建設委員会 第12号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/04/18
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 宅地開発公団法案審査のため、本日、日本住宅公団総裁南部哲也君、理事播磨雅雄君及び地域振興整備公団総裁平田敬一郎君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人からの御意見は質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。 ————◇—————
○天野委員長 次に、内閣提出、宅地開発公団法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。井上普方君。
○井上(普)委員 昨日参考人からの意見を聴取したわけでございますが、いずれの参考人も、この宅開公団につきましての将来が成功するか否かにつきましての見通しにつきましては、まず土地対策をやらなければこれは成功しないであろうし、日本の住宅政策上、どうしても土地対策をもう少し強力にやらなければならないということを申されたのでございます。私もそのとおりだと思う。したがって、これからの国土庁といたしましては、土地対策を、地価安定のために国土利用計画法はできておりますけれども、さらに今後どのような方策を講じて地価の安定を図るおつもりがあるか、そしていま作業中のものにつきましてお伺いいたしたいと思います。
○河野(正)政府委員 いま先生申されましたとおりでございまして、国土利用計画法という大変ありがたい手法を与えていただいておりますが、これだけでは総合的な土地対策といたしましてはまだ足りませんので、今後たとえば税制面、これは土地譲渡所得税制につきましては、土地ではもうけることができないという方向である程度の改善がいままでも図られましたし、今後も図っていくかと思いますが、このことのほかに、保有課税、つまり固定資産税等の適正な課税、これをしっかり検討していかなければならない。この面につきましてはいまから基本的な検討に入るわけでございますが、諸外国を見ておりましても、いわゆる段階的な固定資産税制というものをしいている国ほど土地問題が解決しているというようなこととも見合わせまして、小規模の住宅地等につきましてはある種の低率な税率等を設ける、保有面積規模に応じた税率段階を設けるというようなことも含めまして、抜本的な検討に入らなければならない。さらにまた、今回の国土利用計画法の施行を通じまして、おかげさまで地価公示地点一万五千地点に加うるに三万数千地点の標準地につきまして都道府県の標準価格調査ということも進んでいるわけでございまして、こういった標準地価のネットワークが整備されていくことと関連を持ちまして、固定資産税の評価額というものをこの国土利用計画法の基準価格と統一をとっていくというようなことも考えていかなければならない。そういうような種類のことを進めてまいりますとともに、あわせまして供給施策につきましても、今回の建設省提案による二法案、これの円滑な施行をやっていくというようなことに期待をしているわけでございます。 いずれにせよ、昨日参考人の諸先生が申されましたところ、肝に銘じまして、今後ともそういった検討に入っていきたいと思います。特に公的評価体系の統一、税制評価との統一等につきましては、四十八年の地価対策閣僚協議会の中で今後検討を進めるというふうに書かれている事項でもございますので、検討に着手してまいりたい。自治省との間では二、三回研究会等も持っているわけでございます。ひとつこの点鋭意努力をしてまいろうというふうに考えております。
○井上(普)委員 いままで税制の改善、これが補完的な意味合いがあるのだと言って、いつもともかく従属的な意味を持ってきたと思います。しかしながら、いまこの段階になれば、私はもう指導的な役割りを税制においてやるべきじゃなかろうか、このように考えるのでございます。しかしながら、何を言いましても、大蔵省当局あるいはまた税制調査会等々が非常に土地税制につきましては抵抗があるように思われてなりません。したがって私どもといたしましては、どうしても日本の土地価格を安定さすためには、補完的な意味合いじゃなくて、もう指導的な意味合いを持つのだということをこの際世の中に、社会に公表するし、PRをしながら特に税制面における強化を図っていただきたい。もちろん小規模地主につきましては、先ほど局長も言われたように、低率な税金をかける、ただ大土地所有に対しては厳しい方策を持っていくということをひとつ強力にお考え願いたいと思うのでございます。特にこの税制の面につきましては、国土庁の主管でもございません。ですが、やはり主管ではないがゆえに、局長あるいは大臣のおっしゃることがそのままストレートに私どもは受け取れない面もあるわけなんです。したがって、これはもう国土庁としては全力を挙げてその点にひとつ御努力をお願いいたしたいと思うのですが、大臣どうでございます。ほかにきのうの参考人の意見を重々尊重いたしましてというお話もございますが、中には聞けない面もかなりあったと私個人も思う。したがって、その取捨選択をよくしてやっていただきたいことを強く要求いたしたいと思うのでございます。
○金丸国務大臣 土地問題は国土庁にとりまして最大の問題でありますし、また、この問題が先生の心配のような向きに進むとすれば、国土庁の存在の意義というものはない。あくまでもこの土地問題については重大な関心を持っておることを御了解願いたいと思います。
○井上(普)委員 したがって、土地の問題につきましてこのごろ、先般も調整区域における開発をこの宅開公団は考えておられるようでございます。しかし大手企業がいま土地を市街化調整区域でたくさん持っている、これの救済にならないかというのを非常に私どもも憂慮いたしておるところでございます。また一方におきまして、先日も中村委員の質問にもありましたが、四十八年度までに市街化調整区域の二十ヘクタール以上の開発許可を九十数件出しておる、こういうことを私は承りまして実は唖然といたしたのでありますが、実際問題として私自身が体験しておるのでも、なぜここに調整区域で開発許可を出したんだろうかという疑問を持たざるを得ないような個所も二、三見受けられるのであります。この点につきまして、これは計画局ですか都市局でございますか、どちらか知りませんけれども、どういうような指導で現在調整区域の開発許可を二十ヘクタール以上の場合やっておられるのか。洗い直しをする必要があるんじゃないだろうか、こう思うのですが、どうでございます。
○大塩政府委員 調整区域の開発許可につきましては、その制度の趣旨にかんがみまして、これは抑制すべき区域とするということでございますので、やむを得ないものにつきましてのみ許可を厳重に指導いたしている次第でございます。市街化調整区域における開発状況は、三十四条に規定をしております一号、二号、三号、四号、五号、六号、九号、十号といろいろあるわけでございますが、その中で日常生活に必要な店舗、販売店とか、こういったものはやむを得ないものだ。それから……(井上(普)委員「二十ヘクタール以上だよ」と呼ぶ)というようなものがございますが、二十ヘクタール以上のいわゆる十号のイに該当するようなものにつきまして大体開発審査会の議を経させまして、たとえば学校の敷地等につきまして、どうしてもそこに位置しなければならないとか、あるいはそういったやや公的なあるいは計画的なものに大体重点を置かれて開発許可を認めているというケースが多いわけでございます。そういう大規模な開発につきましては各種の条件を考える。調整区域の中でも大体市街化区域と隣接したようなところが多うございますが、そういう形のものが認められているのでありまして、この点につきましては、われわれも一々報告を受けまして、十分に審査するように指導いたしている次第でございます。
○井上(普)委員 そこで問題は、市街化調整区域と市街化区域とにおいては、これは値段の開きというのはかなりある。しかも、それは政策上やられた線引きなんです。市街化調整区域のところでは政策上値段が下がっておるところ、当然上がらなければならないところを下げておるという現状があるわけなんです。したがいまして、そこに大手企業者が入っていって二十ヘクタール以上買っておる。買うということは大手業者はそれだけ安く土地を手に入れるということなんです。売り手にすれば、政策上土地の値段というものは安くさせられておるのです。ところが、そこでそれによって業者が許可を得て政策上の手段によって大もうけをするということは、私は許さるべきじゃないと思う。こういう考え方で終始していただかなければならない。特にいまも局長言われたように、市街化区域との隣接区域は特に格差がひどくなってきておる。格差がひどくなってきておるところへもってきて、値段の格差がひどくなってきておるところをともかく大手業者が買うということは、政策に便乗して金もうけをする手段である、こう考えざるを得ないのであります。したがいまして、私は二十ヘクタール以上の枠は一応入れてはおるけれども、これは私は厳に慎んでいただきたい。いままでにもうすでにかなりの許可をともかく出しておるけれども、これは抑えなければ、調整区域に入ったがために土地所有者は損をしたという結果になる。これは厳に慎んでいただきたいと思うのでございますが、建設大臣どうでございます。私は慎むべきであると思う。やむを得ざるところだと言うけれども、ここらは私はやらなければならぬと思います。いかがでございます。
