商工委員会 第5号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/02/25
会議録
○田中(六)委員長代理 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、資源エネルギーに関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米原昶君。
○米原委員 私は、日韓経済協力問題について本日質問する準備をしておりました。ところが、実はけさの新聞を見てちょっと驚いたのです。 それは御存じのように、新聞に出ておりますが、いま韓国の副総理兼経済企画院長官の南という方が日本に見えております。ところが、昨日、福田副総理がこの南副総理に対して、日韓定期閣僚会議について、わが国としては今国会終了後に再開したい、こういうふうに言われたということが新聞記事に出ているわけであります。これは早川、太刀川問題が一応ああいう決着を見た段階で、そういう意見が政府部内にあるということは、いろんな新聞がすでに報道しておるところであります。ところが一方、同じ新聞によれば、宮澤外務大臣の方は、昨日の夕方、来日中の韓国の南副総理に対して、閣僚会議の開催までにはなお事態の推移を見たい、つまりいますぐ約束はできないという発言をしておられる。この二つの発言がけさの新聞に出ております。一体三木内閣としてはどちらが本当なのか。全く相反する副総理と外務大臣の見解が新聞に出ております。実を言いますと、宮澤外務大臣は、すでに十九日の本院の外務委員会でやはり同じことを述べておられます。あの早川、太刀川問題がああいう決着を見たとしても、金大中事件、というよりも金東雲事件と言っておりますが、わが国の国家主権侵害の疑いがある問題、この問題についてまだ明確になってない、これがもう少し進捗しなければ、いま決めることはできない、こういうことを外務委員会で正式に言っておられるわけです。これは速記録に載っておるわけです。この全く異なる二つの見解がけさの新聞に出ておるわけです。一体どちらが本当なのでしょうか。国務大臣として、これは重要な問題、ことに経済協力の問題は直接関係される通産大臣の問題でもあります。 この点について、どちらが一体本当なのかということをまず明確に言っていただきたいのです。
○河本国務大臣 私はその新聞を実は詳しく読んでないんです。そこで、昨日の福田副総理のお話の内容は知らないわけでございますが、基本的に考えまして、私は韓国との経済協力というものは、これはケース・バイ・ケースで進めていっていいのではないか、こういうふうに考えております。
○米原委員 経済協力の問題をケース・バイ・ケースでやっておられるということは、もちろん承知しております。定期閣僚会議があるとなしとにかかわらず、どんどん進められている事実も私は知っている。しかし、閣僚会議をやるかどうかという問題、これについて内閣として統一した見解があるのかないのか、ないんだったら、これは統一してもらわぬと、われわれはどっちが本当かわからない、この点を聞いているわけであります。
○河本国務大臣 現在のところ、その問題について関係閣僚での打ち合わせはございません。
○米原委員 それでは、この段階でもうこれ以上この問題をしつこく聞くわけではありませんが、少なくともまだ統一した内閣の見解がない問題について、副総理がただ国内でそういう意見をおっしゃるとか新聞記者におっしゃるということとはちょっと違うんです。韓国の副総理に対して日本の副総理の言うことと外務大臣の言うこととが全く食い違っているということじゃ、これは大問題じゃないか。この点ひとつ責任を持って次の機会にでも統一見解を示していただきたい、こういうことをお願いしまして、私は具体的な質問に入ります。 実際にもいままで、たとえば御存じのような経過の中で、韓国との間のいろいろな問題懸案が解決しないままで、閣僚会議が延び延びになってきたのは事実なのです。しかし、その中でも、すでにいまおっしゃったケース・バイ・ケースというのでしょうか。昨年の十月二十五日にソウルで日本から韓国に三百億円余の円借款を供与する公文が交換されたと報道されております。つまり、ああいう事態の中でも十カ月ぶりに対韓経済協力が再開されたということが報道されております。そして、十一月には韓国が二億ドル強の円借款を要請するまでに至ったということも報道されております。こういう点は、いま通産大臣がおっしゃったケース・バイ・ケースのそういう事態なのでしょうか、この点をお聞きしたい。
○河本国務大臣 これは具体的な数字のことでございますから、政府委員から御説明をさせます。
○橋本(利)政府委員 韓国に限りませず、経済協力につきましては、相手国の経済的、社会的基盤を拡充整備いたしまして、ひいて国民生活の水準なり福祉の向上に役立つという観点から、具体的なケースの提示を待ちまして、ケース・バイ・ケースに実務段階で十分検討した上で協力いたすことにいたしておりますので、ただいま御指摘になった数字につきましては、私はいま確認いたしておりませんが、そういったものにつきましても、ただいま申し上げたような観点に立って、対処いたしておるということでございます。
○米原委員 それでは、問題をもっと具体的に進めてみたい。とにかく定期閣僚会議も中断されておるような中で、実際上はケース・バイ・ケースでどんどん一方では進みつつあるように見えるのです。 〔田中(六)委員長代理退席、武藤(嘉)委員長代理着席〕 それほどまでに非常に日韓経済協力を急いでおられる。一体これは何のためなのですか。いまおっしゃったのでは、結局韓国の国民のためのような話がありました。一体、日韓経済協力の根本の趣旨、どういう立場でだれの利益のために一体推進されようとしているのか、その根本的な考え方だけでも聞いておきたいと思う。
○河本国務大臣 韓国は日本の隣国でもありますし、歴史的にも非常に関係が深い。そういうことでありますから、お互いに経済的にうまくいくということは、これはお互いのプラスじゃないかと私は思います。でありますから、だれのためにやるということではなくして、私は両国のためにこれは進めておる、こういうふうに理解しておるわけでございます。
○米原委員 そこで、私具体的に聞きたいのです。 すでに第一回の日韓定期閣僚会議、一九六八年ですが、この会議には、当時外務大臣であった三木総理も出席されておりますし、それから宮澤さんも、そのときはたしか企画庁長官だと思います、出席されております。そういう重大な第一回の定期閣僚会議の際に、韓国側の団長を務められた張基榮副総理、これが実は日本からの借款をわれわれが要求するのは日本の業者のためである、こういう驚くべき発言があった。これは当時の新聞に報道されておりますが、思わず知らずこれは本音が出たのじゃないか。一体、日韓経済協力が本当に両国国民のためになっているのか、それとも一部の業者ないしは権力者、そういう者の利益になっているのじゃないか。この点を私たちは一番疑いの目を持って見ている、こういうものじゃないかと思いますが、そういうふうに言えないかどうか、通産大臣の見解を聞きたいと思います。
○河本国務大臣 いまのお話ですと、一九六八年の定期閣僚会議において向こうの副首相が、日本の業者のために経済協力をするんだ、こういうことを言ったという話でございますが、その事実は私は誤報じゃないかと思います。まさかそういうことは言うはずはないと思うのでございますが、いずれにいたしましても仮にそういう報道がありましても、私はそれは間違いである、決してそういうことではなくして、日本と韓国の両国のための経済協力である、こういうふうに理解をいたしております。
○米原委員 では、私、そういう問題を繰り返さないで具体的な問題を聞きたい。 韓国の国民の中に非常に日本を排斥する動きがあります。たとえば岩波の新書で出ている「韓国からの通信」という本があります。これは韓国から送られて来た手紙が雑誌「世界」にずっと二年近く連載されておりますが、それが岩波新書で一冊の本になっているわけです。その中にも韓国の国民の動き、感情というようなものがかなりリアルに報道されている。たとえばその中に、韓国の労働者の問題、日本のいわゆる経済協力、日本の資本の進出によって非常に憂うべき事態が起こっている報道がこの中に出ております。 たとえばこんなことが書いてある。「日本人資本家たちによる労働者搾取は極端になりつつあるがこれを中央情報部と警察が護っている。日本人投資業体が九三%を占めている馬山輸出自由地域の場合は一言でいって生地獄である。五万の女工が一日一〇時間から一時間労働で、休日もなしに月平均一万三〇〇〇ウォンを受けとる。韓国人業体より賃金は三−四〇〇〇ウォン多いが日給制であり雇傭契約なしの条件であるからかしゃくなき解雇の危険がある。この地域にたいする具体的調査がなされるべきである。」こんなことが書いてあります。あるいは「十一月の初め日人会社の女工一〇〇余名が日人の横暴と不当な解雇にたいして抗議、梶棒などをもって日人を襲撃した。日人は逃げ、情報部員と警察が動員されて女工たちを鎮圧した。この地域には韓日関係の問題が集中されているので問題が近い中に発生するであろう。」まあ実はこんなことが出ている。 本委員会でも韓国の労働者の賃金の問題は、毎々何回も問題になりました。前の中曽根通産大臣は、韓国の労働者の賃金よりも日本人の経営している会社の方が賃金は高いのだということをいつでも言われたんです。そのとおりなんです。ここにもそういうふうに書いてある。高いけれども実情は違うのだ、実情は大変むちゃくちゃなことがやられているのだということが書かれておるわけでありますが、こういう実態を一体政府の方は把握されているのでしょうか、この点についてまずお聞きしたいと思います。
