建設委員会 第17号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/06/04
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、都市再開発法の一部を改正する法律案及び大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北側義一君。
○北側委員 私は、都市再開発法の一部改正を主体として聞いてまいりたい、こう考えております。 ちょうどこの都市再開発法が昭和四十四年に成立いたしまして、それから今日まで約五年近くなるわけでありますが、いわゆる地方公共団体施行の都市再開発事業、これにつきまして今日までの経過を承りたいわけですが、まず個所数は何カ所あるのか、それから都市計画決定されたのは何カ所か、事業計画決定されたのは何カ所か、権利変換計画が決定されたのは何カ所か、工事完了したのは何カ所か、これをまず承りたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 地方公共団体の施行地区数は五十六カ所でございまして、都市計画決定済み地区が三十一、事業計画決定地区が十二、権利変換計画決定地区が九、工事完了地区は二ということになっております。
○北側委員 いまのような実情ですが、この都市再開発法で一番問題になるのは、やはり権利変換計画までいかなければ実際問題としては非常に事業が伸びておるとはいえないと思うのですね。そういう点、権利変換計画がいわゆる九カ所、完成が二カ所、こういう率から見ますと、進捗率が非常に悪いということなんです。悪い何らかの原因を今度の一部改正で補おうとなさって一部改正が出されたんであろう、このように私は思うわけでありますが、特に私この一覧表をずっと見ますと、やはり施行面積の大きい場所、特にまた借家権者の多いところ、こういうところが非常に難航しておるように思うわけなんです。それとあわせて、昭和四十六年以降の分につきましてやはり非常におくれておる、このように私思うのですが、その点どのようにお考えですか。
○吉田(泰)政府委員 御指摘のように面積が大きい、したがって、関係権利者が多い場所、またどちらかと言えばその中でも借家権者の数が多いようなところ、こういうところがおくれがちであります。また、最近採択されましたところは、まだ当初の準備段階でもありますし、かたがた建築費の異常な高騰等もありまして、さらに困難な原因が積み重なっているという状況でございます。
○北側委員 そこで、やはりいままでの都市再開発法は、借家権者、権利のふくそうした借家権者の多い、しかも施行面積の大きい、こういう場所が非常にやりにくい、こういう状況じゃないかと思うんですね。今回の一部改正においてここらを全部補っておられる、都市局長としてはこう思いますか。
○吉田(泰)政府委員 今回の改正案は、一つには、第二種市街地再開発事業という買収方式でありながら、希望者は全部入居を保障するという、結果的には第一種と変わらないような制度を設けまして、これにより、広大な面積で関係権利者も非常に多い、したがって第一種ではやりたくてもなかなかやれない、非常に時間もかかるというような場所に手をつけることが今後できるようになるということを考えております。 次に、再開発を本格的に実施するためには、関係権利者の力で何と申しても推進してもらうことが第一でありまして、公共団体がやると言いましてもおのずから限度があります。そういうことで、極力権利者自体による再開発を進めようということでいろいろな規定を置いております。従来は施行主体としても組合しかなかったのですが、今回小人数で全員同意の場合、簡便な手続等によりまして個人施行の道を開いたこと、それから再開発促進区域という新しい制度を設けたこと、さらに必ずしも再開発事業まで結びつかなくても、高度利用地区の内容を改善して、これをかけておくことにより、十年、十五年という長期に見ればその地区内の建てかえがおのずから進んでいくということを期待するというような高度利用地区制度の改善などを行っております。また法文上も、借家権者とか地区内の権利者に増し床の優先譲渡規定を置いたり、金融公庫法を改正してこの場合の融資の規定を改善したり、あるいは地方税法を改正して再開発ビルの税制の改善、固定資産税の軽減を図ることとしております。その他、予算措置等によりまして、従来から行ってきているものを漸次強化しまして、これによって新しいビルの原価を、権利変換計画上控除できる額をふやしました。それだけ権利変換計画としては安く仕上がるというふうにすることにより、地区内権利者、借家権者等が新しくビルに入居される場合の床面積の広さ等を極力確保するような措置を講じました。 以上のことによりまして、現在の隘路がすべて打開したというような口幅ったいことは申せませんけれども、かなり前進を見たのではないか。この制度によって、また新しい決意で私どもも公共団体もあるいは地区内権利者の方々も御希望があれば相寄って推進するということをやってみて、さらにその実施の過程を通じて一つ一つ隘路を打開していくという決意でございます。
○北側委員 では、今回の一部改正の中のいろいろな問題についてお伺いしてまいりたいと思うのです。 市街地再開発促進区域制度が今度新しく制度化されたわけです。そこで第七条の第一項では、所要の要件が整い、その区域内の宅地の所有権者または借地権者による市街地の計画的な再開発の実施を図ることが適切であると認められるものについては、都市計画に市街地再開発促進区域を定めることができる、となっておりますね。これについて次の三点についてまずお伺いしたいのです。 法文でも明らかになっておると思いますが、一点目は簡単で結構です。どのような条件のときに適切であると認められるのか、これが一点です。 二点目は、都市計画上で市街地再開発促進区域になった場合に、他の市街地再開発事業区域との違いはどこにあるのか。 三番目は、促進区域の中にいる借家権者等が促進区域に定められることを反対する場合でも促進区域と定めることができるのか。 この三点についてお伺いしたいのです。
○吉田(泰)政府委員 再開発促進区域で地区内の権利者が施行することが適当と申しますのは、地区内の権利者によりまして再開発が実施されることが期待できるような場所。したがって、非常に広大な面積でかつ大きな公共施設等も含み、あるいは事業の採算等の点から見ても権利者に期待するということは非常に困難だというような場所は指定すべきでないという意味でございます。これを逆に申せば、まずかなり権利者の間に再開発の機運がある、やろうというような機運が盛り上がりつつあるというような場所で、その権利者の方々の意欲とか能力、こういったものを見ましても組合を結成するなり個人施行なりいろいろな方法によってやるという期待が持てるというような場所、そういったところということになると思います。 それから促進区域の中につきましては、これは大都市法と違いまして、促進区域の中でなければ再開発事業ができないというふうにはしておりません。したがいまして、再開発事業をやることに関しましては促進区域であろうとなかろうと同様にやれるわけですが、たとえば個人施行の再開発事業などは促進区域内で行われる場合に限り国庫補助の対象にするというような違いがあります。なお、促進区域につきましては、原則として市街地再開発事業、本法によるこの事業を期待するわけですけれども、必ずしもこの手法によらないで任意の手法でやってもらっても結構だということでありまして、促進区域の都市計画に合っておればいいということになります。 次に、促進区域を指定する際は、関係権利者の意向を打診し、十分その意向に即して指定するわけでございますが、その関係権利者の中には最も利害関係の深い借家人の方々も当然入るわけでありまして、土地所有者、借地権者、借家権者、こういった方々の皆さんの意向を打診し、場合によっては説得もいたしますけれども、いろいろ交渉、打診をした上で、いまのような適切、期待できるということが確認された段階で促進区域を指定するということにいたします。
○北側委員 この場合の借家権者の意思というものが非常に反映されない場合に、後の第七条の二では、促進区域内の宅地の所有権者または借地権者はできる限り速やかに第一種再開発事業を施行する等により、高度利用地区に関する都市計画及び当該促進区域に関する都市計画の目的を達成するよう努めなければならない、努力義務があるだけですね。ここでは借家権者というのは全然出てないわけですね。そこらの点を私、非常に心配しておるわけです。しかもたとえば、そう決定されて、いわゆる宅地の所有者及び借地権者が三分の二以上賛成して都市再開発事業をやってもらいたい、こう言われた場合には、市町村は五年未満でもできるわけですね。そういう場合の借家権者の意思というものが果たして通じるのだろうか、私、こういう疑問を持っておるわけなんですよ。そこらはどのようにお考えでしょうか。
○吉田(泰)政府委員 おっしゃるとおり、再開発促進区域が指定された際の努力義務等にも、土地所有者と借地権者しか規定しておりませんで、これは要するに再開発事業といった土地の利用形態を変更するような事業につきましては、民法等の民事法上その権能があるとされております土地所有者と借地権者でなければこの種の事業は事業主体となることができないというところから出ている問題でありまして、したがって、そういう事業主体になれない立場の借家権者に努力義務を課すということもできないということでございます。 しかしながら、先ほど申しましたように、促進区域をかけますときも借家人の方々も含めた意向を十分打診するわけでありますし、また促進区域が指定された後、土地所有者、借地権者の三分の二以上の同意で公共団体に、どうせやるなら早くやってもらいたい、自分らでやる気はないという意味の要請があれば、公共団体が五年以内の期間であってもやれることになっておりますが、これはやれるというのは、まず五年間は公的機関は乗り出すべきでないという原則をそこでひっくり返して、乗り出してもいいとしただけのことでありまして、これは三分の二以上もの多数の方が自分らでやる気はないという意思を表明され、正式に要請を法律手続でされた以上、それ以上権利者による再開発を期待するというのも無理だろうということでありまして、だからといって、ちょうど三分の二そこそこぐらいの賛成のときに、あるいは借家権者がこぞって反対しておられるようなときに、公共団体が得たりやおうとこれを強行するということは決してやらせませんし、やれるものでもありません。これは、その要請を受ければ公共団体が施行することになりますけれども、今度は、公共団体が公正な立場でいろいろと市町村としての素案を示し、折衝を続けつつ、その中には当然借家権者も含めまして折衝して、ほとんど大部分の方の同意を得るところまでこぎつけた上で事業実施にかかるということを従来もやってきたつもりですが、今後一層そういう方針を固めまして実施いたしますので、実質的には借家人の方が特に意向が反映できないということはないわけでございます。
○北側委員 あなたのいまの答弁、議事録に残るわけですが、法文上ではやはりあくまでも五年以内の努力義務が課せられて、三分の二の賛成者があったら、これは地方公共団体が、あなたがいま言われたとおり、乗り出していけるわけですよね。その場合、借家権者というものはやはり法文上では出てこないわけですよ。いまあなたのお答えになっておられるとおり、そういうことは実際できない、こうおっしゃっておられますが、法文上に出てこないとやはり不安を持つわけです。 たとえば、先ほど私申し上げましたとおり、借家権者の多い地区はやはり再開発事業が計画決定、事業決定等おくれておるのは、そこらに非常に大きな問題があるのじゃないかと思うのですよ。きのうも実は理事懇でその論議がなされたわけですが、これは非常に重要な問題だと思うのです。やはり、これから再開発を進めていく上については非常に重要な問題になってくると思うのですよ。 この問題はそれぐらいにしまして、この促進地域制度を仮に設けた以上は、やはり自治体が事業促進をするだけの条件と財政的裏づけ、これがなければ実際できないんじゃないかと思うのです、自治体にしても。特に都市再開発事業というのは莫大な金がかかりますので、そういう問題については一体どうお考えになっておられるのか。
○吉田(泰)政府委員 市町村が知事の認可を受けて都市計画として促進区域を指定するわけでございますが、ただ意向打診した、期待できそうだということで促進区域を指定するというだけではなくて、それから先がむしろ公共団体の非常に重要な責務が出てまいります。つまり促進区域を指定して、これを実際に実施していただくように持っていかなければなりませんから、あらゆる専門家を動員したり、相談に応じたり、必要に応じあるいは要望でもあれば、いろいろな事業計画なり権利変換の大綱なりの素案もつくって差し上げるというようなことまでやりまして、きめ細かく本当に権利者の方の機運が具体的な計画に実るまで、熱心にそういった指導をしていかなければならないと思います。 もう一つは財政的な面でありまして、これは組合施行につきましても国庫補助の道が開かれております。国庫補助の裏負担としての公共団体の補助とあわせまして、再開発事業によるいろいろな新しいビルの建築とか従来の建物の除却なり、買い取り費相当額なり、クリアランスなりといった、いわば価値が増加しないような、しかし実際にはかなりの金がかかるというような費目につきまして、それを中心とした国庫補助をやるということを私ども考えております。公共団体においても、その他のいろいろな融資措置とかいうようなもの、あるいは税制というものをフルに活用し、場合によっては公共団体独自の融資措置なども考えておられるところもありますが、そういったことを手厚く行うことにより、権利者の方が本当に再開発をして町もよくなるが自分らもよくなるというふうにいくように、これは懸命な努力をしたいと考える次第でございます。
○北側委員 特に最近随所で行われております都市再開発事業、特に地方公共団体施行の分を見てまいりますと、最近の総需要抑制政策、また土地税制の強化、また国土利用計画法によって、地価というのは非常に鎮静しておるわけですね。これから先まだ見詰めていかなければならないわけですが、現在のところはそうなっておるわけです。しかも地価の方が鎮静して、そして建築費というのは非常に高騰しておるわけなんです。そういう状況で、地価が高ければ非常に高度利用しやすいわけですね。ところが地価が鎮静して建築費が高くなるということについては、結局権利変換計画によって自分のもらうべき床面積というのは非常に狭くなってきておるのです。これはいままでも私いろいろなところで聞いておりますと、大体そういう意見が非常に強いです。当然、等価交換と言われておりますが、大体権利変換をする場合に一般の人が望むのは等床交換なんですね。等床交換にした場合には、後でうんと清算金というのを払わなければならない、これが実態だろうと思うのです。そういう場合、これは当然借家権者にしましてもそういう再開発された場所に入る場合に相当高い家賃を払わなければならない、そういう高い家賃を払う能力がないので仕方なく地区外へ出ていかなければならない、こういう実態が見られるわけです。これらについて一体どうお考えになっておるのか。
○吉田(泰)政府委員 昨年、一昨年あたり地価がようやく鎮静したかと思えば、いままで落ちついておった建築費が急激に上昇したという異常な事態がありました。再開発事業というものは、御指摘のように、土地、建物を新しい土地、建物の権利に変えるわけでありますけれども、どうしても従前の土地が新しい建物に変わる部分が多いわけでして、地価が上がらずに建築費が上がりますと再開発事業は困難になるわけでございます。継続中の事業につきましては、当初の計画に沿った権利床はぜひとも確保しなければなりませんので、そちらに優先的に振り当て、残りを保留床に割り分けるというような苦しい操作をやっておりますが、これは長い目で見れば建築原価が上がれば建築物の時価も上がるはずでございますけれども、急激には原価ほどにも時価は上がらぬというようなことから、そういう割り掛けた価格での保留床の売れ行きがまた悪いというような悪循環を来しているわけでありまして、私どももいろいろ苦慮しております。 今後におきましては、これほどのことは恐らくそうはないと思いますから、再び以前のような双方安定した状態に戻ると思いますけれども、それにしましても、従来の生活あるいは営業というものを続けるために、実質的には等床に交換されたいという強い要請があり、幾ら価値が増加したといっても床面積が減るということではやはり困るわけですから、実際も等床を与えるということが大体基本的な原則のようなものになっております。 したがって、入居されるべき新しい建物の評価額というものが非常に割り高になりますと、その差額だけ清算金で払う、あるいは家賃負担としてかさんでくるということになりますので、これにつきましては、できるだけ先ほど申し上げましたような価値増を伴わない従来のクリアランス費とか建物の買い取り相当額とか、そういったもののほかに、最近では建物の周辺の広場、通路、あるいは電気、ガス、水道等の本管、こういった共同施設にまで補助するというようなことをやってまいるし、もちろん中で道路等が生み出されて建設される場合には、これを用地買収事業の制度で道路の築造をやったと同様の計算をしまして、用地費及び工事費について補助対象にするわけでありまして、これも四十八年以来、幅員八メートル以上であれば区画街路であっても都市計画道路のすべてについて補助する、補助対象にするということにしまして大幅に補助をふやしました。その他税制とか金融とかいろいろな措置をとにかく動員いたしまして、従来の生活、営業の状態より少なくも悪くならない、むしろある程度よくなるというような形で、かつそのための費用負担もそう著しくない、また住宅金融公庫とかあるいは中小企業金融公庫等の長期低利の融資をひもつきにしてリンクする、こういったことをやってもきましたが、なお枠、額的に不十分な点もありますから、それについてはさらに一層の努力を重ね、国、公共団体ともどもにこの再開発が実質的にも促進されるような手当てを積み重ねてまいりたいと思います。
○北側委員 いろんな補助対象、非常に大幅になされたことについては、それだけ新しい施設物が価格が安くなると思うのですね。大体どうですか、見て、そういったものをやった場合にどれぐらい前と対比して安くなると思いますか。そういうざっぱな計算はなさったことはないですか。
○吉田(泰)政府委員 恐れ入りますが、いろいろなケースによっても違いますし、地価のぐあいも違うものですから、一概に申せません。まだ実例としてもそういう制度を開いて間がありませんし、一番金目のかかる建築本体の工事にかかっているところの個所が少ないし、二、三年前の例はいまの例にもならぬというようなことでございますので、ちょっとどのぐらいとは申せませんが、私ども考え方としては、まず従前の建物等の除却費、あるいは外へ出る方は移転補償費を払い、中に残られる方には補償費を払うかわりに権利床としてただで交換するわけですから、いわば買い取り相当額を計上しておかなければならない。またその間一時仮入居とか仮店舗が要る。こういった必ず必要であるし必ず経費もかかるけれども、新しいビルのそれじゃ価値増に直接寄与するかというとそうではないというような費目、これについて補助対象にする。さらに価値増につながるんだけれども、ビルという高層建築にしたがゆえに低層住宅の場合ならば不要であったと思われるような共同施設的なもの、これについても補助しよう。さらに江東地区の防災拠点事業につきましては、堅固な建物にし防災性を高めなければなりませんので、基礎工事費が非常にかかりますし、またドレンチャー設備という火災のときの熱を遮断する散水施設が要りますので、こういったものもさらに補助対象にするというようなことをやりておりまして、たとえばドレンチャー設備工事費と基礎工事費、特殊基礎の工事費という費目、これは一般には使っておりませんで防災拠点だけですが、これは大体建築費全体の二割ないし三割にも当たるという額でございます。その他の費目についてはちょっと試算しておりませんので、恐縮でございますが、そういう考え方だけ申し述べさしていただきました。
○北側委員 たとえばいままでの再開発事業を見ておりまして、まあ余り進捗してないその状況の中に、この前の再開発法の審議のときも私お話し申し上げたわけですが、たとえばそういう事業地区におりまして、保留床を特定分譲を受けて残りたい、こういう希望が本人にあっても、職業の関係とか年齢の関係とか家賃の関係とかいろんな関係でどうしても地区外へ転出しなければならない、そういう人が非常に多いわけですね。そういう人に対する助成というものは私非常に弱いように思うのですよ。大体反対なさっている方の意見を聞きますとそういう意見が非常に強いわけなんです。仮に再開発事業が行われても私はここに残れない。どうせ地区外へ出ていかなければならない。私はここにおってこれからの老後の設計というものをきちんと組み立てていままで仕事をやってきたと言うのですね。ところがその仕事も、そういう再開発ビルに入って自分の跡継ぎする息子もおらないし、もうここで再開発事業をやったらどうしても私は地区外へ出る以外にないのだ。そうすると、地区外でそういう固定の客をつかむこと自身がいまの自分の年齢ではもう不可能だ、だからどんなことがあっても私はこれは反対するのだ。こういう意見を言う人があったり、たとえば借家権者でありながら、その場所が非常に商売に向くような場所であって、自分がいわゆるその借家を買い取るぐらいの価格を出して買った。にもかかわらず自分は借家権者として、今度仮にここに再開発事業が行われた場合に、いわゆるしにせというのか、そういうあれは全然——営業補償で出てくるという計算でしょうが、それが低いために自分は再開発事業に対しては絶対反対だ、こういう意見を言う人が非常に多いわけなんです。だから、いわば転出する、どうしても再開発事業区域内におれない、そういう特別な事情のある人に対する助成措置、こういうものは私はいまの再開発では非常に欠けておるのじゃないか、弱いのじゃないか、こう考えておるわけなんですが、その点についてはどうでしょうか。
○吉田(泰)政府委員 この再開発事業の特色と申しますか、ねらいは、よほどの場合以外はとにかく原則として地区内に残っていただく。ただし、従来の一階建て、二階建てのような居住なり営業の環境から、ビルの中に住むあるいはそこで商売するということになりますから、大分様子は変わりますけれども、しかしとにかく残れる道を保障しておこうという仕組みでありまして、そうは言っても、用途地域の用途制限の関係とかあるいは騒音を非常に発するような工場を従来やっておられたというような方は、地区全体の環境のために残れないということが例外的にあります。しかし、これはよほどの特殊な場合でありまして、普通の店舗の場合に中に残りたいと言っても残れないということは本質的にはないわけでございます。 ただおっしゃるように、その際家賃が上がるとか、なかなか権利床では面積が減ってしまうとか、そういったことが実態の面でありますから、その方は極力助成、減税あるいは融資、こういったものを対応させまして、等価原則でありながら実質上標準的な権利者の方は等床を確保するというようなことにより、等床あるいはこの際に増し床したいというような方のためにも特別な融資制度をリンクするといったようなことで、とにかく地区内に残れるようにする。それと、まず大事なのは、そういった比較的小規模な方々が多いわけですから、そういう方々が入居できるようなビルの設計を組むというところから始めなければなりません。そういうことにして、御希望の階数、一階とか二階とか、あるいは御希望のビルの中の場所、こういったものを話し合いながらまとめていくわけでありますから、地区外に出るということは本来は制度としては考えたくないわけでございます。 考えたくないと言いましても、そういう場合もいろいろな御事情からありますし、一番私問題なのは、権利変換方式で非常に工事にかかるまでに何年も何年も話し合いを続ける。その間出るにも出られない。早く決めてくれと言っても、やはり反対者がかなりおられる間は権利変換計画はできない、工事に着手できないということで、しびれを切らして出ていかれる方も非常に多いわけでありまして、こういうものをいろいろ内容的に改善していけば話し合いも早く進みますし、いわんや大規模な事業で第二種に該当するような場合は、第二種という一人一人のお話で進められるような、まあ極端に言えば一むねごとにでも話し合いをつけて工事ができるようなそういう仕組みでいけば、本当は残りたいけれども待ち切れなくて出るというようなことだけでもなくなるのではないか、こう考えます。 まあいろいろな御事情で出られる方につきましては、従来からも中小企業金融公庫とか国民金融公庫からの設備資金融資の道なり、住宅の場合なら住宅金融公庫の特別の貸し付けがリンクされておったり、また、転出の場合の所得税とかについては代替資産を取得したときの控除制度あるいは三千万円控除といったいわゆる収用減税、いろいろなものがあるわけでございますが、私どももその転出する方の対策を十分さらに手厚くしなければなりませんけれども、何よりも大事なのは、地区外に出ないで済むような、早期に手厚くやるというようなことではないかと考えております。
○北側委員 出たくなくても、たとえば阿倍野地区ですと旅館がいっぱいあるのですよね。そういう旅館なんか私の見る限りでは、これはどうしても出ていかなければならぬ、そういう意見がやはり非常に強いですね。そういう人たちにとっては、いま商売やってる、十分生活設計も立っておるのに、これをやることによって自分はもう全然生活は、一体次に何をやったらよろしいのやろうというような、こういう心配があるわけなんですね。それらが猛烈に反対するのですよ、命がけで。これでは再開発進まぬですわ。だから、そこらの問題もやはりよく話し合って、助成措置や何らかの形のものを職業別に考えてあげて、施行者の方がやらなければとてもじゃないがこれはできないんじゃないか、こう私は思うわけなんです。 それから、建築工事の規制についてですが、都道府県知事は、促進区域内の土地所有者から、建築物を建築するための許可がおりないとき、その土地を買い取ることの申し出があったときに、特別の事情のない限り時価でこれを買い取る、こうなっておるわけですね。 この「特別の事情がない限り、」ということはどういうことかということですね。 それと、時価とはどういう価格かということですね。
○吉田(泰)政府委員 これはいろいろな買い取り、申し出に伴う買い取りの規定のいわば最近では例文になっておりますが、何が何でも買わなければならぬと言いましても、やはり買い取る側の資金の手当て等もどうにも間に合わないということもありますので、そういった場合に、そういうことは本来ないように用意しておくべきですけれども、いろいろ申し出が殺到したりする場合もありますから、万一の場合のために買い取らないことのできる場合を限定して、ただし、いろいろなことが考えられますから、明確に書けないでこういう表現にいたしております。 〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕 もちろんいろんな特別の事情がありましょうとも、買い取りを申し出たのに買い取れないときには、本来これは建築許可できないものまで許可しなければならぬことになっておりますから、そうしますと再開発はまたやりにくくなるわけですから、そういうことの万ないように、少なくとも資金の手当てその他は配慮しておくという必要があるとは思いますけれども、法律上はそういう一つの買い取らない例外の規定を置かざるを得なかったということであります。 時価というのは、これもいろいろな法律にありますとおり時価でありまして、その近傍類地の交換価値その他いろいろな鑑定評価理論から出てくるそのものの現在の正当な価値、こういうことでございます。
