決算委員会 第5号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/05/07
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 昭和四十七年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中警察庁、北海道開発庁、北海道東北開発公庫、自治省所管及び公営企業金融公庫について審査を行います。 まず、福田国務大臣から警察庁、北海道開発庁及び自治省所管に関して概要の説明を求めます。福田国務大臣。
○福田(一)国務大臣 昭和四十七年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十七年度の歳出予算現額は五百八十億九千三百三十万円でありまして、支出済歳出額は五百七十八億八千九百七十五万円であります。この差額二億三百五十五万円のうち、翌年度へ繰り越した額は一億八千六百八十七万円でありまして、これは、警察官待機宿舎等の新築に当たり、設計の変更等により工事の施行に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものであります。また、不用となった額は一千六百六十八万円であります。これは職員基本給等の人件費を要することが少なかったためであります。 次に、支出済歳出額の主な費途についてその大略を御説明申し上げますと、 第一に、警察庁の経費として三百五十四億三千六十五万円を支出いたしました。これは警察庁自体の経費及び都道府県警察に要する経費のうち警察法の規定に基づき国庫が支弁する経費として支出したものであります。 第二に、科学警察研究所の経費として三億二千三百五十七万円を支出いたしました。これは科学捜査、防犯及び交通についての研究、調査等のための経費として支出したものであります。 第三に、皇宮警察本部の経費として十七億四千二百一万円を支出いたしました。これは皇宮警察の職員の給与その他皇居の警備、行幸啓の警衛等の経費として支出したものであります。 第四に、警察施設整備の経費として二十七億五千二百二十九万円を支出いたしました。これは警察庁関係の施設を整備するための経費として支出したものであります。 第五に、都道府県警察費の補助として百七十五一億七千九百五十六万円を支出いたしました。これは警察法に定めるところにより、都道府県警察に要する経費の一部を補助する経費として支出したものであります。 第六に、他省庁から移しがえを受けて支出した経費は、科学技術庁から国立機関原子力試験研究費として一千百十六万円、環境庁から国立機関公害防止等試験研究費として五百五十二万円、沖繩開発庁から沖繩復帰対策諸費として二千八百五十九万円、大蔵本省から科学的財務管理方法導入準備調査費として百九十九万円を支出したものであります。 第七に、警察庁施設その他災害復旧の経費として一千四百四十一万円を支出いたしました。これは、昭和四十七年に発生した七月豪雨等により災害を受けた警察庁関係施設の災害復旧をするための経費として支出したものであります。 以上、警察庁関係の決算について御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 昭和四十七年度の北海道開発庁の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 北海道開発庁は、北海道総合開発計画について調査、立案し、及びこれに基づく事業の実施に関する事務の調整、推進を主たる任務としております。 昭和四十七年度は、昭和五十五年度を目標年次とする第三期北海道総合開発計画の実施第二年度目に当たりますが、この計画は、北海道の有するすぐれた潜在発展力を効果的に発現し、生産と生活が調和する豊かな地域社会の先駆的実現を図り、わが国経済社会の繁栄に寄与することを目標としておりまして、昭和四十七年度におきましては、この計画を軌道に乗せることを基本として、各般の諸施策を着実に展開してまいった次第であります。 当庁に計上されている経費は、北海道開発計画費及び一般行政費等並びに北海道開発事業費であります。 このうち、開発事業費は総合開発の効果的な推進を期するため当庁に一括計上されておりまして、治山治水対策、道路整備、港湾空港整備、農業基盤整備等の事業費であります。 昭和四十七年度の当初歳出予算額は二千四百八十四億百二十三万円余でありましたが、これに、予算補正追加額二百九十一億二千二百九十万円余、予算補正修正減少額三千九百四十八万円余、予算移替増加額百三十七万円余、予算移替減少額八百六十四億八千三百三十七万円余、予備費使用額千五百二十万円余を増減しますと、昭和四十七年度歳出予算現額は千九百十億千七百八十六万円余となります。 この歳出予算現額に対し、支出済歳出額は千九百十億九百七十四万円余でありまして、その差額八百十一万円余は不用額であります。 開発事業費の執行に当たっては、関係各省所管の一般会計へ移しかえまたは特別会計へ繰り入れの措置を講じ、直轄事業については北海道開発局が、補助事業については道・市町村等が実施に当たっているものでありますが、各省所管別に移しかえ及び繰り入れの状況を申し上げますと、移しかえた額は、厚生省所管へ二千二百四十万円、農林省所管へ七百十一億九百八十二万円余、運輸省所管へ一億五千六十万円、建設省所管へ百五十二億五十四万円、合計八百六十四億八千三百三十七万円余であります。 また、特別会計への繰り入れとして支出した額は、農林省所管の国有林野事業特別会計へ四十五億七千四百六十二万円余、運輸省所管の港湾整備特別会計へ百六十二億八千三百四十万円、運輸省所管の空港整備特別会計へ二十億七千八百三十三万円余、建設省所管の治水特別会計へ三百四十五億七千七百二十六万円余、建設省所管の道路整備特別会計へ千百一億千六百十万円、合計千六百七十六億二千九百七十二万円余であります。 次に、その他の経費の支出につきましては、北海道開発計画費で一億四千百七十三万円余、北海道開発庁の一般行政費で三十六億九千八百五十六万円余、北海道開発事業の各工事諸費で百九十一億八千九百五十四万円余、北海道開発事業指導監督費で三億四千八百八十万円余、総理府所管科学技術庁から移しかえを受けた国立機関原子力試験研究費で百三十七万円余、合計二百三十三億八千一万円余であります。 以上、北海道開発庁の決算の概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。 昭和四十七年度における自治省所管の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額二兆三千九百四十八億三千百九十万円余、予算補正追加額六百六十二億三十一万円余、予算補正修正減少額一億七千九百二十一万円余、総理府及び大蔵省所管から移しかえを受けた額三千七百二十六万円余、前年度繰越額四億四千六百九十四万円余、予備費使用額九十九億一千六百五十五万円、合計二兆四千七百十二億五千三百七十五万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は二兆四千六百九十億六千四百七十二万円余で、差額二十一億八千九百三万円余を生じましたが、この差額のうち、翌年度繰越額は九億四千三百四十八万円余、不用額は十二億四千五百五十五万円余であります。 以下、支出済歳出額の主なものにつきまして御説明を申し上げます。 まず、地方交付税交付金でありますが、歳出予算現額は二兆二千六百九億九千四百五十二万円余、支出済歳出額は二兆二千六百九億九千四百五十二万円余でありまして、全額支出済みであります。この経費は、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づき、昭和四十七年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額に過年度精算額等を加算し特別会計へ繰り入れたものであります。 次に、臨時地方特例交付金でありますが、歳出予算現額は一千五十億円、支出済歳出額ば一千五十億円でありまして、全額支出済みであります。この経費は、地方財政の健全な運営に資するために、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律に基づき、昭和四十七年度限りの特例措置として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。 次に、臨時沖繩特別交付金でありますが、歳出予算現額は三百六十五億円、支出済歳出額は三百六十五億円でありまして、全額支出済みであります。この経費は、沖繩の復帰に関連する特別措置として、沖繩県及び同市町村に交付する必要があると見込まれる地方交付税交付金の財源の一部を交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れたものであります。 次に、奄美群島振興費でありますが、歳出予算現額は三十七億九千十二万円余、支出済歳出額は二十九億九千百五十二万円余、翌年度繰越額は七億九千四百三万円余、不用額は四百五十五万円余となっております。この経費は、奄美群島の急速な復興を図るため及び住民の生活の安定に資するため、同群島における主要産業の振興、公共土木施設の整備等の振興事業の実施に要する経費について補助するために要したものであります。 次に、衆議院議員総選挙費でありますが、歳出予算現額は八十三億四千九百四十万円余、支出済歳出額は八十二億五千三十七万円余、不用額は九千九百二万円余となっております。この経費は衆議院議員総選挙の執行に要したものであります。 次に、交通安全対策特別交付金でありますが、歳出予算現額は三百十五億六千二百五十八万円余、支出済歳出額は三百十五億六千二百五十八万円余で、全額支出済みであります。この経費は、交通安全対策の一環として、反則金に係る収入額に相当する金額を、道路交通安全施設の設置に要する費用に充てさせるため、都道府県及び市町村ものであります。 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額は四十三億七千万円、支出済歳出額は四十三億七千万円で、全額支出済みであります。