社会労働委員会 第21号
- 発言数
- 324 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/13
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 最低賃金制をめぐる諸問題について、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○大野委員長 厚生関係及び労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 本日は、特に国際婦人年に際し、婦人に関する諸問題について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高橋千寿君。
○高橋(千)委員 私は、国際婦人年に際しまして、婦人の差別と申しましょうか、そういうことに対してちょっとお願いしとうございます。 国家公務員採用の仕組みについて二、三お尋ねいたします。まず、採用試験というものはどのように行われておりますか。
○小野政府委員 国家公務員の採用試験は、現在、学校制度との組み合わせもございまして、大学卒業程度の上級職試験、それに準ずるもの、それから短大、高等専門学校卒業程度といたしまして中級試験、それに準ずるもの、それから高等学校卒業程度の初級試験並びにそれに準ずるものという、大体三種類の程度によって試験を行っております。
○高橋(千)委員 最近の男女採用人員の推移などというものをお尋ねいたしたいのですが……。
○小野政府委員 公務員試験は、ただいまお答え申し上げましたように、上中初の三種類の程度で行っておりますが、すべて総合いたしまして、年によって申し込みの状況は異なりますが、おおむね、年間二十二、三万の応募者がございまして、その結果、試験を行いまして、二万五、六千の合格者を出します。実際に採用になりますのは、二万五、六千の合格者の中から、年間大体一万一千人前後の者が公務に採用されるわけでございますけれども、そのうちに女子が占める割合は、大体二千人ぐらいでございます。つまり、二割ぐらいの者が女子ということになっておりまして、これは現在の一般職国家公務員の男女別の比率にもちょうど合っている、そういう数字になっております。
○高橋(千)委員 いまお聞きしますと、二割程度の女性の採用になっているということですが、人事院の今年度の「国家公務員採用試験の概要」を見ますと、これは高卒程度と大学、短大、高専卒程度のものですが、これを見ますと、多数の職種があります。しかし昭和何年生まれの男子、または男子に限るというような、応募資格が男子のみに限られているものがほとんどであります。この資料を見るにおきましては、男女差別というものが行われているのではないかと私は思うのでございますが、政府としてはどのようなお考えでございましょうか。
○小野政府委員 ただいまの御質問に対しましてお答えをいたしますが、いまの御質問にお答えする前に、人事院が試験機関として試験をやっておりますその仕組みを簡単に御説明申し上げたいと思います。 私どもは、試験機関といたしまして各種の試験を行っておりますけれども、これは各任命権者、つまり各官庁側でどのように採用するかという採用の見込みを私どもが伺いまして、職種別にあるいは仕事の内容、特殊事情等を十分伺いまして、その事由に応じまして私どもが試験をやっているということでございます。そういう仕組みの中で、現在各任命権者側でそのような要請があるということでそれぞれの試験の受験資格を設定している、こういう仕組みになっているわけでございます。
○高橋(千)委員 いま仕組みというような御答弁をいただきましたが、私ちょっと納得できません。政府はたびたび男女平等を明言しておられ、そしてことしは国際婦人年でありますのにもかかわらず、今年度の国の採用試験で現実に女子を締め出しているというような感じを私は受けます。合格者がいないというなら話がわかりますが、試験の機会すら女性には与えられないという、窓口で排除されているという、中に入れられないという、これは明らかに男女の差別だと思うのですが、大臣いかがでございましょうか。
○森山(真)政府委員 国家公務員の採用試験につきましては人事院の所管でいらっしゃいますけれども、採用試験につきましては、国家公務員法、人事院規則その他によりまして、男女の差別がないというたてまえになっていると理解しておりますが、もし先生御指摘のようなことがあるといたしますと、労働省といたしましては、男女の平等の見地から問題があるというふうに考えます。今後、女子にも平等の機会ができるだけ開かれますようにということを期待したいと思います。
○高橋(千)委員 この「公務員採用試験の概要」の中の職種におきましても、女性が入ってもできる仕事がまだあるようでございますので、そういうところをお考えくださいまして、来年度からでも開いていただくように持っていっていただきたいと思います。 それから、十一日の日本経済新聞に「なお格差に泣く女子公務員」という見出しで記事が出ておりました。管理職に占める女子の割合が少ない、昇給昇格では男子は急行であり、女子は鈍行である、また簡単な仕事ばかりで質の高い仕事をさせないなどといういろいろなことが出ております。「国家公務員初級試験も男子と女子の区別がある。」「女子に不適当な職種」ということで女子をシャットアウトしている。」というように指摘しております。ここでいろいろ答弁されておりますが、やはり男女差別は厳存していると言わざるを得ないと思います。 そこで、本年度はともかくとしまして、国際婦人年でもありますが、来年度からはぜひ女子に受験の窓口というものを開いていただいて、この点を大臣に確約していただきたいのでございますが、いかがでございましょうか。
○長谷川国務大臣 先生初め、ほかの先生方もメキシコの国際婦人年の大会の方に御出席になるという、そういう御努力に対して一番先に敬意を払います。またこういう機会に、いろいろと質疑を通じまして日本の婦人の地位の向上というものについてお話しいただきますことは、私たちも非常な激励をされるところであります。 人事院の所管でございますけれども、何といっても、いま日本には働く婦人が千二百万と承知しております。そういう方々の地位を高めていくということが大事な仕事であります。また、やらせればできる、こういうこともはっきりしているわけでございまして、そういう機会をいろんな場所においてつくることが婦人年に対する私たちの務めじゃなかろうか、こう思ってせっかく努力してまいりたい、こう思います。
○高橋(千)委員 では、いま大臣のお答えのように、来年からでもどうしても窓口を開いていただくことを再度要望いたします。 次に、週休二日制とそれに伴う余暇利用の観点から二、三質問させていただきたいと思います。 まず、週休二日制の普及状況、最近の推移などをお尋ねいたします。
○東村政府委員 お答えいたします。 各年九月末現在の数字でございますが、昭和四十八年で週休二日制を実施しております事業所、企業の割合は三割で、そこに働く労働者の割合が五四・七%、四十九年になりますと、企業の割合で四二・八%、そこに働く労働者が六七・五%と、近年かなり週休二日制の採用状況は伸びておる、かように相なっております。
○高橋(千)委員 実施の方法もまた各企業、各自治体においていろいろあるようでございますが、この内容について詳しくお尋ねいたしたい。
○東村政府委員 ただいま御指摘ございましたように、一口に週休二日制と申しましても、月に一回やるとかあるいは隔週やるとかあるいは毎週やるとかいろいろございます。それから、大企業と中小企業等におきましてもそのやり方が異なります。特に中小企業等におきましては、週休二日制と申しましてもなかなか普及いたしません。そこで、地区によっては、その地区全体が申し合わせといいますか話し合いといいますか、そういうことをやりながら、週休二日制を月一日からでも始めようというようなことで、計画的、段階的にやっておるというような状況に相なっております。
○高橋(千)委員 銀行、証券などの金融機関の完全週休二日制が実現いたしましたならば、公務員を初め広く産業界全般に速いテンポで普及していくかと思いますが、そういう点についていかが検討されておられますか。また、銀行の土曜閉店が実現したならば、影響を受けます中小企業に対していかなる措置をお考えでいらっしゃいますか。
○東村政府委員 銀行のお話がただいま出ましたが、銀行については、何らかの形で週休二日制をとっている、つまり月に一回でもとっているというものを数えますと、かなり普及状況は高いわけでございます。しかし、これ以上週休二日制をふやすためには、銀行等においては銀行法等の関係もございまして、その法律問題等についていろいろ問題がございます。しかし、いずれにいたしましても、銀行が週休二日制ということに相なりますると、いまおっしゃいましたように、中小企業の商取引上に及ぼす影響等を十分考慮しなければならない、こういうことに相なるかとも思いますので、そういう点を含めまして関係省庁と十分協議しながら対処してまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 人事院は、「当面、時間短縮を伴う隔週又は月二回を基準とする週休二日制の実施を目途として、その具体化のための検討を進める」と勧告しております。これを受けて政府はどのような対策、検討を進められておりますか、お尋ねいたします。
○東村政府委員 人事院の方でいろいろ御検討になって、報告という形で一つの報告がされておるわけでございますが、これはまだ正式の勧告ではございません。したがいまして、そういう動きがあるということで、関係省庁としてはそれが具体的にどういう問題として波及していくだろうか、どこに問題があるだろうかということを現在事務的に検討しているところでございます。
○高橋(千)委員 それでは、早急に検討されて結果を出されていただきたいと思います。 それから、賃金、労働時間などの労働条件が改善されていくことはもとより大切でありますが、週休二日制の推移、普及とともに、今後は職場外における生活条件の改善、余暇環境の整備というもののウエートが非常に大きくなってくると思います。総理府の四十七年の週休二日制、余暇に関する世論調査によれば、平日、休日ともにテレビやラジオまたは休息、くつろぎという家の中でぶらぶらしているという、極端に言えばごろ寝状態のものが非常に多いという。まずこうした現状をどう考えておられましょうか。
○東村政府委員 週休二日制が実施されますと、御指摘のように時間が浮いてまいります。これに対しましてはいろいろの余暇活用の形が考えられるわけでございます。たとえば個々の工場、事業場等においては、それぞれいろいろ企画を設けたり、あるいは旅行をしたりやっておるわけでございます。ただ、そういうことがないような場合には、ただいま先生御指摘のごろ寝という表現がよく使われますが、それも一つのあすへの英気を養うという意味で意味は大いにあると思いますが、いずれにいたしましてもこの週休二日制が定着してまいりますと、それをどういうふうに使うんだ、特に勤労青少年等においては問題がやや深刻になる部面も出てまいりますので、その辺については役所は役所として、限界はございますが、役所としての方策も考え、あるいは民間の一般企業に対しては、資料の提供等により指導というようなことも考えていく必要があろうか、かように考えております。
○高橋(千)委員 もちろん余暇をどう過ごすか、どう充実したものにするかは個人の創意工夫であり、努力が基本であろうと思います。しかし、いまやわが国は国際社会の中でも有数な経済大国とされております。社会福祉の議論も活発になっております今日、有意義な余暇利用というもの、むしろ余暇の活用のために社会的条件の整備が必要だと思います。週休二日制の普及を図っている労働省といたしましてはどのようにお考えになっておますか。
○森山(真)政府委員 ただいま労働基準局長から全体的なお答えを申し上げましたけれども、働く婦人あるいは勤労青少年に関係いたしましては、婦人少年局の所管といたしまして、働く婦人の家及び勤労青少年ホームなどを、地方に対しまして補助金を出しまして、できるだけたくさん増設いたしますように努力いたしまして、そのようなところを拠点にいたしまして勤労青少年、また勤労婦人の余暇が有効に活用されるようにという施策を講じているところでございます。
○高橋(千)委員 労働大臣の諮問機関である労働者生活ビジョン懇談会の中間報告においても「余暇利用における多様な選択の可能性が大幅に増すであろう。休日、休暇の過し方は、スポーツ活動、趣味活動、旅行・野外活動、研究・教養・文化活動等が顕著に増加しよう。」と今後の展望を述べております。そして整備を急ぐべき余暇施設として、日常的余暇の活用のためには、住居の近くに公園、スポーツ施設、図書館や文化活動のための会館などが公共施設として整備されなければならない。また、自然環境に親しみながら快適に余暇を過ごすため、野外レクリエーションの場を公共機関で整備する必要があるとか、手軽に宿泊しつつ休養し、レクリエーションを楽しむ施設の整備は著しくおくれている、自然環境の中にあり、家族が一緒に週末を過ごせるような宿泊施設とともに、プール、サイクリングロード、散策路の施設、農園や牧場、自然博物館などの文化施設を備えた多様な余暇の過ごし方のできるものが望ましい、と挙げております。これは四十七年十二月の中間報告でありますが、余暇環境はまだまだ不十分だと思いますが、この点についていかがでございましょうか。
○東村政府委員 先ほど申し上げましたように、やはり余暇ができた場合にそれをどう活用するかということは問題でございます。ただ、個々の個人が余暇を利用する仕方についてまで国がとやかく言う筋はないと思うのです。ただいま先生御指摘のように、それができるような条件をつくってやるというのが少なくとも国としての務めではないか。ただいまのビジョン懇の報告でもそういう観点からやっていると思います。 そこで、ただいまお話があったような施設としては、野外趣味活動施設とか憩いの村とか、こういうものをつくりまして具体的に施設を提供して、勤労者が特に戸外で、しかも住居とそう遠くないところでレクリエーションができるように、余暇活用ができるように図っているところでございます。もちろんまだまだ少ないので、こういう施設等は今後さらに充実していきたい、かように考えております。
○高橋(千)委員 総理府の世論調査によると、整備してほしい施設として、一、国民休暇村、国民宿舎、国民保養センターが四一・八%、二、自然休養林海中公園、自然公園二五・四%、三、子供の国、児童公園、児童館一九・九%、四、体育施設が一七・四%、五、自然歩道、サイクリング、ハイキングコース一五・八%等々ありますが、こういう世論調査はその結果が生かされてこそ有意義なものであろうと思います。政府はこうした公共施設の建設整備に大いに今後とも力を入れていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○東村政府委員 ただいま御指摘のございました中には、労働省の守備範囲といいますか、越えるものもございますが、先ほど申し上げましたように、労働省としてもただいま先生御指摘のようなことができるようなそういう施設の充実に努めてまいってきておりますし、今後ともさらにその充実に努めてまいりたい、かように考えております。
○高橋(千)委員 週休二日制というものは、男子だけのものではございません。家族全体の週休二日でなくてはならないと思います。そのためにも、家族全体でくつろげる施設の整備というものをぜひ努力していただきたいと思います。 次に、婦人の声を代表いたしまして大臣にお願いしたいと思います。これは三月十九日の質問のときに私申し上げましたが、残念ながら大臣がお留守でいらっしゃいましたので、政務次官にお願いいたしまして大臣の御返事をいただきたいと申しておりましたが、御返事がありませんので、再度ここで大臣に申し上げる次第でございます。 いままでは社会の単位というものは個人であるという考えからいろいろな施策が進められてまいりましたが、社会の単位は家庭であって、人間の心をつくるものは家庭であるということから、近年西欧諸国でも、一つ一つの家庭がよくならなければ社会もよくならぬという立場に立ちまして家庭対策が急速に進められ、国際的立場での情報交換、研究が始められております。日本では家庭問題は婦人問題の中で取り扱われております。しかし家庭問題は、婦人問題として取り扱うには、前に述べたように基本的な立場が違い、多くの不合理な面があって、いまの行政ではなかなか手が届かぬ部分が多くあります。たとえば、家庭生活関係の政府機関といたしましては、総理府、文部省、厚生省、農林省、通産省、労働省、建設省などと八つか九つの省庁に現在ばらばらに行われております。各省各機関の指導行政を総合的に調査する行政機関の設置を強く望みたいのです。三木総理も、国際婦人年におきましては、婦人の地位向上を目指して一層の努力をしたいということを強く申されております。この国際婦人年を期しまして、婦人のために、たとえば家庭省、家庭局、家庭生活総合研究所というような機関を設置していただきたいのですが、大臣いかがでございましょうか。
○長谷川国務大臣 先生が中山政務次官に対して御質問されたことは、私中山政務次官から早速報告をいただいたことであります。私たち労働省は、婦人少年局で労働者の家族問題という観点からいままで取り扱ってまいりました。また先生のおっしゃるように、個人も大事でございますけれども、家庭は、私たちが働くところから帰ってきて、自分の家庭をいかに充実させるかというところにまた勤労の大事な意味がある。そしてまた子孫というものもございます。そういうことからしますと、各省でやっているものを、さて労働省の中にあるいは家庭局を設けるのがいいかどうか、そういうことはよく研究しなければなりませんけれども、全体的にやはり家庭問題というものを本当に社会全体で考えていくような風潮というものはぜひとも大事なことじゃなかろうかと思いますので、ひとつよく研究さしていただきたい、こう思います。
○高橋(千)委員 いま研究させてほしいとおっしゃいましたが、すでに家庭省が設置されている国があります。ベルギー、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、カナダ、西ドイツ、ルワンダなどでは家庭省をつくってすでに仕事に入っております。日本もこういうような世界の各国におくれをとらないように、家庭というもの、社会をまとめていく一つの単位をよりよく発展成長させるためにも、この省または研究所というものを婦人年を期してぜひ実現させていただきたい。大臣も閣僚のお一人でいらっしゃいます。他の閣僚の方々ともお話し合いの上、早急に実現の方向に運ばれることを心からお願いし、最後に大臣の御答弁をお願いいたします。
○長谷川国務大臣 社会生活の基本として家庭が大事であることは、本当にだれしもがわかっていることでございますし、こういう皆さん方のお話を機会にしてよくそういう議論を出し、そしてまた私たちも慎重にこれに対処するようにしてまいりたい、こう思っております。
○高橋(千)委員 最後に、私は先日社会労働委員会の視察で東北新幹線のトンネル工事現場に参りました。中に働いている方々の様子を視察するために現場に参りましたところ、私が女性であるということでトンネルの中に入ることができませんでした。これは、企業の方々はよろしいと言って全部支度までいたしましたが、そこに働いている土着の方々が、昔からトンネルには女は入ってはいけない、また男性でも赤ちゃんが生まれた場合は一カ月から二カ月くらいはトンネルに入ることができないと言う。こういうことで私は入ることができませんでした。 このようにまだまだ女性に対しての偏見が根強く残っております。どうかこのような考えを少しでも早くなくするためにも、政府の方たはみずから範をたれていただくことを強く——差別ということに対して本当に強く要請したいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。お願いいたします。
○長谷川国務大臣 東北新幹線のトンネル工事視察までお出かけいただきました御努力に対して敬意を払います。ただ、御婦人だから入れないというような従来の関係は、私はどういう習慣かわかりません。炭坑の場合には、昔は女の方々までも入っておったようなことでございますが、やはりそれぞれの慣習というか積み上げがあろうかと思いますので、その辺のことはわかりませんけれども、女の地位の向上、平等に働く、そういうようなものに対しては前向きの姿勢で取り組んでまいりたい、こう思います。
○高橋(千)委員 終わります。(拍手)
○大野委員長 次に、金子みつ君。
○金子(み)委員 私は、本日はまずひとつ婦人問題一般について外務省並びに総理府の方に質問したいと思います。 このたびメキシコにおいて行われます国際婦人年に当たっての世界婦人会議が開かれますが、この会議におきまして議論される予定の世界行動計画案というものが二百六項目にわたって示されております。この問題は、本来ならば私ども日本の婦人はその内容について十分明らかに示されているべきはずだと考えておりましたけれども、内容を承知いたしましたのは大変に最近でございました。 〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕 それも、私どもが、政府代表がお出かけになるのに合わせて出発をいたしますために準備を進めていただいたようなかっこうでございまして、したがって、一般の民間の婦人たちには十分そのことが知らされていなかったんではないかという危惧が大変にございます。この問題につきましては、日本の外務当局のお考えがなぜもっとフランクに、婦人問題のための婦人会議なんでございますから、日本じゅうの婦人にくまなくわかるように情報を流して、そしてその結果各層の婦人たちからの意見を聴取して、集約して、そして政府代表がそれを持ってお出かけになるということであるべきではなかったかと常識的に考えるわけでございますが、そのことが行われていなかったというのはどういうところに理由がございますのでしょうか。このことはまさか、婦人問題だから労働省の婦人少年局だけがやればいいというふうにお考えになったのではないと思うのですけれども、その辺をまず明らかにさせていただきたいと思います。
○村上説明員 いまの先生の御質問に対しまして、外務省の考え方を申し上げたいと思います。 各省連絡協議会というのがこの婦人年世界会議に関してことしの初期に設けられまして、随時この会議に関連して協議してまいったわけでございますが、肝心の国連の方からこの会議に関係の資料その他が五月の半ばにやっと到着するような次第でございまして、この世界会議そのものについての十分な情報を十分事前にお知らせすることができなかったということにつきましては、国連の方からの連絡が遅かったということもございますが、私たちといたしましてももっと早く十分にこれを審議して、関係方面の方にも知っておいていただきたかったというふうに考えておる次第でございます。
○金子(み)委員 国連の責任のように答弁なさいました。国連がここに出席していませんからそれに対する言い分は聞くわけにいかないのですけれども、仮に五月に到着したといたしましても、私どもが知らされましたのは六月に入ってからでございます。私どももずいぶん早くに連絡をしていたのですけれども、準備がそろわないということで大変に遅くなっておりました。しかし、このことはいまここで申しましても済んだことでございますので、そのことに時間をとりたくないと思います。ですから、こういう問題につきましては今後いち早く準備をして、そして広く情報を流すということをやっていただきたいと思うわけでございます。そのことはお約束いただけますね。 続いて、この行動計画の中の四十四という項目の勧告がございます。「婦人は数の上では人口の半分を占めているにも拘らず、殆んどの国において政府の各種部門で指導的立場にある者の割合は小さい。従って、婦人は政策決定に参加しておらず、開発のための計画立案には婦人の意見及び必要は見すごされることが多い。」こういう勧告が出ております。この問題を日本政府としてはどのように受けとめ、具体的にはどのように考えてお進めになるおつもりでございますか、それをお知らせいただきたい。
○村上説明員 ただいま先生のお説のとおり、行動計画の第四十四に、婦人は政策決定に十分参加していないという項がございます。これをどういうふうに処理するかということでございますが、この世界会議が終わりまして、どういうふうにこの行動計画が会議そのもので取り扱われたかということを勘案いたしまして、この件に関しましては外務省のみの所管以外にもわたるかと思われますので、十分関係省庁と協議しながら、できるだけこの会議の趣旨に沿う方向で対応していきたいというふうに考える次第でございます。
○金子(み)委員 大変につかみどころがなくて、私どういうふうに理解していいかわからないのですが、この件については、日本の場合にはここに勧告されているとおりの実態があるのではないでしょうか。それで、この勧告について、日本政府代表の方はどういう考え方でこの問題を討議なさるお心づもりがおありになるか、それが伺いたかったわけなんですが、御答弁願えますか。
○村上説明員 このたびの世界会議に対する代表団の一般的な考え、対処方針といたしましては、この行動計画にあらわれておりますいろいろの考え方と、現実のギャップというものに十分注意を払いながら、できるだけこの行動計画に沿って今後前向きに検討していくというのが一般的な考え方でございます。
○金子(み)委員 それでは、いま一つお尋ねいたします。 先般、私たちは各省の方たち、外務省を中心として関連各省の御説明を伺いました。そのときに外務省の方がこういうふうにおっしゃったのです。婦人関係の国際条約については、目下草案作成の段階なので、一層検討を進めていこうと思っていますと言われましたけれども、どのようなものがどんな目的を持って考えられて、どんな人たちの手によってそれの検討が進められているのかはおっしゃらなかったのですが、それをきょうここで教えていただけますでしょうか。
○村上説明員 このたびの世界会議にどういう条約案が出てまいりますか、各国代表団でいろいろ検討されているということは聞いておりますけれども、まだ具体案については十分承知していない段階でございます。したがいまして、日本政府の代表団といたしましては、各国代表の具体的な提案を見てこれに対応していきたいというのが考え方でございます。
○金子(み)委員 大変に消極的で、何にも御方針がないみたいにうかがえます。自主性もないみたいに聞こえます。ですから、この間もお話を伺ったのですが、今回の世界会議においては日本からは提案する事項は何もない、こういうふうに説明をされました。何もないじゃない、何もできないのじゃないでしょうか。そして、この行動計画は向こう十年間の勧告でございますから、これから十年間に検討を進めて、その後において提案をすることもあると考えるし、提案をしたいんだ、こういうような説明をしておられたのでございますが、非常に情けないことだと思いました。 そこで、何も提案がない、すなわち何も提案ができない、そういう状態になっているということは私どもは理解がしにくい。日本では、過去において国連の婦人の地位委員会に何回か婦人の政府代表を派遣していらっしゃいます。それで、この国連の婦人の地位委員会が長い間かかって討論をし研究をした結果、御承知のように一九六七年に婦人に対する差別の撤廃宣言をやって、そしてそのことが国連の総会で採択され、一九七五年すなわちことしをその問題を中心とする国際婦人年というふうに決めたという経過があるわけでございます。ですから、日本代表が何回も何回もその都度婦人の地位委員会に出席しておられたのでございますから、すでにいろいろな問題はわかっておられたはずだと思うのです。私は、この婦人の地位委員会に出席するということがひょっとしたら日本側としては形式的に、おつき合い程度に出席をしていたのではないだろうか、そんなふうに勘ぐりたくなってしまうわけです。あるいはまた、婦人問題を真剣に意識して取り上げてきていなかったからこういうことになっているのではないか。言葉をかえて申しますならば、これは婦人に対する差別のあらわれである、あるいは婦人を軽視、あるいはさらにべっ視している結果ではないかというふうに考えられるのでございますけれども、今回世界会議に臨むのに、ただ実情報告だけをする、あるいは計画に賛成するだけで提案を何もできないというこの実態を、政府としてはどのようにお考えになりますか。
○村上説明員 ただいまの先生の御質問に関しまして、行動計画案を作成するに当たりましては、国連のいろいろの場でいろいろの国の意見を十分に討議されてこの草案ができたわけでございますが、その討議参画の場において、日本の代表がいろいろの形で、この二百数十項目にわたります計画案の内容について積極的に、建設的に貢献しているわけでございます。したがいまして、この草案そのものの中に十分に日本の従来の積極的な意見が盛り込まれているというふうに認識しているわけでございまして、決して消極的に、受け身的にこれを聞いてきたということではございません。 それから、今度の世界会議に日本の代表団がいろいろの提案をしないということに関しましても、いま申し上げたとおり、行動計画案を中心に今度の会議が進められていくわけでございますので、その計画案そのものの中に日本の考え方が盛り込まれておるという形で、今度の会議にも建設的に、積極的に貢献しているというふうに考えておるわけでございます。 また、婦人と開発の十年という考え方がございますが、これに対しましても日本政府といたしましては、十年たった後にこの成果を評価、検討し、その後この十年の計画の具体的な措置ぶりについて検討すべきだということを会議でも積極的に申すことを考えておるわけでございます。
○金子(み)委員 いまのお話では、日本の意見が積極的に入っているはずだ、そしてこの行動計画ができたのだと考えているとおっしゃいましたが、それは確証がないわけですね。どの部分がそうだとか、この考え方はそうなんだということについての説明をいただいておりませんから、そうおっしゃられても、私どもはそうですかと素直に納得できないところが大変に残念でございます。できていなかったならできていなかったとはっきりおっしゃってもいいのじゃないかと思います。 そこで、何も貢献することがいままでなかったような日本の実態でございますから、せめて、今度その機会が与えられたのでありますから、どちらかと申しましたならば日本のいわゆる馬車馬のように進められてきた高度経済成長政策のひずみが、日本の国を工業化し近代化していきますのに伴って社会保障や、あるいは婦人や子供の福祉が顧みられなくなって、そして生活困窮に陥れているというような実態でありますとか、あるいは婦人の労働条件としましてはますます男女の不平等、そのことが母と子の不幸せを生み出してくるというような実態でありますとか、あるいは公害列島というような異名をもらったほどの日本が、その公害によって婦人の健康が破壊されてきているというような実態でありますとか、こういうような実態を——よその国にはないことであります、その事実を率直に報告して、世界の国々のために失敗の警告という意味になると思いますが、それをするぐらいの謙虚さがあってもいいんではないか。そのことはやはりそれぞれの国の中で婦人の問題を計画し、進めていくためには大変大きな貢献をするだろうと考えるのですが、そういうことはお考えになったことはございませんのでしょうか。
○村上説明員 このたびの世界会議は政府代表の会議ではございますが、決して政治的な宣伝の場ではないというふうに私たちは認識しておりまして、この会議におきましては率直にわが国の実態を政府代表の演説あるいはその会議を通していろいろの場で資料という形で配付いたしまして、各国の実情から日本が学ぶべき点は率直に学びたいという謙虚な気持ちで対応するのが基本方針でございます。わが国の実情を糊塗して、いい点だけを宣伝するというようなことは決して考えておりません。
○金子(み)委員 私も機会が与えられて今度の会議に出席をいたしますので、政府代表がどういう内容の代表演説をなさるのかをしっかりと聞かせていただきたいと思っております。 続いて質問をいたします。国際婦人年に当たって三木総理がアピールをお出しになりました。これは日刊新聞に三千万円もかけてなさったんだと伺っておりますが、まあお金のことはともかくといたしまして、このアピールに関して少しお尋ねをいたしたいと思いますので、御答弁は外務省でいらっしゃいますか総理府でいらっしゃいますか、その辺は適宜御答弁を願いたいと思います。 その一つは、このアピールの中に「私は国際的にも国内的にも、婦人の地位向上を目指して一そうの努力をいたす決意です。」というふうに示されております。ところがそれだけであって、具体的には何をどのようにする決意なのか一向わからないわけでございます。実際の現実といたしましては雇用の不平等があります。婦人の締め出し。先ほど高橋委員も国家試験の人事院の試験のことでお話しになっておられました。最近二、三日前のテレビのニュースのところでも人事院が採用の募集の広告をしておりました。何げなく見てましたら、学歴は問わない、大学卒程度、男子。はっきり申しました。私は、あ、女子は外されたなとそのときすぐ思いました。このように不平等がいまなお歴然と残っております。あるいは定年制の不平等、若年定年で婦人が定年をさせられて、そして訴訟問題を起こしたことは何回もございます。あるいは昇格昇給については公務員の人たちがこの問題を非常に嘆いております。あるいはまた、妻は夫の付属物であって、一人の人格を認められていないというような取り扱いがいろいろなところに出てまいります。たとえば、遺族年金ですとか、あるいは相続税の権限でありますとかというようなところにそのことがあらわれてきておりますように、取り上げましたら数限りなく挙がってくると思いますけれども、このような実態の中で、婦人の地位の向上を目指して一層努力を何を決意しておられるのか、その辺を明らかにさせていただきたいと思うのですが、いかがでございましょう。
○宮川説明員 この問題につきましては、おっしゃるとおりいろいろ問題がたくさんございますが、いま御指摘になりましたような雇用問題あるいは昇給の格差の問題それから定年制の問題、大体主として労働省の関係が多うございます。労働省見えておりますので、労働省から御答弁していただいた方がよろしゅうございましょう。
