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75回国会衆議院1975/02/12

建設委員会 第1号

発言数
208
登壇者
22
会派数
3
開催日
1975/02/12

会議録

天野光晴自由民主党

○天野委員長 これより会議を開きます。  この際一言ごあいさつ申し上げます。  私、このたび再び委員長を拝命いたしましたので、委員各位の皆様方の格別な御協力によって円滑なる運営ができるようにお願い申し上げまして、ごあいさつにかえます。よろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————

天野光晴自由民主党

○天野委員長 理事辞任についてお諮りいたします。  理事松野幸泰君から理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野光晴自由民主党

○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  ただいま辞任されました理事の補欠、去る一月二十四日理事小沢一郎君委員辞任による欠員及び私の委員長就任に伴う欠員、計三名の理事の補欠選任を行いたいと存じますが、これは先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野光晴自由民主党

○天野委員長 御異議なしと認めます。  よって、理事に       梶山 静六君    唐沢俊二郎君    及び 村田敬次郎君 を指名いたします。      ————◇—————

天野光晴自由民主党

○天野委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  すなわち、  一、建設行政の基本施策に関する事項  二、都市計画に関する事項  三、河川に関する事項  四、道路に関する事項  五、住宅に関する事項  六、建築に関する事項  七、国土行政の基本施策に関する事項 以上七項目について、建設行政及び国土行政の実情を調査し、その運営を適正ならしめるため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めるため、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野光晴自由民主党

○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、議長に提出する国政調査承認要求書の作成及び手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野光晴自由民主党

○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

天野光晴自由民主党

○天野委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  建設行政の基本施策に関する件調査のため、本日、日本住宅公団から総裁南部哲也君、理事長播磨雅雄君及び理事上野誠朗君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

天野光晴自由民主党

○天野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの御意見は、質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。      ————◇—————

天野光晴自由民主党

○天野委員長 次に、建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  建設行政の基本施策及び国土行政の基本施策について、建設大臣及び国土庁長官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。仮谷建設大臣。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 建設行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し述べたいと存じます。  わが国の経済運営は、これまでの高度経済成長路線から安定成長と福祉向上の路線へ転換することが必要とされており、また、国民は、良好な環境のもとにゆとりのある安定した生活の実現を望んでおります。  このような状況のもとに、今後の建設行政は、長期的視野に立って、社会資本の整備その他の施策を計画的かつ着実に推進し、豊かで住みよい国土を建設することを基本とすべきものと考えます。  御承知のとおり、現在、物価安定のための総需要抑制策がとられており、建設行政もその基調のもとに推進しなければなりませんが、この場合、住宅・宅地対策、下水道、公園、生活道路等生活基盤の充実、河川の整備等国土の保全・災害対策など国民生活に密接に関連する施策に重点を置いてまいる所存であります。  また、現下の厳しい経済情勢を考慮し、中小建設業対策等についても十分意を用いてまいりたいと存じます。  以下、当面の諸施策について申し述べます。  第一に、住宅・宅地対策についてであります。  まず、住宅対策につきましては、よりよい住まいを求める国民の切実な要求にこたえ、住宅事情の改善を図ることが現下緊要の課題でありますので、これに特段の配慮を加えることとし、次の三点に重点を置いてこれを推進してまいる所存であります。  すなわち、まず、公的住宅の規模の拡大と建設単価の適正化とを図ることとしております。次に、住宅金融公庫の持ち家融資の貸付限度額の引き上げ、貸付戸数の増加等住宅金融の拡充を図ることとし、さらに、大都市地域等における住宅建設を促進するため、関連公共公益施設の整備についての助成措置の強化拡充、特定住宅地区整備促進事業制度の拡充等を行うこととしております。  次に、宅地対策についてであります。  すでにこれまで、土地融資の抑制、国土利用計画法の施行等土地対策について一連の措置が講じられてきておりますが、大都市地域における宅地需給はなお著しい不均衡の状況にあることにかんがみまして、これらの地域において早急に良好な宅地を大量に供給することが必要であります。このため、特に、宅地開発公団の新設、市街化区域内の農地等の宅地化促進制度の創設等の諸施策を強力に推進する所存であります。  また、現在、宅地開発上の大きな隘路となっている関連公共公益施設の整備につきましては、三大都市圏における日本住宅公団の立てかえ施行制度の大幅な改善、地方債制度の拡充等強力な助成措置を講ずることとしております。  第二に、都市対策についてであります。  健全な都市の発展と秩序ある整備を図るため、都市施設の計画的な整備と市街地開発事業の積極的な推進を図ってまいります。  特に、良好な都市環境を確保するため、下水道と公園緑地の整備に重点を置くこととしております。このため、下水道につきましては、特別の地方債制度及び国庫補助金の分割交付制度の創設、下水道事業センターの日本下水道事業団への拡充改組等を行うこととしております。  なお、日本下水道事業団に関連し、下水道事業センター法の一部を改正する法律案を今国会に提出することとしております。  また、公園緑地につきましは、都市公園の整備を強力に推進するととも一に、都市緑地の整備等都市緑化のための施策を積極的に推進することとしております。  さらに、都市の再開発について、制度の拡充を図り、その促進に努めるとともに、地域振興整備公団による地方都市開発整備業務を推進することとしております。  また、百貨店等特殊建築物の防災対策の強化を図るため、制度の整備と既存の特殊建築物等の改修を促進するための助成措置を講ずるとともに、住宅市街地における日照問題等住環境問題に対処するため、制度の整備を図ってまいる所存であります。  なお、住宅・宅地対策、都市対策等に関連いたしまして、現在、衆議院において継続審査となっております宅地開発公団法案等関係法案の早期成立をお願いをいたす次第であります。  第三に、国土の保全・災害対策と水資源の開発についてであります。  最近における激甚な災害の実情にかんがみ、被災河川の治水対策と改修のおくれている中小河川及び都市河川の整備を推進するとともに、土砂害の激増に対処して、重要な地域に係る荒廃河川の砂防事業等を促進することとしております。さらに、良好な生活環境を確保するために、河川、海岸等の環境整備事業を推進することといたしております。  また、一級河川の改良工事のうちダム及び大規模工事についての国庫負担割合の特例措置を延長し、準用河川の改修についての補助制度を創設するほか、緊急急傾斜地崩壊対策事業の採択基準の緩和を行うこととしております。さらに、再度災害を防止するため、災害の原因個所の除去、是正を行う河川災害特定関連事業を実施する等、災害関係事業の推進を図ってまいります。  また、近年逼迫の度を強めている水需給に対処するために、多目的ダム、河口せき等の建設を推進して水資源の開発を進めるとともに、広域的水管理と水利用の合理化に努めてまいる所存であります。  第四に、道路の整備についてであります。  道路の整備につきましては、国土の適正な利用と地域住民の利便の増進を図るため、環境の保全と交通安全の確保に十分配意して、幹線道路から地方道に至るまでの道路網の体系的な整備を図る所存であります。  来年度は、大規模事業については進度の調整を図ることとしておりますが、市町村道の整備、交通安全対策事業、道路環境対策事業等、国民生活に密接な関連のある事業に重点を置いてその整備の推進を図ることとしております。  最後に、建設業の近代化、合理化を促進し、その体質の改善を図るため建設業振興基金を設立する等建設業の振興に関する施策を推進することとしておりす。  以上、諸般の施策について所信を申し述べましたが、いずれも国民生活を支える重要な課題でありますので、建設行政の積極的推進に努め、国民の期待にこたえる所存であります。何とぞよろしくお願いを申し上げす。(拍手)

天野光晴自由民主党

○天野委員長 次に、金丸国土庁長官。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 国土行政の基本的な方針について私の所信を申し述べたいと存じます。  戦後三十年、急速な変貌を遂げてきたわが国経済社会は、今日、過密・過疎、環境の悪化、水不足、地価・物価の高騰等の諸問題に直面し、かつまた、世界的な資源・エネルギーの不足、食糧需給の切迫等の厳しい環境のもとにあるのでありまして、この際、新しい理念に立脚した諸施策の展望が望まれているのであります。国土庁の使命は、このような要請にこたえて、国民のすべてが将来にわたり豊かで潤いのある生活を享受できるよう、国土政策の基本を確立するとともに、土地及び水問題の解決を図り、大都市と地方の均衡ある発展整備を進めていくことであると存じます。  私は、国土庁に課せられた責務の重大さを痛感し、全力を挙げて国土行政に取り組んでいく決意でありますので、よろしく御指導くださいますようお願い申し上げます。  以下、当面の諸施策について申し述べることといたします。  第一は、総合的土地対策の推進であります。  土地利用の適正化と地価の安定を図ることは、国民生活の安定上必須の要請であり、また、新たな国土行政を進める上での基礎条件でもあります。最近の地価の動向を見ますと、土地融資の抑制、土地税制の改善等の施策の効果の浸透と、さらには国土利用計画法の制定、施行により鎮静化しつつありますが、この傾向を今後も長期的に持続させていくことが必要であります。  このため、土地対策の基本法ともいうべき国土利用計画法を、地方自治体との緊密な協力体制のもとに、立法の趣旨に沿って的確に運用するほか、地価公示及び国土調査の充実に努め、また、関係省庁との協力のもとに、土地税制の改善、金融上の措置、宅地供給の促進等を含めて総合的な土地対策を推進してまいる所存であります。  第二は、新しい国土計画の策定と国土利用の総合調整の推進であります。  国土庁は、国民生活と国土のあり方に関する超長期展望を踏まえて、新しい国土計画として昭和六十年度を目標年次とする国土利用計画及び第三次全国総合開発計画を昭和五十年度中に策定する予定であります。  国土利用計画は、国土利用計画法に示された国土利用の基本理念に即し、公共の福祉を優先させ、自然環境の保全を図りつつ、長期にわたって安定した均衡ある国土の利用を確保をすることを目的として策定いたします。また、第三次全国総合開発計画は、有限な資源、環境、土地、水等を前提とした生活環境の目標を設定し、この目標の達成を図るための基本計画として策定いたします。なお、これらの計画の策定に当たっては、国民各層及び地方自治体の意向を十分に反映させてまいる考えであります。  さらに、国土の適正な利用を確保するため、関係行政機関の事務の調整を積極的に行ってまいります。特に公共事業関係長期計画については、新しい国土計画と整合性のとれたものとするため、関係省庁と十分連絡調整を図ってまいりたいと考えております。  第三は、水資源対策の推進であります。  水は、土地と並んで国民生活にとって最も基礎的な資源でありますが、近年特に大都市地域を中心に水不足が深刻化し、しかも将来の水需要は、生活水準の向上、社会経済活動の進展等に伴い、ますます増大するものと予想されます。  このような情勢に対処するためには、長期的観点に立った総合的全国的な水需給計画の確立と、水資源開発の促進、水利用の合理化等を含めた水需給対策の総合的な推進が必要であります。国土庁は、関係省庁との連携のもとにこれらの施策の推進に努める所存であります。なお、水資源開発の促進に当たっては、水源地域対策が一層重要となりますが、これについては、水源地域対策特別措置法の積極的運用により対処する考えであります。  第四は、大都市圏整備の推進であります。  過密の弊害に悩む大都市地域の都市環境を整備改善するとともに、圏域全体の秩序ある発展を図るためには、広域的視点に立った大都市圏整備に関する総合的な対策を樹立し、これを推進していくことが緊要であります。  このため、首都圏整備計画、近畿圏整備計画及び中部圏開発整備計画について、経済社会情勢の変化に対応してその改定を行うとともに、大都市地域における工業、事務所等の機能配置のあり方を含め、人口・産業の集中抑制、計画的分散及び都市環境の整備に関する総合的な施策について抜本的な検討を加え、その実施を推進してまいります。また、筑波研究学園都市建設事業、琵琶湖総合開発事業等につきましても、これらの事業の重要性にかんがみ、一層その推進に努めてまいりたいと存じます。  第五は、地方振興の推進であります。  過密・過疎を解消し、国土の均衡ある発展を図るためには、大都市地域の過密対策と並んで地方の振興整備を進めていくことがきわめて重要であります。  このため、国土庁は、地域住民の福祉の向上に重点を置いて、魅力ある地方都市と農山漁村の整備を総合的かつ計画的に推進してまいります。また、東北、北陸、中国、四国及び九州の各地方圏につきましては、各地方の特性を生かし、地元地方自治体等の発意を基礎とした新しい地方開発促進計画を策定し、各地方の今後の開発整備の基本方向を明らかにしたいと考えております。これらの施策とともに、過疎地域、山村、豪雪地帯、離島、奄美群島、小笠原諸島などについては、引き続き関係法律に基づく諸施策の充実強化を図り、地域格差の是正と住民福祉の向上を実現してまいる所存であります。  最後に、災害対策につきましては、災害から国民と国土を守ることを基本姿勢として、関係省庁との緊密な協力のもとに、災害予防、災害応急対策、災害復旧等の各般にわたる災害対策を積極的に推進するとともに、特に大都市における震災対策の総合的な推進を図ってまいります。  以上、国土行政についての私の所信を申し述べましたが、いずれも国民福祉の向上に重大なかかわりのある問題でありますので、誠心誠意課題の解決に当たり、国民の期待にこたえる所存であります。よろしくお願いを申し上げます。(拍手)     —————————————

天野光晴自由民主党

○天野委員長 次に、昭和五十年度建設省関係予算及び昭和五十年度国土庁関係予算について、その概要説明を建設政務次官及び国土政務次官から順次聴取いたします。中村建設政務次官。

中村弘海自由民主党建設政務次官

○中村(弘)政府委員 建設省関係の昭和五十年度歳入歳出予算について、その概要を御説明いたします。     〔委員長退席、服部委員長代理着席〕  まず、建設省所管の一般会計歳入歳出予算は、歳入に九十二億二千八百余万円、歳出に一兆八千百六十億四千七百余万円をそれぞれ予定しております。  このほか、歳出について、総理府の所管予算として計上されているもので、建設省に移しかえを予定される経費がありますので、これを合わせると、昭和五十年度の建設省関係歳出予算は、二兆六百六十二億五千二百余万円となり、前年度の予算に比べ四百十九億四千九百余万円の減少となっております。  なお、このほか、国庫債務負担行為として、公営住宅建設事業費補助その他に二千六百四十七億六千二百余万円を予定いたしております。  次に、特別会計について申し上げます。  まず、道路整備特別会計の予算総額は、歳入歳出とも一兆八百八十四億八百余万円を予定しており、このほか、国庫債務負担行為として六百二十八億八千万円を予定いたしております。  また、治水特別会計の予算総額は、歳入歳出とも四千三百十四億四百余万円を予定しており、このほか、国庫債務負担行為として四百八億八千二百万円を予定いたしております。  また、都市開発資金融通特別会計の予算総額は、歳入歳出とも二百七十億七千六百余万円を予定いたしております。  また、大蔵省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち、建設省関係分の歳出は、五百三十一億三千二百余万円を予定しており、このほか、国庫債務負担行為として四百億八千八百余万円を予定いたしております。  次に、個々の事業の予算の重点について御説明いたします。  第一に、住宅・宅地対策についてであります。  まず、住宅対策については、住宅問題をめぐる現下の諸情勢に対処し、住宅事情の改善を図るため、建設省所管住宅について、予算額二千九百四十六億三千万円で、住宅の規模を拡大し、住宅の質の向上を図るとともに、建設単価の適正化、関連公共公益施設の整備に関する助成の強化等諸条件の改善を図りつつ、五十二万一千百戸の建設を推進することといたしております。  このうち、まず公営住宅については、予算額二千二億四千二百余万円で、八万五玉戸の建設を行うことといたしております炉、特に大都市地域においては、用地取得難の現状にかんがみ、極力建てかえ事業を推進するほか、地方公共団体の財政負担を軽減し、公営住宅の建設を促進するため、関連公共公益施設の整備について、新たに地方債制度を設けるとともに、利子補給措置を講ずることといたしております。  住宅地区改良事業については、予算額三百八十六億九千五百余万円で、不良住宅地区の整備及び改良住宅六千戸の建設を行うほか、同和対策住宅資金貸付事業を拡充するとともに、新たに、ウタリ対策住宅資金貸付事業を行うことといたしております。  次に、大都市地域において、公的住宅の建設と周辺環境の整備を一体的に推進するため、特定住宅地区整備促進事業について、老朽、狭小住宅の移転跡地の取得等に関する助成措置を強化し、予算額四億二千四百余万円で、鋭意推進する予定であります。  さらに、大都市地域等の土地所有者による良質低廉な賃貸住宅の建設を促進するため、特定賃貸住宅については、予算額六億五千六百余万円で、二万四千戸の利子補給補助を行うとともに、農地所有者等賃貸住宅については、予算額七億五百余万円で、四千戸の利子補給を行う予定であります。  住宅金融公庫については、三十二万九千戸の住宅建設資金の貸し付けを行うことといたしておりますが、特に個人住宅等については、貸付戸数を拡大するほか、貸付金額の限度を引き上げることといたしております。  これら住宅建設資金及び後述の宅地造成資金の貸し付け等を行うため、住宅金融公庫については、九千三百七億円の財政投融資資金及び五百二十七億二千百万円の補給金を予定いたしております。  次に、日本住宅公団については、六万戸の住宅建設を行う一方、三大都市圏における関連公共公益施設に係る立てかえ施行制度の大幅な改善、傾斜家賃制度の拡充、分譲住宅の償還条件の改善等を行うことといたしております。  これらの事業及び後述の宅地開発事業の実施等のため、日本住宅公団については、六千七百十九億円の財政投融資資金を予定いたしております。  次に、宅地対策についてであります。  大都市地域における現下の宅地需給の著しい不均衡に対処し、宅地供給を推進するため、現在衆議院で継続審査中の宅地開発公団法による宅地開発公団は、大都市地域において関連公共施設、交通施設等の整備をみずから行う機能を備えた大規模宅地開発事業の実施機関として、昭和五十年度においては、二千五百ヘクタールについて宅地開発事業を実施することとし、また、同公団の行う宅地開発に関連する公共公益施設の整備に伴う地方公共団体の財政負担を軽減するための基金に、予算額五十億円を予定いたしております。  日本住宅公団においては、公団住宅用地を重点に千ヘクタールの新規開発事業を含む二万五千余ヘクタールについて宅地開発事業を実施することとし、特に三大都市圏においては、関連公共公益施設の整備に関する現行の立てかえ施行制度について大幅な改善を図ることといたしております。  住宅金融公庫においては、二千ヘクタールの用地取得資金を含む宅地造成資金等の貸し付けを行うことといたしております。  さらに、三大都市圏における公的宅地開発等に関連して必要となる公共公益施設の整備費に充てるため、充当率を一〇〇%とするための別枠計上の特別の地方債を設けるとともだ、その利子の軽減を図るため利子補給を行うこととし、予算額四千九百余万円を予定いたしております。  第二に、都市対策についてであります。  現下の急激な都市化の進展に伴う都市環境整備の要請に対処し、秩序ある都市の発展を確保するため、昭和五十年度においては、都市計画関係事業について、予算額四千五百九十六億二千七百余万円で、計画的な都市施設の整備と市街地開発事業を推進することといたしております。  このうち、下水道事業については、予算額一千七百九十二億円で、第三次下水道整備五カ年計画の最終年度として、生活環境の改善、水質環境基準及び公害防止計画の達成を目指して事業を促進することとし、このため、公共下水道について特別の地方債制度及び国庫補助金の分割交付制度を創設するほか、新たに、流域下水道の三次処理施設の建設並びに都市計画区域外の農山漁村及び湖沼周辺等における環境保全を図るための下水道の建設を行うことといたしております。  また、急増している地方公共団体の下水道整備の要請にこたえるとともに、技術援助、研修、技術開発等の推進を図るため、下水道事業センターを日本下水道事業団に改め、業務内容及び業務執行体制を拡充強化することとし、そのための日本下水道事業団への出資金及び補助金として、予算額七億六千二百万円を予定いたしております。  次に、公園事業については、予算額三百十五億円で、都市公園等整備五カ年計画の第四年度として、都市公園等整備事業を推進するほか、総合的な都市の緑地の保全及び育成を図ることといたしております。  次に、都市開発資金の貸し付けについては、都市開発資金融通特別会計に百七十五億円を予定し、工場等敷地と都市施設用地の買い取りを行うことといたしております。  次に、市街地再開発事業については、予算額二十五億三千百余万円を予定し、同事業に対する一般会計からの国庫補助を拡大するとともに、新たに、日本住宅公団及び個人施行事業を補助対象とすることとし、また、継続実施中の市街地改造事業の早期完成を図るため助成を強化することとし、道路整備特別会計からの公共施設管理者負担金と相まって事業を推進することといたしております。  さらに、百貨店、地下街等不特定多数の者が利用する既存建築物の防災改修を促進するため、新たに、防火避難施設の改修に要する費用の一部について助成措置を講ずることとし、予算額三億九千百余万円を予定いたしております。  次に、土地区画整理事業については、土地区画整理組合施行事業に対する無利子貸付金二十一億円を予定するとともに、貸し付け及び補助対象事業の採択基準の緩和及び貸付金積算単価の引き上げを行うこととし、道路整備特別会計からの補助と相まって事業の推進を図ることといたしております。  また、三大都市圏の市街化区域内に存する農地等の市街地化を促進するための事業である住宅街区整備事業については、一般会計からの補助金として、予算額二千四百万円を予定し、道路整備特別会計からの公共施設管理者負担金と相まって事業を推進することといたしております。  第三に、治水関係事業についてであります。  昭和五十年度は、第四次治水事業五カ年計画の第四年度として、最近における災害の発生状況及び全国にわたる渇水の実情に対処し、予算額四千百四十億八千二百余万円で、治水施設の整備と水資源の開発を推進することといたしております。  このうち、河川事業については、予算額二千三百三十二億六千二百万円で、被災河川を初め、流域の開発の著しい重要水系に係る河川及び中小河川の改修並びに都市河川の治水対策を推進することといたしております。  このほか、昭和五十年度から新たに、市町村長が管理する準用河川に対する改修費補助三億四千万円を予定いたしております。  ダム事業については、予算額八百五十九億七千余万円で、治水対策とあわせて、逼迫した水需給を緩和するため、多目的ダム、河口ぜき及び流況調整河川の建設並びに湖沼の開発を推進することといたしております。  また、水資源開発公団については、交付金百四十六億八千九百余万円で、琵琶湖開発事業、霞ヶ浦開発事業等を推進することといたしております。  砂防事業については、予算額七百八十九億一千八百余万円で、土石流対策及び地すべり対策に重点を置いて事業の推進を図ることといたしております。  これら河川事業、ダム事業及び砂防事業におきましては、それぞれの事業の中で、河川環境整備事業、ダム周辺環境整備事業及び砂防環境整備事業を推進するとともに、多摩川等の河川敷地の計画的かつ適正な管理に資するため、その管理業務の一部を新設が予定される河川敷地管理財団に行わせることとし、水と緑の豊かな河川環境の創造を目指すことといたしております。  次に、海岸事業については、予算額百三十六億九千万円で、高潮による災害の危険の大きい個所及び侵食の著しい個所に重点を置いて事業の推進を図るとともに海岸環境整備事業を推進することといたしております。  さらに、急傾斜地崩壊対策事業については、予算額四十八億円で、緊急に対策を講ずべき個所について事業を推進することといたしております。  第四に、災害復旧対策についてであります。  災害復旧対策には、予算額一千七百八十二億二千五百余万円を予定いたしております。  事業の実施に当たっては、直轄災害復旧事業については二カ年、補助災害復旧事業については三カ年で復旧するほか、災害関連事業の推進により再度災害の防止を期することといたしております。  第五に、道路整備事業についてであります。  昭和五十年度は、第七次道路整備五カ年計画の第三年度として、生活環境の改善、交通公害の防止等の要請に対応して事業の推進を図ることとし、予算額一兆六百九十一億八千八百万円を予定いたしております。  このうち、一般国道については、予算額四千八百四億七千九百万円で、新規指定のものを除き、一次改築の昭和五十二年度おおむね完成を目途に整備を進めることとし、また、地方道については、生活環境関連施設重視の見地から、特に事業の拡充を目指し、予算額、都道府県道については一千七百十八億三千百万円で、市町村道については四百四十四億二千八百万円で、奥地等産業開発道路、山村振興道路等の整備の促進を図るほか、重要な地方幹線道路に重点を置いて整備を進めることといたしております。  次に、交通安全対策事業については、特定交通安全施設等整備事業五カ年計画の最終年度として、予算額四百五億五千三百万円で、歩道及び自転車道に重点をおいて整備を進めることといたしております。  また、街路事業については、予算額二千百七十八億四千万円で、街路事業、土地区画整理事業等の推進を図ることといたしております。  また、積雪寒冷地域道路事業については、予算額二百二十三億一千百万円で、これら地域における道路交通の確保を図ることといたしております。  次に、有料道路についてでありますが、日本道路公団については、五千八百六十四億円の財政投融資資金並びに二百九十一億円の国の出資金及び補給金その他により、高速道路網の整備及び各地の一般有料道路の建設を進めることといたしております。首都高速道路公団については、八百二十一億円の財政投融資資金及び四十七億円の国の出資金その他により、阪神高速道路公団については、六百八億円の財政投融資資金及び三十二億円の国の出資金その他により、本州四国連絡橋公団の道路整備関係分については、九十九億円の財政投融資資金及び二十二億五千万円の道路整備特別会計からの出資金その他により、それぞれ建設を進めることといたしております。  また、地方公共団体及び地方道路公社が行う有料道路事業に対する貸付金については、有料駐車場に対する貸付金を含め、予算額百九億二千万円を予定いたしております。  第六に、官庁営繕事業についてであります。  昭和五十年度は、建設省所管の一般会計予算として、百九十一億三千九百万円を予定し、合同庁舎等の建設等を実施することといたしております。  また、筑波研究学園都市の諸官庁の施設の建設については、引き続き事業の推進を図ることとし、前述の各会計別予算のうちから、予算額、一般会計二十七億二千五百余万円、特定国有財産整備特別会計四百七十六億九千余万円、道路整備特別会計十億円、治水特別会計六億円で、各機関の研究本館等主要施設の建設を進めることといたしております。  第七に、建設産業の振興についてであります。  わが国の経済社会において建設産業が果たす役割りの重要性にかんがみ、建設業の近代化、合理化を促進し、その体質を改善強化するため設立を予定している建設業振興基金の経費の補助に必要な予算額、二十億円を予定いたしております。  以上をもちまして、昭和五十年度の建設省関係の一般会計予算及び特別会計予算の説明を終わります。  よろしく御審議のほどをお願いいたします。(拍手)

