建設委員会 第13号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/05/07
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 第七十二国会、内閣提出、都市再開発法の一部を改正する法律案及び大都市地域における住宅地等の供給の促進に閣する特別措置法案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 ただいま議題といたしました両案につきましては、第七十二回国会においてすでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 都市再開発法の一部を改正する法律案 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○天野委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三枝三郎君。
○三枝委員 それでは、都市再開発法の一部を改正する法律案並びに大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案、この二法案につきまして幾つかの質問をいたしまして問題点を明らかにいたしたいと思います。 この後者の法案は名前が長いので、大都市法案というぐあいに建設省の担当の方も言っておられるようですから、以下大都市法案と呼ばせていただきます。 最初に、わが国の都市は、御承知のように、木造家屋が密集している、街路、公園などのオープンスペースも大変不足しているという事情のために、市街地の土地利用が効率的でない。さらに環境の水準も低く、また火災、地震などの災害にもきわめて弱い構造となっております。 こういった傾向は近年ますます顕著になっており、特に首都圏あるいは近畿圏、中部圏、こういった三大都市圏におきましては、人口の増加あるいは地価並びに建設費の高騰、さらには市町村などの団地をつくることについて拒否反応が出るといったようなことで、住宅宅地需給の逼迫は一段と深刻化しております。 このことは先般の宅地開発公団法案の審議の際におきましても、政府答弁で明らかにされた昭和四十九年度から昭和六十年度までの、先ほど述べました三大都市圏の新規の住宅需要は四百四十万戸、新規の宅地需要は七万六千ヘクタールという非常に大きな数字に上ると言われております。 そこで、これらの都市問題に対処しまして、政府は今回この二つの法律案を出したわけでございますが、この法案によりまして、市街地の再開発事業あるいは土地区画整理事業、こういった事業によって都市整備の推進を図ろうとしておるわけでございます。 そこで最初に、現在これらの都市の再開発について建設省はどのような体制で臨んでいるか。それから、この都市再開発に関する過去三カ年の建設省の関係の予算はどの程度になっているか。特にこの三カ年、四十八年、四十九年、五十年、これが建設省全体の予算について何%になっているか、その数字をまずお伺いいたしたいのでございます。
○吉田(泰)政府委員 御指摘のように、都市の再開発の緊要性にかんがみまして、建設省では、主として都市局及び住宅局で業務を分掌しつつ相協力して再開発関係の行政事務並びに事業執行の助成、指導等を行っているところでございます。 〔委員長退席、村田委員長代理着席〕 その所掌の分野は、主として地方公共団体施行のものは都市局が所掌し、組合施行あるいは住宅公団施行のものは、公団住宅との関連あるいは民間再開発の助成の過去の経緯等にかんがみまして、主として住宅局が所掌するというふうに分けているわけでありますが、別途、再開発法自体の施行とか立案、解釈、こういったものは一元的に都市局で処理しておりまして、その他実務の処理につきましては常時密接に連絡、調整を行い、予算獲得等も共同して行って実現してまいっているところでございます。 〔村田委員長代理退席、委員長着席〕 次に、四十八年度以降の予算でございますが、再開発関係の予算としては、道路整備特別会計からの補助金と一般会計の補助金と二通りありまして、実は公共団体施行につきましては、従来道路特会の補助だけでございました。一般会計の補助はなかったわけでありますが、再開発事業の助成のために四十八年度から新しく一般会計補助制度が新設されたということでございます。なお四十八年度に、同じく道路特会につきましても原則として幅員八メートル以上の街路はすべて補助対象にするという大幅な対象の拡大が行われまして、従来の幅員十二メートルから見れば、かなり小さな街路まで補助対象になる、それだけ施行に公費がつぎ込まれるという体制が整ったのでございます。 そういういろいろな画期的な助成措置の強化が行われました四十八年度というものは、予算額としては道路特会の補助事業費が約八十五億円、一般会計の補助事業費が二十七億円、計百十二億円でございました。 次いで四十九年度には、金額的には道路特会九十二億、一般会計四十六億、計百三十八億と伸びておりますが、制度的にも、都市整備費とか共同施設整備の補助の拡充あるいは江東地区の防災拠点につきまして防災性能強化等の新しい一般会計補助対象が加わったのでございます。 さらに五十年度の予算におきましては、道路整備特別会計の補助対象街路の基準を緩和いたしまして、先ほど幅員八メートル以上を原則として対象にすると申し上げましたが、大都市では依然として十二メートル以上であったわけでございます。これをすべての都市で八メートル以上採択するということ、あるいは日本住宅公団が施行するもの、さらに本改正案によりまして新しく制度が開かれる個人施行の事業に対しましても、補助するということが行われました。金額としては、道路特会によるものが百四億円、一般会計補助が五十九億円、計百六十三億円ということで、今年度は非常に厳しい予算でございましたが、再開発関係についてはまずまずのスピードで伸ばしている次第でございます。
○三枝委員 それでは、次に現在日本の都市が当面しております住宅難あるいは交通難、都市災害の危険の増大、こういった都市問題は、基本的には経済の高度成長によって人口並びに産業が急激に都市に集中された、それに並行して社会資本の蓄積が進んでいない、相対的に立ちおくれたというところが一つの原因だろうと思います。 そこで、そういう点から見まして、単に大都市地域においてのみ市街地の開発整備を図るということでは、かえって人口、産業の大都市集中を進行させるのではないか、都市問題をさらに深刻化させるおそれがあるのではないか。たとえば東京都の、先ほども局長が言われた江東の防災再開発のような大規模な事業において、むしろ地区内の人口は増大するのではないか、そういった懸念があります。この点について政府はどのようにお考えになっておりますか。
○吉田(泰)政府委員 確かに御指摘のとおり大都市の人口、産業の過度集中というものは非常な弊害を生じているわけでありまして、これを基本的に解決するために、どうしても大都市への人口、産業の集中を抑制する。かわりに、受けざらとしての地方への分散のための地方都市の整備等を強力に推進するということが基本的な課題であると思います。 しかしながら、今回御提案申し上げている都市再開発法の関係では、これは大都市ばかりではなくて地方都市でも大いに活用されているわけでありまして、いわば地方都市の整備のさらに中核として再開発事業が盛んに活用されてもおります。今後も活用したいという念願も秘めているわけであります。 大都市法案は文字どおり三大都市圏だけの法律ですから、その限りにおいては大都市に住宅、宅地を供給するということでありますけれども、これは人口集中の要因となる業務施設を呼び込むというものではなくて、すでに過密になっている、その結果生じている切迫した住宅、宅地事情というものを受け身の政策として後始末しようという政策でございますので、今日の住宅事情にかんがみ、どうしても必要ではないかと考えます。 なお、都市再開発法の実際の事業の施行に当たりまして、江東地区等で現在人口よりもふえるじゃないかということでございます。確かに江東地区の拠点につきましては、相当部分工場跡地等を先に買収した上で実施することにいたしておりますため、現在人口が極端に少ないわけであります。それに比べればある程度ふえる計画は、むしろ地元の生活環境維持のため、あるいは商店街等が利便施設を持っていくというためにも必要ではないかと考えますが、もとより再開発によって著しく人口を増加させるということはないように、十分配慮いたしたいと思います。