この経費は、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し交付したものであります。 次に、消防施設等整備費補助でありますが、歳出予算現額は二十八億九千九百六十四万円余、支出済歳出額は二十八億八千六百八十四万円余、翌年度繰越額は四百七十五万円余、不用額は八百四万円余となっておりまして、この経費は、消防施設等の整備に要する経費の一部を関係地方公共団体に対し補助するために要したものであります。 以上が一般会計歳出決算の概要であります。 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計の決算につきましては、歳入予算額は、当初予算額二兆七千八百八十一億三千七百五十二万円余、予算補正追加額六百五十六億円、予算補正修正減少額六十五億円、合計二兆八千四百七十二億三千七百五十二万円余でありまして、これに対し、収納済歳入額は二兆八千四百八十億七千七百四十四万円余となっております。 また、歳出予算現額は、当初予算額二兆七千八百八十一億三千七百五十二万円余、予算補正追加額五百九十一億円、予算総則の規定による経費増額七億一千百十四万円余、合計二兆八千四百七十九億四千八百六十六万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は二兆八千四百六十四億八千八百九十二万円余、不用額は十四億五千九百七十四万円余であります。 不用額を生じましたのは、一時借入金利子等を要することが少なかったこと等によるものであります。 支出済歳出額の主なものは、 第一に、地方交付税交付金二兆五千五百二十九億九千四百五十二万円余でありまして、これは、地方団体の基準財政需要額が基準財政収入額を超える場合にその財源不足額に応じて必要な財源を、また災害その他特別な財政需要等に対し必要な財源を、それぞれ地方団体に交付したものであります。 第二に、地方譲与税譲与金一千六百三十九億一千百九万円余でありますが、これは、地方道路譲与税譲与金、石油ガス譲与税譲与金、自動車重量譲与税譲与金、航空機燃料譲与税譲与金及び特別とん譲与税譲与金として関係地方公共団体に譲与したものであります。 以上、昭和四十七年度自治省所管決算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○井原委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。柴崎会計検査院第二局長。
○角田会計検査院説明員 局長はいまほかの委員会で答弁しておりますので、二局の参事官がかわって申し上げます。 昭和四十七年度警察庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○井原委員長 次に、木村会計検査院第三局長。
○木村会計検査院説明員 昭和四十七年度北海道開発庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○井原委員長 次に、高橋会計検査院第一局長。
○高橋会計検査院説明員 昭和四十七年度自治省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○井原委員長 次に、北海道東北開発公庫当局から資金計画、事業計画等についての説明を求めます。吉田北海道東北開発公庫総裁。
○吉田説明員 北海道東北開発公庫の昭和四十七年度決算について概要を御説明申し上げます。 当公庫の昭和四十七年度における事業計画は、当初貸し付け七百三十億円、出資十億円、合計七百四十億円でありました。 これに対し出融資の実績は、貸し付け七百二十九億三千万円、出資十億七千万円、合計七百四十億円実行しました。 一方、原資調達状況は、政府出資金十億円、政府借入金百五十億円、債券発行四百十四億八千六百十万円(うち政府保証債二百五十二億六千万円、政府引受債百六十二億二千六百十万円)及び自己資金百六十五億千三百九十万円、合計七百四十億円となっております。 この年度の決算は、貸付金利息収入等の益金総額が二百二十三億四千六十八万円余、支払い利息、事務費等の損金総額が滞貸償却引当金繰り入れ前で二百十一億四百八十一万円余となり、差額十二億三千五百八十六万円余を全額滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金は生じませんでした。 かくいたしまして、昭和四十七年度末における資産・負債の状況は、貸付金残高二千四百九十一億四千二百七十四万円余、出資金三十六億六千四百五十万円となり、これに対しまして、政府出資金九十五億円、政府借入金残高四百八十億二千五十五万円余、債券発行残高千八百八十三億六千九百五十万円、滞貸償却引当金残高百二十六億四千百三十一万円余となりました。 以上、昭和四十七年度北海道東北開発公庫の決算概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○井原委員長 次に、公営企業金融公庫当局から資金計画、事業計画等について説明を求めます。荻田公営企業金融公庫総裁。
○荻田説明員 公営企業金融公庫の昭和四十七年度の業務概況について御説明申し上げます。 昭和四十七年度における貸付計画額は、当初千五百三十三億五千万円でありましたが、その後の改定により千八百八億六千九百万円になりました。 これに対し貸付実行額は千七百九十六億百七十万円であり、前年度と比較して一三%の増になっております。 一方、この原資としては、産業投資特別会計からの出資金二億円、公営企業債券の発行による収入千四百九十四億四千七百八十五万円及び貸付回収金等の資金二百九十九億五千三百八十五万円を充てたのでございます。 なお、当年度における元利金の回収額は八百九十四億三千六百三十八万円余でありまして、延滞となっているものはございません。 貸付実行額の内訳は、地方公共団体の営む上水道事業、地域開発事業、公共下水道事業等に対するもの千七百四十六億三千三百七十万円、当年度において新たに貸付対象となった地方道路公社及び土地開発公社に対するもの四十九億六千八百万円となっております。 以上により、当年度末における貸付残高は六千八百一億四千五百七十六万円余になり、前年度末残高と比較して二四%の増になったのでございます。 以上のほか、短期貸付として二百三十一億二千百五十万円の貸し付けを行いました。 また、当年度は、一連の長期金利の改定に伴う公営企業債券の発行条件の改定により、基準貸付利率が七・一%に引き下げられました。一方、公営競技納付金を原資とする公営企業健全化基金の運用益により上水道、工業用水道、公共下水道、交通、市場の各事業及びこれらの事業の借りかえ債について〇・四%の利下げを行いました結果、上水道、工業用水道、公共下水道、一般交通及び市場の五事業については国の補給金等による〇・三%の利下げと合わせて六・四%になり、また、高速鉄道事業及び借りかえ債については六・七%になりました。 また、農林漁業金融公庫から委託を受けて、公有林整備事業及び草地開発事業に対し六十八億四百二十万円の貸し付けを実行しました。このため、受託貸付の当年度末における貸付残高は三百五十七億五千七百二十二万円余になっております。 次に、当年度における公営企業債券の発行額は千九百三億七千万円でありまして、このうち公募債が千五十八億二千万円、縁故債が八百四十五億五千万円であります。 なお、これらのうち三百九十二億四千六百五十万円は、昭和四十年度に発行した債券の満期償還に必要な資金に充てるために発行したものであります。また、縁故債のうち百四十八億円は低利の債券を発行いたしました。 次に、公営企業健全化基金について申し上げますと、当年度における公営企業納付金の収入額八十二億三千六百八十五万円余を基金に充て、当年度における基金の運用益から基金の管理費用及び利下げ所要額を差し引いた残額一億二千二万円余を基金に組み入れました結果、当年度末における基金総額は二百十億三千九百九万円余になりました。 次に、収入、支出の状況について申し上げますと、収入済額は、収入予算額四百二十六億九千十七万円余に対し四百二十四億百五十万円余、支出済額は、支出予算額四百二十一億三千九百九十六万円余に対し四百十七億千二百五十八万円余でありまして、収入が支出を六億八千八百九十二万円余上回っております。 また、損益の状況でございますが、貸付金利息等の利益金総額四百四十二億二千二百七十二万円余に対し、債券利息及び事務費等の損失金総額四百二十五億八千九百四十二万円余でありまして、差し引き十六億三千三百三十万円余を各種の償却に充当いたしましたので、利益金は生じておりません。 以上、昭和四十七年度公営企業金融公庫の業務の概況について御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○井原委員長 これにて説明の聴取を終わります。 —————————————
○井原委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