○仮谷国務大臣 線引きの際に、本当は市街化区域に入れてもらいたい、調整区域に落とされると値段が違うし、将来開発もできないからというので、逆に市街化へ入れてもらいたいという希望が非常にあったことも事実です。それを無理やりに線を引いたんです。政策的に引いて安くしておいて、それを特定の業者がもうかるために利用するのは、これはもってのほかです。そういうことは断じてあってはならぬと思います。ただ、いままであったものについては、それは目的上必要やむを得ないものであったかもしれませんけれども、今後は十分にそういうことに留意しながら、少なくとも特定の業者が利潤を得るためにそういうものを利用するといったことは断じて許さるべきでありませんから、これは御指摘のとおり十分に留意してやらなければならぬ。この問題は厳重に配慮せなければならぬ、かように存じております。
○井上(普)委員 ともかくそのような厳重な措置を講じていただきたいことを私は強く要求いたしておきたいと思います。 続いて、この宅開公団でございますが、市街化調整区域を開発するといたしますと、先ほども申しましたように、市街化調整区域に入っておるがために値段は下がっておるのであります。これが一つ、恐らく今後はこれを市街化区域に編入して、そして開発を行うことになるでしょう。そういたしますならば、その土地は思惑買いあるいは売り惜しみということで非常に値段が上がってくるので、あるいは国土利用計画法によるところの規制区域に網をかぶせざるを得ないというケースが私は多々出てくると思うのでございます。そうなりますと、先ほども申しましたように、ここに当然そういうような政策手段、法律手段によって値段というものが抑えられてくるところを安く、ともかく宅開公団は国の権力によって土地を手に入れるわけであります。したがいまして、その土地というものは少なくとも公の機関が今後ずっと永久に持つべきであろうと思うのであります。土地について個人分譲というものは許さるべきでないと私は考えるのでございますが、あるいは特定分譲住宅のごとく集合住宅の中で旧地主に対しての分譲ということが考えられることは考えられますけれども、土地につきましては、やはり公団あるいはまたこういう公の機関が永続的に持っていく必要があると私は思うのでございますが、この点いかがでございます。
○大塩政府委員 私どももそういうお説の趣旨は十分よくわかるのでございますが、宅地開発公団が、一つは、地主の土地をそういう手法によって安く取得したという以上は、厳正にこれを管理し、そしていい住宅地に仕上げなければならないことは言うまでもございません。ただしその場合に、賃貸住宅等の家賃等にも、これは低廉な家賃を供給する必要がございますので、そういう場合には公社とかあるいは公団等、そういう賃貸住宅を経営する者にこれを譲渡するということになれば、一つはそういう目的は達せられる、土地も賃貸になりますから。そういうことを十分考えていきたい。ただしそれができない。つまり全部賃貸ということにいたしますことは、永久にわたって公団が管理するということになります。そこでまあ資金の回転といいますか資金効率というようなことから考えましても、そういうことは効率から見まして、言うべくして非常にむずかしい面が資金的な面で出てくるということが一点ございますことと、それから実態といたしまして、個人への分譲住宅の需要というものもかなりあるというようなことも考えまして、やはり全部そういう賃貸方式に変えるということは、言うべくしてむずかしい面があるということが一点でございます。 それからもう一つは、人の土地を収用で取り上げる、あるいは区画整理等で取り上げて、これを軽々に管理を怠りまして、それが他に分譲されるというような、不当利得とか、あるいは不公平を招くようなことがあってはなりませんので、そういうものにつきましては、民法上の特約等によりまして現在も住宅公団等でやっておりますけれども、買い戻し権を留保するとか、あるいはその譲渡条件について関与するとか、そういったことを特約によって行うということを現在やっておりますことに加えまして、さらに検討いたしまして、これを強化するというような方法も十分今後検討しなければならないと思っております。 いずれにしましても、すべて賃貸にするということは理想ではありましょうけれども、そういった面で必ずしも全部一律にやるということはむずかしい面がある。そこでその欠を補うためにいま申しましたような点を十分に配慮いたしまして検討いたしたいと考えておる次第でございます。
○井上(普)委員 それはおかしいじゃないですか。建設省のいままでの方針と、いま大臣が言明せられたのとやはり関連してくるのであります。したがいまして、そういうような政策上安くした土地である、取得した土地である、しかもそれは公権力を入れてともかく取得する土地である。したがって、その土地につきましては少なくとも集合住宅の中の特定分譲住宅のごとき姿はやむを得ぬ場合もあり得ると私は思う。しかしながら、土地までの個人分譲というのは私は厳に慎むべきであると思うのでございますが、大臣いかがでございますか。
○大塩政府委員 私から先に申し上げます。 一つにはその不公平、安く取得しておいてこれを他に高く転売するというような不公平を是正するということが一つ問題点としてございます。ですから、そういう点のないようにするための方法をこれから十分検討しなければならないということは先ほど申し上げたとおりでございます。現在の民法上の特約では、十年間だけそういう特約ができるということになっております。そういうことでございますから、十年過ぎたらその特約が消えるという点につきましては、今後十分に検討しなければならないと思っておる次第でございます。
○井上(普)委員 これはいまいろいろと政党関係の主張もこれあるので、なかなかはっきりしたことはここで言明しにくい点もあるのじゃなかろうかという配慮は私もして申しておるつもりでございます。しかしながらこういうような、ともかく公権力によって地価を安くし、それを取得した土地であります。個人分譲というのは厳に慎んでいただいて、少なくとも集合住宅の中の特定分譲住宅のごとき性格のもの以外はともかく分譲しないということを強く私は要求いたしておきたいと存ずるのであります。先刻から見ておりますと大臣はうなずいておられるので、私の説に御賛成だろうと思いますので、この点ひとつ強く要求しておきたいと存じます。 さらに大塩局長は、それを転売することによって不当利得を得させないように特約をするんだ、こういうお話でございますけれども、現状において一体どうなんだ。特約はしておるけれども、実際の問題として買い戻しをやった例はございますか、公団で。ありはせぬじゃないですか。ほとんどないに等しい。やはりこれは一たん安く分譲を受けて、これを転売しておるケースがかなり見られるのであります。これらについて、これは詳しい数字を申し上げたらきちっとしたものを申さねばいかぬので、これは後でよろしゅうございますが、そのケースはひとつ報告していただきたいと思います。 しかし、現にあなたが危惧しておったようなケースがかなりある、しかもそれに対しての処置というものはほとんどできていないというのが現状じゃございませんか。この点ひとつ、さらに今後検討するとおっしゃいますが、これは今後じゃなくて早急に検討して、いかなる処置をとるか、この点をまた次の機会に方針を打ち出していただきたいと存ずるのであります。——御答弁できますか。御答弁できるのならどうぞ。
○大塩政府委員 現在住宅公団におきましては、これを譲渡いたします場合に特約を結びまして、これは民法の十年間の特約を結んでおります。また、新住宅市街地開発事業においてこれを譲渡いたします場合には十年間許可を要することといたしておりまして、軽々に他に譲渡するということをこの法律は予定しておりませんので、そういう場合には特にやむを得ない事情があるかどうかということを許可にかけてやっておる。現に住宅公団におきましても、他に転売するようなときにはこれを買い戻している例もございます。件数はいま定かでございませんので、あとで調べます。
