商工委員会 第8号
- 発言数
- 152 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/03/14
会議録
○山村委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、中小企業に関する件並びに経済の計画及び総合調整に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐野進君。
○佐野(進)委員 私は、大臣並びに関係局長にいろいろな点について質問をしようと思って準備をしておったのでございまするが、いまの予定からすると、大臣の遅刻のためにあと二十数分しか時間がありません。この次の機会に詳しい質問をしてみたいと思うわけでありまするが、当面する諸問題について若干の時間、大臣を中心にして質問をしてみたいと思います。 御承知のとおり、景気はきわめて深刻な状況になりつつある、したがってこれに対して通産当局としても積極的な対策を立てなければいけない、こういう点についていろいろな対策を立てつつあるということについては伺っておるわけでありまするが、本委員会として、当面する不況対策に対する大臣からの見解はまだ聞いておりませんので、二十四日を目途に経済不況対策に対する積極的な行動をとると、このように大臣が言明しておられるようでありまするけれども、どのような措置をおとりになるお考えか、この際ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○河本国務大臣 去る四日から、重立った産業界の代表と懇談をいたしまして、現時点におけるいろいろな問題点を聞いております。まだその懇談は続いておりまして、来週初めまでかかる予定でございます。なお、それと並行いたしまして、全国の重立った企業から主要な経済動向につきましてアンケートを徴取しておりますし、それからあしたは全国の通産局長会議を開きまして、通産局長が中心となりまして地方地方の産業の実情を詳細に聴取しておりますので、それもあわせて報告をさせようと思っております。そういうことで来週中には全部詳細な分析ができ上がりますので、それに従いまして適切な対策というものを立案していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。対策ができ上がりますのは、そういう状態でございますから、二十三日までかかるのではないか。二十四日には経済対策閣僚会議が開かれますので、それに間に合うようにつくりまして提案をする予定にしております。
○佐野(進)委員 私がいま質問を申し上げていることは、通産当局は現状の経済情勢をきわめて深刻に受けとめて不況対策をとるんだ、こう言っておられるわけですね。ところが、同じ政府部内においても、経済企画庁なり日銀なりあるいはまたその他の政府機関の中においては景気は底を打った、これからもう上向きになるんだ、こういう点がいろいろな面で流布せられ、国際的な均衡を図るために公定歩合の引き下げ等がある、こういうことが言われておるわけです。私も一般的に見るならば、株価が経済の先行性を示唆するとするならば、今日いわゆる上昇傾向を示しておる状態の中において、経済の落ち込みはもはや終わったんではないかとこれまた一般的に言われていることについて、なるほどそうかな、こういうような印象を受けるわけであります。これは中小企業界は違いますよ。大企業についてはそのような印象を受けるわけでありますが、こういう一般的な経済に対していわゆる財政金融面が大きな柱であるとするならば、その柱を担当する当局が景気は底を打ち、上向きに変わりつつある、こう言っておるとき、あえて通産当局が景気が不況であり、深刻であり、この状態に対して景気刺激対策をとらざるを得ない、こう言うことに対しては明らかに政府部内の見解が不一致である、こういうようにわれわれは認識せざるを得ないわけであります。したがって、そういうことを前提にして大臣はどのような対策をおとりになるのか。だれかの意見を聞きましたということを聞いているんじゃないですよ、聞いたことはわかっているんだから。これから何をやろうとするのか、そういうようなもろもろの条件が発生した段階の中で、二十四日の経済閣僚会議に提案しようとする内容がどういうものであるのかということをお聞きしたい、こういう質問をしておるわけです。
○河本国務大臣 数日前に月例経済報告が経済関係閣僚協議会で承認されたわけでございますが、必ずしもいまおっしゃったように私は経済の現状を楽観しておる、そういうふうには受けとっていないのです。それから、まだ最終的なことを申し上げる段階ではございませんが、たとえばあの月例報告の中に在庫などもやや底をついた、こういうふうなことが書かれておることは確かでございます。ただしかし、一面やはり経済界、産業界では二、三割からひどいところは七、八割の減産が続いておるわけでございますから、それだけの思い切った減産をすれば、それは在庫は部分的には減ってしかるべきだと私は思います、正常な運営をしていないわけでありますから。だから、在庫が減ったといいましても、普通の経済活動をしておって減ったというならば、それは大変結構だと思うのですが、こんなかってないような大幅な減産をしておって一部分で在庫が減ったといいましても、それは決して楽観すべき材料ではない。生産と在庫とこういうことをあわせて総合的に考えてみなければいかぬ、こういうふうに思っておるわけでございます。 これは一例でございますが、そういうことで、いずれにいたしましても総合的な調査の結果が判明いたしますので、そこで政府の経済関係の閣僚が全部集まって意見の統一をするわけでございますから、表現の方法は少しニュアンスが違っておるかもわかりませんが、私は基本的な現状認識において政府部内で意見が分かれておるとかそういうことではない、こういうふうに考えております。
○佐野(進)委員 時間がないのが大変残念なので、大臣とこの問題を詰めてみたいと思っておるのですが、それでは時間がないから一つだけ問題を詰めて質問してみたいと思うのですが、あなたがいま言われたようにいわゆる大幅の操短をすれば在庫が減るのがあたりまえだ、そのことをもって景気が回復したということにはならないんだ、私もそうだと思うのであります。そうだと思うのでありますが、在庫がきわめて大きいといわれる業種の中においても、たとえば電機産業の中における松下社長ですかが、もはや底を打った、これからは上昇する一方である、このようなことを新聞紙上において明らかにしているわけですね。電機産業特にカラーテレビ等を中心とする一般消費購買力の減退が電機産業の不況を招いておるといわれておる中で、その代表的な業種である業界の社長が、景気はもはや底を打った、そういうようなことを言われれば、一般的にそのような認識を持つことは当然だと思うのであります。また、われわれあらゆる関係業種のそれぞれの状態を調査いたしましても、そういうような返答が返ってくる業種が非常にふえてきているわけです。私の言わんとするところは、通産大臣が不況対策に対して積極的にやるということを悪いと言っているのじゃないんです。ただ、いま言われるような形の中におけるところの対策というものが、もはや不況対策を必要としないとその業界の社長が言明しているところに対してもおしなべて、景気刺激対策の中において一定のメリットを与えようとする、その役割りを通産大臣が果たしていくのではないかという懸念があるわけです。株価の問題等を先ほど来申し上げて、あなたと質問する際そういうことを言って申しわけないのでありまするが、去年の半年ぐらい前に比較すると二倍程度近くにまで株価が上がった大企業も多く存在しているわけです。こういう中で、そこにさらに金を投じ対策を立てるということになれば、結果的に落ち込みのひどい業種、中小企業を初めとするその業種に対しては手が薄くなってしまう。あなたがいま発表されている対策については、そういうような懸念が私にはあるわけです。だから、どういうような対策をどのような方向にお立てになるのかということを質問しておるわけです。一般的なことでなくして、具体的な対策がこの内容の中にあるのかということを心配しているわけです。大臣、私の言わんとするところはわかりますね。そういうことについて何をなされようとするのか、特にどの業種に対して重点を志向されようとしておられるのか、その点をひとつお聞かせください。
○河本国務大臣 確かにいまお述べになりましたように、それじゃ一〇〇%全部悪い状態かといいますと、中にはやはり例外的にいい業種もあるのです。たとえば肥料であるとか農機具であるとかそういうごく例外的な分野もないことはございません。それから、一つの産業を例にとりましても非常に悪い企業と中には比較的打撃を受けていない企業、いろいろあるわけでございますから、一企業の社長がいろいろ発言したといいましても、それは日本産業全体のことを私は表現しておるものではない、こういうふうに思います。 そこで、まだ最終的な段階でございませんから、確定的なことを申し上げるのはいかがかと思いますが、やはり物価が何といいましても最大の課題でございますから、そうして物価にすべて不安がなくなったかといいますと、まだ依然として物価には不安な問題が残っておると思います。でありますから、やはり今度考えるべき対策は、総需要の抑制という枠はとにかくしばらくの間外さないで、その枠組みの中におきまして個々の産業、特に不況業種に対していろいろ積極的な手を打っていくということが一つと、それから中小企業対策というふうなことがやはり中心になるであろう、こういうふうに思っております。
○佐野(進)委員 大臣、それで大臣がよくお口にされる言葉の中で、不況対策が公共事業とすぐ結びついた形の中で表現されるわけですね。したがって、その公共事業対策が不況対策の柱であるということは、いままでの高度成長を続ける中でたびたび起こった不況に対して、そういうことが景気刺激策の第一歩としてとられて、そのことがある程度効果を上げてきた、だから今回もそうやるんだという認識なのかどうか、この点をひとつお伺いしておきたいと思うのです。 それからもう一つは、いま言われたように跛行性が存在することは事実です。だがしかし、不況という名のもとにみずからそれを誇張して、あるいは便乗した形で、あなたが言われたような業種の中において打撃を受けない業種が便乗的に不況対策に名をかりて人員整理なり合理化なり、そういうことをやっておることもまた事実だと思うのです。そういうような点についてあなたが単なる景気刺激策をとる、たとえば鉄鋼の値上げをこの機会にやろうとか、いろいろありますね、経済的な政策の中で。私はそういう点を細かくここで質問している時間がございませんからやめますが、一番落ち込みの激しい業種というものをあなたはどう認識しておられるか、そして認識しておるその業態に対してどう対策を打たれようとしておるか。一番落ち込みの少ない業種をどの業種だとあなたは認識しておられるか、その業種に対してこの状況の中でどういう対策をお立てになろうとしておるか。さっき申し上げました公共事業が景気刺激策として適切なものであるとお考えになっておられるか。この三点について御答弁いただきたい。
○河本国務大臣 去る二月の初めに立案いたしました第一回の不況対策の場合は、その一つの柱といたしまして第四・四半期の公共事業、約一兆五千億ほどございますが、これをできるだけ完全に消化しよう、毎年その中で六、七千億を翌年度に繰り越すわけでございますが、それをできるだけ繰り越しを少なくしよう、こういうことが一つの柱になっておったわけでございます。でありますから、引き続いて第二次の不況対策も公共事業をどうするかということが大きな課題になると思いますが、しかしいずれにいたしましても、これはまだ最終の調査が終わっておりませんからいまの段階で私が決定的にこうだ、こうだということを申し上げるのは適切ではない、こう思いますので、具体的な対策についてはひとつ申し上げるのを差し控えさせていただきたいと思うのです。 ただ、いま御質問がございましたように、しからばどんな業種がよくてどんな業種が一番悪いのか、こういう御質問でございますが、一つだけの業種を挙げて例示するということは大変むずかしいことでございますけれども、たとえば繊維産業などは去る一月に業態の調査をいたしましたそのときに比べましても依然として悪い状態が続いておる、こういうことは言えると思います。決してよくなっていない、こういう状態だと思います。
○佐野(進)委員 そこで、時間も短くなりましたが、大臣はいいところの業種というのはさっき言ったから答弁しなかったと思うのですが、いいところの業種もあると思うわけですね。一般的な落ち込みの中でほとんど落ち込まない状況でかつ合理化しておるというようなところもあるわけで、これらの業種に対しては私はむしろ憤りを感ぜざるを得ないようなところもあるわけですけれども、これはきょうの質問の本旨でございませんから省略いたします。 いずれにせよ、不況対策というものは、対象をしぼる中において落ち込みのひどい業種に対して温かい対策を講じてやる、そういうようにしなければ、不況という名のもとにさらにますますその業種なりその特定の企業なりが利益を得る。こういうことによってますます落ち込みの激しい業種に対してしわ寄せがいく、こういうことのないようなきめ細かな対策をひとつとっていただきたい、このことを大臣に要望しておきたいと思うのであります。 そこで、関連して繊維問題について質問をいたしたいと思うのでありますが、いま大臣が言われましたような状況の中において当面どのような対策をお立てになっておられるか、生活産業局長の答弁を聞きたいと思うわけであります。
○野口政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生の御指摘にありましたように、今回の不況の中で繊維産業はその影響を真っ先にこうむった産業であります。しかも、その程度も非常に深いということになっております。御参考までにちょっと数字的なことを申し上げますと、昨年の鉱工業生産について一カ年間の指標が出たわけでございますが、全体の鉱工業生産の落ち込みは年間平均で見まして生産でマイナスの二・三%、出荷でマイナスの四%という数字でございましたけれども、繊維はそれに対しまして生産も出荷も大体なべて一五%ぐらい落ちたわけでございます。在庫も三〇%上がった、年間で見ましてもこういう数字が出ているわけでございます。これ一つとりましても、相当大きな影響があったというふうに見ていいと思います。したがいまして、それに対しまして政府といたしましてもいろいろな施策をとったわけでございますが、その施策のとり方も一番早かったわけでございます。御参考までに昨年来からとっております政策を幾つか申し上げたいと思うわけでございますけれども、たとえば中小企業を中心に繊維産業もその重点業種といたしました融資につきましても、すでに政府系三機関におきまして昨年の六月から実施をしておるわけでございます。あるいは不況関連業種の指定という制度もございますけれども、これも六月からやっているというようなこと、これは例示でございますけれども、そういう金融政策を柱といたしまして、その他生産面におきましては独禁法上の不況カルテルあるいは団体法上の不況カルテル、これを昨年の十二月末から実施しているということもございます。それから、根本的には何といっても需要を振興することであるという観点に立ちまして、関係各都道府県にはたとえば災害救助の場合にも当然繊維製品が要るわけでございますので、そういう場合、非常用の備蓄に買っておいてほしいとか、あるいは海外の商品援助の場合にも繊維製品は優先的にその中に繰り込んでもらうというような措置、あるいは輸入の問題等、特に四十八年は製品で見まする対前年三倍というような異常な伸びがあったわけでございまして、そういう輸入が不況の深化に対しまして相当影響しているのではないかという観点に立ちまして、この輸入につきましても秩序ある輸入、できるだけ抑制をはかるという方針で、行政上の措置としてはわれわれ考えられるいろいろな措置をとってきたわけでございます。そういうような措置を早くは昨年の初夏のころからとってまいりまして、情勢の変化に応じてこれを逐次強化してまいってきたわけでございます。先ほど大臣も触れられました二月の不況対策におきましても、いままでとってきた政策を実行上においてさらに強化する、あるいは雇用給付金の交付に当たりましても新しく幾つか追加をする、第一次指定、第二次指定ということで繊維製品関係も優先的に指定をしていただきました。そういうような措置を総合的に実施しつつ、情勢の変化を常にウォッチして、その変化に応じながら施策を打っていくということを現在努力しておるわけでございます。
