決算委員会 第7号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/05/30
会議録
○森下委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長が所用のため、委員長の指名により私が委員長の職務を行います。 昭和四十七年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、労働省所管について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として雇用促進事業団理事中田定士君及び経理部長米田一男君の御出席を願い、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森下委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、参考人からの意見の聴取は委員の質疑により行いたいと存じますので、さよう御了承願います。 —————————————
○森下委員長代理 次に、労働大臣から概要の説明を求めます。長谷川労働大臣。
○長谷川国務大臣 労働省所管の昭和四十七年度決算について、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。 歳出予算現額は一千五百四十四億九百万円余でありまして、その内訳は、歳出予算額一千五百二十九億七百三十五万円余、予備費使用額十五億百六十四万円余となっております。 この歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額一千四百九十億七千六百十八万円余、翌年度繰越額五百五十万円、不用額五十三億二千七百三十二万円余で決算を結了いたしました。 支出済歳出額の主なものについて申し上げますと、失業保険費負担金及び失業対策事業費等であります。 これらの経費は、失業保険法に基づく失業保険給付等に要する費用の一部負担及び緊急失業対策法に基づき実施した失業対策事業に要したものでありますが、このうち失業対策事業の主な実績は、事業主体数六百六十三ヵ所、事業数三千七十件、失業者の吸収人員一日平均十万五千九人となっております。 なお、不用額の主なものは、職業転換対策事業費等であります。 次に、特別会計の決算について申し上げます。 まず、労働保険特別会計について申し上げます。 この会計は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律等の施行による労働保険料の徴収の一元化に伴い、従来、労働者災害補償保険特別会計と失業保険特別会計とにおいて行われてきた労働者災害補償保険法、失業保険法等に基づく労働者災害補償保険事業及び失業保険事業に関する経理を一会計において行うことを目的として、労働保険特別会計法に基づいて昭和四十七年度に新たに設置されたものであり、労災勘定、失業勘定及び徴収勘定に区分されております。 初めに、労災勘定について申し上げます。 歳入につきましては、歳入予算額三千六百一億四千百六十六万円余に対しまして、収納済歳入額三千三百七十三億百五十万円余でありまして、差し引き二百二十八億四千十六万円余の減少となっております。これは、徴収勘定からの受け入れが予定より少なかったこと等によるものであります。 次に、歳出につきましては、歳出予算現額三千六百一億六千十七万円でありまして、その内訳は、歳出予算額三千六百一億四千百六十六万円余、前年度繰越額一千八百五十万円余であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額一千八百七十五億八千二百四十二万円余、翌年度繰越額二千百三万円余、不用額一千七百二十五億五千六百七十万円余で決算を結了いたしました。 支出済歳出額の主なものは、労働者災害補償保険法に基づく保険給付に必要な経費及び労働者災害補償保険事業の業務取り扱いに必要な経費等であります。 これらの事業の実績の概要について申し上げます。保険給付の支払い件数は四百六十万六千件余、支払い金額は一千六百十億四千七百七十万円余となっております。 なお、不用額の主なものは、予備費等であります。 次に、失業勘定について申し上げます。まず、歳入につきましては、歳入予算額四千三十四億六千五百七十万円余に対しまして、収納済歳入額三千九百三十八億七千七百四十四万円余でありまして、差し引き九十五億八千八百二十五万円余の減少となっております。これは、徴収勘定からの受け入れが予定より少なかったこと等によるものであります。 次に歳出につきましては、歳出予算現額及び歳出予算額とも四千三十四億六千五百七十万円余であります。このうち予備費使用額は七十四億八千四百五十万円でありまして、これは主として保険給付費の経費であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額三千七百十二億六千二百六十七万円余、翌年度繰越額六百九十九万円余、不用額三百二十一億九千六百三万円余で決算を結了いたしました。 支出済歳出額の主なものは、失業保険法に基づく保険給付に必要な経費及び失業保険事業の業務取り扱いに必要な経費等であります。 この事業の実績の概要について申し上げます。保険給付の平均受給者実人員は、一般失業保険五十七万七千人余、日雇失業保険十三万七千人余でありまして、支給金額は、一般失業保険二千三百六十八億五千六百九十六万円余、日雇失業保険五十七億六千六百六十二万円余となっております。 なお、不用額の主なものは、予備費等であります。 次に、徴収勘定について申し上げます。 まず、歳入につきましては、歳入予算額五千五百七十三億九千六百十二万円余に対しまして、収納済歳入額五千二百四十七億四千九百九十八万円余でありまして、差し引き三百二十六億四千六百十三万円余の減少となっております。これは、適用労働者の増加が予定より少なかったこと等により保険料収入が予定を下回ったこと等によるものであります。 次に、歳出につきましては、歳出予算現額及び歳出予算額とも五千五百七十三億九千六百十二万円余であります。このうち予備費使用額は二億八百五万円でありまして、これは主として業務取扱費の経費であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済歳出額五千二百四十七億二千六百二十七万円余、不用額三百二十六億六千九百八十四万円余で決算を結了いたしました。 支出済歳出額の主なものは、労災勘定及び失業勘定への繰り入れに必要な経費であります。 この事業の実績の概要について申し上げますと、労災保険適用事業場数百三十八万五千件余、労災保険適用労働者数二千七百八十五万九千人余、失業保険適用事業場数七十八万九千件余、一般失業保険適用労働者数二千二百四万二千人余、日雇失業保険適用労働者数二十一万八千人余となっております。 なお、不用額の主なものは、他勘定への繰り入れに必要な経費等であります。 最後に、石炭及び石油対策特別会計のうち、労働省所掌分の炭鉱離職者援護対策費及び産炭地域開発雇用対策費の歳出決算について申し上げます。 歳出予算現額は九十九億四千七十七万円余でありまして、この歳出予算現額に対しまして支出済歳出額九十七億四千二百二十万円余、不用額一億九千八百五十六万円余で決算を結了いたしました この事業の実績の概要について申し上げますと、まず、炭鉱離職者援護事業につきましては、移住資金四千二百七十九件、雇用奨励金五千三百三十五件でありまして、支給金額は、移住資金二億八千七百八十七万円余、雇用奨励金五億五千七百九十五万円余となっております。 次に、炭鉱離職者緊急就労対策事業につきましては、事業主体数四十七ヵ所、事業数三百十一件、吸収人員一日平均三千二百二十人となっております。 また、産炭地域開発就労事業につきましては、事業主体数四十九ヵ所、事業数百六十一件、吸収人員一日平均三千二百四十六人となっております。 なお、不用額の主なものは、炭鉱離職者援護対策費等であります。 以上が労働省所管に属する昭和四十七年度一般会計及び特別会計の決算の概要であります。 なお、昭和四十七年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存じております。 これらの指摘事項につきましては、鋭意改善に努め、今後、このような御指摘を受けることのないよう一層の努力をいたしたいと存じます。 以上をもちまして、労働省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の説明を終ります。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○森下委員長代理 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。本村会計検査院第三局長。
○本村会計検査院説明員 昭和四十七年度労働省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。 検査報告に掲記いたしましたのは不当事項一件でございます。 これは、失業保険事業における給付に関するもので、保険受給者が再就職しているのに、引き続き失業保険金を支給していたなど給付の適正を欠いているというものでございます。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○森下委員長代理 これにて説明の聴取を終わります。
○森下委員長代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
○原(茂)委員 最初に、労働保険特別会計における労災保険の徴収についてまずお伺いをしたい。 四十八年度の会計検査の指摘にありますが、同時に四十七年にも関係してお伺いをしたいと思うわけです。 御存じのように、四十八年度の検査院の指摘の中に、二十労働基準局を調査したところ、十二基準局にこの指摘事項があったということが報告されているわけであります。特に有期事業について保険料徴収に関係する御質問をするわけですが、四十年度からずっと調べてみますと、四十、四十一年度は指摘があって、四十二年度、四十三年度はない。四十四、四十五、四十六、四十七年度に関していずれも指摘がないわけであります。そこで、会計検査院にまずお伺いしたいのですが、この四十二年度から四十七年度の間は検査をしたのかどうかをまずお答えいただきたい。
○本村会計検査院説明員 お答え申し上げます。有期事業の保険料の徴収につきましては、ただいまおっしゃいましたように、過去において一、二回検査報告に掲記したことがございます。最近では四十八年度の検査報告に掲記しておりまして、四十七年度以前は、私どもの方といたしましては、前回指摘した結果、労働省当局で十分是正するという回答をいただいておりますので、しばらく検査をしなかった年がございます。しかし、四十八年度におきましては、しばらくやっておりませんでしたので今回やる必要があるという判断の上に立って四十八年度の検査をいたしました結果、四十八年度の報告に申し上げたように約一千万円の指摘が出た、こういう経過でございます。
○原(茂)委員 会計検査院としてそれでいいんですかね。たとえば四十、四十一年度に指摘事項がありましたね。四十二年度から四十七年度までやらなかった。四十一年度に指摘したから多分ないだろうというので四十七年までやらなかった。久しぶりだからやってみょうというので、四十八年にやってみた。そうしたらやはり同じことがあったというときには、四十二年度から四十七年度、もう一度さかのぼって審査をするということをしないでいいんですか。間違いはないという保証はないんでしょう。
○本村会計検査院説明員 お答えいたします。 ただいま、四十二年から四十七年まで検査をしてないと私申し上げたのですが、これは少々言葉が足りないわけでございまして、もちろん、全然検査をしてないというわけではございません。検査能力のある程度の勢力は割きまして、検査はやはり実施しております。おりますけれども、その結果あえて国会に御報告するほどの件数、金額は出なかったということでございまして、さよう御了解お願いしたいと思います。
○原(茂)委員 そうでしょうね。さっきのお答えがどうもおかしかったからお伺いしたのですが、国会に報告するほどの問題ではなかった。 そこで、問題になりますのは、人手が足らないから、できるだけ無理をして割いて検査はしたんだけれどもというその裏には、やはり申告漏れがないという保証はできない、そういう状況にございますと、こういうふうに受け取れるわけです。その点は今後検査院としても、この種の指摘事項がありそうな限り、十分に人手を考えて検査をする必要があるだろうというふうに思いますから、これは検査院に御注意をいただきたい。 それから、基準局において監察官自体が監察を行っている中で、相当程度のものが四十七年度にも出ている。四十八年度はもちろん出ているというふうに思いますが、四十二年度から四十七年度、四十八年度に至るまで、いわゆる基準局における監察官の監査、その結果何もなかったか、あったかをひとつ……。
○東村政府委員 ただいま先生の御指摘は、労働基準局の内部の監察においてどういう数字をとったかというお話でございますが、実はこの問題、前からいろいろ問題になっておりまして、私どももこれは十分注意しなければいかぬということで、事業主に対する関係法令の周知徹底、指導、さらには未申告事業場を十分把握する、それから保険料算定基礎調査を実施する等によりまして、徴収不足の事態が生ずることのないように常々注意しているところでございます。 なお、数字についてはちょっと手元にございませんので、そういう姿勢でやっているということをとりあえず申し上げます。
○原(茂)委員 数字は何も持っていないのですか。このことを質問することをちゃんと申し上げてあるじゃないですか。
