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75回国会衆議院1975/02/19

交通安全対策特別委員会 第3号

発言数
177
登壇者
18
会派数
4
開催日
1975/02/19

会議録

下平正一日本社会党

○下平委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 交通安全に対する各関係の大臣、長官、委員長は交通事故の問題を取り上げられまして、特にこの四年間連続で交通事故は減少しておるということを指摘され、特に死者の数は一万一千四百人となりまして、昭和三十七年当時と同じになったということを指摘をされております。しかし反面、今日なお六十五万人にも及ぶ交通事故者があるというこの現状から一日も早く脱却をして、交通安全を確立をして事故の絶滅を期する、こういうのがどの大臣からも述べられたことであります。  したがって、この絶滅を期するために、総理府といたしましては、もちろん交通安全対策室も持っておられ、全関係省庁と一体となってこの絶滅を期する、こういう方針でありますが、この絶滅に対していわゆる都市の総量規制というものも始まろうとしておりますが、具体的にこの中にも挙げられておりますけれども、今後の絶滅に対する対策、特に交通警察が述べられております具体的な物資配送の共同化あるいはバス優先の問題等について、具体的な作業としてどのように進められるか、まず伺っておきたい。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 お答えいたします。  ただいまの総量規制の必要性につきましては、政府も痛感をいたしておりまして、御承知の排気ガス規制のための関係閣僚協議会ができまして、すでにいろいろな施策について関係省庁がそれぞれ意見、案を持ち寄りまして、対策を練っているところでございます。  その中で、ただいまお話のございました総量規制問題についても、それぞれ具体的な計画、施策の立案の努力をしているところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いまの御答弁を聞いておりますと、排気ガス問題につきましては一応協議をしたということでありますが、この中に出ております物資配送の共同化の問題なりあるいはバスの優先対策、こういうものについての見解が、これから計画を立てるということでありますけれども、一月の二十日ですか、これは警察庁でありますが、この総量規制を具体的に実施をする、こういうことを各関係機関に指示をしておられるわけでありますけれども、この具体的な内容と実績を示していただきたいと思います。

鈴木金太郎警察庁交通局参事官

○鈴木説明員 お答え申し上げます。  自動車の交通総量と申しますと、私ども考えますに、いわゆる交通需要そのものを減らすということは、直接皆様方の生活に関係がございますので、そういう形ではございませんで、輸送なりそれから交通というものを効率化してまいるというふうな形で私ども実は検討いたしておるところでございます。  申し上げますに、より有効な大量輸送機関の方へ乗り移っていただく、また、より有効な鉄軌道なり電車なりにかわってもらうということで、側面から強力にこれを推し進めていくというふうに実は考えておるわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、いま先生御指摘のとおり、バス優先レーンはもちろんでございますが、それからまた駐車禁止というものを徹底して強力に行っていく、いわゆる駐車需要というものを一応最低効率的なものに抑えまして、徹底的な駐車禁止というふうな措置を都心部並びにその周辺について可能なところはやっていくというふうに考えておりますし、また生活ゾーンということで私どもが申し上げております生活道路というものから車を締め出していくというような形で、できるだけ交通総量というものを減らしてまいるというようなことで検討しておるところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 総務長官は多忙のようでありますから一、二点質問して終わりたいと思いますが、四年間連続で事故が減少してきた、この理由は何であったかということが一点。  それから、いまお話がありました排気ガスの問題で、中央公害対策審議会の運営のあり方をめぐって議論がされております。遺憾なことがたくさんありますが、交通安全なり、あなたからお話がありました騒音なりあるいは排気ガスの規制の問題を、環境の立場から十分配慮していかなければならぬという所信表明もあったわけでありますけれども、規制緩和として五十一年から〇・八五とか〇・六、こういうようなことが打ち出されておりますが、これはできるだけ低い方がいい。東洋工業等におきましては〇・四まではできる、こういうことを明らかにしておるわけです。閣僚会議の中でできるわけでありますから、それに向かって努力をするというのが国民の期待、願いであろうと思います。  それについて、その方向で努力をするということが私は当然だと思うのでありますが、今日の中央公害対策審議会の答申はあなたの考え方からすれば期待外れである、所信表明からわれわれが感得をいたしますとそういう結果になると思うのでありますが、どのようにお考えですか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 交通事故、死傷者が四十五年を頂点といたしまして減少してまいりましたのは、御承知の四十六年度を初年度といたします特定交通安全施設等整備事業五カ年計画、これに基づいて、御承知のように信号機でありますとか、あるいは歩道でありますとか、その他諸施設の完備に務めてまいりました。さらにまた、運転者の安全教育等もいたしてまいりました。さらに民間におきましても、幼児クラブあるいは少年団あるいは母の会などが大変活発な交通安全対策のための運動を展開をしてくださったのでございまして、これらが交通事故の減少につながったものと承知をいたしているのでございます。  それからさらに、いま排気ガスその他環境保全に関します問題についてのお尋ねがございましたが、私も排気ガス規制の閣僚協議会の一員でございまして、この規制が非常に重要な課題であり、また国民の熱望するところでございますので、できるだけすみやかにこの排ガス規制を初めといたします環境保全のための具体的な措置がとられますように期待をし、私も努力をしているところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 はっきりしないわけですが、努力をされるわけでありますけれども、できるものであれば〇・八五や〇・六ということではなしに、〇・四ができるということであれば、われわれとしては、また関係閣僚協議会の一員である総務長官はその方がいいということであろうと思いますが、それに向かってなぜ努力をしないのかというような議論は閣僚協議会でございましたか。それともあなたはどういうふうに主張されたでしょうか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 御承知のように、五十年度中にも規制値に達する車も出てくる可能性がございますので、この国会におきまして税制面での優遇策等も考えられているということは御承知のとおりでございます。したがいまして、私どもが期待し、また国民が期待いたしますような車によりまして、先ほど申し上げましたように、できるだけ早く環境が浄化せられますように努力をしているところでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 この問題についてはまた改めてお伺いをしたいと思いますが、できるものは措置をするということを確認をしておきたいと思うのです。  それから、ダンプカー協会というのがありますね、総理府の関係で。たしか去年は四百万、五十年度は七百万だったと思いますが、このダンプカー協会の設立の趣旨ですね、協会をつくられ、指導されておることの趣旨が一点と、それから今後交通事故をなくしていくためにあらゆる関係機関と協調して絶滅を期する、そういういろいろな問題は全部やっていきたい、こういう考え方を述べられておりますが、その言葉どおり受け取ってよろしゅうございましょうか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 御承知のように、ダンプカー協会と申しますのは、法律に基づきまして、ダンプカーの業者にお集まりをいただいて交通安全対策のための種々の協力並びに運動をしていただくというのが協会設立の目的でございます。したがって、これに対しまして国は補助をいたしているわけでございますが、五十年度におきましては、ただいま十件でございますけれども、さらに八件に対しまして協会補助を行うということにいたしておりまして、いまお話しのように、ダンプカーが交通事故発生の一つの要因にもなっておりますので、その点につきましては官民共同で事故の減少、絶滅のために努力をするということが私どもの使命であると心得ております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 いま後者で質問をいたしました、この所信表明にもありますように、交通安全のためのあらゆる施策を強力に推進していくということですが、各関係の省庁とは十分連絡をとって、交通事故の施策になるようなものはどのような方策であっても取り上げていく、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 仰せのとおりでございまして、実は先日も運輸省の自動車局長、建設省の道路局長、また警察庁の交通局長、そして総理府内の交通安全対策室長に私のところにお集まりをいただきまして、それぞれの省庁で今日までとってきた施策及び今後とるべき施策について意見の交換をいたしました。具体的にいろいろな問題が出ましたので、早速それをそれぞれの省庁におきまして実施の方向に向かうように先日も協議したばかりでございまして、今後も精力的にそういうことをやっていきたいと存じております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 わかりました。  警察庁はおいででしょうか。——国家公安委員長の御説明の中で、交通渋滞、排気ガス、騒音等による生活環境の悪化、この問題が取り上げられておりますが、今日道路運送車両の保安基準の中で、普通車であっても三・五トンを超えておるもの、これについては定常走行騒音及び排気騒音が八十ホン、それから加速走行騒音というのは九十二ホンですね。これについて九十二ホンというのは非常に大きいと思うのです。  いま皆さんが努力をされてたくさん信号機をつけられておりますので、ローからセカンドに入りサードに入ってトップに入るというところにいくまでにまた信号機がくるというかっこうで、加速騒音の方が比較的多い。運転者も付近の皆さんもその騒音については非常に悩まされておる。こういうのが現状でありますが、この九十二ホンなり八十ホンを今日七十ホンくらいにしてくれという要望が非常に強い。これについてはどのように対策をお考えになっておるのか。警察庁と、これは運輸省の関係もあれば運輸省のほうからも答えていただきたいと思います。

鈴木金太郎警察庁交通局参事官

○鈴木説明員 今日私ども一般からお伺いすることの中に、自動車騒音の問題と申しますのは、現下大変問題になっておりまして、まことに先生の御指摘のとおりでございます。私ども警察といたしましては、この問題について、自動車の構造その他は別といたしまして、やはりこれは真剣に交通規制の面で取り組んでまいりたいというふうに実は考えておるわけでございまして、例を引くとちょっとあれなんでございますけれども、たとえば多車線道路におきましては、特に騒音の大きいトラックのような場合には中心車線に寄せてそこを専用にする、あるいは信号機を調整いたしまして、できるだけ先生御指摘のように止まる、加速というふうなことのないようにして、いわゆる円滑にしかも適当なる速度で走れるような形、これは管制センターを中心としましていろいろ私ども苦心しておるところでございます。そういうふうなこと、あるいはその他ほかの手段もいろいろかみ合わせまして、都市全体としてのいわゆる円滑なる自動車の走行ということも考えまして努力をいたしております。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 いま警察の方からお答えがございましたが、私、余り細かいことは存じておりませんですが、おおむね警察のおっしゃることと同意見でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 運輸省の所管の中に交通安全公害研究所というのがありますね。ここでも、いま何をやっているかと言いますと、排気ガスと騒音ですね。この騒音についてはやはり九十二ホンあるいは八十ホンというのは大き過ぎる、こういう認定の上に立って作業が急がされておると思うのです。具体的にどのホンまでいま下げようとして研究されておるのか、把握をされておると思うのですが、どういう状況でしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 運輸省の公害研究所でそういう問題についていろいろ研究をいたしております。  そこで、どの程度まで下げたらよろしいかという点でございますが、これは低いに越したことはないのですけれども、自動車の性能等いろいろな観点からどの程度が一番よろしいかということにつきましては、道路交通の実態との関係もございますし、警察等と十分連絡をとりまして、最終的にはどういう線がよろしいという結論を運輸省独断で下すのではちょっと諸般の情勢から見まして不十分な点があるのじゃないか、警察と一緒になりまして今後研究をし、結論を出したい、かように考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 交通安全公害研究所ではやはり運輸省が指示をしてやらせていらっしゃるというふうに私たちは承知をしておるわけです。それはいま三ホン下げるということを研究をしておるようでありますね。これではわれわれは少ないと思っておるのです。だから、その指示の仕方、研究のあり方は協議をして出されたものかどうか定かでないようなお話でありますが、今日の段階で、しかも所信表明の中で述べておられるわけですから、それについては何ホンということを協議をされて指示して、それに基づいて研究をするということでなければならないと思うのでございますが、大臣の御答弁によりますときわめて定かでありません。どの程度協議をされて指示をされておるのか、もう一遍お伺いしたいと思います。