○佐野(進)委員 繊維の問題については改めて機会を得てさらに詳細な質問をしてみたいと思うわけでありますが、当面、いままでお話しになった対策を立てておられると同時に、先ほど大臣が言われた不況対策の重点業種としてこれから何が一番大切かということを一つでも二つでもいいから、あなたの考え方としてこれをぜひ通産省としてやりたいのだという見解があると思うのです。私ども、いろいろあるのだが、時間がありませんので、あなたの答弁、決意というものを聞いておきたいと思うわけであります。
○野口政府委員 一つは、不況対策ということで当面の苦しさに紛れてともかくその日その日の手を打つということも大事だとは思いますけれども、一つにはやはりこういうときにこそ、やや長期の視野に立ちまして業界が持っている構造的な問題の解決への糸口を始めたいという考え方を持っておるわけでございます。この考え方に立ちまして、昨年、繊維工業の構造改善臨時措置法の改正案を通していただいたわけでありますが、それに基づいての構造政策をこの一月から実施に入ったわけでございます。それが第一でございます。 その際にも、特に流通上の問題あるいは取引条件の改善の問題、こういう不況のときになりますと、どうもそのしわ寄せが流通界あるいは中小企業の業種の多い繊維の機屋さん等にしわが寄ってまいります。この問題を何とかして合理的な、近代的な関係に改善する必要がある、こういう観点で、いま言いましたような長期的な施策を進めているわけでございます。 そういうことを踏んまえ、当面の政策といたしましては、一つはやはり輸入との関係を調整する必要があろうかと思います。内需と輸入の関係を先ほど申しましたように輸入の秩序化、秩序ある輸入ということで表現しておりますけれども、ともかく景気がこれから回復するというときに向かいまして、この輸入が再び野放しに入ってくるのじゃないかということのおそれ、懸念がございます。これが業界におきましても非常な不安の種になっているわけでございますので、そういうことに対し何らかの歯どめ策を講ずる必要があるのではないかというふうに考えております。
○佐野(進)委員 繊維問題は、先ほど申し上げたとおり、後でまたさらに質問するといたしまして、不況対策の一つの大きな柱である中小企業問題について、長官に質問してみたいと思うわけでございます。 二月十四日に第一次の不況対策を行ったわけでございまするが、その後三月七日に政府系中小企業公庫の枠の拡大等々、いろいろな対策を積極的に中小企業庁当局が打っておられることに対しては敬意を表するにやぶさかではございませんが、しかしながら今日の中小企業界全体におけるところの深刻な状況は、大臣が不況対策全般として打ち立てなければならないということについて二十四日の日に提案をしようとしておるわけでありますが、それに対するところの考え方と対応して、中小企業庁としては当面する不況に対してさらに積極的な対策をお立てになる必要があると思うのでありまするが、その点についての考え方をこの際明らかにしていただきたいと思います。
○斎藤(太)政府委員 従来、中小企業の不況に対処しまして、倒産等を出しませんために、金融面の対策に重点を置きまして各種の金融対策を講じてまいった次第でございます。 しかしながら、最近の中小企業の状況を見ますと、操短率は四割、五割に達しておりまして、下請等も大変苦しい状態になっております。中小企業の切実な声は、金融ももちろん必要でございますけれども、それ以上に仕事を欲しいというのが当面の非常に切実な声でございます。 これに対しまして、私どもも先般の第一次対策におきましても、今年度の公共事業を、当初予定されました繰り延べ分は別といたしまして、年度内に完全な消化を図るとか、あるいは住宅関係の融資をふやしまして住宅の着工をふやすとか、あるいは社債の増加、あるいは公害防止関係の財政投融資の追加によりまして、公害防止の設備投資なり、あるいは電力関係の発電所の工事の着工促進等、各種の仕事の増加を図ってまいったわけでございます。 ただ、現在まだそれが効果が出る段階に達しておりません。深刻の度合いはさらに強まっておるようでございますので、当面やはり今後の対策としましては、公共事業の仕事の促進ということによりまして、あるいは設備投資の一部必要なものの促進ということによりまして、中小企業関係の仕事を増進していく、ふやしていくということが当面の一番望まれる施策の第一ではないかと考えるわけでございます。 それからもう一つは、下請関係につきまして、親企業の支払い等が非常に条件が悪くなっておりますので、支払い代金遅延防止法の厳格な励行を図りまして、さらに取り締まりを強化してまいりたいと考えております。 また、官公需につきましては、極力中小企業向けに発注をしていただくように、関係各省庁あるいは公社、公団にお願いをいたしておりますけれども、さらに年度末、期間も短うございますが、最後のラストスパートをかけまして、目標を極力上回るように、さらにいま各公社、公団にも督励方を個別にお願いをいたしておるところでございます。
○佐野(進)委員 時間がなくなりましたから、生活産業局長と中小企業庁長官に要望をしておきたいと思います。 大臣の先ほどの答弁にもありますとおり、中小企業庁あるいは生活産業局に関係する業種というものは、落ち込みが非常に大きいわけでありますので、ひとつ積極的にその対策について、いままでも取り組んでいると思うのでありますが、より以上積極的な姿勢をもって取り組んでもらいたい、このことを要望しておきたいと思います。 エネルギー庁長官には最初から来てもらって質問する時間がなくなってしまったわけでありますが、この前私は大協石油のコンビナートにおける火災問題を中心にいたしまして、あなたに要望を出しております。その要望がどう具体化されているかという点について、ひとつここで御答弁をいただきたいと思います。
○増田政府委員 二月十八日の当商工委員会におきまして、佐野先生からタンクの構造上の欠陥の事故、それからその会社名、それからいかなる措置をとったかということで資料を提出するようにというお話がございまして、その後私どもの方は消防庁といろいろ連絡をとっておりまして、現在資料作成中でございます。 私どもの方で各社を調べましたので構造上の欠陥として一応把握しておりますのは、昭和四十三年の極東石油の千葉製油所、昭和四十五年の西部石油の山口製油所、これはいずれも水張り試験のときにおきまして構造上の欠陥からタンクの不完全が発見されたわけでございますが、私ども当委員会に出します資料は、慎重を要しますものですから、現在消防庁と、いままでありました事故を一々突き合わせをしましてそれが構造上の欠陥に基づいてこういう結果になっているのか、あるいはそれ以外かということをやっておりますので、もうしばらく時間をかしていただきたいと思います。
○佐野(進)委員 なかなか調査が進まないのは残念なんですが、私の方も独自に調査をしておりますので、早く突き合わして問題の究明に当たりたいと思いますので、当局の一層の努力を要望したいと思います。 時間が参りましたので、質問を終わります。
○山村委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 きょうは非常に限られた時間でございますので、何点かその中でお伺いしたいと思っております。 独禁法の改正問題につきましては、三月五日に政府素案が決定されまして、現在自民党との調整作業が続けられておるわけでございますが、その中におきまして種々の議論が提起されておるということをお聞きしておるわけでございます。この結果、政府案の提出は、当初言われておりました三月中旬——この前の委員会で総務長官に私質問いたしまして、下旬にずれ込むかもわからない、しかしいずれにしても中旬から下旬にかけて提出をしたいということはお約束になったわけでございますが、しかしいまのそういう自民党との折衝を見ておりますと、これすらも非常に困難なように見受けられるわけでございます。三木内閣も最大の公約の一つといたしまして独禁法の改正をおっしゃっておられるわけでございます。国会の会期等から見ましても、私どもとしては何としてもこの三月中旬には遅くとも出してもらいたい、こう思っておったわけですが、それがさらに下旬にずれ込み、さらにそれもむずかしいというような、そういう空気を感じる現在、これはもう内閣としても国民に公約しておられるわけでございますから、よほど腹を決めてこの早期提出というものについて努力をしていかなければいけないと思うのです。その点、通産大臣に閣僚の一人として決意をお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 現在総理府が中心になりまして、先般内閣で決まりました独禁法改正についての素案を中心にいたしまして党の方と最終の調整作業を進めておるわけでございまして、総理府の方も党の方もできるだけ早くやりたいということで懸命に作業を続けられておるようでございます。 ただしかし、最終の日程がいつになるかということにつきましては、私は直接タッチをいたしておりませんのでわかりかねますが、とにかく全力を挙げて早くまとめるように努力中でございます。
○近江委員 独禁法は間違いなくこの商工委員会にかけられると思っておりますし、通産大臣もいままで総務長官との間におきまして政府素案の段階で非常に激しい議論を交わしてこられたわけでございます。やはりこの提出に当たりましても、閣僚の中でもさらに経済閣僚、その中でもかなめが通産大臣でございますし、あなたの決意というものはやはり重大な決定をなすのじゃないか、このように思うわけです。そこで、総務長官も遅くとも下旬までには出すということをおっしゃっておられますが、あなたの決意としてはどうなんですか。
○河本国務大臣 素案がまとまりますまでの間にはいろいろ意見を述べ合ったわけでございますが、政府の素案が決まりまして、そして先ほども申し上げましたように総務長官が中心となられましていま党ともせっかく調整中でございます。全力を挙げておられますので、私も一刻も早く案がまとまることを期待をいたしております。
○近江委員 あなたの場合は一刻も早くという御答弁であるわけです。総務長官の場合は、遅くとも下旬ということをおっしゃっておるわけですね。いまでは抽象論じゃだめだと思うのです。ですから総務長官がおっしゃったように、通産大臣も少なくとも下旬までには提出する、こういうことでございますか。
○河本国務大臣 これはいま作業をしておりますのは、総理府と党の調整でございまして、政府の方は総務長官が責任を持ってやっておられるわけでございますので、私は、そういう作業中であるのにいついつまでに出すということを言える立場ではございません。私としては、早くまとまることを期待しておる、それしか申し上げかねるわけでございます。
○近江委員 同じことばかり繰り返しておるわけでございますが、総務長官が下旬ということをおっしゃっているわけですね。あなたとしては、総務長官のおっしゃったことについて応援をし、幾ら遅くとも下旬にそれを出したいという気持ちですか。
○河本国務大臣 二、三日前の予算委員会の総務長官の話を聞いておりますと、三月下旬を目途として極力努力をしておる、そういう御説明がございました。私でお手伝いをすることがもしあるならばお手伝いをするつもりでございます。
○近江委員 そうしますと、通産大臣も総務長官と同じ気持ちで努力をし、応援もしたい、こういうことかと思います。 いずれにしましても国会の会期等から見ましても、これでも遅いわけですよ。ですからひとつ政府の約束されたとおり、遅くても下旬いっぱいに間違いなく出していただくように、この点は強く要望しておきたいと思っております。 それから、いまいろいろと論議されておりますいわゆる企業分割の問題につきましては、独禁法の改正問題の中心的な課題になっておるわけでございますが、分割は政府の素案から消えまして、いわゆる営業の一部譲渡につきましても実質上意味をなさない形になろうとしておるわけであります。三月六日の自民党の独禁法改正特別調査会の議論あるいは七日の参議院予算委員会におけるわが党の黒柳議員の質問を契機として発表されました政府の統一見解というものは、実体上公正取引委員会の譲渡命令は強制力を持たず、株主総会の決議が優先することを肯定しておるわけでございますが、構造規制としての営業の一部譲渡というものは当然営業の重要なる一部の譲渡であり、株主総会を拘束し強制力を有するものでなければ、この規定を設ける意味はないと言わなければならないわけであります。この政府の見解は、株主総会の決議を得られなくても会社の義務は消滅しないということを言い、違反行為に対して刑事責任を追及することとしている、このように言っているわけですが、会社ないし経営者としては営業譲渡の議案を株主総会に提出するまでの手段を尽くせば義務は果たしたことになりますし、また刑事責任の追及も不可能になるのではないかと思うわけです。この点につきましては、営業の一部譲渡を実効ある制度とするように明確な規定を設ける必要があると思うのです。この点、構造規制に介入するというようなことで通産大臣としては非常にいままで強論を吐いておられたわけでございますが、この点についてあなたはどう思われますか。
○河本国務大臣 先ほども申し上げましたように、政府素案がまとまりますまでの間には各大臣からそれぞれの意見の開陳があったわけでございます。ただしかし、総理の方から、いま国民が何を要望し、そして新しい自由主義経済のルールのためには何が必要であるかということを大局的に考えて案をまとめるべきであるという御発言もございまして、最終的には御存じのような素案にまとまったわけでございます。したがいまして、私も素案については了解をしておるわけでございます。 ただ、繰り返して恐縮でございますが、いまお述べになりました点は非常に重要な点でございまして、去る五日に政府の素案がまとまりまして以来連日党と総理府との間でいろいろ意見の交換が続いておりまして、まだ最終的にまとまっておりませんから、いま私が申し上げるのは適当ではないと思いますので、控えさせていただきたいと思います。
○近江委員 いつも中身につきましてはいまのように検討中であるということでお答えにならぬわけでございますが、きょうは時間のかげんもありますので、次に行きたいと思います。 現在の国際経済また国内の景気の動向を見ておりますと、いろいろな問題があるわけでございます。日銀は公定歩合につきまして来月十日過ぎ引き下げの意向を示したようでありまして、方針を固めたということがいわれておるわけでございます。大体率については〇・五%。実際に産業界のいわゆる中心におられる大臣として、この日銀の方針につきまして、この時期また幅につきましてどういうお考えをお持ちでございますか。
○河本国務大臣 いまお話しのように、公定歩合の問題が金融政策上の最大の当面する課題であるということは承知しておりますが、これはすべて日本銀行の方におかれまして、諸般の事情を勘案いたしましてお決めになることでございますので、私の方から意見を言うべき立場ではございませんので、この点は意見を申し上げるのを差し控えさせていただきたいと思います。
○近江委員 次に、いま問題になっておりますいわゆる隔膜法の転換計画の問題についてお伺いしたいと思っておりますが、この苛性ソーダの隔膜転換計画は今年の九月までに三分の二、五十三年の三月までに全部完了の予定ということで通産省の指導が行われておるわけでございますが、現在の進捗状況についてはどうかという問題。 それからさらに、この隔膜法というものは水銀法に比較した場合、コストあるいは品質面で若干不利じゃないかというようなこと、転換のための設備資材や建設費が高騰した、こういうことで隔膜法自体にも技術的問題が残されている等々のことを産業界が言っておるわけです。最近米国、カナダから帰国いたしました調査団が、隔膜法転換について慎重論を述べておるわけですね。そういうことによりまして、苛性ソーダ業界が転換を見合わせると同時に、政府に対して転換計画の延期を要請しているというようなことをちょっと聞くわけでございますが、これは公害防止、環境保全の立場からいきまして、われわれとしては非常に心配しておるわけでございます。そういう意味において、政府のそういう転換計画の指導方針が後退することがないかどうか改めて確認をしておきたいと思うのです。 以上二点につきましてお答えいただきたいと思います。
