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75回国会衆議院1975/03/20

社会労働委員会 第9号

発言数
228
登壇者
14
会派数
4
開催日
1975/03/20

会議録

大野明自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  この際、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、委員長において作成いたしました草案を、委員各位のお手元に配付してございますので、その起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から簡単に御説明申し上げます。  御承知のとおり、現在、国は、下水道の緊急かつ計画的な整備等を促進している状況にかんがみ、本案は、一般廃棄物処理業者等が下水道の整備等により受ける著しい影響を緩和し、あわせてその経営の近代化及び規模の適正化を図るため、市町村が合理化事業計画を定め、その業務の安定と廃棄物の適正な処理を図ろうとするもので、その主な内容を申し上げますと、  第一に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規定による市町村長の許可または市町村の委託を受けて屎尿処理を行う業、その他下水道の整備の促進等により、重大な影響を受けると考えられる政令で定める業を一般廃棄物処理業等とすること。  第二に、市町村は、下水道計画等との調整を考慮した上、一般廃棄物処理業等についての合理化事業計画を定め、都道府県知事の承認を受けることができること。  第三に、市町村は、合理化事業計画に基づき合理化事業を実施することとし、この場合、国は、市町村に対し、必要な資金の融通またはあっせんその他の援助に努めること。  第四に、一般廃棄物処理業者等は、合理化事業計画の定めるところにより事業の転換を行おうとするときは、その計画を市町村長に提出し、認定を受けることができることとし、国または地方公共団体は、当該認定を受けた一般廃棄物処理業者等に対し、事業の転換を行うのに必要な資金につき、金融上の措置を講ずるよう努めること。  第五に、合理化事業計画に従って事業の転換を行おうとする一般廃棄物処理業等の従事二者に対し、国または地方公共団体は、職業訓練の実施、就職のあっせんその他の措置を講ずるよう努めること等であります。  以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。     —————————————  下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合   理化に関する特別措置法案     —————————————

大野明自由民主党

○大野委員長 お諮りいたします。  この起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

大野明自由民主党

○大野委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、本法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

大野明自由民主党

○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  速記をとめて。

大野明自由民主党

○大野委員長 速記を始めて。      ————◇—————

大野明自由民主党

○大野委員長 特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案、国民年金法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  政府より提案理由の説明を聴取いたします。厚生大臣田中正巳君。     —————————————  特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案  国民年金法等の一部を改正する法律案     —————————————

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 ただいま議題となりました特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  特別児童扶養手当は心身に障害を有する児童の福祉の増進を図るため、児童扶養手当は母子家庭の児童の福祉の増進を図るため、また、児童手当は次代を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資する等のために支給される手当制度として、逐年その改善に努めてきたところでありますが、これらの児童に対する施策の向上に加え、在宅の障害者に対する施策のより一層の充実が、今日における緊要な課題として強く要請されております。  今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、これら手当の額を引き上げ、特別児童扶養手当の支給対象障害児の範囲を拡大するとともに、新たに重度の障害を有する者に対し福祉手当を支給することにより、これらの制度の充実を図ろうとするものであります。  以下、改正法案の主な内容について御説明申し上げます。  第一に、今回新たに設けられた重度の障害者に支給される福祉手当についてであります。  福祉手当は、精神または身体に重度の障害があるため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある者に対し、障害による特別の負担に着目して、月額四千円を支給することといたしております。  また、福祉手当の支給は、重度障害者の住所を所管する福祉事務所を管理する都道府時知事及び市町村長が行うこととし、福祉手当の支給に要する費用は、国がその十分の八を、都道府県または市町村がその十分の二を負担することといたしております。  第二に、特別児童扶養手当については、その月額を従来の一万一千三百円から一万八千円に引き上げるとともに、対象となる障害程度を拡大して、新たに国民年金法別表二級に相当する程度の障害を有する児童について月額一万二千円の特別児童扶養手当を支給すること等といたしております。  第三に、児童扶養手当については、その月額を九千八百円から一万五千六百円に引き上げるとともに、支給対象となる児童について、国籍要件を撤廃し、支給要件の緩和を図ることといたしております。  第四に、児童手当については、その月額を四千円から五千円に引き上げることといたしております。  なお、これらの改正については、昭和五十年十月から実施することといたしております。  以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  年金制度については、昭和四十八年に厚生年金及び国民年金を中心に、給付水準の引き上げと物価スライド制の導入を柱とする改善充実が行われ、昨年においても福祉年金額の引き上げ、物価スライドの繰り上げ実施などの改善が行われたところでありますが、その後における経済社会情勢の変動にかんがみ、最も受給者の多い福祉年金の内容をさらに充実させるとともに、拠出制年金についても急激な物価上昇に対処した措置を講じていく必要があります。  今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、福祉年金額の引き上げ、厚生年金、拠出制国民年金の物価スライドの実施時期の繰り上げ等を行うとともに、拠出制国民年金の保険料の適正な改定を行い、年金制度の充実強化を図ろうとするものであります。また、本法案は年金福祉事業団に政府が出資できることとするための所要の改正を行うこととしております。  以下、改正法案の内容について、概略を御説明申し上げます。  第一に、福祉年金の額につきましては、老齢福祉年金の額を月額七千五百円から一万二千円に、障害福祉年金の額を一級障害について月額一万一千三百円から一万八千円に、二級障害について月額七千五百円から一万二千円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の額を月額九千八百円から一万五千六百円に、それぞれ引き上げることといたしております。あわせて老齢特別給付金の額を月額五千五百円から九千円に引き上げることといたしております。  第二に、昭和五十年度における物価スライドの実施時期を、厚生年金及び船員保険については昭和五十年十一月から同年八月に、拠出制国民年金については昭和五十一年一月から昭和五十年九月にそれぞれ繰り上げ、あわせて国民年金の五年年金の額を昭和五十年十月からさらに月額一万三千円に引き上げることとしております。  第三に、厚生年金または船員保険の被保険者で、六十歳以上六十五歳未満の低所得者に支給する在職老齢年金につきましては、支給対象者の標準報酬月額の限度額を四万八千円から七万二千円に引き上げることといたしております。  第四に、拠出制国民年金の保険料につきまして昨年に引き続き段階的に引き上げを行い、その額を現行の月額千百円から三百円引き上げ、千四百円とすることといたしております。  第五に、年金福祉事業団につきまして資本金の規定を設け、政府が予算で定める金額の範囲内において出資できるものといたしております。  なお、福祉年金の額の引き上げは本年十月から、厚生年金及び船員保険の改善は本年八月から、拠出国民年金の保険料の額の引き上げは昭和五十一年四月から、年金福祉事事団に関する改正は本年九月から、それぞれ実施することといたしております。  以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     —————————————

大野明自由民主党

○大野委員長 特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案の質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金子みつ君。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 私は、ただいま提案になりました法律案に関する質問を少しさせていただきますが、初めに、政府が今国会でILOの百二号条約を批准する予定で国会にその批准案を提出するという話になっておりますのですけれども、この批准の問題に関連して少しお尋ねしたいと思います。  今度政府が批准を予定されております部門の中に入っていない部門について少しお尋ねがしたいわけです。九部門の中で四部門だけを一応対象として今回批准の手続を踏んでおられるようですが、大切な部門が幾つか外れていることについてこの際質問しておきたいと思います。  御案内のように、ILO百二号条約というのは社会保障の最低基準に関する条約でありますし、日本は高度経済成長した国であるにもかかわらず、長い間、社会保障に関する限りは非常に立ちおくれていて、世界的にも二十年立ちおくれていると言われているぐらいでございますし、グループ分けにされれば日本などは第五位グループの中に存在するというような始末です。常々対象としているフランスとかイギリスとか西ドイツとかいうような国が第一グループに存在するにもかかわらず、日本の場合はパナマとかベネズエラとかいう国と並んで第五位に存在するというような非常に立ちおくれのはなはだしい社会保障の実態があるということはすでに御案内のとおりでありますけれども、それがございますからこそ今度批准をしようということを考えられたのだと思いますが、それにしてはその批准の対象にしてある部門の取り上げ方についてもう少しこの際考えを進めていただきたいということをお願いし、あわせて質問させていただきたいと思うわけであります。  その一つは、本日の議題になっております法律案にあります児童手当に関連のある給付でありますが、これは百二号条約でいきますと家族給付ということになっていますが、家族給付の問題と関連してお尋ねしたい。  日本では児童手当制度ができたのは社会保障制度の中では最後でありまして、昭和四十七年からの実施でありますから大変に新しい制度ですし、まだ十分育っていないこともよくわかっておりますが、それにしてもILOの家族給付の水準と比べますと余りにも低過ぎる。これを何とかもう少し考えていく方法がないかということなんです。今回一人に対して四千円から五千円に手当が引き上げられましたことは結構だと思うのですけれども、しかし、たとえ引き上げたにいたしましても、ILOの基準が示しております給付の総額に対しては半分にも満たされていないという非常に低い基準になります。  そこで御意見をいただきたいと思いますことは三つほどあるわけなんですけれども、この家族給付を批准するということを土台にいたしまして、児童手当に関する取り扱いをさらに充実強化するということを目的として現在の日本で行われております手当のあり方が第三子以降ということになっているわけですね。第三子以降というのは大変にわずかな国しかやっていないのですね。日本のほかには南アメリカの共和国であるとか北ベトナムとかいうような国が二、三あるだけで、大方の国はすべての子供たち、第一子からになっている。第二子からになっている国も何カ国かございますが、いずれにしても第二子以下になっているわけです。ILOは全部の子供を対象にしているわけです。  そこで、日本の場合は第三子以下ということで、数にしましても、日本の一般家庭の世帯の中で大体標準家族と呼ばれているのが四人家族で夫婦と子供二人ということになっていますが、三人目からということになりますと子供が三人以上ということになるわけで、家族五人以上ということになりますが、家族五人というのは全体の世帯の中でわずか一三・一%しかないのですね。それから六人とか七人とかいう大きな家族になりますと一二・一%、合わせて二五・二%、わずか四分の一の世帯にしかなっていない。これだけに対しての手当にしかならないわけなんでして、もし本当の意味で児童の健全な育成を願い、そして児童に平等な生活権を与えるということからいきましたならば、やはり標準家庭からこれをするべきではないか、手当を交付すべきではないかと考えます。標準家庭が二二・九%ですから、これを足しましてもやっと四八・一%、全世帯の半分足らずの数字にしかなりません。ですから、これぐらいの数字にしかならないのですから、思い切って第二子からということを考えることができないかどうかということをまずお尋ねしてみたいと思うのです。そういうことを児童手当の拡充強化の目的としてお考えになれるかどうかということをまずひとつお尋ねしたいと思います。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 いま御指摘になりましたように、ILOの百二号条約の家族給付部門につきましては、要件とされました給付総額に対しまして四十八年度を見ましても約四分の一、相当大きな隔りがあるわけでございます。そこで、いま御提案のように第二子までという問題があるわけでございますが、児童手当を二子から支給いたしますと現在の費用の約四倍、それから一子から支給いたしますと約九倍というふうな額になるわけでございます。この費用は国と地方団体と、それから被用者の部分につきまして事業主の負担ということで運営しておるわけでございますが、四倍、九倍というふうな、二子の場合は四倍でございますが、そういった急激な負担の増をするのに財源的に見ましても容易ではないという点があるわけでございます。  そこで、今後どうするかという問題でございますが、御案内のように日本の児童福祉、社会福祉はまだ立ちおくれの部分が多々あるわけでございまして、勢い財源の配分の面におきましてもそちらにウェートを置かざるを得ない。将来の方向として児童手当制度というものをよく改善していかなければならないという認識は持っておるつもりでございますけれども、目下のところ直ちに踏み切るほどの元気がないというのが偽らない気持ちでございます。昨年の十一月の末に、私どもの審議会でございます中央児童福祉審議会から今後の児童福祉行政のあり方について御意見をいただきました中で、この児童手当についても御意見を承ったわけでございますが、将来の二子拡大については財源負担のあり方なり他の社会保障給付との関係を考えながら慎重に検討するようにというふうな御意見をいただきましたので、そういう御意見を踏まえながら将来の問題として検討させていただきたいというふうに考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それではその問題は、そういう考え方はわかりますけれども、それだったらこういうふうな考え方はいかがでしょうか。現在は十五歳、中卒までになっておりますね。けれども、このごろのように九〇%以上の子供たちが高等学校へ入っています。それで高等学校を義務制化したらいいじゃないかという声すら起こっておる今日でございますから、この手当の対象を高校卒まで延ばすというようなことは考えたことがないでしょうか。外国では大卒、二十六歳までという国が幾つもありますから、そういうこともやはり広げる意味では考えてもいいんじゃないかと思いますが、その点お考えになったことはありますでしょうか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 お話しになりましたように、高等学校に入る子供が中卒の九割以上を占めておるというふうな現状を踏まえますと、高校卒業まででどうかという御意見、ごもっともだと思うわけでございます。と申しますか、現在の仕組みが、少し複雑な言い方をして恐縮なんでございますが、十八歳までの子供が三人ある場合に、義務教育終了までの子供一人について現行では四千円、来年度予算案では五千円の手当を支給するという仕組みをとっておるわけでございますね。そこで、仮に高校まで広げるというふうなことになった場合に、三人の子供のとらえ方をどうするかというふうな技術的な問題もございます。そういったこともございまして、いま直ちに高等学校にまで踏み切るかどうか。二子の拡大の問題よりも財源的に見ますと取り組みやすい問題だろうというふうに思いますけれども、いま直ちに高校まで広げるというふうなところまではまだ考えつかないというふうな状況でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 私は直ちに広げるということを御要求申し上げたんじゃなくて、そういうことを考えて、そして拡充強化するということについて御意見を伺っているわけなんですけれども。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 宿題として検討さしていただきたいというふうに考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それでは、いま一つお尋ねさせていただきます。同じ目的ですけれども。  第二子もだめ、高卒までということもだめ、一応考えてみようとは思うが、ほとんど当てがないようなお返事でした。そういたしますと、残るのは、現在の金額を引き上げるということ以外にないような気がするのですね。それがきっと一番しやすいとでもお考えかもしれませんけれども、筋としては本当はおかしいと思うのです。筋としてはおかしいと思いますけれども、経済的な問題がバックにあることはわかりますので、でも、これはその気になって考えればできない話ではないと思います。ですから、そういう意味合いで積極的に前向きで考えていただきますならば、いまの二子へ拡大することも、高卒を対象にすることも決して不可能だとは言えないと思うのですね。そのつもりで検討していただければ、近い将来できる可能性はあるのじゃないかと思うわけです。それに行くまでの問に、このままにしておくということは、いかにも日本としては情けない。外国に対しても恥ずかしいし、やっと二十三年ぶりに批准しょうなんと言っているので、その最低基準すら守れない経済大国日本というような悪口を言われているのですから、国民にも申しわけない点でもありますししますから、少しでもこれは挽回、名誉回復をしなければならないでしょうと思いますが、そういう意味合いで、この児童手当の場合に最も手近に解決できる方法は、現在の手当額の引き上げということになると思います。現在の手当額の引き上げを、少なくともILOが言っております労働者の収入の一・五%、それの総額ということになっています。これは全部の子供に対する金額ですから、日本の場合のように第三子以降だけというようなつかみ方とは違いますけれども、その点をもう少し引き上げていく、せめて基準まで持っていくというようなことができるように図っていただくことはできないでしょうか。せめてそこででも拡充強化の線を示していただきたいというふうに思うわけですけれども。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 いまお話しになりましたILO条約との関係では、不熟練労働者の賃金の一・五%にすべての居住者の子供の総数を掛けるということで、ILO条約では総体としての給付の総額を最低基準として決めてあるものであるというふうに理解をしておるわけでございます。  そこで、今回御提案申し上げました児童手当法の改正に関する部分につきましての引き上げ額というものは、制度発足以来三千円のままで推移いたしまして、昨年一千円引き上げて四千円にした。ことしは、四十九年度における消費者物価の上昇率等を考えて五千円にしたわけでございますから、お話のように実質的な価値が維持された程度にとどまるというのはそのとおりであろうと思うわけでございますが、その場合に、児童手当の額と申しますか、どう申し上げればよろしゅうございましょうか、個別の労働者の賃金のたとえば一・五%という数字を使うこと自身は少々問題じじゃないか。と申しますのは、日本の場合に、昭和四十八年の場合には三千円でございましたが、もうその三千円という数字は、一応その年の製造業平均賃金に対する割合で見ますと、二・六%に相当するような額であるわけでございます。したがって、ILOの条約が一・五を使っておることとの兼ね合いで児童手当の額を決めるのではなくて、別の観点から、いまの五千円が必ずしも十分でないというならば、引き上げる方向というのは課題であるし、私どもも将来努力をしなければならない問題であろうというふうに考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 ILOの基準の決め方というのは子供一人だけではないのですよね。だからそこで違ってくるわけです。日本の場合は第三子以降といいましてもほとんどその子供だけになっていますでしょう。ですから、そこら辺で計算が違ってくると思うのです。だからこの比率をそのまま使ってという意味ではないのですけれども、ILOがそういう比率を出して総額を出していますね。それに合わせた水準ぐらいまで引き上げていくようにという意味なんで、ですからこの一・五を使えという意味ではありません。  いずれにいたしましても、三通りの方法を考えて、いずれ何とかしてもう少し、いわゆる日本の社会保障の水準を引き上げていく、ことに子供に対する手当のあり方を改善していく、強化していくという形を近い将来考えていってほしいと思うわけでありますけれども、そのことについての御意見を伺ったわけです。これは厚生省としてもお考えがあると思いますので、政務次官の御意見をまずいただいておいてそして先へ進みたいと思いますが、もう一つ問題がありますので、あわせて後からお返事をいただけば結構です。時間の関係がございますので、もう一つ同じような問題をお尋ねしたいと思います。  もう一つは、やはり百二号条約の批准の部門で、外されている部門です。今回日本が外している部門なんですが、それは母性給付の問題です。母性給付に関する部門も今回外れているわけでありますが、御案内のようにこの母性給付、すなわち出産に関する費用でありますけれども、日本ではこれは標準報酬月額の半分で、最低六万円を一応保障されているのが現状でございますが、実際問題としては、いま出産に関する費用というのは、どんなに安く見積もりましても最低十万円です。十万円より安い出産費というのはありません。二十万も三十万もかかっているところもあります。これは普通分娩の場合でございますよ。それで、手術なんかすればもっともっとかかるわけなんで、それは別でございますが、普通分娩の場合で、最低どんなに見てもぎりぎり十万。二、三十万かかっている場合もございます。それに対してわずか六万円の保障しか日本では見ていないということで、批准には達しなくて今度外れていると思いますが、この点をこの際考えていただくことはできないだろうかということなんです。これがいわゆるILOが申しておりますように本人の自己負担を全然なくするという考え方からいきますと、一つは出産費国庫負担、これが形としては一番すっきりいたしますし、出産をする母親並びに子供に対する保護としては一番完全な行き方だと思うわけですが、その国庫負担をするということについてのお考え方がおありになるかどうかということを、まずひとつ伺いたいと思います。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 いま御指摘になりました母性給付部門、これはILOの第二部の医療の個所と、それから家族給付につきます第八部の母性給付の中に規定があるわけでございますが、御案内のように、この母性給付の部門というのは二つございまして、一つは、産前産後の休んでいる間所得が入らないということに絡む現金給付の部門、これは出産手当金になるわけでございます。それからもう一つは、実際に必要な出産の費用ということになりまして、最初に申し上げました出産手当金の方は基準を満たしておる。  それで、問題になりました出産の方の分娩の給付でございますが、医療については、ILOでは一部負担を適当な額であればいいということを認めながら、妊娠、分娩の点につきましては、一部負担は一切いけないというふうな解釈になる。そのためには現行の六万円では足らないじゃないかというふうなお話があったわけでございますが、そのために国で分娩費を見たらどうかというような提案でございますが、現在のILO条約の母性給付との関係で、これに対応するわが国の社会保障法規を見ますと、これは健康保険法等でございます。健康保険の中に分娩費につきまして、問題は特に被扶養者の場合でございますけれども、六万円になっている。これは四十八年に二万円から六万円に引き上げたものでございます。そこで、この六万円で実際に必要な分娩費をカバーするような方向で努力をするという方策が一番いいのじゃないか。したがって、社会保険法規の分娩費について、引き続き改善に努力をしていくという処置の仕方が一番妥当ではないかというふうに考えるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いまのお話を伺っていましたら、くつに自分の足を合わせるみたいなお話に聞こえたのです。六万円の中でできるようにしたらいいというふうに聞こえたのですけれども、そうじゃないのですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 どうも舌足らずで恐縮でございました。  現在の六万円を、実際に必要な分娩費がカバーし得るように上げていくことが必要ではなかろうか、それが将来の検討課題だというふうに申し上げたわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それでは、その問題に関連いたしましてですけれども、上げていくのが適当じゃなかろうかということでありますと、最低保障を、六万を十万にするなり何なりするという意味だと思いますが、それでしたら、金額を上げていくのも悪いとは申しませんけれども、これはやはりイタチごっこみたいなことになるのですね。そして、非常に分娩費が全体的に上がった時点においてはそれだけでは間に合わなくなってみたり、あるいは総体的に医療費が落ちついていればそれで間に合ってみたり、そのときによって非常に事情が違ってくると思います。ですから、金額を上げていくということはいつもイタチごっこになってしまうので、そうでなくて、もっと基本的にきちっとしたものをするべき必要があるのじゃないかと思うのです。その考え方からいきますと国庫補助が一番いいと思うのですが、国庫補助に関しては、全額国庫補助ということについてはいろいろ検討していただく必要があると思いますが、それ以前に、それならば保険でこれは全額負担ということが見られるのじゃないか。その方が私ははっきりしているというふうにも思いますが、そのお考えはいかがですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 社会保険で給付するにいたしましても、あるいはお話のように国庫負担で給付するにいたしましても、現金給付の場合にはイタチごっこになりがちであるというのはお話のとおりだろうと思います。  そこで、現物給付をしてはどうかというのが御提案だろうと思うわけでございますが、ILO条約の上では、直接現物給付の形をとるもよし、あるいは費用償還という給付の形をとるもよしということで、現物給付のみがただ一つの方式というふうには言われておらない。それで、現在の現金給付の方式を直ちに改めるということにつきましては、目下考えておらないわけでございますが、特に医療保険で分娩を現物給付します場合に、病気に対する現物給付をたてまえとしております現行制度との関連をどう考えるかという問題もございますし、それから非常にむずかしい問題は、出産費用というのを診療報酬の上でどう評価するかという、現行の医療の給付に対する診療報酬との関連において、なかなかむずかしい問題があるというふうに考えるわけでございます。、したがって、やはり現物給付に踏み切るには相当慎重な配慮をすることが必要ではなかろうかというふうに考えます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 その議論をしていますとそれで時間がなくなりますから、適当なところでこの問題は終わらせようと思いますが、出産を現物給付にすることは非常にむずかしいとか、あるいは疾病のカテゴリーの中に入っていない今日、これを保険で現物給付にすることは困難だとかというようなお考えがおありになるようですけれども、出産というのは瞬間に疾病に変わるわけですね。瞬間に命を落とすほどの疾病になるものもあるし、それから障害もあるし異常もあるわけですね。そういう意味では非常に危険な状態になるわけですから、これは当然私は保険の対象として、疾病給付の対象として、そして現物給付をなさるべきであるということは、いまこのILOの関係で起こった問題ではなくて、もともとそういう考え方があるべきだというふうに以前から考えているわけでありますから、そういう観点に立って検討を加えていただきたいということを申し上げているわけなんでございます。  政務次官、どうぞ両方についてのお考えをお願いします。