○橋本(利)政府委員 海外に進出する企業に対しましては、受け入れ国における賃金水準、あるいは労働時間、あるいは福利厚生施設等において、かりそめにも批判を受けないようにということで指導いたしておるわけでございます。 ただいま具体的に御指摘の馬山地区につきましても、われわれとしても極力情報をとっておるわけでございますが、一部におきまして韓国の勤労基準法に違反するようなものもあったやに聞いております。ただ、それにつきましても、韓国政府筋として伝えられるところでは、必ずしも処罰をもって臨む程度のものではない。これに対して厳重に注意をし、今後の労務管理を監視していきたい、かように言っておりますし、あえて日本企業の労務管理について言うならばということで、一つには必ずしも賃金のバランスがとれてないものがあるということと、それからいま一つは、こちらから行っておる人と韓国の人との間に対話が若干不足しておるようであるというふうなことも言っております。 私たちといたしましては、冒頭に申し上げた線に加えまして、さような観点から進出企業の労務管理等につきまして十分監督指導してまいりたいと考えております。
○米原委員 その点について、韓国自身の勤労基準法を犯しているという調査結果はすでに韓国側が発表しております。外資の比率が五〇%を超える外資系企業でそういうことが行われておる。昨年の二月二十日に韓国政府の労働庁が招集して開いた外国人投資企業体代表者懇談会の席上で、同庁の調査報告書として発表されたものがあります。韓国で実働中の外資比率五〇%を超える外国人投資企業は百八あるが、それがほとんど日本人企業である。この報告書によると九〇%強の九十六社が勤労基準法を守っておらず、違反件数も一社当たり平均三件にもなる、こういうことを韓国政府の労働庁自身が発表している。違反事例の内訳で最も多いのは女子と少年勤労者規定違反九十八件、次いで勤労契約違反が八十三件、就業時間違反が同じく八十三件、非常に多いのです。 こうした日本から進出していった国の法律さえ守ってない、こういうようなことが一体許されるだろうか。日本人企業が東南アジア各地でも非常に反感を持たれているという問題は前からあります。ここに申すのは韓国の政府自身が発表した具体的な資料です。その中でほとんどの日本人企業が向こうの法律さえ破っている。これは驚くべきことじゃないかと思う。こういう点について今後大臣はどうされるつもりですか。こういうことを見逃しておいてはいけないと思うのです。
○河本国務大臣 日本の企業が海外へ進出をいたします場合に、相手国の国情を十分考えまして慎重な行動をとらなければならぬと私は思います。ましてやその国の法律を守らない、こういう事態があるということは、これは言語道断でございまして、それはそういうことのないように強く私は指導するつもりでおります。 その後、日本の企業にも海外進出についての反省等が生まれまして、御案内のように一昨年には経済団体が集まりまして、今後海外に出ていく場合には一つのルールを守っていこうじゃないか、こういうことを決めておりますし、それからさらにまたそれをフォローアップしていこうということも昨年決めておるわけでございます。また、政府の方でも、とりあえず重立った国六カ国にそういうことのないような指導機関というようなものを関係者が集まりまして設けていきたい、こういうことでいまいろいろ作業しておるところでございますが、いずれにいたしましても、そういうことのないように強く指導していかなければならぬと考えております。
○米原委員 そこで、特にお願いしておきたい点があるのです。つまり韓国では一九六九年十二月に制定された外国人投資企業の労働組合及び争議調整に関する臨時特別法があります。この法律のために、特に問題になっている馬山のフリーゾーン、輸出自由地域内ではストライキどころか労働組合の結成すら許されていない、こういうことがあるわけです。このような労働組合すらつくれないように禁止されているそういう地域の労働者に対して、勤労基準法違反、こんなことはもってのほかじゃないか。国際的にも認められている労働基本権をじゅうりんしているわけであります。これでは反日運動が起こってくるのは当然だと言わなくちゃならぬ。これは断固たる措置をとっていただきたいと言うだけに、まずここではとどめます。 もう一つ、今度は農民の問題ですが、ここに続いて出ているのであります。農民の土地をどんどん安い値段で取り上げている問題です。ここに出ておるのは、今度の国会で問題になる大陸だなの問題もあります。済州島の大きな土地を日本に売った問題もあります。それから仁川付近の臨海地区内の日本人による大変な土地の買い占め問題もあります。こういうものが韓国の農民の反日機運を促しているのだということがこの本にも報道されて、これは日本の雑誌にずっと連載された中に出ている。昨年、韓国の中央日報の調査によると、外国人または外国法人が所有、管轄している土地は七百四十万九百二坪に上り、全国土の四千二百分の一の面積に達している。このうち米国人が所有しているのは全体の七二%を占めている。日本は一六%、百十六万七千六百三坪に及んでいる。恐らく韓国人名義の土地などを加えると実際はもっと多いと思うのですが、こういうことが韓国の新聞にも出ているわけであります。そうして土地の利用についても、ゴルフ場をつくるとか別荘あるいは牧場など安い土地を買い占めておる、こういうことが言われております。不動産登記をあおっておるということが言われております。こういうことを一体このまま見過ごしていいかどうか、これもやはり反日機運をあおる行為に相違ないと思うのです。こういうことを見過ごしていては双方の国民のための日韓経済協力と言えないと思う。こういう点、通産大臣いかがされますか。
○橋本(利)政府委員 韓国で土地を取得する場合、大きく分けて二つあるかと思います。一つは、韓国へ進出しておる企業が韓国内で土地を取得する場合、いま一つは、日本人もしくは日本法人が外国人の立場で韓国の土地を取得する場合、この二つの場合があるかと思います。前者の場合には、これは第一次的にはやはり韓国の主権の問題と申しますか、韓国内における法律に従って必要な用地を取得するということになるかと思いますので、この点につきましては特に意見を差し控えたいと思います。 それから、本邦法人あるいは日本人が韓国で土地を取得する場合には、韓国には外国人土地法という法律がございまして、これによって規制されているわけでございますが、一方日本側といたしましては、外為法に基づきまして大蔵大臣の許可を必要とするということになっております。その場合に、韓国の外国人土地法による許可書をつけて申請するということになっておりますので、そういった法規的な面からは万々先生が御指摘になるようなことはあり得ないというふうに考えるわけでございますが、現実に御指摘のような問題がある場合には、先ほども申し上げましたような行動指針等に照らしまして指導してまいりたい、かように考えております。
○米原委員 問題は、向こうの法律を破るということになったらもってのほかです。しかし、向こうの法律を形の上では守っているという場合にも、実際にはかなり重大な問題が起こっているんじゃないかということが推測できるわけですよ。この点についてはしっかり考えていかないと、日韓経済協力なるものが決して韓国の一般の国民のためになっていないということになるのです。私はその点を十分反省しなくちゃならぬと思う。 その点で、では、こういう日韓経済協力によってもうけているのはだれかという問題なんです。御存じのように、日本から韓国に投資する場合、海外投資損失準備金という制度があります。この租税特別措置によって、大企業の海外投資は最低五〇%、最高一〇〇%まで損金で落とせるようなシステムになっているわけであります。これだけで昭和四十九年度で百九十億円の税収が減免されると見込まれているということを聞きました。こういうように海外投資に大変特権的な減免税をやっている理由についてお聞かせ願いたい。