○井上(普)委員 例もあるぐらいのところでございます。いいですか、例もあるというぐらいのところであって、ほとんど抜け穴で処置されておるのが現状であります。ここらあたりはそれをいかにして押さえるかというのは民法上の問題もこれあり、なかなかむずかしい問題であると私は思います。したがって、ここらあたりは基本的に、先ほど申しましたように、個人分譲しないのだという姿勢で臨んでいただきたいことを私は強く要求いたしておきたいと思います。法律というのは抜け穴があるのです。抜け穴をやるやつこそもうけるのだから、ここらあたりをともかく押さえていただきたいということを強く要望いたしておきたいと存ずるのであります。 しかし、一番基本に戻るのでありますけれども、私は住宅公団がしっかりしてくれておれば、こんな宅開公団なんという法律はつくらなくてもいいんじゃないだろうか、恐らく発想も出てこなかったのじゃなかろうかと思うのであります。しかも、宅開公団と住宅公団とに与える権限がかなり違ってきておるのであります。したがいまして、一方においては宅開公団のようにかなりな権能を与える、住宅公団は現状のままというのでは、私はかなり不公平が生じてくるのではなかろうかと思うのでございますが、ここらあたりの調整を今後一体どうされるおつもりがあるのか。少なくともこれを出す以上は、住宅公団法の改正案も一緒に出てくるものだと私は期待しておったのであります。しかしそれは出てきていない。この点についてどういうように考えられるか、お伺いしたいと思います。
○大塩政府委員 大都市周辺の住宅事情にかんがみまして、今回宅地開発公団というものを設立いたしまして、大都市圏城におきましては附則において住宅公団の権限を主として自分の建てる住宅団地の取得に限るというふうに限定いたしまして、そしてそのかわり宅地開発公団は自分では建てないで他へ分譲するというふうにその機能を二つにはっきりと分けたわけでございます。 しかしながら、住宅公団が行います自己の建てるべき住宅団地といえども、これから年六万戸分というようなものを消化しなければなりませんので、これにつきましてはやはり相当の権限をあるいは助成措置を強化する必要があると考えまして、昭和五十年度の予算におきましては、三百ヘクタール以上のものについては、宅地開発公団と同じように全施設につきまして十年間据え置きの三十年の割賦償還というふうな措置をとって、その円滑な施行を図るべく努める、また百五十ヘクタール以上につきましては、学校につきまして五年据え置の二十五年償還、五十ヘクタール以上のものにつきましては三年据え置きの二十五年償還というふうにいたしまして、その間の据え置き期間の利子を無利子にするというふうな一歩前進の方法をとったのでございますけれども、これだけで十分であるとは考えておりません。住宅公団も強化を図りましたことの経緯をしばらく見まして、なおこれをさらに強化していくべく今後検討をさらに進めていきたいと考えておる次第でございます。
○井上(普)委員 いまお話を聞いたけれども、助成措置については同じようにしている。しかしながら五百ヘクタールというと大きいのだ、したがって三百ヘクタール以上についてはともかく公益施設ですか、十年据え置の三十年とすると言っておるけれども、住宅公団、たとえば多摩に行っても同じような仕事をしているのですな。結局、住宅公団がつくった土地にしても、東京都に渡したりあるいはまた供給公社に渡してみたりいろいろやっておられるようでございます。これは、きのうも聞きますと、区画整理事業をやっておるところもあるし、いろいろこういうようなケースも宅開公団にいたしましても出てくるのだろうと私は思うのですよ、手法については。区画整理でやるところもあるし、新住法によってやるところもあるし、できてくると思う。しかしながらいずれにいたしましても、多摩ニュータウンを見てみると、いかにも仕事ができておらぬなという感を私どもは深くいたすのでありまして、したがって、住宅公団もある程度大規模な土地をやる以上は少なくとも同ぐようにしなければならぬと私は思うのでございます。いましばらく経過を見てというお話がございましたけれども、経過を見るまでもなく、来年あたりには早急にこの措置を講じていただきたいということを強く私は要求いたしておきたいと存ずるのであります。 さらにまた、百五十ヘクタール以上については五年据え置きの二十五年ということにしているんだとおっしゃいますが、地方自治体はやはり同じような財政状況でございますし、かつまた百五十ヘクタールと言いましても、百五十ヘクタールと三百ヘクタールとでは受け入れる地方自治体は一体どれだけ差があるんだということを考えますならば、同じように規模の大きいもの——規模の大きいものというのは百ヘクタール以上を規模が大きいと私は考える。それならばやはり三百ヘクタール以上と同じような措置をとってやらなければ、しかも小さいものほど市街化区域に入るわけなんです。五百ヘクタール以上つくると言えば、それは市街化調整区域になるんだけれども、市街化区域で開発するのはそこに住む人たちにとっては最も望ましいことなんだ。都市施設もあるしあるいは交通もある程度便利であるというような土地が市街化区域に入るだろうと思いますので、そこらを大いにこれからも開発しなければならない。とするならば、特にやりにくいところになっております。地価は高いし、周辺の密集しておるところで周辺の人たちとの間の摩擦、格差というものが起こりやすいところでございます。したがって、どうしても小さいという百五十ヘクタールと三百ヘクタールについては、受ける側とすれば同じ感覚であると私は思う。感覚じゃなしに実際能力としてもあるだろうと思う。これは恐らくあなた方は、努力したのだけれども大蔵省が言うことを聞かなかったぐらいのことを言いわけするけれども、これはひとつ一生懸命やっていただかなければいかぬと思う。この点についてあなた方の御努力を私どもは期待いたしたいと思うのでございますし、また期待するよりもわれわれは要求したいと思う。この点についてはいかがでございますか。
○大塩政府委員 お説のとおりでございまして、受ける市町村の側にとりましては、小さい規模のものが多数そこに集まれば結局同じことでございます。ですから、規模の大小によってということは一つの理屈はございますけれども、また他面見れば、先生おっしゃいましたとおり、地元市町村の財政という面から見ますと、必ずしも小さいから援助の手が薄くていいというわけにはいかないと思います。その点が最も顕著にあらわれますのは公共団体施行あるいは公社施行あるいは優良民間施行でも同じことでございまして、やはりそこに団地が形成されますれば、市町村にとりましては同じ負担が生ずるわけでございます。そこで、これらの問題は統一的に、特に住宅金融公庫の融資条件につきまして残念ながらことしは検討ということで延ばされましたけれども、住宅金融公庫の融資を通じましてわれわれは来年度でもそれとあわせまして均衡のとれるような体制をつくり上げたい、こういうふうに考えまして検討を進めている段階でございます。
○井上(普)委員 大塩局長、どうもほかの役所あるいは能力のない役所ほど、私は要求したのだけれども大蔵省が言うことを聞かぬので、こういうことを言うのでございますが、あなたは言わぬだけまだりっぱだと思う。 ともかく同じ一体の政府なんです。しかも、住宅問題はこれは解決しなければならぬということを政府自体としても最大の政策の一つとして挙げておるのでございます。あなた方の主張が入れられぬはずはないと私は思う。これは特に強く要求して、住宅建設のためには建設省挙げてやっていただきたいことを強く要求いたしておきたいと思います。 とかく、建設大臣、私どもの方から見ておりますと、建設省という役所は道路であるとか河川というのがどうもいままでは主流になっておったようでございます。したがいまして、住宅につきましては二次的な考え方が強かったと思うのでございます。しかしながら、国民のいまの要望からするならば、しかも大都市のみならず中都市にまで波及しておりますが、私は選挙区は徳島でございますが、徳島市なんかを見ましても木賃アパートで六畳一間が一万五千円もするようなところが非常にたくさん出てきておる。こういうようなことを解消するのは緊急の要務だろうと私は思いますし、一般質問で大臣にも私、申しましたけれども、いま私らの世代が解決すべき問題ではなかろうか、それが次の世代に対する責任でもあると私は感じておるのでございます。したがいまして、これからの住宅政策について建設省が集中的に努力する。道路網あるいは河川網あるいは下水網、あらゆるものをここに集中的に努力して、住宅問題の解決を図っていかなければ、将来の世代から、七十年代の政治家は一体何をしていたんだと言われてくるのではなかろうかと私は思うのでございます。特にこの点について大臣の御決意のほどを承っておきたいと思うのであります。
○仮谷国務大臣 住宅政策、下水道政策というのは都市政策であります。いままでの自民党の政策の中で、都市政策自体が比較的見劣りがあったということだけは率直に認めなければならぬと思います。いままた、いろいろな福祉関係の問題が特に重要視されておって、本年あたりからそれが最重点に置かれていることも御承知のとおりで、そういう意味から、先ほどからいろいろ議論があった問題も、今年は十分ではありませんけれども、私どもはあそこまでよく事務当局も努力したと思っておるわけでありまして、おっしゃるように一挙にはなかなかの解決はつかないと思いますけれども、やはり国費を投入するのですから、公益性の高いものからということで、面積でいろいろ格差をつけたと思うのです。しかしおっしゃるとおりに、やはり開発面積の少ないところほど市街化中心地域であるし、それが一番困難なところでもあるし、地方自治体の財政負担は同じことで、かなりむずかしいかもしれません。むしろ、そういうものを解決することが今後の住宅問題を解決していくための一番大きな焦点になると思うのであります。そういうふうな面から、お説は私どもも同感であります。だから今後は十分留意して、そういった面でも最大の努力をして、いささかでも御期待に沿えるように前進をいたしてまいりたい、かように存じております。
