそれができるというならば、今度は私が固有名詞を言うたら、それはできますねと、こう聞いておる。すれ違い答弁すると時間がかかる。 委員長、注意してください。こういう答弁をされた場合の時間は、これはロスですから、私の持ち時間をふやしていただきます。
○天谷政府委員 現在までのところは、帳簿上は分離されておりましたけれども、現実の預金は分離されていない場合もありましたので、いま先生の……(加藤(清二)委員「場合もじゃない、みんなだ」と呼ぶ)ですから、帳簿上の分離というところまで分離ができるというふうに訂正さしていただきます。
○加藤(清二)委員 農林省、同じ点……。
○森(整)政府委員 私が申したのも同様な意味でございます。
○加藤(清二)委員 これは現在までの法律でも、ねばならぬことになっておる。なぜこんなことを聞かなければならぬか。本当に委託者保護が過去において行われずに、泣き寝入りになった件や棒引きになってしまった件がたくさんあるからだ。したがって、将来のことを言わぬと、過去のことで結構だから、この法案が衆議院で終了するまでに、あなたの方の手持ちのものをまず出してください。手持ちのものが出たら、次は私が固有名詞を言いますから、至急立入検査してもらいたい。当然だ。それがあなたたちの行政指導の任務でしょう。やれるか、やれぬか、この一言でいい。——そのお答えがないと次へ進めませんよ。
○天谷政府委員 個別の会社の個々の数字について公表するということは困難かと存じますが、一般的な分離の状況につきまして御報告申し上げることはできると思います。
○加藤(清二)委員 答弁になっていない。 もう一度言う。両大臣は分離されておるとおっしゃったんでしょう。あなたたちがそういうふうに耳打ちしたから、大臣はそう答えた。じゃ、分離されているというものならそれが出ぬはずないじゃないか。企業機密でそれを公表することができぬというならば秘密会にしたって結構だと言っているんじゃないか。何が言えない。やってないからだろう。そういう立入検査を行われていないんでしょう。それだったら、これは同じことになりますよ、法がどんなに改正されようと。それで委託者保護ということが言えますか。もし、これが労働者であって労働者の社内預金が分離されていないなんということになったら、直ちにその会社の重役は取り調べを受けなければなりませんよ。どんぶり勘定になっているんでしょう。なっていないとおっしゃるならば、はっきりその証拠を出しなさいと言っているんだ。
○天谷政府委員 先ほど申し上げましたように、帳簿上は分離されており、それを検査してその状況を御報告申し上げることは可能でございます。
○加藤(清二)委員 私が要求しているのは、帳簿が二重帳簿とか三重帳簿とは言いません。帳簿のことを聞いているんじゃないんだ。銀行残高は帳簿の問題じゃないんだ。銀行がつくってくれるんです。何年の何月何日、それは見ればわかるじゃないか。そんなことがわからぬで、どうして各会社は株主総会やれますか。当日の銀行残高証明がわからぬようなことで、どうして会社の経理ができますか。わざわざむずかしい帳簿のことを言っているんじゃないんだ。はっきり答弁してもらいたい。そんなことで委託者保護なんということが言えますか。この問題の答弁ができぬ、これは予算委員会だったら一本とるところですけれども、そういうつもりはないんだから、議事促進のために質問を先へ進めますが、この答弁は後で委員長とっておいてください。 次に進みます。なぜ私がこういうことをお尋ねしなければならないかと申しますと、今度の委託者を守るという弁済機関、それは先ほど横山委員がお尋ねしましたように、発動するのがずうっとおくれていくんですよ。しかも、それは倒産とがなんとか会員が弁済不能の状態が出来したときに初めて弁済機関が行動をしかけるんですから、ずっとずっとおくれていくんですよ。いままでの預託者外部資金、これが泣き寝入りさせられたり棒引きさせられた場合は、そういうところだけにあるんじゃないんだ。会社が倒産せぬうちからやられるんだ。堂々と店を経営している、会員もりっぱに取引所へ出てみえる。にもかかわらず、預託者の証拠金までがいつの間にやらどこへやら消えていってしまう。したがって、私はこの弁済機関が発動する前といえども、預託者が不当な待遇を受けた場合にはすぐに発動して弁済ができるようにしなければならぬと思うから言うのであって、ちゃんと別途預金になっておればきちっとできるはずです。流用していたりどんぶり勘定にしているからできないんだ。こういう個々の案件、つまり支弁をしなければならない会員の会社が弁済不能に陥る前の案件はどう始末なさいますか。大臣、あなたも会社を経営してみえるからよくおわかりでしょう。
○河本国務大臣 いまのお話は一番大事な点だと思います。そこで、事務的にもう少し明確にいたしましてから私の意見を申し上げますが、この点はやはり明確にしておかなければいかぬと思います。
○安倍国務大臣 いま通産大臣からお答え申し上げましたように、私も非常に大事な要点だと思いますし、これは明確にしなければならない点だと思います。
○加藤(清二)委員 この会員の代表の会長さんの清水さんにお尋ねしますが、端的にお答え願えれば結構です、あなたがベテランでいらっしゃることはよう知っていますから。 こういうことでございます。いままでのトラブル、お客とのトラブル、部外者とのトラブル、預託者とのトラブルは会員が倒産してから多く出たのか、倒産しない前に起きておったのか、いずれが多いですか。
○清水参考人 それは数字の上では、倒産しますと残余のお客が全部紛議になりますから、一番多いと思います。
○加藤(清二)委員 通産省と農林省にお尋ねする。過去のトラブルの一覧表をそこで御提出願いたい。
○天谷政府委員 取引所の段階まで上がってまいりました紛議の件数は、昭和四十三年度が五十二件、四十四年度二十九件、四十五年度六十四件、四十六年度五十五件、四十七年度四十五件、四十八年度二十三件、四十九年度十四件、これは通産省所管の七取引所の申し出のあった紛議件数でございます。 次に、四十九年度中におきまして申し出のありました紛議件数は十四件でございまして、その内訳は過当勧誘が八件、それから一任売買が一件、無断売買三件、連絡等不備一件、その他一件というふうになっております。
○加藤(清二)委員 結構です。農林省。
○森(整)政府委員 農林省関係の十二取引所の紛議申し出の、同じ意味でございますが、四十六年で百三十二、四十七年百十七、四十八年七十四、四十九年五十六でございます。 紛議の内訳は、多いのから申し上げます。過当勧誘が三十、無断売買が十二、一任売買が六、連絡等不備が三、主なものはそういうことで全体が五十六でございます。
○加藤(清二)委員 その件についてお尋ねいたします。これは倒産したがゆえに起きた案件でございますか、それとも会員が倒産しない前に起きた案件でございますか。
○天谷政府委員 倒産とは関係なく起こった事件でございます。
○森(整)政府委員 同じでございます。
○加藤(清二)委員 お聞き及びのとおりでございます、大臣。弁済機関が、倒産してから預託者、導入資金の債権者を救済するといったって手おくれなんです。それ以前にこんなにたくさんある。これでもって一般外部導入資金の債権者を救うということができますか。さればこそ。私は、本当に外部導入資金が安心して入れるようにするにはこの点をはっきりしなければいかぬと思います。農林大臣よく聞いてください。先ほど通産大臣は聞いてみえましたが、特に当業者や会員の投資資金よりも外部資金の方がはるかに多いのですよ。あなたのところで一番多いのは百二十四倍も外部資金が入っていますよ。通産省でも多いのは三十数倍になっておる。当業者や会員のはわずか一しかないのに外部が百二十四もあった。ぶっ倒れてから救済しておって、それで事が足りますか。そういうことを称して昔の人はこう言った、どろぼうを見て縄をなう。もっていかんとなされますか、両大臣。
○河本国務大臣 そこで、先ほども申し上げましたように、今度の法改正でこの点が一番大事な点だと思います。一番大事な点を御指摘になっておると思いますので、今度の法改正でそれがどういうふうに具体的に改善されるかということを事務的に説明をさせます。
○安倍国務大臣 いま通産大臣の御答弁のとおりだと思います。今度の改正案におきましても、そうした不当勧誘等が起こらないようにというのが改正の趣旨であろう、こういうふうに考えておるわけであります。
○加藤(清二)委員 これは後で順番にあれしていきますからいいですが、不当勧誘から発生してきているのですよ。先ほど競馬や競輪の話がありましたが、あれは競馬や競輪は外部の人が自分みずから好んで行くのです。あれは外部資本の自由意思なんです。この場合は自由意思でひとりでにそこに参加していくというような例はほとんどない、ほとんどが外務員の勧誘なんです。ですから、不当勧誘によるところの不当導入なんです。いや加藤、おまえの言うことは違うとおっしゃるなら、それは後で具体的事例を幾つか挙げます。 さて、そういうことでございますから両大臣にお尋ねいたします。内部資本と外部資本の比率はどの程度が妥当であるとお考えでございましょうか。なぜこんなことを聞くか。かつて私が国会から調査団を編成して行きました折にある取引員がこう言ったのです。あんたら素人のくせに何を言いますか、私の店が何をしようと、部内のものはありませんよ、全部よそから勧誘したものばかりですよ。もっていかんとなす。それが法の許した取引所のあり方であり、それが法の許した取引所の会員の業務でございますか。 そこでお尋ねする。バランスはどの程度が妥当でございますか。
○河本国務大臣 いまのは取引所における当業者の投資、あるいはまた大衆の投資の割合という意味ではなくして、会員の自己資本の程度がどの程度が妥当か……(加藤(清二)委員「資本ではありません」と呼ぶ)その投資の割合のことでありますか、これは先ほど来いろいろ議論の中心になっておりましたけれども、幾らが妥当かということにつきましては諸説があるということを政府委員も答弁しておりましたが、大体半分ぐらいがよかろうとか、あるいは大衆玉の方がもう少し多い方がよかろうとか、いろいろ説の分かれておるところのようでございまして、私もその点は詳しくわかりませんが、これは確たる学説とか、あるいはまた確固たる説というものはないのではないか、私はこういうふうに思いますが、大体の大づかみで半々、または半々より多い方がいいのではないか、こういうことじゃないでしょうか。大衆玉の方が幾らか多い方がいいのではないか、こういうふうに常識的に了承しております。
