社会労働委員会 第8号
- 発言数
- 342 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/03/19
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林正巳君。
○小林(正)委員 私は、四月から施行になる雇用保険法に関連して質問をしたいと思います。大臣の時間もないようですから、率直に伺うことにいたします。 最近の景気の停滞につれて、全国的に各業種失業が増加をしておる傾向にあります。これを救うためと申しますか、雇用保険法によって、一時帰休によってこれを救済していこう、失業を食いとめよう、こういう目的があるのだと思うわけです。それで、労働省に伺いたいのですが、一時帰休、雇用保険制度に関する雇用調整給付金制度、これは指定業種八十五、労働者数にして七百二十一万人をカバーする、こういうことになっておるわけですが、今日までその実施の状況、労働省が把握しておるところをお聞かせいただきたい。大ざっぱでいいですよ。
○小粥説明員 雇用調整給付金の支給の手続としまして、あらかじめ届け出をしていただくことにしておりますが、その届け出段階で私どもがまとめました数字で申し上げますと、届け出をしました休業実施予定事業所数は総数で四千五百六十八事業所、うち大企業三百九十五、中小企業が四千百七十三ということになっておりまして、その届け出によります計画に示された休業予定の延べ日数は総数で四百二十四万延べ人日、うち大企業が約百九十万、中小企業が約百三十五万延べ人日となっておりまして、これは大体一月及び二月の実施計画、一部三月分も入っておるかと見ております。
○小林(正)委員 ところで、雇用調整交付金制度は中小企業と大企業との取り扱いを異にしておるわけですね。それで、一時帰休について中小企業者にはより手厚くしよう、こういうことになっておる。そこで、大企業と中小企業の区分が、従業員数で、製造業の場合三百人、卸売業で百人、小売、サービス業で五十人、こういうふうに区分がなされておるわけですね。こういう区分をした根拠というものをお聞かせいただきたい。
○岩崎政府委員 私どもは、雇用対策給付金制度といいますのは、従業員に対する賃金支払い、この負担を休業という事態の場合にどのようにカバーするかということになりまして、大企業よりも中小企業の方に手厚くということを考えますので、従業員がどのくらいいるかということがこの賃金負担とのかかわりを持つわけでございますから、そこで、中小企業基本法では従業員のほかに資本規模というようなものも取り上げておりますけれども、私どもの、この中小企業をどう定義するかという場合の基準といたしまして、従業員規模をとったということでございます。
○小林(正)委員 中小企業基本法によりますと、中小企業と大企業の定義というものは、従業員数にして三百人の上下、資本金額にして一億円の上下、こういう分け方をしておるわけですね。ところで、この雇用保険法に伴う実施の方法は、資本金額というものは関係ない、従業員の頭だけでいっているわけですね。中小企業基本法の定義と明らかに違っておるわけですね。別に違うことはいかぬということを言っておるわけではないんですが、中小企業基本法にのっとらない理由、これを聞かしていただけますか。
○岩崎政府委員 いまも申し上げましたように、中小企業であるかないかの基準をどこにとるかということは、その法律ないし制度の本旨というものに照らして決めるべきだということでありまして、私どもは、この四月から実施する——これは一月からすでに実行しておるわけでございますが、中央職業安定審議会でこの発動の基準あるいは指定の基準というものを決めていただいておりますわけです。その際にも、中小企業か大企業かということは、この制度が従業員に給付をさせます場合の賃金負担、休業補償の負担の大小ということによって判断すべきであるということから、結局賃金負担は従業員規模掛ける賃金ということになりますので、それを基準にするのが適当であろうという御意見もございまして、それに基づきまして私ども現在のような基準にいたしておるわけでございます。
○小林(正)委員 時間がなくなるので私の方から一括して申し上げて、御返事をいただいた方がよさそうです。 この中小企業に関する定義という問題はさておいて、この雇用保険法が実施をされるということで、各産業にわたって大いにその効能が発揮をされておるということは言えると思うのです。ところで、この従業員規模による区分け、大企業、中小企業の区分けによって、社会通念上明らかに中小企業に属する企業も大企業に編入をされてしまっておるわけでございます。一つの例を申しますと、兵庫県の西脇市、この辺は繊維どころでございますが、御存じのように繊維業界は大変な不況である。そこでこの雇用保険法の成立を関係者は非常に待ち望んでおったわけでございます。ところで、これがいよいよ実施をされる、こういう段になって労働省から示されたところによると、従業員三百人以上は大企業、以下が中小企業、こういう区分でなされておる。そこで、その辺の繊維業者なんというのは、どう見ても中小企業の非常に脆弱な企業が多いわけでございます。しかし、その業態によって、頭割りだけは三百人を超えるような企業もかなりあるわけですね。そこで、この雇用保険法の給付水準によりますと、大企業の場合は国からの補償が二分の一、中小企業にあっては三分の二を国から支給をする。つまり、中小企業の方が大ざっぱに言って割りがいいわけでございます。ところで、そうすると実質的に、主観的にも客観的にも中小企業だ、こう思っておるわけなのですが、従業員三百人を超えるような企業は、この基準でいくと中小企業にならない、中小企業としての給付の恩典がない、こういうことになるわけです。そこで、最近の地元の神戸新聞の記事でございますけれども、従業員三百八十六人という企業がある。その企業にあっては、これは大企業並みの扱いになって、三分の二の給付率にあずかれない。こういうことが原因で、その企業では従業員を九十人首切りをする、馘首するということで、目下組合と折衝をしておるわけでございます。 結局、結論的に言いますと、本来、失業を防止する目的でつくられた雇用保険制度が、この面では首切り促進法的な役割りを果たしておるという事実があるわけでございます。私は、単にこれはただ一つの例としていま申し上げたわけでございますが、同様のケースは、何せ全国八十数業種でございますから、ほかにもたくさん同じような例があるのではないか。その辺を労働省、一体把握しておられるかどうか、それをお聞かせください。
○岩崎政府委員 先生御指摘のように、雇用調整給付金制度そのものが、第一義的に労働者の失業を防止しよう、雇用の安定を図ろうということが趣旨でございますので、いまのような形のものが企業で行われるということになりますと、先生おっしゃるような問題があると思います。 そこで、私どもといたしましても、そういうことのないように十分に企業側には厳重に指導してまいりたいと思っておりますが、この制度の適用に当たりましては、それぞれの企業における労使の協定、特に労働組合がある場合には労働組合との合意というものが休業について必要になるわけでございまして、その前提として、いまのようなお話の首切りをした上で中小企業としての要件を充足しようというような話になりますと、これは解雇問題につながりますので、これはまず第一に労使間での話し合いが前提になるということになります。 現在、私どもが、先生御指摘の点、具体例につきましてちょっと調査をさせていただいたわけですが、それによりますと、実際には組合の方がやはり解雇には絶対反対であるということでございまして、それを前提として、休業は、やはり雇用調整給付金の適用を受けるための労使協定をいたしまして、首を切ることなく、大企業の要件を持って適用を申請しているというふうに県当局からは私ども聞いております。 それで、ちなみに全国でそういう事例があるかというお話でございますが、私どもが調べまして先ほど御報告いたしました三百九十五件の大企業の申請のうち、三百人から三百九十九人までの企業規模のものの適用を申請しておりますのが百件ほどございまして、その三百何人かあるものを何人かを切って、二百人台にとどめようというような具体例は先生御指摘のもの一つでございますので、ほかにそれほど波及するような問題ではないというふうに考えております。
○小林(正)委員 そういう例は、労働省まだ全国的に把握されてないのじゃないかと思うのです。よくお調べをいただきたい。 そこで、またもとへ戻りますが、中小企業基本法における中小企業、大企業の定義の問題。ほとんど中小企業に関する法律というのは従業員三百人と一億円で区切っておるわけです。それを区切って頭割りだけにしているのは労働省だけなんですね。労働省の中小企業退職金共済法、これだけが頭割りの三百人ということでいっておる。同じ政府の施策の中で、中小企業の定義というものがそれぞればらばらに使われておるわけでございます。もちろんその定義どおりに、中小企業基本法にすべて準用しなくてはならぬということではないけれども、しかし、その基本法の範囲を下回り——これより上回るなら別てすか、下回ったり狭く定めるということを認める趣旨ではないと思うのです。それが基本法の考え方ではないかと思う。労働省側から言わせると、労働省においてはその性質から言って頭割りでいくんだ、その例としてさっきの退職金共済法があるんだ、これに準用するのだ、こういうことをおっしゃるわけですね。一言でいいですが、そのとおりですか。
○岩崎政府委員 私どもの例としては、いま御指摘のような法律があるということは、私ども申し上げておるわけでございます。
○小林(正)委員 そうすると、今後にわたっても労働省における中小企業、大企業の定義というものは頭割りでいくんだ、こういうことですね。
○岩崎政府委員 今後予想されます労働省の法律すべてがどうこうということは申し上げられないとは思いますけれども、いまの雇用調整給付金制度をとりますと、その制度の性質から言って、従業員規模で線を引くのが妥当であろうというように一応考えておるわけでございます。
○小林(正)委員 雇用保険法施行規則ですね、御承知のように官報に出ておりますが、その百四条を読んでください。——めんどうくさいからそれじゃ私が……。 雇用調整給付金については百十三条で定めておりますね。この百四条は定年延長奨励金を定めておる。その百四条によりますと「定年延長奨励金は、次の各号に該当する中小企業事業主であって、その資本の額又は出資の総額が一億円を超えないもの及びその常時雇用する労働者の数が三百人」こうなっておる。同じ施行規則の中で、労働省は三百人頭割りだとこうおっしゃるけれども、この施行規則の百四条では中小企業基本法の定義を準用しておる。これはどういうわけですか。
○岩崎政府委員 定年延長奨励金につきましては、今回この施行規則の中に入れたわけでございますが、従来から制度といたしましては実行しておりました。従来ともに定年奨励金の方の中小企業規模は、いまここにありますような資本規模も入れたものとして、しておったわけですが、先ほどから申し上げておりますように、雇用調整給付金は、制度の本質から言って従業員規模で線を引くのが適当であろう、こういうことで、その点は変えておるわけでございます。
○小林(正)委員 どうも全然説得力がないわけでございますけれども、大臣もすぐお出になられるから大臣に一言伺いますが、いまお聞きになったように、中小企業基本法の定義と労働省における定義とが異なっておるわけです。それが今度の場合結果的に大企業、中小企業の給付率の格差がついておるところから、雇用の促進法が一部では首切り促進法的な効果を現実にあらわしておるわけでございます。これは四月一日から施行細則によって実施をされるわけでございますが、この施行細則自体に、いま申し上げたような一貫性のない矛盾があるわけでございます。これについて大臣どのようにお考えなのか、また今後そうした問題について何らか改善をされていく意思がおありか否か、伺っておきたい。
○長谷川国務大臣 まあ御承知のように、この雇用保険法の中の雇用調整給付金というものを一月一日から急いで実施したということも、雇用者の安定ということ、しかも非常に不況なときですから、それをやったわけです。 西脇の話が出ましたが、西脇の市長さんがこの雇用調整給付金を早く実施するように、大学の後輩でもありますし、よく私のところに来た。その中に、実施された後で全繊の諸君などからは、おかげさまで一月にだれも首を切られないで済んだ、経営者に向かって首を切らないように、雇用調整給付金が出るからがんばってくれと言ってがんばらした結果が、首を切らないで済んだと言ってお礼なども言われたことですが、それが逆に首切り法案というふうな話を受けますと、これは本当に私たちの審議、国会の御審議において、中小企業三分の二出すところが大変いいと言われたことからしますと、非常にこれは心外千万でございます。まして、だんだん調べている間にわかったことは、そういう話もあったかもしらぬけれども、その諸君が首を切られないでちゃんと入っている、解雇されないでいるという報告がいまあったわけです。ですから、その企業がわざわざ三分の二の給付金を取るために、二分の一もらう大企業というものから何十人かを首切って下がるというふうなことをしないで済んだということは、まず幸せだと思います。 それから、いまのお話のいろんな問題、業種の問題、いろんな審議会などにかけて、条件などいろいろやっていただきましたけれども、そういう具体的な問題等々もあり、いまのところほかにそういうふうな例が余りないように聞いておりますが、すでに法律は御承知のとおり公布していることでございますが、こういう大事な首切りということにつながらないために苦労したことでございますから、そういう事例などにつきましても今後の課題といたしまして、この制度の施行についてはひとつ実情を十分に調査しながら、いまから先もそういうあらぬ誤解をもらわないで雇用を完全にやれるような方向に持っていきたい。これは皆さんに対する私たちのお務めじゃなかろうか、こう思います。
○小林(正)委員 いまの大臣の答弁、西脇の市長云々というふうな話がございましたが、これはその時点では、雇用保険法は中小企業基本法の定義によって実施をされる、こういうふうに期待をしておった時点ではないかと思うのです。その後情勢は変わっておるわけですね。それからすでに首を切らないで済むようになったといういま答弁をされたけれども、あなたがおっしゃったのは違うでしょう。いま現在の話でしょう。いま会社の方はそれを首切りしょう、組合側はそれに応じられないということで目下協議をしておるというか、労使交渉をしておる最中だということでしょう。
○岩崎政府委員 一応そういうことを前提にして、労使協定に基づいて雇用調整給付金の適用の申請をしてまいっておるということでございます、現在報告を受けておりますのは。
○小粥説明員 答弁を補足させていただきますと、先生御指摘の件につきまして昨日も早速地元の方に実情を調べさせたわけでございます。その結果報告を受けましたのは、そうした企業側の解雇の動きがあったこと、これは事実でございます。ただ、その申し出に対して組合側としてそれは不当だということでのいろんなやりとりがあって、その結果、一応大企業のままで給付金の申請をして、それについての支給決定もすでにしたというふうに報告を受けております。
○小林(正)委員 それはそれとして、派生的にそういう問題を起こしたわけでございますけれども、そもそも労働省が大企業、中小企業の定義をする、これはしょせん腰だめ的なものだと思うんですよ。中小企業基本法の定義自体も、一億円とか三百人なんというのはそもそも腰だめ的なもので、仮に言うなら、三年前一億円だったらいま実質的に五千万円ということも言えるであろうし、それから大企業ほどオートメ化が進んで従業員数は少なくて済む、中小企業ほど手作業的な面が多くて従業員の頭数だけは相対的に減らない、そういうふうな問題がございますから、しょせん腰だめ的なものであろうと思うけれども、労働省の定義とあるいは通産省の定義、これが中小企業に関して異なるというのは、私は、やはり同じ政府の施策として一貫性がないし、おかしいと思うのですね。労働省の定義が、退職金共済法的な定義がそれなりに説得力があるものならわかるんだけれども、労働省は従来頭割りでやってきておりますというふうなお話で、どうも説得力が薄いように思うわけなんです。そうして今度の雇用保険法についても、審議会での意見を尊重した、こういうふうにおっしゃる。これは審議会全般について言うわけじゃないが、審議会、諮問機関というのは、とかく政府の隠れみの的に使われやすい。何か正当化する場合に、これは審議会の答申だ。審議会が仮に余り思わしくない答申をしたら、審議会の答申は必ずしも尊重されるわけではないわけで、そういうことは現実にいままでも幾らも例があるわけです。ですから、審議会でこう決めたんだということは全然説明になりません。あくまで責任は労働省自体にあるのであって、審議会にあるわけではないわけでございます。 で、そういった先ほどの定義の問題ですが、私は、さっきあなたの一応の説明を聞いてもどうも納得いかないですね。まあ納得いくまで話を聞こうとしたってなかなか時間がないからしょうがないけれども、どうも納得いきかねるわけでございますが、先ほどの百四条との絡みで、ちょっともう一遍、一応わかりやすく整理してぴちっと言ってくれませんか。
○岩崎政府委員 先ほど来申し上げておりますことを整理して申し上げますと、この雇用調整給付金という制度が、結局使用者が不況のときにやむを得ず休業をする、それのための休業補償の負担について、負担をその給付金によって補償するという制度でございますので、企業規模を算定する際に賃金を支払う負担の大小というものを基準に考えるべきではないか。そこで、大企業か中小企業かという線を、賃金支払いの負担額をあらわす従業員規模というものによって引いたということでございます。 それで、先ほど安定審議会の意見を尊重したということですが、そのとおりなんでございますが、中での御意見も、労使ともにこういう従業員規模のみで引くのが適当であろうという御意見であったことをつけ加えさせていただきたいと思います。
○小林(正)委員 一応の理屈としてはわかりました。だけれども、私は、結局は労働省のセクショナリズムから出発しておるんだと思います。それにいろいろ理屈をつけておるんだと思うのだけれども、今後の問題として、かりそめにも中小企業基本法があって、その定義が決められておる、その定義自体が必ずしも妥当なものがどうかということはこれはまた別の問題として、同じ政府の政策の中で、いろんな業界の業態によってそれぞれケース・バイ・ケースで違いますけれども、やはり政府の一貫の施策として労働省と通産省と中小企業、大企業の定義が違うというふうなことは、大いに国民を惑わすことにもなるわけです。先ほども言った例のように、これらのいま問題になっておる会社やなんかも、中小企業雇用保険法ができたらその定義は中小企業基本法にのっとるんだ、その適用を受けるんだ、こういうふうに思っておったところが、思惑が外れた、そこからこういう摩擦が起きているわけでございますから、その点あまり労働省は、従来退職金共済の例があるのでこれに沿っていくんだというふうなセクショナリズムな考えをとらないで、できるだけ中小企業基本法に合わせた行き方をされるように要望いたしまして、質問を終わります。
○中山政府委員 小林議員の御趣旨のほどよくわかりましたので、私ども働く人を対象に考えるものですから、定義が違うということではなしに、人を基本にして労働省で考えているということが三百人という規模の問題、そういう点に力点を置いたということでございまして、ひとつ御理解をいただきたいと思うのです。これで大ぜいの方が救われておる。先ほども答弁にございましたが、申請の数でいきましても大企業で三百九十五件、うち三百人から三百九十九人の規模の方が百件でございまして、中小企業が二百人から二百九十九人というのが百六十件、そういう実例が一件しかないということでございますので、私ども木を見て山を見ずということのないように、全体のことを考えながら小さい部分にいかに焦点を当てていくか、それでひとつ考えてまいりたい、かように思っております。御理解いただきたいと思います。
○大野委員長 高橋千寿君。
○高橋(千)委員 ことしが国際婦人年だということに関連しまして、二、三質問させていただきとうございます。 まず、国際婦人年に当たりまして日本の政府はどういうふうに取り組んでいくのか、また活動はどのようにするのか、お尋ねいたします。
○中山政府委員 国際婦人年の年に当たりまして、六月二十三日にメキシコでも大会が持たれるわけでございますが、私どもは、国際婦人年は男女平等そして経済、社会、文化の発展と国際協力に婦人が参加することを目的といたしておりまして、わが国においては国際婦人年記念祝典の開催、内外婦人問題有識者による巡回講演会の開催、国際婦人年記念コンテストの実施、第二十七回婦人週間働く婦人の福祉運動等を通じての啓発運動、また国際的には国際婦人年世界会議等への参加、協力、そして日米両国の労働省による勤労婦人の役割りと地位に関する共同研究、日本ILO婦人労働行政アジア地域計画の実施、そういうものをやりますのですが、なお六年前から国際協力事業団の協力によりまして、主としてアジア各国の婦人行政官を対象として行っている婦人関係行政ゼミナーも本年は特に重点的に行いたい。日本も御婦人の方が人口が多いわけでございますので、戦後有権者となっていただきました御婦人の方々の地位の向上にますます努力を鋭意続けてまいりたい、かように考えております。
○高橋(千)委員 大変盛りだくさんのような行事をなさいますようですが、ただ口だけではなくて実のあるものにしていただきたいことをお願いいたします。 それから、四十七年に勤労婦人福祉法というのが制定されましたが、「勤労婦人の福祉に関する施策の基本となるべき方針を定める」こととなっておりますが、この基本方針につきまして、福祉法に基づく今後の福祉対策というものはどのようなものか、お尋ねいたします。
○森山(眞)政府委員 勤労婦人福祉対策基本方針といいますのが、法律に基づきまして昭和四十八年七月に策定されました。これを軸といたしまして勤労婦人福祉の増進を図りますために、労働省といたしましては、男女平等の促進を初め、職業能力の有効発揮、また職場における母性の健康管理対策、それから育児休業その他の普及促進を初めといたします職業生活と家庭生活の調和対策というようなことを重点といたしまして、総合的な施策を展開しているところでございます。
○高橋(千)委員 その勤労婦人福祉法に関連しまして、勤労婦人福祉法では事業主に対しまして、妊娠及び出産前後の健康管理や何かの配慮の措置また育児に関する便宜などを行うよう要請して、これは努力規定ではありますが、この実態というもの、事業主に対しての指導状況と申しましょうか、そういうことをお尋ねいたします。
○森山(眞)政府委員 勤労婦人の母性保護につきましては、まず労働基準法に母性保護規定がございますので、その遵守を徹底させております。さらに、勤労婦人福祉法に基づきまして、母性の健康管理の行政指導を行っております。また、育児休業等の普及も進めているところでございますが、妊娠中及び出産後の勤労婦人の健康管理の充実を図りますために、勤務時間の変更とか勤務の軽減など、事業主がとるべき措置の内容につきまして行政措置の基準を作成いたしまして、それに基づきまして事業主に対して計画的な指導を行っているところでございます。今後も母性健康管理指導員の増員などを行いまして、行政指導体制の整備に努めたいと考えております。また育児休業につきましては、専門家の検討をいただきまして、育児休業の望ましいあり方についての指導基準を設けまして、事業主に対する普及促進をそれに基づきまして行っているところでございますが、特に五十年度からは、雇用保険法に基づきまして、勤労婦人福祉法に規定しております育児休業を新たに実施されます事業主に対しましては、育児休業の導入奨励金の制度を設けたいというふうに考えているところでございまして、それがさらに一層普及について役に立てばということを期待しているところでございます。 御参考までに現在把握しております実施状況を申し上げますと、産前産後につきましては、婦人少年局の調査によりますと、まず産前の休業につきましては労働基準法では六週間ということを規定いたしておりますが、六週間の休業をとっております者が七三・六%でございまして、六週間を超える休業をとっております者が二三・〇%ということになっております。一人の平均産前休業日数は三十五・一日という状況でございます。それから、産後につきましては同じく六週間ということが規定されておりますが、六週間以内とっております者が五八・二%、さらにそれを上回って休業しております者が三八・九%ということでございます。一人の平均休業日数は四十七・三日ということになっております。 それから、勤労婦人福祉法で申しております産前産後以外の休業措置につきまして申し上げますと、妊娠中の通院休暇制度につきましては、実施しております事業場が四十八年現在で一九・八%でございます。これは四十六年時点の調査に比べまして、これは五・七でございましたのでかなり大幅にふえていると考えます。それから妊婦の通勤緩和措置につきましては、四十六年四・一%でございましたが、四十八年は、一四・五ということで、これもかなり大幅に増加を見ております。それから育児休業制度につきましては、四十六年二・三%が四十八年は四・三%ということで、これはまだ一層普及をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
○高橋(千)委員 いま申されましたいろいろの施策を、どうか力強く大いに前進していきますようにひとつよろしくお願いいたします。 次に、最近雇用情勢の変化でパートタイマーの既婚女子勤労者に及ぼす影響は大変大きいと思われますが、これらのパートタイマーなどの雇用対策についてはどのようになっておりましょうか。
○岩崎政府委員 先生御指摘のように、最近の不況に伴いまして雇用情勢一般が非常に厳しくなっております。このような時期にパートタイマーのような方々かそのしわ寄せを受けやすいということは事実でございますので、私どもは、先々月になりますが、全国の職業安定課長を招集いたしまして開催した会議で、最近の雇用情勢に即応した行政運営の徹底について指示いたしました。その際、パートタイマーにつきましても、パートタイマーでも家計補助的な方々あるいはどうしても家庭生活上の理由でこれが不可欠の収入源になっているような方々、さまざまでありますが、特にこういった家庭生活上不可欠な収入源になっているような方々の首切りが安易に行われることのないようにということで強く企業側にも指導することに努めております。それから、先生も御存じのように、主な都会地の職業安定所におきましてはパートタイマーを専門に扱うコーナー、あるいは大都会ではターミナルに進出している職業相談室、こういうところで職業紹介、職業相談、パートタイマーを専門にやるような窓口もできております。そういうところを中心にパートタイマーの職業紹介に努めております。 一般の雇用失業情勢がすでに求人倍率〇・七というふうに落ち込んでおりますけれども、パートタイマーにつきましては、これは一つの平均でございますので局地的に申しますと問題はありましょうが、一・一ないし二ぐらいのところで現在推移しているというようなこともございまして、私どもは一層パートタイマーの失職防止あるいはまた職業紹介の強化に努めてまいりたいと思います。
○高橋(千)委員 パートタイマーは中小零細企業で働く方々が多いのでございますが、極力特別な保護措置をこれからもどうぞ強化していただきたいというふうにお願いいたします。 それから人事院の方にちょっとお願いしとうございますが、公務員におきます女子の採用、賃金、昇進というものはどのようなものになっておりましょうか。
○小野政府委員 お答えいたします。 国家公務員の任用につきましては門地、信条あるいは性別による差別をしてはならないということは当然でございます。また、憲法の規定を受けまして国家公務員法にも、平等の取り扱いの原則という明文の規定を設けております。私どもといたしましては、採用あるいは昇進等、直接の任命権を有します各省庁に対しましても、男女の別ということだけによる差別等があってはならないということは強く御指導申し上げている、こういう状況でございます。
○高橋(千)委員 採用や賃金におきましては平等でありましょうけれども、昇進というところになりますとなかなか思うように女子というものが何となく取り上げていただけないという点が多いようでございますので、これから昇進などするときにも、どうぞ男性の方と同じように平等に扱っていただきたいと思います。それで官庁の方々はもちろんのこと、また労働省におきましても、民間の方々に対しても強く女子の活用に力を入れていただきますことを強く要望いたします。 また、家庭生活というものは婦人の大きな貢献がございますが、法律上におきましても必ずしも十分に評価されておらないのでございます。家庭において子供たちのことを見てもそのとおり。男の子と女の子とおりますと、必ず女の子の方が働かされるということ、また女子の方が頭がよくて男子の方が余りよくないという子供たちでも、とかく男子の方へはお金をかけて大きな大学へ入れるというようにし、女子は勉強せぬでも嫁に行けばいいというような形に追いやられているいままでの男尊女卑といいますか、そういう気持ちが何となく日本人の中にはあるのではないかと思います。国際婦人年におきましては平等という大きなテーマを取り上げておりますので、いまの法律上におきましても、妻の遺産相続また離婚の場合の慰謝料などというものはまだ十分ではないと考えますが、その改善措置というものはいかがなものでございましょうか。
○井関説明員 法務省でございますが、ただいま御指摘の妻の座という問題をめぐりまして民法をどう改正すべきかということを、現在私どもにございます法制審議会民法部会で議論をしております。そのあらましを申しますと、特に夫の財産の形成に寄与した妻の立場を一般の相続と同様に扱っていいかどうかという問題点が一つでございます。それからもう一点は、現在子供と妻とが相続する形の場合に、妻の相続分が三分の一で子供が三分の二になっておりますが、果たしてそれがいいのかどうか。と申しますのは、新民法ができました当時の基本的な家族構成は、大体子供が三、四人が普通であった。したがって妻の相続分というのは子の相続分一人分よりも多いということが多かったわけでございますけれども、現在核家族化が進みまして、子供さんよりもむしろ奥さんの方が少ないという形のものがわりあいと多くなっている。果たしてそれでいいのかどうかという点も検討しようじゃないかということで現在審議をしている最中でございます。 なお、先ほど慰謝料の点申されましたけれども、財産分与の問題につきましては最近はいろいろな学説の発展もあり、また判例等もいろいろと考えておりまして、妥当な解決方法に向かっていると思っておりまして、その点では別に立法の手当てを早急にしなければいけない問題点ではないかと思っております。 大体そんなところでございます。
○高橋(千)委員 お聞きしましたけれども、この改善策に対しては早急に、また遺産相続というものは本当に大きなものが婦人にかかりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 いま大臣がいらっしゃいませんので、政務次官にぜひ婦人の声を代表いたしましてお願いしとうございます。そしてまた、このお願いいたします件につきまして大臣に御連絡いただきまして、大臣の御返事もいただきたいことをお願いしておきます。 いままで社会の単位というものは個人単位でございました。そういう考えからいろいろな施策が進められて今日まで参りましたが、社会の単位は家庭であるという考え、人間の心をつくるのも家庭ではないかということから、最近西欧諸国でも一つ一つの家庭がよくならなければ社会というものはよくならないのではないかという立場に立って家庭対策が急速に進められて、国際的立場でも情報交換また研究が始められております。日本では、家庭問題は婦人問題の中に取り扱われておりました。しかし、家庭問題は婦人問題として取り扱うには、前にも述べたように基本的な立場が違い、多くの不合理な面がございます。いまの行政ではなかなか手が届かぬ部分が多く見られます。たとえば、この家庭問題に関係することを取り扱っておられる省といたしましても八つから九つぐらいございます。総理府、文部省、厚生省、農林省、通産省、労働省というようにたくさんございますが、このように現在ばらばらに行われております各省、各機関の指導行政を総合的に調整する行政機関の設置を強く望みたいのでございます。三木総理も、国際婦人年に当たって婦人の地位向上を目指して一層の努力をいたすということを申されております。この国際婦人年を期して、婦人のために、たとえば家庭省、家庭局、家庭生活総合研究所というような機関を設置していただけないでしょうか。政務次官にお願いいたします。
○中山政府委員 先生の御指摘、まことにごもっともだと存じますが、いまも御指摘がありましたように九つの省にわたるという非常に広範囲なものでございますので、これからひとつ研究をさしていただきまして、そういう総合的な、特に核家族問題等、社会的な問題の基本になるようなものが非常に広範囲にわたって問題として指摘されておりますときでございます。私どもの社会生活の大きな根底をなします家庭をどういうふうな方針でまとめていくか、それに対しまして、大いに研究を進めてまいりたいと存じますし、婦人議員の先生方にもひとつ大いにハッスルをしていただきまして、個人的なことでございますが、婦人大臣も数人生まれておりますので、こちらにも森山局長という優秀な婦人官僚もおられます。(「中山さんのお母さんが一番偉かった」と呼ぶ者あり)恐れ入ります。 そういうことでございますので、大いに家庭の問題、大臣にお話をいたしまして先生の御趣旨をお伝えいたしまして、努力してまいりたい、かように存じております。
○高橋(千)委員 一生懸命考えてみましょうというお言葉ですが、すでに家庭省をつくっております外国で、ベルギー、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、カナダ、西ドイツというようなところはもう家庭省というものをつくって仕事に入っております。日本もこういう世界の各国におくれをとらないように、家庭という世の中をまとめていく一つの単位というものによく考えを持って、ぜひこの省を、また研究所というものをつくっていただきますことを極力お願い申し上げます。そしてまた、後日大臣からもそのお答えをお聞きし、閣僚のお一人でいらっしゃいますので、どうぞお願いしとうございます。そして総理とも御相談の上に、ぜひこの省のできますことを心からお願い申し上げます。 ちょっと戻るような形になってしまいましたけれども、母性保護に関するILO百三号条約の批准に対して、政府はどのように考えておられましょうか。