山下徳夫自由民主党厚生政務次官

○山下(徳)政府委員 ただいまの出産の問題でございますけれども、正常出産がいわゆる疾病のカテゴリーに入るかどうかという議論は別にいたしまして、いま金子先生のおっしゃるような直接死につながるようなものは、異常分娩としてこれは当然疾病のカテゴリーに入ると思いますから、そこらあたりはまた検討しなければなりません。  それから、先ほどの児童手当の問題につきまして、政府の今後の改善方策について全般的に政務次官の意見、こういうことでございます。御承知のとおり、児童手当は胎動の期間が非常に長うございまして、実際にこれが施行されましたのは四十七年の一月からでございますから、比較的にまだ歴史が新しゅうございます。したがって、実際に実施している間にいろいろな問題が出てきておることは御指摘のとおりでございます。支給範囲の拡大につきましても、先進国の例にならって改善すべきは、将来しなければならないと考えております。あるいはこの額の問題にいたしましても、消費者物価等の推移にスライドして検討しなければならないと思います。あるいは第一子、第二子についても適用しろという御意見、これは日本の今後の人口政策からしますと、むしろ第一子、第二子に適用すべきであるという論もまた出てくるかと思います。     〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着     席〕  二子に適用して四倍になるということは、結局三子が四分の一であるということですから、そこらあたりにまたこの発足の時点における意義があったわけでございますが、そこらあたりも、それぞれ国の予算にも大きな影響を持つ問題でございますから、御意見は御意見として十分承っておきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 近い将来批准に持っていくことができるような形でぜひ考えていただきたいと思います。  続けて、福祉手当の関係の質問をさせていただきます。  今度の福祉手当を制度化するという考え方ですけれども、これは従来からぜひそのような形のものが欲しいということは考えておりましたので、制度化されることについては賛成でございますけれども、実際問題として、福祉手当がこれだけの金額が支給されるということに関連して、果たしてそれで、政府で考えておられるような重症の障害者を家庭で世話を見ておる家族の人たちのための助けになっているかどうかという問題があると思います。ただ制度をつくったということだけで、もうこれでよろしいというのであっては、いつも制度は死んでしまっているわけですから——大体そういうことが多いわけですね。ですから、そうでなくて、実質的に意味のある、そして効果の上がった制度でなければならないと思うわけです。そういうことで少しお尋ねしてみたいと思いますことは、こういう子供なり大人でも、障害のある人を家庭で世話をしておる場合には、年齢の差はありましても、実際問題としては大人も子供と同じなわけですね、その世話のかかる点においては。子供以上に問題は大きい。大体家族の人が見ておられるのが多いわけなんですけれども、家族以外に、家族のない人の場合には他人に頼んで見てもらうという実態もあるわけです。そういうふうになりますと非常に問題があるのですが、その中で、家族やそれからあるいは家族にかわる人が世話をしている、それだけで非常に十分ではないということも考えられてつくられた制度だと思いますが、たとえば家庭奉仕員とかあるいは介護人とかというような人たちがそういう家庭を訪ねてお世話をするということになっておるということも承知いたしておりますけれども、この人たちは一体本当にどれぐらい役に立っているのかということが実は知りたいわけです。と申しますのは、いただきました資料で拝見しますと、在宅の重度の心身障害の人たちの数というのが、大人も子供も合わせますと重度の人だけで三十四万九千人という数字が上がってまいります。重度だけに限っていま世話をする人が派遣されるというふうに考えますのでその数字を見るのですが、三十四万九千人ある。それに対して一体何人の人たちがお世話役を担当するのかといいましたら、資料を拝見いたしますと、四十九年度で家庭奉仕員が一千六十七人しかいないのですね。全国でですよ。それから介護人というのは少し趣旨が違うので、家庭奉仕員のように常時ということでなくて、臨時に必要な場合に世話をするという人たちのようですが、これが千八百十八人しかいない。仮にこの人たちも家庭奉仕員と同じようにめんどうを見る人になってもらうとしてもやっと二千八百人くらいしかいなくて、対象の人は三十四万九千人あるということになりますと、一体どれぐらいの仕事ができているのかということが知りたいのですが、そちらでお調べになったものがありましたら教えていただきたい。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 ただいま御指摘のございました点については、確かに全部をカバーするような仕組みができることが一番望ましいわけでございますけれども、現在身体障害者並びに重症の心身障害児に対する、いわゆる家庭にあるそういった人々に対する家庭奉仕員という制度を発足させましたのは四十二年でございます。自来毎年増員を図ってまいっておりますけれども、これの私どもの考え方といたしましては、ただいま御指摘のございましたいわゆる三十四万の中で、施設に入っている人は除きまして、さらに家族が勤めに出なければならないとかあるいは常時家族の介護を得られない、しかも所得の低い階層の人々、大体大人に限って申し上げますと、われわれの推定では一万人程度と考えられておるわけでございますけれども、そういう人々に対して、これも老人の家庭奉仕員と同じ考え方をとっておりますけれども、週に二回、いわゆる洗たくであるとかあるいは炊事のお手伝いであるとか、あるいは買い物の手伝い、また身辺の清拭というようなことができるような配慮をするということをたてまえにしてこの家庭奉仕員というものを設けているわけでございます。もちろん数はただいまお示しがございました千二百名でございまして、さらにそのほかに重症の心身障害児に対しましても同様千二百人程度のものを一応国としては予算化をしているわけでございます。これを市町村の福祉事務所にいてもらいまして、ただ問題になりますのは、御承知いただけると思いますけれども、こういった障害を持っている人が一律に分散しているのではなくて、いわば非常にばらつきがあるわけでございます。それで、市町村によりましては老人のホームヘルパーそれから身体障害者のホームヘルパー、重症障害児のホームヘルパー、これを合わせて全国で予算的には約一万三千人ぐらいを持っておりますけれども、こういった人々が、具体的には必ずしも老人は老人だけでなくて、身障と言われておっても身障だけでなくて、ヘルパーとしての仕事ができるようにするというような運用をしているわけでございます。  また介護人につきましては、ただいまお示しがございましたように数は少のうございますけれども、一人で生活をしながら、しかし常時の介護は必要でないこの重度の障害者の人が、万一病気になったりあるいは身辺に非常に問題があるというときに、非常勤としてお手伝いに行ってもらうというたてまえになっているわけでございます。ただ、私が申し上げましたのはあくまでもたてまえでございまして、やはり福祉のサービスが末端まで行き届くようにするために、さらに今後この増員なりあるいは処遇の改善ということをしなければならないことは、われわれとしても当然の問題だと考えておるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いまのは確かにたてまえですね。実際問題としては週二回なんて全部の人には行っていないですね。一度も来てもらったことがないという家族を私は何軒か訪ねました。それは、そういう人たちがあることを御存じですかと聞きますと、いいえ、知りませんと言っているわけですね。そして、そういう人がいたら助かると言っておりますのに、一遍も来てもらったことがないという人が東京にもおりました。ですからそういうことを考えますと、一体この制度は何のためにつくってあるのだろう、どういうことを目的につくられたのかしらという疑問がもう一遍出てきちゃうわけですね。ですから、いま局長がおっしゃったように、たてまえとしてはそういうふうに立てていらっしゃるかもしれないけれども、そのたてまえが実際問題として実現されていないというのは、やはり制度としてあることは恥ずかしいかっこうだと思うのですね。ですから、たてまえはやはり本音でなければいけないんで、実現できるようにするためにもっと思い切った増員措置がとれないものかということなんです。非常にわずかずつ、わずかずつの増加なんですね。私は、確かにふやすということはどんなに大変かということもわからないわけではございませんけれども、しかしそれだけの考え方で制度をつくっていらっしゃるのでありましたならば、ぜひそれは実現させるようにしていただきたいと思います。  考え方と家庭奉仕員の問題もそうでございますが、さらに子供の場合には療育指導員という専門家がいるのですね。この人たちが子供のところを訪ねてそして指導するというたてまえ——これもたてまえがあります。それからいま一つは、訪問診査という、これは巡回診療班のようなものだと思いますけれども、そういう準備がされていて、そしてそういう重度の心身障害のある人たちの家庭を訪ねて、そして病院に来られない、お医者さんのところへ来られないから、巡回して訪問して、そして健康状態をチェックして健康管理をするということになっておりますね。大変結構だと思います。いい制度だと思いますし、たてまえとしてはりっぱだと思いますけれども、これも一体どれぐらいやっているのかということなんですね。やはり実際に行われていない、一度も来てもらったことがないという返事を聞きますと、私たちは一体どう考えていいのかわからないのですが、これについてどういうふうにお考えでございますでしょう。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 重症心身障害児に対する、ことに在宅の重症心身障害児に対する指導としては幾つかのやり方をしておるわけでございます。一番かなめになりますのが、四十一年度から制度化しました訪問指導でございまして、児童相談所が中心になりまして、福祉事務所とかあるいは精神薄弱者の更生相談所とかあるいは保健所等々の専門家、具体的にはケースワーカーとかお医者さんとか心理判定員等々のチームによりまして、栄養のとり方なり健康管理の方法なり、家庭で保護者がそういった障害児を世話する場合の技術的な指導をやる、その他特別児童扶養手当制度なんかについても相談することにしておるわけでございまして、各県でもこの訪問事業については相当努力している点があると思います。ただお話しになりましたように、実績を見てまいりますと、四十八年度の報告しかないわけでございますが、私共で把握しました限りでは、四十八年度中に訪問指導いたしました実人員が約九千ぐらい、やや詳しく申し上げますと、八千九百六十人ばかり。その当時約一万人ばかり在宅のこういった重症心身障害者がおりましたから、一部漏れがある。今後につきましても、こういった訪問指導がより活発に行われるように指導してまいりたいというふうに思っているわけでございます。  このほか重症心身障害児とは限りません心身障害児一般につきましては、家庭奉仕員の制度でございますとか、あるいは民間団体の療育相談を助成するということで、いろいろな角度から、家庭の持っておられる悩み、あるいは子供の育て方についての技術的な指導等をより綿密に積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 ただいま児童家庭局長が申しましたように、児童についてはそういうたてまえがあるわけでございます。ただ、私どもいま非常に深く考えておりますのは、こういった老人とか身体障害者とか重症心身障害児というように縦割り的なホームヘルパーということを、むしろもっと総合的に運用することによって、ホームヘルパー本来の仕組みというものをより密度の高いものにしていく必要があるのじゃないだろうかということと、先ほど来御指摘がございますように、個々のケースに当たった場合に、来てくれない、あるいはそういう制度を知らないということはやはり何といっても行政が末端まで行き届いていない証拠でございますので、これは強く——いわゆる福祉サービスの問題にかかわっているわけでございます。したがいまして、こういった福祉のサービスがよりよく徹底するための努力というのはしていかなければならないし、またわれわれの責務であるというように考えております。したがいまして、ちょうど五十年度には身体障害者の実態調査を全国的にいたすようにいたしておりますが、これは五年ごとの調査でございますけれども、これの結果等も見合いながら、その増員それから処遇の改善、それからいま申し上げた総合的なヘルパー制度に向かって一歩前進するようにやってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そのとおりぜひ実現していただきたいと思います。どうも、制度は持っていても内容が一つも伴っていないというのが幾つも出てまいりまして非常に残念だと思います。ことにこういう障害者に対する問題については立ちおくれがはなはだしいというふうにも考えられますから、一段と努力をしていただきたいと思います。  いまお話の中で出てまいりましたので、私いただいた資料とちょっと数字が——自分で混乱しますが、在宅の重度の障害者、心身両方の障害者の数というものはわかっているのでしょうか。重度の身体障害、重度の精神障害というのはわかっていらっしゃるようですが、重症の心身障害というのは果たして数字がわかっておりますのでしょうか、どうでしょうか。これは十八歳未満と十八歳以上というふうに分かれていますが。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 この身体障害児あるいは身体障害者の調査をいたしましたときに、重い精神薄弱と重い身体障害がダブっておるいわゆる重症心身障害児の数について一応把握したわけでございますが、約一万七千人というふうに考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 いつの数字ですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 四十五年十月の身体障害児・者の実態調査の際に調べたものでございます。それでいま社会局長からもお話し申し上げましたように、五十年度は心身障害者の実態調査をすることにより、さらに詰めて、より新しい数字をつかんでまいりたいというように思っております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 一万七千が四十五年十月の数字ですね。そうするとこれが、五年たって今度は五十年度で調査をなさった時点でどのくらい変わってくるかということがこれからわかるわけだと思いますが、五年の開きというのはずいぶん大きいですね。こういうものを対象にする場合に。そのことについてはまたお考えを聞かせていただきますが、先へ急がせていただきます。  その次は、今度新しく制度化されようとする福祉手当支給制度の問題ですが、手当額の問題について少し聞かせていただきたいのです。  手当の問題なんですけれども、今度決められたのが一カ月四千円でございますね。まず最初に伺いたいと思いますのは、この一カ月四千円というのを決められた根拠は何だったのだろうかということなんです。これは一日にして計算すると、一日百三十円くらいにしかなりませんわね。一日百三十円という金額は何を考えたらいいかと思うのですが、たとえば先ほどのホームヘルパーの人たちは一日どれぐらいでお手伝いに出ているのかという問題があると思います。それから、いわゆるホームヘルパーでなくて、派出婦会から派遣される派出婦というのがございますね。この人たちの手当は、これはもちろん資格も何もない人たちですけれども、いま一日五千円ですね。そして食事の費用の、食費の差額代千円というのがまた取られますから、大体一日六千円というのが都会の常識になっています。そうすると、片方は一日六千円です。まあ家族だからお金で換算するのはおかしいかもしれませんけれども、家族といえども、そういった障害者が一人家庭におるために精神的な悩みは非常に大きい。その負担は大きいことはわかりますが、それはお金で換算されないとしても、具体的にたとえば仕事に出ていた人が外へ出ていかれなくなる、あるいはパートもできない、内職をしている場合でも内職も十分できないというようなことになりますと、生活費用の問題に絡んでくるわけですね、そういう人が一人いるために。ですから、経済的な、そして精神的な負担というのは物すごく多いわけなんですが、それを少しでもカバーしてあげようと思ってつくられた制度だと思うのですよ。ですから、その御趣旨は大変結構だと思うのですが、それだったらもう少し実のある手当額になぜできなかったんだろう。四千円、一日百三十円。内職をやっても、私幾つか見ましたけれども、おばあさんとそれから家族がもう一人、お母さんと二人で何もしないで内職をしても、お母さんは障害者の世話もしなければならないからフルに働けないとしても、一日大体五百円ぐらいになるのですね。安くても五百円ぐらいの内職費になる。そうすると、それもできなくなってくる。内職よりも少ないですね。百三十円。どうして四千円という金額をお定めになったのか、説明していただきたいと思います。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 大変説明しにくい御質問でございますけれども、確かにおっしゃいますように、この介護ということに着目して、そして、日々介護料が幾らかというように考えますならば、いまお示しがあったように、この額が一体それで合うかどうかということになろうかと思います。今回この福祉手当ということで四千円にいたしましたのは、提案理由で大臣からも申し上げましたように、重度の障害を持っているために精神的あるいは経済的あるいはまた肉体的な負担というものが特別にあるわけでございます。それに対して何らか報いる——報いるという言い方はあれでございますけれども、それにこたえるという意味でこの額を決めたわけでございまして、直接の額の一番の理由と申しますならば、現行の特別児童扶養手当法における特別福祉手当が三千円で発足しているわけでございます。それを勘案しながら四千円にしたということと、いま御質問の中にもございましたように、重度の障害者の人たちが受けておりますほかの制度といたしましては、御承知の障害福祉年金が来年から一万八千円になりますので、それと加えますならば、趣旨は違いますけれども、本人に渡る額は二万二千円。ただ、この福祉手当につきましては、そういった点でとにかく発足する、それからまた、いま申し上げましたように、介護ということではなくて本人に支給といことにいたしましたのも、そういう重度の障害に着目して、それに対する何がしかの経済的、肉体的な特別な負担に対応する額ということでいたしたわけでございまして、介護ということと直接に比べるということについては、やはり問題があろうかと思っている次第でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 これは介護手当と考えないでというお話ですね。福祉手当、そういうふうに解釈するわけですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 必ずしも介護のみではないということを申し上げたわけでございまして、介護手当ということに明確にいたしますと、やはり介護する人にお渡しするということになるわけでございます。福祉手当ということで本人に支給するということと、同時に、中身としては、もちろん使い方にはいろいろあろうと思います。まあ一日百三十円で介護になるかどうかということはありますけれども、それが家族に渡り、あるいは手伝ってくれる人に何らかの報いになるならば、これも一つの意味があるのではないかというように考えておるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そうすると、介護する人のためというよりもむしろ本人の生活のためという考え方になるわけですね。すると、所得保障のような意味も含まれるでしょうか。     〔竹内(黎)委員長代理退席、菅波委員長     代理着席〕