○東村政府委員 いま申し上げましたのは、監察官がこの部分をやったということがちょっとはっきりしませんが、基準局独自で認定決定いたしました数字は、四十七年度で件数で三千百三十一件、金額で一億三千三百万円、四十八年度で二千九百七十九、金額で二億三千六百万円何がし、こういうことでございます。
○原(茂)委員 いまお伺いしたのは、四十二年度から一体いまの部内の監察官の監察の結果をわかりますかと聞いたんですが、四十七、四十八年度の数字を言われたわけです。恐らくその前にも、いま聞かなくても結構ですが、あるはずです。 そこで、いまお話によりますと、私が調査したのとは違って、半分以下にみんななっているんですが、これはどういう理由でしょうか。あなたの方が間違っていなければこちらが間違い。おっしゃった数字が半分以下になっているんですね。参考までに言いますと、四十七年度が八千五百九十四件、三億六千二百十九万円、四十八年度が八千百八十九件、四億六千八百七十万円。ちょっと教えてください。
○東村政府委員 有期の中におきましても一括と単独とございまして、一括の方はいわば継続的な取り扱いをやっております。私いま申し上げましたのは単独でございまして、したがいまして、一括とこの単独を寄せ合わせますると、先生いまお述べになったような数字になるわけでございます。
○原(茂)委員 一括というのは継続のものですね。ということは、たとえば工場その他で生産に従事している場合のもの、そう解釈していいですか。
○東村政府委員 一括といいますのは、もちろん継続しているものもございますが、表現があまりよろしくないかもしれませんが、非常に細かい作業、たとえば一つの住宅団地のような細かい作業をやっているような場合に、一つ一つやると非常に繁雑になる、一括してつかむことができるという場合に、一括ということでございます。したがって、継続に準ずるということでございます。 それから、単独といいますのは、非常に大きな作業、大きなビルとか大きな工場をやるという場合に何年間かかるというような性質のものが、これまさに有期だとして、いま申し上げた単独ということでございます。
○原(茂)委員 そういうときに、いま私が質問したときに勝手に単独と一括と分けてというんじゃなくて、やはり単独も一括も同じようにこの種類の問題点としては挙げるようにしていいんじゃないですか。何か故意にそんな答えをしているような気がして、不愉快ですよね。そうして、内訳を聞かれたらそれを言うというのが順序じゃないですか。どうですか。
○東村政府委員 私どもがふだん、技術的あるいは事務的にそういう言い方をしておりますので、先生御注意のとおり、全体をまず御説明して、その内訳をさらに詳細に御説明する方が適当だったと思います。
○原(茂)委員 そのとおりでしょうね。 そこで、現在、監察官というのは何名いますか。
○東村政府委員 監察官に二種類ございまして、一般の業務つまり労働基準監督関係の業務をやっているのと労災の監察官がございますが、労災の方について言うと九十名でございます。
○原(茂)委員 いま労災の問題をやっているんですから労災の監察官でいいんですが、九十名ですね。事業所の数はどんどんふえて工事量もふえている。いつから九十名になったのですか。年度別に細かく聞く必要はありませんけれども、いつごろ九十名になったのかによっては、幾ら親切に指導しろ、何をしろということを上から指示をおろしましても、人数によって限界がありますよね。九十名で十分だと思っておいでになるのですか。いつから九十名になったのですか。
○東村政府委員 九十名になりましたのは六年程度前でございまして、これで十分かという御指摘ございますが、私ども、決してこれで十分だとは思っておりません。ただ、ほかの業務がいろいろございますし、労災業務そのものも非常に大変になっているところでございますので、第一線の充実を図ると同時にきめの細かい監察をやりたいと思いながらおりますが、いずれにいたしましても、この陣容をさらに強化したいとは思っております。
○原(茂)委員 現在、その九十名という六年前に決めた数が、今回指摘されるような事故が起きる原因に一部なっているわけですよね。民間の方にまだまだ徴収不足がずいぶんあると思うのですよね、これは後で聞きますが。ということを考えますと、最後は、手不足だ手不足だということに尽きていくんじゃないでしょうか。現在どうやら、ほかの方も忙しいからこれでやっていくんだ、やがてはと言っておりますが、この種の指摘を受けるような大きな原因になっている監察官の手不足ということが明瞭である限り、この九十名を毎年一名でも二名でもふやす努力があって当然だと思うのです。やがてふやすつもりでございますなんというので六年間も放置されたことはどうかなと思うのですが、どうです。
○東村政府委員 労災の問題については今後もいろいろ問題が出てまいります。特に有期の建設業等につきましては災害の問題等も大変重要な問題、そうなりますと労災保険の問題も出てまいりますので、監察官については、たとえば次の予算の時期とかその他機会がある際に、増員とか体制の整備とか、できるだけきめの細かい、監察が実効が上がるような形で努力したい、かように考えております。
○原(茂)委員 会計検査院が指摘される対象以外の民間のこの種の工事の量、どのくらいあるでしょうね。
○東村政府委員 民間と政府関係といいますか国の関係、内訳がちょっとわかりませんが、全体を含めますと、四十八年度の決算額におきまして収納済歳入額が五百八十九億九百七十四万二千円でございます。
○原(茂)委員 民間と政府の率はどうなります。
○東村政府委員 これは年によっても違いますし、四十八年度というお話かもしれませんが、発注者が政府であるか民間そのものであるかによるわけでございますが、働いている人あるいは実際に事業をやっている方は民間の方でございますので、その内訳がどのくらいかというのはつかんでおりません。
○原(茂)委員 政府関係の発注の工事と民間で、民間が約二倍ぐらい多いのです。一・八倍ぐらいです。民間の分は、労災保険料の徴収というのは完全に行われているのでしょうか。
○東村政府委員 ただいま申し上げたようなことを前提でお話しすることをお許し願いたいのですが、有期事業の労働保険料の額、これは収納済歳入額を昭和四十八年度で申し上げますと、決算額が五百八十九億九百七十四万二千円、それから昭和四十九年度、これは五十年三月末でございますが、六百五十九億一千八十七万一千円ということになっております。これの収納の率、つまり徴収決定したものに対する収納の率でございますが、これは四十七年度が九七・五二%、四十八年度が九七・六九%、収納率としてはこういう形になっております。
○原(茂)委員 民間の場合は、工事が完成するまでに災害が起きないと保険料を払わない、事故が起きるとそこでさかのぼって保険料を払って保険額をもらうというようなことが実際にありますね。そういうものは、もし事故がない場合には、二年間たつとそれで時効になるのでしょう。そういうものがどのくらいあるか調査したことがありますか。
○東村政府委員 そのお話の前提として申し上げますと、有期事業の保険料の取り方でございますが、これはまず、その有期事業の全期間についての賃金の総額を求めます。これは概算保険料、つまり、まだ工事が終わらない途中で出す概算保険料については見込みの額でございますが、これに労災保険の率を乗じて算定いたします。それから、請負による建設の工事等で賃金の総額を正確に算定することが困難な場合には、請負金額に労務費の率を乗じた額を賃金総額として保険料率を算定するというようなことをやっております。 ただいま先生御指摘ございましたように、途中で事故があって、まだ払っていないというときにはそれをまたさかのぼって払わせるということ、もちろん、ないわけではございません。しかし、それはこのごろはかなり少なくなっております。したがいまして、それがどのくらいかという数字でございますが、私どもは、おおむねそういうものはこのごろ少なくなっているんじゃないかというふうに認識しておりますが、もちろん、まだそういうものがありますので、十分注意していきたいと思います。
○原(茂)委員 企業の意外なところと言っては悪いですが、これはというところでも、事故があるまではほうっておいて、事故があったからそこで初めて手続をする、さかのぼって保険料も払うというようなことが、実際には横行しているのですよ。知っていながら手がつかないでいるのか。それとも先ほどの監察官の人員の問題に帰すると思うので、やはりもう少し監察体制というものを強化するということをやりませんと、実際にはその種のことがたくさん、日常茶飯事のように行われているという事実があるのですね。したがって、これ以上追及しませんが、大臣お聞きのとおり、監察体制の強化というものがないと、こんなことで非常に不当に利益するものがあるのですよ。ですから、公平を期する意味でも、六年前に決まった九十名でそのままでいるということ自体が不自然なんですから、監察体制の強化がぜひ必要だ。それに対する方針を伺って、この問題を終わります。
○東村政府委員 先生、御承知の上で御質問されていると思いますが、私どもの方で実際に徴収に当たりまするのは徴収の担当官でございまして、これが第一次的に当たりまして、それを後から監察をする、こういうシステムになっております。その実際に当たりまするのが約八百四十名でございます。そういうことを前提にして監察、こういうことになっておりますので、申し上げます。
○長谷川国務大臣 原先生おっしゃったように、私たちも地方に住んでいますから、先生のおっしゃったようなお話を間々聞くことがございます。しかしながら、何といたしましても、公平を期する意味におきましてもなおそういう監察の制度というものは充実してまいりたい、こう思っております。
○原(茂)委員 次に、雇用促進事業団の高等職業訓練校の実態についてお伺いをしたいのです。 これも四十六年度、四十七年度、四十八年度、定員と訓練人員を一応お聞かせいただきたい。実施の割合が出ているだろうから、その割合も一緒に。
○藤繩政府委員 ただいま、特に雇用促進事業団の行っております総訓について御指摘がございましたが、問題が同じような問題がありますので、全体について一言申し上げたいと思いますが、先生御承知のように職業訓練は、事業内で行っております民間のものも若干ございますけれども、公共の職業訓練が一般に行われているものでございます。公共の訓練校が全体で四百三十八ございます。そのうち、いま御指摘のありました事業団の総訓校が八十八でございます。大部分は県にお願いをして、地方自治の中で運営をしていただいております。その中で定員といたしましては、全体で二十一万人の規模で一年間訓練をやっております。その中で若い人を対象に基礎的な訓練を行います養成訓練が六万六千でございます。二十一万のうち六万六千でございます。 そこで、ただいま御指摘がございましたように、最近特に高校進学率が非常に上がってまいりました。昭和三十五年に五七・八%でありました高校進学率が、昭和四十九年には九〇・八%になりまして、ほとんどの者が高等学校に進学するという事態がまいりました。従来、御承知のように、養成訓練では中卒の者を対象にして行ってまいりましたので、そこで、県立といわず事業団立といわず、あるいは企業の中で行っております養成訓練も、あるいはさらに職業高校、工業高専というような文部省系列のものも含めまして、若い人たちの訓練ということは一つの問題点に突き当たっております。 そこで、御質問の定員と実際の入校の乖離でございますが、全体を申し上げますと、四十六年度の入校率は九〇・四%でございましたものが、四十九年度には八五%というふうに減ってまいりました。これは入校率でございますが、さらに卒業するまでに若干の脱落もあるというふうなことで、大変頭の痛い問題になっております。 なお、いま御指摘になりました点は、雇用促進事業団の方で数字を把握いたしておりますので、中田理事の方から御答弁申し上げます。
○中田参考人 総合高等職業訓練校の定員並びに入校状況等でございますが、私どもの総合高等訓練校におきましては、中学を卒業されましておおむね二年間の訓練を受けられる方々と、それから高等学校を出られまして、おおむね一年でございますが訓練を受けられる方々と、養成訓練におきましては二種類のものを行っております。 両方の定員を合わせまして入校状況等を申し上げますと、四十六年が一万四百二十五名でございまして、入校者は九千二百九十二人と相なっております。入校率は八九・一%でございます。それから四十七年度でございますが、定員が一万八百人でございまして、入校者数が九千七百九人と相なっておりまして、入校率が八九・九%と相なっております。それから四十八年度でございますが一万二千四百三十五名の定員でございまして、一万五百四十八人の入校で、入校率が八四八%。それからさらに四十九年度について申し上げますと、定員が一万三千五百五十名でございまして、入校者が一万一千五百二十四名、入校率は八五%と相なっております。 大体以上でございます。
○原(茂)委員 四十九年度をもう一ぺん言ってください。
○中田参考人 定員が一万三千五百五十名でございます。それから入校者数が一万一千五百二十四名でございます。入校率が八五%と相なっております。
○原(茂)委員 これは、おたくからけさもらった資料ですよ。四十九年度が一万七百五十名、入校者が九千六十二、入校率が八四・三。けさもらったのです。これはどういうのですか。
○藤繩政府委員 労働省からお出ししておりますのでお答えをいたしますが、私の方から出しましたのは一類ということでございまして、ほとんどがいままでどおり中卒の者を対象にしております。そのほかに、いま御指摘のような問題がございますので、最近では、二類といいまして高等学校を出た者も極力対象にすることにいたしております。それを加えますと、いま中田理事が言った数字になろうかと思います。その差でございます。