○安倍国務大臣 いま大体当業者が三で外部が七だというふうに聞いておるわけでありますが、私もいま通産大臣のお述べになったような考えも持っておるわけでございまして、外部資金も必要でありますが、大体数倍というところだろうと思いますが、余りこれが多過ぎるということも商品取引の健全な運営を図る意味においては問題が出てくるのではないかと思うわけであります。
○加藤(清二)委員 両大臣の指導理念が不統一である、予算委員会だったらそう言ってここでまた休憩をとります。しかし、きょうはそういうことはいたしません。いま通産大臣は、フィフティー・フィフティー、半々か外部資金の方が少しばかり多い程度がいいじゃないかというお答え、それから農林省の方は三対七。そうすると、これはどっちが三でどっちが七ですか。外部の方が七と言いたいのでしょうね、そうでしょう。そうすると、これは二倍ということになりますね。意見が食い違っていますね、指導理念。まあそこをつこうとは思いませんが、農林大臣にお尋ねする。百二十四倍はいかがでございますか。
○安倍国務大臣 これは、いま先生のおっしゃったのは、小豆の生産量に対する出来高じゃないかと思います。ですから、いまの資本の問題とは直接関係がないのじゃないかというふうに判断いたします。
○加藤(清二)委員 あえて私が聞いているのは、出来高というのは、バイカイをするからできるのですよ。そうでしょう。あなたもそんなことはもう先刻百も御承知のことなんです。出来高が現物の百二十数倍もあるという状況は、よいとお考えですかと聞いておるのです。
○森(整)政府委員 先ほど私申し上げましたように、小豆と手亡が確かに北海道に限定されておりますから、そういう意味から言いますと多少多くなると思いますけれども、多過ぎるかどうかということにつきましては場合によりけりでございまして、やはり過当投機にそれがなっているかどうかということが、私ども重要な問題のポイントではないかと思います。他の例から比べれば、確かに多いと思います。
○加藤(清二)委員 あなたがそうおっしゃれば、確かに多いとおっしゃれば、それで結構です。 それではお尋ねします。 もう一度もとのレールへ戻りますよ。外部資本と内部資本という言葉で区分けします、証券の場合ですとまた導入資金とかどうとかいって名前が変わってきますから。とにかく内部と外部。つまり内部とは会員組織だから当然会員並びに取引員が内部、それから外部とは、一般大衆であるのか会社であるのかそれはわかりませんが、外部から導入されたもの、そういう資金の比率はどのくらいがよいと指導をしてみえますか、指導理念。
○天谷政府委員 現状は大体七、三でございますけれども、この七、三をもう少し外部資金が少なくなるような方向で指導をしていきたいと存じております。ただし、それでは正確に数字でと言われますと、そういう正確な数字を申し上げることは困難でございますが、ともかく余りにも外部資金が多うございますと種々の弊害が生ずるかと存じますので、少なくなるような方向で指導していきたいと考えております。
○加藤(清二)委員 外部資金を少なくするという方法もあれば内部資金をふやしてバランスを直すという手もありますね。ですから、私はそのバランスを是正すべきであるという言葉を使います。決して外部の資本を削らなければならぬというところへ直ちに飛躍はいたしません。それは当然のことでございます、内部資金を拡充することがやがて倒産を防ぐことにもなり、トラブルの場合、それを早期に解消するということにもなるわけですから。 そこで、このアンバランスを両大臣は今後に向かってどうしようとなさいますか、簡潔な言葉でお答え願いたい。
○河本国務大臣 いま政府委員がその方向について答弁をいたしましたが、大体そのとおりでございます。
○安倍国務大臣 通産大臣が御答弁申し上げたとおりでございます。
○加藤(清二)委員 それではもう一つ、答申にあって法案に盛られていないものに清算機構の問題、クリアリングハウスの問題がございますね。これが法案から削除されたゆえんは何でございますか。
○天谷政府委員 クリアリングハウスにつきましては、米国等でこれが取引所と独立の機関として用いられているわけでございますが、先生御承知のように日本と米国の間で取引のやり方等が異なっておりますので、そのまま日本に引き移すということは問題もあろうかと存じ、なお今後とも欧米のクリアリングハウスの実態等を十分勉強した上で検討を進めていきたいと存じております。
○加藤(清二)委員 すでに米国ではこのクリアリングハウス制度が行われてずいぶんと日はたっているわけです。なお、これには御案内のとおり大銀行が入っておりますから、一般外部資金と申しましょうか、参加している大衆は日本よりより安全である。より安全であればこそ、証券よりも商品の方がアメリカ国民にはなじまれている、こういうことでございますね。したがって、取引所がこよなく愛され、会員がますます外部のお客さんに信用を博するには必要な制度だと思う。それなればこそ答申にあったわけです。 これについて、アメリカへ御出張になり御勉強になりました鈴木会長さん、クリアリングハウスについて、この制度を日本に導入すべきや否や、御見解を承りたい。
○鈴木参考人 ただいま御指摘がございましたが、私は実はまだアメリカを見ておらないのでございますが、いろいろ話は聞いておるわけでございます。クリアリングハウスと一口に申しますけれども、この内容が各個人によってあるいは考え方によって皆非常に違うのでございまして、いま直ちにこれを日本でやるということにつきましてはなかなか意見がまとまらないということで今回は見送りになったと思います。これをやりますのには、農林か通産の専門官がアメリカに一年ぐらい行かれてじっくり研究された上で立案すべきものだと私は思っております。
○加藤(清二)委員 もう一つ鈴木会長にお願いします。 証拠金臨増しという言葉がございますね。簡単に国語的解釈をお願いします。
○鈴木参考人 これは政府委員が御答弁になることだと私は思いますが、証拠金を一般の委託者、いわゆるお客が払って売買をいたすわけでありますが、そのほかに相場の上げ下げによりましてさらに証拠金の追加をお願いする場合があるわけでございます。これを臨増しと申しております。
○加藤(清二)委員 政府側にお尋ねします。 証拠金とはだれがだれに払う金ですか。
○天谷政府委員 委託者が取引員に預けておく金であると存じております。
○加藤(清二)委員 会員や取引員は証拠金は払わなくてもよろしいですか。
○天谷政府委員 売買証拠金につきましては、取引員や会員が取引所に積み立てると存じております。
○加藤(清二)委員 清水さんにお尋ねいたします。 大口のお客さん、この方は証拠金をお払いになったことがありますか。
○清水参考人 手前の店のあれでは、全部証拠金はいただきます。委託証拠金に限り全部ちょうだいします。ただし、商社等を扱っている商品取引員の中では、あるいは何か文書等によって証拠金を免除しているとか割り引いているというようなことを仄聞しております。
○加藤(清二)委員 あなたのお店のことをここで聞こうとは思っておりません、会長さんとしてお尋ねしておるわけです。あなたの店の企業機密をここで承ろうなどとはつゆさら思いません。会長さんのお店さんは、それは正しくやっていらっしゃるに決まっていますから、これを聞いているんじゃございません。 もう一度お尋ねいたします。大口に玉をバイカイする人が証拠金を払ったためしがありますか。もし、払わなかった場合、だれが立てかえていますか。立てかえた場合の金利はどうなっておりますか。
○清水参考人 大口委託者と言っても、一様に仕手関係と言われるような委託者は全部証拠金を払っております。それから、商社等については、取引員と非常に縁故のある関係上、その信用によって証文または割引というような方法でやっておる。そういう場合、必ずその商品取引員がかわってこれを立てかえておる、こういう実情でございます。
○加藤(清二)委員 私の調査によっても、社会党の政審の調査によっても、いま会長様のおっしゃられたとおりでございます。 そこで、政府側にお尋ねする。なぜ私がこんなことを聞かなければならないのか。玉が立て込んで相場が過熱した場合のブレーキとして、証拠金を上げたり臨増しをしたりということが行われておる。言うなれば過熱のブレーキに——過熱って、あなたの会社のことじゃありませんよ。過熱した場合のブレーキに臨増しなどは使われているわけでございます。しかし、これをまともに納めるのは一般外部の人だけでございます。内部の人は、いまお話しのとおり別途信用補完が行われるというたてまえで、ほとんど払っておられません。そうなりますと、私があえて大口と言いましたのは、一般大衆投資が小口であるから、そうしてその信用補完という意味で払わぬでも済ましているところは非常に大きいから、それで私はあえて大口と言った。 さて、こういう状況がいま行われておりますと、過熱からくるところの痛手、傷はだれが負うか。最後にはその証拠金すら返していただけないということが行われている。これは明らかに商取法違反でもある。 両大臣に承りたい。この場合どうなさいます。それが大衆資金を守る一つの柱であるからです。
○河本国務大臣 これまでもたびたび戒告等を行ったようでございますが、重大な違反でございますから、今後そういうことのないように厳重に指導するようにいたします。
○安倍国務大臣 通産大臣が答弁したとおりでございます。
○加藤(清二)委員 厳重に今後指導する、違反する者については厳罰に処する。今度は四年ごとにチェックされることになりましたね。そのチェックのときの勤務評定のファクターにする、こういうことですね。
○河本国務大臣 当然一つの大きな条件になると思います。
