交通安全対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1975/03/12
会議録
○下平委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前田治一郎君。
○前田(治)委員 機会を与えられましたので、ごく上っ面をなでるような調子で一、二の質問をしたいと存じます。 まず第一番に、排ガス規制に関する問題でございますけれども、先般、告示が出されまして排ガス規制が行われました。しかし、これの実施はまだ先の遠い話でございます。しかも、対象になっているのは乗用車と軽自動車だけであって、その他の車についてはいまだ規制が行われていないという状態でございます。ガソリンを使う車だけを対象にして、軽油等の他の燃料を使っている車は当面の対象にしていないという告示のあり方に国民の一人としてやや疑念を抱くものでありますが、その点について、通産省なり運輸省の御見解はいかがでしょうか。
○小林説明員 お答え申し上げます。 先生の御質問は、五十一年規制というのは乗用車だけを対象にして、その他の自動車を対象にしないのはけしからぬではないかというお話でございます。少し長くなりますけれども、いままでの排ガスの規制の経過というようなものをお話ししないといけないと思いますが、ガソリンあるいはLPGを燃料といたします自動車排ガスの規制というのは、昭和四十一年から始まりまして、その後順次規制を強化してまいっておるわけでございます。最も最近に行われましたのが四十八年の規制ということで、ガソリン及びLPG車については規制の強化が行われておるわけでございます。 その後、ことしの四月から実施になるわけでございますけれども、五十年の乗用車の規制というのがあるわけでございますが、この乗用車の規制と同時に、ガソリン、LPGを対象といたします軽量トラックにつきましても、規制の数値は同一ではございませんけれども、五十年から規制の強化をいたしております。それから軽油を燃料といたしますいわゆるディーゼル車というものの規制でございますけれども、これは昨年の五月に告示をいたしまして、九月から新車につきまして規制の強化を図っておるところでございます。
○前田(治)委員 私がお尋ねしておる真意をざっくばらんに申し上げますと、すでに幾分かの規制をしておるのだという御説明ですけれども、町を走っておる車で、じゃ現在規制を受けておるからこういうふうに処置して走っていますという車が果たしてあるか否かという問題です。いわば、現在の規制は空文に等しいのじゃないかということです。もちろん今日、ガソリンスタンドへ行きましたら、無鉛ガソリンを入れなければならないというようなことは行われておりますけれども、その無鉛か有鉛かという問題についてもいろいろと私疑問を持っていますが、これはきょうはあえて触れません。 そのようにして、規制はしておるけれども、事実は規制をした車はほとんど走っていないじゃないか。言いかえますと、規制をしたところでそれは一片の告示にしかすぎないのであって、じゃ現実にはどのように規制をしているか、適合しているか否かをお取り締まりになるのかという問題に帰着するのであります。私は、先般来新聞が大きく取り上げてくれて、告示の効果は確かにあったと思いますが、この告示においても、新車と在来の車についてはさらに実施時期が延ばされておるということで、現実に走っておる車については何ら触れていないという印象を国民に与えている。 私は、排ガスの値が高いか低いかということをいま問題にすることはないと思うのです。それはなるほど科学的な問題になるけれども、これは将来の問題であって、第一番に、低くてもいいからある一定の基準まで車全体に規制をしてもらうというような処置を講じなければいけないのだと思うのだけれども、現在の規制のあり方は全く文書遊びをしているような状態である。そういう現実をにらんで、環境庁はもちろんのことでありますけれども、運輸省、どのようにお考えか、これは大気汚染の問題につながるわけでございまして、私は大阪の選出でございますから、大阪市内の大気汚染の犯人は、工場の煙突の排煙じゃなくして、車の排気ガスであるということを骨身にしみて知っております。だから車の排気ガスをもっと効果的に規制をしてもらわなければいけない、文書遊びをしてもらっては困るのだ、こういう理念でお尋ねしておりますので、ただいまの御説明につきましてはちょっと意に満たぬ点がございます。 環境庁でも運輸省でも結構ですけれども、私の言わんとしておる趣旨がおわかりでございましたら、それに対する的確な御答弁をお願いしたいと思います。
○田付政府委員 ただいまの先生の御質問にお答えする直接の問題としては、使用過程車の問題が中心であろうかというふうに承りました。 私どもがいままで公害対策をしておりますときに二本立てで実は実施をいたしております。一つは新車をつかまえましてこれに対する規制を強化するという方法と、もう一つは、先生御心配の現在使っている車についての規制と、二つでやってまいっております。 先ほど環境庁から説明いたしましたほとんどは、その新車に関します規制の考え方、あるいは経緯を説明したと思いますが、実は使用過程車につきましても同様に、環境庁で許容限度を決めますと、運輸省の方におきましてそれの実際の状態をチェックするということをいままで進めてまいっております。 ただいまお話が出ました大型車、特にディーゼル車につきましては、先ほど新車についての環境庁からの説明がありましたように、昨年の五月に三つのガスについての規制をするなり黒煙の規制をするなりということで逐次規制を強化しつつあるわけでございますが、使用過程車につきましては、この一月からディーゼル車の問題については特に黒煙がひどうございますので、この黒煙の退治をしようということで、実は全国の車検場を中心にしましてディーゼル車の黒煙の測定あるいは検査を始めるということの体制に入りました。今後は、この大型車の新車の規制につきましても、黒煙以外の規制につきましても、さらに逐次強化をしようということを環境庁では計画をしておられるようでありますので、私どもとしてもそれに協力してまいりたい、こんなふうに考えております。
○前田(治)委員 たとえば二輪車がそうですけれども、あるいはスポーツカーなどマフラーをとってしまって大きな爆音を立てて走っている。これはエンジンの力を高めるためだそうでありますけれども、それが騒音公害につながり、あるいは排気ガス公害につながっておることは御承知のところと思います。構造上マフラーをつけなければいけないと規定されておっても、そういうマフラーをとった車が町を横行濶歩しておる。しかも取り締まりの機関がない。警察官といえども、あるいは運輸省もそういうものを取り締まろうとする意思はあっても実行は不可能だと思うのです。 そこで、今度の排ガス規制でございますけれども、新車の場合は運輸省が抜き取り検査でチェックなさるとおっしゃっていますが、一体具体的にはどういうふうな方法をお考えになっておるのか。その抜き取り検査でチェックして大体の平均がこれでよかろうという御認定になったといたしましても、町へその車が出ていった場合に果たしてその規制値が守られるかどうかという点について御確信がございますか。これは環境庁よりも運輸省の御答弁をお願いします。
○田付政府委員 まず、新車が世の中へ出てまいりますときに、通常の場合には型式指定を受けることが多うございます。ほとんど一〇〇%乗用車につきましては型式指定を受けて製作販売されるという経過をたどっております。したがいまして、その型式の大臣指定を受けます際に、私どもの方に新車を一台と、それから三万キロの耐久試験をしました車一台と、都合二台提出させまして、これについて私どもの方の交通安全公害研究所に審査部を設けてございますので、その審査部で審査をいたします。 その審査内容は、先生御承知と思いますが、環境庁が先般告示をいたしました内容のテンモード、イレブンモードを調べる、こういうことになるわけでございますが、その際、新しい車として選ばれた自動車でございますので、当然規則上はそのデータが出たときに最高規制値を満足すれば一応理論的には差し支えないわけでございますけれども、私どもとしてはその選ばれた車が将来の大量生産車の目標にならないと困りますので、審査した結果のデータは、最高値ではなくて平均値でなければならないということで、通常の理論的な形よりは厳しい線で審査をさしてもらっております。 それから、一たんこれが量産され使用過程に入っていくという順序になるわけでございますが、量産をする過程におきましては、私どもとしてはメーカーに、先ほどお話しした目標値を最高値ではなくて平均値に置かせまして、その平均値をできるだけ満足させるような製作をさせるという必要がありますので、そのための科学的な製作管理をさせようということで指導いたしております。現にそのとおりの車が出たのかどうか、これはチェックしないとわかりませんので、定期的に私どもの方に抜き取り検査の結果を報告させまして、その出ましたデータの平均値が先ほどお話しした平均値以下でないとこれはいけませんので、その辺のチェックをして指導いたしておるわけでございます。 それから、いよいよ車が使用者の手に渡りまして町で使われます。この段階になりますと、実は許容限度の規制値そのものを適用することはこれは無理でございますので、物としては当然劣化をしてまいりますから、まずその劣化をしないようにさせることが必要になります。したがいまして、私どもとしては現在整備工場等を通じましてユーザーに定期点検整備をしていただきたいということは、これは大分前からでございますけれども指導いたしております。特にガスの規制が強化された昨今におきましては、特にその点を強調いたしまして、先生のお使いになっていらっしゃる車にもあるいはあるかと思いますが、フロントガラスに定期点検用のステッカーを張ってもらいまして、そういう意味の整備をしっかりやっていただこう、こういうことでまずユーザーサイドの啓蒙をいたしております。 なお、その結果がどうであったかというのは、これまた調べないとわかりませんので、先ほどお話ししたテンモード、イレブンモードのような大がかりな試験はとてもできませんが、二年に一回あるいは一年に一回参ります車検のときに、私どもの検査場で簡易な方法ではございますが、一部のガスを検査してその状態をチェックするということで、私どもとしてはいまできる限りの努力をしているという状態でございます。
○前田(治)委員 型式認可のときにチェックするのだという御説明がございました。そして量産に入った段階で車を提供させて研究所で検査するのだという御説明でございます。だから私はさっき、まるで文書遊びをしているんじゃないかという言い回しをしたのでありますけれども、なるほど告示をなさってガスの規制はこれでいくのだ、大変りっぱだけれども、ちまたでは、独禁法を改正することによって物価が下がるのだという印象を持っている人がたくさんある。これはある種の宣伝が行われたからそういうふうな見方をしているのでしょうが、だから今回排ガスの告示がなされたからこれでもって大気汚染が大幅に防止、緩和されるのだという印象を持っている人がたくさんあるのにかかわらず、いまお考えになっている規制方法というものはその程度のものであって、あくまでもメーカー依存にしかすぎないという印象がしてなりません。 そこで、いずれ規制をするからには、それの道具類、機械類というものもお考えでございましょうが、それは一体どのような道具、機械をどこへ設置して適正であるか否かの検査をなさるのかどうか、全国的にそういう機械、道具を配備するという腹案なり計画はでき上がっておるのかどうかという点について御説明願います。
○田付政府委員 まず、二段階の計測があるということを御理解いただく必要があると思いますが、まず第一段階は、新車を製作しました段階でどのような性能を持っているかということを調べるという必要な測定が一つでございます。これは規則上はテンモード、イレブンモード、相当高度なテストをしないとわかりませんので、それには相当な施設が要ります。したがいまして、私どもの方では交通安全公害研究所の審査部の中にそれ用のテスターを備えつけまして、これで先ほどお話しした新車をこちらに提出させまして、そこで試験をしておるわけでございますが、これはかなり大がかりな設備になります。したがいまして、私どもの研究所以外に持っているといたしましたら、国立の研究機関あるいはメーカーそのものという程度になろうかと思います。しかし、その試験をいたします内容は、非常にこまかいところまで非常に大がかりなテストをするということになるわけであります。 もう一段階の計測といいますのは、実はそういう新車の段階を経まして、一たんこれが使用者の手に渡って、実際に使っている過程でどういうふうになるかということを調べるための計測がもう一段階ございます。これは実は規則そのもの、制度そのものが、新車用のイミシオンレベルと使用過程車、使っている車に対するイミシオンレベルと二段になっておりますので、使用車用のイミシオンレベルを調べるための計測をする、こういうことになるわけでございます。 体制としてはどういうことかと言いますと、私どもが定期検査をやっております検査場、国の持っております検査場が各県五十何カ所ございます。全国的には約二百近い検査コースを持っておりますが、そのコースにテスターが備えつけられております。これは現にHCにしましても、COにいたしましても、計測できるような体制がもうすでに終わっております。それから別途、ユーザーの方が車が壊れますと直しに行きます整備工場等がございます。したがいまして、この整備工場が車を直した後で所定の性能を回復できたかどうかということがチェックできないと困りますので、いまこの工場に対して所定のテスターを備えつけるように指導いたしておりまして、COにつきましてはほとんど全部備えつけた状況になりつつあります。現在その認証工場が約六万くらい全国にございますが、一酸化炭素メーターにつきましては、ほとんど備えつけていると言ってよい状況になりました。現在炭化水素のテスター類を着々と普及中でございまして、大きな認証工場等は全部持っているという状況にまで参りました。 大体そのような体制でテスト、計測が行われているわけでございます。