○原(茂)委員 先ほどの問題と同じなんですがね。こんな資料をもらうときに、総合高等職業訓練校に定員と入校者は幾らかと言ったときに、一類と二類を、勝手にどこかに二類の方は削ってしまって一類だけをよこすなんてばかなことがありますか。大臣、こんなばかなことをいつまでもやっていいんですか。先ほどもそうじゃないですか。全体の説明をしてから内訳を言うのが当然なのに、それを言わない。今度は何ですか、一類だけこれをよこすとは。そんなことをぼくは要求していない。
○藤繩政府委員 大変申しわけございません。先ほどの御指摘のとおり、全体をまず出すべきでございます。 ただ、私の方で伺いまして、一年生の数字というようなことを事務的に拝聴しましてそのまま出しまして、大変不行き届きでございました。おわび申し上げます。
○原(茂)委員 何ですって。もう一遍言ってごらんなさい。一年生のだけを言ったというのは、どういうわけですか。ただ私どもとしては一年生のことだけを言ったというのは、どういう意味ですか。
○藤繩政府委員 問題が中卒のものを——高校進学率の問題を私ども大変頭の痛い問題としてとらえておりますので、そういうふうに早とちりをいたしたものでございまして、申しわけございません。
○原(茂)委員 早とちりですよね。これは以後気をつけてもらいます。もらっても何にもならないです、こんなものを見ていままで調べてきたのですけれども。 要するに、結論的に言いますと、先程局長からるる前段で話があったように、高等学校への進学率が多くなる、あるいは直接の就職があった、ないというような問題から、訓練人員が下降線をずっとたどってきている。これに対してどういう対策を考えていますか。施設があるのにもったいないですよね。
○藤繩政府委員 御指摘の点は大変重要な問題でございます。そこで、対策といたしましては、高校進学率か——もうはっきりそういうふうに低下いたしておりますので、どうしても、一つは高校卒業生を対象にしなければならないというふうに思っております。つい数日前も私、長野に出張いたしまして、県立の訓練校と長野の総訓と両方見てまいりましたが、県の方では大変意欲的に高校生を大量に受け入れておりまして、過半数がすでに高校卒の訓練生になっておりました。写真植字でございますとか、比較的高卒に魅力のある職種ということもございますけれども、大変意欲的に取りくんでおられました。そういうぐあいに、高卒をまず対象にできるだけ考えるということ。 それからもう一つ、問題といたしましては、先生御承知のように、わが国は終身雇用とよく言われますけれども、実際は、若い人が就職をいたしまして四、五年の間は大変よく流動をいたします就職した者の新卒のうち、三年間に半分離転職をすると言われておりまして、これは労働市場センターに上がってまいります数字でございますのでそのとおりだと思いますが、そういう若年の離職者を、離職したのだから失業者だ、したがって中高年と同じように転職訓練をすればいいという考えでなくて、そういう人をむしろはじめて職業訓練の対象にするといった方がふさわしいと思いますが、養成訓練としてこれを受け取めるということを始めたいと思いまして、これはことしから、職業訓練局と話し合いをいたしまして、そういう通達を出して始めたところでございます。 それからさらに、高卒がそういうぐあいに多くなってまいりますと、いまやっております訓練では水準が少し足りないという問題がありますので、御承知の先般の雇用保険法の改正のときに一緒に改正していただきました職業訓練法によりまして、職業訓練短期大学校というものも今後つくっていくという考えが一つございます。 それから、元来、職業訓練校は中卒や高卒の新卒だけでなくて、むしろ労働省がこれをやっておりますゆえんのものは労働者訓練をやるということに重点があるわけでございますので、それをぜひ重視していきたい。特に平均余命が長くなりまして、労働生涯が非常に長いわけでございます。それから技術革新がどんどん進みますので、その間にいろんな訓練が必要だということが、労働者サイドからも産業サイドからも言われております。そういう意味で、この間の改正で今後技能開発センターというものをたくさんつくっていく。実は、予算的に、すでに最近まで三十ヵ所の小規模な人材開発センターというものをやってまいりましたが、今度法律改正で正式にこれを技能開発センターとして、本年度から拡充していきたい。 また、存職労働者でございますので、事業主の方はそれを訓練に出したいと思いましても、なかなか仕事が忙しい、あるいは経済的負担が問題だというようなことがございます。 そこで、雇用保険法の成立を機会に訓練派遣奨励金制度というものをつくりまして、五十年度予算に六億計上いたしまして、中小企業の事業主が公共訓練校に訓練のために人を出します場合には一日につき約一千円の助成をするという制度も今度発足をいたしました。県に補助金を流してやりますので、おいおい県の方でいまの予算を組んで実施の運びに移っていくというふうに期待しております。 そういう方向で高卒の訓練、それからもう一つは成人の在職労働者の訓練、そういう方向に展開をいたしたいと思っておるわけでございます。
○原(茂)委員 いまの対策の一部として、いろいろ新しい法律のできたのを契機に、短期大学もあり、技能開発センターも考える。そのもとになるようなものとして、前にすでに出されている職業訓練基本計画、四十六年四月に出しましたね。五十年度で終わるわけでしょう。これを五十一年度から新しくこの基本計画ができて、それがまたもとになって考えていかれる。これの構想といまの内容、方向をちょっと説明してください。
○藤繩政府委員 ただいま御指摘がありましたとおり、四十六年から五ヵ年計画で職業訓練をやってまいりました。ただ、率直に申し上げまして、あの時点では高度成長という考え方でございまして、かなり意欲的に目標人員を引き上げてやってまいりましたので、遺憾ながら十分目標まで到達しなかったというのが実績でございます。技能検定につきましてはかなり水準に近づきましたけれども、その他につきましては逆に、さきから申し上げておりますような条件下で十分な定員確保ができなかったということでございます。 そこで、五十一年度から新たに五カ年計画を立てて、すっかり経済の様相も変わりましたし、それから学生のそういう動向も変わったわけでございますので、そういった諸条件に見合う訓練計画を立てなければならない。むしろその前提になる諸情勢を十分把握しなければならないということで、先般来、職業訓練審議会にお願いをいたしまして、その辺の調査、研究に入っていただいております。ぜひそういった御意見を十分伺いまして新しい計画をつくりたいと思っております。 それから、先生御承知のように、雇用問題全体につきまして雇用基本計画というものを、やはり五十一年度から発足をさせたいということでございます。当然のことながら、そういうものとうらはらに十分研究をしたいというふうに思っております。
○原(茂)委員 二点続けてお伺いします。 五十一年度からの基本計画はいつごろまでにできる予定なのか、それが一つ。それからもう一つは、この下降線をたどっておるものを防ぐ方法としては、やはりいまだに宿舎がないところがあるのですね。お聞きすると、栃木、埼玉、愛知、この三校だけがない。あとはほかにある。なぜこれはないのか。いつできるか。二点続けてお伺いします。
○藤繩政府委員 新しい五カ年計画はいま鋭意事務的に素案を練っておりまして、秋の初めくらいには職業訓練審議会にその基礎案をお出ししまして、そして最後の予算が決まりますころまでには御答申をいただきたいというふうに思って作業を進めております。 それから、ただいま寄宿舎の問題に触れられましたけれども、実は八十八の総訓のうちいまお挙げになりました三つ以外はむしろ寄宿舎がございまして、そして先生御指摘のようた角度で、当然われわれとしてはそれをやってまいりました。そこでその入居率もいま六五%でございまして、まだかなり余裕がございます。それから、いまお挙げになりましたようなところももちろん寄宿舎を必要とすると思いますので、早急にこういったものは予算措置を講じてまいりたいというふうに思います。
○原(茂)委員 宿舎のないところの入校率はうんと悪いのですよ。調べてごらんなさい。ほかとまるで問題にならないでしょう。これもひとつ、下降線をたどっているものを防ぐ方法として、やはりこの栃木、埼玉、愛知は大至急に宿舎をつくって、平均六〇以上にやはりしていく。八〇にする九〇にするという一つの手段としては、やはり宿舎が必要だろうと思う。なぜこの三つだけがないのか。いつまでにはこの三つはつくれるとお考えなのか。ほうっておいてはいけないと思いますよ。この三つだけなんですから。
○中田参考人 御指摘がありましたように、三カ所につきましてはまだ設置をしておりませんけれども、予算措置を逐次お願いいたしまして計画的に設置をしてまいりたいと思います。なお御存じだと思いますけれども、相当古い宿舎もございまして、それの改装もいたさなければならぬと思っております。 それで、寄宿舎が非常に大きな役割りを果たしておりますが、私ども、埼玉の場合を考えますと、比較的訓練生が集まるのが近いところ、通校可能なところから相当見えておる実績もございますので、確かに御指摘のように入校率も悪いわけでございますけれども、そんなような経緯もあって少しおくれておりますけれども、早急に整備をいたしてまいりたい、こう思っております。
○原(茂)委員 いまの理事さんの言うことを聞いておりますと、埼玉は比較的近いところから人が集まるのだというようなことを言ってみたり、宿舎は大事だと思うけれどもほかの既設の宿舎が老朽化していますと言うと、何だか、いまない三県は後にして、老朽化しているやつを先にやらなければいけないこともあるんだというふうに聞こえちゃうのですがね。そういう意味じゃないのでしょう。老朽化しようと何であろうとあるのに、そして入校率がよくなっているのに、全然ないところは入校率が半分以下なのに、これをほうっておいていいのかという問題ですから、これをつくることが先でしょう。しかも、やがて予算措置をしてなんて、いま何年度にこういう予算を要求しております。こうしょうと思っていますというのがないのだったら、いつになるのですか、これは。
○中田参考人 本年度直ちに設置するというわけにはいかないと思います、実は予算計画もございますから。次年度、五十一年度以降に予算措置をお願いして建設を進めたい、こう思っております
○原(茂)委員 来年ですね。
○中田参考人 明年度以降におきましてと、そう考えております。
○原(茂)委員 来年度以降何年度に予算要求をするのか。来年度以降要求するなんて、以降なんてつけられますと、全然熱意がないですよ、こんなことに対して。来年度は予算を要求するつもりですと、それぐらいのこと言えませんか、この三つぐらい。
○中田参考人 事業団といたしましては、来年度に予算要求いたします。よろしくお願いいたします。
○原(茂)委員 そのぐらいに熱意を持ちましょうよ。 それから、あと二つだけお伺いしたいのですが、先程お話のあった短期大学、これは東京がここで一校昇格するような計画があると聞いておりますが、ほかにありますか。それが一つ。 それから技能開発センターなんですが、これは総合高等訓練校の中に設けるというのが原則なのかどうかが一つ。 それから、万が一違うところにつくるときは国の助成があり得るのか。先ほど一人について千円というお話がありました。これは確かにいいことなのですが、私は四千円ぐらいかと思ったら千円というのをいま初めて知ったのですが……。 それから、これを現在、新しい法律に基づいて計画している県はどのくらいございますか。
○藤繩政府委員 短期大学でございますが、御承知のように、小平にございましたものを今回昇格をいたしました。あと、ただいま宮城、富山、福岡と、大体ロケーションを考えまして調査に入っております。調査の結果を見なければ何とも申し上げられませんけれども、そういった個所に、つまり大きなブロックのやや中心的なところに設けてはどうかというようなことで検討をいたしております。 それから技能開発センターにつきましては、千葉の技能センターというのが従来からございますこれを整備いたしまして第一号にしたいということで、ことし予算を組んでおります。来年度以降につきましては、いま、どのくらいこれをやっていくかということを研究しまして、五十一年度予算に組み込みたいと思っておりますが、先ほどもちょっと触れましたように、これは雇用保険法の改正でそういうことにはっきり決まりましたけれども、その前から同じような思想がございまして、名前も人材開発センターというようなことですでに三十カ所、一般に予算を組んでおります。そういうものを正式なものにのせるかどうかという問題も、五十一年度予算の編成のときに考えてみたいと思っております。 しかし、いずれにしましても、御承知のように法律の上では、技能開発センターは雇用促進事業団が設置すると書いてございます。ただし、これはそれに限られるわけではございませんで、高等訓練校も雇用促進事業団が設置すると書いてございますけれども、大臣の認可で最近は都道府県でも盛んにつくっております。そういったバランスも私ども今後考えまして、どういう予算を組むか、先ほど申し上げました新しい基本計画、それから五十一年度予算編成、そういう過程で十分審議会等の意見も聞きながら練ってまいりたいというふうに思っております。
○原(茂)委員 最後に、いまの両方の問題は、公共職業訓練を中心に県がこの種のことを考えたときにどうなるのでしょうか。
○藤繩政府委員 県が技能開発センターをおやりになるときに国の方でどうするか、あるいは短期大学につきましてもどうするかということは、いまここではっきりお答えできるほど詰まってはございませんけれども、先ほどちょっと申し上げました認可高等訓練校という制度がございます。高等訓練校は雇用促進事業団が設置するとございましたけれども、非常に技術が高いために、認可による高等訓練校を設置してまいりました。これにつきましては、国が一般の訓練校と同じような考え方で補助をしていることは御承知のとおりであります。したがいまして、今後、そういった前例も考えまして、どういうふうにやっていったら一番いいかということを、この予算編成のときに、それからまた長期計画の中で、長期的な見通しを持って、そういった点を十分考えてまいりたいと思っております。