○原(茂)委員 地方行財政に関する問題に入ります前に、現行選挙法上の問題で、統一地方選挙が先ごろ終わりました、その二、三の経験の中から、こういう事態をどう解釈なさいますかをまずお伺いいたしたいと思います。この問題の終わりに、大臣にも見解をお伺いしたいと考えています。 実は、私の選挙区の中に茅野市という市があります。隣に諏訪市という市があります。一方では勝って一方では負けました。あいつ負けたんで腹いせに何か言うんだろうと言われると困りますから、両方の問題を一つずつお聞きしたいのですが、その一つは、選挙最中に大変な怪文書、デマ文書が計画的に用意されました。それが公衆電話ですとか四つつじなどに大量に、石を載っけて置いてありました。不特定多数の大衆が自由に持っていけるように。各戸配布をしないという新しい手口。よく東京なんかで、公衆電話その他へ行くと変なものがいろいろ入っておりますが、あれと同じ調子で至るところにそれが積まれていて、興味をもって大変広く行き渡りました。もちろん、内容はものすごいデマでございまして、これは取り上げる必要はないというふうに私どもの陣営で言ったわけですが、それにしてもこうしたものが、大体推定するのに二万部ぐらいまかれておる。これが投票日の三日前。 直ちに選管それから警察に対して、こういうものがまかれたことで間々、不特定多数の中には動揺する人があるだろう、したがって選挙の結果に影響するおそれがあるので適当な処置を講じていきたいと思うし、法律上そのことが許されないならあなた方の方で適当な措置を講じてもらいたい、こういうことを申し入れました。ところが正式の答えは、現行選挙法上は管理委員会としても何ら手の施しようがございません、警察としてもこれに対して、犯人あるいはこれを置いた者をつかまえる、追及することはできても、結果的に選挙に好悪の影響を与えるであろう、それを防ぐ手だてはありません、こういう回答でございますから、こういうものが出された以上、これに対して言いわけではありませんが、とんでもないデマだ——出した相手もわかります、当然、選挙をやっているわけですから。それに対して弁明的なこの種の物を、同じ程度の枚数、同じ方法で電話ボックスの中あるいはつじに置きたいと思うがどうだ、それは選挙法上許されない、こう言われて、残念ながら、三日前でありながら何ら手を打つことができない。選挙はそのままに推移して、しかし勝敗はわれわれの思ったとおりの結果になりましたし、このために落選だ、当選だということにどの程度影響したかわかりませんが、従来も、考えてみるとずいぶんこの種のことが全国的に行われている。そういうときに、選挙法上これに対抗する手段を講じてはいけないと言われる。管理委員会でも、何ら手の施しようがありませんと言う。警察でも、これを発行したものを追及し、つかまえるように努力はするが、選挙の結果に影響があるかもしれないことは認めても、それに対する適当な対策を三日間で講ずることができない。おまえの方でも出してはいけない。言われっ放しの選挙を至るところで実はやってきている。今回、私の選挙区に初めて実際の事例を見たわけです。 こういうことはやり得だということになる。やり得が許されていいはずがない。かと言って現行選挙法上、そういうことがあったらこうしろということがどこを見てもない。ずっとやり得で通ってきたし、選挙の結果に大変な影響を及ぼされたであろう勝敗の結果を、類例としてずいぶん見てきております。こういう場合どうしたらいいのでしょう。やむを得ないのでしょうか。やり得だと言うなら、これからわれわれも最も合法的な、あるいは非合法的ですがつかまらない方法でやったのが得だということになる。どうしたらいいでしょう。それをひとつお伺いしたい。
○土屋政府委員 ただいまのお話のようなことでございますと、そういった怪文書を出すということは、だれがやったかわかりませんが、大変卑劣なやり方だと思うのでございます。これが内容が虚偽であれば、まさに虚偽事項の公表というようなことになるわけでございまして、放置しておくわけにはいかないような事態だろうと思います。しかし、いまお話もございましたように、だれがやったのか本当に犯人がわからないというようなことになれば、警察のことを言うのはどうかと存じますが、警察が追及してもなかなか追及し切れないということでもございましょう。それに、選挙運動用の文書というのは非常に制限されておる。また、確認団体等がやる文書も、たとえば国会議員の場合でありますとビラが三種類ということでございますから、選挙間際になるとなかなかやりにくいということはあろうかと存じます。 いまお聞きしておりまして、私もそれがいいとは考えませんけれども、しからば、そういった悪質な、隠れた者がやった場合にどうするかということになりますと、これは選挙法上なかなか適当な手段はない。やはり選挙をする人々全体の良識にまつ以外にはないわけでございます。ただし、もしできることならば、犯人がおるならばつかまえるということが一番的確な方法だと思いますけれども、それもなかなかむずかしいということでございまして、結果的には、おっしゃるように非常に不本意な状態になる場合もあろうかと存じますが、しからばどうするかと言って、いま直ちにこういう手段をということは、私はお答えするほどのものがないわけでございます。実態をいま初めて聞いたわけでございますので、いろいろと事情もよく聞いてみたいと存じております。
○原(茂)委員 その種のことをいま初めて聞いた土屋部長さん、ぼくは何か少し疎過ぎるような気がするのですがね。こういう怪文書が選挙のときに何回も出されていることを、私なんか党の役員を長くやっておる間じゅう、全国的にいつも悩まされている。もう長い間経験している。地元に起きたのは実は初めてなんですよ。それで少しお聞きしておかないと……。 やり得だということですか、結果的には。つかまらない限り、つかまる覚悟をするなら、構わないからじゃんじゃんやった方がいい、有効であるならやり得だということになってしまうんじゃないかと思うのですが、ずばり、どうでしょう、やり得ということになりますか。
○土屋政府委員 そういった怪文書類が出ておるということは私も前々から聞いておるわけでございますが、やり得か、こうおっしゃられますと、ケースによって非常に違う場合もございましょう、余りえげつないことを書いたためにかえってそれが不利になる場合もあるかもしれませんし、いろいろな事例があるだろうと思います。しかし、それじゃ有効にそれを阻止する方法があるかということになりますとなかなかいい手段も見つからぬということでございまして、私がいまよく事情がわからないと申しましたのは、文書の内容そのものも、一体選挙運動にわたっているものなのか、完全に全然別個の一般的な事柄なのか、いろいろな事例もあるだろうということで、いまの事例についての事情も聞いてみたいという意味で申し上げたわけでございまして、やり得であると私も肯定はし切れないわけですが、結果的には、対抗する手段がなければ、それで得した場合はやり得だとあるいは言えるのかもしれませんが、それでいいものだとは考えておりません。
○原(茂)委員 これは、よろしかったら後でごらんいただいても結構ですが、直接ずばり、選挙に関係する候補者のことをずらっとこうやっているわけです。やり得というのは言い過ぎかもしれませんが、結果的にはやったものが得だったという内容になるかもしれません。 で、私がどうしたらいいのですかとお伺いするのは、大臣も含めてお考えいただきたいのだが、この種のことが起きたときに選挙管理委員会なり何なりが、違法文書がこういうふうにまかれました、これは違法文書でございますというようなことが、適切に大衆に即告示されるような手段でもせめて現行法の解釈でできないものだろうか、あるいはその意味で現行法の改正を早急にしてでも、いつも行われるのですから、違法文書がまかれましたというようなときには、選管が責任を持って違法文書であるかないかの判定をしていただいて、した場合には、違法文書である、これがこういう形でこういう手段で、推定このくらいのものがまかれたが、これは違法文書で正当な文書ではない、せめてそのくらいのことが大衆の目にわかるようにあらゆる掲示板に掲示というか告示される習慣がついた方が私はいいと思うのです。そのようなことをおやりになる必要があると私は思う。 大臣、どうでしょう。現実に何回も行われているのですから、そのくらいのことを現行法の解釈でできなかったら、選挙法のその意味における検討をするというようなことにでもしない限り、いま私がずばり言った、やり得だということがあり得るのですから、そういうことのないように、やはり公式機関がこれは違法文書であるというものが、こういう日時にこういう場所に、推定このくらいのものがまかれているがというようなことを告示、掲示されると大変助かると思う。そうでなければ、こっちも違法を覚悟してこれに対する反論を出さざるを得ない。実は私がとめたのです。法治国家なんだから、法がある限り、公選法を見なさい。で、出そうと息巻く若い人々をとめて、出させなかった。いまでもよかったと思います。そんなことをやってはいけないと思うのです。だけれども、それは正式の機関が、この種のものが投票日のまる三日前にまかれた、手がありません。管理委員会でも、手がありません。おれたちがこうやりたいと言っても、それは違法ですからやってはいけません。警察でも、犯人は追及しますが、どうもやりようがありません。では、選挙の結果に重大な影響が及ぼされると判断するから、いまから、この結果を認めないということを正式に何かわれわれがやらなければいけないかと言うと、それはおまえさんたちの自由だ。それはそのとおりでしょう。そんなほうりっ放しでなくて、選挙管理委員会みたいな正式機関が、違法文書がこういう日時にこういうところにまかれた、この種のものは違法文書だというようなことでも掲示するようなことが必要じゃないかと思うのですよ。大臣、どうですか。そうしないと後を絶たないと思う。いかがですか。
○福田(一)国務大臣 ただいま原さんから御指摘ありましたことは、私、ごもっともな一つの御意見であると思うのですが、ただ、それを公表するということを決めてしまいますと、今度は逆にそれを利用して逆の宣伝を、ほかの候補者がこういうことをしたということを宣伝するためにまたビラをまくということも起こり得るんじゃないかということが、少し勘ぐっているかもしれませんけれども、考えられることもございますので、ただいまのお話については、ごもっともな点がありますからひとつ研究をさせていただきたいと思いますけれども、いまここでお答えするのは、いささか私としてもためらわしていただきたいと思うのであります。