鈴木金太郎警察庁交通局参事官

○鈴木説明員 先生の御指摘の自動車の騒音の八十ホン、七十ホン、九十二ホンという問題でございますが、この具体的な自動車騒音につきまして、私どもの所管では、そのもののいわゆる客観的な基準というもの、これは運輸省さんからもいろいろ御検討なり御意見なりあるいは協力なりという関係で御相談は申し上げておりますけれども、直接構造からくる客観的なホンの高さというものについては実は私ども所管しておりませんので、協力する立場にあるわけでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 だれの所管なのですか。その所管者に答えていただきたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 いま技術的な担当者が参っておりませんので、詳細なことはちょっと申し上げにくいのでございますが、私の方の研究所では何ホンの場合にはどうなるか、また七十ホンにするのには自動車の機構をどういうふうにしたらいいかとか、いろいろそういうふうに段階を分けて研究をいたしておりまして、いざ実際にその規制の面で騒音を何ホンにするかどうかということになりますと、これは最終的には警察あるいは環境庁、そういう関係各省と十分相談をいたしまして、それでは自動車の場合には騒音を何ホンまでにしようというふうなことになろうかと思うわけでございまして、私の方の研究所ではそういう何ホン、何ホンという場合にはどういうふうにしたらいいかということをいま研究をしておる、そういう状態であろうかと考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 エンジンは、たとえばトラックの場合は運転者のすぐ下にあるわけですね。したがって、キャブレーターというようなものの移動も考えていかなければならぬ。中央の交通安全公害研究所では、排出ガスと騒音とを研究しておるわけですから、それについてまだ協議が整っていないというので片一方は研究しておるというかっこうでは一つも一貫していないですね。しかもこれは運輸省の所管ですよ。だから大臣でないにしても、そういう点については十分に配慮してもらわなければならぬ。いずれこの問題については、これ以上質問してもまだ十分なお答えはいただけないと思いますから、十分御調査の上御答弁いただきたいと思います。  時間がありませんから続いてお尋ねしますが、いまダンプカー協会については、事故の絶滅を期していきたい、ダンプカーの事故が非常に多いということで、ダンプカーの協会をつくられておる、こういうお話が総理府総務長官からございました。  そこで、大臣にお尋ねをしたいのは、たとえばハイヤー、タクシーの協会もある、あるいはトラックの協会もあります。これらの協会については、きょう事前に聞いてみますと、たとえばトラック協会は貨物運送事業の公正な競争、適正な運営、これを確保するために事業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉に寄与する、こういうふうに目的が書いてあります。それでは交通事故については、トラック協会はどういう動きをし、運輸省としてはどのような御指導をなさっておるか伺っておきたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 自動車運送事業は、トラック、タクシーいろいろございますが、いずれも先ほどお述べになりましたような趣旨と目的でもって運営をされておるわけでございますが、それぞれの事業の種類によりまして自動車の事故の発生の仕方、また事故の件数、またその対策とそれぞれ違うわけでございます。最近の傾向から言いますと、自動車関係の事故は、自動車の車両数のふえる割りには相対的に減っておるということでわれわれも非常に喜んでおりますけれども、これはもう一瞬の油断もできぬわけでございます。そこでそれらの事故防止につきましては、各会社が自発的に社内において事故防止のためのいろいろな方法を講ずることが基本になるわけでございますが、しかし、それを今度はまとめまして、それぞれハイヤータクシー協会、あるいはトラック協会、あるいは通運協会、そういう業者団体も事故防止ということについては最も意を用いて、その協会の運営をやるようにということで運輸省も指導をいたしております。  また、それぞれの協会の中におきましても、事故対策委員会とかそういうふうなものも設けまして、事故の予防と起きた事故の後始末、また事故原因の反省、そういうことを一生懸命やるように指導をいたしております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 例をトラックにとりますと、いまトラック協会なりハイタク協会なり通運協会にも厳しく運輸省としては指導しておるということであります。事故防止委員会というのは確かに各会社にあるようであります。それで、この事故を防止する、事故の起きるような原因をつくらないということが最も大切であろうと思うのですが、そういうつくらない方法、具体的に言いますと、過積みとか過労とかというものをなくする、こういうことについても十分指導が行き渡っておるでしょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 いまお話のありました事故の原因になります問題は、トラック輸送に主としてある問題だと思います。御指摘のように、過積み、これは事故と非常に密接なつながりがございます。したがって、運輸省といたしましても、過積みについては非常に厳重に指導をいたしております。また、街頭監査等におきましては、過積みの問題をトラックについては一番重点的に検査をして、これが防止に努力をいたしておるのが現状でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 あなたの所信表明にも、警察庁の方の所信表明にもそういうことが書いてありますが、確かに街頭で取り締まりをしていらっしゃる。取り締まりをしていらっしゃいますけれども、それは何百分の一にすぎないと思うのです。過労や過積みをなくするということ、その原因を取り除いていかなきゃならぬと思うのですが、その原因は一体何だというふうにお考えでしょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 トラック事業の運営を最も適正にやるにはどうしたらいいかというところから問題が存するわけでございますが、私は、トラックの事故の一番大きな問題は、運転従事員に対する会社側の管理を適正にするということが一番重要ではないかと思います。運転手は管理者の目を離れて街頭に出て突っ走るわけですから、常にそばについて監督できるわけではございません。したがって、十分に平素から従業員の管理をうまくやりまして、また、勤務時間あるいは家庭生活にまで立ち入って、過労の原因をつくらないように、また運送の場合には過積みをしないように、そういうことはやはり労務管理という点を通じて最も厳正にやることが必要であろう、かように考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 最近の経済情勢から見まして、運輸大臣が言っておられるようなことと逆行する動きが業界にあります。たとえばハイヤー、タクシー業界におきましてのリース制、それがトラックの方にも移ってまいりまして、最近は、道路運送法の第三十六条でありますか、名義貸しは違反でありますから、その合法、非合法ぎりぎりのところまできて、リースというかっこうで運転者にやらせておる。言うなれば、歩合給というものが徹底をしてまいりまして、固定給は二割程度に抑えて、あとは歩合でいくということになりますと、運行者の管理ということが非常にずさんになってまいりますし、どうしても朝早くから夜遅くまでやると過労になる。しかも歩合ということになりますと、過積みをするというような結果になりつつあるように私は把握をしております。  その点についての指導は不十分であると思っておりますが、この点について、リースそのものについてはどのようにお考えでありましょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 この問題は、実はずいぶん以前から、主としてトラック業界が多いのでございますが、タクシー業界にもないことはございません。これは、いまおっしゃいました道路運送法に抵触するぎりぎりの線、これを越えれば、もちろん道路運送法違反でございますから、きちんと処分ができるわけでございます。ところが、リースの形の中で、たとえば一つの運送会社が職員として採用しておりまして、それに運転をさす。いわばノルマ式に、荷物の運搬についてノルマを課す。それでノルマ以上の運送をすれば、歩合を上げてたくさんの手当が出るという点、運用のやり方いかんによって道路運送法違反になるかどうか。  たとえばトラックをその運転者に貸してやる、しかしその運転そのものはその会社の名義でやるわけでございます。貸して貸し賃を取るか取らないかというところにも一つ問題があります。もちろん貸し賃を取れば、貸し渡しでございますから違反でございます。しかし、貸し賃は取らぬが、このトラックはおまえの自由に任すから、そのかわりこれだけのものを運送して、それ以上運送をすればこれだけの歩合をやるというふうなやり方もありますし、それから固定給というものを決めまして、そのほかにかせげば歩合をやるというふうなやり方もあると思います。  給料というものが決まっておりますと、もう会社の従業員ですから、これは道路運送法上の違反にはなりません。なりませんが、その固定給を少なくして、そして車の責任を全部持たして、運送の量によって歩合をやる、しかもその歩合の方がむしろ一カ月の収入の中で大半を占めて、固定給だけではとても生活ができないというふうなことでありますと、勢い駑馬にむちうつがごとく働け働けということになりまして、事故を起こす、過労にも陥るという危険があるわけでございます。  この辺は、大いに働くことを督励するという面から言いますと、一〇〇%固定給ということも事業の運営上なかなかそうばかりもいきませんが、とにかく大半は固定給にいたしまして、この励みに応じて多少歩合を出すという程度で運営していくように、これはもうずいぶん前から指導いたしまして、大分徹底してきておりますけれども、まだ必ずしも全部十分でございますという現状ではないように私は考えておりますので、今後その点はさらに監督と指導等を強化してまいりたい、かように思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 現状は、大臣から御説明があったとおりではないのです。業界は逆な方向を歩いておる。固定を崩して歩合給に、歩合を崩して名義貸しに、そういう傾向が私は最近強いと思っております。  労働省おいででございましょうが、四十二年の二月九日に通称二・九通達と呼ばれるものが出されております。この二・九通達を読んでみますと、たとえば時間外の問題あるいは賃金の形態の問題、こういうものが規定をされております。  私は、具体的に名前を挙げればいいのですけれども、新潟県の最大大手の会社であります。最近非常に問題になっておりまして、ワンマン運行いたしますと六三%やる、こう言っておるわけです。あとは八万円程度保障するけれども、全体でやらなければならぬ。それは、ガソリン代も修繕費も減価償却も、トラック協会の会費も、健康保険、社会保険の会社側負担も全部その歩合の中から出せ、こういうかっこうになっておりまして、計算をいたしますと、二十九万六千円程度もらえても、燃料費が十四万八千円、修繕費が新車の場合に五万五千五百円、償却は十五万三千円ということになって手取りがなくなる、こういうような姿が出ております。ここに資料がありますが、そういう二・九通達なり基準法というものに違反をしておるわけですね。  それについて基準局の方に申し入れをしても、労使話し合いでうまくやってくれ。中に入って調査をして、こういう事実はいかぬじゃないか、二九通達を守っておらぬじゃないか、基準法違反であるということの指摘がなぜできないかということで、われわれとしては納得できない点がたくさんあるわけであります。そういう違反事実が全国にたくさんあると思うのでありますけれども、労働省としてはどういう御見解で、どのような指導を現地にされておるのか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○岸説明員 ただいま御指摘になりました具体的な事案については私は承知をいたしておりませんけれども、一般的に、先生が御指摘になりましたような、いわゆる経費を全部差し引いてしまうと赤字になる、その赤字の場合に翌月の運収からそれを精算するということは、これは私ども基準法の目から見ますと当然問題が出てまいるわけでございます。  新潟の基準局でなぜその問題について具体的に指導しなかったかという点は、ちょっと私どもつまびらかにいたしませんが、事案をいただきましたならば、基準局の方とも連絡をいたしまして、よくその経緯を聞き、また必要があれば監督をさせたいと思っております。  一般に、リース制の場合、私どもこれは賃金の決め方の問題でございますので、賃金をどう決めるかということは、基準局としてはそれにストレートにはタッチをしておらない。けれども、大体いま御指摘のように、また先生もよく事例を御存じだと思いますけれども、そういうリース制をとります場合には、どうしても労働時間でありますとか年休でありますとか、割り増し賃金の支払いという問題で基準法に抵触する問題が出てまいります。そこで私どもとしては、特にリース制をとる場合にはこういう点に基準法上違反が生ずるので、これを重点に監督をするようにということを指示してございまして、また、そのとおり各局はやっておるというふうに考えております。  問題は、先ほど大臣からも御説明がありましたように、中には形態によってぎりぎり労働者性が否定をされるというような問題のものもございました。こういうものについては、運輸省と連絡を密にいたしまして、道路運送法三十六条の適用ということも検討していただいておる、こういう次第でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 この二・九通達の「賃金形態」を見ましても、「歩合給制度のうち、極端に労働者を刺激する制度を廃止することとし」というふうに指導基準があるわけでありますが、そういう点については、どのように指導されておるわけですか。

岸良明労働省労働基準局監督課長

○岸説明員 基準法の規定、二十七条でございますが、出来高給の場合には、当然一定の固定給与を設けなければならない。現に二・九通達では六割ということを示しておるわけでございます。  そこで問題は、そういうような二十七条違反という問題のほかに、さらに非常に歩合の率が累進歩合制でありますとか、そういう刺激性の強いものでございますと、これはもう不可避的に労働時間の違反という問題が出てまいりますので、一々の具体的なケースに従いまして、私どもとしては、非常に刺激性が強い、したがって基準法違反が出てくるおそれがあるものについては、改善をするように強く指導をいたしております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 新潟県で起きておる問題は、そういう点が十分にあります。したがって、強力に指導していただきたいし、調査をしていただきたいということを要望しておきます。  それから、運輸大臣が御答弁いただきましたように、そういう歩合給というかっこうについては、過積みなり過労というものに通ずる。したがって、それはできるだけ抑えて交通安全政策を進めていかなければならない、こういう御答弁でありますが、運輸省はトラック協会等を通じて、今後もそういう形態をなくする、交通安全という立場に立って、そのような起きてくる原因というものは除去する、こういうことにトラック協会を御指導をいただくことになるでありましょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 従来ともそういう方針で指導いたしておりますが、さらに今後も一層その点は強化して指導してまいりたいと思います。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 それはトラック協会長等をお集めになってお話をいただいておるでしょうか。それともどういうかっこうで指導されておるでしょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 トラック協会の中でいろいろな部会の会合その他もございますし、そういう機会に係官を派遣いたしまして指導もいたしておりますし、また場合によりましたら、トラック協会の代表者を呼んで指導をする、いろいろな方法を通じてやっております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 私がいま具体的に数字を挙げたほとんど労働者の皆さんが過積みと過労とをやらざるを得ないというところに追い込まれた会社の中には、多くトラック協会の会長になっていらっしゃるその会長のところで起きてくる、こういう事犯が相当あるわけであります。したがって、大臣からせっかくお話をいただいておるわけでありますけれども、事大臣の志と違った方向に業界が逆行しておると言っても過言ではない、こういうふうに思うのであります。それにつきましては、早急にそれぞれの各県トラック協会等に御通達をいただけますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 トラック協会の会長というふうな要職にある人のやっております事業は、やはりトラック事業業界でも模範でなければいけないと私は思うわけでございまして、仮にもいま御指摘のようなことがあったとしたら、まことに私は遺憾なことだと思います。お話の点を十分参考にいたしまして、今後指導に当たりたい、かように思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 名前は出しませんでしたが、いずれ大臣に資料をそろえてお話をしたい、こういうふうに思っておるところであります。  先ほど運輸大臣から、後で騒音の問題については整備部長がおいでになってから答弁をしてやるということでございますので、部長おいでになったようでありますから、御答弁をいただきたいと思います。

田付健次運輸省自動車局整備部長

○田付政府委員 遅くなりまして申しわけございませんでした。  ただいま私どもの方で騒音の規制は三種類につきまして行っております。内容を簡単に申し上げますと、通常自動車が三十五キロで走っている定常走行騒音、それから排気管の後方ではかります排気騒音、それから五十キロの速度から急加速をいたしますときの加速騒音、この三種類の規制を持っております。  四十六年にその内容を強化いたしましたが、これからの対策といたしましては、特に問題であります大型トラック、それから二輪の自動車につきまして、約三デシベル下げたいということで、現在研究なり対策の準備を急いでおります。  以上でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、いま運輸大臣からお話がありましたように、トラック協会等を通じて厳に交通安全対策を確立をし、事故の絶滅を期するための通達を出すということでございますから、それを期待しております。出されましたら写しをいただきますように要望をして、私の質問を終わります。  以上です。

下平正一日本社会党

○下平委員長 次に、野中英二君。

野中英二自由民主党

○野中委員 過般、総理府総務長官及び運輸大臣、公安委員長あるいは建設大臣から、それぞれ所信の表明をお聞きしたわけでありますが、それを中心といたしまして、二、三質問をしてまいりたいと思います。  まだ総務長官がおいでになっておりませんので、建設省の方からお聞きをしてまいりたいと思います。きょうは建設大臣がおいでになりませんで、中村政務次官がおいでになっておりますが、中村政務次官は、特に交通安全に関しましてはエキスパートでございまして、造詣の深い方でございます。したがいまして、中村政務次官に質問した方が、大臣に質問する以上の答弁がなされるであろう、こういう期待を持っておるわけでございます。  さて、特定交通安全施設等整備事業五カ年計画が実施されてきましたが、この五カ年計画による安全施設の整備状況はどこまで進んでいるのか、これを第一点に御質問申し上げます。

中村弘海自由民主党建設政務次官

○中村(弘)政府委員 お答えいたします。  昭和五十年度は、昭和四十六年度に発足いたしました特定交通安全施設等整備事業五カ年計画の最終年度に当たるわけでございまして、道路交通上弱い立場にある歩行者、自転車利用者の安全確保のため、歩道、自転車道の整備を最重点として、交通安全施設整備事業を推進していく方針でございます。昭和五十年度の特定交通安全施設等整備事業は、この総需要抑制下でも事業費五百五十七億円、対前年度比五%伸びでございますが、これを計上してその推進を図ることにいたしておるわけでございます。  その他一般道路の改築事業におきましても、現道に歩道などがないようなところ、設置できないような困難なところ、そういったところには小規模のバイパスなどを建設いたしまして、現道の拡幅など交通安全に寄与する事業を推進したいと考えておる次第でございます。

勝田俊男警察庁交通局長

○勝田政府委員 整備計画中の公安委員会分について御説明いたしたいと思います。  五カ年計画の都道府県公安委員会分の事業費は六百八十六億円でございますが、四十九年度末その達成率は七六・七%ということになっております。四十六年のこの計画が始まったときに比較いたしますと、信号機につきましては約二・三倍の五万五千基、当時ありませんでした交通管制センターにつきましては二十五都市に整備されているわけでございます。なお、五十年度分につきましては、五カ年計画の最終年度分といたしまして、百九十一億八千万円が予定されております。

野中英二自由民主党

○野中委員 これはぼくの質問が悪かったかもしれませんけれども、きょうは建設省の方だけにしぼっていたのです。建設省分として、あと現道の安全施設をつくる、こういう考え方のもとに立ちますと、残っている分がどれぐらいあるか、政務次官にお聞きしたいと思います。

中村四郎運輸大臣官房審議官

○中村説明員 事務的なことでございますので、私からお答えさしていただきます。  五カ年計画におきましては歩道の整備をどれぐらいやればいいかというお話でございますが、いまの五カ年計画が実は五十年度が最終年度でございまして、昨年度の概算要求の段階では、五十年度を初年度としていまの五カ年計画を改定しようというふうに考えておりましたが、御承知のような事情がございまして、長期計画の改定は五十年度では行わないということで、目下五十一年度を初年度といたしまして、長期計画の改定をしようというふうに考えております。  したがいまして、いま御質問がございました歩道の整備等についてどういうふうに考えるかという問題は、これは関係各省庁との相談もございますが、五十一年度からスタートさせようと思っております五カ年計画の中でどういうふうに考えるか、その中で考えていきたいというふうに考えております。

野中英二自由民主党

○野中委員 中村政務次官は、先ほども申し上げましたように、大変造詣が深いわけでございますから、建設省としてはこの五カ年計画は恐らく先食いしていると思っておるわけでございますが、これはいかがですか。

中村四郎運輸大臣官房審議官

○中村説明員 いみじくも御指摘を受けましたが、まさしく先食いをさせていただいております。  念のため申し上げますと、いわゆる道路管理者分では、特定交通安全施設等の総事業費が二千二百九十二億八千万円となっておりますが、五十年度の予算も含めますと二千三百五十二億ということになりまして、総計で約六十億ほどの先食いになっております。

野中英二自由民主党

○野中委員 交通安全を主体として考えております私どもとしては、まことに敬意を表するものでありますが、さて、今度の五カ年計画策定に当たりまして、インフレ抑制のために、総需要抑制政策のために大変な制約を受けるであろう、こう思うわけでございます。その場合に建設省としての考え方を提案しておきたいのでございますが、安全施設というものを道路建設付帯事業としてやる意思があるか。もう少し言うならば、建設省の道路予算の中に算入いたしまして、建設省プロパーの予算として要求する意思があるかどうか。たとえば歩道であるとか自転車道であるとか、これはいままでもやっていらっしゃるわけでございますが、そのほかの問題についてプロパーな、道路の付帯としてもうすべてを考えていく、ある意味におきましては道路構造の一部として考えていく、こういうことにならぬかどうか、その点をお尋ねしておきたいと思います。