服部安司自由民主党

○服部委員長代理 次に、斉藤国土庁政務次官。

斉藤滋与史自由民主党国土政務次官

○斉藤(滋)政府委員 総理府所管のうち、国土庁の昭和五十年度一般会計歳出予算について、その概要を御説明いたします。  国土庁の一般会計歳出予算は、千九十七億余万円を予定しておりまして、前年度予算に比べ三十四億百余万円の増加となっております。  次に、昭和五十年度予算の重点について御説明いたします。  第一に、総合的な土地対策の推進についてであります。  まず、国土利用計画法の施行については、土地利用基本計画の策定、規制区域の指定、土地取引の規制、遊休土地の利用促進等の実施に要する経費について、地方公共団体に補助することにより、その的確な運用を期することとし、予算額三十億八千四百余万円を予定しております。  また、国による地価調査及び地価公示を引き続き実施することとし、予算額十億五千七百余万円、さらに、地籍調査等の国土調査を引き続き推進することとし、予算額五十一億六千二百余万円を予定しております。  第二に、新しい国土計画の策定及び国土計画基礎調査の推進であります。  国土利用計画及び第三次全国総合開発計画の策定を行うとともに、国土利用に関する総合的計画のための基礎的調査等を積極的に推進することとし、予算額二十億九千八百余万円を予定しております。  第三に、国土利用の総合調整の推進であります。  国土利用に関する基本的な政策及び計画が総合的に実施されるよう、積極的に調整を進めることとし、予算額百億二千三百余万円を予定しております。  第四に、水資源対策の確立についてであります。  長期的な水需給計画を策定するとともに、水資源開発及び水源地域対策を積極的に推進することとし、予算額二百四十四億二千七百余万円を予定しております。  なお、水資源開発公団については、前述の予算額のうち二百四十三億百余万円の補助金等を含む八百五十八億七千五百万円の資金により、ダム、用水路の建設事業等を引き続き計画的に促進することとしております。  第五に、大都市圏の整備の推進についてであります。  最近の経済社会情勢の変化に対応して、新しい大都市圏の整備計画の改定を行うとともに、大都市の機能改善等過密対策及び筑波研究学園都市の建設等の施策を推進することとし、予算額二億三千百余万円を予定しております。  第六に、地方振興の推進についてであります。  まず、地方都市及び農山漁村の整備促進等については、魅力ある地方都市及び農山漁村を総合的に整備するための調査等を行うこととし、予算額四億四千八百余万円を予定しております。  次に、過疎地域における生活環境の整備を図るとともに、防災のための集団移転促進事業を引き続き実施することとし、さらに、山村及び豪雪地帯における生活環境の整備及び産業の振興を推進することとし、予算額十九億千六百余万円を予定しております。また、離島・奄美群島及び小小笠原諸島の地域的特殊性にかんがみ、交通施設、生活環境及び国土保全施設の整備並びに産業の振興を図るための事業を実施することとし、離島振興事業については、予算額四百九十二億四千三百余万円、奄美群島振興開発事業については、予算額六十六億三千六百余万円、小笠原諸島振興事業については、予算額十九億千七百余万円を予定しております。  第七に、地域振興整備公団の事業についてであります。  地域振興整備公団については、十二億九千六百万円の国の補給金を含む千百七十八億七千六百万円の資金により、全国的な人口及び産業の適正な配置と地域住民の向上に寄与するため、地方都市の開発整備、工業の再配置及び産炭地域の振興を積極的に推進することといたしております。  以上をもちまして、昭和五十年度の国土庁の一般会計予算の説明を終わります。  よろしく御審議のほどお願いいたします。(拍手)

服部安司自由民主党

○服部委員長代理 以上で概要の説明は終わりました。  なお、昭和五十年度の建設省及び国土庁の各局予算については、その資料をお手元に配付いたしましたので、御了承ください。     —————————————

服部安司自由民主党

○服部委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村田敬次郎君。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 私は、最近再び問題となってまいりました東京都の首都移転問題を中心といたしまして、金丸国土庁長官及び仮谷建設大臣にお伺いをいたしたいと思っております。  この問題につきましては、私はすでにこの建設委員会におきまして、四十八年の二月二十八日、それから同じく四十八年の九月十九日、二度にわたって、当時の金丸建設大臣に質問をいたしておりますが、その後の社会経済動向は、この問題について再び新たなるスポットライトを浴びせておるというふうに理解をしております。と申しますのは、日本は御承知のように世界の〇・三%、千分の三の狭小な国土を持っておりまして、しかも世界人口の三%、約一億一千万人に上る過大人口を擁しておる。しかも、石油あるいは鉄鉱石その他の重要なる世界資源の三〇%を消費しようとしておる多資源消費国であるということが言われたのでございますけれども、最近の経済社会動向は、こうした日本が高度成長をするということについて、資源面、そしてまた人口面で非常に大きな制約に差しかかっておるということがはっきりとしてまいったわけであります。したがいまして、ただいままで日本が戦後三十年歩んでまいりました高度成長路線から安定成長路線に切りかえてまいらなければならない。したがって、首都の過密過疎の問題、これは水資源問題や環境問題や土地問題と関連をして、このまま放置をしておくことはもはやできないという非常に大きな時代の脚光を浴びつつあるように思うわけでございます。  最近、私が承りましたところによりますれば、国土庁は、首都機能の適正配置に関する調査につきまして、民間機関に委託をし、もし首都を移転するとすれば、その新首都の構成及び所要投資額等についていかになすべきであるか、鋭意研究をしておられるということを承っております。したがいまして、四十八年九月以降、政府がこの首都移転問題について手がけてこられましたいろいろな方策、そしてまた、ただいま申し上げた首都機能の適正配置に関する調査等について、その概要、それからその報告書に対する金丸国土庁長官の意見を、ひとつこの際、この委員会を通じて明らかにしていただきたいと思います。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 ただいま村田先生からお話がありました首都移転問題につきましては、国土庁のでき上がりました精神というか、均衡ある地域社会をつくるということが国土庁の存立の意義だと私は考えております。そういう意味で過疎過密という問題、この過密の人口をどうするかということについては重大な関心を持っていることは当然だと私は思っております。そういう上に立ちまして、昭和四十八年度以来の調査の結果を一応御報告をいたしたいと思います。  昭和四十八年度から、首都圏整備委員会及びこれを引き継ぎました国土庁において、首都機能の適正配置に関する調査費を計上して、首都機能を移転することの可能性及び問題点、並びにその効果等について調査検討することといたしております。  昭和四十八年度の調査は、第一段階として民間の研究所に調査を依頼いたしたわけでございますが、立法、司法、行政の首都機能を移転する場合、これらの機能を維持するため最小限必要な都市機能の範囲を明らかにして、この場合の新首都建設に要する投資額について試算を行ったのであります。この委託調査の結果報告書によれば次のとおりであります。  まず移転の対象となる国の中央機関は、勤務する職員の数は約六万人であります。これを支える都市機能として第二次産業、第三次産業人口を加えると新首都の人口規模は五十五万人とされております。これに必要な土地面積は八千百ヘクタールと想定されております。投資額の第一次試算は、昭和四十八年価格で積算すると、用地費を除いて約二兆八千億円、高速道路等の都市外の交通施設を含めますと約三兆四千億と見込まれておる。この調査は一つの試算としてそれなりに評価できると思いますが、これだけでは必ずしも十分なものでないということは当然であろうと思います。さらに検討を加えるとともに、今後、新首都と都市機能の範囲に中枢的な経済機能がある程度加わる場合や、政治行政機能と経済機能との関連性などについて調査を継続していく必要がある。  私は、この機会に、政治家として首都移転の問題について、先般、川崎市周辺、多摩川周辺の土地隆起という問題があります。これについて、これを国民に発表すべきか発表すべきでないかという考え方があったのですが、率直にこれは発表すべきである、こういうふうに私は考えるとともに新聞発表になったわけでございますが、先般、川崎の市長さんが参りまして、政府としてはこういう問題について関心がないのか、施策はないのかという強い要請があったわけでございますが、実は私も、この問題については重大な関心を持っておる、こういう話の中で、いわゆるこの過密の大都市に、もし震災が起きたら、第二次火災が起きたら、そういうことになると、今日の東京都の高速道路あるいは交通の渋滞、あるいはガソリンタンク、こういうものを踏まえて考えると、大正十二年に起きたあの地震のときより以上の災害というものが出てくるのじゃないか、なおかつ死傷者もおびただしい数になるだろう、そういうことを考えてみますと、均衡ある地域社会をつくるという上からも、このまま横を向いてほおかぶりでいくことは政治家として許せない。この問題は非常にむずかしい問題であるが、むずかしいからといって横を向いていくわけにはいかぬ、あくまでも前向きに積み重ねをして、この問題をいつか国民の総意のもとに、私は、国民に積極的にやるべきだという認識を持っていただいて、この問題に真正面から取り組んでいくべきだという考え方を持っておるわけであります。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 ただいま金丸国土庁長官から非常に前向きの答弁を承ったわけであります。そして、概要につきましては、ただいま大臣の口から御説明をいただいたわけでありますが、なお、新首都の人口、就業構造等につきましては、たとえば五十五万人程度とした場合に、二次産業、三次産業の比率はどうなるのかとか、あるいは国家機関、関連機関等が移転をいたします場合に一体どんな機関が移転をするのがいいと考えておられるかといったようなことであるとか、それから、新首都建設の投資所要額について、いわゆる都市内の公共施設と都市外の公共施設についてのおおむねの数字の発表があったのでございますが、なお、この問題は重要でございますから、小幡大都市圏整備局長から補足して若干御説明をしておいていただきたいと思います。

小幡琢也国土庁大都市圏整備局長

○小幡(琢)政府委員 四十八年度に、当時の首都圏整備委員会が財団法人日本開発構想研究所に対しまして委託して調査を行ったわけでございますが、それがただいま大臣から御答弁申し上げました首都機能の適正配置に関する調査でございます。その結果につきまして私から補足して御説明申し上げます。  調査報告書によりますと、まず第一に新首都の構成でございますが、首都の基本的機能でございます国の立法、司法、行政、こういった機能を移転する場合の移転対象となります中央機関の職員数を一定の基準に従いまして積み上げまして、その結果、国家公務に従事する対象者を約六万人と推計しております。さらに、それに伴いまして移転が必要となりますいわゆる一次関連の機能といたしまして、各国の大公使館関係、それから都道府県の事務所あるいは日本銀行、警視庁、消防庁などの一部、こういうものを約一万六百人と推計しております。それにこういった政治行政都市として想定しました都市の生活レベルサービスに必要な地方公務に従事する職員といたしまして約一万四千三百人と推計いたしまして、これらを合わせまして、合計で、公務サービスの就業者を約八万五千人というふうに試算したわけでございます。  この八万五千人が基本でございまして、そうして都市形成のパターンといたしまして、いろいろ海外の事例あるいは日本の大都市、県庁所在の都市、こういった事例をいろいろ参考といたしまして新首都の人口とか就業構造の試算を行っているわけでございますが、それで、人口三十万ならどうなるか、あるいは四十万あるいは五十五万人あるいは百万人と、こういった四つのモデルにつきまして試算を行いました結果、こういった最小限度の首都機能を維持するという第一段階といたしまして、一応人口五十五万人が適当であろう、こういうふうに調査結果では言っているわけでございます。  この人口五十五万の都市の場合に、就業比率でございますが五一・四%、それで就業人員は二十八万三千人となっております。その内訳は、第二次産業が二五%で七万一千人、それから第三次産業が七五%で二十一万二千人でございます。第三次産業のうちに公務サービスが三〇%、先ほど申し上げました八万五千人、それから首都機能に密接に関連のございます公社公団といいましたような特殊法人あるいは全国的な規模の各種団体、こういった関係で一万八千人、それから卸、小売業が五万一千人、その他というふうになっているわけでございます。  次に、首都の空間構成でございますけれども、まず計画条件といたしまして、都市機能と住宅がセットした、いわば職住近接型を考えております。  それから、立地条件といたしましては、比較的平たんな丘陵部といたしまして、それには既存の都市施設は存在しない、新しくそこへつくる、こういった前提を考えております。  それから、生活関連施設あるいは業務関連施設とも、その水準は現在のレベルよりかなりのアップを図って試算しているわけでございます。  その結果、全体に必要な面積といたしまして八千百ヘクタール、人口密度は一ヘクタール当たりおおむね七十人となっているわけでございます。  内訳は、官公庁や商業業務の用地が一二%約千ヘクタール、それから住宅用地が約三九%約三千百ヘクタールあるいは学校関連用地が八%六百四十ヘクタール、それから道路、公園とか緑地等につきましては約四〇%で三千二百四十ヘクタール、その他というようなことになっております。  それから最後に、必要な投資額の試算でございますけれども、これは、人口規模五十五万人、それから面積八千百ヘクタールといたしました場合、これは昭和四十八年の価格で積算いたしているわけでございますが、用地費は含まれておりません。用地費を除きまして、ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、約三兆四千億円というふうに見込んでいるわけでございます。  この中には、都市の外の建設費、すなわち、連絡交通ルートとして必要な高速道路とか鉄道あるいは空港といった投資額が約六千億円含まれておりますので、これを除きますと、都市内の建設費は全体の八二%で約二兆八千億円ということになるわけでございます。  都市内の施設につきましては、宅地造成費とか住宅建設費あるいは学校や住区センター、地区センターなどの住宅関連施設費、そういったもの、それから道路、公園、上下水道あるいは地下鉄、バスといいました都市内の公共施設、こういったものが含まれているわけでございます。一番大きいのはやはり住宅でございまして、全体の約三〇%を占めておりまして、一兆四百億円、これは集合住宅、独立住宅を合わせまして約十六万五千戸を一応予定しているようなわけでございます。都市内の公共施設が約二〇%で六千六百億円、それから都市センター施設のうちで特に立法とか司法、行政あるいは先ほど申し上げました第一次関連などの公務関係の施設建設費はどうかと言いますと、約一四%で約四千八百億円と、こういうふうになっているわけでございます。  ただ、この全体の投資額のうちでは、国が負担するものと、それから公的資金によって建設されまして資金が後で回収されるもの、それからもう一つは民間資金により建設されるものというふうに分かれるわけでございますけれども、このうちの約二五%八千六百億円程度が民間資金によるものというふうに見込んでいるわけでございます。  以上が、この調査報告書によりますところの第一次投資試算の結果でございますけれども、何分多くの仮説条件に基づいて試算しておりますということ、もう一つは、これは四十八年度の価格でございますので、現在の時点に直しますと相当の増額修正を加えなければいかぬ、こういう問題、それから土地の購入費が入ってない、こういういろいろな問題もございますので、今後さらに詰めて検討したい、こういうふうに考えております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 ただいま金丸大臣及び小幡局長から御説明をいただきました新首都建設についての既要の問題は、一昨年の質問の際に金丸当時の建設大臣がお答えになりました河野構想では、将来計画は人口百万人で所要面積は七千六百ヘクタール、そして所要事業費は一兆二千八百五十五億円というふうにお答えになられたわけでございますけれども、これは人口規模において五十五万人ということを現在の段階で言われ、また、面積は八千百ヘクタールで、当時の河野構想よりもさらに広くなっており、所要事業費は都市内公共施設と都市外公共施設を合わせれば三兆四千億円、したがってこれは、河野構想のとき試算をされた一兆二千八百五十五億円という数字よりも約三倍近くにふくれ上がっておる。これは物価指数その他いろいろなその後の与件の変更に伴う試算であろうと思っております。  金丸長官はこの問題について非常に前向きの意見を持たれており、今後のことにつきましてもこれから伺ってまいりたいと思いますが、この問題は建設省も非常に多くの関連を持っております。先ほどの建設大臣の所信表明の中にも、水資源問題であるとか、過密問題であるとか、土地問題、大都市圏問題等々いろいろお触れになっておられるわけでございますが、仮谷建設大臣はこの問題についてどういうふうに考えておられるか、この際承っておきたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 まず一般論として、東京を初め大阪のような大都市に、人口、産業が集中しておる、そのため生活環境が悪化しておる、いわゆる過密の弊害というものがどんどん出てきておる。これは国土の均衡ある発展を妨げておることは事実でありまして、基本的にはそういう弊害を除去していくために、大都市への人口、産業の集中を抑制をして、そうして地方分散を図って今後の地方の発展も考えなければならないというのが、建設省の国土建設に対する基本方針であります。  首都の移転の問題でありますが、これはいま国土庁の方でもいろいろと具体的に研究をなされておるようであります。金丸長官は、前向きにこの研究を進めていきたい、こういうお考え方のようでありまして、そのことについてはもちろん同感であります。ただ、首都の中枢管理機能を分散するということになりますと、わが国の社会や経済に及ぼす影響というものが非常に大きい。これについてはある程度国民的な合意というものも一つの条件になろうかと思いますから、そういう問題も十分考えながら、今後国土庁と連絡をして慎重に検討をいたしてまいりたい、こういう考え方でございます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 ただいま両大臣の御意見を承りましたわけでございますが、金丸大臣は、この問題を前向きに検討をしていくために、たとえば新首都問題懇談会と申しますか、あるいは首都移転問題懇談会と申しますか、そういったそのための特別の機関を設置をする気があるかないかということについてお伺いをしておきたいわけです。  この問題につきましては、金丸先生はかつてこの委員会におきまして、超党派の国会議員が参加する委員会の設置について前向きの姿勢をはっきり示されたわけであります。当時、私の質問に引き続いて同僚議員の福岡義登君からも御質問があり、それに対しましてもきわめて前向きの答弁をされたと記憶をしております。つきましては、この際、超党派の国会議員が参加をし、そしてまた同時に学識経験者をも含めた研究会あるいは懇談会といったようなものを、早急に設置をすることが非常に必要であると私は思っていますが、この問題についての金丸大臣の御所見を承っておきたいと思います。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 一昨々年ですか、総理府で首都移転問題についてのアンケートをとりました。アンケートをとりましたところが、まことに低調であるということは先生も御案内のとおりでありまして、そういう意味を含めて首都移転という問題は非常にむずかしい問題であるし、また、国民のコンセンサスを得なければやれない仕事である、こういうような考え方の上に立って、まず国民の啓蒙ということも必要である。いわゆる首都を移転しなければならない必要性というものを十分知ってもらうためには、これはいろいろの角度からやっていただかなくちゃならぬという考え方とあわせて、首都移転をすれば、ただいま建設大臣からもお話がありましたように、東京都に及ぼすひずみというものはどういう問題が出てくるであろうかとか、いろいろ問題が出てくると思うのです。そういうものを一つ一つ積み重ねながらいくためにも、大都市問題研究会というのも国土庁にはあるわけですが、とてもそればかりでは進まないということで、私が建設大臣中に、懇談会というようなものを持ちたいという考えを申し上げたわけでございますが、私は、そういう意味で一日も早くこれをつくりたいという考え方で、この問題について関心を持っている国会議員の先生方にひとつ入っていただいて、私も、国土庁長官ということでなくて、国会議員としてその一員に加えていただいて、ひとつ積み重ねの一役もしたい、また学者も入っていただいて、なお必要であればだれだれをこの委員会に呼んでひとつあの方の意見も聞こうというようなために懇談会をつくりたいということで、各党にもお願いをして、できることであれば二月中にこの発足をしたいというような考え方で、いま皆さんにお願いをしておるということであります。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 そういたしますと、先ほど福岡義登君の御質問を御紹介したのでありますが、たとえば日本社会党は、すでに一九六一年と六三年の二度にわたって、首都建設問題調査会を内閣に設置する法案を提出をされまして、国会、行政府は東京から百キロ内外、一時間以内で交通可能な場所へ移転すべきだと主張されておりますし、また、一九六二年に社会党が公表されました「首都圏対策大綱」では、首都圏対策の実施機関や責任体制について、官治的な制度にすることに反対をし、住民福祉の立場に立って東京の過大都市化対策を進めるべきであるとして、分散、移転の措置を提案をされております。また公明党は、日本列島改造論に対する対案といたしまして、日本列島を福祉列島に改造することを提言し、その中で、東京の過密を解消するためには国会及び中央官庁を東京から移転すべきであると提案をしております。そしてその理由は、東京のように中枢管理機能が集中しているところでは、工場の移転程度では解決できないし、二十五万都市構想は百カ所建設するとして七十兆円の費用が必要となるが、国会、官庁とその付帯施設の移転は約一兆七千億円程度で済む、といったような意見も述べられておるのでありまして、これは日本社会党、公明党の案を御紹介をしたのでありますが、民社党、共産党を含めて、この問題は与野党が一致して検討をすべき重要課題であろうと思っております。  したがいまして、現在の金丸大臣のお答えから想像いたしますと、でき得ればことしの二月中にでも与野党の議員、さらに学識経験者等を含めればおそらく二十名内外の委員になるかと思いますが、そうしたスタッフでこの新首都問題懇談会を発足させるべきであるというふうにとれるわけでございますが、大臣の御所見をこの際もう一度承っておきたい。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、私の考え方は、前向きで、二十名なり二十二名なり、二十五名でも結構ですが、ひとつ一日も早く懇談会を設けて皆さんも研究をしていただきたい、こういうふうに考えているわけであります。その中へ私も一人の委員として入れてもらいたい、こう考えております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 なお、この際もう一度確かめておきたいのは、本年以降の調査予定につきまして、先ほど民間機関に委託をした試案についての金丸大臣の評価を承りました。今後これを官庁ベースでどういうふうに調査をしていかれる予定であるか、その問題についていま一度具体的にお伺いしておきたいと思います。

