災害対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/05/22
会議録
○金丸委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 この際、さきに発生いたしました大分県中部の地震による災害対策について政府当局から説明を聴取いたします。 国土庁長官官房審議官横手正君。
○横手政府委員 去る四月二十一日午前二時三十五分でございますが、その時刻に発生いたしました大分県中部の地震について御報告申し上げます。 この地震の震源地は、大分県の大分郡庄内町付近の深さ約二十キロの地点で、地震の規模はマグニチュード六・四ということでございました。 主な地点の震度でございますが、震度四の地域は大分、阿蘇山、日田、こういうところでございます。また震度三は延岡、福岡、それから四国の宇和島等になっております。なお、震源地付近では震度五ないし震度六というふうに推定されております。 この地震によりまして、大分県中部に多大の被害を発生したわけでございますが、現在までに判明しております状況はお手元にお配りいたしております資料にございますように、一般被害といたしましては、負傷者が二十二名、建物の全壊七十八棟、半壊百四棟、一部破損千六百六十四棟といったような状況でございます。 また、耕地の流埋が、水田で二百八十二ヘクタール、畑で二十三ヘクタールというような状況でございます。 また、道路の損壊でございますが百八十五カ所、橋梁の流失が三カ所、また山崩れ、がけ崩れは百九十五カ所と、こういった状況になっております。 なお、施設関係等の被害でございますが、次の表にありますように、公共土木施設関係で六億六千百万余、農林水産業関係が約三十億円、文教施設関係が六千七百万円、厚生施設関係九百万円、中小企業関係二億五千三百万円、その他国鉄あるいは電信電話施設の被害を含めまして、かれこれ四十一億円に近い被害を生じております。 こうした被害に対しまして大分県及び関係の町村であります庄内町、湯布院町、九重町、直入町、この四町におきましては早速に災害対策本部を設置いたしますとともに、関係の四町では災害救助法を適用して、応急救助の活動に当たったわけでございます。 なお、政府におきましても発災後、直ちに関係省庁連絡会議を開催いたしますとともに、農林省、建設省等関係省庁の担当係官は現地に赴きましたし、被害の調査と応急対策の指導に当たったところでありますが、また、中央防災会議の事務局長である国土庁の政務次官も現地の被害の調査と対策の指導に赴かれたわけでございます。 現在までにとりました対策の状況を申し上げますと、まず発災直後の応急対策でございますが、関係四町では災害救助法を適用して、炊き出し、生活必需品の供与あるいは応急仮設住宅、これは三十二戸でございますが、この建設の措置を終わっております。 次に、給水関係でございますが、簡易水道が応急復旧するまでの間は、自衛隊の応急出動によりまして給水を行っておりましたが、応急復旧も四月の二十三日には完了しまして、二十四日からは給水を開始いたしております。 道路につきましては、現在、別府−阿蘇道路間の一部を除きまして全面開通になっております。 鉄道関係でございますが、これは四月二十二日から運転再開になっております。電話も二十二日には正常に回復いたしております。 次に、住宅融資の関係でございますが、住宅金融公庫の貸し付けにつきまして、関係四町によります住民に対する住宅相談を現在実施中でございます。 次に、中小企業融資関係でございますが、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金等三機関の融資の窓口を現地支店に開設し、住民の相談に当たっておるところでございます。 また、個人災害につきましては、災害援護資金及び世帯更生資金の貸し付けにつきまして現在審査中でございます。 また、山崩れ、がけ崩れ等の復旧でございますが、二次災害を未然に防止する意味合いももちまして、建設省及び林野庁において関係県と連絡をとって所要の対策を推進しておるところでございます。 また、地元の市町村に対します普通交付税の繰り上げ交付でございますが、これは五月二日に一億二千三百万円を関係町に対しまして交付いたしておるところでございます。 その他、農林省、建設省においては、現地に査定官を派遣いたしておりまして、災害復旧事業の査定に当たっておるところでございます。 以上が、大分県中部の地震の被害状況と、現在までに講じました対策の概要でございます。今後とも現地の実情に応じまして所要の対策を推進してまいりたいと、かように考えております。 以上で御報告を終わります。 —————————————
○金丸委員長 地震対策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高鳥修君。
○高鳥委員 せっかく金丸国土庁長官に御出席をいただいておりますので、最初に長官に二点ほど承りたいと思います。 まず第一は、関東大震災級の地震がその周期のめぐり方いかんにかかわらず、やがて東京を中心とした首都圏を襲うであろうというようなことは、かねがね予想されておるところでありまして、これに対する対策等は各分野において講じられておるところでありますが、私が一番心配いたしますことは、本当にそうした大震災が発生いたしました場合には、かなりの混乱状態が起こるであろうということであります。 私自身実は新潟地震のときにその最激震地におりまして、昭和橋が三つに割れて落ちるそのすぐそばにおったわけであります。そういう経験をいたしましたが、最初は、これは地震だなという感じであったのですが、やがて地震以外の何か天変地異でも起こったんではないだろうかという感じにさえ陥るぐらいに非常に危険な状態があったわけでありまして、大地がかくもやわらかいものであるかということすら感じたのであります。したがいまして、地震が現に発生しておる時点よりも、それから三日ないし四日間は恐らく非常な混乱状態に首都圏は陥るであろうと思うわけであります。 そうした際にきわめて重要なことは、個々の救援活動は当然のことでありますが、それ全体を指揮、統括、命令をする体制を常に整備して、一たんそうした災害が発生した際にはだれが総指揮をとり、そしていかなる人たちが集まって、どのような体制でやっていくかということをきちっとつくって、そうしたことの訓練もやっておく必要があるのではないだろうか。行政機関は非常に多岐にわたっておりまして、たとえば直接その衝にあります国あるいは都、県さらに市町村、それらの相互の連絡という問題も当然あるでありましょうし、さらにはまた警察、消防、自衛隊、病院、通信施設、特に民心の安定を図るという意味におきましては放送局の果たす役割りもきわめて大きい、それらに対してどのような情報を伝達して、どのような放送をさせるのかというようなことをも含めました体制の整備、訓練があってしかるべきではないだろうかと思うわけであります。 さらに、一千万以上にわたる東京都民あるいはまたその周辺の人口を合わせますと実に膨大なものでありますが、これらに対する食糧の確保ということも当然大きな問題になってくるわけでありまして、いわゆる過密都市を襲う大震災に対する対策は、その混乱がはかり知れないだけに、個々の救援対策だけではなくて総合的な指揮命令系統を整備し、これの訓練を常にやっておく必要があるのではないだろうか。そのような災害がもし起きた場合には、一体どこにその最高の指揮命令系統があって、そこにはだれが集まって、どのような指揮をするのかというようなことについての確立した方針があるか、ないしはそのような訓練をしておられるかどうか、そうしたことについての長官の御見解を承りたいと思います。
○横手政府委員 お答えいたします。 大震災が発生いたしましたときの情報の混乱、またこれによりまして指揮命令系統が混乱するということ、そういうことには絶対にならないように平常時から努めてまいる必要があるところでございますが、現在、そうした大震災が起きましたときには、国の方では非常災害対策本部等を設置することになっております。こういう本部が設置されますと、本部長は管下の本部員を指揮してまいるわけでございますが、この本部員は各省から構成されております。また各省を通じて地方団体への適切な指示、命令、こうしたことがなされることになろうと思います。 こうした訓練でございますが、これもここ数年来、九月一日の防災の日に本部設置訓練というのを行っておりまして、国土庁が主体になり、関係省庁と協力しながらそうした訓練を行っておるところでございます。 なお、最近の川崎地区の問題にも関連いたしまして、そうした災害情報の収集体制の確立、また正確な情報を住民にも知らせるための伝達体制の確立、こうしたことは特に必要でございますので、関係省庁ともその面の検討を極力進めてまいってきておるところでございます。 以上のような状況でございます。
○高鳥委員 ただいま、国土庁が中心になって、本部長並びに本部員が九月一日の防災の日にそういう訓練をやるのだということでありますが、国土庁が発足をしてから今日まで、現実に集まられてそのような訓練をされたことがありますか。国土庁が災害の責任を持っておられる以上は、発足と同時にそういうことはやるべきであると私は思いますが、どのようにお考えですか。
○横手政府委員 実は、昨年九月一日に本部設置訓練を行っております。なお、国土庁が設置されるまでの間も、総理府におきまして、昭和四十六年以来、毎年防災の日に本部設置訓練を行ってきておるところでございます。
○高鳥委員 現実に私自身新潟地震を経験いたしましたが、そのときにはいろいろな揣摩憶測、デマというものが非常に信憑性をもって流れたのであります。たとえば昭和石油の油タンクから油が流出して、引火して炎上しておったわけでありますが、そばに水素の詰まった大きなタンクがあって、あれが爆発をすると水爆級の被害があるとか、そのようなことが、まことしやかに流れておるという状況でありまして、住民は非常に恐怖のどん底に陥ったということがあるわけであります。でありますから、それらの情報伝達対策等を含めて万全を期していただきたいと思うわけでありますが、これらの対策を進めるにいたしましても、基本的に最も重要なことば、いわゆる超過密都市解消対策といいますか、そういうことがもっと長い期間にわたって、もっと深く政策的に遂行されるべきではないだろうか、このように私は思うわけであります。 そこで、最近承りませんが、金丸長官はかねてから首都移転論などを提唱されまして、超過密都市対策には非常に熱心でいらっしゃるわけでありますが、そのようなことにつきまして、特に国土庁としては国土の総体的な利用ということを計画的におやりにならなければならないお立場でもありますし、長官の御見解を承りたいと思います。
○金丸国務大臣 国土庁設立の目的は、過疎過密をなくして、また所得の格差もなくして、豊かな均衡のとれた地域社会をつくるということが、まず第一の要点であろうと私は思うわけであります。また、それが政治の一つの大きな理想であり、目標であってもしかるべきだ。 そういう考え方の中で東京のこの過密都市を見ますと、ただいま先生がおっしゃられる地震というような問題が出てまいりまして、その後に続く第二次的な火災が起きたというようなことになりますと、この過密都市の結果、東京で人命の損傷というものがどのぐらい起きるだろうかということを考えなければならぬ。大正十二年のときの状況と比べてみますと、高速自動車道路ができ、あるいはおびただしい自動車の渋滞の道路ができておる。こういうような中で一朝災害が起きたときは、想像もつかない事態が出てくるのじゃないかということを私は心配をいたすわけであります。 そういうことを考えてみますと、地震ばかりでなくて、公害の立場からも、均衡ある地域社会をつくる上から考えてみましても、私は東京の人口を間引きすべきである、あるいは働く場所を移転すべきである、こういうような考え方でおるわけでございますが、さりとて大学を、ことに私立大学を移してみることも理想だ。確かに理想でありましょう。あるいは工場を移すことも理想でありましょうが、個々の力によって、個々の企業の力によって移転するということは、なかなか至難だ。また、この首都東京に行政機関あるいは国会、こういうものがあるために、ここに集まってくる人口というものも相当多い。また、ここにそういうものがあるために関連の産業も相当ある。こういうことを考えてみますと、首都の移転ということを考えることが、まず範を示す意味においていいんじゃないかというような考え方で首都移転という問題を私は提起いたし、またこの問題について真剣にいま積み重ねをいたして研究をいたしておりますし、また国土庁におきましても、大都市基本問題研究会等をつくりまして、この問題についても十分な積み重ねをいたしておるわけでございます。 しかし、この問題は非常に大きな問題で、ちょっとやそっとで簡単にこうするんだ、ああするんだという問題でなくて、この問題は当然国民の世論の動向によって決定すべきものであると私は考えておるわけであります。それにしても、首都移転問題あるいは東京の人口を間引きしなければ、こういうことについても国民が余りに無関心であるという感じが私はいたすわけであります。そういう意味からも、あらゆる努力をして国民に十分に熟知していただいて、その上に立って国民の考え方の方向というものを決めていただくような、あるいはコンセンサスを得るような方向に努力すべきだ。これは東京の問題ばかりでなくて、大都市の大阪やあるいは名古屋や横浜、こういうところについてもそれと同じような考え方をもって臨むことが、いわゆる均衡ある地域社会をつくる上からいたしましても、災害の防除、未然防止という上から考えましても、やらなければならない大きな政治問題だと考えておるわけであります。
○高鳥委員 長官の御決意を承りましたが、非常に長い期間を要することであって、短兵急にできるとは思いませんが、国家百年の大計という見地に立たれまして、ただ単なる首都移転ということではなくて、東京を中心としたいわゆる超過密地域の解消政策というものを政策的にたゆまなく配慮をしながら進められることが必要であると思いますので、私は長官のなお一層の強力な御推進を期待する次第であります。 次に、気象庁に承りたいと思います。 実は、さきにマスコミ等で報道されておりますが、今年の二月に中国の遼東半島沖を震源地として、マグニチュード七・三という相当大規模な地震が発生した。これに対するいわゆる予知に成功したという報道が大々的になされたことがあります。つい先週のサンデー毎日にも、その詳報のようなものが翻訳をされまして一部出ておりましたが、それによりますと、二年前から異常をキャッチした。三時間前に発生を予告して緊急避難の指令を出した。その結果として、被害を最小限度に食いとめ得たというような情報が出されておるわけであります。この報道を見ますと、器具等についてはさほど格段の進歩をした、特別開発された機械器具等を使っている模様はないのでありまして、中には、人民が毛沢東思想に基づいて、みんなで一生懸命やった結果だというような書き方をしております。 それはともかくといたしまして、この地震そのものについては、前兆になるところの地震が幾つも発生をしておったということで、予知しやすい状況にはあったというふうに考えられるのですが、日本でも地震の予知ということが非常に大きな問題になっておりますだけに、中国のこの地震予知について、気象庁は一体どのような評価を下しておられるかということを、まず第一に承りたいと思います。
○末広説明員 御説明申し上げます。 中国の地震予知技術に関しましては、私ども実はまだその詳しいことがよくわかっておりませんで、この二月四日の営口の地震につきましては、ただいま先生御指摘になりました北京からの報道のもとになりました「地震戦線」と申します一種の地震に関する学術雑誌でございますが、これを入手いたしまして、全文翻訳いたしまして勉強いたしました。それから、中国の一般的な地震予知の情報に関しましては、昨年中国を訪問されました東大の浅田教授のお話をもとにして御説明申し上げたいと思います。 もうすでに御案内だと思いますが、中国は非常に地震予知に熱心でありまして、各省や大都市には地震局、その下には地震隊、さらに小さい村落には地震歩哨というような組織ができているようでございます。 用いております手法は、これも先生御案内のとおり、特にわれわれの知らないような新しい技術を開発したということはないようでございまして、地震観測、それから地盤の傾斜、地磁気、地電流その他地下水の変動といったようなことを相当広範囲に観測しているようでございます。ただその予知、いわゆる地震予報の発表でございますが、相当大胆にその予報を発表しているようでありまして、この予報が外れることも間々あるようでありますし、また必ずしも予報が出てなくて地震が起こってしまうこともあるようでございます。この辺のところは、どの程度の歩どまりであるかということはなかなかはっきり教えてもらえませんので、どの程度の成功率かということは現在よくわかっておりません。 それからもう一つ、中国は日本に比べますと地質、それから地震の起こり方がはるかに単純でございまして、中国の予知技術がこのように国家並びに国民一般の非常に強い熱意で支えられていることは事実でございますが、この技術が、たちどころにそのまま日本で適用できるとは思っておりません。しかし、われわれはもちろん学ぶべきところは謙虚に学ぶつもりでございまして、今後とも交流をより深めるべく、何らかの方法でお互いに訪問し合うように、いま具体的な可能性を検討中でございます。
○高鳥委員 すぐお隣同士の国であり、国交も正常化されておることでありますから、大いにそうした面でも学術的な交流を深めていただきたいと思いますし、いまお話がありましたように、国柄も違いますので、日本でしたら、中国のような予報を出して、三時間前に全部うちから出ろというようなことで映画か何かやって、そこへ皆集めたというようなことも書いてありますが、そのようなことをやって、もし外れたら、それこそ地震課長は大変なことになると思いますから、これはおのずから事情も違うことはよくわかりますが、大いにそうした面での研究、交流というようなことはしていただくことは結構だと思います。 なお、もう一点地震課長に伺いますが、川崎地区における地下水位の異常な上昇ということについては、地震につながるのではないかということでいろいろと検討されてきたようでありますが、最近では、地震課長は自信を持って、大地震に直接結びつくことはないであろうというようなことをしばしば御発言になっておられるようであります。 そこで、最近の水位の異常上昇の原因ですね、一体何に起因して非常に低下をした水位が急激に上がってきたと考えられるのか、ないしはまた、いわゆる地下水位の上昇ないし地盤の隆起ということを原因にして地震が起きるということは当面なくなったとしても、しかし川崎地区を含めまして、いわゆる京葉工業地帯一円というのは、やはり地震のおそれのある地域である。したがって、それ以外の原因で地震が起こることは十分にあり得ることである、このように理解しておくことの方が正しいのではないだろうか。そして、そのための対策というのは、やはりおさおさ怠りなくやっておくべきことではないだろうか、このように思うのですが、その辺について地震課長の御見解を承りたいと思います。
