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75回国会衆議院1975/02/26

建設委員会 第5号

発言数
34
登壇者
7
会派数
2
開催日
1975/02/26

会議録

天野光晴自由民主党

○天野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。中村茂君。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 奄美群島振興開発特別措置法の中における振興開発計画と道路整備五カ年計画との関係。関係というのは、特に昨年の改正によって開発計画と関連してきたわけでありますから、若干の歴史的な経過と、現在の道路整備五カ年計画の内容についてひとつ明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○近藤政府委員 まず、奄美の振興開発計画と各省でつくっております公共事業の五カ年計画との関係でございますが、昭和二十九年から昭和四十八年までの二十年間、つまり復興計画あるいは振興計画の時代におきましては、事業費を自治省で一括計上しておりました関係で、各省がつくりますところの公共事業の五カ年計画と一応関係がないという形であったわけであります。ところが、四十九年から自治省及び国土庁で一括計上いたしますけれども、事業の実施は関係各省が行うということになりましたので、その事業はそれぞれ各省がつくりますところの公共事業の五カ年計画にのっとってやるということになっております。  ただ、先生も御承知のように、各省でつくっております五カ年計画と、この奄美の振興開発計画とは、期限が必ずしも一致しておりません。振興開発計画は四十九年から五十三年までの五カ年間ということになっておりますし、各省でつくっております公共事業の五カ年計画は、それぞれ年次に違いございますけれども、あるいは五十年、あるいは五十一年で期限が切れるというような関係がございます。したがいまして、各省で五カ年計画は現在改定作業が進められておるわけでございますが、その改定作業に関連いたしまして、この奄美振興開発計画に盛り込まれた事業が実施できるよう関係各省と調整を図ってまいりたい、そのように考えております。

井上孝建設省道路局長

○井上(孝)政府委員 道路整備五カ年計画における奄美振興開発計画でございますが、目標といたしましては、国道及び県道につきまして早期に本土並みの整備水準に到達することを目途といたします。また、市町村道につきましては幹線道路及び地域生活に緊急な生活道路の整備を図ることを目標といたしております。  なお、道路整備五カ年計画の中におきます奄美につきましては、実は今度の新しい振興計画ができるまでは、要するに四十八年までは道路整備は主要地方道二本を除きまして全部自治省所管でございまして、道路整備五カ年計画に入っておらなかったわけでございますので、実は精密に言いますと、いまの道路整備五カ年計画、これは四十八年からでございますので、四カ年だけが重複するという感じになっております。その辺で少しベースが違いますので比較がむずかしゅうございますが、四十九、五十年の二カ年で進捗率が奄美につきましては約三一%でございまして、ほぼ全国並みの進捗率を示しております。  以上でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 この法律の第二条に、「前項の振興開発計画は、昭和四十九年度を初年度として五箇年を目途として達成されるような内容のものでなければならない。」こういうふうにして、開発計画は四十九年度を初年度にして五カ年計画になったわけでありますが、したがって、道路の整備五カ年計画も、それからそのほかの計画も、やはりこの四十九年度を初年度とする五カ年計画に合わせて全体的にこの法律の目的が達成できるようにしていかなければ、四十九年度の法が改正になった趣旨に合わないんじゃないか。というのは、それまで道路もこの法律とは関係なかったわけでありますけれども、この改正によって道路もここに関係してきた、そして四十九年度を初年度として計画を立てていくということになれば、やはり全体的な計画として計画年度も合わせ、内容も合わせて振興開発を図っていかなければいけないのではないか、こういうふうに考えるのですけれども、そこら辺の考え方と、それからこれからの合わせ方とを、ございましたらひとつ明らかにしていただきたい。