○久保田説明員 婦人の地位向上を目指して一層の努力をするということを受けまして、私どもといたしましては国際婦人年の趣旨を支持いたしまして、世界行動計画等が採択されましたならば、その趣旨に即して私どもの立場から婦人の地位向上の具体的な計画をいろいろ検討してまいりたいと存じます。 また御指摘のありました婦人労働の面につきましても、就業における男女平等に関する研究会というものを昨年から実施しておりまして、ここにおきまして御指摘のような諸問題を逐次検討しておるところでございまして、このような結果を施策の上に反映させていきたいと存じております。
○金子(み)委員 もう一つございますが、それは「日本婦人の声をこの国際会議に大きく反映していただきたいと思います。」これは期待でございますね。そのように総理は期待しておられるのですけれども、実際問題として世界に誇れるような実態がない日本の場合に、何を声を大きくして反映してきなさいと総理はおっしゃっているのでしょうか。何を期待しておられるのだとお思いになりますか。それを教えていただきたい。
○村上説明員 このたびの世界会議の趣旨は、実際に現実に日本にありますことを飾らないで、糊塗しないで、率直にそのまま各国の代表に実情を伝え、また向こう側の各国の実情も日本側が率直に伺って、お互いに学び取るものは学び取るという態度を基本的に維持していくべきだという考えでございますが、この観点から考えまして、この会議に対処する基本方針、基本的な考え方をつくるに際しまして、各省協議会を設けまして関係各省で協議したわけでございますが、関係各省が持っておられるいろいろのパイプ、ルートを通じまして国民の各方面にございます世論、考え方というものをこの協議会が吸収いたしまして、対処方針にこれが反映されている、またさせようというふうに最善の努力をしたというふうに私たちは考えているわけでございます。また国会の先生、それから新聞、テレビ等のマスコミにおきましても、この会議は非常な関心を呼び、いろいろの御意見を拝聴してきたわけでございますが、これらの意見も、対処方針作成に当たりましてはできるだけ反映するように努力してきたわけでございまして、総理の先ほどの発言もそういう趣旨であったかというふうに了解するわけでございます。
○金子(み)委員 それでは婦人問題の最後に総理府に質問させてください。 いま私が二点ほど取り上げて総理のアピールを説明していただくように答弁を求めたわけでありますけれども、先ほど来御答弁を伺っておりますと大変に消極的ですし、大変謙虚は結構でございますが、積極的に日本が何か事を進めていこう、あるいは提案をしようという姿勢がないということは大変に残念なことでございますし、情けないと思います。しかしこれはみんなの問題だと思いますので、私はひとつこの際、総理のアピールを出されたその姿勢を態度で示すために行動を起こしていただきたい、そういうふうに考えます。そのために総理のもとに婦人の問題を検討する何か特別委員会あるいは懇談会のような組織を設けて、そして今後十年間にわたってこの行動計画が進められていくわけです、検討されていくわけですし、日本でもそれをすると先ほど来おっしゃっていますから、この問題をその場において十分検討を加えて、鋭意そして継続的に問題を検討し、次の機会には積極的に日本が提案をすることができるまでに努力を続けていかなければならないのじゃないかと思います。その意味におきまして、これは行動計画の二十のところにも勧告されていますが、「一般的な政策として、政府の最高レベルは、国の開発計画の枠内で本計画を実施するため、適切な行動をとる決意を明らかに示すべきである。」というふうに言われています。私はこれを取り上げて、日本の最高レベルにおきまして、言葉をかえれば総理の責任においてそういった形のものを準備し、そしてその中で、今回こそは民間人を起用してこれを運営していくように進めていただきたいと思うのです。 実は同様趣旨の質問を衆議院の予算委員会で私どもの同僚議員が質問いたしましたときに、植木総務長官は大変にこの問題に熱心で積極的でおられるから、総務長官を中心にしてそういうことをやらせたいと総理が答弁なさったそうですが、きょうは長官はお見えになっておりませんので、確認することができません。それで御出席の参事官にそのことを申し上げるわけですけれども、そういうものを積極的に準備して、組織して、そして向こう十年間行動計画を真剣に討議するという場を、総理のこのアピールの具体的な行動としておやりになる御意思がおありになって、そのように進めていただくようにできるかどうか、改めてここで御答弁を願いたいと思います。
○宮川説明員 婦人の行政につきましては、雇用問題については労働省、それから母性の保護という観点でまいりますと厚生省、あるいは農村婦人の生活の改善というようなことでは農林省、それから社会教育という面では文部省というように、非常に複雑多岐に分かれておりますことは再々指摘されているところでございます。ただ、これにはいろいろ歴史的な事情もございますし、それぞれ各省大変がんばっておりまして、それ相当の実績も上げているところでございますが、御指摘のように婦人の社会的な進出が非常に急激に進展してまいりました現状におきましては、いわゆる縦割り行政だけでは賄い切れない、横によく連絡をとらなければ対応し切れないという面が出ていることも確かだと存じます。そういうことで、総理府に各省の関係者から成る連絡会議をこの両三年来設けまして再々打ち合わせをしているところでございます。ただ、おっしゃるような点もございますし、また現在総務長官の所轄のもとに、民間の有識者から成る婦人の諸問題の懇談会というのがございます。この懇談会が、国際婦人年にちなみましてということもございまして、男女平等問題をいま精力的に御論議いただいているところでございますが、この懇談会にも何か新しい強力な機関をという御意向が強いというふうに伺っておりますので、連絡会議は連絡会議といたしまして、この懇談会の御意向もよく伺いながら、新しい時代に対処するためにはどうあるべきか、そういうことを至急検討してまいりたい、そう考えておる次第でございます。
○金子(み)委員 各省連絡会議とは性格が違うと思うのです。各省連絡会議というのは、いまお話があったようなことですし、各省ばらばらに分かれている、婦人問題だけではなくあらゆる行政が縦割りですから、そういう欠点を補うために各省連絡会議をお持ちになっているのだと思いますが、これは私はよく理解できます。 それはそれで結構だと思うのですけれども、私が申し上げているのは、向こう十年間検討を各国で行っていこうとしている行動計画を日本が受けとめて、日本の国の婦人たちの問題としてそれを取り上げていくために特別な組織をつくっていただきたいのだということを、必要じゃないかということを申し上げているわけなんです。そうでないと、今回のように皆知らなかった、向こうへ行ってみればわかるかしらという形の、大変に意味のないと申しますか、時間的にももったいない、そういう意義の少ない参加の仕方でなくて、きちっとした参加ができ、日本からも提案ができるというふうになれるのではないかと思うから、それを申し上げているのでございます。ですから別のもの、たとえばアメリカでは大統領の直轄の委員会ができていると聞いております。それから、今回の婦人年ではイランが提案するということになっているようでございます。そのように幾つかの国々がそういう問題をもうすでにひっ提げておるということを考えますと、やはり日本は婦人問題については大変に後進国だということを改めて痛感させられることでございますが、どうか今年を契機といたしまして、新しく積極的に婦人問題を取り上げていくということをぜひ進めていただきたいし、いまの委員会はぜひ成立できるように図っていかれますように、私はこれを機会に強く要望をしておきたいと思います。 一般婦人問題を終わりまして、厚生省に質問させていただきます。 昨日、日本看護協会と日本看護連盟が共同で主催いたしました国民の健康を守る看護大会というのがございました。この看護大会は毎年開かれておりまして、ことしで七回目でございますが、ことしの大会の中心課題は、看護制度、特に准看護婦制度廃止、これが中心課題になっております。そこで私は、本日は准看護婦問題だけにしぼりまして政府の御見解を聞かせていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。 御承知のように、准看護婦の問題は、保健婦助産婦看護婦法が昭和二十三年にできましたときに、当初甲種看護婦、乙種看護婦という二本立てでありましたのが、いろいろ問題があって不都合だということで、看護婦は一本ということで乙種看護婦が廃止になったわけでありますが、これと引きかえのような形になって准看護婦制度が誕生したわけです。 これが誕生いたしましたときのいきさつにつきましては、いま考えてみますと、実にばらばらな思惑のまま出発したということが言えると思います。たとえば、政府の側としては、乙種看護婦制度をやめたのだから甲種看護婦一本にすると、甲種看護婦だけでは需要供給が間に合わないであろう、看護サービスが十分いかなかったら困るという行政的な配慮から、この看護婦を量的に補佐する職種をつくりたい、それを考えて、要するに看護の補助者として、看護力として准看護婦を想定していた。ところが、戦前の看護婦でいいじゃないか、高等学校を卒業して三年以上の国の指定の学校を卒業して、そしてまた国家試験に合格してなどということになれば、いたずらに年歯は高くなるし、給与は高くなるし、使いにくくなるしというような理由から、戦前の程度の看護婦でいいではないかという主張が一方では強くあって、要するに低賃金看護婦ということを期待しながらこの准看護婦制度を主張したグループがあるわけです。そういう思惑もあったわけです。さらにはまた、当時は今日のように女子の高等学校への進学は盛んではございませんで、中学卒業の人たちがそのまま就職するということは非常に多うございました。そこで、主に経済的な理由から高等学校に進学できなかった人たちを救うために、中学卒業の人たちだって看護職につけるようにする必要があるじゃないかという、こういう思惑もありました。 それぞれ異なった思惑で出発したこの准看護婦制度でございますために、出発いたしましてから、形は一本でなっておりますけれども、それぞれの思惑のようにそれぞれが動かしてきたという感じがございます。たとえば准看護婦養成所の設立については、最も積極的だったのは医師会でございました。そして、医師会は共同して県医師会あるいは市医師会、あるいは東京の場合では区医師会でございますが、開業のお医者さんたちが経費を出し合って養成所をつくって、そして中卒の女子を安く採用して、午前中は診療所で働かせ、午後から学校に通わせ、夜は家庭の仕事をさせる、こういうような形で若い女子の安上がりの採用を続けてきていた。そして、学校を卒業して試験を受けて有資格者になると、その人たちはそんなところで仕事をさせられるのはかないませんからやめていく。やめていきますと、やめることをいいことにして——やめて困る、やめて困ると言いながら、実は高い給与を払わなくても済みますからやめてほしいのですけれども、また若い資格のない女の子を入れて、そして働かせながら勉強させてというふうな形が繰り返し繰り返し行われてきていたという事実を見ましても、そのことは非常に明らかだと思います。 そのことが今日どういうことになっているかと申しますれば、准看護婦養成所全校七百六十六校のうち三百十一校が医師会立の養成所という実態になっているわけです。そしてまた、国は責任を持って看護婦養成をしなければならなかったと思いますが、当時国立病院は付属として高等看護学院を設置し、准看護婦養成所をつくっていませんでした。療養所だけに准看護婦養成所をつくっておりました。文部省の所管といたしましても、国立大学には准看はつくりませんでした。高等看護婦だけをつくりました。そして、地方の県立大学あるいは市立大学が准看を持つというような形で出発し、進められてまいりましたが、これらも漸次准看護婦は高等看護学院の方に切りかえられるという形に今日進みつつございますが、それでもまだ国立は五十三校准看養成所が残っておりますし、それから公立でも百六十四校学校が残っているという実態はございます。そういうような形で准看護婦がだんだんふえてまいりました。現在では約十八万人働いております。看護婦は十六万人でございますから、過半数は准看護婦になったということが言えます。 そこで、こういうような実態にいろいろと各方面で検討が加えられ、准看護婦制度の廃止の動きというものがずっと進められてまいってきております。医療制度調査会が三十八年三月に答申を出して、准看護婦については看護婦の質を低下させない方向において看護婦に昇格させる、すなわち看護婦は一本にするという答申を出しておりますが、厚生省はそれをどうなさったのでしょう、そのままになってます。何年前の話でしょう、もう十二年も前の話です。次の年に日本看護協会が、准看護婦をやめて保健師という総合看護をたてまえとする看護制度を厚生省に提案いたしましたが、これもそのままです。そして、その後四十五年に厚生省が法律の一部改正を出されました。高等学校卒業プラス一年の准看護婦養成制度というものをつくられて提案されましたが、これは非常に反対を受けまして廃案になったのは御承知のとおりでございます。その結果、こういうような形のものを用意するのではなくて、どうすればよいかということを、看護制度はどうしたらいいか、准看護婦は廃止の方向という声がこれだけ出てきているのにということで、看護制度を検討する会が厚生省につくられて検討が進められた結果、四十八年の十月には、中間報告で准看護婦廃止の方向がやはり打ち出されてきている。 これらの一連の経過を通じて考えてみたいと思うわけでございますが、現在すでに准看護婦養成所の生徒の四三%、多いところは六〇%にもなりますが、高等学校の卒業生で占められています。中学卒がいないからです。これは女子の高等学校進学率が非常に高くなりまして、東京あたりでは九二%以上、全国平均でも八八%というような数字が出るくらい高くなってきておりますので、中卒を対象とする養成所というものは、養成所自身の成立の条件が社会的に失われてきている今日でございます。それなのになお無理して続けていかなければならないのかどうか、このことをひとつお尋ねしたいわけでございます。そして先ほど申し上げましたように、准看護婦養成というのは労働力を確保する手段としてむしろ利用されているのであって、看護の仕事をする者のための教育というような機能は果たしていない、労働力として利用しているだけ、そういう養成所が半ば以上ある。そういうことを考えますと、しかも一方では物理的に社会的条件がもう備ってない、中卒がいなくなってきているというようなことを考えますときに、なお無理して続けていくのは何のためであろうかということを考えざるを得ないわけでございますが、これはやはり半分以上医師会が運営している養成所だから、これは医師会の要求があってそういうことになっているのではないかというような勘ぐりもしないわけではないわけなんですが、その辺をひとつ御説明いただきたいと思います。
○滝沢政府委員 先生は看護問題の行政の御経験もあり、またこの問題に直接携わられた時期もございまして、いま全体の経過の御説明——われわれもむしろその当時のいきさつ等については必ずしも十分に承知しない面も含めて、御説明あるいは御質問の中で承知いたしたわけでございます。 直接の結びでございますこのような背景の中でなぜこの准看制度を続けるのかということでございますが、私は看護制度検討会の御答申のとおり、やはり量の確保というようなことの必要性は、いまの日本の医療需要のたてまえから考えましても、どうしてもこれを無視するわけにはまいりませんので、検討会でいろいろ検討された中身を踏まえた結果としては、逐次なるべく速やかに准看の養成を看護婦養成に切りかえなさい、高卒以上の教育課程というものは看護婦制度の、あるいは看護婦の身分の基本である、標準に考えなければいけない、中卒ということで看護婦という業務を考える方向というものをなるべく早く改めなさい。こういうのが答申の御趣旨でございまして、これは基本的に、いわゆる総論としては私は全くこのとおりであろうと思うのでございますが、現実の各論といたしましては、先生も御指摘のように、中卒の卒業生というものは地域的に若干の格差がございますけれども、進学率はかなり高まってまいっておりますけれども、現実われわれの持っている数字では、たとえば鹿児島地区などには高卒者の准看におる率が一三%程度、それから鳥取のようなところでは七〇%以上の高卒者が准看に入っている。その理由に経済的理由等もございますし、また進学の家庭事情で困難、これを経済理由と合わせますと七〇%程度がそのような個人的な理由、あるいは家庭から近くの養成所に通うというような、あるいは先ほど先生御指摘のように、医療機関に一たん就職してその上で看護婦の資格を取りたい、こういうようなそれぞれの実情というものが背景にあることがございます。そのほかに、看護婦さんになるのに准看養成と看護学校とを十分理解しないで、准看の学校と看護婦さんの、いわゆる高卒三年の看護婦養成学校とを同じものと誤解しておった、それで准看に入ってしまったというような方も事実はあるようでございます。 いずれにいたしましても、そのような社会的背景がそれぞれの地域によって差がございますので、総論としては先生おっしゃるとおり、また制度検討会の御答申のとおり、われわれはこの准看制度の養成の仕組みを高卒三年の仕組みに切りかえていく必要があるわけでございます。したがいまして、国立の場合も御指摘のように療養所を中心に准看がございますけれども、この切りかえの予算を年々計上いたしてこれに努力いたしておるわけでございますが、わが国全体の国立を除いた場合でも、四十八年、四十九年、五十年の予定を含めまして四十五カ所が准看を看護婦養成所に切りかえ、ないしは一時併設していくという形をとっております。これに対する国庫補助については十三カ所、約三億の国庫補助を出しておるわけでございます。で、国みずからといたしましては、四十二年以前の切りかえも含めまして、最近五カ年間の合計では准看の養成所の学年定員を五百五十五名減じまして、これを二年課程に七百二十名に切りかえておりますし、直接三年課程に切りかえたものも一カ所あるわけでございます。国立病院は准看が少なかったのでございますが、これをつとに切りかえておるわけでございます。 で、この切りかえの方針というものを今後推進するのに、やはり地域の事情、判断というものはどうしてもございますので、国立はわれわれみずから判断いたしまして予算要求し、切りかえていく計画でございますけれども、一般的には地域の事情を——確かに准看制度というものをもう魅力のあるものとして受け取る気風というものは薄らいでいることは事実であろうと思いますので、三年コースに切りかえるということに今後努力をいたしたいというふうに思っておる次第でございます。
○金子(み)委員 だんだん切りかえていくからそれでいいだろうというお考えのように承れました。高等学校を卒業して准看学校に入ってくる人たちは、知らないで来たなんというのは高等学校の進学指導ができていないからでございますし、これは厚生省の側から高等学校にそういうことをちゃんと指導してないからそういう結果が今日でもまだある。昭和二十六年に出発し二十四年もたっている制度でございますのに、そういう間違いと申しますか、不認識なものが残っているというのは大変に残念なことだと思います。 そこで、私はいま一つのお尋ねをしたいのですが、それは、現在臨床部門で働いております看護婦、准看護婦の人たちの数が、先ほど半分以上准看護婦だと申しましたけれども、それをさらに詳しくこまかく分析してみますと、二十代の准看護婦は全体の看護婦、准看護婦の中で七四・八%あります。三十代までで七〇・七%、この数は、言うなれば看護婦四人の中の三人までが准看護婦だということになるわけです。看護婦の方はどうかと申しますと、ピークは四十五歳から四十九歳で、幅といたしましては四十歳から五十四歳ということになりますから、これは婦長、主任、年齢的にもそういう人たちになってきます。そうすると、直接患者さんに看護の世話をするスタッフの看護婦職員というのは、四人のうち三人までが准看護婦である。言うなれば日本の看護の現状は准看護婦で支えられていると言っても過言ではないということが数字の上で言えるわけでございますが、この実態を政府はどうごらんになるでしょうか。看護の質の向上に寄与しているというふうにお考えになりますでしょうか。二十六年に准看制度ができますときの政府の考え方と思惑が、果たして同じ線に沿っているでしょうか。医師会の思惑のとおりになってきちゃったのじゃないでしょうか。その辺を政府はどう考えていらっしゃるか、私は伺いたいのです。
○滝沢政府委員 先生のおっしゃいました七四%あるいは七〇・七%、これのおっしゃる意味が、臨床ということでございますけれども四人に三人という率になる——私の受け取りました感触から申しますと、臨床というのは広く、もちろん診療所を含めての御表現だと思いますので、われわれといたしましては、現在の看護婦さんと准看護婦さんの就業の実数からいきますと、先ほど先生のお話にございましたように過半数、半分以上准看という実態はございます。ただ基準看護の制度の中で、先生御存じの四、四、二というような問題も、実情によってはあるいは施設の一時的な現象では必ずしも十分守られていない事実もあろうと思いますけれども、一応そのようなことで、確かに看護婦さんの資格者がやや病院的なあるいは公的病院等を含めた機能の高い病院に偏在と申しますか、そちらに多く存在して、全般的にながめたときに、臨床診療所の数などの多いわが国の実態からいきますと、准看の方が活動しておられる分野というものに看護婦さんの資格者がいないというような実態もございまして、この四対三という意味の真意は必ずしも私十分わかりませんけれども、そのような偏在という実態から、いろいろな角度から統計を見ますと、このような見方もあるいは部分的にはできるのかというような感じはいたすのでございます。 ただ問題は、最後の看護の質の問題、このような点についての御発言でございますが、看護婦の資格者と准看の方とを一対一で比較するならば、それはやはり看護婦の資格のある方が、常識的に見て医療全体の支えとしては質の高いものであり、そういう点は否定できないと思うのでございますけれども、やはり医療というものがチームワークで働いていただく——個人の場については私は決して先生の御意見を否定しないのでございますけれども、チームワークで働く場におきましては、それでもって直ちに質の問題を論ずるということはなかなかむずかしい問題であろうというふうに思うわけでございます。 以上、統計の数字の先生の数字に対するお答えに必ずしもなりませんけれども、医療チームという立場から考えたときに、必ずしもそれが質の低下につながるという問題ではありませんけれども、個々の立場で働いている場面等を考えましたら、看護婦の資格者が多くわが国の医療を支える方が望ましいということは当然なことだと思うわけでございます。
○金子(み)委員 たいへん時間が迫ってまいりましたので、私はいま一つお尋ねをして、そして最後に大臣の御決意を伺いたいのです。 その一つは何かと申しますと、そもそもこの准看護婦養成制度は保健婦助産婦看護婦法の中に規定されておりますが、この第六条「この法律において、「准看護婦」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護婦の指示を受けて、前条に規定することをなすことを業とする女子をいう。」前条の五条は、看護婦の業務です。こういうふうに決められておりますから、これの政府側の御説明としては、准看護婦というものは、診療の補助においては医師、歯科医師の指示を受ける、それから傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話については看護婦の指示を受ける、そして仕事をする人たちだ、こういうふうに理解をされてきておるわけでございます。したがって一対一で考えることができないはずだというふうになっておりますけれども、あるいはまた、准看護婦が管理職につくことはあり得ないというような考え方がずっと持たれてきていたわけでございますが、実態といたしましては准看護婦ばかりの病院がございます。そして婦長さんはやはり准看護婦さんで、そして同僚の准看護婦さんを指導している、指示しているという実態があるわけです。こういうよろな実態もありますことを考えますと、制度の上と実態との間に大きなギャップがあると言わなければならない。これが一つ問題です。 それからいま一つは、やはり医療関係者の問題としてはもう一つの制約がありますが、それは医療法の施行規則の十九条の一項の中に「看護婦及び准看護婦」という項目があって「入院患者の数が四又はその端数を増すごとに一及び外来患者の数が三十又はその端数を増すごとに一。」こういうふうになっておりまして、この一というのは、看護婦と准看護婦とを込みにして数えている一なんですね。そうすると、保助看法の規定からいきますと、込みにして考えることはできない位置づけになっているにもかかわらず、ここでは同じに数えているというところに矛盾はないか、そのことを私は伺いたいと思うわけです。時間がございませんので、簡単に御説明ください。
○滝沢政府委員 先生のお尋ねにございました第一点の、確かに准看護婦の法律上のたてまえとしては「医師、歯科医師又は看護婦の指示を受けて、」というふうになっておるわけでございまして、たまたま確かに准看護婦だけの病院等がある、そしてそこで准看護婦さんが責任者になっておるというようなケースも耳にしておりますけれども、これを一概に不適当だということはできないとしても、法律のたてまえ論からいきますと好ましくない。いわゆるその病院の運営責任者の判断というものから見ますならば、たとえ基準看護をとっていない実態でございましても、そのようなものは好ましくないというようにわれわれとしては考えるわけでございまして、一般的には、いまのような例外的なものを除きましては、保助看法の六条の趣旨は生かされて、そしてまた基準看護のような問題もあると思うのでございます。 後段の四対一の問題は、確かに先生おっしゃるように、四対一という一が准看も含んでおるということと、いまの六条の問題との感じは、先生おっしゃるとおりまず受け取ることも問題点の一つであろうと思いますけれども、われわれとしては、病院というものが、少なくとも二十床以上の病院機能を許可するときの看護婦の確保の標準として四人対一人ということは、いまの前段でお答えした問題と同じように、これは准看だけで構成することが好ましくないという行政指導の立場をとりまして、この問題の四対一というのは、もちろん准看を含めた看護婦資格者という立場で規定しているというふうに法的には理解いたしますけれども、これはあくまで数字の上の標準でございまして、実際に何人か確保しなければ病院の運営に入れないという意味の四対一というのは基準でございますので、その内容については、前段でお答えしたと同じ趣旨で行政指導の面で考慮しなければならないというふうに考えるわけでございます。
○金子(み)委員 それでは最後に、大臣、お願いします。 十分お話し合いをする時間的な余裕がございませんでしたので不十分で、私も満足できないのでございますけれども、いままでお聞きいただきましたような実情でございます。そして看護職という一つの職種の中で、看護婦と准看護婦というものがあります場合に、非常に差別感があるわけです。その差別感というのが勤務体制に影響いたします。そして、そのことは業務の内容に影響いたします。そのことは患者さんに対する看護サービスに大きく影響するわけです。そういうようなことがやはり看護の質の低下だけでなく、看護サービスの低下、ひいては医療の内容の低下というところまで続いてくるわけでございますので、そういう問題があるということを一つ踏まえていただきたい。 それからまた、いま実態が、先ほど御説明いたしましたように、直接の患者さんのサービスは准看護婦が支えているという実態があるということ。ですから、地方に行きますと、有資格看護婦がいなくて、准看護婦だけでやっているところもあるというような事実、これはすでにもういまの看護が准看護婦によって支えられているという事実から考えてみても、そしてさらにいま一つ、最後に申し上げました制度上の矛盾、こういうようなものもあわせお考えいただきましたならば、准看護婦は廃止すべきである、准看護婦は看護婦とするべきであるというお考えにはお立ちになりませんでしょうか、私はその決意を大臣から伺いたいのでございます。
○田中国務大臣 看護婦問題は、医療の世界だけではなしに社会的にきわめて重要な問題であると、しばしば本委員会等で議論が行われていることは、もうお互いに知っているわけであります。しかし看護問題というのはきわめて根が深く、非常にむずかしい問題であるということもお互いに認識をしているところであります。 問題は、現在置かれている客観情勢をどう踏まえ、この中からどのようにして新しい進路を見出すかというところにお互いの苦労があるだろうと思います。本質的に私はやはり看護婦さんは、いま言う看護婦制度、すなわち准看護婦というものは次第になくする方向で進む、しかも、次第にというよりも、マンマンデーではなしに、もっと速やかに准看護婦制度はこれをなくするようにしていかなければなるまい。しかし先生御案内のとおり、看護婦の絶対量の不足という問題がありまして、この現実の前に、やはり准看護婦制度を全く捨てるわけにはいかない。いま言うとおり、地域的にも中卒の准看養成所がまだ社会的に機能を果たしている。しかもこれが看護婦の量的充足にある程度役に立っている。これを一遍にやめるということについてはやはり問題があろう、そこに悩みがあるわけであります。 ただ、考えなければならないのは、たとえば、安い賃金で看護婦あるいは看護に従事する者が得られるなどという観点からこの問題を考えてはいけないということだろうと思います。したがいまして、ある程度、准看護婦制度というものはこれを廃止するという方向に進みつつも、現実の問題として廃止し切れないというのが現状でございますが、こうした中において出てくるところの准看護婦というものを、制度の活用をいたしまして看護婦に昇格をさせていくという道を考えることが重要であろう、またそうしたことが医療の充実に、また御本人たちの幸せにもつながるものと私は思いますので、先生が看護課長時代に、私、若い議員でしたが、ずいぶんと私は先生に陳情した覚えがございます。かような趣旨をいろいろ踏まえまして、今後、問題を解決するように努力をいたしたい。関係当事者のいろいろな方々のお知恵と努力をお願いすると同時に、私も懸命になって、この問題の前進、解決のために努力をいたしたいというふうに考えております。
○金子(み)委員 安い看護婦を使いたいがために、この制度をいつまでも引き延ばしておくのではないと大臣が言われましたが、それを私は忘れないでいただきたいのです。私はどうしてもそこへ結びつくのではないかと思うからなんです。医療政策そのものが低医療費です。そしてその中で働く看護婦たちがまた安く使われる。准看制度を残しておけば残しておくほどそのことは大きくなりますし、いま大臣が言われた看護婦に切りかえる問題にしましても、一層困難を増していくわけです。数がふえればふえるほどむずかしくなる。ですから私は、いまそうおっしゃるのでしたならば、いますぐこれを右から左へなんということは申し上げるつもりはございません。ですが、具体的に積極的に年次計画ぐらい立ててくだすったらどうですか。できるだけ早い機会になんという抽象的な表現でなくて、具体的に年次計画を進めていただきたいということを私は強く要望したいと思うのです。 〔竹内(黎)委員長代理退席、委員長着席〕 そうでないと、厚生省は本当にやってくれるのだろうかということをみんなが思っていると私は思うのです。その問題でいままでも何回か期待を持ちながら、長い間それが外されてきたという苦い経験を持っておりますので、これを私は最後に強く要望して、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○大野委員長 次に、田中美智子君。
○田中(美)委員 婦人問題に関する一連の質問をしたいと思います。 まず国際婦人年に関することですけれども、この国際婦人年というのは、一九七二年の国連総会で、ことし七五年が婦人年ということが決定されたわけです。そういう経過を踏まえまして、日本ではわずか二千二百万円の予算しか組んでいない。これは一般の方々がマンション一戸分の国家予算というふうに言っているわけですけれども、他の国々を見てみますと、カナダとかオーストラリアなどでは六億円とか八億円とかという予算を組みまして国際婦人年に取り組んでいる。それからイギリスとかアメリカ、スウェーデン、こういうふうなところでは大統領とか首相の直属の特別委員会というものをつくりまして、ここで具体的な男女差別の撤廃のやり方を検討するとか、それから法律づくりをやるとかということを、国連で婦人年が決定する段階からこういう計画をしているわけです。特にイギリスなどでは、五年前から男女同一賃金という法案をつくりまして、ことしは五年間の成果を踏まえて、この国際婦人年のことしを実際に完全に男女同一賃金にするという終着点というふうに考えているわけです。婦人年というものをある計画をした終着点、そしてその次の出発点というふうに考えている。 これは外国の一部分のことをいまお話ししたわけですけれども、日本ではマンション一戸分の予算しか組まれていない。その上に、たびたび政府が言われているわけですけれども、三木総理大臣のリップサービスだと言われているように、三千万円という予算を使って、ことしは国際婦人年であるというPRだけをしたわけです。国際婦人年だから何をやるかという具体的なPRは何もない。婦人年であるということだけをリップサービスをしているということです。 それで私としては、現在必ず具体的にやる、たとえば産前産後の休暇を大幅に延ばすとか、出産の給付をILOの最低基準に何とか近づけていくとか、男女同一賃金の法律をつくるとか、そういうふうな具体的な計画があるかということをまず労働大臣と厚生大臣にお聞きしたいというふうに思います。