○末広説明員 御説明申し上げます。 昨年十二月に川崎付近で地盤の隆起、続きまして地下水位の異常と考えられる上昇がございまして、一時心配いたしました。その後半年間、特別に費用を支出いたしまして、該当地区で各種の観測を重ねました結果、この地盤の隆起は、やはり地下水のくみ上げ規制を実施した結果、水位も上がり、かつ、それに伴って地盤も隆起したらしい。それからまた、地震もあの付近では浅いところに全然起こっておりませんので、地盤の隆起も、それのもととなるようなものがもし地震であるとすれば、地震は浅くなくてはいけないわけでございまして、そういった浅い地震も全然過去にもまた現在も起こってないといったようなところから、まず初めに心配したことは、恐らく杞憂であろうという可能性が強まってきたわけであります。 ただ、現在の地震予知は決して技術的に完成したものでございませんから、私は決して自信を持って地震がないと申し上げたわけではございません。 それから、これはもう先生御指摘のとおり、よしんば今回の隆起が仮に地震に結びつかないといたしましても、恐らくそうだとは思いますが、京浜地区というのは遅かれ早かれ地震に見舞われる宿命を持っているわけでございますから、この際、防災体制づくりを一層進めるということは、これはもちろん非常に有意義なことでございます。
○高鳥委員 もう一点地震課長に承りたいと思います。 ただいま御報告のありました九州のいわゆる大分県中部地震でありますが、被害の激甚な地帯をずっと地図の上で落として見ますと、帯状に走っておるような感じでありまして、こういうふうな形で起きた地震というのは何か活断層というようなものに関連があるのかどうか。被害が特定の地域で非常に帯状に走っております関係から、そうした点については、どのようにお考えになっているか。 ざらにまた、宇宙衛星等でしばしば写真撮影をした結果、活断層の存在云々ということが関東平野等でも言われておりますが、この活断層というものについては日本国内でどのような形になっているかということの調査ないし実態の把握というのは、どの程度されておるのでありましょうか。そういう点について御見解を承りたいと思います。
○末広説明員 御説明申し上げます。 大分の地震につきましては、確かに線状に被害の激しいところが分布しておりました。これは目下当地方で測地測量を実施中でございますが、恐らくこの被害の激しかった線に沿って地震のために起こった断層が形成されたものと考えられます。 それから活断層でございますが、これは日本全国にどの程度活断層があるかということは、大体その地図ができ上がっております。ただ、活断層と申しますのは、最近百万年の間に活動したと思われる断層でございまして、百万年では何分余りにも長過ぎますので、その活断層のうちのどれが、最近それこそ活断層のうちでも、なおまた活であるかということの調査を現在進めております。これは何分活断層が非常に多うございますので、多少時日がかかると思いますが、地震予知技術開発計画の一環といたしまして非常に重要視して、調査を極力進めておるわけでございます。
○高鳥委員 次に、建設省にお伺いをいたしますが、先年、当委員会で江東地区のいわゆる防災拠点都市づくりというのを視察をいたしました。その際、白鬚地区の都市改造計画というのを拝聴したわけでありますが、この問題についてのいろいろな国なり都なりの計画と、実際にその計画に沿って生活環境の変わっていく住民との間にはかなりのギャップがありまして、なかなかうまく進まないというようなことで、当時せっかく国の方でその予算を都の方に流してやるということでやりながら、現実にはなかなか進んでいないという問題があったわけであります。その後相当時日も経過をいたしておりますが、一体その後の推移はどのようになっておるかということについて承りたいと思います。
○後藤説明員 お答え申し上げます。 江東の白髪東地区の市街地再開発事業でございますが、昭和四十七年九月に、市街地再開発事業に関する都市計画決定をいたしまして、その後東京都と地元で地元協議会をつくりまして協議を続けてまいりました。昭和四十九年十一月に、その協議の結果を踏まえまして、かつ防災性能を強化するという、そういう二つの目的をもちまして、この市街地再開発事業に関する都市計画決定を変更いたしまして、その後ことしに入りまして二月に、一部の地区について事業計画を立て、地元の同意も得て、すでに三月から建築工事に着手しております。この一部の地区と申しますのは工場跡地でございまして、現に建物が建ってないところでございますけれども、全体計画の一部として着手するということで地元も同意しておりますので、今後その他の地区につきましても、近いうちに事業計画を立て工事に着手したい、かように考えております。
○高鳥委員 あの当時視察をいたしました際にも私はあとの委員会で申し上げたのでありますが、東京においては特に、しかも江東ないし墨田、あの地区においてはどれだけ人口を減らすかということがきわめて重要な問題でもありますので、ただ単に防災拠点都市づくりだということで高層化、不燃化等を講ずるだけではなくて、もっと長い目で見た大きな構想のもとに推進をすべきではなかろうか。せっかくああいった工場跡地にまたアパートを建ててしまうんでは意味がないのではないかというようなことも意見として申し上げたわけであります。せっかく計画をされておることでありますから、地域住民の十分な理解と協力を得ながらお進めいただいて、非常に危険な状態であると私は思いますので、あの地域の対策をさらに強力に進められることが必要である、このように思います。 あわせて江東、墨田地区におきましては、当時視察をいたしました際には、不用河川と申しますか、非常に地盤沈下して、そのために排水等の施設をつくったりなどしたために河川の不用になったものがたくさんあるということでありまして、これの整理ということを建設省ではお考えであるというふうに承ったわけであります。私は、基本的にはそうした不用河川といいますか、河川というのは、本来その地域に必要であってできてきたものでありますから、人為的にこれを整理するということは、いろいろな意味において後でまた思わざる災害のもとになる、したがって、それは軽々に廃止すべきものではないと思います。 さらにまた、大地震の際に、東京はもっぱら火災対策の方が中心になっておりますが、江東、墨田においては、むしろ水の対策の方がより重要になるのではなかろうか。恐らく排水機能は全部ストップをするし、さらにはまた、地盤沈下のために積み上げた堤防等は、いずれも崩れたりひびが入ったりして浸水をしてくる。これがたまたま満潮時と重なった場合には、ビルの二階まで水につかるというような状態になるということは当然予測をされるところでありまして、それらを含めて、一体その後どうなったのかということを承りたいと思います。
○本間説明員 お答え申し上げます。 先生の言われます、いわゆる江東三角の地震対策といたしましての河川事業につきまして御説明申し上げます。 江東三角地帯につきましては、先生御承知のように、荒川、それから江戸川、東京湾、三方がそういう河川あるいは海で囲まれておるわけでございまして、これらに面します堤防なり海岸堤防につきましては、関東大震災のような大地震に対しましても安全であるということになっております。ところが、内部河川につきましては、先生御指摘のように、護岸なり堤防なりが破壊いたしますと、大変な地域に浸水いたしまして大きな被害を生ずるわけでございます。したがいまして、内部河川の河川事業といたしましては、特に地盤沈下の激しい東側の部分につきましては、河川に面する水門を閉めまして、内部河川の水位を常時低下させておく、地震が起きましても、その河川の水がはんらんしないようにするということとしております。それから西半分につきましては、やや地盤が高いわけでございまして、これにつきましても、橋梁が落橋するというようなことを考えまして、できるだけ河川を埋め立てるということを考えておるわけでございます。 ただいま先生の御指摘のように、洪水がありました場合、大雨がありました場合に、内水の問題がございます。その点につきましては、旧中川、小名木川、大横川等の主要な大きな六河川につきましては存置させまして、内水問題のないように十分計画されております。 それから、その後の埋め立ての状況でございますが、昭和四十六年度からこの耐震対策河川事業は発足したわけでございまして、現在、仙台堀川等三河川につきまして埋め立てが進行中であるというふうに聞いております。
○高鳥委員 私自身、大きな地震を経験して、自分の目の前で見ておりまして痛切に感じたことは、人間が自分でつくったものというのは、いかにもろいものであるか、弱いものであるかということであります。たとえば、堤防など一見して非常に丈夫そうに見えますけれども、大地震で揺すられますと、たちまち亀裂が入ってしまう。鉄道の、たとえば盛り土をしたところなんか全部崩れてしまって、レールが波打ってしまう。道路などでも同様でありまして、全部盛り土をしたところというのは非常に弱い状態であります。 いままでの、たとえばついこの間の伊豆半島沖地震で大きな被害を受け、壊滅状態になりました部落などにいたしましても、行ってみますと、そこは何年か前に大火災があって、その後に盛り土をし、整地をしたところに家を建てた、その結果そうなったというような状態を見ておるわけであります。したがいまして、地震による火災対策と並行いたしまして、そうした際に当然起こってくる水の対策というものについては、より大きな比重をもってお考えいただいておかなければいけないと思いますので、あえて申し上げるわけであります。 せっかくの機会でありますし、もう少しだけ時間がありますから、その他の災害でありますが、折から梅雨前線豪雨が襲ってくる時期になっております。昨年、静岡あるいは岡山等各地におきまして相当な災害がありまして、私どもも現地を調査、視察をさせていただいて、その結果をこの委員会においても論議を重ねてきたところでありますが、静岡あたりでは平地において日ごろ予想しないようなところが水につかって、何日も被害を受けたというような状況もございました。そういう中では、たとえば用水計画等が非常にちぐはぐになっておって、上流の方で非常にたくさんの水量を流してくるのに、下流の方ではこれを受け切れない、中途でもってはんらんしてしまうというようなこともあって、人災というような声も上がっておったというのが現実であります。 これらの地区に対するその後の対策というのは、どのように進んでおるか。特に総需要抑制というようなことに絡みまして、いろいろと公共土木関係も抑えられておる感がなきにしもあらずでありますが、災害対策というのは、事人命に関することでもありますので、決して揺るがせにすべきことではない、どんどんとおやりをいただかなければならないことであります。そういう意味におきまして、折から災害時期にも差しかかってまいりますので、その後の対策いかんということについて承って終わりにいたしたいと思います。
○田原説明員 お答えいたします。 四十九年は非常に災害の多い年でございました。公共土木施設関係の災害だけでも三千七百四十億、特に小さい補助河川、道路等含めますと三千三百五十億という災害がございましたが、災害が起きまして後の対策といたしまして考えられるのは、まず災害が起きた個所の直接的な災害復旧事業、それから再度災害を防止するための改良的な復旧、それから恒久的な改良事業、この三つに大体区分けできると思いますが、災害復旧事業につきましては、御承知のように三年間で復旧するという制度的な復旧方針がございますので、おおむね初年度は三〇%でございますが、四十九年度の分につきましては三六%程度の復旧を行ってまいっております。 さらに、再度災害防止のための改良的な復旧といたしましては、災害復旧助成事業あるいは災害復旧関連事業というような改良復旧事業がございまして、これによりまして災害費のほかに、さらに改良費を加えまして復旧するということにしております。それは、たとえば災害助成事業をとってみますと、その区間につきまして河川数が五十一ございますが、それらの災害区間は二百八十億という災害がございましたが、そのほかに四百十億という改良費を加えまして七百億程度の予算でもって四カ年でこれを改良復旧する。 それから災害関連事業という制度は、助成事業より少し規模の小さいものでございますが、これにつきましては件数が三百七十二河川という膨大な件数でございまして、災害費二百七十億に対して関連費二百億、計四百七十億という改良復旧をやっておりまして、全体を合算しますと、四百二十三河川、災害費五百五十億に対して改良費六百二十億、合計千百八十億という改良復旧事業を計画しております。そして、これを四年ないし三年で完了するということで、その進度は十分保たれておるわけでございます。 なお、そのほかのいわゆる恒久的な改良事業につきましては総需要抑制の折からでございますが、河川事業に対しましては、昨年度よりもやや多い予算のもとに河川局で計画的に施工しておるわけでございます。 そして、これらの助成事業、関連事業という災害に関連した改良復旧に対して長期的な改良計画というものの間になるべく穴があかないように、上下流水系一貫計画を立てて、そしてお互いに完了の時期にはつながるような努力をしながら改修しておるわけでございます。したがいまして、今後それらの災害を受けた地区についての対策としましては、再度災害防止ということに重点を置いてやっておるわけでございます。 以上でございます。
○高鳥委員 終わります。
○金丸委員長 次に、兒玉末男君。
○兒玉委員 ただいま高鳥議員の方からも御質問がありましたが、特に地震の予知ということは非常に重大な関心を持っているわけでございます。どうもこの地震関係は、災害と含めて、どこが窓口であるのか、質問の焦点をしぼっていこうと思うけれども、よくわかりませんので、最初国土庁の方に総括的にお聞きしたいと思うわけであります。 気象庁からいただきました最近の地震の概要を見ましても、たとえば新潟地震あるいは私の郷里でありますえびの地震、さらに伊豆半島沖地震、そしてごく最近の大分県中部の地震と、こういうふうに相次いで地震災害が起きておるわけでございます。 地震の特徴は、全く予測をしない時期に発生すること、あるいはまた地震に対するところの防災対策はきわめて不十分である、あるいはいままでの経験から見ても、同じところで同じ規模の地震が二回発生するという例がなかなかないということ、さらには避難対策、場所、そういうふうなことに対する認識あるいは火災発生等に対する対応、また建築物等の耐震構造、こういうものが総合的に絡んで非常な被害を受けているわけでございますが、少なくとも地震に対するところの災害予防あるいは発生に対応するところの総合的な対策、さらには地震そのものに対しまして現在の行政機構、こういうものを根本的に再検討する時期に来ておるのじゃないか、こういうふうに私は判断するわけでございます。特に所管が明確になっておりませんけれども、やはり国土の保全という意味も含めて、この際、横手審議官に御見解を承りたいと存じます。
○横手政府委員 お答えいたします。 地震予知の体制について不十分ではないか、こういう御趣旨かと存じますが、現在地震予知はまだ研究段階でございますので、政府としましては、四十八年七月の中央防災会議の申し合わせの線に沿いまして、昨年十一月でございますが、地震予知研究推進連絡会議と申します会議を設けておるわけでございますが、これは科学技術庁の事務次官が主宰されるという形で設けております。この場を通じまして関係省庁相互の密接な連携を図りますとともに、地震予知の実用化のための研究を総合的、計画的かつ効率的に推進する、こういうことにいたしております。 なお、こうした地震予知研究推進連絡会議のほかに、地震予知連絡会というのがございますが、これは四十三年の閣議了解等によりまして地震予知の実用化を促進するということを目的としまして設置された機関でございますが、これは建設省の国土地理院の方で庶務を行っておるというような状況でございます。 行政的には、科学技術庁の方へ設けられております地震予知研究推進連絡会議、この場を通じて地震予知の実用化の推進に当たっておるところでございます。
○兒玉委員 再度横手さんにお伺いしたいわけでございますけれども、特に災害が発生した場合、その影響は各省にわたるわけでございます。後で科学技術庁にもお伺いしますが、とにかく行政の責任分野がそれぞれ分離している。被害をこうむるのは運輸省関係なり、建設省関係なり、あるいはその他農林省関係なり非常に多岐にわたるわけでございますけれども、少なくとも日本は地震国であり、いままでに長年の地震の発生状況なりあるいは災害の因果関係、こういうもの等から対応策なり、あるいは地震の原因は、後で気象庁にもお伺いしますけれども、総合的に一つの統計としてデータが出ていると私は思うのです。 そういう見地から考えます場合に、単に研究推進連絡会議というものでは、本当に国民の生命、財産を預かる政府として、もう少し責任ある行政機構というものが確立されなければ、あれは技術庁だ、あれは文部省だ、あれは気象庁だ、こういうふうに責任のなすり合いで、本当に国土を災害から守るという基本的な方針が確立できないのじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、審議官は総体的な責任はございませんけれども、一応国土庁の審議官として再度見解を承りたいと思います。
○横手政府委員 お答えいたします。 震災対策につきましては、中央防災会議のもとに特に大都市震災対策連絡会議というのを設けまして、この連絡会議のもとで関係省庁の各般にわたります地震対策の総合調整を行っておるわけでございます。ただ、震災対策は、かなり広範多岐にわたりますので、この連絡会議のもとに都市防災あるいは防災体制、避難対策、救護対策、情報通信対策等の分科会を設けまして、その分科会で関係省庁が集まりまして問題点を検討し、それに対する対策を推進するというような形で進めてまいっております。 この分科会の中に研究分科会というのを設けておりまして、地震に関する研究の有効適切な推進に当たるという形にしておりますが、実は地震予知が先ほども申し上げましたように、まだ研究段階というようなこともございますので、これは科学技術庁の方で地震予知関係の省庁のまとめ役をお願いいたしておるわけでございます。 こうした地震予知の研究の進行状況ですか、そうしたものは別途大都市震災対策連絡会議の分科会で報告を願いますとともに、必要な、関係省庁はそれに合わせて各省庁それぞれの対策の推進に資してまいる、こういう形をとっておるわけでございます。あるいは国土庁あたりにこうした地震予知の連絡会議も一本化するのも一つの方法かと思いますけれども、まあモチはモチ屋といいますか、やはり人の面、その他の面を考えましたときに、科学技術庁さんにお願いするのが一番いいのではなかろうか、またこちらには特別の研究調査費も持っておりまして、必要な研究の調整も行われるという仕組みになっておりますので、現在までのところ、そうした体制で進んでまいっておるわけでございます。