○井上(普)委員 それから、飛び飛びになってまことに申しわけないのでございますが、この点お許し願いたいと思います。 鉄道を公団が今度建設する、今後の経営も管理するというような方針のようでございますが、鉄道建設について地価にかぶせていくという面については、ある程度うなずける点もないではございません。私はこれは全面的に賛成だというわけにはまいらないのでありますが、うなずける面もないではございませんけれども、経常経費の赤字が出た場合一体どこにかぶせるつもりなんですか。
○高橋説明員 お答えいたします。 宅地開発公団が今後建設し運営いたします鉄道につきましては、いまおっしゃるように資本費が相当負担になります。あるいはまた、入居者が少ない時点から開業をしなければならない、そういうふうなことで当然に赤字が予想されるわけでございますが、私どもといたしましては、長期的に見てペイするような助成措置というものを建設の時点において講じていきたい、かように考えております。
○井上(普)委員 助成措置というのは、どんな措置を講ずるのです。
○高橋説明員 まだ具体的には確定いたしておりませんが、来年度の予算要求等を通しましてできるだけの配慮をしてまいりたい、かように思っておる次第でございます。
○井上(普)委員 来年度の予算でできるだけの配慮といって、できるだけの配慮というのは具体的にどんなことを考えているんだということを聞いているのです。
○高橋説明員 ただいま、同じようなニュータウン鉄道に対する助成あるいは鉄道建設公団がつくっております民鉄線とかあるいは地下鉄に対する補助とか、いろいろな補助制度がございますが、そういったものを一応参考にしまして、できるだけ将来の赤字が防げるような、そういったような助成を考えてまいりたい、かように思っております。
○井上(普)委員 民鉄部長、私素人でわからないので、そのニュータウンであるとか鉄建公団がやっておるものについて助成措置を講じておると言うのだが、どんな措置を講じておるのですか。具体的にひとつ……。
○高橋説明員 ニュータウン鉄道につきましては二通りございまして、一つは公営ないしは準公営によりますニュータウン鉄道がございますが、これにつきましては、建設費の三六%を国と地方公共団体が折半して補助するというふうな方法をとっております。 それから鉄道建設公団がつくっておりますニュータウン鉄道につきましては、これは五%までの利子補給を行う、これは十五年でございますが、十五年間、五%までの利子補給を行う、それからでき上がりました鉄道を経営をいたします私鉄に譲ります際には、二十五年の元利均等償還ということで譲渡するというふうなことに相なっておるわけでございます。
○井上(普)委員 これでは、私が先ほどお尋ねしましたように将来の経営の上で赤字が出た場合はどうするんだということのお答えになっていないように思うのですが、どうでございます。
○高橋説明員 現在のそういった補助制度によりましても、開業当初の赤字を防ぐというのはなかなか困難かと思います。ただ、そういったことによって、建設費の増高に基づきます将来の利子負担というふうなものがそういったいままでのいろいろな補助制度で大幅に軽減されるというふうに考えております。それによりまして、将来お客さんがふえてまいりますればペイするというふうに私どもとしては考えている次第でございます。
○井上(普)委員 民鉄部長、いま私営鉄道でも不動産業をやって、その不動産部門で赤字の補てんができておるということを言われておるのですよ。それもかなり歴史の古い鉄道会社で、複々線とかいうような施設をつくらなければいかぬこともありましょう。しかし、鉄道部門が赤字だと、経営がともかく利潤を上げるために一生懸命やっておる。その民営鉄道、私鉄でも赤字を出しているのです。このつくった鉄道が赤字を出せば一体どうするんだということを私を聞いているのです。だれが負担するんだ、どうするんだということを聞いているのですよ。わかる人がどうぞ答弁してください、どなたでも……。
○高橋説明員 先生御心配になるのは、恐らく赤字が出たときにそれがまた入居者の負担にかかわってくるのではないかというふうな御心配だと思うのですけれども、これは運賃の問題もございますが、運賃につきましてもまた、そうべらぼうな運賃をつくるわけにはまいりませんが、よその鉄道と比べまして適正な運賃ということで、しかも長期的にはペイしていく、その間の赤字につきましては一応そのまま赤字としておかざるを得ないと思いますが、将来ペイする時点において次第にそれを償却していく。それがまた入居者の負担になるというふうなことについては、私どもとしては絶対にやらないというふうに考えている次第でございます。
○井上(普)委員 どうも私どもこれについては納得できないのであります。開業当時の赤字というのは、これは当然見込まれると私は思う。したがって、それの計算の上に立ってすべてはやられるとは思います、計算上は。しかしながら、将来の赤字については一体どうするのだ。これは局長どうします、ここらあたり。
○大塩政府委員 いま運輸省からもお話がありましたとおり、赤字が出ます原因は二つございまして、一つは、当初の建設費が非常に高くかかる。それから、当初はやはり片道交通みたいなことで乗客の収入が少ないというようなことで赤字が出るわけでございますが、当初免許されますときに、長期の収支の見通しを運輸省の方で見られまして、そういう適正な運賃なりあるいは建設費なりというものを計画として認可されるということになると思います。ですから、その場合、もしそれでも予想に反して非常に赤字が出るというようなことになりましたならば、計画を改定しても、どうしても高過ぎる運賃にでもしなければとてもできないというようなことになれば、別途、いま運輸省もお答えになりましたように、特別の何らかの助成策を講ずる必要があろうかと思います。現在の段階では、最寄りの駅までの鉄道ということを一応は考えておりまして、そういう鉄道計画につきましては、場所によっていろいろ違いますけれども、具体にそういう長期の収支採算というものを運輸省の方で見ていただきまして、これは別の会計にいたしておりますから、宅地の方に割りかからないようにいたしまして、特別会計的に扱ってその鉄道の方の赤字を極力埋めるような別途の努力を運輸省とともに図っていきたい、そういうふうに考えております。
○井上(普)委員 どうもすっきりはいたしません。ここらあたりまだまだ煮詰めなければいかぬ問題がたくさんあるだろうと私は思う。しかしながら、結論的に言うならば、国の政策によってつくる大規模団地でございます。まあ、計画なんでありますから、模範的なものをつくろうとするとやはり国の助成措置というものを大幅に入れざるを得ないのじゃないか。しかし、大幅に入れると他との均衡ということもこれまた出てくると思うのであります。私は、この問題は非常にむずかしい問題が出てくると思う。したがって、公団自体が経営することはおやめになったらどうですか。そういうような考え方で終始するということはやめられたらどうなんです。そして、ともかく国鉄に渡すとか、あるいはまた、何をいいましても、大きいところに渡しておけば出た単線の赤字というものは薄められるのですから、そこらあたりひとつ考えてみる必要があるのじゃないですか。どうせ独立採算制で最寄りの駅までのところしか考えていないのだろうから。どうなんです。
○高橋説明員 先生おっしゃる点につきましては、この委員会の前にもお答えしたかと思いますけれども、おっしゃるように、やはり専門の鉄道事業者がやるというのが一番ふさわしいかと思います。たとえば国鉄がやるとかあるいはほかの鉄道事業者がやるとかいうのが好ましいことかと思いますけれども、そういった事業者が当面私がやりますというふうなことがないということが考えられ得るわけでございますが、そういった場合には、だれも引き受け手がないものはやむを得ないからこの宅地開発公団がやらざるを得ない、そういうことに相なるかと思います。 ただ、この場合におきましても、建設についてはやはりそれぞれ鉄道の建設についての専門の事業者等もございますが、そういうところに建設は委託するとか、あるいは運営につきましては、その宅地開発公団がつくります鉄道とつながります既設の鉄道事業者等にその運営、管理というものは委託するとか、そういうふうな方法も考えられるかと思います。そしてまた将来、鉄道がペイするというふうな見通しがついた時点におきましては、そういったつながっております方の既設の鉄道事業者に適切な価格でそういったものを譲渡していくとか、そういった方法も考えられるというふうに考えている次第でございます。
