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75回国会衆議院1975/04/15

社会労働委員会 第12号

発言数
168
登壇者
8
会派数
4
開催日
1975/04/15

会議録

大野明自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  作業環境測定法案を議題といたします。  まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。長谷川労働大臣。     ————————————— 作業環境測定法案     —————————————

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 ただいま議題となりました作業環境測定法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  作業環境の測定は、有害な業務を行う作業場につきその空気環境その他の状態を正確に把握し、労働者の健康にとって適正な作業環境を確保するために行うものでありまして、労働衛生対策の基礎となる重要なものであります。このため、労働安全衛生法では、一定の有害作業場について定期に作業環境の測定を行うことを事業者に義務づけているところであります。  ところで、作業環境の測定は、作業環境中の微量の有害物について行うものであり、そのための十分な知識と特殊な技術とが必要であります。  このため、労働省では、適正な作業環境測定を確保するための法制の整備が必要であると考え、それに関する構想を、昨年二月中央労働基準審議会に諮問いたしましたところ、同審議会から適当である旨の答申をいただきました。  その結果に基づいて、作業環境測定法案を作成し、ここに提案した次第であります。  次に、この法律案の内容につきまして概要を御説明申し上げます。  第一は、この法律の目的であります。  この法律は、労働安全衛生法と相まって、作業環境の測定に関し必要な事項を定めることにより、適正な作業環境を確保し、もって職場における労働者の健康を保持することを目的としております。  第二は、作業環境測定士及び作業環境測定機関についてであります。  作業環境測定士とは、労働大臣の登録を受け、事業場における作業環境測定の業務を行う者をいうものとしておりますが、この登録を受けるには、作業環境測定士試験に合格し、かつ、所定の講習を修了することを必要とすることにより、作業環境測定の能力の公的な担保を図ることとしております。また、作業環境測定機関とは、登録を受け、他人の求めに応じて事業場における作業環境測定を行うことを業とする者をいうものとしておりますが、この登録を受けるには一定の基準に適合していることを必要とするとともに、登録を受けた作業環境測定機関について所要の監督、指導を行うことにより、その業務の適正化を図ることとしております。  第三は、作業環境測定士等による作業環境測定の実施についてであります。  事業者が、労働安全衛生法の規定により作業環境測定を行うことを義務づけられている作業場のうち一定のものの作業環境測定を、みずから行うときはその使用する作業環境測定士に、他の者に委託して行うときは作業環境測定機関に、これを実施させなければならないこととしております。  その他この法律案におきましては、指定試験機関、指定講習機関等につきまして所要の規定を設けることとしております。また、その附則において、施行期日につきましては、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとし、作業環境測定士または作業環境測定機関による作業環境測定の実施の義務づけその他については公布後二年または一年以内で政令で定める日から施行することとする等所要の規定を設けることとしております。  以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     —————————————

