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75回国会衆議院1975/05/23

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第5号

発言数
146
登壇者
8
会派数
2
開催日
1975/05/23

会議録

小澤太郎自由民主党

○小澤委員長 これより会議を開きます。  ただいま日本共産党・革新共同及び公明党両党の出席がありませんので、事務局をして連絡いたさせます。しばらくお待ちいただきます。     …………………………………

小澤太郎自由民主党

○小澤委員長 内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。  前回に引き続き、両案について質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私は、公職選挙法、政治資金規正法、この法案の審議の本論に入る前に、二点だけ確かめておかなければいかぬと思うわけであります。  その一点は、稻葉発言で国会が空転をしているときに、この公選法に対する、われわれにとりましては雑音のようなものが入りまして、これは後から大臣等御出席いただいて一応確かめてはおきたいと思うのでありますけれども、この公選法は審議に当たって慎重にやれという、何か署名がなされたということを聞いております。これは非常に当委員会にとりましても重要なことでございますので、一応その点は確かめたいと思いますが、他の委員会との関係もございますので、これは大臣の出席の時間を見計らって御質問さしていただきたいと思います。  それともう一点は、御存じのように四年に一遍の統一地方選挙が終わりました。私たち実際に今度の選挙をやってみますと、福田自治大臣は選挙区へ帰られる時間があったかどうかわかりませんが、本当に醜い選挙が行われている。四年前のときには一票一千円だと言われていたものが、今度の統一地方選挙で一票一万円だという。こういうことが公然と私たちの耳に入ってくることはきわめて遺憾にたえないわけであります。そういった意味で選挙違反の実態は一体どうだったのか。あるいは青森県に見られますように選挙事務の点においてもいろいろと混乱があったようなことも新聞等に報道されておるわけであります。  そういった意味において、今度の統一地方選挙というのは選挙法上一体どういう実態で行われたのか、これをひとつ、まだ報告が十分できてないということでしたら、機会を改めて、ぜひ一度報告をしていただきたいと思うのです。  特に私はお願いをしておきたいことは、本委員会もこの一年間、いわゆる在宅投票制度についていろいろな審議をしてきたわけでありますが、今度初めて在宅投票制度が復活をされたわけであります。これにも委員会の審議の中でいろいろと明らかになりましたように、いろいろな問題点が制度上あるわけでありますので、一体今度の統一地方選挙でこの在宅投票がどのくらい実際に行われたのか、それから実際に選挙管理委員会がやってみてどのような運営上の問題が指摘をされたのか、この点を特に私たち選挙法をやっているものとしては知りたいわけであります。  その点について統一地方選挙の実態、それから在宅投票制度の今度の運営上の問題点ないしは実際にどのくらい運営されたかについて御報告をいただきたいと思うわけでありますが、その点は一体いつごろ報告ができるのか、その点についてまずお伺いしておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 ただいま御質問のありました後の二件はごもっともな御要望でございますので、できるだけ早い機会に、たとえば次の委員会を開きましたときに御報告をするようにさしていただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次に、今度の公選法の大きな柱の中に、衆議院の定数是正の問題があるわけであります。昭和三十九年になされてから十一年ぶりに衆議院の定数是正が行われるわけでありますけれども、今回は二十名の増員案で私たちも小委員会を通しましていろいろと議論をして、いろいろな妥協点を見つけながら二十名の増員案ということになったわけであります。  それで、選挙部長にまずお伺いをしたいのでありますけれども、今度の二十名の増員案で一体アンバランス比、兵庫五区が一番議員一人当たりの人口は少ないわけでありますけれども、一体どのくらいのアンバランス比になるのか、その実態について、簡単で結構ですから、ちょっと報告してください。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 御承知のように、従来の一番最小の、議員一人当たり人口一番小さいのは兵庫五区でございますが、それと大阪三区との比率は大体一人当たり人口で見ますと、四・八倍ということになっておるわけでございます。  そこで、今回二十名がふえるという前提で一人当たり人口の多い選挙区から順次人をふやしていくということにいたしますと、その結果、一人当たりの人口が大体二・八倍くらいということになるわけでございまして、かなりな是正がなされるものだというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこで、アンバランス比が二・八倍ということで、確かに現状よりはかなり大幅に是正をされることは事実であります。しかし、私たちも審議をしてきた中で、昭和三十九年の改正のときのアンバランス比の是正が二ということだったわけですね。これと比べますと、まだまだという気がするわけであります。考えてみれば有権者の方々にとりましても、都会の二票と過疎地の一票とが一緒だというのも、この二という数字自体、私はかなり問題があると思うのであります。しかし、いろいろの妥協で二・八になったということ、これは三十九年のアンバランス比二という点から考えてみて、まだ私は問題を残しているのじゃないかと思うのでありますが、大臣としてこの点についてはどういうふうに考えていらっしゃるか、その点はいかがでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 この衆議院の定数の問題は、総定数をどういうふうにするかということと、それから現在ある選挙区における人口のアンバランスをどう考えてみるかという二点があると思うのでありますが、今回はそれぞれの選挙区における非常なアンバランスが出てきておるのを一応是正をするということについて昨年来各党の間でいろいろ御相談がありまして、そうして大体二十名増員するのがよかろうという大体のお話がついております。  そこで、総定数をどうするかという問題も含めてこの問題は考慮すべき問題ではありますけれども、さしあたり私は選挙法というものは、これは各政党その他政治に関与したいと思う人たちが選挙に出ていわゆる投票数を争うわけでありますけれども、やはり何といっても政党間の申し合わせとか、合意とかというものをできるだけ尊重するというのはたてまえであろうかと信じておりますので、その意味合いにおいて今回二十名の大体定数是正をしたらよかろうというお話がございましたので、まずこの段階におきましては二十名の定員増というものを決めまして、そして各選挙区別に割り当ててみるということにいたしますというと、ただいま選挙部長が申し上げたような数字が出てきたというわけでございます。したがって、今後どう処置するかということについては、総定数の問題も含めて十分今後も研究を続けていかなければならない問題ではないか、かように考えておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私もその二十名案をつくるに当たっては関与した一人でありますから、余り強くは追及をいたしませんけれども、まあ各党が合意をした、これは快く合意をしたのではなく、正直言ってやむなく合意をせざるを得なかったということでございますので、まだまだ私はやはり前回三十九年の改正のとき、一応アンバランス比二ということをやった実績からいったら、やはりなるべくそれに近づける努力がさらに必要だったのじゃないか。  そういった意味で、各党の合意といってもその合意の中身はきわめて不満足ながら合意ということでございますので、そこを御理解いただくと同時に、ことしの秋にはまた国勢調査が行われる。そうしますと、自治省が発表いたしました昨年の参議院選挙の有権者数から推しはかっても、五十年の秋に行われます国勢調査でまたまた非常なアンバランスが出てくるだろうというととは容易に推測ができると思うのであります。しかし、もうここでアンバランスの問題を改めて根から掘り起こす必要はありませんけれども、やはり最終的に法律が議員の数で賛否が決定をされていく以上、人口に合った定数というのはこれはもう民主主義の土台として動かしがたいものだと思うのですね。そういったことから考えますと、なお今後ともこの定数の是正問題というのはやはり常時見ていかなければならぬことだと思うのです。  そこで、私は具体的に提案をしたいのでありますが、大臣御存じのように、公選法の別表の第一の一番最後に「本表は、この法律施行の日から五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」ということになっているわけであります。しかし、これが例にされたことは、三十九年にただ一回しかされていない。  そこで私は、この別表の末尾にあります「例とする。」というのを改正をして、改正しなければならない、直近の国勢調査の結果によって改正をしなければならないという法律改正をやり、しかもこれはどこに機関を設けるのがいいかわかりませんが、政府なりあるいは国会の中にそういった定数区割り委員会なるものを第三者機関で常設をしておいて、そしてこの定数アンバランスを常時改定できるような措置というのが必要なのじゃないだろうか、こういうふうに考えるわけでございますが、大臣のお考えはいかがでございましょうか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 ただいまのお説はある意味においてわれわれも納得できる内容でありますが、実際問題としてアンバランスの是正ということになりますと、人口の非常に減ったところでは人を減らすという問題、議員数を減らすという問題がありまして、ふえたところはわりあいに問題がないのですが、イギリスなどの例を見ましても、やはり過去の実績というものはこれを認めていくというような例もありますので、なかなかこの問題がむずかしいということが一つ。それがもしできないということになりますと、議場の配置の問題において、いわゆる物理的な面でも問題を考えなければならないということもあるかと思うのであります。  そういうようなことも勘案いたしますと、にわかに法律で決めてしまってどうしてもそれをやらなければならないということにいま急にするのがいいか、あるいはそういう問題も基本に置いて、そうして今後の定数並びに選挙区の区割りの問題等を検討する何か調査会でも設けるのがいいのか、これはひとつもう少し勉強をさせていただきたい、かように考えるわけであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 実態的には、たとえば県会なんかでも、私、愛知県でありますけれども、愛知県でも減っているところは現にあるわけですね。国政だけが減ることを許されないというのは、これは国民にとってみても納得がいかないことだと思うのですね。そういった意味で、いま大臣からも前向きな御答弁もございましたし、また実態も私も存じておりますので、なかなかそれを減らすということは容易ではないということはわかりますが、しかし、このまま改定をするごとにふやしていっても果たしていいのだろうかということになりますと、これまた問題だと思うのです。  そういった意味で、自治省当局においてもやはり別表の最後にございます「例とする。」というこの語句を一体どういうふうにしていったら実態的にいいのだろうかということについて、今後とも私たちも検討いたしますが、自治省当局もぜひ検討してもらいたいと思うわけであります。  それと、関係議員諸公にとりましては一番関係の深い区割りの問題でありますけれども、これは私たちは小委員会の審議の中で無条件で自治省にたたき台をつくってくれと言ったわけではなくて、人口の比例あるいは過去の行政区の歴史的な条件あるいは自然的な条件、この三つの大きな柱を付与しまして、だれが見ても公平だと思われるようなものをつくってくれ、こういうことで自治省に作業をお願いをしているわけでありますけれども、いまその作業の実態はどうなっているのか、それをまずお伺いをしておきたいと思うのです。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 現実に増員をいたしまして、そうして一つの選挙区において六名以上になるというような場合には分区をするという方針はお決めをいただいておったと了承いたしておるのでありますから、そこでそういうようなところについて自治省において案をつくれ、こういうことでございますので、一応はいま研究するというか、調査はいたしております。  ただ、こういう区割りの問題は、これはいろいろの考え方がございまして、そうしてこれを発表いたしました場合に、これをいろいろこの分をこう直せとかこの分をああせいというようなやり方にいたしましたならば、恐らくこれは議論百出、特に利害関係者がございますからなかなかまとまらない。政党間においてもまとまらないし、また当該選挙区において現在立候補されておる人、あるいは落選をしておられてもこの次に立候補しようとするような人との意見が恐らく相当食い違いが出るのではないかと私は思うのであります。  したがってこの問題は、われわれといたしましては軽々に発表して、さあ御自由にどうにでも直してください、こういうやり方ではちょっとお引き受けすることは非常に困難であると考えておるのでありまして、できるだけ公正にやるという意味はもちろん守らなければなりませんけれども、しかし、それぞれのいま申し述べられましたような実態というもの、それから過去のいきさつとかいろいろなこともありましょうが、いろいろなことを見ながら決めるということで決めさせていただくならば、そういう立場において決めさせていただくということでないというと、さあたたき台は出したがどうにでもするのだということでは四分五裂、議論は百出するのではないかという非常な心配をわれわれはいたしておりますので、それらの点はやはり皆さんの委員の間におかれ、あるいは理事の間におかれ、あるいは院の中において、その点をそれでは任せるというようなことにぜひひとつまとめていただくようにしませんと、急に私らが出して、さあどうでもしてくださいというような出し方はちょっといたしかねるかと思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その任せるというのは、ちょっといろいろな経緯からいきますと、これは当委員会の小委員会に提出をしてもらうということで自治省にたたき台、たたき台といいますと、出たらあっちこっち全部変わってしまうというようにとられるかもしれませんが、この公選法の小委員会にとにかく案を出してもらうということになって、自治省の方に事務当局案ということで先ほど申しました三つの条件を付与したわけでありますから、そう勝手に、世論の目もございますし、やはり出されたものをそう簡単にあっちこっちいじれる性格のものではないと思うのであります。  しかし、この委員会の審議もある程度進みますし、国会延長の問題もいろいろからんできますので、その時期等については非常にむずかしかろうと思います。思いますが、いずれにしろ、この公選法が何らかの形で通過をしていくときには、もうすでに確定をした分区案、区割り案というものが別表を改定をしてついて参議院に送られるということになっていくわけでありますから、そうなりますと、おのずと日程においても限られてくるのじゃないか。特に私たちが心配をしているのは、取り越し苦労かもしれませんが、事務当局の案はそれなりにあらゆる角度から出された。しかし大臣からお話がありましたように、われわれもわかりますが、関係議員の方々がいらっしゃるわけですから、それの陳情その他があってまた大臣の手元で政治的にというか、何かいびつに曲げられると困るなという気がするわけであります。  その意味で、事務当局がつくってきてあらゆる角度から検討して線を引いたものについて、大臣が一応目を通して公選法小委員会に出されるのは一体いつごろを目安にしていらっしゃるのか、その点はいかがでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 先ほど実はあなたの御質問に対して次の委員会と言っておしかりを受けておるようなわけでございまして、会期延長のこともございますから軽々にいつということは申し上げられませんが、この法案を採決する一番近い状態に置かれたときにはわれわれとしても小委員会にその案を出し、委員の皆さん、またこの委員会の皆さんの御承認を得ざるを得ない、かように考えております。もちろんいまあなたが仰せになったような気持ちで対処してまいりたい、かように考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 この問題は会期延長等も絡んで、国会情勢自体が非常に微妙でございますから、その意味では大臣の言われることも私たちもわかりますので、これ以上深追いしませんけれども、いずれにしろ一応今日まで半年以上にわたる長い公選法の小委員会の議論というのは、公選法の小委員会に出していただいて目を通してというのが経過でございましたので、その点を踏まえてひとつ処置をしていただきたいと思うわけであります。  その次に、参議院の定数是正の問題なんですけれども、わが党の参議院側からも、衆議院だけ定数をふやして参議院はどうするんだという非常に強い不満があるわけで、これはわが党に限らず野党全部そうだと思うわけであります。自民党さんの方はよくわからないわけでありますけれども、そういうことを考えますと、いま参議院の方の小委員会でも野党側としては二十四名増員案ということでまとめて自民党さんと交渉しようという段階に来ているわけでありますから、ある程度参議院側でそのことについては論議をしていただきたいと思うわけであります。  ただ一点確認をしておきたいことは、どうも参議院というのは各都道府県の代表的な性格なんだ、アメリカの上院の場合はどんなに州が大きくても小さくても一名ということになっているわけでありますが、どうも参議院の地方区というものについての考え方には、別に人口にはそう比例しなくてもいいんだという考え方がいまなお、大臣にあるかどうか別として、あるわけですね。山梨では十六万七千票で当選して大阪は六十七万票で落ちる。果たしてこのようなことで本当に国民の声というものが反映をしていくだろうか。北海道が定員四名、それよりもはるかに人口の多い神奈川が定員二名。これでは過密過疎の問題、その他政策的な問題を考えてみても、決して私は国政にプラスにならぬだろうと思うのであります。  そこで一応、参議院といえども昭和二十一年の人口をもとにして定数ができているわけでありますから、やはりここで参議院の地方区においても定数是正に当たっては人口というものを基本にして是正を行うべきである。その詳細についてはいま参議院の公選法の小委員会で検討しているわけでありますから、それ以上立ち入りませんけれども、基本においてはアメリカの上院と趣旨は違って、やはり人口に比例をして是正をすべきである、この点については御確認をいただけますでしょうか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 ただいま御指摘がありましたように、アメリカなどの場合におきましては、州から選ぶというようなやり方をいたしておりますし、そういうような意見もございます。しかし、今回の法案の中にわれわれは参議院の地方区の問題を入れませんでしたのは、大体二院制度の問題と絡み合わせて参議院というものがどういう姿が一番いいのであるかという問題、それから参議院を置く場合においてはどういうふうに地方区と全国区を分けるのがいいかという問題、それからまた、その全国区の選び方はどういうやり方をするのが最も合理的であるかという問題等々を含めて、今後大いに研究をいたしたい。  参議院においても御研究願っておるということでございますので、もちろんそういうことも参考にさしていただきますが、衆議院の場合はすでにもう二十名という増の問題については皆さん方の一応の御意見の一致があったと承知いたしておりまして、参議院においてはまだその点について十分な煮詰まりが行われていないというように私、了解をいたしております。したがって、今回の法案においてはこれを取り上げなかったわけでありますが、今後その問題の研究を続けるということは、これは当然なことであり、いま言われたような人口問題をどう参議院の場合に見ていくかということも、一つの大きな命題として研究を続けるべきではないかと思っております。  そういうことでございますので、われわれといたしましては、今回はさしあたりこの改正案をひとつお認め願いたい、こう考えておるわけでありますが、しかし参議院において皆全会一致でもって話が決まったというような場合においては、もちろんこれをまた修正することもやぶさかではございません。  私は政治が腐敗をするというような問題を何とか是正する方途ということについては、これはかなり強い意見を持って対処していきたいと思いますけれども、こういう定数の問題とかそういうことは、相なるべくは皆の意見がまとまることが望ましい。その上で処置をしていくというのが一番よい民主的なものの考え方ではないか、こう考えておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私たちも定数問題については、これはむしろ国会の方で考える方が筋道であって、何でも政府がどうこうせいという筋合いのものではないという基本的な考え方であります。その意味では大臣が言われますように、政府がぽっとやってぽっと出してくるべきものではないだろうと私たちも思っております。その意味で、参議院の小委員会における今後の話の煮詰まりを非常に期待するわけでありますが、ただ私は、どうも参議院地方区はアメリカの上院のように余り人口に関係ないんだ、各地方の代表なんだという考え方がありますので、そうでないということを一応確認しておきたかったわけであります。  それともう一つ、参議院の問題について、全国区制の問題なんです。  これについては私たちも一年余り各党で非公式ながらいろいろ話をしてきたわけでありますが、自民党さんの方においても最終的には拘束名簿式の比例代表制しか、金のかからない、そしてなおかつ参議院という、学識経験者というのですか、全国的に知られた方々に活動してもらうという意味においては——どうもそう言いますと衆議院は余り学識経験者がいないように聞こえますが、そんなことはないのでありまして、そういった意味で参議院の特性というのを生かすには、実態的に二億だ、三億だ、どんな事務的なことだけでも最低それだけかかるというような参議院全国区をこのままにしておいて金のかからない選挙というものを議論しても、どうも画竜点睛どころか、その逆さまのような私は気がしているわけであります。  そこで私たちは、各国の制度等を考えながら、やはり参議院全国区は拘束名簿式の比例代表制というものが一番金はかからないし、なおかついろいろな分野で活動していただいた方々にその知識というものを即そこで反映さしてもらえる、そういった意味で一番妥当な方法ではないだろうか。自民党さんの方でも、かなりこれに傾いたようでありますが、最終的にはいろいろ順位をつける問題やらその他の問題がございますので決着を見なかったように聞いております。  そういったようなことで、参議院全国区制の改革については大臣としては一体どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、率直なところをお伺いをしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 参議院の全国区の問題については、いま先生が御指摘になったような拘束式の比例代表制がいいか、非拘束の代表制がいいかということについてはいろいろ説がございまして、私自身にそのどちらを支持するかということをいまここで言えとおっしゃいますけれども、私はこれはやはりみんなの意見というものを、こういうものについてはできるだけ取り入れるという工夫で、自治省が、あるいは自治大臣が、政府がこう考えるという考え方で押しつけるような感じはできるだけしないがいいのじゃないかと思っておるわけです。  それで、非拘束式の場合におきまして非常に金がかかるということであれば、考え方の一つとしては、それは何か金のかからない工夫がないかどうかということを研究することも一つだと思うのです。拘束式にすれば金がかからないというメリットがあるが、その場合にまた一方においては、何か選挙運動に熱意が入らないというような問題が起きやしないかとか、いろいろまた疑問もあるようでございます。私といたしましては、ここでいまあなたからどちらがいいかという意見を言えとおっしゃっても、これはひとつ差し控えさせていただくことが、いわゆる議会制度という問題を取り上げた場合にはかえっていいのではないか、議会制度の検討をするという場合は、そういう意味では選挙の腐敗を防ぐというような場合は別ですけれども、制度の内容自体についてはできるだけやはり各党の、あるいは党内の意見がまとまったところをもって処理をいたしてまいりたい、かように考えておりますので、ひとつ御了承を願いたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 全国区制の問題というのは、参議院というものを、日本の二院制度の問題そのものとも非常に関連をしてくる問題なので、非常にむずかしいわけで、ただやはり二年後に参議院選挙が迫っている、あるいはまた五年後に参議院選挙が来るということになりますと、かなり大きな改革の問題でありますから、やはり私たちも本格的に取り組まなければいかぬじゃないか、やはり拘束名簿式の比例代表制、非拘束名簿式の比例代表制、どちらも一長一短があるというならば、これは私の個人的な意見でありますが、その中間をとって、拘束名簿式のようにある程度政党と個人と二票投票ということをして、政党の投票の方を優先をさせる、そして個人の投票は政党の議席の枠の中でその順位を決定するのに使う、こういうようなやり方もあろうかと思います。しかし、いずれにしろ非常にむずかしい問題でございますので、参議院全国区制のあり方自体を論議していても一時間以上かかってしまうでしょうから、これはこの程度にとどめさせていただきたいと思います。  それで、ちょっと問題を変えまして、金丸大臣にも松永法務政務次官にもお越しを願いましたので、ちょっと一応確認をしておきたいと思うわけでございます。  何か新聞等の報道によれば、この公選法の審議の途中で、今度の公選法の改正には反対である、しかも現閣僚であり、あるいは政務次官という政府の一員の方が反対であるという署名をされたというふうに新聞は報じているわけでありますけれども、何かこの発起人が松永政務次官という話であります。この辺は一体どういう趣旨の署名を求めるものだったのか、その辺のところは一体どういうことだったのか、まず松永さんからお伺いしたいと思うのです。