○前田(治)委員 あまり時間がございませんので、排ガス関係はこの辺でなでておくだけにしておきまして、次回にまたみっちりとお尋ねしたいことがございます。 ただ、申し上げておきたいのは、車検のときにテスターで排ガスの規制値に適合しているかどうかを検査する程度のお考えでは本当の排ガス規制は実現しない、私はそういうふうに考えています。言いかえますと、警察が交通取り締まりをするのに白バイを走らせたり、あるいはネズミ取り式の速度規制をやったりしておりますが、ほぼそれと同じように町の要所要所にテスターを備えつけて通る車を片っ端から排ガス検査をするぐらいの意気込みでなければ、これは口頭禅に終わってしまうという危険性がございます。その点、やはり予算が伴う問題でありますから、私は十分にお考え願って、運輸省、環境庁及び警察庁が御協力の上で完全な排ガス規制の効果を上げ得るような規制措置をお考え願いたいと思うのでございます。 次は、警察庁関係で主としてお尋ねいたしますけれども、このようにして排ガスが問題になるというのは、やはり車が多過ぎるからでございます。その車の中には、必要欠くべからざる車もありましょうし、マイカーのようななくてもいいような車もあると思うのでありますけれども、とにかく道路の広さあるいは道路面積に比べて日本の車の量は確かに多過ぎるということはおわかりでございましょう。私の大阪なんかにおきましてもまさにパンク寸前まで車がふえておりますけれども、現在の道交法ではどうにもこれを規制できないじゃないかと私らは考えております。先般大阪市が総量規制をやるのだということを新聞にも発表しておりましたけれども、車をなるべく市内に進入してもらわないように規制措置をとるのだという考え方でありますが、それが果たして当を得たものであるかどうか、なかなか車の規制というものは厄介な問題が関連するところが多いと思うのであります。けれども私は、道交法の面で車を取り締まっていく、車の数を減らすということは不可能ではないと思います。 実は、こんなことを言いますと票が減るかもしれない、商店や商人からあるいは非難、攻撃を受けるかもしれないのでありますけれども、大局的に考えましたら、そうあるべきだという信念を私は持っていますので、あなた方の意向をただしてみたいのであります。 いま大阪市内で交通規制をやっている。特に駐車禁止の標識がたくさん立っておりますが、裁判所の付近、検察庁の付近の駐車禁止の標識の下に白昼堂々と、一台じゃなしにずらりと車が並んで不法駐車をしておる、運転手もいないというような目に余るものがございます。建設省があるいは府や市が莫大な金を投じて道路を拡幅し、新設いたしましてでき上がった道路は、実はほとんど面積の半分は駐車場用地になっている。一部少数のものに無料駐車場、青空駐車場をあてがっていると同じ状態になっている。あるいは在来からの道路にいたしましても、商店などがそこへだんだんと品物をはみ出して置き、路上で商売をするという状態で、結局道路というものの本義を失っている観がございます。 だから私は、道路は本来の道路に戻してこれを一〇〇%活用するのだという考え方に立って、一方では青空駐車等は厳にこれを禁ずるという処置を講じていく必要があるというふうに考えておるのでございます。したがって、部分的に駐車禁止をかけるのじゃなくして、むしろ大阪、東京のような大都会においては全面的な駐車禁止をかけて、そして一部少数の駐車して差し支えない程度の道路には駐車時期といいますか、白線で区画割りをしてパーキングメーターでもつけて駐車できるように措置する、こういうふうな方法を講じてはどうだろうか、こう思います。 時間がありませんから一気かせいに考え方をしゃべっておきますが、これをするにはやはり駐車場を増設する必要がございます。その駐車場は、これは公営駐車場があれば結構ですけれども、とても国も、府、市もそれをする財政的ゆとりはございますまい。そこで民間に、たとえば任意団体の商店会や町会でもいい、二、三人のグループでもいいから、民間で駐車場をつくりたい、土地を買うて立体駐車場を建設したいという場合には、その用地取得費あるいは立体駐車場建設費というようなものを大幅、まあ全額融資というようなかっこうで融資措置を講ずる、でき得べくんばその金利もある程度補助をするというような措置を講じまして駐車場をふやす。同時に全面駐車禁止でもって規制をしていきますなれば、都心部に入る車も減ってくるであろうし、また大気汚染もそれによって緩和されるであろう、一挙三得ではなかろうか、こういうふうに私は考えていますが、これについての総括的な御意見を拝聴したいと思います。
○勝田政府委員 まず最初に、道交法で交通総量を減らせるのではなかろうかという御質問でございますが、私どもも排気ガスの対策としては基本的にはやはり発生源対策だと思いますが、道交法の面でもこういう状況でございますので、その活用によって交通の総量を規制できるのじゃなかろうかというふうに考えております。 その手段としてはいろいろございますが、いま先生がおっしゃいました駐車場対策というのはその中核的な非常に大きな意味を持っているというふうに考えているわけでございまして、都心部地域については全面的に駐車禁止をすべきではなかろうかというお話でございますが、われわれも大体そういう方向で進んでいるわけでございます。大阪におきましても逐次そういった方向で駐車禁止が強化されておりますし、東京につきましては、中心部においては五・五メートル以上の道路についてはほとんど全部が駐禁になっているというふうな状況でございますし、こういった方向を進めていくことによって交通総量の削減にも役に立つのではなかろうかというふうに考えております。 駐車違反の取り締まりの問題にもお触れになったわけでございますが、年間百七、八十万件の駐車違反を検挙して、われわれも決して放置するという考えではないわけでございますが、違反の状況がなかなか後を絶たないということについてはまことに遺憾に存じておるわけでございまして、今後ともに駐車規制の強化と、これに対する違反の取り締まりの実効を期するという点については努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。 なお、駐車禁止の問題につきましては、地域のいろいろな問題と非常に関連が深い場合がございます。それによってその地域の生活圏の問題がかかってくるというような問題で、地元の了解がなかなか得にくい場合が多いわけでございますが、そういった場合につきましてもできるだけの説得を続けていきたい。しかし同時に、そういった方々の需要に応じるような、地域に応じた共同の駐車場とか共同の荷物処理場とかそういったものが必要であろう、そういった裏づけがあって初めて駐車禁止取り締まりも効果が上がるのじゃなかろうかというように考えるわけでございます。そういった点についての先生の御意見についてはまことにごもっともな御意見であり、そういう方向にいくことによって駐車規制の効果も上がっていくものじゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。 いずれにしましても、こうした駐車禁止のほかに、バスの専用レーンの増設あるいは自転車の利用、そういった面については、今後駐車禁止なり何なりによって自動車が利用できなくなった人を受け得るような輸送機関の確保についての関係機関の御協力、そういった点にも努力をいたしまして、総量規制の目的が達せられるように、特に大都市につきましては、一〇%ぐらいは何とか現在の必要な交通需要を満たしながらも道交法による規制によって可能じゃなかろうかというふうに考えておりますので、努力を重ねてまいりたいと考えております。
○前田(治)委員 守られない交通規制とでも言いましょうか、本当に駐車禁止一つを取り上げてみましても、さっきも言いましたように不法駐車が白昼公然と、しかも町の中で行列をしておるという状態でございまして、やはりこれを守ってもらえるような方向へ持っていかなければ私はだめだと思うのです。わずか一車線対向ぐらいの道路の両側に車をずらりととめてある。真ん中一車線しか通れないものだから、両方から来た車が衝突してしまって、にっちもさっちもいかないというような道路混雑が日常茶飯事のごとく見られます。いかに不法駐車が道路交通を阻害しているかということがよくわかるのであります。 ところが、これのまた摘発というものが警察では大変お困りになっておる点じゃなかろうかと思うのでございます。私はよく見かけることがありますが、警察官が深夜遅く車を見張っておる。何をしているのかということで聞いてみたところが、駐車違反を摘発しようと思って、これの運転手が店から出てくるのを待っているんだというふうなことで、仮に駐車違反の車に最寄りの交番へ来なさいというステッカーを張っておいても、来なければ、どうして不法駐車をしておったということを立証するのかという問題点もあって、だから駐車違反の取り締まりというものは大変なおざりにされているという傾向もある。それが実は本当に交通事故の原因になり、あるいは排気ガスの原因になっておるのだということを考えました場合に、私は英断をもってこの駐車違反を完全に取り締まれる措置を講ずべきだ、こう思うのです。 そこで、駐車違反を取り締まるときに、レッカー車を持っていって運んでくるのですが、その後それをどうなさっているのですか。引き取りに来ればいいけれども、引き取りに来なかったらどうなさるのか、あるいはそれを保管する場所は屋根のある駐車場でなければいかぬことになっておるのか、いつまでも引き取りに来なかったら、警察は一体あんな大きなものをどう処置されることになっておるのか、そういう実情について、全国的な点がありますから御答弁を願いたいと思います。
○勝田政府委員 御質問のように駐車違反の取り締まりをやりまして、そこに運転者がいないという場合については、取り締まりの面で、ステッカーを張って後ほど呼び出しをする場合と、それからその場所が交通の危険な場所の場合には、レッカー車をもって保管をするという場合とあるわけでございます。運転者が見つかれば一番いいわけですから、先生おっしゃったように、張り込んで運転者が出てくるのを待って取り締まりをやるというように、非常に苦労している例もあるわけでございます。 そこで御質問は、レッカー車で引っ張った場合に、出頭してこなければどうするのかという御質問でございますが、現実には、若干の車でございますけれども、なかなか出頭してこないという場合があるわけでございます。そういった場合にそれぞれ各県でそれの追跡捜査をかなりやりまして、大阪の例を見ますと、去年十二台ばかりなかなか出てこなかったということでございますが、非常に苦労して見つけ出して、それを全部返還をしたということになっているわけでございます。非常に手数がかかるという問題がございます。 ただ、これを何かもう少し簡素にできないかということで第一線からもいろいろ要望がございますので、われわれも検討をしているわけでございます。この問題につきましては、遺失物法との関係で遺失物にならないかというような議論もしているわけですが、遺失物法にしましても、一週間告示して、六カ月たたぬと処理ができないということでありますし、自動車については自動車抵当法というものがあって、抵当権がついておる車もかなりある。そうすると抵当権者にも連絡をとらなければいかぬということで、現行の手続の面から見ますと非常にむずかしい問題がございまして、いまなかなか結論が出ないわけでございますが、第一線でも困る問題でもございますので、われわれも今後さらに検討を進めて、何かいい方法がないかというふうに努力をしてまいりたいと考えております。
○前田(治)委員 私はきょうはさらっと述べるということを申し上げましたので、問題点だけをちらほらと出しながら、これをとことん質疑応答の中で究明していくことは考えておりません。 もう一つ別の問題を申し上げますが、ただいまの話でもそうですけれども、法律の改正が必要であると私は思うのです。現在、交通違反の取り締まりは運転者処罰主義になっておりますけれども、駐車違反等の場合には、これは運転者だけでなしに所有者といいますか、所有者も抵当なんかに入っておって、ユーザーが所有権を持っている場合もあるそうでございますけれども、とにかく所有者の責任というものを追及していけるような、運転者がおらなければ所有者の責任だというような角度で取り締まり活動ができるように法律を改正する必要がある、こう思うのですけれども、そういう点で警察側は不便をお感じになってないかどうか、聞かしてください。
○勝田政府委員 第一線からの要望として、先生御指摘のような点についてひとつ検討してもらったらどうかというような意見があるわけでございまして、われわれも検討をしているわけでございます。現在の道交法の違法駐車の場合でございますが、「運転者等」ということで、所有者を含めまして、移動命令は所有者に出せるという形になっておるわけでございます。そして移動、保管に関する費用も所有者に負担させることができる。そしてこの命令に従わない場合については罰則があるということでございますので、現行法でも所有者に対して移動命令を出して、とことんまでいけばそれで罰則適用というような形の運用は可能なわけでございます。 そこで、全般的に駐車違反の責任そのものを所有者にかけるかどうかということになりますと、またなかなかむずかしい問題がございますが、諸外国の例を見ますと、そういう点についても配慮している法律があるようにも聞いておりますので、こういった点につきましても今後検討を進めていきたい。ただ、現在におきましては、現行法のそういった所有者に対する命令というような規定も活用しながら、処理を効率的にするように考えていきたいと考えております。
○前田(治)委員 なかなか、言うはやすく行うはかたしという言葉がありますけれども、警察の御苦労もわかるのですが、やはりこれは、特に大都会等におきましては不法駐車の絶滅を期すという措置を講じなければ大気汚染も交通混雑も交通事故の防止も不可能であろうと私は考えております。だから、たとえば所要の法律の改正をしてもらって、一方ではレッカー車なんかも、何かレッカー協会をつくるとかいう話も聞きましたけれども、そして今回また安全運転センターですかというようなものを設立なさるということで法案が出ておりますけれども、私は、そういう機会があるならばどうしてもうちょっと実のある仕事をお考えにならないのだろうかというふうに思うわけです。 たとえばレッカー車なんかも、大阪なんかでも何台もありはしませんよ。これは各警察ごとに一台でも二台でも置いてやるぐらいにしなければいけないのですけれども、警察としてはそれは持てませんから、昔から大阪なんか交通安全協会が非常に強いのですけれども、安全協会を活用してやるとか、あるいは今度の安全運転センターでもおつくりになるのだったら、そういう働きができるような機能を与えてやるとかいう措置が必要だと思うのでございます。そしてレッカーで引き揚げていった車も、屋根のある車庫に入れなければならぬとか、傷めてはいけないというような窮屈なことではなしに、それこそ河原でも広っぱでもどこでもいいからどんどんほうり込んで、保管もせいぜい四、五日から一週間ぐらいで、とりに来なければ処分してしまうというような強固な態度でもって臨まなければ、国内のこの自動車過剰というものはとても是正できないというふうに私は考えております。 まあぼつぼつとお進めになっておる。たとえば天満ゾーンとかいうふうな名前で一方通行にしてしまって、その区域内は不法駐車を許さないように警察ががんばって取り締まりをしますというようなことを私の地元でもやっておりますけれども、それもやはり常時取締官がおらなければ実現できない、効果が上がらないはずでございまして、そこで交通警察官の不足という問題もありまして、私は、警察官の増員、特に交通警察官というものについてのそちらの御意見も伺いたかったわけですけれども、きょうは割愛いたします。さらに、交通指導員というような制度があるけれども、こういう中途半端なものでは本当はだめなんじゃないか。もう少し実を入れた制度をこしらえ、また人間を増員するという措置が必要ではなかろうかと思いますが、これもきょうはちょっとにおわせておくだけにしまして、次回に掘り下げて御意見を聞てみることにしたいと思うのであります。 ただこの際に、これは運輸省ですか、警察庁か、所管は私はわからないのですけれども、さっき言いました駐車場の建設、これは民間駐車場ですが、法人であっても任意団体でもいいんだ、責任さえはっきりしておればいいんだということで、駐車場の建設に必要な資金の融資制度を開く気持ちはないか。それに対する利子補給の制度も加えて、御考慮を願うことはできないか。幸い次官がお見えでございますので、御見解が承ればと考えます。