○加藤(清二)委員 それでは、次にお尋ねいたします。 あくまで私は大衆投資者の保護というたてまえで物をお尋ねいたしております。先ほど両省からトラブルの内訳が御発表になりました。過当勧誘、一任、無断売買、これはみんな商取法の違反行為でございますね。これは一体だれが主としてやったかと言えば、大抵は、会員の社長さんや専務さんはそんなことはおやりにならない、外務員がこれをやる。そこで、本件に関してこういうことがあえて行われている。もっとひどいのはコロガシもやれば、のみ行為もやっておる。のみ行為をやるものだから建て玉がどんどんふえてくる。だから、百何十倍ということになってくるのです。 さて、それでお尋ねいたしますが、不当勧誘、いわゆる一任一任と言われる。一任と言えば、白紙委任のことだ、素人衆が外務員に、玄人に全部任せてしまうことだ。次は無断売買、もうそうなってくると通知も何にもせぬで、お客さんそっちのけで、自分一人でのみ行為をやったりいろいろするようになる。無断バイカイ、これがこんなに数多く先ほど発表になりました。これについてどうなさいます。
○天谷政府委員 こういう問題が起こる根本は、外務員の資質の問題、それから外務員の責任の問題等々があろうかと存じます。まず、外務員の責任の問題につきましては、これまで外務員の責任と取引員の責任との間が不明確でございましたので、今回はみなし代理権ということを法定いたしまして、責任の所在を明確にしていきたい、こういうふうに存じます。また、素人でリスクの中身をよく知らない人たちを外務員が勧誘することを防止する方法といたしまして、書面をもって商品取引の内容を顧客に周知せしめるように今度は法律で改正をいたしております。
○加藤(清二)委員 会員のあるいは取引員の社長さんや専務さんはそのような法律違反を犯してまでもケインズの回転率を追求なさるような人はないと思いますけれども、現にこれがたくさん行われて、トラブルの主体はほとんどこれでございます。 そこで、お尋ねいたします。これをどうやったら解消できるだろうか。ただ一片の書面をもってそれで事足れりでは、またぞろ愚を繰り返すだけでございます。私はこれについて策なきにしもあらずでございます。しかし、もう与えられた時間が迫ってまいりましたので、それは後日、十七日、そちらに譲りまして、前の宿題についてお尋ねをいたします。 シート料という言葉があるそうでございますが、両大臣、御存じですか。御存じなら御存じでいい、御存じなければないでいい。
○河本国務大臣 営業権の売買、こういうふうに心得ております。
○安倍国務大臣 いま通産大臣の御答弁したとおりだと思います。
○加藤(清二)委員 営業権というものは、あくまで営業を行う資格と能力のある場合でございますですね。すでにその資格や能力を喪失して倒産した場合、なおシート料だけが残るという事態があったならば、これは合法ですか。
○天谷政府委員 先生御承知のとおり、シートの売買は私のベースのことであるというふうに考えております。私のベースで、相対でそののれん、無体財産に価値があるかどうかということは買う人の判断であるというふうに存じております。シートの売買が行われたからといいまして、役所の許可がそれに左右されるものではございません。
○加藤(清二)委員 審議官、あなたは前の審議官からこの件について事務引き継ぎを行われましたか。これは宿題ですよ。
○天谷政府委員 引き継いでおります。
○加藤(清二)委員 それでは御存じだから、ぼくの質問に答えてくださいよ。あなたしょっちゅうすれ違いの答弁をなさるようだが、余り頭がよ過ぎるものだからいかぬのだ。単純に答えてくださいよ。そんな根を幾つかつげたりルートを幾つかつけずに、せいぜい二元方程式程度の答えで結構ですから、もう一度お尋ねします。 私が尋ねているのは、シート料とは権利の売買であるという解説です。そのとおりでしょう。しかし、その権利を喪失し、能力を失ったものにそのシート料という価値が存在しますかと聞いているのです。
○天谷政府委員 倒産等によりまして営業の実態がない場合に、それが売買されるということは常識上あり得ないことであると存じます。
○加藤(清二)委員 常識上あり得ないことがあったらどうしますか
○天谷政府委員 役所としては許可はいたしません。それから、買う方がどういうつもりでそういう売買をするのか理解することが困難でございます。
○加藤(清二)委員 私は、ここだけは念を押しておきます。冒頭に言いました、きょうの新聞記事の三つの範疇のいずれに属しますかと言った。なぜそんなことを念を押すかというと、後でこれがエスカレートしますよと言った。私は、この問題でエスカレートして、ずいぶん迷惑をこうむりました。国会議員の院内における発言というものがこれほど追跡されて、女房子供までが電話魔に遭って神経衰弱の一歩手前にならなければならぬというようなことは生まれて初めて体験したのです。だから、とのことには触れたくないと思っておりましたが、今度の法改正でこれが出てきておる、つまり弁済能力のなくなった会員の場合の預託金は、その機関が発動してこれを援助するということになっております。これはもう禁治産者でございますね、あるいは倒産者だ、わかっておる。この権利が売買される価値がありますか。
○天谷政府委員 財産的基礎を喪失した会社は、主務官庁としては許可を更新するわけにも許可を新規に与えるわけにもまいりません。したがいまして、そういう会社のシートを買うということば常識では理解できない行為であると存じます。
○加藤(清二)委員 漏れ承るところによりますと、倒産した場合にそれを売買の対象にする、それで、後続の希望者にその権利金を出させる、それを大蔵省が認めたとか認めぬとかいうことです。しかし、それは越権行為もはなはだしいことであると私は思うからお尋ねしておる。もし万一、この権利金が、巷間伝えられておるように四億とか五億とか十億とかということになりますと、その権利を権利金で買った人は必ずこの元金の償却を図りましょう。償却を図るところに無理が出てくる。それならば、もはやこの問題を許可制にする必要はない、法で守る必要はないと思います。取引員の数も制限する必要はないと思います。あくまでそこを自由主義経済で行く、そういう頭であれば、もはや何をか言わんや。当初許可された人は全部ただでもらっている。新入りの人だけは権利金を払わなければならぬ。三木総理は、不平等是正が私の一つの根幹だと言っておる。政府が無償交付する権利である、過去において全部無償交付している、いま民主化のために外部資金もたくさん入っているから会員もふやさなければならぬ、審議会のメンバーもふやそうじゃないか、取引所の機構ももっと幅を広げて民主化しようじゃないかというやさきに、なぜ権利金を五億も十億も積んだ人たちだけがその権利を取得するような方法が生きて残るのですか。百歩譲って、もししかりとするならば、じゃ既往にさかのぼって、いままで権利をただでもらった人も出しますか、それを取りますか。政府がそれをもし取ったとするならば——時間がないから簡潔にやります。もし取ったとするならば、その金はだれがいかように使うのが妥当でございましょう。両大臣に承りたい。
○河本国務大臣 先ほど政府委員から破産した会社あるいは倒産した会社、そういう会社の売買は常識上あり得ない、またそんなものを買っても許可しない、こういうことを申し上げたわけでございますが、それで十分じゃないでしょうか。
○安倍国務大臣 無価値になった倒産した会社でございますし、許可を取り消すということでありますから、売買の対象には常識的になり得ない、こういうふうに思います。
○加藤(清二)委員 常識的にあり得ないことがあるものだから、あえてこういうことを申し上げなければならぬ。いわんや倒産の原因が何であるかは立法府で検討は必要だが、語る必要はないと思います。しかし、先ほど申し上げました、両大臣からお答えいただきました、商取法に禁止している一任、無断、コロガシ、のみ行為等々をして、その集積の結果もし倒れたとするならば、これは明らかに違反者なんです。そこで権利は喪失するはずなんです。それが生きて、幽霊のように動くでは天下の法が承知しません。今日の商取、今日の取引所員はみんな近代的なりっぱな人ばかりです。昔、江戸時代の札差しとは違うのです。ここをよく御検討の上行政指導のよろしきを得ていただきたい。 私の質問について御答弁できなかった分がございますが、それは次の十七日ですか、そのときにいたします。 以上で終わります。
○山村委員長 参考人各位には貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。 御退席いただいて結構でございます。 —————————————
○山村委員長 松尾信人君。
○松尾委員 最初に私がお伺いいたしまするのは、上場商品の廃止または新しい商品を上場する、このような判断はいろいろ生産関係または流通関係または国際環境の変化、いろいろの要素がございましょうが、このような、要するに上場するという商品の適格性の問題でございます。この基準というものは大体どういう点に置かれておるか、そしてその適格性というものをだれが最終的に判断するか、このような問題について、大臣いかがにお考えですか。大臣、余り専門的になっておわかりにならぬときはどんどん政府委員にやらせていいですから。
○天谷政府委員 商品取引所に上場する品物につきましては、一番のポイントは上場することが当業者にとって必要と考えられているかどうか、要するに実際の仕事にとりましてその仕事を行う上の危険を分散するために取引所という制度が必要と考えられているかどうかということが基本であろうかと存じます。 ところで、経済の実態は時々刻々変化していきますので、昔取引所が必要であった商品につきましても、現在ではもはやその実体が少なくなってしまっている、あるいは消滅してしまっておるというようなこともございます。たとえば人絹につきましては福井に取引所がございますけれども、現在では開店休業のような状態になっているわけでございます。あるいは今後上場を希望しておる、一部に希望がある商品といたしましては、通産省関係におきましては銅あるいはウールトップ等がございます。こういう品物につきましては、一部の当業者には相当の必要性が感じられているようでございますけれども、それではこれを現実に上場するかどうかということにつきましては、それがたとえば銅におきましては建て値制のような取引形態と果たしてマッチするかどうか。建て値制を維持すべきか、それともこの取引所の価格を優先させるような形態にすべきか等、いろいろ検討して上場するか否かということを決めていきたいというふうに考えております。