○井上(普)委員 どうせ赤字が出た場合——少なくとも日本国有鉄道なんですな、国鉄は。国の政策上やるのだから、最初からここにやらしたらどうなんです。この間も連合審査会でも言っておりましたけれども、つくるのはもう鉄建公団にやらしたらどうです。そしてつくったものは国鉄にやらすのだという原則を打ち立てながら進んでいったらどうですか。これはもう政治的な判断になるので、大臣、そういう考え方で進んだらどうです。
○仮谷国務大臣 行けるなら鉄道に引き受けてもらうか、民営で引き受けてもらうか、やってもらうに越したことはないですよ。ただ、大型の宅地開発をやって、そこへ絶対条件として足が必要なんですから、足はあなたまかせということで、もし引き受け手がなかったら、では足は全部切り捨てるのかというわけにいかないでしょう。そこに公団としての責任を実は感じているわけでありまして、私どもはできることなら国鉄にしても鉄建公団にしてもあるいは民営にしてもまずやってもらうことが第一条件。それがどうしてもできない、受け手がないということになれば、やむを得ず、やはり公団が責任を負わなければならぬ。その場合にも建設委託、運営委託という問題もありましょうから、その問題も考えていかなければなりませんし、それからいま鉄建公団のお話がありましたが、御承知のように、お互いローカル線を実はやっておりますけれども、これ自体もなかなか鉄建公団はうんと言わない。非常にむずかしい。これはもう全国的に非常な要望がありながら、将来赤字が出ることはわかっておるものですから、なかなか運輸省も国鉄も大蔵省もうんと言ってくれないところに、お互い地方のローカル線で実は苦労をしている。その経緯もあるわけでありまして、そういうところへ持っていって、なおさら最初からだめだとわかっておりながら引き受けてくれといっても、なかなかそこまで踏み切ってもらえないところに、私どもが危惧を持っておるわけであります。 最悪の場合には責任を持って、しかもその運営をどういう形にしてやるかということは、おっしゃるとおりです。今後大きな課題だと私は思う。私ども自信を持ってこれを運営をして、将来黒字を出して迷惑をかけませんということをよう言いません。言いませんけれども、住宅建設という重大な使命を果たしていくための一つの条件としてやるとすれば、最善の努力をして、これは当初は赤字を出すかもしれませんけれども、長期計画の中でそれをペイしていくような方法を考えるし、その場合においては、また運営の問題とか、あるいは民営や国鉄に引き継ぐとかいった事態ができてくると思いますけれども、一応最悪の場合にはこちらも腹を決めてやるのだという気構えだけは持っておらなければならぬのではないか、かように考えておるわけでありまして、お説のとおりであります。その問題については今後私ども十分検討、努力せなければいかぬ問題と思っております。
○井上(普)委員 大臣は経常費が赤字になることを予想しての御答弁でございます。私もその点は非常に心配するのでございます。赤字が出る路線ばかり国鉄に押しつけて運賃はなかなか上げてくれぬじゃないかという、国鉄当局の不満もあるでしょう。しかしながら、国の政策としてやる以上、やはり本筋としては国鉄にやらせていくというのが私は原則ではないかと思うのです。しかも、同じ政府部内にある日本国有鉄道なんですから、そこらあたりをひとつ十分お考えを願って、鉄建公団にも——鉄建公団は予算が少ないんで、御存じのとおりなかなかできない。国が認めないのだから仕事ができないというような事情があるのですから、ここらあたりを鉄建公団にやらして、国鉄に、まあ赤字だけれどもひとつしんぼうしてやってくれ、国の政策だから、ということでひとつ交渉を始めるという姿勢を持っていただきたいことを強く私は要求しておきたいと思います。ともかく将来の赤字についての処置が考えられていないということを私ははなはだ遺憾に存ずるのであります。 それから国土利用計画法ができまして、町村が自主的に土地利用基本計画をつくることになっています。したがいまして、それとこのつくる団地との整合性ということを私は考えなければならぬと思うのであります。特に市町村、末端自治体との関係を一体どうするかという問題が私は非常に重大になってくるんじゃなかろうかと思うのでございますが、どういうような配慮を今後やられるおつもりなのか、この点を伺いたいのであります。
○河野(正)政府委員 国土利用計画法に基づきます土地利用基本計画、これの段階でどういう配慮をこの宅地開発公団の事業地域について払っていくかというお尋ねだと理解いたします。 おっしゃるとおり、この段階で十分調整をとらなければならないと思います。ただ、事業地域が都市地域の中の市街化区域内で行われる場合には、これは土地利用基本計画と何ら矛盾抵触するものではございませんので、それは個別法の都市計画法の体系の中でおやりいただけることだと思うのでございます。しかしながら、将来、あるいは線引きの見直しという御答弁が建設省の方から先般来何回かございましたが、この宅開公団の事業予定地域をめぐりまして線引きの改定というようなことが予定されるような場合には、土地利用基本計画の段階で環境の保全、農用地の確保等との関係もございますので、十分な調整が必要であろうかと思います。 ただ、そこまでまだいかない段階あるいは何々県何々市の字何々で新しくできます公団が事業を起こす計画がある、具体的に地図の上には落とせないが一応計画があるというような段階もあろうかと思います。そういうような段階におきましては、土地利用基本計画の図面ではなくて、文章表示の中に、公的主体による開発計画ないしは保全計画というものを文章表示として書かせることにいたしておりますので、その点、都道府県知事の段階で地元市町村長と十分な意見調整の上、開発主体である宅開公団の意見に基づきまして調整を了して文章表示に加える、こういうことが第一段階でございます。 次に、続いて線引きの改定等が具体化いたしました際には、改めて必要ならば土地利用基本計画の改定ということになりまして、これは各都道府県が再び市町村長の意見を聞き、都道府県に置かれております国土利用計画地方審議会の議を経て改定手続をとる、こういうことになろうかと思うのでございます。 いずれにいたしましても、御趣旨のとおり、国土利用計画法に基づく土地利用基本計画の段階でも十分なかかわりあいを持ち、十分な調整を図っていくということになろうかと思います。
○井上(普)委員 いまの局長の御答弁、府県段階に非常に重きを置いた御答弁のように考えられる。市町村の基本計画を策定する際の整合性というのがもうすでに必要になってくると私は思うのです。いま国土利用計画法が基本計画と利用計画との間に時期的にずれ、逆になってきておる。非常にむずかしい問題をいまはらんでおるとは思いますけれども、しかし、これからつくられる基本計画、これとの間の整合性を一体どうするのかということになってくるならば、当然ここに、また後ほど私は述べたいと思うのだが、環境アセスメントとの関係において、受ける市町村との整合性というものはこれは非常に重要になってくるのではなかろうか、私はこのように考えられるのであります。あなた言うけれども、五百ヘクタールと言いますと、これは字名だけ、大きいところもありましょうが、字名だけぐらいでは済みませんよ。考えてごらんなさい。多摩ニュータウンだけでも四つの市にまたがるのですからね。こういうようなことを考えますと、よほど慎重に市町村の基本計画とこれとの密接なる関係を持たなければならぬのじゃなかろうか、私はこのように考えるのですが、いかがでございます。これが第一点。 それから第二点。したがって、そういうような関係からいたしますならば、この公団の組織自体について、市町村が一体どこまで関与できるのかということが非常に私は大きなウェートを占める問題になってくるのじゃなかろうかと思うのであります。いま建設省当局は、恐らく知事ぐらいを、たとえば千葉とか埼玉とか、するところの知事ぐらいを非常勤理事にしたらいいんじゃなかろうかという考え方で終始せられておると思いますけれども、それよりもむしろ直接住民にかかわりのある市町村長などというようなものをこれに加える必要があるのじゃなかろうかと私は思うのですが、この点いかがでございます。
○大塩政府委員 上位計画である国土利用計画における市町村計画と整合性を保つべきことは当然でございますが、それを具体化いたします場合に、その計画を具体の場所にセットいたしますときに、これは当然地元市町村と協議をしなければなりません。そこで制度的には、いま提案いたしておりますところの宅地開発協議会というものの中に、その中に委嘱によって関係の市町村長を入れましてこれを協議するというようなことも書いてあります。したがって、市町村長の意見も十分配慮しなければならない。 それからもう一つは、調整地域の中におきましてそういう開発計画を立てます場合には、都市計画法に基づきます整備、開発、保全の方針をつくれということを書いてございます。なかなか調整地域というのはいま具体的に整備、開発、保全の方針を書いておりませんけれども、法律上はそういうことを書けということになっておりまして、特にこういった大規模な計画的なものをつくりますときには、将来これをどうするか、それでそういった場合にはどういう影響があるかというようなことを考えまして整備、開発、保全の方針をつくらなければなりません。これは都市計画でございますから、縦覧及び意見書の処理というような手続を経まして、市町村の意見を聞き、かつ住民の意見を聞くことになります。