○矢野政府委員 まず、最初にお尋ねのございました現在の隔膜転換の進捗状況がどうかということでございます。これは御承知のとおり、四十八年に先ほど御指摘のとおりの方針が政府の決定として示されておりまして、三分の二というのを厳密に申しますと六四・六%というのが実際の内容でございます。五十三年三月末には一〇〇%全部隔膜法に転換するということでございます。 ところで、いまおっしゃいましたようにいろいろと問題点があるというふうなこともございまして、私どもの方で昨年の十月二十日から二十九日までに、一年後の九月目標にどういう展開をするかということで実は調査をしたわけでございます。 その結果によりますと、六四・六%の達成見込みに対しまして、四六・八%ではないかというような見方が出たわけでございます。したがって、私どもとしてはあと一年の間にこういった見通しがずれることのないようにということで、現在鋭意指導をしているわけでございます。 指導の内容といたしましては、一つにはいわゆる水銀法が隔膜にかわることによりましてボイラーの設置ということが行われます。そのためにNOxとかSOxの公害防止協定が非常におくれているというような点がございましたので、これは通産局を通じまして県及び市にこれを促進するようにということを呼びかけたわけでございます。 それから一つには、資金の問題がございまして、資材の高騰等、先生も御指摘ございましたが、開銀資金というものが非常に不足にならぬか、それから同時に、これと対応いたします民間金融機関の資金が非常にむずかしい、こういうことがございました。したがって、開銀につきましては別途今回の予算におきまして補正という措置も講じまして心配のないようにしたわけでございます。それから、民間金融につきましては、この総需要抑制の中で窓口規制が厳しいわけでございますが、日銀に対しまして、こういう点におきます弾力的運用ということを要請しているわけでございます。 その他、小さく申しますと、機械の購入がおくれているとかいうようなこともございます。そういう点につきましては、私どもの方から機械情報産業局を通じましていわゆる機械メーカーに対して納期の促進をお願いする、こういうようなことを続けてまいっておりまして、この経過は、いま私どもの方は、ちょうど半年前になります四月末にもう一度そのトレースをいたしまして、目標のほぼ三分の二というところに近づける努力をいたしたいと思います。 それからなお、現在の生産能力の面で一体水銀法がどういうふうな位置にあるかということでございますが、ことしの一月末におきましては、全体の能力三百八十三万トンの中で水銀法が三百五十万トンでございました。ほぼ九〇%でございます。したがって、いわゆる非水銀法が一割程度ということでございますが、現在の当初計画では、これを先ほど申し上げました九月までに非水銀法を六四・六にする。いまの推定でいきますと四六・八でございますが、このギャップをこの九月までの間に大いに埋めていく、こういう努力をいたしたいと思います。 それから、第二番目にお話のございましたいろいろ調査団の問題あるいは品質の問題というふうなこともございましたけれども、私どもの方も非常に一時心配いたしましたのは、十一月の末に化繊協会の方で隔膜法製品の試作と申しますか試供品を検査をいたしまして、一体化繊に向くかどうかということを研究したわけでございます。ところが、その報告によりますと、いわばレーヨンのフィラメントについては、長繊維でございますが、これは非常に食塩分が多いし、鉄分が多いということで向かないというような話がございました。私どもの方は一月の十三日と思いますが、化繊協会の理事長を招致しましてその実情も聞いたわけでございますが、その場合には非常に品質の改良がないと今後水銀法の苛性でないと使えないのじゃないか、そういうことがはっきりするなら、むしろ延ばすなり何らかの措置を考えてくれというようなお話がございました。私どもとしても、せっかく繊維の中で最後の国際競争力を持っております化繊が崩れてしまうということは、繊維業界全体に対して非常に大きい影響を与えるということで苦慮しておったわけでございますが、二月になりまして、いわばイオン交換膜の開発が相当進んでまいりました。現在企業化に入りますのが旭化成でございますが、その他東洋曹達、徳山曹達あるいは丸善石油といったところがなおこの開発を続けておる。そういう点で私どももこのイオン交換膜の技術革新、これは相当確度が高いんじゃないかということを私どもの研究所、試験所の調査も含めまして現在判断しておりますので、現在のところでは私は五十三年末までに一〇〇%の転換ができるものというふうに現在考えております。そういう点では愁眉を開いているところでございます。ただ、これを後退させる方針かどうかというような行政指導の方針につきましては大臣からお答えをしていただくことが正しいと思いますので、事情を御説明いたしました。
○河本国務大臣 政府といたしましては現在の転換計画の指導方針を変更する必要はないと考えております。五十年度の財政投融資もこれを前提として編成をいたしておるわけでございます。
○近江委員 この隔膜に使用いたします石綿の発がん問題が新たに注目されておるわけでございますが、この点について政府としてはどういうような対応策をおとりになるか、これは労働省からお伺いしたいと思います。
○山本説明員 お答え申し上げます。 石綿は石綿肺というじん肺の一種の原因でございますから、昭和三十五年以来健康管理を厳重にするように事業者にじん肺法で義務づけております。しかしながら、その後ILOあるいはWHOにおきますところの専門会議におきましてこの物質が気管支がんを起こすということが確認されるに至りましたので、私どもといたしましては特定化学物資等障害予防規則というものにこれを指定いたしまして監督、指導をしております。しかし、このたびその規制内容をさらに深めまして、たとえば石綿の吹きつけ作業の禁止でございますとか、それから抑制濃度、環境を管理する濃度でございますが、これを少し厳しくするということで、労働者が石綿によるがんというようなものにかからないようにしようというふうに考えております。
○近江委員 今日ソーダ工業界におきましていろいろな問題が出ておるようでございますが、一つは、ダウケミカル社の日本進出計画が明らかにされておる。現在非常に波乱を巻き起こしておりますが、このダウケミカル社の国際的な進出状況を見ておりますと、大体一〇〇%子会社出資、こういう形態になっております。聞くところによりますと、計画は何か三十六万トンであるとか、先ほど局長が御答弁になったように三百五十万トンからしますと非常に大きな額になるし、これもさらにまた増産計画という第二期のことも考えていきますと、中小企業等も多い業界から考えますと、この波乱というものは非常に大きいと思うわけですが、この進出問題についてはどのように調整をなさるおつもりですか。
○矢野政府委員 いま御指摘のとおり、ダウケミカルが日本にソーダの一〇〇%の子会社をつくりたいということでいろいろ動きをしております。私どもの方には正式な形での接触はございませんがもそういった動きを——まず、いま土地をどこに求めるかというようなことで、北海道とかあるいは神奈川とかいろいろと物色をしておるというような話を聞いております。 それから同時に、この問題につきましては、一応現在資本自由化一〇〇%でございますからチェックをすることはございませんが、いわゆる外資法によります日銀の確認という行為が出てまいりますけれども、そのためには、現在日本にやはりダウケミカル・ジャパンという一〇〇%子会社が、これは販売会社でできてございます。それを製造会社に直したいということで定款変更の届け出というのが実は制度的には必要でございますが、まだこれもその動きになっておりません。ただしかし、先ほどおっしゃいましたように、一〇〇%子会社というこれは実はソーダに関してダウケミカルのプリンシプルだということで、昨年六月からこの話が出ました際に業界あるいは私どもの方で何とか合弁というような形にならぬものかということを大分強く言ったようでございます。しかしながら、このプリンシプルは変えれないというふうなことでございまして、ソーダ工業界としては現在隔膜へ転換中で非常な負担がかかっておる、それからダウケミカルは世界のソーダ生産の一二%を占めるというくらい巨大企業でございまして、しかもその計画も、いま先生御指摘のとおり当初三十六万トン、将来七十二万トンまで拡大したい、こういう計画のようでございますので、こういうものにこういった混乱期に飛び込まれますと非常に混乱をするということは明らかでございます。私どもの方もできるだけひとつ相協調するように、特に日本のソーダ界の転換の混乱のときにソーダ工業界を、早く言えばつぶしていくといいますか、つぶれてしまう、こういうことのないように、できるだけ被害を与えないようによく業界との協調と申しますか、話し合いを進めてもらいたいということを現在指導しているわけでございます。非公式な話としては、ダウの副社長あるいは極東支配人という連中も決して日本のソーダ工業界をいわば席巻する、あるいは支配するというようなことのないように、十分日本のソーダの、あるいは輸出市場を含めたそういった需要構造の中にマッチするようにやっていきます、こういうことを言っておりますが、何しろまだ具体的行動を起こしておりませんので、私どもはこれは重大な関心を持って今後の推移を見守っていきたい、こういうことに考えております。
○近江委員 最近におきます不況の深刻化等で、産業界におきましては大幅な減産あるいは在庫調整、人員合理化等の動きが全業種に広がっておるわけでございますが、その反面、石油危機に誘発されました原燃料や人件費の高騰というものが圧迫要因となっておるというようなことで製品価格の値上げが行われようとしておるわけであります。現在石油業界は全製品にわたりましてキロリットル当たり五千二百円から五千四百円の値上げを実施中である、このように言われておりまして、さらに二千五百円程度上積みをしたい、こういうような動きもあるようでございます。業界はぎりぎりであるというようなことを言っておるようでございますが、政府としてはこの問題についてどのようにお考えであるかということが一点。現実にいま為替の問題を見ましても円高になってきておりますし、業界としてもこれは相当楽になってきておるはずであります。それにもかかわらず、こういう動きについてどのように思われるか、これが一点です。 時間がありませんからまとめてお伺いします。 第二点として、石油製品の値上げの実施は、いわゆる大手の電力、鉄鋼、石油化学向けの場合が難航しておる反面、いわゆる灯油、ガソリンなどの小口販売の場合は製品を若干変えるとかいろいろな形でかなり進んでいるということが伝えられておるわけです。こういう点につきまして、国民生活に直接影響を及ぼしたり中小企業の経営を圧迫するような小口物の値上げを先にするというのは、これは順序が逆じゃないかと思います。この問題について政府はどのようにお考えであるか。 次に、第三点としまして、石油化学製品等の主要誘導品の生産は、昨年の夏をピークに低下をたどっておるということを聞いておるわけです。しかも、原料ナフサが値上がりしているというようなことで、これに伴ういわゆる誘導品価格の値上げという問題がまた出かかっておるのですが、これについてはどういういわゆる抑制をしていくための考えを持っておるか。また、二次加工の中小企業及び国民生活関連物資への影響と、これを最小限にとめるための対策はいかなる対策をとっておられるか。 次に、第四点としまして、鉄鋼につきましては、大口需要家向け鋼材、ひもつき価格の第二次値上げが問題になっておるわけですが、原材料価格の高騰、鋼材輸出価格のいわゆる落ち込み、春闘の影響の要因等から見て、今後の見通しについてはどういう見通しをお立てになっているか。また、値上げそのものが生活関連物資や中小企業に悪影響を及ぼすことはむろんである上に、値上げ幅がこれらの分野に不当にしわ寄せされるおそれがあるわけでありますが、政府としてはこれをどのように監視し、調整していくお考えか。 以上、四点について簡潔に要点をお答えいただきたいと思います。
○増田政府委員 ただいま先生から御質問のありました一点と二点について私からお答え申し上げます。 第一点の御質問でございました石油価格の値上げの問題でございますが、この石油価格につきましては、先生御存じのように、昨年の三月十八日に政府が指導価格の値上げを認めまして、一応それで八月の十八日まで固定しておったわけでございますが、その三月に値段を指導価格として決めましたときの算定基礎から、その後OPEC諸国の値上げが相当大幅に出てきておるわけでございます。 細かいことは省略いたしまして、簡単にその内容を申しますと、三月の八千九百四十八円値上げいたしましたときの一バーレル当たりの原油の計算基礎といたしましては、十ドル五十三セントというものを基礎にいたしたわけでございますが、これが現在、二月の到着分につきましては十一ドル八十を超えておる、こういうことでございます。 それから、為替の問題の御指摘がございましたが、これにつきましても二百九十円で計算いたしておったわけでございますが、その後大体三百円というものがずっと続きまして、これも赤字要因ということになっておるわけでございます。 これらを総合いたしまして、石油企業にとりましては相当大幅な赤字要因であったわけでございまして、現に九月の決算におきましては軒並みに赤字の決算が出ておるわけでございます。これは一部外資系会社その他には若干黒字が出ておるわけでございますが、実質的には赤字会社が大部分であるという状況でございまして、これが三月期におきましてもほぼ同様、あるいはそれより悪化するという状況でございます。 それに対しまして、これらの赤字要因を除去いたしますために、製品の値上げというものを昨年の十月及びことしの一月に石油会社が打ち出しておるわけでございますが、需給の状況から、経済が停滞いたしておりますことから、ことに石油製品で一番大きな割合を占めますC重油の値上げがほとんどできないというようなことで、これらの値上げがほとんど通ってないという点が大きな影響を及ぼしておるわけでございます。 以上のような実情を申し上げたわけでございますが、私どもが各社の経理その他を十分審査、監査いたしておるわけでございますが、それらから見まして現在の値上げというものが不当であるとは思っておりません。しかも、これらの値上げが現在なかなか通らないというのが現状でございます。 それから、第二点として御指摘のありました値上げについて小口物にしわが寄っておるんではないかということでございます。たとえば灯油でございますが、灯油につきましても御存じのようにこの冬は通産省から相当大幅な増産指示をし、また在庫は例年以上に蓄えさせたという結果で、むしろ灯油の価格が下がっておるということが結果として出てきております。ただ。御指摘にありました石油製品の値上げが小口の方にしわ寄せになり。大口の方にはそれが上がらない、その結果中小企業に対して犠牲を強いるということがあってはならないということで、私どももそれに関しましては十分注目し、またこれに対しての指導を行う、こういうことで考えております。
