社会労働委員会 第25号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/07/01
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 この際、請願取り下げの件についてお諮りいたします。 本委員会に付託になっております原爆被害者援護法制定に関する請願、第二六四七号につきまして、去る六月二十六日、紹介議員であります山中貞則君より取り下げの願いが提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○大野委員長 この際、派遣委員の報告を聴取いたします。葉梨信行君。
○葉梨委員 去る六月十日及び十一日の両日、東北新幹線建設工事における労働安全衛生対策等について、実情を調査してまいりましたので、私からその概要を御報告申し上げます。 派遣委員は、私のほか、村山、石母田の両理事、加藤、瓦、高橋、川俣、森井、大橋、小宮の各委員であり、枝村理事が現地参加をされました。 御承知のとおり、東北新幹線建設工事は、東海道新幹線、山陽新幹線に引き続き、上越新幹線とともに新幹線鉄道による全国的な鉄道網整備の一環として、昭和四十六年十月に着工され、現在、昭和五十二年度末完工を目標に、長大トンネル及び長大橋梁を中心に、本格的な工事が進められております。 その超大規模工事における労働安全衛生対策については、工事に採用される施工法の安全性の検討から、施工過程における各段階の安全性の確保に至るまで、総合的、広域的かつ有機的に行われる必要があり、このため行政の最重点としての濃密な個別監督指導と、あわせて施工業者の自主的な労働災害防止活動の推進を不可欠としております。 ところで、この東北新幹線建設工事においては、東海道及び山陽新幹線建設工事に比し、幸い、労働災害の発生は、全体として減少の傾向を示してはおりますが、本年三月末現在、四十三名の死亡事故を見ている状況にあります。 このたび実情調査をいたしました福島トンネル工事は、東京起点二百三十九キロ八百五十メートルの地点から二百四十七キロ九百四十メートルの地点に所在する総延長八千九十メートル、請負金額合計約八十九億円の建設工事であり、四つの工区に分かれ、掘削工法は、底設導坑先進上部半断面工法と上部半断面先進工法が採用されており、災害の発生は、本年五月末現在、死亡二、休業八日以上六十七、年千人率四七・二という状況にあります。 私ども派遣委員は、同トンネル工事のうち、死亡事故二件の発生した石合工区、全長二千二百メートルについて、斜坑より坑道に入り、切り羽における作業現場等の実情をつぶさに視察し、さらに福島労働基準局において、福島労働基準局長及び国鉄仙台新幹線工事局長等関係者並びに同トンネル工事の施工業者等から説明を聴取いたしました。 また、委員各位からは、労働基準局、国鉄及び施工業者それぞれの立場における労働安全衛生対策の現状全般にわたり、特に、労働時間、休日等の労働条件の実情及び法定基準との関係、じん肺健康診断の実施状況、労働災害の発生要因と発生時間帯、労働災害と工法との関係、被災労働者の遺族に対する補償及び遺族の生活の現状、労働災害の発生等と施工業者の選定等について質疑を行い、日程を終了いたしました。 調査の概況は以上のとおりであり、関係各機関の協力と委員各位の熱心な質疑により、所期の目的である労働安全衛生対策及び労働災害の実情を把握することができました。なお、関係各機関、各関係者がこの大規模工事に当たり、労働安全衛生対策の推進に鋭意努力を傾注している状況に触れることができましたが、同時に、委員各位の質疑を通じて問題点の指摘もなされたところであり、この調査を契機として、東北新幹線建設工事が、今後無事故、無災害のうちにりっぱに完成されることを心から期待するものであります。 以上御報告申し上げます。
○大野委員長 これにて派遣委員の報告は終わりました。 ————◇—————
○大野委員長 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。枝村要作君。