○中村(弘)政府委員 お答え申し上げます。 事業協同組合とか商店街振興組合、そういった組織のものに対しましては中小企業振興事業団の高度化資金という融資の道が開かれておるわけでございまして、それに対して、いろいろと御質問がもし詳しいことであるとすれば、担当からお答えさせていただくことにいたします。
○前田(治)委員 建設省ではこのお尋ねはちょっと無理だったのかもしれません。私は、道路行政という見地でこれを行うか、あるいは道路交通取り締まりという見地で行うか、あるいは運輸行政で行うか、非常にむずかしい問題だと思うのでありますけれども、いろいろと融資制度が開かれておるけれども、この駐車場を構築するためという特定された目的を持っての融資制度はまだございません。これは私は警察庁でもいいんじゃないか、あるいは自治省でもいいんじゃないかと思いますけれども、どこかの省が中心になってそういう制度を設けることによって、融資の枠もかなり大幅につくりまして、そうして民間の駐車場建設を促進する一方、道路における不法駐車を禁止するという措置を講じていくように御配慮願いたい、かように思うのでございますが、警察庁、お考えはどうでしょう。
○勝田政府委員 駐車場の問題については、現在いろいろ意見もあるわけでございます。場所によってはかえって車を呼び込むという意見もございますが、特定の地域、商店街とかそういったところで、現在非常に車が込んでおって、その地域の方に、商売上どうしても車がそこにいなければ困るというような地域については、ぜひとも駐車場が整備されるということが望ましいというふうに考えておりますが、それがいずれの役所が中心になるのか。従来、駐車場法というような法律もございますし、そういった観点から、どこがやればいいかということについてはもう少し検討させていただきたいというふうに思います。
○小此木政府委員 関連しまして。 いまの前田先生の御質問ですが、確かに公共的な面での駐車場の融資措置というものはあるようでございますけれども、民間側に対するそういうような措置はまだ講じられておらないと思います。 〔委員長退席、野坂委員長代理着席〕 と同時に、私どもの見解では、駐車場そのものが立体的なものになるのであるか、平面的なものであるのか。立体的なものであるということになれば建設省の関係になると思いますが、いま大都市で行われております民間の駐車場というものはどうしても平面的なものに偏りがちである。そういうものに対する融資の措置を講ずるということはかなりな額にも達するでございましょうし、いずれ私ども十分研究いたしまして、先生のお考え方を生かしたいと存ずる次第でございます。
○前田(治)委員 残った時間を自賠責保険の問題についてお尋ねするということにしたいと思いますが、私の手元に持っております資料は四十七年度のものでありますけれども、保険料収入が年間に四千三百二十五億余円、これに対して四十七年中に支払った自賠責保険金が二千四百四十三億円。この種の保険金というものは、事故発生の時点が違いますから、入ってきた保険料に対する保険金ではございませんという説明があるかもしれませんけれども、これは企業の会計と一緒であるから、本年度収入の保険料と本年度支出の保険金との見合いを考えていけば大体の見当はつくわけでございますが、先ほど言いましたような金額になっております。 それで、保険金の支払い額というものは、保険料収入に対して五六・四%である。非常に保険金の支払い額が少ない。ということは、保険料が高いということを意味しておる。私は、強制保険でありますから、そういう点は十分に所管の当局で御検討願って、保険料が高ければ保険料を引き下げるという措置を講じてもらわなければいけないし、また、保険料が適正であるとお考えになるならば、大体保険料の入ってくる筒いっぱいぐらいまでは保険金を支払ってもいいじゃないですか。保険というものは、掛けている方でも長い期間を通じての平均で掛けているし、また、保険者の方も、何もことし欠損したからというふうなことで目の色を変える必要はないと思うのでございますけれども、それなら保険金を上げるべきである。 自賠責の場合は人命に対する保険金の最高限度が一千万円でございますけれども、最近は示談で済む場合でも一千万円をはるかに超える場合が出てきております。人間の命を一千万円で限度を決めるというのはおかしいじゃないかと思う。だから私は、保険料をこのままで置くならば保険金の支払い額限度というものをもっと引き上げるべきじゃないかというふうに考えておりますが、これは政治的な問題でございます。小此木次官がお見えでございますが、御見解をお聞かせ願えればありがたいと思います。
○徳田説明員 お答えいたします。 自賠責保険の収支は、確かに御指摘のとおり四十七年度にはかなり黒字基調でございます。御承知のとおり、自賠責保険は四十三、四年ごろ大変な赤字でございましたが、四十五年をピークといたしまして、交通事故の減少等により収支が著しく好転してきたわけでございます。四十七年度末に従来からの累積赤字も全部解消いたしまして、四十八年度末決算では、自賠責特会ベースで申し上げまして、千三百七十億円ほどの黒字になったわけでございます。このような黒字基調を背景といたしまして、御承知のとおり、四十八年十二月に、保険料を原則として据え置きまして、保険金を約倍額に引き上げたわけでございますが、その後も予想以上に事故率が減少しておりますので、四十九年度においてもかなりある程度の黒字が見込まれる、このような状態にあるわけでございます。 このようなことを背景にいたしまして、先生御指摘の保険金額引き上げの問題が当然今後の一つの検討の対象になるわけでございますが、御承知のとおり、ただいま申し上げましたとおり、四十八年の十二月に死亡保険金が五百万円から一千万円に、また、傷害の場合には五十万円から八十万円に引き上げが行われたわけでございますけれども、その後、物価の上昇その他経済情勢がかなり大きく変わっておりまして、先生御指摘のとおり、これを引き上げるべきじゃないかという声が起きてきているわけであります。したがいまして、この問題につきましては被害者保護に中心を置きまして、その後の交通裁判の判例の状況あるいは保険収支等を勘案して前向きに検討してまいりたい、このように考えております。
○小此木政府委員 急激なモータリゼーションの中にも、またかなり複雑な交通情勢がからみ合いまして事故率が非常に下がっておる、そういうところで、いま大蔵省の方から考え方が出されましたけれども、わが運輸省としましても、いまだ検討中ではございますけれども、近く引き上げの方向に考え方が向いているということは申し上げられます。
○前田(治)委員 自賠責保険がこのような状態であると同時に、任意保険の方も、これは大蔵省所管でありましょうが、検討してもらわなければ困ると思うのです。言いかえますと、自動車の任意保険によって保険会社がもうけ過ぎてはいないかという点、これをまた詰めていきますと、保険料が高過ぎやしないか。保険金の支払いは任意保険の場合は非常にシビアに検討して、保険会社はなるべく負担が少なく済むようにという考え方で出てまいりますから、なかなか役所でお考えになっておるようなうまいぐあいな運営にはなっていないと私は思うのです。 だから、自動車保険全体を通じて保険料が高過ぎはしないかということと、保険金が少な過ぎはしないかという検討をしなければならないと思うのでありますけれども、これだけの黒字が出ておるのに悠長に考えておってはいけないので、もうすぐにでもこの是正をいたしますという姿勢がなければいけないと思います。 〔野坂委員長代理退席、委員長着席〕 また、ただいまは保険金の引き上げについて検討しようと思うという御意見でございましたけれども、保険料の負担というものも、タクシー代や何かでもあるいはトラックの運賃なんかでもたちまちこの保険料が響いておるわけでございますから、保険料の負担を軽減するという措置も必要であると思うのです。 だから、保険会計がこういう状態であるということが見きわめがついた以上は、ずっと四、五年分の数字を検討してみたらわかると思うのですけれども、私は、保険料の引き下げと保険金の引き上げと両々相まって、この自動車保険というものの有効な利用を図るべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○徳田説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、任意の自動車保険の料率は政府の認可にかかっておるわけでございますから、これにまりまして保険会社に仮にもうけ過ぎというようなことがありますと非常に問題でございますので、この料率の検証というのは保険部といたしましても最も大きな仕事の一つとして常に実施してまいっております。 任意自動車保険の収支でございますが、実はこれは自賠責の収支と大分異なっておりまして、任意自動車保険全体、これは対物、車両も入っておりますけれども、数字を申し上げますと、四十八年度では正味収入保険料が三千四百六十九億円でございまして、これに対する支出が三千四百七十九億円、三角が十億円、このような状態になっておりまして、必ずしも収益はプラスということではないわけでございます。 また、料率でございますが、最近かなり引き下げが実施されておりまして、四十七年の九月には担保範囲の拡充によって実質的に一一%の引き下げが行われました。それから四十九年の一月には一四%の引き下げが行われておりまして、このように常に料率を検証して適正な水準にするように努力しているわけでございますが、今後とも先生御指摘の点を踏まえまして検討を重ねてまいりたい、このように考えております。
○前田(治)委員 もう一つ伺っておきますけれども、任意保険で何か新種保険が計画されている、考えられているということを聞いたのですけれども、運輸省なり大蔵省でそういうことを御存じでしょうか。
○徳田説明員 お答えいたします。 任意保険で新種保険と先生おっしゃるのは、おそらくFAPあるいはCAP、家庭用自動車保険あるいは業務用の自動車保険のことかと存ぜられますが、これは従来の単純な自動車保険に対しまして、示談代行制度がついているとか、あるいは対物につきましても付帯しておりますし、それから塔乗者傷害も付帯するというようなかなり包括的な保険でございまして、これによって交通事故にかかわるかなり包括的なリスクをカバーしよう、このような体制になっておるわけであります。
○前田(治)委員 自賠責保険はもちろん、任意の自動車保険につきましても、これは私はもっと掘り下げて検討してみる必要があると考えております。きょうは本当に上った面だけを聞いてみたのでありますけれども、次回くらいに、機会が与えられましたら、私は保険会社の方もお越しを願ってお尋ねしたいことがございますが、きょうは保険関係はこの程度にとどめておきます。 大変貴重な時間をちょうだいしましたが、私の質問はこれで終わります。
○下平委員長 次に、勝澤芳雄君。
○勝澤委員 それではまず、昨日判決のありました雫石の判決について、防衛庁と運輸省の見解をお伺いいたします。
○小此木政府委員 昨日判決が出たわけでございますが、私どもはこの際改めて犠牲者になられた方々の霊に対しまして追悼の意を表すると同時に、遺族の方々にも哀悼の意を表する次第でございます。 この判決が出たことによりまして、私どもはわが国航空史上の中でもかつてないほどの大きな事故というものをこれ以上繰り返しては絶対ならないということを思う次第でございます。それにつけましても、今国会に提出しております航空法の一部改正、これが一日も早く皆様方の御理解を得て成案することによって法的にもこれが完備し、万全の上にも万全を期してその法の運用あるいは行政指導ということに強力な措置を講じていかなければならない責務を感じておる次第でございます。
○渡邊説明員 初めに亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族の方々の御心情を深くお察し申し上げております。 防衛庁といたしましては、この事故が公務遂行中に発生したということにかんがみまして、本件訴訟の成り行きにつきまして深い関心を払ってきたところでございます。新聞報道等によります判決要旨によりますと、被告たちに見張り義務が欠けるところがあるということで過失犯の成立を認定したというふうに受け取っております。両名の刑事責任が問われたわけでございますけれども、防衛庁としては、これは防衛庁全体の問題として深刻に受けとめておるわけでございます。 事故発生以来教育訓練体制や安全管理体制に十分意を尽くしてまいったわけでございますけれども、この判決を機会に、防衛庁長官よりもなお一層十全の努力をするようにという強い指示を受けております。防衛庁といたしましては、今後とも安全管理体制というものに万全を期してまいりたい、こういうふうに考えております。
○勝澤委員 防衛庁にお尋ねいたしますが、この事故が起こる五カ月前に空幕の方から、こういう事故の起こる可能性がある、これに対する防止策について早急な措置を要望するというのが出されておった、こう言われておりますけれども、その経過について御説明願いたいと思います。
○友藤説明員 お答えいたします。 経過をちょっと申し上げますが、昭和四十五年の三月に、当時中曽根長官のころでございますが、自衛隊高級幹部会同というものがございまして、その中で当時の西部航空方面隊の石川空将から部隊等の状況報告の中で、航空路及び航空交通量の現況、当面の対策、こういう題で飛行場周辺のみならず航空路上におきましても異常接近ないし空中衝突の危険があるというような問題を提起されまして、これの防止の措置等について述べられたわけでございます。 この発言を受けまして、航空自衛隊では、航空機の運航状況であるとか空中衝突あるいは異常接近の防止に関しますいろいろな問題点等を把握いたしますために、諸般の資料収集等を行いますために、昭和四十五年の七月から十二月にかけまして特定監察というものを実施をいたしました。 この結果が昭和四十六年の二月ごろ空幕の監察官のところで一応まとまりまして、航空幕僚長に報告をされました後、いろいろな部隊等でとれる対策その他につきましては空幕でいろいろ措置をされたわけでございますが、その後より高度の措置が必要であるというものにつきまして報告を取りまとめておりましたところこの事故が起こったという状況でございまして、正式に防衛庁長官にこの報告が届きましたのは四十六年の九月の日付になってございます。したがいまして、防衛庁といたしましては、関係部隊等におきましてこういった航空交通の安全という面につきまして問題点が提起され、かつ、いろいろな措置等についていろいろ検討を必要とする時期に来ておったわけでございますが、その過程におきましてこういった事故が起きてしまったということでございまして、この点についてはまことに遺憾に感じております。
○勝澤委員 いまの経過を詳細に四十五年三月からどういうふうになって、どうなって、どうなったのだ、そしていまどこまでどうなっているのだということをひとつ書面で出していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○友藤説明員 上司と諮りまして提出いたしたいと思います。