○兒玉委員 また後で国土庁に聞きますが、それでは科学技術庁の方にお伺いしたいわけでございますけれども、現在、科学技術庁が、この地震の予知連絡あるいは地下構造物なり地上構造物なりあるいは地殻変動なり、そういうふうな総合的な地震研究対策の窓口になっておるそうでございますが、科学技術庁自体としてあるいは窓口として、具体的にどういうふうな地震対策の研究が行われているのか。 それからまた、科学技術庁として、事務次官がその議長になっておるそうでございますけれども、現在地震予知等に関連する総体的な研究というのは、どういうふうな機構で行われているのか。 それから、先ほども国土庁にお聞きしましたが、過去に幾多の地震が発生しているわけでございますが、この地震の発生に伴うところの因果関係なり、その発生の状況なり、こういうものを総合的にやはり分析をしていかなければ、単に科学技術庁が窓口としていろいろ研究しても、そういう集大成というものに立っての研究の分担でなければ、その成果が、責任の回避といいますか、いわゆる分担が複雑なために集約的な結論を出すことがなかなか困難ではないのか、私はこういうふうな判断をいたすわけでございますが、以上の大まかに言って三点について科学技術庁の御見解を承りたいと存じます。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 まず第一番に、科学技術庁におきまして独自にやっております地震に関する研究につきましてお答え申し上げます。 科学技術庁には国立防災科学技術センターが付属の研究機関として設けられておりますが、ここにおきまして、まず地震予知につきましては首都圏の南部、東京を中心にいたしまして深井戸による極微小地震観測、これはマグニチュードでいきますと一以下のものでございますが、そういう非常に小さい地震の活動を研究するということで、現在までに岩槻で深井戸、これは三千五百メーターの深さの井戸でございますが、これを完成し、そこに計器をおろしまして観測を継続中でございます。この深井戸におきましては非常に圧力がかかっておりますのと、温度が高いために観測計器の開発に非常に問題があったわけですが、これが成功いたしまして、現在データがとれておる状態です。それでこの深井戸は少なくとも三カ所は必要だとされておりますので、この岩槻の実績を踏まえて二本目の井戸に昭和五十年度からかかるということにいたしております。 それから、同じく防災センターにおきましては大型耐震実験装置という装置を筑波につくっておりまして、ここでいろいろ模型をつくりまして、それを揺すりまして構造物の挙動だとかあるいは地盤、盛り土の挙動だとかそういうものを実験いたす設備ができ上がっております。これを使いまして、現在地下埋設管の耐震性の研究もやっておりますし、これは共同実験施設でございますので、関係各省の研究機関が共同で使うということになっております。 それから、地震予知の機構でございますが、先ほど国土庁の方からもお答えがありましたように、地震の予知研究というのは、まだ研究段階で実用化には至っておりません。したがいまして、この研究の主体は、各大学の先生方が非常に力を入れて進められております。 それ以外の行政機関の方では建設省の国土地理院が精密測地網測量、水準測量、検潮あるいは重力測量、地域測量等の観測を担当しておられます。 また気象庁におきましては、大中小の地震の観測とか地殻、岩石のひずみの連続観測、あるいは海底地震計の開発だとかその他の観測を担当しております。 それから工業技術院地質調査所におきましては、地殻の活構造の研究あるいは地震波速度の調査研究、岩石破壊実験等、このようなことを分担しておられます。 それから海上保安庁の水路部におきましては、検潮、海底の地形、地質測量あるいは海上におきます重力、地磁気測量、そのようなものを担当しておられます。 これは、それぞれ独自の業務との関連で、それぞれの専門の方がおられますし、研究のレベルも高いので、各省庁それぞれの能力をフルに発揮していただいて、地震予知研究を大いに推進していこうということで、この分担は文部省にあります測地学審議会におきまして十分検討された結果、建議された内容に基づいてやっているものでございます。 それで、この研究成果というのは、先ほども話がありましたが、地震予知連絡会というところに持ち寄られまして、学識経験者と研究者がその情報を交換し、またそれに検討を加えられまして、いろいろな判断をしておられるわけでございます。 それで昨年の十一月に、先ほどもお話がありましたが、地震予知研究推進連絡会議というものがつくられました。この席におきましては、いま申し上げたような文部省以下五省庁の研究を円滑に、かつ計画的に進めていくために、各省庁がそれぞれ連絡協議いたすことにしておるわけでございます。 それから、最後の御質問でございますが、地震が発生した場合にいろいろな被害が起こるということで、それを将来生かすように大いにやるべきではなかろうかというような御趣旨かと思いますが、もちろん各省庁におきまして、地震発生直後、研究者を現地に派遣いたしまして災害の調査その他が行われるわけでございます。その場合でも、なおかつ研究が必要であるとされます場合には、科学技術庁に特別研究促進調整費という予算がございまして、このお金を活用いたしまして地震あるいは防災の研究をいたすことができるようになってございます。昨年度の伊豆沖の地震の後も、この特別研究促進調整費によりまして土木研究所、建築研究所、国土地理院その他機関が協力いたしまして研究をいたしました。この成果は、それぞれ関係各省において十分活用されているものと考えます。 以上でございます。
○兒玉委員 渡辺課長の判断で御答弁できない点もあろうと思うのですが、せっかくこのようにして五つの省庁にそれぞれ分担を願って専門的な研究をされておるわけでございますが、大体このような総合的な研究成果が予知連絡会に持ち寄られて、さらに詳細な検討がされるわけでございますけれども、一番われわれの言われておる地震の予知に関して、科学技術庁なりの判断で結構でございますが、大体どのくらいの年数と予算を投入したならば、この予知連絡会が予知できるような体制が可能と思われるのか、お伺いしたいと存じます。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 地震の予知が一体いつごろ実用化されるであろうか、このようなことでございますが、これは地震予知連絡会の会長さんの萩原博士が、四十八年だったかと思いますが科学技術特別委員会におきましてお話になったことをおかりしますと、現在行われております第三次地震予知五カ年計画、これは昭和五十三年まででございますが、この終わる段階において、マグニチュード七程度以上、まあかなり巨大地震に属するかと思いますが、そういう巨大地震についての長期的な予知についてのめどが立つであろう、このようにおっしゃっております。それで、われわれもこの予知がなるべく早くできるようにということで、関係各省と協力して地震予知研究を進めてまいりたい、このように考えております。
○兒玉委員 時間の関係もございますので、きょうは地震課長がお見えのようでございますから、地震課長にお伺いしたいと存じます。 先ほども御質問があったわけですけれども、中国の具体的な例が出されて、非常に地震には弱いという中国が九年間ぐらいの間に非常な努力をして行政機構の面においても、かなり積極的な取り組みをして、例の遼東半島における予知に成功しているというような御指摘があったわけでございますが、現在日本の場合、たとえばそれぞれの観測機構というものがあるし、あるいは各大学の地震対策関係もあるわけでございますけれども、総体的に、現在のこのような観測網というのは、どういうふうな仕組みになっているのか。それから現在の気象庁の中における地震関係の担当構成といいますか、どういうふうな機構と構成要員、それから一年間の気象庁地震課における予算はどの程度組まれておるのか、これをお聞きしたいと存じます。
○末広説明員 御説明申し上げます。 気象庁におきます地震業務の柱は二つございまして、一つは大地震が起こりました場合に、もし海の場合には津波警報まで含めまして、直ちに防災上必要な情報を皆様に提供する、それから、よしんば被害地震でございませんでも、相当の方がびっくりなさるような地震が起こりました場合には、どこに起こった地震で、被害がないならばないということを申し上げて安心していただくということが、たとえ予知は現在できませんども、現時点で地震観測をして防災上役立つという業務でございます。 もう一つの柱は、御指摘の地震予知技術開発のための情報あるいは資料を提供するということでございまして、この両者の目的のために、現在気象庁は全国に百十四カ所の地震観測点を持っております。もちろんこれでは十分でございません。この現在進行中の予知開発計画に従いまして、さらに現在観測点のない海底にも地震計を置く開発を着手いたしておりますし、それから陸上の各種の観測網も、その機能を向上させるべく目下努力中でございます。 このために私どもが投入しております費用と人員は、昭和四十五年には約三億円強、三・二億円、それから地震業務のために従事しております人間が五十四名でございましたが、五年たちました五十年度にはほとんど倍増いたしまして、約六億円の費用を地震業務のために使い、かつこの地震業務に専従しております人間も六十七名にふやしていただきました。もちろんこのほかに、地震観測は各地の気象官署でやっておりますので、気象観測と地震観測と両者複合的に従事しております者は、この六十七名のほかに約千名おるわけでございます。
○兒玉委員 何でもかんでも中国を礼賛するわけじゃないわけですけれども、この遼東半島における地震予知について、いまずっと朝日新聞が「地震予知と防災」ということで継続的に掲載しているわけです。これを見ますと、たとえばおたくの気象庁の見解等を聞いておりますと、そんなことがあり得るはずがないとか、非常に専門的な学者の皆さん方もきわめて消極的な発言をしているということが、朝日新聞の連載に載っているわけです。そうしますと、たとえ地震については後進国であっても、そういうふうな予知に成功しているという具体的な例があるならば、もう少し積極的な気象庁としての姿勢というものを示す必要があるのじゃないか。同時に、これは科学技術庁を含めた全体的な地震予知ということが、いま全国民の関心が非常に高いわけです。なかんずく川崎市の場合は、先ほど御質問がありましたが、実は非常に重大な関心を持っております。そして、伊豆にしても、あるいは私の郷里のえびのにしても、あるいは大分でも、みんな直下型地震と言われているわけですが、こういうことについてもう少し積極的な取り組みをする必要があるのじゃないか。 それから、いま予算のことを申されたわけですけれども、地震が与える被害というものは、現在気象庁で取り組んでいる構成メンバーなり予算に比べると、私はけた違いの金額だと思うわけですが、もう少し気象庁の地震担当者としては、地震国でございますから、強力な機構の拡充ということについて取り組んでいくべきではないかと思うのですが、課長、いかがでございましょうか。
○末広説明員 中国の地震予知技術に関してでございますが、先ほど高鳥先生にも御説明申し上げましたとおり、決してわれわれなおざりにしているわけではございませんで、学ぶべきところは謙虚に学ぶという態度でございます。したがいまして、遼東半島の地震予知に関する文献も、各方面必死の努力をいたしまして文献を入手いたしましたし、もしできれば政府間レベルで人員の交流をして、直接向こうの方からいろいろ情報を教えていただく。もし急に政府間レベルということに一気にいかない場合には、すでに学者間の交流ということは実現しておりますので、去年中国を訪問されました東大の浅田教授が中心になりまして、できればことしの秋に向こうの地震学者を日本へお招きして、いろいろ教えていただくということを現在計画中でございます。 それから、気象庁の地震業務に対する態度でございますが、私が申し上げるのは、あるいは僭越かと存じますが、最近は気象庁も地震関係に大変力を入れておりまして、たとえば気象衛星と並ぶ重要事項の一つといたしまして、人員、組織、予算等につきまして、年次ごとにより大きな規模で大蔵省並びに行政管理庁の方にお願いするという方針できております。
○兒玉委員 四月の二十一日に発生しました大分の地震の場合において、特にこれは地震課と建設省にお伺いするわけでありますが、震度あるいは強度等を通じましても、われわれは常識的に見ても、そう強力なものではないというふうに思ったけれども、比較的に被害が大きい。それからホテル等の建物の損壊が報道されておりますが、このような建築物等の被害戸数がわりあい多いという点等から判断した場合に、やはり耐震構造ということになり、またはきわめて範囲が広いという点等からも、気象庁としてはこの地震の前ぶれといいますか、そういうような徴候の把握は、この地区に観測所があるかどうか知りませんけれども、阿蘇の観測所があることだし、そういうふうな前ぶれ的な状況はなかったのかどうか。 それから、建設省については耐震構造、なかんずくホテル等の場合は、かなりの客がおったように聞いておるわけでございますが、幸い人身被害はなかったけれども、こういう耐震構造面における建築基準といいますか、そういうものは大分の場合等は総体的にどういうふうになっていたのか、この辺をひとつお伺いしたい。
○末広説明員 御説明申し上げます。 大分県中部の地震についての震度でございますが、四と発表いたしましたのは、震源地から大分離れております阿蘇と大分の気象官署で四でございましたわけで、震源地では当然五ないし六であるということは、直ちに私どもが中央防災会議へ報告いたした中にも明記いたしておったわけでございます。 それからなお、この地震は、地震といたしましてはそう大きなものではございませんが、何分浅いところで起こりましたために、その直上には相当な被害を出したわけでございます。このような、地震としてはわりあい小型、被害は伴うけれども、地震としては比較的小さなものの前兆現象をつかまえるというのは、現在の技術では大変むずかしゅうございまして、残念ながら阿蘇の観測所におきましても大分の観測所におきましても、前兆らしきものは何ら感知することができませんでした。また、その後現地におきまして精密な調査をいたしましたが、地下水位の変化とか何らかの前兆らしきものも、この地震に関してはなかったようでございます。
○大田説明員 お答えいたします。 このたびの災害に当たりまして、さっそく建築研究所の方から視察団が参りまして、その中間報告を受けておりますけれども、調査の結果では、震源地付近では建築の方で申します水平震度が〇・四ぐらいではなかろうか。これは気象庁の震度階で申しますと、震度六という烈震でございまして、このように推定される、非常にまれな地震力であるというふうに言っておりました。 これに対処しまして、建築物の安全性に関しましては、建築基準法令におきまして、大体関東大震災程度の地震に耐えるようにということで、水平震度〇・二を建築構造物にかけまして、それで安全性をチェックしております。 なお、昨今、特に十勝沖の地震にかんがみまして、柱の剪断力をより強化するために昭和四十六年に建築基準法施行令の一部を改正しまして、柱筋を束ねる帯筋をより補強するというふうな手だてをとっております。
○兒玉委員 時間が参りましたが、後二問にしぼってお聞きしたいと思います。 一つは、これは特に科学技術庁なりあるいは地震課にも聞きたいわけですけれども、川崎市が今回の大分の地震を調査に参りまして、大体こういうふうな規模が予想される、これを川崎市に引き戻した場合にどういうふうなことが予想されるかという、被害の予想される大体の数字をこの調査団がまとめて出しておるわけです。 これによりますと、震源地は大体国鉄の川崎駅付近、それから規模はマグニチュード六前後、そうした場合に、震源地から半径六キロ以内が大体震度六、それから半径六キロから十二キロが大体震度四、専門的には烈震とか中震とか言っておるそうでございますが、そういう程度の直下型が来た場合に、倒壊家屋は約一万八千一尺火災関係が百一件、それから被災十二万人。もちろんこれは川崎市にあるところのコンビナート関係、そういうもの等が含まれてない中で、こういうふうな一つの大分の例に学んだ調査の結果を、こういう形で想定できるというふうに数字を出しているわけでございます。 これは、私はきわめて真剣に考えるべき問題であり、予知連絡会としても、余り心配することはないという報告が、つい最近出されましたけれども、やはり住民の世論調査によると、八〇%以上が、予知連絡会のあの発表では安心できないというふうな住民心理というものがあるわけでございますが、やはりこれに対しては、もう少し今後積極的な対応策を考えていく必要があるんじゃないかと思うわけでございますが、これについてのそれぞれの立場から、特に建物関係は建設省、また総合的な科学技術庁なり地震課長、これは見解になると思いますけれども、ひとつ御答弁いただきたいと存じます。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 地震の発生に伴います地震の大きさあるいはその震度、こういうものはやはり専門の方の御検討にまたなければいけないと思いますが、科学技術庁といたしましては、川崎の問題が起こりまして以来、地震予知研究推進連絡会議を頻繁に開催いたしまして、どのような観測体制で、どのようなデータを集めたらいいかということについて地震予知連絡会の方からの御見解を受けまして、速急にその観測体制をとりまして、また費用の必要なところにおきましては、昨年度四十九年度につきましても、特別研究促進調整費を支出いたしまして対応いたしましたし、昭和五十年度におきましても、すでに支出を決めまして、川崎付近で深井戸を掘って観測を実施して、前駆現象をなるべくたくさん把握しようというようなことで体制をとっておる次第でございます。
○大田説明員 建物関係についてお答えいたします。 昭和四十六年二月にアメリカのロサンゼルス地震でかなり大きな被害がありました。多くの調査団を派遣しましてその被害を見てまいりまして、まず公共的建造物に関しましては、早速四十六年から耐震調査を行っております。当省で所管しております官庁建築物等に対しましては、すでにその必要な措置を終わっておるように聞いております。なお、当省所管施設以外の公的建造物は、それぞれの省庁で同じようなことをなさっておるというふうに聞いております。 なお、民間の建築物等につきましてでございますが、これはそれぞれの公共団体の建築主管課あるいは民間の建築士会、こういったところが協力しまして、建築カウンセラー制度とか、あるいは耐震性等に関する広報、パンフレット、そういうものを配布しまして広く地震対策を進めております。
○末広説明員 川崎の観測について御説明申し上げます。 科学技術庁がお答えになったことと重複することになると思いますが、あくまで川崎市につきましては、地震に結びつく可能性が薄らいできたというわけでございまして、一部地下水の性質にまだ疑問の点が残っておりますし、住民の方ももちろんまだ御心配であるわけでございますので、決して手を引いたというのではございません。ここ半年集中的に行ってまいりました観測を緩めるどころか、いま科学技術庁から御説明いたしましたように、新たに深い井戸を掘りまして、さらに観測をむしろ強化して、これを当分継続するということで、現段階での万全の措置はとっておるつもりでございます。
○兒玉委員 それでは最後に、もう一遍地震課長にお伺いします。 実は私の郷里にございます桜島、霧島火山系が最近また非常に活動が激しいということで、けさのテレビでも大正三年の桜島噴火のときの模様が出ておりましたけれども、非常に爆発の回数がふえているのは、やはり火山系の地震がかなり大きいのが来るのじゃないかというふうな、かなりの懸念があるわけでございますが、気象庁としてはどういうふうな判断をされているのか、最後にお伺いしまして、質問を終わりたいと存じます。
○末広説明員 御説明申し上げます。 桜島は、御指摘のとおり最近活動期に入っておりますことは間違いのないところでございます。これに対しまして気象庁は、気象庁本来の予算及び科学技術庁にお世話を願いました特別研究調整費をもちまして、桜島火山に対する観測施設をおととしと去年にかけまして強化、更新いたしまして、人員も五名専従的に張りつけておりまして、特に桜島に対しては、いま申し上げましたとおり十分の注意をこれに集中しております。また火山噴火につきましても、火山噴火予知連絡会というのが去年の四月から発足いたしまして、各大学その他研究機関とも十分に連絡協力いたしまして、桜島、阿蘇等に対する監視は、いささかも緩めることなく強化しておるわけでございます。
○金丸委員長 次に、諫山博君。
○諫山委員 大分県中部地震の問題について質問します。 予知の問題についてはすでに論議されていますから、私はそれを省略しまして、直面している幾つかの課題について政府の答弁を聞きたいと思います。 第一は、建設省です。建築基準法がありまして、それでは、建築物は地震その他の震動に対して完全な構造でなければならないという規定があります。いま関東大地震の例が引かれましたが、実際の運用では、建築基準法第二十条というのは関東大地震程度の地震が起こっても、安全な建物をつくらなければならないというたてまえで建設省は運用しているのでしょうか。