小幡琢也国土庁大都市圏整備局長

○小幡(琢)政府委員 四十九年度以降の調査予定でございますが、四十八年度は、先ほど申し上げましたように、基本的な首都機能、それからそれを支持するために必要な必要最小限度の都市機能だけにつきましていろいろと試算を行うという作業をやったわけでございますが、四十九年度につきましては、さらにこの新首都の都市機能の範囲を拡大いたしまして、若干の経済中枢機能が加わる場合につきまして、都市の人口規模がどうなるか、土地利用がどうか、あるいは所要投資額がどうか、こういった調査を行いたいと考えております。さらに昭和五十年度以降につきましては、これは政治、行政機能、これが経済、文化、情報等の機能と密接に関係を有しておりますから、そういった相互の関連性につきまして調査、分析をしたい。さらには、首都機能を移転した場合、その後の東京がどうなるかといった、東京の整備方向につきましても調査する必要がある。それからさらに、首都機能を移転しないで東京を改造して首都の都市機能を改善する場合、こういった場合と首都機能を移転する場合の費用、効果等につきましての比較、検討、こういったことも必要じゃなかろうか、こういうふうに考えております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 ただいま小幡局長が説明をされましたものは、金丸大臣の御意見と承りましてよろしゅうございますか。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 そのとおりであります。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 私は、昨年の秋に西欧及びソ連の住宅事業を調査をする目的で、モスコーを訪れました。そのときに、有名なソ連の中央建設計画局長でございまして、またソ連最高会議議員である、ミハイル・ワシリエピッチ・ポソーヒン氏にお目にかかったわけであります。この人は御案内のように、モスコーの都市計画あるいはカリ一ニン大通り再開発の設計、クレムリン宮殿の中の大会宮殿の設計、さらにコメコン本部三十階建てビルの設計等をされたソ連における建築学界の最高権威者であると言っていいと思います。そのポソーヒン氏にお会いしましたときに、こういう意見交換をしたわけであります。     〔服部委員長代理退席、委員長着席〕 モスコーは、人口が過大化することを防ぐために非常にいろいろな施策を考えておる、将来も八百万人以上にはモスコーをするつもりはないということをポソーヒン氏は言っておられました。  御案内のように、ソ連の面積は二千二百四十万平方キロでありまして、日本の三十七万平方キロの約六十倍に当たる広大な面積を持っております。また人口は、ソ連は一九七〇年調査によれば、二億四千百七十四万人でございまして、日本の当時の一億三百七十二万人に比べれば、二・三倍以上の人口規模を持っておるわけでございます。したがって、ソ連における過密過疎の問題は、この広大な国土、そしてまた人口規模等を対比して考えますと、日本の過密過疎の問題に比べれば、はるかに問題としては小さいのではないかというふうにさえ思われるのでありますけれども、そのソ連において、モスクワ市への流入人口を抑制するために次の措置をとるのだということをポソーヒン氏は私に語ったのであります。  その第一は、工場の新設禁止。第二は、企業の流出の奨励。第三は、既存企業の集約化、合理化。第四は、生産性の向上。第五は、大学、研究所の転出という問題でございます。  これは、私は、東京の過密問題と対比をいたしまして、ソ連、モスコーの過密問題を考えていく上に非常に興味ある発言であると思ったのでありますが、その際に、ポソーヒン氏は日本におられたときのお話をしたのであります。この人は、御承知のように、かつて日本で行われました万国博覧会のソ連館の設計をされた人でありますが、その当時丹下健三氏にも会っておられる。そして日本の東京都の過密問題について、東京湾埋め立て計画案というものを丹下教授から聞いたということを言っておられました。  東京湾埋め立て計画案のことについて、ポソーヒン氏の意見と私の意見とはたまたま一致をしたのでありますが、この東京湾埋め立て計画案は、御案内のように、産業計画会議というのがございまして、加納久朗氏の案を拡大をしたものでございます。このネオ・トウキョウ・プランというのは、産業計画会議が加納構想を具体化するために、加納氏を委員長として、学界、財界、関係官庁担当官を委員とする東京湾問題小委員会をつくって検討を始めました。その結果、同会議の第七次レコメンデーションとして「東京湾二億坪埋立についての勧告」が発表されまして、そのマスタープランがネオ・トウキョウ・プランであると言われております。この案は、一九七五年に東京都の人口が五百六十万人増加を見込まれるということを考えまして、東京湾周辺の人口を吸収し、その人口を雇用する大規模な工場地帯と住宅地を、京浜側と京葉側に分けて造成をするという案が骨子になっておったわけであります。  その後、大高案というのが発表されました。これは、東京湾上帯状都市案というのでございまして、加納構想に対する反応として、大高案は、東京湾の中央部を残して周辺部にU字形に都市を建設しようという計画であったわけであります。この案は、ソ連の第二次五カ年計画のころミリューチンの提案した帯状都市の方式に基礎を置いておると言われております。  さらにその延長線上にあるのが、「東京構造改革計画一九六〇から東京計画一九六〇−二〇〇〇」へという丹下健三氏の案でありますが、丹下教授は、この産業計画会議の構想に対して、第二次産業主力でなく第三次産業を軸とするとか、現在の東京と相対的に独立するのではなく、有機的発展として構想するとか、そのために都市軸の概念を導入するとか、そういったいろいろな提案をなされました。この丹下構想は、研究報告「二一世紀の日本−その国土と国民生活の未来像−」の「東京計画一九六〇−二〇〇〇」へと発展をいたしまして、その中で丹下教授は「都市構造そのものの改革なしには東京は救えないという認識にたって、都市軸と緑の軸の二つの主構造の投入と、東京湾の利用という挺子によって東京を新しい東京に変身させ」ようと提案をしておるわけであります。  これらの案は、東京湾の大埋め立て計画というものを主体としておるわけでありますが、私は、この東京湾の大埋め立て計画に対してきわめて批判的な意見を持っております。なぜならば、現在の東京の状態を見ますると、水資源あるいは環境容量、土地問題その他で全く隘路にきておりまして、さらにこれに二億数千坪といったような大埋め立てを計画することそのことが、私が最初に申し上げました安定成長路線に対するきわめてアナクロニズム的な、時代錯誤的な構想であると思いますし、こういった構想を進めることは、東京都民の生活をよくすることにならない、あるいは南関東住民の生活をよくすることにならないという考え方を持っております。  この考え方について、金丸長官の御意見、さらに仮谷大臣の御意見を承っておきたいと思います。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 東旅湾埋め立ての問題につきまして、先生のおっしゃられるように、私も、東京湾を埋め立てるという問題については、環境の問題もありますし、公害の問題もあるし、また、埋め立てをすることになりますと、東京へ集まる人口というものがなおより以上に加算されてくるということを考えてみれば、均衡ある地域社会をつくるということについては非常に反対の方向に行くのではないかということでございますから、東京湾を埋め立てて、そこにいわゆる政府機関、国会等を移すということについては、これは不可能なことじゃないかと悲観的に考えておるわけであります。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 就任早々ですからあまり詳しいことは知りませんが、丹下構想というのは、構想としては一応検討の余地はあると思うけれども、現状はあなたのおっしゃったようなことで、適当でないという考え方を持っております。  いま十メートル水深以内のところで、若干これは五省庁の東京湾地域整備連絡会議で計画を進めておりますことは御承知のとおりでありまして、御理解を願いたいと思います。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 歴史的に東京の人口の趨勢というものを、実は調べてみたのです。  日本の人口というのは紀元一五〇〇年、いまから五百年足らず前でございますが、当時全国でわずか九百五十三万人しかなかった。現在の十一分の一であります。非常に少なかった。それがその当時におきまして、東京圏——東京圏と申しますのはいまの埼玉、千葉、東京、神奈川の四都県でありますが、当時の武蔵、それから安房、上総の全部、それから下総の一部、相模といったような地域が入るわけでありますが、当時においてこの東京圏の人口が百十五万人であったという記録がございます。そして日本の人口というのは、紀元一七〇〇年、いまからまあ三百年足らず前でありますが、その当時において非常に爆発的にふえておるのであります。当時の記録によれば、全国人口が二千八百二十九万人でありまして、約三千万人でありますから、この間わずか二百年の間に日本の人口は三倍に膨張をしたということが言えます。  当時の東京圏の人口を調べてみますと、すでに三百万人を超しておったという記録が出ておるのであります。これはなぜ三倍にふくれ上がったかということを検討してみますと、当時、一七〇〇年当時におきまして、水管理、食糧管理、土地利用が非常に安定をした。また、戦乱がおさまって非常に平和な時代がきたということに大きな意味があるらしい。そしてその人口は、約三千万人というものが明治維新に至るまで大体継続をされるのであります。したがって、当時の人口というのは、やはり当時の生産形態からすれば三千万人というのが適正規模人口であったと見ることができるが、その後、明治に近代国家が形成をされましてから、非常に人口が膨張を始めたわけであります。  東京の人口というのは、大体十八世紀後半においてすでに百万人前後に達しておったというのが記録に見られておりまして、当時の欧米の大都市の人口は、一八〇一年のロンドンが八十六万人、パリが五十四万人、同じころのウィーンが二十五万人、ベルリンが十七万人、モスコーが二十五万人と言われておりまして、当時アメリカの大都市ニューヨークはわずか六万人しかなかったのでありますから、すでに十八世紀後半で江戸は世界一の人口規模を持っておったと言うことができます。  しかし、明治以後の人口の膨張というものは大変なものでありまして、したがって、徳川三百年の間約三千万人で静止をしておった人口が、明治以後百年の間に急膨張したということが記録で見られるわけであります。たとえば明治四十一年、一九〇八年の日本の人口は四千八百三十一万人でありまして、それに対する東京圏、先ほど申しました四都県の人口が五百八十四万人でありますから、すでに相当な膨張を来し、全国人口の一二%を占めておったということが言えます。  ところが、一番最近の記録、一九七〇年の記録を見てみますと、日本の総人口は実に一億四百六十七万人に達して、しかも東京圏の人口は実に二千四百七万人、日本総人口の二三%を占めるに至ったのであります。  この人口趨勢を見てみますと、かつて大阪圏が紀元一六〇〇年当時において日本全体の二割強を占めておった。一六〇〇年といえば大体において日本の封建制度の固まる時代でありますから、当時において二割の人口規模を持っておったというのは、東京圏よりも倍の人口を持っておったと言うことができます。ところが昭和四十五年、一九七〇年になりますと、東京圏と大阪圏の人口比率が完全に逆転をいたしまして、大阪圏は一三・九%という人口比率になっておる。したがって、東京都の過密化というのはもう大変な勢いで進行を始めた。  ところが、こういった時代になってまいりますと、人口がこれ以上急増をしていくということを私どもは許容することができません。したがって、人口は一億三千万人くらいで静止人口に移っていかなければならない。そのために都市問題も、そして土地利用問題も、水管理問題も、これらすべてを含めて、私どもは本当に日本国民全体のためになる大東京の設計というものを考えていかなければならないと思っております。  それにつきまして、最近建設省では、こういった低成長下の国土づくりをどういうふうにしていったらいいかということを真剣に検討を始めたということを伺っております。これは仮谷新建設大臣が、その抱負としてこの問題と取っ組まれるということでございましょうから、大変結構なことだと思いますが、その中で、低成長下の国土づくりというのは、生活環境に重点を置かなければならない。したがって、先ほどの所信表明にありましたような下水道や都市公園緑地やそういった住宅や一文字どおり住宅福祉というものを基本に置いて今後の国土づくりを進めていかなければならないというお考えだろうと思います。それは大変結構でございまして、国土計画、水需給計画、この二点をとってみましても、首都の過密問題というのはもはや限界に来ておる。これは建設省でいままで行われた利水調査その他においても非常に明らかになっておることだと思うのでございますが、この長期国土計画、水需給計画の問題から考えて、東京圏の今後のあり方がいかにあるべきであるかということについて、仮谷建設大臣からこの際所信を承っておきたいと存じます。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 先ほどもお話を申し上げましたように、過密過疎の問題が国土の均衡ある発展を妨げておることは御承知のとおりでありまして、これに対して積極的に進めていこうというのが、これはもう御承知のとおりの建設省の基本姿勢であります。  最近、若干大都市への人口流入というものが鈍化しておるといったような兆しも一あるようであります。これは最近の経済情勢にもよると思うのでありまして、そういう面から考えると、国土建設というものをひとつ考え直す転機じゃないかという考え方を持っております。たまたま昭和五十一年度から下水道と住宅等の各公共事業五カ年計画が発足をするわけでありますから、これらの計画を前提にして国土建設の長期的な方向を明らかにしていく必要があると考えております。これが一点。  それから、従来建設省は、過去三回、三十八年、四十一年、四十七年にわたって国土建設の長期構想を策定をいたしてまいったのでありますが、ただいまお説にあったような状況にもなっておりますので、最近のこのような情勢等の変化に対応して、昭和六十年度を目標にする新しい長期構想を練り直す必要があると私は考えております。そういう意味において目下基本的な作業を行わせておるのでありまして、できる限り早くこの骨格を明らかにいたしてまいりたい、かように存じております。  それからなお、水の需要の問題でありますが、昭和六十年における首都圏の水需要の見通しにつきましては、大体必要量を六十三億トン、それに対する供給量は四十三億トンと見込まれておりまして、したがって、年間約二十億トンの水不足が予想をされておるのであります。このためには、申し上げるまでもなく、現在進めておる水資源開発を積極的に進めていかなければならぬことは当然でありますが、もう一つは、工業用水等の現在の水の有効利用等についても、これは徹底的に考え直していかなければならぬ問題だと思います。あわせて先ほどからいろいろお説がありましたように、人口、産業の過度の集中がこのような水需要の逼迫の一つの要因となっておりますので、この点についても今後十分に検討いたしてまいりたい、かように存じております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 水需給問題は非常に重要でありますから、もう少し詰めて聞いておきたいのです。  いま大臣の御説明になりましたのは、昭和四十八年八月に建設省でお調べになりました「広域利水調査第二次報告書 昭和六十年における水需給」この資料に基づいておっしゃったと思うのですが、これで見てみますと、昭和六十年における水需給の見通しは、実に南関東において一九・七億トン・パー年の不足でありまして、北関東において一・八億トン・パー年のプラスでありますから、それを合わせても一十七億九千万トンのパー年の不足になるというわけでありますが、これはどうしても人口のこれ以上の増大を防がなければならない。それは東京都において仮に人口がふえないとしても、東京圏自体は非常にふえておるわけでありますから、したがって、こういう二十億トンにも及ぶ大変な水不足という問題は、当然人口の過密をこれ以上行わないという方針でやっていかなければならないと思いますし、それについて現在ダムの建設その他が非常に困難な事情に至っておるのは大臣も御承知のとおりであります。  したがって、この問題について、具体的にそれならば水不足をどうやっていったらいいかという問題を、先ほど私が指摘いたしました新しい国土づくりとの観点でどういうふうに考えておられるか、もう一度お伺いをしておきたい。

大塩洋一郎建設省計画局長

○大塩政府委員 ただいま大臣の申されました最後の答弁の中に、やはり一貫して過度集中ということに基づく原因が非常に大きな要因であるから、地方分散を積極的に進めていかなければならない、特にこの点につきましては、長期構想におきましても、見通しとしまして、昭和六十年までは自然増を中心としてふえてまいりますけれども、それからはだんだんその増加率が低下いたしまして、厚生省の統計によりましても二十一世紀の初頭までは微増いたしますけれども、それからは減退するであろうというようなことを述べておるわけでございます。  水の利用、再利用の合理化あるいは水の有効利用、回収率の一層の向上、それから下水処理の再利用、農業用水の合理化、いろんなことを考えなければいけないものですが、いずれも非常に困難な、これから研究すべき新しい技術の問題が残っております。広域的利用と比較的余裕ある河川からの導入ということも考えられますが、これは地域的に地域住民等の配慮が非常に必要になってまいります。これらの点を含めて水の問題は非常に大きな問題でございますので、これから十分な検討が必要だと思います。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 時間が切迫してまいりましたので最後に参りたいと思いますが、今度は、現在の総需要抑制という現政府の考え方、財政政策との関連であります。  この問題については、首都移転問題は総需要抑制という見地からすれば非常な多額の経費を要するものであるから、現在の課題としてはふさわしくないのではないかという反対論が一部にあることを、私も承知をいたしております。しかし私は、そうではない。首都移転問題は国家計画として考えるべき問題であって、長期計画の上で計画立案をされるべきものでありますから、したがって、そういった観点に立てば、総需要抑制という現在のムードから左右をされるべき問題ではないのではないかというふうに考えています。  それからもう一つ、この首都移転によって非常に大きなインフレが起こったと言われるブラジリアのケースを私はいろいろ調べてみました。一昨年の秋にブラジリアに参りまして、ブラジリアの首都の構成であるとか成立をいたしました過程でありますとかいろいろ調べてみたのでございますが、このブラジリアは、一九六〇年の四月に当時の首都であるリオデジャネイロからブラジリアへ遷都をいたしたわけでありますが、それまでに実に長い長い歴史を経、そして政府においてもこれに対する研究機関等をたびたびつくって、十分な準備のもとに移転を完了をしたわけでありますが、何分リオデジャネイロあるいはサンパウロといったようなブラジルの中心都市から約九百キロも離れた大変長距離のところに、しかも全くのニュータウンを建設をしたわけであります。ニュータウンを建設いたしましたために、建設資材その他を飛行機その他で運ばなければならないといったようなことから、当時のブラジル政府に対して非常に大きな反発がありまして、そのためにブラジリアの首都移転がインフレを増大したという批判が出たわけでありますが、移転を完了いたしまして十数年たった現在におきましては、ブラジリアへの首都の移転は非常によかった、効果的であったという意見があちこちで聞かれました。  私は、ブラジリアの行政当局者、責任者とも会っていろいろ意見を交わしてきたのでありますが、それに比べますとわが日本は、ブラジルに比べればはるかに面積が狭いし、また、東京からどこに移転をするにいたしましても、非常にその距離は近いわけであります。たとえば、一番北であると言われます北上の地域への移転といたしましても、東京から約四百七十キロ、北関東が八十キロないし百五十キロ、それから富士山ろくが八十キロないし百二十キロ、また、浜名湖が二百二十キロ前後、琵琶湖が約三百十キロ前後ということになっておりまして、そういったことから言えば、移転費用等はずっとずっと寡少で済むのではないかということが考えられます。  また、首都移転に至るいろいろな問題といたしまして、たとえば改都論、東京改造論、それからスウェーデン型の分都論、それから筑波山ろくや富士山ろくへ政府、学園都市その他の一部を移転するというような転都論、さらに、二年前から言ってまいりました夏季であるとか正月であるとか、そういうときに東京都の首都機能を休むという休都論、そういったものをも含めていろいろと検討をしていけば、現実的な解答が出ていくのではないかと私は期待をしておりますが、総需要抑制下における首都移転論についての大臣の考え方、それからまた移転先等についての大臣の考え、これはもちろんまだ具体的に言えないことは当然でありますが、そういったことについて、もしいま話しておいていただくことがあれば伺っておきたいと思います。

金丸信自由民主党国土庁長官

○金丸国務大臣 総需要抑制下における首都移転問題をいろいろ論議することは不謹慎じゃないかというような考え方、私は、そういうものじゃない、そんなに簡単にこの問題ができるものではないし、また、人命尊重という点から考えてみましても、この過密の人口をどうするんだということを横を向いて通るわけにはいかない。そういう意味で、長期的な展望の中でこの問題は考えるべきだ。  またブラジリアの問題についてお話もありましたが、私もブラジリアへ三回行って見て参りました。いろいろ状況はあったと思うのですが、リオデジャネイロというのは、位置的にも気候的にもあるいはまた植民地時代の首都であったというような考え方もあって、憲法であの首都をブラジリアへ移すということもきめた。それはブラジルの民族の一つの大きな熱意、そういうものがあのブラジリアの首都をつくったということであろうと私は思う。  そこで、いまお話しのように、首都という立場から考えれば、日本は狭いところだから、どっちへ飛んでみても大したことじゃないんじゃないか。たまたまいまお話の中に、富士山ろくという問題が出ました。その富士山ろくという問題については、実は私は新聞あるいはある人の批判で、金丸氏は山梨県が選挙区だから、選挙のためにそういうことをやっておるんだという人もあるわけでございますが、私はさらさらそんなことを考えているわけじゃなし、また、山梨県自体が、いわゆる北側の山梨県側とすれば水は不足、そういう面から考えれば、私はむしろ静岡側のほうが有利じゃないか。(「奈良、奈良」と呼ぶ者あり)あるいは奈良もそうかもしらぬ。(「筑波」と呼ぶ者あり)そうかもしれませんが、この問題については、あくまでも国民のコンセンサスを得てきめるべきことであって、私は、どこだというようなことをかりそめにも言うということは不謹慎なことだ。そういう意味で、国民の合意のもとに首都というものはきめるべきものじゃないか、こう考えておるわけであります。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 今後の問題について、金丸大臣はきょうの委員会の発言を通じて、きわめて意欲的な発言をされました。したがって、首都問題懇話会も近く発足をすることになるでありましょうし、また、政府サイドにおけるこの問題の具体的な検討も進むであろうと思います。これについて建設大臣も積極的に協力をしてもらいたいと思いますが、この際いかがですか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 国土庁と十分連絡をとりながら、努力をいたしてまいります。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 「権力は都市を育成する」というミシェル・ラゴンの有名な言葉があります。中央集権、大衆管理の進んだ国で首都が肥大化するのは、歴史の必然といえるかもしれません。首都の過密化という悩みは、その意味で近代国家の存在する世界共通の問題とも言うことができようと思います。かつてキャンベラを見た人が、すばらしい美しさだ、夢の首都と言ってよい、東京のそれは地獄の首都ではないか、キャンベラに着くとおのずと深呼吸したくなるという感想を漏らしたというのでありますが、東京に住んでおる私どもの感じる感想は全くその問題でありまして、災害問題あるいは水利用問題、土地問題、環境問題、あらゆる意味から、ほんとうに東京はこの辺で回生策を考えていかなければ、もう放置できない段階に来ておると思います。  この際、きょう発表になられましたような懇話会その他のいろいろな手段を通じて、首都移転問題をひとつ真剣に検討してまいりたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

天野光晴自由民主党

○天野委員長 この際、午後零時五十分まで休憩いたします。     午後零時十八分休憩      ————◇—————     午後一時四分開議

天野光晴自由民主党

○天野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質議を続行いたします。中村茂君。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 私は、住宅政策全般について質問を申し上げ、なお若干の意見を申し上げていきたいというふうに思います。  先ほど建設大臣から建設行政の基本施策に関する所信表明をお聞きしたわけでありますが、全体的にお聞きして私はがっかりいたしました。特に住宅政策については、大臣は「住宅対策につきましては、よりよい住まいを求める国民の切実な要求にこたえ、住宅事情の改善を図ることが現下緊要の課題であります」こういうふうに言っておられます。そして内容的には、公的住宅の規模の拡大と建設単価の適正化、住宅金融公庫の持ち家融資の貸付限度額の引き上げ、貸付戸数の増加等住宅金融の拡充を図る、関連公共公益施設の整備についての助成措置の強化拡充等、若干具体的な問題をあげているわけでありますけれども、特に現在、住宅対策を考えてみた場合に、何といっても第二期住宅建設五カ年計画は、昭和四十六年から五十年度までの五カ年間で、五十年度が最終年度に当たるわけであります。したがって、いままでの住宅政策の計画の基本になってきたこの第二期五カ年計画について、果たして完全に実施できたのかどうかということを反省してみなければならないというふうに思うわけであります。その反省の上に立って、最終年度でありますから、この五十年度の住宅政策というものをどのように進めていくかという形にならなければならないというふうに思うわけであります。  特にこの五カ年計画の最終年度として、公営住宅については九万一千戸、これは昨年と比べると戸数において一万二千戸減っております。公団住宅については六万戸、昨年より一万戸減っております。そしてなお、公団住宅の場合には賃貸二万四千戸、分譲三万六千戸、前年度の四十九年にはこの賃貸と分譲がそれぞれ三万五千戸と同数であります。ところが今年度は賃貸二万四千一尺分譲三万六千戸、言いかえればいままで賃貸と分譲が同数であったのがことしから分譲主導型に変わったわけであります。  そのことをこの計画の戸数と内容的に検討してみますと、幾つかの欠陥と隘路のあることを発見することができます。  まず第一番に、この五カ年計画が完全に実施できない事情になってきている最大の問題は、政府に住宅の基本的な政策というものがなかった。これが戸数において、私の計算によると、この計画から特に公営、公団住宅については七〇%しか実施できない実情になっているのではないか。しかも現在、まだ前年度の計画分、それから実施されているもの、五十年度の計画、こういうものを全部完成したとして、五カ年計画からいくと七〇%しか達成できないということは、何といっても住宅政策というものは、計画だけであって、政府の住宅重点の基本計画というものに欠けていた、それがこういう結果をもたらしているのではないか、こういうふうに思うわけであります。  それから、この中身、この五年間の間を順次検討してみますと、当初は賃貸中心に行われてまいりましたけれども、先ほども申し上げましたように、公団等においては、昨年賃貸と分譲半々、ことしはついに分譲が賃貸を上回る、言えば国の住宅政策というものが賃貸から持ち家制度に順に移ってきた、こういう経過になっているというふうに思うわけであります。  そして、なお最近は、こういう分譲が多くなるということになれば、賃貸が順に減少してくるということになれば、特に三木内閣の一番の大きな柱としている社会的不公正の是正というこの問題が、住宅面で見ていきますと、もう分譲は相当高いものになってきていて、一般の勤労国民では手の届かないところに来ているわけでありますから、ますますこの不公正というものが逆になってきている。これを是正していくという方針を立てるとするならば、やはり賃貸に重点を置いた住宅建設計画というものを政府としても考えていかなければならないのではないか、こういうふうに思うわけなんです。  それから二点目には、何といっても都市近郊におけるこういう広大な住宅宅地建設というものは、必然的に公共関連事業が伴うわけでありますから、地方自治体、また国の施策の中で、この面に対する資金の体制というものが欠けているために、公営住宅等については、地方自治体においてはそういうものをつくるということは、人口の面、都市計画の面、また水資源の面等から大変だというような問題が起きてきて、計画は立てるけれども、なかなかその中身は進展していかない。そこへ、物価狂乱というようなインフレ高物価の中で、土地は上がる、資材は上がる、こういうことで、まさに住宅行政の曲がり角というか、根本的に立て直す時期に来ているのではないか、こういうふうに思うわけであります。  そこで、まず一点として、大臣に住宅の基本的な考え方、これからの方針、それをお聞きしたいというふうに思います。それから、続いて第二次五カ年計画の進捗できなかったその内容、その理由、それを明らかにしていただきたいと思うのです。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 御質問が大変広範にわたっておるようでありますから、詳細は局長から答弁をさすことにいたします。  基本的な住宅政策の方向でありますが、これは公式な発言で言えば、全国民が能力に応じて適正な費用で負担をするなら一定の水準の住宅は確保できるということを基本にして、住宅政策は考えていくべきであることは当然であります。第三期の五カ年計画を作成するにあたっての国民の要望というものが、住宅の規模の拡大、居住水準の向上というものに集中をいたしております。これは先生御承知のように、四十八年度の住宅の基本調査を見ましても、量的には一応世帯数を上回っておる状態になっておりますが、質の面において非常に強い御要望がある。それは規模をもう少し大きくしなさい、あるいは内容の設備を充実しなさい、環境を整備しなさいと、こういうきわめて強い要望があるのでありまして、そういう面を第一義として今後は努力をいたしていかなければならないし、そのための公的な援助というものを考えていかなければならぬ、かように思っているわけであります。  御承知のように、住宅宅地審議会がいま開かれておりまして、中間答申も得ておるのでありますが、これは年内に答申があるはずでありますから、そういうふうなものも十分に趣旨を盛り込んで、第三期計画というものは私はかなり思い切ってやりたいと思っております。  これはあとで答弁をさせますけれども、第二期計画というものが決して予定どおりにいかなかったことは事実であります。これは私は根本的に洗い直してみる必要があると思っておるのでありまして、率直に言って、分譲と賃貸と、もちろん賃貸住宅に重点を置いたのでありますが、結果的には逆の形になっておることも事実であります。これは最近の国民的な要望が国民金融公庫の融資に非常に集中をいたしておりまして、そういう面がかなり大きく伸びたということも一つの原因であります。半面に、大都市を中心にしまして賃貸住宅の伸びが非常に悪かったということ、これは先ほど御指摘がありましたように、公営住宅の地方負担と申しますか、そういうふうないろいろな条件が重なって、むしろ大都市、東京や大阪の公営住宅が予想以上に実施できなかったということが一つの大きな原因になっておることは事実であります。  ただ、来年度の予算の中に、たとえば公営住宅九万五千戸が今年は八万五千戸になっておるじゃないかということで、確かに一五尺予算戸数の上では減っておりますけれども、四十九年度の九万五千戸も、実はこれは単価更正等もやりまして実質的には八万二千戸になっておるわけで、それからいうと現実には三千戸ふえておるわけです。しかも四十九年度が率直に言ってこれは完全に消化できない、まだ相当の繰り越しができるのじゃないかということを考えると、実質的に私は四十九年度よりもはるかに五十年度の方が実質戸数は多くなるというふうに考えております。  住宅公団も、確かに分譲と賃貸とが比率が逆転をしたかっこうになっておりますけれども、分譲の中にも実は特定の分譲住宅を考えておりまして、これは実質的には賃貸とそう変わらない考え方で新しい方策としてさらにそれを進めていきたいと思っておりますから、実質的には四十九年度を下回ることは全然ないという考え方を持っておるわけでありますが、いずれにいたしましても、最終年度でありますから、私ども計画倒れにならないように、五十年度は計画したものは完全に消化をして、そして五十一年度出発をする、その基礎固めにしたい、こういう考え方で若干予算的な配慮があったことは事実であります。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 先生のおっしゃいましたとおり、第二期の五カ年計画におきます公営住宅の最終の達成率は七九・七%というふうに見込んでおります。これは先ほど大臣も申されましたけれども、四十九年度の実績戸数を八万二千戸に落とすとか、そういうふうな本当のネットの数字で計算したものでございます。  それから公団住宅におきましては、五十年度分を含めまして六三・五%の進捗になるということでございます。したがいまして、五カ年計画全体を通じまして一〇〇%の達成にならないという点につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、われわれはまことに残念に思っております。その一番大きい原因は、四十六年まではきわめて整々とやってまいったわけでございますが、四十七年後半からのいろいろな経済事情によりまして、特に大都市地域を中心といたしまして、公的施策によります公営住宅、公団住宅等が極端に目減りをしたというのが実情でございます。先ほど大臣が申されましたように、最終年度にはいろいろなそういうものの抑制要因を排除するという点に相当なウエートを置きまして予算の編成をした次第でございます。  それから、ただいまの賃貸、分譲のお話でございますが、確かに五十年度予算では、持ち家が六〇%と、それから賃貸四〇%というくらいの数字になっております。ただ、これも先ほど大臣の御説明にございましたように、公庫の個人住宅それから従来の持ち家住宅を改良いたします改良融資、一部屋ふやすわけでございますが、そういうものが非常にたくさん入っておりまして、そういうものをのけました、公団、公共団体、公社等が住宅をつくりまして提供いたしますそういうものの内訳といたしますと、六五・六対三四・五というくらいなことで、賃貸住宅の方にウエートを置いておるというのが実情でございます。  それから、公団住宅におきましても、分譲、賃貸というのが、予算上、分譲が三万六千戸、賃貸が二万四千戸というふうになっておりますが、特に分譲の中では、特定分譲住宅というのを七千戸用意いたしております。この特定分譲住宅の七千戸は、土地をお持ちの方々に公団がアパートをつくって差し上げて、それを賃貸に使っていただく、公募で、家賃の制限を受けながら賃貸に使っていただくというものでございまして、事実上は、持ち家か借家かという区分では賃貸の方に入るものでございます。それを落としますと、わずかでございますが公団でも賃貸の方が多い。それからさらに、長期特別分譲住宅というのを二万九千戸準備いたしておりますが、これにつきましても、やはりわれわれといたしましては賃貸と分譲のあいのこというふうに考えておりまして、階層別に見ますれば、賃貸階層に相当ウエートを置いた予算を組んだと思っておる次第でございます。  それから、先ほどの大臣のお話のもう少し細目を申しますと、現在まで鋭意努力いたしておりますけれども、公営住宅におきまして、四十九年度の九万五千戸がやはり単価増によりまして八万二千戸くらいになっております。そのうち、年度内に完全に発注できると思うものが六万七千戸でございます。特に、大都市地域におきまして一万戸ばかりの繰り延べが出ます。それから、総需要抑制に絡みます繰り延べ分もございます。約一万五千戸くらいの繰り越しになろうかと思っております。したがいまして、来年度五十年度におきます公営住宅のノルマは十万戸ということになります。公団住宅におきましても、本年度七万戸でございますが、単価増に食われまして、実際計画戸数は五万戸に減になっております。そのうち鋭意努力いたしまして四万五千戸までは発注できるというふうに考えております。したがいまして、五千戸分はやむを得ず翌年度に繰り延べるわけでございまして、来年度の公団のノルマは六万五千戸でございます。  それらのものにつきまして、先ほども大臣のお話にございましたように、いろいろな施策を講じてまいりますので、来年はこの数字をびた一文まからないようにつくってみせようというのがわれわれの考えであります。よろしくお願いいたします。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 いろいろ数字をいまお聞きしましたけれども、言えば、公庫住宅について二万一千戸五十年度の分がふえている。それから公営の方が一万戸減って公団の方が一万戸、それで二万戸で、公庫の方がふえているから全体には数は同じじゃないか、それから公庫の中にも賃貸がある、特定賃貸住宅もある、農地所有者等の賃貸住宅もある、こういうふうに言います。これは昨年もあるわけです。ことしも大体この賃貸のいま言った分については、公庫は六千戸減りましたけれども、そのほか特定、農地、こういうものについては前年度と同額、こういうふうになっていきますと、いずれにしても全体として賃貸よりも分譲に力点が置かれてきているということはもう明らかなんです、住宅政策の方向として。しかも公庫の面については、個人の分は相当ふえておりますけれども、賃貸等については前年度より減らしているわけであります。  ですから、私の申し上げたいと思いますのは、特に大都市近郊等についての住宅政策というものは、何といっても賃貸に重点を置いてこれからの住宅政策というものをとっていかなければ、これは、分譲とかいろいろ言ってみても、これだけ土地が上がり、資材が上がって、もうとてもじゃないけれども勤労国民には住宅は手は出ません。持ち家では、家は自分のものにすることができません、細部についてはまた違う問題で具体的に申し上げていきたいというふうに思いますけれども。これは全国的に、まあ田舎というか、そういう面はまた別な角度から考えるにしても、三大都市圏といわれる大都市近郊、こういうところの住宅政策というものは、これは何といったって賃貸、しかも、いままでのような賃貸ではなしに、やはり中身の充実したものに置きかえていく、こういうふうにしていかなければ、先ほど所信表明の中でもありましたように「よりよい住まいを求める国民の切実な要求にこたえ」るという、こういうことにはならないのではないかというふうに私は思うわけであります。  そこで、先ほども大臣から話がありましたけれども、住宅宅地審議会住宅部会の中間報告について、そのことを先ほど若干言われたと思いますけれども、この中間報告については、また五十年六月には最終答申をする、こういうふうになっていますから、あくまでも中間報告でありますけれども、中間報告がすでに出ているわけでありますから、やはりこの中身の、将来に向かってやはり取り入れていくべきような問題については、また取り入れられる問題については、五十年度の予算の中にも、住宅政策の中にも十分取り入れていくべきではないか、こういうふうに私は思うわけであります。そういう意味でこの中間報告についての大臣の見解をひとつお聞きしたいというふうに思うわけでございます。  そこで、重点を申し上げます。  この中に「具体的施策」というような項目があって、なお「公的援助の改善」、そして「公的住宅供給の拡充」、その中に「当面大都市を中心として公的賃貸住宅を大量に供給する。(これを所得五分位階層に応じて位置づけるとすれば、おおむね第I分位から第III分位に該当する。)」所得を五分位に階層別に分けて、そしてこの大都市における公的賃貸住宅を大量に供給して、該当するというものは、所得別に見た場合に、五に分けて一から三までに該当するものだという資料も付してあるわけですけれども、そういうことを考えてみた場合に、やはり公的賃貸住宅、これを将来の方向としてもどういうふうにしていくかということを一点お聞きしたいというふうに思います。  それから二点目の問題としては、一月二十八日の衆議院の本会議でありますけれども、住宅に対しての質問がありまして、質問の内容は、住宅省を設置したらどうだと、こういう質問が出たわけですけれども、三木総理はそれに対して、住宅への要望は強いので、住宅建設全体について見直しをしたい。住宅省それから住宅基本法は考えていない、こういう答弁がありました。  そこで、住宅省というのは別にして、住宅基本法でありますけれども、この中間報告の中では、一番末尾に、住宅基本法の制定ということで、中身の若干の分析と方向を示しながら提起しております。ところが、先ほど申し上げましたように、三木総理は、住宅省を設置するかということに関連して、住宅基本法については考えていない、こういうふうに答弁しておるわけでありますけれども、二点目の問題として、その点も明らかにしていただきたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 まず、前段の賃貸住宅に重点を置くべきではないかという御意見ですが、私も同感であります。  五十年度予算が、先ほどもちょっと申し上げましたように、若干分譲住宅にウエートが置かれておるようになっておりますのは、住宅公庫に対する要望が非常に強くて、この枠をかなり増額したものですから、そういう意味でウエートが若干かかっておると思いますし、特に大都市地域を中心にした公的の賃貸住宅が非常に立ちおくれておる。これが一つの大きな原因になっておるわけでありまして、率直に言えば、なぜ大都市地域の公営住宅が立ちおくれしておるのか、その原因を究明してこれに対する対策を立てるということが、これは私は一番大きな問題だ、隘路打開ということが一番大きな問題で、そういう面で、むしろ五十年度は重点を置いて考えてまいっておるわけであります。したがいまして、基本的には、分譲か賃貸かということは国民の需要の動向に応じて考えなければならぬ問題でありますけれども、ただ大都市を重点として、先生おっしゃるように低所得者あるいは老人や母子世帯等がございまして、そういう人々が非常に強い要望を持たれておることは、私ども十分承知いたしておりますから、問題は、今後そういう人々の要望に対して十分にその量を確保するということが、これは一番大事だと思います。そういう面で、これからも努力をいたしてまいりたい、かように思っておりますし、それが五十年度の一つの重点になっておることは申し上げるまでもございません。  中間答申をどう取り入れたかということでありますが、確かに中間答申は予算編成以前に出されたものでありまして、私どももそれを十分に検討をいたしまして、その趣旨に沿って五十年度の予算の編成に当たったつもりであります。ただ、われわれの主張してきたことと財政当局とが必ずしも意見が一致しない場合がありまして、それが完全に消化されたとは思いませんけれども、かなりその趣旨を体して、五十年度予算には盛り込んだと実は思っておるわけでありまして、ただいま申し上げました公営住宅、特に大都市を中心にした公営住宅の問題については、申し上げましたように努力をいたしておるわけであります。  なお、この問題の詳細については局長からお答えをさせますが、もう一点、住宅基本法の問題でありますが、これは、本年度基本法の制定をするということは考えていない、こういうふうに私どもは答弁したと解釈をいたしております。何さま質問が大変膨大でありまして、住宅省をどうするか、あるいは中小企業省をどうするか、あるいは基本法をどうするかといったようなものが非常にこんがらがっておったものですから、そういう面で、若干答弁の面で、私ども聞いておりましたけれども、はっきりしない面も実はあったわけでありますが、よく検討してみますと、基本法そのものは、本年度は提案する考え方はないのだ、こういう言い方に私どもは発言を解釈をいたしております。ただ、建設省としては、審議会の答申をまって、基本法の問題は、前段にも申しましたように、五十年度一遍区切りをつけて、新しい時点に立って五十一年度再出発しようということでありますから、基本法的なものは当然考えなければならぬ、十分検討いたしてまいりたい、こういうのが私どもの考え方であります。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 先生のおっしゃいました中間報告と来年度予算の関係でございますが、中間報告では、「公的住宅供給の拡充ということを掲げておりまして、その第一が「低所得者層、社会的流動層及び老人・母子世帯等に対し、十分な量の良質低廉な借家のストックを確保する必要があり、このため、当面大都市を中心として公的賃貸住宅を大量に供給する。」二番目に、「持家需要者に対しては、長期低利融資、減税のほか、公的機関による低廉な分譲住宅の供給を図る。」三といたしまして、「なお、最近の需要動向をみると、中堅勤労者を中心として持家指向の増大が著しい。したがって、いわゆる成長階層に対しては、公的賃貸住宅の供給と並行して、当初数年間は家賃並みの低廉な負担で持家を取得できる長期特別分譲方式による住宅供給を行うことが適当である。」四といたしまして、それらの者についての計画的貯蓄を尊重するような制度を検討せよ。こういう趣旨でございました。  おおむねそのようなものにつきましてはそれぞれに盛り込んだつもりでございますが、特に「公的賃貸住宅を大量」というところに非常にひっかかる点があろうかと思います。九万五千戸が八万五千戸、七万戸を六万戸にしたということで一万戸ずつの見せかけの減がございましたけれども、先ほど申し上げましたような事情でございますので、われわれといたしましては、公共団体もしくは公団等の施行能力のぎりぎり最大限を計上したというようなつもりでおります。よろしくお願いしたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 この中間答申で、その方向で取り入れられるものは取り入れたとこういうふうに言っておりますけれども、一部分は私も理解します。というのは、私が先ほどから申し上げておりますように、賃貸住宅というものから持ち家に移ってきた、分譲に重点を置いてきた、そしてその分譲というものについての隘路になっている点について、中間答申にも指摘していますけれども、まあ若干の金利等において措置しましたけれども、そこら辺のところは、現在の実情では話にも何にもなりません。これはまた後ほどいろいろと例を挙げたいと思いますけれども。それと、確かに農地等の活用ということでまあ数年前から行っているわけですけれども、そういうところに住宅を建てて賃貸でやっていくという面についても、若干拡充された点はありますし、この中間でも指摘しております。  しかし、私が申し上げたいというふうに思いますのは、この中で基本に流れている点をもっと重点的にどうしてできなかったのか。そこら辺のところがきちっといかないから、おそらく先ほど大臣が、五十年度は前から残っているのを含めて完全にできる予算として計上したから少なくなった、これだけのものを完全に消化して、五十一年度からは住宅の政策の抜本的な考え方と第三次のものをきちっとやっていきたい、こういう話であります。しかし、私は、隘路になっている点をもっと大胆に解決していかなければ、おそらく一年たって、明年度の新しい計画の中で、五十年度の分はまたこれだけ残って申しわけありませんでした、まあこういうことになるのが落ちじゃないか、こういうふうに思います。そういう意味で、私は声を大にして、やはり建設省としては、所信表明の中で一番先に大臣挙げているわけです。予算でも、違うところは大体同等か少し減ったけれども、建築部門だけはふえたというふうに鼻高々にしているわけでありますけれども、中身がどうも、住宅政策を完全に実施の国民の期待にこたえるような内容になってない、こういう点を強く指摘しているわけです。したがって、また違う問題で大臣には、お聞きしますから、私のこの希望についてひとつよく頭の中へ入れておいてください。  そこで、公団にちょっとお聞きしますが、分譲がついに、公団で扱うのについて賃貸よりも多くなってきた。そして計画は、第二期の計画について、公団等については六三・五%しか、五十年度のものを達成してもできない。やる中身が分譲ということになれば、分譲などというのは金融の面一切は民間デベロッパーでやっていけばいいことだと私は思うのです。ところが、分譲まで手を出したなというふうに三、四年前に思ったところが、今度は賃貸よりも多くなってしまった。こういうふうになってきますと、どうも住宅公団というものが本来の機能が発揮できなくなってきた、存在価値がなくなってきた。やはり公団が設立されていくのは、低廉で環境のよいものを勤労国民に大量に提供していこう、その大量に提供するのができなくなった。しかも賃貸が少なくなってきて、分譲だ、分譲ということになれば民間デベロッパーで十分だ、こういうことになると、どうも公団というものが要らなくなってきちゃうんじゃないか、もっと意欲的に本来の趣旨が生きるような運営をしていかなければならないのではないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、計画どおりにいかなかった、そういう面を含めて総裁の考え方を、いま申し上げたような中身について触れながら明らかにしてください。