○三枝委員 今回の政府案におきましては、促進区域という新しい都市計画の制度が提案されております。この促進区域は、御承知のとおり都市再開発法改正案では市街地再開発促進区域の制度、大都市法案では土地区画整理促進区域及び住宅街区整備促進区域の制度が設けられることとなっております。そしてこれらの促進地域に共通するところは、いずれも都市計画上土地所有者等により市街地の計画的な整備、開発を促進する必要があるという区域について、土地所有者等に事業実施等の努力義務を課して、積極的にその区域にふさわしい土地利用形態を実現するとともに、一定期間内に土地所有者等による事業の実施が行われない場合には、公的機関、地方公共団体がこれを実施することによって都市計画の実現を担保しようとしているわけでございます。 そこで、以下四点についてお伺いしたいと思います。 第一点は、このような促進区域の制度は、まず土地所有者等に対しまして事業を実施するようにという積極的な行動について努力義務を課するものでありますので、この制度が円滑に運用されるためにも、また関係権利者の保護のためにも、その指定に当たっては十分に事前に関係権利者の意向を把握する、そしてその合意を得て指定することとしなければならないのではないだろうか、その点の考え方でございます。 第二点は、土地所有者等が事業を実施しない場合には、市町村等の公的団体がこれを実施することとなっている。この土地所有者等の意に反して事業を強行する強権的な面があるのではないかという心配があります。その点はどうであるか。 それから第三点は、再開発を例にとりますと、たとえば東京都の町田市の原町田地区の、これは町田市の施行の市街地再開発事業、御承知のとおりでございますが、また鎌倉市施行の大船地区の市街地再開発事業は、いずれも昭和四十七年の三月に市街地再開発事業に関する都市計画が決定された。ところが、その後関係権利者の調整に相当手間取って、市当局の努力にもかかわりませず、三年を経過した今日でもなお事業計画の決定に至っていない。こういうようなことは、地方公共団体といえども、関係権利者の反対があればなかなか実施できないという壁が考えられるのではないか。この点についてのお考え。 それから第四点は、これら市町村に対しまして最終的に事業を実施すべき義務を課することは、むしろ市町村に促進区域を指定することについてちゅうちょさせるのではないか、そういったおそれが考えられないでもない。 以上四点についてお考えを承りたいのでございます。
○吉田(泰)政府委員 まず促進区域を指定するからには、土地所有者等の関係権利者の意見を十分事前に掌握して、見通しをつけて指定すべきではないかということでございます。 おっしゃるとおりでございまして、法律の制度としては特に荒立ててこの法律上の独特の手続は規定しておりませんで、すべて一般法である都市計画法に定められました手続、すなわち説明会の開催とか案の縦覧、意見書の提出等の手続によって都市計画決定することになりますが、同じそういったことをやりますにしましても、御指摘のような開発という積極的行為を努力義務づけるわけでありますので、一般の都市計画とは趣を異にする面があるわけであります。そういう意味で、事前に十分関係権利者の意向というものを打診し、あるいは説明し、十分その協力体制が得られる、促進区域に指定しても一向に促進されないというようなことのないような周到な事前の準備と、なかんずく住民の意向の反映ということに心がける必要がございます。その点は法律の運用上十分に戒めて逸脱のないように指導する所存であります。 次に、二年あるいは五年経過したときには市町村がかわって区画整理事業等を行うという仕組みでありますが、促進区域という指定をいたしました以上、さっき申したように、一般的には地元住民の方の開発機運があるわけでありますけれども、いろいろな事情の変更もございましょうし、具体的に話を詰めてみれば思わぬ障害にぶつかるというようなこともあろうかと思います。そういうことのために、一般的な機運はありながら実際にはなかなか権利者同士の話し合いでは話が進まないということもあり得るのではないかということを想定したわけでございます。そういう場合に、促進地域をかけますと同時に、事業がしやすいように一定の開発行為、建築行為等を規制する措置がありまして、短期間に開発がなされることを前提としてこそそういった規制が許されるわけでありますから、いつまでもほっておくわけにいかない。そういう意味で、むしろ住民のそういう意向に即しつつ、具体的な権利の調整とかあるいは資金手当てというようなものを、関係権利者だけの組織ではむずかしいような事情があるときに、それを補うという意味で市町村が乗り出そうということでありますので、決して強権的な意味合いのものではありません。促進区域を指定する以上、必ず短期間に開発が促進されるということを保証するための制度であると考えております。 次に、実例を挙げて御指摘のありましたように、都市計画決定後、権利調整に手間取りまして事業計画の策定に至らない、つまり事業にかかれないというところも幾つか現にございます。それ以前に、都市計画決定の段階でかなり綿密に意向を打診し、情勢を見きわめて都市計画決定するのが通常でありますが、やはり事業計画になりますとさらに詳細な内容になってきますので、都市計画決定がスムーズにいきましても、事業計画の段階までにはまた非常に細かな具体的な権利の調整が要るということであります。 基本的には、再開発によって従来の生活形態が激変するとか一変するとか、地区外に転出を余儀なくされるとか、そういった本人の納得できないような事態にできるだけ追い込まないようにしなければならない。そのためにはまた国、地方公共団体ともに相当の助成をいたしまして、関係権利者の負担というものを極力軽減する、再開発事業に協力するということがその地区の再開発、都市整備に役立つのみならず、自分の生活再建としても悪くないというところまで持っていく必要がある、このように考えておりまして、逐年の予算で漸次制度的にも予算額としても拡充してまいったつもりであります。今後ともその方向で努力したいと思います。 最後に、市町村が乗り出す必要があることを恐れて市町村自体が促進区域の指定をちゅうちょすることはないだろうかという御指摘でございまして、これも促進区域をやたらにかけまして、全部権利者では施行できない、大部分のものが市町村施行になるというような事態を考えますと、そういう心配があるわけでございますが、先ほど申しましたように、十分関係権利者の機運に即しまして促進区域を指定することといたしますので、まずもって促進区域のほとんど大部分のものは、法律の期待どおり権利者の手によって開発されるのではないか。まあしかし、万一漏れがあるといけないという意味で市町村の代行というものを制度化しておりますが、その方にそうやたらにくることはないと考えますので、市町村が乗り出す場合のことを恐れて市町村が指定を拒否するということは、この法案の趣旨が漸次理解されれば、その心配は余りないのではないかと考えております。
○三枝委員 政府は、先般宅地開発公団法案で大規模の開発方式を提案しております。また、今回のこの二法案につきましても、いま触れました促進区域といったような制度も提案されています。さらには、現行のたとえば新住宅市街地開発事業などの宅地開発手法もあるわけでございます。こういったいろいろな手法が考えられるわけでありますが、住宅、宅地の供給の確保のためのこういった制度、方式を相互に矛盾なくどのように組み合わせて、どのような全体構想のもとに政府は総合的に運用していく方針であるか、その基本的な考え方を伺いたいのでございます。