松永光自由民主党法務政務次官

○松永(光)政府委員 私は、本日は法務省の政府委員としてお呼び出しを受けているものと理解しておるのですが、御質問の要旨は、個人の行動について個人的な見解を求められているような感じがいたしますので、政府委員の立場としてはお答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それはおかしいですね。それはわれわれが新聞で聞いたところでは、やれ田中さんの派の会合だ、あるいは渡部通産政務次官を通してあれしたというようなことでありますけれども、やはり政務次官というものは政府の構成員、大臣に次ぐ構成員であるわけでありますから、その立場を考えますと、私は、この内容というものは個人的な議員としての活動、動きというふうにとることはおかしいのではないだろうかと思うのです。  やられたその会合の場所なり、あるいは個人的な、気持ちとしては政務次官もそういう気持ちだったということかもしれませんけれども、やはり内閣の構成員の主要な政務次官の一員であるということを考えますと、しかも、この内容はどうも慎重審議をせよということのようでありますけれども、まだ自民党さんの委員の方が二人質問しただけという状態に対して慎重審議せよということは、当委員会に対してきわめて失礼な話だと思うのですね。  ですから議員と政務次官というものは、いま御答弁がありましたように分けてこの問題についてちょっと考えられないと思うのですけれども、その答弁ではちょっと私たちも納得ができないのです。

松永光自由民主党法務政務次官

○松永(光)政府委員 事実関係がございますので、まずその面をお答え申し上げますが、政務次官という立場での行動じゃございませんで、自民党所属の国会議員という立場での行動であったのでございます。そして公選法改正案それ自体に反対というのではなくして、この公選法改正案には今後修正をすべき点が予定されておると私は思います。その修正が予定されている点等について、党員の意見をよく聞いてもらいたいということをわが党の国会対策の責任者等に意見を申し上げるという、そういう意味のことだったのでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私は、自民党の内部的なことについては立ち入るべきでないし、知りませんし、言うべきでないと思うのですが、問題なのは、この公選法が三木内閣のもとで閣議決定をされているということですね。それには自民党は与党でありますから、恐らく自民党の了解を経て私は閣議決定がされていると思うわけです。そういうことを考えますと、自民党の中で内部的にどれだけ討議がされたのか、そのことは自民党内部のことですから私は触れませんけれども、そういった閣議決定されたものについて、巧みに議員と政務次官というものをお分けになりますけれども、しかし、政務次官である限りは、やはり署名はしていないにしても、閣議決定をされたものに対して私は協力をする義務が生ずると思うのです。  その意味で、自民党の内部で討議をする、してない、したということについては私は申し上げませんが、閣議決定をされた法案に対していま政務次官が言われたような内容については、私はどうもその答弁では納得ができないのですね。議員としての活動があることはわかりますが、政務次官という内閣を構成する一員が閣議決定された法案に対して、なおかつ改正をする点があるということが果たして許されることかどうか、その点はいかがお考えでございますか。

松永光自由民主党法務政務次官

○松永(光)政府委員 重ねてお答え申し上げますが、閣議決定された法案について政務次官として反対をするなどという行動をしたのではございません。先ほども申したとおり、この法律案については附則第八項の改正案が出ておりますけれども、これなどはもう一回改正といいますか修正をしなければ、実質上はまとまった法律案にはならない内容もありますので、その点等を含めて慎重に党内の意見を聴取して処理していただきたいという希望を、自民党所属の国会議員の立場で自民党の国会対策の関係者に申し上げる、こういうことであったのでございますので、御理解を願いたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 政務次官というものと議員というもの、また現法案とこれから予想されるであろう改正法案というふうに巧みに分けていらっしゃいますので、質問する方もきわめてややこしいことになるわけでありますが、それによく実態がわからぬ部分があるのでありますけれども、署名をされたという金丸国土庁長官はどういう見解でどういうことで御署名なさったのですか。どういう意味で署名なさったのですか。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 ただいま署名の問題が出たわけでございますが、閣僚として署名をしたということについては、まことに軽率であったと私は深く反省をいたしておるわけでございますが、その真意はどうだという御質問につきましては、実は私も閣僚でありますし、また閣議でサインもいたして、署名もいたしておるわけでございますから、そのとき、私も閣僚だからだめだと言ったわけですが、これは党に、いわゆる線引きの問題があることで、これは慎重にやってくれないかという話だからと言うから、ああそうか——実はその前文に書いてあるいろいろな問題があったようでありますが、私はその問題は全然見ずに、慎重にということで党の方へ出すのだからと言うから、ああそうか、それじゃということで署名いたしたわけでございますが、一時間ばかりたったところで私に注意する人があったから、それじゃ困る、それは速やかに削除してほしいということで削除していただいたわけでございますが、このようないろいろな物議を起こしましたことにつきましては、心から皆さま方におわびを申し上げますとともに、今後十分反省してこういう問題にも対処してまいりたい、こう考えておるわけでございます。

山本幸一日本社会党

○山本(幸一)委員 関連。金丸さん、あなたも政務次官と同じように個人として署名したの。大臣として署名したの。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 私は個人とか閣僚とかいう使い分けではなくて、まことに軽率であったということを申し上げておるわけでありますので、御理解いただきたいと思います。

山本幸一日本社会党

○山本(幸一)委員 松永君、個人としてやったの。あくまでも個人としてやったの。

松永光自由民主党法務政務次官

○松永(光)政府委員 私自身としては自民党所属の国会議員という立場で、私はまだ署名はしていないのでございますが、そういう気持ちをもって動きを始めたのでございますが、そのことが、先ほど佐藤議員も申されましたように、政務次官と個人とどういうふうに使い分けできるのかという問題もございまして、誤解を招くおそれもあるということもありまして、慎重に今後は行動するようにいたしたい、こう考えておりますので、御了解を願いたいと思います。

山本幸一日本社会党

○山本(幸一)委員 それはあなた、大体無責任だよ。先ほどの答弁を聞いていると、個人でやったことだからお答えしないと言っている。そのくせ、署名をとることを中止したんじゃないか。大臣のように反省したじゃないか、あなたも。なぜ自分の所信を貫いて、議員個人でやったんだったら、あくまでもやらぬのか。言っていることが全く質問者をばかにしているよ。個人でやったなら、何も中止する必要はない。反省する必要はないじゃないか。続けてやりなさい、所信を貫いて。君の答弁おかしいよ、さっきから聞いていると。おれはもうくどいこと言わないよ。言わないけれども、そういう点はもっと率直に反省しなさいよ。

松永光自由民主党法務政務次官

○松永(光)政府委員 先輩の議員としての御忠告、ありがとうございました。今後とも誤解を招かないように慎重に行動していきたい、こう考えております。お騒がせいたしましたことについては、先般も官房長官に反省する旨申し上げておったのですが、そのことに変わりはございません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 大臣も、署名というものは非常に大切なものでございますから、署名されるときには今度はよく趣旨を読んでいただいて——そうしないと、何といってもこれは閣僚の署名でございますから、ひとつその点は、非常に重要な段階に来ております本法案の審議でございますので、これ以上私もお伺いをしませんけれども、やはり大臣の行動として、思い違いだったなどということで本当は済まされないことではないかど私は思うし、政務次官についても、現法案についてもいろいろな問題点がある、私もあると思うからこれは質問しているわけで、そういった意味では、意見を述べられることは重々結構だと思いますけれども、ただ政務次官という立場がございますから、成立をさせるという基本原則に立って国会へ出された法案に対して、誤解を受けるような言動というのは厳に慎んでいただかなければならぬではないかと私は思います。その点を深く反省をしていただくことを申し上げて、この点については終わりにしたいと思います。  それではまた本論に戻ります。  次に、今度の本改正案が、金のかからない選挙、こういった点に非常に重点を置いてきた、この点は私たちも了解をするわけでありますが、ただ私たち、金のかからない選挙、選挙の公営の拡大——金のかからない選挙というのは、これは候補者個人がかからないと同時に政党もやはり金がかからない、出たい人はだれでも出れる、そういった政党も個人も金がかからないのだ、こういうふうに理解をすべきものであると考えるわけであります。  その点について本会議の説明では、そういった金のかからないということは一体どういうことなのか、その辺のところがどうも十分御説明がないようなんでありますが、そういうふうに、私たちが考えているような金のかからないということで理解をしていいのかどうなのか、その点は大臣はいかがお考えになりますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 説明が不十分である、趣旨がはっきりしていないというお言葉でありますが、われわれは選挙というものは金をかけてやった人が当選するというような姿が好ましいとは思っておりません。これは選挙でございますからして、政党以外の方も、もちろん無所属の方もお出になるということも含めて、やはり金をかけてやりますというと、その金をどこから得たかとか、それから法律違反になる場合じゃなくて、金を得るために不正が行われるようなことがあったりしてもいけません。そういうことを考えますというと、支出をする面でも金はかからないがいいし、金をなるべく集めないで、本当に国民の代表として国会に出るのだという姿で選挙が行われなければならないというのがわれわれの考え方でございます。  しかし、そう言っても、選挙運動というものにはある程度の金がかかることもこれまた事実でございますので、そこで今度は、公営の幅をある程度広げたわけであります。これで十分であるかどうかということは別問題でございますけれども、われわれとしては、公営をできるだけ広げて、そうして立候補者自身は余り金をかけないでも、自分の主義主張というものを国民に徹底できるような方策を講ずるようなそういう改正をすべきであるという観点からやっておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこで、私がお伺いしたかったのは、その金のかからないということを考える場合に、どうも大臣、自民党所属でありますから、まあほとんど自民党さんの場合、どのくらい党からお金を出してくれるのか知りませんけれども、どうも候補者個人の支出ということを頭に置かれ過ぎているのじゃないだろうか。政党によっては、候補者はほとんど支出をしない、党がほとんど持つという政党もあるわけですね。そうなりますと、公営を拡大していく限りは、やはり私は、候補者個人も、実態によってはまた党も金がかからない、そういう選挙の公営、それに伴うところの規制、これを考えていかなければいかぬのじゃないだろうか、こういうことをお伺いしているわけです。  大臣は、党がまるまる持ってくれるような実態というのは、どうも余り頭にないようなので、候補者個人がということを言われましたけれども、私たちは、金がかからない選挙といった場合には、候補者個人ももちろんでございますけれども、やはり政党も金をかけなくてもある程度できるという、やはりそういった立場に立ってこの選挙の公営を考えるべきである、こういうふうに思っているわけですが、その点についてはいかがでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 私は、理想といたしましては、本当を言うと、選挙のときに運動をする、自分の主義主張を徹底させるというのではいけないので、常時、日常の行動自体を通じて、そうして選挙民に自分の所属している党の政策を述べ、あるいはまた、自分の信念をよく理解していただくという姿が一番ありがたいわけでありまして、でありますから、選挙のときには何もしないでも当選できるというのが、私は理想じゃないかと思っておるわけです。  しかし、現実の問題はそうではないのでありまして、なかなかやはり中央に出ておりますと、われわれの場合におきましても、時間的な制約があったり、仕事があったりして、そういうことができない場合もあります。それから代議士をなさっていらっしゃる方もそういうことがございまして、そういう完全な理想論というものはなかなか実現できないと思う。  そこで、いま党の方が全部出しているじゃないかというようなお話もございますが、私は、何かそれは自民党の場合をあるいは指しておいでになるのかと思うが……