○森山(眞)政府委員 百三号条約は、母性保護に関する条約でございまして、おおむねわが国の労働幕準法に規定されておりますものと一致しておりますが、まだ二、三詰めねばならない点がございますので、その辺さらに検討を進めまして、前向きに取り組んでいきたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 前向きにというお言葉がございましたので、ぜひこの批准にも、世界の足並みにそろうように、ひとつ日本の国も進んでいっていただきたいことを母性の一人としてお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○大野委員長 枝村要作君。
○枝村委員 政府関係の特殊法人労働組合協議会、通称政労協というのですが、これに結集する三万五千人の労働者が、その総意に基づいた賃金引き上げなどの統一要求を、三月二十日の期限つきの回答を使用者側に求めていることは、関係当局それぞれ御承知のとおりだと思うのです。しかし、この労使の関係と政府の対応がこれまでのようなそのままの状態であったとしたら、この要求に基づく交渉が正常に行われることは望めないというのが今日の見通しであると思うのです。むしろ紛争は長期化し、多発することが予想されるのであります。そうすれば、この間国民へのサービスは怠りがちになってきて、大変に迷惑がかかることになる。このような事態はどうしても、そういう意味からも避けていかなければならないと思うのでありますが、その紛争の原因になっている点については、いままでの当委員会やあるいは関係の委員会で数回にわたって問題にしたところでありますが、そろそろこのあたりで関係当局も本腰を入れて、そうして現状の打破、改善に努力すべきであると思っております。 そこで、労働省にお伺いしたいのは、特殊法人については、これは労働三法がそのまま適用されているのでありますから、両者が合意すれば協約が結べるのが当然であります。労働法的には、これは何物にも制約されない、最大の保障がされているのでありますが、それに間違いございませんか。
○細野政府委員 御指摘のように、法律上はおっしゃるとおり労働協約等を締結することが可能であるというふうに考えます。ただ、従来しばしば政府の方からも御説明申し上げておりますように、この政府関係の特殊法人につきましては種々の特殊性がございまして、そういう意味で理事者側に内部的な制約があるという点も御存じのとおりかと存ずるわけであります。
○枝村委員 その理事者側の内部的事情とかなんとかいうことは別にして、これは明らかにいま言いました私の質問のとおりであるということに、それ自体は間違いはないのでしょう。
○細野政府委員 前段につきましては、先ほどお答え申し上げたとおりでございます。
○枝村委員 特殊法人はいわゆる公務員ではありませんし、そして公労法適用のそういうものでもないのですから、労組法上の適用ということに間違いないと答えられまして、そのとおりであります。したがって、特殊法人設立のとき、そういう問題については十分な論議があったと思うのですが、どういうことになっておったか知っておられれば説明を願いたいと思うのです。
○松井説明員 お答え申し上げます。 特殊法人の関係で最初にできましたのが国民金融公庫であろうかと思いますが、その設立の際には、最初は国家公務員法が適用されておったわけでございますけれども、その後法律に変更がございまして、職務の執行については公務員とみなされましたけれども、労働関係については民間と同じ取り扱い、こういうふうに変わったと承知いたしております。国民金融公庫がいわゆる政府関係特殊法人の最初ではなかろうか、こういうふうに記憶いたしております。
○枝村委員 時間がありませんからその点余り詳しく聞きませんが、とにかく労働三法適用の法人ですから、それはそれなりにぴしっと、だれにも拘束されずにそれに従って進めていくというようになるとか、そうするとかいうような論議が徹底的にされたかされないか知りませんけれども、あったはずだと思うのですよ。 それで、この法人が設立された当時は、いわゆる賃金問題などについてわりあいにスムーズに交渉なんかいったということを聞いておるのですね。ですから、法人別にもそういうことで交渉をまとめるのであるから、いわゆる紛争も余りなかった。ところが、三十五年以降から、これは早く言えば、政労協というのが発足して、そうしてやがて春闘といういわゆる統一要求、統一行動の手段が労働者の総意に基づいて行われ始めました、そのころから強くいろいろな問題として関係官庁が規制をし始めた、こういうふうにわれわれは見るのでありますが、そうかどうか。それが正しいかどうかという返答は聞かない方がいいと思いますけれども、いずれにしてもそういうふうになっている。そうなると、憲法や労組法を、まあわれわれから言えばこのままの状態でほっておくと、無視し、じゅうりんしてでも政府の方針、いわゆる政府のいろいろな観点からの政策によってその取り扱いの方が優先する、こういうことになりはしないかということになるわけなんです。ですから、今日特殊法人の中で労使の関係がうまくいかない、いろいろ不当労働行為その他が出てきておるということになっておると私は思うのです。それは回答は要りません。 そこで大蔵省に聞きますがね、政府関係の特殊法人の労使の関係を制約しているのは内示であるというようにわれわれは承知しておるのです。この内示の意図、目的は一体何なのか、それからその拘束力はどうあるのか、こういう点について伺っておきたいと思います。
○吉居説明員 ただいま労働省の方からも御説明がありましたけれども、政府関係特殊法人は、その事業の特殊性や公共性にかんがみまして、国または地方公共団体からの出資等によって設立されておるというのがたくさんございます。また、その運営につきましても、国の交付金や補助金等に仰いでおるというところが多いわけでございまして、そういうふうな実情にかんがみまして、予算その他の面でいろいろの制約があるわけでございます。また、同様の理由から、これらの職員の給与の決定につきましても、公務員の給与体系に準拠してやるというようなたてまえを従来からとってきているわけでございます。また、こういうふうな同じような理由から、職員の給与準則を定める場合には主務大臣の承認を求める、その際には大蔵大臣の協議を受ける、こういうふうなたてまえになっているわけでございます。 ところで、内示と従来申されておりますものは、その主務大臣の承認ないしは大蔵大臣の協議というものを受けるわけでございますけれども、その際に、ここまでならば財政的な面から見ても承認ないしは協議に応じ得るというような承認の基準をあらかじめ関係省庁にお示しすることによって、事務手続を円滑に進める、こういう目的でもってやっているものでございます。したがいまして、これは別に制度あるいは法規を根拠にしているものじゃございません。そういう意味からいって、法規的な拘束力はない、こういうことであります。
○枝村委員 それはいままでの数回の委員会で関係当局から説明されたことと全く違わないところであります。ですが、この同じ特殊法人でも、内示によって、いわゆる拘束とかそういう言葉を使うのはきらいであるかもしれませんけれども、まあ使わしていただければ、拘束されない法人があるのではないですか。たとえば、いま百十三ぐらいあるのですな。そのうちには三公社がある。あと百十が法人。いわゆる協議対象法人としては八十から八十五、非協議対象法人が二十五から三十。この非協議対象法人という中にはNHKとか電源開発、開発銀行、商工中金とか中央競馬会とか、こういうふうなものがある。これは別に内示とかなんとかいうものを出さずに、またそういうもので拘束されずに、実質的に労使の団体交渉で賃金や給与の問題も解決していくというようになっている。同じ特殊法人であってもこう違うのは一体なぜか、こういうことをひとつちょっと聞きたいのです。私はよくわかりませんからね。
○吉居説明員 現在大蔵省が特殊法人の給与準則の承認ないしは協議に応じておりますものは、法律に基づくものが六十八法人ございます。それから、予算調整権に基づくものが十二ございます。その他実行上協議に応じますあるいは相談に応じておりますものが十、合わせて九十法人に達しております。
○枝村委員 それだけではわからぬのですよ。一体どこに筋を引いて、どうしてそういうふうに区別しておるのかということなんです。
○吉居説明員 いま申し上げましたように、大宗はそれぞれの根拠法に、法律にはっきりと明文がうたってありまして、給与準則を定める場合には主務大臣の承認を得なければならない、その際には大蔵大臣に協議しなければならない、こうなっているのが主たる内容でございます。そのほか、公庫、銀行等につきましては、これはいわゆる予算調整権ということでやっているわけでございます。
○枝村委員 だから、そういう法律があるからそれに従うというのは、今日、できた以上はあたりまえかもしれませんけれども、そういう法律をつくって筋を引いた、区別をしたというのは何かと言って私はいま聞いておるのです。
○吉居説明員 これは恐らくは、先ほど申し上げましたように、政府関係特殊法人というもののその事業の特殊性、公共性、またそこで働く職員の勤務体制というものが公務員に非常に似たものであるということ、あるいは財源的に言いましても、国または地方公共団体の出資等によって設立されたものが多い、またその運営につきましても、国から交付金あるいは補助金あるいは財政投融資の金というものが流れて運営されておる、こういう実態に着目いたしまして、片方ではもちろん労働三法の適用がございますけれども、片方ではこのような実態に着目したいわば調整的な規定であろう、こういうふうに考えております。
○枝村委員 よくわかりませんが、やはり歴史的に何か背景があったり事情があったりしたんでしょうな。 とにかくそれは別にして、政労協の場合は、いわゆる労使の間で労働三権に守られていろいろ保障されながら自由に進めていくことができるのでありますので、いわゆる労働条件の一番の基本であります賃金や給与の承認、その承認権の行使は、労働三権の行使を制約するようなものであってはならぬという制約を受けていることになると思うのですがね、法解釈で。ですから、労働三権が承認権によって事実上意味のない、意味をなくさせるようなことがあってはいけないということになるわけなんですが、その点はどうですか。
○細野政府委員 たてまえとしまして、先生おっしゃるとおりであると存じます。
○枝村委員 ですから逆に言えば、承認権の行使における裁量権、つまり政府の側の判断が労働三権を事実上意味なからしめるような承認権の行使はできないということになるわけなんですね。という意味においてむしろその方に制約がある、こういうふうに理解していいですね。わかりませんか、いまややこしい表現しましたから。
○細野政府委員 まことに恐縮でございますが、もう一遍御質問をあれして……。
○枝村委員 ですから反対の立場から言うと、承認権の行使における裁量権、つまり政府の側の判断が労働三権を事実上意味のないようにするような承認権の行使はできないという意味においてむしろ制約がある、というように逆に言ったら言えるのではないか、こういうことなんです。どうでしょうか。
○細野政府委員 おっしゃる御趣旨、私も誤解しているといけないのでございますけれども、大体そのようなことであろうと思いますが、同時に、私どもの事実認識としてそういうふうな運用になっているかどうかについては、また先生からの御質問の過程でお答えをしてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
○枝村委員 だから早く言えば、政府側の判断とか承認権というものはむしろ制約されておるんだ、こういうことなんですよ、逆に言えば。最初のをあなたが認めればそうなんでしょう、法理論的に。これは続いておりますから、どっちも否定することはできぬ。 まあそういうことですから、そのことをまず第一に聞いておいて、その次に、理化学研究所の不当労働行為について中労委から命令が出されておりますが、これは承知されておりますね。
○細野政府委員 承知いたしております。
○枝村委員 これは、二月二十六日、中央労働委員会は、理化学研究所の昭和四十三年度の賃金改定をめぐる研究所の態度は、政府の内示や法人の申し合わせに責任を転嫁するばかりで、団交経過に即して監督官庁に積極的に折衝もしていないと判断し、これを労働法第七条第二号に該当する不当労働行為と断定し、救済命令を出したということであります。そのとおりですな。
○細野政府委員 細かい点は別としまして、大筋大体そういう趣旨だったというふうに理解しております。
○松井説明員 いま細野審議官から申したことに、大要そのとおりでございますが、私の方から若干補足させていただきますと、この中労委の不当労働行為の主文と申しますのは、「理化学研究所は、昭和四十三年度給与改定に伴って発生した「吸収問題」」、この吸収問題の言葉については後ほど御説明申し上げたいと思いますが、「「吸収問題」の解決について、現行給与の改定に際し、理化学研究所労働組合と誠意をもって団体交渉を行わなければならない。」これが主文になっておるわけでございます。 それで、その判断の過程におきましては、いま枝村先生から御指摘のような問題を含めまして幾つかの問題が出てまいるわけでございます。それで、そこで出てまいりました一つの問題は、たとえばいろいろな制約を政府関係特殊法人として受けておるために研究所には自主性がない、あるいは内示があるものだから、交渉責任は交渉の本来の責任がとれないと申しますか、責任を転嫁するような態度をとっておったというようなことがございます。それで、いま先生がおっしゃいましたように、理研としての自主的な判断に基づいて、組合との交渉経過に即しまして監督官庁に積極的に折衝するという努力をしなさいというような判断だ、あるいは組合側が交渉の過程で出てきましたいろんな問題について主張したことに対しましては、一方においてはそれほど形式的に見ることはできないというような判断を下したこととかいろいろございますが、全般として見ますれば、四十三年度の給与改定におきまして研究所のとった態度は団体交渉の誠意に欠ける面があったというようなことを挙げまして、特にその吸収問題、これはその吸収問題と申しますのは……(枝村委員「いや、いい。説明としては必要ない」と呼ぶ)そういうようなことでもって主文を出した、こういうことでございます。
○枝村委員 この中に、いまあなたも言われたようにいろいろ指摘されておりますが、これはこの理化学研究所の法人理事者の態度に対してありますが、これはそれだけでなく、多かれ少なかれ他の政府関係の機関の法人理事者一般に共通するものでありますだけに、これは私どもは大変重視しております。大変な命令が出た、このように思っておるのであります。 そこで、この命令の中で、内示をめぐって一つの判断が出されております。これは「研究所の主張する内示による拘束ないし制約はそれをもって労働組合」——あなた、いま言ったかな。言いはせぬじゃったな……(松井説明員「申し上げました」と呼ぶ)あなたが言われたようなことが書いてあるのです。しかしその中で、この内示の枠については「前記附帯決議の趣旨を十分尊重した上でその自主的判断に基づき」と、こういうふうにありますが、この附帯決議というのは、いわゆる現在の研究所は、昭和三十三年十月二十一日、目的に基づいて理化学研究所法の制定に伴って株式会社科学研究所が改組をされたものです。同法の制定及びこれに伴う科学研究所の改組に際し、国会において次の附帯決議及び答弁がなされている。この中のものが引用されておるのです。附帯決議は「優秀な人材を吸収し得るような人的組織および待遇、その他運営について十分考慮を払うべきことを要望する」こういうふうになっている。そして、それに対してですか、それらのいろいろな問題に対して、担当の大臣が「研究所を国立でなく特殊法人とするのは予算等に縛られず、より良い待遇改善を行うためである」こういうふうに言っているのです。それに基づいてこういう内容のものがつけられておる。しかし研究所はこういう対応をせずに、内示を超える要求は一切これを拒否してきたものであって、こういう研究所の態度はいわゆる不当労働行為だと判断しているのであります。このような中労委の判断について労働省の見解ですね、いまあなた何か言いましたか。余り聞いたような覚えはありませんが、はっきりした見解をお聞きしたいのです。
○細野政府委員 労働委員会が具体的な問題について下されました判断について、行政機関の立場でこれがいいとか悪いとか申し上げるというような、そういう点は差し控えさせていただきたいと思います。ただ、この問題に関する労働委員会としての初めてともいうような命令でございますので、これも私どもがいろいろな検討をする場合の一つの参考資料として重要なものというふうに考えて処理してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○枝村委員 いいとか悪いとか言えぬということがありますか。あなた、労働省でしょう。労働者を保護する立場におって物の見方をしていくならば、しかしあなたの傘下にある中労委、関係のある中労委がこういう判定を出したことに対しては、労働省はむしろ積極的にそれを支持し評価していくべきだとわれわれは思っているのですよ。この段階でまだこの見解を明らかにせず、まやかしをしようということ自体が、すでにあなた方がこの問題に対して本腰を入れず、この前四十三年の、四十七、八年ですかの、後から言いますそのころに大臣がいろいろ約束しましたこと自体が履行されておらないという結果になっていくのです。ですから、びしっとあなたは、労働大臣がおれば別ですけれども、言えないかもしれませんけれども、こういうものに対してはっきりした見解を明らかにして、しかもそれは前向きでやるべきだと思っています。それはどうですか。
○細野政府委員 先ほど申し上げましたのは、独立機関の下されました判断に対して、行政機関の立場でこれにとかくの批評を加えるというのは制度の問題として遠慮すべきものではないかという趣旨で申し上げたわけでございます。 なお、御指摘のこの問題の検討等に当たりまして、中労委の御判断というようなものも重要な参考資料の一つとしてこれを検討の中に加えてまいりたいということは先ほど申し上げましたとおりでございます。
○枝村委員 そこで、この研究所に限らず、各法人理事者の団体交渉の対応は、人事院の勧告の後、内示があるまではゼロ回答、内示があるとそれを超える要求には一切応じない、こういうことが共通しているのですよ。こういうことがやはりいけないといって不当労働行為だという救済命令が出されたのです。ですから、そういうことがあるから、結局いまから春闘その他いろいろ交渉していきますけれども、理事者側が常に不正、不当な態度をとってくる、しかもその上に監督官庁がおってそれを指導しておる、こういうことをやはり打破していかない限りは、労働三法で保障されておるそういう組合は一体どうするのですか、労使の関係というものは。 それは、いまの法律でいろいろ財政的、資金的に規制されておるということはわれわれも知っているのです。しかしその自主的な団体交渉、労使の関係そのものも、内示その他そういう事由で何もさせない、拘束させる、逃げる、ゼロ回答ということは許されぬということなんですよ。これが命令の趣旨なんです。だから私の言いたいのは、全体の問題を考えると同時に、理化学研究所に対してこの命令を守って早期に解決するように特例の指導をしなさい、こういうことなんです。これは大蔵省ですか、どっちですか。
○吉居説明員 私がこの中労委の命令を理解している限りにおきましては、その内示そのものが不当であるということを判断しているのではなくて、むしろ内示を当然の前提としながら、四十三年度の給与改定交渉における研究所理事者の態度には誠意に欠ける面があったというところを指摘しておられる、こういうふうに理解しているわけでございます。 ところで、いまの先生の、春闘の時期に決めろ、あるいはもっと早くさせろというような面のお話でございますけれども、先ほどから申し上げておりますように、政府関係機関の職員につきましては確かに労働三法が適用されておるということは事実でございます。それはわれわれも認めているところでございまして、したがって、その職員の給与その他の労働条件も労使間の労使交渉によって決定されるべきたてまえのものでございます。しかし同時に、これまたくどいようでございますけれども、政府関係機関の特殊性、公共性ということ、あるいは財源面におきましても国、地方を通じまして種々の財源的な一体関係があるということ等から見まして、やはりその給与の水準、給与改定の基準というものは、特殊法人の職員に一番近い公務員の給与改定に準じて行うというのが最も適当ではないかというふうに考えているわけです。それは公務員の給与が、民間の賃金の動向も反映して行われますところの人事院勧告に基づいて行われるものであること、また、公務員の給与というものは、納税者の代表たる国会の承認を得て決められるものである等々から考えましても、このような公務員準拠ということの基準は、現段階においてはやはり一番適当ではないかと考えているわけです。そういうわけでございますので、公務員の給与がどういうふうに決まるかということの帰趨をやはり見なければ、単に労使交渉だけでもって決めてしまうということは、現段階ではちょっとどうかなというふうにわれわれは考えています。
○枝村委員 そういう考え方を大蔵省が持っておるから、あなた方が幾ら内示は従う義務のない行政指導であると言ってみても、結果としてこのように法人理事者を強く拘束するわけなんですね。そうでしょう。これはあなた否定できぬ。いまあなたは口の下ですぐそういうことを言うんだから、この事実をあなたは知っているのでしょう。どうですか。
○吉居説明員 確かにその労働三法というものと、それから財政面との問題というものの調整という非常にむずかしい問題があるとわれわれは考えています。しかし、いま現実にはそのような両方があるということも事実でございます。そういう両方の調整をどういうふうにしていくかということでもってわれわれはいろいろ検討しておりまして、そのようなたてまえのもとに、できる限りにおきましてわれわれはずっといろいろ改善をしてきたということも事実でございます。たとえば、内示の時期を早めるとかあるいは内示の内容を初任給は全く労使間の自由にするとかいうことで、時期あるいは内容の面におきまして種々の弾力性を与えて自主交渉の枠を広げてきたということでもってわれわれはいろいろと努力してきたわけでございますけれども、やはりたてまえといたしましては、先ほど申し上げた事情のように、労働三法、財政面の両方の調整をしなければならないということはこれまた必要であると考えております。
○枝村委員 ところで、先ほどちょっと言いましたけれども、この命令は、あなた方も御承知のように、内示そのものが不当労働行為と言っていないですよ。これはわかっておる。内示を法人理事者がどう団体交渉で扱うかによって理化学研究所の場合は不当労働行為であると判断しているんですからね。したがって政府の責任には直接は及んでいませんが、しかし「必要がある場合には 組合との交渉経過に即して、監督官庁に対し積極的に折衝するなどの努力をして然るべき」だ。ところが、こうした「折衝を積極的に重ねたと認めうる資料もない。」こうしておるんです。したがいまして、この折衝に監督官庁がどのように対応するかによって、不当労働行為を左右するところが大きくなるということは当然の理でしょう。大蔵省は内示に付帯して、このような折衝にはいかなる理由があろうとも一切応じないということをあらかじめ使用者に申し渡しておるのですか、どうですか。
○吉居説明員 内示につきましては、先ほど最初の先生からの御質問にお答えいたしましたように、それは法的拘束力はございません。ただ、それぞれの特殊法人の職員の給与準則を定める際に主務大臣の承認を得なければいかぬ、またその際に大蔵大臣の協議を得る、こういうふうなたてまえになっておるものが多うございます。したがいまして、あらかじめ、ここまでは財源的な面からいいましても承認ないしは協議に政府としては応じ得ますよという枠をお示しすることの方が、むしろ労使交渉その他も円滑にいくであろう、またその後の事務手続も円滑にいくであろう、こういうことから申し上げているやり方と申しますか、実情でございます。内示というのはそういうふうなものでございます。
○枝村委員 とにかく最後に言いましたように、内示が示すまでは一切そういう折衝は、たとえ理事者側に申し入れがあってもこれは応じない、こういうことをはっきり申し渡しておるのですかどうですか、こういう質問ですよ。
○吉居説明員 そのようなことは全く申し渡しておりません。
○枝村委員 いままでの委員会で、たとえば四十八年の四月三日ですか、これの主計局次長が予算流用に対して答えておるのです。「流用の適否は、その流用の必要性の具体的事実を踏まえた判断によるべきであると考えております。」とか、また、正当な交渉において成立したものの保障についてなどに対していろいろ理屈は言っておりますけれども、尊重していきたい、こういうふうに言っておるんですね。ですから問題は、具体的な事実を踏まえて、必要によっては協議に応じてきた、またこれからも応じていくということであるかどうか。それから理研の吸収問題もいますぐ解決できるではないか、こういうふうになってくるわけなんですか、とうですか。——いま理研の話をしているのですがね。
○松井説明員 お答え申し上げます。 本件につきましては、二月の末でございますか、理化学研究所の不当労働行為の救済申し立てに関する命令が出たわけでございますけれども、先生多分御承知かと思いますが、この吸収問題についての団体交渉につきまして労使の間で団体交渉を交わしまして、その結果、現在中央労働委員会にあっせんの申請が出ておるということで、双方でもって中労委であっせんを進めておる、こういう段階であるわけでございます。
○枝村委員 どうもかみ合わぬですな。それなら、それはそれで一応とめておきまして、理化学研究所の不当労働行為を救済するためにも、また政府関係の労使関係一般の改善のためにも、この不当労働行為救済命令の言う監督官庁との折衝に政府がどのように対応するかが、先ほど言いましたように左右するかぎです。そこで、政府関係機関は、国の財政が伴っていることをもってこの労使関係に制約があるのだと、これまでの委員会でも、きょうの委員会における答弁でも再三にわたって説明されてきております。一昨年の四月三日のこの委員会でわが党の山本政弘委員も言っておりますように、私も政府関係機関の民主的な統制、これはやはり必要であろうと思っております。事柄によっては承認を必要とすることもこれは否定はしていないのですよ。しかし、その承認行為はいわゆる今日の内示のように、あなた方は言いませんけれども、われわれから見ると画一的、強権的なにおいがするものであってはならぬと思うのです。とりわけ、そのために労使関係に不当労働行為を誘発させるような、政府、使用者側の都合のよい一方的なものであっては決してならぬ。ですから、われわれの判断している現状のままに置くことは、これは憲法や労組法を否定する違法行為であることにつながるのではないか、このように思っておりますので、ひとつこの際そういうこともよく考えて、これに対して改善の措置をしていかれたい、こういうふうに思っております。しかも、これは私の見解だけではなくて、中労委の命令の中でもこれははっきりそういう内容が示されておるのですから、内示の性格をはっきりそういう意味で述べておるのでありますから、研究所がこれにまず従って、この問題を解決していただきたいと思います。いま研究所ではその命令の内容について解釈の点で大きな相違があって、あっせん段階になっておると思うのでありますけれども、こういうことでは私はいけないと思っておる。しかも、この問題は研究所だけの問題ではないのでありまして、またここだけがいいということであってもならぬ。政府関係のそういう労使の関係全般にわたるのでありますから、ひとつ政府として十分な検討をして、そして早急な対応が必要であると思うのです。そのためにひとつ努力をしていただきたい、こういうことをお願いしておきたいと思うのですが、中山政務次官、あなた答えてください。
○中山政府委員 政府関係の特殊法人の給与問題に関しまして、いま労使からヒヤリングを行っておりまして、その結果、大蔵省と調整をいたしまして結果を出したいということでいま鋭意検討中でございますので、もうしばらくひとつお待ちを願いたい、かように思います。
○枝村委員 まだこの問題についての質問があります。昭和四十七年五月三十日労働大臣答弁に基づく労働、大蔵両省による政府関係特殊法人の給与問題に対する調査があるんですけれども、その問題は午後にひとつ大臣や皆が来たときに質問をやりたいと思いますので、いまの政労協、特殊法人の関係についての質問はここで一応保留しておきたいと思います。そして次の変わった質問を行いたいと思いますから、そういうふうに取り扱いをお願いいたしたいと思います。それで、大蔵省はもういいです、これは全港湾の問題ですから。 では、次の質問に入ります。 本社を神戸市に持っております株式会社の上組が行っております数々の不当労働行為は、これはほかにはめったに見られないほど異常であることがわが党の調査や新聞報道などで明らかになっております。神戸や大阪の港では、鬼の上組、蛇の何とか組とか言われているほど問題のある企業であると私は思っております。今日まで全港湾各支部に対する組織つぶし、不当労働行為で刑事事件が発生し、捜査中のもの、あるいは地労委で審問中などたくさんあるのでありますが、その中の数件について質問してみたいと思います。 まず第一に、全港湾関西地方本部傘下の建設支部に起きた問題であります。昨年十月の秋期年末闘争中に、十月二十三日、突如として港内作業部門の赤字を理由として、今後は再下請がえをさせると一方的に宣言して、このため一カ月後の十一月二十三日以降全員解雇するという予告をしてきたのであります。 これよりさきに四十名の臨時雇用の労働者を港内に入れて、組合に対していろいろいやがらせなどして、対決の姿勢そして挑発的な態度をとっていたのです。もともとこのスキャッブ導入は労組法や職安法違反であることが明らかでありますので、大阪府知事に対して導入中止の行政指導を求める申し入れをしておったのでありますが、このスキャッブの手配師が、再下請させるという秀和商事であることを会社は同時に明らかにしております。その後の調査によると、この秀和商事は資本金が三百万円で、解雇予告をした二日前、昭和四十九年十月二十一日設立登記をしたばかりの企業で、運送事業免許も取得しておらないし、他の事業もないことが判明しております。また、暴力、脅迫等全く品位のない、港湾事業の企業としての資格のないような行動を上組がとらしているところに私は重要な問題があると思うのです。 そこで、運輸省にお聞きしたいのでありますが、このような企業に下請させる上組は、法的に制裁を受けるような根拠はないのか、港湾運送事業を正常に運営する上で問題があるのではないか、また世間の常識から見ても正しくないことに対しては厳しく監督官庁の運輸省としては臨まなければならないのではないか、こういう問題についてお伺いいたしたいと思います。
○満所説明員 秀和商事株式会社につきましては、先生がおっしゃいましたように港湾運送事業法上の事業者ではございませんで、免許を取っていない会社でございます。それで、やっておる仕事は大阪の堺泉北にあります三井東圧の構内作業をやっておりまして、これは上組から下請をしているわけでございますが、この構内作業は港湾運送事業法上の事業ではございません。そういうことでありまして、私どもとして秀和に関して知り得る知識は制約されておるわけでございますが、その会社の設立とかあるいは資本金等につきましては、先生のおっしゃるとおりでございます。したがいまして、港湾運送事業でない事業につきましてどうこうというのは、私どもとしては権限の外にございますが、こういういろいろ暴力団と関係があるとか等々言われておりますが、この暴力団との関係等につきましては私どもの調査の外にございまして、警察あるいは関係機関の捜査等に待つよりほかないのでございますが、そういうことでございまして、一般的に申しまして、そういう好ましくない会社であれば、そういう会社に下請さすのは望ましいことではないというふうに考えております。
○枝村委員 港湾運送事業法の中で、いわゆる法違反をしたり、言うことを聞かぬとかなんとかいう間違いを起こしたような事業に対しては、それの免許を取り消すとかなんとかいうそういう制裁事項があるのでしょう。それはどういう場合ですか。
○満所説明員 港湾運送事業は、その目的といたしまして、港湾事業の秩序を確立いたしまして港湾運送事業の健全な発展を図り、もって公共の福祉に寄与する、こういうことでございまして、たてまえとして免許制度をとっております。したがって、免許によって事業者の乱立を防ぎまして、港湾事業の的確な遂行ということを確保できるようにしておるわけでございます。 今回の紛争につきましては基本的には労使間の問題ということでございまして、その労使紛争の行為が一つ一つ不当労働行為であるとかどうかにつきましては、現在地労委に救済命令が出ておりまして、この結果を待たざるを得ないのでございますが、このいろいろな行為が仮に不当労働行為であったといたしましても、それをもって直ちに港湾運送事業法の処分ということにはならないのでございまして、法の精神あるいは制度から申しまして困難ではないかと思っておるわけでございます。
○枝村委員 法律に反しておるような行為をした場合という場合にはやはり港湾労働法なんかも入るのでしょう、場合には制裁の対象になるというのは。そういうのがあるのじゃないのですか。
○満所説明員 労使の紛争につきまして、それが港湾労働法等労働法規に照らして処罰された場合には、それを受けまして免許の条件にひっかかる場合には免許の取り消し等が考えられるわけでございます。
