災害対策特別委員会災害対策の基本問題に関する小委員会 第3号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/17
会議録
○高鳥小委員長 これより会議を開きます。 災害対策の基本問題に関する件について調査を進めます。 当小委員会におきましては、最近の災害の複雑かつ多様化の実態を考慮し、災害救助が適切に行われるよう災害救助法の運用について、その改善に取り組むこととし、今日まで行政当局から災害救助法及び同法施行令、同規則等について説明を聴取したのを初めとして、地方自治体の第一線において救助活動に直接携わっております各県の担当課長に参考人として出席願い、意見を聞くなどして、運用の実態把握に努めるとともに、数回にわたる懇談会を聞いて改善事項等について検討を進めてまいったのでありますが、季節的にも雨季に入り、集中豪雨あるいは山崩れ等の災害が心配される時期でありますので、この際、応急救助に必要な事項の改善策について、現在までの検討によって得られました小委員会における意見の大要を取りまとめ、これを一応の結論として本委員会に報告いたしたいと存じます。 それでは、報告案の内容を朗読いたします。 政府に対し、災害救助法の運用に関して、改善を要する事項として、次のとおり指摘する。 一、災害救助法の適用範囲の拡大並びに認定基準の改訂 一、応急仮設住宅の規模、構造の改善並びに限度額の引上げ 一、炊き出し、その他による食品給与費の限度額の引上げ 一、飲料水供給費の限度額の引上げ 一、被服、寝具、その他生活必需品、学用品等の給与総額の弾力的運用並びに学用品の給与範囲の拡大 一、埋葬費の引上げ 一、死体処理費の限度額の引上げ 一、障害物除去費の限度額の引上げ並びに対象者の範囲拡大 一、施行令第十条第一号から第四号までに規定する者に対する実費弁償に要する費用の限度額の引上げ 以上であります。 —————————————
○高鳥小委員長 お諮りいたします。 ただいま朗読いたしました報告案について、委員会において報告いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥小委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 つきましては、委員会におきまして、私から本件に関する小委員会における審議の経過と、ただいま御決定の一応の結論を報告し、委員会において、しかるべく措置を講じられるよういたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥小委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、先般の懇談会におきまして御協議いただきましたとおり、立法事項につきましては、今後も検討を進めてまいりたいと存じますので、小委員各位の御協力をお願いいたします。 —————————————
○高鳥小委員長 この際、発言を求められております。これを許します。兒玉末男君。
○兒玉小委員 ただいま小委員長から御報告もございましたが、法律制定以来、すでに三十年を経過している災害救助法につきましては、いままでの小委員会における論議を通じまして、御指摘のありました九項目等については、その運用についても万全の対策を講ずべきであることは論をまたないところであります。 私は、日本社会党を代表しまして、この論議されました問題点を中心とし、しかも本法が制定されました昭和二十二年八月十一日における第一国会におけるところの厚生委員会における提案理由の説明なりその論議の過程を通じましても、旧法の罹災救助基金法等の抜本的な改革を中心としまして、本救助法の第一条にその目的が明記をされておりますように、「この法律は、災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とする。」この第一条の目的に明らかにされておりますように、戦後三十数年の災害の経過を見ましても、被災者はもとより、関係の市町村、団体等が、いわゆる財政面におけるところの負担というものも、はかり知れないところの巨額に達しておるわけでございます。 もとより、災害には不可抗力的な要素もあり、あるいは人的要因によるものもあるわけでございまするが、今日の状況は、いわゆる列島改造等の計画に基づくところのいわゆる開発行為、あるいはオーバー的な開発行為がもたらすところの災害発生ということが各所に指摘をされている現状であります。