大野明自由民主党

○大野委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金子みつ君。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 ただいま御説明のありました作業環境測定法案の関係でございますが、初めに伺いたいと思いますことは、この法律をどうしてもつくらなければならないとする背景と申しますか、基本的な理由でございますね。そして、それが施行、実施ということになった暁に、どのような効果と申しますかメリットがあるのかということを、まず大臣から伺わせていただきたい。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 それではお答えいたします。  御承知のように、最近は職業性疾病問題がとみに重視されている状況にありますので、これが予防のためには作業環境の改善を強力に進めなければならないと考えております。そういうことをするためにはどうしても作業環境の実態をまず正確に把握するための適正な作業環境測定の実施が必要でありまして、しかも、作業環境の測定につきましては特殊な技術が要ることは御承知おきのとおりです。  そこで、こうした問題を解決するためには、作業環境測定に関する基準を明確にして義務化することが第一。第二番目には、この基準に従って千差万別の事業場に対しまして適切なデザインあるいはサンプリング、分析を行う能力のある者の資格づけをやりますとともに、その利用を義務づけることも必要であろうと考えます。  こういう見地から新たに作業環境測定法を制定することにしたものでありまして、その効果につきますと、作業環境測定法が施行されますと、測定の困難な作業場の測定を専門技術を持った測定士が行うことになりまして、正確な測定が期待ができまして、ひいては職場の労働衛生対策になることは当然でありまして、そういう測定機関を育成するような万全の措置をとってまいりたい、こう思っておりまして、結局するところ、測定の結果につきましては、局所排出装置の改良とか作業方法の改善、あるいはさらに快適な職場の形成等を行うことに非常に役立つものでなかろうか、こう考えているところであります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それでは基本的な私の疑問を少し申し上げてみたいので、当局から御返事をいただきたいのですが、その一つは、この法律は一条に「労働安全衛生法と相まって、作業環境の測定に関し」云々というふうに、最初の条文のうたい出しがそういうふうになっております。それからまた労働安全衛生法を見ますと、これまた同じような言い方で「労働基準法と相まって、」という書き方が最初にしてあるわけでございますね。そうしますと、これらの法律はどれもこれも労働安全衛生に関する一連の関係法令だというふうに考えることができると思うのです。そうしますと、ことに今度決めようとしていらっしゃる作業環境測定法というのは、労働安全衛生対策の中の一環というふうに考えることができるんじゃないかというふうに思います。さらにそれを詰めて言えば、労働安全衛生そのものの範疇に入るというふうにも考えられると思うのでございますが、そうだといたしますと、そういうふうな考え方でこの法案をずっと拝見してみますと、いろいろなところに、非常に多くの場所に、この法案で規定されている事項が、労働安全衛生法に基づいて行われてこういう条文がつくられるとか、あるいはその労働安全衛生法に準拠してこのようにするとか、あるいは労働安全衛生法の何々条を準用してというふうな言い方が非常に多いわけですね。そういうことを考えますと、この法案を単独法でつくるという理由についての意味がわりあいに少なくなるのじゃないかというふうに考えられるわけです。  それで、いま大臣からこの法案をおつくりになる背景なり何なりを伺ったわけでございますけれども、こういう非常に似通った法案ですから、幾つも幾つもつくることの煩瑣ということを考えますと、やはりこれは労働安全衛生法の一部改正とかあるいは追加補てんですとか、どういうふうな言葉になるかわかりませんが、いずれにしましても、この労働安全衛生法というものが労働基準法の中から安全と衛生に関する部分を抜き出した法律ですね。ですから、その中に、その範疇に含まれてしまうような性格のものなら、別個に法律をつくらなくても、その親の法律である労働安全衛生法の中で私は操作ができるんじゃないだろうかというふうに考えるんですけれども、これは素人考えかもしれませんが、どうして単独法にしなければならないのかということについて、私、納得できないので御説明願いたいわけです。前回、たしか昨年七十二国会で、やはりこの委員会で同じ趣旨の質問が出ているわけですね。そして、そのときの御答弁を私は議事録から一生懸命読んでみたんですけれども、その御答弁では、やはり単独法にしなければならないという決定的な理由が見つからないんですね。まああってもいいだろうというふうにはなりますけれども、どうしてもつくらなければならないというその理由が見つからないわけです。その辺をもつ一遍ちょっと御説明願えませんでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 御指摘のように、この法律は労働安全衛生法に根拠を置いているといいますか、準拠いたしましてつくられているものであることは事実でございます。それを単独法にすべきか否かという絶対的な基準は、これはないとは思います。先生の御指摘のようなお考えも、これはもちろん成立するとは思います。  ただ、われわれがこういう形で単独法を出しましたゆえんのものを御説明いたしますると、まずこの法律で考えております作業環境の測定ということは非常に技術的である、非常に手続的な問題を含む、そういうことを一つの分野としてまとめ上げますると、その条文の数がかなり多くなってまいります。なお、こういう形で単独法にするということを考えました一つの考え方の裏には、法律をこういう形で打ち出すことによりましてこの問題の重要性、社会的な認識の深まり、こういうものも高まってくるのではないだろうかというふうに考えるわけでございます。いずれにしましても単独法にすることによって問題をきちんと整理し、徹底しながら作業環境の測定ということに進んでまいりたい、こういう趣旨でございまして、結局のところ、先生いま御指摘のように労働安全衛生法の姉妹法的な関係になることは事実でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 やはり同じような御答弁で、同じには違いないんでしょうけれども、そのいまの御答弁では、私が考えますのには、最後におっしゃった一般の認識を喚起するというようなことですね。これは、一般と申しましても関係者だけしかわかりませんね。それこそ一般住民なんかにはわかる問題ではないので、普及されるような問題でもないから、関係者の間では注意を喚起するという意味では意味があるというふうには思えないこともないんですけれども、それだってやはり単独法にしなければならないという決定的な理由にはならないと思うのです。まして条文が多いとか手続上の問題とかという理由がありましたけれども、それは私はこの法律を拝見して、こんな細かいことまで法律で決めるのかなと実はびっくりしたくらいで、そういうのは省令や政令の方に持っていくことができる中身がかなりあるように思うわけですね。それを一々法律そのものにうたい込んでおかなければならないというその理由がどうしてもわからない。ですから、これを政令や省令の方へ譲るということを普通の法律だったらするのじゃないかと思うのですけれども、それをしないがために法律として一つの形をなすぐらい中身がたくさんある、こういうことになるのじゃないかと思いまして、法律をつくるためにあえてやっているような感じがするのですが、どうでしょう。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 私どもも、法律を数多くつくることが能あることではないというふうに考えます。ただ、いま御指摘のように、これで政令部分もかなり取り込んでおるのじゃないかというお話でございますが、あるいはそういうものもあると思いますが、何せこの程度のことでございましても、さらに政令とか省令がこれから出てくるようなそういう複雑で技術的な問題になってしまいまするので、繰り返すようでございますが、やはり単独の法律にして、世の中のこういう作業環境の測定というような問題について従来認識が非常に薄かったわけでございますので、その認識を喚起するという点からも、私ども、こういう形で法案を成立さしていただくのが必要ではないか、また効果があるのではないか、かように考えるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 その議論はいつまでやっていても平行線になるのだろうと思いますからこのくらいにしておきますけれども、つくることはもちろん間違いではないし、こういうことを規定することは大変に結構なことだと私も思います。     〔委員長退席、葉梨委員長代理着席〕 ですけれども、単独法にするほどの内容を持っていないのにわざわざ一つの法律をつくるということは、やはり少し要らざることになるのじゃないかしらというふうにいまでも考えておりますが、御答弁いただきましたから、そのままにしておきます。  そこで、続いて内容のことで少しお尋ねしたいことがございます。  この法律は作業環境測定士という一つの専門家の資格を決めようということになっているようでございますけれども、それをするのに国家試験制度を使っていらっしゃいますね。試験によって資格を認めようという制度のように拝見したのですが、国家試験というのはどういうものなのか、国家試験の概念というのをちょっと教えていただけますか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 国家試験の定義といいますか、そういう学問的なことは別といたしまして、私どもは、こういう作業環境測定士という者が実際に作業場、事業場で作業することになれば、それが一定の水準の技術を持っていること、それからその人たちがやったお仕事、結果というものが適正、公正であることということが担保されなければいけないと思うわけでございます。そういう観点から、やはり一定の試験制度ないしは資格制度ということを考えたわけでございまして、これは国家試験なりあるいはそれに準ずるもの全体にわたる考え方ではないかもしれませんが、私どもはそういう観点から国家試験ということを考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そうしますと、国家試験に合格して資格を与えられて登録した人に対しては、国が責任を持つということになりますね。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 その限りにおいてそういうことでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そういたしますと、今度のこの法律で、国家試験の取り扱いなんでございますけれども、十四条で「試験は、労働大臣が行う。」と明記してございます。それからその次に、二十条で「労働大臣は、申請により指定する者に、試験の実施に関する事務を行わせる。」という条文がございます。それ以下、指定試験機関というものについての規定がずっと並んでいるわけでございますね。それから三十一条に行きますと「労働大臣は、指定試験機関が第二十九条第一項の規定により試験事務に関する業務の全部若しくは一部を休止したとき、」たとえば試験機関が試験をやらないときとかあるいはその業務の停止が命じられたときとか、とにかく試験機関がいろいろな理由でもって試験事務をすることが困難になった場合に、国がみずからこれを行う、こういうふうになっているわけでございますね。  それで、私は認識不足なのかもしれませんが、ちょっと不思議だなと思っておりますのは、国家試験というのは、最初に明記してありますように国が直接行うのが国家試験なんではないだろうか。その国が行わなければならない試験なのに、最初から国がすると言っておきながら二十条で試験機関にやらせる。試験機関ができなかったときに国がやるのだ。何か本末転倒のような感じがするのですね。国がみずからやるのがあたりまえなんで、それが非常におかしなかっこうになっていると思うのですけれども、そこら辺の説明をはっきりさせていただきたい。日本には、ほかに国家試験制度はたくさんございます。そのほかの資格試験制度、たとえば医師ですとか看護婦ですとか、国家試験制度でございますが、この国家試験制度のあり方と比べてどう違うのか、ほかの国家試験はどうやっているのか、それをぜひ教えていただきたい。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 いまお話がございました国家試験を国が行うというたてまえの中で実施機関を民間の指定機関に任せているという問題でございますが、先ほどもちょっと触れましたように、この作業環境測定という問題はすぐれて専門技術的なものでございますので、その専門技術的なことを試さなければいかぬ。それから、有害物質あるいは作業環境の数、これは非常に多いわけでございまするので、勢い受験者の数も相当多数になってくると思います。そういうことでございますので、私どもは、国が行うことと実施する、それを実際に行うということを分けまして、ただし試験の公正な実施が担保されるという条件を整備した上で民間の機関に行わせるということを考えたわけでございます。そして、その試験の公正を担保するため、ただいま先生ちょっとお話があったかもしれませんが、いろいろの規制を加えております。たとえば、所定の指定基準に合致した試験を行うこと、あるいは全役員の選任、解任について労働大臣の認可にかかわらしめていること、役員または作業環境測定士がこの法律等に違反する行為をしたときには、労働大臣は指定試験機関に対しその解任を命ずることができること、というようなことを担保いたしまして、国の責任において行うわけでございますが、実際にそれを実施するのは、指定機関にただいまのような公正が担保できるような形を十分整備した上で行わせる、かように考えておるわけでございます。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 同様な制度が他にあるかというような御質問につきましては、一つは、船舶職員法に基づきまして小型船舶の操縦士の資格試験を運輸大臣が行うことになっておりますが、試験事務はその指定試験機関が行うように定められております。それからまた、旅行業法によりまして旅行業務取扱主任者試験というのがございます。これは運輸大臣が試験を行うことになっておりますが、実際の試験事務は旅行業協会が行うというような、他にも例がございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そういたしますと、国家試験にもいろいろなレベルがあるみたいな感じになりますね。先ほどの御説明の中に、たとえば専門技術的なものを試さなければならないとかいうお話がございましたけれども、これは何も指定機関に委託しなくても、国が直接行う場合にでも、専門家を試験委員に委嘱してそして専門的な知識並びに技術を試すことは十分できるわけでございます。医師国家試験においても看護婦国家試験でもそれは実施しているわけです。  数が多いというお話ですけれども、どれぐらい数が多いのかわかりませんけれども、何人ぐらいでございますか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 さしあたり、二年間の猶予期間に約一万名程度の測定士を養成したいと考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 一万名をしたいとおっしゃるのは予測、推計ですね。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 現在この法律の適用のある事業場の数、規模等からしまして、大体一万名程度の測定士が事業場内それから測定機関に必要であるということで、とりあえずこの猶予期間の間に少なくともその程度の測定士を確保しなければならないと考えておるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 数は、私は国家試験を実施する場合には問題にはならないと思います。これはほかの国家試験でも実施いたしておりますし、これは試験の技術的な取り扱いですから、やり方によっては幾らでもできることだと思いますから、数が多いからというのは私は理由にならないと思います。  それから、専門的技術を試すために、国がみずから行うのでなくて指定機関をした方がいいというのは、私は国の権威をむしろ失墜しているような感じがするのでございますけれども、それはそういうふうになりませんでしょうか。国家試験だから国が直接実施するのが当然であるのに、指定機関に委嘱する。先ほど幾つか例を挙げてくださいましたけれども、そうすると、こういうのは、たとえば国が直接国家試験を実施しているそのほかの資格試験の場合に比べれば水準が下がるとでもいいますか、何か全く同じ見識で行われてないというふうにくみ取れるのですが、そう理解してよろしゅうございましょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ほかと比較して云々ということは別でございますが、国家試験を国が行わないで指定機関に行わせているということは、国がみずからの権威を下げているのではないかという御指摘であるとすれば、先ほどもちょっと申し上げましたように、試験を行うに当たってはやはり所定の指定基準というものがございまして、その指定基準に合致するような形で試験をやらせる、こういうことでございますので、別に国がそのみずからの権威といいますか技術水準についてあきらめて指定機関に任せたというわけではございませんが、より万全を期し、より効率的にするためには、国がみずから行うこともさることながら、やはり専門的な団体に任せて試験をやらせた方がいいんじゃないか。もちろん、そうなりますといろいろ弊害とか曲がった結論が出るといけませんので、先ほど申し上げましたような、いろいろそういうことのないような担保を図りつつやりたい、こういうわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 まあ御説明はございますけれども、国が直接実施する試験と民間施設に委託してやらせる試験、それはどんな厳しい基準をおつくりになったとしても、やはり国が直接実施するということに比べれば問題は起こり得るというふうに推定できると私は思うのです。ですから、どうしてこの法律で国が直接するということを決めておきながら、最初から国がやらないで指定機関などにやらせるという方針をお出しになったのか、その理由が私には納得できないのですが、なぜそういうふうに初めから決めておしまいになったのですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 先ほどからの繰り返しで恐縮でございますが、やはり膨大な数の試験ということになりますと、それは国がみずからの責任において行うには違いございませんが、実施機関を一つのしっかりしたものに任せて、それによって公正を期した試験をやった方がよろしいという判断がございましたので、かような法案になったわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 御説明はわかりました。そのように労働省ではお考えになったんだそうでございますが、私はやはりそれは逆であって、おかしいというふうにしか考えられないですね。国家試験というもののあるべき姿を非常にゆがめているというふうに感じられます。ですから、その程度でも構わないということでおつくりになったのだなというふうにしか理解ができなくて、大変に残念だと思います。  その次に、いま一つ基本的に疑問がありますのでお尋ねしたいのですが、それは三十六条、三十七条、そのあたりの条文に載っておるのですが、日本作業環境測定協会という団体のことが規定されているわけでございまして、私はこのことが本当に理解ができないので、私の理解ができるような御説明をいただきたいのです。  それは何かと申しましたら、これは法人でございますね。「民法第三十四条の規定による法人」と、こういうふうになっておりますから、これは法人です。法人である団体をなぜ国が法律で決めなければならないのかということがまず基本的にわからないのですけれども、国の機関ではもちろんございません。民間の団体でございますが、その民間の団体をつくることを規定したり、その民間の団体に測定機関が参加することを奨励したり、しかもその団体は日本でただ一つでなければならないというような厳しい規定をしたり、あるいは名称を制限して、そしてほかにこれに似た名前を使ってはならぬとか、民間の団体に対してこの法律でそんなことを決めるということは私はどうしても理解できないのですけれども、その辺、御説明いただけませんでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 作業環境の測定が適正、円滑に行われるということがこの法の本来ねらっているところでございますが、その測定士が相互に集まりまして、いわば品位の保持といいますか人格の研さんといいますか、さらには時代の流れに即応した測定技術の研さんということをやることが一般論として望まれるわけでございます。そのように考えますと、そのため、そういうことを行う団体を設立することができた方がいいのじゃないかということが一つございます。  それから、ただいま御指摘のように全国で一つの団体ということでございますが、このような目的を持った団体が幾つも幾つもできることよりは、全国一つの団体によって目的を達成する方が効果的であり、またその運営も円滑にいくのではないかというように考えたわけでございます。そこで、全国一つの団体ということになりますと、日本作業環境測定協会という名前を用いるのもこの団体だけにした方がよろしいのではないかというような問題から、法律にただいま御指摘ございましたような規定を設けた次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 なぜ法律で決めたわけですか、それが知りたいです。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 先ほど申し上げましたように、やはりこういうものは全国一つ、ないしは相互に研さんし合うような、こういう形のものが望ましいし、つくるならばこういう形でつくってほしいという、そういう観点からいろいろの規制を設けながら、私申し上げましたようなことが実現できるような形の規制をした。つまり、一つの団体で運営を円滑にやって、相互の研さん、相互の技術研摩ができるようにということが図られることを希望いたしましてこういう法律の規定をつくった、こういうわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 技術者たちが、あるいは専門家たちが自分たち相互の技術を研さんしたり、あるいは勉強、研究し合ったり、あるいは親睦を図ったり、あるいはその業務の発展に努力したりというようなことは、それぞれがやることでございますよ。何も国に言われて、こういう団体をつくりなさい、そしてこういう団体はこういうことをするところであるなどということを、いまさらイロハのイのようなことを国が世話をする必要はないんじゃないでしょうか。言うなれば要らざることだというふうに、言葉は悪いですけれども私どもは考えます。それはそれぞれの専門家たちが自分たちの組織というものはちゃんとつくって、そして自分たちで自主的にそういうことはやっていくのがいまの行き方でございますと私は思うわけです。たとえば医師法の中にそういうことは書いてありません。保健婦助産婦看護婦法の中にもそういうことは書いてございません。すべて全部団体を持っております。自分たちでつくって、自分たちで研さんしてやっております。国の決める法律の中で一々団体をつくることまで命じていたのは、戦時中につくられた法律や規則にはございました。そして、資格を取った者は直ちにこの団体に加入することというような条文がございましたのは記憶いたしております。そういう強制加入に等しいような——強制という言葉はとこにも書いてありません、指示と書いてあるのですが、指示と命令とはどれくらい違うのか知りませんけれども、そういう強制加入じゃないとおっしゃるかもしれませんけれども、私は、民間の団体のことまで法律でこのようにいろいろと規定するというのはまことに要らざることだと思います。前回の委員会で島本委員は、懇切丁寧な法律だというふうに大変皮肉っておっしゃっていらっしゃいましたけれども、私は懇切丁寧よりは行き過ぎているんじゃないかしらんというような感じがいたしますが、いかがでございますか。民間の団体にそんなに介入していいんでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 介入ということではないつもりでございますが、ただいま御指摘のこの法律の三十六条にも「全国を通じて一の日本作業環境測定協会と称する民法第三十四条の規定による法人を設立することができる。」こうなっておるわけでございまして、これを強制するとか、そういう性質のものでないことは御指摘のとおりでございまして、実はこれに似たような規定が、労働安全衛生法の八十七条で日本労働安全衛生コンサルタント会というのがございまして、その形にならったといいますか準拠したといいますか、そういうわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 この労働安全衛生法の中の八十七条のコンサルタント会、これは現存してないそうですね。私はこの法律を読んだときも、これはとんでもないなと思っていたのです。思っていたのが、またここにもう一つの同じようなことが新しくできようとするので私は非常に心配だと思っているわけなんです。事実上このコンサルタント会は現存していないそうでございまして、その現存してない理由はどういうところにあるのか、お調べになっていらっしゃるかどうかということもお尋ねしたいと思うわけです。それが一つ。  それから、この法文では「設立することができる。」と書いてはありますけれども、これは法律用語ですね。すべてに大体そういう言い方をしてある。「することができる。」——しないでもいいのであろうかと思うと、実はこれはするように、こういうことに行政指導が行われるというのがいままでのあり方でございますから、「することができる。」というのは条文で逃げているだけであって、これをつくらせるという御趣旨がおありになるんだと思うのです。だから名前まできちんときめて、そうして類似した名前を使ってはいけないとか、たった一つであるとかというような厳しい規定をしていらっしゃる。厳しい規定のように見えますが、別の角度から見ますと、これを庇護し保護して、こういうものを何とかして助けて守っていこうとか、大変結構だと思います。いい意味ではいいと思いますが、別の意味から言いますと、何か別の意味のつながりがあるんじゃないだろうかというような憶測もできないわけではないので、非常に不明朗な感じがするのですが、その辺はっきりと御説明いただけませんでしょうか、