中村四郎運輸大臣官房審議官

○中村説明員 お答えになるかどうかちょっとよくわかりませんが、特定交通安全施設等整備事業の現在の五カ年計画でございますが、道路管理者分としましては、事業の中身を念のため申し上げますと、たとえば歩道の整備とか、あるいは自転車道の整備、それから横断歩道橋の整備、それからその他がございますが、あと道路照明とか、防護さくとか、交差点改良とか、視距改良、車両の停車帯あるいは道路標識、区画線、視線誘導標、こういったものが大体の中身でございまして、おそらくこの考え方は次の五カ年計画でも踏襲するであろうと思います。  いま御指摘がございましたたとえば線形の改良とかあるいは構造の改善、こういったものをどういうふうに考えるかという問題でございますが、御承知のようにこの特定交通安全施設等整備事業以外にいわゆる港湾改築としてやっている分もあるわけでございまして、交通安全対策といたしましては、私どもは、いわゆる五カ年計画に基づくものと、それから港湾改築として実施いたすものと、この両々相まって人命尊重といいますか交通事故の絶滅を期したいというふうに考えております。

野中英二自由民主党

○野中委員 総理府総務長官がおいでになりましたので、総理府総務長官にお尋ねをしておきたいのでございます。  昭和四十九年度の交通事故発生状況はすでに報告されておりますが、減少数、減少率ともに史上最高を記録してまいりましたことは、まことに慶祝にたえない次第でありますが、これは関係方面の努力と国民の熱意のもとにでき上がったものであろうというふうに考えるわけでございます。  そこで、昭和五十年度の政府の姿勢を伺っておきたいのでありますが、特に五十年度予算のうちで交通安全対策予算の目玉は一体何なのか、目玉即総理府総務長官の基本的姿勢であろう、こう思うのでお尋ねをしておきます。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 お答え申し上げます。  昭和五十年度の陸上交通安全対策関係の経費の総額は 四千四百七十四億一千八百万円でございます。これは前年度比四・五%の増加でございますが、いまお話しの中心となるものは何かということでございますが、これは何と申しましても、信号機、歩道の設置等の道路交通環境の整備でございます。これは全予算の約八六%を占めているのでございます。御承知の五カ年計画の最終年度に当たりますので、このうち特定交通安全施設につきましては五百一億四千二百万円を計上いたしまして、これは対前年度比四・九%となっておるのであります。  なお、この施設以外につきましては、いま野中委員もお話しのように、国民一体となって努力をして今日の成果を上げておりますので、交通安全思想の普及、安全運転の確保、被害者の救済等に力を入れてまいりたいと存じます。これは六百四十八億六千九百万円でございまして、対前年度比四二・三%計上いたしております。  この中では、警察庁所管の自動車安全運転センターが新しい施策になっておりますことは御承知のとおりでございます。被害者救済策といたしましては、遺児に対する助成、あるいは交通相談所の増設、あるいはその活動の拡大等につきまして、前年度よりも著しく増額をいたしている状況でございます。

野中英二自由民主党

○野中委員 ただいま総務長官のお話をお聞きいたしまして、やはり道路関係の安全整備、これが目玉であるようでございます。してみますと、この記録をつくりました、特に道路交通の安全を期するために、日ごろ善意によって協力をいたしている人々がおるわけであります。民間交通指導員を見ると、その数は約五十万人前後と推定されているわけでございますが、総理府で掌握している数字はどれぐらいになるでありましょうか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 これは警察庁におきまして把握をしておられる数字でございますが、四十九年九月調査でございます。これは全国で三十七万人でございます。  この内訳につきましては、市町村警察あるいは交通安全協会等の民間団体の任命または委嘱を受けて指導員として活躍しておられる方が十一万六千人、任命または委嘱をされた者ではございませんが、御承知の春、秋交通安全運動を行います、事あるごとに臨時に安全活動に従事しておられる方が二万八千人、その他PTAの会員等奉仕活動として学童の登校時等に交通指導に当たっておられる方々が、二十二万六千人というような数字でございます。

野中英二自由民主党

○野中委員 いま申されましたように、約三十七万人という数字が出てまいりましたが、ここで、一体この人たちの身分というものが守られているのであろうか、こういうことであります。大体、地方公務員等を含んでの職員身分の者が三千八百三十六人というふうになっておりまして、これは構成人員のうちの約一%にすぎません。そして四十七年に比較いたしますと、これは減少をいたしております。あるいはまた、委嘱、嘱託、この人数もやはり十一万六千という数字を示しておりますが、四十七年に比較いたしますと減っているわけでございます。  それでは一体、ふえているところはどこなんかというと、これは臨時、非常勤並びに任意ということになる。この人たちの善意によって私は交通安全の成果が得られたと思うのでありますが、この人たちの身分保障というのは一体どう考えておるのか、ちょっとお尋ねをしておきたいのであります。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 この民間交通指導員は、御承知のとおり、当初警察の交通安全活動に対する協力として発生したものでございまして、その後、市町村等地方公共団体におきましても、交通安全保持のために民間交通指導員の任命、委嘱を行う等のことがございまして、コミュニティー活動もしくはボランティア活動の一環として非常に重要な役割りを果たしておられるわけでございます。これらの方々の多くは、無報酬またはわずかの手当を受けておられる程度でございまして、制服、装備等が補助せられている例も多うございますけれども、御説のとおり、いわば非常に自発的に交通安全活動のために献身をしていただいているわけでございます。  いまの身分の問題でございますが、たとえば事故に遭われましたような場合の補償は、地方自治体の非常勤職員として公務災害に準じて補償をしているものもございます。あるいは民間保険に保険をしておられるもの、補償制度がないというものなど区々に分かれているのでございます。  私どもといたしましては、こういう市民が善意で地域の活動のために自発的に貢献をしておられるのでございますから、これらの活動はまことにとうといものでございまして、警察庁と協力をいたしまして、ただいま申し上げました災害補償等についても遺憾のないように配慮いたしますとともに、この指導、育成のために積極的な施策を講じなければならないと考えております。

野中英二自由民主党

○野中委員 ただいま結論の方が先に答弁で出てきたわけでございますが、これはたとえば交通安全基本計画、これが昭和四十六年の三月三十日に中央交通安全対策会議で決定をされまして、規定されておるわけであります。あるいはまた、昭和四十二年二月十三日に交通対策本部で決定されました「学童園児の交通事故防止の徹底に関する当面の具体的対策について」という中にも、この民間の交通指導員がうたってあるわけなんで、こういう名前がはっきり出てくるわけです。  してみますと、ことしはもう昭和五十年でございますよ。したがって、もうすでにこの「学童園児の交通事故防止の徹底に関する当面の具体的対策について」というあれが出てから八年にもなるわけです。八年にもなっておりながら、いまだにその身分保障がなされていない。  たとえば文部省におきましては、体育指導委員というのがございます。これは、スポーツ振興法というのがございまして、その十九条で設置したのでございますが、これは昭和三十六年制定ということです。これは身分は市町村の非常勤職員なんです。  埼玉県の場合を見ますと、大体災害を受けた場合には、入院一年以上にわたった者は十五万円、六カ月以上にわたったものは十二万円、三カ月以上というのは八万円、一カ月以上は五万円、一週間以上は二万円、死亡の場合は五十万円、こういうふうに非常に危険性の少ない体育指導委員ですらも、こうした災害補償というのはなされているわけであります。あるいは昭和三十一年に出されました非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令というのがありまして、これでは療養補償であるとか、休業補償であるとか、障害補償であるとか、遺族補償であるとか、それから葬祭補償であるとか、こういうふうに明確にうたって、いわゆる災害に対する非常勤消防団員の身分というものを保障しているわけです。  ところが、交通指導員というものは、本当に善意から発足をして協力を申し上げている。一体、民主主義国家においてこうした任意の善意というものを踏みにじってただ甘えているという姿勢が政府として正しいのであろうか。今日はエゴでストをやる、あるいは抗議を申し込む、こうした者に対して政府というものは非常に弱い姿勢である。ところが、善意でもって協力をしておる者に対してはただ甘えている。そういう姿勢が、少なくとも交通安全を主管されておる総理府総務長官としての正しい態度であろうか、この辺を明確にしておいてもらいたい。それから、いつ実施するのか。これは公安委員長にも聞いておきたいと思います。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 野中委員がおっしゃるとおりでございまして、善意をもって奉仕をしてくださっておられる方々でございます。警察庁と連絡を早急にいたしまして、先ほど申し上げましたように、地域によりまして、それぞれの身分あるいは保障の仕方が非常に区々でございますから、この実態を掌握をいたしますとともに、全国的に整合性をもちますように、ひとつ体制づくりでありますとか、あるいはいま仰せられましたような善意に対する政府の対応の仕方というものを詰めさせていただきたいと存じます。

野中英二自由民主党

○野中委員 その問題については了解をいたしました。  次に、交通巡視員の問題についてお聞きしたいのであります。  御存じのとおり、交通事故の減少が、さきにも触れましたとおり、四十九年の発生件数においては一六・四%の減、死者数においては二一六%の減、前年に比べて大幅に減少いたしております。そこで、この交通巡視員というものが法制化されておりますが、これは道交法の百十四条の四であります。これを設置するに当たってどうして十万都市というふうに限定をなされたのか、この点をお聞きしておきたいのであります。

鈴木金太郎警察庁交通局参事官

○鈴木説明員 御質問にお答えします。  先生の御指摘の、なぜ人口十万以上の都市に置くようなことを考えたか、こういうことでございますが、御案内のとおり、交通巡視員制度と申しますものは、もう先生十分御存じのとおりでございますが、近年におけるモータリゼーションの急激な進展、そういう意味合いで交通警察の業務が非常に増大した時期がございます。これは事故の最高のピークの時期なんでございますけれども、そういう時期に、警察官では必ずしも十分対処できないところの歩行者の安全の確保、あるいは適正な駐車の励行の確保などというものにつきまして、比較的専門性を持った仕事といたしまして、先生が先ほど御指摘のように、四十五年に設置されたわけでございます。  こういう趣旨からかんがみまして、交通事故の発生状況と、それから人口が非常に集中しておるというふうなことなどを考えまして、とりあえず人口十万以上の都市に配置するようになったものと私ども承っておるわけでございます。

野中英二自由民主党

○野中委員 言っていることはそのとおりなんですよ。そのとおりですけれども、現実に十万都市で交通事故が多いのか、こんなことはすぐにでもわかるでしょう。東京都が一番事故が多いわけじゃないですからね、人口の割合に。そうでしょう。ですから、おっしゃるとおりならば、交通事故の多いところであるとか、あるいは道路が狭小でもって駐車されては困るとか、いろいろな実態があるわけでございますよ。ですから、それに適応する配置でなければならない。なぜ十万都市というような小さな枠をはめてしまったのかということなのです。  そこで、おたくなどから出している通達を見ますと、本部でもってこの交通巡視員を掌握して機動的に使ってもいいということをうたっているのでしょう。四十五年八月二十一日に「交通巡視員の運用について」という通達が出ているのでしょう。ですから、十万都市という限定のもとではなくて、各都道府県に分配をして、それを警察本部長なりが適宜適切に配置するなり、あるいはある時期においてはここへ集中するとか、運用の妙をきわめなければならないでしょう。それをなぜ十万都市というふうに金縛りに縛ってしまったのか、こういうところに行政のロスが出てくるのですよ。どうですか、これに対してお答え願いたい。

勝田俊男警察庁交通局長

○勝田政府委員 お答えいたします。  いま御指摘のとおりでございまして、交通巡視員を配置する段階におきましては、当時の交通事情その他から見まして十万以上ということで算定をして配賦をしたわけでございます。もちろん各府県におきまして、御指摘のように事情がいろいろと変わってきておるわけでございますから、本部長の判断で弾力的に運用していただくという方向で進めたいと思います。

野中英二自由民主党

○野中委員 これは十万都市以上とせずに、埼玉県とか北海道とか、そこにやりなさいという意味なんですよ。  さて、この辺でこの問題は終わりにいたしまして、今度は海の方へ参ります。  このたび水島のコンビナートの油流出事故が起きまして、これについて国民も大変関心が深いのでございます。幸いにいたしまして、水島の場合はC重油でありましたために、火災というような非常事態が生まれなかったということは不幸中の幸いでありました。しかしながら、もしこれが原油であるとか、あるいはガソリンであるとか、こういうような場合に、もし火災が起きたというようなことになったら、一体海上保安庁はどうしたであろうか、どういう適切な処置をとったであろうか、こういう概括的な質問になるわけでございます。  そこでまず第一に、港則法の三十七条や海上交通安全法の二十三条、二十六条等によって規制ができることになっておりますが、その規制は一体どれぐらいスピーディーに、事故が起きて、極端なことを言えば何分後にこれが通達なされるのかどうか、そうして配備につくことができるのであろうか、それをちょっとお伺いしておきたいのです。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 お答えいたします。  水島の事故の例をとりますと、三菱石油水島製油所から海上保安部に通報がございましたのが二十一時三十八分でございます。それであそこの水島製油所の切り込み港湾のところに相当油があるということで、ここの航行の禁止をいたしましたのが二十三時でございます。それから船が出ましたのは、一番早い船は、二十一時三十八分に通報を受けまして非常呼集が二十一時四十分、出発が第一船が二十一時五十七分、十七分後に船は出動いたしております。なお、警報で切り込み港湾におきます航行禁止のあれは、二十三時から船は全部そこへ入りまして、航行禁止をいたしております。

野中英二自由民主党

○野中委員 それでは、船が退避をするまでに大体二時間、こういうことになるわけでありますが、その間に火災が起きたときのことなんですが、東京湾、それから瀬戸内海に大型化学消防船あるいは巡視艇並びに巡視船、こういうものが一体どれくらい配属になっているのですか。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 お答えいたします。  東京湾におきましては、A級と申します一番大型の消防船が一隻、それから瀬戸内海では一応下津に常駐させておりますが一隻、それからB級の消防能力がございます消防艇あるいは巡視船、巡視艇は、東京湾で二十隻、瀬戸内海では二十六隻を配置いたしております。

野中英二自由民主党

○野中委員 全くの素人で恐縮なんでありますけれども、この大型の化学消防船というものは、原油が燃えてきた、あるいはガソリンでも結構でございますが、燃えた場合に一体何トンぐらいのものが流出したものを消しとめる能力があるのですか。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 海上保安庁の消防船の性能といたしまして、一応大型タンカーからの出火を想定いたしております。現在の大型消防船は、大型タンカーが原油を積んでおりまして出火いたしまして、三十分以内に初期消火が完了するということを性能の一つの目安として建造いたしております。  巡視艇につきましては、放水能力が一時間百五十トン、あるいはあわで申しますと一時間百トンでございます。大型消防船に比べれば相当性能は落ちると思います。

野中英二自由民主党

○野中委員 だんだん時間がなくなりましたのではしょりますが、このような水島の事故が幸いにして今度火災にならなかったわけでございますが、内海もしくは海を汚染するというような事故が起きるであろうということを、想定してはあれなんですけれども、まあそれを想定しなければならないであろうという場合に、この防災体制をどういうふうに考えているかということをまず聞いておきましょうか。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 ただいままで海上保安庁といたしましては、防災体制といたしまして、それぞれのコンビナートごとに警察、消防、地方公共団体、民間関係機関に御参加をいただきまして、たとえば流出の場合には流出油災害対策協議会を設けまして日ごろから連絡を緊密にいたします。また訓練におきましても、年数回を行います。あるいは、そのときそのときに計画の作成、必要な資器材の整備、備蓄を図るということをいたしております。

野中英二自由民主党

○野中委員 いま御答弁を願いまして、民間等の協力を得まして流出対策協議会をつくる、そのためには資材もあるいは訓練もいたします、こういうことをおっしゃいましたね。本当にやってくれますね。——それで私は提案があるのです。今度の場合に、なぜオイルフェンスを張らなかったか、こういうことですね。まず、答弁を聞きましょうか、大体答弁はわかるんですけれどね。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 三菱の場合、オイルフェンスを一番初めに張りましたのは、十八日の午後八時に事故がございまして、翌日の零時二十分にまず先ほど申しました切り込み港湾に九百メートルのオイルフェンスを張りました。これは巡視艇の指導のもとに、ただいま申しました協議会の所属の船がそれぞれオイルフェンスを積んで切り込み港湾に参りました。それから第二次、第三次、第四次から第六次まで、これは朝の五時まででございますが、大体五千百二十メートルのオイルフェンスを展張いたしました。

野中英二自由民主党

○野中委員 このオイルフェンスはどこのものなんですか。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 このオイルフェンスは、海上保安庁の所有しておるものと、それから各企業、たとえば三菱石油、あるいはあそこの日本鉱業でございますか、それぞれの民間が備蓄しているのを使用いたしました。