○矢野政府委員 石油化学の誘導品の価格がどういうふうになるか、同時にまた二次加工の中小企業それから国民生活に関連の深い物資の価格へ響く事態にどう対処するかということにつきましてまずお答えをいたしますが、先ほどのエネルギー庁長官のお話しにもございましたように、ナフサにつきましては大体五千円ないし五千五百円ということでの値上げ要求が価格凍結解除後エチレンセンター側にございまして、現状ではその線におきましてはほとんどこれをのむという態勢で推移しております。そこで、現在エチレンメーカーはこれを受けて誘導品メーカーの方にある程度の価格アップの要請をしておりますが、大体十五、六円という出発が現在十二、三円というところで妥結をしかけているところでございます。七十三円ないし七十五円でございましたから、大体八十八円程度のところに落ちつくというのがいまの概勢のようでございますが、しかしながらこれも全部ではございません。現在三分の二程度しか実は実行に入っておりません。 ところで、それを受けました誘導品メーカーが今度は第二次加工メーカーに早く言えばそれを受けての値上げ要請ということになっているわけでございまして、これが大体二月から三月にかけて交渉に入っておりますが、これはいまの総需要抑制で二次加工メーカーの製品が非常に売れません、そういうようなことからいずれも交渉はまとまっておりません。したがって、現在のところでは第二次加工の中小企業に対しての値上げ問題ということはございませんけれども、私どもとしてはこういった国民生活の末端にまで関連のある物資でございますし、また洗剤のような場合にはベンゼンというふうなものが非常に大きなウェートを持つわけでございますから、こういうものにつきましては先般の凍結解除のときに行われました閣議の了解によりまして事後監視、それから必要とあれば値下げ指導ということになっております。そういう点で行き過ぎのないように私どもとしては十分指導をいたしたい、こう考えております。 それから、第二は鉄鋼の問題でございますが、現在各社の首脳が値上げ要請をしておることは、私どもも新聞では承知しております。ただし、私どもの方にこういうふうなことで考えたいということの意思表示は現在のところございません。私どもが調べたところによりますと、四十九年六月に、価格の凍結時代に値上げを認めましたわけでございますが、たとえば原材料で申しますと、原料炭が四十九年六月ではトン当たり三十九ドル六十二セント、これが逐次上がりましてことしの一月には六十ドル九十セント、なおこの中で米国炭につきましては、昨年十二月に八ドルのアップが出ております。これはまだ入着しておりませんので価格に入っておりませんけれども、さらにこの四月には、やはり米国炭でございますが、六ドルの値上げ要請を受けざるを得ないということになっておりまして、これからの原料炭の価格というのは非常に高まるのではないかと心配をしております。それから、鉄鉱石につきましては四十九年六月にトン当たり十三ドル八十八セントでございますが、これが一月には十六ドル二十一セントということで、これは三割程度でございますがやはり値上げが行われております。 別途、輸出の方は一時の好況から一転いたしまして、現在では先行き指標でも非常に悪くなっておる。十二月のLC統計で見ますと、十二億六千五百万ドルの統計の結果でございますが、二月では七億八千九百万ドルということで先行き指標も非常に不安である、こういうようなことで従来国内の赤字を輸出でかせげたということから、鉄鋼業界もいわゆる不況期の中の野中の一本杉というのが昨年の秋にうたわれたことでございますが、現状ではこういう点でとても輸出も悪い、国内の状況も非常に悪いということで、いわば現在の値上げのいろいろな議論というのは鉄鋼業界の苦衷を知ってもらいたいというような趣旨から出ているのではないかというふうに推定をしておるわけでございます。ただ、私どもとしてはもちろんいま価格の介入というのはやっておりませんけれども、何しろ基礎資材でございます。同時に大口であります造船あるいは自動車といったところはいずれも世界の不況の波を受けまして、造船契約のキャンセルが続出するという話も聞いております、また自動車も現在の状況で国内、輸出とも非常にふるわないということでございますから、鉄、基礎資材のコストアップというものがそういうユーザーに対して大きく響くということになってもいけません。また同時に、それは基礎資材として国民生活全般に響いているわけでございますから、こういった値上げ問題というものにつきましては、まだ三月期の決算も出ておりません、今後の問題でございますが、私としては国民経済運営の観点から慎重に動向を見守って十分な監視を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○山村委員長 この際、政府委員各位に申し上げますが、答弁は簡潔明瞭にお願いしたいと思います。 ————◇—————
○山村委員長 内閣提出、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。勝澤芳雄君。
○勝澤委員 まず最初に、通産大臣にお伺いをいたしますが、最近工場の存立という立場から、特に公害の問題、公害を出すこと自体が会社の存立にかかわる問題だ、あるいはまたコンビナートの災害などを見てみますと、保安問題というのが会社の存立にも大きくかかってきている、最近の工場立地といいますかあるいは工場のあり方といいますか、こういう問題に大きく変わった状態が出てきているようであります。そこで、私は保安対策策のあり方というものについて、企業が実施すべき自主的な保安対策と公の機関である国なり地方自治体の保安行政のあり方というものについて一体どうお考えになっておられるか最初にお伺いいたしたいと思います。
○河本国務大臣 いま御指摘がございましたように、いま産業界で最大の課題は、生産もさることながらやはり公害問題と保安体制の確立、これに尽きると私は思います。そこで、公害対策、保安対策をつくるにいたしましても、企業がそれぞれ自主的にその対策、体制というものを強化しなければならぬのは当然でございますが、しかしコンビナート等におきましてはやはり横との連絡、総合的な対策というものが必要でありますので、国としてまた地方の市町村としてもやらなければならぬ仕事はたくさんあるわけでございます。したがいまして、国、公共団体等がやる保安、公害対策、それと企業のやる保安、公害対策、これが完全に一本化しなければいかぬ、こういうことを痛感いたしております。そういうことを踏まえまして、政府ではコンビナートにおける保安対策というものに対して、いま全力を挙げて取り組んでおるわけでございます。
○勝澤委員 大臣、公害という問題が、工場自体から公害対策をしなければならぬという発想で出てきたというよりも、公害の害によって地域住民あるいは行政といいますか、そういう立場から公害という問題が出てきているわけです。私はここに大きな問題があると思うのです。しかも、私はこの「公害」という言葉が大変きらいなんです。公の害ではないのです。その会社の私の害なんです。ですから、極端に言うならば、その会社が絶対的に害のないようにしなければならぬわけでありますけれども、いや、してもしなくてもいいのだということがいままでやられてきた行政の問題だと思うのです。しかし、保安の問題を考えてみますと、火災があれば、実は会社の存立自体が問題になるわけです。あるいはまた地震等々というものが起きてきた場合もそうです。 こういう点から考えてくると、やはり公害とか保安とかいうものをもっと自主的な立場で積極的に会社に考えさせる、こういうことが一番大事ではないかと思うのです。そういう点で、保安なんというのはもう会社自体が考えてやることであって、役所の方があれこれ、こうしなければならぬ、ああしなければならぬと言うのは余りにもおせっかいではないだろうかという気が実はするわけです。しかし、そうは言っていても、会社がそうはなっておりません。 そこで、企業に保安を第一に考えさせるにはどうしたらいいか。企業に保安をとにかく第一に考えさせる、あるいは公害を第一義的に考えさせるには一体具体的にどうしたらいいかということについて考えなければならぬと思うのですけれども、こういう問題について、企業に保安を第一義的に考えさせるような通産省としての具体的な措置といいますか、こういう点についてはどうお考えになりますか。
○佐藤(淳)政府委員 通産省としての具体的の措置でございますので、私から御答弁申し上げたいと思います。 企業内におきますところの保安対策といたしましては、先生御指摘のように、企業みずからがえりを正して、トップの社長から末端の従業員に至るまで保安意識を十分に徹底させるということが最大の問題でございまして、いわゆる安全なくして生産なしということの観点で、企業経営全般にわたりましてそういう体制が貫かれていなくちゃならないということをわれわれは痛感いたしておるわけでございます。それで、今回お願いいたしております法律改正の大きなねらいもまさにそこの面に向けられておるわけでございまして、制度的にもあるいは組織的にもそういう面を確立してまいりたいということでございます。 〔委員長退席、田中(六)委員長代理着席〕 すなわち、保安管理組織の整備につきましては、責任体制を上から下まで貫いて確立するということのために、工場長を保安総括者にいたしまして、それから各施設の区分ごとにそれぞれ保安主任者なり係員等を選任させまして、それで広範囲な保安管理あるいは保安意識の徹底を図ってまいりたいもさらに危害予防規程なり従業員の保安教育の強化ということにつきましても、今度の法律改正の大きなねらいとして入れているわけでございます。さらに、最近コンビナートにおきましていろいろ問題が起きてまいっておりますので、そういう点も踏まえまして、現場のみならず、本社の社長直属の安全対策本部を設置いたしまして、企業のトップが率先してこの保安確保に全力を挙げていただく、さらに本社スタッフによりますところの特別保安査察等を実施するように、去る二月に通産大臣からコンビナートの責任者に指示をいたしたわけでございます。
○勝澤委員 そこで、一つの企業が一体どこを重点に物を考えているのか。いま局長の言われました安全なくして生産なし、安全あるいは公害、ここの部門というものがどれだけ強化されて、ここがどれだけ、会社の中における地位といいますか、会社の中における待遇といいますか、あるいは力を持っているのか。ここがいつも片すみの方で仕事をしている、あまり出過ぎるとしかられる、こういうことであっては何ともならぬわけです。ですから、私は、工場長が形式的にこうだということでなくて、企業の実態の中から、この問題についていま局長がおっしゃられたより以上に、もう少ししっかりした体制として、生産を第一でなくて保安を第一に物を考えるようなスタッフとかあるいは人事構成というか、こういうものを一つ一つやはりチェックしていくというか、あるいはそういうことも考えなければならないのじゃないだろうかというような気がしてならないわけであります。 そこで、次の問題でありますけれども、国として、保安行政というものはどうあるべきだろう、そして企業に対する監督というものは一体どうあるべきか、大変抽象的な質問でありますけれども、国としての保安行政はどうあるべきか、そして企業に対する監督というのはどうあるべきか、こういう点について少し御説明を賜りたいと思うのです。
○佐藤(淳)政府委員 保安問題といいますのは、単に工場の自主的な保安を確立することによりまして、従業員が安定的な職場を確保し、地域に貢献するというのみならず、地域住民とともに保安を通じまして栄えていかなくちゃならないという観点から、われわれとしては非常に重大に考えておるわけでございます。それで、特に最近の大きな事故等を見ますと、人の生命あるいは財産に直接かかわるような問題もございますので、われわれとしましては常に保安行政の重要性を十分に認識して対処してまいりたいと思っております。 具体的には、高圧ガスの製造あるいは消費等につきましての質と量の両面にわたりまして、世の中もいろいろ変化してまいりますし、また保安に対しますところの社会的の要請も逐次高まってまいっておりまして、こういうようないろいろな情勢の変化に適切に対応しながら、しかも時期を失しないように、機動的に保安行政を推進して遺漏なきように努めてまいらなければいかぬ、こう考えております。このため、五十年度におきましてもいろいろの施策を予算的にもあるいは今度の法律的にもいろいろ盛り込んだつもりでございまして、こういう面を通じながら、積極的に保安対策を展開するという覚悟を十分持っているわけでございます。
○勝澤委員 通産省という役所は、いろいろ言われておっても、やはり業界の立場から日本の経済、産業をどう発展さしていこうかという物の考え方に立つことはやむを得ないと思うのです。厚生省やあるいは環境庁は、国民の立場から、公害のないように、あるいは安全なように物を考えるのも当然だと思うのです。役所の場合でも、一体そこのスタッフがどうなっておるのか、厚生省あるいは環境庁あるいは通産省、この三人の大臣を比べてみると、どこが一番力があるのか。かつて日本の行政改革の中でも、行政管理庁長官というのが河野一郎さんになるとものがこうがさがさ進んでいく、大臣がかわると、そんな大臣がいたっけかなという話になるような気が私はしておったのですけれども、通産省の中でも同じことが言えるのじゃないだろうかと思うのです。局長さんがたくさんおる中で、立地公害局長というのが一番の上なんだ、その上が事務次官だ、このぐらいに立地公害局長というものの格が上になると、保安と公害の問題というのはもっと重点にされると思うのです。私はそういう意味で言っているわけです。会社の中でも同じことだと思うのです。そういうものがウエートを占めてくるということによって初めて保安というものがその会社の中で重く見られている。この間の排ガス規制の問題でも、日産、トヨタなりあるいは本田なり東洋工業というものを見てみますと、やはりどこに重点があるのかという会社の実態がよく出ていると思うのです。 通産大臣、抽象的な話ですけれども、そういう意味で、通産省としてもそれは保安という問題、公害という問題について重点を置いているわけですけれども、重点の置き方というものを、三木さんの言う発想の転換といいますか、そういう問題から、この保安、いませっかくこういう法案が出て、高圧ガスの保安体制というもののあり方について議論をされているわけでありますから、通産省の中における保安の体制、会社の中における保安の体制というものが、力を入れている入れていると言っても、それは人的構成の中であるいはその会社の資金の使い方の中でいろいろ問題があるわけでありますから、もう一回ひとつこの保安についての考え方をお聞かせ願いたいと思うのです。
○河本国務大臣 いまお話しのように、現在の日本の産業の状態では結局この環境であるとか保安とかいう問題を第二義的に考えてはもう成立しない、また今後の産業経営も成り立たない、こういうふうにすっかり変わったわけでございますから、やはりこの環境、保安という問題を、いまお述べになりましたように最大の課題として取り組んでいかなければならぬと思います。したがいまして、企業においてもやはりこの問題が重大であるということを自覚する以上は、お説のような自主的な体制で臨んでいかなければいかぬと思いますし、役所の方においてもやはりそういう体制に考え直していかなければならぬと思います。
○勝澤委員 それでは大臣、立地公害局長というのをやらないと次には事務次官になれぬ、こういうことにすれば立地公害局長というものが通産省の中で大変力を持って、公害なり保安というものが進むということをぜひお考えをいただいて——これはあなたができることですから、またあなたでなければできないことですから、ひとつ研究をしていただきたいと思います。 そこで、最近コンビナート地域における保安の対策ということがたいへん問題になっているわけでありまして、共同管理の体制とか共同防災体制とか、あるいはコンビナート防災協議会を拡充しておるというようなことが言われておるわけでありますけれども、このコンビナート地域における保安対策というものについて、何か総合的なものといいますか、いま縦でばらばらになっているが横で統一的なものというのは、いま以上にできないものでしょうか、何かそれについてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○佐藤(淳)政府委員 コンビナートの保安問題なり防災体制につきましては、いま政府全体の問題としましていろいろ作業をやっておりますが、その前に現状をちょっと御説明しておきたいと思います。 コンビナートにおきます保安対策につきましては、共同防災体制の整備がきわめて重要であるということにかんがみまして、四十三年の四月に、当時の通産省の化学工業局長通達によりまして、コンビナートごとにコンビナート事業所相互間でコンビナート保安防災協議会というものを設立させまして、緊急時におきます相互応援あるいは連絡体制の確立、共同防災訓練の実施あるいは防災設備の適正配置等を実施させてきておるわけでございます。なお、この協議会はコンビナート地域の自主保安管理体制の整備というこの化学工業局長通達に基づきまして設置されておるわけでございますが、いま申しましたいろいろな連絡の方法なりあるいは事業所間の相互援助の問題なり共同防災訓練の実施等々を逐次計画的に実施させておるわけでございます。さらに、先般の水島あるいは大協石油の事故にかんがみまして、通産大臣からもコンビナートに立地する企業に対しまして、共同防災体制の整備強化につきまして万全を期すよう厳重に指示をいたしたわけでございます。 なお、今後のコンビナート全体につきましては、冒頭に申し上げましたように、各省共同で検討いたしまして、さらに現状の体制を強化してまいりたい、こう考えております。
○勝澤委員 その今後の問題ですけれども、コンビナートの地域だけ総合的な特殊なものとしての保安基準というものがつくれないのでしょうか。