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 第一点のコンサルタントの会の方でございますが、これはコンサルタント制度が発足してそれほど日時がたっておりませんので、現在こういう方ができつつある段階でございますので、まだこの会ができておらないということでございます。裏返して言いますと、先生いま御指摘のように「することができる。」というふうになっておっても、現にできてないという事実もございますし、設立するものとするというわけではございません。もちろん、それは一つの希望なり、こういうふうにしたらよろしいのじゃないかということを私どもも考えてはおりますが、やはり「することができる。」はあくまでもすることができるでございまして、そういうぜひつくれとか強制にわたるようなことを考えておるわけではございません。他の団体をつくることはもちろん妨げるわけではないわけでございます。  繰り返して申し上げるようでございますが、こういう協会ができまする一つの問題点としては、先ほど技術水準の研摩というようなことを申し上げましたが、やはり新物質や新技術、こういうものがどんどん進展いたしますし、測定の基準というものも、あるいは測定の指針というものも新しく変えていかなければならぬということになりますと、こういう団体が、こういうものをこなしていただくという点からやはり必要にはなってくることは事実でございます。しかし、いずれにいたしましても、他の団体をつくることを妨げるわけではございません。「設立することができる。」こういう次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それじゃ、できなかったらどうするわけですか、できなかった場合。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 全国的な協会ができない場合、たとえばコンサルタント会が現在できておらないわけでございますが、できない場合には、やむを得ないということになりますか、設立することができるでございますか、法律的な観点から言うとそういうふうになるわけでございます。  ただ、いま申し上げましたように、ここでは一つの考え方が出ていることは事実でございますので、そういう新しい問題の展開に当たって、こういうところができれば、国としても非常に効果的な行政が展開できるということを希望するわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そうすると、できれば効果的な行政ができると期待なさるわけだけれども、もしできなかった場合には、国の期待していらっしゃるような効果は上げられない、上げることは困難であるというふうになるわけでございますか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 その限りにおいてはそうでございますが、その際には、また別途の問題、あるいはほかに団体ができておればその団体を活用しながらやる、いろいろの方法はあると思いますが、それはその段階において考えなければならぬ、かように考えます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 大変細かくて恐縮ですが、それなら、これを一つに限らないということを先ほどおっしゃいましたね。別のものができてもいいというふうにおっしゃっていた。そうすると、名称制限することも、必ずしもそうでないというふうに考えていいわけですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 他の団体ができることを妨げないというのは、こういう名称を使って全国一つの団体ができることは効果的であるので、そういうものをここで規定したわけでございますので、そうなれば、やはりここで書いてございます「日本作業環境測定協会」というものは全国一つ、全国一本の協会に限られるわけでございまして、ほかにできたものについてその名称を使うことは許されない、こういうことでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そうすると、やはりこの団体を一つつくることについて非常に固守していらっしゃるわけですね。ほかの名前を使ってはいけない、このたった一つの団体ができることを希望しながらつくっているということなんですが、できなかった場合には別の団体が幾つかできる可能性がありますね。それぞれが研さんをしながら非常に技術を高めていい活動をするということだってあり得るわけですね。国の趣旨に沿わないで一つにならなかった、たとえば二つできるかもしれません、いい団体が二つできて、お互いに研摩、研さんし合いながら進められているということだってあり得るわけでございますね。そういう場合には、どちらにもこの名前は使わせない、それから、どちらもこの法律の条文にのっとっていないのであるから、国としては特に援助もしないし何もしない、こういうようなことになるのでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 援助云々は別といたしまして、ただいま先生御指摘のとおり、全国一つの協会に対する、一つの団体である場合にこの名前が使われるわけでございまして、それ以外についてはこの名前は使えない、こういう法のたてまえになっております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 どうもすっきりしないですね。どうしてもこれをつくってやりたいというような気持ちがおありになるようで、そこら辺がどうもすっきりいかないと思います。まあしかしこれ以上お尋ねしても私の納得できるお返事がいただけないと思いますから、質問は先に進めたいと思います。  お尋ねしたいのは、労働安全衛生法の六十五条の規定がありますね。「空気環境その他の作業環境について必要な測定をし、及びその結果を記録しておかなければならない。」という条文がございますね。この六十五条の条文が、昭和四十七年に労働安全衛生法ができたときに規定されておるわけなんですけれども、今日までの間、一体この条文は実施されていたのですか、いなかったのですかということです。そして、もし実施されていたとすれば、だれが測定をしていたのですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 それはもちろん実施されているわけでございますが、私どもの把握したところによりますると、自社、つまり自分の会社で測定をしているというところと、ほかに委託して測定をしているところ、こういうふうになるわけでございます。自分の会社で実施しているという場合には、衛生管理者が行っているものが二五%、それから技術者が行っているものが四八%というふうに相なっております。  いずれにいたしましても、こういう測定はなかなか技術的にむずかしい問題がございまするので、私どもも測定の指針をつくりまして、この測定を進めてきたわけでございますが、ただいま御指摘のように、労働安全衛生法制定以来、これをしっかりやらなければいけないということで、一斉の監督指導等を行いまして、その励行に努めているところでございます。しかしながら、やはりこれは必ずしも十分行われているとは言えない状況にございまするので、一方で監督指導を強めてまいりますとともに、まさにこの法案の成立を期してその辺をしっかりやっていきたい、かように考える次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いまのお話で、自社でやるのは衛生管理者だとおっしゃっておりました。それはわかりましたが、委託した場合の技術者というのはどんな技術者だったのでしょうか。計量測定士かなんかだったのでしょうか。四八%もやっていますよ。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ちょっと私の答えが正確ではなかったかもしれませんが、各事業場における作業環境の測定は、自社の測定と委託測定とがございます。それがほぼ半々ぐらいでございます。自社で測定を実施するのが、衛生管理者が行っておるものが二五%、それから技術者が行っておるものが四八%程度ある、こういうふうに申し上げたわけであります。ちょっと正確ではございませんでしたけれども……。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 その技術者がわかりたかったのです。いまの御説明ですと、自社の中の技術者ですね。委託と自社とが半々で、その半分の中の自社の方は、一つが衛生管理者、そうしてもう一つが技術者、こういうことですね。その技術者というのは何でございますか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 これは会社によりまして、化学系統の学科を修めた分析技術などの技術を持った方がいるわけでございますね。そういう方がやられておるのが多いと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そうすると、そういうふうにいままでやってきていて何か不都合があったのでしょうか。そういうことはおつかみになっていらっしゃいますか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ただいま申し上げましたように、そうはやっておったわけでございますし、また測定指針などつくったわけでございますが、なかなか徹底されていない向きがございます。参考までに申し上げますと、昭和四十八年には、労働安全衛生法が施行されて後、特定化学物質等における作業環境測定に関する違反の率が六割前後ございます。これも不都合と言えば不都合でございます。いろいろむずかしい問題があってこういう状況になっておる、したがって、一方で監督を励行すると同時に、この法案が成立したらきちんとそういうところをやらせていきたい、かように考える次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 大変にいろいろと専門的な技術があるということもわかります。それで、そのための技術者をつくろうという考えは、私は別に反対するつもりはないのですけれども、わざわざこの法律で新しい人をつくり出さなくても、従来それと非常に似通った仕事をしてきている技術者がいるわけでございますね。各企業体の中にもおりますし。ですから、たとえば衛生管理者にしても、いまお話のあった化学分析のできる技術者がいるといたしましたら、そういう人たちにその不足する知識なり技術なりを補って、そしてこの法律で言う作業環境測定士というものをつくり出せばいいんじゃないでしょうか。そうすれば、新しくつくり出す作業環境測定士よりももっと広い知識を持った人たちが基底になりますから、結果としてはより有能な専門技術者ができるというふうに考えることができると思います。  なぜかと申しましたら、目的としては、単に有害物質の測定のための知識と技術だけというのではなくて、そこに働いている労働者の人たちの健康を守るためにできているはずでございますから、そうすれば、その人体に及ぼす影響というようなものがちゃんとわかっていなければならないし、それがどういうふうに生理的に作用を及ぼすのかということなんかも理解できなければ意味がないと思いますね。そうすれば労働者の健康管理と結びついてくるわけだと思うのです。それをこの部分はこの人、この部分はこの人というような技術の細切れでは、人間というものの健康管理はできないと思いますので、そういうふうに考えられた方がいいんじゃないかということが一つです。  それからいま一つの考えは、そう考えていけば大体において企業内でできるわけですね。よそへ委託する必要はありませんね。そうなりますと経済的にも事業場は助かる。これは委託すればお金がかかるわけでしょう、ただで外の団体に測定してもらうわけにいかないわけですからね。その費用だってかかるわけだと思います。ですから、そういう意味で一挙両得ということになるわけだと思うのですが、そういうことはお考えになっていらっしゃらなかったんですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 現在ございます衛生管理者、御指摘のように、ただ測定ということではなくて、広く働いている労働者の健康管理について関心を持ち、勉強している方々がおるわけでございます。したがいましくそういう方がここで言う作業環境測定士になるということが望ましいことは当然でございます。また、いま御指摘のように、経済的な面においてもその方がより効果的であるということが言えると思います。  ただ問題は、作業環境を測定するというその仕事自身が、非常に技術的でありあるいは専門的でございますので、そういう方々がなっていただくことが望ましいということを前提にしながらも、やはりこれはまた別個の試験なりそういうものを考えていかなければいけないという要請がございます。そこで、そういうことを両方かみ合わせますと、試験等について、やはり衛生管理者が修めているものが生きるような、そういう形の試験科目等の免除というふうなことも考えてまいりたい。  繰り返して申し上げるようでございますが、こういう衛生管理者等の方が測定士を兼ねるといいますか測定士になることは、私どもも歓迎するところでございますし、そういうことができるような形を何とか調整していきたい、かように考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そういうことでございましたら、どれくらいの作業環境測定士が必要かという需要供給の計算もお立てになると思うのですけれども、その場合に、いまお話しの衛生管理者その他の技術者がどれぐらいそれに参加するだろうというようなことも計算はお済ませになっていらっしゃるでしょうか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 そこまでは細かく計算はしておりません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 衛生管理者は何名おりますか。——それでは数字を探していただいている間に、関連の質問をさせていただきます。  労働安全衛生法の中には、労働安全に関するコンサルタント、それから労働衛生に関するコンサルタントというものがございますね。それから総括衛生管理者というのもおりますね。これらの人たちは、言うなれば、そういう名前がついているわけでありますから、それらの人たち、衛生管理者の人たちあるいは安全管理者の人たちの指導助言、そういうことをする立場にある人だと思うのですが、今度新しいこういう規定ができまして、新たな職種が加わることになりますね。いままでいなかった人が加わるということになりますが、その人の問題についてもやはりコンサルタントの人はその役割りを果たさなければならないはずだと思います。ですから、そうなりますと、このコンサルタントの人たちは作業環境測定に関する知識や技術はやはり持っていなければならないと思うのですが、この人たちはその資格を与えられるのですか、与えられないのですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 安全衛生法八十一条に衛生コンサルタントの規定が出てまいります。     〔葉梨委員長代理退席、竹内(黎)委員長代     理着席〕これは衛生についての診断と指導を行うということになっておりますが、この診断といいますのは、ただいまもお話がございましたように、当該作業環境をもたらした全体的な原因といいますか、そういうものを判断するという大きな使命がございます。それに基づいて診断以外のいろいろ改善もする。