○松尾委員 仮に羊毛を外していこうというような考えがあるとすれば、それはどういうことでそのような判断をするのか。また、いまお答えがありませんでしたけれども、結局そのような商品を上場から外したいとかまたは上場したいという、その決定はだれがするのか、明確におっしゃってもらいたい。というのは、私は政府の判断にゆだねるのではなくて、業界等の意見というものが十分そこには反映されなくちゃいかぬじゃないか、こういうことを前提にして聞いておるわけでありますが、どうもいまの答えではここの答えがありません。例を挙げて、こういうものはこういう関係で——仮に羊毛は外したい、そしてこういうものはこういう関係で上場の品目に追加したい、そしてそれを決定する場合には、どのようなことにどのような順番を踏んで最終的な判断をするのだ、こういうことをいま聞いておるわけであります。もう一回……。
○天谷政府委員 いま毛糸のお話がございましたので、毛糸に即しまして御説明を申し上げたいと存じます。 毛糸につきましては、現在当業者が相当程度取引所を利用いたしておりますが、他面、当業者の中で、取引所があるために価格が非常に乱高下して困る、そのために取引の安定性が阻害されるから毛糸の上場を廃止してほしいというような希望もあるわけでございます。この辺は業界の一致した意見がまだでき上がっておるわけでもございませんので、なお取引の実態、業界の意向等をよくしんしゃくをしていきたいというふうに存じております。 これまでは上場の廃止あるいは新規の上場等は法律によることになっておったわけでございますが、これを法律でやるとなりますと、非常に機動性を欠くことになりますので、今度の改正では、それを政令で行うことができるようにというふうにお願いをしておるわけでございます。政令でどう決めるかということは、まず取引の実態、当業界の意向等をよく尊重した上で考えてまいりたいと存じます。
○松尾委員 結局、政令にゆだねられるわけでありますから、そこにはやはりいろいろ関係方面の意見というものが十分尊重されなくちゃいけない、政府の恣意的な行為ではいけないじゃないか、こういうことがありますので、いまお答えのとおりに、よく関係の業界の意見を聞いて、そして産構審の答申の内容等もありますが、そういうものをまたある一つの基準にしながら、これは公平に、そして的確にやられませんと、いろいろ思わざる問題が起こってくるであろう、こういうことを念のためにいま申し上げておるわけであります。慎重にこれはやるべきである。そして、いまお答えのとおりに、厳格にこれは守っていくべきである。これはあなたのお答えがありましたので、これで問題をとどめておきます。 次の問題は、いつも法律改正に当たりまして、いろいろ過去からさまざまな論議があるわけでございます。その問題点は、やはり委託者保護の問題、これが第一点ですね。それから第二点といたしましては、市場管理の問題が大きく取り上げられるだろうと思うのであります。 この市場管理の問題でございますけれども、現在商品取引所が流通機構の中、市場管理の中でどのような力を発揮しておるか、一つの取引所の存在意義、こういう問題にも触れてくるわけでありますが、商品取引所が市場管理機構としてどのくらい力を発揮しておるか、これをあなたはどのように考えますか。
○天谷政府委員 ある商品の需給が正確に反映されまして公正な価格が決定されるということが、市場機構を前提とする経済におきましては、最も望ましいところであるというふうに存じます。商品取引所を開設いたしますと、それが正当に機能いたしますならば、まず場所的には非常に広い範囲の需要と供給が商品取引所に集まるということによりまして、市場の完全性が増進されるというメリットがあるだろうというふうに考えられます。 第二番目に、今度は時間的に将来の需要までが現時点において把握できるという意味におきまして、空間的のみならず時間的な需要すなわち先物需要等につきまして市場価格が形成されますので、これが企業にとって非常に有効な情報を提供するということになるだろうと思います。 第三番目に、当業者として価格変動のリスクをカバーするためにヘッジングができることが取引の安定上きわめて望ましいわけでございますけれども、商品取引所を開設することによりまして、当業者の買い需要あるいは売り需要に対当するところの需要あるいは供給が形成されますので、ヘッジング機能がそこで円滑に営まれるということになります。 こういうふうに取引所がうまく機能いたしますならば、現在の経済の運営上あるいは市場の管理運営上望ましいところがあるのではなかろうかというふうに考える次第でございます。
○松尾委員 多くの前提があなたのお答えの中にはありますね。たとえば商品取引がうまく運営されていったらいいんだ。ですから、私が聞いておりまするのは現状を聞いておるのでありまして、流通機構の中の市場管理、そういう中で上場商品がありまして、そこで商品取引が行われておる。その売り買いがある。そして、現在そういう実態の中からこの商品取引所というものがどのくらい市場管理の力を発揮しておるか、これはわかりませんか。 私がもう一つ——農林省の方は何か答えたいというようなかっこうでありますけれども、要するに先ほどお答えがありましたとおりに、商社、流通業界または加工業者等のヘッジ取引というものが三割である。そうすると大衆参加の取引が七割だ、または自己玉等入れますけれども、そういう取引高の実態から、果たして公正な価格の形成とかなんとか、これは商品取引所の存在の意義に触れてくるわけでありますけれども、そのような点がたくさん、需給の調節だとかいろいろいわれておりますけれども、このヘッジ取引というものが三割弱だ、あとは投機取引であるというような観点を述べておられたわけであります。そういうことであると、本当の市場管理、その中の商品取引所の働きというものは案外あなたが期待しておるようなものじゃないんじゃないか、実質的にはうんと下回っておるんじゃないか、どのくらいそれが貢献しておるのだろうか、こういうことを私は聞いておるのですよ。わかりますか。
○天谷政府委員 御質問の趣旨はよくわかるのでございますけれども、取引所が完全無欠に機能した場合にはどういう価格が形成され、現在のように不満足な状態の場合はそのあるべき姿からどの程度乖離しているであろうかということを具体的に申し上げるということはなかなかむずかしかろうかと存ずる次第でございます。われわれとしましては、取引の実態を知らない、知識の不足なきわめて一般の素人の人が、何かぬれ手にアワでもうかるのではなかろうかというような考えを持ちまして安易に入ってくるというようなことは、公正な価格の形成にかえって邪魔になるというふうに存じます。当業者のほか取引の実態に精通しておる種々の情報を持っておる人たちが、自己のリスクにおきまして投機的取引をするということにつきましては、これは排撃すべきことではなくて、それによりましてかえってヘッジングが可能になるというふうに考えておるわけでございます。現在はやはり何も知らない、不当勧誘か何かされまして踊っておる大衆が多過ぎると思いますので、この点につきましては今後とも反省をいたしまして指導をしていきたいというふうに存ずる次第でございます。
○松尾委員 では、農林省の方に聞きますけれども、商品取引所自体が市場管理の点で不十分である、それはいろいろ投機行為が多いからであるというような政府委員のお答えでありました。この点が十分発揮できていないという点を農林省物資についてひとつお述べ願いたい。
○森(整)政府委員 先ほど小豆の問題、手亡の問題等が出ましたけれども、取引所が中心になって取引の管理を行っているわけでございます。そこで、たとえば東穀の場合を申し上げますと、最近は非常に市場の管理が厳しくなっておりまして、急激に価格が動いたり、売買の取引数量が非常にふえます場合に、証拠金を取るとか、建て玉を制限するとか、先ほどいろいろ問題の御指摘がございましたけれども、そういうものに連動できるように、何枚になったら金額を自動的に幾ら上げるというような管理基準をつくっております。そういうことで非常に厳しくやっておるということと、それから今後は会員の自己玉につきまして一定数量を超える場合に報告をとるとか、非常に過熱したと思われる場合にわれわれがといいますか、主務大臣の方で取引の制限だとか枚数を報告させるというようなことで、相当管理が徹底していくのではないか。と申しますのは、先ほど申しましたように、東穀のように、すでにほかの各取引所も、過熱しないように自動的に連動して取引を締めていくというようなことができるように、あらかじめルールをつくっておいてそういうので対応したらどうかということで、これは私どもだけではございませんが、通産とよく相談いたしまして、そういうことをすでに通達を行ったわけでございます。法律改正を待たずしてわれわれもそういう努力をいたしておるということでございます。
○松尾委員 商品取引所に市場管理の力を与える。現在はどうもいろいろ問題があるようだ。通産省の方はどのようにしてこの商品取引所自体に市場管理の力を与えて、そして十分な力を発揮させていこうと考えておりますか。
○天谷政府委員 いま森局長が御説明しましたように、通産省の方といたしましても、取引所の上場商品の価格が乱高下するような場合には、できるだけ自動的に市場管理策が発動されるような方向に発動基準等を整備するように取引所に要請をいたしておるところでございます。 それからまた、取引所においてちょうど独禁法で言うところの独占的な地位に立つような取引員であるとかあるいは委託者が出てまいりますと、これは価格の公正な形成を妨害することになりますから、一人の委託者なり取引員なりに余りに過大な建て玉が行われるというような場合には、事前に情報をとりましてこれに対する市場管理策が講ぜられるように、今回の法改正の中には新しい規定も入っておるわけでございます。 以上のような方法を通じまして、今後とも適正な市場管理が行われるように指導していきたいと存じております。