野中英二自由民主党

○野中委員 海上保安庁、それから各企業が持っておるとおっしゃいました。この各企業が持っているということは義務づけられているのですか。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 お答えいたします。  一昨年の七月に海洋汚染防止法の改正を行いまして、三十九条の二によりまして、船あるいはそれぞれの企業がオイルフェンスあるいは処理剤を備蓄する義務がございます。

野中英二自由民主党

○野中委員 法的に義務づけられておりますが、それでは、たとえば何万トンという貯蔵をしておるところにはどれだけ必要かという基準はあるのですか。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 海洋汚染防止法でございますので、それぞれ着機いたします一番大きい船の長さの一・五倍の長さのオイルフェンスを備えつけるように義務づけております。

野中英二自由民主党

○野中委員 そういうことでは今度は済まなくなったようですね、備蓄タンクから流れていったのですから。そうでございましょう。そうすれば、一定の基準を今後考え出していかなければならぬでしょう。一体どれだけオイルフェンスを、器材を各企業は整備しておくかという対策を考えなければいかぬと思うのですよ。いかがですか。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 この問題につきましては、コンビナートの防災に関します一元的な法体制の整備、あるいはそれに基づきます実際上のオイルフェンスあるいは処理剤の整備というものが必要かと存じます。これにつきまして、ただいま消防庁を中心にいたしまして、われわれも意見を出しまして、その問題について検討を始めております。

野中英二自由民主党

○野中委員 ぜひ早急にやっていただきたいと思います。  次は、時間の関係で空の方へ参ります。  昭和四十七年の連続事故以降、国は航空会社に対してどのような安全対策についての指導を行ってきたか、あるいは航空会社の講じた施策について運輸大臣から賜りたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 安全対策の詳細につきましては航空局長から答弁をいたしまして、そのあと私、答弁させていただきます。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 お答え申し上げます。  四十七年に羽田とニューデリー及びボンベイで立て続けに事故が起こりました。運輸省といたしましては立入検査をいたしまして、改善策の提示を求めたわけでございますけれども、その後、十一月に再びモスクワにおきまして事故が発生いたしました。運輸省は直ちに特別監査を実施いたしまして、安全運航確保のために業務改善の命令を出したわけでございます。それに対しまして、業務改善の具体策が提出されてまいりまして、運輸省としてはそれを十分にチェックいたし、また、その実施状況を確認したわけでございます。  それで、具体的な対策といたしましてはいろいろございますけれども、特にやはり乗員の問題が非常に重視されたわけでございます。  具体的に申し上げますと、乗員の資格基準を引き上げるということでございまして、たとえば、従来、機長に昇格する場合のいわゆる平均飛行時間、これが三千八百時間であったわけでございますけれども、これを四千六百時間に引き上げる、あるいはDC8の機長からボーイング747というような大型機の機長に移行するというような場合に、いわゆる経験年数といいますか、DC8としての経験年数、これを二年から三年以上に引き上げるというふうないわゆる資格基準というものの引き上げを行いました。  また、乗務員が乗ります場合に、機種が非常にかわるということは、これはまた一つ事故の原因になってはいけないということで、たとえばDC8の機長に昇格いたしました者につきまして、三年間はDC8に固定させるというふうなことを実施したわけでございます。  それから、何よりも乗員の訓練の充実ということが重要でございますので、これは実地の訓練というものを重視いたしまして、たとえばシミュレーターというようなものを導入するというふうなことをやってきております。  それから当然のことでございますけれども、適性審査、適性検査というものをさらに厳格にする。それから規程類を再検討いたしまして、その規程を乗員に本当に身につかせるということのためのミーティング等に相当な時間を割いて、これの徹底を図るということをやったわけでございます。  それから当然のことでございますけれども、乗員と整備の職員との間の意思の疎通、やはりこういうことが非常に重要でございます。社内の相互間の意思の疎通、これを図るために、それぞれがそれぞれ他の職種の体験をする、こういうこともいたしてきたわけでございます。  具体的に申し上げますと、そのような具体的な措置を講じ、また、予算的にも相当程度の充実をいたしまして、再びそういう事故の起こらないように安全対策を講じ、また、政府としてもそれをチェックしてきた、こういうことでございます。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 過去に起こりました事故についての対策は、いま航空局長が申し上げたとおりでございますが、これらの事故が起こりますたびに、どうやってその事故が起きたか、将来、その事故を反省をしながら安全対策はどうしておるかというふうなことを、一つ一つその事故を起こした航空会社に研究をさせまして、そしてどういう措置を講ずるかということの報告を運輸省は求めております。そして、それによって指導しておりまして、時には立入検査もやりますし、また、年末年始の総点検等をやります。そういうことで航空会社の安全対策については指導しておりますが、航空事故そのものは、航空会社だけの安全対策では十分でございませんので、特に航空路それから離着陸のときの事故、そういうものがかなり心配されるわけでございます。  そこで、運輸省といたしましては、毎年の予算の上におきまして、航空安全対策のための予算をかなり大蔵省に強く要求して、もらっておるのでございますが、五十年度の予算におきましても、約七百億の航空安全対策関係の予算を計上いたしております。これによりまして航空路の安全施設の整備、それから飛行場、空港の安全施設の整備、そういうものを中心にいたしまして、航空路、空港、そういった地域の、あるいは空路の安全対策を今後強力に進めてまいりたい、かように考えております。

野中英二自由民主党

○野中委員 いま航空局長から、あるいは大臣から賜りまして、謙虚に姿勢を正して航空の安全を期していくということは喜ばしい限りであります。  しかしながら、私のきょう質問をいたそうと思いますことは、パンナムにいたしましても約八千百万ドルの赤字と言われております。TWAも四千六百万ドルの赤字と言われておる。わが国の代表的な航空会社であります日本航空株式会社、しかもこれは日本航空株式会社法の規制を受けておりますし、また運輸省、運輸大臣の許認可にも係る大切な会社であります。ところが、この日航が、新聞の報ずるところによりますと、大変な赤字を出して困っていらっしゃるということがある。この赤字を出してくるということが安全対策に及ぼす影響、私はこれを深く憂慮いたしておる次第であります。  そこで、今年度の赤字が、資料を求めましたところが三百二十億に達するであろう、こういうことでございました。それで、これは月並みでございますけれども、今年度決算の大幅な赤字を生み出してきた原因を確認の意味でお聞きしておきたいと思います。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 お答え申し上げます。  四十九年度の最終的な結果がまだ出ておりませんので確定的なことは申し上げかねますけれども、収入について見ますと、四十八年度の実績に対しまして約一七%増になるであろうということでございます。そのうちの営業収入のみについて見ますと約一九%の増、こういうことになるわけでございまして、これは旅客の増加、四十九年度中に行いました国内線、国際線の運賃値上げ、これの寄与、こういうことでございます。それからマイナス要因といたしましては、いわゆる台湾線が年度当初におきましてストップしたということによる減収がございます。それから一般的な国際線の輸送需要の減退、当初予想に比べまして相当な減退をしておるということで収入増加が図り得なかった、こういうことでございます。  それに対しまして支出でございますけれども、支出の方は約三割の増加を来したわけでございまして、そのうち一番大きな要素は燃料費でございます。燃料費が四十八年度に比べまして実額で約三百七十億、率にいたしますと二二五%、実に二倍以上の高騰。それからその他諸物価の高騰で営業費の方が三割近くアップということで、収支約三百二十億程度の赤字になるのではないか、こういうことでございます。  一口に言いますと、一般的な需要の減退ということと燃料等をはじめとする経費の大幅なアップということで収支の均衡を失した、こういうことに相なろうと思います。

野中英二自由民主党

○野中委員 わかりました。大分簡略に航空局長は説明したようでありますが、収入分では、大型割引運賃が増加したということ、あるいは景気の後退、世界的インフレというようなことがあるわけですけれども、そういうのは全部省略していただきまして、時間の節約をしていただきましてありがとうございます。  いま答弁がございましたように、大幅な赤字が出てきた。そこで、これからの経営見通しを聞いておいて、それから本格的な質問に入りたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 いま航空局長が申し上げたような現状でございます。そこで、これからの見通しでございますが、御承知のように、世界的に景気の冷却が進んでおります中で、世界の主要な航空企業がいずれも軒並みに赤字である、この中におけるわが日本航空の今後の経営がどうなるかということで、われわれも大変頭を痛めておるわけでございます。  まず第一には、とにかく身の内を引き締めなければならないと思います。そういう意味で、日本航空自体は会社の中に体質強化の委員会をつくりまして、少しでも冗費を削り、合理化できるところは合理化していく、こういうふうなことにいま一生懸命になっておるわけでございます。また国際線の中で赤字の路線もかなりあるわけでございますが、これをどうするかという問題が一つあるのでございますけれども、国際線は、国益上の問題もございますので、赤字だからといって、それだけでやめるというわけにもまいりません。その辺が非常につらいところでございます。したがって、国際線につきましては、便数なりなんなり、合理的に、もっと詰められる点は詰めていくというふうな検討もこれからしていかなければなりません。  それから、おととしあたりまでの景気の状況で、世界的な傾向でございましたが、ジャンボあるいはトライスターといった超大型機を購入いたしましたのが今後の経営にどういうふうに響いていくかということも一つの大きな問題でございます。したがって、これらの超大型の機材をどういうふうに運営していくか、あるいは将来の見通しの上に立ってこれらの超大型の機材を放出するか、いろいろな問題があるわけでございますが、世界的な経済状況がどうなるか、またわが国のインフレ収束のための、現在政府がとっております措置がこういう企業にどのような影響を与えるかということをよく見ながら、今後の日本航空の健全な運営のためにわれわれは会社を指導し、また適切な方法を講じていきたい、かように考えております。

野中英二自由民主党

○野中委員 いま木村運輸大臣の方から御答弁がありましたけれども、企業体質強化委員会というのを日航でつくりまして、そして審議をされたわけであります。その概略は二月十四日の東京新聞の夕刊に出ておるわけでございますが、そこで国際線の問題をまず第一に取り上げられた。しかし、これは二国間協定がございまして、大臣のおっしゃるとおりなかなか思うに任せないであろうと思うのであります。そこで減便というような措置をとってくるのでありましょうが、またハバロフスク線につきましては、ここにアエロフロート航空との話し合いにおいて協定を結んでやろうというようなことが出ているわけでございます。国際線の減便ということも大変大切なことでございますし、同時に、ジャンボあたりにしても、ファーストクラスが四十席、エコノミークラスが三百二十一席、これが満席で輸送されているということは今日あり得ないのです。そういうことで、国内線用のダグラスDC10四機あるいは国際線用の二一機を昭和五十年十二月以降に買う予定になっておったのを、今度大幅に延期いたしましたということがここに出ておるわけです。これはまことに賢明だと思うわけでございますが、さらに南米線を見送るとか、三年先までの旅客需要を一〇%増と見て計算を立てたとか、あるいは管理職の基本給を五十年三月から五十一年三月まで一〇%カットするなどということをずらっと並べて、これで日本航空の赤字が是正できるようなことが書いてあります。  もう少し詳しく言いますと、昭和四十九年には売り上げが三千四十五億円、そして赤字が三百二十二億円に達するであろう。五十年には三千七百九十一億で、プラス・マイナス・ゼロ。五十一年には四千三百八十四億円で、百六十五億円の黒字。五十二年には五千五十九億円の売り上げ、三百八十九億円の黒字、五十三年には五千六百七十億円の売り上げ、そして四百四十一億の黒字、こういう作文が実は企業体質強化委員会から出されているわけでありますが、運輸大臣、このとおりいくと思いますか、これを確かめておきたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 それは日本航空自体の考え方で、再建といいますか今後の体質改善の一応のもくろみであるわけでございます。詳細にまだそれぞれの中身は検討いたしておりませんが、そのとおりいってくれればまことに結構なことだと私は思いますが、実情と照らしまして、運輸省としてもこの体質強化策がどの程度妥当性を持っておるか十分検討いたしたい、かように思っております。

野中英二自由民主党

○野中委員 恐れ入りますが、もうちょっと時間を下さい。  大臣、こうして作文をつくりましたのは、これはどうしても黒字にしなければならないという企業意欲だということは私は敬意を表する。しかし、この企業意欲は、動けば動くほどわれわれが危惧しなければならぬことは安全ということなんです。御存じのとおり、機材を購入しない、結構でしょう。しかし、航空機が年々歳々老朽化をしていくということであります。これをいかにして考えなければいかぬか。それによって償却が減ってきますから、その意味においては黒字も出てくるでありましょう。しかし、それは老朽化するということで、われわれ利用者の立場から見れば危険度がふえたというふうにわれわれは考えざるを得ない、常識的に。そうでしょう、大臣。これがまず第一。  それから、先ほど私が中村航空局長に尋ねましたときに、われわれはたとえば乗務員の資格基準を引き上げること等によってそういう指導をしてきて、そうして交通の安全を事故以来守ってまいりましたという答弁の一節があったわけです。してみますと、ベースアップをしないでむしろカットされていく、こういうことで優秀な人材が確保できるかどうかという問題、これを十分検討していただかなければならぬ。私はこの算定基準がどうやってつくられたかという、このマジックをきょうは追及したかったのでありますが、三時までという時間はもうすでに三分過ぎておりますから結論を急いでおるわけでありますが、そういうふうなことでしわ寄せが乗客へいく、乗客の安全へいくということになったらどうですか。これは大臣、責任を負えますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 航空企業におきましては、たとえそれが好況のときであろうとも、あるいは不況のときでありましょうとも、安全性ということに変化があってはいけない、私はかように思っております。したがいまして、いま体質改善の具体策をいろいろ考究しておるようでございますが、これがもし航空の安全性に少しでも影響があるような面がありとすれば、それは是正をさせなければいけません。もちろん、不安全性ということはさらに航空企業自体に悪影響を与えることでございますから、よもやそういうふうな影響の起こるような体質改善方策は考えていないと思いますけれども、その点は運輸省として十分に監督をいたしたいと思います。  給与の削減ですか、そういう問題につきましても、管理職なり何なりでございまして、パイロットその他の航空従事員の技術者に至るまでそういうふうに考えておるのかどうか、その辺もよく調べた上で適切な指導をやりたい、かように考えております。

野中英二自由民主党

○野中委員 最後に一つだけ念を押しておきたいのです。監督官庁であります運輸省として、交通安全のためには、金で買える安全であるならば、人命というものは金で買えないわけでありますから、とにかく最悪の事態には、日本航空の出されたこの合理化案がもし正しくないとするならば、いわゆる安全性を欠くというようなことがあったとするならば、これは利子補給する考えがあるか、あるいはいわゆる補助金を出す考えがあるか、そういうものを明確にしていただきたい。いわゆる利子補給してもあるいは補助金を出しても、とにかく安全を守るんだ、この決意を確認して、私の質問を終わりたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 日本航空はナショナルキャリアとして従来とも政府が出資をしておる会社でございます。今後の体質強化の計画並びにその見通し等を見ました上で、どういうふうな措置を政府としてとっていくかということは、その段階に立っていろいろ方法がございますから十分考えたいと思います。いま御指摘のような、例示されましたようなことをいますぐどうするかという時期ではまだない、かように考えております。