○原(茂)委員 まだまだ選挙は年じゅう行われますから、大至急に検討して適切な結論をお出しいただくようにお願いをしておきたいと思う。 二つ目に、市長選挙の場合ですね、候補者が二人、マルを押しなさい、記号式というのでしょうか、そういう選挙が行われたのです。これも私の選挙区です。 この選挙が行われるときに、選挙管理委員会がその記載順序を決めるためにくじを行う。そのくじを行うに当たってはその日時、場所に関して告示しなければいけないということが、専門じゃないからよく知りませんが、公選法の施行令四十九条の四にあるようです。告示しなければいけないその告示がされていなかった場合にどういうことになるのでしょうか。 実は、第一回の抽せんか何かで、何の順番だか知りませんが一番に当たったというので、標旗をもらったり、いろいろする順番がまず決まって、一番に当たると、新聞にずっと選挙の終わるまで一番先に名前が出て、二番、三番と、こういつもトップに一番の名前が出るんで、選挙をやる人間は一番だと有利だなと、まあ有利じゃないかもしれませんが、そんな感覚を持つのですよ。新聞にずっと候補者が出るときでも、一番というのは先にいつでも書かれるものだから、くじが一番というのは有利になるという、何となくそんな感じになるのですね、わらにもすがる気持ちですから。その一番でずっと来たのですね。その人は一番だった。ところが、投票用紙の記載のときに二番目になっていた。これはまた別のくじをやるから、一番になったり二番になるのはあたりまえなんですよ。だから、この法律でも言っているように、いわゆるくじを行うときに日時と場所を告示しなければいけない。そして、行きたいと思うならくじに立ち会うことができるとなっているのでしょう。だから立ち会おうと思っていたのだけれども、告示がない、通知がない。くじが行われた。その結果も通知がなければいけないのに、投票日まで通知がない。選挙をやる人というのはみんな、自分たちを支援する人に、今度の投票用紙には一番原茂、二番土屋何がしと書いてあるけれども、おれのは一番だから最初のにマルをつけるのだぞ、こう言い渡すのですね、口コミで。それほど選挙というものは細かく神経を使うのです。ところが、全然通知もなければくじにも立ち会わない。告示されないから立ち会いもしなかった。もちろん知らないものだから、投票日のその日になってから、新聞や何かでいつでも一番に書いてあったものだから一番だと思って行って、最初の頭に判こを押そうと思ったら、どっこいそうじゃなくて違うのが一番にあったというので、本当に迷ったし、年をとった人は自分の意思に反して一番のところへマルをつけた人まで実はあるのです。ということで、選挙の結果にも重大な影響を及ぼしたであろうことを考えて、こんなささいなことのようですが、日時、場所に関してくじを引く、その告示がなされていない、結果についての通知もされていないというようなことがあったときに、一体どう処置をすればいいのでしょうか。
○土屋政府委員 ただいまお話のございましたように、記号式投票の場合は公選法の施行令で、四十九条の四でございますが、そのくじを行う場所——順序を決めるわけでございますが、その順序を決めるくじを行う場所と日時を告示しなければならないとなっております。そして候補者あるいはその代人というのがくじに立ち会うことができるということで、そこで、まあ率直に申しますと、公表された前で公正にくじが行われるという仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、くじを行う場所、日時は当然あらかじめ告示しなければならないわけでございますが、私も事実は十分確かめておりませんけれども、現にそういうことがなかったということになりますと、少なくともその点では欠缺であると言わざるを得ないわけでございます。ただ、くじがいつあるということはわかっていなかったけれども、くじ自体は正当に行われて、公正に行われたという結果であれば、その結果に従ってつくられたこの記号式の投票用紙そのものは正しいものだということになるわけでございまして、あと、従来の届け出その他が一番であったということと、そのくじであるいは逆になったということとは、これはまあちょっと法律ではどうしようもないことでございまして、十分その有権者なりが認識しなければならないし、あるいはまた候補者自身も、もしそういう必要があれば十分認識させるという方法をとらざるを得ないということでございます。ただ、少なくとも場所と日時を告示しなければならないということをやらなかったという点であれば、その点はやはり遺憾ながら、それは法の管理上のミスであると言わざるを得ない。ただ、それが直ちにそれじゃ選挙にどう影響したかということになりますと、それは私も、くじ自身が公正に行われておるものならば、それほどの問題はないかと思うのでございます。 しかしまあ、それがいいとは申しません。どこでどうあったのか、私どもまだ報告も受けておりませんけれども、場所等があれば事情も聞いてみたいとは思っております。
○原(茂)委員 先ほどのは茅野市で、今度は諏訪市の市長選挙の場合です。いまお話しのように選管でくじが公正に行われていたらやむを得ないだろうというような簡単な考え方で済まそうと思っていない。票のいかんにかかわるわけですが、選挙の結果に重大な影響を及ぼしたと考える幾多の材料がこちらの側にはある。先ほどその一例を申し上げた。くじが逆になったってやむを得ないじゃないか。それはやむを得ません。それはいいのです。そのとおりです。しかし、一つの例をいま申し上げたように、うちの場合は二番目ですよ、マルを押すのは一番目ですよ、こう言える言えないというのは大きな影響がある。これは一つの例ですが、あるのです、選挙には。選挙をやっている人間にはよくわかる。それから、応援して投票しようという人々には、これは重大な問題なんです。そのことが、法律でくじを行う日時、場所を告示しなければならないのに告示をしない、その結果について通知しなければいけない義務があるのに通知もしないということになったときに、選管におけるくじが公正に行われたとすればそれで仕方がないだろうというようなことで法律は解釈していいのか。法がある以上は、法というものは手続が非常に大事なんです。これを守るから法の厳正さというものが保たれる。そのことが、こうしなければいけないと書いてあることを省いて、なおかつ結果的にはくじそのものが公正に行われていればいいじゃないかというようなことになったら、法律解釈論は成り立たないと思います。その場合に、やむを得ないだろうというだけなのか。一体、公職選挙法の解釈は、しようによってはどのようにでもできるでしょうから、結果に対する影響云々は後にいたします。これは別途にやりますから後にしますが、現在、いま申し上げた程度の範囲で考えましても、そのことが省かれた、なされなかったという事実に関して、違法だとお思いになりますか、どうですか。四十九条四を実行しなかったことは違法だとお思いになりますか。
○土屋政府委員 先ほどから申し上げておりますように、くじを行う場所と日時の告示をするということでございまして、くじの結果については、これは特別、法律上どうせいということはないわけでございます。もちろん、候補者たる者は、その結果がどうなったかということは当然注意をしておられると思うわけでございますけれども、知らなかったために最後までそれを実施しなかったという場合が、あるいは間々あるかもしれません。それは本来なら気をつけていただきたいと私どもは思うのでございますが、その場合に本人にわかるようにする方法を考えたらどうだというような御意見であれば、それはまた一つの考え方であろうというふうに思うわけでございます。また、それとは別に、いまのような四項で場所、日時の告示ということをしなかったということであれば、これは政令で決めております法令の規定に反しておる、もしそういう事態がございましたらそう言わざるを得ないと思うのでございます。ただ、それが直ちに選挙にどうかということは別といたしまして、やはり管理規定に違反しているということは言わざるを得ないと思います。
○原(茂)委員 きょうはそれだけで結構なのです。そのことは、やはり法にある以上は、その手続を踏まない限り違法であるということがわかれば、結果いかんは別問題です。それはそれで結構なのです。 そこで三つ目に、この問題で最後のお伺いをしたいのですが、これは大臣からもお答えをいただきたいと思うのであります。 定員いっぱい立候補したために無競争で当選が確定する、締め切りますと当選が確定するという場合が往々にあります。私どもの県にもずいぶんたくさんございました。その無競争当選というようなときに何かやはり、四年間の公僕たる、議員たる人間が住民に、私はこういうことをいたしますと——立候補した人はみんな、しゃべって歩くわけです。その前に、選挙公報というのかなんかで自分の政見みたいなものを書いて各家庭へ配るのですね。ところが、この人々は選挙公報が出てないのですね。無競争当選の人は選挙公報が出てないのですよ。ですから、公約を何もしてないわけですね。私は、これはやはり出させて、無競争の場合でも選挙公報を——ぼくは実際にきょう持ってこないのですが、御存じでしょうが、各家庭に全部、候補者の政見みたいなものを書いて配布するものがあるのですよ。実際に、選挙の激しい戦いに入る人はみんな出す。ところが、無競争になって確定しますと出てないのですね。だから、何の約束もしてない。新聞を見て住民は、ああこの人々が、三十名なら三十名、選挙なしで当選かと知るだけです。本人が何を考えているのか、何を約束したのかわからないのですね。私は、無競争の場合でも当然公報だけは出す義務を負わせていいのではないか、そうすれば、私は四年間こうやりますということが、せめて住民、主人公に対する約束ができるでしょう。それを見て四年間の監視をまた住民は行うということがいいのじゃないかという気がするのですね。これはどうでしょうかということが一つです。 それから、ただそれだけではいけないので、定員いっぱいで、幸か不幸か選挙がなかったけれども、住民は、三十名なら三十名定員選挙なし当選のうちの私に対して、一体どの程度信頼してくれるあるいは期待をしてくれるだろうというようなことを知るために、その上に二つ目として、信任投票をやるべきではないか。その信任投票というのは、不信任をあらわすのではなくて、信任の度合いを数で住民の意思表示がされるというようなこともあった方が、無競争当選した議員に一つのある意味の、全部ではありませんが、自戒自粛をさせる、勉強をさせる材料になるのではないかという意味では、選挙公報を出すということは当然の義務としてやるべきではないか、二つ目に信任投票を行っておいて——不信任の意味の信任投票ではありません。住民の数多くが、あるいは半分以下が、あるいは何分の一がこの人を信任したというようなことをあらわすということがいいのではないかということを私は考えますが、この二点、大臣、政治的な判断ですが、どうでしょうか。