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 逆です。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 そうでないのならば、実を言うと、自民党などでも、私などは余り党の方から援助してもらわないでも、このごろは選挙をやらしていただいておるようなことでございまして、まあしかし、できるだけやはりこれは金がかからないようにやるということが、これは必要であり、またなるべく金を集めないでやるというそういう方向へ持っていかなければならないと私は考えておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 この点は私は非常に重要なことだと思うのです。これから選挙の公営の問題について若干お伺いするに当たっても、それじゃ、とにかく個人はこれだけのものを国庫負担にすると非常にかからなくなる。さりとて政党によっては、全く党自体がまる抱えでやる政党もあるわけですね。そういうふうに、いろいろと個人の負担が非常に多い、九分九厘個人がやる場合と、政党が九分九厘あるいは一〇〇%やる場合とがあるわけですから、その意味で、国が個人の負担分は全部持ちましょう、しかし政党がやるのは全く自由ですということになりますと、これはやはりせっかく国から出したお金が、私は死に金になってしまうと思うのです。  そういった意味で、私たちは金のかからない選挙ということを考える場合に、候補者個人の負担もさることながら、やはり政党も金をかけなくて済むような、そしてそれは国民の目から見れば、そんなに金をかけてやっていたらみっともなくてできないというような公営化、やはり政党も個人も金をかけなくて済むような選挙制度にすべきじゃないだろうか。候補者個人だけではなく、やはり政党も金をかけない、こういうふうな選挙にすべきじゃないだろうか、これがやはり金のかからない選挙、選挙公営の拡大の意味でなくてはならないのじゃないかと思うわけであります。  この基本的な柱は、後からお伺いすることにとりまして非常に重要な柱でございますので、もう一度見解をお伺いしておきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 いや、あなたのおっしゃる意味はよくわかっておるのでございますが、現実のいまの選挙の姿というものから見ますというと、必ずしも政党だけでやれるものでもないし、個人もまたやらざるを得ない面がありますので、したがって、政党自身も金を余り負担しないようにして、そうして選挙というものを浄化するというか、国民からひんしゅくを買わないようにすべきだというその意味で、国がある程度はっきりしたものは肩がわりしてやるということは、私は意味があることではないか、こう考えておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その次に、若干事務的なことでございますので、土屋部長結構でございますけれども、選挙運動用自動車のことでございますが、「政令で定めるところにより、政令で定める額の範囲内で」とこう書いてあるわけですが、これはどういう意味ですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 選挙運動用に候補者が使われる自動車については、公営で一定の額を負担するということで、その額を決めるのが政令ということでございます。と申しますのは、皆さんが車をお使いなさる場合に、いろいろと幅があるわけでございまして、きわめて高い借り上げの場合もございますれば、そうでない場合もございましょう。そういったことで、通常借り上げていけばこれくらいかかるといったような基準を考えまして、そうしてその範囲内で、その限度で補償するということでございまして、まあ極端な例でございますが、非常に高い上等なものを借り上げておやりになっても、それは全部やるというわけにもまいりません。通常一般考えられるものは公費で負担する、そういった趣旨でございまして、政令で大体のその線を出し、また、それを交付する場合の手続その他を政令で書くということで考えておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いや、そのことはわかるのですよ。政令というものはそういうものですが、具体的にたとえば額なり、それから果たして泡沫候補という言葉がいいかどうかわかりませんが、使わぬ人まで交付されるということになりますと、これは公費、公費と言ったって国民の税金ですから、その点はやはりチェックしなければいかぬだろう。  その点で、一体具体的に一人当たり一台当たりどのくらいのことを考え、それから、そういった使わないでもまさに選挙用自動車の費用ですと言っておりてくるような不合理があってはいかぬので、その点についてはどういうふうなチェックを具体的にするのか。恐らくそれを政令で書くのだと思うのですが、それはどういうことを考えていらっしゃるのかということです。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 ただいま考えておりますのは、通常借り上げたらこういうことになるであろうという金額を想定しておりますので、まだ確定はいたしておりませんが、まあ通常全部借り上げた場合は一日五万円ぐらいで済むのではないかといったような考え方を持っておるわけでございます。  ただ、そのやり方も、使われた方の請求によって直接交付するというやり方ではございませんで、候補者とあるいはそういった自動車運送業者との間で契約が行われますと、その運送業者からその契約書等のいろいろな必要書類を添えてこちらに、国であるかあるいは府県であるか、選挙によって違いますが、そこへ交付の申請をしていただいて、それをチェックした上で交付をするということでございます。そうしてなお、法定得票数以下の方にはこれは支給しないということでございますので、その時期は選挙が終わった適当な時期にというふうに考えておる次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしますと、いま部長はたとえばということで車両の契約をする場合を挙げられたのですが、たとえば本人の車だ、あるいは友人から借りた車だということになりますとどうなんですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 いろいろな形態がございますので、まだ政令で明確に政令案をつくっておるわけではございませんが、たとえば御本人が自分の車で全部おやりになるといったような場合は、これはちょっと交付の対象にはならないというふうに考えております。  ただ、たとえば運送業者から直接全部借り入れるのではなくて、車はあるがそれは特定の運転する人を雇ってやるとか、あるいは友人が車を持ってきて加勢してくれるとか、いろいろな形態があるわけでございます。そういった場合にどのように扱うかということは、最終的な詰めばできておりませんが、いろいろな形態を考えながら合理的な線を出したいというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 事務的なことですから、貴重な時間ですのでそんなにあれしませんが、とにかく人から借りてハイヤー並みにした方が金の支出が多いなんというのは、これは余り合理的なことじゃないので、実態に合わせて、そんなハイヤー並みにほかの人を雇ってあれしたら最高五万円だという話では、そういったぜいたくした方が高い国費の支出になるというばかげたことは、これはやはりわれわれも避けるべきだと思うのです。そういった意味で選挙用自動車というのは衆議院の場合に各一台と決められておるわけですから、本当にやる人はだれでも使わなければいかぬのですから、その辺はむだのないような支出を政令で具体的に考えるということをぜひ要望しておきたいと思うのです。  それから、ポスターのことでございますが、「政令で定めるところにより、政令で定める額の範囲内で」ということでございますが、額のことについてはこの前小泉委員でございましたか、石井さんでしたかの御質問の中で、最低三十円ぐらいのところということでございましたが、そういうことはいいのですが、「政令で定めるところにより」ということは、お金は選挙事務所に直接おろすのではなくして、印刷した業者に請求書等を見ながら払う、それによって実際につくらなかった人にもお金がおりたなんという不合理なことはないようにする、こういうふうに理解してよろしいですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 基本的にはそういったことでございまして、業者から請求があった、それも必要書類を添えて請求をしてもらって、そこにお支払いをするということでございます。先ほどの車と同じように、どのような手続でやるかとか、それから法定得票数以下の人にはやりませんので、選挙後に適当な時期に支払いをするわけでございます。そういった全体のことを含んで手続等を書くということでございます。また、車の場合でもそうでございますが、この場合でも、選挙によって御承知のとおり非常に枚数が違うわけでございます。選挙区によっても違います。そういったこと等をよく勘案しまして、合理的な線で政令が決まるように検討いたしたいと思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その次に、新聞等による政策広告の公営の問題でありますけれども、今度の案では、基礎が各政党三回で、今度衆議院に限れば、百人を超える数五十人ごとに一回ふやすということになって、政党の候補者数に応じて回数を変えるということになっておるわけでありますが、果たしてここまで政党の大きさというものによって変える必要があるかどうか。たとえば候補者数によるということは、参議院の全国区なんかで宣伝カーというものは候補者数によって変わっていますね。こういったようなものは変える必要があるだろうけれども、全国紙に載る政党の政策広告の回数を候補者数によって変えるまで必要があるかどうか、この点についてはぜひもう一度検討してもらいたいと思うのでございますが、大臣、よろしゅうございますね。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 お考えはわれわれも理解するところでございますが、参議院の選挙等においても、数によって違っておる等々の問題もありますので、われわれとしてはこういう案を提案いたしておるのでございますが、皆様方からの強い御要望あるいはまた意見の一致がございますれば、われわれとしては考慮しても差し支えないと思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それから候補者の新聞広告なんですけれども、昨年行われました参議院の選挙の、公明選挙連盟が調べた役に立った選挙情報というのを見ますと、一番役に立ったというのはテレビの政見放送三〇・七%、その次が選挙公報一八・六%、その次にぐっと落ちますけれども候補者の新聞広告、これが六%ということで、第三位の、有権者にとりましては非常に判断しやすい材料になっているわけですね。  その辺のところで、いま衆議院の場合には五回ということになっているわけでありますが、スペースの大きさその他回数、この辺のところももう少し今度の公営化に当たって検討してもいいのではないか、こういうふうに私たちは思うのでございますが、その点についてはいかがでございますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 ただいまお示しのように、衆議院の場合五回ということで新聞広告を出しておりますが、このスペースの問題等、いろいろ議論があることは存じております。ただ、これをどういうふうに扱うかということになりますと、いまの選挙運動用文書全体の扱いの中で考えていかなければなりませんし、今回いろいろと政策広告等の拡大といったようなこと等もやっておりますので、全体の中で今後どういった考え方で進むべきかということは十分検討いたしたいと思っております。今回はそういうことでこの法案には触れていないわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それから、いま読み上げましたようにやはり有権者はいながらにして茶の間で選挙の候補者のいろいろな公約なり政策なりを聞けるということで、テレビというものは非常に大きなマスメディアとしての効果を持っているわけでありますけれども、現在よりももう少しいろいろな形でテレビというものが利用できないだろうか。私たちは、たとえば立会演説会を放映をしたらどうか。これはこの前の委員会でも小泉委員からもございましたけれども、何せ二十分という長さとか放送局のエリア等考えますと、現実的にはこれはなかなかむずかしいだろうと思うわけです。  そこで、全国一律で放映をできる、たとえば政党の代表、各委員長なら委員長、そういった人々によるところのテレビ演説、あるいは政審会長等が一番適当かと思うのですけれども、各テーマによって、防衛問題なり財政問題なり予算の問題なり福祉の問題なり、こういったテーマ別によって、わが党はこうする、こういったようなものならば全国一律に流せますので、放送エリアの問題も関係なくなると思うのです。何も候補者に限らず、こういった意味でのテレビの利用も、これだけのテレビ時代でございますから、やはり考えていく必要があるのではないか、こういうことを思うわけでございますが、その点についてはいかがでございますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 テレビが選挙において非常にいい方法であるということで、私どもとしても従来からもう少しこれが広げられないかということで、いろいろ検討はしておるわけでございます。ただ個々の衆議院等の選挙になってまいりますと、おっしゃいますように大電力圏あたりの非常な問題がございます。そこで技術的になかなかむずかしい。放送会社自体の事情というものも十分考えていかなければならぬという点があるわけでございます。  ただ、後でおっしゃいました政策放送といったようなもの、これは何か考えてもいいじゃないかということで、私個人、そういうものを考えられないかということをものの本などにも書いたことがございますけれども、全体としての構成のあり方とかいったような、そういう問題も含めて、また技術的な問題も含めて検討しなければならないと思っております。たとえばNHKでございますと全国的に流れますけれども、民放の場合一体どういうふうな扱いをするのだろうかとか、いろいろ技術的な問題がございます。  いずれにいたしましても、私どもとしてもこれだけの優秀なメディアでございますから、何かこれを利用する方向というものは今後とも検討を続けたいというふうに考えておる次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それから、テレビに関係することで非常に重要な問題なんですが、実は候補者の勝手かもしれませんが、選挙中にビデオを撮りに行くというのは精神的にも肉体的にも時間的にも非常に大きな負担になるわけですね。そこでいろいろ考えてみたのですが、私のところの地域だと、三回ビデオ撮りをしなきゃいかぬわけですが、これを何とか一回にできないだろうか。これは技術的にできるようであります。  それと同時に、公営化を進めていきますと、選挙管理の面でも非常に大きな負担がかかってくるわけですね。そこで、こういうことが果たしてできないものかどうか。というのは、テレビのビデオにしても、告示の二、三日前にそういったテレビの録画撮りというものができないかどうか。それは単にテレビだけの問題でなくて、告示の前にそういうことをやるということになりますといろいろな影響がございますから、非常に幅広い大きな問題だと思うのでありますけれども、そういったような、テレビに限らず、その他選挙管理委員会に余り負担をかけない意味において、たとえば選挙公報の原稿を早目に出すとか、供託金を納めた段階でそういったような事務的なことは済ませるというようなことはできないかどうか。これは候補者の側にとりましても、あるいは選挙管理の面においても、非常に楽になってくるのじゃないだろうかと思うのであります。だけれども、告示の前にそういうことをやるということはいろいろと問題が出てくるかと思うのですが、その点はいかがでございますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 いろいろ公営等の準備のためにある程度時間が欲しいのは私ども選挙管理をする立場も同じでございます。しかしながら、公示、告示がなされないと候補者がはっきりしないといったような基本的な問題があるものでございますので、なかなかそこが全部うまくいかないという点はございます。  ただ、第一点のテレビ等につきましては、御承知のように、公示、告示の前でも政党の証明等があれば、これはできるようになっておるわけでございまして、そういう点は便宜を図ってあるわけでございます。  ただ、そのほかの公報なり何なり、そういったものを含めてということになりますと、何かうまい方法があればと私どもも模索はいたしておりますけれども、いまのところなかなかいい方法が考えつかないわけでございます。いずれにしても、今後ともそういった合理化の点については私どもは検討は進めたいと思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それから、一応政府案で出されている選挙運動用自動車の使用の公営、ポスター作成の公営、新聞による政策広告の公営、これによって、いま検討なさると言った部分は除いて原案だけで公営化というのは一体幾らぐらいかかることになるわけですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 先ほど申し上げましたように、個々のケースによってまた基準を変えてつくっていかなければなりませんので、正確には申し上げられませんが、たとえば衆議院の場合で申し上げますと、十五億前後になるのではなかろうか。これは前の選挙のときの候補者数なりそういったものを基準にして考えますと、十五億前後ではあるまいかというふうに考えられます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ちょっと少ないのじゃないですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 今度の三つの公営そのものがその程度になるであろうという考え方でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこで、まあ公営公営といっても、これは貴重な国民の税金でやるわけでありますから、おのずと限度があると思うのです。特に私たちは金のかからない選挙ということで公営ということを非常に主張してきたわけでありますが、私たちは公営にした限りは、候補者なり政党というものが、その他は無尽蔵にできるのだ、無制限にできるのだということでは、これは公営が泣いてしまうと思うのです。  ここに、全体的な主張はちょっと私と違うのですが、毎日新聞の社説があります。題が「身銭を切ることと手弁当と」ということで書いてあるのですが、「法案審議にあたっては、この改正がカネのかからぬ選挙、選挙の腐敗防止にどれほど効果があるか、を冷静に吟味することから始めてほしい。たとえば、選挙公営を拡大すればカネのかからぬ選挙が実現すると考えるのは、いささか錯覚ではなかろうか。こんども自動車代、ポスター、政策広告などの公営を決めたが、これで選挙費用のごく一部が節約できるとしても、金権選挙を是正するには「焼け石に水」でしかないだろう。むしろ、選挙公営を期待し奨励する一般的傾向に対して、疑問を提起したい。わが国はすでに世界中で最も公営化の進んだ国となっているのに、現実にはカネがかかる選挙は続いている。公営とは国民の税金を使うことだ。その認識を徹底して、公費で助成する妥当な限界をはっきりさせるべきである。政党や政治家が身銭を切り手弁当ですます努力もせず、むやみに公費に依存するというのは、あまりに甘ったれた態度ではないか。」  どうもこれ全体を読んでみて、身銭を切るというのはどういう意味だか、歳費だけで選挙をやれという意味なのか、全体的には私はちょっと主張が納得できない点もあるわけでありますけれども、いずれにしろ、やはり国民の中に、公費ということで税金を選挙ごとにかけるといってもおのずと限度があるだろうし、片方では公営をしておきながら、片方では政党や個人が幾らでも無制限に事がなされるというのでは、私は税金を納める国民としても納得していただけないだろうと思うのですね。  その点について、選挙の公営の裏にはそういった意味でのある程度の規制というものもやむを得ないのではないか、それが国民の税金が死に金にならない方途ではないかと私は思うのでありますが、この点について大臣いかがお考えでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 選挙の場合に、金のかからない選挙をやるというのが本来のたてまえでありますけれども、しかし、実際面で選挙をやってみた者から見ますと、ある程度の金はやはりかかっております。実際選挙違反にならないようにできるだけやってみても、やはり金はかかる。そこで、自粛をして金をかけないようにしてやるということも必要であるが、どうしても必要な金がかかるということであれば、その必要な金の一部分でも国で負担をしてもらうというのも、私は一つの考え方ではないかと思っておるわけであります。  まあ新聞でどのようにお考えになるか知りませんが、実際政治というものは現実を踏まえて議論をしていきませんと空論に終わるおそれがあるのでありまして、選挙というものをやる以上はどうしたって金がかかる。その金がかかるのを党がめんどう見るか、個人が自分だけでやるか、あるいは党と個人でやるかということは別にしても、リーズナブルな経費というものはやはり認めないわけにはいかないのじゃないか。そのうちの一部分を、国でめんどうを見るその部分をふやしてみようというのが今度の公営の拡大という意味と私は理解をいたしておるのでございまして、こういう点はやはり新聞その他の関係のお方にもよく理解をしていただくようにわれわれも努力をしなければならないのじゃないか、こう思っておるわけであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私の言いたいのは、大臣の言われることはそのうちの一部だと思うのですね。要するに公営を拡大して候補者にも政党にも、そういったそれ相当の、非常に最低限の選挙には必ず必要な部分については公費で負担をしてもらう、しかし、毎日新聞の社説の意味は、一部はその意味で、じゃ、たとえば自動車代一日五万円負担をしましょう、衆議院の場合には二十日間でありますから百万円です。じゃ百万円浮いてきたからといって別の方向に使ったのでは、これは選挙の公営が泣いてしまうし、税金を納めていただく国民の皆さん方も、何だ、こんなことならば公費で負担する必要はないではないかということになっちゃうと私は思うのです。  そこで私は、基本的には選挙の公営を拡大してくる限りは、政党についても個人の活動についても、ある程度の規制はやむを得ないだろう、金との見合いにおいて、国民の税金を使わしていただく以上は、その範囲内においては、当然政治活動の自由を束縛しない限りにおいてある程度そういった意味での規制はやむを得ないのじゃないかと思うわけです。その点をお伺いしたかったわけです。リーズナブルな範囲において公営を拡大して国で費用を持つ、このことはいいわけでありますが、持ったその分だけ、じゃ浮いたからといって、候補者なり政党に野方図に無制限なことをやられたのでは、これは私は全く国民の税金が死に金になってしまう、焼け石に水になってしまうと思うのですね。その基本的な点についてどういうふうにお考えになっているかということでございます。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 それが選挙をきれいにするとか、あるいは公正、公明な選挙をやるとかということでございまして、候補者自身もそういうような気持ちで選挙運動をやらなければならないし、それからまた選挙人自体もなるべく候補者に金をかけないようにするという、選挙に対する国民全体の自覚をもっと高めていくということは非常に大事だと思うのでございまして、金を出してもらったからといって、それだけの金が出たからもう選挙はきれいになるか、私は必ずしもそうではないと思います。  しかし、親心といいますか、国としては国のために一生懸命に働いていただく人が選挙運動に金がかかるというのであれば、理屈が立つならばその分は持ってもいいじゃないかという考え方が公営の拡大であろうかと思うのでありまして、それをやったからといってすぐに選挙が浄化されるとか、あるいはまた選挙運動が公正に行われるようになるというものとはいささか質が違うのではないかというふうに私は考えておるわけです。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私も余り抽象論は避けたいのでありますけれども、そこでもう一つ、選挙法を考える場合に、選挙運動というものはあくまで政治活動の延長でございますから、政治活動の自由、言論、出版の自由というものを選挙の公正という面においてどの辺で調和をさしていくか、これが私は非常にむずかしい問題ではないかと思うのですね。その点について、具体的な点は後でお伺いをしますのでまた御答弁をいただくとしても、やはり選挙期間というものは選挙の公正も期さなければいかぬ。さりとてやはり政治活動の延長である限りは、政治的な活動の自由、言論、出版の自由というものも、これは一定の限度内において当然認めていかなければいかぬ。その調和点について、大臣としては一体どういうふうにお考えになっているか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 いま御指摘の点については、この調和という問題は、二つのテーマが出てきたときに調和という問題が出るわけでございますから、これは具体的な問題について考えていくということではなかろうかと考えておるわけであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その点については後でさらに詳しく御質問します。  その次に、規制の方の点についてでありますが、先ほどお伺いをしましたように、新聞に出す政党の広告、確認団体の広告、これについては公費負担ということになったわけでありますが、新聞の方をそういうふうに公営にしておいて、片方では、たとえばテレビのスポットの広告とか雑誌とかネオンとか電光掲示板とか、こういったものが全く野放しということでは、これは私が先ほど言ったようにまさに公営拡大が死に金になってしまうのではないだろうか、こういうふうに思うのです。  通常の場合は別として、選挙期間中はいま言ったようなマスメディアについてもある程度しない限りは——たしか新聞の広告を一回出すと三百万とか四百万とかいう。それをたとえば四回なり五回といいますと、これだけで千五百万、千六百万、千七百万という費用が候補者なり政党側からしてみると浮いてくる。この浮いてきた分を、やれ今度は雑誌だ、テレビだというふうにかけてくるのでは、これはまさに公営拡大が死にものになってしまうだろう。ざるで水をすくうがごとくになってしまうだろう。その点において、やはりこちらも節度ある規制というのが必要であると私は思うのでありますが、その点についてはいかがでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 節度ある自制ということでございますれば、その節度というのはどういうものを指すかなかなか問題があると思いますけれども、私は趣旨には賛成でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いや、自粛ということならば、これは政党間で取り決めるなら取り決めるということでございますけれども、少なくも法律上はそういうことになっていないわけですね。私が一番心配をするのは、一つは選挙期間というのは選挙の公正を確保しなきゃいかぬ。各政党が国民の前に平等にある程度判断をしていただく材料を提供する、これが私は選挙運動期間だと思うのです。そういった意味で、公営を拡大していきながら、片方では金のある政党は幾らでもテレビのスポットをやる、雑誌は幾らでも出すということでは、国民は公費を負担したということについて悔やまざるを得ないということになるのですね。そこで私は、自粛じゃなくて、これも一定の限度内で選挙の公正を確保するために規制が必要なんではないかということなんです。いかがでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 それはあなたは公営をした分の金がそちらの方に回ったのでは意味がないじゃないか、だから規制をしなければならないとおっしゃるのですが、公営を拡大しなくても、いまのような状態においても政党は金を使おうと思えばそういうことはできるわけです。あるいは脱法行為になるかもしれませんが、個人もそういうことをやろうと思えばできないわけじゃないので、問題は何をそういう場合に規制をするといまあなたのおっしゃった目的にかなうかという具体的な内容で判断するよりほか方法はないのじゃないかと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 だから、それは政党が出すものでテレビのスポット、それから雑誌、私自身は余り見ていないのですが、ネオンサインとか電光掲示板、こういったようないわゆるマスメディア、そういった媒体を使ったものの例です。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 先ほどから公営の基本的な問題が出ておるわけでございますが、選挙運動でもそうでございましょうが、政治活動にしても、本来できるならば自由にやれば結構なことだと思うのでございます。しかしながら、それでは金を持った者だけが有利になるといったようなこともございますので、そこにはやはり一定の秩序が要るということで一つの規制が出てまいりました。そういうことで、この平等を確保しながらも、なおかつ金がかからないようにということで公営がだんだん取り入れられたという歴史があるわけでございます。  そこで、政治活動というものが基本的に自由であるべきだということから考えますと、一体選挙の公正ということとの関連で政治活動の自由というものをどういうふうにつながりを求めていくか、そこの問題になってくると思います。そこで、具体的に選挙の際に公正を害するようなものについてはできるだけ規制をしながらも、一方では公営を拡大するといったようなことも今度の政府案にあるわけでございますが、いま仰せのテレビのスポットで党の意見を出すとか、そういったことまでやるかどうかということになりますと、それはいま申しました全体の政治活動を選挙運動の中でどう位置づけて考えていくかということでございます。いろいろむずかしい問題がございますので、御指摘の点はよくわかるわけでございますが、どういうふうに扱っていくかということはさらに全体の問題として検討していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次に、私たちは選挙法というものを考える場合に、あくまで選挙期間外の政治活動、これはもう憲法で決められているように最大限自由でなければいけないと思うのです。選挙期間というのは政治活動の延長でありますから基本的には自由でありますが、しかし、一方では選挙の公正、候補者間の平等、こういった観点も入れてものを考えなければいかぬのが選挙法だと私たちは考えているわけであります。その意味においては、選挙に至るまでの政治活動は最大限に自由でなければいかぬ。その点を考えますと、今度は立札、看板のたぐいの問題です。これは果たして選挙期間の禁止かどうかということになりますと、通常の禁止になるわけですね。そういった意味で、私たちは基本的にはこの点については余り賛成をしがたい。     〔委員長退席、久野委員長代理着席〕 ただし、いまのように各地域はまさに立札、看板の類が林立、はんらんという状態でありますから、これが果たして現状のままのように野放しでいいかということになりますと、政治活動の自由との問題で、その調和を求めながら考えなければいけない点だなというように思うわけであります。特に、まあ自由といえば確かにそうでありますけれども、立札、看板というものが、ポスターの問題は後で別にお伺いしますが、いわゆる政治活動なのかどうなのか、後援会活動なのかどうなのか、後援会活動も政治活動といえばそれまでだろうし、その辺は私は非常に微妙なところだと思うのであります。  そこで、具体的な点でお伺いをしたいと思うのでありますが、今度の立札、看板のたぐいの規制というのは、具体的に一体どのくらいの枚数に、ある程度の範囲内に限ろうとしているのか、もう少しこの点だけ説明をしていただきたい。簡単に枚数だけで結構です。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 御承知のように、今回の法案の中に立札、看板等については一定の総数を決めて、その範囲内のもので、またその一定の規格のもとにつくったもので、選管の表示をされたもの、そういうふうに限定されておるわけでございます。そこでどの程度要るかということになるわけでございますけれども、いろいろ考え方はあろうかと存じますが、一応たとえば衆議院の選挙について申し上げますと、売名的なものではなくて本来の活動をするための事務所ということになりますと、一選挙区少なくとも五カ所ぐらいは要るだろうという前提で、一カ所に二枚は掲げられるということから考えますと、十枚程度のものを考えておるところでございます。  もちろん選挙によっていろいろ変わっていくわけでございますが、例として衆議院を挙げますと十枚程度、したがいまして、これは事務所といったようなものを全部制限しておるわけではございませんで、事務所は事務所で必要なものはあるわけでございますが、ことさらに大きなものを掲げたりすること、あるいは無数に出るということを防ぐ意味で、そういった掲げられるものは十枚程度というふうに考えておるところでございます。     〔久野委員長代理退席、委員長着席〕