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 障害福祉年金の場合は、本人が障害を持つことによって、本来ながば勤めてあるいは仕事をして得られるであろう所得の稼得能力が喪失いたしますので、それに対する補てんという意味で考えられておるわけでございます。特別児童扶養手当につきましては、そういう重度の子供さんを抱えていることによって、介護する親の生活上の負担が重くなるということでこの額が考えられているわけでございます。  今回の福祉手当の場合においては、先ほど来申し上げておりますように本人、もちろん家族を含めても考えられるわけでございますけれども、こういった重度の障害によって肉体的、精神的な負担がより一層重いということに着目しているということを申し上げているわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 大変むずかしいのですけれども、そうするとお見舞いですかね。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 そういう意味が非常に大きいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 お見舞いのような考え方だとすれば、私はこれを出すについて扶養者の所得制限をされるというのはちょっと理屈が合わないと思うのですけれどもね。お見舞いというのは御病気のお見舞い、出産のお見舞い、何のお見舞いでもですけれども、その方自身に対してのお慰め、お見舞いですね。ですからどれほど経済的に、裕福な方のところへでもお見舞いは行きますし、貧しい方の場合でもお見舞いはお見舞いなんですね。ですからそういう意味で、もしお見舞いだとすれば、私は所得制限なんて何の関係もないと思うのですけれども、何で所得制限をしなくちゃならないのでしょう。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 お見舞いの意味もあるということを申し上げたわけでございまして、お見舞いそのものということではないわけでございます。これは言葉のことでございますから別にここで釈明をするということではございませんが、特別児童扶養手当の場合における特別福祉手当におきましても、やはり所得制限の制度を設けて今日に至っておるわけでございます。  ただ、おっしゃいますように支給される額あるいは支給される対象ということを考えた場合に、所得制限をできるだけ少なくしていく、そして多くの人に渡るようにする努力は当然していくべきことであるというように考えているわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 どうも納得しかねるのですけれども、こういう障害者を家庭に持ったことがないと本当にその実感はわからないということは言えます。私も自分の家庭でそういう障害者を持ったという経験はございませんけれども、先般神戸の砂子療育園の子供たちが、療育園がやっていけなくなって、職員の不足、腰痛症その他でやめていって、子供を一時家に帰した時期がございました。そのときに、帰された子供たちの家を何軒か訪ねてきました。そうしましたら、子供が戻ってきたことのために、母親は働いていた仕事は全部放棄して一日じゅう昼となく夜となくその子供の世話をしていなければならない。内職をしようと思っても、手紙一本書こうと思っても子供がそばへ寄ってきて、そして絶対にその子供に向かってやらなければ納得できないというようなことですし、あるいはおふろの設備もそうなっていないし、あれやこれやということで、家族の人は本当に大変だということなんです。帰ってきた子供を二、三週間世話をしただけで親の方が病気になるような始末、それも私はそのとおりだと思います。大変なことだと思うのですが、それだったなら今度のこの問題も、お見舞いのような気持ちも含めてと、お見舞いそのものじゃないと言い直しなさいましたけれども、そうすると性格が非常にあいまいになってきてしまったのですね。そこらへんをはっきりさせなければいけないと思うのですが、所得制限をするなんということは、ほかの手当とは意味が違うのですね、この場合は。こういう障害になった方々というのは、障害になられた原因はいろいろあるかもしれませんけれども、ほかの場合とは、たとえばお年寄りであるとかあるいはその他の場合とは理由が違いまして、本当に特別な意味合いがある方々のためのものですから、それを所得制限するというのは私は非常に残酷じゃないかというふうに思います。それにもかかわらず、ヘルパーの人も数が少なくて十分じゃない、それから金額も大変に少ない。施設が十分じゃないから、施設に入れないで家庭でめんどうを見なければならない。そうったよくない条件、不利な条件ばかりがかたまっているその家庭に対して、家族に対して、お見舞い金の意味があるとはいいながらも四千円というのは非常にわずかだと思いますね。この金額がせめて一万円とか——派出婦の人が一日六千円ですから、その十分の一としたって六百円ですね。内職をして最低五百円なんですから、せめて五百円。私はそんな小さな金額では意味がないと思うのです。所得の保障の意味はないとおっしゃいましたが、しかしお見舞い金でもない、もろもろの意味合いが含められた福祉手当なんだ、こういうふうに理解できるわけなんです。そうだとしますと、所得の保障のことも多少入っている。お見舞いのことも多少入っている、いろいろな意味合いが入っているということになりますと、それぞれを勘案しました場合には、いま総理府の調査でも勤労者の消費支出が一人熱たり約三万円ですね。そのことを考えましたら百三十円というのは余りにも少な過ぎる、話のほかだと思うのです。これを増額するということを何とか考えていただきませんと、せっかくつくっていただいた福祉手当支給制度が本当に死んでしまうと思うのですが、この辺は政務次官どうでしょう。思い切って——近い将来と申しましても今度の予算はいま審議されているところなんですが、補正をなさるおつもりがおありになるか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。

山下徳夫自由民主党厚生政務次官

○山下(徳)政府委員 金子先生御指摘のとおり、私は率直に申し上げて、もともとこの制度の発足は、いわゆる介護人に対するお見舞いであったと思うのです。お母さんやお姉さん本当に御苦労さま、月一回ぐらい映画でも見ていらっしゃいという趣旨であったと私は思うのです。しかしながら、介護手当となりますと、介護人が異動したりいろいろするから支給の技術上の問題も出てくるし、やはり含めてという意味でこういう制度になったと私は思うのです。ただそうであれば、そんなみみっちい所得制限しなくてもいいじゃないかとおっしゃるけれども、実は具体的例を申し上げますと、私の県でもって、県内においては一応の財閥的な人がいまして、重度心身障害児を自宅に持っておる、何とかしなければというので、近いうちに自費でもって施設をつくると言っているのですが、そういう人たちにまで、月に一回晩ごはんでも食べてくださいと言ってやるのがいいのか悪いのか、実際ぶつかってみるとそういう感じがしないでもございません。  同時に、当初の発足はそうであっても、形としてはこういうふうに手当として出てきたわけでございますから、小さく産んで大きく育てると申しますか、将来は物価その他を勘案しながら増額していかなければいけない。したがって、老齢福祉年金が当初の発足の趣旨と違っていまや生活費の一部になっているという点を考えますと、やはり発足の当初にある程度の歯どめをしておく方がいいのではないかという趣旨かと存じますが、いま申し上げましたように、将来はそういう意味においてひとつ物価その他等も十分考慮しながら増額していかなければならぬ、かように考えております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 将来ぜひ考えていただきたいというふうに私は重ねて申し上げたいと思います。  いまお話の中でちょっとひっかかりましたのは、大変に裕福な方が子供さんが障害児であって、御自分で障害施設をつくろう、大変結構なお話だと思いますが、そういう人たちに対してまでもお見舞いを兼ねたようなものが行くのはどうかと思うといま政務次官おっしゃったのですけれども、私はそれは構わないと思うのですよ。私は、社会保障のたてまえからいけば、どんな家庭にだって当然行くべきだと思うのです。それは政府の立場としては社会保障の政策の一環としてなさるわけですから、どのような裕福な家庭にでも当然行くべきものだと考えます。それを受け取った方の側がそれをどのようにお使いになるかは御本人の考えなのであって、それを自分のところでは必要ないから寄付しますとか返しますとか、いろいろな言い方はあると思います。それはそれでいいんじゃないでしょうか。それを初めから差別して、区別して、金のある人たちがこんなにあるのにそこへも出すのはおかしいから、この制度の考え方としては、全般でなくて金額としてはこうだとかというのは筋が通らない。やはり、御承知のように社会保障国家などでは、たとえ裕福であっても定年退職した人たちに老人年金が行くという、必要ない人にも行っているわけですね。それと同じで、やはり社会保障のたてまえでいけばそうでなければならないと思うのです。三木総理がよくおっしゃる社会保障を充実するというたてまえで今年度の予算も組まれたとおっしゃいますが、社会保障制度を充実する予算の中でこのような実態があるということは、やはり三木総理のおっしゃっていることは、おっしゃるだけで実質がないなということがこんなところへも出てきてしまって、大変に残念だと思うのですね。ですから、そういう意味だったらそういう考え方はおやめになっていただいて、社会保障のたてまえでなさるんだったら、それを受け取ったことのためにその家庭が本当の意味で保障されるというふうな形にならなければ意味がないと思うわけです。ですから、制度だけあって一つもサービスがついていかないというものはもうこの辺で切っていただきたい、もう五十年度になりますから、そういう意味でこの問題もその先をぜひ考えていっていただきたいと強くお願いしたいと思います。

山下徳夫自由民主党厚生政務次官

○山下(徳)政府委員 いまの先生の御意見ごもっともだと思いますが、また反面におきましては、そういう方に差し上げる分があったならば、もっとお気の毒な人にその分だけよけい厚くしたらという意見もあるわけでございますから、先生の御意見は御意見としてひとつ参考にさしていただきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 はい、わかりました。  それでは関連でございます。この手当の支給の期日の問題なんでございますけれども、ちょっと私も理解ができないのでよく教えていただきたいのですが、これは法律が施行されるのは五十年十月一日でございますね。そういうことになっておりますが、手当金の支給を受けるのは同じときじゃないのですね。五十一年の一月一日からというふうになっておるようでございますが、これはなぜそんなに間をあけなければならないのでしょうか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 手続的なことで申し上げますと、おっしゃいますように十月一日からこの法律が施行になりまして、十月までに申請を受け付けまして、そして十月からこの制度が発足するわけでございます。支給の期日につきましては、現行の特別児童扶養手当なりあるいは福祉年金等と同じように年三回に分けまして、一月、五月、九月の支給ということにしているわけでございます。したがいまして、十月から発足いたしました額が、四千円が三カ月分が来年の一月に支給される、こういう仕組みになっているわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 それは事務的な問題ですね。十月に法律が実施されたんなら、私は該当者はもう首を長くして待っておられると思うのですね。ですから、十月一日に法律が通る見込みだとすれば即日に手続をしてあげていいんじゃないかと思うのですけれども、そのほかの制度が一月と五月と九月だからそれまで待たせるというのは、ちょっと温かい配慮が欠けているんじゃないだろうかと思います。     〔菅波委員長代理退席、委員長着席〕 せめて最初だけ十月に上げて出して、そしてその次からは一月、五月、九月という行き方をしていただければ、ああやはり考えていてくれたなということで思いやりが感じられるのですけれども、そういうことは努力していただけないのですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 この種の制度を始める場合に、いま私が申し上げたような仕組みで常に発足してまいっております。ただこういった特に福祉手当のような制度について、そういう配慮がもっと必要ではないかという御意見については十分拝承するわけでございますけれども、事務的な手続あるいはその支給の仕組み等について、確かに法律は早々可決していただきますならば成立するわけでございますけれども、その間の府県福祉事務所における手続等も考慮いたしながら、いま申し上げたような仕組みにしているわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 その手続の問題では時間がございませんからもう外しますけれども、たとえば申請したその翌月からにしかならないとか、その申請した日がたとえば五月の二十八日に申請したら、それはちょっと五月というのはもう三日しか残らないから六月からというのはわかりますが、五月の三日に申請しても六月からというのは非常に私は、やはり同じ考え方で思いやりが足りないというふうに思います。こういう種類の手当でございまして、ほかのものと違いますから、一日でも早く本人の、対象の受給者の手元に届くようにしていただきたい。手続を非常に忠実に守っていらっしゃいますけれども、事務的な手続の方が優先して、本当に必要とする対象者である国民の人たちに対する思いやりが欠けているというのは大変残念だと思います。ですからこういう手続の問題、わからないわけでありませんけれども、その中でできるだけ本人、対象者に対する温かい思いやりを含めた上での手続ということに今後はぜひ考えていただきませんと、何でもお役所の仕事がしやすいように事は運んで、受ける方の側はやむを得ない、いただきますというかっこうになるというのは、どうも主客転倒しているような感じがします。国民が主体でなければならないのに逆の感じがいたしますから、その点はぜひ考えて、今後改めていただきたいというふうに思うわけでございます。  あと一つは国籍要件を撤廃されたという問題なんですけれども、これは児童扶養手当の問題ですね。児童扶養手当の問題で、今回国籍要件を撤廃されたということですね。これははっきりさせていただくためにお尋ねするのですけれども、父親が日本人である場合に限っているわけでしょうか。母親は外国人であっても、その子供が対象として今度は問題なく受けられる、子供の国籍が日本でなくても、日本人でなくても受けられるというふうに今度なっているわけでございますか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 現在も児童扶養手当、特別児童扶養手当も同じでございますけれども、受給者である親でございますね、親が日本人であること、それからその親が監護したりあるいは養っておる子供が日本人であること、つまり親と子供がともに日本人でなければならないというふうな仕組みになっておるわけでございます。今回御提案申し上げまして撤廃しようと申しますのは、子供の国籍について日本人であることを要件としないということにするわけでございますので、その子供を監護するあるいは養育する親なりその他の監護の人は日本人であるということにつきましては従前どおりでございます。子供の国籍要件を撤廃をしたということでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 そういたしますと、結局、児童扶養手当ですから母子家庭ですね。すると母親は日本人でなければならない、こういうことになりますね、言葉をかえれば。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 お話しのとおりでございます。したがって具体的に問題になりましたのは、御案内のように沖縄の日本の女性でアメリカ人と正式の結婚をした、そういたしますと、母親はまだ日本人であるわけです。しかし父親はどこかに行ってしまった。しかし正式の婚姻でございますから子供はアメリカの国籍を取得するというふうなことになって、捨てられた日本人である母親がアメリカの国籍を持った子供を抱えておって非常にお気の毒であるという状態が具体的な動機であるわけでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 わかりました。  時間も終わりに近づいてまいりましたし、大臣お見えになりましたので、問題の、質問の趣旨を少し変えていきたいと思いますが、いままで大臣お留守の間にいろいろと質問をさせていただいてここまで来たわけでございますが、ここで大臣に特にお考えを伺わせていただきたいと思っておりますことは、このきょう対象になっております重症の心身障害者を持っている家庭に対する手当でありますとか、あるいはこれに関連のある家族でございますね。そういうものに対するいろいろな制度その他取り扱いに関する問題を取り上げてまいったのでございますけれども、これは厚生省でやっていらっしゃる、いままでずっとなさっていらっしゃいました社会福祉施設整備緊急五カ年計画というのがあるわけですね。これは、こういう重症の心身障害の方たちの収容施設の整備のことなんですけれども、四十六年度から始めて五十年度でもう一応終わることになっているのですね。第一期か二期か知りませんけれども終わります。そうすると、五十年度というのは来年の三月にならなければ終わりませんけれども、五十年度が終わった暁には、計画されたとおりに内容は充実していくのかどうかということをお尋ねしたいわけなんです。もしそれが充実されないといたしますならば、その先をどうなさるのかという問題。  実は先般数字を少しいただきましたので、その数字でもって見合ってみたのですが、五十年度には一千百床、今度はふえることになっておりますね。そうすると一千百床ふえますと、従来一万二千三百床ですから一万三千四百床になるわけでございます、数字の上では。この数字でもって果たして全部間に合うのかどうかという問題。と申しますのは、別のところの数字で、入床を必要とする重度の心身障害のある方々の数字を一万一千二百と踏まれております。子供が七千二百、大人四千、こういう数字が厚生の指標にも出ておりました。そういたしますと、一万一千二百という新しい方たちがまだ入れないで入床を必要とする数として厚生省の方の御発表に載っておりますから、そういう人たちは一千百床ふえただけでは入れないわけですね。五十年度で一割しか入れないわけですね。そうすると、五十年度に計画が終わっても現存する必要とする人の一割しか入れなくて、あとはどうなることだろうということなんですが、五十年度で一応この計画が終わられましても、その後どうなさっていらっしゃるおつもりなのか、その御方針をちょっと御説明願えればと思っております。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 まず私からお答え申し上げますが、いまお話しになりましたのは重症心身障害児でございます。重症心身障害児につきましては、五カ年計画で五十年度を目途に整備計画を立てて、自来整備をしてまいったわけでございますが、五十年度を控えました昨年の五月に、児童相談所を通じまして、現在施設に入所を要する児童がどのくらいいるかということをさらに詳しく調べたわけでございます。そういたしますと、昨年の五月の時点で施設に入所を要する児童というのは全部で一万三千四百人、このほかに家庭で療育してよろしいというのが約五千六百人あったわけでございます。そして、四十九年度までの施設の整備計画で整備できます量が一万二千三百床でございますので、人所を希望するあるいは入所を要するというふうに考えられました一万三千四百と一万三千三百の差の千百床というものを五十年度に整備をすれば、一応現在の重症心身障害児で施設に入れる必要のあると脅えられる人のベットは整備できる勘定になる、つまり重症心身障害児につきましては、一応計画としては五十年度で終わる。ただ、その後もいろいろ出てまいるということは当然でございますので、それから後はそのときの必要に応じてさらに施設を整備をしていくということにいたすつもりでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 数字のことで時間をとるのはもったいないと思いますが、ちょっとそれは私は数字上納得ができないのです。この厚生の指標の中で出てまいりますものは入所を要する者、重症心身障害ですね。子供が七千二百人、十八歳以上四千人、合わせて一万一千二百人という数字が出ているわけですね。ですからその数字でいま申し上げたのですが、その数字のことで、こてこてするのはちょっとあれですから、これはペンディングにいたしておきます。いずれまた伺わせていただきまして、時間が迫られておりますから次の問題に入ります。  いろいろとお話し合いをしてまいりましたが、この身体障害といいあるいは精神障害といい、障害のある子供さんあるいは大人の方、要するに障害者の問題なんですが、この問題が大変立ちおくれになっていて、いまいろいろ先ほどお話し合いを進めてきたところでございますが、そこで伺いたいと思いますことは、こういうようなことはどうも従来、後追い後追いのかっこうになっております。ですから問題は、こういった心身障害者の対策として最も基本的に最も必要な問題というのは、そういう人たちをつくらない、発生させないということに私は問題が一番大きいと思います。一番重要だと思うのですが、今後そういうふうな発生予防と申しますか、その予防の対策としてどのようなことを考えておられるのかということを私はぜひ伺いたいと思うわけでございます。この発生が、後天的なものももちろんございます。身体障害なんかの場合、けがとかなんとかそういった後天的なものもございますが、大方のものがいわゆる先天的なものが多くて、そして妊娠、出産の関係からそういう障害児が発生するということが報告されておりますから、そういうようなことも考え合わせまして、一番力を入れなければならないのは、やはり何と申しましても母性保護対策じゃないかと私は思うわけです。政府は、厚生省ではどのようにお考えかは存じませんが、もし政府の方で今後の発生予防の対策として何かほかのことをお考えでいらっしゃるのか、あるいはどのようにしたらいいかとお考えになっていらっしゃ、るのかを、ひとつ伺わせていただきたいと思うわけでございます。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 いまお話しになりました発生予防、早期発見、早期療育というのが心身障害児対策の一番大前提、基本であるというふうに考えるわけでございます。  そこで一つは、従来からこういった心身障害の発生予防あるいは原因究明について研究費を出して進めてまいったのでございますけれども、特に四十六年度からこれを一括いたしまして心身障害研究費ということで、発生予防から早期発見、早期治療というふうな面の総合研究というものを実施しておるわけでございます。お話しになったような遺伝に関する研究とか胎児環境の研究とかいうふうなものでございまして、五十年度の予算案におきましても、四十九年度の四億五千万円に一億加えまして五億五千万円というふうな額に引き上げたわけでございます。従来の研究でも、代謝異常などに対しまして各種のマススクリーニングというふうな面の手技が開発されつつあるわけでございまして、今後研究の成果というのは順次できるだけ早く、行政の推進をしてまいりたいというふうに考える次第でございます。  同時に、御指摘になりましたような妊産婦、乳幼児の健康診査を中心とする母子保健行政につきましては、従来から引き続いてさらに充実を図ってまいる所存でございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 時間がございませんので詳しく伺えないのですけれども、研究結構だと思います。しかしやはり研究には一定の時間がかかるんですね。研究というのはすぐには結果が出てこないのです。ですから、それは基本的なものとしてぜひやっていただかなければならないと思いますが、さしあたって、具体的にいますぐにでも手をつけて、そして具体的にそういったものの発生を予防するというのは、何と申しましても私は母子保健対策だと思うのです。母子保健対策の中で、私はこの前のときにも齋藤厚生大臣にそのお話をして、大臣から非常に積極的な前向きの御答弁をいただいたのですけれども、田中厚生大臣はもっとよくわかっていただけると思いますから申し上げますが、いわゆる家庭にいる婦人の健診です。これがいま制度上全然ございませんね。家族の中で、すべての人はあるのです。ただし主婦だけではありません。主婦及び主婦でなくても仕事についてない家庭にいる婦人、これは健診制度が全然ございません。ですから、健診をしようと思えば有料でやらなければならなくて非常に金がかかる、時間もかかる、ですからついしなくなるというふうなことが原因で、日本の妊産婦死亡率が世界一高い、戦後世界一高いのがずっといまだに続いているというようなこともございますし、あるいは周産期死亡が世界一高いとか、そういう問題が一つも手がつけられていない感じがするわけです。ですから、この際身障者のこともあわせて、主婦のあるいは家庭における婦人の健診制度というのをぜひ実現していただきたいわけです。  齋藤厚生大臣は、いままで本当になかった、それだけ気がつかなかったような感じであった、ぜひそれは前向きによい制度をつくっていきたいと考えるというふうにおっしゃってくだすったのですが、もう一年たっているわけなんですね。ですから、これをぜひ母子保健法の一部改正をするなり何なりして——そうむずかしい問題だとは思いません。健診ですからそんなにお金もかかりません。せめて一年に一回、お誕生日には健診をするというふうにでもして、この障害児を未然に防ぐということが考えられると思いますが、それについての大臣のお考えを聞かせていただきたいこと、少し形は変わりますが、時間の関係であわせて御答弁いただきたいので一つ申し上げますが、今回新設された手当制度は結構だと私は思っているのでございますけれども、何か手当制度が、先ほどの局長のお話では所得保障のようでもあり、お見舞いのようでもあり、いろんなものの意味合いが含められているというお話でございました。非常に性格がはっきりしないのですけれども、それは別といたしまして、いまいろんな問題が起こっておって、生活保護とかあるいは福祉年金とかいろいろなことで、社会保障の立場から保障がされておりますね。そこへまた手当制度が入ったことはいいことなんですけれども、何となくばらばらの感じがするのですけれども。ですから、やはり所得保障としてはっきり一元的な本格的な年金制度のようなものを確立するということが必要なんじゃないかしらと思うわけです。子供の場合ですと話は違いますが、大人の場合でございますと、やはり親がかりになってる。家族の世話を受けているということがあります限り、いかに経済的に手当が加えられた、支給されたといたしましても、独立して生活できるということが一番彼らの希望であり望みであるわけです。ですから、そのことができるためには、やはりいま申し上げたように所得保障として一元的な何か本格的な年金制度が考えられるべきじゃないかと思いますので、あわせて大臣の御答弁をいただければと思います。二つ別々の問題ですけれども。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 二問ございまして、母子健診制度でございますが、齋藤元厚生大臣も熱心に前向きにこれを検討するようなお話があったそうでございますが、これについて今後ひとつ私もいろいろと検討をして、一体どういうふうな把握率になるかというようなこともいろいろ問題があろうと思いますが、現在のように妊産婦健診というだけではなしに、一般的にこれをやれるかどうか、できればやった方が結構だと思いますが、ひとつ前向きに検討をするようにいたしてみたいと思います。  福祉手当、これはさんざん苦心して実はここまでやっと来たというのが偽らざるところでございまして、したがいまして、ごらんになる方から見ればいろいろと性格的に不明瞭であるとか、あるいはまたこれの位置づけというものについて理解がむずかしいということもあるだろうと思います。大体つくった私が、実は率直に申して、正直に申してそういう憂いを残しながら、しかしやった方がいいんだということで始めたものでございますが、今後この制度を発展させる過程においてそういったような問題がだんだんと解明されるというふうにしたいと思っております。ただ、年令制度にせよ、こういうお話でございますが、独特な、在宅であって介護を必要とするという一定の範囲の方々について、別に、何というんですか、別格の傷病年金というようなかっこうにできるかどうか、これは年金の体系の中でどういうふうに位置づけるか、またこれが、年金制度は一種の保険理論でやっておりますから、保険理論の中に一体なじむかどうか、こういうことについてはもう少し検討してみなければなるまいと思っております。要は、この制度がここで生まれたものですから、私は、まあ恐縮ですが、小さく生んで大きく育てるという気持ちでがまんをしたわけでございますので、どうぞ御協力を瀬いたいというふうに思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 このごろは大きく生んで大きく育てるんですよ、厚生大臣。小さく生んでというのは昔はそうだったようですけれども、このごろはそういうことになってないみたいですが、まあそれは別といたしまして、最後に一つだけですが、生むことの話が出ましたので生むことに関連があるんですが、先ほどお話をしていたんですが、ILOの百二号条約の中の母性給付の問題なんですけれども、時間がありませんから結論だけ申し上げますと、日本の場合の実態も御存じですから申し上げませんが、これを社会保険の現物給付にできないかどうかということをお願いしているわけです。これは日本の場合としてはぜひともやっていただきたいし、ことしは国際婦人年でもありますし、いろいろな意味におきましてぜひことしこの問題を解決していただければ非常に有効だと考えられますので、ぜひ御検討願いたいと思いますか、いかがでございましょう。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 これは予算委員会でもしばしば御質問がございまして、私もいささか勉強いたしたのでございますが、どうも疾病治療を目的としている日本の保険制度の中で、一応いわゆる疾病ではないと言われておる正常分娩について保険の給付にいたすということについては、現行の健康保険制度の中でどう割り切っていいかということについてはいまだ踏み切れないでおるというのが実態でございます。  そのほかに、事務当局の話を聞きますと、一体これの給付額——いろいろとこれをどういうふうにやっていくかということについての技術的な問題もあるということでございますが、いずれにいたしましても、これを今後疾病に準じた扱いで現物給付にしていくということについてはなお検討を必要とする。どうも私勉強してみますると、ヨーロッパの国々と日本の場合における出産というものについての考え方が違うというような気がいたしまして、実は私は産婦人科の医者等に、向こうへ留学した人に聞いてみると、確かにそういうことがあるようでございますが、まあこうしたことは日本古来の考え方で。ざいますので、障壁として乗り越えられないことはございませんが、もう少しこれについては検討をさせていただきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員 ありがとうございました。