○大塩政府委員 基本的な考え方といたしましては、まず一般的に、既成市街地の中におきましては再開発を促進するということで、ただいま御説明のありましたように、高度利用地区を指定いたしまして、都市計画法によりまして計画的な市街化の誘導を図っていくという考え方でございます。 それから、既成市街地に比較的近い近郊部と申しますか、そういう周辺の地域におきましては、公共事業が比較的整備されている地域であり、また整備されつつある地域でございますから、この地域におきましてもなお相当量の開発適地があるわけでありまして、たとえば東京圏について見ますと、空中で見ましても三ヘクタール以上の空地が四万四千ヘクタールぐらいあるというようなデータを持っておりますが、こういったところにスプロールが進行しないようにいたしますために、計画的な市街化を図っていく、そのために、一団地の住宅施設というような方法あるいは区画整理を積極的に行いまして、宅地開発を従来も進めてまいりましたし、これからも進めていかなければならないということで、今回の促進地域の制度あるいは特別の区画整理の制度というような事業は、こういう地域を主としてねらっていって、まず自主的な開発にゆだね、一定期間後は公共がこれに代行するという形をとるべき地域だというふうに考えておるわけでございます。 なお、先般来御審議を願いました大規模な開発というものは、主として大都市の周辺部におきましてスプロール化が現に進行しつつありますので、これらの地域についてやや先行的にスプロール化をそこにおさめるべく、個々におきましては新住宅市街地開発事業とかあるいは大規模な区画整理事業を従来も行ってきたところでありますが、さらにこれを一層計画的にまとめるという必要から、宅地開発公団というような制度をつくりまして、ここに大規模開発を行って大量供給に資したい、こういったことで、それぞれの地域の特徴あるいはその都市の位置等によりまして、その手法を総合的に勘案してこれらを組み合わしていかなければならないと思っているわけであります。 さらに民間開発につきましても、これらを積極的に計画的な開発に誘導する必要があるということで、それらの促進を考えておる次第でございます。
○三枝委員 いまの質問に関連しまして、活用すべき制度として、特に促進区域内におきまして、私は、住宅公団といった公的機関の制度、資金あるいは技術、これを考えるべきではないかと思うのでございます。 御承知のとおり住宅公団は、すでに今日まで、地主などの権利者と共同して土地、住宅施設等を一体的に整備するための各種の手法についての経験を持っております。したがいまして、こういった経験を活用することによって、事業化の見通しも得られやすくなるのではないか、関係市町村も地区指定に踏み切りやすくなるのではないか、そういったことが考えられますので、この住宅公団を積極的に活用するという問題についての基本的なお考え方を承りたいのでございます。
○吉田(泰)政府委員 おっしゃるとおり、日本住宅公団の組織力あるいは資金力あるいは豊富な経験から来る技術力等は大いにこの種の事業に活用いたしたいものと考えております。制度的にも日本住宅公団は市町村と協議の上、特定土地区画整理事業あるいは住宅街区整備事業を行うことができるようにいたしておる次第でございます。 また、公団がみずからの事業として実施する場合以外にも、たとえば住宅街区整備事業につきましては、組合施行の場合の参加組合員という立場でこれに参加する、資金的にも参加するとともに、必要に応じ公団の技術力、組織力等を活用するという道もあります。あるいは特定土地区画整理事業につきまして、共同住宅とか公営住宅等の用地をとる制度がございますが、そういう地区がとられました特定土地区画整理事業につきましては、それらの場所を公団が取得いたしまして、そこに公団住宅の建設を図るというようなことも考えられます。 いろいろな方式でもって日本住宅公団もこの大都市圏の住宅事情の緩和に大きな役割りを果たしたい、またそういうふうに持っていきたいと考えている次第でございます。
○三枝委員 次に、文部省にも関係のあることをちょっとお伺いしたいと思います。 大都市法が適用されるところは、大体において人口急増地帯でございます。これら人口急増地帯の関係地方公共団体は、学校などの関連公共施設の整備費の支出が非常に大きいので、いずれもその負担に悩んでいるわけでございます。 そこで、この大都市法案を見ますと、特定土地区画整理事業及び住宅街区整備事業の実施に当たりまして、義務教育施設用地またはその代替地を確保する道が開かれたということは非常に高く評価されるところでございます。しかし、このようにして確保された土地も、結局は市町村が有償で買い受けなければならない。最近の地価の高騰などを見ますと、また市町村等の財政力を見ますと、市町村としてはこの新制度を利用したくても財政がなかなか許さないという悩みがあるのではないか。こういった点につきまして、建設省、文部省、いろいろと相談されていることと思いますが、特に私は、文部省におきましては、この法案とはちょっと離れますが、学校用地にかかわる国の補助について、聞くところによりますと本年度で打ち切りになるというようなことでございます。そういうことになりますと、なおさら人口急増地帯における関係市町村の財政の点からいきますと、この学校用地の確保というのは非常にむずかしい状況になる。そういう点で、建設省はあれですが、文部省はどのようにこれに対処されるか、基本的な方針——もし打ち切りになるとすれば、これはそのまま打ち切りということで今回で終わってしまうものかどうか、これをさらに延長させなければならないのかどうか、その点の基本的なお考えを伺いたいのでございます。
○今村(武)政府委員 公立小中学校の用地費については従来起債で措置しておるところでございますが、特に児童生徒が急増する市町村につきまして、公立小中学校の用地費に関しましては、これらの市町村の財政対策としては、御指摘のように昭和四十六年度から五十年度までの臨時的な措置として補助を行ってきております。五年間における役割りは相当大きな役割りを果たしてきたものと考えております。 昭和五十一年度以降この制度を延長するかどうかにつきましては、児童生徒数の動向、地方公共団体の財政事情等との関連において考慮されなければならない問題で、来年度の予算編成時期の問題でございますが、それに備えて目下関係市町村の学校新設の需要等について調査を行っております。その結果を見て決定をいたさなければなりませんが、現在の情勢からして、積極的な態度で考えていかなければなるまいと考えておる次第でございます。
○三枝委員 時間の制約もございますので、最後に大臣にお伺いいたしたいと思います。 再開発のようなきめの細かい対策を総合的に実施する必要がある建設行政につきましては、何と申しましても、まずそれに対処する体制、さらには関係の法令の整備、そして予算の確保、こういったものが必要ではないかと思います。 最初に、冒頭現状の建設省の体制をちょっと伺いましたが、たとえば公共団体施行の再開発事業につきましては都市局の都市再開発課が窓口になっている。組合施行については住宅局の市街地建築課が窓口になっている。私の手元にも地方公共団体から何とか窓口を一元化してくれないかというような陳情がございます。 そこで、これらの法案がいずれ通過し、成立して日の目を見るようになりますと、この体制の問題についてはもっと能率的なものにする必要があるのではないか。そこで、この再開発関係の組織を統合するといいますか、さらには拡充するといいますか、そういった点で大臣の基本的なお考えを第一にお伺いいたします。 次に第二点でございますが、これは先般来幾つかの新聞に出ておりまして、建設省の意向がいろいろと推測されている問題でございます。それは御承知のように、都市計画法の規定によりますと、おおむね五年ごとにいわゆる線引きの見直し作業が行われるということになっております。新たに市街化調整区域から市街化区域に編入されるであろうというようなことが予想される、それに関連していろいろ新聞では取りざたされております。そして、ことしは線引き後五カ年に該当する都市計画区域が出始めてくるということでございますので、私はこの際大臣から、基本的にどのような御方針で線引きの見直し作業を行われる御予定か、その基本的な御方針だけを伺いたいと思います。 最後に、今回の提案されました法律は、いずれも国民の生活にとって直接響く住宅、宅地の問題でございます。御承知のように、平均的なサラリーマンが二十五年も三十年もあるいはそれ以上勤めましても、なかなか思うように、第二の人生に入る場合にマイホームを確保することが至難な現在の状況でございます。その問題に建設省が積極的に取り組んでこの法案を出されるということは、私は非常に意味があるんではないかと思うのでございます。