南部哲也日本住宅公団総裁

○南部参考人 賃貸住宅よりも分譲住宅の方が多くなった、この結果、公団の使命が損なわれるのではないかという御質問でございます。  実はいろんな問題がございまして、団地建設が非常にむずかしくなってきておる。特に、御指摘の大都市におきましては、水の問題、交通の問題あるいは関連公共の負担の問題、これらの問題に関連いたしまして、たとえば首都圏におきましては、賃貸住宅も地元に八割の入居を認めなければ団地は建設させないというような状態にただいまなっておりまして、新しく団地をつくる際にもできるだけ分譲をふやしてもらいたい、団地をつくる場合には、少なくとも分譲と賃貸とを半々にしてもらいたい、これが最近の地方公共団体の切なる要望でございます。そういう関連もございまして、われわれとしては団地を建設するのにオール賃貸というのがなかなかむずかしくなっておるという事情が陰にございます。  そのほかに、申し上げましたように、首都圏におきましては、水の問題を中心とする人口抑制を真剣に、特に東京都を除く三県におきましては、この方針をいまとっております。  五カ年計画の当初にお約束した建設戸数も逐次減らしてもらうというようなことで、各団地ごとに全部これは地方公共団体との話し合いによって進めておるわけでございますが、そういった問題も背後にはあるわけでございます。  したがいまして、分譲住宅がふえまして賃貸から分譲へ移る人ができれば、その分だけ賃貸住宅があくというようないろんなことも考えまして、現状のところでは、賃貸と分譲との比率が先生御指摘のような点まで来ているわけであります。  われわれといたしましては、もう一つ、賃貸住宅そのものにおきましても、いまのままでは一戸当たり大体一千万円近い建設費がかかります。そうしますと、これの家賃の高騰も相当なものになってくるということで、むしろ同じような額を支払うならば、三十年後には自分のものになるという長期分譲住宅という制度、これは形は分譲でありますけれども、賃貸の同様な場合に、一千万円の住宅というような場合に、賃貸住宅の家賃も、現在の原価計算でいきますと七万円、六万円という額になります。したがいまして、そこら辺の兼ね合いも両者それぞれ勘案いたしまして、いろんな需要層の方々に供給をしていくという一つのめどとして今年度の予算を考えているわけでございまして、私どもといたしましてはできるだけ、大きい問題であるところの水の問題であるとか交通の問題であるとか、あるいは関連公共の問題を国の方で御援助願いまして、それらの面における負担増あるいは家賃の高騰、あるいは分譲価格の高騰ということができるだけ少なくなるようにという努力を、予算のたびに関係省にはお願いをしておるというのが現状でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 賃貸というものについては、これはいままでのような形ではなしに、やはり相当中身の充実したものにしていけば——これは分譲を希望している、希望していると言いますけれども、民間の非常に悪い条件の中で高い金を出している人たちが相当いるわけであります。それは、条件さえよければ賃貸について圧倒的に申し出があり、もう二十回も申し出てもなかなか当たらないという人がいるというところから見ても明らかであります。分譲にしてやっていけばそれだけの分賃貸があくとあなた言うけれども、私の言わんとしていることは、やはり全体的に生活環境をよくし、住宅難というものを解消していくには、国の施策として、大都市近郊については中身のいい賃貸というものを大量に建てて救済していく、住宅政策からいけばそれが柱にならなければならぬと思うのですよ。総裁のいま言うことを聞いていれば、賃貸については公団はもう順に少なくしていって、公営住宅の地方のほうで賃貸をみんなやってくれ、こういう話になりかねない言い方です。私は、やはり隘路はわかりますよ。隘路がいろいろあったことはわかります。建設省や国の方にお願いしたと言うから、お願いしたこともわかりますけれども、やはりその基本になっているものを公団としては全力を挙げてどのように消化していくかということを、真剣に考えてもらわなければ困る。  そこで、少し具体的な問題について触れながら、特に現在当面しているいろいろな隘路の問題について解明していきたい、こういうふうに思います。  まず第一番に、多摩ニュータウンのところへ設置しました南多摩団地の債券住宅の問題です。  この中身について私が余り細かく申し上げなくても、すでに国会でも問題になっておりますし、新聞等でも相当取り上げられている問題です。この一番大きな問題点になっているのは、譲渡の予定概算価格というものが、当初のそういう予定価格よりも四倍にも上がってしまった、こういうところに一番問題があるのではないかというふうに私は思うわけです。特にいろいろ調査してみますと、債券の払い込み総額が三百十万円、型は幾つかありますけれども、Qという型で、標準になりますから申し上げますと、この譲渡予定概算価格というものは、いま申し上げました債券の払い込み総額三百十万円のおおむね二・三倍程度にする、こういうふうに譲渡予定価格を示して、債券を募集して債券住宅を建てていこう、こういう形になっていたわけであります。当初のおおむね二・三倍程度、これは払い込み総額三百十万円の二・三倍ですから、七百十四万円になるわけです。ところが、実際には一千二百五十万円になってしまった。二・三倍どころではない。三倍、四倍になってしまった。そこで、いろいろ債権者の皆さんが会合までつくって、これは大変だ、何回か公団にも陳情したり建設省の方にもしたり、大会など開いて何とかならないものか、これが一口に言っていま南多摩の債券住宅問題、こういうふうに言うことができると思うんです。  そこで、端的に申し上げますけれども、予定のおおむね二・三倍以上に上がってしまった。この原因は端的に言って何ですか。建設省の方にまず……。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 南多摩の特別住宅債券は昭和四十四年に募集を始めたものでございます。先生おっしゃいますとおり、Q型三LDKで約七百十四万円という程度の見込みで始めたわけでございますが、現在おっしゃったように、Q型で千二百五十万円という提示を公団がしたということでございます。価格アップの原因につきましては公団にもいろいろと聞いておりますが、主として資材及び宅地造成費等の異常な値上がりを避けられなかったことが一点。それから、募集時に予想しなかった鉄道やごみ、清掃工場等の負担をすることが第二点。その他は法規制の若干の変更がございまして、バルコニーを連続的にしたとか建物の質の改善を施したとか。それらのものが重なりまして当初の予定よりも相当大幅に上回ったというふうに承知いたしております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 そうすると、払い込み総額のおおむね二・三倍程度、この二・三倍程度というものについては、物価の値上がりとか、いまありましたような問題は全然含まれていないで、二・三倍と言っているわけですか。やっぱりそういうものも含めて二・三倍程度になる、こういうふうに言っているわけでしょう。この点はどうなんです。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 お答えします。  当初七百十万円と算定いたしましたのは、当時の債券の募集をいたしました時点において、五年後の物価の上昇を年間七%程度と見込みまして、そういう物価の上昇分をある程度通常見込まれる分を見込みまして七百十万円程度、こういうふうに考えたわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 そこで、この譲渡予定概算価格というものは予約ですか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 この特別住宅債券の積み立て制度と申しますのは、五年程度の一定期間住宅債券を積み立てていただきまして、それからその積み立てが完了した後において、一定の優先期間、通常二カ年とっておりますけれども、その二カ年以内に分譲住宅を建てる際に、それの分譲を受ける優先権を付与する、こういう制度でございまして、債券の積み立てと住宅の譲渡契約とは別個に考えておりますので、予約とは私どもは考えておりません。  ただ、積み立て債券の募集をする際、およそ幾らぐらいになるかということをお知らせする意味で、二・三倍程度、こういうふうに申し上げますと同時に、経済事情の変動がある場合は、この額が変わることがあります、こういうふうに申し上げておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 制度そのものは、私は、債券を払い込んで、この制度でひとつ住宅を欲しいということで債券の払い込みを約束した場合には、そのものはその制度の中から優先権をその人が得た、こういうふうに思うんです。債券の払い込み総額が三百十万円ですから、これはそれを払って約束する。しかしこの中で、それではこの三百十万円のおおむね二・三倍程度のものをつくります、そういうふうになってくると、価格の面に入ってきた場合には、これは一応予約にならないのですか。制度そのものは、優先権を持ったけれども、予約というか、その人の期待ですわね、期待を与えたわけですね。  いま理事の言うのを聞いていると、これは私、ここにありますけれども、そのとき募集した「昭和四十四年度特別住宅債券積立者募集のご案内」の中に項目があって、4として「譲渡予定概算価格」という項目があって、そこのところに「債券の払込総額のおおむね二・三倍程度」こういうふうに入っているわけです。だから、この金額の二・三倍程度というものが優先権ということじゃないでしよう。制度そのものはそうかもわからぬ。その点もう少し公団の考え方を明らかにしてください。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 特別住宅債券を募集する際は、そのパンフレットにも書いてありますように、多摩ニュータウンの相当広範囲なこの区域で将来建設する分譲住宅の優先権があります、こういうことになっております。したがいましてその時点では、どういう形のものがどこに建つか、物がきまっておりません。したがいまして、私どもは予約をいたしたというふうには考えておりません。  ただ、その概算価格をそこに書いてありますのは、大体幾らぐらいになるか、その見当をやはり積み立てる方もつける必要がございますので、そういう意味合いで書いてございます。それが、先ほど言いましたように、ある程度の物価の上昇を見込んでおりましたけれども、今回こういうインフレがあって予想より非常に上がった、こういうことでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 じゃ広告ですね、この面は。いま民間で広告を出したり、それから山の別荘のところへ中身と違ったものを出しておけば、公正取引委員会でそれは誇大広告だということになりますね。じゃ、これは誇大広告かね。これは広告でしょう、あなたの言うのは。私は制度そのもののことはわかりますよ、優先権ということは。しかし、たとえ概算価格にしても、「おおむね二・三倍程度」というふうにはっきり書いてあるのですよ。それでこの債券に入った人は、払い込みは三百十万円で、そして二・三倍程度三百十万円を含めて払えば自分のものになる、そういう希望を持ち、自分の計算をして債券に入ったわけですよ。だから、ただ紙切れに書いておいたのだからというふうに言われても、その責任問題とそういう人たちの期待というものについてどうなるのですか。誇大広告だとすれば公正取引委員会に行って言うのだが、どうも公団は民間じゃないから公正取引委員会の該当にもならないから、どこへ持っていっていいのかわけがわからなくなる。民間だったらこれは私は大変だと思うのですよ。  いずれにしても入った人は二・三倍——あなたが何回か言うように確かに書いてありますよ、ここにも。「経済事情の変動等によって変わる場合もあります。」しかし、二・三倍になって七百十四万円、それが一千二百五十万円。経済事情で変わる場合もある。全く予測がつかなかったことです。確かにこの間には物価の高騰等経済的な非常に大きな変動があったことは私どもは承知しています。  それから、先ほど理事が言われましたように、二・三倍という中には物価は七%ですか見ておいた、それ以上に物価が上がってしまったからこうなった、こういう言い方ですね。しかし、民間においてもこれだけ大幅な誇大宣伝をした場合には、それこそ悪質業者だというふうに公取委員会の指摘を受けますよ。こういうふうになってきた事情について、建設省はどういうふうに考えますか。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 先ほど申し上げましたような事情でございまして、先生がおっしゃいましたとおり、この募集要項には「建物を建設する時期が何分将来のことですので、譲渡価格は経済事情の変動等によって変る場合もあります。」「債券住宅の譲渡価格は、住宅面積の広狭によっても当然変りますからあらかじめご了承ください。」というふうなことを書いておりまして、確かに程度を超えているのじゃないかと言われますと、私どもも、できるだけ何とかうまい手はないかということで、公団にもいろいろな措置を講じてもらいたいという話はしておりますけれども、公団が何分にも原価主義ということでございまして、現行制度のもとでは、できる限りの応用動作を講じましても、この原価そのものを変えるというわけにはなかなかまいらないわけでございます。したがいまして、そういう方々のためにできる限りの、応用的にできる動作は全部やるべきだというふうに公団に指示をいたしました。われわれも相談いたしまして、五つ六つのやり方を皆さん方にも御提示をして御了解を得ようと努めておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 そういう誇大宣伝をしてお客さんをだましたばかりではなしに、今度はそれを提起をしてきたいろいろの事業の中身を見ても、私は幾つか納得できない点があるのです。  これをわかりやすくするために、一平米のそれぞれ負担単価に直していろいろ検討してみますと、土地は、購入のときの平米は二千七百四十円です。皆さん一平米二千七百四十円で土地を買ったのですよ。そうして今度は、全部造成等を行って、先ほど申し上げた高い単価になっていますけれども、それは一平米三万八千円です。土地を平米二千七百四十円で買って、今度、幾ら物が上がってきたからとか造成費がかかったとか言ってみても、三万八千円ですよ。中身を見れば、なおびっくりします。工事費、平米で九千百八十円ですよ。これは工事費は、人件費も上がったり、相当上がってきたのだと思いますがね。それから関連事業負担金、この中には街路事業とか河川とか公園とかありますけれども、特に問題にしたいというふうに思いましたのは鉄道、二平米に換算して二千二百円。この関連事業負担は合計で五千三百三十円。それからなお、これはたいへんな制度だというふうに私が思いますのは、金を借りた——金を借りてやるわけですから、その利息ですね、一平米換算して八千二百円。土地を三千七百円で買って、そこへ使った利息だけで八千三百円。いかにこういう金を借り入れて住宅を建てるということがもう限度に来ているかということの、これは一つの大きな証左です。それから学校の負担金が千七百円。そのほかに建設部門の諸経費、利子は五千二百円。ですから、利子というのは八千二百円と五千二百円で一万三千四百円ですか、とにかくこれだけの期間をかけてやっていくわけですから、利息というものがこれだけ、建てるのにかかってしまっている。それと鉄道、学校、これは公共負担の最たるものです。しかし原価主義ということで、そこへかかれば全部そこのところへ、坪当たりにしてこれだけのもの——そしてなおこれを集計してみますと、この関連事業負担金というのが一人当たり百万円になりますね。ですから私は、皆さんが約束していた二・三倍の中で、言えば七百十四万円の中にこれらのものがおさまったとすれば、これはやむを得ないと思うのですよ。しかし、約束の倍の価格にもなってしまってなおこれだけの、一人当たりにして百万円のものを負担させる。原価主義だからやむを得ません、こういうことでは、何と言ってもこれは納得できない。そこら辺のところを相当努力されてきたようだけれども、これらの人たちの軽減になるような措置を何かお考えになったですか。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 ただいままでに、先ほど申し上げましたとおり、公団といたしましては、やはりたてまえがノンプロフィットの原価主義ということでございまして、かかりました金は何とかしなければならぬというたてまえになっております。これを何とか根っこからそういうもののトータルをまけるという話になりますと、やはり国費といいますか無利子の税金の投入が必要になります。その投入の仕方もいろいろございますが、一つの点といたしましては、従来の譲渡方式が年利九分六厘五毛、二十年年賦ということでございましたけれども、それを今回の分以後は三十年年賦といたしまして、当初十年間は年利五分五厘、そのうち当初の五年間は元金据え置き、後期二十年は年利財投金利の八分というふうにする、いわゆる長期特別分譲方式に全部切りかえるということで、長期にわたって一部の利子補給を行うという制度にしたわけでございます。  さらに、建設場所につきましても、皆さん方からやはり住区の場所等についていろいろ御要望がございましたので、新しく住区を追加すること、それから住宅の型式につきましても、従来のQ型、P型のほかにいろいろな型を追加すること、それから債券買い入れの要望については、十回の払い込みを終わった方でなければ従来特別な買い入れ措置をとっておりませんでしたけれども、これも講ずること、それから、そういう方々の中で、分譲は無理だけれども、どうしても賃貸住宅に入りたいとおっしゃる方には、ぜひともそれをあっせん申し上げること等について、条件を考えまして、鋭意公団と地元の皆さんと御相談を願っておるというのが実情でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 九分六厘五毛で二十年間で元利均等で返しているのを、今度五年五分五厘、次の五年も五分五厘、そして二十年間八分にして三十年で払うようにしたから、こういうふうに言いますから、私もいろいろ計算してみました。全部当初のものでいけば二十年間で払うのは二千二百四万円、もう一度言いかえますと、千二百五十万の型ですけれども、まあ上がったのですよね。それが言われている当初の形でいけば、いま申し上げました二千二百四万円。今度三十年間に延ばして、利子を五分五厘にして、五年据え置き、なお二十年間を八分に下げたから、こういうふうに言いますけれども、三十年間で総額二千六百四十三万円。結局利息を少しぐらい下げても、十年間延ばしたからその延ばした分また利息がついていくわけですから、全体としては十年延ばして三十年間でまた余分に納めなければならない。確かに延ばしていただきましたから、一月の返済額というものは少し少なくなってきます。七百十四万円で入ろうと思ったのが今度一千二百万円にもなって、それで毎月膨大な金を、このやつでいっても、今度皆さんの方で少し検討して三十年というふうになったとしても、月に、当初の五年は四万三千三百円、次の五年は五万七千四百円、それからあとの二十年間は月六万九千三百円、これを二十年間払っていって、三十年たってやっとということになると、大体三十のときにここへ入れたとすれば、払い終わるのは六十ですよ。働き盛りの間、一生毎月これだけ払って、それで家がやっと自分のものになった、こういうことですね。だから、いまこういうふうになってしまったので、金利の面や支払いの期間の面で延ばして何とかというふうに言いますけれども、一口に言って、確かに毎月のやつは若干減りますけれども、三十年間、しかも全体としては四百万円もなお余分に払わなければならないということでは救済措置になりません。  そこで、どうしても私は納得できないので、もう少しいろいろと検討してみたいと思うのですけれども、鉄道を、公共負担分ということで公団が一定のものを負担したわけですね。この鉄道の全体的な事業費は五百四十一億四千五百万円、まあ五百四十億。そのうち公団の負担が二百十五億円、半分公団が負担したというわけですね。そうして、その公団が負担した二百十五億円のうち百六十七億円をこの多摩団地の人たちに負担していただこうということで、一人当たりにすると三十万程度になるでしょう。これは民間の鉄道で、住宅をつくる場合に公団でこれだけ負担して、公団は原価主義だからお客さんにということで一人当たりにすれば三十万も負担をかける。その持っていき方というものを私はどうしても納得できないですね。民間ですよ。どうしてこういう契約をして、原価主義だということで——もう少し国なり地方自治体なり、または低利な資金を融資するという形でできないですか。そこのところへ鉄道を敷く、半分を公団で負担します、公団で負担した分をそこへ入るお客さんから負担を取ります、これでは公団に頼んで家を分譲していただくという者はたまりません。  そこら辺のところをいろいろとお聞きしますと、こういう話をつけているために時間がどんどんたってしまった、そうしたら物は上がってくるわ、利息はどんどんつくわ、そうしてますます高くなってしまった。時間がかかった中身を聞いてみれば、負担をかけることを一生懸命で話をしていて、そしてまとまったから、その負担もお客さんにかけ、時間がかかった分の利息もかけ、物価が上がった分もみんなお客さんでは、何のために公団がこういう制度を取り入れて環境のいい中身の分譲をしていくかということは、全く本末転倒になっていると私は思う。こういうものに対しての期待を裏切った公団の責任はどうなるのですか。総裁、ひとつ明らかにしてください。