○佐藤(淳)政府委員 確かに単独立地の工場といろいろな業種の工場が集積いたしておりますところのコンビナートでは、おのずからその対策というものは変わってくるのが当然だろうと私も思います。一たび事故が起きますと、コンビナートはやはり非常に災害も大きくなる危険もございますので、そういう観点から保安上の技術基準等につきましても、コンビナートについてはやはり強化する体制で臨むべきであるということがわれわれの考え方でございます。そういう観点に立ちまして、従来は省令でもって保安技術基準を一様に定めておりましたが、いま先生おっしゃったような趣旨にかんがみまして、さしあたりこの高圧ガス保安関係につきましては、コンビナートに所在する工場につきましてはコンビナート保安規則というものを規定いたしまして、単独立地の企業よりも厳しい条件の基準を定めまして、近いうちに公布する運びを予定いたしておるわけでございます。
○勝澤委員 大臣、コンビナート地域というのは、いろいろな役所の行政末端といいますか、あるいは監督機構というのは入り組んでいるわけです。何かこれ、一つにまとめて、縦でなくて横でやる方法というのはないものなんでしょうかね。いろいろ議論をされているようですけれども、これは通産省だけというわけにいかないでしょうけれども、やはり国務大臣という立場で考えたときに、いまのままでいいだろうかどうだろうかという点について、実は私も疑問を持ちますけれども、国務大臣としての通産大臣の見解をひとつお尋ねしたいのです。
○河本国務大臣 実は御指摘の点につきましては、先般の水島の事故におきましてそのことを痛感したわけでございます。そこで、やはりこの保安体制を強化するということは、国としてばらばらでなくして、とにかく一本化した対策を立てるということがもう何よりも機動的に行動できますし、かつ強力に行動できるということを痛感をいたしまして、先般総理からも至急にその方向で案をまとめるようにという、こういう御指示もございまして、いま自治省が中心になりまして一本化する案をまとめておるところでございます
○勝澤委員 これは自治省といっても消防庁だけれども、きょういらっしゃっている課長さんわかりますか。もし、おわかりにならないようでしたらまた……。
○永瀬説明員 先生お尋ねのコンビナート地帯におきます防災につきまして、一本化の方向を何らか形づくっていくということにつきましては、先ほど通産大臣からお話ございましたように自治省が中心になってということになっておりますが、実は消防庁がその中におきまして中心になりまして、各省からの御意見をいただいております。そして、その御意見を現在取りまとめ、なおたたき台をつくる作業をいたしておりまして、近日中に各省と考え方、また法案をまとめる方向につきまして、内々いろいろ御相談を申し上げていきたいというふうな段階に立ち至っております。
○勝澤委員 もう二回か三回ぐらいコンビナートで事故が起きなければ進まないでしょうね、それは。やはり何か問題が起きたときに早いことやらない限り、また縦の力が強くなって何ともならなくなるんじゃないかという気がしてならないわけです。 そこでもう一つ、今度は通産大臣にお伺いいたしますが、この保安行政の縦割りということについていろいろ議論をされているわけであります。たとえば工場建設の方は通産省が一生懸命やる、今度は保安の取り締まりもやる。いつも鉱山のガス爆発で問題になるのですけれども、鉱山保安局というのが、通産省にあるわけです。そういう点から保安というのが縦でいいのか、もう少し保安自体を横で見る行政というのが必要じゃないだろうか、こういうことが言われておるわけですけれども、この点いかがでしょうか。
○佐藤(淳)政府委員 国としての保安体制のあり方の問題でございますが、確かに鉱山保安につきましては、石炭、非鉄の山につきまして通産省がみずから現場の監督をいたしております。それから、電気、ガス等につきましても大体同じような体制でやっておるわけでございます。ただ、御指摘のように高圧ガスの関係につきましては、現場の監督は都道府県にお願いいたしておりますし、それから同じコンビナートにございます石油タンクにつきましては消防庁がおやりになっているということでございます。これにつきましては、いずれも最近の産業というのは非常に技術的に高度に発達いたしておりまして、やはり保安問題というのは、多角的に横割りに見なければならぬ一面もございますけれども、その前段として、やはり施設そのものについて十分に知識、経験を持った者が、技術的な裏づけを持った者がその現場を見通す力がなければ、実際問題として保安対策につながらないという一面もあるわけでございます。そういうことで、各省各様にいろいろ保安監督をやる者につきましての不断の教育訓練をやらせながら、現場のこの技術革新に追いつきながらやっておるという体制をしいているわけでございまして、そういう面でやはり専門家がそれぞれの立場に立って物を見るという、こういうシステムも一面では非常に不可欠であるわけでございます。 ただ、そういう専門的な立場で見る面と、先生がおっしゃったような横割りで見る面と、これはやはり両々相まって初めて保安体制というものが解決されるということは確かでございまして、一方だけでというわけにもまいりませんので、その辺の兼ね合いが非常にむずかしいわけでございます。それぞれ各省で、あるいは各都道府県あるいは市町村なりで、長年の技術の蓄積を持っていままでやってまいってきておりますので、一概にそれをある省あるいはある出先に一方的にまとめてしまうということは現実問題としてなかなか問題があるわけでございまして、その辺検討に値することば私も十分に認めますけれども、なかなかむずかしい問題があるということは御理解いただきたいと思います。
○勝澤委員 むずかしい点はよくわかります。専門的でなければわからない点もよくわかります。しかし、私はそう通産省の皆さんが専門家だとは思ってないのです。それは排ガス規制の問題を見てみれば、一体排ガス規制ができるのかできないのかという技術的な判断をするところは役所の中にはなかったのじゃないでしょうか。そしてまた民間の研究開発機関と国の研究開発部門を見てみれば、いかに国の方がおくれをとっているかということはわかると思うのです。原子力の問題を見ても同じことだと思うのです。しかし、その原子力の関係と通産省の関係を見てみると、やはり監督する立場、監督される立場というものになっていないように思うのです。これは人事構成の面からそうなっているのじゃないかと思うのです。しかし、環境庁という役所が生まれたために、公害問題に対して環境庁というものがほかの取り締まりといいますか監督といいますか、そういう立場から物を見て、とにかく少しでも環境をよくしていこうという努力が出ている。そこがみないろいろな現象とぶつかっている原因だと思うのです。これは私は国民から見れば大変よくわかる行政だと思うのです。ですから、そういう点はなかなか進んできていると思うのです。そういう点で、専門家でなければならない、これは当然なことですが、通産省には専門家がそんなにいるわけがない。それは原子力の問題を見てもあるいは排ガスの問題を見ても、そういう意味で専門家がいないから技術的にどうとかということは当たらないと思うのです。ですから、機構で無理ならば人的配置で、私が先ほど言いました佐藤局長は立地公害局長になったらこの次はもう事務次官になるんだ、立地公害という仕事をしっかりと、とにかくその名にふさわしい仕事をやれば、それが事務次官になるんだというふうになれば、保安という問題、公害という問題が新しい角度から見直されるようになるのじゃないだろうか、そう思うわけです。ですから、そういう点で縦割りの行政でこれでいいのかということをあなたに聞いて、悪いと言うわけはないし、大臣、どうも答弁についてお困りでありますから、これは別の角度で別の機会にまた聞くことにいたしまして、次に参りたいと思います。 そこで、今度この高圧ガスの法律改正が出てきたわけでありますけれども、最近の事故にかんがみて、これだけでいいのか、消防法やその他の法律というものは改正されるのか、あるいはどういうふうになるのか、その点について消防庁の方でひとつ御説明いただきたいと思うのです。
○永瀬説明員 最近におきますところの水島のタンクの底板破裂によります漏油事故あるいは大協石油の火災等がございましたし、またそれ以前にもいろいろ論議されました出光石油化学の徳山工場以来の一連の化学工場の事故がございます。これらにかんがみまして、特に今回の水島の事故にかんがみまして、消防法上の規制、この中で油が防油堤の外に出まして、さらにそれが港外に流れ出て多くの被害をもたらしたことにかんがみまして、まず第一の問題といたしましてタンクの規制につきましては、これを破損しないようなタンクにする必要がございますので、御承知の事故原因の調査委員会を持っておりますが、この結論をまちました上でタンクについての規制の強化を図ってまいりたいと考えております。それ以外の防油堤の問題につきましても、これは油がたとえこぼれましても敷地の外に出さないための規制、これを速急に行う必要がございますので、これについて現在鋭意その規制の内容をいかにして安全にすべきかを検討いたしております。 そのほか、いろいろ通報の問題なりあるいは事故の処理の問題なり等々人的な組織問題もございますので、この点につきましてもたとえ事故が起きましても緊急な措置ができるよう、法令の改正の中にそういう点を織り込んで強化を図っていく作業に取りかかっている現在でございます。
○勝澤委員 次に、最近不均等地盤沈下の問題が石油タンクなりあるい高圧ガス貯槽の問題で言われておりますけれども、この石油タンクの状況とこれについてどういう対策を講じているかということ、それから高圧ガスの貯槽の不均等地盤沈下の現状とこれについての対策、両方からお答え願いたいと思います。
○永瀬説明員 石油タンクの沈下の問題につきましては、水島の事故がございました関係上、その年末に一万キロリットル以上のタンク及び高張力鋼を使用いたしました石油タンクの一斉点検を市町村を通じまして実施いたさせましたが、その結果につきましては、対象が全国で約二千七百基ばかりございまして、そのうち百九基のタンクが消防庁が一応考えております二百分の一という傾斜の程度を超えたものでございました。基本的には、こういう二百分の一という数値がタンクの安全を脅す数値であるかどうかにつきましては、いろいろ文献等をあさりますけれども明確なものが見つかってまいっておりませんが、先ほど申し上げました事故原因の調査委員会の原因調査の中で、今後のタンクのあるべき姿をも出していただこうとお願いしておりますので、その中でタンクの傾斜についての安全性の限界というものもお出しいただけるものと考えております。 しかしながら、いろいろ考えあわせてみますと、タンクが建てられておりますその基礎の工法につきましても、いろいろ今後なお規制を考えていかなければならない問題があるように思われます。一たんでき上がりました基礎は、その後で外からながめることができないという特性も持っておりますので、これらをどういうような考え方で基礎工法を定め、またその完成までの間の監督をどうしていったらいいのか、これも今後原因の調査委員会にもお願いし、またそれで不十分な場合には、それ以降専門の方たちの御意見を聞いて定めていこうと思っておりますが、現在の工法におきましては、どうも調べますと、タンクの沈下というのはある程度予想されているような感じがいたします。水を張って漏洩を検査いたしておりますけれども、水を張ります際にも地盤の締まりと申しますか、タンクの重量がかかることによって地盤が締まってくるようでございまして、この間に同様な沈下をいたしませんで、多少部分的に差異のある沈下をしているようでございまして、これはできる限り沈下の少ない工法を考え、またその後の沈下の状況につきましての監視の方法、これをあわせ考えて、危険な状態をできるだけ事前に察知し、危険な状態が考えられますものは、工法なり基準の中でこれを排除していく方法、これを何とか見つけ出したいと考えている次第でございます。
○佐藤(淳)政府委員 高圧ガスのタンクにつきましては、石油タンクとは基礎工法が異っておりまして、鉄筋コンクリートの基盤の上にタンクが設置されているということでございますので、そこにひずみを生じさせるような部分沈下という意味での不等沈下は原則として考えられませんけれども、鉄筋コンクリートの基盤自体が傾くという問題もあり得るわけでございます。そういうことでございますので、今回の石油タンクの不等沈下問題と関連しまして、安全を一層徹底させるために、現在総点検を実施中でございまして、近いうちに都道府県あるいは通産局から報告が行われる予定になっております。 それで、一斉点検の基準といたしましては、大体消防庁でお考えになっております石油タンクと同様に、直径の〇・五%、二百分の一以上のものにつきましては、さらに精密に検査させるということをやっております。それで、いずれ報告が参りましたらいろいろ原因分析をし、あるいは消防庁の方の事故調査委員会の結論等もわれわれの方といたしましても十分に参考にさせていただきまして、それでこれを今後の省令改正の中に織り込んでいきたい、こう考えております。それで、今後基礎工事に関する基準を設ける、それから不等沈下に関して事業者に定期の点検をやらせるというようなことを義務づけるようなこと等も調査を終え次第早急にやりたい、こう考えております。
○勝澤委員 それで、消防庁にお尋ねしたいのですけれども、この不等沈下の調査なんですけれども、私の方の地元なんかでも特別査察を実施する場合に査察をする器具がない。だから、企業に借りて、しかも機械の操作もわからないので企業に教えてもらってやっている。これは全国的に大体こういうことなんでしょうか。もし、こういうことですと、これでいいのか、私は素人でよくわかりませんけれども、しっかりしたところでもう一回点検をし直さなければいけないのじゃないだろうかという気がするのですが、その辺どうなんでしょうか。
○永瀬説明員 タンクの沈下の状況を測定いたしますのは、一般には水準器のような、トランシットと呼ばれるものを用いるのが普通でございますが、従来タンクの沈下の状態の観測はほとんどがやっていなかったのが実情でございます。今回行いましたのは、消防庁の麾下にそのような土木用の測定器具をほとんど持っておりませんので、市の土木関係の部課からその器具を借り受け、また場合によっては技術者を借り受けて、その応援のもとにタンクの水準測量を行ったのが実情であると考えておりますが、先生御指摘のように中には会社が行います水準測量に立ち会いまして行った、あるいは借りて行ったところがあるかと思います。 なお、今後こういう測定につきましては期間を決めて継続的に実施させたいという考え方を持っておりますので、今後の実施につきましては十分検討いたしまして、データが正確に測定されるように考えてまいりたい、かように考えております。
○勝澤委員 いまやはりこういう問題についても自主的に市の方が調査、測定をする力があって、それでやればいいわけでありますけれども、そうでない場合は、往々にして市民的な感情から言ってこれでいいだろうかという心配があるわけでありますから、ひとつ十分な手当てをしていただきたいと思います。 そこで、次にこの法律に関係して、高圧ガス保安協会を強化しなければならぬ理由についてお伺いしたいと思うのです。
○佐藤(淳)政府委員 高圧ガス保安協会は昭和三十八年に設立されました特殊法人でございまして、その人事、予算、事業の全般にわたりまして通産大臣の監督を受けております反面、当協会が行政庁に準じた特殊法人であることと、保安に関します高度の知識経験を有することから、本来都道府県が行う保安検査の代行を実施し得るということが規定されておりますほか、通産大臣は技術基準を作成しようとするときには協会の意見を聞かなければならない等々のことで、この協会は保安推進の上で中核的な機関として法律的にも位置づけられておるわけでございます。 また、保安協会は会員制度をとっておりまして、会員に対しまして保安協会の目的、業務の徹底なり会員事業者の自主保安意識の高揚を図る等、自主保安の推進に大きな役割りを果たしておるわけでございます。すなわち、この協会は国の厳正な監督のもとに設立され、またその運営も国の監督のもとに行われておりまして、この事業の遂行は中立的であり、かつ公正でございまして、きわめて公共性の強い性格を有しておるわけでございます。 このたび法律を改正いたしまして、いろいろ各企業に対しまして保安対策の強化を義務づけるわけでございますが、それと並行いたしましてこういう中核的な保安技術の機関を国としましても十分に活用して、そしてこの企業の自主的保安と両様の立場でこの保安対策を実施していかなくちゃならないということをわれわれとしては痛感いたしておるわけでございまして、そういう観点に立ちまして、このたび予算面におきましても従来にないような画期的な強化もいたしましたし、体制につきましても設備面、あるいは人的面におきましてもそういう時代の趨勢にかんがみまして強化をしなければならない、こう判断をいたしております。