昨年の政府の予算を見ましても、政府の重要な施策として、食糧の増産という点あるいは社会福祉の充実、これはもちろんでございますが、同時に、私ども国民の生活に直結する住宅関係の予算、住宅関連の公共事業について、総需要抑制という制約下にありながら相当高いウエートを置いて予算が編成されたのは御承知のとおりでございます。 そこで、私は最後に大臣に、このような重要な住宅関係、宅地関係のこの予算につきまして、先ほど冒頭に、過去三カ年建設省全体の予算にどの程度のパーセンテージが占められているか、ウエートが置かれているかを伺ったのですが、まだまだあの程度では不十分ではないか。問題の持っている重要な意味から申しまして、もっともっと助成措置を講じなければならないんではないか。財政上の措置、補助対象を広げるとか、あるいは補助率を上げるとか、あるいは融資の面でも融資枠を広げるとか、融資の条件を緩和するとか、長期低利の融資の道を開くとか、あるいは税制上のいろいろな恩典を考えるべきではないか、さように考えます。 これにつきまして、ちょっと横に走るかもしれませんが、荒垣秀雄氏が先般随想を書いております。衣食足って礼節を知るということについて、荒垣氏は「食足って礼節を忘れる」というテーマで、テレビを見ながら物も言わぬで、家というものが非常に荒廃している。この中に「農村社会では囲炉裏をかこんで一家が食事を共に」する、これはやはり私は家を持っているということだと思います。衣食足って礼節を知るのではなくて、衣食住足って礼節を知る。この住の問題がいまなかなか思うようにいかない。そういうような国民の心の問題の点からいきましても、この際大臣は相当思い切った措置を新年度についてはお考えになる時期ではないだろうか、そういうぐあいに考えておりますので、以上三点を大臣に御質問しまして私の質問を終わりたいと思います。
○仮谷国務大臣 大変適切な御意見を拝聴をいたしたわけでありますが、さきに宅開公団法をこちらで御協議、通過をさしていただきました。大都市周辺の宅地の大量供給というのを目的でやったわけでありますが、その際にもいろいろ議論をされたように、既成市街地内にまだまだ遊休地がたくさんあるじゃないか、そういったものについてももう少し積極的にやるべきではないか、むしろその方がさらに緊急性があるといったような意見もあったわけでありまして、そういう面から考えますと、今回の一連の法案が既成市街地区域内の宅地開発にあることは御承知のとおりでありまして、そういう意味において、私どもは両法案が通過することによって初めて一応の形が整うものであろう、かように考えておるわけであります。 そういう意味から、今回の法案につきましてもぜひひとつ御協力いただきたいと思っておるわけでありますが、まず御質問の事務分掌の問題でございますか、都市局と住宅局で分掌をして実はこの仕事をやっておるわけですが、率直に申し上げまして、私自体がいろいろと仕事を進めていくために、この仕事は都市局の方かな住宅局の方かなと、私自体が実は局長を呼んで、これはおまえの主管かと言って聞かなければならぬような問題が実はあるわけで、御説はもっともだと思うのであります。そういう意味においては緊密な協力をさして、そして推進をしていかなければならぬと思っておるわけでありますが、ただ、組織の統合とか拡充とかいう問題になりますと、ほかとのいろいろ均衡の問題もありますものですから、これは慎重に検討をさしてもらいたいと思います。しかし、おっしゃる点が確かにありますから、たとえば両局が分掌してやるにいたしましても、そういう点を明確にして、皆さん方の御理解が得られるようなそういう形の今後の事務的な進め方はいたしてまいりたい、かように存じております。 それから、第二点の都市計画の見直しの問題でありますが、確かに新法の施行直後に線引きをしたところは、本年度中に五年目で一応見直そうということになっておりまして、都道府県ではそれぞれ見直しがやられておるようでありますから、これはもちろんその見直しのできたところから逐次協議をいたしてまいります。特にこれは農林省の方と十分協議をいたしていかなければならぬと思っておるのでありますが、ただ御承知のように、最近の傾向がいわゆる低成長経済期を迎えたと申しますか、そういうようなことで市街化傾向が若干鈍化しておるという面もあると思うのであります。それからもう一つの傾向は、国土利用計画法が一応できたものですから、むしろそれによってある程度乱開発を規制しよう、そういう逆の考え方から線引きを変更しよう、こういう考え方もところによってはあるようであります。そういうふうなものをよく勘案しながら、私どもは適正にやらなければならぬと思っておりますが、大幅な拡大は決して好ましいことでもないし、五カ年前にやったものと五カ年後と、それはいろいろ事情は違っておりましても、そんなに根本的に違ってくるようなことはあるべきはずはないと思っておりますから、やるにいたしましても最小限度のものにとどめたい、実情をよく実地調査をいたしまして最小限度のものにとどめていきたい、こういう考え方でおりますし、やらなければならぬものとすると、関係地区民やそういう人々と十分協議の上、納得の上で問題の処理に当たるべきである、こういう考え方を持っております。 それから、最後の予算の問題でありますが、これはもうおっしゃるとおりであります。昔、衣食足って礼節を知ると言われておりましたが、やはり衣食住足って礼節を知るでありまして、衣食の問題については、一応私は満足とはいかないまでも、列国と比較をいたしましても決して見劣りはしないと思っております。問題は住の問題でありまして、住の問題にこれから全力を挙げるということが政治の課題であろうかと思いますし、特に三木内閣においても住問題に最重点を置いておることは御理解いただけると思うのでありますから、そういう意味におきまして、この法案が成立をいたしましたなれば、さきの法案成立と一連の関係もございますから、五十一年度は最重点に問題を取り上げていきたいと思っております。具体的な数字等につきましてはこれはまた後刻申し上げますが、いずれにいたしましても最重点として全力を挙げて処置をいたしてまいりたい、かように存じております。
○三枝委員 終わります。
○天野委員長 福岡義登君。
○福岡委員 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案並びに都市再開発法の一部改正についての並行審議ということでございますが、まず大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法案について御質問を申し上げたいと思います。 この法案の第一条には、「大量の住宅地の供給と良好な住宅街区の整備とを図り、もって大都市地域の秩序ある発展に寄与することを目的とする。」と書いてあります。この法案では、土地区画整理事業に特例を設けた特定土地区画整理事業と、土地区画整理事業の手法に準じた住宅街区整備事業の二つの制度が創設されておるわけでありますが、そこでお伺いしたいと思いますのは、一体この法案によって特定土地区画整理事業及び住宅街区整備事業がどのぐらい予定されておるのかということをお伺いしたいのであります。 また、この事業を推進をいたしますと、農地を宅地化するわけでありますから、近郊農業の確保の問題等も出てくるわけでございます。この建設省の資料によりますと、大都市地域のうちの市の区域に所在する農地、これがA、B、Cとこうあるのでございますが、三大都市圏の市部における農地の総面積は十万八千四百九ヘクタール、こうなっておるわけです。この十万八千四百九ヘクタールのうちどのくらい農地が宅地化されるのか、それが近郊農業その他との関係から考えてみまして適当であるのかどうかという検討も必要になってくると思うのですが、前段の方で、二つの事業を通じてどのくらいのものを予定されておるのか、関連して申し上げましたことについても御説明をしていただきたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 この法律案に基づきまして創設される特定土地区画整理事業及び住宅街区整備事業の事業量の見通しでございますが、これにつきましては、この法律が成立いたしましたら早速この趣旨を十分PRいたしまして、この制度が土地所有者等にとっても、また市町村にとっても好ましい点が多々あるんだ、悪くない事業だということを十分周知徹底するとともに、国の財政等の援助措置も大幅に強化していく必要があるわけでございますが、そのPRの度合い並びに予算措置の状況によりましても、なかなか一概に見通すことは困難であります。