社会労働委員会 第26号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/07/03
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小宮武喜君。
○小宮委員 私は、療術師の身分の制度化について質問したいと思います。この件については、昨日の請願処理の際も百六十九通ぐらい請願が出ていたわけですが、そういうような立場からこの問題について、限られた時間内において質問いたしたいと思います。 現在、あんま、マッサージ、指圧、はり、きゅう、柔道整復以外の療術行為業を行っている者で昭和二十三年一月一日に登録された有資格者が大体どれぐらいおりますか。――後で答弁をお願いするとして、ひとつ大臣が知っておるところだけ大臣に答えていただきたい。 昭和二十二年に医療類似行為が禁止されておりますが、その際禁止された理由についてひとつお伺いします。
○田中国務大臣 医療類似行為の現に開業している者の数字については、後ほど政府委員から答弁をいたさせます。 医療類似行為が原則禁止になった理由というのは、その内容、効果について、いわゆる西洋医学的な手法によるところの科学的究明がされておらないものが多く、さらに、その節から、それ以前から問題になっておりましたが、人体に有害なものがあるというふうに言われております。また、それ自体はさして有害ではございませんが、無害、無効であるがゆえに正しい医療を受ける機会を失する、機を逸するといったような危険がある等の理由によりまして、これについては、原則的にその施術を認めることは保健衛生上適当でないというのが当時の判断だったというふうに承っております。
○小宮委員 少し駆け足で行きます。 二十二年に禁止するに当たって、既得権尊重ということで、届け出者に限り昭和三十年まで暫定的に業務継続ということが認められているわけですが、その後三十年、三十三年、三十六年と三回にわたって三年ずつの期限延長が行われ、三十九年の法改正に当たっては、届け出のあった既得権者に限って無期限営業が認められているわけですね。と同時に、療術の今後の取り扱いについて、あん摩等中央審議会に対して諮問がなされております。さらには四十七年には、答申を促進するため、厚生大臣は四十九年度末までに答申を参酌して必要な措置をするよう法律改正が行われまして、ようやく諮問以来十年余りを経過して、昨年の十二月十九日に答申が出されたわけでございますが、それも審議会では意見の一致を見ることができなかったので、いわゆる差し戻しということで、また厚生省はひとつ十分検討しなさいということになっておるようでございます。この十年間に意見の一致を見なかったその理由はどういうようなところにありますか。
○滝沢政府委員 実は三十九年以来十年を要しているということでございまして、この四十九年末をもって適切な措置をしろという法律改正、先生おっしゃるとおり、そのときにあん摩等中央審議会に諮って検討しろ、こうなっておったわけでございます。現実には、最終的にともかく法律で決められて、期限も定められたものですから、審議会としてはずいぶんエネルギッシュな審議をされたわけでございますけれども、率直に申しまして、この審議会は各種養成施設等の許認可等を、審議する機関として、各界の関係の代表者が出ておるわけでございます。そのところへこのような問題の審議をお願いしたということで、率直に言って、各委員が背後にありますところの団体の利害を超克できなかったと申しますか、この問題がやはり各団体の利害に大きく関係しておったということもございまして、どうしても対立した意見が繰り返されておる、こういうことが事実としてはあるわけでございます。 取り扱いを決めるに際しましては、その効果効能とか危険性の有無、その程度等、医学的、技術的な専門的事項を審議の対象とせざるを得ないというのでございまして、この審議会で検討しろというふうになっておりましたけれども、その審議の委員の内容がそのようなことを審議するに適した委員でない。初めからわかっておることじゃないかと言われればそれまででございますけれども、やはり審議はその場でやれとなっておりまして、なおかつそういう事情であった。こういうことで今回の結論は、至急その専門家にこの科学的な検討をしてもらって、厚生省として責任持った答えを出せというのが結局二年間の審議の結論であった。御存じのとおりそういうような結果になったわけでございます。 先ほどおくれてまいりましで恐縮でございましたが、数の問題でお尋ねがあったそうでございますが、結論を申しますと、四十八年十二月三十一日現在の就業の届けをつかんでいる者は三千百七十八でございます。昭和二十二年の法制定により届け出を受理された者が、死亡者等除き九千三百五十三。それから三十九年の法改正で届け出を――これは救済制度をやったわけでございます、このとき二千三百十九ということで、四十二年十二月三十一日現在では、そういう数字の上では一万一千六百七十二。四十八年十二月三十一日の就業者の数を調べてお届けいただいた方の把握は三千百七十八、こういうことでございます。
○小宮委員 あん摩等中央審議会で十年間にわたってなかなか結論が出なかったというのは、いま言われるように構成委員のメンバーを見ても、やはりその利害が相反する人たちの集団である、構成であるというためでなかったかということは、これはもう私もそのとおりだと思います。 そこで、今回の答申では、厚生省は一応の結論を出すにしても、その決定に当たっては再び審議会に諮問せよということになっておるわけでございますが、そうなると、いわゆるいままで十年間にわたっていろいろ利害が相反するということで結論が出なかったものが、また再度今回の答申に当たっては審議会に諮問しろということになっておれば、せっかく厚生省が何らかの知恵をしぼって一つの結論を出したとしても、また審議会でその意見の一致を見ることは非常にむずかしいのではないかというように私は考えますが、その点については厚生省としてどのように考えられておるのか。
○滝沢政府委員 確かにおっしゃるように形の上でまた諮問するようになっておりますので、また利害対立して、大いに議論してさっぱり結論が出ないのじゃないか、おっしゃる懸念もわかりますけれども、今回の研究班の研究成果を得た上で、今回は厚生省においてこの医業類似行為の取り扱いに関する具体策を決定するわけでございますので、その際に、この決定に当たって審議会の意見を聞くという方式ですから、今回は決定の責任は厚生省側にあるという姿勢が明確でございますので、その点はまた議論が延々続くということを避けることはできる。そういう意味で厚生省の責任において、一応は意見ば聞くけれども、最終決定は行政の責任においてやる、こういう形になっておりますので、その点については今回のような長期にわたってまた議論を繰り返すということは避けられるというふうに思っております。
○小宮委員 答申によりますと、医学者等の専門家による研究班の構成というものがうたわれておるわけですが、この研究班はもう発足しておるのか、またいま現在どの程度の作業をやっておるのか、それでまたいつごろその研究班の結論というものが出される見通しにあるのか、その点いかがですか。
○滝沢政府委員 今回の研究班の構成、作業の内容、審議内容は、実はこの問題の複雑性にかんがみて公表しないことになっておりますが、お尋ねのような進捗状況でございますけれども、これは昨年の暮れに答申が出されまして、至急人選に取りかかりまして、最初の会合は翌年五十年の二月二十七日に開催して以来、会合をすでに二、三回重ねております。 その議論内容は具体的に公表申し上げるということを避けたいと思いますけれども、かなり慎重にそれぞれの府県なり業界の実態を相当細かく把握したいという委員の方々の非常な意欲的な考え方でございます。したがって、これはなるべく早くということでございまして、われわれとしても、関係の皆様方の御意見の中にも、行政が責任持つと言いながらまた三年も四年もかかるということに対する懸念がございますけれども、ただ研究者の御意見を徴するに一年でやれというのは無理だということはかなりはっきりとした意見として出ておりますので、そうなりますと、一年以内にということは無理であるがなるべく早急な結論を得たい、こういうような方向でただいま考えておる次第でございます。
○小宮委員 この研究班でも療術行為の実態についても当然調査されるようになっておりますが、この療術行為の実態についてですが、すでに昭和二十四年、二十五年の二カ年にわたって調査費も百万円を使って北大医学部、北大登別分院、東大医学部、東京医大、横浜市大医学部、九大別府温泉研究所等で療術業者の施術の臨床実験も行われているわけです。また、昭和二十六年、七年にも慶応大学医学部、慈恵医大等で療術の器具の調査が行われております。したがってその結果、おおむね無害有効の調査結果が出ていると私は伺っているわけです。さらに四十八年には療術調査の予算が計上されて、四十九年二月ごろから厚生省の委嘱による医学界の権威者によってカイロプラクティック、電気光線、器技についての調査も実施されておりますので、その点報告はすでに厚生省になされておるはずであります。したがって、今回発足した研究班もこれと同じような調査をするのか、もしそうであれば、やはりその調査期間が長くなるということもありますが、十分これまでの調査を参酌すれば、やはりもっと早く結論が出せるのではないかというような気もいたしますが、今回の研究班が療術の実態を調査するということについて、いままでのせっかくやった調査結果報告が出ているわけですから、それはどのように参酌されるのか、その点いかがですか。
○滝沢政府委員 先生が具体的に挙げられましたような研究の場所で行われて、われわれとしては昭和二十五年に電気療法、温熱療法を中心に十六件の個別研究がございますし、その報告を受けております。四十八年に電気光線療法、温熱刺激療法等で七件の研究成果がございます。この研究成果は、先ほどお尋ねのございました審議の過程でも実は資料としてお渡しし、審議の資料にしましたけれども、やはりそれはかなり参考にはなったにしろ、結論を出すためのものとしては部分的に過ぎるという御意見があったようでございます。もちろん今回の研究班は、これら過去の資料はそれぞれの権威のある方々の研究成果でございますから十分な参考資料にはされるわけでございますけれども、今回の調査は、業種の技術的なそれぞれの違いというものを区分しますと、三百数種類にのぼるというような技術的な面の違いがあるものですから、かなりこれを広範にわたって調査して結論を出したいというような研究班の御意見でございます。もちろん参考にはされますけれども、それ自体研究班としての責任で調査を進めるという意欲を持っておられるわけであります。
○小宮委員 療術行為は、あんま、マッサージ、指圧、はり、きゅう、柔道整復とは違った簡易療法として発達してきたわけですね。そこで、いまでは多くの国民の生活の中にも溶け込んでおりまして、利用者もかなりふえているわけです。そういうようなことでふえていながらも、既得権者の人たちは、これは昭和二十二年のことですからすでに老齢化しておるというような状況の中で、なかなか新しい人はふえない、この人たちは年をとっていく、あるいは先ほど数字がありましたように亡くなる方もおるというようなことで、需要に応じ切れないというような実態も現在出てきているわけです。そこで、無届けの無資格者がふえているということをわれわれは常に聞いておるわけですが、特に昭和三十五年に最高裁の、無資格者による療術行為について有害のおそれのない療術行為の禁止処罰はできないという判決が出てから、無資格者による療術行為が非常にふえているわけです。 そこで、今日まで庶子の取り扱いを受けてきたこの人たちを、正常な業務として、特にカイロプラクティック師、電気光線師、器技師の三種については免許制として、法律に基づいて制度化すべきじゃないか、そうしないと、一代限りではあるけれども、亡くなるまではやはり既得権として療術行為をやっていくわけですから。それと同時に、亡くなってしまうと、そういったすきをねらって無資格者がふえていく。この際やはり法律によって身分を制度化すべきじゃないか。これはあくまで免許制として、この際はっきり嫡子として認知すべきじゃないか、こういうふうに考えるのですが、どうですか。
○滝沢政府委員 確かにおっしゃるように、最近アメリカなどでやっておりますカイロのような問題は、若手の方でもかなり勉強しておられるような方もございますので、何でも年寄りの方で、もう将来これは意味がないというような見解はわれわれも持っておりません。おっしゃるように確かに愛好者が比較的国民の中に多い。ただ、それだけで身分制度なりこういう制度を実際の――たとえば先生おっしゃった最高裁の判例も、無害ならいいじゃないかというのは、主として職業選択の自由という基本理論から出発しておられるようでございまして、われわれも聞くところ、裁判官の中にも、職業選択というだけじゃなくてやはり医療の国民への及ぼす影響を考慮して、必ずしも全員の賛成でなかったような面もありますが、結論としては確かにそういうことが出ているわけでございます。 そういうことももちろん踏まえながら、今回こういう状態になって、世論としても、あるいは先生方の御意見の中にも、何とかはっきりさしたらどうか、しかも法律で期限を切ってまでこの処置を明確にしろということでございます。そういう意味で、われわれとしては今回の研究班に有効性、有害性の有無、程度、適応症、禁忌の有無、程度等を十分検討していただきまして、そして先生のおっしゃるような方向をどういうふうに――導入すべきものは導入する、これはだめとするものはだめとするというように、いろいろはっきりした措置をしろということでございますから、われわれとしてもそういう観点に立ちまして、研究班の結果を十分踏まえて行政士の判断を下したい、こういうふうに考えております。