この現状から考え、しかも本小委員会でいろいろと指摘をされ、あるいは関係の地方自治体、県等からの要望事項にもありますように、やはり今日の地方財政の問題を含めまして、この法律の最も主要な部分でございますところの災害救助費の国庫負担ということはきわめて重大な比重を占めておるわけであります。 この点につきましては、特に現行の場合におきましては、県、自治体等が要望され、あるいはまた本小委員会でも九つの項目にわたりまして指摘をされておりまするように、問題は、災害発生の原因あるいは救助活動あるいはこれに関連するところの財政負担は、いかにあるべきかが根本的に検討されなければなりません、われわれの理想としましては、このような災害に関するところの諸経費というものは、全額国がめんどうを見るのが当然ではないかと私は指摘したいわけでございますが、現実的には、法律の関係もあり、やはりできる限り国の負担率を高めるということが、私は本来災害救助法の使命ではないかと考えるわけでございます。 かかる見地にたちまして、法的に改善すべき問題点は多々あるわけでございますが、この際は、やはり災害救助法第三十六条の国庫負担率の内容というものを検討し、県、自治体等が主張しておりますように、少なくとも第一号の普通税収入見込み額の百分の二以下の部分については、最低これを百分の八十以上に私は法律の改正を強く要望するわけでございます。 その理由につきましては、いままでの三十数年の経過を踏まえ、また今日の災害発生の現状を考えながら、しかも今日の物価上昇なり、あるいは国民が災害に対応する立場から考えましても、やはりこの際、負担率の改定は当然の帰結じゃないか。 第二は、負担率の決定に当たりまして、地方公共団体の財政力に対応するところの補助率の決定ということに大きな問題があるわけでございますから、以上の立場を十分配慮しまして、この際、国庫負担率の大幅な改正を強く要望申し上げ、社会党を代表しての御意見にかえる次第であります。 なお、最後に、要望としまして、いま御調査をいただいたわけでございまするが、日本赤十字社の所有の救急自動車に対しましては非課税の対象になっておるやに聞いておりまするが、いわゆる地方自治体にある消防自動車等についても、当然このような措置が講じられてしかるべきではないか、このように考えますので、この際、要望として申し上げて、意見の開陳を終わりたいと存じます。
○高鳥小委員長 次に、柴田睦夫君。
○柴田(睦)小委員 小委員長が、ただいま御報告なさいました案文につきましては、救助の実際について改善を求めるというものでありまして、その実現を希望し、賛成の意を表するものであります。 救助法につきましては、いままでの経過にかんがみて、日本共産党・革新共同では、この法律の改正を行うべき点があると考えています。 その点について申し上げますと、第一に、この救助法が政令で定める程度の災害のみに発動されることになっていて、厳しい適用条件を設けているということです。これでは、同じ被災者でありながら災害救助の面で差別し、選別される結果になります。去年の台風第八号による水害で兵庫県下に多くの被害が出ましたが、赤穂市では本法が発動されたのに、隣の相生市では五十世帯が滅失したにもかかわらず、適用基準に合わないというので本法は発動されませんでした。狛江市の場合も二十九世帯の家屋が流失し、五千名に避難命令が発せられましたが、本法は適用されませんでした。 第二番目に、救助の種類、対象が狭く、救助の内容がきわめて不十分で、現実から大きくかけ離れているという点であります。たとえば屎尿くみ取り、清掃、消毒、畳、建具、家具の除去、託児、保育などは被災者がいつも苦労する問題であるのに、本法で定められた救助の種類には含まれておりません。救助の内容については、炊き出し費用一人一日当たり三百五円以内、応急仮設住宅建設費一世帯当たり四十七万八千円以内、住宅の応急修理費十一万四千四百円以内というように、被災者の健康で文化的な生活を維持するには、ほど遠い内容になっています。しかも適用条件が厳しく、たとえば応急仮設住宅は全壊戸数の三割以内の戸数にだけ適用され、実質上多額の修理費がかかる床上浸水家屋には応急修理費が適用されないなど、被災者の実情からはかけ離れたものとなっております。 第三番目に、現行法では、命令によって救助に協力させられた者、自発的に救助活動に従事した者及び団体には実費弁償の規定がないことです。命令による場合はもちろん、自発的に災害救助に協力した場合にも、協力者に実費を弁償することは当然です。去年の参議院選挙のときの伊勢水害でも、自発的な協力者は被災者に大変喜ばれる活動をしましたが、トラックを自前で調達したり、医療団体や婦人団体が医療や託児に相当の出費をしています。しかし、これに対しては何らの補償もされていません。 第四番目に、救助費用に対する国庫負担の率が低いことです。