○北側委員 これは大臣、ちょっと聞いてください。 たとえば再開発しますね。当然再開発をやれば地価が上がると私思うのですね、その周辺の地価は。たとえばここに一本街路があります。これを再開発やりますね。こっちの地域は地価が上がるのじゃないかと思うのです。それをどう対処をしていくのか、どうお考えでしょうか。これは非常に重要な問題になってくるのじゃないかと思うのです。いまの時価買い取りは近傍類地の価格だ、こうおっしゃっておるんですね。そこはどうお考えでしょうか。
○吉田(泰)政府委員 これは再開発事業が始まりますと、第一種事業では、事業認可の告示直後の基準時点で固定しまして、そのかわりに権利変換として与えられる方の価格もその時点の価格で固定して、両者時点を合わせていくということですから、その後の変動がどうあろうとも、固定されておりますから変わらない。 第二種事業の場合は、買収ないし収用でありますし、その時点と建物譲り受け権に基づいて建物を与えられる場合の時点が違いますが、これもやはり事業認可の時点から土地収用法によって物価修正した額が買い取り価格であり、さらにその後建築物が建つまでの間物価スライドするという仕組みにしております。一方与える方の建物も、建ちましたときの物価ではなくて、事業計画認可、つまり収用権発生の時期と同じ時点の時価、建築費、これから同じ期間だけ物価スライドしてその間で比較精算しようということですから、これも実質的に同じ時点で統一されている、こういうことです。 問題は、事業が始まる前の促進区域時代の買い取りの話でございます。この間は事業は全く行われておらないわけでございます。事業が行われるだろうということは、そういう機運もありますからその辺に知れわたってはおりますけれども、それだけで事業が始まり、現に道路ができているというほどに著しい値上げになるとは思いませんので、その時点では価格の固定等は一切やっておりません。まあ余り土地費にはね返ることはないと私どもは考えております。
○北側委員 そうでしょうかな。ぼくはかなり周辺の地価に影響するように思いますよ。再開発事業をなさる場所は大体駅前なんです。それは小さい再開発は結構なんです。小さい再開発はそう影響ないと思うのです。しかし、大きな再開発をやる場合にはその周辺は必ず影響してくるのじゃないかと思うのですよ。局長、御存じかどうか知りませんが、表通りと裏では地価が三倍ぐらい違う。そういう場所いっぱいありますよ。その場合、そこを再開発をやった場合に、その周辺の地価は必ず上がってくるのじゃないかと思うのです。空き地は非常に少ないですからそう影響しないように思いますが、しかし、やはりかなりな空き地もあることはあるんです。そこらの対応策はあるのかないのかということですね。野放しでそのままやるのか、そこはどうなんでしょうかね。
○吉田(泰)政府委員 地区によりましては、特にかなり奥行きのある広大な対象地域を考えますと、表通りに面した繁華な商店街の列と、ちょっと入りましても、非常に不良住宅地区のような場所とでは、わずかの距離でありましても地価が現時点で非常に違うということはよくあることでございます。だからと言って、再開発事業にまだかからない促進区域をかけた段階で、いろいろ将来計画が取りざたされ、協議されている段階ではありますけれども、現に道路ができているわけでもありませんし、まあ田舎の方の田園地帯が急速に市街化する場合のようないわゆる地価の値上がりということはまずないのではないか。それは、何にもない、ただ平穏である一般の地区に比べれば、そういう動きがありますから多少あるかもしれませんが、やはり権利者の保護を考えましても、本来残りたいがいろいろな事情で出ていきたい、事業にかかるならば買い取るなり何なりしてもらうけれども、事業にかかるにもまだ時間がかかりそうだ、早く私は地区外に出て生活設計をしたい、ついては買い取ってもらいたい、何となれば、建築物の建築も許可されないのだからという場合には、やはりそのときの価格で正当な価格で買収するということによって気持ちよく立ち退いていただき、その時価をもって同等の代替地なり代替建物を入手されて、そこで新しい生活設計を始められるようにするということがやはり必要ではないか、こう考えます。御心配の点は私どももわかりますので、また今後の運用によりまして、非常に重大な支障を生ずるようであれば十分考えさせていただきたいと思います。
○北側委員 その点、私何も時価が悪いと言っておるのじゃないのですよ。しかし、その周辺部がそうなった場合に非常に高騰する恐れはないか、それが心配で申し上げたわけですから、その点考えていただきたいわけです。 それから、今回の改正で、いままでの権利変換方式のいわゆる第一種市街地再開発事業と合わせて、用地買収方式、全面買収方式の第二種市街地再開発事業、この第二種が新しく一種類できたわけですね。いろいろな条件が整った場合に、第二種市街地再開発事業を行う、このようになっておるわけですが、第二種でやるという権限は一体だれが決めるのでしょうか。そういうものに対して、地域住民の声が反映されるのかどうか、これはどうなのでしょうか。
○吉田(泰)政府委員 市街地再開発事業の都市計画決定から始まりますので、その都市計画決定権者は知事でありまして、知事が市町村長の意見を聞いて都市計画を定めるということになります。なお、法律の規定によりまして、促進区域を指定するのは市町村の権限でありますが、この促進区域につきましては、第二種事業はできないことになっております。
○北側委員 結局都道府県知事ですか。それなら指定都市の首長はどうなのですか。それも含まない。
○吉田(泰)政府委員 これは含みません。
○北側委員 そうすると、いま地方公共団体施行の市街地再開発事業がなされているというのが、先ほどお話がありましたとおり、五十六カ所あるわけですね。この中でそれにふさわしいなと思うのはどれでしょうか。
○吉田(泰)政府委員 現在やっているところ、やるべく計画しているところから拾いますと、一番ふさわしいのは東京江東地区の防災拠点の再開発事業であります。その他にもあるかもしれませんが、まず規模の面で三ヘクタール以上とかなり厳しくなっておりますし、従来この第二種の制度がありませんために、余りにも広大な場所ではもうとても再開発はできない。権利変換しかないわけですから、初めからあきらめまして、計画も立てないということでございました。この制度ができますと、できるところからやっていくという道が開かれ、内部的に転がしていけば全体の期間もかなり短縮してやれるということになりますから、そういった防災拠点を中心に、これは東京に限らず各大都市でもそういった防災避難緑地というものが必要になってまいりますから、そういった場所あるいは駅前広場等で相当大規模なものなど、まあ第二種というのは買収方式でいかにも追い出しのようですけれども、制度をごらんいただけばわかるように、残りたければ必ず残れるようになっておりまして、その点権利変換計画による第一種事業と、原則と例外を逆にしただけでありますから、実質的にほとんど変わりませんので、よくお話しすれば、先ほど申したように、早く計画を決めてもらわないと残りたいけれども出ていかざるを得ぬというようなことのないようにするには、むしろ第二種の方がふさわしいわけでございます。私どもは、特に広大なところで、公共性も高く、しかも急ぐというような場合には、今後は公共団体に対しても地区住民の方々に対しても、第二種というのはそう悪くありませんよ、場合によっては非常にいい制度ですよということを推奨したいと考えている次第でございます。
○北側委員 私は第二種は悪いとは言っておらぬのですよ。ただ、たとえば三ヘクタール以上の適用条件が整った場合、そういう地区がこの中に、ずっと見て大分ありますよ。それが果たして、そこに再開発地域に住んでおる住民が、わが方は第一種でやってもらいたいとか、わが方は第二種でやってもらいたいとか、いろいろな意見が出てくると思うのですね。その場合それを決めるのは、住民の意思というものは、それは反映できるのか。これは一軒ずつばらばらではできないでしょうが、少なくともある単位のものがまとまった場合にはできるのかどうか。それはそういう意思があってもできないものなのか。これを聞いておるわけです。
○吉田(泰)政府委員 まだ再開発事業の都市計画までいってない地区でございましたら、今後の御希望によっていかようにも変えられるわけです。それから、都市計画まで進んでいますと、これは現行法を前提にしておりますから第一種ということですが、したがって、どうしても第二種にいまからでも切りかえたいとなれば、従来の都市計画決定を一たん取り消しまして、同時に第二種の都市計画を指定するというようなことを、運用上やれないことはないと思いますが、かなり無理になってくると思います。その他事業がかなり進展してきているものは、まあこれはやはり現行法でやっていただくしかない、こういうことでありまして、今後新しいものあるいは手続がまだ進んでないもの、こういうものは十分御意向によってやる。 やはり公共団体、施行者側が第二種をやりたいと幾ら言いましても、あるいは第一種でいきたいと言いましても、本体は権利者の方の同意を取りつけることですし、そのために第二種ならいいが第一種は困ると言われれば、第二種の要件に該当する限り公共団体は喜んで第二種でやるでしょうし、第二種に該当していても、いや第二種はどうしてもいやだ、何と説得してもいやだと言われて、まあ公共団体側も第一種でも何とかやれそうだというならば、第一種で踏み切るかもしれません。あるいはさらに説得して、第二種はそんなに悪くない、第一種と実質的に変わらぬということをさらに説明して納得を得べく努力するかもしれません。そういう意味では、実質的な事業の手法を決める相当大きなウエートを権利者の方自体が持っておられると思います。
○北側委員 また第二種再開発事業の施行について、施行地区内の宅地の所有者もしくは借地権者または建築物の所有者及び借家権者は、事業決定のあった日から三十日以内に、施行者に対し、その者が施行者から払い渡しを受けることになる宅地等の対償にかえて、建築施設物の部分につき譲り受け希望の申し出をすることができる、こういうようになっているわけですね。その場合、建築物のどの部分、どのぐらいの面積、こういうものがあらかじめわかるのかどうか、また借家権者の場合建築物の一部につき賃借り希望ができるようになっておりますが、その賃借りのいわゆる家賃及び面積、こういうものがこの申し出たときにわかるのかどうかということですね。
○吉田(泰)政府委員 これは管理処分計画というものを立てるために、まず譲り受け希望なり賃借り希望の申し出がある方とない方と区分けするために、期限を切ってお申し出をいただくわけであります。この段階では、まだその希望のぐあいによりましてもビルの設計も変わるわけですから、はっきりとしたことがなかなか言えないと思います。しかし、事業の仕組みとしては、最後の管理処分計画を立ててそれを確定する段階で、関係権利者と十分話をして、大方の同意がなければやれないわけですから、従前の権利者が持っておられた権利価額あるいはその居住なり営業をしておられた地理的な位置、そういったものに大体対応するように配慮されると思います。対応すると言いましても、高いビルになりますから、平面上の厳密な意味の対応にはなりませんけれども、要するに不当な変換のないような位置なり床面積が与えられるということであろうと思います。 また、家賃につきましても、新しいビルですから当然ある程度上がると思います。特に従来の家賃が非常に昔の値段で固定されているような場合に、それが率として目立つのですけれども、しかし、これについても再開発住宅といった国庫補助による住宅制度を設けたり、また家主自身が移転する費用を補助するとか、等床に近い床を与えれば、それだけ家賃を上げる要素もなくなるわけでございます。いずれにしても、この段階でははっきりしたことはわからなくて、とにかく残りたいか残りたくないかという大きな区分けをします。その後管理処分計画等が立てられ、着々と工事が進められるという段階で、一たん希望したからもう辞退できないということではなくて、施行者の同意は要りますけれども、これは特別事由がなければ同意しなければならぬという保障がありまして、いつでも引き下がることができます。つまり、一たん申し出たけれどもそんな場所では残りたくないと言っていろいろ折衝したけれども、どうも自分が希望するこの場所に、従前の権利との関係上どうもぴしゃりともいきそうもないというような場合もありますから、そういう場合には譲り受けを申し出た以上は出てもらっては困るということはないわけでございます。
○北側委員 いま言われたとおり、管理処分計画が決定するまでは、いろいろ話し合われて後でトラブルが起こらないように、そこまで話し合いをなさるのであろうと思うのですが、それができない場合、たとえば家賃も決まらぬ、自分の入る場所もどこかわからない。これでは申し込みせいと言ったって申し込みできないですよ。そこらの問題はどうなんですか。
○吉田(泰)政府委員 第一種の場合は、残るのが原則で出るのが例外になりますから、出たいという人が一定期間内に申し出る、こういうことになっております。第二種の場合は、制度上は出るのが原則で残るのが例外ということになりますから、一定期間内に残りたいということの申し出をいただく、こういうことになります。 〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕 いずれにしても、途中でいろいろ予定以外の事情が出てきたり、思ったのと結果が違うというようなことで、一たん申し出たから永久におりられないというようなことはないようにしておりますが、第二種の場合で申せば、入りたいという申し出をしませんと後で入りたいとは言えませんので、大体初めから決心のかたい方以外は一応申し出られることになると思います。そういうふうに御指導も申し上げます。そうしておいて様子を見てだんだんおりていく。おりる方は自由というか、同意が要りますけれども、事実上理由なく同意を断わることはありませんから、そういうことにして、初めから入る希望のない方だけは一カ月内に申し出がない、こういうことから始めることになります。
○北側委員 この場合トラブルが起こらないような指導というのが必要じゃないかと思うのです。その点をお願いします。時間がないようですから、できるだけ早く進めていきます。 再開発住宅の建設または購入の事業について、地方公共団体に対し建築工事費の額及び用地取得造成費のうち一定額を超える部分の額の合計額の二分の一を補助する、こうなっておるのですが、一定額を超える部分の額とは何か。 それから二番目に、再開発住宅の規模及び面積をどのように考えておられるのか。 三番目、家賃は場所によって違うでしょうが、平均どれぐらいに考えておられるのか。 四番目、再開発住宅建設の要件となるものは何か。 この四つについて……。
○山岡政府委員 補助金の一定額と申しますのは、一戸当たり三百万円を超えるような用地があった場合にその二分の一を補助する。たとえば五百万円ですと、三百万円との差が二百万円になります。その場合は百万円上積みをするということでございます。 それから面積につきましては、現在のところ、これは地区内の借家権者、零細権者の方々で公的賃貸住宅を希望なさるという方におつくりするものでございますので、第一種公営住宅並みというふうに考えております。第一種公営住宅の五十年度の平均は六十八平方メートルでございます。 値段でございますけれども、家賃につきましてはやはり先生おっしゃいましたようにいろいろな条件がございます。ただ四十九年に発足させましたけれども、実例がまだ一つも出ておりません。五十年度からの実施になると思いますが、大都市地域で平米当たり約二十万円ぐらいの地価のところを想定しまして、容積率二〇〇%、戸当たり先ほど申し上げました六十八平方メートルということで計算いたしますと、傾斜前の原価家賃で月額四万八千円ぐらいになります。ただ、これにつきまして地方公共団体とずっと打ち合わせをしてまいっておりますけれども、その地区における第一種公営住宅の当年度管理開始分ぐらいで最初三年間は据え置こう、あと七年ぐらいで傾斜で上がっていくというようなことを地方公共団体と相談をいたしております。大体公営一種の大都市並みで、五十年度の管理開始は二万四、五千円になろうかと思っております。 それから要件でございますけれども、これは先ほど一番最初申し上げました借家権者、それから零細権者の方々から申し出があった場合には、計画が促進しますようにあらゆる場合に前向きに応援してまいりたいと思っております。特にこの再開発住宅につきましては、予算の補助ということになっておりまして法律補助となっておりません。特に収入制限も撤廃するということになっておりまして、その地区のために大いに有効だろうと思っておる次第でございます。
○北側委員 先ほどお答えになったのは、一平米大体五十万円ぐらいの土地について四万八千円ということですか。
○山岡政府委員 一平方メートル当たり約二十万円でございます。
○北側委員 大体一平米二十万というのはざらですね、再開発地域というのは。そうすると四万八千円、仮に四年据え置きで、あと五年傾斜家賃になるとすごい家賃になりますね。これは公団住宅並みですね。こうなってくると、なかなか再開発というと、これは借家権者の人はやはり出ていかざるを得ないですよ。そういう人が非常にふえるんじゃないかと思うんですね。それからどうしても出て行かなきゃならない人たちについての損失の補償措置というのは、非常に重大になってくると思うんです。それがなければ、またこれは再開発進みませんよ。 今日までの再開発事業区域で、代替地のあっせんとか公営公団住宅の特別入居あっせん、生活再建措置、このようなものがとられておるわけですが、今日まで大体どうやってこられましたか。
○吉田(泰)政府委員 各般の事情により、どうしても地区外に出て行かざるを得ないという方は、店舗の場合、住宅の場合、いろいろ事実上措置してきているわけでありまして、店舗であれば先ほど申した中小企業金融公庫等の融資とか開銀の融資とかがあるわけであります。 また住宅であれば、公営住宅が近くに建っておりましたらそういうところ、あるいは公団住宅等に優先入居させるということをやることになりますが、ただ基本的には借家人の方は、家主の方が地区内に残られるときにはその中に一緒に借家人のままで残られるわけでして、これは、家主には従来の権利に対応して権利変換で新しい床が与えられますから、この新しい床の評価を国庫補助等により下げることによりまして、家賃もさほど上げないで済むはずの計算になるわけであります。家賃は家主の方と借家人で一応協議することになりますが、話がつかなければ施行者が評価委員の評価を得て裁定するという制度にもなっているわけであります。また、家主が出ていかれる、しかし借家人は残りたいというときには、いまの再開発住宅ではなくて、施行者が持ちます家、床、これを貸すわけでありまして、これにつきましては、いまの再開発住宅、公営住宅のような厳密な原価計算を恐らくは行わないで、十分納得のいく家賃ということになると思います。それらは管理処分計画などでその概算額を決めて明確にしておく、こういう制度でございます。 したがいまして、少なくとも住宅の場合にどうしても出ていかなければならぬということは普通はないわけでありまして、ただ商業地区の中心地のようなところで従来からも住宅は少なかった、再開発になればいよいよ商業中心のようなビルの中に二戸か三戸住宅が入る、環境も余りおもしろくないというようなことが御本人の立場であるかもしれませんが、これとてもどうしてもと希望されれば、必ずそういう住宅はたとえ二戸でも二戸でもつくることになりますから、そういう意味では出ていかなければならぬということは本来はないと考えております。
○北側委員 いま言われたことはよくわかるのですが、たとえば再開発事業のおくれている地域を見ますと、非常に借家権者が多いわけですね。やはりそこらのことが明確にならなければなかなかむずかしいんじゃないかという考え方を私は持っているのです。たとえば、いま再開発されたところに家主が新しい建築施設を買われてそこに入居される、家賃が前と格段の相違が出てくると思うのですよ。再開発住宅ですら平米二十万円のところで大体四万八千円になります。そうなると、かなりスペースが広い場合には相当の家賃になってくると思うのですよ。ぼくの持っている考え方が間違いならどうか知りませんが。しかし、計算上どうしたってそうなってくるわけですね。たとえば再開発の一種、六十八平米当たりで四万八千円になるのですから。そうしますと、借家人としては残りたくても残れない、これが事実上の姿じゃないかと思うのです。たとえば、古い住宅なんかですと、家賃一万五千円くらいでかなり広いスペースのところに入っていますよ。再開発されることになって、今度はなるほど新しい施設物に入って、非常に気持ちはよろしいでしょうけれども、四倍も五倍もの家賃になったら出て行かざるを得ないですよ。そんなところでは生活設計立たぬですよ。それを私は心配しているわけです。
○吉田(泰)政府委員 再開発住宅とか公営住宅は国庫補助が二分の一ありますから、それだけ家賃は低くなるわけですけれども、それにしても土地代も含め建築費も含め、新しく原価が事実かかりますから、それの長期割賦の計算をせざるを得ないということで、いまどきですからそういった値段にもなるわけでございます。しかし、家主が与えられます床は従来の権利に対応して与えられるわけでございまして、若干の清算金を取られるかもしれませんが、それも取られないでできるだけ等床で確保するようにしようという努力をしているわけでございますから、もし家主の方が等床で権利変換、清算金なしで入れるとしますと、その際、家主の方は持ち出しは別に一文もないわけでございます。したがいまして、再開発住宅のように原価から計算して幾ら取らなければ割りが合わぬというようなことはもともとないわけでございます。ただ、従来の家が新しい家に変わり、借家権が切りかわれば、環境もよくなりますから若干上がるとは思いますけれども、それも不当な値上げにならないように家賃の裁定制度も置いていますし、また、いよいよ話が十分つかないというようなことであれば、施行者が家主にかわって施行者の持ち分を渡すわけです。これも再開発事業全体の計算には入りますけれども、公営住宅とか再開発事業のように住宅そのものの計算でいくわけではありませんからそういった従来の権利者に対しては思い切って低い、つまり権利として与えるに等しいものですから、思い切って従来の権利者に優遇すると同じような頭ではじけば、それほどの額にはならない。もちろん従来の額が千円とか二千円とか非常に安い方もあります。こういう場合に、やはりいまどきでかなりの倍率にはなるかもしれませんけれども、絶対額として再開発住宅でさえ四万八千円だ、一般の家主と一緒にいけば、あるいは施行者から賃借りすれば一補助もないしそれ以上になるに違いないということは決してない。むしろずっと安くなるというのが実態でございます。
○仮谷国務大臣 いろいろ御質問、具体的にわたりまして、それぞれ事務当局から御答弁を申し上げてまいったわけでありますが、やはり御質問の一番の問題点の一つは、借家権者の権利をどう保障するか、こういう問題が第一だと思います。これは先回もこの問題が大変議論されたわけでありまして、私どもは借家権者の権利保障はあくまでもすべきであるという考え方で、そういうふうに進めておりますし、これは法的にもそう解釈できると思います。ただ、計画設計の場合に借家権者が法的に介入できるかどうかという問題、これはおっしゃるように、一体どんなものができるかということを考えますと非常に不安ができます。そういう場合に、借家権者にも少なくとも発言権を持たして、安心して計画に参加できるようにすべきである。これは理事会でもいろいろ御協議なさっておるようでありますから、十分検討の上、御期待に沿うような方向で努力をいたしてまいりたいと思っております。 それからもう一つの問題は、いまいろいろ議論のありましたいまの再開発の非常におくれておる原因はやはり等価交換の問題、権利交換の問題であります。等価交換をされた場合に後の生活設計が非常に狂ってくるという場合、そこに等床交換という問題ができてきているわけでありまして、これはどういう形かで、等床交換という形にならなくても、その期待にこたえられるような方向で努力ができるかどうかという問題。もう一つは、大変強い御指摘のありました転出をする場合にそれにどう対処していくかという問題、これも重大な問題であります。等床交換の問題、転出の対策の問題、こういった問題は、私どもは一番大きな、この再開発法が将来成功するかしないかというかなめじゃないかという考え方を持っておりまして、十分に意を用いて対処しなければならぬと思います。そのためにはやはり国の助成と申しますか、財政的援助というものが必要でありまして、そういう面では、しばしば御答弁申し上げておりますように、補助にしてもあるいは税制にしても金融にしましても、恐らく他の法案に比べて非常に優遇されておるのじゃないかと思う。それで万全とは考えておりませんから、さらに事態に応じてこの問題は積極的に乗り越していかなければならぬと思います。 いまいろいろ議論されました家賃の問題でありますが、これも再開発ができて、さて新入居してみると家賃が何倍にもなってとてもたえられないというような状態があってはならぬと思います。これはいま局長からお話がありましたように、そういうことにできるだけならないように避けなければならない、そのための国庫助成も考えなければならぬ、手法も考えていかなければならぬというのが私どもの考え方であります。ただしかし、現状のままで、千円がそのままの千円で入れるかというと、そうはいかない。これは御理解をいただいて、事態に応じて若干入居後の家賃が上がることもこれはひとつ御了解願いたいと思います。そもそもこの法律の基本が、決して法律をつくって権力でやろうという法律じゃございません。先生一番御承知のように、住居の環境が非常に悪い密集地帯、ほうっておいてもし火事でもあったらどうなるのか、第一、自分たちの生命、財産が保障されないじゃないかという認識に立たなければならぬという問題、ゼロメートル地帯でもし地震や高潮が来たときに、お互いの生活や生命や財産はどうなるのか、こういう問題を考えて、その防災対策、環境改善対策から迫られてやらなければならぬ仕事でありまして、そのためには権利者がよく話し合いをして、こういう地帯ではいつまでも住まいをするわけにいかないから、将来安心して住まえるような環境をお互いの力でつくろうではないかという、そういう民意が盛り上がって、そういう合意のもとにやる法律であります。それに対して政府は積極的にこたえていく、お手伝いをより以上しようということで出発する法律でありますから、そういう意味で御理解を願って、多少関係者にも不利な点やあるいは不便な点があるかもしれませんけれども、お互いにがまんをし合ってこの環境をよくしていこう、この法律を生かしていこう、こういうことで進めておるわけでありますから、ぜひひとつ御了承賜って御協力をいただきたいと存じます。