しかしながら、一応私どもとしては、内部的には次のような程度のものをできればやりたい、こういう気持ちでおります。 すなわち、特定土地区画整理事業につきましては、昭和六十年までに約七万ヘクタールに着手し、そのうち約四万ヘクタールくらいを整備を完了する。区画整理事業の四万ヘクタールの整備完了という意味は、その中に集合農地区とか公共施設用地が全体として半分くらい含まれるわけでありますから、宅地として供給される面積に換算いたしますと約半分の二万ヘクタールとなります。 次に、住宅街区整備事業につきましては、これはさらに市街地に近い地価の高いところを考えているわけでありまして、事業の手法も共同住宅まで建てるという事業でありますから、特定土地区画整理事業のように面積的に大幅のものはとうてい期待できないのではないか、しかしながら戸数としては相当のものを期待したいということでありまして、これにつきましても、希望的な面もありますが、六十年までに約三千ヘクタールに着手し、うち二千五百ヘクタール程度を整備を終え、そこに住宅を約十三万ないし十四万戸程度建てるということを目標としていきたい、こう考えます。 次に、都市近郊農地の重要性につきましては、御指摘のとおりでありまして、そういうこともありますから、優良な集団農地等は、都市の近郊であってもできるだけ市街化調整区域に含めるように配慮しているわけでありまして、そういった配慮を経た上で、農地との調整が図られた後において設定された市街化区域というものは、これはやはり何としても都市住民の強い需要にこたえて、住宅、宅地の供給の場及び公共施設用地の供給の場として第一義的に考えざるを得ないんではないか、こう思います。しかしながら、この法律案は農民等土地所有者の意向にも即するという意味も含めまして、特定土地区画整理事業等を行う場合に、おおむね三割を限度といたしまして集合農地区を設ける、つまり区画整理事業などを行ったにもかかわらず、なお三割程度の農地を集めて残すということを考えておりまして、さらに、希望があればこれを第二種生産緑地地区にするとかいうようなことを考えておりますので、先ほど申し上げました面積の、最大で言えば三割ぐらいはなお農地として残る。もちろん集合農地を希望しない地区もあるでしょうから、平均すれば三割にはならないと思いますが、それにしてもある程度の農地は、先ほど申し上げた数字の中にもなお残るということでございます。 三大都市圏の市の区域の中の農地は御指摘のように十万八千ヘクタールでありますが、町村の区域もございますし、それから山林等もこの事業の対象地には当然入っているわけでありまして、そういったことを考え、なお今後市街化区域が三大都市圏については若干ずつでも見直され、拡大されていくことを考えれば、この程度の区画整理事業を予定することは無理ではないんではないか、現に現在市街地になっている面積の二割ないし二割五分というものは過去において区画整理ででき上がってきておるという実績から見ても、そうおかしな数字ではないと私ども考えておるところでございます。
○福岡委員 近郊農業ということだけではなくて、都市の環境問題などから考えましても、緑地その他非常に大切なわけでありますから、農地を宅地化されるに当たりましては、総合的な観点から十分対策を立てていただきたいということを要望して次に移りたいんですが、三大都市圏を対象にして今回の事業をやるわけでございますから、そうでなくてもこの三大都市圏には人口が集中しておるわけであります。さっきお話がありましたように、六十年までに四万ヘクタールの宅地化が完了する、あるいは、もう一つの事業で言いますと二千五百ヘクタール完了して十三万ないし十四万戸の住宅を建てるということなんですが、そうしますと、またさらにこの三大都市圏は集中することになるわけであります。いままで宅地や住宅政策について幾つかの答申なり提言がなされておるのですが、これらの三大都市圏に対しまして、もちろん住宅対策を推進をするということも出ておりますが、あわせて抑制政策もとれというように指摘されておるわけであります。ですから、これ以上この議論をここでしょうと思いませんが、結果として大都市圏に人口が集中することになる、その点についての見解だけはちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 もちろん一面におきまして大都市への人口、産業の集中抑制策、むしろ地方分散策というものを強力に図るということが何よりも必要であります。しかしながら、この法案の目指すもの自体は、現に逼迫している住宅宅地事情、これに何とか対処しなければならないというせっぱ詰まったところから来ているわけでありまして、新しく工場や学校等の人口を引っ張ってくるような業務施設を呼び込むというのであれば、これは非常に問題でありますが、ほかならぬ住宅を呼び込もう、といいますか、受け入れようということでありますので、事柄の性質上、これは人口集中を招くというんじゃなくて、人口集中の結果をフォローせざるを得ないというところから来たものと考えます。 もとより、大都市地域にただ住宅を建てればいいというものではなく、先ほど御指摘もありましたように、環境にも十分配意し、あるいは必要最小限度の都市近郊農業も残しつつ、全体として整然たる町づくりを行った上に、現に居住し、あるいは自然増加でふえるような、そういった新しい世帯が住宅に困窮するということのないような最小限度のことだけは受け入れ措置として確保したい、こういう念願でありますので、よろしく御了解いただきたいと存じます。
○福岡委員 御説明のように、人口が集中しましてそれに対応するための施策である、そこに重点があるということは私も理解できるのですが、しかし集中を促進するという新たな要素も全然ないとは言えない。その辺につきましては、先ほど言いましたようにここではこれ以上議論しませんが、将来抑制策といいますか、分散政策というようなものを十分配慮していただきたいということをお願いしておきたいと思います。 そこで、法案の対象範囲が三大都市圏になっておるのですが、地方都市にも相当住宅事情が逼迫しているところがある。これはたとえば私の県であります広島市なんかも、相当住宅問題では困っている。特にそういう事情であるのに、三大都市圏だけに限定してこの法を考えたという理由、逆に言えば三大都市圏外にこの法案を及ぼすことはできないのかという点についてお伺いしたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 この法案の促進区域の制度及びそれを受けました特定土地区画整理事業等の制度は、いろいろ特殊な特例が開かれておりまして、たとえば集合農地区を認めまして、せっかく区画整理をやり、公共投資を行いながら、その三割くらいは希望があれば農地としてなお残すというような、これは投資効率から見ればそれだけ悪くなるわけですけれども、あえてそういう配慮をして農民等の土地所有者の意向にも即しよう、そういう制度をとらなければそもそも宅地の供給がなかなか進まない、たとえ七割といえども供給されることの促進を図った方が、全体の量としてははるかにプラスではないかというような配慮があるわけでございます。また住宅街区整備事業などは、従前の宅地に比べまして立体換地と称し、新しい共同住宅の床を与えるかなりドラスチックなものでありますから、そういう制度がそもそも成り立ち得るためにも、住宅対策上ぜひとも必要だというような切迫感が相当強い地域でなければ適当ではないんではないか。あるいは義務教育施設用地またはその代替地をとるというような制度にしましても、三大都市圏のように学校用地の取得難というものが非常に地方公共団体を困らせているという、これまた厳しい実態というものが前提になってこそ認められるものではなかろうか。このような考え方で、そのかわりにはいろいろ優遇措置をとって制度面ばかりでなくて実際面、資金面でも地方土地所有者の御協力が得やすい措置を、いわば合わせて一本という形で配慮しているわけであります。 そういう次第でございますから、先々になればまた事態は変わってくるかもしれませんが、少なくとも現時点でそこまでの特例を開きますためには、やはり三大都市圏に限り、さらにその中でも促進区域という義務づけをした上、開発、建築工事等も強力に規制するような、そういった場所で行われる事業に限ってやる必要があるのではないか、こう考えた次第でありまして、地方のブロック都市とかその他今後政策的に人口の急増が見込まれるようなところの対策につきましては、なお今後の課題として十分検討さしていただきたいと思います。