○松尾委員 相場の停止、立ち合い停止、そのようなところまでいま触れたような感じがいたすわけでありますけれども、これは時間の関係で、過去の立ち合い停止の事例なんかはこちらでわかっておりますから聞きますまい。 それで、通産関係、農林関係にも立ち会い停止の事例があるわけでありますが、そのような事例につきまして具体的な措置というものはどのようにとられるのか。だれがそれをどうしていくのか。そして政府、すなわち農林、通産省というものは、そのようなときにどのような具体的な手を打っていくのか、この点はいかがですか。
○天谷政府委員 通産省関係におきまして立ち会い停止の最近の事例は、東京、名古屋、大阪の毛糸取引所におきまして昭和四十八年三月九日より同三月末日まで立ち合い停止を行っております。この措置は、毛糸相場が豪州羊毛の値上がり、実需の増大、過剰資金の市場流入等のために異常な値上がりを来したため、通産省の指示のもとに取引所が立ち会い停止を行ったものでございます。この措置によりまして、相場は反落いたしまして、異常な高騰がおさまって所期の目的を達したというふうに考えております。
○松尾委員 そのような過去の例がそれぞれ所管所管であるわけでありますけれども、このような問題につきまして、結果的には事後処理、そのような形になっておるわけであります。ところが、それぞれの取引所におきましては業務規程というものがあります。そして、その規程によりますると、事前に、事後処理じゃなくて、立ち会い停止をするとかなんとかという事前に、いろいろな手を打つことができるというようになっておるわけでありますが、このような事前の防止規程、そういうものがあるにもかかわらず、取引所の市場管理の機能が事前に働き得ない、それはどういうところにあるわけですか。
○森(整)政府委員 私ども所管しております事例で先生御承知のように、例の輸入大豆の問題でございますとか生糸の問題でございますとか、やはり国際的に非常に相場が動いたということ、それから砂糖にいたしましても、例の砂糖がロンドンで六倍にも上がった、そういう事態を反映して国内の取引が非常に荒れたわけでございます。そういう場合に、いままで自主的に、あるいは行政指導をした場合もございますし、あるいは業務規程によりましてそういう一応立ち会いの停止なり何なりを行っているわけでございますが、先ほど私が申しましたように、そこまで至らない過程で何か連動的に、取引状態がおかしくなった場合に、取引所自身がいろいろ制限を課していけるということを各取引所でルール化したらどうだろうかということを最近考えておりまして、先ほど御答弁申しましたように、全取引所につきましてそういう基準を早くつくるように指導をしておるということでございます。
○松尾委員 そうしますと、具体的には発動基準の設定、このようになるわけですか。発動基準の設定、事前にとれるという規定が業務規程の中にあるわけであります。それが実際には働いていないで、立ち会いの停止が行われておる。それをどうするかという問題になりますると、やはりこの発動基準というものがきちっと設定されておって、そしてそれが自動的に発動するというようになっていきませんと、事前と事後の問題がいつもこんがらがってくるんじゃありませんか。
○森(整)政府委員 相場が非常に過当投機になってやむなく立ち合い停止をするということでございますから、そうならないように事前に建て玉制限なりいろいろ行いながら、そこの事態に立ち入らないように、立ち合いまで停止しないように自然に解け合いが成立していくということをルール化したいということで、その検討を取引所にお願いをしておるということでございます。
○松尾委員 取引所にお願いしておるというわけでありまするが、結局これは業界の機能強化、そしてそのような発動基準が自主的に運営されることが望ましいと思うのでありますけれども、いかがですか。
○天谷政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
○松尾委員 そうなりますると、具体的な発動基準の設定、できるだけ業界が決めて、そして業界が発動していく。それから、そこにはいろいろ市場管理委員会の充実強化、全商連等の自主的な中央機関としての機能の充実、そういう問題が解決されませんと、現状では取引所自体もまた現在の業務規程でもできることが結局できないでおるんだ。発動が、基準とかなんとかが不明確である。政府の指導を受けて相談してやっている。こんなかっこうでありますが、今回法律改正の中で、そのような過当投機だとか価格操作のおそれのある場合に事前に政府が介入できる、このような規定がありますか、ないですか。
○天谷政府委員 そういう規定がございます。
○松尾委員 そうしますと、あなたのおっしゃった取引所自体、できるだけそこで自主的にやってもらおう、いま発動基準等をいろいろ勉強してもらっているということと、いまあなたがそのような考えを今度は盛り込んでおります、こういう答えでは、どこか食い違っておかしいんじゃないですか。おかしくなければ、その理由をおっしゃってください。
○天谷政府委員 できるだけ取引所の自治によりまして、取引所が定款、業務規程、発動基準等を整備いたしまして、社会的に非難されるような価格の乱高下等が防止されるような措置を講ずることが最も望ましいわけでございます。しかし、万一そういう取引所の機能がうまく働きません場合には、やはりラストリゾートといいますか、最後の救済措置といたしまして、政府が出ていきまして過当投機に対して適当な管理策を講ずるということが必要かと考えまして、そういう規定が入っておるわけですが、これを乱用するというようなことは戒めたいと存じておるわけでございます。
○松尾委員 乱用するということは、現実にもできないわけです。その過当投機、価格操作のおそれがある、そのおそれがあるという場合の判断の問題になるわけであります。ですから、これは業界自体でこの発動基準等が明確になって、そしてそこできちきちいけるようになればあなたの方の改正のこの規定というものは屋上屋になりまして、念には念を入れたわけでありましょう。ですから、相なるべくはこのような規定が発動しないで、そして業界の自主的なその事前措置というものが基準が明確になって自主的に運営されていくというのとどちらがいいのですか。もう一回これは念のために聞いておきます。乱用なんかもってのほかですよ。
○天谷政府委員 そういうような規定はいわば軍隊と同じでございまして、使わないということが最も望ましいことであると存じます。
○松尾委員 じゃ、時間も余りありませんので次にまいりますが、これはやはり大衆参加者の保護の問題であります。紛議の問題に入りますけれども、紛議の発生件数はだんだん減ってきておりますね。これはあえてそういうことはもう内容的には申し上げませんけれども、しかしあなたたちのこの紛議の件数、これはあくまでも申し出のあったものに対する件数であります。農林省もそうです。通産省の方もそうです。ところが、当事者間で適当によしなに処理されているものが相当あるのです。報告の上で紛議件数は減ったというものの、実際的にはなかなかそうではあるまい、こう思うのでありますけれども、その認識はいかがですか。
○天谷政府委員 御指摘のとおりでございまして、われわれが承知いたしておりますのは取引所の調停委員会にかかった紛議の件数だけでございまして、取引員レベルにおきます紛議につきましては詳細に承知はいたしていないわけでございます。当事者間で穏便に話がついたものもございましょうが、場合によっては委託者が知識等不十分なため客観的に見ると不満なおさまり方というようなこともあり得るのではなかろうかというふうに存じますので、今後とも外務員の資質の向上あるいは外務員のしつけ等々をよくいたしまして、こういう問題を防いでいきたいというふうに考えております。
○松尾委員 当然ですね。 この紛議の内容でありますけれども、損をしてその決済等がうまくいかない、またはもうかったのだけれども、どうも取引員との間でトラブルが起こっている、こういうようなことで、損とか得とかという関係でどのくらい紛議があるかわかりますか。または倒産による分とか……。
○天谷政府委員 残念ながら、いま御指摘のような分類はございません。
○松尾委員 そうすると、あなたたちがつかんでおるこの紛議の件数、そして紛議の内容はよくわからぬわけでありますけれども、そのようなものはどのような形で現実に解決されておりますか。
○天谷政府委員 通産省関係の取引所の昭和四九年度の件数十四件でございますが、これの処理状況は、和解したものが八件、それから取り下げたものが二件、却下したものが二件、未解決のものが二件というようになっております。
○松尾委員 農林省は……。
○森(整)政府委員 私ども、いま手元には天谷通産審議官の答えられたような内容別のものはございませんが、五十六件中解決したものが四十件というふうに聞いております。もちろん先生のおっしゃいましたように、まず取引員のところで事前に話がついたものは上がってまいりません。それから、取引所が一応紛議の調停をいたしますけれども、その前に事務局で話し合いをさせまして、それで話がついたものはそれで解決する、それから取引所の正式の調停委員会にかけるものもある。それから、各取引所にまたがるものは各取引所の合同の調停委員会ということで処理されるということでございまして、ただいま申し上げましたものは取引所の方から報告のあった、申し出のあったものということでございます。
