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75回国会衆議院1975/02/14

商工委員会 第2号

発言数
117
登壇者
10
会派数
4
開催日
1975/02/14

会議録

稻村佐近四郎自由民主党

○稻村(左)委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長が都合により出席できませんので、委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。  通商産業の基本施策に関する件、中小企業に関する件、資源エネルギーに関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 前回に引き続いて、公取委員長と通産大臣に、所信表明並びに年次の報告についての質問を申し上げたいと思います。  まず、公取委員長に伺います。  公取委員長は、昭和四十九年における公正取引委員会の業務の概略について、という御報告の中で、独禁法の改正試案について「目下政府———————の独占禁止法改正に関する審議に際し、参考資料とされております。」こう言っております。政府は、これはもちろん文句はないところですが、—————の改正委員会に参考資料として出した、なぜ—————という政党の名前を出したのか。これは私は、公取が独立した権能を持っておる権威というのをみずから失墜しているものじゃないか、こういう感じがいたします。なぜ—————という政党をこの中に出したのか、一体公取と政党とはどういう関係がこの場合ありますか、それを伺いたい。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 ただいまお尋ねの点は、先日その業務報告を私が読み上げました際に、佐野進委員から指摘されました。で、私は即座に、不適当であった、反省しております、こう申し上げて(板川委員「取り消しますか」と呼ぶ)その取り消しの手続ということは私自身はよくわかりませんけれども、実質的には、その点は不適当であって、むしろそれはない方がいい、ないのが適当であるというふうに思います。  —————とどういう関係にあるかということは、これは事実問題としては、事務局が—————に呼ばれたりして、いろいろ審議に(板川委員「ほかの野党は呼ばないか」と呼ぶ)それは呼ばれています。ですから、そういうことで詰められておりますが、それは事実問題でございますから、そういうところに、政府ということはいいけれども、—————という特定の党を、たとえ与党であっても入れるのは適当でない、かように考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私は、これは速記録から削除してもらいたいと思う。公取が政府に対して意見を具申する、内閣を通じて国会に意見を提出する、これは公取の権限です。それはやっても当然なわけです。また、政府が—————と相談して、どうするかという意見を言うことは、これは政府自身の問題です。公取が政府に意見を出すことはいいですよ。だけれども、—————という政党との関係は、政府と—————との関係であって、公取の関係じゃない。事実はどうこうという、事実はあったといったって、それは法制上、公取が公式の文書の中にこういう政党名を入れる必要はないじゃないですか。これは御承知のように、独禁法二十八条によって公取は独立した権能を持っておる。行政委員会であるが、しかしこれは独立してその権能を行使するということになっておる。だから、総理大臣でも総理府総務長官でも指揮監督することはできない。それの意見に関せずに、公正取引委員会というものは独立して自分の職務を遂行することができるのでしょう。だから、政府に対してそういう意見を具申するということはいいけれども、それを、政党の名を出して、これを参考としておるというようなことを、なぜこういう文章を書くか。だから、私は明確にこれを速記録から削除してもらいたい。どうもミスだったとか、間違ったとかいうだけではなく、そうしてもらいたい、こう思います。  こういう考え方を持つから、たとえば過般、公取が再販を廃止するということをやった場合がある。あのときに山下官房副長官が、こんな重要なことを公取が決定するのはけしからぬ、自民党の幹事長が、こういう重大なことを政府に相談せずに勝手にやったのはけしからぬ、こういう新聞発表なんかがあって、そして山下副長官はここへ来て、それは間違った、政府にあらかじめ相談しないのはけしからぬなどということを言うことはできない、こう言っておるんですね。だから、ここで、政党に相談してやっていますなんというようなことを書くこと自体が、公正取引委員会の権威というものをみずから放棄することになる、こう思います。だから、これは間違ったというのじゃなくて、明確に速記録から削除してもらいたいと思うが、どうですか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 取り消しにはそれだけの手続があるようでございますが、その方の御了解を得ますれば、私はそれを削除するということに何ら異議は申し上げません。そのとおりで結構でございます。  ただ一つ、板川さんに御了解を得たいのは、職務の独立性というのはまさにそのとおりなんです。しかし、新しく法律をどうするかというふうな問題については、いわゆる独立性の問題と若干そこは枠を越えるようなといいますか、職務の内容に入るかどうかという点については疑問がございます。それだけは申し上げておきます。ですから、完全独立でありますけれども、それは、法律によって付与された権限の執行について独立である、こういうふうに了解しております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それはまあひとつ委員長の計らいで削除してもらいたい。  それから、私は公取委員長に、改正案を出した、それは内容はいまどうなっておるんだ、いまの心境はどうかという質問はしなかった。それは、公取がこの改正試案というのを声発表して、政府にこういう方向で改正案を考えてほしい、こういうように提言した以上は、その改正案に対して全責任を持つという態度だろうと思うのです。ところが、最近、新聞等の報道によると、たとえば原価公表は、他に適当な方法があればよろしい。では、企業分割も、いろいろ問題があるから後退してもよろしい。価格の原状回復命令も、これまたよろしい。こういうように、一たん政府に預けて政府がまとめているときに、公取がなぜ一々こういう見解を発表する必要があるんですか。それはある意味では無責任じゃないですか。自分たちがいろいろ調査をした結果、こういうことが独禁法強化のために必要だ、日本の経済秩序法という独禁法改正のために必要だ、こういうふうに考えたからそれを発表したのでしょう。そうして、それをどう取り入れるかは、総理府がいままとめておることだし、そうしてそれは、政府が自民党とも相談してきめるでしょう。野党の空気というのも、国民の空気というのも考えて政府案をまとめるでしょう。公取委員長が一たん出したその案を、バナナのたたき売りのように、ここはいいだろう、ここは他に方法があればいいだろう、ここは譲歩していいだろう、なぜそういう発言をするのですか。  じゃひとつ、企業分割から各項目ごとに、一体いま公取委員長、どういう点で、あるいはそれがかわってもいいとか、他の方法があればこれを変えてもいいという気持ちを持っているのか、一つ一つ伺いましょうか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 私はここで弁解するわけじゃありませんが、いまおっしゃられたことは、新聞にいろいろと書き方が違っておりますが、まあ先を見越してのことだろうと思いますが、こういうものは落とされるだろうとか、こういうものは入るだろうとかいうのがいろいろ入り乱れて報道されております。このことについてはわれわれとやかく申しませんが、たとえば企業分割の問題についてははっきりその報道が出ました。しかし、その翌日、私は、臨時の記者会見でありますが、そういうふうに私の方から削除するとか撤退するとか断念するとかいうことは申しません、そういうことは公正取引委員会の決定を経てはっきり確認したものでありますから、そういう事実はありません。こう申しておるんです。申しておりますが、観測として、つまりそれはだめだろうとか、一部だめだろうとかいうふうな記事が出る。これを私どもはどうもとめることはできません。その点ひとつ御了解願いたいのです。  ただ、あえて申しますならば、原価公表については、私ども、その後いろいろもうすでに個別に一つの案をまとめる段階になっておって、しかもそれはまだ総理府の中にあるということでありますから、その関係では中身としては絶対に後退にならない。原価公表の問題について、この目的は御存じだろうと思うのですが、要するに高度寡占企業における同調的価格引き上げをいかにして防止するかという点にありますから、その目的に沿って、単なる原価公表よりも、むしろややすぐれた、進んだといいますか、方法があるとすれば——私は全くないとは思いません。ですから、そういうものがあれば、原価公表を完全に削り去られるのに比べてはるかにそれは私どもにとっていい、こう考えたから申し上げたのです。それは私、確かに申し上げました、ここでお答えをしております。だから、決して私はそういうことは言わなかったとは申しませんが、その中身は原価そのものを、一品一品の単品原価を出すだけではなかなかはかりにくいわけですから、もともと試案の骨子と言っているわけでして、細かい点については触れていない、そういう考え方でありますから、もっとすぐれたといいますか、はかりやすい方法があってしかもその抑止効果が少しも劣らないということであるならば、その方がベターであるかもしらぬというふうに申し上げたのでありまして、決して後退するというような感じで申し上げたのではないということだけは御了解願いたい。ただし、この段になってなぜ引っ込めるのだと言われれば確かにそのとおりでありますが、次第に事態が切迫しておりますから、原価公表だったら全然だめだ、こう言われるのに対して、これを傍観視しているのが得策かどうかという判断に基づいたものでございますから、この点は御了承願いたいと思います。  そのほかの点について、試案についてこれをかえるとかなんとかということは、具体的にいま申しておりません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 原価公表が削られるより他の方法で、しかも実質的に変わらないならそれでいいのだ、それは公取とあるいは総理府の関係でそういう議論は結構ですよ。しかし、公取は、こういう原価公表方式が最良の案として世に問うたのでしょう。これが通らないなら、おれも自信がないから、これよりもいい案があるかもしれないから、あったらそっちに乗りかえてもいいというのは、これはどうも責任ある態度じゃないのじゃないですか。それは私どもはこの案を最良の案として考えています、考えました、それでいいじゃないのですか。そうして、それよりもいい案がある、たとえば政府の方で取りまとめの場合にこういう方法があると言った場合に、そこで公取がどういう意見を言おうがそれは自由ですよ。だけれども、公取がこういう席上で発表し、また新聞記者会見で発表しながら、では、価格の原状回復命令、これも落ちそうですよ、原状回復命令は落ちそうだから、これと違って何かいい手があって、しかも内容が同じようなら結構ですと言いますか。では、株式の保有制限も、これが一番いい案だと思ったけれども、これもどうもいろいろ削られそうならば、他にいい方法があればそれに乗りかえてもいいと言うのですか。原価公表ばかりじゃないですよ、ほかも全部ですよ、そういうことになるのじゃないですか。しかし、公取がそういう案を発表しても、政府が法案として取りまとめるときにどうするかは、それは政府が公取とも相談するでしょう。相談して、その場合にあなたがどういう意見を言おうがそれは自由なんですよ。だけれども、公取がこの九つの案というものを責任をもって発表していながら、これよりいい案があるかもしれない、他の方法でも、よければいい、こういうことを公取委員長がなぜ口走る必要があるのですかと私は聞きたいのですよ。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 御意見まことにもっともなんです。しかし、私は、原価公表の場合はその原価という言葉、それを公表するということ、原価はあるわけですから、それはない物はないのです。しかし、原価公表という言葉で、そのために非常に強い反発が出ているということだけは、これはたとえば総務長官の司会する独占禁止懇談会でもそういうことが出ておる。そうすると、原価公表というものを公取としては一歩も譲らぬという態度を示すことは、かえってその取りまとめに際して、それを口実にして没にされるということでは、私どもの目的のためにはむしろマイナスになるのではないかという考えを持ったわけです。