○枝村委員 私は、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の四党を代表いたしまして、失対事業の問題について質問をいたします。 昭和四十八年暮れのオイルショック以降、わが国の経済は低迷を続けておりまして、昭和四十九年度の経済成長率は、ついにマイナス〇・六と大幅な落ち込みを示しております。このような経済情勢を反映して、雇用・失業情勢も本年三月には完全失業者数百十二万人、有効求人倍率〇・七一と、ここ十数年来最悪の事態に至っておるのであります。四月には九十八万人、〇・七三と若干の改善の兆しは見られるものの、最近の景気の冷え込みなどから見ると、今後の雇用・失業情勢はきわめて厳しいものであると言わざるを得ないのであります。 このような情勢のもとで、政府は今後どのような対策を講ずる考えであるか、特に当面の緊急の問題について政府の基本的な態度を明確にする必要があると思いますので、四党を代表いたしまして、次の点についてお尋ねをいたしたいと思います。 第一に、きわめて厳しい雇用・失業情勢のもとにある現在、政府が失対事業の制度検討を行うため、調査研究会を設けておりますが、これは過去の例から見て就労者に強い不安感を引き起こしております。制度検討に当たっては、緊急失業対策法第四条に規定するように、現在の雇用・失業情勢に十分対応する方向で検討を行うべきであると思うが、いかがですか。 それからまた、この問題につきましては、すでに四十六年の中高年法審議の際、現在失対事業に就労している人たちについては、社会保障対策や高年齢者の仕事に関する対策が充実されるまでの間は、失対事業に就労し得るよう配慮すること、ということが満場一致の附帯決議でもって明確にされておるのであります。このような点を前提にすれば、制度検討といえども、失対事業の打ち切りあるいは年齢、体力などによる就労者の失対事業からの排除は絶対に行うべきではないと思います。むしろ就労者の年齢なり能力、就労の実態に見合うような事業運営の改善を図るとともに、生活の実態をも考慮して、賃金及び臨時の賃金について今後とも就労者の生活の安定を図るよう改善に努めるべきであると思うのであります。そういう意味からこの基本的な方針をひとつ承りたいと思います。
○長谷川国務大臣 今回の制度検討につきましては、現在の失対事業に就労している失業者に関しまして緊急失業対策法第四条に基づき調査検討を進めるものでありまして、検討に当たりましては、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法成立の際の本委員会における附帯決議の趣旨に沿って失対事業を継続実施することを前提として進めております。したがいまして、就労者の年齢や体力を理由に現行事業から排除することは考えておりません。 また、今後の失対事業のあり方につきましては、就労者の年齢、生活、就労等の実態などを十分考慮いたしまして、事業運営の改善とこれに応じた適正な賃金水準の確保を図るよう検討を進めてまいっているところであります。
○枝村委員 次に、第二の質問でありますが、失対事業以外にも緊急就労対策事業、産炭地域開発就労事業、特定地域開発就労事業がありますが、これら事業についても一部地域の新聞などで打ち切り検討などという報道もされておりますが、関係地域住民に大きな不安を巻き起こしております。 この問題についても、現在の雇用・失業情勢のもとにあって、その打ち切りなどは絶対に行うべきではないのでありまして、特に特定地域開発就労事業については、四十六年の中高年法審議の際の附帯決議でもって、「その実施地域、事業内容及び運営方針を定めるにあたって、同事業が中高年齢失業者等に対する対策であることに留意し、雇用失業情勢に応じた弾力的な運用を図る」ということを政府に要求いたしましたところ、政府としてもこれを受け入れている。このことをしっかりと心に刻んで各地域の雇用・失業情勢に対応すべきであると思うのであります。またこの場合、地方自治体の財政状況をもよく勘案して、今後事業費等の面での財政的措置を講ずるべきであると思うのでありますが、いかがでございましょう。