○松尾委員 過当勧誘は農林省関係で四十九年度三十件ですね。そして、二十一件が解決されて九件が残っておる。それから、売買の一任、売り向かい、これが六件あって五件が解決しておる。無断の売買、これが十二件あって七件解決しておる。こういう法に違反する行為が四十九年度もこのように厳然として行われておるわけであります。いろいろの証拠金の返還遅延が、連絡等がなかなかできないとかその他で四十九年に五十六件ありまして、結局四十件が解決を見ておる、残り十六件が未解決だ、このような資料を農林関係の分で私どもにいただいておるわけであります。同じような資料を通産関係からもいただいておるわけでありますが、要するにこのようなまだ未処理の分、未解決の分、そして解決した分はどのように処理したのか、未解決の分はどういうふうに処理されていくのか、これは外務員並びにその取引員というところまでどのようにきちっと適正な措置をされたのか、こういうことを聞きたいのであります。
○森(整)政府委員 結局私どもで把握しております解決済み四十件というのは、和解という形で解決しておる。その場合に、幾らのうち大体このくらいがやはり委託者自身が負うべきものだとか、あるいは取引員がそのうちこれだけ負うべきものだという形で、具体的に金額が明示されて和解が行われておるというのが普通の例でございます。
○天谷政府委員 通産省関係で十四件中和解したものが八件、五七%でございますが、和解したものについて見てみますと、その実損額と和解額との割合は二四%のものが一件、それから四九%のものが一件、五〇%のものが三件、六〇%のものが二件、六三%のものが一件というような割合でございまして、おおむね妥当な和解がなされているのではなかろうかというふうに考えております。 未解決のものが二件ありますのは、現在調停中でございます。
○松尾委員 やはりそのような紛議の内容を私先ほど申し上げたわけでありますけれども、不当勧誘であり、そして好ましからざるそういう勧誘がありまして、紛議につながっているわけであります。そういう点はあなたたちは、登録外務員なりまたは取引員なりをどのように指導したり、どのように措置をとっているわけですか。調停が成り立ったからよろしいとか、今後の分もやがて調停ができるであろうからというようなことでありますか、それとも、もう少しこの取引の実態と勧誘の実態というものにまで立ち入ってきちっとやるお考えがあるかないか。いままでの分はそこまでやられたかどうか。取引員、登録外務員、こういうものに対する指導監督、その責任の追求、こういうことはいかがですか。
○天谷政府委員 取引所に出てまいりました十四件の紛議の解決につきましては、先ほども申し上げましたように、まあまあ妥当な線が出ておるのではなかろうかというふうに存じております。ただし、最初に申し上げましたように、この根っこの方にいろいろ大きな問題があるかと存じますので、先生がおっしゃいますように紛議が少なくなるよう、いろいろな手だてを講じていきたいというふうに考えております。 現在まで不十分でありました点を反省いたしまして、たとえば外務員の責任範囲の明確化というようなことを今回の法律改正でお願いをいたしておる次第でございます。あるいは取引の性格、内容、危険等につきまして顧客によく書面で説明するようにということも義務づけようとしておるわけでございます。あるいはまた、取引所を指導いたしまして、商品取引をやるとぬれ手にアワでもうかる式の不当な広告等は禁止するようにいたしておるわけでございます。その他、外務員の勧誘行為等につきましては取引所で禁止事項を定めまして、それを励行するように指導をいたしておるわけでございます。そういういろいろな手段を講じまして、不当勧誘等が少なくなるように、紛議等が減少するように、一生懸命努力をしようとしているわけでございます。
○松尾委員 結局このような紛議というものをなくなすことですね。これはやはり過当勧誘が一番件数も多いし、それから無断の売買、これは厳禁ですね。こういうことはもうあってはならない。それから売買の一任、このようなことはおかしいのですよ。それが、紛議の内容をあなたの方が挙げてきておるわけですね。こういう内容はなくならないとだめなんですよ。過当勧誘は今後ともに残るでありましょうけれども、これを防ぐ手だてというものは、いろいろ考えていらっしゃる、お任せします。ぜひその他の理由による分は、これは一切なくなすというのが今回の改正の目的であろうと私は思うのでありますが、本年度以降、いままでじゃなくてきょうから、こういういかにもおかしい不当であるというような紛議の内容に対して、どのような決心をしておられますか。通産省だけで代表して答えてください。
○天谷政府委員 紛議がたくさん発生しますことは、いわば取引所の自殺行為でございますので、取引所がその社会的機能を発揮いたしますためにも、紛議等が発生しないように取引員、外務員あるいは取引所が最大の努力をするように指導をしていきたいというふうに考えております。
○松尾委員 これは先ほども論議の対象になった点でございますけれども、一般大衆の商品取引への参加、これはある面で商品市場の形成の上で重要でありましょう。しかし他面、一般大衆の大量の参加、これは結局過当投機をもたらすものでありますね。それから、いつの間にやら商品取引所が流通市場の中で、その市場の管理能力というものが非常に遠のいておるというような現象へも、これは直接つながっておるわけであります。でありますから、紛議の解消のためにも大衆参加というものにも限界があるであろう、こう思うのであります。先ほど大臣は五十、五十とか、若干それよりも大衆参加は上回ってもというようなお話でありますけれども、これは大体七対三ですね。 〔委員長退席、武藤(嘉)委員長代理着席〕 そういうことではやはり過当な投機が行われておるということが言われるわけであります。大衆の参加というものが商品市場の形成の上で必要でありますけれども、これが現在のように平均六五%、そして取引員自体のいろいろな思惑的な売買、こういうもの等が相当ございますとすれば、これは是正していかなくちゃできない問題だと思うのでありますが、この大衆参加というものにつきましてもう一回ここではっきりと聞いておきたい。現状というものをどのように認識しておいて、そしてそれをどのように変えていきたいのか、こういう点です。
○天谷政府委員 大衆玉と当業者会員玉、あるいは内部資本と外部資本との割合が三対七となっておる現状は改善すべきであるというふうに考えております。で、この外部資本、大衆玉につきましては、中身を見ますとこれは種々雑多なものが入っているだろうと存じます。そのうちで特に家庭の主婦等のような、取引の危険、実態等につきましてほとんど何も知らないまま外務員の甘言に乗せられて取引をしてしまった、こういうような大衆玉というのはきわめて好ましくないというふうに存じますので、こういうものが排除されるような措置は厳格に実行していきたいというふうに存じております。これは取引所の外務員に対する禁止事項の中でも禁止されておる事項でございますので、外務員等がそういう禁止事項に違反しないように、指導を厳格にやっていきたいというふうに存ずるわけでございます。 それから大衆玉の中に、今度はたとえば吉野ダラーとか、なにわダラーとか俗称されるような相当大量の資金を動かすことのできる玄人筋も入っておるわけでございます。こういう玄人筋につきましては危険は百も承知でやっておいでになるわけでございますから特に保護する必要はないかと思いますが、他方、そういう玄人筋で大量の資金を動かせる立場にある人が、市場に対しまして独占的な地位を行使したり、あるいは独禁法で言うところの独占、寡占的な力を行使いたしまして市場に撹乱的な影響を与える、価格の公正な形成を阻害するというようなこともこれまた好ましくございませんので、こういう行為につきましては建て玉制限等の市場管理策によりまして制限を加えていきたい。こういうようなことによりまして、好ましからざる大衆玉を次第に市場から駆逐する方向に努力していきたいと思うわけでございます。
○松尾委員 当然の方向であります。大衆参加の点で、この紛議の最大の原因はやはり相場への甘いいざないですね。これは警察白書でも指摘されているところであります。元金を保証する、利益を保証する、絶対安全有利だ、このような勧誘の言葉があるわけでありますが、これはまことに現実離れしておりますよね。そういう点、それから商品取引に関する広告出版物、こういうものに対する今後の態度はいかがですか。
○天谷政府委員 各商品取引所それから商品取引所の委任を受けまして全商連と全協連で構成するところの中央審査会におきまして、広告等の審査事務を行っておるわけでございます。現在の基準によりますと、承認を要する広告としては営業案内、ダイレクトメール、ポスター、看板、ラジオ放送のコマーシャル、それから新聞、雑誌等の印刷物媒体の広告、こういうものでございまして、これには先ほど先生がおっしゃいましたような禁止されている文言を用いてはならないということになっております。それから、テレビ放送の番組提供またはスポット放送、それから新聞雑誌の折り込み広告、駅、電車など一般公衆の目に触れる場所での広告はやらない、原則的に禁止ということになっております。 以上でございます。
○松尾委員 では、次に進みますけれども、営業所の看板並びに新規営業所の設置、これはことしの五月十四日に局長の通達が出されているわけでありますけれども、この新設店舗の開設というものは過去六年間凍結されておると思うのでありますが、やはり業界の中では早く許可してもらいたい、五店舗いいとか何店舗だというような話もあったとか、それを当てにしまして、もう一年も一年半も前から店舗をちゃんと借り受けたり人員を採用したり、そのようなことも現実にはあると聞いておるわけでありますけれども、これはあなたたちのはっきりした方針といいますか、そういうものが誤解というか、またあいまいにあなたたちが言うものだから、それを向こうがそのまま受け取ってあるいは許可になるかもしれぬ、こういう期待を持っておるものがあると感ずるわけでありますけれども、店舗の開設に関する現在までの経緯、今後の方針、方向というものはいかがでありますか。
○天谷政府委員 先生いま御指摘なさいましたように、商品取引員の従たる営業所の新設につきましては、従来過当競争を防止するという観点から現状凍結的に運用をいたしてまいりました。ところが、少数の営業所しか有していない商品取引員の経営上支障が生じておるという問題がございますので、経営の安定を図るためにこの凍結をある程度緩和する必要があるというふうに考えております。そこで、過当競争の防止という点にはなお留意しつつ、これらのものに対しまして営業所の若干の増設を認めるということで本年の五月、三カ所未満の営業所しか持っていない商品取引員につきまして、営業所新設の許可申請があれば審査の対象とする旨を関係者に指示いたしまして、目下この処理を進めておるところでございます。