その原価公表という言葉でもって反発を食っておるというふうな点ですね。内容をもちろん言うのでしょうけれども、そういう意味でありますから、ほかの点について、いま私どもほかの代案を出すということは何も申し上げておるわけではありません。原価公表の点だけは、これをどうも言葉の響きから頭から否定されるというふうな空気が強いのは大変遺憾である、あるいは内容的な問題を含んでおると思いますけれども、とにかくそれが非常に反発を呼んでいるということについて、これは頭からどうっと襲われるよりは、かわりの方法があればいいんじゃないかということを申し上げてありますから、私どももむしろ、最初出したときにこれは最上の案だと言いましたけれども、しかし最上の案だと申しましても、絶対にその点最後まで譲れないというふうにかたくなになってしまうことが果たしてどうだろうか、時と場合によるのじゃないのだろうか、こう思いましたから、さよう申し上げた次第でありまして、その点遺憾であるというふうなお言葉は私は率直に受け入れざるを得ませんが、私の一つの弁明を弁明としてお聞き取りいただけば幸いだと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 まあそれは取り消したかどうか知りませんが、企業分割でも公取はある程度後退するのもやむを得ないと言ったということも新聞で報道されておる。原価公表も他の適当な方法に変えてもいい。そして、では価格の原状回復命令、これもあるいは削られそうだから、ないより何かの形であった方がいいという形になると、一体今度の公取の改正案というのは、最大の柱というのがまことにあやふやになって、改正案の最大の目標というのがずれてしまう。われわれは公取案でも不十分だ、そしてもっと厳しい規制を加えよう、こう考えておるのだけれども、どうも公取委員長の発言というのは何か自信のないような、どんどん後退するような感じがする。私はこうだと思うのですね、公取がとにかく責任を持ってこの案をまとめた、政府に進言をした、そうしてそれをどう政府が決めるかは、政府が公取の意見等を十分聞いた上で、政府自身が判断をいたして案をまとめて出すだろう。そうして、政府のまとめた案が、公取の委員長として、自分の良心に照らしてこれはどうしてもだめだと思ったら、責任を負ってやめるほかはない。しかし、その案でもまあまあいい、こう思ったら、それはその責任を問われることはないのですから、それはそれでいいですよ。政府と公取とでどういう話をするか、それは自由だと言うんですよ。そのときに公取委員長として削除されるより、一歩譲って次善の策をとった方がいいと判断されたら、それはそれで結構ですよ。そのことが悪いと言っているのじゃないんですよ。そのことをやたらに発言することがまずいと言っているのです。公取と政府の話し合いならどういう結果になってもしょうがないです。そして、自分で出したものが骨抜きになり、自分の良心が許さないといったら、やめるほかないじゃありませんか。だから、それはそちらの公取と政府との関係でございます。それを私どもとやかく言いません。だけれども、一々発表しておきながら、どうも企業分割もだめ、原価公表も落っこちそうだから他の方法でもいい、原状回復命令、これも落っこちそうだ。財界では課徴金に文句をつけた程度で、あとは全部だめだと言っているんじゃないですか。そうなると、独禁法改正試案なんというのは大山鳴動してネズミ一匹みたいなかっこうになって終わりを告げますよ。だから、毅然たる態度をとって、いろいろ新聞記者なり、あるいは質問があっても、私は政府に預けました——内々で政府と話し合うことはいいですよ。預けました、まないたのコイです。ですから、私の方は九つの試案というので最善と思います、やはり毅然たる態度をとっておるのが本当じゃないですか。一々新聞記者に発表して責任逃れみたいなことを言うというのは私はおかしい、こう思いますが、どうですか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 新聞記者に私が話をした事実はございます。しかし、新聞に報道されている内容がすべて私が言ったことであるというふうにおとりになるのは私としてはどうも本意ではありません。いろいろな形の報道がございまして、非常に私の発言に近い、ほとんどそのものという場合もありますれば、かなり距離のある場合もございます。見通しが加わっております。しかし、私は責任回避をするために決して、たとえば原価公表について申し述べたつもりはありません。私は、そういう責任についてはちゃんと腹を決めているわけでございますから、そういう点で何も逃げ口上を打つために最初に言ったわけではありません。できるだけ案の目的が達せられればいい、結果よければよしというつもりで言ったつもりでありますが、しかし初めの案に対して、初めの案であとは知らぬ、あとはどうなろうと政府で決めてくれるんだ、こういうふうにおるべきであったという御指摘については、私としてはそのとおりではなかった。それは板川さんの御指摘によれば大変よろしくないということでありますが、私としては、私の考えでこれはもとの骨子に絶対にこだわるというものではないのじゃないだろうかという部分だけ申し上げたつもりでございますから、その点多少御意見に沿わない点がありますけれども、私の気持ちはそうであるということを申し上げて御理解を賜りたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 終わってしまったことだから、ここでけんかしていてもしようがないけれども、質問をされた場合には、私の方としては九項目の案です、それがいいかどうかは政府が作業するでしょう、こういうことで表向きはやはり提案者としての、公取委員長としての毅然たる態度をとっておるのが望ましかったと私は思います。一々後退の伏線みたいなことを言う必要はなかった、こう私は感じておるものですから、率直に申し上げた次第です。  では、一つだけ伺いますけれども、どうもこの間は私、時間がなかった関係もあるのですが、推定規定のことで、公取案の原価公表というところに、高度寡占において、価格が同調的に引き上げられ、価格面での競争が行われていないと認められる場合には、事業者に対して原価の公表を命ずる、こういう規定がありますが、これは一種の推定の上に原価の公表を命ずるということになるわけですね。同調的に引き上げられた、価格面での競争が行われていないと認められる場合においては、事業者に対して商品等の原価の公表を命ずる、こういうことは一種の推定に基づいてやるということにもなるのですか。いまの話は、他の方法があればということで言っておるから、あるいはこの形が残っていくかどうかわかりませんが、この前の質問にちょっと関連しておるものだから伺います。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 その場合、おっしゃいます推定というのはちょっと私の方の考え方と違うかもしれませんが、私の方では実績から判断する。ですから、その意味では推定だという言葉を使ってもいいと思います。過去にこういうことが一再ならず行われたというふうに認められる、そういう業種を選定する、こういう意味でございますから、外形的標準による。したがって、それはカルテルだとみなしての措置はとらない、弱いものになっておるわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 じゃ、具体的なことは聞きません。公取委員長に対する質問は終わります。どうぞお帰りください。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○高橋(俊)政府委員 この際、去る十二日の本委員会における昭和四十九年における公正取引委員会の業務の概略についての私の説明中、———————の部分は取り消させていただきます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 通産大臣の所信表明に関して伺いたいたいと思います。プリントがありますから、このプリントの順序に従って問題点を取り上げてみたいと思います。  第一番に、資源エネルギーの安定供給の確保に関してでありますが、エネルギーの自給率は五十年現在でどの程度に予想されておりますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 これは数字のことでございますので、政府委員から答弁させます。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 ただいまエネルギーの自給率についての御質問でございますが、昭和五十年の日本の一次エネルギーの中の自給率につきましては、ちょっと正確でないかもしれませんが、依存率が大体八六%前後ということでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 いや八六%はちょっと数字が小さ過ぎるよ。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 海外依存率が八六%前後でございますので、自給率につきましては一四%前後、こういうことになります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 間違いないかね。自給率は一〇%ぐらいじゃないのか。四十八年で八九・何%じゃないですか。だから、五十年じゃもっと下がっているんじゃないかと思っているんだが、まあいい。とにかく一〇%ぐらいでしょう。  結局大臣、日本は六億トンの資源を輸入する、これはそのうちの半分近くが石油、そして鉄鉱石が一億五千万トン、石炭が六千万トン、非鉄金属が二千五百万トン、食糧が千五百万トン、こういう膨大な数量を輸入して、その一割の六千万トンを輸出して日本の経済というのは成り立っているわけであります。この海外から輸入する数量というのは日本が世界一です。大臣は船会社を経営しているからわかると思いますが、これは海外からの貿易数量的に言いますと、全世界の一八%近くですが、日本がそれを海外からの物資として数量的には使う。アメリカが一一%。日本の産業の基盤というのは、結局全くの無資源国である、外国から膨大な資源を輸入してその一割の製品を輸出して、日本の経済というものは成り立っているわけであります。そして、輸入資源の中の半分近くが石油ということになる。ですから、この石油の安定供給というのは非常に重要な課題でなくちゃならない、こう思います。大臣はあいさつの中で、石油エネルギー資源の確保というものは個々の国家単位では対処できない状態である、こう言われております。そしてわが国は、資源保有国、消費国等すべての関係国との協調を図っていきますと言っているんですが、ここで国際エネルギー計画IEPに基づく緊急時における石油の相互融通という方式をひとつとっていきたい。このIEPの緊急時における相互融通というのはどの程度期待することができるんですか。日本の輸入資源の半分近くは石油です。その半分近くの二億九千万トンの石油が輸入され、それの八五%が中東から入っておる、こういう実態の中にあって、もし中東で紛争が起きた場合に、このIEPという国際エネルギー計画、緊急時において相互に融通し合うということに一体日本がどの程度期待できるんですか。これは安直に膨大な数量をIEPという機関に寄りかかっていくことは危険なものもある。それが決して悪いというんじゃないですよ。いかにもこれで問題が解決するかのごとき内容になっておりますから伺ったわけです。これはもしあれだったら事務当局でもいいです。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 お答えいたします。  現在、IEPに基づきます石油の緊急時における融通システムというものは、まだ細部においてはまとまってないところがありますが、その大綱について簡単に御説明いたしますと、石油の輸出制限あるいは禁輸その他が行われまして、世界的に石油の供給が減る。その減った程度が七%を超えましたときにこの融通システムが動くことになっております。七%以上石油供給が減りましたときには、まず消費国の方は七%まではおのおの節約をするということになっております。それから、その七%を超えました分につきましては、その分を備蓄の吐き出しで補う。その残りにつきましては公平に負担し合って、足りない分は融通し合うということになっております。  ちょっとおわかりにくい点があったと思いますが、たとえば九%の削減が行われたということになりますと、七%につきましては各消費国で節約をいたしまして、二%分につきましては備蓄を吐き出してそれに充てる。それから、その残りの分につきましては、九%削減でございますが、それが各国によって、総体では九%削減ですが、ばらばらになる。これをひとしく分け合う、こういう形になっております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 その程度で、一時的に融通を受けても、日本の石油の長期的な安定供給というものをそこに多く期待することはできない、こう思うんです。