○北側委員 そこのところが非常にネックになっておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。 ではもう時間が——早くやめいというのが何遍も来ておりますので、ずっと聞いていきますから……。 一つは、住宅金融公庫の融資についてですが、相当の住宅部分を有する施設建築物で住宅金融公庫の融資を受けないで建設されたものの工事についても、融資ができるようになっておりますね。この相当の住宅部分とはどういうものなのか、これが一つ。 それから二つ目は、再開発事業により保留床の取得を望む関係権利者、これは借家権者も含むわけですが、これは公募によらず特定分譲できる、このようになっておるわけです。その公庫融資の貸し付け限度及び利率、償還期限、住宅、非住宅部分でどのようになっておるのか、これについてが二点。 三点目は、今回の改正で固定資産税が免税されるようになっておるわけです。まことに結構なことだと思うのですが、これもやはり相当長期間の減税措置になりますので、これらに対する市町村の税収が減になるわけですね。これに対する補てん措置、これは考えておられるのかどうか、どのようにやられるのか。 以上をお聞かせ願いたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 まず、公庫融資の相当の住宅部分を有するとは、四分の一以上住宅があるという意味でございます。 次に、保留床を取得する場合の住宅金融公庫の融資条件でございますが、まず関係権利者のうちで建物の所有者または借家権者が保留床の優先分譲を受ける場合の公庫融資の条件は、いずれも融資率九〇%、自己居住の住宅部分が金利年五・五%、自己居住以外の住宅部分が八・二%、非住宅部分が九・〇%、それから償還期間が、自己居住の住宅部分が三十五年、その他の場合は二十年でございます。 それから、固定資産税の減免措置が書いてありますが、この場合には地方交付税法の規定によりまして、減収になった部分を交付税の算定の際の基準財政収入額から控除する、つまりそれだけ減税した額しか収入が入らないような計算ですることになっておりますから、交付税の措置によって補てんはされているというわけでございます。
○北側委員 終わります。
○天野委員長 浦井洋君。
○浦井委員 私たちは、防災の意味での再開発であるとか、あるいは住環境整備というような場合の再開発事業は、これは必要だというふうに考えるわけです。ところが、いまの質問にもありましたように、一般的に市街地再開発事業というのは、他の公共事業に比べて進んでおらない。だから、住民の望む、国民の望む再開発というものはどういうふうにすれば促進をすることができるのかというような立場でひとつ質問をしてみたいというふうに思うわけです。 まず最初、再開発事業が、いまも話が出ておりましたように、いろいろなところで住民の反対に遭って進まない。その原因を除去すれば、その事業が適切であれば再開発はスムーズに進むわけです。だから、法改正をやるならば、その原因を除去するような方向での改正が必要だろうというふうに思うわけなんですが、そういうような方向になっておるのかどうか、ひとつ総論的に、これは都市局長に聞いておきたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 市街地再開発事業が他のいろいろな事業に比べましてどうしてもおくれがちであって思うままに進んでいないということは、御指摘のとおりであります。再開発法制定以来、若干の個所には手をつけてまいりましたし、それなりにその都市都市では評価されているところもありますが、全般的に見ればまだまだ不満足であるということでございます。 この大きな原因は、すでに建物が立て込んでいる既成市街地の中で行います事業でありますために、関係権利者も多く、また細分化されておりまして、こういった権利者の方々の合意を得るというのに非常に時間がかかります。また、既存の建物をすべて取り壊して全く新しい建物を建てる事業でありますから、営業形態とか居住形態もすっかり変わるということでありますので、よほど内容が見通しがつき、納得できるまでに固まっていきませんと、権利者としても協力しようにもしようがないというようなことがあります。 また、権利変換という手法は、小規模で小人数の地区などではふさわしいのですけれども、大規模で人数も多いという場合、しかも急ぐというような場合には、なかなか一挙に全体の権利者をまとめて計画を立てて、それからでなければ全く着工することができないというシステムですから、こういう面でも着工までの話し合いに非常に時間がかかってしまうというようなことがあります。 また、再開発を数多くの地点で本格的に実施しようとすれば、これは公共団体が幾ら張り切っても、陣容的にも能力的にも限界があるわけでございまして、どうしても数多くやるとなれば、権利者の方々がみずからの発意で再開発を行う、あるいは高度利用地区等の計画に適合して再開発に準ずるような建てかえを行っていただくというようなことをやりませんといけないわけですが、こういう道もはなはだ不十分であるということですから、こういったものに対応すべく、今回の改正では第二種再開発事業の制度とか、再開発促進区域制度とか、個人施行の制度とか、高度利用地区制度の改善とか、あるいは借家権者を含む関係権利者の優遇措置の一段の増進、あるいは特定入居といったものをかなりそろえたつもりでございます。
○浦井委員 いまの話を聞きまして、やはり障害になっておる根本問題を積極的に打開するような改正の考え方ではないように思わざるを得ぬわけなんです。技術的な新しい手法をつけ加えてみたり、やはりたとえば二種の場合でも同じような結果になるんではないかというふうに私は思わざるを得ぬわけなんですが、そこでひとつ東京の防災拠点である白鬚東地区で具体的に検討してみたいと思うのです。 白鬚東地区は江東のゼロメートル地帯で非常に防災上必要な再開発である。東京都も五カ所の防災拠点をつくろう、しかし、その白鬚東地区を除く他の地区では余り話し合いなり事業なりが進んでおらない、白鬚東地区が比較的住民と話し合いが進んでおるという現状はお認めになるだろうと思う。それは一つは白鬚東地区が、再開発区域が二十七・六ヘクタール、その中の工場跡地が二十一ヘクタール。面積全体としては広いわりには権利者の数が少ないという利点が一つはあると思うのですが、やはり比較的住民との話し合いが進み、事業の進み方が今後もスムーズにいくだろうというふうに考えられる理由は、住民側が白鬚東地区防災再開発協議会というものを組織をして、都側も、東京都もこれと積極的に協議を重ねておる。 〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕 そしてそこでは借家人も含めて全員が協議会に参加をして、防災上再開発をする必要がある、再開発をするならどのようにするかということを全員で協議しておる。この辺をひとつ大臣もごらんになったと思うのですが、よく認識していただきたいと思う。私も行って聞いてみますと、当初いわゆる町の古いボスの人たちといいますかそういう人たちは、こういう話し合いがどんどん進んでフランクに民主的な雰囲気が町内に流れてくると、自分たちの顔がきかなくなって、そして自分たちのこけんにかかわるというようなことで、再開発は必要ないとか、あるいは何ぼでも反対しておればどんどんと条件がつり上がってそこにおる人たちは得するんだ、だから反対するんだというようなことを言って、そういう人たちが当初再開発に反対の立場をとる。ところが先ほど申し上げましたように、この住民、借家人も含めた全員協議というようなかっこうでどんどんと住民の中での全体の話し合いが進んでくると、地主も家主もそれから借家人、たな子も含めて全体で話が進んでおるものだから反対できなくなる、こういう姿が本来の住民参加の姿でないかというふうに私思うわけです。 ところが現在の再開発法を見ると、なるほど都市計画法で縦覧であるとか意見書の提出であるとか公聴会であるとかこういう手だてはあるけれども、きわめて不十分であるということは、これはもう大臣もよく御承知のとおり。特に再開発法ではきのう以来問題になっておりますように、借家人、借間人、こういう者の権利を認めておらない。だから、住民の中でそういう自主的に立ち上がって協議をしてやろうというような民主的な力といいますか、雰囲気といいますか、こういうようなことのあるところでは、現行法を超えて実際には住民の意見を事業計画に反映さしたり、あるいはいろんな苦労をしながら零細権利者の権利を保護する、守るというようなことができていっておるわけです。 ところが反対に、この問も出ましたように、金沢市の場合のような住民の話し合いの雰囲気のないようなところ、そういうところではやはり上から下への形、強権によって踏みにじられたりあるいは逆にそれで開き直って絶対反対というような形になって、結果、事業がおくれるというようなことになっておるわけなんです。 だから私は、やはり総論的にお伺いしたいのですけれども、そういうような住民参加が保障できるようなそういう方向での法改正こそいまの都市再開発法にとっては必要だったんではないか、こういう点を抜きにして、新しい手法をちょっちょっと手直ししてみたりつけ加えたりというような形ではだめなんだということを、私は大臣に申し上げたいわけなんですが、大臣、どうですか。
○吉田(泰)政府委員 関係権利者の中には土地所有者と借地権者と借家権者がおります。このうち土地所有者と借地権者は組合施行の場合にはその組合員となって施行主体となるということでありますし、公共団体施行の場合にも再開発審査会の構成員に一部代表の方がなるという仕組みであります。そういうことですから、まさに住民参加そのものの仕組みが他の事業などに比べて格段にできていると私どもは考えております。 次に、借家権者につきましては、この市街地再開発事業の性格上、土地所有者あるいは借地権者といった私法上の権能を持っている人に比べまして、できている建物に入居している立場の方でありますから、この再開発事業の施行主体となることができないというために、組合施行の場合の組合員になるようなことも法律で外されておるわけでございまして、その点は法律上の限界として私どもやむを得ないと考えておりますが、しかし、実際にはおっしゃるとおり、借家権者こそが現にそこに居住し営業しておられるわけでありますし、借家権者の大方の同意なくて事業もやれるはずがないし、またやるべきものでもありません。従来も、たとえば組合施行の場合は実際上は借家権者を含む全権利者との全員同意ということで権利変換計画を作成している次第であります。このたびの改正でも、借家権者のことはいろいろ事前には検討しましたが、やはり法律上の壁がございまして、その点での改善はできませんでしたが、角度を変えまして、実質的な借家権者の保護というものはいろいろと手厚く法律上あるいは予算その他の措置で講じたつもりでありますし、また今後の実際の運用につきましては、従来以上に借家権者を含めた権利者との話し合い、その意向を反映しての事業の計画、権利変換計画の策定ということを励行するつもりでありますので、よろしくお願いいたします。
○内海(英)委員長代理 答弁は簡潔に願います。
○仮谷国務大臣 いま局長からお話し申し上げましたように、借家権者の新しい入居の権利はこれは保障しております。ただ、この計画を進めていくために一体どういう計画でどういう方向に進むのかということが全く保障されずに不安を持っておるということ自体が、この制度を推進していくための一つの障害になることは当然であります。これは現実の問題として先日来からいろいろ議論されておることでありまして、そういう意味においては、たとえば法律的にはいろいろ問題があるとしても、実質的にはそれに近い何らかの形で借家権者の意見を十分に反映させて、そしてみんなで合意の上で問題を進めることでなくんば現実の問題として進まないことは、これはもう過去の実例が示しておるところでありますから、そういった面は十分配慮していかなければならぬと思っております。
○浦井委員 大臣にお伺いしたいのですが、何らかの形でと言う、法改正はできないけれども何らかの形で。確かに白鬚東なんかの場合に、そういう住民組織、協議会みたいなものがある。これは各地にできているわけですから、こういうものを実際上認めて、こことやはり計画段階以前からじっくりと相談していくというようなことを、何か通達でも出されますか。
○吉田(泰)政府委員 従来も全体的な再開発の進め方として指導しておりますが、今回の再開発法制定を機会に本格的な再開発が本当の意味で着実に進められなければなりませんし、そういう意味ではおっしゃるとおりでございまして、事実上の話し合いを借家権者を除いてできるわけでありませんから、そういう意味を特に強調して通達を出すことも考えております。
○浦井委員 ぜひその趣旨で出していただきたいと思います。大臣、よろしいですね。ちょっと一言だけ、それ大臣答えてください。
○仮谷国務大臣 いろいろ各党もこの問題については真剣に御協議いただいておるようでありまして、そういう意見も十分尊重いたしまして、いまの局長の答弁のように通達を出して徹底を図ってまいりたいと思っております。
○浦井委員 やはり現在の再開発法の一番のかなめというのは権利変換だろうと思うのです。それは等価交換ということで、ある時点で経済的に等しいから等しいもの同士を交換するんだからよいというような考え方のようでありますけれども、私はこの点がやはり問題だと思う。なるほど実態上、大きな権利を持っておる人は、等価交換してもあるいはそれで済むかもしらぬけれども、実際上大部分の零細権利者にとっては、等価交換というようなことになると、いままで話が出ておりますように、生活をしていく、あるいは商売をしていくという上で、これは全く満足なフロアも確保できないということになるわけです。だから反対だと、こうなるのは当然だと思う。二種は買収方式ということでありますけれども、これも再開発ビルの中に入るということになれば、これはもう権利変換方式と全く一緒であって、しかも、一種に比べて二種というのはどうしても相対的に地価が安いところで実施をされることになるわけですから、ますますフロアが狭うなるということです。だからこういう点こそ、二種事業をつけ加えられるなら、この点を十分に配慮した法改正がなされてしかるべきではないかというふうに思うわけです。大臣どうですか。もう局長はいいです、大臣の方から政治的な答弁をお願いしたいと思うのです。
○仮谷国務大臣 率直に申し上げまして、いろいろ具体的な問題がありますので、政治的な答弁だけで逃れるわけにはいきません。率直に申し上げますが、そういう面は、私どもが発言した限りにおいてはあくまでも実行していかなければならぬという責任を持っておりますから、その場限りで政治的答弁で逃げるわけにはいきません。ただ、白髪地域にも私は出ていきました。行って現実を見ますと、等価交換といいましても、少ない床面積を持って、しかも土間ではいろいろな作業をしておるのですね。家内工業的なものがあるのですね。そういうふうなものが等価交換だけで果たしてその仕事が続くかどうかという問題、これは私、現実に見てきたのですよ。そうすると、その人たちはやはりある程度等床交換といいますか、それに近い、現実に近いものが確保されて現在の仕事が継続されるということが絶対条件でないと承認できないはずなんであります。それをどういう形で解決をつけるかということがこの法律の一番の大きな山ではないかと思っております。それを、じゃあ等価交換をすぐ等床交換にすると、そういう形式的な法文化の問題でなくして、現実にそれをどう生かすかということが今後の課題でありますから、十分取り組んでいかなければならないということは率直に認めております。
○浦井委員 大臣も御承知だと思うのですが、白髪東の場合に、現在住んでおられる方、零細権利者ですね。土地が平均して十・一八坪でしょう。建物の面積が平均して十四坪。だから容積率が一四〇%、そういう中で住民の方は等床交換を要求しておられるわけなんです。 〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕 住民の要求、要望も大臣御存じだろうと思うのですが、そこに住んでおらない地主や家主というのはひとつ除外してほしい、それから大きな権利を持っておる人は余り困らないだろうから、ひとつ上限を設けて差し支えなかろう、まあ容積率一四〇だから、それを要求してもよいんだけれども、ひとつ裏地に住んでおられる方の実情なんかをモデルにして、平均して一二五%、このくらいは最低保障してほしい。これは私、大臣見に行かれたから御存じだろうと思う。これはもう当然の要求だろうというふうに思うわけなんです。この程度はやっぱりかなえてあげなければ、あの白鬚東地区事業が進展しないのではないか、このように思うのですが、ひとつ、これは局長ですか。
○吉田(泰)政府委員 白鬚東地区につきましては、事業主体である東京都当局も非常に熱心にたび重なる権利者との会合、協議会を持って鋭意進めておられます。私どももその経緯を段階ごとに聞いておりまして、予算の配分その他東京都の要望を十分組み入れてやっておりますし、いろいろな予算の増額その他の要望につきましても、私どもできる限りこれを配慮するつもりでやっておるところでございまして、具体的にはいろいろな話し合いが行なわれておると思いますし、細かいことまでは私ども聞いておりませんが、要するにだんだん話し合いがまとまりつつあるということでございますので、なおよく詳細を伺いまして、国としてもできるだけのことをやっていきたいと思っております。
○浦井委員 抽象的なお答えなんですが、もう少し数字を見てみたいと思うのです。これは東京都の出した数字なんですが、大体あの地域が四十六年度に比べて地価が二倍になっておる。それから、先ほども出ておりましたように工事費が四倍になっておる。いわゆる採算ベースでいきますと平米当たり事業費が二十三万円。ところが住民の要求ということで等床ということにするためには平米当たり九万八千円にしなければならぬ。だから都は非常に、この二十三万円と九万八千円との差をできるだけ縮めようということで苦労をしておるわけなんです。先ほども言いましたように、この点が解決しなければなかなかこれは事業も進まない。したがって、都や国が考えておる防災拠点もつくれないということになるわけなんです。こういうふうに言うと、建設省は防災性能強化費というものをつけたということの答えが一つ返ってくるだろうと思うのです。これも、結局余分にその費用はかかるわけで、都の持ち出しになるという点では、これは特に特別だというふうには思えない。もちろん、防災性能の強化をやらなければならぬわけですから、そこに住んでいられる方はそれは大きな意味では非常にプラスになるわけですけれども、さしあたって金の計算でいけば、これは余り関係がない、都の持ち出しになるに過ぎぬということになるわけですから、これは一体建設省としてどう考えておられるのか、この問題についてひとつお答え願いたい。
○吉田(泰)政府委員 御質問の中におっしゃいました江東地区の防災拠点に限り特に採算性をかなり度外視した事業をやらなければならぬ、また、建築物、基礎工事を特に強化しなければならぬ、あるいはドレンチャーのような特別の防火施設を設けなければならぬということで、このドレンチャー設備工事費と特殊な基礎工事費を補助対象にしているわけでありまして、もちろん補助裏もありますから全部国が持つというわけじゃありませんが、他の同種の事業との均衡も考え、国と公共団体とでとにかく本人の負担にならないような形でやろうというわけであります。したがいまして、そういった経費がいまの試算では建築費の三割にも達しようかという算定になっておりますから、この分は間違いなく原価から控除されて、等床交換にする、あるいはそれに近づけるための相当有力な手段になると思います。 なお、今後の事業の進展、さらに白鬚以外の地区に及ぼしていく場合、いろいろなことを考えまして、私どもも、さらにこの防災拠点事業が進展いたしますよう、制度的にも技術的にも、いろいろ検討を続けてまいりたいと思います。
○浦井委員 それは防災性能強化費ぐらいでは、これは都の方も楽になりましたとは言えぬですよ。だから、大臣にこの項をもう何回も繰り返すのはあれですから、結論をひとつお尋ねしたいんですが、やはり国が、ここは防災上どうしてもやらなければならぬ、あるいはどうしても居住環境を整備するために再開発をやらなければならぬというところがあるだろうと思うのですが、そういうところでは、大体先ほどからも出ておりますように、一種事業なんかに比べると地価も安いし、一種事業のようないわゆる商業ベースに乗りにくいということだから、やはり特別な対策を立てる必要があると思う。だからもっと具体的には、これは大臣にお尋ねしたいのですが、今回それは望ましいわけですけれども、積極的な国の助成策を設ける必要があると私は思うのです。この点ひとつ大臣から一言お答え願って、次に進みたいと思います。
○仮谷国務大臣 この間現地調査に行ったときに都の責任者とも私は一緒に回ったわけですが、都の責任者も非常に困っています。大きな金も要りますし、都の財政からいってなかなかこれをどう進めていくか、国にやってもらっても私の受けざらができるかということまで心配しておったわけなんです。そういう意味において、国もそれぞれの関係自治体も、この問題とは真剣に取り組まなければならぬし、いわんやほうっておいたら将来どうなるかわからぬ、生命、財産が危ぶまれるというところにいつまでもそのままで住まわせるわけにいきませんから、これは国も都も積極的にやらなければならぬと思っております。私どもそういう面においては、特殊な地域として特殊なケースとして積極的に今後の援助を考えるということは当然なことでありまして、私は現在でも、他の例と比較をいたしますと相当に優遇されたようになっておると思いますけれども、なおそれで十分とは思いませんから、今後もさらに努力をしていかなければならぬことは当然でありまして、そのつもりでございます。
○浦井委員 同じ白鬚東地区の中で、今度は改良住宅問題についてお伺いしたいのですが、改良住宅の場合、二種も同じでしょうけれども、中層で面積が共有部分を含めたグロスで一戸当たり五十五・七平米、高層で六十四・七平米、公営一種で中層で五十九平米、高層で六十八平米、ここまでは補助がつく、こういうことですね。補助対象になる。 そこで、私いま根本的に聞きたいのは、白鬚東地区だけに限らず、改良住宅が二種並みで、一種との間に差があるというのは根本的に解せぬわけなんです。これはどうなんですか。
○山岡政府委員 改良住宅につきましては、補助率を三分の二といたしております。公営の方の二種は三分の二、一種は二分の一ということでございますので、公営の二種にそろえておるというのが現状でございます。
○浦井委員 私は、やはり面積の上で一種並みに広い面積でそれが補助対象になるようにしなさいということを申し上げたいわけなんです。この予定はどらですか。
○山岡政府委員 改良住宅の補助対象規模につきましては、先ほど先生がおっしゃいましたとおりでございますが、実は最近の三年間で十平方メートルほどふやしてきておるわけでございます。今後も格段にふやしてまいりたい、予算要求上は大いに努力をしたいと考えておる次第でございます。
○浦井委員 そこで、白鬚の場合問題になりますのは、東京都が四十八年度の住宅需要実態調査で、これは公団も含めた公的借家入居者の調査ですが、やはり入居者の七七・五%は狭いという不満を持っておるわけなんです。だから白鬚東の場合に、これは大臣もよく御存じだと思うのですが、いまのところ権利変換住宅よりも改良住宅を望む方の方が多いわけですね。そこで、この方たちが三DKの広い改良住宅を要求するのは当然のことだと思う。だから都もこれを了承して、住宅地区改良法ではネットで改良住宅六十五平米まで建てられるということを活用してこれをやろうとしておるわけなんです。やるのはいいんですが、また都の持ち出しになるわけですね、そのはみ出た分は補助対象にならぬわけですから。だからこれは、住民の要求なりあるいは都の要望なりというのは、私は当然の要望だろうと思うんですが、この辺をひとつ建設省としても解決していかなければならぬじゃないか、このように思うのですが、住宅局長どうですか。
○山岡政府委員 先生のお話にございましたとおり、昭和四十八年度に住宅地区改良法の施行令を改正いたしまして、上限を従来の五十平方メートルから六十五平方メートルまで引き上げました。これはネットで六十五平方メートルまでということでございます。これは、改良住宅と申しますのがその地区にいらっしゃる方々を必ず入れるという制度でございますので、それぞれの世帯規模に応じまして一DKから四DKぐらいまでの間に散布いたします。それらの平均的なものの中で予算補助を考えておるわけでございますが、その上限につきましてはやはり大きくしておかなければならぬということで、制度を改正したわけでございます。 東京都は現在白鬚の方ではグロスで八十平方メートル、ネットで上限の六十五平方メートルという改良住宅をつくりたいという相談を現在受けております。予算の範囲内で申しますと、先生おっしゃいますとおり六十五平方メートルが限度でございます。ただし、特殊加算の見方だとかその他いろいろとできる限りの相談に応じてまいりたい。今後につきましては、やはり従来もやってまいりましたけれども、もっとネットの増につきまして努力をいたしてまいりたいと思っております。
○浦井委員 都の立場にとって非常に色よい返事が出たというふうに理解して差し支えないと思うんですが、これは先ほども出ましたように、家賃の問題でも、改良住宅に入っていろいろな制度を活用しても、現在住んでおられる家賃が五千円から六千円、それが大体一万八千円ぐらいになる、三倍から四倍。この問題も出てくるわけです。この点もひとつ建設省としては十分に配慮をして、都の相談に乗ってほしいということを要望しておきたいと思うんです。 それから、その次の問題は融資制度の問題ですが、権利変換の場合——権利変換といいますか等価交換の場合に、さっきは裏路地等を標準にした話をしましたけれども、比較的地価の高い表通りに住んでおられる方でも、白鬚の場合床面積、フロアーが七〇%ぐらいになる。だから、金を払ってフロアーを買い足ししなければ商売もできぬ。そこでそういう要望を受けて、都の方は十年返済で無利子の融資制度を考えておるというふうに私は伝え聞いておるわけなんです。ところが一方、国の方は住宅金融公庫でいろいろ条件をつけておられるわけなんです。これに比べると、都の方が非常に有利な融資制度をつくろうと考えておられるわけなんです。これはやはり建設省としてもよく考えて、住民の非常に大きな生活環境の変動を来す人の立場に立った制度をもっと積極的に考えるべきだと思うのですが、この点大臣に一言お答え願いたいと思う。
○仮谷国務大臣 住宅融資にしても新築にしても改良にしましても、できるだけそれは利子の安い方がいいし、できれば無利子が一番いいにこしたことはありません。ただしかし、建設省、国の仕事ですから、特定の東京都だけを特別に考えるということについては、これはやはり検討しなければならぬということは申し上げるまでもございません。私はそういう意味で、東京都自体も積極的に考えられておるようですけれども、私の方から言ったら少し言い分もあるのですよ。それほど無利息でやるなら、公営住宅もっと建ててくれたらいいじゃないか。これだけ住宅が都は困難しておって、われわれもずいぶん苦労しておるのですが、都自体は公営住宅なんて全く建てていないじゃないですか。やろうとする意思もないじゃないですか。そういう面で住宅全般の問題について、都自体はもう少し総合的に考えるべきじゃないか。これは答弁の要らぬことであったかもしれませんけれども、私どもはそういう意味において、公営住宅等をやる場合においても、住宅問題に対処していく場合においても、関係県も建設省も十分相談しながら、そしてお互いに努力をしていく、お互いに責任を分担し果たしていく、そういう形にならなければならぬと思っておるわけでありまして、何でもかんでも条件を出してきて、できなければ全部政府の責任だ、何かそういう形になるように思われることは私ども非常に残念であります。決して悪いとは言いません。最大限の努力をしていかなければいかぬことは当然でありまして、今後も努力をいたしてまいりますけれども、東京都だけ特別にそういうものを考えるということについては、いろいろ再検討をする必要があると思います。