○大田説明員 お答えいたします。 建築基準法二十条に、地震に対して安全である旨の規定がございますが、それを数量的に敷衍したものは、建築基準法施行令第三章第八節の「構造計算」というところに具体的に数値を決めております。そのうち地震力のとり方でございますが、第八十八条に地震力の水平震度のとり方を〇・二というふうに規定してございます。これはほぼ関東大震災程度の地震に耐えるという前提で規定しておるわけでございます。
○諫山委員 関東大震災程度の地震に耐えるという基準は、いつごろから採用されているのでしょうか。
○大田説明員 これは建築基準法の前身でございます市街地建築物法の制定当時からでございまして、それはたしか関東大震災を経験しました直後にできたように聞いております。
○諫山委員 今度の大分県の地震で、九重レークサイドホテル、地上四階、地下一階、昭和四十年に完成した鉄筋コンクリートのホテルが、つぶれたと言っていい状態になっています。これが新聞でも大きな問題になるし、週刊朝日などでも特別に取り上げられているわけですが、建築基準法が完全に守られておれば、関東大震災程度の地震が起こっても建物は壊れてはいけないというたてまえのはずなのに、はるかに小さい地震で、この建物がつぶれたというのはどういう理由でしょうか。
○大田説明員 お答えいたします。 災害の直後、私どもの建築研究所の方から専門家が現地を視察いたしまして、その中間報告でございますけれども、気象庁では一応大分の測候所の震度で震度四というふうに発表されておりますが、その中でも震央地区では震度五ないし六というふうに発表されております。建築研究所の中間報告でも、恐らく水平震度があの場合〇・四であったのではなかろうか。そうしますと、関東大震災で申しますと、震度が四ないし五ということでございますので、それをはるかに超える地震力であったというふうに申せます。
○諫山委員 そうすると、大分地震程度の地震が起これば、建築基準法はあるけれども、こういうビルがつぶれるのはやむを得ない、これは法律の基準が甘過ぎるからでもないし、確認が不十分だったからでもない、建築基準法というのは、この程度の地震には耐えられない基準を決めているんだ、こう聞いていいでしょうか。
○大田説明員 建築基準法を施行しまして以来、たびたびの地震に遭っております。そこで、昭和四十三年に十勝沖の地震がございまして、ここでもかなり学校等被害がございました。その経験を踏んまえまして、建築基準法施行令を昭和四十五年に改正しております。これは主として、柱が剪断力で倒れるというふうなことのないように、柱の主筋を取り巻きます帯筋のピッチ、間隔を倍加したということでございまして、これが施行になりましたのが昭和四十六年でございます。このレークサイドホテルが建ちましたのが昭和四十年でございますので、この規定の適用がございません。そうしまして、いままだ検討中でございますけれども、この規定が適用になったとして、どれだけの耐力があるだろうかということを目下建築研究所で試算をしております。
○諫山委員 国土庁の横手審議官に質問します。 いまの問題に関連したことですが、建築基準法では、関東大震災程度の地震が起こっても、建築物が壊れないようにというたてまえで最低の基準を決めているという説明がありました。ところが、現実に、地下一階、地上四階のビルが大分県でつぶれたわけです。私は、これは建築基準法の基準そのものに問題があるのか、それとも建築基準法に従っているかどうかの確認手続に問題があるのか、どちらかではなかろうかと思ったんですが、建設省の説明では、この地震というのは関東大震災以上の震度だからというような説明もあるのですが、どう理解しておられますか。
○横手政府委員 お答えいたします。 さきの大分地震の際の被害は、例のホテルの写真がまず新聞で報道されたというようなこともございまして、一方、地震の震度はそれほど大きくないような感じも受けたわけですが、そこで早速に建設省の方へお願いいたしまして、建築物の構造自体に問題があったのではなかろうか。構造上に問題点があるなら、それでまた理由がはっきりしてまいります。そこで、特にその面の調査をお願いしたわけでございます。 一般的に私ども、先生最初におっしゃられましたように、ほとんどの建築物は関東震災級の地震には耐え得る構造になっておる、こういうふうに聞いておりますし、そうした指導が行われておるもの、このように考えております。そこで建設省へ調査の依頼をしたわけでございますが、実はまだその調査の結果につきまして、私十分な話を聞いておりませんので、どういう原因でああいう損壊が生じたのか、もうしばらく、建設省の調査の結果を聞いてからにいたしていただきたい、かように存じます。
○諫山委員 いま大分県の地震を関東大震災の震度と比べるという問題提起があったわけですが、説明では、六ないし七というような非常に幅のある説明がされております。こういう説明しかされていないというのは、正確な震度の測定が現地で不可能だ。 〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕 つまり地震計が非常にまばらにしか装置されていないから、結局よその地域から逆算するというような措置しかとられないというところに問題があると思うのです。 私、この問題に触れまいと思ったんですが、しかしそれにしましても、現に建築基準法のもとで建設されたビルが壊れている。このことをもっと真剣に考えないと、建築基準法だけを見ておると、ああ関東大震災程度の地震があっても、ビルはつぶれないんだということになるわけですが、現実にはそうなっていないという点を速やかに調査して、明快な結論を出していただきたいと私は思う。 私の考えているのは、建築基準法の基準が甘過ぎるのか、あるいは確認手続に問題があったのか、それとも、昭和四十五年の法改正の問題が提起されたわけですが、法改正後、法改正に等しい効果的な措置をとるような行政指導をしていないというところに、もう一つの問題があるのではなかろうかと思います。私たちは、最近の建築基準法の改正でも、よりよい基準に改善することは結構、同時に、過去のものについてもそれと同じような効果が確保できるような行政指導をすべきだということを指摘してきているのですが、このたびの、その四十五年度の改正と今度の崩壊との関係はどういうふうになっているのですか。私が言ったような、四十五年度の改正と同じような効果が得られる行政指導がされているのかどうかです。
○大田説明員 昭和四十六年上月のロサンゼルス地震にかんがみまして、大都市震災の重大性を認識しまして、公共的建造物につきまして昭和四十六年から耐震調査を行っております。その場合の判断基準としましては、建築研究所の方で作成されました耐震診断法、これは当然建築基準法の改正を盛り込んだような内容になっております。そういったことで、中央官庁はもとより、各省庁にわたります病院とか学校、そういったものの耐震診断をなさっているというふうに記憶しております。 なお民間の建築物に対しましても、目下のところは都道府県とかあるいは建築士会等が協力しまして、相談所あるいは広報、パンフレットを配布して広く認識を深めておるわけでございますけれども、何分でき上がったものをチェックするというのは技術的に非常に困難な面もございますので、建築研究所が作成しておりますその耐震診断法をより簡易な方法で一般の技術者にもわかるようなスタイルをとって広めてまいりたい、このような作業を目下しておるわけでございます。
○諫山委員 農林省に質問します。 このたびの地震を局地の激甚災に指定してもらいたいというのが大分県からの要望事項に記載されております。今度の場合、一番大きな被害は農林関係です。農林関係だけで約三十億。私は、局地激甚災害指定基準から見て、少なくともこの基準の第二、災害にかかった農地等の災害復旧事業経費額が当該年度の農業所得推定額の一〇%を超える市町村が一つ以上ある災害というのに該当するはずだと思っているのですが、農林省としてはどういう調査をされ、どういう結論を持っておられるのか御説明ください。これは大分県の政府に対する要望の第一に掲げられている内容です。
○今村(宣)政府委員 今回の大分地震につきましての農林関係の被害は、お話しのとおり総額約三十億円に達しておりまして、その主なものは農地、農業用施設等の災害約十四億、それから林地が約十二億円となっておるわけであります。こういう災害にかんがみまして、私たちといたしましては直ちに現地に担当課長あるいはまた担当課長補佐を派遣して所要の指導をいたしておるわけであります。 農地、農業用施設の災害につきましては、まず応急復旧をやることが大事であるということで、目下その指導をいたしておりますが……。
○諫山委員 後でいろいろ聞きますから、局地激甚災の指定の問題について御説明ください。
○今村(宣)政府委員 それでは、その部分につきましてお答えを申し上げますが、先生お話しのとおり、局地災害指定につきましては基準がございますが、現在私たちとしましては鋭意査定を行っておるところでございまして、その査定をまちまして、該当する市町村につきまして十分検討をいたしまして、早急に関係省庁と協議をしてまいりたいと思っておりますが、現在そういうふうなことで鋭意取り進めておるところでございますので、どの市町村が該当するかということにつきましては、なおしばらくお待ちをいただきたいと思っております。
○諫山委員 各町の災害復旧事業経費額というのはもう大体出ていると思います。問題は、当該年度の農業所得推定額がどのくらいになるのか。これも過去の農業所得から大体常識的な推定が出るはずですが、この農業所得推定額というのは、どういう数字になっていますか。
○今村(宣)政府委員 当該年度の農業所得推定額等につきましては、いま私の方でいろいろと鋭意検討をいたしておるところでございまして、五十年度ということになりますと、今後の米麦価その他農産物の価格のいろいろ見通しといいますか腹づもりといいますか、そういうところもどの程度に見込んで所得額を算定するかという問題もございますので、現在その点につきましても鋭意検討をいたしておるところでございます。
○諫山委員 当該年度ではなくて前年度だったら、どのくらいの農業所得の推定になりますか。
○今村(宣)政府委員 四十九年度で、全体の市町村につきましてはいかがかと思いますので、例示的に申し上げますと、たとえば庄内町でございますが、十七億四千七百万でございます。それからもう一つ湯布院町につきまして申し上げますと、六億八千七百万程度に相なっております。
○諫山委員 そうだとすれば、常識的に考えて少なくとも農業関係では局地激甚災害の指定を受ける資格が備わっておるというふうに予想されるわけですが、どうですか。
○今村(宣)政府委員 いま申し上げました二つの町等につきまして、いろいろ今後十分に農業所得推定額を出して、それから同時に査定の額を出して検討いたさなければなりませんけれども、そういう点から推測いたしますと、そういう可能性といいますか見込みといいますか、そういうものにつきましては、十分と言えますかどうかわかりませんけれども、可能性を持っておるのではないかというふうに考えております。
○諫山委員 農業所得が前年度に比べて減少するということは一般にあり得ないわけですよね。生産者米価もどれだけ上がるか知りませんが、相当上がることは間違いないわけだし、そのほか農業所得が昨年に比べて、ことしが相当上回るというのは、これは常識。そういう点から見ると、少なくとも現在でキャッチできておる状況から見れば、当然と言っていいくらい局地激甚災の指定を受ける条件があるというふうに私は見るのですが、そう言えませんか。
○今村(宣)政府委員 いまお話しのように、農業所得額は恐らく昨年よりも下がることはないと思いますが、それの一〇%ということになると、被害額もまた上がるわけでございますから、所得額が上がるということは、可能性としては被害額一定という前提に立てば、指定の可能性がむしろ少なくなるということでございますので、したがって農業所得推定額も十分に検討し、被害額につきましても十分に検討して、私たちとしてはどうするかということを決定いたしたいというふうに考えておるわけであります。
○諫山委員 いまの私の質問は、私勘違いしておりまして間違っておりますから撤回します。 農業所得が、ことしは上がるはずだという質問です。これはいいですか。
○高鳥委員長代理 はい。
○諫山委員 いずれにしましても、この被害を受けた四町というのは非常に貧しい自治体なんです。九州の中でも一番財政力の弱い地域に当たるのではなかろうかと思います。それだけに局地激甚災害指定というのを一番強く要求しているわけです。この点、実情に合った処理を農林省の方で是非検討していただきたいということを要望いたします。 次に、同じ農業問題ですが、農地の被害、とりわけ農業用施設などの被害というのが非常に多いというのが今度の場合の特色です。そして当然この復旧作業が始まるわけですが、いま農民が非常に希望しているのは、この機会に基盤整備も兼ねて実施してもらいたい。たとえば、たんぼがひび割れした、これを応急的に措置するだけではなくて、同時に基盤整備も一緒にやって、本当に地震の被害が何一つ残らないような状況をつくり出してもらいたいというのが強い希望だそうです。 私たちの党の明県会議員が、一昨年庄内町に行って農民といろいろ懇談した中でも、一番強く出された要求がこれだった。そして、こういう処理の仕方というのは前例もあるようだし、明県会議員の調査によれば、そういう処理が非常にふさわしい地域だということが強調されております。 この点、農林省の方にきのうも私はいろいろ要望したわけですが、どういうふうにお考えなのか、御説明ください。
○今村(宣)政府委員 災害復旧事業につきましては、これは申すまでもなく、原形に復旧することを原則といたしているわけでございます。しかし、農地等の崩壊、埋没等が非常に激しくて、原形に復旧することが著しく困難である、あるいはまた著しく不適当であるというような場合におきましては、農地の区画形状を変更整理いたしまして復旧することができますので、現地の状況によって、私たちとしましては、現地とも十分打ち合わせの上、対処してまいりたいというふうに考えております。
○諫山委員 被害を受けた現地の農民がこのことを強く希望するということになれば、前例もあるようですから、前向きに処理するということは可能でしょうか。
○今村(宣)政府委員 災害復旧につきまして、現地の方の希望を十分くみ取るということは、もとより私たちもそのつもりで対処をいたしてまいるわけでございますけれども、現地の状況によりまして、先ほど申し上げましたような取り扱いをどういうふうにしていくかということは、県なり市町村なりあるいは地元の要望、あるいはまた私たちの災害復旧の取り扱い方という点を十分考えまして対処してまいりたいというふうに考えております。
○諫山委員 ぜひこの問題は、地元の強い要望だという立場から、積極的に取り組んでいただくことを要望します。私は、被害を受けた庄内町の例だけを申し上げましたが、ほかの町でも同じような希望がたくさん農民から出されているという話を聞いていますから。 次に、建設省に質問します。 大分県の政府に対する要望事項で、「住宅金融公庫法による災害復興住宅の貸付を実施されたい」というのがあります。「災害復興住宅の貸付を実施されたい」という文章になっているのですが、これは住宅金融公庫法による貸し付けの災害復興住宅の適用を、実情に合わせてといいますか、機敏にといいますか、あるいはなるべく広範にといいますか、そういう意味で、被害者に援助になるような運用をしてもらいたいという要望だろうと思います。 実情を調べてみると、応急仮設住宅に入っている人も、九州ではありますが、なかなか冬場は寒いところで、とても年を越せるような状況ではない、なるべく早く家を建設したい、しかし資金はないというようなところから、この要望が出てきたわけだと思います。これもきわめて当然な要望ですが、建設省としてはどういうふうにお考えになっているのか、御説明ください。
○吉田説明員 お答え申し上げます。 災害に対します住宅金融公庫の貸し付け、これは二通りあるわけでございます。公庫法第十七条第六項、これがいわゆる「災害復興住宅」でございますが、これにつきましては、一応その災害の規模の基準がございまして、この大分の地震の場合に、この基準による災害復興住宅の貸し付けは、基準に照らしまして困難でございますが、なおこれと別に一般の個人貸し付けのうちで、災害が起こりました場合に、留保して特枠でとっているものがございます。御案内のように、金融公庫の一般個人貸し付けは先般も希望が非常に多かったわけでございますが、これの別枠でとっているものを用いまして、これを充てることによって、大体希望のものについては全部処理できるのではないかということで、私ども用意しているわけでございます。
○諫山委員 希望のものは全部賄えるのではなかろうかという御説明のようですが、ただ問題は、たとえば収入による制約とかそのほかいろいろ規則上、手続上の問題が残るのではなかろうかと思うのです。その場合に、本当に住宅に困っている、しかし収入が少ないばかりに、この制度を利用できないというような問題が起こるのではなかろうかということが、現地では懸念されているわけです。しかし実際は、収入の少ない人ほどこの資金の利用の必要性というのは大きいわけですが、そういう点いかがでしょう。
○吉田説明員 住宅金融公庫法のたてまえから元利金の償還というものの見込みをはっきりするということは一つの要件でございますので、収入は元利償還金との関連で、ある程度確保しなければならないというのはやむを得ないことであるというふうに考えております。いま公庫の運用では、元利償還金の五倍以上が収入として必要だということになってございます。ただ、一五倍以上ということでございますが、いまこの大分の例で申しますと、木造住宅で貸し付けを受けた場合に貸し付けの限度額が三百二十万というふうになっておりますが、三百二十万満額を借りたといたしまして、これの元利償還金の月割り額が二万三千四百円程度でございますので、これの五倍というものを年間収入にいたしますと大体百四十万ということでございますので、一般の所得水準から見た場合に、そう非常に高いということにはならない。たとえば公営住宅の第二種のものの収入基準が百六十五万でございますので、それとの比較におきますと、厳し過ぎるということではないのではないかと思っております。 ただ最高限度額を一律に貸すというわけではございませんで、そこまでいかない場合には、その収入の五分の一に相当する元利償還金の範囲でございましたら、限度額の中で運用することが可能でございますので、全般的に適切に行えますよう運用してまいりたいと思っております。
○諫山委員 貸し付けの枠自身が非常に小さいわけです。それにしましても、たくさんの人たちがこの制度を利用して家を何とかつくりたいという希望を持っているようですが、いま言われたような償還能力というような点で実質的に利用できないというようなことが起こったら大変だと思いますから、これも弾力的な行政運用を希望するということを申し上げたいと思います。 それからもう一つ、今度は農林省にお聞きします。 共産党の明県会議員が庄内町に行ったところが、シイタケがほとんど全滅状態になった、収入がほとんどないんじゃなかろうかというようなことが言われているのですが、そういう被害状況というのは農林省でキャッチしてありますか。
○今村(宣)政府委員 御質問のシイタケの被害につきましては、現在県当局で調査中でありますが、現在のところ、県からの報告によりますれば、被害市町村は四九市町村、被害の内容はシイタケの乾燥倉庫等でありまして、被害額は総額で大体五百六十万円程度というふうになっております。
○諫山委員 こういう農産物の被害というのは、何とか補償制度をつくるべきだと私たち考えているのですが、どうもまだそういう状況になっていない。結局、低利、長期の融資にでも頼るしかないというような実情のようですが、何か、農林省の方でこういう被害を実質的に回復する道というのはあるのですか。これはもう農民の泣き寝入りにならざるを得ないのですか。