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それは確認をしておきたいのですが、要するに、われわれが政治活動をする事務所とそれから後援団体の事務所、これはおのおのを通じていまの数字だということですね。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 候補者等が自分の名を冠した立札、看板といったようなものは、それはその人の問題でございます。後援団体というのは個人とはまた別の人格の団体でございまして、したがいまして、それぞれ十枚という考え方でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その次の、ポスターで裏にベニヤなりあるいはプラスチックを裏打ちをしたものは、今度は通常の場合にも禁止をされるという問題でありますが、これは私は非常に大きな問題だと思うのです。とにかく、いま事前運動といっても、何々候補者というふうに書かなければ、事実上三カ月の期間内でも事前運動とならないというのが現状でありますから、その意味では、選挙の直前になって何十万枚といったポスターをべたべた張っていくというごと、これはもう事前運動と紙一重でありますけれども、そういったものを何とかしたいという気持ちはわかります。  しかし、原則はやはりはっきりしなければいかぬので、通常のポスターの張り方まで、ベニヤに張ったものはいかぬ、プラスチックに張ったものはいかぬというふうにすることは、これは明らかに私たちは政治活動に対する規制である、これは明らかに通常のものでありますから、政治活動に対する禁止に等しいものであると思います。それは確かに板のへいなりブロックべいに直接張ればいいのだということになろうかと思いますけれども、現状はなかなか、そういったものを直接張らしてくれるところはない、やはり後で汚れるというような問題もありますし、なかなか張れるような状態になっていない。そういうことを考えますと、通常の期間までポスターをベニヤやプラスチックやその他のものに張ったものまで禁止をするということは、これは明らかに選挙活動ではなくて政治活動に対する禁止、規制であると私は思います。その意味でこれについては納得はできないわけでありますが、この点については大臣はどういうふうにお考えになっておりましょうか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 いまお話しになりましたような考え方もあろうかと思うのでございますが、先ほどもお話しがございましたように、最近は選挙時と否とを問わないで、非常に立札、看板その他のものがはんらんをしておるということでありまして、それが政治活動である限りそれは自由であるべきではないかということも、確かに成り立つわけでございます。しかしながら、先ほどのお話のように、これは選挙の公正、選挙との絡みでどういうふうに考えていくかということになろうかと思うのでございまして、時局講演会とかあるいは後援会の結成とか事務所の開設とかいったようなことに籍口いたしまして、氏名等を表示をいたしました立札、看板等が必要以上に掲示される、むしろこれは政治活動というよりも明らかに選挙目当ての、言いにくい言葉でございますが、売名行為であるというふうにとられる場合もあるわけでございます。  そこらをどこの接点で規制の対象にするかということになってくるわけでございますが、いまのように無数にポスターが、しかもプラスチックとかベニヤ板とかそういったような金のかかるものを使って、そういった形で大量に掲示をされるということになりますと、政治活動とはいいながらも、選挙の公正ということにもかかってくるし、かたがたそういうものに非常に金がかかり過ぎるということも考えられるわけでございます。したがいまして、形態から見ても、裏打ちをしたものは立札、看板の類というふうに見られるわけでございますので、そういうものはひとつ御遠慮をいただきたいということで、今回の改正案としては規制をすることにいたしておるわけであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それだけはちょっと納得できないのですね。立札、看板のたぐいは、いま前半で申し上げましたように、果たして政治活動に必須のものであるか、絶対立札、看板が林立をしなければ政治活動ができないものなのかどうか、これは私も政治に携わる者の一人として、立札、看板のたぐいはこれは一つの売名であり、やはりいつも名前を忘れないでもらいたいという、そういった種類のものだと思うのであります。しかし、われわれの国会報告会なり、何々をする会なり、あるいは時局演説会なり、こういったものの告知をするポスターというのは、これは政治活動にとってまさに必須なんですね。やはり有権者の方々と接するというその接点というのは、座談会なり演説会というのがまず原則的なことなんですね。そういうことになりますと、私は立札、看板のたぐいと同じように考えるわけにはこれはいかぬ。  それともう一つは、土屋さんもこれは事前運動と非常に紛らわしいということを言われました。実態は私にもわかります。確かに過ぐる参議院選挙では、まさに私のところでも、愛知県は人口五百三十万でありますので非常に大きなところでありますから、三十万枚張ったという候補者がおるわけですね。一枚あれはどう見たって、そんな裏打ちをしたものが百円なんかでできるわけがない。それで五億、六億という大変もう考えられない費用がかかる。確かにそんなことは許さるべきではないと思いますが、しかしそのことを法律でもって規制をするのがいいのか。やはり私は、参議院選挙後、ああいった形で町じゅうにポスターをはんらんさせるというようなことは、国民の皆さん方から批判をされておると思うのですね。  そういった意味で、選挙における公正を期すために、選挙期間中におけるある程度の規制というのは、これは私たちも、いろいろな政治活動の自由や言論、出版の自由との見合いにおいて、ある程度の規制はやむを得ないと思います。しかし、いわゆる選挙期間ではない通常のときにおいて、政治活動にとって基本的な、全く初歩的なポスターの張り方まで規制をするというのは、これは明らかに政治活動の自由をきわめて束縛することになると私は思うのです。これは私はちょっと立札、看板のたぐいというものと同列に扱うわけにはいかないと思うのです。その点について大臣にもう一度検討をお願いしたいと思うのですが、いかがでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 選挙あるいは政治運動の自由という面から見ますというと、お説のようなこともわかるわけでありますが、立札、看板を規制するという考え方からいたしますというと、ポスターに裏打ちをして、そうして棒をつけてずっと置いて歩くというようなことは、ほとんど立札と同じことになる。そこでまた、そういうことでなくて、演説会をやるから集まってくれというような告知用のビラなどというものであれば、どこかへ一つ、後援者の家に頼めば、ある程度は張れるのじゃないかと私たちも考えておりますので、それはやむを得ない、やってもいいと思いますけれども、いまおっしゃったような点まで広げるのがいいかどうかということについては、もう少し研究をさしていただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 研究さしていただきますということでございますので、この点についてはこれ以上申し上げませんが、ただ、やはりはっきりしなければいかぬことは、日常の政治活動というものについての規制は、私たちは決して認めるわけにはいかない。その政治活動の延長である選挙期間は、これは選挙の公正、候補者間の平等ということがあるわけでありますから、ある程度ルールづくりをしなければいかぬだろう。その点はやはり、選挙期間か選挙期間外かというものをはっきりしなければいかぬ。要するにその間の事前運動というものがあるわけですね。これはまた別個の方法で考えなければいかぬと思うのです。  立札、看板のたぐいと、そういった演説会の告知のものとは——演説会の告知の場合には、おのずと日にちが入るわけですから、日にちと場所を入れなければいかぬわけでありますから、そういった意味で、立札、看板のように名前と連絡事務所というようなものと私は明らかに性格が違うものだと思うのです。その点でぜひひとつ、これは基本的な点でございますから、私たちはちょっと譲るわけにいかないという点だけを申し上げて、なお一層御検討を願いたいと思うわけであります。  それから、その次に移りますが、公職者の寄付行為の禁止でございます。私たちもこのこと自体はきわめて大賛成でございまして、ぜひこれはやってもらいたいと思うのです。私たちも大いに提唱している方でございますから、非常に賛成でございますが、問題は実態だと思うのですね。果たしてこれで本当に私たちの政治活動でない部分の寄付行為というものが防げるかどうかということになりますと、もう少し詳しく土屋さんからお話をお伺いをしていかないと、どうも果たしてどれだけ実効が上がるかという自信が、本部分についてないわけであります。  そこで、確認だけを土屋さんにしておきたいのであります。簡単でございますので、簡単に説明していただければ結構ですが、公職者等ということでございますが、このときにそれが公選法にいうところの公職者すべてであることはわかりますが、つまり代理人という形で、その国会議員なら国会議員の奥さん、夫人というものがそれを行使した場合、それは一体どうなるのか。  それから、確認で結構でございますが、他の団体の役員をしている、その場合に、他の団体の役員の名前でした場合には、これは法律上禁止になっていると思うのですが、そう理解してよろしいか。  それから、たとえば私は会社を持っていませんけれども、私と同じ名前の会社、佐藤なら佐藤という会社の名前を冠したもので名前を出す場合、要するにその社長がだれだからということで明らかに類推をされるようなものの場合には、今度の法律では禁止になっていると思いますが、その点はそういうふうに理解してよろしいか。  その三点だけちょっと簡単で結構でございますので、確認をしておきたいと思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 まあいろいろな寄付の仕方があろうかと思いますが、個人以外の別の名義でやるという例がいろいろ出てこようかと思います。そこで、お尋ねの第一の点、ある会社の役員等であったという者が、会社としてその役員の名前でやるということになりますと、現行法でも百九十九条の三の規定があるわけでございますが、これはもう寄付をしてはいけないということに今度したわけでございます。  それからもう一つ、団体の名前そのものがだれだれ株式会社といったようなことである場合は、これも選挙に関しては寄付ができないということで、百九十九条の四の規定が現行法でもありますし、そのまま生きておるわけでございます。したがいまして、たとえば後援団体等につきまして、いかなる名義をもってするを問わず、一定期間は、要するに選挙の期日の九十日前からは寄付をしてはならないということになっておることともあわせて、なかなかそう簡単にはできないような仕組みになっておると思うのでございます。また、一定期間以外の時期でも、後援団体等が、名称とかあるいは候補者等の氏名等が類推されるようなものでございますと、先ほど申しましたような百九十九条の四の規制を受けるということになるわけでございます。  なおまた、たとえば候補者の夫人、秘書等の名義による寄付ということになると、御本人が直接候補者と関係なしに、自分の個人的なつき合いでの関係で寄付をなさる、これは差し支えない、名実ともにそういう場合は差し支えないわけでございますけれども、実態によってはいろいろ問題があるということでございます。本人がやるのをかわってやったのだというようなことになりますと、本人の名義以外の名義を用いた寄付とか、あるいは匿名の寄付といったような規制もあるわけでございますから、そこのところの実態は十分把握していけば、この規定はそうしり抜けにはならないというふうに私どもは考えておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 夫人はどうですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 御夫人の場合でも同じでございます。御本人が自分の昔からの友達の会合で何か寄付をされた、これは差し支えないわけでございますけれども、そういった名前で、本人のかわりにやられたということになりますと、それは先ほど申しましたような本人の名義以外の名義でやった寄付ということになりますし、あるいは匿名の寄付ということにもなりますから、そういう点からの取り締まりもできるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 選挙期間外、いわゆる百九十九条の事前運動期間、三カ月、九十日ですね、その九十日以前の話として、私が私の後援会に寄付をする、それから後援会、と言ってもこれは政治団体ですが、その後援会が他のところに寄付をする、これは今度の法律では禁止になっていないですね。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 おっしゃったとおりでございます。規制はされておりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それでは、後援会の会員一人一人に名入りのタオルとか、自分の名前をつけたさらだとか、茶わんだとか、トロフィーだとか、こういったものを寄付をした場合には、これはどうなりますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 その配る態様その他によっていろいろ判定しなければならないと思いますが、選挙のために買収行為に当たる、要するに事前運動というような形であると認められない限りは、いわゆる一定期間、九十日以外の場合にやった場合は、特別な禁止規定はございません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうすると、選挙期間以前に、要するに九十日以前のときに、名入りのタオルやその他いろいろな物品を後援会員の一人一人に配っても、これは今度いう寄付行為の禁止には該当しないと、こういうことですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 今回の改正は、選挙区内にある者に対しましては、公職の候補者等はこれは寄付をしてはならないということでございますから、今回は禁止をされるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうするとこういうことになりますね。後援会等を含む政治団体、これに私が寄付をすることはいいけれども、後援会員一人一人に渡るような物品等で寄付をすることは禁止をされる。つまり政治団体を構成している後援会なら後援会の会員一人一人に現金はもとよりいろいろな物品で寄付をする、といっても事実上これは配付するんですね、配付するようなことは禁止されている。もちろん九十日以前の話ですよ。事前運動として適用される以前の話。そのときには禁止をされる。つまり後援会等の政治団体に一括して十万円なら十万円、百万円なら百万円私が寄付をすることはいいけれども、後援会員一人一人にタオルとかなんとかという名前入りのものを配ったら寄付行為の禁止に触れる、こういうふうに理解していいですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 公職の候補者等が、いまおっしゃいましたようにタオル等を九十日以外の場合でございましても配るということになりますと、選挙区のある者に配る場合でございますと、これは禁止をされます。ただし、政治団体等についてはこれは許されておるわけでございます。しかしながら、その政治団体等が、百九十九条の五の二項でいう直接個人を推薦しておるような後援団体等でございますと、これはやはり九十日以前からは寄付をしてはいけないという規定がございます。それ以外はよろしいということになるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしたら、こういう場合どうなるのですか。後援会に私が寄付をするのは通常の場合いい。そのときに、はい、それじゃ百万円寄付しました——そんな例は私の場合にはありませんけれども、寄付しました、それで後援会が私の名前入りのタオルなりなんなりをつくって自主的にその寄付をもとにして配った場合はどうなりますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 後援団体に寄付をされて後援団体が配る際に、これが一定の期間内であればいけませんが、それ以外のときに配るということになりますと、たとえば候補者の名前があるとしてもそれは直接の禁止規定はないと思います。ただし、そういうことをやるということが一体事前運動になるのかならぬのか、そういった意味での問題は残るだろうと存じます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 聞いていますと、どうしてもこれはしり抜けなんですね。