○長谷川国務大臣 国際婦人年に当たって予算が少ないといういつもおしかりなどもありますけれども、これはことし行事をやる予算としてはおっしゃるような少ない予算でございますけれども、行事をやる予算でして、御案内のように日本の場合には各省で婦人問題をたくさんやっている。そういう予算を入れますと、私は余りよその国に負けないんじゃないかという気もあります。それにいたしましても、こういう機会でございますから、改めて問題を見直して発展していくという考え方を持たなければならぬ、こう思っております。 労働省としますと、労働基準法研究会等々によって、いままで御質問もありましたが、そういうことでやっておりますし、それからいま育児休業の問題にいたしましても、ことしから育児休業奨励金あるいは寡婦等雇用奨励金、これはことしから始めたことでして、少ないとおっしゃるかもしらぬが、今年度から始めているということも努力を認めていただきたい、こう思います。
○田中国務大臣 いま先生のおっしゃった中に出産給付の問題がございますが、これについてはたしかILOの条約等では、自己負担をかけるな、こういうふうに私理解しているわけでありますが、確かに現状は実際にかかる費用との間に乖離を生じてしまいました。かねがね厚生省といたしましてはこれにアプローチするように何遍もやるんですが、乖離を生ずるというのが現実であります。したがいまして私どもといたしましては、できる限り現金給付で進む、当分進まざるを得ない。現物給付にすることについてはいろいろと私も考えてはおりますが、なお検討をさしていただきたい。とりあえず私はできるのは、現金給付の金額をできるだけ実勢に近づけるということだろうと思います。御案内のとおり、本人の場合、標準報酬の半分そして最低が六万円だったと思います。また家族は六万円、これでは実勢と離れておりますので、この改善には私は努力をいたしたい。国際婦人年であろうとなかろうと、これは厚生大臣として心がけなければならぬと思っております。
○田中(美)委員 労働大臣のお答えは、労基法の研究会をやっているということはこれは昔からいつでもやっていなければならないことで、何も事新しく努力しているということにはならないと思います。それから育児休業の問題について補助金を出すというふうに言われましたが、これは実際の労働者にとってはほとんど実益のないものだというふうに理解しておりますので、労働大臣のお答えは具体的にはほとんど何もなされていないというふうに私は受け取りました。 また、厚生大臣のお答えは多少前進的なところがありますけれども、この出産給付を保険の点数に入れるということは非常に困難だというようなことは大臣よく御存じだと思います。私としてはこれは健康保険にというふうに考えておりますけれども、標準報酬が非常に低いということから非常にむずかしい。お産を一万六千点にするなんということがバランスの関係でできないのだろうというふうにお察ししますけれども、何とかしてこれを実際の給付に近づける努力をする、こういうことは多少とも前進的だと思いますので、これは必ず来年度実現しますように、来年度は必ず——いまの最低六万ということはいまの医療費の中で最高になっているわけです。高額医療費ができましたので三万円の負担になりますので、お産だけが一番多くの負担が本人はかかっているわけです。そういう点でこれを大幅に引き上げていただくことにより一層の努力をしていただきたいと思います。 その次に、先ほど申しましたように各国では、もう三年前に婦人年ということが決まっていたわけですから、ここから準備をしていたわけです。 〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕 それが日本は、七四年の暮れということは去年の暮れですから、国際婦人年というのは一月一日から国際婦人年に入ったわけですので、その直前に八省庁の婦人関係の課が国際婦人年のための関係各省連絡協議会というのをつくられているわけです。これはもちろんそちらでおつくりになったわけですけれども、この連絡協議会というのは一体責任者がだれになっているのでしょうか。そのところを、ちょっとどなたが責任者かわからないのでお聞きしたいというふうに思います。
○森山(真)政府委員 国際婦人年の関係各省連絡協議会の窓口と申しますか、まとめ役は外務省にしていただいております。労働省もその一人として参加している立場でございます。
○田中(美)委員 窓口ということは、責任者というのはどういうことですか。これのまとめ役ということですか、窓口というのは。そうすると、責任者は外務省ということですか。
○森山(真)政府委員 連絡協議会の責任者と申しますか、連絡協議会につきましての責任者は外務省ということになります。
○田中(美)委員 私はここが非常に不思議なんですけれども、この連絡協議会が一体何をやっているのか、どういうふうに連絡をしているのかということが非常に不明確なわけです。国会の中には、議員の中に超党派の婦人議員懇談会というのがあるわけですけれども、この会で、森山さんよく御存じだと思いますけれども、国際婦人年に日本は一体何を提案し、どういう資料を持っていくかということをお聞きしたりしているわけですね。これを見ましても非常に要領を得ない。八省がだあっと並びまして、本当に五分間ぐらいでたったったっと話をして、こんなようなことですと言われますと、連絡協議会というのはどこが一体連絡しているのか、ただばらばらに八人が出てきてちょっちょっちょっと話をしたというふうに感ずるわけです。それで、どうもいろいろ世話役をやっているところが外務省だという感じを受けるわけですね。ですから、外務省が責任者をしているのだろうかというふうに思いますと、これはあくまでも窓口だ、こう言うのですね。 そうすると、もし外務省が責任者であるならばおかしいというふうに私は思うのですね。国内の婦人の問題を向上していこうというために、先ほど労働大臣がおっしゃったように各省で連絡をしてやっているというならば、それは総理府がやるとか、一番婦人に関係の多いところの労働省とか厚生省とかというところが責任を持っているのだ、そして対外的な世界会議に対するいろいろな窓口は外務省がやるというならばよくわかるわけです。しかし、中身の問題というものの責任者が外務省になっているというところに日本の特徴がある。世界に対してPRをするところだけは外務省が一生懸命で、先ほどは現状を正直におっしゃるとおっしゃいましたけれども、それはやる。じゃ日本で、日本の国際婦人年、日本の婦人がどう向上していくかということの検討というのが、私がいままでの婦人議員懇談会でお聞きするところでは何も出てこないわけですね。こういうところが非常に不思議に思うわけです。そして、そういう会議では労働大臣には全然お目にかかりませんが、婦人少年局長の森山さんがよく出てこられるわけですね。森山さんは、一体この連絡会議の中でどういう責任と役割りを持っていらっしゃるわけですか。
○森山(真)政府委員 関係各省連絡会議のメンバーは、各省の課長が常に出席するということになっておりまして、事務的な打ち合わせは課長のレベルでやっているわけでございます。ですから、私自身は直接その会議に出たことはございません。
○田中(美)委員 そうすると、実際には婦人少年局が一生懸命やっているようにも何となく見えるわけですけれども、森山さんもこの連絡会議の責任者でもないということになると、責任者のない連絡会議だということが、私の実感としていままで感じていたことが、いま非常にはっきりしたように思うのですね。ですから、日本の国際婦人年に対する姿勢というものは、世界に対してのPRの方だけはやっているけれども、国の中での責任者がいないということが非常にはっきりいたしました。これは私のいままでの接触の実感が非常に当たっていたという感じがするのですけれども、これは嘆かわしいことだ。 というのは、その次の問題ですけれども、この間、やはり各省が来て説明をしていただきました会議のときに、日本は行動計画をどうするのかということを聞いたわけです。そうしますと、外務省の大鷹さんという方が、外国に学んできてから行動計画をつくります、つくりたいと思いますというふうな非常にあいまいな発言をなさったわけです。それで、ここではっきりしておきたいというふうに思いますのは、今度国際婦人会議に行きますと、こういう行動計画が二百六項目についてあるわけですね。これをずっと読んでみますと、世界を対象にしていますから、必ずしも日本に当てはまらない面もあるわけですね。しかし、この中で日本に当てはまる部門はたくさんあるわけです。これが会議で協議されまして、これを採択しますと、結局勧告という形で出てくるわけですね。そうすると、当然これは、このとおりでないにしても、勧告という結果が日本にも——森山さんも行かれますから、勧告を聞いてくるわけですね。そうしますと、その勧告を受けて日本で、これは十年間の計画になっていますので、これから十年間、どういうふうに婦人の差別をなくし、婦人が社会の発展に貢献し、平和に貢献するかという行動計画というものをつくらなければならないわけですね。一体この行動計画をつくる計画はあるのかどうかということをはっきりここでお聞かせ願いたいと思います。
○森山(真)政府委員 先生御指摘の婦人の地位の向上のための世界行動計画の案は、これから審議されますので多少修正があるかと思いますが、おっしゃるとおり大体そのような線でまとまるのじゃないかというふうに推測されます。私どももその線に基本的には賛成でございますので、その案を受けまして、わが国の国情に適した婦人の行動計画をつくりたいというふうに考えております。先ほどの御質問にも触れるわけでございますけれども、国内における行動計画あるいは婦人対策の連絡調整というものは、先生のおっしゃるとおり総理府においてイニシアチブをとられまして調整をやっておられるわけでございまして、この行動計画につきましても各省にまたがることでございますので、そのような形をとるようになるのではないかと思いますが、まだいまのところ具体的にははっきり決めてはおりません。
○田中(美)委員 非常にはっきりいたしました。森山さんは具体的にやりたいと思うけれども、やれるかどうかわからないということです。この行動計画というのは、世界の婦人が一堂に集まってこれをどうするかということは、その国の政府の最低姿勢が出るということです。この最低姿勢をとろうということさえまだ決定していないということがいま非常にはっきりして、ただ個々には各省の課長がやりたいというふうな気持ちがあるけれども、まだ何も決定していないということでは困るので、それで私は労働大臣と厚生大臣にお願いしたいわけですけれども、労働省と厚生省というのは婦人に非常に関係のあるところです。ですから、八省がやれ外務だ、やれ文部だ、法務だ、総理府だというふうに責任転嫁をしないで、政府というのは国民から見れば一つなんです。労働省と厚生省は別の機関ではないわけですね、国民から見たら一緒なんですから。お二人は閣議に出席なさるわけです。労働大臣、いやがらせのつもりではありませんが、新聞情報だと、十三日の金曜日、きょうは最悪の日であるというふうに言われたとか新聞に出ておりましたので、これは真実かどうかわかりませんが、そのようなことを言われるようでは——この日こそ、労働大臣と厚生大臣は、十三日の金曜日は最良の日である、この日にお二人が責任をもって閣議に提案をしていただきたい。そして、閣議としてはっきりと行動計画をつくるということを決定していただきたい。そして、最高責任者をきちっと決めていただきたい。そうすれば、十年間、これを二年ずつチェックしながらやっていく、十年後にどうなるかという形が出てくるわけです。その中でそういうことが行われて、初めて婦人の未来に対して少しずつではあるけれども展望が出てくるというふうに思うわけです。いまのように三木総理のリップサービスだけ、行動計画はなしということでは、全く展望どころか、欲求不満がいよいよたまっていく、混乱を招くというふうに思います。それで、お二人の大臣の閣議に提案するということの御決意を簡単に伺いたいと思います。
○長谷川国務大臣 どうも風当たりが強いようですが、十三日の金曜日というのは私じゃないですよ。私はあなたのような美人とお話しできるのは光栄だと思っています。しかもきのう、市川さんそこにいらっしゃるけれども、参議院において、予算委員会で市川先生がお話しされたのに、三木総理大臣も、採択された時においては行動計画を日本でもつくりたい、こう申しておりました。ごらんのように二百六項目、私も全部拝見しましたけれども、あなたのおっしゃるように国によって違うのですね。文盲をなくすという国もあるわけですね。そういうものは日本にはない。ですから、日本に合うようなもの、そしていま足りないもの、そういうものを集約しながら国内においてやるようにしようじゃありませんか。私も一生懸命やります。
○田中国務大臣 お説のとおり、国際婦人年に対応する政府の態度、メキシコのあの大会に対応する態度というものはいろいろ考究したもののようでございますが、しかし、今後行動計画ができた場合、行動計画に日本がどう対応するかということについての詰めは、私は必ずしも十分ではないというふうに反省をいたしております。しかし、今日もうこの会議が迫っておりますので、行動計画ができた場合、恐らく各省庁にまたがる問題がいろいろ出てくるし、いま先生御唱導のように、わが国にはほとんど関係のない問題も多く出るものと思われますので、これをいかに選別し、いかに実行していくかということについて、政府部内に責任のあるまとめ役というものをつくっていかなければ対応し切れなくなるというふうに考えておりますので、そうした方向で取りまとめるように努力をいたしたい、私はかように考えております。
○田中(美)委員 厚生大臣も、いろいろいま私の指摘した面が確かに不十分であったと反省をしていらっしゃるということで、大変にいい姿勢だと思います。しかし、反省というのは言葉だけではなくて、反省したからには必ずそれが実行に移されなければ言葉だけになりますので、必ずそれを実のあるものにしていただきたいと思います。 それでは、次に私は、婦人問題の根幹に関する問題の売春問題について少しお聞きしたいというふうに思います。 売春防止法ができましてから一応公娼制度というものが日本からなくなったということはもうあれだと思いますけれども、いま一般の世間で言いますのは、トルコぶろというのを知っているかというふうに聞きますと、大抵の人が売春でしょう、こういうふうに言われているわけです。ですから、トルコぶろイコール売春というふうに一般の人たちが理解しているほど、トルコぶろで売春が行われているということは公然の秘密に——公然の秘密というよりも、公然化されているというふうに私は思うわけです。 それで、いまここに持ってまいりましたのは昭和四十八年九月二十六日付の官報です。官報というのは国が出したわけですね。総理府という名前で「トルコ風呂営業の実態と対策」というのが出ているわけです。私はこれを見まして本当にびっくりしたわけです。週刊誌などにいろいろ書かれていることは、一体どこまでが本当かうそかということがわかりません。ただ、そういう傾向があるということは想像がつきましたけれども、これには実に驚くべきことが書いてあるわけですね。それで、私ども共産党・革新共同の婦人議員団が、昔吉原と言われたところにずっとたくさんありますトルコぶろ街に調査に入りまして、実際のところも見てまいりました。しかし、そこで売春が行われているかとうかという——その建物を見てきたということで、業者の話を聞いてきたということで、どういうところかというだけのことです。この官報について申しますと、いまトルコぶろの営業というのは、四十九年度のあれですと大体千百七十六軒で、トルコ嬢がもぐりも入れますと約二万人いるというふうに言われているわけです。このトルコ嬢の収入が官報には百二十万を超えるものもある、百万が大体常識だ。月収ですよ、年収じゃありません。月収百万ですから、大臣よりも多いというふうに思うわけです。百二十万を超えるものさえあるというふうに官報に書いております。そして、それはどういうところからきているかといいますと、トルコ嬢が得ている収入の主なものとしてここに書かれておりますのが、性的行為をしているというふうにちゃんと官報に書いてあるわけですね。売春等によって収入を得ている、こう書いてあるわけです。その中に、スペシャル五千円とかボディ洗い七千円とか本番二万円というふうに、公定価格らしきものが官報にきっちりと出ているわけですね。これは笑い事ではないというふうに思うのですね。こういう実態がもう明らかになっているのに、政府は一体これに対してどういう手を打とうとしているのかということが、私としては一番聞きたいわけです。 これは婦人問題の根幹に関する問題で、婦人の肉体が商品として売買されているということですけれども、この実態、それからトルコ嬢が百二十万の収入があるということに対して、利用者が三十三万などと、これはテレビのニュースで聞いたわけですけれども、大体トルコ嬢にはヒモがついているというふうに言われているわけですね。一五%はヒモがついている。これは暴力団組織になっているわけですね。経営者も暴力団自体が経営しているところもあるわけなんですね、ヒモだけでなくて。こういう実態というものを厚生大臣は御存じなんでしょうか。
○田中国務大臣 トルコぶろの実態については委員会でいろいろと御質疑がすでにございました。私も実はこの問題についていろいろと苦心、苦慮をいたしておりますが、世上先生のおっしゃったようなことがあるというふうに聞いております。
○田中(美)委員 私の調べたところと政府側とも大体同じ状態を見ていらっしゃると思うのですけれども、これに対してそれではどのようにしようと政府はお考えになっているのでしょうか、お答えください。
○田中国務大臣 トルコぶろの問題というのは予算委員会でもいろいろと御質疑を受けました。非常にめんどうな問題であります。これの政府の取り組み方というのに、どうもいままでいろいろと足りない点があったというふうに私は思います。 いまトルコぶろの問題について厚生大臣が答弁をいたすということにつきましていろいろ考えてみますと、トルコぶろは公衆浴場法における公衆浴場であるというところから、私が答弁に立たなければならないものというふうに思うわけであります。しかし現実の問題として、公衆浴場法というものはああいうものを取り締まりをする、あるいは指導等をするというような立法の趣旨ではなかったものというふうに私は思うわけであります。歴史的に見ましても、昭和二十三年にできました公衆浴場法、当時は実はまだトルコぶろというものがございませんでした。しかし、公衆浴場法の定義を見てみますと「この法律で「公衆浴場」とは、温湯、潮湯又は温泉その他を使用して、公衆を入浴させる施設をいう。」文言解釈すると、トルコぶろはまさしくそういうふうになるわけでございます。しかし私は、あの種のものがわれわれの言う公衆浴場の対象であるはずがないというふうに思っているわけであります。事実、歴史的に見まして、トルコぶろというものができたときに公衆浴場法を適用した、そしてそれを許可対象にしたことについては、当時の人たちは異議をはさまなかったものというふうに私は理解されるわけであります。なぜかなれば、日本で最初にできたトルコぶろというのはあの東京温泉ですが、あれは現在社会問題になっているようなことをやっておらなかったわけでありまして、したがって、それについて何らの異議をはさまなかったものというふうに思うわけであります。しかし、時代の変遷とともにトルコぶろの態様というものが非常に変わってまいりまして、社会問題化し、いま先生のおっしゃるような方向に変移をしていったものというふうに理解をしているわけであります。 そこで、公衆浴場法はあくまでも公衆衛生立法でありますので、厳密に考えますと、あのトルコぶろが仮にこれの対象だとしても、それに使う水が不潔であるとかあるいは流しが不十分であるとか、こういうことについては確かに公衆浴場として衛生立法である公衆浴場法で取り締まらなければならぬと思いますが、いま社会的に問題になっているような事項は公衆衛生立法である公衆浴場法の対象の範囲外だと私は思うのでありまして、したがいまして、私はこのトルコぶろというものをどういうふうにするかということについては、やはり風俗営業法的な取り締まりをしなければなるまい。したがって、いろいろ考えておりますが、これについて政府として取り締まる規制の対象にするためには、公衆衛生的にこちらの方も公衆浴場法的な取り締まりあるいは規制をいたしますが、反面やはり風俗営業的な取り締まりと両方が合致しなければならぬ、許可の場合にもこの両方から許可をしなければなるまい。ちょうどキャバレー等がそのようになっておりますが、そこに私はこの問題の抜けている点があろうと考えられるわけでありまして、そうした方向に向かって今後関係省庁と精力的に協議をいたしたいというふうに思っております。
○田中(美)委員 確かに厚生大臣のおっしゃるように、公衆浴場法でトルコぶろが許可になっているというところに問題があるわけですね。普通の銭湯では学校のそばとか図書館のそばにあってもいいわけですけれども、これは風俗営業法で立地規制があるわけですからね。初めからやはりトルコぶろというのは学校の近所にあってはいけないというふうになっているんで、普通のおふろではないということはもう政府も御存じなわけです。 これは売対審でこういうふうにたびたび総理府に要望が出ております。四十八年、四十九年というふうに決議、要望というような形で、十分御存じなことだと思いますが、出ております。これによりますと、個室の中に婦人を入れるということを禁止しなければこれはだめなんだ、だからいま厚生大臣がおっしゃったように、関係機関が相互に協議をして法令の改正をしなければならないということが再度にわたって出ているわけですね。それに対して、総理府の加山参事官ですか、どのように対応なさろうとしていらっしゃいますか。緊急問題だと思いますので……。
○加山説明員 お答えいたします。 トルコぶろの問題、いまの厚生大臣のお話も聞いておりましたが、ちょっとこの問題の認識が売春対策審議会とずれているように私は承っておりました。 先ほど御指摘がありましたように、総理府でこのトルコぶろ問題の実態ということが発表になりましたが、これは現段階では売春対策審議会では、トルコぶろが売春に結びつくかどうかというような実態論を究明する時期ではないというように考えております。それから二番目には、行政指導を強めまして取り締まりを強化していく、こういう段階はもうこれも過ぎた。そういう自粛勧告もすでに促しているわけでございます。しかも一年の経過措置をもって促したわけでございます。しかしながら、実態は依然として変わらない。滋賀県の雄琴トルコのごときは非常にいんしんをきわめておるというような状況がございまして、もうそういう時期も経過した。 しからば、これをどうするかという問題でございますが、その法的問題につきましても、これは私どもが詰めまして、先ほど御指摘がありましたように四十九年の七月四日の売春対策審議会の席上におきまして、この問題は個室において婦女の役務を提供する、そういう営業を許可するところに問題がある、したがって許可しない方向でこれを検討しなさいという強い要望がなされておるわけでございます。そういう意味で、問題点の指摘は審議会としてはもう指定済みである。 それから、さらに検討すべき方向の課題といたしましては、四十七年に新規営業といたしまして百九十五軒、それから四十八年に百三十九軒、それから四十九年に五十二軒、現在千二百軒あるわけでございますが、そのように許可申請をすれば、先ほど厚生大臣がおっしゃられたように、衛生的な観点から、ああいう業態でございますから衛生的には非常にりっぱな設備を整えておる、そうすれば許可せざるを得ない、こういう実態があるわけでございます。その上で、許可をしておいて果たして風紀的な規制を強めていく——どういうところを強めるのか、いろいろ問題がございますが、それについては、やはり個室という人権上の問題がいろいろある場所でございますから、そういう場所でこの風紀上の規制ということについてはすでに限界がある、こういう指摘をされているわけでございます。 したがって結論的に言えば、そういう営業を許可しているところに問題があるのであって、風紀上の規制を強めるというところについてはすでに限界、制約があるんだ、こういう検討すべき方向も示されておるわけてございます。私ども——私どもというのはおかしいですが、売春対策審議会の世話をしております私といたしましては、もう現段階としまして法的問題、検討すべき事項の指摘等々は終わりまして、後は関係当局、許可主管行政庁がこれをいかにこなすか、そういう段階に来ておる、連絡調整はもうする段階ではない、決意の段階である、このように考えております。
○田中(美)委員 大変前向きな姿勢なので、決意をしたということはすぐこれを実行に移していただきたいというふうに思います。私も結論としては、この営業の許可に問題があるというふうに思いますので、これを早急に実行に移していただきたいわけですけれども、いつごろこの実行というのは移される予定があるでしょうか、加山さん。
○加山説明員 お答えいたします。 ただいま問題の指摘をいたしましたように、売春対策審議会は売春の重要事項について調査審議するところでございまして、現在では審議内容としては一応問題点等々の指摘は終わっておる、したがってそれを受けた行政庁でそれをいかにこなすか、こういう段階であろうと思いますので、その決意のほどは主管庁からお聞きいただきたいと思います。
○田中(美)委員 じゃ厚生大臣。
○田中国務大臣 いま総理府の方からこの問題についての御答弁がございました。私は、政府部内でのいろいろな意見の食い違いを委員会の場で話すことは余り好みません。しかし、このような議論を続けておったのでは私はどうにもならぬと思うのであります。したがいまして、公衆浴場法で許可をしない、あるいは取り消すということが法制的にできるものならば私はそういたしたいと思っておりますが、既存の許可をどうするか、あるいは今後について、衛生立法である公衆浴場法である種のものについて仰せのようなことができるものかどうか、法制的に掘り下げてみたいと考えております。
○田中(美)委員 いま加山さんはもう決意をする時期なんだ、行動する時期なんだと言っているわけですから、早急にやっていただきたいというふうに思います。 それで、この問題というのは、いろいろな婦人団体があります。これが集まりまして「売春問題と取り組む会」というのを、これは四十八年の一月二十二日に結成しております。これは日本の婦人団体がこれだけたくさん結集したというものはいままで一つもありません。二十三団体、たとえば総評だとか同盟だとか、それから日本キリスト教婦人矯風会とか婦団連、看護協会、新日本婦人の会、こういうふうに挙げていきますと二十三あるわけです。なかなか統一して同一行動ができないようなこともあるこういういろいろな婦人団体が全部一つになりまして、この「売春問題と取り組む会」ということでやっているわけです。これは私は、日本の婦人の歴史の中では画期的なことだというふうに思うのですね。ということは、思想、信条を越えてすべての婦人がこの問題については早急にやってほしい、こういう大きな要求になっているということは、この組織を見てもわかると思います。この認識の上に立って、厚生大臣は先頭に立ちまして、総理府も一緒になりまして全力を上げて早急にこの問題解決に当たっていただきたいと思います。 最後に、簡単に学童保育の問題をお聞きしたいと思いますが、昨年、厚生省は学童保育に対すろ予算というものを三千五百万円組まれましたが、これは大蔵省で切られてゼロになりました。大臣が国会で約束をした、しかし大蔵省はそれを聞かなかったという結果があります。七十二国会ではこの学童保育の請願は採択されておりますし、今国会でもこの請願が出ております。これを見てみますと、自民党の議員を初め五党の議員がすべて紹介議員になっておるということでは、議員としては超党派的にこの学童保育というものをやれというふうに言っているわけです。そういう点で、厚生大臣は来年度もこの予算を組む予定であるか、労働大臣も予算を組む段階であるか、その点を簡単に一言でお答え願いたいと思います。
○田中国務大臣 本件につきましては、参議院社会労働委員会でいろいろ御質問がございました。私としては、昨年度の予算要求の詰めがどうも十分でなかったので予算化ができなかったようでございますので、しかし社会的なニードとしてはこれを実現いたしたいというふうに考えておりますので、もっと精細に詰めて予算要求をいたしたいものだというふうに思って、部内で目下検討中でございます。
○長谷川国務大臣 学童保育は厚生省専管のものでありますが、児童の教育、そういうことについては労働省も考えておりますから、育児援護の問題については積極的に予算について検討してまいりたいと、こう思っております。
○田中(美)委員 厚生省も労働省も、大体金額はどうなるにしても、去年こういうことで予算をお組みになったわけですから、来年度もそれをする予定であるということです。大蔵省はいかがでしょうか。
○梅澤説明員 五十年度の予算の編成の際に、ただいま委員が御指摘になりましたように、厚生省から、主としてかぎっ子と言われる児童を対象といたしまして学童保育の事業に対する国庫助成の要求がございました。予算編成の過程で私どもいろいろ検討はいたしたのでございますけれども、国庫補助事業として取り上げる点についていろいろ問題があるということでございまして、五十年度の予算化は厚生省とも協議の上見送ったわけでございます。 五十一年度の問題につきましては、所管省これから構想の検討に入られる時期と思いますので、現時点で大蔵省として、五十一年度以降この問題をどう処置するかということをお答えできる段階ではございません。
○田中(美)委員 総理府の「婦人に関する諸問題の総合調査報告」というのがあります。この中に出ておりますのに、やはりこの制度は早急に着手する必要があるというふうに書いておりますので、大蔵省に強く申したいと思いますが、政府の調査として早急に着手する必要があるというふうにちゃんと出ているわけですので、大蔵省はこれを十分に検討し、厚生省、労働省の予算化があった段階で、これをまたことしのように切るというようなことが絶対にないように強く要請したいと思います。 最後に、一言保育所の問題をお聞きしたいと思いますが、これは婦人問題の中でも非常に婦人の要求の強いものです。 五カ年計画が今年度で終わります。そうすると、五十一年度以降の計画というものはあるのでしょうか。その点ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○上村政府委員 四十六年度から五カ年計画で、社会施設整備計画の中で私ども保育所の整備を進めてまいっだわけでございます。計画は順調に推移しておるわけでございますが、五十一年度以降どういう計画を立てるか、非常に需要の多い施設でございますので、計画自身はまだ持っておりませんけれども、引き続いてその増設に努めるつもりでございます。
○田中(美)委員 計画をまだ持っていないというのは、私非常に遅いというふうに思います。来年度から計画はないわけですから、もう半年しかありませんので、五十一年度以降の計画を早急につくっていただきたいと思うわけです。 いま順調に進んでいるというふうにお話しになりましたけれども、この五カ年計画というのは、昭和四十二年の要保護児童の実態調査を基礎にして四十六年度からやっているわけですから、非常に少ない要望でもって、三年もおくれた段階からそれを基礎にして計画をした、これが順調にいっているということなんだと思います。 〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕 それで、私は厚生大臣にお願いしたいわけですけれども、四十二年に厚生省が調査をした以後、調査がないわけですね。これには要保護児童というのは、四十七年の調査によりますと、二百四十二万人あるというふうに非常に大きく出ています。それからもう三年にもなるわけですし、厚生省としてこの実態調査を四十二年以後やっていないわけですから、やる予定があるかどうかお答え願いたい。
○上村政府委員 お話しになりましたように、四十二年に要保育児童の実態調査をして以来、厚生省として調査したものはないわけでございます。それで、非常に働く婦人等の増加があるわけでございますから、私ども、そういった要保育児童の実態の調査をしたいというふうに考えておるわけでございます。
○田中(美)委員 ぜひ実態調査していただきたいと思います。 これは「現代日本女性の意識と行動」ということで、よくまとめたものだと思いますが、婦人に関する諸問題調査会議編ということでつくっている、これの二百三十五ページですけれども、「女性が職業を持つために整備されていないもの」「女性が職業をもつための条件のうち整備されていないものはなんですか。」という問いについて十項目答えられているわけです。これは共かせぎ家庭の主婦にアンケートしたわけです。たとえば、男性の理解がない、夫の理解が少ないというのは非常に少ないのですね。適職がないとか家事、育児があるからとか、いろいろな形で家事、育児の整備ができていないというふうなことの方が少なくて、飛び抜けて一番多いのは、四七・三%、約五〇%が保育所の不備、不足だということを言っているわけですね。それから二番目は、約三〇%が給料の差別だというふうに書いているわけです。これを見ましても、働く婦人というものが、いかに賃金差別とそれから保育所がないということ、これについてどれだけ強く望んでいるかということは、あなた方の調査、これは非常にいい調査だというふうに私は思います、この調査の中ではっきりと出ているというふうに思います。この点、特にこうした婦人の要求というものを、保育所の増設、賃金の差別、この問題というものは特筆すべきものとして今後の行動計画の中に入れていただきたい。これを要望しまして私の質問を終わります。(拍手)
○大野委員長 次に、栗田翠君。