○今村(宣)政府委員 農作物の災害補償につきましては、御存じのとおり米麦その他相当の数の農業災害補償制度を設けておるわけでございますが、いずれも保険というシステムでございますので、やはり保険設計ができるものということに相なるわけでございまして、全部の、シイタケ等を含めましたようなものにつきましての、そういう保険制度というところまでは進んでおらないわけでございます。したがいまして、今回のそういう林産物、シイタケ等の被害につきましては、農林漁業金融公庫の低利融資を融通するということで対処をしていきたいと考えておりまして、現在県が資金需要額を調査中でございまして、それがまとまりますれば、農林漁業金融公庫資金の融通等を取り進めたいというふうに考えておるわけであります。
○諫山委員 最後に、国土庁の横手審議官にもう一回質問します。 地震の規模、大きさから言ったら、私は大した地震ではなかったのじゃないかと思うのですが、それにしても約四十億円の被害、これは貧しい農村にとっては大変な金額なのです。ですから、さっきから地震の予知というのは、まだ研究段階で実用に乗っていないというような説明もありましたが、それにしても、もっとこういう点に予算をつぎ込めば何とかなるのではなかろうか。たとえば地震関係で、気象庁で五年前に比べて予算が倍になったけれども、六億円だという説明がありました。 私の知っている専門家、科学者でも、予算さえつけてくれれば、もっと自分たちはやれるのだけれどもということをみんな言っておられます。その点では、中国の成功した例もいろいろここで論議になったわけで、私は繰り返しませんが、被害の大きさに驚いて、復旧であわてふためくというのではなくて、やはりもっとこういう問題に予算をつぎ込むという姿勢がどうしても必要です。 同時に、今度起こっている被害四十一億円、この中には、私が言ったようなシイタケの被害というようなものは含まれてないと思います。また、たくさんのたんぼが、ことしは田植えもできないというような状況が出ている、その被害も含まっていなくて四十一億円というような状況のようですから、被害者の救済に本当に万全の措置をとっていただく。やはり地震というのは政治と関係ない天然自然現象だというふうに見るのではなくて、政治の力で被害を少なくしようと思えばできるのだ、しかし、それがいろいろな事情からまだ十分手が打たれてない、政府の責任でこの被害を解決していくというような立場で大分県の地震に対処するということを希望したいと思うのですが、国土庁の方から御説明いただきます。
○横手政府委員 お答えいたします。 先生がおっしゃられますように、地震予知の実用化が進めば、地震による被害は非常に抑えていくことができるということになろうと思います。そのためには、いままでより一層今後とも地震予知関係の体制の整備には努めてまいる必要があるもの、かように思います。 ちなみに、地震予知関係の予算の最近の状況でございますが、四十八年度は七億七千万円、四十九年度が十五億五千万円、そして五十年度は二十億一千万円近くというふうに、この関係の研究費は、関係省庁の努力によりまして、かなり増額が図られてきておるところでございますが、今後とも私ども、関係省庁と一緒になりまして、この関係、地震予知の体制の整備には努めてまいりたい、かように存じます。
○諫山委員 いまの金額は政府全体の地震関係予算ですか。
○横手政府委員 ただいまの金額は地震予知関係の研究費でございます。
○諫山委員 終わります。
○高鳥委員長代理 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ————◇————— 午後一時三十五分開議
○金丸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。高橋繁君。
○高橋(繁)委員 私、午前中にも問題になりました地震予知という問題で、主として連絡会並びにその末端の組織、そうした問題で質問をしてまいりたいと思うのですが、まず最初に、午前中の話にもありましたが、予知連絡会は地震予知の研究段階であるという。しかしながら、この研究段階にしても、予知連絡会として発表する、過去にも発表したことがありますが、一体だれがこれを発表するのですか。
○田島説明員 お答えいたします。 地震予知連絡会が開かれまして、そこで各機関が提供いたしました情報を交換し、討議いたしまして統一見解がまとめられます。それは国土地理院が発表するということになっております。ただ、実際問題としましては、新聞記者の報道関係等につきましては、地震予知連絡会の開かれました当日、その場で連絡会長及び各機関の代表がそこへ出席いたしまして、いわゆる新聞記者へのレクチュアというような形で行っているのが実情でございます。
○高橋(繁)委員 前にも一度質問したことがありますが、京浜地帯のこの地震の予知につきまして、一、二年の間に震度五クラスの直下型地震が起こるおそれがあると発表した。これは地震予知連絡会が、かように発表したことは間違いないですか。
○田島説明員 お答えいたします。 昨年十二月の段階で、川崎につきましては昭和四十五年より約五年間、一番大きいところで土地が約四センチ隆起したわけでございます。この異常な土地の隆起につきまして、これはいわゆる地下水等の揚水量の減少、そういった人為的なもので生じたものか、あるいはいわゆる自然発生的な地震の前兆現象であるのか、その二つのどちらかということがわからなかったわけでございます。それで、こういう異常現象の原因を究明しなければいけない、そういうことで、これを究明するために地元にいろいろ調査団を送る、そういった点で、いわゆる地元にあらぬ不安を与えてはいけないということで発表したわけでございます。 したがいまして、直下型地震が起きるというふうなことを申したわけではありませんで、そういう可能性と、それからいわゆる地盤沈下に付随する現象であるか、どちらかを究明するということでございます。ただし、もし万一これが地震発生につながるものとした場合でも、異常隆起の面積比から推定いたしまして、そんなに大きな地震にはならない。マグニチュードで申し上げまして、五ないし六程度だというふうなことを申し上げましたので、いわゆるマグニチュード五ないし六の直下型地震が起きる可能性が非常に強いというふうなことではないのでございます。
○高橋(繁)委員 予知というものは一体いつ、どこで、どれくらいの規模の地震が起きるかということが発表されるのが、私は予知の基本的なものであると思うのです。しかしながら、いまおっしゃったように、新聞紙上では、予知連絡会が、京浜地区で一、二年の間に震度五クラスの直下型地震が起こるおそれがあるというように発表したのですけれども、ある程度これを読みますと、かなりのはっきりした予知と言ってもいいように思う。しかし、いまの説明によると、そういう地震が起こるおそれがあるので、いろいろな調査を始めたんだということなんですが、そういう発表の仕方が今後も一体行われるのかどうか。一、二年の間に震度五クラスの地震が起きるおそれがあるので、調査をしなくちゃいけないんだという、そういう発表の仕方というものは、これから行われるのかどうかということです。
○田島説明員 お答えいたします。地震予知連絡会が、今後、御質問のような形で、一、二年以内に幾らの地震が起きる可能性があるというふうなことを統一見解として申し上げるということは、相当はっきりした、確定した観測資料が出た場合には、そういうことを統一見解として発表する可能性もないとは申し上げられないと思います。ただし、そこまではっきりしたことを申し上げるような段階にまで、現在の地震予知の手法が確立しているというふうには、なかなか申し上げられない現状じゃないかと思います。
○高橋(繁)委員 そうした発表についても、各分担機関の緊密な協力と、それから観測データの能率的処理に基づいて、総合的判断が不可欠であるというように、このパンフレットにも書いてありますが、この京浜地区の場合において、これだけの発表をするについては、かなりの総合的な判断のもとに発表なされたものであるかということなんですね、その辺はどうなんですか。
○田島説明員 お答えいたします。 十二月の段階で発表いたしました地震予知連絡会の発表の文案、それから地震予知連絡会長が科学技術庁長官に提出しました文書、これは先ほど御説明いたしました趣旨のとおりでありまして、いわゆる川崎市にここ一、二年以内に、たとえば震度何がしかの直下型地震が起きる可能性があるというふうなことはございませんです。これは、そういう土地の異常な隆起というものの正体、原因をとにかく究明するということが主体でございまして、そうしてなお、そのAかBか、いわゆる地震発生に結びつくのか、それともそうでないのかというAかBか、仮にAの場合であっても、規模等についてはこの程度だというふうな、そういう表現でございます。
○高橋(繁)委員 この川崎の場合、地震予知連絡会、予知連が、一部にはかなりの反対もあった、その反対を押し切って発表したというようにも聞いておるわけですけれども、私たちは、地震予知という問題は、いまの段階ではなかなかはっきりしない。そうかといって、これがおくれたら大変なことになるので、そういう心配もありますけれども、また、住民に対する心理的な影響というものは、かなり大きいわけであります。 そうしたことを考えると、後から井戸の関係はなかったとかあったとかというような発表になっておるということになると、いわゆる総合的な判断に基づいて発表されたものではなかったのではないか。あるいは一部の反対を押し切って発表したということになると、反対もあったということなんで、連絡会としては、全会一致の発表ではなかったんじゃないかというように判断をしますが、その辺の判断はどうなんですか。
○田島説明員 地震予知連絡会が発表しました文案につきましては、これは地震予知連絡会を構成する委員、三十名以内でございますが、これの反対はございません。これは全員一致でございます。
○高橋(繁)委員 先ほども科学技術庁の説明の中に連絡会議、これは行政機関でつくっておる連絡会であろうと思うのだが、この連絡会議と予知連との関連性というものは、どのように持たれておるわけですか。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 地震予知連絡会は、昭和四十四年に国土地理院長の委嘱に基づきまして、学識経験者あるいは国の機関の研究者が委嘱を受けまして、地震の予知に関する情報を持ち寄りまして、そこでいろいろ検討する機関でございます。それで、地震予知研究推進連絡会議は、地震の予知研究を早く実用化させるために、行政機関同士の緊密な連携を保ちながら計画的に進めようということで、昨年の十一月に組織されましたものでございまして、推進連絡会議の方は行政機関の集まり、それから地震予知連絡会は研究者の集まりというふうに御理解いただきたいと思います。
○高橋(繁)委員 その地震予知研究推進連絡会議では、川崎の地震については、いま国土地理院がおっしゃったようなものに対してのデータとかそういうものは提供したのですか。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 地震予知連絡会に提供されますデータは、各大学及び各省庁の研究成果が提出されております。したがいまして、地震予知研究推進連絡会議から出したということではございませんで、直接、地震予知連絡会の方に情報が集まるようになっております。
○高橋(繁)委員 国土地理院の方では、いまそのような答えです。全会一致で、川崎の地震については、そういうもので得たと。私は全会一致でやったとは聞いていないのですが、地震課長は、この京浜地区の地震について地震予知連絡会が発表した、一、二年のうちに震度五クラスの地震が来るという、そのことについての地震課長としての見解はどうなんですか。
○末広説明員 御説明申し上げます。 ただいま国土地理院の方からお答えいたしましたとおり、地震予知連絡会は、多くのデータが集まりまして、それを学問的に検討するまだ研究段階のものでございまして、それぞれのデータと申しますか、資料に対します学問的な評価は、構成している人たちによって多少違うのは当然でございます。ただ討論の結果、十二月に出しましたのは、京浜地区は大事なところであるから、もっと詳しく調べる必要があるということが発表の骨子でございまして、その点に関しましては、気象庁としても全く同意しているわけでございます。
○高橋(繁)委員 大事な点でありますので、なお伺いますが、そういう地震が将来起こるおそれがある、こう地震課長も判断をしているわけですね。
○末広説明員 国土地理院の御説明の重複になるかと存じますが、十二月の段階では、異常隆起がございまして、これの正体がはっきりしないということで、現在の技術を駆使しまして、ひとつその正体を明らかにしようではないかということで一致したわけでございまして、ただそういうことを申し上げますと、それではもし万々一最悪の事態の場合には、一体どの程度の地震に見舞われるのかということが、当然国民の皆さんの御心配、特にその川崎地区の方の御心配の種になるということを懸念いたしまして、万一最悪事態になったといたしましても、関東地震のようなものが来るわけではなくて、せいぜいこれぐらいの地震であるということを、いわば安心の材料と申しますか、説明の付加として申し上げたわけでございまして、そういった地震の起こる可能性があるのであるとか、そういう地震が起こる可能性が強いとかということは、一切申し上げてはないはずでございます。 ただ国民の皆様にこういった情報が伝わりますのは、どうしても報道機関という媒体を通してでございまして、たとえば交通事故の報道とは違いまして、考えようによっては実態のないもので、われわれの御説明申し上げることが基礎になって報道が行われるわけでございますから、今後ともその点十分に気をつけて、十分御理解をいただけるような説明をしていきたいと存じます。
○高橋(繁)委員 川崎地震については、結局予知ではない、いわゆる研究段階における発表である、一応こう理解してよろしいわけですね。国土地理院でもどちらでも。
○田島説明員 お答えいたします。 先ほど末広課長から説明がありましたとおり、これは川崎市についての直下型地震の予知とか予報とかというものでは全くございませんです。そう御理解していただきたいと思います。 それで、この異常隆起の原因につきまして、なお不明な点があるので、今後とも十二月以来行ってきましたいろいろな調査観測を継続して行いますが、それは決して川崎に近々直下型地震が来るということを想定してのあれではございませんで、あくまでも、その基本はこの異常隆起の正体を究明するということでございます。
○高橋(繁)委員 この地震の予知対策につきましては、いわゆる情報の収集ということが大変大きな役割りを果たすと思うのです。しかし今度の予算で、科学技術庁の地震予知連絡会議ですか、そちらの方で初めて情報収集のための予算が百万円ついた。ところが、国土地理院の予知連絡会、これについては何ら予算が書類で見たところではないようです。したがって、この連絡会の会議費であるとか、あるいはその連絡会に情報を提供するためのいろんな情報の収集であるとかという費用は、一体国土地理院はどこで、どのようにおやりになっているのですか。
○田島説明員 お答えいたします。 国土地理院には、地殻活動調査経費といたしまして現在約二百八十万程度、予算が認められております。地震予知連絡会の運営等につきましては、そういった予算の中で現在実施しております。
○高橋(繁)委員 連絡会のメンバーは無報酬でありますか。
○田島説明員 地震予知連絡会の委員は、ほとんどが現役の行政機関の職員あるいは大学教授でございますので、いわゆる謝金等は、ごく少数、わずかでございますが、若干出しております。それから、いわゆる旅費等につきましても、毎回ではございませんが、出しております。
○高橋(繁)委員 予知連絡会の会合があって謝金を出しておる、旅費も、毎回ではないが、ときどき出しておるということになると、私、この際はっきりした方がいいと思うのです。一応連絡会といういわゆる権威のある、これから日本の地震予知を持つ会合に、時たま旅費を払ったり、あるいは謝金を払ったり、あるいは情報を収集するための費用も定かでない。これで一体地震予知というものが出るかどうかということなんですね。その辺どうなんですか。
○田島説明員 お答えいたします。 謝金等につきまして、これはいろいろな考え方があろうかと思いますが、いわゆる地震予知に関連する業務を行っているという立場から申し上げますと、いわゆる地震予知連絡会といろいろ情報交換する、あるいは地震予知連絡会に出席するという行為が、やはり自分の業務の一部というふうな考え方もあるかと思います。したがいまして、大学以外の行政機関の職員の方等につきまして、いわゆる謝金を出すということは、いかがなものかというふうに私どもちょっと考えております。また旅費等につきまして、これはいわゆる旅費の乏しい大学の教授の方に、特に地方の先生方に、まあ本来ならば毎回旅費を、いわゆる職員旅費としてお払いするのが本来だと思っておりますが、その点は現在全額ではございません。 以上でございます。
○高橋(繁)委員 はっきりしないのですけれども、やはり私はこの際、はっきりすべきだと思うのです。一応連絡会に招請をし、出席を求めるわけですから。そして、もっと権威のあるものにしていかなくてはならない。情報収集のための費用というものは、予知連には何もないですか。
○田島説明員 資料収集に関する経費が若干ございます。それは旅費、庁費とも、若干ございます。
○高橋(繁)委員 それじゃ、国土地理院の地殻活動検知センター、気象庁の地震活動検測センター、地震予知観測センター、このセンターの組織をひとつ教えてください。どういう組織になっていますか。
○田島説明員 私どもの方の地殻活動検知センターについて御説明いたしますと、これは今年四月三日付をもちまして地殻調査部が新設されまして認められました。この地殻調査部には二つの課がございまして、調査課とそれから観測課という二つの課がございます。それで主として地震予知連絡会の事務局は、この地殻調査部の調査課がこれをつかさどっております。 なお、気象庁等につきましては担当の方から……。
○末広説明員 御説明申し上げます。 気象庁にございます地震活動検測センターは、地震予知技術開発に大変重要な柱の一つであります地震活動に関する情報を提供するところでございまして、四十五年より発足いたしまして、現在所長以下五名で運営いたしております。 業務といたしましては、毎日全国的な連続地震観測によって時々刻々得られます資料、その後電子計算機等を使いまして、さらに小さい地震まで含めました地震の資料に基づきまして、日本付近に発生する地震の震源の移り変わり、それから異常性、地震波速度比の変化、放出エネルギーの変動などを常時監視しているわけでございます。そしてこれらの資料は、定期的に開かれます地震予知連絡会に提出いたしております。また緊急に大きな地震が発生した場合には、その地域の過去の地震の資料をすでにいろいろ整理してございますので、それに基づきまして、起こった地震の性質あるいはどのような余震の推移が期待できるかといったようなことを直ちに取りまとめまして、中央防災会議その他防災機関に資料として提供いたしております。もちろんその過程におきまして、大学その他の各省庁の研究機関とも密接に連絡しているわけでございます。 一口に申し上げますと、気象庁は、以前は地震の戸籍簿をつくりまして、それをいわばつくりっ放しにしていたわけでございますが、現在はその地震の戸籍簿に載っております地震の社会と申しますか、それの社会の中にどのような変化が起こっているか、それからどのような動向を示しているかというようなことを、常時調べているところであると御理解をいただきたいと存じます。