野中英二自由民主党

○野中委員 これで質問を終わります。

下平正一日本社会党

○下平委員長 次に、平田藤吉君。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 私は、特に海上交通安全、ここに限って、大臣の所信表明との関係で質問をしたいと思います。  まず最初に、海上保安庁の方からお聞かせいただきたいのですけれども、四十八年度の海難事故の総数、それから湾内または港の中あるいは沿岸での事故の総数、全体の中でのその比率、これらをお聞かせいただきたい。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 お答えいたします。  海上保安庁で統計をとっております海難につきましては、要救助海難、わが方の海上保安庁の巡視船艇が出動いたしました海難の隻数でございますが、四十八年中に発生いたしました要救助海難隻数は二千六百十五隻でございまして、四十七年に比べますと四十二隻減っております。  それから、ただいま先生のおっしゃいました場所によります海難につきましては、これは瀬戸内海、東京湾、あるいは伊勢湾というふうに分けてお答えをすべきか、いかがかと思いますけれども……。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 全体まとめてでいいです。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 それでは海域別で申し上げますと、東京湾が百六十三隻、それから伊勢湾が六十二隻、瀬戸内海が非常に多うございまして八百五隻でございます。この東京湾、伊勢湾、瀬戸内海を全部合わせたものが千三十隻でございます。全国では、先ほど申しましたように、千六百隻の海難が全国のそのほかの海域にわたって海難を発生しておるということでございます。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 大臣、所信表明の中で、交通については安全が第一である、人命尊重が第一だということを繰り返し言われているわけですが、これは歴代の大臣が大体そうおっしゃる。当然のことだと思うのです。しかし、いま御説明いただいたように、事故数は若干減ったとはいえ、中身を見ますと、大型化してきております。特に湾内、沿岸に集中しているというのが現状です。これは何としても根絶しなければならないと思うのだけれども、根絶していく場合に、どんな立場が重要だとお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 海上を航行いたします船が次第に大型化してきておるということが、海上の事故の関係から、大きな問題になっておることは事実でございますが、海上輸送というものは、国際的なシェアと規模の中で行われておりますので、七つの海で各海運業者がしのぎを削って競争しておるという段階では、わが国の海運業も国際的な競争に負けてはならないというところで、経済輸送という見地から大型化してまいっておるのでございます。  したがって、この大型化に伴いまして、水深の関係あるいは接触する場合あるいは特にタンカーの場合などは、積載しております油の量が莫大でございますので、一たん事故が起きたときの事故の被害は非常に大きい、そういうような問題がいろいろあるわけでございますが、われわれといたしましては、いかなる場合でも、海上の場合には安全第一ということで、いろいろな面で指導を強化いたし、また、海運企業に従事する者が率先して事故防止に努力をするという姿勢でいかなければならない、かように思っております。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 海上保安庁のデータによりますと、全国の港に入った五総トン以上の船、九百七十万隻に上るようですけれども、このうち四三%に当たる四百二十万隻が、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の沿岸の港に入っているわけです。全体の船の荷物の取り扱い量の中で、この四三%の船が扱うものが六八%に上っているわけですね。こういう状況で、明石海峡では一分間に一・二隻、それから来島海峡、備讃瀬戸、浦賀水道などでは二分間に一隻が航行しているというのが実情なんですね。大変な過密状態だと思うのです。  なぜこの三つの海にこうも集中するようになったのだろうか、これが第一点。第二点は、わが国保有の二万総トン以上の船は、三十八年に七十二隻であったものが、四十八年には四百三十五隻、六倍にふえているわけなんです。別に、港が広がったわけじゃない、湾が広がったわけじゃないのです。とにかく大型船が六倍にふえている。何でこんなに大型船が急増したのだろうか。この二点について、大臣の方からお答え願いたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 確かに瀬戸内海初め数カ所でもって最もひどい海上交通ラッシュの現象を起こしておることは事実でございますが、これは大きく言えば、日本全体の国土の開発利用計画というものが、そういうふうな状況を現出をせざるを得なかった一つの大きな原因であろうと思います。ことに、海陸の接点でございますところで、しかも背後地も便利がよろしい、そういうところに工場が蝟集するのも、これはやむを得ぬ現象であったかと思います。したがいまして、今後そういうきわめて過密のひどい地域、これを解消いたすための国土の再開発、そういったことにも目をつけていかなければならないと思いますけれども、当面は、現在の交通ラッシュをいかに交通事故が起こらないように処理していくか、この点、運輸省の責任でございますので、交通安全のためのいろいろな規制あるいは指導、そういう点を大いに強化をしてまいりたいと思っております。  それから、だんだん船が大型になってきたということについてでございますが、先ほどの御答弁の中でちょっと申し上げておりましたように、やはり海運事業というものは、自由競争の中におきまして、ことに国際性の多分に強い事業でございますので、やはり国際間の競争場裏で生き抜いていくためには大型化ということが非常に経済的であるということで、だんだん大型化の傾向になってきておるのは、これはやむを得ぬことではなかろうか。  しかし、それが航行の安全に非常に大きな影響を持ち関係を持っておるという点で、どの程度の大型化までが許されるであろうかというふうな問題は、やはり企業の伸長ということと同時に、航行安全という点から検討をしていかなければならない、かように考え、また、こういう問題につきましても、関係の審議会等に諮問をし検討をしてもらっておるような状況でございます。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 大体東京湾、伊勢湾、それから瀬戸内海、立地条件の非常にいい場所へコンビナートを初めとして大企業が集中した。ここから問題が起こっているんですね。高度経済成長政策を推し進めて、新産都市の建設などをやってきた。海の方は別に広がるわけではないのですから、限られた海の中で処理をしなければならぬ。こういうところから、依然として海難事故の多くがこの湾内に集中しているということになってあらわれていると思うのですよ。だからここのところを、私は、さっきも大臣が言われた点で、経済性から大型にならざるを得なかったのだというふうに言われますけれども、それでは安全性の問題はどこへいったんだというふうに考えるのです。  そこで、具体的な問題に入って大臣の見解をお聞きしたいと思うのですけれども、昨年十一月に東京湾で第十雄洋丸とパシフィック・アリス号との衝突事故があったわけですけれども、この衝突事故の原因は何であったか。これは海上保安庁の方からひとつお聞かせいただきたい。状況など含めてお願いします。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 昨年の十一月九日に東京湾で発生いたしましたLPGタンカー第十雄洋丸と貨物船パシフィック・アリス号の衝突事件でございますが、この点につきましては、十一月十一日に開催されました当委員会におきまして、十一日までの状況を御報告いたしました。  その後の状況を簡単に申し上げますと、第十雄洋丸を富津の沖で座州させましたけれども、このままでは火災が長引くということで、湾内のノリ業者、あるいは航行安全につきましてもいろいろの危険性もあり、安全性についていろいろの問題が出てまいりましたので、この第十雄洋丸を湾外へ引き出すということに決定いたしまして、これに対する対策を立てまして、十一月二十日の午前八時に湾外引き出しを開始いたしました。これが成功いたしまして湾外に出たわけでございます。洲ノ崎の南方で午後七時四十二分ナフサタンクが大爆発を起こしまして、火災が急速に広がったために曳索を切断いたしまして、このときから、つまり三十一日の午前二時二十七分から野島崎南方で第十雄洋丸は漂流を開始したわけでございます。  これに対しまして、海上保安庁といたしましては、当方の勢力ではこれをいかんともしがたい、あるいはナフサ、LPGが相当まだ積載されておるということで、航行上の安全性も考えまして、防衛庁に対しまして同船の沈没の処分を長官から要請をいたしまして、二十八日の十八時四十七分北緯三十三度四十分、これは大体犬吠崎の二百七十六海里の地点で沈没をいたしました。  ただいま先生の御質問で、この原因を含めてということでございますが、現在この事件は海難審判庁で海難審判にかかっておりますので、原因をいまとやかく申すところではございませんけれども、われわれがただいままで調査いたしましたところでは、やはり両船の見張りが果たして十分であったかどうか、それからスピードが適切であったかどうか、そういうような問題、ことに見張りの問題が非常に大きい原因の一つではないかというふうに考えております。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 見張りが十分でなかった、そうだと思うのです。では、この大事故からの教訓は一体何だったのかということをお聞かせください。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 この事故防止の教訓といたしまして、やはりまず第一に、航路の出入口付近におきまして、船舶相互間で危険な見合い関係が生じないようにこの航行に十分注意を払うこと、航路事情にふなれな外国船に対しては、やはり水先人を乗せるべきであること、第三に、進路警戒船の警戒を十分強化いたしまして、本船との連絡をとることというような教訓を得ました。  海上保安庁といたしましては、一つの具体的な方策といたしましては、木更津方面から出発いたしまして中ノ瀬航路出口付近を通航する船舶は、この海交法の中ノ瀬航路の北端から千五百メートル以上離れて迂回して航行することを通知いたしました。この地点には本年の二月十日に灯浮標を設置いたしました。  それから中ノ瀬航路を北上する巨大船には常に木更津航路から出てくる船舶についての情報の伝達、それから木更津航路を出ていく船につきましては、中ノ瀬航路を航行する巨大船に対する情報を得てから木更津を出港するということを励行いたしております。  また、航路事情にふなれな外国船に対しましては、極力水先人を乗船させるように指導いたしておりますとともに、日本船でございますと、船長の経験が十分でない場合には、水先人を乗船させるように指導いたしております。  第四に、中ノ瀬航路では十二ノット以下の速力で航行すること、それからその他の東京湾の海域におきましても高速運航を行わないこと、それから最後に、進路警戒船、エスコートボートは航路以外の湾内水域においても引き続き警戒業務を行うとともに、見張りの強化、通信連絡設備の整備を図るように指導いたしますこと。  これを実行いたしますために、和文八千枚、英文五千枚のリーフレットをつくりまして、外国船を訪れ、あるいは代理店にこれを配るなどして、事故防止に努めておるところでございます。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 まあいろいろ教訓を学んで対策を立てられたということですけれども、水先案内人というのは、大型船で水先案内ができる人ですが、その技術者は全国で何人ぐらいいるか、これが第一点。  第二点は、水先案内人の必要な船舶は何隻か。いま言ったように非常に重要なところを通過するわけで、これが必要な船というのは何隻ぐらいあるのか。  それから、実際に水先案内人を乗せて安全航行ができるようにするためには、水先案内人はどれくらい必要なのか。それをお聞かせ願いたい。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 水先制度につきましては船員局がこれを所管いたしておりますが、船舶職員課長が参っておりますので、課長の方から答弁をお願いいたしたいと思います。

星忠行運輸省船員局船舶職員課長

○星説明員 東京湾の水先人につきまして、その員数をまずお答えいたします。  東京湾には三つの水先区がございまして、東京水先局、これは東京港を取り扱っておりますが、ただいまの員数は十一名でございます。それから東京湾水先区と称しまして、これは主として横浜港及び千葉港を取り扱っておりますが、これは四十五名ございます。それから横須賀水先区というのがございますが、これは横須賀港及び浦賀水道を取り扱っておりますが、四十九年七月二十五日現在二十八名となっております。最近五名増員いたしまして、横須賀水先区、つまり横須賀及び浦賀を担当いたします水先人は二十八名となっております。これらが東京湾関係の員数でございます。  それから、今後の必要員数についてでございますが、現在海上安全船員教育審議会という審議会が運輸大臣の諮問機関としてございますが、ここに諮問をいたしておりまして、水先を乗船させるべき、特に水先人の乗り組みを強制にさせるべき港及び水域は、どういうところを水先人乗船を強制させるべきか、あるいはその場合にどういう船を対象にして強制させるべきかという問題について、現在審議中でございます。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 私が聞いておるのは、第十雄洋丸の事故から教訓を学んだ、そして水先人を乗せるように指導しておりますとこうおっしゃるから、それだったら水先人を乗せる船というのは何隻あるのか、それに水先人は何人いて、実際に水先を間に合うようにしていくためには何人必要なのかということを聞いているのですよ。わからなければわからないと答えればいいです。つまり、全国にあれこれありますけれども、主要な港で言えば東京湾、伊勢湾、それから瀬戸内海、この三つの湾を合わせて一体どうなのかということを聞いているのですよ。

星忠行運輸省船員局船舶職員課長

○星説明員 現在日本には、日本全国の主要な港に、ちょっといま資料が出ないのですが、三十ちょっとの水先区が置かれておりまして、そこに置かれております水先人の員数は、四十九年七月二十五日現在で三百五十五人が置かれております。ただし、これは現在港について任意水先区と強制水先区とございまして、ほとんどの港が任意水先区となっております。現在強制の制度がとられておりますのは横浜港、それから神戸港、関門港、那覇港、横須賀港、それから佐世保港という六つの港だけが強制になっておるわけでございます。  ただし、これは大分以前にそういうことが決められた制度のままとなっておりますので、最近のように船舶が非常にふくそうをしてくる、あるいは大型化してくるといった情勢に対して適切ではないのではないかという問題が生じておりますので、先ほど申し上げましたとおり、現在審議会で御審議をお願いしておるところでございます。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 毎回大臣は安全安全と言われるのだが、いまお聞きのとおりですよ。審議会でこれからかけて審議するんだと言うのだが、いつごろまでに結論が出て、いつごろまでに対策は立つのですか。