○河野(正)政府委員 先ほどの御答弁の中に多少足らない点がありまして大変失礼をしたと思います。 国土利用計画に基づく土地利用計画は、先生御承知のように、国土利用計画と土地利用基本計画とがありまして、国土利用計画の方には市町村段階の計画があるわけでございます。したがいまして、その両面を両々相まってやるわけでございますから、市町村の主体的な意見というものも十分反映されるということになろうかと思います。
○井上(普)委員 ちょっと思い違いをしておってどうも済まぬところがあったのでございますけれども、ともかくいずれにいたしましても、この宅地協議会なんというのに入れるのだなんということをおっしゃっていますけれども、むしろ知事なんかよりも、非常勤理事という制度をつくる以上は、直接関係する市町村長などを入れる必要があるんじゃなかろうかと私どもは思うのでございます。この点についてはさらに御研究をして、そのような方法をとっていただきたいということを、私は強く要求いたしておきたいと思います。 さらに、特にいまの各市町村が、地元がともかく大規模団地反対を唱えておる理由は、一つには財政的な問題もありましょう。それと同時に、周囲の、旧来住んでおった方々との感情的な問題も大きい問題だろうと思いますし、また、つくられる団地の団地住民と旧来の人たちとの間の——旧来の市町村といいますのは部落共同体的な性格を持って、そこから出発したのが、いまの市町村だろうと思います。 〔委員長退席、梶山委員長代理着席〕 その中へ溶け込めないというような面も私はあるんじゃなかろうかと思うのです。この点についての配慮は一体どうされていくおつもりであるか、この点を伺いたいのが一つ。 したがって、それらに対する環境的なアセスメントも必要でございましょう。これはやらなければならない問題でもありますし、いまある共同体をいかにしてそのまま残していくか、それに対しての影響を少なくしていくかという必要もありましょうし、非常に微妙な問題がたくさんあると私は思うのでございます。特に在来から、日本人というのは同じところに住んでおる習性がありますので、外来者に対する見方というものが特殊なものが私はあるんじゃなかろうかと思います。したがって、これをいかにしてともかく融和さすかという点についての配慮がいままでは少な過ぎたんじゃなかろうか、このように考えられるのでございます。 〔梶山委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、ここらあたりについての配慮を一体どうしていくか、私どもはこれが団地お断りの一つの大きな理由ではなかろうかと思うのでございまして、この点についてはどう考えられておるのか、方針をひとつ伺いたいと思うのでございます。
○大塩政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもが開発行政をやっておりますときに一番問題になりますのは、都市化が進行していきますと、田園牧歌的なそういう地域にいわば外来者が入ってくるということでございますから、そこには当然風習も違いますし、大げさに言えば異質の文化が入ってくるというようことで、そこに抵抗感が生まれ、そういった反目とか対立とかというようなものが生じやすいわけであります。これは至るところにこういった急激な都市化とともに起こっている社会現象でございます。 それで、これに対しましては、単に自然環境の保全に対する十分なアセスメント、事前調査のみならず、こういった社会環境に対する激変に伴う各種の摩擦を避けるための方策というものが講ぜられなければならないというふうに考えているわけでありまして、いま仰せられました学校の問題だとか、騒音の問題だとかという問題も、ことさらにそれが顕在化していくのは、そういった社会的な環境の激変に伴う面が多いと思います。 これはわれわれは、結論的に申しますと、やはりよく事情を説明し、納得をいただき、説得をするという努力を積み重ねていくということが一番必要なことであり、基本的なことではないか、これなくして、説明が不十分なままで計画が進行したりあるいは事業がどんどんと進んでいくというところに問題があるように、経験上そのように考えております。 したがいまして、私どもはこういった大規模なものを行います場合には、もちろん関係の諸機関とも連絡をとらなければいけませんけれども、そういう社会的環境の激変を一身に背負うところの住民に対する配慮、これはいろいろな形があると思います。場所によって違います。幼稚園の問題もありましょうし、神社の問題もありましょうし、いろいろな問題としてあらわれますけれども、その地域、地域の特殊性というものをよく理解した上で、その事業とマッチするような方法を具体的に、個所個所によって違いますけれども、それを考えていき、それをよく説明をするということの努力を積み重ねることが第一だと思っております。
○井上(普)委員 もちろんそれは、ただいまおっしゃられたことは必要でございましょう、また十分にやらなければならない事柄であると思います。しかし、それよりもむしろその計画自体に住民を参加せしめる、あるいは住民の代表を参加せしめるという必要があるんじゃございませんか。ここらあたりの配慮が私は欠けておるのじゃないかと思うのですが、いかがでございますか。
○大塩政府委員 したがいまして、そういう意味でできるだけ住民の意思が反映しますように、所有者のみならず、関係の住民の意思が反映しますような手続がとられなければならないと思っております。 それにはいろいろな具体的な方法がありましょうけれども、法律的な制度といたしましては、意見書の処理だとか縦覧だとかいうことが書かれておりますけれども、それだけでは足りないで、さらに必要に応じてそういう接触の場を持って、先ほどの繰り返しになりますが、そういう手続を繰り返す必要があると思います。
○井上(普)委員 そうじゃなくて、それに対して、計画そのものに参加せしめるためにも地元市町村長を私は理事かなんかその機構の中に入れてしまう——市町村長は月給要らぬでしょう、もう、非常勤であれば。そういうようなことをやったらどうですか。どうです。
○大塩政府委員 市町村長の意思というものは、それを代表する地域の意思として十分尊重しなければなりません。これを理事として非常勤の理事の中に加えるかどうかということは、制度面におきましては、この法律の中ではこれを代表する者として知事またはそれの指定する職員とかあるいはその代表ということで入れておりますけれども、当然施行地域は決まっているわけですから、それらの四市町村にまたがったりするような市長の意見をまとめてそういう場で反映していただく適当な方が推薦されるように、非常勤理事の選任に当たってもそのような配慮をすべきだと考えております。
○井上(普)委員 ともかくそういうような処置を私は講じていただきたい。特に地域住民との融和ということがまず第一番だろうと思います。そしてまた、自民党さんはふるさと運動なんというのをやっておるけれども、住んだところをひとつふるさとにするような環境をつくっていかなければ、ニュータウン計画なんというのは成功しないだろうと私は思いますし、単にベッドタウン化してしまったところで育つ将来の国民を考えますと、まさに索漠たるものが出てくるんじゃなかろうかと思うのでございます。したがいまして、そういうような点も十分配慮して、ともかく定着ができるような、そこに住む、団地に住む人たちが定着できるような、しかもそこに愛着を感ずるような団地づくりをひとつ考えていただきたいことを強く要求いたしておきたいと思うのであります。 最後になりましたが、結論的に言えば、私はこういう宅開公団というものにつきましては、住宅公団に大体権限を付与しておれば十分にできる問題であろうと私は思うのであります。しかしながら、いまの住宅公団につきましては私は先般来不信感を持たざるを得ないような状況になっております。したがいまして、特に私は大臣に、去年の十二月でございましたか、この点について注文をつけまして、大臣も今後このような検討をいたしますと言ってお約束を賜っておるのでございますが、その点についてのいまの作業の進捗状況を大臣から簡単で結構でございますから承りたいと存ずるのであります。
○大塩政府委員 住宅公団の諸種の問題点につきまして、特に事業を円滑にさせていくためのいろいろな隘路等につきまして検討すべく、建設省の中におきまして、審議官を中心として私どもも集まりまして、検討いたしておるところでございます。至急その結論を出したいと思っておりますが、間もなく結論を出しますけれども、まだいまの段階では結論を得ておりません。