○栗田委員 私は、いま全国の銀行で働く女子行員の労働条件の問題を伺おうと思います。 皆さん方、昔紡績いま銀行という言葉があるのを御存じでしょうか。昔紡績と言えば、これは女工哀史で有名な過酷な労働をあらわしておりますけれども、そういう過酷な労働条件がいま銀行の中にある、こういうことなんです。 実際、最近の高度成長政策の中で銀行資本というのは非常に大きく成長しましたけれども、特に機械などがどんどん導入されている中で、それに見合った銀行員の数というのがふやされておりません。特にこれは地方銀行を見ますとひどい状態ですが、一例として静岡銀行を挙げてみますと、一九六七年から七四年までの七年間、預金残高が三倍にふえ、経常利益が三・一四倍にふえ、一人当たりの経常利益が二百十四万円。これは何と新日鉄の五倍にも上るという大変な利益を上げているわけなんです。ところが、この七年間で従業員数は一・三九倍だけしかふえていない、こういう実態になっております。男女とも過酷な労働条件のもとに置かれていますけれども、特に底辺にいる女子行員の場合、母体保護の面から考えても、また男女同一労働同一賃金という権利の面から考えても、実にゆゆしい問題が山積しておりまして、短い時間ではなかなか言い尽くせないぐらいの問題がございます。 まず最初に、この中で法定時間外労働、いわゆる違法超勤の問題を問題にしたいと思います。 最近銀行の違法超過勤務というのが次々に指摘をされております。先日も国会で共産党・革新共同の柴田議員が千葉興業銀行の問題、次に石母田議員が横浜銀行の問題を取り上げておりますけれども、ここらでも大変な超過勤務がやられております。つい最近の生々しい例では、山梨の富士銀行吉田支店で、山口ちなみさんという人が二十三時まで働かされたということで申告をしておりまして、これは労働基準監督署から六月六日是正勧告が出ているわけです。全国でこの二年間表に出ただけで三十一件の勧告、この中で不払い賃金が払われているのが二十二件と言われておりますが、これはほんの氷山の一角だと思います。まず、こういう実態について労働省としてはどうお考えになっていらっしゃいますか。
○東村政府委員 銀行の問題につきましては、いわばその地方における一つのリーダー格になる企業だと思うわけです。そういう銀行においてただいま御指摘のような違反があるということは問題でありますので、私どもは労働者の申告、ないしは申告を待たずにこちらの方から一斉に監督を実施する等々によりまして法違反の絶滅を期しているという次第でございますが、ただいま先生の御指摘ございましたように、ほかにもわれわれの目の届かないこともあるかもしれません。さらに監督指導に力を入れてまいりたい、かように考えております。
○栗田委員 それでは、一例としまして駿河銀行の例でもう少し詳しい実情をお話しして御答弁をお願いいたします。 駿河銀行の沼津、浜松の支店が四月三十日、三十分間の違法超勤のときに、現場に立ち入られて勧告をされています。その後六月二日に、同じく駿河銀行の厚木、相模原、藤沢、小田原、ここでやはり三十六条の協定のない超過勤務をやっておりまして、これがやはり発見されております。その後労働基準局はどのように指導してきたかということをつかんでいらっしゃいますか。
○東村政府委員 個別のケースでございますので精細なところはまだつかんでおらないわけでございますが、ただいまお話しございましたように、四月三十日に駿河銀行の従業員組合から申告がございました。即日夜間臨検いたしましたところ、女子十名前後について一日二時間を超える時間外労働が行われる、つまり労働基準法六十一条に違反するという事実を確認いたしました。そこで、直ちにこれを是正するようにということを勧告いたしまして、その是正については五月三十日、是正措置を講じた旨の銀行からの報告がございました。 それからもう一つ、五月三十日以降、ただいまお話しございましたように、時間外労働に関する労使協定が結ばれていないままになっておった段階で、労働基準監督署に対し、五月二十九、三十日、違法な時間外労働が行われているという申告がございました。そこで、この申告に基づき、監督署は六月一日から十一日にかけまして十八の支店に対して臨検、監督を行いましたところ、労働時間に関する法違反を認めまして、これについても是正方を勧告し、即時にそこで是正するという返事をもらっております。なお、この違反はいずれもただいま先生もお話しございましたし、私も申し上げましたように、労使協定が行われていないということによる違反という面もございました。 いずれにいたしましても、こういう問題がございますので、はっきり時期は申し上げるわけにはまいりませんが、私どもは一斉監督ということで、さらに実際にどうなっているか、その後どうなっているか等々を確かめてみたい、かように考えております。
○栗田委員 是正をすると答えては、その後入ってみるとやっている、こういう実態があるわけです。勧告をしても指導が非常に手ぬるいのではないかというふうに思います。 ところで、申告をしましたところ、予算がなくて夜間は調査に入れないということを労働基準監督署が言ったという話を聞いておりますが、こんなことがあってよいとお考えになりますか。
○東村政府委員 それは恐らく残業をして夜遅くまで残っているという違反に対する監督の問題だと思うわけですが、そういう場合には、もとよりそういう残業が行われている時間帯に監督をするということが効果的であろう。しかし、通常の時間帯に行っても、労働組合もありますし、あるいは賃金台帳等もございまするので、その通常の時間帯でも、昼間の時間帯でもそういう違反を把握することはできるとは思います。しかし、いずれにいたしましても、この駿河銀行についても夜間に監督したこともございますし、さらに必要ならば、やはり夜間に監督することが適切であるというふうに考えまするので、昼間でつかめないような場合には、やはり夜実際にやっているところに行くということが適切だと思います。 予算等の話がございましたが、そういうことができるように私どもさらに努力してまいりたい、このように考えております。
○栗田委員 予算がなくて夜間に入れない、ここが問題なんですね。適切であるということを認めながら予算がなくて夜間に入れないと回答しているわけです。 一つの例を挙げますと、五月二十九日駿河銀行従組が臨検を行ってもらいたいという申し入れをいたしました。ところが静岡労働基準監督課長の藤沢新作氏が、予算がないからすべて昼間に臨検に入ります——先ほど十分に監督指導しなければならないということをおっしゃっておりました。そして夜間臨検に入ることは適切であり、監督が十分にできる方法だろうとおっしゃりながら、下の方ではこういうことを言っておりますが、この実態をどうお考えになるかというふうに伺っているわけです。
○東村政府委員 詳しいことは私どもよく把握しておりませんが、夜間に行くことが絶対に必要であるということではなくて、昼間行ってもつかめる場合があると思います。しかし、いずれにいたしましても、夜間に行って問題を把握することが適切でありますし、予算の問題について、それが不足するとかということで監督が制約されることのないように、それは必ずしも適当でございませんので、私どもさらに努力してまいりたい、かように考えております。
○栗田委員 臨検の申請があったのにそう言って監督署が断っているということなんですよ。そこが問題なんですよ。だから、これは悪く考えれば、基準局と銀行側で何かつながっているのじゃないか、手ぬるい理由はそこにあるのじゃないか、こう思われても仕方がない実態なんですね。あなたがそういうふうに、夜間入るべきだけれども昼間でもできるなんということを言っていらっしゃる以上、こういうことが続くわけでございます。 大臣に伺いますけれども、いまのことをお聞きになりまして、どうお考えになりますか。
○長谷川国務大臣 いま私もずっと書類を拝見しておりますと、組合の申請か何か知りませんけれども、臨検をわりによくやっているという感じを持つのです。ですから、銀行と労働省がつながっているということは私はないと思いますが、予算がないためにというお話がありましたら、これは私の方でまた大いに勉強してやらせるようにしなければならぬ、こういう覚悟です。
○栗田委員 わりあい臨検をやっているとおっしゃいますけれども、実際、さっき挙げましたように勧告があっても是正されない実態が続いていて、その中でずいぶんたくさんの人たちが違法な超勤をやっているわけですね。大問題じゃありませんか。そこのところ、もっと深く反省し、指導をしっかりしていただかなければいけないと思うのです。 婦人少年局長にお伺いしますけれども、女子の、二時間以上の超過勤務をしてはならないというのは、言うまでもなく母性保護の立場からだと思います。それがこういう形で乱されて、実にたくさんの——いま挙げただけではない、これは氷山の一角ですから、たくさんの女子行員が超勤をやっております。この実態をどうお考えになり、今後どういうふうにこれを正していこうとなさいますか。
○森山(真)政府委員 御指摘の件は労働基準法の問題でございますので、労働基準局において十分やっていただきたいというふうに思いますが、私どもも婦人の方の立場から、ぜひそのような事態が一日も早くなくなるように指導をしていきたいというふうに思います。
○栗田委員 監督官庁は違いましても、母性保護という立場で厳しく側面からやっていただかなければいけないと思います。 次に、男女差別賃金の問題で伺います。 いま全国の銀行では、さまざまな形で実にわかりにくい形で男女差別の賃金があると私は思います。中にははっきり指摘できるもの、実際には平均を見ると非常に男女の賃金に格差があるけれども、いろいろな理由がつけられているもの、こんなものもあるわけでございます。 ところで、この中の一例といたしまして静岡銀行の例を挙げさせていただきます。 昨年四月一日付で、静岡銀行では男女職能給による賃金差別が改定されておりますが、これはどういう経過で改定されたでしょうか。是正されておりますけれども……。
○東村政府委員 静岡銀行における職能給と言っておるようでございますが、職能給は四十二年三月その制度を導入したと聞いております。その運営の中におきまして、昇格の基準とか上位職の初号の適用などについて差別的取り扱いが行われておったということでございます。私どももそういう問題を指摘し、これについて是正方を要請したわけでございます。そういう中で四十九年、もちろん組合と話し合ったことだと思いますが、問題のあるような制度を是正した、かように聞いております。
○栗田委員 いまのお答えでもはっきりしておりますけれども、職能給という名を使われていようとも、男女の性による理由で昇格の仕方を差別をしている場合には、これは男女差別賃金の体系であるというふうな考え方をお持ちなのですね。
○東村政府委員 一般論でお答えすることをちょっとお許しいただきたいのですが、一口に昇格といいましても、たとえば普通の職員が係長になるというような場合に、その通常の職員を男女という理由で差別をして、女なるがゆえに係長にしなかったということになりますと、それは労働基準法の四条というよりはむしろ三条に関連する問題でございます。ところが三条には、男女による労働条件の差別はうたわれておりませんので、そういう問題が生じますと、それは法違反というよりは非常に好ましくない問題である。効力的に問題がある、こうなるわけでございますが、そうではなくて、昇格ということが同時に賃金にストレートに結びつくということになりますると、男女同一賃金の問題に結びついてくる、その辺は具体的なケースケースによることになると思います。
○栗田委員 私ここに表を持ってまいりました。これは静岡銀行の職能給の決め方の表でございます。はっきり男女によって昇格の仕方が違っておりまして、そして賃金が基本給プラス職能給ということになっておりますから、上級に上がれるか上がれないかで賃金がはっきりそこで差がついてまいります。 ここに一号から七号まで号俸がありますけれども、それがまた細かくいろいろな職能に分けられているわけです。男女同じ四号俸の場合、男性は十八歳に入社して三年間、二十一歳で基礎から中堅というところに上がれます。それから四年間中堅をやりますと、二十五歳で上級に上がれます。それから三年間、二十八歳で主任になれます。こういうふうになっております。そして男性の場合には、この四号俸を取っていれば最低三十五歳になれば皆監督補佐になります。ところが女性の場合は、入社したときやはり四号俸でずっと同じだったとしましても、十八歳から二十一歳までが基礎、これは同じなのですが、基礎から中堅になりましても、男性が四年間で上級に上がれますのに、女性は七年間かからなければ上がれないように、はっきり女はこうであると決めてあります。ですから二十八歳になってやっと上級に上がる資格ができますが、それから後はずっともう上級のままの状態になっております。これは三号俸になりますともっとひどいのですけれども、細かく言っておりますと時間もありませんので……。同様な形でのはっきりとした差別があり、そのことによって、もらう賃金が大幅に違ってきているわけです。ここのところを今度の行政指導によって銀行側が是正をしたわけでございます。昨年の四月一日付で、二年前にさかのぼって差額を払って是正をしたということになっております。 ところで、こういう是正の仕方はどうあるべきかということなのですが、こういう差別があって、それか好ましくないとか——私は、好ましくないという言い方はどうかと思いますけれども、まさに賃金にも結びついて、これは賃金差別だと思います。こういうものが是正をされたらば、当然男女差別のない賃金体系で支払うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○東村政府委員 いま表で御説明願ったようなことだと思うのですが、そういう差別ないしはそれに近いようなことがいろいろあって誤解を招いたり、あるいは本当の差別であったりすることはまずいからそれを直しなさいということで、現在の時点においてはそういう制度がきちっとしているとわれわれは聞いております。 そこで問題は、現在の時点はいいとしても、過去にさかのぼってどういうふうに是正するのかというお話が一つあると思うのです。その際に、ただいまの表でもあるいは御説明があったかと思うのですが、上級の職に上る際に、男の初号と女性の初号と金額が違うということになりますと、これは明らかに四条違反ということでございまするので、その部分はやはり二年間なら二年間過去にさかのぼって是正をさせるということに相なるかと思います。 いずれにいたしましても、今後におきましては男女について問題のないような、差別がないような賃金体系をきちっと立てることが前提だし、男女同一賃金に違反するような実績があった場合には、過去にさかのぼってそれを是正させる、こういう必要があると思います。
○栗田委員 いま誤解という言葉がありましたけれども、私のいまの説明ではっきりしていると思うのです。この静岡銀行の場合には、男はこのよう、女はこのように昇格すると初めに決めてあるわけです。銀行に入ってから能力がどうだとかこうだとかではなくて、男女ということで最初から決めてあるのですから、これは誤解も何もない。明らかに性による差別だと思います。ですから当然これはそれを改めて、そういう差別のない賃金体系にすべきだと思うわけです。 ところで、一応是正された形になっておりますが、いま問題になっているのは、その是正のされ方が問題になっているわけなのです。 一つの例を挙げます。これは栗山満子さんという清水市の三保支店、勤続二十四年一去年是正をされました。四十九年四月現在で四十歳の方でございます。この栗山さんという人は、銀行側もずっと四号俸を与えておりましたから、四号俸の資格があると銀行が認めていた人でございます。当然男子の四号と比較してよいと思います。ところが、この人は是正をされましたときに主任の初年度、ここのところへ位置づけられたわけなんです。主任の初年度というのは、男子ですと二十八歳になれば四号をもらっている人は全部なるのです。もっと早い人もいますけれども、遅くても二十八歳。ところがこの栗山さんは四十歳になっていましたのに、是正の中で主任の初年度に位置づけられました。このことによって職能給が非常に低くなっているわけです。ですから、もしこの是正がされた場合、彼女の場合にはすでに二十八歳のときに主任になったと考えて、十二年間主任をやっていると考えるべきだと思うのです。そういうふうに位置づけるべきだと思うのですけれども、それがこんなふうにやられているわけです。そのことからさまざまな問題が派生してきておりまして——実に複雑なので、全部言いますともうごちゃごちゃしてきますけれども、初年度に位置づけられたということだけで起こってきます二年間もらうべきものでもらっていない是正額は三十七万二百三十五円になっております。こういう実態はどうお考えになりますか。
○東村政府委員 いま固有名詞をお挙げになって御説明いただいたわけでございますが、その全体の賃金体系についても私しっかり把握しておるわけではございませんし、ましてや個人的な格づけあるいはそういう問題をいま明確にお答えできないのでまたさらに具体的に調べてみたいと思いますが、いずれにいたしましても、先ほどちょっと申し上げましたように、中級から上級でございましょうか、上がる際に、その初号俸といいますか最初の号俸について明らかに女性であるがゆえに差別がされておるということになれば、これは一つ問題であろうということは言えると思うわけです。さらに詳しく具体的な問題になりますと、ちょっと私どもそれだけどういう事情でどうなったかということはわかりませんが、さらに検討させてもらいたい、かように考えております。
○栗田委員 なかなか複雑ですからのみ込んでいただけないのかと思いますけれども、私のいま挙げた例はほんの一例で、これはすべての今度の女子行員の是正の中にみんな出てくるわけです。だからずいぶん少ないということでみんなが言っているわけでして、おかしいわけなんですね。いまの例も結局同じ四号をずっととりながら、男性だったら二十八歳でだれでも四号俸をとっている人は上級から主任になるのです。ところが女性であったがためにいままでそれになっていなかったわけですね。今度それを是正した場合に、四十歳ですからもう十二年間やっています。しかもこれは労働基準監督署の意見を見ましても、この問題で、この静岡銀行の職能というのはいろいろ決められているけれども、実際に仕事の内容はそう変わりはない。特に小さな店になれば上の者から下の者までごちゃごちゃになっていろいろな仕事をやる。こういう中で、管理職であればこれは別だけれども、そうでない者は判別しにくいのであるということでの行政指導がされているわけなんです。そういうことであるにもかかわらず、今度の是正でもまたそのような問題が出てきているということでございます。余り時間とれませんから、これはその他の女子行員すべてについて調査をしていただきたいと私は思います。せっかく是正をしながらこのような不十分な是正では大問題だというふうに思うのです。 もう一つ私申し上げますが、この調整がされましたときに明細が渡されていません。調整金額幾らとぽかんと口座に入れられて、一体なぜこれだけ自分がもらったのかわからないのです。結局は不合理があるからということでたびたび申告をし、初めて是正をされ、当然これはこれこれのやり方でこれだけのものになったという明細は渡すべきものだと思いますが、いかがでしょうか。
○東村政府委員 前段のお話でございますが、おっしゃるとおり労働基準法に違反するという問題についてそれを是正する。ただしそれはどのくらいまでさかのぼるか、どういう形でやるか、なかなかいつもむずかしい問題がございますが、それはそれとしてさらに検討させてもらいます。 それから後段の問題でございますが、明細書に明細の内容が記載してないというお話でございます。通常の場合でございますと、賃金というのはこういう形のものでこういう計算をして出すのだということを明細書で出すわけでございますが、ただいまのようなお話の際には、どういうものがどのくらいということを書きなさいという法的強制はなかなかできませんが、おっしゃるとおり、もらった金額がどういう性格のものかということを知らせることはそれ自体望ましいし、当然そういうふうなことがあっていいと思います。その辺の事情もよくわかりませんので、これまた現地に聞いてみたいとは思いますが。
○栗田委員 法的根拠はないけれども道義的にはやるべきである、常識的にやるべきであるというお答えだと解釈してよろしいですね。 第二に伺いますけれども、いまのようなこういう実態ですね。これをどうお考えになるかということです。是正をしてもなるべくたくさん出さないようにする。こうして何とか賃金に対する支出を減らしていこうという銀行の態度というふうに私は思います。これをどうお考えになりますか。
○長谷川国務大臣 先生おっしゃるように、いま銀行はなかなか収益がいいわけであります。ですから、私は労働基準法に抵触するようなものは厳重に監査をし是正方を命じていく。 ただいま明細の問題でありますが、もらう方も、自分のもらう賃金ですから、これは一体何と何だということはやはり強く主張してもらっていいと思いますね。そういうふうな両々相まつ必要があるのではないかと思います。
○栗田委員 大蔵省はどうお考えになりますか、いまの実態をお聞きになって。
○宮本説明員 労働問題に関しましては実は大蔵省は直接介入できませんので、中立的な立場に立っておりますけれども、最近いろいろ国会でもこの問題が非常に取り上げられておりますし、違法なことを実は銀行がやっているといたしますと、これは非常にけしからぬ話でございまして、少なくともこういう問題になっております違法行為は、労働法規も含めまして厳重に注意、監督いたしていきたい、こう思っております。
○栗田委員 私はいま栗山さんという固有名詞を挙げましたけれども、これは具体例を挙げなければお話が通じないと思ったからやったことでございまして、全部の人にわたっているということです。調査をしていただいて、全員の報告というと時間がかかりますが、中間的な報告をぜひいただきたいと思います。 次に、出すべきものを出さないというこの銀行の態度はほかの点でもあらわれております。支店次長代理の役付時間外手当、これがいままで出ていなかったのです、これは女性ではありませんけれども。この二年間のバックペイを支払えという勧告が労働基準監督署と、それから簡易裁判所から出ております。これは支払い命令の方ですね、簡易裁判所は。にもかかわらずまだ払わず、九月まで待ってほしいと言っています。こういうことについてどうお考えになりますか。
○東村政府委員 ただいまお話しのように、その地位にある人が労働基準法上の労働者である。したがって残業をしたならば残業の割り増し賃金を払わなければいかぬということは当然でございます。ただその残業の割り増し賃金というのは労働基準法で定められた計算による割り増し賃金、これは断るまでもございませんが、そういうものが未払いのような場合には、私どもは是正をさせて割り増し賃金の未払いを払いなさいというのは当然でございますし、そこのケースはちょっと承知しておりませんけれども、そういうふうにやっていきたいと思います。
○栗田委員 静岡の労働基準局、これは非常になまぬるいんですね。勧告をしておきながら、待ってくれと言われたら待ってもいいような状態。払いなさいと言わない。簡易裁判所の命令が出ていながら銀行がそういう態度をとり続けているということ、これについてしっかりとした指導をしていただきたいと思います。 では次に、このような超過勤務それから賃金の差別、そういうさまざまの問題の中で女子行員は非常に健康を害しております。いま大変大きくなっている頸腕症候群の患者というのも続々と出ているわけですが、全国の銀行の中で最も一番数が多いのが静岡銀行でございます。これは一九六八年にまず鈴木育代さんという方が最初業務起因性の疑いがあるということで問題になった。病気が発生しまして問題になりました。六九年の十二月には頸腕患者といわれた人が六名出て休業をしております。七〇年の十一月になって会社側は患者が出始めていることに驚きまして特殊疾病者に関する取扱要領というものを出しているんですが、すでにこのとき十七名患者が出ました。そして現在に至っては七十名の頸腕症候群の患者が出ております。この中で業務上の疾病だと認定された者でも二十二名出ているわけなんです。いま静岡銀行の女子従業員は三千三百六十三名。この中の七十名というのは大変な数でございます。しかも健康調査を見ますと、この人たちだけではなくて、体のぐあいが悪いという方がずいぶん多くて、特に女子の場合には二四・一%が筋肉に異常がある。その他の調子の悪い人まで入れたら半数以上ということになっているのですけれども、こういう異常な状態を労働省はつかんでいらっしゃいますか。そして原因は何だとお答えになりますか。
○東村政府委員 頸肩腕症候群につきましては銀行に限らずその他の職場にも発症していることを私どもは承知しております。ただ、これは昔はこういう形のものはあまり見受けられなかったわけで、新しい職業性疾病と申し上げてもよいかと思います。つまりなぜこういう疾病が起こるのかという、その発症のメカニズム、さらには治療の方法、ひいては予防の方法等、なかなかむずかしい問題がございます。いずれにいたしましても、ただいま先生御指摘のように、銀行等についてもこういう疾病が発生しておりまして、私どもの方でも、いまお話ございましたように、昭和四十七年二月三日に二名、四十八年三月二十六日に十九名、計二十一名の方を業務上疾病であると認定している事実は存じ上げております。
○栗田委員 これは異常な事態だと思いますが、いま言いましたような人数が出ているということですね、そのことを非常にゆゆしい事態だというふうにお考えになっていますか。
○東村政府委員 頸肩腕症候群でも重度のものもあれば軽度のものもございまして、一概には申し上げられませんが、一つの銀行等でこういうふうな形で出るということは、もちろん放置できない問題であると同時に、銀行に限らず、いろいろの職場でこういう問題が起こっておりまするので、私どもは、こういう新しい職業病については何とかしなければいかぬという姿勢で労働衛生行政の重点の問題として考えております。
○栗田委員 衛生行政の重点と考えていらっしゃるということですから、私、もう少し実態をお話ししまして、本当に重点らしく対処できるように実情をお知らせいたします。 この患者さんの一人の方ですが、桜井靖子さんという方があります。この方が「自己意見書」というのを出しておられますけれども、これをずっと続んでみますと、徴候が出ていたにもかかわらず、病院からいろいろと診断されているにもかかわらず、銀行側は実に過酷な労働を相変わらず強いて、そのためにこの桜井さんなどはひどい状態になっているというのがはっきりわかるのですて たとえば、機械が導入されてきまして、さっきも言いました法定時間外の超過勤務も二十時ごろまではしょっちゅうやっていた、すでに病気が出始めておりました。こんな中で、治療を受けたいと思ったら、この忙しいのに治療のために休むのは何事かと銀行側に一喝をされるという状態なんですね。そうしてがまんにがまんを重ねながら桜井さんは仕事を続けていくわけですてこの中でわざわざ忙しい支店に転勤させられます。そのために、今度は仕事を持ち帰って深夜三時ごろまでかけてやることがあたりまえになった。男の人もかなりひどい状態に置かれていまして、外務活動中車で衝突し、医者から安静を言い渡されていた行員も出勤させられているというものすごい状態なんですね。その後で、どんなにつらくても手伝ってもらうことができずにがまんしてがんばっていく中で、しまいには右手でおはしを持ってなくなって、左手でスプーンを持って食事をするようになったわけです。 このころ、四十六年の三月ごろ病院へ行きましたところが、このままで治療せずに仕事を続けていけば、君の手は完全にだめになる、会社に申し出て通院治療だけは受けるようにしなさいと言われているのですが、この期に至りましても、遅刻をするな。そのために彼女は、通院をするためには朝早く特に頼んで診療をしてもらって、タクシーで銀行へかけつけるという、こういうことをやっております。しかも、多少それでも遅刻が起こるわけですけれども、それを遅刻としないから、あなたは時間外の勤務をやってもつけるなと言われて、これを記録しないというようなことをずっとやってきているわけですね。 こんな中でついにひどくなってしまいまして、痛みをこらえて仕事をしているんだけれども、家に帰るとどっと疲れが押し寄せてくる。夕食のときには右腕が食卓まで上がらず、母のさら盛りした御飯やおかずを左手でつかんで食べるような状態でした。本当に若い女性がこういう状態になっていることを何と考えたらいいのでしょうか。 〔委員長退席、菅波委員長代理着席〕 両親もこうした状態に涙を流し、再三申し入れてありました東大病院での診察を上司に頼み込んでもらい、やっとのことで許可がおりました。ところが 診療してもらったところ、あすからボールペンを持ったら、あなたの手は保証できないというふうに医者から言われたという、もう重症になっているわけなんですね。 ところがどうでしょうか。銀行側はこのときに何と言っているかといいますと、人事部長が支店長あてに「一部特殊疾病者の願書に関する件」というものを出しておりますが、この中で、病気の方たちが集まって願書を出したわけなんですけれども、「連名者の主張している内容は、この種疾病をその症状名だけをもって直ちに職業病として取扱い、企業補償その他を要求する運動をすすめている特殊団体のそれと発想において軌を一にしている」こう言っております。大臣、いかがですか。こういうふうな銀行のやり方、どうお考えになるでしょうか。
○長谷川国務大臣 個別的な内情はよくこちらの方でもつかんでいませんので、先生のお話を承ったということにしていただきたいと思います。
○栗田委員 内情はつかんでいないとおっしゃいますけれども、いま私が申し上げた範囲でどうお考えになりますか。
○長谷川国務大臣 頸肩腕症候群、こういう問題がよく出るわけです。私は、働く諸君の健康を守るということが労働省の仕事でもあり、また御本人にとっても大変なことでございますから、こういう現場などをよく歩きながらその実情を見、また働く諸君にも、軽い運動を昼やるとか、そういうときによく運動などをして、そういうことにかからないように申し上げているわけでありますが、いまのお話承りますと、労務管理がなかなか前向きじゃないような感じ方を持つわけであります。やはり労務管理をりっぱにやることが働く諸君の健康を守るし、またその企業のためにもなるという感じ方を私は持つわけです。
○栗田委員 すでにその前、六四年の四月、ずいぶん前ですが、機械化がされていく中で「会計機オペレーターの管理について」という通達が出ているのです。これを見ましても、オペレーターなどを使っている場合に、こういう物理的行為を続けていると、肩、腕、指の過激な部分的運動による局部的な疲れ、苦痛、視力の酷使による障害、いろいろなものが出てくるのだ、そしてこの中で注意すべきことは、一日じゅう同じ仕事につけておかないで、交代をさせるようにという注意がちゃんとあるわけですね。すでにこれが六四年に出ているのです。こういうことがありながら、ずいぶんだってからこういう患者が発生しているのにまだそういう言い方をして、関係がないと銀行は言っている。しかもこのときに「女子行員の職場における健康保持についで」というのが銀行の人事部長から女子行員各位殿として出ておりますが、これを見ますと、自分たちで気をつけろということですね。結局、節制をして健康保持に気をつけていれば、そんなことにならないということがずっと書いてありまして、「各人がこれらをよく守つていれば、銀行の仕事程度でその日の疲れが回復せず、翌日に持ち越され、蓄積し遂には頸・肩・上肢の疼痛まで発展する例はまずないと考えられます」お医者さんじゃあるまいし……。何もそんな判断はできるはずはないのに、こういうことを女子行員殿というので出しておりますね。いかがでしょう。こういうやり方。
○東村政府委員 先ほど申し上げましたように、こういう頸肩腕症候群とかその他新しい職業性疾病が出ておりまして、私どももこの予防なり治療、あるいは労災の認定問題に日夜取り組んでいるわけでございますが、要は早期に発見して早期に治療するということが大切かと思います。 銀行の通達なり書類はどういう性質のものかわかりませんが、何と言いましても、労務管理あるいはそういう機械作業工程管理というものが前提にございまして、できるだけそういう問題に陥らないような条件を整備すると同時に、早期発見、早期治療という方向にいかなければいかぬ、かように考えております。ただ、繰り返すようでございますが、非常に微妙な問題がございますし、医学的にも解明されてない問題がございますので、私どももわれながらどうしたらいいかということでずいぶん迷うわけでございますが、基本的な姿勢はそのようにしてまいりたい、かように考えております。
○栗田委員 最近、労災認定をされた方のうち九名が是正の申告をしました。七名が賃金の是正をされました。つまりこれはちょっといま説明しますと、さっきの賃金体系で四号とか三号とかありましたけれども、普通四号俸なのですが、病気になったからということでほとんど三号に下げられている人が多いんですね。つまり病気によって賃金が下げられたという実態が出てきたわけなんです。これを交渉その他によって是正せよということで、銀行側が認めて是正をいたしましたけれども、九名中二名がまだ是正されておりません。これも非常に大きな問題です。 それから是正された人でもこういうふうになっております。また具体例を挙げますけれども、岡村美代子さんという方、四十四年八月十一日に発病しまして、次の年の四月から三号に下げられております。ところが、今度是正されたのですけれども、二年間さかのぼってしかされておりません。つまり、四十五年から三号に下げられていたにもかかわらず、四十七年の四月からしか是正されておりません。二年間のバックペイという考え方なのかどうか知りませんけれども、このような場合には労災認定がされていて、言ってみれば仕事によって発病しているわけです。組合側と会社側で取り交わしました規定によっても、「公傷病期間中の昇給及び勤続年数算定については、不利益な取扱いをしない」、ちゃんとこうなっております。特別障害補償の場合でも「この期間中の昇給及び勤続年数算定については不利益な取扱いをしない」、こうなっているわけです。にもかかわらず不利益な取り扱いをして、それは誤りであったということで是正をしたのだけれども、下げた賃金全部を上げないで、たった二年分だけしか是正しない、その前はしていないという状態です。これはどういうふうにお考えになりますか。
○東村政府委員 九名の方が一たん下げられて、そのうち七名の方が是正をされた、二名の方が問題になっている、過去の賃金等々の御指摘ございましたが、これはいま先生お読みになりました協約でございましょうか、協定でございましょうか、その問題と思うのです。つまり先ほどから問題になっておりました男女同一賃金とか、あるいはそういう問題とのかかわりではなくて、労使間でそれを納得のいくような形でどう是正し、どうバックペイしていくかという問題でございまするので、その協定がせっかくあることならば、労使がそれを結んだときの精神に基づいて運用されることが適当ではないか、かように考えております。