○原(茂)委員 この問題の締めくくりにひとつ大臣にお伺いしたいんだが、つい先ごろ、文部省と一緒に大臣がこの問題を中心に話し合いをしましたね。どういう方向で主に何をしようと考えておるのか。何か結論めいたものが出たか。
○長谷川国務大臣 御議論が出ていますように、技能者というものがいま日本で非常に足りなくなっております。何さまホワイトカラーが多くなりまして、組合の諸君に会ってみましても、ブルーカラーの諸君から見ますとホワイトカラーが非常に月給が高い、自分たちの技能というものとそう変わりないんじゃないか、こういう話が一つあります。もう一つは、おっしゃるように、中学校の卒業生がほとんど就職戦線に入ってこない。高等学校進学が九〇%以上、こういうことになりますと、いまから先の日本というものはどうしても技能者の大事さ——しかも一方、局長も答弁しましたように、長生きしておりますから、そこで再就職という問題が出るまでに、一番大事な生涯訓練をやるくせを常につけておく必要がある。その場合に問題になるのは、文部省とうちの方との連携が大事なんですね。高等訓練校という名前をつけてみても、一般高等学校に比べて、訓練校に入ると何かひけ目を感ずるということじゃまずいですから、私は、文部省も勤労の問題に対して、横並びに一般高校と同じようにこういう技能の諸君というものを見ていくようなことが大事じゃなかろうかということで、前回は局長諸君と懇談しましたが、今度は文部大臣を入れまして、向こうも局長さんが出てき、私の方の局長も出まして、話を詰めて、そうして学歴偏重はやめてもらうという方向の中に技能というものを大事にするくせをつけようじゃないかということを一すくに直接結論は出ませんけれども、それをきっかけにして事務当局でずっと何遍となく会議を続けていく、こういうふうなことでスタートした、こういうふうなところに、労働省の訓練に対する熱意というものをひとつ御理解いただき、御声援いただくならば幸せだと思います。
○原(茂)委員 そこで大臣、おっかぶせてもう一つお伺いしたいんだが、最近の雇用情勢を見ますと、やはり総需要抑制が効いてきましたし、就職はそう甘くない状況になってきましたね。各企業とも大企業を中心に、傾向としては指定校制度みたいな採用の仕方がだんだん、におってきているのですね。恐らくその方向に大胆に踏み切る企業もあるのです。いま大臣のおっしゃったようなこと、非常に心配なことなんで、学歴偏重、生涯教育訓練、確かに大事なことなんです。ということを考えてくると、現在の経済状況に合わしたとき、なかなか人が入社しにくい。採用されにくい。就職しにくい。これがうまく利用されて、企業側で有名校か、一流校か何かを指定して就職させるというような、昔の指定校制度みたいなものが復活するような傾向がもうすでに出ていると思うのですが、労働省、これに対して何か適切な指導をすべきだと思うのです。この考えはどうでしょう。
○長谷川国務大臣 低成長になりまして、入社試験等々もなかなか大変だと思うのです。そういうことからしまして、私の方は文部省あるいは経営者の方々と相談をしまして、いままでは七月ぐらいに入社試験したのを十一月に延ばす。これはあなたも御経験あるでしょうけれども、いまだったらなかなか入社試験に会社の諸君は踏み切れない、こういう事態がありますから、そうしますと、やはり指定校的なことじゃなくして、そういう学歴偏重をやめるような姿勢と、技能を持った者を——そして一生懸命食いついていくという一そういう姿勢が学生諸君にも必要であるだろうし、一生の宝として何か技能を持っていることは、外国の場合ですと、企業に入っていながらもいろいろなライセンスを取って、そして常にいろいろなところに対応していく、こういう活発な姿勢というものが資格として大事じゃなかろうか、そういうことによって自分を守りもし拡大していくというところに労働省がお手伝いしていくならば幸いだ、こういうような考えております。
○原(茂)委員 いまの技能者訓練というものの内容を充実さして、やがてそういう弊害もなくするようにしたい、これはまあ近い将来あるいは長い将来の希望ですよね。しかし、現在のこの段階でそういう傾向がもうすでに出ているときに、労働省としてはやはりある程度の指導的な役割りを果たさなければいけないだろうと思うのですよ。そうじゃないと、必ずそうなりますよ。十一月に延ばしたからいいんだと思っていると、どっこい、もう始まっているんですからね。どうでしょう。
○長谷川国務大臣 従来は、御承知のとおり経済はぐんぐん伸びるから、まあどなたもいらっしゃい、さあパートでもいらっしゃいと、こういうことでしたが、低成長ですから、やはり人間を中心にする雇用計画というものを私の方で洗い直す。そういうときに先生のおっしゃるようなものも非常に参考になりますので、深く考えながら進めてまいりたい、こう思っております。
○原(茂)委員 まあ言いにくいらしいから的確にはいいですが、的確な指導を実施していただきたいと思うのです、もうすでに始まっていますから。 最後に、今年度の賃上げは、御承知のように低成長時代にふさわしいものにしようという考え方が一年前から大変宣伝されたおかげで、賃上げというのは非常に低く抑えられたように私ども思うのです。 この間、週刊誌に出ていましたが、一流百社の企業の経理内容というものを細かく百社全部に対して発表されていました、つい先週ですが。それを見ますと、百社の中で支払い限度額が、昨年の夏期の一時金、ボーナスですよね、それと比べて二倍、三倍、五倍なんというのがある。たくさんあります。支払い限度額が百万以上になっているところが、百社の中で大体二十三社あるのですよそうして昨年の夏のボーナスより支払い限度額か低いというのは、百の中でわずかに三つしかないのですよ。一流百社の中に三つしかないんだ。まあ多分ごらんになっているだろうと思うから一々こんなものは読み上げやせんが、二つの週刊誌が、また期せずして、いい資料を出していますよ。しかも、なかなか正確なものです。ということは、これは現在の大蔵省に届けられましたものを基礎に三月期決算で調べているわけですから。 ということになりますと、どこから一体こんなに大きな余裕が出てきたのかというと、やはり今年の賃金は思ったより低く抑えられた、したがって、労働分配率というものを例年に当てはめて見てみるとボーナスに相当するものがこれだけは出せるなあという、昨夏のものと比べてみるといままでにない大きな数字になってきたのです、支払い限度額が。労働分配率というものがこれからは基本になって賃金引き上げあるいは一時金というようなものを考える状況にもうすでになったと思う。所得政策はまだ早い、あるいはやっていいか悪いかという論議がありますが、これはまた別個に、単独にこれだけで十分に皆さんにお伺いしたいと思っていますが、現在のような賃金が低く抑えられなければいけないという前提で、総需要抑制の中で低い賃金に抑えられた。大体、まだ小さいところは決まっていませんが、抑えられた。六〇%は大体決まった。というのをもとにして一流百社だけを調べたときに、支払い限度額というのがこれほど膨大なものになってきたということになると、まず第一に言えることは、今年の賃金が思ったよりよけいに低くし過ぎたということが一つ言えるのじゃないか、そういう検討を労働省がしているかどうか、それが一つ。 それからもう一つ、二点目は、ということを考えて、ことしのこれからのボーナスですが、少なくとも一流百社のこの数字を見る限り、去年よりはずっと上回ってよろしいという数字が出ている支払い限度額がもう出ているのですから。限度いっぱいにやることは企業経営どうかと思う。私も経験があります。しかし、これほど、昨年の夏よりも何倍もというふうに出ているのですから。ということになると、ことしのボーナスの率というものは二ヵ月だ、二・一ヵ月だ、二・五ヵ月だというようなものじゃない、三ヵ月以上は当然だと、この限度額の数字からは言えるのです。ゆとりを見ても言える。したがって、労働分配率を昨年とと同じようにしてもなおかつ 労働分配率は、西欧と比べて低過ぎますから上げなければいけませんよ、上げなければいけないのですが、これは別個の問題としても、今年の夏のボーナスだけは相当程度昨年より余分に出せるはずだということが言える数字が出ているのですが、検討されていますかどうか。どういうふうにお考えになりますか。
○道正政府委員 私どももできる限りいろいろな資料を集めて、経済情勢あるいは労働経済の面で勉強いたしております。毎年、労働白書という形でその分析の一端も公表し、労使はじめ国民の皆様の参考に供しているわけでございます。 ただ、ことしの賃上げが少し低過ぎたのではないか、あるいはことしの夏はもっと去年以上にボーナスが出せるのではないかという御質問でございますけれども、これはもう先生御承知のように、私ども、賃金問題につきましては、たてまえといたしまして、労使の間に介入するつもりは毛頭ございません。また、介入してはならないというふうに思っております。労使間で争いがあった場合には、中労委あるいは公労委の場で公正な第三者の判断によって労使が話し合いで決めるというシステムを一貫してとり続けておりますので、この際、ここで賃金が低かったと思わないかとか、ことしの夏もっと出せるではないかということを申し上げることは控えさしていただきたいというふうに思います。
○原(茂)委員 これは大臣、最後に答えてもらいたい。いま答弁されるのは、当然そうやって逃げなければいけないでしょう。ただ、いまそう答弁しながらも、詳細にわたって勉強して調べていますと言ったら、この程度の数字は調べてあるはずなんですね。あるはずなんです。そうすると、この程度の数字が調べてあれば、ことしの夏、去年と比べてボーナスは、この数字の上からは余分に出せますねと私が言ったときに、大臣が——何も労働省がガイドラインを出せ、ポストを出せと言っているわけじゃないのです。所得政策を突っ込んでいけと言っているわけじゃないのです。言っているわけじゃないのだけれども、こういう数字が現に出て、はっきりしている以上は、去年の夏よりもことしの夏の方が、賃金は引き上げが少なかったし、多く出せますねと私が聞いているのにこういうものを勉強している大臣が、数字を見てよけい出せるはずだということが答えられないはずがない、それを最後に答えてください。それで終わります。
○長谷川国務大臣 まあ先生がよくおわかりのとおり、その賃金問題については政府が何か言うわけにはまいりませんことは御承知おきのとおり。また、日本は所得政策もやらない。そして今度の賃上げというものは、私は労使の間の話し合いでできたと、こう思っております。そしてまた、第三者機関の決定をお互いが尊重してやっていくという姿。問題は、私はことしの特徴は、消費者物価というものがやはり一四・二まで落ちついたということ、そして、だれでもが望んでいること、組合でも望んでいることはやはり物価の安定です。そういうことからしますと九・九、来年三月の消費者物価、ここにどう持っていくか。私は、各企業の皆さん方も、そういう余裕等々がある場合には、やはり物価問題について非常に熱心にやってもらいたいという希望を心の中に持っているところでございます。
○原(茂)委員 残念ながら終わります。
○森下委員長代理 庄司幸助君。
○庄司委員 最初にお伺いしますが、雇用調整給付金制度、これは実施はいつからやられたのか、まずこれをひとつ……。
○岩崎政府委員 昨年の十二月二十五日に雇用保険法が成立をいたしまして、その附則でこの雇用調整給付金制度は一月一日から早急にということになりまして、本年の一月一日から施行をしておるわけでございます。
○庄司委員 この雇用調整給付金制度の目的を簡潔にひとつお願いします。
○岩崎政府委員 給付金制度は、雇用保険法六十二条一項四号に明記されておりますように、失業を防止することをねらいとしているわけでございます。
○庄司委員 その効果が上がっているかどうか、数字でひとつこれも、時間の関係で、大変長くなると困るのですが、簡潔にお願いしたいと思います。
○岩崎政府委員 具体的な効果をどういうふうに考えるかという問題があると思いますが、一月一日から実施している実績について申し上げますと、給付金の支給を受けようということで休業の実施を届け出た事業所が現在まで、これは取り急ぎまとめましたもので、多少まだ出てくるかもしれませんが、月平均六千七十四事業所、その休業の、延べ日数でございますが、一千百六万九千人目ということになっております。 これがどのように失業の防止に役に立っているかということでございますが、私どもといたしましては、景気の後退の中でいろいろと企業の雇用調整が行われ、最終的には解雇ということになるわけですが、その一時帰休という形で当座をしのいでいくという面から、労働者を解雇せずに、一時休業をする、その間の雇用調整給付金の手当によりまして相当数の、本来これなかりせば失業を余儀なくされただろうと思われる方々の失業の予防に役に立っておる、こういうふうに推測しております。
○庄司委員 それで、これは実は宮城県だけの数字ですが、どうもそういうふうになっていないんじゃないかと思う節があるのです。これはきのう宮城県の職業安定課に聞いてみたのですが、四十九年一月から十二月まで、この制度が発足する前倒産は別にきて、人員整理件数ですね、これは体栽はいいのですが首切りです。これが百二十七件で、人数は二千三百二十四人なんですね。月平均十・六件で百九十三名。ところが、五十年、給付金制度が発足してから、一月から三月までの統計ですが、件数で六十七件、人員では三千八百六十八人、月平均にしますと二十三・三件で千二百八十九人と、こうなっていますね。ですから、この人員整理のスピードが、給付金制度が出る前と比べると、どうも人員で約八、九倍ぐらいふえている、こういうことになっているんです。 その点で、全国的にこういう宮城県のような傾向がありはしないかと私は思うのです。宮城県というのは農村県ですから、農村に誘致された工場が相当多いわけですね。こういうところがばたばたと人員整理をやっている傾向があるんじゃないか。その辺どういうふうにつかんでおられるか、お願いしたいと思います。