○橋本(利)政府委員 一つには、やはり経済協力の重要性ということを申し上げる必要があるかと思います。御承知のような日本の立場からいたしますと、国際協調の精神に立脚して諸国といろいろとおつき合いをしていかなくちゃいけないということでございますが、特に最近のように石油、資源等につきまして国際間の緊張が増加している場合におきまして、やはり世界的に調和のある発展を図るという必要性が非常に増大してまいっております。そういった国際協力の重要性にもかかわらず、一方では海外投資をやる場合にそれなりの非常に大きなリスクを伴うというようなところからこの制度が設けられておるものでございまして、一言で申し上げるならば、経済協力の重要性、これを推進するための措置というふうに私は理解いたしております。
○米原委員 形式的にはそうだろうと思う。しかし、これは非常に悪用される面のある制度だと思う。大企業の海外投資の場合、輸銀とかあるいは海外経済協力基金の金がふんだんに利用されていることは、これはいままで発表されているものを見ても明らかです。四十八年十一月から四十九年十月までの一年間に、韓国向けの海外経済協力基金の使用は二百八十一億九千七百万円に上っております。また、輸銀の韓国向けは、四十八年度使用実績は百五十六億円であります。そのうち百三十八億円が民間ベースによって使用されております。ところで、輸銀の金利は六%から八%であり、返済期間は十年であります。基金の金利は、政府間で三・一六七%、対企業間で五・五〇四%で、期間はそれぞれ平均二十四年ないし九年であります。 ここで問題は韓国なんです。韓国の国内金利はどうなっているかという問題です。外務省が一九六九年八月にまとめた「日韓経済協力」という韓国経済産業視察団報告書によりますと、一般市中銀行の貸出金利が何と二四%、私債と言われるやみ金融は、一流企業で短期間の場合でも三〇%を超える状態である。これは外務省の調査団の報告書に出ております。こういうことが報告されている。このような仕組みのもとでは、長期低利の輸銀や基金の金を利用する大企業は、韓国に外資を出すだけで莫大なもうけを保証されることになります。また、日本の政府の経済協力を受ける韓国の朴政権は、借金といえどもそれを国民に又貸しするだけでかなりのもうけを受けることができます。このようにして長期低利の、国民の拠出した金と言ってもよい輸銀や基金の金を利用することによって、韓国に対する海外投資は損をすることのない仕組みになっている。このような大企業本位の資金利用は是正さるべきではないか。日本の金利と比べて非常に高いわけですから、投資するだけでそれがいろいろなところに回されて利用される。ですから、韓国の朴政権がこれを利用していることはもう推測するにかたくないわけなんです。こういうものに、また一方では損失準備金制度なるものがあるわけですね。絶対に損をしない仕組みになっている。向こうではそういうことができる仕組みになっている。韓国との日韓経済協力問題でいろいろな不正、腐敗があるということは、いろいろな新聞が報道しておりますけれども、この根本の仕組みからそういうことができるようになっているじゃないか、この点をいかに考えられますか。
○河本国務大臣 私は、韓国の産業が発展上大きな障害がありとするならば、いま御指摘の金融の問題にあると思います。そういう国情でございますから、日本の企業が進出いたします場合に、あるいはまた経済協力を韓国といたします場合に、いろいろな政府機関からいま御指摘のような条件で資金が出ていくわけでございますが、そういう資金でもって初めて企業というものが成り立つ、かように考えておるわけなんです。そういう条件でなければ企業というものは成立しない、そういうことでありますから、政府関係の三機関がいろいろな意味で金利の条件を決めておりますし、貸し出しの条件を決めておりますが、これをいまにわかに、韓国の金利が高いからそれとバランスがとれないじゃないかというふうなことだけで改定するのはいかがか、こういうふうに私は思います。
○米原委員 しかし、いま私が質問した問題、実は日本の調査団の報告書に出ているのです。「韓国第三次経済開発五カ年計画調査団報告書」というのがあります。この中にはたとえばこんなことも書いてある。韓国企業の間で、国内金利に比較すればきわめてソフトな条件である外資の受け入れが一種の利権視されている。あるいは輸入外貨割り当て、商業借款供与枠を受けるためにはすべて有力者の口添えが必要である。これは日本の調査団が報告書の中に書いていることなんです。日本からの外資導入にまつわって、リベートとかコミッションなどがまかり通っている事実をこの調査団の報告自身が言っているのです。日本からの外資導入にまつわる不正腐敗の横行、これを一体どう思っておられますか。私は、この点を反省しないと、日韓経済協力はだめだと思う。この点をお聞かせ願いたい。
○橋本(利)政府委員 われわれとしては、経済協力の本来の趣旨に立脚いたしまして、できるだけといいますか、そういった本来の趣旨に合うような経済協力が進められるように、あるいはその成果を得るように努力いたしたいと思います。 ただ、ただいまも御指摘になっております輸銀あるいは基金等の金利につきましては、先ほども申し上げました経済協力の重要性にかんがみてさような条件が適用されておるものと解釈いたしておりますし、かたがた、これは言いわけではございませんが、プラントを出す場合には、契約当事者としては大企業あるいは大商社が名前を出しておりますが、御承知のように、プラント類というのは非常にたくさんの関連企業を抱えまして、その上に成立するものである、そういった面からも中小企業に対する配慮ということも必要かと思いますが、いずれにいたしましても、経済協力が厳正に行われるように指導してまいりたいと考えております。
○米原委員 この問題は、先日予算委員会でも問題になりました。そして、とうとう外務省のアジア局北東アジア課でまとめた例の「韓国における不実企業の実態」、あの文書の中にもはっきり書かれておるわけです。外資導入の過程で、または政策金融の融資を受ける過程において、源泉的に不当所得の可能性が多分にあるとか、あるいはリベートなどがそれだというように、「韓国における不実企業の実態」というこの調査報告の中にも、このコミッションとかリベートが横行しておることを暴露しておるわけであります。政府自身が調査された資料なんです。ですから、日韓経済協力の問題というときに、この問題はやはりすっきりしなければだめだというふうに私は考えるのです。 韓国の野党の新民党の機関紙「民主前戦」は、随意契約が可能な商業借款の場合、二重契約によってその差額から生ずる利益が通常、総額の一〇%とのうわさが流れていると、商業借款の約一〇%が不正に使われることを指摘している。控え目に見ても、援助によるリベートなりピンはねなりは援助額の七%から八%、こういうことを一般に新聞記者も言っております。 このようにして、日本の対韓援助や外資の導入は、前に問題になった韓国アルミ事件などの例にもあるように、一部の特権層の不正腐敗を生む源泉となっている。それはいま言いました政府の調査報告すら認めている問題なんです。これが一体日韓両国国民の利益になるなどと言えるかどうか。逆に反日機運をあおる結果になるだけじゃないか。この点について私は十分反省していただきたいのです。 時間がありませんから、あと簡単に申しますが、一九六九年の外務省の韓国経済産業視察団の報告書、「日韓経済協力」という報告書の中にも、対韓経済協力が韓国の高度成長を促したという面を述べておりますが、しかし一部の不正腐敗が拡大する結果になっていることにも触れざるを得ないのです。 韓国の検察統計によっても、不正腐敗行為で挙げられた高級公務員の数は、一九六九年には六一年の約三倍、九千三百名の公務員がこの不正腐敗で逮捕された。非常に腐っているのです。これはほとんど日韓経済協力にからんだと言われている。こういうふうに、韓国の内部における不正腐敗を助長するような経済協力のあり方で一体いいのかどうか。根本的な反省なくして、安易に定期閣僚会議なんかを開くべきじゃない。ことに、金東雲事件、日本の国家主権が侵害されたという疑い濃厚な事件、これすら解決されてないのに、何で急いでそういうことをやるか。また、このリベートにありつくためかと言いたくなるのであります。私はこういう問題について深く考えていただきたいのです。 もう一つ最後に、時間がありません、一言だけ申します。これは一般に知られている事件ですけれども、一九七二年の七月に小佐野賢治氏の国際興業が大韓航空の株式一〇%を取得しました。この時期には、韓国では航空機は外資導入の制限ないし禁止業種であって、このような国家の重要産業の株式を取得するのは常識では考えられないとされていた。ある見方によると、当時の田中首相に、総裁選出の御祝儀であったなどと書いている新聞もある。この株式取得は、韓国の立場からいっても適法のものであったかどうか。韓国で外国人が韓国内の既存企業の発行株式を取得して資本参加したのは、実はこれが初めてのケースであります。これによって、それまで制限されていた外国人の韓国内証券の買い入れができるという先鞭ができたと言われておりますが、韓国の財務部によりますと、外国人の国内証券買い入れに対しては外国為替管理法で原則的に禁止されていたはずであります。こういうことが許されたのは、一体韓国の法律上認められていたのかどうか、この点について御存じだったら聞かしていただきたいのです。