○枝村委員 この問題など一々数を挙げて事例を示すと大変時間がかかりますからやりませんが、どう見ても、こういう一つの何とか商事というのがあなたが言われたように港湾事業を本当に目的達成のために遂行していて、公共の福祉に寄与するような会社かどうかというのが疑わしいのであります。いわゆるスキャッブとしての役割りを果たす、それから全港湾をぶっつぶすための仕事が主のような動きをしておるとするならば、これは品位の上から見ても、事業法の法律を適用するかせぬかは別にして、こういう者を雇って下請にするということ自体がおかしい、それはすべて上組の責任だと私は思っておる。そういう企業に対してはひとつぴしぴし行政指導あるいは行政処分、告発、こういう態度で臨まぬと、単にいまの法内で——法律を適用しなければいけませんけれども、それをいろいろ解釈して、あれはいかぬ、これはいかぬでは、いつまでたっても港の平和というものは回復しないというふうに私どもは思っておるのです。ですから運輸省に言っておきたいのは、このまま企業がいままでのような態度を続けていく以上は、これは免許取り消しの場合の法的根拠なんかもちょっと検討して、そうして免許取り消しの措置を含めた取り締まりをする以外にないと思うだけに、その検討をひとつ進めていってもらいたいと思います。その中から反省を求められれば、やはり傘下には労働者がおるのですからその生活権を奪うわけにはいきませんから、私は何でもかんでもというわけにはいきませんが、そういう方向に向けてひとつ進めていってもらいたいということを強く要望しておきたいと思います。 次に、この問題を労働省に伺いたいのですが、この秀和商事の組合切り崩し工作は今日でも依然として続けられておるわけなんです。三月四日には二名の組合員に約二十名の者が押しかけてきて、殴るけるの暴行をふるったことも明らかにされています。また金銭による勧誘を続けておる。そうして最近では八名が脱退させられた。まあ団結が弱かったから脱退させられたか、やむを得ず脱退させられたかそれはわかりませんけれども、そういう事態が起きておるのです。現在ここは解雇問題もあるのですけれども、この解雇については全員がこれを撤回されて全員就労はしておるのですけれども、しかし秀和商事そのものは依然として存在して、そういう活動をしておる。それから、大阪地労委に不当労働行為救済を申し立てておるのでありますが、この審問中にもかかわらず、いま言ったようないろいろな工作を、不当労働行為を続けているのに対して、これをやめさせる行政指導、または法違反であるとすれば告発するというようなことを労働省はしないのかどうか、いまどういうふうにやっているのかという点についてお伺いしたいと思います。
○松井説明員 お答え申し上げます。 いま先生から御指摘のありました三月の初めに起こった事件、これにつきましては私どもも実は初めてでございますが、組合からの脱退を強要するとかあるいは利益を与えて誘導するとか、こういうことがありますれば、これはまさしく不当労働行為でございます。それで、問題はそういうことの事実認定であろうかと思いますが、この事件については私どもも全く耳新しいことでございまして、労働委員会にはまだ申し立てなりあるいは追加申し立てのかっこうでは出てきていないのではなかろうかと思います。 それで、こういう不当労働行為事件が続発するというようなことになってまいりますと、私どもとしても常々その防止には努力をいたしておるところでございますけれども、この上組の事件につきましては、実は現地の大阪府におきましても労働部が実に熱心に取り組んでおるわけでございます。ただ双方の対立が非常に厳しくてむずかしいものでございますので、うまく間に入って調整するということは非常に困難でございますけれども、現地の大阪府の労働部といたしましては熱心に取り組み、今後もこの問題についてはうまくと申しますか適時適切に、この争議がなるべく円満に解決するように一生懸命やっておるところである、こういうふうに承知いたしております。
○枝村委員 これも強い措置をとってもらいたいと思いますね。地労委の人たちも大阪の労働部の方も実際弱っておるということは知っているのです。弱っておって、じゃ、てぶらかす、ほうっておくわけにいかないのでありますから、許せる限りのいろいろな措置を強い態度でとっていただきたい。これも強く要望しておきます。 それから、その次に阪神支部の問題について伺います。 これは分会員二名が下請企業の山一運輸株式会社によって職場を取り上げられるという事件でありますが、事の起こりは、われわれからすれば全く陳腐なでっち上げ事件だと思うのですが、神戸海運局の行政指導によって山一運輸の免許取り上げを行うというようにこの二人が言ったというのです。それがけしからぬということで職場取り上げをやった。これは全くそういう事実はありませんし、たとえそんなことを冗談で言ったとしてもできることではないのでありますけれども、これを大々的に取り上げて、二人が仕事をしている、いわゆる荷役を行う本船への乗船を二名とも拒否されて、現在そのままにされておるということなんです。これは不当労働行為救済申し立てを兵庫県の地労委に行っているそうでありますが、いまだに結審に達していないということであります。これはこのままそうっておくと、二人の生活権は侵害されているのですから、重大な問題であるだけに、速やかに審査を進めてくれるように本省から関係筋に、そういう努力を進めるような通達、指導をしていただきたい、こういうことです。
○松井説明員 お答えいたします。 全港湾阪神支部で起こりました二人の方の問題につきましては、先生いまおっしゃいましたように去年の十二月でございますか、兵庫県地労委に出てきておるわけでございます。それで現在地労委が審査を進めておる最中だと思います。何分にも十二月でございますので結審はなかなか困難だろうと思いますが、先生から御指摘のありましたように、こういうことになってまいりますと、フォーマン二名の方の生活も影響を受けるということがあるのではないかと思います。このような事情につきましては、もちろん大阪府労働部のみならず兵庫県の労働部もよく承知しておるところであろうと存じますので、このようなことについては兵庫県の方は地労委の方にも十分なる情報を提供しておるところではなかろうか、こういうふうに思っております。
○枝村委員 次に、沿岸南支部の問題について伺います。 これは、四十八年十一月十四日に分会長を監禁して全港湾脱退を強要し、他の分会役員にも脱退を勧誘した不当労働行為でありますが、これは地労委に申し立てて、同時に大阪府港警察署にも告訴し、さらにストライキもやるなどによって闘いました結果、四十八年十一月十七日に、上組の大阪支店は近畿海運局、大阪府労働部、大阪市港湾局立ち合いのもとに、謝って、今後の誓約を行って解決しておった事件であります。ところが、せっかく三官庁が集まって確認書を交わしておったにもかかわらず、その後会社のいろいろな不当労働行為、組合ぶっつぶしの攻撃が前よりもひどくかけられてきた。今度はむしろ悪質なやり方である。暴力団を使ったり、それとおぼしき者が来て体に危害を加えるかもしれないという脅迫などのやり方になってきたのであります。また団体交渉についてもこれを拒否する。この問題については大阪地裁に団交応諾の仮処分命令の申請をして、これは一応かち取ってきたのでありますが、その後の団交では全く不誠意きわまる態度をとってきておる。去年の冬季の一時金についても、上組労連に対してはすでに五十万円を支給して解決しておる。ところが全港湾に対しては、同一職種でありながらいまだに四十万八千円の差別回答を行って未解決になっておる。それからいろいろな協定の無視、不当配置転換などをも行っておる。この不当配置転換については、一月十八日に大阪地裁に配転命令効力停止仮処分命令の申請を行って現在審間中です。また、数々の暴行脅迫行為がますますふえて、いまでは上組が暴徒化したのではないかと疑われるほどになってきておる。その中には警察に告訴しておるものもあります。これらの行為の先頭にいずれも会社の幹部が立って陣頭指揮をしておるというのです。そうなりますと、四十八年十一月十七日の確認書の中にある精神は全くじゅうりんされたどころか、どこかにほうってしまうということになってくるのです。 そこで運輸省、労働省も関係ありますが、あなた方が立会して名を連ねておる確認書でありますから、その履行が完全に行われない、違反するようなことになったとすれば、責任が当然あると思うのですね。それをどうするかということの質問になる。確認書は、知っておられると思いますけれども、ここに三つぐらいの条項があります。それから、その前に労使双方が協定した協定書に基づいて、三官庁とそして労使の五者によって確認書を取り交わしておる。その中の三番目に、いわゆるこれはしません、あれはしませんと書いてありますが、三番目に、そういう「上記二点について違約した場合は、立会関係官庁より如何なる行政処分を受けようとも異議の申立てを行はない」というようなことも書いてあるのですね。そういうたてまえもありますし、そういう責任もある三官庁、ここでは運輸省、労働省の関係になると思うのですけれども、今後どうするのか。これだけ悪いことをしておるやつ、そういう約束事をしておりながら、公然とこれをじゅうりんするそういう企業にあなたたちはどういう態度で臨むかという問題です。ひとつお伺いしたい。
○松井説明員 お答えいたします。 たしか先生のおっしゃいましたように、これは四十八年の十一月でございますか確認書と称するものが作成されまして、その中で、会社側は不当労働行為を行った場合は関係官庁からどのような行政処分が行われても異議の申し立てをいたしません、こういうふうな条項を入れておるわけでございます。それで大阪府の労働部の人も立会人として名前を連ねておるわけでございます。それで、もとより不当労働行為をやるということは大体法律に禁止されていることでございまして、絶対に今後やりませんというような内容の精神のことを言っておるのではなかろうか、こういうふうに思われます。 そこで、労働部の関係といたしましてはどのような行政処分を下すかというようなことになってまいりますと、お役所の言い方をして恐縮でございますが、労政関係については直接行政処分というようなことはございませんけれども、しかしながら、何分にもこの上組の争議というものにつきましては、これが大阪の労働部管内に起こっておることではございますし、また事件が大阪の地労委にもたくさん係属しておることでもございますので、この点で大阪府としては、先ほどから申し上げておりますように熱心に、十分責任をもってこの解決のために、あるいは関係者の指導に当たっておるところだろうと思います。それで今後もこのような努力を大いに続けていくであろうと思いますし、私どもとしましてもまた、大阪府の方に、この争議につきましては特に熱心に、情勢をつかんで適切なる指導をとるように、こういうふうに申しております。
○枝村委員 この問題は適当に処理しておこうというわけにいきませんよ。責任をとってもらわなければならぬ、そう思っております。 ちょうど十二時になりましたので、あとは午後からの質問に引き継ぎます。
○竹内(黎)委員長代理 この際、午後零時三十分まで休憩いたします。 午後零時休憩 ————◇————— 午後零時三十四分開議
○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。枝村要作君。
○枝村委員 午前中に引き続いて質問を行います。 四十七年の五月三十日、この委員会で労働大臣は次のような答弁をされておるのです。それはいろいろありますが、「本件については種々問題が指摘されていることにかんがみ、労働、大蔵両省が中心となり、関係省庁の協力を得て、政府関係特殊法人の労使双方から実情及び意見を聴取する場を早急に設けることといたしたい、」こういうことです。 そこで、その後調査が進んでいると聞いてはいるのですが、一体どうなっておるのか、ひとつお伺いしたい。
○長谷川国務大臣 ただいま先生が読み上げられた昭和四十七年五月三十日、本委員会において当時の労働大臣が発言された要旨、おっしゃるとおりでございます。 そこで、その答弁を受けまして、労働省といたしましては大蔵省とともに直ちに関係者からアンケート調査を行なって、四十七年十二月以降、関係者からヒヤリングを行っているところでありまして、私としては、現在行っているヒヤリングを関係者の協力を得てできるだけ早く終えた上に、その取りまとめをしたい、こういうふうに考えて、事務当局にも話しているところであります。
○枝村委員 早くやるところもあるがマンマンデーのところもあるんですが、三年もたっているのですから、こういうのはひとつ労働省は関係者に督促をしてやってもらわぬと、実はこのことが長びくために特殊法人の関係の労使がこれを利用して、特に使用者側が利用して、何とかかんとか言って団交がうまくいかないし、それが紛争の原因になっておるということなんです。 それで問題は、いままで関係法人の組合側と理事者側と個別に折衝、ヒヤリングをしておると聞いておるのです。そういう中から実態はどうなのか、若干明らかになっておると思うですが、おわかりになっておるならひとつ説明してください。
○松井説明員 お答え申し上げます。 先ほど先生が御指摘になりました五月三十日の衆議院社会労働委員会における労働大臣の答弁に基づきましてこの調査を開始したわけでございます。 まず、四十七年の八月にアンケート調査というのを行いまして、秋にこれを回収いたしました。それで、アンケートを送りましたのは労使を含めて百四十四団体、法人の数にして八十三、組合にして六十一でございます。そして回答が百四十三返ってまいりました。 その後、今度は四十七年の十二月から、主要法人の労使双方から給与問題の実情、意見の詳細につきましてヒヤリングをやっております。そしてこれまでのところ十四の特殊法人、六つの組合からヒヤリングを行いました。また政労協の方からはアンケートの回答が送られてきておるわけでございます。 それではどういうことに相なっておるか、こういう御質問でございますけれども、アンケート調査の結果につきまして概要を申し上げてみますと……(枝村委員「簡単でいいです」と呼ぶ)それではごくかいつまんで申し上げますと、現行の内示承認制度を維持すべきであるという考え方をとるもの、それから内示承認制度を維持しつつも運用面の改善を図るべきである、それから第三番目の意見としましては、現行制度は大幅に改善しなくてはならない、こういうようなことでございます。 また組合側の方からこれについて出てきました意見は、ほとんどが自主交渉による給与改定を行うべきである、こういう意見が出てまいっております。
○枝村委員 理事者側、使用者側の方からも三つの意見が分かれておるのですが、分かれておるといっても、やはり現行制度を大幅に改むべきであるという意見や、現行の内示承認制度を尊重しつつその運用を改むべきであるという改善の方向に前向きにすべきだというのがあるのですから、これは数字がどういうパーセントを占めているかわかりませんけれども、全体として特殊法人関係の労使を含めて、いまのままではどうもいかぬという意見にはなりつつある、こう見るわけです。 だから問題は、労働省か大蔵省か知りませんが、政府それ自体がこの問題解決に基本的な姿勢を示して指導することによって解決できる。午前中に大臣はおりませんでしたけれども、いろいろ法解釈とか実際の運用の面でどうかという問題が出されまして、少なくとも前進の方向で行ながければならぬという考え方を少しは持ってきたように私は感触を受けておるんですけれども、こういうことで、この調査は労使関係の改善のために開始されたものでありますが、先ほどちょっと言いましたように、この調査が進められている間に各法人理事者は、労働、大蔵両省が調査中であるということを口実に当事者としての努力を怠っている事実が実際にあるわけですから、ひとつこのようなことのないように、そうして、基本的には憲法それから労組法を踏んまえて、ひとつ早く結論を出すように強く要望しておきたいと思います。いいですね労働大臣。 最後に、理化学研究所には午前中からいろいろ質疑が交わされましたように、中労委から不当労働行為の命令が出されているのです。それからまた政労協の各単組は各法人理事者に対して具体的な賃上げの要求をして、いま団体交渉に入っているところであります。こうした状況の中で、どうしたらよいかの意見がいろいろあるでしょうが、少なくとも政府及び法人理事者が、調査中を口実にして使用者としての誠意に欠け、努力を怠ることのないようにしなければならぬと思う。特にことしは、内示がないことを理由にゼロ回答のまま労働者の要求と権利を踏みにじり、紛争を長期化して、場合によるとまた不当労働行為が発生するなどということにならないように、政府は特段の措置をすべきであることを私は強く要望しておきたいと思います。 そこで、労働大臣は、政府を代表して、いま私が言いました強い要望をどう受けとめるかという所見をお願いいたしまして、この問題に関する質問は終わりたいと思います。
○長谷川国務大臣 私の方としては、不当労働行為のないようによく指導してまいる、こういうつもりでございます。御理解をいただきたいと思います。
○枝村委員 では、上組問題について、午前中からの質問を続行いたします。 警察庁にお伺いするんですが、上組関係で刑事事件として取り扱われる状況がわかれば説明していただきたいということと、その事件のその後の捜査の状況はどうなっているかということをお聞きしたいと思います。
○平井説明員 この上組に関連いたします事件といたしましては、被害申告や告訴などによりまして現在警察で認知しております事件は十四件でございます。これらの事件につきましては、目下大阪府警察の方で捜査を行っておるところでございますけれども、現在までの捜査によりまして、このうち四件十二人を検挙いたしまして検察庁の方に送致しておりますが、なお残る十件につきましても現在鋭意捜査中でございまして、今後捜査を詰めてまいりたいと考えておるところでございます。
○枝村委員 時間が余りありませんから、結論じみたことを言いますが、労働運動に町の暴力団が介入して紛争がますます拡大されるというケースがときどきあるわけなんでありますが、この全港湾関西地方本部にも、午前中いろいろお話をいたしましたが、さまざまな手段で同様な不当労働行為、暴力行為が行われている。このねらいは、言うまでもなく組織をぶっつぶそうというものでありますが、とりわけ沿岸南支部の場合、次のような話があるんです。暴力団とおぼしきある人物から、労働組合幹部に対して再々電話したりまたは職場に押しかけてきて、全港湾を脱退しろ、会社をやめろ、退職金にプラスアルファをつける、こういうことを言うんです。これは不当労働行為に類するもので、警察では関係ないと言うかもしれませんが、こういう組合脱退や退職を強要し、さらにその上、聞かなければおまえの体の保証はできないぞ、とこういう脅迫めいたことを言うことは、これは悪質な攻撃であって許すことはできぬと思うのです。また建設支部にも、正体不明の者が短刀をふところに入れたりあるいはワイヤロープを持って職場に押しかけてきて暴力をふるう、こういうことがあるようであります。これが事実であるかどうかは別にいたしましても、少なくとも体に危害を加えるような言葉を吐いて相手に恐怖を与えることは許されてはならないし、危害を加えるなどはもってのほかであります。職場において暴力的な行為があるとするならば、警察はどのように対応して措置するか。そして港から、そういう職場から暴力を追放して本当に明るい民主的な職場をつくっていく、こういうことに全力を挙げていただくものだと思いますけれども、事実こういう話があるとするならば、それに対してどう対応するかという点についてお伺いいたしたいと思っています。
○平井説明員 暴力団の犯罪に対しましては、これは大変組織の力をもちまして市民に脅威を与える度合いが著しく強いと考えまして、現在各府県警察で鋭意その取り締まりの徹底に努めているところでございます。この上組の事件に関連して、組織暴力団が介入して暴力犯罪を行うという事実は、現在の捜査段階では把握されてないというふうに聞いておりますが、しかし、いま申しましたような趣旨で今後暴力団取り締まりを進めていく上におきまして、港湾関係にこういった暴力組織が介入して不当事案を起こすことがないように、またそうした問題が万一発生した場合には、その早期、徹底的な検挙を行うということを方針といたしまして取り締まりの強化に努めてまいりたいと考えております。また主体が暴力団でございません場合でも、暴力犯罪は、地域、職域を問わず一切許されないことでございまして、こうした問題については、警察側といたしましても絶えずその事案の早期の措置と厳格な処理に今後とも努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○枝村委員 警察当局もいま山口組の壊滅のために全力を挙げておるということを私どもは聞いておりまして知っておりますから、非常に期待しておりますが、こういう職場におけるそういう暴力も必ずしもそれとつながりがないと言えないうわさもあるのでありますから、ひとつ早く決着をつけて、先ほど言いましたように、暴力を追放して明るい職場にするように力を入れていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 その次に、上組労連というのがあるのですけれども、これは一体どういう構成で、どういう資格を持って、いつどういうふうに結成されたのかというのがきわめて私どもは疑問なんですよ。現地の労政局かどこか知りませんけれども、これは労働組合の調査対象として認めて、いろいろそういう動きをしておるようなんですけれども、一体いつごろからそういうことを認めたのか、こういうのをお聞きをしたいわけなんですが、ひとつこれは簡単に答えてください。
○松井説明員 お答えいたします。 この上組には、先生御指摘のように全港湾の組織とは別に、上組の企業内組合がございます。それで五つございまして、神戸本店、東京、横浜、名古屋、大阪、こういうふうにございます。一番大きな勢力は神戸本店でございまして、約千二百名くらい、上組労組という名前になっておるわけでございます。 それで上組労連と先生がおっしゃっておりますのは、私ども聞いておるところによりますと、これらの五つの組合がつくった連合協議会であろうかと思います。それで兵庫県を通じて調査いたしましたところ、この上組労連なるものは四十八年九月にできた、こういうふうに言っております。それで、傘下の組合は、先ほど申しました五つの支店にあります五つの組合で二千三百名ばかり、こういうことでございます。独自の規約は持っておるようでございまして、また会社とは労使協議会の設置というようなことで協約を取り交わしておるというようなことでございますが、法人格は持っておりません。労働組合法上の労働組合というためには、労働組合法の要件にはまらなければいかぬわけでございますが、このようなものについて、要件に適合するものに初めて法人格が与えられるわけでございます。このためには、労働委員会を通じてこの要件に合致しているかどうかを審査する手続があるわけでございますけれども、この手続はとっていないわけでございます。 大体、これが私どもの調査しました上組労連の概況でございます。
○枝村委員 時間がありませんからこれ以上言いませんが、どうも労働組合か何かわからぬような存在でして、会社がこれを利用していろいろまた全港湾との対立を深める行為をさせておるということを聞いておるのです。そういう組合ならない方がいいような気がするのですけれども、法的手続をとっておれば別でしょうが、この問題はおきます。 そこで最後に、午前中からずっと申し上げてきました数々の不当労働行為、暴行など、こういう問題の本質についてちょっと述べてみますので、労働大臣の所見をお伺いしたいと思います。 上組と全港湾との間で起きている問題は、私は単に労使紛争というような形でとらえては問題の本質をつかむことができないようだし、それだけでは解決も困難であるというように思うのです。もともと労働争議というのは、私が説教するまでもなく、労使の意見が合致せず、それによってストライキとかサボタージュなどという実力行使を行う方向に展開していく。その根拠は、いま言いましたように、合致しない、意見が相違した、そういうことによってそれぞれの対抗手段というものがとられていくところに労働争議としての本質があるわけです。これは労調法なんかでそういうふうにうたわれておると思うのです。 ところが、上組と全港湾との問題は、客観的には労使の間の紛争のように見えますけれども、法的手続とかそういう問題から発生してくるいわゆる労働争議事件ではないわけです。すべてが皆会社の一方的な行為によって発生した問題ばかりである。こういうことは御承知だと思う。ですから、全港湾そのものがストによってこれに対抗してやったというものは本当にないのです。本当の要求に基づいて、最近一遍あるようでありますけれども。ですから問題は、就労拒否とか団交拒否、不当労働行為、暴力、組織ぶっつぶしなどという、要求に基づいた正当な交渉をして、そして憲法で保障されたいわゆる団体行動権を行使するというものとはおおよそ縁のないものばかりであるというように見るのが正しいと思うのです。だから裁判所や地労委あるいは警察署に訴えている事件ばかりだと思う。したがって、労使紛争だから双方に期待するというものではない。いわゆる話し合いではなかなか解決はできぬ。これらの会社側の不当な暴力的行為を即時やめさせること以外にないと思うのです。それには、わが日本は法治国ですから、労働者の団結の力によって、いろいろな行動を通じてそういう行為をやめさせるという一つの手もありますけれども、その中でやめさせるのは、それぞれの法に違反したり憲法に違反したり、そういうものに違反しておれば勇敢に摘発して、あるいは告訴するなりして法によって裁かせるということも、今日のこの関係については一つの有効な手段であると思うのです。ところが、労働者やわれわれの側から見ると手ぬるい、一体何をしておるか、こういうことになってくるのでありますから、この際関係当局が強い態度を持って、できる限りの可能な措置を行政的にも法的にも行う厳しい態度が必要である。それ以外に労働者は権利を守ることができぬ、こういうふうに断定しても、私はこの問題解決のためにはあたりまえだと思っております。そういう意味で労働大臣は、いま私が言いましたような考え方について、いいとか悪いとかは別にいたしまして、とにかく先ほどから言うように、平和で明るい職場、民主的な労働運動擁護、こういうことに対して最善の努力をしていただきたいということを申し上げますので、それに対する所見を述べていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○長谷川国務大臣 私はこの事件について、いろいろな方々が調査に行って帰ってきた話も聞いたりしておりますが、本当に労使間だけではなくて、いわゆる労々間の問題も含んでいるようでありまして、労働省としても現地の関係機関を通じていろいろ事情聴取などをしているところであります。そして、またこれが非常にほかに及ぼす影響も大きいと思いまして、重大な関心を持っているところでありますが、先月末でしたか、私運輸大臣に、こういう事件がある、話が出ているけれども、ぜひひとつ善処方をやってもらいたい、善処を頼む、こういうふうに実は一遍お願いしたことであります。そういうふうな姿勢をもちまして、いまから先も事あるたびに関係閣僚あるいはまた関係機関との密接な連絡の中で円満な解決を図るように努力をしてまいりたい、こう思っております。
○枝村委員 それではよろしくお願いいたします。
○菅波委員長代理 次に、川俣健二郎君。
○川俣委員 きょうは一般行政問題を取り上げる日だというので、理事を通してお願いしまして、いま激増の一途をたどっておる振動障害、通称白ろう病、この問題で許された時間、政府の考え方をただしておきたいと思います。 この委員会では四十八年の四月でしたか、いまから二年前にこの問題を取り上げられてから二年ぶりですが、その間予算委員会なり農林委員会なりで、現在の労働大臣なり林野庁当局の考え方もその都度出されております。 そこで、私は予防、治療、補償という具体的な問題を一々取り上げる時間を持ち合わせませんので、白ろう病になる理由はチェーンソーを使うというもの以外にないので、チェーンソーを使えば白ろう病になるわけですから、一体この状態でいつまでチェーンソーを使っていくんだろう、果たして使っていて後で大きな問題を残さないんだろうか、こういう基本的な問題で向ってみたいと思うのでございます。 御案内のように、日本の国にチェーンソーが大量に入ったというのは、例の洞爺丸台風でかなり木が倒れた、それを緊急措置としてやむを得なく、人海戦術のきこりののこではなくて、チェーンソーを大量に入れたというのが、わが国にチェーンソーが導入されたきっかけであったはずです。そこで、二年前に取り上げた際には、当時は林野庁長官は福田さんで、福田長官からの一番先の答弁をちょっと統んでみますと、その当時、四十六年末の訴え者は三千九百四十四名、国有林だけですから。認定者は千二百三十二名、合わせて五千百七十六名だ、こういうものから展開していったわけです。そこで、昭和四十五年に、労災を担当されておる野原大臣の方から、これは根本的に治療なり補償なりを考える必要があるのではないか、こういう考え方が出されてまいりました。しかし、当時二年前は、温泉治療がいいか悪いかということがまだ医学的に証明されていない段階で、労働者からあるいは労働団体から温泉治療をさせてほしいということを言われても、いま直ちにそうですかというような段階じゃございませんという考え方だった。ましてや入院治療などというのは、いまのお医者さんが言うように入院しなさいということにはなかなかならなかった。そして、専門委員会みたいなものをつくっておるか、こう言ったら、労働省は振動障害検診委員会、林野庁は対策研究会とばらばらにやっておるので、ひとつこれを一元化して、特に国際的にもソ連などのデーターを集めて取り組む必要があるのではないか、こういう考え方でその委員会が終わっております。その後、各官庁の交渉と、その国有林の労働者を組織されておる全林野が当局と交渉して、時間規制を守らせる、補償は八〇%を実質的に十割の賃金補償をする、配置転換の際はこうする、入院治療、温泉治療は積極的にやる、こういうようにしてかなり進展しておることは私も認めます。 一方、こういうように予防、治療、補償が進展したということは、単に力関係で進展したということだけではなくて、初めはさほどではなかったであろうと思った白ろう病が、余りにも蔓延が激しくて寸激増して、これはどうにもならなくなったんじゃないか、こういうように私は思いまして、予算委員会なり農林水産委員会のように治療とか予防とか補償という具体的な問題を追及するんじゃなくて、きょうはひとつ、一体この問題はさほどの問題じゃない、そのうちに振動機械を何とか改良し、あるいは治療をさらに積極的にし、補償もすれば、大した問題じゃないんじゃないか、こういうような考え方に立っておるのか、それとも、いやこれは大変な問題だというように認識されておるのか、その辺をまず労働大臣に、労働大臣が一時十分から四十分まで席を立たれますことを約束をしておりますから、一言聞かしていただきたいと思うわけです。
○長谷川国務大臣 林業においての振動障害というものは、林業労働者の健康の点から見まして、労働者としては重大な問題として受けとめて対処しているところでありまして、今後とも、今日まで進めてきた対策の徹底を図るとともに、より総合的な対策を関係省庁と協力して推進してまいる、こういう姿勢であります。重大問題として私の方は受けとめているということを御理解いただきたいと思います。
○川俣委員 それじゃ、結構です。 そこで、前半は国有林の問題だけ取り扱うので御承知おき願いたいんですが、担当の林野庁に伺います。ちょうど私の手元にある朝日新聞の十二日の夕刊を見ますと、二千三百人の患者と言うたとて、全林野が言うほどの発生率ではないよ、こういうように反論して記者会見しているのがショックでありましたので、その辺の認識は、労働省は労災という問題で行政にあずかっているが、しかし林野庁は、労災だけは言っていられない、何といったって五、六千台入れちゃったから、また、もとののこへ戻れと言ったってこれは容易でない、したがって、組合と約束したとおり治療すればいいんでしょう、補償すればいいんでしょうという考え方なのか、この朝日新聞が少し大げさに言った文句になっているのか、その辺をちょっと聞かしていただきたいんですよ。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 先ほど来先生から御指摘ございますように、また労働大臣からもお答えがございましたように、私どもの企業内におきましても、国有林だけでも十二月末に約二千三百名の障害者が出ておるわけでございます。また同時に、民有林におきましても近年大きな問題となっておるということでございまして、きわめて重大な事態であるという認識をいたしておりまして、大変遺憾であると思っているのでございます。ただ、三月十二日の御指摘の朝日新聞でございますけれども、私ども、そのような認識、ただいま申し上げましたような認識をいたしておりまして、この振動機械使用者の人数と認定者数などとの関係を申し上げたわけでございますが、結果としてああいうような記事になったのでございますけれども、認定者が増加しているというまことに遺憾な状態でございますので、私どもも説明不十分だったというようなことがあろうかと思いますが、従来にも増して私ども、この事態の重大性にかんがみまして、より一歩でも前進したい、こういう気持ちでございます。
○川俣委員 じゃ、せっかく弁明してくれたから、もう一つ理解させてもらいたいのは、地方新聞の「秋田魁」の夕刊によると、全林野が言うように二人に一人が白ろうなんということはないですよ、こういうように言われておる。二人に一人が白ろうなんていうことはないですよというが、これは一体そうだろうか。
○松形政府委員 現在チェーンソーを使っております方々が五千六百名でございます。そしてまた二千三百名という数字でございますから四〇数%、人数比で言えばそういうことになるというふうな認識をいたしておるわけでございます。 なお、この二千三百名のもうすでに認定された方々はその五千六百名の外ではございますけれども、比率をとれば四〇何%ということでございますので、先ほど申し上げましたようにきわめて重大な問題である、こういうことで私どもは考えておるわけでございます。
○川俣委員 ですから、四〇数%というように置きかえられたが、一般的には二人に一人が白ろうになっていますよ、こういうように私たちが注意を勧告することが間違いだろうかと言うんだ。四 〇数%というのは二人に一人じゃないもんな、ちょっとパーセントが違うから。だけれども、四 〇数%ということになれば、二人に一人は白ろうになっておりますよ、こういうように警告を発して、何とかこの病気にならないようにした方が、後で申し上げる補償額がばかにならぬものだから国としてはほっておけないんだろう、こう思って労使間で交渉してきたことに、片方の労働者側から言ったことが違うというなら別なんですよ。五、六万のうちの二千三百人とかあるいは一万人の二千三百人とかというなら別なんです。五千六百人で五千六百台を使って、それで二千三百人といったら、まず半分は白ろうですよ、二人に一人は白ろうですよと素直に言ったって、なぜこれを記者に否定しなければならぬだろうか、こう思うわけだ。