○岩崎政府委員 お答えいたします。 いまの先生御指摘の宮城の数字、私どもは必ずしも具体的につまびらかにしておりませんけれども、全国的な傾向で、これも私ども試算いたしましたところでは、昨年の三月と本年の三月を一応とってみたんですが、昨年三月、これは生産で前年比、四十八年三月比で四四%ふえておりました。しかし離職者数は、やはり人員整理によります離職者数が四万四千人あったわけでございます。ところが、本年は非常な景気の落ち込みで、本年の三月には、生産が前年比、四十九年三月に比べまして一六・一%減少しております。そして人員整理による離職者数も十万七千人になってはおります。ただ、生産が激減しているということの割りに、離職者の前年の四万四千人に対する十万七千人ということは、その十万七千人というのも絶対数として決して少ないと申しませんけれども、そこに雇用調整給付金等の活用によりまして、景気の落ち込みと対応して考えますれば、それよりは人員整理が少なかったのではなかろうか、このような数字を一つ持っておりますので御説明申し上げました。
○庄司委員 それで、この宮城県の数字ですね、もう少し分析してみたんですが、こういった数字のうち、電気機器の関係が件数で四七・三%、それから人員で六一・二%占めているんですね。これは各職安別の調べですが、これは若干数字ずれますけれども、本年の四月三十日までの数字になっていますが、古川職安関係が二十五件で二千百八十一人、これは四十九年一月からですが、それから大河原職安関係が二十九件で千百八十人、それから築館関係が四十四件で九百四十三人です。 私なぜこの三つを取り上げたかというと、実はこの三つの職安の中に、いわゆる農村工業導入とか何かで一生懸命かね太鼓で導入した企業がたくさんあるわけですよ。このうちアルプス電気というのがあるのです。この傾向を見てみますと、昨年の十二月二十四日からことしの一月六日ですね、ちょうど年末年始の最中、古川というところと涌谷というところですね、ばたばたと希望退職を大急ぎで募った形跡があるんですね。この二つの工場で九百九十人希望退職を募って、会社側から言わせれば成功したのですね。それから角田、丸森というところにもあるのですが、これはアルプス電気の方です。これは二月から三月にかけて二百七十人希望退職を出しています。この古川のアルプス電気は、いわゆる農村工業導入で出かせぎしなくても済むんだと、地元では農民は非常に期待を持っていたわけです。これが昨年、カドミウムもたれ流し、農民に深刻な不安をいまでも与えているのですが、こういう数字がある。 どうも考えてみますと、今度、雇用調整給付金制度ができる、これが労働者に知られると、…や首は切らないで一時帰休でやってくれという声が大きくなりますから、それを恐れて、ちょうど実施時期を中心にして前後でばたばたとあわててやった、これが一つ反映していると思うのです。それから二月、三月にやっているなどというのは、もうこういう制度ができてしまった、しかしそういうものも無視して、企業の採算あるいは生産の見通しという企業サイドの観点で強行したというふうに見られる節があるのです。 こういう傾向は、東京、大阪のような大工業都市の場合は別として、農村県の場合非常に顕著になるんじゃないかという気がするのですが、その辺、何か資料的にお調べになっているものがありますか。
○岩崎政府委員 先生いま御指摘の東北アルプス電気につきましては、先生からお話がありましたので、私どもも実情を現地で調べてみました。 御了解いただきたいのは、私どもが今回の不況のこういうことがあるだろうということを予測いたしまして、昨年の春に雇用保険法案を提案したわけでございますが、種々の経緯で廃案になってしまった。したがいまして、八月、九月から繊維、電気あるいは精密機器あたりを中心に非常な景気の落ち込みが出てまいりましたときに、その雇用保険法案が用意しております雇用調整給付金制度が発動できなかった。それで暮れになりまして急遽提案することができ、そして成立させていただいたわけですが、実際には十二月二十五日に成立いたしましたが、昨年暮れの臨時国会で二週間くらいの間にばたばたと成立いたしたわけで、それぞれその間そういった、もうすでに非常な危急のふちに追い込まれているような企業につきまして、結局雇用調整給付金が一月から発足はいたしましたが、十一月、十二月に人員整理をしなければならなかったというような事情もあったように思います。 それで、アルプス電気の場合にもそのような事情があったと思いますので、企業の方が、もし雇用調整給付金制度ができてしまうと一時帰休でかえって負担になるというような企業判断があったかどうか、私ども必ずしもつまびらかにいたしませんが、少なくとも労働組合といろいろ折衝を重ねまして、労使の合意の上で人員整理が行われたというように聞いております。その人員整理は、もちろん希望退職という形で行われたわけでございます。 農村工業導入ということで、確かにこういった、今回非常に不況に見舞われた業種が進出をしたために、そういったことが多かろうということはもちろん私どもも推測いたしておるわけでございますが、昨年暮れの事態を何とか乗り切ったものは、一月から雇用調整給付金制度の活用によって企業の立て直しが図り得ているんじゃないかというように推測をいたしております。
○庄司委員 労使合意の上と、こうなっていますが、あそこは労働組合はないのです。何か親睦会みたいな組織はあるやに聞いておりますが、そういう点で、これはやはり会社側の一方的な押しつけがあったんだと私どもは見ているわけです。むしろ企業判断の方が先だった。その点で、こういう制度がせっかくできた、しかしこの制度についての会社側なりあるいは労働者なりの理解がやはり軽視されたのかあるいは無視されたのか、その辺になるんじゃないかなという気はするんです。その点やはり労働省の指導上の問題ですね、これを急速に普及する。これは時間的にも若干無理はあるかもしれませんが、やはりその辺に欠陥があったんじゃないかなという感じがするのです。きょうはこの雇用調整給付金制度のよしあしは別としますが、その辺どんなものでしょうか。
○長谷川国務大臣 庄司さん、同じ県選出の代議士でございますので、あなたのおっしゃったのが——私も実は宮城県にちょっと帰ったたびに、雇用調整給付金がどういうふうに作用して、またどういうふうな労働事情であるか、行ったたびに労働省関係の機関から聞くわけです。同じ郷里でございますから、あなたのおっしゃることはみんなわかります。ことに農村工業化ということで工場誘致した諸君、それにはよそに出ないでもそこで働けるということ。 そこで、その雇用調整給付金制度というのは、答弁があったように、実は十二月二十五日に両院で可決された。当時、しかし、もう繊維が悪くて、電気が非常に悪かったものですから、国会で、四月一日から施行するのを一月一日に繰り上げてこれを早く間に合わせろということでしたから、私もなるほどと思いまして、役所の諸君にも督励して、一月一日から雇用調整給付金だけ繰り上げて実施したわけです。あとの雇用保険法案という実体は、四月一日から実施されているんです。 と同時に、これは東京にある大きな本部を持っている組合はよくわかっておりますから、現に十二月二十五日に参議院で通過して、私が参議院の委員会から下におりるときには、大きな組合の諸君が来て、おかげさまで一月一日までこれ早くできていると首切られないで済むからということで、ようやくできてありがとうとお礼も言われたことがあるんです。そういうふうに利用の方法を知っておったんです。と同時に私の方も、画期的に新聞に半ページの広告を出したり、関係の代議士の方々もいろいろ運動したりして、これはずっと雇用調整給付金が生きて役に立っていると私は思うんです。 ただ、その場合に、私たちの方の宮城県にそういう問題があることは私は非常に心痛に耐えない。何とかこれは、現在は指定した業種というものも数多うございますけれども、地方地方で困った業種について申請のあったもの、こういうときにこそ金は使い惜しみしないようにというふうな姿勢で、これをいま追加指定などもしておるわけでして、いままでのところそういうことが宮城県に起こったことは、私も同県の一人として非常に残念だと思っている次第であります。 一方、こういうときでありますから職安の諸君を動員し、きのうも全国の安定課長会議などを開きましたが、やはりこういうときの親切は就職を求めに来た人にとっては一番ありがたいことであるから、親切な就職あっせんをするようにというふうな、そういう手配などもとっておることも御理解いただきたい、こう思っております。
○庄司委員 その点私は、やはりああいう制度をせっかくつくったんですから、これは急速に浸透させる、まさに予防する、そういうひとつ先取り的な——事前にこういう状況がもううわさは出ていたんですから、アルプスが大量の人員整理をやる、そういうときになぜ労働省関係が飛んで行って、そういううわさの出ているようなところに説明に行かなかったのか。そして会社側にも労働者側にもよく説明して話し合いをやれば、こういう事態は防げたのじゃないかと思うのですよ。その点非常に残念だと思うのです。 なお、私、アルプス電気の有価証券報告を見たわけです、これは一部上場ですから。これは東北アルプスとアルプス電気と二つありますが、東北の方は子会社です。この有価証券報告を見ますと、昨年の三月三十一日現在ですが、流動資産は二百二十八億円余持っている。これに対する流動負債が百四十七億円余で、酸性比率も非常にいいのですね。それから固定資産百三十五億円で、固定負債が二十九億円。合計すると三百六十三億円対百七十六億円なんですね。資産状況は非常にいいんです。しかも、利益剰余金が八十六億円オーバーしているんですね。ほかに資本剰余金が七十三億円、引当金が四億円、減価償却引当金が五十三億円もある。事情は若干違ったと思いますが、当期純利益金を二十億円以上出しておりますね。資金繰りの方を見てみますと、三月現在で七十八億円の黒字になっているんです。だから資金繰りも非常にいいのですね。 私、非常に憤慨しているのは、ここの給与が、現業の人の場合五万四千六百四十円というのが平均なんですよ。これは驚くべき低賃金ですね。まさに、農村工業導入の目的というのは豊富、低廉な労働力を農村で求めることにあったというのを物語るものですよ。しかも、こういう低賃金の労働者から、社内預金九億円も取っているのですよ。ことしの決算はどうなのかというんで、この間日経に載ったのですが、三億円ぐらい欠損になりそうだ、しかし配当積立金を取り崩して年一割から一割五分の配当をやると言っているんです。配当の方は積立金取り崩しても欠損でもやると言いながら、労働者の方はこうやって生首どんどん切っちゃう。しかも雇用調整給付金制度があるにもかかわらずこういうことをやるというのは、非常にけしからぬと私は思うのですが、大臣、どう思われます。
○長谷川国務大臣 アルプス電気の経理内容、私はよく存じ上げませんので、先生のおっしゃったことをお伺いしておったということです。 そこで、最近は宮城県の方でも、雇用調整給付金の適用の場所も大分ふえてまいりました。私も行ったたびに、幾つぐらい適用されているかという話を聞くわけであります。おっしゃるとおり、東京に本部も置くような大きな組合でありますと、それぞれ情報のキャッチ、ある場合にはいろいろな陳情、ある場合には資料の収集というのができます。全国的に農村に進出した企業を抱えているところの行政当局は、今度の場合の調整給付金に非常に注目しておりまして、法律が通った途端にお礼に来た知事さんもおります。 そういう中においていまのような問題、まだそのころは、おっしゃる件数の中には、たしか法律が通っていない時期もあったかと思います。(庄司委員「法律通ってからもあったんだ」と呼ぶ)そうですか。そういうようなところにしわ寄せができて、農村の働く諸君が自分の職場を一時離れなければならなかったということは非常に残念だと思い、いまから先も、この法律の適用あるいはPRには十分力を尽くしてまいりたい、こう思っております。
○庄司委員 大臣さっき、同郷の関係あるとおっしゃられましたが、宮城県だけじゃなくて、全国的にこういう傾向があるんじゃないかなと思っているわけですよ。その点で、農村の状況を考えてみますと、米の場合はあのとおり減反調整を受ける。出かせぎに出ざるを得ない。しかも農外収入が五〇%を超えているわけですね。そういう中でこういう企業が進出して、自分の都合で勝手に、倒産の憂き目に遭ったならともかく、積立金も相当持っていながらこういうあこぎなまねをやる企業があるとなると、農民は浮かばれないと思うのですよ。 これも南郷町の事例ですが、大変細かになって申しわけありませんが、涌谷のアルプスの工場に勤めていたある奥さんが、こういい会社ができた、それで安定的にずっと勤められるというのを当て込んで借金して、ローンで家を建てた。ところがこれを返す当てがなくなってしまったというので、非常に嘆き悲しんでいる。あるいは子供さんの学校資金に充てようと思ってやっている。これがだめになる。こういうことは全国で起こっているんじゃないかと思うのです。 大臣、特に農村に誘致した企業の場合、農民は出かせぎ先がどんどん切られてくる、せっかくつくった農村内の工場がこういう人員整理をやる。一体、農民はどこへ働きに行ったらいいのか。農業の見通しは暗い、農外収入が絶たれてくる、これは非常に深刻な問題だと思うのです。これは雇用調整給付金だけの問題ではなくなると思いますけれども、大臣も閣僚の一員でございますから、その点しっかり物を考えて対策をとっていただきたいと思うのです。 その点で、こういう農村県の場合、県知事にある程度の指導権を与えて、労働者を首切る前に知事と協議する——協議と言うと語弊かありますけれども、あるいは労使といろいろ話し合いを持つ、そうやって知事の勧告ぐらい出せるような制度なり仕組みなりを考える必要があるのじゃないかと思うのです。大臣、その辺どうでしょうか。