○福岡委員 今後の課題として検討したいということなんでありますが、急いでやってもらいたいと思うわけであります。せめて政令都市くらいは早急のうちにこの法律による事業ができるように検討していただきたい、こういう要望を申し上げておきたいと思います。 それから、この法案によりまして宅地開発協議会が設置されることになるわけでありますが、この宅地開発協議会の協議の内容、どういうことを協議しようとしておるのか、そういうことについて伺いたいのですが、同時にそれらの協議の内容と結果の有効性といいますか、それはどういうものを期待しておるのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○大塩政府委員 この協議会を設置した目的の中にその効果のねらいがあるわけでございますが、現在の深刻な宅地難の事情に対処いたしますために、どうしてもいま問題になっております重要問題は、一つの県、一つの地方公共団体あるいは単独の国の面からだけでは解決できない問題が多々あるわけでございまして、これらの面を解決いたしますためには、どうしても共通の場をつくることが必要であり、そこにおいて広域的な宅地開発の面における連帯の意識を持って、これらの責任分担あるいは相互の要望の意思が流通する場をつくるということが前提条件でなければならないと思って、こういう制度を考えたのでございます。 だから、圏域ごとに置く、こういうことにいたしましたのも、そういう広域的な立場から解決しなければならない問題が現在の拒否反応を起こしておる根本の問題に触れるからであります。したがって、具体的な内容はいま考えておりますのは、当面の問題といたしましては、やはり水の問題足の問題あるいは地方財政を圧迫いたしておりますところの地方負担の問題というような問題、もっともそれ以外にも個別に各事業地ごとにいろいろな各種の問題がありますけれども、それらはいずれも個々の地域の問題であるのみならず共通の問題である、こういう立場、認識のもとに立って解決することがぜひとも必要であるというふうに考えまして、当面それらの問題を中心として解決していきたいというふうに、ねらいをそこに置いておるわけでございます。
○福岡委員 趣旨はまことに結構で私ども賛成なんですが、いままでも協議会というまとまったものはなかったけれども、相当横の連絡はとってこられたと思うんですね。ところが実効があまりなかった。ですから、協議会をつくればそれである程度は前へ進むかもしれませんが、その発想を変えなければ、道路の問題にしても水の問題にしても、おっしゃったいろいろな問題が解決できるとは思えませんので、各省にまたがる、あるいは建設省の中でも各局にまたがるいろいろの問題があるわけですが、十分基本的な対策を立てていただかないと、協議会をつくられたからすべてうまくいくというものではないので、特段の御配慮をいただくように要望しておきたいと思います。 そこで、「組織」と「構成」のことについてちょっとお伺いしたいのでありますが、ここに書いてありますのは、この協議会の組織は「国の関係行政機関、関係都道府県及び関係のある指定都市により、宅地開発協議会を組織する。」とこう書いてあるんですね。ところが第二項の方では、「前項の協議を行うための会議は、国の行政機関等の長又はその指名する職員及び宅地開発協議会が委嘱する関係市町村の長をもつて構成する。」とこう書いてある。通常私どもの常織では、「組織」と「構成」というのは大体同じである、こういうように理解をしておるのでありますが、特にここで前段、第一項におきまして何々をもって「組織する。」そうして後段で協議会の会議はこれこれで「構成する。」こう使い分けがしてあるのでありますが、特に理由があるのでございましようか。
○大塩政府委員 第四条一項におきまして、御説のとおり、この協議会はこれこれをもって「組織する。」という言葉を使っておりますのは、これは協議体として永続的な一つの機構を意識いたしまして、したがって、それの構成内容を意味するためにこれを「組織」という言葉を使い、そして二項におきましては、協議が主体でございますから協議を行う方法として会議というものを持ちます。その会議の構成メンバー、これを意識して表現いたしますために、だれだれをもって「構成する。」というふうに使い分けたのでございます。確かにおっしゃいますとおり両者は相似た概念でございますが、あえて分けた理由と言えば、一方は組織、機関あるいは機構という永続的なものを組み立てる、その構成の内容を意味したので「組織」という言葉を使い、そして、個々の会議、協議にはいろいろな方法がありますが、会議を持つ、その会議の中身を構成するメンバーを意識いたしまして「構成」という言葉を使ったのでありまして、こういう用語例は地方行政連絡協議会等におきましても使っておる次第でございます。
○福岡委員 わかりました。特段強い意見があったわけじゃなくて、後学のためにちょっとお伺いした次第であります。 次の問題でございますが、この法案の土地区画整理促進区域及び住宅街区整備促進区域並びに都市再開法の一部改正案による市街地再開発促進区域は都市計画で定める、こうなっておるのでありますが、もちろんこの都市計画の決定に当たりましては、縦覧の手続あるいは利害関係者の意見などを聞くことにして、いわゆる手続を踏むわけでございますが、懸念をいたしますのは、促進区域、申し上げました三つの区域があるわけですが、促進区域は土地の権利者の意向を無視して指定することはできない、そういうように理解をしておるのでありますが、その辺について少し説明をしていただきたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 促進区域はそもそも市街化区域の中で主として関係権利者による市街地の計画的な整備または開発を促進する必要があると認められる土地の区域について定めるということになっておりますので、そういったことが十分期待できる場所で指定するということは当然であります。ということは、指定される場所は、関係権利者が整備または開発の意欲を持っているなど、関係権利者による事業の施行が期待できるというところでありまして、そういうところで指定するわけですけれども、それにしましても都市計画の手続だけで果たして権利者の意向が十分くみ取られるだろうかという御懸念かと存じます。これにつきましては、法律に定める指定要件に単に合致するという形式的なことばかりではなくて、いま申したような権利者自体による開発の機運、実行能力というものがあるかどうか、そういうものを十分見きわめて指定するという運用をしなければならないと考えておりまして、そのためにも、同じく都市計画法の規定による説明会の開催、案の縦覧、意見書の提出等の手続を行うにいたしましても、促進区域については特に慎重に行い、住民の意向に即して指定するというような運用を図りたいと考えます。 私どもの念願としては、むしろ実際には、大部分の場合地元からの要望を受けて指定するというぐらいの運用であるべきだ、またそのために、要望が出てくるほどのいろいろなメリットというものをこの制度とあわせて予算的、税制的あるいは金融の面で講じているつもりでありますので、その点を十分周知いたしまして、実際には決して権利者の意向を無視して指定するということのないようにいたしたいと考えております。
○福岡委員 次の問題ですが、法案の第十一条及び第三十条によりますと、市町村は、土地区画整理促進区域または住宅街区整備促進区域指定後二年を経過したときは、「施行の障害となる事由がない限り、」特定土地区画整理事業または住宅街区整備事業を施行すると規定をしておるわけであります。この「施行の障害となる事由」というのはどういうことが考えられておるのでしょうか。