別に法律のたてまえ上、これはどうしてもできないことなのかどうなのか、よくわからないのですけれども、われわれの趣旨としては、とにかく事前運動の期間等を問わず、やはり社交の範囲、またこれもお伺いしますけれども、社交の範囲外のものについてはそういった名前を冠して、花はもちろんのこと名前を冠してたくさん配るということは、これは売名的なことなんですから、タオルを配るのが政治活動だという理解は私はできないので、そういったものは正直言って禁止をしてもらいたいですね。そういうことは法律上できないのですか。それとも仕分けがむずかしいのですか。  趣旨はとにかくそういったものは国会議員はできないのだからということで断わりたいわけですね、われわれの気持ちとしては。しかし、いまのような対応では、後援会に私が直接つくって配ることはできぬ、しかし後援会に現金で寄付をして後援会が自主的ということで私の名前入りのタオルを配ることはいいというのでは、これはしり抜けになっちゃうんですね。ここは何とかしり抜けにならぬやり方というのはできないのですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 いまのような形態が現実にどういうふうなかっこうで出てくるのか私もわかりませんが、形としてはあくまでも本人は後援団体に寄付したのだ。後援団体は中で、ある人を後援しておるからその人の名前入りのものを配ったということになりますと、抜ける場合もあるわけでございますが、一応候補者個人の寄付というものと、後援団体がやるということとは別になっているものでございますから、それを法律でどういうふうに規制するかとなりますと、後援団体等がやる政治活動というものを禁止をするといいますか、規制をするという形になってくると思うのでございます。  だから、それをどういうふうに考えていくのか、後援団体がやるのはそれはそれでいいにしても、たとえばいまのような候補者個人の名前を、推薦しておる人の名前を入れてやるのはいかぬというのか、それはいろいろ考え方はあろうかと思いますけれども、理論的にもう少し検討してみないとむずかしい点があるような気もいたしますので、検討いたしてみたいと存じます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それと今度の法案では、社交の範囲を越えない限りでは、法律では禁止をされているけれども、罰則の部分で禁錮刑なり罰金なりというものの対象になっていない。罰則はないけれども、法律は禁止をしている。これは実態上は、社交の範囲内ではやってもいいのだ、実態上はですよ、罰則はないのですから、ということになりますね。その点をちょっと確認してください。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 今回の改正法案によりまして、公職の候補者等の寄付は一定の場合を除いて、どういった場合でもいかぬということを規定しておるわけでございますが、たとえば現実の実態を見ますと、平素きわめて親交のある者、たとえば親戚以上に親しくしておるといったような友人が亡くなった。香典を出した。それは寄付であるといったようなことで罰則を受けて公民権停止までいってしまう。そういったようなことが果たして現実の問題としてどうであろうかということが一点ございまして、そういった社会生活全体の中で考えていかなければなりません。  そういう場合に、この規定ができたからといって、そういう事態を罰則をもって担保しなければならないようなものであろうか。そういったものが果たしてほかの刑罰とほかの犯罪に対する刑罰との関係で可罰性があるのだろうかということになりますと、これは法務省を含めていろいろ検討したわけでございますけれども、非常にむずかしい問題があるわけでございますので、やはり罰則を科す、そういった可罰性があるというのは、選挙に関して寄付した者についてということにしなければいけないのではないかというようなことで、今回の改正案ではそうなっておるわけでございます。ただし、その場合でも、御承知のように、通常一般の社交の程度を越えて寄付をした者については従来の扱いどおり、選挙に関して寄付をしたものだということで、はでなことをおやりになればそれはいけないということにしておるわけでございます。  この点につきましては、前三回出しました改正法案においても同様な規定を設けておったわけでございますが、法律上禁止規定が置かれたわけでございますから、可罰性の関係から、罰則による担保は全面的に行わないにいたしましても、やはりその候補者等が法の趣旨に従って行動されれば十分効果は期待できると思うのでございます。罰則がないからどうも担保できないということではなくて、法の趣旨に従ってこれはわれわれはできないのだということでおやりいただく。その場合に先ほど例を申し上げましたが、そのためにすべて非常に強い可罰性があって、罰則をかけて公民権停止というようなことは、全般的な刑罰の体系としても問題があるのではないかというようなことで、今回の法案のような形になっておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 現行法でも確かに選挙に関した寄付はしてはいけないということになっているわけですね。しかし、ここに座っていらっしゃる方皆さん、寄付をするときにはみんなたいてい選挙区の中の人といえば、それは何らかのそういった意味での選挙のときの直接的な見返りじゃないにしても、何らかそういう関係があることは、実態に沿わないわけですね、正直言って。そうなりますと、その意味では現行法だっていいじゃないかということになってしまうわけで、問題は、一体それじゃこれは社交なのかどうなのか。  それからさっき言った後援会に私が寄付をして、後援会が独自に製作をした名入りのタオルなのか、その辺の判断というのは、結局はこれは警察がやらなければいけないということになるわけでしょう、実態的には。一体これはだれが監視をするのですか。国民だといえばそれまでだけれども、実態的にやはり警察が取り上げて、これはいわゆる今度の改正によるところの寄付行為の禁止に当たるといって、そして訴訟手続等をとらなければならないということになるわけですね。そういうことになるわけでしょう。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 これはやはり現行法とは違うと思うのでございます。現行法は、率直に申し上げますならば、選挙に関してでなければいいのだということになるわけでございます。今回はやはり寄付はしてはいけないということで、その姿勢でみんな処していただくというのが原則になっておるわけでございます。ただその際に、違反があった場合に罰則がなければ守られないのだというような前提に立つわけではなくて、果たしてそういう場合に可罰性があるのだろうかというようなことから、いまのような規定になっておるわけでございまして、じゃそれはだれが認定するのだということでございますが、これは千変万化のいろいろな事態があるわけでございますから、こういうものはこうだというものが全部言えるわけではございませんので、やはり問題が起こったときに関係当局で判断をされるということにならざるを得ないというふうに考えるわけでございます。ただ、現実に申しますと、この前もちょっと申し上げましたが、たとえば忘年会あたりの会費で、ある人は三千円、ある人はそれじゃ二万円と職業、身分に応じて決めた場合に、平均より高いのはみんな寄付かというような問題等も出てくるわけでございます。しかし、それは全体の中でそういったみんなが集めて、それで全部を処理するというような場合は、あえて寄付と言わぬでもいいのじゃないかというようなこともありましょうし、やはり個々具体的な問題に則して判断せざるを得ないというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 これだけは実は本当にわれわれみたいな貧乏代議士は期待をしているところですが、どうも細かに具体的にわれわれの身に起こってくることを聞けば聞くほど、残念なことでありますが、外に花輪が名前をつけて出せなくなったことだけは幾らか助かるかなというだけで、どうも実態的には余り変わりはないのじゃないかということは非常に残念に思うわけであります。  そこでもう一点だけこのことについてお伺いしておきたいのは、本当に善意から社会福祉団体とか教育機関とか老人ホームとか、こういったところに寄付をするというものですね、これについては今度の法律でおそらく適用になると思うのです。選挙区内のものについては適用になると思うのですが、これは少し何か手当てができないだろうか。私はそれだけ余裕がないからそういうことがあるわけじゃないけれども、やはり社会福祉団体なり教育機関への善意の寄付というものについては何か考えてもいいのじゃないか。たとえば法律で社会福祉事業法の適用になっているもの、あるいは私も詳しくありませんが、いろいろな教育機関でも、たとえば自分の出身校とか、こういったものについてまではちょっと法案の趣旨からいくと、売名ということじゃなく本当に善意のものについては何か処置をしなくていいのだろうかという気がするわけです。  その点については今度の法律では社会福祉団体とか教育機関も禁止をされるようになるのかどうなのか。それからその点は何か考える必要があるのじゃないかと思うのですが、その点についてはいかがですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 法案を検討します際は、おっしゃいましたようなことも確かに理由のあることでございまして、私どももいろいろと検討したわけでございます。しかし、それじゃどういったものを例外として認めるかといったようなことになりますと、これまたこれが最も合理的であるという範囲を決めるのは非常に容易でないわけでございまして、またそういうことに名をかりて必要以上な寄付というものも行われる。もちろん善意であって社会福祉事業等にやる場合はいいことだと思うのでございますけれども、売名的な意味でやるということもまたないとは限らない。一体そうであるのとないのとどう区別するのだろうかというようなことになっていきますと、この法案をつくった趣旨というものが失われていくというようなことに相なりまして、結果的には全面的にそういった公職の候補者等は御遠慮願うということで法案をつくった次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次に、連座制の強化の問題に移りたいのですけれども、これは言葉で言うはやすいのですけれども、現実にはなかなかどこまで実効が上がるかというのは、これまた非常に疑問があるところなんです。今度の改正案は、私が言うよりも簡単で結構でございますから、部長からどういうふうに改正されるのか、この点だけ確認しておきます。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 御承知のように、現行法では当選人の総括主宰者等が買収等の犯罪を犯しました場合は、その総括主宰者等の刑が確定した後で、検事の方で本人、当選人をもう一回告発いたしまして、そこで初めて当選を失うというふうな仕組みになっておるわけでございますが、そういうことになりますと、裁判上も非常に時間がかかるというようなこともございましていろいろ問題がございました。そこで何か総括主宰者等が刑罰を受けたときには、その時点において本人の当選も失うといったようなこと等も議論はされたわけでございますが、これはやはり憲法三十一条等の関係でなかなかむずかしい。そこでどういった強化の方法があるかというようなことで、いろいろ付帯控訴その他も議論したわけでございますけれども、結果的にはなかなか憲法上の問題等もございまして、本人の直接の犯罪でないことによって当選を失う仕組みでございますから、何か別な方法を考えなければならないということで、今回は総括主宰者等の刑が確定をいたしました場合に、本人が黙っておればそれでもう当選を失う、しかし三十日以内に訴えれば、まだ身分が残るわけでございますが、その際は争えるのは、本人が自分の総括主宰者であったかどうかといった中身についてのみ争えるということでございまして、それによってかなり従来とは進み方が変わってくるだろうというふうに考えておる次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 要するに今度の改正案では、総括主宰者なり出納責任者というものの刑が確定して、連座制が適用になるまでの期間は確かに短くなったわけです。総括主宰者なり地域主宰者なり出納責任者というものの刑が確定になった、その次に当選人本人が三十日以内に、いや、あの人は私の総括主宰者ではございません、出納責任者ではございせんという理由を持って、もう一度訴訟を起こせば、まだ身分は保全される、起こさない場合には自動的に有罪というか、当選が失格になる、無効になる、こういうことになるわけですね。したがって総括主宰者なり出納責任者が有罪になってからのことは、短くなったことは事実だと思うのです。取り扱いが非常に短時日になった、このことは事実であります。  しかし、人の名前を出してなんでございますけれども、参議院大阪地方区の中山太郎氏の場合のように、出納責任者の有罪が決まったのが当選をしてから七年目、要するに任期を終わってからだ、こういうことになりますと、大変具体的な例を出して失礼になるかもしれませんが、現実にあったことでいたし方ないわけでございますが、中山太郎さんのように出納責任者が刑が確定するまでに七年かかっているということになりますと、もう任期を終わってしまっているわけですから、そうなりますと、この連座制の今度の改正案でも、何も具体的には強化にならぬということになりますね。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 そこらの考え方でございますが、もう申し上げるまでもないことでございますけれども、連座制というのは出納責任者とか総括主宰者等とか、候補者と一体的な関係にある者が買収等の悪質な選挙犯罪を犯したときに、その当選人の当選に相当の影響を与えているというふうに推測される、したがって、その得票は選挙人の自由に表明された意思によるものとは言いがたいということで、選挙の公正を確保するという意味で当選を無効ならしめるということになるわけでございまして、犯罪を行ったのは当然本人ではない、別な人であるわけでございます。  したがいまして、その刑が裁判で確定するまでにかなりかかったということになりましても、それは裁判上やむを得なかったことでございます。その後ですでに任期が終わっておったと申しましても、要するにそういういま申し上げましたような趣旨から、刑罰を加えるのじゃなくて、本人の当選を失わすという趣旨でございますから、その実益というものがなくなればこれはやむを得ない。世間的に見ていろいろ批判があることは私も承知しておりますが、この制度本来の趣旨から見て、その場合はやむを得ないということになるのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 結論的にはやむを得ないということでございますが、問題は、選挙違反の場合には、訓示規定として百日裁判を明記している。ところが、実態的にいまの日本の裁判制度の中で、実際に病気になる場合もあるだろうし、法廷で三十回も四十回も審理をしなければいかぬという場合も現実に起こりますから、そうなりますと、百日ではとてもできないということが実際には起こり得るわけですね。そうなりますと、一応新聞論調等では、百日裁判の促進をと言うけれども、いまの裁判制度で被告人の方が抵抗しようと思えば思うほど、これは実際にはできないということが現実に起こる。  それではなぜ裁判を延ばすかといいますと、要するに任期中にその有罪判決が決まらなければ当選人は無効にならないということに問題があると思うのですね。いまの公選法では、任期中にとにかく刑が確定した場合に当選が無効になるということになっているから、参議院の場合には六年じっとがまんをして、被告人にもじっとがまんをしてもらえばとにかく身分を保障されるのだということになっていることに問題があると思うのです。  そこで私は考えたわけでありますけれども、この百日裁判の訓示規定には余り期待はできない。そこで、いまの現行公選法にあるところの任期中という言葉を取ったらどうだろうか。いつまでたってもその刑が出納責任者なりあるいは総括主宰者が有罪になった場合にその当選人は無効になる。ところが、当選人といっても、任期がないのですから、現実にはこれはもうその当選人が行った政治的行為に対してこれをもとへ戻すことはできないだろうと思うのです。思いますが、たとえば具体的にその有罪判決が議員に当選をしたときまで戻れる、遡及できるようにして、たとえば議員の歳費は、有罪になってその当選人が無効になった場合には、七年たとうと八年たとうと、その間に得た歳費は返納させるとか、あるいは国会議員であった身分は経歴の中から落とさせるとか、そういったようなことができないだろうか。これがあれば、いつまで裁判でがんばっても、この場合にはがんばっても、有罪になったら、議員であったことの経歴なり歳費なりその他のいろいろな便益というものは削除をされるわけでありますから、幾らがんばってもだめなんだよということで、裁判の促進になるのじゃないだろうか。  ただ問題は、憲法との関連で、本人が犯した犯罪でないものに、連座制というものが果たしてそこまで適用できるかどうかという問題があろうかと思うのです。そこで、きょうは法制局に来ていただきましたので、果たしてそういうことが現在の法体系の中で可能なのかどうなのか、その点はいかがでございますか。