大野明自由民主党

○大野委員長 田中美智子君。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 非常に大臣のいらっしゃる時間が少ないので、ます大臣にお聞きすることだけまず三点だけお伺いしまして、あとはほかの方の御返答をいただきたい。できるだけ大臣は簡潔にお答えいただきたいと思います。  まず、福祉手出四千円というこれは今度の内閣の目玉というふうに言われまして、新しくつくられたという点では、私は金額が少ないということとかいろいろありますが、一応評価いたします。しかし、こうした新しい制度をつくりましたときに、それがだれに該当するかということは、その本人にとっては——第三者にとっては、これはいいものだ、これはだれでも言います、私もいいものだと評価します。しかし、これが自分に来るか来ないかというところの人にとっては切実な問題なわけです。それで障害福祉年金をいままでいただいている方と特別児童扶養手当の受給者ですね、この人数が、厚生省で伺いまして四十七万人いるというわけです。そうすると、当然私たちの常識としまして、この四十七万人に福祉手当が支給されるんだと、まあ私も思いますし、この四十七万人の本人はそう思うと思うのですね。しかし実際には二十九万八千人、約三十万人ということになりまして、十七万人がはじかれるわけですね。そうすると、人間には心がありますので、この十七万人の人にとっては、世間が目玉だと、これはいい新設だ、金額は少なくても一応いいことだと評価していましても、この十七万人のはじかれた人たちというのはどんなに心が傷つくかということもやはり考えていただく、これは大きなことだというふうに思います。どういう基準でもって具体的にこの福祉手当の対象外にこの十七万人がなったのかということを大臣にお答え願いたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 この福祉手当、これをつくるときにずいぶん苦心したのは実はここにあったわけであります。それでどういう方々を対象にするか、まあ厚生大臣としてはできるだけ範囲の広い人を救いたい、こういうふうに思いました。しかし、発足がつまり常時介護を必要とする人に何がしかのものを差し上げたいという発想点でございましたので、そこで身障一級は、いろいろ表を見てみますと、大体これについては間違いなしに該当するというふうに私は思いましたから、まず第一に入れました。二級ということになりますと、あの表の中には常時介護を要するというふうに思われないものが若干あるものですから、そこで一級で切ってしまうか、二級全部入れるか、それとも二級のうち常時介護と推定されるものを入れるか、ずいぶんいろいろ議論をいたしましたが、一級だけでやろうかというお話が一時出たことがございましたが、これじゃかわいそうだということで二級を入れる、しかしその中ではやはり常時介護を必要とするというものを拾い上げてやったということで、ややどうもわかりにくくなってしまったというのが経緯でございます。経緯はそうでございますが、いまの範囲でもって今後やはり常時介護を必要とするというような程度のものがあるとするならば、これは今後努力して入れていかなければならないというのが基本姿勢だというふうに思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 いまのお言葉の中に、わかりにくくなったと大臣みずからおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、本人にとっては非常にわかりにくいし、またその介護者にとっても非常にわかりにくいわけですね。先ほどの金子さんの質問の中でも、四千円という金は何のために出すのかという目的が非常にあいまいだと……。結局、先ほどの質問を聞いておりますと、見舞い金だというふうな形になってまいりますと、隣の人は見舞い金をもらうけれども自分の方にはもらえないのだというような感情が出てきますし、わかりにくいというところが——いまは機械もあります。たとえば電動単いすのようなものがありますね。義足もありますね。義足は、補装具として支給されます。しかし、電動いすのようなものは、これはまだ補装具として政府は認めていないわけですね。そうすると、金のある者は、電動車いすを使えば常時介護をしてもらわなくても相当動くということができるという人が出てくるわけですね。この人は四千円のお金をもらえる。しかし、その人よりも実際にはもっと動けないのだけれどもも——金がないために車いすもないし何もないという人は、実際には状態としては悪いんだけれどもお金はもらえないのだというふうなものが出てくるわけです。ですから、大臣みずからおっしゃるように、わかりにくいものをつくるということは、つくったのが悪いんじゃないですよ、つくり方をわかりにくくするということはどんなに人の心を傷つけるかということを、私はいまの日本の政治のやり方、特に厚生省の政治のやり方——福祉というのは、一番大事なのは、人間は人形ではないのです。人形の手がもげたからこの手をくっつけてやろうと、こういうものではないのです。心があるわけですよね。福祉というのは、やはり一番人間の心に触れた政策をしなければならないと思うのです。だから、四千円のこういういい福祉手当という目玉をつくったのだ、だからいいじゃないか、ないよりましじゃないかというふうな物の考え方で中身をつくってはならないと私は思うわけです。ですから、わずかなことなんですから、あと十七万人の人たちに、金額が少ない少なくないかは先ほどの論議の中にありましたから触れませんが、この十七万の人にこれをぜひ復活していただきたい。四十七万人すべての人に四千円の福祉年金が渡るように、こういうことをしない限りは、せっかくの目玉の陰で非常に多くの人たちが心を傷つけられ、涙を流すということです。わずか金が、四千円がどうという問題ではなくて、それよりも、心が傷つくということは非常に大きなことです。その点を大臣に私は伺いたい。  これは、社会保障制度審議会の答申の中にも「支給対象の範囲及び制度の運用については、公正を失しないよう、とくに慎重な配慮が望まれる。」ということを、前から制度審で言っているではないですか。それなのに、今度のように——大きく三木総理があの施政演説の中で、新聞の切り抜きを持ち上げまして、こうして目玉をこうやってやったんだと、こう言ったわけですよ。しかし、その陰で十七万の人たちが、ただ涙を流すだけでない、わずか四千円をもらえなかっただけという問題ではなくて、非常に心を傷つけられているということを厚生大臣が胸の中によく刻んでいただきたいと思います。福祉の本当の精神というものは、そこを大事にしていくべきだというふうに思うのです。こういういいかげんなやり方をしないでいただきたい、ぜひ、この十七万の人たちに四千円の福祉手当を支給するように、強く私は大臣にお願いしたいと思います。一言でお答え願いたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 やはり、この制度というものは常時介護を必要とする者というのが基準でございますので、したがって、本来なら常時介護を必要とする者の別表というものがあればもうこれで簡単なんですが、どうも、いままでの身障の表を使っているものですから、したがってある者は選択され、ある者は選択されないということになって、そこでいまお説のとおりのようなことができるんですが、私は、やはりこれと取り組む姿勢というものは、常時介護を必要とする状態にある者が制度や行政のひずみによって漏れるということがあってはいけないというふうに考えるわけでございまして、したがって、そのような漏れる者があるとするならばこれは入れていかなければなるまい。しかし、身障二級には、率直に言って常時介護は必要でないんじゃないかというようなものもうかがわれるものですから、こういうものを取り込むということはどうだろうか。それならば、そこまで行くんならばむしろ金をよけいにした方がいいんじゃないかというふうにいま考えているわけでございますが、これについては今後さらに前向きに検討をいたしたいというふうに思います。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 くどいようですが、常時介護を要する者という物の考え方自体がわけのわからないものなんですよ。電動いすに乗れば常時介護は要らなくなるかもしれないし、いろいろな機械が発達してくればそうなってくるわけですから、それは買えない者はどうなってくるのかというふうになってくると、常時介護を要する者なんというふうな言い方自体が、もうわけのわからない、大臣自身がわけのわからないと言っていらっしゃるんですから、わからないんですけれども、やはり、二級というものを定めている以上、二級は全部とこうやれば、ある程度、それでも二級に漏れる人たちはあります、しかし、それは相当近いものになっていくというふうに思います。しかしこれは時間がありませんので、次に参ります。  その次は児童手当の問題ですけれども、私は、非常に今度の児童手当に対する大きな不満を持つわけです。というのは、昨年児童手当の問題で質問をいたしましたときに、他党の議員の質問の中にも、そしてまた私自身の質問に対しても、そのときの厚生大臣がこういうふうに答えているわけです。五十年度以降に本格的に改革を図っていくと、こう言っているわけですね。そして児童手当の飛躍的な発展のために努力をする、たとえば三子からにするか一子からにするか二子からにするか、こういう問題はあるけれども、「諸外国では第二子というのが普通の例でございます」と厚生大臣は言っているわけですね。そして、「そういう問題については五十年度以降においてひとつ実行していく、こういうふうにしたいと考えておるわけでございます」と、こういうふうに去年厚生大臣が私に答えています。そして他の議員にも答えているのがたくさんあるわけです。そういうことを考えますと、なぜことしも三子だけなのかということですよ。これを聞きたいわけですけれども、言いたいことを先にちょっと言います。  去年は人口年だったわけですね。私は、あの宣言というものをすべて認めるというわけではございませんが、去年の人口年の大会で採択された中に、子供は二人までというようなことを言っているわけですね。現実にいま子供は二人というのは標準になってきて、むしろ一・幾らというふうになってきているわけですね。それなのに、三子というのは、いない者に金をやるというふうな、そういう発想に感ずるわけです。ないものに金をやる、それでやっている。だから世界のILOの百二号条約を批准する中には、恥ずかしくて家族給付は入れられないわけですよ。いない者に金をやる。そして、いない者にわずか千円ふやしてやったから、児童手当をこれで五十年度は飛躍的に改革した、こんなことが言えるのでしょうか。その点、大臣からお答え願いたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 私は、今度の児童手当の改正というものは飛躍的に改正を見たものだというふうには思いませんし、そのようなことは言っておりません。そこで児童手当制度でございますか、これについては、私は必要を認めないわけではございませんが、他の社会保障施策との間で、いろいろと限られた財源で、どこを伸ばしていくかということになりますと、率直に言うて、どれもこれもやれれば結構でございますが、やはり他のものの方のニードが強かろうということで、これについては、物価上昇程度の実は金額に引き上げるにとどまったわけでありまして、齋藤元大臣がいたした答弁の速記も読みましたけれども、ここのところではやむを得ないのじゃないだろうかというふうに思っておるわけであります。また児童手当制度そのものについての私の所信というのは、かつて予算委員会で申し上げましたとおり、今後いろいろな社会保障制度、これを充実していく場合には、その政策の重要性といいますか、ニードというものを踏まえて、どこから推し進めていかなければならぬかということを考えなければならぬ今日でございますので、そういうあれやこれやの観点から、齋藤さんのお説もございましたが、児童手当についてはこういうかっこうで終わったというのが実情でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、田中大臣は、これは飛躍的ではもちろんない、非常に恥ずかしいとお思いになっていらっしゃるわけですね。そうしか考えられません。といいますのは、世界の国を見ましても、五十五カ国が一子から出しているのですよ。日本は世界から世界の経済大国と言われている国ですよ。あれもこれもとそれはたくさんあります。しかし世界五十五カ国の国が子供に対して第一子から児童手当を出しているにもかかわらず、日本は三子から、それもほとんど三子というのはいない。いないというのはオーバーな言い方ですけれども、非常に少ない。それに千円足しているということは、これは物価上昇の中で何の改善にもなっていないということです。子供を大切にしない国というのは絶対発展しないし、子供を大事にしない政府というのは国民から見放されると私は思っています、これは私の政治家としての物の考え方ですけれども。  それで、ILOの基準が出ております。これは必ずしも、世界各国の児童手当の制度と日本の制度とは違いますので、単純に比較することはできませんけれども、ILOの基準でいきますと、一体幾らぐらいになりますか。それ、ちょっとお答え願います。簡単に言ってください。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 四十八年度ベースでやらしていただきますと、ILOの基準でまいりますと、私どもの試算では約三千四百三十億くらい——ILOの基準が、先ほどもお答え申し上げましたように、不熟練労働者の賃金に一・五%を掛けて、それにすべての届住者の子供の総数を掛けるという形になっておりますから、ILOで比較します場合には、給付の総額の基準と比較せざるを得ない、そういうふうなことなんでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうしますと、いま十万円というのは非常に安い賃金ですが、計算しやすくやりますと、十万円、これに一・五%掛けますね。そうすると千五百円になりますね。これに対して子供の総数を掛けていくわけですね。ですから、大変日本の児童手当というものは、これは朝日新聞に出ていたわけですけれども、大体世界の半分にも満たない、こういうふうに言っていますし、厚生省の方に伺いましても、大体世界の三分の一か四分の一じゃないか、こういうふうに言われているわけです。そういう意味で、ことしの児童手当の上がり方は、いままで年齢が三カ年計画で上かってきましたね、これは義務教育まで上がってきた。これを高校までという話がありますけれども、三子にしている限りは高校まで年を上げていっても、三人一緒にあれするということはないわけですからね。上へ上がっていきますともうだめですから、事実これ以上年齢を上げても対象者はほとんどゼロに近いということです。結局、一子から、二子から渡さなければ改善には全くならない。いままでは多少とも改善してきたけれども、残念ながら三木内閣、田中厚生大臣のときになって児童手当はストップしたという結果になったということが非常に明らかになったと思います。  これで私の質問時間はあと二分しかございませんので、一言大臣に、二分間お聞きしたいと思います。  きのうの読売新聞をごらんになりましたでしょうか。これは田中厚生大臣の個人にかかわる問題で、日本歯科医師政治連盟からマル秘文書が流れたときに田中厚生大臣が五十万円の金をもらっていたという記事が読売新聞に出ていたわけです。これは私は非常にびっくりしたわけです。と申しますのは、少なくとも閣僚の中で田中厚生大臣は少しはクリーンに近い人ではないかという——田中角榮さんは歴史上最高の人でしたけれども、厚生大臣に対してはこういう感じを幾らか、非常に主観的ですけれども持っていたわけです。それで私は非常にがっかりしたわけなんです。そして、これにこういうことが書いてあります。「差額徴収の秘密文書を流すなど中原執行部が脱保険の世論づくりに動いていた時期であり「極めて重大な献金」とする見方が強まっている。」というようなことが書いてあるわけですね。これは一流新聞の一つのニュースだけですので、私はまだ何にも調べてはおりません。しかし、昨年の自民党の田中内閣があのように没落したというのは、こうした金脈に関する政治家の政治姿勢というものであのような結果を招いたわけです。ですから、与党を問わず野党を問わず、政治家のこうした政治的な動き、政治献金の問題、私生活の問題、すべてに対して国民から大きな不信感を持たれているということは事実だと思うんですね。いまこそ私たちは、政治家全体は正しい姿勢を持って、国民に対してこうした疑惑を招くことをするということはしてはならないのではないかと思うのです。これに対して田中厚生大臣はどのようにお考えになりますか、お答え願いたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 これについては、昨日も参議院予算委員会で御質問がございました。当時私、先見の明がないと言えば、厚生大臣に後日なるとは思っておりませんでした。また、厚生大臣時代ではございません、国会の文教委員長時代だったというふうに記憶をしておりますが、五十万円の献金といいますか、率直に言うと、暮れのお見舞いだったと思いますが、いただきまして、したがいまして、私、これを正直に政治資金規制法によって届け出をしておったわけであります。当時、また事実このような差額徴収問題というものは実は私ども国会でも全然気づかれなかったわけで、ごく最近でございまして、このような団体であるというふうなことについては認識は全然ございませんでした。それから社会労働委員会に所属をしておったわけでもございませんで、職務に関連するというわけでもございませんので、これをお受けし、届け出ていたわけでございます。今日厚生大臣になって あのような歯科医師会の問題が出てくる、これをオーバーラップして考えるとそういう御批判が出るだろうと思いますが、当時の心境としては、そういうものを一切合財もういただかないのだ、こういうことなら別でございますが、そういう時代でございますので、またそういう身分でございますので、私としては余り抵抗を感じないでその当時受けておいたわけでございます。したがいまして、また届け出を正直にやっておったわけでございますが、今日時点でこれをオーバーラップして考えると、いろいろな御批判が出てくるだろうと思います。しかし、いま歯科医師会がああいう問題を起こしておりますし、ああいうことになりますると、やはりこういう体質をはらんでおる団体からは今後はお受けしてはまずいのではないかというふうに思っているのが私のただいまの心境でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そういう団体からと言いましても、結局どういう団体かということをすべての団体を見きわめる先見の明ということは、個人の人間としてはできないことです。ですから、やはりそうした団体から献金を受けるということが結局——大臣はいま偶然の一致のようにくっつけて考えられたので、ひどい目に遭ったというふうにおっしゃいますけれども、やはりそうした団体からもらうということがこういうことになるわけですね。それで、まさか厚生大臣になると思っていなかったというふうな言い方ですけれども、これは非常におかしいのでありまして、もし民主連合政府ができましたら、まさか厚生大臣になると私はいま思ってはいません。しかし、これはわからないことです。政治家である以上、どうなるかわからないことです。大臣になろうとなるまいと、総理大臣になろうとなるまいと、政治家になった以上は、国民からの期待を得て、国の政治をどうやっていこうかというときに、どの人よりも清潔であり、どの人よりも私生活をきちんとしなければならない、大臣になるとかならないとかという問題でなくて、しなければならないことだと思います。その点で、今後とも十分にお気をつけてくださいますように御忠告いたしますし、また抗議をして質問を終わりたいと思います。