結局自主エネルギー、日本は自主的なエネルギー供給源というのを持たなくちゃならないと私は思うんです。たとえばアメリカではことしの予算で、石油開発のために五千数百億という日本円にして金を投資する。日本はどうですか。何百億というわずかな金額、アメリカの三分の一の石油を使っておりながら、自主エネルギーを持つ努力というのは、微々たる金額しか投資をしない。全部他国に依存しておるということが、石油の安定供給の上に非常な危険性を持っておると思うんです。これは私は持論として言っているのですが、東シナ海の開発を中国と何とか話し合って、そしてあの東シナ海にある、中東の油田以上あるだろうと言われておる東シナ海の海底油田というのに手をつけるべきじゃないだろうか。最近通産省で熊谷次長が中国に使いしたというんですが、そのときにそうした話し合いなり感触なりというのはどういうふうな状況であったか、伺っておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 まず第一の、石油をできるだけ自主的に確保する方途を講ずべきであるという御意見には全く賛成であります。先般熊谷次長が北京に参りまして、約十日前後滞在いたしましたが、そのときの話は、現在採掘いたしております中国の石油の状態、これは日本が将来どの程度確保できるか、輸入できるか、こういう問題が中心でございましたが、東シナ海の問題は出ておりません。ただしかし、お説のように、東シナ海には非常に大量の石油があるということはエカフエの調査その他でも明らかでございますので、中国側でそういう意思があるならば、私は共同して開発するということに対しては日本としても積極的にこれを取り上げていかなければならぬ、かように考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この間も福田経企庁長官と会ったときにちょっと話をしたのですけれども、日中平和条約が近く結ばれるかもしらぬ。自民党の内部で多少のごたごたがあるようですが、お互いに政府首脳間では、向こうも異存はない、日本でも異存はないという情勢ですから、結ばれるかもしれない。そういう場合に、長い間中国に日本は戦争中迷惑をかけてきた、賠償は払わなくてもいいと言っておるのですから、日本がこういう機会に、たとえば東シナ海の開発をやる、そして中国と共同でやる形になり、日本の技術と資本とを投じてやり、出た場合にその果実を分け合うというようなことでやれば、中国に対する戦時中の一つのわび状にもなる。そして、日本も中国もエネルギーを必要といたしておりますから、そういう面で日本も利益を受ける、こういうふうなことを日中平和条約を結ぶときに政府側から積極的な提案をしてみたらいかがなものか、こう私は思っておるわけです。これはあえて答弁を必要といたしませんけれども、頭に置いて、いずれ閣議にかかった場合に、あるいは相談を受けた場合に、積極的に、中国に謝意を表するとともに、日本の長期的なエネルギー開発というものとあわせて、日本としては虫がいいと言われるかもしれませんが、実際なくて困っているのですから、そういう構想もひとつ念頭に置いてもらいたい、こう思います。  それから、時間の関係もありますので次に移りますが、大臣のあいさつの中に、独禁法問題については、前向きに取り組んでまいる決意であります、ということが書いてあります。     〔稻村(左)委員長代理退席、塩川委員長代理着席〕 いままでの通産大臣の感触としますと、公取案というか試案というのは、委員長の私案だ、これは大きく取り上げる必要はないという立場をとっておった。中曽根通産大臣の場合には、とった時期もありました。この前向きに取り組んでまいる決意だというのは、一体どういう程度のことを考えておられるのか。たとえば財界では、きのう御承知のように新聞報道がございました。十二日に財界はこの独禁法についての見解を発表いたしました。それによりますと、課徴金ぐらいは、性格はあいまいだけれども、条件をつけて、しようがないだろう、それ以外には全部反対だ、こういうたてまえをとっている。しかも、もし自民党が独禁法改正に大きく踏み出すならば、参議院選挙で膨大な借金をしているものをカンパしてくれとかあるいは統一地方選挙にカンパしてくれとか言っても、こういうような献金は一切しない、こういうようなことを強硬に言っているという報道もございました。こういう中で通産大臣として、独禁法改正問題については総理府を中心として検討を進められておるけれども、私といたしましては、前向きに取り組んでまいる決意であります、こう言っておりますが、この前向きに取り組んでまいる決意はどの程度でありますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 先般御指摘のような所信表明をしたわけでありますが、この前向きにという趣旨は、独禁法改正は三木内閣の一つの大きな政策の柱でございますし、そういう意味におきましてこの独禁法改正が実現をするように、自由主義経済といいましても一つのルールが必要でございますから、そういう意味におきまして独禁法改正が実現するように取り組んでいきたい、こういう趣旨でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この前向きという程度は、御承知のように公取試案というものが九項目にわたって発表されておって、これは総理府を中心として検討していることですが、これを改正の方向に努力をしましょう、こういうふうに考えてよろしいのですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 原則的にはそのとおりであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ぜひ努力をしてもらいたい、こう思います。内容については、じゃ触れないことにしましょう。  次に、石油の備蓄政策と水島問題とからんでお伺いをいたしたいと思いますが、石油の不測の事態に備えて備蓄政策を強化するという考え方については私どもも同感でありますけれども、この水島のタンク破裂事故、これの及ぼした瀬戸内海沿岸における災害といいますか、損害、こういうような事故が今後完全に防止できるという体制がなければ、備蓄問題というのは私は絶対に進まない、こう思いますね。水島タンクの、ああいう場合のタンクの安全性というのは消防庁に責任があって、通産省は管轄外だといって、備蓄に対する責任を通産省がとらなくては、備蓄というものは一歩も進まないと思う。消防庁が消防法からタンクの安全性についてチェックをすることは、それは結構です。しかし、消防組織というのは、御承知のように市町村消防というのがたてまえなんです。小さな町、小さな村における消防署に高度の科学的な安全性や耐久性というものを判断する能力は余りないと見ていい。だから、備蓄政策、エネルギー政策の面からこのタンクの安全性については通産省も管轄を持つべきじゃないだろうか。高圧ガスについては通産省が持っておりますから、そういう意味で、通産省もそれから消防庁も共管でこの安全性を確認し合う、確保するということが必要じゃないかと思いますが、大臣、どう考えますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 御指摘のように備蓄問題はエネルギー問題でも最大の問題の一つでございますが、これをスムーズに実現するためには、お話しの防災対策が先決であると私も考えます。  これに関連いたしまして、先般水島で事故が起こったわけでありますが、御案内のように江田先生が先般予算委員会で質問せられまして、これに対して総理が答弁をしておりますが、コンビナート地区における防災対策というものは、法律が各省にまたがっておりまして非常に複雑である。これまでは各省間で一応緊密な連絡をとっておるということにはなっておりますけれども、しかし果たして十分だったかどうかということについては、総理も非常に疑問を持っておられたようであります。私もその点、若干問題はあったと思います。そういうことから、総理の方からこの際法改正を含めまして、何とか防災対策に対する一元的な管理、運営ができないか、それを自治省が中心になって関係各省を集めて至急に検討するように、こういう指示がありまして、いま検討しておるところであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私の感想を申し上げれば、やはり国家消防隊というのか防災隊というのか、国が責任を持つ防災体制を持つべきじゃないだろうか。そして、これが県と市町村と有機的な体制をとって、防災体制を組む必要があるのじゃないだろうか。たとえばいつかの地震で、新潟でタンクが火災になった。昭和石油の火災になって、そしてどうも新潟市だけの消防隊では間に合わない。化学消防隊を東京から、ひとつ東京都のやつで応援してくれ、こういう要請があった。しかし、東京都のほうでは、そっちへ応援に行ったならば留守の間に万が一そういう災害が起きたら、じゃ一体だれがそれを担当して消してくれるのかということがあって、なかなか話がつかなかった。わずか一つのタンクがこうやって漏れた程度で、こういうような被害がある。全国に何十というコンビナートがある。万が一爆発でもして、幾つも幾つもそういう事態になった場合には、市町村消防なんということじゃ、これはとても手がつけられない。ですから、国家消防隊というのをつくり、県でもある種の力を持ち、そして機動力、空中のヘリコプターとかあるいは海上の防災船とかそういうものを整備して、それでいざというときに最小限に災害を防ぐという体制が必要だろうと私は思います。そういう体制をたとえば東京湾に置き、瀬戸内海に置き、北部方面に置き、そしてお互いに有機的な結合を持って防災に当たるという体制ができなくては、タンクが一つ油を漏らしただけであれほどの被害があるのに、大地震でもあって幾つものタンクが漏れたというような場合になれば、これは大変なことになるわけですから、そういう国家組織による防災体制をつくるべきだということを要請しておきます。  次に、水島事故の原因はどういうことであったのですか。これを伺います。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 水島の事故につきまして、原因の究明はすでに自治省の消防庁に三菱石油水島製油所タンク事故原因調査委員会が設置されまして現在鋭意調査が進められております。この調査結果によりまして、今回水島で発生いたしました事故の原因が明らかになる。それに基づきまして、こういう事故が今後再び起こらないように保安体制を確立いたしたい、こういうふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 通産省はその原因を一緒に究明しておるのでしょう。その原因はどういうことだったのですか。通産省はそれに関係しないのですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 今回の水島の事故は、御存じのように底板に亀裂が生じまして、その底から噴出いたしました重油が独立ばしごを倒しまして、それが防油堀の一部を壊してそこから油が漏れた、こういうことになっております。  現在原因究明中で、先ほど申しました委員会でやっておりますのは、これの底板の亀裂がどういうことで起こったかということについて、専門の学者を動員して学問的に原因の調査をやっておるわけでございます。  通産省との関係につきましては、私どもも消防庁の方に、この原因究明に当たって調査に必要な学者の名簿その他を出すつもりで常時連絡いたしておったわけでありますが、一応名簿ができまして去年からこの調査委員会が発足して動いておる、こういうことでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 石油業界では早く原因が知りたいという声が強い。そして、その原因が自分のところにもあったら大変だから、もし原因がわかればそれの対応策をとりたい、こう言っておられるようですよ。それをどうも通産省は消防庁にまかせきりみたいなことでやっておって、第二の同じ事件が起きてもこれまた消防庁の権限です、私の方じゃないというようなかっこうをとっておったのじゃいかぬじゃないですか。石油政策上から言っても、早く原因を究明して、そういう事件がないように、関係のコンビナート地区における石油業者に点検を命じ、あるいは危険があればそれを直ちに取り除くというような指導をしなければ、消防庁にまかせっ放しでうちの方じゃ関係は大してなかったような態度じゃ、私はいかぬと思いますね。  三菱石油は、一体いつごろ、どういう条件のもとに再開するのですか。これは通産省の管轄でしょうから、どうですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 水島の事故は昨年の十二月十八日に起こったわけでございますが、その後一応工場内におきます事故部分につきましては修復が終わっておるわけでございます。