○井上(普)委員 ともかく早急に結論を出し、効率的な仕事ができるように。しかも大臣は、所信表明の第一番において、建設省の仕事は計画性を持たなければいかぬ、その計画を確実にやるのが建設省の最大の任務であるとまで言われておる大臣でございます。したがって、計画が十分に達成できるような機構、あるいはまた効率的に仕事ができるような体制、そういうものをひとつ御整備いただくことを強く私は要求いたしておきたいと思います。これは住宅公団だけじゃなしに、もし宅開公団——私どもは宅開公団をつくることについて基本的には反対なのです。といいますのは、こんなのは住宅公団で処理すべき問題だという考え方に終始いたしておるからであります。したがいまして、この点につきましての十分な考慮をひとつお願いいたしたいと思いますが、大臣いかがでございますか。
○仮谷国務大臣 宅開公団でなくても住宅公団でできるのじゃないかという考え方、それから、そんなら宅開公団できれば住宅公団の宅地部を全部移したらいいじゃないかという考え方、いろいろあるわけです。ただ、いろいろな事情からも御説明申し上げたとおりでありまして、私どもは、大量の宅地を供給するためには新しい宅開公団を必要とするという考え方を持って臨んできておりまして、るる御説明を申し上げたわけでありますが、残念ながら御理解をいただけなくてまことに残念でありますけれども、いろいろとこの委員会における質疑の趣旨を十分に体しまして、これから先今後の運営については遺憾なきを期していきたい、こういうつもりを持っております。いずれ結論出ましたら、また御報告をする機会があるかと思いますが、御質疑の趣旨は十分に体して今後の運営はやっていきたい、かように存じております。
○井上(普)委員 以上で質問終わります。
○天野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○天野委員長 この際、服部安司君から宅地開発公団法に対し修正案が提出されております。 提出者服部安司君から趣旨の説明を求めます。服部安司君。
○服部委員 宅地開発公団法案に対する修正案につきまして、趣旨説明をいたします。 案文はお手元に配布してあります。 御承知のとおり本法律案は、昨年二月第七十二回国会に提出され、継続審査となって今日に至っているのでありますが、この一年有余の期間の経過等に伴なって、附則中所要の規定の整備を行う必要が生じたものであります。 修正の第一点は、宅地開発公団の最初の事業年度を成立の日から昭和五十一年三月三十一日に改めること、第二点は、宅地開発公団法の法律番号「昭和四十九年」を「昭和五十年」に改めること、第三点は、「国土総合開発公団法」の名称を「地域振興整備公団法」に改めること等であります。 以上が修正案の趣旨でありますが、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○天野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本修正案について、別に発言の申し出もありません。 —————————————
○天野委員長 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。内海英男君。
○内海(英)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました宅地開発公団法案及び同法律案に対する修正案につきまして、賛成の意向を表明するものであります。 本法律案は、大都市の周辺地域において、良好な住宅地の大量供給と健全な市街地形成を図るための新機構として、宅地開発公団を新設しようとするものであります。 委員各位御承知のごとく、大都市地域においては、今後、人口と産業の地方分散を強力に進めたとしても、なお膨大な宅地需要が見込まれており、住宅、宅地問題の解決はもちろん、昨年、本委員会で提出、成立を見ました国土利用計画法の立法趣旨である土地問題の解決を図るためにも、大都市地域において、宅地の大量供給を促進することが緊急の課題となっているのであります。 また、同公団が宅地造成の際に行う特定公共施設工事制度、関連施設整備事業助成基金制度、交通施設の整備等は、従来の宅地開発の隘路を打開する適切な措置というべきであります。 なお、本法律案に対する修正案は、法律案提出以来、一年有余の期間の経過等に伴う事務的な整理であり、当然の措置であります。 以上申し述べた理由により、私は本法律案及び本法律案に対する修正案につきまして賛成するものであります。(拍手)
○天野委員長 福岡義登君。
○福岡委員 社会党を代表しまして、反対の意見を述べたいと思います。 私どもは、法案の審議を通じまして、住宅政策を推進するに当たって、特に宅開公団を設けなくても、現在の日本住宅公団の整備強化によって推進できるということを強く主張してまいりました。今日まで住宅が建たなかった大きな理由は、関連公共施設あるいは水あるいはじんあい、屎尿処理など、地方財政を大きく圧迫をしたところに、地方自治体の団地拒絶の反応が出てきたわけであります。この宅開公団法の中におきましてこれらの問題についての対策がある程度講じられようとしている点は認めますが、何も宅開公団を新たにここで設けてやらなければできないというものではない。初めに申し上げましたように、日本住宅公団の整備強化によってこれらの問題は十分対処できるというように考えるわけであります。一部で言われておりますように、新たに宅開公団を設けるということは、役人の天下りのポストをたくさんつくろうという意図があるのではないかということも否定できぬのではないかと思います。 次に、私どもは、この法案を通じまして住宅政策の長期計画というものを明らかにしていただきたいということを強く訴えました。現在、第二次五カ年計画を終わりまして明年度以降新たな長期計画を立てる段階になっておるのでありますが、その基本方向としましては、公的賃貸住宅を中心にして行うこと、あるいは家賃政策を抜本的に改めること、あるいは持ち家対策につきましては低利長期の融資制度を確立をすることなどを要求してきたのでありますが、政府においては速やかにこれらの住宅の長期計画を立てていただいて、その時期に今後どういう手法をもってこれらの施策を具体化するかということが検討されても遅くはないのではないか。いまその長期計画がまとまってない段階で、ここに宅開公団を新たに設けるという必要はない。こういう理由からも、この法案に反対せざるを得ないのであります。 最後に、重ねて要求をしておきたいと思うのでありますが、政府は速やかにわれわれが述べました趣旨に沿った住宅の長期計画を定めていただくように強く要望して、終わりたいと思います。
○天野委員長 柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、宅地開発公団法案に反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、宅地開発公団が行おうとしている宅地開発は、今日の深刻な住宅難を解決する方向のものではなくて、逆に政府の誤れる持ち家主義を助長し、国民にマイホームの幻想を与えるにすぎないものであるからであります。 第二期住宅建設五カ年計画は、建設省の達成率の見通しでも公営住宅七六・五%、公団住宅六三・五%にすぎず、惨めな破綻に終わることは明白であり、一人一室どころか、建設省の住宅需要実態調査によっても、いまなお住宅難世帯が二百七十五万世帯も存在することが明らかになっています。 いま求められている国の住宅政策の基本は、これら住宅難世帯の解決を第一義的なものとしなければならないことは当然であります。このため住宅地の開発も、大量の公的賃貸住宅用の宅地開発にこそ力を注ぐべきであります。 しかるに、政府が宅地開発公団を設立して開発しようとする宅地は、公的賃貸用の宅地を添え物とし、個人分譲宅地の供給を優先させるものであり、宅地開発に関する政策の優先順位を基本的に誤ったものと言わなければなりません。 反対の第二の理由は、宅地開発公団の進める個人分譲宅地は低廉な宅地供給にはほど遠く、住宅難世帯の人々にとっては高ねの花であり、この点からも住宅難の解決に役立つとは言えないのであります。 政府は、答弁で再三坪十万円程度で供給できると言明していますが、それは根拠に乏しく、非現実的または無責任な答弁としか考えられません。住宅公団や地方自治体がすでに取得している土地を宅地開発公団が肩がわりして開発する場合には、この程度の価格で分譲できる可能性も考えられますが、それでは新たな宅地開発にはならず、新公団を設立する意味が失われてしまうのであります。 日本住宅公団が分譲した洋光台の個人分譲宅地において、五千倍の競争率でせっかく権利を手に入れながら、経済的負担にたえられず、多くの人人がその権利を放棄せざるを得なかった苦い経験を、宅地開発公団はさらに拡大して繰り返すことになりはしないでしょうか。 第三は、大都市への人口集中に対する積極策がとられないまま、大都市の周辺にベッドタウン的なニュータウンを建設することは、いたずらに大都市を膨張させるとともに、昼間時における都心部の人口集中をさらに著しくし、新たな都市問題を生み出さずにはおかない点であります。