大野明自由民主党

○大野委員長 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 大臣の時間が非常に短うございますので、要点だけまず御質問します。  そこで、田中厚生大臣は非常に福祉問題あるいはまた厚生問題については自民党の中でもベテランである、こういうように私承っておりましたし、またそういう自負があったと思います。そこで厚生大臣になったのではないかと思いますが、私は最初に児童手当につきまして、ことしはこれで第三子の四千円を五千円ですか、これはもう変えろと言ったってなかなか変えないと思うのですが、来年あたりから、やはり二子あるいは一子、こういうように漸次改正していくというお考えはございますか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 いま田中美智子さんからいろいろと御質問がござい議したが、答弁の機会がございませんでしたものですから、まとめて御答弁するような気持ちで申し上げたいと思います。  児童手当制度、これは私は、社会保障制度としてはヨーロッパの国々で発達をした制度でございますが、日本においてこの制度が全く必要ではない考えませんが、しかしやはり日本風土においては、この制度が社会保障制度の中で一体どういうランクを占めるであろうかということについては、いささか意見があるわけでございまして、ヨーロッパの国々のようないわゆる能率給主義、能力給主義の国、わが国のような年功序列型でないような賃金体系の中にある国々において、勤労者が、子供が大きくなって、子供が育ち盛りに必ずしも給与がふえないという、そういうことをカバーするためにできた制度であるというふうに聞いておるわけでありまして、日本のような年功序列型賃金であり、しかも家族手当などという制度を、世界で独特なものを持っているわが国において、この制度が一体わが国の社会保障制度の中で非常に優先度が高いものかどうかということを考えてみまするときに、私は、この制度を否定はいたしませんけれども、まあ財源的余裕があるならば、他の制度について充実をいたさなければならないということで、ことしもずいぶん無理をして社会保障予算をふやしてもらいましたが、他のニードが高いものですから、不本意ではございますが、今日皆さんに御相談をしている程度の改善ことどまったということでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 今日のことはわかりましたから……。そこで、前齋藤厚生大臣あるいは故斎藤厚生大臣、この方々から見ますと、どうもあなたは児童手当については抵抗がある、こういうように感じてならない。感情問題ではないと思いますけれども、どうもこの児童手当をやるよりはほかのものをやった方がいい——私はほかの方をやっちゃいけないと言いませんけれども、せっかくあなたの先輩の厚生大臣が、私きょう一つずつを読み上げませんけれども、何としてもやはり次代を背負うところの子供たち、このために児童手当をやった、ことしはこうだったけれども来年からずっとこうやっていく、もっと前向きな答弁があったように思うのです。したがって、あなたになってから、どうもそこでストップしているかダウンしているか、まことにその点について私はけしからぬと言わざるを得ない。  そこで、あなた、この方向づけというものは、いつまでも厚生大臣やっているのじゃないのですから、ずっと進んできたこの児童手当をあなたのところでぽんとダウンしてしまったのでは話にならぬ。世界に悪名を残すことになると私は思うのです。ですから、次のときはもう少し前向きに検討をし、少なくとも二子ぐらいからは何とかしていこう、こういう決心をひとつここで固めていただきたいと思うのですが、いかがですか。簡単に……。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 両斎藤元大臣と一緒に私この児童手当制度を、彼らよりも私の方が当時立て役者だったと実は思っているわけでございますが、これをやりつつそういう疑問を持っておったわけであります。そこで、財源に余裕がございますれば別でございますが、私としては、今日の社会情勢を見るときに、決して今後この制度を発展させないなどということは申しませんが、よくひとついろいろな社会保障制度の中でバランスを見、国民のニードをよく確かめた上で検討すべきものであるというふうに思いますので、いまここで二子にこれを拡大するということについては、残念ながら御答弁をいたす用意がございません。

岡本富夫公明党

○岡本委員 前厚生大臣のときも、齋藤厚生大臣のときも、あなたは要するに自民党の厚生部会にいたわけですね。そういうことになると、先ほどの話をせんならぬようになりますが、まあ献金の話はきょうはやめておきましょう。  そこで、こういった児童手当あるいは児童福祉手当、あるいは国民年金、こういう問題は全部、支給対象、その事務を行うのは市町村なんですね。そこで市町村で非常に困っている問題は事務費なんです。たとえば私が調査しました兵庫県の西宮市では、児童手当支払い件数が一万四百六十一件、国から交付された事務費は三百十八万四千三百五十四円、実際かかった事務費は六百二十三万八千百三十二円、したがって市の持ち出しが三百五万円、あとの細かいのは削りますけれども。そういうように約五〇%の市の持ち出しがあるわけです。これについては地方財政法の第十条の中に、国は進んでこの事務費を負担しなければならぬ、こういうふうにありますけれども、これは余り進んでないように思うのです。これは厚生大臣、この前、故斎藤厚生大臣のときにも、地方自治体はいま非常に赤字だ、超過負担だ、こう言って、それは給料が上がったからだとかいろんなことを言っていますけれども、一つ一つ調べていくと、こういった相当な負担があるわけですよ。これについてどういうふうにお考えになりますか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 児童手当の事務費でございますが、いまの話で地方負担がかかり過ぎているのじゃないかという御指摘があったわけでございますが、私はどうもその点については納得いたしかねるわけでございます。  児童手当の仕事を市町村でやりますのは、一つは認定の仕事と支払いの仕事等でございまして、こう申してはなんでございますけれども、この児童手当制度の発足が非常に遅かったということもございまして、そのころから問題になっておりました超過負担について、そういうことのないような配慮をしながら事務費の予算を組んでまいりましたので、私ども現在のその児童手当の市町村に対する事務費の支給額というのは、大体その市町村の経費をカバーするだけの額は出しておるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。  ちなみに、その予算額を申し上げましても、発足当時八億であったものが、五十年度は二十六億八千万円というふうに、二十七億近い金にまで伸ばしてきておるわけでございます。ただ、今後も引き続いてこの改善をする努力を惜しむつもりは毛頭ございません。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そういうようにあなたは、事務費は十分交付している、足らぬのが不思議だというような言い方しますよ。ところが、私は現実に各市を一つ一つ全部調べたのだ。しかし、この第十条の一項ですか、これは「国がその全部又は一部を負担する法令に基いて実施しなければならない事務に要する経費」です。だからここには全部ということはありますけれども、あとは一部と逃げております。  あなたがそう言うのであれば、次の地方財政法の十条の四、この中には国民年金の事務費も入っているのです。この国民年金の事務費は全部厚生省が、要するに国が負担しなければならなくなっている。ところが西宮を調べますと、これもぼく、行って調べてきたのですが、まあたくさん言っていると時間がないから、七九・二七%しか国の方は事務費を見ていない。これは聞いたところですが、長野市におきましてはこの委託事務費だけしか仕事しない、こういうように言っておりますけれども、そんなことで本当の国民年金関係の仕事もできない。これを見ますと、これは厚生省明らかに地方財政法違反じゃないですか。いかがですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 いま私お答え申し上げましたのは児童手当の事務費について申し上げたわけでございまして、国民年金なり国保の事務費につきましては、厚生、大蔵自治の三省の合同調査に基づきましてその超過負担の是正について一年計画でやるということでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 大臣がおる間に。いまこれは国民年金の方を取り上げたわけですけれども、児童手当の事務費もそうですよ。国が進んでこれを負担しなければならないというけれども、約五〇%市が負担している。しかも国民年金については七九・二七%しか出してない。これから三年間かかってこの国民年金の事務費を何とかする、こう言いますけれども、これから三年間は地方財政法に違反をしております、こういうことになるのです、翻って逆に言えば。  とにかくいま地方財政が非常に緊迫しまして、たとえばこの間学校給食費千五百円を二千五百円にするというので大騒ぎがあったのは芦屋市なんですが、地方自治体で少し負担しようということにおさまったのですけれども、それを今度は市会で否決してしまったので、いま市長やめや言うて寝ておりますわ。これは保守系の市長ですよ。  話がほかにいってしまいましたけれども、児童手当はやはりそうした面で、地方団体はこんなに出しているのだから、これを何とかして、この給食費も持てるではないかというような説得できるような、話がまた横へいっちゃいましたが、児童手当の事務費あるいはたくさんの事務費が厚生省から行っておるわけです。それを一つ一つ調べていくと全部赤字になっておる。これについての財政措置を——これは大臣、事務当局じゃだめなんですよ。これから三年間まだ違反しておりますというのは——ほかのものが違反したらすぐつかまりますよ。厚生省が違反したんじゃ何でもないということじゃ話にならぬ。これについてはっきりした答弁をもらいたい。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 この種の事務の執行に要する事務費でございますが、これは長い間実はいろいろと論争があったわけでありまして、ことに年金あるいは国民健康保険等々についてはいろいろ議論かあります。私もかつて議員時代にこれに熱意を燃やしてやったわけでございますが、その節の経験によりますと、どうも基準のとり方について、地方公共団体と国との間にやや意見の食い違いがあるというような問題もありまして、果たして何%になっているという数字の信憑性についていろいろと一致を見ないところでございますが、しかし、それはそれといたしまして、この事務費については法律の定めるように支給をしなければならぬということが、これはもう間違いのない大前提でございますので、今後国民年金等については三省調査によって二年計画でこれを解消するということだそうでございますから、他のものについてもできるだけ実勢的な事務費を交付するように今後努力をいたしたい。この点ははっきり私はそうしなければならぬと思っております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 最後にもう一つ。生活保護法の適用を受けている人たちは、せっかく親御さんが自分の亡き後この子供たちのためにというわけでこつこつ積み立てた年金ですね、たとえば心身障害者扶養共済制度ですか、こういうような掛けてきた年金は、生活保護を受けているともらえない。こういうことで、これは兵庫県の知事さんにも聞いてみたのですけれども、この改善を何とかひとつ厚生省できないものだろうか。やはり感情的に、せっかく掛けてきたものですし、それもわずかなものなんです。この点についてひとつ大臣に承っておきたいと思うのです。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 生活保護におきます受給者のいわゆる収入認定の問題でございますが、ただいま御指摘がございましたのは具体的な問題についてでございます。したがって私から御答弁申し上げるわけでございますけれども、生活保護上見舞い金であるとかあるいはその他必要のあるものについては個々に収入認定から除外をするような措置をとっております。また、加算に必要なものについては加算制度をもってプラスするようにしているわけでございますが、ただいま御指摘のございました、いわゆる御両親が亡くなった後の年金、これを生活保護を受けておられる人について収入認定しているかどうか、この具体的な問題についてはちょっと調べさしていただきまして、後刻また御返事申し上げたいと思います。  ただ、概して言えますことは、保護家庭の自立あるいは生業のために必要なものにつきましては、できるだけそれを認めていくという具体的な方法で対処しているということを申し上げておきたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 それは後で聞かしてもらいましょう。  もう一つ調べてもらいたいことは、大臣おられたので何もかも言って悪いのですけれども、それでないとあなた出てきた値打ちもないし……。  国の方で老人保障、要するに医療の無料化、七十歳以上、こういうふうに決めておりますね。それを国保でやるのは、各地方自治体ですよ。ところが、その要った費用を国から出さない。そのために地方自治体の財源というものが非常にそこで食われておる、こういう問題があるのです。きょう、いま数字を出して私は言いませんけれども、これもひとつあなたの方で調査して——国で決めた制度に地方自治体に全部持たしてしまうというようなことは、全部が全部持たしておりませんけれども、相当赤字になっている。これが国保の大きな赤字になった原因になっておる。地方自治体はそれに上乗せして、六十五歳以上と、こうしておりますよ。それを引いてみたのです。あなたはそう言うけれども、六十五歳以上にしたから赤字になったんじゃないと言うが、六十五から六十九歳、これがこれだけかかっているのです。ところが七十歳以上のものは、これは国の方から少ししか来ない。こういうことで非常に国保の赤字が出ておる。したがって、これはひとつ検討して、ちゃんと払うべきものは国から払う。何か先ほど聞くと、地方自治体を非常に疑っているような感じがするわけです。もう少しやはり信用して、これは国の仕事もしておるわけですから、児童手当もあるいは児童扶養手当も——今度また児童扶養手当もやはり地方自治体にやってもらうわけでししょう。ですから、ひとつもっと信頼をしてやらなければならぬ、私はそう思います。それについて検討するということだけをもう一遍大臣からはっきりしてもらいたいと思います。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 いまの御質問、聞いているうちにだんだん問題がわかりました。つまり、老人医療について、国の制度のほかに単独事業で、たとえば年齢を下げたとかいうような節に、これをどう扱うかという通牒問題とは違うのですか。

岡本富夫公明党

○岡本委員 違う。それはちゃんと引いて、国の制度の七十歳以上のものでもう国保で相当地方自治体が負担しなければならぬのです。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 七十歳以上の方々についての老人医療給付費を、国が負担すべきものを負担しないということでございましょうか。それなら、そういうことはないはずでございますが、実は過日これについて金が足りなくなりましたものですから、かなりの予備費支出をこの間閣議に請求をいたしまして予備費支出をいたしましたので、まあ大体私は、法定の三分の二についてはこれは義務費でありますのでこちらから、多少おくれておるかもしれませんけれども、給付はいたすことは間違いがございません。

岡本富夫公明党

○岡本委員 それでは期待して待っております。  では委員長、これで時間ですからやめます。

大野明自由民主党

○大野委員長 次に、田中美智子君。     〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着     席〕