○小宮委員 研究班がどういうような結論を出されるか知りませんが、いわゆる三百種以上にわたる療術行為の中で、有害、無効のものは困りますけれども、しかし無害、有効のものは、そういうように取捨選別されたら、そのものについては当然法律で制度化するというお考えというように理解していいわけですね。 それからさらに、昨年十月に発表された総理府の世論調査でも、療術行為については、他の医業類似行為と同様、学校教育による免許制度として新規開業を認めたらどうかという声も五五%を超えておるわけです。よって、療術師の業権といいますか仕事の権利というか、また人権確保の立場からも、いまの結論が出たらやはり早急に法の規制をして保護していく、また育成をしていくというふうに考えておりますが、そういったことで、いまの世論調査を見ても、やはり学校教育によって免許制度を認めたらどうか。これはあんま、はり、きゅう師はみんな同じですけれども、そういうような方向で、今後研究班の結論が出たらそういうふうにするというふうに理解していいですね。
○滝沢政府委員 こういう身分制度の問題について行政措置が行われてきた歴史を見ますと、たとえば視能訓練士のように、学校をまずつくって、そしてその方が卒業するまでに必要だから身分法をつくる、そのかわり、そのときにもうすでに既得権的にその業に従事している方を講習会その他で救済する、こういうような形をとっておるものと、それからいまここで問題になっておりますように、現実にたくさんの業種の方がおられる、その方々を――もしそれが認めていいものならば、学校制度だけでしぼろうというようなことになるとその現在いる方をどうするかという問題と、それから今後の若い人たちを育てていく必要があるというふうに認められた業種として確立する必要があるというふうに答申の結果行政が判断すれは、やはり事医療に関することですから、しっかりとした教育制度の中からそういうものを確保していくという方向は当然検討される問題と思います。したがって、若手の今後の方々とすでにいまある方をどうするかという問題は常にこの問題には絡まることでございますので、決して教育制度というものをいまの段階で否定する必要もないと思いますけれども、要は、現状のこの問題提起の主体は、現在この業に従事している方の身分制度の確立ということが非常に大きな声になっておるということも理解しながら、この処置は考えなければならないというふうに思っております。
○小宮委員 最後に一点。 昭和二十二年当時届け出をやった際に、届け出漏れの人たちがいたわけです。しかし、その人たちは昭和三十九年の法改正によって再度救済する道を開いたために、われわれ自体も一応ここで救済された、こういうふうに考えておるのですが、しかし現実には届け出の期間に間に合わなかったとか、あるいは証明者が不明のために書類が整備できなかったとか、または本人の病気その他の不可抗力な事故によって届け出が提出されておらない方もまだまだおられるということを聞いておりますが、この点については救済する考えがないかどうか。その点だけ最後にお聞きして、私は協力をして五分間節約して質問を終わります。
○滝沢政府委員 お尋ねの趣旨はよくわかりますけれども、いまこの基本の制度をどうするかという問題を論じているときに、救済問題に手をつけることは――やはりこの問題の結論を待って、そしてその業種に該当するものがあれば、その問題はもう一度議論される場があるだろうと想像されるのでございまして、そういう面で、先生に対するお答えとしては、救済問題はお預かりと申しますか、これはやはり問題があるというふうにお答えいたしておきます。
○小宮委員 質問を終わります。
○大野委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 きょうは非常に時間が制約されておりますので、二点にしぼりましてお伺いいたしますけれども、最初の第一点は、原爆被爆の皆さんの中に、非常に現在の被爆者の援護についてはまだ不十分で、御承知のようにこの世界で一つしかない被爆国で、まだ非常に困っておる人たちがあるわけですが、その中で、大臣、こういう人がいるのです。胎内被爆を受けまして、そしてその子供ができた。わずか一尺くらいの子供です。そして手足も動かない。そのために生活保護だけではどうもならない、介護に非常に過労で、どうにもならないという人、こういう方で、両親ときょうだい十一人が一遍に被爆して自分だけしか残っていない、それでそういう子供がいるんだということで非常に大変な生活をなさっております。三木内閣は社会的公正、そしてこういった社会的に弱い方を救済していこうという姿勢でありますから、その中で私、二点ほどお聞きをしておきたいのです。 まず健康管理手当なんですが、これが住民票、診断書それから所得証明、これを毎年出さなければならぬということで、この手続は普通の方ですと簡単にできるのですけれども、こういった被爆をされた方が、医者の診断書をとるにしても二千円から三千円かかる、それからいろんな手続に非常に苦労しておる。御承知のように、原爆の被爆をされた方はそんなに急に一年たったら症状が変わってよくなったというようなことがないわけなんです。したがって、簡単に、たとえば毎年のやつを少なくとも三年ぐらいにするとか、こういうようにできないのかどうか。これは非常に要望があるのですが、これについてひとつお聞きしておきたい。
○佐分利政府委員 原爆特別措置法に基づきます健康管理手当は、厚生大臣が定めております十種類の障害を伴っておる疾病のある方に支給するものでございます。したがって、そのような疾病の状態でなくなれば、当然支給は停止されるわけでございます。しかしながら、ただいま御指摘のございましたような手数が煩項であるというような御意見がございましたので、昨年の七月、健康管理手当の支給期間を大幅に改めまして、従来は造血機能障害で貧血以外の者とか、循環器の障害、こういった者は支給期間が三年であるけれども、その他は一年であるとなりておりましたものを、鉄欠乏性貧血と肝臓機能障害と脳血管障害、この三つだけを支給期間を一年にいたしまして、その他は全部三年にしたわけでございます。 〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕 しかし先ほども申し上げましたように、この手当は当該疾病の状態にある方々に支給する手当でございますので、医学的な経過だとか、あるいは過去の実績とか、そういうものを考えながら支給期間は厳密に定めなければならないと考えております。
○岡本委員 大体、被爆者の特別措置法、そういう法律になっておりますけれども、本当から言えば国が賠償しなければならぬ、あるいはまた軍人の恩給と同じような姿にしなければならない、根本的に言ってもそうでありますが、しかし毎年同じ診断書あるいは住民票あるいは所得証明を出す。これもまた三年ぐらいまで延ばしていく――一年ぐらいではこれは解決しないんですよ。しかもこの書類を送りましたら、厚生省の方ではこの事務処理をやっているのがたった一人だというようなことを言っておりましたが、非常におくれて来るということですから、何とかこれを、せっかくほかのものを三年にしたのだから、この一年というやつを三年にしていく。あるいは住民票とか所得証明――診断書だけというのであればまだ話がわかるのですね。普通われわれ達者な者といいますか、そういう者だったら簡単に行けるのですけれども、この方々はこの一つを取りに行くだけでも大変なんです。中には食養生をしなければならぬとか、非常に体が不自由なんですね。貧血症、胃腸が弱い、毎日果物、野菜が必要だ、こういうように食養生が必要だ、非常に血色が悪い、ちょっと傷をすると傷口が治りにくい、こういうようなことですから、何とかそこのところを、じゃ健康診断だけでいいというような処置にまでならないですか。これをひとつ……。
○佐分利政府委員 健康管理手当は、短い場合で一年間を給付期間にいたしております。したがって、当該被爆者が住民でなくなるおそれもあるわけでございますし、また御案内のように所得制限もございますので、前年の所得税額というのは毎年確定していかなければならないわけでございます。したがって、健康管理手当につきましては、住民票とかあるいは所得税額の証明書を省略することは困難であると考えております。 しかしながら、たとえば医療手当だとか介護手当のように毎月支払うものについては、そのような書類はできるだけ簡略化するようにいたしております。
○岡本委員 大臣、これは事務当局だとどうしてもそうなるのですが、実際にこういった被爆された方の不自由な姿を見ましたら、もう少し便法を考えて、たとえ一つでも証明書を少なくしてあげるというような前向きな検討をお願いできないだろうか。これはひとつ大臣の政治的な判断をお聞きしたいと思うのです。
○田中国務大臣 この種の事務的手続につきましては、ただいま局長から申しましたとおりそれぞれ理由があってそのようになっているものと思いますが、しかし先生の御意見等もあり、またこうした関係の皆さんの強い御要望もございますが、どれがどこまでやれるか、ここでいろいろと即断的に申し上げることを私は避けたいと思います。できるものならばできるだけ簡素化するようにいたしたいと思いますが、検討をさせていただきたいと思います。
○岡本委員 次に介護手当の問題ですが、これも省令の三十一条に、診断書と、費用を支出して介護を受けた日数あるいはその費用、住民票、所得税証明、こういうようにあるわけですが、いま局長は、これは支出した費用、これだけの証明があればいいのだというお話でありますけれども、この厚生省の省令はまだそのままになっているのです。ですから、この省令に基づいて各都道府県はやっているわけですから、簡単に、この省令がありながらそれはもうよろしいのだ――じゃこの省令も一ぺん検討することが私は大事じゃないかと思うのです。それは各都道府県で大分違うと思うのですよ。この点いかがですか。
○佐分利政府委員 たとえば介護手当につきましても、初めて支給を始めますときにはその省令にあるようにすべての手続を必要とするわけでございます。診断書とか介護日数、介護費用を証明する証明書、世帯住民票、所得税額ということになるわけでございますけれども、この手当につきましては毎月申請して毎月支払う手当でございますけれども、先ほども申し上げましたように、世帯住民票とか所得税額、こういったものについては省略することにいたしておりまして、県において大きな相違はない、本省の指導どおりやってくれておるものと考えております。
○岡本委員 これは私兵庫県の被爆者の皆さんにお会いしまして直接お聞きしたのです。私、この話を聞きまして非常に――この方々がこういう証明を要らないのであればそんなことは言わないのです。ですから、一応あなたの方で県を指導してもらいたい、これを一つ要求いたしておきますが、いかがでしょうか。
○佐分利政府委員 そのような事例はないと思うのでありますが、もう一度よく点検をいたしまして、指導を強化させていただきたいと思います。
○岡本委員 じゃ時間がありませんから、次に、これもやはり同じように社会的に非常に弱い立場にありますところの聾唖者の皆さんのことでありますけれども、全国に約七万二千名の六十五歳以上の聾唖者が、聾唖者用の老人ホームにひとつ入所したいというような意見が大分出ておるわけですが、これに対しての厚生省の見解はいかがですか。
○翁政府委員 老人の中で身体障害を持っておられる人々のそれぞれの専門的な老人ホームが必要かどうかということにつながる問題かと存じます。御承知のとおり、盲老人につきましては全国に二十七カ所ほどの専門の盲老人ホームがございます。ただ、聾唖の方々についての老人ホームが必要かどうかということについては、必ずしもそういった方々を一カ所に集めることがその人々の福祉にプラスかどうかということも、ある程度考えなければならないと存じます。ただ御指摘のような試みも現にございまして、一部の県におきましてはそういう計画もあるやに伺っております。したがいまして、今後こういった専門的な老人ホームというものをつくる方向に行くかどうかということについて、盲を除いた身障の老人ホームについて少しく検討させていただきたい、かように思うわけでございます。
○岡本委員 こういう聾唖の年寄りを集めるのはどうかということですけれども、聾唖の皆さんはほかの方とお話ができないのですよ。ですから一日黙っていなければならないわけですね。そこへ私どもちょこちょこお見舞いに行ったりするわけですけれども、それでも言葉が通じない。それで、聾唖の皆さん同志であるとお互いに手話で、手でいろいろ話し合っているでしょう。ですから私は一カ所に集めるのはどうかというのでなくして、お年寄りがそうして一日を慰め合いながら生活できるような試みをひとつやってもらいたい。これは各県でそういうところがあるらしいというよりも、やはり厚生省の方で少し指導をして、どこかにそういう試みをしてつくってもらいたい、こういうように思うのですが、いかがですか。
○翁政府委員 確かに御指摘のように聾唖の人々はそれなりの世界に閉じこもりがちでございますから、他の人といわゆるコミュニケーションがむずかしいということは十分わかるわけでございます。ただ、御承知のとおり現在老人ホームあるいは特別養護老人ホームは全体としてまだ数が少のうございます。したがいまして、できるだけ全体としての数をふやしていくということをまず第一に考え、同時に、ただいま御指摘がありましたように、専門的なそういった老人ホームというものも今後の一つの課題ではないかというように考えておりますので、県等でそういったことの試みのあるところについては積極的に御相談にも乗ってまいりたい、またそういう場合に、どういうような老人ホームであるべきかということについては、厚生省の方におきましても実情に即したものにするべく検討もし、努力もしてまいりたい、かように考えております。
○岡本委員 ぜひひとつ検討していただきまして、実現をしていただき、そしてまた一つどこかできれば、後また各県も右へならえしていくと思うのです。それを要求いたしておきます。 次に、大臣、こういうことがあるのです。実は病気になりまして、この聾唖の皆さんが病院へ行く。いま病院では朝から待って夕方まで帰れないというような非常な混雑なんですね。この聾唖の方が一番早く行く、ところが呼び出しがあるのですが、だれだれさん、何々さんという声が聞こえないものですから、夕方の一番おしまいまで待っていて、あなた、なぜ残っているのだということで診てもらうというようなことで、病院へ行きまして非常に困るというのです。私ども全然わからなかったですけれども、本当に一人一人の要求を聞いてみると、こんなことなんです。何とかひとつ、病院で受付のときに、この方は聾唖だとわかるわけですから、どうにかしておいて、順番が来たら何とかいい便法を考えて、この方々の御要求を満たしてやりたい、こういうように私は思ったのですが、これについてどういうように各病院に指示をなさるか、ひとつお聞きしておきたいと思うのです。