○長谷川国務大臣 炭鉱離職者緊急就労対策事業あるいは産炭地域開発就労事業並びに特定地域開発就労事業は、それぞれ炭鉱離職者などや中高年齢失業者等に対しまして臨時的に就労の機会を確保するために講じた特別措置でありますので、その存廃は地域社会の雇用・失業情勢と就労者の生活に大きな影響があることにかんがみまして、現状においてこれらの事業を廃止する考えはありません。 また、特定地域開発就労事業の運営に当たりましては、おっしゃるとおり、昭和四十六年の中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法成立の際の附帯決議の趣旨を尊重しまして、地域の雇用・失業情勢や雇用の機会の増大につながる地域の開発の可能性などについて地方自治体とも十分協議しながら推進するとともに、地方自治体の財政問題につきましても、事業費単価の適正な改善などの財政措置を講ずるよう配慮してまいりたいと存じております。
○枝村委員 以上で四党統一の質問を終わるのでありますが、後から各党から補足的な質問を出されると思います。 ただいま申し上げました諸点については、その中で一部指摘したものもあるように、昭和四十六年の中高法案審議の中で行った政府答弁あるいは附帯決議、また衆議院社労委における政府答弁で明らかにされたものが多いのであります。したがって、私の質問は、これを再確認するという意味を含めて、その決議、答弁を基調として、今日の失業・雇用情勢に直ちに対応する等の体制をとって不安を一掃していただきたいという趣旨のものでありました。その点について労働大臣の決意のほどを伺いたいと思います。
○長谷川国務大臣 先日以来、地方の新聞が何か書いたりいたしまして、おっしゃるように地域のこうした関係者に非常に不安を巻き起こしているということ、私聞いておりまして、残念に思っておりました。こういう委員会において、正式な御質問の中で私たちの姿勢を実はいま御答弁申し上げたわけでありまして、万々そういう不安のないように、いま申し上げたこと、また従来もここでずっと話をしておりましたことを実行して、こうした厳しい雇用・失業情勢のときに万々の対策を推進してまいる、こういう考えでありますことを御理解いただきたい、こう思います。
○枝村委員 次に、社会党の枝村として、次の質問を一点だけ行いたいと思います。 雇用・失業対策の基本についてお尋ねするわけでありますが、さきにも統一質問で述べましたとおり、雇用・失業情勢の中で、今後における失業防止及び失業者の再雇用に関する対策は最も緊急を要するものでありますが、この対策の基本的な方針はどうか。また特に中高年齢者、身体障害者等については、一段とその対策を充実すべきであると考えまするが、政府の基本的な姿勢をお尋ねいたしたいと思います。
○長谷川国務大臣 人生で一番悲しいことは失業だ、私はこういう感じで労働行政を推進してまいったわけでありまして、最近のような厳しい雇用・失業情勢のもとにおきましては、失業の発生を防止することが雇用・失業対策の基本だと存じております。このため、労働省といたしましては、特にこういうときでありますから、高年齢者等の離職の発生をできる限り防止するよう、事業主に対しまして指導を強化いたしますと同時に、皆さんで御決議いただきました雇用調整給付金を活用いたしまして、失業の防止をすると同時に、労働者の生活の安定に万全を期してまいっているところであります。 なお、失業を余儀なくされた人たちに対しましては、雇用保険法に基づく失業給付、あるいは雇用対策法に基づく職業転換給付金制度を活用して、労働者の生活の安定を確保しながら、職業訓練、職業紹介を実施し、その早期再就職に全力を挙げているところであります。幸い、本年四月に施行されました雇用保険法においては、就職のむずかしい中高年齢者に対しましては、失業給付の面で手厚く措置するとともに、就職のむずかしい人たちの雇い入れの促進、労働者の能力開発など積極的な内容を種々盛り込んでおりまして、こうした措置を総合的に活用して、当面の情勢に対処してまいる考えであります。 特に中高年齢者や身体障害者等につきましては、職安の諸君に事業所の訪問強化をさせまして求人を確保する一方、求職者の職業相談、職業指導に特段の配慮を行うなど、職業紹介機能の強化を図ると同時に、安定した職場が確保できるよう公共職業安定所の総力を挙げて取り組んでまいりたい。また、私自身も全国の職業安定課長会議を何遍となく開きまして、こういうときにこそ労働省の職安の諸君が親切な行政をすることが、そうした人々に勇気をつけることであり、一生の幸せというか、希望を持たせることであるというところで、できる限り十二分に配慮をし、行動するように督励しているところでありまして、御期待に沿うように万全の策をやってまいりたい、こう思っております。
○枝村委員 終わります。
○大野委員長 石母田達君。