星忠行運輸省船員局船舶職員課長

○星説明員 現に浦賀水道におきまして雄洋丸の重大事故が発生している現状にかんがみまして、少なくとも浦賀水道については審議を急ぐべきであろうということで、現在審議会にお願いしてございます。ほかの全国的な見直しも大変必要なこととは存じますが、特に浦賀水道については審議をお願いする。その場合には、強制水先にするかしないかというだけでなくて、たとえ強制水先にするということにした場合でも、そこへ水先人の人数あるいは実際の上下船に必要ないろいろな施設、特に大事なのは対象船舶のしぼり方の問題でございまして、これをどの程度まで——いま指導しておりますのは、非常に長さの長い巨大船でありますとか、あるいは危険物積載船でありますとか、そういうものに特に重点的に水先人を乗せるようにしておりますが、それだけで果たして足りるのかどうか、もっとある程度小さな船までやっていくのが必要なのじゃないか、こういう観点に立って、技術的な問題まで含めて審議を急いでいただいておる次第でございます。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 全国の主要な港についてやはり検討をされるべきであって、部分的な事故が起こったところだけやっているのじゃだめだと思うのですね。一つの事故の教訓を学んだら、やはり全国的に対処していくというのが当然政府の責任だろうと思うのですよ。  そういう意味で、こういう事故をなくすために水先人が必要であろう、これくらいの者は必要なんじゃないかというものすらいまわからないのですよ。船舶数すらわからないのですよ。こういう状態、つまり昨年の十一月九日に事故が起こって今日に至るも、そういう状態すらが把握されていないということは、これは大変な怠慢だというふうに言わざるを得ないと思うのですね。私は、そういう意味では船の実態についての把握、こういうものはやはりきちっとやって速やかに対処できるようにしておかなければならないというように考えるのです。  さっきのお話ですと、中ノ瀬航路の出口、北口の千五百メートルのところにブイを置かれた。それは中ノ瀬航路の北側だけですか。つまり海上交通安全法が適用されている、今度のあの巨大船だけ優先して通すという法律が適用されている航路全体についてそういう処置がとられたのかどうか、これをお聞きしたい。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 とりあえず海交法の指定航路の中で中ノ瀬航路の北口に二月十日に灯浮標を設置いたしました。引き続きまして明石海峡の、これも海交法の航路でございますが、神戸寄りの方にA点を設定いたしまして、ここに灯浮標を設置する予定でございます。それから、次に伊勢湾につきまして、あるいは備讃瀬戸につきましては、出会い頭というのは一応すでに相当の灯浮標、航路標識を入れておりますので、これについては灯浮標の置き方についての検討はいたしますけれども、新規に灯浮標を入れましたのは中ノ瀬航路、それから引き続き明石海峡でございます。  なお、先生が先ほどの御質問で中ノ瀬航路あるいは巨大船の状態を把握しておるかどうかというお話でございました。海上保安庁といたしましては、海交法の施行以来二百メートル以上の巨大船あるいは危険物積載船につきましては、各航路ごとに完全に隻数を把握しておりまして、たとえば中ノ瀬航路を通航しました巨大船につきましては、危険物積載船あるいは巨大船含めまして大体四十七年の七月海交法ができますときに百六十一隻、それから四十九年の九月は百九十五隻、一番多いところで八月で二百二十一隻、これは月でございます。こういう資料は、巨大船につきましては海上保安庁は全部整備いたしております。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 それだけ資料が整備されているのだったら、港湾局の方だってそれに基づいて対処の仕方は考えていいはずですね。そこいら辺が事件が起こった、それに対応してすぐ対処するという体制にないことを示しているのじゃないか。すぐ研究してできる話なんですよ。水先案内人はどの程度まで乗せるか、さしあたってはこれぐらいの処置は必要だという手だては講じてしかるべきなんです。それができていないということは、やはり私は大変問題だと思う。  それからブイの問題でも、やはり検討を急ぎ、実施を急ぐ必要があるというふうに私は思うのです。  それから、浦賀航路の場合は十二ノットに制限されていて、引き続いて中ノ瀬の方も十二ノットで制限されるというようにお話しでしたけれども、これは中ノ瀬の方も行政指導で実際に効力を持つものですかどうですか。そこら辺聞かしてください。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 この点につきましては、法律上の義務的なものでございません。私の方の第三管区海上保安本部長が四十九年の十二月十七日に「東京湾内における船舶航行の安全確保について」ということで長文の安全確保に対する各項目につきまして記載をいたしまして、たとえば「東京湾内の安全航行について 海上交通安全法では速力制限のない中ノ瀬航路も原則として速力を十二ノット以下とし、その他の湾内水域でも高速力で航行しないこと」ということでございまして、中ノ瀬航路における速力制限は、この管区本部長の行政指導によるところでございます。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 実際に守られるかどうかということですよ。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 この通牒は、船主協会、パイロット協会、それから代理店、外国船の代理店その他の船社に十分言っておりますし、わが方の海上保安庁の巡視艇が常時航路警戒をいたしております。スピードというものを測定するような装置も持っておりまして、十二ノットを超えて走る船に対しましては、スピーカーその他をもちまして警告を発する、それによってこの通牒を遵守させるという方向でただいま処置をいたしております。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 これはかなり強制力を持ってやらないと、とにかく大型船をスムーズに通すために設けられた航路なんですから、天下御免で走られるということは当然起こり得るので、このところはやはりさらに検討すべき問題だろうというふうに思うのです。  同時に、この航路内で、この間の第十雄洋丸の問題で言えば、航路内で大体十四ノット出していたのではないかというふうに言われているのですね。そして十四ノットでずっと航路外へ出ていっているわけでしょう。このことが大変いろいろな問題を起こすもとになっているわけで、各航路の入り口と出口、それぞれ速度を大幅に制限すべきであるというように思うのですが、どうですか。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 この点につきましては、先生のお示しのとおり、われわれもそのように考えておりますし、各航路につきましては、航路の終端を示しますブイを設置いたしております。そのところにおきましてはスピードを落とす。ことに航路の出入り口の見合いの、航路の出会い関係について非常に問題になりますので、この点についての指導は一方ではいたしております。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 これはブイを置いただけでその出口のスピードを制限しませんでしたら、ブイを置いたのは衝突する場所が先に行っただけのことになるのですね。ブイを置いたこと自身、回るわけですから幾らか役に立つとは思うのですけれども、結果的にスピードを出していれば同じことが起こるわけですよ。そういう意味で、入り口と出口の速度制限というものはかなり強く行っておくことが、海上交通安全法と衝突予防の海域の区域の切れ目ですから、そこのところはやはりきちっとしておく必要があるだろうというふうに思うのです。  それから同時に、巨大船については、私は、湾内全体でスピードを大幅に制限すべきだというふうに思うのですね。たとえばこの間の第十雄洋丸ですら逆推進ブレーキをかけて、そうして八百メートルから一千メートル走ってしまうわけですね。とまらないわけですよ。しかも重大なことは、衝突を避けるために方向転換すればいいのですけれども、したくてもできないわけですね、逆推進かけた場合には。しかもあの船はプロペラ一つでしょう。ですから全然かじがきかないのです。風にあおられれば衝突する方向に船が曲がっていくということすら起こり得るわけですよ。そういう意味で、湾内全体でやはり大型船、巨大船についてはスピード制限を思い切ってやるべきだというふうに思うのですが、どうですか。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 先生お示しのとおり、湾内におきましてのスピード制限は、われわれといたしましても、安全性が確保できる限りはできるだけスピードを落とす。これは潮流その他で、先生がただいま御指摘のとおり、かじききの問題がございまして、非常にスピードを落としますとかじのききが悪い。たとえば明石海峡あたりであの潮に乗ります場合には、やはり十二ノット以上のスピードを保持いたしませんと船体の方向の維持が非常にむずかしくなるという点はございますけれども、そうでない場合には、ことに濃霧その他の気象条件の悪い場合には速力を落とすのは当然のことでございまして、これは見張りを十分にするとともに、スピード制限につきましては、ことに巨大船については十分この点、各船社に対してそのように指導いたしたいと考えております。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 大臣、いま第十雄洋丸をめぐる問題でお聞きしたわけですけれども、これだって私は別にあの航路が賛成なわけじゃなし。とにかく、そこのけそこのけお馬が通る式で巨大船が勝手に航行する、そして巨大船を見たら小さい船は全部よけろというシステムになっているわけで、私は、一般的な指導ということだけではなくて、これは思い切って湾内におけるスピードを制限するという措置を講ずべきだというように思うのですね。  後で論じますが、大臣、これからほかの委員会の方へ行かれるようなんで、大臣の方から、そういうつまり経済性云々の問題を主体に考えていくと、必ず事故というのは続発してくる。しかも大型の事故になって取り返しがつかない事態が生ずるということは、この間の第十雄洋丸事故でもって証明されていると思うのですね。そういう意味で、私がいま申し上げたように、湾内でのスピード規制も厳格に大幅に行って、安全を第一に、それこそ大臣が言われているように安全を第一に据える、人命尊重を第一に据えるという立場を堅持すべきだ、その具体的な措置を講ずべきじゃないかというように思うのですが、大臣の考えをお聞かせいただきたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 私が所信の中で申し上げましたように、いまのお話のように安全第一という考え方には変わりはないわけでございます。船が大型化し、それが経済性があるということで、自由競争の中でそういうことになっておりますけれども、だから安全性は第二であるということでは絶対ございませんので、船が大型化することはすることといたしまして、それだけ安全性の重要さは高まるわけでございますから、そういう考え方で今後とも取り組んでまいります。そしていまいろいろお話がございましたが、具体的な湾内における大型船舶の運搬についてのスピードの問題その他いろいろあろうかと思います。この点は、御意見も十分に参考にいたしまして、今後さらに一層ああいったふくそうする湾内の、ことに大型の船舶がたくさん出入りする地域の航行安全については万全を尽くしたい、かように考えております。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 いま申し上げた幾つかの問題の提起は、さしあたっての対策なんですね。やはり根絶していくためにはもっと抜本的なものを考えなければいけないと思うのです。これは運輸省の方でもそれから海上保安庁の方でもいろいろ検討をされてきている事柄で、指摘をされている事柄ですね。四十七年当時、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の三海域内の主要港に通ずる主要狭水道の安全上の問題は、次のように指摘されているのですね。昭和四十七年度の運輸経済年次報告によると、こういうふうに書かれているのです。「主要狭水道については、従来から航路標識の整備等交通環境の改善に努めるとともに、巡視船艇を配備して航法指導や交通整理を行なってきたが、とくに浦賀水道については、四十五年十月、同水道で発生したタンカーの衝突事故を契機として策定された緊急安全対策に基づき、巡視艇の増強配備による航法指導の強化、航路標識の改善等の措置を実施している。しかし、このような行政指導を主とした安全対策にはおのずから限界があり、かねて東京湾等船舶のふくそうする海域における海上交通の安全確保のための抜本的対策として特別の法制の整備の必要性が痛感されていた。」というように、この当時から言っているのですね。  これについてつくられたのが、いわゆる海上交通安全法であるわけです。この法律は、船舶交通のふくそう化が特に著しく、巨大タンカーが頻繁に出入とする東京湾、伊勢湾、瀬戸内海を適用海域として、主要港湾に通ずる浦賀水道、伊良湖水道、それから明石海峡、備讃瀬戸等の主要狭水道を主体に十一の航路を設定して船舶の航行を規制するなどを目的としているが、とりわけ二百メートル以上の大型タンカー等の巨大船については、あらかじめ航行予定時刻等の通報を求めて、進路を警戒する船舶の配備などを義務づけ、大型船が航路航行中は他の船舶が巨大船の進路を避けることを義務づけ、これによって安全を確保することを目的としているわけです。  これらのいままでの安全対策上の特徴は、いかにして船舶交通のふくそう化、いわゆる過密化が著しい、そして危険の多い狭水道に大型タンカーなどの巨大船、肥大船とも言われているわけですけれども、これを引き入れるかという観点からの安全対策であることは間違いないわけです。こういう巨大船優先では、この間起こったような事態が再び起こらないという保障はないというふうに考えるわけです。  そういう意味で、私はこのタンカーを狭い区域へ入れてくるという問題について、やはり検討しなければならない時期に来ているのじゃないかというふうに思うのですが、どうですか、大臣、ひとつお答え願いたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 おっしゃることはそのとおりの筋の立った御議論だと思います。ただ、タンカーの積んでおります油の使用の目的等から言いますと、やはりそれは工場につながるところであり、あるいはコンビナートにつながるわけでございますから、まずそういう立地計画から変えていきませんと、ただタンカーだけを行き先を変えるようなことにしても意味のないことでございます。  そこでいろいろ考えられますことは、ことに湾内あるいは港湾の中が非常にふくそうして、事故誘発の危険が多いわけでございますので、いろいろ考えてはおるわけでございます。たとえば湾外に船を泊めて、あとはパイプで送るとか、そんなこともいろいろ研究いたしております。  それで将来の構想といたしましては、やはり地方公共団体が港湾管理者でございますから、地方公共団体と十分その点は相談をいたしまして、なるべく港湾内から外で大型のタンカーはとめて、しかもその機能を果たすことができるような陸上の施設もあわせ考えながらそういう打開策を講じていきたい、かように考えておりますが、これはなかなか時間がかかると思いますけれども、精力的に研究してみたい、かように思っております。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 海上保安庁が四十九年七月に出している「海上保安の現況」では、次のように指摘しているのですね。「しかし、石油コンビナート等が多く立地する東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海には、大型タンカーの入湾隻数が、今後も増加することが考えられる。このためタンカー事故の防止対策としては、これまで講じてきた安全対策を更に推進するほか、基本的な施策として、臨海工場の再配置、中継基地・パイプラインによる原油輸送システムの整備等と合わせて、巨大タンカーの入湾を規制することが要請されている。」これはいま大臣が言われたようなことだと思うのです。  このように基本的な施策として巨大タンカーが湾内に入ってくることを規制するというふうに明確に指摘されているわけですけれども、この検討が具体的に始まっているのかどうか。いま大臣は検討したいというふうに言われましたけれども、始まっているのかどうかについて、ひとつお聞かせいただきたい。

竹内良夫運輸省港湾局長

○竹内(良)政府委員 お答えいたします。  湾外にシーバースを設けまして、そこからパイプラインで各港湾あるいは工場に配分するというような考え方は、先生お示しになりましたとおり、私どもとしても非常にすぐれた考え方である、こういうふうに思います。これは一港湾だけでやるわけでございませんで、一方では船の方の制限の問題、それからコンビナートにおける受け入れの問題等いろいろございますが、私ども港湾の方といたしましては、昭和四十六年からいろいろ地形の方の調査であるとか、あるいは一体船がどのように動いてどういうふうになっているかというような、いろいろな調査を東京湾あるいは瀬戸内海並びに伊勢湾というところで実施している次第でございます。  ただ、先ほど大臣が申し上げましたように、港は地方公共団体である港湾管理者が担当しておりますので、その地方公共団体等とのいろいろなすり合わせが必要でございます。現在までいろいろお話しの過程におきましてなかなか意見がまとまらないというのが実情でございまして、今後努力してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 いまお聞きしますと、具体的な調査を四十六年から始めておられるようですが、五十年度予算まで調査費が計上されているわけですね。これは東京湾、それから瀬戸内海、伊勢湾におけるシーバース、原油中継基地などに関する調査だというふうに言われておりますけれども、現在のこの調査の状況、それから調査が完了する見通しですね、この資料を出してもらいたいと思うが、どうですか。

竹内良夫運輸省港湾局長

○竹内(良)政府委員 先ほども申し上げましたように、いろいろな調査の中で、私ども技術的なことをやっております。昭和四十六年におきましては東京湾、瀬戸内海一億五百万円、それから四十七年におきましては同じく五千二百七十万円、四十八年におきましては八千三百万円、四十九年におきましては瀬戸内海と伊勢湾に二千七百二十万円、五十年度引き続き調査を進める予定でございますが、五十年度はまだ未定でございます。  それで、いままでの調査をやっていたことは、自然条件であるとか、あるいは実現可能性のための経済調査、それから技術上の諸問題というふうなことでございまして、昭和五十年度におきましては、たとえばパイプラインで海底をカバーしていくということがございますけれども、そのパイプラインを海底に大々的にやった場合に安全であるかどうか、そういうような問題に入っていくわけでございまして、いつ終わるかと申しましても、五十年にすぐには、これは実際の事業にかかるときに同時にまた調査をし研究をしていく問題でございますので、いつ終わるということはちょっと言えないと思います。これはいわゆる公共事業を担当する中で、公共事業の一分野として研究を進めているというのが現在の状態でございます。  それで、これの報告でございますけれども、もちろんやってきたものに対しては私ども調査報告書をまとめているわけでございますけれども、これは現在の段階といたしましてどこまでも、たとえば位置につきましては仮定の問題の上に立って内部の資料としてやっているわけでございますので、いまのところこれをオープンにするという意思はございません。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 オープンにするという意思はないようだけれども、これはちょっと問題なんじゃないですか。つまり大変なことですよ。あなた方がいま考えているシーバースをつくり、あるいはパイプラインで持ってくるなどということをやろうとしたら、これは大変なことですから、やはり調査の状況を公表して、そしてさまざまな立場からの意見を聞いたり、住民の中にもいろいろな意見があるでしょう、そういう意見を集めながら今日のような事態をどう打開するかというのを検討すべき時期に来ているのじゃないか。私はそう思うのです。そこのところをやはり、あなた方だけで研究をされる、それもいいですけれども、多くの専門家の意見をも集約していく意味で、あるいは住民の意見をも集約していく意味で、私は調査段階からそういう問題を明らかにして臨むということが大事なんじゃないかというように思うのですが、どうですか。

竹内良夫運輸省港湾局長

○竹内(良)政府委員 考え方としては私、先生の考え方と全く同じでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、港をつくる場合に、要するに入り口はこういうふうになるわけでございますが、そこの港湾はどこまでも地方公共団体にやっていただく、港湾管理者にやっていただくということになるわけでございます。実はその場所をどこにするか、そこら辺のところが非常に大きな問題になるわけでございまして、私どもいま波が一体どうなっているかとか、あるいは砂がどうなっている、そういうことを調査しているわけでございます。これを実現をする場合には、公共団体と諮りましていろいろな御意見を承りながら、むしろ公共団体中心になってやっていただくというふうなスタイルをとることになると思いますが、そういうときには多くの方の御意見を承るのは当然だと思います。ただ、いまこっちにある、あっちにあるというふうな形のものをオープンにするということは、従来の経験から申し上げましてやはりむだな——むだと言ってはおかしいのですが、無用な混乱が出てきたり、そういう点のおそれが非常にございますので、私は現在まだオープンにしないというのがよろしいのだろうと思っております。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 今日ぶつかっている高度経済成長政策でつくり上げられてきたさまざまな危険を取り払っていくという仕事をやる際に、私はやはりいろいろな立場にある多くの人々の意見を聞いて集約するような仕事のやり方をすべきだと思うのです。  先ほどの点がはっきりしていないので、改めてもう一度お聞きしておきたいのですが、湾内における巨大船のスピード制限、これは実際にやりますというふうに言えるのかどうか。それから、やるとしたら大体どれぐらいの規模のものが考えられるのか。そこを改めてもう一遍お聞かせいただきたい。

隅健三海上保安庁次長

○隅政府委員 ただいま海上交通安全法ではスピード制限といたしまして、航路内で省令で定めるスピード、それぞれの航路を示しまして、対水速度十二ノットというふうになっております。われわれは、何ノットくらいまでを基準にして湾内の安全航行を図るべきかという点につきまして一つのめどは、やはり十二ノット以下というのが一つのめどになろうかと思います。これにつきまして、さらにパイロットあるいは船長さんたち、そういうような方たちの意見も十分聞きまして、その対策を講じたいというふうに考えております。