○福田(一)国務大臣 ただいま原さんから一つのごもっともな御意見が出たと思うのでありますが、大体選挙の場合は対立候補があるというか定数以上に立候補があるということをたてまえにして法案をつくっておるということは案内のとおりであります。したがって、それがない場合といいますか、定数だけしか立候補者がないというときには、ここで選挙を行わないで当選だ、こういうことにいたしておるのでありますが、しかしまた、あなたのおっしゃるように、どういうような政見を持ち、いかなる態度をもって公僕として自分が仕えるのであるかということをあらわすということも、これはある意味では私は大事な問題であろうと思うのです。ただ、いままでの法律のたてまえからいいますと、いわゆる相手方があって選挙が行われるということを基礎にいたしておりますので、いささかその点は抜けておりますが、私はそういう意味で言えば、せめて一回くらい、公報もさることながら、テレビ放送くらいやった方がいいのではないかというような気もするのです。いまのところテレビの方がみんなにも非常に親しまれておりますから、そういう面も考えてみる必要があるのではないかというような気がします。 それから今度は、それはそれとして一応今後研究する課題にしていただきたいと思うのでありますが、もう一つの、信任投票をやったらいいじゃないか。たとえば定員二人区のうちでも信任投票をやってみたらこういう順序であったということが、やはり立候補者の励みにもなるというか、住民との関係を密接にする方法にもなるわけですね。同じ当選はするのだけれども、余り成績が悪くてはどうもかっこうが悪いということになれば、常時住民との接触を保つことになるということも考えられるわけでありますが、しかし、選挙法自体からいいますと、一応どれくらいのその区における投票数がなければならない、また、そのうちでどれだけは有効投票がその本人になければならないというようなたてまえができておりますので、そういうことから言えば、当然、選挙をやってもやらなくてもその程度の住民の支持があるものというふうに考えて法は規定をいたしておると思うのであります。でありますから、そこいらは御指摘の点も考えながら、一体、法をこのままにしておいていいのかどうかということも、今後、一応研究をさしていただきたいと思うのであります。相なるべくは、無投票であってもやはりその人の個性くらいは知らせるのがいいんじゃないかということは、私は気持ちの上では賛成でございます。
○原(茂)委員 それもできるだけ早い機会に検討して、いま大臣のおっしゃった意思が当局の方から提案されるように、早期に形をつくっていただくように期待をいたしたいと思う。 選挙の関係はそれで終わりまして、次に、地方行財政に関する当面の措置についての第十六次の答申が出されました。その中には四十七年、四十八年の古いことも関連してまいりますが、そのことに入ります前に二点だけ、問題が最近提起されているのをお伺いしたい。 その第一は、四十九年度の地方交付金、いわゆる過剰交付金の返済という問題が大蔵省から要求をされまして、四十九年度、各地方自治体が約一千万円の返納を要求されるというようなことが言われているわけですが、四十九年度ばかりではなくて五十年度も、いまのような経済、財政の状況から言いますと当然こうした返納問題が起きるんじゃないかというふうに考える点から、自治省としてもこの問題に対しては大蔵省と折衝をしているはずだと思いますが、一体経過はどうでしょうか。どのように処置されようとしているか。
○山下(稔)政府委員 御指摘のように、国税につきまして減収が生ずることがある程度明確になったようでございまして、その国税のうちの、交付税の基礎になっております法人税、所得税、酒税、これについて減収が生じました場合には、その三二%の交付税は減少するわけでございます。ただ、四十九年度の交付税はすでに交付してしまっておる。また、現行制度の上から申しましても、それを返納するという形にはなっておらないわけでございまして、翌々年度までにいわば精算をするという仕組みになっております。したがいまして、五十年度もしくは五十一年度の交付税から差し引くという形になろうかと思うのであります。 次に、五十年度の交付税についてでございますが、現在五十年度の予算に計上しております国税三税がどの程度減少するか、いまの段階ではわからないわけでありますので、全く仮定の上に立ってのお答えでございますが、仮に国税三税について減収が起きたといたしました場合には、その三二%の交付税は減少することになるわけでございますが、いずれの場合におきましても、私どもといたしましては、現在予算に計上しております交付税、五十年度の予算に地方財政計画で見込んでおります交付税につきましては、何らかの形でその額を確保して地方団体に迷惑がかからないようにするということについて、大蔵省とよく協議をしてまいりたいというふうに考えております。
○原(茂)委員 四十九年度分も同じですか。
○山下(稔)政府委員 四十九年度の分につきましては先ほど申し上げたとおりでございますので、五十年度もしくは五十一年度で精算をするという形になると思います。そのときの財政状況全体を考えまして、地方財政に迷惑がかからないように、収支のバランスが崩れないように考えてまいりたいというふうに考えております。
○原(茂)委員 私のお伺いしようとしたことがほぼおわかりのようで、いまのようなお答えがあったと思うのですが、平たく言いますと、翌々年度精算、そのときに、実際に精算はするけれども、何らかの措置なりを講じて、実際に返納したという、いま赤字地方財政の上にまたパンチを一つ加えるというようなことのないような配慮がされるように、自治省としては大蔵省と鋭意折衝をしていくつもりだ、こういう解釈でよろしゅうございますか。
○山下(稔)政府委員 そのとおりでございます。
○原(茂)委員 ありがとうございました。ぜひそうしていただきたい。 それから次に、法定外普通税というものについてお伺いをしたいのですが、いまのような地方の財政状況から言うと、各県独自の法定外普通税というものを法に照らしてできるものですから、これが県税であったり、あるいは観光地の島へ入るなら入島税であったり、これはすでに行われていますね。あるいは新しく観光客からひとつ取ろうというので何々税というようなものを考えたりというようなことが、すでに各県で動きが出ているのですが、自治省としてはそういうことに対しては積極的に、新しい税源探しのたてまえから、援助というか応援するといいますか、そういう立場をおとりになるんだろうと思うのですが、いや、とんでもない、法定外普通税なんというものはなるべく認めない方針だというのか。私の住んでいる長野県で、すでに三つ、新しい法定外普通税が勘案されている。各市町村で別々に三つ出された。県では積極的に、これはいいからやろう、自治省にもお願いをして、自治省もできるだけひとつそれを応援してくれるのだそうだという空気でいまやっているのですが、大体、法定外普通税の新しい創設に関しては、いいものなら認める、どんどんやらせるという方針でございましょうか、どうでしょうか。
○石見政府委員 お答え申し上げます。 最近の地方財政の圧迫を反映いたしまして、地方団体の間で法定外普通税の関心が非常に高まってきておりますことは、先生ただいま御指摘のありましたとおりでございます。 御案内のとおり法定外普通税は、地方税法に定めます一定の要件を満たしました場合には自治大臣はこれを許可するというたてまえになっておるわけでございます。 私どもといたしましては、各地方団体でいままだ具体的に、本年度になりましてから、こういう法定外普通税を起こしたいというふうな具体の相談は受けてはおりませんですけれども、地方団体の間でいろいろ御検討されておるということは承知しておるところであります。いま申しましたように、地方税法に定めます要件に合致いたしますものでございまして、税理論といたしましても十分成り立ち、あるいはまた徴税技術上も十分可能であるというものにつきましては、私どもといたしましては各地方団体と一緒になりまして積極的にこの問題と取り組んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。いま申しましたように、まだ具体のものが出てまいっておりませんので、具体のものにつきまして個別に御答弁申し上げる段階ではございませんが、具体のものが出てまいりました段階におきまして十分前向きに検討したい、地方団体とも研究もしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○原(茂)委員 県下で言われているのは、自然公園利用税、商品切手発行税、それから遊休地税、広告税。遊休地税なんというのは、社会党の立場でずいぶん前から、遊休地には課税をしろというようなことを実は政策として出して提案をして、ずっと古く今日に至っているものを、地方公共団体が各地でやってくれると、われわれのいままで言っていたことが地方からずっとやられて、大変いいことだなと思いますよ。思いますけれども、ただ問題は、普通の税金とダブるという問題を相当慎重に配慮しないといけないわけでしょう。したがって、いま私が言ったような四つの長野県の法定外普通税というようなものを、四つの例でいいのですが考えたときに、それはまあまあ諸般の状況からいいと思うとおっしゃるか、何か御意見があるかどうか。とにかく、いまそれを進めようとしているわけですから、いけないことがあるならそれをできるだけ避けながらでもやっていきたいと言う考えがありますから、いま私が申し上げた、県下でやろうとする四つの問題についてご見解をお聞きしたい。