茂串俊内閣法制局第三部長

○茂串政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の問題は、現に議員として在職する者が連座制に関する規定の適用を受けました結果、当選が無効になる。その場合にさかのぼって歳費等あるいは報酬というものを返還させるということが果たして可能かどうかという点であろうかと思いますが、この点につきましては、そのような形で当選が無効になったものといえども、その判決が確定するまでの間は適法に選出されました他の議員と同様に、通常の議員活動を行ってきているのが通例でございます。したがいまして、議員活動を通ずる人的役務の提供があったのにかかわらず、その反対給付の性格を有するところの議員歳費等を返還させるということは、一種の経済的な制裁としての性格を有する措置でございまして、一般的に言って、公平の観念等から見ていかがかという問題もございますし、また、特に連座制の一環としてそのような措置を講ずることにいたしますると、先ほど選挙部長からも話がありましたように、他人の行為を理由として本人に制裁を科する結果になるわけでございまして、この点につきまして果たして合理的な説明ができるかどうか、なかなかむずかしい問題ではないかというふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 参議院の場合にはまさに九議席差ということになりますと、委員会によっては保革逆転のところがあって、その一票によって法案の委員会の賛否が逆になるという場合も起こってくるので、そうなった場合に、たとえば議員が実は当選が無効であったということを後から言ってきた場合に、その政治的な行為というのは一体どういうふうになるのだろうかということまで考えますと、私も実は余り自信がないわけであります。しかし、とにかくいまの裁判のあり方、百日裁判というものを訓示規定に入れながらできない実態、それはやはりいまの公選法に、任期中に有罪が確定をした場合にということになっているところに、裁判を延ばせば延ばすほど得だという現状になっているのだと思うんですね。そこで国民の方も、連座制という世界に類のないほど形上は非常に厳しい規定があるけれども、実際の実効という面になるとほとんどきかないというこの問題について、さらにやはり考えなければいかぬだろうと思うのです。  そこでもう一つは、私も詳しくは知らないのですが、イギリス等ではそういった買収とか供応とかいったような行為を、本人ないしは本人の意思で代理人等がやった場合には、その代理人がやった場合でも立候補がある一定の期間できなくなる、日本で言えば公民権の停止等が適用されるというふうに聞いておるわけでございますけれども、こういったような実態については土屋部長、どうなっておりますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 各国いろいろとこういったものについては制度が異なるわけでございますが、英国におきましては、選挙事務長または選挙代理人の犯罪がありました場合に、刑に処せられたことによりまして、候補者は、腐敗行為の場合は七年間、違法行為の場合は選挙の行われた議会の継続中、選挙をされあるいは議席を占める資格を失うという、いわゆる資格喪失の規定がとられておるようでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 要するにイギリスの場合には、本人が具体的に実際に手を下したか、あるいは本人の意思で代理人がやったかという場合に、そういった一定期間立候補ができなくなる、まあわが国の公選法で言えば公民権停止的な罰則があるというふうに理解していいですか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 ちょっと免責規定まで申し上げませんでしたが、候補者がその選挙代理人による供応、不当威圧または違法行為によって当選無効または資格喪失となる場合に、次の事項を証明したときは資格喪失にならないということで、一つは、その選挙において候補者またはその選挙事務長は、いかなる腐敗行為または違法行為も犯さず、かつ当該犯罪が候補者またはその選挙事務長の指図に反し承認または黙認または承諾を得ないで行われたこととか、その他二、三ございますが、そういった免責規定というものがあるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこで、私はこの連座制の強化の問題を公民権停止との関連について考えてみたわけでありますけれども、いまの公選法の二百五十二条でしたか、この場合には総括主宰者なりあるいは出納責任者、その人が有罪になった場合、その本人が公民権停止になるのであって、その当選人自体まで公民権停止というのは及ばないようになっていますね。これを、いまのイギリスの場合にも細かい非常に重要な免責規定がありますが、そういった行為が行われた選挙については、ある程度の期間立候補ができなくなるような公民権停止ということが果たしてできないか。要するに、総括主宰者なり出納責任者が有罪判決になったという場合に、もし任期をはずれていて、もう任期が切れているものですから、そのことについて議員であることが失格になるということが適用できない場合に、あなたの出納責任者なり総括主宰者は有罪になったのですから、あなたもある一定期間立候補できませんよというような公民権の停止が連座制を拡大してできないものかどうか。いまの法体系の中で、本人がやった行為でないこと、そこまで公民権の停止を広げることができないということになるのか、その点、法制局いかがでございますか。

