交通安全対策特別委員会 第11号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/05/22
会議録
○勝澤委員長代理 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 この際、昭和四十九年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況、並びに昭和五十年度において実施すべき交通安全施策に関する計画について説明を聴取いたします。植木総務長官。
○植木国務大臣 昭和四十九年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況、並びに昭和五十年度において実施すべき交通安全施策に関する計画について御説明いたします。 この年次報告は、交通安全対策基本法第十三条の規定に基づき、政府が毎年国会に提出することになっているものであります。 初めに、交通事故の状況について御説明いたします。 まず、昭和四十九年の道路交通事故は、死者一万一千四百三十二人、負傷者六十五万一千四百二十人で、いずれも昭和四十六年以降四年間連続して減少し、特に昨年の昭和四十九年は、史上最高の減少率、すなわち死者でマイナス二一・六%、負傷者ではマイナス一七・五%という減少率を示しました。この結果、自動車一万台当たりの死者数は四・一人と、五人の大台を割り、十年前の五分の一に減少したことになります。なお本年も昨年同期に比して死者で約六%の減少を見ております。 このように道路交通事故の大幅な減少を見ることができましたのは、昭和四十五年に制定された交通安全対策基本法に基づいて、昭和四十六年度より国及び地方公共団体が交通安全対策についての五カ年計画を策定し、これを推進してきた成果と思えますが、この計画に基づき、歩道、信号機等交通安全施設の飛躍的な整備増強など交通安全対策を強力かつ総合的に推進し、またこれに対し民間の積極的な協力と自主的な活動があったこと、さらに加えて昨年の大きな減少ぶりは、昭和四十八年度後半から昭和四十九年度にかけて自動車交通量が伸び悩みまたは減少したことも要因であったと考えられます。 道路交通事故はこのように減少しておりますが、歩行者及び自転車利用者の被害状況を見ますと、死者数は全死者数の四七・六%、負傷者数は全負傷者数の二九・五%を占めております。さらに歩行者について年齢層別に人口十万人当たりの死者数を見ますと、平均が三・八人であるのに対し七十歳以上では一八・二人、四歳代では九・六人等、高齢者と幼児の死者数が多く、また負傷者についても同様な傾向にあります。このように歩行者、自転車利用者の死傷者が全体の中で占める割合が依然として多いこと、幼児や高齢者の死傷率が高いことなどを含め、年間の死傷者数がなお六十六万人を超えていることは、今後解決していかなければならない問題であります。 次に、鉄軌道の運転事故は四千五百四十件で、前年に比して減少しており、踏切事故による死傷者も減少しております。 海難の発生状況を見ますと、隻数は二千四百八十九隻で、前年より減少しておりますが、海難による死者、行方不明者は増加しております。 航空事故は特異な重大事故はなく、発生件数、死傷者数とも、ほぼ前年と同様の状況にあるといえます。 このような状況にあって、昭和四十九年度においては、交通安全施設等整備事業五カ年計画に基づく道路交通安全施設の整備を初めとする道路交通環境の整備、交通安全思想の普及徹底等を図ったほか、鉄軌道線路施設、信号保安設備の整備、踏切道の整備、港湾、航路、航路標識等の整備、航空保安施設等の整備などの施策を講じました。 次に、昭和五十年度において実施すべき交通安全施策に関する計画について御説明いたします。 まず、陸上交通関係では、信号機、歩道、自転車道等の交通安全施設の整備、都市総合交通規制の推進、一踏切道の整備等を図るほか、幼児交通安全クラブの育成等の幼児の交通事故防止対策の充実、自転車の安全利用対策の推進などの施策を実施することとしております。 次に、海上交通関係では港湾、航路等の整備、船舶交通のふくそうする海域での交通規制の推進、カーフェリー等旅客船及び小型船舶の安全な運航を確保するための対策などの施策を講ずることとし、また航空交通関係では航空保安施設、航空管制施設等の整備の推進などを図ることとしております。 以上をもちまして説明を終わります。 —————————————
○勝澤委員長代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
○野坂委員 おとといの二十日午前零時五十一分、そのころに東北本線の名取駅南方の方から走ってまいりました貨物列車が脱線をしたという記事が出ておりますが、この東北線の貨物列車事故の概要とその原因について、まずお尋ねしたいと思います。
○山岸説明員 お答え申し上げます。 二十日の先生のおっしゃいます事故の原因となりました貨車でありますが、この列車の二両目についておりましたコキフというコンテナ積み大型貨車でございまして、車掌の乗れる装置のあるコンテナ貨車でございます。この貨車が実は前日の十九日、コンテナを四両、積み荷を積みまして、五〇八三という列車で長町へ向かって走っておったわけでありますが、ちょうど船岡駅付近におきましてブレーキのぐあいが悪いという乗務員の判定で、途中で調べましたところ、当該貨車がブレーキ不緩解を起こして、締まったままで走っておったということがわかりましたので、いろいろ乗務員が手当てをしたのでありますが直りませんので、この貨車を船岡駅に解放いたしております。これはこの貨車の車輪が回転しないで走った痕跡も明瞭に認められまして、ここまでの事実は証明されるわけであります。 そういうことでございますので、早速連絡を受けた長町の貨車区の検査掛が船岡駅へ午後飛びまして、この車両につきましてブレーキ不緩解の原因を調査し、いろいろ修理を試みたのでありますけれども、なかなか思うように直らないということで、実は自動すき間調整器というブレーキを締めております棒でございますけれども、この自動すき間調整器をはずしましてそしてブレーキをカットいたします。そうしますと、貨物列車といたしましては貫通のブレーキはかかりますけれども、当該貨車のブレーキだけはかからないという形になるわけでありますが、それで十分に宮城野駅まで持っていける、その後長町の貨車区に回送いたしまして完全な修理をするという手順を決めまして、したがいまして急行貨物列車には連結していけない、六十五キロを最高とする貨物列車に連結しなさいというような車票も挿入しているわけであります。そういうことでございましたので、この列車を当日の夜になりまして、事故を起こしました一五九三列車、これは郡山操発長町行きのローカル貨物列車でございますけれども、これに船岡駅で他の車とともに連結いたしまして、この当該貨物列車の二両目に連結されたわけであります。 しかしながら、この回送手配におきまして、残った部品等について十二分に大丈夫だという本人は確信を持ったつもりだったのだろうと思うのでありますけれども、すでにブレーキ不緩解時から一部故障があったものか、あるいはまたそのときの他の部品の緊縛等について手落ちがあったものか、この点いまだ判然といたしませんけれども、とにかくこの車のブレーキ装置の部品が途中から下がりまして、そしてバラストを飛ばすという現象を起こしながら相当区間走ったわけであります。そして船岡駅の近くの踏切でガードレール等を大きく屈曲し、ためにコキフの、問題は前台車で部品をぶら下げてしまったわけでありますけれども、後台車から脱線いたしまして次の三両目を転覆させ、四両目、五両目も脱線する、四両脱線、一転覆という大事故を発生してしまったわけであります。 ちょうど常磐線と東北線との交差点の岩沼から仙台の中間に当たりますので、しかも零時という夜行列車のラッシュともいうべき時間帯でございますので、多数の列車を上下とめまして、最高八千五百人に及ぶ上下の直通夜行客が車の中で足どめを食うという現象を起こしました。早速短距離の方々につきましてはバスの輸送手配等をとったわけでありますけれども、長距離のお客さんにおきまして最高十時間以上も足どめを食ったお客さんを出す。十四時に上下線が開通するまで足どめを食った、非常に御迷惑をおかけしたお客さんを出すという事故を起こしてしまったわけであります。 この事故を考えてみますに、ブレーキ不緩解というような故障は、私ども常日ごろ取り組んでいる非常に大きな問題でありますけれども、ごみが入る、その他の問題で完全に絶無にするということはいまだできない状況でございます。平生一日にすれば二件や三件はどうしても起きている事故でありますが、たいがいその場で緩解を直しまして、そして運転を継続するというケースが多いわけであります。非常に直りにくいものはこのように途中駅へ解放する、そして検査掛の手配によって回送して手当てをしているという形をとっているわけでありますが、その手当てをしたためにこのような大事故を起こしてしまったというようなことは、いまだ私の記憶するところにはないところであります。 考えてみますに、比較的新しい型式の貨車ではありますけれども、コンテナ貨車というものはもうすでに相当長年使い古されている車であります。しかし、やはりこれについての知識がどこまであったのかどうか。まあいまここで断定してしまうのはちょっと早いのでありますけれども、私どもといたしましてはやはり正確な知識を教えるということが、この際反省される第一点ではないかと思います。 それからまた構造上につきまして、そういった場合に本当に取り扱いにくい面があるのかどうかという点の反省も、いま設計部門において勉強させているところでございます。 なお、この事故につきまして、所轄署におきましては、取り扱い上のミスが含まれているのじゃないかというような観点から、現在調査が進められている状況でございます。
○野坂委員 現在調査が進められておるということでございますから深くは追及をしませんけれども、仙台の局長は取り扱いについては規則どおり実施をした、こういう談話が発表されておるわけです。お話がありましたように八千五百人に上る乗客が非常に迷惑をした。しかも途中でブレーキの故障に気がついて、船岡駅で十分検査をしてそれから発車をした。ブレーキ不良六十五キロ注意とか、こういうふうに車票が入れてありますけれども、従来は四十五キロで走るということの貨物が六十五キロというふうになったのは、いつからどういう理由でそうなったのかということと、その欠陥車、事故車を長町の方からわざわざ見に来て具体的に調査をされたわけでありますから、その点でこれは次の目的のところまで牽引をするということは可能であるというふうに判断をされたと思うのですが、それらは機関手の皆さんにも連絡があったのかなかったのか、その辺はどうでしょうか。
○山岸説明員 貨物列車の速度とブレーキにつきましては、全体のブレーキに対するブレーキの使用不能の軸数の割合によって定めておりますので、私はこの場合六十五キロでよろしいのじゃないかと思います。三十五両中たしか一両だったと思います。したがいまして、六十五キロと車票を挿入いたしまして六十五キロ以上出ない貨物列車ということになるわけでありますから、ローカル貨物列車の当該列車に駅として連結をした、こういうことでございます。したがいまして、その通告を車掌、列車掛から機関手が受けますから、この貨車が連結されていることは、自分で連結していることでありますし当然知っていることであります。
○野坂委員 このコキフ型のコンテナ輸送貨物列車は非常に性能が高い、こう言われておるわけです。いま、こういう事故は余りなかったと山岸さんはお話しでございますが、これはコンテナを四個くらい積むのですね。そうしますと、ブレーキがかかりっ放しだという事故がいままでにあったというふうに私どもは承知をしておるわけです。そういう特徴を持っておるし、高性能であるためにブレーキがなかなか解けない、だからかかりっ放しでいくという一つの弱点を持っておるということを承知をしておるわけですが、そういう点を御存じで、それらに対する対策はどのようにされてきたのか、伺っておきたいと思います。
○山岸説明員 この貨車は比較的新しく開発された高性能貨車でございまして、貨車としては百十キロまで走ることが可能な貨車でございます。当初山陽線で東京−博多間におきましてこういった特急貨物列車あるいはフレートライナー等つくったわけでありますが、当初におきましてこういう高性能のために比較的緩解不良の事故が多かったわけでありますけれども、その後いろいろ改良いたしまして、最近におきますこのコキフ型のブレーキ緩解不良という事故は一般貨車と大体同じ率になりまして、最近においての発生というものはちょっとここしばらくは皆無だったように記憶いたしております。したがいまして、現時点におきまして使用上非常に緩解不良が多いということは特段のことはなくなったというふうに承知をしておったわけでございます。
○野坂委員 あなたに対する質問はこれ以上やってもしようがないと思うのですが、問題は、いろいろ技術面に問題はあるとしましても、国鉄当局の考え方、営業政策ですね、ここは交通安全委員会ですから安全問題は重視をしておるということですけれども、速度ということにやはり重点を置かれて、なるべく早く所定のところまで持っていこう、こういうところに一連の起因があろう、こういうふうに思うのです。そういう点についてはやはり安全を第一に、そういう欠陥車についてはその駅なら駅にとめておいて十分手入れをして、だれが見ても安全だということになってから牽引をするなら牽引をするということでなければ、このような事故は全く起こるべくして起こったということになろうかと思うのです。だから国鉄には、時間がない、検査はいいかげんだということからマル物とかマル記とかそういう語までつくられておるわけでありますから、十分注意をしていただいて、今後二度とこのような全く起こらなくてもいい事故が起こらないように厳重に注意をしていただきたいということをお願いをしておきます。 それでは、いまも総理府の長官からお話がありましたように、海上が最近とみにふくそうしておる、ふくそうしておるので船舶の交通規制の徹底や安全運航を徹底をするという白書の説明がございましたが、それに基づきまして、きょうはカーフェリーの問題についてお尋ねをしたい、こう思うのです。 最近におきましても二月二十一日に「しれとこ丸」問題も起きましたし、三月五日には瀬戸内海汽船の「ひろしま」の火災もありましたし、あるいは四月五日に「はいびすかす」の時間おくれ、こういう問題、あるいは四月二十九日の「かつら」というカーフェリーとリベリアのコンテナ船との衝突あるいは五月十三日の阪九フェリーの「フェリー阪九」と貨物船の衝突というふうに最近非常に事故が頻発をしておる。したがって、総務長官もそういうふうにお話があったと思うのでありますが、単に話だけでは意味がないわけでありますから、これらを絶滅をするということにしなければならぬと思うのです。 このカーフェリーの安全対策についてまずお尋ねをするわけでありますが、いま申し上げましたように、最近の海難事故の発生の原因といいますか理由といいますか、それはどのように考えておられるのか、海難事故発生の原因について伺っておきたいと思います。
○寺井政府委員 ただいま先生御指摘のように、ことしに入りましてもカーフェリーの事故がかなり起こっております。カーフェリーの事故の原因、これはどうであろうかという御質問でございますが、統計的に見ますと、カーフェリーの場合は衝突、乗り上げ、機関故障、火災、こういったものが要因になっておりますが、衝突と乗り上げがわりあい事故の多いケースになっております。一般的に海難事故は、統計的に申し上げますと機関故障が一番多うございまして、乗り上げ、衝突というような順序になっております。
○野坂委員 そうすると、機関の故障、乗り上げということは技術的な面が非常に多いということになるわけですか。
○寺井政府委員 機関故障が一般的にかなり多いわけでございますが、これはやはり機関の保守管理、運用面にかなり問題があろうかと思います。ただ、古い船を使っておりますケースが全体で多うございまして、統計上は機関故障がかなり多くなっております。また乗り上げにつきましては気象、海象、運航上いろいろのことが原因になって乗り上げ等が起こっております。衝突につきましても同様のことが言えるかと存じます。
○野坂委員 いま総務長官が報告をされた海上の交通安全は、その主な点は船舶のふくそうが一つの大きな問題ではないか、だから交通規制の徹底をやらなきやならぬということを指摘をされたと思うのです。 たとえば、この間起きました四月二十九日の事故、「かつら」は二十一時二十分に出て一時間後に衝突をしておる。出るとすぐですね。これはどういう原因でしょうか。
○寺井政府委員 御指摘の「フェリーかつら」は大阪湾を出港して間もなく衝突しております。これは双方とも相手船を視認いたしておりまして接触をしたということになっておりますが、原因につきましては目下調査中でございまして、現段階では明確にまだお答えできない状態でございます。
○野坂委員 それではこの間、十三日の未明に起きました「フェリー阪九」というのはどういう理由かわかりますか。これは夜中、未明に衝突をしておりますね。
○寺井政府委員 「フェリー阪九」と貨物船の「第五・三洋丸」が来島海峡の付近で衝突をした事故でございますが、これは「フェリー阪九」の左舷に「第五・三洋丸」がほぼ直角に衝突いたしております。これも原因につきましては目下調査中でございます。視界その他非常に悪いという状態でございませんので、相当慎重に原因を調査したいというふうに考えております。
○野坂委員 全部理由がはっきりしないということですから、たとえば大阪−苅田間に就航しております大洋フェリーというのがありますね。すべて衝突したのもそうでありますが、大体大阪から二十時四十分に出て翌朝の八時四十分に着くことになっておりまして、航海時間が十二時間です。航行距離は二百五十マイル、航海速力は二十一・五ノット、こういうことになっております。ダイヤ上の出入港の時間ですね。これはなわで巻いたりしますから三十分ぐらいかかると思うのですが、そうすると航海上の時間は十一時間三十分、こういうことになります。航海の速力は二十一・五ノットで二百五十マイルということになりますと十一時間四十分かかりますね。出入港に要する時間を二十分とした場合でも、やはり二十一・五ノットというとどの程度になりますか、時速三十七、八キロということになりますかね。その程度の速力を出すということになると相当のスピードで走らなきゃならぬ。こういうところに問題があるし、危険だと思ったときに減速をすることによって次が非常に過密になっておる。そういう意味で、こういう事故が起きがちではないかというふうに思うのですが、その点はどうお考えでしょうか。
○寺井政府委員 ただいま速力との関係の御質問でございますが、フェリーの速力につきましては、就航する航路の状態、交通状況に応じまして基準速力というものを決めさしております。これを決めますにつきましては、運航基準図と申しますか、基本的にどういう航路でどういうふうに走る、これはわりあい正確に、どこから何度まで何マイルというようなことでその間の速度を決めさせております。また、それは原則でございますが、視界や海の状態が悪いというときには減速をするよう、あるいは場合によっては運航を中止するよう指導しておるわけでございます。 それから瀬戸内海におきましては、御案内のとおり海上交通安全法が適用されております航路がございますが、この航路内におきましては、十二ノット以下で航海するように義務づけております。 こうしたことで総合的に、その航路に合った速力で走るように指導いたしておる次第でございまして、ただいま先生御指摘のように二十ノット以上で走るという場合もございますが、これは交通量が少ない、あるいはかなり広い地域で、周防灘のようなところを走るというふうになっておりますので、全線を通じてそういう高速で走るということはないというふうに了解いたしております。