近藤隆之国土庁地方振興局長

○近藤政府委員 先ほども申し上げましたとおり、この振興開発計画が四十九年度から発足いたしましたときには、各省の五カ年計画がすでに進行中であったわけでございます。各省の五カ年計画にはいろいろな内容のものがございますが、そのうちで積み上げ方式によっておるものにつきましては、この奄美の分について項目がないということになるわけでございますけれども、御案内のように、各省の五カ年計画には予備費あるいは調整項目というようなものがございますので、とりあえずはそれを活用してやっていくということで統べっておるわけでございます。一方、各省の五カ年計画も、その後の客観情勢の変化によりまして見直しの時期がすでに四十九年、五十年ごろから始まっておったわけでございまして、五十年度につきましては、御案内のように、公共投資抑制の折から五カ年計画の策定を一年延ばすというようなことで推移いたしておるわけでございますが、各省とも五十一年以降につきましては新しい五カ年計画をつくるということで準備作業が進められておるようでございますので、国土庁といたしましては、この奄美の振興開発計画がその中に十分盛り込まれるように、これから調整をしていきたいと思っております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 特に道路について、四十九年の十一月に一般国道の路線の指定があったわけでありますが、その一環として奄美群島内の五十八号線もなったと思うのですけれども、したがって、一般国道の路線の指定の内容、全里程でいいですから、それと群島内の関係について、ひとつ明らかにしてください。

井上孝建設省道路局長

○井上(孝)政府委員 昨年の十二月に決定いたしました国道昇格路線、全国は七十三路線、五千八百六十七キロメートルでございます。そのうち奄美群島につきましては、主要地方道、瀬戸内−赤木名線、一線でございまして、延長で九十・七キロメートルでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 奄美群島内の国道指定によって、どんなメリットがあるのか。

井上孝建設省道路局長

○井上(孝)政府委員 一般的には、国道に昇格いたしますと、基幹道路網の一環として重点的計画的な整備を進めるということ。  それからもう一つ、具体的なメリットといたしましては、本土におきましては、国庫補助率が、国の負担率が三分の二。改築事業では、地方道の場合には三分の二でございますが、国道になりますと国庫負担率が四分の三になるという財政的なメリットがございます。  奄美群島につきましては、従来から振興開発特別措置法によりまして、地方道でありましても、十分の九という、本土に比べて高い補助率が確保されております。従来、国道について、奄美については規定がございませんので、今回、国土庁から御提案申し上げている措置法の一部改正で、国道になりましても地方道の高い補助率でございました十分の九を確保するという規定の改正をお願いしておる次第でございます。したがいまして、率直に申しまして、奄美群島で、地方道から国道になりましても、この法律が改正ができましても国庫負担率に対しては十分の九が変わりませんので、この点のメリットはございません。  しかしながら、国道といたしまして、冒頭申し上げましたように、全国的に均衡のとれた形で、基幹道路網として計画的、重点的に整備を進めるということになる。その点がメリットでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 今度指定になりました五十八号線は、鹿児島から種子島、奄美群島、沖繩。沖繩に上陸して那覇市までと思うのですけれども、国道というものは、全国の交通ネットワークの非常に重要な役割りを果たすと思うのですが、そうなっていくと、海があり、島三つのところにわたって同じ五十八号線がずっとあるということはネットワークの面からいくと海路もずっと関連していなければ、陸路だけの、道路だけの飛び石では意味がない、こういうふうに思うのですけれども、海路と飛び石になっている道路の路線からのネットワークの面から、どういうふうに理解すればいいですか。

井上孝建設省道路局長

○井上(孝)政府委員 国道の要件は、道路法の第五条にございまして、五条に五号の資格要件がございます。若干の例外がございますが、おおむね二けた、五十八号まででございますが、一号から五十八号までの二けた以内の国道は、ほとんど一号該当——第五条の一号該当と言いまして、これは「国土を縦断し、横断し、又は循環して、」というような、非常に国道ネットワークの基幹となるものでございます。したがいまして、これは日本は四つの島、沖繩を入れますとさらに多くなりますが、いろいろ島々がございますので、国土を結びつけるという一号該当の国道要件でございますしたがいまして、海上も国道のネットワークの中に入れておるわけであります。もちろん道路としての実態がございませんので、いろいろ統計上の延長からは外されておりますが、海上も国道のネットワークの中に入るという考え方で指定をしておるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 どうもそうなってくると、言えば、四国へ行くにはそれぞれ国道からそこのところまで大体連絡船がついている。北海道にもある。だから、島を飛んで三つもずっとつながっている同じ一本の国道、こういうふうになれば、鹿児島から種子島、奄美大島、沖繩と、この五十八号線に従って海路もきちっとしていなければ、ネットワークの面から見れば五十八号線という国道は全く無意味だ、こういうふうに思うのですけれども、どうもそこら辺のところがまだ私には十分理解ができないのですけれども、海路の関係を含めてもう少し趣旨を明らかにしていただきたいというふうに思います。