○勝澤委員 この判決の中で、運輸省と防衛庁の間に連絡調整が十分でなかったということが言われているわけであります。事実そうだったからあとで緊急措置が出たのでしょうが、この問題について、防衛庁の中ではそういうことがわかっておったと言われておるわけですが、運輸省の方はどうだったのですか。
○中村(大)政府委員 判決の中にただいま先生御指摘のような文言があるわけでございますけれども、運輸省といたしましては、このジェットルートというものを開設いたしますに当たりまして、いわゆるジェットルートとそれからいわゆる自衛隊の訓練、こういうものの調整につきましては当時運輸省と防衛庁との間でたびたび打ち合わせをいたしましたし、また運輸省としての取り扱い方針については防衛庁にも連絡をいたしておったわけでございます。したがいまして、当時といたしましては、できる限りの連絡調整はいたしたと思っておるわけでございますけれども、結果的にああいう事故が起こったわけでございます。 それで、振り返って考えてみますと、確かにいわゆる訓練空域というものが当時自衛隊の方で設定されておったわけでございますが、その運用状況というものについて運輸省自身がどこまでこれをつまびらかに認識しておったかという点についてはいろいろ反省をしなければならない、また訓練空域というものの設定方式等につきましても問題があるということによりまして、事故後に先生御承知のような緊急対策要綱で所要の措置を講じた、こういうことでございます。
○勝澤委員 この航空行政の怠慢が、一つのこの事故の原因にもなっているという指摘をされているわけであります。防衛庁の方では一応事故が起こる可能性があるという指摘をされておった経過があるわけであります。それから運輸省の方にも、三十三年に高高度の管制制度、大型ジェットが三十七年に入っているわけですから、こういうことも予想されたと思うのです。 ですから、三十七年以降この事故が起きるまでの間に、一体、具体的にどういうことをやってきたのかという点をひとつ経過として詳細に私は書類で出していただきたいと思います。 私がなぜこれを言うかというと、これは航空行政の怠慢が事故の一つの契機になっているわけです。表面的にあらわれているのは、二人の被告がこういう結論にはなっておりますけれども、やはりある程度予測されておった事故だ、こう言われておる以上、われわれはやはり国会の立場から言って、一体どこに問題があるのか、一体行政というのはそんなに怠慢でいいのかどうなのか、これは過去のことになるかもしれませんけれども、そういう点で、明確にしたいと思いますので、運輸省としてのこれらの経過をひとつ詳細に報告してもらいたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○中村(大)政府委員 ジェットルートという制度が開設されまして以来、運輸省といたしましてとりました措置等につきましては、できる限り事実を調べまして、詳細に御報告申し上げたいと思います。
○勝澤委員 そこでもう一つ、航空路の監視レーダーの問題ですけれども、ARSRの問題は、当時は四十九年度中にとにかく完成するということがここではっきり述べられているのですけれども、最近聞いてみますと、五十年、五十一年までかかる、こういうことなんですけれども、一体、安全問題というのがそれでいいのだろうかどうだろうかということをもう少し、それは運輸省の責任あるいは国全体か何か知らないけれども、その点を明確にしていただきたいと思うのです。予算上あるいは資金上、いろいろな問題があるなら問題があるということをもっと明確にして、その間にそれじゃそういう事故が起きたらどうなるのか、安全の問題ですから、そういう点で、このARSRの設置、これは一体どうなっているのかという点について御説明願いたいと思います。
○中村(大)政府委員 御指摘のように、航空路監視レーダーは、四十六年度からいわゆる五カ年計画の一環といたしまして、その設置を進めてきたわけでございます。特に雫石事故を契機といたしましてその完成を早めるということで、四十九年度中にこれを完成させたいというふうに、その方針で努力したことは先生御指摘のとおりでございます。 それで、現状は御指摘のように、八カ所全部の完成は五十一年度中になるということで、われわれとしてはきわめて残念に思っておるわけでございます。 この理由といたしましては、予算上、資金上の理由ということもさることながら、この一カ所一カ所のレーダーサイトの用地の選定、それから何といたしましてもその用地を取得しなければならない。そういたしますと、そこに至る工事のための道路をつくらなければならないというふうな、そういうふうな問題につきまして、初期の計画どおりその用地の取得等について実現を見ることができなかったということも大きな理由でございます。 したがいまして、四十九年度中の完成ということが不可能になったわけでございますけれども、これらの問題もすべて現在では解決をいたしておりますので、今後鋭意努力いたしまして、一日も早く完成するようにいたしたいというふうに思っておるわけでございます。 それから、ARSRにつきましては、その御指摘のとおりでございますけれども、いわゆる保安施設というものはそれだけで——それが非常に典型的なものでございますけれども、むしろこれはどちらかと言いますと、レーダーによりまして、このジェットルートを管制によって、いわゆる計器飛行するという場合のいわば民間航空用の安全を確保するための設備でございまして、そのほかこれと相関連いたします情報処理システムだとかあるいは空港レーダーだとか、あるいはその他VOR、DMEというふうな保安上の無線施設というものの整備につきましては、これは相当程度進捗いたしておりますし、また、管制を扱う管制官の増員というものについても、相当程度の増員を図ることができております。 したがって、確かにこの監視レーダーというものの遅延は、これは私もそのとおりであると思うのでございますけれども、それによって一連の保安施設の整備が非常におくれておる、あるいは保安対策が非常におくれておるということでは決してございませんで、われわれそれをカバーするためにできる限りの努力をして今日までいたしてきておるということだけは、ひとつぜひとも御理解をいただきたいと思います。それで現在、われわれのとれることは、この完成を一日も早くいたしたいということでございます。
○勝澤委員 航空問題はそれで終わりまして、運輸政務次官の関係で、国鉄財政の再建の問題についてお伺いいたします。 国鉄財政再建については、いま国鉄は、新国鉄経営計画推進委員会をつくり、運輸省は、国鉄財政再建問題検討委員会をつくり、国会では、運輸委員会で国鉄問題で小委員会をつくってやっておるようでありますけれども、そこで、最近大臣は、予算委員会等々のいろいろな質問で、各界各層の意見を聞いて再建について、五十一年度予算の概算要求をする八月ごろまでに見通しを立てたい、こう言われておるわけでありますけれども、もう少し具体的に、どう考えられておられるのか、大臣が答弁をしておるので、政務次官はまるっきり知らぬというわけにもいかないだろうし、やはり財政再建の立場から、大臣が考えられていることも政務次官の考えられていることも同じだと思いますので、その点でひとつ御見解を賜りたいと思います。
○小此木政府委員 新再建計画は各界各層の御意見を十分参考にしながら作成してまいりたいということは、運輸大臣もしばしば言っていることでございますけれども、大臣の各界各層の意見を十分参考にするという具体的な考え方はどのようなものであるか、実は直接大臣から詳細に承ったことはないのでございますが、まあ私の考える限りでは、この国鉄の再建計画というものは、わが運輸省内部におきましても国鉄内部におきましても、すべての人が関心を深く持っていることであり、そのような考え方を参考にして、よきものは生かして十分取り入れていくというような考え方が、大臣の中にあるのではないかと私は推察いたしておるのであります。どのような形でこれを聞いていくかということは、今後慎重に検討していくということで、この際は、そういう形で御答弁を申し上げておきたいと思います。
○勝澤委員 この国鉄の財政再建という問題については、過去においても何回となく、この再建計画がつくられては途中で打ち切られ、また再建計画がつくられてきたという経過から言って、相当国民の合意を得るような再建の計画案づくりというものをしていかなければ、案ができても実際にはそれが実行できないという可能性が多いわけですよ。ですから、そういう点で私は、国鉄だけで、運輸省だけで再建計画が仮につくられたとしても、一体それが実行可能なものになるのかどうなのか、実は疑問を持っているわけです。そういう立場で運輸大臣が言われておるのかどうなのか、実は確かめたかったわけでございますけれども、まあ大臣が言っていることを政務次官に確かめることも無理だと思います。 そこで、それじゃ国鉄の方は再建計画のどこに一体問題があるのか、どこがこれからの問題として一番出てくるのか、こういう点についてお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○井上説明員 先生御指摘のとおり、今日まで国鉄の再建計画は再三にわたって計画はできましたけれども、その都度廃案あるいはできましても一年足らずで実現性を伴わないというような結果になったことは事実でございますが、私どもといたしましても、やはり根本は運賃が余りにも安過ぎるという点が問題であろうと思います。その点につきまして今後とも国民の皆様の御理解を得て適正な運賃をちょうだいする。同時に、運賃だけですべてをまかなうというわけには、これはもういまの事態となっては無理な点も多々出てまいっております。したがいまして、財政資金の援助もいままでと考えを新たにしてやっていただくということも必要であろうと思います。やはりこの二本柱がどうしても財政的には必要でございますが、同時に、国鉄自身も経営の合理化というものに従来以上の努力を続けてまいらなければならぬということは当然であろう、かように考えておる次第でございます。
○勝澤委員 そこで副総裁、総裁は新国鉄経営計画推進委員会の会合の中でも、あいさつとして、予想として考えられるのは五十一年度では運賃で二倍の収入を上げなければ単年度でも経費をまかない切れない見込みだというような発言をされているわけです。それは国鉄の中から見る場合は私はそういうことになるのかなとも思います。しかし、現実に再建をする場合に、そういうことが一般的に、いまの政治情勢、いまの状態の中から受け入れられるのかどうなのか。 ですから、あなたも言っていると思うのですが、実行可能な再建計画をつくりたい、だから実行可能な再建計画をつくるのに、その土台となる、いま国鉄が考えている、いま運輸省が考えているそういうやり方で実行可能なものが出るのか出ないのか。実行可能なものというのは国民的なコンセンサスですよ、あるいは大蔵省なりあるいは全体的に。だから、どうもいままでと何にも変わりがないやり方では変わりがないものじゃないだろうか。 だれかが予算委員会の中で言っているわけですけれども、いろいろな人の代表があるだろう、そういう人たちが網羅された中で議論をしてみて、結論的に財政負担はこうだ、利用者負担はこうなんだ、あるいは国鉄の近代化の問題はこうなんだという区分けというものが大まかにされてきて、その上で事務的な数字がはじかれるならともかく、事務的なものだけ積み上げて、それで実行可能なものをつくろうとしている。実はここに私は大変問題があるような気がして仕方がないのです。いや、そうじゃない、いま国鉄がやっている、運輸省がやっているこれで何とかいけるのだ、こう言うのならそれで結構ですけれども、これは過去に経験済みなんですよ。その点が、時代が変わるたびに、運輸大臣がかわるたびに、国鉄の総裁以下がかわるたびに同じことをやっては進歩がないじゃないかという気がするのですが、そこいらどうなんでしょうか。国鉄と運輸省の両方から。
○井上説明員 先生の御指摘まことにごもっともでございますが、一応総裁が申しましたことをこの機会を利用しましてちょっと御説明させていただきますが、総裁は、計数上五十一年度を考えてみると、従来政府から財政支出の形で援助をいただいておる、利子負担というかっこうで援助をいただいておりますが、そういうことを従来どおり継続してもらっても運賃だけで賄うとすれば二倍の運賃をちょうだいしなくてはならない、数字的にそうなるということを申し上げました。それだけ足りないということ。したがってこれを運賃でいただくか、さらに財政援助をふやしてもらうかということは今後の方法論にまたねばならぬということを総裁としては申し上げたかったわけでございます。その点が一つ。 それから後段の、御指摘の運輸省と国鉄で従来どおりの考え方でいろいろごちゃごちややっておって、それで実行性のあるものが出てくるのかということでございますが、この点につきましては、やはり私どもとして案をつくりましてそれを国会の場でも披瀝申し上げ、諸先生の御批判、御検討を賜って実行性のあるものにしていかなくちゃならぬ、かように考えておるわけでございまして、国鉄と運輸省とだけで事務的につくり上げた案がそのまま実行性があるのだということにはなかなかまいらないだろうというふうな考えを私どもは持っております。今後とも諸先生の御叱正、御指摘あるいは御指導、こういったものを賜っていかなくちゃならぬと思っておる次第でございます。
○杉浦政府委員 先生御指摘のように、過去におきまして四十四年と四十八年に再建計画をつくりましたが、諸般の情勢によりまして短時間のうちにその改定を迫られたわけでございます。私ども現在鋭意検討をいたして、来年度を目指しまして新しい計画をつくり直すということでやっておるわけでございますが、過去のそうした苦い経験は十分に教訓としまして、肝に銘じて参考にいたしたい。 なおまた、運輸省、国鉄で独善的な案というような御指摘がございましたが、決して私どもそういうような形でやるつもりはございませんで、やはり国民各位の御協力なり御理解が得られなければ、いかにりっぱな案をつくりましても、国会等におきましてそうした御理解が得られないという結果になることも予想されますので、十分にその点は、各層各界の御意見を参考にしつつわれわれは案をまとめていきたい。また衆議院、参議院等におきましても事前にそうした小委員会その他によりまして与野党ともの御議論がなされるというふうに聞いております。これらにつきましても私ども十分参考にし、また御連絡申し上げまして、何とか過去にありましたような、すぐ挫折するような案というものでないものをつくりたいというふうに考えておる次第でございます。