○松形政府委員 私ども弁明ということは考えておりませんけれども、ただいまのその記事、初めてお聞きするわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、チェーンソー使用者五千六百人のうち二千三百名の内訳を申し上げますと、チェーンソーが二千名、刈り払い機が約三百名ということになっておりまして、あるいは刈り払い機が六千五百程度ございますので、そういう関係でそういう数字でないというようなことになったんじゃないかと思いますけれども、現実にはチェーンソーが約二千名出ておるわけでございますから、私は重大な問題である、こういうふうなことを認識いたしておるわけでございます。
○川俣委員 それじゃ、重大問題の認識を確認したところで、担当課長の方からでもいいんですが、昭和四十一年では認定患者が九人だった。この九人が、年次別でも結構ですから、何人ずつふえていって、最後の四十九年はどのぐらいだったかということをちょっと知らせてみてください、私らが調べたものの資料が違っておればこの論争はかみ合わないので。
○松形政府委員 認定者の推移でございますが、先生ただいま四十年度九名とおっしゃいましたけれども、私どもの方のでも九名、四十一年が百七十七、四十二年百二十六、四十三年百七十二……。
○川俣委員 それは新しくふえていった分ですね。
○松形政府委員 そうです。四十四年が五百五十八、四十五年百二十五、四十六年が六十五、四十七年九十、四十八年四百三十六、四十九年五百四十九、計二千三百七となっておりまして、約二千三百名と申し上げました数字がそういうことでございます。
○川俣委員 そうすると、昭和四十年に九人の認定患者を数えたのが、その後四十九年末では二千三百七人になりましたと、これは確認してよろしいですな。
○松形政府委員 そのとおりでございます。
○川俣委員 そうなると、このチェーンソーというのは幾多改良した、時間規制もした——もうこれ以上の時間規制はないと思いますよ、いいですか。一日に二時間、十分やって休む、週に五日、月四十時間、これ以上の規制をしたら、何のために文明の利器を持っているかわからない。そこで、それを規制した際に、いま長官が読み上げた一年ごとふえていった数ですよ、九人、百七十七人、百二十六人、百七十二名、五百五十八名とぐっとふえて、百二十五名とちょっと落ちて、それで時間規制の結果があらわれたのか六十五名になっている、九十人に減っている。一年間のふえた分ですよ。ところが時間規制を緩めないで、時間規制はびしっと労使間で決めたから、おれは管理していると思う。ところが四十八年四百三十六、四十九年五百四十九名と新たな患者が加わってくると、これは何とチェーンソーを使えば必ず白ろうになるというふうに私は思わざるを得ないのですよ。 そこで時間がないから、私の方の調べたものに違いなければ、四十年の九人の際は四千九百八十八台だが、だんだんにふえていって、四十五年は五千九百十四台、それから四十九年は六千百五十一台というようになっております。これをグラフにかいてみますと、患者数のふえた分とチェーンソーのふえた台数とが比例している。片や、いろいろとマッカラーにかえたりあるいは外国製のどれそれを導入したりしていろいろやってくれていると思う。思うのだけれども、台数がふえると、並行的に患者がふえていっているということを考えると、これは根本的に考えなければならぬだろう、こういうように私は思います。 そこで、国ですから、生産性が上がるものならやるべきだと思う。私らもそれは賛成だ。だけれども、果たして生産性が上がるか。一万円ののこから一台十六万円のチェーンソーをかけかえることによって何倍もの文明の利器のだいご味をあらわすのだから、大蔵省買ってくださいということで毎年交渉して予算を取ると思う。ところがこの患者を出して、退職後も考えると、一体将来どうなるのだろうか。こういうことを考えますと、私はこれは大変な——重大な問題というのじゃなくて、チェーンソーを使った者に補償するとか検診とかということじゃなくて、果たしてチェーンソーをこれからふやしていって生産性を上げていくのだという考え方に立つことが、国家の税金を使うのに正しいだろうか、こう思わざるを得ないのだよ。その辺はどうですか。数字的にはじいてみたことがありますか、担当者でもいいから。一万円ののこに対して一台十五万円の機械を国から買ってもらうわけだ。ところが一台十五万円のものを買ったら必ず白ろうになる、二時間規制でやってもなっているわけだから、これ以上時間の規制をやれといったって、それじゃ何のためにチェーンソーを使っているんだ、こうなってくる、国会議員としては。どうでしょう。
○須藤説明員 お答えいたします。 ただいまの先生の御指摘のチェーンソーによる損失と申しますかロスでございますね、これは正確に計算はいたしておりませんけれども、たとえば二千三百人の認定者が出て、その台数は使えないということになりますので、そういう単純計算をいたしますと、その償却費とか維持費とかあるいは認定者の入院治療費とかというものを考えますと、相当な金額になるというふうに私どもは考えております。
○川俣委員 そこでもう少し、大蔵省も来ていると思うが、一万三千円ののこを十六万円の新しい機械に買ってあげるんだから、これはもう少し投資効率というものを調べる必要がある。いいですか、私がざっと計算したのに、皆さん、違いがあったら言ってください。機械が一台十六万、三年償却として——私は三年使えないと思うけれども、当局は三年使うと言うから。十五万円にしたって一年間に五万円だ。それから維持費、これはガソリンなり目立てがかなりかかるだろうから、これが一時間千二百円で百五十時間で一年間に十八万円かかる。一人の者に一台を持たせることによって維持費が十八万円。それから労災は必ずかかるわけだから、二千三百人にかかるんじゃなくて、四十九年度に五百人ふえた、一年間に五百人ふえたわけたから五百人の計算をしてみると——ただし一人はどのくらいかかるか、入院治療費が二カ月で二十万ずつですから四十万かかる、これは当局も認めていると思う。それからその人の給料を一〇〇%補償するんですから、したがって、これが十五万の二カ月ですから三十万、これで七十万ですね。それから二カ月温泉治療、入院させて上がってくる、配置転換、これは必ず配置転換です、またチェーンソーに戻る例を私は見たことがないから。そうすると、いまの賃金をもらう職場よりも低い職場に配置転換と相なる。しかし、労使の交渉の結果、低い賃金の職場に移ろうが、チェーンソーを使った当時の賃金を払うという協定がある。そうしますと、そのロスが三十五万円、一年間にですよ。これこれこう合わせると、チェーンソー一台入れることによって、一人が一台使うことによってプラス百二十九万、百三十万かかる。これを現在の二千三百人全部を治すという考え方なら、これは私は意地悪いと思うので、一年間に五百人毎年ふえていっているんだから、四百三十六人、五百四十九人どこうふえていっているんだから、私は五百人とまず見た。こうやって考えますと、いま機械六千五百台あるわけだから六千五百台の維持費は見なければならぬ。それから六千五百台を、いま新たに買うんじゃなくて毎年五百台ずつ買うと私は見る。むっと買うと思う、更新三年だから。それからさっきの労災補償は二千三百人で見てはいけないと思う。毎年患者が五百人ずつふえていっているんだから五百人と見るべきだと思う。それから配置がえで前の賃金よりも低いところへ移るという人は、五百人全部じゃない、その一部だと思うので、それを大体五百人の四割二百人と、こういうようにして控え目に見た。そうすると、何とあなた、チェーンソーを使っていくことによって、補償と油代とを入れると十億なんです。さらにこの一年間の八億というものは、あなた方は大蔵省から予算をもらってやっているのだろうが、私が心配なのは、これは水俣のようになっちゃうんじゃないか。これは後で民有林の話に移るが、これは親方日の丸の国だから出せる。とても民間なんか出せるものじゃない。労働省に、これを国有林と同じように二時間規制でびしっとやれ、補償は十割、入院治療は二カ月の温泉治療、これをやってみなさい。民間の場合は、最初から機械は自分持ち、働くのは五時間か六時間、労災はかかっていない、きこりは一人親方だから労災かけようがない、雇用関係がないのだから。それが十五万六千台あるのだ、いま日本の国に十二万人いる。そうなると、民有林の話を後にしても、国有林という国家公務員に使わせる以上は、一年間の十億という毎年特別な経費のほかに、チェーンソーを使った人が退職するという年代にまだなっていませんから、ぼつぼつこれから出る。もうこれが日本の国に入ってから十五年か二十年になるわけだから、ぼつぼつ五十七歳ぐらいでやめていく。その人方に対する補償問題が必ず起きる。一人一千万。これは必ず起きると思う。厚生省来ておりますか。厚生省、これは温泉治療をやって完全にもとの体に治る病気ですか。私はじん肺をずっとあずかってきたけれども、じん肺の場合は年寄っていくと同時に進行していく。しかし、白ろうの場合は進行はしないかもしらぬが治らないでしょう。これはどうですか。的ろうになった場合の患者は、私から言われるまでもなく、夫婦生活もできないということに相なるわけだから。どうです、これ、厚生省ちょっと教えてくれませんか。
○浅野説明員 国立病院課長でございますので補償の問題はちょっとわかりかねますが……(川俣委員「補償じゃない」と呼ぶ)治療の見通しということにつきましては、現在温泉病院等でやっておりますが、なかなか全治する、まあ治癒基準もございませんのでその判断はむずかしゅうございますが、全治は困難かと思われます。
○川俣委員 お医者さんでしょう、もう少し親切に教えてくださいよ。 そこで、さっき私が私なりに試算したもので、やはりこのくらいかかるだろう、一台入れることによって。のことチェーンソーとの比較をして見る場合、チェーンソー入れると百三十万くらいかかる、一台につき。一台というのは一人につきです。これはどうですか。
○須藤説明員 ただいまの先生のチェーンソーの償却費、維持費あるいは入院費、休業補償費あるいは配置がえによる補償等を計算いたしますと、いまおっしゃいましたように、最低十億程度はやはりかかるという認識であります。
○川俣委員 そうでしょう。一体そういうような投資効果を考えて五千六百台買い始めたんだろうか、大蔵省、どうです。新しい機械を買ってやる場合に、これから、のこをチェーンソーにかえるのです、文明の利器に変えます、だからひとつ予算をくれ、こういう交渉を担当者同士やると思うのだよ。会社なら、これは恐らく問題になるよ。それを計画した人は、これは首だと思うな。どうなんです、これは。大蔵省どうですか。
○西垣説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、およそ経営でございますし、国の予算を使う話でございますので、投資効果を十分に考えてやるというのは当然のことでございます。そういう意味で、先生の御指摘はまことに貴重だと思います。私どもといたしましても、いままで必ずしもそういう計算をしているわけではございませんが、そういった考え方に立ってものを考えてまいりたいというふうに考えております。 なお、チェーンソーにつきましては、従来のチェーンソーと違いまして、振動障害の少ない機械にかえていくということで、五十年度からは、在来の機械ではなくて新型のより障害の少ないものに原則としてはかえていくという考え方で査定いたしております。私どもといたしましては、振動障害対策につきましては、予算面でもできるだけの配慮をするということでやっております。
○川俣委員 後でもう一点だけ大蔵省にただしておかねばならぬと思うが、国有林の問題をどうするかという問題は、これは与党とか野党とかいうのじゃなくて、国としてこれは考えなければならない段階だと思うよ。これは、いまは労働災害補償で済むんだ、これは必ず人体補償になってしまうよ。これは必ずなる、私は言うておくけれども……。これがやがて二人に一人が社会にほっぽり出されれば、これは必ず補償問題が起きますよ。裁判闘争になってわっと判決が出たらどうするかと思うな。一人最低一千万だと思うよ。そこまでやはり考える段階じゃないかな、長官。これはどうです、素直に言って。そこまで考えるというのは、今度は、企業効果はどうだということになっていろいろとやっていると思うが、いままでは労使の間で予防をどうするか、治療をどうするか、補償をどうするかという煮詰めだと思うのだよ。そういう話でないから、私の話は。どうです、これは。
○松形政府委員 ただいま先生からいろいろ御指摘、御意見等をいただいたわけでございますけれども、従来から私ども、国有林につきましては予防、治療対策とそれぞれ対策を立て、あるいは労組ともお互い協議をしながら時間規制等を含めましてやってきたわけでございます。しかし、御指摘のような非常に重大な事態であるということを私ども認識いたしておりまして、遺憾な点もあるわけでございますけれども、日本の林業とか、あるいは国有林野事業全体という立場でいまこれをどのように考えていくか、私どもも真剣にこれは取り組んでいかなくてはならぬ、かように考えておるわけでございまして、今後の問題といたしまして、私どもも種々真剣な検討を続けているわけでございますから、その点、一層慎重な検討を続けてまいりたいと思っておるわけでございます。
○川俣委員 私もそう思う。やはり日本の林業をどうするかという根本的な解明を国会でされていない限りは、チェーンソーを使えば労働生産性が上がるのはあたりまえですよ、あんなに早いんだもの。だけれども、片やこういうロスがあるのだよ。これは五千六百台を使う五千六百人の国家公務員、こう見るよ。 参考までに、民間はどうだろうか。民間の話をしますよ。私、聞きたいんですよ。民間の労働者のチェーンソー扱いに対する取り扱いは、一体使働省だろうか林野庁だろうか。どっちが責任を持つのだろうか。これはどうなんですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 林業生産を確保し、あるいはこれを指導するという立場からすれば、恐らくチェーンソーの面の指導ということにつきましては、使用上のこと等はいろいろな労働省との関係もあるわけでございますけれども、生産という面から見ますと、林野庁という点もあろうかと思うのでございます。
○川俣委員 これは少し責任の所在をはっきりしておかないと、皆さん、将来えらいことになるよ。それぞれやはり国家公務員なのですから、責任の所在をはっきりしておかないと……。 そこで聞きたいのは、それじゃ民有林は一体何台ぐらいあって何台ぐらい使っているのだろう。国有林は五千六百台使っていると言うのだけれども、民有林は大体何台ぐらい使っているのだろう。
○松形政府委員 民有林で現在私ども保有台数として——これはなかなかつかみにくい点もございますけれども、四十八年度末には十五万六千台あるというふうに考えております。ただ、これは保有台数でございまして、その中には伐木造材用に使うもの以外のシイタケのほだ木を切るとか家庭のまきを切るとか、そういう三十cc程度の——普通、伐木造材には六十cc以上でございますけれども、三十ccぐらいのものも相当含まっておりまして、実際稼動しているのはこの数字をかなり下回るのではないか、なかなかつかまえにくい点がございますけれども、私どもの調査によりますのは一応十五万六千台程度、こういうふうに考えておるわけでございます。
○川俣委員 それは、十五万六千台のうち、いま白ろうの話だから、白ろうにさせられる台数はどのくらいあるのだろう、六十ccは。つかまえにくいと言ったって、そういうものじゃないだろう。林野庁は業者ともいろいろ情報交換があるんじゃないか。あれは林野庁に相談なく機械をつくるんじゃないだろう。業者ととっぷりあれがあるんじゃないかな。これはどうなんですか。六十ccの……。
○松形政府委員 大径木を切る場合が八十ccぐらい、造材木等、一尺以下ぐらいが六十cc、あるいは先ほど申し上げましたシイタケ原木、家庭のまきとか、そういうものが三十ccということでございますが、それを突っ込みで各県に御依頼いたしまして調査しているのが年度ごとにあるわけでございますが、それが十五万六千台の保有台数になっておりまして、この稼動の状況というのが、御承知のような民有林の状況でございますので、なかなかつかみにくいというようなことでございます。
○川俣委員 私の聞くのは、担当課長でもいいよ、白ろう病の対象の台数が何台あるかと言うんだよ。五千六百人のうち二千三百人が白ろうになっているのでしょう。そうしたら、どのccを使っている者が白ろうになるという統計が出ているんじゃないの。それも調べてないかね。
○松形政府委員 私どもは、それを突っ込みのようなかっこうでいたしておりまして本当に申しわけないのでございますけれども、この中に三十ccがどの程度含まっているかということがわからないので、きのうも、そういうことでは困るということで、五十年度の辺から、とる場合はどうしてもその区分ごとに、使用しているのか、単に保有しているのか、そういうのもわかるようなとり方をしようじゃないかという話をしておったところでございますが、まさに残念でございますけれども、そういう実態でございます。
○川俣委員 自分で十五、六万出して買うものを、床の間に飾るために買うきこりはいないよ、自分で買うんだから。大臣、いま大臣の重大認識から発展して、これは重大なんですよ。一台使うと、機械の代金、償却は三年というからそれを三分の一して、それから油代、目立て、それから二人に一人かかっている統計から見ると、国家公務員災害補償法で賃金補償を十割やっているのですよ。労使交渉で、八〇%でなく満杯やっているわけだ。それから配置転換、そのうち二カ月温泉から出てきて配置転換になる。配置転換になってもチェーンソー時代の給料を保障するわけですよ。かれこれやると、自分が一年間の給料をもらっているほかに一台につき八割くらいかかる。かれこれ計算すると、いま現在で十億ずつ毎年かかっていくわけです。これが五千六百人だけなのだ。ところが、これは民有林の方を見ると、長官は、十五万六千台くらいだが、しかし白ろうにかかるであろう台数はなかなかつかめない、こうなる。だけれども私が必配なのは、いま一台につき百三、四十万ロスがかかる、こう言ったが、やがてこれが退職して世に出る。私らはこれから手帳を持たせようと考えているのだから。これはやめるときですよ。いまは手帳を持たせると、白ろうにかかっているからあのきこりは使わない、こうやられるからなかなか持ちたがらないと思う。だけれども、原爆被爆者に手帳を持たせているように、やめる段階には手帳を持たせますから、私らこれから国会でやっていきますから。そうすると、労働省は、やめる段階で手帳を持たせるのに賛成だと思う。そうしますと厚生省も話したけれども、一生涯完治というのはなかなか無理だというのだ。じん肺のように進行はしないだろうけれども、白ろうというのは完治は無理だというのだ。そうするとこれは水俣の問題じゃないけれども、人体補償になったら一人最低一千万だ。えらいことになると思うよ。そこまでして使わなければならぬのかということを考えますと大変なことだ、こういうことになると思う。 そこで、この責任の所在は民有林はどっちなのだろうか。もし民有林に裁判問題が起きて補償しなければならないということになったら、これは責任を持つのは、おしかりを受けるのは労働省だろうか、農林省の林野庁だろうか。これはえらいことになると思いますよ。 そこで、労働省の方は一体民有林のきこりをどうしてつかんでいるか。労災法はこの前の改正で強制適用になった。必ず山林労働者は労災法に入らなければならぬとなった。ところが、いまのきこりの状態は森林組合と請負関係にはなるが雇用関係にない。だから労災保険は払っていない。大部分が払っていない。そうなるとこれからどうするのだろうか。私は質問じゃないのだ。どうするのだろう。どうですか、局長。
○東村政府委員 ただいま基本的な問題についての御提示がございました。実は私どもも白ろう病について四十五年以降いろいろ手を打ってきたつもりでございますが、考えてみますると、やはり先生がいま御指摘のような基本的な問題があるわけです。ただ現象を追うだけではなくて、その基本的なあり方というのが問題である。それをあわせて考えないと、先生御指摘のようないろいろ大きな問題に発展する。そこでそういう問題について、私はおくればせながらと言わざるを得ないと思うのですが、さらに総合的な観点から問題を進めていきたいと思うのです。 ところで、いまのお話でございますが、一人親方という呼び方がよろしいかどうか知りませんが、そういう方が林業の就業者の中にはかなりおる。しかもその方々は、ある時期には労働者になる、ある時期にはいわゆる一人親方になる、そしてまたある時期には労働者になるというような形の方がおります。それから全く御自分でやっているという方もございます。いずれにいたしましても、雇用労働者というふうにどうやって限界をつけたらいいのかというような問題が技術的にはございます。さらには、事補償だけについて言いますと、一人親方の特別加入というような問題にもなるわけでございますが、はてそれではそういう方たちが一つの集団を形成するというようなことも可能であろうかどうか、一人親方となると集団を形成するという前提がございますが、可能かどうかといういろいろな問題にぶつかってまいります。 そこでいま御指摘のような問題については、私どもはただいま申し上げた総合的な対策を考える中でどう位置づけていこうかということをひとつ積極的に考えてみたい。ずばりお答えになりませんけれども、そういう姿勢でおることを御承知願いたいと思います。
○川俣委員 これは根本的に考えなければならない問題ですよ。 そこでまず当座の問題、この十二、三万人いる民有林で働く山林労働者、これは労働省がつかめと言ってもつかみようがないと思う。さっき長官は地方に委託してと言っていたけれども、どういう機関に委託しているのか。
○松形政府委員 県を考えておったわけでございます。
○川俣委員 県庁ですか。それだけですか。
○松形政府委員 言葉が足りませんけれども、当然労働基準局とか労働関係の出先の方々、あるいは国有林、民有林にいたしましてもそれぞれ出先もございますので、そういうつかみ方を考えておると同時に、私ども五十年度から新しい予算といたしまして専門家による民有林の現場の指導ということで、特にレイノー等多発のおそれということでパトロールの予算をつくっておりますので、そういうものを通じて実態を把握してそれなりの対策をこれから前進していこう、こういう姿勢をとっておるわけでございます。それがただ一つの機関でというのはなかなかむずかしいということを私ども考えているわけでございます。
○川俣委員 山林業は、腰痛症なり山滑りなり、いまに始まったことではない災害があるわけです。そういうような機関はいままでなかったのかね。民間の機関はなかったのかね。
○松形政府委員 労働省関係といたしまして、林野庁も関係いたしておりますが、林災防、林業労働災害防止協会、それの支部あるいは町村ごとの分会というものもございますし、また県といたしましては普及組織を通じた組織もあるわけでございます。
○川俣委員 その林業労働災害防止協会というのをちょっと教えてくれませんか。これはどういう団体ですか。どのくらい補助しておるのか。
○東村政府委員 林業労働災害防止協会といいますのは、昭和三十九年に発足した団体でございまして、林業に関するもろもろの災害の防止に当たるという、いわば労働省から補助金を出している団体でございます。
○川俣委員 どのくらい出しているか。
○東村政府委員 補助金は四十九年度におきまして一億一千百万円でございます。
○川俣委員 これは労働省からの予算か……。
○東村政府委員 はい、そうでございます。
○川俣委員 本部の構成はどういう構成になっているか……。
○東村政府委員 構成は、会長が一名ございます。それから副会長二名、専務理事一名、常務理事三名、それから非常勤の理事が五十七名、監事が三名となっております。全国四十六都道府県に支部が設けられておりますが、そのうち林業県といいますかそういう八つの支部には、各一名ずつの林業安全管理士というものを常駐させておりますが、各支部に安全普及員というのが約千名委嘱されております。 仕事の内容は、この振動障害の予防の問題あるいは対策、作業管理指導等を行うとともに、林業についての巡回特殊健康診断等を実施している、かような次第です。
○川俣委員 これは大変にいい機構ですね。大臣、これですよ。これに責任を持たして、権限を持たしてやろうじゃないですか。差し支えなかったら、会長、専務それから総務部長、事業部長あたり、どこから行っているのか聞かしてくれませんか。
○東村政府委員 会長は元参議院議員の柴田栄先生でございます。これは無給の方でございます。専務が林野庁でございます。常務理事、先ほど三名と申し上げましたが、二名が労働省から、一名が林野庁から行っております。
○川俣委員 これは労働省からずいぶん予算を出して、会長や専務は林野庁から行っているわけですね。 そこで、森林組合は山林労働者を使って、チェーンソーを使っているわけだが、この森林組合に雇用関係がないだろうかどうだろうか、基準局長。
○東村政府委員 雇用関係があるかないか、具体的なケースをケース、ケースについて見ないとわかりませんが、いずれにいたしましても、雇用関係あるなしということは、その契約の形態のいかんにかかわらず、使用従属関係があるかどうかということで判断しなければなりませんので、一概には言うことはできません。森林組合が実質的にいわば一般に言う会社みたいなもので、そこに実際に働いている人が労働者みたいな実質があれば別でございますが、なかなか一概には言えないし、むしろ雇用関係があるとはなかなか言えないケースが多いのじゃないかと思います。
○川俣委員 それでは局長に一つお願いというか、時間がないからこれを検討してください。 森林法の第二節の「森林組合」の七十九条に「経営」並びに「附帯する事業」と書いてあるから、この附帯する事業」に労働問題を扱うのが入っているかどうかという法解釈、これをつくったときのあれを私はずっと調べてみたいから。 それからもう一つ局長に調べてもらいたいのは、同じく第八十六条に、これは一人親方、組合員の構成に「これに従事する者でその組合の施設を利用することを相当とするもの」が組合員になる資格だ。したがって、森林組合とその森林組合の仕事をやる山林労働者との関係が法的にどうなるのだろうか。そうなりますと、労働災害に森林組合が責任と権限を持つのだという解釈にまだいってないので、どうかひとつそれを頼みます。
○東村政府委員 御指摘の点、先ほど申し上げましたような原則で考えておりますが、それが実態的にあるいは法律的にどういうふうに解すべきか、さらに検討してみますから。
○川俣委員 ではぜひ検討してください。 それから、チェーンソーを使えば、いまは二人に一人だが、必ずまず白ろうになると見るべきだと私は思う。もちろんその機種によりますよ。何cc以上によると思いますよ。これは刈り払い機などは入れていないですよ。あくまでも遠隔装置など入れないチェーンソーですが、チェーンソーを使うと必ずこの病気になるということを考えると、ひとつ労働省、これは安全衛生法のときにかなりやったことだが、四十二条に「譲渡等の制限」とあるが、ひとつこのチェーンソーは野放しで売らない——チェーンソーは危険物であると言いたいのだが、危険物というのは相手に危害を加えるものだ。ところが、相手に加えなくたって自分が悪くなる青酸カリも自由には買えないわけだから、したがってこの機会に四十二条でチェーンソーは有害物であるというレッテルを張れるような気がするのだが、これはどうでしょう。
○中西政府委員 先生御指摘のように、振動障害の根本的な予防を図るためには、チェーンソーそのものを規制する必要があると考えております。このためには、振動の測定方法とかあるいは振動の医学的な許容基準等、技術的に詰めなければならない問題もまだ残っておりまして、いま直ちに規制することはできないのでございます。しかしながら、できる限り検討を早めまして所要の規制を行うように努めてまいりたいと考えております。当面は現在の知見に即しまして、業界に対して機械の改善を図るように強力に行政指導を進めてまいりたい、このように考えております。
○川俣委員 林業労働災害防止協会なるものに特に言っておいてください。これはやはり有害物の範疇に入ると思う。いろいろと例示を出してきたのだけれども、時間がないからやめます。 そこで、いま国有林労働者だけでも二千三百人になりました。治療方法は、パラフィンなどを使うのもあれですが温泉治療なども非常によろしい。ところが検診の方法もこれあり、それから何かの病気のようにちょっと訴えてくる者は皆白ろう病だということにもなりかねないことを考えますと、やはり医療機関をここにはっきりしなければならぬと思います。いまは国立療養所とかあるいは町医者に行く。あああのお医者さんは案外熱心だからな、こういう程度の頼み方なんです。そうじゃなくて、どうせ振動病というのはこれから日本にかなりふえると思うし、数は少ないだろうけれども削岩機、オートバイ、草刈り機等々を考えますと、何といってもチェーンソーが先輩だから、したがって白ろう病患者というものを対象にした医療機関というものを国でぼつぼつ考えるべきじゃないか、こういうように思うのだ。これは社労委員会で別途厚生省とやるが、林野庁は何かそういう考え方はないですか。来年の予算あたりでこれは考えるべきだよ。
○松形政府委員 先ほど来御指摘ございますように、国有林でもあのような人数になっておりますし、また民有林でも今後相当出るのじゃないかというおそれもあるわけでございます。 〔菅波委員長代理退席、委員長着席〕 大変重大なことでございますので、私ども、国有林等につきましては、従来温泉療法ということを考えまして、大分あるいはこの次は青森とかいろいろ考えておりますけれども、何分人数が多いということもございまして、各省にお願いいたしましてベッドを確保することに全力を挙げているわけでございます。昨年、御承知と思いますけれども、八つぐらいの病院だったものが、ことしになりましてやっと二十五ぐらいの病院確保ができる。そして、できるなら二千三百名の方々で、千人は四十九年度中に入院を完了いたしまして、来年度中には二千三百名の全部を終わりたいというような気持ちで関係省庁にお願いしているわけでございます。 ただ、これはそのほかにも民有林等の発生も予想されますので、私ども、民有林の関係につきましては、労働省なり関係省にお願いするという立場でございますので、そういう実態を十分見きわめまして、各省庁にも十分要望してまいりたい、こういう姿勢でまいりたいと思っておるわけでございます。
○川俣委員 これ、具体的に北海道に一つ、東北に一つ、関東に一つ、関西、中国に一つ、九州に一つという五つぐらいのその専門の病院というものをぼつぼつ考えるべきではないかと社労の一人として考えるのだが、林野庁はそれに乗りますか、どうですか。
○松形政府委員 ただいま御提案とも思える御意見があったわけでございますが、当然そういう問題の重要性にかんがみまして、先生の御意見等含めまして、私ども検討さしていただきたいと思います。
○川俣委員 ぜひ検討していただきます。 それじゃ、最後に時間がないですから頼んでだけおきます。 さっき言った有害物指定ということを労働省はぜひ早急に検討してもらいたいのが一つ。それからいつの時点で手帳を渡すかという問題。それから三番目は、認定基準をいつ出すのか、これは林野庁ですか。それから林野庁は、先ほど一時間かかって重大な問題であるということの認識を確認したが、やはりこれから更新して導入していくつもりなのかどうか。それは林業政策を根本的に考え直すというつもりなのか。その辺をひとつ後で文書でお願いしたいのです。それから、補償の場合は、将来必ず人体補償になりますと私は思うが、皆さん方はそんなことはないというように考えておるのか。それから最後ですが、先ほど申し上げましたように、一台入れることによる投資効率は——何といったってこれはやるべきだよ、生産性向上を左に置いて、右の方にロスを並べてみて。そのときには人体の補償まで入ると思うのだが、国としてチェーンソーを入れる方が長い目で見て一体得なのか、損なのかということをもう一遍こういう時間をおかりしてやりますから、いまお願いした六つを取り上げて、この次にまた理事を通してお願いしますから、一応私の質問を終わります。
○大野委員長 森井忠良君。
○森井委員 私が質問をしたいことは、きょうの一般質問の中では一見ささいな問題のようでありますが、労働組合の運営にとりましてはきわめて重要な内容を含んでおりますので、ひとつ労働省の前向きな御答弁をお願いしたいと思います。 話は少し古くなるわけでありますが、昭和四十一年の時点でありまして、問題は、住友海上火災保険株式会社にまつわります労働組合の組織状況と、それから派生をいたしました労働者にとっては死刑に等しい解雇問題について、労働省のお考えをただしたいと思うわけであります。 まず最初にお伺いしたいのでありますが、住友海上火災保険株式会社にはいま幾つ組合がありますか。
○松井説明員 現在二つございます。
○森井委員 二つというのは、一つは全損保の住友支部、もう一つは住友海上火災保険労働組合、この二つと理解してよろしゅうございますか。
○松井説明員 そのとおりでございます。
○森井委員 そうすると、ちょっとお伺いをしたいわけでありますが、たとえば新しくその会社に入社する人はその二つのどちらの組合に入ってもいいわけですね。
○松井説明員 先生のおっしゃるとおり、全くその労働者自身の判断によってどちらの組合に入るということは決めることができると存じます。