○浦井委員 大臣、それは余分のことを言われた。白髪東地区ができ上がると、大臣も御存じのように、もし大災害が起こると七、八万人の方が避難できるということになるわけでしょう。これは十分御承知だろうと思う。だからこの地区の再開発というのは、単にローカルな局所の人の利益になるだけでなしに、都全体といいますか、ゼロメートル地帯全体、ひいては都の仕事というのは全国注目の的ですから、日本の国の行政にも大きな影響を及ぼすだろうと思う。そういう観点でこれは住民の方も都の方も一生懸命努力しておられるわけなんです。そして国に、まだこういう点が解決できないんだということでやむなく上げてきておるわけなんです。だからその辺をよう考えてやっていただきたいというふうに私は要望をしておきたい。特にこういう再開発事業に対する助成措置というのは、局長はいろいろ言われるけれども、実質上は薄い、貧弱であるわけなんです。だからこれはもっと厚くしなければならぬ。法改正をするならばこういう点にこそ焦点を当てた法改正が出てきてしかるべきではないかというふうに私は思うのです。これはもう一遍大臣に。
○仮谷国務大臣 御趣旨は十分にわかりました。
○浦井委員 そこで、その次の促進区域の問題ですけれども、これは二つほどお尋ねしたいのですが、促進区域の具体的な指定基準、これをひとつ簡潔明瞭に教えていただきたい。 それから、促進区域に指定されると何か特別の助成措置があるのかという点。 この二点、これは局長に……。
○吉田(泰)政府委員 促進区域は民間による再開発の実施を期待する地区でございますから、その実施可能性というものを考えなければなりません。そういう意味で、具体的な指定に当たりましては今後検討を進めますが、いまのところ、たとえば一応公共施設も適切に配置されて経済力も高いにもかからず現況は木造建築物が大部分を占めている、しかし今後建築活動の活発化が予想される、こういった場所とか、現況は木造建築物が大部分だけれども、公共施設の整備のための事業等が計画されていて、だんだん地区の経済力が高まってくる、そういったこととともに建築活動も活発化するであろうというような場所とか、そういった期待可能な場所を考えているわけでございます。 促進区域に指定されますと、そこに技術的なあるいは調査、設計上等のいろいろな公的機関による手厚い援助等、相談に応ずる体制ができるということでございますが、特に小人数で全員の同意が得られる場合に個人施行の道を開きましたが、この個人施行は、都市計画事業として実施する場合は別としまして、単なる市街地再開発事業として行う場合は、促進区域内で行われるものに限り組合施行と同様の国庫補助を行うというような差が出ることになります。その他、促進区域が指定されますと、近い将来の再開発の支障となるような建築行為等を規制し、その保護のためには買い取りの申し出、それに伴う減税措置、いろいろありますほか、促進区域はすべて高度利用地区でございますから、高度利用地区に伴ういろいろな均一課税の適用とか、開銀の融資、公庫の融資の対象になるとか、容積率の割り増し、そういったいろいろな特例が働くことになります。
○浦井委員 いろいろ言われたですけれども、特記すべき点なしということだろうと思うのです。 そこで私、これは主張といいますか、大臣に聞いていただきたいのですけれども、今度促進区域制度というものをつくられたわけなんですが、この間からの委員会の質疑の中でも都市局長言われておるように、いろいろ条件に合致して地元に再開発の機運が強いというようなところであれば、これは別に促進区域に指定しなくても再開発が行われるはずだ。五年もたってまだその事業が着手もされておらないというのは、やはりその場所、場所の条件が変わったり、いろいろな特別の事情があってやれないわけなんです。そこを五年たったからすぐに自治体がかわってやるというのは、私はやはりここに強権の発動と言ったらおかしいですけれども、非常に危険なものを感じるわけなんです。事実この間からの大臣のお話を聞いておりますと、こんなことを言われているのですね。地元の人に納得してもらうようにするけれども、住民のエゴのときは場合によっては押し切っていかなければならない場合もあるというふうなことを前々回ぐらいに言われておるわけなんです。だから、こういうものがつくられると、この条項を盾にしてかなり強権的なやり方が行われる可能性があるということを私は危惧をするわけです。 そこで私は、建設省の考え方というのは、従来から一貫して役所の判断は正しいというところから出発して、何事も上から進めようとする。そしてこの場合、促進区域の場合に例をとれば、何らかの公共性がある、だからここは再開発を行うというふうに判断する。そうすると促進区域に指定します。それを指定したのに、五年たってもできない、それはできない方、協力しない方が悪いのだということで、公共団体が乗り出して再開発しなければならぬというような考え方がいままでの各種の再開発事業を見てみましても非常に露骨に出ておると思う。 ところが、このごろは少々事情が変わってまいりました。住民の方の反発が強いわけですから、住民には十分に納得してもらうというただし書きはつけておられるようでありますけれども、しかし、本当にこの地域で再開発をやる必要があるのかないのか、やるとすればどういうようなやり方で、考え方でやったらよいのかというような根本に立ち戻る姿勢が私、欠けておるのじゃないかというふうに思わざるを得ないわけです。十分に納得してもらうように努力をした、しかしその中の部分的な納得しない住民というのはこれはエゴだ、だからこれはひとつ指定区域でもつくって強権を発動してあくまでもやるのだというようなところ、そういうにおいを今度の法改正の、特に促進区域制度のところでは感じて仕方がないわけなんです。だから、この点についてひとつ大臣の御意見を聞いておきたいと思います。
○仮谷国務大臣 先ほどからしばしば申し上げておりますように、決して法律をつくってその法律の権力でやっていこうという考え方で出発したものでないということは、これは法の精神がそうでありますから、御理解いただけると思います。 私の答弁が、何か一部そういうふうにいま言われたようであります。よほど答弁を気をつけませんと、衆議院の答弁が今度は参議院でまた引き合いに出されまして、いろいろと質問される点もありますものですから、そういう意味において私は、言葉じりをとらえるとかなんとかいう問題でなしに、お互いに真摯な気持ちで議論をしてよりよきものを得たい、こういうつもりで申し上げておりますから、私は言うことは下手ですから、その点御了解願いたいと思います。 ただ、あの場合も確かに三分の二以上の同意があった場合という問題から議論されまして、三分の二が、じゃ一〇〇%なければいけませんかというような問題が出たときに、百人が百人までということはいかぬかもしれないし、中には問題点があるから、そういう場合にはときには多数によって処置をしなければいかぬ場合があるという意図で申し上げたのじゃないかと思っておりますが、これはともかくといたしまして、いずれにいたしましても促進法の適用は、大体関係権利者のやろうという意見がまとまって、そういったものを基本にしてやろうというのでありますから、私どもはこれは本当に自主的な問題として解決をつけていくのが理想だと思っておるわけですよ。では、みんなそういう気持ちでやるなら別に促進という名前をつけなくてもいいじゃないかというふうに言われるかもしれませんけれども、これは現に権利者がやろうという機運になっても、なかなかそれが簡単に進まないところにいままでの再開発法のおくれた原因があるわけでありまして、そこで促進区域を定めて、いままでよりもより手厚い援助もして、そしてできるだけ促進をしていこうというのが促進区域指定の趣旨でありまして、決して権力が介入しようなんで考えておりません。 五年たったら地方公共団体が引き受けてやるというようなこともありますけれども、一たん出発をして、そして五年もたってどうしてもその解決がつかない場合、これはいろいろ問題があると思います。仲間同士ではなかなか話がつかないが、第三者の地方自治体が入ってくれば、あるいはそれにお任せしようという機運が出てくるかもしれませんし、事業計画や事業費の問題等もあって、やはり組合でやるよりも自治体でやった方が有利だ、そういうふうに考えられる場合も出てきます。そういう場合にはむしろ地方自治体でやった方がいいのじゃないか。これ自体も、やはりその経過を十分見ながら、やるにしても、これもやはり地元の関係者の皆さんと十分相談の上でやるという形になるのが私は順序だと思っておりますから、決して強権を発動してまで押し切ってやろうという趣旨で出発したものでないということだけは御理解いただきたいと思います。
○浦井委員 それは大臣、私も特殊な例として住民エゴが全くないとは言えないと思うのですよ。しかし、町づくりですから、町づくりというのはやっぱり住民、そこに住んでおる方の意向を聞いて、その人たちが力を合わして自発的に行うものだということを行政の方ではっきりと認識をして、そして指導なり援助をしなければならないということを私は強調したいわけなんです。 先ほど申し上げましたように、私もいろいろなところを見てまいりましたけれども、やっぱりそういうような住民組織がいろいろな経緯でとにかく曲がりなりにもつくられて、そしてそこで十分話し合いがされ、検討を重ねていくと、住民エゴというのはほとんどの場合はもうそういうような住民全体の意見に包まれてしまってなくなってしまうものなんです。これは、私いろいろなところで見てみて、大体そういうふうになっている、そういうところに依拠していかなければならぬと思う。白鬚東にしても、それから土地区画整理事業ではありますけれども立川の駅前にしても、皆そういう経過をとっているわけです。だからその場合に、やはり自治体の役目が大きいですね。住民が自分たちの町をどうするかというときに、いろいろ考えてみても、やはり自分たちの立場が先行して視野も狭くなる。だから、自治体が町全体の立場に立って意見を出して計画を示すというような援助をしたり、あるいは他の地域との調整を図っていくという役割りはきわめて重要だし、これは当然自治体の方でしなければならぬ。だから、まず地元住民が主体で、そして地元住民の意向が出発点になる。そして自治体が技術的にも援助をし、お金の上でも援助をする。国は余り——プロ野球で言うたら、金は出すけど口は差しはさまぬというような形で徹していくというようなことが、私は特に再開発事業というようなものについては、この際必要ではないかというふうに思うわけです。これは、いやしくも五年たってやれなければもう公共が乗り出すんだというような強権的なものが先行したら、本末転倒であるというふうに思うわけなんで、これはひとつ大臣によう考えていただいて、私は、もうこんな促進区域制度というようなものはこの改正案から削除せいとさえ思っているわけなんで、この項の最後に大臣の決意を聞いておきたいと思います。
○仮谷国務大臣 いままでも答弁申し上げたとおりでありまして、五年たってできなかった場合には自治体がこれを引き受けるということが御不満のようでありますけれども、これはもう一つの促進の方法ではないでしょうか。五年間の間にできるだけ努力をしてもらって、いかなければ自治体の方がやるということ、これも一つの促進の方法ではないかと私は思う。では一切それをのけてしまって、五年間の間にずいぶんいろいろな出費はしておるはずですが、それがまとまらぬからといってそのまま終わってしまったのでは、これこそ国費のむだ遭いということになる。その責任はなおさら大きいと思います。そういう面から言っても、これは単にその地方の問題ではなしに、行政のけじめをつけるといったような面から言っても、国民に対して責任を負うという面から言っても、私はこの条項はあっていいのじゃないかと思います。運用の問題で、地方公共団体が加わって、そして住民の意思を無視して問題を解決をつけるというなら話は別ですけれども、そういう運営になってはならない、できるだけそういうことは避けなければならぬ、できるだけ組合によって解決をつけてもらうということを第一義にして、最悪の場合に地方自治体が出ていって解決をつけることが解決の方法になるなれば、その方法もいいのじゃないかというふうに私どもは思っております。
○浦井委員 私は責任論に解消してはならぬと思うのですが、時間があれですから、このことを大臣に要望しておきたいと思うのです。 そこで、今度は応用問題ですけれども、たとえば二種事業ですね。 こういうところがある。大阪府の豊中市に庄内というところがある。これは建設省の方よく御存じだろうと思うのですが、面積が四百ヘクタール、人口が九万人。昭和三十年に二万一千人であったのが昭和四十年には八万七千人になっておる。人口密度は地域によっては非常に物すごい。たとえば一ヘクタール当たり四百人以上のところがこの庄内地区の三分の一以上にも達しておる。まあよく御存じだろうと思うのですが、四百ヘクタールで非常に広くて、しかも不良な住環境地域である。だから、防災上もあるいは住環境整備の上からも緊急に整備をしなければならぬという声は、当然府の方も市の方も、あるいは住民の中にも出ておるわけです。そこで、そういう住民の声あるいは市のいろいろな考え方とが合致して、庄内地域再開発基本計画作成委員会というものが構成されて、そして環境整備構想というような形で基本計画が作成された。いよいよ事業に取りかかろうということで具体化をしていくと、いろいろな障害、壁が出てきたわけなんです。 まず第一点は、この場合住環境整備というのが主眼になるわけですが、再開発の手法という点で、ずっとこの法案で論議になっておりますように、一種は、これは地力の強いといいますか、高いところ、こういうところであるわけですから、あの地域で言えば阪急沿線ですから、阪急の庄内駅の駅前ぐらいしかない。そうしたら土地区画整理事業はどうなのか。これは零細権利者ばかりで、しかも密集地でとてもやれないということであるわけなんです。 そこで、都市局長にひとつ聞きたいのですが、お調べになったと思うのですが、こういう地域で果たして今度法改正をされようとしておる二種事業ですね、これがこの地域に適用できるだろうかということです。地価も駅前なんかに比べてそう高くない。何せもと湿田といいますか、遊水地であったわけですから、とても商業ベースで再開発はやれぬ。これはどうですか、都市局長。
○吉田(泰)政府委員 豊中市の庄内地区、詳細を知りませんので二種に該当するかどうか直ちにお答えいたしかねますが、再開発事業でまず四百ヘクタールもの広範囲を一挙に再開発するということはなかなか考えにくい。したがって、その中の要所要所をある程度面積をまとめつつやるというようなことになると思います。 第二種の事業は、まず面積的には三ヘクタール以上という規模がありますが、それだけの規模要件の場所は幾らもその中にあると思います。 次に、この法案の基準が政令にゆだねられておりますが、一つには建蔽率等が適合してない建物が四分の三以上あるとか、あるいは四メートル以上の道路に二メートル以上接していなければならないといういわゆる接道義務の規定等に適合していないものが四分の三以上あるとか、防火地域または準防火地域内の建築物のうち外壁、屋根等が耐火的でないもの、こういったものが四分の三あるとか、あるいは三つの要件のどれかに該当するものが十分の九以上あるということを私どもは考えております。 一方、重要な公共施設で政令で定めるものを含む事業であるという要件の方は、面積六千平米以上の駅前広場とか防災拠点のようなものとか、あるいは重要な幹線道路等を含むもの、こういったものを考えております。 したがいまして、場所によりまして該当するところはあり得ると思います。
○浦井委員 私はそれは実際に一遍行かれて調査をされたらどうかなというふうに思うのですが、豊中市も確かに再開発という言葉は使っておるわけなんです。しかし、都市再開発から受ける再開発のイメージとは全く異った、住環境整備という点に重点を置いた再開発をやろう。ところが、考えてみて手法がないということで、この豊中市の方もあるいは住民の方も困っておるわけなんです。 だから私一つ要望したいのは、これは住宅局長も答弁に関係があるとは思うのですが、何かこういうようなところに適用できる手法がないものかどうか、あるいはそうでなければ何か新しい手法を考えてみられてはどうだろうか、この二点についてお伺いしたいと思う。
○山岡政府委員 御指摘の豊中市の場合につきましては、市長さん以下数回お見えになりまして打ち合わせを進めております。四十九年度から始めております転がし事業、これにつきまして非常に関心を持っておられまして、四十九年度から調査のための補助金をつけてまいっております。 それからなお、豊中市全域の中では大変むずかしいかもしれませんが、部分的には住宅地区改良法の適用地区もございます。 〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕 それらのものをかみ合わせ、住宅地区改良それから再開発それから転がし、そういうようなもので全体の整備を図っていこうではないかという相談をいたしております。 それからなお、まだ成案を得たわけではございませんけれども、本年度の予算から、住宅地区改良事業費の中に調査費を設けまして、そういうふうなものの手法の模索を始める、いわゆる修復計画みたいなものについての事業の手法を模索をするということを始めております。
○浦井委員 地区改良法と転がし方式が出てきたので、分けて住宅局長にちょっとお尋ねしたいのですが、確かに住宅地区改良法がこの場合に比較的適応しておるように私も思うわけなんです。 〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕 ところがこれは住宅地区改良法、面積要件〇・一五ヘクタール以上、それから不良住宅戸数が五十戸以上、不良住宅の割合、率が八〇%以上、住宅の密度が一ヘクタール八十戸以上というようなことで、この四つの要件がすべて満たされないと対象にならぬというような窮屈さがあるわけですね。 だから、その前にひとつ住宅地区改良事業の、これは非常におくれておる、達成率が悪いわけなんですが、このおくれの原因と、それから全国の住宅地区改良事業の該当地区というのはどれくらいあって、整備されたらどれくらいになるか、この辺ちょっとついでに聞いておきたいと思う。
○山岡政府委員 住宅地区改良事業がおくれておりますのは、やはり地区住民の方々との間の折衝が非常に困難であるということでございます。従来からも住宅地区改良事業を促進するには地元に相当強力な気違いが一人出なければなかなか進まぬというぐらいむずかしい交渉でございます。地方公共団体等もそういうところには専従の人を住み込ませましていろいろと指導をしておりますけれども、皆さんの総意がまとまるのになかなか時間がかかるというようなことでおくれておるのが一番多いと思います。 それから、現在住宅地区改良事業につきましては全国で約三百七十カ所につきましてやってまいっております。 全体規模につきましてはちょっと資料を手持ちしておりませんので、後で御報告いたします。
○浦井委員 だから私、要望したいのは、そういう採択基準が窮屈なわけですから、もっとこれを緩和をして、もっと広範囲に使えるようにすべきではないかというふうに思うわけなんです。その基準を見てみますと、単体の不良度に重点を置いておるわけでしょう、家屋の単体。だから、やはり地域の環境の不良度というようなものを加味するとか、あるいはこの四条件すべて満たさなくても、そのうちの一つあるいは二つに該当するときには採択するとか、そういうような工夫をして、もっとこの緩和をして適用範囲を広げるべきではないかというふうに私は思うわけなんですが、ひとつ住宅局長。
○山岡政府委員 改良地区の指定につきましては「不良住宅が密集して、保安、衛生等に関し危険又は有害な状況にある一団地」ということが原則でございまして、先生おっしゃいますとおり、施行令でその具体的な内容を決めております。しかし御承知のとおり、住宅地区改良事業は土地の整備のために収用を行うというきつい法律でございます。したがいまして、指定基準の緩和につきましては相当慎重に検討してまいりたいと思っておるのが実情でございます。 なお、地区の整理のためと申しますか、新しい手法として先ほどちょっと一言申し上げましたが、住宅地区改良事業の調査費の中で、まさにそういうふうな修復計画みたいな事業、こういうものを新しくつくる必要がありゃしないかという検討を始めております。
○浦井委員 なかなか緩和されそうにない感じなんですが、しかし、同和地区に限って小集落改良事業ですか、こういうのはあるのでしょう。これは不良住宅が非常に緩和されて十五戸以上、不良住宅率が五〇%以上。こいつを一般地区にも適用するように広げるというような手はないものか。自治体としては住宅地区改良事業というのは、もちろんそういうむずかしさははらみながらでも、いまの手法の中ではそういう住環境整備という点では非常にアローアンスがあってよいという定評になっておりますから、これはもっと思い切って住宅局長としては緩和し、広げ、適用範囲を多くするという努力が必要ではなかろうかと思うのですが、どうですか。
○山岡政府委員 同和向けの小集落につきましては確かにそのように取り扱っております。ただ、これは法律補助ということではございませんで予算補助でございます。したがいまして、現在のところは同和の特例ということでやっておりますが、おっしゃるとおり、将来の修復計画等の模索の際にはそういうものも取り込んで検討したいと思っておるわけでございます。
○浦井委員 そこでついでに住宅局長にもう一つ転がし方式についてお尋ねしたいのですが、これは大体順調にいっていますか。順調に転がっておるかどうか、この転がし方式……。
○山岡政府委員 まだ先生方にこれが転がしであるとお目にかけるようなものが現在のところはございません。ただ一カ所、大体それに近い考え方で進めてまいって、完成品が一部できているものがございます。門真市にございます。門真市のところに改良住宅と合併施行のようなかっこうでやっておりますけれども、駅の裏の方に相当大きな改良住宅をつくりまして、別の公営住宅の方をまた改良をかけまして、そこの人を一緒に入れる。さらにそのあきました公営住宅の跡地には新しい公営住宅をつくる、こういう意味の改良がらみの転がしを一カ所始めております。 その他につきましては、東京、大阪、豊中等におきましてそれぞれの種地につきまして現在いろいろ計画中でございます。四十九年度に計画費の補助をいたしておりまして、本年度は、その計画を作成するための補助、それから実行に入りますものにつきましてはいろいろな補助金、メニュー方式で考えておりますけれども、四億円強を計上しておりまして、五十年度には少し進むと思います。
○浦井委員 お手並み拝見というところなんですが、豊中の庄内で話を聞いたのですが、やはり転がし方式でいっても種地として工場跡地を買う、坪三十万ぐらいだ。そこに公的住宅を建てる、大体一種の公営住宅でまともにいけば家賃が五万円ぐらいだ。それは一応差しおいても、そこに周囲から人に入ってもらう。そうしてその跡地をまた市が買うということになると、これは坪が四、五十万ぐらいになる。そうすると、そういう小さな土地を今度は集約しなければいかぬ作業が残っているのです。そうして造成するということになるとますます用地費が高くなる。そういうふうに考えていくと、公的住宅、特に公営住宅であるのに家賃がまともにいけば七、八万ぐらいになる、傾斜家賃制度とかいろいろなものを適用しても、これはちょっと公的住宅の家賃としては不適で公的住宅の意味がなくなるというような悩みを豊中市当局は漏らしておるわけなんです。だから、転がし方式は確かに一つの着想ではあるけれども、一回目の転がしはうまいこといくけれども、二回以後はなかなかうまいこといかぬ。だから転がるんでなしに、やる方が転がってしまうというようなことを言っておるわけなんで、この辺のことも十分に考慮しながら、私たち転がし方式は別に反対ではありませんから、しかしなかなか困難だろうというふうに思うんで、ひとつこの辺のことについてもう一言住宅局長からお話を伺っておきたいと思うのです。
○山岡政府委員 先生のおっしゃいますとおり、転がし事業につきましてはいろんな金が要ります。現在のところでは地方公共団体が負担する、移転跡地の取得費という名目で借地権設定費、それから外へ出られる方の補償費、それから除却整地等の費用、それから新しくできる家に対します家賃差額の補助金、そのようなものを含めまして、いずれもわれわれメニュー方式と言っておりますが、それぞれの転がし事業の実態に合った補助をいたしたいということでございまして、したがいまして、これを予算補助で始めておるということでございます。現地の実行上の問題を聞きながら内容の改善等につきましても十分努めてまいりたいと思っております。
○浦井委員 それはひとつよく現地とも連絡をしながらやっていただきたいと思うのです。 それから、そういうふうに再開発をやるにしても、豊中のような住環境整備事業というようなものを進めるにしても、やはりある程度以上の土地が必要だ。豊中市当局の場合もそういう庄内のようなところで事業をやるにしても、もっと土地が買えるような、先買い権の強化といいますか、こういうような措置が必要なんだ、ひとつ国の方で考えてくれぬだろうかというようなことなんですが、これはどうですか。何か考えておられるかどうか。
○山岡政府委員 転がし方式を推進いたしますに当たりましてやはり相当いろいろ問題があったわけでありますが、いろいろな法律にしないで予算補助にしたというところで、まず最初にはモデルをつくってそういうところから始めていこうということが根底にございます。事業を始める前に豊中、大阪市、府、それから東京都、皆さん方と十数回にわたり相談をして制度化を図ってまいっておるわけでございまして、そういう意味で一番最初にはできやすいところからやってみようということで始めておりますので、当面は予定地を固めまして、先買いの制度が直ちになくても始まるだろうとわれわれ思っております。
○浦井委員 必要があればやるということで理解していいですか、考えるということで。
○山岡政府委員 何法に基づくということでやる場合もあるかと思いますけれども、転がしの中でも当然考えていきたいと思っております。
○浦井委員 土地はそういうことをひとつ十分に考慮していただくということで……。 金の問題ですが、やはり都市再開発資金、こういうようなものの改善を図る、そうして用地の取得費の手当てをしてほしいというような要望もあるわけです。 それから税金の減免では、自治体なり公社がそういう事業に必要な用地を獲得をした場合に、具体的な限定した目的でないということで、それを手放した人に対して租税特別措置法の優遇措置が適用されない、それで非常に困っておるのだという話も聞いたわけなんです。土地所有者がなかなか売りたがらない。だから一番よいのは、やはり住環境整備事業というようなかっこうで租税特別措置の対象に上げるというようなことをすればぴしっといくわけなんですけれども、そういうようなことについてひとつ住宅局長から意見をついでに聞いておきたいと思う。