井上孝建設省道路局長

○井上(孝)政府委員 先生御指摘のとおり、国道のネットワークとして、この間が全く船でありましても、航路で結ばれているということが望ましいわけでございます。今回指定いたしました一般国道五十八号、御承知のように、鹿児島を起点として種子島、奄美大島を経由して那覇市に至るわけでございますが、この海上部分は現在海上フェリーを含めまして四航路七社の船舶交通で結ばれております。従来から各種の船舶交通によって総合的に処理されてきておりますので、今後も島内の地域振興及び本土との海上交通需要を十分勘案の上に、港湾整備ともあわせて総合的に対処する必要があるというふうに考えております。  ただし、先ほど申し上げましたように、この五十八号というのは、第五条の一号該当「国土を縦断し、横断し、」というものでございますので、実は沖繩につきましては、那覇に上陸してそれから北の端まで縦貫する従来の政府道一号というのがあります。これは主要地方道であります。これを指定をいたしました。沖繩を縦貫する縦の一本を指定いたしましたが、その北の端であります奥という地点、ここにはいまのところまだ漁港しかございません。海上交通が本土と海上で結ばれているということには若干例外でございますが、いま申し上げましたような趣旨で、五十八号の整備、それから港湾の整備等も含めて海上交通の確保をこれから図るべきであるというふうに考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 そうなっていくと、港湾の設備が非常に重要な関係が起きてくるわけであります。後ほどその点は若干お伺いをしますが、特にこれから国道に昇格して道路整備をしていく場合に、沖繩の場合には、舗装率などについて見ていけば大体全国並みにはいっているわけでありますけれども、改良率が非常に悪いということで、ほとんど改良されていない。またはトンネル、バイパス等をつくって本当の国道としての役割りを十分果たし得るような段階にはいまないわけであります。  そこで、道路整備五カ年計画にあわせて果たしてその目的が計画どおり達成できるかどうかということと、もう一つ、道路を整備していく場合、港湾等も同じでありますけれども、私、鹿児島県のこの面を担当している人に聞いたわけでありますけれども、特に奄美の場合にこれらの事業を行う際、地域の産業も育てながら県等の事業もやってきている。ですから、内地の方の大きい業者を引っ張っていってすぐそうやってしまう、こういうことではなしに、育成強化を図りながらそういう事業を進めていく、こういうことでありますから、細かい内容はわかりませんけれども、一挙に大幅にやると言っても、業者の関係でなかなか困難だ。こういうふうな考え方に立つとすれば、やはり間断なくきちっと育てながらやっていくという対処でいかなければ、道路整備も港湾の整備もなかなか困難ではないか、こういうふうに考えますので、そこら辺の隘路を含めながら、整備五カ年計画の見通しがどうなっているかということをひとつ明らかにしていただきたいと思います。