○翁政府委員 きわめて具体的な御指摘でございますが、確かにいわゆる聾唖の人々がそういう病気になって病院、診療所に行かれた場合、非常に不便を受けられるということがおありだろうと思います。一般的な問題といたしましては、各地の福祉事務所あるいは身体障害者更生相談所等におきまして、そういった場合に、地域のボランティアであります手話奉仕員という人をお願いすることも一つの方法だと思います。ただ、ただいま御指摘がございましたように、朝早く行って最後まで一緒にその人に奉仕するということは非常にむずかしゅうございます。したがいまして、そういった場合には、手話奉仕員の人がとりあえず一緒に行っていただいて、そして病院の事務の方に筆談等のできるような体制、あるいは場所を異にしてすぐにわかるような方法にすることが一つのやり方ではなかろうかと思います。そういった意味で、幸い身体障害者のモデル都市も大体各県に一つできておりますが、単に建物だけでなくて、そういったいわゆるサービスと申しますか、コミュニケーションの問題についても行き届いた措置ができるような方向で、今後具体的な問題として対処してまいりたいと思います。
○岡本委員 福祉事務所の方で調べてみますと、手話の通訳をする人は常駐もしていないわけです。それで私、一つの事務所に一人くらい常駐するような要求もしたいと思ったのですけれども、なかなかすぐにはそうもならないだろう。それでありますから、あなたがおっしゃったように一緒に病院へついて行って――この聾唖者の皆さんは、見ていますと字は読めるのです、筆談はもう全部できるのですよ。ですから、マイクで呼ぶだけじゃなしに、入り口で受け付けのときにわかるわけですから、何か書いて見せるとか、そうたくさんの方が行っておるのじゃないわけですから、ちょっと病院の方の手数がかかると思いますけれども、何らかのいい方法を一遍検討してもらいたい、こういうように思うのです。その点について再度お聞きしておきたいと思います。
○翁政府委員 福祉事務所なり更生相談所におきましては、週に日を決めまして、手話のできる人を窓口に配置するようにいたしまして、ことしも新たに五百万ばかりの予算を組んでおるわけでございます。ただ、御指摘のように、毎日、常時福祉事務所等の窓口におりませんので、そういった点は今後の改善事項ではなかろうかと存じます。 〔竹内(黎)委員長代理退席、住委員長代 理着席〕 それから、病院等の窓口の問題につきましては、わが国は幸いに非常に教育レベルが高うございまして、御指摘のように聾唖者の人も大体筆談のできる人々でございますので、まず最初に行かれたときに、窓口でそういった単に呼び出しでない方法を徹底するように、また病院等でそれが受けられるような仕組みというものがやはり社会福祉の基本にとって必要だろうと思います。そういった点について、機会あるごとにそういう方法がとれるように指導もし、また助成もしてまいりたいと思います。
○岡本委員 では、その方法はひとつ極力早く検討して、とれるようにしてもらいたいと思います。 そこで最後に、聾唖者の自動車の免許の習得の問題でありますけれども、この条件はいまどうなっておるのか、これについてひとつ警察庁の方からお聞きしておきたいと思います。
○八島説明員 お答え申し上げます。 聾唖者の運転免許の取得につきましては、従来、特に耳の聞こえない程度がそれほどでもないといういわゆる難聴者の方につきまして、補聴器をつけて適性試験を受けることを認めていなかったのでございますけれども、一昨年の八月以降、このような難聴者の方が補聴器をつけてある程度の音が聞こえるならば免許を与えても差し支えないのではないかということで、そのように運用をしてまいりまして、昨年末までに、このような措置によりまして二千四百五十六人の方がすでに免許を受けておられるわけでございます。 問題は全く耳の聞こえない方の問題でございますが、警察といたしましては、このような気の毒な方につきましてもできるだけ免許が受けられるように措置をいたしたいという姿勢でございますけれども、現実問題といたしましては、先生も御承知のように、現在の道交法の通行方法等につきましては、たとえば緊急自動車に対する避譲義務とか、ある程度音が聞こえることを前提としました諸規定がございますので、いま直ちに全く耳が聞こえない方に免許を与えることについては、なお検討を要するところだと思うわけでございます。ただ、幸いに厚生省の方で中心になりまして、音を光に変える研究とか、そういう研究を現在進めておられまして、将来、そういう研究の結果も待って、できるだけこのような方々にも免許が受けられるような方向でわれわれとしても今後努力してまいりたい、かように考えておるところであります。
○岡本委員 いまあなたから話がありましたような音を色に変えるとか光に変えるとか、そうした目で見えるようにする自動車の開発、これは私はやはり必要だと思うのです。いま改良するようにしているらしいですが、そういう自動車が開発された場合に――すでに身体障害者の皆さんに対しては、そういう自動車を購入したり、そうした点に対しては補助制度というものがあるわけですが、これは厚生省の問題ですけれども、そういう自動車が開発された場合、聾唖者に対する補助制度というようなことを検討をする用意があるか、これをひとつお聞きしておきたい。
○翁政府委員 そういう場合には当然御指摘のような点について検討し、また実現する方向で努力をしてまいりたいと思います。
○岡本委員 大臣、最後に。細かい問題といいますけれども、こういった一人一人の状態を見ますと、非常に無理からぬところの御要求、あるいはまたちょっと配慮してやればできるというようなものがあるわけですから、今後もひとつきめ細かく、社会的に弱い方々の救済あるいはまた育成と申しますか、ひとつ極力力を入れてもらいたい、これをお願いしておきたいと思うのですが、いかがでございますか。
○田中国務大臣 こうした方々に対する配慮としては、当然そうあるべきだろうというふうに思います。ただ運転免許については、警察庁から申しましたとおり、御本人並びに社会の方々の事故防止と御本人のベネフィットというものをどう調和させるか、それからまた今後の技術の革新によってそうした方々の、御本人のベネフィットをどのように向上させるか、このへんがコツだろうと思います。したがいまして、この点については本人の御意向だけを通すということについてあるいはまたある程度御満足がいかない点があろうと思います。それはもっぱらそうした理由だろうと思いますが、こうした実質上の問題がない限り、われわれとしてはできるだけ聾唖者等につきましては、その方々が他の健常な方々と同様な生活ができるようにわれわれとして配慮をし、努力をすることは言うまでもないことだと思います。
○岡本委員 では、ひとつこれを強く要望しておきまして終わります。どうもありがとうございました。
○住委員長代理 石母田君。
○石母田委員 きょうは七十五国会の最終の厚生の一般質問の日でありますので、いままでいろいろお聞きしたがった幾つかの点についてまとめて御質問いたしますので、しかもきわめて限られた時間でございますので、特に医務局長の答弁においては簡潔にお答えいただきたいことをあらかじめお願いしておきます。 最初に、いま新聞その他で非常に大きな問題になっております三角筋の注射の問題についてお尋ねしたいと思います。 最近の報道によりますと、北海道岩見沢市などで三角筋、つまり肩のところに盛り上がっている逆三角形の筋肉への注射の障害で、いわゆる三角筋短縮症という患者が二百名を超える数で集団的にあらわれたということであります。この問題については、国立小児病院の村上宝久整形外科医長が「三角筋は解剖学的に見て、非常に注射障害が起きやすい。患者は大人にも及び、ほうっておくと、大腿四頭筋短縮症以上の患者になる」と学会で報告をいたしまして、不必要な三角筋注射は直ちに中止するよう警告したというふうに伝えられておりますけれども、この問題についていま厚生省が、たとえば数であるとか、こうした内容についてどういう見解を持っておられるか、お尋ねしたいと思います。
○滝沢政府委員 大腿四頭筋の問題に関連いたしまして、子供の注射部位については三角筋、啓筋それから大腿四頭筋、こういうことでございまして、乳幼児の場合、最も常識的には大腿四頭筋を使っておる場合が多いのでございますけれども、年齢的な関係その他医師の判断等によりまして三角筋も臀筋も使われておるということで、臀筋並びに三角筋の拘縮症につきましても、大腿四頭筋同様問題が提起されておりましたので、われわれのところで検討願っておる研究班といたしましては、大腿四頭筋の診断基準に引き続き、三角筋、臀筋の診断基準あるいは治療対策等を御検討願う方向で準備いたしておりまして、すでにそれに入っておりましたところ、北海道における岩見沢の二百四名の患者の発表等がございまして、先般の研究班でも急ぎこの三角筋の診断基準の作成について検討に入っていただいておりますので、なるべく早い機会に大腿四頭筋と同様の診断基準を得まして、これを児童家庭局の母子衛生の関係で都道府県にお流しし、三歳児健診等の機会にこの問題に対する検診をして、実態の把握に努めていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○石母田委員 そうしますと、この二百四人のほかに、厚生省として、いま全国的に患者が分布されているようだということですが、その実態の把握はどの程度なんですか、これからの仕事ですか。
○滝沢政府委員 これからの仕事になります。
○石母田委員 それから、いままで検討されていたところへのこうした問題ということですが、これまでの検討あるいはこうした発表などを含めまして、三角筋の注射がきわめて危険で、太ももよりも危険じゃないかというような問題、あるいはまた整形外科医長などの学会における報告などはかなり重視すべき、あるいはこの方向で検討しなければならない問題だというふうに厚生省は考えているのかどうか。
○滝沢政府委員 乳幼児あるいは成長後の健康に及ぼす影響等はともに重大でございますけれども、われわれが障害の様子をただいま承知している範囲では、いずれも重症になれば障害はさらに影響は大きいわけでございますが、大腿四頭筋よりは三角筋の方が手術の処置にしても、また運動機能全体に与える影響にしても――やはり重症者あるいは全身の健康に与える影響は大腿四頭筋の方が大のような感じがしますけれども、もちろん軽視すべき問題ではございませんで、同様に重視して取り組む所存でございます。
○石母田委員 いまそういう障害を受けた方の話だと思いますけれども、もう一度繰り返して聞きますが、こうした三角筋の注射は、このまま続けますとどんどん患者が新たに生まれることが予想されるということで、こうした中止を警告したということを整形外科医長も言っておるのですけれども、今後のそうした三角筋注射について、厚生省としてはどういうつもりであるのか。つまり、中止する方向での検討をしているのか、障害者が出たら、大腿四頭筋よりはちょっと軽そうだから治すという程度のものなのか、もう一回その点について、基本的なことですからお伺いしたいと思います。
○滝沢政府委員 注射の部位の問題については、過ぐる医師会の検討委員会でも、三角筋、大腿筋についてはこれを避けることを医師会の会員にも伝えておられるわけでございまして、注射の部位として、そのときの検討委員会の御意見では、おしりの筋肉の外側の部分のところを、部位をはっきりさせまして、そこがよかろうという御見解でございますが、これにも反論が出ておりますし、臀筋拘縮症という患者が事実発生いたしております。したがいまして、最近の傾向といたしましては、真に生命にかかわるような重要な問題として注射液を使わざるを得ないという以外には、臀筋というものを乳幼児の注射として使うことにむしろ反省の意見が学会等からも出ておるわけでございまして、皮下注射によって代行できる場合、あるいは分割して少量ずつ皮下に注射することで臀筋注射の代用をするというような研究なり発言もございます。 いずれにしても、これらの事件にかんがみまして、今後医療関係者のこれらの問題に対する態度としては、真にやむを得ない場合以外はきわめて慎重になっていることは事実でございますが、この問題は薬液、注射液等の関連も検討の余地があるということで言われておりますので、注射薬そのものの乳幼児への薬効に対して、筋肉注射を避け得るような開発ということも今後の重要な課題でございまして、いずれにいたしましても、医師会の見解が臀筋がよかろうという見解でございますが、これにも一つの御意見が出ておりますので、全体に乳幼児の筋肉注射は、生命にかかわるとき以外は慎重を要するという見解がただいまの一般的な考え方でございます。
○石母田委員 医務局長、改めてお願いしますけれども、簡潔にお答え願いたいのです。私はどこに注射をしたらいいかということを聞いているのではなくて、三角筋の注射は中止すべきだということについてどうかという質問に対しましては、いまあなたのお答えでも避けた方がいいという方向で、ほかのところはどうであろうかという問題で臀部の問題などが出ておる、こういうふうに理解しておきます。 大臣に私改めて要望しますけれども、こうした問題というのは非常に大事な問題でありますので、厚生省としても早速実態の把握に努めて、そうしてこうした患者の方々にはいろいろな治療その他についても十分検討すると同時に、今後こうしたことが起こりやすい三角筋の注射を避ける、あるいは学会で報告された点を十分尊重し、検討して、その方向で再びこのような患者が出ないように、十分注意していただきたい。このことについて厚生大臣のお答えを願いたいと思います。