○山岡政府委員 現在、租税特別措置法の譲渡所得の課税の特例といたしましては、居住用財産を売り渡すという場合には三千万円の控除あるいは買いかえの特例の選択がございます。営業用財産の中で住宅、いわゆる木賃アパートなどを持っておった方が転がし事業のために売るというような場合には、ことしから税制を変えておりまして、買いかえの特例が大都市地域の既成市街地ではできるということになっております。これは転がしのための特例法でございます。ただ、営業用財産の中でも非住宅分についてはまだ転がし事業の場合の特例が認められておりません。そういう点につきましても、今後事態に即応しながら税制の改正等についても大いに努力してまいりたいと思っております。
○浦井委員 それでもうあと二点ほどなんですが、街路、道路の問題なんですが、豊中の庄内の場合に、この事業計画を見ると、住環境整備ということですから、やはり防災上の観点が非常に表に出ておる。そうして、そこの大きな目玉商品になっておるのが防災避難緑道という名前の事業なんです。これはぜひやらなければいかぬ。これでやれなければほかの点がどれくらいうまいこといっても意味がないという、この事業にとっては非常に重要な柱であるわけなんです。それと同時に、一般の街路整備も行う必要がある。農道にもうスプロール的にべたっと小さな家屋が張りついておるものですから、どうしても一般街路の整備もやらなければいかぬ。そういう点で、これは国の補助対象として見ていけるものなのかどうなのか、この点を聞きたいと思うのです。
○吉田(泰)政府委員 五十年度から新しく予算上の制度として街路費による居住環境の整備事業を打ち立てました。これは従来幹線道路などを主体にしてきましたが、そういう幹線街路を整備して通過交通をそちらに受け入れられるようにすると同時に、その裏道になるような地区内の街区内の生活道路、こういったものからは、日常生活とか緊急時の必要な車は円滑に入れるけれども、通過交通は排除できるようなそういう仕組みの区画街路、こういったものの改築についても特に補助しようというものであります。 豊中市の庄内地区につきましては、本年度その調査費の補助を行っておりますので、その調査及び計画の策定を待ちまして、地元の要望を受け、幹線街路と区画街路の改築、その中におっしゃるような防災避難緑道といったものも含まれるわけでございますから、全体の面的な整備の一つの手法として十分考えたいと思います。
○浦井委員 それはいいです。これは豊中の庄内地区に限らず、一九六〇年代の初めごろからずっとそういうスプロール化が進んでおる地域が三大都市圏なんかにたくさんあるわけなんです。この点について豊中市の出しておる防災避難緑道というような概念は非常に適切なものだと私は思うので、ひとつ全国的にも推進をしていくように建設省の方で指導していただきたいと思うわけです。 以上が再開発法。 今度は大都市法。一点だけお尋ねをしたいと思います。 それは、区画整理の問題が含まれておりますから、土地区画整理の審議会の委員の問題なのです。土地区画整理法の五十八条の三項に、「知事又は市町村長は、土地区画整理事業の施行のため必要があると認める場合においては、」云々ということで「施行規程で定めるところにより、委員の定数の五分の一をこえない範囲内において、土地区、画整理事業について学識経験を有する者のうちから委員を選任することができる。」こういうふうに第三項ではなっておるわけなのですが、この「必要があると認める場合においては、」というのは一体どういう場合なのですか。これをちょっとお聞きしたい。
○吉田(泰)政府委員 土地区画整理審議会は、施行地区内の土地の所有者または借地権者の意向を反映するために、主としてこういった方々により構成されるべきものでありますけれども、次のような場合には学識経験者の委員を加えることが必要となりますので、実際にも若干の学識経験者を審議会の委員に加えているのが多いわけであります。その場合とは、たとえば土地区画整理事業の仕組みは非常に複雑でありますから、施行地区内の土地の所有者とか借地権者だけではこれらの点を細目にわたって十分理解することが困難なような場合に、やはり学識経験者による適切な判断とか助言というのが必要な場合が多いと思います。また、土地の権利者だけで審議会を構成しますと、その利害が対立したりして審議が進まないというようなこともありますので、学識経験者がその学識経験と公正な立場で判断するというようなことで審議が円滑に進む。その他例外としては、権利者の数が法定数に満たないような場合に学識経験者をもって埋めるというようなことがあります。
○浦井委員 学識経験者を必要とする場合は、これは私も加えてよいと思うのですが、その「学識経験を有する者」の基準というのは何かあるのですか。法律を見てみましてもあるいは施行令を見てみましても何もないわけです。それが原因でいろいろトラブルを生じておるところもあるわけなのです。どうですか。
○吉田(泰)政府委員 学識経験者というのは、いろいろな法律でも使われておりますが、この土地区画整理法で考えておりますのは、まず非常に狭い意味の文字どおりの学識経験者、つまり土地区画整理事業の実務に通じている者とか、都市計画とか土地区画整理事業を研究している学者とか不動産鑑定士等といったもののほか、こういった直接の学識経験者のほかにも、先ほど申しました学識経験者を選任できるという規定を置いた趣旨から見まして、もう少し広く土地の評価とかその他土地問題についての関係事項についての学識経験者とか、あるいはさらに公正な立場に立っての調整役というような役割りを重視しまして市町村内の住民の信望の厚い人、農協の理事長さんであるとか弁護士さんであるとかあるいは学校の校長先生であるとか、そういった人が広く入るものと考えます。
○浦井委員 はっきりせぬわけなのですが、やはり混乱を生じているところもあるわけなので、ひとつ見解を統一していただいて、通達か何かではっきりと公共団体の方におろしていただきたいと思うのですが、やはり五十八条の一項で、土地所有者あるいは借地権者は選挙権、被選挙権を持っておるということになっておるわけですから、三項で出てくる「学識経験を有する者」というのは、そういう土地区画整理事業の施行区域内の土地の所有者あるいは借地権者がやはり入らない方が私は望ましいと思うのですが、その辺のところをはっきりけじめをつけた見解を通達として出していただきたいと思うのですが、どうですか。
○吉田(泰)政府委員 これはまず学識経験が事実ある方、その意味も先ほど申したようなかなり広い意味で、そういう方で適当だという方が同時に土地所有者または借地権者である場合、そのためにこの学識経験者に該当しないということにもならないと思います。ただ、土地所有者、借地権者は本来の審議会の構成員として選挙等で出る場があるわけですから、まあそれの方で出られなかったから学識経験者というような形で入ってくるということは、御指摘のように問題があるかもしれません。しかしまあ実際には、実際の事情、個別の事情によりましてもいろいろありますから、一概に通達等でそういうものはいかぬとも言いかねるわけであります。 ただ、考え方としては、そういう土地所有者でも借地権者でもない公正な第三者である学識経験委員がおれば、これが一番望ましいわけでございますが、どうにもそういう方がおられない、そういう地元にも明るく学識経験者でもある方が、どうしても土地所有者、借地権者の中に一番ふさわしい人がいるというような場合、それがいけないと言うわけにもいかない。余り妥当とは思いませんけれども、そういう意味で、はっきりした通達というわけにもいたしかねる次第でございます。
○浦井委員 その施行区域内に学識経験者が土地も持っており、居宅も持っておって住んでおられる。その人までいけないというように私は言っておらないわけなんですよ。そこはどない言うたらいいのか言うべき言葉が見当たらぬわけなんですが、だから原則としてそういう五十八条の一項で選ばれるような人は、土地所有者あり、借地権者あり、選挙権を持っている、あるいは被選挙権を持っている、こういう人は望ましくないというような、それはおたくは上手に書きはるのやから、通達ぐらいは出せるだろうと思うのです。原則としていかぬとかあるいはそういう人は原則として望ましくないとか、いろいろな表現があるだろうと思うのですが、どうですか。
○吉田(泰)政府委員 通達で文章の書き方が非常にむずかしいし、文章で書きますと非常にはっきりした意思表示になります。まあ行政指導にすぎないとはいえ、現在あまたある区画整理審議会の中にそういう方もある程度おられることも私ども承知しておりますし、そのために問題を起こしているところもあるかもしれませんが、別段問題もなくうまくいっているところもあるわけでございまして、一概になかなか、表現の問題を工夫しろとおっしゃいましても、ちょっとここで何とかいたしますとはお答えいたしかねます。
○浦井委員 大臣、どうですか。局長は非常に迷っておられるようですが、大臣の決断をひとつ。
○仮谷国務大臣 これはいまさっそく局長も割り切って、じゃあひとつこの際通牒を出しますとはやはり責任上言えないと思います。 ただ、率直に言って、当然権利者として出る道はあるし、学識経験、第三者の意見として聞く、これははっきり原則的には無理にせぬでいいということになっておるのですから、たまたま人によっては両方兼ねた人もあるかもしれないという問題で、現実の問題としてどう分離するかとか、あるいは通牒でどう取り上げるかというところに問題があると思いますが、お説はよくわかりましたから、一遍検討させてください。十分検討してみます。
○浦井委員 ちょっとさっき前段で忘れた質問があるのですが、都市局長、再開発の方に一問だけ帰りますけれども、豊中の庄内地区のような住宅居住環境の整備が必要な場合に、住宅局長の方から住宅地区改良法あるいは転がし方式の話が出たのですが、都市局長として何か——この再開発だけではこれはもう一種にしても二種にしてもやれぬわけですね。部分的にやれたとしても、全体としては住環境整備にならぬわけです。何かその辺で新法をつくるなり、これは大事業ではありますけれども、あるいはお考えを持っておられるか、その点だけちょっと聞いておきたい。
○吉田(泰)政府委員 先ほどのお答えでもちょっと申し上げたのですが、予算上の措置として、五十年度から図画整理もなかなかやりにくい、しかし非常に居住環境が悪い、部分的には再開発事業とか区画整理をやれるところもあるだろうけれども、全般としてなかなかやれない、したがって多少理想的にはならないけれども、きめ細かな地区内の区画街路の局部改良とか、歩行者専用道路、その中には防災の緑土なども含みましてそういうものをつくるとか、小公園をつくるとかいった、細かいものを地区内で次々とまとめて補助対象にしていくということがある程度環境整備に役立つし、権利者側にもそう抵抗感なく受け入れやすいのではないかということで、そういうことを発足させております。 その候補地として先ほど申し上げましたように豊中地区も考えておりまして、ことしから調査に入りますので、その調査結果によりまして予算措置による制度をしばらく実行してみたいと思います。
○浦井委員 もう最後ですから。 いま都市再開発法に基づく再開発事業というようなものがやられておる。どうしても商業ベースになる、採算性というものがある。しかも一挙にその人の生活環境を変更させるということですね、大臣。事業遂行の状況も非常に悪い。それで先ほど阿倍野の話も出ましたけれども、豊中にしても、阿倍野にしても、おれたちの町はおれたちが何とかしなければいかぬ、このままではいかぬという機運は相当あるわけなんです。そういう場合に、いまのところ比較的住民に歓迎されるやり方というのが豊中の庄内地区のような、たとえて言えば仮称住環境整備事業というようなものであるわけなんです。ここが避難道が行き詰まりになっておるために、火災が起こったときに、地震が起きたときに、太い幹線道路に出られない。だからこの長屋を一つ取り除けば道が通ずるのだ、あるいはここにちょっとした空地があればここの環境は非常によくなるのだというような修復的なそういう再開発と言いますか、そういうようなことが非常に望まれてきておる機運にあるわけなんです。だからひとつこれは、非常にプロジェクト的な商業ベースに乗った事業的な再開発だけを考えるのでなしに、やはりそういう住民の安全と、それから住民の生活環境を守っていくというようなそういう再開発のあり方というものを、私は今後もっと積極的に考えていかなければならぬということを強調して、ひとつ最後に大臣のお話を承って質問を終わりたいと思います。
○仮谷国務大臣 検討とか善処とかと言うことを私は余り好きな方じゃありませんが、お説は十分わかりましたから十分に検討させていただきます。
○天野委員長 佐野憲治君。 〔委員長退席、内海(英)委員長代理着席〕
○佐野(憲)委員 まず最初にお尋ねいたしたいのは、憲法の第九十五条に「一の地方公共團體のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共團體の住民の投票においてその過年数の同意を得なければ、國會は、これを制定することができない。」こう規定されておるのでございますが、今回提案になっておる法律は、大都市を定義いたしまして、首都圏、近畿圏及び中部圏の既成市街地並びに近郊地域、この地域の地方団体のみに適用される法律となっております。しかも、促進地域並びに二年後におきまして地方自治団体にこれをやらなければならない義務を背負わせている、こういう一の地方団体へ適用される特別法に該当するのじゃないか。どうしてそうした特別法としての手続を踏まれなかったのか。その点内部においていろいろ検討されたと思いますので、その根拠をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 憲法第九十五条のいわゆる地方自治特別法は、自治体としての地方公共団体に関しまして特別の定めをする法律であり、かつその対象である地方公共団体が法律上特定されているものを指すと解しております。その中でも、都とか特別区とかまたは一定の人口以上の都市といった地方公共団体の一定のランクや種類に着目して特別の定めをするもの、あるいは単に経済的利益を与えるにすぎないもの、こういうものは地方自治特別法には該当しないと考えます。したがいまして、国の計画の策定について定めるものとか、地方公共団体の管轄する地域に関するもので公共団体自体に関係しないものはこの地方自治特別法とはならないわけでございます。 この法案の内容につきまして憲法九十五条に関連しそうな条項を拾ってみますと、一つは宅地開発協議会の規定でありますが、これは国の機関として設けられるものでございますから、地方公共団体の組織に関する特例を定めたものとは言えない。次に、いま御指摘にあった、大都市地域の地方公共団体は促進区域を定めて一定の行為制限などが行える、あるいは特定土地区画整理事業を施行することができるというような規定があります。この権能の付与は、この地方公共団体が大都市地域にあるというその特性に対応してなされるものでございまして、その大都市地域に含まれるかどうかということは、そのもとになっている首都圏整備法等から見ても法御上特定されていない、現に首都圏整備法などもこの憲法の住民投票の手続を行っていない法律でございます。
○佐野(憲)委員 首都建設法が昭和二十五年。法律二百十九号、広島平和記念都市建設法、昭和二十四年。旧軍港市転換法あるいは別府、熱海、伊東等の温泉都市の建設法などが地方団体に適用される特別な法律となっておる。こういう意味から考えてどうですか。
○吉田(泰)政府委員 いま申されました各法律は、いずれも住民投票に付された法律でございますが、首都建設法は東京都の区域で行う都市計画事業について建設省等の行政官庁も直接施行できるということを規定しておった法律でございまして、そういう意味で憲法九十五条に該当するものと考えられます。 また奈良、京都、伊東等の特別都市建設法は、たとえば文化観光保存地区という一般の都市計画にない特別の地区を定めることができることとし、その中で、京都市が条例に定めるところにより工作物の新築、改築とか土地の形質変更とか竹木土石の類の採取等の行為を禁止し、あるいは制限することができるというような特別の権能を与えております。いずれもそういった特別の権能を与えるとともに、法律でずばりその対象となる公共団体を特定しておりますので、憲法に言う特別法として住民投票の手続を経たものでございます。
○佐野(憲)委員 この法律の前提として土地区画整理法があるわけですね。これが一般の地方団体に適用されておる。そういう意味におきましてやはり特別法の性格を持っているのじゃないですか、いろいろ学者の見解もあるでしょうけれども。これは重大な、二年間の促進地域だ。二年たってやらなかった場合には地方公共団体がやらなくちゃならぬ、この責任を負わせておるのでしょう、拘束する内容となっておるのでしょう。一般法の適用の場合、憲法九十二条に言う「地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」これはわかりますがね。その中で特に首都圏、近畿圏、中部圏、これらの町村を特定いたしているわけでしょう、地方自治体を。その場合におきまして特別法の性格を持つのじゃないのですか。当然住民に納得してもらう、住民がこのような区画整理事業が望ましいのだ、こういう特定の法律だ。この地方団体にしか適用できないんだ、他の地方団体には適用しない。皆さんの場合には、大都市という場合の法律がずいぶん出ております。たとえば流通業務市街地の整備に関する法律にいたしましても、大都市という規定を置いております。再開発の場合におきましても、大都市における——大都市というのは一般的に一般法の中におきましてうたっておるわけでしょう。その適用を受けながら、特にその地方団体だけが拘束を受ける、権利義務が出てくる。この点に対してもう少し解明していただきたいのと、機関委任事務だ、一部は含まれておる、このこととは関係がないのじゃないかと私は思うのです。純然たる機関委任事務なら九十五条の適用から免れておりますけれども、特に宅地開発協議会というような制度が機関として行われるのだ、これは大臣、どうですか。いままでの質疑の中におきまして、協議会というのはもっと地方自治体を尊重しながらお互いが話し合っていくのだ、機関委任事務としてやるんだ、こういう形とは受け取っていなかったのですが、宅地開発協議会はどういう性格なんですか、もう少し明らかにしていただきたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 確かに促進区域を定め、公用制限を行い、特定の土地区画整理事業を行うことができるという点は、この法律によって大都市地域の地方公共団体に権能を与えたわけでございますけれども、その対象となる大都市地域なるものが、たとえば首都圏で言えば首都圏整備法の既成市街地と近郊整備地帯に含まれる市町村、こういうことになっておりまして、それでは首都圏整備法上近郊整備地帯とか既成市街地は法律上特定しているかというとそうではなくて、既成市街地は政令で決められておりますし、近郊整備地帯は内閣総理大臣が指定することになっております。内閣総理大臣は首都圏整備法の規定により「既成市街地の近郊で、その無秩序な市街地化を防止するため、計画的に市街地を整備し、あわせて緑地を保全する必要がある区域」を指定するということでやっているわけであります。いずれにしても法律上特定しておりません。これは、いろいろ社会、経済状態が変動いたしますと、それに伴って既成市街地なり近郊整備地帯に含まれるべき区域も変更されるべきであるというような考え方から、あえて法律で特定しなかったわけでありまして、そういうふうに政令あるいは内閣総理大臣の指定という行為によって結果的には特定されているにすぎないというものは、憲法に言う特別法に該当しないと解しておるわけでございます。
○佐野(憲)委員 この憲法の規定を置きましたのは、旧憲法にはなかった規定だと思います。諸外国におきましてこういうのが取り入れられておるということで今度の憲法の中に取り上げたのだろうと思いますけれども、この取り上げた理由といたしましては、地方団体のいわゆる平等権の保障が第一、第二としては地方行政における民主化、民意の尊重、地方行政は住民の意見を尊重して行う、こういう二つの前提の上に憲法上特別法の規定を置いているわけですね。ですから、地方自治団体の平等権の保障、それから地方住民の意思を尊重して地方行政は行われなければならないというために設けられた規定であるとするならば、こういう重大な問題、先ほどのお話とちょっと違うでしょう。土地区画整理法がある。しかも内容におきましても、この中において特別のものを与えようとするわけでしょう。違うのでしょう。区画整理事業と変わらないもの、あるいは別のものをここで与えるというのではなくて、同じ制度の上で一般地方団体が適用を受けておるのでしょう。地方団体が存在をしておるという前提がある。だから、一般的な土地区画整理事業が適用されておる、しかしながらこの地方団体にだけは特別なものを与え、かつまた拘束するぞ、しかも住民の意思というものを住民投票の上で聞かなくちゃならない、これこそが当然踏まれねばならない順序じゃないですか。先ほど大臣もしばしば、住民の意見を尊重したい、住民の納得、住民の意見の反映のないところに成果は上がらないのだと言われた。その気持ちから言えば、当然それらの団体の住民による住民投票、それでなければ国会は制定することができ得ない、この規定に基づいて特別法とすればより効果が上がるのじゃないですか、実効性が保たれるのじゃないですか。大臣の主観的な気持ちが法律の中において生かされる、かように考えるわけですけれども、どうですか、大臣。
○吉田(泰)政府委員 この法案に盛られました促進区域の指定に当たってとかあるいは特定土地区画整理事業を施行するに当たっての住民、権利者、こういった人の意向の反映ということは当然考えておるわけでございます。それと、憲法によってこの法律を住民投票に付す必要があるかどうかはおのずから別の問題でありまして、従来この住民投票に付された特別法は、先ほど申されましたかつての首都建設法のほかは広島平和記念都市建設法以下十四のいわゆる特別都市建設法だけでありまして、そのほかいろいろ地域の名称を冠し、内容的にも公共団体に関係するようなことを含んだような法律が多々ありますが、いずれもこの憲法の手続を要するものとしては扱ってこず、その辺を考えましても、この法律による促進区域の法律上の位置づけとか、公用制限の内容とか、土地区画整理事業の特例措置とか、それが軽易なものというわけではありませんけれども、対象となる大都市地域の公共団体という、その大都市地域そのものが法律上特定していないということで、私どもの見解を固めた次第でございます。 〔内海(英)委員長代理退席、委員長着席〕
○佐野(憲)委員 どうもおかしいと思うのですけれどもね。それは沿革を見ても、憲法にこれが挿入されたとき、どういう議論が行われただろうか。たとえばアメリカにおいて、各州が州憲法をもってあるいはその法律をもって地方自治団体を拘束する、恣意によって拘束される、こういうものを防がなくちゃならぬ。ですから、先ほど申し上げましたような平等権の保障というものを明確にしておく、こういう意味から生まれてきたんじゃないですか。ですから、学者にもよりますけれども、厳格な意味において規定しておる学者から見ますと、一般的制度の存在、換言すれば、一般の地方公共団体に適用される法律の存在を前提とし、特定の地方公共団体に適用される規律を内容とする法律であることが必要だ。または一般の地方公共団体には何らの規律もない事項について、特定の地方公共団体に規律を設ける法律である。こういう性格づけから考えれば当然、憲法が施行されましてからの数年間は、非常に住民投票という形のものが生かされてまいったと思います。最近はそういう問題を何となく——法制局の拡大解釈によるのでしょうけれども。しかしながら、こういう憲法における平等権なり地方行政の民主化という、こういう形における前提条件として、この法律は住民投票に付することこそが最も実効性を担保できるんじゃないかという意味において、むしろ法理論的な御説明をいただきたかったのですけれども、きょうはそういう法律論争をするための質疑でありませんので、また別の機会に、なんですけれども。 大臣、どうですか、こういう協議会も、私は最近首長さんたちの御意見を見てまいりましても、たとえば住宅問題にいたしましても、公害問題にいたしましても、あるいは神奈川県あるいは東京、埼玉、千葉、これらの広域的な処理、しかも自主的な形で国と協議していきたい、こういう意見が述べられているわけですが、そのときに、これは国の機関だぞ、だからおまえらそこに入ってくるんだ、こういう性格を持っているからこれは特別法でなくていいんだという解釈もとられるというようになってくると、私は非常に危険じゃないかと思うのですけれども。もっと自主的な、地方自治団体が住民の幸せのために、当面している困難な問題は一地方自治体で解決できない、それを広域的に話し合う、そういうための協議会を求めておられる。そういう協議会を援助する。そういう協議会の中に国は指導的なあるいは経験的なあるいはいろいろな意味において参加をする。こういう形の協議会である。かように考えておったのですけれども、非常に強い国の機関としての方針を地方自治団体に強要する。機関委任になればそういう形をとるのでしょう。国の機関としての事務だ。こういうことに対して私は非常に危険に考えるのですけれども、どうですか。
○大塩政府委員 協議会の性格は、たびたび申し上げておりますように、国とそれから関係地方公共団体とがそれぞれ自主的な立場で、その共通の問題点を披瀝して、その合意を得るというための場を設定したものでありまして、そういう合議体でございまして、国の行政機関というようなものでなく、国の機関ではなく、そういう一種の合議体である、協議体であるというふうに考えております。
○佐野(憲)委員 了解しました。どうも、先ほどの都市局長と話が少し違うような感じがいたしますけれども、そういうぐあいに統一した解釈をしていただけばいいと思いますけれども、この問題はまた別の機会に深めさせていただきたいと思います。 次に、土地区画整理事業をめぐりまして、今度新しい提案じゃなくて、現在までの土地区画整理事業の換地処分、いわゆる行政処分、従来の宅地を換地に転換して公共用地をつくり出す、あるいはまた区画の形質を変更する、こういう内容になっておりますので、相当広範囲の地域において一斉にかつ大規模な変更が行われる。それだけに甚大な影響が地域にあるいは住民に与えておったと思います。しかも複雑な内容である。かつはまた、数多くの法律行為なり事実行為を積み上げていかなければならない。こういう中におきまして、憲法違反の問題、違憲の問題がずいぶん出てくるのじゃないかと思いますけれども、現状はどうなっておるか。 特に四十五年の七月七日に名古屋市から七十七名の権利関係者から、市施行の区画整理事業は憲法、法律に違反する、換地処分取り消しを求める行政訴訟が提起されておるわけですけれども、この内容は一体どういう主張に基づいているものか、それから現在どういう過程を裁判の中においてとられておるか、こういう点を簡単に、少しお聞かせ願いたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 名古屋の戦災復興の土地区画整理事業につきまして、御指摘の訴訟が起こっておりまして、これは、施行者である名古屋市長が四十四年に換地処分を行いましたのに対し、その換地処分を受けた権利者七十七名から換地処分の取り消し等を求めまして、名古屋地裁に四十五年に訴訟が提起され、現在審理中でありまして、相当回数審理を重ねているという状況でございます。 訴訟の原告側の理由は、保留地を公益上必要とされる範囲を超えて設定していることは市民の財産権を侵害するので憲法に違反するとか、仮換地に指定されてない土地、つまり未指定地というものを新たに仮換地または換地として解除して定めるときに、工区間とか権利者間に不平等がある、これも憲法に違反する。それから土地区画整理審議会を非公開にしていることも憲法に違反する。それから換地が従前の宅地と照応していない、これは区画整理法の条文に違反している。こういう主張でございます。