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 先ほどは非常にはしょりましたのでもう一度お聞きしたいと思うのですけれども、時間が少ないので簡潔にお答え願いたいと思います。  昨年のこの児童手当の質問のときにこういうことがあったわけです。一番最初の三千円を決めたときに子供の養育費というのは大体どれだけかかるかというと、大体六千五百円でしたか、それでその約半分をめどにするという形で三千円が出たというふうにお答えをいただいたわけです。その後千円またふやしたわけですね。それで、それはどうしてだ、子供の養育費はどうなっているんだだ、こういうふうに聞きましたら、その調査はいまやっている、目下調査をしているから、その調査の結果、集計が出ました暁においていろいろな角度から検討もするというふうなことを習われているわけです。これは翁政府委員がお答えになられているわけです。これは議事録にあるわけですね。それで、どのような検討をなさったのか。それから、子供の養育費というのは、三千円のとき、六千五百円と言ったときから、いまは一体集計の結果どうなったのか、幾らなのか、お答え願いたい。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 昨年の四月のこの委員会におきます審議の経過、私承知いたしております。  それで、児童養育費の実態でございますが、四十二年と四十八年に実施いたしました。四十二年では、児童一人当たりの養育費というのが六千五百四十七円でございます。四十八年では、集計がおくれて申しわけなかったわけでございますが一万三千四百九十三円、約一万三千五百円という数字になったわけでございます。そこで、児童手当制度が発足をいたしましたときに手当月額が三千円と決められたわけでございますが、そのときに三千円と決められましたのは、一つは児童手当審議会が当時あったわけでございますが、その答申で三千円とされたということと、当時の他の社会保障給付の水準なんかをながめてみまして、そこで決めたわけでございまして、児童養育費の二分の一でなければならないという考え方には必ずしも基づいてないんじゃないかというふうに思うわけでございます。もちろん、いま申し上げました児童手当審議会が三千円という答申を昭和四十五年に出されます際には、児童手当審議会の前身で児童手当懇談会というのがあったわけでございますが、そこが昭和四十三年の報告で、四十三年の養育費を参考にして月額三千円にした、それが一つのめどであったというふうな記録もございます。しかしながら、四十五年に児童養育費、これはその当時調べたわけではございませんけれども、家計消費支出の伸びから推計いたしますと、四十五年の児童養育費は一人当たり約九千円くらいになるわけでございまして、そのときに児童手当として三千円を考えたということは、特に三分の一というふうにこだわったつもりはございませんけれども、四十五年の児童養育費を推定した九千円と手当を比べると約三分の一くらいになっておりますので、必ずしも児童養育費の二分の一ということではなかったんではないか。それで、さらに児童手当制度が発足する直前の昭和四十六年の児童養育費を同じように家計消費支出の伸びで伸ばしてみますと一万円くらいになるわけでございますが、その当時まだ三千円であった。それから四十九年度は、先ほど御指摘になりましたように、それまでの三千円の額を実質的に維持するだけにとどまったわけでございます。五十年度は一体どうするかということで、先ほど大臣も申し上げましたように、飛躍的な改善はやれなかったわけでございますので、児童養育費の何分の一という考え方ではなくて、消費者物価の伸びを考えまして、四十九年度の手当月額が四千円でございましたから、その実質価値を維持するということだけに着目をして五千円というふうに定めたわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、去年お答えになったことに対しては、検討する検討するというのはただ言葉だけであったということで、いま必ずしも半分ではないと、こういうふうに言いますけれども、これは四月十一日の社会労働委員会で翁政府委員が私に答えたのは、「これはお示しになりましたように六千円何がしでございました。」養育費が。「これは大体所得六万円以下の家庭におきます児童養育費、」これは昭和四十三年の養育費だ。「いまお示しがありましたように、それのおおむね半分ということで発足したわけでございますけれども、」と、こういうふうにきちんと書いてあるわけですね。そのときそのときにいろいろと答えが変わっていく、人がかわれば変わる。それは政府がかわるったって同じ自民党じゃないですか。われわれと席がかわったわけじゃないのですからね。そのときそのとき、それも五年も十年も前に言ったことが変わったというのならば、見解が変わりましたので、こういうふうに三分の一にいたしましたとか、五分の一にしたんですと、こういうのならいいですけれども、去年は三分の一で決めたんだ、それで発足したんだと言っていながら、そうしながら、いまになってはそうではないんだというふうな、そういう無責任な態度だから、ことしの児童手当というものが、飛躍的な改善はできなかったなんていうような言葉の使い方であって、全く改善はできなかったんだ、そういうことじゃないですか。もしそのままでいたら、物価は上がっているのですから、実質的には改悪になるわけですね。ですから、辛うじて物価の上がった分より少し足らない程度に千円を補足したにすぎない。全く改善できませんでしたと、いろいろ検討いたしましたが、どうしようもありませんという、そういう返答でなければならないわけだと思うのです。こういう結果だったというふうに思います。これは先ほどの質問で同じことを繰り返しますので、ここのところをもう一度、時間が足りませんので、はしょったので、ちょっと伺ったわけです。  それから、先ほどやはり半分しか聞いておりませんので……。ILOの基準でいきますと、ことしはILO百二号を批准すると国が言っているわけですね、しかし、この中に家族給付は入っていないし、先ほど母体の問題、母性給付も入っていないということも出ておりますけれども、これでいきますと、総額が三千二百四十一億円というふうにさっき言われたんじゃなかったでしょうか。それでよろしいですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 三千四百三十六億円と申し上げました、四十八年ベースとして。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、五十年度はどうなりますか。日本の場合です。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 五十年度の給付費総額が約千五百億円。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それは公務員入っていますね。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 公務員入れた数字でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 公務員入りまして千五百億ですね。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 はい。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そうすると、日本の場合はずいぶん少ない。そうしてこれは五十年度ですね。この三千四百三十六億というのは四十八年度ですから、これはもっと多くなるわけですね。いかに日本の児童手当が少ないかということです。山下さん、そんなに少ないのですよ。御存じですね。こんなに低いということは、日本の国がいかに子供を大事にしていないか。婦人と子供が政治の中から取り残されているということは数字で実に鮮やかです。これは残念ながら、ことしは国際婦人年で世界の婦人たちが集まります。そしてそれぞれの国はこういうふうになっているということを言うときに、やはり中心は社会保障、いろいろなことが話されますけれども、その中では婦人と子供のことが中心に話されるわけですね。そのときに、世界の経済大国と言われている日本では残念ながら母親に対する、婦人に対する保護が非常に低い。妊産婦の死亡率は世界最高である。これはWHOの中で最高である。その上に児童手当、子供に対しては国はこのようなものであるというふうな話をしなければならないということは非常に残念なことだと思います。  この点をよくお含みおきいただきまして、地球上には日本だけがあるのではないのです。世界の人類が知恵を寄せ集めながら人類の幸せという方に向かっていこうとしているときに、経済大国であるという日本がどんなに他の社会保障、他のものと見合っていながら、いろいろなものがたくさんあるから、これはできませんという理由にはならないと思うのです。子供の問題がこんなにおくれている。そうして防衛費だけは自衛隊始まって以来最高の防衛費が組まれるなんということがありますと、ますます日本の国というものは子供を大事にしていないということが今度のことで非常にはっきりしているのではないかと思います。そういう点でぜひこれを引き上げていただきたい。二子なり、一子なりに拡大するということと、金額を大幅に引き上げていくということをしていただきたいと思います。  そしていま言われました四十八年度で子供の養育費が一万三千四百九十三円というふうにお答えいただいたわけですけれども、これは四十八年ですね。四十八年からあの物価狂乱が始まったわけですからね。ですから、いまで計算してみますと、一体今年度で計算しますと、これも五千円になるのは十月からでしょう、十月の時点の子供の養育費というので計算してみますと、推計しますと、これはとても一万三千円どころか、一万五千円、一万六千円という金額になるわけですね。それの半分なんていいますと、どんなに少なくても八千円くらいの児童手当というものを一人に出さなければ、これは政府の言う理屈から言ってもおかしいわけです。ILO条約からはそれでもぐっと落ちますけれども、政府の理屈から言ってもおかしいということが明らかになったのではないかというふうに思います。その点について今後どういうふうに御努力をなさるのか、山下さんにお答え願いたいと思います。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 お話しになりました中で、私ども少々釈明させていただきたい点もあるわけでございます。  妊産婦の死亡率は欧米諸国に比べますと二倍くらいでありますが、乳児の死亡率は世界で一番よろしゅうございます。決して子供をないがしろにしている国ではございませんで、きわめて大切にしている国だというふうにお考えいただきたいわけでございます。  それから児童手当は、私も率直に、ILOの基準に照らしましても四分の一くらいでございますから、十分なものとは申しません。ただ、いろいろな児童福祉策を講じておりますので、わが国が経済大国として子供の問題をないがしろにしているというふうには責任者としてはとうてい申し上けるわけにまいりませんと思います。  そこで一つは、手当の額を養育費の増、ことに物価の増に見合ってどうするかというお話があったわけでございますが、先ほど来申し上げましたように、五十年度としては四十九年度における物価上昇率をそのまま使って二二%になるわけでございますが、約一千円、したがって五千円にしたということでございます。  今後この手当の額をどうするか、私は必ずしも養育費の二分の一でなければならないというふうには思いません。むしろ逆に二分の一くらいが限度じゃないかというふうに思うわけでございますが、引き七げには努力したいと考えております。  それから二子の拡大の問題、結局率直に申し上げまして、金額を少々上げましてもILOにはとうてい到達できるあれはございません。ILOとの関連で考えれば、対象範囲の問題ということは出てこざるを得ない問題だと思うのでございますけれども、二子拡大については、先ほども申し上げましたように、金額が四倍になってくるということで、昨年児童福祉審議会でもいろいろ御検討いただいたのでございますけれども、対象範囲の拡大はひとつ当然の方向であろうけれども、その場合にその財源負担をどうするかという問題と、それから、先ほども大臣がお答え申し上げましたように、児童手当が発足した欧米諸国と日本の場合には、相当条件が違う点も考えなくちゃならない。それから同時に、他の社会保障給付、それから日本の賃金構造等を考えて、それから日本の児童手当を将来どう持っていくか、ここしばらく考えさしていただきませんと、直ちに三子ということにまでは容易に踏み切れないというふうに考える次第でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 よくそちらで、お言葉を返すようですがというお言葉をお使いになるので、私もちょっと使わせていただきまして、いま乳児は、死亡率は非常に少ないと言われましたけれども、これは数字の上でありまして、母性保護医協会の森山豊先生は、十分御存じだと思います。あの先生のおっしゃることでは、生まれてから死んだ赤ちゃんですね、これが死産として届けられている数が非常に日本には多い。だから、実際には乳幼児の死亡率は、事実減ってはいるけれども、決して少ない国ではないという森山豊先生の御意見を、私はじかに先生から伺っております。そういうことがありますので、妊産婦の死亡率が高いということは、これは厚生省もお認めですし、乳幼児の死亡についても、そういう問題というものが数字の上で、届け出の上でいろいろあるということを一度ちょっと、これは余談のことですけれども、お言葉を返させていただいて、必ずしも私は、ILOの四分の一しか児童手当を出していないということ一事を見て、子供が大事にされているとは言えません。そしていま、子供が大事にされていないとは言えないとおっしゃいましたけれども、この点で論争しますと、次の質問ができなくなりますけれども、子供の遊び場にしても、公園にしても、これがどんなに少ないか、子供というものはどのように扱われているかと言い出しますと、これはもう切りがないほどたくさんあって、これは少なくとも厚生省だけの問題ではありません。ですから、いまここでは話しませんけれども、日本ではいかに子供が社会的に大切にされていないか。子供は母親の私的な所有物であるというふうな物の考え方で政治が行われているということは、これは私はそのように思っているということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。  今度の福祉手当ですけれども、この目玉と言われた福祉手当というのは、寝たきり老人に対しては、数としましてどれぐらいいただけるのですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 先ほど来申し上げておりますように、今度の福祉手当、常時介護を要する状態にある身体障害、精神障害かある方々を対象にしているわけでございます。したがいまして、老人である、あるいは寝たきり老人であるということだけでそういうことに該当するということには、必ずしもならないわけでございます。  したがいまして、そういった感じで申し上げますと、大体、われわれの試算では、ただいま寝たきり老人三十数万と言われておりますけれども、そのうちの四万以上の方々がこの福祉手事の対象になるのではないかというように考えております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 寝たきり老人ということは、起きられないから寝ているのですね。怠けて寝ているのと違いますね。私たちが日曜日に、もうくたびれたから朝から晩まで寝ちゃったというのと違うのですよ。これは常時介護を要するのじゃないですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 そこで私はさっき、いわゆる寝たきり老人ということを申し上げたわけでございます。三十数万という数の根拠は、六カ月間寝たり起きたりした状態におられる老人の数を三十三万というように推定しているわけでございます。  それで、福祉手当の対象として考えておりますこれらの老人の方々の状態を申し上げますと、大体、便所に行けない、それから自分で食事ができない、それから自分で歩くことができない、この三つの状態が継続している老人については、まさしくこれは重度の障害を持っているという状態になりますので、これを認定いたしまして福祉手当の対象にする、こういうようにいたしているわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 それでは、いま老人医療の無料化が七十歳からやられていますね。しかし、寝たきり老人の場合には六十五歳からやられているんじゃないですか。これは何人ぐらいいらっしゃいますか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 いわゆる——何回もいわゆると申し上げて恐縮ですが、いわゆる寝たきり老人と言われている方々は三十三万でございますが、六十五歳から六十九歳までのその対象者は、七万三千ぐらいになっております。これも推定でございます。それで、老人医療の対象としてとらえておりますのは十三万でございます。この十三万の方々は、いわゆる重度の障害ということではなくて、やはり寝たり起きたりしているという状態になっている人を、やや広めに医療の対象にしているという数でございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 寝たきり老人で医者にかからなければならなくて、国から特別な——普通ならば七十歳からの病気の場合はただになるわけですね、その七十歳からは、ふだんは動いていられるけれども、病気のときには寝っきりになる、こういう人は寝たさり老人ではないわけですね。そのときの病気というのは国が見てやる。しかし六十五歳からの寝たきり老人で、そうしてこれはただ老衰して足が動かない、全体が何となく老衰しているけれども、それほど病気ということではないんだという形で寝ている、その上に病気になっているという人には、これは老人医療が適用になっているわけでしょう。こういう人たちが七万も十万もいるわけですよ。寝たきり老人が三十何万もいる中で、こういう人が十万もいるわけです。それさえもまたちょん切るのですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 たびたび申し上げておりますように、いわゆる重度の障害者として対象になっておられる方々は、要するに肢体不自由、手足の欠損であるとか目、耳、それ以外に体の内臓が悪くて、要するに状態が先ほど申し上げたような三つの条件、それで、老人であろうと若い人であろうと、いま申し上げたように、体幹機能の障害を持っておられる人、それから継続的にさっき申し上げたような用便も、食事も、立ち居もできない状態になっている人々、こういう方々を常時介護を要する人というようにしているわけでございますから、したがって、そういう方々が大体、いま申し上げた数になるのではないだろうかということを申し上げているわけでございます。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 そういうことが、先ほどいみじくも大臣がおっしゃったわけですけれども、大臣みずからがわかりにくいと、こう言っているわけですね。実にわかりにくいわけですよ。二級が対象になってくるということは、これはいいことですよ。しかし二級の中に、それじゃ、この寝たきり老人の二級の中で、福祉年金の対象になる人とならない人がいるわけでしょう。それから、なる人と、老人医療の無料化の対象になっている寝たきり老人、こういう人と比較した場合に、どこが一体基準になって——そういうふうにあなた自身かはっきりわかって言っていらっしゃるのかどうだかですね。大臣はわからぬと言っているわけですよ。わからぬけれども、仕方がないからと、こう言っているわけですよ。どうしてもっとわかるようにしないのですか。わかりにくくするのですか。——ちょっと待って、まだ私が話しているわけです。なぜわからないようにするのかということのそこには一体何があるかと言うと、少しでも切ろう、少しでも金を出すまいという、もうそれこそけちけち精神が働くから、こういうふうに切っていくわけですよ。少しでも拡大しよう。何しろ寝たきり老人ということは、それは幅が——寝たきりという言葉自体もこれはあいまいですよ。寝たり起きたりということが一体、一日二十四時間のうち何時間寝ていて、何時間起きているのが寝たきり老人なのかとこう言うと、ここもあいまいですよね。しかし大体、寝たきり老人ということは、自分一人でとことこデパートに行ったり、とことこお芝居を見に行ったりということがたまにできる人ではないのですね。寝たきり老人と言われている以上はですね。多少うちの中で、たまには動けるかもしれないけれども、常時床を敷いて寝たり起きたりしている。そしてある程度元気そうに見えていても、実際には非常に血圧が高くて、ちょっと何かひどいことをすれば、ふっとひっくり返るかもしれないとか、心臓が悪いために、見たところは、まあそおっと動くことができるかもしれないけれども、ちょっと急激なことがあったり、寒い風にぱっと当たったりすれば、ほっと発作を起こすとかというような形で寝たきりなわけでしょう。ということは、これは常時介護を要するというこの常時という言葉自体が——これだって常時というのは二十四時間びっちりとついていなければならないのか。それこそ大手術をして、もう死ぬか生きるか、酸素吸入でもしているというふうな患者さんの場合には、まさに二十四時間、夜中まで交代で看護婦さんなり付添婦さんなりの常時介護を要しているわけですね。しかし、そういう意味じゃないでしょう、常時という言葉は。辞書のとおりに見ましたら、常一時といったらいつでもということですよ。しかし常時介護を要するということは、二十四時間全部ということじゃないわけでしょう。そうしますと、一体それはどこら辺で切っていくかというふうにしたときに、実にあいまいだと思うのです。だから、大臣みずからがわかりにくい、こう言っているのですね。ですから、これは寝たきり老人というふうに一応言われる人は——あなたはよくいわゆる、いわゆると、こうおっしゃるのですけれども、いわゆるというのはまだわかりません、私自身。いわゆる寝たきり老人というのは何なんだ。  私の母は八十六歳でまだ元気です。しかし足がもう全くだめなんですね。ですから家の中では、はったり、たまには立ち上がってこう何かにすがったり、私たちの手でこういうふうにしたりする。しかも外へ出ていくときには、全く車いすでなければ動けません。それで常に床を敷いています。これは一体寝たきり老人になるのかならないのかというふうに思うのですけれども、あまり持病がありませんので、寝たきり老人ではないと私は解釈しているのです。まだ寝たきり老人になってない、ならないでほしい、こう思っているわけですね。これで、もうちょっと血圧が商いとか、ちょっと心臓が悪いとかということになれば、これはもうすぐに寝たきり老人です。しかし、私の母は寝たきり老人ではないと私は思っておりますけれども、これは常時介護が要るんです。水を飲むといっても、危なくて、転んだらおしまいですからね。ですから、私の妹が、外で働かないで常時うちにいるのです。そして、水を飲みたい、牛乳を飲みたい、トイレに行きたいと言うとさには必ず一緒についていくのですよ。そういうのは常時介護を要しているんです、それでも。ですから、常時介護を要するという、こういうものの使い方によって、いかにも二十四時間全部ついていなければならなくて、いますぐ死にかけているような人でなければこれは対象でないのだというふうな、人に誤解を与えるような言葉遣いというのは私はおかしいと思うのです。ですから、一級とか二級とかいうのがあるわけですからね。一級、二級は全部に渡すのだ。いままで障害年金を出していた人には全部、それから特別児童扶養手当を受給——この受給は本人じゃなかったわけてすけれども、その子供ですね、これには全部、それから寝たきり老人というふうに、それこそいわゆるですよ。三十何方と出たいわゆる寝たきり老人には全部、こういうふうに言えば、いわゆるという言葉は、はっきりとしてすきっとするわけですよ。問題は金額の問題だけでしょう。理屈はそうじゃないですか。その方がすっきりしないですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 制度それぞれに一つの目的があってできているわけでございます。したがいまして、先ほどおっしゃいました老人医療についても七十歳以上については全員、六十五歳以上六十九歳までの人にはある状態について無料化を実施しいる。それから障害福祉年金につきましては、障害の程度に応じて、その人が働けないために出てくる稼得能力の喪失に対する補償、それから先ほど来大臣が申しておりました身体障害の一級、二級、これは身体障害のそれぞれの部分の障害度に応じて一級、二級、それぞれ法律の目的によって表ができているわけでございます。大臣がわかりにくいと言いましたのは、既存の障害福祉年金の一級なり、あるいは身体障害者の一級、二級というのに比べてどうなんだということについて当初決めることについていろいろ問題があったということを申し上げたわけでございます。今度の法律で別表第二というのをつくりましたのは、そういった中で常時介護を要する状態にある者に着目してそれを別表として決めたのがただいまの御審議を願っている表でございます。  したがいまして、いま具体的な例でお母様のことをお話しになりました。これは最終的には医師の診断にまつべきだと私は思います。ただ、継続して御自分で歩けない、御自分で用便ができない、御自分でお食事ができない、この三つの状態朝、昼、晩継続している状態であるならば、お妹さんが看護しておられるようでありますが、これが事実であれば、いわゆる常時介護を要する状態ということになるわけでございます。したがって私どもとしては、手とか足のように、あるいは目とか耳のように具体的な状態であればすぐわかります。しかし、いま申し上げたような体の機能の状態については、それぞれ具体的なケースについて判断基準を設けまして、それに適応してまいりたいというように考えておるわけであります。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 何しろ私は福祉のこれをいろいろ見てみまして、何でもわかりにくく、むずかしくむずかしく別表だとかいろいろな表をつくって、その中の言葉を見ても「体幹の機能に座っていることができない程度の障害を有するもの」なんて、こういうふうなこと、本当にわかりにくいわけですよ。  具体的に私は——私の実の兄というのは両足がだめなわけです。これはクモ膜下出血という病気をしまして奇跡的に治ったということの後遺症でひざが立たなくなったわけです。それで腰から下か非常に弱くなりまして、結局松葉づえでも歩けないのですね。そして全部車いすでいまも働いて、会社の取締役をやっているのです。この兄は、所得制限が引っかかりますので、現在は福祉手当はもらえないと思います、しかし仕事をやめて収入がなくなればこの福祉手当はもらえると思うのです。といいますのは、彼は一級の身体障害者の手帳を持っているわけなんですね。この兄は五十七歳ですけれども、兄の日常生活は、平家の家全体が境目がないワンルームになっているわけですが、車いすでどこへでも行ける。車いすでベッドにも行かれる、トイレも単いすで入れるように、顔を洗うときも全部車いすでちょうど行くようにできているわけですよ。それで全部行きますので、一級のあれを持っておりますけれども、一応自分の身の回りのことというのは、家の中ではほとんど自分でやるわけです。それで最近は車も、自動車ですね、自動車も改造しまして運転免許を取ったわけです、一級身体障害者がですよ。これでもって会社まで自分で行くわけです。それで会社に車いすが置いてあります。そのとき多少人の手は借ります。いろいろな意味で姉が非常に苦労はしていますけれども。しかし、この母と、寝たきり老人とは思わないこの私の八十六歳の母と兄を見ましたら、日常生活の上では兄の介護者の方がはるかに楽だというふうに私は思うわけです。母の方はだんだん頭もぼけておりますし、目もやはり緑内障を患いまして薄ぼんやりですね。ですから用便ができない、食事ができないというのは一体どういう状態なのか。トイレのところまで行って座らしてあげれば自分でできるのか、それとも寝たきりで便器を入れなければできないのか、そういうふうなことだってさっぱり——そんなことを言い出しますとおたくのつくった別表というのは、「体幹の機能に座っていることができない」というのは一体何なのか。身体障害者の一級を持っている私の兄はきちんといつでも座っておりますよ。動くのがめんどうくさいからしょっちゅう座っていますよ。これは対象になるわけですから、所得制限があれですけれども。実際にはこういうことを障害者の間では具体的に比べるわけですよ。私自信も母と兄を比べるわけですよ。母は福祉手当の対象にはならない、しかし、兄はなる資格があるのだというふうになってきますと、矛盾を感じてしまうわけですよ。だから、先ほど言いましたように、こういう障害者の心を傷つけるじゃないか。特に、いま老人問題というのは家庭の中で非常な問題になっています。本当の娘は私一人です。自分の個人の話をして恐縮ですけれども、非常に具体的ではっきりしますので比較して言っているのですけれども、私は、娘が一人ですので、本当はこの母を自分のうちに置きたいわけですね。一度宿舎に連れてきたこともあります。しかし、ほとんど私がうちにいませんと、やはりこれはどうしても常時だれか介護する人を雇わなければならないわけです。しょっちゅういないわけです。それで、しばらく預かってみましたけれども、非常に母がさびしがりますし、私も精神的に非常に負担で、人に頼んでおきましても常に気になるわけです。それで、弟のうちに母を頼んだのです。というのは、妹が外で働いていないものですから。結局、妹は常時母の介護をしているわけです。どこへ行くにも母を一人にしない。そのときには子供をつけておく。転んで足でも折ったらそれで一巻の終わりだということで、妹が買い物に行くときには子供をつけておく。常時ついているわけですね。しかし、母の場合は、これはおたくのこの別表で見ますと、体幹の機能障害で座ることができないということじゃないのですね、ちゃんと座っておりますし。よっこらしょなんて言って、こんなふうにして動けるわけですから。そうすると、対象にならないのかなと思うわけです。  こういうふうに、あなた方は御自分でわかったつもりでいらっしゃるかもしれないけれども、国民にわからないようなこんなものをつくったって、非常に国民の心を傷つけ、それから外れる人たちは、なぜ自分の方がひどいのにもらえないのだ、なぜ向こうの方が軽いのにというふうに、仲間同士でいがみ合うような、こうしたせっかくいい目玉であるものがそういう形で非常に、何か一つ新しい制度が出るたびにだれかが泣いたり心が傷ついたりするわけです。そういう意味で、あなたはいわゆるいわゆるとかということでわかったような顔をなさっているけれども、私は、あなた自身もわかっていないのだと思うのですよ、大臣もわかっていないと言っているのだから。ですから、一級とか二級には全部出すとか、いわゆる寝たきり老人が三十万いるならば、これには全部出すとか、その中で多少それに外れて、わりに元気でもらわぬでもいいと思うような人が多少入ったたっていいじゃないですか。それよりも、当然もらわなければならない人が落ちているということの方に心を向けていく方が大事ではないですか。これは犯罪の場合でもそうでしょう。証拠がない場合には罰しないじゃないですか。そうでしょう。疑いがあっても疑いだけではこれは罰しないのですよ。ですから、やはりそういう観点から見て、どうやって落とそうか落とそうかということが目玉、目玉と言われるこの福祉手当の中にあるということを私は言っているわけです。ですから、体幹の機能障害で座ることができないということは、身体障害者一級の人で座ることのできる人はたくさんいます。そうすると、これは全部外れるのですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 具体的な例でお話しいただきましたが、本当に、そういうことについてはまさに個々の判定の問題にもなっていこうかと思います。ただ、身体障害者福祉法が制定以来、体の欠損、障害部位についての等級というのは、お兄様で御説明あったようにきわめて明確に判定できるわけでございます。それによって、いままで身障手帳というものが決められておったわけでございます。  一番問題になりますのは、やはり内部疾患、特に老人になられた人たちの立ち居振る舞いの状態だと思います。そこで、私が先ほど申し上げましたように、立つことのできない、歩くことのできない、御自分で用便のできない、そして、御自分で食事のできない状態にあるということで個々の判定をしてまいりましょうという基準を設けているわけでございます。体幹機能についても同様でございまして、確かにボーダーラインになりますと、いかなる制度でも、お示しがあったように、落ちたり外れたりということの問題があることはわれわれも承知しております。なるべくこれをそういかないようにするのが行政の責任だと思いますけれども、やはりまた、何らかの基準がなくては決められないということもございますので、この点は法律の施行に際して十分意を用いてまいりたいと思っております。