○石見政府委員 御指摘のございました点につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、具体的な課税要件あるいは納税義務者、課税団体あるいは税率等を私どもまだ十分承知いたしておりませんので、ここでいま先生のお示しのありました点、税につきまして、それはいいとかあるいはそれは悪かろうとかいうふうなお答えを申し上げるのはひとつ御容赦いただきたいと思うわけでございますが、御指摘にもございましたように、たとえば遊休地税あるいは空閑地利用税とかいうふうな名称で地方団体の間でも検討されておることは事実でございますが、この点につきましては、いま先生御指摘もございましたように、一つは、やはりすでに土地等に対して課しております税としましては固定資産税あるいは特別土地保有税等があるわけでございまして、これとの二重課税になるということは、これは法律上禁止されておるところでございます。したがいまして、いま申しましたような税と二重課税になるような税でございました場合には、これは法定外普通税としては成り立たないんではないだろうか。しかし、そこは、二重課税にならないというふうな税理論が組み立てられるならば、あるいはまた成り立ち得る余地もあるんではないかというふうにも考えるわけでございます。 ただ、私どもいままで、正式ではございませんが、非公式にいろいろ伺っております限りでも、遊休地税あるいは空閑地税と申しましても、何をもって空閑地と言うのか、あるいは遊んでおる土地というのはどういうものを言うのか、たとえば全く遊んでおる土地と、たまたまそこを駐車場にしておればこれは事業用の資産になってしまうわけでありまして、その辺やはり税理論の上でも、あるいは課税技術の上でも十分成り立たなければならないだろうという問題はあろうかと思っておりますが、御指摘ございましたような点も十分私ども踏まえまして、それぞれ具体のものに即しまして地方団体の方々と一緒に勉強さしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○山下(稔)政府委員 先ほどの答弁、若干補足させていただきたいのでございますが、四十九年度分の精算分につきましては、法律上決まっていることでございますのでやむを得ないことであろうと思います。そこで、その精算は仮に五十一年度で行われるということになりました場合には、財政計画全体として考えていくということになろうかと思います。精算そのものはやむを得ないことであろうと思います。 それから、五十年度分につきましては、先ほど申し上げましたように、国が補正予算で税の減額措置をとるような場合においては交付税が減ることになりますので、その場合は何らかの形で地方団体に迷惑がかからないような措置を講ずるように、大蔵省と協議をいたしたいというふうに考ええます。
○原(茂)委員 そこで本論に入るのですが、第十六次の調査会の答申というのはもうごらんになっていると思いますが、審議官のどなたがこの第十六次の地方制度調査会の担当なんですかね。おいでになっていますね。——それじゃ、最初に私お伺いしておきたいのは、たばこの値上げがいよいよされますね。たばこの値上げをした直後には、地方に入るお金、大分減るのですよ、売上本数が減るから。そのために臨時にたしか調整交付か何かしたんですね。今回も値上げが残念ながら通るかもしれません。通った場合にはどの程度、前回の値上げのときと同じなのか、現在の方がもっと私は売上本数が減ってくるのじゃないかと思うのですが、その場合に特別な配慮を、前回の値上げ直後と同じなのか、それ以上の率で考えるのか、期間はどのくらいの期間を考えるのかを、時間がむだですからくどく聞きませんが、端的に三点お伺いしたい。
○石見政府委員 お答え申し上げます。 いま先生お示しのございましたように、たばこの値上げが行われました場合には、当該年におきましてたばこの売上本数が減るということに相なるわけであります。たばこ消費税は御案内のとおり、前年の一本当たり単価に当該年の本数を掛けておりますので、値上げが行われました年にそのままたばこ消費税をほっておきますと、たばこ消費税が、たばこの値上げがなかりし場合に比べまして減収が起こるということは事実でございます。今回五月一日の値上げが——五月一日はもう過ぎたわけでございますが、仮に五月一日の値上げがいまの法案どおり実施されたといたしました場合には、ほぼ二百二十億円ぐらいの減収が生ずるのではないかというふうに推計いたしておるわけであります。したがいまして、二百二十億円相当分を五十年度におきまして調整できますように、結局、五十年度で売りさばきましたたばこの本数に割り増し増を掛けまして調整をするという措置を地方税法でとっておるわけでございまして、この地方税法、御案内のとおり三月三十一日に国会を成立させていただきましたものでございますから、たばこの値上げが行われますればいつでも動き得る状態になっておる次第でございます。
○原(茂)委員 前回は昭和四十三年ですね。あのときは何億円ぐらいの計算だったのですか。調整をしたのですか。
○石見政府委員 ちょっと手元に資料を持っておりませんので詳しい数字は承知いたしかねるのでございますが、たしか四、五十億程度のものであったのではないかというふうに承知いたしております。
○原(茂)委員 今度は二百二十億ぐらいの計算になるだろう、その場合には前回と同じ計算の方式で行う、こう解釈していいわけですね。
○石見政府委員 基礎になります売上本数がどんどん伸びておりますので、もちろん基礎になります数字は違っておりますが、方式といたしましては全く同じ方式で五十年度調整をするということを考えておる次第であります。
○原(茂)委員 そこで、最近の厳しいこの経済情勢のもとで、総論的なものを先にお伺いしたいのですが、したがって、今年度の「地方財政については、国は、地方の自主財源の増強を図るほか、超過負担の解消、国庫補助負担制度の充実等について措置すべきであるが、これにあわせて、地方団体においても、財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、給与水準の適正化、職員定数の増加抑制、経常的経費の節減等に努めるとともに、地域の実情に応じて実施する地方単独施策についても財源の充分な見通しのうえに立って実施する等厳正な財政運営が望まれる。」これが地方行財政の答申の前文に書かれている締めくくりです。これは同じものをお持ちになっていると思うのですが、通告してありますから……。 それで、このうちの前文をちょっと概括的にお答えをいただきたい。「地方の自主財源の増強を図るほか」の次なんです。「超過負担の解消、国庫補助負担制度の充実等について措置すべきである」この大きな二つの項目に対してどういう措置をお考えになっていますか。
○山下(稔)政府委員 超過負担の解消につきましては、四十九年秋に実施いたしました実態調査に基づきまして、公立文教施設等三事業につきまして四十九年度の補正予算で、単価差に係る超過負担の解消のための措置を講じました。それを基礎にいたしまして、さらにその後の物価の騰貴率等を見込んで五十年度の単価を定めたわけでございますので、この三事業については超過負担はほぼ解消していると考えております。 なお、同じ時期に行いました運営費関係の単価に係わります超過負担でございますが、この問題につきましては、五十年度予算におきましてその一部を解消し、さらに残りは五十一年度において解消をするということで考えているわけでございます。 それから国庫補助負担金制度の充実でございますが、これにつきましては、もちろん各省、大蔵省の関係の問題になるわけでございますが、一、二の例を申し上げますと、児童生徒急増市町村におきます小中学校の屋内運動場の基準面積を二〇%引き上げる、あるいは生活関連施設のための国庫補助金といたしまして廃棄物処理施設の補助単価を引き上げる、あるいは人口急増地域に対します措置といたしまして小中学校用地補助金の単価を引き上げあるいは交付率の引き上げを図るというような措置を講じたわけでございます。
○原(茂)委員 四十九年度の超過負担は、いま御説明のあった範囲で解消ができるとお考えになっているという説明がありました。最近、御存じのように大阪府摂津の保育園を中心の裁判がずっと行われてきて——この問題御存じですね。つい最近、自治省としては、まだ裁判の最終判決の出る前に、いままで一人四・四平米の広さを基準に考えていたが、やはりどう考えても基準に合わないというので平均六・六にするというようなことを発表になりましたね、二日ぐらい前に。そういう記憶ありますか。
○山下(稔)政府委員 その問題は厚生省で所管をいたしておりますので、私どもまだ詳しいことは存じておりません。
○原(茂)委員 それじゃ、その問題は担当が違うからまだ検討されていないということになりますか。
○山下(稔)政府委員 保育所の補助金につきましては厚生省におきまして検討していると考えております。
○原(茂)委員 私の言うのは、そういうものもやはり超過負担の計算の基準の参考に自治省あたりでもしていくんじゃないかなと考えたのですが、それは全然関係がない、厚生省がやることであって、それがどんなふうな結果になろうと、いわゆる超過負担というような問題を考えるときの、自治省が各地方自治体における超過負担——現在、多く言うと一兆円もあると言われている、あるいは四千億円だとも言われている、あるいは二千億円だとも言われていますが、恐らく累計すると一兆円くらいになるだろうと私は思うのですが、ああいったものがもし違った形で、一応いままでを訂正するような結果になったときでも、そういうものは別に参考にしないということになりますか。
○山下(稔)政府委員 私ども超過負担と申しておりますのは、補助単価が標準的規格で実施する場合の実勢単価に対応したものとなっていない場合、すなわち単価差に係るものを普通、超過負担と申しております。そのほか地方団体等の要望の中には、国庫補助金につきましては、たとえば数量差であるとか対象差であるとかいうものについても超過負担という名のもとに解消すべきであるという御要望があることは承知いたしております。いま御指摘の点は、その数量差に当たる問題であろうと思います。私どもは、この数量差、対象差につきましては厳格な意味の超過負担とは言えないと考えておりますけれども、こういう問題については、やはり社会情勢、経済事情の変化に伴ってできるだけ改善していくべきものだと考えております。