○佐野(憲)委員 審理内容はどうですか。どういう状態を現在やっておりますか。
○吉田(泰)政府委員 現在までに公判が二十一回行われましたが、その間双方から準備書面等の書類の提出等が繰り返されてきたものと聞いております。 なお、四十八年八月二十二日以来は、原告側から公判の延期願が出されて、現在中断しているという状況でございます。
○佐野(憲)委員 その問題はその程度にいたしまして、憲法や行政法の問題ではなくて具体的な問題に対して、制度上あるいはまた運用上の問題でしょうけれども、二、三お聞きしておきたいと思います。 特に減歩の問題ですが、先般も富山、高岡両地区の区画整理事業を見てまいったのですけれども、こういう中におきまして、特に減歩の問題が住民の抵抗によって苦渋している、こういう声は、第一線の皆さんが口をそろえて申されるわけです。減歩の問題を通じて夜遅くまで話し合わなくちゃならない、大変な努力を積み重ねておるのだと言われたわけですけれども、そういうのを一つ見てまいりましてふと感じたのですけれども、たとえば富山市の場合におきましては百九十八ヘクタールですか、ですから約二百ヘクタール、高岡市の場合におきましては九十七ヘクタールですか、こういう大きな区画整理事業であるのですけれども、これは同じく冨山高岡広域都市計画事業として取り上げられておるわけです、高岡地区、富山地区として。この場合におきまして減歩率を見てまいりますと、富山の場合におきましては、一七・五%の公共減歩率。保留地減歩はとっていない。高岡市の場合におきましては、公共減歩が一六・三九で、保留地減歩を合わせまして一九%の減歩をやっておる。こういうことで同じ広域都市計画事業の中においてこのような相違が出てくる。この点につきましても、地域住民から見ればどうしてこういう差が出てくるか、こういう点も指摘されたわけでありますけれども、減歩に対しましてもうそろそろ考えなければならない時期を迎えておるのではないかという感じを持つわけです。 たとえば区画整理事業が非常に成功したと言われている帝都横浜震災復興事業にいたしましても確かに一千四百万坪、しかも二十万二千九百戸を移転しておる、大変な事業だったと思います。この場合における減歩率が一割である。一割であっても当時における帝国議会におきまして貴族院議員の江木さん、後に司法大臣を務めた方でありますけれども、一割の減歩に対しまして非常に激しい非難、当時の憲法においても違反するのではないか、こういう点を指摘しておられるわけであります。 あるいは昭和二十一年戦災復興事業が行われまして、百十二の都市、八千六百万坪が区画整理事業が行われておる。この場合におきましても一割五分の減歩率であった。ところが昭和二十四年になりますと、この条項が削除になっておるわけですね。 これらの点につきましてもお尋ねしておきたいと思いますのは、戦災復興事業におきまして一五%という減歩率をなぜ法律上削除してしまったか。今度の土地区画整理法を見てまいりますと、八十九条に「照応」という言葉が使われておりますけれども、対等換地という言葉が出てまいりますけれども、公共減歩率という言葉が出てこないわけです。それだけにいろいろな問題が起こっているのではないか。ある地区におきましては四割の減歩をやっている。最近におけるところの減歩率はいろいろまちまちでありますけれども、いろいろな事例の報告を見てまいりましても非常にまちまちである、こういう点が区画整理事業に対しましていろいろな不満の原因となっておるのではないか、こういう点に対して大臣どうお考えになりますか。あるいは局長でも結構です。
○吉田(泰)政府委員 土地区画整理事業の施行に当たり、減歩率が大きいということが非常に権利者の方々の抵抗感のもとになって事業の進まない大きな要因になっておることは承知しております。しかしながら、特別都市計画法に一割五歩の減歩の規定を置くと申しますか、一割五分を超える部分については補償金を交付する、逆に言えば一割五分以内であれば補償金を交付しないという一律に定めた条文がございました。これはその後昭和二十四年に、一割五分未満の減歩であっても損失をこうむる場合もあるし、これは地区にもよるし、同じ地区でも個々の宅地ごとにも違うのだから、一律に一割五分なら補償なしに減歩できるという法律は憲法違反の疑いがあるという当時の法務府意見長官からの公式意見が建設省に提示されました。それに基づいて改正した次第でございます。 現行法ではこういう一律の規定ではなくて、区画整理施行前の宅地の総区画と施行後の総区画を比較いたしまして、施行後の総区画の方が減少した場合には減価補償金を交付するという法律の条文を置いておりまして、このように地区により、また同じ地区の中でも個々の宅地により違うはずの減歩率はそれぞれに即したように扱うべきものとして現在に至っておるのでございます。
○佐野(憲)委員 震災復興事業の場合におきましても一割だった、しかし最低は五・九%、最高は二三・一%、こういう形で補償金を出しておるわけですね。ですから、それらのことから考えてまいりましても、やはり公共減歩率あるいは保留地減歩率に対する考え方を改めなくてはならない時期を迎えておるのじゃないかという感じを持つわけですけれども、そのために、一つは今後の改善の方向としていろいろな提案もあるでしょう。今回特定土地区画整理事業において八メーター以上の道路というものを都市計画街路補助対象に採択された。地方に参りますと、同じことよりももっと——六メーター以下の道路あるいはまたは公園なり緑地なり広場なりこういうものを公共減歩率で定めたらどうか、それ以上は公共団体が施行する、この方がもっと筋の通った形で整理されるのじゃないか、そこに減歩率の法定化というのもできてまいるのじゃないか、こういう点を指摘されるわけですけれども、こういう考え方についてはどうですか。
○吉田(泰)政府委員 かつての戦災復興の根拠条文に、一割五分を一律に法定しまして、それ以内は無補償、それを超えるものは補償と書きました点は、先ほど申したように憲法違反だということでありますから、これをいま復元するわけにはまいりません。しかしながら御指摘のように、減歩ができるだけ低いほど土地所有者には有利なわけであります。それだけ事業も進むわけでありますから、いろいろな施策を講じて、国庫補助対象範囲の拡大とか補助率のアップ等に努めてまいりまして、今回は特に宅地難、住宅不足の著しい大都市地域につきまして、促進区域という区域に対応する促進にこたえるべき特別の事業という意味で補助対象を思い切って広げたわけであります。今後とも土地区画整理事業の大幅な推進はぜひとも必要でありますので、今回の法律におきましてはこういう特例にとどめておりますが、なおこれを、さらに他の地域にも減歩の緩和という結果となるようないろいろな方法を考えつつ私どもも研究してまいりたいと思いますけれども、いまのところは八メートル以上の道路に対して補助対象にするというのを特定土地区画整理事業の特例として設けた次第でございます。一般の区画整理事業につきましては、十二メートル以上の道路というのを原則としている次第でございます。
○佐野(憲)委員 それと同時にもう一つ過小宅地の問題があるのですけれども、この過小宅地に対しまして、政令で、原則としては百平米、都市計画上の商業地域、防火、準防火地域においては六十五平米、こういう規定を置き、しかも審議会の同意を要する、こういうことになっておるわけですけれども、この政令は変わっておりませんか。
○吉田(泰)政府委員 変わっておりません。
○佐野(憲)委員 富山市の場合を見てまいりますと、五十坪までは過小宅地として指定をしている。こういうところは地方自治体の方がすでに、各地を見てまいりましても五十坪あるいは六十坪を過小宅地としておる、こういうことになっておるわけです。政令において一つの基準を出しておりますけれども、もっと実情に合わせる必要があるのじゃないか。土地区画整理後におけるところの細分化その他を考えてまいりますと、やはり三百三十平方メートルぐらいを過小宅地として適用する、こういう考え方はないですか、あるいは政令を変える考え方はありませんか。
○吉田(泰)政府委員 過小宅地の基準は、政令で一般の場合は百平方メートル以上ということで、別段百平方メートルに限定しておりません。それ以下にしないようにということであります。商業地域等では六十五平米以上ということでございます。一方、これは地域にもよりますが、確かに適正規模の宅地割りを考えるならば、区画整理をした場合に、かなり大きな規模でも過小宅地の基準に取り込み、それ以下のものは増し換地してでもそれを確保させるということがいいわけですけれども、これもやはり地域によりまして非常に現在も細分化されている、地価も高くて貴重な土地になっているというような場所なども多いわけでありまして、そういうところで余り大きな基準で過小宅地を定めますと、片一方で過小でない宅地がそのための減歩を受けることになりますから、それは清算金で清算されるとはいえ面積は余分に減らされるという問題もありますし、また土地利用のあり方としても町の真ん中、大都市の真ん中、地方都市、地方都市の郊外地、いろいろ適正基準があるべきだろう、そういう意味で政令では最低限度を定め、それ以上は区画整理審議会の同意を得て、個々の区画整理事業ごとに定めるという制度になっておりますので、この制度が現在においても妥当であろうと考えます。
○佐野(憲)委員 保留地減歩の場合ですが、保留地の場合におきまして、工事費に見ている、あるいはまた学校用地その他の公共施設のために用意をする、こういう考え方はもうすでにやめた方がいいんじゃないか。というのは、もうすでに保留地減歩をやっている東京都の実情を見てまいりましても、地方を見てまいりましても、たとえば富山市の場合は保留地減歩をやっていない、高岡の場合はやっておる、しかもこれによって工事費を捻出する、こういう考え方じゃなくて、工事費はやはり地方自治団体が、公共団体がやるんだと、こういう原則を確立した方が望ましいんじゃないか。もうすでに保留地減歩なんというものはなくなってきているのが現状じゃないかと考えるのですけれども、どうですか。
○吉田(泰)政府委員 区画整理事業も、大別しまして既成市街地あるいはその周辺部でかなり家が立て込んでいるところ、こういうところと、それから市街化区域内ではありますが、かなり離れた、いわば更地が大部分であるところ、二つあります。 既成市街地等におきますものは移転工事費も非常にかさみますし、区画整理をしてもさほどの地価の増加がないであろうということから、現在では保留地減歩というものはだんだん影をひそめまして、事実上保留地減歩をとろうにもとれないというところが多くなっていることは確かでございます。 しかしながら、一方新市街地と申します郊外地で宅地造成を主として考えている区画整理事業の場合は、やはり区画整理事業による公共施設の整備、盛り土、切り上等による宅地の整地といったようなものの効用が非常に高くて地価にもはね返る部分が多いものですから、応分の保留地をとっていただいて、それを事業費の不足分に充てるということをやっております。 これはまあ開発行為とか宅地造成行為をやります場合に、市道その他、やはり最小限度の家が建てられるための公共用地は事実上とるわけですし、そのほか造成費そのものも金銭的に負担しているわけですが、区画整理事業の場合は金銭的に造成費を負担するかわりに、持ち寄った土地を合わせまして保留地として処分し、その金を事業費に充てる、ですから金銭的には原則として権利者は負担しない、負担しないで造成するということでありますので、まああながち保留地減歩の制度が悪いとばかりも言い切れない、地区によることと思います。
○佐野(憲)委員 先ほどの富山市の場合、減歩率は高岡と比較して少ない。そこで資金計画を見てまいりましても、たとえば富山市の場合は国庫負担が四十一億円、地方自治体負担が二十億円、保留地処分金、寄付金なし、公共施設管理者負担金が四億三千万円と、こういう形になっておるわけですね。高岡市の資金計画を見ますと、十二億一千万円、それに対するところの市費が六億円、保留地処分が二億七千六百万円ですか、こういう形になって、公共管理者負担金がなしという形になってまいるわけですね。この場合におきまして、片方におきましては国庫負担金並びに補助金で済ますことができる、現実的に保留地も要らない、しかも過小宅地は五十坪にしておる。片方におきましては、それよりもっと厳しい条件であって、しかもなお保留地処分によって二億七千万円という金を捻出しなくちゃならない。こういう同じ地域によって、二百ヘクタールと百ヘクタールの差はありますけれども、同じような中都市におきましての問題が起こっておるわけですね。これはどういう……。
○吉田(泰)政府委員 御指摘の富山の区画整理事業と高岡の区画整理事業、私どもが思い当たります地区でありましたならば、これは施行時期も、片一方はごく最近でありますし片一方十年も前のことでありますから、時期も非常に違います。また場所も片一方は郊外地であり、片一方はもう家の立て込んだ町の中であるということでございまして、先ほど申したように、町の中ではなかなか保留地減歩などは事実とれませんし、とらないところが多い。しかし郊外地では、ある程度保留地をとってそれを事業費に充てていただいているということでございますから、同じ市でありましても、時期も違い場所も違えばその程度の差はあってしかるべきではないかと考えております。
○佐野(憲)委員 どうもおかしいね。富山高岡広域都市計画で同じく出発しているのですよ。ですから、そんな十年というような違いは、第一期の区画整理事業を言っておるのでしょう。 それはいいとして、たとえば私はこう考えるのです。現地に行ってまいりまして、富山市の場合は街路やその他を多くとっている、そして国庫補助対象になる皆さんの言う道路特別会計から出る分が多いというところにも原因があると思いますけれども、しかし、そういう場合におきまして、私先ほど指摘しましたような六メートル以上ということになれば、ほとんどそういう意味における保留地をとらなくてもやっていけるのじゃないか。両市のいま御指摘になるような住宅関係なり、いろいろな点も調べてまいりました。よく似ておるわけです。ですから、そう違いがないわけだ。それで起こってくるのは、要するに皆さんの土地区画整理事業というのは、幹線道路を中心として組み立てられておる、幹線道路の用地を確保する、こういう最初のねらいから出発しておりますので、居住環境なり特殊な道路なり歩行者道路なり、いろいろな形をもって街路をつくっていく、そういう街路と、いわゆる通過街路と申しますか通過道路と申しますか幹線道路、こういうような中に入っておりますと、非常に有利になってくる、そういうところに違いが実は出ておるのではないかと思います。 そういうわけで、やはり私が指摘いたしたいのは、六メートル以上は公共団体が持つのだ、市が補助対象にするのだ、こういうことになれば、ほとんどの問題が解決して、それ以下のものの街区の造成なり公園なり児童公園なり、そういうものをあるいは減歩率で見ていく、公共減歩率で見ていく、そうなってまいりますとある程度まで問題が解決するのじゃないか。しかもそこで、ある程度の法定化した減歩率というものを定めて、それよりか上回った場合においては公共団体が持つということにすれば、大体居住環境を中心とした将来の展望を持つ区画整理事業ができるのじゃないか。過去において幹線道路を確保するために買収方式よりも区画整理方式が公平感があるじゃないかというような形で進めてきた手法が、そのあらわれとして出てきておるのじゃないかという感じがしましたので、冒頭に申し上げた、減歩率に対してある程度法定化することが、他の地区におけるところの比較、不満あるいはまたそうした意味におけるところの理解を求められる。 ただ取りじゃないか、こういう質問が出たときに、やはり答えることができない、沈黙しなくちゃならないという、第一線における皆さんの苦しみというものをしみじみ私は感じ取ってまいったわけですけれども、そういう点もう少し明確になれば、もっと明るく、この区画整理事業を通じてわれわれの住んでいる居住環境がよくなるんだ、協力しようではないか、しかもすっきりした形、複雑な内容に包まれているこの事業というものをもっとわかりやすいものにするためにも、そういう手段がとられないだろうか、そのためには、やはり六メートル以上を補助対象にする、補助対象を広げていただくということになれば解決するのじゃないか、こう考えるわけですけれども、どうですか。
○吉田(泰)政府委員 先ほどの御質問に、私間違ったものを想定して申し上げたのかもしれません。それでしたら大変失礼でございますので、深くおわび申し上げます。ちょっといまほかに思い当たらなかったものですからそういうふうに申し上げたわけです。 なお、ただいまの御質問につきましては、いかに平均的には低い率になるとはいえ、一律の率を法律で定めるということは、全く価値増のない場合もあり得るわけですから、憲法の財産権の条項に違反するということでありますので、そういう形でのことは不可能でございますが、おっしゃるように、要は補助対象の道路を数多く、幅員要件などを緩和すればそれだけ国費及び公共団体の経費がつぎ込まれ、結果として保留地はなくて済む、あるいはごく少なくて済むという仕組みになることは御指摘のとおりでございます。私ども、区画整理を促進もしたいという立場からは、そういう方向を将来展望として持ちながらも、当面の問題として特にこの住宅宅地難に対処するため、促進区域という義務づけに対応する措置として、特定土地区画整理事業につきましては幅員八メートル以上を補助対象にする、このことによって保留地減歩はかなり大幅に減りまして、これも平均ですけれども、一般の場合の平均が八%くらいと想定されるのに対し、特定土地区画整理事業の場合は三%以内に納まるであろう。それの三%以内の額というのは、区画整理事業によって同時に施行される、付帯工事として施行される電気、ガス、水道等の供給管あるいは下水道の汚水管の費用の一部、こういった身の回りの公益施設、このくらいは保留地で持っていただく、それ以外のものは全部公費で賄えるという内容のものでありまして、この制度を他の地区にも広げれば御指摘のような方向に一段と近づくわけでありますが、いまの段階におきましては、やはり区画整理による受益がかなりある場合に、その受益の一部を権利者による事業費負担という意味で保留地を持ち寄っていただくということもそう一挙に大幅に軽減するわけにはまいらないのではないか。ただし、方向としては、私ども十分考えさしていただきたいと思います。
○佐野(憲)委員 だから、冒頭に申し上げました憲法の九十五条において、皆様がこういう利益を与えるんだから、特定地域、だから拘束しないんだと、こういうような安易な考え方も動いているんだろう、という感じがしているんですけれども、局長、大臣もそうですけれども、もう大都市だけじゃなくて、今後国土の中に土地区画整理事業を進めていくと、これからの日本のあり方を考えていった場合に、八メートルにする、この程度のことを土地区画整理全般として採用することができないだろうか、それも、私は八メートルから六メートルにまで持っていけばもっと土地区画整理事業に対する積極的な参加が出てくるんじゃないか、こういう意味において指摘いたしておるわけですけれども、憲法上の問題はそうないと思うのですけれども……。
○吉田(泰)政府委員 法律で一割五分とか、たとえもっと低く一割としても、一律にそれまでは無償で減歩できる、それを超えればまた一律に補償するという規定は、財産権の保全という意味から憲法違反の疑いが濃いということでありますので、そういう形での復活ということは私ども考えられないと申し上げている次第でございます。
○佐野(憲)委員 どうもその話はおかしいじゃないですか。どういうところに対価主義だと憲法違反にならないと……。減歩というものを明確にして、その法的根拠を明らかにすればよいわけでしょう。諸外国でやっている土地増価税というものを対比するという場合もあるでしょう。いろいろな制度というものがここでとられ得るわけでしょう、もしそういう問題が起こるとするならば。まあそういう問題は別としても、私は、もっとそういう意味において最小限度の公共減歩というものは、それぞれの土地増価税なりいろいろな形でも補完できるし、あるいはまた、本来は都市計画税なりあるいは固定資産税なり、こういうものがいわゆる時価評価によって上がっていることをも含めてよいのではないか。問題は、やはり地方住民が納得して参加できるということのためには、ある程度のものを法定化して、たとえば公共用地の場合に、あるいは三〇%に及ぶ地区があるかもわかりません。だが一五%あるいは戦前のように一〇%減歩やるということでやっていけるんじゃないか。そういう点もひとつ考えてみたらどうだろうか。たとえば保留地処分によって工事費を捻出する、実際上においてもある程度のなにさえあればそうしなくてもやっていける。特に学校用地やその他というのは、ある程度まで公共団体として必要なものですから、先行的に取得してもいいわけじゃありませんか。あえてこの減歩の中に入れなくてもいいわけでしょう。そういうことを考えてまいりますと、東京の場合におきましてもほとんど保留地減歩というものは姿を消していっている、表を見てまいりましても。しかも、地方都市におきましてもそうだというときに、もっと抜本的に考えてみる必要があるんじゃないか。という点を指摘しておいて、きょうは最後の日でありますから余り議論してもしようがないと思いますので……。 それから、そういう点に対しまして、自治省からおいでになっているんですけれども、先ほど申し上げましたような富山市の場合におきましては二十億七千万円だと、これだけの市負担金が出てくるわけですが、区画整理事業に対して交付税としてどういう手当てをしておられるか、また、この裏負担に対しましての起債関係は一体どうなっておるか、それから交付税としてこういう街路に対しての手当てはどうなっておるか、それをひとつ簡単に……。
○小林説明員 お答え申し上げます。 土地区画整理事業につきましては、まず補助対象事業とそれ以外のものがあるわけでございますが、補助事業につきましては、公共事業といたしまして地方債で三〇%、それから交付税の事業費補正といたしまして四〇%、その他の三〇%については都市計画税その他の一般財源で行うことにいたしております。そのほか、住宅用地の造成を目的といたします土地区画整理事業、これについては処分金の範囲内において地方債を許可することにいたしておるわけでございます。富山市の場合の具体的な数字はちょっと手元にないわけでありますが、地方交付税におきまして、四十九年度において約千三百万円、これだけを交付税で見ております。これは四十八年度等ずっと継続的に見ておるわけでありまして、そういう金額において一般的な形で交付税で措置をされておるわけであります。
○佐野(憲)委員 もう少し一般の区画整理事業としてどういう形とっていますか。単位費用は、あれは坪単位になっていますか。
○小林説明員 交付税で見ておりますのは、都市計画区域の人口を単位費用といたしております。
○佐野(憲)委員 それは普通の都市計画で、区画整理事業に対しましては坪によってやっておると思うのですけれども、測定作業に二つのランクがあるのでしょう。
○小林説明員 交付税では標準的な経費といたしまして、単位費用で見る分と、それから事業費補正で見る分がございますが、事業費補正で先ほど申し上げました四割見ておると言いますのは、地方負担額の四割を見ておるわけでございます。
○佐野(憲)委員 そうしますと、富山の場合を見てまいりますと、大体国庫負担あるいは補助金に対する裏金として、ちょうど三分の一となっておりますから、三分の二の補助対象になっている。同じ高岡の場合を見てまいりますと、六億円だ。そうしますと、保留地減歩が二億七千六百万円だ、こういうことになってまいりますので、富山市の場合ですと、交付税なりあるいは起債なり一般財源を投入すれば何とかこれは消化していけるのじゃないか、年次計画にもよりますけれども。片方におきましては、地方自治体として財政面からも非常に無理をしなくちゃならない、こういうことが出てくるわけですね。
○吉田(泰)政府委員 保留地減歩をしていない事業と申しますのは、結局事業費を土地所有者が負担していない事業でありますから、その全額が補助対象になっているものと思われます。したがって、国庫補助金はその三分の二という計算でぴたり合うかと思います。 一方、多少なりとも保留地をとっております事業は、その分だけ土地所有者の負担がありまして、総事業費からそれが差っ引かれたものが補助対象の限度額になりますから、少なくともその分だけは国庫補助金が全体の額から見れば減るという計算になるわけでございまして、恐らくそういう観点からその差が出てきているものと考えます。
○佐野(憲)委員 まあ余り詳しいことを言っても何ですけれども、私はやはりこういう場合における富山市は、表面上はこれは負担金はちょうど補助金でなりますけれども、先ほど言いました学校用地なりその他の点において富山市が逆に一般会計から出しておる。だからこの姿が出てこない。大体こういうのが私は八億円ぐらいあるのじゃないかと、ことしは内容を見ながら感じたのですけれども、そういう中でも私は六メートル以上のあれは補助対象を広げるということが一番必要じゃなかろうか。同時に街路に対する舗装、こういう点に対しましても、現在見ておる対象にしておりますか。局長は現地の事情がよくわからないものだから、納得してもらおうと演釋法的にあっちやこっちやを私問題を言っているのですけれども、どうですか。
○吉田(泰)政府委員 最近の区画整理事業では、昔と違いまして、道路はかなり狭い区画街路まで含めて事業の中で舗装までするということが非常に多くなってきていると思います。私どもも、今日の時世で区画街路といえども舗装するというのがむしろ原則でなかろうかと考えておる次第でございます。
○佐野(憲)委員 六メートルはどうですか。
○吉田(泰)政府委員 繰り返しますが、狭い幅員の道路まで補助対象に加えれば加えるほど、国と公共団体の負担がふえまして、差し引き計算すれば土地所有者の負担が減る、あるいはなくて済むようになる。したがって保留地減歩はなくて済むようになる、こういう仕組みであります。そういうことで、一般の土地区画整理事業につきましても、いろいろいままでの間に補助対象を広げたりあるいは同じ補助対象でありますが補助率を引き上げてきたりしてまいりました。今回はさらに三大都市圏の近郊整備地帯までの市街化区域の中で、特に宅地供給を促進する観点から、一方では促進区域という促進義務を課し、それに対応する促進義務にこたえるものとして土地所有者にも魅力ある事業とする必要上、八メートルまでの道路を補助対象にした。つまり七メートルという半端なものは余りありませんから、一般的に言えば八メートルの次は六メートルでありますが、六メートル以下のものだけ補助対象にしないということでございました。八メートル以上の事業費を拾えば、ごくわずかな保留地減歩をとれば足りるようになるというのが、この法案の仕組みであります。 この法案を離れまして、全国的にそういう方向に向くべきであるという御指摘は、私どももよくわかります。私、直ちにそういう方向で実現できるとは考えにくいのですけれども、今後十分検討させていただきまして、区画整理事業の進展のために、土地所有者にも喜ばれる事業化という観点から、逐次改善の努力は続けていきたいと思います。