○河本国務大臣 私は、日本と韓国との経済協力が、その目的に従いまして正確かつ確実に実行される、それを強く期待をするものであります。いろいろそれに関連してお話がございましたが、私から申し上げたいことは、正確かつ確実に履行されるということを強く期待をいたしておるわけでございます。 なお、大韓航空の株式の取得の問題につきましては、政府委員から答弁をいたします。
○宮原説明員 お答え申し上げます。 本件につきましては、四十七年七月に許可が行われておりますが、これを許可するに当たりましては、韓国側、向こう側の法律に従って問題なく許可を受けたという許可証の、写しじゃなくて実物をちゃんと確認をいたしまして、その上で許可をいたしております。
○米原委員 そこなんです。つまり韓国の財務部から出ておる報告を見ますと、このときまで外国人の国内証券買い入れに対しては外国為替管理法で原則的には禁止されていたということであります。この点を聞いているのです。もちろん、場合によっては財務部長官の事前許可を受けて買い入れるようになっており、こうした国際興業のような申請ケースは実はそれまで一件もなかった。財務部長官の許可は、いまおっしゃったのではとってあるのかどうか、こういう点です。
○宮原説明員 お答えいたします。 本件につきましては、四十七年の六月二十二日付で韓国側の法律、外国為替管理規程に基づきまして財務部長官名の許可証が発行されております。
○米原委員 そうだとしますと、それまで向こうの外国為替管理法でははっきり禁止されている。そうしてその時期は、私は詳細に調べてみました、まだこの法律は有効な時期です、そのときに、いわばこれが初めてのケースです。そういう先鞭をつけたケースだと言われている。これはどう考えてもそこに何かがあった疑いが非常に濃い事件なんです。この点については今後明確にしたいと思います。 時間がありませんから、本日はこれだけにいたします。
○武藤(嘉)委員長代理 近江君。
○近江委員 きょうは限られた時間でございます。そういうことで何点かお聞きしたいと思っておりますが、その中でも、きょうは独禁法の問題を初めに聞きたいと思うわけでございます。きょうは公正取引委員長が診察のため午前中はどうしてもということで御出席ができない、こういうことで非常に残念でございますが、植木総務長官も来ていただいておりますので、植木さんに主としてお聞きしたい、このように思っております。 まず初めにお伺いしたいと思いますのは、いわゆる独禁法改正の政府案の骨子の発表の問題でございますが、当初二十五日ごろを目標に骨子を発表したい、こういうようなことであったわけです。ところが、いまだに出ておりませんし、こういう点からいきますと法案の作成自体も、国民に約束なさっておられる時期というものが非常にずれ込むのじゃないか。その他、骨抜きのいわゆる圧力といいましょうか、そういうものが非常に各所から起きてきております。そういう非常に微妙な時点でございますので、なぜこの骨子というものがまだできないのか、その理由、それから今後の作業日程といいますか、どのようになつて国会に提出をされるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○植木国務大臣 お答え申し上げます。 昨年の十二月十日に私のところで改正案を取りまとめるように総理から御指示を受けまして、御承知のとおり独占禁止法改正問題懇談会という諮問機関に御意見をお出しいただきまして、十二月の末から二月の十日に至りますまで六回会議を開きまして、大変活発な御論議の中できわめて建設的な御意見を承ったのでございます。 この懇談会に出されました御意見を参考といたしまして、私どもはその改正案の取りまとめに入ったわけでございますけれども、いろいろ懇談会で出ました御意見やあるいはその他各界から出されております御意見等を整理いたしましたものをもちまして、関係各省庁がございますので、その省庁間の意見の交換によりまして改正案の骨子をまとめるという作業をずっと続けてきたわけでございます。昨日までで一応事務レベルでの意見交換は終わりましたので、大体の意見が出そろったという状況でございます。 そこで、これから関係閣僚ともいろいろ意見の交換をいたしまして政府案を作成する、また同時に与党でございます自由民主党とも協議をするというような作業をいたしていく考え方でございます。 そこで、先ほど、当初予定していたような提案はできないんじゃないかというようなお話でございますけれども、私どもといたしましては総理が再三にわたって発言をしておられますように、三月の中下旬にかけまして改正案を国会に提出するという目標でいま作業を進めているのでございまして、これはどうしてもそういたしたいと考えているのでございます。 なお、骨子と申しますか素案と申しますか、それにつきましては、ただいま申し上げておりますように事務的な段階でのいろいろな協議が終わりましたばかりでございますので、取り急ぎその取りまとめに入っているというのが今日現在の状況でございますので、先ほど申し上げましたように三月中下旬の国会提案というものを目標といたしまして、これから精力的に作業を進めてまいりたいと存じております。 なお、御承知のとおり骨子ができました段階で法案要綱を作成する、その間、内閣法制局とのいろいろな作業もあるということは御存じのとおりでございます。いろいろな手順を踏んでまいりますけれども、繰り返しますが、三月中下旬の国会提案を目指して作業を進めているところでございます。
○近江委員 事務レベルでのそうしたいろいろな意見の交換が終わった、後は骨子ですね。まず、この骨子ができて、先ほどおっしゃったようにいわゆる要綱の問題であるとか、当然法制局との問題もありましょうし、閣僚会議という形をとろうかと思うのですが、要するにいままでのお話でありますと、二十五日をめどに骨子をつくりたい。これは非常に遅れているわけですね。やはり骨子がもう固まらないとあとの作業というのは進まないわけでございまして、その骨子というのは、大体いつおつくりになるのですか。国民は大体皆二十五日ということを知っているわけですよ。その点どうなのですか。
○植木国務大臣 二十五日をめどにいたしまして骨子をつくりたいということで、いろいろ努力をしてきたところでございますけれども御指摘のように若干遅れております。ここ数日中に関係閣僚の御意見も伺いまして、最終的な調整をいたします。私どもといたしましては、できるだけ早くこの骨子ができますように努力をいたします。 先ほど来申し上げておりますように、三月の中下旬を目標にいたしておりますので、これは早くつくり上げなければならぬということで、日夜精励をしているところでございます。
○近江委員 そうしますと、この数日中に経済閣僚会議で大体まとまる。そうしますと、今週中にはいわゆる骨子はまとまるわけですね。もう一度お聞きします。
○植木国務大臣 できるだけそのようにいたしたいということで努力をいたしております。
○近江委員 当初二十五日をめどということで、これも大幅に遅れておるわけですね。いま長官としては三月の中下旬、これも非常に幅のある話なのですね。三木総理も三月中旬とたしかおっしゃったはずですね。その辺の幅なのですが、長官としてはどうなのですか、中旬にはぜひ出したい、こういうお気持ちなんでしょうか、それとも一応それだけの幅をとっておいて、これは下旬、いわゆる末、こういうようなお気持ちなのですか、その点どうなのですか。
○植木国務大臣 この国会におきまして御審議をいただくことになるわけでございますから、できるだけ早く国会に提案をしなければならないということは重々心得ております。いま政府といたしまして予算関連法案はほとんどすべて提案されたわけでございますが、予算関連法案以外は三月十四、五日ごろまでに出すというのが政府としての基本方針でございます。若干これがずれますことは、まあいままでもあったことでございますが、私どもとしては、そういう十四、五日というのが一応の基準になっておりますので、できるだけそのころに出したいわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように独占禁止法という法律そのものが法制上なかなかむずかしいものでございます。したがって、先ほど申し上げました内閣法制局におきますいろいろな作業等もにらみますと、この十四、五日というのが少し下旬にずれ込む可能性があるとも考えられますので、できるだけ早くということはもう再々申し上げているところでありますが、中下旬に提出をいたしますならば、この国会で御審議いただく期間が、十分とは申せないかもしれませんけれども、あるのではないかという考え方で作業を進めているのでございます。