○田中国務大臣 さきに大腿四頭筋拘縮症、そして近ごろは三角筋拘縮症というふうにいろいろ出てまいりました。いま医務局長が申しまするとおり、この種のものについて調査が今日まだ不十分でございますので、調査の方は私どもとしては十分急いでやりたい、かように思っております。 なお、診断基準がまだ明確でないというふうに事務当局から聞かされておりますが、これについても急がせたいと思っております。 また、注射というものが今日までやや必要以上に行われてきたといったようなことについても反省をいたさなければなりませんが、しかし、こうした注射は絶対にやめるわけにはいかないということでございますので、そうしたことについては専門家の御意見をできるだけ早く集約をいたしまして、やむを得ない場合にはどういう注射をどういうところにしたらよろしいか、どういう方法でやっていいかということについても鋭意結論を出して、不安をなくするようにいたしたい、かように思います。
○石母田委員 それでは、もう一つの問題に移りたいと思います。 それは、けさの明け方になりますか、参議院の本会議で、私どもも提案者の一人になっております義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律が成立いたしました。これに伴って、この法案は主として文教委員会の方で審議されておりました関係上、看護婦とか保母という当然厚生省あるいはこの社会労働委員会で審議されるべき、あるいは所管する行政上の施策の改善が必要になってきているわけであります。特にこの中で、国公立施設以外の看護婦、保母については、法律上は各個別施設の経営者の努力規定とされております。育児休業制度がこうした民間施設で実施できるように、特に財政上、施設運営上の措置を国公立と同時に行う用意があるかどうか。この点について、看護婦問題については医務局長、その他保母の問題に入りましたら、児童家庭局長を呼んでおりませんので、大臣の方からあわせてこの方向で行われるかどうか、御答弁願いたいと思います。
○滝沢政府委員 民間の看護婦さんの場合でも法律上では努力規定がございまして、この普及に努めたいと思うわけでございますが、ただ実際は、現在雇用している看護婦さんにかわる人を得るということが一つ重要な問題でございます。かわる人を得た場合に、その期間雇用するわけでございますので、無給の原則になっておりますから、そのかわりの給料を出すという点からいって、金銭的な面ではある程度解決の可能性があるわけでございますが、しかし、一般的に民間のこういう問題に対して奨励をしていくような措置について、いろいろ関係者の間で検討が進められているというふうに聞いておりますので、これに基づきまして、われわれは民間についてもそれぞれ病院の実情に応じた措置がなされるということを指導してまいりたいと考えております。
○田中国務大臣 育児休業制度の実施に伴い、私大臣ですから両方申し上げますが、こうした看護婦さんあるいは保母さん等々についてのこれの実施状況等をにらみまして、もし措置をいたさなければならない欠点がありますれば、そしてそれをやらない限りにおいてこれの実施状況がうまくいかないといったような件が出てまいりますれば、そうした点について、いま医務局長が言うようにダイレクトには出てこないと思いますが、いろいろときめ細かく配慮いたしたい、かように考えます。
○石母田委員 母体については職種とかその他の問題でいろいろ差別があるわけじゃございませんから、こういう人々の保護ということでこうした制度が考えられているわけであります。 そこで、この制度の適用対象者中、保健婦については全体ではないというような話も聞いているわけでありますけれども、いま申しました趣旨から言っても、保健婦全体にもこの制度が行われるというのが当然だと思います。ぜひそうした方向で実施できるように努力を願いたい、こう思っておりますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○田中国務大臣 これはもともと制度といたしまして、言うなれば直接処遇をする方々を対象にいたしたい、そういうことでございますので、保健婦につきましてはいろいろな勤務の態様がございますので、とりあえず先生御案内のとおりのああいう範囲にいたしたわけでございますが、今後勤務の実態に対応し、その必要がある者が現実に見出されましたときには、われわれとしてはその者に敷衍をすることはやぶさかではございません。
○石母田委員 その際、この法律案に対する附帯決議が出されておりまして、その三項の「育児休業制度適用対象者中、保健婦等の範囲について将来拡大の方向で検討を加えること。」この一つがありますので、いまこの方向で検討されるというお答えがあったと思います。さらに四項で、「政府は、民間における育児休業制度の設置を一層促進するため、財政措置等について努力すること。」というふうにありますが、これは雇用保険法などの運用などというふうなこともちょっと聞いておりますけれども、この財政措置というような問題についてはどのように具体的に考えられているのか、お答え願いたいと思います。
○滝沢政府委員 この問題につきましては、先生おっしゃるように、検討内容の中に確かに雇用保険の特会ですでに一事業所に一回当たりの妊婦に対する助成制度がございますので、こういうものとの関連を踏まえながら御検討がなされておるというふうに聞いておるだけでございまして、具体的にその内容を承知いたしておりません。
○石母田委員 その当否については私は申しません。 それでは、さらにもう一つの問題についてお伺いしたいと思います。 それは、後で野党四党の共同質問で看護婦全体の問題についていろいろ御質問があると思いますので、それと別個に、私のきょうお伺いする問題は、看護婦の養成と同時に、この間も質問しましたように、潜在的な看護婦の資格を持っておられる方で現在看護婦の職についていない人々をできるだけどんどん看護婦の職につくようにさせていくという問題で、ナースバンクなどその他いろいろな施策がとられておりますけれども、その中で、こうしたことが私のところに訴えられているわけです。それは、かつて看護婦の免許状を持っていた方が、紛失していることに気がついて、その再就職のためにどうしても免許状の再交付が必要になるわけです。ところが、再び看護婦として働こうと思い立ったのですが、この方がこの手続をとるのに早くて六カ月、四月に私のところに話に来たのですから、年内で早い方と言われている。本人は一日も早く再就職したいということを言ってきたわけであります。私も再三看護婦問題をこの国会で質問いたしまして、その中で政府の皆さん方の答弁では、こうした資格を持っておられる方がこの看護婦不足の中でどんどん再び看護婦の職につかれるように促進するためにいろいろな努力をされているということを聞きましたけれども、実際の状況はこういうふうになっておる。これを聞いて非常に驚いたわけです。 具体的に申しますと、横浜市の保土ケ谷区在住の長谷川康子さんで、埼玉県で旧制の免許の交付を昭和二十八年八月五日、登録番号五千七十二番で登録されております。新制度への切りかえのため、国家登録に昭和三十年八月十二日に切りかえられたことが埼玉県の方で調べてわかったわけです。ところが、国家登録番号が厚生省には登録されていることが明らかでありながら、当時の県の方の事務上の手落ちなのか、県には切りかえた際の国家登録番号が記録されておりません。したがって、再交付手続に大きな障害があり、再就職が非常に困難になっているというようなことがわかったわけであります。以前に勤務した二カ所の医療機関に問い合わせてみたところ、一方は旧制の登録番号で残っているだけで、他方では新制度の国家登録番号が記載されている書類がすでに廃棄されている。結局国家登録番号は本人には不明という結果になったということが判明したわけであります。利はます、こうした場合にどうして早くて六カ月もかからなければならぬのか、こういうものは速やかに再交付を受けることができないのかどうか、こういう点について、具体的な問題ですけれども、お聞きしたいと思います。
○滝沢政府委員 結論を先に申しますと、新規登録一万八千件、あるいは籍の訂正等で八百件、看護婦に限った数字でございますが、いま問題の再交付で四十九年で約五百件ということでございまして、これが年々増加の傾向にございます。再交付の数字を見ますと、看護婦、助産婦さんが四十一年当時に比べて約二倍、医師の場合が八%程度の増というわけでございまして、重要な免許証でございますから、おっしゃるような問題は、結論として、非常に現状の事務処理に追われて六カ月かかっていることは申しわけございませんけれども、そこでコンピューターの処理による予算措置を医師、歯科医師等から始めて看護婦に及びたいということで、年々計画的に大蔵省から予算をいただいてコンピューター処理による登録制度に切りかえていきたいと思っておりますが、現状では、現在の担当する職員の処理能力から申しまして、極力努力はいたしますけれども、一、二カ月程度に短縮するような極端な改善は非常にむずかしいということでございます。具体的な事例がら申しまして、先生のような具体的な事例がどうなっているかというようなことは調べなければなりませんけれども、一般論としてお答えしますとそのようなことでございまして、極力努力ばいたしますけれども、非常に画期的な短縮ということは現状では無理だということでございます。
○石母田委員 先ほどの担当の方に聞いたならば、こういうふうに長くかかっていることはどういうわけかわからぬということで、厚生省に届いてからもっと早くできるはずだということで、あるいは保健所で受け付けたところでたまっているのではないかというようなお話もあって、いまの医務局長の答弁は非常に驚いているわけです。 そこで、医務局長はいろいろのことを考えて画期的な短縮というはどの程度の短縮か知りませんけれども、再三大臣が言われておりますように、こうした人々を早く再就職させていまの看護婦不足をなくしていくということの施策を一方でやっているわけですから、私は大臣の方から、こうした問題、この人の問題だけではなくて、こうした種類の人々が早く再就職したいと願っているわけですから、できるだけ早くという方向でこうした問題を解決するために、職員の不足であれば職員の手当てもして、ぜひ解決に努力されるよう、大臣の決意をお願いしたいと思います。
○滝沢政府委員 先ほどお答えした中で、六カ月という数字だけを意識に置いて申し上げましたが、若干細かく申しますと、厚生省の受け付けから発送まで現在三カ月を要しておりまして、途中全体の経過で六カ月、本人に戻るまでに六カ月というような実態であるわけでございますので、もちろん都道府県その他の関係者の御協力も得なければなりませんけれども、受け付け、発送の厚生省部分についてはこの三カ月を極力短縮するように、そしてまたコンピューター等の処理による改善ができました暁には、相当思い切った短縮が可能であろうというふうに思いますが、現状では現状の対策の中で努力いたしたいというふうに考えております。
○田中国務大臣 そこまでは私も実は具体的には把握はいたしておりません。しかし、おっしゃることはごもっともでございますから、種々努力をいたしまして、一日も早くそうした再就職ができるように努力をしなければならないのは言うまでもないことだと思いますので、そのような方向で今後鋭意努力を重ねていきたいと思います。
○石母田委員 これも後で御質問ありますのであれですけれども、養成所とか養成の学校で、年齢とかあるいは独身者に限るとか、全寮制でなければならぬというようないろいろな制限をしたところが多くて、実際には既婚者であるとか、そういうような年齢が高い人たちが入ろうと思ってもなかなか看護婦になれないという障害もあっちこっちで聞くわけですけれども、こういうことも看護婦の養成という立場から、調査して、できるだけこういう制限ということで看護婦になることが阻まれないように、ぜひ厚生省として努力していただきたいというふうに考えますけれども、この点についてひとつ答弁願いたいと思います。
○滝沢政府委員 一つの教育機関でございますから、それぞれの責任者が教育の方針を持っておられると思います。われわれは国立の場合は持っておりますけれども、一応寮の希望者は寮に入れることにいたしておりますけれども、通勤によって可能な者は極力通勤でも教育ができるように国立としては努力いたしますが、いまの先生の御提案のそういう実態を調査すること、そのことは大変大事でございますので実態調査をいたしたいと思います。しかし、それぞれのやはり教育方針がございますので、これに一律的な指示を与えることはなかなか困難であろうと思いますが、実態の把握には努めたい、こういうふうに考えております。
○石母田委員 一律にやれとかなんとか、すぐあなたは極端な方向で言いますが、私は決してそんなことを言っていないので、そういうことの年齢の制限とか、独身者に限るとか、全寮制ということになれば、これはどうしても特定の限られた人になりますから、やはり職域を広げようという意味で、そうした制限などについて取り払ってもいいというような問題はどんどん緩和して、できるだけ広く看護婦さんの方に職を与える、こういうことを言っているのですから、これも大臣でないと正規な答弁できないと思いますから、大臣一言……。
○田中国務大臣 看護婦の充足というものは、これは今日の社会的問題であり、至上命令であります。したがいまして、そうした方向についてあれこれ最大限の努力をいたしたいというふうに思っています。その間にあって、ただいま御説明のような問題については、でき得る限り看護婦さんが充足をできるという大目的に従って、それについてあれこれ改善をし、指導もいたさなければならぬと思います。