○田島説明員 地震予知観測センター関係につきまして、担当者がおられませんので、私かわりまして御説明いたしたいと思います。 大学及び大学の付属研究所が行いますいろいろな観測がございます。微小、極微小地震観測あるいは地磁気、地電流、地殻変動の連続観測、そういうようなデータにつきましては地域ごとの観測センターに集められ、これらの観測資料を含めました情報は、すべて地震予知連絡会において交換、討議されるようになっております。 地域観測センターにつきましては、最近までに東北大学及び京都大学それから名古屋大学にも、そういうふうなものが認められる予定になっておるというふうに聞いております。
○高橋(繁)委員 地震活動検測センター、これは気象庁の中に所長以下五名でやられておる。それから予知観測センターは各大学の付属研究所にある。地殻活動検知センターは、国土地理院の中にはそういう名称のものはないわけですね。
○田島説明員 お答えいたします。 地殻活動検知センターといいますのは、これは正式名称ではございませんで、現在の地殻調査部の調査課がそれを実質的に担当している、いわゆる地殻調査部の調査課が、あるいは地殻活動検知センターを兼務していると御理解していただいて結構だと思います。
○高橋(繁)委員 この組織表にはちゃんと書いてあるのだ、地殻活動検知センターとして。まあ兼務の場合もあるかもしませんが、三つのデータを実際にまとめるところが、いま言った地殻調査部に当たるわけですか。
○田島説明員 お答えいたします。 地殻調査部は、この三つのセンターの全部というのではございませんで、私どもの地殻調査部は先生お持ちの表にありますように重力ですとか地磁気ですとか、あるいは水準その他の測量でございますとか、あるいは検潮の記録——検潮所の記録につきましては、これは国土地理院のみでなくて気象庁、海上保安庁水路部その他の検潮所の記録を収集しております。そういうデータを地殻調査部が全部処理して、地震予知連絡会に提供しております。これらのセンターが一応全部提供して、まとまるのが地震予知連絡会というように御理解していただきたいと思います。ですから、地震予知連絡会にこれらのデータが全部集まりまして、各三十名以内の委員には全部これが行き渡るということになっております。
○高橋(繁)委員 それでは、国土地理院としては、この三つから集まるデータを集める場所というものはないわけですね。それが個々に集まってきたものが予知連絡会のメンバーのところに全部いく、こういうことですか。私は、まだよくわかりませんが、そういうことでよろしいですか。
○田島説明員 そういうことでございます。
○高橋(繁)委員 では、その収集する努力というものはそれぞれのセンターでやって、これ以外のいろんな情報の収集というもの、たとえば今後の地震予知というものは国際的な連絡あるいは情報を収集しなければならないという段階にきておると私は思う。午前中の話で中国の話もあったが、ほかにはそういう情報を収集する場所というものはないわけですね。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 先生もよく御案内のとおり、地震の予知は研究の段階でございまして、研究が非常に積極的に進められておるということでございますが、これまでは研究者間の交流あるいは文献の交換等を通じまして収集が行われてきていたわけでございます。それで、私どもが事務局をやっております地震予知研究推進連絡会議でも、今後この資料収集については努力をしてまいりたいというように考えておりますが、やはり主体は研究者の間での情報交換、文献の交流が一番大切でもあり、主流になるのではなかろうか、このように考えております。
○高橋(繁)委員 そうすると、科学技術庁の方でそういう情報を収集するということなんですか。
○渡辺説明員 科学技術庁の私ども事務局は、そういう文献そのものの技術的な内容その他よくわかりませんので、先日の中国の「地震戦線」につきましては、外務省のルートを通じまして資料を収集したという実例はございますが、緊急の非常に高度なものをすべて科学技術庁の事務局で集めるということではございません。やはりこれは、研究者の方が必要なものを集めていただくのが一番適切か、このように考えております。
○高橋(繁)委員 いま申し上げましたように、予知連絡会は、確かにこれではうまくできているように思うのですね、私、しろうとでありますから。もっとほかにやっているんだ、こうおっしゃるかもしれませんが、いわゆる情報収集ということで、少し私は——少しどころではない、大変な、もっと予知連が権威を持って、そうした組織にしてやらなければならないのじゃないか、こういうように思うわけです。先ほど言ったように、予知連の会議費もちょっとあやふやだし、会員に対する旅費も定かでないし、情報収集も、この三つのセンターから集まってくるのがばらばらに連絡会のメンバーに渡される。もう少しそれが統一された、あるいは収集されたものが、どこかでまとまったものとして出るような組織形態というものを私は今後つくらなければならないと思うのですが、どうですか、私の言うことについて、いまのままでいいのか、もう少し予知連を強化していかなくてはならないものなのか、その辺の考え、どうですか。
○田島説明員 これは非常にむずかしい、また今後とも検討しなければならない問題であろうかと思います。先生が御指摘の点を、私ども今後考えまして、現在の地震予知連絡会のこういった組織、これで果たして十分なのかどうかというふうなことを検討さしていただきたい、そういうふうに思います。
○高橋(繁)委員 測地学の審議会が、四十九年から始まる予知の五カ年計画について、地震の予知については百五十億円の金が一応必要だということを建議をした。これについて、地震予知について五カ年で大体どれくらいの予算をお使いになる予定ですか、おわかりになったらお答えください。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 測地学審議会の建議そのものに五カ年計画の全体の予算というものが明記されているわけではございませんで、研究者の間で五カ年間にこれくらい必要ではなかろうかということで試算されたお金が百五十億というふうに私どもは伺っておるわけでございます。それで、現在までのところ昭和四十九年度が五カ年計画の第一年度でございまして、四十九年度が十五億数千万、それから本年度五十年度が二十億ということでございます。この五カ年間に全体で幾らの予算を考えているかということにつきましては、現在のところははっきりした数字は持っておりませんで、この測地学審議会の建議に沿いまして毎年度最大の努力をしまして、この目標を達成したいということで関係各省と今後連絡協議を密にいたしまして努力してまいりたい、このように考えている次第でございます。
○高橋(繁)委員 ここには持っておりませんが、計画はおありですか。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 第三次五カ年計画の中の全体の予算というものは、参考として百五十億という予算がございますが、私どもの地震予知研究推進連絡会議でこういうお金を目標に掲げるというようなことでの打ち合わせはいたしておりませんので、現在のところございません。
○高橋(繁)委員 地震予知の五カ年計画がもう計画として発表されておる。しかしながら五カ年の計画の予算的なあれもないということになれば、何のための計画かと言いたいのです。 地震予知については国民が最大の関心を持っておる、また今回の京浜地区についても非常な影響を及ぼしておるということを考えると、確かに地震予知については、まだまだこれからの段階であると私も思うのです。また国民全体もそのように思っておるわけですが、その中で地震予知については、ある程度の期待も寄せられておる。そのときに、先ほど申し上げたいわゆる地殻活動検知センターそのものも兼務である。センターという名称は、訳すと中心ということ。そうしたあれも定かでないし、情報の収集のためのあれもない、あるいは連絡会に対する、もっと権威を持たせるような予算的な裏づけもない、五カ年計画も定かでないということになると、地震予知については、まだまだ私は不十分であるというように申し上げたい。 なお、たくさんきょう質問するつもりで参りましたが、予定の時間が参りましたので終わりますが、最後に気象庁に一点だけ。 最近できました地震記録自動処理装置、これが将来にわたって地震予知にある程度役立つというようなことも発表されておりますが、そういうものであるかどうか、見解をお聞きして、終わりたいと思います。
○末広説明員 御説明申し上げます。 私どもは、日本内外に起こります地震をできるだけ小さいものまで検知し、その場所を決め、大きさを決めるという作業をいたすわけでございまして、一方、地震といいますのは、小さくなるほど数がふえまして、将来はおそらく気象庁では日本内外で年間に約一万個の地震を処理しなければならないかと存じます。そうしますと当然非常に作業内容がふえるわけでございまして、これを全部人間が賄いますと、とてつもない人員を要することになります。いま御指摘の機械は、いわば電子計算機の力をかりまして、人間の頭脳を要しないような仕事はすべて機械に任せる、どうしても人間の頭脳が必要なところだけ人間が作業を行うという装置でございまして、地震予知の技術開発上大変に役立つ装置と存じます。
○金丸委員長 続いて、柴田睦夫君。 〔委員長退席、兒玉委員長代理着席〕
○柴田(睦)委員 いままで話に出ました地震予知連絡会議が川崎直下型地震の可能性について指摘をしましたときに、これが川崎市の住民の方たちはもちろん、南関東一円の住民にも大きな衝撃を与えたと思うわけです。これは東京、埼玉、千葉、神奈川、こうした地域が大型地震が発生する可能性を持つ地帯であるということとともに、こういう地帯は大都市であり、しかも過密地帯であるということ、さらには臨海コンビナート地帯という危険な要素をあわせ持っておりまして、ここでは大規模な地震災害の危険性がきわめて高いということが常識になっているからであると思います。 大規模地震災害については、いろいろと論ぜられてまいりましたが、大都市地域における大規模地震から住民を守る対策は、いまなおきわめておざなりであるというのが現状だと思いますし、この現状を速やかに改善していくということが緊急な課題になっているわけです。政府は、当然この問題を早急に解決していく責任があるわけですが、実際はどうかと見ますと、どうも心細い限りであります。 わが国の地震対策は、災害対策基本法を基礎にして、大都市震災対策推進要綱によって複雑な大災害に対応するということになっているわけですが、その実施面はどうかと見ますと、全く安心できない状態であるわけです。 ところで、この大都市震災対策推進要綱の実現については、国の機関はどのような責任を持っているか、この点から伺いたいと思います。
○横手政府委員 お答えいたします。 大都市震災対策推進要綱、これは中央防災会議で昭和四十六年に決定を見たわけでございますが、この推進要綱に基づきまして各般の対策を関係省庁が進めておるところでございます。なお、この推進要綱を推進いたしますために、関係省庁十八省庁から成ります大都市震災対策連絡会議というのを設けております。この連絡会議のもとに、防災体制、情報通信対策、避難対策、救護対策、都市防災、研究、こうした六つの分科会を設けまして、この分科会の場におきまして各省庁の調整を図りながら全般的な対策の推進を図ってまいっておるところでございます。
○柴田(睦)委員 そうすると、中心になってこれを推進するところは中央防災会議であるということになるわけですけれども、この中央防災会議は災害対策基本法に基づいて設置されて、その扱う事務が定められておりますけれども、中央防災会議の本会議、これは地震問題に関して言いますと、どの程度開かれており、どんなことをいままでやってきたか、このことを伺いたいと思います。
○横手政府委員 お答えいたします。 中央防災会議そのものといたしましては、四十六年にこの推進要綱を定めておりますし、また、その後も当面の対策についての申し合わせ、こうしたことも行っておりますが、主たる対策の推進につきましては、防災会議よりも大都市震災対策の連絡会議、これは構成が十八省庁の震災対策の担当官から成っておりますが、むしろこちらの場を活用することによりまして、対策の調整を図ってまいっておるところでございます。
○柴田(睦)委員 中央防災会議の事務局に局員会議それから主事会議というのが法令で決められておりますけれども、この局員会議や主事会議は地震問題に関してはどの程度の仕事をしているか、このこともあわせて伺いたいと思います。
○横手政府委員 お答えいたします。 先ほど申しましたように、中央防災会議におきましては、要綱の決定と、それから当面の対策の申し合わせ、こうしたことを行っておりますが、地震対策が一般の風水害対策とは趣を異にいたしますので、何遍も申し上げて恐縮でございますが、関係省庁の震災対策の担当者から成ります連絡会議、こうしたものの活用を考えてまいっておるわけでございます。したがいまして、局員会議等を招集いたしまして、そこで検討するといいますよりも、いわば震災対策連絡会議の構成メンバー自体中央防災会議の事務局の局員会議なり主事会議なりの、特に主事会議の構成メンバーとほとんどの省が同じ人が当たっておられるというようなこともございますので、この連絡会議というものを活用してまいっておるわけでございます。
○柴田(睦)委員 そうしますと、中央防災会議がやるべき震災対策の推進というものについては、実際上この十八省庁の大都市震災対策連絡会議が実際を扱っていて、ここに任されているというかっこうになるようですけれども、それではこの連絡会議は、いままでどういうことをしてきたか、伺いたいと思います。
○横手政府委員 この大都市震災対策連絡会議のもとに先ほど申し上げましたように六つの分科会を設けておるわけでございます。この六つの分科会で、都市防災であれば防災対策緊急事業計画の進め方とか、あるいは防災体制であれば緊急時の災害対策の体制の確立についてとか、こうしたことをそれぞれ検討してまいっておるわけでございますが、最近は、実は川崎地区で地盤の異常隆起問題の起きましたこともありまして、もっぱら川崎問題に焦点をしぼりまして、先ほどの大都市震災対策連絡会議と担当者も全く同じになるということになろうと思いますが、別に川崎地区の震災対策連絡会議というのを昨年の暮れに設けまして、主として川崎地区に焦点を当てながらここ四回ほど開いて、関係省庁の対策の調整を図ってまいってきておるところでございます。 ただ、川崎地区につきましては、今月初めの発表によりまして、かなり危険性は薄らいでまいっておりますので、これからは先ほどの分科会、これを随時開催いたしまして、大都市震災対策の全般についての検討を進めてまいりたい、かように存じております。
○柴田(睦)委員 その十八省庁の連絡会議が大都市震災対策推進要綱の実現についてどれだけの権限があるか、その推進要綱の実現のためにどういうことができるかという疑問が生じるわけですけれども、法律によりますと、中央防災会議は「非常災害に際し、緊急措置に関する計画を作成し、及びその実施を推進すること。」その事務の一つにされておりますけれども、いままで中央防災会議というのが、客観的に見ると重大な問題だと思われること、たとえば根室半島沖の地震のときだとか、あるいは遠州灘の地震が切迫している、こう言われるときだとか、あるいは房総半島がねじれている、こう言われたときでも中央防災会議は開かれない。今度の川崎直下型地震の可能性が言われたときにおいても中央防災会議を開くという考えがないようでありますけれども、こういう事態のときには、本来やはり中央防災会議を開かなければならないのではないか、そして法律に決められた権威のある中央防災会議が進んでその対策を立てるということが必要ではないかと思うのですけれども、連絡会議任せであるということで果たしてよいのかどうか、中央防災会議が大事なときには開かれなければならないのじゃないか、こう思うのですけれども、その点についてはいかがですか。
○横手政府委員 震災対策を推進してまいってきております連絡会議そのものが中央防災会議の事務局に当たる。事務局のもとでそうした連絡会議を開いてまいっておりますので、まあ災対法の趣旨にのっとって震災対策を進めておるものと私ども考えております。特に震災対策は広範多岐にわたりますので関係省庁も多いわけでございますが、それだけにむしろ事務部門の担当者が集まって個別に個々の対策を推進する、その上で総合的な調整を図るということが必要だろう、こういう考え方でございます。 ただ、中央防災会議でございますが、これは御承知のように会長は総理大臣でありますし、委員はほとんどが大臣、こういうことでございます。そういうこともございまして、むしろ事務的な進め方を中心に従来とってまいっております。 今回の川崎地区問題でございますが、昨年の十二月末の発表によりましても、直ちに地震に結びつくものとは思われないというようなこともございましたし、その後観測関係の強化を進めてまいっておりまして、その結果非常に近い機会に危険があるというようなことであるならば、中央防災会議も開くべきものというように考えまして、実は内々中央防災会議の開催の準備も進めてまいってきたところでございますが、ただ、今月初めの発表によりまして、その危険性が薄らぎましたので、この問題について中央防災会議を開くことは、かえって住民の方の不安をかき立てる結果にもなりかねないということもございますので、当面中央防災会議で川崎問題を議題として取り上げることは差し控えてまいりたい、かように思います。 ただ、この地区は非常に重要な地帯でもございますので、従来から進めております大都市震災対策連絡会議の系統を通じまして、震災対策の各般にわたりまして今後もその推進には努めてまいりたい、かように考えております。
○柴田(睦)委員 もちろん実務的な問題は連絡会議の仕事でありましょうけれども、また川崎直下型地震の可能性という問題についても、これがいますぐという問題ではないにしても、この南関東一帯の地震というのは、最初言いましたように重大な問題でありますから、こういう南関東地帯の地震についてどういう対策を進めるか、これは将来来るか来ないかわからないという場合であっても重要なところであるから、この連絡会議などで推進する方向が決められても、権威のある中央防災会議がそうしたものを受けてはっきりした態度、方針を防災会議として決めるべき問題があるのじゃないかということを考えますので、提案するわけです。 いま中央防災会議が総理大臣を議長として大臣が参加する内容になっているわけですけれども、そういうことから考えてみますと、中央防災会議の運営が、もうこれからこの問題について対策を立てなければならないというような、そういう緊急な問題について対処できないような組織ではないか、こういう疑念がわくわけですけれども、災害対策基本法施行令の第四条では、部会を置くことができるようになっているわけですし、部会を置いて震災対策を専門に担当する政府の責任ある機構を考えるべきではないか、このように思うわけですが、この中央防災会議の本会議ということになれば非常に大仰になりますけれども、この部会というものでもっと緊急な問題、これからやらなければならない問題について、積極的な対策を権威のある立場で決めていくというような考え方はないかどうか、重ねてお伺いします。
○横手政府委員 お答えいたします。 南関東地区と申しますか、大都市地域を対象にいたしました震災対策につきましては、かつて決定を見ました推進要綱、これは十分な対策が盛り込まれておるというふうに考えております。要は、この推進要綱のとおり具体的に各般の対策が実行されておれば、災害が発生いたしましても被害を軽少にとどめることができるもの、かように考えておるわけでございます。したがいまして、この推進要綱を具体的に進めてまいるというためには、先ほど来申し上げております震災対策の連絡会議を設けておりますので、また、今回の川崎問題、こうしたものも一つの教訓として受けとめまして、今後もそのもとにおける分科会を十分活用してまいりたい、かように考えております。 したがいまして、御提案の中央防災会議に部会を設けるということも、一つの案とは存じますが、現在一応、推進要綱、これを具体化するために関係省庁集まりまして、その推進を図っておりますので、そうした進め方で不十分なときには、ただいま仰せの部会の設置等も検討してみる必要もあろうか、かように考えます。