南部哲也日本住宅公団総裁

○南部参考人 多摩につきましては、最初の住宅建設が行われた当時、各新聞からは、陸の孤島である、交通機関が全然ないということでずいぶん非難を受けたわけであります。私どもは、これにどうしても鉄道をつけたいということで、運輸省、建設省にお願いいたしましていろいろと施策を検討した結果、鉄道建設公団を仲介といたしまして国あるいは地方公共団体も補助金を出す、しかし、受益者である東京都並びに住宅供給公社、住宅公団、この三者が面積割りでまた受益者負担としての負担をするように、こういう国の決定に基づきまして、ただいま先生お話しのような鉄道についての負担が決められたわけでございます。  この結果、小田急、京王両方がすでに走っておりまして、かつて言われた陸の孤島としての多摩のニュータウン計画につきまして、一応足の問題についてのめどがようやく立ってきた、その結果、最近住宅建設が再開できるという状態になってきておるわけでございます。一応国の方の方針に従いまして、公団といたしましては鉄道建設の負担をしたというのが現在までの経過でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 同じ多摩の分譲住宅の譲渡の例ですけれども、永山団地で昭和四十七年十二月に譲渡したものについては、三DK、標準で四百六十一万円なんです。先ほどから申し上げていますように何といっても期間がかかってしまって、その間にいろいろな問題が起きたわけですよね。だから、そうなると、期間をかけたということがまず一つ問題なんです。ところが、じゃ、ここの土地はいつから皆さんが手に入れているかというと、昭和三十九年から四十三年の間にこの土地を買収しているわけですよね。昭和三十九年から四十三年にかけてこの土地をお買いになっている。そして、先ほど言いました、一平米にして二千七百四十円の土地を、長い間利息をかけかけ来て、そして、公共負担分を一切お客さんにかぶせて、一人頭にして百万円、先ほど申し上げましたように、利息にして一平米で一万三千円、そして、平米で二千七百円のものが、三方八千円でお渡しします、こういうわけであります。これは、いま私ずっと言ってきたのは、土地だけの問題を言ってきているわけです。土地というのは、買ったときに安ければ、造成費とかいろいろ言ったって、三万八千円にもなるというのは、だれだって不思議に思うですよ。その上に建設資材が上がって、今度合計されてくるから、一千二百万円にもなるわけなんです。いま私ここまで言ってきたのは土地だけの問題。その土地を手に入れたのは三十九年から四十三年まで、この間に土地を取得しているわけです。だから、安い価格で入った。それが長い間かかって、そのかかってきたもの一切をお客さんに何でも原価主義だという形でぶっかけて——これはもう債券者の人たちの会というのは、みんなで該当者は八百名ほどいるそうですけれども、五百何名入っているそうです。これは当然ですよ。それで、何とかならないか、何とかならないかということで、皆さんのところへ何回か陳情しているようですけれども、出てきた答えは、二十年で払っていくのを三十年にします。三十年にしてみたけれども、先ほど私が申し上げましたように、なるほど利息は安くしてもらったけれども、三十年間かけるのはなお多くなってしまう、これじゃ、とてもじゃないけれども、三十年間その人たちはどうやって生活していくのです。一生それだけのマッチ箱——マッチ箱と言っては語弊ですけれども、家を自分のものにするために終わってしまう、こういうことであります。  だから、何回か私言いますように、何といっても理解のできないのは、おおむね二・三倍という概算価格について、経済的な若干の情勢があるというのは、これほどの幅のことを言っているのじゃないと思うのですよ。だということになれば、この中身のいろいろな上がってきた分について、二・三倍におさまっていれば、私はこれほど言いません。ところが何といっても公共負担分も多くかかり過ぎています。皆さんの手で長い期間かけていたために、利息もかかり過ぎています。民間の鉄道までみんなそこへ負担をかけています。もっと真剣に考えて、これを根本的に解決する方法はないのですか。建設省のほうでもう少し態度を明確にしてください。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 いろいろ関係省にも相談をいたしまして、相当中身を詰めて、先ほど申し上げたような措置を講ずるということにしたわけでございまして、公団の現在のたてまえでございますと、新しく国庫補助金の道を開くかどうかしませんとこれ以上の改善はできない、実はぎりぎりのところまで検討をしたつもりでおります。できる限りこの線で地元の皆さんの御了解を得たいと思っておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 これじゃ、建設省もそうですし、公団も関連して信用がなくなるし、こういう人たちの期待を裏切ったことになるわけですね。もう国が行う住宅行政というものについてはみんな信用しなくなりますよ。それのみではありません。言いたくないと思ったけれども、申し上げますが、一月二十五日ですか、新聞に大きく出ています。皆さんのところでいろいろこれから発注していく場合に、すでに大手とカルテルを結んでやっている疑いがあるのじゃないかというようなことも新聞に出ていました。また、内部告発で、新聞にも出ていますように、皆さんの天下りは手みやげを持って、それでみんな天下りになっているというような問題も出ています。そういうところに、皆さんのやっている仕事は、約束と違って三倍にも四倍にもなって、中身は全くひどいものをお客さんに売りつけていく、これでは公団として、国としてやっている価値がありません。もう建設省、公団の信用は、いま申し上げましたほかにもいろいろ出ている問題も合わせて、信用はまるつぶれです。大臣ひとつ明確なる答弁をお願いします。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 南多摩の問題は、ここに至るまでにはいろいろ経緯があるようでありまして、私も実はまだこの内容はつまびらかにいたしてはおりません。しかし、実際問題として、鉄道をつけるのにその居住者が全部負担をせよという問題については、これは無理のあることは十分承知をいたしております。しかし、それなりにまた事情があって、それを承知の上で分譲住宅というものに入る人も契約をしたのではないかと思いますが、しかし、率直に言って……(中村(茂)委員「二・三倍じゃない、四倍にもなっている」と呼ぶ)それがその後最初の契約と比較をすると非常に大幅に住宅価格が上がったものですから、いまのような問題が起っておるわけでありますから、そういう問題について、私も実はまだ内容が十分わかっておりませんが、これはひとつもう一遍内容を十分に私も検討させてもらいます。これは率直に申し上げまして、いまここで明確な答弁はできません。事務当局もああいうふうにはっきりと答弁しておるのを、大臣が何とか考えますと言って、いいかげんなことを言うわけにいきませんから、私もう少し腹のあるように、内容を十分に検討させてもらいます。それでひとつ、いずれまたこれについての私どもの考え方を申し上げることにいたしたいと存じます。

天野光晴自由民主党

○天野委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

天野光晴自由民主党

○天野委員長 速記を始めて。

井上普方日本社会党

○井上(普)委員 関連して。  私はいまの問題につきまして納得できない点多々ございます。おそらくここでお聞き願っておられる議員諸公もそうだと思う。購入費が一平米当たり二千七百円で、その上工事費が九千円で、金利が合計しますと一万三千円、民間の企業でありましたらつぶれます。こんな非能率なことを公団がやっておるとするならば、私はもう一度公団の仕事それ自身を洗い直す必要があると思う。したがいまして、この問題については納得できない。われわれとしましては、これは委員長にお願いしたいのですが、理事会においてさらに詳細なる検討を加えていただきますよう御手配をお願いいたしまして、関連質問を終わります。

天野光晴自由民主党

○天野委員長 ただいまの井上君の発言はごもっともと思いますので、理事会で詳細に検討をいたすことにいたします。  質問を続行してください。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 それでは、いまの南多摩の債券の問題については私は保留をして、もう一点明らかにしていただきたいというふうに思います。  大臣に、席をはずす前に答弁していただいたわけですけれども、再確認の意味で一つだけお聞きしておきたいというふうに思いますが、住宅の第三期の計画は、五十年度で二期が終わるわけでありますから、五十一年度から第三期を策定するということですね。  それともう一つは、それにあわせて住宅基本法を、中間答申にも出ているしするから、検討し、法案をつくっていく、こういうふうに理解してもいいのですか。五十一年度からというふうに理解してもいいのですか。その点を……。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 結構でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 それでは、私は終わります。

天野光晴自由民主党

○天野委員長 清水徳松君。

清水徳松日本社会党

○清水委員 きょうは建設大臣の施政方針、また国土長官の施政方針をそれぞれお伺いしたわけでありますが、われわれとしては、この読み上げられた文章に関する限り、いずれの大臣のおっしゃることも基本方針としては非常に賛成する面も多いし、今後とも協力を惜しまないという気持ちでおります。  ただ、具体的にいろいろな行政なりあるいは施策を実行する場合、やはり相互に矛盾し、あるいは基本方針とずいぶん多くの食い違いがある場合も出てくるんじゃないか。しかし、それはできるだけそういったことのないように全面的に努力をしていかなければならぬ、これはお互いの今後の努力する課題であろうというふうに思います。たとえば公団住宅が良好な都市環境をつくるとか、あるいはまた環境の破壊をしてはならない、また道路の場合は、国土の保全あるいは災害の防止に反するようなことがあってはならない、そしてまた自然破壊あるいは環境の破壊といったようなものにつながるものであってはならないだろうというふうに思います。  それで一方、今日の非常に重要な問題として、総需要抑制下において建築事業あるいは建築行政を行う場合、中小企業に対して、特に零細の企業に対して温かい配慮が、実際仕事をやる場合にされなければならないというふうにも思うわけでありまして、これは国土長官の担当される国土利用の面においても全く同じではないかというふうに思う次第でございます。そういう点において建設大臣、あるいはいまおいでになりませんが国土長官——それでは建設大臣だけでもひとつ御見解を承りたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 所信表明で申し上げました問題は、私ども建設行政の一つの理想として掲げておりますし、それを現実にどういう形で実行していくかということの基本的な考え方を申し上げたわけでありまして、率直に申し上げまして、たとえば住宅の問題一つ取り上げても、今年は重点を置いておるとわれわれは言っておるけれども、それは他の公共事業と比較をして比較的予算が伸びておるという形でありまして、必ずしも私どもはそれを自慢しておりません。そういう面において、現実とまだ理想とには隔たりがあると思いますけれども、それへ近づけるために全力を挙げて努力をせなければならぬということはお説のとおりでありまして、そういった面ではまだまだ足りない面があるかと思いますが、特に住宅関係等においては五十一年度から新しい計画も立てなければなりませんし、公共事業等についても、御承知のような総需要抑制下にありますけれども、抑制下の中にあって新しい方策を創造せなければならぬ、これが私どもに与えられた責務だと思っておりますから、全力を挙げて努力をいたしてまいりたい、かように存じております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 その点においては、われわれも全く同感でございます。ただ、いま申し上げたのは、住宅問題よろしい、道路の建設よろしい、しかし、それについてはやはり、それが環境の改善のために資するものでなければならないし、あるいはまた自然保護を重点とするものでもなければならないし、そしてまた国土保全という立場でその機能を果たし得るものでなければならない。ですから、そのことなしに建設行政あるいは政策を進めるということは、われわれとしてはそれと矛盾するような形で進められると非常に問題があるということを申し上げておるわけでありまして、その点において、建設行政を行う場合十分配慮する意思があるかどうか、そのことをお伺いしたわけです。  同時にまた、たとえば仕事をさせる場合、大企業でなくて中小企業、特に総需要抑制ですから、その中で零細企業、中小企業、こういったようなものに温かい配慮が必要でありますよということを申し上げたわけでありまして、それに対して大臣はどうお考えになっておられるか、その点についてお伺いしたわけです。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 どうも、答弁漏れがありまして申しわけございません。  建設行政は、従来は大体高度成長に見合った産業基盤の確立という問題に重点が置かれておりましたが、もうこれからは国民の生活基盤整備というものに重点を置いた住宅、下水道あるいは生活の、といった問題に中心を置かなければならぬ。これは五十年度の予算でもそういう方向で進めておりますし、御趣旨に沿って努力をいたしてまいるつもりであります。  それから、中小企業の育成の問題でありますが、御承知のように、全建設業界の中で九九%以上が中小企業者でありますから、中小企業対策を無視して建設行政はあり得ないという考え方を私は持っております。したがいまして、いろいろと批判をされておりますけれども、私どもも至上命令として、特に中小企業に重点を置いて、あるいは発注の機会も与えるようにしなさい、あるいは大きな事業も、場合によれば必要に応じて分割してでも地方の中小企業に受注の機会を与えるように、これはもう至上命令としてやるべきという考え方で、その方針で進めていくつもりでありますから、御理解いただきたいと思います。

清水徳松日本社会党

○清水委員 大臣の御答弁を踏まえまして、さらにいろいろと大臣の御見解を承りたいと思います。  仕事をやっていく場合に、自然保護あるいは環境整備、災害防止、それから中小零細企業の擁護、こういったような立場で建設行政なりあるいは事業を進めていかなければならないということは、お互いに意見の一致するところであります。  しかし、その方針が行われておるのだという一つの判断というものはどこから出てくるか。これはやはり地域住民なり、あるいはまたその関係者の率直な考えを——それはある場合は非常に素朴な意見であるかもしらぬ、ある場合は非常にエゴと思われるような意見であるかもしらぬ。しかしながら、そういう率直な意見の中からそういう判断が出てくるのであって、少なくともそれを無視した形の中では、絶対にいま言ったような方針というものは貫くことができないものである、そういうふうに私は確信をいたしておるわけでありますが、どうでしょう、この際大臣は、建設事業やあるいは建設行政を推進する場合、その実施が百年の大計に基づくケースが少なくとも建設の場合は多いわけでありますから、その百年の大計の中でやる仕事について、住民の意思を十分に尊重していただいて、かりにその意思を貫くためには相当程度テンポが遅くなっても、やはりそれを尊重するという徹底した態度というものが必要になってくるのではなかろうか。関係住民の意思というものを無視した、少なくともそれを説得した、そういう努力というものを踏まえないで、多少工事を早めてみたところで、恐らくそれは百年の大計を実行するという、そういうことからすると、非常に誤った結果をもたらす場合が多いのではないかというふうに思いますので、その点、ひとつ地域住民、関係者の意見を尊重するという考え方について、大臣の御見解を承りたいと思います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 質問の意図がどこにあるのか、ちょっと迷いましたけれども、一般論として、少なくとも公共事業は、国民のため、住民のためにやるべきものであって、決して国が上の方から計画を決めて、計画どおりに権力でやるべきものじゃありません。あくまでも住民のための公共事業でありますから、その御意思を十分に体してやらなければならぬ。場合によれば、そのために若干期間が延びても、あるいはそのために若干費用が余分に要っても、それが本当に住民のプラスになる、百年の計画になることなら、当然考えなければならぬ。その間一官僚の考え方によって問題を処理すべきものでないというのが、私の基本的な考え方であります。そういう考え方で住民の意思を十分そんたくしながらやりたいと思いますが、ただ、住民の意思にもいろいろございまして、これもまた余り聞き過ぎておりますと、逆にそこにひずみが生ずる恐れもありますから、そういった面をよく判断をしながら、物事を間違えないようにやっていかなければならぬ、こういうように思っております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 私の質問に大臣非常に的確にお答えになりました。ありがとうございます。  そういうことで、それは住民の運動というもの、意思というものは、非常にエゴがある場合が多いですよ。だから住民運動です。しかしながら、たとえそれがエゴが強い場合があるとしても、そういったような意見というものを十分分析し、そしてそれに配慮した、そういう努力を積んだ、そういう経過を踏んだ上で仕事というものを進めないと百年の大計を誤りますよ、おまえたちは最初から誤っているのだというような考え方で仕事を進めたのじゃ本当の仕事はできませんよ、ということを申し上げたわけでありまして、いま大臣の答弁で私は満足をいたします。  そこで、以上の答弁を踏まえながら、少しく細かい問題になりますが、住宅問題あるいはまた建築資材等の問題について、そして時間がありますならばちょっと、自然破壊につながるであろう山岳地帯の観光道路、連峰スカイラインなんかも入るわけですが、そういったような問題を道路行政に関連させて質問していきたいと思います。ただ、時間が一時間でありますので、最後の方は次回に回すかもしれません。  最初は、まず住宅問題から入ってまいりたいと思います。  実は住宅公団のいま建設を始めました川口の芝園団地、この問題についてお伺いをいたしたいと思います。非常に細かいと言えば細かい問題ですが、この団地の構想というものは、奇抜と言おうか、余りにも珍しいケースなものですから、しかも住民との間にまだ多くの意見の不一致という点を残しておるものですから、この点お伺いをいたしたいと思います。  これは日本車輌の跡地であります。日本車輌の使っておった跡地を住宅公団が買収をいたしまして、そして京浜東北線に沿って十五階の建物を長さ延々五百二十八メートルにわたりまして、上から見ますとウナギの寝床のような、山脈のような、そういう公団住宅を建てようとしていらっしゃるわけであります。  われわれは公団住宅がこの地に建てられるということについては、それは賛成もし、協力も惜しみません。しかしながら、どうしてこういうような設計になったものだろうか。余りにも珍しいこういう設計でありますものですから、その点からひとつお伺いをいたしたいと思いますが、このような風変わりな設計というものは、恐らく日本では初めてのことじゃないかと思いますが、心理的には非常に威圧感を与えているようでありますが、いわゆる多大の迷惑を与えておるわけでありますが、この点について、住宅公団はどうしてこういったような設計になったのか、このような設計でなければならない何らかの理由があったのか、その辺のところからお伺いをいたしたいと思います。  そしてまた、建設省もこういったような計画を実行することについて了解を十分与えておったものかどうか、その辺のところもお伺いをいたしたいと思います。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 お答えいたします。  約三万七千坪の敷地でございます。それを四十六年に買収いたしました。それで、この中に現在約二千四百五十戸の住宅を計画いたしております。それで、比較的高い土地でございますので、全部高層住宅を計画いたしております。その中で、いろいろな関連公共施設のためには敷地をとっておりまして、小学校、中学校にそれぞれ約三千六一百坪の敷地を割いております。そのほかになお八千平方メートルの運動公園をとる、こういう計画になっております。  そういう広い空間をとるために、建物の方は自然高層になり、しかも周囲に日照問題を起こさないような、南北に軸を置きました住棟配置を主にいたしております。そういう南北に軸を置きました住棟を三棟配置いたしまして、残りのところに線路沿いに片廊下式の十五階建ての高層住宅を連続して配置してございます。ただ、連続しておりますけれども、先ほど申しました運動公園をとるために建物は途中でへっこみまして、そのふところに運動公園を抱いておる、こういう形になっております。これが形の上で全部連続しておりますのは、一戸でもたくさん住宅を入れたい、こういう結果でございます。  ただ、構造的には、この長い五百メーター以上の棟が三つに分かれております。それぞれの間隔三メーターで三つに分かれております。ただし、通路は避難の関係がありますから連絡をしてございます。それで三つに分かれた住棟の中をさらに八十メーター間隔で構造的には切ってございます。そういう形でございます。

清水徳松日本社会党

○清水委員 多くのスペースをとったということはよくわかりますが、こういったような設計でないとそのスペースはとれなかったということですか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 ただいま申しましたように、両方のすみに小学校と中学校の敷地をまず最初にとっております。その残りのところでたくさん住棟を入れるということで、必然的にそういう形が一番たくさん入る、こういうことになったわけでございます。

清水徳松日本社会党

○清水委員 こういったような山脈のような設計をしたら、ほかの近所の人はどういうような心理的な影響というか、どういうような感情を持つであろうかといったようなことは、皆さんの方は考えておられたのでしょうか。その点をお伺いします。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 その線路沿いの十五階建ての建物の高さは約四十二メーターでございます。それから、その線路沿いの建物の壁面から鉄道を隔てまして一番近い家屋が、町並みがありますが、それまでの距離が約七十メーターでございます。深いところは、こういうふうに引っ込んで約百五十メーターございます。そこでその仰いで見る角度、四十二メーターの建物を七十メーター離れたところから仰いで見る角度、これが約三十一度でございまして、これは普通の五階建ての住宅と、普通高さの一・六倍あけまして建てますけれども、それと仰ぐ角度は大体同じくらいだ、こういうふうに考えております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 だから、それが近所の人にどういうふうな影響を与えるかといったようなことは全然考えませんでしたか。百メートル先に四十五メーターのそういう山脈ができるわけですから。それがどういうふうな影響を与えるかというようなことまではあまり気にとめなかったようですね。その点……。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 その線路沿いの建物が、線路沿いで七十メーターと一番近いところになる区間、これが二ヵ所ありますけれども、長さがそれぞれ七十メーターぐらいあるいは百メーターぐらいというのが線路に平行しております。あとは斜めに傾斜して後ろへ後退しているわけでございます。

清水徳松日本社会党

○清水委員 斜めに傾斜と言ったって、こういうあれですよ。見てください。これが五百二十八メーターですからね。少しこれは湾曲していますから短いように見えても、少なくとも四百五十メーターありますよ、これはいまはかっても。ぼくはきょう東京駅、あれは約三百メーターくらいあると思いますが、七十メートル以上離れたところから見ても、あれは二階や三階だから、きれい、りっぱなものだと思いました。だけれども、あれが四十五メーター、しかも五百二十八メーター、考えただけでもぼくは息詰まるのです。いままだくい打ちを始めたばかりですからよくわかりませんが、いままではあそこは日本車輌があって、そう高い建物は建ってなかったのです。あそこは富士山が見えておったわけですよ。ですから、そういうところへ富士山ならぬ、今度は十五階の長い長い建物が建つといったようなことになれば、隣近所はどういうようなことを言い出すか。それは素人が——ぼくら素人ですよ、はっきり言って。皆さんベテランですよ。ですから、ぼくら素人が考えてもこれはただでは済まないと思うのですが、皆さんそう思いませんでしたか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 全部線路沿いに直に並んでおりませんで、一部分が後退いたしておりますので、その距離が一番奥深いところで百五十メーターございますので、それほどの圧迫感、これはないよりはあると思いますけれども、それほどはない、こういうふうに考えております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 皆さんはこういうような考え方で、せっかくりっぱな敷地を求めても、非常に安直な考え方で仕事を始めるから、多くの反対というか苦情が出てくるのであって、そういうような安易な仕事の仕方というものが、やはり今日まで住宅公団が多くの金を持ちながら十分うちを建てられなかったというような一つの大きな原因にもなっているのではないかというふうに思います。ぼくらは住宅公団に、うちを建てるななんという、そういう角度から言っているのではなくて、われわれは、公団にうんとひとつうちを建ててもらいたいというような気持ちを持ちながらいま質問しておるわけでありますから、公団がこういうようなはた迷惑といったようなことも全然考えないで、こういう奇抜な設計のものをやるというのは、ぼくは、もうすでに時期遅しの感がありますけれども、やはり住民の皆さんの立場に立って一言公団に物を言わざるを得ない。こういったようなやり方で今後仕事をやられたら、ぼくはろくな仕事はできないじゃないかというふうに思います。ですから宅開だ何だというような話も出てくるのであって、われわれは本当を言えば、宅開だなんというもいは公団がやるべきものであるというような、いまでもそういう考え方を持っておりますよ。だれけども、公団がこういったようなやり方でしか仕事をしないというような、そういうような了見でいる間は、私は公団というものは本当の仕事はできないだろうというふうに思います。  それでお伺いしますけれども、ちょうど風向きから考えると、いわゆる台風時の南西の風あるいはまた東北の風、こういったような——強い風というのは関東においてはこういう二方面です。そういう風のときに、明らかにこれはいわゆるつむじ風を起こす一つの構造のように見えますが、その点も考えなかったでしょうか。これは素人にもわかりますよ。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 いわゆる高層住宅を建てましたそのときの風の問題につきましては、これは風洞実験をいたしまして、建物が建ったときとそれから建つ前で、各方向から風が吹いたときにどういう変化があるかという状態を調査してございます。その結果で申しますと、建物の端のところで若干変化がありますけれども、その他のところではほとんど問題になるような変化はないという結果が出ております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 それが問題にならない成果といったようなものも、隣近所というか周囲の住民に説明をされましたでしょうか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 その風洞実験の結果については、周囲の方々に説明してございます。  それから、先ほどからのお話の中で、まず最初に公団がこの計画を立てまして、こういう配置で住宅を建てる、それから資材はこのルートで搬入をいたします、そういうような計画については、四十七年の十二月に各町内会長さんに集まっていただきまして、説明をしてございます。