○石母田委員 次に私は、ハンセン氏病の対策の問題について二、三お尋ねしたいと思います。 私もハンセン氏対策の議員懇談会の世話人の一員でありますので、この間も全愚協の皆さんやあるいは所長連盟の方々ともいろいろお会いいたしまして、現在の対策がまだまだ非常におくれておるということを感じております。もちろん昨年の整備費については十一億円何がしというふうにして、これまでよりも大幅に増額されているという点では全患協の皆さんも一定の評価と、それからわれわれの努力も加味してくれましたけれども、しかし、私もおととし社会労働委員会で青森、秋田、東北方面に視察に参った折に、青森県の松丘ですか、施設を見てまいりました、非常に短時間でしたけれども。非常に老朽化しているのです。今度も代表に聞きますと、何かあれは国に移行する前の建物だということですね。ですから自分たちはもう国立の新しいうちに入れないのだというようなことも言っておられた。これは非常に重大な問題だ。このハンセン氏病、つまりらい病と言われ、人々の非常な偏見という中で困難なそういう療養生活を行われているわけですけれども、この病院が、全生園にしましても、全国的に老朽化して、この整備ということを非常にみんな訴えているわけです。私はこの問題についてはぜひ抜本的に何とかして改善してほしい、特に患者の病棟はもちろんのこと、職員用の看護婦の宿舎、官舎などもあわせてぜひ改善計画を立てて実施してほしい、こういうことを、来年度の予算の編成にも入りますのでぜひ強くお願いしたい、こういうふうに考えたわけですが、この点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○滝沢政府委員 全く先生おっしゃるとおりでございまして、非常に老朽の施設が多いのでございますが、従来の整備予算は必ずしも十分でございません。しかしながら、全体が同じ医療機関ではございますけれども、やはり病棟、治療棟、それから不自由者の方の生活の場である不自由者棟、これを優先せざるを得ませんので、これを現在計画的に整備いたしておりますが、やはり患者さんの住居地区に対する整備もそろそろ着手いたしませんと、火災その他に対して全体が不十分でございます。職員の問題についてもその手が及んでいないことはおっしゃるとおりでございます。 いずれにいたしましても、患者の処遇は、いわゆる日用品費というような患者一人一人に入る予算については、年金等の関連が出てかなり大幅に改善されましたが、もはやらい療養所の最大の課題は建物整備にございますので、その認識のもとに年々予算の要求に努めて、一般病院、療養所よりも高率の改善はいたしておりますが、なお一層努力をいたしたいというふうに考えております。
○石母田委員 私は、この人たちのお話を聞いて愕然としたのですけれども、たとえば歯科というところは一般の医師はなかなかやってくれないというので、遠く全生園にそういう医者がいらっしゃるので、そこまで通ってきて、そして高いお金を出す、あるいは通院費なんというものについてもいろいろ負担が多いという話も聞きました。それから、五名の定員のところでお医者さんが一名病気で休んでいる、そして実働二人だ、こういうようなところも、後でお名前を知らしてもいいですけれども、大体わかると思いますが、そういう実態のところもある。ぜひ医者を配置してほしいということ、これは遠く沖縄の代表の方も言っておりましたし、またこの近辺のある地域の施設の方からも痛切な訴えがありました。もちろんその付近の歯科の方々あるいはその病院の方々がどうこうというのではありませんけれども、やはりまだまだそうした強い偏見というものがあって、やむなく東京の全生園まで通ってこなければならぬという実態を考えまして、こうした必要な医師の配置は、やはり国立という医療機関でありますので、最優先にしていただきたい。この基本的な医療対策の確立について見解を聞かしていただきたいと思います。
○滝沢政府委員 具体的には歯科の問題でございますが、一般に歯科医師、内科医を含めまして、現在百二十七名の定員に対して百十二名ということでございまして、その時期によっては、小さな定員のところではかなり難渋をいたしております。 ただ、これにつきましては、歯科医のように地域の民間の歯科医に委託してできない場合については、療養所同士の患者の委託治療費というようなものもございますし、また医師の派遣費もございまして、歯科については沖縄には本土から歯科医を派遣するというような努力はいたしておりますが、総体的に不十分でございますので、このような定員の措置のほかに、これを補完するような医師補充の謝金、派遣旅費あるいは入院の委託治療費、こういうようなものを増額いたしまして、現状における医療にできるだけ充足を図ってまいりたいというふうに考えております。
○石母田委員 最後に大臣に。いまの医者の問題もそうですが、定員法の削減のために定員をふやせないということらしいのですけれども、こうした施設においてどうしてももう一名定員をふやしてくれれば医者はいるのだということも具体的に言われているわけなんですよ。そうした問題については個別によく検討して、特別にこのような施設でもありますし、もし来られる医者があるということまでおっしゃるとすれば、ぜひその方向で検討していただきたいということと、いま医務局長が答えられたことについて大臣として格別の努力を賜るよう心から要望して、その点についての大臣の見解を聞いて、質問の終わりにしたいと思います。
○滝沢政府委員 先生おっしゃるように、らい療養所は国立施設がほとんどで、民間が三つございますが、お互いにこの定員は流用できると申しますか、医師があって定員がないところでは、他の施設の定員を借りて医師を充足し、お互いに応援し合うということも可能でございますので、施設からの要望には極力対応できるようにいたしたいと思っております。
○石母田委員 それと、やはり全体の偏見が非常に強い。これはおわかりだと思いますけれども、この問題をなくす上でも、これは私どもも努力しなければならぬけれども、特別に政府や厚生省としても努力していただきたいということも、あわせて御答弁願いたいと思います。
○田中国務大臣 ハンセン氏病対策、これは古くて新しい問題でございまして、率直に申しまして、私若いころ初めて社会労働委員会の委員になったときには、大問題が実は起こったわけであります。自来、この問題に関心を寄せておりますが、なお多くの、いま先生のお挙げになった問題、それ以外の問題もあるわけでございます。かような問題につきましては、私どもできるだけ施設に対し、また社会一般に対していろいろ対処をいたしたい。ハンセン氏病は、すでにもうある意味では克服された病気といったような観点において社会の人々の啓蒙にわれわれは努力しなければならぬという新しい問題があるということを考えておりますので、そうした努力もいたしたい、かように思います。
○石母田委員 質問を終わります。
○大野委員長 川俣健二郎君。
○川俣委員 お互いにゆうべのきようですから、大変に疲労こんぱいのことは十分知っておりますけれども、しかし国会も終わり、当委員会も終わるに当たって、これだけはどうしても質問、というよりも向こうの方で言いたいんじゃないかと思って、気持ち悪がっているんじゃないかと思いつつ私の方で聞いてあげるんです。というのは、約束した期限が来て、何らごあいさつが委員会にないということはこれはいかがなものだろうかと思って、あえて理事さん方にお願いして、与えられた時間に伺いたいと思います。 そこで、いまから三年前に食品衛生法の大改正があったわけです。その際に、食品衛生法ですから当然食品公害というのがその規制の主体を占めておるわけでございます。食品公害というのは、環境から汚染されたものが付着するわけですが、特に気をつけなければならないのは、物を加工する、いじくり回すという段階で汚染物が加わるわけでございます。ところが、加工乳というのは運搬の関係で水分を取り、乳製品にして、還元乳にして、遠く北海道、東北、九州から東京に運んできて、運んできたものに、またもとへ返すために水をぶっかけるという、これ加工乳と称するというふうに食品衛生法に書いてある。ところが、加工乳というのは一体生乳のまま殺菌処理したものを飲ませた方がいいのか。世に言う加工乳の方が、宣伝されているように、ミネラル、ビタミンAも入っておるし、油もたっぷり入っておる、何が入っておるといったら、ヤシ油が入っているというので大騒ぎしたわけだ。ところが、牛の乳房からしぼり取ったものを殺菌処理して飲ませるよりは、加工した乳を飲ました方が保健体育によろしいという考え方が時の農林省から出てきたために、この委員会がかなり紛糾したわけでございます。果たして加工乳をエースというか、いわゆる優秀製品というか――加工乳の入れ物にはエースのAがついている、あれはエースのAだそうですが、そのままの牛乳の方が優秀なのかという論議が二、三回委員会で続いて、結果的には農林省の方から、加工乳よりはしぼり取った乳のままの方が好ましい、よろしい。それじゃあ食品衛生法としましても、加工乳を極力なくしてだんだんに生乳の方向に持っていこうではないかというコンセンサスを得たわけです。その結果決議がなされた。そこで私たちは、一体それはできるのか、農林省はできますということなんで、できるのならいつごろできるか、そしてできるとしても、一体生乳のままでいいのか、少しは濃縮した牛乳をまぜなければならないのかと、運搬その他あらゆる方向で聞いてみたら、こういうわけでできますということを農林省から披瀝されたわけだ。そこで、食品衛生法を大改正する際に、当委員会としては、それじゃそれを附帯決議に盛ろうではないかということて、附帯決議の十一項にたしかあったと思います。そこで担当課長、ひとつその十一項の附帯決議をどういうように盛ったか。これはあくまでも当委員会よりは農林省の方は担当であり詳しいであろうから、その文章なども時の農林省の方にゆだねながら、私たちが理事会で確認をして、委員会に上げて食品衛生法とともに附帯決議をした、こういうことでありました。その十一項というのはどういうようになっていますか。
○鴻巣説明員 食品衛生法の一部を改正する法律案に対する附帯決議が昭和四十七年六月十六日当社会労働委員会でございましたが、その十一項では、読みますと「加工乳の制度について、さしあたり、微量栄養素添加の禁止、表示事項の改善、その原料となる濃縮乳の規格化等の措置を講ずるとともに、三年後を目途に、生乳の混入割合を七十パーセント、原料は生乳と濃縮乳のみとすること。」という内容であります。
○川俣委員 こういうように、加工乳の制度を、できるならば生乳をそのまま一般国民に飲ませるべく努力するというような決議ではなくて、「原料となる濃縮乳の規格化等の措置を講ずるとともに、三年後を目途に、生乳の混入割合を七十パーセント、原料は生乳と濃縮乳のみとする」ということは、生乳が七〇%、それから還元乳ではなくて単なる濃縮乳、いわゆる蒸発させてくるわけだが、それとの割合を七、三の割合で盛ってきたものだけ、それだけを牛乳と称するというように、努力題でもなければ検討題でもない、ずばり「すること。」と決議されておるわけだ。その三年後というのは、ことしの六月の十六日と私らは理解しているんだが、間違いないのだろうか。
○澤邊政府委員 そのとおりでございます。
○川俣委員 きょうは、当委員会の最終的な時間割りあるいはその他の時間の関係で私一人の質問になってしまいましたが、これは多分に農林委員とかあるいは関係の委員の連合的な審査にも値する重大なことだ。私が言うのは、これをなぜやらなかったかということではないのです。一体できるのかできないのかということの論議かあって、こういう附帯決議になったわけです。特に当時の厚生大臣は、「生乳加工についての御意見、私どもも全く同感に思います。したがいまして、農林省も三年以内にというように言っておりますから、われわれのほうもそういった目標に従って実現をするように、三年を目途に実現をいたしたい、かように考えます。」こういうようにして、食品衛生法の三日間にわたる委員会が終わったわけです。したがって、その三年を経た六月十六日をめどにできなかったかできたかということの追及じゃなくて、やはりある程度委員会に披瀝するという場があってしかるべきではないかというのが、私がまず第一番目に畜産局長に伺いたいのです。 そして、食品衛生法を管理している厚生省の局長としてはどのように思っておるのか。私が今回あえて理事にお願いしてこのような大変忙しい最終的な委員会において――もしも私のこの質問がなかったとすれば、この決議は宙に浮いて、ああできなかったのか、そういう決議もあったのかということで終わってしまったのか。加えて、御案内かと思いますが、きょうの新聞にもかなり出ておりますが、いま乳価を含めて乳しばりの農民がストライキに入っておるわけでございます。それから一方、消費者の方の東京都民は農協牛乳の方がおいしい、やはり生乳の方がいい、こういう声が大きくなっておる段階で、この決議に対する期限が来たのに何ら委員会に報告するという態度が見られないことは、私は非常に残念に思いながら、あえてお二方に伺いたいのです。
○澤邊政府委員 この問題につきましては、三カ年を目途として七、三の割合で、加工乳は、濃縮乳のみと生乳との混合によってできるもの以外をやめるという御趣旨に沿って、できるだけ生乳の市乳化を促進するということで、農林省といたしましても、これまで輸送施設に対します援助とか、あるいは濃縮乳の工場に対します出資とか、あるいは生産団体に対します需給調整の強化とかいうようなことについて努力をしてまいってきたわけでございますけれども、三カ年以内に、その目途以内に一〇〇%附帯決議の御趣旨を実現するのが非常にむずかしくなるというような見通しが昨年ごろから明らかになりましたので、市乳化促進問題研究会という調査機関を農林省の中に設けまして、生産者あるいは消費者、流通関係の方方、メーカー等広くお入りいただきまして、この問題を中心といたしまして市乳化の促進の問題、飲用乳向けの原料乳確保の問題について調査検討いたしまして、六月四日に研究会としての結論を出していただいたわけでございます。この結論は、生乳生産の地域特化が進展し、大都市地域での需給のギャップが解消できませんので、いま直ちに加工乳規制を実施すると飲用牛乳の供給が減少をする、またこれまで加工乳を製造いたしております中小乳業等あるいは農協プラント等に対する影響も大きいというようなことから、いま直ちに実施をするのは困難ではあるけれども、基本的には附帯決議の趣旨に沿って、できるだけ早く趣旨の線を達成するというような努力を具体的に進めていくということにつきまして報告がなされましたので、その線に沿ってできるだけ早い機会に実現できるように努力をしてまいりたいということで取り進めておるわけでございまして、このために厚生省とも種々協議を始めて、お願いすべき点を種々お願いをしておる段階でございます。