○吉田(泰)政府委員 この促進区域の指定は、ほかならぬ市町村が都市計画決定するわけでありますから、その辺のことも見込みまして地域指定はなされるはずでありますから、一般的には余り予想されないのですけれども、たとえば促進区域を指定した後、市町村の見込みに反しまして、その市町村の中でたくさん指定した促進区域の大部分が二年たっても権利者によって開発が行われないというようなことが絶無とも言えないのではないか。そういう場合には、その一部は市町村が施行することになりますが、全部を一挙にはやれないというような事情があると思います。また、これもそうあるべきことでもありませんけれども、このような経済、財政事情の激変期などを考えれば、二年後になって市町村の財政事情、資金事情というものが極端に悪化して、その年には手がつけられないというようなことも一般論としてはあり得るのではないか。そのような、特にどうしても施行ができないというような実際上の事情があれば、その場合まで市町村がぜひともやらなければならぬと言いましても不可能なことでありますから、そういう場合には「施行の障害となる事由」があるものとしてすぐには着工しないでいい。しかしながら、さらに一年、二年と期間がたてば、事務能力としてもあるいは資金事情としても再び実行できる時期も来るはずでありますので、まあそういう時期まで待って、「施行の障害となる事由」が漸次解消すれば、そのときには再びこの事由がなくなるわけでありますから、市町村が行う、こういうたてまえをとったわけでございます。
○福岡委員 次の問題は財源問題なんですが、御承知のように、現在の地方公共団体は非常に財源が苦しい状態にあるわけでございます。この三つの事業を推進しようとしますと、建築行為等が制限をされる、そうすると買い取り請求の申し出が出るわけでありますが、この場合の地方公共団体の財源措置ですね、これは十分手当てがされるのかどうか、そこのところをお伺いしたい。
○吉田(泰)政府委員 まず、土地区画整理促進区域または住宅街区整備促進区域内の土地につきまして、建築等の許可を受けることができないときに買い取るわけでございますが、この土地は、この法律の規定によりましても、公営住宅等あるいは義務教育施設の用に供するわけであります。したがいまして、公営住宅等の予算あるいは義務教育施設の予算措置を別途講じておくということによってこの土地の買い取りの財源措置と十分なり得る。この三大都市圏の対象地域では、各公共団体とも公営住宅や義務教育施設用地の取得難に悩んでいるわけでありまして、予算よりも実際の取得に困難している。それを解消するためにとの法律の制度化も図っているわけでありますから、財源措置がないというようなことは多くの場合考えられないのではないか。 それから、市街地再開発促進区域内の土地で同じく建築等の許可を受けることができない場合に、都道府県知事等が買い取る規定がありまして、この場合も、その買い取った土地を一人の地主としての立場で他の権利者と同様権利変換を受けまして公的住宅等として供給する、一戸でも二戸でも多く供給するということが通常考えられるわけでありますから、この場合はその公的住宅等の方の予算措置で間に合うということになります。 また、再開発法の改正案では、こういった土地は余りにも一戸一戸と細切れの場合に、それを公的住宅として維持管理することの将来の不便等もあろうかと思いまして、別の都市計画に適合して事業施行するものに譲り渡す、あるいは賃貸するというような道も開いております。この場合には、都道府県知事等が必要な資金というものは、それを再購入する人に渡るまでの短期的なものでありますから、短期的なつなぎ資金で足りるのではないか、こう考えております。 要するに促進区域内の土地の買い取りの申し出に対応する財源措置としては、その買い取った土地を活用する方の事業の予算で十分対応できるものと考えておるわけでございます。
○福岡委員 お話はそういうことになるのだと思うのですが、実態は、地方公共団体の財政というのはそういうなまやさしい状態ではない。公営住宅も、いまのお話によりますと、予算よりも宅地の取得難に大きな原因があるのだというようなお話でありますが、確かにそういう面もあるでしょうけれども、しかし、今日の地方財政の状態というのは様相が少し変わりまして、財源そのものに相当困難があるので、義務教育制度は別といたしましても、公営住宅などはそういう財政の面から敬遠をしておるというような事情があるわけでありますから、将来にわたって検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。 次の問題なんですが、特定土地区画整理事業につきましては、一般の土地区画整理事業以上に助成するということになっておるのでありますが、促進区域を指定し、宅地の所有者等に対して土地区画整理事業を施行する等の責務を課していることを考えると、これは当然でございます。 ところで、この助成は土地の権利者にとって十分納得のいく程度のものかどうかというところが問題なわけですね。その点、局長はどうお考えになっているのですか。
○吉田(泰)政府委員 特定土地区画整理事業で予定しております助成制度は、相当大幅なものと私どもは考えておりまして、それにより権利者の負担が相当大幅に軽減されますので、促進区域の義務づけに対応すもるのとして、また実際にこの事業の施行をむしろ要望するであろうということを期待するものとしても十分なものではないかと考えております。 すなわち、一般の土地区画整理事業では、開発利益の範囲内で水道や電気、ガス等の工事費のほか、宅地造成費とか公共施設の整備費用といった非常に金のかかる費目の一部までも権利者が負担している。負担の仕方としては、保留地を減歩されてその保留地処分金で事業費を賄うという形が通常とられておりますが、そういう実態であります。それに比べましてこの特定土地区画整理事業では、別途の予算措置によりまして水道や電気、ガス等、土地区画整理法にいういわゆる付帯工事に要する費用だけを負担すれば足りるというのを原則としたいと考えておりますから、区画街路とか児童公園などの身近な公共施設につきましても一切負担する必要がないということが原則でありまして、このような付帯工事は土地所有者にとって直接の利益になるものでありますし、常識的に見ても当然本人負担ということがしかるべきものでありますから、これまで含めて助成するということは行き過ぎではないかと考えますので、私どもとしてはこの助成は十分であり、魅力のある制度となり得るものと確信しておるところでございます。
○福岡委員 実績を見てまた意見を述べたいと思います。 次に、住宅街区整備事業について特に要望しておきたいのでありますが、これは答弁は要りません。 住宅難に非常にあえいでおりますのは勤労国民であります。したがいまして、この間宅開公団の法案審議のときにも申し上げましたように、そういう住宅難にあえいでおる勤労国民に対して公営住宅、賃貸住宅などを十分供給できるように配慮していただきたいということを強く要望しておきます。 次は、都市再開発法の一部改正について御質問をしたいのでありますが、都市再開発法の一部改正は、現行の権利変換方式、これは第一種でございますが、新たに今度第二種市街地再開発事業の制度が創設されるわけであります。この第一種市街地再開発事業については、市街地再開発促進区域を指定することができることになっているわけであります。いままでの経過もあると思うのでありますが、再開発の一種、二種それぞれどの程度の事業計画を考えられておるか、わかっておれば説明をしていただきたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 一種、二種の再開発事業の事業計画についての将来展望でございますが、先ほどの未利用地についての区画整理事業とか住宅街区事業とは異なりてまし、現に人が居住し、営業して活動しておられる場を再開発するということでありますので、なかなかその将来予測も量的には困難であります。ただ気持ちとしては、この改正法の施行を機会に、助成措置も一段と拡充したことでもありますし、減税措置、金融措置等加えまして、従来とは面目を一新するような大幅な再開発の促進を図りたい。その場合には住宅地等従来採算上できなかった地区まで含めて対象にしたいというような気持ち、なかんずく防災拠点のような災害対策上緊急な場所などは、権利者も多く、かつ地域も広くなりますので、これは第二種再開発事業というような制度によって早急に実施できる制度的な仕組みも用意したい、こういうことであります。 実際には既成市街地の過去の実態を見ましても、木造住宅が相当大きな数字で建てかえが進んでいるわけでありますので、ほっておけば個々ばらばらに建てかえられるものを、できればこの再開発の高度利用地区とか促進区域の制度に乗せて、計画的な、面的な再開発に結びつけたいという念願であります。 将来展望の量につきましては、恐縮でございますがちょっと見通しが申し上げがたい次第でございます。