○野坂委員 私が言いましたのは、たとえば苅田から大阪ですね、四百六十三キロ、この間十二ノットで走らなきゃならぬというのは、来島海峡とか備讃瀬戸とか明石瀬戸とかこういう三カ所程度なんですね。そこで十二ノットに落としましても、海運局に申請をしたそのとおりにはならぬわけですね、計算をしますと、それだけ落としますと。だから絶対落ちない。 しかも長官も御承知のように、大阪、神戸から出る船ですね、たとえば八社ありますか、そこの航路を見ても、小倉とか門司とか苅田とか細島とか、そういうふうに出ていく。それから四国には小松島、高松、壬生川、今治、こういうふうに出ていく。そうすると、非常に並行した航路で十分間置き程度に出たり入ったりしておりますね。遅くなりますと次の船が入ってきますから、そこに入ることができない、だから速力はとめられない、こういうのが現況じゃないですか。 だから、四十三年にCFができてからどういうふうに航路というか、カーフェリーというものが膨張しておるかということ、まず、その辺から伺っておきましょうか。
○熊木説明員 お答えいたします。 長距離カーフェリーにつきましては、ただいま御指摘のございましたように、四十三年に阪九フェリーが小倉−神戸を開始したのに始まります。それ以後現在までにおきまして、長距離カーフェリーは十八業者、二十三航路という形になっております。逐年別の推移を……
○野坂委員 結構です。四十六年の八航路からいま二十三航路にもなっておる。急速に膨張しておる、海はふえてないわけですからね。そのほかに小さな船がたくさんおるわけです。遊漁船その他がたくさんここには浮かんでおる。そうすると、十分間置きで行かなければならぬということになると相当のスピードを上げていかなければなりませんね。だから私は事故が起きるのじゃないか。だから総務長官も、ふくそうで交通規制をしなければならぬ、こうおっしゃったと思うのですよ。その辺は機関の故障等が主な原因で、ほかは大したことがないということにはならぬのじゃなかろうかと思うのですが、どうでしょうか。
○寺井政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、特に東京湾、瀬戸内海、伊勢湾、こうした地帯には船舶が非常にふくそうしてまいっております。したがいまして、船舶の増加に対応いたしまして航行安全のためには、航行に必要な環境の整備と申しますか、航路標識あるいは航行管制等も行わなければなりませんし、同時に運航者にも交通ルールを厳重に守るようにしていただきたいということでいろいろ指導いたしておるわけでございます。 ただいま御指摘のように、瀬戸内海におきましても、相当航行フェリーが多うございます。フェリーの運航に要します速度とかダイヤというものにつきましては、現在のところその船舶の性能に応じましてダイヤを組ませ、かつスピードの出せないところは出せないような状態で指導いたしておりまして、その結果組まれたダイヤでございまして、ダイヤを維持するためにやみくもに走らなければならないという状態ではないのではないかというふうに考えております。 ただ、最近の状況をいろいろ見てまいりますと、やはりフェリーの場合はほかの一般海難と違いまして、衝突による事故の割合が多いわけでございます。これは運航面、あるいは先生の御指摘のようなスピードの面もさらにいろいろ検討する必要があろうかと存じますけれども、現在まで私どもがいろいろ指導いたしております点につきましては、こうしたところには運航上の無理がないようにということで指導いたしておる次第でございます。
○野坂委員 もう十分間程度の余裕しかない、出るのもあれば入るのもありますからね。そういう点から考えて、私は少なくともその余裕を三十分程度に、あの目まぐるしい新幹線でも十六分程度あるわけですが、それ以上に発着というのは厳しいわけですから、その辺は再検討していかなければ相当な無理がある。特に瀬戸内なんかでは、走っていくのに十分間でもおくれると次の船が入っておって、もう沖で待っていなければならない、こういうことを現に乗船しておる船員の皆さんはおっしゃっておるわけですから、再検討していかなければ事故を防ぐということが無理ではなかろうかというふうに思うのです。検討の要ありと思うのですが、どうでしょうか。
○寺井政府委員 御指摘のように、フェリー桟橋等におきますやりくり、これに無理がありましてはやはり運航上無理が生ずるということであろうかと存じます。私どもも、海運局とも十分連絡をとりまして、その辺に無理があるようならば十分余裕を持たせる運航をさせる必要があろうというふうに考えております。
○野坂委員 海運局はどうでしょうか。来ておられますか。
○熊木説明員 特に入出港の際の運航ダイヤにつきまして、従来から保安庁と連絡を密にして設定しておりますが、いま長官の発言もありましたように、御趣旨を体しまして内容について調べたいと思います。
○野坂委員 それから「かつら」というカーフェリーの話ですが、すぐ出たということは、やはり視界の関係があるのではないかと思うのですね。視界というのは大体千メートルなんですね。そういう視界不良でも出なければならぬということが一つと、それから運航管理者というのがありますね。この運航管理者というのは一体だれがなるのか。相当の経験者がなるということでありますが、副運航管理者というのは大体その地区の営業所長がなっておるというふうに私は理解しておりますが、そういうふうに考えてもよろしゅうございますか。
○熊木説明員 お答えいたします。 最初の視界千メートルの件でございますが、これは、各カーフェリー事業者は海上運送法に基づきまして運航管理規程というのを定めております。その中に運航中止条件というのがございまして、通常の場合、視界千メートルというのが運航の中止条件になっております。 それでもう一つの質問の、発航に際してそういう悪い段階で運航管理者というのはどういうふうな役割りを持つのか、それから運航管理者というものの資格、それから副運航管理者の資格についての御質問でございますが、まず最初に、出港の際に視界千メートルあるかどうか、それから発航の問題もございますが、その際にはまず船長と運航管理者が協議いたしまして、これは中止条件に達しているということが相互に確認されれば当然に中止いたします。仮に船長と運航管理者の意見が合わない場合、これは安全面をとって、たとえば船長が出てもいいと思ったとしても、運航管理者が中止条件に達していると言う場合は出航を取りやめるという形になっております。船長が出るべきじゃないと言うのに運航管理者が出すということはございません。 それから、運航管理者の資格でございますが、一番通常の例は、当該航路に船長として三年以上の経歴を持っておられる方が運航管理者という形で選任されております。副運航管理者につきましては、通常各事業所に配置されますので、一番連絡体制その他が密という立場から、そこの所長が指定されているという例がございます。
○野坂委員 お話のように、実務者というのは大体営業所長がやっておりますよ、副運航管理者は。この人は営業所長でありますから、やはり営業本位に物を考えていくという傾向が非常に強いと思います。 それから、風速その他は、二十五メートル以上の場合は運航中止、こういうふうになっております。これは十分間の平均で、瞬間風速はその五割増しということになると、三十七・五メートルということになりますね。それでもやはり二十五メートルの場合は出るということになりますか。
○熊木説明員 まず最初に、気象条件の把握でございますが、各長距離カーフェリー事業者は、気象庁のテレビ、ラジオを通じての放送のほかに、直接にたとえば気象庁ないし気象協会からファクシミリをとって気象の状況を十分把握している。それから、たとえば同一の港から出る場合には、これはこういう状態だから取りやめというのは当然相互に連絡しておりますので、そういう二十五メートル以内であるから出るとかという形で実際には決められませんで、全体的な気象の条件、それから航行している船からの連絡も当然ございますので、そういうことを含めまして、船長及び運航管理者が自分の判断に基づいて一応判断しまして、相互に協議してやっている状況でございます。
○野坂委員 私が聞いておりますのは、二十五メートル以下なら出てもいい、こういうことになっておりますかということなんです。それが適当ですかということです。
○熊木説明員 二十五メートル以下の場合は中止条件に一応なっておりませんので、出る場合もあろうかと思います。それにつきましては、二十五メートル以内だったらすべていいかどうかという判断になりますと、これは実際に出航する際の船長なり運航管理者の判断に任せざるを得ないと思いますので、一律な形でいいか悪いかというのは、われわれちょっと御答弁いたしかねると思います。
○野坂委員 たとえば風速二十五メーター、視界千メートル、こういうことになっておる場合に、それは運航管理者等はいろいろ聞くでしょうけれども、それはその港の港内を言うのか港外を言うのか、その辺はどうでしょう。どちらでも結構ですけれども、御答弁をいただきたい。
○熊木説明員 現在は出港時の状況、港の状況でございます。
○野坂委員 港の中と港の外ということになると、港の外の方が波も高いし、風の吹きも強い。視界も問題がある。これから夏になってくると、そうなりますよ。港の中でその程度であれば外はもっと危険な状態にあろう、こういうふうに私は思うのです。その点について海上保安庁の長官は、あるいは船舶局長は、いまの課長の言葉、港内がそうであればよろしいということについては、私は問題があると思うのですが、どうでしょうか。
○寺井政府委員 風速とか視程とか申しますが、これは気象庁を通じて得られる情報に基づいて判断されるわけでございまして、同じ二十四メートルの風速でありましても、これは今後この航路上に風が強まってくる可能性があるというような場合には当然二十五メートル以上になる可能性があるというようなことでございまして、そこは運航管理者が総合的に判断をして出航させるかさせないかということを決定する問題だと思います。したがいまして、たとえば港の中が単に二十メートルであっても航路上に二十五メートル以上風が吹く可能性があると判断される場合には、これは運航管理者の判断で出航を取りやめる、あるいは延ばすというような措置がとられるものと私は了解いたしております。
○野坂委員 長官のも課長さんのも話としてはわかるのですけれども、運航管理者は確かに船長を三年以上やった経験者だ、しかし現地の営業所長は副運航管理者だ、その人がほとんどやっておる、こういう実情なんです。しかも定められておるものは二十五メートル以下、あるいは視界は千メートル、しかも港内だ——港外に出ればもはやもっとかかっておるというのが常識だ。だから四月の十七日ですか、日向で細島の方に向けて行くのが九時間おくれたカーフェリーがありますね。これもなぜおくれたかというと、二十メートルから二十五メートルの風が出て思うように行かぬ、こういうことで航路を変更して九時間もおくれているわけですね。現場でやはり二十五メートルなり二十メートルであれば海上では相当困る。だから身の安全等を考えてやったという事実がはっきりしておるわけです。 だから、港内で二十五メートル、視界千メートルというのは一応最大限を決めてあるけれども、あとは運航管理者なり船長に任せる、船長も出てみなければわからぬわけですからね。そうすると実務者である副運航管理者というのはやはり営業政策上ということを考える。だから過密ダイヤでやる、スピードも出す、こういうことが事故の発生ということにつながる、こう私は思うのです。 そういう意味で、この港内視界千、風速二十五というのは若干問題があるというふうに思うのですが、それは現地任せということではなしに、指導性を発揮をする運輸省としては、その辺はもっと明確にする必要があろうと思うのですが、その点については課長ではなかなかお答えしにくいと思いますし、小此木さんが出ていらっしゃるわけですから、横浜の方の御出身でもございますし、政務次官もその点については十分御留意していらっしゃると思うのです。したがって、その辺を十分配慮して判断をする必要があろう、こう思うのですが、どのようにお考えですか。どのようにされますか。
○小此木政府委員 先生の御指摘なさるところ、総合的に判断いたしますと、基本的にはやはりスピードあるいは風速その他の問題がございますが、運航ダイヤに基本があるような考えを私持つのでございます。したがいまして、その運航ダイヤの問題でございますが、それにつきましては絶対安全運航というものに一番密接な関係がありますので、従来機会あるごとにその個々について検討を加えてきた次第でございます。詳細につきましては当局から説明させる次第でございますけれども、その運航ダイヤの今後の検討あるいは速力の検討、そういう御指摘の点を勘案しながら、われわれも大いに研究いたしていきたいと考える次第でございます。
○野坂委員 十分検討をいただきまして、事故の絶滅を図っていただきますように要望しておきます。 時間がありませんからこれ以上申し上げませんが、最後に、最初申し上げました二月二十一日の「しれとこ丸」事件に絡む問題についてお尋ねをしたい。 それば無線通信の設備と通信士との問題であります。法律では無線をつけておかなければならぬ、こういうことになっておりますが、沿海を通るところはつけなくても電話でよろしいというふうに書いてあるわけですが、それについて通信が不通になったということで「しれとこ丸」は問題になったと思うのです。旅客船その他が日本の沿岸を走っておるのに、沿海という二十海里ですか、その二十海里から外に出ないということはないだろうと思うのですね。それから電話では聞こえない個所がやはり数個所あるのじゃないかと思いますが、その辺は十分御承知でしょうか、またどういう状況になっておるのか伺いたいと思うのです。
○内田政府委員 お答えいたします。 長距離フェリーの場合には、いま先生御指摘のように法律的には航行区域は沿海区域ということになるわけですが、それで沿海区域というのは陸岸から二十海里以内を航行するという航行区域を与えておるわけであります。したがいまして、無線について申し上げますと、法制的には無線電話と、本来は原則的には通信設備は無線電信でございますけれども、この種沿海区域のものにつきましては無線電話でかえることができるということになっておるわけでございます。 実は、「しれとこ丸」事件が発生いたしまして、本来沿海区域を航行する長距離フェリーであるこの「しれとこ丸」が強風を避けるために相当沖に出た。一方当該船舶の持っております無線設備は御承知のように超短波、いわゆるVHF無線電話でございまして、通達距離が局限されておったという状況でございます。私ども「しれとこ丸」のように相当沖合いまでこの種沿海区域を越えて出るということを予想していなかったわけでございますが、現実にそういう事態が起こったことは事実でございますので、この種長距離フェリーにつきましては、いわゆる近海以上の船と同じように無線電信設備、これは通達距離は非常に長いわけですが、無線電信設備を備えつけさせることを指導するということで、われわれから関係の向きに指示をした状況でございます。
○野坂委員 それはどの船もそういうことにしていただいたのですか。
○内田政府委員 この種長距離フェリーは現在三十五隻あるわけでございますが、すでに自主的に無線電信設備を持っております船がございますので、新たにその無線電信設備を取りつけることを行う船は十六隻と承知しております。
○野坂委員 それで全部つけたわけですね。確認されておりますか。
○内田政府委員 無線電信設備を取りつけるにつきましては、施設の生産の問題もございますし、それから通信士の部屋の問題等多少の改造を伴うものもございますので、指導といたしましては一応六月末を目途にして、これらの施設をつけさせるように指導しておるわけでございます。
○野坂委員 そうすると、今後の問題も含めて、大型船とか高速船が二十海里以内で走るということ自体が危険だと思うのですが、そういう点については全部無線電信設備をつけて、通信士もおらせる、こういうことになる。それならば、これは法律も改正された方が、実績はできておるわけですからいいと思うのですが、法改正をも行われますか。
○内田政府委員 今後建造されるであろうこの種長距離フェリーにつきましても、無線電信設備をつけさせるという方針でおるわけでございます。 なお、法改正につきましては、現在、この種長距離フェリーの波の問題とか、それから他のいわゆるフェリーボートでない一般船との総合的な考え方もございますので、現状で直ちに法改正するということはちょっと断言いたしかねる状況でございます。
○野坂委員 局長、行政指導でそうやれば全部つけるということになりますけれども、薬事法による薬屋の問題等もありますね、憲法論争にまで発展をした。これは法律ならば、つけぬでもいいわけですね。そうすると、やはりきちんとしなければならぬと思うのですが、とにかく長距離の大型汽船には、全部通信士を乗せ、無線設備をするという、この長距離という意味は一体どこからどこまでかということになりますが、たとえば外洋に出る旅客船とか、五千総トン以上とか、そういうふうに非常に明確にして、それについてはつけなければならぬ、こういうぐあいにしなければ、ただ遠くへ行く分は全部つけるのだということでは困りますので、その点は明確にしてありますか。
○内田政府委員 この種カーフェリーにつきましては、いわゆる起点と終点というのがはっきりしておりますし、それからいわゆる遠洋の旅客船と違いまして、陸岸に並行して走るというようなことでございますので、いま先生の御質問いただきました距離あるいは対象範囲といたしましては、私どもは原則としては、片道が三百キロメートル以上で、かつその大部分あるいは全部が外洋を航行する旅客カーフェリーというふうに通達いたしております。
○野坂委員 六月末にはそういうことが完全になることを期待をします。 時間がちょうど来てしまいまして、総理府の総務副長官も警察庁からもおいでをいただいておるわけですが、私は、サーキット族、暴走族、この問題についてお尋ねをしたいと考えておったわけでありますが、この暴走族といいますか、サーキット族は、警察庁が把握をされておるところ、今日、どの程度の人数がおり、どの地域におって、去年とことしと比べてどのような傾向を示しておるのか、その点が一点。 それから、総理府なり警察庁にお尋ねをしたいのですが、去年はとにかくサーキット族をなくする、暴走族をなくする、そのためには取り締まりよりも教育だ、こういう教育重点方式をとられたわけでありますが、その教育の効果がどのように今日あらわれておるか、まずその点を明らかにしていただきたいと思います。
○勝田政府委員 暴走族で把握しているグループでございますが、八百十七グループ、二万五千八百九十三人というのを把握いたしているわけでございます。 それから、暴走族の暴走事案の状況でございますが、昭和四十九年中には、暴走事案の発生件数が四百三十八件、暴走事案の参加延べ人員が二万七千八十五人、暴走事案の参加延べ車両が一万四千三百六十三、その暴走事案に参加した群衆が四万二千五百と、四十八年と比較いたしますと、それぞれ減少はしているわけでございますが、これは暴走すべく結集した数はかなりふえておるわけでございますが、説得その他で実際に暴走した事案は四十八年に比べて減っているということでございます。 それから、本年に入りましてから一月から四月までの状況でございますが、暴走事案の発生件数が九十七件、昨年は同期間が七十六年でございますので、二七・六%の増、暴走事案の参加延べ人員が一万五千十七、昨年が同期が五千百七十八ということでございますから、一九〇%増、暴走事案参加延べ車両が七千九百十五台ということでございますので、昨年同期が二千六百六十台ということでございますから、一九七・六%の増、暴走事案の群衆の延べ人員でございますが、本年が五千三百九十、昨年が五千六百七十ということでごずいますので、マイナス四・九%ということでございます。 四月までこういう状況でふえておりましたが、さらに四月下旬以降五月に入りまして、暴走族のシーズンというか、例年この時期からふえてくるわけでございますが、神戸、名古屋あるいは東京等におきまして集団的な不法事案が発生している、神戸等におきましては、かなりの群衆を巻き込んだ事案が発生しているということでございまして、本年の状況から見ますと、今後、状態としてはさらにいろいろな不法事案が出ることが懸念されるような状態ではなかろうかというふうに思うわけでございます。 われわれ暴走事案対策といたしましては、そうした集団走行のグループの実態を把握いたしまして、それぞれまず先ほどお話しのように教育、あるいは悪質な者あるいは集団的な暴走行為を実質に行う者につきましては強力な取り締まりを行っていく、そうしてそういった悪質なグループをなくしていくということで、少年が多いわけでございますので、そうした少年の担当の係とも連絡をとりながら、補導を継続して続けてまいって、解散に持ち込んでまいりたいということでやっているわけでございまして、昨年も百グループばかりの解散ということになっておるわけでございますが、こうしたグループの形というのは、必ずしも非常に強固な団結ではないということで、一応一つのグループが解散しても、その構成員がまたほかのグループにも参加するというような状況にもありまして、なかなか絶滅するということは非常にむずかしいという状況にあるかと思いますが、今後とも粘り強くその教育あるいは現場における取り締まり、補導、それから関係機関の協力ということもあわせて対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