○松尾委員 ひとつこれは厳正に指導をしていただきたいのであります。やはり過大なる期待を持たしてはいけない、明確な態度をあなたの方で示すということが大事であろうと思うのであります。 時間がありませんので、はしょってまいりますけれども、この取引所の会員につきまして構成員に定数があると思うのでありますが、この定数に満たない取引所があるのかどうか、これはいかがですか。そして、定数に満たないところがあるならば、その補充について現在凍結しておるようでありますけれども、その理由並びに今後の方向はいかがか、簡単に答えてください。
○天谷政府委員 御指摘のとおり欠員がございます。これも従来、過当競争防止の見地からやや控え目にこの補充を抑えてきたわけでございますが、今回もう少しこれを緩和するという見地から、基準等について検討をしておるところでございます。
○松尾委員 こういう点も、やはり政府の明確なる態度を業界の方々に示すというのが基本であろうと思うのであります。 次は、商品取引所の合同の問題でありますけれども、これは今回の改正に当たりまして大分議論されたようでありますが、結局盛り込まれなかった。この取引所の合併という点について政府はどのような考え方であるか、そしてこれは今後どのようにするのか、これも簡単にそして明確に答えていただきたい。
○天谷政府委員 取引所の合併統合を進めることは、取引所の財政基盤の強化、運営の合理化等の見地から望ましいというふうに考えております。基本方針としては、こういうことを進めるという方向で考えなければならないというふうに考えております。 これが総論でありますが、各論になりますと、やはり役所が上からどの取引所とどの取引所が合併しろと言うようなことは困難でございまして、当事者である取引所側におきまして具体的な合併計画等が練り上げられるということが必要であろうかと存じます。ただ、現在のところ残念ながらそこまでまだ機が熟していないというような状況でございますので、なるべくそういう機が熟して具体的に合併が行われるような方向に、取引所の自主性を尊重しながら誘導していきたいというふうに存じております。
○松尾委員 これで最後でありますが、結局わが国は国際商品の輸入の依存度が非常に高い。それで、できるだけそのような商品の現地取引、そういうものに値する国際的商品取引所の設立の問題、この必要性等についてどのように考えておるのかというのが一点。 そして、今後当然起こるであろうと予想される問題といたしまして、商品取引市場の近い将来のビジョンとしてはどのようなことを前向きに検討しておるか、これが私の最後の質問であります。 〔武藤(嘉)委員長代理退席、委員長着席〕
○天谷政府委員 わが国の商品取引所が国際的性格を有するようになり、ニューヨークやロンドンにおける商品取引所のような国際的商品取引所として、国際的なヘッジの場として活用されるようになるということはきわめて望ましいことであると存じます。しかしながら、ニューヨークあるいはロンドン等の商品取引所の発展は一朝一夕に成ったことではないというふうに存じます。特に基本的な問題といたしましては為替管理の問題がございまして、わが国の場合には、そういう海外取引、外国為替を伴う海外取引につきましては、きわめて厳格な為替管理が行われておるような状況でございます。そういう状況のもとでは、国際的なヘッジ取引というのはなかなかむずかしい点があろうかと存じます。 それからまた、日本という国は、残念ながら特に言葉に問題がございまして、電話一本で、日本語というのは無理だろうと存じますが、英語なりその他の外国語で、電話一本で国際的な取引をするということには残念ながら非常に遠いという実情でございます。したがいまして、方向としては国際化するということは望ましいことかと存じますが、現実にはなかなかむずかしい問題があるというふうに存じております。 それから第二番目に、商品取引所のビジョンを示せという御指摘があったわけでございますが、繰り返し申し上げておりますように、商品取引所が公正な市場価格を形成し、ヘッジングの場として役立つように、そして過当投機あるいは素人の大衆等が巻き込まれてけがをするというようなことがなくて、健全な市場が形成されていくという方向をこいねがっておるわけでございます。
○山村委員長 宮田早苗君。
○宮田委員 今回の商品取引所法の一部改正案の質疑に入ります前に、前回、四十二年に改正をされ、それ以後から今日までの問題について少しばかりお尋ねをいたします。 四十二年改正の大きな柱は、会員の登録制を許可制に切りかえた点にあろうかと思っておりますが、許可制に切りかえたことによって、会員企業の体質強化はどのように図られたか、まずそこをお尋ね申し上げます。
○天谷政府委員 前回の法改正におきまして、登録制から許可制に改めたわけでございますが、四十六年一月の許可のスクリーンによりまして、財務状況のよくないものは申請を取りやめて自主廃業をいたしました。また、営業姿勢に問題のあった取引員につきましては、営業所及び外務員の削減が行われたわけでございます。この結果、財務状況の良好なものが商品取引員として残り、営業姿勢に問題のあった商品取引員はその後改善計画をつくらせまして、これに基づいて経営陣の刷新、外務員の教育の徹底、事故処理体制の確立に努力をさせた次第でございます。許可移行後、主務省及び取引所の検査及び処分の強化が行われたこともございまして、先ほども御説明申し上げましたように、紛議の件数等も漸次減少傾向を示しておるわけでございます。 また、倒産状況につきましても財務内容のチェックをしたこともございまして、三十八年から四十一年までは三十六件あったのでございますが、四十二年から四十五年は九件、それから四十六年度以降は五件というふうに減少をいたしております。 以上のように、許可制を採用しましたことは、従来の登録制に比べましてそれなりの効果があったのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○宮田委員 主務大臣の許可が実施されましたのは、いま御答弁でありました四十六年の一月からで、三年間の猶予期間があったわけでございますが、その間、会員企業は許可の条件に合うよう体質改善、つまり三年の間に蓄積をしなさいということにしたわけでございますが、その期間に各企業が相当無理な営業を拡大した形跡がうかがわれるのではないかと考えます。外務員の顧客のトラブル増加を見ましても明らかだ、こういうふうに思います。この経過期間を通産または農林両省はどう評価しておいでになるか、今回の改正に踏み切る転機の一因とも関連すると思いますので、この点もお尋ねを申し上げます。
○天谷政府委員 三年の猶予期間の間におきまして受託業務保証金の預託率あるいは必要とする純資産額を漸次引き上げましたので、漸進的にやりましたので、それほど負担が過重になったとは思っていないわけでございます。ただ、この間におきまして、一部の商品取引員につきまして御指摘のような無理な商売を行ったもの、あるいは経営の近代化を図り得ず、前時代的な経営を続けましたために社会問題となったものがないわけではございません。これら営業姿勢のよくない商品取引員につきましては、他社への営業譲渡それから合併等を勧奨しましてこれを排除する、また営業所、外務員の削減等を条件とするような許可をいたしたわけでございます。
○宮田委員 審議会の答申の内容は、会員企業の監視強化とか外務員の資質の向上ということに集約をされると思いますが、まず業界の努力がこれに伴わなければ所期の効果というものは上がらないと思います。そこで、通産省は、業界がどれほど努力をしたか、その程度ですね、非常にむずかしい質問とは思いますが、どういうふうにお考えになっておるか、その考えを聞かしていただきたいと思います。
○天谷政府委員 この程度をどういうふうに表現してよろしいのか、まことにむずかしいのでございますが、結果的に見ますと、先ほども御報告申し上げましたように、紛議件数が顕著に減少しておるというようなことがまず第一番に指摘できるかと存じます。その他業務規程の改正であるとか、あるいは先ほど申し上げましたPRに関する自粛であるとか、外務員の行為に関する禁止事項の徹底であるとか、あるいは外務員の研修制度の充実であるとか、いろいろな努力を講じまして紛議等が減少するような方向で努力をしておる、あるいは財務的な基盤を充実いたしまして、倒産等の件数が減るような努力を続けておるというふうに考えております。
○宮田委員 今回の改正の内容を分析してみますと、産業構造審議会の答申を全面的に取り入れたということになっておりますが、委託者保護の色彩が濃厚と思います。これは否定する立場ではありませんが、こういうことを取り入れたということはまことに結構なことと思いますが、定期市場の機能強化という観点に立ちますと、経済の実態にどう対応させていくのか、商品取引所のあるべき姿がぼやけているように思われるわけであります。 そこで、まず農林省にお伺いをいたしますのは、現在上場されております砂糖と生糸は、国内産業の保護ということから価格安定制度がとられております。砂糖について言えば国際要因から立ち会いは停止されておりますが、価格統制下の商品取引所の機能をどう位置づけておいでになるか、その点お聞きいたします。
○森(整)政府委員 御指摘のように、砂糖と繭糸価格につきましては安定帯の制度を設けました。その砂糖で申しますと、粗糖の輸入港のところの値段で決めておりますが、その粗糖からつくられます砂糖の価格をその間におさめて、国内の取引並びに消費者の価格を安定させていこう、こういう仕組みになっておるわけでございます。そこで、その中でどういう価格が形成されるかにつきましては自由でございます。その安定帯の中の取引につきましての価格形成が取引所で行われているということが一つでございます。それからもう一つ、最近のようにロンドンで砂糖が非常に高騰する。ロンドン相場で取引されるにいたしましてもそれが非常に大きな波がありますので、精製糖メーカーが原料を安定して確保できない。そういう観点から粗糖取引につきましても取引を認めております。そういう形で二つの問題がございますが、いずれも結局その安定帯の中に砂糖取引価格を安定させていこうという考え方と取引というものは結びついていると同時に、相矛盾するものでもないというふうにわれわれ判断をいたしておるわけでございます。