井上孝建設省道路局長

○井上(孝)政府委員 奄美群島の道路整備の進捗状況につきましては、御指摘のように従来大変おくれております。ただ統計上は、一車線であっても改良済みという交通量の少ないところの昔の統計のやり方を踏襲しておりますので、改良率を全国と比較いたしますと、ほぼ同じかあるいは若干上回るということになっておりますが、遺憾ながら奄美群島につきましては五メートル五十、いわゆる二車線以下の改良済みというものが内地に比べて非常に多うございます。この点につきましては、そういった奄美の特殊事情を十分勘案して今後五カ年計画の中で整備を進めてまいりたいと思っております。  現行の五カ年計画につきましては、先ほど申し上げましたように、内地と奄美とは年度が一年狂っておりますし、それからベースも若干違っておりますので直接の比較はできませんが、四十九、五十年の両年で約三一%の進捗でございますので、全国並みの進捗を示しておるという考えを持っております。  また、先生御指摘のように、ここは地元業者の育成ということがきわめて重要なことでございますので、奄美群島の道路整備に当たりましては、なるべく地元業者を使用して育成していくという鹿児島県の方針に政府といたしましても十分協調してまいりたいというふうに考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 次に、港湾についてお聞きしたいと思いますが、特に五十年度の港湾施設に対するそれぞれの事業について、計画どおり、総需要抑制という困難な面はありますけれども、検討してみますと、行っているようでありますが、しかし当初の計画では、五カ年計画を立てて、五十年度から五十四年度までの五カ年計画の初年度として要求したようでありますけれども、総需要抑制ということでこの五十年度を初年度とする五カ年計画については一応見合わせになった、こういうことを聞いているわけであります。しかし、要求内容だけの予算が組まれてどうして計画だけが見送りになったのか、その点ひとつ明らかにしていただきたいというふうに思います。  それから、地方港湾の面については、七港要求したけれども四港しか認められなかった、こういうことを聞いているわけでありますが、先ほども言っておりますように、特に島でありますし、国道がそういうふうに飛び飛びになっているという関係等も含めて、ネットワークの面から検討してみても、港湾の整備というものがやはりこの島の振興開発にとっては非常に重要な役割りを果たしていくと思うのですけれども、どうして地方港湾について四港しか認められなかったのか、その点もあわせ明らかにしていただきたいと思う。