○松本(十)政府委員 お答えいたします。 暴走族の対策につきましては、警察庁を中心にしまして交通規制、取り締まりの強化等の施策を強力に推進しておるところでありますが、総理府としましても関係省庁と緊密な連絡をとりながら、これらの警察庁の施策とあわせまして、交通安全思想の普及徹底及びグループによる非行の防止等の対策の推進を図ってまいりたいと存じております。 ただ、野坂先生御指摘のとおり、依然として暴走族は減っておらないわけでありますし、警察庁の説明のように、今後も危惧されるところ大なわけでありまして、これはこれからおっしゃるとおりどのように教育を徹底させて効果を上げるか、こういうことになろうと思いますが、なかなかこれまでのところはまだまだその効果があらわれていないということは事実であります。どのようにして若い人たちに生きがいを感じさすか、どのようにしてエネルギーなりフラストレーションを発散させて、いい方にそれを向けていくか、そういう意味では青少年対策、特に社会教育その他で力を入れなければならぬということはっとに感じているところでありまして、これからもせっかくそういう立場から努力してまいりたいと存じますので、御了承を賜りたいと存ずるわけであります。
○野坂委員 時間が参りましたので、多くを質疑することはできませんが、この暴走族の減少はわずかではあるけれども進んでおるということですけれども、最近十七日、十八日と神戸なり静岡、東京、横浜等で相次いで事件が発生をして、しかも群衆をもこれに巻き込んでおるというような憂慮すべき状態でありますので、警察庁が最近立てられました、たとえば免許の停止とかいろいろな交通取り締まりの強化ということ、これから夏に向かってはふえるわけですから、これに対してはやはり厳しい取り締まりをやると同時に、いま総務副長官がお話しになりましたように教育も徹底をして効果が上がるようにやってもらいたい。しかも免停がどの程度行われるか知りませんけれども、そういう一連の暴走族に対する資料と、今後のこれからの対策を資料として提出をしていただきますようにお願いして私の質問を終わります。委員長の方でよろしくお願いします。
○勝澤委員長代理 それでは、資料は後ほど出させていただくことにいたします。 次に、平田藤吉君。
○平田委員 私は、航空機の安全について質問いたします。 まず最初に、エアバスのエンジンについてですけれども、昨年の九月九日の当委員会で、私は全日空のトライスターのエンジンの故障をめぐる対策について質問をし要求してありますが、その後どうなっているかについてひとつ答えていただきたいと思います。
○中曽政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、昨年の秋、九月でございますが、トライスターのエンジンがインターメディエートケースという部品でございますけれども、これにクラックが入りまして、二回続けてトラブルを起こした事故がございました。そこで私どもといたしましては非常にゆゆしき問題であると承知いたしまして、直ちに対策をとったわけでございます。 その対策には二つございまして、とりあえずの第一の対策は、応急用処置とでも申すべき対策でございまして、点検間隔を密にいたしまして、故障部分の再発するのを早期に発見するというふうな対策をまずとりました。それから第二段の対策といたしまして、根本対策でございますが、これはいわゆる潤滑油がインターメディエートケースにクラックが入りまして漏れたということが原因でございますので、いかにしてこの漏れを防ぐかということにつきまして対策をとったわけでございますが、これはまずケースをかえるということでございます。それからもう一つは、さらにケースをかえた後に、油が漏れます部分に、具体的に申し上げますと、パイプを入れまして油が外に漏れないように根本的な処置を講じまして、大体秋十一月ごろまでに先ほどのような処置を全部完了いたしまして、現在に至っておるというわけでございます。 こういった処置を講じました結果、昨年の秋に生じましたようないわゆるトラブルはその後ほとんど起こっていない、ほとんどと申しますよりか、むしろ全然起こっていないという状態で今日まできておるわけでございます。 〔勝澤委員長代理退席、野坂委員長代理着席〕
○平田委員 あれはエンジンの改造を行ったはずですけれども、エンジンそのものについての取りかえなどについては検討されていないのですか。
○中曽政府委員 第二段の根本的対策の中で、先ほど申しましたけれども、ケースの取りかえをやったということを申し上げました。ケースの取りかえをやりましたことが先生御指摘の点であろうかと思います。このケースの取りかえにつきましては、実を申しますとアルミニウム製のケースでございます。取りかえましたケースは、従来のケースに比べまして、平たく申しますと肉厚が厚くなったケースを使いまして取りかえたわけでございますが、さらにもっと根本的な対策といたしましては、先生が御指摘になったかと思いますけれども、ステンレス製のケースに取りかえるということがよりいいわけでございまして、その問題につきましては、現在メーカーはロールス・ロイスでございますけれども、ロールス・ロイスの方でそういうケースの開発に当たっておる、こういうことでございまして、この開発が完了いたしますれば一番よろしいわけでございますので、鋭意その開発をわれわれといたしましても注視しておる、注目しておるという段階でございます。
○平田委員 去年指摘したときにもすでに開発が進んで試運転の段階に入っているというふうにわれわれは認識していたわけですけれども、まだ完成していないのですか。
○中曽政府委員 現在いろいろエバリュエーションをやっている最中だというふうに承知しております。
○平田委員 それではより完全なものにかえていくために努力をしていただくということで、次の質問に移ります。 日航のジャンボについてですけれども、飛行中のエンジンの故障によるエンジン停止の状況、これがかなりふえてきているようですけれども、どれくらいか。あなた方の方から資料を出していただいたのですが、素人にはなかなかわかりにくい。ですから、七三年と七四年、延べ何機、何回停止しているかということをお聞きしたいわけなんです。七三年に何機、何回、七四年に何機で何回、それからDC8型機も同じように七三年と七四年はどんなぐあいになっているかについてお聞かせいただきたい。最初に、飛行中のエンジンの停止がいま言ったような数でどうなっているかということについてお聞かせいただきたい。
○中曽政府委員 日本航空のジャンボ機でございますが、一九七三年でございますが、飛行中の発動機の停止件数が三十一件でございます。それから七四年が五十四件。それに対しましてDC8の方でございますが、七三年が十七作、それから七四年が十八件。これは現在動いておりますすべての飛行機のトータルの数字でございます。
○平田委員 それから地上で検査の結果、故障または障害が発見されて飛行機から取りおろした台一数は延べ何機、何台になっているか。やはり同じく七三年と七四年、並びにDC8型機の七三年と七四年について聞かせていただきたい。
○中曽政府委員 まず、ジャンボの方のエンジンでございますが、先生御指摘の数字はいわゆる早期取りおろし件数というふうに私どもは言っておる数字でございますけれども、その数字で申し上げますと七三年が五十六件でございます。それから七四年が百五件、これがジャンボでございます。それからDC8でございますが、七三年が七十八件、七四年が八十四件でございます。
○平田委員 委員長、これは後で七三年と七四年の月ごとの状況を資料として提出していただきたいと思います。
○野坂委員長代理 いま平田藤吉君から要求のありました七三年、七四年の月別の資料提出方を要求しておきます。答弁をお願いします。
○中曽政府委員 先生の御要求に対しまして、できるだけの資料を整えたいと思っております。
○平田委員 いま数字を出していただいただけでもかなり飛行中のエンジン停止の状態もカーブが高くなっているし、それから検査中に飛行機から取りおろしたエンジンの数もふえている。これは特にジャンボの場合目立っておりますね。DC8もやはり同じような状況であるということが言えると思うのですが、やはりこれはかなり警戒すべき事態だと思うのですが、どんな対策を立てていられるか聞かせていただきたい。
○中曽政府委員 まず、対策を立てます場合には、どうしてこういう事態が発生しておるかという原因を究明する必要があるわけでございます。ただいま私が申し上げました数字から見ましても、ジャンボの場合、特に七三年に比べまして七四年の方が確かに取りおろし率並びに停止率、いずれも上がっております。われわれといたしましても非常にこの点は重視いたしまして、何が原因であったかということを調べたわけでございます。その原因がわれわれの調査の結果二つあるということが判明いたしました。 その第一の原因は何かと申しますと、エンジンの中にコンプレッサー部分とタービン部分とございますが、そのうちのコンプレッサー部分で、実を申しますとこのエンジンは新しいエンジンでございます。いままでのDC8に使われておりますエンジンなんかに比べまして、いわゆる目方当たりの出力と申しますか推力と申しますかが非常に大きくなっております。そういった新しいエンジンでございますので、新しいデザインがいろいろ採用されておるわけでございますけれども、そのコンプレッサー部分のブレードが、ブレードの設計というものはなかなかむずかしい点がございまして、このブレードの設計が、もちろん設計のときにはいいつもりで設計したわけでございましょうけれども、いろいろ使いました結果、若干のふぐあいができまして、いわゆるストールという現象を起こした、こういうことが一つの原因でございます。 もう一つの第二の原因は、エンジンのもう一つのタービン部分、いわゆる力を出す方の部分でございますけれども、このタービン部分のやはりブレードが、腐食するわけでございます。これは燃料の中に御承知のようにいろいろな不純物が入っております。たとえば硫黄とかその他そういった不純物が羽に当たりますと、羽が腐食していくということは当然のことでございますが、腐食を防ぐためにいろいろな手を講じるわけでございます。そこでこのエンジンにつきましては、腐食を少しでも防ぐために表面にコーティングと申しましてアルミニウムの被膜をくっつける作業をやったわけでございます。このアルミニウムの被膜をつけます場合に、触媒として弗素を使うというような手法を採用したわけでございますが、実は耐食性を増すためにやりましたその作業の途中の段階で弗素を使いまして、そして使った後はまたその弗素をされいに洗うという作業をするわけでございますが、その弗素が完全に洗い切れなかった。これはもちろん完全に洗い切れるつもりでやったわけでございますけれども、なかなか化学的なむずかしい問題がございまして、完全に弗素が洗い切れなかったということがございまして、この残留弗素のためにかえって、耐食性を増すつもりでやったことがあだになりまして、腐食が早まったという点がございました。これが実はタービンの部分においてトラブルが起こりました原因であったということがはっきりしたわけでございます。 したがいまして、この二つの原因がはっきりしたわけでございますので、この原因をいかにしてつぶすかということが対策になるわけでございます。 そこでまず第一番の方のコンプレッサー部分でございますが、ストールをいかにしてなくすかということがその第一の対策になります。この対策は結局ストールが起こしにくいようなブレードの形状にするということが考えられるわけでございますし、と同時に羽と羽の間、あるいは羽とケースの間のすき間をいかにして小さくするか、シールと申しますけれどもシールのやり方、そういったことに改善を加えるということが対策になるわけでございます。これにつきましてはすでに新しい対策が講ぜられておりまして、そういった対策の講ぜられておるエンジンがすでにもう出てきつつございまして、日本航空といたしましてはこの新しい型のエンジンに現在変えつつある、その結果、いわゆるストールを起こすような現象はなくなりつつあるというのが最近の状況でございます。 それからもう一つのタービンブレードの腐食を防ぐための対策、これは先ほど申しましたように、弗素が残留いたしましたためにかえって腐食が進んだということでございますので、この弗素を使わないような処理の仕方、これを現在採用しておるわけでございまして、そういうことによりましていままでのようなトラブルを防ぐことは可能であるということで、鋭意そういう方法で対策を進めつつあるわけでございます。
○平田委員 コンプレッサー部分のブレードの問題ですね、これは設計の弱点といいますか、単純な設計の弱点なんですか、それともあの重量を持ち上げるのにやはりかなりの無理があるのじゃないのか、この点についてはどうお考えですか。
○中曽政府委員 先生御指摘のように、従来のDC8のエンジンなどに比べまして、ジャンボのエンジン、JT9Dと申しますけれども、このエンジンは新しい型のエンジンでございます。もちろんこういったエンジンといいましてもジェットエンジンには違いないわけでございますけれども、従来の負荷に比べますとかなり大きい負荷が加わったエンジンだということは間違いなく言えることであろうかと思います。しかしながら、技術の進歩というものはそういった新しい分野を開拓していくということを可能にすることでございますので、プラット・アンド・ホイットニーというメーカーでございますが、このメーカーはそういったジェットエンジンの製作につきましてはかなりいろいろな経験を持っております。そういった経験を生かしつつデザインをしたわけでございます。 で、こういった新しいエンジンができます場合は、ほかの技術でも同じことであろうかと思いますけれども、いわば試行錯誤の積み重ねと申しますか、確かに設計時点におきましてはこれでいいはずだということでつくるわけでございますけれども、実際に使ってみますと、経年故障と申しますか、ある程度時間がたってまいりますと摩耗その他いろいろなことが出てまいりまして、先ほども言いましたようなエンジンのストールを起こすというような原因につながっていくということもございます。そういったいわば試行錯誤を、経験を踏みましてさらにデザインを洗練してよくしていくということが技術の進歩であうかと思うわけでございます。 私ども、もちろんそういった統計的な数字を見つつ、これは非常に重要な意味がある、あるいは重要な意味がないというような判断をしつついろいろ指導してまいっておるわけでございますけれども、そういった設計面におきます問題点、これにつきましては、先ほどもちょっと触れましたように、根本的な設計の変更という問題と、同時にこれは当面の対応策といたしまして直ちにとるべき措置とあるわけでございまして、そういう措置をこもごも採用いたしまして、いわゆる航空の安全に不安が持たれるようなことのないように常に配慮を払いつつやっておるということでございます。 またもとに戻りますけれども、要するに新しいエンジンということになりますと、従来の経験を踏まえつつやっていくけれども、なおかつどうしても若干のトラブルというものは出てくるというのが通常な姿でございますので、そういったトラブルを恐れることはならないわけでございますけれども、そのトラブルをいかにして克服してよりいいエンジン、安定したエンジンにもっていくかということがわれわれの務めであろうか、このように承知しておるわけでございます。
○平田委員 あなた方専門家で、研究して努力をしておられるのだと思うのですよ。実際は相当無理をして飛んでいるわけですよね。で、飛ばす過程でまずい点は直していくという努力はなされておるわけでしょう。これは私は大事だと思うのですよ。大事だと思うのだけれども、ジャンボを飛ばすようになって、日本でこれを採用するようになってからもう五年以上を経過していますね。五年以上経過して、当初トラブルは多かったようだ、そして中間ではずっと減ってきたのだが、またずっとふえ始めているというこの段階が気をつけなきゃならぬ段階じゃないか。改善に改善を重ねてきてふえてきているというこの事態をどう考えるのですか。
○中曽政府委員 正確に申しますと、JT9Dのエンジンが、いまから五年ほど前に初めて七四七に装着されましてから実は三度設計の変更がなされておるわけでございます。そして現在一番新しいのは、現在日本航空につけられておるエンジンはJT9Dの7Aというエンジンになっております。最初が3Aと申しました、それから7になりまして7Aという三つの段階を経ております。この三つの段階におきまして、やはり出力の変更とか、あるいは出力を変更いたしますれば当然若干の設計的な小さな変更というものがございますけれども、そういったことを経まして今日に至っておるというわけでございますが、やはりそういう設計の変更ということがありましたときに、どうしても片っ方をよくすれば片っ方が悪くなるというような現象がありまして、確かに五年間たった現在、途中でよくなってまた悪くなったという現象があらわれておりますが、これがもう少したちますとステーブルな段階になるのではないか。 たとえばDC8に積まれておるエンジンにいたしましても、十数年の歴史を踏みまして現在のようなわりかし安定した状態に立ち至っている。民間機につけます前に軍用としてかなり使った経験もあるわけでございまして、そういった経験を踏まえまして今日のような段階に至っているということでございますので、やはり常にトラブルとの闘いということを重ねつつエンジンというものはよくなっていくのだというふうにわれわれとしては承知しておるわけでございます。
○平田委員 いまいろいろ説明をされたのですが、やはり理解できないのです、納得できないのです。つまり、改善に改善を重ねて悪い面が出てくる、数がふえてくる、不安なわけですよ。ですから、そういう意味では改善をしながらもなおかつ悪い面が出てくるということについては、相当慎重に絶えず点検を強めて努力をしなきゃならないのがあたりまえだと思うのですね。 〔野坂委員長代理退席、野中委員長代理着席〕 私はいまのお話を聞きまして、だとすると、今日段階では一層注意を払い、点検も十分にしなきゃならぬ段階なんじゃないかという感じがするのです。その点どうですか。
○中曽政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、トラブルが多くなりますればわれわれとして直ちにとるべき処置は点検を密にするということであろうかと思います。そして早期に悪くなりそうなところを発見いたしまして直していくということが当然なさるべきことでございます。今度の場合も七四年に、特に夏でございますけれども、ちょっとカーブが上がってきたという現象が見てとれましたので、直ちにその段階におきまして点検間隔を縮めまして、いわゆる監視の密度を濃くいたしまして安全の確保に務めてきたというのが実情でございます。
○平田委員 ところで、私ども忘れることができないのは、四十七年のニューデリーとモスクワでの大事故です。連続事故を起こしたわけですよ。日本航空はそのときに、反省の上に立って四十八年一月二十九日に航空安全対策という報告書を発表しているのですね。それにその基本が示されているわけですけれども、その基本はどういうことだったかについて、ひとつ簡潔に答えていただきたい。