○勝澤委員 私といまの答弁とそう食い違わないのですけれども、ただ私は、計画をつくる中心が国鉄あるいは運輸省でなくてもいいのじゃないだろうか、もっと別の発想でその再建計画をつくった方が実行可能性があるのじゃないだろうか。なぜならば、国鉄の現状というのはだれが見ても変わりないわけですから。それをどう再建していくかという組み立ての問題だけなんでしょう。それを国鉄は国鉄でこうものを考えて、運輸省は運輸省で考えている。その考えの中に第三者の意見をいろいろ取り入れていく。ぼくはそれよりももっと飛び出て、国鉄の再建はどうしたらいいのだろうかというような、外部から第三者的なものからやってみれば、なるほど国鉄の言っていることもわかる、運輸省の言っていることもわかる、こう逆に戻ってくると思うのですよ。 ですから、いまの計画からいって運賃を倍ぐらいにも上げなければならぬようなものを仮に再建計画として出してこなければならないとするならば、なおさらその問題を国鉄からものを出す、運輸省からものを出すということじゃなくて、もっと別の角度からものを出して、そしてなるほどと納得をさせることにしない限り、幾ら国鉄がこれでいいです、運輸省がこれでいいですと言ったっていままでと同じものなんだ、私はこういう意味で言っているわけです。 ですから、私は、運輸大臣の言っている各階各層というのはそういうものかなと実は思ったのですが、いやそうじゃない、自分のところでやっている委員会に参考人でも呼んで、意見を聞いて取り入れられるものは取り入れましょうというようなことになるならば、これはまた問題だ。なぜかと言えば、たとえば赤字路線を一つ取り上げてみても、だれが見てもそれはもっともだと言いますよ、関係のない人は。しかし具体的にその場所に行ったならば、決めた案が一つとして実行されなかったじゃないですか。実行するにはどうしたらいいのか、あるいはされなかったらどうしたらいいのか、それが決まっていない土俵の上に幾ら再建計画が乗っておったってだめです。これはやはり副総裁、あなたも言っている新計画は実現可能性に重点を置いた計画でなければならない、これはあたりまえのことなんです。だからそれにするにはどうしたらいいかというその基礎が何もやられていないで積み上げているように私は思いますので申し上げているわけですが、この点は、私はやはり運輸省と国鉄だけでやっているという言い方は語弊があるかもしれませんが、私が外から見ていると、そう見えるわけです。 私は、国鉄財政再建計画だったら、財界のだれか代表を出してきたらどうだろう。総評の代表を出してみたらどうだ。消費者の代表を出してきたらどうだ。そして一切合財資料を与えて、そこで一回議論をやってみてください。二月か三月かかっていろいろ議論をやってみてください、第三者もだれも納得するように。そうすると、こういう問題がある、いや国鉄の不用地がいろいろむだだったら、これは具体的にこうなっています、これだけのものになりますということを一つ一つ積み上げていけば、私はみんなが納得をして、じゃあどういうふうにしようか、財政負担をどうしようか、利用者の負担をどうしようかというものにやはりなっていくと思うのです。 ですからそういう点で、私はやはり財政再建計画というものについての考え方というものはもっと広く考えてもらいたいと思うのですけれども、それは副総裁、運輸省、無理なんでしょうか。
○杉浦政府委員 基本的に先生のお考えとわれわれの考えは一致しておるものと思います。ただその手続、方法等につきましてどのような形で案をつくり、また御審議いただくかという方法につきましては、何しろ国鉄問題自身が大変なむずかしい内容でございますだけに、そのやり方につきまして今後一層検討をしたいというふうに私ども考えておりますので、今後勉強さしていただきたいと思います。
○勝澤委員 私はくれぐれも言っているのですけれども、中から出てきた問題というのはやはり中だけの問題と見られがちですから、物の発想の展開と言いますか、物の考え方のやはり基本をつくっていかないと、同じ結論が出てきてもなかなか実行の可能性がないということで、とにかく実現可能なもので、そんな長期のものでなくて、できるだけ短期でやろうとする考え、これは私はいいと思うのです。そしてそれがとにかく一応再建計画に乗ると思うのです。乗るからこそ出てきた結論というのは、だれもが納得をして、それを今度は実行に向かっていくというものにしないと、国鉄が案をつくった、運輸省が案をつくった、だけれども、それが自民党へ持って行った、大蔵省に持って行った、何か持って行ったらそれが削られ、削られ、また結局実際にはやってみたら予定どおりのものにならなかったという結論になるわけです。それがなるのがわかっているわけです。わかっていて同じ土俵をつくっているのです。 役人はかわっているからいいけれども、国鉄自体、経営自体は永遠なんですから、過去のいろいろな問題点というのを洗い直してみて、それには赤字線をいまの政治情勢の中から、いまの自民党の体質から、あるいは政治家の体質からどうしたらいいのかということまでやはり分析して積み上げていかないと——それを運輸省が積み上げた、あるいは国鉄が積み上げたでは第三者が納得しないけれども、あるいは組合の代表とか、消費者の代表とか、そういうものが同じ発想であっても物を言えば納得するわけですから、私はそれを言っているわけです。まあ、この問題はそれくらいにしておきます。 それで副総裁、新幹線の総点検の場合も私は同じことだと思うのです。国鉄の技術陣から見たら、新幹線というのは安全なんだ、それは半日休んで検査しなくても十分だという技術的な確信は持っておるかもしれないけれども、やってみた結果もそうだったかもしれない、しかし国民の方から見れば安全だろうかどうだろうか、とめてみて見た方がいいんじゃないだろうかということになったら、国民の意見に従ってやることも私はやはり国鉄の再建の考え方だと思うのですよ。おれの方がとにかく間違いないんだと言っておるだけでは私は物事は進まないと思うのです。 ですから次の問題として私が言えることは、安全の問題でも、みんなが汽車をとめて見ようと言ったら、やはりとめて見ればいいじゃないか。そんなこと言ったって無理だ、そんなこと言ったってむちゃだ、大丈夫なんだ。しかし、それを納得させる方法というのが、幾ら安全に運転をしたとしても、安全に運転したのにちょっと何かあれば、それが毎日のように新聞に出る、世論として出てくるわけですから、そういう点で私はやはり、国鉄の経営の再建の問題もそうだし、新幹線の問題も、あるいはこれから出てくる問題も、やはり物の考え方というものをいままでと変えた考え方でいかなければならない時代に来ていると思うのです。 そこで、新幹線総点検を実施した効果と、それから今後の総点検の考え方についてお伺いいたします。
○井上説明員 先生御指摘のとおり、国鉄は国民の財産でございますから、したがって、この運営につきましても国民の声をできるだけ忠実に反映し、吸い上げた上で経営し、運営していくということが必要であろうと思います。したがいまして、私どもできるだけ国民の御要望に沿うように努力いたしておるつもりでございますけれども、ただ国民の声というものがきわめて不確定なものでございまして、一方においては甲であるという御発言もあるし、一方においては乙であるという御発言もいろいろあるわけでございます。これを全部最大公約数的にまとめていくということは実は非常にむずかしいということで、いろいろ苦慮いたしておる次第でございます。 今度の新幹線総点検にいたしましても、私ども技術的に自信は率直に申し上げて持っておりました。しかし、昨年の七月以来確かに故障が続発いたしまして、新聞論調などを見ましても、まあ新聞論調を通してしかわれわれ国民の声というものを聞く手段がないわけでございますけれども、そういう新聞論調などを見ましても、やはり新幹線をとめてでも点検すべきだという声も出てまいりました。新聞論調だけでなく、新聞の投書欄などにもそういうものが出てまいりました。そういう声をやはり私ども国民の声と受けとめて、実は四回にわたって現実に半日列車をとめて点検したわけでございます。 したがって、今後ともそういう声がまた出てくるという場合には、私どもやはりこれを天の声としてそれに従うということは必要であろうと思いますが、現時点におきましては、四回やりましたけれども、定期的にこれをやらねばならぬというほどの結果はまあ出てきていない。なるほど昼間見るのでありますから夜見るよりもベターであるということ、これはもう初めからわかっておることでございます。ただしかし、新幹線におきましては在来線と違いまして夜五時間の保守間合いがある。在来線にいたしますとせいぜい二時間ぐらいしか保守間合いがない。それに比べますとかなり幅広い保守間合いを平生から持っておるわけでございますから、平生の保守体制というものはそれで十分とってまいれる。ただ新幹線という特別な交通機関に対して、昼間でなければどうしても発見できないようなものがあるならば今後とも定期的にやってまいらなくてはならぬという考えをもって今度の総点検を実施したわけでございますけれども、その点につきましては、少なくとも現時点においては定期的にやらねばならぬというような要素は発見できません。やはり従来どおり、夜五時間程度の保守間合いでやっていくという体制でいけるという自信を持ったという次第でございます。
○勝澤委員 ついでに申し上げておきますけれども、国民本位とか乗客本位とかいうふうに言われているのですけれども、結局、国民本位とか乗客本位というのが、逆に言うとどうしてもこれが国民本位、乗客本位即営業政策本位というふうに見られがちなんです。 〔委員長退席、野坂委員長代理着席〕 そこで私は、やはり最近新幹線だけでなくて在来線のものを見ても、実は安全、保安を第一義的に列車のダイヤは組むべきじゃないかという気がして仕方がない。東海道線でも列車間合いがないと保守ができない。一時間ぐらいとればいいじゃないか。それは国民本位、乗客本位でもっと汽車を動かさなければならぬけれども、やはり安全本位で物を考えたらいいじゃないか。あるいは一日、半日新幹線をとめるよりも、シーズンオフに終電を繰り上げてやってみたらどうだ、始発を少し繰り下げてみたらどうだ。こういうことで時間帯を少しとってみたらどうだ。そしてお客にダイヤを合わせるという言い方よりも、やはり国鉄の安全輸送のためのダイヤにお客を合わしていく、こういうことが必要じゃないだろうか。半日とめてみたけれども、とめてみた結果というものは私はそういうふうになったと思うのです。ですから、国鉄は何でもかんでもお客を運はなければならぬというより、国鉄のお客を運ぶ能力はこれだけですよ、どうしてもここの空間は必要なんですよ、そうしてその後にお客に乗ってもらうということにしないと、事故が起きたときには国鉄の責任になるわけですから。 国鉄は輸送力以上のものを背負ってアップアップしているという感じに見えて見えて仕方がないのですよ。たとえば国電の何分間隔というのを見ても、よそから見たら綱渡りのようなことをやっているのじゃないだろうか。一体これでいいのだろうか。機械的に、科学的にはそれでいいのですよ。いいけれども、国鉄の安全の上からやはり物をもう少し考えていく。そしてお客自身に選択をしていってもらう。朝晩のラッシュについては、もう年寄り、子供は朝晩は乗らないのですよ。年寄り、子供というのはとにかく昼間すいているときに乗るのです。やはりこういう問題というのはお客自体に考えさせていかない限りなかなか解決はしません。国鉄が無理に汽車を走らせている。それも時間があったらやろうと思いましたが、時間がありませんからできないのですけれども、二〇〇%も二五〇%も乗せている。一体どこが限度なのだろうか。 この間、私の方の観光汽船の会社の従業員が、朝の通勤で港から工場に運んでいるが、運輸省という役所は私らがお客を乗せることについては物すごく定員をやかましく言う、しかし国鉄は超満員の汽車を走らせている、何にも取り締まりをしない、バスは超満員でつる下がっている、一体どういうわけで船だけ取り締まるのだ、こう言うわけです。これはいろいろ理屈はありますよ。いろいろ理屈はあるけれども、私は国鉄の安全という問題をもう一回考え直してみたい。 ですから、企業の中でも、会社の中でも、いま公害という問題あるいは保安という問題を重点的に考えた運営がなされている。それと同じように国鉄の中でもやはり保安とか安全とかということを一番重点にして乗客のことを考える。その上に今度は営業とかそういうものを乗せていくということにしていかないと、国鉄の考え方というのは国民本位、これだけの汽車を運転しなければ大変なことだ、それが客の方から見ていると、われわれの方から見ていると金もうけ主義に見えるわけです。いや、そうじゃないと言われてもそう見えるわけですから、ひとつそういう点で新幹線の総点検をやった結果というものについて十分お考えをいただきたいと私は思うわけです。これは答弁は要りません。 そこで、新幹線の点検が終わった後CTC、列車集中制御装置の事故が出てきている。二月二十三日あるいは二十七日、これは実際に聞いたわけではありませんけれども、新聞で見ると操車場の過失かまたは不注意だと言われる。だから操車場の過失か不注意があるものについて、何かこれを防ぐ方法はないだろうかということを考える必要性があるのじゃないか。人間ですから間違いがあるわけですから、間違いがあった場合でも間違いがないようなシステムというものがないものかどうなのか。この原因と対策についてお聞かせ願いたいと思います。
○山岸説明員 先月の二十三日の事故につきましては、新幹線の早朝第一番の列車を出す前に、すべてコンピューターの条件をいわゆる正規と申しますか、雑音の入っていない状態にしてスタートを切る状況になっておるわけでありますが、これが一部機械的に十分といえない部分、これは消す操作が二秒かかるというような問題を含んでおりまして、ハードの面におきます問題、それからまた取り扱い面におきましてもそういう状況がコンピューターに残る、いわゆるこだまの線に入れるべきものが、ひかりの線を通過するような条件を先に入れて、それを完全に消したことが自覚されないというような問題があるわけでありまして、取り扱いの面では必ず二重に先に入っている条件というものを消すというマニュアル、それからまた一面におきましては機械的にこれを自動的に消してしまうという、二つの面から現在進めているわけでございますが、自動的に消す問題につきましては、早急にこれを約二カ月ぐらいの間に直したいということで現在進めている次第であります。 もう一つの二十七日の分につきましては、列車を一たん運休いたしまして、これをもう一度運転再開という入力をコンピューターに取り扱い者がいたしたわけでございますが、その際に、ひかりでありますのに米原は通過という誤認で入力をしてしまったわけであります。幸いにして駅へ入る前にこれが発見されまして、取り扱い者も入力ミスであることをすぐ申し出て、この対策を打ちましたので、二十七日の分につきましては比較的列車の遅延も少なくて済ませることができたわけであります。 これにつきましてもすばらしいコンピューターによるコムトラックというシステムを駆使しながら、最後は人間の手によらなければいかぬという問題があるわけでございます。先生御指摘のとおり、人間と最新の機械との調和という問題についてもう一つ私どもは勉強を進めていかなければいかぬ問題があるかと思います。二十七日の分につきましては、入力の再チェックというマニュアルをしっかりやってもらうということが第一点であります。第二点につきましては、それをもう少し人間工学的に見た場合に、何かわれわれの指導上欠陥がないのかという研究をただいまいたしているわけでありまして、その両面からこの問題を進めてまいりたい、こういうように考えている次第であります。