ところが、作業環境測定士の方は測定ということに深く入ってまいりまして、専門的な知識、技術を必要とするということでございますから、両者は事の性質上違うわけでございますが、ただいま御指摘のように、やはり衛生コンサルタントが作業環境測定士と同様の知識、認識を持っていることが非常に好ましいことであるということは、先ほど申し上げました衛生管理者等と同様の関係にあるわけでございます。そこで私どもは、このコンサルタントが作業環境測定士の試験を受ける場合の受験科目の一部免除ということによって調整を図ってまいりたい、こういう方々がやはり作業環境測定士になりやすいような形を考えてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 私は、衛生管理者と労働安全コンサルタントや労働衛生コンサルタントとは、違う立場にある人たちだというふうに理解しております。ですから、衛生管理者に資格が与えられるということは先ほどお話し合いをしたわけですけれども、それとは別の意味で、コンサルタントの人たちは出されたデータ、たとえばこの作業環境測定士ですか、これがデータを出しますね、その出したデータに基づいて今度は指導するわけでございましょう。あるいは助言するわけですね。そうですから、出されたデータ、測定の結果をチェックする能力もなければ意味がないと思うのです。出てきたものは何でもそのまままるのみにして、そしてそれを指導助言の材料に使うというのは、余りにも安易過ぎると思うのです。だからコンサルタントは指導の責任者ですから、出てきたものをちゃんとチェックして、自分で確認した上でなければ、私は指導の基礎には使えないはずだと思うのです。ですから、そうだとすれば、その出てきたデータをチェックする能力がなければ何の意味もありませんから、その能力をつけさせるという意味においても、コンサルタントの人たちには、むしろ私はここで強制的にと言ってもいいかと思いますが、コンサルタントにはこの資格を持たせなければならないというふうにどうしておやりにならなかったのですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 衛生管理者とまさに問題が違うことは事実でございます。したがいまして、コンサルタントというのはさらに総合的な判断ができる人でなければいけないということも御指摘のとおりだと思います。そこで、こういう衛生管理者について試験の科目の調整をする、コンサルタントについても試験の科目を調整すると申し上げましたけれども、その内容はかなり違ってまいると思うわけでございます。  ところで、測定士にならなければならないというように義務づけたらどうかというお話でございますが、やはり測定士というものは実際にサンプリングをしたり分析をしたりして具体的な作業をするわけでございます。その作業をした上で評価なり判断が出てまいるわけでございまするので、衛生コンサルタントの方がそれをどう判断するかということと、その測定士にならなければならないということは必ずしも必然性がないんじゃないかと私どもは思うわけでございます。したがいまして義務づけまでは考えませんでしたが、一応やはり衛生コンサルタントの方が測定士を兼ねる、ないしは資格を持っているということが非常に望ましいことであるということを考えましたので、ただいま申し上げたように、試験の調整等によってなるべく衛生コンサルタントの方が作業環境測定士になりやすいように、なってもらうようにという道を考えたわけでございます。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 先ほど御質問のありました衛生管理者数は全産業で約十万名でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 ありがとうございました。  いまのコンサルタントの関係でございますけれども、私は少し考えが違うんですね。いまのお話でその資格がある方が望ましいと思うとおっしゃったんですが、私はコンサルタントの責任分担の上からいきまして必要だというふうに考えるわけです。ですから、義務づけがむずかしいのであるならば、この法律では義務づけがされていないし、そういうように私はむしろ訂正すべきであると考えますけれども、それがどうしても困難であれば行政指導をするとか、何かの形でこの人たちに資格を取らせるべきだと思うのですね。それを私は、やはり事業体としても責任を持つべきだと思うわけです。そうでなかったコンサルタントの指導の内容は見識がなくなるというふうに考えていいんじゃないでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 冒頭申し上げましたように、やはり資格を有していることは望ましいということには違いございません。そこで、こういう方々が測定士の資格を持つように行政指導と申しますかあるいは勧奨と申しますか、そういうことをいまお話しのような観点からやっていきたい、かように考えます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 ぜひそのようにしていただきたいと思いますが、大臣いかがですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 そのとおりやっていきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 と申しますのは、技術的な問題としては、指導を受ける側の人が指導する人の資格それからその人の持っているもの、これをやはり評価するわけです。資格も持たないで、そして出てきたデータだけで指導するというのはやはり納得できないというふうに考えます。ですからどうしてもこれは——資格を持っていることと実際にそれをすることとは違うと思うのです。ですからそこら辺のことも考えていただきたいと思いますから、ぜひこれは何かの形で持たせるように進めてやらせていただきたいと思います。  その次は、質問を変えますが、五条の作業環境測定士の資格の問題なんでございますが、五条の後段「これと同等以上の能力を有すると認められる者で、労働省令で定めるもの」というのが一つございます。これはどういうものを考えていらっしゃるのかということ。それから十四条の三項「労働大臣は、労働省令で定めるところにより、労働省令で定める資格を有する者に対し、」試験の一部免除あるいは全部免除、こういうことができるということを考えていらっしゃるようです。それからいま一つ、十五条の三号ですか、「前二号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者で、労働省令で定めるもの」こういうふうに幾つかの、資格に関して、基本的な資格のほかに決められている人たちがあるようでございますが、「労働省令で定ある」という言葉で全部一括されているのですが、法律をおつくりになるときにはすでにそのことは考えられているものだと思いますので、それはどういう人たちを指していらっしゃるのか、例を挙げて御説明いただけますでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ただいま三つの条項についてお話があったわけでございますが、まず五条の測定士となる資格を有する者、これは試験研究機関において一定年限以上作業環境測定に関する調査研究に従事していた者で、労働大臣がその能力を認定した者、たとえば作業環境測定の専門家たる研究員や大学の教職員などを考えております。  それから次の十四条の三項の該当者、つまり測定士試験の全部または一部免除を受ける者、これはただいまお話しございました労働衛生コンサルタント、それから医師、薬剤師、計量士などを考えております。  それから十五条の三号の該当者、測定試験の受験資格者、これにつきましては衛生管理者として長期間にわたり測定等の業務を行っていた者等を予定しておるところでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そういたしますと、いまの予定しておられるのの中に一つ出てきました計量士というのがありますね。これは計量法による計量士のことでございますね、そうでございますね。この人たちは、そうすると従来計量をしてきた人たちですから、どっちかといえばいままでお挙げになったいろんな人たちよりも一番近いグループですね。一番近いし、むしろ計量を直接やっていたんだから、このグループには試験をしなくてもそのまま資格が与えられてもいいんじゃないかと思いますが、そうはいかないのでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 計量士、つまり公害測定等をやられる方でございますが、これらの測定と作業環境測定とは、いままでお話し申し上げましたようにかなり異なっておりまして、やはり作業環境測定は特殊な技術を要するものでございます。作業環境測定法案では、みずから測定を作業場に実施させることになっておるわけでございますが、したがいまして、環境計量士であれば作業環境測定士として直ちに試験もなしに登録することができるとなりますと、この法律で考えておりまする作業環境の専門的、技術的なレベルというものが必ずしも保障されるものではございませんので、この法律の趣旨に反するということになるかと思います。無試験で無講習であればそういうことになるかとも思います。ただ環境計量士が作業環境測定士の資格を得る要件については、やはり何といいましても隣近所の関係にございまするので、二重行政にならないようにしなければいかぬということは当然考えなければいかぬし、あるいは無試験ではない、試験をするといいましても通常の試験と同じような試験をするかといいますと、必ずしもそうではないので、その辺の調整もとっていかなければいけない。まあ先生の御質問に即して申し上げますと、計量士は即作業環境測定士にしたらどうかということでございますが、やはりこの法律の趣旨からいきまして、ストレートにというわけにはいかない、かように考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 その点は私もわからないことはないのです。ただ私が気にしておりますのは、この環境計量士ですか、これはことしの三月に第一回の国家試験が行われたように聞いているのですけれども、そうしますと、始まったばかりでございますね。そうしてまたここに新しい法律ができるわけですね。そうするとこの人たちは、今度の新しい法律、作業環境測定法ができて測定士というものが決まりますと、それとの関係は一体どうなりますでしょうね。仮に二重登録のようなかっこうにでもするのでしょうか。それとも、全然それは無関係で、そして作業はいまお話しのような別個の試験をして資格を与えるというふうになるのでございますか、その辺はどうなるのでございますか。非常に近い間に二つの同じような法律が出ますから……。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 これはいま申し上げたことの繰り返しになるかもしれませんが、両法の趣旨、ねらいが違いまするので、別の扱いにならざるを得ないわけでございますが、何といいましてもやっている仕事がかなり類似していることは事実でございますので、その間の調整が必要になるということでございます。作業環境測定機関の登録を受けた者は計量証明事業、つまり計量法の方の登録を受けないでも作業環境測定事業ができるようにすること、それからもう一つは、計量士であった者が作業環境測定士になりたいという場合には、その間の試験科目の免除等を調整していこう、かように考えるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そうすると、この環境計量士の人たちは作業環境測定機関に参加するということにはならないわけですね、組織として考えた場合。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 この計量士の方々が職場内において指定事業場、つまり安全衛生法六十五条の指定事業場の測定をするためには、作業環境測定士の資格を持っていなければできない、そして、そのためには所要の試験、これはまあ調整をするということをさっきから申し上げているのですが、その試験を受けていただかなければならない、こういうわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 はい、わかりました。質問を続けます。  次の質問は、わからせていただきたいのは、作業環境測定機関というものを指定なさいますね。この指定される作業環境測定機関ですが、これは企業体が自前で測定できない場合に測定を委託するところですね。そうすると、自前でできるところというのはどれくらいあって、委託してしなければならないと思われるものがどれくらいあるのか、そうすると作業測定機関というのはどれくらいできていなければその要求にこたえられないというふうなことが考えられなければならないと思うのですけれども、その需要供給の関係はどうなりますでしょう。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 この法律ができまして、将来作業環境測定ということをやらなければならぬというふうになりますと、機関としては約四百の作業環境測定機関、それから測定士としては約一万人の方々が必要になる。この一万人の内訳でございますが、事業場に置かれる方々というのは、細かい計算で恐縮でございますが六千四百人ばかり置かれるであろう、それからいま申し上げました四百の機関と、これに置かれる者が一機関に十人というふうな計算をいたしますると四千人ぐらいであろう、そういたしますと、やはり測定士としては一万人近くということが予定される、こういうわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 わかりました。  それではその次ですが、この法律によりますと、作業環境測定士が測定いたしますね。それは自前であろうと外の機関であろうと、とにかくいたします。いたしましたその結果の取り扱いなんでございますけれども、この法律に基づきますと、その結果を事業主に報告するということになっておりますね。事業主に報告することは当然のことだと思うのですけれども、報告されてその後どうなるかということなんです。法律に基づけば、その測定した結果のデータは記録して保存しておかなければならないというふうになっておりますから、それはわかるのですけれども、これは保存だけなんで、問題は労働者の健康を守るために測定されるわけですから、測定された結果は、このようであったという結果は労働者自身にちゃんと知らせるべきではないかと思うのですが、それはそういうふうになっておりますでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 作業環境測定士の資格等を定めたこの法律自身にはございませんが、関連のものは安全衛生法の方にございまして、いま御指摘のように作業環境の測定の結果、その扱いでございますが、これは労働安全衛生法に基づきまして労働省令によって衛生委員会というものをつくらせることが、これは規模百人以上の事業場でございますが、義務づけられております。この衛生委員会に付議すべき事項等がまた規定されております。そして、そうなりますと、いま申し上げました作業環境の測定結果は、ここの衛生委員会に付議するということになりまするので、そこを通じて労働者側に周知されるようになると思いますし、私どもはそのように指導していきたいと思うわけです。  なお、百人未満の事業場につきましては衛生委員会というものを置くことが必ずしも義務づけられておりませんが、これらの事業場については、やはり安全衛生の関係規則には関係労働者の意見を聞く機会を持つようにしなければならないことを規定しておりますので、これらの機会を活用して労働者に周知させるようこれまた指導してまいりたい、かように考えている次第でございます。     〔竹内(黎)委員長代理退席、戸井田委員長     代理着席〕