○中村(大)政府委員 四十七年のたび重なる事故の結果、立入検査あるいは特別監査を実施いたしました結果、会社の方から改善策というものを提出したわけでございますけれども、それの中身の重点は、主として運航乗務員のたとえば資格基準の引き上げとか、あるいは適性審査の厳格化とか、あるいは整備の充実、あるいは社内におきます乗務員と整備関係の職員との意思の疎通の徹底等の対策を重点といたしまして、また組織的には総合的な安全推進部門を設置するというふうなことを中身とする報告書を提出して、それを実施しておるところでございます。
○平田委員 その中でこう言っているのですね。路線便数計画というものを出して、そして二つ目に、手厚い予備機の確保として整備引き当て必要機数、整備をする際に必要な引き当て機ですが、必要機数等を十分に充足する機数を配置し、安全性に直結する予備機の確保を図る、こういうふうに言っているのですね。そしてB747については第三・四半期に配置数十六機、予備機数三・七機、平均予備機率二三・六%、それからこれは括弧として四十七年度予備機率が二〇・六%であったが、これを二三・六%にするというふうに言っていますね。それからDC8機については、四十六機に対して予備機数が五・六機、平均予備機数一二・九%ですね。括弧して四十七年度は一一・七%であった。予備機率を高めるということを明確に計画にうたっているのですね。「なお、B747機のH整備をボーイング社に外注し、それによる当社整備余力を以って、DC8機の改修繰越し項目を消化することを検討している」ということもつけ加えているのですが、十分な整備ができるようにする。それにはやはり予備機を持たなければ十分な整備はできないということで、このことをうたっているのですね。 非常に深刻な、たくさんの犠牲者を出した上に立ってこういう方針が打ち立てられたわけなんですよ。その安全対策が今日も方針どおり実行されているのかどうか。機数はいま言ったように十分にゆとりをもって行われているのかどうか。これからもこの方針どおりやっていこうとしているのかどうかについてお聞かせをいただきたい。
○中村(大)政府委員 先生御指摘のように、予備機を何機持つ必要があるか、その。パーセントがどれだけであるかということにつきましては、先生御承知のように、予備機については、定時性を確保するための必要な機数というものと、必要な整備をするためのいわゆる予備機というものと二つの考え方があろうと思います。先生の御指摘は、いわゆる必要な整備をするための予備機ということであろうと思うわけでございますけれども、これにつきましては、具体的にどういう機種についてどのような整備をどのような間隔でやるか、そういうふうな整備のやり方と、何機その機種のものがあるかということとの関連で予備機数を何機持つ必要があるかということが決まってくるわけでございます。 したがって、そういう観点から、恐らく日本航空といたしましては、安全が何にも優先するわけでございますし、また747についてはなおさらでございますので、そういうふうな整備をするために必要な予備機数というものは、決してそれをカットするということがないように十分な余裕をもってこれを確保しているというふうに思っておるわけでございまして、また今後ともそのような方針に変更があろうはずばないというふうに確信いたしておるわけでございます。 なお、具体的な数字につきましては技術部長からお答え申し上げます。
○平田委員 それではジャンボの予備機はジャンボ全体の中でどのくらいの率を占めているか、四十七年、四生八年、四十九年、五十年、これを出してください。
○中曽政府委員 ただいまちょっと正確な数字がございませんので、後ほどまた提出させていただきたいと思います。
○平田委員 それは後でひとつ資料として出していただきたいと思います。
○野中委員長代理 中曽技術部長、ただいま平田君から申し入れがありましたジャンボ機の予備機数について、昭和四十七年から四十九年までの資料を提出してください。
○平田委員 私の方の調査で、日航から出されている資料に基づいて調べますと、四十七年が二〇・六%、四十八年が二三・六%、これは反省の上に立ってこういうふうになったのですね。四十九年が二二・五%、そして五十年は一八・九%、何と驚くことに連続大事故、大惨事を引き起こしたときよりも予備機の数を減らしているというのが現状です。これは重大な問題だと思う。 四十八年四月十八日、第七十一国会の当委員会で、日本航空の朝田社長が発言して次のように言っているのです。「同時に、事業計画の策定にあたりまして、これらの要素でありますところの人員計画、機材計画、整備計画、路線便数計画、乗員配置計画等の諸計画の間に、あるいはこれらの実施体制との間に斉合性を保持するということを十分配慮いたしまして、特に予備機については、各機種グループごとに従来よりさらに余裕のある配備をする等の措置を講じております。」というふうに答えています。こう答えておって、やっている仕事はどうなんです。五十年度になったら、がったり減らすという方針でしょう。だから、あなた方、資料がちょっと手元にございませんということでは通らない話ですよ。 この朝田社長の発言というものは、あの連続大事故の後でそういう態度をとったというのは道理のあることで、あたりまえだと思うのですね。いま局長も言われましたように、整備の確保とダイヤの定時性の確保、この二つを確保するということをねらいとしているわけです。何でこういうことになっているのか、運輸省は承知しているのか承知していないのか、そこのところをひとつお聞かせいただきたい。
○中曽政府委員 それではただいまの予備機の問題につきまして御答弁申し上げたいと思いますが、予備機と申します物の中に、先ほど局長がちょっと触れましたけれども、二通りございまして、一つは整備のための引き当て機というものと、もう一つは、いわゆる定時性を確保するためのスタンバイ機、この一通りあるわけでございます。それで、安全性に非常に直接関係を持ちますのは、この前者の方のことでございまして、整備引き当て機でございます。 会社の方からいわゆる事業計画が出てまいります。そのときに、予備機をどうするかということが数字として表示されてまいるわけでございますが、その際に、私ども最も注意をして見ておりますのは、いわゆる整備引き当てのための飛行機の数でございます。こういった整備というものは、先ほどから何遍も申し上げておりますように、航空機の安全といった問題に非常に関連を持つものでございますので、どうしてもやらなければならない整備というものは、われわれとしては絶対に確保するという観点からチェックをしておるわけでございますので、そういった面からの整備引き当て機が足らないという状況にはなっていないとわれわれは申し上げることができると思うわけでございます。 ただもう一つのスタンバイ機の方でございますが、これは定時性を確保するための飛行機でございます。これはもちろん不時の、天候が急変したり、あるいは思わぬトラブルのために飛行機が飛び立てなくなるというふうなことがあるわけでございまして、そういったことに備えておる飛行機でございますけれども、もしそのスタンバイ機がなかった場合には飛行機を欠航させるということもやむを得ないというわけでございます。もちろんこのスタンバイ機というものは多ければ多いほど定時性は確保できるわけでございますが、半面その分だけ遊ばしておくわけでございますので、経済性の面から申しますとマイナスになるという一面があるわけでございます。 そこで、われわれといたしましては、航空行政の根本は、何と申しましても安全第一でございますので、そういった安全第一という観点からこういった問題をスーパーバイズいたしまして、所要の指導をしてきたというのが実情でございます。
○平田委員 日本航空には企業体質強化委員会というのがあるそうです。これは何であるか。ここでつくった中期計画、この間、運輸省の方の説明によれば、この中期計画は経済情勢がこうなったので、もう一度練り直しているのですと言っているけれども、しかし、この中に日航の考え方が全面的にあらわれているわけでしょう。こう言っているのですね。 747LR稼動向上策の中で、「前項の措置より得た余裕機の利用並びにライン外機(予備機)の節減により、五十一、五十二年度各一機分をラインに再投入する」というふうに言っているのです。 減らす傾向ですよ、これは。整備と定時性の確保、いずれも国民の安全とそれから正確に運航するという立場から見て欠くことのできないものですよ。これを減らすということを明確に言っているのですね。その計画によると、予備機率は、ジャンボで、五十年第三・四半期に一八・九%、五十一年は一六・四%、五十二年は一六・二%というふうに、どんどん減らしていくという計画ですよ。 あなた方は日航を弁護しているけれども、実際にさっき申し上げたように、エンジンの故障は増加する傾向にある。そしてトラブルが起こりやすい条件にある。ところが、整備のため、また定時性を確保するための予備機は、こうやってどんどん減らして、そして経済性を高めていくのだということに基本を置いている。またのど元過ぎれば熱さを忘るるで、あなた方は、さっきのお話を聞いていると、この日航に対して指導している方向というものは、こういうものを目をつぶっていく方向にあるとしか考えられない。これは重大ですよ。 あの大事故のあったときすら二〇・六%の予備機率を持っていたのですからね。あのときですらですよ。それをこういうふうに減らしていくという考え方が歴然とあらわれているのです。それについて私どもが聞いたら、いや、あれは全面的に練り直すことになったのでございまして、というふうに言っているけれども、不景気になったら予備機をふやすのか。企業体質強化委員会というのは、これは不景気になればなるほど減らしていくという方向をとるに違いない。それだけに私はこの事態を重視しているわけですよ。そういう方向はとらせないと答えることができますか。局長ひとつ答えてください。
○中村(大)政府委員 昨今の経済情勢の急変によりまして、日航の経営がきわめて重大な影響を受けておることは確かでございます。したがいまして、企業基盤をこの際確立するためにあらゆる努力をしなければならないというわけでございます。 その中でいろいろな方策を講ずるわけでございますけれども、事安全に関する限りにおいては、これを従来よりも軽くするということはもう絶対にあり得ないことでございまして、これは政府としてとやかく言う前に、企業自体が、一たび大事故が起こった場合の大きな影響ということばもう十二分に考えておるわけでございますから、事安全に関する限りにおいて手を抜く方向に進むということはあり得ないと思います。 したがいまして、ただいまの予備機率の件でございますけれども、先生御指摘のようなこの予備機率の変化ということ、この中には当然定時性を確保するための予備機数も入っておるわけでございますけれども、私どもといたしましては、とにかくこのジャンボ機が相当数機数がふえてきておるわけでございます。したがいまして、そのようなふえてきた機数につきまして、先ほども申し上げましたように、ジャンボについてはどのような整備をしなければならないか、それにどれだけの時間をかけなければならないか、それからジャンボというものは一体一日にどれだけ稼働するのがいいか、こういうことを総合的に勘案いたしまして、そこからいわゆる必要な整備のための予備機数というものは出てくるわけでございまして、その点については私どもも十分な関心を持って今後これを監視し、いやしくも整備に手抜かりが起こるという状態において予備機数が減少するということのないように、十二分にチェックしてまいりたいと思います。
○平田委員 局長がいま言われたように、私はいろんな理由はつけようによってあると思うのです。いや整備の技術が進んだとかなんとか言っているけれども、現実には飛行中にエンジンがとまるという事態が起こっているのですよ。ずっとふえているのですよ。検査をしたら悪いからおろすというこの数もうんとふえている。にもかかわらず、飛行中にエンジンがとまるという状態がふえているということはゆゆしき重大事なんですから、予備機を十分に持って、そして十分な検査をし、十分に整備して飛ばせるようにし、事故の起こらないようにしなければならぬというように考えるのです。そのために大いに努力をしていただきたいと思うのです。 次に、これも安全の問題で欠かすことのできない問題ですが、慣性航法装置の問題についてお聞きしたいのです。 この慣性航法装置、INSと言っているそうですけれども、これが一機に三台ついているそうですけれども、なぜ三台ついているかお聞かせいただきたい。
○中曽政府委員 現在、日本航空の飛行機には、ジャンボにつきましてINSを装備しておるわけでございます。御指摘のように、ジャンボの海外線につきましては三台装備されております。これは当初から三台装備されております。ところが、この作動基準と申しますものがございまして……
○平田委員 いや、なぜ三台つけているかということです。
○中曽政府委員 失礼いたしました。三台つけましたのは、これはむしろ日本航空の意思で三台つけたのだろうと思いますけれども、私どもの方の基準では二台でよろしいことになっておるのでございます。これは私どもは日本航空から聞きましたことでございますけれども、要するにINSというものが開発されましてまだ間もございません。非常に便利な機械でございまして、飛行機の位置がたちどころに出てきたり、あるいはスピードなりあるいは自分の飛んできた距離、そういったものがたちどころに出てくる非常に便利な機械でございますので、革命的な機械と申し上げてよろしいかと思いますが、そういうものが開発されましてまだ日が浅うございます。そこでいわば故障率というふうなものがある程度やはり考えられた、考慮に入れなければならないということでございまして、そういった故障率を一応頭に入れまして、二台でよろしいところを三台つけたのではなかろうかというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
○平田委員 航空法の六十六条で、無着陸で五百五十キロメール以上の区間を飛行する航空機にはということで、航空機の位置及び針路の測定並びに航法士の資料の算出のできる航空従事者、この場合航空士を乗り組ませなければならない。同時に、他の航空従事者が行うことによりその業務に支障を生ずることのない場合は乗り組ませなくてもよいということになっているわけですね。 慣性航法装置が備えられていれば航空士は乗り組ませなくてもよいということになるのですね。
○中曽政府委員 そのとおりでございまして、五百五十キロメートル以上航行する場合に、地上に援助施設がない場合には本来航空士を乗せなければなりませんけれども、航空士を乗せるかわりにこのINSにかえることができるということになっております。
○平田委員 日航のジャンボには、現在、国内線、国際線ともに一機につき三台ずつこのINSがついているというふうに聞いております。ところが、国内線は五月から二台取りはずすというそうですね。それから国際線も近いうちに一台取りはずす計画だというふうに聞いておりますが、事実ですか。
○中曽政府委員 日本航空としてそのような計画を持っておるというふうに聞いております。
○平田委員 耐空性審査要領では、三系統のINSを装備しなければならないというふうにあるけれども、これはどういう意味なんですか。
○中曽政府委員 耐空性審査要領、ちょうどこのINSが導入されました当初におきましてはそういうふうな表現になっておりました。しかし、現在ではその表現は取れております。
○平田委員 最初はつけておいて、何で取ったのですか。そこいら辺が、あなた方は少し問題がないなと思うと、その基準を軽くして危険性を増大さしているのですよ。
○中曽政府委員 ちょっと言葉が足りませんで誤解を招いたかと思いますが、私どもの方で耐空性審査要領というものに最初このINSのことを書いておったわけでございますが、その後運用基準の要領の方にこれを移しかえまして、そのときに審査要領の方からその表現をはずした、こういうことでございます。
○平田委員 じゃ運用要領にはあるというのですね。これは現在も生きているのですね。
○中曽政府委員 あるわけでございます。慣性航法装置の……
○平田委員 それでいいです、もう時間がないから。 あるのだったら、何で二台でいいのだと言うのです。あなた方の言うことはよくわからないし、日航だってそうですよ。皆さんにこういうりっぱなパンフレットで盛んに安全です安全ですという宣伝をやっているでしょう。私はこの間行ってもらってきたのです。これは調査に行った際にいただいてきたのですが、こういうふうに言っているのですね。 大変いい機械なようなんですね。「このINSの原理は、物体が移動するときは」云々というふうにずっと詳しく説明してありまして、「ジャンボには、このINSが三台も装着されていますから、航空士がいなくても極めて安全で正確な運航が可能となっているわけです。」これはいま出しているパンフレットですよ。 それからここにも資料がありますよ。こういうふうなものをいっぱい出しているのですよ。この中にもこう言っているのです。「さらにもう一基をとりつけ三重装備とし、絶対の安全性を目指している。」というふうに言っているのですよ。 これはつまり二台に対してもう一台装備しているということを盛んに宣伝しているのです。そうしておいて、安全だ安全だというふうに国民には知らせておるのに、運輸省の方は、二つでいいんだよ、取りはずすという事態がいま起こっている。こういうことを、あなた方が、政府自身が、安全性から考えてつけてあるものをわざわざはずさせるという措置をとる必要はないじゃないか、私はそう思うのです。しかも聞くところによると、もったいないから予備にとっておいて、一台故障したら取りかえる、こう言っているのですよ。全くけしからぬ話ですよ。運輸省がそう言っているのですよ。あなた方の説明がそう言っている。 大体二台つけてあって、一台が故障して少しおかしな方向を指しますと、操縦士はどっちが正確だかわからなくなると言うのですよ。それはそうでしょう。三台ついていれば、二台が正確に作動していれば、一台が狂っても二台をよりどころにすることができる。だから三台をつけてあるのですよ。このことは、私は、安全という上では欠くことのできないものだというふうに思うのです。あなた方だってそういう原理を基礎にしているから、三系統を備えなければならないということをちゃんと入れているのでしょう。そうしたら、なぜそれを守らないのですか、そこのところをお答えいただきたい。
○中曽政府委員 若干舌足らずで申しわけございませんので、もう少し詳しく申し上げますと、当初導入いたしましたときには、耐空性審査要領の中に三基装備することという表現で入っておったわけでございます。それが昨年の三月でございますけれども、いろいろ使用実績その他海外の実績もございます。そういったものを勘案いたしまして作動基準というかっこうで、先ほど運用規定基準と申しましたけれども、作動基準というかっこうで、その審査要領の方の三基装備という表現を取りまして、そのかわりに作動基準というかっこうで新しい規定を設けたわけでございます。 この場合に、どういうふうに内容を変えたかと申しますと、北極回りの飛行機につきましては従来どおり三基装備いたしまして、三基とも作動してなければならないというふうにしております。ただし太平洋線その他北極ポーラールート以外の航路につきましては三基もちろん装備しておってもかまいませんけれども、うち二基は必ず作動しなければならないという、そういう規定に改めたわけでございます。つまり、装備基準を作動基準に改めた、こういうことが実態でございます。 そこで、私どもとしましては、従来とも三基装備いたしましてもポーラールートの場合はもちろん三基作動しなければなりませんけれども、太平洋路線の場合は二基作動しておればいいという、そういう基準で実行上やってまいっておりまして、この基準は昔も今も変わってないわけでございます。装備という表現からいたしますと三基が二基に減るということになるわけでございますけれども、そこら辺のところは、先ほど申しましたようにINSが出てまいりましてから五カ年間たっております。五カ年間のいろいろな実績、いろいろな故障率のデータなど手元にございます。そういったものを勘案すると同時に、747のいわゆる。パイロットのなれというふうなことをも勘案いたしまして、日本航空が三基装備を二基装備にするということは計画としては承知しておりますが、われわれといたしましても、これをどうするかという問題につきましてはなおそこら辺のところを十分勘案いたしましてあれしたい、こういうふうに思っておるわけでございますけれども、実情はそういうことでございます。