それから、いま先生がおっしゃられました原因究明は済んでおらない、最終的な結論は出ておらないわけでございますが、現在やっておりますのは、現地の消防署の指導に基づきまして水島製油所の周りに一応新しい防油堀を全部つくっております。これが大体十五日ごろに完成する。それができますと、一応製油所の中から外に出ない、こういう状態になるわけです。ただ、これにつきましても、たとえば排出溝の問題その他がありますので、これも技術的に現在詰めております。それが十五日前後に全部済みますので、一応体制としては再開できるような体制になっております。ただ、再開する場合も、今回事故を起こしましたのと同型のタンクがあと三基ございますので、これは一切使用しないということでございます。ただ、この工場の操業再開につきましては慎重の上にも慎重を要しますので、現在のところまだ再開の日にちは決まっておらない、こういう状況でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 補償問題や汚染の除去というのですか、こういう問題等についてはどういうお考えですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 汚染問題につきましては、海上に流出いたしました油につきましては、現在のところは大体これが全部回収されているか、あるいはその一部が海底に沈下しておる、こういう状況でございます。ただ、汚染につきましては、海岸にも相当汚染が出ております。海岸につきましても要所要所につきましては、現在それの取り除きをいたしておりますが、この点についてはまだ完全に済んでおらない、こういう状況でございます。  それから次に、補償の状況を申し上げますが、現在まで補償の関係でいたしました金額を申し上げますと、補償費として直接支払いいたしました金額が約六十七億円になっております。それから作業費として支払いましたのが大体十八億円ぐらいになっております。それから、それ以外に融資補償ということでやっておりますのが約十億円、合計いたしまして約九十五億円。これはいま申し上げましたように、十億円の融資補償を含めまして九十五億円の補償が行われておるわけでございます。まだ補償は全部済んでおりませんが、現在のところはそういう数字になっております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 保険は二億しか入っていなかったそうですから、莫大な損失ということになるでしょう。  私は、あそこのタンクが何で加熱式をとったのか、この前暮れの委員会でも質問したのですけれども、どうも実際わからぬ。いまどこでもほとんど保温式のものですね。ほとんど保温式でできているのに、なぜあの最新鋭のタンクが加熱式だったのかということがどうも私は解せないのですね。タンクというのは御承知のように一つのやかんみたいな、バケツみたいな入れ物を道路の上に乗せておくということであって、多少へこむこと、沈下することを前提に構造がつくられておる。ただ、不等沈下じゃいけない。大きいタンクはわりあいに周囲が大きいのですけれども、小さいのは背が高い。暴風雨でひっくり返ってはいけないということもあるわけです。中身が空っぽのときにはひっくり返るおそれもあるわけですが、そういう面で、多少横になったところで底板が裂けたりするというのは普通はないわけなんですね。横に曲がったって、曲がったままでそのままおられるのであって、やかんを道路の上に置くようなものなんだから、どうもそういう点で、底板が裂けるというようなことは技術的には私どもわかりませんが、なぜああいう方式のタンクをつくったのかというのもわかりません。いずれにしましてもこの結論を早く出して、そして再びこういう事故が起こらないように各業者に厳重に点検をするようにしてもらいたいと思う。いつまでも消防庁に任しておくべきじゃない、こう思います。  次に移りますが、大臣は原子力発電について、準国産エネルギーといわれる原子力の開発を積極的に推進してまいる、こう言っておる。私は準国産とあえて言うのはどうかと思うのですよ。ウランは全部アメリカから輸入しているわけですから、準国産の原子力エネルギーというのはどうかと思います。原子力の開発を積極的に進めると言いますけれども、いまの軽水炉発電というのは、とにかく技術的に完成されたものじゃない。この安全というのは、御承知のようにアメリカでもまだ完全とは言われていない。しょっちゅう事故が起こる。廃棄物の処理というものもまだ決着がついていない。予算委員会でも議論がありましたように、廃棄物はどこへ送るのだ、いま何百万本というドラムかんになり、それをイギリスへ送るのだ、イギリスの処理工場はどうしたのだ、二年前に故障して動いていない、そういうところへ廃棄物処理を頼むことになっていますというような議論があったわけですけれども、これは政府の計画といいますか目標の中に、六十年度六千万キロワットの発電をしたいといっているのですが、積極的に推進してその目標を達成できるという見通しがありますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 原子力発電を、一応政府の方では昭和六十年度六千万キロということを目標にしておりますが、これを実現するための前提条件というものは、やはり安全性の確保ということがもう唯一最大の前提条件だと思います。現在御案内のように約四百万キロ弱が動いておりまして、建設中のものが約一千三百万キロ弱、こういうことになっておりますから、それを六千万キロに持っていくということはなかなか大変なことでございます。しかも、この安全性の問題についてはいろいろまだ問題が残っておるわけでございますし、そういうことがありますので、今度政府の方でも科学技術庁に原子力安全局というものをつくりました。これは新しい局は一切つくらないというのが原則でありますけれども、唯一の例外措置として総理の命令でつくったわけでございますが、仮にそういう局ができましても、それで問題が解決されたというものではありませんので、やはりこの六千万キロという目標を達成するためには御指摘のように大きな問題が横たわっておる、かように私どもも考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 原子力発電所で働いている労働組合から、御承知のようにいろいろ要望が出ましたね。現在運転中の四基の設備稼働率というのは四五%から七一%だ。安いと言いながら結局安くないじゃないかということがあり、事故が頻発するために、その修理に入る従業員が被曝して非常に危険な状態である、こういうことを訴えておりますけれども、そういう点からも、安全性の問題について政府がきちんとした態度をとらないでやたらにこの原子力の開発を積極的に推進するというだけじゃいかぬじゃないかと私は思います。     〔塩川委員長代理退席、稻村(左)委員長代理着席〕  それで、これは私も再々言っているのですけれども、いまの原子力安全委員会という政府の八条機関的なものでは、結局政府の言うとおりになって国民が信頼しない。やはり公取じゃないけれども、三条機関的な独立の権限を与え、そして政府の意見にこだわらず国民の安全を確保するという立場から自由に提言できるものが要る、国家行政組織法第三条の委員会でもつくらなくては国民が信頼をしない。国民が安全性について信頼しない限りはこの原子力発電の積極的な推進というのは私は不可能だ、こう思います。ぜひひとつ機会を見て政府の方でも、これは何回も言われていることですから決断をしてもらいたい、こう思います。  それから、備蓄に関連をし、原子力に関連して、次にサンシャイン計画を推進するということを言っておりますが、私もサンシャイン計画を大いに推進してもらいたいと思います。ただ、来年度の予算がわずか三十七億円、この程度ではまことに微々たるものじゃないだろうかと思います。私は、この日本のエネルギー政策というのを考えた場合に、軽水炉原子力発電というのに多くを期待することは結局できないんだ、じゃ石油はどうか、先ほど言いました東シナ海の石油開発をしましても、八年から十年かかるかもしれません。さらに将来、核融合といっても、これまた相当時間がかかるでしょう。私は、サンシャイン計画の中にあります水素エネルギー、海水なり水を水素と酸素に分けて、そしてそれを融合することによって燃焼する、そして燃焼した後は水蒸気に戻る、こういう無限のエネルギー、水素エネルギーの開発というのをサンシャイン計画の中でもひとつ重点的にやってもらいたいと思います。横浜国大の太田時男教授の説によりますと、五年後くらいには何とかひとつ目鼻をつけたいというような論文もあるようでありますから、サンシャイン計画をもっと積極的に進めてもらいたい。予算も拡大してもらいたいし、その中で水素エネルギーの開発にひとつぜひ力を入れてもらいたいということを要望いたしたいと思います。  次に、省エネルギー政策として、大臣はあいさつの中でこういうことを言っております。資源とエネルギーを大切にする運動本部を中心にして、消費節約の国民運動を引き続き強力に展開してまいると言っております。大切な資源を節約し有効に使うということは、これはもう重要なことです。これはぜひやってもらいたいと思うのです。ところが、この政府の省エネルギー政策、エネルギーを大切にする運動本部なんというのは一体どの程度の効力があるのですか。どれだけの仕事するのですか。予算面で見ましたならばわずか一億二千万円くらいですか。ビール会社が、朝日麦酒やサッポロビールが一年間に宣伝する費用は三十億円です。三十億円もビール会社で宣伝費を使っているのに、大事な資源エネルギーを大切にする運動本部の一年間の予算というのが一億二千万円くらいで、本気でこの節約運動ができると思っておるのですか。最近新聞にこういう記事がありましたよ。これは一月二十四日の日本経済新聞にあったのですが、イギリスでは節約運動というのを本当に政府が細かく具体的に国民にわかるように指導している。それで実質的な効果を上げているというんですね。テレビを使い、ラジオを使い、そして本当に資源の大切さを訴えて節約について国民に協力を求めている。そういう真剣な取り組みがない。一億二千万円で何かパンフレットでも出してそれでおしまいということじゃないですか。こういう節約運動というのを一体どういうふうに評価しておるのですか、伺いたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 この資源とエネルギーを大切にする運動本部は昨年総理府にできたわけでありますが、御指摘のように予算が非常に少ないのです。日本のように資源のない国は、いまのような世界情勢の中において資源を大切にする運動をもっと強力にしなければならぬ、そんなことでできるか、こういうお話でございますが、その点は私も同感であります。今後は機会あるたびにさらに予算をふやしますと同時に、やはりもっとPRというものを徹底しなければいかぬ、そういう方向に今後大いに改正して進めていきたい、かように考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 一億二千万円の年間の予算では本気でやる気がないということだけはわかります。本気でやってもらいたいのですよ。それは何億、何十億かけても、石油の一%でも節約できればもうりっぱな効果があることになるのですよ。政府が真剣にこの節約を訴えてもらいたい。いままでは消費は美徳だなどと言って、使い捨てだなんて言っておったのですから、その罪滅ぼしとして資源の大切さというのを国民に訴えていく必要があると私は思う。通産省もそれを真剣にやってもらいたい、こう思いますよ。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 やや具体的な数字で申し上げたいと思います。  いま先生がおっしゃいましたように、クリーン・ジャパン・センターの活動費としては一億円程度でございますけれども、そのほか、モデル都市に新しく資源回収の機械を設置いたしまして、その事業活動を補助する。それから、モデル都市スタンプシステムによりますところの資源回収の制度をつくるための予算等々含めますと、大体三億二千三百万円の予算をいただいております。それからさらに、廃プラスチックの有効利用の問題とか鉄くずの安定対策、あるいは家電製品等粗大廃棄物の再資源化の促進、それから古紙の対策、それから自動車の廃車処理等々で、一応来年度の予算といたしましては十五億九千五百万円という金を予定しております。さらに、クリーン・ジャパン・センターにつきましては、これは国民運動でございますので、財界からの寄付も集めまして、それで国民運動として強力に推進してまいる所存でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 もう十分しかありませんから、あと一、二伺います。  蓄積鉱害の問題について施策の充実を図っていくということですが、来年度の充実される施策というのはどういう内容ですか。     〔稻村(左)委員長代理退席、塩川委員長代理着席〕