法第一条で、災害救助は国が行うとしていながら、国庫負担は被害の程度に応じて百分の五十ないし百分の九十となっています。被災都道府県は復旧事業など、他に多大な費用負担を強いられるのが普通ですから、国庫負担を大幅に増額し、自治体の負担は極力抑えるようにしなければならないと考えております。 こういう考え方に立ちまして、災害救助法の改正をしなければならないと私どもは考えているものでありますが、いま申し上げました点を改正案として申し上げますと、以下のとおりになります。 災害救助法の一部を改正する法律案要綱災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)の一部を次のように改正する。 第二条を次のように改める。 第二条 この法律による救助(以下「救助」という。)は、都道府県知事が、当該都道府県の区域内において災害(災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第二条に規定する災害をいう。)にかかり、現に救助を必要とする者に対して、当該災害が発生した市町村(特別区を含む。)の長の要請に基づき、これを行う。 第二十三条第一項中第十号を第十二号とし、第七号から第九号までを二号ずつ繰り下げ、第六号の次に次の二号を加える。 七 清掃及び消毒並びに廃棄家財等の処理 八 災害を受けた乳児又は幼児の応急の保育 第二十三条第三項中「命令でこれを定める」を「災害にかかつた者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるようにすることを旨とし、あらかじめ厚生大臣の承認を受け、都道府県知事が定める」に改める。 第二十三条に次の一項を加える。 都道府県知事は、市町村長く特別区の区長を含む。(以下同じ。)の要請に基づき、必要があると認めるときは、あらかじめ厚生大臣の承認を受け、前項の規定による救助の程度、方法及び期間に関する定めを変更することができる。 第二十三条の二第一項中「(昭和三十六年法律 第二百二十三号)」を削る。 第二十五条に次の一項を加える。 前項の規定により救助の業務に協力させる場合においては、その実費を弁償しなければならない。 第二十五条の次に次の一条を加える。 第二十五条の二 都道府県知事は、前条第一項の規定による協力命令によらないで救助の業務を行つた者に対しても、実費を弁償することができる。 第二十八条中「(特別区の区長を含む。)」を削る。 第三十三条第二項中「第二十四条第五項」の下に「及び第二十五条第二項」を加え、「及び」を「並びに」に、「これを支弁する」を「第二十五条の二の規定による実費弁償に要する費用は当該都道府県知事の統轄する都道府県が、これを支弁する」に改める。 第三十六条を次のように改める。 第三十六条国庫は、都道府県が第三十三条の規定により支弁した費用及び第三十四条の規定による補償に要した費用(前条の規定により求償することができるものを除く。)並びに前条の規定による求償に対する支払に要した費用の百分の九十を負担するものとする。第三十八条第一項中「地方税法」の下に「(昭和二十五年法律第二百二十六号)」を加える。 附 則 この法律は、昭和 年 月 日から施行する。 以上が、私どもの見解に立って法律を改正すべきであるという点の改正案の要綱であります。よろしく検討をお願いします。
○高鳥小委員長 次に、高橋繁君。
○高橋(繁)小委員 ただいま小委員長から、政府に対する災害救助法についての指摘事項につきまして報告がございましたが、その指摘事項の御報告については賛成をするものであります。 さらに公明党としては、災害救助法の第一条に「この法律は、災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とする。」とありますように、災害救助法に発動された費用につきましては、国が負担をすべきであるというその第一条に沿って、まず国庫負担における第三十六条の改正について要望を申し上げたい。 現行では、救助に要した費用の合計額が普通税収入見込み額の百分の二以下の部分では負担率百分の五十、このようになっておりますが、ここ五年間の災害救助法に発動された国庫負担の状況を見てまいりますと、ほとんどが百分の五十以下でありますが、百分の五十以下のところについて申し上げますと、四十五年が十一件、四十六年が十三件、四十七年が二十件、四十八年が七件、四十九年が十七件となっておりまして、百分の九十を負担したのは四十五年に一回、それから百分の八十が四十七年に一回、ほとんどが百分の五十以下に適用をされておるのであります。