○平田委員 操縦士のなれといったって、747に幾らなれたって、飛んでいって方角がわからなくなったのを、なれで方角がわかるなんというのはだめでしょう。それは話になりません。だから、いまあなたがおっしゃったように、十分検討すべきだと思うのです。これは飛行機会社が売るときにちゃんとつけて売っているのですよ。日航がわざわざ一台よけい買ってつけているのじゃないのですよ。そうしてそれはやはり多数原理を信頼性の基礎に置いているからです。あなた方がここのところを重視してもらわなければ困ると思うのです。 あわせて国内線についても、特に沖繩コースについては特別考えてもらわなければ困る。というのは、台風がやってきました、少しコースを変えなければならぬという事態がたびたび起こるわけですよ。そういう状態の中で、航空士はいない。つまり操縦士の判断で決めていかなければならないという状況はなかなか容易ならぬことなんです。そういう意味では、やはり私は沖繩コースにもこれはきちっとつけさせて間違いのないようにしていくべきであるというふうに考えます。いろいろ検討したいというお話ですから、検討していただくことを要請しておきます。 最後にお聞きしておきたいのは、危険物の搭載です。この手続はどうなっているか。チェック体制があるのかないのかということです。つまり、爆弾事件がたびたび起こってきます。犯人はつかまったというけれども、元凶はどうやら残っているらしいと言われている。爆弾が持ち込まれる。そういう場合に、荷物として持ち込まれた場合に、どうやってチェックするのですか。どうなっていますか。
○中曽政府委員 航空機に搭載いたします貨物の内容につきましてのチェックは、実を申しまして私ども航空局の立場からダイレクトなチェック検査はしておらないわけでございます。これは一定の危険物搭載の規定がございまして、その規定にマッチしたやり方でやるようにということで、各航空会社が自主的にチェックいたしましてやることになっておるわけでございます。
○平田委員 回りくどいことを言わないでくださいよ。各航空会社がやっているからわしは知らぬというのじゃ困るのですよ。どうなっているかを聞いているのですよ。体制があるのかないのか。ただどこかの会社から、この品物はこういう品物でございますというラベルを張って持ってきて、そして手続をとれば、はいよというので積んでくれるというような状態のままになっているのかどうか。これは技術部長じゃ無理かもしれぬけれども……。
○中曽政府委員 詳しいことは存じませんけれども、仮に危険物が搭載される場合には、パイロット、機長が当然そういったことを知らされまして、こういった危険物が載っかっているぞというふうなことを何らかの形で確認しておるというふうに私どもは承知しておりますけれども、具体的にどういうような形でその確認がなされているかということについては、ちょっと私よくわかりませんので………。
○平田委員 これはいろいろ危険物を搭載していく際に、機長に知らされてはいるけれども、こんなものが載っかっていますよ、判くださいよというので、判を押させられるというのです。サインさせられるというのです。それも飛び立つ時期に。事前にどこへどういうものが積んであるのかということは知らされていないというのです。そうしますと、悪天候のときに飛行機が揺れますね。傾がるという事態が起こる。その際に、どこいら辺に何が載っているからどう注意すればいいかということを判断する根拠がないということです。非常に不安だというのです。ですから、これは私は悪天候で不時着をするときなんか本当に深刻だと思うのですよ。 ですから、時間にゆとりをとって、機長の同意を得て積むという方法をとるべきだ。そして機長が全部どこに何が載っているかということを承知しているという状態で危険物の貨物の扱いをすべきだというふうに思うのですが、局長、どうです。
○中村(大)政府委員 先生御指摘のように、危険物の輸送につきましては、昨今の情勢から考えましても、従来やっておりますやり方をさらに精査いたしまして、万遺漏のないようにしなければならないと思います。 先ほど御指摘のように、危険物搭載についてどの程度。パイロットが知らされておるか、この点についてはわれわれも重大な関心を持ちますので、よく調査いたしまして、改善すべきものであれば改善したいと思います。
○平田委員 時間も来たようでございますから終わりますけれども、いまの危険物の扱いはやはり機長の同意を得るというふうにしないとまずいのです。サインさせられた、事故が起こった、そうすると、みんな機長のせいになるのです。乗務員が悪いからだというふうにいつだってなるのですから、ですから、ここのところはひとついま局長も精査いたしましてと言われましたから、十分に実態を調べて、そして間違いのないように、まずい点は改善していってもらいたいというふうに思います。 航空機の安全の問題の一端について質問したわけですけれども、私はやはり航空機の安全全体について、事故がないとおろそかにされるという状態が当然来る。しかも経営が困難というふうになれば、事故はないからもう大丈夫だろうと、こういうふうになる。このときが一番危険なんです。そういう意味では今日が最も危険な時期だというふうに思います。 そういう意味で、運輸省はひとつ責任を持って危険をなくすために大きな努力を払っていただきたいということを要請しまして、私のきょうの質問を終わります。 以上です。
○野中委員長代理 次に、小濱新次君。
○小濱委員 時間の制約を受けておりますが、本日は総理府、警察庁、運輸省、建設省、環境庁においで願っておりますので、要約して御質問をしていきたい、こう思います。 まず、勝田交通局長にお尋ねをしていきたいと思います。 ことしの一月二十七日ですか、県警の交通課長会議が開かれまして、本年三月から警察庁は十大都市における総交通量の一割削減をするいわゆる総量規制実施の方針を打ち出したわけでございますが、その方法及び趣旨についてまずお伺いをしたいと思います。
○勝田政府委員 自動車交通量の削減につきましては、最近自動車交通量が非常にふえてきている。それに伴って交通事故を初めとしまして交通公審その他の事案が非常に増加してきておる。そこで、特に交通状況の過密な人口十万以上の都市につきまして適正な交通量を保つための都市総合交通規制というものを昨年から実施をしてきたわけでございます。そういった都市総合交通規制の中で、交通総量の削減ということも考えてまいったわけでございますが、たまたま昨年の暮れ五十一年規前の延期、そういうような事態もございまして、特にNOxの排出量は自動車交通総量の面からも削減に努力すべきであるということに相なったわけでございます。 そういった観点からしまして、警察庁といたしましても排出ガス量の削減という見地から、もう一度従来からやってまいりました交通総合規制というものを見直してみよう、そこで、符に過密な十大都市につきましては、いろいろなデータから見まして、可能な限度というものは一割くらいあるのじゃないかということで、ひとつ一割削減という方針を打ち出して、特に十大都市につきましてはそれぞれ各県から関係者も東京に集めまして、その具体的な方策について打ち合わせをしたわけでございます。 われわれが考えております交通量の削減対策と申しますのは、現実にあるいろいろな交通需要、それは現実に生活をしていく上において、社会の活動の上において必要なわけでございますから、この交通需要そのものをなくすというわけにはいくまいと思うわけでございます。しかしながら、交通の流れといいますか、交通の動きというものをより効率化していくならば、実際に必要なトンキロなり人キロ、必要な貨物の輸送量あるいは必要な人の輸送量というものを減らすことがなくて、実際に走る車の走行台キロというものを減らすことが可能ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。 そういった面から、警察の持っております交通規制という観点から考えられますのは、一般の一人一台というような輸送効率の悪い機関から大量輸送機関にできるだけ移していくというようなことを基本として考えているわけでございます。そういった施策をやるにつきましても、それぞれ車の必要度というものを個々に選択をして、直接的にこの車をとめる、この車は通すということは実際上できないことでございますので、個人の選択においてより大量輸送機関を利用しやすいような状況をつくっていく、そして個人の選択においてマイカーから大量輸送機関に切りかわっていただくというような方策を考えてまいりたい。 そういった方策の一つとしては、駐車禁止の規制でございます。町の中心地区において駐車禁止をやる。そういうことによって通勤、通学等に車を使っている人が、来ても車を置く場所がない。そこでバスとかそういった大量輸送機関に乗りかえていただく。一方、大量輸送機関がそうした需要を満たし、またそういった一般の方の志向にこたえられるような走行を確保するという措置をとる必要があるわけでございます。 そういった観点から見まして、大量輸送機関の優先レーンあるいは専用レーンというようなものを確保していく、こういったところが基本的な中心になっておるわけでございますが、それ以外に、それぞれの地域ごとにゾーン規制ということで、その地域についての車の乗り入れを規制するというようなゾーン規制対策、あるいは自転車の利用を進めていく。自転車道路網をつくることによって短距離については自動車から自転車に切りかえていただくというような方策も講じていく。 また、交通量の中で人を運ぶ交通量それから物を運ぶ交通量、これは台キロから見るとほぼ半々でございます。人だけの対策を考えても削減の効果が十分に発揮できないのじゃなかろうか。そういった観点からしますと、物の流れにつきましても、現在実際に走っている車の中で、空車で走っているものもかなりあるのじゃなかろうか。そういったところで物流をある程度、共同集配送、共同仕入れ、仕入れのものを一緒に運ぶという形で考えていくならば、台キロはこの面からもかなり減らせるのじゃなかろうか。 それから、一般のタクシーなどは、東京の場合は二〇%くらいの交通量があるわけでございますが、これも空車を少なくしていくというような観点から、タクシー乗り場の増設、こういったいろいろな施策を講じながら、全体としての交通総量が減少できるように期待しているわけでございます。 もちろん、こういった施策は警察の規制によってやるわけでございますけれども、いまのバスの問題につきましても、バスの増発とか、住民の希望に合うようなバス網の整備につきましては関係機関の協力が要るわけでございます。民間の方々の協力も必要なわけでございます。いまの物流の合理化につきましても関係の方々の協力が必要なわけでございます。そういった面で、関係の方々の御協力を得ながら総量削減の目標を達成するように努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○小濱委員 私どもいろいろと資料を読ましていただきました。また、計画によりますと、今回の総量削減の対象は、いまお話がありましたように、通勤通学用のマイカーであるとか、あるいは流通関係車両、こういうふうにもなっているようでございます。また、方法としては、駐車禁止区域の拡大やバス優先通行路線の増設、また買い物道路、子供遊戯道路の拡大、さらに交通管制体制の整備などが柱となっているようでございました。 そこで、お伺いしたいわけですが、総量削減といってもそれに伴う施設整備が十分でないと効果が上がらないということは、これは理の当然でございます。たとえば大規模団地などから最寄りの駅までのバスの輸送が不備である、また最寄りの駅に駐車場がないことから、直接通勤地までマイカーで通勤する人が相当に多くなっているわけです。また、都内の実態調査によると、通勤通学のマイカーは片道五%、往復で一〇%、こうなっていますね。また発表もされております。この総量規制を具体的に進めるためには、いわゆるパーク・アンド・ライド、これによる駅周辺の自動車や自転車置き場の完備が大きな効果を上げるものと私どもは考えているわけでございます。この状況についてひとつ御説明を聞かしていただきたい、こう思います。 〔野中委員長代理退席、勝澤委員長代理着席〕
○勝田政府委員 数字は持ち合わせておりませんが、お説のとおりでございまして、先ほどもお答えいたしましたように、関係機関それから民間の方々の御協力がなければなかなか達成はできない。特にそういった団地等につきましては、当然に、大量輸送機関に乗りかえていただきたいというためには、まずその団地から最寄りの駅までのバスというような輸送機関を整備していただく必要があろうと思いますし、またそうでない場合についても、いま仰せられたパーク・アンドライド方式ということになれば、それに相応する駐車設備というものが必要であろうかと思います。こういった点につきましては、関係機関でも十分に御理解を持っていただいていると思いますが、現実にそういった土地なりがなかなか確保できないというようなことで、整備がおくれているという面もあろうかと思いますが、今後ともに関係機関にもいろいろと御要望申し上げていきたい。 また、今後新しくできる団地、そういったものにつきましては、その団地をつくる段階においてそういった輸送機関の整備ないしはそれにかわるべき駐車施設の整備というようなことについて、当初の段階において御要望を申し上げる。一たんできちゃって、駅周辺ということになりますと、非常に開発されておってなかなかそういった地域が求めがたいというような事情がございますので、そういったところについては今後いろいろと御協力をしていただくつもりではございますが、今後の問題については、少なくとも最初の段階においてそういったことについても配慮していただくように要望してまいりたいというふうに考えております。
○小濱委員 これは各関係省庁に要望申し上げていきたいということでありますが、これを推進するためには強力な努力を払っていただかなければ、これはなかなか実現困難であろう、こういうふうに思います。そういう点でひとつ一層の御努力をお願い申し上げたい、こう思っております。 建設省の井上道路局長がおいでになっておられるようですが、そこでお尋ねしたいことは、この自動車、自転車駐車場の確保についての計画ですね、この計画はどうなのかということです。 これらの施設は、地価の高騰などで多額の財源が必要になってくるわけです。建設省としては交通安全施設の五カ年計画の対策が非常に進んでおります。私どもも期待を持っておるわけですが、今年で五年が終わるわけです。来年度また新しい計画の推進をぜひ私どもも強く要望し、実施していただきたいと思っているわけですが、この問題についての必要とする補助金などに関する考え方ですね。この自動車、自転車駐車場の確保についての計画を実現するためのいまの財源確保という問題についてはどういうふうにお考えになっておりましょうか。
○井上(孝)政府委員 まず、自動車の駐車場でございますが、これは道路の付属物ということに法律上指定されておりますので、私どものお預かりしております道路整備費、道路事業費というものの中で積極的に設備することができるわけでございます。 それから、いまお尋ねの中にちょっと自転車の駐車場というお言葉もあったように思いますが、自転車につきましては、従来駐車場というものの中には自転車置き場は指定されておりませんでした。昨年のたしか五月でございますか、施行令を改正いたしまして、自転車の駐車場も道路の付属物として認めることができるということにしておりますので、これからは道路整備事業費の中で積極的に、あるいは道路整備事業費の中でございますが、交通安全施設整備事業費という中で自転車の駐車場も設置できるという措置を講じておりますので、五カ年計画も今年度で終わりますが、次の五カ年計画ではこういったものを積極的に取り入れて補助体制も拡大していくというふうにしたいと考えております。
○小濱委員 警察庁の一〇%削減に対応するための自動車の駐車場の問題であるとか、それから私どもが心配されるのは、いまの自転車置き場の確保の問題、こういう問題が果たして対応策ができているのであろうか、こういうふうに私どもは考えているわけですね。 そこで、建設省からいただきました自転車安全利用計画、四十八年から五十年までの三カ年間の四十九年達成率が四一%、こういう状況では計画年度までの達成がむずかしいのではないかと、こういうデータから私どもが不安を感じているわけです。これは真剣に取り組んでもらわなければならない問題ですが、この問題についてひとつお答えいただきたいと思います。
○井上(孝)政府委員 お尋ねの三カ年計画といいますのは、昭和四十八年から五十年にかけまして全国六十四都市を自転車安全利用モデル市に指定いたしまして、通勤通学用の自転車通行の安全を確保するという意味で、主として自転車道の整備ということを三年でやろうという、これは正式に決めた計画ではございませんが、調査結果が出てきまして、おおむね三年ぐらいでやろうという予定で現在鋭意進めております。今年度終わりますと、三カ年目でございますけれども、七二%ぐらい達成できる。これは御承知のように、道路事業費が予定より、今年度は前年より減らされまして、非常に苦しい総需要抑制下の予算でございますので、残念ながら一〇〇%まで達成することができなかったわけでございますが、残りは来年度五十一年度には必ず整備を終わるように進めていきたいと思いますし、もし今年度仮に補正予算というようなものが組まれるような状況になりましたならば、その中でも十分自転車道の整備を進めていきたいというふうに考えております。
○小濱委員 御答弁をいただきましたが、この自転車安全利用計画、六十四モデル市についての三カ年計画の事業量、事業費、こういうものの公安委員会分と道路管理者分、自転車駐車場分のデータを見てみますと、四十九年度までの達成率は、事業費についても四一・六%、それから事業量についても公安委員会分が四九・四%、道路管理者分が三九・九%、自転車駐車場が二九・九%、すでに七百七十八億二千八百万円財源として持ち出しているようであります。 いま局長が言われましたような、何とか一〇〇%実現してもらいたいと思うわけですけれども、七十数%しか見込めない、あとの残りは来年だ、五十一年、こういうふうになるのですね。警察のこういう計画を推進する上において、ぜひとも関係省庁に強く要望してという、先ほども勝田局長からのお話がありましたように、各省庁の協力がなければこの問題の推進がなかなかめどを立てることができない。ことしだめだから来年というふうにせずに、何とかひとつ実現をしてもらいたい、推進を起こすべきである、こういうふうに私どもは考えておるわけですが、きょうはせっかく井上道路局長おいでになっておるわけですから、強い確信をひとつ一遍述べていただきたいと思います。七十何%ではこのいまの警察の計画の実現はまた延びてしまう、いろいろな影響が出てくるということで、これは道路局長の確信ある御答弁が必要になってくるわけですから、よろしくお願いしたいと思います。
○井上(孝)政府委員 予算に関係することでございますので、確信をもってと言われますと大変答弁がしにくうございますが、先ほど申し上げましたように、この自転車利用の安全を図るための三カ年計画、これはやや四年目にずれ込みますけれども、来年は早期に一〇〇%にいたしたい。なお私の気持ちとしては、本年度追加予算というものがもし考えられるならば、この中でも十分整備を進めていきたいということを申し上げるにとどまるわけでございます。確信をもってと言いますと、予算に関係いたしますので、私、言い過ぎてもどうかと思いますので、この程度で御勘弁願いたいと思います。