○石丸政府委員 厚生省といたしまして、昭和四十七年六月十六日の食品衛生法の一部を改正する法律に対する附帯決議の趣旨に沿いまして、いままでとってきました措置について御報告申し上げます。 まず、昭和四十八年三月、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令、普通いわゆる乳等省令と申しておりますが、この乳等省令を一部改正いたしまして、附帯決議に盛られております条件のうち、微量栄養素の添加の禁止、表示事項の改善、加工乳の原料となる濃縮乳の規格化、この措置を講じてきたところでございます。しかしながら、この附帯決議の中にございます、加工乳の原料を「生乳と濃縮乳のみとする」という条件と、その混合割合を七〇%、三〇%にするという条件につきましては、法改正後農林省の方といろいろ連絡をとりながらその実現に努力してまいったところでございますが、先ほど農林省の局長の方から御答弁がございましたように、現段階におきましてまだ飲用牛乳向けの生乳の安定的な確保という点につきましては問題があるようでございまして、目下農林省の方といろいろ連絡をとりながらその検討を行っておるわけでございまして、先ほど御答弁のございましたその協議会の結論によりまして、所要の措置をとるよう検討してまいりたいと考えております。
○川俣委員 そうしますと、厚生省の方は、四十七年六月十六日の決議でもあっただけに、四十八年から早速省令なり通達等を出しておるわけだ。厚生省の方は、法規制、法律文句等はこれは厚生省でできる。ところが実際をあずかって指導しているのは農林省なんだ。その農林省は、いまの局長のお話だと、昨年の十二月に研究会を開いたというのは、ちょっとこれは、普通じゃおかしいじゃないですか。いまから三年前に「のみとする」というように決議して、それでその研究会を昨年の十二月から発足したというのは、これはどういうふうに私たちは理解していいのだろうかね。
○澤邊政府委員 研究会は昨年末から発足をして、この問題についての具体的な問題点を洗い、今後進め方について調査をお願いしたわけでございますが、農林省といたしましては、四十七年の附帯決議をいただきましてから、輸送施設に対します助成等、あるいは生産者団体によります需給調整機能の強化等につきましてこれも助成をいたしまして、できるだけ附帯決議の線に沿うような方向での努力はしてきたつもりでございます。 それらのこともございまして、附帯決議をいただきました当時は、加工乳の中での還元乳の使用量は約二十五万五千トンぐらいでございましたが、現在は約十五万トンということで、減る方向にはまいっておるわけてございますが、先ほど申し上げましたように、期限いっぱいで一〇〇%実施をするというのが種々の理由によりましてなかなか困難なことでございましたので、それならばどのような点で問題があるのか、さらに、今後あの決議の基本線に沿って実現するためにはどのような施策が必要であるかという点につきまして、学識経験者等のお集まりをいただいて検討をしたというのがいきさつでございます。
○川俣委員 二十五万五千トンが十五万トンに減ったのだから、したがって、決議の方向に行っているというように一応は感じられるんだね。ところが、それでは三年前は一体どのぐらいの加工乳でどのくらいの生乳で、本当の牛乳で、それが三年後に一体どうなったかということをちょっと知らせてくれない。
○鴻巣説明員 お答え申し上げます。 附帯決議の前の年、四十六年の全体の飲用牛乳の生産量が二百九十一方九千トンございます。その中で加工乳は百二十七万二千トンでございます。それから、附帯決議の年の四十七年は、飲用牛乳全体として三百三万七千トンございます。この中で加工乳は百二十四万四千トンでございます。それから四十九年ですと、飲用牛乳全体で三百十二万四千トンございます。そのうち加工乳は百五万四千トンでございます。 いま局長が申し上げました十五万三千トンというのはどうやって出したかと申しますと、たとえば四十九年で言いますと、飲用牛乳全体で三百十二万四千トン生産されているわけです。それに対して、農家から工場に供給されました飲用牛乳向けの生乳の量が二百九十七万一千トンあるわけでございます。したがいまして、その三百十二万四千トンから二百九十七万一千トンを引きますと、これが十五万三千トンになるということでございますので、これをいわば推定される還元牛乳として計算しているわけでございます。
○川俣委員 理論値ということになるとこれは違うわけだ。だから、考え方はわかった。 それで、農林省の方が三年をめどに行えるということは、時の畜産局長でもあるし、農林省の担当官方みんなおそろいになっておって、できるという見通しで決議をさせておいて、できなかったというのは、単なる輸送なのか、気候の変化なのか、生産の方にあれなのか、それとも消費者の方は、皮肉な言い方だが、色がついた加工乳の方を飲みたい、欲しいという声が強いのか、どうなんでしょうか。それとも、それ以外にもう一つ何か加工乳が減らない原因があるのだろうか。
○澤邊政府委員 私なりに当時のことを振り返ってみますと、この問題の掘り下げ方がやはり不十分ではなかったかというようなことを率直に認めざるを得ないと思います。といいますのは、この問題を昨年から研究会で種々検討してまいりますと、さかのぼりますと現在の加工原料乳につきましての不足払い制度の問題、あるいは乳業の工場の立地の問題、それからまた、生産者団体が現在の不足払い制度のもとにおいては一元集荷、多元販売ということをやることになっておりますけれども、これは実質が必ずしも伴っておらないというような、いずれも現在の加工原料乳についての不足払い制度との関連で、そこまでさかのぼった検討をしなければ、なかなか全面的に解消はしにくいというような面が出てまいっておるわけでございます。その辺の認識が当時必ずしも十分でなかったということではないかというふうに思っております。
○川俣委員 だと思うのです。私も根本的な問題にメスを入れてやる段階だと思うのです。 そこでちょっと伺いたいのは、不足払い制度というものは、われわれ素人がわかるように簡単に言うと、どういうことですか。
○澤邊政府委員 不足払い制度は、農家が生産いたします牛乳のうちで加工原料乳、バター、脱脂粉乳、チーズだとか、そういうものに加工される加工品の原料として使われます牛乳についての価格補てん制度でございます。これは飲用乳向けの牛乳と加工向けの原料牛乳とは価格の形成の仕方、取引条件が違いまして、産地と消費地がもちろん完全に一致しておらない。大都市で消費が行われ、牛乳の産地は主として遠隔地であるというようなこと、あるいは牛乳という生鮮な食料品は輸送につきまして非常に制約があるというようなところからきておるわけでございますが、加工原料乳につきましては、飲用向けの乳価と比べまして、乳価形成につきましても非常に不利益であるということのために、生産者の売り渡し価格がどうしても低くなる。しかしながら、日本におきまして酪農を振興し、さらに今後ふえます飲用乳の供給源を確保するためには、現在は北海道のように加工向けの原料乳を生産する地帯でありましても、だんだんそれを大都市を含めた全国向けの飲用乳の生産地帯として育てていく必要がある。ただし、現状においてはなお加工原料乳の生産地帯にとどまっておるというような事情がございまして、そういう意味から、行く行くは飲用乳地帯として育つべきような北海道等の加工原料乳地帯につきまして、生産者が再生産を確保できるような収入を確保するというために、生産費をもとにいたしました保証価格というものを決めまして、他方、加工メーカーはそれを加工用に原料として買うわけでございますが、これはバターその他の乳製品の価格、需要、対外的な輸入との関係におきます国際的な比価等の問題からいたしますと、やはり余り高い原料乳は採算上買えないというために、そこにギャップができるわけでございます。われわれはメーカーが生産者から加工原料乳として買う価格、支払い可能な乳代を基準取引価格というふうに言っておりますが、基準取引価格は安くなければ、メーカーは加工品の製造、販売ができないということ。しかし、他方、生産者は加工原料乳の再生産をやるためには保証価格はもっと高くなければいけない。そのギャップを埋め合わせるために不足払いをやっておるわけでございます。 飲用乳につきましては有利な価格形成が行われますので、現時点におきましても、現在飲用乳向け乳価の価格改定の交渉が行われておりますけれども、交渉以前の現行価格でありましても九十八円十銭前後、四月から加工原料乳は値上げをいたしまして、保証価格は八十円二十九銭ということでございますので、それよりはすでに有利に形成されておるわけでございます。今度何がしか改定されればさらに有利になるということでございますが、これは自主的な価格形成に任されておりまして、政府は何ら介入しておらないという仕組みになっておるわけでございまして……(川俣委員「国の補助金は何ぼ」と呼ぶ)現在、約三百八億でございます。(川俣委員「いやいや、キロは」と呼ぶ)二十二円七十二銭でございます。
○川俣委員 そうすると、こういうことですか。いま農民が、飼料も高くなったからとても酪農じゃやっていけないと言ったって、やらなければならないということの現実があるわけだ。 そこで、いまの制度をちょっと考えてみますと、いまメーカーが、雪印でも森永でも、農民に買いに行きますね。そうしますと、これはこのまま乳として飲ませるのですよと言う場合はキロ九十八円で買えるわけだ。それから、これは加工用として買うのですよということになると値上げしても八十円で買えるわけだ、ラウンド数字で言うと。そうしますと、メーカーとしては九十八円で買うよりは八十円で買った方が当然得ですから、私がメーカーでもそうしますよ。さらに今度は、八十円で買った場合は二十二円国の補助金をもらえるという制度になっているわけでしょう。そうしますと、九十八円で買う乳をメーカーは五十八円で買えるという制度になっているわけでしょう。 私は、メーカーがもうけ過ぎるとかメーカーはけしからぬということを言っておるのじゃないのだ。農林行政は酪農をつぶさないように生産者を守りながら――しかも歴史的に非常に不思議なのは通産省を通さないで売る方も農林省なんだ。本当は通産省のはずなんだが。ところがメーカーの行政指導も農林省畜産局、生産者の方の酪農振興、もちろん畜産奨励は畜産局ということになると、どうもこの辺にいま少しメスを入れる必要があるのじゃないですか。私の言うのは違いますか。九十八円の牛乳をメーカーは五十八円払って買えるというこの制度に私は加工乳がなくならない原因があると思うのだ。どうなんです。
○澤邊政府委員 ただいまラウンドの数字で申し上げまして基準取引価格が約五十八円ということになっておるわけでございますが、これは五十八円の原料乳を製造業者が買ってそれを加工することによりまして、乳製品の安定指標価格というものを政府は別途決めておりますが、その前後で販売をすることができる、それによって乳製品の消費者価格も安定できるというようなことをねらいとしておるわけでございますので、確かに市乳を買う場合よりははるかに安い価格で買っておる、それが加工乳のつくられる一つの要因になっているという点は、私どももその辺が一つの問題であるというふうに考えております。まあすべての要因ではないと思いますが、一つの要因になっておるということは私どもも認めております。
○川俣委員 それば大きな要因か、一つの要因かは、もっと専門的に論議していただきましょう。研究会ば解散したのか、それとも続けてやるのか知りませんが、私ら以上に皆さん専門ですから、やはりこの辺にメスを入れねばならぬと思います。 一方、九十八円で買ってくると飲む方の消費者も高く払わなければならぬからという理由は、私が思うにはちょっと飛躍だと思うのですよ。九十八円の問題と五十八円との差、この辺に焦点を合わせていま乳価を検討すべきだと思います。そうでしょう。九十八円で買わなければならないものを五十八円で同じ乳を買えるというなら、私がメーカーなら絶対五十八円で買うわ。あらゆるお中元、お歳暮、印ばんてん、全部農村に配って雪印、森永の宣伝にこれ努めて五十八円の乳買いを始めますよ。この辺に農林省は勇断を持って制度にメスを入れて検討をやらなければだめじゃないか。これは通産省を通らない。メーカーの方の指導も農林省、農民の方の指導も農林省、畜産局が一手販売にやっているわけだよ。こういうのは珍しいのだ。本当は、メーカー指導は通産省、農林省は農民を守る、そして食品衛生法は厚生省という三すくみになっておれば、食品衛生法の決議に無理がないと思うの、だ。 時間がありませんからこの論議はこれ以上はやめますが、それでは三年前の決議は実態にそぐわないものなのか、なかなか実現にはほど遠い、あの決議には無理があるのだということなのか、それとも時間をかせば委員会で決議された方向にいく、あの決議はいつかは実現するのだということなのか、その辺もう少し聞かしてもらいたいのです。
○澤邊政府委員 四十七年の当委員会の附帯決議の方向は、われわれとしても酪農振興上もあの方向を基本として極力あの線に沿った方向に持っていくべきだと考えております。ただ、先ほど来申し上げましたような種々の事情によりまして減ってはきておりますものの、まだ一〇〇%実現する段階には至っておりませんが、今後さらに市乳化を促進するとか、あるいは先ほどもちょっと出ました不足払い制度の予想しないようなひずみといいますか、そういう点も確かに関連しているわけでございますので――たとえて言いますれば加工乳に使うような加工原料乳については不足払いの対象から外すとか、これは考え方としては非常にあり得るわけですが技術的に果たしてできるかというような問題もございます。これは一つの問題点でございますが、そういう点も克服しながら、他方また市乳化を促進するということについて従来以上に努力することによりまして、あの方向を基本として進めてまいりたいと思っております。