平田藤吉日本共産党・革新共同

○平田委員 いままでずっとお聞きしてきましたように、湾内の船舶が非常にふくそうしている地帯では巨大船のスピードを制限するというのは当然なことで、経済性云々ということもあろうかと思いますけれども、やはり人命尊重を第一にし、一たび間違ったら、タンカーなんか、この間の瀬戸内海で油を流した事故など問題ではないほど重大な事態を引き起こすわけですから、とにかく今日の状況のもとでスピード制限なども最大限に行われるようにすべきであるというように考えます。  きょう幾つかの点でお答えがありましたけれども、積極的な努力をして改善されんことを要求して、私の質問を終わります。

下平正一日本社会党

○下平委員長 次に、小浜新次君。

小濱新次公明党

○小濱委員 最後になりまして総務長官並びに中村政務次官、あと警察庁関係の方々にこれから数点御質問をしていきたい、こう思います。  まず、総務長官に五十年度陸上交通安全対策予算につきまして基本的なことでお尋ねをしてみたいと思うのです。  四十九年度中の交通事故死者は前年に引き続き減少いたしました。これは大変喜ばしい傾向であります。これは大都市に見るように、安全施設が完備すれば事故がある程度防げるという実証でもあろう、こう思います。安全施設と交通事故とは相関の関係にあり、今後交通事故犠牲者の一層の減少を図るためには、さらに一層の努力と十分な予算措置というものをしていただかなければならないわけであります。お話がありましたように、生命の尊厳という立場から、命にまさる珍宝なしとも言われておりますから、そういう点でひとつ御努力をお願いするわけでございます。  五十年度一般会計予算の伸び率が御存じのように二四・五%、これと比較いたしまして交通安全対策関係予算の伸び率は四・五%でございます。この面から見て、大変失礼な言い方ですけれども、積極的な取り組みが見られなかったように一応感じます。そういう点で、この点についての総務長官の御所見を承りたいと思います。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 ただいま小濱委員仰せのとおり、交通事故を減少させますためには、施設を充実させることが最大の要件でございまして、そのためにいままでいろいろな施策が行われてまいったのでございますが、仰せのとおり、五十年度の陸上交通安全対策関係経費の総額は四千四百七十四億一千八百万円でございますから、対前年度比四・五%の増でございます。これは実は全予算の八六%を占めます信号機でありますとか歩道でありますとかいうような施設の設置等の交通環境の整備事業というものが、公共事業抑制の観点からほぼ前年並みということになったためにこういうような形になってきたのでございます。このうち特定交通安全施設につきましては、五カ年計画の最終年度に当たりますので、五百一億四千二百万円を計上しておりまして、これは前年度比四・九%増でございます。ただ、五カ年計画全体で見ますと、事業費の総額は三千六十九億円でございまして、当初の計画であります二千九百七十九億円よりは三%多いというよう状況になっております。  しかし同時に、施設が大切でありますとともに、小浜先生御承知のように、安全思想の普及でありますとか、安全運転の確保とか、被害者の救済等々が大変大事なものでございまして、これは六百四十八億六千九百万円でございまして、対前年度比四二・三%増になっているのでございます。もちろんこの中には、警察庁所管の自動車安全運転センターというものが新しい施策になっておるのでございまして、交通事故相談活動等についても増額をしているというのが実情でございます。  もう少し詳しく申し上げさせていただきますと、交通安全思想の普及は五二%増でございます。それから安全運転の確保は三〇・四%の増でございます。被害者の救済は四八・四%の増、こういう姿になっております。

小濱新次公明党

○小濱委員 総務長官にさらにお尋ねしてみたいことがあります。交通安全施設等整備事業五カ年計画は、五十年度に終わりますが、その前年度に一応改定されるべきであるというふうに私どもは見ておったわけでございます。いろいろと御事情があろうかと思いますが、今回改定されなかった。先ほど申し上げましたように、非常に事故が多いという立場から、当然この交通安全対策については長期計画の見直しという立場から早目に改定すべきであった、こういうふうに見ているわけです。それが今回はいろいろとうわさに出ておりましたが、その声は別にいたしまして、特に交通安全につきましては人の命ということの関係がありますので、当然これはいろいろな関係に先駆けて早目に改定すべきであった、こういうふうに見ておりましたが、この点についての長官の御所見も承っておきたいと思います。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 人命にかかわる大変重要な問題でございますので、お話しのように、次の五カ年計画を早期に打ち立てるべきであるという点につきましては、私も同じような考えを持っておりますが、さしあたり五十年度で第一期の計画を終わりまして、この間五十年中にいまいろいろな実態を把握するための努力等もいたしておりますし、これからもやってまいりまして、この交通事故の減少傾向を長期的に定着させるという必要があろうかと思います。  死者につきましてもピーク時の死者数を半数にとどめる、あるいは交通公害あるいは交通渋滞というものを軽減して生活環境をよくするというような新しい構想のもとに、新しい五カ年計画を打ち立てるべきであると考えているのでありまして、これは本年度中に、ひとつ新しい次の五カ年計画を新しい構想をもってつくる作業をさせていただきたいと存じます。

小濱新次公明党

○小濱委員 ぜひとも早目に、十分な内容の検討ができるような余裕を持った改定のための御提出を私どもは望んでおるわけでございまして、よろしくお願いをしたいと思います。  これは長官と警察庁にお尋ねしたいと思いますが、先ほど事故が減少した原因につきまして長官がいろいろ述べられました。その問題に、さらに昨年は石油ショックで日曜、休日はガソリンスタンドが閉鎖される、そういう一面があったわけでございまして、通過交通が大幅に減少した、こういう理由もあったわけですね。この関係で減ったのではないか、そういう見方と、したがって今度はこの石油問題が緩和されてまいりますると、また事故がふえてくるのではないか、こういう考え方、この関係性についてはどういうお考え方をお持ちにになっておられるでしょうか。ひとつ長官からと、警察庁からもお願いしたいと思います。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 死亡事故あるいは負傷事故というもの、その他の事故が減りました要因の一つに、お話しのように、石油ショックによる一時的な車の減少傾向が見られた、これが一つの要因ではないかということは私どもも考えております。しかし、その後御承知のようにずっとふえてきておりますが、依然として事故の件数の減少傾向は続いているのでございます。なお、高速道路等の通行量を見ましても、約五%程度の減少を見ておりまして、したがいまして、いまお話のございましたように、先ほども御質問の中に交通総量の規制問題等も出ておりましたけれども、その面からの施策も必要かと存じますけれども、いまの状況では、先ほど来申し上げております施設の整備でありますとか、安全教育の徹底でありますとか、あるいは取り締まりの強化でありますとかいうような施策によりまして、減少傾向をたどっているのでありまして、お話しのことは十分に注意を払いながら、警戒をしながら、安全確保のために努力を続けていかなければならないと存じます。

勝田俊男警察庁交通局長

○勝田政府委員 総務長官からお話がありましたように、いままでの各種の施策が総合して効果を上げてきたものと思っております。特に昨年は石油危機がございまして、それによって経済活動の鈍化とか交通量の変化とか、こういった情勢があったわけでございますが、こういった情勢に即応いたしまして集中的に展開いたしました速度抑制対策、また、一般の方も速度を自粛していただくというような対策も大きな原因になったかと存じます。一般的には先ほど来話が出ております安全施設の整備、この五カ年間に非常に整備されたわけでございまして、一例を挙げますと警察の安全施設の信号機でございますが、四十年度を一〇〇としますと四十五年度は二七四、四十八年度は五五二というふうに五倍以上に伸びておる。歩道あるいは自転車道というのを四十年度を一〇〇といたしますと四十五年度には五九九、四十八年度には一〇六五というふうに非常に伸びておる。こういった安全施設が整備されたことも非常に大きいと思います。  また、一面におきまして警察の指導、取り締まり体制の問題でございますが、この間におきまして警察官の増員をいただいておる、あるいは交通巡視員の制度を設けていただいておる、あるいはその間における酒酔い等の罰則の強化といったような対策、さらには運転者対策として点数制を採用することによって違反を繰り返すと排除されるというようなことから運転者の自粛を促したというようないろいろな対策が次第次第に効果を上げてきた。  この間における一般の国民の方々も非常な関心を持っていただいた、一般報道機関の御協力、こういったことで、国民一般が非常な関心を持っていただいて、いろんな効果がこういうふうに上がってきたものというふうに考えておりますので、今後ともにこの傾向を何とか定着し、さらにわれわれが目標といたしておりますピーク時の半減に向かって努力をいたしたいと考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 ひとつ特に事故対策については総体的な真剣な取り組みを強く要望したいと思います。  四十九年度の事故発生状況の死者の数から調べてみますると、東京都の四百三十四件に比べ、車の量などから見て、茨城県、埼玉県、神奈川県などの死者がわりあいに多くなっております。これはいわゆる通過県としての悩みがありますが、同時に信号などの安全施設の整備の不備に大きな原因がある、こういう専門家の御意見もございました。このような交通安全施設の地域格差という点につきましてどのようにお考えになっておられるか、これは長官とそれから中村政務次官、ひとつ道路管理の方の立場からもお願いいたしたいと思います。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 先日、私のところに警察庁、建設省、運輸省、それぞれの担当の局長にお集まりをいただきましていろいろ協議をいたしました中で、いま小濱委員がおっしゃいましたようなことも一つの議題になりました。  仰せのように、東京都の場合には非常に死亡者あるいは負傷者の数が激減をいたしております。一方、地方に参りますと、たとえば島根県は実は全国四十七都道府県のうちで死亡者がふえた唯一の県であるというような状況なのでございます。また、お話のように通過県と申しますか、車が通過いたしますところではやはりおっしゃるような傾向が見受けられます。そしてまた同時に一方から申しますと、そういう通過県で施設の整備を充実いたしましたところにつきましては減っているという現象が出ておりますので、したがって地方間の設備の格差をなくすということが重要であろうと思うのでございます。  現在までは事故の件数等を勘案いたしましていろいろ予算の配分等をいたしてきたのでございますが、それももちろん重要でございますけれども、同時にいま仰せになりましたように、設備の格差というものを少しでもなくしますような予算の組み方をするということが大変重要なことであるということをこの間も協議をしたばかりでありまして、その方向に向かって努力をいたしたいと存じます。

中村弘海自由民主党建設政務次官

○中村(弘)政府委員 お答えいたします。  交通安全施設整備事業は、先生御承知のとおりでございまして、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づきまして、交通事故が多発している道路、その他緊急に交通の安全を確保する必要がある道路につきまして、交通量及び事故率等を基準といたしまして、優先度の高いものから順次実施しているという現状でございます。昭和四十一年度以来、御案内のとおり三次にわたる計画に基づきまして私どもが鋭意交通安全施設の整備をはかってまいったところでございまして、先ほどもございましたように、四十九年度は特にいままでに見ない事故数並びに負傷者数、死者数で減少しております。  しかしながら、いずれにいたしましても、減少いたしたといいましても、四十九年度の事故が、特に死者が一年間に一万一千四百三十二人というような数字でもございますので、こういった現状にかんがみまして、今後さらに強力に交通安全施設の整備を推進することによりまして、地方地域の格差をなくして、要するに整備水準の向上をはかっていきたいと考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 さらに建設省と警察庁にお尋ねをしてみたいと思いますが、市町村ごとの交通安全施設の格差ということで、現状において実態調査をなさったことがあるかどうか。長くならないようにそういう状況の説明ができるならばこの際御説明をお願いしたいと思います。

中村四郎運輸大臣官房審議官

○中村説明員 お答えになるかどうかわかりませんが、現在の五カ年計画に関します交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法という法律によりますと、これは下の市町村段階から都道府県段階とだんだん積み上げて計画をつくって、その中から特定交通安全施設の整備事業、いわゆる国の補助なり負担の対象になる事業について五カ年計画をつくる、こういう仕組みになっておりますが、一番最初の市町村段階の計画につきましては、これは国家公安委員会と建設大臣が定める基準に従って一定の計画をつくれということで、その基準の中身としまして、ちょっと細かくなりますけれども、たとえば一日当たりの自動車なりバイクの交通量が幾らであるとか、小学校なり幼稚園が近くにあるとか、大体九つほどの基準を掲げてあります。したがいまして、こういう基準に基づいて各市町村で計画をおつくりになるわけでございますから、市町村段階での計画というのは恐らく大体等質といいますか、行政の中身としては大体同じ密度のものが確保されておるのではないかというふうに考えております。  なお、これは四十八年度の事故に関しますいわゆる交通安全施設等整備事業法に基づきます指定道路についての統計でございますけれども、一キロ当たりの交通事故件数について調べたデータがございます。これによりますと、一キロ当たりの昭和四十八年度の事故件数が、一般国道では一キロごとについて五・六件、主要地方道では一キロ当たり二・二件、一般都道府県道が一・一件、市町村道が〇・二件ということで、市町村道が一番キロ当たり事故件数が少ないというデータになっております。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 ちょっと訂正発言をさせていただきます。  先ほど第二次五カ年計画の策定を本年度中に行いますと申し上げましたが、本年度でありますと四十九年三月末まででございますので、本年中でございます。本年度中ではなしに、ことしのうちに策定をさせていただくということで訂正をさせていただきます。

鈴木金太郎警察庁交通局参事官

○鈴木説明員 市町村の格差その他についてどうかという先生の御質問にお答えいたします。  警察の関係といたしましては、やや気がつくのが遅かったのかもしれないのでございますけれども、主として十万人以上の都市に着目いたしまして、ここ一、二年の間に死亡事故の格差が非常に大きいということ、たとえば例を挙げて申し上げますと、先生すでに御存じのことでございますが、山口市が人口十万人当たり二十八・四人、東村山市は人口十万人当たりゼロ、熊谷市が人口十万人当たり二十一・九人、武蔵野市は人口十万人当たり〇・七人というふうに、いわゆる致死率、事故率の格差が非常にきついわけでございます。そういう意味合いにおきまして、私ども警察の交通関係者といたしましてこの面に着目いたしまして、一昨年来、これらの都市全部というわけにはまいらないのでございますが、非常に著しい特徴のあるものにつきまして調査をいたしておりまして、また調査の結果につきまして、それぞれ実情に即した対策、警察から見た対策というふうなものを実は考え、かつ実施に移しているわけでございます。  これにつきましてはまだ十分申し上げる段階ではないのでございますが、ちなみにちょっと例を挙げますと、比較的事故率の非常に高いもの、これはやはり都市の真ん中を幹線道路が貫通しておりまして、通過交通が非常に多い、しかも混合交通で域内交通も通過交通も一緒になって通過しておるということ、しかも安全施設というものについてまだまだわれわれ努力が足りないというふうなことを痛感しておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 事故の後追い処理と言われている面がありまして、こういう調査も必要であり、またそれに対する対策も当然そこから生まれてこなくちゃならないというふうに感じましてお尋ねをしたわけでございますが、御意見でわかりました。  それから、先ほど中村政務次官からお答えがございましたので省きますが、公安委員長出席でございますが、細かい数字になりますので関係者の方からお答えをいただいても結構であります。  五十年度は既存の計画で進めて、五十一年以降は新しい長期計画でいくべきであるわけですが、この交通安全施設整備の優先基準をどこに置くのかということ。先ほど政務次官からも優先的ということで説明がございましたけれども、警察庁の方の立場からこの基本的な問題を承っておきたいというふうに思いますので、ひとつ御所見を聞かしていただきたいと思います。