○小濱委員 こちらの計画を実現するためには、どうしても各省庁の協力を促さなければなりませんので申し上げたわけです。どうかひとつこの意を体して、これからの計画実現のために一層の御努力をお願いしたい、こう思います。 そこで、せっかく小此木政務次官がおいでになっておられますが、何か御用が迫っているようでございますので、それでは一点だけお答えをいただきたい、こう思います。 今回の総量規制によって車の排気ガス対策にも相当な期待を持っているようであります。この問題についてお伺いしたいわけですが、低公害車の方式は触媒、CVCCその他があるようでございます。また排気ガスは低速運転によれば有害ガスの排出も少なくなる、これはもう当然でございます。これは実験によっても明らかになっておりますが、現在五十一年規制が大幅におくれているという、この排気ガス問題はいま大きな政治課題にもなっているわけでございます。排気ガスは当然規制を厳しくするとともに、税制などの誘導策も大きな効果を上げるわけでありますが、これをさらに前進させるために、現在は各社とも馬力競争に必死になっているとわれわれこういう話を聞いております。そこで低公害車の比較と同時に低燃料の車を政府が公表すべきではないのか、この点についてはいかがでございましょう。
○小此木政府委員 燃料の消費量の公表のことであると思うのでありますけれども、燃料のほとんどが外国から来ておりますわが国の場合、燃料の節約そのものが大変重要である、特に一昨年の石油危機以来当運輸省がこれは率先して経済速度を提言するなど、その節約に努めてきておるところでございます。自動車の燃料消費量の多い少ないは、ユーザーだけでなしに、自動車のメーカーにとりましても大変重要なことでございまして、当面自動車排出ガス対策を最優先する、これを進めておりますが、燃料節約の面からも今後の自動車というものを私ども考えていかなければならないと思っておる次第でございます。 ただ、自動車の燃料の消費量につきましては、その使用実態に応じていろいろと差がございますので、これをどうやって行っていくか、たとえばその測定方法、数値の意味することなどを一般消費者が納得する方向で私ども技術的に検討を加えてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○小濱委員 日本国は御存じのように石油量が九九・八%輸入になっております。そこで低燃料の車を政府が公表すべきではないのかということは、私はある低公害車を最近購入した人からいろいろ事情を聞いてみました。ところが外車並みの油の使用が出ているということで、これは大変な車を買ってしまった、こういうことにもなっておるようであります。この人は認識が足りないと言えばそれまでですが、いろいろと宣伝をされて、そしてその業者の話を信用して購入をされたのだろうと思いますけれども、そういうこともあったりして、いろいろな声がちまたに出ているという立場から、この低公審車の比較と同時に低燃料車を政府が公表すべきではないのかということが当然浮かんできたわけであります。この点については、いろいろ御意見を伺いましたが、これからの課題であります、大いにひとつ努力をしていただいて、こういう声がちまたから出ているということをいろいろとこれからの行政面にひとつ生かしていただきたい、そのことを特に要望しておきたいと思います。 時間のようでありますので、政務次官、お引き取りをいただいてけっこうでございます。 大分前後しますが、これも勝田交通局長にお尋ねをしていきたいと思いますが、大型車の都内乗り入れ時間の制限によって、東京の時間に合わせるために静岡を夜中に出るとか、神奈川のはずれの方は夜明けに出るとか、大型車がそういう時間に通過する。このように都市ごとにばらばらな規制が行われていれば、周辺府県に多大な影響を及ぼし、そしてこれは沿線住民の騒音問題となっているわけでございます。したがって、現在のような各府県別のばらばらな規制でなく、総合的、少なくともブロック単位のこういう規制が大事になる、こう思われるわけでございますが、お考えを聞かしていただきたいと思います。
○勝田政府委員 確かに車は一つの府県で動いているわけではございませんで、広域的に動くわけでございます。特に長距離輸送の大型の車というものは数府県にまたがって動く。そこで、いま先生がおっしゃいましたように、一つの地域の規制に合わせるために他の地域において、その地域に非常に迷惑を及ばすというような事態も確かにあろうかと思います。 そういった観点からしまして、それぞれの府県がその府県のエゴだけで規制をやってはいけないじゃないかというふうな御意見かと思いますが、関係府県が当然に協力をし、お互いに連絡をとりながら進めていくべきものだと思いますし、そういった間の調整をとるために、警察庁なり管区警察局というものがおりますので、今後、こういった問題につきましては広域的な面から管区なり警察庁からもいろいろと権限を持っておられる府県の公安委員会に意見を申し上げて、適正な規制、広域的に見ても適正な規制というものが行われるように努力をしてまいりたいというふうに考えます。
○小濱委員 この騒音規制の問題について、環境庁の春日大気保全局長にお尋ねをしていきたいと思います。 三木総理が環境庁長官時代、わが党の石田幸四郎議員の質問に対しまして、トラック及びオートバイの騒音規制を約束されたという経緯がございます。環境庁はこの問題についてその後どのように考え、対処されたか。これは突然で、通告をしておりませんでしたが、先ほどいろいろと意見が出ておりましたので、この点、おわかりならばお答えをいただきたいと思います。
○春日政府委員 御指摘のとおり、私どもは自動車騒音の激しさというものについてはかねがねからその対策に苦慮いたしており、現在も自動車騒音を長期的に見ていかに低減すべきかということで、中央公害対策審議会に長期の考え方を諮問いたしております。これはそう遠からず答申をいただくことになっておりますが、それ以前に、私ども事務的に二輪車あるいは重いトラック、ディーゼルを中心にいたしまして、加速騒音を減らすべく、これを早急に告示してまいりたいと考えております。若干おくれておりますが、近くそれを告示するつもりでございます。それに引き続きまして、先ほど申しましたように中公審の御答申に基づいて長期方針を策定して、徐々にその方針に近づけていく、ステップ・バイ・ステップでやってまいりたい、かように考えております。
○小濱委員 さらに春日大気保全局長にお尋ねをしていきたいと思いますが、現在、米国議会では、自動車のガソリン消費量の四〇%節減を目標にした省燃費法案、これが審議をされておるということを聞いております。この法案の骨子は、御存じのとおりメーカーの生産する車の平均燃費が水準に達しない場合、その車の燃費率と販売台数に応じてメーカーから税金を徴収するという厳しい内容になっているようでございます。 わが国は当面の排ガス規制にのみ重点が置かれ、省燃費については立ちおくれの傾向があらわれているわけでございます。理論的には排ガス対策と燃費改善は相反する関係になるわけでございますが、いまや排ガス対策と省燃費を同時に達成する技術の開発は社会的な要請になっていると私ども見ておるわけでございますが、そのためにも車種別に排ガスクリーン度、燃費率を公表するなど、メーカーの燃費改善を促進させる措置をとるべきである、こういう意見が出ておりますが、環境庁といたしましては、この問題と排気ガス減少の問題をどのように考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○春日政府委員 先ほど政務次官からお答えがございましたことにほぼ尽きるわけでございますが、自動車の燃料経済性と申しますものは、同じ低公害車、たとえば五十年度規制に合格した車あるいは五十一年度規制値に合格した車の場合、ユーザーはそれの講入に当たりましては、確かに最も大きな関心事として燃料経済性というものに着目をするわけでございます。そのほかスタイルがいいとかあるいはドライバビリティーがいいとかいろいろありましょうけれども、選択性向性で一番重要な関心は、やはり燃料経済性であるわけでございますから、自動車メーカーもそういったユーザーの選択性向性というものから、できる限り五十年度規制あるいは五十一年度規制値を満たしながらも、低燃料経済性の車を市場に出そうとする、あるいはそれをセールスポイントにするわけでございます。 もちろん、エネルギー節約という点からも、私どもは決して無関心でいられるわけではないわけでございますけれども、こういった問題は、車メーカーがユーザーの選択性向というものをくみ取れば、おのずから競争原理と申しますか、これはもうそれがセールスポイントになるわけでございますから、私は早急に低燃料経済性という方向に向かってまいると思います。それを実現しないメーカーはやっていけないわけでございます。 そういった面でかなり楽観的な考えを私は持つわけでございますが、この問題の考え方につきましては、五十一年度排ガス規制に関する中公審の自動車公害専門委員会の技術評価報告にも詳しく指摘いたしておりますように、公害対策基本法あるいは大気汚染防止法のたてまえあるいは趣旨に沿う限りにおいて、この低燃料経済性というものは考慮されるべきものだと私どもは考えております。 何と申しましても、私どもは大気汚染防止という観点から低公害車というものを論じておるわけでございます。決して低燃料経済性というものは無視するわけではございませんけれども、優先はやはり低公害性というところであろうと思います。もちろん先ほど申しておりますように、自動車メーカーは排ガス基準を満足し、なお経済性も高い車の開発に努力をしておるわけでございます。かなりここのところ、いろいろないい車も出てきているようでございまして、環境庁としてはこれは非常に望ましい方向であると考えております。引き続きこうした方向で技術開発が進められるように努めてまいりたいと思います。
○小濱委員 一層の御努力をお願いをしたいと思います。 大分時間が迫ってまいりましたので、環境庁、お帰り願って結構です。 総務副長官が御出席でございますので、一点だけ御質問をしていきたいと思います。 いままで総量規制の問題、排ガスの問題を主体に質問をしてまいりました。そういうわけで、前後のいきさつが少しふくそうするかもしれませんが、内容を申し上げますので御理解をいただきたい、こう思います。 問題点は、生鮮食料品の大部分やその他の輸送も自動車輸送が大部分を占めている現在、今回のこの駐車禁止区域の拡大という問題、それから生活道路の拡大、スピードダウンなどを柱とした総量規制は、生活面、物価面、商店の荷物の積みおろしなどにも大きな影響が出てくる、こういうふうに考えておるわけでございます。これまで平均時速五十キロで来たものが今度は四十キロにダウンすれば、当然その分の人件費なども影響が生まれてくるわけでございます。 この物価問題など国民生活へ及ぼす影響について、総理府といたしましてはどのように考え、またどう対処していかれようとするのか、御意見を伺いたいと思います。
○松本(十)政府委員 ただいま小濱委員御指摘のとおり、総量規制の問題は、自動車交通が生鮮食料品等の輸送の大宗を占めておる現況にかんがみまして、生活なりあるいは都市の物価、その他産業活動にも重大な影響を及ぼすわけでございまして、これに対処するのには広範な角度からいろいろな点を考えていかなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでございまして、総量規制、御承知のようにバス優先通行の拡大とかスクールゾーンとか駐車規制、こういった各般の交通規制によりまして一応抑制策を実施しておるわけでございます。 しかし、これだけでは十分でないのみならず、またいろいろな派生的な問題点も出てきておりますので、そういうことも考えまして、やはり運輸行政としてトラック輸送その他のこともございましょう、あるいは通産行政として産業経済活動にどのような影響を与えるか、あるいは自動車産業、さらにはまた道路、都市行政、こういったものをすべて含めまして、総合的、網羅的に施策を検討していかなければならぬ。 こういうことで自動車排出ガス対策閣僚協議会というものをつくっておりますが、そのもとの幹事会、その下に関係省庁の局長クラスにより編成されております交通量抑制グループというものをつくっておりまして、現在そこで鋭意検討を進めておるところでございます。先生御指摘のような広範な、しかもなかなか解決困難な問題についても、諸般の角度から検討を重ねながらいい方向、施策、結論が出るように、せっかく努力しておるところでございます。
○小濱委員 御答弁をいただきましたが、四十九年の年間交通死者一万一千四百三十二名、死者も非常に多いし、交通事故の件数、それからまた負傷者も六十万以上を数えているわけでございますが、そういう立場から、警察庁といたしましては、スピードをダウンいたしまして、そして事故防止の観点から考えた今回の総量規制、こういうふうに私どもは見ているわけでございます。そういう立場から、これはどうしても各関係省庁にいろいろな影響が出てくる。その中でも特に生鮮食料品の輸送という問題から物価高にこれがあらわれてくる、その危険性を私どもは非常に憂えているわけでございますが、そういう点でどのように考慮され配慮されて今回の問題について対処されるのであろうかというふうに考え、御意見を伺ったわけでございました。慎重な御意見を伺ったわけでございますから、ぜひひとつそういう方向で一層の御努力を心からお願いをし、この点については要望にとどめておきます。大変ありがとうございました。 交通局長にあと数点お伺いしたいと思います。 排気量百二十五cc以上の二輪車で制限速度四十キロ以上の道路を走るときはヘルメットをかぶることが義務づけられていた。しかし罰則規定がないため、実際は守られてこなかった。このために、全国的には交通事故による死者がこの数年来減少を続けているにもかかわらず、オートバイによる死者は増加の傾向にあるという。警視庁の資料でも二輪車による事故死は全体の一九・八%を占め、そのうち八四%が頭部を強打したことが死因となっている。警察庁の資料もここにございますが、ヘルメットをかぶった場合は全体の約二割である、ヘルメットをかぶらない場合は八割強になっている、こういうデータが出ております。 これを未然に防止するため、警視庁では二輪車事故防止運動をことし初頭から推進をしてきておりますが、さらに全国的に七月からは点数制も採用するようになっているようでございますね。この場合、現在のヘルメットは強度だけが基準となっておるようでございますが、この形状にも問題があると思うわけでございます。人間の頭は真上からの衝撃には比較的に強いと言われますが、側面、後頭部ないし下からの衝撃には非常に弱い、こういうふうな説もございます。現在の基準はいわゆるおわん型になっている。これを後部、側部を覆ういわゆるジェット型にすべきではないのか。まあ宇宙型とかいろいろあるようでございますが、何としてもけがを最小限度に、そして死者を少なくしていくためにこういうことも特に必要になってきた、こういうふうに考えますので、この点についての交通局長の御意見を聞かしていただきたいと思います。
○勝田政府委員 二輪車の死亡事故を減らしていくという点から言いますと、ヘルメットの着用がきわめて効果があるわけでございまして、法律改正によりまして、先ほど御質問のように、一応四十キロ以上の道路につきましてはヘルメットをかぶることを法律上義務づけると同時に、罰則はございませんでしたけれども、いろいろな機会を通じましてヘルメットの兼用を進めてきたわけでございます。それで現在におけるヘルメットの全般的な着用率は、昨年の調査によりますと、全国的な平均で、約六一・三%がヘルメットを着用しているという結果が出ております。 先ほど御指摘のように、実際に二輪車による死亡事故だけを調べてみますと、ヘルメットをかぶっている人で亡くなったのは二割。六割の人がヘルメットをかぶっておって、亡くなった人が二割ということですから、ヘルメットをかぶっていない人が八割亡くなっている。全体の運転者の四割ということですから、それを掛けますと、ヘルメットをかぶっている場合の危険率というものは、かぶっていない場合の大体五分の一くらいになるということになるわけでございまして、これはどうしても進めていかなければいかぬということで、いろいろと検討した結果、とりあえず行政処分の対象となる点数をつけるということで、この指導をさらに裏づけを持って強力に進めていきたいということで、この四月に政令を改正いたしまして、点数一点を付することにしたわけでございます。 もとよりこれは罰するということじゃなしに、できるだけ着用を進めていきたいということでございますので、この春の安全運動の際におきましても、シートベルトとともに、ヘルメットの着用ということを一つの広報重点に取り上げてまいりましたし、街頭活動の際にも、とにかく二輪車でヘルメットをかぶっていない人には一声かけて、ヘルメットをかぶりなさいということをやっていく。一方、交通安全協会等にもお願いをいたしましてチラシを百五十万配る、あるいは総理府の方にお願いをいたしまして、総理府の広報の時間をいただきまして、テレビ、ラジオについてもこの着用について放送をするというようなことをやってきておるわけでございます。 そこで、形状の問題でございますが、確かに形状につきましてはジェット型といいますか、あるいはフルフェース型と言いますか、頭全体を覆うような形状のもの、あるいは耳のこの辺まで覆う部分、こういったものが効果があるということは間違いがないわけでございます。 ただ、ヘルメットの全体の状況から見ますと、全部が全部そういったヘルメットで二輪車で走っている人が賄い得るというわけではございませんし、ヘルメットにつきましてはJISの規格なり、あるいはこの間できました、通産省で指定されました、消費生活用製品安全法ですか、そういったものに基づくところのヘルメットの着用を進めているわけでございます。 その指定されたヘルメットにつきましても、おわん型とジェット型と二種類あるわけでございますが、やはり、大排気量、高速で走るようなものにつきましては、できるだけジェット型のものをかぶるように指導していきたい。一般にそれほど高速で走らないものにつきましては、おわん型のヘルメットであっても品質のいいものであればまず安全じゃなかろうかというふうに考えて、それぞれ指導をいたしておるわけでございます。
○小濱委員 さらに局長にお尋ねしてみたいと思いますが、ヘルメット着用は、百二十五cc以上、制限速度四十キロ以上のところ、こういうふうになっているようでございますね。ところが五十ccでも、事故によっては、これはもう転倒した場合は大きな事故が発生しているようでございますね、打ちどころが悪ければ当然。また、いろいろな周辺の影響もありましょうし、そういうことから大事故になっている例はたくさんあるわけです。 そこで、思うわけですが、なかなかこれをPRをし実施をさせることは困難かとは思いますけれども、やはり命を守る、そういう立場から、涙をのんでこの規制は厳しくしなくちゃならないな、こう思うわけですけれども、全二輪車に適用すべきではないのかというこの問題については、どういう御意見をお持ちでしょうか。
○勝田政府委員 現在義務づけておりますのは、五十ccを超えるものが二輪免許が要るわけでございますが、五十ccを超えるものについて、一応、四十キロ以上の道路については義務づけているということでございますが、もちろんそれ以下でございましても、とにかく原付の自転車で走っている人であっても、できるだけ声をかけて、かぶるように指導しなさい。ただ、法律上義務づけて、点数をつけるのは、二輪免許以上でいいのじゃなかろうか。しかし、それ以下のものについても、できるだけ指導をしましようということで、指導させているということでございます。
○小濱委員 命を預かるという立場からいろいろと非常に御努力をなさっておられるわけですが、どうかひとつこういう方向で今後も一層御努力されますことを心から強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○勝澤委員長代理 次に、渡辺武三君。