○石母田委員 私は、共産党を代表いたしまして、先ほどの四党共同の質問に対する政府のお答えをいただきましたが、それに若干の補足的な質問を行いたいと思います。きょうはきわめて限られた時間でございますので、御答弁はできるだけ大臣に、そうして簡潔に行っていただきたいと思うのであります。 ただいま理事会で、失業対策事業の存続に関する請願が自民党を含めまして五党全会一致で採択されることになったことは、いまの政府答弁と相まって、今度の研究会の設置に伴って打ち切りされるのじゃないかという不安を持っている多くの労働者に対してきわめて喜ばしいことであるというふうに考えております。 さて、いまお答えがありましたけれども、その中で、さらに具体的に失対の現在の打ち切りをしないということは、現在就労している人たちが「自立するかどうか、あくまでも就労者の自由意思にゆだねる考えでおりまして、強制にわたることがないようにいたす考えでございます。」と、ここにおられる住政府委員が参議院の社会労働委員会で昭和四十六年の五月十八日に答弁しております。また「失対に働くこともあるいは失対から離れて正常な常用雇用につかれることも、各人の御自由意思におまかせいたしたい。あとに失対に残られる方は、言い方は悪いかもしれませんが、一生、死ぬまで安心して働いていただきたいということをお約束申し上げたわけで、そのとおり現在失対に就労していただいている」云々、こういうことも衆議院社会労働委員会で昭和四十九年三月五日に遠藤政府委員が答弁されております。この方向で先ほどお答えのあった問題をやるというふうに考えてよろしゅうございますか。
○長谷川国務大臣 そのとおりでございます。当時の政府委員が御答弁申し上げたこと、これは労働省がいままでずっとそのとおり施行もし、また皆さん方もそれを御理解いただく、そういう流れの中で、ただいま四党ですか、そういう方々の御質問に対してお答えしたことは一貫しているとこである、こう御理解いただきます。
○石母田委員 先ほどのお答えの中に、就労者の年齢や体力を理由に現行事業から排除することは考えておりませんという大臣の答弁がございました。このことは、さらに健康診断、所得制限の問題で、これまた昭和四十六年五月十八日の参議院社会労働委員会におきまして、遠藤政府委員が次のように答弁しております。「御懸念になりますような健康診断を乱用して失対から排除するというようなことは、実績としてもございませんし、今後ともそういうことを決して考えておるわけではございません。」あるいはまた「十九万人の」——その当時十九万人の方々がおったのです。「十九万人の就労者を一人一人厳重に洗いあげて所得が幾らになっているかということを調査までして実施するというつもりはございません。」このような政府委員の答弁がされておりますけれども、いまもなおこの方針で進まれるということには変わりはないでしょうか。
○岩崎政府委員 ただいま先生御指摘の健康診断で失対事業から排除する、就労を排除する——乱用するようなことはございません。 それから所得制限につきましての御質問でございますが、一般にその全部にわたって細かい調査をするというようなことはいたしませんが、明白に非常に所得が上回っているというようなことについては別であるということを御理解いただきたいと思います。
○石母田委員 余り当然のことは当然と言わないで、こちらの趣旨も体して、きわめて短いから、そういうところを大臣はよく考えて答弁していただきたいと思います。 それからもう一つは、賃金の問題で、先ほど賃金並びに臨時の賃金についても大臣の方から答弁がございました。それについても昭和四十六年の五月十八日、参議院の社会労働委員会におきまして、いわゆる中高年齢者の雇用促進法の附帯決議の中に「失業対策事業就労者に対する夏季・年末の臨時賃金については、法案修正の趣旨を尊重し、これまでの経過に留意してその改善に努めること。」、これは臨時の賃金です。さらに「賃金につきましても、従来から毎年その改善につとめているところでありますが、今後とも就労者の生活の安定をはかるよう、その改善につとめたいと考えております。」と、前の野原大臣が答弁をされております。このようなことについて、かわった長谷川労働大臣におかれましても、この政府答弁あるいは大臣答弁に変わりはないかどうか、大臣にお伺いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 御案内のように、そうした働く諸君を守るのが私たちの立場でございまして、私も一年半ぐらいこうして皆さんとおつき合いしておりますが、失対賃金につきましては五十年四月から対前年度当初に比べまして二二・七%の引き上げを図ってきたところであります。今後とも失対就労者の就労及び生活の実態を十分見守りながら、緊急失対法に定める賃金決定の原則にのっとりまして、適正な賃金を確保するよう、そういうつもりでやってまいりたい、こう思います。