○宮田委員 答申に沿って質問をいたしますが、「上場商品の適格性」について答申は、「価格統制が行われていることによって、商品価格が固定的になっているものについては、上場不適格というべきである。」云々の表記がございます。産構審の審議過程で、価格安定帯の制度そのものやその幅あるいは小売指導価格制についての疑義はなかったかどうか。通産省さん、その点はどうですか。
○天谷政府委員 通産関係の物資には該当の品物はございませんので、農林省の方からお答えになった方が適当ではないかと存じます。
○森(整)政府委員 答申の中で「上場商品の適格性」のところに、御指摘のように「価格統制が行われていることによって、商品価格が固定的になっているものについては、上場不適格というべきである。他方、目標価格や価格安定帯があっても、価格変動が存在する限り、それ故をもって不適格であるとは言えない。」というふうに言っておりまして、たとえて申しますと、砂糖についてたとえば業務用につきまして指導価格を導入いたします、安定帯の外に出て非常に荒れておりますものですから。そういう場合に、指導価格を設けましたのもそのためでございますが、そのためにいま自主的に砂糖の取引は停止をいたしておるわけでございます。もし、その安定帯の中に入ってきて落ちついた場合に、その取引を再開するという考え方で取引所も考えておるわけでございます。
○宮田委員 商品現物の国内供給量と取引所での取引高とのアンバランスが大変目につくわけでございますが、たとえば四十八年の小豆相場にその実態を見ることができます。今回の改正で新商品上場のルールを簡素化して定期市場に活力を与えることにしたことはよろしいと思いますが、生産量と取引高のアンバランスが会員をして過当投機あるいは価格操作的行為に走らせることになると思うわけでございます。新商品が山ほどあるというのならわかるわけですが、現状では取引所が機能し、会員は利益追求をしなければならないのですから、当然投機に走るので、何らかのルールづくりが必要ではないか、こう思っておりますが、農林省の方、ひとつお答え願いたいと思います。
○森(整)政府委員 お答えいたします。 東京穀物取引所、東穀で、私ちょっと先ほど触れたわけでございますけれども、確かに小豆それから手亡が非常に変動が激しい実態で、事実たとえばお天気が、冷害があったら非常に少ない、そういうもので非常に変動要素が大きゅうございます。そういうことからしまして、従来からいろいろ小豆等につきまして問題がございます。しばしば改善を重ねてきておりますけれども、現在たとえて言いますと、東穀で行っておりますことは、要するにその月の手じまいの時期になりまして枚数が五千枚を超えている場合には証拠金を自動的に上げる、そういうことをやっておるわけでございます。手亡についても同様なことが行われておるわけでございます。それから、取引高につきましてその取り組み高が非常に多くなってくる。そうすると、自動的に証拠金をどんどん増していくということをあらかじめ、たとえて申しますと六万五千円の証拠金がございますが、それが九万枚以上になりますと七万五千円にする、十万枚以上になりますと八万五千円にするというようなことをあらかじめ市場管理基準というもので決めましてやっておるわけでございまして、ほかの取引所につきましてもこの種のものを至急に検討して作成したらいかがなものかということで、通産省とも協議いたしまして対処をいたしております。ただ、穀物取引でございますから、この問題について特に一層市場管理を厳しくしておるわけでございます。
○宮田委員 答申は制度改善の基本的方向として商品取引所の基盤確立を強く目指しておるのでございます。取引所の地域ごとの統合は言われて大変久しい問題なのでございますが、一向に前進しない、こういう実情だと思います。法改正に当たって合併の手続規定を盛り込む検討がなされたというふうに聞いておりますが、どうしてこれが実現できなかったか、その点お聞きします。
○天谷政府委員 現在十九あります取引所を合併いたしまして、その基盤を強化するということは、一般的に申しましてきわめて必要なことであると考えております。ただ、先ほども申し上げましたように、各論の段階に入りますと、どの取引所とどの取引所を合併するのかというようなことにつきまして、当事者、関係者の意見、利害がなかなか一致しないという問題がございます。役所といたしましては、仲人ぐらいのことはできるのかと思いますけれども、強制的に結婚しろということは、行政といたしましてはやり過ぎではなかろうかという感じもいたしますわけで、当事者の間で具体的な結婚の計画が出てくるということが、まず合併統合等を推進する上に必要なことではなかろうかと考えておるわけでございますが、残念ながら、現在のところまだその機が熟していないというような状況でございます。 なお、合併の具体的方法につきまして、これを横割りに地域的に統合するのか、あるいは縦割りに商品別に統合するのか、主な考え方は二つございまして、このおのおのにつきましてまたそれぞれ問題点があるというような状況でございますので、今後こういう問題点も詰め、あるいはまた取引所間における具体的な合併統合計画等の成熟を待ちまして、仰せのような方向に推進していきたいと考えておる次第でございます。
○宮田委員 せっかく大臣お見えでございますので、大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。 ただいま答弁を聞いていますと、機が熟していないということでございますが、私ども考えますのは、この改正を出さなければならないということは、答申が出たということが一つ、もう一つは、最近の経済的な状況からいたしますと大きく転換しなければならない時期に差しかかっておる、こういうことからだと思います。今後の経済問題を考えた場合に、いまその機が熟したと見るわけでございますが、大臣、この点について、統合問題をできる限り御指導されて、実現されるというお気持ちはないかどうか、お聞きします。
○河本国務大臣 統合問題につきましては、地域的に統合するという方向と商品ごとに統合するという方向、いろいろ考えられると思いますが、いずれにいたしましても、取引所の健全な発展ということに役立てば結構なことだと私は思います。強制的にというわけにはまいりませんから、機が熟しまして、そういう方向にやっていこう、こういう機運になりましたならば通産省も協力いたしまして、それが実現するようにしたいと思います。
○宮田委員 次に、外務員の資質向上についてお尋ねいたします。 まず、職務権限を明確にすることは大きな前進として評価をいたしますが、外務員と企業の雇用契約はどんな方法になっておるか、これをお聞きするわけであります。余り行き過ぎますと不当解雇の材料にされるということも懸念されるわけでございますので、この点をひとつお聞きいたします。
○天谷政府委員 取引員と外務員との雇用契約は普通の雇用契約と大体同じと思いますが、一番問題はやはり給与の形態で、それが固定給になっておるか歩合給であるかというのがこの雇用契約の最大の問題点であろうかと存じます。歩合給でございますと、どうしても外務員が過当勧誘等に走るという弊害か出てまいりますので、完全歩合給はやめるという方向で指導いたしており、現実にも完全歩合制というのは、わずかの例外はあるかと思いますが、大体なくなっておるという状況でございます。なお、固定給と歩合給を併用しておる取引員につきましては、歩合給の割合を減らすような方向で指導していきたいと考えております。
○宮田委員 現在外務員の増員枠に制限が加えられており、従業員の定着率を高めんがために不良外務員を抱え込むことになるのじゃないかということを懸念するわけですが、この点はどうですか。
○天谷政府委員 先生のおっしゃるとおりの問題点がございまして、われわれもいかに解決をすべきか非常に苦心をしておるところでございます。外務員の定着率というのはやはり重要なことかと存ずるわけでございまして、できるだけ定着率を高くするために、欠員の補充につきましてはある規制を加えております。ところが、こういう規制を加えますと、今度はその副産物といたしまして余り質のよくない外務員が滞留してしまって、質の悪い外務員を排除し、質のいい外務員と入れかえるということが円滑にいかなくなるのではないかという御批判も受けているようなわけでございまして、この両者をどのように調和させるべきか非常に苦心をしておるところでございます。
○宮田委員 最後に、合板の商品指定のめどですね。たとえば大手の企業は大変消極的のように見受けるわけでございますが、農林省はこの点どういうふうにお考えになっておりますか。
○森(整)政府委員 農林関係で、政令指定が問題の対象になり得るものに合板がございます。御指摘のように、この問題につきましては大阪方面で非常に熱心な動きがございます。関東地方ではむしろメーカーの商社による系列化が進んでおりまして、主として建て値制が行われているために、取引所の必要性を現在のところ認めておりません。しかし、大阪の方では、すでに合板の先物取引の取引要領というものをつくりまして、試験的にそういうことが行われているというふうに聞いておりますが、これも業界の御意見を十分拝聴いたしましてからわれわれとしても態度を決定いたしたい。その前にもう一つ、もし採用するといたしましても規格の問題があるというふうにわれわれ認識いたしておるわけでございます。
○宮田委員 では、終わります。
○山村委員長 次回は、来る十七日火曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時九分散会