○原(茂)委員 そのものを論議しようと思っていないから、いまそれをそれ以上取り上げませんが、私は、国の立場で、やはりああいう判決の出る前に厚生省の態度を考え直さなければいけない、変更しなければいけないといったようなときには、やはり量的な格差などが中心で超過負担の一部になっている限り自治省にも影響を与えていくんじゃないだろうかと期待を持った意味で、実はそのことを質問したわけです。いまの答弁で、まあそんなに期待を持っても、それよりは、具体的にあれの決着がついたときに、やはり類推をして同じような問題に対する質問をしなければだめだなあと感じました。いまの答弁でそれは結構ですが、やはり国の立場ではそういうものも参考にしながら考える心構えがありませんと、必ず、あれが出てくると、やはり超過負担の相当部分に対してあれが類推されて、比較されてこれから論議をされるようになると思いますから、そういう意味の検討はすべきだと思いますよ。 総論的にはそれで結構ですが、次に、個人住民税の軽減問題についてお伺いしていきたい。きょう時間がないようですから簡潔にひとつお伺いしたいんですが、住民税そのものもずいぶん問題があります。ここにも指摘されているように、あります。しかし、一番末尾にありますように、住民税だけでなくて、住民税の均等割りというのがございますね。住民税の均等割りについて二百円、百円。お持ちだからおわかりだろうと思いますが、昭和二十六年以来ずっと今日まで据え置かれている都道府県民税の百円あるいは市町村民税の二百円というのがこのまま、まだこれから進められていくんでしょうか。この答申にあるようなことが配慮されて、これに対する引き上げを考えようとなさるのか、どうなんでしょう。
○石見政府委員 お答え申し上げます。 均等割りのあり方につきましては、お示しにございましたように、いろいろ議論のあるところでございます。しかし、何分にもこの額が昭和二十六年以来据え置かれておりまして、現在の状況から見まして余りにも低いんではないかという御指摘もあるわけであります。そこで、この答申におきましては、今後その引き上げについて検討すべきであるということに相なっておるわけでございます。 私どもも従来からも検討はしてまいってきておるわけでございますが、何分にも均等割りにつきましては、所得割りを納めない方につきましては所得割りの減税の効果がもともと及ばないわけでありますから、均等割りを引き上げました場合にはもろにいわゆる増税という形に相なるわけでございます。額にいたしまして二百円でありますので、仮にこれを倍にしましても四百円。額的には少ないではないかという御議論もあろうかと思いますが、しかし、何分にも増税になることは事実でございます。こういう情勢の中で、いわば所得割りを納めないような低所得者に対して増税が行われるような均等割りの引き上げというのは、やはりその面からもう少し慎重に検討すべきではないかという御議論になったわけであります。 御指摘にございますように、額が低過ぎる、引き上げるべきだということの答申はいただいておりますが、そのやり方あるいは時期等につきましては、今後とも引き続き税制調査会等の御議論も経ながら、私どもとしては検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○原(茂)委員 これは十分検討していただかなきゃいけない問題なのですが、しかし、これを見ると、やはり方向としては引き上げなきゃもうおかしいじゃないかという意向ですよね。ですから、引き上げなさいと言うわけにはいかないですけれども、私は、納税というのはやはり公平でいいと思うのですね。どんな税金の場合でも、二十六年以来そのまま同じだというのがあるとすれば、上げる上げないは別にして、相当慎重な討議、検討をすべきだという意味でこれは注目したわけですけれども、大したあれにならないでしょうが、いま言ったように、確かに大変な重税を課されたという結果になる人もあるでしょうから、したがって、ただむやみに上げろというのじゃないですけれども、二十六年以来同じだというのは、いままでいろいろな税金を見ていても、ちょっと珍しいのじゃないかという意味では、相当慎重な検討をしてしかるべきだ。上げろという意味じゃありませんよ。社会党の原が上げろと言ったなどと言われたのでは困るけれども、私は、税は公平でいいと思う。税の公平という立場から言うなら、二十六年からずっと同じなんというものがあっていいのかどうか、素人なりにおかしいなと感じたということを申し上げるのですけれども、あとのことは、どうせきっと同僚の委員が専門の委員会でいろいろとお聞きすることになるだろうと思いますから、この問題ではその二つだけにとどめておきたいと思います。 それから次に、公営企業金融公庫、きょう御説明をいただきましたし、おいでいただきましたが、全国知事会などの要求があって、公営企業金融公庫がいまのように地方公営企業債だけを対象に行うというのでは困るので、一般にも及ぼすようにしてもらいたいというようなことから、中央金庫というようなものを創設して、これによって地方財政に大きく寄与してもらいたい、あらゆる種類の地方債に応じてもらいたいというようなことが要望として起きていて、自治省としてもこの問題に関しては真剣に検討を始めたというふうに報道されていますが、この経過と、いまどうお考えになっているか。中央金庫創設というようなことに積極的な姿勢をお持ちなのかどうか。ある意味では公営企業金融公庫の脱皮、拡大といいますか、というようなことにも通じるわけですが、これは地方団体は相当な期待を持っているようですから、これに対する考え方の経過、積極的な姿勢をお示しいただけるなら、それをお答えをいただきたい。
○荻田説明員 この問題につきましては、先ほど経過とおっしゃられましたけれども、実は昭和の初めぐらいから主張はございます。したがって、五十年来の悲願というようなかっこうになっております。 おっしゃいますように、公営企業だけではなくて一般事業に対しても、いわゆる地方団体が地方団体中央金庫と申しますか、こういうものをつくりまして融資することが、地方団体のためにも、あるいは金融界の秩序維持といいますか、そういう見地からも適当じゃないかと思います。しかし、何分にも大問題でございますので、これは関係各省方面の御理解がなければできないことでございますので、われわれとしましては非常に積極的に考えてみたいと考えております。
○原(茂)委員 大臣の見解を聞きたい。
○福田(一)国務大臣 ただいま荻田総裁から申し上げましたように、この問題、地方自治体の今後の運営という問題から見ると、確かにそういうものがあってしかるべきと考えられる面もありますが、これが大蔵省のいわゆる金融全般を運営をするという立場においてどのような因果関係を持ち、どのような内容にするかという問題等、切実な、解決をすべき問題等もございますから、十分研究をさせていただきたい、かように考えます。
○原(茂)委員 これは時の趨勢と言っちゃ恐縮ですが、確かに前向きで大至急に検討してしかるべきものというふうに私などは考えるのです。検討をされるそうですか、ひとつ前向きで検討をして、大至急にまた結論を出せるようにしていただいたらいいのではないか、こう思います。 そこで、ついでにお伺いするのですが、公営ギャンブルの収入の見直しということをお考えになっているようですが、要するにギャンブルからの納付金の引き上げを考える。いままでのコンマ五%を一%にするというようなことが考えられているというのですが、確かにコンマ五%引き上げますと何千億円という金利引き下げの効果が出てくるわけですから、これはコンマ五でどの程度の見込みを持っておいでになり、この見直し作業は結果的には納付金の引き上げということにいつのときか持っていきたいお考えなのか、それを二つに分けてお伺いします。
○山下(稔)政府委員 公営競技による収益金が特定の団体に非常に偏っているということは、私どもも問題があると考えております。したがいまして、何らかの形でそれが他の市町村に分配されるということが望ましいと考えております。そのために現在、いま御指摘のありました納付金制度を設けまして、これを公営企業金融公庫の貸出金利の引き下げに充てるという方法が一つとられておりますほかに、特別交付税の配分に当たりまして、収益金の一定割合を減額するということによりまして他の市町村に特別交付税が回るという方法も講じております。その他、地方債の許可に当たりまして、公営競技の収益金が多いという団体に対しては地方債の発行の制限をするというような方法も講じているわけでございます。 そこで、公営競技収益金の率の問題でございますが、御承知のように昭和四十五年度から四十九年度まで千分の五と定められておりまして、五十年度から五十四年度までの間は政令で別に定める率とするということになっておるわけでございますが、五十年度におきましては事業実施の経緯等もございまして、とりあえず千分の五と定めました。したがいまして、五十一年から五十四年までの間については率が今後定められることになるわけでございますが、私どもといたしましては、いま申し上げましたような趣旨から申しまして、五十一年度以降できるだけ早い機会に、法律で定まっております最高の額でございます百分の一まで引き上げるように努力をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 数字でございますが、四十八年度の実績で申し上げますと、先ほども申し上げましたように、四十八年度は〇・五%でございますが、納付金の額は百十四億になっております。
○原(茂)委員 五十一年度から千分の十にしよう、いまの倍にしよう、こういうことですね。
○山下(稔)政府委員 私どもできるだけ早い機会に千分の十にするように努力をいたしたいと考えておりますが、公営競技団体の事業実施の経緯等もありますので、関係団体との意見の調整も図りながらできるだけ努力をしてまいりたい、できるだけ早く実現できるように努力はいたしたいというふうに考えております。
○原(茂)委員 これは政治的な問題ですけれども、たばこなどを強引に値上げしておいて、こんなところから二千四百億余分に入るような——〇・五を五十年度から上げるなんというのはやるべきじゃないんですかね。どうして五十一年度、関係団体だなんて、どこが関係団体か知っていますけれども、こういうものこそ——大臣、おかしいですよね。たばこなどの値上げをどうしてもやらなければならない、やっておいて、そしてこれなんかを千分の十にしようというのをちゅうちょして、来年、五十一年度からやるというのは、おかしくないでしょうかね。正当な理由がありますかね。五十年度からやるべきじゃないですか。