茂串俊内閣法制局第三部長

○茂串政府委員 お答え申し上げます。  連座制の効果と公民権停止の兼ね合いの問題と承りましたが、先ほど選挙部長もお答え申し上げましたように、現在の連座制のねらいでございますが、総括主宰者のように候補者といわば一体の関係にあり、しかも選挙運動に大きな影響力を持っておるような者が買収など悪質な選挙犯罪を犯しました場合には、その犯罪がその候補者の当選に相当影響を及ぼしているのではないか。したがって、その得票は、選挙人の自由に表明された意思によるものと言いがたいわけでございますので、選挙の公正を確保する見地から、そのような当選人の当選を無効とするというのが現在の連座制のねらいでございまして、これは最高裁判所の判例におきましても明らかにされておるところでございます。  したがいまして、俗に申しますいわゆる汚れた選挙によって公職についた者がある場合に、その汚れた選挙であることを理由として当選を無効とするというのが連座制の目的でございますから、たとえばその者がすでに次期の選挙で公正な選挙によって当選して公職の資格を得ているような場合に、連座制の効果に、御指摘のありました公民権停止の効果を含めることにいたしまして次期における公職の地位まで奪うということは、先ほど申し上げました現行の連座制の趣旨からは説明ができないわけでございます。  それでは連座制の趣旨、目的を別個のものに置きかえて考えればいいではないかといったような主張も一応あり得ると思うのでございますけれども、このような見地に立って考えました場合におきましても、総括主宰者等の選挙犯罪を理由として当選人の公民権を奪うということは、参政権という個人の基本的な人権に対しまして、他人の行為を理由として大きな制約を加えることになるわけでございますし、また先ほどの例で申しますと、公正に実施された次期の選挙において投票を行った選挙民の意思も無視することになるわけでございます。  その意味からしますと、やはり個人の尊厳をうたった憲法十三条あるいはまた公務員の選任は国民固有の権利であるということを規定した憲法十五条などの規定の趣旨に照らしまして、果たして合理的な説明がつくかどうかにつきましては慎重な検討が必要ではないかと考えております。  なお、御質問の中にありましたイギリスの連座制度における公民権停止の仕組みでございますけれども、これはもう申すまでもなく、各国の法律制度につきましてはそれぞれその国の伝統あるいは沿革といったものがあるわけでございますし、また体系的にもいろいろな違いがあるわけでございまして、現に、御指摘のイギリスの連座制度におきましては、日本の場合と異なりまして、先ほどもお話が出ましたように、一般的なあるいは個別的な免責規定が設けられておるわけでございます。したがいまして、イギリスの選挙制度にあるからといって、これが直ちに日本の法律制度としてもなじむかどうかということにつきましては必ずしもそう言えないわけでございまして、先ほど申し上げました憲法上の問題も含めまして、なお慎重に検討すべきではないかと私どもは考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いま詳しくお伺いしたわけでありますけれども、今度の連座制の強化という部分においても、実際に起こった例を考えてみるとどうも実効がない。さりとて、憲法のたてまえ、あるいは全体的な法体系からいきますと、私がいろいろ考えたように、連座制を公民権の停止まで絡めてすることも非常にむずかしい。こういうことになりますと、今度の改正案の連座制の強化というのも、一応法律上はできるけれども、実態上はどうもむずかしいのではないかという気がしてならないわけであります。  次に移りますけれども、連座制の強化ではございませんが、そういった買収供応が一体どういうところで起こるか。私は今度の統一地方選挙でつくづく思ったのでございますけれども、県会議員の選挙で、一区画五百人ぐらい、移動事務所として有権者の人々を昼飯に来させて、食べさせて投票を依頼する、こういう実態をまざまざとあちこちの統一地方選挙の中で見ているわけであります。  そこで私は、現行のあれの中で買収供応が行われる現状を考えてみた場合に、私たちの選挙のような、衆議院、参議院、知事選挙のような多くの行政区にわたるものは除いて、同一の行政区で行われるような選挙について、いま移動事務所というものは認められておりますけれども、この事務所の移動を禁止したらどうだろうか。形は確かに移動事務所ということで非常にきれいでありますが、実態は一時間、二時間置きにあるいは午前、午後と分かれて各地を転々として動いて、その中で何が行われているかといえば、事実上、五日飯であろうか、わっぱ飯であろうか、何飯だかわかりませんが、とにかく飯を食べさせているというのが実態であります。これは現行公選法でも用務員以外は食べさせてはいけないことになっておりますけれども、実態はそういったように、移動事務所というのがまさに悪の温床になって、買収供応の現場になっていると私は思うのです。  そこで、どうですか、大臣、私たちのような多くの行政区にわたる選挙、衆議院、参議院、知事選挙等は別として、県会議員以下の選挙で果たして移動事務所というのは必要かどうか。実態を考えてみた場合に、この移動事務所問題というのはもう一度考えてみる必要があるのじゃないか。これこそまさに買収供応が行われている現場であり、悪の温床だと私は思うのです。この点についてひとつ検討していただきたいと思うのでございますが、いかがでございましょうか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 かわって恐縮でございますが、選挙事務所というのは、御承知のように本来選挙運動に関する事務を取り扱う中心的な場所でございますから、売名のために転々とするということは実態上可能なのかどうか、本質的にはそういうものだろうと思うのでございます。私も実態を十分知っておるわけではございませんが、いまお話しのようなことが行われておるということであれば、どうも本来の選挙事務所のあるべき姿を逸脱しておるようにも思うのでございますけれども、現実にどういう姿になっておるか、またどういった弊害が伴うかということにつきましては、私どもいろいろと実態をもう少し調査いたしまして、慎重に検討してみたいと思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 大体、事務所というのは動かないから事務所なのであって、移動事務所なんというのは選挙用につくられたものだと思うのです。その意味で、本当にそういった意味での事務が行われるならいいけれども、昼飯どきをねらって転転と動いて、われわれの地域ではかき回しと言うのですが、そこで五百人からの者に食べさせている。これは一件つかまりましたけれども、やはり移動事務所というのは考えなければいかぬなということを、この四月の統一地方選挙で私はまざまざと感じていますので、ぜひこれも検討してもらいたいと思うのです。  公選法の最後でございますが、ちょっと問題の話からずれてきてしまったのですが、機関紙等の頒布に関する事項についてお伺いをしたいわけであります。  私もたびたび本質問でお伺いをしましたように、私たちは、選挙期間以外の政治活動の自由というものは最大限保障されなければいけない。これはまさに三木内閣も約束した憲法の精神であると思うのであります。しかし、選挙期間に入った場合には、もう一面、政治活動の自由、言論、出版の自由と同時に、選挙の公正、候補者間の公平というものも考えに入れて選挙法を考えていかなければならないと思います。そういった意味において、今度の政府案では、政党の機関紙等については全面的に禁止をされておりますが、これは私たちはもう一度しさいに検討をしてみなければいかぬと思うのであります。これが先ほど申し上げましたまさに政治活動の自由という問題と選挙の公正というものとの接点、調和点だと思うのです。  そこで、具体的にお伺いをしていきますけれども、多分に技術的で、実は非常に大事なことでございますけれども、確認団体の場合の機関紙誌と一般紙誌は法律上二百一条の関係と百四十八条の関係というふうに大変細かな規制になっておりますので、事務的な点は土屋さんで結構でございますが、柱についてだけは大臣から御答弁をいただきたいと思うのです。  これから私が申しますのは、あくまで選挙期間中のことであり、選挙に関する報道、評論を掲載した機関紙誌、一般紙誌のことでございますから、もうたびたび申し上げませんが、あくまで選挙期間中の話であり、それからあくまで選挙に関する報道、評論を掲載した機関紙誌の問題に限ってお伺いをいたします。  そこで、確認団体の本紙でございますが、二百一条の十四第一項で、通常の方法で六カ月以上発行期間があるものについては、これは通常の方法で頒布ができることになっております。しかし政府の改正案では、これを選挙期間になって定期購読者以外に配る場合には、政談演説会場で配る以外は有料でなければいかぬ、こういうことになっているわけですね。  そこで、私たちは基本的に現状のような政党機関紙の号外、確認団体の号外というものが無制限に行われること、これは選挙の公正の面から言っても、あるいは公営を強化した面から言っても決して無制限であっていいとは思いません。しかし、やはり政治活動の自由、言論、出版の自由、これを選挙の公正を確保する範囲内においては確保しなければならないと思っております。その意味で、確認団体の機関紙誌の本紙まで規制をすること、号外でなくて確認団体の本紙が有料頒布でなければ定期購読者以外には配れないのだ、こういうふうに本紙まで規制をしてくることは、私たちは政治活動の自由を侵すことになると思います。本紙はいまの選挙の実態から言って政党機関紙の号外のように無制限に発行されたことはないわけであって、本紙はあくまで政治活動に属するものだと私は思います。  その意味において、本紙の六カ月以上発行期間があるもの、それを定期購読者以外に配る場合に、政談演説会場以外は有料でなければいかぬということについてはもう一度考え直すべきである、この部分については政府案を明らかに削除すべきであると思いますけれども、お考えをお伺いしたいと思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 御承知のように、最近の選挙の状況を見ますと、機関紙の号外といったような形態のみならず、機関紙そのものがかなり無差別に、あるいは無償で頒布をされておるといった実態があるわけでございまして、これが選挙の公正を害するといったような声もございますので、その点について規制をいたしたわけでございます。したがいまして、たとえばいまの本紙の場合でございますが、本紙の場合はそれほどないのではないかということでございますが、本来新聞紙の発行というものは有償性なりあるいは継続性なりというようなことがございまして、それも通常の頒布ということになっておるわけでございますから、おのずから頒布の形態というのは決まっておるはずでございますけれども、それが無差別、多量に頒布をされるというようなことになっておりますので、選挙運動期間中に限っては、先ほどおっしゃいましたように本紙そのものはできるわけでございますし、当然選挙に関する報道、評論もできるわけでございますけれども、本来の趣旨でございます有償性という点を考慮いただきまして、そして無料で頒布をするということは趣旨として禁止をすべきではないかということで入れたわけでございまして、通常の方法で有償で配る場合においては従来と変わらない方法でやれるわけでございますから、それほど規制を強めたものというふうには考えていないわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこが私たちのまさに調和点の接点みたいな問題でございまして、やはり本紙というのは政治活動の延長だと思うのです。号外というのは、実態的には選挙になると莫大に出てくる。もっとも、それでもある程度の期間本紙を発行していないと選挙期間中は現行法でもできないわけでありますけれども、号外は私たちはある程度選挙用というのが実態だと思うのですね。その意味で、本紙と号外というものは明らかに分けなければいかぬと思うのです。本紙は確かにいままで有料で読んでいただいた方々はそのまま読める。同時に、確認団体の本紙はまさに無制限に配られているという実態はないわけですから、これは私たちは政治活動の自由に抵触する部分だと思います。したがって、これについてはぜひもう一度検討してもらわなければいかぬと思うのです。  それと六カ月未満の場合でありますけれども、たとえば今度の東京都知事選挙のときに、確認団体は明るい会であったわけでありますが、そこの機関紙は、この場合には実際には一年以上も出していたわけでありますから機関紙自体は問題はなかったわけでありますが、社会党の本紙が美濃部選挙を書くことはけしからぬ。いまのたてまえは法律上はそういうことになっているわけですね。  しかし、これも私はもう一度考え直さなければいかぬのじゃないかと思うのです。確認団体というのは、事実政党なりその他の民主団体が構成をしてできているものであるわけでありますから、その新聞が有料で配られている読者に対して美濃部選挙について書くということもいかぬということは、これは現行法も行き過ぎではないか。若干私の認識に間違いがあれば訂正をしていただいて結構でございますが、その点についてはいかがお考えでございますか。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 政治活動というものは本来自由であるべきだという基本的な考え方があるだろうと思うのでございますが、それも余りにも行き過ぎてくると、もちろん政治活動でございましても、本来その党の消長をかけて、あるいは候補者の当落をかけて争うわけでございますから、選挙時に活発になることはあたりまえでございますけれども、それが行き過ぎになると非常に問題が起こるということで、選挙の公正を確保する見地から一定の規制を設けるという立場に立っておるわけでございますが、それでもやはりいまのわが国の政党の実情ということを考えますと、余りにもこれをまた限局するということにも問題があるので、選挙期間中は特定の、いわゆる確認団体については一定の範囲内で政治的な自由というものを認めておるわけでございます。一定の自由を認めてはおるわけでございますけれども、その場合にどういった団体に認めるかということで考えていきますと、確かに政党というものがわが国の議会制民主主義の中で占める立場にかんがみまして何かそういうものを規定すべきでございますが、選挙の中ではそれが必ずしもはっきりしないので、現在は立候者をもとにいたしました確認団体というものをもとにして、それに一定の選挙運動期間中の政治活動を認めておるというような形をとっておるわけでございます。  そこで、確認団体でないいわゆる政党がやる機関紙というものはなぜ認めないのかということになるわけでございますが、いまのたてまえが政党法なりなんなりというようなことで確実に政党というものを認める制度もないわけでございますから、どうしてもやはり確認団体というものをもとにしなければいけないということになっておるわけでございます。そういった趣旨でございますので、確認団体になってなかったために社会新報が報道、評論ができなかったという事態もあったわけでございますが、こういった問題は、今後政党本位の選挙と申しますか、そういったことを頭に置いて、すべての制度をいろいろ検討する際に全体として考えて検討すべき問題だというふうに思っております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 現行の中ではそれは土屋さんの言われるとおりだと思うのです。ただ片方では、後から御質問します政治資金規正法の方で政党というものが非常に明確になってきた。ただし、それは選挙時に候補者を何人出すということであって、そういった意味ではまだ完全に政党法とは違うわけでありますけれども、おのずと政党というものの規定が非常にはっきりしてきた。そういったことを考え合わせますと、確認団体というのはあくまで政党なり民主団体の寄り集まりでありますから、その政党の出す新聞に自分たちの推薦している候補者の選挙報道ができないということはもう一度考え直す必要があるのではないか。これは非常に大きな問題でございますから改めて機会をつくりたいと思いますけれども、もう一度これは考え直す必要があるのではないかと思います。  その次に、いわゆる確認団体の号外の話でございますけれども、これは私たちはいまのままのような状態でいいとは思わない。余りにも無制限に、余りにも選挙の公正を欠くところまで政党機関紙の号外、確認団体の号外というものは出されているのではないだろうか。選挙の公正という意味においては、号外というのは選挙期間中非常に莫大にまかれる。しかも費用の点でも非常に金がかかるということから考えますと、この号外についてはもう一度考え直す必要があると思う。  その面では政府案は規制という面だけで来ているわけでありますが、片一方で政治活動の自由なり言論出版の自由なりあるいは有権者の方々の知る権利、こういったものを保障する意味においては、この政党機関紙の号外にかわって、個人版公報と申しましょうか、個人の経歴なり政策なり今日までの活動について何でも書ける個人版公報というものを最大三種類まで発行できるようにしたらどうだろうか。選挙の公正を確保するという意味においてはおのずと三種類ということが決まってきますから、その意味で選挙の公正も確保できるし、同時に政治活動のある一定限度内の自由、言論、出版の自由も確保できるし、それから有権者の方々の知る権利というものも確保できる。そういった意味で、まさに政治活動の自由、言論、出版の自由と選挙の公正、候補者間の平等というものとの調和点をこの一点に見出すことができるのじゃないだろうか。  きわめてわが社会党はユニークな発想であるわけでございますけれども、そういった意味で、単に規制をするということだけについては私たちはきわめて反対が強いわけであります。そのかわりにいま言ったような調和点を求めて、候補者の名前が自由に書ける選挙文書を最大三種類まで発行させることによって選挙の公正が期せるのではないだろうか、こういうのが、まさに現実的な選挙の公正と言論、出版の自由との調和点を求めた選挙法の範囲内での私たちの主張であるわけであります。この点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 いろいろお話を伺ったわけでございますが、確かに機関紙の号外というものが大量に、なおかつまたその内容についてもいろいろ問題があるような形で発行されておるということで規制をしたわけでございますけれども、そのためには本来その機関紙の号外等が果たしておりました役割り、すなわちその政党の政策その他についての報道、評論——選挙運動そのものにわたるようなものは出せないわけでございますから、そういった役割りというものの何か肩がわりになるようなものが必要であるということで、御承知のように、今回新聞による政策広告というものをある程度のスペースをとってやるということにいたしたわけでございます。  それで、そのほかに、機関紙の号外はやめたのであるから、候補者個人のビラと申しますか、個人ビラというようなものをつくったらどうかということでございますが、御承知のように、選挙運動用文書というのは、いまでは一般的に禁止されている中で、選挙運動用のはがきと一つは選挙公報、これは公でやるものでございますが、それと新聞広告と、この三つでやるという体系ができておるわけでございまして、個人ビラというのがどういった性格のものかよくわかりませんが、それが個人の選挙運動用文書であるということになりますと、かなりいまの体系に変革を来すということになるわけでございます。個人ごとに出すということになると、これまた相当な数量になってくる。選挙公報は、これは候補者を全部書いてあるわけでございますが、これをばらばらにということになりますと、かなりな選挙運動用文書ということにもなってくるわけでございます。  したがいまして、選挙運動用文書のあり方ということを含め、そしてまた実態上どういう運用になるのであろうか、そういうこと等を踏まえて十分検討しなければならないことでございまして、慎重に検討する必要があるというふうに考える次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 これは非常に大事なことです。やはり憲法で守られている言論、出版の自由を守りながらなおかつ選挙の公正を求めていくという調和点の問題でありますから、非常に重要なことなんです。実態がおわかりにならぬというならば、まあ大きさは、どうですか、わら半紙半分程度——私の試案ですよ。半分程度。それから配るのは、選挙管理委員会はとても配れませんから、各選挙事務所で配るということですね。それから内容的には、何でも書けるわけで、候補者個人の経歴やら政策やら過去の活動やらその他一切を書けるわけであります。それから配る時期は、私たちは三種類までということを言っているわけでありますから、三種類出したい人については、その折々の内容について書いていく、衆議院を例にとれば、二十日の選挙の中でいろいろ情勢が変わってきますから、それに即した内容を書いていいわけであります。  そういう実態のものでありますから、私たちは無制限に政党機関紙の号外がはんらんをすることについてはチェックをしなければいけないけれども、しかしそれは単に全廃すればいいというものではなく、やはりいろいろな選挙の結果を見ましても、先ほど私が数字を挙げましたように、公報というものの持っている価値というのは非常に高いわけですので、それの個人版というような感じで選挙用文書を出すことによって、やはり選挙法の中でも言論、出版の自由あるいは政治活動の自由というものを一定の限度内、秩序ある範囲内で認めていこうではないか、こういうことでございます。  大臣は、先ほど具体的な例でないとその調和の問題というのはお答えできないということでございましたので、大変短い時間でございますけれども、ひとつ真剣に前向きに検討してもらいたいと思うのですが、いかがでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 御指摘の面は新聞その他でもちらちらと出ておりますので、われわれ実はいろいろ研究はいたしておるのでありますが、いまの段階で私が明確なお答えをすることはできません。ただ、そういうものを認めた場合に、一体どの程度までそれを出すのか、枚数の制限とか——ビラと同じことになりはしないか。だれが配るか、配る問題もいろいろありますが、しかしそれ、何枚出していいのかどうとかというようなことについてのチェックの方法、それがちょっとまだ納得がいかないというか、わからない面がありますので、これはまあひとつ研究をさしていただきます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私たちは、枚数ということになりますと、これを選挙管理委員会に届けて番号を打たないとできなくなりますから、したがって法定ビラのように種類で限ればいいと思っているのです。そうしますれば、三種類ならば、有権者の各戸配布で二回も三回も同じものは絶対に出しません。配る方がまたこれかということで、われわれの経験から言ってこれは絶対にやりませんから、全戸各戸配布する枚数をつくるのか、あるいはその半分にしておくのか、種類で限ればこれはおのずと数は規制できると私は思います。ただし、あくまで法定でございますから、種類ということになれば現在の法定ビラと同じように選挙管理委員会に届けるということになると思うのです。  大臣、その技術的なことは大体おわかりになったと思うのですけれども、技術的な問題よりもやはり問題は、ここで選挙の公正を求めることと出版、言論の自由との問題を具体的にどうやって調和をさしていくかということなんです。私たちは、政党機関紙の号外が現状のように無制限に頒布されることについては、これは規制もやむなしと思っております。しかし、規制だけではいけないので、先ほど来たびたび申し上げましたように選挙運動もあくまで政治活動の延長でありますから、その面においても一定限度内認めなければいけない。そうしないと、片方で選挙の公営化を進めて、莫大な費用を国民の税金において出しておいて、片方で政党機関紙の号外が無制限に出されるということでは、これは国民は決して納得をしてくれないだろうし、そういった意味でもう一度基本的な点で考えていただきたいと思うのであります。その点、再度検討していただくことを確認だけして次のテーマに移りたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 ちょっとお伺いしますが、三種類というのはどういう意味なんですか。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 大臣から質問されたというのは初めてなんですが、三種類というのは、要するにいまの政策ビラと称している法定ビラがありますね、土屋さん。あれは枚数決まっていないで三種類ということになって、そして選挙管理委員会に模型なりなんなり持っていくのでしょう。そして法定ビラ第一号、法定ビラ第二号、法定ビラ第三号ということになっているわけです。したがって、あれは枚数の制限をしておりませんけれども、同じものを同じ家に何枚も、法定ビラ第一号を配ることはないわけです。どうも大臣はほとんど御自分で選挙をやらないようですからあれだと思いますが、そういった意味で枚数を制限しますと、これはどうしてもナンバリングしてやらないことにはできませんので、そこで三種類ということにしておけば、おのずと法定ビラ第一号を同じ家に二回も三回も配るということは、これは実態的にやるわけありませんので、そこで種類で決めていけばおのずと枚数は良識の範囲内で、費用のこともありますから限られるということで、三種類といういま法定ビラをやるのと同じようなやり方を考えているということでございます。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 御趣旨はよくわかりましたけれども、これはあなたの御意見として提示されたわけでありますが、実際問題としてどこまでやるかということについてまたいろいろ皆さんの御意見もありましょうと思いますから、十分そういう点もお聞きをいたしまして、また裁断をさしていただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 これは私の意見というより、私が代表してお伺いをして述べている意見でございまして、わが社会党の意見でございますので、その重みを考えてひとつ十分検討していただきたいと思うわけであります。  