田中美智子日本共産党・革新共同

○田中(美)委員 ですから、その基準をできるだけわかりやすく、だれが見てもすかっとするように、そうしてその中から多少の外れというのはあると思います。しかし、今度出されたこの九カ条ですか、七カ条ですか、あれを見ましても、具体的にさっぱりわかりませんよ。用便ができるか、御飯が食べられるかなんていうのでも、つくって食べられるということを言っているのか、さっき言ったように便器が要るのか、それともトイレまで自分一人で行けないというのか、さっぱりわからないわけですよ。ですから、こんなわかりにくいものを次から次からつくってますます混乱させるのではなくて、やはり一級、二級、寝たきり老人——これがいわゆると、これはあいまいですけれども、おたくの方で寝たきり老人ということで三十何万と、こう出ているわけですから、それですかっとやっていったら一番簡単じゃないかと私は言っているのです。ですから、そういう意味でぜひ最大の努力をしていただきたいと思います。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 次に岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 先ほどの質問に引き続きまして、まず、この福祉手当を受けられる在宅重度身障者、この支給対象はいまどれほどと考えておるのですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 総数で申し上げて、これまた概算でございますけれども、一応三十万を予定しております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 ところで、いままで在宅重度身障児にはどのような施策がとられておったのですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 御質問のいわゆる在宅の障害を持っておられる人に対する施策というものといたしましては、その人たちが障害にもめげず社会に復帰するために必要な医療の給付、これは大人の場合には更生医療と申しますし、子供の場合には育成医療と言っております。そういう医療の給付。それからもう一つは、大人、子供通じていわゆる家庭奉仕員(ホームヘルパー)、こういうものを派遣いたしまして、在宅の重度の障害の人たちのお手伝いをする。それからもう一つは、これも大人、子供通じてでございますけれども、補装具、足の不自由な人には松葉づえ、あるいは目のない方には義眼、その他そういった意味の補装具の給付、こういったものを在宅障害者の福祉措置としてやっているわけでございます。  私がただいま申し上げましたのは、いわば代表的な事例を申し上げたわけでございまして、なお市町村等において個々に行き届いた福祉措置をやっておられるところがあることは十分承知しておるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、あなたの方の試算で、そういったいろいろと在宅の児童福祉に対してやっている、それが大体一人当たり平均どれくらいの月額がかかっていたのか、これをお調べになったことがありますか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 大人の場合について見ますと、大体年間の予算にいたしまして在宅の身体障害者に対する福祉の措置として、国の予算で五十五億を計上いたしております。これが、在宅の障害者全部で大体先ほど申し上げました三十四万という数でございますので、これで割りますと一人当たりの額が出るわけでございますが、ちょっといま試算させまして御報告を申し上げます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 あなたがおっしゃっているのは、大人もまぜてですね。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 大人でございます。子供は入っておりません。

岡本富夫公明党

○岡本委員 まず私が聞いているのは、子供の方を聞いているのですがね。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 子供につきまして在宅対策は、一つはきょう御審議いただいております特別児童扶養手当の支給というのがあるわけでございます。現在は重度の子供に月一万一千三百円支給することになっておりますが、今回その額を一万八千円に上げ、新たに中度の子供にも特別児童扶養手当を支給する。それから従前からやっておりまして今回発展的に解消させるものとして、重い身体障害と重い精神薄弱がダブった子供に、重度障害者福祉手当というものを月三千円支給しているわけでございます。したがいまして、その身体障害児あるいは精神薄弱児を抱えた家庭に支給される手当というのは、現在では最重度で一万四千三百円、それから重いところで一万一千三百円ということになるわけでございます。  それで、この法律案が成立いたしますれば、一番重い子供については月額二万二千円、その次に重い子供につきましては月額一万八千円、それから中度の子供につきましては月額一万二千円という手当が親に支給されるということになるわけでございます。  このほかに、在宅対策としましては児童相談所とか精神薄弱者更生相談所等を通じた相談事業もございますが、先ほど社会局長から申し上げましたように、家庭奉仕員の派遣もあるいは日常生活用具の支給も障害児に対する在宅対策でございます。特に最近力を入れておりますのは、在宅の精神薄弱の子供なり在宅の肢体不自由の子供が通園する、家から通いながら療育をする施設、これは通園施設と言っておりますが、精神薄弱児の通園施設で百五十八、肢体不自由児で三十三あるわけでございます。そういった通園施設とかそれから小さな規模の通園事業とか、それから四十九年度実験的に始めました障害児保育事業等々がございまして、通園施設の対策もあり、現金給付もあり、相談事業もあるものでございますから、その総額を一人当たりにどう直すかと申しましてもそれは非常にむずかしいと思いましたので、いまやっております対策を現金給付を中心に御説明申し上げました。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、施設に入れている方、これの一人当たりの月額というのはわかりますね。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 五十年度の予算案に即して申し上げますと、精神薄弱の子供の施設でございますが、月額平均いたしまして約八万八千六百円ぐらい、正確に申し上げますと八万八千五百八十九円ということになるわけでございます。それから一番高いのが重症心身障害施設でございます。重い精神薄弱と重い身体障害が重複した子供さんに対する施設でございますが、その施設に入っております子供さんには一人月額二十三万円かかっておるということになるわけでございます。その他の施設も若干ございますけれども、代表的なものとして精神薄弱児の施設と重症心身障害児施設について申し上げます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 私これを見ておりますと、いまあなたの答弁があったように、重度心身障害児の施設に入った方は二十三万円ですか、詳しく言えば二十二万二千円ですね。それから精神薄弱児が八万九千円ですか。その他ありますけれども、肢体不自由児が十四万九千円。間違いありませんね。それから肢体不自由児の国立療養所分が十八万一千円ですね、これもあなたの方から資料をもらったのですが。これから見ますと、いろんな方へ金がかかっておるから一人当たりわからぬということでありますけれども、在宅の方が非常に冷遇されておる。なかなか施設がなくて入れない。そしてしかも在宅の方はこうして非常に冷遇されている。在宅の方は特に親たちあるいはまた身内の者が非常に苦労しておる。こういうことから見ますと、余りにも差があり過ぎるのではないか、こういうふうに考えられるのですが、いかがですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 たとえば精神薄弱児の施設について申し上げますと、先ほどお話もございましたように、約八万九千円月額かかっておるわけでございます。その中で事務費と言われるものが約六万円、これは子供を世話したり指導する先生方の人件費なり、あるいは施設でその他の作業に従事する人たちの人件費というのが相当大きなウエートを占めている経費でございます。それから事業費、この中心になりますのが、中に入っております子供がとる食費等でございますが、それが約二万八千円。今回の改正で、平均的な重度の障害児につきましては月額一万八千円の手当を支給するわけでございますが、施設に入った場合にはいろんな専門家を雇わなくてはいかぬというふうな人件費で相当食っておるわけでございます。したがって今回の特別児童扶養手当の改正なり新しい福祉手当の創設——さっき申し上げましたようにに、一番重い程度の子供というのは月額二万二千円の手当が支給されることになるわけでございますから、この月額二万二千円の手当というものとと、それから施設に入っております場合の費用とを比べますと、専門職員を採用する等々のことを考えてみると、金額では違いがございますけれども、効き目でそんなに違いのあるものではないというふうに考えます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 あなたは病院で看護をなさる方の日給を調べたことがありますか。こんなわずかなことではなかなか見てくれないですね。親は自分の産んだ子だから、あるいは自分の身内だから仕方がないというものでありますけれども、施設に入った方はほとんどすべて専門のそういった人たちから見てもらったりいろいろしているわけですね。在宅の方は、あなたはそうして机上計算のお金で勘定しておるから……。私も一人一人の分を計算はしておりませんけれども、問題はやはり施設をもっと増加しなければならぬのじゃないか。現在、重症身障児の総数と、それからまだ施設に入っていない方、すなわち希望の方、これがどのくらいあるのか、つかんでいますか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、重症心身障害の子供の施設は五十年度までに整備したいというのが私どもの計画でございます。そこで、最終年度を控えました昨年の五月に、児童相談所を通じまして、改めて入所が必要であるかどうかという児童の調査をしたわけでございます。この調査によりますと、施設に入所を必要とする子供の数が総数で一万三千四百でございます。このほかに家庭での養育を希望する人が五千六百でございますから、合計いたしますと、重い精神薄弱と重い身体障害がダブった重症心身障害児というのは、約一万九千人くらいというふうにお考えいただければいいんじゃないかというふうに思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで、現在の施設及びベッド数、これをひとつ明らかにして、現在、あなたがおっしゃった入所希望者が一万三千と言いましたかね、これにどれだけ足りないのか、ひとつお聞きしたいと思います。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 去年の七月一日現在の施設数を申し上げますと、施設の数が全部で九十二カ所でございます。その定員約九千六百とお考えいただければよろしいと思います。  それで、先ほど申し上げましたように、昨年の調査で施設に入れる必要のある子供というのは約一万三千四百あると申し上げたわけでございますが、予算ベースで申し上げますと、四十九年度までに施設整備ができると考えられます量というのは約一万二千三百床、これから事業にかかるものもあるわけでございますけれども、一応四十九年度までの予算で整備されると見込まれます量というのが約一万二千三百床でございますから、先ほど申し上げました一万三千四百床との差の千百床というのを五十年度で整備をすれば、一応入所が必要と考えられる重症心身障害児のベッドは整備できる勘定になるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そこで施設、ベッドという話ですけれども、現存する施設の中で定員を満たしていない空ベッドが現在相当あるはずなんです。これをつかんでおりますか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 先ほど申し上げました四十九年七月一日の数字を持っておりますが、それでは、全体で見まして約九割ぐらいのベッドが子供が利用しているという勘定でございますから、約一割あいておるということになるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 現在ベッドが約一割あいている。私どもの方でもそういう数字が出ておりますけれども、まだ全然使ってない施設があるんではないですか。いかがですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 私どもの方で直接所管をしております公立——公立の数が非常に少ないのです、重症心身障害児の場合は。ベッドの大半というのは国立療養所が占め、それから私立が占めておる、そういうものでございますが、国立、公立、私立の九十カ所、全体の数字について申し上げますと、五割を割っておるものが一カ所であるというふうに承知しておるわけでございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 四十七年度予算で国立京都療養所、この予算が五千百三十三万二千円ですが、それから同じく四十七年度に国立武蔵療養所、これが約九千三百万の予算をつけて設備をしておりますけれども、私ども調べるとどうも全然入っていないように思うのですが、どうですか。

木暮保成厚生省医務局次長

○木暮政府委員 ただいま御指摘の武蔵と京都の国立療養所に開設されております重心の施設でございますが、武蔵につきましては八十床の整備がなされておりますけれども、現在看護婦の確保ができませんで、開棟できずにおります。また、京都につきましては、百二十床の病床が整備されておるわけでございますが、そのうち八十床は開棟できておりますけれども、もう一病棟の四十床につきましては、これも看護婦の確保ができませんで、開棟できてない状況でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 そうすると、児童家庭局長さんの方ではどんどんベッドをつくっていくのだ、こちらの方ではつくっても看護婦がなくて困っておる。四十七年につくったものもまだ全部満足に動いていない。特に武蔵の療養所なんというものは全然まだ使用してない、こういうことになると、これは政務次官どうなんですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 ます、先ほど私五〇%割っておるのは一カ所と申し上げましたが、国立、公私立を含めまして二カ所でございます。これは訂正させていただきたいと思います。

木暮保成厚生省医務局次長

○木暮政府委員 ただいま申し上げました武蔵の療養所につきましては、先ほど申し上げましたように整備病棟が開陳できておりませんけれども、新年度におきまして看護婦の採用の見通しがついておりまして、新年度に入りまして段階的に患者さんを入れることができるという段階までこぎつけております。また、京都につきましても、新年度で看護婦を採用する予定がつきまして、これも四月から段階的に患者を収容していける段階にこきつけております。

山下徳夫自由民主党厚生政務次官

○山下(徳)政府委員 いま次長から答弁したとおりでございまして、せっかくりっぱな施設ができても、看護婦が充足できないためにあいておるということははなはだ遺憾でございますから、今後は特に国立の看護婦の養成所等を三月に卒業する看護婦を優先的にこちらの方に配置するというような措置をとって動いていきたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 私、一つずつ調べてみまして、人手不足といいますか、看護婦あるいはまたそういった介護する人たちの人材の育成といいますか、私どもが人材確保法案というものを出しておりますが、厚生省はこれに相当真剣に取り組まなければならない。いま一割程度しかあいておらないというようなことでありますけれども、直接調査するとまだ大分あいておる。その原因はどこにあるかと言うと、この人たちのめんどうを見る看護婦さんだとかあるいは介護をする方々が非常に不足をしておるということなんですね。したがって、施設だけ何ぼつくってみても、それとうまく見合ったものがなければならない。四十七年に予算をつけて、四十九年度のことしの三月、これが武蔵ですね。それから京都のは四十八年の三月ですから約一年あいている、入りたい人はたくさんいる、こういうことになりますから。入れ物とそれから介護する看護婦さんやいろいろな人たちの確保、これはやはり厚生省が責任を持って、少し先を見越してやらないと、建ててから一年も二年もほっておくということのないようなやり方をしなければならないのではないか。四十八年三月というと二年間これはあいているわけでしょう。非常に国費を使いながらまことに遺憾なことだと私は思うのですよ。今後はこういうことのないように、ひとつ政務次官の方ではっきりした答弁をしておいていただきたい。これが次からこう続いていくわけですからね。ひとつもう一度はっきり。