○渡辺(武)委員 私は、本国会の分科会におきましても、大気汚染の問題について御質問を申し上げたわけでございますが、きわめて時間が制約をいたしておりましたものですから、大変不十分な質問のまま終わっております。答弁側もまたきわめて不十分な答弁のまま終わっておると思いますので、本日はさらにこの問題を取り上げまして詳細にわたって詰めてまいりたいと存じますので、よろしくお願いをしたいと存じます。 そのときにも申し上げましたように、いわゆる国連の環境会議が現在一体何をなすべきかを決める基礎となる研究あるいは観察、特定の事象についてデータを集めるモニターの仕事、情報の交換、そういうものは必要ですよということを実は指摘をいたしておるわけでございます。そういうような立場からわが国の環境行政をながめてまいりますと、本当にこの国連環境会議が指摘をいたしております基礎的なデータが十分に整えられているのかどうかという点について、実は大変疑念を持たざるを得ないわけでございます。 たとえば大気汚染とは関係ないかもわかりませんが、現在でも問題になっておりますカドミとイタイイタイ病の問題、あるいはキノホルムとスモン病というような問題、一体この因果関係がどうなのかということすら、実は本当ははっきりしていないようでございます。なお、他国がいろいろな環境行政の上において禁止措置等をとりますと、それを基礎的なデータがないままに直ちにわが国が追随をしていくというようなことも間々見られる。そして他国が禁止を解除すればまたあわててしまう、こういうことが従来から行われておるわけでございます。 そこで、いま行われておりますこのわが国の環境行政というものが、一体、国連環境会議が指摘をいたしておりますような十分な基礎的なデータにのっとって本当に行われておるのかどうか、あるいはそのような基礎的データというものを十分把握をしておられるのかどうか、この辺からまずお尋ねをしていきたいと思います。
○春日政府委員 日本の環境行政が科学的モニタリングの根拠に立たないままに行われておるのではなかろうかという危惧を先生が御表明になったわけでございますが、カドミ、水銀等々の問題は私の所管外でございますので除きまして、大気汚染の場合、御指摘のとおりまず第一にモニタリングと申しますか、定点観測ということが一番基本になるわけでございます。このモニタリングシステムは、日本の場合、私は世界で最も充実した国の一つだと考えております。 たとえば硫黄酸化物の測定点はほぼ千ございます。こういったことは、アメリカを除きましてヨーロッパ各地では見られないわけです。そのほか、窒素酸化物の測定点等につきましても、充実させておるわけでございまして、この点、日本のモニタリングシステムの充実というものは各国の認めるところだと考えております。 しかしながら、窒素酸化物あるいは硫黄酸化物等々の健康に及ぼす影響というものが、あるいは光化学スモッグでもよろしゅうございますが、いま完全に科学的に把握されておるのかと申されれば、これは必ずしもそうではないわけでございます。まだまだ科学的な知見は不満足なことは認めざるを得ないわけでございます。 しかし、そうは申しましても、放置するわけにはいかないわけでございます。また国連、ことにWHOとか国連環境会議とかそういったところに集約された世界の知識というものは、私どもはできる限り収集し、それを利用しておるつもりでございます。ただ、日本を含めてでございますが、まだまだ世界各国ともこの環境行政あるいはその科学的知見というものは歴史が浅うございます。これからの問題が多々あろうと思いますので、今後とも努力してまいりたいと考えております。
○渡辺(武)委員 局長自身もお認めになっておりますように、実は未知な科学への挑戦でございますから、世界的にそのデータが不足しておる、これは言えることだと思います。したがって、モニタリングの個所が多いから進んでおるのだということが言えるのかどうか。もちろんそのデータ収集のためには必要ではございましょうけれども、それのみをもって十分ということには当然考えられませんし、事実いろいろな問題点を見ていきましても、実際どうなんであろうかという疑問がいろいろわいてくるわけでございます。 特に、大気汚染の問題に入ってまいりたいと思いますが、大気汚染の問題を一つ取り上げてみましても、この大気汚染そのものはきわめていろいろな要因から成る複合的な問題、こういう要素があるわけでございますから、大気汚染といえばつまり光化学スモッグという問題が出てまいるわけでございますが、光化学スモッグそのものの科学的に発生をするプロセスはおわかりになってきておろうかと思いますけれども、一体どういうものが本当の光化学スモッグであろうか。 ちょっとおかしな質問になりますけれども、たとえばアメリカあたりでは、わが国にこういう現象が出る十数年も前からこういう問題が実はいろいろ取りざたをされておった。事実人体にもいろいろな影響があらわれておった。しかし、最近におけるわが国の光化学スモッグ禍と称せられるいわゆる人体的影響というものと、アメリカでもう十数年前あるいは二十年前からいろいろ起きておるその問題とは、実は現象的に非常に大きな差異があるわけです。その差異は一体どうなっておるのであろうか、あるいは日本の光化学スモッグはアメリカの光化学スモッグとは全然違うのであろうかどうか。 この辺が一口に単なる光化学スモッグという言葉のみで言い尽くされ、それがあたかも日本における日本的光化学スモッグ——日本の光化学スモッグは被害を受ければ人体がしびれ、あるいは言語障害が起き、時によれば入院もしなければいかぬ、こういうものが日本における光化学スモッグだとさえ認識をしておる者もある。一体本当に光化学スモッグというものがそういう病状、症状を呈するものであるのかどうか、この辺も実は非常にわからないわけですね。 したがって、そういうこと等も十分に環境庁の方で把握しておられるのかどうか、世界的に見て一体その違いはどうなのかという問題、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○春日政府委員 光化学スモッグを発生させる主要な原因物質は御指摘のとおり窒素酸化物と炭化水素でございます。これに酸化硫黄や粉塵が付随的に関与してまいっておるわけでございまして、これまでのいろいろな私どもの調査あるいは諸外国の文献等によりましてもその点は明らかでございます。つまりNOxとHCが共存する大気に紫外線が作用いたしましていわゆるオゾンあるいはPAN——PANと申しますものは過酸化アセチル硝酸塩でございますが、そういったもの、あるいはアルデヒド類、エアロゾル、酸ミスト、こういったものが二次的に生成されて、これが大気中に浮遊している現象をわれわれは光化学スモッグと呼んでおるわけでございます。したがいまして、光化学スモッグの原因物質はまさにNOxとハイドロカーボンというものが主原因である、これは十分に言えるわけでございます。 先生がただいま疑問として提示されました問題、すなわち日本におきます過去に発生したいわゆる重篤な健康被害例、これが光化学スモッグによるものだとよく言われておるが、それはどうなのかということでございますが、その後、私どもあるいは地方自治体のいろいろな健康影響調査や諸外国における事例等を参考にして見ますと、どうも光化学スモッグ単独の被害であると断定することはなかなかむずかしい、決して自然な結論にはなりがたいということでございまして、何らか他の要因、たとえばいわゆる複合汚染とか気象条件等が関与して起きたものではなかろうかと考えられるわけでございますが、この点はなお基礎的な研究を私ども続けておるわけでございます。 幸いにいたしまして昨年、一昨年、二年続けて重症被害と称するものはほとんど報告はなかったわけでございます。皆無とは申しませんけれども、なかったわけでございます。それで昨年は、私どもは光化学スモッグの研究班の中で、その重症例が起きそうなところをあらかじめいろいろな調査をして、重症被害が起きたら直ちに行って、何と申しますか、大気汚染との関連あるいは臨床的な症状との関連を見ようと思ったのですが、重症被害が起きないものですからなかなか十分なデータが得られなかったというようなこともございます。こういった問題は基礎的な研究として私どもは続けていかなければならないと思います。 なお、光化学スモッグの研究はアメリカと日本が最も進んでおりまして、他の諸国ではようやく着手し始めたのが現状でございまして、資料はほとんどアメリカと日本に集中している、こういうことでございます。
○渡辺(武)委員 そこで、いわば気象条件の中に一つの特殊状態が発生をする。これは特に光化学スモッグに関係のあるものとして逆転層というものが指摘をされているわけですね。実は、この逆転層については、私は大分以前に、まだ環境庁がなかった時分に、厚生省公害課長とのいろいろなやりとりがあったわけでございます。 つまり、大気に排出をされたガスというものは、比較的早い時間に拡散をされて、非常に濃度が薄くなっていくという性質を持っておる。ところが、気象上、その逆転層が生じておった場合にはその拡散が一時的に停止をする、あるいは拡散をするといたしましてもきわめて遅い速度になる、こういうことが言われておるわけですね。そういたしますと、排出をされた大気汚染すべきいろいろなガスが、工場からも固定発生源、それから移動発生源、それぞれから出るわけでございますけれども、通常の気象条件の場合に、そのような副次的な光化学スモッグというものが発生をする可能性というものは一体どの程度あるのでございましょうか。
○春日政府委員 この点につきましては、私、どの程度、何%そういったことが発生するということは断定的にお答え申し上げるほど学識があるわけじゃございませんので、この点は私、今後の研究にまたざるを得ないものと考えております。 ただ、先生の御指摘のように、逆転層の問題あるいは高空における拡散の問題、それから都会地におきます低空における気象上の撹乱の問題、窒素酸化物あるいは光化学オキシダントの拡散の問題等々、まだまだ解明されないものが残っておるわけでございます。したがいまして、そういったことを中心にいたしましていろいろな光化学スモッグの発生原因に諸説が出てまいります。これはまあ当然であろうと思います。基本的なコンセンサスが学説として得られてないわけです。したがっていろいろな説が出ておる、こういうところであろうと考えております。
○渡辺(武)委員 そうすると、質問の角度をちょっと変えます。つまり、逆転層は、御承知のように、下部の方が冷たい、したがって上部が暖かいから、通常だと暖かい空気が上昇して撹乱が始まるのだけれども、それが一時停止をする。そういたしますと、それが上空にあった場合、下締から上がっていった、排出をされた汚れた空気はその逆転層の下限において滞留するものなのか、あるいは逆転層の中にまで十分浸透をしていくものなのか、この辺はいかがでしょう。
○春日政府委員 大変申しわけないのでございますが、先生の御質問に的確にお答えする自信がございません。これは、私ども担当専門官等から十分意見を聞き、お答え申し上げたいと思いますので、若干留保さしていただきたいと思います。
○渡辺(武)委員 実は私、ずっと以前に、まだ環境庁はできていなかったと思いますが、運輸省にあります交通安全公害研究所、ここの方に来ていただいて、その当時から逆転層の問題いろいろお聞きしておったわけですけれども、その運輸省の交安研の言によれば、逆転層が生じた場合には、悪性ガスがその下限において滞留をする、拡散をせずにいわば細く長くたなびくのだ、こういう説を実は唱えておられた。いまでも交安研におられると思います。普通煙突から吐き出された悪性ガスは、数キロも行けば大変空気中に拡散をされてしまって希薄になる。しかし、気象条件がそういうふうになっておれば、その下限に集まった悪性ガスは拡散をされずに数十キロにわたって細く長くたなびくことがあり得るのだ、これはすでにアメリカの文献にも出ている、こういうことであったわけでございます。そういたしていきますと、各所にいろいろ起こってまいります悪質な被害の説明が一応はついてくる。 ところが、本来、先ほどからも論議しておりますように、逆転層が生じていない気象条件のもとでガスが拡散し希薄されていく場合、本当にその局部的な被害というものがどうして起こるのであろうか、この辺の原因が実は説明がつきにくいと思うのです。もし環境庁の方で把握しておられるならば、どうしてそういうことになるのか、御説明を願いたいと思います。
○春日政府委員 私どもが光化学スモッグと気象条件というものを考えますときに、一般的に申しまして、光化学スモッグが発生しやすい気象条件というのは、何と申しましても日射がなければなりません。これは当然のことと存じます。すなわち、天気が暖くて薄曇りである、これが一つの基本であろうと思います。それから風が強ければもう全く拡散されてしまうわけですから微風でなければならない、微風以下でなければいかぬ。それから気温が二十度以上であるということ、これは常識的な話でございますが、四番目として、先生の御指摘のように、高度千メートル以下に逆転層あるいは安全層が存在する、これが一つの条件だろうと思っております。 わが国では、夏季になりますと太平洋の高気圧に広く覆われてまいりまして、晴天で気温が高い、風が弱い、そういった日が続くわけでございまして、こういった日は必ずと言っていいくらいにオキシダント濃度が高くなって光化学スモッグ注意報が発令される。これは先生もう御承知のとおりでございます。ただ、局所的にいわば直撃するというようなかっこうで重症被害が起こるというものを光化学オキシダント、光化学スモッグで説明しようとすれば、確かに先生がおっしゃったようないろいろな説が出てくるわけでございます。 一つが、先ほど申しましたように、横浜国大の北川教授のおっしゃっているような飛行機の排出ガスと逆転層の問題でございますとか、あるいは中公審の某専門委員でございますが、この人のいぶり現象というような説でございますとか、いろいろ出てくるわけでございます。私どもは、この気象の問題、ことに逆転層の問題等にも着目いたしまして、いろいろ検討を続けておるつもりでございます。私どもの大気局にはそういう意味で気象専門家もおりまして研究をさせておる次第でございますが、いまなお定説と申しますか、これが得られていないこともまた事実でございます。
○渡辺(武)委員 実はそのように実際にまだ解明がされていない問題が非常に多いわけですね。しかし、新聞、ジャーナリスト等の世論づくりといいますか、あるいは感情論的、観念論的にのみとらわれて討論をする方々、こういう方々のために実はある一定の定説が生まれつつあるという事実ですね。そして、それが本来的にそういう原因を除去することに役立っであろうかどうか、こう考えていきますと、実は非常に複雑になってしまうわけでございます。 私ども自身も国政をあずかるという立場で、国民の生命と財産を守るという基本的な立場に立てば、本来的にそういう公害をなくす、解消するということは基本的な任務として当然あるわけでございますけれども、それが感情論的、観念論的に論議をしておって、じゃ本当に国民のためになるであろうか、こういう問題があるわけですね。そのためにはやはり科学的なデータを早く収集しなければいけないし、確たる信念に基づいてアクションがとられていかないと、ある一部のグループがそれを声を大にして言ったために、そのためにアクションをとらされた、ところが実際には後になってそれが大変に変な形になってきたという事例も間々あるわけでございます。 たとえばこれは大気汚染と若干離れますけれども、鉛公害の問題もその一つではないだろうか。柳町事件というのは新聞にも大きく報道されました。それに端を発していわば無鉛ガソリンという方向に、これは世界の趨勢もそのようでありましょうが、なってきた。しかし、最近ではまたいろいろなことが言われておりまして、特にアメリカのワシントンの連邦上訴裁判所は、最近の判決では鉛の人体的影響といいますか、これが立証されていないということでアメリカEPAに対してガソリンの無鉛化規制というものを、中止を実は命令をした事実もあるわけですね。 したがって、一体どれが本当なのか、国民の立場に立ちますと大変複雑怪奇といいますか、大変困る、無用な不安を実は生ぜしめてしまうという場合も非常に多い、こういうふうに考えておるわけです。それらがすべて科学的データが実は確立をしていないから非常に変な問題になってしまう。いま見ておりますと、若干の調査をして、その調査が確実であったかなかったかは別として、声を大にしてものを言ってしまった方が勝ちだというような、それが社会正義の追求だとかいうような変な風潮が実は出ておるわけでございますが、それが本当に国民の生命を守り、健康を守るということに十分役立つことであるならば、これはあえて非難をする余地はなくなってまいるわけですけれども、かえってそのために正常なアクションが混乱をし、逆に国民の健康を害するというようなことがないのかどうか、こういう大変心配が実はあるわけでございます。 そこで、次の問題に移りたいと思いますが、環境庁が、あれは何年でしたか、四十八年でしたか、N02の環境基準を実は〇・〇二ppm、こういうふうに定めておられるわけで、すでに告示をされておるわけですが、この環境基準をお定めになった根拠といいますか、これは一体どのようなものであろうか。 しかし、実際国民の側から見ると〇・〇二ppmなんというようなことはおよそ実はよくわからないのです。それで、実際にはわれわれの日常生活をしておる中で一体どの程度のもの以上であろうか、こういうことを実は知りたいわけでございます。そういう中で一体この〇・〇二ppmというものの妥当性といいますか、これは国民の側で見れば別に科学的な知識があるわけじゃありませんからあれですが、われわれが日常生活をしていく中でそれと比較をしてみて一体本当にいいのだろうかという疑問が実はわいてまいるわけでございます。この辺のところを少し解明をしていただけませんか。
○春日政府委員 二酸化窒素の環境基準は、もう繰り返しませんけれども、中公審の大気部会に設けられました窒素酸化物等に係る環境基準専門委員会、それから窒素酸化物等小委員会、これが約二年有余にわたります慎重な審議の結果、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準、こういう基準として設定されたわけでございます。したがいまして、いわゆる規制基準的なものではございません。 しからば設定の科学的根拠というのはどういうことかと申しますと、専門委員会報告の中で提案された判定条件といたしますと、まず動物に対します実験的研究から得られた知見を検討いたします。これが基礎でございます。なぜかと申しますと、こういったものは人体実験をやるということは人道上不可能に近いわけでございますので、いわゆる人体実験ができないので動物実験をいたすわけでございます。次いで地域住民に対する影響についての疫学調査から得られた知見を検討いたしまして、それを加えて総合的な判断を行ったものである、こういうふうに言えようかと思います。 特に、委員会はわが国におきます動物実験によって認められました腺腫様増殖を重要な知見として評価しております。これはなおアメリカにおきましても、別個に腺腫様増殖というものは低濃度の窒素酸化物の長期実験によって日本と同様な知見を得ております。 そこで、現時点におきましては、いま申しましたような低濃度長期暴露の動物実験成績というものを主体にしておるわけでございますが、その成績で人体への影響を判断し、さらに環境基準として、健康者集団だけではなくて一般の地域社会の中に弱者と申しますか、病人あるいは老人、幼児というような感受性の高い特殊集団が必ず存在しておるわけですから、そういった方々に対する影響も加味して、望ましい値を設定する場合、どの程度動物実験の成績から安全性と申しますか、そういったものを見込んで設定すべきであるか、これが重要な問題なんですが、このセーフティーマージンを見込むのには決して世界的な定説があるわけではございません。しかしながら、これはおのずからの説があるわけでございまして、そういったことを加味いたしまして、私どもは地域住民を対象とした疫学調査の成績を、したがってあわせ考えたわけでございます。そして総合的に——総合的という意味は、先生も御指摘になったように窒素酸化物が単独で大気汚染を起こしているような地域は現実にはないわけでございます。窒素酸化物で高濃度汚染されているところは、ほとんど全部と言っていいくらい硫黄酸化物あるいは粉じんの汚染もあるわけでございますから、そういった総合的な汚染の中における窒素酸化物の汚染濃度、こういったことを十分考えながら安全サイドに立って検討したものだということに、非常にくどい言い方でございますが、なっておるわけでございます。 しからば〇・〇二ppmというものは日常的にどうかというお尋ねなんでございますが、御承知のとおり一ppmというものは百万分の一という濃度でございます。非常に低い濃度でございまして、それをちょっと超えたからといって死ぬとか病気になるとか、そういったものでは決してないわけでございます。十分なセーフティーマージンを取ったものであるわけでございますが、現在、東京とか大阪等の年間の窒素酸化物の汚染状態を先ほどのモニタリングによりまして年平均値をとってみますと、ほぼ〇・〇四ppmぐらいなんです。そういったものと〇・〇二、これは一日平均値でございますが、そういったものと日常的に比較をすればほぼ御納得いくのではないか、かように考えております。