○勝澤委員 それから、この法律の中で手数料が大幅に上がっているわけなんですけれども、これはどういうわけでしょうか、従来とそして今度の違いというのは。
○佐藤(淳)政府委員 この高圧ガス取締法に基づきます許認可の手数料の法定の上限が法律に定められるわけでございますが、実は現在の手数料は大部分が三十一年に定められたものでございまして、したがいまして一見確かに大幅アップというふうに見えるわけでございますけれども、だいぶ時間的に経過しておるということと、それから事業所の規模も当時といまでは相当の開きがございまして、いろんな検査も相当複雑になって手間もかかるということもございます。そういう時間的の経過と実際の検査の複雑さという両面から、現状ではとても実情に合わないということでございます。ただ、手数料の算定に当たりましては、現在都道府県が現実にやっておりますところの人件費等を正確にリーズナブルな線でいろいろチェックいたしまして、それで決して不当な値上げにつながらないように十分にわれわれとしては考えたつもりでございます。さらに、法定ではこういうことになっておりますが、実際の手数料というのはその都度政令で定められることになっておりますので、それにつきましては規模別にコストに見合った額を定める等々のきめの細かい手数料を決めまして、急激なことにならないように実施面ではいろいろ配慮してまいりたいと思います。
○勝澤委員 この法律の上から見ると、たとえば第五条第一項の許可を受けようとする者が、現行は九千円であったのが今度は二十七万円となっているわけですね。ですから、これちょっとよくわからないのですよ。そこで、この手数料がなぜこういうふうになるかということについて、ひとつ詳細な理由を、後で結構ですけれども書面で出していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○佐藤(淳)政府委員 御要求の書面は、後で差し上げたいと思います。
○勝澤委員 次に、液化石油ガス、LPと都市ガスの保安上それから経済上の優位性というものは、どちらがどうでどちらがどうなっているのでしょうか、御説明いただきたいのですが。
○佐藤(淳)政府委員 LPガスと都市ガスとの差というのはいろいろあるわけでございますが、経済的な問題は——経済的な問題というよりもむしろLPガスというのは都市ガスの供給が期待し得ない地方の市町村とかあるいはまた大きい都市の周辺地域ということでございまして、これはエネルギー革命によりまして薪炭からLPに移らざるを得なかったということでございまして、これは経済的な問題もさることながら、そういうような問題で広がっていったわけでございます。ただ、LPガスでも七十戸以上につきましては、いわゆる都市ガスと同じように簡易ガス事業者ということで、これは公益事業の範疇に属しているわけでございますが、いろいろ法律的にもLPガスと都市ガスとは規制の対象、中身が変わっておりますけれども、保安の立場から申し上げますと、いずれもそれぞれの特性に応じた規制をやっておるわけでございまして、その辺の基本的な差はないものと考えております。
○勝澤委員 私がよくわからないのは、LPガスの場合はガス器具というのは金国一律なんですね。だけれどもも都市ガスの方はガス会社ごとにガス器具というのが違っているのですけれども、これは違わせなければならぬのですか、あるいは統一するわけにはいかないのですか。これはどこに理由があるのですか。いろいろな化学的なことではなくて、われわれが常識的に考えるときに、なぜばらばらにしなければならぬのか、一緒にならないのか、こういう点についてひとつ御説明願いたいと思います。
○大永政府委員 お答え申し上げます。 都市ガスの場合は、使っております原料がプロパン、ブタンそれからLNGあるいは石炭というふうにいろいろ種類がございます。したがいまして、燃焼カロリーそれから燃焼速度が違いますので、現在のところはそのカロリーと燃焼速度等の差によりまして十四種類のガスがあるわけでございます。しかしながら先生御指摘のように、こういうふうにたくさんの種類のガスがあるということは消費者にとりましてもはなはだ不便なことでございますので、なるべくこれを統一する方向に持っていくべきであろうというふうに考えておりまして、そういう方向で検討しておるところでございます。
○勝澤委員 統一する方向に考えているというのはわかるのですけれども、それはいつからそうなるのですか。われわれ消費者から見ると大変不便なんですよ。それで、これは昔からこうなっておったのですけれども、考えているというので、まだこれからも十年も二十年も考えておるだけではあれですから、矛盾だ、それは一緒にした方がいいということになるならば、どういうふうにして一緒になりますというふうに、もうちょっと具体的になりませんか。
○大永政府委員 原料が先ほど申し上げましたように種類がございますので、この十四の種類を一つに統一するということは困難かと思いますけれども、燃料の差によります四種類ぐらいの形に統一できないかということで、現在委員会をつくりまして検討しておるわけでございますけれども、器具の問題もございます。それから、いろいろ製造設備の方の改造を図らなくちゃいけないというふうな問題もございますので、やはり一両年のうちにというわけにはまいらないかと思うわけでございます。
○勝澤委員 あなたが部長をやめて、次の部長さんがまた同じような答弁をするのじゃないだろうかという気がするわけですけれども。 そこで、LPガスと都市ガスと、事故はどんなふうなんでしょうか。LPガスと都市ガスの利用状況と事故件数の状態についてちょっと教えていただきたいのですが。
○佐藤(淳)政府委員 LPガスの消費者の数は年々ふえてまいっておりまして、世帯数にいたしますと、大体千七百万世帯強に上っております。 一方、事故件数も四十八年では三百六十八件、それから四十九年、これは十二月までの報告でございますが、二百五十一件ということで、相当の事故件数に上っております。
○勝澤委員 都市ガスの方はどうですか。
○大永政府委員 お答え申し上げます。 都市ガスの世帯数は、四十九年十二月末で千三百二十六万六千戸というふうになっております。 なお、事故につきましては四十八年が八十件、四十七年が八十三件、四十八年が百二十二件ということでございます。
○勝澤委員 そこで、私はいま事故の状態を聞いたわけでありますけれども、LPが千七百万世帯、そしてそのうち家庭における事故が四十八年度で三百六十八件。都市ガスの方は千三百二十六万世帯で、四十八年度、百二十二件。 それで、今度は事故の概況でありますけれども、事故の概況を、時間がございませんのでいただいた資料を見てみますと、四十七年度が消費者の不注意によるものが二百四十件、四十八年度が二百九十二件、四十九年度が百六十二件、四十九年度に減ってきているわけですね。そういう点から、いまこのLPガス用のガス漏れ警報器の普及ということを考えているということであります。 〔田中(六)委員長代理退席、委員長着席〕 その千七百万世帯の中で三百六十八件あった、そのうちで、ガス漏れ警報器があったらなくなる件数というのは二百九十二件になるのですか。そうすると、ガス漏れ警報器というものの必要性というものをどういうふうに考えたらいいんでしょうか、ここで考えているガス漏れ警報器の物の考え方というのは。
○佐藤(淳)政府委員 千七百万世帯の中で、現在ガス漏れ警報器を使っている家庭は、戸数にして大体三百六十万戸ぐらい使われているのじゃなかろうかというふうに推定されておるわけでございます。確かに事故の大部分が、県からの報告によりますと、八割以上が一般消費者の方のいわゆる締め忘れとかいうようなことからの事故でございます。しかも、このガス漏れ警報器を設置されておる家庭ではほとんど事故が起きてないということでございますので、確かにこれは一つの有効な手段であろうというふうにわれわれ考えておりまして、これをひとつ積極的に普及していこうという考え方を持っております。ただ、金額が四千円ないし一万円とかかるわけでございまして、これだけの多い世帯の人に全部普及するにしては若干高過ぎるという問題もございますので、月々少額の支払いの中で使い得るように、リース制度を五十年度から実施するということを制度的に考えているわけでございまして、これだけじゃ万全とは思えませんけれども、一般家庭におきます一つの有力な手段でもございますので、極力普及させてまいりたい、こう考えております。
○勝澤委員 私、いまやらぬよりはやった方がいいということはよくわかるのですよ。けれども、何かガス漏れ警報器をつくる会社のためにやるんじゃないかという気がしてならないのですよ。なぜかといいますと、先ほど言いましたように千七百万世帯ある、千七百万戸ではないのです。私もこの間ちょっと話したことがあるのですけれども、私の家なら三つつけなければならぬのです、場所が違うのですから。そうすると、約五千万個ぐらいあるいは四、五千万個ですか。それでいま三百六十万戸しかついてなくて、事故率がことしですと消費者の不注意によるものが十二月までで百六十二ですよ。ですから、こういうものこそ何かもうちょっと、やらぬよりやった方がいいということよりも、もっとほかにやるべきことがあるのじゃないかなという気が実はするのですよ。だから、私はこの話を聞くたびにいつもガス漏れ警報器の会社のためにやるのじゃないかなという気がしてしようがない。ガス漏れのためにいろいろな事故がたくさん起きているのならいいのですけれども、局長、あなたはそういう答弁をしなければならぬようになっているからしているのでしょうが、あなたはどう思いますか。千七百万世帯、二個ずつとしても大体三千四百万、現在事故を起こしたのが消費者の不注意によるのが百六十二、こういうところに政府の金を使って、ガス漏れ警報器会社に金をやってリースをやっていく、これは行政として、通産省の全体的な行政の中でつり合いの上から言ってどうでしょうか。やらぬよりやった方がいいことはわかっていますけれども、公平に見て——局長は、あなたの答弁の原稿に書いてあるからそのとおり読まなくてはまずいのなら大臣、どうなんでしょうかね。ですから、それを基準にほかの行政もやってもらいたいと私は思う。どうも初めから疑問があってしょうがない。どうでしょうか、その点。
○佐藤(淳)政府委員 年々若干でございますがふえてきておりますLP対策として、いろいろなことをやらなくちゃならないと思っておりますし、そういう意味で今度協会の中でもガス自体何か改良していく方法がないか、先ほども都市ガスと比較いたしましてLPガスの方が普及率を上回って事故が多い感じもいたしますし、そういう点はやはり都市ガスと違いましてLPガスは事故が起きやすい特性を持っておるということでございますので、これ自体に色をつけるとかもっと強いにおいをつけるとか、そういうことも早急にやらなくちゃならないということで五十年からやるつもりでおりますが、最近の事故の実態を見ますと、非常に建築構造が密室化したといいますか、気密化いたしたためもございまして、非常に大型化し、しかも第三者を巻き込むというケースが非常に多いわけでございます。そういうことの排除手段といたしまして、やはりこのガス漏れ警報器というのは相当有効に働くということはわれわれ十分に実験してみてわかっておるわけでございますから、そういう意味で早急にこれを普及させたいわけでございます。ただ個数としては確かに非常に大きいし、現在メーカーも限られておりますから、一見そういう感じはいたすわけでございますけれども、ねらいとしてはあくまで一件でも——大部分はユーザーの不注意による事故ということになっておりますから、そういう面を絶滅していく現在における有力な手段としては、これを普及するのが最も大事であろうという考え方に立っておるわけでございます。
○勝澤委員 局長、無理に答弁をしていてはいけませんよ。あなた、LPが普及されたために事故が多くなっていると言う。多くなっているのじゃない。あなたのところからもらった資料では少なくなっているわけですよ。四十八年度は二百九十二件、七九%、四十九年度は百六十二件、先ほどの数字で二百五十一件ですね。ですから、LPの需要者が多くなっていくに従って事故がふえているわけじゃないのです。消費者の不注意による事故は横ばいないし減っているわけです。ですから、私は通産省という役所は金があるところだと思っているのですよ。ほかのものには何もやらないけれども、ガス漏れ警報器をつくっている会社のためにこれをやるのかなとどうしても思ってしまう。事故が多くてしようがないと言うなら、ここで四十八年度二百六十八件、四十九年度が二百五十一件、この件数の中でガス漏れ警報器があったら事故は防げたというのをひとつ拾ってみてくれませんか。そうすると、千七百万世帯の中でどれだけの事故を減らすためにガス漏れ警報器に国が金をかけてやるのかわかる。さっきから言っているように、ないよりあった方がいい、これはわかりますよ。けれども、通産省の全体的な行政の中でいまよりも積極的につけさせていこう、むしろそれよりもいまあなたが言いましたとおり高圧ガス協会というのを強化して、ガス漏れがあったら赤い煙が出ておった、これは栓を忘れたということがわかる、これの方が有効的だと思う。これの方を先にやればいいと思うのですよ。どうもこの法律を見ても、これは法律事項じゃないので少し言い過ぎかもしれませんけれども、ガス漏れ警報器の会社のための行政が考えられておるのじゃないだろうかという気がしてならないわけですよ。ですから、どういうことになるか知りませんけれども、そういう点で少し詳細な資料を私はいただきたいと思います。 それから、もう一つの問題は、LPの販売業者についての技術的な教育といいますか、あるいはまた販売をした一軒一軒の消費者に対するアフターサービスというのはうまく行っているのかどうなのか、この点が大変問題だと思うのですよ。こういう点についてはどういうふうにされておりますか。
○佐藤(淳)政府委員 LPガスを使っている世帯数が非常に膨大な数でありますし、またそれに供給いたしております大部分は、五万軒以上に上りますところの中小企業の販売店の方々が供給されているという実情にあるわけでございまして、この両面から考えまして世帯一戸一戸について保安を確保するということになりますと、末端の販売店がそういう意識を持って十分に各家庭を見回っていただくということが一番の問題でございます。そういう観点に立ちまして、販売店の従業員の方に対しましてはいろいろ保安教育等もやっておりますけれども、それだけでは必ずしも十分でない面もございますので、各県にLP保安センターというものをつくらせまして、販売店の手の足りないところを、そういうような県の独自のセンターの技術屋によっていろいろ検査の手助けをやるとかというようなことで、もちろんそれによって販売店が手を抜くということじゃなくて、補完体制としてそういうこともいろいろ考えております。そういうことで、要するに一軒一軒のアフターサービスについて、器具の改善と相まって今後とも充実していかなくちゃならない、こう考えております。
○勝澤委員 時間がございませんのでこれで終わりますけれども、私はさっきから申しているように、いまあなたもおっしゃいましたように、ガス漏れ探知器よりもなおそこのところを、販売業者の教育、啓蒙あるいはもう少し科学的な指導の仕方、あるいはガス検査器具というのですか、そういうものを考える方が先じゃないだろうか。消費者のとめ忘れというのは、これはとめればいいわけですから、それはまた別の角度があると思うのです。それから、やはりガスが普及して、普及すればするほど、お互いが注意して、元栓を締めるとか注意しなければならぬわけでありますが、私はLPを使っていく過程の中で、LP業者というものが一体どの程度業者としてふさわしいものであるかという点をもう少し研究していただきたいと思うのです。時間がございませんので、これで私の質問を終ります。
○山村委員長 神崎敏雄君。
○神崎委員 まず初めに伺いますのは、通産省は、昭和四十八年の末にアンケート形式で、全国約三千の事業所に対して、高圧ガス製造事業所の保安総合点検を実施されました。このアンケートの結果の集約、分析は本省で行いましたか。
○佐藤(淳)政府委員 四十八年に実施いたしました点検につきましては、これは通産局に設置いたしました化学保安対策本部が中心になってやったわけでございまして、本省では特に結果についての形式的な取りまとめば行いませんでしたが、いろいろ各通産局の会議なりあるいは都道府県の担当官会議におきまして、その資料を、保安技術の向上並びに基準の強化の、保安行政上の非常に大事な資料として使ってきております。