大塚友則運輸省港湾局計画課長

○大塚説明員 御質問が二つあったと思います。まず第一点の港湾整備の長期計画の問題でございますが、先生御指摘のとおり、私ども五十年度を初年度とする第五次の五カ年計画を発足するべく関係方面にいろいろ要請をしたわけでございますが、先ほど国土庁の方からお答えがあったとおり、国全体として五カ年計画の発足を見送るということでございますので、私どももそのようにいたしたわけでございます。  なお港湾整備五カ年計画は、従来の計画は四十六年から五十年までの計画であったわけでございまして、本年度が最終年度でございます。しかも、奄美群島の計画につきましては、道路計画と同じように、当初はこの計画には入っておらなかったわけでございますが、四十九年度から運輸省所管になったわけでございます。そこで、四十九年度並びに五十年度につきましては、調整財源を活用いたしまして奄美群島の港湾整備を行ったわけでございます。  なお、今後の見通しでございますが、五十一年度からは新しい計画を発足すべく私どもといたしましてもいま構想をいたしておりますが、特に奄美群島につきましては、振興計画というものにのっとりまして、たとえば主要の港については一万トン級の船が着けるようにするというふうな内容もございますので、その辺も考慮しながら新しい計画の中で十分配慮してまいりたいというふうに思っております。  なお五十年度の予算でございますが、現地の御要望にほぼ近い線で私どももいま予算を予定いたしております。対前年比大体四五%程度の伸びを予定しております。港湾全体の予算が実は昨年を下回る予算でございましたけれども、奄美群島につきましては、先ほど申しましたように四五%程度の伸びを予定いたしておるわけでございます。  なお、第二の御質問の点の地方港湾の問題でございますが、これも御指摘のとおり、現地の要望は七港あったわけでございますが、地方港湾は毎年全国的にほぼ適正な線というものが大体考えられておりまして、奄美群島につきましても、その枠の中で考えたということで四港になったわけでございますが、地方港湾の整備は毎年追加されていくわけでございますので、そういった観点から来年度以降できるだけわれわれも努力して新規の整備を進めていきたいというふうに考えている次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 いまも話があったわけでありますけれども、いずれにしても、先ほど申し上げましたように、振興開発計画は四十九年度を初年度としてやっていく、道路整備計画は五十年ですかそしていまの港湾の方はことしから始めようと思ったけれども、五十一年度から、こういうことで、初年度を全部合わせなくも、それは中身で開発計画に関連させて充実していただければいいわけでありますけれども、しかし、全部この法律に基づく振興開発計画というものが、この法律の中でも、初年度を四十九年度、こういうふうに明文化して開発を図っていく、こういうふうになったわけでありますから、中身についても、関連した中で、これから国土庁が中心になって一貫した一体的になった推進を図っていただきたい、こういうふうに思います。その点についてひとつ……。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 ただいまの問題につきましては、長期計画は当然ことしやるべしという考え方で、各省に、たとえば下水道の五カ年計画も改定しなくちゃならぬとか、いろいろあったわけでありますが、この問題はあくまでも調和のとれた、ただ一つだけが突っ走るということでなくて、総合的な調和のとれた計画ということでございまして、五十年度を踊り場にして、五十一年度から六十年度を踏まえて十カ年計画をつくりたい、こういう考え方で、その間、ことしのこの踊り場につきましては十分な配慮をして計画を立てるというようなことで、各省庁にこの計画を立てることをぜひひとつ待ってもらいたいというような考え方で、国土庁は五十一年度から——この五十年度に十分な各省庁との調整の中でつくり上げていきたい、こういうようなことで延ばしたわけでありますから、御理解をいただきたいと思うわけであります。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 この振興開発計画に基づいて、道路が整備され、または港湾等が整備されていっても、島でありますから、島の中における産業の発展と結びついていかなければ、どんなに道路だけりっぱにしても、港湾だけりっぱにしても、どうにもならないわけであります。  そこで、奄美大島の重要な産業を調べてみると大島つむぎ、それからサトウキビ、この二つが中心になって、重要産業として島の中で何とか生活を支えてきているというのが実情ではないかというふうに思うわけであります。  そこで、特に大島つむぎについて若干お聞きしたいというふうに思いますが、いまこの大島つむぎの現状はどのようになっているか、明らかにしていただきたいと思うわけであります。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○黒田説明員 お答えいたします。  奄美大島の主要な産業でございます本場大島つむぎというものは、四十七年ごろの一種の和装のブームというようなことでよろしかった状態が続いておったわけでございますが、総需要抑制下、繊維産業は軒並みの非常な不況下にございまして大変困った状態にあるというふうに私ども承知をしておるわけでございます。生産反数等も減少し、あるいは加工賃等の引き下げというような、これは全国各地の繊維産地で起こっておる状況ではございますけれども、特にああいう離島であるための困難がそれに加わっているというふうに承知いたしております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 ここに「エコノミスト」二月二十五日号があります。その二十六ページに、「大島つむぎを破産させた日韓共同体——日本の資本進出がもたらす結末」「藤島宇内」。四、五ページにわたってありますが、この内容を見てみますと、大変な状況にあることが、いろいろつまびらかになっております。  そこで、非常に重要な点と、いま大島つむぎをめぐって、奄美で生活がこの大島つむぎの発展と同時にどういうふうに変わってきたかというようなことも若干ありますので、相当長いものでありますけれども、ほんの一節だけ紹介して、なお考え方をお聞きしたいというふうに思うのです。  ずっと、特に日本と韓国との歴史的な経過が書いてあって、「その結果は——一九七三年度、奄美の平均所得は本土の平均のわずか五二%にすぎない。奄美にはいる資本よりも本土に吸い上げられる資本の方が大きいという関係は一貫してつづいており、いまだに国内における植民地ともいうべき経済構造から脱却し切ってはいないのだ。とはいうものの、奄美だけの過去と現在をくらべるならばその生活水準は少しずつ向上してはいるようだ。一九六〇年末、私が奄美を訪れたとき、名瀬市では五世帯に一世帯が生活保護をうけているというありさまだったが、今日ではその比率は七%程度に減っている。名瀬市街もみちがえるように新しくきれいになった。しかしこれは政府の地域開発計画の成功によるものではなく、奄美の人々自身が粒々辛苦して自力で守り発展させてきた「生命産業」といわれている大島つむぎの生産の成果によるものであることを、奄美の人々は誰でも知っている。しかし、奇妙なことに政府はこの「生命産業」にはほとんど援助をしなかったのである。最近になって織子の養成や染色作業場などにわずか数千万円の補助を出すようになったにすぎない。ところが今日、この奄美の人々の生活をささえる最も重要な自立産業である大島つむぎが政府・総合商社の残酷な経済戦略によって破滅に追いこまれるかもしれないという危機がつくりだされてきた——。その危機は一九七〇年代にはいって生産されるようになった韓国のニセ「大島つむぎ」の日本への大量、急激な逆輸入によってもたらされた。この危機がはらむ意味は単に奄美だけの問題にとどまるものではない」。これはほんの一節ですけれども、言えば、奄美というものがいま壊滅状態にある。  新聞でもその辺は取り上げられて、韓国の生産したつむぎが大島つむぎという銘柄をつけて日本へどんどん逆輸入になってきている。しかも、いままでは生産約三十五万トンだったけれども、韓国から輸入が十万トンというふうに、順次韓国の生産が高まってきている。しかも、内地のしぼりを中心にするこの種の産業については、京都においても東京の村山においても壊滅状態になってきている、こういうふうに言われているわけであります。  ですから、私はただ単に、韓国から入ってきているつむぎを大島つむぎというふうに偽ったものを直す、これだけでは解決できないと思うのです。したがって、通産省は、この大島つむぎをめぐる韓国との関係についてどのように考え、大島つむぎの育成強化をどういうふうに考えていくかという点について明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。