○石母田委員 ですから、先ほどの答弁と同じになりますから、そこの適正な賃金というのは、これまで野原大臣が答えたようなあるいはまた附帯決議にあるような方向でやるのかどうかということを大胆に、ただそうだと言ってもらえばいいのです。よろしゅうございますか。
○長谷川国務大臣 いまもお答えしましたように二二・七%上げている、そういう姿勢でやってまいりたい、こう思います。
○石母田委員 それでは現在の問題について二つほどお答え願いたいと思います。 一つは、いまの日雇い労働者が、非常に就労日数が少なくなっているために、現在の雇用保険法でも決められている二カ月で二十八日という就労がなかなか印紙が取れないということで、実際にはこれは私どもの横浜の港湾における日雇い労働者もそうでございますけれども、そうした問題についてどういうふうにしたらいいか、これまた簡単に、ぜひ御検討願いたいというように考えております。
○岩崎政府委員 日雇い失業保険金の問題でございますけれども、これは文字どおり保険だというたてまえから申しまして、やはり支給要件の改定ということになりますと、保険料との関連もございますし、また保険として成り立つかどうかということも考慮しなければなりませんので、なかなかむずかしい問題だとは考えております。
○石母田委員 これはむずかしい問題だけれども、実際にはそういうことで非常に困っているから、大臣、この問題については何らかの措置を十分検討してくださるように、まず大臣の決意を聞きたいと思います。
○長谷川国務大臣 むずかしい問題ですけれども、おっしゃるとおり検討してまいりましょう。
○石母田委員 最後に、いま非常に失業が深刻な状況になっていることは先ほどの共同質問の中にありましたけれども、このために仕事をどんどんふやすということで地方自治体などが公共事業をふやしたりあるいは高齢者のための事業をやっている。こういう問題について政府としての援助を何とかしてほしいということを再三ここで申し上げておりますけれども、ますます事態が深刻になっておりますので、このような問題について政府としても積極的な打開策を講じていただきたいということでの失対事業の拡充といいますか、そういった問題について、ぜひ大臣の決意のほどをお願いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 おっしゃるとおり、いまの時代は物価抑制とこうした景気の問題といいますか事業拡大というのを非常に綱渡りしながらやらなければならぬということでございますので、そういう中から私たちも第三次不況対策等々やっており、あるいは官公需を早く繰り上げるというふうな姿勢などもとっておりますので、十分配慮しながら対処してまいりたい、こう思っております。
○石母田委員 それでは先ほどの共同質問に答えられた、また私の質問に答えられた方向で積極的に失業対策の問題に当たられるよう心から要望いたしまして私の質問を終わります。
○大野委員長 大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 私も関連して若干質問いたします。 いまも質問があっておりましたように、過去におきまして、失業対策事業に関連して労働省の答弁は、絶対に打ち切ることはいたしませんと各所でそういう答弁がなされてきたわけです。ところが失対夢業の制度検討を行うための調査研究会が発足されたということによって、地方の方では大変な騒ぎが起こっておりました。つまりいよいよ失対打ち切りが始まるのだというような内容であったわけでございますが、きょうの答弁では再びそういうことはありませんとはっきりお答えになっているわけでございますけれども、こうしたことは、調査研究会を発足させたことによってそういう動きが出てくるということは、これまでの労働省の行政姿勢がやはり問題があるのではないか、つまり労働省に対する関係者の不信感あるいは信頼感がない、どこか労働省として反省するものがあるのではないかと私は感ずるのですけれども、いかがですか。