○仮谷国務大臣 大都市地域に限ってのいわゆる特別措置法であります。この問題については憲法上からもいろいろ佐野先生からも御意見があることも承知をいたしたのでありますが、憲法論議はしばらくおくといたしまして、いまの、率直に言いまして、全国的にもそうでありますけれども、とりわけ大都市の地域の中における住宅問題が大きな政治の課題になっておること、これは与野党を問わず一致した意見であります。これを解決をつけるためにはどうするかということは、一番問題である用地の問題、いわゆる宅地供給が一番の大きな問題であります。これはいろいろとやってきましたけれどもなかなか前進しないところに、いろいろおしかりを受けておるもとがあるわけでありまして、そういう観点から、市街化区域内における農地を含む土地所有者に対してこの際は積極的に協力をしてもらおうというのがこの法律の趣旨なんであります。そうすると、やはり何といっても土地所有者に自発的にこの問題に立ち上がっていただいて、そして積極的にみずから開発をしていくという気持ちになってもらわなければなりませんから、そのためにはやはりそれだけ国の施策が伴わなければならぬことはこれはもう申し上げるまでもございません。そういう点から考えますと、先ほどからいろいろ議論されました減歩率の問題にいたしましても、当然思い切った措置を講じなければならぬことは私どもも十分承知をいたしておるのでありまして、そういう意味からは、補助率の採択基準の問題についてもいろいろと苦労をいたしてきたわけで、卒直にいって、公共的な事業についてはほとんど公的な費用によってやろう。私どもから考えると、いままでにない画期的な一つの方策だと実は思っておりまして、予算折衝をする場合においてもこの問題が一つの大きな問題として、建設省当事者としてはいまの時点では本当に精いっぱいやるだけのことをやって、実はここまでこぎつけてきておるわけでありまして、もちろんこれがまださらに積極的に進んでいくことは、これは理想でありますけれども、しばしば局長が申し上げておりますように、いまの時点において直ちに右左ということはなかなか困難な状態にありますが、しかし、やはり何といっても住宅問題、土地問題を解決していくためにはこの方法が、いまの場合私どもは最も大切な法案だと思っておりますから、将来これを遂行していくためにさらに減歩率を低く、できるだけ関係者の協力を得るような今後の方策を、公的な助成をふやしていくということ、そういったことは当然われわれが努力をしていかなければならぬ問題でありまして、私どもそういう意味で今後は最善の努力をひとついたしてまいりたい、かように存じております。
○佐野(憲)委員 その問題はそれほどにしておきたいと思いますけれども、大臣、何だかんだと言っても、いま申し上げた特定土地改良事業促進地域と地方における区画整理事業の状況を見てまいりますと、逆に私は地方の方が非常に困難にぶつかっておるのじゃないか。その困難を何とかやはり解決する道をつくらなければ、逆に地方においてはほとんど区画整理事業というのは行われなくなってくるんじゃないか。そういう住民の抵抗なり反対運動が激しくなってきておる、こういう現況を考えるとき、私は特定に指定されているそういうところだけではなくて、やはり全国的に考えなくちゃならない時期に来ておるんじゃないか。そういう意味において、単なる、少しあめ玉やるから何とかというような形じゃなくて、もっと真剣に問題と取り組んで、場合によっては住民投票にかけるということも必要じゃないか、かように考えるのです。 それはそれとして、次は仮換地の指定の問題に対してお尋ねしておきたいと思います。 法は、換地計画に基づかない仮換地を予定しているが、実際の仮換地の指定は、そのほとんどすべてが換地計画の存在を前提とせず、したがって、関係権利者問に無用の不安と不服を抱かしめておる。こういう点につきまして、「住宅問題講座第二巻土地区画整理事業」清水一郎さん——これは建設省におられた方だと思いますけれども、この方がそのように指摘しておられますが、その問題は一体どうなんですか。
○吉田(泰)政府委員 御指摘のように土地区画整理法の条文では、仮換地指定は、工事のため必要がある場合と、それから換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合にできることになっております。実際に換地計画を決定するまでには相当の期間を必要としまして、その決定をまってから工事などを行うとすれば事業の進捗が非常におくれます。しかも、一カ所でも工事にかかりますと、それぞれ押せ押せでいきますので、施行地区全体を原則として仮換地指定しなければならないということにもなります。こういうことですから、現実には、換地計画に基づいて換地処分を行うため必要がある場合の方ではなくて、工事のため必要がある場合という方の要件を適用して仮換地を指定している実例が多いわけであります。 ただ、たとえ換地計画がなくても、もちろん法律による換地計画の決定の基準、たとえば手法の原則等は考慮しなければなりませんし、しかも実際には換地計画として固めるには時間がかかるけれども、その案というものをつくりまして、これをあたかも換地計画であるかのごとく縦覧に供し、意見を聞くというようなことを、換地計画を決定する場合と全く同様の手続をやっている例が非常に多いのであります。 そういうことをやりました上で、正式の換地計画は後になりますが、工事のためまず仮換地を指定するということが行われておりまして、これについては、組合施行ならば総会などの同意が要るわけですし、公共団体等でも土地区画整理審議会にかけるということであります。まあ実行上の問題として必要やむを得ないんではないかと考えております。
○佐野(憲)委員 清水さんが、建設省のそういう担当者としての立場から、また実務家の立場として「住宅問題講座」の中で紛争の原因として取り上げられているわけですね。ですから、仮換地の指定、そのほとんどすべてが換地計画の存在を前提とせずに行われておる、これが紛争の大きな原因となっておる、こういうぐあいに問題点として指摘されておるわけですけれども、現実にそういう紛糾が繰り返されておる、こういう点に対して、施行者の態度もあるでしょう。それからまたなぜそういうことになっておるかということに対してももっと実情を調査する必要があるんじゃないか、そういう点を私読みながら感じたので、実際そういう問題がやはり紛争の原因になっていることも私もしばしば聞いておりますので、そういう点に対しましてもひとつ検討してもらいたいと思います。 次に、同じ仮換地の問題なんですけれども、従前の宅地の地積を、公簿上の地積を基礎とすべきか実測地積によるべきか、こういう問題がやはり紛争の原因となっておるわけですけれども、こういう点に対してどうお考えになりますか。
○吉田(泰)政府委員 理想的には実測地積でやるのが最も望ましいわけでありまして、私どももできれば、あるいはできるだけ実測地積でやるよう指導したいと思いますが、現実にはかなり広大な地域にかかるものですから、公簿を一応原則としまして、ただし、特に自分の土地がなわ延びしていると思われる方は、御自分で御承知のわけでありますから、一定期間内に実測図を添えて出していただく、それによって地積訂正する。特別に実測して出してこられない方は標準的な延びがあるものであろう、こういう考え方で、そういう実測訂正の道を開きながら公簿でやっているのが実情であります。
○佐野(憲)委員 一筆ごとに調査する、これは非常に重大な点じゃなかろうか。やはり少しは時間がかかる、人間も必要だ、金も要る。しかしながら、やはり従来の宅地に対して、公簿上じゃなくて実測をする。このことで地積が明らかになってくる。そうでなければ、やはり昔のなわ延びもありますし、いろいろな形において土地のただ取りだ、こういう非難が浴びせかけられて、第一線の人たちは非常に苦労している。ですから、都市計画の場合におきましても、何としても一筆調査が行われることが——共通の財産だと思います。それだけにやはり従前の地積に対して実測地積を明らかにする、こういう点に対しまして、都市計画の問題とも絡んでくるのですけれども、予算の問題、財源の問題あるいは人員の問題、非常に必要としますけれども、やはり土地区画整理事業を成功させるためにはどうしてもこのことをやらなければ紛争というものは尾を引いてくるんじゃないか、かように考えますので、そういうことに対して、自治省もおいでになっておりますけれども、そういう区画整理事業あるいは都市計画事業に対する一筆調査なり、これは大変な経費がかかっておりますけれども、そういうことを何か見込んでおるのですか、どうですか。
○吉田(泰)政府委員 区画整理事業に先立って実地測量をやるとすれば、かなりの時間と経費がかかり、これは当然事業費に組み込まれるべき性格のものだと思います。ただ、なわ延びがありました場合に、決してこれを取り上げてしまうわけではございませんで、延びた分は現実にあるわけですから、これを従前の公簿地積に案分して各権利者に数字としてプラスするわけでございまして、ただそのなわ延びの一人一人の差というものが、案分ですから出てこないということでございますから、著しくなわが延びているはずだという方は実測していただくということでほぼ是正されるものではないか。 これは金と時間ばかりではなくて、実測するためには隣地境界を確定することがぜひとも必要でありますが、大規模な多数の土地所有者の間で一斉に実測を始めるとしましても、なかなか境界線すら確定できないということで、いつまでたっても事業にかかれないということが大いに予想されますので、やはり現実の問題として、そういう修正の機会を与えながら公簿でいくということもやむを得ない場合があるということでございます。
○佐野(憲)委員 どうも実際現地においてこうした問題と取り組んでおられない。机の上ではそういうことになりますけれども、実際問題として大変な紛争を引き起こしておるわけです。 それから、清算金の問題に対して一、二お聞きしておきたいと思うのですけれども、清算金の算定に当たりまして従前地及び換地の評価、この時点が明定されていない。そのことが原因となって無用の不安を与えておる。これはなぜ明定することができないわけですか。
○吉田(泰)政府委員 清算金の基礎になる宅地の評価の時点は、運用上区画整理前と後で地価の区画整理による有効率が一番顕在化して地価が動くという段階としまして、工事概成時というものを考えております。工事が概成したことによって現実に道路その他ができ、ある程度の宅地造成もできておるという段階で、そこで区画整理の効果が最も端的に出たであろう。そういうことで運用しておりまして、法律上は確かに明定しておりません。
○佐野(憲)委員 ぜひとも制度としてこういう点は明定する必要があるのではないか。こういう点を指摘しておきまして、次に評価の問題ですけれども、従前の宅地における評価において路線価式評価法を採用しておられるのですけれども、この点に対して非常に多くの問題がいま起こっておるのじゃないかと思いますけれども、この評価方式を変える考えはありませんか。
○吉田(泰)政府委員 路線価式評価法というのは、区画整理でほぼ実態に即するということから広く採用されている評価方法でございまして、一言で言えば前面道路の幅員の広さ狭さ等によってその道路に面する宅地の価格が影響するだろう。もちろん、幅が広くなったから比例して高くなるのじゃなくて、著しく逓減はしますけれども、広くなればなるほど若干ずつ地価が上がるであろうという考え方のものでございます。従来はこれで合理的でありまして広く行われてきましたが、近年に至りまして通過交通の幹線道路ができまして、もう住居などでは、地価は上がるかもしれないけれども生活環境上非常な迷惑だ、それが高く評価されるのはとんでもないという声が盛んになってまいりました。私どもも、商業地等道路の広さが直接影響するようなところはともかくとして、閑静な住居地域などでは少し考え直した方がいいかもしれない。つまり狭いより広い方がだんだん上がるけれども、ある幅員を超えたときにはそこから先は上がらない、あるいは逆に少し減少する、それは通過交通による騒音の度合い等も勘案して、ということでございます。 いずれにしても、土地の鑑定評価の問題が基礎になるわけでございますので、建設省でもこういった学者や鑑定評価の専門家の方々に集まっていただいて、本年度からひとつどういったものがモデルとして考えられるかということをじみちに研究を始めたいと思っております。公共団体によりましては、すでに路線価方式を若干修正した形で採用しているところもございまして、私どももそれはそれで結構なことと考えております。
○佐野(憲)委員 いま区画整理関係に対しまして問題点を提起し、今後の改善の方向に対して検討していただきたい、こういう意味におきまして、特定区画整理事業よりも一般の区画整理事業、現在どういうように行われておるか、そういう中から問題点を少し拾って今後検討をしていただきたい、かような意味において指摘させていただいたわけですけれども……。 時間も大変遅くなりまして恐縮ですけれども、最後に、再開発法の問題につきまして先ほど来いろいろ論議がありましたので重複は避けますけれども、何としても私は、市街地再開発の場合におきまして、借家人なり間借りしている人たち、この人が過半数を占めておると思います。この町をどうするか、こういう意味で、住民の過半数を占める借家権者が法的には参加をしない、このことは私は住民不在の再開発になる、こういうことを考えるわけでございますが、それだけに私は大臣に指摘しておきたいのは、この再開発法が昭和四十二年に国会に提案されまして、参議院先議で、私たちは都市計画法を先議として行ってまいったわけです。五十六国会からずっと継続審議になって、四十三年において都市計画法は上がりましたけれども、この再開発法は廃案になったわけです。参議院の選挙もありました関係上廃案になりまして、再度参議院に先議として提案されてまいりましたとき、私たちその中で議論いたしましたいろいろな問題点を、二カ所ばかり政府で修正をして再提案してまいったわけですけれども、四十四年に参議院から衆議院に回ってまいりました。 そこで私たちは、この再開発法の問題をもっと討議を深めたい、こういうので、一つには民主主義として計画策定前においてどうあるべきか。実施過程においてどうあるべきか、人間尊重の、人間を中心とする一つの開発というものをどう生かしていくか。第三の点は非営利的な事業主義を貫かなくちゃならない。この三つの点を挙げまして具体的な実は予算の審議に入っておったわけです。ところが何を血迷ったか、強行採決によりまして、審議を行わずしてこの法案が成立したという暗い歴史を持っておる法律でありますので、実は問題をいろいろ煮詰めたいということで、先ほど来あるいはまた本委員会におきましていろいろな角度から点検が行われたことと思います。 私はその中におきまして、何としても借家人、この人たちを中心として、この町に住んでおる人たちがこの町がどうあるべきか、こういうことはマスタープラン作成の中においても非常に大事じゃないかと思うわけでございますが、特に大臣、この法案が提案されました当時には、何としても駅前広場なりあるいは商業地の再開発をやりたい、そのために従来ありました市街地改造法案なり防災街区造成法案、こういうしちめんどくさい手続よりも権利変換でいった方がいい、こういう形で法律ができておりましただけに私たちはいろいろな問題点を持っておったわけです。ですから今日施行してまいりまして、そういう欠陥がずいぶん出てきておるのではないか。だから五年間たっても進まない。 やはり駅前広場なり商業地域なりあるいは防災街区がいま取り上げられておりますけれども、本当に最初に国会で大臣が説明されたことと、その法案の持っておる目的ということがほとんどかけ離れた存在になってきているのじゃないかということを考えるわけですけれども、そこで大臣、私、新しい制度云々は時間がありませんから、現行法の中におきましても、たとえば関係権利者として借家人を入れることはできないか。この点に対して、再開発組合の中に資力なり信用のある者は参加組合員となれる、こういう規定を置いているわけですね。一般の不動産屋の皆さんも参加できる。もちろん不動産屋を軽視するわけじゃないですけれども、できる。しかしそうであるならば、借家権というものは現在の法律の中でどういう位置を占めているであろうか。たとえば商法においても会社を設立する、合併をする、こういう場合におきましても借家の賃貸権が出資の対象となる、こういう規定を置いているわけですね。ですから商法におきまして、会社の合併あるいは新しくつくる場合におきまして、出資として借地権、賃貸権が対象となる。こういう形まで来ておるときに、この再開発をやるために民法上の権利がないのだ、関係権利がないのだというのじゃなく、それらの人が参加する道として当然法律的には私は考えられるのじゃないか。 この点を一つ考えていただきたいのと、第二の点として、現在におけるところの民法なりいろいろな判例なりがありますけれども、それを認められましても、たとえば更地における所有権に対しまして借地権が八割の価値を持つ、こういうぐあいに判例においても明らかになってきておるわけです。だから三百円であるとするならば二百四十円が借地権者であり、六十円が土地所有者だ。その上にまた判例として借地権に対する財産権に対して、片方におけるところの借家権に対して五割の価値があるという判例が出ておるわけですね。ですから借家権利者は五割だ。しかし再開発のようにある種の土地なりあるいは居住空間というものがとられてくる場合におきまして、借家権というものは借地権に対して八割にも相当するのじゃないか、こういう学者の意見も出てきておるわけです。そうしますと、権利として現在におけるところの判例なり何なりにおいてその程度までやってきておる。これが第二点です。それから大臣、現在の判例におきましても、たとえば借地人と土地所有者が契約を解除しても、借家人に対して対抗することができ得ない、こういう規定で実は判例も出ておるわけです。 第三の点として指摘しておきたいのは、借家法の一条ノ二ですか、この規定を読んでまいりましても、借家権というのは借家法において非常に強く位置づけておるわけですが、こういうことを前提として、先ほど申し上げましたような裁判の結果判例が出てきておる。 こう考えてまいりますと、現在の法律において、民法あるいはこの判例において、学説においてもう定着しておるにもかかわらず、なぜ借家人を組合員とすることができ得ないのか、あるいはそういう点に対して大臣もう少し——私は理事会その他で論議を積み重ねたことは聞いておりますけれども、どうしてもなじまないという、なじまないのは官僚的考え方であって、もうすでに判例は、学説はそこまで来ておるじゃないか。にもかかわらず、再開発の中心にならなくちゃならない過半数を占めておるこの借家人を追い出してしまう。そういうことになってまいりますと非常に不合理じゃないか。特に再開発の場合におきましても土地所有者と借地人とは一対一だ。これは権利の民主化という意味においてわかりますけれども、判例において五対八になっておる。その三だけを借地権者が実は法律的な保護から捨てられておるわけですね、しかも、その借地権者にまだ五割の権利を持っておる借家人を全然法律の対象としない。これはどうして法律になじまないのですか。そういう点だけを……。
○仮谷国務大臣 いろいろ御意見は拝聴いたしました。結論は、借家人の権利をどう行使するかということに帰すると思います。これは先日来いろいろ議論をされておって、私どももその点についてはいろいろと検討をいたしておるわけでありますが、再開発法においては、事業が実施されてそれから新しく入居する場合の借家人の権利は保障をいたしております。ただ事業計画を立てる場合において、これは人数から言えば借家人の方が非常に大ぜいだと思うのであります。そういう人々が一体どういう計画が立つかということについては非常な不安を持っておる。そういうことを考えてみると、そういう人々の意思を尊重するということは、これは当然のことであります。当然のことなら当然法制化すべきじゃないかという議論が出ておりますが、法制化の問題についてはいささかまだ検討の余地があるということでありますから、これはひとつ検討させてもらわなければなりませんが、同じ効果を発するように、できるだけそういう方向で努力していかなければならぬ、借家人の意見が十分尊重されて、そうして再開発が支障なく円滑に遂行できるような方策を考えるのは当然でありまして、それに対しては何らかの御趣旨に沿った対策を立てるということを申し上げたいと存じます。
○天野委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○天野委員長 速記を始めて。
○佐野(憲)委員 井上さんも詰めておりますから、いろいろまた御意見を検討していただきたいと思いますけれども、私の考えますのは、そうした法律においても学説においても裁判所の判例においても、こういう地位が認められておる。しかもその数が多数である。いろいろな権利が錯綜するかもしれません。しかしながら、借家人だけではなくてそこに住んでおる学生であろうと何であろうと、政治活動と違ってこの町をどうすればいいだろうかというマスタープラン、こういうものに積極的に参加していく、こういうことがやはり策定前における民主主義として非常に大事なことではないか。このことは、大臣、国土利用計画法ができまして市町村計画をつくる場合におきましても、案をつくる前に住民の意思が十分に反映される公聴会その他の措置をとらなくてはならない、こういう規定を置いておるわけですね。ですからもうすでに時代は、他の法律におきましては、もう作成前におきまして住民の意思が十分に反映される措置を講じなければならない、こういう規定を置いておるときでありますだけに、私はやはり借家権者を中心とする住民がマスタープランに参加をしていくという作成前の民主的手続と、実施に当たりまして、この権利者を抜きにした換地計画なんというものは私はやはり住民不在となる危険性があるということを指摘して、いずれ井上さんからもいろいろな問題を先般来質疑しておられるそうですから、私は重複を避けますけれども、そういうことは私たち、強行されたとき与党、野党一致して十分考えようじゃないか、こういう問題提起をしたのが今日までそのまま来ましたことを非常に残念だということを申し添えて、質問を終わります。
○天野委員長 井上普方君。
○井上(普)委員 ただいま佐野委員からも質問がございました。特に借家人の権利につきまして、この法律でいかに担保さすかということは非常に重要な問題であろうと存ずるのであります。先般の委員会において、この問題につきまして保留いたしましたが、建設省の統一のある見解をひとつお示し願いたい、このように思うのです。
○吉田(泰)政府委員 お答え申し上げます。 市街地再開発事業は高度利用地区内におきまして土地利用の形態を変更する事業でありますから、私法上その権能がある者、すなわち土地所有者及び借地権者、つまり建物所有を目的とする地上権者または賃借権者に限りまして事業施行の主体となることができる。組合施行の場合では市街地再開発組合の組合員となることができることとされている者であります。なお、この場合に、土地利用の形態の変更と申しますのは、現に建物が建っており、あるいは建つことが予想される土地につきまして、その建物を除却し、及び新しい建物を建築することによりその利用の状態を変更することを言っております。借家権者は既存の建築物をその用法に従って使用する権利者でありますから、土地利用の形態を変更する権能はありません。したがいまして市街地再開発組合の組合員とする等、利用施行の主体とすることはできないこととしております。 しかしながら借家権者は、その地区内で居住し、または営業している者でありまして、事業の施行により直接的な影響を受ける者でありますから、事業の施行に当たってはその意見を十分反映させる必要があります。市街地再開発事業の施行に当たり、借家権者の意向を反映させ、その円滑な施行を図るため、市街地再開発組合の発起人が事業計画を作成するときは借家権者と協議し、また組合の設立後、当該組合が利用計画の変更または権利変換計画の作成もしくは変更をするときは、借家権者の組織する協議会等と協議し、その意見を十分考慮してこれらの計画を定めるよう地方公共団体を指導することといたします。
○井上(普)委員 ただいま佐野委員からも質問がございましたように、借家権というものは権利として地上権に対しまして非常に大きい比率を占めるものであるし、かつまた、事業を遂行する上において借家権者の意見は大いに尊重しなければ仕事ができないのが実態じゃございませんか。そのときに当たりまして、こういう再開発をやる際には、地上権に対して大きな権利を持ち発言権を持っておる借家人に対しまして、計画策定時の計画にも参加させない、あるいはまた借家人組合の協議会の意見を反映させると申しましても、これまた法的に明確にさせておらないのであります。したがいまして私どもは、こういうような観点からいたしますと、この法律の内容に対しましてはなはだ大きな不満を持つものであることを表明いたしまして、私質問を終えさせていただきます。
○天野委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
○天野委員長 まず、都市再開発法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 この際、唐沢俊二郎君及び渡辺武三君から本案に対する修正案が提出されております。 まず、提出者唐沢俊二郎君から趣旨の説明を求めます。唐沢俊二郎君。
○唐沢委員 ただいま議題となりました都市再開発法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党及び民社党を代表いたしまして、趣旨の説明をいたします。 修正の案文はお手元に配付してあります。 御承知のとおり本法律案は第七十二回国会に提出され、継続審査となって今日に至っているのでありますが、この一年有余の期間の経過等に伴って、所要の規定の整備を行う必要が生じたものであります。 修正の第一点は「国土総合開発公団」の名称を「地域振興整備公団」に改めること、第二点は、施設建築物の固定資産税の軽減に関する地方税法の改正規定の適用年度を改めることであります。 以上が修正案の趣旨でありますが、委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○天野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本修正案について別に発言の申し出もありません。
○天野委員長 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。中村茂君。