黒田真通商産業省生活産業局通商課長

○黒田説明員 お答えいたします。  韓国から大島つむぎまがいの物が相当輸入されておるということがここ二、三年問題になっております。特に、先生いま御指摘がございましたように、その輸入品の中には、韓国製であることを偽りまして、あたかもわが国で生産された本場大島つむぎであるかのごとく、非常に虚偽の表示を行って販売されておったというような点が、その量の問題の以前に、いわば質の問題として非常に混乱の原因になったかと考えるわけでございます。  この点につきましては、大蔵省、税関あるいは公正取引委員会の方の御協力をいろいろいただきまして、まず、明らかに虚偽の表示をしておるものについては税関の段階でこれを輸入させない、それを切り取らせるというようなことをいたしましたし、また国内流通面では、非常に最近でございますが、公正取引委員会が通達を出しまして、非常にきめ細かく虚偽表示の取り締まりということの手を打っておるわけでございます。  なお、この点につきましては、私どもといたしましては、韓国側とも話をいたしまして、やはり韓国品には韓国のものであるということを正々堂々とうたうことが健全な発展のためには必要であるということで話をしておるわけでございます。  それから、数量の点でございますけれども、実はいわゆる大島つむぎと申しますものは、わが国内におきましても、奄美大島のみならず、鹿児島におきましても本場大島産地というものが形成されております。そのほか、村山大島というようなかっこうで、いわば大島というものが一般名詞になっておりますが、そういったつむぎ、かすりというものの韓国からの輸入がどれほどあるか、あるいはその中で本場大島と競合するものが何ほどあるかという点については、まことに残念ではございますが、現在の税関の能力からいって、それを判定することはきわめて困難であるというような事情がございまして、私どももいろいろな調査をいたしまして、昨年で約三万反程度の輸入が韓国から行われたのではなかろうか、それに対するに奄美大島及び鹿児島を含めましたいわゆる本場大島産地の生産は約八十万反でございますが、そういった三万反というものが今後急激に増加するということのないように、商社に対する自粛の要請、行政指導をやっておりまして、総合商社等はすでにその取り扱いはやめたというふうにも聞いておりますし、また、韓国側に対しましても、奄美大島の特殊性の理解を深めるために私どもの幹部がせんだって訪韓いたしまして、実情についての理解を深め、先方の協力というものについて話をしてきたわけでございます。  なお、大島産地自身の振興問題については、簡単に申し上げますと、ほかの繊維産業一般と同じような意味でのいろいろな振興措置がございますが、特に本場大島つむぎにつきましては、昨年成立いたしました伝統的工芸品産業の振興に関する法律というもので、伝統的産業品であるということで指定をいたしまして、今後その法律に基づきました振興計画というようなものを策定をいたしまして、国としてもできるだけの応援をしていくというふうに考えておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 この問題についてはまだいろいろ意見ありますけれども、まあ道路に関係ないですから、また別な機会に譲って通産省といろいろやりたいと思います。  そこで、道路の問題で、奄美の道路も長野県の道路もつながっていますから、わずかな時間で一つだけ。実は、この衆議院の建設委員会が調査に行ったときに陳情を受けたのが、まだ未解決で一つあるわけですから、その点でひとつ発言を許していただきたいと思います。  長野県の中央自動車道長野線整備計画路線の変更について、更埴市から来ていると思うのですけれども、その趣旨は、私が申し上げるまでもなくインターチェンジの場所の変更とそれから経過ルートの変更を求めているわけであります。特にインターチェンジになるところについても経過ルートについても、農業構造改善事業を完了したところで、優良産業団地になっているところがインターチェンジ、経過ルートの経路になっている。それから、市街地、部落等を分断する。  それともう一つは、あそこに実は松代の地震観測所がありまして、この高速道路はそこから三・五キロ離れていなければ地震観測に影響がある。特に、この中央道長野線の整備計画の松代のところへ曲がってくるところについては三・五キロ以内に入る、こういう実情もあわせて、地元ではこの路線の変更を強く要求しているわけであります。  それから、そのインターチェンジにつながる関越自動車道の直江津線基本計画路線が示されているわけでありますけれども、大体いま申し上げた理由と同じで、この路線についても変更の陳情がなされている。そしてこの地元では、代案として第一次代案というものを出したわけでありますけれども、その代案がやはり松代地震観測所の三・五キロ以内に入ってしまう。それではいけないということで第二次の代案を出しているはずであります。  したがって、この建設委員会も調査に行ったときに陳情を受けた案件でもありますので、この陳情についていまどういうふうに取り扱い、どういうふうになっているか、明らかにしていただきたいと思います。