○長谷川国務大臣 大橋さん、北九州におられまして、そういうふうに不信感がもし出たら、向こうの方を説得してくださいよ。それはあなた、お互い国会でこれだけ議論していることを一市長が勝手に言うて、そして向こうに不安を招いている。ここであなた方に私たちがしっかりお答えしている従来の姿勢というものを私はよく徹底さしてもらいたい、これはぜひお願いします。
○大橋(敏)委員 いま大臣から言われるまでもなく、私はそういう話を聞いたたびに、そういうことは絶対にあり得ないと言い切ってはきました。しかしながらわれわれが野党の立場で幾ら物を言ってみても皆さんの納得というものは簡単に受けられるものではないわけです。したがいまして、これまでの行政姿勢のどこかにそういう不安を持たせる何ものかがあるのだということを私は思いますので、反省をしていただきたい。 次にお尋ねしたいことは失対賃金の問題でありますけれども、失対賃金の単価は昭和五十年度で二千百二十円となっております。これは全国平均ですね。地域によりますとこれよりも高いところもあったりあるいは低いところもある、私はこう聞いているのでございますけれども、最高と最低とではどのぐらいの開きがあるのか、また九州あるいは北海道の賃金が、そういう意味でいけばどの程度のランクに位置しているのか、お尋ねをしてみたいと思います。
○岩崎政府委員 失対賃金の地域の差でございますが、平均賃金でB2をとりますと、最高が第一表、それから最低が第十一表ということになっておりますが、最高が二千二百二十九円、最低の第十一表が千九百二十二円ということになっております。 それで、九州の場合をとりますと、福岡に二つランクがありますが、第五表、これが福岡の高い方でございます。二千百六十八円。それから福岡の第二ランクの方が第十表の二千十八円ということになっております。それから九州の郡部の方ではこの最低の千九百二十二円というところもございます。 それから北海道は、一番高いものが第二表の二千二百十九円——第二ランク、第三ランクとありますが、第三ランクをとりますと、第六表の二千九十三円というような数字になっております。
○大橋(敏)委員 大臣、いまお聞きになったとおりに全国各地ではかなりの格差があるわけですよ。御承知のように、いま全国一律最低賃金が強く要請されている折でもあります。私は、日額二千百二十円程度の賃金ならば、この格差は当然詰めるべきである、このように思うのでございますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○長谷川国務大臣 失対賃金は、緊急失業対策法に基づきまして、同一地域におけるほかの類似の事業に従事するところの労働者に支払われる賃金を考慮して、地域別に決めていることは御案内のとおりです。この賃金決定の原則を前提といたしまして、いままでも年々格差の縮小に努めてまいりましたが、今後ともこの点につきましてはさらに検討してまいりたい、こう思っております。
○大橋(敏)委員 当然詰めていく方向で検討したい、こういうことだろうと思いますが、日額二千百二十円の賃金というものは、現在の経済社会情勢の立場から見た場合に何としても安い、私はこう思うのでございます。今後米価の引き上げなどが予想されていることでもございますし、失対労働者の賃金も大きく引き上げていただきたい。強くこれは要請するものであります。この点について大臣からお答え願いたいと思います。
○長谷川国務大臣 今後とも、失対就労者の就労及び生活の実態を十分見守りながら懸命にひとつ善処してまいりたい、こう思っております。
○大橋(敏)委員 最後に一言。失業対策事業は絶対に打ち切りはしない、これでわれわれも再確認したわけでございますが、そう言いましても、働いている皆様の年齢はかなり高くなってきておりますので、その就労内容については皆様に無理がいかないように、ひとつ手厚い、きめの細かい配慮をしていただきたいことを強く要請をいたしまして、私の質問を終わります。
○大野委員長 小宮武喜君。