○勝澤委員 短い時間ですから、中身について私も専門家でないのでよくわかりませんけれども、一人で見る目でわからなければもう一人、二人でものを見るということによってそういうことがなくなるなら、そういう点もやはり研究しなければならぬ問題じゃないだろうかと思うのです。ですから私は、むだであるとかないとかということもありますけれども、やはり安全の問題についてはよほど思い切ったやり方をしないと、一度何か事故でもあったら大変なことですから、これはひとつ対策についてしっかりとした結論を出して、人間の間違いというものはあるわけですから、間違いがあってもそれをチェックするシステムというものをしっかりとしていただきたいと思うわけです。 それから次に、新幹線のトンネル火災の防止対策について、この間ある新聞で、避難斜坑が使えず、山陽新幹線岡山−博多間、この記事を見ていると新幹線の中で火災が起きたら大変なことだなと実は思ったわけです。ほかの新聞を見たら書いてありませんでしたけれども、これはやはりこの機会に新幹線のトンネル火災についてどういう対策をされているのか、あるいは北陸トンネルのようなああいう火災というのがいまの車両構造の中で予想されるのかどうなのか、そういう点についてひとつ説明をしておいていただきたいと思います。
○井上説明員 確かに国民の皆様にも新幹線のトンネルの中で車両火災が起こったらどうなるのだろうという御心配があるということは、重々私どもも感得いたしておりますが、ただお考えいただきたいことは、この新幹線の車両は火災に対しては非常に強いのでございまして、材料にいたしましても不燃性のもの、あるいは難燃性のものを使っておりますし、それからまた各車両ごとに鋼製の仕切りとびらというものを整備いたしておりますから、車両から車両へ延焼していくということもございません。それからもう一つは、夜行列車を運転しておりませんから寝台車がない。お客様の中には居眠りしておられる方もおありかもしれませんけれども、大体においておきておられるお客様が乗っておられるわけで、したがって、ハード的にもソフト的にも火災に対しては強いということはございます。しかし万一ということがございますから、その万一の場合に備えていろいろの具体的な細かい施策を私どもとしては考えております。その具体的な施策につきましては担当常務の方から御説明させていただきます。
○山岸説明員 簡単に御説明申し上げたいと思いますが、地上設備につきましては、北陸トンネル事故以来、在来線につきましても無線の設置、新幹線につきましても六甲トンネル等につきまして無線の増強、同軸ケーブルの設置等によりまして司令との連絡をいち早くできるという体制、それからまたさらに、これがぐあい悪くなった場合には直ちにトンネル内の電話ボックスによって連絡できるように五百メートル間隔に電話機を設置してございます。なお、最悪の状態に備えてトンネル内には、器材坑に十本ずつの消火器をつけ、さらに明かりの問題もありますので、電灯の照明、さらに一斉点滅装置、あるいはトンネル内における位置がはっきりわかるように、五百メートル間隔の標示、あるいは万一温度が上がって架線停電という場合に備えまして、架線に燐を入れた温度に強い特殊なものを設置する。あるいはまた列車防護スイッチさらに電話ボックスの間にもう一カ所ずつつけるというような装置をしてございます。 また、車両につきましては、ただいま副総裁が申し上げましたように、難燃化、不燃化というようなところに留意すると同時に、食堂車が一番火を使うわけでありますから、食堂車には熱及び煙の感知装置を全部つけてございます。さらに各列車に三十八本の消火器を備えつけているわけでありますが、恐らくこの難燃性の車両に対しましてはこの消火器でもって消せるであろうということが、現在の研究ではわかっているわけであります。なお、新幹線の車両におきましては、密閉されておりますので、お客さんを避難誘導し、他の車両に移ることによって、先ほど副総裁が申し上げました鋼板の仕切りとびらで仕切ることによって、走行しているうちに消火するということが諸先生によって立証されつつあるわけでありまして、私どももいままでの試験結果からは確かにそうであろうという信念を持っているわけであります。 なお、こういう状況のもとで万一、火災とまではいかなくとも、客室内において物がいぶり出した、荷物がいぶり出したというような場合には、動力車乗務員と車掌との相互連絡によって、とにかくその車両からお客さんを隣接する車両へ移動申し上げる。と同時に、できるだけトンネルを飛び出す。関門トンネルでございましても七分半あれば入り口から出口まで走るわけであります。その間に走行が不可能になるということは現状においては考えられないわけでありまして、それを基本として乗客の誘導を指導している次第であります。
○勝澤委員 時間がないので最後に一つだけお尋ねいたします。 二月五日に東海道線の清水の辺の鈴木島踏切で事故があったわけです。この踏切事故は大型トレーラーに電車がぶつかったわけであります。ここは一日約六千台の交通量がある過密踏切で、下り方面からの見通し距離は百メートルもない地点の踏切であるということが事故の結果明確になったわけであります。そこで私は質問をいたしたい。 第一は、具体的にこの鈴木島踏切の立体交差化についての見通し、いつでき上がるのかという点。 二番目に、踏切の安全対策の場合、こういう過密な踏切とか、あるいは見通しの悪いようなところというのは特殊な対策というものを立てるべきではないだろうか。そういう点で具体的な対策についてお聞かせ願いたい。 第三に、踏切の支障物探知装置というふうなものがあるようでありますけれども、こういうものについてどういうふうになっておるのか。 それから四つ目として、こういう衝突事故で特に乗務員の死傷事故が起きているようであります。それで特に乗務員の人たちからは電車の前部を補強してくれというようなことについての意見もあるようでありますけれども、こういう問題についてどうされておるのか。 この四つの点について御質問いたします。
○山岸説明員 第一の鈴木島踏切の立体交差につきましては、地元とも交渉中でありますけれども、いつまでにできるという線はいまだ出ておりません。ただ、あの踏切の近くを通るバイパス道路の工事が非常に進捗いたしておりまして、四月中には完成するということであります。そのバイパスの完成を待ちまして、この踏切を一方通行の踏切にしていただくことを地元とただいま折衝中であります。一方踏切にしていただきますとずいぶんこの踏切の状況は改善されるものと思うわけであります。 なお、障害物探知装置というものを現在全国で三百十六カ所、赤外線によってやっておりますけれども、この踏切につきましても今年度できるだけ早くこの探知装置をつけたい、こういうふうに現在計画中であります。 なお、車両の前面強化でありますけれども、私どもも非常に頭の痛いところでありまして、年間十五名ぐらいの乗務員がけがをいたします。最も踏切事故の多かった昭和三十六年、恐らくことしの倍ぐらい、ことしは千五百件ぐらいで済むと思っているのでありますが、当時は三千件を超しておったのであります。その事態に対処いたしまして、昭和三十六年以来車両の前面強化、板厚の増強、あるいは枠組みを太くするというようなこと、さらには運転台を高くする、さらに最近新しい車につきましては気動車等について運転台を引っ込めるというような措置を講じている次第であります。特急、急行等につきましては前面強化あるいは運転台の打上がほとんど完成いたしておりますけれども、まだ近郊電車、通勤用の電車につきましては目下急いでこれらの施策を講じておるところでございます。
○勝澤委員 私はこの間も電車の運転台に乗ってみたのですけれども、自動車の衝突の実験というか研究と比べて、何か電車の方がおくれているのじゃないだろうかという気がしてならないわけですよ。そういう点で、いまも努力をされているようですけれども、さらに一層の努力を要望いたしておきます。 最後に、ちょっと時間がございませんけれども、急行料金の払い戻し制度についてお聞かせ願いたいのです。 急行料金の払い戻しについて法律的にいろいろお聞かせ願ったわけですけれども、法律的な根拠というものはなくて、国鉄の急行ができた当時の考え方からいまもやられておるということであります。そこで、払い戻しをする制度というものはどうして起きてきたものかということ、それから他の交通機関にはこういう制度というのが見受けられないのですけれども、それとの問題、それから最近新幹線が一時間であったのを二時間にされたというようなこと、それから遅延をした列車が二時間ということを意識して、運転回復するというようなことが過去はよくあったわけですけれども、安全を守る立場からいって一体どうなのか、こういう点についてひとつ御説明いただきたいと思います。
○岩崎説明員 いま先生からお話がありましたように、法令上は特に遅延を理由にした払い戻し制度というものはないわけです。しかし、急行料金というのは、急行列車を利用することによる時間節約のメリット、こういうものを設定の一つのファクターといたしておりますので、これは運送契約の中で、サービス上の観点から、到着時刻に二時間以上おくれた場合には全額を払い戻しをする、こういう制度をとってきております。二時間と定めましたことにつきましては、特に具体的な根拠というよりも沿革的なものでございまして、昭和の初期以来三十数年にわたってこの慣行を持続しておる、こういうことでございます。 それから、最近新幹線を一時間から二時間にいたしましたが、新幹線開業当初は距離も短くて、運転時間も非常に短い、一般の急行、特急に比べまして、平均大体半分くらいの運転時間でございますので、そういう趣旨から一時間という特例を設けたわけでございます。ところが、最近御承知のように岡山まで延長いたし、さらに三月十日には博多まで行ったわけでございますが、これによりまして新幹線の一個列車平均の運転時間というのは大体在来線並みになってきた、こういうことで、新幹線だけに適用いたしておりました特例を外しまして、一般の制度を適用するように制度を戻させていただいた、こういうように御理解をいただきたいと思います。 それからもう一つは、おくれないように一生懸命機関士が回復運転をやるのではないか。これはそういう話も昔の機関士かたぎというものでやったということは聞きますけれども、安全を無視したような回復運転をやるというようなことはありませんし、そういう指導は全くいたしておらない、こういうことでございます。
○勝澤委員 時間がありませんから、あと残った問題は次の機会に譲りまして、これで終わります。
○野坂委員長代理 次に、沖本泰幸君。 〔野坂委員長代理退席、勝澤委員長代理着席〕
○沖本委員 私は、きょうは主として救急医療体制につきまして、関係の方々にお伺いしたいと思います。 「救急医療体制確立に関する提言 日本交通政策研究会」という資料をちょうだいしたのですが、この中の「はじめに」というところ、これは非常に示唆するところが深いので私、お読みいたしてみたいと思います。 「思いもかけなかった場所で、交通事故や災害、あるいは突発的な疾病などに襲われたとき、はたしてどれだけの人が自分自身の力で命を守るための初期診療を受け得るであろうか。世界の国々はこうした事態に直面した人達の生命を社会全体で守る「救急医療制度」の確立に大きな努力を払っている。 近年、わが国においても救急需要の増加に伴って、救急医療制度に対する関心と認識は急速な高まりをみせている。しかし、いまだ十分な体制というにはほど遠く、このため多くの人達は事故や疾病等に加え、救急医療体制の不備という「人為的災害」にもさらされている。」と述べていらっしゃるわけで、これは全く同感で、このとおりというふうに私は考えるわけでございます。 そこで、概略的に現在の状況を考えてみますと、この救急医療体制あるいは制度、そういうものにつきまして日本医師会あるいは弁護士会からもいろいろな提言があり、各種の団体からも同じような要望がたくさんあるわけですけれども、第一番に挙げられておることは、国と地方自治体とがばらばらである、このばらばらなこういう問題を早急に一元化すべきである、こういう意見も多くあり、全くそのとおりであるということも言えます。また、そういうものに伴って、この医療体制とそれからこの医療に関する法律、こういうものを一体にして、救急医療体制の一元化とそれから救急医療基本法を早急につくっていくべきである、こういう考えがだんだん多く出てきており、そういうものに対する要求が多くなってきております。 また、この中で、これからも御質問いたしますけれども、いわゆる諸外国と現在の日本の救急医療体制と大きな食い違いがある。ヨーロッパ諸国では非常に進んでおる面もある。そういう研究もなされておるわけですけれども、そういうことに対して、たとえば救急車の中で初期診療なり初期的ないわゆる治療、こういうものが行われておる。これは非常にヨーロッパの国で発達していっておる。ところが日本の場合は、消防庁の救急車あるいはそれに類する団体の救急車がこういうものに当たっておるわけであって、そして全然こういうことの訓練を受けていない消防署員がこれに当たっておるから、ただ単なる担架に乗せて運んでいくということにとどまっており、また運んだ段階で近くに救急医療病院がない、救急医療施設がないというので、あちらこちら運びながら回っている間に患者は亡くなってしまったということがしばしば社会問題で新聞紙上をにぎわしておるという点は、これはもう重大な関心を持って考えなければならないし、早急にこれは対策を立てていただかなければならない問題であると私は考えるわけです。アメリカの場合はある程度の技術的な訓練を受けた人が車の中に乗っておって、その人たちが病院へ運ぶまでの間の処置をやっておる。車の中にそういう設備もあるということもありますし、またヨーロッパの国でもそういう問題を十分取り入れてやっておるということでございます。しかしながらわが国の場合は、公立病院やそういうところにも夜間診療あるいは救急医療体制に対する医師が不足しておる。看護婦が不足しておる。あるいは運んでいっても、みな責任のなすり合いをしていて診てもらえない。診てもらえない理由が十分あるというわけなんですね。そういう問題と絡めて、これは早急に対策を立てなければならないわけです。 国民は健康で文化的な生活をするための権利を持っておる、これは憲法で保障されておるわけです。そのために税金を納めていき、そのために種々の行政機関があってそれに対応していかなければならないということになるわけですから、ただ、そういうことが不備でございます。不十分でございますということでお茶を濁しておられる問題ではないということになってまいります。そういう要求される問題に対応しながら体制を十分整えていくということが一番大事な観点ではないか、こういうふうに考えるわけであります。 そういうことにつきまして、警察庁の場合は、高速道路上あるいは国道、その他いろいろな地点で事故が起きてまいります。そういう交通事故あるいはまた救急医療に関する一一〇番なりそういうものがあって出動されるわけですけれども、そういたしますと、たとえば警視庁管内で事故が発生した。それでいわゆる一一〇番によってパトカーが駆けつけてみたら、これは交通事故による事故ではなくて一一九番の方の救急車の事故だった。改めて救急車を呼ぶよりもパトカーで運んだ方がいいということになっていろいろ連絡し合ってみると、神奈川県警の方に近い側のところにある。これは道路上の問題、自治体の問題あるいは医療センターの問題でも同じことが言えるわけですけれども、運んでいこうと思っても財政上の問題とか行政機関の問題で運べない。わざわざ不便な自分の管内へ持っていかなければならない、こういう事例があるわけです。そういうものをあわせて考えていただきながら、どういう現況であるか。私の申し上げたのは一例であって、そういうことに対して警察庁の将来の医療体制なり救急の問題に対するお考え、こうした方がいい、あるいは現状はこうだからこうやるべきである、そういう内容にわたった問題。 それから建設省の方は、たとえば高速道路がありますけれども、高速道路上の過積みの問題で、とてつもなく大きな重量のものを制限以上に積んで走っておる。最近、トン数を調べるというような方法まで考えられてきておりますけれども、それで道路が傷んだりして、それが事故発生につながっていくというようなことも考えられるわけです。ですから、いまの道路交通の中で起こる車両の事故につながる内容に対して、いろいろの点から事実について、あるいは将来についてのお考えを述べていただきたいし、消防庁の方はいま申し上げた中で一番中心になるような問題でもあるわけです。 ですから、そういう点について現在の救急医療体制なりあるいは救急医療病院、診療所、そういうものの現況、これはどういうふうに将来改めていくべきであるかという点についてのお考えを、最後に厚生省にはそういう問題をひっくるめて今度はお伺いしていきたいと思います。それからその次に総理府に伺いますが、まず、警察庁、建設省、消防庁の順でお答えいただきたいと思います。