○栗田委員 少し誤解していらっしゃるようですが、二名は是正されておりませんが、是正された人でも二年間しかされていないということです。この点なんですが。
○東村政府委員 いずれにいたしましてもそれは労使間の取り決めあるいは具体的事情のその協定の当てはめの問題だと思うのです。ただ二年間というのは、私、協定について解釈する立場でございませんので、何とも申し上げられませんが、通常労働基準法違反でバックペイを二年間ということがよく行われます。その際の二年間というのは時効の関係でございます。
○栗田委員 いまおっしゃったとおりで、この協定の中には二年間というのはないのです。公傷による疾病の場合には不利益な取り扱いをしないということで、二年間というのはありませんから。にもかかわらず二年間しかしないということは問題ですね。しかもこれはよく話し合ってとおっしゃいますが、ことし四月十一日、患者と家族四十名が銀行に面談を求めたけれども、銀行は会わないわけです。自分の娘さんがこんなふうになったら家族は大変な思いをしているはずですけれども、こういうのは当然誠意を持って会うべきだと思います。ところが拒否をしております。こういう実態がずっとございます。 私、いろいろ挙げましたが、時間がなくなってまいりました。婦人少年局長と大臣に伺いますが、とにかく銀行資本というものはこういうやり方でひどい過酷な労働を強い、病気になっても働かせ、そしてなるべく賃金はそれによってまた下げて、そして是正をするとまともに是正をしない、ずいぶんこういうことを繰り返しているようでございます。婦人の保護という立場から見て大変なことだと思いますけれども、局長はどうお考えになるか。続いて大臣の御感想を伺いたいと思います。
○森山(真)政府委員 婦人の労働問題につきまして非常に具体的な例を先生からお示しいただきまして、大変私も参考になったわけでございますが、いまのような実態がもし本当にあるといたしますと、はなはだ問題だと思います。 婦人は銀行にかかわらず一般にいろいろと不利な条件をかぶらざるを得ない事情が現実にございますので、はなはだ残念でございまして、法違反につきましては労働基準局の所管でございますけれども、私どもも側面的に勤労婦人の福祉ということを全体として啓発指導していきたい、一層力を入れなければならないというふうに考えた次第でございます。
○長谷川国務大臣 銀行における勤労者の労働条件は、女子の時間外労働あるいは休憩の確保など労働時間を中心にした問題が少なくありませんので、労働省としましては、銀行に対して労働時間の適正化等を中心に銀行労働者の労働条件の確保を図るように監督指導してまいります。 なお、万一労働基準法等の違反が認められた場合には法に基づいて厳正に措置を講じてまいりたい、こういう考えであります。
○栗田委員 それでは終わりますが、ことしは国際婦人年ということで、こうして婦人問題の集中審議がやられました。しかし、これを機会に婦人年であろうとなかろうと、私は引き続いて婦人労働の問題、また婦人問題一般に対してもっともっと光を当てて、底辺にいる婦人たちが犠牲にならないように、不当な差別を受けないようにやっていくつもりでございます。 労働省、厚生省引き続いて十分な徹底した指導をこの際やっていっていただけるように要請いたしまして、私の質問を終わりにいたします。
○菅波委員長代理 岡本富夫君。
○岡本委員 私は婦人ではございませんけれども、わが公明党では婦人議員がいませんので、私が婦人問題については、その地位向上についての熱意については人後に落ちない、こういうことできょうは若干質問をいたします 中に本会議がはさまりますので、本会議の後になりますけれども、非常に問題が短いから、適切に答えを願いたいと思います。 古来より「矢の走るのは弓の力、男のしわざは女の力」こういうように言われておりますが、婦人の力がどんなに大きく社会を動かしておるかということを物語っておるものと思います。 そこで国際婦人年を契機に政府は日本の将来を考えて婦人の地位向上にどういうように取り組んでいく決意を持っておるのか、まず両大臣からお聞きをしたいと思います。
○長谷川国務大臣 日本の場合には御婦人の方が多いわけです。なおかつ勤労婦人が千二百万とも言われております。そうしてことしは婦人参政権三十年の記念すべき年で、そういう場合に国際婦人年ということでいままでやってきた婦人問題を改めてここで見直しもし、将来の基礎をつくるというところに非常に意義があるのじゃなかろうか、こういう姿勢で私たちは考えながら対処してまいりたい、こう思っております。
○田中国務大臣 国際婦人年に当たってあの中にテーゼ三つありますが、あれを着実に実施することはもちろんですが、基本的には私はやはり男女の平等、しかも平等だけでは私はだめだと思うのでありまして、女性に独特な肉体上あるいは生活環境上の問題に対応して、これに対してきめの細かい配慮をするといったようなことを踏まえて今後具体的な施策を充実強化をしていくという方向で進むべきものであり、そのために今回の婦人年の創設は私は非常にいい機会であるというふうに考えております。
○岡本委員 次に行政管理庁、もっとこっちへ来ていなさい。 そこで、国家行政組織法の第八条に基づくところの審議会、協議会というものはどういう性格を持っておるのか。なおその審議会の中に女性が一人も参加をしていないような審議会が幾つあるのか、これについてお答えを願いたいと思います。
○山本説明員 お答えいたします。 いわゆる審議会等とは、行政機関の所掌事務のうち、重要な事項を調査審議するもの、及びその行政不服審査あるいは資格得喪または検定、調停といったことに関しまして調査審議するもの等、いわゆる学識経験者等の合議によりまして処理することが適当な事務をつかさどる合議制の機関でございます。先生がいま女性の委員が入っておる審議会はどの程度あるかというふうなお話でございますが、こういった審議会の委員の人選問題は、実は行政管理庁の所管ではございませんが、先ほど先生からお話がございましたので、急遽各省に問い合わせいたしまして調べてまいりました。その結果きわめて概数でございますが、現在二百四十六ある審議会のうち、女性の委員が入っていらっしゃいます審議会の比率は約三〇%強でございます。
○岡本委員 ちょっとこれはあれですね。そこで余り時間がありませんから、まず、先ほど大臣も答弁がありましたように、女性が非常に勤労者の中に多い、こういうことで労働省の方をまず見ますと、労働省の審議会は幾つあって、その中で女性が入っておる審議会は幾つあるのか、これについてひとつ。
○長谷川国務大臣 労働本省に設置されておる審議会十四のうち、その委員に婦人を含むものは六つでありまして、全審議会の委員総数二百三十二名のうち婦人委員は十五名、全体の六・五%となっております。 ただ、ここで御理解いただきたいのは、労働省の場合審議会がありますけれども、これは公益委員それから使用者、さらに労働側の委員という三者構成になっておりまして、こういうところにも入れてもいいんですけれども、推薦母体の方々の御意向などもあります。こういったやはり推薦母体の意向が反映するということがありまして、なかなかこういうところには入っていないというのが実情でございます。いずれにいたしましても、私の方はこういうことに対しては特別に関心を持っておるわけであります。
○岡本委員 特別に関心を持った労働省でいま六%ですか、人員にしまして。そこで私の方の調査を見ましても、たとえば中央家内労働審議会、これは十八名中二名、中央労働基準審議会、二十一名中一名、これは入った方ですよ。労働者災害補償保険審議会は十八名中ゼロ、じん肺審議会、これは十八名中ゼロ、中央最低賃金審議会、二十一名中ゼロ。これは一つずつ言うておっても切りがありませんが、勤労者財産形成審議会、二十名中ゼロ、中には失業対策事業賃金審議会五名中ゼロ。こう女性が少ないのです。 こういうように一つ一つ見ますと、いままでこの審議会というのは、政府の各大臣に対する意見を具申する、中には隠れみのだ、こういうようにまで言われているところですから、ここの意見というものは行政に非常に大きく反映するわけですよ。ところが女性の委員が非常に少ないということは、女性の意見というものが非常に通っていない、こういうように見ざるを得ない。推薦の方ということをおっしゃっておりますけれども、やはり広くこれから女性の参加を求めていくというように、きょうを契機としてあなたは改めるべきだと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○長谷川国務大臣 いま挙げられたのは、入ってないことだけあなたは挙げられましたけれども、やはり適任者というものも大事でございまして、たとえば婦人少年問題審議会というものは、二十四、五名中御婦人が何と九名でございます。そういうふうに入れておりまして、そういうふうな考え方でやっているということも御理解いただき、なおそういう問題についていまから先もよく考えながら、前向きの姿勢でやろうとする気持ちを持っておりますことを御理解いただきたいと思います。
○岡本委員 ちょっと大臣、婦人少年問題は二十四名中九名入っておる。これは私の方で調べたのは十名になっておるのですけれども、婦人少年問題というのは婦人問題が主でしょう。そこに半分以下、ほかに私が先ほど申しましたように失対事業やらあるいはまた職業訓練——職業訓練なんか二十一名中一名ですよ。相当たくさん入っておるような、そういういま答えだったですけれども、六%ということでしょう。ですから今後もう少し考えてもらわなければならぬと思うのです。 次に、隣りにいる厚生大臣、あなたの方では審議会が幾つあって、これは二十四ありますね、私どもの調査では、その審議会の定数が七百二十八、そのうちわずか三十名しか入っていない。厚生省というのは、特に婦人問題、婦人の御意見を聞かなければならぬところでありますけれども、四・一%しか審議会に入ってないということは、厚生大臣は婦人の御意見を聞かないと言わざるを得ないのですが、この中で人口問題審議会、これは女性が一人も入ってないですね。人口をつくるのは、これは男ですかどっちですか。こういうことを一つ一つ言っておってもあれですが、大臣はこれをどういうふうにお考えになり、今後どういうように検討していくか、これをひとつお聞きしたい。
○田中国務大臣 確かにおっしゃるとおり少ないことは事実でございます。御指摘がございますので、適任者を求めて今後その女性の委員の比率を高めていくようにいたしたい。適当な方がございましたら御推挙を願えれば幸いだ、かように思います。
○岡本委員 適当な人がおったら御推挙願いますと逃げちゃだめですよ。あなたの方厚生省でみな一つづつ検討しまして、それでこうあれしてくるわけですからね。やはりもう少し前向きに女性の意見を聞くんだという大臣の考え方がなければ、これはやはり人選をするときに、その審議会の担当の局ですか、ここが反映しないと思うのです。もう一つ前向きに、国際婦人年ですよ。きょうは、何かあなたに聞きますと、先ほどだれか言ったけれども、六月十三日は三隣亡だとか、そんなことを言ったことはないんだということを言っておりましたけれども、そういう物の考え方をいつまで持っておって、このまま推移してしまうのではないか、こう思うのです。だから厚生大臣、ひとつ勇断を持ってもう一遍はっきり答えておいていただきたいと思います。
○田中国務大臣 できるだけ女性の委員をふやすようにいたします。
○岡本委員 時間があれですから、細切れになりますので非常にやりにくいのですけれども、次に、外資系の航空会社とその関係下請企業との間に多くの問題が起こっておりまして、先般も当委員会で同僚の大橋委員がノースウエストの問題を取り上げましたけれども、きょうは私はパンアメリカン航空会社と日本空港サービスとの間に生じておる問題について、しぼってお聞きします。 昨年の十二月六日、ノースウエスト会社とその下請の日本空港サービス会社に対して、旅客の案内、貨物、手荷物の搭載等の業務は職業安定法第四十四条に抵触する疑いがあるので、その改善を図るように勧告された。しかし、パンアメリカンの方もこういう状態があるのでありますが、このことについて御承知であるか、ひとつお聞きしたいと思う。
○遠藤(政)政府委員 ノースウエストの問題は、先般御指摘ございまして、労働省といたしましても、昨年出先機関から警告を発して、労使間で円満に改善策が決着がついたように承知いたしておりますが、似たような問題がパンナムの場合も出てきておるということを先月末私どもも承知いたしております。 このパンナムのグランドホステスのケースが職業安定法四十四条に違反するかどうか、これは実情を調査いたした上でございませんと事態がつまびらかになりませんが、いずれにいたしましても、こういった安定法四十四条違反の問題につきましては、事実が判明いたしますれば私の方から厳重警告をし、改善指導をいたしてまいります。ただ過去の、先ほどノースウエストの例にございますように、こういった問題は私どもの警告と指導によりまして、労使の間でその改善策が円満に話し合いがつけばそれが一番有効な方法であり、解決の上でも非常に効果的であるようなケースが多うございますので、今後実情を調査した上で十全な対処をしてまいりたい、かように考えております。
○岡本委員 このノースウエストの問題を、あなた昨年調査したということになりますれば、われわれが指摘する前に、同じような外資系のパンナムの問題もどうなっておるのか、やはり関心を持って、そして労働者を守っていくという姿勢がなければならないと私は思うのですよ。当委員会で指摘されたらそれからやる、指摘されなければそのままほっておくというような考え方は、私は改めていただきたいと思うのです。 そこで、旅客課のグランドホステスの中に、日本空港サービス株式会社から供給労働者として四名の女性が現在働いておるのです。そして搭載案内あるいは通関、検疫、出入国の手続などに関するところの客の応対あるいは送迎客の誘導、こういう作業をしているわけでありますけれども、その彼女らは皆ユニホーム、ハンドバッグ、帽子、これはパンアメリカン航空の貸与品を使用しておる。しかもそのパンナムの担当者から業務のスケジュールあるいは指揮監督を受けておるのです。ですから、この人たちが日本空港サービス、すなわちJASCOの供給労務者であるのに、接するときはパンナムの女子正社員と区別が全然できない、こういうことで働いておるわけでありますけれども、そこでその中に、また同じように機内食の五名の人もいる。これがパンナムの正社員になるということであったのですが、三月四日付で不況、経営方針の変更等で全部白紙撤回になった、こういうことなんです。この点についてはあなたはどういうようにお考えになるか、ひとつお聞きしたい。
○東村政府委員 ただいまの先生のパンナムの下請問題でございますが、私どもの方では直接担当しておるわけではございませんが、情報として聞いておりますところによりますと、この問題については、今次春闘におきまして、労使間で別途継続協議するというふうになったと聞いております。いずれにいたしましても、正社員にするしない、下請問題というものにつきましては、これは純然たる法律問題というよりは、労使間で円満にお話し合いがつけばこれにこしたことはございませんので、そういう方向に行くように私どもも見守っておるところでございますが、万が一その過程において法違反等があり、あるいは労働者等から申告があれば監督指導に入ってまいりたい、かように考えております。
○岡本委員 そこで、先ほど私が指摘しましたように、グランドホステスの皆さんはパンナムから直接業務の指揮監督を受けておるんですね。それで給料はJASCO、すなわち日本空港サービスから受けておる、こういうことは労働基準法の二十四条に違反はしないのですかどうですか。
○東村政府委員 労働基準法二十四条といいますのは、労働者が働いている場合にそれを使っている使用者が直接労働者に賃金を支払うということでございますので、直接支払われたかどうかが二十四条の関係でございます、したがいまして、下請にあるところの労働者が下請から賃金をもらう、あるいは親企業の労働者が親企業から賃金をもらうということになれば、これ自身は労働基準法に違反いたしません。
○岡本委員 ちょっとおかしいですね。私いま質問しましたのは、パンナムの担当者から業務等のスケジュール及び指揮監督を受けて働いておる、そして給料は下請のJASCOから受け取っておる。これは賃金の支払いについて労働基準法の二十四条に明らかに違反しておるわけでしょう。いかがですか。
○東村政府委員 その労働者がどこの使用者に使われておる労働者かという問題が前提にございます。したがいまして、その当該労働者が下請の指揮命令によって動いておるか、あるいは親企業——親企業といいますか、この場合パンナムの指揮命令によって動いておるかということでございます。ただし、その場合の指揮命令というのは労働法上の指揮命令でございまして、そこに使用従属の労働関係があるかどうかということに相なるわけでございます。親企業と称せられる企業に完全に支配従属しておる労働関係があるとなれば、いまおっしゃるようにそれは労働基準法の問題なり職安法の問題になりますけれども、この場合においてはそこまで行けるかどうかは、私ども具体的なケースを存じておりませんが、いずれにいたしましても、そういう問題がなくなるように労使間で話し合っているということを聞いておりますので、その円満な解決を待とう、こういうことでございます。
○岡本委員 私が聞いているのは、いまパンナムの担当者から業務及びスケジュールあるいは指揮監督を受けて働いておるのでして、給料だけJASCOから受け取っておる、この場合はどうかとあなたに聞いているわけですよ。 それからもう一つ、賃金はパンナムからJASCOへ支払われる。JASCOでこの計算を見ると相当額ピンはねされておる。計算によると、彼女らの給料は大体一カ月九万九千九十円、しかしパンナムから支払われたのを見ますと約倍額だということになりますと、これもまた労働基準法の第六条の中間搾取、ここに入るのではないか、こういうように考えられるのですが、その疑いがあるのですが、いかがですか。
○東村政府委員 具体的ケースについて承知しておりませんので、一般論で先ほどからお答えして恐縮でございますが、当該労働者が従属労働として指揮命令を受けているという労働法上の従属労働であるかどうかということが判断のポイントになります。先生がおっしゃったように、具体的な仕事について指示を受けているといいますか、指図を受けているといいますか、それだけでは二十四条だとか労働基準法の中間搾取の六条だとかということにすぐは結びつかないと思いますが、いずれにいたしましても具体的ケースで私も実態をそれほどつかんでいるわけではございませんので、さらに検討してみたいと思います。
○岡本委員 時間がありませんから——大臣、局長はなるべくうまく逃げておるような答弁になっておる。要するに私がいま指摘しましたように、パンナムの服装から何から全部向こうから借りて、向こうから直接指示を受けている。それで給料だけは下請のJASCOからもらっている。これは明らかに二十四条違反である。しかもまた賃金はパンナムから一括してJASCOに入り、そしてJASCOからもらっている。ということは、これも調査しますと、半分くらいしかもらっていないというのですね。そういうことになりますとこれは第六条違反ということになるのですが、大体ノースウエストと同じような形式なんですね。これはひとつ大臣の方で調査してもらいまして、やはりノースウエストと同じような勧告をきちっと出す、こういうようにしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○長谷川国務大臣 実情を調べて、その上でまた是正するものがあったら是正するように勧告したいと思います。
○岡本委員 ちょうど本会議でありますから、本会議が終わるまで保留いたします。
○菅波委員長代理 この際、休憩いたします。 本会議散会後、直ちに再開することといたします。 午後一時五十四分休憩 ————◇————— 午後二時三十六分開議
○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 休憩前の質疑を続行いたします。岡本富夫君。
○岡本委員 午前中に引き続きまして、若干質疑いたします。 最近パートタイマーの女性が非常に多い。私たちの方で調べますと、全雇用者の中の、すなわち千百五十八万人の中でその一割、約百七十万人に達しておる、こういうような資料がございます。そこで、このパートタイマーの中で女性の方が非常に多いわけでありますが、最近こういったパートタイマーの女性の職場が非常に不安定である。そこで、労働省ではこのパートタイマーの皆さんの職業あるいは職場確保あるいは賃金、こういうものについてどういうようにお考えになっておるか、ひとつ大臣から総括的にお聞きをしておきたいと思います。
○長谷川国務大臣 最近の経済情勢を反映して、パートタイマーの方々にしわ寄せが一番先に来るようなかっこうになっておることを憂えているものであります。家計の補助的なパートタイマーもありますけれども、子供を抱えて御主人がいなくて、そういう意味で家庭を守りながら働かなければならぬ、こういうパートタイマーの方々もいらっしゃるわけでして、私たちはこうしたパートタイマーの方々が職を確保するように、そういうことを具体的な施策として前向きに職業のあっせんあるいは再就職、そういうことについて考えております。なお、具体的なことは局長から御答弁させたい、こう思っております。
○遠藤(政)政府委員 いま大臣からお話がございましたように、いわゆる俗にパートタイマーと呼ばれる人たちの中にはいろいろな種類のものがあるようでございます。中にはいわゆるいい口があれば働こう。追加収入を得るために働く。趣味、手芸のたぐいで働く人もございますし、家計上どうしても働かざるを得ないというような、いわゆる雇用労働者として認められるものもございます。あるいは学生アルバイト的なきわめて短時間、あるいはごく一時的な労働に従事する人たちもございます。こういうものが総称してパートタイマーと呼ばれておりますので、本当に労働政策、労働行政あるいは雇用政策上、パートタイマーとして法的に、あるいは制度的にこれを対象として取り上げなければならないものとそれ以外のものとの区別はなかなかむずかしゅうございます。 しかし、いずれにいたしましても、ことしの一−三月の例をとりますと、こういったもの全部総称しましてパートタイマーといわれる人たちの職業紹介状況を見ますと、新規の求職申し込み件数は三万六千で、去年の同期に比較いたしまして一三%くらいふえております。それから求人につきましてはこの間約四万件で、これは逆に昨年同期に比べますと約二〇%ぐらい減少しております。しかしながら現状におきましては、こういったいわゆる総称パートタイマーについての求人、求職のバランスは、一方がふえ、一方が減っておりますので、接近はしてきておりますけれども、求職者よりは求人の方が上回っておる、こういう状態でございます。 しかしながら最近の雇用情勢、非常に厳しくなってまいりまして、このパートタイマーといわれる人たちを使っております事業所等で、景気が悪くなって苦しくなってくると、いわゆる臨時工、パートタイマー、こういう人たちにしわ寄せをしやすい傾向がございます。私どもも、こういった求人受け付けに際しましても、こういった人たちに不当なしわ寄せのいかないように十分行政指導をいたしますと同時に、こういうやむにやまれず働かなければならない人たちについての職場の確保に努力をいたしておる次第でございます。
○岡本委員 いまパートタイマーの皆さんの実情を調査いたしますと、会社も普通の御主人がお勤めになっている、しかし非常に残業がなくなった、こういうようなことで非常に収入が減ってきた。ところがローンなんか掛けなければならぬ、こういうようなことで生計の相当な部分をパートタイマーの御婦人で持たなければならぬ家。あるいはまた先ほどお話がありましたように、御主人のない方、母子家庭、こういうところの皆さん方がお働きになっておりますけれども、このパートタイマーがよく調べますと一日の実働時間が六時間、実働日数が二十二日ということになりますと、フルタイマーと余り大差がない。こういうような実情がわかりましたが、しかも賃金が安くて賞与や退職金などがない、また昇給についても非常に不明確である。こういうことを考えますと、いままでのようにちょっと子供が大きくなったから、暇だから行こうというのではない、非常に重要な家計の部分を占めてくる。こういうことでありますから、この点についていままでのような考え方でなく、私は労働省としてもフルタイマーに準じた内容にすべきだ、こういう指導が必要ではないかと思うのですが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 時間的にフルタイマーの方々と同じような仕事をしている、こういう方々に対しましては労働省といたしますと、いまから先は今度の雇用保険等々について何か工夫して善処してあげるものがありはせぬかということで研究しております。
○岡本委員 その研究していただいておるのでありますけれども、特に御婦人の問題で生理、妊娠、出産、こういうことがございますが、その休暇、手当あるいはまた賃金の問題、これも私はその中にフルタイマーと同じような状態にある程度持っていかなければならぬというように考えておるわけですが、これが一点と、それから御承知のように、健康保険、厚生年金、失業保険、こういう適用がない。全然ないこともないのですけれども、非常に少ない。こういう劣悪な条件で働いておる。これらの充実ですね、これについては今後どういうように対策をされるのか、これもひとつお聞きしておきたいと思います。
○森山(真)政府委員 パートタイマーでございましても、単に時間がほかのフルタイマーよりもやや短いというだけでございまして、婦人労働者の場合、婦人労働者として全く同じ立場にあるわけでございますので、特に保護につきましては労働基準法の適用も全く同じように適用される立場でございます。そのほかの福祉対策につきましても、婦人少年局といたしましては全くパートタイマーだからということで不利な条件になりませんように今後とも指導していきたいというふうに思います。
○岡本委員 いま労働省の森山さんですか、あなたがお答えになりましたが、今後もしていきたい——いままでこの状態をお調へになったことがございましょうか。そしてどういうように対処するのか。ひとつ具体例を挙げていただきたい。
○森山(真)政府委員 パートタイマーという雇用形態がわが国にも少し出始めました昭和四十年代の初めのころだったと思いますが、いま手元に調査の報告書がございませんので正確なことを申し上げられませんが、そのときに特に婦人の占めるものが多いものでございますから、婦人労働の立場からパートタイマーの実態調査を何回かいたしております。その結果、働く状況といたしましては、ほかの婦人労働者と変わらない状態であるということを把握いたしまして、先ほど申し上げたような態度で政策をしているわけでございます。
○岡本委員 御婦人を余り責めてはいかぬのであれですけれども、このパートタイマーがまた年々ふえているという状況もございます。そこで、このパートタイマーの就業規則、これは労働省の方ですね、そういう就業規則を持っている企業も、これも少ない。ただ来てちょうだいというようなところで、非常にまあ不安定な雇用条件だということでありますが、この点については労働省の方はどういうようにお考えになっていますか。
○東村政府委員 就業規則は、御承知のとおり常時十人以上の労働者を使用する事業場においてこれをつくらなければならぬという規定になっております。そこで、その就業規則の中でパートタイマーについてどう規定しているかという問題でございますが、一般の規定の中でこれを準用するというような形のものがかなりございます。それからパートタイマーだけに独自の就業規則を持っているというのも全体の四分の一ぐらいでございます。 そこで私どもといたしましては、この就業規則を届け出させてそれを受け取る際に、まずパートタイマーないしは臨時の人がおたくでは使われておりますかということを確かめまして、それが使われているということが判明しますと、その就業規則についてその辺をはっきりさせてもらいたい、それが就業規則のところで明示されていないような場合には、後で問題が起こらないようにその就業規則の中でパートタイマーの方についての労働条件についてはっきりさせるように、かような指導をしているところでございます。
○岡本委員 あなたがいまはからずもおっしゃいましたけれども、これは大臣、十名以上雇用しているところは就業規則が必要だ。ところが、パートタイマーについては四〇%ぐらいしかしてないということで、やはりこれも私は、こういう状態になってきたわけでありますし、雇用条件というものをここらではっきりしておく必要があるのではないか、こう思うのです。したがって、まだ四〇%ぐらいしかないわけですから、これは逐次パートタイマーの皆さんの保護育成といいますか、あるいはまた劣悪な就業、あるいはまた簡単に首切られてしまう、こういうことにならないような何か歯どめが必要じゃないかと私は思うのです。この点についてどういうふうにお考えになっておりますか。どうなさいますか。
○東村政府委員 いま私申し上げたことがややあいまいでございましたので、もう少し明確に申し上げますと、労働省で調査したところで。パートタイマー独自の就業規則を作成している事業場は調査した事業場のうち四分の一程度、つまり二五・五%となっております。それから一般労働者の就業規則を準用しているという事業場が四五・二%、なお残りの二九・四%程度の事業場についてはその辺が明確でない。そこで、そういう問題がなくなるように、就業規則を受けとる際にその辺をはっきりするように指導している、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○岡本委員 どうも大臣、私が直接調査したところによりますと、その二五%のうちの一つか二つであったかわかりませんけれども、まだ明確でないような、しかもまた不必要になったら、あなた、あしたから結構ですというような簡単なパートタイマーの使い方、使い方と言うたら悪いですけれども、安易な状態になっておるということが調査でわかったわけです。したがいましてひとつ、なお一層、非常に少ない出先でありますから大変でありましょうけれども、やはり私は、そういったことをここらで明確にしていかなければならぬ、また推進していかなければならぬ時代が来たのじゃないか、こういうふうに考えられるわけです。国際婦人年を契機として強力に施策をやっていただきたい、これを要求したいと思いますが、いかがですか。
○長谷川国務大臣 先ほど遠藤局長からも答弁いたしましたように、求人と求職の差というものがだんだん狭まってまいりましたけれども、そういうふうに私の方としますれば、こういう大事なときでございますから、きめの細かい指導あるいは助成、そういう形をいまから先もとり続けていきたい、こう思っております。
○岡本委員 時間がありませんから次に参りますが、先ほど大臣が寡婦雇用の問題でお話がありました。御承知のように突発的な事故や不慮の災害で主たる稼働者である主人を亡くした、こういう母子家庭が相当あるわけですけれども、これを全部労働省の方では把握をいたしておりますか。
○森山(真)政府委員 私どもが先般行いました調査は、労災によって御主人が亡くなった、働き手が亡くなった家庭の寡婦について主として調査いたしたものでございまして、労災以外のものにつきましては私どもの方では十分把握いたしておりません。
○岡本委員 なかなか労働省で全部把握してない、こういうことです。そこで、私どもの方、公明党の方で母子家庭の、要するに寡婦保険と申しますか寡婦年金と申しますか、母子家庭の母等の雇用の促進に関する特別措置法案というのを提案をいたしておるわけでありますけれども、これについて大臣はどういうようにお考えになるか、ひとつお聞きしておきたいと思います。
○長谷川国務大臣 公明党でお出しになっている母子家庭の母等の雇用の促進に関する特別措置法案、これを私も拝見したことであります。いずれにいたしましても、労災から出てくるいまの母子家庭もございますけれども、いままででありますと厚生省関係の母子家庭もあるわけです。大分前には、そういう御家庭の、御主人がいないところのお子さんが就職する場合には、男の保証人がないとなかなか採用ができないというふうなことなどもありまして、私も何人かの親がわりになって保証人になったことがありますが、ことしから、労働省といたしますと、こういう母子家庭の寡婦の方々の就職の場合に、事業主に対しまして一カ月に九千円ずつ一年間出してあげて、そして寡婦の方々に就職していただくような奨励措置をとっていることでありまして、きめの細かい対策をとりつつやっていくことが大事でなかろうかと思っております。初めてやる金額でございますから、金額は少ないとおっしゃるかもしらぬが、こういう一つのテストケースによってだんだんほかの役所なり、ほかのところも同じような姿勢に出てもらう呼び水になりやせぬかという感じ方を持っております。ただ、おたくのこの特別措置法案を見ますと、法律で雇用率を決めろというふうなことになっておりますけれども、これはなかなかそこまで一挙にいくようなところまではちょっとやはりどういうことになるかなという感じ方を持っておりまして、みんなでできるだけきめの細かいのをずっとやっていくのがいまのところ大事なことではなかろうか、こう思っております。
○岡本委員 なかなか一般の企業では、母子家庭のお母さん方を、そういった人たちを採用するというのは、中には母子家庭の子供も採用しないようなところもこのごろあるわけです。最近は大分なくなりましたけれども、相当そういうこともあったわけですが、したがって、やはり官公庁あるいはまた三公社五現業、こういうところから推進をしていく、そういうことが非常にお困りになっている皆さんを救っていく、また、こうした人たちに特別措置をしていく意義があると私は思うのです。いま、なかなかそれができないというお話でありますけれども、これはやろうと思えばやれないことはないと私は思うのです。この点について一応もう一度ひとつ勇断を持って大臣お答えを……。