○柴田(睦)委員 推進要綱の具体的な推進のために、連絡会議任せでは現実に実現される面が弱いわけですから、そういう意味でも国の、政府のはっきりした方針を示すためにも、やはり中央防災会議が乗り出さなければならない、こう思っているわけです。 もう一つ、災害対策基本法では、専門委員の制度が法律で決められているわけですけれども、この専門委員というものの活動はないじゃないかと思うのですけれども、いま専門委員を置く必要性というものは考えられておらないのか、お伺いします。
○横手政府委員 お答えいたします。 現在専門委員は設けていないわけでございます。ただ、この点に関しましては、実は関係省庁で地震対策を進めるに当たりまして、各般の調査研究を進めておりますが、その調査研究を進めるに当たりまして、専門の学識経験者の方を委員にお願いしての委員会あるいは研究会、こうしたものが数多く設けられておるわけでございます。その中には災害予測の関連でありますとか、地震予知の関連でありますとか、耐震性、耐震工法、あるいは火災対策、こうした関連におきまして相当数の委員会が設けられておりまして、これへ参画しておられる学者の方、これが延べ八十人を上回るというような状況でございます。私どもは、やはりそれぞれの省庁で専門的な、各省庁で関係の深い学識経験者、これを集められた研究会あるいは委員会で検討していただくのが、かえってよろしいのではなかろうか、中央防災会議に専門委員を設けるよりは、そうした形の方が地震対策を進めるに当たりまして、より効果的ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○柴田(睦)委員 連絡会議といい、いま言われました調査委員会などといい、結局各省庁が、それぞれ責任を持って行うということに任されているという感じがするのですけれども、防災対策について、各省もやるでしょうけれども、それを一元化していく、中心があって、その中心が力を持って、そしてまた決意を持ってこの防災対策を、いま地震の問題を話しているのですけれども、そうした防災対策を強力に——強力な中心になることができるべきものが、これが防災会議であり、そしてそうなるために、専門委員だとか局員会議とか、この防災会議の機構が決められているわけですけれども、それが何か、本来中心になってやるものがばらばらになって各省庁に任されていて、防災対策としては弱いものになっているんじゃないかということを考えるから申し上げるわけです。 それから災害対策基本法の十八条で、内閣総理大臣が都道府県防災会議協議会の設置を指示することを規定しているわけですけれども、南関東地域というのが、大地震発生の可能性だとか、過密都市であるとか、コンビナート、こう三拍子そろった危険地帯であるということを考えてみた場合に、早急に震災対策が広域にわたって立てられなければならない地域であると思うのです。南関東地域は基本法の十八条に基づいて協議会の設置を指示するに値するところではないかと思うのですけれども、そういう点については検討されてはいないかどうか、またこの協議会の設置の指示というようなことが、この南関東だけではなくて、そういうことが現実の課題に上るようなことはないかどうか、お伺いしたいと思います。
○横手政府委員 お答えいたします。 防災体制の整備、これは当然国も確立してまいる必要がありますが、それと同時に地方団体、都道府県、市町村それぞれに防災の責務はあるわけでございます。したがいまして、いま御例示の南関東地域において震災対策を進めるというような必要があれば、本来は、私は個人的には、災対法によります国からの指示を受けて都道府県が何らかの対策を講ずるということよりも、都道府県相互の話し合いによりまして、必要があれば、そうした協議会を設置するということの方がより好ましいのではないかというふうに考えております。 ただ、都道府県の側で何らそうした考え方もない、しかし一方において、特定の地域について防災のための地域の協議会を設けさせる必要があるということになれば、当然災対法の十八条の規定を運用するという必要があろうかと思います。 ただ御例示の南関東の関係でございますが、最近におきましても、東京都が恐らく中心になろうと思われますが、関係の府県との間で、こうした正式の協議会ではなくても、震災対策に関する相互間の協力体制を確保するための何らかの協議会的なものを持とうかというような動きもあるようでございます。私ども、そうした動きを見ながら、今後の体制の万全を期してまいりたい、かように存じます。
○柴田(睦)委員 そうしますと、国が、たとえば神奈川県あるいは千葉県、こうした県と震災対策について協議をするというようなことは、いままではなかったわけですか。
○横手政府委員 十八条の規定によりまして指示をした事例はございません。
○柴田(睦)委員 その十八条の指示ではなくて、いままで現実に、たとえば神奈川県の防災対策をどうするか、千葉県の防災対策をどうするかというようなことで国が相談に乗り出すというようなことは、いままで全然やってないわけですか。
○横手政府委員 実は南関東地域につきましては、東京都等の地方団体とも連絡をとっておるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、何らかの形の震災対策を相互間で調整し、あるいは応援し合うというような形のための話し合いの場が設けられることになろうかというふうに考えております。
○柴田(睦)委員 大都市震災対策推進要綱では、避難地について、可能な限りの大規模な避難地の整備ということをいっておりますし、避難路については、避難の安全性に十分留意した避難路の確保ということをいっておりますけれども、現在の大都市が、住民の生命を震災から守るというための避難地あるいは避難路を、果たして現在の大都市において確保できるかどうか、そのようなことができる見通しについては、どういうお考えですか。
○豊蔵説明員 お答えいたします。 先ほど横手審議官から御答弁がありましたように、大都市震災対策要綱に基づきまして、特に南関東におきます地域につきましては、緊急に実施すべき必要のありますところにつきまして避難地、避難路等の整備を進めてまいっております。これを具体的に実施いたしますには、できるだけ総合的に計画的に実施してまいりたいと考えておりますが、地域防災計画におきまして緊急事業計画を作成いたしまして、これに基づきまして公共団体が実施いたします事業につきまして、国として積極的な助成措置を講じてまいりたいと思っております。 たとえば東京の江東防災拠点等につきましては、東京都の地域防災計画に位置づけられておりまして、現在逐次事業が進められておりますが、そのような方式等によりまして、各地域の地域防災計画の作成を指導してまいりたいと思っております。
○柴田(睦)委員 避難広場について例をとりますと、避難広場は十ヘクタール以上なければならない、こう言われております。人口密集地のために避難広場をつくるとすれば、それよりも広い広場が必要であるし、またそこに通じるための避難路が必要になるということは言うまでもありません。こうなりますと、大都市ですから、大変な金がかかるわけです。これは四十八年のあれですけれども、東京では工場跡地三百五十ヘクタール、都市公園で二千八百八十ヘクタール、これを確保する計画であり、その予算が二千億円だ、こう言われているわけですが、地震が起こるのは江東だけではなくて、東京にはこういう地震対策としての避難広場をつくらなければならぬところが別に幾つもあるわけですけれども、その緊急対策としても、こうした本当に東京都の住民が地震のときに避難できるような安全な広場、道路、これをつくるだけの土地と、またその土地を取得する財政力、これについてはどう保証されるか、もう一度お伺いします。
○豊蔵説明員 避難地につきましては、一般的に公共施設として整備いたします場合は公園事業として行うことが多いかと思いますが、公園事業につきましては、それぞれ施設費につきましては二分の一、用地費につきましては三分の一といったような国の補助制度がありますので、これを活用してまいりたいと思います。 また、公害防止のための緩衝緑地を整備するというようなことも必要な場合がございますが、それにつきましては特に補助率のかさ上げをするとか、あるいは地方債、地方交付税等の措置も十分手当てをしてまいるようになっております。また一方、用地を先行的に取得していきますためには都市開発資金の活用であるとか、あるいはまた公共用地の先行取得債の制度等を活用して、これらをいろいろ組み合わせまして総合的に進めてまいりたいと思っております。
○柴田(睦)委員 たとえば川崎市や横浜市などではコンビナートとの関係で防災遮断帯事業というような計画があるようですけれども、川崎市の遮断帯の予算の見通しになりますと九千億円の金がかかる、こう言われているわけです。いま地方自治体の財政状態というのはきわめて悪い状態でありますし、それを現行の法律で三分の一あるいは一定のかさ上げというようなことをやっても、こうした膨大な金を地方自治体が出すことは非常にむずかしい状態であるわけです。 そうして見てみますと推進要綱は、防災体制を整えるための道筋は一応書いてあるし、いいことが書いてあるのですけれども、実際の防災化事業においては非常に金のかかる仕事でありますし、結局は、自治体の力でこれがやれないような内容になっているんじゃないか。しかし、それはやらなければならない問題であります。そうなりますと、大震災から人の命を救うという問題について、現行の法律の公園事業あるいは道路事業というようなものの補助ではとても間に合わないのじゃないか、特別の資金の補助も含めて、実際に実現するためには特別のことをしなければならないと思うのですけれども、そういうことについての考えをお伺いします。
○豊蔵説明員 お答えいたします。 先ほどお話し申し上げましたように、これらの地域におきますところの事業につきましては、地域防災計画の中の事業計画として位置づけをいたしまして事業を実施したいと考えておりますが、現在まだ各公共団体と具体的な計画の内容について御相談いたしております段階で、その全体的な事業量がどの程度になるかといったようなことが、しかとつかめない状況にございます。 いま御指摘がありました川崎地域につきましては、私ども昭和四十七年度と四十八年度にかけまして調査費をちょうだいいたしまして、防災遮断帯の整備につきましてのモデル的な検討を行ったわけでございますが、これはやはり都市の防災化ということと同時に、都市環境の改善といった都市構造全体の根本的、恒久的なモデルとして検討いたしたものでございます。一方、コンビナート地域につきましても、先ほど通商産業省の方におきましてもコンビナート地域の高圧ガス取締法に関連いたします省令の改正が行われましたし、また、消防法に基づきます政令の改正も近く行われると伺っておりますので、これらのコンビナート地域における防災対策をどのように確立していただくかということと関連いたしまして、都市サイドといたしましても、具体的な事業計画を作成する必要があろうかと思っております。 そういったような事業計画を詰める段階におきまして、どのような地域にどのような緑地が必要か、あるいはまた再開発事業を実施すべきかどうか、そういったことを総合的に検討いたしまして、私たちもそれらの成果を得ました上で積極的な助成策を詰めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○柴田(睦)委員 ちょっと最後に一つ伺っておきます。 川崎での隆起が問題になりましたけれども、その対岸になります千葉県の市原市でも、千葉県が調べたところによりますと隆起が報告されておりまして、半年間で二十四ミリ隆起したということです。これにつきましては千葉県では、その原因究明あるいは観測がさらに必要だと言っておりますけれども、県の費用で十分な対策を講じることは非常に実際上むずかしいということであります。南関東は観測強化地域でもあることですから、国の方でこの隆起などについても調査をしていいんじゃないかと思うのですけれども、この市原市の隆起の問題について調査する考えがあるかどうか、最後に伺っておきます。
○田島説明員 お答えいたします。 市原市の隆起につきましては、これが事実かどうか、あるいは観測の処理等につきまして現在精密に調査中でございます。土地の隆起という現象につきましては、どこを基準にして隆起しているのかという基準の問題ということもございます。千葉県では土気という場所が高さの基準ということで、その土気という町から市原市が半年間に二十数ミリというふうなことでございますが、土気という点につきましては、あるいは土地が下がっている疑いもあるわけでございます。そういうふうなことで、現在国土地理院では、東京水準原点あるいは三浦半島と房総半島を結ぶ水準の路線間、そういうふうなできるだけ使えるデータを全部総合いたしまして、網平均いたしまして、確実な地盤の変動の量というふうなものを計算中でございます。 なお、それに伴いまして、国土地理院としましても、房総半島につきましては毎年東京から水準測量を行っておりますし、今年度も実施する計画であります。また、特に房総半島の市原その他につきましては、水準測量のみでなく、水平方向の土地の伸び縮みというふうなことにつきましても、私どもは精密変歪測量という名前で呼んでおりますが、実施する計画であります。 以上です。
○兒玉委員長代理 金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 私は、きょう長官にわざわざおいでを願いましてお尋ねをいたし、また御所信をも承りたいと思いましたのは、最近特に自然災害が大きくなり、また頻発するというようなことから考えまして、自然災害に対する総合対策とでも言いましょうか、事前、事後対策あわせて、総合対策の推進者、指導者、責任者というようなものが、何か漠然としておって国民にわかりにくい。私どもが何かお尋ねをしようと思いましても、どこへその中心点を置いていいかわからないというような問題にたびたびぶつかるものですから、一度長官にもおいでいただいて、あるいは国土庁ができたこの時期において、国土庁の使命としても、そういうことの先達をとっていただく、もしくはその中心になってもらうべき機構が国土庁ではないかなどと思うに至ったものですから、お忙しい中でもおいでをいただいたのであります。 そこで、実はそれにつきまして、私ばかりでなくて、きょう本委員会において諸先生からのお尋ねの多くの問題が、やはりそこに集約されるような気がいたしました。国といたしまして、多くの災害がある中におきましても、特に自然災害について何か焦点がぼけておるような感じがしてならないのであります。ところが、それであっていいのかどうか。あるいは、いままではそれでもやむを得なかったかもしらぬけれども、もうそうであってはならない時が来た。一つには、高度成長政策というものが一応一段落いたしまして、安定成長といいますかそういう時代を迎えた。したがって、いままでまあ事後対策で満足しなければならぬような自然災害に対しまして、事前に対策を十分練っておいて、その被害を最小限度にとどめるべき力を注ぐ可能性が状況としても出てきたものですから、そこへちょうど国土庁が生まれたというようなことともあわせ考えまして、この機会に一歩前進あるいは百歩前進すべき時を迎えたのではないかなどと思ったからでございました。 そういうような、これはお尋ねの結論でありますけれども、それに至ります前に、本委員会におきましても朝来たびたび問題になりました、また私が、そのようなお尋ねをしようと思いましたきっかけにもなりました、今度の多摩川下流地域における地震の学者からの警報が出た、それに対して関係各省庁なり関係地方庁ばかりでなくて、国民一般が、あるいは企業者もあわせまして対応していったということに顧みまして、それに問題提起のチャンス、きっかけがあったのであります。 そこで、初めに事務当局にお伺いいたすのでありますか、この多摩川問題——川崎問題と言って簡単に使わせてもらうのでありますが、これがきっかけになりましたのは、昨年暮れの地震予知連絡会議の議長さんからの発表であったのであります。これに対して多くの警戒心を持ちながら国民一般も、また特に現地の行政責任者は非常な努力を重ねてこれに対応し、間違いないようにしておられたのでありますが、それが半年にもならないうちに、その心配はまあまあないという発表が追っかけてなされました。 そこで、私が心配といいますか気になりましたことは、その五カ月ばかりの間に変わった発表をする原因になったのは、あそこに新しい事実が起きてきて、地象上に新しい事実が発見されて、そういう発表をすることになったのか、それとも、従来からあった現象に対して、調査が不十分であった、手が届かなかった、時期がおくれておったために、五カ月間やって十分手が届いていったらば、そうでもなかったということになったのか、どっちか、こういうことが気になったのであります。事務当局としては、これはどういうふうにお答えいただくのでありましょうか。国土地理院の方からひとつお答えをいただきます。
○田島説明員 お答えいたします。 昨年十二月暮れの発表では、川崎市付近で昭和四十五年から約五年間に最大四十ミリという地盤の隆起があった、それに伴いまして、そういうふうな隆起というのが、これは異常でございますので、その原因がどういうものなのかというふうなことを究明しなければならないということで、地震予知連絡会は先生御存じのとおりの発表をしたわけでございます。そのときに、結局地元に普通の地域では行っておらないようないろんな各種の調査をする必要があるということで、十二月以降各機関が協力しまして、わが国としては恐らくあそこだけではないかと言えるような相当集中的な調査観測を行ったわけでございます。 幾つかございますが、その一つは地下水の調査を徹底的にやったということ。それから地下水と関連しまして、地下水のくみ上げ、揚水量の調査を精力的に行いました。またもう一つは各地域の井戸水の化学分析、これはトリチウムだとかラドンだとか、あるいは炭素の同位体の分析だとか、そういう各種の化学分析をやっております。それは連続的な記録がとれる器械を特に新たに設置しまして行いました。 それから、特にあの川崎地域につきましては、あそこにあります三角点を利用しまして過去十五年前の値に対して土地がどのように水平方向に伸び縮みしているかというふうな調査を細かく行いました。また、各大学が持っております微小地震計、極微小地震計、こういうふうなものを川崎地域の井戸に設置いたしまして、連続観測を行ったわけでございます。これらの観測の一部は、また相当数は現在も引き続いて実施しているわけでございますが、十二月以降にそれらの観測からわかりましたことが幾つかございます。 それを申し上げますと、一つは、土地の水平方向のひずみというのは、いわゆる常識的に考えられております破壊の限界までまだとても至っていないという、これは安心的な材料が新たに出てまいりました。 それから、地下水に含まれておりますラドンという物質がありますが、これの濃度がだんだんふえていきますと、相当危険であるということになっておるのですが、一月から四月末までの段階では、ほとんど横ばいであったという記録がここへ出てまいりました。 それから、地下水の水の質でございますが、東横線の西側の地域では、これは非常に浅いところから来ている水、まあ簡単に申し上げますと、多摩川の水がしみ込んできているといってもいいのではないかと思うのでございますが、そういう水でございます。しかし東横線の東側につきましては、古い深い水であるという結論が出てまいりました。この点がちょっと気になる点と言えば気になる点でございます。 しかし地下水の急激な上昇、これらにつきましては、揚水量の調査、これが進みました結果、揚水量が非常に減少しております。二、三年前までは問題となっております地域で一日当たり約三万トンの揚水量があったわけでございますが、これが最近では数千トンというふうな、非常に減っているということがわかりました。そういう揚水量の減少のカーブと地下水のカーブと非常に相関関係があるというふうなことがわかりました。それから微小地震計を設置して観測しました結果では、最近におきましても地下の浅い、たとえば十キロメートルとか、それよりも浅いところの地盤に微小地震の活動はまずない、そういうような新しい事実が出てまいりました。 こういうような観測調査結果に基づきまして、五月六日に地震予知連絡会は、問題となりました東横線以東の局地的な異常隆起等につきましては、これはいわゆる自然地震の前兆現象ではないという可能性が非常に強くなった、つまりシロのデータがたくさん出てまいったというような発表をしたわけでございます。