○鈴木説明員 事故の関係の実態はどうかというふうなお尋ねでございますが、それぞれの県の関係が一番密接に絡み合っておりますのは、先ほど御指摘のありましたように、高速道路の問題が一番主たる問題であろうかと存じます。 高速道路につきましては、四十九年の事故の件数でございますが、人身事故が二千二百十二件ございました。このうち死亡が百三十二人でございまして、負傷者が四千九十九人、全部合わせまして四千二百三十一人の死傷者を出しております。このほかに物損事故が七千四十一件ございまして、事故といたしましては全体で九千二百五十三件、昭和四十九年中では発生しておるというふうなことでございます。 ちなみに道路別で申し上げますと、何と申しましても東名高速道路、これは人身事故でございますが、八百七十三件で六十七人死亡しておりまして、これが一番多いわけです。続きまして名神高速が六百九十九件、三十五人の死亡というふうな状況でございます。事故の原因につきましては、わき見運転とか、ハンドル操作不適当とか、ブレーキ操作不適当とかいうものが主たるものでございます。 関連いたしまして各都道府県でございますが、都道府県のいわゆる指定府県と言われるような大きな県、それから中くらいの県、それから小さな県、これはもちろん高速道路などを含めまして、地域別に致死率あるいは人口十万人当たりの死者、そういうものをちょっと申し上げますと、指定府県、これは東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡、こういうふうなもののトータルでございますが、これが十八万六千三百七十四件ございます。これに関しまして死者は三千四十一人出ております。これが人口十万人当たりでございますと、七・〇人、それから発生件数に割合いたしますところの死者、いわゆる致死率でございますが、これが一六・三ということでございます。 次に、中くらいの府県を申し上げますと、栃木、長野、三重、岡山、熊本クラスでございますが、これが合わせて四万五千百二十二件でございます。死者のトータルは千二百十二人でございますが、十万人当たりの死者をちょっと申し上げますと十三・八人、それから致死率でございますが二六・九人、こういうふうなことでございます。 それから後の小さい府県のグループ、岩手、福井、奈良、鳥取、佐賀、このクラスでございますが、これが発生件数が二万七百八十一件、死者が五百三十四人、人口十万人当たりの死者数が十一・六人、それから致死率が二五・七人というふうな数字でございます。 ちょっと詳しくなりますけれども、人口十万人当たりの都市別のものを申し上げますと、人口百万以上が十万人当たりの死者四・八でございます。人口五十万以上が八・三、それから人口十五万以上が九・三というふうなことになっております。 最後につけ加えまするに、人口十万人当たりの死者数の最も高い市、これは山口市でございまして二十八・四、それから人口十万人当たり最も低い市、これは東村山市でございましてゼロというふうな状況になっております。 以上でございます。
○加瀬説明員 私どもの方は、主として救急との関連では高速道路が問題になるかと思いますが、ただいま警察庁の方から御答弁ございましたが、高速自動車国道におきます交通事故の発生状況といいますか、これは私どもでは億台キロ当たりの死傷者率というものを重視しておるわけでございますが、たとえば四十八年の東名高速道路の場合に億台キロ当たりの死傷者率が三十九、名神で五十五という数字になっておりまして、これが一般道路で約三百という数字が出ておりますので、そういう意味では非常に事故の発生の可能性は少ない道路かと思います。ただ、一たび事故が発生しますと、重大事故につながる例が非常に多いということでございますので、おっしゃるように救急体制ということについても、交通安全基本計画の中で道路公団におきましても相当な責任を持って取り組むべく位置づけられておるわけでございます。 それから重量計等の設置状況でございますが、この種の事故が主として大型の車あるいは過積みの車による道路の破損なり何なりに起因するということも多い関係上、私どもとしましては重量計を逐年設置しておるわけでございます。たとえば道路公団におきましては、本年一月現在で重量計を、車重計を七十、軸重計を百四十三設置しておりまして、これらの取り締まりにつきましては、私どもに直接に権限がない関係もございまして、警察の御協力を得て取り締まりをしておるわけでございます。 なお、このような情勢にかんがみまして、交通安全基本計画の精神にのっとりまして、昨年の三月高速道路救急業務調査研究委員会の審議の結果を得まして、四十九年度から予算措置をするということで、内容といたしましては、公団が交通管理業務とあわせまして自主的な救急業務を行う部分とそれから沿道市町村に対します救急業務についての協力という二つの側面から、沿道市町村と協力して救急業務に当たる、こういう体制をとっておるわけでございます。
○矢筈野説明員 ただいま先生から御指摘を受けましたように、最近の救急事業は非常に急増しておりまして、火災件数よりもはるかに多くの件数を消防機関が搬送業務でこなしておる実態でございます。特にその内容を見ますと、急病が約五〇%、交通事故が二五%ぐらいでございまして、両者で七五%を占めておる実態でございます。消防機関は御指摘のとおり、法律に基づく搬送業務が中心でございまして、救急車において医療行為を行うということは許されていないわけでございます。ただし、現実の問題として応急的に具体的な措置を講じなければならぬ実態がございますので、それらについては、普通の一般職員と異なる特殊の技術を要するという観点から基準を定めておりまして、百三十五時間の関係知識、技能を授ける課程を終了した者を一定の資格者として考えております。その資格者が現在二万四千の救急隊員のうちの約三八%でございます。そういうかっこうで救急業務をやっておりまして、現在全日本の人口の九三・三%、市町村でいきますと約七四%がいまや救急実施体制が整備されておる地域に広がってまいりました。しかしこれでは不十分でございますので、なお今後広域化、常備化の促進を図りながらさらに救急実施体制の整備を図るとともに、隊員の資質の向上も図ってまいりたい、かように考えております。 それから、御指摘の医療機関との問題でございますが、これは消防機関が最も頭を悩ましておる点でございまして、それぞれ利用の態様は違いますけれども、第一次搬送機関から第二次搬送機関、さらには傷病に応じて第三次搬送機関というぐあいに医療機関のシステム化という問題が具体的に講ぜられますときわめて能率的に搬送業務の方も進むわけでございますが、まだまだそこまで欧米並みに熟していない日本の現状からみますと、どうしても消防サイドで医療情報というのを入手いたしまして、医師会の協力を待って適切に搬送する、できるだけ早く患者を医療機関に運び込むということをやっておるわけでございますが、なかなか医師の不在その他で円滑にこれが行われているとは考えられてない点もございます。さらにこの点については、御指摘のとおり厚生省ともよく協議を図ってセンターの設備あるいは休日、夜間の診療体制整備についても努力していきたいと思っております。 なお、補足申し上げますが、来年度から消防の方の予算にも、休日夜間診療所対策費としまして、いわゆる消防サイドで救急ドクターというものを抱え込む制度を新設いたしまして、救急業務協力推進費補助金制度というものを人口十万未満の市町村に三分の一の補助を国が行うという点で計上しておりますので、この点は、いま申し上げましたように、医療機関との連携の強化の一端をも担うという性格を持つ意味において、私どもはさらに充実させていきたい、かように考えておる状況でございます。
○沖本委員 先ほど警察庁の方からいろいろと数字の上で現況についてお答えがあったわけですけれども、それにつきまして、現在の交通事案あるいは救急事案、そういうものを中心にして、いま問題になっている問題から将来こうしなければならぬというような点をもっと御指摘いただきたいと思うのですが、その辺はいかがですか。
○勝田政府委員 先ほど参事官からお答えいたしましたように、大都市、それからそれ以外の府県によって致死率が違うわけでございますが、それは事故の態様も若干関係あるかとも思いますが、やはり救急医療体制の整備の状況が違っているという点が大きいかと思います。 それで、現実に事故が起こった場合に救急車で運んでいただく場合が多いわけでございますけれども、警察の車、パトカーで運んでいる場合も七%ばかりあるわけでございますが、そういった場合につきましては、現場の処理についてはもちろん第一義的には負傷者の救護ということに最大の重点を置いております。それから警察といたしましても、医療施設その他につきましては管制センターに全部記録を持っておりますし、パトカーもその当該地域の医療施設については十分承知をしてそこへ運んでいく。そこがだめな場合には中央管制センターに連絡をしてさらに運んでいくというような体制をとっておるわけでございますが、先ほど消防の方からもお話がございましたように、夜間その他の医療体制については必ずしも十分でない面があるわけでございまして、せっかく運んでいっても必ずしも十分に受け入れていただけないという状況もあるわけでございます。 そういった点につきましては各府県なりで、それぞれ知事さんにそういった実情もお話しして、何とか救急体制をひとつ整備していただけぬだろうかという要望もしているわけでございますが、われわれの立場からいたしましても救急体制というものにつきましては統一的な、ある程度地域的にも、どこへ行けばよろしいというようながっちりした体制をつくっていただけることが何としても望ましいというふうに考えております。
○沖本委員 この「救急医療体制確立に関する提言」というものの中に、「救急需要の増加」という点が述べられているわけです。 救急車を利用した傷病者数は年々増加の傾向にあり、現在では年間百万人を超えている。これは、モータリゼーションの急激な進展にともなって、昭和三十年代以降、交通事故負傷者が激増したこと、医療機関の夜間・休日休診の恒常化など、社会環境の変化によるもので、今後も救急需要の著しい増加が予測されている。という点なんですが、これはだんだん厚生省に伺っていかなければならない問題であります。 厚生省令によれば、救急医療機関は、救急医療機関として必要な条件を自らの責任で具備して都道府県知事に協力を申し出ることになっている。 申し出を受けた知事は、規定の条件を満してさえいれば、救急医療機関として告示するが、これは単に告示するだけにすぎず、それ以上の行政的責任の所在はきわめて不明確である。 このような制度においては、救急医療機関となるか否かは、医療機関側の自由な判断にまかされる。従って、病院がその地域社会において救急医療上いかに必要かつ重要な役割を持つものであっても、救急医療機関となる義務はまったくないばかりか、やめることも自由である。 このため、救急医療機関の配置一つをみても、その地域社会において最も適切と思われる医療機関が必ずしも救急医療機関であるとは限らないし、必要な地域に救急病院がなかったり、地域によっては極端に集中するといった現象が起っている。 また、現行の告示制度では、救急医療機関の持つ医療施設及び設備、規模の大小、診療能力の相違は評価の対象となっていない。こういう点ですね。だから、 救急医療機関としてはまったく同等で、なんら区別されることはない。こういう点が指摘されておるわけです。 さらに、わが国の救急医療機関は、そのほとんどが外科系であるなど、診療科目の偏りが指摘される。 救急医療機関を定める現行の厚生省令は、災害、事故にかかわる救急患者の搬送を目的とした消防法を受けて規定された。先ほどお話があったとおりです。 以上のような現状を考え合せた場合、医師及び医療機関を選ぶことのできない立場にある救急患者は、必ずしも適切な診療を受けられるとは限らない。極端ないい方をすれば、救急車の送り込む先の病院の如何が「命の別れめ」となりかねない。こういうふうに述べられておるわけです。さらにまた、 そのような診療能力を持った総合病院の積極的参加が必要であるにもかかわらず、現状は、救急病院として最もふさわしい総合的診療能力を持ち、本来、地域住民の健康を守るための中核的役割を果すべき国立、都道府県立、大学病院など、公共的病院の参加は低調で、いまだその半数以上の病院が救急病院とはなっていない。 このような状況に対処するため、厚生省は人口百万人当たり一カ所を目標に、百五十三カ所の救急医療センターの整備を行なった。これはこの間あったところです。 それで、脳神経外科のことについてはずいぶん力を入れてきているわけですけれども、力を入れた割りには十分になっていない、まだまだこれからだということで、お医者さんが足りない、看護婦さんが足りないということで、これが考えられてスタートしたときと全く同じという点。それから一昨年は、沖繩が復帰してきて沖繩の救急医療が重大問題になってきておった。那覇市で患者が出たというのに、とんでもないところまで一時間もかかって運ばないとどうにもならなかったという点が大きな社会問題になってきている。 こういう点から考えていきますと、これは百五十三カ所というものを指定されたけれども、そういういわゆる活字と言っていいのか、一つの方法として言われただけのことであって、現状に即した体制がとられたとは言えないわけです。ですから、果たしていつの時期になったらこういうものが十分ではないにしてもほぼ満たされていくような状態になっていくのか、ならないのか。 それから、先ほど言いましたとおり、病院へ運んでいっても、消防法によると運ぶことしか仕事になってないわけですから、運びさえすればいいわけなんですね。ところが、運んでいったところで断られるということになるからあっちこっち持ち回るというふうなことで、そういうことのために人の命を失ったとか、助かるべきものが助からなかったとかという問題がたくさんあるわけです。 お医者さんの方にしてみれば、とりあえず運び込まれるけれども、そこで助かるか助からないか、自分が診療している間に命を落とすと自分のところに責任がかかってくる、そういうふうな小さな診療施設ではそういうことを果たせないということになるわけですから、結局は断ってしまうというような事情もあるわけです。 こういう問題はどうしても法律できちっと規制していって、法律に従ったことで体制をとっていかなきゃならぬ、こういうことになるわけですし、また各自治体と言っても、都道府県もあれば市町村もあるわけです。そういうところがもうばらばらになっておるわけですけれども、とりあえずそういう問題に対して厚生省はどういう考えをお持ちなんですか。