○長谷川国務大臣 先生御存じのように、私たちが身体障害者の雇用の率をつくっているわけであります。この場合といえどもなかなかむずかしいですね。私は朝歩くのですが、六時半から七時ころ国電の駅からおりて、五、六人の女の人たちがビル街をずっと歩く。入っていくところは、ビルの中へ入っていく。こういう方々が、声をかけてみますと寡婦であったり母子家庭であったりする。そういうふうなことを見ますと、やはりきめ細かいPRによって、社会連帯でございますから、そういうムードをつくることがやはりいいんじゃないか。率をつくっても守られなければ何にもならないという形でございますので、いまのところ私たちとすれば、労働省のできることを一生懸命やりつつ、連帯の気持ちを植えつけてもらって、そうしたことに推進したい、こう考えておるわけであります。
○岡本委員 大臣の考え、わかりますけれども、私はやはり率を決めまして、それで身体障害のあれも、やはり率を決めてあるから、まだ少ないじゃないかといろいろと国会あるいはまた皆さん方の行政指導で推進するからできるのであって、やはりある程度のそういった義務づけをつくらなければ、私はこの母子家庭の皆さんを救うことはできないのではないか、こういうふうに考えられたわけです。 母子家庭の皆さんの実情を調べますと、年間所得六十万未満の方が六三・五%いますよ。だから年間所得が非常に少ない。月に五万くらいですか。こういうことでは非常に生活が苦しい。そこから、こういうことは言えないのですけれども、やはり子供の不良化、あるいはまた次代を背負うところの青少年の育成ということを考えますと、私は国全体でそういった問題を解決していかなければならぬ。昔から「衣食足って礼節を知る」と言いますけれども、やはりそういう雇用というものをはっきり、少しずつでも前進させていく。それが誘い水となって各企業もみなそういうところへ目を向けてくるのではないか。しかも最近の傾向は母親の年齢というのが非常に若年化していますね。二十歳代あるいは三十歳代、これは小さな子供を抱えているのですね。だから非常に厳しい。こういうことを考えますと、私はこれは相当前向きな、そしてまた適切な手を打たなければならない。そのために私たちはこういった法案を発表しているわけですけれども、大臣、どうですか。そんなむずかしいんだとか、あるいはまたなかなかできないのだということをしておりますと、これはいつまでもできないですよ。長谷川労働大臣は非常に御理解があるということを聞いていますし、同時にまたきょうはこうした国際婦人年でありますから、これを契機として前向きに取り組んでいこう、こういうことではありませんか。いかがですか。
○長谷川国務大臣 岡本さんが婦人問題の応援団ということで御熱心にいろいろ御主張いただきますことを敬意を払いますが、たとえば私の方の統計が労災関係から出てきます。一方、また交通事故からの母子家庭もある。いろいろなものがありまして、これは身障者の把握をするようなわけになかなか数ではいかないのですね。ですから、あなたのおっしゃるように、二十歳代でお子さんを大事にして母子家庭を守って子供を育てるという方々に対しては、いまのような時代ですから、子供はコインロッカーに捨てたりするような時代でもあります、一方、そういう方々がおるということは、本当に私たちもきめ細かいことをやりつつ、一つ一つの障害を克服して何とかそういう期待に沿うようにいろいろ勉強してまいりたい、こう思っております。
○岡本委員 これは私どもで調査しますと二十歳代や三十歳代の若い御婦人が寡婦になって、そして子供を抱えて非常に困っておるというのがたくさん出てきておるわけですね。昔は寡婦になるのは年いってからだということがありましたけれども、最近はそうでない傾向が非常に多いので、ひとつその点もお考えいただきまして、われわれが提唱しておるところの母子家庭の雇用促進に対する特別措置法に賛同していただいて、前向きに取り組んで検討して前向きにいく、こういうあなたの態度がまずもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○長谷川国務大臣 その御趣旨に沿うて前向きにいろいろ行政をやってまいりたい、こう思っております。
○岡本委員 では、労働省はそのくらいにしておいて、今度は厚生省。 ILOの百二号ですか、遺族給付について厚生年金の額が現行の老齢年金の半額という水準だ、これは、政府は、余り低額だから何とかしよう、こういうふうに当委員会でもたびたび御答弁があったそうでありますが、これはひとつ簡単に、早くやろうというような前向きの厚生大臣の答弁をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○田中国務大臣 この問題についてはしばしばこの委員会でも御答弁を申し上げましたとおり、二分の一というのは長い間の各年金制度共通の一種の原則みたいになっておったのですが、最近の事象にかんがみましてこれを改善いたすべく目下いろいろと検討をいたしているところでございます。
○岡本委員 これは先国会もそうでしたのですが、七十二国会でも当委員会でやかましく言われておるわけですが、検討検討と申しましても、ここらで大臣ひとつ、この二分の一では余り気の毒だ、こうおわかりになっているのですからね、ひとつ大蔵省に値切られずにやろう、こういうようにはっきりあなた答弁しておいたらどうですか。
○田中国務大臣 先生御案内のとおり、私どもは年金の財政再計算時を二年繰り上げて明年これを実施する所存でございますが、その節の一つの改善項目にわれわれは考えているわけでございます。
○岡本委員 じゃ来年は改善する、こういうように了承しておきます。 次には、もう一つ妻の年金権の保障についてでありますけれども、離婚された場合にあるいは離別した場合年金が、これがいままで御主人と一緒であればそのままでもらえるわけですけれども、離婚され離別されたらその年金は失うというのがございますね。これは私は不合理だと思うのですね。二十年も連れ添ったり、あるいは相当長い間連れ添っておって、それでもう離別されたからだめだ。この改正も私はひとつ検討してあげたいと思うのですが、いかがですか。
○曾根田政府委員 妻の年金権に関連いたしまして、被用者の妻の取り扱い、特にいま御指摘になりました死別した場合あるいは離婚した場合の問題でございますが、死別した場合は遺族年金の給付レベルをどうするか、そういう問題でこれは対処の仕方が一応考えられるわけですが、離婚した場合、まあ現在でも被用者の妻である期間は通算対象期間には算入されることになっておりますけれども、いわば空期間として扱われておる、これをどうするかというのは確かに御指摘のように一つの問題だろうと思います。 この問題は基本的には現在の被用者の妻の国民年金への任意加入、これをどう考えるかという問題にも関連する問題でございますし、また各被用者年金共通の問題でもございますので、非常に短期間に結論を出すということはあるいはむずかしい面も多々ございますが、私どもやはり来年度の一つの検討項目であると考えておりますので十分検討してみたい。ただし先ほど言いましたように、いろいろと関連する問題がございまして、ここで来年度改正に間違いなくこれは結論を出すことができるかどうか、これについてはいましばらく時間をかしていただきたいという考えでございます。
○岡本委員 これも実はいろいろ説によると、主人の給料あるいは主人の財産、こういうものはやはり一緒にいる夫人の内助の功あるいはそういうものが中には八〇%ぐらい見るというような説もあるようでありますから、やはり私は、この年金を掛けてきた妻の年金権というものは別れても持っていなければならない、こういうように思うわけです。いま、今度検討すると言いますから、時間の都合上これで終わりますけれども、これもひとつ厚生大臣しっかりと検討して——いずれにしても、その奥さんが悪くて離婚する場合はこれはまあ別としましても、御主人の素行の悪い、ここにはいませんでしょうけれども、そういうようなことで離別された場合、年金権を失うということは、これは非常に問題であろうと思うのです。 次に障害年金と健康保険法の傷病手当金の関連についてでありますけれども、この傷病手当金は一年半までは支給される。その後は支給されない。厚生年金の方にいっちゃうわけですね。この一年半から、三年になると、今度は認定されてまた次にもらえるということでありますが、この間の一年半のブランク、これはどういうふうに考えたらいいのか。大臣はこれはよく知っているはずですが、これもたびたび委員会でも話になっていると思うのですが、いつも検討する検討するということで逃げておる。これはひとつILOの百二号条約の批准もいよいよやるということになったわけですから、この点についてどう考え、どういうように対処していくか、これをひとつお聞きして終わりたいと思うのです。
○曾根田政府委員 いまお尋ねの健康保険における傷病手当金と厚生年金の障害給付とのいわばつなぎの問題でございますが、現在厚生年金では御承知のように廃疾認定日というものを、初診の日から三年経過した日で廃疾認定を行う。それまでにもちろん症状が固定しておればその日が認定日でございますが、しかるに健康保険の方の傷病手当金は原則六カ月、結核性の疾患については一年半、そこにブランクが一応あるわけで、これが今回のILO百二号条約批准の際の一つの問題でもあったわけでございますけれども、年金制度といたしましては確かに現在のその三年という廃疾認定日、これは沿革的には健康保険の療養給付期間とかつて歩調をそろえて延長した経緯がございますので、それ自体としては必ずしも三年で十分科学的な根拠があるかどうかについては多少の問題がございますので、私どもといたしましては、医学的な問題もからむわけでございますけれども、三年でいいのかもっと短縮することができるのか、これはひとつ来年度の改正事項の一つとして目下検討いたしております。しかしながらこのブランクを全部年金制度の方で埋めてしまうということはやはり医学的な問題もございますので、結局この問題は最終的には傷病手当金とそれから廃疾認定日をどこまで繰り上げられるか、両方の問題としてとらえなければならぬのではないかというふうに考えております。
○岡本委員 約束の時間だそうですから、最後にこれは大臣、いろんな年金あるいは保険がいろいろにたくさんあるわけですね。これは若干統合していくようなことになれば、私はこういうことができてくるのではないかと思うのです。ですから、そういう点もひとつ検討していただいて、一年半から次は三年までのブランクができることがないように、ひとつ再検討をしていただくことを要求いたしまして、ちょうど時間ですから終わります。
○大野委員長 次に、和田耕作君。
○和田(耕)委員 現在景気は非常に悪い。そして各職場から真っ先に婦人労働者が整理の対象になるという状況があるわけですけれども、国際婦人年のときに政府が一番考えなければならぬ問題は、いままで長く続いた高度経済成長のもとで婦人の職場への参加というのが非常に積極的に急速に、また大量に行われてきたわけですね。これがマイナス成長、あるいは今後低成長等の状況を見て、この状態はなかなか維持できないだけでなくて、いままで職場に参加してきた普通の雇用婦人労働者、特に数もはっきりしないパートタイマーの形で主婦が職場に参加した、また企業の方もそういう主婦のパートタイムの形で参加するのを積極的に利用してきた、こういう状況があるわけですね。今後こういう状況は大きく変わって、パートタイマーのようなところでは非常に違った状況が出てくるのではないか。あるいはまた普通の雇用婦人労働者にしても非常に苦しい状態に置かれるのではないか。こういうような婦人労働に対して政府はどういう基本態度で対処しなければならないのか。つまりこの問題が私は最大の問題ではないかと思うのですけれども、いかがでしょう。
○長谷川国務大臣 四十年代には一一・四%台の高度経済成長でした。四十九年度はマイナス一・七、これはマイナスでございます。そういう中にいろんな悪いことが予想もされ、またそれが表に出てるわけでありまして、私の方といたしますと、新聞などで大量に婦人労働者の解雇などが出ます、途端に職安を通じあるいは労働機関を通じまして、そういうことが、べらぼうなことが起こらないように企業側にも頼みもし、その間にまた組合と話し合いがついて、そしてまた最近皆さんに御審議いただいた雇用調整給付金などが活用されて、おかげさまでしたというふうな話も聞く、そういうふうなきめの細かいことをやっていかなければならぬと思っております。 一方はまた、ただいまのようにパートタイマーの問題は、時間が余っているから高度経済成長で、さあ来いさあ来いというものと、どうしても働きながら自分の子供を育てていく、こういう方々との区分けと申しますか、種類も違うわけでありまして、私たちとしますと、こういうときにこそ雇用保険法なども適用しながら、できるものについてはひとつ十二分に親切な行政をしていこう、こういうふうな姿勢であります。
○和田(耕)委員 大蔵省の方、見えておりますか。——参考までにお伺いしておきたいんですけれども、来年度の予算というものを考えた場合にどのような組まれ方をするのか、歳入欠陥とかいろいろなことが言われておるんですけれども、この状況、見通しによっては、たとえば労働省がいろいろ計画しておる問題あるいは厚生省が計画しておる問題等について大きな影響があると思うのですけれども、来年度予算の現在見通される規模とかそういうことについて、大体見通しの範囲で結構ですけれども、お伺いいたしたい。
○梅澤説明員 ただいま御指摘の五十一年度の一般会計の予算規模なりあるいはその中身の構造と申しますか、そういうものについてどう考えておるかという御質問でございますけれども、実は御案内のとおり、五十年度の財政執行につきましてもこういう経済情勢でございますので、いわゆる歳入見積もりの点でも非常に厳しい様相が出てきておりまして、予算が成立いたしましてまだ二カ月ばかりの現時点におきまして、四十九年度の執行の問題も含めましていろいろ問題があるわけでございまして、五十一年度どういう財政規模で臨むのか、その場合に重点を一体どこへ置いていくのかというような点につきましては、率直に申し上げまして、現段階でまだ具体的な詰めと申しますか、見通しを申し上げられる段階にはないというのが現状でございます。
○和田(耕)委員 これはそういうことだと思いますけれども、私、大体の見通しでもお考えになっておるかと思ってお聞きをしたんですけれども、当然これはあなたにはわからない、また、政府自身も今後検討しなければならない問題ですけれども、いずれにしましても、これは今後の予算の規模にあらわれる問題だけを考えても、労働福祉の問題あるいは厚生省が担当しておる福祉の問題等がいままでの規模を維持することができるかどうかというような問題を含めて重要な段階だと思うのですね。そういう時期に労働大臣としてはどういう御決意を持っておるのか。特に今年は国際婦人年でもあるし、特に現に働いている職場の婦人労働者の全体的な見通しとして大変厳しい状態があるわけですから、ここらあたりで政府としての一つの見解を出しておく必要があると思うのです。 いかに財政が苦しくても、婦人の地位等を守るための施策は後退させてはならないというような決意を持つことが現在において一番大事なことだと思うのですから、お伺いしておるわけですけれども、いかがでしょう。
○長谷川国務大臣 おっしゃるように、従来のような華やかなことは経済関係でもないというのが実情でございます。そういう中からいかに勤労者を守っていき、その中に御婦人もあるわけですが、私はことにこれは毎月毎月ですが、各国の失業統計、発表されるものなどを実はいま見ながら、日本の場合にどうなっているかということをずっとフォローしているわけでありますが、こういうときにまず職場を守ってやることが一番大事だ。おかげさまで、これは日本の特有の制度もございましょう、終身雇用あるいは企業別、いろいろな問題がありますけれども、これが四月では一・九の失業率、よその国に比較してこちらがいいという意味じゃありませんけれども、よその国の場合を見ますと、アメリカが九・二%、八百五十万というふうな話が出てみたり、あるいはイギリスが三・六%で八十二万、西ドイツでさえも四・四%で百二万、日本は九十八万、こういうふうなことなどもあって、とにかく失業者を出さないことがまず第一。(「パートがみんな抜けてますよ」と呼ぶ者あり)そうしておいて、そのやっている間に、いままで持っている労働省の法律、雇用保険法にあるところの雇用調整給付金、一方にはまた勤労者婦人諸君のホームとかセンターとか、これはいままでも充実してきましたが、いまから先さらにそういうものを充実させて、働きながらも子供を保育できるというふうな姿勢で積極的にひとつやる。その中にパートタイマーも、婦人労働者もみんな入る。そうしてきめの細かいところの職安行政をやっていきたい、こういうふうな感じであります。
○和田(耕)委員 いまあちらからの雑音でもありましたとおり、普通の雇用労働者はいろいろの法律もあるしあれだけれども、パートタイマーという部面は意外に大きな役割りを婦人労働という面から見れば持っておると思うのですね。 まずお聞きしたいのは、パートタイマーというのが現在日本の労働状況の中でどれくらいのウエートを占めておるのか、その数字からお伺いしたい。
○遠藤(政)政府委員 私の方で一応調査の結果が出ておりますのは、労働力調査の中での週三十五時間未満のいわゆる短時間雇用者という形でございますが、これで見ますと、四十九年の平均で、全雇用者三千六百十万のうちで短時間雇用者、週三十五時間未満の雇用者が三百六万、八・五%ということでございまして、四十八年の七・九%に比べますと若干ふえてきておる、こういう状況でございます。
○和田(耕)委員 これはどのような調査でお調べになった数字ですか。
○遠藤(政)政府委員 これはいま申し上げましたように、労働力調査の中の特別調査でございます。
○和田(耕)委員 これは私的なことですけれども、私の家は練馬にもとの家がありまして、その家をある工場に貸してある。これは二年ほど前までは約六十人の人がそこである化粧品の下請のようなことでやっておった。これが昨年から十人ぐらいになってしまった。この六十人の人全部はその付近の主婦の労働力です。つまり、こういうふうな形のパートタイマーの就労が非常に多いのではないか。また大企業の場合でも、フルタイム働いておってもパートタイムの形でこれを処理しておるような人を含めると——この三百六万という数字はこういうのはみんな入っていますか。それは後からお伺いしたいのですけれども、私は、非常に大きな数が、またこういう調査では含まれないような数があるのではないかと推測されてならないのですけれども、いかがでしょう。
○遠藤(政)政府委員 いま申し上げました数字は、雇用の形態はどういう形であるかどうか、臨時とか常用とかいろいろあると思いますが、要するに週三十五時間未満の労働者の数でございます。
○和田(耕)委員 つまり、このような人たちをいままで、先ほど公明党の委員からもお話がありましたとおり、いろんな雇用のまともな契約等なしに仕事をさしてきた。そしてこれが真っ先に仕事場から出されていくという事実があるわけですね。そしてまた婦人労働のいろんな意識調査、総理府でやった調査等を見ましても、婦人の意識というのは、これはいい悪いにかかわらず、若いときに働いて、そして結婚をして子供を育てて、そして成長したら今度は就職したいという気持ちを持っている人が非常に多いのですね。半分以上の人がそういうふうな気持ちを持っておる。この半分以上の人の就職の仕方は、またこれは大部分がパートタイムの形でしか就職できないというようなことになっているんですね。こういうような面がありますので、パートタイマーという問題、しかもこれがいま急速に抑えられて、そういう機会もなくなろうとしているということですね。こういうことですから、私はかなり正確な大規模な実態の調査をする必要があると思うのです。その必要はあると思われるのか、そうでないと思われるのか、お伺いしたい。
○遠藤(政)政府委員 先ほど申し上げましたように、いわゆる俗にパートタイマーと言われる中にはいろんな形態がございまして、普通の常用労働者と全く同じような形で働いておる人もおられますし、いわゆる学生アルバイト的なごく一時的な短期間の労働という形態をとっておるものもございます。先ほど申し上げました三百六万の中で女子が百八十六万、約六割を占めております。特に女子の六割の中には、いわゆるいい口があれば働くけれども、適当な働き口が、余り収入の多い口がなければ働かぬでもいい、いわゆる趣味手芸的な一時的な内職的なものも含まれております。したがいまして、本当にそういう意味で家計の重要な一部をなしておるというような形で働かなければならない人たちがどれくらいいるか、これは私ども今後雇用計画の一環として実態を調査しなければならぬと思っておりますが、こういう人たちにつきましては、先ほど申し上げましたように、幸いまだ求職者に対して求人が上回っておりますけれども、こういう人たちの職場の確保ということについては全力を挙げてまいらなければならない、こういうふうに考えております。
○和田(耕)委員 四十九年三百六万という数字は決して少なくないわけですけれども、三十五時間以内とすると、大体四時間か五時間ぐらいですね、働いている人は。しかし、いままで大企業あるいは中企業でもそうですけれども、フルタイム働かしておる人が非常に多いですね。またこの人がパートタイマーとして対象にならなければならぬ人が多いわけですね。つまり、こういう人はこの数字から外れているわけです。そうでしょう、遠藤さん。
○遠藤(政)政府委員 ちょっとお尋ねの意味がはっきりいたしませんけれども、先般参議院の社会労働委員会でもこういった問題が出まして、最近の不況に際しましていわゆるパートタイマーという形で六時間働いている人たち、これが五年、十年の長きにわたって月収七、八万から十万もらっている人たち、こういう人たちが工場の縮小に伴って真っ先に人員整理の対象になった。こういう人たちがいわゆる一般の常用労働者と区別をされて、組合にも入っていない、失業保険の対象にもなっていない、これはおかしいじゃないかという話がございまして、そのとき私お答えいたしたわけですが、就業規則がどうなっておりましたか、具体的な例示がございませんで私も確かめようございませんでしたが、やはりそういった御質問の趣旨のように、実態がほとんど常用労働者と変わりがないのに区別をされている。これは組合の側にも問題があるんじゃございませんかということをお答えしたわけですが、今後こういった問題につきまして、私ども、名前がパートタイマーであっても常用労働者と同じであれば、常用労働者と同じに扱わなければなりませんし、また雇用保険の適用の問題につきましても一応の基準は、これは必要でございますけれども、常用労働者に準ずる者は常用労働者と同じように扱っていく、こういう考え方でこういう人たちの、何と申しますか、保護に努めてまいりたい、こう考えております。
○和田(耕)委員 私、質問しておりますのは、いま三百六万、三十五時間以下というこの数の中には、八時間あるいはそれ以上働いているパートタイマーと言われる——これはパートタイマーの定義にもよるんですけれども、実際はパートタイマーの扱いを受けて、フルタイム働いているという人の数は入ってないでしょうということを言っているんです。
○遠藤(政)政府委員 それは入っておりません。要するに、週三十五時間未満の者だけがこの調査の対象になっております。
○和田(耕)委員 だから、パートタイマーという定義自体も非常にあいまいだと思うのですけれども、そういうふうに正規の労働組合に入ったりあるいはいろいろな法律の保護を受けておる人以外の臨時の雇用の形で仕事をしておる主婦が非常に多い。婦人労働者が非常に多い。これを問題にしているわけですね。しかも、この人たちは何らの保障なしに、不景気になれば職場から追っ払われてしまう。追っ払われても、たとえば雇用保険法のような保護も受けられないというようなことがあるわけですね。それは違いますか。
○遠藤(政)政府委員 それはそういうことはございません。パートタイマーという名目で、いまおっしゃるように八時間あるいはそれ以上働いている、これは当然一般的な扱いになるわけでございます。これはいわゆる臨時工という部類に属するものかと思います。逆に、いまおっしゃる三百六万の中に、先ほど来私が例示をしておりますようなごく短期間の一時的なアルバイト的なものも含まれておりますし、あるいは家庭の主婦でよけい収入がもらえるようだったら働いてみよう、しかし収入が大したことなければやめてもいい、こういういわゆる趣味手芸的なものも入っております、こう申し上げておるわけであります。
○和田(耕)委員 局長さん、ちょっと私の質問を誤解されて——誤解じゃなくてあれだと思うのですけれども、私の御質問申し上げておるのは、三百六万とおっしゃったこの数字の中にいまの三十五時間以下の人以外の人、しかもその人は八時間以上働いておる人、こういう人も入っておるだろうと言ったら入っておられる、こう言った。そういうふうな人に対してはたとえば雇用保険法等の適用外になるでしょう、あるいは雇用保険法も適用されますか、こういうことを質問しているのです。
○遠藤(政)政府委員 そういう御指摘のような人たちは適用になります。
○和田(耕)委員 これは適用になりますか、正規の手続なしに事実上ずるずると入っている人も。そうですが。つまりこういう問題を含めまして、私は高度経済成長時代から低成長へ入っていくときにぜひともその実態を調べないといけないと思うのです。そのことについて、つまり現在の婦人少年室の人員、あるいは各県に配置されておる実情についてお伺いしたいのです。
○森山(真)政府委員 婦人少年局の職員の人数でございますが、本省に六十四人、地方に百七十八人、合計二百四十二人でございます。そのうち中央勤労婦人福祉専門官というものが一人おりまして、地方の勤労婦人福祉専門官が三人おります。そのほかに母性健康管理指導医というお医者様を特にお願いしている方が十一人ございます。 以上でございます。
○和田(耕)委員 たとえば婦人労働、パートタイマーとかいろいろな正規の雇用している方々の実態を把握するという仕事をおやりになる場合に、これは労働省としてはどういう機構でいままでおやりになっているのですか。
○森山(真)政府委員 先ほど安定局長が申し上げました労働力調査は、総理府の統計局の方でやっていると思います。パートタイマーの婦人としての、特に家庭生活あるいは職場における特別な問題等につきまして詳細な調査を何回かいたしたわけでございますが、そのような特殊な調査につきましては、婦人少年局の職員及び調査員を使いまして面接調査等によって行っているわけでございます。
○和田(耕)委員 いずれにしましても、労働大臣、私先ほど申し上げたとおり、いま法律で保護されておるこの状態が、今後の低成長の状態で維持できるというふうにお思いになっておりますか。あるいは、よほど特殊な政府としての決意をしないとなかなか困難な状態になるのではないかというふうにお思いになっているのか、その点についてお伺いしたい。
○遠藤(政)政府委員 ちょっと話の前提を一つ申し上げたいと思いますが、昨年来の不況でいわゆる臨時工あるいはパートタイマーと称される人たちの中で、特に御婦人層、婦人労働者の人たちでございますが、いわゆる家庭に戻って無業化した人たちが四十万ぐらいあるのではないかと言われております。戦前でございますと、不況になって失業者が出ると失業者は農村で吸収していた。現段階では一般の製造業関係から離職をされた方が、いわゆる流通過程で三次産業部門に吸収されている例が非常に多うございます。そのほかで先ほど来申し上げておりますように、パートタイマーとかあるいは内職労働者とか、こういったたぐいの人たちで、いわゆる家計の重要な一環として働いておられるのじゃなくて、趣味的に、あるいは収入が得られていい口があれば働こう、しかしそうでなければ別に無理して働かなくてもいい、こういうたぐいの人たちもないわけではございません、こういう人たちがいわゆる統計上は無業化という形で家庭に吸収されている、こういうものがございます。そういったものを、今後、私どもは現在雇用対策基本計画を見直しをいたしておりますけれども、日本の労働力の供給水準というのはいかにあるべきか、いわゆる高度経済成長時代に、人が足りないから高年齢者も出て働きなさい、家庭の婦人も働いてくださいと言って求職開拓をした時代と違いまして、一体適正な労働力率、本当に日本国民の中で何人働かなければならぬのか、何人働けばいいのか、こういう観点から、人間を本位にしてそれと経済計画とをマッチさせよう、こういう方針でいま雇用計画を見直しているわけでございます。そういった意味におきまして、特にパートタイマーと言われる人たちの中の婦人労働者、こういう者に対する対策を今後重点を置いて考えていきます場合に、いま御指摘になりましたような問題をどうやったらいいのか、つまりまず前提としてはその実態調査を十分見きわめまして、適正な対策というものを考えなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○和田(耕)委員 基本的な問題で、労働省として、たとえば婦人が自分の地位を向上する、男性と同じような立場で生活していく場合にはやはり職業を持たなければならない、これは一つの定説ですね。つまり職業を持つということについて、労働省として、職業を持ちながら、苦しい生活をしながら婦人の地位をみずから解放していくということ、これがないとなかなか婦人の解放、婦人の向上というものはできないわけです。そういう目から見ると、今後長く続く不景気のもとで婦人の職業がいろんな形で奪われていくという状況が見通される段階で、労働省として、いま遠藤さんもおっしゃったように、働かぬでもいいが働けば収入にもなるという人もおるでしょう。おるでしょうけれども、そういう人を含めて婦人の職業というものを今後奨励していこうというお気持ちなのか。それはいろんな度合いの人がありますよ。お金持ちで趣味的に働いておる人もおるでしょう。そういう人も含めて、婦人が職業につくという問題について労働省としていいこととお考えになっておるのか、あるいはある程度よけいなことだからそろそろ家庭に帰ってもらいたいというふうなお考えがあるのか。もし婦人の地位の向上というものを本気に考えておるとすれば、いわゆる自分の収入はそう心配ないけれども働きたいという人を含めて、今後とも何とかそういう希望を持たせるような方向に指導していかなければならないのではないかと私は思うのですね。つまりそこあたりの気持ちの持ち方が、今後の婦人労働に対する労働省の基本的な姿勢に関係してくるわけなんです。そのことについて、遠藤さんのおっしゃるところ、ちょっと何かかなり事務的な処理の仕方をしているような感じを私受けるのですけれども、いかがでしょう、その問題は。
○長谷川国務大臣 私は、今度メキシコの国際婦人年の世界行動計画を見まして、やはりそれぞれの国の特徴がある。あれを拝見しますと、文盲をなくしたいというところもありますし、あるいは婦人参政権、政治参加の問題等々もあるのです。私は、日本がこんなふうに伸びた一つの原因は、やはり明治維新からそのままじゃなくても日本の婦人が職場に社会的に参加した、これは私は非常に大きいと思うのです、しかも職業選択を自由にしながら。こういう中からしますと、それはいままでと多少環境は違うでしょうけれども、そういうバイタリティーを持ってこられる御婦人が出ていき、そしてそれぞれのところでしっかりと進出してもらいたい。 もう一つ、先ほども申されたように、一遍家庭生活に入って子供が大きくなったからまた就職したいという方々があるという話ですが、これはまさによその国でもあるわけです。その場合に一体どういうことになるかというと、労働経済ではV字型と申すそうですが、しかしその場合には今度はその間にライセンスをとるとか雇用保険の中における訓練、こういうものを身につけてやっていくとかいうふうな、そういう雰囲気を私たちはつくってお手伝をする、そういう姿が大事じゃなかろうか、こういうふうに思っております。
○和田(耕)委員 つまり国際婦人年での高揚され強調されなければならない点は、やはり婦人の地位を向上さす、男女が全く同じような立場で生活ができるような状態に持っていくということが主眼なわけですね。主眼なわけだけれども、いままでのように自然に放置しますと、高度経済成長のときはいろいろひどいことがあっても、婦人の職業というのはずっと拡大してきている。昭和二十五年に比べて昭和四十七年には約三倍以上になったというのですから、いまの全雇用労働者の中の男の半分、全体の三分の一は婦人だ。これは普通の雇用労働者。これに対していまのパートタイマー、いろいろな種類のものを含めると、私は、三百六万という数ではなくて、もっと大きな数がこの婦人労働の形で日本のいろいろな経済、社会生活の中に参加していると思うのですね。つまり、これを背景にして婦人の地位の向上というものが行われてきているわけです。この問題が、しかも、いま非常に財政的な面で大きく脅かされておる、現に脅かされておる。雇用保険法でカバーしておっても、これはわずかの半年かくらいのことなんであって、それ以上何も保障はありはしない。また雇用保険法でカバーされる人は、パートタイマーの中から言えばごく一部の者だ。そういうような問題を含めてここらで労働大臣として、婦人の地位を向上するという立場から、相当の決意を持って政府の中でこの婦人の地位の向上という問題を含めて——これは人間の生活であたりまえなことですね。そういう問題を含めて強い決意を表明する必要があると思うのです。 その前に、いまの企業から職を失って家庭に帰る人たちのいろいろなケースを実態調査をしっかりとして、そして他の大蔵省等に対しても、社会に対してもアピールする必要があると思うのですね。そういうことがつまり国際婦人年において政府がなすべき一番大きな仕事の一つだと思うのです。年金の状態をどうするとかあるいは職場における不当な男女の差別をどうするとかいうことも大事な問題です。大事な問題ですけれども、国際婦人年としての政府のそういう意味の決意の表明、しかも表明しなければならない客観状態の非常に悪い状態があるわけですから、その問題についてはひとつここらで政府は、いまの状況の変化に見合って、婦人の労働者がどのような苦しい状態に落ち込むかということを、まず実態調査をする必要があると私は思うのです。現にいろんな形で職場についている人がどのように悪い状態に陥っておるかということを、そういうふうな今年のあれを期して、大々的な——いまの総理府かやったこういう調査の形でもいいと思うのですけれども、そういう転換期における婦人労働の実態を調査するということを、この国際婦人年を期してやってみる、こういうことが必要だと思うのですけれども、いかがでしょうかね。