○川俣委員 さて、それでは食品衛生法に戻って考えましょう。 八%以上なければアイスクリームと言うな、言わない。それでは同じケースにバニラアイスライクと書けばこれはアイスクリームじゃないから、八%以下は名前を変えて出しましょうということで世に出てきた。これもやはりメーカーの身を守る一つの方便だと思うのです。 それはいいのですが、いま局長から将来の見通しというものをしゃべっていた、だいたので、それでは附帯決議は無理がないのだ、さらにもっと根本的にも検討しながらだんだんに加工乳を減らしていく方向だということであれば、私もその考え方は歓迎するわけだが、それではひとつさしあたりアイスクリームその他と同じように、これらは乳等省令ですべて表示しておりますから、加工乳に生乳何%ということだけは表示してみたらどうか、こう思うのだがどうなんだろうか。
○澤邊政府委員 市乳化促進問題研究会の「対策の方向」の中に「早急に実施・検討すべき事項」といたしまして四項目ばかり掲げておりますが、その中に第二項といたしまして「加工乳の生乳混入率の表示について」ということで「加工乳への生乳混入率を高めるとともに、消費者の選択に益するため、加工乳中の生乳混入率の表示を義務づけるよう所要の措置をとることを検討すること。」というような一項目が入っております。私どもといたしましては、この混入率の表示によりまして、製造業者の方も、表示する限りはできるだけ生乳混入率を高めないと売れなくなるということがございますので高める努力をすると思いますし、消費者もなるべく高いものを買うということになりますれば、加工乳をできるだけやめていくという方向に沿ったことになるというふうに考えまして、このようなことを厚生省に御相談をしたいというふうに思っておるわけでございます。
○川俣委員 さすが研究会の結論というか一項目ですが、それではそういう表示は食品衛生法を管理する局長、よろしいですね。
○石丸政府委員 この加工乳につきまして、現在乳等省令でどういう表示を義務づけているかということをまず申し上げたいと思うわけでございますが、現在加工乳につきましては、混合する生乳、牛乳、濃縮乳、練乳、粉乳、クリーム、バター等の原材料をこれは限定しておるわけでございまして、この原材料のみを使用することになっておりますが、その使用した原料につきましては、その原料名を多い順に表示するよう義務づけておるところでございます。 それで、先ほど来、生乳の混入率を高めるために加工乳の表示を今後どうすべきかという点が議論になっておるところでございますが、加工乳への生乳混入率を高めることは、今後の一つの方向としては必要だと考えております。ただ、先生御案内のとおり、乳等省令は、そのもとの法律は食品衛生法でございまして、やはり衛生立法でございまして、今後この生乳混入率というものの表示義務を課する場合に、いわゆる衛生問題としての範囲内であるか、あるいは、どうも先ほど来議論を聞いておりますと、むしろ衛生問題とはちょっと離れたところの、望ましい姿として議論されているのではなかろうかと考えておるところでございまして、今後検討させていただきたいと思います。
○川俣委員 それは違うな、冗談じゃない。食品衛生法による乳等省令に、脂肪分を八%以上と書いてあるのだよ。ちょっとその見解は違うよ。アイスクリームに書かせるように何で加工乳は書けないんだ。 それからもう一つは、この乳等省令は通達事項で、これを表示せよということは国会にかけなくたっていいのでしょう。どうですか。その研究会で検討する場合に、厚生省も入っておるのではございませんか。入って確認をした項目を、局長が無理ですということをおっしゃると、課長が出たか係長が出たか知らぬけれども、出た人はかなわないよ。
○石丸政府委員 例の乳脂肪分の含有率は、これは規格の問題でございまして、ちょっと表示の問題ではないわけでございますが、まあ同じような観点の問題もあろうかと思います。 ただ、加工乳の生乳混入率の表示につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、表示することは必要だと思いますが、それを食品衛生法でするかあるいは公取委の不当景品表示法でするかあるいは農林物資規格法の表示にするか、方法はいろいろあろうかと思っておるところでございまして、その表示の方向としては先生の御指摘のとおりでございますが、ここで乳等省令でもってそれをやるということにつきましては検討させていただきたいと思います。
○川俣委員 それは局長うまく逃げたって、アイスクリームの場合は公取に命令されているのではございませんよ。厚生省の長い歴史の積み重ねが八%ということになっている。 厚生大臣、いままでずっと聞いておってどうです。農林省も加工乳をなくするような方向で検討する、根本的にメスも入れてみる。それに対して、食品衛生法を管理する厚生省としては、やはりそれに沿うように――研究会で結論を得たものが、ちょっと無理じゃないか、そぐわないじゃないかというようなことをいまごろ言われたのでは、厚生省から出た研究会員がかなわないですよ、時のえらい局長にそんなことを言われたのでは。そういうことを考えますと、時間がありませんから、総合的に、厚生大臣、いままでのお話を聞いていただいて、やはりこれは、まじめな態度と言っては悪いが、決議というものはどの程度の拘束力があるかは、これは新聞にもいろいろとあるようですが、やはり完全な法律拘束がございません。私はそれは知っております。しかし、委員会でいろいろと論議された決議というものは、やはり担当官庁がそれを管理するという方向でないと、決議は何ぼやったってだめだ。何ぼやったってだめだということは、おれの首をやるということを決議をしたってだめなんだ。それは決議であって、できなかったということで通るということになれば、これは国会の社労委員会は何をやっているのだということに相なる。大臣これはどうです。
○田中国務大臣 この飲用牛乳の附帯決議につきましては、私ども非常に関心を寄せております。事実、私、厚生大臣になったときに、所管事項というのは、あの広い厚生省の所管では限られた分野しかやらないわけですが、これについては特別な時間をかけて、実は私もいろいろとレクチュアを受けました。したがいまして、厚生省としては非常に関心を持っておりますが、どうも、私も社会労働委員会に長くいて、理事もずいぶんいたしたのですが、この決議のいたし方については、私は、関係者の間に、これは関係者というのは何も委員さんや理事さんばかりではございませんが、政府側の対応の仕方も詰めが甘かったような気がいたすわけでございまして、見通しが悪かったのではないかというふうに思われる節があるわけでございます。しかし、必要なことでございますからその方向に進まなければなりませんが、しかしこれを実現するためには、単に当省だけではなしに、主として農林省の酪農政策に絡み合うところが多いわけでありまして、さっきいみじくも加工原料乳との関連をいろいろと申しておったのですが、私も北海道出身でこの点はよくわかるわけでございまして、今後そうした幅の広い施策を積み重ねることによってその方向に進みたい。 表示の問題につきましては、これが一体どういう政策要請から出ていることであろうかということから、環境衛生局長いろいろ答弁をいたしているだろうと思いますが、そうした政策要請に対応した、要は、問題はそうした方向を実現するということでございますので、法的根拠については、検討はいたしますが、そうした方向に向かって、表示ということも目標達成のために必要な手段であるというふうに考えますので、表示に向かって努力はいたします。法的根拠についてはそれぞれの立場から検討をいたしたい、かように思っております。
○大野委員長 この際、休憩いたします。 午後一時五十八分休憩 ――――◇――――― 午後二時二十八分開議
○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について質疑を続けます。村山富市君。
○村山(富)委員 私は、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党、民社党を代表して、当面する医療の看護問題に集中をしてお尋ね申し上げたいと思います。 国民の医療需要は年々増大しているにもかかわらず、医療従事者、特に看護婦等の確保は著しく立ちおくれております。その看護婦不足による病床、病棟の閉鎖はもとより、労働強化によって看護婦等の健康破壊が進み、国民医療の重大な危機に直面をいたしております。このような現状を政府はまともに見て、看護婦確保を初めとする医療従事者の増員、要員確保にさらに一段の御努力をしなければならぬことは当然であると思いますが、そうした観点に立ちまして、次の諸点についてお尋ねを申し上げたいと思います。 第一は、国公立看護婦養成所の拡充と助成の拡大についてでありますが、看護婦の増員、確保対策には、国の責任ある養成制度の拡充が必要であると思います。なかんずく、二・八制の実施やあるいは週休二日制の実現等が想定される現在の状況において、看護婦養成所の拡充と助成が何よりも必要であることは申すまでもございません。したがって、この問題に対する政府の考え方を承っておきたいと思います。
○滝沢政府委員 先生のおっしゃるとおり、医療従事者のうち特に看護婦につきましては不足が著しいのでございまして、これは総合的、各般的な努力を必要とするわけでございます。従来、給与を初めナースバンクの設置等各般の努力をいたしましたが、ただいま先生のおっしゃる養成所の拡充、運営費の補助あるいは院内保育の問題等努めておりますが、特段、運営費につきましても、本年度は自治体病院等に拡大するとともに、この内容の強化を将来の課題として検討いたしたいと思っております。 建物の整備は、大体四千名の入学定員の増を必要とするわけでございますが、この中には、民間で補助対象にならず、自転車振興会等の益金の配分による補助、助成をしているものもございますが、一般的に国公立等については、従来若干の超過負担等の問題もございましたが、この点も極力努力いたしまして、四十九年度からはほぼ必要な経費の補助をいたしておるわけでございます。 このほかに一つ養成所で問題のございますのが、実習病院の強化でございまして、この点については、養成所を設置すると同時に、実習病院の確保という点が一番難点でございますので、これらの点についても、予算の面で、五十一年度以降拡大の方向で検討している次第でございます。
○村山(富)委員 次に、第二の問題として、職場保育所、俗に言われる院内保育所ですね、この設置と運営に対する助成の拡大についてお伺いしたいと思うのです。 特に、国立病院、療養所で退職する看護婦のその退職理由を調査した政府の資料がありますが、その資料を見ますと、結婚、家事のためが六〇%を占めているようであります。この事実から見ましても、職場に看護婦さんの定着を図り、同時に、全体としていま働いておる看護婦さんが離職をしないように確保するためには、安心して働ける職場の条件整備が必要である。特に、職場保育所の設置が緊急の課題として切実な要求となっていることはすでに御存じのとおりであります。政府は現在までほぼ一人二千百六十円の人件費を補助しておりますが、これくらいの助成では所期の目的を達することができない、せめて民間保育所並みの助成は考えるべきではないかというように私は思いますが、その見解を承りたいと思います。
○滝沢政府委員 院内保育は予算を消化する上でも大変喜ばれておりまして、希望者が多いわけでございますが、この点について、五十年度は三百六十四カ所という施設数でございますが、現在の実態からいきますと、これはさらに五百カ所以上のものが必要であろうと思いますので、五十一年度はその方向で検討します。 ただ、先生のおっしゃる単価の問題につきましては、確かに、保母の単価等につきまして民間保育所に並べるべきだという御意見につきましてはごもっともでございますので、五十一年度の予算要求の作業中でございますけれども、その方向で検討いたして、極力努力いたしたいと思っております。
○村山(富)委員 次に、例の二・八制の問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、二・八制を実現するためには、相当の要員確保が必要であります。そのために、いま御質問申し上げましたように、保育所の設置とかあるいは養成所の拡大とか、さらにまた、資格を持って家庭におる人たちを就職させるとか、こういう諸般の努力が必要であると思いますけれども、現状を見まするに、なかなかまだまだそこまではいけない、やはりいろいろな困難な条件もあると、思います。 そこで、私は改めてお尋ねしたいと思うのですが、昭和四十年の五月二十四日に出された人事院判定による夜間勤務の改善、すなわち二・八制の速やかな実施を図るために、政府は昭和四十九年二月、社会保障長期計画懇談会の策定した看護婦の需給計画によって、昭和五十三年末に就業看護婦四十九万人を確保する五カ年計画を決めております。しかしその後週休二日制等新しい要素が加わってまいりましたので、昭和五十一年度を初年度とする新たな需給計画の策定が現在なされておるやに聞いております。 二・八制の実施については、当初計画である五十三年までに達成するという方針に現在も変わりはないかどうか、その点をまずお尋ねをし、同時に、人事院判定が出されましてからちょうど十年に当たるわけでありますが、先ほども申し上げましたように、今日依然として月十日以上の夜勤が行われておるような現状であります。このことは母性保護の観点からもゆゆしき問題であるというふうに思いますので、単なる机上プランではなく、二・八制を五十三年までには実現させる、こういう決意には変わりはないかどうかお尋ねをいたします。
○滝沢政府委員 長期懇に出しました五十三年四十九万、これは二・八という一応の体制に相応する数字、すなわち一看護単位十六人ございませんと二・八がしけませんので、そのような数値をわが国の病院数の看護単位に当てはめて四十九万という数字を出しましたが、このときの達成というのは、一応八割を目途にした、二割――人事院判定は必ずしも全病棟の看護単位が二・八でなければならぬということではございませんので、的に二人で夜勤をすべきだという議論はあろうと思いますが、一応当面、われわれの五十三年の計画は、わが国全体の民間を含めた病院の看護体制が、数字の上でともかく八割くらいが二・八体制になれるということを目途に計画したものが四十九万でございますので、その達成という意味は、われわれの目標といたしましては、そのような考え方をもって臨みたいというふうに思っております。 週休二日は、この問題には計算上は含めてございません。