○近江委員 三木総理はいわゆる社会的な不公正をなくす、あるいはまた政治のいわゆる浄化といいますか、そういうようなことで、非常に国民に対してアピールなさっておられるわけです。ところが、法案がなかなか出てこない。特に政治資金規正法等もいつ出るかわからない。あるいは独禁法のこの改正案にいたしましても、三月中旬に出す。しかし、どうもお聞きしておりますと、そのようにしたいとは思うけれども、やはりずれ込みになるだろうという。もちろんその歯どめは下旬ということにかかっておるわけでございますが、やはりこれだけの重要な法案でございますし、私どもといたしましてもこれはもう国民の負託を受けて出てきておる以上は十分な審議をさせてもらいたい、こう思っておりますし、速やかにこれはひとつ——いま長官も十五日ぐらいに何とか出したいというお気持ちも持っておられますし、また日にちも相当あるわけですから、ひとつ作業を進めていただいて、でき得る限り中旬をめどに努力をしていただきたい、このように思うわけです。 そこで、現在のこの動きを見ておりますと、政府案、いわゆる案というもの自体が公取の試案から非常に大幅に骨抜きをされ後退をするのではないか、こういう見方が必至になっているわけでございます。この国民の声を聞くために設置されたいわゆる独禁懇談会で、いろいろな各委員の御意見、主張を聞かれたわけですが、この点の意見の反映というものについてどのように取り入れていかれるのか、ただもうお聞きするということだけで終わっておるのか、その辺は、中心でおられた長官でございますから、ひとつ御意見をお伺いしたいと思います。
○植木国務大臣 先ほど申し上げましたように、六回にわたって懇談会を開催いたしまして、一通りの御意見の聴取を終えたわけでありますが、第 一回目におきましては総論的な御意見をお聞きし、その後二回、三回、四回、五回と四回にわたりましては、カルテル対策あるいは寡占対策、企業集中対策あるいは不公正取引問題、さらに消費者保護対策、中小企業対策等々、具体的な項目について全員から毎回御意見をお伺いいたしました。そしてさらに、第六回目には、もう一度全員の方々から総論、各論を含めまして御意見を十分時間をかけてお伺いいたしたのでございます。したがいまして、ここに出ました御意見は、いろいろな面についてそれぞれの項目によりましては賛成論あるいは反対論あるいは問題点の指摘あるいは代案の御提示、いろいろあったわけでございまして、私どもといたしましてはここに出ました御意見を十分参考にいたしまして政府案の作成に当たっておりますので、いまお話がございましたように、懇談会においてお聞きしましたことを聞き流しをするというようなことは絶対ございません。できるだけその御意見を政府案に反映しようということでせっかく努力をいたしているのでございます。
○近江委員 事務レベルで一応のお互いの意見交換が終わったということを先ほどおっしゃっておられたわけでございますが、そうなってきますと、大体この骨子というものは長官の頭でもうほぼできておると思うのです。そういう中におきまして長官がいままで本当に御苦労されてこられた、これについては敬意を表するわけでございます。しかし、骨抜きの形で骨子が出てきたとなると、長官のその努力というものも何だということにまたなってくるわけです。現在の段階におきまして、長官が一番どの点でこの中身において苦しんでおられるのか、ひとつお伺いしたいと思うのです。
○植木国務大臣 ただいま私のところで取りまとめ作業をやっている最中でございまして、各項目につきましてここでどのような状況であるかということを私が申し上げることは、この際差し控えさせていただきたいと存ずるのでございます。 なお、いま骨抜きにするなとかいろいろお話ございました。私どもといたしましては、自由で公正な競争が経済活動の中において行われるためのルールづくりに精進をいたしているのでございまして、広く国民の理解の得られるような法案の作成に当たっているということでひとつ御了承をいただきたいのでございます。
○近江委員 こうした中身につきましては、私たちも真っ先に法案を提出いたしまして、公取試案というものにつきましては、わが党なんかに比べますと相当な欠落なんかもあるわけですが、しかし、少なくとも最低限公取試案というものが守られていくならば、第一段階として評価できる、協力もしたい、こういう姿勢で進んでおるわけでございます。 そういう柱の中で、たとえば企業分割の問題につきまして、最近通産省の権限でやるというようなことが流れておるわけですね。しかも、その企業分割から大幅に後退をいたしまして、いわゆる営業譲渡という形で、しかもそれについても内閣が決める。内閣ということはイコール通産省ということになるわけでありますし、その辺の権限争いというものが非常に浮かび上がってきておる、こういうことも聞くわけでございますが、この問題につきましてどのように現在長官のところで受けとめておられるわけですか。
○植木国務大臣 昨年九月公正取引委員会から出されましたいわゆる公取試案というものは、長年にかけていろいろ御研究になりました一つの成果でございます。したがいまして、懇談会の席上におきましてもこの公正取引委員会の試案というものが一つの重要な参考案としていろいろ御論議の対象になったということは申すまでもないところでございます。この公取委員会の試案が絶対最善であるかということにつきましては、これはいろいろな意見があるところでございます。私どもといたしましてはこれも一つの非常に重要な参考意見として、法案作成に当たりまして、これの考え方をどのように取り入れるかということについてはいろいろ苦心をしているところでございます。 それから、いま企業分割について具体的な御質問がございましたけれども、現在まで、先ほど申し上げましたように事務レベルでのいろいろな折衝の中でいろいろな意見を交換をいたしておりまして、事務レベルが終わりましたので、これから最終的な法案の作成に入りますことは、この項目のみならずほかについても言えるところでございますが、この具体的な項目について現在の段階でどうであるのかということにつきましては、まことに恐縮でございますけれども、いまの段階では私から申し上げることは差し控えさせていただきたいと存ずるのでございます。
○近江委員 公正取引委員会の中立性、独立性ということは、私は非常に特徴のあることであり、これはどうしても貫いてもらいたい、こう思っておるのですが、この分割という点になってまいりますと、いわゆる譲渡という、そのように大幅に後退しておるわけでございますが、内閣が行うということになってまいりますと、これは公正取引委員会自体の中立性、独立性というものが非常に侵されてくることになるわけです。これはもう私は非常にゆゆしき問題であると思います。 〔武藤(嘉)委員長代理退席、森下委員長代理着席〕 この点、通産大臣としては、最高の責任者としてこの公取の中立性、独立性を侵すという問題につきましてどのようにお考えですか。現在非常に権限争いが行われておる、そういう姿勢についてどのようにお思いでございますか。
○河本国務大臣 いまこの法律の改正問題はすべて総理府の方で作業をしておられまして、いま私がそれにつきまして一々意見を申し述べるということは適当でない、こう思いますので、いまの段階では差し控えさせていただきたいと思います。
○近江委員 大体通産大臣、独禁法の問題についてはいつもあなたはそういうような答弁をなさるのですよ。少なくともあなた自身はどのように考えておられるかということについての御意見は、お述べになってもいいと思うのですよ。確かに植木総務長官のところでいわゆる取りまとめをなさっておられるわけですが、私としては少なくとも産業の分野を担当する直接の責任者としてこのように考えるという意見の開陳は、当然やはり大臣としてなさるべきと違いますか。いつでも貝のように閉じておられるということはちょっとどうかと思いますが、どうでしょう。
○河本国務大臣 意見を申し上げる段階が参りましたら大いに申し上げたいと思いますが、いまの段階は総理府が中心になって作業をしておられる最中でございますから、控えさせていただいた方がいいと思います。
○近江委員 また同じことをやりますと時間の浪費になりますので……。 それでは、植木さんにお聞きいたしますが、これは私、重大な問題だと思うのですよ。公正取引委員会に対するそういう国民の見方というものは——どちらかというと通産省の姿勢というものは企業寄りの姿勢ということはぬぐい去ることはできない、そうでないと大臣はおっしゃるかもしれませんけれども。そういう中で、これは内閣に権限が移るのだ、内閣イコール、結局は通産省ということになるわけです。それがまた権限争い。これは基本な考え方ですからね、これはやはり取りまとめをなさっておられる植木さんとして、この点についてはあなたの御意見はどうですか。