井上孝建設省道路局長

○井上(孝)政府委員 中央自動車道長野線の御指摘の区間につきましては、昭和四十八年の十月に整備計画が決定されまして、日本道路公団に施行命令が出たわけでございますが、現在、日本道路公団におきましては、先生のいまおっしゃいましたような県及び市からの要請がございまして、測量等の現地での調査は中止をいたしております。しかしながら、主として更埴市の市の発展の阻害とかあるいはルートを若干山側へ寄せろというような御要望も含めて、今後日本道路公団におきまして、県及び市と協議しながら、整備計画に基づいて各種の調査を進めて慎重に路線を決定いたしたいというふうに考えております。  一方、関越自動車道の直江津線につきましては昭和四十七年六月に基本計画が決定したという段階でございますので、やや中央自動車道長野線よりおくれた段階にございます。したがいまして、まだ整備計画が出ておりませんので、現在建設省の関東地方建設局におきまして整備計画をつくるための基礎的な調査をやっておる段階でございまして、したがいまして、長野線につきましては、更埴市の、先ほど先生のおっしゃいました各種の代案も含めまして、また、気象庁の松代地震観測所のことも勘案いたしまして、広い範囲にわたって調査を行って、十分検討の上、成案を得たいというふうに調査中の段階でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 終わります。ありがとうございました。

天野光晴自由民主党

○天野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

天野光晴自由民主党

○天野委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

天野光晴自由民主党

○天野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  この際、国土庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。金丸国土庁長官。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 奄美群島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、慎重な御審議の上、可決していただきましたことに厚く御礼を申し上げます。  本法案の成立後は、本委員会における御質疑の趣旨を体しまして、その運用に遺憾のなきことを期する所存でございます。まことに皆さん、ありがとうございました。(拍手)

天野光晴自由民主党

○天野委員長 なお、お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野光晴自由民主党

○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

天野光晴自由民主党

○天野委員長 次回は、来る二十八日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十二分散会

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