清水徳松日本社会党

○清水委員 風洞実験をされたとおっしゃいますけれども、どういう建物がどういう形になっておった場合につむじ風、いわゆる巻き風といいますかそういったようなものが起こるかということは、われわれ実際に生活をしておる者が一番よく知っているわけなんですね。ですから、そういう実験でどういうデータが出たか、それはわかりませんが、それでもやはり説明をする必要があろうと思いますし、さらに、こういったような、素人が考えても非常に危なっかしいというような建物を建てているわけですから、ただ町内会長を集めて説明したといったようなことじゃなくて、それを文書か何かにして、あまねく、こういうものを建てます、こういう風圧等については問題ございません、日照についてはこうでございますというようなことについて、これだけでっかいものを建てるのですから、日本一の建物を建てるわけですから、やはりもう少し親切に住民に対してそういうデータを示すべきじゃなかったかというふうに思いますが、それを実行されたかどうか、お伺いします。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 もう少し最初からの経緯を申し上げますと、まず四十六年に用地を買収いたしまして、計画を立てて川口市と相談をいたしました。その時点で、この団地は、御承知のように、川口市と蕨市とちょうど境目にありまして、道路一つ隔てた向かい側は蕨市でございます。しかも、資材の搬入路が主として蕨市を通るものでございますから、川口市の方から、公団からまず蕨市の方の地元の人たちに十分説明をしろ、こういうようなお話もありまして、蕨北町というところにつきましては、四十七年の九月から四十八年の四月にわたりまして詳細にいろいろ説明もし、御意見も聞いております。それからさらに、その途中で、先ほど言いましたように、四十七年の十二月に、これは広く周辺全部の町内会長さんに、図面を配って説明をいたしました。それからその次に、その蕨北町の話が済んだ段階で、今度は川口市の方の芝南町の方たちと四十八年の四月から四十九年の八月まで話をいろいろいたしました。  それで、ただいまは鉄道を隔てた向かい側の町内の方々と話し合いをいたしておりますけれども、それまでの間にその鉄道を隔てた向かい側の樋爪地区の方々からは別に要望もございませんでしたので、正直申しますと、私どもは鉄道の向かい側は問題がない、こういうふうに考えておりました。ところが昨年の九月に、樋爪地区の方々から、先ほど言いました日照の問題、工事騒音のことでいろいろ話がございまして、それで、工事騒音につきましては、基礎を打つ工法を、普通のスチームハンマーで打つ方法から、中掘り工法といいまして、騒音、振動の少ない工法に変えました。そういうことに変えると同時に、その他現在なおいろいろ御要望がありますので、工事は進めておりますけれども、いろいろ話し合いを進めておる、こういう段階でございます。  先ほども申しましたように、私どもは、やはり周囲からいろいろ御意見があれば——当初樋爪はございませんでしたけれども、御意見が出てきた以上は十分お話を聞いて、それでできることは私どもの方で対処いたしますけれども、何しろ工事はもうそういう形で発注して進めておりますので、そのものの姿を変えることは困難だと思いますけれども、その余のことについて、周辺の環境をよくするような方法があれば努力をいたしたい、こういうふうに考えております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 形を変えるわけにいかないというのはどういうことですか。なぜできないのですか。可能なことは何でもする——人間のつくることですもの、人間ができないことはないと思いますが、可能なことは何でもするということと、形を変えることができないというのはどういうことですか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 どうも私の表現が悪いかと思いますけれども、ただいまもうすでに工事を発注いたしまして、ああいうたくさん住宅が入る形で工事をやっておりますので、設計変更するのは、私どもとしては、非常に工事が手戻りになるから困難だ、こういうことで、物理的にできないという意味で申し上げたわけではございません。

清水徳松日本社会党

○清水委員 それじゃ、前に長い間、この蕨あるいはまた川口の芝南町といいますか、こちらの方とは大分お話し合いが長かったようです、いま御説明されたように。これは、当初このA棟というのは十五階から十階に下げたり、それからG棟というのは二十五階を十四階に下げるといったような、大分大きな設計変更があったようですが、これはどういうわけなんですか、理由は。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 二十五階建てを実は当初計画いたしておりましたが、それは十四階建てに変更いたしました。その理由は、資材搬入路の関係から、トラックを既存の市街地を通す量をなるべく少なくする、こういう地元の要望がありまして、大半を貨車輸送に、それでトラックは一日四十台、こういうふうに限定いたしました。そういう資材搬入の関係からいって、二十五階建てを建設することは非常に不経済である、こういう結論になりまして、十四階に変更いたしました。  それから、芝南町に面した住棟を実は三十メートルばかり後ろへ引っ込めまして、いま先生がおっしゃいましたように、住宅の上の方をちょん切りまして、七階と十階にいたしております。これは実は当時、あそこに堅川落としという排水路がございます。この排水路を改修することが芝南町にとっては非常に問題である、ぜひこの際改修しなければいけない、こういうことで、地元川口市の市議会においても、まず公団はこの芝南町の住民の方々の同意を得てこい、その同意を得なければ市議会では審議できない——審議ができませんと結局公団は建設できません。そういうことで、いろいろ地元と話し合いをしました結果、妥協としてああいう、建物を低く、頭の方をちょん切る、こういうことになりまして、それで、まああそこが、芝南町が賛成するならということで市議会の同意も得まして、用地を買収し、発注してから二年半も交渉をしておったのが、やっと昨年の七月に工事が再開になったわけです。その再開になったあとで樋爪地区の方々からまた御要望が出てきた、こういう経緯でございまして、私どもとすれば、これほど時間をかけて地元周辺の方々と話し合いをしてきたものでございますから、工事はこのまま続けながら、樋爪地区の方々にもいろいろ御要望を十分お聞きして何とか納得をしていただきたいということで、いま努力をいたしておるところでございます。

清水徳松日本社会党

○清水委員 いま言ったように、資材の搬入あるいは不経済、これは公団のみずからの理由でしょう。それからもう一つは、やはり一番決定的であったのは、住民との話し合いの中でどうしても下げろということだったと思うのです。ですから、そういうふうに話し合いの中でそれだけの設計変更なり計画変更ができるわけですから、いままだくい打ちの最中ですから、これは山脈をある程度下げるというようなことは、私は決して不可能なことじゃないというふうに思いますよ。われわれの小さなうちでも、建設やっているうちに大きくしたり小さくしたりずいぶん設計変更します。それだってずいぶん経費はよけいかかったりします。だけれども、やはりみずからの便利のため、あるいは隣近所に迷惑をかけないためにはそうせざるを得ない。われわれ小さなうちをつくるにしてもそれだけのはた迷惑を考えるわけですから、なぜ公団が、いまこっちの線路の東側の方からのいろいろな問題提起があったにもかかわらず、形は変えられません、設計変更はできません、こういうことをお言いになるのか、ちょっとその真意がわかりません。そんなことでは絶対に住民も納得しないだろうし、われわれ自体が、そういう形で公団が強引に仕事を進めるということについては絶対に納得できないと思うのです。お答え願いたいと思います。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 私は強引に仕事を進めるつもりはございません。ただ、現在の十五階建てで、日照条件、樋爪地区に建物の影が落ちますが、その日照状態を見てみますと、川口市の中、高層建設に関する指導要綱に適合いたしまして、冬至の四時間日照を確保いたしております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 そんなことはわかっておりますよ。ほんとうにこの南町の人たちが少しでも下げてもらいたいという意向は、むしろ直線距離からしたらこっちの塚原、樋爪ですか、こういった地域の方々の方が近いぐらいですからね。ですから当然そういうような意向というものを持っているということは推量できることですよ。だから、それは日照だ何だと言っておりますが、この人たちのほんとうの気持ちというのは皆さん想像したことありますか。ぼくはまだそこの人たちと会っておりません。ほんの代表の人たちから話を聞いただけです。聞いただけだけれども、この町の人たちは、そういう山脈がいままで富士山の見えたところにはばかるように建てられるということについて、非常に脅威を持っているわけですよ。心配を通り越して脅威を持っている。ですから、いまからじゃどうにもならないとしても、少しでも低くしてもらえぬだろうかというのが真意じゃなかろうかと私は思います。その辺のところも含めて、公団は全然配慮の余地ありません、もうすでに時期は遅いです、がまんしてください、ほかのことは何でもやりますと言ったって、やること何もないと思いますよ、はっきり言って。やることは何にもないと思います。何かありますか。皆さんの方で考えろと言ったって、銭でもよこせというようなことはあるかもしらぬけれども、この町の人たちは銭よこせなんというようなことは一つも言っておりませんし、そのつもりも毛頭ないわけですから、何かやってやると言ったってやることはおそらく何もないでしょう。やってやれることは、多少なりとも、近間だけでも少し下げて、そして勘弁してもらうというような誠意でも示すならば、これはある程度納得してくれるかもしらぬけれども、このままの状態だったら子々孫々の代まで住宅公団はひどいもんだというようなことを残すだけになりやしませんか。そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。このままじゃ絶対に納得できませんよ。片手落ちですよ、そんなのは。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 当初樋爪地区からいろいろ御意見がありまして、それで列車の反射騒音、ああいうふうに長く建つと、現在列車が通って騒音がありますけれども、反射騒音があるのではないかというような感じ、それから先ほどの先生おっしゃいました風害の問題、それから眺望権といいますか、従来富士山が見えておったのが見えなくなる、こういうようないろいろお話がございました。  それで、反射騒音につきましては、これは専門家に調査してもらいましたけれども、ほとんど変わりがございません。反射して音がふえるということは数量的にはほとんど測量できないぐらいだ、こういう話でございます。しかしながらそういう建物が建って、やはり目に入るわけですから、圧迫感はあるといえばそれは感ずる方もおると思います。そういうことについては、だから例示をいたしますと、遮音板を建てるとか、あるいは高い木をたくさん植えるとか、そういう周辺の環境整備ということでもっていろいろ地元の方々とお話をいたしたい、そういうふうに考えております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 そんなことで地元の方々満足しません、公団が直接いろいろ折衝はしているでしょうけれども。私は何にもやってないですよ。だけれども、私がただ考えただけでも、そんなことで東側の人たちが納得するはずはないですよ。とにかくびょうぶを少しでも低くしてやるという、そこの一点にしぼって解決策を見出すよりほかないだろうというふうに思います。  ここは百五十メートルくらい離れているところもあるわけですから、そういうところをどうするとか、百メートルの近いところをどうするとかという、多少そういう面でこれだけ下げてあげますとか、実際の設計の変更といったような面で誠意を示しながら納得させるという手しかないような気がするわけです。どうしてもそれすらもだめだというのだったら——公団は何をやるつもりでいるか知りませんが、線路の西側の方に木を植えるとか、防音壁をつけるとか、あまり住民の人が要望しないようなことを盛んに持ちかけているらしいけれども、そういう見当違いなことでもって住民を納得させようなんて了見でいること自体がおかしいと、ぼくは言っているのです。すべてそういうふうに、相手の気持ち、心をつかまない状態で強引に仕事をしようとする官僚的なやり方というものが公団にあるのじゃないか。それは私は絶対に納得できない。この意向というものを全然無視して工事を今後続けるつもりでありますか。  いまくい打ちの状態でしょう。形はまだ見えていないです。だんだんできてくると、ますますその反対は激しくなってくるのじゃないか。どうにも一ならないような状態になってから、結局は住民をそれこそ圧殺するといったような形でこの公団住宅を完成するといったような結果にならないように、私は念願をしておるわけです。しかしながら、いまの上野さんの考え方だと、どうもそういうような方向が強い。これからできることですからやってくださいよ。われわれだって、小さなうちを建てる場合だってやるのですから、公団でやらなければそれは国民の公団にはなりません。大臣だって言っております。ほんとうに環境を破壊しないように住民の意思を尊重しながらやりますと、非常に満足のいく答弁を大臣はしておられます。ところが、下で実際の仕事をされる公団はそういうような仕事を今後ともやっていくつもりですから、公団は信頼されなくなります。さっき中村さんの取り上げた多摩ニュータウンの問題にしても、公団の言うことは当てにならぬ、こういうことでは公団は仕事ができなくなる。井上先生が追及された、うちも建てられない公団だったらやめちまえ、こういうことになりかねないと思いますが、その点どう思いますか。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 本団地の計画に当たりまして、塚原地区及び樋爪地区の方の皆さんに対しましては、昭和四十七年の十三月に計画の概要を説明したということでございますが、ただいま現地の強い御要望もお伺いいたしましたので、私どもといたしましては、公団に対し十分誠意を持って地元の方々と協議を進めるよう指導してまいりたいと思います。ただ公団といたしましては、十分協議を進める中で地元の納得をいただけると現在思っているようでございまして、その点、今後のいろいろな地元協議は、その経過によると思いますが、できるだけ誠意を持ってやるように公団を指導してまいりたいと思います。

清水徳松日本社会党

○清水委員 地元の住民というものは非常にこれは物を言わない人らしいです。非常におとなしくて、最近になってから——普通のブロックの公団が建つとばっかり思っていたらしいのです。それがあんな山脈ができるので大騒ぎになったというのはつい最近なんです、暮れになってから。ですから、地元の気持ちというものを、私たちは政治家ですから察しているわけです。これはいろいろ私もその場に住んでおる者としての立場になって考えているのですが、やはりその山脈を少し削ってもらうより、私はいまからじゃ公団にやってもらう何物もないような気がいたします。人の気持ちをひとつ察していただきたい。そうでないとこれからは何にもできませんよ。われわれも了解しません。そんなやり方だったら、少なくとも建設委員として私は絶対にそれはもう了解できません。その点だけは強く申し上げまして、これはまた——これはまだ二年間ぐらいかかるそうですから、二年間続けて、私はまた当選してくるかどうかわかりませんが、やりたいと思います。  それは一つ終わりまして、次に、これまた、住宅局長いま答弁に立たれましたが、ちょっと納得のいかない問題がここに一つ持ち上がっているものですからお伺いをいたしたいと思います。  建設省の大臣以下の非常な御努力によりまして、住宅金融公庫の五万戸の枠の拡大が決定されまして、これが一月の九日追加融資が決定をいたしました。その点について深く、まあ不満足な点もありますが、敬意を表したいと思います。ただ、この五万戸の融資の決定はよいけれども、一月九日に融資が決定したと思ったら、もう今度はすぐ一月の十四日に、早速大手のプレハブ業者ですか、この方々と、ホテルオークラという話もありますが会合をして、あなた方には大体一万戸以内ということで枠を割り当てるからといったような内示をしたというようなことをわれわれは聞いたわけです。大手がどこであるか、そういうところまではぼくら言いませんが、ただそういうような、何かと言えば、決めると大手を呼んで何というかそういったような内幕を漏らすといったような、どうもその態度が多くの誤解を生む一つの原因になっているんじゃないかというふうに思いまして、これまた、先ほど大臣の御答弁を得ました、細かい中小企業あるいは零細企業を助けていくというような大臣の答弁とはちょっと違う方向じゃなかろうかと思いまして、御質問を申し上げたいと思います。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 今回の公庫の融資の追加につきましては、まず第一は、国民の皆さんの御要望にこたえるということが第一でございますけれども、同時に端境期にあります中小工務店、建材店の皆さんにもやはり仕事がふえるようにというのがわれわれの願いでございました。ところが相当前から、公庫の融資再開近し、来年は六分に金利が上がる、したがって私が代行いたしますからプレハブをじゃんじゃん申し込みなさいというふうな、まことにけしからぬ広告をプレハブ業界がいたしました。そこで、協会を通じまして、相当きつい申し合わせといいますか、協会内部の自粛が行われることになりました。ところが、そういうふうなことの後でも、なおかつ某々プレハブ業者の方でそういうような宣伝をいたしました。これに対しましては、私ども、どうも時宜に適さないので、私のところまで来ていただきまして戒告書を渡しました。こういうことは自粛してもらいたい、そうして将来にわたってこういうような広告をなさるといろいろ困るぞという、相当きつい注意もいたしました。さらに、もっとそういうような趣旨を徹底いたそうかという、ことで、公庫−私の方からも一部参りましたけれども、特にプレ  ハブの方で公庫融資につきまして過去国民の皆さ  んの選択がずいぶんだまっております。毎年二一、二%のプレハブが大体公庫融資で出ておるようでございます。そういう中で皆さん方が余りこれ以上そういうようなあおるようなことをされると困るぞということを、きつく自粛を促したというのが真相でございます。その際に、自粛と言っても、どうも全然ゼロというのも困るし、何がめどなんだという話が出たそうでございまして、そのときに、まあまあいままでのシェアで言えば過去数年間の平均は大体二割程度であるということを申し上げた。同時に、これは決してそういうことで皆さん方の方に割り当てたものじゃない、結果として国民の皆さんが全部プレハブを選択なさるなら全部がプレハブでも仕方がないし、ゼロでも仕方がない、ただし皆さん方があおる行為をやって、そういうふうな過去のシェア以上に大いにあおるようなことは絶対自粛してくれ、こういうことを申し上げたというのが真相でございます。  以上でございます。

清水徳松日本社会党

○清水委員 そういう金融公庫法十八条を遵守しようという、公平にやろうといったような考え方でそうしたと言うのだけれども、どうもどこにも何にも発表してないその段階で、ホテルに業者を呼んで、そこでこれこれを限度としてといったようないわゆる誓約のつもりでの数字であったとは言っておりますが、とりようによっては——とりようによってはというか、これは一般の零細な業者からするならば、明らかに一つの枠を与えたというふうに見られても当然じゃなかろうかと思います。ここに各社ごとの数字まで出ておるわけです。このようなやり方というものは多くの誤解を生むことになりはしないかというふうに思うわけです。特にこの監督官庁の癒着の批判の声に、公正取引委員会でも正式には取り上げてはおらないようだけれども、どうもこれは独占禁止法違反ではなかろうかというような疑いがあるやに聞いておりますが、その点住宅局長、どのように思われますか。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 その当日の会合の際に、公庫の方から大体過去のシェアを計算してみるとまあこの程度ではないかということを示したのは事実のようでございます。ただ、そのときに、先ほど申し上げましたように、これはあくまでそういうような自粛のめどであって、これを必ずやれということじゃない、割り当てではないということを明瞭に申しております。いわんや国民の皆さんがこれをオーバーして申し込まれた場合にはわれわれもやむを得ないし、少なかった場合もやむを得ない。しかし、何にもめどがなくて自粛自粛と言っても仕方があるまいから、まあまあ過去の皆さんのシェアを逆算すればこの程度かなということを申し上げたと申しております。  なお、独占禁止法違反かどうかという点につきましては、われわれも独占禁止法八条違反ではないかという指摘もほかからございましたのでいろいろ調べましたけれども、現在のところ一切そういう点はないというふうに公取でも了解いただいておると思っております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 この五万戸の融資の枠の拡大については、組合で言うならば全建総連、いわゆる大工さんたちの一人親方の多く入っている組合ですが、この人たちが大変熱心に建設省あるいは住宅金融公庫等に働きかけまして、何とかこの不況下を切り抜けるためにはどうしてもこの融資の枠をふやしてもらいたいということで、皆さんとずいぶん熱心な折衝の結果、またそれぞれ各界の、また各政党からの熱心なる働きかけの結果、これが、また皆さんも一生懸命やってもらった結果、こういう五万戸の拡大ということになったわけでありまして、そのいきさつからして、最も苦しんでおるところの零細業者に対して政策的に行政指導するならば優先してやらなければならなかった、それなのにもかかわらず、全建総連の方を呼ぶんじゃなくて、むしろ大手だけを先に呼んで、いわゆる八千戸なり一万戸の枠を与えてしまったというその態度については、大変な誤解を生む結果を生み出しておるということになろうかと思いますが、こんなことを今後ともおやりになるつもりかどうか。また来年度もあるわけですからね。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 誤解をいただきますような問題を起こしたことについては、やり方がまずかったと思います。今後そういうことは絶対させません。それから、今回のことにつきましても、何度も申し上げますように、割り当てたものだとは絶対思っておりません。今後につきましては、やはり国民の皆さんの公正な選択に任せて融資を進めるというのが基本であろうかと思っております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 全国的に非常に大手の業者に先取りされまして、一般の市民が銀行に申し込みに行っても、もう一日か二日で用紙が買えなくなってしまったというケースがうんと出てきておるわけです。ある場合は、これは埼玉に起きた問題ですが、銀行にイの一番に夜明けから立ちん坊しまして、確かに第一番に申し込みをした、ところがその順番は四番であった。第一番に、だれも先に行っていないにもかかわらず、順番が四番であったというようなケースがあるわけです。それじゃ、だれが一体一から三まで申し込んだのか、そういう非常に納得いかないケースというか問題というものが各地域にあるわけです。そういうようなところから見ると、おそらくその一から三というのは、このプレハブ関係の大手業者との癒着に原因する、それが一から三まで占めたんじゃなかろうかというような、そういう類推まであるわけでございます。  これほど大手業者というものと銀行、あるいはまた大手業者と役所、建設省、住宅金融公庫、こういったようなところの癒着があるのではないかという、非常に疑いの多い事象がいま出ておるわけであります。そういったようなことからして、国民のこのような疑惑を解くためには、建設省なりあるいは住宅金融公庫は今後どういうような対処をするか、そのこともあわせてお伺いをいたしたいと思います。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 先日、全建総連の皆さんとお会いしましたときにも一、二そういう話が出ております。本当であればゆゆしいことだと思います。したがいまして、事実を調べまして、全国に八千店ほどいろいろな銀行の出先をお願いしておるわけでございますけれども、そういう間違った指導をしているところがございましたら、新年度からそういうものは一切指定店を取り消すという態度で臨みたいと思っておる次第でございます。

清水徳松日本社会党

○清水委員 こういったようなことで、最後の数字は出ておりませんが、実際住宅金融公庫の受け付けておる中小零細業者の数というのは大体四万戸をずっと下るんじゃないかというふうに思われるわけです。大手が大体一万戸程度いっているんじゃなかろうか。まあこれは建設省の方でもそういうふうに見ておるようですが、そういった中で相変わらずやはり大手に抑されまして零細の業者というものは非常に苦しんでおる。それを救済するということもあるし、さらにまた、一般の住宅を建てようとする市民の要望というものは非常に強い、本当に一日か二日で締め切りになってしまったというような状況がほとんどのようでありますから、この住宅金融公庫の枠の拡大に対する念願というものは非常に強烈なものがまだあるであろうというふうに推定されるわけでありますので、建設省はこの罪滅ぼしと言っていいかどうか、こういったようなことをもうすでにやってしまったんでしょう、やってしまったから、どうしても所期の目的を達成するためには、基本線八万戸でがんばったわけでありますから、あと残り三万戸を何としてでもひとつ折衝をして獲得をしていく、拡大をしていくというような努力を今後ともすべきだと思いますが、どうでしょうか。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 本年度は年度内で個人融資をすでに七万戸追加をいたしまして、さらに五万戸の受け付けを、再開いたしております。そのための財投追加が二千六百六十七億ということでございまして、相当な追加をいただいたわけでございます。現在のところ、私ども独断で今後どうすると  いうことをお答えにくいのでございますけれども、私どもの考えといたしましては、なるべく早く次の受け付けを来年度分につきまして再開できるように努力したいというのが、目下の一番の努力すべき方向じゃないかと考えておる次第でございます。

清水徳松日本社会党

○清水委員 まあプレハブの七社だけとそういったような談合をしたということになっておりますが、同じプレハブでも、もう全国四十社以上あるというふうに聞いております。ですから、プレハブの業者の中でも非常に大きな問題になっているんじゃないかというふうに思います。さらにまた零細の業者、全国大体六十万を超すと言われております。その中で、もう一万戸大手に取られてしまうというふうな状況ができてしまっておるわけですから、これに対して、本当を言うならば建設省としても相当強力な是正のための手段を講ずべきであるというふうにも思いますし、六十万の零細業者の救済のためにも、この住宅金融公庫の枠の拡大ということにさらに努力をしてもらいたいし、また、一般の住宅ローンの緩和といったようなことについても強い行政指導というものをやってもらわなければ困るというふうに思いますが、その点どのようにお考えでしょうか。

山岡一男建設省住宅局長

○山岡政府委員 現在までのところ、実はどれほどプレハブがしたか、現状をまだ全部つかんでおりません。ただ抜き出して大きいところ二、三聞いてみますと、いずれも従来のシェアよりは下回っておるようでございます。なお最終的になるべく早くプレハブの総数をつかんでみたいと思っておるところでございます。  それから、金融公庫の融資の拡大につきましては、来年度も相当なことをやったということになっておりますけれども、時代の推移を見まして、弾力条項等もございますので、年度の途中においてはやることがあるかもしれぬぞという話は、大臣からも大臣交渉の際にしっかり言ってもらっております。今後の推移を見守って十分努力したいと思います。  住宅ローンにつきましては、再三大蔵省に申し入れまして、実はわれわれが要求いたしましたリファイナンス制度は実現しませんでしたけれども、それにかわる住宅ローン増強措置を責任を持って講ずるからと大蔵省も言ってくれております。今後の推移を見守りながら絶えず住宅ローン拡大の方向で働きかけてまいりたいと思っております。

清水徳松日本社会党

○清水委員 一応住宅問題はそれでおしまいにいたしまして、時間がありませんから短時間、年来私の手がけてまいりました砂利採取、採石、それから土等の問題について質問をいたしたいと思います。  砂利は砂利採取法、石については採石法等によって取り締まりをしているわけですが、一番事業所も多くまたいろんな問題も起こしております土の採取について別段の法律は現存ないわけでありますが、それはいかなる理由においてそのようになってきておるのか。これはまあ仮称ですが、土採取法の制定については政府は検討をするというようなことでこの三年来言ってきておるわけですが、その後どういうふうになっておるのか。それからまた、その実態はどういうふうになってるか、調査するということになっておりますが、その点についてお伺いをいたしたいというふうに思います。建設をするための非常に重要な骨材と申しましょうか資材でありますので、その点について、関連がありますのでお伺いをいたしたいというふうに思います。

増岡康治建設省河川局長

○増岡政府委員 お答えいたします。  昨年の二月の本建設委員会におきまして、先生からいまの土の採取についての御指摘なり御質問を受けたわけであります。先生のおっしゃるように、この土の採取についてはいろいろぴしっとしたものがございませんが、建設省河川局におきましては、先生の趣旨を体しながら、昨年五月末に防災的見地から、掘削、切り土、盛り土及びのり切り等の地形変更が行われている面積が一ヘクタール以上の区域につきまして土採取の実態調査を行いました。これには、対象といたしましては、一般の公共事業だとかあるいは公団等の絶えず打ち合わせができてるものを除きまして、やはり防災的見地ということで民間事業にスポットを当てて調査したわけでございます。  調査の結果を簡単に申し上げます。第一番目は、一ヘクタール以上の個所が約三千カ所ございました。  二番目、そのうち防災工事が実施してある個所が約二千カ所ございました。  三番目、採取の目的別個所では、宅地造成が約四五%でございます。それから土、いわゆる埋め土、盛り土のための素材が三一%でございます。ゴルフ場が約一〇%、その他となっております。  現在土採取の条例等によりまして取り締まりを行っている県は、埼玉県ほか九県でございます。その他の都道府県におきましては、土地利用対策要綱だとかあるいは大規模開発指導要綱等となっております。  土の問題につきましては実態が非常に複雑になっておりますので、現在までにいろいろ統計資料はとりましたけれども、河川局の立場から申し上げますと、さらにこれは調査する必要がある。先生の御指摘どおりでございます。したがいまして、昭和五十年度におきましては、行政部費をもちまして、この地形変更によりまして人家なりあるいは公共施設等に被害を及ぼすような影響の著しいものにつきまして、各県におきましての実態調査をさらに続行させていただきたいと思います。  以上で実態調査の内容を終わります。

清水徳松日本社会党

○清水委員 いま言ったように埼玉県ほか九県、これは条例でもって規制をしております。これはいわゆる届け出制をとっているところと、埼玉のように認可制ということで一段強めているところもあるわけでありまして、その点特に公共事業その他、ここで見られるように、宅地造成、ゴルフ場等の工事の盛んな関東、中部、近畿圏等において非常に多いと思いますので、やはりこれはきちっとした法的な根拠を与えてやらないと、条例だけではなかなか徹底を欠くという場合が非常に多いわけであります。  あとで続けて質問しますけれども、この土採取に限らず、砂利採取法それから採石法等についてもいろいろ問題があるけれども、法的な不備というものも非常にあるようであります。そういったような関係上、ぜひこの土採取については法的な規制というものを考えていかなければならないのじゃないかと思いますので、問題を提起だけしておきたいと思います。今後とも十分ひとつ検討をしていただきたい。  現在法律としてある砂利の場合の砂利採取法、石の場合の採石法はいずれでもそうですか、問題が出てまいりますのは、採取なり採石なりのその場合の問題ではなくて、むしろ運搬の過程でダンプ公害あるいは交通災害等のいろいろ問題が出てまいりまして、それが一般の市民から多くの反対をされるという一番大きな原因になっておるわけでございます。こういうような、むしろ採取の場所そのものよりも、そこから出てからの問題が非常に多いということで、この点について砂利採取法あるいはまた採石法に何かしらやはりこれから手直しをしていかなければならない問題点があるのではないかと思いますので、その点について通産省の担当の方から考え方をお伺いをいたしたいと思います。