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 法律に規定なさらなかったというのは、私はやはりなさるべきだったのじゃないかと思うのです。労働安全衛生法にあるからしなくてもいいというお考えであったのだと思いますけれども、労働安全衛生法の方のたてまえとこの分とはきょうだいのような関係にはなっていますが、やはりこの法律は一つの単独法として独自に動ける法律でありますから、そういう意味からいきましたら、いまの件は労働者に周知させる——どういう方法を通じてでも構わないと思いますが、それはやはりはっきりさせておいた方がよかったのではないかと思うわけです。ですから、法律の条文の中にうたわなかったのは、労働安全衛生法にあるからしなかったのだと、こういう意味でございますね。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 おおむねそういうことでございますが、やや詳しく申し上げますと、労働安全衛生法六十五条では十種類の測定義務づけの事業場がございますが、この作業環境測定士の関係法律におきましては、それが五種類にしぼられているわけでございます。  そこで、ただいま私申し上げました衛生委員会云々の問題は、何も指定された五種類のものに限らず、十種類ないしはそれ以上のものでも、測定した結果等については労働者に周知させる必要があるのじゃないかということを考えたわけでございます。そうなりますとやはり安全衛生法の方がすわりがいいし、事の性質上そちらでやるべきじゃないかというふうに考えたわけでございます。いずれにいたしましても、私ただいまちょっと間違ったことを申し上げたかもしれませんが、衛生委員会に付議すべき事項として今度明確に規定を変えまして、そこで、ただいま先生御心配になられたようなことのないように労働者に周知徹底を図っていただく、かように考えるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それと関連いたしますが、この法律によりますと、測定した結果は保存しておくわけでございますね。そして、それについては監督機関には報告する義務はないわけなのですね。それで監督官が随時臨検に見えたときにそのデータを見せるというのがこの法律では決まっているようでございますけれども、随時臨検に見えたときに見せるということであっては大変消極的だと私も思うわけですね。しかも、その臨検の頻度とかあるいは監督官の数だとかあるいは対象になる事業所の数だとかというようなものが、昨年の国会での質問でも出ていたのですが、それで見ますと十年に一回くらいにしかならなかったり、話にならないような数字なのですね。そこで、これは届け出義務というものを事業主に付すべきじゃないかというふうに私は考えるのですけれども、それをなさらなかった理由をわかりたいことが一つ。  それから監督官の数がたった三千名やそこらでは、二百七十万もあるような企業体に対してとても臨検に行く頻度などというものは考えようもないくらい意味がないというふうに考えるので、たしかこの前の国会の島本委員の御質問だったと思いますが、監督官の数をふやすということを早急にするということを大臣に要望しまして、大臣は承知しましたとお返事していらっしゃるのですが、五十年度の予算でこの監督官の数をおふやしになったのかどうか、あわせてお答えいただきたいと思います。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 第一点の労働基準監督署に届け出ることを規定しなかったのはなぜかというお話でございますが、御質問の中でもすでにお話が出ておりましたように、これはその結果の記録及び保存を義務づけられております。したがいまして、労働基準監督官としては必要に応じて事業場に立ち入り、記録を検査し、監督することができますので、一律に各事業場から毎回の測定結果の報告を受けるまでもないというふうに考えたわけでございます。そうしますと、十年に一回くらい行く程度では、とてもじゃないけれども問題にならぬじゃないかという御指摘があるわけでございますが、私どもの考えておりますのは、今回問題になります事業場は大体六万事業場くらいでございます。そうなりますと、当然のことそういう事業場に対しては集中的に監督をやっていきたい、指導をやっていきたいというふうに考えますので、平均して十年に一回とか十年に一回にならないということではございませんので、かなり濃密な監督をやっていくことになると思いますので、必ずしも監督署にこういうものを一々出される必要もないのではないだろうかというふうに考えたわけでございます。  それから監督官の数の問題、定員の問題でございますが、これも御指摘のように私ども自身、特に今回は労働大臣が先頭に立たれまして監督官の増員問題をいろいろ御苦心、御苦労願ったわけでございまして、その結果、一般には定員が削減されている中におきまして、必ずしも多くございませんが三十人の増員を得ました。それからつけ加えて申し上げますと、産業安全専門官及び労働衛生専門官については、それぞれ二十九名の増員を図ったわけでございます。もちろんこれだけでは足りませんので、また来年度におきましてもこの増員問題についてはがんばっていきたいと私ども考えている次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いまのお話の、対象は六万事業所だというのは有害物質取り扱いの事業所だけですね。全体の事業所ではございませんね。そうすると有害物質取り扱い事業所だけを仮に取り上げたといたしまして、そしていま大臣の御努力で増員ができたということでございますが、この増員された数で六万の対象についてはどれくらいの頻度で臨検ができるのですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 それは機械的になかなか割り算できない問題でございまして、私が申し上げましたのは、測定法による測定の必要であるということになる、つまり五種類の事業場を持っている、作業場を持っているところが六万あるということを申し上げたわけですが、三十人ふえたからどうこうというような機械的なわけにはまいりません。ただ、十年に一度というそういう頻度よりは、こういう事業場ではもっと濃密にやっていきたいということになれば、一々届けさせなければならぬ。そうすればベターかもしれませんが、その欠陥を補って十分やっていくようなことにできるのではないかということを申し上げたわけで、頻度がどのくらいになるか、これはやはり全体の監督指導計画を見渡さないと計算はできませんが、いずれにいたしましても、こういう法律ができた際にはそこのところに集中的に監督を施行していきますので、平均以上の頻度で監督をすることになるということを申し上げたわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そういうふうにお逃げになると困ってしまうのですけれども、一般的に言って平均値を出していただけばいいと思ったのです。重点的になさるというのは、六万事業所があるとおっしゃいましたね、ですから六万事業所には臨検に頻繁にいらっしゃろうという御計画でございましょう。そのほかの二百七十万ほどある対象の残りの分はそのままにしておいても、その六万に集中的に行こうというお考えのようですから、集中的にお調べになろう、臨検に行こうと思っていらっしゃる、それはどのくらい行かれるようになるのであるかということを申し上げたのです。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 私の御説明がやや不正確であったかもしれませんが、全体の事業場についての監督の平均値よりも、こういう有害な作業、事業あるいは物質を扱っているところは、濃密な監督をしていこうということでございまして、六万事業場について集中的にというふうに私が説明したきらいがございますが、それに特に集中するという意味ではございません。もう少し幅の広い意味で有害なあるいは危険な作業について重点的にやっておりまするので、十年に一回というよりは、こういう危険な作業、危険な物質を扱っている事業場に対しては監督が濃密になるはずであり、そうしたいということを申し上げたわけで、六万についてどのくらいという計算をしたわけではございません。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それではそれでなくてもいいですけれども、濃密にというのは常識的に言ってどのくらいのことですか。労働省で濃密にしようとお考えになっていらっしゃるのはどれくらいですか。十年に一回じゃなかったら一年に一回ですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 いろいろ考え方はございますが、ごくわかりやすく言えば一年に一回とかあるいは一年に一回以上、問題業種、問題事業場についてはさらにやっていきたい、そういうわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そうするとその間はだれか何かやりますか。その行かない間はそのままですね。だれもチェックしない……。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 監督官あるいは専門官がそういう形で行くわけでございますが、その間につきましては、やはり会社の内部におきまして安全管理者、衛生管理者その他責任者において、安全管理、衛生管理の問題をチェックしていく、こういうことになると思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 時間が参りましたのでここでやめなければならなくなったわけでございますけれども、最後に大臣にお尋ねしたいのは、最初にも申し上げたのですけれども、たとえば指定試験機関でございますとかあるいは作業環境測定機関でありますとかあるいは指定講習機関でありますとかいろいろなものを指定して、そして国がやるはずのものをその指定機関にやらせるというたてまえでこの法律ができ上がっているわけなんですけれども、何か非常にすっきりしない感じがするわけです。そのときにも申し上げましたけれども、そういうふうな取り扱いというのは、たとえば試験機関の場合には試験を厳密にするというために基準をつくったとおっしゃっていらっしゃいますけれども、それとの結びつき、それから指定測定機関ですか、指定測定機関などとの関係では企業との結びつき、こういうものが考えられるわけでございますね。そうしますと、何か国が直接しなければならないはずのものを皆そうやって民間の団体に委託して仕事をなさるという考え方から、それはなぜそうしなければならないのかということがまだ非常にはっきりしないわけです。もしもその陰に、企業サイドのものの考え方であるとかあるいは何かおもしろくない、明朗でない結びつきが生まれてくる可能性もないことはないというふうに思われますので、その辺を非常に不安に思うわけですが、そういうことはもちろんないはずだと思いますけれども、その点について大臣の御決意を承って質問を終わりたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 いま先生から段々の御質問拝聴しながらも感じたことですが、こういう勤労者の作業環境をよく守ってそして安全にしていくということは、いまから先大事なことでございます。そういうことからしまして、いろいろな機関あるいは試験の問題、あるいはいままでそういうものと姉妹関係である方々がこの認定なり資格をとる場合の問題等々、御疑問に思われるのは私も一応理解ができるわけでありまして、そういうものをよく調整していこう、こういうふうに感じております。  もう一つは、企業サイドの話もありますけれども、こういうものをきちっとやるというのが最近の企業が勤労者を守ることでもございますので、私の方は御指摘のように、増員についても定員削減の中でいささかの皆さん方の激励において努力したことでございますが、いまから先もそういうことをやりつつ、そしてこういう有毒性のものなどについては本当に企業サイドにならないで、勤労者を守ることがまた企業の立場にもなるという形において、前進の姿勢をとっていきたい、こう思っております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 ありがとうございました。終わります。