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 いろいろございますけれども、重点的な項目だけを申し上げますと、従来、鉱害防止義務者が不存在等の休廃止鉱山にかかわります鉱害防止工事につきましては、国の補助が三分の二でございましたけれども、地方自治体の負担を軽減するという意味で、補助率を四分の三に上げたわけでございます。  それから、休廃止鉱山の中で義務者不存在の工事のうち、非常に大規模で技術的に困難のものにつきましては、従来、全部地方自治体に工事をおまかせしておったわけでございますけれども、いま申し上げましたような内容のものにつきましては、金属鉱業事業団がこれを指導し、これを応援するという体制を確立いたしまして、そのための機構を整備いたすことになっております。  それから、第三番目といたしましては、特にカドミ等に汚染されました農用地の土壌改良工事に相当多額の負担が鉱業権者にかかるわけでございますが、これにつきまして新たに融資の道を開いたわけでございます。  以上が主な点でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 じゃ、次に伺いますが、前の通産大臣時代から、水銀公害より国民の健康を守るということで、苛性ソーダの製造方法を水銀法から隔膜法に転換をする、こういうふうに約束をしてまいった。五十二年度の末においては一〇〇%隔膜法に転換することを約束をしてきましたが、その約束どおり実行される見込みでありますか。この点、どうですか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 おっしゃった内容につきましては、開銀融資等を中心にいたしまして積極的に推進いたしております。ただ計画が、手元に詳細なデータがなくて恐縮でございますけれども、五十二年末よりは若干おくれるのじゃなかろうかという感じがいたしておりますが、それは早急に調べましてお答え申し上げたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 これは過去二年間、通産大臣がここで報告をしたし、そういう約束になっておる。今度の報告の中でそれに触れてないから、一体これを守るつもりがあるのか、あるいはこの辺でごまかしておこうというのか、ちょっと伺っておいたわけであります。  時間となりましたから、私は最後に一つだけ大臣に伺いたい。  大臣のあいさつの中でちょっと気になる言葉があるのです。この三ページに、私は産業界の方々と懇談いたしましたが、主要産業の景気の実態は、昨年十二月末ないし本年一月から急速に様変わりし、不況の進行には著しいものがあると判断されます、こう言って、大変不況を心配しておる。産業界の方々と懇談するというのは、私はちょっとひっかかる。じゃ、何で中小企業者や消費者の皆さんとも話さなかったのか。産業界の方の意見を聞くことが悪いと言っているのじゃないのですよ。意見を聞いても結構だけれども、それはさておいて、ここでは通産大臣の見解を言うべきであって、産業界の意向をどうこうと言わなくたっていいんじゃないかなという感じがするのです。中小企業者と会ったということはない。  それで、中小企業の方にどういうふうに書いてあるかというと、総需要抑制の結果、中小企業を取り巻く環境が極度に悪化している、だから健全な経営を行う中小企業に不当なしわ寄せが生じないように、という。いまこの記録的な倒産をしているのは不健全な中小企業であって、健全な経営を行っておる中小企業にはそういう心配はないのだ。生じないように万全を期していくというのは、いま起こっている実態に目をふさいで、倒産しているようなのは不健全なやつだ、こういうふうにもとれるのですね。一番困っているのは中小企業じゃないでしょうか。中小企業が倒産しているのですよ。大企業は倒産してませんよ。だから、そういう意味で、産業界という大企業の意見だけ聞いて通産大臣としての意見を言うことは——まあ意見を聞くことは構わないと言っているのですよ。しかし、こういう国会に出す文章に、産業界の方々と会ったらどうこうなんて載せる必要はないだろう、私はこう思います。十分気をつけてもらいたいと思うのです。  あと二、三分ありますが、消費者物価を対前年同月比一五%程度にとどめる、ほぼ達成可能と見込まれるに至りました、と言っているのです。この間も私質問したのですが、通産大臣は一五%の上昇率はほぼ達成の可能性ができてきた。経済企画庁長官のあいさつは、十分達成できる、こう断言している。私はこれはどうも余り高く置き過ぎていると思っているのです。あの際にも言いましたけれども、一四%を割るのじゃないか。一月の消費者物価は前年同月比一六・八%。去年の一月は前年同月比どのくらい上がっているかというと、二三・一%、二月は二六・三%。去年の一月と二月の間に三・二%消費者物価は上がっている。そして、ことしは一月は前月比にして〇・四%でも下がっているというのですから、下がらなくてもいい、一月と同じ横ばいで計算しますと、三%何がし下がることになる。そうすると、二月は一三%台ということもあり得る。三月に若干上がったとしても一三%台というのも可能だ、こう私は言っておったのですが、何かきのうの新聞でもそういう政府の見解が発表になったようです。前年同月比から一三%台ということになると、大臣は、総需要抑制の枠内において、財政面、金融面から細かい対策を講じていく、こう言っておるのですけれども、この枠内においてということがひっかかるのですよ。総需要抑制という方針のもとにやるという気持ちでありましょうが、こういうように物価が安定してきた場合には、今度は不況対策というものに通産大臣として頭を使わなくちゃいけないのじゃないかと思います。記録的な倒産の現状等を考えて、ひとつ不況対策というものに心を砕いてもらいたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いまお話のございました第一点は、産業界と懇談をした、こういうふうに書いておりますので、若干誤解があったと思うのですが、これは産業界の中には中小企業も当然含まれておる。そういう意味で簡潔に書いたのだと思いますが、懇談の対象は、各業界とも中小企業の代表が相当入っておりますし、中小企業団体とも別に懇談の機会を持っております。ほとんど全部の中小企業の団体とは懇談をいたしております。したがいまして、今度の対策も中小企業対策というものが中心になっておりまして、去る二月一日に通産省から提案をいたしました対策に対して、本日閣僚懇談会で、それじゃそれを具体的にどう進めるかということを正式に決定をいたしましたが、その大部分は中小企業対策になっておる。決して中小企業対策を軽視しておるということではございません。  それから、第二の消費者物価の問題でありますが、これは最近の動向では、私も多分いまお話しのような数字になるのではないかと思います。ただ、しかし、新内閣の公約といたしましては、この一月に正式に決めましたほぼ一五%程度ということは、まだ公約としては正式には変えておりませんので、正式の文書ではこういうことになっておりますが、実情といたしましては御指摘のような数字になる可能性が非常に強い。また、そういう方向に向かって努力しておる、こういうことを申し上げておきたいと思います。  それから、第三の総需要抑制の枠云々、こういうお話がございましたが まだしかし物価には若干の心配な点がありますので、もう少し物価動向を見まして、後で政策を検討するにいたしましても、当分の間はこの総需要の抑制枠云々という、この基本原則はやはり続ける必要があるのではないかと思います。ただしかし、本日決めました景気対策も、経済界の現状から見ればまだ十分ではないと私は思いますので、これから一カ月ぐらい置きまして、三月の中下旬にもう一回産業界の、もちろん中小企業を含めてでありますが、産業界の実情をつぶさに掌握をいたしまして、そして第二回目の景気対策を今度積極的に検討していくということを本日の関係閣僚懇談会で決定したわけでございます。引き続いていろいろな対策をやっていきたい、かように考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 どうもありがとうございました。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長代理 神崎敏雄君。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 まず、次の三点について通産大臣に伺います。  第一点は、きょうまで、石油化学工業の保安対策に関連して、業界の意見や要望を聞かれたことがありますか。  第二点、今国会に提出を予定されている高圧ガス取締法の改正の内容について業界の意見を聴取されたかどうか。  第三点、もし聴取されたというなら、業界の保安問題についての要望それから意見に対して、どういう点を肯定され、どういう点を否定されたのか。  以上三点を明らかにしてほしいと思います。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 お答え申し上げます。  今回の高圧ガス取締法の改正案をつくるに当たりましては、一昨年頻発したコンビナートの、石油化学工場の事故を絶滅するということを考えに入れまして法律がつくられたわけでございまして、そのつくる過程におきまして、一般のユーザーの方々あるいは学識経験者等々、広い階層の方々の御意見を二年間にわたってお聞きした上でこの法律をつくったという経緯がございます。法案ができたのは十四日の閣議で決定されたわけでございまして、その後はまだ聞いておりませんけれども、つくる段階では、十分に手を回して、各界の御意見を聞いたいきさつは申し上げておきたいと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 大臣どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いま政府委員が答弁したとおりであります。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 ぼくは、今度できる法案について重点を置いて聞いているのではない。いままでに、石油化学工業の保案対策に関連して、業界の意見や要望を聞いたかということがまず第一点。それに関連して、今度の法案を出すときに、業界の意見やいろいろなことを大臣みずから聞かれたかどうか。もし、聞かれたというならば、業界の意見や要望のどの点を肯定され、どの点を否定されたのか、そういうことを聞いているのであって、この法律を出すということについては、これから法案のときにまた質問いたしますが、これをまず冒頭に聞いているわけです。何もそういうことでなしにきょうまで来られて、法律をつくるに際してだけ、それに当たって意見を聞かれたかということを聞いているのではないのです。大臣就任されてから、しかもこういう法律をこれから出されようとしているのでしょう。だから、その点について聞いているのです。大臣は、いままでそういうことに一つもタッチされていないのですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 私は直接聞いておりません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そういうことですから問題が起こるのです。  そこで、ここに、昭和四十年一月二十一日、石油化学工業協会の、保安対策に関する業界の意見という文書があります。当局はこれを承知しておられますか。——時間がないから早く答弁してください。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 四十年一月という文書は承知いたしておりません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 それでは、いまこれを貸してあげますから、よくお読みなさい。  そこで、この文書は次のように述べているのです。「わが国の石油化学工場のほとんどすべては、欧米の技術導入によって、設計、建設、運転されている。これらは人命尊重の思想に立ったものであり、すでに内外において実地経験され、保安技術の安全性は確立されている。」さらに「石油化学工業の場合には、保安管理組織は整備されているし、企業側でも既に厳しい保安体制をとっている」、こういうふうに書かれているのです。  ここに書かれているようなことを、大臣もそのように評価されますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 これは四十年一月二十一日の記録でございますが、非常に専門的な内容を含んでおりますので、政府委員から答弁させます。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 いまから約十年前の(神崎委員「承知しているか、していないかだけ答弁すればいいのです」と呼ぶ)この文書は、ただいま私初めて拝見させていただいたわけでございますが、ここに書いてある問題をむしろ問題視しまして今度法律改正をいたすわけでございますので、こういう業界の意見であっても、私たちは十分でないというふうに現在は考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 非常に馬脚をあらわされたのは、いままで知らなくて、いまこれを初めて見たという言葉に続いて、これに基づいて今度の法案をつくったと言うのは、少し矛盾を感じるわけであります。承知してなかったものを差し上げたら、いま初めて見て、これを基準にして今度の法案を考えたと言うたら、趣旨が徹底しないということです。  しかし、時間もありますので次に入りますが、よく見ておいていただきたい。  また、その文書では、「国の保安取締りに関する意見について」の項、大臣、これは重要なんですね。よく聞いておいてくださいよ。次のようにそこで述べているのです。「工場保安の責任はあくまで企業の負うべきものであって、国または地方公共団体は、技術、装置の細部にわたる取締りを行なうことは現実的に適当ではなく、」さらに「保安のための厳しい法律の制定は、業界に一層の混乱を与えるものと考えられるので賛成し難い。」こういうふうに書いているのですが、当局はこの業界の意見にどう対処されたのですか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 一般的に、工場並びに鉱山の保安の問題につきましては、われわれとしましては、やはりそこの工場自体の自主保安体制を確立するということが最大の要件であるという考え方は持っておるわけでございます。  ただ、やはり自主体制のみをもってしては十分に目の届かないものを、第三者的な立場において国が監督するとかあるいは保安のための技術の規則をつくるということは国の役割りでございますけれども、根本的には、自主保安体制を企業みずからが確立してやっていくということが保安の根本問題であるというふうに認識いたしております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 それでは、後で法律と関連して責任ある答弁を聞きますが、ここで言われておるように、言うたら、国や地方公共団体はいろんなことを細部にわたって取り締まるな、また、厳しい法律をつくるな、そういうことをやると業界が混乱するんだ、だから業界はそういう厳しい規制をされることについては反対だ。賛成しがたいということは反対だということですね。