○森井委員 そうしますと少しおかしいのですが、こういうふうなことがあるわけです。これは住友火災の社内報で「泉」というのがあるのですが、それの昭和四十五年四月、五十四号の雑誌を読んでみますと、これは昭和四十五年度新入社員入社式における社長式辞であります。社長が新入社員に訓辞をしておるわけでありますが、幾つかの中身が入っております。こういうふうに書いてあるわけであります。労働組合に関する部分について、 労働問題について若干触れて置きたいと思います。わが社にももちろん労働組合があります。しかしながら、それは、わが国の経済、社会機構を変革するというようなそれではなく、われわれ経営者とも相通ずる考え方を基本にしております。ついでに読みますと、 かつて、損害保険の労働組合においても、各社が一本になってまとまり全日本損害保険労働組合(略して全損保)として、一時期、ラジカルな時代がありました。当時、全損保に加盟しておりました当社の組合も、その時点で自然そのようなムードに影響をうけたわけであります。 そして、昭和35年、36年と2年にわたり、それも3月4月という時点でかなりの長期間、わが社の組合によってストが行なわれ、当時の新入社員の諸君は、この晴れの入社式にも、赤旗立ちならぶ玄関を一々点検をうけて入社するという、まことに残念な事態がありました。 しかし、このような苦い経験を2年と続けました結果は、大半の良識ある組合員の方々から沛然と批判の声が湧きおこり、結局は4年前の昭和41年に、わが社の組合はこのような形式的単一組合である全損保を脱退、わが社単独の組合を結成し今日に至った次第でございます。 こういうふうに書いてありまして、ずっと続いておるわけでありますが、特に、 会社は左翼組合主義いいかえれば、階級闘争主義によって活動する労働運動を職場内に持ち込むことは、とうてい受け入れることはできません。それは会社の企業活動を妨害し、企業の正常な運営を麻痺させ、企業を破壊に導くことを目的としているからであります。会社は企業を防衛し、企業の使命を果たすため、株主、従業員、契約者の利益と生活を守るため、いかなる手段をつくしても、そういう反企業活動を排除する考えであります。 こういうふうになっておりまして、 当社の組合の組合員は「組合員である前に自分の会社の社員、従業員」であります。会社に採用されましたからこそ、会社と組合とのユニオンショップ協定によって、自分の自由意志には関係なく、組合に入っているのであります。 こういうふうにしております。 要するにいま読み上げましたような形で、全損保の支部と、それから新しくできました労働組合と二つあるわけでありますが、会社は事もあろうに労働者の団結をする権利を無視をいたしまして、言うなればどちらへ入ってもいいわけなのに、意図的にこういった全損保——会社から見れば敵対視をしております全損保の支部へ入るなと具体的に指示をしておるわけであります。 いま私が読み上げましたのは本当にごく一部でありまして、中身を通読をいたしますと、明らかに一方の組合に入り、もう一つの組合には入るな、こういうふうな強い指示と聞くわけでありますが、こういった企業の状態について労働省として一体どのようにお考えですか。
○松井説明員 お答えいたします。 使用者側の言動と申しますか、ただいま先生がお話しになりましたように、会社の社長の訓辞とかそういうようなことで使用者側が組合の批判を行うというようなことになりまして、それが果たして労働組合法七条三号の労働組合の運営に対する支配介入に当たるかどうか、こういう事例はいままでも幾つか地方労働委員会なりあるいは裁判所の判断にゆだねられたことがございます。一般的には、支配介入にわたることになればもちろん不当労働行為になるわけでございますが、一体どのような言動が当てはまるかということになってまいりますと、やはりそれを判断するのは、組合法におきましてば労働委員会、こういうことになっておりますので、この問題について、これが関係の労働委員会に上がったかどうかは私、承知いたしておりませんが、労働省というよりは労働委員会がこういう問題については判定に当たるべき機関だと思います。ただ、私どもとしましては、こういう使用者側の言動が支配介入にわたるようなことがあってはならないということで、不当労働行為の防止に努めなければならないということはかねがね申しておるところでございます。
○森井委員 この会社は労働組合への支配介入だけではありません。御参考までに申し上げますが、いわゆる最近指弾をされております企業ぐるみ選挙につきましても、きょうから地方選挙が始まりましたけれども、地方選挙等につきましてもかなり露骨に、企業選挙まる出しの従業員に対する働きかけをやっておるわけであります。 私、ここに文書を持っておりますけれども、五十年二月三日付で、表題の上に「読後破棄」となっておりまして、この会社の東京営業第八部第二課長名で「後援会加入についてのお願い」、こういうふうになっておりまして、かなりの社員にこの文書を流しております。 来る四月統一地方選が行われますが、当部重 要得意先であります日産自動車(株)より、下記 候補者の後援会加入につき協力の要請を受け、 人事にて調査の上名簿を提出いたしました。 つきましては貴宅への電話または訪問が予想 されますので、よろしくご応待下さいますよう お願いいたします。云々と書いたものなんです。で、この文書ではまだ明確になりませんけれども、私が持っておりますものは、具体的にそこに県会議員候補者の名前がちゃんと書いてあるわけでございます。 これでもおわかりのように組合員に対して、片や先ほど読み上げましたような、何といいますか左翼的な組合運動について排斥をし、同時に人事で名簿を調べて、特定の候補者を当選させるために具体的な手段を講ずるというふうな、言うなれば経営形態としてはきわめて非近代的なことをやっておるわけでございます。したがいまして、いま労働省の答弁で明らかになりましたように、二つの労働組合があるということについては、新入社員がどちらに入ろうとそれはやはり新入社員の判断に任すべきであって、特に会社が労働組合の運営の中身について、あるいは加入の状況等について強制するものではない。このことを明確に申し上げておきたいと思うわけです。 そこで二番目にお伺いしたいのは、一体この二つの組合というのはいつできたのでしょうか。
○松井説明員 お答えいたします。 実は、住友海上火災における全損保の組合のこの問題の経緯につきましては、かなり長い歴史がございます。 かいつまんで申し上げますと、昭和四十一年十二月に全損保の住友海上の支部の大会におきまして、全損保住友海上支部は全損保から支部として脱退いたしますという議決をしたわけでございます。それで組合の名前を住友海上火災保険労働組合、こういうふうに改めたわけでございます。ところが全損保からの脱退に反対いたします一部の組合員、当時五十四名おったそうでございますけれども、これらの人たちが、この脱退の決議は無効であるというわけで、その組合ぐるみの脱退ということに承服しなかった。こういうことで、いまある組合でございますと、全損保住友海上支部というような形で四十名の方が残った。それに対して脱退しました方の組合は、現在約三千名の組合員数を持っておる、こういうような形になっております。
○森井委員 そうしますと、全国組織であります全損保の住友海上火災支部については、いま言われました昭和四十一年の十二月十日に、この職場に所属しますかなりの部分の人は新しい組合をつくるということを決議されたようでありますが、同じように、それに反対をするといいますか、やはりいままでどおりこの全国組織の全損保という組合に残りたいという人々が支部の機能をずっと継続をしておるということについては、いま労働省が御説明のとおりだと私も思うわけでありますが、そうしますと全損保の住友支部と、それから新しくできました住友海上火災保険労働組合ですか、この二つがその時点からずっと併存をしておったというふうに理解ができるわけですね。
○松井説明員 この点につきましては、実は裁判上も問題となっているところでございます。それでその脱退しました労働組合といたしましては、支部ごとそっくり脱退した、こういうような言い方をしておるわけでございます。ところが脱退決議に反対いたしました人たちは、全損保に残留する意思を有する者に対してはこの脱退決議の効力が及ばない、こういうふうになっております。それで規約を見ますと、支部ごと脱退というようなやり方もありますし、個人ごと脱退というようなやり方もありまして、それで手続としては支部ごとそっくり脱退というふうな方法をとったわけでありますが、それに対しまして、残留組と申しますか、脱退決議に反対した人たちは、自分らには脱退決議の効力は及ばないというようなことを表明されて、事実上こういう二つの組合が生まれた、こういうような経緯をたどっておるわけであります。
○森井委員 経過についてはわかるわけですけれども、全損保という労働組合は昭和二十年代から今日まで続いておるわけですね。そしていま申し上げました住友にも全損保の支部があったことについても、労働省として、これは現実の問題ですからお認めになるわけでしょう。 問題は、四十一年の十二月十日の時点で大部分の組合員が——大部分という表現を使いますけれども、脱退の決議をした。しかし、その場合に、出席をした代議員の中で、やはりこれは脱退をすべきではない、これは労働者にとっては不幸な状態ですから、全損保という労働組合にとどまって全国的な労働組合の旗のもとに闘っていった方がいいという判断から、具体的な事情を申し上げますと、その脱退決議をするときには採決に加わらないで、外へ出て、同時に同じ日に全損保住友支部の臨時大会を行いまして、そして支部機能を暫定的に継続させ、さらにその後正規に大会等で役員等も選んで、言うなれば支部の形としてずっと残っておるというふうに判断ができるわけです。この点についてもあなた方と争いがないのじゃないかというふうに私は考えるわけですが、いかがですか。
○松井説明員 この点は、事実につきましては、かなり古い話でございまして、私どもも事実を的確に知ることはできないわけでございますけれども、これについては、先生御存じだと思いますが、すでに東京地方裁判所におきまして仮処分事件としまして四十三年十一月に決定がおりておるところでございます。この決定における判示を見ますと、この残った人たちは二つの組合員の資格を持っておったというようなことを言っておるわけでございます。それで、これは支部の組合の組合員であると同時に全損保の組合員でもあった、こういうようなことを言っておりまして、それで、そういうようなことを引きまして、最後に、「全損保の脱退に反対し、全損保に対しては全損保に残ることを言明してきた申請人等は、いまなお依然として全損保の組合員としての資格を保有しているものと見るべきである。」、こういうような判示をいたしておるわけでございます。 これは実はいろいろなその後の法律問題と結びついてくるわけでありまして、非常に重要な判示のポイントであろうかと思うわけでございますが、この点については、この仮処分につきましては実は会社側が別に本訴と申しますか、本訴訟を起こして争っておるわけでございます。しかしながら、事実問題としては先ほど申しましたとおり二つの組合があることは明らかでありますし、さらに、この判決もこういうような判示をいたしておるわけでございまして、私どもとしては、先ほども申しましたとおり、事実問題としては二つの組合が存在しておるのではなかろうか、こういうふうに思っております。
○森井委員 大体の認識はあなた方と合うわけでありまして、ですから冒頭に聞きました、二つ労働組合がありますねという点については肯定をなさいました。これはもうそのとおりでありまして、たとえば四十一年の十二月十六日に組合の財産の処分に関する仮処分等の申請が出されまして、これはその後最終的にはいまの二つの組合の和解が成立をしておりますね。四十六年十月七日、東京地裁民事十九部で和解が成立をしまして、組合の財産の問題やあるいは双方の組合費の明確化の問題、そういったものについては明らかになっておるわけですね。したがって、現状は二つの組合があるというふうに理解をしていいと思います。 時間の関係がありますのでこれはこれぐらいにいたしますが、問題は、いま言われました組合費を二重に取られているという問題がしばらくあったということなんですね。しかし、これはそのとおりでありますけれども、実際には会社が一律に全員チェックオフをしておったという経過から、取るな、取るなということを申し入れてもなかなか聞き入れてもらえなかった。しかし、これは正式に全損保の支部の組合員についてはもう最近ではチェックオフをしておりませんから、そういう意味でも二つの組合があるということは明確になっておるというふうに思うわけであります。 ここでお伺いをしたい三つ目の問題は、この住友海上火災保険労働組合が全損保の住友海上火災支部に所属している組合の役員を除名をしたことに始まるわけですね。ここはユニオンショップになっておるわけです。したがって、四十三年に自分の組合員でない者を除名をして、そして、除名をされたのはいまも申し上げましたように全損保の組合員でありますが、それを受けて八カ月後に会社が今度はさらに解雇をした、こういうことになるわけであります。 問題の大きさはここにあるわけでありまして、ユニオンショップというのは確かに法律上これは認められておるわけでありますけれども、二つ労働組合がある場合に一つの組合がユニオンショップを結んでおる、こういうケースなんですが、それは他の組合員にまで及ぶのかどうなのか、非常に重要な点でありますので、労働省の御見解を承っておきたいと思うのです。
○松井説明員 ユニオンショップの効力につきましては、先生おっしゃいましたように、一つ組合があります場合には比較的事柄は労働組合法の規定に従いまして簡単でございますが、二つ組合が出てきた、こういうような場合には確かに問題になるわけでございます。 それで、この点につきましては実は労働省としても問題がありまして解釈を示したことがございます。一つの事業場に二つ以上の組合がある場合で、そしてその過半数を代表するものによって結成されている組合がユニオンショップを締結した場合には、その組合に加入しない者を排除することは適法であろう、こういうような考え方で解釈を示したことがございます。 ただ、この問題につきましては、私正確に記憶しておりませんが、東邦亜鉛の安中製錬所かどこかで一つ判決が出たことがございまして、これはたしか、初めユニオンショップ協定を結んでおったところがその組合が分裂しました、それで新しい組合をつくりました、その場合に分裂した組合に適用があるかないかというようなことで法律問題になったわけでございます。それで、この事件につきましても、全部が全部同じだというわけではございませんが、二つの組合が存在しているということについては似ているわけでございまして、この判決でも、理論的には、二つ組合があって、多数組合の方がユニオンショップ協定を結んだ場合、少数組合についてもその効力が及ぶということを原則にいたしております。ただ、その場合にもいろんな事情があるであろうというようなことでもって、その特有の事情を考えながら、本件については少数組合に及ばせるわけにはいかないのだ、こういうような判示をいたしております。 一般論としては、私どもも、二つ組合があります場合に、多数組合がユニオンショップ協定を結ぶということになりますと、もう一つの組合にその効果が及んでいくということは言い得るのじゃなかろうかと思いますが、具体的事情はいろいろあると思いますので、これはその具体的な事情をよく検討しながら結論を出すべきものではなかろうか、こういうふうに考えております。
○森井委員 ユニオンショップ、これは非常に大事な問題でありますから明確に申し上げておきますか、最近の判例は——最近といいますかほとんどことごとく、二つ労働組合がある場合のユニオンショップの及ぶ範囲については、ユニオンショップに関する限りいわゆる労働法十七条の一般的拘束力等は及ばない、なぜなら、一つの組合のユニオンショップを認めれば、逆にそれが他の組合に及ぶとすれば、他の組合の団結権までこれは侵害をするということになるわけですね。そういう立場で私が調べた範囲では、判例もほとんど、いま申し上げましたように他の組合には及ばないというふうに判断をしているわけでありますし、学説もそのようになっておると理解をいたします。この点はいかがですか。
○松井説明員 私もすべての学説を詳細に調べてあるわけではございませんが、先ほど申し上げましたとおり原則論がございますけれども、しかしながら、たとえば組合が分裂した場合には分裂した事情があるであろうとか、そういうようなことでもって、具体的な事情からこの原則論がいろんな形で修正されてきているのではなかろうかと思います。私が具体的な事情に応じて考えなければならないと申しましたのは、このような趣旨で申し上げたわけでございます。 本件判決も、一たんは多数組合の持っておるユニオンショップ協定の効力を認めながらも、しかしながら、これはその経緯から見ると、これをそのまま当てはめることは信義則に反しておるのではないかというような形で、この四人の除名処分者の救済を図ったというような事件でございます。
○森井委員 時間が参りましたのでぼちぼち結論にしたいと思うわけでありますが、つまり具体的な問題として処分をされました伴委員長ほか三名の皆さん、この四人が首を切られておるわけですね。繰り返し申し上げますけれども、解雇ということは、言うなれば労働者にとっては死刑に等しいわけでありますし、生活の道も断たれる、私はきわめて深刻な問題だと思うわけです。 そこで考えてみますと、伴さんほか三名の皆さんは、先ほど申し上げましたように、全損保を脱退するときの状態から見て、全損保からの脱退を決議し新しい労働組合をつくったその日に、やはりいままでの全損保の支部を存続することを確認をして、そして今日まで活動を続け、労働運動を続けてきておる。そして、いま申し上げました新しい労働組合から——よくわかりませんけれども、二つ労働組合があって、片っ方の組合の役員を除名するというのはおかしいと思うわけでありますが、形式的に新しい労働組合から除名をされておるわけです。昭和四十三年二月でしたか、それで除名をされた。具体事的な事例としてはそういうことなんです。それを受けて会社が解雇したわけでありますから、そういう意味ではきわめて遺憾な状態が続いております。もういまはかなり時間がたっておりますから、冷静に過去を振り返ってみますと、全損保の支部はずっとあったことになるわけでありますし、労働省もすでに二つあることをお認めですし、裁判所も、申し上げましたように、たとえば組合財産の分割の問題についても、それから団体交渉に応諾せよという仮処分にいたしましても、特に団交せよという仮処分の決定につきましては、会社はこれは異議申請をしてないわけですね。逆に言えば認めておるという立場になっておるわけです。そういう形で今日来ている。 そういう形で考えますと、新しい組合から除名処分をされるということ自体が、これは別の組合の人を除名するわけでありますからおかしいことになりますし、かてて加えて、それを理由に会社が首を切った。こういうきわめて不当な状況なんですね。しかも、現在残っております全損保の支部の組合員、いま四十人ぐらいいらっしゃるそうでありますけれども、昇給であるとか、あるいは臨給の支給であるとか、あるいは配置転換の問題であるとか、ひどいのは社員旅行やあるいは会社が主催をする運動会等へも参加をさせないというふうな、非常に人権無視のやり方が行われておるわけです。 私自身も、時間があれば具体的に皆さんに御披露申し上げたいところでありますが、割愛をさせていただきます。ともかく非常に悪質な差別が行われておる、こういった差別についてもやはり労働省としても、せっかく私が国会でこういうふうに取り上げたのでありますから、会社を呼んで具体的にひとつ差別をなくし、かつ、この五月十三日にはこういった不当解雇について判決が出るようであります。これも私も精査をいたしましたけれども、学者、文化人その他も含めまして、これは間違いなしに会社の負けであるというふうに言われておるわけでありますが、問題は、会社はそれでも長引かせば得だということで、最高裁まで上げるというふうなことを考えておる、私はきわめて不幸だし、遺憾な問題だと思うわけであります。 最後に労働省の皆さんの——次官、途中て恐縮でありますが、私どもは一日も早くこの住友海上火災の組織問題が解決をされ、あるいは裁判所の判決等が出れば、もうこの機会にその判決に従って、一日も早く平和な状態に戻れるようにひとつ格段の御指導を願いたい、こういうように思うわけであります。最後にお考えをお伺いして、私の質問を終わります。
○細野政府委員 御指摘のように不当労働行為というようなものは法律で禁止されておるものでありまして、そういうことがあってはならないということは御指摘のとおりであるというふうに考えるわけでございます。同時に、近く公判判決も出るということでございますので、今後その判決の線で労使間において円満に解決されることを私どもも強く期待をいたしたいと思うわけであります。 ただ、実際問題として、当事者が最後まで法律的な手続で争うということ自体も、これは一つの法律の権利でございますので、それを防遏するということもまたこれは非常に適当でないことでございますので、そういうことではなくて、円満に解決するように私どもとしても努力をしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○大野委員長 田中美智子君。
○田中(美)委員 まず、最初に請願の問題をちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、この社会労働委員会に数々の請願が出ておりますけれども、この請願を会期末に一括採択する、そしてこの採択したものをその後どのように扱っているのか、簡単にお話しいただきたいと思います。
○青木(勇)政府委員 お答え申し上げます。 国会法第八十一条一項の規定によりまして、各議院において採択されました請願の中で、内閣において措置するのが適当であるというふうに各議院において認めたものは、これは内閣に送付されてまいります。たとえば送付されました分の中のいわゆる労働省関係の分は、一応労働省の方に送られてくるわけでありまして、省といたしましては、関係各主管部局に当該請願案件を回付いたしまして、各主管部局におきまして処理意見をまとめる、その場合当該請願が実現が可能であるか否か、あるいはすでに法令措置その他の行政措置によって実施されておるかどうか、そういう点を含めまして意見をまとめまして、これを内閣に提出いたしまして、閣議決定の上、各会期別にまとめて議院に報告される、こういう手続に相なっております。
○田中(美)委員 その意見ができ上がりまして、内閣で閣議決定をされるとき、一体どれくらいの時間をかけてやっているのでしょうか。
○青木(勇)政府委員 具体的時間の処理はあれでございますが、国会法第八十一条の第二項の規定によりますと「内閣は、前項の請願の処理の経過を毎年議院に報告しなければならない。」、こういうふうに国会法に規定になっておりまして、内閣といたしましては各会期ごとに請願の処理報告をいたしておる、こういうかっこうに相なっております。
○田中(美)委員 質問したことだけに答えてください。違ったことを……。私の聞いておりますのは、労働省に請願されたものがそれぞれの分担で労働省で意見をつくって、これを内閣にやりますね。そしてここで閣議決定をするわけですね。それにどのくらい時間がかかっているかということを一言で答えていただきたいということを言っているわけです。
○青木(勇)政府委員 具体的な各案件についての日数はいまここではっきりお答え申しかねますが、原則としてできる限り速やかに処理いたしております。
○田中(美)委員 時間がおっしゃっていただけないので、非常に残念ですけれども、私はまだ一年議員でございますけれども、議員でないときにたびたびの請願をしたわけです。これには大きな期待をし、非常な情熱をもって、国会で採択になれば何とか少しは改革されるんじゃないかという情熱をもってやってきたわけですね。国会議員になりまして、それがどのように扱われているかというのを身近に見てきたわけですね。これは委員会の問題でもありますけれども、去年の七十一国会などで見ますと、社労委員会関係でも請願が四千二十三件もあるわけですね。これを会期末に一括やる。そしてほとんど異議なしというふうな形で理事会でやっているということはありますけれども、最終的には五十五種類、八百八十四件の請願というものが一括採択されているわけですね。そういうやり方では私は国民に対して非常に申しわけないんじゃないかというふうな感じがするわけです。 それで、私どもは、いまこれに対する改革案というものを出しまして、請願審査の民主的改革についてという改革案というものを議院運営委員会にかけておりますけれども、いまなおこれがまだ審議の段階になっていないわけですね。 たとえばことしの七十五国会で、これは社労ではありませんけれども、災害対策などで出てきているのを見ますと、豪雪地帯の公共事業だとか学校だとか寝たきり老人の家だとか生活道路だとか、そういうところにも雪がいっぱいになっている。この雪をおろす雪おろし要員、これを何とか創設してほしいという請願が出ているわけですね。しかし、この請願というものは、六月になりますか。長くなれば七月、早くても五月の末に一括して、そのときにはもはや雪は解けてしまうわけなんですね。こういうふうな矛盾というものがやはりいまの請願のやり方の中にある。 そういう意味で私たちは、委員会の中でこれを毎月最低一回審査をやっていくというふうに改革したいと、いま非常に努力をしているわけですけれども、その努力の実がまだ十分に実っていないという段階で、今後とも私自身は国民に対して最大の努力をしていかなければならないというふうに思うわけですけれども、政府の方としましてもこの採択になったものを速やかにただやっていますということだけでは、私自身は請願権というものが——請願法第五条では「誠実に処理しなければならない。」と言われている。速やかにと言っていますけれども、社労を見ましてもこれだけたくさんの、五十五種類、八百八十四件というものが一体どれだけの時間をかけて誠実にやられているか。いまの審査では非常に不誠実だというふうなことを感じます。 それで、私は時間を一つ、一つの問題で聞いているのではなくて、このたくさんの議案というものを一体どれぐらいの時間をかけてやっているかということをお聞きしたかったわけですけれども、恐らく非常に速やかに簡単に、ちょうどこの委員会でやっているように簡単にやっているのだというふうに思いますので、今後、政府の方としても、この請願に対する姿勢というものを根本的に改めて、誠意をもって、この請願法第五条の誠実に処理するという立場で改革をしていただきたい。これを政務次官から一言、その御意見を伺いたいと思います。
○大野委員長 いまの御質問の前段は、御質問の中にもございましたように、議運でいまやるべく、しておりますし、国会の問題ですので、これを政府から答弁させるのは無理だと思いますので、その点はひとつ御了解賜りたいし、後段につきましては、政府の審査を早くしろというような御趣旨に受け取れましたので、その点は政務次官から答弁させますが、前段はちょっと……。
○田中(美)委員 それはよくわかっています。
○中山政府委員 誠意をもって、同じような答弁を繰り返すことになるかもわかりませんが、真剣に私ども調査、審査をしながらやっておりますので、ひとつ御理解を願いたいと思います。
○田中(美)委員 それでは次の問題にいきたいと思います。 これは一口で言いますと、産前産後の休暇というものを延長してほしいというのが最終的な問題です。細かいことをごたごた言わなくとももう十分御存じですし、たとえば森山局長に向かっては、まさに釈迦に説法だというふうに思います。しかし、幾ら釈迦がいても、これが実現されなければだめだというふうに思いますので、その点について少し質問させていただきたいと思うわけです。 現在、婦人少年局でも言っておりますように、婦人の一生を考えるときに、婦人が社会的に働くということなしに婦人の一生は考えられないということを言っているわけですね。一生男子と同じように働き続けるかどうかということは現実の問題として別にしましても、働かないということを前提にして女の一生を考えるということはもう常識的にもなくなってきているということを言われておるわけです。その証拠に、やはり婦人労働者の数は毎年ふえておりますし、約千二百万人、全雇用者の三三%が婦人である。実際に、潜在的な失業者とは言われておりませんけれども、働きたいという婦人は非常にたくさんいるわけですので、もしこれが働けるという状態になりますれば、この数は飛躍的に多くなってくると思うわけです。その中で既婚者というのはもう六〇%になっております。これは年々ふえておる。ついこの間まで既婚者は二〇%だった。働く者は本当にまだ独身者だというふうな常識があったわけですけれども、あっという間に六〇%が既婚者になってくるとなりますと、婦人が働きながら子供を産むということは当然国としても考え、この対策というものが重点に据えられなければならないわけですけれども、これに対する労基法六十五条というのはもういまから二十六年も前、三十年近い前につくられたままというものがいまなお行われておるわけです。そういう中で労働者は、きょうの委員会での森山局長の返答にもありましたように、もう企業の中では二三%ぐらいが労基法よりも多い産前産後の休暇をとっておるところがあるというふうな、先ほどお答えを伺いましたけれども、労働者はいままで結局、産前の休暇というものを短くして、産後が苦しいので産後を少し長くするというふうなことをやってきたわけですけれども、その結果低体重児が非常にふえているという現状が出ているわけです。これは女の問題だけでなくて私たちの将来の子供の問題として大きな問題だと思います。 それで労働基準法の中には、産後の休暇は絶対に働いてはならないという禁止条項になっておりますけれども、産前というのは請求した場合にというふうになっておるわけですね。このところというものをどのように森山さんお考えになりますか、簡単に一言でお答え願いたいと思います。
○森山(眞)政府委員 先生の御趣旨まことにごもっともだと思いますが、労働基準法の規定につきましては、労働基準法全体の問題といたしまして、御承知のようにただいま労働基準法研究会におきまして慎重に検討しておられるところでございますので、その結論を待ちまして私どもも対処していきたいというふうに考えております。
○田中(美)委員 研究会で慎重に検討していらっしゃるということは結構なことですけれども、いつまでたっても慎重に検討しているのではどうしようもないし、いままさに速やかに——これは、ことしが国際婦人年であるからやらなければという問題ではないわけですね。しかし、余りにも速やかでない、余りにも慎重にごゆっくりであるがために、やはり国連レベルで国際婦人年というものが定められて、これをより早く進めようではないかという意味では、ことしは、慎重に慎重に、検討検討ということではなくて、より速やかに産前休暇というものを禁止条項にし、そして、これを長くしていくということのために全力を挙げていただきたいというふうに思うわけです。 特に最近、産前の婦人の妊娠五ヵ月のところの疲労度を一〇〇としますと、九ヵ月の疲労度というのは二二〇というふうに言われているわけです。八ヵ月までの赤ちゃんの大きさというものが、最後の二ヵ月で約倍になるというふうに言うわけですから、そのときの婦人の体力というのは、まさにぎりぎりのところで生きているわけですね。そういう婦人を働かなければならないという状態に追い込めているということは、やはり労働基準法できっちりと禁止条項になっていないということが、労使関係の労の方が弱いところではどうしても産前働かなければならないということに追い込められているわけですね。ですから、そこをやはり禁止していくということは、いま緊急の問題だというふうに思いますので、その点をぜひことしは、何とかしてことしじゅうにこれをやっていただきたいというふうに思います。 特に、妊産婦死亡率というのが世界一だというふうに、この間私は厚生大臣に申しましたら、世界一ではない、これは発達した、WHOに数字が出ている国の中で第一なんだ、こういうふうに言われましたけれども、私自身は日本は発達した資本主義国と思っておりますので、未開発国までを一緒にして考えておりません。この四十五ヵ国近くWHOで統計の出ている中で妊産婦の死亡率が日本が最高であるということを考えてみましても、これはどう考えても女の問題だけでなくて、男性の皆さんたちに、十分に政府として考えていただきたいわけです。 きょうは大臣がいなくて非常に残念ですけれども、中山さんのようなハンサムの……(笑声)これは一言多いのですけれども……(笑声)おりますので、その点は大臣を揺すぶりましてでもこうした、それこそ本当に揺すってでも、何とかしてこの日本の婦人の妊産婦の死亡率というものを、こんなに世界に恥ずかしいものにしたくない。ことしは、メキシコである国際婦人会議には日本からたくさんの婦人が参加します。そこで日本は非常に未開発国からは期待もされておりますし、東南アジアの各国からは、いまも私にもあちこちから手紙が来ております。そして非常に日本の婦人に期待されておるときに、この日本が妊産婦の死亡率が最高なんだと言わなければならないということは、これは本当に日本にとって恥だというふうに私は思うわけです。そのために、全力を挙げて——これをどうしたらいいかということは、やはりたくさんのことはありますけれども、労働基準法の母体保護のところの改革というものを、もう三十年になるわけですから、何としてもことし大幅に見直す——まあ、三木内閣は見直し内閣などというふうにジャーナリストの中でも言われておりますけれども、見直すだけではなくて、具体的なめどを立てていただきたいというふうに思います。 それから、産後の休暇ですけれども、いま厚生省では母乳を非常に勧めているわけです。産後、少なくとも三ヵ月は母乳をやってほしいということを言っているわけです。これは乳業の企業の誇大宣伝というものが、むしろ母乳よりも粉乳の方が栄養がいいのだというふうな感じを婦人に与えまして、年々母乳で子供を育てるということがなくなってきているわけですね。この弊害がいま非常に大きくなって、最近の乳業会社の広告なども、三ヵ月、母乳が足らない場合には粉乳をというふうな広告なども多少——多少改善されている面はあるわけですけれども、人工栄養で育った赤ちゃんというのは、母乳で育った赤ちゃんの約四倍の死亡率というふうな数が出ているわけですね。母乳バンクをつくろうというふうな厚生省の意見なども出ています。そういう中で見ますと、やはり三ヵ月間母乳を飲ませようというふうに思いますと、十二週間というものは要るわけです。この十二週間というのは——イタリアなどではもう産後十二週間という休暇をとっているわけですね。ILOの勧告の九十五号では、最低どんなに少なくてもやはり八週間なり七週間ということで、どこの国でも産後八週間というのはもう世界の常識になっているわけですね。そういうことを見た場合に、日本が六週間になっているということは大変な問題ではないかと思います。 そういう中で、これは朝日新聞に昨年の十月に出た大村清さんという産婦人科医の方が書いているわけですけれども、「職種を問わず六週間休んだだけで出勤すると、まず例外なく十日から半月ぐらいで強い疲労があり、母乳が人工栄養に変わっている」、ということは、六週間で職場に復帰すればほとんど母乳がとまるということなわけですね。これは非常に微妙ですので、精神的なショックを受けただけでも母乳がとまるということは森山さんも十分御存じだと思いますけれども、そういうときに母乳バンクだとかなんとかいうことがいかに労働基準法と矛盾しているか。そうして田中厚生大臣は、労働大臣が決めることなので、自分としてははっきりとは言えないけれども、全力を挙げて労働大臣と基準局長、森山局長とも手を組んでこの産前産後の延長に努力をしたいということを言っているわけですので、それを受けてというのは逆なことでして、労働省の方がこれを積極的に進めていただきたいというふうに思うわけです。 これは千葉大の前原澄子先生がやはり言っているわけですけれども、「勤労婦人の産後の疲労度は、産後六週から十週にかけてもっともひどく、疲労を訴える割合もこれまで婦人労働で一番重いといわれた農繁期の主婦より多い」ということを言っているわけですね。こういうことを考えますと、慎重に検討するのではもう間に合わないというふうに思うわけです。 それで、これはつい最近の調査ですけれども、慶応病院の看護婦さんたちの母性保護の調査を私は聞いてきたわけですけれども、これは昭和三十八年から四十九年の十月まで四回調査をしたわけです。この中で妊娠した看護婦さんが七十九名、妊娠回数は延べ九十八回、一人が二回とか産んでますから、九十八回の出産というものがあったわけですね。この中で、出産のときの異常、それから妊娠中の異常、それから生まれた赤ちゃんの異常、こういうものが全くなく、母子ともに健康だというのは、九十八回のお産の中で母子ともに正常なのはわずか三人という数字が出ているわけです。これは中山さん、ただごとではないですよ。九十八回のお産の中に母子ともに正常なのが三人しかいなかった。これはただ一つの慶応病院の労組の調査です。しかし、これは大体見まして、特に看護婦さんはひどいわけですけれども、大体大同小異だというふうに思うのです。そういうのを考えたときに、看護婦さん自身の労働がきついとか、それから保母さんの職業病が多いとかということも非常に問題ですけれども、九十八回のお産の中で母子ともに健全なのが三人などというデータがあるということは、これは婦人と子供の恐るべき健康破壊が出ているという大きな実証だというふうに思うわけです。 これについての御意見をもう一度森山さんと次官から、次官は大臣の代理として、両方から御意見を伺いたいと思います。