勝田俊男警察庁交通局長

○勝田政府委員 今後の交通対策として大事な点といたしましては、死亡事故の傾向から見ましても、歩行者、自転車あるいは老人、子供という弱者の比率が高いということでございますので、その弱者対策をまず第一に考えながら死亡事故の減少を図っていかなくてはなりません。それから最近の問題といたしまして、交通渋滞、これに伴ういろいろな交通公害の問題、こういった問題が発生いたしております。したがって、交通の渋滞を解消する、あるいは交通公害を抑えるための各種の規制を推進していく、こういう観点から施設の整備、取り締まりに対しての整備を考えてまいりたいというふうに考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 これは総理府の長官にお尋ねをしてみたいと思いますが、交通安全基本五カ年計画、昭和四十六年から五十年まで、この最終年度に本年は当たっているわけですが、この間の達成率はどのくらいに見込まれているのかということです。それから五カ年計画のうち四カ年が終わろうとしている現在、この間の成果をどういうふうに評価なさっておられますか、承りたいと思います。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 四十六年度に発足いたしました五カ年計画は、お説のとおり第四年目が昭和四十九年度でございます。順調に進捗をいたしておりまして、七八%計画を達成しております。したがいまして昭和五十年度末には五カ年計画の所期の目標を達成して終了するという見込みでございます。  どのように評価するかということでございますが、これは先日来申し述べておりますように、この計画に基づきまして各般の施策が多岐多様に展開をせられました結果、死亡者、負傷者ともに減少するという姿になっておりますので、この点については御評価をいただけるのではないかと思いますが、歩行者、自転車使用者、幼児、老人等の犠牲者がやはり多い状況でございますから、私どもとしましては、生活ゾーン、スクールゾーン、あるいは歩道、自転車道、その他の施設を充実いたしまして、こういう弱い立場の方々に対する施策については十分配慮をしていかなければならない。これが私どものこれからの一番大きな課題である、このように考えているのでございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 所期の目標達成の状況並びにその成果をどう評価されておられるのか、御意見を承ったのでありますが、七八%達成ということで、五十年度で一〇〇%超えることは間違いないと思います。  そこで、これは国家公安委員会の方と道路管理者の方にお尋ねをしてみたいと思いますが、事業費ベースでは五十年度で計画を達成する、こういう内容になっているようでありますが、五十年度の事業費の伸び率、できれば各事業ごとにどういうふうになっておるのか、また事業量ベースでは五十年度で計画量を達成しているのかどうか、この二点についてそれぞれからひとつお答えをいただきたい、こう思います。

勝田俊男警察庁交通局長

○勝田政府委員 まず、事業費の関係でございますが、特定事業につきましては百九十一億ということで昨年に比べて七・五%の伸びでございます。それから地方財政計画上の県単の事業につきましては、三百六十五億ということで二八・一%の伸びでございます。  事業別でございますが、交通管制センターにつきましては新設六、増設二十三ということで二十九都市を考えております。信号機につきましては、新設が七千三百五十三基、系統化が千八百四十八基を考えてございます。それから道路標識につきましては五千六百二十一本ということでございます。  以上でございます。

中村四郎運輸大臣官房審議官

○中村説明員 道路管理者の分でございますが、御承知のように、道路管理者がやります交通安全施設の整備事業の中身としましては、いわゆる交通の弱者といいますか、歩行者とそれから自転車利用者、そのための自転車道なりあるいは歩道の整備というのが大体全体事業量の約八〇%程度になっております。  達成率からいいますと、若干物価の値上がりがございますけれども、事業費としましては、全体でその他のものを含めますと、先ほども申し上げましたが大体一〇三%程度の達成率。  それから事業量は、実は五カ年計画では具体的に明示されておりまして、二千二百九十三億円に見合う事業ということになっておりまして、そこで先ほどの話に返るわけでございますが、歩道と自転車道につきましては、大体そういう物価の上昇を考えましても約九〇%程度の達成になっておるのではないかと考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 住民側の要望は金目の問題ではなく、事業量の達成を心から念願をしているわけでございます。この事業量のベースではどうなっているのかというのが大事になっていくわけですね。この点はやはり当然強調されなければならない問題であろうかと思います。いろいろ御説明がございまして、ちょっとこれは細かい数字になりますので、この点のお答えは結構でありますが、国家公安委員長は自治大臣でもありますので少し聞いていただきたいのです。  都道府県の公安委員会のこの総合交通安全施設等整備事業計画、これの事業量と事業費というのがあるのです。それから特定交通安全施設等整備事業計画、これは国庫補助対象の問題をこう言うわけです。そしてもう一つは、地方単独交通安全施設等整備事業計画、これが事業量と事業費と分かれている。こう見てまいりますと、公安委員会の分だけでも総合計画で千七百三十八億二千万円、国の補助対象になっている分が事業費の面で六百八十五億五千万円、大分開きがありますね。それでまた、地方単独交通安全施設等整備事業計画の事業費は千五十二億七千万円、こうなっているわけです。国の補助対象がぐっと低いわけです。地方単独の事業計画の方がはるかに多いわけです。ここのところですね、問題は。したがって、この総合計画の約三分の一くらいは国の補助対象になっているという数字になっています。これは自治体の持ち出し分が非常に多いということ、これは自治大臣、よく承知をしてもらいたい。  それから、道路管理者の面でも見てみますというと、総合交通安全施設等整備事業計画の事業費で四千五百九十六億九千万円、それから特定交通安全施設等整備事業計画、これは国庫補助対象でありますが、これが二千二百九十二億八千万円、これも半分以下です。それから地方単独交通安全施設等整備事業計画が二千三百四億一千万円、国よりもぐっと多くなっている。総体的に見ましてこれを合わせますというと、総合計画が六千三百三十五億一千万円、それから国の分が二千九百七十八億三千万円、それから地方の分が三千三百五十六億八千万円、それぞれ自治体の持ち出し分が多くなっているわけです。国庫補助対象を全体的にもう少し何とかこれはふやす方向で検討すべきである、こう思うわけです。  それからいま申し上げましたように、総合計画の国庫補助率は全体の半分以下になっておりますので、この点をよくお調べをいただきたい、こう思うわけです。地方だけに責任を負わすのじゃなくして、これは国と地方でともに責任を持つような、そういう体制で行かなければならないのじゃないか。これは自治大臣ですからよく御存じのとおり、地方へ行きますと、標識でも標示機でも非常に不親切と言われるような、遅れているところがたくさんあるわけです。やれない。いま地方財政危機ですから、これは大臣よく御存じのとおりでありまして、やはり人命尊重という立場から力を入れたいのだけれども入れることができない、こういう状態になっておりますので、この点について、これは国家公安委員長ではなくて、自治大臣としても御意見をひとつ承っておきたい、こう思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 お答え申し上げます。  お説ごもっともだと思うのであります。特に交通安全施設などというのは地方の住民の要望が非常に強うございますから、どうしても自治体はそれにこたえないわけにいかない。しかし、財政的になかなかそこまで手が回らないという面もある。そこで国としてもっと充実したやり方をせいということで数字をお示しになったと思いますので、詳しくはまた政府委員によく調査をいたさせまして、そして来年度予算等々においては、あるいはまた補正等を組むような場合でも何かひとつ工夫をさせてみたいと思います。

小濱新次公明党

○小濱委員 さらにひとつ、これは要望も兼ねて総務長官と、それから国家公安委員長、建設省中村政務次官にもお答えをいただきたいと思いますが、この新交通安全施設整備五カ年計画の策定につきまして、やはりいろいろと調査をしてみますると、問題点が多いわけです。  一つは、対象事業量を大幅にふやすべきである、拡大すべきである。計画枠をふやすということですね。その理由といたしまして、一つには、国道、県道などの幹線道路の建設などに伴う地方道の安全施設の整備、その対象が増大をしているということが一つ挙げられます。一つには、生活道路の安全施設整備の市民、住民の要求が高まっている。いま自治大臣からもお話がございましたが、そのとおりであります。こういう点で事業量を大幅に拡大すべきであるということが一つ。  もう一点は、総事業費に占める国庫補助枠を大幅にふやすということですね。これは新事業に対する問題点を申し上げているわけであります。  それを内訳的に二つばかり申し上げてみますると、現在の計画では、国庫補助対象事業よりも地方単独事業の方が大きくなっているわけですね。これが一点。もう一点は、地方団体はいま財政難となっております。財政危機と言われておりますが、この新計画では、従来の地方単独事業対象となっているものも国庫補助対象にして、国と地方とが協力していくべきである。新五カ年計画の策定に当たってはぜひともこういう問題についての配慮、これを強くお願いをしたい、こういうふうに思いまして、それぞれからひとつ御所見を承りたい、こう思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 御要望の趣旨に沿って、今後十分に配慮をいたしてまいりたいと思います。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 御要望の点につきまして最大の配慮をいたしてまいります。  地方の単独事業につきましても、先ほど申し上げましように五十年度におきまして達成率を十分達するという模様でございますので、新五カ年計画におきましては、国と地方とが一体となってやりますように努力をしてまいります。

中村弘海自由民主党建設政務次官

○中村(弘)政府委員 お答えいたします。  新計画を練りますに際しましては、やはり過去の第三次までの計画の目標が、緊急に交通の安全を確保すべく、道路の交通環境を改善し、交通事故の防止及び交通の円滑化を図るためというようなことでございますし、十分そういったことも含めまして策定いたしたいと考えておるわけでございますが、特にいま先生がおっしゃいましたように、国と地方とが協力し合ってやるということは私もまことに賛成といいますか、同感といいますか、考えておる次第でございますが、補助率のアップその他になりますと、いろいろ関連事業もございます。そういった点で十分各省庁とも検討さしていただきまして、そういった趣旨を生かすような方向で策定を進めていかなければいけないのではないかと考えておる次第でございます。

小濱新次公明党

○小濱委員 事故件数が減った、負傷者が非常に減少したという喜ばしい傾向になっておるわけですが、それでも昨年中の道路交通事故による死者数は一万一千四百三十二人、負傷者数で六十五万一千四百二十人というやはり大変な事故の死傷者になっているわけです。で、この問題は、真剣に取り組んでいくためにはまずこれを半減していかなければなりません。またこれについては、やはり命という問題ですから、これはもう力を入れてもらわなくちゃなりませんが、いまお三方から力強い御答弁をいただいたわけですが、ひとつぜひこの方向での御努力を心からお願いをする次第でございます。  時間でありますから、あと二、三点簡単にお尋ねをしていきたいと思います。  これは警察庁と建設省にお尋ねをしていきたいが、寒冷地における車のスリップ事故が相当あるといういろいろ専門家のお説であります。で、この事故は、チェーンを巻いていない車やスノータイヤをつけていないなどのドライバー側の過ちにより起こるものと、また凍結防止や除雪の不備など道路管理上のミスから起きるものとがあるということです。このドライバー側のものと道路管理上のものとの実態といいますか、おわかりならばひとつお答えをいただきたいと思います。

鈴木金太郎警察庁交通局参事官

○鈴木説明員 スリップその他、寒冷地における事故につきましての実態はどうかというふうなお尋ねでございます。私どもの方で全面的に調査したものは実はないのでございまするけれども、一部だけ一応調査したということでひとつ御報告申し上げたいと思うのでございます。  一つは、これは新潟の場合なんですが、サンプリングで調査をいたしておるわけでございますけれども、一年間を通じましての事故件数は大体どのくらいかということで調べたところが、特に冬に関係のあるもの、特に積雪時というふうなことで着目いたしましたところが、全体のトータルは五百件、死者八人、負傷者七百四十一人でございます。その中で特に多いのが一月の百五十四件、二月の百十九件、三月の七十一件、それから十二月の六十件というふうな状況でございます。  以上でございます。

中村四郎運輸大臣官房審議官

○中村説明員 私どもの方でも特に最近わかった事例が若干ございますので、それを申し上げますと、昨年の十二月十八日に一般国道二十号、大月市でスリップ事故を起こしております。それから相前後いたしますが、ことしの一月十二日に国道二百五十八号、これは岐阜県の南濃町という地点でございますが、そこでもやはり同様なスリップ事故ではないだろうかというふうな事故がございます。本件につきましては、地元の警察では運転手の運転ミスではないかという御判断のようでございました。それから同じくことしの二月一日でございますが、一般国道の八号線、これは福井市内でございます。やはりスリップ事故が起こっております。それから同じく八号線の福井県の河野村という地点におきまして、二月十三日でございますが、小型トラックが側溝に落ちております。いずれも冬季間の事故でございますのでスリップではないかと思われる節もございますが、私ども、いわゆる第一線の方から報告を聞いております限りでは、道路管理上の瑕疵はなかったものというふうに考えております。

小濱新次公明党

○小濱委員 最後に、これは総務長官と警察庁にお尋ねしていきたいと思います。これはひとつ国家公安委員長からもお答えいただきたいと思います。  「五十年中における交通警察の運営について」というのを拝見いたしました。この中で、特に暴走族対策の強化が挙げられておりました。その実態の把握など、四点にわたって書いてあったわけですが、暴走族は社会的に大きな課題にもなっているわけで、この対策については従来の取り締まり本位の域を一歩も出てないという、そういう説もあるわけなんです。私の方は、御存じのように神奈川県の相模湾に面したところ、あそこが選挙区になっております。私は藤沢に住んでおりますが、いまこの寒空に大変なグループで大挙して参ります。そういうことで、いろいろちまたに被害が起こっているわけです。この暴走族については、これらの青年の生い立ち、社会的環境など、その実態を十分につかんだ上で対策を講じなければならないということはよくわかりますが、この暴走族発生の原因ですね。なかなか幅が広かろうと思いますが、何かこの辺について感慨を持つ必要があるのじゃなかろうか、こういうように考えております。この点について、御意見があればひとつお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○福田(一)国務大臣 暴走族は、御案内のように、四十七年ごろからだんだんふえてまいりまして、暴走する連中は、若い二十五歳以下というのがグループをつくってやっておるようなわけで、住民に大変な迷惑をかけております。警察としては、交通の安全とか交通公害の防止等の見地から、繁華街や住宅街等の危険や迷惑の大きいところを重点に指導、取り締まりを行っておりまして、特に犯罪を伴う悪質なものに対しては、検挙をしたり、自後の補導を強化したりしておるわけです。  いまお話しになりました何が原因かということになると、いまの若い者はいろいろの考え方といいますか、硬軟両様の考え方があるので、何かエネルギーが余り過ぎて、冒険をしてみたいとか、いろいろあるのです。それはまた、変な、どろぼうと言うとおかしいけれども、ちょっと物をつまんできてみたいというようなのもあれば、あるいは軟派の動きもあれば、社会的な不安を醸し出す問題がいろいろ出ておるのです。暴走族ということになると、私、そんなことを言うと若い者から怒られるかもしらぬが、どこかでばんとエネルギーを発散させてみたいなという気持ちがあって、それの集まりがああいうようなものを起こしているのではないかと思うのです。何か適当な健全な運動があって、それを発散させるような施設ができれば一番いいのじゃないかと思うのでありますが、しかし事はどうであろうと、原因はどうであろうと、住民に与える影響というものは非常にわれわれとしても心配しければならぬことでございますので、今後はひとつできるだけそういう意味では取り締まりをきつくしてまいりたい、また補導等も十分にやってまいりたい、かように考えておるわけでございます。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○植木国務大臣 ただいま国家公安委員長がお答えになりましたように、この取り締まりは警察が当たっておられるわけでございますが、青少年問題につきましては総理府が所管をいたしておりまして、先日も青少年問題審議会におきまして、この暴走族の問題が話題に出ておりました。スピード狂である青年たちが大変な迷惑をかけている。そういうオートバイを比較的手軽に買っておる。なぜであるかと言えば、だれかが買ったのに自分に買ってくれないということで、親御さんに対して非常にいやみを言う。それに負けて親御さんが買う。これでまた迷惑をかけることがあるということを切々とおっしゃっておりました委員もございました。事の良否の判断というものについて、この際青少年問題審議会等において青年の意識調査等を行いながら、その判断基準を与えるようなことが必要ではないか。家庭教育において、あるいは学校教育において、社会教育において、そういうことについて十分配慮をしなければならないのではないかということがこの暴走族に関連をいたしまして出ていた次第でございまして、私どもといたしましては、警察庁の取り締まりと並行いたしまして、いま申し上げましたように、青少年対策の一つの課題といたしましてこれから取り組んでいきたいと存じております。

小濱新次公明党

○小濱委員 まあ警察が取り締まったからといって、根本的な対策を講じない限り、次から次と予備軍が生まれてくる可能性が十分あるわけであります。そういう点で、いままでのような警察のみに責任を負わすような姿ではなくして、ただいま総務長官から御説明がありましたように、青年たちの置かれた社会的環境及びその背景などを十分に検討しなくてはなりません。それから次代を担う青少年の育成という問題に対する適切な施策を行ってもらわなくてはなりません。青少年の対策という立場から御説明がございましたけれども、それでも十分でありますが、今後ひとつ一層のお力添えを願って、この問題解決の糸口になりますように心から強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

下平正一日本社会党

○下平委員長 次回は、明二十日午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時八分散会

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