○神崎委員 私の聞いているのは、本省が集約や分析をおやりになったかということを聞いているのです。
○佐藤(淳)政府委員 これは非常に範囲が広いということもございまして、もともとこれは各通産局におきます化学保安対策本部にチェックを任せたわけでございまして、したがいまして県と通産局、それが中心になってまとめておるわけでございます。
○神崎委員 そうすると、本省は関知していないというふうに理解していいのですか。
○佐藤(淳)政府委員 もちろんこの本部の設置等につきましては、本省から指示し、しかもこの点検につきましては本省の指示に基づいてやらせたわけでございますから、その意味につきましては、総括的な取りまとめについては承知いたしておりますけれども、個別の施設ごとの細かい技術問題につきましては、都道府県が常時監督体制を実施いたしておるわけでございますから、そういう面で、通産局と県がこの結果について責任を持っておるということでございます。
○神崎委員 総括的には本省は知っているというふうに言われたんですね、いま。
○佐藤(淳)政府委員 要するに、点検いたしました総括的な意見を、各通産局ごとに意見を求めておりますから、そういう意味のチェックの総括的な問題については承知いたしておるということでございます。
○神崎委員 もちろんそうでしょう。 では聞きますが、私が入手した大阪通産局のこの文書によると、次のように明記されております。「高圧ガスによる災害防止は、今や国民的悲願であり、我々取締り行政に関与する者としては、事故の絶滅に向って全力投球を行わなければならない。このため、この際、現場に密着した、各種の保安対策をキメ細かく実施してゆく」こう言っていますね。ここで大切なことは、国としても現場に密着した保安対策をきめ細かく推進する必要があると、こう言っておきながら、実際には三千事業所の保安点検報告書を政府は集約、分析していない、いまあなたが言われたように、総括的には承知しておるけれども。この点、ひとつ納得のいくように説明を求めます。
○佐藤(淳)政府委員 承知しておるといっても、その程度の問題が一つあろうかと思います。現場の施設ごとの技術検討でございますから、もちろん総括意見としてそれをいただきまして、それを国の立場としては、保安技術基準の強化なりあるいは保安政策の有効な参考資料にはいたしますけれども、個別企業に対して通産省自体が個々にどうこうということはいたしませんので、これはあくまで都道府県知事が現場については厳密に監督するという立場の上に立ってやっておるということでございます。
○神崎委員 そうすると、総括的には通産省は知っておるけれども、個々の問題については通産局の責任でやっている、こういうことですね。
○佐藤(淳)政府委員 今度の点検は、化学保安対策本部が中心になってやっておりますので、本件の中身につきましては化学保安対策本部が責任を持っておるということでございます。
○神崎委員 その本部長が通産局長なんですね。だから、本部というのは通産局だということですね。 そこで、ことしの三月一日、東京通産局に対して私がこのアンケートの結果について尋ねたところ、「東京通産局に約四百通の報告書が届いたが、集約、分析はしていない」こう答えた。第一に「高圧ガス製造の許認可権は県にあり、通産局には何の権限もないから」、第二に「本省から立入点検を二、三月中にやれと言ってきたので、集約、分析の時間がなかった」、こういう二つの点を強調して集約、分析はしていない、こういう形で弁明をしている。しかも驚いたことには、この各企業からの報告書は通産局になかったことです。それは工業品検査所から貸してほしいと言われたので貸し出し中である。東京通産局と言えば一都十県を責任範囲としており、千葉、神奈川などの大コンビナートを抱えて、しかも通産省本省のおひざ元なんですね。この通産局の言動は全く私は許しがたい、こういうふうに言わなければならぬと思うのです。 第一に、国としても現場と密着した保安対策をきめ細かく推進するという政府の方針はどう徹底されておるのか。いま局長が言うたように、通産局は掌握している、本省は総括的にしか握っておらない、こういうことを言うておるのに、そこはやっておらないのだ。 第二は、時間がなくてアンケートの調査の集約ができなかったと言ったが、すでにその調査時点から一年以上も経過しているのです。したがって、これは明らかに国として集約、分析する意思が全くなかった、無責任な保安対策がいまも続いているということを証明している、こういうふうに私は思うのですが、この問題は私はこの法案を審議する過程においても非常に重大な問題点であるというふうに指摘したい。大臣どうですか、こういうやり方は。
○佐藤(淳)政府委員 東通管内の事業所の報告に対する調査検討は通産局自体にもやらせております。やらせて取りまとめております。 それから、工検に対しての問題でございますが、これは通産省の工業品検査所といいますのは、こういうような問題についても、化学品工場につきましてもいろいろ行政上の仕事をやっておりますので、その仕事の有力な参考になり得るということでたまたまお貸ししておったということでございます。
○神崎委員 それはおかしい答弁です。通産局は「高圧ガス製造の許認可権は県にあり、通産局には何の権限もないから」「本省から立入検査を二、三月中にやれと言ってきたので、集約、分析の時間がなかった」、だから私の方は権限はないから貸していると言っているのですよ。いまこの貸したやつは返っていますか、いつ返してもらったのですか、いまも貸し出し中なのか、知っていますか。
○佐藤(淳)政府委員 確かにこの法律の監督のたてまえは、第一線は都道府県知事が監督をやりまして、通産局は県を監督指導する立場にございまして、現場の直接的な監督は都道府県にあるということは間違いございません。 それから、いまの資料の点でございますが、ちょっといま直ちに、いつ貸していつ返したかという時間的経過は承知いたしておりません。
○神崎委員 それは局長、きわめて不十分な答弁だと思うのです。この四百事業所の分は東京通産局に送られてきたのですね。それをみずから十分に集約も分析もしないで、いかに通産省の付属機関とは言え明白に別の機関である工業品検査所に貸し出しているのです。こういう行為は許されるのかどうか。しかもあなたは、いつ貸していつ戻っているのやら、いまどうなっているかということを御存じないのです。 四十八年、コンビナート災害問題は広く国民の非常に強い批判を浴びてきた。とりわけそこで働く労働者と周辺住民の命に係る非常に重大な問題であります。監督官庁への国民の追及も非常に強い。さらに、ことしの二月、四日市の大協石油の火災で事故が生じ、政府はますます国民から真剣な対策を求められているのです。まさにそのさなかに、通産省のおひざ元の東京通産局においてはこうした行為がまかり通っておるのです。これはただ単に東京通産局の当事者だけに生じた特異な現象であると言い切れるであろうかどうか。私は自治省、厚生省以上に強い責任を負う防災問題の監督者である通産省の県任せ、安全軽視の根深い体質はここに根源がある、こういうふうに指摘したい。政府の納得のいく答弁をひとつ国民の前に明らかにしてもらって、その責任を負う処置をどうするのか、こういうことで、こういう大事な問題が、このような法案を提出しなければならぬような段階において、こういうような形でまかり通っておるということは許されていいものだろうか、何のためにここで——県任せで私の方は関係ないというなら、県の条例か何かでやるべき性質になるでしょう。なぜここでこの法案を出して国会の審議の対象にしなければならないか、これは通産省が全責任を持って国会の審議にかけているんじゃないのですか。ところが、それを聞くと、それは出先の通産局であり、そうしてまた通産局を言うとそれは県である、こういう答弁で審議が進められると思いますか。私はきわめて重大なので先ほど大臣を指名したのですが、大臣はお答えいただけないのですが、大臣、こういうような状態でこの法案の審議を進めていかれるというお考えですか。一言あってしかるべきだと思うのですがね。
○河本国務大臣 先に局長から……。
○佐藤(淳)政府委員 先ほども申し上げましたように、通産局は県を指導監督する立場にございまして、そういう観点から一連の事故が起きました直後におきまして、通産局長を本部長といたしまして各出先機関の職員を参加せしめまして化学対策本部を設置いたしまして、これに県も参加していただいたわけでございます。そういう立場で、通産局は保安問題について重大な指導監督の立場におります観点に立ちまして、そういうことをやってまいっておりますし、また先生御指摘になりましたその取りまとめをやらないじゃないかとおっしゃっておりますけれども、われわれの方には取りまとめたものがすでに来ておりますし、化学対策本部におきましても十分その資料に基づきまして検討いたしておるわけでございます。 それから、工業品検査所の問題でございますが、これはいずれ特定設備につきまして工業品検査所の応援も今後得なければならない、通産省といたしましてはあそこには相当の技術屋もおりますし設備もあるということで、彼らの技術、経験を十分に活用するという意味で考えておるわけでございまして、そういう観点から行政上の非常に大切な有効な資料であるという判断のもとに貸し出しておるわけでございます。
○河本国務大臣 御指摘の事実関係、なおよく調べまして、善処したいと思います。
○神崎委員 調べられるに際して、それの具体的な実例を挙げて、時間的にも内容的にも充実した調査をしてもらうために、こちらの方でこれからいろいろ具体的な問題を提起しますし、また事実関係も明らかにします。 もともとこのアンケート調査を行った目的について聞きますが、政府の当初の方針は、現場の実情もよくつかんで法律や省令の改正の資料にもするということではなかったのですか。だから、当初は政府は全国を集計する方針だったと思うのですが、これを調べた上で省令の改正についての資料にするんだ、そういう形でこの調査に入ったのじゃないのですか。
○佐藤(淳)政府委員 調査の目的はいま先生おっしゃったとおりでございまして、この結果を都道府県の担当者会議等におきまして十分に活用いたしまして、それでそういう点もまた意見として取り上げまして、今度の省令改正の中に十分に織り込んでいるわけでございます。
○神崎委員 それを参考にしなければならぬものが、いつ貸していつ返ってくるのやら、いまどこにあるのやらわからぬようなことでは参考にできないということにもなる。ここに私は高圧ガス取締法改正に伴う省令改正の検討の資料を持っております。その中にある項目については、現在調査中のアンケートによって検討する、こう明記されているのですね。このことは、当初のアンケートの目的は何であったか、省令改正の資料にもするという点があったことをここではっきりと証明しているのですね。省令は通産省の責任で決めるものですね。その検査所やら通産局ではないのですね。したがって、アンケートの処理のずさんさ、主要な責任は通産局に転嫁するということはできない、それを資料にして省令を考えられるのですから。現場に密着したきめ細かい対策を進めるということを大義名分として、アンケートの結果の活用や処理を通産局独自の判断に任せるとするなら、この省令の改正の点はどう理解すればいいのですか。通産局や県に任すということになれば、この省令の改正の点はどういうふうに理解したらいいのですか、重ねてお尋ねします。
○佐藤(淳)政府委員 この調査の目的は、確かに省令改正の有力な手がかりになるという面と同時に、もう一つは各企業からの資料でございますので、それを点検いたしまして、現場の技術改善事項を指示するというような面にも、あるいは監督上の有力なデータにも使うという両面を持っておるわけでございまして、その後段の目的については、現場を直接監督する都道府県が有効にお使いになりますし、前半の目的では、通産省がそれぞれの意見を参考にしながら省令改正の有力な手がかりにするということに使わせていただいておるわけでございます。
○神崎委員 使わせていただきますといって、いまないのでしょう。いつ返るやらわからぬのでしょう。いま法案審議するのでしょう。冗談言いなさんなよ、そういう答えは。 では、もう一つ言いましょうか。次に、広く知られておるように、四十八年の十一月、本省の指示に基づいて全国の各通産局ごとに化学保安対策本部、いま局長が本部本部と言うものですね、これが設置されているのです。本部長は各通産局長が当たっているのです。事務局は各通産局の公害保安課が担当している。本部員には各県の総務部長や商工部長、消防防災課長らが参加している。そしてその本部が学者等の協力参加のもとに四十九年二月から三月にかけて一定の事業所に立入検査を行いました。その結果について問題点を文書で指摘し、企業に改善するように指導しております。政府は立入検査の結果をまとめて、このように改善を指導するように全国の通産局に指示したのですか、どうですか。
○佐藤(淳)政府委員 各通産局の商工部長会議を開きまして指示いたしております。
○神崎委員 東京通産局は、そんなことは分析することもできないし、時間もないし、私の方ではやっていませんと答えておるのを、どうしてあなたの方は掌握して、指示できるか。
○佐藤(淳)政府委員 東京通産局も含めまして、各通産局でまとめた資料を持っておりますし、それから本省におきましても、調査の資料につきましてはコピーとして保有いたしております。
○神崎委員 じゃ、東京通産局はうそを言うているのですか。通産局は、私の方ではやれと言われたけれども時間がない、そこでやっておりません。資料はと言うと、資料はいま検査所に貸して、ありません。それをあなたのところは掌握して指導したのですね。そういう答弁はだめですよ、この国会で。どうなんですか。私が調査したら、さきも言いましたように、東京通産局の場合はそういうことはしていないと言うているのです。県に任せておりますと言うているのです。 このように政府の保安対策というものは首尾一貫しておらぬ、またきわめて不徹底である。一年前の立入検査の事後処理のやり方、このやり方一つ見ても、ここに弱点が明白である。どうですか、そういうことで。東京ですよ、外国じゃないのですよ。日本の東京で、あなたのおひざ元なんだ。そこで先ほど言ったように、一都十県で、しかも千葉や神奈川の大コンビナートを擁しておる東京通産局がこういうていたらくで、そこで働く労働者やら地域住民の生命やこういう危険なことが、保障できるのですか。そういう無責任な答弁をしてもらったら私は困ると思うのです。知らなければ知らないとはっきり正直に言われたらどうですか。それとも本部長をやっている東京通産局長があなたの方に何か持ってきて、あなたはそれを持っておったらここで見せなさいよ。そんなものやっておりませんと言うておるのです。やっておらないのにあなたはようそれを掌握したと言えますね。
○佐藤(淳)政府委員 何度もお言葉を返すようでございますけれども、東京通産局でこの点検に基づいてまとめた資料は、本省に報告をもらっております。したがいまして、いま先生のおっしゃった内容は、東通の担当官のあるいは何か勘違いでそういうようなお答えをしたのかと思いますので、その点はよく調べてみたいと思います。
○神崎委員 単なる勘違いじゃないですよ。貸した先も言うておるのですよ、まだ返してもらっていないということも言うておるのですよ。言われたけれども、時間がないからそんなことはできませんと言っておる。何と通産局というのは伏魔殿みたいなものだね。それはそれでひとつ次回に追及することで、残しましょう。 そこで、通産局長が本部長でしょう、事務局は通産局公害保安課が担当しているのでしょう。そういう対策本部がまとめた文書の内容は、当然通産省は掌握しておるべきだと私は思うのです。それを先ほどから総括的に掌握している、こう言うているのですが、本当に掌握しているのですか。
○佐藤(淳)政府委員 掌握いたしております。
○神崎委員 非常に奇異なことですね。ぼくは出してないというのに、あなたの方で掌握しているという。これはひとつ明確にしましょう。 では、毒性ガス可燃性ガスを大気中に放出している企業がありましたね。その企業はどのくらいあったのか、その企業名、そのガスの種類、その量をひとつ明らかにして欲しい。
○佐藤(淳)政府委員 可燃性ガスあるいは毒性ガスの放出でございますが、これにつきましては法令上の基準を十分に定めまして、それで的確にやらせるようにやっておりますが、これを放出する時点といいますのは例外的な場合でございまして、したがいましてこれは各事業所が定められた基準を守ってやらなくちゃならないという義務づけを定めておりますけれども、その実態につきましては都道府県にチェックをさせておるということでございますが、いつどこでどういう工場がどういうガスをたまたま放出せざるを得なかったかという実態については十分に把握はできていないかと思います。