○小宮委員 最近、わが国の雇用情勢の悪化がようやく峠を越して、二月以降、失業者が百万人もいたのが、大体四月では九十八万人ぐらいに減少した、こういうようなことが言われているわけですけれども、現在の雇用情勢がどうなっておるかということと、今後の見通しについてはどうかということと、もう一つは、幾らかでも雇用情勢が好転したと見られる原因はどこにあるかという点を、ひとつあわせて御答弁願いたいと思います。
○長谷川国務大臣 数字的なものは政府委員から答弁させますけれども、低成長になりましたときには、従来の高度経済成長の時代と違って、やはり失業問題は大変な問題だと思っております。いわんや、その中において、若年の方々は別といたしまして、高年齢者それから身体障害者、こういう方々の雇用・失業情勢というのは非常に厳しくなっている。これを非常に心配して、対策を皆さんとともどもにやらなければならぬ、こう思っております。 一方、いささかよその国のことも見ながら私は調べておりますけれども、よその国が、アメリカの場合九・二%、そういうものがありました場合に、日本は、四月では一・七だったと思いますが、そういう中におきましてこれがなぜそんなことになっているかといいますと、皆さんと御審議いただいた雇用保険法というものが、雇用調整給付金などによって一時帰休に対するいろいろな手当てをしていることなどが多くの不安感というものをなくしていく。それも、一月一日から施行しまして六月まで、御案内のように中小企業には三分の二、こういう給付金を出しておりましたが、これもこういうときでございますから、業種のよくなったものはいざ知らず、そうでないものは、いままで指定した業種の大体八割ぐらいは七月一日からこの給付金制度を延長していく、こういう手配をしていることも御理解いただきたい、こう思います。
○小粥説明員 最近の失業情勢につきまして数字で御説明いたしますと、三月の完全失業者は百十二万でありますが、四月にはそれが九十八万人と減少に転じております。しかしながら、三月と四月の比較で申し上げますと、その減少分はむしろ景気好転と申しますよりは、季節的要因によるものが多いと思っております。しかしながら、一月ないし三月の完全失業者数は、かつて総理府統計局の予想しました数字よりもかなり下回った水準で出ております事実がございますが、その面は雇用調整給付金制度が大いに働いたものではないかというふうに考えております。 なお、今後の情勢につきましては、産業別にいろいろ動きがございますけれども、景気の回復が相当おくれるような見通しもございます。したがって、各企業では、残業時間の規制とか一時休業の実施という形での雇用調整を相当強力にやっておりますので、ある程度景気が回復したとしても、雇用面の新しい需要というものはなかなか出てきにくい情勢にあろうかと思っておりますので、したがって、雇用情勢としてはなお厳しい状態が続くのではないかと思っております。
○小宮委員 端的にお伺いしますが、いま言う雇用情勢が少しでも好転したように見受ける原因が、景気の回復の兆しによるものか、それとも、私自身もこの雇用保険法の雇用調整給付金の果たしておる役割りもかなりあると思うのですが、大体その辺の、少しでもよくなっていく、よくなってきたという原因が那辺にあるのかという根本的な労働省の見解を私は聞いておきたいのです。 それからもう一つは、そういうような意味で、雇用調整給付金というものが失業にどの程度の役割りを果たしておるのかということです。この問題もひとつあわせて御答弁願いたい。
○長谷川国務大臣 一般論になるかもしれませんけれども、組合の諸君からは、雇用調整給付金というものが適用されるために、私たちは失業しないで済んでいる、だからこれを進めてくれという話がありますことは、まさに私は役に立っておる原因だ、こう思っております。 もう一つは、やはりこういうときは経営者の諸君も知恵を出す時代ではなかろうか。早い話が雇用調整給付金が適用されかけたときに一番問題あったのは電機とそれから繊維だったでしょう。ところが電機の場合は最近上向きになっておる。これはやっぱり二七・八%ぐらい家電がテレビなんかを値下げしたのです。それはいままであるいろいろなつまらぬ飾り物全部なくしたのです。そんなことから、最近新聞を見ますと、あるいは業界から聞いても、一時帰休を回復さして、そのほかにパートタイマーを復帰さしておる、そういうところに雇用の一つのメリットも出ておる。だから、自分の企業を伸ばすためにも、また雇用のためにも、こういう大事なときには知恵を働かすことが大事なことじゃなかろうか。 もう一つは、自分で就職している者の喜びといいますか、そういうものを感じながら、ぜひひとつ職場の確保というものを図ってもらいたい。まさに労使ともどもの連帯感というものがこういうときにこそ大事じゃなかろうか。私たちはそれを推進するために役に立つことであるならば何でもやっていく、これがいまの労働省、政府の姿勢でとるべき態度でなかろうかと思っておるわけであります。