○森山(真)政府委員 先生御指摘のような問題が非常にあちらこちらに起こっておりまして、私どももぜひその実態を明らかにすべきだというふうに考えております。先ほど安定局長も申しましたけれども、就労の実態とともに、無業化した婦人たちの実態ということも知らなければならないと思いますので、私ども最近の時点でできるだけ早く、無業化しまして家庭あるいは農村に帰った、いまは職業についていない人たちの家庭及び職場あるいは生活全体についての実態の調査を、小規模ではございますが、早急に取りかかりたいというふうに考えております。
○和田(耕)委員 先ほど来遠藤さんも答えておられるように、まあ雇用保険法その他の問題があるから、あるいはこのパートタイマーは三百六万人、そのうち、中には豊かな人もおるからというそういう認識ではなくて、とにかく現在経済が大きく変わろうとしておる、そして婦人の職業の機会が失われようとしておる、こういう時期ですから、何とかして、少なくともいままで持ってきた状態は自主的に維持していかなければならない。そういうふうな面から、現在変わりつつあるこの状態を把握するという努力をすることが私必要だと思うのですよ。いかがですか、それ、総理府の婦人問題懇談会ですか、ああいうふうなものを含めてそういう大々的な調査をやって、そして今後の婦人の地位を守るための重要な一つの基礎の材料をつくり上げるということについて、大臣の決意をお伺いしたい。
○長谷川国務大臣 先日新聞を拝見しておりましたら、瀬戸内晴美さんが私が四月に出した婦人週間のメッセージをもらったと言って、三木総理大臣と私のメッセージについて感想を書いておりましたか、私はことしというものが——国際婦人年に参加するに当たりまして、その意義を、実はメッセージをずっと送っているわけです。何といたしましてもこういう大事なとき、しかもこういう経済変動のときでもあるし、私たちの持っている婦人のいままでの歴史というものからしまして、今度メキシコで世界行動計画が採択などをされる。そういう中において、日本がその中から先生がおっしゃるようなものを含めて御婦人に元気をつけ、将来の展望、私たちがやろうとするそういう意欲的なものを何とか発見して、おっしゃるような形にやってみたいという気持ちを持っております。
○和田(耕)委員 次に、その問題と関連するわけですけれども、職業を持ちながら安心して子供を育てる環境ということですね。職業を持ちながら安心して子供を育てる環境ということは、これは非常に広範な問題にわたるわけですけれども、保育所の問題ですね。保育所の問題について現状、いろいろ問題があると思うのですね。数が少ないということ、あるいは無認可の保育所がある、あるいは事業所の保育所がある、それは全体として非常に足らないという問題があるわけですけれども、この問題は先ほど共産党の田中さんも質問しておられたのですが、今年で五カ年計画の期間が終わるわけですね。これからの計画は何か検討しておられるということですけれども、大臣、保育所の今年で終わった五カ年計画に次いで、今後は非常に状況が変わってくるわけです、変わってくるわけですから、すぐ計画はなかなかむずかしいということはよくわかりますけれども、いずれにしてもいままでの保育所の再配置等の問題を含めて検討する必要があると思うのですが、今後五カ年等の計画を立てる御決意があるかどうか。
○田中国務大臣 昭和四十二年に行いました調査に基づき、その後の人口増をデフレートして一応の計画を立てておって、いままでの五カ年計画では実はこれをオーバーして設置をいたしたわけでございますしかし、その後社会経済上の変化はこの面において著しいものがございますから、したがいまして今後、一応の計画はオーバーして終わったというものの、これでやめるわけには実際はいかないだろう、かように思っておりますので、次の五カ年計画におきましても保育所の設置はこれを進めなければならないものと思って目下検討をいたしております。
○和田(耕)委員 その問題と関係して、事業所の持っておる保育設備と地域の保育設備、地域の方は厚生省が持って、事業所は労働省が持っているということのようですけれども、これは本来考えますと、事業所に保育機関を持つということは、事業に働く人、特に家族を持っておる主婦の就労に便利にするためにあるいは企業としてもその方がメリットがあるからということで設けると思うのです。地域の保育所というものも、保育所に子供さんを預けるということは、やはりいろいろなところで働きたいから預けるわけですね。これはまあ各地域地域でそれがまとまっておれば、事業所では格別設けなくてもいい、あるいは事業所でそれを完全に、その働いておる労働者の子弟をカバーできれば、それでもいい。しかし交通機関等によってなかなかめんどうな問題がある。こういう問題を考えた場合に、子供を持っておる働く婦人の子供の保育のために事業に応分のお金を出させて、そして保育機関を完備するというような考え方もできると思うのですけれども、そういうことをお考えになりませんか。
○上村政府委員 事業所の中にある保育所、いまお話しになりましたように、事業が人を確保するためにやっておるわけでございます。ただ、そこで保育される子供の問題というのは、町の保育所であろうと事業所内の保育所であろうと変わりないわけでございます。私ども、四十九年度からそういった事業所の中の保育所につきましても県に補助金を出しまして指導させるとか、あるいは町にある保育所の保母さんが研修会をやるようなときに来てもらうようなことをしておるわけでございます。 いまお話しになりました、町の保育所をつくるときにその事業から応分の金を出させるかどうかという問題につきましては、一つの御意見だと思いますが、非常に複雑な事情が生じてまいりますので、具体的に検討したということではございません。
○和田(耕)委員 この問題を私もいろいろ考えてみたのですけれども、事業から金を出せということになると、つまり子供を持っておる婦人を雇用する企業はそれに応じたお金を出して、そして事業でできない場合は、地域の保育所をつくる、その資金の幾分かを出すという考え方、これはいろいろ考えてみますと、たとえば、そういうことであればおれのところは婦人労働は雇わないという反応がすぐ考えられるのです。しかしこのことを余り心配しておりますと、たとえば職場における婦人の労働に対して賃金の差別あるいはその他の差別をつけるんだというようなことも、そのことと関係してくるわけです。ここらあたりの問題が、つまり企業が雇用する婦人労働、婦人労働全体の就労機会等の問題と関係することであって、そういう問題をひとつぜひとも——そういうように厳しくすれば、企業として婦人労働を雇わなくなるということにも、別の問題としては対処する方法を考えながら、そういうことを考える必要があるんじゃないか。つまり、そう考えないとなかなか婦人労働の機会を拡大していくということは非常に困難だ。婦人労働についての、保育所その他をいまの倍にするといったって、なかなか財政的な問題は片づく問題じゃない。そういうことをひとつ御検討なさる余地はないかどうかということですね。
○上村政府委員 検討に値する御意見だと思うわけでございますが、ただ私どもの基本的な考え方として、住民の住んでおるところと事業所が非常に密接しておる場合はいいかもわかりませんけれども、自分の住んでおるところから事業所まで通うのに交通機関を利用する等のような事情がある場合に、果たして小さな子供を連れていくのがいいかどうかという問題が生じてくるわけでございます。 〔委員長退席、葉梨委員長代理着席〕 逆に、自分の住んでおる町に事業所があって、その事業所で働く御婦人がたくさんその町の保育所を利用しておる。その場合に、その事業所に金を負担させるかどうかという問題は、同時にその事業所がその町の相当大きな税金を納めておるような場合に、いろいろ問題が生ずるのではないかというふうに思うわけでございます。したがいまして、いま直ちにそういう方向がいいとも悪いともということはなかなか申し上げかねる問題だろうというふうに考えます。
○和田(耕)委員 まあ、ひとつこの問題は検討してみてください。これは私もいま申し上げたとおり、反作用があります。これをそのままやれば、特に中小企業の方々は、それではおれはいやだ、婦人を採用することはいやだというような反作用も出てきます。しかしそういうことを、それはその問題として別途に、たとえば税金を減免してあげるとか、婦人を雇用する人には、いろいろなカバーの仕方もあると思うのですけれども、これをそういうふうに考えないと、これは同一労働同一賃金と言いましても、あるいは能力の差がいろいろあったり、いろいろ理屈があるわけで、婦人を区別させることがたくさんあるわけです。あるわけですから、そういうことを言われないで、婦人の職業の機会を拡大してあげる。そうしなければ婦人の地位の向上も男女同権もできないという大原則があれば、やはり婦人を雇用する企業はその雇用する数に応じて、託児所——独身は別ですけれども、家族持ちの場合は託児所に対して何ぼかの金を出さすという原則を決めて、それによって企業が婦人労働をボイコットする場合には、その問題については別の対策を準備するというようなことを考えてみませんと、これはこの問題だけでなくて、先ほど言ったいろいろな問題と関係してくるわけで、そういうふうな構想も両大臣ひとつお考えになっていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうかね。
○田中国務大臣 いま、私のところの児童家庭局長が申したとおり、一つのアイデアであろうと思います。ただ、これは実施にはなかなか、いろいろな条件とまた検討が必要だろう。いま大企業では事業内保育というのをやっている。それから町では地域の保育。そうすると、いま先生のおっしゃるようなものが当てはまるケースというのは一体どういうものだろうか。といいますと、一定の社会形態のところではある程度考えられるだろう、つまり大企業ではない中小企業がかたまっておって、地域のお子さんと半々とかあるいは三対一とか二対一とかいうふうなかっこうでやれるようなところ。しかしこれについての施設整備費についてどうするか、運営費についてどうするか、実際問題としてはめんどうな問題が多々あろうと私は思いますが、一つのアイデアでございますので、私どもとしても検討することについてやぶさかではございません。
○長谷川国務大臣 労働省の場合は、これは企業内の託児施設、そういうものに対して融資しております。たとえばその資格というものは、託児施設の場合は従業員のための託児所、こういうことにしまして、ことしは十億二千万融資、そしてこういうものについては長期、低利の貸し付けを行う、そしてまた、中小企業は中小企業としてまとまった、そういう非常にまとまったようなところで共同でやる場合には、そこに融資する、こういう対策をとりつつ、それを前向きにやっていくのが一つの方法じゃなかろうか、こう思っております。
○和田(耕)委員 私、こういうことを申し上げておるのは、いまの厚生省の保育所の設置の五カ年計画でどんどんふやしていくということが可能であれば、こういうことを申さない。申さないけれども、それをやりながらも、資金的に問題であれば、こういう方法もあるじゃないかということを申し上げておるわけです。いま、大企業は事業内の保育所とおっしゃられましたけれども、それは大企業だって従業員というのは無数に散らばっておるのですから、その企業だけのものを事業内のあれではカバーできないのですよ。だからむしろ大企業のほうがそういう一定の金を出して、そうしてその金を足しにしながら、厚生省なり労働省が保育所をつくっていく。いずれにしても、保育所をたくさんつくっていかなければならないということなんですね。その一つの方法としてこういう方法もあるじゃないか。私は役所のほうがかえって喜ぶだろうと、いま言っているのだけれども、なかなか渋い顔をしておられるから、あれしているのですけれどもね。 ただ心配なのは、過渡的にそういうことをすれば企業が婦人労働を雇わなくなるということが心配なので、これは他の方法でそれをカバーしていくということをしないといけないのじゃないか。そうしないと、結局婦人の職業への機会というのはなかなか拡大できない。先ほどから問題になっているような、ある銀行のことでいろいろなことが起こってきたということも、これは他のところにも皆、多かれ少なかれあることなんですね。そういうふうなことで、何かの形で、職業を持っている婦人が子供を育てながら、りっぱに生活ができるような設備を拡大していくということを解決しないと、この問題なかなか解決しないというふうに思うのです。 もう私の時間も参りましたのでこれでやめますけれども、最初申し上げたとおり、ひとつ両大臣深刻に考えていただきたい点は、これは私どもよりも考えておると思うのですけれども、来年から再来年にかけては、なかなかいまの社会福祉のレベルを維持することは非常に困難な状態、ちょうど東京都が直面しているような問題ですよ。あるいはもっと拡大した問題が起こらないとはだれも言えない、こういうことを控えておる。しかも国際婦人年の今年の年であるから、両大臣が婦人労働者の福祉を後退させない、できるだけ前進させていくのだという御決意だけはしっかり持っていただかないとなかなかむずかしい状態になるんじゃないか。そのためのひとつしっかりした決意を持っていただきたい。 現在被害を受けつつある婦人労働者の実態調査をもう一遍やってもらいたい。これは政府のいろんな力を合わせてやっていただきたいということ、そして職業を持って子供を育てておる婦人の、安心して子供が育てられるような条件をこの段階においてもう一遍見直してつくっていただきたい。このことを特に要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○葉梨委員長代理 土井たか子君。
○土井委員 ことしは国際婦人年という言葉があらゆるところで聞こえるわけでありますが、本日のこの審議も、おそらく、ことしは国際婦人年ということで設定をされた委員会での審議の場所だと存じます。 ところで、私がお伺いしたいのは、一体何のためにことしは全世界を挙げて国際婦人年という運動に取り組むことになったのかという、政府がこの問題に対してどういう御認識を持っていらっしゃるかということであります。まずお伺いしたいのは、この国際婦人年ということについてどういうふうに御理解をなすっていらっしゃいますか、いかがです。政府はどなたでも結構ですから、お答えなさる方どなたでも結構でございますから……。
○田中国務大臣 私の方が国際婦人年のすべてをひっかぶってのことではございませんが、他に適当な政府関係者がおりませんので、私も国務大臣でございますのでお答えをいたしますが、国際婦人年についての幾つかのテーマ、三つのテーマがあるようでございますが、基本的には世界の婦人の地位を向上させるという、平等といったような、男女平等ということが一つの大きな柱になっているようでございますし、発展と平和というのが他に二つついておりますが、私は、この平等というのは単なる男女平等ではいけないというふうに思って先ほど答弁をしているところであります。つまり、単なる男女平等だけではなしに、婦人には婦人としての肉体上、社会上の制約、特殊な事情があるものですから、これについてやはりきめの細かい配慮をした上の平等を確立いたさなければならないということではなかろうかと信じております。
○土井委員 適当な方がいらっしゃらないとおっしゃるけれども、厚生大臣は、私は、やはり閣僚の一人であり、この問題についてお考えをいただく最適の大臣の職におありになる方だと認識をしているわけです。ところが、御発言の中身を承っておりますと、なかなかこれは物議を醸すような問題に発展しかねない要素を含んでの御答弁でございますから、このことについていろいろ論議をやっておりますと、なかなか時間をとりますので、順を追って、きょうはまず事務的なレベルで、一体この問題がどういうふうに取り上げられ、国内的にどういう計画が組まれ、具体的に何をやろうとなすっているのかという方向に少し問題を持っていきたいと思います。また日を改めて、厚生大臣、お願いしますよ。 この国内レベルでの活動計画というものを見ますと、政府関係では労働省等を中心にいろいろな行事をお組みになっていらっしゃるようであります。また、政府レベルでは国際婦人年のための関係各省庁連絡協議会、八つの省庁がこれには参加をなさるようでありますが、そういう連絡協議会というのを設置をして、いろいろ世界会議への対処をいかにするかということを検討したり、国内のいろいろな行事についての検討をしたり、活動に関する連絡調整を図るということをその任務になすっているようであります。 ところで、この各省庁連絡協議会の中心になるのはいずれの省でいらっしゃるのですか。
○宮川説明員 国際婦人年につきましては特に世界会議を目指しまして各省の連絡会議ができているところでございます。これは先生御指摘のとおりでございます。そういたしまして特に国際会議であるということで、現在の段階では外務省の国連局が中心になりまして労働省がそれをサポートするというような形で会議が進められているということでございます。
○土井委員 そうすると、この連絡協議会というのを全部統括するのは外務省ということになるわけですか。いかがです。
○宮川説明員 外務省の国連局の肝いりで、外務省の場所を使いまして会議が重ねられております。
○土井委員 場所はそうでしょうね。しかし、この会議を動かしていくという場合、いろいろな行動計画を実行に移す場合の具体的な中心になるのは外務省の国連局なんですか。
○宮川説明員 この連絡会議の座長と言いましょうか議長は国連局の参事官が相務めております。そういうことで御理解いただきたいと思います。
○土井委員 それは、国際婦人年のための関係各省庁について連絡をする協議会という意味で、あくまでこの協議会をいろいろ運営する場合の中心的役割りあるいは事務的な連絡の中心をつかさどられるのが、いまおっしゃった外務省の国連局でしょうね。 それでは、この国際婦人年で御承知のとおり行動計画が十年計画で組み立てられなければならない。このことを具体的に計画をし、行動する場合、その中心になる政府レベルでの中心はどこにあるのですか。
○宮川説明員 国連のこの会議は一応おきまして、婦人の関係の行政機関というものが非常に複雑多岐にわたっていることはお説のとおりだと思います。現にいろいろ歴史的な事情もございまして、労働省、厚生省、文部省、農林省というような形に分かれております。そういうことでこの世界会議とは一応別に、従前から各省の婦人問題の担当者をもって構成いたします連絡会議というものが総理府に置かれております。そしてその席上におきまして連絡調整を図ってまいりましたが、今回の世界会議につきましては特に問題が大きいということで国連局の参事官を座長といたしまして特別に連絡会議を別に設けた、そういう関係でございます。 したがいまして、世界行動計画が国連の場で採択されました暁には、当然わが国政府としてもそれに従ってできるところからやっていきたいということを総理も申されておるわけでございまして、そういう場合には従前の連絡会議で済むのかあるいはさらに何か新しいものを必要とするのか、今後至急考えていきたいと思っております。
○土井委員 従前のもので済むのか、また新しいものをつくらなければならないのか、それは検討するとおっしゃるからこれからの問題らしいですね。これからの問題らしいですね。もうこの国連でのメキシコシティーにおける会議というのはこの十九日から始まるのですよ。十九日から始まるのですよ。日本では一体これに対して国際会議に何をどのような内容で持って出るかということは、はっきり確かめる機関がすでに各国にはあるのに日本にはなかったということですか、そうすると。いかがです。
○宮川説明員 国際会議に出席しますために政府代表その他かなり大がかりな代表団がメキシコに派遣されるわけでございますが、その国際会議に臨むために必要であるということで世界行動計画案をもとにいたしまして外務省、労働省を中心にいたしまして各省で十分打ち合わせをしているところでございまして、それについて手を打っていないとか対処していないというわけではございませんが、ただそれを国内でどういうふうに今後やっていくかということにつきましては至急検討したいということでございます。
○土井委員 常にお考えが、全くこれはどういう立場に立って考えられているかという場合に、婦人の立場ということに立って考えられていないというのが非常によくわかります。これは。いまお答えの限りで出てきたのは、役所の人たちの構成によってその中で考えられたことで、全く考えてないとは言えない。ただこれから具体的な計画というのは検討するというそういう趣旨の御答弁でしかないのですよ。一体いま国民の半数あるいは半数以上は婦人なんでしょう。そして各国が一番苦心に苦心を重ねたところは、この国際婦人年の会議に臨むのにいかに民間人の立場で、民間人というものを組み入れてその立場を生かして婦人問題にいかに取り組むかということに一番精力を費やしているのですよ、各国。日本の政府はそういう点においてはどういう御努力をどれだけなすったかをひとつ聞かしていただきたいです。
○宮川説明員 これにつきましては、特に代表団の人選その他につきまして国連局を中心にいたしまして労働省その他でお話し合いが進められたわけでございまして、私たちも参画したわけでございますが、詳細につきましては、現在出席しておりませんが、外務省ないし労働省からお聞き取りいただきたいと思います。
○土井委員 ではその詳細についてここでお答えできる方いらっしゃいますか。——いらっしゃっても恐らく答える場所に立ちたくないというお気持ちであろうと私は思うのです。それは厚生大臣もお認めになるでしょう。
○田中国務大臣 どうも午前中からの質疑応答を聞いておりまして、大変客観的な物の言い方をして恐縮ですが、どうも政府全体のこの問題についての取り組みは甘かったというふうに私は自認をせざるを得ないと思います。 ということは、このメキシコの会議に臨むことについて事務的な対応の仕方はしたようでございますが、基本的に国際婦人年あるいはその中に盛られた主要なパーパスというものに対しての対応の仕方、根本的な対応の仕方についてはいまだし、まだであるというふうに私は申し上げなければなるまい。したがって行動計画等ができた節にこれについての対応策を考えるということでございますが、今日時点ではやむを得ないと思いますが、私としてはそういったような反省のもとに、今後行動計画等ができました場合にこれに対応するわが国の体制というものについて十分これを検討し、そしてはっきりした受けざらを設けなければなるまい。なぜかなれば、さっきから言うとおり、この問題に対応する各省庁はかなり分かれておるわけでございますので、そうした一元的な受けざらというものを設けない限り私は政策の前進は望めないと思いますから、したがってそのような方向について私も本日委員会に出てしみじみと感じましたものですから、これが本日のこの会議の、委員会の審議の一つの大きな収穫であったというふうに私は認識をいたしております。
○土井委員 そのように厚生大臣が認識をされたというのは、やはりこの委員会を開いていただいた成果があったと言わざるを得ないわけですが、先ほど御答弁の、婦人に関する諸問題の懇談会というのを設けていままでやってきたけれども、あの組織でいいのか新しい組織を検討する必要があるのかということをおっしゃいましたが、これは私いろいろ文書もいただいて見た限りにおきまして、国際婦人年の計画について、またそれに向けて考えられた政府レベルの組織ではないわけですね、本来。そうではないわけですね。 かつて婦人に関する諸問題調査会議というのが四十七年の五月の十一日に設置要網、出ております。御承知のとおり。それは、こういう大部な報告書を出して、そして事実上は解散というかっこうでありますね。なぜかと言うと、この任務というのは諸問題を調査すること、そうして報告書を作成することというところ、はっきり書いてあるとおりであったからです。その限りなんですね。これが解体をして、そうして次にできたのが婦人に関する諸問題懇談会なんですね。昨年の十月の十二日。このいただいた文書の限りでは、一体何をおやりになるのかよくわかりません。よくわかりませんが、以前の調査会議に比べますと、今度は婦人に関する諸問題について随時懇談するでございますから、前には報告書として文書化して出したけれども、今度は口で物を言う懇談形式に変わったという変わり方だけがあるわけでありまして、別に構成メンバーもそう大きな差はないようでございます。 ところで、ただ一つ、このかつての婦人に関する諸問題調査会議が残されたこの大きな報告書の中をずっと見ておりますと、ここでこういうふうに述べてある個所があるのです。「婦人関係行政機関の連絡調整の強化」という項目がございまして、ここのところは簡単な場所ですからひとつ読んでみたいと思うのですが、「我が国の行政組織は、一般に縦割行政で横の連絡調整が不十分であるということは、つとに指摘されてきたところであるが、今回の職業を主題に調査を行った過程でも、縦割行政故に問題解決が遅れているのではないかという疑問にぶつかったことも少なくない。例えば、学童保育についても、厚生省、文部省、労働省にまたがってかかわりあいがあるが、三省の連携がなかなか進まないように思われた。いくつかの省にまたがる問題の解決を進展させるにはどうしたらよいのか。女性の職業についての問題を解決するにはぜひその壁を破って画期的な施策の推進を図る必要がある。このためには、今回の調査で明らかになった問題の解決ないし提言の実施を促進し、新しい情勢に対応して行政に問題提起をするための民間有識者によるフォローアップ機関を設置する必要がある。」こう書いてあるんですね。そう書いてあるのです。 ところで、これが解体をしてその後できた婦人に関する諸問題懇談会を設置する場合に、この調査報告書のいま読んだ場所はどういう形でどういうふうに生かされておりますか。
○宮川説明員 いま御指摘がありましたように、総合調査報告書が大部のものが昨年三月に提出されたわけでございまして、その後御指摘になった婦人関係の諸問題に関する懇談会が設置されております。これがいわば私どもといたしましてはフォローアップ機関でございまして、この特に報告書の内容のただいまお読み上げになりました点につきましても、懇談会のメンバーの方々の間で現在話題に上がっておりますし、また政府といたしましてもそこの点をかなり詳細に説明してございます。今後懇談会の御意見も伺いながら、と申しましても御指摘のように国際婦人年は本年でございます、余り時間をとることはできないと思いますが、至急全体をもう少しどうこうするような機関が考えられるものかどうか検討していきたいと思っております。
○土井委員 検討検討と言うのは、もうことしもいかがですか、半分過ぎてしまったのです。六月も終わりに近いですよ。半分過ぎちゃった。それでそれからしますと、検討をやっていらっしゃる間に一九七五年というのは過ぎちゃうと思うのです。一体日本は国際婦人年に何をしておったか笑いものになりますよ。十年計画、一体これがどうなるか。これも一年たち二年たち、中身は何もならないうちに、これはまた世界から、先進国といばってるけれどもあれは何だということに私はなると思う。 そういうことからしまして、もう一度、最初に私が問題としてお尋ねをした国際婦人年についてというのは、なるほど事務当局は外務省の国連局の社会課でいらっしゃる。そこからいただいた文章を見てまいりますと、「国内レベルでの活動計画」というところでは、政府関係では労働省を中心にいろいろな行事を企画実施していると、こう書いてあるのです。どういうことかと思って見ますと「中央記念行事」であるとか、それから「内外婦人問題有識者による巡回講演」であるとか、それから「記念コンテスト」であるとか「啓発活動ほか」と、こう書いてあるのですよ。いまずっと私が読んだこの行事についての中身をお聞きになって御感想をひとつ聞かせていただきたい。何かお考えになるところはありませんか。
○宮川説明員 感想ということでございますので申し上げていいかどうかわかりませんが、国際婦人年は本年を契機といたしまして十年一区切りで事態の改善を図っていきたい、そういうことだと思います。そういう限りでまいりますならば国際会議も盛大に挙行されるわけでございますし、国内での記念行事も行われるわけでございまして、そうしたことは婦人のみならず男性一般の啓発という意味からも多分に私は意義のあることだと思っております。
○土井委員 それを承っておりまして、十年計画についても、私は余り期待をかけたらこれはだめだなという実感がしますよ。どうでしょう。もう一度私は読みますよ。この計画の中身で出てるのはとれもこれも——ひとつ耳を澄まして聞いていただきたいのです。いろいろな婦人の中にある実態を政治の場に生かすための努力というのはどういう形であるのです。どういうふうに実際が動いてるかということを吸い上げようとしているのですか。吸い上げたものをどれだけ努力をして行政レベルの中で生かして、具体的にその期待にこたえようとしているのですか、これは。行事の中からそれは一つも出てこないのです。一方的に宣伝活動ですよ、PRですわ。「中央記念行事」、何をなさるのかよくわかりません。けれども恐らくお祭りでしょう。それから「内外婦人問題有識者による巡回講演」ですわ。それから「記念コンテスト」これまたよくわからない。恐らくはミス日本のコンテストも含めて考えられるのかどうか、そんなことはわかりませんけれども、これもまた私はお祭り行事だと言わざるを得ない。「啓発活動」、恐らく「啓発活動」というのは政府がどう考えるか、どういうふうにこういうことに対して思うかという一方通行の活動の中身にやはり私はなるのじゃなかろうかということを非常に危ぶみます。本当に私は十年計画の中でいまのここにあるところの「国内レベルでの活動計画」というものを生かしていこうとすると、いまある、この婦人の中にある実態をくまなくきめ細かに、あるがままに事実を事実として認識することができるかという苦労があってしかるべきだと思うのですよ。厚生大臣、どうお考えになりますか。
○田中国務大臣 ただいまの計画は労働省所管の計画でございまして、私もここであれこれ論評をすることは避けたいと思いますが、さっき私が申しましたとおり、国際婦人年のテーゼを生かすためには、もっとしっかりした態度が政府全体に必要であろうというふうに思っております。
○土井委員 それじゃ、ひとつまた先ほど御感想を述べていただいたんだから、いまの私の問いかけに対してお答えをまずいただきましょうか。それから先行きます。
○宮川説明員 感想ということで申し上げたわけでございますが、いずれにいたしましても、世界の各国の中で、婦人の置かれている立場という面でわが国が置かれているところというのはどの辺にありましょうか、非常にいいとはとても言えない状況であろうことは想像にかたくないところでございますが、しかしこの国際婦人年あるいはいろいろな記念行事を契機といたしまして、政府として各省連携の上行事を進めていくあるいは施策を進めていくということは、婦人の地位の向上あるいは男女の本当の意味の平等の実現ということについて私は多分に意義のあることだと考えているということを申し上げているわけでございます。
○土井委員 それは何遍も言ったって、もう恐らくはこの点についてはお気づきなんだから、ひとつおわかりになったことは行動で示していただく以外に私はないと思うのです。 そこで、これは十年計画の問題なんですが、十カ年の行動計画を立てる場合に、各省庁の連絡機関というのをこれから検討して、新たにどこが中心になって、どういうふうにそれを組み立てていくかということもひとつ考えてみようというふうな御発言ですが、一体いまのところは、政府レベルでは大体どういうふうな構成でこの問題に臨もうということをお考えになっていらっしゃるか、青写真でもあればひとつお示し願いたいと思うのですが、ございますか。
○宮川説明員 国際婦人年の扱いにつきましては、外務省を中心にいたしまして各省連絡会議があって、国際会議に向けて特に打ち合わせをしているということは御理解のとおりでございますが、これが国内にはね返りまして今後どうするかということにつきましては、先ほど御説明申し上げました、従前からございます、これは国際婦人年用にあるわけではございません、従前から各省の婦人担当関係官を集めての連絡会議が総理府にございますが、そこで賄い切れるものではなかろうという認識は十分持っております。そういうことで、先ほどお話にも出ました懇談会の御意向も早急に伺いながら、どうすればよろしいかということを検討してまいりたい、そう考えております。
○土井委員 それはいつごろなさるんですか。早急にとおっしゃいましたけれども、いつごろですか。
○宮川説明員 いつということは特に申し上げられませんが、御指摘のとおりことしも半分過ぎるわけでございます。ただ国際婦人年はあくまでことしが契機でございまして、かなり長期に腰を据えていこうということでございますから、まだまだ半年で私はがっかりする必要はない、そう思っております。そういう意味でなるべく早くということは、年がかわってしまいますと、幾ら契機といいましてもおかしなことになります。年がかわらないように至急考えなければいけないと考えております。
○土井委員 半年たったからとがっかりすることもないという御発言を承って私はがっかりします。それは少しどうかと思いますよ。相当このことに対しては新規まき直しぐらいのつもりで、出直しぐらいのつもりでひとつじっくり取り組んでいただかなければ、全国の女性がこれに対しては注目しているということですから、ひとつそのことも御念頭にとどめてやっていただかなければ何のための行政かということになると私は思うのです。 さて、これは幾ら理屈で言いましても、具体的にいままでいろいろな問題についてそれなりの調査が、たとえば官房の広報室から出たり、それから先ほどの、これは婦人に関する諸問題調査会議ずばりの報告書であったりいろいろなものが出ておりますが、この中で、これは一応お目通しをいただいていると思うのですよ。それはやはり行政レベルの中で具体的にこれを生かしていこうという御努力さえあれば、これに対しては一読は必ずなすっていると私は思うのですが、四十八年の三月、いまから二年余り前の婦人に関する意識調査、内閣総理大臣の官房広報室から出ておりますこの資料に基づいて言うならば、女性が特につくってほしい施設ややってほしい施策があるのかどうか。「ある」というふうに答えている人たちの中で一体何が一番要望として多かったかということをお答えいただきたいと思うのですが、何が女性の中で一番要望として多くあったとお考えですか。読んでいらっしゃるはずですから、ひとつお答えいただきたいと思います。