○長谷川国務大臣 それぞれの県にそれぞれのやり方があろうかと思うのです。私、おとといですか岐阜県に行きまして、岐阜県の知事さんと二時間ばかりいろいろ話などをしますと、あれ、やっている。それから宮崎県の知事さんなんというのは、自分の方の誘致工場百五あるけれども、そのうち繊維が五十五、こういうものに雇用調整給付金をどうしてかけたらいいかというようなことを、労あるいは使ともどもに懇談したりしている。宮城県の場合にもそういう組織らしいものがあるのじゃなかろうかと思いますが、いずれにしましても、いろいろなことを考えながら、いま働く諸君が失業しないようにするのが一番大事なこと、私たちもそういう気のついたことについては十二分に心がけて行動してみたい、こう思っております。
○庄司委員 私の時間が来ましたので終わりますけれども、最後に私、資料をお願いしたいと思うのです。 それは先ほどいろいろお話ししてきた中から出てくるわけですが、農村県と言われるところだけで結構ですが、昨年の一月から十二月までと本年の一月から四月までの人員整理の件数と人数それから工場名、企業名、これは各県調べればすぐ出ると思いますから、これをひとつ資料としてお出しいただきたいと思うのですが、出せますか。
○岩崎政府委員 いま先生のおっしゃったうち、件数とそれから人員はお出しできると思います。ただ、企業名まで個々にということになりますと、ちょっと調べができにくいのじゃないかと思いますので、また先生の方に御説明に上がりたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○庄司委員 それでは、企業名は説明でもいいですから、数字だけはひとつ出していただきたい。それはいいですね。 それから大臣、最後に、これは例の、社長が非常にずさんな経理をやって、あるいは使い込みもやったなどといううわさのある東京時計です。これは神奈川県に本社があります。宮城県に相当大きな工場があるわけです。この東京時計の労働者が七百人以上、これもうっかりすると失業の憂き目に遭いそうだということになっているのですが、これは会社更生法の適用になって、いま審査中のようですが、これは失業の憂き目に遭わせないように、ぜひひとつこの会社の存続のために十分な尽力をしていただきたいと思うのですが、大臣、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○長谷川国務大臣 お名指しですから。 東京時計は佐藤さんが経営しておりまして、御承知のとおりああいうことになりましたので、私も、川崎の本社に行ったことはございませんが、その話を聞き、あるいは村田の工場が相当大きな、宮城県の代表的な工場だということを聞いておりまして、知事その他といままでいろいろやりとりがありまして、会社更生法の適用にはなったようであります。一方、おっしゃる雇用調整給付金の話もありました。これも話を聞いておりましたけれども、これは労使が話し合って、そして申請しなければならぬのです。どうしても労使の話し合いがつかず、いまのところ、ちょっと給付金の適用というわけにいかないような状態であることも御理解いただきたい、こう思います。
○庄司委員 終わります。
○森下委員長代理 柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 労働基準法上の監督問題に関連して、千葉銀行と千葉興業銀行の問題について若干お尋ねしますが、この千葉銀行と千葉興業銀行の労働基準法違反の問題について、このところ、監督機関から幾つかの是正の勧告がなされておりますけれども、監督機関が指示した内容に従ってこの二つの銀行が是正の措置をどのように実施しているか、その実施状況についてまずお尋ねします。
○東村政府委員 千葉興業銀行と千葉銀行の従業員の方から本年四月一日申告がございまして、その両行について、女子の違法な時間外労働、それから始業前の清掃、終業後の金庫閉鎖、さらには割り増し賃金というような問題が指摘されました。これに対しまして私どもの方も、四月四日以降いろいろ当たりまして、四月二十一日是正勧告書を交付いたしました。その結果、五月二十八日に是正について口頭で報告がありましたので、これを文書で報告をするようにと、これは千葉興業銀行でございますが、というふうにやっております。千葉銀行についても、是正されたということでございまするので、追ってその確認の報告をいただこう、こういうふうに考えております。
○柴田(睦)委員 こうした銀行では、いままで何回も指摘してきたけれども、なかなかそれを実施しようとしないというような問題がありましたので、厳重に実施をさせるように監督、指導していただきたいと思うわけです。 次に、千葉興業銀行の蘇我支店に勤務しておりました佐野幸子さんは、昭和四十年ごろから頸腕障害を自覚しまして治療を続けましたが、昭和四十九年の四月にとうとう休業せざるを得なくなりました。会社はこれを業務上の疾病と認めないので、労働基準監督署に申し立てておりましたところ、監督署はことしの三月三十一日に業務上の疾病と認定しました。ところが千葉興銀は、佐野さんの病気を業務上の病気と認定しないで、会社の災害補償規定を盾に、銀行が業務上疾病であることを認定することが必要である、こう言って、災害補償規程の適用をしようとしないという状況です。 労働基準監督署が業務上疾病と認定した場合において、企業がこれを否定し、法の適用をしないというようなことに対して、どのように考えておられるか、対策も含めてお伺いします。
○東村政府委員 ただいまのお話にございましたように、この佐野さんの問題については、三月三十一日、千葉の監督署がこれを業務上と認定いたしました。そういたしまして、業務上であるがゆえに療養補償の給付を行っております。一方、ただいまお話がございましたが、会社の方では、就業規則について、この労災補償保険の給付とは別に補償するというような就業規則をお持ちのようでございますが、その問題について、これは監督署は業務上と言うけれども、必ずしもそういうことではないというようなことで、その就業規則による労災補償の上積みと申しますか、そういうものをやっていないようでございます。 そこで、それに対して監督署としてはどういう態度をとるかというお話のようでございますが、私どもといたしましては、業務上外の認定をするというのは、労災補償保険法の観点から、補償給付を行うかどうかという立場からこれを認定しているわけでございまして、率直に言わしていただきますと、それが労使双方で、あるいは使用者がお決めになった就業規則の上でどういうふうに用いられるかあるいは用いられないかというのは、実は私どもの権限を越える問題でございます。しかし、現実に問題が起こりますならば、われわれとしても、労災保険法の上ではこれは業務上ですということを、この場合は会社でございますが、よく説明をするなり、あるいはわれわれのできます限度で指導なり相談に応じていく、かように考えております。
○柴田(睦)委員 あえてこの問題を取り上げたのは、銀行内における信条による差別、それを考えるに十分ないろいろな材料が出てきているわけですけれども、その問題を含めて監督当局において考慮してもらいたいということから申し上げているわけです。 次の問題ですが、千葉銀行においても、千葉興業銀行においても、労働基準法の違反というのがいままで平然とやられてきておりまして、従業員から申し出があってもなかなか正そうとはしない。監督署からいろいろ口頭なりで注意を受けても、いろいろ理屈をつけて、実施しようとしないというようなことがしばしばあったわけです。こういう基準法違反というのは、単にこの二つの銀行だけではなくて、地方の銀行において全国的に幾つも取り上げられ、重大な問題としていま指摘されてきているわけですが、何といっても地方銀行というのは地方の経営における有数の企業であって、本当に是正しようと思えばやれない事情は何らないわけです。意識的にこうやっている事情がありますので、まあいいわけですけれども、いま挙げました佐野さんについても、就業規則の問題にしても単純には受け入れないというような懸念を持つわけですが、この佐野さん自身が、いままで賃金の上で重大な差別を受けてきた人であります。 この賃金差別の問題についてみますと、千葉銀においては市川力外十七名が、この賃金差別の実態を明らかにしてその是正を会社に要求しているところです。それによりますと、普通程度に昇給、昇格した場合と比べて、昭和四十年から昭和四十八年までの間に、たとえばその中の加藤準之助という人は五百九十九万七千五百八十六円、河合俊浩という人は五百六十万三千五百七円の差がありますし、十八名の中に、このほかに四百万円以上の差が出ている人が六名あります。千葉興銀においても十八名の労働者が銀行に要求を出しておりますが、同年齢の最も多数の人が分布している人の給与と比べますと、昭和四十二年から昭和四十九年までの間に、たとえば大谷貞夫という人は七百三十七万三千八十四円、石川幸夫という人は七百方五千四百二十八円、関貞治という人は六百六十四万八千六百四十一円の差が出ておりますし、昭和四十九年の一年間だけでも、この三名は大体同僚と二百万円前後も少ない賃金差になっているわけです。ちょっと常識では考えられない差異があるわけてすけれども、このような事実や、またこういうことがどうして起きたか、その背景などについては知っておられるかどうか、お伺いします。
○東村政府委員 ただいまの先生の御指摘の数字その他については、実は現地の千葉の方の監督署、基準局で掌握しておりますが、私どもはまだ、時間的余裕がございませんので、明確に把握しているわけではございません。恐らく、そういうふうな賃金についての差があるというふうな事実があった場合に、それが何によってもたらされたか、どういう原因で差別が生じてきたかというところに問題が出てくると思うわけでございます。御承知のとおり、労働基準法三条によりますると、信条であるとか、社会的身分であるとか、国籍であるとか、そういうものによって賃金その他の労働条件について差別してはならないというのがございますし、労働組合法第七条によりますると、労働運動をやった、正当な組合活動をしたがゆえに労働条件について差別を設けてはならぬというようなもろもろの規定がございまするので、そういうものに触れまするならば、やはり基準法上の問題いしは不当労働行為の問題、このように相なるわけでございますが、 その辺の具体的な問題はまだちょっとつかんでおりませんので、この場合には一般論でお許し願いたいと思います。
○柴田(睦)委員 いままで千葉銀行や興銀の労働基準法違反の事実を従業員の人たちが監督署に出すというようなことで、この賃金差別の問題もそういう中から当然話に出ておりますし、これが一番、信条による差別の根源として中心になるものだとして問題にされてきておったわけです。私もいろいろ調査しておりますけれども、この人たちに対して賃金差別は何といっても信条による差別である、こう見る事例がたくさん出てまいります。 幾つか事例を見ますと、たとえば千葉興業銀行においては、かつて千葉興業銀行の労働組合が地銀連から脱退するというような提案をいわゆる協調派の幹部から出されたときに、この提案に反対した佐野寛治という人が往復では六時間もかかる支店の方に、急に遠隔地に転勤させられるということがありましたし、これは裁判の問題にもなったわけですけれども、さらに小山正巳という人が往復四時間かかるところに転勤させられて、家庭の事情などもあってこの再考を求めたところが、世界観の違う人間とは一緒に仕事できないのだということを課長に言われる。それから会社内では、赤は企業からたたき出すまで徹底的にやるというようなことが豪語されていたというような、こういう経験を幾つも興業銀行内ではやっております。 また、時間がありませんので続けて言いますと、千葉銀行の方を見ますと、新入社員の教育のときに、左翼は暴力を辞さないし、企業や銀行員の生活を破壊するとか、企業意識の低下、指揮系統の混乱、組合主導権をねらうなどと意識的なデマ、宣伝で教育をしている事実があります。これは新入行員研修用の執務心得の中に出てきているわけです。中身を見ますと、左翼と言っても共産党だけですけれども、入社以来一貫して共産党攻撃をして共産党に関係があると思えばこれを差別する。会社が進める労使協調路線に従順な者は一般的、平均的な昇進をさして、会社の言う路線に批判的な労働者に対しては徹底的に弾圧するという方針をとっているわけです。この前の総選挙を前にいたしまして、千葉銀行では人事部長から各店長などに出されたニュースがあるわけですけれども、その中には、左翼行員が総選挙を機に勢力を拡大する動きがあるので注意してくれ。職場内での選挙運動、文書活動に注意をして一般行員に影響を及ぼさないように配慮せよ。就業時間中の運動は処分の対象になるから連絡せよ。特に問題になると思いますが、時間外でも文書活動や特殊な会合への出席がわかったら連絡せよ、こういう指示を出しております。そしてこの左翼というのは、全体を見ますと、共産党員やいわゆるその同調者と認める者を特別扱いをするために一貫した動きをしていることが否定できないわけです。賃金差別が生じた理由はここにあるわけで、差別をされた人が他の人と違うところは、会社によって共産党員またはその同調者と見られたかどうかということであって、まさに信条についての判断だけであります。会社側は賃金差が生じた理由を一切明らかにしないわけですが、しかも、先ほど挙げました執務心得などを見ますと、左翼の勤務態度は普通の人と変わらないということも言っておりますし、職場内で目立った動きはしていないということも言っています。 これは全体を見てみましても、まさに本当に信条だけで差別をしているということがいよいよ明らかになってくるわけですけれども、先ほど、一般論として信条による差別は許さないということを局長答えられましたけれども、こういう具体的な事実が次々に挙げられるわけですけれども、こういうことも真剣に調査して、本当に信条による差別、そうしたものを許さない態度をとるかどうか重ねてお伺いします。