○森山(眞)政府委員 労働基準法の問題につきましては慎重に検討していると先ほど申し上げましたら、それでは不十分だという御意見のようでございますが、少し補足して説明申し上げますと、基準法研究会の第二小委員会というところで女子の問題につきましてはやるということになりまして、二年ほど前に具体的な検討が始まったわけでございます。その第二小委員会の、さらにまた専門家の御意見を伺わなければということで、お医者さん方の専門的な御研究を願うということで専門家の研究会が発足いたしまして、そこの調査研究の結果が昨年の十一月に一応まとまりましたところでございます。その結果に基づきまして、また第二小委員会がそれをもとに法制的な見地から研究をしようという段階でございまして、ただ抽象的に慎重にやっているというのではなくて、一つ一つ医学的な研究も加えて順次進めているところでございますので、もう少し時間をいただきませんと最終的な見通しは立たないという趣旨でございますので、御理解願いたいと存じます。 いまのお挙げになりました事例につきましては、先生のおっしゃるようなことが事実といたしますと非常に重大なことだと思います。ほかにももっと広くいろいろなデータを集めて研究してみなければわからないかと思いますけれども、そのようなことが事実でありますれば、そういうことも勘案いたしましてこの基準法研究会において十分検討していただきたいというふうに考える次第でございます。
○中山政府委員 お答えを申し上げます。 別にことしが国際婦人年ということの意味を外しましても、母性の保護というのは大きな問題でございまして、特に人づくりというのは、政治家の手の中にあるものではなくて、母親の手の中にあると私は理解をいたしておりますし、そういう意味でその母親の手から育ってくる次のわが国を支える新しい宝であるかわいい子供たちが、そういう虚弱な体質で生まれてくることのないように努めなければならない。それは政治家の務めである、かように思いますので、この労働基準法研究会の第二小委員会の出ます結果に私どもも期待をいたしておきたいと思います。
○田中(美)委員 研究会を開いて順次と言われるわけですけれども、私としては何はともあれ大至急、これはもういまに始まったことでないので、ずいぶんそちらでは努力していらっしゃるのでしょうけれども、国の宝だとかなんとかという言葉はきれいであっても、それをゆっくり待っていることでは一体いつになるのか、一体いつごろにそういうめどが出てくるのかということをもう一回お聞きしたいということと。もう一つ、私の申したことが事実であれば大変だと言われましたので、慶応病院の看護婦さんの労働組合で私は聞いてきたわけですので、これの調査をやっていただきたいというふうに思うのです。そして果たしてこの調査が、私がいま申しました九十八回のうち三人しかなかったということですね。これは事実であるかどうであるかということを、婦人少年局で労働省の責任でもってもう一度調査をしていただきまして、私の方に御報告を願いたいというふうに思います。いかがでしょうか。
○森山(眞)政府委員 結論を急げというお言葉でございますが、それにつきましては重ねて申し上げて恐縮でございますが、何分にもお医者様の調査研究の結果が昨年の十一月に出たところでございますので、それをもとに研究会が着手されたばかりのところでございますので、時期につきましてはただいま申し上げられない状態でございますので、御理解いただきたいと存じます。 その具体的な事例につきましては、私どもの方でも勉強させていただきたいと考えます。
○田中(美)委員 勉強していただきたいでなくて、この事実を調査して私に報告していただきたいというふうに要求しているのです。
○森山(眞)政府委員 はい、わかりました。
○田中(美)委員 よろしいですね。 それでは次に、やっと大臣のなつかしいお顔を拝見させていただきましたので、本論に入っていきたいと思います。 これは昨年の十二月十九日だったと思いますが、七十四国会の社労委員会のときに、群馬県にありますマックスの事実上の結婚退職制の問題について私は質問したはずです。これについて法務省の人権擁護局の調査課長と基準局の佐藤監察官から、調査をした結果を私のところに報告するということで報告をいただきました。そのときに、これは労働省として非常に悪質なものであるということで、既婚者だけをねらい撃ちにして、全員婦人の希望退職という名を使いながら、強制的な人権侵害のようなことまでして判こを押させて首を切っていったということがあったわけですね。これは御指導を得ましたけれども、労働省の指導が非常に遅かったためにというか、私の耳に入るのが遅かったといいますか、そのためにわずか五名しか救うことができなかったわけです。七十一名のほとんどが結局判こを押してしまったわけです。そしてこの御報告を受けたときに、やめてしまった人の中にも不満はないのだというふうな労働省の調査であるわけです。やめなかった五名というものはもう食いとめた、それで口頭で強く注意をしておいた、それに対して会社側は恐縮して、今後このようなことはしないと言ったという報告を受けたわけです。しかし、それで私は安心していたわけです。七十一名中わずか五名しか救えなかったということについて、私はやはり胸穏やかでない気持ちでしたけれども、力足らずということで涙をのんだわけです。 しかしその五名がいまどのような状態になっているか、これは赤松課長さんはよく御存じだ、おそらく森山さんも御存じだというふうに思いますが、ことしの二月三日に高崎工場におります笹沢さんと斉藤さんに対して配転の命令が出たわけです。藤岡工場という自宅から非常に遠くになる工場に配転命令が出たわけです。この配転の理由ですけれども、大臣よく聞いていただきたいと思うのです。希望退職に応じないということは会社のモラルを低下させる人物だから配転させる。いいですね。わかりますね。二番目。結婚しているし、高齢者だから配転させる。この二人は三十三歳です。私は五十二歳ですけれども、まだ高齢者とは思っておりません。それから三番目。藤岡工場のトイレなどを掃除する人が欠員になったから、この二人は藤岡に行け、便所掃除に行け、こういうわけです。私は便所掃除という仕事が悪いとは言いません。しかしもともとそういうことをしていた人ではないわけです。この三つを配転の理由にして遠くに行け、こういうことをやっているわけです。一体労働省は——人権擁護局はきょうは来ていらっしゃいませんけれども、その後一体どういう指導をしているのか。もうそのようなことはないように指導いたしましたと私に返事をしたそのすぐ後にこういうことをしているのです。そうしてこれは二月二十八日に本人たちがたまりかねて東京に出てきまして、婦人少年局の赤松課長に訴え、基準局の佐藤監察官にも、こんなになっているということを訴えているわけですね。それにもかかわらずその後三月一日、ステッカーを彼らは町中に張っておるわけです。会社の中ではないですよ。町中に既婚婦人を原職に戻せとか、不当な配転をするなとか、既婚婦人に対するいやがらせをするなというステッカーを張ったわけですね。そしたら、これを業務命令だというふうに言いまして、清水進という製作二課長それから佐々木静雄生産本部長、こういう人たちの指示で業務命令だから町中に張ったステッカーをはぎに行け、こういうふうに言ったわけです。これを本人たちは拒否したわけですね。そうしたら清水課長が、会社の言うことを聞かない者はそこに突っ立っていろという体罰ですね、五十人いる労働者の職場の真ん中に九時から十一時三十分まで二時間半突っ立せていたということを、現在やっているわけですね。こういうことを言うと切りがありませんけれども、こういうふうなことをやっているわけです。そうして配転に応じないやつはもう仕事をしないでもいいとか、それからまた朝礼のとき、清水進というこの製作二課長が彼女たちをみんなの真ん中に立たせて、そして皆さんはと、ほかの労働者に向かって、皆さんはこの笹沢、斉藤という会社の言うことを聞いてやめない人をどう思うか挙手をせよというふうに言ったわけですね。上司の前で挙手をせよ、恐る恐る半分ぐらいが挙手をしたそうです。しかし半分は挙手をしなかったのですね。そうしたら、手を挙げなかった人はどういう理由だと言って、また恫喝をしているわけですね。それで仕方がないのでほとんどの人が渋々と手を挙げたということ。こんなことが許されていいですか、大臣。三十三歳の、私から見れば娘のような子です。それが子供を抱え、夫と一緒に働いて、夫の賃金だけではいまは生活できないじゃないですか。そういう中でどうしてもやめたくない。金が要るだけではないですよ。結婚しているからといってやめさせられるということに対する、労働者の誇りを傷つけられているということで、彼女たちはそのために必死になって、こんないやな職場はないけれどもこれをもしやめれば事実上の結婚退職制を認めることになるのだということで、こんなひどいことに耐えているわけです。 これを私は涙なしには聞けないのですよ。大臣はどうやってこれを指導できるのですか。労働大臣というのはこんなに力のないものなのですか。これをどういうふうに指導していただけますか、お聞きしたいのです。私は、日本の労働大臣といおものはもっと力のあるものだと思っています。すべての不当労働行為をなくすということは、これは浜の真砂のようになかなか大変かもしれません。しかしこんなひどいことがなされているということは、もう許せないというふうに思うわけですよ。どうしても、大臣みずからでもこのマックス社に乗り込んでいただきたい。行くときには私もついていきますよ。そして徹底的にこの五人をきちっとした元の職場に返し——いまその一人は妊娠しています。その子供がどのように生まれてくるか。その点を大臣みずから答えていただきたい。時間が非常に少ないので、大臣みずから答えていただきたい。
○長谷川国務大臣 先生のお話をお伺いしていまして、そのとおりであるとすれば本当に大変なことだと思います。何か大ぜいの前に立たせたという姿などそのとおりとしますと、よその国の話を聞くような感じがするのです。その、労働大臣が力強くなれと、御期待はありがたいです。また私もそうなりたいと思っています。しかし一人一人の方に対しては、なかなかこれはお手伝いができません。そこで、労働省という機関もありまして、そういう方々に私と同じような気持ちになって、一人一人の勤労者の幸福のためにやっているという気持ちでございまして、いまの実情などは、前回どういうふうな話が出ているか知りませんけれども、私の方からも調べて、早速役所の方で調べてもらって善処するような方法を講じてみたい、こう思っております。
○東村政府委員 御指摘ございますとおり、この会社では家計補助者という名前でしょうか、既婚婦人を解雇といいますか希望退職ということでいろいろ募った。その過程の中でいろいろ執拗な問題が展開されたということがあったことは承知しておりますし、前回先生の御指摘がございまして、われわれも早速それをフォローして、事務的に先生にも御報告したと思うのですが、冒頭お話がございました高崎工場勤務の二人の方を藤岡工場の方へ配転をするという問題につきましては、これに対して私どもの方に申し立てがございます。三月四日に会社の専務、人事部長を呼びまして、余り問題をこじらせないようにしてください、問題が問題ですから円満な解決を図るようにやってほしいということで厳重指導を行いました。その結果三月十二日、この二人の方の藤岡への配転は取り消されております。 〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕 なお、先生御指摘のように残った方も安心していろいろのお仕事ができるようにということを私ども考えまして、今後ともその辺について十分フォローし指導していきたい、かように考えております。
○田中(美)委員 いまの言葉じりをとるようであれですけれども、家計補助者という言葉ですね。会社がどう使おうと、一体だれが家計補助者か。これは前にも一度言いましたけれども、元森山大臣と局長さんとどっちが補助者なのか、局長は補助者なのかということになるじゃありませんか。そういう意味で、会社がそういう言葉を使うこと自体が誤っているわけですよ。一人の婦人労働者ですから、その人が家庭の中の家計の中心であろうとなかろうと、そんなら大金持ちの娘ならば賃金はただで働いていいのかということになるわけですので、そういう家計補助者だとか希望退職なんという言葉は——希望退職ならは、希望をしない人は退職させないのがあたりまえです。ですから、真ん中の方のお名前がわかりませんけれども、言葉の端々からものの考え方が基本的に大臣よりも非常に劣っているというふうに私は思うわけです。そして、余りこじらせないようにものをやれとかいうふうなのは、これは指導ではないですよ。間違っている者に対しては、これは誤りなんだということでぴしっと言うのが指導であって、まあまあこじらせないようにやれというような、まるで夫婦げんかの仲裁のような指導のやり方では指導じゃないです。だから会社から甘く見られて、何遍指導したってこんなひどい人権侵害をやっているわけです。もう少し間違っていることに対して政府は厳然とした確信を持って、大臣のおっしゃった言葉を私は心の中もそうだと信頼したいと思いますので、そういう立場でやっていただきたい。家計補助者だとか、やれこじらせるなだとか、こじらせるも何もないじゃないですか、これはもう人権侵害もはなはだしいのですから、確信を持ってこんなひどいことをするなというやり方をしていただきたいと思います。 いま一つ、配転が一応撤回されたということは、これは赤松課長や佐藤さんですかの御尽力があったというふうに感謝しております。その点はよかったと思いますけれども、その後これは元の職場ではなくて会社の中でぽつんとたった一人みんなから離れたところでいやがらせされながらいるわけですので、これが事実かどうかきちっと調べて、やはりみんなの中で村八分にならずに働けるようになるまでの御指導をしていただきたいと思います。 そしてもう一人、高崎の方ですか、高津さんたちの方は配転という形ではなくて応援という形で、一カ月一週間という形で今度は高崎の方に配転ということではないですけれども応援ということでしょっちゅうやっているわけですね。こういうこともやはり中身をしっかりと調べて、こういうことをさせないこういう指導をしたか、そして結果がどういうふうになったかという、その結果を私のところに報告していただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○東村政府委員 私、いま家計補助云々と申し上げましたが、生活補助者である人を対象にしてという事実を申し上げたのであります。私もこれがこれでよろしいとかいう評価をしたわけでございませんので、御了承を願いたいと思います。 それからいまお話あった問題につきましては、早速調査いたしまして先生の方へ御連絡いたします。
○田中(美)委員 次に移ります。 労働問題ですけれども、三六協定というのがあります。これは休日とか夜間の勤務ですね。この三六協定を結ぶときに、企業に労働組合がないとか労働組合が過半数を占めていない非常に小さいとかいう場合にでも、この三六協定というのは結べるわけですね。三六協定を結ぶときには、その企業の従業員が任意の意思でもって代表者を決めて、この代表者が過半数の署名をとって企業側と話し合ってこの三六協定を結ぶわけですね。これはそのとおりでしょうか。
○東村政府委員 おっしゃるとおりでございまして、そこの事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、ない場合にはやはり労働者の過半数を代表する者、こういう方を選んでもらってその人と協定を結ぶ、そうでないと違法な残業になる、こういうことでございます。
○田中(美)委員 その点では非常に一致しております。 そうしますと、これは高知放送の問題なんです。ここではやはり三六協定を結ぶということで、昨年の十二月に茂松延章さんという方が従業員の任意の意思によって代表者に選ばれまして、そして委任状をとるわけですね。過半数確かにいますという委任状をとっているわけですね。これは過半数あります。これはみんな任意に署名をして判こを押しているわけです。こういうものをとっているわけです。そして監督署にもこの写しを送付しております。そうして三六協定を結ぶように指導を監督署に申し入れているわけですね。そうしていよいよこれでもって協定を結ぼうというふうな段取りがすべてできていたときに、ことしになりまして、この高知放送の総務局長の三谷登という人がいます。これはここの中の最高の地位にある人です。この局長という人が浅野耀介という報道制作局長に指名をしまして、そうして局長とか部長とか課長とかそういう管理職の人たちに対して、三六協定を結ぶ委任状を彼らが持ってきて、これに判こをつけ、判こをつかないと将来のあなたの社内的身分のためにならないぞということを言って判こを押させたという事実があるわけなんです。ということは、その職場の最高の地位の人があなたの将来の身分について関係あるぞと言って判こを押させるということは、これは任意で押しているんではないし、まさに恫喝であり脅迫であると言っても——結果的にはそうなっているんではないかと思うんですね。こういう形で委任状を、幾つかわかりませんがとったわけなんですね。これは紙切れにしてほんのべらっとしたものらしいんですけれども、見ておりませんのでわかりません。しかしこれは過半数を超えてないのではないかという私たちの推測です。あくまでも推測で、見ておりません。しかし二月一日にこれを基準局が受理しているわけです。これは後から来たものなんですよ。この茂松さんがつくったのは先ですね。そしてもう基準局にこれを依頼し、進めているわけですね。埴準局はもうこれを持っているわけですよ。それにもかかわらず、この三谷登さんから来た、最高責任者がまさに恫喝のようにしてとった委任状というものを持ってきて、これで三六協定を結ぶという形で持ってきた三六協定というものを見ますと、一方的に、いまあなたがおっしゃったように、先ほどのようにしないと不当な残業や不当な労働条件がなされるからとおっしゃったようなものが出てきているわけですね。これについて基準局長は一体どう思いますか。
○東村政府委員 いまおっしゃいますことを繰り返すようでございますが、労働者の過半数を代表する者というのは、みんなの過半数の人の意思がそこに外からの強制とかそういうことなしに盛り上がると言うとおかしいかもしれませんが、選定された人というのが前提でございます。したがいまして、それが強制にわたるとかあるいはほかの力が加わったというと、本当の意味の代表者じゃないと思うわけです。 実は田中先生御指摘の具体的な局長とのやりとりは私も十分承知しておりませんが、ただ監督署は、一般論で恐縮でございますが、委任状がついておりますとその書類を精査いたしまして、いいと思えば受け付けるわけでございます。しかしいまのような問題になりますし、またせっかく御指摘ございますると、それをただ単に受け取るというのも問題でございますので、そういう場合にはさらにいま届けられている委任状が果たしてみんなの強制されない意思によってつくられたものかどうかということを調査しなければいかぬ、かように思います。
○田中(美)委員 これは抗議をしましたら、形式上整っているから受理したと言ったんだそうです。それで基準局長の責任においてこれを調査していただきたいわけですね。 そしてもう一つ伺いたいのは、こういう三六協定を結ぶときに、その企業の最高責任者が従業員の代表者になり得るんですか。
○東村政府委員 その場合に最高責任者という方の地位とかそういう問題が問題にはなると思うのですが、およそ労働基準法でいう労働者であるならば、それはそこに働いている労働者であるということになりまするので、その中から選ばれるということはあり得ると思うんです。ただそれが基準局で推奨する形かどうかは別でございますが、法律論としてはそういうこともあり得るということでございます。
○田中(美)委員 それでは一般論でなくて、高知放送のこの浅野耀介という人ですね、まさに妖怪な人だと私思いますけれども、この妖怪な男性は従業員の代表としてなり得ますか、なり得ませんか、具体的におっしゃっていただきたい。
○東村政府委員 従来の例でございますと、工場の最高幹部みたいな人がなっていることはございます。ただ、いま御指摘の固有名詞の方が実際問題として労働基準法でいう労働者か、またはそういう方が代表になることが適当かどうかという問題、これは先ほどお話し申し上げましたとおり、現在いろいろ調査中でございますので、その中でさらに調査してまいりたい、かように考えます。
○田中(美)委員 それではいまの調査をしまして、この耀介という名前の妖怪な男性が代表になっている委任状が、委任状として正しいものであるか、過半数をとっているかどうか、その中身の問題というものを私にきちっと報告していただきたいということが一つと、この浅野耀介という男性が果たして労働者であるか代表になれる人物であるかどうかということも、結論を出して御返事いただきたいというふうに思います。よろしいですね。
○東村政府委員 そのようにいたします。
○田中(美)委員 その次は同じ高知放送ですけれども、最近放送関係というのは非常に女子が臨時で入るということが起きているわけです。これは森山さんもよく御存じだというふうに思います。憂うべき状態になってきているわけです。女子を初めから臨時という形で採用していっているわけですね。この高知放送では百七十名の臨時を含めた従業員の中で四十数名婦人がいるわけです。この婦人が男子と同じ仕事をしているにもかかわらず、賃金が三分の二だということになっているわけですね。これもどこにでもあることだとよく男性は言われます。確かに言われますけれども、どこにでもあるからというのでほっておいたのでは、いつまでたっても世の中はよくならないわけです。ですからここの高知放送の四十数名の女子がどのようになっているのかということも、私が聞きましてもなかなか調べ切れませんので、基準局の方で一体臨時というのはどういう臨時なのか、ちょうどパートというのでつい一週間だけちょっと学生を呼んできた臨時なのか、それとも臨時という名前の本採用なのか、いろいろあるわけですね。理屈は一つもないと思います。しかしこじつけた理屈で臨時というのが幾つも現実には出てきているわけですね。この四十数名の臨時というのはどういうふうであって、そして男性とどれだけの賃金の差があるか。これは私は労働組合から聞いたことです。これが事実であるかどうか、これを調査願いたいというふうに思います。そして私のところに報告をいただきたい。組合の報告と照らし合わせてみたいと思いますので、それを調査していただきたい。そして不当であるならば——当然不当だと思いますけれども、それに対して御指導を願いたいというふうに思います。よろしいでしょうか。
○東村政府委員 実態の把握調査をやりまして先生のところへ御連絡いたします。ただ基準法との関係で男女同一賃金云々となりますと法律的な問題もございますので、その辺もひとつ頭に置いて御報告はしたいと思いますから……。
○田中(美)委員 労基法四条違反があるかどうか、これをきっちり調べていただきたいと思います。 それからもう一つ、この高知放送というところは、私まあ全部の放送局知らないのですけれども、これは実に悪質なところだというふうに思うのです。と言いますのは、ここは労働組合の役員が五名解雇されているわけですね。不当解雇されて長い時間かかりまして、約十年もかかっております。これで最高裁まで行って全部勝訴しているわけですね。勝訴しているにもかかわらずこれをまだ職場に返さないのです。ですから勝訴していますので賃金だけは一応——しかしこの賃金は大抵は安いわけですよね。安いけれども賃金だけは一応払っているわけですよね、やむを得ないわけですね。しかしこれを職場に入れないわけですよ。完全掌理しているわけです。これは全部書類がありますから、もちろんそちらがお調べになればすぐわかることです。賃金だけは少ないけれども一応毎月出ているわけです。しかしボーナスとかベースアップというのは出ないわけですよ。そうすればこの物価上昇の激しいときに非常に低い賃金になるわけですね。もともとが低くされている上に低くなるわけです。それで一回一回裁判して、そのたびにボーナスのときとか裁判して何だかんだ言って取るわけですけれども、これがやはりほかの労働者と同じようにはなかなか取れないわけです。ですからこの高知放送の職員は、法的には職員であるにもかかわらず仕事はさせられないし、そして賃金格差というのはますます広がっていっているわけですね。これが一カ月、二カ月じゃないですよ、十年ですよ。生まれた赤ちゃんがもうそろそろ中学校に入ろうかという年になるくらいの間彼らはそういう状態で来ているわけですね。これを高裁の方ではあくまでも全部不当だという判決を出しているわけですからね。あとは労働省がこれをきちっと指導できるかできないかにかかってしまっているわけですね。ここまで来ているわけです。それでぜひこの人たちを職場復帰させて、そしてボーナスや何かを一々裁判しなければもらえないというふうな状態をなくすような指導をしていただきたいというふうに思います。 そしてもう一つ私が最も悪質だと言うのは、話し合っても話がなかなかうまくいかないということは見解の相違もありますから、これはまだわかります。しかし団交を全部拒否しているわけです。それは自分の方が間違っているということを御存じだから、高裁でも全部負けているわけですから、ですから話し合えば間違っているということだから、それならもう一切会わないと、全然団交を拒否しているわけですね。これでは無理を通せば道理が引っ込むということがそのまま通っているわけですよ。この状態を——係争中じゃないですよ、高裁でもうちゃんと判決が出ているのです。これを早急に解決していただきたい、こういうふうに思うのですけれども、大臣の御決意はどうでしょうか。解決できるでしょうか。
○松井説明員 実はこの件につきましては、いま先生申されましたとおり、非常に昔からの事件なんでございまして、私どもとしましても高知県に連絡いたしまして、できる限りの事実を、短時間でございましたが集めたわけでございます。 それでまず最初の組合の役員の解雇の問題、これにつきましては、先生がおっしゃいましたとおり、解雇がありまして、それでこれに対しまして地位保全の仮処分の申請をしましたところ、高知地裁でも認容、高松高裁、最高裁では会社側の抗告を棄却した、こういう経緯になっておるわけでございます。それで会社の方はそういうことで賃金相当額だけを支払って仕事につけないとか、あるいはたとえば会社の中の床屋さんでございますかそういうものも利用させないとか、そういうようなことをやっておるようでございます。これに対しまして実は高知地労委に、これではいかぬじゃないかということでもって不当労働行為ということで事件が係属いたしております。それで近くこれは審問が終わって五月ごろに結審になるのじゃないかと思われます。私どもとしましてはこの地方労働委員会の命令の出る内容も期待いたしたいわけでございますが、何分にも事実を詳細に把握いたしておりませんので、また高知県とも連絡いたしまして事実を把握しますとともに、できますことにつきましては適切な指導を行いたいと思っております。
○田中(美)委員 連絡という言葉が私はやはり気になるのですけれどもね。こんな重大な問題というのは、地球の裏側だっていま簡単に行ける時代ですよ、高知まで飛行機でぱっと飛ばせば行けるわけですよ。やはり大臣、労働省からぱっとだれかをやっていただきたいと思うのですよ。地元の基準局はあんなおかしなものを受け取るような基準局なんですからね。ですから基準局長なり何なり大臣でなくても、飛行機でぱっと行けば行けますでしょう。そうしてその会社に乗り込んで労働者の話も聞き——何か電話でぐちぐちやっておったのでは実際にはわかりはしないと思うのですよ。ですからここまで来ている問題ですから、だれか出張させて乗り込ませて、そうして事実を調べていただきたい、そしてその結果をお教えいただきたいというふうに思います。よろしいですね。
○長谷川国務大臣 私の方の役所の出先を信用しないような本省では出先の者が困りますから、一生懸命やっていること、さらにまたこういう話があるからということで、なお入念に、そして早く、しっかり調査して報告するようにやらせたい、こう思っております。
○田中(美)委員 信頼というのはやはり具体的な事実がなければ人間は信頼できないわけですね。部下を信頼するということは麗しい人情というふうには、ただ言えないわけです。実際の仕事をやってこそ初めてそこにはビジネスとしての信頼が出てくるわけです。人間としてはどういう人かわかりません。信頼していらっしゃるかもしれませんけれども、ビジネスとしては信頼できること何もないではないですか。それをただ信頼するのは、これは労働大臣の盲愛というものです。盲愛では困るので、やはりもっと厳しく、本当に信頼するならば信頼できる仕事ができるように大臣の御指導をいただいて、その結果の御報告を一日も早く私の方にいただきたいと思います。よろしいですね。
○長谷川国務大臣 そういうふうに一生懸命やります。
○田中(美)委員 時間があと一分ありますので、一分。 実はけさの毎日新聞を見ましてびっくりしたわけですけれども、二十七日のスト直後に処分ということが出ているわけです。これは新聞情報で、これだけしか私はニュースを知りません。しかし処分を出すのですか、大臣。ちょっとお聞きしたいのです。
○長谷川国務大臣 私もけさその新聞を見てびっくりしたのです。 先生のおっしゃる意味は、ストをやった者を処分するのはいかぬ、こういうふうな意味ですか。
○田中(美)委員 もちろんです。
○長谷川国務大臣 ここはやはりはっきりしておった方がいいと思うのですよ。公共企業体などの職員が法律で禁止されている争議行為を行った場合には厳重に措置をすることにしているのが従来の政府の方針で、一貫した方針です。ただ、その具体的な問題になりますと各公共企業体の当局がそれぞれの実情に応じて決定するものでして、政府としてはここで内容について言うことはちょっと差し控えさせていただきたい、こう思うのです。その新聞については私も意外でした。
○田中(美)委員 それはそれぞれのところでやるんでしょうけれども、一応大臣の管轄なんですね。 私がいま大臣にお願いしたいのは、スト権の問題というのはいろいろ論議はあると思います。ですからこの論議をしようとは思いません、これで終わりたいと思いますけれども、いまどこの国を見ましても、フランスなどでは警察官だってスト権を持っているわけですね。これが共産党の赤旗という新聞に出ましたら、大臣、これは本当に大変だったんですよ。警察官から赤旗に、本当か、どういうふうにしてつくるんだという電話がじゃんじゃん来ているわけですよね。こういうふうにいま労働者がスト権を持つということは世界の常識になっているんです。まさにマッカーサーのときにマッカーサーに取られたスト権ですね。ですから、法律があるから法律に沿ってやらなければならないというのは原則です。しかし、こんな死んだような、常識から外れたような法律というものは実際には使わないようにしていくというのが本当だし、事実そういう法律はたくさんあります。ですからそういう点で、時間がありませんので、最後に大臣に、ぜひこのような処分を大臣の力で出さないでいただきたい、これが世の中をこじらせないし、労働者を大切にしていく政府の姿勢を出すことになるんだと思いますので、これをお願いしまして、私の質問を終わります。
○竹内(黎)委員長代理 次に岡本富夫君。
○岡本委員 私は、社会的弱者、三本内閣も特に社会的公正を守るというような声明がありましたが、特に社会的に弱い方の保護、あるいはまたそういう人たちの福祉に力を入れなければならない。 そこできょうはそのうちで身体障害者の雇用促進についてお聞きしたいと思いますが、民間企業もございますけれども、まず官公庁の、三公社五現業、この政府関係機関が身体障害者の雇用促進に対して率先垂範をしなければならないと思うのですが、これについてまず大臣の御見解を聞きたいと思います。