○黒木説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、救急医療の問題につきましては問題が山積しておりまして、たくさんの問題を解決をしていかなければならないわけでございますけれども、現在厚生省がやっております対策のあらましをまず御紹介いたしますと、救急告示病院なり診療所の交通事故の患者その他について、主として外科系の患者について初期的な治療を担当させようということで、現在四千七百四十五カ所の告示病院をお願いしているわけでございます。 それに対しまして、救急告示病院ではたとえば脳外科の手術とか、その他非常に専門的な治療はいたしかねますので、先ほど先生の御指摘になりました救急医療センターの整備をやっておりまして、これは考え方といたしましては人口百万人に一カ所ということで整備を行いまして、すでに百十一カ所の整備を終わったわけでございます。そのほか、高速道路沿いにセンターを置く、あるいは交通事故が多発しているところにセンターを設けるというようなことで現在まだ整備いたしておる最中でございまして、四十八年度末に百七十九カ所の整備を見ているわけでございますが、今後ともこの拡充に努めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 その他、最近の救急患者の状況を見てまいりますと、先ほど消防庁の方から答弁がございましたように、交通事故以外の救急患者、子供が熱を出したとか脳卒中の患者、その他たくさんの内科系あるいは小児科系の救急患者が発生しておりまして、そういうことに対しまして休日とか夜間の診療が問題になりますので、休日夜間診療所の整備を行っているということでございまして、これも人口十万人以上のところに整備をしようということで現在百三十四カ所程度の整備を見て、まだ整備中ということでございます。 その他、お医者さんの希薄なところ等になりますと、休日夜間診療所とかそういうものはどうしても期待できませんので、当番医の制度を普及しておりまして、現在、人口で申しますと六五%ぐらいが開業医の当番医制でカバーされているという状況でございます。 その他、救急医療については情報システムと申しますか、たとえば病院の受け入れ状況あるいは患者さんの発生状況、輸血のストック状況、その他もろもろの医療情報が当然救急には大切でございますので、そういった医療情報のシステムの開発に取り組んでおる最中でございます。 そのほか、救急医の専門的な研修ということで、先生先ほど御指摘のような脳外科のお医者さんあるいは麻酔科のお医者さんというような者に対して研修を実施しております。そのほか県に委託しておりまして、県のレベルで救急センター等に勤務される救急医の方の研修もあわせて実施しているというところが現状でございます。
○沖本委員 これからの質問、ばらばらになるかもわかりませんが、まず消防庁の方ですね。 救急車ができた初めに、アメリカの第八救助隊のモデルをとってきて、それに類したことからああいう車の発想が出たということを私、承知しておるわけですけれども、それは火災とか災害とかいろいろなものに順応できるような内容もはらんでレジャー部隊的なものを訓練するというものと、単なる救急車というようなものとに区別されておったように考えるのですが、そういう点はどうなっているのですか、いまは。
○矢筈野説明員 救急車の装備につきましては、あくまでも急病人あるいは外科系の交通事故傷者を中心とした装備を考えまして、それの最も安定化された形で搬送できる装備ということを重要な項目として設計されております。ただ、最近、集団救急事故と申しまして、大きな災害時における救急事案がございますので、そういう場合には、先生御指摘のとおり若干レンジャー的救助業務を付加する装備もあわせて持つ必要があるのではなかろうかということが内々においては検討が進められておるという段階でございます。
○沖本委員 私の申し上げたことは、地方自治体の中でそういう発想をしてそういう準備をやっておるというところも、ないことはないのです。ですが、それは個々のことであって、たとえば相撲協会が慈善興行をやって寄付金をつくって出してくれるとか、あるいはライオンズクラブが金を出してくれたとか、そういうふうな寄付行為の中からそういうものが生まれておるということも言えますし、消防庁のはしご車、スノーケル車にしても同じようなことで、ほとんど寄付に頼っているということはないでしょうけれども、そういう向きから、これはどこのところから寄付された消防車であるとか、そういうことが多分にあるのですね。 そういうことに頼ってもらっては困るわけです。やはり多角的な問題を考えなければなりませんし、たとえ運びに行くとしましても、高血圧でぶっ倒れた人を担架に乗せて運んだら逆効果になるわけで、そのままじっと寝かせておかなければならない。そういうものは医師の診断にまつ以外にないということになる。けれども、血圧が高い人で急にひっくり返っていくという症状というものは、家の人あるいは行って見たときの素人目でも大体わかるわけです。しかし、日本のお医者さんの法律からいけば、注射は医師以外に打つことはできない、もしそれを他の者が打った場合には医師法違反であるという厳しいものもあるわけです。しかしアメリカなんかの救急医療の場合には、だれでも打てるような医療器具というものが考えられておる。あるいは外傷があった場合にはその外傷について応急的な処置ができる医療品なり医薬品が考え出されてつくられておる。ところが日本の場合は、インスタントラーメンとかそういう食料品ばかり力が入って、こういう向きに対してほとんど研究がされていないと言ってもいいのではないかと思うわけです。これは使われる向きによって収益の面からそういうところで行きどまっておると思うのです。 だから、少なくとも救急車の場合には初動的な応急処置ができる人を訓練していく、そしてその訓練された人が初動的な処置がある程度はできるようにする。もう出血多量の人には血液型を見て輸血する以外にないわけですからね、そういうものを研究していって、一つの体制をとっていけば、できないことはないということになるわけです。そういうものを前向きに検討して準備していただけば、助かるべき者も助かるということが言えるわけです。 それで、この提言の中にもありますけれども、救急車の運転者の救急に対する予備的な知識の訓練、あるいは救急医療器具を各車が備える、またそういう訓練を受けないと免許が取得できない、こういうふうなことは警察庁でも考えていただける一つの方法ではないかということになりますし、そういうものを各省の間でただ別々に考えて持っておられては困るわけです。この切迫した、ここにもあるとおり年間百万人から問題が出ているわけですから、そういうものに対応していろいろな角度から検討がされ、それぞれの分担で物事が解決されていくという方向で考えてもらわなければならないと思うのです。これは厚生省の所管になることである、これは警察庁の所管事項である、これは消防の方だけであって、そのほかは違いますというようなことであっては困るわけです。 それと同時に、お医者さんがはねかけ合いをするように国と自治体との関係がばらばらである、全然まとまっていない。これもやはり、これは厚生省の所管であるとか、これは自治体の仕事であるとかということにとどまっておるのではないかという点が言えるわけです。そういうところで、これにもありますように、ただ厚生省の方は省令をつくって告示したらしまいだという責任逃れは困るわけです。 それで、この医療体制というものを具体的に考えていただいて、一元化したものでそれぞれの責任分野なり分担事項を総合的に検討していただく、それに従って法律をつくっていただく、こうあるべきであるということが医師会からも要求されているはずですし、それから日弁連の方からもこういう問題についての提言があるはずですが、その点について厚生省はどうお考えですか。
○黒木説明員 お答えいたします。 救急医療に関して一元的な立法化を目指したらどうかという御質問と承るわけでございますが、現在の救急医療の問題はほとんどのものが現在の医療制度そのものにかかわっている問題でございまして、医師不足の問題あるいは病院の偏在の問題、その他看護婦もそうでございますが、いろいろな問題を一つ一つ解決していかないと、一気に立法化いたしまして、それで各地域ともやれということに対しましては、現状では大変無理があろうかと存じているわけでございます。 私どもの厚生省の基本的な考え方といたしましては、そういう現実を踏まえて、地域の実情、実情に応じて適正な救急医療のシステムを地域ごとにつくっていただく、それに対して国なり自治体なりが援助を申し上げるという考え方で対処しているわけでございまして、確かに一元的な立法化を目指すということは理想でありましょうけれども、現状は非常に医療制度自体に問題が山積しておりまして、一気にはいかない面が非常にあるということについて御認識いただきたい、かように思っておるわけでございます。
○沖本委員 だから省令だけでお茶を濁してしまうということになるのですよ。財政的な問題も大きな負担となって地方自治体にのしかかってきているわけですね。こういうものを地域住民の安全を図っていくためにやっていこうと思えば、どうしても金がかかってくるのです。金があれば、いろいろ考えたことをやっていけるわけです。国の方のやることを待っておれないから、老人の医療の診療に対しては無料ということが地方自治体で全般的に行われるようになってしまったということで、最初は、国の方はそういうことはけしからぬということを言っておったわけです。しかし、いまはどこの地方自治体でも、こういう問題は、年齢的な差はあるけれども、ほとんど診療を無料にしていく、老人の医療体制というものがだんだんでき上がってきているという事実を考えていただければわかるわけです。 そこで寝た切りの老人の問題だとか、あるいは一人住まいの老人の問題だとかということが問題になっているし、そういうことの問題に関連して、救急車を急いで呼ぶようなことだとか、あるいはひどいのになると、かぜを引いてもすぐ救急車を呼んで運ばしたとかいうこともあるわけですけれども、そういうことがあるにしても、国民の意識というものは、現在あるそういう制度、体制というものを十分活用していこうという考えに変わっていっているわけです。それは社会制度を整えてもらいたいという要求からだんだん起きてきているわけです。 ですから、先ほど黒木さんがおっしゃったことは、これはもう医療の基本的なものにかかわる問題だ、お医者さんが足りないというようなことからいろいろな問題にかかわっているというお答えなんですけれども、しかし、そういう消極的な考え方でおれば、いつまでたってもこういう問題は解決することができないということになるのです。これはお役所仕事で、漫然と構えておって、殿様仕事でできるものじゃないということになるのです。現在の社会生活の中にある国民の要求を満たす方向に向かって、体制を行政の方からとっていかなければならないということになるわけです。 それで、そういう大きな問題になってくると、私の所管じゃないのだ、これは局長や大臣の所管になるのだということをおっしゃるかもわかりませんけれども、そうではなくて、課長さんが実務担当で一番こういう問題詳しいはずなんですね。そういうところから練られて出てくる問題を上の方で吸い上げて問題化していくということになるわけですから、あなたの方で十分そういうことを考えていただかなければならない。 それから消防庁の方も、これは自治省自体の大きな財源問題、地方財政にかかわる問題になってくるとは思いますけれども、いま申し上げたような問題、これは映画で第八救助隊というのが日本へ来て、それを見て日本の地方の自治体の消防官がびっくりしたわけですね。そして、それに似たものをつくろうということで、折り畳みのはしごであるとかあるいはロープであるとかいろいろなものを考えて、それに似通ったものができたことも事実なんです。 イギリスとかあるいはスウェーデンとか、そういうところでは、あらゆる災害に応ずるだけの科学的な機能を持つ機材をどんどん考えていっているということで、この間もイギリスでは、救急に際しては小型のホーバークラフトで災害現場へ行けるような方法であるとか、あるいはどろ沼の中を救急に行ける車であるとか、あるいはそういうふうな医師の体制とか、こういう問題が十分先取りされて整えられておるということもあるわけです。ニュースなどで諸外国のそういうものも国民の目にどんどん映ってきておるのです。そうすると、たとえばそういうものと関連して政府の方のお答えなり何なりを生で国民が聞かれた場合、がっかりしてしまうと思うのです。そういう点もあわせ考えていただきたい。これからいわゆる社会福祉を整えていき、社会制度を整えていかなければならないわけですから、そういう方向に向かってやっていただかなければならない。 医師以外の問題は、看護婦ということになりますけれども、看護というのは別に女と限ったことじゃないと思うのです。われわれの頭の中では、医師以外の看護的な役割りを果たすのは女であることだけしか考えていないということになりますけれども、たとえば救急車に乗っている方が看護婦的な資格を持っていただくということもできますし、あるいはパトカーに乗っている警察官の中のある程度の方々はそういう役割りを果たすだけの訓練を受けておる、あるいは町の中で救急に関して知識を十分持っている人が訓練されていって、そういう者の数がふえればふえるほど、事故に対しての体制が整っていくし、助かるべき人が助かるという形になっていくわけです。そういう点をお考えになっていただければ、もっと先へ向かって問題をとらえて考えていただかなければならないということになるわけですから、法律的な問題は後にしても、いわゆる救急医療体制というものは早急に、お互いに連絡を取り合うなり具体的な話し合いを各省でやられながら十分な体制をとっていく、それに対する財源的な問題も早急に考えていただく。 こういうことは、別に大臣の決裁を得なければならないとか、あるいは局長の決裁を得なければならないとかいうことではなくて、各省の課長さんクラスの実務担当の方で十分その考えは練られると思います。それがすばらしい案であれば十分取り上げられていく問題ではないかというふうに考えられるわけですから、そういう点を十分考えて体制をとっていただきたいと思います。 これはそれぞれ御意見があると思いますので、一括して御質問したということでございますから、黒木さん、前向きにお考えになっていただけますか。
○黒木説明員 救急医療につきましては、患者さんの生命とか健康を守る第一次的な医療サービスとして私どもは重視いたしております。そういう意味で、私どもの方向としては、まずお医者さんの全くいない無医地区対策というものを最大の緊急課題として取り上げたわけでございますが、それがいわば軌道に乗りつつあるという現段階におきましては、救急医療体制をどうするかということを私どもの最大の課題として今後取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
○勝澤委員長代理 次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時九分散会