そういうことをはっきりそこで言われて、企業側はいわゆる自主保安体制を強調して、そうして、いま局長ですか、御答弁がありましたように、通産省は規制措置を何らとっておらない。そこで、企業の自主保安体制なるものは彼らが強調するほど完璧なものでないことは、ここ数年の数々の事故、特に最近の一連の大事故がこのことを証明しております。そこで、当局は企業の自主体制に対してきょうまでどのような行政措置をとってこられたのか、これについてひとつ責任のある答えを聞きたい。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 私が申し上げましたのはたてまえを申し上げたわけでございまして、何といいましても、その製造にかかわりますところの企業みずからが保安観念に徹底してやってもらいたいということの趣旨を申し上げたわけでございまして、さればといって、これに対します国の役割りがないわけじゃございませんで、先ほど申し上げましたように、最低守るべき保安技術基準というものを策定したり、それが守られているかどうかということを十分にチェックするという体制は、別途やらなければならないわけでございます。その二本立てがうまく確立されることによって、初めて保安問題というのは解決されていくだろうという認識に立っているわけでございまして、そのために、従来は高圧ガス取締法というもので国が技術基準をつくりまして、それで都道府県に現場のチェックをやらせてきたということでございます。ただ、自主保安の一つのやり方といたしまして、この高圧ガス取締法の中に高圧ガス保安協会というものが特殊法人として認められておりますけれども、その中にメーカーとかLP業者とか学識経験者とかいう方々を会員として参加せしめまして、そこで十分に海外の情報も入れながら勉強して、いい保安技術基準をつくってきた。これが最も代表的な自主体制のあらわれとして、法律的にも推奨してきた一つの例だと思いますけれども、今後はさらにそれを国の監督体制を入れまして強化して、本来の目的を達成しようということをねらっておるわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 簡単に答えてください。  いままでこういう保安体制について企業任せでよいのかどうか、あるいは法律に基づいて通産当局はこれに対してノータッチであったのかどうか、いままで野放しにしておったのかどうか、あるいは先ほど挙げたようにどんどんと事故が起こっておる中でどういう行政措置を的確にやったのか、この点を聞いているのです。そこで、通産省は、もうこれは知りませんね、企業任せでございますね、どういうことをやっておっても私の方は反対されていますからタッチできませんねというなら、そういう答弁でもいいのですよ。それをどっちかを聞きたい。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 従来の国のやってまいりました対策といたしましては、通産省におきまして保安の技術基準をつくりまして、それからそれを厳格に守らせるために、関係都道府県に十分に監督体制をやってきたということでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 やってきたのですね。そうすると、一つの実例を挙げますが、四日市コンビナートの自主保安基準はいつからできたのですか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 ただいま手元にございませんで、ちょっとお答えできません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 これだけ天下が騒いでいる問題について、資料も持たぬ、またわからないというようなことでは、通産当局は国民に対してどのような責任をとるのか。  私の方から申しましょう。四日市コンビナートの自主保安基準は七年前の昭和四十三年に作成された。それから一つも改正も改善もされてない。  そこで、大臣、四十四年以降四十八年までの五カ年に全国で高圧ガスの災害は千七百六十四件ある。一日に一件の割りで発生している。死傷者の数は実に二千四百三十一人に達しておる。この数は四十四年までの約二倍に当たるのです。当局は、この五年間にこれだけの事故や死傷者を出しているのに、自主保安体制に対する強化指導なども何もしないでほっておったのかどうか。四日市コンビナートのいわゆる自主保安基準のことすらおつかみになっておられないから、全部放置されておったと理解していいですか。これについてどういうふうに思われますか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 コンビナートにつきましての防災体制につきましては、それぞれ通産省の指導におきまして、お互いの共同の応援体制なり出動体制をつくりまして、防災体制をしいておるわけでございまして、おのおの四日市のみならず各コンビナートにおいてやっております。したがいまして、事実つくられた月日はただいま持っておりませんけれども、各コンビナートについて、通産省がそれぞれ労働省、消防庁と連絡を図りながら、現実にやってきたことは間違いございません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 一々指導されてきたという責任を明らかにされた。そうですね。されたのですね。—もう一遍立って、うなずいてもらっておったら記録に残りませんから、指導したという発言をしてください。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 指導してまいりました。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そこで、私は聞きますが、二月十二日に石油化学工業協会に自主保安基準について私は尋ねた。これはこの二月十二日ですよ。四十年じゃありませんよ。そのときに、名前を言えといえば名前を明かしてもよろしい、責任のある方ですが、こう言っておる。一般的な基準は公表できるが、細部についての保安対策は、外国技術導入の際の契約に触れる、すなわち契約違反になるので公表はできない、こういうふうに答えた。そこで、私は、言えないというから、いわゆる関係当局である通産省に対してはこれについてどうしているのか。そうしたら、通産省の役人にも公表していない、こういうふうに答えたのですね。通産省にも公表しないというものが、完備されているとかあるいは指導するとかいうようなことを言われるところの根拠を改めて聞きたい。これは名前を出しましょうか。奈良技術部長が言っている。一般的な基準は公表できるが、細部についての保安対策は外国技術の導入の際の契約に触れる、いわゆる契約違反になるので公表はできない、そうしたら監督官庁である通産省にはどうしているのだと聞いたら、通産省の役人にも公表はいたしておりませんと言う。全部秘密になっていることを、何を根拠にあなた方はきょうまで指導してこられたのですか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 非常に具体的な問題でございますので、早速調査もし、その方にもお会いしまして、真意のほどを聞いた上でまたお答え申し上げたいと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 具体的なことでありますので、その人に聞いて、私がここで責任ある場所で言うてるのですよ。聞いたことを言うているのです。私の言っていることを信用しないから改めて聞くということなんですか、そういう意味なんですか。あなた方はいままで指導してきたというのでしょう、保安体制とか保安基準については。先ほど改めて答弁伺ったように。ところが、向こうは通産省にもその基準とかそういうものは言うてないと言っている。これは外国技術の導入だから契約違反だだからどこにも言わない、門外不出なんだ、極秘なんですよ。極秘のもので通産当局にも言うてない。それをあなたは、言わないと言うているものをこれからどないして調べるのですか。どんな権限で調べるのですか。大臣どうです、通産当局としてこういうあり方は。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 私が申し上げておりますのは、先生のおっしゃったことを信用するとかしないとかの問題ではなくて、要するにいまおっしゃっている内容がいわゆる保安基準の問題なのか、いわゆる製造工程の一般のノーハウの問題なのか、いろいろ技術基準としてもございます。それから、国家基準もございますし、それから一般基準といいまして、業界が推奨する推奨基準もございまして、技術基準といいましても多種多様でございますので、そこに書いてあります内容が国家基準を言っているのか、企業基準を言っているのか、あるいは製造工程のそういう内容を言っているのか、その辺をちょっとつまびらかにいたしませんと明確なお答えをできませんということを申し上げているわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 では、どの基準だったら答えられるのですか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 われわれが扱っておりますものは、いわゆる国家基準となるべきものが問題でございますので、国家基準についてそういうようなことがもし仮に言われたとすれば、それは不穏当であると私は認めざるを得ないと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そういうことを言うことは不穏当といまおっしゃったですね。どうですか、適当でないということですか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 国家基準にかかわる問題は、業界、それからわれわれも含めまして、十分にオープンに議論を進めるべき筋合いのものでございまして、隠すとか隠さないとかというようなことが仮にあるとすれば、それは適当でないということでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 時間の関係で繰り返して言いたくないけれども、重ねて、先ほど言うたように契約違反になる、だからどこにも言わぬのだ、国家基準であろうがそうでなかろうが、向こうは外国技術の導入の際に契約しているのだから、何であろうがそういうことは一切公表できないと言うているのですよ。そうしたら、通産省が聞いた場合はどうするのだと言うたら、通産省の役人にも公表はしませんと言うているのです。それをどんな観点からあなた方はこれから聞かれるのかね。もし聞かれるのなら、ひとつ聞いたやつを次回にきっちり報告をしてください。報告できますか。向こうが言わぬということをどうして聞かれるか知りませんが、聞いて改めて報告できますか。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 調査した上、お答えいたしたいと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 では、ひとつ委員長の計らいで、この委員会に文書で報告してもらうことにしてください。問題ですからね、これからの事故に関連がありますから。返事をしてください。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長代理 それでは、神崎委員からの要求がありましたことは、文書にして通産省の方から出すようにいたします。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そこで、私は実は二月の十一日、これは祭日ですね、この日に、現下起こっておる大きな事故、先ほどからも言われている不等沈下の問題やら、爆発の問題やら、いろいろなものがありますね。最前件数まで挙げたですね、死傷者の数まで挙げた。そこで、この二月十一日の祭日に四日市の三菱油化、それから問題の三菱化成水島それから出光の石油化学徳山、これを全部点検に行ったわけですよ。何と、保安体制について責任者が一人もおらぬ。たとえば三菱油化の場合は、大体責任者はどうしているか、きょうは祭日で休みだ、そして隔日勤務で、保安体制なるものは実際は十人、これが二時間おきにパトロールをやっている、そういう答え。三菱化成は、これも責任者は休み、もう一つ下の責任者はおらぬか、それもおらぬ、あなたはどなたかと言うたら、日直だと言う。これが夜になると四時間ごとにパトロールをしておる。もう一つ、徳山の出光の方は、これもいわゆる警備員は十人で、大体八時間勤務で朝昼夜の三交代だ。ここでは六十から七十のタンクヤードがある、そこを六、七人で巡回をしている。そういうことです。私は先般ゼネラルの堺へ実地視察に行った。そのときも、これと同じようなことを向こうの所長から聞いて驚いたのです。二時間ごとに人が回るのです。極端な表現をするなら、ここを二時に回って、二時一分か二分したら、次に回ってくるときは四時にならないと回ってこない、二時間交代ですから。その間に油が漏れたりいろいろな事故があっても、手の打ちようもなければ発見もできない。それについては探知器か何かそういう装置があるのか。われわれ飛行機に乗るときに一々調べられますね。ああいうようなところだから、何かそういう警報装置はあるかと言うたら、ガス漏れのときは警報装置は働きます、これは三菱油化もみな一緒ですがね。ところが、パイプが亀裂したり、この間のような事故のときは、何ら探知する方法がないのです。やってないのです。人の目だけでわかるのです。しかも、こういうような形で巡回されておったら、こんなことを国民が知り、しかもこういう大きな化学設備のある周囲におる人はどういう状態になりますか。それについて聞こうと思えば機密、秘密、通産省が聞いても言わぬと言う。まあいろいろなこともありますけれども、これがその日の現実なんです、事実なんです。驚いたのです。そうして、六十も七十もあるところを六、七人で巡回しておりますと言う。そうしたら、ガス漏れの場合は探知器はあなたのところにありますねと言うたら、探知器はあります、ではパイプやタンクの故障の場合はどないするのですかと言うたら、それは目で見て発見せにゃしょうがない、こう言うておるのですね。こういう状態があって、そうしてそれについての規制は協会のほうは賛成しがたい。いまあなたのほうへ聞いてもあなたはおわかりでない。四日市でつくったことも御存じなかった。こういうようなことで、通産当局として本当に、本気に、現在の状態は監督官庁として任務を果たされているのか。たとえば現行の高圧ガス取締法です。現行ですよ、今度出るやつじゃないのです。これの第六十六条で「通商産業省及び都道府県に保安管理員を置く。」こう決めてあるのですね、あなたも先ほど言うていたように。六十二条では、この管理員は、災害の発生の防止のため、立入調査やガスを収去させることができる、と決めてある。ところが、向こうはいわゆる契約違反になるから見せないとか、立ち入り等に対しては拒否している。現在管理員というのは何名おるのですか、この六十二条に基づく管理員というものは。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 通産省本省に九人、通産局に二十人、都道府県に百七十一人、合計二百人でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 では、千葉県、神奈川県、大阪府、岡山県、この四つの県の数を教えてください。