○中村(茂)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、都市再開発法の一部を改正する法律案及び同法律案に対する修正案について反対の討論を行います。 近年における都市化の現象、特に大都市の人口、産業の集中は著しく、大都市における過密問題が都市問題の中心的課題として大きな問題を提起しております。 このような都市の現状を打開するためには、都市地域への人口集中の抑制を図りながら、一方では大都市人口の分散を強力に進めていかなければなりません。 そこで問題の第一点は、本法案が環境の悪化、災害の危険の増大及び市街地内の住宅不足等に対処する措置として提出されていますが、提案された法案の内容のみをもってしては、以上のような都市への集中を一層激化するおそれがあります。真に都市問題の解消を図ろうとするならば、本法案の提出に際し、一方で都市から人口分散の長期的基本構想の政策を示す必要があると思います。 そうした人口の抑制と分散政策の両面が示されるならば、本法案は大都市への集中政策のみではなく、わが国の貴重な土地を有効に、効率的に利用するためのものであることが理解できるのでありますが、本法案のみでは都市の将来ビジョンがなく、均衡ある都市対策、ひいては国民のための国土利用を真剣に考えているとは思えないのであります。 第二点は、借家権について、法文上明確な規定がなされていないことであります。このことにつきましては、都市再開発法案の審議の過程において特に論議されたところであり、借家権者を土地の所有者等と同等に位置づけ、組合の構成員とすること等によって借家権者の保護を図る必要性が強調されたのでありますが、本案においてもこの重要課題について何ら措置されていません。また、各委員の借家権に対する質問についての答弁も不満足なものであります。 第三点は、市街地再開発促進区域については、区域指定後五年経過したとき等の場合は、市町村等がみずから事業を施行する責務があるとされており、私権に対し相当強い制限が加えられているものであります。これに対し区域の指定及び市町村等が事業を施行する場合において、事前における関係権利者の意向の反映について特別の規定を設けていないことは問題であり関係権利者の保護に欠けるものと考えるのであります。 第四点は、個人施行者制度は、その性格上、採算ベースのみを考慮した事業が行われ、地域住民との摩擦等の弊害が生ずるおそれがあると考えるのであります。 第五点は、本法案は、新たに買収方式による第二種市街地再開発事業の制度を設け、公益性が高く、かつ、大規模な市街地再開発事業の早急な実施を図ろうとしていることは、一応了とするところでありますが、この規定は、単に事業手法に関するものであり、事業を推進するための担保となる措置について明文の規定を欠いていることであります。 東京都江東区の防災拠点に例をとるまでもなく、都市住民の安全を守るための大規模な市街地再開発事業を緊急に実施するためには、国の手厚い助成措置を講ずるよう特別の規定を設ける必要があると考えるのであります。 以上の理由により、われわれは本法案並びに修正案に反対することを述べ、討論を終わります。(拍手)
○天野委員長 浦井洋君。
○浦井委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、都市再開発法の一部を改正する法律案及び修正案に対し、反対討論を行います。 改正案のうち、個人施行者の制度の新設については、借家権者を事業の発起人に含めておらない、また民間デベロッパーの進出を規制する措置がないなど、不十分な点を残しながらも、零細な店舗の経営者が共同して再開発事業を行い、共同ビルを建設できる点では一定の改善として評価できるものであります。 しかしながら、本改正案は、都市再開発法の従来から持っている非民主的、強権的な性格については何ら改善せずに、新しい開発手法をこれにつけ加えたものであるため、再開発事業の実施に当たって生ずる関係住民との矛盾がますます激化するであろうことは避けられないと考えられるのであります。 原案においてまず問題になるのは、市街地再開発促進区域についてであります。 この市街地再開発促進区域内では、住民は組合または個人によって五年以内に市街地再開発事業を行うことを義務づけられ、もしその期間内に事業にかかっていないとき、またたとえその期間内であっても、権利者の三分の二以上の同意があれば市町村が代行できることとされております。 第一に、この区域指定の条件は、第七条に「その区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者による市街地の計画的な再開発の実施を図ることが適切であると認められるもの」とあるように、事業推進側の一方的な判断によって区域指定ができることであります。しかもこの段階では、どんな再開発事業を行うかの具体的、詳細計画は明らかにする必要がなく、白紙計画のままでも住民が望む望まないにかかわりなく住民は再開発事業の実施を迫られることになるのであります。 第二に、この区域指定の手続は都市計画法によるものでありますが、都市計画法では、決定するに当たって住民への案の縦覧や意見書の提出など、形式上一定程度住民に知らせる措置をとっているものの、その実態は、住民に都市計画の案を一方的に押しつけ、そこでの住民の意見や要求が組み入れられる保障はほとんどなく、住民参加の民主的な手続とはほど遠いものであります。 第三は、促進区域が指定されると、再開発事業はただ直進するのみであり、次の段階である市街地再開発事業の都市計画決定や事業認可に対する住民の運動にブレーキをかける作用を果たし、住民の意思が十分に反映しない事業が推し進められる事態の生ずる可能性が強いことであります。 全体としてこの制度は、住民の意向を無視して、上から強権的に行うためという側面が強く、本来再開発は住民参加による民主的な町づくり運動として行わなければならないという原則とはおよそかけ離れた非民主的なものであります。 次に、第二種市街地再開発事業についてであります。 東京の江東地区を初め、老朽家屋の密集した地域での防災または住環境整備上再開発が必要であるということはわが党も十分認めるところであります。このような地域での再開発は、公的機関が住民の要求と創意とに密接に結びつき、協力をしながら事業を行っていくべきであると考えます。 ところが、第二種市街地再開発事業は、市街地改造法の手法を取り入れたものであり、第一種とは権利変換と全面買収の手法上の違いだけで、実質的には何ら変わらないものであります。それは、事業に要する費用は保留床処分金で賄うという独立採算の思想が貫かれており、そのためこれらの事業はこれまで地価の高い駅前や商店街での店舗や事務所を主とした再開発にならざるを得なかったのであります。しかるに、地価が低く採算上引き合わない地域では保留床をいかにするかは大きな問題でありますが、この点に関して不明確であり、さらには公的機関が行う事業であるにもかかわらず、国の特別補助制度は設けられておらず、地方自治体の財政逼迫の折、この点をあいまいにすることははなはだ無責任であります。 第二には、この地域に多数を占める借家人に対して権利者として扱っていない点であります。政府は借家権者を権利者として認めない最大の理由に、市街地再開発事業は土地利用の形態を変更する事業として、財産権のみその対象としている点であります。しかし、再開発は、その地域の住民の基本的人権としての生存権、居住権等にもかかわるものである以上、当然借家権者も権利者とされるべきだと考えるものであります。 第三は、借家人や零細権利者に対する何らの保護規定がないことであります。財産権に対する等価交換では、小さな財産権しか持っておらない者は最低限の床の確保も保障されず、生活権や営業権、生存権さえ脅かされるのは当然であり、これらの者に対して何らかの救済の措置が講じられてしかるべきであります。 第四は、住民参加の点が欠けていることであります。住民の将来に大きな影響を与える事業に対して、住民の代表機関を設けて、計画の段階から公的機関と一体となって進めることはとりわけ重要であります。いままでの事業がなかなか進まなかった最大の理由の一つに、住民の意見や創意が反映していない点があります。 以上、−政府提出の都市再開発法の一部を改正する法律案は、再開発を進めていく上において最大の隘路を正面から取り除くのではなくして、強権の発動や手法上の問題としてのみで解決しようとするものであり、住民の意向を無視して再開発事業の強行を図る危険性を持ったものでありますから、政府原案並びに事務手続上の修正案に対し、わが党は反対を表明するものであります。(拍手)
○天野委員長 新井彬之君。
○新井委員 私は、公明党を代表して、都市再開発法の一部を改正する法律案及び修正案に対し、反対の討論を行います。 同法律案は、昭和四十四年に成立され、今日まで組合及び地方公共団体施行によって都市再開発事業が進められてまいりましたが、その進捗率はきわめて悪いと言わざるを得ないのであります。 以下、幾つかの点を挙げて、反対理由を明らかにしてまいります。 まず第一点は、この法律案では、都市再開発事業が行われる地域において、弱者たる借家権者等がどうしても地区外に転出を余儀なくされ、強者たる資本ある者が再開発事業地域に残って居住し、営利目的を達成できるような手法が残されている点であります。 今日までの都市再開発事業地域を見ておりますと、借家権者の多い地区は非常に事業が難行している姿が如実にその点を明らかにしております。また、改正部分では、幾分か前進した点も見られますが、基本的には、借家権者の意思は貫けぬ弱いものとなっております。 第二点は、再開発事業地区の保留床を特定分譲を受けて残りたくても、職業の関係、年齢の関係、その他の理由で地区外に転出しなければならぬ人々が多いが、この地区外へ転出する者に対する損失補償措置が不十分であるということであります。 第三点としては、市街地再開発事業が等価交換の原則にとらわれている点であります。 近年の総需要抑制政策や土地税制の強化等によりまして、地価は鎮静しておりますが、建築資材は急騰して、等価交換では床面積が狭くなり、同じ床面積を保つためには多額な清算金が必要となってきているのが現状であります。このような状況の中で、土地利用を半永久的に固定化する再開発事業であるため、でき得る限り政策的にも等床交換に近づける必要があると思われるのであります。その他、地方公共団体施行の再開発事業において、その事業資金や宅地所有者からの買い取り請求の財源措置の問題も解明されておらぬように思うのであります。 以上、本法律案及び修正案に反対し、討論を終わります。(拍手)
○天野委員長 渡辺武三君。
○渡辺(武)委員 ただいま議題となりました都市再開発法の一部を改正する法律案及び同法律案に対する修正案につきまして、自由民主党及び民社党を代表して賛成の意向を表明するものであります。 委員各位御承知のとおり、最近における都市化の進展に伴い、大都市はもちろん地方都市においても、環境の悪化、災害の危険の増大、市街地における住宅の不足等の都市問題がますます深刻化しており、これらの事態に対処するため、各都市における既成市街地の再開発を積極的に推進し、都市施設の整備、中高層耐火建築物の建設、職住近接を図る等、土地の合理的かつ健全な高度利用を促進することがきわめて重要な課題となっております。 こうした実情から、本法律案においては、市街地の再開発の一層の推進を図るため、主として土地の所有者等による計画的な再開発の実施を促進するための市街地再開発促進区域及び個人施行者の制度を新設するとともに、公益性が高く、かつ、権利変換手続によっては実施が困難な大規模な市街地再開発事業を早急に施行するための買収方式による市街地再開発事業、すなわち第二種市街地再開発事業の制度を新設するほか、関係権利者に対する助成を充実する等の措置を講じていることは、適切なものと考えるのであります。 なお、本法律案に対する修正案は、法律案提出以来一年有余の期間の経過等に伴う事務的な整理であり、当然の措置であります。 以上申し述べました理由により、私は都市再開発法の一部を改正する法律案及び同法律案に対する修正案につきまして、賛成するものであります。(拍手)
○天野委員長 以上で討論は終局いたしました。 —————————————
○天野委員長 これより採決いたします。 まず、唐沢俊二郎君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立多数。よって、都市再開発法の一部を改正する法律案は、唐沢俊二郎君外一名提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○天野委員長 次に、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案について議事を進めます。 この際、唐沢俊二郎君、福岡義登君、北側義一君及び渡辺武三君から本案に対する修正案が提出されております。 まず、提出者唐沢俊二郎君から趣旨の説明を求めます。唐沢俊二郎君。
○唐沢委員 ただいま議題となりました大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して趣旨の説明をいたします。 修正の案文はお手元に配付してあります。 御承知のとおり本法案は、第七十二回国会に提出され、継続審査となって今日に至っているのでありますが、この一年有余の期間の経過等に伴って、所要の規定の整備を行う必要が生じたものであります。 修正の第一点は、生産緑地法の法律番号に「第六十八号」を明記すること、第二点は、本法律の法律番号「昭和四十九年」を「昭和五十年」に改めること、第三点は「国土総合開発公団法」の名称を「地域振興整備公団法」に改めること、第四点は、地方税法の一部を改正する法律及び租税特別措置法の一部を改正する法律が昭和五十年三月三十一日に成立したことに伴い、所要の規定を整理していることであります。 以上が修正案の趣旨でありますが、委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○天野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本修正案について別に発言の申し出もありません。 —————————————
○天野委員長 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。中村茂君。
○中村(茂)委員 ただいま議題となりました大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案及び同法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して賛成の意向を表明いたします。 委員各位御承知のとおり、近年、大都市地域においては、住宅需要が著しいにもかかわらず住宅の供給が円滑に行われていないため、住宅問題は一段と深刻化している実態であります。このような事態を根本的に解決するためには、大都市地域への人口集中を抑制し、極力地方への分散を図ることは当然でありますが、これとともに緊急課題として、大都市地域に大量の住宅地の供給を図り住宅の建設を促進する必要があります。 かかる実情にかんがみ、本法律案においては、住宅市街地の計画的な開発の促進に関し必要な協議を行うための宅地開発協議会の制度を設けるとともに、市街化区域内の農地等の住宅適地について、主として土地の所有者等による良好な住宅地の整備または住宅の供給を促進するため、土地区画整理促進区域及び住宅街区整備促進区域の制度を設けるほか、土地区画整理事業に関する特例を定めるとともに、新たに住宅街区整備事業の制度を設ける等の特別の措置を講じていることは、適切なものと考えるのであります。 なお、本法律案に対する修正案は、法律案提出以来一年有余の期間の経過等に伴う事務的な整理であり、当然の措置であります。 以上申し述べました理由により、私は大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案及び同法律案に対する修正案につきまして賛成するものであります。(拍手)
○天野委員長 瀬崎博義君。
○瀬崎委員 私は、日本共離党・革新共同を代表して、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案及び修正案について反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、本法案は、さきの七十二国会で成立したいわゆる宅地並み課税を受けて市街化区域内の農地の宅地化を強引に推し進めるものであり、都市近効農業の破壊に一層拍車をかけるものであるからです。 都市の近効農業は、生鮮野菜の供給基地としての機能や都市の緑地としての機能をあわせ持っているものであり、その保全のための積極的施策が必要なことは、さきの生産緑地法の審議の際にも明らかにしてきたところであります。しかし、政府の都市近効農業保全の施策は、全く不十分と言わざるを得ないものであります。政府は法案の集合農地区制度で生産緑地は確保できると述べてはいるが、このような貧困な施策のもとで営農を維持する保障は不可能に近いと言わざるを得ません。 反対の第二の理由は、本法案の促進区域制度は農民の意向を無視して強権的に宅地化を進める危険性を持っているからであります。 政府は、指定が市町村に任されているので、農民の意向は十分尊重できるとしているものの、その根拠は全く薄弱であります。それは、現行の都市計画による市街地開発事業がほとんど都道府県の指定であるのに比べれば、市町村指定によって一定農民の意向が聞けるというだけのことで、農民の意向が尊重できる制度的な保障は全くありません。また、建設省が昨年三月発表した宅地・住宅供給可能量の実態調査結果報告でも、市街化区域内の農地の宅地化を義務づける制度については否定的結果が出ており、その理はないものであります。 運用面で農民の意向を十分反映できると言うならば、現行法で十分であり、促進区域制度を待つべくもありません。この促進区域制度が現行法で宅地化が進まない背景のもとで定められようとしていることからも、その強権性に一層疑問を抱かずにはおれないものです。 反対の第三の理由は、これらの宅地化によって年々一〇%以上の値上がりを示している市街地地価から見ても、勤労者のための低廉な宅地供給という点には疑問を抱かざるを得ず、住宅難解決に大きく貢献するものではないからであります。 反対の第四の理由は、本法案では、農地に中高層住宅を建設する住宅街区整備事業の新しい手法が定められており、これらの開発によって大都市における人口が増大し、それに伴う地方自治体の財政負担が一層増大することになるからであります。 政府は、この法律で地方自治体は公営住宅用地を確保できると説明しているものの、現在の深刻な地方財政の実情のもとで地方自治体が買い取れる現実性はきわめて薄いものであります。また、このようなところにデベロッパーが介入すれば、安易に住宅用地を取得できる道が残されていることも見逃すことはできません。 最後に、本法案は、農民の宅地化にいろいろな恩典を講じてはいるものの、従前と変わりはなく、促進区域制度のむちのかわりにあめをやるといったたぐいのものでしかないことであります。 以上のように、本法案は、宅地並み課税によって深刻化する農民に強引に宅地化を迫るものであります。農地の宅地化に当たっては、農民の意向を十分尊重し、自主的な宅地化を図るべきであり、そのために国の十分な援助が必要なことは言うまでもありません。こうした、農地の吐き出しによる宅地化では、現在の深刻な住宅、宅地問題は解決できるものではありません。 以上の理由により、わが党は本法案及び修正案に反対するものであります。 いま求められているものは、わが党の提案した生活用地確保法案の実現や第二次土地改革を初めとする国民本位の住宅、宅地問題の総合的解決であることを主張して、反対討論を終わります。(拍手)
○天野委員長 以上で討論は終局いたしました。 —————————————
○天野委員長 これより採決いたします。 まず、唐沢俊二郎君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立多数。よって、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案は、唐沢俊二郎君外三名提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○天野委員長 ただいま修正議決いたしました両案に対し、内海英男君、福岡義登君、新井彬之君及び渡辺武三君から、それぞれ附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者内海英男君から趣旨の説明を順次求めます。内海英男君。
○内海(英)委員 ただいま議題となりました両法案に対するそれぞれの附帯決議案について、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、都市再開発法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について申し上げます。 附帯決議の案文はお手元に配布してありますが、その要旨は、 第一に、大都市地域に集中する人口を地方に分散させるための総合的な施策を強力に推進すること。 第二に、防災大拠点の整備等防災上必要な市街地再開発事業を最重点的に推進し、その助成に努めること。 第三に、市街地再開発促進区域の指定等に当たっては、借家権者を含む関係権利者の意向を十分把握し、その意向に即して行うこと。 第四に、借家権者等零細権利者の生活安定のための助成措置を講ずること。 第五に、個人施行者に対する指導監督を厳に行うこと。 第六に、第二種市街地再開発事業により施行者が取得する保留床は、公的住宅等の公共施設に優先的に活用すること。 以上であります。 委員各位の御賛同をお願いいたします。 次に、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案に対する附帯決議案について申し上げます。 附帯決議案の案文はお手元に配布してありますが、その要旨は、 第一に、本法の施行により、大都市地域の人口集中を助長しないよう配慮すること。 第二に、大都市地域に準ずる地方中核都市に特定土地区画整理事業等を施行することについて検討すること。 第三に、土地区画整理促進区域等の指定等に当たっては、関係権利者の意向を十分把握し、その意向に即して行うこと。 第四に、特定土地区画整理事業等と近郊農業との調整について配慮すること。 第五に、特定土地区画整理事業等に対する融資その他の助成措置の強化を図ること。 第六に、公営住宅等の用地制度の活用等により公営住宅の確保を図ること。 以上であります。 委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手) ————————————— 都市再開発法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 大都市地域における都市間題の基本的な解決を図るため、市街地の再開発の推進と併せて、大都市地域に集中する人口を地方に分散させるための総合的な施策を強力に推進すること。 二 地震・火災等の災害の発生に際して都市の住民の安全を確保するため、防災拠点の整備その他防災上必要な市街地再開発事業の実施を最重点的に推進するものとし、これに必要な資金の確保その他の助成に努めること。 三 市街地再開発促進区城に関する都市計画の決定及びその区域内における市町村等の公共団体による市街地再開発事業の施行に当たつては、事前に借家権者を含む関係権利者の意向を十分に把握し、その意向に即してこれを行うよう指導すること。 四 市街地再開発事業の実施に当たつては、特に借家権者その他の零細権利者の生活の安定が図られるよう必要な助成その他の措置を講ずること。 五 個人施行者による市街地再開発事業については、その公共的な目的が達成されるよう厳に指導監督を行うとともに、組合施行の場合と均衡のとれた助成揩置を講ずること。 六 第二種市街地再開発事業については、保留床を公的住宅等の公共的施設に優先的に活用するよう十分配慮すること。 右決議する。 ————————————— 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 本法の施行に伴い、大都市地域における人口集中を助長することのないよう適切な配慮をすること。 二 本法による特定士地区画整理事業及び住宅街区整備事業については、大都市地城のみならず、これに準ずる地方の中核的な都市周辺においても施行することができるよう、今後十分検討すること。 三 土地区画整理促進区域又は住宅街区整備促進区域に関する都市計画の決定及びその区域内における市町村等の公的団体による特定土地区画整理事業又は住宅街区整備事業の施行に当たつては、事前に関係権利者の意向を十分把握し、その意向に即してこれを行うよう指導すること。 四 特定土地区画整理事業及び住宅街区整備事業の施行に当たつては、近郊農業との調整について十分配慮すること。 五 大量の住宅地の供給と良好な住宅街区の整備を図るため、特定土地区画整理事業及び住宅街区整備事業については、融資その他の助成措置をさらに強化するとともに、これらの事業に関連して必要となる公共公益施設の整備に要する費用についてもその助成措置の強化を図ること。 六 住宅に困窮する低額所得者に対する住宅を確保するため、本法による公営住宅等の用地制度の活用に努めるとともに、住宅街区整備事業による共同住宅の一部が公営住宅等に与えられるよう十分配慮すること。 右決議する。 —————————————
○天野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
○天野委員長 両動議に対し、別に発言の申し出もありませんので、順次採決いたします。 まず、都市再開発法の一部を改正する法律案に対する内海英男君外三名提出の附帯決議を付すべしとの動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立総員。よって、内海英男君外三名提出のとおり、附帯決議を付することに決しました。 次に、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案に対する内海英男君外三名提出の附帯決議を付すべしとの動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立多数。よって、内海英男君外三名提出のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。仮谷建設大臣。
○仮谷国務大臣 都市再開発法の一部を改正する法律案及び大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案の御審議をお願いして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすように努めますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して、今後の運用に万全を期して努力する所存でございます。 ここに、法案の審議を終わるに際しまして、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。 ありがとうございました。(拍手) —————————————
○天野委員長 なお、お諮りいたします。 ただいま修正議決いたしました両案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○天野委員長 次回は、来る六日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午前三時三十九分散会 ————◇—————