○植木国務大臣 懇談会の中におきましても、公正取引委員会の権限や機能につきましていろいろ御意見が出ましたことは事実でございます。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、この独占禁止法というものが掲げております目的を遂行いたしますためには、公正かつ自由な競争原理が経済活動の中に働かなければならないのでございまして、そのための独占禁止法であり、その法の執行に当たられるのは公正取引委員会でございますから、この公正取引委員会の持っておられます権限及び機能は独占禁止法の目的に基づきまして発揮せられますように私どもは十分な配慮をしているところでございます。
○近江委員 公正取引委員会の独立性、自主性はあくまでもそれを守り、貫き通す、いまこういう長官のお話があったわけでございます。ということになってまいりますと、そういう争いが行われておるということば、これは公取がその独立性、中立性を守るという立場でございますから、当然公取が決めるということになろうかと私は思うわけです。長官のいまのその決意は、イコール法案におきましてもそのようにしていただきたい、こう思うわけでございます。 それから、原価の公表、価格引き下げ命令等が見送りになるのではないか、産業界や与党、自民党の圧力によりまして見送りになるんじゃないか、こういうようにいまいろいろと言われておるわけでございますが、これはいつも問題になっておった点でございまして、やみカルテルをやってむちゃくちゃな引き上げをして、何らそれに対して引き下げることができないとなれば、消費者、国民はもういつも泣かなければならないわけでございまして、これは決して価格への介入でも何でもないわけです。当然これは盛り込むべきであると私は思いますし、原価の公表等につきましても、これは決して現在の体制を崩すものでも何でもない。今日の寡占下における弊害というものは余りにも大き過ぎるわけですから、いまこういう大きな二つの問題が見送りになろうかということが非常に言われておりまして、国民がみんな心配しておるわけでございます。この点については長官はどう思われますか。
○植木国務大臣 ただいま近江委員から、各界からの圧力があるのではないかというお話がございましたけれども、私どもはそういう圧力を受けておりません。また、そのようなものがたとえどこかにありましたとしましても、現に私自身にはないわけでございますから、ないと答える方が簡潔でございますけれども、たとえ何かがありましても、そういうものによって法案の作成というものに影響を受けるということはございません。先ほど申し上げましたように、いろいろな御意見が懇談会及びその他各界から出ているわけでございまして、そういう意見を十分取り入れながら、先ほど来申し上げておりますように、自由経済体制下における経済活動が自由、公正に行われることによって、国民生活及び国家の経済の発達というものが期せられますような法案づくりに精進をしているというのが現実の姿でございます。
○近江委員 いま、圧力は受けておらない、いろいろな意見、独禁懇で出た意見、また公取の試案をもととして何物にも左右されずにやっていきたい、そういう圧力に屈することはないという基本的な姿勢はお述べになったわけでございます。 そこで、私がいま具体的に申し上げたことは、いわゆる原価の公表、価格引き下げ命令等の問題が見送りになるんじゃないかといま非常に大きなうわさになってきておるわけです。ですから、この問題について長官としては、いろいろ独禁懇におきまして意見も聴取されておられるわけでございますし、事務レベルでのそういうような折衝も終わっておられるわけですから、少なくともこれをどういう形で入れていかれるのか、ひとつ御意見をお伺いしたいと思うわけです。 〔森下委員長代理退席、田中(六)委員長代理着席〕
○植木国務大臣 いま御指摘のございました二つの項目につきましても、いろいろな御意見が出されました。賛否両論ございましたし、また問題点の指摘等もございまして、そういうものを参考といたしましていま法案づくりに当たっているのでございまして、重ねて大変恐縮でございますけれども、そういう具体的な項目について、現在の段階では私から申し上げますことを差し控えさしていただきたいと存じます。
○近江委員 長官までそう貝になってもらいますと、これは非常に困るわけです。やはり長官のところでまとめておられるわけですし、長官のそういう姿勢なり決意というものが非常に大きな反映をすると私は思うわけです。それで、いまの時点ではなかなか中身はわからない、言うことはできないということでございますが、もうこの段階に来ておるわけでございますから、やはり長官のそれなりの考えというものについての開陳があってもしかるべきだ、私はこう思うわけです。 その他、株式取得の問題等いろいろな問題があるわけであります。長官のそういうお気持ちもわかるわけでありますが、もう少しその辺、長官の中身に対する、私としては少なくとも決意としてはこうしたいという、その辺のことがなければ、国民としては長官に皆預けているわけですよ。その長官が一体何を考えているのか、どうしているんだろう、いま皆不安ですよ。出てきたのがクラゲであった、タコであった、骨がないじゃないかということになれば、これはどうしようもないわけです。ですから、少なくともいま国民が非常に不安に思っているわけですから、長官のそういう決意なりは表明していただきたい、このように思うわけです。
○植木国務大臣 独禁法の改正案作成に当たりまして、総理から御指示を受け、精力的に取り組んできているわけでありますが、いまの段階では各項目にわたって私から申し上げるのは、いま作成作業をやっておる最中でございますので、これはひとつお許しをいただきたいと存じます。総理からは、国民の納得を得られるような幅広い法案作成に当たるようにという御指示を受けておりますので、私はその御指示に基づきまして、いま作業を進めているのでございます。 なお、決意でございますが、これは先ほど来申し上げておりますように、自由で公正な経済活動が行われますためのルールづくり、そしてそれは国民の理解の得られるものでなければならないということでやっておりますので、ひとつ御了承をいただきたいと存じます。
○近江委員 これ以上中身をお聞きしても、あなたもおっしゃらないと思いますから、中身は聞きません。 もう一度もとへ戻りますが、いままで、二十五日に骨子を出す、三日中旬に法案を出す、このようにおっしゃっておられて、骨子自体も今週一ぱいで出したいということはおっしゃっているわけです。これでもう四、五日は、ずれるわけですね。法案自体もまた下旬にずれ込む可能性もある。そういうように、国民に約束したことにつきましてやはり後退してきているわけです。それだけに、いわゆる国民の納得の得られるものと三木さんもおっしゃっているから、そのようにしたいとおっしゃっておりますけれども、出してきて、これで果たして国民の共感が得られるかというような中身であれば、私はどうしようもないと思うのですね。それだけは、取りまとめをしていただいております長官としてよく頭に置いていただいて、少なくともこの公取の試案にありますこうした問題点というものは十分中身に入れていただくように、これは特に要望いたしておきます。これは少なくとも三木内閣の大きな踏み絵であると私は思っております。その点、いま非常に微妙な段階に来ておるわけでございますが、ひとつ法安の中身の問題、骨を抜かないという問題は、さらにわれわれとしても国会で十分な審議をしたいわけでございますから、三月の中旬をめどに最大の努力をしていただきたい。 最後にその点をもう一度決意を聞いて、もう時間がありませんから、私の質問を終わりたいと思います。
○植木国務大臣 一生懸命がんばってまいります。
○田中(六)委員長代理 渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 私は、電力九社の経営状況、特に資金事情を中心にお伺いをしたいと思います。 そこで、最初に大臣にお伺いしたいわけですが、通産省では今月の三日に、電力九社の設備投資資金に充てるために約五百億の資金手当てを講ずるように、大蔵省あるいは日銀に要請する方針を固めた、こういうふうに言われておるわけですが、その中身、それから三日にそういう方針を固められた以降今日までどういう状況になっておるか、これを最初にお聞きしたいと思います。
○河本国務大臣 政府委員のほうから答弁をいたします。
○増田政府委員 電力業界におきましては、従来考えておりました供給に比べまして、需要が、御存じのように総需要抑制、産業の活動の沈滞その他の影響を受けまして、収入が非常に減っております。他方、設備資金につきましては、昭和四十九年度、これは若干繰り越しその他が行われますが、一兆五千億の設備資金の手当てをしなければならない。そういうことで、経理的にいろいろな問題点が生じていることにつきましては御存じのとおりでございますが、そういう意味で不足金額の調達をどうするかという問題がございます。 それにつきましては、現在電力九社で考えておりますのは、御存じのように社債の枠が一応限度を設けられておりますので、増資によりまして社債の枠を広げまして、これによって調達をするということでございます。これ以外にも、開銀資金その他につきまして、設備資金その他の融資を受けるということでこの問題を切り抜けていきたいということで考えております。