ニュータウンを半職住完結型の都市にしたいという答弁は政府の願望であって、現実的なものとは言えないのであります。 第四には、政府が率先して市街化調整区域の開発に手をつけ、調整区域を大規模に買い占めたけれども開発できずに困っていた大企業、デベロッパーに多大の利益をもたらすであろうという点であります。この点は政府も認めているところであります。 法案には、これらの反対すべき諸点とともに、関連公共公益施設の立てかえ制度に対する国の財政援助、団地の交通機関の確保など、従来の宅地開発の隘路を一定程度解決するのに役立つ内容もあります。しかし、これは宅地開発公団の創設を前提としなくても実施できるものであり、遅きに失したとさえ言えるものであります。 最後の問題は、日本住宅公団から宅地部を切り離し、宅地開発公団に吸収合併しようとする問題です。一部には宅地行政の一元化のため、積極的にこれを促進させようとする考えがありますが、それは余りに短絡的、皮相的な考え方と言わなければなりません。宅地開発と住宅建設とを一体のものとして取り組む方が事業を促進させるのであります。日本住宅公団の持っている欠陥は改善させ、宅地部門を拡充強化することこそが、宅地開発、住宅建設をともに促進させることになるのであります。新たに宅地開発公団を創設する必要は全く認められません。 以上の理由によって、わが党は、宅地開発公団法案及び修正案に反対するものであります。政府が誤った持ち家主義政策を改め、国民が真に要求している大量の公的賃貸住宅の建設を強く、要求して、討論を終わります。
○天野委員長 北側義一君。
○北側委員 私は、ただいま議題となりました宅地開発公団法案及び同法案の修正案につきまして、公明党を代表いたしまして反対の討論を行います。 今日大都市が抱えている住宅問題はいまや深刻な社会問題となっており、早急に対策が迫られ、国民は一日も早く安くて住みやすい公共住宅の建設を求めております。政府は、この法案の中で宅地開発公団を創設し、大都市周辺において大規模な宅地造成を行うとなっておりますが、これはただ宅地を開発し供給すれば問題が解決するといった政府の安易な考えであり、それどころか、さらに都市問題を深刻化する要素が見られるのであります。 以下、審議を通じて明らかになった問題点を掲げて、反対の理由を明確にしてまいります。 第一には、宅地開発公団新設の明確な理由がないことであります。現在宅地開発から住宅建設、管理など行ってきた日本住宅公団があり、住宅、宅地を求める都市勤労者のためにも住宅公団の改善と拡充強化こそ先決であり、安易に新公団を創設することは住宅を要求する国民の目をごまかすものであり、人事面や業務上の問題点が解決されていないのであります。 第二には、新公団が開発するおおむね五百ヘクタールの対象区域は、現状では市街化区域にはなく、必然的に調整区域になることは明らかで、これを実行すれば三大都市圏はますます巨大化し、交通問題、水問題や自然環境の破壊など都市問題がさらに深刻となる心配があります。 第三には、このように調整区域での開発は、大企業の保有している投機による買い占められた土地を合法的に開発させるためのものであり、大企業や民間デベロッパーの救済対策となってしまうおそれがあります。 第四には、新公団には関連公共施設などの事業を直接施行する権限が与えられているが、事業資金のほとんどが財投資金であるため、結果的には受益者負担により宅地分譲価格に上積みされ、一般都市勤労者が買える価格になるかどうか疑問であります。同時に、地方公共団体への財政的圧迫も依然として解消されるとは言いがたいのであります。 第五には、昨年発足した地域振興公団でも、技術陣がそろわないため住宅公団から出向しており、新公団の技術陣などの人材が果たして確保できるかは疑問であります。 第六には、地方自治体の多くが団地お断りなどの方針が出されている今日、重大な影響のあるこのような大規模造成が、単に自治体の長の意見を聴取するだけが考慮されている程度では不十分であります。 第七には、農業問題が深刻化している折、このような大規模造成が都市近郊の優良農地に与える影響は大きく、その解決策が明示されていないのであります。 等々、問題点を幾つか挙げてみましたが、政府は現在新全総の見直しと経済社会基本計画の再検討を行っており、五十一年度から新たにスタートさせようとしていることからも、しかる後に十分検討されるべきではないかと思うのであります。 以上のことから多くの疑問点が山積している宅地開発公団法案及び同法案の修正案に反対するのであります。
○天野委員長 以上で討論は終局いたしました。 —————————————
○天野委員長 これより採決いたします。 まず、服部安司君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立多数。よって、宅地開発公団法案は、服部安司君提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○天野委員長 ただいま修正議決いたしました本案に対し、唐沢俊二郎君、井上普方君及び渡辺武三君から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。唐沢俊二郎君。
○唐沢委員 ただいま議題となりました宅地開発公団法案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党及び民社党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、お手元に配付してあります案文を朗読いたします。 宅地開発公団法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 大都市の周辺地域における宅地開発公団(以下「公団」という。)と日本住宅公団及び地域振興整備公団との業務の分担を明らかにするため、大都市の周辺地域の範囲を明確にするとともに、三公団の業務の分担について十分調整すること。 二 公団は、おおむね三〇〇ヘクタール以上の大規模な宅地造成事業を行うものとすること。 三 公団の鉄道業務に関しては、建設資金について必要な助成を行うとともに、その業務の健全な運営について配慮すること。 四 大規模宅地造成事業の施行に伴う関連公共・利便施設の整備については、関係地方公共団体の財政負担の軽減を図るため、更に補助対象範囲の拡大、義務教育施設用地に対する特別措置等について検討すること。 五 国民の住宅事情を考慮して、公的賃貸住宅等の供給を推進することとし、公団の造成する宅地については、必要な公的賃貸住宅等の建設用地の確保を図ること。 六 公団は、宅地造成計画の策定及び実施に当たつては、周辺地区の自然環境との調整に配慮すること。 七 住宅、宅地対策の緊急性にかんがみ、人口、産業の地方分散政策並びに土地利用基本計画及び国土利用市町村計画と十分なせい合を図つて、住宅、宅地需給の長期見通しを策定するとともに、住宅に関する基本的事項の整備について、速やかに検討すること。 なお、事業施行に当たつては、周辺部の地価の高騰には万全の措置を講ずること。 八 日本住宅公団職員として在職するもので引き続き公団の職員となるものについては、労働条件等を十分配慮すること。 右決議する。 以上であります。 各位には本案の内容は十分御承知のことと思いますので、以上をもって趣旨の説明にかえさせていただきます。 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○天野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対し別に発言の申し出もありませんので、これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○天野委員長 起立多数。よって、唐沢俊二郎君外二名提出のとおり、附帯決議を付することに決しました。 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。仮谷建設大臣。
○仮谷国務大臣 本法案の審議をお願いしまして以来、本委員会におかれましては終始熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすように努力をいたしますとともに、ただいま議決となりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して今後の運用に万全を期して努力する所存であります。 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。 —————————————
○天野委員長 なお、お諮りいたします。 ただいま修正議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○天野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十五分散会 ————◇—————