戸井田三郎自由民主党

○戸井田委員長代理 次に、石母田達君。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 作業環境測定法案は、先ほど大臣から趣旨が説明されましたように、その目的は、労働安全衛生法と相まって、作業環境の測定に関していろいろ必要な事項を定め、「適正な作業環境を確保し、もって職場における労働者の健康を保持することを目的とする。」こういうふうに言われたわけです。労働安全衛生法は、その目的はこの法律の第一条に書いてありますように「職場における労働者の安全と健康を確保する」、そして「快適な作業環境の形成を促進することを目的とする。」というような内容のものであります。  この法案に関しまして、私きょう神奈川県の企業に起きております一人の若い女性の死亡の原因をめぐって質問したいというふうに思うわけです。  この方は、横須賀にあります富士電機の中央研究所で昭和四十九年七月二十日つまり昨年の七月二十日、二十一歳で死亡された柳原千鶴さんという方です。この方は昭和四十六年四月にこの研究所に入社されまして、四十九年六月二十日病気で退職して、つまりその一カ月後に死亡した方であります。この方は神奈川県立三崎高校を卒業しておられるわけでありますが、高校時代は卓球の選手であったし、入社後もユースホステル部に入って活動し、お母さんの話では二十一の年まで病気らしい病気はしたことがなかった。四十八年秋には全富士体育大会にバレーボールの選手としても出場したことがあるし、その年の十月その会社の旅行にも行った、こういう元気な方であった。ところがこの方がその四十八年の十月ころから腹痛を訴えるようになって、四十九年に入って体がやせ、せきも出るようになった。そして腹痛はますますひどくなって、四十九年の二月十一日に発病ということで横須賀市民病院で診察を受けた結果、胆のう炎と診断された。しかし腹部の痛みはとれなかったということで、二月十六日に浦賀ドック病院に入院している。そして検査の結果、胆のう炎、腎盂炎、尿路感染症併発というふうに診断されて四十日余り入院、そして三月三十日に全治しないまま退院して復職しております。これ以後若干職場は変わりましたけれども、この方が七月二十日に亡くなられたわけであります。この死亡された原因をめぐって、この女性が勤めていた職場が弗化水素とかあるいは有機溶剤であるアセトン、トリクロールエチレンなどのいわゆる毒性のある薬品を使用していた職場に三年くらい勤めていたということのために、これはこうした有害薬品との関連の病気ではないかということについて、いま会社側のこれには関連性があるとは思えないという見解と、そうではないのではないかという見解があるわけであります。こうした事実について知っておられるかどうか、お伺いしたいと思います。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 富士電機のただいまの中央研究所について、具体的にいま先生御指摘のようなことを事前に私どもは承知してはおりませんでしたが、一応昨日お話ございましたので早速情報としては承知した、かような次第でございます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 その情報として得たという中に、この女性が勤めていた職場がフォトエッチングという作業を行う第三部というところで、そしてこれはひずみゲージをつくる工程の一部分であります。このクリーンルームという部屋、これは三メートル掛ける六メートル掛ける三メートルという大きさの部屋で作業していた人である。そしてこの作業の内容は、トリクロールエチレンとアセトンで洗ったウエハー、金属片に樹脂を塗布して、それに光を当てて樹脂を感光させ、弗化アンモン、弗酸の混合エッチング溶液中でエッチング、これは常温十五度Cでやるそうですが、その後百度Cのケムストリッパーの中で洗浄し、水洗して終了する作業を毎日繰り返していたということになっていますけれども、こういう事実については知っておられますか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 私どもの方がきのうのきょうでございますので、そう正確ではございませんが、本人は研究助手として半導体の基盤焼きつけ作業、これは写真彫刻の研究だそうでございますが、これに従事していた。作業の内容は、弗化水素酸、弗化アンモンを使用して基盤の表面を腐食する云々というので、若干の薬品名が出ておる、こういうような情報になっております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そうすると、少なくとも弗化水素あるいは弗酸というのですか、そういうものを使用していたということは、その職場で仕事をしていたということは事実ですね。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 正確に私どもは実態を握っているわけではございませんが、恐らくそういうことになると思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 ハリソン内科学という、私専門じゃございませんが、こういう書が世界でも最も一般的に使われている内科学教科書であるというふうに聞いておりますが、そうですが。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 残念ながら、私その点存じておりません。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 いま労働省の方に、私は最も権威あるものかというふうに聞いたら、最も一般的に使われている内科学の教科書であるというふうにお答えをいただいたのですけれども、ちょっと調べていただけますか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 きょうは専門の医者が参っておりませんのでわかりませんが……。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ただいまの問題につきましては、専門的なことでございますので、私どもすぐ調査してみたいと思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 いま調べてもらったら、あなたの方の専門医の話が、最も権威あるという言葉では困るけれども、そうじゃないけれども、権威あるというと相対的になるから、最も一般的に使われている内科学の教科書であるというふうに理解している、こういうお答えであったから、当然そういうふうに答弁がくると思っていたら……。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 権威ある内科書であるということは私は存じておりませんけれども、ただ弗素化合物、特にそのうちでも弗化水素酸が非常に有害度の高いものである、そして、目とか鼻とかのど、粘膜を刺激して、これを大量に吸入しますと、肺水腫、肺の中に水がたまるとかあるいは気管支炎を起こすと言われていることは知っております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 お互いに専門家ではありませんから、これは調べてもらえればわかるけれども、ハリソン内科学というのは、あなたの方の答えでも、世界で最も一般的に使われている内科学教科書だそうでございますが、その中の七百六十五ページにいまあなたが言おうとしたことが書いてあるわけです。「フッ化物 フッ素の塩類は、殺虫剤に広く用いられている。フッ素ガスやフッ化水素は、工場で用いられている。後者は強い腐蝕剤である。」「フッ素、またはフッ化水素を吸入すると咳と窒息感を引き起こすが、一日か二日の無症状期の後、発熱、咳、チアノーゼ、肺水腫が進展する。フッ化物の摂取では、嘔気、腐蝕組織を吐物に含む嘔吐、下痢、腹痛が起こる。」「患者が、急性期に死亡しなかった場合には、黄疸や乏尿があらわれる。慢性フッ化物中毒では、体重減少、衰弱、貧血、骨脆弱化、関節硬直が特徴である。」そしてこれがひどくなると死亡するというふうなことが書いてありますけれども、こういうようなことは、いまあなたが言われようとしたことですか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 大体そのようなことだと私も聞いております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 この弗化物と、もう一つは先ほど言った有機溶剤の二つが混合して使われている職場に勤めていて亡くなったわけです。この二つとも有害薬品として、それぞれ特定化学物質あるいは有機溶剤の予防規則によって法的にもいろいろの規制がなされている、こういうふうに私ども理解しておりますけれども、この二つともそうでしょうか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 そのとおりです。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 この問題について、堀光興という人、この富士電機の中央研究所の第二部に最近まで勤めておられた方です。いまやめているそうですが、量子化学関係の工学博士であります。この人が、この死因について疑問を抱いているわけであります。同時にまたこの家族の方も、このいまの関係について、会社の説明では、先ほど言ったように十分納得していないわけなんです。しかも、私は非常に不思議に思っておりますのは、企業としてこの問題を究明していくという態度ではなくて、むしろこういう問題を外に出すまいという傾向があるのではないかということがうかがわれる点であります。     〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、もしこの方がそういう関係で亡くなったということになれば、同じ職場でやはり他の女性が勤めておるわけです。こうした問題については、やはりきちんと安全衛生、あるいはきょう問題になっております作業環境の測定という問題からいって、これは会社側として十分な措置をとっているのかどうか、あるいはそれをとっていなかったためにそうした問題を外に出すことを恐れているのかどうか、こういうふうな疑念を抱かざるを得ないことがたくさんあるわけであります。  と申しますのは、その富士電機の労働組合の新聞にこういうことが書かれているわけです。これは四十八年の十月のものですけれども、つまりこの方が亡くなる前ですね。電機労連の安全衛生月間という中で調査をやった。ところが「現在従事している仕事又は取扱っている薬品・機器のためと思われる肉体的・精神的な異常があると回答した人は調査人員の約十%になっています。」これは全体の職場ですよ。「このうち、女性が男性の約二倍になっています。女性組合員の場合、二十歳前後が大半で勤続年数としては二ないし四年に集中しています。」こういうことなんです。そして、その症状というものは非常に似通ったものが多くなっているということですね。有機溶剤、酸、アルカリを取り扱っている職場、ここでは具体的な症状として、頭痛、目まい、不眠、生理不順、疲れやすい、手足にしびれ、それは末端神経の方ですね。こういう症状があらわれているというのです、組合の報告で。そして、   取扱っている有機溶剤としてはトリクレン・  四塩化炭素・アセトンなどが主なものです。酸  としては弗酸・硝酸などがあります。これら薬  品を使用して半導体、金属の洗浄作業、エッチ  ング作業などに携わっている組合員に異常が出  ています。   これら有機溶剤にはシンナー、ラッカーなど  が含有されている恐れがあり、長期間これらの  蒸気を吸入すると貧血・肝臓障害、そして女性  には月経障害・性欲減退・胎児障害などが発生  してきます。これらの前期症状としてはめまい、  頭痛などが主たるものです。特に女性の場合は  男性と違って化学有機物に接触した時に抵抗が  弱いといわれ、今回の調査で、有機溶剤による  異常が女性に多かった事によっても、この事は  証明されるようです。この原因は女性は皮膚が  繊細な事、月経による血液の消耗で中毒物質に  抵抗が弱いためとされます。女性の機能は生殖  機能を営むため男性以上の重荷がかかって中毒  に対する抵抗機能が発揮出来ない事も大きな理  由になっています。働く婦人に対する保護につ  いては十分な検討が必要であります。こういう記事が載っているわけなんです。そうしますと、この職場については、組合が調査した時点でも、そのような危険性があるということが出ているわけです。  このようなところで、こうした方が、先ほど言ったような病状の経過をたどって亡くなったということから、その死因について、この職場で使っている有害薬品との関連について疑念を持つのは当然のことだというふうに私は思うのです。この点についてまず御見解を、全然知らない、いまの話を聞いただけでも大臣はどう思いますか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ただいま先生のお話にございましたようなもろもろの問題がございます。ただ、会社といいますか研究所の方で、情報として私ども、きのうのきようでございますが、確かめましたところでは、研究所全体では二十人ないし三十人の貧血の所見者、これは主に女性の方だそうですが、貧血になっているという方が二十人ないし三十人おられる。被害者が従事していた作業場のみについては認められないような状況であると、これは情報でございますが、そういうふうなものが入っております。  それから一方、労災保険の方ではまだ請求をいただいておらない段階でございまするので、何といたしましても最近の研究所、事業場の実態を把握しておりませんので、早速監督指導をやってみたい、かように考えます。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 私は、これは非常に重大な問題だと思っているのです。それで、彼女が亡くなる前に横須賀の共済病院の医師に、同じ職場で働いている同僚で自分と同じような症状の人が何人もいたということを訴えているわけですね。先ほど組合の調査も大体その当時出ているわけです。特にこの二十歳前後の女性が働いているということで、それが先ほどずうっと組合の調査でも、あるいはハリソン内科学に出されたような症状に似たものが出てきているということになれば、私は、これは人命問題から言っても、労働者の生命と健康の保護から言っても非常に重大な問題だと思っているんですよ。  この問題について、この会社が一体どのような処置をとってきたのかということで、私どもの調べでは、有機溶剤中毒予防規則というのがございますね。これの二十八条には、いま言ったアセトンとかトリクロルエチレンとかトルエンとかという先ほど言った名前のものが当然これの対象になっているわけですね。これが使われているというふうに言われているわけですよ。これでは、これを使うような「屋内作業場について、三月以内ごとに一回、定期に、当該有機溶剤の濃度を測定しなければならない。」そして、それについての結果、測定をいつやったとか測定方法とか測定個所とか測定条件、測定結果、こういうふうなものを三年間保存しなければならぬということになっているわけですね。それから同規則の二十九条、健康診断も雇い入れの際やはり調べて、そして事業者は「配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行なわなければならない。」頭痛とか不眠とか焦燥感、目まいとか三項目、いろいろ書いてありますね。そしてこの結果についてはやはり五年間保存して、個人票をつくっておかなくてはならぬ、こういうふうに書いてあるわけです。  それから、もう一つの特定化学物質等障害予防規則というのには、先ほど述べましたいわゆる弗化水素が入っているわけです。いいですか、大臣。これにも三十六条で「六月以内ごとに一回、定期に、第一類物質又は第二類物質の空気中における濃度を測定」して、事業者は、その測定結果を三年間保存しなければならぬ。また、健康診断についても先ほどと同じような「六月以内ごとに一回、定期に、」といろいろ四項目書いてありますけれども、こういうものについて「医師による健康診断を行なわなければならない。」こうした法的に決められている規則どおりのことを一体やってきたのかどうか、これはあなたの調査でどうなっていますか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 私どもが監督指導をいたしましたのは、四十四年以前の姿についてやりましたので、実は最近の実態については、冒頭申し上げましたように、昨日御指摘をいただきまして早速情報程度にキャッチしたわけでございますが、それによりますと、いろいろ規定ございますが、その中で有機溶剤等使っておりますので、当然有害物が蒸気となって発散しますので、これを防止するために局所排気装置というものをつけなければならぬことは、いまの御指摘の規則の中にもありますが、これは設置されている模様でございます。それから、健康診断につきましても、有機溶剤中毒予防規則に基づく健診が行われている模様でございます。模様であるという言い方しかできませんのは残念でございますが、さらにこの辺の詳細については早速調査してまいりたいと、かように考えております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 その決められている測定についてはどうですか。いま読み上げましたね。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 ただいま申し上げましたように、局所排気装置はつけられておりますが、この性能もちょっとはっきりいたしません。それから、作業環境の測定につきましても行われていたようでございますが、その測定値等は現在明らかでございません。いずれにいたしましても、さらに全体的に調べてまいりたいと、かように考えております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そこが一番の大きな争点になっているのです。つまり測定はやっていないということなんです。それがいま組合に対しても会社の方では測定の機械がどうのこうのということで測定をしてないということなんですけれども、これは測定が行われておる模様であるということは確実なことですか、その根拠ですね。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 あくまでもこれは模様でありますので、ここではっきり確実に行われたということは申し上げられないわけでございますから、その辺はさらにはっきりさせたい、かように考えております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 しかし国会で、模様でも何でもやっているということで、事実問題ですからね、模様であるというふうにあなたが判断されたのは単なる推測じゃないのでしょうけれども、その模様であるというのは、会社がやっているというふうに言っておるのか、それらしいことを言ったのか、あなたの方の調査でそういうふうになっているのか、はっきりしていただきたい。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 模様であるという情報をもらったわけでございまして、私どもの判断ではございません。実際にきのうの夕方でございますか、監督署の方から研究所の方へ参りましていろいろ調査をとりあえずやったわけでございますが、その際そういう結果を得たので、私どもの方は模様であるという情報を得たわけですが、どういうところから模様であるという判断をしたか、そこまでは実ははっきりいたしません。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 私どもへは、会社の方は測定する必要はない職場だ、監督署からも特別に指示も来てない、こういうような情報も入っているのですけれども、このような職場について、当然、予防規則に基づく測定なりあるいは健康診断その他が適用されるべき職場だというふうに私は考えますけれども、あなたはどうですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 先ほどお話ございましたような職場でございまして、有機溶剤その他使っておれば有機溶剤中毒予防規則等が適用されますので、そうされますれば、測定であるとか健康診断であるとか特別の義務づけがつくわけでございます。したがいまして、その職場がどういう職場かということでございますが、それは先ほどお話があったような職場でございますので、おそらく有機溶剤の予防規則等が適用される職場だと思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 そうすると、そういう判断をされる職場で、もし測定は必要じゃないということでやってないとすれば、その判断というのは会社側がするのですか、監督署がするのですか。私は、当然これはあなたたちの方が判断すべきものだと思っていますが、会社が勝手に判断して、しなくていいんだというふうなことは、監督署がそういう指導をしているのかな。それはどこで判断するのですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 一定の作業現場にどういう法律が適用になって、そのためにどういうことをやらなければならぬかということは、当然のこと、これは事業場で判断するわけでございますが、その判断が正確であるか誤っているかということを監督するのが監督署の役目でございます。したがいまして、作業の実態がどうなっているかによって、仮に事業主が判断しても、誤っておれば、それは監督署として監督をし是正をさせる、こういう関係になると思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 それでは、あなたたちはこれは測定が行われている模様だという情報を得ている、われわれは測定は行われていないという情報を得ておりますので、これは重要な問題であって、あなたたちの見るところでは当然これは規則が適用されるべき職場だと思う。したがって、これに基づく健康診断あるいは測定が当然行われなければならぬというふうに言うわけでしょう。ですから、そういう立場から、これは厳重に立入調査なんかしていってもらいたい。これはいいですね。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 そのようにしたいと思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 それで私がもう一つ言いたいことは、お母さんの話によると、途中で彼女の病状について三月三十日から六月二十日の間に血液検査をした結果、赤血球、白血球、血色素など、すべて通常人より著しく低かった。そうしたときに上司に、君はひどい貧血症だから、他の病院に行かず富士電機病院に行きなさいと言われた事実がある。そこで、ここでお母さんと言い争いしているわけですね。お母さんはノーですね。何も自分の体なんだから会社の病院だけでなくて自分で希望する病院に行ったらいいじゃないか。これは当然のことだと思う。そこでこの方がたまたま富士電機病院以外のところに行ったから、こういう問題が明らかになったと私は考えているのですよ。私はここでも再三言うのですけれども、医師の選択の自由ですね。特に大企業で、自分たちのそうしたいろいろ現在までやってきた労務管理上、あるいはこういう労働安全衛生法上のいろいろな不手際、あるいはかなりこういう危険性のある有害物質を使っているところで働いている労働者に、富士電機病院に行きなさいとか、あるいはまた、こういうことを職場の人が堀さんに話したといって、職制からどういうことなんだと詰問されるというような状況も出てくるわけです。こういう態度はいろいろ個人の行動は別として、会社全体がやったかどうかは別として、私はきわめて遺憾だ。こういう問題は先ほど言ったように、そういう疑わしいことがあったら会社としてもあくまでもきちんと究明して、こういう事態がほかの人たちに波及しないように、あるいは家族を含めて全体に納得のいくような形までとことん追求するのが事業所の態度だと思うのですよ。これがいま言ったように測定も行われてないんじゃないかというような、非常に重大な労働者の生命と健康に対して一体どういう態度でいるのか。ただ大企業のそうした横暴といいますか、企業のいわゆる社名というかそういう立場から、こうした問題を究明したりあるいは公表されることを恐れるという立場からの処理に終わっている。これは重大な問題だと思うのですね。こうした職場というのは弗化水素系、これは目盛りなんかつくるのはみな使いますから、かなりあるわけです。こういうことが行われていますことは重大な問題で、私は大臣に聞きたいのです。この問題は富士電機という大企業ですから、とかく大企業になると弱くなるので、そうならないように、徹底的に調査してもらいたいと思うので、大臣からも一言その決意をちょっと言ってください。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 お話によりますと、二十一歳なる若き乙女がそこに職場を求めて、そして働く、それはやはり自分が生きていくためのことですが、そういうところでおっしゃるようなことで命を失うということですと、これは大変なことでございます。これは私の方で、いまいろいろお話を伺ったばかりでございますから、役所の手続としてよく調査をして、ほかの者もそういうことにならないように万全の対策をひとつとってまいりたい、こう思っております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 それから再三ここでもお伺いして回答は得ていますけれども、医師選択の自由ですね。こういう場合に会社の指定の病院に必ず行かなければならぬ、こういうことはないわけでしょう。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 労働者があるいは勤めている方が病気になったというような場合に、一応会社の方で指定するお医者さんに行きなさいと言うことは悪いわけではございませんが、何といいましてもやはり患者とお医者さんの信頼関係が大切でございますので、その別のお医者さんに行くということをいけない、ここにしなければいけないと強制することはないと思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 それから委員長に私、希望しておきたい。  この問題について、あなたは聞いておられたかどうか知らないけれども、非常に重要な問題なので、委員会に対していまの調査の結果をきちんと明らかにする。それで特に先ほど健康診断をやられたというような話なんで、その関係の職場の健康診断の結果と、それから柳原千鶴さんの入社以降の規則に基づいた血液検査、これは何かやっているらしいのです。もしそれがありましたら、死亡するまでの血液検査の結果、これも含めてぜひ明らかにするように委員長の方で取り計らってもらいたい。