○長谷川国務大臣 地方銀行におきまして、信条を理由とする賃金その他の労働条件についての差別的な取り扱いが一般に行われているということは、聞いてはおりません。地方銀行はもとより、一般の事業所におきましても、労働基準法第三条が禁止する、労働者の国籍、信条または社会的身分を理由としての賃金その他の労働条件について差別的取り扱いをすることは許されないことでありまして、このような問題があれば厳重に監督指導を行う所存であります。
○柴田(睦)委員 時間が参りました。どうも失礼しました。
○森下委員長代理 坂井弘一君。
○坂井委員 最初に、長谷川労働大臣の、企業が労働者を雇用する場合の基本的な認識についてお伺いをして、具体的な問題に触れたいと思います。 通常、企業が労働者を雇い入れする場合、どういう入を雇うか、あるいはまたどのような条件で雇用するかにつきましては、原則としては、これはもう全く企業の自由である。同時にまた、雇い入れるべき労働者の思想、信条、特定の思想、信条を持っておる、そうした場合は、企業の自由な意思によってその雇い入れを拒むことができる。さらに敷衍しますと、労働基準法第三条におきましていわゆる均等待遇、「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」と明記されているわけでございますが、このことはいわゆる雇い入れの際の問題ではなくして、雇い入れした後におけるところの制約である。したがって、企業が労働者の思想、信条、それを理由といたしまして雇い入れを拒否した場合におきましても公序良俗違反ということにはならない、その根拠には足らない、このような認識を労働大臣はお持ちでありますかどうですか、お答えをいただきたいと思います。
○長谷川国務大臣 基本的な問題でございます。日本はやはり職業選択の自由もある。大事なところでございますが、ただいま先生のおっしゃることは、最高裁の判例によりますと、企業が労働者を雇用するに当たっていかなる者を雇い入れるかは、法律その他による特別の制限のない限り、原則として自由に決定することができる、こういうふうにされているわけであります。
○坂井委員 具体的な問題に触れながら見解を明確に承ってまいりたいと思います。手元に求人票がございます。これは、職業安定所に備えつけられたものであります。これを見ますと、「必要書類携帯品」の項目の中に、履歴、謄本、抄本、家族調、成績、健診、いま申しましたそれぞれの項目につきましては斜線が引かれてございます。これは一体いつから斜線を引かれたのか。また、この理由は何なんでしょうか。
○岩崎政府委員 先生御指摘の点は、昭和四十七年の十二月から私どもは、本人の適性、能力に合致した職業紹介、これを安定所で推進していくということの見地から、就職の差別につながるようなおそれのある書類等は求人票の必要書類等から除外するという考え方でこの事項を抹消したわけでございます。
○坂井委員 わかりました。つまり、雇用の際には本人の適性、能力の判断をもって雇用するのであるから、いまの項目についてはこれは必要なしこういう判断でございましょうか。
○岩崎政府委員 いま申し上げたようなことで、必要な書類、就職差別という観点からそれにつながるようなものはこれを除外するという趣旨でございます。
○坂井委員 これは復活されるという意思はおありでございませんか。
○岩崎政府委員 それはございません。
○坂井委員 それでは、別の問題から、さらにこの問題について触れていきたいと思いますが、株式会社日本法令様式販売所というのがあります。ここでは官庁関係の、特にいろいろな申請書類等の様式について一定のものを販売されているようでありますけれども、同時にまた、民間企業におきましてもこれを基準として使用しているようでございます。 この株式会社日本法令様式販売所、主とした事業内容というのは、いま私が申し上げたようなことでございましょうか。さらに、この日本法令様式販売所でいま販売されております法令様式なる書類につきましては、一々労働省では目を通してごらんになっていらっしゃるでしょうか、どうでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○岩崎政府委員 会社の事業内容等につきましては先生のおっしゃったことなんでございますが、法令様式、これはいろいろな形での法令様式をこのような会社がやっておりまして、私ども基本的には、たとえば政令とか施行規則に記載されておりますものを民間に頒布するその様式に従っているのが一般でございます。したがって、私ども事前に必ず、承認をするしないというチェックはいたしておりません。ただ、実際に市販されるそういうものが違反しているおそれがあるというようなものを事前に察知いたしましたときには、いち早く是正方の指導をいたしておる、こういうのが実情でございます。
○坂井委員 私、いま手元に三つの書類を持っております。いずれも、いま申しました株式会社日本法令様式販売所で出ているものであります。一つは「社員カード」であります。一つは「面接試験票」であります。いま一つは「家庭調査書」であります。この三種類とも、下には「法令様式」とこうあります。国民の目から一般的に見まして、これは法令に準拠した、監督官庁の目も通った、つまりそれなりの意味のある様式である、こう理解されているようであります。 この三つの様式についてごらんになったことはありますか。
○岩崎政府委員 お答え申し上げます。 いまのものは、私ども直接拝見いたしておりません。
○坂井委員 それでは申し上げますが、家庭調査書の欄に「本人」のところに「思想・宗教」こういう欄があるのであります。面接試験票には「支持する政党とその理由について述べてください。」こうあります。社員カードには、宗教それから性格の記入欄がございます。いま申しましたような項目につきましては、これが当然の様式として必要なものであると労働省は御判断されますかどうでしょうか、お答えをいただきたいのであります。
○岩崎政府委員 それぞれの企業の、職員を採用する場合の企業での採用方針と申しますか、そういうことによって異なると思います。私どもがチェックできますのは法令に直接違反するというものでございまして、いま先生がおっしゃったような書類が当然必要かどうかということは、企業のそれぞれの判断に基づくものでございます。
○坂井委員 いま申しました様式は、一般的に販売されて使用されております様式であります。 一般論としてお伺いしたいと思いますが、たとえばいまここに宗教欄、いま一つは支持する政党——政党にしましょう。支持する政党というのがございますが、雇用試験を受ける際に、どうしても雇い入れてもらいたい、本人は、その時点でA党に入党しておった、しかし、どうやら会社側はA党を好ましく思わないらしい、したがって本人は、B党と記入をいたしました。採用されました。ところが、雇用された後、本人はA党であったということが判明をした、その場合履歴詐称に当たりますか、どうでしょうか。
○東村政府委員 ただいまの例でございますと、それはその業種、仕事によると思うのです。履歴詐称という言葉自身を形式的にとればそのとおりでございますが、そして、その業種についてどれだけ、その履歴で書かれたものと関連があるかということになってまいりまして、そこで労働基準法上いろいろの問題が生ずれば、たとえば解雇の問題等が生ずれば、それが解雇権の乱用になるとかならないとか、こういう関係に相なるかと思います。
○坂井委員 私の原則的な問いに対して正確にお答えをいただきたいと思います。つまり具体的に、A党であった本人が詐称してB党とした、雇用された後にA党であったことが立証された。その場合、雇用主、企業側はそれを理由として何らかの措置をとることができるかどうか、つまり解雇等を含めて、ということをお伺いしているわけであります。
○東村政府委員 ただいま申し上げましたように、その履歴詐称といま申されるような事態が、その労働者についての仕事との関係において解雇せざるを得ないような主たる要素になっているかどうかによるわけでございまして、もしそうなっていないならば、これは解雇権の乱用という一般の法理に従うということもあり得ると思います。一般論で恐縮ですが、先生のお話を一般的に受けとめるとそういうことになります。
○坂井委員 私はこの場合、少なくとも雇用主、事業者、企業側の恣意によってその判断はいかようにでもできると思う。少なくともいまここで申し上げたいことは、思想、信条あるいは支持する政党というようなことについて、それを雇用する際になぜそのようなことを聞かなければならないのか、記入させなければならないのか。そうしたような問題につきましては、これは全く個人の基本的な人権に関することでございまして、ましてや思想、信条あるいは支持する政党等につきましては、永久不変のものでは決してあり得ない。常に場合によっては変わるべきものであります。それが面接試験あるいは雇用の際のそうした必要書類の中にこのような項目があって、それを一々採用の際に、雇用の際に聞きたださなければ雇用しない。これは私はずいぶんおかしなことではないかと思う。少なくともそれらが雇用の後において——当初入社試験の際に、雇用の際にある政党を名のった、ある思想、信条を述べた。雇用された。雇用された後においても社員カードとして、あなたは何党である、あなたは何という思想、信条の持ち主である、あるいは何とかという宗教を信仰しているものである。雇用された後にその延長線にあるわけです。そのことが、雇用のいろいろの条件の制約をそのことによって受けるというおそれがある、少なくとも。こういうようなことは、まさに本人の適性、能力等の判断から逸脱をした、何ら必要のないものではないか、私はそう思うわけでありますけれども、ないし百歩譲っても、決して好ましい調査内容ではない、項目ではない、このように思いますが、いかがでしょうか。
○東村政府委員 先ほどのお話、ちょっと補足するような意味で申し上げますと、履歴が政治的信条あるいは社会的な信条といいますか、そういうものであるということを理由に解雇すれば、これは、先ほどもお話がございましたように、労働基準法第三条の違反ということに相なります。私先ほど申し上げましたのは、履歴詐称一般について申し上げましたので、ちょっと舌足らずでございましたので、補足させていただきます。
○坂井委員 雇用の際、雇用の前、雇用された後において、思想、信条あるいは支持する政党が変わる場合があり得るということを私は申し上げているのです。雇用されたいためにわざわざ相手側の会社の好みに合わせた思想、信条あるいは宗教、これを記入をした、そういう場合もあり得るであろう。雇用された後においてそれらを履歴詐称とまで言えますかどうですか。つまり、偽って言うことがあるんじゃないでしょうか。そういうおそれなしとしないではありませんか。したがって、そのようなことについては雇用の際の調査する項目として挙げるということは必要ないのではないか、むしろ好ましくないのではないかということを申し上げているわけでありまして、結論的なお答えをいただきたいと思います。これはこのままで許されるんだ、これでいいんだ、こういう判断に立たれるのか、それとも好ましくない、こういう見解をお持ちになるか、いかがでしょうか。
○岩崎政府委員 私どもが所管しております職業安定法三条に、均等待遇という項目がございます。これは国の機関としての職業紹介、職業指導等につきまして、ここには信条、性別、社会的身分云々というものによって差別的取り扱いを受けることがない、こういうふうになっておりまして、私どもは安定所の紹介、指導の姿勢といたしましては、それを受けて、先ほど申し上げましたように労働者の能力、適性というものを基準として紹介指導をするということを原則としておるわけでございますが、企業がいかなる者をその企業として採用するかどうかどいうことにつきましては、そういった採用の際についての職業安定法その他の法令の直接的な規定はございません。
○坂井委員 先ほどの求人票によりましても、雇用の際には本人の適性、能力の判断、こういうものは必要ないんだということ。もう一つの理由はあなたがおっしゃった、つまり差別の問題等々あるからでしょう。私はよくわかります。同じ思想を取り入れるならば、法令様式だとして市販されておる、一般民間企業はみなほとんどこれを法令様式だ、法令に基づくんだというような感じでもってやはり使用しておる、この中にいまのような項目があるということは、私は好ましくないのではないかという感じが深くしてならない。このこと自体を、この会社がどうだというんではなくて、こういうような観念が一般的に社会通念として通っておるところに問題があるんではなかろうかということを申し上げているわけであります。 少なくともいま局長が御答弁されている中で私いささか気になることは、すでに法令様式販売所の発行されております身上書つき履歴書というのがあったでしょう。身上書つき履歴書というもの、それが出されておった。これは大臣、よくお聞きいただきたい。このようなものが出されておった。身上書つき履歴書、これは中止されておったはずです。労働省が指導されたはずなんです。 これはよろしくないんだ。なぜか。本籍地もちゃんとこうある。学歴。本人としては基本的人権の問題として知られたくないというような項目についてまで、ここに項目としてあるものだから、労働省は、これはよろしくないからやめなさい、こういう経緯があるはずですね。 これらから照らし合わせて考えてみましても、いまの私が申しましたこの三つについては、少なくともそのような項目は好ましいことではないのではないでしょうか、こう申し上げているわけであります。いかがでしょうか。