○渡辺(三)委員 もう少し具体的にお聞きしたいわけですが、三日に通産省の方針として固められたのは、一つは通常の電力起債予定額と別枠で百億ないし二百億の発行を認めてもらいたい、認める方向でいこう。それから二番目は、いまも答弁がありましたけれども、開銀の公害防止関連融資のうちから五十億円を電力会社向けに確保する。それから三番目は、インパクトローンの追加導入を弾力的に行う。大体こういう方針を二月三日に通産省としては固めながら、それを大蔵省なり日銀なりに強く要請をしていく、こういうふうになっていると思うのですよ。ですから、こういう問題について、いま、少し抽象的な御答弁があったわけですけれども、いま言ったような点が間違いないかどうか、その点確認してから次の質問に移りたいと思います。
○増田政府委員 ただいま先生がおっしゃられました内容につきまして、いまの数字につきましてはちょっと手元に資料がございませんので、そのとおりであるかどうか、ここでちょっと御返事できませんですが、毎月社債枠につきまして、一応日銀の指導、大蔵省の指導その他がございます。これにつきまして、社債枠の増枠、あるいは開銀資金につきまして早期の融資その他を、これは毎月金融関係の日銀あるいは大蔵省と打ち合わせしております。一応その内容につきましては、おそらく私どもの方の産業政策局の産業資金課の方からいろいろの打ち合わせで、いまの金融当局と話ししました内容につきまして先生からお尋ねがあったのではないかと思います。いまの金額その他につきましては、その確認ということでございますが、調べまして後刻御返事いたしたいと思います。
○渡辺(三)委員 どうもはっきりしませんが、私の持ち時間は三十分ですから、これのやりとりをやっていますと、それだけで時間が終わっちゃうということになるので、それじゃ別にお聞きしますけれども、通常の電力起債額、いま長官がおっしゃいましたね、毎月社債の枠を決めていく、この予定額は幾らですか。——どうも、事前に質問通告しておりますけれども、その点が非常に何かあいまいですから、きょうは三十分でどうにもなりませんので、これはいずれ改めて続きをいっかの機会にやります。 それじゃ、いま長官もおっしゃいました、月々決められていく社債の予定額、これとは別に別枠、特枠というふうに言われておるわけですね。この電力九社が非常に資金需要が大きいけれども調達しにくい、こういう事情の中で、改めて別枠あるいは特枠、こういうふうに言はれておるわけですが、この意味はどうなんですか。毎月決める、そのほかにさらに別枠、特枠というのはどういう意味、どういう性格のものですか。
○大永政府委員 社債の発行限度ば、発行の見込みでございますが、四十九年度は四千三百九十八億円程度というふうに、これは手取り額でございますが、見込んでおったわけでございますけれども、先生御指摘のように、資金の不足が生じましたために、昨年の十二月には百五十億円の別枠の発行をいたしておりますが、そのほかに、この三月にも若干資金のショートが出るということで、業界が内々証券業界あるいは大蔵省等と相談しておるわけでございますが、先ほど長官からお答え申し上げましたように、金額等につきましてはわれわれも現在詳細に確認していない次第でございます。 それで、この別枠という点も、電力業界の方では、通常の発行枠にプラスだというふうに承知しておりますけれども、昨年の十二月に発行した分につきましても、当時今年度内の枠の繰り上げであるというふうな感じもございまして、その別枠ということをどういうふうに理解するかという点につきましては、いまの段階ではまだはっきりしてないというのが現状でございます。
○渡辺(三)委員 それでは、その問題で重ねてお伺いしますが、電気事業法の三十九条にいわゆる社債の発行制限、これがあるわけですけれども、この三十九条に抵触する特枠、別枠というふうな表現は使っておっても、そういうかかわりはない、それはあくまでも三十九条に決められた枠の中の繰り上げである、こういうふうに解釈できますか。
○大永政府委員 発行限度のうちでございます。
○渡辺(三)委員 それで、これは確認しておきたいのですが、四十九年つまり去年の十一月十五日に、日銀から電力各社に四十九年度下期の資金繰りの提出を要請しておるわけです。そして、十二月十日には先ほど私申し上げました通常起債予定額とは別に、東京電力それから中部電力、関西電力、この三社に対して、いま部長から答弁があったように百五十億の発行を認めておる。そして、最初質問しましたように二月三日の通産省方針は、いまあなたの方の答弁では金額はまだ出ておりませんけれども、さらにこの百五十億のほかに百億ないしは二百億、私どもの知っている範囲内ではそうですけれども、そういうふうないわゆる別枠といいますか特枠、これを発行させることにしていきたいんだと、こういうふうなことなんですが、そうしますと、この点はいま部長が言われました三十九条の枠内、百億ないし二百億をプラスしてもそういうふうになるということを、これは再度確認願いたいのですが。
○大永政府委員 枠内でございます。
○渡辺(三)委員 これも次に確認をしておきたいのですが、いま申し上げましたほかに東電が十二月と一月の合計で三千万ドル、それから北海道電力が一月に一千万ドル、インパクトローンを導入しておるわけです。そのほかに、今度は通産省の方針としては二月以降もこのインパクトローンの導入をさらに認めていく、積極的に認めていく、こういうふうな考え方を出されたやに聞いておりますが、その点は確認できますか。
○大永政府委員 お答えします。 インパクトローンにつきましては、東京電力が四十九年十二月及び一月に三千万ドル、それから北海道電力がことしの一月に一千万ドル、計四千万ドルを導入しておりますが、これにつきましては今後ともそういう計画があればわれわれとしてば認めていきたいというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 電気事業審議会が去年の十一月十五日に資金問題懇談会、これを設置した、そうしてその後、十二月二十日に第一回の会合を持ってこの問題を討議しておる、さらに二月十九日、最近ですが、第二回の会合を開いて、ここでは中期的な資金問題を討議しておる、こういうふうに承っておるわけですが、その中身、今日の段階における一応のまとめがあれば、中期的な資金計画について、これを明らかにしてもらいたいと思う。
○大永政府委員 現段階におきましては懇談会の座長を向坂日本エネルギー経済研究所の所長にお務めいただきまして、あと学者の先生が五人ぐらいメンバーになりまして、業界から中長期の資金需要見通し等につきましてヒヤリングをやっておる段階でございます。したがいまして、現在のところではまとまったものはまだ何もございません。
○渡辺(三)委員 時間がないので少し畳みかけるような質問になりますが、先ほど長官は、現在でも非常に資金が困っておる、こういうふうなことをおっしゃっておるわけです。そしてさらに、そのために目いっぱいの社債の発行なりあるいは増資、こういうふうなことも考えなければならぬというニュアンスのことを言われている。こういう状況の中で、いま答弁されましたが、学者先生を座長に据えて十分憤重な検討をなさるのは結構なんですけれども、いまだに全然発表できる内容のものがない、こういうふうなことは私は非常におそいんじゃないか、こういう気がするのです。 さらに、去年の十一月二十二日、大蔵省の証券局から電力各社に対して五年間の資金事情の提出を求めております。どういうふうな資金繰りをやっていくのか、そういうふうな事情を明らかにすべきだというふうな立場での事情の提出を求めておるわけですが、各社はそれに対して資料をつくっておりません。これは電力の場合の資金需要、あるいはその計画、こういうものについては非常に長期のものが立てにくいという事情は私もわかります。わかりますけれども、これが全然資料がつくられてないわけですね。電気事業連合会は資金対策特別委員会というものを設置して、この一月二十九日にその第一回の会合を開いております。近いうち第二回目の会合が開かれていくんだろうと思いますが、ずっといままでわずかの時間ですけれども質問をし答弁を聞いて私が受けます印象としては、とにかく電力各社の設備投資にかかわる資金のやりくりが非常に逼迫をしておる、こういうふうな状況、あるいはそれを裏づけるような昨年秋以来の一連のいま言ったような対策会議あるいは懇談会、こういうふうなものが行われてきておるというふうに認識をするわけです。 ところで、先ほどの質問にちょっと戻りますが、電力各社の社債発行額、これはほぼ限度に近いというふうに言われておるわけですけれども、それがいまの状況ではどの程度になっておりましょうか。