大野明自由民主党

○大野委員長 はい。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 委員長の方で取り計らっていただくわけでございますが、私どもの方の一般論を申し上げますと、監督指導をしたり、あるいは実態を把握する場合に、微妙に個人のあるいはその当該人の秘密といいますか、裏返して言いますならば、了解を得ないと問題としてはまずいのじゃないかという問題がございますので、全体の傾向がわかるような資料というならば別でございますが、個人個人の資料についてはそういう問題があるということだけをひとつお含みいただきたいと思います。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 最後に、こうした、先ほど言いましたように、弗化水素系あるいは弗酸関係のこういう特定化学物質を使っている職場、職種というのは、大体たとえばどういうものがあって、どのくらいあるものか、おおよそわかりますか。

中西正雄労働省労働基準局安全衛生部長

○中西政府委員 そこまでは資料を持ち合わせておりませんが、先生先ほど御指摘になりましたような、いろいろガラス機器等に目盛りを打ったり、模様をつけたりというような腐食に使いますので、そういう関係の事業場になるわけでございますが、数字は持ち合わせておりません。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 それはかなり毒性の強いものなのですね。それで、この方が直接あったかどうかというこれはいろいろ今度調べていただくこととして、かなりこれは危険なものであります。それから有機溶剤についても、先ほど述べましたように、これは非常に毒性のあるものですから、こういうものについてここの富士電機の職場だけではなくて、こういうものを使用しているところについて改めてよく法的な立場から、また労働者の健康を本当に守って、予防的な措置から全面的に再検討するようにぜひこれは大臣から指示していただきたい、これは大臣どうですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 言われるその有害といいますか、健康に支障を来たすようなもの、そういうものはいまから先も厳重にお互いが対処していかなければならぬと思いますが、それを使っている工場が幾つあるとかどういう業種があるかというと、なかなかこれは専門的でございますので、しかしながらそういうものを注目して対処するような姿勢でまいりたい、こう思っております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 それを早速調べて私の方にも報告してください。どのくらいの職種で、どういうものがあるのか、そしてそれに基づいていま大臣が言われたような方向でぜひ検討して、こういうような疑いのあると言われる事故を絶対起こさないように、また現在職場に働いている人たちのあくまでも生命を大事にする、またそれをひた隠しにするような企業に対しては厳重な措置をとるように、こういうことを最後に要望したいと思うのです。最後に大臣、もう一回どうですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 石母田さんのおっしゃったような方向で私たちも考えてみたい、こう思っております。