○小宮委員 この雇用保険法に基づく一時帰休の制度が発足してから六カ月になるわけですが、この間に雇用調整給付金がどれくらい支払われているのか。また、これはことしの一月から三月までの四十九年度の予算措置は大体四十億だったと思うのです。それから五十年度が大体百億だったと思うのですが、そういうような意味で現在まで幾ら支払われておるかということと、もう一つは、五十年度は百億の予算であるけれども、調整給付金の支払いが次第次第に増加していった場合に、この限度内でこの調整給付金というものを考えるのか。必要であれば調整給付金もどしどしふやして、この制度をあくまで運用していくたてまえに立つのか、その点をひとつお伺いします。
○小粥説明員 一月から五月までの雇用調整給付金の支給決定額は、全部で百五十七億程度になっております。そのうち一−三月分が五十五億でございまして、新年度に入りましてから百億ちょっとの支給をしているわけでございます。
○長谷川国務大臣 そういうわけでして、当初見積もったものよりはよけい金が要っているわけです。いわんや七月にそれを再延長することでしたから、私は閣内におきまして、こういうときにこそ金は、むだ遣いじゃありません、大事なことに使う金ですからぜひ御協力願いたい、こういうふうな姿勢をとっております。よその国の例を見ましても、アメリカは十六歳から十九歳が五人に一人の失業者、これが外に出た場合に一体どういうことになるか。そういうことを見ますと、雇用調整給付金というものでお手伝いをすることが、国全体の面から見ても非常に大事なメリットになるのじゃなかろうか、こんな姿勢でやっておることも御理解いただきたい、こう思います。
○小宮委員 最後に、造船界の不況が非常に深刻化してまいりましたけれども、現在の造船界の雇用状況はどうなっておるかということと、それから今後の見通しはどうかということ、さらにはこの不況対策をどうするのかということについて、労働省の守備範囲の中でひとつ御答弁願いたい。
○小粥説明員 造船業の生産状況につきましては、現在のところでは手持ちの受注量が残っている関係がございまして、それほど全体的には生産量は落ちておりませんけれども、キャンセルとかいうことも最近生じておりますし、特に全体的にはそれほど落ちてないにしても、下請中小企業に対するしわ寄せが相当厳しくなってきているということで、特に下請部門においては厳しい雇用調整措置がとられているということも承知いたしております。 造船業全体の今後の見通しとしましては、これは運輸省あたりからも私ども常時連絡をとりながら情勢を把握するように努めておりますけれども、全体の先行きの見通しとしては相当厳しい情勢があるというふうに理解しておりまして、こうした情勢に対しては、当面四月それから六月に一部造船関連の業種を雇用調整給付金の対象業種に指定いたしましたけれども、さらに残された下請関連部門も相当ございますので、そうした部門についてどういう形での業種指定が可能なものか、早急に運輸省とも連携をとって検討を進めているところでございます。 なお、全体的な先行きの問題としましては、造船業自体の構造的な問題もあるやに承知いたしております。したがって、そうした面での産業政策の展開と相まって雇用対策の面でもなお充実を期していきたいというふうに考えている次第でございます。
○小宮委員 最後に、一つだけ。失業保険金の受給者ですね、この推移は今年に入ってから大体どうなっておりますか。
○小粥説明員 一−三月はいわゆる失業保険金の受給者ということになりますが、一月が九十万五千人、二月が九十八万八千人、三月が百八万七千人、それから四月が百四万九千人となっております。
○小宮委員 またいずれ、この問題については別の機会にやりたいと思いますから、きょうはこれで質問を終わります。
○大野委員長 次回は明後三日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十四分散会