○神崎委員 ますます政府のこういう危険物に対する取り扱いがいかに無責任なことであるかということをここに明らかに露呈されたのです。 この報告書は、毒性ガス、可燃性ガスの大気放出について検討するというのが五件出ておるのです。化学保安対策名古屋本部、本部長は名古屋の通産局長でしょう。これに対して適切な指導をしたのですか。毒性ガス、可燃性ガスの大気放出について検討するということが五件出ているのですね、件数が。掌握しているのだったら、これをどのように当局は改善するようにされたか、そしてその改善された結果はどうなのか、具体的にひとつ報告してください。
○佐藤(淳)政府委員 化学保安対策本部におきます調査の内容の一環として、先生のおっしゃったこの問題についてもチェックするように内容として織り込まれております。したがいまして、その報告に基づきまして各事業所におきます個別の設備につきましてはいろいろ点検もしましたし、指示もやっておるわけでございまして、そういう意味では、非常に自主的な問題の処理をやっておることは間違いございません。
○神崎委員 大臣、この報告書の中には「保安点検の経緯」、これの中で「国としても、この際、現場に密着した各種の保安対策をキメこまかく推進する必要があり」、「国としても」とはっきりうたわれているのですね。国としてもきめ細かい抜本的な保安対策の実施が強く要請されているという中で、「国としても、この際、現場に密着した各種の保安対策をキメこまかく推進する必要がある。」これは国に責任ないのですか。通産局というのもあなたのところと同じでしょう、通産省と。県任せというようなことを最近盛んに言われておるが、これには「国としても、この際、現場に密着した各種の保安対策をキメこまかく推進する必要がある」これは出しっ放しで、言いっ放しですか、国はどういう責任とるのですか。
○佐藤(淳)政府委員 この保安体制につきましてはそれぞれの持ち分なり役割りを一応定めておるわけでありまして……(神崎委員「「国としても」と言っておるのですよ」と呼ぶ)国としての役割りは、保安の技術基準を定めたりあるいは法律を改正したり、そういうような法体制の面につきまして責任をもってやっていくということと、保安の現場におきますところの監督体制が十分に行われますように予算面、人的面についても強化を図るように都道府県にも勧奨いたしますし、また国みずからもそういうようなことの姿勢を出していくというのが国の役割りかと思います。
○神崎委員 そうすると、国というのは法律だけつくってあとは県任せで、そして毒性ガスが出ようが可燃性ガスが大気に放出されようが、それは国は責任ないのですか。法律だけつくって、あとは県によきに計らえですか。県は具体的にどんなにするのですか。なぜそんなら国としてもきめ細かい指導をしなければならぬとか、処置をしなければならぬということをうたうのですか。どうなんですか、責任ある答弁をしなさい。
○佐藤(淳)政府委員 たとえば保安技術基準一つ改正すると言いましても、現場の実態を十分にきめ細かく判断した上で改正しなければいけないわけでございまして、そういう意味では非常にきめの細かい行政を私どもはやっているつもりでございます。 ただ、現場の現実の施設個々につきましてのチェックというものは、何しろ数が高圧の第一種関係だけでも八千六百の数に上りますので、これの個別の施設につきまして本省みずからが現場の一々のチェックをやるというのは事実上不可能でございます。その辺は県にお任せいたしまして、それでそれぞれの分業体制におきまして、ただしかし先ほど言いましたように新しい技術の改善とかあるいは重大な事故が発生した場合の措置とか、そういう問題については本省みずからがやはりやるという責任を私は持っていると思います。
○神崎委員 それで、いまそういうことがどんどん行われているところについては責任を持たぬのですか。毒性ガスやら可燃性ガスがどんどん放出されていることについては、国としては聞いたり見たりしてもほうっておくのですか。責任を聞いているのですよ、これに対するあなたの方の行政責任を。国民の命にかかわることなんです。大事故がどんどん起こっているのです。国民はこういう問題については、国に対して厳しくこういうことの起こらないことを要請して大きな関心を持っている。だから、法律も強化しようとしているのでしょう。その段階でそんなあいまいなことだったら、この法律をつくったからといって、つくってまた局任せ、県任せだということになったら、こんな法律をつくったってしょうがないでしょう。法律をつくりっ放しで、しかもその法律の中で省令で決めるというのがたくさんあって、その省令で決める資料として出しているものがよそへ貸してしまって返ってこない。どこにあるかわからない。何を根拠に省令をつくるのか。ますます疑惑は深まるでしょう。そういうばかなことを言っておったらだめですよ。私の調査によれば、これは幾つかの企業ですが、いまなお大気中に可燃性のガスや有毒ガスを放出しておるのです。たとえば千葉県市原市の昭和電工、ここでは弗素をいまなお大気中に放出している。また、三菱モンサント化成四日市工場では引火しやすい、しかも悪臭のあるスチレンを大気中に放出しているのです。住民の抗議に対して、スチレンが漏れるわけがない、平然と企業はうそをついている。これらの実情は放置されてよいのかどうか。これを承知しておられますか。
○佐藤(淳)政府委員 可燃性のガス等の放出につきましては、十分に基準につきましては厳重に規制いたしまして、いやしくも二次汚染なり地域住民に悪影響を及ぼすようなことはさせないというたてまえでやっておりますし、県についても十分にその点は周知徹底いたさせております。 それから、仮にそういうことが行われたとすれば、当然これは公害の面から言っても大気汚染防止法にもひっかかる問題でございまして、それは放置されない問題でございます。先生の御指摘のようなことが仮に行われたとすれば、これは重大な問題でございますので、これはさらに基準を強化するなり何なり手を打たなければいけないと思いますけれども、一応われわれとしては、体制としては、そういうような二次汚染なり地域住民に影響を及ぼすことは絶対まかりならぬという考え方で指導をいたしておるわけでございます。
○神崎委員 指導いたしておりますけれどもやりておりますから、具体的にここで実例とその企業名まで発表したのです。具体的にどういう処置をとらしますか。
○佐藤(淳)政府委員 調査いたしまして、適切な処置を講じたいと思います。
○神崎委員 それが官僚的な答弁というんで、調査して適切な処置をとる、その適切の内容によるのですがね。しかし、適切な処置というものは、そこで働く労働者やら地域住民の人命にかかわるようなこういうことを、事故が起こらないように完全に処置をするということがあなたの言う適切な中身というふうに理解していいですか。
○佐藤(淳)政府委員 よく調査いたしまして、そういう御趣旨で対処いたしたいと思います。
○神崎委員 十分処置をするということは、それを根絶さすというふうにひとつやってもらうということを約束をしていただきたい。約束できますか。そこでうなずいておったらだめなんですよ。
○佐藤(淳)政府委員 十分に実態を調査いたしまして、問題があれば……(神崎委員「あればじゃないよ、あると言うておる」と呼ぶ)そのとおりであれば、まさに処置をいたさなければいかぬ、こう考えております。
○神崎委員 根絶させますね。どうです、局長。後にまだありますから、もっと具体的なのが。それだけじゃないのですよ。じゃまたそのときに聞きましょうか。 あなたが昭和四十八年十二月二十四日に通達をお出しになっているのです。「保安確保のための具体的措置について」のその中で「可燃性及び毒性のガス設備は窒素等によるパージを励行すること。」こういうふうに言われているのですね。この通達が生きておったのか、実行しておったのか。実行しておったらこういうことを言わなくてもいいのです。あなたの通達を企業が一つも実行してなかったら、あなた、どうするのですか。あなたは四十八年十二月の二十四日に、いま私が指摘したことについて関連した内容の通達をおろしているんですね。これは通産局におろしているのでしょう、出先の。それにこういうことを指摘しなければならないし、まだ後でありますけれども、一つも生きておらぬじゃないか、この通達が。それであなたの職責はどうなるのですか。これは重大な問題です。
○佐藤(淳)政府委員 四十八年の十二月の通達に基づきまして、いま先生のおっしゃいましたパージ用の窒素につきましても十分に保持するようにということを指示いたしております。これにつきましてはその後各コンビナートごとにおきますところの一斉点検をやっておりまして、その中におきまして共同防災体制の一環としてそういうものの保持状況を把握いたしております。
○神崎委員 そうすると、あなたの通達どおりに実施しているのですか。通産局はこういう各企業に、該当企業に対して実施させていますか、あなたの言われているこの通達どおりに。あなたはしていると思っておられるだろうが、具体的に下は実施していますか、通達どおりに。
○佐藤(淳)政府委員 必要量について十分に保持するように通達いたしておりますし、そのとおりやっているものと思っております。
○神崎委員 だからだめなんですよ。自分が出した通達も実施されないで、やっているだろうと一方的にあなたは思っていらっしゃるんです。そんな行政のあり方では、そこで働いている労働者や地域の住民は、これは大変なことですよ、これを聞いたら。これは重大な問題ですよ。 ざらに、私はもう一つ言いますが、三菱モンサントの四日市工場、これは新しい装置では、異常高圧が生じた場合安全弁から脱圧される装置になっているんですね。その際、安全弁から可燃性ガスや有毒ガスが大気中に放出される仕組みになっておるんですよ。そして、工場内にパトカーの上で回るような回転灯があって、それが回転したときは、いま可燃性ガスを放出している、車は走るな、引火点が低いから注意せよということの合図になっておるのだ。そこで働く労働者はそのことを知っています、徹底されていますからね。しかし、一般住民は何も知らされておらない。こういう実態がいまも続いているのです。立入検査に参加した福井大学の助教授の埜村氏は、地域住民に対する対処はほとんど想定されていない、工場内のこの種の質問に対する回答は臨機応変にやります、こういう答えです、この言葉は逆に言えば無為無策だと助教授は指摘しているのですけれども、私はまず第一に、この安全弁からの放出にどう当局は対処するのか。第二は、住民に対して助教授は無為無策と言っておりますけれども、私はこれは企業の横暴で、人命無視、軽視もはなはだしい、きわめて重大な問題だと思うのです。いま有毒ガスが出ておりますからといって、それを警報するために回転灯をつけて、中の者は知っておるけれども周囲の者はわからない、それが公然とやられているんですね。こういうやり方で、有毒ガスやら可燃性ガスがどんどんと放出されているということを四日市の三菱モンサント化成付近に住んでおられる方が知ったらどうなるでしょう。また、知って抗議に行ったら、そんなものはないんだと言ってうそをついて、中では、これが回ったときは危険だから車も走るな、こういうふうに知らしているのでしょう。どういうことなんです。これに対してどうやりますか。これは一遍大臣から聞きたいですね。大臣、いまこんなことが行われているんですよ。局長からでもいいですが、局長の言うとおりだとか、調べて検討しますというような足りない答弁でなく頼みますよ。
○佐藤(淳)政府委員 高圧ガス設備には、異常時に対します安全機構の一部といたしまして、設備内に脱圧、圧力を抜きましてその後にガスを処理するために、フレアスタックというものが設置されておるわけでございます。フレアスタックというのは一常に火種を用意しておりまして、脱圧して移送されたガスを燃焼させた後に大気中に放出させるということになっておるわけでございます。それで、一方毒性ガスにつきましては、事故異常時につきましては、ただ放出するんじゃなくて、害を除きまして、除害設備を通しまして大気中に放出するようになっておるわけでございますので、問題はない、私はそう思っております。
○河本国務大臣 いずれにいたしましても、具体的な事例をお挙げになりまして御説明がございましたので、事実関係を十分調査をいたしまして、住民の健康であるとかあるいは働く人たちの健康、そういうものが十分守られますように十分なる措置を講ずるように、事実関係を調べた上で指示をしたいと思います。
○神崎委員 そしたら、いままでの局長の答弁とも関連がありますが、これは大臣、国にも責任がありますね。にもじゃなしに、国に責任がありますね。
○河本国務大臣 いずれにいたしましても、事実関係を全部調べてみたいと思います。
○神崎委員 事実関係について先ほどから言っているし、あなたの方でもたくさん調べられた。調べた結果、それがあなたの方で掌握不十分で、出先がよそへ貸しておって、そういう段階に起こっている中身で、しかもあなたの方は、四十八年十二月二十四日にこういうことについては通達まで出しておられる。にもかかわらず、こういうことがいまだにやられているのです。それで、あなたの方で委嘱された学者の方々やらそういう委員の方々が調査をされて、立入検査をされて、そうして文書でこういう状態だからだめだということで報告書を上げているんですよ。掌握されていたら、報告書を読んだら直ちに、いま大臣がこれから調査すると言うのじゃなしに、報告を読んだ途端に、こういうようなものは大変だという形から対処すべきじゃありませんか。そうでしょう。そうでなくて、これから調査するのだったら、この前にやった調査は、あれは何の調査ですか。調査をやった結果が出てきて、そして学者諸君がいろいろとおっしゃっているんです。見てない証拠だから対処できない。見てないどころか、よそへ貸しているんです。 もう時間が来て、予鈴が鳴りましたから、私はこれは次に譲りますけれども、まだまだあなたのところでやられた中で放置されている問題はたくさんある。本会議だから時間がないから、これは後に残します。こういうようなことでは大変なことになるということを私は申し上げたいんです。この法律をつくって、そうして何とか国民のいまの厳しい指摘から、一応対応したごとくされるだけにすぎないんじゃないか、こういう状態なら。前からやられていること、通達も出されていること、あらゆることが一つも実施されないで、しかも驚いたのは、ガスが出たときは車も走るなと、こういう回転電灯形式にしておいて、中の者は車も走れぬですよ、低温爆発で。しかし、周囲の者にはそれを知らしてない。ところが、悪臭がしたりいろいろなことがあって抗議に行けば、そんなことはない、こういうような形で地域住民の要望や抗議、こういうものに対しては目をつぶって、無視して、むしろうそをついている。千葉県の市原市の昭和電工、三菱モンサント化成の四日市工場、こういうようなところは、先ほど局長は、完全にもう地域住民やそこで働く労働者に危害のないように万全の処置をとると言われたんだから、ぜひともそういうことをひとつ直ちにやっていただいて、二度とこういう同じことをここで論議をしないようにしていただかぬと、それは単なる指導とか行政内容の一部分じゃないですよ。人命にかかわる。あなたがその近所にお住みになっていたら、あなたの家族がそういうところに住んでおられたら、あなたはもっと敏感におやりになるかもわからない。これはあえて言うと、行政の放置ということは、客観的には、抽象的表現で言うならば、殺人行為が日に日にずうっと蓄積していくこと、そういう線上を発展していくことを放置していることになるんですよ。これは単なる行政上の不十分さだでは済まされない。私はきょうはきわめて重大な問題を提起しておるんです。ですから、責任のある態度をとっていただきたい。 最後にもう一言大臣から、いま私が言いましたことについて、本当に通産省の最高責任者として、こういうことを二度とさせないように、強力に企業規制的行政措置をとっていただけるかどうか、これを伺って、きょうは一応あとの質問は保留します。
○河本国務大臣 先ほど来局長からも、それから私からも、いろいろこれからの対策について申し上げたわけでございます。誠意を持ってそのように取り計らいます。
○山村委員長 次回は、来る十八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十九分散会