木原滋之通商産業省生活産業局窯業建材課長

○木原説明員 いま先生御指摘の砂利の災害につきましては、御指摘のように二つほどございます。一つは、砂利の採取現場における災害防止ということでございますし、もう一つは、砂利を運搬する過程における輸送上の問題というのがございます。輸送上の問題につきましては、これも三つに分けられるかと思います。一つは交通災害の問題、ダンプが通ることによって人身事故が起こる、こういう問題であります。それから二番目に問題になりますのは、大型ダンプが通ることによって道路が破壊されるという問題でございます。もう一つは、水を十分切っていない水たれ運転と申しますか、道路に汚い水をこぼして運転する、この三つの問題があるわけでございます。  砂利採取法の改正を四十三年にやりました際にこの問題は十分検討をいたしてまいりました。そしてこの砂利採取法の中に取り込むかどうかということを考えたわけでございますが、第一の交通災害の問題、これはすでに当時から道路交通法がございます。これによって交通規制を行うことができるわけでございます。したがってこの砂利採取法の中には取り入れなかった。それから二番目の道路の破壊、これは道路法というのが当時すでに制定されておりました。こちらの方で道路の破壊についての規制を行っております。それから水たれの問題、これは挙げて砂利採取現場における処理が悪かったということでございますので、これは砂利採取法の体系の中で排除できるということで水切りを十分やり、一時その保管をやって水がたれないようなかっこうでトラックに積む、こういうかっこうでやらせておるわけでございます。  ただ、一番初め申しました交通災害の問題、これは非常に重要な問題でございます。そういうことで、砂利採取についての認可計画書が担当のところに出た場合には、これの担当部局は、一級河川であれば建設省の地方機関、それからその他のものにつきましては、これは都道府県知事が認可することになっておりますので、その担当部局に認可申請が出ました場合には、これは市町村長の方に通報するということに法律上はなっております。また、通達によりまして県の公安委員会に連絡して、公安委員会にも同様な認可計画書が回ることになっておりまして、そこで協議が行われて、それで問題がなければ認可する、こういうふうな法体系になっておるわけでございます。

清水徳松日本社会党

○清水委員 そういうような法体系になっていると言いますけれども、実際はなっておらないと思いますよ。  実は、これは端的な一つの例を申し上げたいと思うわけです。通産省、それから建設省両方にぜひ知っておいていただきたいと思いますのは、昭和四十八年、おととしになりますが、三月二十七日に埼玉県で知事が、埼玉県秩父市内での株式会社亀井石産という業者から出された採石認可申請、これを秩父の市議会からも絶対にだめだという反対意思表示もあったりして、市長みずからいろいろ県庁へ来たりして、それも一つの配慮の一番原因だと思いますが、この認可申請に対して不認可処分を出したわけです。ところが、亀井石産から処分の取り消しの訴えが公害等調整委員会の方に出されました。そして去る六月二十七日、公害等調整委員会の裁定委員会が処分庁の岩石採取計画不認可処分を取り消すというふうに裁定をしたわけです。埼玉の知事の方は、住民の納得も得られないし、地域における自治体の反対もあるし、さらにまた、いろいろ判断をして公共の福祉に反するということで、これは採石法第一条ですか、それからまた三十三条の四、こういったところを根拠にいたしまして不認可処分をした、それに対して訴えた。そして、その不認可処分はよくないということで公害等調整委員会の方で裁定をしたということになるわけです。それでとうとう県の方でも困ってしまって、ことしの一月九日採石の許可を与えざるを得なかったというところまで追い詰められたということなんです。  こういったようなことがあったことは通産省、建設省御序じでしょうか。去年質問をちょっとしたこともありますが……。

山村和男資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○山村説明員 お答えいたします。  先生ただいま御指摘の亀井石産に関する公害等調整委員会に対する裁定問題につきましては、私の方で存じております。  この問題につきましては、先生御指摘のように、採石業全般といたしまして、一つは採石に伴うところの災害と、それから運搬問題に伴う交通災害と、二つの問題があることは御指摘のとおりでございまして、今回の埼玉県の亀井石産に対する不認可処分は、公害等調整委員会からのお話によりますと、不認可処分にした理由の第一点は、第一条の目的条文に沿わないがゆえに不認可にしたということでございますが、目的条文は、法律の設定の趣旨、目的等を規定したものでございまして、それに基づいて不認可にすることは不適当であるというふうな御判断でございます。  それから第二に、公共の福祉に云々ということでございますが、法律の採石法三十三条の四の公共の福祉に反するということは、要するに岩石の採取計画に基づいて行います「採取が他人に危害を及ぼし、公共の用に供する施設を損傷し、又は農業、林業若しくはその他の産業の利益を損じ、」よってもって「公共の福祉に反する」というふうなときに、要するに許可をしてはならないということでございまして、今回の本件の場合の、要するに交通災害等の問題でございますが、これは先ほど木原課長からも御説明申し上げましたように、あるいは採石法の改正を四十六年に行いましたときも、要するに公共道におきますところの岩石の運搬につきましては、先生御承知のように、道路交通法とかあるいは道路法とかあるいは土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法というふうな法令が整備されておりまして、そうした法律体系に基づいて行うべきであるというふうな御判断のように私は聞いておりまして、要するに、ただ問題となりますのは、採石現場から公共道に至るまでの運搬につきましては、これは特別の立法がございませんので、採石法の中に、採石現場から公共道に至る間の監督、規制につきましては具体的な規制ができるように、要するにたとえば、採石現場から公共道に採石を運搬する経路等に関する図面を付せろとか、あるいは具体的な認可に当たってはいろいろな具体的な厳しい条件等を付設することができるということで、要するに採石現場から公共道に至る間の搬出道路に係るダンプ交通災害等に関する厳しい条件を付せるような形になっておりますので、そのようにひとつ御了承をいただきたいと思います。

清水徳松日本社会党

○清水委員 ちょっとよくわかりませんが、公害等調整委員会の裁定というのはこういうことなんです。「公道における車両運搬による交通危険、鳥獣保護上の障害があるとする点については道路交通法その他の関係行政規制の対象となり得ることは、格別、右第三十三条の四の不認可要件には該当しない。」ということなんですよ。だから、幾ら交通で災害が起こるという危険があっても、それは採石現場ならばわかるけれども、一たんそこから出てしまったらどんなことがあろうと、少なくともいわゆる不許可にする根拠には一つもなり得ないということなんですよ。ですから、先ほど木原さんがおっしゃったように、そういう公安委員会の意見を聞いたり、地元の意見を聞いたりして総合的にやって、不認可の処分をすることができると、こういうような体系になっておりますと言うから、ところがそうじ’ないのですよ、これはどうしても、どんなに交通災害が起こる危険があっても、どんなに地元で反対があっても、やはり裁判でやると許可せざるを得ないような、そういう体系になっておりますよということを、事実に基づいて皆さんに御説明申しておるわけでございます。ですから、おそらくこういうような例が出てくる以上は、少なくともこの山砂利採石その他の土採取であれ、たいがい人里離れたところで取るというケースが多いわけですから、そういう点で、その現場においてのいろいろな災害というものは、ないとは言わないけれども、まあ比較的少ないだろう。いまいろいろ問題が起こっておるのは、その搬出の過程で起こっておるのです。  秩父市が反対したのは、その運搬の過程で非常に問題があるから、住民の生活に不安を与え、公共の福祉に反するから反対なんですよと、県の方もそういったようなことを踏まえながら、公共の福祉に反するからこれは認可できないということで、不認可処分にしたわけです。ところが、それはそういったようなことでは根拠になりませんよということで、公害調整の裁定委員会の方でそれをさらに取り消してしまった、結局県も許可せざるを得ないとなって一月九日に許可をした、こういうケースになっているわけです。ですからいまの採石法なりあるいは砂利採取法なりのその法文からすれば、どうしても許可願の出たもの、申請の出たものについては許可をせざるを得ないような、そういうケースになっているのじゃないか。だから、本当に砂利採取あるいは採石法というものを住民の意思にマッチしたものにするためには、やはりこれを改正して運搬の面まで十分考えたところの法的な整備をする必要はないかということをこれから申し上げたいと思いますが、どうでしょう、通産省、建設省、この法律を手直しをするという意思はないでしょうか。このままだともう規制をする、幾ら条例をつくっても、幾ら法律があっても、これを許可をしないなんということができないような形になっておるわけです。どうでしょう。

山村和男資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○山村説明員 お答えいたします。  先ほど来たびたび申し上げておりますように、交通災害に対する規制につきましては、先ほど申し上げましたように、道路交通法とか道路法とかあるいは通称ダンプ規制法とか、そういった法体系の中で規制するように体系づけられておりますので、これを採石法の中に取り入れるということは、法体系上問題がございますので、それは実体上不能ではないかと思います。  それからその他採石法所管の行政官庁といたしましては、ただ積極的に交通災害防止を図るというふうな立場から、実際的な行政の運用面におきまして、たとえば採石の採取の認可申請等が出てまいりました場合には、都道府県の公安委員会とか地元警察署とか関係取り締まり機関に事前に十分連絡いたしまして、そういった関係方面に十分そうした状況を御報告申し上げまして、十分な対策がとれるように、そうしたことをできるようにちゃんと講じておるわけでございますけれども……。

清水徳松日本社会党

○清水委員 名前を挙げて質問するのはどうかと思いますが、一つの判例でございますので、亀井石産の名前を挙げながら御質問しているわけですが、これは三年くらい前に秩父市内の旧大田村品沢地域において、山を買い、急に採石を始めた。ダンプによって道路が損傷し、女子高校生をはねるという交通事故まで起こした。さらに県、市の予算で開通さした林道を損傷し、完全崩壊せしめ、ついに今日まで使用不可能な状態にあると言われている。そのような事実を公害等調整委員会は、全然調査したかどうかわかりませんが、しかし判例は、これだけの材料があれば当然一般常識としては公共の福祉に反するというふうに規定していいんじゃないか、地方自治体の長の裁定もこれじゃとても許可するわけにいかない、許可しないでもらいたいというような、そういう市長の意思あるいは市議会の決議もされておるわけでございますが、しかし、そのようなことを踏まえながら、許可、不許可のそういう理由づけを県がしたにもかかわらず、それは公共の福祉に反するという理由にはならないということで、これだけの証拠を挙げた県の一つの不許可処分に対して公害等調整委員会はそれをさらに取り消すように裁定を下しているわけです。  ですから、もうこういうふうになると、どうもいまの採石法あるいは砂利採取法の規定からすると、どうしてもこれは申請があれば許可せざるを得ないようなそういう法体系になっているのではありませんか。いま言ったようなことだと、知事が不許可に当然できるようなそういう体系になっておると言っておりますが、実際こういう判例からすると、よっぽどの理由があってもやはり許可せざるを得ないような、そういうような形が出てきておるということをぜひ知っておいていただきたいと思うのです。  ですから、六月の二十七日に公害等調整委員会の裁定委員会から出されたこの裁定を、ぜひ通産省、建設省において十分ひとつ分析をしていただきたいというふうに思います。これからすると、申請のあったものは絶対にこれはもう許可をしなければならぬようなことになっております。ですから、ぜひその点十分にこの裁定というものを読んでいただいて、砂利採取法あるいは採石法、やがてつくられるであろう土採取法等について十分配慮していただきたい。  そのことを申し上げまして、きょうは時間が参りましたので、終わりたいと思います。

天野光晴自由民主党

○天野委員長 浦井洋君。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 非常に先ほどから住宅公団の経営とか理事者側において無計画的であるとか、あるいは非能率的であるとか、ずさんだとか、そうしてその矛盾が出てくると、入居者などに十分な説明をせずにきわめて秘密主義的であるとかというような批判が出てきたわけです。私も全くそのとおりだと思う。たとえば最近私が調べた話では、例の入居者の方から第二家賃というふうに言われておる共益費の問題などもまたぞろことしの四月から上げられるといいますか、自治会の活動の弱いようなところは共益費を上げるというような形、そうしてその上げる根拠を問うと、全く住民の納得を得られないようなばかにした理由を述べておるにすぎない、こういう事例があるわけです。  で、共益費の問題はまた後ほど尋ねることにいたしまして、私は、いまも特別住宅債券積み立ての問題について南多摩ニュータウンの話が出てきましたけれども、これは関西にもあるわけで、大阪の箕面の粟生団地の問題について少し実情を述べながら、二、三質問をまず最初にしてみたいと思います。  これは公団の方もちろん御承知だと思うのですが、昭和四十七年に募集をして、四十九年の一月に積み立てを終わった。そうして入居の予定は当初は四十九年四月からであったというふうに聞いておるわけですが、そこで実際に積み立て者が入居できるというのはいつごろになるわけですか。公団の側としては……。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 お答えします。  ことしの三月末の予定でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 四十九年の四月がことしの三月末ですか。五十年の三月末、ほぼ一年入居がおくれるということになっておるわけですけれども、これはおくれた理由といいますか、責任といいますか、おくれた責任は応募した積み立て者の側にあるというふうに見ておられるのですか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 おくれたと申しますか、そのことについて申し上げたいと思いますが、つまり当初の譲渡する予定期間が四十九年の四月から五十一年の三月の間でございます。二カ年の間に譲渡する予定でございます。それが五十年の三月になります、そういう意味でございます。ですから、おくれたという意味合いが若干違うと思いますので、その点をまず申し上げます。  それから、この四十九年の四月が五十年になった責任は入居者にはございません。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 だから、始まりが四十九年四月であったのが、いまだにだれも入居をせずに、そして恕限度ぎりぎりのところで何とか入居できるというような見通しのような答えなんですが、それはそういう点で、入居予定者、応募者の側としてはやはりおくれたというふうに実感として感じているわけですよ。  しかも、いまも言われたように、ここでも物すごい値上げを言ってきておるわけなんです。そのために三百人のうち五十人近くが申し込みをやめるというようなことで、たとえば三DKは五百七十九万であったのが八百九十万に五三%アップ、三LDKが七百十四万円であったのが千百五十万円六一%アップ、こういうふうに大幅な値上げが一体なぜ起こるのか、その理由を明確にせよというふうに積立者が迫ると、なるほど大阪の副支社長はこの応募者の代表と二度ほど会っておられるようでありますけれども、その中でこういうことを言っているのですね。このインフレは神のみが知る値上がりで、人間は予測できなかった、仕方がない、これはそういう側面もおたくらの方から言うたらあるかもわからぬけれども、応募者との話の中でこういうことをおくめんもなく言う神経を私は疑うわけであります。さらに建築費のアップについて、業者との契約変更については企業の秘密であるからこれはもう言うことができないのだというようなことで、応募者の、積立者の側から見ればほとんど説明らしい説明をしておらない、こういう状態であるわけです、私に訴えておられるのは。だから私ちょっとついでに聞いておきたいのですが、いまも話に出ましたこの関連公共、これは箕面の場合には、分譲価格の中に関連公共施設関係分というのはどれくらい見込まれているか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 二戸当たりで申しまして約百七十七万円でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 その中にまだ買ってもおらぬ学校用地を非常に大きな額として見込んでおるという話を聞いたんですが、これは事実ですか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 学校用地はまだ取得はいたしておりませんけれども、地元の市と協議の段階で、公団が取得をいたしまして、これは通常のルールでございますが、約半額を負担する、こういうことになっております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 やはり見込んでおるわけですね。だから、確かに公団が直接責任を持たなくてもよいインフレ要因というものはあるかもわからぬ。しかし、やはり工期が実際におくれているという点については公団の責任もはっきりとあるということだと思う。  特にこれは私、確認はしておりませんけれども、公団のやった土質検査にミスがあったというようなことも聞いておるわけなんです。だから、こういうようなことをほうかぶりしてはっきりさせずに、通常のインフレによる値上げの幅の倍以上も一債券者、応募者の方におっかぶせてくるというようなやり方について債券者は怒っておられるわけです。  それから、この契約の関係でも、こういうように見ていくと、積み立てた方には全くの責任がない。だから、私は契約上は公団の責任であるというふうに思うわけなので、そういう点で、私はもうこの問題について簡単にしたいと思うのですけれども、積立者が納得のいくまでその理由を十分に説明しなければいかぬ。でないと、話は進まないですよ。徹底して説明しなければいかぬ、このことを確認できますか。どうです。

南部哲也日本住宅公団総裁

○南部参考人 特住債関係につきましては非常に値上がりをいたしまして、われわれも非常に残念に思っております。先生お話しのように、各積立者に対しましては十分に話し合いをするように本社の方からも現地を指導いたしたいと思います。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 十分でなしに徹底して……。

南部哲也日本住宅公団総裁

○南部参考人 これは十分に徹底して御説明申し上げるということにしたいと思います。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 そういう中で、たとえば実際に被害を受けかけておられる方々の要望としては、その処置については積立者と相談すべきであるわけなんですけれども、関連公共施設の負担についてもつと国が配慮するとか、それから適正を越えるような値上げ分は何らかの方法で差し引くとか、あるいは増額分の支払いについても積立者の負担にならないように考慮するという道がちょっと考えてみてもあるわけなんです。だから、そのためにも十分に積立者が納得のいくような説明をして、相談をしなければならぬ。このことがもうどの公団の仕事の分野にわたっても足らぬわけなんですよ。だから至るところでトラブルが起こっておるというのが現状であるわけなんです。  そこで、最後に具体的にお聞きしたいのですが、三月二十八日が譲渡契約日の期限である、こういうような状態で、これが期限というふうにタイムリミットを決めるというのは、これは私は理不尽だと思う。だから、個々のケースについて必要な場合は延期する、そういう態度をもって公団は臨まれますか、どうですか。

上野誠朗日本住宅公団理事

○上野参考人 お答えします。  予定日は先生がおっしゃるとおりでございますが、それまでに十分納得のいくような説明をいたしますが、なお十分の御理解を得る場合は多少延期することも考えたいと思います。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 とにかく公団はこの際頭を冷やして十分に入居予定者の立場に立った方法を考えなければならぬと思う。これは要請書が来ておるわけなんですが、その近所に建っておる大阪府の住宅供給公社が昭和四十八年三月に募集をした千里山田団地では、資材高騰を理由に百七万円の増額を決めた。住宅供給公社は百七万円。一方の公団の方は、先ほど読みましたように五百七十九万から八百九十万、七百十四万から千百五十万。これで頭にきておるわけなんですよ。そういう点でまあ理事会で相談されるという委員長のお話でしたけれども、この公団の理事者側のあり方自身について、相当私は問題があるというふうに思いますので、この点もう一度ここで指摘をしておきたいと思います。公団は結構です。  次に私は、公共事業の契約の問題を軸にいたしまして、建設省の高級のお役人と業界とが癒着をしておるということについて、建設省や人事院あるいは会計検査院が来ておられるようでありますから、質問を進めてみたいと思います。具体的な事例を取り上げてみたいと思います。  まず最初にお聞きしたいのですけれども、これは時間を省略する意味で私が読み上げてもいいのですが、本社が東京都の港区芝公園三ノ五ノ四にある小松建設工業という建設会社がある。この会社の最近五年間の北陸地建関係の公共事業の契約件数と契約金額を出してほしいと言うたら、建設省から資料が来ました。ちょっと読んでもらってもいいのですが、私がかわりに読み上げます。  四十五年度が五件、契約額が一億四千百二十万、四十六年度が六件で四億一千五百五十万、四十七年度が八件で四億四千六百八十万、四十八年度が四件で三億六千三百六十万、それから四十九年度が十二月末までに三件で三億一千百三十万、合計二十六件で合計金額が十七億七千八百四十万、こういう状態であるわけなんです。  そこで聞きたいのですけれども、建設省の出されたこの数字の中で、四十七年度が、まあ飛び抜けてというほどではないけれども、件数においてもあるいは契約額においても一番高い。この理由は一体どういう理由なんでしょうか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 ただいま先生の読み上げられました資料、私どもが提出いたしたものでございますが、四十七年は御承知のように、公共事業恥そうでございますが、建設省全体の予算が、補修を含めますと約四割伸びたときでございます。したがいまして、北陸地建管内の予算配賦も非常にふえております。全体が、管内で、四十五年が百六十二億、四十六年が百九十八億。ところが、四十七年は二百五十一億ということになっておるわけでございます。件数も、四十五年が五百十七件、四十六年が六百六件が、四十七年になりますと六百四十九件という非常にふえたときでございます。これは全般でございます。したがいまして、それに伴っての工事件数がふえていますから、北陸地建の建設業者の受注しました件数とか金額も多くなっているということも考えられます。  したがって、その北陸地建管内の各年度の小松建設工業の占める金額のシェアを見ますと、四十五年が一・四%です。それから四十六年が二・〇%です。四十七年になりますと、四十六年より減っておりまして、一・七%になっております。四十八年も一・七%、それから四十九年が一・四%ということになっているわけでございまして、特に小松建設が非常に多くなったということじゃないというふうに私ども考えている次第でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 官房長、そうすると、このふえておることは別に、よく最近新聞などで言われております持参金つき天下りというようなことではない、こういうことは確認できますか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 業者の選定は、指名競争入札制度によりまして公正を期しているわけでございます。したがって、そういうことは考えられないというふうに考えておるわけでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 そうしたら、これも官房長だろうと思うのですが、昭和四十四年の十一月一日から四十九年の六月三十日までの間北陸地建の局長をやっておられた佐々木茂雄という方は、皆さん御存じだろうと思うのですが、地建局長をやめられてどこへ就職をされたわけですか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 ただいま挙げられました佐々木さんは、建設省北陸地建局長をやめられたのが四十七年六月三十日でございまして、人事院の承認をも一らいまして、小松製作所の顧問に就職いたしておる次第でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 人事院来ておられますか。——人事院は当然、二等級以上ですから、これは人事院総裁の承認事項になるのですね。それで、いま言われたように、四十七年の九月十八日に承認をされているわけなんですが、簡単にひとつ承認された理由をしゃべってみてください。

飯野達郎人事院事務総局職員局審議官

○飯野説明員 佐々木さんにつきましては、退職の事情については問題にすべき点はなかったので、要するに勧奨退職でございます。それから、近畿地方建設局道路部長、北陸地方建設局長在任中に、お示しの会社は地方建設局に機械を納入しておりましたけれども、その納入額の同社の売上高に占める比率が非常に低かったので、つこうとする地位は技術的事項の担当の非役員であるということを勘案いたしまして、承認したものでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 そうすると、これは建設大臣が人事院に承認集める存ですね。——だから、建設省でも人事院でもどちらがお答え願ってもよいわけなんですが、いま言われた話なんですけれども、たとえば近畿地建であるとか北陸地建などと契約関係があって、そして、その売上高に占める比重がもう高いというような大手や中堅の建設業に再就職をするということになれば、建設大臣の方も、人事院に承認を求めるまでもなくだめだと言われるし、人事院も、そんなものがもし出てきても承認はされないわけですね、ちょっと確認しておきたいのですが……。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 営利企業への就職に関するいろいろな規定が国公法にございますことは、御承知のとおりでございます。これは、国の機関と密接な関係にあるものにつく場合には、これを承諾したり、また、ついてはいけないということがございます。しかし、百三条の第三項には、人事院の定めるところによりまして、所属の長の申し出によって人事院の承認を得た場合におきましては、これを適用しないということになっているわけでございます。したがいまして、この百三条の内容を十分考えまして、さっきの話にもございましたように、全く関係がないとか、非常に関係が軽微であるといういう場合には、承認される場合があるわけであります。法の精神だとかというものに沿っておればいいわけでございます。したがいまして、そういう場合でないということであればもちろん、私ども人事院と十分、事前にあらかじめ協議することになっておりますから、事前に協議いたしまして、人事院もこれは承認できないというものであれば、もちろん出さないということになるわけであります。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 人事院どうですか。

飯野達郎人事院事務総局職員局審議官

○飯野説明員 お示しのように、依存度が非常に高いということであれば、これは承認されないケースになります。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 そうすると、これは建設省にお聞きしなければならぬわけなんですが、その佐々木茂雄氏が現在どういう会社に勤務をしておられるかということは御存じですか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 二年間小松製作所の顧問をしておられまして、昭和四十九年の七月一日に小松建設工業の顧問におなりになり、五十年一月二十九日の株主総会で小松建設工業の副社長に就任をされておられます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 小松製作所と小松建設工業との関係は御存じですか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 詳しくはちょっと、資本系統がどうなっているというのは知りませんが、同じ系統の会社であるというふうに私は思います。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 同じ系統の会社。私、ちょっと会社四季報で調べてみましたけれどもね、小松製作所と小松建設工業。四十九年秋の会社四季報によると、小松建設工業の方には、特色として「小松製作所直系、中堅の総合建設業者」こう書いてある。株主の項には小松製作所が株を五一・九%所有しておる。役員の主要メンバーはチェックしてみますと重複しておるわけなんです。たとえば小松製作所の社長の河合良一氏であるとか副社長の佐久間志郎氏ですか、こういう方は小松建設工業の取締役におられるわけです。だから、それは官房長もよく御承知だと思いますけれども、これは明らかにもう関連系列会社であるというふうに見て差し支えないのじゃないかというふうに私は思うわけであります。  そこで、こういうような二つの会社の関係から見ますと、いまの元北陸地建局長の佐々木茂雄氏の場合、なるほど国家公務員法百三条であるとか人事院規則十四ー四、こういうようなものに形式的には抵触しないようになっておる。小松製作所に入って、別の会社の小松建設工業に、建設省の時代から見れば再々就職、こういうかっこうになっておるわけなんですが、その企業の実態から見れば、実際上は同一企業の人事異動にすぎぬのではないか、こういうふうに見るのが平均的な日本人の見方ではないかと思う。だから私、問題にしたいのは、これは明らかに国家公務員法百三条であるとかあるいは人事院規則十四−四、こういうものを空洞化してしまっておる、事実上じゅうりんしてしまっておるというふうに私は思わざるを得ないわけなんです。  そこで、人事院にお尋ねをしたいわけなんですが、こういうような実態、なるほど法には触れぬですよ、おそらく法や規則には触れてないでしょう、いまも官房長言われたように。果たしてこういう実態は国家公務員の再就職の場合に好ましいと考えておられるかどうか、ちょっと。

飯野達郎人事院事務総局職員局審議官

○飯野説明員 御承知のように、百三条の規定というのは、在職中の国家公務員が全体の奉任者として一部の企業等に奉仕したりあるいはコネをつけたりするということを防止することがその立法の趣旨でございます。いまお話しのように二年間過ごした後においては、これはやはり憲法の保障いたします職業選択の自由等がありまして、二年以後についてまでそういうような縛りをするということはいかがかというふうに考えておるわけであります。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 そのことで議論するつもりはないですが、この場合、以後ということになりますかね。実際上同じ会社に、系列会社、明らかに子会社ですよ。その親会社に関係がないということで就職をして、人事院の承認を得て、そしてその期限が切れれば、きわめて北陸地建や近畿地建と関係の深い小松建設工業に改めて入社をするというようなやり方が。なかなか答えにくいでしょうけれども、どうですか。もう一遍答えてみてください、好ましいと思うかどうか。