山下徳夫自由民主党厚生政務次官

○山下(徳)政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、先般自民党においても看護婦、保母等の確保に関する特別立法をお考えになったようでございますけれども、その法律をつくるつくらぬにかかわらず、やはり待遇の面でもある程度優先的に考えなければ、ただ長期に立った一つの充足計画だけではなかなかいけないと思いますから、そういう面で今後格段の努力を払いたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 確かに、給与の問題、待遇問題ですね。それからもう一つは、ホームヘルパーの方がいるのですけれども、これは何の身分保障もないのですね。やはりある程度の身分保障というものをひとつしてもらいたい、こういう要求が来ておるわけです。確かにこういった不幸な方々を心やさしくめんどうを見ていく、その人たちの苦労というものは大変なものだと思うのです。またとても並み大低の人ができない、こういうことでありますから、特に優遇しまた将来のための資格、こういうものを与えてやることが大事だ、私はこういうように思うのですが、その点いかがですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 ホームヘルパーにつきましては、毎年給与のかさ上げを中心にその処遇の改善を図ってきております。ただ、ただいま御指摘がございましたように、この方々をいわゆる地方公務員というような形にすることが果たして福祉の推進のためにいいかどうかということについては、必ずしも一概に言えない点がございます。市町村によっては福祉事務所の職員にしているところもおありでございます。それも一つでございますけれども、むしろいわゆる民間の善意を結集したボランティアということも必要ではないだろうか。ただいずれにいたしましても、この方々の身分を安定化し、そして処遇を改善していくということについては、なお一層努力を続けてまいりたいと考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 公務員にせよということは言っておりませんけれども、何らかの身分保障、こういうことを考えて、そして資格を与えてあげる、これをひとつ特に要望をしておきます。  ちょうど時間ですからきょうはこれで終わります。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 加藤紘一君。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 今度の特別児童扶養手当等の法律改正で、一番大きな部分を占めるのは新設の福祉手当だと思います。その点を中心に幾つか質問いたしますが、時間が限られておりますので、質問も簡単にいたしますし、答弁も簡単にお願いしたいと思います。  まず私は、この制度はかなり早くからできるべき筋合いのものであって、いわゆる最近福祉と言われておりますけれども、一番最初に手をつけなければならないような分野であったのに、今日までこのようにこの制度が実現できなかったにはそれなりの理由があると思うのですが、その辺の背景をお伺いいたしたいと思います。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 大変むずかしい御質問でございますが、要するにこの福祉手当をどのように観念するか、介護手当でいくのか、あるいは障害福祉年金がすでに出ておりますけれども、これを在宅の障害福祉年金として上乗せをするのか、それから他の諸制度の関連をどうするかということの決断がなかなかつきかねる諸制度の絡みがございましたために、今日までこの制度が法律案として出てこなかったという理由でございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 理論的な問題と言いましても、過去この問題は数年間、ある意味では十年以上も出てきた問題じゃないかと思うのですが、その理論的な詰め、それから決断のつかなさということの間に、介護に疲れて、そうして自殺する、一家心中というのは結構あったわけです。今回できたことを非常に高く評価したいと思いますが、今後このような福祉政策をやる場合に、確かに理論的な詰めも必要でありますけれども、現実の手の打ち方を早くしなければならないのだということは一つの反省として必要なのではないかと思います。  そこで、これからこの制度の伸びていき方でありますけれども、一つの方向として、いま局長がおっしゃいましたように障害福祉年金とこの制度との関連で、はっきり言えばかなり屋上屋を重ねるような制度であるけれども、今月これができたというのは、やはりそれなりの理由があると思うのです。施設収容者との差を埋めなければならないというのが大きな問題点だと思いますが、もう一つは、かなり重度のところに限って手厚くやっていかなければいけないのだということもその背景にあると思います。  そこで局長に御質問いたしますが、今後この制度を適用してくれといういろいろな要求、それは政治的な要求も出てくると思います。それと同時に、余りそれを広げては他の福祉年金とどっちがどういうことになるかわからなくなるということがございますので、ここでひとつ方向をはっきり定めておかなければ、両方の制度が死んでしまうのではないかというふうに考えるわけです。  そこでまず障害福祉年金の受給者の数と今回の福祉手当の予想される受給者の数を大体教えていただきたいのです。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 障害福祉年金の受給者は四十二万でございます。今回の制度に基づく者が三十万。そのほかに特別児童扶養手当の受給者が五万ございますので、この種の者の合計が四十七万、こういうことになると思います。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 それは障害福祉年金は一級だけの数字ではございませんか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 そのとおりでございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 今度二級に拡大された場合の予想される数は。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 十五万をプラスすることになります。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 そうすると大体六十万ですね。それでこの福祉手当が三十万ということですから、これはかなり限って三十万という数だと思うのです。  それで、これをどうしても理論的にもっとふやさざるを得ないような側面というのは、ちょっと後で拠出制の年金等の問題でお伺いしますが、やはりかなりふえる素地があるものですから、これが六十万近くなったらなかなか二つの制度の特徴づけができなくなるというわけで、私としてはこの福祉手当というのはかなり限って、そして厚くしていく、同じ財源があれば、広く浅くじゃなくて狭く深く、そういうふうにすべきだと私は思うのですけれども、その辺をどちらをおとりになりますか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 当面、範囲については現状を維持し、内容の改善を中心に考えてまいりたいというのがわれわれの考えでございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 私もぜひそうお願いしたいと思いますし、われわれ陳情を受けるときには、とかくあちらにもこちらにもと言いがちな癖を持っているわけですけれども、その辺は私たちも注意しますし、役所としても制度を育てるために考えていただきたいというように思います。  それで次に、範囲の問題でございますが、そういうふうにしぼると申しましても、具体的にボーダーの問題が出てまいります。その一番大きなグループとして出てまいりますのが寝たきり老人、その次に心臓病、自閉症など難病のたぐいでございますね、それから三番目に原爆障害者の関係でありますけれども、この三つについてどのような観点で整理されていかれるか、基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 老人につきましては、いわゆる常時介護を要する、常態といたしまして歩けない、用便ができない、それから食事ができない、この三つの状態が併合している状態をとらえてまいりたい。それから、いわゆる難病につきましては、ベーチェットであるとかあるいはスモンであるとか、こういった病気のために失明であるとかあるいはいま申し上げましたような状態が継続している方々を対象とする。それから原爆被爆者等につきましては、すでに特別法としてこれらの介護制度が発足しておりますので、これらの制度を優先して適用することにするというように整理してまいりたいと考えております。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 心臓病の場合なかなか症状が固定しなくて、そして同時に家庭内ではかなり看護を見ていかなければいけないというのが多いようなんですけれども、心臓病には具体的にどう対処されますか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 内部疾患といたしましてただいまお示しのございました心臓それから肺それから腎臓、これはすでに身体障害者福祉法の一級の対象となっております。したがいまして、心臓の病気によって術後安静を要する、こういう方々については当然本法の対象になるもの、こういうように考えておるわけでございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 もう一つむずかしいもので自閉症があると思うのですが、これは異常行動等、認定がいま非常にむずかしい——行政的にもむずかしい問題だろうと思うのですけれども、これは最近、認定について委員会か何かつくっておりますか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 自閉症につきましては精神障害に準じた扱いをして、最終的には医師の診断ということになると思いますけれども、児童家庭局の方でこれについての判定の委員会を、私が児童家庭局におったときに始めた記憶がございますので、それが続いているものと思います。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 特に心臓病、自閉症の親の方たちの間に、そういう政府の、まあ身障手帳でもいいんですが、いわゆる行政的に定着して、そしてまた手を打っていただく際の基準がまずないとか、それからその基準について、なかなか実態を見ていただけないという声があるようでございます。自閉症なんか特にひどいと思うのですが、その点その委員会が早急に基準づくりをされるよう政府としても御努力願いたいと思います。  それから寝たきり老人、さっき三つの基準をおっしゃいましたけれども、介護が必要という意味ではかなりの程度の人がそのボーダーにいらっしゃるんじゃないかと思います。それから、老人になって、老齢福祉年金はもらうんだけれども、非常にあちこち動かなくなる、それで障害福祉年金の方に切りかえてもらいたいと思うけれども、なかなかその判定はやらないのが原則だというような行政的手当てがされているみたいなのが実態のようですけれども、その辺、実情はどうでございますか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 確かに御指摘のとおり、老齢福祉年金を受給しておられる老人については身障手帳の交付というのは原則としていたしておりません。したがいまして、先ほど申し上げましたように、寝たきり老人であってすでに身障福祉法に基づく一級、二級の手帳を持っておられる方々については、その状態に着目して当然この手当ての対象になるわけでございまして、それ以外の老齢福祉年金受給者の老人については、先ほど申し上げました基準によって判定をしていくことになると思います。ただ御承知のように、老人の場合にはとかく子供さんが順々にめんどうを見るということで、住所が転々とするというようなことがございますので、なかなか行政的な把握がむずかしい点はございますけれども、この点については十分留意してまいりたいと考えております。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 年金局長さんにお伺いしますが、老齢福祉年金をもらっておりましたら、庭の木の剪定をしておって落っこちて上下肢が動かなくなった、それでも障害福祉年金への切りかえ認定はなさらないわけでございますか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 福祉年金は、先生御承知のように拠出制年金の経過的、補完的というとらえ方をしておりますので、そもそも拠出制年金の方に問題があるわけでございますが、年金制度としては代表的な保険事故である老齢、廃疾、死亡、このいずれかの事故が生じた場合に年金を支給する。老齢についていいますと、老齢年金を一定の年齢に達したら差し上げるということで、いわば、年金制度としてはその人に対する保護といいますか、これで一応済んだという形になっておりますので、一度とにかくそういう保険事故に結びついた年金権が発生しますと、その後の事故によって更新されることはない。したがいまして、福祉年金におきましてもその考え方を一応踏襲いたしまして、一たん老齢ということで老齢福祉年金を受け取られた方については、その後そういう事情の変更があっても福祉年金の変更は行わない、非常に保険主義、形式的ではないかという御意見があるのは実は承知しておりますけれども、そこら辺はなかなかむずかしい問題でございまして、そういうたてまえでございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 そうすると、拠出制でも福祉年金でも同じですが、障害年金の場合には一般の老齢年金よりも高く額をきめてありますね。その差額を認めること自体、どうも理論的に矛盾するのじゃないかと思うのですが、いかがですか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 障害年金は国民年金、厚生年金と多少違いますけれども、国民年金に例をとりますと一級と二級がございまして、二級障害年金が老齢年金相当額、つまり老齢と二級障害による所得の喪失度合いというものはほぼ等しい。しかし、一級の場合はさらにそれ以上に重度の障害でございますので、多少身の回りの世話等で特別の経費もかかる、そういうことで現在二五%増しということをやっております。そういう扱いをしておるわけでございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 身の回りの世話という言葉が出ましたけれども、それはすなわち、普通の老齢の人より所得稼得能力が落ちたという観点以外に、介護とか身の回りの世話という概念が入っているわけですから、そうすると、老齢になってもやはり身の回りの世話が必要なほどの廃疾の状態になったならば障害年金の方に移るというのが理屈としては通るのじゃないかと思うのですが、いかがですか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 そのような御意見もごもっともな点もございますけれども、社会保険としての年金制度には、やはり社会保険というメカニズムからくる制約というものがございまして、しかもこれが各公的年金制度を通じた一つのルールみたいなものがございますので、基本的な方向としては、私は、許される範囲では、必ずしもそういう保険主義にとらわれないことで今後の改善を考えていきたいと思っておりますけれども、いまここでこの問題について直ちにこういたしますと申し上げるには、もう少し時間をかしていただきたいと思います。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 いま年金についていろいろ抜本的にお考えのようでございますので、その際にいろいろお考えいただければと思います。  次に、実はきのう、青い芝の会という脳性麻痺の方の団体の代表者が私の部屋に見えられまして、今回の福祉手当というのは反対である、それの理由は、私、理解しているかどうかわかりませんが、かいつまんで言えば、これだけの制度をつくる余裕があるならば、稼得能力が非常に低くて、なおかつ身障等級から見れば、かなり低い形の等級に判定されている自分たちに福祉年金の枠を広げる財源に使っていただきたい、こういうことであったと思うのです。それで私はお答えしたのですが、やはりそれは福祉手当の是非の問題ではなくて、身障等級の判断の中に、どちらかと言えば生理的な、または医学的な観点のみがいままで入っておって、所得稼得能力の観点が落ちておったということからくる矛盾ではないかというふうに私はお答えしたのですけれども、どうも最近身障等級が、たとえば国年にしても身障にしても、それから労災にしても、それからまた傷痍軍人にしても各種乱立しておって、あっちこっちで細か過ぎる各種の問題が生じていると思うのですけれども、この辺、身障等級の基準の問題も含めて、抜本的にお考え直すお気持ちはございませんか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 実は私も青い芝の会の諸君に会いまして、深い感銘を覚えたわけでございます。それは別といたしまして、確かに脳性麻痺による手足の不自由ということと、手足の欠損による障害等級、これはまさに見直すべきことだと思います。現在、身体障害者福祉審議会の方に等級の見直しをお願いしてございます。いまお示しのあった点も含めて、総合的にまさに等級表の是正、いわば一番マッチした方法に改めるということをいたしたいと考えておりまして、この点は全く御意見のとおりだと存じております。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 次に、具体的認定基準の中で、身障については一級と二級の一部ということで大体線を引かれると思うのですが、精薄の方はどのような基準で、IQどれぐらいを考えていらっしゃいますか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 現在の特別児童扶養手当がIQ三五以下くらいの重度精薄でございますから、それよりもさらに重いということになりますので、このIQだけではかることが果たして可能かどうか、今後引き続いて検討しなければならない問題だと思いますけれども、IQにいたしますと大体二〇ぐらいというふうに考えているわけでございます。  それから、その他の精神障害については、それぞれの障害ごとに判断を仰ぎながら決めていかざるを得ないというふうに思います。     〔竹内(黎)委員長代理退席、委員長着     席〕

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 次に、対象範囲の問題で一番大きくこれから出てくるのは——拠出制国民年金の障害年金受給者は今回対象には入っておりませんね。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 そのとおりでございます。一応併給調整をする考え方でございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 拠出制の場合に、最低が二万八千円から二万九千円というボーダーだったと思いますが、今回、重度の場合ですね、障害、福年と介護手当を足せば二万二千円になる。それと同時に、福祉手当というものはかなり育っていくべき筋合いのものだと思いますので、このままいきますと、どうも拠出したがゆえに障害に伴う各種の政府の所得保障がより低いという現象が起こりかねないと思うんですね。そこで、やはり処出制の人を排除するというのは若干理屈の上からも問題があるように思いますが、いかがですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 当面、特別児童扶養手当におきます特別福祉手当の調整を今回もならって、右へならえしたわけでございます。それからまた、いまおっしゃいましたように、公的給付といたしまして、総額が片方では二万九千円、それから片方は二万二千円、やはり総合的に福祉の措置として併給しない方がいいという判断でございますけれども、将来の動向につきましては、あるいはいまお示しのような点が出てくる場合もございますので、その点については慎重に検討してまいりたいと考えております。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 次に、障害年金についてちょっとお伺いいたしますが、拠出制の国民年金で障害年金を受ける場合に、初診日が三十六年の四月一日以前であれば、その後は拠出制の障害年金を受けられずに福祉年金の方に行くというシステムでございますか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 そういうケースは福祉年金の対象でございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 そうしますと、そういう人はなぜ拠出制の障害年金の対象にならぬのか、理屈はどういうことになっておりますか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 これも先ほどの保険主義の一つの例として、あるいは御批判があろうかと思いますけれども、公的年金を通じまして障害年金あるいは廃疾年金は、原則として被保険者期間中の傷病によって発した障害について補償する、そういうたてまえをとっておりますので、そういう年金制度の枠組みの上からそのような姿にならざるを得ないと思います。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 保険主義というのは確かにわかるのですが、民間の生命保険ですと、入るか入らないかは自由であり、それは保険に加入するかしないかでありますが、国民年金の場合ですと、一応強制加入でありますね。それからもう一つ大きなポイントは、当人が入ろうと思っていても、三十六年四月一日以前はその保険制度が存在していなかったわけですね。ですから、やはりそれは単なる保険制度という理屈だけでは、初診日がそれ以前だというのを切る理由としては若干問題があるように思いますが、いかがですか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 御指摘のような御意見もあろうかと思いますが、国民年金の場合は、そういうことも考慮してわざわざ福祉年金という制度をつくったのも、いわばそういう一つの救済という立場でつくったのでございますし、それからまた、加入前の廃疾が、これが全く将来とも、役に立つという表現は適当かどうかあれですが、加入以後の廃疾について、場合によると併合認定というような事態があれば、その際にまた改めて加入前の障害が意味を持つということも考えられますので、そういうことでひとつ御了承願いたいと思います。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 この問題は拠出制の障害年金と福祉年金とで額が違うというようないろいろな問題から発してまいりますし、どうも私、各種年金が乱立したり、拠出、非拠出とかいう問題でかなり差が出てくるのは問題なような気もするのですが、将来、財政方式の問題も含めて年金の制度が抜本的に考えられる際に、また御検討願いたいと思います。  若干細かいことをお伺いいたしますが、障害者の方にこういう声があるわけですね。と申しますのは、自分ら障害者はどちらかといえば短命である、現に民間の生命保険でも、障害者であるとすれば入れてもらえないか、保険料が高いんだ、そうなれば、保険主義の理論から言えば、何とかわれわれには支給開始時期を早めて支給してもらえないかという議論が非常にあちこちであるのですけれども、それについてどうお考えになりますか。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 年金制度の本来のたてまえからいたしますと、障害という事故については障害年金という制度が用意されておるわけでございますので、問題はその障害の程度なり範囲というものが妥当かどうか。先生が御指摘のケースは恐らく障害年金を得るに至らない程度の廃疾者について老齢年金の支給が早められぬかということだろうと思いますけれども、やはりこの問題の本当の受けとめ方は、障害の範囲、程度、それをどういうふうに考えるか、そしてその上で老齢年金の開始時期を早めるなり、そういう方向だろうと考えております。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 そうすると、障害福祉年金の一級、二級者は大体平均余命が短くなるかもしれない対象者を全部含んでいるというお考えであると理解していいわけですね。

曾根田郁夫厚生省年金局長

○曾根田政府委員 現在の廃疾表がそのまま今後とも妥当かどうかにつきましては、今後の医学、医術の進歩等によって見直しが必要だろうと思いますけれども、いまの国民年金の財政状態、その他、総合的に勘案しまして、必要なところに必要な給付という観点から見ますと、おおむねいまの障害年金制度全体として妥当なところではないかというふうに私は考えておりますが、この改善はもちろん今後とも努力はいたしたいと思っております。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 次に、この福祉手当の併給制限の問題についてお伺いいたしますが、具体的には各種年金の受給者にはいかないということと理解していいですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 一応考えておりますのは、拠出制の各種年金並びに新たに大人の重度障害者が加わりましたので、公害に基づく介護手当、それから原爆被爆者の手当、これは併給調整をいたしたい、こういうように考えております。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 労災との関係はいかがですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 労災の中で、障害を原因とするものについては調整をいたしたいとは考えております。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 それで労災でちょっとお伺いいたしたいのですが、労災は福祉手当よりも障害に基づく給付というのはかなり額が多いように伺っておりますが、しかし、現に労働しておりましてて、きのうまで、また一年前まで元気に働いておった人が急にそういう立場になったら、当人もそうですし、家族も大変な落差を感じられると思うのです。  そこで問題は、福岡の大塚さんという方からの手紙を受け取ったのですが、労働省婦人少年局は去る四十六年、労災一級から三級までの重度障害者の妻を対象に生活の実態調査を行い、その結果は、今日に至るまで妻の立場が非常に大変だということの発表になっている。それについて十分に手を打たれていないじゃないか。その介護の問題はどういう労災給付として考えておるのか。家族の介護料ですね。その問題についてどういうお考えでございますか、ちょっとお伺いいたします。

田中清定労働省労働基準局労災管理課長

○田中説明員 お答えいたします。  先生御承知のように、労災保険におきましては、労働災害によってその労働者の労働能力なりあるいは稼得能力が失われる、それを補償するということで、原則として従来の賃金を基準にそれの何日分であるとか、あるいは何%かというような形で保険給付をしているわけでございます。  ただ、たとえば療養を開始いたしましてから三年たっても治らないというような非常に重症の方方の中には、本人の労働能力のみならず、他人の手を煩わすというような方も多うございます。そういうことで本来の保険給付のほかに介護料という制度も別途ございまして、それによってある程度の手当てをさしていただいておるわけでございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 確かに労災の方の給付はかなりの額になっておるとは思うのですが、給付基礎日額計算の中に、いわゆるボーナス等は入っておらないわけですね。そうすると大体決まった給与というのは七割ぐらいであと年間の所得の三割ぐらいはボーナスという形だと思うのですが、非常にまだ低いという声もありますので、その辺については今後とも御検討をお願いしたい、こう思います。

田中清定労働省労働基準局労災管理課長

○田中説明員 ただいま先生の御指摘のように、保険給付の算定の基礎の賃金としましては、ボーナス等の特別給与は入っておりません。ただ長期の年金の支給等の場合には、やはり長い間の被災者の生活を考えますと、その辺問題があるのではないかということで現在労災保険審議会でその辺の検討をいたしておりますので、その結論を待って措置をしたい、かように考えておるわけであります。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 最後に所得制限の問題についてお伺いいたします。  特別児童扶養手当、福祉手当の所得制限、そしてその発想の基準をちょっとお伺いいたします。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 福祉手当の所得制限につきましては、特別児童扶養手当制度当時の受給者が父母、いわゆる監護する者であった関係がございまして、これが新しい法律案では本人に変わりました。したがいまして児童扶養手当、母子福祉年金あるいは現行の特別児童扶養手当、これにならいまして、障害者本人については百二十万、それから父母、いわゆる受給者の扶養義務者、これにつきましては五人家族で三百七十五万何がし、大体それを予定しているわけでございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 特別児童扶養手当ですと停止率は何%くらいになっておりますか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 約九〇%であります。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 それは停止率じゃなくて給付率ですね。停止率は……。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 一〇%でございます。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 一〇%というのはかなり高い率だと思うのですが、具体的に言いますと、老齢福祉年金を受け取っているおじいさん、それから今回の特別児童扶養手当及び福祉手当を受けるお子さん、いわゆる福祉の対象になる人を基準に考えてみますと、片方の老齢福祉年金の方は八百七十六万ですか、それぐらい高い扶養親族の所得制限額になって、言うならば完全撤廃ですね。片方は三百七十五万ですか、こう考えますと、健常者の老人に対する所得制限と、それから障害者を持っている家族に対する所得制限とこんなに差があるのはあべこべじゃないかと私は思うのですが、いかがですか。

翁久次郎厚生省社会局長

○翁政府委員 そういう御意見がおありであることは十分承知いたします。ただ先ほども申し上げましたように、現行特別児童扶養手当制度時代におけるいわゆる子供と、これを扶養する扶養義務者との関係をこの法律で持ち込みましたので、この点につきましては今後の研究課題ということに考えてまいりたいと思います。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 過去の経緯を見ますと、母子福祉年金から児童扶養手当、これはパラレルでいいと思うのです。ところが児童扶養手当から特別児童扶養手当に入ったときに、障害の観点から、そこではワンステップ上がるべき筋合いのものでああったのがすんなり横に入ったところに問題があるのではないかと思うのですが、いかがですか。障害の子供であっても親はあくまでもめんどうを見るべきである、そういう観点を貫かれるというのはおかしいと思うのですが、いかがですか。

上村一厚生省児童家庭局長

○上村政府委員 特別児童扶養手当の額が障害福祉年金並みになりましたのは昨年の九月からでございます。それまではずっと児童扶養手当即母子福祉年金に右へならえしておりましたのでそれに従ったわけでございますが、今後どうするか、福祉手当との関係もございます、障害福祉年金との関係もございますので検討させていただきたいというふうに考えております。

加藤紘一自由民主党

○加藤(紘)委員 百歩譲って、障害児であっても親は子供のめんどうを見る、扶養する義務が非常に強いんだということを言いましても、それじゃあ、今度の福祉手当の場合には障害者、つまり大人にも行くわけですから、それと老齢福祉年金の並びを考えたら、私は若干矛盾すると思います。問題意識も政府の方でお持ちのようですから、今後の御検討をお願いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

大野明自由民主党

○大野委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。

大野明自由民主党

○大野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

大野明自由民主党

○大野委員長 この際、住栄作君、枝村要作君、石母田達君、大橋敏雄君及び小宮武喜君より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  その趣旨の説明を聴取いたします。住栄作君。

住栄作自由民主党

○住委員 私は、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。   特別児童扶養手当等の支給に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は、次の事項の実現に努力すべきである。  一 児童扶養手当、特別児童扶養手当、児童手当及び福祉手当の支給額を一層増額する等支給内容の改善充実を図ること。  二 扶養義務者等に対する所得制限を更に緩和すること。  三 ILO第一〇二号条約の基本的事項の一つであることにかんがみ、長期的展望にたって、積極的に制度の改善を図ること。以上であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

大野明自由民主党

○大野委員長 本動議について採決いたします。  本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。

大野明自由民主党

○大野委員長 起立総員。よって、本案については、住栄作君外四名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、厚生大臣から発言を求められております。これを許します。田中厚生大臣。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○田中国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたす所存でございます。     —————————————

大野明自由民主党

○大野委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

大野明自由民主党

○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

大野明自由民主党

○大野委員長 次回は、来たる二十五日火曜日、午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十三分散会

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