石母田達日本共産党・革新共同

○石母田委員 質問を終わります。

大野明自由民主党

○大野委員長 次に大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 ただいま議題になっております作業環境測定法案の審議につきましては、衆参両院の当該委員会でかなり審議されてきておりますので、私はできるだけ重複を避けてお尋ねしたいと思うのですけれども、この法律の制定の目的は、作業環境中の微量の有害物についてもこれを測定して適正な作業環境を確保し、そして職場における労働者の健康を保持しようとするものであろうと思います。  そこで、この法律にうたわれております作業環境測定機関の業務の適正かつ公正な実施についてはいかに確保する考えであるかということなんですけれども、とかくレベルの低下といいますか、あるいは企業とのなれ合いなどによっていいかげんな測定がなされるおそれもなきにしもあらず、こういう気持ちから、こういう点についてお尋ねしたいと思いますが、いかがお考えでございましょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 おっしゃるように、作業環境測定をする場合に、その業務が適正かつ公正でなければ意味がございませんので、それをどうやって担保するかということでございます。  これにつきましては法律の中にいろいろの条文が設けられておりますが、まず労働大臣の定める作業環境測定基準に従って測定をしなければならぬ。いいかげんな測定ではだめだ。それからその測定の結果を記録し、保存するように。これは裏返して言いますと、監督官等が立ち入ってその記録の結果を見ながら監督指導をできるように。さらには測定機関が虚偽の結果を表示したようなときには、測定機関としての資格なしとしてその登録を取り消す。その他労働大臣は測定機関に対し必要な事項を報告させることができる等々の規定がございまして、その業務が公正かつ適正に行われるように担保されている、かような次第でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 先ほど申し上げましたように、長い期間経過していくうちに、いま申し上げましたような企業とのなれ合いというような立場からいいかげんな測定がなされるのではないか。いろいろ決められておりますですね。もしそうしたいいかげんな測定がなされたというような場合は、単なる測定機関を取り消すという程度のものであるのか、それともそのほかそういうものを未然に防ぐための特別の講習といいますか研修といいますか、そういうもの等を行うというような考えはないのかどうかということですが……。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 それは、意識的にいいかげんなことをやったということは話になりませんが、間違ってそういうことをやったということになりますと問題でございますので、いま先生御指摘のように、講習であるとか研修であるとか、特に資格を受ける場合には、試験のみならず講習をするということが前提になっておりますし、その資格を得た後におきましても、いろいろの化学物質など出てきたり、新しい作業のやり方などが出てきますので、随時研修等をやっていきたい、かように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 作業環境測定機関の登録を受けるための条件として、まず事務所があることだとかあるいは測定機器があるかどうか、それから第一種の測定士がいるかどうかということが要件になっているようでございますけれども、第一種とまた第二種というのがありますけれども、それはどういう理由でこうして分けられているのかどうか

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 第一種と申しますのは、作業環境測定の全部にわたって、つまりデザイン、サンプリング、分析という全部にわたってそれが行える資格のある者でございますし、第二種といいますのは、分析までは行えない、そのデザイン、サンプルというようなところでとどまる者が第二種でございます。  なぜこういうかっこうを設けたかといいますと、やはり本来作業環境の測定をするのは事業主みずからがやるのが一つのたてまえでございますので、それができるためには、中小企業等では全体をやっていただくような作業環境測定士を雇うことはなかなかむずかしい。そこで第二種のような途中まで作業環境測定士がやれるようにしておいて、それ以降についてはほかの機関に委託をするというやり方もよろしいのじゃないか、実態に合っているのじゃないかというような観点から、そのような区別、そのような権限のある二種類の作業環境測定士を設けた、こういうわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いまの答弁で大体理解できてきましたけれども、この作業環境測定士、これは一般の事業主が抱きかかえているといいますか、雇用しているといいますか、そうした中にいる測定士、それから作業環境測定機関の業務に携わる測定士、測定士そのものの資格要件というものは同じだと思うわけですが、いま中小企業等は、そこまでの測定士を抱えるだけのものはないということで、運営上一種と二種、そういうものを設けた、このような理解でよろしいのでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 おおむねそういうことだと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それではお尋ねいたしますが、作業環境測定の中立性を確保する観点から、第三者測定を原則とすべきではないか、私はこのように思ってきたわけですけれども、この点についてどのようにお考えであるか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 作業環境の測定という問題自身は、安全衛生法六十五条において事業主に義務づけられているところでございます。つまり、事業主としてこれを行わなければならない仕事になるわけでございます。ただ、先生いま御指摘のように、技術的なことは第三者にやらせたらどうかという御指摘かと思いますが、やはり事業者みずからが最もよく作業場の生産工程であるとか原材料であるとか、そういうものを知っておるということが一つございます。それから、事業主がみずから測定を行うことによって、どこに問題があるのか、どういうふうにしたらよろしいのかという認識が高まるということもございます。そういう意味合いにおきまして、事業主みずからが行うことが適当であるということが言えるわけでございまして、ただいま申し上げましたような現行の労働安全衛生法六十五条においても、そのような観点から作業環境の測定は事業者の義務と定められているところでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 いま私が考えていたことは、測定の中立性の確保という観点から、第三者が望ましいということはおわかりになりますね。しかし、いまのお話では、第一線の作業場で働いているそういう立場からの測定士、そういうものから資格を得た者が出てくることが実際的であろうというようなことでしょうか。そうですね。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 いまおっしゃった御趣旨のとおりでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 じゃ、次にお尋ねしますが、作業環境測定機関は、測定結果に基づいて改善指示を行うべきだという、これは恐らく参議院の方でも問題になったと思うのですけれども、このように法律でうたうべきではないか、私もこう考えるわけでございますが、その点についてはいかがお考えですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 法律自身にはそういう規定がないわけでございまして、まあ、それを前提の御質問だと思いますが、この法案では、言うまでもなく、作業環境の測定そのものを適正かつ公正に行うことということが本来のねらいでございます。その結果、測定の結果に基づいて、たとえば作業環境あるいは作業方法等の改善、改良を行うのは事業主の責任である、事業者の責任である、こういうたてまえになっております。  しかし御指摘のように、作業環境を測定したその機関ないしその人が、作業環境の測定というものを前提にして作業環境の改善なり作業方法の改良を図るということ、少なくとも求めに応じて助言するということは有益なことであるというふうに考えます。これは法律の問題ではございませんが、私どももそのようなことは期待してよいのではないか、かように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 それでは、この作業環境測定機関の測定結果に基づいて改善指示を行うことになるわけでございますが、それにつきましても、まずその測定をする段階における測定料金の問題が出てくるわけですね。不当に高いものであっては困るし、またその適正を確保するためにはどうしていったらいいかという問題が起こってくると思うのです。そういう点についてどのようなお考えでおられるのか、お尋ねします。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 御指摘のように、この料金の問題は重要な問題だと思います。もちろんこういう作業環境を測定する際には、それなりのコストがかかります。したがいまして、そのコストを割って、測定の質の悪い結果が出ても困ります。さればといいまして、測定を委託する中小企業等につきましては、やはり負担能力の限界がございます。そこで、そういうことをにらみながら作業環境測定の料金を決めなければいけぬわけですが、これは業務規程というものをつくりまして、それを労働大臣または都道府県労働基準局長が設定または変更の認可をすることになりますので、その業務規程をつくる際にこの料金を書き込ませて、それを認可する際に、いま申し上げましたような原則でチェックし、適正な料金を形成していこう、かように考えている次第でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 この適正料金というのは、ちょうど健康保険の点数単価みたいなやり方になるのですか。こういうものについては幾ら、こういうものについては幾らというように、もうきちっと規定れてしまうのかどうかということです。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 測定の料金は、それぞれの機関で一検体当たりサンプリングあるいは分析ということで料金を決めておる実態がございます。したがいまして、まだ具体的にどういう形で決めるかはわかりませんが、点数制という形にはならないと思いますが、かなり細かい料金表になるのではないかというふうに考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 先ほど申し上げましたように、せっかくの測定機関の測定料金が不当に高いものになってしまえば、そのために関係者がそれを利用できない、あるいは大事な測定がなされなかったという問題も起こってきます。これは非常に重要な問題だと思いますので、適正料金の決定については労働大臣みずから関心を深めて指導していただきたいということ、これは最後に一緒にお答え願いたいと思います。  測定を行った結果、これはよくない、改善しなさい、こういうことになったとしますと、その作業環境の改善が必要となった場合に、この実行には私は多額の資金が必要になってくると思うのですけれども一これに対して国の援助措置があるのかどうか。いかがでしょうか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 測定の結果作業環境の改善が必要であるという場合には、都道府県労働基準局長等が安全衛生改善計画というものを労働安全衛生法に基づきまして作成いたしまして、その改善方を指示いたします。と同時に、強力な監督指導をあわせ行うわけでございますが、その場合、ただいまお話ございましたように、特に中小企業等にありましてはそういう作業環境の改善に多額な資金が必要だという場合にむずかしい問題になってまいります。そこで国が安全衛生融資制度というものを設けまして、長期低利の資金を提供しているわけでございます。ちなみに申しますと、昭和五十年度におきましては、その総融資貸付枠として八十二億円が予定されております。今後ともこの融資制度の充実を通じまして、作業環境測定法案が通りました暁には、ただいま御指摘のような問題に逢着した場合には大いに活用してもらいたい、かように考えている次第でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 改善に当たってお金が要るときには貸してあげましょう、それは労働安全衛生融資制度による貸し付けだ、こういうことでございますが、一件当たりといいますか、これはどの程度までの限度額になっているのですか。

東村金之助労働省労働基準局長

○東村政府委員 限度としては大体八千万でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 こういう制度があることをよく認識を与えまして、環境の悪いところはどしどしと作業環境を改善せしめて、そして労働者の健康と安全を確保していく、こうしてほしいと思います。  最後に、労働大臣、先ほど申し上げました測定機関の測定料金の問題と、いま申し上げました国の援助のあり方について労働大臣のお考えを聞いて終わりたいと思います。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○長谷川国務大臣 測定料金のお話がありましたが、これはやはりお話のあったものを体しながらやってまいりたいと思います。ただその場合に、これは測定の質の確保が大事でございます。さらにまた中小企業関係の負担能力というものも考えてやっていきたい、こう思っております。  いずれにいたしましても、そういうものが測定された結果、おっしゃるように改善ということが大事でございます。改善された中においては労働者の生命が守られることであります。またそのことが企業側にとってもいいことでございます。そういう意味からしまして、こうしたものの融資制度等々についても前向きの姿勢で善処してまいりたい、こう思っております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)委員 終わります。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて作業環境測定法案についての質疑は終了いたしました。     —————————————

大野明自由民主党

○大野委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。

大野明自由民主党

○大野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

大野明自由民主党

○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

大野明自由民主党

○大野委員長 次回は明十六日水曜日午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五分散会      ————◇—————

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