○岩崎政府委員 確かに先生御指摘のように、法令様式の身上書つき履歴書、これにつきましては、私ども事前に指導をいたしまして販売を停止させているということで、会社の方もそれに応じて新しい、そういうものが入っていないような様式になっているわけでありまして、これは私ども前々から指導しております。そういった社会的身分による就職差別というものが現実にありました経緯にかんがみまして、従来から指導をいたしておるわけであります。これらは、私どもといたしましてはあくまで指導でございます。 先生いま御指摘のような信条あるいは宗教、そういうような問題について同じではないかという御指摘でございますが、私ども、その後最高裁の判例等も出ました経緯もありまして、十分に検討をして対処してまいりたい、このように考えて研究はしておるものであります。
○坂井委員 押し問答になったような感じですがね。では、私申しましたこの三つの様式については、これはこのまま是認されますか。これでよろしいとされますか。
○岩崎政府委員 先ほど申し上げましたように、先生御指摘のその書類を直接私ども入手して拝見しておりませんので、至急調査をいたしまして検討はいたしたいと思います。
○坂井委員 この問題は終わりまして、もう一問ございます。後でまとめて大臣から御見解を伺って終わりたいと思いますが、ひとついまのことについてはよく御研究、御検討はいただきたい。 いま一つの問題でございますが、最近、コンピューターというのが非常に普及してまいりました。これを操作するには特殊な技術も要ります。したがって、コンピューター操作のための要員、技術者、そういう技術者を抱えた会社が最近において非常に数多くなってまいりまして、ここからコンピューター操作要員が、それぞれのコンピューター備えつけの企業、あるいはまたコンピューターの持ち込みで人が派遣される、悪く言いますと人貸し会社というのがふえてきたようであります。 いろいろな問題があるようでありまして、労働基準法あるいは職業安定法等の違反の疑い等もかなり際立ってきたようであります。その実態等につきましては、労働省においてもいま調査されているさなかではなかろうかと思いますが、一体このような、悪く言いますと人貸し会社、そういう会社がどれくらいあって、そこからどれほどの人が派遣されておるのか、そのあらましについては掌握されていらっしゃいますでしょうか。
○東村政府委員 全国的にどういう数字になり、どういう形で行われているかということは、現在いろいろ調査しておりますが、先般新聞紙上にも一部出た一つの会社について申し上げますと、この会社には三社が派遣員を送っております。その三社の派遣員を合計してみますと、女子が七名、男子が十四名、こういうかっこうになっております。全国的にどうなっているかというのは、これから調査してみないとわかりませんが、一部判明したところはそのような状況でございます。
○坂井委員 いま申されたのは三菱重工の相模原工場だと思いますが、ここへ派遣されてきておる。この労働条件がきわめて劣悪である。あるいはまた基準法に準拠していない。たとえば、非常に長時間の労働、休日もない、健康管理も満足に行われていない、さまざまなことが伝えられているようであります。 お聞きいたしますが、三菱重工へ派遣をいたしております派遣会社、つまり要員を抱えております会社、いま三社とかおっしゃいましたが、この、人を貸し与えるもとの会社と、人を借りる三菱重工との間には、一体どういう契約がなされるのでしょうか。請負契約みたいな形なんでしょうか。契約の内容につきましてあらましお教えいただきたい。
○東村政府委員 ただいま御指摘のように、これは相模原製作所の問題でございますが、先ほど女子七名、男子十四名と申し上げたかもしれませんが、男子は七名でございますので訂正いたします。 そこで、契約の内容でございますが、細部については、私どもの問題を離れる問題もございますのであれでございますが、業務委託の関係につきましては、甲、乙という表現がございますが、甲つまり派遣を受けている方、乙つまり派遣している方、こういう表現で、甲が乙に対して作業指示または委託を行う場合は使用説明書または作業指示書をもって行う、乙は甲の指定する場所において甲の指示内容どおり受託業務を完成する。つまり派遣された場合には、派遣先の一つのしきたりといいますか規定といいますか慣行といいますか、そういうものに従って仕事をする、ごく大まかでございますが、こういう形になっております。
○坂井委員 給料は、いまおっしゃるいわゆる甲、乙で言いますと甲から支払われるということになろうかと思いますが、そうでしょうか。
○東村政府委員 賃金は派遣元の会社が支払っております。
○坂井委員 そうしますと、たとえば労働管理、健康管理等は、今度は派遣された方の会社のたとえば就業規則等に基づいて行っておる、こういうことでしょうか。
○東村政府委員 先ほど契約について一部申し上げましたが、たとえば労働時間、休日、休憩等につきましては派遣を受けた方の会社の規則に従ってやっている。それから、いまのような健康管理等とか、そのほかいろいろ問題がございますが、たとえば時間外手当をどういうふうに計算してどういうふうに払うのかという問題等になりますと、一例でございますが、パンチカードから計算したのを派遣元に送りまして、それを見て派遣元は銀行の方に振り込んで本人に渡すということをやったり、さらには有給休暇について欲しいという場合には本社の方に連絡をして、それを許可といいますか届け出てやるというようなことがございまして、ただいま先生御指摘のことのうらはらでございますが、通常の工場、事業所における労働者がその事業主のもとに働くという姿とは違いまして、複雑といいますか、いろいろ問題があることは事実だと思います。
○坂井委員 どの辺まで御調査されているのか存じませんが、実態から見まして、私どもも調査の段階ではございますが、たとえば二十四時間労働というようなこともやっているようであります。そういうことで体をこわしたというようなことも聞いてもおります。とてもこれでは続かないということでやめるという人もあるようであります。そういうことになってまいりますと、労働基準法にあります三十二条、労働時間の問題あるいは三十五条、休日の問題、三十九条、年次有給休暇の問題あるいは三十七条、割増賃金等々から見まして、これは労働基準法の違反の疑いきわめて濃しという感じを実は深くするわけであります。 現在までの調査の段階で、いまのような基準法につきましては遵守されておるということでございましょうか、それともかなりの問題がありというようなことになっているようでございましょうか。いかがでしょう。
○東村政府委員 ただいま先生いろいろ御指摘のような背景がございまして、労働時間、割増賃金などの労働条件について問題があると思われます。そこで、さらに関係事業所に対して監督指導を行うように、その実態を把握するようにということを鋭意行っているところでございます。
○坂井委員 次に、職業安定法四十四条のいわゆる労働者供給事業、これは要するに人を派遣する、悪い言い方ですけれども人貸し、そういうことになりますと労働者供給事業の禁止、第四十四条に抵触するおそれはございませんか。
○岩崎政府委員 いま基準局長からいろいろ御説明申し上げましたが、私どもといたしましては、具体的な契約書の内容が必ずしもつまびらかでありません。一般的に申し上げますと、職業安定法四十四条で、いまおっしゃいましたように労働者供給事業は禁止されておるわけでありますから、その契約がたとえば請負契約という名前であろうとどうだろうと、その実態が労働者供給的であればこれはやはり抵触するということになるわけでございますけれども、労働者供給事業であるかどうかという判定の基準について、職業安定法の施行規則四条に四つばかり要件を列挙しております。それは、それすべてを充足しておることによって労働者供給事業ではないという書き方をしておるわけでありますが、その一番おしまいの号、四号に企画的もしくは専門的な技能者もしくは専門的な経験を必要とする仕事を行うというものについては必ずしも労働者供給事業とは言えないという規定があります。ただ、その規定等に照らしまして判断いたしますにも契約書の内容がつまびらかでございませんので、私ども実態を調査いたしたいとは思っております。
○坂井委員 さらに職安法で伺いますが、三十二条は有料職業紹介事業、三十三条は無料職業紹介事業でございますね。いずれも労働大臣の許可を必要とするわけでございますが、これは許可を得ておるのでしょうか、許可をしておるのでしょうか。
○岩崎政府委員 いま先生御指摘の三十二条、三十三条は、民間が有料または無料で行う職業紹介事業のこと。職業紹介事業というのは、求人と求職者の間のあっせんをすることが事業内容になるわけでございますが、いまお話しになっております。コンピューターのところに人員を派遣するというのは、これは実態をつまびらかにいたしませんが、恐らく雇用契約そのものは派遣する会社と労働者の間にありまして、その間の雇用関係があって、そしてそちらの、実際にコンピューターを持っている会社に派遣されて仕事に従事しているということだと思いますので、職業紹介の規定とは直接かかわりがないのではないかと推察はいたしております。
○坂井委員 実はさまざまな点でひっかかってくるわけです。それで、私はことさらにこのことにつきまして、何がけしからぬ、どうだこうだ、こういうことを申し上げるつもりは実はさらさらございません。ただ、最近のこうした新しいコンピューター、そういうものを企業が次から次から取取り入れていく。この種の仕事の量が非常にふえる。それに従いましてこうしたコンピューターないしコンピューターを操作する技術者、これを抱える会社、私の聞き及ぶ範囲ではもうすでに五十社を超えるのではないか、こう言われている。派遣先の企業は五百社を超えるのではないかとも言われている。それがなおどんどん大きくなりつつある。こういう状態の中で、いま一番困っておると申しましょうかいろいろ問題を抱えておるのがここで働く労働者である。先ほど申しましたように、とてもこれだけの激務には耐えられないと言ってやめる人も出ておるようであります。あるいは、これは技術的にも非常に高度な技術が要求されるし、同時にまた、仕事の性格からいきましても特殊性のあるものであります。雇用いたしました——雇用といいますか、人を借りました企業にいたしましても、企業内の機密等もあるでしょう。そうしたさまざまな条件の中で、こうした会社から派遣される技術者、要員、この人たちは非常に過酷な労働をいやおうなく強いられる、そういう結果になる場合が間々あるようであります。したがって、それらが労働基準法ないし職業安定法等から見まして、これが厳密に遵守されているかどうかということにつきましては、一つ一つ具体的な問題になりますと、実は非常に大きな疑問が生じてくるわけであります。そうした労働者の労働条件、これをいいものを確保しなければならぬと思いますし、健康管理の面から言いましても非常に大事な問題とも思いますし、したがって、そういう点でひとつ労働省におきましては、これらの実態の調査を十分進められまして、万遺憾なきを期していただきたい、実は、こういう観点から御質問をしているわけであります。 たまたまいま、三つの派遣会社の中でのやりとりでございますので、これらにつきましては、そのモデルと申しましょうか実態調査のための一つのケースとしてひとつ十分調査をされまして、その上で、いま申しましたような点に十分留意された上で適切な方向というものを、あるいはまた指導監督というものを労働省においてはひとつよろしく御配慮をいただきたい、このように思うわけであります。 その点を労働大臣から御答弁をちょうだいいたしたいと思いますと同時に、先ほどの問題にいたしましても、基本的人権あるいは労働基本権、そした点から見まして、確かに雇用者の、ある意味では自由な意思によって、相手側の思想、信条がいかにあろうと、思想、信条の特定のそうした者については、これは採用するしないは雇用者の自由でありましょう。ありましょうけれども、それが採用された後において、採用時の思想、信条というものが、どうしてもやはり雇用主の、事業者の今度は判断の中に大きく左右されまして、ある場合には労働条件の中に制約を加えるとかいうようなことになりかねない問題を含んでいるのではないかというように私は思いますので、そうした点をひとつ含めて労働大臣から御答弁をちょうだいいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○長谷川国務大臣 坂井さん御案内のように、日本というものは何でもばたばた取り入れるものですからね、コンピューターでも、これは恐らく世界で二番目ぐらいでしょう。先日までは一台が何千万するとか言っておった。そこで、せんだって新聞に出たように、人が被害者なんというものが出てくるようなかっこうになりまして、そういう急激なる変化に労働省が、一々問題が出たときに対応しなければならぬ忙しさ、そういうところで具体的ないまのような事例が出ましたので、これは非常にいい御指摘だと思いますので、このコンピューターの操作要員の派遣社員の問題につきましては、関係事業場に対しまして、きょうのお話などもありますから、監督指導を行うように早速指示いたしまして、その結果、労働基準法上の法律違反が認められるような場合には、速やかに是正させることにいたしましょう。一つ一つ新しい問題が出るために、予定された事業ではないことからしまして、立ちおくれということもございます。問題が出てきたのを、また御指摘いただいたのをきっかけに、やはり労働者を守る立場で善処してまいりたい、こう思います。 それから前段のものは、先ほど申し上げましたように就職の自由もあるし、片一方は最高裁で、申し上げた判例のこともございますが、労働省は先ほど審議官が御答弁申し上げましたように、履歴書などについては格段の配慮なども払っている、そういうことも御理解いただきながら、これの是正を、よき指導をしてまいりたい、こう思っております。
○坂井委員 終わります。
○森下委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十七分散会