佐藤淳一郎通商産業省立地公害局長

○佐藤(淳)政府委員 早急に調べます。いま手持ちがございませんので、申しわけございません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 何にもわかっちゃおらぬということは、何にもやっちゃおらぬということであって、これだけ社会問題になって、大変ですよ、大臣。あなた聞いておられて、また後で大臣の責任ある答弁を聞きますが、その本省九人、通産局二十人、都道府県百七十一人、これは帳簿上そのとおりであります。合計二百人。問題はいまその人がおるかおらぬかが問題なんです。千葉県あるいは三重県はゼロ、岡山県は一人、大阪府は二十二人、神奈川県もゼロ。ただし、独自に神奈川県では二十一人のいわゆる専任者配置をやっているのですね。そこで、その保安管理員は災害防止のため、立入検査やガスの収去などの一定の根拠を持つ、これは数が一で、いま言うたのが二番ですね。  三番は、この制度は昭和二十六年からある。通産省は毎年人事異動があり、正確な実態は掌握していない。こちらが聞いたら、そういう返事をしているのです。通産省には毎年人事異動がある、それはあるでしょう。だから、これの正確な数字は掌握いたしておりませんと言う。  そこで時間がないので残念ですが、もう一つこれにかぶせて聞きますから、まとめてひとつ答えていただきたい。  この点で私は直接、これはことしの一月の二十二日、県当局に問いただしました。大阪府では二十二人配置されているが、四日市、それから市原市、千葉県ですね、などの大コンビナートを抱えた三重県、千葉県はゼロなんです。水島コンビナートを擁する岡山県は一人なんです。神奈川県は次のように言っているのです。通産省は辞令を出しておけばよい、その数だけ報告してくれたらいい、そんな実効性のないものは無意味だ、通産省への報告はゼロだが、独自に専門家にお願いをして検査に専念する人を二十一人配置していると、こう言っているのだ。通産省の保安に対する姿勢がここで明確に出てきているのですね。最前から聞いておってこの状態がこのことを裏づけているのですが、ここでひとつ大臣、こういう現状をどうお考えになるか、ひとつ責任ある答弁をしてください。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 このコンビナートにおけるいろいろな保安対策、これは不十分な点があるということは私も認めます。また、この保安のためのいろいろな法律が非常に多岐にわたっておりまして、各省にもまたがっておる、そういう面でも不十分である、こういう点も認めますし、それからこの運営の面、従来の運用の面でもやはり不十分であった。たとえばそういうことのためにまず強力でなかったということ、それから単一の命令系統が出せなかったということ、それから場合によって機動力を発揮することができなかったということ、こういう問題点が幾多あったと思うのです。  そういうことでございますので、最近の事故の多発、特に重大な事故等が起こっておりますので、この際、やはりコンビナートを中心とする保安対策というものを徹底的に強化しなければならぬ、保安行政というものを一元化しなければならぬ、こういうことで先般総理から特別の指示がございまして、自治省を中心といたしまして、どういうふうにすれば万全の対策ができるかということについていま関係者が寄りまして、取り急ぎ協議中でございます。  御指摘のような点があったことは認めます。不十分な点があったことは認めますので、今後早急に政府として対策を立てまして、これまでの不備な点はひとつなくしていきたい、かように考えておる次第でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 大臣、いま不十分だ、いまやっていることは不十分だから、これからこれを強化する、今日までの不十分を認められた。私はその態度そのものに対しては好感を持ちます。  しかし、問題は人命に関する大災害で、昨日も局長のところへ四県の方々と行ったのですが、私が問題にしているのは、高圧ガス取締法第六十六条あるいは六十二条、こういうもので法律をつくっておきながら、そうして実態はこういう実態であって、逆に人がなかったら名前だけ出しておけとか、そういうようなやり方でやってきているという今日までの監督当局である通産省の不十分さというような次元の問題じゃないのですね。まさに職務怠慢どころか、私はほんとうに社会的犯罪だけでは許されない。一人や二人の方がけがされても、これは大問題になる。これだけのことをやっておって何ら一つも掌握はされてないし、しかも中身はこちらから申し上げなければならぬというようなことでは、私はこの点についてはきわめて遺憾である。  そこで、もう時間が来たので最後に一点だけ申します。  政府は、いわゆるコンビナート規制立法や高圧ガス取締法の改正をいま検討されていますが、石油化学工業に対する政府の政治姿勢は、いま大臣が言われたのですが、従来のような人命尊重の立場よりも企業本位の立場、いわゆる企業保護の立場、これからはっきりと転換すべきだ。今度の法改正強化についても、これは第一のポイントだと思う。  そこで、大臣に二つ提案します。まず第一に、これまでの石油化学工業に対する保安対策軽視を根本的に反省をしていただきたい。いま反省的発言もありましたが。第二に、先ほどもちょっと触れられたが、企業保護政策を抜本的に改めて、人命尊重を第一義とする、企業から独立した科学者あるいは専門家を含めた民主的な組織をつくる、そういう民主的な保安管理機構をこの際設置すべきである。この二点について最後に大臣に提案をして、大臣の考え方を聞きたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 御案内のように、日本の石油化学工業というものは昭和三十年代の後半から急速に発展をしてきまして、いまは世界で一、二を争うような状態になったわけですが、それまではゼロだったのです。ゼロからわずかの間に世界で最大級の石油化学工業というものができ上がったわけでございまして、そういうふうな過程等から考えまして、御指摘のような不備な点がたくさん次から次へ出てきた、こういうことだと思います。したがいまして、これまでのやり方等につきまして十分に反省しなければならぬ点があることは当然でございます。同時に、今後は人命の尊重というふうな観点から、これだけの大企業に発展しておるわけでございますから、別の角度からまた新たに考えていかなければならぬ。そういう立場に立って、先般総理の方から御指示がありました総合的な対策、一元的な対策というものをいま検討しておるわけでございまして、その中の一環として、いまおっしゃったような独立の機構をつくるかどうか、そういうこともあわせて検討することになろうと思います。いま御提案のことに対して直ちに御返事を申し上げることは、ここではちょっと控えさせていただきたいと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 ぜひとも検討してもらって、自今こういうようなことを繰り返して私が通産当局にただしたり、また非常に不備な状態であったようなことをこういう場所で言わないように、当局は責任ある行政措置をしてほしい。これは国民の名において私は強く要望しておきます。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長代理 松尾信人君。

松尾信人公明党

○松尾委員 最初に、独占禁止法の改正の問題につきまして通産大臣の腹構えというものを私はただしておきたい。  いまさらここでなぜ独禁法の改正というものがこのように国民の世論となってまいったか、それを受けて公取が試案をつくったかというようなことはあえて申し上げませんけれども、いよいよ政府が法案を作成する最終段階にいま入っております。そして、国民のすべては公取試案の中の三つの大きな問題点、企業分割の問題、それから原価公表の問題、それから原状回復の問題、こういうものは最小限度実現すべきである、このような主張でございます。われわれもそのような世論なりまた公取の意見というものは非常にもっともである、どうしてもこれは実現させたいというわけで、法案を公明党としても出しておるわけでありますけれども、そのような段階で財界が全面的にこれを骨抜き、反対、自民党自体も調査会におきましていろいろな考え方を持っております。骨抜きであります。そして、財界と自民党が、この国民の期待に沿わんとする公取の試案というものを骨抜きにするのじゃないかというような疑いが非常に濃い。そういうときにおきまして、通産大臣の所信表明の中にありますとおりに、この独禁法の改正につきましては、前向きにやってまいる。これはあなたの所信表明でわれわれ了解するわけでありますけれども、非常に重大なときを迎えて、通産大臣としましてもどういう態度をとるのかということであります。あえて私はあなたにああだこうだとは申し上げませんけれども、少なくともこの公取の三つの大きな柱、そういうものにつきましては、消極的な姿勢を示すのではなく、むしろ自民党の中におかれましてしっかりする、骨抜きのような方に走らない、これが前向きの姿勢じゃないかと思うのであります。簡単で結構でありますから、非常に重大なときを迎えまして、通産大臣のそのような姿勢というものが問われるときに参っておりまするので、自分は全部政府案に任しているのだ、何も内部において後退するような発言はしない、していないとまずはっきりさしてもらいたい。これはその答えで終わりになります。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 この独占禁止法を改正するということは、これは三木内閣の大きな公約の一つでありますので、通産省といたしましても、これが実現するように取り組んでおるわけでございます。ただ、個々の内容につきましては、目下政府の方は総理府が中心にならまして作業を続けておる段階でございますので、いま御指摘の三つの個々の課題につきましては、私がいま申し上げるのは適当ではないと思いますので、これはちょっと控えさしていただきたいと思います。

松尾信人公明党

○松尾委員 では、少なくとも通産大臣としては、これを後退するような発言は一切ない、このように了解していいですね。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 そういうことではございませんで、この個々の具体的な問題について意見をこの場で申し上げるということを差し控えさしていただきたい、そういうことを言っておるわけでございます。まだ政府の方で作業中でございますので、いま私の意見を申し上げるのは適当ではない、かように考えておるわけでございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 慎んでひとつ控えてもらいたいと思います。  時間がありませんので、簡単に私も聞きますし、簡単なお答えを願いたいのでありますけれども、石油の消費節約の問題、これはOECDの本部におきまして開かれておる国際エネルギー機関、IEAの理事会でもいろいろ石油消費の節約目標について、各国から意見を出しておりますし、大体その節約目標は一日二百万バレルというようなことに決まったように聞くわけであります。そして、日本はそういうものを受けて一日に十五万バレルの節約目標が立てられなければいかぬ、また立てたというようなことも聞くわけでありますけれども、これはどうか。そうすると、大体、日本の一カ年の消費量の約一割というものが節約目標として立てられていく。目標というものは、これはできるだけ達成しなければいけません。ですから、そういう目標は果たしてきちっとあるのか。目標が出た以上は、これを実現するために政府としては、一日十五万バレルのこの節約目標というものをどういうふうにして達成しようとするのか、その基本の考え方というものを明確にしてもらいたい。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 お答えいたします。  消費節約をIEAでいろいろ討議されておりまして、ただいま松尾先生おっしゃられましたように、本年の節約目標一日二百万バレル、これは参加消費国十六カ国、これにニュージーランドが加わりました十七カ国の節約目標が、いまおっしゃられた二百万バレル・パー・デーという目標になっておるわけです。  それに対しまして、日本がIEAの方に、これは昨年でございますが、日本の節約予定として通知いたしましたのが、ただいま御指摘がありました十五万バレル・パー・デー、一日十五万バレル、これが原油換算で年九百万キロリッター、こういう数字になっておるわけでございます。これにつきましては、一応、二百万バレル・パー・デーを十七カ国でやるという目標になっておりますが、しかし各国別の割り当てはございません。十七カ国で努力してその目標に達成するように、こういうふうになっています。  そして、今度は日本の立場になりますが、私どもが去年、先ほど申し上げましたように、IEAの事務当局に通告いたしました十五万バレル・パー・デーというものを、どういうふうにして節約するかという御質問に対するお答えになりますが、これにつきましては、現在、内閣に設置されております資源とエネルギーを大切にする運動本部というところで節約計画を立てておるわけでございます。これにつきましては、昨年の十二月末に節約の大要を発表いたしたわけでございますが、その内容を簡単に申し上げますと、生産部門におきましては、事務所その他の管理部門は一〇%を目標として節約する。それから、生産部門がございますから、その分につきましては、できるだけ原単位の効率を上げて節約をする、こういうふうになっております。それから、一般民間の消費節約につきましては一〇%を目標としてやる。それから、官庁におきましては、若干率が上がりまして一三%を目標としてやる、こういうことで節約の方針の大綱を立てておるわけでございますが、これによりまして本年度は——本年度と申しますのは昭和五十年度でございますが、五十年度につきましては、先ほど申し上げました十五万バレル・パー・デーの節約をする、こういうふうになっております。