○大永政府委員 先ほどお答え申し上げましたが、大体四十九年度の総設備資金が約一兆五千六百億でございます。そのうちで社債に予定しておりますのが四千四百億ということでございます。大体五十年度につきましても約五千億、これはまだはっきりしておりませんけれども、五千億程度の社債を起債することになるんじゃないかというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 いまの四千四百億、あるいは五十年には五千億になるだろうというふうなことは、大体今年度中に、今年度といいますか五十年中には、この三十九条による制限いっぱい、ここまでいかざるを得ないというふうなことなんですか。
○大永政府委員 手元に詳細な数字を持っておりませんが、増資が行われない場合には五十年度におきましてやはり限界に来るということでございます。
○渡辺(三)委員 そうすると、裏返しに言えば、五十年度に目いっぱいになる、そうすると、どうしても増資に頼らざるを得ない、この設備投資の資金を充当するためには増資に頼らざるを得ない、こういうふうなかっこうで認識してもいいと思うのです。この現行法上の増資の場合のコストあるいは社債の場合のコスト、これはどのように計算をはじいておられますか。
○大永政府委員 社債の場合には、大体コストが一一%程度になると思います。それから、増資の場合には、これは配当率によって違ってまいりますので一概に言えないかと思いますが、もちろん社債のコストよりは高いということでございます。
○渡辺(三)委員 それはおっしゃるとおりだと思うのですね。しかし、幾らか高いという程度のものじゃなくて、相当の割り高になるのじゃないですか、増資の場合には社債よりも。私はそういうふうに認識をするわけです。 御承知のように、昨年相当大幅な九社の料金改定がありました。これはあくまでも公共料金でありますから、国会でもあれだけの議論を呼んだわけですけれども、結局、公共料金を最低限度にとどめる、国民の今日の生活状況の中で再度電力料金の値上げなどというのはとうてい考えられませんし、そういう公共料金抑制の立場から言っても、それを消費者の方に肩がわりをさせるというふうなことは厳に強く押さえなければならぬ。これは通産省として当然だと思うのです。そういうことを考えた場合に、資金需要を満たすためにどうしても増資に頼らざるを得ない、こういうふうなかっこうになっていった場合に、それが消費者の方に転嫁をするという危険はないのですか、この点はどうです。
○大永政府委員 現在予定しております増資は六社がはっきりしておりますが、これで約二千三百億円の増資になります。それから、それによります社債の発行限度の増加が四千七百億円になりますので、両方合わせまして約七千億円ということでございます。この増資及び社債を発行いたしますれば、それに伴いまして配当あるいは法人税さらに社債金利等がかさみますので、コストが上昇することはもちろんでございますけれども、年間一兆五千億あるいはそれ以上の設備資金を賄うために、これだけの資金というのはどうしても必要であり、七千億というものを確保するためには、やはり増資、社債の発行といったことは避けられないかというふうに考えております。
○渡辺(三)委員 しばしばおっしゃっておられますように、九社の四十九年度の設備投資計画は、前年対比で見て二二・五%、一兆六千四百億と、こういうふうに言われておるわけですが、これは実績の推移は大体どの程度ですか。いま私申し上げたのは四十九年度の一つの計画、実績の推移はどのくらいになっていますか。
○大永政府委員 手元に九電力だけの設備資金がございますので、四十五年度から申しますと、四十五年度が七千五百五十九億円、四十六年度が九千九百八十一億円、四十七年度が一兆一千五百三十二億円、四十八年度が一兆三千二十六億円、それから四十九年度が一兆五千六百七十四億円、これは見通しでございますけれども、そうふうな数字でございます。
○渡辺(三)委員 五十年度の計画は立っておりますか。
○大永政府委員 五十年度については、まだ非常に見通しが流動的でございまして、現在のところは立っておりません。
○渡辺(三)委員 料金との絡みでお聞きをしたいわけですが、昨年の各社の料金改定の際に、配当率をその中でどのくらい見ておりますか。通産省が最終的に改定を認めた、一部手直しを求めながら認めた、この際の配当率はどれほど見ているのですか。
○大永政府委員 お答えいたします。 電力会社の料金算定に当たりましては、これはガスの場合もそうでございますが、いわゆる積み上げ方式というのはとっておりませんで、したがって配当率が幾らで金利が幾らの支払いになるからそれで幾らの事業報酬が必要だというふうな、いわゆる積み上げ方式と申しておりますが、そういう方式ではなくて、いわゆる公正報酬方式といいますか、公正報酬原則ということでやっておりまして、レートベースを出しまして、それに公正報酬率を掛けまして事業報酬額を出しまして、この事業報酬額の中から経営者が自分の努力及び判断によりまして配当それから金利の支払い等を行っていくというふうな形になっております。したがいまして、昨年六月の料金算定の際に配当を何%、金利を何%というふうにして積み上げて算入したものではございません。
○渡辺(三)委員 そういう出し方については、私も、基本的には理解しておるのです。理解をしておりますけれども、言葉の意味ではなくて、実際ああいう料金改定をお認めになったその際には、今後の各社の配当はどの程度できるだろうか、可能性はどの程度に大体考えるか、中身の問題として。そういうふうな想定はなされませんか、全然。
○大永政府委員 そういう予想配当率というものは想定いたしておりません。
○渡辺(三)委員 そういうふうにおっしゃるなら、これ以上聞いても仕方ないわけですけれども、御承知のように三月期の決算、これで配当が出てくるわけです。これは各社によってそれぞれ事情が違うかもしれませんけれども、大体年八分、こういうふうな配当に落ちつくというふうに言われております。あるいは一割の配当が出るかどうかちょっとまだわかりませんけれども、いずれにしましても今後そういう資金手当てをするためにはどうしても、先ほども言われておりましたが、増資に頼らざるを得ない。社債はもう限度いっぱいだ。そうなりますと、この増資を計画するためには少し無理をしても増配をやらなければならぬ、こういうふうな形になってくると思うのです。たとえば仮に年八分でやったとしても、株式の無償のあれもありますから、実質的にはそれを上回るような形で増資に見合った計画を立てなければならぬ、こういうふうな形にならざるを得ないと思います。国民感情から言えば、あれだけの抵抗があって、しかし軒並みに各社が料金改定を去年やった。そして一年たつ、あるいは一年半たつ、こういうふうな段階で実質八分を上回るようなあるいは一割に近いようなこういう配当に落ちついていくというふうなかっこうになりますと、これは一体あれだけの料金改定というものは必要だったのか、こういうふうな声が当然出てくると思います。しかも、コストの問題を先ほどもお聞きしましたが、社債の場合と増資の場合には相当違う。それでもなおかつどうしても増資に踏み切らざるを得ない、こういうふうな電力経営のあり方、これが一体果たして妥当なのかどうかということについては、これから十分吟味して議論しなくちゃならない問題だと私は思う。こういう点について、大臣の基本的なお考えはどうでしょう。
○河本国務大臣 電力事業の資金調達に関しましては、増資と社債という方向があるわけでございますが、いかにコストの安い資金を調達するかということが、いま御指摘のように大きな問題点だと思います。それにはやはりいまの社債の枠が非常に私は小さいと思うのです。でありますから、資金コストを下げるためにはやはり社債の枠というものを広げる必要があるのじゃないか、こういうことも含めまして、いろいろ電力業界の資金事情というものを検討していきたい、かように考えております。
○渡辺(三)委員 ちょうど時間になってしまいましたから、きょうはこれ以上詰めませんけれども、大臣最後におっしゃいましたが、この電気事業法の三十九条の社債発行限度の特例、これで言えばどうしても抑えられる、しかも実情として今年でもう目いっぱいになってしまう、こういうふうな事情があるわけですから、これを一体どうするかという問題は、私の方からはいま問題提起をしようとは思いませんけれども、大臣の御答弁がありました点については、さらに今後料金との絡み、そういう問題を含めて、あるいは三月期になれば決算で具体的に配当の率が出てくるわけでありますから、そういう機会にさらに詰めた議論や問題提起をしたい、こういうことできようは質問を終わります。
○田中(六)委員長代理 次回は、来たる二十八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十一分散会