○渡辺(武)委員 局長の御答弁の中に、いわばこの環境基準というものは規制基準的なものではないのだ、こうおっしゃっておるわけでございますけれども、それであるとするならば大変なことだ。ということは、御承知のように七大都市がいろいろ調査をいたしておりますし、それからいろいろ言っておられるわけですが、七大都市が言っておることは、この〇・〇二という環境基準を守るために窒素酸化物の排出物をどうこうする、こういうことが実は言われておるわけです。そうだといたしますと、そのもの自身は規制基準的なものではないと局長は言われておるかもしれませんが、それを受けて、いわば窒素酸化物を何ぼに規制しなければいけない、これを達成をするためにと、こう逆論法でいきますと、環境庁自身は規制基準的なものではないと言っておられても、実際はそういうふうにとられておるのではないか、私はこう考えるわけでございます。 それに、さらにわれわれ、日常的に一体どうだろうかというふうに判断をしていけば、私もたばこを吸っておりますが、いまそちらもたばこを吸わんとしておりますけれども、たばこを一本吸えば、実は窒素酸化物四〇〇ppmですね、平均値が。そうしますと、それの大体一割がNO2だと言いますから、四〇ppmはわれわれは口の中に吸い込むわけでございます。それと〇・〇二ppmというものとの数値の開きを見ていきますと、これは一体どうなんだろうか。本当にそういう基準が守られないと、人体に影響が非常に出てくるということであるならば、私は、石油ストーブの販売を禁止し、たばこは政府がやっておるわけですから直ちに製造を禁止していろいろやっていかないと、本当に国民の生命と財産を守るという基本は一体どうなっていくのであろうか、こういう疑問が実はわいてまいるわけですが、その辺はどうなんでしょうかね。
○春日政府委員 私は、環境基準と申しますものは望ましい値であると申しました。したがって、規制基準とは違うと申しましたのはこういう意味でございます。たとえばNO2でもSO2でもよろしいわけでございますが、それを低濃度でずっと動物実験をいたしてまいります。そうすると、あるところで健康上の異変が起きてまいります。症状が起きてくる。何と申しますか、その境目というもの、これは閾値とかあるいは敷居値とか呼ばれておりますが、それはあるわけですね。しかし、閾値とは環境基準ではないわけです。要するに、敷居値に対して何十倍か、場合によっては何百倍かという安全度を掛けて、そうして環境基準、望ましい値を出すわけですから、環境基準を少々超えたからといってすぐに健康に異常がある、あるいははなはだしい場合は死ぬというような表現をよくなさいますが、そういったことはございません。 しかしながら、私どもは先ほど申しましたように、一般健康人ばかりが地域社会に住んでおるわけではございません。循環器系の疾患の方あるいは呼吸器系の疾患の方、御老人、未熟児というような方々は大気汚染物質に対して非常に感受性が高うございます。何十倍も高い場合がある。そういった方が含まれている地域社会に対してはできる限り厳しい、望ましい値を掲げておく必要がある、こういうことでございます。 そこで、家庭用暖房器具の問題、あるいはたばこによって室内の空気が非常に汚染されるということが衛生学的な見地からあるわけでございますが、これは確かにたばこをのむ方には慢性気管支炎の有症率は非常に高いわけでございますが、それはもうよくわかっておるわけでございます。したがって、たばこには横に、よけいに吸いますとあなたの健康に危害がありますとアメリカでは書いてある。日本の場合は、吸わないようにしようという日本的穏やかな表現になっておりますが、同じ意味だろうと思います。私どもは、暖房器具の場合でも適度の換気を行ってくれ、あるいは適正な使用をやって、そして不完全燃焼を避けてくれ、こういうようなことで、やはり衛生学的見地から見た指導、啓蒙、教育、こういったことは先生のおっしゃるとおりに必要だろうと思います。 もう一回繰り返しますが、大気と申しますか、一般環境大気の場合は虚弱者、老人、子供、こういった者を含んでおるわけでございますから、じゃそういった者を含んだすべての人が常時呼吸する空気なんでございますから、個人的選択が可能な室内の空気とは同一に論ずること自体が、これはちょっとおかしいのではなかろうかと私どもは考えております。しかしながら、先生の御指摘された点というものは、私は十分配慮を払いまして今後とも検討してまいりたいと思います。
○渡辺(武)委員 たばこと〇・〇二との関係は、私は何千倍だというふうに見ておりますがね。それはさておきまして、つまり自然界は、太陽光線なりあるいは雷が発生することによってガスが出るわけですね。その自然における汚染というものが実は〇・〇一ぐらいあるのだ、こういう学説、逆に言えばもっと、〇・〇一八ぐらいあるのだという学説もいろいろあるわけでございますけれども、いずれにしても環境庁が告示をされております数値の半分以上といいますか、五割からそれ以上の自然汚染がある、こういうふうに見ていきますと、そうなると一体人間の活動が許されるのであろうか。人間の活動のみではなくて、いわばわれわれ日本は、御承知のように資源皆無の国で何とか自国の産業を興して一億の国民が食べていかなければならないという運命の中に置かれておる。とすると、一体、それで一億国民が生命を維持する生活をしていくに足る産業活動というものができるのであろうか、こう疑問が実はわいてまいるわけですね。 現状の中で、たとえば環境庁がすでに調査をされたと思いますけれども、日本全国本当にこの環境基準に合格をしておる地区というものを調査をすれば、これはほとんど産業のないような、常に気象条件が大変よくて、風通しがよくて、汚いものは全部飛んでいってしまうというような地区だとか非常に森林に近い地区だとか、そういうところであって、実際に都市活動なり産業活動をしておるような地区は、当然これはもう全部オーバーをしてしまっておるわけですから、そうなりますと、一体、その環境を守る、達成をするためには、すべて産業を少なくともやめていってしまわなければいかぬ。産業をやめていってしまって、いまの人間の、日本人の生活水準が保てるであろうかというふうに見ていけば、これは当然保てないわけですから、いわば明治時代のカンテラ提げてわらじばきで歩くという生活に戻らざるを得ない、こういうことになっていってしまうわけですけれども、一体それで、じゃ本当に日本人の幸福というものが守られるであろうか、本当に〇・〇二というものが、実際にすべての地区が八年間でその環境基準に合格するようになってきますと、本当にいいだろうかという疑問を実は払拭し切れない、こういうことなんでございますが、どうなんでしょうか。環境庁が告示をされておりますように、今後八年間でそれはできるのでしょうか。
○春日政府委員 自然界におきますいわゆるバックグラウンドのNO2の濃度でございますが、これはいろいろな説がございますが、私ども中公審の御討議でいろいろ統一した御意見を伺いますと、地域によって確かに違いますが、〇・〇〇三ppmぐらいであろうということが定説のようでございます。したがいまして、確かに雷によって窒素酸化物が出ることもございます。火山地域ならば、火山の噴火によってSO2のみならず窒素酸化物も大量に出る場合もありましょうが、しかし一般論といたしましては、バックグラウンドのデータはそれほど高いものではない、かように考えております。 したがいまして、〇・〇二ppmという一つの望ましい値というもの、これが実現可能であるかという御指摘でございますが、私は望ましい値というものは非常にむずかしい点があってもこれは達成すべきであろうと考えております。ただし、これはあくまで環境基準であるという点で、規制値とは若干ニュアンスが違ってまいります。たとえば規制値の代表的なもので申せば、窒素酸化物の自動車の排出量でございますが、これは〇・六とか〇・八五が達成できないものは製造ができないわけでございます。そういったものとは若干性格は異にいたしております。私どもは、窒素酸化物の低減対策も技術的にかなり進歩しつつあるという点から見まして、決して不可能なものではなかろう、かように考えておる次第でございます。
○渡辺(武)委員 願望を持ち、追求していくことについて私は何も反対をするわけではないのです、それは少しでも少ない方がいいわけですから。それはそれとして、現実の問題があるわけですから、現実の問題で一体どうなんであろうかという疑問が実際はぬぐい切れないのです。そうだとすれば、先ほど私が言いましたように、たばこ自身も本当は製造を禁止したらいいと思うのですよ。製造を禁止してしまえば、こんな四〇〇ppmも出るようなものは許さなくてもいいわけですから、幾ら吸いたくてもなければどうしようもない。そういうものはそういうものとしてあって、そういう現実を認めていくならば一体どうなんだろうかという問題は当然疑問として残ってしまう。だから、その〇・〇二ppmという都市の環境基準が達成される諸要因というものを非常に厳しく押していかないと当然達成できないわけです。 ところが、日常生活の中ではそういうことが当然行われておるし、まだ庶民の暖房そのものもこの環境基準と比べれば二十倍も三十倍もする汚染度になってしまっておる。それならば、さらによりよい室内の環境を保つために一体どういう暖房が適当であろうか、それが庶民の生活に耐え得る暖房になるであろうかどうであろうか、そういういわば総合的な施策の上に立って進められていかないと、ある一定の希望数値ができる、現状は現状でそのまま放置してあるということになりますと、それで、本当にいいだろうかという疑問は当然わかざるを得ないのですね。それが本当に、ではそうでなければ人間の生命と健康にどの程度関係があるだろうかという問題、環境庁があくまでもそれをやるのだとなりますと、それでは命と健康にどういう影響があるだろうかという問題が実は逆に言って出てくるわけでございます。 そうなりますとまた逆戻りしていきますけれども、それほど命と健康に問題のあるようなものなら、なぜ四〇〇ppmも発生するようなたばこを吸わして黙っておるのであろうか、当然そういうところへまた戻っていくわけでございますね。だからこの辺は、理想を追うことは私は決して否定するものではありませんし、よりよい環境をつくるということは非常に結構なことでございます。ございますが、現実の日常生活の中でいまの生活態様を大きく変えていかなければいけないようなことにならないかどうか、そういう疑問があるわけですが、いかがでしょうか。
○春日政府委員 大気、環境を汚染いたしますNO2と申しますものは、発生源はたとえば火力発電所でございますとか、あるいは鉄鋼でございますとか、いわゆる企業の煙突でございまして、大半はそうでございます。したがいまして、日常生活を営んでおる庶民の生活からの大気、環境を汚染する比率というものはずっと少ないわけでございます。われわれの庶民の日常生活において、確かに先生の御指摘のようなたばこがございます。たばこの問題は、これは肺がんという問題もございますし、これはおやめいただくのが健康上はよろしいわけでございます。最近、WHOあたりは会議場からすべて灰ざらを撤去いたしております。私もたばこを吸いますが、非常に苦痛なわけでございます。しかし、個人の健康という意味からはそういったことが望ましいと思います。それから、石油ストーブの問題も全く同じでございまして、これは適当な換気をするというような基礎的なことが必要であろうと思います。 しかし、そういったこと以上に、現段階におきます窒素酸化物の大気汚染と申しますものは、むしろ人工的な大きな煙突から出たものが多い、あるいは自動車から出るものが多い。こういうことから考えますと、個人的な日常生活まですぐに考え方を及ぼす必要は私はまだ早いのではなかろうかと考えております。
○渡辺(武)委員 ちょっとよくわからないのですが、私どもが家庭におる時間というものはそんなに短い時間じゃないのですよ。大気はそれだけきれいにしなければいかぬ、家庭の中は汚染をされておってもいいんだ、こうなりますと、実は家庭の中におる、たとえば商売によれば、小さな零細企業にいけば、石油ストーブをどんどんたいて暖房をとりながら一日じゅう部屋の中で仕事をしている人たちも実際たくさん見受けるわけですよ。確かに大気を汚染する発生源としては小さいかもしらぬけれども、その付近は非常に高濃度に汚染されている事実は間違いないのですね、室内ですから。 だから私は問題にしているわけであって、そのもの自身は確かにほかの発生源と比べて大気を汚染する要因は少ないのだ、こうおっしゃればあるいはそうかもしれませんが、しかし限られた範囲の室内は非常に高濃度に汚染をされてしまっておる。しかもそれはわれわれが本当にちょっと行って憩いをする場所ではなくて、普通の者でも家庭に帰れば少なくとも数時間以上はその汚染された中におるわけでございますから、私はそういう家庭生活までも規制をする必要はないということ自身が実はよくわからないわけですけれども、そういうふうに家庭の中が非常に高濃度になって、ましてや零細企業にいって、そういう高度な設備のないようなところでは庶民暖房を使って一日じゅう仕事をしておるというようなところでは、非常に汚染度の高いところで仕事をし、また家へ帰って汚染度の高いところで寝ておる、生活をしておる、こういうことになるわけですから、これはやはり大気を汚染する発生源としての要因は非常に小さいんだと言って済まされるべき問題ではないではないか、こう考えるわけですが、どうなんでしょうか。
○春日政府委員 いまも申しましたように、確かにたばこに含まれますところの窒素酸化物の濃度は非常に高いものがあると思います。しかし、これは個人的にやめればいいわけでございます。あるいは石油ストーブで濃度が濃くなれば、窓をあけてやれば、瞬時とは申しませんが、たちまち濃度は大気の濃度程度には下がってくるわけでございます。したがいまして、これには逃れる道があるわけですね。しかし、大気そのものが汚染されたら、われわれの人間生活で逃れるところがないわけです。防空ごうに入るわけにはいかないわけでございます。したがいまして、私どもは、個人の家庭におきます。あるいは職場におきます環境濃度と一般の大気環境の濃度とは区別して考えませんと、これはいけないのではなかろうかと思います。これは職場の労働衛生上の、窒素酸化物ばかりではございません、水銀にいたしましてもカドミウムにいたしましても、いろいろな濃度規制がございます。職場環境、これは一般の環境基準に比べますとはるかに厳しいものが定められております。それはそういう意味を含めてであろうと私は考えております。 したがいまして、大きく言えば、その地域全体の財産であるところの一般大気環境というものはできるだけ厳しく保全する必要があるのではないか。これは個々の個人の意思によってはなかなか下げるわけにいかないわけですね。たばこをやめるとかあるいは窓をあけるという、そういう処置がとれないものでございますので、私は、一般大気環境の保全というものは十分に低いところで保っていく必要があろうか、かように考えておるわけでございます。
○渡辺(武)委員 時間が迫ってまいりましたから結論を急ぎたいと思いますが、窓をあければ確かに部屋の中はきれいになるでございましょう。しかし、それだけ汚れた空気が外へ出ていくのだ、こういうことになりまして、それが大気汚染に寄与する率というのは非常に少ないんだ、こういう御説明が局長の御説明ですけれども、実は水の汚染等々も、本当は一番広範囲に海や川を汚しておるものは何であろうかというと、つまり家庭排水だとさえ言われておるのですね。局部的には確かに工場から出てくるものは非常に悪くなる。しかし広範囲にずっと海や川が汚くなってきた大きな原因というのは家庭排水なんだ、こういうふうにさえ言われておる。 だとしますと、非常に多くの人間そのものが環境を汚しておるわけですから、この広範にわたって人間が汚しておるものが本当に微々たるものであろうかどうであろうか。産業活動の方がうんと多くて、人間そのものは非常に微々たる汚染で済んでおるのだろうかどうであろうか。その辺にも実は私自身は疑問があるわけでございます。 しかしいずれにいたしましても、それが確たるデータによってきちっと裏づけられたものではないし、環境行政全般が、いまも質問の中でいろいろ御答弁がありましたように、まだわかっていないことが非常に多いということでございます。そういう情勢の中で、ときどき特定グループがいろいろなものをやって、そしてその結果を発表する、それによって国民が不安を得、アクションも、いろいろ間違ったアクションがときには打たれてしまう場合もある、こういう情勢が大変に続いておるのではないであろうか。そうだとすれば、むしろ国という立場で、国民の不安を除くために最も信頼の置ける調査、研究機関というものが設置されてしかるべきではないか。実は環境庁ができない前に私、厚生省の公害課長に来ていただいて、柳町の問題も追及をしたわけでございますけれども、国は何もやってないものですから、それに対していいとか悪いとか何も物をよう言わない。ところが調査した人たちは正々堂々と発表されてしまう。後になって間違っておったということがわかりましても、それは何ら訂正されない。訂正されたとしてもきわめて微々たる小記事によってやられてしまう。そうしますと、その一番最初三段抜き、五段抜きで報道された報道そのものはやはり生きていて国民に大変不安を巻き散らしている、こういうことになるわけでございます。 そうだとすれば、私は、国の立場で、もっと公明正大な、本当に信頼性の置けるデータが発表できる調査、研究機関を一日も早く確立をしなければいかぬし、設置をしなければならぬ、こう考えるわけですが、その辺はいかがお考えでございましょうか。
○春日政府委員 御指摘のとおりでございまして、私ども大気汚染の研究をいたします場合には、気象の問題、化学的な影響の問題あるいは植物影響の問題、医学的研究、いわば学際的な総合的な研究が必要でございまして、現在この研究は各省、各庁に所属いたしております研究機関、たとえば厚生省で言えば予防衛生研究所とか衛生試験所、あるいは運輸省、通産省とかいろいろあるわけでございますが、それぞれの分野で研究が行われておりまして、環境庁がそれらの研究の総合調整、ことに金の面での総合調整をいたしておるわけでございます。それから四十九年の三月に国立公害研究所を設置したゆえんも、まさに先生の御指摘の趣旨に沿うものであろうと思います。 私どもは、現在基礎的な研究を進めておるわけでございますが、まだまだ十分な完成を見ておりません。まだ人員は予定どおり満たしておりませんが、これが拡充、強化された暁には、先生の御指摘のような最も権威のある公害に関する研究所に成長することは間違いないと私考えております。また、地方公共団体でいろいろな研究機関がつくられております。特に公害研究所あるいは衛生研究所、そういったものが地域特性に応じたいろいろな研究を行っておるわけでございまして、そういったものとあわせまして、決してその場限りの、あるいは大衆受け、マスコミ受けをするような軽薄な研究というものが少なくとも世論になるようなことのないように私は努めてまいりたいと考えております。
○渡辺(武)委員 終わります。
○勝澤委員長代理 次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時二十七分散会