○長谷川国務大臣 おっしゃるように身体障害者、こういう方々の雇用の問題というものは大変大事な労働省の政策の一つでございますので、法定雇用率などを決め、ある場合には雇用してもらうように事業所の方によくお願いし、ときには組合の方々にまでお願いをしてこれが推進に努めているわけでありまして、いまから先も、ことにこういうインフレで雇用不安のときにはこういう方々がなかなか大変でございますから、その職場の確保と拡大のためにいままで以上に熱心にやる、こういう姿勢でございます。
○岡本委員 これは事務担当の方からで結構ですから、三公社五現業の四十九年の身体障害者の雇用状態を発表してもらいたいと思います。
○遠藤(政)政府委員 御承知のとおり身体障害者雇用促進法によりまして政府関係機関の現業部門、いわゆる三公社五現業につきましては雇用率は一・六%ということに定められております。昭和四十九年十月現在で調査いたしますと、三公社五現業につきましては一・六%の雇用率を一応達成いたしております。その中で一部一・六%に満たないものが見られるというわけでございます。
○岡本委員 一部あると言わずに、三公社五現業のどことどこか達している、どこが達してない、これをはっきり言ったらどうですか。
○遠藤(政)政府委員 三公社五現業のうち郵政省だけが若干不足いたしておりまして、一・六に対して一・五二ということになっておりまして、その他は全部一・六%を上回っております。
○岡本委員 これはそのとおりですね。あなたの方の資料をもらいますと大蔵省造幣局は二・五二、大蔵省印刷局が二・二九、林野庁が二・二一、専売公社一・七四、日本国有鉄道が一・六六、電信電話公社は一・六三、通産省が一・七三ですか、郵政省が一・五二で達していない、百七十四人不足ということになっておりますね。 長谷川大臣、いま三公社五現業のうち郵政省が、あなたの方から指示しておる一・六、身体障害者の雇用の状況が一・六に達してない、すなわち百七十四人定数不足になっている。この身体障害者雇用促進法の十二条二項「労働大臣は、特に必要があると認めるときは、前条の計画を作成した任命権者等に対して、その適正な実施に関する事項を勧告する」という項目がありますが、私どもで調べますと、四十三年十月の雇用率改定以後未達成のまま放置されておる郵政省に対してどういうような措置をとっておるのか、これをお聞きしたいのです。
○遠藤(政)政府委員 三公社五現業の中で郵政省だけが一・六を割るような状態でございますが、私どもも郵政省に対しまして身体障害者の雇用の促進、雇い入れにつきまして御協力をお願いしておりまして、郵政省の方は御承知のように現業機関で、いわゆる内部事務につきましても立ち作業が多い、あるいは外勤につきましてはもちろん御承知のような状況にありまして、現実の問題として身体障害者の雇い入れにつきましてはいろいろむずかしい問題があるように承知いたしております。さはさりながら、四十六年の当時は一・四八%でございましたものが、郵政省当局でも非常に努力をされまして四十八年は一・五一、四十九年は先ほど申し上げましたように一・五二というように逐次改善されてまいっておりまして、先般来当委員会でも御指摘ございましたところで、郵政省の方で雇い入れ計画を具体的に作成をされて、今後一・六の達成に努力をしていただいておるように承知をいたしております。私どももできるだけの御協力をお願いしてまいっておる次第でございます。
○岡本委員 これもあなたの方から資料をもらったのですが、四十三年十月からずっと七年間も未達成ですね。いろいろ事情があるという話でありますけれども、それならば民間会社も同じことですよ。特に三公社五現業ですから政府機関でありますから、これは率先垂範をしなければならない。しかも七年間も雇用率未達成のまま放置しておる。何かあなたの方ではお願いをしておるというような話ですが、労働大臣、これはきわめて重大な問題だと思うのですね。ほかの民間会社の方にもやはりこうして達成させていくというのですから、この身体障害者雇用促進法の第十二条の二項に基づきまして郵政省に対して厳重な勧告をすべきでありますが、これについては大臣としてはどういう所信か、あるいはどうされるか、大臣の勧告権をひとつお聞きしたいと思うのです。
○長谷川国務大臣 先ほど申し上げましたように、いろいろな機会に雇用率の達成というものはお願いしているわけであります。ことにこういう委員会などで質疑応答が出ました後はなかなかいい結果が生まれる。また一方、私たちとしますと、私の方の政務次官が政務次官会議に行った場合には、特にこういう政府機関、官公庁の達成ということを特に発言をし、また郵政省の場合にもいまからこういう話が出た機会に、それぞれの事業場の内容が違うところにむずかしい問題もあるでしょうけれども、こういう時勢であるからやはり官の方が何でも先頭を切って模範を示すという姿勢でぜひやってもらいたいということでお進めしてまいり、実現に寄与したい、こう思っております。
○岡本委員 ちょうどいま非常に不況で、特にこういった心身障害者の方の就職というのは大変なときです。こういうときにおいて政務次官会議で話をするというような弱いことでは、私はいままでの七年間と同じことになると思うのです。しかも法律では大臣の勧告権があるわけです。いまこそこういった勧告権を発動して、そして郵政大臣や郵政省に対して特に社会的弱者の方を守る、これは労働省しか所管の省はないわけですね。大体百七十四名不足しております。これは大臣、そんないまのような後ろ向きなあれでは私はちょっといただけない。もう一歩進んだ答えをいただきたい。
○長谷川国務大臣 さっそく郵政大臣ともお話をしよう、こう思っております。
○岡本委員 お話しするだけでなくて勧告権を発動してくださいよ。まあ首を振っているからよろしいということでしょう。 そこで、これはことしの二月十八日の新聞ですけれども、労働省が身障者の雇用について不熱心な企業の公表をするというような発表が報道に出ておりますけれども、これはこういうようになさるのですか。
○長谷川国務大臣 岡本さんと同じような気持ちで、こういうときにこそいま勤めている心身障害者、こういう方々の職場を守ると同時に、就職の場所というものを何とかつくりたいということからいたしまして、審議会の方でも私たちが公表するということに対しての御理解もありますので、いずれ審議会にお諮りいたしまして公表する。ただしかし、公表することが目的でありませんで、そういう話をしている間にまた雇用の促進にもなる、こういうことも効果がありますので、公表は審議会の賛成を得ましていずれやりたい、こう思っております。
○岡本委員 私はこれを見まして、ぼくは商工委員会におりましたものですから余りこの方に対してわからなかったのですが、調べますと、西ドイツあたりの心身障害者の雇用促進法を見ますとちゃんと義務づけをやっておりますね。しかもその上に罰則規定まで出ていますね。人数の義務づけも戦後すぐのときは西ドイツも一〇%でした。しかしいまは六%にちょっと落ちておりますけれども、日本はこれを見ますと一・六%ですか、この一つを見ましても、日本は努力目標というようなものですね。西ドイツではそれを義務づけて、罰則規定をつけているというぐらい非常に強力なんですね。ぼくは日本の心身障害者も西ドイツの心身障害者も同じだと思うのですよ。これは相当やはりこういうような義務づけとそれから罰則規定までつけていく、これは公表だけじゃないですね、そのくらいの強い将来の方向をとられるのかどうか。これは長谷川労働大臣に期待をするところでありますが、いかがですか。
○長谷川国務大臣 ドイツのお話が出ましたが、私たちも二十年ぐらい前ですかドイツへ行って一番先にびっくりしたことは、各事業所に行きましても、あそこは戦争の惨禍がひどかったから戦傷者、こういう方々が大分使われていましたね。そういう一つの先例などもあって、いまのように心身障害者、身体障害者、こういう方々の雇用ということも非常に進んでいる。日本の場合には本当にここ数年来の問題でございますから、まさにおっしゃるとおり労働省がお世話することが一番大事だ。一方においては国民連帯の気持ちを起こさせつつ、事業所あるいは組合、そういうところにもお願いをしながら、法定雇用率を決めつつそれが実現を図っていく。それからいまから先の雇用関係については、法改正なりいろいろなことを考えながら前向きの姿勢でやってまいりたい、こう思っております。
○岡本委員 そうですか。法改正もなさるという前向きの姿勢ですね。大臣、西ドイツは戦禍があったと言いますけれども、日本も戦後の復興のために環境問題に非常に手抜きがありまして、公害対策基本法あたりでも四十二年につくっただけですから、ましてや環境問題については歴代の内閣も手の打ち方が遅い、あるいはまた薬品公害、いろいろなものが起こって現在相当心身障害者が出てきておるわけですね。ですからこれは相当強い姿勢で臨んでいただかなければ、いままでのように、ただ労働省がお世話するんだというような考えでは、この問題は将来解決しないのではないかと私は思うのです。しかしいま、将来法改正の考え方で前向きに検討する、こういう確約をいただきましたから、これはこれでおきます。 そこで、次に、電電公社来ておりますね、あなたの方で「身体障害者の方を募集します」という「電電公社職員募集」こういうパンフレットですか、これを発表しておりますけれども、これはどういうわけで、また、何を背景とした意図によるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○中林説明員 私の方で、身障者の雇用に関しましては昭和四十一年に学識経験者その他の方によります委員会をつくりまして、いろいろ御諮問申し上げ、今後の採用条件とか、そういったものについての諮問をいたしまして、これに積極的に取り組んでおるわけでありますが、身障者の雇用の問題、最近特に重要な問題となってまいっております。また、この不況の中で、この際就職なさりたいという希望も相当出てまいっておりますので、従前は、各通信局で一般の人の採用計画の際に、あわせて身障者の方もその中に含めて雇用しておったのでございますが、そういった形ではなかなか身障者の雇用の方が十分に推進できないということで、ことしからは、各通信局とも一般の雇用とは別に、身障者の方だけをある時期にひとつ雇用をしようということで、職安等の関係の機関の御協力も得て、こういった募集要領というものを、パンフレットをつくりまして募集をいたした次第でございます。
○岡本委員 そこで、募集人員は何名で、そのうち受験者が何名で、合格者はどうなったのか、ひとつその明細を知らせていただきたい。
○中林説明員 まだ完全な集計ではございませんけれども、全国的な見込みと、それから御参考に東京の分とをお答えいたしますと、全国では大体応募数が九百十二名でございまして、採用者数、これは全体的にもう少しふえると思いますけれども、いまのところ大体そういうことで、採用者予定といいますか内定の者を含めまして二百七十名、これは今度の四十九年度における状況でございます。 なお東京通信局管内のものを御参考に申し上げますと、東京は応募者が百七十六名、それに対して採用内定者が五十四名、こういうふうになっております。
○岡本委員 まず、東京都内だけでも、申し込みしたい人は、私どもが聞いたところによると六千人ぐらいいるそうですね。なぜ百七十六名しか応募者がなかったか、それを調べますと、この中に、たとえば一日七時間程度の勤務時間の中で一回の立ち作業が二時間程度可能であること、四キログラムのものを約十メートル持ち運びができること、はしごや脚立などに登りおりができ、高いところで作業ができること。これでは、重度の心身障害者も全然だめですね。これを拝見しますと、このたびの募集というのは、いままであなたの方ではこんなことはやったことはないのですけれどもね、これは初めて見たのですが、どうも、ちょっとPRみたいな、本当に心身障害者の皆さんを雇い入れて、そして労働省の示しておるところの一・六ですか、これまでやろうという姿勢ではないように見受けられるのですね。これはどのようにお考えになっているのか、これは理事に聞きましょうか。
○山本説明員 ただいまの御質問にお答えいたしますが、ここにつくりましたパンフレットは、身体障害者を募集するに際しまして、私の方はいろいろな職種がございます。この職種の仕事の内容がどんなようなものなのか、またそれに適合する最低限度の身体機能というようなものがどの程度のものか、あらかじめ応募される身体障害者の方々によく認識をしていただくといったような意味合いからつくったものでございまして、個々の採用に当たりましてこれをそのまま採用基準として合否の判定に使っておるわけではなくて、面接その他、試験に際して、個々の方々のいろいろな条件を考え、どういう職種に適するか、たとえば営業職とかいったようなデスクにおきましては、もっと緩和された条件で十分仕事ができるわけでございますから、そういった職種との適応を個々に考えながら実際の採否の判定をしていっておるというのが実態でございます。これだけを見ますと非常に酷な条件を示しておるように見えますけれども、実態はそういう状況でございます。
○岡本委員 労働省のこの方の担当の局長さんは、あなたですか。あなたはこれを初めて見たですか。電電公社の今度のこういうパンフレットといいますか、を見れば——東京都内でも約六千人も就職したいという希望者がいても、これは先ほど、応募したのが百七十六名と非常に数が少ない、これを見ただけでぴんときて、ぐにゃっとしてしまって、これは応募できないようになっておるのですね。募集要領を見ますと、身体障害者に対して非常に過酷過ぎる。いま電電公社の理事さんから聞くと、何もこれはかりでやっているのじゃないのだ、これはかりで採用しているのじゃないのだというような答弁がありましたが、それならば、これ以外に、これ以外の人も募集しますとどこを探してもない。どこを探してもそれはないのですよ。応募する方はこれだけしか見ないですね。この点について労働省はどういうように感じられますか。
○遠藤(政)政府委員 御承知のように、電電公社は、先ほどの郵政省とは違いまして、一・六%の法定雇用率はすでにもう達成いたしております。その上でさらに電電公社のこういった特殊な業務について、身体障害者の人でも業務処理可能な範囲で、身体障害者の特別募集をしようという趣旨で、こういう募集要項をつくられたわけでございます。この中のそれぞれの条項を見ますと、あるいは厳し過ぎるじゃないかという御批判もあるかもわかりませんが、私どもは身体障害者の雇用を促進していくということにつきましては、受け入れ側の方の企業の受け入れ体制を整えていただく、環境整備なり作業条件の整備なりということも もちろんこれは前提として大事なことでございますが、と同時に、就職をしよう、働こうという身体障害者の方々も、それぞれの自分の希望する職種について、たとえば事務職であればそろばんができるとか、あるいは特定の業種につきましては、その職場にふさわしい必要なだけの能力を身につけていただく、これが私どもはどうしても必要なことだ、職場に入って安定して働いていただくためにはどうしてもこの条件が必要だ、こういうふうに考えているわけでございます。 実は二、三日前も身体障害者の代表の方が見えまして、何か国の責任で職場を確保しろ、こういうお話がございました。もちろん私どもは法律なりあるいは行政指導なり措置なりによって、そういった職場の拡大、身体障害者にふさわしい職域の拡大については十分開発研究もし努力をしておるわけでございます。と同時に、身体障害者の方たちの訓練にいたしましても、いままでのようないわゆるなりわい業的な能力だけでなくて、近代産業にふさわしい能力を身につけていただく、こういうことも当然、私どもは今後重点的に考えなければならぬ問題だと思っております。 こういう際に電電公社でこういった一般の業種、職種について身体障害者に特別募集をやろう、それに必要な最小限度の条件というものを提示されている、こういうことは、私は今後の方向としては当然こうあるべきであるし、こういう職域を今後一層拡大していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。具体的に個々の条項につきまして、あるいは厳し過ぎやしないかということであれば、これはまた電電公社とも御相談しながら、こういう点はこうしていただきたい、こういう御相談はしてまいりたいと思っております。
○岡本委員 いみじくも、電電公社の方からこれ以外の方も採用しているのだというのであれば、この募集要領を見たら、ここに先ほど申しましたように条件が書いてあるわけですよ。これ以外は絶対に募集しない。これは何でもそうですわね、試験だって同じことだ。これを見ますと、非常に厳しい。すなわち身体障害者の雇用促進をいかにもやっているように見えるけれども、こういう厳しい条件が出ている。いま理事さんに聞くと、それ以外の方も採用しているのです、こういうことでしょう。それなら、そこへ一項目入れるとか、ちょっと不親切じゃないかと思うのですよ、私は。局長さんではなかなかあれでしょうから、大臣からひとつ所感を言っていただきたい。
○長谷川国務大臣 岡本さん、ぜひこれはひとつお考えいただきたいと思うのですよ。電電公社の肩を持つわけじゃありませんけれども、法定雇用率を達成しておって、さらにまたこれだけ公募もして雇ってもらうということ、私は非常にありがたく思うのです。いろいろと募集要項にあります。脚立に乗るとか、あるいは四キロのものを十メートル持つとか、そういう人はそういうところへ入るだろうし、あるいはまた電話交換をやる人はそういうものがあるだろうし、それぞれの才能に応じて職場についていく。私は思わず、五十四名が採用決定されたということでしたから、電電公社の武田という理事さんに、本当にありがとうございましたと、私の方で直接電話をかけてお礼を言ったのです。そこで、そういうことをやっていただくものが一つでもふえ、それを一つの例としてほかの方もふえてもらうということで、非常に私はありがたいという感じを持ったのです。ですから、ここで余り電電公社を怒ってもらうと、来年から、とてもじゃない、法定雇用率も片づいているのだし、委員会に引っ張り出されてやられたのではかなわぬぞというふうな気持ちを起こさせぬように、私はさっきからそういう感じを持っておりますので、ひとつ私の方でまた、電電公社にそこまでやってもらったのだから、来年はひとつほかの方でもやっていただきたいというふうなことで、内容等々については御注意のあったものを含めて、よくいまから先も相談をし、そしてほかのこういう大事な機関でもこれを一つの例としてやってもらいたい、推進してもらいたい、こう思っておる次第であります。
○岡本委員 大臣、まあ電話をかけてお礼を言ったのはよろしいけれども、もう一つ抜けてやしませんか。いまこの場所で、先ほど理事さんからこれは法定のものをオーバーしたのだからこれでよろしい、そんな労働大臣ではちょっと困る。あなたの言うこともわかりますよ。わかりますけれども、さらに身体障害者の方をもっと、働きたいという人を救っていこう、こういう考えであれば、いまの御答弁では、よくやってくれた、それで終わりだけでは、私はちょっと困る。だから、やっぱり応募要領の中に、これ以外の方も応募していただければ一まあそれぞれのいろいろな職種かあると思うのですよ。こんなに格をつけなくても、働けるところがある。それは先ほど電電公社の理事さんからお話があった。これ以外の方も雇っておりますよということですから、だからもう一つ、しかも郵政省全体としてはまだあれでしょう。その点について大臣から、いまの答弁を訂正とまでいかなくてもよろしいから、もう一つ前向きにお答えいただきたい。
○長谷川国務大臣 私は、こういうふうにして法定雇用率を達成しながらもなおかつ身障者のために職場を開放してもらう、それに対する感謝の気持ちがあるのでして、それをまたひとつさらに拡大してもらう御努力というものをそちこちにお願いしたい。これで私は満足するものじゃありません。これだけ御理解いただいたものを、電電公社にさらに拡大もしてもらうし、またほかの方々にもこれを見本にしてやってもらいたい、そういうふうな気持ちでございますから、御理解をいただきたい、こう思います。
○岡本委員 そうすると、郵政省は来ていますね。あと全然達成してないところはどこなんですか。郵政省自体で雇用率がまだ達成していないのでしょう。電電公社の方は達成しておるというのでしょう。オーバーしておるというのです。非常に低いところがある。これはどこですか。
○神山政府委員 郵政省の主たる職場は郵便局でございますが、そのほか、地方貯金局、保険局、こういうところがございます。全般を通じまして、先ほどお話がありましたような一・六%に達せず、一・五二%というふうになっておりまして、私の方としては、やはり大どころとしては郵便局でございますので、郵便局を主体に今後この雇用率を上げていくという努力をいたしたいというふうに考えております。
○岡本委員 郵便局はいまどうなっているのですか。何ぼ不足で、何%ですか。
○神山政府委員 全体として、先ほどお話がありました百七十四名となっております。この機関別の内訳は、ただいま持ち合わせておりませんが、そのうち九〇%以上が郵便局でございます。
○岡本委員 余り時間がありませんからあれですが、労働省の方でわかっておりますか、郵政省の中の内訳。
○遠藤(政)政府委員 不足分の百七十四名がどういう部署でどういうふうになっておるか、これは私どもの方では承知いたしておりません。ただ、私、別に郵政省の肩を持って弁護するわけではございませんけれども、過去十年間こういった身体障害者の雇用促進なり、あるいは十年前の炭鉱離職者の雇用、あるいは駐留軍離職者の雇用問題等につきましては、郵政省は最も率先して協力をしていただいた役所でございます。ただ、この身体障害者につきましては、先ほど来電電公社の場合にも例を引かれましたように、身体障害の度合いについていろいろ問題がございます。郵政省の場合には外勤だとか、あるいは内勤でありましてもかなり肉体的な労働が多い関係上、いままで再三再四いろいろ御相談をしながら雇用の促進に努めていただいておりますが、なかなか一挙にいかないというような事情もありまして、約〇・八だけが下回っている、こういうことで、この点につきましても、具体的に雇用の促進方について御尽力をいただいているように私どもは聞いております。 したがいまして、今後とも、どういう人たちをどういう部署に採用していただくか、具体的に郵政省と御相談をしながら一・六%の達成に私どもも努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○岡本委員 郵政省は非常に労働省に協力をして七年間も未達成なんですね。あなたの答えから見たら、一番協力してもらっておるんだというお答えで、四十三年度からずっと七年間も未達成なんですよ。ほかは皆達成しておるわけです。一番未達成のところが一番協力しているというのはちょっとおかしい御答弁じゃないかと思う。そういう弱い姿勢で——勧告権も持ちながら、労働省がそんな弱いから、それで私企業に対しては、公表したり、これはもう一万円過料です。これから法律をつくって義務づけていく。義務づけるということは、これはまた必ずその反面には担保として罰則があるわけですね。 そこまで大臣が前向きに考えておるのに、局長さんの答弁ではどうもこれは納得いかない。郵政省は一番強力に御協力いただいておりまして、七年間未達成でございますと言う。どうも話がわからぬ。
○遠藤(政)政府委員 私どもは、この七年間未達成であることを協力してもらっていると申し上げておるわけでは決してございませんで、私どものいろいろな中高年問題なり、先ほど申し上げました炭鉱離職者あるいは駐留軍離職者、こういった点も含めて御協力をいただいておりますが、残念ながら身体障害者の面についてはいまだにこういう状態で、私どもは再三再四いろいろ御相談をしながら、実績を積み上げるように努力をしておるわけでございます。 先ほど電電公社の募集要項について非常に御不満だというお話でございましたが、先ほど申し上げましたように、私どもは、通常身体障害者が入れないような職域だと考えられているものにこういうふうに新しく先例を開いていただくという意味で、電電公社の今回の募集については非常に感謝しているわけです。こういうことが実績に積み重なりまして、郵政省の場合も、身体障害者で十分仕事ができるような分野の開拓というか開発というか研究していただく、そういうことによってこの実績を確保するように今後とも努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○岡本委員 もう時間があれですから……。あなたの答弁聞いていると、郵政省の次官みたいな答えをしていますよ。あなた、労働省の少なくとも取り締まりの一番の主管の局長さんでしょう。大臣の方がまだわりに前向きや。大臣はぽこぽこかわるわけですよね。局長もかわるけれども、その職というものは変わらないわけですからね。いまのような弱い考え方ではこれは——しかもこの歴然とあらわれたのが、郵政省のどこが達成しているけれどもどこは達成してないか、ここまで調べてないんでしょう。そういうのは持ち合わせございません——職務怠慢じゃないですか、それでは。それでしかも、こうして法律の中にちゃんと身体障害者雇用促進法というのがある。勧告権まであることになっておる。けしからぬですよ、それでは。まだ文句あるんですか。
○遠藤(政)政府委員 これは雇用率は郵政省全体で一・六%ということでございまして、その内部でどこがどれだけになっている、どこがどれだけにならなければならぬということではございません。それぞれの職域なり職種によりまして、身体障害者を使える職場とそうでない職場というのがあります。したがいまして、郵政省全体で一・六%を達成してもらう、こういうことでございますので、どこの部分がどうなっているかということは、私どもの関知するところではないと申し上げるとまたおしかりを受けるかもわかりませんが、できるだけそういった身体障害者を使えるような職域、職種、作業を拡大してもらいたい、そうしてこの一・六%を少なくとも達成してもらいたい、こういうことで郵政省には私どもは働きかけてまいりたい、かように考えております。
○岡本委員 これは局長さんに言っておっても仕方がないから、大臣、やはり私企業がこうだったらこういうふうにやってもらいたい、どこかないか、こういうところまであるじゃないか、だからこうしてひとつお願いしたいんだ、また、やってもらいたい、やりなさいよ、しかも名前を公表するくらいの強い姿勢。これは郵政省の方は同じ官庁だから、そこまで関知しない、どこが達成してないのか、そこまで調べないんだということは、指導もしないということなんですよね。勧告権を活用しないということなんです。その点について私は非常に不満であるということを申し上げておきたいと思うのです。 特に、社会的弱者のこういった弱い方々が、私はこれからまだまだふえてくると思うのですよ。まことにこれは望まないことでありますけれども、食品添加物やあるいはまた環境の破壊、そうしたところから、これから相当——死産した中にも奇形児がずいぶんいますしね、こういうものの厚生省の調べを見ましても。ですから、それの受け皿としてやはりきちっと、せっかく法律もあるのですから、前向きな姿勢をとっていただきたい。いまの局長さんの答弁では全く遺憾だと私思います。 だけれども時間がありませんからこれでやめておきますが、また私はこの問題一つ食いつきますとぐうっと何年も、当選しなかったら別ですけれども、する限りはスッポンみたいに食いついて離れませんから。それだけ申し上げて終わります。
○大野委員長 大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 私は職業病に関しまして若干質問をいたします。 頸肩腕障害あるいは腰痛症について、過去にどの程度疾病認定を受けて、補償されてきたか、その実績を述べていただきたいと思います。
○東村政府委員 昭和四十六年度以降労災保険において業務上の頸肩腕ないし腰痛と認定されて休業四日以上の者について給付している件数でございますが、まず頸肩腕について申し上げますと、四十六年度百六十二件、昭和四十七年度二百十七件、昭和四十八年度三百件。腰痛の方でございますが、昭和四十六年度三千三百十二件、昭和四十七年度三千二百七十六件、昭和四十八年度四千六百四十件となっております。
○大橋(敏)委員 これは職業別にも統計されていますか。
○東村政府委員 職業別の細かいのは実はとれませんので、いまのは全体の数字でございます。
○大橋(敏)委員 私は、将来のために今後やはり職業別に統計していかれる努力が必要ではないかと思います。 そこで、最近認定基準が改正されたと聞いておるのですけれども、主な改正点は何だということと、その認定基準というものが——新認定基準ですね、従来の基準に比べてどうなったのか。どうなったのかというのは、厳しくなったのか、それとも緩和の方向になったのかということなんです。
○東村政府委員 ただいま先生のおっしゃった最近改正されたというのは頸肩腕症候群の認定基準だと思いますが、主な改正点を申し上げますと、頸肩腕症候群の定義というものが実はそれほどはっきりしておりませんので、これをはっきりさせたということ、それから認定基準の対象となる作業、これもいままでは手指作業が中心でございましたが、それを上肢作業にまで広げたということ、それから作業の態様、作業従事期間、作業量、こういうものについて一般的、抽象的に書いておったのをもう少し具体的にしたということ、さらには鑑別診断に用いられる神経及び血管圧迫テストというものの手技及び方法を例示した、こういう点が新認定基準の主な改正点でございます。 それから厳しくなったか緩くなったかというお話でございますが、今般の改正におきまして認定を厳しくするとかあるいは緩めるということではございません。新しい医学的常識に即した業務上外の認定が適正、迅速かつ全国的、斉一的に行われるようにという配慮で改定したわけでございます。
○大橋(敏)委員 新認定是準というものが従来の基準に比べて厳しくとかあるいは緩和したとかというものじゃないけれども、迅速、適切、斉一ですか、そういうことを配慮した内容に、しかも具体的に基準を示していろいろと手直しをしたということであります。 確かに認定基準というものは、私はその内容の検討も重要だと思いますけれども、やはりその対象者が迅速かつ適正に措置を受けられることが肝心だろうと思うわけです。そういう意味から今度の改正がそのような方向に進んだということでございますけれども、実際これまでは基準の内容が抽象的であるために、あるいは基準の表現が非常に理解しにくい内容であるために手間取っていたと、非常に不満の声、苦情の声が強かったわけですから、今度の改正はそういう趣旨でなされたというならば、その苦情、不満がだんだんと解消されるものと思うわけでございますが、効果の上がるような行政指導を望みたい。 そこで具体的にお尋ねするのですが、保育所の保母さんあるいは学校給食調理員の問で幼児を抱いたりあるいは重いものを運んだりするために肩や腰が非常に痛いと訴えられる、こういう人がだんだんふえてきているということでありますけれども、実は先般四十九年十一月の十五日でございますけれども、北九州市でも保育所の保母さん二人が地方公務員災害補償基金支部に申請したところが、一人の方は頸肩腕障害、もう一人の方は腰痛症としてそれぞれ公務災害認定を受けたわけでございます。またその後に給食調理員一人が認定される方針だということも聞いておりましたが、全国的に見ましてはこういう保母さんあるいは学校給食調理員などの関係者認定というものはまだきわめて少ない数であろうと思うのです。 その大きな理由が、非災害性の場合はこれまで各県、市に認定申請が出されている。そこで職業病であるという基準がつけにくいということからほとんどが却下されてきた。また地方公務員の場合は、地方公務員災害補償法によって地方公務員災害補償基金支部というものがつくられて、そこを通して申請されている。そのために基準のずれがあるからこのように遅くなるのではないか、あるいは認定の大きな壁があるのではないかということをよく聞くわけでございますが、そういう立場から今度の改正案を見た場合どのように考えられますか。
○東村政府委員 確かに御指摘のとおりいままでの認定基準というのは表現がなかなかむずかしかったりあるいは抽象的であったりしたために手間取ったというきらいはございます。そこで、ただいま御指摘のように今度判断の基準などを具体的に示しましたので、監督署としても判断が容易になった。したがって迅速、適正な認定が行われるというふうにわれわれは考えておりますし、そういうふうになると思います。 ところで御指摘の保母さんの問題でございますが、従来は業務に起因する頸肩腕症候群はキーパンチャー等の上肢作業以外の作業で発症することは一般的に乏しい、つまり保母さんなどには一般的に起こらないのだというような常識的な線があったわけでございます。御指摘の保母さんの問題については、実は新認定基準を考える場合でもいろいろ御検討を願ったわけです。しかしそういう観点から新認定基準には含めませんでしたけれども、やはりこういう作業をやっている方でもケースによっては頸肩腕ということがあり得るという判断も別途ございますので、当面は認定基準に含めませんが、保母さんの業務の特異性であるとか労働負荷等の実態に応じて個別的に判断していこうじゃないか、こういうふうに考えまして、この旨を新認定基準を施行するに当たりまして全国の関係課長会議を開いた際に保母さんについては特別に指示をいたしております。いずれにいたしましても保母さんの作業態様等、頸肩腕等の発症との関連がいろいろ問題でございますので、そういうものを今後医学的解明をさらに進めていこう、こういう姿勢でいる次第でございます。
○大橋(敏)委員 この保母さんあるいは学校給食の調理員さん、また身体障害者等のめんどうを見ている看護婦さんあるいは従業員の方々の中に、先ほど申し上げました肩や腰の痛みを訴える方が非常に多くなってきた。今度の新認定基準の中には、保母さんだとかそういう方々に対する具体的な内容はないけれども、そういうものも個々に拾っていけるような指導をしたという話で、私もその点については評価はいたしますけれども、新認定基準の中にもっと細かい指示がないということから心配をされますし、また現実問題としてそういう保母さん等の中に大変な苦しみを受けている方が多くなってきているという事実もありますので、これは大臣大きな今後の課題だと思うのです。確かに非災害性の疾病でございまして認定しにくいだろうけれども、現実にこういう方々がたくさんいるということ、それをどう拾っていくか、救済していくかということについて、最後に大臣の所見を聞いて終わりたいと思います。