飯野達郎人事院事務総局職員局審議官

○飯野説明員 先ほど申し上げましたように、一応職業選択の自由という基本的人権とのかかわりにおいて二年間というのを縛っておるのであって、それを過ぎた後はやはり元国家公務員という肩書きを離れた一般国民としての権利を行使させることの方がよいのではないかということで二年間ということの縛りがあるのだというふうに心得ております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 二年間、二年後ではない、初めからだと私は言うておるのです。そういう答えを出すようでは、人事院も同じ穴のムジナであるというふうに思わざるを得ないわけなんです。  そこで人事院に私、提案したいのですけれども、少なくとも人事院で審査をし承認をするというような場合、これは先ほども言いましたように、二等級以上の場合に限られておるわけでありますけれども、この場合、もっと厳重な規制をする必要があるんではないか。でなければ、この話を聞いた国民というのは、やはり高級官僚と大企業というのはうまいことできておるな、癒着しておるな、これはもう先ほども言いましたように、平均的日本人の当然の感想ですよ。当然疑惑を持つと思うのです。こういうような提案は人事院はどうですか。

飯野達郎人事院事務総局職員局審議官

○飯野説明員 大きな企業との癒着であるとかある企業のために利便を図るというようなことは、それはやめた者ももちろんそれは問題がありましょうけれども、要はやはり現在公務部内にとどまっておる者の服務の問題だろうと思います。したがいまして、先ほど申し上げましたように、やめた者についてはやはり職業選択の自由というものをどうしても勘案しなければならぬ。それについての癒着であるとか、そういうものを正すのは、現に中にある者の姿勢と綱紀というようなものであろうというふうに考えております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 高級官僚を基本的人権というような形でいやに人事院は擁護をされるわけなんですけれども、建設大臣、どうですか。社会的不公正の是正を旗印に掲げておる三木内閣の閣僚として、こういう実態についてどう思われますか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 いま人事院から大体答弁をしたとおりだと私どもも思っております。これは、一たんやめますと職業選択の自由がありますから、それまで制約を加えるわけにはいかないと思うのです。  ただこの問題に限らず、一般的な問題としていろいろ天下りとか持参金とか言われておることがありまして、国民にも疑義を持たれておりますから、そういう問題のないように、省内にも調査班をつくって、そうして十分に調査をし、今後疑惑を解くことに全力を上げて努力をいたしてまいらなければならぬし、公務員自体も、公務員の自分の本来の使命に邁進するように努力をせなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 その特別調査班の件については後で聞きたいと思うのですが、大臣、この件についてももちろん調査の中に入るわけですね。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 仰せのとおりでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 そうしたら、そこから先もう少し話を具体的に詰めてみたいと思うのですが、これも建設省からいただいた資料で、この佐々木氏が建設省を離職する前後、離職予定が四十七年の六月三十日になっておりますから、この離職する前後に北陸地建が小松建設工業に発注した工事が、この資料によると五本あるわけなんです。これも時間がないので、省略する意味で私、読み上げますけれども、菅沼道路その二工事、入札年月日、四十七年六月五日、落札価格が七千九百万。そういう調子で読み上げますと、勝山洞門工事、四十七年六月二十七日、五千三百二十万。それから大所第二号砂防ダム工事、四十七年七月二十四日、落札価格が七千三百七十万。その次が倉部海岸堤防災害復旧工事、四十七年八月五日、三千六百三十万円。小須戸築堤護岸工事、四十七年九月四日、六千七百五十万円。こういう数字が並んでおるわけなんですが、私知りたいのは、これはもう四十七年のことですから、当然入札は済んでおるわけなんで、予定価格をそれぞれの工事について建設省の方から言っていただきたいと思うんですが……。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 いまの御質問は、予定価格を示せということでございますか。——予定価格につきましては、御承知のように、契約前はこれは入札制度の一番重要な要素になると思います。したがいまして、そういうものについてはこれは秘扱いにしているわけでございます。契約後の予定価格の取り扱いにつきましても、これはやはり外部に漏れました場合には、請負業者が今後の公共事業の予定価格の推定を容易にさせることなどが考えられまして、競争入札の公正確保という面から適切でないというふうに私ども考えておりまして、その取り扱いにつきましては、取り扱い注意ということで慎重を期しているのでございます。したがいまして、お示しするわけにはいかないというふうに考えます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 もちろん落札前の予定価格をここで言いなさいというようなことは言っていないわけなんで、すべて済んでしまった予定価格を言いなさい——これは何か官房長、そうすると法令的にいけないということになっているわけですか、発表できないというのは。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 文書の取り扱いにつきましては、建設省また地方建設局の文書管理規程というのがありまして、それに基づきまして、秘文書の取り扱い印がございます。そういうことに基づきまして、この問題もいま申し上げましたように、部外に出さない、取り扱いを慎重にする、取り扱い注意ということにいたしている次第でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 そうすると、部外秘ということになっているわけですか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 ただいま申し上げましたように、取り扱い注意ということで、取り扱い注意というのは外には出さないというものでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 私は官房長、別に日本全国の公共事業のすべての予定価格を言いなさいというような無理なことは言っていないわけなんです。いろいろと問題があるから、国会でこの是非を明らかにしたいという特別な五本の工事についての予定価格、しかも落札してしまった、契約してしまった後の工事についてその予定価格を言ってほしいというふうに言っているわけなんで、国会で取り上げているわけなんです。それでも言えぬですか、どうですか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 先ほど申し上げましたように、その契約後におきましても、予定価格を出すということにつきましては、そうすると、あのときにどういう公共事業の積算はどういうかっこうであったかというようなことを、いろいろ今後の予定価格の推定を容易にさせるということで、それを外に出すということは適切でないというふうに考えておりますので、重ねて申し上げますけれども、残念ながら申し上げるわけにはいかないわけでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 そうすると官房長、この五本の工事の予定価格の合計額は言えますか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 合計額におきましても、やはり同じように推定されるというおそれがございますので、これも同じように取り扱っておる次第でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 それは建設省が言われないなら、私たちが入手した資料でひとつ言うてみましょう。  この五本の工事について、予定価格、工事名は省略しますが、一番が七千九百十八万、これが七千九百万で落札をされておるわけです。二番が五千三百二十七万、これが五千三百二十万で落札をされておるわけです。三番が七千三百八十七万の予定価格が七千三百七十万で落札をされておる。四番が三千六百三十五万、これが三千六百三十万で落札をされておる。五番目が六千七百五十二万、これが六千七百五十万で落札をされておる。ついでに言いますと、予定価格の合計がこの五つの工事について三億一千十九万円、落札価格の合計額が三億九百七十万円、その差わずかに四十九万円であります。数字を割ってみますと、こんな言葉があるのかどうか知りませんけれども、的中率は九九・八四%、こういうことになっておるわけであります。こういう実態なんです。  これはもう官房長ももちろんよく御承知だと思うのですが、たまたま一枚の予定価格表があるわけなんです。契約額三千万円以上の事業については、これは局長の決裁といいますか、決裁ではないんですよね。予定価格書というもの、部下がいろいろ資料を整備をして、そしてこれに設計書をつけたりあるいは実施計画書がついたり、そしてここにも一書いてあるように積算価格が書いてある。肝心の予定価格の項だけは、いわば決裁者といいますか、局長自身が記入をするわけですよね。そういうしきたり、決めになっているわけでしょう。  その場合、そういうことが恐らくこの佐々木さんの場合もやられたと思う。そして先ほども日にちを読みましたけれども、局長をやめられる直前、六月三十日に離職を予定しておられる方が、実質的な再就職先と六月の五日、六月の二十七日の二回にわたって、逆に今度はいつ予定価格を記入されたのか知りませんけれども、就職直後、元、自分が長をやっておった地建と七月の二十四日、八月の五日、九月の四日と三回にわたって、いま読み上げたように三億一千万円に達する事業を、それも予定価格と四十九万円の差で契約をしておられる。  どうですか。それは官房長がどのようにここで述べられようとも、また人事院が法に触れておりません、基本的人権を守らなければいけませんし、就職は私たちは関係がありませんと言われようとも、それこそ平均的な日本人の常識からすれば、こういうところにこそ持参金つき天下りの実態があるんではないかというふうに私は思わざるを得ないのですが、建設大臣どうですか。−官房長はいいですよ、大臣に……。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 事務的なことだけ先に申し上げまして、後で大臣からお答えしていただきます。  おっしゃるとおりに、予決令によりまして、契約担当官というのは、三千万円以上の工事は地建局長でございますが、みずから資料に基づいて決定いたしまして、そして封印して判こを押すということになっておるわけでございます。この予定価格をつけまして、発注を予定して発注をいたしますと、これは請負工事の内容を明確にするために、図面だとか仕様書を詳細に示しまして、これに工事の内容とか数量等、仕事の施工の基準が詳しく示されております。したがって、これを専門の技術者が積算いたしますので、従来から極端に差が生ずるということのないように考えられます。また業者側も、建設工事を何度も積算して入札することによりまして、経験的には建設省におきますところの工事価格の積算方法を了解いたしております。  同時に、これはひとつぜひ申し上げたいのですが、落札決定までに一回の入札で落札するというものじゃございませんで、数回の入札を繰り返すことが通常でございます。したがいまして建設省の場合、三回入札しても落とせないときには予決令によりまして随意契約によることができるということになっております。随意契約も、六回ぐらいまでは見積もりをして、それで予定価格または予定価格に近似するということになっておる次第でございまして、予定価格というのは、さっき申し上げたように、非常に入札制度の重要なものでございます。これを外に漏らすということは決してないと考えております。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 いま官房長からもお話がありましたように、私どもはそこの間に何か不正があったというようなことは絶対に考えておりません。ただ、説明会を開いて詳細な説明をしますと、いま官署長からも言ったように、最近は業界も非常に技術も進んでおりますから一応の線は出てくるのじゃないかと思うし、入札自体が一回でどんぴしゃりといくのはほとんどないようでありまして、何回も何回も繰り返して、そして最終的には話し合いで結論を出すといったようなこともあるようでありますから、そういう面から考えてみると、必ずしもそこに不正をはさんでおるとは思っておりません。  ただ、浦井さんおっしゃるように、落札価格と予定価格という、その予定価格が一体どこからどうして出てきたのか私どもにはわからぬわけでありますけれども、たまたまおっしゃるような形になっておるとすれば、いろいろまた疑惑を持たれる点も中にはあるかもしれません。そういうふうなことで、いろいろといま新聞にも出ましたし、国民からいろいろと批判を受けておる問題もありますから、そういった問題を十分に内容を調査して、今後はそうした疑いを持たれることのないように厳重にひとつ処置をいたしてまいりたい、かように存じております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 この件は私からもひとつ、調査をすると官房長約束されたわけですから、報告をしていただきたいというふうに思うわけです。  しかしそういうことはないというふうに言われるので、私は傍証をもう一つ出してみたいと思います。これはこの件とは直接関係ないんですが、官房長に聞けばよいと思うのですが、官房長、土睦協会というのを御存じですか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 土睦協会というのは、私は実は全く知らなかったのです。先生の御質問があるということでいろいろ調べてみておるわけでございますが、調べましたら、全くの任意団体であるということであります。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 任意団体というのは私も知っています。しかし、会が存在するということは、こういうりっぱな名簿を発行しておられることからももう明らかですね。これを見てみますと、私、唖然としたわけなんですが、この会の自他が、会則の第三条として「本会は、会員の建設省在職中の体験を活用し「次の各項を実施することを目的とする。」こういうふうに書かれてある。そしてその中に専門部会というのがあって、「土睦協会専門部会運営要領」の中に、「一、専門部会の目的は、次の通りとする。」その(1)として、土睦協会というのはどうも関東地建の関係の会のようでありますが、「(1)主として関東地方建設局発注の工事に関する情報の収集および分析。」それから、「(2)  加盟会社の希望する工事」ここの次が消してあるのです。「に関し相互助援助。」これを、消して間がない、非常に粗雑な消し方だと思ったので、こうやって一生懸命すかして見ますと、これは「加盟会社の希望する工事獲得に関し相互援助」「獲得」が消えているわけであります。何で消えたんだろうといろいろ類推をしたわけなんですが、この名簿が発行されたのが去年、四十九年の十二月一日。たまたま十二月六日に、ある新聞社が九州地建の耶馬渓ダムの天下り持参金の問題を報道したということで、あわてて消したのではなかろうかというふうに、これは類推ですが、思わざるを得ないわけであります。これと同じような組織で、九州地建関係では、去年の四月二日わが党の庄司議員が決算委員会で言いましたけれども、九友懇話会、こういうものもある。恐らく各地建にあるだろう。これはだれが聞いたって、ここに会社が加盟して、その会社の中におる建設省出身者が会員になるのでしょうけれども、やはり古巣の建設省ともうはっきりと工事獲得に関し相互援助する、情報の収集及び分析。大臣、こういうふうなことは、これはどうですか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 先ほど申し上げましたように、私も初めてこれを知ったわけでございます。この会則はいろいろ読みますと、まあ詳しくは申し上げませんが、会員相互の親睦を図るということがやはり主になっているようでございます。先生のお読みになったように、専門部会を設けて運営要領にそういうことを書いているようでございます。墨で消したところは、私ども聞いたところでございますが、何か本当にないのだそうでございます。後で消したのではないのだと聞いております。そういうことで、実体は会員の親睦団体であり、専門部会というのは一度も開いたことないそうでございます。したがって、実際にはそういうようなこと、書いておるようなことはやってないというふうに私どもは聞いておる次第でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 官房長がどう否定されようとも、この組織が業界と建設省とを上手につなぐパイプの役目を果たしておる、そういうOB組織であるということは、もう明らかなんですね。  何ぼ言ってもここではすれ違いになるかもわかりませんから、私は、この問題についてはこの辺でもう一つ具体的な問題をやりたいと思うのです。先ほども言いましたように、これも新しいことです。  四十九年の四月二日に衆議院の決算委員会でわが党の庄司議員が言ったわけなんですが、四十九年度三重工事事務所の工事発注予定表というものが手に入ったわけなんです。昭和四十九年一月十六日作成とはっきり書かれておるわけなんです。そしてそこには、あなた方が言われない予定価格の基礎になるところの概算設計金額がちゃんと書いてある。それだけでなしに、その表の欄外には業者名が記入されておる。何の業者かわからぬわけですが、業者名が記入されておるわけなんです。これは四十九年一月十六日作成ですから、四十九年度の予算が決定されない以前の話ですが、すでに業者名が書かれておる。これはけしからぬということで四十九年の四月二日に庄司議員がやったわけなんですけれども、その中で官房長、あなたはこんなことを言われておる。「業者の名前を書いていることは、全くわれわれは考えられません。」こう言われておる。それはそのときは知っておられなかったのかもしれませんけれども。その後、私たちはその資料をもとにしていろいろ追跡調査をしてみました。その結果によると、この一月十六日作成の発注予定表の内容、工事名、金額、それから落札業者、これがその欄外に書かれておる業者とぴたっとほとんど一致しておる、こういうことがわかったわけなんです。  そこで、これはもう数日前に建設省にお願いをしたのですけれども、たとえば河川関係で申し上げますと、これはそちらに読んでもらったほうがいいわけなんですけれども、私読み上げてみましよう。  本郷築堤工事伊藤組八百五万円、内堀橋かけかえ下部工工事五千五百万円、内部橋下部工及び取りつけ道路改良工事五千五十万円。高岡橋かけかえ橋体工工事六千六百六十万円、高岡橋かけかえ及び高岡護岸工事四千六百七十五万円、これは鈴鹿川関係。次に雲出川関係、元町築堤及び県道新設工事五千三百六十万円、大正橋左岸取りつけ道路工事二千九百六十万円、須賀瀬小橋かけかえ上部工及び築堤工事五千六十万円。次に櫛田川関係、高木築堤及び魚見排水樋管改築工事六千三百万円、山添橋上部工及び築堤工事一千百九十万円、孫川護岸及び中万第一排水樋管新設工事二千百六十万円、池上築堤工事及び池上橋かけかえ工事九千百三十万円。  これはいただいた資料と大体ぴたっと一致しておると思うのですが、これでお尋ねしたいのは、それを確認していただきたいことと、これは言われないかもわからぬですが、これも済んでいるわけですが、予定価格はどうですか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 ただいまの資料は、先生の御指定のあった工事についてずばりのものがないものもありますので、推定した工事を資料としてつくったものでございまして、その点ひとつその前提で……。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 おたくの工事名にぴたっと合う……。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 そういうことでございます。したがって、私ども不明と書いたのもあります。そういうことで、私どもは先ほど先生がおっしゃったようなそういう工事事務所長の予定表だとかメモというものを全く確認いたしておりません。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 これは確認できますね。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 これにつきましては、先生の御指摘の工事に合わせて推定工事ということで出したということでございます。そういうことで、差し上げた資料のとおりでございます。  それから予定価格につきましては、先ほど申し上げたような同じ理由で申し上げるわけにはいかないわけでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 その一月十六日の入手したメモによりますと、予定価格が概算の積算価格として書かれておるわけなんです。それをもう一遍読んだ順番に言いますと、一番目、八百十万円、これは五万円の差ですね。その次は五千五百二十万円、二十万円の差。五千七十万円、これも二十万円の差。六千六百八十万円、これは二十万円の差。四千六百八十万円、これは五万円の差。五千三百七十万円、十万円の差。二千九百六十六万円、六万円の差。五千六十万円はそのものずばり。その次、六千三百十万円、十万円の差。一千百九十四万円、四万円の差。二千百六十二万円、二万円の差。九千百四十万円、これは十万円の差。こういうことになって、私の方でトータルをしてみますと、まとめてみますと、三重工事事務所の四十九年度の発注予定表にある工事の中で、河川関係が二十二件あるというふうに私たちは分析をしたわけです。その中で、未発注であるとか繰り延べであるとか随契というようなものを除くと十二件ある。その十二件の名前をいま読み上げたわけなんです。その十二件の契約金額の総額、落礼価格の総額、これが五億四千八百五十万円。最後に私が読み上げた予定価格の総額が五億四千九百六十二万円。その差は五億のオーダーであるにもかかわらず百十二万円である。的中率というようなものを出してみますと、九九・八%である。  さらに、去年のその一月十六日に作成した欄外に書かれておる業者と実際に落札した業者とを比べてみますと、十二件のうち九件までが欄外に書かれておる業者と一致しておるわけなんです。一致しないもののうち二件は、これは不明です。しかしあとの一件は、これが私、持参金天下りではなかろうか、そういう傍証もあるわけなんです。それは、先ほど読みましたように高岡橋かけかえ橋体工工事ですが、その一月十六日のメモでは、川田工業が落札をするということで欄外に書かれておるわけなんですけれども、四十九年の四月一日に中部地建の道路部長であった松島岩夫という方が中部地建を辞職をして日本車輌に天下った、その際の持参金であるというふうに思わざるを得ないわけなんです。私たちがこういう調査をやった際に、当初本命視されておった川田工業の営業の担当者の話では、これを裏づけるように、うちが本命だったが松島さんが天下ったのでこれは日本車輌に譲ってうちは他の仕事をもらうことになったというようなことを実際に言っておるわけであります。これが河川関係。  それから今度は、その一月十六日のメモの中に道路関係がたくさんある。三重工事事務所四十九年度発注予定の道路関係、これを追跡調査してみますと、二十六件中、先ほどのように未発注や繰り延べや随契などを除くと十二件ある。これが、落札価格の総額が十一億二千二百二十万、予定価格の総額が十一億二千三百五十八万。その差が、これまた十一億円台のオーダーであるにもかかわらず百三十八万円、これまた的中率というものは九九・八%。  落札業者を見てみますと、この欄外に書かれておるあれを見ると、十二件中九件はメモと一致しておるわけなんです。一致しておらない一件は、これは私たちが調べても完全に不明であります。一件は、昨年の四月、庄司委員が国会で名前を出したので、大成建設と書かれておったのが清水建設にかわっておる。それからもう一件は、労働組合との団交の席上で入札問題でいろいろ問題が出たために、急遽川田工業から三菱重工に業者がかわったというふうに十分に推定をされる。こういう調査結果が出たわけです。  だから、私が言いたいのは、こういうような調査からもあるいは資料からもわかるように、官房長が四十九年の四月二日の衆議院決算委員会でこういうようなことは考えられませんというふうに言われたけれども、この四十九年一月十六日作成の予定表というのは官房長の答弁にもかかわらずきわめて信憑性が高い、私たちの調査によればこう思わざるを得ない。特に欄外に書かれた業者の内容が的中率が高い。合計すると、二十四件中十八件は一月十六日作成のメモそのままである。それと、予定価格と落札価格が神わざのように一致しておる、こういうことであります。  会計検査院来ておられますか。——こういう事態をどのように判断をされ、どのように処置しなければならないとしたら処置されますか。

本村善文会計検査院事務総局第三局長

○本村会計検査院説明員 ただいま先生からいろいろ具体的な内容のお話を拝聴したわけでございますが、私どもは会計検査という立場で、建設省の直轄工事につきましては、計画、施工あるいは積算の内容、さらに契約の入札の状況、そういうものを常時いろいろな角度から厳正かつ綿密に検査をしている次第でございます。  ただいま三重工事事務所のお話を拝聴したわけでございますが、私どももそういういまおっしゃったような事実をつかんでおりませんので、これに対しましてどうお答えしたらよろしいか、実はわかりませんけれども、四十九年度の発注工事でもございますので、私どものことしの検査の対象になっております。したがいまして、検査の際に十分内容を検討いたしまして、しかるべき処置をとっていきたい、かように考えております。(浦井委員「最後をちょっともう一遍、内容を検討して……」と呼ぶ)内容を検討して、その内容に応じましてそれ相当の処置をとっていきたい、こう考えております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 これは大臣、この例自身は御存じないかもしらぬけれども、実体がどんなものかということは重々御存じであろうと思う。国会でこうやって尋ねても発表されない予定価格が、一方業者の方には筒抜けになっておる。その中で持参金つき天下りというようなことも行われておる。一体具体的にどう措置しますか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 先ほどからの何とかメモのお話があったようでありますが、これは私どもは承知をいたしておりません。ただ指名については、指名競争入札制度を公正に実行しておりますことは、これははっきり申し上げておきたいと思います。  ただ、そうしてやりながらも、やはり直轄だけでも四十八年度一万一千件くらいの工事をやっておりますから、中にはいろいろと誤解を招くものもあるかもしれません。そういうふうなものも含めまして、いろいろと疑惑を招いておる問題もありますから、調査班を設けて十分に真相を究明してみよう、こういうふうに考えておるわけでありまして、それに基づいて私どもは厳重な処置をいたしてまいりたい、かように存じております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 その調査班をどうするかということも実は具体的に聞きたいわけなんですが、もうちょっと言えますか、大臣。特別調査班について具体的にどうするのか、どういう目的で何をするのか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○高橋(弘)政府委員 一月三十一日に新聞に報道されましたので、明くる日の一日にこれをつくりまして、その翌日は日曜でございましたので、月曜の三日から調査を開始いたしておりますが、この調査班は、当面はとりあえず新聞等に報道されました案件につきまして、さっき御指摘の北陸の地建の分も含めましてできるだけ早く調査をいたしたい、それとともに、そういう新聞等に報道されないものにつきましても、さっき大臣から答弁されましたように、国民の疑惑を招くおそれがあると思われるような案件がありましたら、これもあわせて調査をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 特別調査班の場合は制度ではないだろうと思うのですが、私は老婆心ながら一言言っておきたいのですが、やはり入札制度というものはそれなりに完備していまあるわけなんです。この点では、それを運用する人の問題だと思うのですよ。だからたとえばこういう話がある。これは最後なんですけれども、この天下り問題が新聞に発表されてから私たちのところにも何通も投書が来ておるわけなんですが、その中で代表的なものだけをちょっと読んでみたいと思う。  ここでは「ある地建の部長が天下りをして、約一カ月半の間に、十件に近い落札をやってのけて、職員や業者たちを唖然とさせた」ということで具体的な事実を述べた——これは元職員ですね、そういう事実が書いてあるわけです。そうしてその後で、その人の問題についてこの元職員という方はこういうふうに言っておられる。このある地建の部長、彼が「疑問を持たれているのは当然と言えるでしょう。彼は地建の人事権を握っており、表面紳士然としておりながら、内面は冷酷無情、鬼のごとき性格を持ち、権力をほしいままに行使しました。彼の好ましからざる人物や労組幹部等は極端に差別待遇しました。僻地に飛ばしたり、労組員の昇給、昇格の停止なども彼の権限でなされたとも言われる。なお彼は、主要な事務所に腹心の職員を配置し、スパイ行為をさせて情報を収集していたほどで、一度彼ににらまれたら最後、もう一生浮かばれないような人事を行い、ゆえに職員の間で彼はひどく恐れられ、灰色の生活をさせられた者は少なくない。逆に彼は、自分になびく者は優遇し、大した能力のない者でも係長、課長のポストに据えたのであります。」それでこの後、地建の契約担当官、契約課長との関係であるとか、腹心の部下を工事事務所に配置していることを具体的に事実を述べて、天下った後も、自分がやめた後もその体制を固めたというようなことが書いてある。そうして最後に、「正しい弱い者が泣き、権力にまかせて不正を公然と行って恥じないやつらが笑う。こんなことのないように、いままでの悪業を調査され、明るみに出してください。彼の独善と不正を憎む弱い者が多数いることを知っていただき、これを是正していただきたく」云々、こういうふうに述べておるわけです。  だから私、要望したいわけなんですけれども、そういう疑惑が十分に存在をしておる。事実私たちはそうだと断定してもよい資料がたくさんあるわけなんです。だから、これを建設省としては真剣に取上げて——特別調査班、いまのお話だけでは何かお茶を濁すような感じ、あるいは何かに逆用するというようなおそれも非常に強いというふうに思うわけなんです。この人の問題について言うならば、片一方で全建労という労働組合にマル生を強いたり、一方ではこういうような持参金つき天下りとか業者との癒着というような問題は、同根の問題なんです。そこのところをはっきり認識をされて、建設省としてはこの際姿勢を正して省内の民主化に取り組まなければいかぬのではないかというふうに思うわけです。よろしいですか、大臣。決意を後で聞きたいと思う。  最後に委員長に……。私たちまだ資料が整っておらない部門もあって十分な確証を握れなかったわけです。そこで委員長にひとつ計らっていただきたいのですが、こういう資料、簡単なものですから、この資料を建設省から提出するように委員長にお願いしたいと思います。  一つは、四十五年から四十九年までの五年間の各地方建設局の本局契約分の契約実績。これは、予定価格というようなことは言いません。工事名、業者名、入札年月日、契約額、これで結構です。  それから二番目が、過去三年にさかのぼって、四等級以上で退職をされた方の再就職先。四等級というのは地建の係長、出張所長クラスだそうですけれども、この一覧表。  それから三番目は、各地建ごとの指名業者の一覧表。これはもうDまで入れると大変ですからA、B、Cぐらいのところで結構です。  この三つの資料を建設省に要求したいので、ひとつ委員長よろしく取り計らっていただきたい、こういうことであります。

天野光晴自由民主党

○天野委員長 浦井君の資料要求は、理事会に諮って決定をいたします。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○仮谷国務大臣 先ほどの浦井さんの御発言は多分に個人的な人身攻撃もあったようでありますから、このことに対する答弁は差し控えさしていただきます。ただ、人事にしてもこれから先の調査にしても、公明正大に行ってまいります。

天野光晴自由民主党

○天野委員長 次回は、来る十四日金曜日、午前十時理事会、午前十時十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十九分散会

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