したがって、わが党としては、この第三十六条については救助に要した費用の合計額が普通税収入見込み額の百分の四以下の分についてその負担率を百分の九十に改正をしたい、このように要望を申し上げたいのであります。 以下、政令に基づく災害救助法の救助の期間並びに実費弁償等については報告書に示されてありますが、なお具体的には、都道府県から要望のありました応急仮設住宅等については、一戸当たりの費用が六十万以上あるいは炊き出しについては一人一日四百円以上、その他飲料水の供給量にしても一日二十リットル、学用品の給与については高校生まで適用する、埋葬費については基準額を廃止して実費弁償といたしたい、死体処理についても同じく実費弁償とするようにいたしたい、このほか障害物除去に要する費用は一世帯当たりを四万以上、このように具体的に都道府県からも要望がありましたが、この具体的な数字に基づいて改正されることを強く要望いたしまして、意見の開陳を終わります。
○高鳥小委員長 次に、宮田早苗君。
○宮田小委員 ただいま、小委員長から報告がございました内容に賛成をいたしまして、なお今後の検討課題として、民社党が考えておりますことを要望をいたす次第でございます。 まず一つは、原子力事業従業員の災害補償制度の確立、原子力損害賠償法と労災法との関係、補償対象の拡大、こういうことをまず検討をしていただきたい。 次が、個人災害の救済制度の確立、災害弔慰金法を改正をし、火災、爆発も含め、また共済制度をさらに検討していただきたい。 三番目が、激甚法を改正し、地方公共団体指定から災害別、被災害地帯指定に改め、激甚被害であれば、部落の一部であっても指定が受けられるようにしていただきたい。 四番目が、災害情報体制を抜本的に強化をしてほしい。 五番目が、大震災予知並びに防災体制の確立、現在の地震予知連絡会議を拡充強化をし、常設の予知観測機関とすること。また国、都などが一体となった防災体制を確立することと、国民へのPRに努めるとともに防災訓練を促進をしてほしい。 六番目が、災害救助法の強化でございますが、国庫負担率の改善、応急仮設住宅の規模の改善、被害程度の認定基準の改善、以上をさらに今後検討していただきたいことを要望いたしまして、賛成をする次第であります。
○高鳥小委員長 次に、今井勇君。
○今井小委員 私は、政府・与党の立場から、ただいま御提案になりました小委員長の災害救助法の運用につきましての指摘事項並びにその他の関連事項につきまして、意見の開陳をいたしたいと思います。 まず第一番目に、小委員長の九項目にわたります災害救助法の運用についての指摘事項は、いずれももっともなことでありまして、当小委員会におきまして関係県の意見を求めたときにおきましても、異口同音にそれらの県がこれらの改善策について訴えましたことから判断をいたしましても、妥当なものと思うものでございます。政府当局は、これらの問題について、あるものは適正な時価に改定をすること等についての意見を開陳をいたした者もございますが、ものによりましては、総額運用について検討をするというふうなものもあったように記憶いたしております。しかしながら、現行の指摘をされました九項目のそれぞれが、必ずしもその内容が現時点のものに沿わない、必ずしも適当でないというふうな額であるように思うものが多いわけでございます。 したがいまして、これらにつきましては小委員長御報告のとおり、速やかにこの運用については、政府に改善方を要望いたすものでございます。 さらに、災害救助法第三十六条の国庫負担の問題につきましては、各党からの意見の開陳にもありましたとおり、本来の趣旨から考えましても、すなわち、その目的に、災害救助法は「災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とする。」ということからも判断をいたしまして、ただいまのように国庫負担率を定めるに当たりまして、地方公共団体の財政力との相対性を持たせるという物の考え方は、著しく私は当たっていないというふうに思うものでございます。したがいまして、現在の国庫負担率の問題につきましては実情に沿うごとく、しかも法の精神を踏まえまして、これを改善をするように要望するものでございます。 最後に、この災害救助法が県の財政力を圧迫せず、しかも適切に急速に運用されまして、地域住民が安心をして災害に遭いましても生活ができるようになりますことを希望いたしまして、意見の開陳を終わります。
○高鳥小委員長 ただいま各委員より御提言のありましたことについては、今後、本小委員会の課題として、なお検討を続けてまいりたいと存じます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時四十八分散会