○長谷川国務大臣 頸肩腕とかあるいは腰痛というもの、これはまず一番先に予防をすることが大事だ。そういう意味では体操とか、職場でみんなそういうことを指導しておりますが、やはり自分自身を先に予防的に守るという癖をつけてもらう、これが一番大事でなかろうか。その次には、いまのような話がありますとこれはやはり個別的にそれぞれよく私の方で手続をとりながら拾ってあげるといいますか、そういう措置をとるような前向きの姿勢でいかなければいかぬ、こういうふうな感じでいままでもやってまいりましたし、いまから先もやっていくつもりであります。
○大橋(敏)委員 終わります。
○大野委員長 小宮武喜君。
○小宮委員 春闘もいよいよ本番に入ってまいりまして、すでに総評、中立労連などでつくられている春闘共闘委員会では三月二十七日を第一次統一行動スト、四月八日から十一日を第二次統一行動スト、四月十五日から十八日までを第三次統一行動スト、四月の二十一日から第四次統一行動スト、五月上旬から中旬にかけては第五次統一行動ストを設定するなど、スケジュール闘争が計画されておりますが、このスケジュール闘争に対して政府としてはどういうような態度で臨むのか、まずそれを大臣から承りたい。
○長谷川国務大臣 非常に大事な御質問でございまして、春闘共闘委が計画しているストライキが予定どおり行われれば、インフレ、物価高、雇用不安、いまこういう事態であるところの国民生活への影響はきわめて大きなものがあろう、こう思います。 言うまでもなく組合の争議権は、その社会経済面への影響の大きさに十分配慮してもらって、労働者がその経済的諸要求を実現するための最後の手段として行使すべきものでありまして、いわゆる文字どおりのスケジュール闘争には問題があろうかと思うのであります。 また公務員共闘があるいは公労協関係の組合が同一時期に実力行使に入ることを予定しておりますけれども、公務員やあるいは公企体等の職員はその従事する事業の公共性にかんがみまして、一切の争議行為を禁止されているところでありまして、そのようなストライキが違法であることは明らかでもありまして、もし実力行使が行われれば、政府としては従来から再三申し上げておりますように、厳重な措置をしてこれに対処していく方針でございます。私といたしましては、本当に伝えられるストライキの影響の重大性にかんがみまして、その回避に全力を挙げる決意でおり、関係労組に対しても良識ある行動をとるように特段の自重を要請してまいりたい、こう思っております。
○小宮委員 公企体のスト権についてはいろいろ言い分はあるとしても、やはり現実には公共企業体労働者のスト権は認められておりません。したがって違法ストを行った場合は、法治国家として当然処分すべきじゃないのか、これは昨年の春闘の終結の際にも政府と春闘共闘委員会との了解事項の中にも、ストに対しては厳正に措置するものとするという一項が入っているわけです。 しかるに政府は昨年の春闘の違法ストに対する処分を今日まで一年間も処分せずに来たというのは、どういうような理由によるのか。大臣は昨年もやはり違法ストをやった場合は厳正な措置をするということをはっきり言明しながらも、この一年間放置されてきたという理由はどういうようなことですか。
○長谷川国務大臣 おっしゃるとおり、公共企業体等の職員が法律で禁止されている争議行為を行った場合には、厳正な措置をとるとしているのは、政府の従来からの一貫した方針でもありまして、各公共企業体当局はこうした政府の考えに沿って対処していると思うのであります。 ただ具体的な処分につきましては、これは処分権者であるところの各公共企業体等当局がそれぞれの実情に応じて決定するものでありまして、政府がとやかくここで申し上げることは差し控えたいと思いますが、関係当局が政府の方針に沿うて対処することを私は期待しているものであります。
○小宮委員 政府はこのストに対しては厳正に措置するという基本的態度は閣僚会議で決まっているわけですよ。しかも法律を守る政府自身がこの法律をどのように考えておるかと言いたいのですよ。そういうふうにして一年間も放置してきながら、最近、年度末になったら、急に法治国家として筋を通すとかなんとか言って、政府は処分をするようなしないようなあいまいな態度をとっておるかもしれません。私はその割り切れないところが非常に問題あると思うのですよ。そういうふうなあいまいな形でいるものだから、これはそのまま押せば凍結も可能じゃないのかというような公労協側の要求も出てくるのだと私は思うのですよ。だから、すでに現在公労協側では政府に対して処分凍結の申し入れをなされておるじゃありませんか。けさの新聞を見れば何か政府も処分する方針を固めたというような報道がされておりますが、この点は事実ですかどうですか。
○長谷川国務大臣 処分を凍結などということは一切いたさない方針です。処分はいたします。 けさの新聞につきましては、これは私が関知するところではありませんが、方針としては政府は処分をする。そうしてまたそれぞれの関係当局がそれぞれまた責任を持って政府の方針に沿うて考えてもらっていることだ、こう思っています。
○小宮委員 それでは昨年の春闘の処分は今度の年度末の三月三十一日までに処分をするというように理解していいのかどうか。その点いかがですか。
○長谷川国務大臣 処分の内容とか時期というものはそれぞれの当局のこれは責任をもってやるところでございます。
○小宮委員 それでは各当局はそういった内容については全然まだ討議されていないということですか、そういうようなことも労働大臣として把握していないということですか。こうなれば三公社五現業の当局を全部ここに一堂に連れてきて一人一人私は質問したいと思うのですが、労働大臣としてそれを知らないということは余りにも無責任じゃないですか。
○長谷川国務大臣 私といたしますと、各当局それぞれにどうこうなっているかということは、いまのところは聞いておりません。
○小宮委員 新聞報道によれば、月内にやるということは、私が予想するところは二十七日に第一回の統一行動のストライキがある、だから、その規模だとかいろいろなものを見きわめてやるかやらないかを決めるということになりはしないかということを考えるわけですが、そんなことで政府が、いつも労働大臣は——私は少なくともいまの労働大臣はやはりその点尊敬しておったけれども、昨年の春闘の場合もあなたは厳正に処置をすると言われておるのです。そういう労働大臣が自分の言った責任上もこの問題をどうするのか、少なくとも閣僚会議もあるわけでしょう、そういうような中で、各当局がやるから私は知りませんというようなことでは、労働大臣としての責任は勤まりますか、いかがですか。もう少しはっきり言ったらどうですか。
○長谷川国務大臣 小宮さんからおしかりを受けて遺憾でございますけれども、それぞれの当局が内容とかあるいはその時期の問題は、やっぱりそれぞれの独立機関の問題でございまして、私のところでいま情報なり、相談を受けるということはございません。 しかし、私は処分はやる、そうしてまたこれは政府の方針である。それに従ってそれぞれの当局は考えていることだ。これを信じるよりほかはございません。
○小宮委員 政府としては処分はやる、しかしいつやるかは、各三公社五現業の当局がいつやるのかようわからぬ、しかし、政府の方針に沿って処分することを期待する。うんうんとうなずいてどうなるんだ。 この問題は、もうすでに専売公社ではたばこの増産体制に入るということから、ことしの秋まではもう処分をしないということを当局と労働者側がすでに確約しているということまで言われておるのです。周知の事実なんです。そんなこと等があって、いま言われるようなあいまいな言葉を使われておるかどうか知りませんけれども、そういうようなことでは、労働大臣自身が昨年この委員会ではっきり答弁したことと食い違っておる。そんなことで政府が進むならば、そのことによって目先の混乱は一時的には回避したとしても、やはり根本的な労使の正常な関係は改善されないと私は思うのですよ。そんなことで、労働省が各当局に任せて、各当局がやるかやらぬか、やらぬかもしれませんという言葉にもつながってくるわけでしょう。そんなことでどうなるかと私は言いたいんです。 しかし、労働大臣とそればかりやっておったんでは時間がかかるので、先に進みますけれども、いずれにしても、一時的には処分したことによって混乱が起きたとしても、こんなことはただ一時的な混乱を回避するだけで、目先の問題だけにとらわれてこの問題をあいまいにすることによって、将来の労働運動のあり方というものはさらにゆがめられていく。同じことを毎年毎年繰り返しておるんじゃないですか、十年一日のごとく。労使の正常なあり方を指導すべき立場にある労働大臣として、そんなことでは全く私は大臣に対して遺憾の意を表する。あなたは私に遺憾の意を表したけれども、私はあなたに遺憾の意を表したいと思う。ひとつその点は十分考えてもらいたい。そうでなければ、私はこの次は各三公社五現業当局全部をここに一堂に呼んで、この問題、各当局者の一人一人に考えを聞きますから。したがって、一応処分が出る、処分が出ると、今度は抗議のストライキが行われる。毎年毎年同じことでしょう。それで困るのは国民なんですよ。昨年の春闘終結の際、了解事項の中で厳正に措置するという一項が入っておることは労働組合側も承知のはずなんです。にもかかわらず、処分凍結問題の申し出があった。それで処分をするならストライキをやるぞという圧力、力の対決をやっている。こういうようなことでは、労使の関係というものは決して好転するものではないんだ。お互いに遵法の精神にのっとって、お互いに信頼し合ってこそ、労使の正常な関係は生まれる。それを皆さん方自身が、ただ目先の問題、目先の混乱だけにとらわれてそんな姿勢をとるなら大変だと思うのですが、しかし、この問題はそれとしまして、また後でやります。 それでは、いつも同じようにスト権の問題が労働者の基本権の問題として問題になってくるわけですが、このスト権の問題を討議している政府の公企体等閣僚協議会は、いつごろスト権についての結論を出すのか。その点、いかがですか。
○細野政府委員 公共企業体等閣僚協議会の委託を受けまして、専門委員の懇談会におきまして、基本権問題について、当事者能力とか経営形態の問題と並行しながら現在鋭意進める、こういうたてまえに実はなっておるわけでございます。現在までのところは、月二回というふうな形でかなり長時間にわたって、総数としましても十三回にわたりまして熱心な御討議をいただいておるわけでございます。検討の進め方につきましては、公制審の答申の中で、先ほど申しましたけれども、「争議権の問題を解決するため、前述の当事者能力の強化の検討とあいまって、三公社五現業等のあるべき性格について、立法上および行政上の抜本的検討を加えるものとする。」、こういうふうな答申でございますので、この趣旨に沿いまして、争議権の問題と当事者能力、経営形態の問題、これをやっておるわけでございます。 スケジュールとしましては、所管官庁とか三公社等の当局、組合、それぞれの御意見を前段の当事者能力あるいは経営形態の問題について伺ってまいりまして、これを三月末に終わりまして、三月後半から基本権の問題に入る、こういうことでございます。結論は本年の秋ごろまでに出したい、こういう方針で政府として臨んでおるわけでございまして、そういうふうに結論が出ることを期待をしているという状況でございます。
○小宮委員 それではことしの秋までには結論が出るということをここで確約しますね。そうしないと、いままでも、どうも私が見ている限りでは故意に引き延ばしているような感じもするけれども、それはことしの秋までには必ず結論を出すということを確約していいのですね。大臣、どうですか。
○長谷川国務大臣 先生の御心配のように、ストと処分の悪循環、これは国民生活に非常に悪影響がありますし、また法治国家としてまずいことであります。そこでこのスト権の、いま閣僚協でやっておるそれを、秋までには必ず正しい労使慣行をつくるために、公制審では八年もかかりましたけれども、出してもらうように私も努力をしたい、こう思います。
○小宮委員 大臣は、ことしの春闘について、あらゆる会合だとか場所に行って、節度ある賃金をということを常に言われておりますけれども、この節度ある賃金というのは大体何%までが節度ある賃金で、何%以上になれば節度のない賃金というように考えておられるのですか。ひとつ大臣の腹を聞きたい。
○長谷川国務大臣 私がいろいろな会合に行って申し上げておりますことは、何といたしましても、去年までは高度経済成長、一〇%以上の成長、ことしはマイナス一・七%でございます。そのときに、いままでのように前年プラスアルファというような形で一体いくだろうかどうだろうか。こういうことからしますと、それぞれがやはり心の中にお考えいただくこと、国民経済を破綻させない意味でやるべきじゃなかろうか。これは先生御承知のとおり、賃金交渉には政府は介入いたしませんから、私は日本人の英知をもってして、経営者もあるいは組合の諸君も円満な交渉の中に日本経済を破綻させないで、いまから低成長の中にお互いの内容を充実さしていくという形でお願いしたいということを申し上げておるものでありまして、そのために必要なコンセンサスの場とかあるいは環境の場とかいうものをつくって、やはり話し合うことが大事ですから、そういう意味では労をいとわないでやっているつもりでございます。
○小宮委員 大臣が言われている節度ある賃上げというのは、お互いに話し合って、お互いで良識的に決めてくださいという単なるこれだけですか。そうですが。 それでは次に移りますが、この不況化で雇用情勢が非常に悪化してまいっておりますが、完全失業者が二月末で幾らになりますか。また今後の見通しについてどうか。この点お伺いします。
○遠藤(政)政府委員 一月の完全失業者が九十九万というのが総理府の労働力調査で発表になりました。二月分の調査はまだ来月になりませんと公表されませんので、どのくらいになりますか、はっきりしたことは申し上げかねますが、実は十二月の完全失業者が八十三万、その際に総理府統計局から一月は百六万、三月は百二十七万になるであろうという予測的な数値が発表されました。この公表に対していろいろ物議を醸しましたが、私どもは、当時、一月、二月、失業者がふえるであろうことは予想できますけれども、そういった数字を下回るであろうということも予測として申し上げてまいりましたし、また、そのためにあらゆる努力をしてまいりたい、こういうことを申し上げてまいったわけでございますが、幸いにも一月がそういった予測をかなり下回って九十九万でとまったということは、私どもとしては、そういったいろいろな施策が着実に効果を上げてきたものではなかろうか、こういうふうに考えております。
○小宮委員 総理府との問題についてはわかりましたけれども、きょうはもう三月のちょうど中旬ですよ。それに、ぼくはいつも奇妙に思うのは、その統計数字が全部一月末ということをいまも答弁された。いまは三月の中旬です。こういうような雇用情勢が非常に激動しておるとき、一月末の数字を持ってきてこうでありますと言ったって、もうすでに現実とその数字との食い違いが出てくるわけです。だから、一カ月半なり二カ月後にしかその月の本当の失業者がどれだけあるのかということがつかめないようでは、やはり労働行政をやる上において問題がありはしないか。それは普通の状態の場合はそれはそれとしてわかるにしても、こういうように雇用情勢が非常に激変しておるときは、やはり少なくとも、もう今月の中旬であれば二月末ぐらいの資料が集まるぐらいにしないと、ただ従来の機構の中、仕組みの中で数字を出して、いや、これはまだ一月末の数字でございますと言ったって、やはりなかなかわれわれはぴんときませんよ。 だから、そういうような意味では、三月の中旬で三月のきのうまでのことを言えと言ったってこれは無理でしょうけれども、少なくとも二月末ぐらいの数字は、荒数字でも結構ですが一応つかんで、ひとつ二月末はこうですよというぐらいの答弁がなければ——だから私は二月末で数字を言ったわけですよ。いま局長の答弁は一月末の数字を言ったわけですね。 だから、そういうような意味で、統計のとり方についても、われわれが今月はどうなんだ、来月はどうかと言う場合に、やはりもっと敏速に数字をつかんで、はい、こうですと言えるぐらいの数字を示してもらいたいと思うのですが、それについて、やはり統計作業のあり方についてもひとつ検討して、できるだけ近い時期の数字をわれわれの質問に対しては答えていただくようにしてもらいたいと思うのですが、そんなことはできますか。
○遠藤(政)政府委員 いま小宮先生から、完全失業者はどうだというお尋ねでございましたので、完全失業者の数字は、総理府の労働力調査しかデータはございません。これは総理府の統計局で統計調査をいたしております。その数字をお答えいたしたわけでございます。 その完全失業者がどうだこうだということは、前々からいろいろ御議論のあるところでございますが、私どもは、雇用対策、失業問題に対する対策をいろいろやります場合に、この総理府の労働力調査による完全失業者を対象にして考えておりません。私どもの末端六百の安定所で現実に業務を行っておりまして、この業務統計に出てきました数字によって、私どもは、政策を立案し、行政を執行しているわけでございます。したがいまして、いままさにお説のとおりでございまして、こういう緊急な失業情勢の中で、二月の数字を私どもは把握しながら、それによって行政を進めておるわけでございます。
○小宮委員 確かに、統計数字のとり方がまたいろいろ問題がありますけれども、それはもう申しません。 それでは、現在失業保険の受給者は二月末で幾らになっていますか、また今後の見通しについて。
○遠藤(政)政府委員 一月末の失業保険の受給実員が、この前御報告申し上げましたように、九十万五千でございます。それが、二月末の受給実員が九十八万九千になっております。それできょうは三月十九日でございますから、実は三、四日前に速報値が出てまいりました。大体二週間から半月すれば前月末の数字が私どもで把握できるようになっております。それで一月九十万、二月九十八万九千、約八万ふえております。これは私ども前々から失業情勢の推移について御説明、御報告申し上げております大体の予想がそのまま適合いたしております。新規発生は大体横ばいということで、一応鈍化してきております。 ただ、前々から御指摘ございましたように、中高年齢者の失業者等につきまして、いままでの高度成長時代みたいに短期間に吸収、再就職ということがむずかしくなってきております。したがって、そういう離職者、失業者の累積という問題が今後大きな問題になっております。したがいまして、一月、二月の受給者の八万増というのは当然の傾向であると同時に、そういった失業の深刻化を最小限に食いとめ得た結果だ、私どもはかように考えております。
○小宮委員 さきの臨時国会の雇用保険法が四月一日から施行されるわけですが、この雇用保険法で失業保険金の給付率が一定水準を超えた場合は保険金の支給を全国一律に九十日分だけ延長しようという、全国一律延長給付の発動の問題も、やはり問題になってくると思うのです。したがって全国一律延長給付を発動するのは、失業保険の受給率が何%を超えた場合に発動するのか、その点ここでひとつ御答弁を願っておきます。
○遠藤(政)政府委員 雇用保険法案を御審議いただきます過程におきまして、この全国一律延長の発動基準としては五%程度ということで御説明申し上げておりましたが、法律が成立いたしまして中央職業安定審議会におきましてこの基準を定めます際に、五%では現実のこういった失業状態に対して適合しないのではないか、せっかくこういう全国一律延長というような制度が設けられても、実際には空振りということになりかねない、もっと現実に即した基準を決めるべきである、こういう三者一致した御意見がございました。先般政令を公布いたしまして四%ということにいたしております。
○小宮委員 一般的に延長給付制度を実施する場合、これはいままでの不況から景気政策に転換する場合の一つの指標とされておるわけですが、今回の場合失業保険の受給率四%というのは、四%になった場合は、政府としても景気政策に転換をするというふうに理解していいかどうか、これは大臣どうですか。
○長谷川国務大臣 失業率四%になったときに景気転換ということじゃなくて、それも一つの考え方でございましょうけれども、私たちは総需要の抑制をしながらインフレーションを抑えていく、これは大問題でございます。これはもうみんなでやらなければならない。幸いにいたしまして、卸売物価あるいは消費者物価は御案内のように大分鎮静化してきて、三月末に一五%以内におさまるという姿になっております。 そしてその間においてもやはり中小企業とかいろいろな問題の融資などをやりつつ、あるいは地方の学校、保育所、そういうふうな建築あるいは個人住宅の問題等々やりつつ、一方においてはそういうふうな需要の緩和というものをやっておりまして、あわせながら本当にきめ細かくやっていくという姿ではなかろうか。 そして何といたしましても、やはりインフレーションを抑えて物価を安定させるところに初めて、勤労者がもらって帰る金が奥さんに渡って、その奥さんが毎日物価が上がっていくんじゃないという安心感の中に初めて経済の充実なり生活の安定というものが生まれるんじゃないか、ここをひとつ一生懸命やっていくという中における内容の充実というところをお考えいただきたい、私はこう思います。
○小宮委員 それでは失業保険の受給率四%というのは政策転換の意味ではないというふうに考えていいですね。 それから、今日こういうような雇用の問題が非常に悪化して大きな社会問題になりつつありますが、そうかといって、やはり従来のような雇用の拡大をまだ大幅に望めないということも私は事実だと思うのです。そこで労働省としては第二期雇用対策基本計画というのを高度経済成長時代につくっておるわけですが、こういった低成長時代に入った今日、やはり改めてこの雇用対策を策定すべきじゃないのかということを考えるわけですが、大臣その点いかがですか。
○長谷川国務大臣 数年前の繊維不況のときなどはやはり高度経済成長のバネがありましたから、落ち込んでもV字型にがっとすぐ上がったわけです、予想より早く。しかしこれは世界がさま変わりでございます。日本もさま変わりです。でありますから、仮に、ことしはマイナス一・七%のマイナス成長率です、これを来年度は四・三%の成長率に持っていこう。だから、これをなべ底景気というのですかね、なべ底の、だんだん上がり方が従来と違ってきた。 そこで、いまあなたのおっしゃるように従来は高度経済成長に、勤労者がその経済成長に見合ってつられて就職した。しかしながら今度はずっとなめらかな成長でございますから、人間を中心にしたような経済構造というものがやはり自然に生まれなければいかぬ。と申しますれば、まさに先生のおっしゃったように、私の方では雇用問題というものを新しくやはり審議会等々で見直していかなければならぬ、こういうことで内々いま研究を始めておるところでございまして、そういう意味でのひとつお考えなどについてこの委員会の皆さん方からのお知恵などもおかりできるならば幸いだと思います。
○小宮委員 それでは次に移ります。 組織労働者の労働組合費は平均幾らになっていますか。これは労働省答弁してください。
○細野政府委員 組合費でございますか。(小宮委員「組合費」と呼ぶ)組合員一人当たりの平均組合費でございますが、昭和四十六年の労働組合基本調査結果によりますと、同年六月分におきまして八百四十二円というふうになっております。
○小宮委員 四十六年ですか。間違いじゃないですか。どうして四十六年の、四年ぐらい前の資料しかないのですか。
○細野政府委員 実情を申し上げますと、労働組合側にも、組合費の調査をするのであれば基本調査に協力しないというような、そういうふうな点もございまして、その後そういういろんな事情もございまして四十七年以降は組合費の調査を実は外しているというのが実情でございます。
○小宮委員 労働省は労働組合がどれだけの組合費を徴収しておるか知る必要もないし、余りそういうことをやると労働組合を刺激するという配慮があってかしれぬが、四十六年の資料ではこれは問題になりませんね。しかしそれはそれとして結構です。 大蔵省、労働者の労働組合費というのは、いわゆる組織ができればこれは組合費は必ず納めなければいかぬわけです。そうしますと、私はこの組合費は労働者の必要経費として非課税扱いにしてもいいんじゃないかと思うのですが、大蔵省はどのような見解を持っておられるか、ひとつお聞きします。
○福田説明員 税制の仕組みからまず、御承知かと思いますけれども……(小宮委員「簡単でいいですよ」と呼ぶ)簡単に申します。 給与所得控除というのがございます。これは普通の基礎控除それから配偶者それから扶養控除等と別に、勤労者の場合には給与所得控除がございます。これを含めまして勤労者夫婦子二人で百八十三万ということになるのですが、給与所得控除自体は五十万最低保障しておるわけです。下の方は四〇%から逓減しまして一〇%までになるわけですが、こういう形で給与所得の場合には、まあ勤労者の場合ですが、考えられた措置があるわけです。 一方、経費を引くか引かないかという問題はまた別途の問題でしょうが、この経費を引く、この経費を引かないというふうな仕組みはとっておりません。いまのような基礎控除等のほかに給与所得控除でやるという仕組みでございます。ただ医療費とか雑損というように生計に食い込む、マイナスになるというような担税力の減殺要因だけはその実額で引いておるわけです。しかしそれ以外の経費を実際の経費で引くという仕組みをとっておりませんので、仮に経費であるという御議論がございましても、いまの税制の仕組みかち申しますと、これを特別に取り出しましてある控除にするとかいうことは考えられません。
○小宮委員 これは労働者の必要経費かどうかということを論議していけば、なかなかむずかしい問題であるわけです。しかし大蔵省の答弁されるように、これは所得控除額の中に入っておるのだ、今度上げようとしておるのは百八十三万ですが、百八十三万に入っておりますという根拠もないわけですよ。ただ結果的に私が質問をするから、それはなるたけそういうようにしたくないから、こちらの方に入っておりますということが言えるだけの話で、何もあそこの中に組合費は必要経費と認めて控除しますということは何にもない、必要経費の中には。だからその意味では、これは必要経費だということがどうか、必要経費であるかないかということを論議すればまた問題が大きくなりますから申しませんが、少なくとも現行では社会保険料だとか生命保険料あたりも控除の対象になっているわけです。こういうような場合、労働組合員の組合費ぐらいは非課税措置にしても罰は当たらぬのじゃないか。理由は、税はいつも公平でなければならぬということをいろいろ言われている。三木さんも社会の不公正是正ということを言われておる。しかしいま言われるように、医師会の優遇の問題にしても、たとえば税金でもトーゴーサンとかクロヨンとあるように、勤労者からは所得税を給与所得から一〇〇%間違いなしにこれはふんだくるわけですよ。それでいまの勤労者は非常に、税金を少し安くしなさいという運動をやっておるし、預金に対する目減りの訴訟までやられておる。こういうような中で、大蔵省も余りいままでのような——あなたは首相じゃないかもわからぬよ、あなたはやはり大臣じゃないのだから。少しは政治的に物事を考えてもらわなければいかぬところもあるのですが、まあ首相じゃないとして、やはりこの労働組合費の非課税の問題についてはかなりいまあちらこちらで声が出てまいっておるわけです。だからこれは私は少なくとも大蔵省は、検討に値する問題でございますというぐらいの答弁をするかと思ったら、木で鼻をくくったような答え方をするものだからちょっとむかむかするのだが、少なくとも労働組合費についてたとえば非課税にした場合に国の歳入にどれだけの影響があると思うのですか。
○福田説明員 税収自体への影響はいま数字を持ちませんが、先ほど御答弁ございました一人頭の組合費の負担が八百何十円というような数字を考えました場合、これは微々たるものと思いますし、われわれは税収の面での問題よりも税制の仕組みの方を、申し上げにくいのですがそういう形で考えますので、むしろこういうものは組織労働の問題であれば、この減税の問題よりも労働者の意識とか労働行政の問題であって、税制の方でそこをめんどう見るということは、ほかのいろいろな控除がございます、たとえば学者は勉強するから本代を引けとか、それから医者は研修するから研修費を引けと、いろいろな職種体系によっていろいろ事情がございます。こういうものを引かないで一律に給与所得控除等でやっております。 ちょっと誤解がないように申し上げますが、組合費が経費であるということを私は前提にしておりません。むしろ所得の処分であるかと思うのです。そういう点はいま議論する気はございませんが、いまの制度で組合費を特別に控除するという気はございません。
○小宮委員 いろいろ皆さん方理屈をつけられるのだけれども、そういうようないまの税体系の問題にしたって人間がつくったもので、永久不変のものじゃないわけだ。やる気があればできるわけです。やろうとする気がないから、そういうような御答弁をするわけです。 しかしそれはいいとして、勤労者の預貯金に対する利子非課説の限度額は現行大体財形の場合五百万円までだけれども、一般預貯金の場合は三百万になっているわけですね。ところが今度の税制改正で退職金については三十年勤続で一千万までは非課税になったわけですね。すると、やはり勤労者は退職金を一千万、仮にもらったとしても、これを銀行かどこかに預けるとする。そういった場合に、皆さん方は分散して預ければいいじゃないかという論法が出てくるのですが、やはり勤労者が三十年も四十年も働いて自分の退職金をもらった、その退職金を銀行に預けたとした場合、少なくともこの勤労者の預貯金に対してまで利子課税を三百万円以上をするというのは余りにも酷じゃないのかという考えもあるものですから、そういうような意味では、一千万円までは非課税だから、利子非課税もひとつ一千万円ぐらいまで退職金に限ってはできぬかどうか、どうですか。
○福田説明員 三百万円というのは、通常の銀行等の少額の貯蓄非課税限度が三百万。これは百五十万から三百万に四十九年に上がったわけですね。あと別枠の国債で、これが百万から三百万に上がっています。それから、財形の方はお年寄りは退職されてからはちょっとオミットした方がいいと思うのですが、あと郵貯の場合が百五十万から三百万までに上げていますから、九百万がマル優といいますか、税金がかからない。一千万だとあと百万という問題になると思うのですが、一方、六十五歳以上は老年者控除というのがございますけれども、六十五歳以上にならない退職してからの問題としましても基礎控除、配遇者控除等がございます。それで五十二万になります。それから六十五歳以上になればさらに二十万くっつきますから七十二万。これで金利を割り戻しますと、六十五歳未満であれば約七百四十万ぐらいになります。それから六十五歳を出れば約一千万になりますから、いまのマル優をお使いになって、さらにプラス一千万ないし七百万は利息が課税にならないということでございます。以上です。
○小宮委員 マル優の問題はわかっておるけれども、それはマル優を利用するにしても、家族が四人も五人もおる、そういうような人はマル優を利用すればいいじゃないかという論法が出てくるわけです。しかし本来大蔵省はそういうようなことを言うべき筋合いじゃないと思うのです。というのは、そういうようなマル優をできるだけ利用して、たとえば子供がおる、その子供に全部分散して二百万なら二百万預けるとか三百万預ければいいじゃないかというようなことにもなるけれども、本来そういうことを大蔵省が指導し奨励すべきものじゃない。本来の姿としてはやはり利子非課税三百万なら三百万をひとつ一千万ぐらいに上げて、それで、勤労者というのは長年自分が働いてきた退職金はあちらこちらに分散するという心理的なことは余り好まないのです。やはり一カ所に集めておって、それを後生大事に見守っていく。それも労働大臣が努力されて、もう厚生年金でも十万やりますよというようになれば別だけれども、まだまだ社会保障が完備していない今日では、退職金というのは老後の生活保障の大きな財源なんです。そういうような意味において、大蔵省の考え方は大体わかりましたが、しかし福祉という問題について大蔵省の頭も少し切りかえてもらわぬと、まあ国年をやる場合は大蔵省に一応また来てもらいますから、そのときやりますけれども……。 もう時間がございませんから、最後に一つだけ。定年退職者が、まあ一千万なら一千万退職金をもらいます、民間の平均は大体一千万ですから。そうしました場合に、退職金に対する非課税は一千万まででいいわけですが、会社をやめてから、それが翌年地方税にかかってくる。だから、地方税がものすごく高くなる。退職して収入がなくなってから市民税とかに大きくかかってくる。これでみんな非常に困っておるのですよ。たとえば中小企業に仮に働いたとしても、そこで少ない収入の中にこれがひっかかってくるということで困っておるのだが、大体大蔵省にしても労働省にしても、労働者を大事にしておらぬよ。大事にしようと考えておらぬ。これは、国年の場合ぼくは徹底的にやるけれども、ひとつ自治省、この問題について、まあ退職金もせっかく大蔵省も張り込んで一千万まで非課税にしたんだから、やはり住民税がかからないように、退職金については一千万円までは非課税にするということを自治省としてもひとつ検討してもらいたいと思うが、自治省の見解はどうですか。
○栗田説明員 住民税につきましては、四十一年に実は現年課税にいたしまして、退職された時点で住民税を分離をすることに改めております。恐らく先生の言われましたのは、退職した翌年に住民税がかかるわけですが、その場合は退職するまでの給与分がかかってまいりますので、その分についてはおっしゃるような問題もごもっともだと思いますが、これは今後とも研究していかなければならぬ、こういうぐあいに考えております。 それから退職所得につきましての退職所得控除額は所得税と合わせておりますので、三十年の場合、ことしの改正でやはり一千万になるということでございます。
○小宮委員 まあせめて一千万とは言わぬでも、退職金の中で、たとえば退職金の半額なら半額でもやはり住民税についても非課税の対象にするとか、そういうような問題もやはり自治省としても考えていただかないと、どうも私もいろいろ問題にぶつかってみると、本当に勤労者に対しては取れるだけ取れ、しぼれるだけしぼれというのが大体政府の姿勢だと思うのです。だから、こういうようなことをするから労使関係がうまくいかぬのはあたりまえの話であって、その点、自治省も十分検討していただくように要望申し上げまして、私の質問を終わります。
○菅波委員長代理 次回は明二十日木曜日、午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十八分散会