○福岡委員 第一種の場合、区域指定がされれば関係権利者はその事業を推進する責務が課せられるわけであります。もちろんある程度の助成措置が講じられるわけでありますが、どの程度の助成措置が講じられようとしておるのかということをつぶさに検討いたしておりませんが、少々の助成措置が講じられましても、この市街地再開発されるような地域は非常に公共施設のウエートが高い。それから関係権利者の資金もそう十分ではないだろう。まあ乏しい資金だと思うのでありますが、そうしてくると、実際問題、今度個人施行の道は開かれましたが、個人施行はほとんどの場合できぬのじゃないか、そういう気持ちがするのですが、どういう助成措置が講じられようとしておるのか。それから、その助成措置を講ずることによって個人施行はどのくらい期待できるのかというような見通しが立っておれば、参考までに御説明をいただきたいと思います。
○吉田(泰)政府委員 まず市街地再開発促進区域が指定されたことによる直接のメリットといいますか、助成措置でありますが、これは促進区域が指定されたことによって当然、公的機関がいろいろな面で積極的に援助を行うということになります。 たとえばいま御指摘の個人施行の再開発事業を実施する場合には、促進区域の中で行うものについて国庫補助を行うというような国庫補助の要件にしている次第でございます。 そういたしまして、その区域内で建築等の許可を受けることができないで買い取り請求した場合の買い取りに係る譲渡所得税につきまして、千五百万円の控除を行うというようなことがあります。 また、促進区域はすべて高度利用地区内で指定されますから、高度利用地区に伴ういろいろな優遇措置もすべて受けられるわけでありまして、たとえば容積率の割り増しの道が開かれているとか、あるいは都市計画適合建築物につきましては、あえて再開発事業によらずとも開銀等あるいは住宅金融公庫等からの融資が受けられるとか、あるいは税制に対して固定資産税の不均一課税の適用があるとか、あるいは特別土地保有税が課せられない、こういった助成措置があるわけであります。 そこで、いよいよ再開発事業を実施するということになりますと、個人施行も、従来の公共団体施行、組合施行と同様に国庫補助の対象にいたしまして、促進区域内で行われるものにつきましては補助の対象にいたしまして、最も手厚い——最もというのはこの三種類の事業の中では最も手厚い補助を行いまして、その施行が無理なく行われ、地域の開発、再開発、整備のみならず、御本人のためにもよかったということになるように仕組んだつもりであります。 確かに再開発事業によって新しく街路、公園、広場等、かなり大規模にとらなければなりません。それだけ容積が高まり高層化するわけですから、人や車の出入りも多いわけでございまして、一般の低層住宅地等のような狭い道路では済まないということがありますが、しかし、それだけ高度利用するということが床面積当たりの単価の低減にもなっているわけでありまして、今後ともこの実態を踏まえながら、私どもこの新しい制度によって相当従来以上に進むとは思いますが、個々人の多数の権利者の事情があるわけでございますし、建築費等の高騰など予測せざる事情もいつ出てこないとも限りませんから、そういった事態にも対処できるよう、なお十分今後の助成措置、優遇措置の拡充というものに必要な検討を加えていきたいと考えておる次第でございます。
○福岡委員 第二種事業についてお伺いしたいのですが、法案によりますと、第二種事業の指定は不良建築物などの政令で定める一定の要件を備えておる地域を第二種として指定する、こういうのでありますが、考えられております政令の内容というのはわかりますか。
○吉田(泰)政府委員 第二種市街地再開発事業が施行できる要件としては、法律に三ヘクタール以上という規模の要件があるほか、法律で抽象的に書きましたものを受けて、政令で具体的に規模要件以外の要件を規定することになっております。 その一つは、安全上、防火上支障がある建築物で政令で定めるものを政令で定める割合以上含むという要件でありまして、これにつきましては、現在私どもが考えております案は、一つは建蔽率、これが基準法違反になっているような、基準法に適合していないような建築物が全体の四分の三以上あるか、あるいは四メートル以上の道路に二メートル以上面しなければならないといういわゆる接道義務という規定に適合していない建築物が四分の三以上あるか、あるいは防火地域または準防火地域内の建築物のうちで、外壁が耐火構造もしくは防火構造でないもの、または屋根が不燃材料でつくられもしくはふかれていないもの、こういう防火上危険なものが四分の三以上であるか、あるいはこの一、二、三のどれかに適合するというものの全体の数が十分の九以上であるかというものを一つ考えております。 それから次の、重要な公共施設で政令で定めるものを含む再開発事業であるという、そちらの方の要件の重要な公共施設といたしましては、面積六千平方メートル以上の駅前広場あるいは大規模な火災等が発生した場合のいわゆる避難拠点で地域防災計画に基づいて整備されるもの、あるいは一般国道、都道府県道または幅員十六メートル以上の都市計画道路等を含むもの、こういったことを考えている次第でございます。
○福岡委員 最後に、権利変換方式、従来の再開発事業なんですが、これは第一種。今度は第二種で、買収方式というので新しくつくられるわけでありますが、この一種、二種との相違点といいますか、一種と二種との違う点ですね、どういうところが違うのか。あるいは二種の方を新たにつくられたが、一種に比べてどういう利点があるのかですね。二種を特に設けられましたこの理由というのは、権利変換方式と買収方式の違いはわかるのですが、そのほかの点についてどういうことなのか御説明を願います。
○吉田(泰)政府委員 おっしゃるとおり、一種と二種の基本的な違いは権利変換方式によるか買収方式によるかでございます。 実務上はこの法律の趣旨に即し、法律のきめ細かな制度に即しまして運用いたしますれば、結果的には、権利変換方式と言っても、この機会に転出したいという人はその希望はかなえられて地区外に出ることができますし、逆に、第二種事業といえども、地区内に残りたいと希望すれば必ず地区内に残れるということでありますから、地区内に残るのを原則とし、地区外に出るのを例外とするか、あるいはその逆であるかという、原則、例外を逆転しているだけでありまして、結果的にはほとんど違わないわけでありますが、ただ、仕組みとして権利変換でなく、用地買収方式にしたために、結論的に言えば、大規模な権利者の多い地区でしかも急いで行うような事業の場合、第二種による方がはるかに施行がしやすく、早期に完了が期待できるということであります。 なぜかと言いますと、権利変換計画は、その計画を地区外転出者も含めまして全部の権利者について一括して決め、それを決めた後でなければ工事に着工すらできないという仕組みであります。したがいまして、その何百人、何千人といういろいろな権利者との話し合いだけに数年を要するというのが実情であります。小規模なものならともかく、大規模で急ぐ事業にはなかなか向かない。強いて工区に割りましても、工区間の権利の変換はできませんので、との点にも限度があるということです。それに比べれば第二種は、希望者は地区内に必ず残すとはいえ、個々には用地買収の交渉によって買収価格を決め、それを金銭で払うかわりに、希望者には再開発ビルの入居権を与える、完成したら入居させるということでありますから、用地買収が進んだところから逐次一棟ずつ建てていくとういことができますし、特に工場跡地等で大規模に先買いしているような場所があれば、そのあいたところにどんどんビルを建て、地区内の人を転がして次々と再開発を進めるというメリットもあるということであります。
○福岡委員 なお若干の質疑があるのですが、きょうはエリザベス女王が来日される日でありまして、それに敬意を表しましてこれで終わりたいと思います。
○天野委員長 次回は、来る九日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十二分散会 ————◇—————