○金丸(徳)委員 ですから、あそこに新しい事実が出てきたわけじゃないですね。出てきたのじゃないのであって、従来から同じようなといいますか去年の秋くらいから、もっともっとそれ以前からずっと続いておった事実が、ただわからなかった、あるいはそこまで調査の手が伸びなかったというだけのことであり、その後関係各機関が集中的にあそこへ行って調べた結果、いろいろな事実が発見されたといいますかわかってきて、そのわかったことから判断すると、十二月二十七日に発表されたその心配というものは、まあまあないのだという結論に至ったということではないでしょうか。そうであれば、私はいま改めてまた地震予知という仕事のむずかしさ、もっと言うならば、日本の国土全体の生態、態様をつかむことのむずかしさというものを思わざるを得ないと思うのですが、この点はどうなんですか。 日本というものは、急に何かが、大変な原因がぽっぽぽっぽと出てくるというようなところなんでしょうか、それともそうではなくて、不動のような状況の中において、それが積み重なり積み重なってきて大地震となったり、あるいはまた微小地震が積み重なってきたりというようなものではないでしょうかということをお伺いしたかったのです。
○田島説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、先ほど申し上げましたようなことは、従来そういうふうな調査、観測を行っておればわかっておったことが調査、観測をしなかったために、今回改めて調査、観測をしたので出てきたのではないかと言われますと、そのとおりでございます。しかしながら、この広いわが国で川崎市に今回行いましたような調査を全国的に実施するということは、これは大変な労力でございます。でございますので、現在私どもが行っております地震予知のいわゆる監視体制と申しますか、そういうふうなものは、もう少し調査の網の目が粗いものでございます。それでございますので、一般的な地域につきましては、今回川崎市で行いましたようないろいろな精密調査というようなものを実際には行っていないのが現状でございます。 先生御指摘の第二点の、日本のような地域については、地震予知のあれというのは非常に困難なのではないかというふうなことにつきまして思い起こしますのは、先般中国等で地震予知に成功したというふうなあれがあるわけでございますが、聞くところによりますと、国情の違いというようなこともございまして、あそこではいわゆる地震予報といいますのをわりかし簡単に出しておるようでございまして、何十回か出して、そのうちの一、二回が当たったというふうな話も聞いております。 それからまた、これは多少言いわけがましくなるかと思いますが、大陸的ないわゆる地震構造と、わが国の……(金丸(徳)委員「要点だけお答えください」と呼ぶ)なかなか日本のようなところでは、地質構造上むずかしいという面は確かにございます。 それから、特に都市近郊部におきましては、そこでいろいろな人間の活動が営まれておるわけでございますので、そういう人為的ないろいろな擾乱というふうなものが、非常に微細な自然現象をとらえるという点で、相当大きな障害になっていることは事実でございます。
○金丸(徳)委員 私は、地震予知のむずかしさを改めて思い知らされたという意味において、そうであればあるだけ、今度のことにかんがみても予知対策については改めて力を入れなければならないのだということを言いたかったのです。中国やソ連でやっている予知を、そのまねをして満足しろということでは毛頭ありません。十二月二十七日のあれは予知ではない、予報ではないと言いますけれども、国民としては、少なくともこれを警報ぐらいには受け取っておった。あれがもし、もっとさかのぼって、五カ月前にいまのような集中的な調査が進められておったとするならば、あの警報は出されずに済んだのではないか、こう思います。 と同時に、いろいろな関係からして、今度出された見解というものは、もう少し信用といいますか、信頼される形において国民は受け取ったであろうと思います。もっともこの裏には、予想されるところのもっと警戒しなければならぬ大きな地震をも考えてということになるのであります。そういうことに対して私は一層信頼感を持って対応することができるのではないか、こう思うのです。だから、あなたは観測網が足りない、全国的にそんな精密調査をすることは困難だ、大変だ、こう言われるのですけれども、それを念願してやらなければならないときが来ておるのではないかと思うのです。 連絡会の幹事役をなさっている地理院としては、本当にどういうお考えで学者先生その他の意見を取りまとめておるのですか、改めてひとつ、ごく簡単でいいですからお答えをいただきたい。
○田島説明員 お答えいたします。 昨年暮れの連絡会の発表等につきまして、社会に対しまして非常な誤解を与えた、そういう点につきまして担当いたしております事務局として非常に責任を感じております。 本来の趣旨は、あそこに相当各種の調査を行わなければならないということで、そういう調査を行うに当たりまして、それを黙っているとあらぬ疑惑を受ける、いろいろなものを隠しておってやるというのでは、逆に人心の不安を起こすのではないかというふうな意見で、地震予知連絡会としましては調査、観測をとにかくあそこへ集中的に強化すべきであるという点では全員一致いたしまして、ああいう調査を行うということの発表をしたわけでございます。 ただその際に、いわゆる直下型地震の警報ということのように、先生御指摘のようなふうに一般からは受け取られたという点につきましては、これはその表現等につきまして確かに問題があったと思っております。たとえば地震に結びつくのかそうでないのか、いわゆる地盤沈下等の後遺現象なのか、AかBかはっきりわからない。しかし、もし結びつくとしても、それは異常隆起の面積、規模等から言いまして五ないし六程度なんだというふうな、つまりわれわれとしては社会を安心させる意味で申しましたことが、むしろそうでなくて、五ないし六の直下型地震があそこに起きるのだというふうな形に若干受け取られたという点があったかと思います。そういう点につきましては、まことに申しわけなかったというふうに思っております。 なお、地震予知の観測体制をもっと強化すべきではないかという御指摘につきましては、これは各機関とも数年前に比べますと、格段に努力いたしまして充実してきた。まだこれで十分というふうには思っておりませんが、相当予算も伸びましたし、なお今後とも努力して、より完全なものにしていきたい、そういうふうに考えております。
○金丸(徳)委員 長官お聞きのように、今度のことにつきましては事実の調査の手おくれといいますか、そういう問題が一つと、もう一つ、そういうことに対する国民への呼びかけということについて何か私も釈然としないものがあるのです。 実は十二月二十七日に、連絡会会長から推進連絡会議議長武安——これは科学技術庁事務次官のようでありますが——に対する報告、これか発表になりました。これは私は時節柄大変いいことだと思いました。この文章を丁寧に読んでみますと、学者の先生が長い間議論なさり研究なすって、そして非常に細心にこの文章の国民に及ぼす影響、反応というものについても十分考慮をして、しかしながら念のために、こういうふうに書いてあります。しかし私どもは、これを警報と受け取り、そしてそれに対して十分なる対応もしていかなければということでございました。 そのために、私は実は予算委員会の予算審議の折に、これをきっかけ、土台といたしまして地震予知に対する力の入れ方を改めてほしいという念願を込めて運輸大臣、建設大臣、科学技術庁長官、三大臣にお尋ねをいたしました。関係閣僚といいますれば、そのほかに文部大臣もあられる、あるいは通産大臣もあられる、国土庁長官に至ってはもとよりであります。先生方、大臣方も一緒になってこの地震予知対策、広く言うならば地震対策について改めて力を入れていただかなければと思ったからでありました。それほどに私はこの文章というものは大きく取り扱ってもいいと思っておる。ところが残念ながら、今度こちらの文章が出てきたものですから、おやおやと思わざるを得なかったのであります。 そこで、そういう重要な問題の扱い方について、私は二番目の問題として提起いたしたい。 私にも非常にこたえたのは、こういう大事な問題を扱うのに、連絡会が地震予知研究推進連絡会議の方へ報告なすっただけで、直接たとえば中央防災会議というようなものに向かっては物を申してはおらぬのではないかというような気がいたすのであります。これについて、長官は何か事前に御相談をお受けになった御記憶でもおありですか。こういう非常な反響を持つ重大事項について、これは初めての発表をするのですから、その時期なりその内容なりその方法なりというものは、非常に慎重に構えてもらわなければならないのでありますが、それがそうでなかったように私には受け取れるのであります。何かそういうことについて長官御相談をお受けになっておられますか。そしてまた、そういうことについてどういうお考えをお持ちになりますか。まずひとつお答えをいただきたい。
○金丸国務大臣 その問題につきましては、予知連絡会議から国土庁にも連絡があったわけであります。なお、中央防災会議を開いたかという御質問もあるわけでございますが、そういう重大な問題ですから、中央防災会議も開けという先生の提案についても考えたわけでございますが、しかし、各省庁と十分連絡——何しろこの関係の省庁は十八省庁あるということで、先ほどもお話がありましたように、どこが窓口だかわからないというお話もあったわけでございますが、今回国土庁誕生により、その窓口は国土庁が扱うということで、その事務局も担当いたしておるわけでございますが、私もその相談は受けました。受けまして、いろいろ関係の幹部とも十分相談し、各省庁とも連絡したその結果、これはみだりに発表を取りやめるということは、むしろいろいろな問題を後に残すし、むしろ率直にこういう問題は国民に周知してもらうことの方がいいのじゃないか。これは初めてのことだけれどもやるべきだ、私はこういう決断をしまして、事務当局にその話をいたしたわけであります。 この結果の、また最近になって遠のいたというような状況もあるわけでございますが、私は、これとても絶対オールマイティーだと考えられない。ですから、予防に予防を積み重ねるということは、これは当然やるべき仕事であるということで、私は日本すべてが、ことに人口の密集している東京あるいは南関東地帯というようなものについては十分な配慮を払わなければならないという考え方から、噴火口上で日本全島を守るというような考え方の中で、ことに人口が非常に密集しているところについては格段の配慮もしていかなくてはならぬという考え方、もし地震が起き、あるいはその後における第二次災害というようなものを考えてみると、国民にも十分こういう問題について、ふだんから頭の中に入れておいていただいて、またそれによって国民に警告を与えながら世論を盛り上げさせるというような考え方でなくて、本当にそういう一つの結果が出て、土地の隆起という問題が現実にあるのだから、その問題は慎重に発表しなければならぬけれども、それは発表すべきだ、こういうような考えのもとに、私は十分その連絡は承っておるわけであります。
○金丸(徳)委員 長官が十分慎重にお考えになった上での措置であれば、それで私は満足いたします。と言いますのは、私は、この扱い方の可否、善悪を言っているわけじゃない。むしろ、そういうことをやってもらったがために地震予知というものが、いまジャーナリズムも大きく取り上げておるように、また世間でも大きく関心を持つことになった。そして調査をすればするだけ、やはりある程度わかってくれるということにもなったものですから、非常に期待もすることになったと思います。そういう意味におきまして今度の川崎問題というものは、これは将来に向かって非常に前進のきっかけになるであろうと私も思います。 そこで、問題はそれだけではいけないのであって、こういうことにかんがみても、予知対策なり地震対策全般について、先ほど申しましたように、格段の力を入れなければ国民の期待に沿うことにならぬのではないか、こう思いますものですからお尋ねいたすのでありますが、いかがでありましょうか。 今度の地震予知連絡会議の設置にいたしましても、あるいは推進連絡会議の設置にいたしましても、またその活動にいたしましても、その発端、根拠となったものは何年か前の測地学審議会の政府に対する建議だったのですね。これも私はどこかの機会に申したことでありますけれども、連続三回にわたって同じ問題を強力に政府に建議したというのは、測地学審議会の地震予知に関する建議だったと思います。それほどに問題は重大で、また火急であったのであります。それを受けまして連絡会議もできました。各関係機関も機構も強化し、予算も重ねられて活動を進めていったのでありますが、しかし、そうした中において、政府の対応するところは、この建議どおりにいっておるかどうかということであります。 実は、これは先ほどの本委員会におきましても質問の中に出てまいりました。この建議を各条項にわたって一々吟味してまいりますれば、長官にも思いを非常に新たにされるところがあるだろうと思うのですが、それだけの時間がございませんから何しますが、各機構も充実し、予算も取る、その予算は十年間——今後これは五年計画でありますけれども、百三十億くらいの金があればとかということになるんだそうであります。ところが、実際にはなかなかそういっておらないようでありますが、国土庁が設置されて、ここでいよいよ国土庁の予算を立てることになります。この機会において、私は、この測地学審議会の権威というものを長官、事務当局と一緒に改めて御研究になられて、そしてその決意の中で行動を起こしていただきたいのであります。 もちろん、その行動というものは国土庁を除いて関係五大臣もやっておられると思う。しかし何にいたしましても、たとえば国土地理院にいたしましても、その発端というものは地震予知とかということではなかった。これは地図をつくるとか測量をするとかということの仕事であった。運輸省の水路部にいたしましても、海上輸送の安全を期するために水深を調べたり潮流の状況を調べたりということが初めだったと私には思えるのです。しかし、そうした仕事をしておる間に、それは海底の状況をつかむことになり、その海底の状況をつかむことによって海底地震の状況をも知ることができ、それが日本全体の地震予知の仕事に大きく貢献することになった。 言うなれば、生まれはほかのことだったんだけれども、いまの仕事は、それほど世間に期待されるということではないでしょうか。通産省の地質調査所にしてもしかりであります。工場その他の事業場の安全を期するためにその地質を調べておった。しかし、その地質を調べた結果というものは地震予知の上に大きく貢献するであろう。まさにそうだ。しかし、発端が発端であるだけに、国民の方からしますと、何か割り切れぬものを感ずるのであります。改めてそうしたものを統合するような形におけるこの重大問題処理の機構というものを、この際、考えなければならないのではなかろうか。測地学審議会の先生方が遠慮しながら物申した中においても、そう受け取れるところの立言が随所に見られます。この際、長官、いかがでございましょうか。
○金丸国務大臣 実は先般、川崎の土地隆起の問題、また十二月の発表以後のいろいろ研究した結果が、幾分遠のいているんじゃないかというようなことで、地理院の院長あるいは気象庁の課長さん等が見えまして、私にいろいろお話があったわけであります。 そこで、先ほど来からお話がありましたように、中国の地震予知の問題等も聞き、あるいは日本の国土の地質の内容等も承り、なお、松代地震研究所ですか、あそこの内容等も聞き、なお、予知に対するいわゆる国の現在設備しておるところのすべての施設というものに対して、これでいいのかというような問題も承ったわけでございますが、政府も、また国会におきましても、この問題については、世論のあるところを背景に、非常に予算措置もしていただいて、これで絶対オールマイティーだとは言えないけれども、当時から比べれば格段の施設の状況にもなっておるということでありますし、また、予知という問題は、いまの学術的見地から考えてみても非常にむずかしい問題でありますが、しかし、これはやらなければならない、また、これを究明しなければならぬことであるということも、われわれは考えておるわけでありますがというお話もありました。 それで御案内のように、いま先生のお話しになった、いろいろの省庁で地震との関連はあるわけでありますが、とかくいままでこの問題について、窓口がどこへ行っていいのかわからぬというような状況の中で、国土庁誕生というこの契機に、まあこれを一本化するというような、あるいはこれを統一して、そうして窓口を一つにして、なお一層の予知あるいはこの体制整備というようなことについて、政府が中央防災会議というようなものをつくったわけであります。また、大都市災害特別連絡会議というようなものですか、そういうものもつくり、そういうような中で、情報の問題から、あるいは交通網の問題から、治安の問題すべてを含めて、本当に今度は一本になって対策を練れるという体制ができたわけであります。 私は、この国土庁が窓口になった以上、国土庁誕生のゆえんという考え方からしても、国土防衛という線でひとつ最善の努力をして、将来、国民から本当に信頼されるようなあり方を持ってまいりたい、こう考えておるわけであります。
○金丸(徳)委員 私のちょうだいしました時間が過ぎてしまいまして、これ以上お尋ねいたすことは遠慮いたさなければなりません。 ただ、結論だけ申さしていただきますと、先ほどなにしましたように、今度の川崎問題にしましても、よくわかりましたことは、やはり調査網が不十分だったと思います。もっと網を丁寧に細かく張れということに帰するだろうと思います。調査機関といいますか、調査の設備の整備、深井戸も必要でありましょうし、また、情報の収集というようなことにも力を入れなければならない。研究調査陣の充実、これもまた非常に大切だ。そうしたことにつきましても、いつも中心になって思う存分責任を持って旗を振るという力強いものが、やはり政府のどこかになければならぬし、それこそが国土庁であろう、こう思うものですから、今後、私もまた機会を得まして細かにさらにお伺いいたす、ほかの先生方もきっとそれに力を入れてくださるだろう、そういう意味におきまして、きょうはこれで閉じますけれども、長官の一層の御健闘といいますか、御活躍をひとつお願い申す次第でございます。
○金丸国務大臣 いろいろ先生の御高説を拝聴いたしまして、全く先生のおっしゃるとおりであります。また、御激励もいただいたわけでございますが、われわれも一生懸命やりますが、ぜひ先生方の何分のまた御協力を心からお願いいたす次第でございます。ありがとうございました。
○兒玉委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十六分散会