○宮川説明員 どうも申しわけございませんが、確かに読んでおりますが、記憶力が余りよくございませんのでちょっと失念しております。いま読ませていただきます。
○土井委員 いまここでお読みになりますか。
○宮川説明員 持ってきております。
○土井委員 それではお読みになるまで待っていましょう——時間がかなりかかるようですから、時間がかなりかかって、しかもなおかつ的確におっしゃるかどうかも心もとないようでありますから申し上げますが、これは大体調査対象を言わなければいけないと思います。全国の十八歳以上の女性に対して対象にしたのは二万人、無作為抽出の方法で調査をいたしておりますが、その結果、欲しい施設、やってほしい施策の中で何といってもナンバーワンは保育施設なんですよ。これはどんな調査報告書を見ましてもやはり保育施設というのは出てまいりますね。これについて私はかつてこの社労委員会で、四十七年の五月の十六日という日になりますが、やはりこの保育所の問題で質問をいたしております。それに対してのお答えが厚生省の児童家庭局長から出ておりますが、「四十六年度を初年度といたしまして、昭和五十年度までに約百六十二万五千人の児童を保育することができるような保育所の整備ということを目標として五カ年計画を進めておる次第でございます。」こう書いてあるのです。この四十七年当時におっしゃったとおりに五カ年計画の中身はみごとに所期の計画どおり実行され得たかどうか。そのあたりはいかがなっておりますか。
○上村政府委員 四十九年の十月の数字でございますが、四十九年というのは五カ年計画の四年目に当たるわけでございます。百五十九万一千三百十三人。目標の百六十二万が五十年度末でございますから、私から言うのもおかしゅうございますが、みごとに進行しつつあるということになるのじゃないかと思います。
○土井委員 進行しつつあるのじゃないですよ。計画をみごとに消化されているかどうかというところを、その計画どおりに事は具体的に進んだかどうかということです。
○上村政府委員 計画よりも若干テンポが速く進んでおります。
○土井委員 その計画どおりで、それが具体的に計画が進められて、テンポはむしろ計画よりも速いとおっしゃる。数字の上ではそうでしょう。全国の調査の結果、何よりも要望するのは保育所だという婦人の期待にこれで十分こたえ得ているというふうにお考えでいらっしゃいますか。
○田中国務大臣 ただいまの五カ年計画については局長の言うとおり、これの達成は今年度でややオーバーしておるわけでございますが、これは先ほど御答弁申し上げましたが、四十二年の調査に基づいてその後人口増等をデフレートいたしましてアジャストした数字でございますが、その後この面についての社会的な変化というものは非常に大きいものでございますから、したがって五カ年計画はややオーバーいたしたものの、まだこうしたものに対するニードというものはそれ以上によけいに出てきているということだろうと思いまして、今後の施策を考えなければならないということだろうと思います。
○土井委員 今後の施策ということについては、事は、私はいま保育所問題についてお尋ねをしているわけですから、厚生省の行政の中ではこの保育所問題にもやはり重点を置いてお考えいただくことが、いろいろな調査の結果出てきている婦人の厚生行政にかけている期待にこたえるゆえんだと私は思うのですけれども、これから大臣とされてはどういう施策をもってお臨みになるか、向こう五年間の五年計画がおありになればそれについてのお示しをいただきたいわけです。
○上村政府委員 先ほども御質問にお答えしたわけでございますが、五十一年度からの計画はまだ持ち合わせないわけでございます。先ほどもお答えをしましたように、私どもさらに新しいニードというものを実態調査で把握をしたいと考えておるわけでございますが、いま大臣からもお答えいたしましたように、私どもの計画は順調に達成しておりますけれども、保育所の需要はこの数年間非常に伸びておりますので、計画は別として、どんどん保育所をつくるように努力していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○土井委員 数字の上ではそのとおりなんでしょうが、実態はなかなか思うようには進まない。御承知のとおり超過負担をひっ抱えて自治体はもう大変な状態ですね。その中でやはり保育所というものが足りない、足りないという声にあえいで、各自治体ともこれは頭痛の種だということは厚生大臣もよく御承知のとおりなんですね。ですから意欲的にこれから取り組んでいくとおっしゃるけれども、何らかの従来からの壁を持ち続けて、しかも五年計画というのは計画よりも速いテンポで進行したけれども、この大きな壁というものを乗り切らないと、より一層この保育所については十分に期待にこたえ得ない何らかのその壁があると私は思うのです。いまの超過負担一つ取り上げたって私はそれはずばり言えることだと思うわけでありますけれども、この壁はどの辺にあるというふうに御認識でいらっしゃいますか。
○田中国務大臣 壁ということについて先生がどういうことをお考えになっているか、私にはやや推測ができるわけでございますけれども、いろいろなものが行政担当者、責任者として考えられるわけでございます。いま例示的に超過負担の問題というものもお挙げになった。確かにそうでございまして、実は単価を上げていきますと個所数が減るという問題が出てきているわけでございまして、これにどう対応するか。それからまた国民一般と申してはなんですが、政府部内で一体保育というものをどう考えるかという問題が一つあるようでございます。これは口幅つたいようですが、恐らく私はメキシコ会議にも出るのじゃなかろうかと思いますが、婦人というものがどう一体対処すべきか。私がいままで諸外国に出て知った限りにおいても、片や保育という、婦人が他に出て労働をいたすということについての要請が非常に強い反面、またそういったようなことについて進んだ国においては逆に家庭婦人はできるだけ家庭に帰れというレジデンシャリズムとかいう話があります、レジデンスでやれという。こうした二つの大きな流れがヨーロッパの国々等にもありますが、しかし日本においても大なり小なりそうしたような議論もあるようであります。 こうした中にあって、日本が今日こうした経済情勢、社会情勢、労働情勢の間にあって、これをどう織り込むかということについての議論というのは、私はばかにできないというふうに思っているわけですが、私といたしましては、まだそういうレジデンシャリズムというものを日本で言うほどの状況にない、来てはおらぬものと思っておりますものですから、したがいまして保育の必要性は今後さらに増す。これに対して対応しなければならないと思っておりますが、こうしたことについてのコンセンサスが実は行政を取り持っておる私どもとしては一番むずかしい点だというふうに認識をいたしております。
○土井委員 コンセンサスこそ大事ではあるんでしょうけれども、幾らコンセンサスを求めましても単価の基準が非常に低いところに置かれまして、実際必要な予算の組み方がされていないというところで一三つつくれるはずのところが一つしかつくれないというふうな実際問題があるわけですね。つまり、机の上での数字と実際建てられ得る数字とのギャップというものが、物価が上がれば上がるほど差がずんずん出てきたということも一つは考えてみていただかなければならない。 〔葉梨委員長代理退席、竹内(黎)委員長代 理着席〕ですから、机の上では、なるほど計画はみごとに全うしたとおっしゃるかもしれないけれども、実態はなかなかそこまでいっていないという事実があることも一つは御念頭にとどめていただいて、向こうこれから始まる新たな保育所の問題についてはまたひとつ厚生省意欲的に取り組んでいただきたいと思うのです。 大蔵省の方に一つお尋ねしたいんですよ。大蔵省の場合は社会保障ということで一括して補助金の中身というものはお考えになるはずですね。その中でどれくらい保育所、つまりいろいろな報告によって見た場合に、婦人の中から、特に働いている婦人の中から要望の一番たくさんあるこの保育所問題に対して関心を払っていらっしゃるか。——大蔵省の方、いらしていますね。
○田中国務大臣 財政当局の立場を要求官庁である私どもが代弁はできませんが、いま先生のおっしゃった単価問題これは相当問題でありますが、実は私どもかなり改善を加えてまいりました。したがって、現在では実勢単価と余り離れておらないわけでありますが、しかし問題は、最近は実勢単価ではないのでございまして、要するに基準面積が非常に狭いのでございます。これをあるべき姿に地方公共団体等がやりますと、ここに大きな超過負担が出るということであります。 それから補助対象、俗によく言われる門、さく、へい等々の問題があって、現実問題としていろいろ努力はいたしましたものの、まだ相当な超過負担を生じているということがございますので、こうした面については今後やはりこれを実勢と合わせなければなりませんが、そういたしますると、総予算が決まっているという範囲内で施策の数というものが減るというところに私どもの悩みがございますので、これはひとつ財政当局ともよく相談をいたしまして、予算の計上について特段と理解ある御配慮を願うようにいたしたい。たまたま財政当局、帰って、おりませんので、私から答弁をいたしました。
○土井委員 そういうことの御努力の積み重ねはぜひいただかなければならないのですが、片や、それじゃ大蔵省の主税企画官水野さんにひとつお尋ねをしましょう。 保育所問題をめぐってどうしても気にかかるのは保育料です。特に共働きの夫婦からしますと、いまの保育料というのはずいぶん生活費の中で占める度合いが大きくかさんできています。これは御承知だと思いますが、国の決めた保育料というのがございますね。一度その国の決めている保育料についてまずお示しをいただきたいと思うのです。おわかりになりますか。
○上村政府委員 保育料と申しますのは、保育所に入った子供について親から金を徴収する。費用の負担能力に応じて減免をするという仕組みをとっておるわけでございます。現在は被保護世帯、それから住民税の非課税世帯につきましては無料とか、あとは所得の状況に応じまして取ってまいる。一番所得の高い階層では保育単価相当額というのを徴収することになるわけでございます。 ちなみに五十年度、これは地域によって違いますので、大まかなところで申し上げますと、四歳以上児ですと六十人ぐらいの施設で約一万五千円、それから三歳未満児になりますと三万六千円ぐらいになる。これは一番所得の高い、全額徴収される階層でございます。
○土井委員 三万六千円ぐらいに三歳児未満になるとなるという御発言なんですが、これは実は一番高いところでそうだとおっしゃいますが、これは夫婦共働きで三歳未満の子供が二人いるというふうな場合、この二人を保育所に預けただけで実は母親の賃金の大半は取られてしまうというのが実態ですね。ですから、よく聞くのに、あっちゃこっちで、私は何のために共働きをしているかというと保育料かせぎのために共働きをするようなかっこうで、何だか働いても働いてもそれだけを追っかけているような気がしてならないという言葉をよく聞くのですよ。 そこで私お尋ねをしたいのは、大蔵省主税企画官の方にお尋ねをいたしますが、これを何とか保育料については税制の面で見て控除対象にするということはできませんか。いかがですか。
○水野説明員 確かに先生のお話のように、共かせぎで小さなお子さんを預けて働いておられる方の御家庭の御苦労はわかるわけでございますが、ただ税制といたしましては、同じような収入の世帯でございますと、現在の仕組みからいたしまして、二人で働いておられる家庭の方が、税負担としては安くなっておる、それぞれの方につきまして控除が適用され、累進税率が適用になりますので、その点は普通お一人での同じ収入を上げておられる世帯よりは安くなっているということがまず一つあるということを御留意いただきたいと思うわけでございます。 それから次の点でございますが、こういうふうな保育所の費用と申しますか、いろんな個別的な支出があるわけでございますが、こういった個別的な支出につきまして、どの程度税制で控除を認めるかということにつきましては、なかなか限界があるわけでございまして、保育所にお子さんを預けておられる方、これはそういう声があるわけでございますが、さらに幼稚園にお子さんをやっておられる家庭、これも最近なかなか幼稚園の経費が高いということ、さらには小学校、中学校、高校、大学と、教育費につきましても非常に父兄の御負担が大きい、こういう御要望もあるわけでございまして、そこらにつきましては、そういったものを全体をまとめまして、一般的な控除、一般的な課税最低限の中で対処するというのが、やはり税制の姿としてはより妥当ではないかというのがこれまでの考え方でございまして、そういう考え方からいたしまして、昭和四十九年、五十年、特に扶養控除を中心といたしまして諸控除を大幅に上げるあるいは勤労者の方につきましての給与所得控除を定額控除を中心といたしまして非常に抜本的に上げる、こういうふうな改正をしてまいって、そういった問題にも対処してまいった、こういうのが現在までの考え方でございますし、またこうした姿が税制としては適当ではないかというのが現在の考え方でございます。
○土井委員 これはいろいろ御説明賜っているといい調子に聞こえてくるわけですが、大蔵委員会の方の審議の議事録を見ましても、再三再四こういう問題に対しては触れて討議が闘わされているようであります。ただしかし、問題は、税というのはあくまで公正を期さなきゃいけないわけですが、数字のつじつま合わせや公正をきかしながらそれをやるということを重ねてまいりましても、実態はその中であえいで苦しんで困っている人が救われない税制であっては、これは困るわけなんですね。したがいまして、これが再三再四出ているというのは、やはりこういう実態に触れて何とかならないかという現実の問題があるからだと私は思うのです。 いま教育費にも少しお触れになったようでありますけれども、もちろん私は義務教育諸学校における教科課程にある子供たちは言うまでもありません、高校、大学に至るまで、それはやはり教育費に対しての控除をというのは、非常に声として最近とみに大きくなってきている問題ではあります。わけても、私は、夫婦が共働きで、その中で子供を育てている、その子供が一人ならず二人あって、そして保育所に預けて働きに行っている、働かなければならないこのお母さんの立場からすると、この保育料というのが控除の対象にならないかというのは、恐らくこれはやむにやまれない気持ちから出る、それは本当に強力な要求だろうと思うのです。 だから、そういう点からしますと、いまおっしゃった、いろいろな生活の上での控除というものは考えてきた、現実に年々そのことに対しては幅を大きくしていっている、中身も充実させていっているというふうなことでございますけれども、この保育料について、これを控除の対象にするということをお考えになっていただく余地はないものかどうか、そこのところをひとつお聞かせくださいませんか。
○水野説明員 同じようなお答えになるわけでございますが、こういう特別な支出、特別な費用につきましては、そのほか寒い地域では、豪雪地帯では生活費がよけいにかかるとか、あるいは物価の高いところはそれなりにまた経費がかかるとか、非常にたくさん、いろいろ個別な問題がございますので、やはり一般的な控除水準ということでどうも考えていかざるを得ないのではないかということでございますが、大変むずかしい問題でございますので、そういう中の問題として、なお検討をしてまいりたいと考えております。
○土井委員 それも検討ばかりするのでなくて、そういうふうな問題を、十年なら十年の年次計画の国内行動の中に組んで、思い切った施策を行政サイドで進めることでなければ、私は何のための十年計画かと実は言いたいのです。 大蔵省のいままでの、この議事録を見ましても、さしずめ、どういうふうな答弁が出るかと胸をはずませながら読んでみて、いつも来るのは、がっかりです。いまの税制の中から言うとそれは特別の枠になるからむずかしいの、やれ、ほかで控除は配慮されているから、特にこの問題に対しての控除をやろうとするとむずかしいの、むずかしい、むずかしいの一点張りであって、もうちょっと押すと、検討しますのまた一点張りになるのです。検討は具体的にどうなっているかというと、いつまでたったってこれは何にも出てこないのですよ。私は婦人問題というのを見ると、本当にいままで施策の中では、いろいろな場面でこの繰り返しだと言わざるを得ぬのです。 だから私は、十年計画を具体的な行動の中で示めせと言いたいのです。そのために、本当に行動できるような組織をつくることに取っ組んでもらいたいし、その中では、少なくともいま私が問題にしたようなことは、議事録を見た限りでも、大蔵委員会で再三再四出ているのです。検討する検討するではなくて、真剣にこの問題を取り上げて、できることかできないことか、できないのなら、なぜできないかということがだれにでもわかるようにはっきりさせていただきたいし、できるのなら、ひとつできる限りのところを努力をして、具体的にやろうということに持っていってもらわなければ、これは本当のところ、私は何のための討議かと言いたいですよ。一つ一つこういう問題を踏まえて、私は、ことし国際婦人年に当たって、日本がこれから国内行動として組む十年間にわたる国内行動の指針というものをはっきりさせていただきたいのであります。 そこで、事はこの問題についての終わりになりますが、六月十九日から始まるメキシコシティーに、わが国からも代表団が参っております。ただ、私はこれは繰り返ししつこく言うことは避けたいと思うのですけれども、厚生大臣の御答弁の中でもすでにはっきりいたしました。行政レベルで人事も考えられたわけです。広く民間から起用するということは考えられなかったのです。どなたが一体行かれるのか、何を持っていかれるのか、これも実は私たちによくわからなかった。私たちにわからなかったのだから、ましてや民間の婦人の方々が知ろうとなすってもなかなか知ることができなかったという実情がございます。 婦人議員団が、こんなことではならないというので、どうなんですかと言ったら、それではというので、希望者を募って、顧問団として構成をして、メキシコシティーに参加をするというかっこうになった。顧問団というと聞こえはいいけれども、実は何でしょう、私は随行者と言ったっていいと思うのです。傍聴する権利はあるかもしれないけれども、発言をする機会は全然ない。だから、自主的な判断を持ち、意欲的に取り組んで何かやりたいというふうな思いで行ったって、それはかの国際会議においては、どういうふうな状態であったかということを聞いて帰ってくるにとどまるのです。積極的に参加をするという意味から言うと、もう一つ自分の意見を持って出て、日本の実態を持って出て、こうなんだ、ああなんだということが言える立場になければいけないのではないか、そう私は思う。そこから婦人議員は全部ボイコットなんですよ。そういうかっこうにいまなっているんですね。 そこで、そういうことも踏まえまして、私は、いまこのメキシコシティーに臨まれている日本としては、先ほど厚生大臣は三つの大きな柱というのが、この国際婦人年について、特に行動の中身を見た場合に、ちゃんと国連で予定されているとおっしゃいましたが、日本としてはこの三つの柱の中の一つを優先順位を決定しなければならなくなっている。ここに私が持ってまいりました国際連合から出ております「国際婦人年世界会議」「世界行動計画」というのの十九項を見ますと、「婦人の地位は、社会、文化及び地域により広い格差があり、おのずから必要とするもの、問題点も異なってくる。従って個々の国は、独自の国内戦略を策定し、本計画の中から目標及び優先順位を決定すべきである。」と書いてある。日本としては何を優先順位というふうにお考えになっていらっしゃいますか。——いまの、何を優先順位という表現は不正確な日本語です。何を一番先になすべき問題だというふうにお考えになっていらっしゃいますか。何を優先的に取り上げてやりたいとお考えになっていらっしゃいますか。
○宮川説明員 平等、発展、平和と三つのテーマがございますが、さしあたってというのは適当な表現ではございませんけれども、まず平等問題からと、少なくとも総理府の担当者としては考えておりますが、国際会議が終わりまして、政府代表のお話も伺い、懇談会等の御意見も伺って、そこで話を決めていかなければならない問題であると考えております。
○土井委員 もちろんその中には民間人も大いに起用して、そのお考えになっていらっしゃる平等なら平等というごとの趣旨を具体的に徹底させていけるような組織、構成というのももちろん考えられるということでございますね。その辺もう一つ確認しておきたいと思います。民間人も十分に起用して……。
○宮川説明員 現在の懇談会もすべて民間の有識者の方にお願いしているわけでございまして、何か新しい働きをする場所を考えるとすれば、当然民間有識者が中心になろうと思っております。
○土井委員 その場合に、いままで民間人を起用したとおっしゃるのだけれども、政府から任命をなさるところの民間人というのは、これまたもう顔ぶれが決まっているんですわ。その顔ぶれの決まっている民間人代表というかっこうで、民間人を起用したと言っていただきたくないというのが私はやはり実感です。だから、いままでと違った行き方で、広く人材を集める、広く、あまねく人の意見をそこに反映させたいということの努力を、意欲的に取り組んでひとつ示していただきたいなと思うのです。いままでのような任用の仕方というのは、もうこの節、改めていただきたい。そのことを——具体的にはこれは各党からの推薦とか民間団体からの推薦とか、あるいはいろいろな活動団体からの推薦とか、いろいろな方法はあると思いますけれども、ひとつ画期的に今度はそういう問題についての人材を集める集め方というものを考えていただくということを、ここではっきり要求をしておきたいと思います。 さて、もう時間が来てしまいましたが、一つだけ私どうしても、これは時間的に気にかかる問題がありますから、このことについて簡単にお伺いをして私は終わりにしたいと思います。 厚生省に食品衛生調査会がございますが、食品衛生調査会の中で、御承知のとおり昭和四十八年の四月にサッカリンの一般食品への使用禁止に対して、その安全性を考えた上でと厚生省はおっしゃるのでしょうが、食品衛生調査会からこれを緩和させる答申が出ましたね。まだこれに対しての告示は出ておりませんが、告示についての御用意というのは現におありになるのかならないのか、そのあたりをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○石丸政府委員 事務的な問題でございますので、私からお答え申し上げたいと思います。 サッカリンの使用基準の告示でございますが、すでに食品衛生調査会で御審議を願いまして、答申と言いましょうか、建議をいただいておるわけでございまして、その建議に基づきまして現在所要の措置をとっておる段階でございます。ただ、この調査会の建議をいただきました際に一つの条件がつけられたわけでございまして、その条件というのが特にサッカリンにつきましては、その使用されております食品が従来のいわゆる包装食品と違いまして、たとえばたくあんあるいはしょうゆ、そういったものがバラ売りの形態で売られる食品が多いわけでございまして、そういったバラ売りの食品につきましても今後の問題として、サッカリン使用というような表示を徹底させるという付帯意見をいただいておるわけでございまして、この付帯意見を実現する方策につきまして現在いろいろ検討を加えておる段階でございますが、この方法が解決つき次第告示をいたしたいと思っております。
○土井委員 いまの御答弁では、それが解決次第とおっしゃるその中身を考えて、それが解決しさえすればそれで告示に踏み切っていかれていいのかどうか、私は大変な疑問を感じている一人であります。この具体的な詳しい中身については、私は公害の委員会に持って出て、また改めていろいろ質問を展開したいと思っておりますが、簡単に私は三点についていまお聞きしておきたいのです。 一つは、一九七二年に食品衛生法の改正案を議決をいたしました衆参両院は、その節附帯決議を行っております。附帯決議の中身は御承知のとおりですが、食品衛生調査会の役割りについて、消費者の意見を反映させること、調査会委員に一般消費者の意見を代表する者を加えること、また食品添加物については、食品添加物の使用は極力制限することというのがございますね。そのことが今回の答申に踏み切るまでに十分に考えられた上でのことであるというふうにお考えになっていらっしゃるかどうか。 それから二点目は、昨年の八月のこの食品衛生調査会の常任委員会において、疑わしきは使わずということがはっきりと認められております。その節、多数決原理というのはこの安全性の問題については適用すべきでない、安全性の問題については満場一致でなければならない、一人の反対があったってこれは疑わしいという状態になるのじゃないか、疑わしきは使わずということの原則を曲げてはいけないということが確認をされておりますが、この答申が出るまでにこの点ははっきり大丈夫であると言い切れる状態であったかどうか。 さて、三点目ですが、種々のこの安全性に対しての確認の確度がございます。今回のこのサッカリンについて、特に遺伝の問題について専門的にこれを調べ、遺伝の問題について大丈夫だというふうにこれが保証され得るような専門家の意見、あるいは専門家がこの調査会に入って、そして十分に調べた上でのことであったかどうか。 以上三点についてお答えをいただきたいと思います。
○石丸政府委員 まず最初に食品衛生調査会の問題でございますが、この食品衛生調査会に消費者の意見を十分反映させているかという御質問でございます。 御承知のように、七二年の食品衛生法改正の当時この附帯決議が行われたわけでございますが、法律そのものにつきましては、食品衛生調査会の委員は学識経験者がその条件になっておるわけでございまして、われわれといたしましては、この学識経験者の中からできるだけ消費者の意見を十分お述べいただけるような人を選ぶという方向で従来から努力をしておるわけでございます。 なお、今後の問題といたしましては、この調査会そのものはそういったことで非常に専門的な問題を論議していただく委員会でございますのでその調査会とはまた別に、何らかの形で消費者の意見を聞き取るような方法ができないものかどうか、そういった点についても検討を進めておるところでございますが、現段階におきましては、この調査会の委員を選定するに当たりまして、学識経験者の中で特に消費者の意見を十分反映できるような方をできるだけ選んでいくという方向で努力をいたしておるところでございます。 それから二番目の問題でございますが、疑わしきは使用せずということでございますが、これは調査会そのものの御審議の過程の中におきましてもそうでございますし、また厚生大臣が食品添加物を指定する際にももちろんそうでございますが、基本的な態度といたしまして疑問のあるものは使用させないという、そういった基本的な態度を堅持いたしておるところでございます。 それから二番目の問題と相関連するかと思いますが、今回の問題につきまして安全性の確認の確度いかんという御質問だと思っております。 特にこの安全性の問題につきましては、食品あるいは食品添加物というものが、現在世界各国の輸出入が非常に盛んに行われているものでございまして、そういった意味におきまして国際連合の中におきまして、FAO、WHOがこういった問題につきまして規格委員会をつくって国際的に統一をとろうという、そういった動きになっておるところでございます。もちろんサッカリンにつきましても、この専門委員会におきまして評価を受けているものでございますが、一つの問題といたしまして、ただいま先生御指摘の変異原性の問題につきまして、現在この専門家委員会におきましてもその方法論等につきましてまだ確定をいたしていないところでございますが、わが国はわが国独自の立場におきまして、この変異原の問題を、昨年評価方法をこの調査会で定めたところでございまして、本年度から従来の三百数種類の食品添加物につきましてこの新しい評価方法に基づきまして再評価をするという、こういう作業に現在取り組んでおるところでございます。
○土井委員 主婦の立場、母親の立場、女性の立場からしますと、食品の安全性というのは御承知のとおりに大変に大事な問題です。そうゆめおろそかに考えていただくわけにはいかない問題なんですね。したがいまして、いま最後におっしゃった遺伝の問題というのは、やっぱり何と言ったって気にかかるのですよ。その点に対しての解明がまだ不十分なままでおっしゃった段階で、きょうの御答弁をお伺いした限りでも、やはりこれで満足できるものではないんです。したがいまして、答申が出たから後は先ほど御答弁になった作業さえ終われば告示をするという段階にある、私は、そうやすく告示をしていただくという中身ではないということを考えているわけです。しかし、いつごろ告示についてはお考えになって、いまいろいろの作業さえ済えばということを先ほど御答弁になったのか、ひとつその点をお聞かせいただいて、再度この問題は具体的な中身は公害の委員会へ持って出て詳しくやりますから、その予告をして質問も終わりたいと思うのですが、告示についてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○石丸政府委員 変異原の問題につきましては、いろいろ御意見があろうかと思いますが、すでに一九七四年の六月、国連のFAO、WHOの専門家委員会におきまして変異原の問題について一応の評価が終わっているということを申し上げたいと思っております。 なお、告示の改正につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、その表示の問題につきましてなお現在検討中でございます。この問題につきましていつ告示できるかということを現段階におきましては答弁いたしかねるわけでございますが、なお今後慎重に検討してまいりたいと思っております。
○土井委員 これで質問を終わりますが、慎重に検討してまいりたいとおっしゃるんだから、いつも御答弁のときに慎重に検討とおっしゃることはかなり時間がかかるという中身でございますので、これもそう近日中ということではないということをひとつ確認をさせていただきたいと思います。どうですか。
○石丸政府委員 これはすでに調査会におきまして御答申、建議をいただいておる問題でございまして、そういった点につきましては今後審議会において検討するという問題ではなかろうと思っておるわけでございまして、そういった意味におきましては、ただいま先生御指摘のような非常に長い時間を要するという問題ではなかろうと考えております。
○土井委員 そうすると近日中ということですか。
○石丸政府委員 近日中ということでもございません。
○土井委員 それはわけがわからぬですね。やはり一定の告示に対して取り組む姿勢としてどういうものであるかということを先ほどおっしゃったわけですから、それをおっしゃる以上は、一定の出す時期はいつぐらいということを考えた上での御検討であろうと思うのですよ。だからそのことについてはあらましおっしゃっていただいていいのじゃないでしょうか。やはりいまこの答申に対して確信がおありになるんだったら、告示についてもあとその作業さえ済めばできるという問題なんでしょう。答申について中身をもう一度再検討ということだったらそうはいかないだろうと思うのです。だからそこのところをどう考えていらっしゃるかということを私はお伺いきする意味も含めて、一体近いのか、それともそう近い日には出せないということでいらっしゃるのか、少しその点はっきりしてください。
○石丸政府委員 先ほどから御答弁申し上げているとおりでございまして、すでにその毒性の評価につきましては建議をいただいておる段階でございます。ただ、その際つけられました附帯決議のうち、表示の問題につきましては、たとえばバラ売りの食品といいましてもいろいろまた問題があるわけでございまして、たとえばそういったサッカリン入りのしょうゆを使用いたしましてつくった食品をバラで売るというような場合に一体どういう表示の方法があるか、あるいは従来の包装食品につきましての表示の責任というものは、これはそういった食品の製造業者というものにその表示の責任を課せられるわけでございまして、比較的大きな業者でございまして、わりにその表示の義務を守るというような点があろうかと思うわけでございますが、今回のバラ売りの食品について申し上げますと、その表示の責任というのは非常に零細な小売り業者の方にその責任を課すというような問題もございまして、そういった点につきましてなおかつ現在慎重に審議を行っておる段階でございます。
○土井委員 これで終わりますが、もちろん零細業者にいろいろとしわ寄せが行くということ、これはもう断じて認めるわけにはいかない問題です。けれども、基本的にこの安全性に対しての確認というのが果たしてこれでいいのかどうか、問題はそこですよ。それからいたしまして、もうすでに答申も出ていることだし、食品衛生調査会の方でもその問題に対しては審議をしてもらったんだからということで、果たしてそれを告示の方向に持っていく作業さえ済めば告示として出していいのかどうか、この問題非常にひっかかってくるところです。まさにそれは毒性に対しての検査が純枠に行われるのなら何をか言わんや、非常に政治的な意味を持ってそれが動いているということであってみれば、私はこれは大変な問題だと思っていますよ。今回のサッカリンについては、もうだれしも公然と知っているところです、この問題は。 ひとつ時を改めまして私は公害の委員会に持って出てこの問題をやるということの予告をここで申し上げて終わりにしたいと思います。ひとつそういう意味も含めて、この作業が終われば告示さえ出したら済むのだという安易なお取り組みでこの問題を取り上げていただきませんように重ねて申し上げて終わりたいと思います。 終わります。
○竹内(黎)委員長代理 次回は来る十七日火曜日午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十五分散会