それで、もう時間も大変来ましたし、私自身もおなかもすいてきましたので、簡単に政治資金規正法について基本的な点だけ少しお伺いしておきたいと思うのであります。  今度の政治資金規正法が会社の献金というものと組合のカンパというものを全く同列に置いている。これはもうこのことだけ論じてもまた一時間かかってしまいますからやりませんけれども、私たちはこの基本的な点についてとても納得ができないわけであります。しかも今度の改正案では、会社の、法人のできる寄付というのは最高一億円、それに別枠が設けられておりまして、別枠が五千万ということで一億五千万まで寄付ができる。これは大臣も本会議の質問に対して、まあ物価も上がったしということで答弁されておりますが、それにしても余りにも大きな額である。この法案自体が何か政治資金を奨励するような、若干免税点の問題がありますから奨励する点もありますけれども、全体的にはここまでいいのですよというような何か奨励的な法案になっているような気がするわけです。その点は一体どういうことなのか、答弁をいただきたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 私は、政治資金の問題については、現実の姿、政治の姿、選挙の姿というものを無視して考えるわけにはいかないとまず思っております。  そこで、現実にはいままでいろいろありました。私はタッチしておらないけれども、実は新日鉄あたりからは三億とか四億の金が出た、あるいは自動車会社からは相当な多額の金が出たということでありまして、いまのところはそれを出してはいけないということは決まっておらない。いわば野放しになっておるわけであります。そういう野放しの姿というのは何としても国民としても納得できないし、政治家としてもやはりこれは自粛をしなければならないということで、一応ある程度の規制をするということが望ましいのではないか。  そこである程度の規制ということが、いわゆる絶対にここまでということになりますといろいろ議論が分かれますので、この際には、この前私たちが国会に提案をいたしました五十億の会社だったら二千万円とかというような数字がございます。その数字を基礎にいたしまして考えてみたのでありますが、もう六、七年前のことでありますから、現段階においてはそれはもう千万円くらいそれに上乗せをしてもいいんじゃないだろうか。  それから、そういうふうにいたしましても、いま寄付の問題ではなくて会費という名目で相当の金が出ておることも、これは現実の姿でございます。そこで会費というものも寄付と同じにして規制するということにすると、それでは余りにもきつくなり過ぎはしないかというので別枠というのを設けたようなわけであります。政党に出すのは三千万円としても、個人後援会とかあるいはその言葉が適当かどうか知りませんが、議員の集まり、派閥と言われておりますけれども、議員の集まりに出してもいいのではないか、いろいろ研究したりして、現実にまた会費というものを取ってやっておるところもあるのでありますから、そういう点もひとつ含めて、そしてまた別枠というものをつくりました。  そこで、あなたが言われるように最高限は一億ということで抑えたのだが、そのほかに五千万円というのを出したわけです。しかし、これはそれだけその会社に出しなさいという税金を決めたわけではないのでありまして、任意制でございますからして、そういうことに決まっておったからといっても、百万円しかその会社が出さなかったというときに、それはけしからぬじゃないかと言ってこれを摘発したりあるいは追及する権限は全然ございません。そういう意味で政治資金を出す人たちの自由というものをちゃんとここではっきり認めておく、そういうことにしてあるわけであります。総額は一応抑える、そして任意、そこのところはその範囲内で出してもらう。  それからもう一つは、いままではそういうような金を出してもらった場合でも、会費という名目その他でやるというと、何か裏金のようになって、一つも表へ出ておらない、これでは非常に不明朗じゃないか、だから、公開ということをせねばいかぬ。その公開ということの原則を貫くという意味において、私は前進をしておると考えておるのです。  だから、本当を言いますと、政党政治というものが確立しておれば、もっと簡単なものになると私は思っております。政党にだけ寄付して、それですべてが片づく。ところが、今日の政治というものは、決して政党だけの選挙で行われておるのではございません。やはり個人がやっておるという面も多分にありますので、そういう点を踏まえていまのような方法を一応考え出したわけであります。  これを一言で言えば、完璧を望むということで言えば十の規定をせねばいけないという場合でも、その完璧を望むことによって議論をいたしておりますというと、過去数回にわたって国会に提案された法案がいつも流れてしまっておる、今度はやはり何としてもこの実現をしたいという考えでございますから、必ずしも完璧ではないと思いますけれども、しかし、一歩前進する、まあ十のうちで三つでも四つでも、せめて五つでも前進すればそれが一つのプラスになるのではないか、こういう意味で出しておりますから、この法案の内容をしさいに御検討になれば、いろいろの意味で疑問もあり、いろいろな問題があるとは思いますけれども、それを進めていくというのは、これが現実の政治とのいわゆる調和といいますか、理想は高く持っておると同時に、また、現実との調和というものを図り、もしそれをやってみて、たとえばこの法案が、まだ通りはしませんが、通ったというような場合には、その後でまた間違っておれば、あるいは来年でも再来年でも、もう一遍直すということは一つも差し支えないのじゃないか、これは国会議員としてのわれわれの任務である、私はこう考えておるわけであります。したがって、ここでスタートを切らせていただきたい。議論をしておって、いつでもその議論で、スタートラインでやいのやいのとみんなが言っておってさっぱり前へ進まないというのでは困るから、ここで一歩前へ前進をさせるためにひとつこの法案を認めていただきたい、こういう意味で提案をいたしておるということを御理解を願いたいと思うのであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 現状を踏まえて、あるいは完璧なものではないけれども、十歩のうち二歩か三歩、とにかく前進をするのだということを言われますと、まあ正直言って、そう完璧でないことを認めているのなら質問しなくてもいいやということになってしまうのですけれども、基本的な点だけあとお伺いをしていきたいと思うのです。  それは、もういまの枠が大き過ぎるじゃないかという話は、していても堂々めぐりですからしませんが、この派閥に対する献金、要するに政党、政治資金団体及び公職の候補者以外の政治団体に対するものは、政党や政治資金団体に対するものの別枠としてその二分の一が認められるということになっているわけですね。この二分の一というのはどういうところから出てきたのですか。どういう思想ですか、この二分の一というのは。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 先ほど完璧じゃないということを申し上げたのは、現実を踏まえてという意味と御理解を願いたいのでございまして、一挙に完璧なものにいくということは非常に困難だと思うから、現実を踏まえてこういう案を一応出しております、しかし、現実の姿から見ればこれが一応妥当な案であるとわれわれは考えております、こういうふうに御理解をしていただきたいと思うのです。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 先ほども大臣からちょっと触れられたわけでございますが、現在のような、政党が中心になっておるというような姿が確立されていない、そういった状況におきましては、いわゆる派閥なり、あるいは各人の後援団体と申しますか、そういった形での政治団体というものの存在というものも、これは無視できないわけでございます。現実にそういうところがこの政治の世界の中で働いておる役割りというものも無視できないわけでございます。そういったことから、なるほど政党を中心に持っていこうという誘い水の意味合いもこの法案は兼ねておるわけでございますけれども、一挙に政党のみにしぼるといったようなことはできないわけでございますので、やはり現実の姿を見て、一遍に激変するということは困るので、激変緩和といった趣旨から、派閥あるいは後援団体といったものに対してもある程度の政治資金の拠出を認めようというわけでございます。  前回の政府案におきましては、二分の一というのも経過規定がございまして、最初は十分の八、十分の七、十分の六、それから十分の五というふうに漸次下げるというような激変緩和の措置をとっておったわけでございますけれども、そういった役割りから見ておおむね半分程度ということで、一気に半分から出発をしようということにしたわけでございまして、それでは、なぜ二分の一であるかといって、客観的に数字を挙げて説明するといったようなものを持っておるわけではございません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 大臣のように現実を踏まえてと言われると、その一語に尽きてしまうわけですけれども、たとえば今度のいわゆる政治資金の公開の限度額ですけれども、政党あるいは政治資金団体にするものは一万円以上は公開をしなさい、派閥は百万円以上でいいのです、こうなりますと、大臣のおことばにありましたように、政党が中心になって、しかし政党だけではないのだということはわかりますが、この公開の原則を見る限り、政党に対するものは一万円以上は公開で、派閥に対するものは百万円以上だということになりますと、これは政党がちょっと片足ぐらい突っ込んでいて、派閥の方が大きく表に出ているという感をぬぐえない。これは政治姿勢として私はきわめて遺憾なことだと思うのですね。  これはまさに大臣の言われるように政党が主流であって、派閥はそれを補助するようなものである、この場合の派閥というものの考え方はいろいろありましょうけれども、そのくらいならわかるけれども、この公開の原則の場合に一万円と百万円で、政党の方が一万円以上、派閥の方は百万円以上なんだというのは、これはどう見ても主客転倒、派閥の方が重きをなしているというふうにとられてもこれはいたし方ないのじゃないかと思うのですが、その点についてはいかがお考えでこういうことになったのか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 ある意味で御疑問を持たれるのはよくわかりますけれども、政党に対します場合は一応二千万円とか三千万円という、まあ、三千万円までという規定がありますが、その規定の範囲内では全部出していいわけですね。ところが、派閥に対しては、額はもうちゃんと百五十万円という規定があるわけでありまして、それ以上は出せないということになっております。  そこで、公開する場合に、その百万円という政党の場合は、もうすべてクリアにして、われわれから言えば、今後もすべて政党に持っていきたいと思っておるわけです。だけど、さしあたりの問題としては、そういう個人後援会、派閥というものもありますから、その方をさしあたりの問題としてどう持っていくかということで、そういう金額の差も、公開の点でも出ているのですが、もう一つの理由は、やはり議員はたくさんおりますから、議員のあの人に出してなんでおれにくれないのだとか、あの人に出したのならおれは要らないのじゃないかとか、また、地区の場合においてもそういうことが起きますと、寄付をする側からいってもやりにくい面もあるし、それから、出してもらいたいと思う側からいっても、非常に何か言いにくいような面がありますから、そこで、まあまあ政党の場合は一万円以上は全部出す、しかし、個人後援会その他は、百万円までは一応出してもらっても、出してもらった者は明らかにしないでもいい、出した人も、その総額は出すけれども、個々の名前をそこではっきり出さないでもいいような形に持っていってはどうかということでこのようなやり方を決めたわけでございまして、われわれは、これはやはり現実のいまの選挙運動並びに政治の姿というものから見て、一挙に政党だけの問題に持っていくわけにいかないのでとった一つの便法とお考えいただいても差し支えないと思うのであります。将来はやはり政党中心にいければ一番いいと思うわけであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 このことは、幾らでも寄付をしてもらっていい政党、政治資金団体、額が大きくなればなるほど、これは事務的な繁雑な問題もありますから、多いのはわかるけれど、私のように個人的には余りもらったことがないのは、いま自治大臣から言われた具体的にもらう場合に困るという実態をどうもわからぬものですから、そういうことになるというふうに初めてお聞きするようなこともあるわけです。百万円と一万円というのは、これはどう見ても大臣のように現実を踏まえてと言われると、こちらはそれ以上のことは何も言えないわけであります。いずれにしろここで派閥温存という政治姿勢がまざまざとあらわれているのではないかと私は思うのであります。  それと、寄付をしていただいた方について一定限度額非課税措置がされるわけであります。私たちも、政党あるいは政治資金団体に寄付するものについては、政治の今後の基本的な流れからいって、大臣も言われているように政党が基本になるべきでありますから、その意味で非課税措置というのは一定限度内においていわゆる脱税行為に使われない限り、民主主義を支える一つの柱として免税措置していいと思うのです。しかし、それを派閥や個人のものまで広げる必要があるかどうか。私は免税措置というふうに考える場合に、私も国会にいて大蔵委員をやって税金の問題をやっておりますけれども、免税措置をするからにはやはりそれだけ十分納得できる要件でなければいかぬと思います。  そこで、この免税措置の租税特別措置法の適用については、政党及び政治資金団体に限るべきである、これがまさに大臣も言われますように、将来政党本位の日本の議会制民主主義をつくっていく大きな方向として当然なことであると思いますが、いかがでございますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 政治資金を個人が寄付をいたしました場合においてある程度免税措置をとるということは、御案内のように三木さんが、できるだけ将来は個人の献金に限るようにしたい、法人が余り大きな金を出すということは弊害が起きるから、これは今度もある一定限度に抑えたのだが、将来は全部それを個人に持っていきたいのだという意味で、そのかわり個人が出した場合に明らかに受取をもらって確かに証明しませんと出せませんが、その場合は一般的な法律によりまして四分の一までは免税ができるということになっておりますから、その中に入れるようにしていく、こういうことをしたわけであります。  しかし、今後の問題として、いまあなたのおっしゃるように政党などにした場合はもっと思い切ってこの免税措置を講じたらいいんじゃないかということもあります。しかし、この政党という定義がまだできておらないのですね。そこで私たちが余りこれを広げますと、何か現実の政治に全然もう直接関係のないような団体に寄付したようなものまで全部免税にするというような問題が出てきても困るというようなこともありまして、いまのところその限度に一応しておいて、そして将来個人の献金だけにでも理想的になるとしましたら、そのときにはまた考えてもいいんじゃないか。あるいは経過規定でもう一遍二年なり三年後に考えることも私は差し支えないと思います。さしあたり、できるだけ個人の献金を奨励するという意味でこういうような免税措置を考えた、こういうふうに御理解をしていただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ちょっと私の質問に誤解があると思うのですが、個人の献金に対して要するに脱税に使われないような意味においての一定の限度額まで免税措置をする、それは私たちもいいわけですよ。ただ問題は行き先の問題なんです。政治の本来の姿である政党及び政治資金団体、これはある意味では一体的なものですから、政党及び政治資金団体に寄付をするものについては一定限度内においてはいいでしょう。しかし、それ以外の派閥なりあるいは個人の後援会に寄付をするものまで果たして免税措置というものをする必要があるか。寄付行為でございますから、大臣言われたように租税特別措置法の四分の一の規定を変えろと言っているのじゃないのです。個人が寄付をする一定の限度額まではいいけれども、その行き先を限る必要があるのじゃないだろうか。日本の議会制民主主義の本質である政党に寄付するもの及びその政治資金団体はいいけれども、派閥や個人のものまでやることは行き過ぎじゃないか。  大臣は具体的に政党というものができてないと言いますけれども、土屋さんどうですか。政党及び政治資金団体とそれ以外のいわゆる派閥あるいは個人、これに寄付の行き先を明確にすることは技術的にできるわけでしょう。したがって、政党及び政治資金団体に寄付をしたもののみ免税措置が働くということは技術的にできるわけでしょう。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 今回の改正案におきましては、政治資金の個人拠出を促進するという意味で、個人のする献金で一定の要件に該当するものに限っては優遇措置を認める、その際に対象としては政党及び政治資金団体だけに限るべきじゃないか、範囲を広げるべきではないじゃないか、こういうお話でございます。確かに所得税法に言います寄付金控除というのは、国や地方公共団体に対する寄付金とか、あるいはこれに準ずるような社会的に公益性の高い事業を行う公益法人その他の団体に対する寄付金で特に大蔵大臣が指定したものを対象としておるわけでございますから、政党とか政治資金団体といったようなある程度公益性の高いものは、それは当然であろう。それ以外に広げるのはどうであろうかということでございます。  確かに政党中心の資金体制を確立することも必要であると思うのでございますけれども、現在のような個人本位の選挙制度のもとにおきます政党政治の現実というものを考慮するならば、政党以外の政治団体の存在もやむを得ないわけでございますし、現実の政治の場においてそういったいわゆる派閥、後援団体等が営む機能も無視することはできないわけでございますので、この際優遇措置を講ずる場合はそれ以外のものも含めて考えるというふうにいたしたわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 技術的に分けられるわけでしょう。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 具体的には分けられます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 大分時間が来ましたからこれ以上このことについては追及しませんけれども、やはり所得税法で言うところの寄付金控除がなされているものというのは、学校とか福祉団体とかこういったものであって、何でも寄付をすればということにはなっていないわけです。おのずと限度も決められているわけですから、それはやはり公共性の強いというものだと思うのです。どう見ても、政党及び政治資金団体は公共性が強いということで納得もできますけれども、派閥ないしは個人に寄付したものにまで免税をすることについては、私はこれは行き過ぎであると思います。このことはそれ以上申し上げません。  最後に、その派閥への献金の問題についてのところで、「当分の間」ということがついているわけですね。これは附則の第五条関係で、当分の間、政党、政治資金団体及び公職の候補者以外の政治団体に対してされる寄付についてはというので「当分の間」というのがついております。今度の法律には、こういう法律は余りお目にかかったことがないのですが、わざわざ第八条に検討という項目があるわけですね。「この法律の施行後五年を経過した場合においては、新法の施行状況を勘案し、政治資金の個人による拠出を一層強化するための方途及び会社、労働組合その他の団体が拠出する政治資金のあり方について、更に検討を加えるものとする。」というふうに、わざわざ検討という項目が法律に入っているわけですね。  そこで、第一点にお伺いをしたいのは、どうも三木さんは、いま大臣もお話をされましたように、将来は個人献金に限りたいという希望だったということであったわけでありますが、その個人献金に限りたいということがこの検討という項目の第八条には何ら出ていない。さらに、「検討を加えるものとする。」ということだけにしかなっていない。この面では、個人献金を中心にしていくんだという考え方がきわめて後退をしたと見ざるを得ないと思うのです。その点は一体どういうふうにお考えになっているのか。  それから、派閥への献金のところに書いてある「当分の間」というのは、この検討のところの五年間というふうに一緒に考えていいのかどうなのか、その点をお伺いしたいと思うのです。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○土屋政府委員 お示しのとおり、附則の第八条にこの検討事項の項目があるわけでございます。前回の参議院の通常選挙の後で、いろいろと企業献金その他について議論があったわけでございました。その際に、企業の政治資金の拠出というものについても議論があったわけでございますが、これについては一々申し上げるまでもなく、総理あたりからも、企業そのものの資金献金が悪いというものではない、節度のある政治資金の規制というものを考えていくということが言われたわけでございますが、理想としては、個人による献金あるいはその党費によって賄うということは理想だとも言っておられたわけでございまして、そういった意味で、今回、改正案を現実的なものとして出したわけでございますが、五年を経過した場合に施行状況を勘案して、個人による拠出を一層強化するための方途あるいは会社、労働組合その他の団体が拠出する政治資金のあり方について検討するということは、その姿勢はもう示しておるものだと思います。その場合における現実の状況を踏みながらどういう形に持っていくのがいいかということがそこで検討されることになろうかと存じます。  それから、派閥に対する二分の一の別枠は当分の間となっておるわけでございますが、これは政治資金規正法の基本的な考えというのは、やはり政党が中心になっていく体制ができるということを前提としながらきておるわけでございまして、一挙にそこまでいければいいのでございますが、現実はなかなかそうはいかない。先ほどからるる申し上げましたように、その他の政治団体の存在、その果たす役割りということは無視できないわけでございますから、その間は別枠を設けるということでございますので、言うならば政党本位の、政党中心の選挙制度ができたり、あるいはまたそういう形でいろいろと選挙が運営されていく、そういったときまでの暫定措置でございますから、そういう時期までといったような考え方が基本にはございます。しかしながら、五年後にこれは見直す際には、いろいろまたそういうことも含めて議論はされるだろうというふうに考えておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いまの質問はきわめて政治性の強い質問でございますが、土屋部長が答えられましたので、一応大臣の代弁というふうに私も理解をして質問を終わりますが、私の質問を通しましてわが党の考えなり、あるいはさらにより選挙法をよくしていくために、いろいろ検討事項を宿題としてお願いをいたしましたので、国会情勢はどうなっていくかわかりませんけれども、ひとつ早急に検討していただいて、前向きに検討していただいて、いろいろ今日まで論議されたことが——これだけの大改革というのは私はかつてなかった選挙法の改革だと思います。いい部分もあるし、悪い部分もありますが、とにかく大きな前進でございますので、政治資金規正法は別として、前進でございますので、そういった意味でひとつ真剣に私が検討をお願いした点については検討をしていただいて、よりいい選挙法改正案にしたいと思うわけであります。  終わります。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 いまいろいろ提案されたことについて十分検討をしてもらいたいということは了承をいたしておりますが、ちょっと一言だけ私、申し上げたいと思うのは、政治資金の問題で、これはいろいろありますが、実際言うと、派閥関係などから言うと、私などは余り好まれない、実は余りいい役回りじゃないと思っておるわけでありまして、これでもずいぶん問題があるのであります。それは現実がそういうことであるということで、それをやはり一歩でも二歩でも前進させていきたいという考え方で一応こういうものを出しておるということも理解をしておいていただきたい。この法案を通す通さないをお決めになるのは皆さん方ですから、私としてはどういう気持ちでこの法案を出しておるか、またどういう内容であるかということを明らかにする義務はあると思っておりますが、そういう意味で私たちが前進的な立場で、一歩一歩前へ出たいという気持ちで出しておるのであるということだけはひとつ御理解をしておいていただきたいと思うのであります。  先ほどもちょっとお話がありましたが、会費の問題なんかで、会費といっても膨大な会費でもって会費の額が入っていたりするようなこともあるようでありますから、それはそういうものを全部寄付にするというようなことになったら、それはまた非常に困難な面もあると私は思うのです。そういうことを考えながら、しかし、そうは言ってもやはり日本の政治のためには、これは一歩でも二歩でも前進するのがわれわれとしての使命である、私はそういうふうに考えてこの法案を出しておるのだということだけはひとつこの機会に御理解をしておいていただきたいと思います。しかし、提案をいたしましても、これは皆様がお料理をなさることでございまして、私は説明はいたしますけれども、お決めになるのは皆さんでありますから、ひとつ十分に御検討をしていただきたいと思います。

小澤太郎自由民主党

○小澤委員長 三時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。     午後二時三十八分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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