松尾信人公明党

○松尾委員 十五万バレルに対するいろいろの目標をいま答えられたわけであります。それを各部門に分けての目標達成のものをいまおっしゃったわけでありますけれども、どうしてそれを達成するかという具体策ですよね。産業界、これはどういうところでどのくらいしていけばいいのか。鉄鋼なり電力なりいろいろな問題がありますので、これはそういうことを論じますと、これで半時間、一時間を優にとりますので、私はきょうは中小企業の問題を尋ねたいと思っておりますのでやめますけれども、この次は機会を見て、一日一五万バレルのそのような節約目標、これをこのようなパートに分けて、具体的にはこのような手段をとってきちっとやっていくというような、そういうことについて伺いたい。もしもいまあればお示し願いたいし、いままだ検討中で、うんとそこをやっていくんだとおっしゃれば、それで結構でありますから、この次の機会にそういう具体的な各パートにおける施策というものをはっきりされてお示し願いたい。いかがですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○増田政府委員 一例でお答え申し上げたいと思いますが、たとえば生産部門につきまして節約を推進する、これにつきましては、現在、私どもの方でやっておりますのは、一月から三月の間のエネルギーの消費の仕方というものにつきまして、エネルギーを相当使っております三千五百の工場に対しまして、この一月−三月におきますエネルギーの消費量、原単位、それから節約計画というものを全部届けさしております。それからまた、三月が済みましたところで実績報告を出してもらう、こういうことによりまして節約の促進をするということでやっております。そのほかの部門につきましても、それぞれ各種の施策があるわけでございますが、一例を申し上げますと、いまのような形でやっておるわけでございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 それはこの次にしましょう、きょうは時間がありません。ですから、生産部門では、項目ではなくて、こういうところでこうやる。産業構造の転換もありましょう、それに触れていかなくちゃいけませんし、これは時間を割いてこの次にやりましょう。ひとつはっきりお答えできるようにしておってください。  次は、非常に時間がなくて残念でありますけれども、中小企業の最近の動向、実態であります。そして、このような実態から、通産省、中小企業庁というものがどのように対処していこうとしているかという問題であります。きょうは私は、そういうところをもう長々と申し上げませんけれども、非常に中小企業は苦しんでおる。  まず第一点は、最終需要というものが極度に落ち込んでおります。親企業からの受注も激減しております。それで、中小企業が軒並みに業務の内容、態様ですかね、それを縮小せざるを得ないという問題が一点であります。  次には、この設備資金等の前向きのものが、そういう資金需要というものが非常に減ってきておるのじゃないか。赤字補てん等の資金需要というものが増してきておる。こういうことで、全体の資金の需要規模というものは縮小しておる。  三点は、売り上げの減少などで経営内容というものが一段と悪化しておる。お金を借りましても、この金利負担にたえられない企業がふえておる。これは要するに、仕事がないから、金があってもいまさら始まらぬというようなことになってまいりまして、大企業がそれぞれ手を打ちましたように、中小企業におきましても、この従業員の整理、一時帰休を進めておる。  こういうことを放置いたしますれば、中小企業の経営というものは立ち直りの機会を失うわけですね。そうして倒産というものが、一−三月はもちろんでありますけれども、これは四、五、六と、五十年の第一・四半期に持ち越されて、おまけに第二・四半期に及ぶんじゃないかというような懸念が非常に濃厚であります。  いま私があらあらと申し上げましたけれども、このような点につきまして、通産大臣はどのような認識を持っておられるか。そうして、その認識の上に立ってどのように施策を推進していかれようとするのか、まずそこを聞きたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いま中小企業の問題についてお話がございましたが、まず第一番に仕事がなくなっておるということでありますが、これは御案内のように、いまわが国の産業というものは、かつてない不況に見舞われておりまして、業種によって若干の違いはありますけれども、ほとんど全部の産業が二割ないし七割の減産をしておるというのが実情でございます。これは全産業に及んでおる。そういう中に中小企業というものが存在するわけでありますから、中小企業の仕事の量というものも極度に減っておる、こういう状態になっております。  それから、設備資金といいますか、設備投資の意欲が冷えておるのではないか、こういうお話がございましたが、二割ないし七割というふうな減産をしておりまして、しかも在庫はたまる一方である。こういう経済情勢の中におきましては、特例中の特例を除いては、設備投資をしようというふうな業界はほとんどない。設備投資をしておる一部の企業におきましても、それを延期するとか中止するとか、そういうような状態が続出しております。御指摘のようなとおりだと思います。  したがいまして、その中にありまして、特に基盤の弱い中小企業というものは非常に影響を受けまして、経営内容が悪化しておる。いろいろの指標をずっと統計にとっておりますが、生産、在庫等すべての指標は、非常に憂慮すべき状態になっております。  そこで、本日も八時半から経済対策閣僚会議を開きまして、この不況の対策を一体どうしたらよいかということについて、いろいろ相談をしたわけでありますが、とにかく中小企業に対する対策が第一であるということで、中小企業対策といたしまして資金面でいろいろ細かい配慮をしていこうということが一つ、それからさらに、資金面だけでは不十分でありますので、新たに仕事をつくり出していく、需要を喚起する、そういう面でも積極的に配慮しなければいかぬ、こういう二点を中心といたしまして中小企業対策を決めたわけであります。  ただしかし、それでは本日の決定で十分かといいますと、不十分な点もありますので、さらに一ヵ月後にもう一回政府といたしまして詳細に実情を調査いたしまして、本日の決定の効果がどの程度あらわれておるか、さらに進んだ対策をとる必要があるかどうかということを検討いたしまして、依然として不況の状態が続いておるということであるならば、さらに第二回目の思い切った対策をとっていかなければならぬ、かように考えておるわけでございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 そのような中小企業の最近の動向、そういうことからきょうも経済対策閣僚会議で不況対策十項目ですか、そのように報道されておりますけれども、大臣はその前に五項目ぐらい出されておる。私はそういう点においては、案外新しい通産大臣は真剣にやっているな、このような感じを受けました。そしてまた、きょうのそのような不況対策、こういうことを真剣にあなたがやっていこうとされておることも評価はいたします。しかし、非常に遅い。ことしの一月の倒産なんかは、これは件数もそうですが、金額も史上最高ですよ。二月も三月も続いていくのだし、四月も危ない、そういうことを心配されてこのような閣僚会議、不況対策、そういうことを一生懸命やっておられることはわかります。  それで、大体こういうことですか。家具だとか非鉄金属など不況色の強い中小企業に対しまして、市中金融機関による七百億円程度の特別融資の実施だとか、それから四十九年度第四・四半期の公共事業の枠を早期に消化するとか、それから雇用調整給付金制度の対象業種、これは現在三十九業種、労働者約六百万といわれますけれども、これを実情に応じて広げるとか、または銀行の設備投資だとか建築投資の抑制措置を弾力的に運用するとか、住宅の問題とか、いろいろ報道はあるのでありますけれども、この中の主要点について、そういうことをやるのだ、当然考えたのだ、そこまではわれわれは考えて、きょうはこの何項目の中できちっと決めたのだと、はっきりおっしゃってもらいたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 大体いまお話しのような内容を本日正式に決定したわけでございます。なお、そのほかにもいろいろございますが、主たる点はいまお話しのような点でございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 それを一カ月でまた見直そうというのでしょう。いまのような対策を立てて、そして一カ月間いろいろ政策を推進してみて、さらに一番そのときに合った対策というものを強化していこう、こういうお考えをあなたは表明されたと思います。これは大いにやってもらわぬといけませんですね。  大企業というものはもう生産調整の段階を終わりました。雇用調整もほとんど終わりました。次に打ってまいります手は、下請の中小企業の整理であります。発注の激減。そういうところで、自然と下請というものがいよいよ苦しい段階に入る。そこにもう突入しております。ですから、下請の方につきましても、本当に親企業あっての下請であります。親企業、もちろん大事であります。しかし、下請がなくちゃ親企業だけでできませんし、事業所の規模、従業員等につきましても、あなたは中小企業を大事にしていくとおっしゃっているわけでありますから、これを今後は大いにあなたの施策の大きな柱としてやってもらいたいということを要望するわけでありますし、あなたのお答えも聞きたい。  それからついでに、もう時間がありませんので一括して申し上げますけれども、官公需の問題であります。仕事がない、お金よりも仕事だという、このような段階になっておりまして、いよいよ官公需の問題もそこに大きく取り上げられなくちゃいけません。私ちょっとこれは聞いたわけでありますけれども、官公需の問題、これは非常に大きい。四十八年度四兆四千二百億、これが全額でありますが、その中で中小企業向けが一兆二千二百六十億円で二七%、四十九年度が五兆一千三百五十二億円で中小企業向けが一兆四千七百四十億円二八・七%、このように若干ふえております。閣議決定もありましょう。第三・四半期の比率は二九・四%になっております。これを何としてもふやしていかなくちゃいかぬのじゃないか。ふやすとすればどういうところまでふやさなければいけないか。少なくとも四〇、五〇というところまで持っていくというように、あなたはその決定の推進をしてもらいたい。  それから、これは中央だけの官公需でございます。やはり、これは全国の都道府県、そういうところまで官公需というものを拾い上げて、そういう中央以外の官公需を、御承知であれば教えてもらいたい。わかっていなければ、地方通産局が県その他とタイアップしまして実態を調べて、そしてそこには中小企業はどのくらい官公需の発注を受けておるのか、それをどのようにしていったら地方に全部分散しておる中小企業、そういう人々がどのくらい助かるかという点から私は聞いておるわけでありますけれども、あわせてお答え願いたいと思うのであります。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 官公需の中小企業向けの数字は四十八年度は二十%、それから四十九年度の当初の目標はお話しの二八・七%で、そのとおりであります。ただしかし、先ほど来お話し申し上げておりますように、最近中小企業の仕事が非常に減っておりますので、総理の方からも特別の指示がございまして、中小企業の仕事を何とかふやすわけにいかないのか、まず官公需のパーセンテージをひとつ考えてみろということで、関係各省が寄りまして相談をいたしました結果、とりあえず本年度の目標、四十九年度の目標でございますが、それを三〇%にとにかく引き上げよう、こういうことを先般正式に決定をしたわけでございます。  お話によりますと、これを一挙に四〇%、四五%にできないかということでございますが、これはできればいいのですけれども、中小企業にはやはりおのずから能力とかあるいは施設とかいろいろな問題がありまして、五十年度の分については若干パーセンテージは努力をいたしまして上がると思いますが、お説のようなところまで一挙に上がるということは、現状から推してこれは不可能ではないか、こう思いますが、できるだけ上げるように努力するつもりでおります。

松尾信人公明党

○松尾委員 いまの中でお答え漏れば、地方の官公需はどうかということです。それから、大手企業というのはもう合理化の一環としまして雇用対策もやった。調整、これは人員整理ですね。一時帰休の問題、新規採用の取りやめ、管理職の賃金カット、そして内部体制を固めたわけですよね。そして、それが今度は外へ向かって発動するようになっております。外というのは下請であります。ですから、今度は下請の方へ矛が向いてくる。それは支払い条件の長期化、発注のやはり削減、このようにしてどんどんこちらの方へまいりまして下請の倒産というものが非常に心配される。この問題についてはいかがですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、産業界では各業界とも非常に大幅な減産をしておりまして、実はすでに下請の方にはもう出るべき影響は相当出ておるわけです。この仕事の量の問題、それから支払い方法の問題が出ておりますので、これは十分注意をいたしまして、できるだけこの被害の少なくなるような方法を具体的にいま検討し、相談をしておるところでございます。十分気をつけてやってまいりたいと思います。  なお、地方の官公需の問題につきましては、長官からお答えをいたします。

齋藤太一中小企業庁長官

○齋藤(太)政府委員 四十八年度の実績でございますけれども、地方の公共団体の中小企業向けの発注の割合は全国平均で六五・七%という非常に高い数字でございます。これは先生御案内のように、地方の場合にはたとえば工事等も国の場合と違いまして小規模でございますし、中小企業向けの仕事が、予算そのものが多いということでございます。国の場合には、国のほかに公社、公団等の官公需も全部含めましての比率でございますので、地方のような高い率にはなかなかまいらないという事情がございます。

松尾信人公明党

○松尾委員 最後に、要望でございますけれども、先ほどからくどくど言っておるように大企業の万は諸手当が一巡いたしまして、今度はそれが下請とそして中小企業の方へ向けられてくる。仮に景気が上向いてまいりましても、そのときには資金需要等は優良企業に先に食われてしまって、先取りされて、本当に困っておる中小企業にはその資金も回ってこないのではないかという心配までされておる。倒産はことしの一月は本当に史上最高であります。件数、額ともここに持っておりますが、時間の関係であえて申しませんけれども、これが二月、三月、五十年度第一−四半期、そういうところに入っていくというおそれが十分あります。ですから、ひとつ通産大臣としても、いままでのあなたのお話のとおり、中小企業を本当に大事にするのだ、そしてきょうの経済対策閣僚会議でお話のとおり、そういう施策をやってはながめ、そしてそのやった跡をよく検討しながら次の手をおくれずに打つ、これをひとつ本当に真剣にやっていただきたい。  一言、どうかという決意を承りまして、私の質問を終わりたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 日本の場合は、産業構造から言いまして中小企業が非常に重大なウェートを占めておるわけでございます。したがいまして、この中小企業対策を十分やらないで産業政策というものは成り立たぬと思います。特にこういう大事なときでございますから、御指摘のような点は十分注意をいたしまして中小企業対策には万全を期していきたい、全力を傾けたい、かように考えております。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長代理 これにて本日の質疑は終了いたします。  次回は、来る十八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時六分散会

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