○村山(富)委員 八〇%というのは、あとの二〇%は必ずしも二人夜勤でなくてもよろしい、こういう判断に立っておるのかどうか、そういう一人夜勤でもいいという判断をされるような病棟というものはどういう病棟が考えられるのか、そういう点について重ねて承りたいと思います。
○滝沢政府委員 確かにこの人事院の判定については、一人夜勤のところが必ずしも一人夜勤でいいというのではなくて、連絡その他の体制のとれるような仕組みも考えておく必要があるということでございます。 病棟としては、もちろん病院運営の一つの判断でございますので、具体的にどのような病棟は二・八でなくてもよろしいということを私はここで断定することはできませんが、医療機関のいわゆる傾斜配置、すなわち重病の方は病棟を集中して十分な看護ができるようにする、回復期の患者を考えた病棟というものを運営上考えるというようなことも含め、また慢性疾患等の場合については、急激な変化が必要のない判断に立つ場合もあり得る。これは具体的な例示でこれを明確にすることは、それぞれ病院運営の判断でございますので、私はここで申し上げることを避けますし、また限定をすることはできないと思うのでございますが、一般的にそういう意味で、当面は八割を達成の目標とする。 しかしわれわれは、医療の確保、医療の安全性から申しますならば、全体の病棟が深夜の場合でも二人で看護できることは、一つの望ましい方向としては私は決して否定いたしませんけれども、当面の計画としては、そのようなわが国全体の医療機関と患者の実態を踏まえて、八割を達成の目標としての数字でこの計画ができておるということでございます。
○村山(富)委員 そこで重ねてお尋ねをいたしますが、現行の医療法の施行規則を見ますと、従業員の員数の標準は、看護婦の場合四対一、これは最低基準ということになっております。 しかし、この施行規則ができた当時と現状とは大分要因が変わってきておる。特に二・八制が実施をされる、あるいは週休二日制が実施をされる、いろいろな条件の変化に対応して、この四対一という基準はもうすでに最低基準ではなくなった。二・八制を維持するためには、これは厚生省の方の答弁にもございましたように、二・五人に一人が必要である、こういうふうに言われておりますから、二・八制を実施する基準から見ましても、四対一という最低基準はもう意味がなくなった、こういうふうに考えるのですが、そうした問題に対する政府の見解をこの際聞いておきたいと思います。
○滝沢政府委員 先生おっしゃるように、二・八というものを十六人ということで考えてまいりますと、ちょうど患者数を四十人、利用率八割として一病棟四十人で二・五人に一人、したがって、保険の支払いの基準看護に新たに二・五人に一人という特二を設けていただいたわけでございます。このことと、わが国の医療法で病院が最低守るべき、あるいは病院を開くときに最低守るべき四人に一人というものとはもちろん無縁なものとは言いがたいですけれども、労働条件としての二・八ということと、医療の確保の最低基準として国が設けております四人に一人の問題とを直結して議論することはいろいろ問題があろうと思います。ということは、先生おっしゃるようなわが国の二・八の基準である二・五人というものを考えた場合は、その基準を仮に改定したといたしましても、現状ではこれを守れない医療機関――公的な場合はほとんど、八〇、九〇%が二・八を実施しておるという実態はつかめておりますけれども、わが国全体の医療法の適用からいけば守れない実態が横たわっておるということを考えますと、この問題については、総合的に判断した将来の需給の姿を見てこの問題に対処したい。 したがって、四人に一人という問題は私は決して固執するものではございませんで、そのようなわが国の医療法の基準である以上は、わが国全体に適用できる可能性というものを十分検討した上で対応すべきであるということであって、基本的に先生のおっしゃった二・五人というような、要するに四人を三人なり二・五人なり高めていくべきだという方向については決してこだわってはおりませんし、またその方向であろうと思うのでございますが、その時期をいつに判断するかは行政上きわめて重要な判断であると思っております。
○村山(富)委員 時間がございませんから議論はいたしませんけれども、いずれにいたしましても最低基準が決められますと、その最低基準に固執をして前進がないわけですね。したがって、やはり二・八制が標準である。特別なものは特別なものとしてある。これは特例であって、標準は標準なんだから、その標準に見合った基準を設けることが正しいというように思いますから、その点はひとつ十分御検討願いたいと思います。 最後に、週休二日帯の実施についてお尋ねしたいと思うのです。 先ほども申し上げましたように、政府は看護婦の需給計画について、週休二日制の実施という新たな要素を加味するために、計画の練り直しをいたしているようでありますが、人事院も一般公務員については昭和五十一年実施を政府に報告しておりまするし、同時にその報告を受けて、総理府は昭和五十一年一月から施行するというふうに言われております。 したがって、いまの医療機関の実態を見ますと、必ずしもそれに足並みをそろえて週休二日制が実施されるというような状況にはないのではないか。しかし、この週休二日制は労働省も指導しておりまするし、全体としてそういう方向に向かっておるわけですから、一般の公務員が週休二日制が実施された際に、医療機関で働く医療従事者も差別されることなく同時に実施をされる、こういう方向であるかと思いまするけれども、その点はどうかということが一つと、そのための定員増や要員の確保について計画的に準備を進めているかどうかということについてお尋ねをいたします。
○滝沢政府委員 医療機関の週休二日制が、事務機構の行政機関等と比較してきわめて問題が多いことは御理解いただけると思うわけでございますが、昨年の七月に、人事院が週休二日制について一つの試行計画を立てて実施する、これについては、われわれの国立病院、療養所も人事院の趣旨に従った策定の準備を進めております。 わが国全体の週休二日制の問題は、先ほど申し上げました長期懇の四十九万、五十三年という数字では週休二日を含んでおりませんので、これが計画の改定を必要とすると思いますので、先ほどお話のございましたように、五十一年から五十五年にわたる計画の中でこの問題を導入した計画策定をいたしたいというふうに思っております。 ただ、教育問題でございますので、三年たたないとその新設した養成所の看護婦さんが卒業して社会に出るという形になりませんので、この点について、計画としては五十五年を目途に立てますけれども、全体の実習病院の問題あるいは実習病院が可能なような養成施設の増設がかなり限界に来ているという問題、あるいは教員の確保、これは最大の努力をいたさなければなりませんが、教員確保の問題等を含めまして、計画の実施と計画との間に、従来もございましたけれども、そのずれが多少ございますので、一応五十五年までの計画を数字の上でお示しすることは可能でありましょうが、実行上、それが進んでいった場合、どのような修正をしなければならぬか、問題がございます。 ただ、このときにわれわれの努力する効果のあるもう一つの問題がいわゆる潜在看護婦の活用の問題でございまして、やはり職安等との連絡をよくし、ナースバンクを活用いたしまして、できるだけ賃金体系等も高めて、要するにパートタイム等一定の時間帯において勤務していただける看護婦の確保というような努力もあわせていたしませんと、この週休二日制の医療機関での実施は、看護部門だけで考えてみても以上の問題がございますほかに、あるいは小さな病院、療養所ですと、一人勤務のボイラーマンであるとか、あるいは給食関係者は三交代に近い状態でございますので、こういうような交代勤務の部門、あるいは少数の職員しかいない部門、こういう問題にどう対処するかということは、国立、直接は定員の問題、民間においてもこれら要員の確保の問題等きわめて問題が多いことはおわかりいただけると思いますけれども、社会全般が週休二日に向かうときに、医療機関だけが放置されることのないように、要員の確保あるいは施行の面で問題点を明らかにしていきたいというふうに考えている次第でございます。
○村山(富)委員 最後に大臣にお尋ねしますが、いままで質疑の中でありましたことを十分お聞きと思いまするが、特にこの二・八制の問題、五十三年という目標年次には八〇%という数字がありますけれども、要するに、目標達成のために完全実施がてきるようにすることが一つ。それからもう一つは、週休二日制については、いまお話がございましたように、内容的に困難な条件がたくさんあることも承知しております。しかし一般の公務員並びに一般の職場が週休二日制が実施されたときに、医療機関に働いている従事者だけが、特殊な事情ということを理由に引き延ばされるとか、あるいは立ちおくれるとかいうことのないようにしなければならぬと思いますが、その二点についての大臣の見解を最後に承っておきたいと思うのです。
○田中国務大臣 先ごろからいろいろと質疑がございました看護婦充足対策につきまして、私ども非常に関心を持って施策の重点項目としてこれを推進しなければならないものというふうに思っております。 看護婦充足問題については、制度の問題、養成の問題、そしてまた処遇の問題、この処遇の問題には給与もございますが、労働内容の改善ということでございます。すでに養成されているものは二・八体制の速やかな実施、そしてまた今後の問題としては週休二日制の実施というような問題がございます。それぞれの問題は非常にむずかしい隘路を持っておりますが、しかしこの問題の解消のためにわれわれは最善の努力をしなければならぬ。また予算措置も相当必要だと思います。折しも財政事情は非常に悪いのですが、そうした中にあってもこの問題を解決するために、われわれは重点項目としてこれを計上するように努力をいたし、こうしたもろもろの問題の改善の上に立って看護婦の充足対策に努めなければならないと思って、せっかく腐心をいたし、努力もいたす所存であります。
○村山(富)委員 終わります。 ――――◇―――――
○大野委員長 本日の公報に掲載いたしました請願一千九百九十六件を一括して議題といたします。 ます審査の方法についてお諮りいしたします。 請願の趣旨につきましては、すでに文書表によって御承知のところでもあり、また、その取り扱いにつきましては、理事会においても協議いたしましたので、その結果に基づき、直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 それでは、本日の請願日程中、 民間保育事業振興に関する請願 十七件 社会福祉施設職員の勤務条件改善に関する請願 二件 観光地におけるごみ、し尿、汚水処理施設等の整備に関する請願 二件 医療機関の医療従事者増員に関する請願 二件 特定疾病患者対策等に関する請願 二件 雇用対策の強化及び失業対策事業の改善に関する請願 二件 乳幼児の医療費無料化に関する請願 十件 保育所予算増額等に関する請願 十件 社会福祉施設職員の労働条件改善及び専門職給与の保障に関する請願 十四件 国立小児腎センター設立に関する請願 七件 国民健康保険の改善強化に関する請願 三件 保育施設の整備充実等に関する請願 一件 消費生活協同組合等の共済事業育成に関する請願 一件 生活保護基準引上げに関する請願 一件 市町村社会福祉協議会の法制化等に関する請願 一件 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正に関する請願 一件 生活保護基準の改定に関する請願 十件 老後の生活保障確立に関する請願 一件 障害福祉年金受給者に対する所得制限緩和に関する請願 一件 大腿四頭筋短縮症患者の救済に関する請願 二十三件 各種障害年金制度改善に関する請願 十一件 生命と健康を守るための生命保障に関する請願 一件 国民健康保険財政の確立に関する請願 一件社会福祉施設建設補助基準額等の引上げに関する請願 一件 失業対策事業の存続に関する請願 一件旧満州国間島省延吉付近丘陵地の遺骨収集等に関する請願 一件 児童福祉法に基づく学童保育の制度化に関する請願 二十件 食品に対する不安解消に関する請願 一件 保育事業の充実に関する請願 四十九件 以上の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○大野委員長 また、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付してございますとおり、在職老齢者に対する年金支給制限撤廃に関する陳情書外七十二件でございます。 以上、念のため御報告申し上げます。 ――――◇―――――
○大野委員長 閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。 保育所等整備緊急措置法案 最低賃金法案 金属鉱業等年金基金法案 厚生関係の基本施策に関する件 労働関係の基本施策に関する件 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する件 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する件 につきまして、議長に、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣地等、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 また、閉会中審査におきまして、参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましても委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十五分散会