○福田(一)国務大臣 実はその問題は、五十年度の予算編成の前後におきましてもわれわれとしても研究をいたしまして、何とかそういうふうに持っていきたいという意味で内々努力したのも事実でございますけれども、実際問題としてはまだ建設費を十分賄ってないとかいろいろ理屈がありまして実現できなかったが、そのときの話では五十一年度ならば何とかひとつやります、ここまで詰めて努力しておるというのが実相でございます。お説のごとく、たばことか酒とかそういうものを上げるようならば、こういうものはもう少し合理的に使う工夫をすべきじゃないかということはごもっともな発言だと私は考えておりますけれども、いままでに相当な経費を使ってやっております意味合いにおいて、もうしばらく、ことしだけはひとつ勘弁してくれということで、そのうち時間切れになるような形になりまして、われわれとしては実は本当は遺憾なのでございまして、本当はせめて今度でも千分の二くらいはもう少し取って順次措置をいたしてまいる、一挙にはできないかもしれないと思って、大体そのような心構えも持っておったわけなんですが、現実にはそこまでいかなかったというのが実相でございます。
○原(茂)委員 悪口言うわけじゃないけれども、そこに私は自民党の体質があるというか、たばこなんかは国民に聞きもしないで強引にやっておく。この種のものはちゃんと取れる。私なんか、細かいことを言ったら、競馬でも競輪でもずいぶん調べているからよくわかるのですが、こんなのこそ、何も聞かなくたっていいから〇・五また引き上げるよ、こう言ってしかるべきだ。こういうものだけは周りへ聞いて、たばこなんかは幾ら大衆が反対したって強引にやってしまうというのは——やはり自民党さんだって近代政党なんだから、三木さんクリーンで脱皮すると言っているんだから、こんなところが具体的に、いや、こういうふうにちゃんとやっている、おまえたちにもたばこの値上げをしているけれども、こんなものはぴちっと千分の十直ちに上げましたと言ったって、ちっとも困りはしない。赤字になんかなりはしない。これを〇・五上げたからといって、いま彼らが困るか。公営ギャンブル、全然困りません。こんなものに関係団体の意向を聞いて一年延期するというようなことをやっていると、私は、政治に対する不信感というのが起きるんじゃないか、やはり脱皮していただきたいと思う。社会党がいいとか自民党がいいとかいう問題じゃない。やはりこういう、自民党としての近代化というものを大衆の前に一番見せやすい、いいものをやらないでいて、こんなものは関係団体に聞いて、その意向で一年延ばしちゃう。たばこやなんかは強引にやっちゃうなんというばかなことをいつまでもやっていちゃだめだ。そういうことだけ言っておきます。まあ五十一年に法律で許された千分の十だからしようがないが、できたら千分の二十ぐらいのことを法律改正してもやるようなことを大胆に提案するというぐらいじゃなきゃ困る。 最後に、たとえばコンビナートなんかの災害がこの間も四日市で起きました、というような問題を中心に考えてみたときに、やはりわが国の監督官庁が、石油はどこだ、高圧ガスはどこだ、あるいは何は厚生省だなんていうようなことをやっているものだからいけないんじゃないかと思うのです。たとえば自治省関係で消防庁でもいいんですが、私は、消防庁が石油をやると言ったときに、消防庁自体にあのコンビナートならコンビナートを監督指導するだけの技術屋が本当においでになるのかどうか、この資料を求めたいと思ったのですが、時間がなくて求めなかったのですが、やはりこんなことを本気でやっていただかなければいけないことなんだし、おやりになる監督官庁としてはそれ相応の技術屋がいなければいけないと思うのです。こういう点、いま十分だと私思っていないのですが、充足するように考える、この種の不安がなくなるように石油に関しては責任を持てる、コンビナートという近代的な施設に対する十分な監督指導ができるというような体制をつくるようにしているのかどうか、これをお伺いして終わりたいと思います。
○福田(一)国務大臣 ごもっともな御指摘でございまして、ただいま、コンビナート法をつくるに当たっていろいろの調査などをいたしてみますと、やはり本当の技術屋というのが必要だということはつくづくわかるんですが、現在の消防庁にはそれを充足するだけのいわゆる専門的な技術を持っておる者はおりません。まあ、全然ないわけではありませんけれども、非常に少ない。しかし、全国のコンビナートを安全に管理していくという意味においては、これはお説のように、ひとつそういう技術関係から見てこれを監督できるような者を充足する必要があると考えておりまして、さしあたりは各層との連携によってそういう問題も処理はしてまいります。その人のやりくりをするようなこともしますけれども、将来は自治省、消防庁自体としても十分な行動力もあり、また判断力もあるような技術屋というものを獲得するように努力したい、かように考えておるわけでございます。
○原(茂)委員 ありがとうございました。終わります。
○井原委員長 庄司幸助君。
○庄司委員 私はコンビナートの防災、この問題について消防長官並びに自治大臣にもいろいろ御見解を伺いたいのです。 まず前もってお伺いしたいのはコンビナートの防災、これは水島の問題が発生して以来非常に大きくクローズアップされたわけですが、普通の消防力では、一たんいろいろな火災なりあるいは油流出なり、あるいはその両方の同時発生なんかがあった場合、もう手がつけられない、これは長官もおわかりだろうと思うのです。長官が、たしか消防小委員会じゃなかったかと思いますが、コンビナートの火災などが発生した場合、いまの自治体消防の力なんというのは、たとえてみれば昔の火消し程度のものだ、こういうことをおっしゃったように私は記憶しているのです。それはともかく、私も大体同感なんですが、そういった場合、自治体ではとうていいまのコンビナートに対処できないということになると、国の責任が相当大きいだろうと思うのですね。この国の責任についてどういうふうにお考えなのか。いまお考えになっているコンビナート防災法と申しますか、そういった点でどういうふうに具体化なされるのか、その辺をまずお伺いしたいと思うのです。
○佐々木政府委員 災害の防除ということは消防の任務でございます。したがいまして、コンビナート地域におきまして災害が発生いたしました場合に、まず第一次的に消防がその災害の防除、鎮圧に努めるということは当然の責務でございます。ただ現在、コンビナート地域におきましてのいろいろな危険物の集積というものが非常に膨大になってきておるわけでありまして、これに対処するだけの市町村消防力というものを、財政的にも施設的にも、あるいは人員的にも、その備えを十分に持たせるということはやはり国の責任であろうと考えております。 しかし、また一方におきまして、こうした危険物の非常に大きな集積という事態に対応いたしまして必要な災害防除対策、あるいは火災の予防、あるいは災害発生時におけるその鎮圧ということにつきましては、企業自身も相当大きな責任を持っておるというふうに考えられるわけでありまして、そういう意味におきまして企業のいわば自衛防災組織というものの充実も同時に考え合わせて、市町村の消防力をこれに十分対応し得るだけのものにしていかなければならないと考えております。
○庄司委員 いまの御答弁の国の責任、これは自治体に消防能力を持たせる、第二番目は企業の責任、つまり自衛消防力を持たせる。消防力と言い切っちゃうと若干語弊があると思いますが……。そうすると、たとえば自治体の場合、能力を持たせるために相当の国の予算措置もやるというふうに考えてよろしゅうございますか。
○佐々木政府委員 現在、市町村の消防施設の強化につきましては、その強化促進法の規定に基づきましての補助制度というものが設けられておるわけでありまして、特に最近におきましてはこうしたコンビナート地域における消防力の強化という観点から、こうした補助制度につきましてはその強化を図りますと同時に、あるいはまた府県における防災資機材の備蓄等につきましても予算的に補助制度を設けておるところでございます。
○庄司委員 第二番目にお伺いしたいのは、例の、石油は消防庁、それから石油ガスは通産省とか、あるいは劇毒物は厚生省とか、同じコンビナート地帯にこういうものが共存するわけですね。その場合、この指導監督の一元化といいますか、これが当然考えられなくてはならないし、また要請もあるだろうと思うのですが、この一元化についてどういうふうにお考えなのか、これをひとつ。
○佐々木政府委員 確かに御指摘のとおり、現在コンビナート地域につきましては、消防法の規定による規制、それから高圧ガス取締法による規制の問題、それから毒物及び劇物取締法による規制、さらには労働安全衛生法による規制、いろいろな規制権限がそれぞれの各省にまたがって持たれておりまして、それに対応して知事あるいは市町村長の権限というものが決められておるわけであります。この監督指導の権限をできるだけ一元化をしていくということは、確かにコンビナート地域についての各面の防災体制を固める上に必要なことであるというふうに考えておりますけれども、やはりそうしたそれぞれの法規に基づくいろいろな技術的な問題がございまして、これをいま直ちにどこかの機関に一元化をしていくということについては、やはり法律の適正な執行上なお問題点が残っておるというふうに考えられるわけでございまして、私どもが先般来、コンビナート地帯における防災関係の立法化を図っておるわけでありますけれども、個々の監督権限についてまでこれを国なりあるいは市町村なり府県なりに一元化をしていくということについては、やはりまだいろいろな、特に技術的な面からの問題が残されておるわけでありまして、これを一元化するということはいま直ちには困難であろうと考えております。ただ、防災体制というものについては、何らかの形でこれを一元化をしていくという方向で検討を進めておるところでございます。
○庄司委員 これは大臣、どうですか、石油コンビナート法といいますか防災法といいますか、これを立案なさっていると思いますが、具体的な現場の状況を見ますと、たとえば石油火災が起きて駆けつけた。その隣に高圧ガスのタンクがある、あるいは毒ガスが発生するような装置もある。そういった場合、一番先に駆けつけるのは恐らく消防関係だろうと思うのですよ。そうしますと、あのタンクについては水をかけていいのかあるいはかけてはいけないのか、そういういまおっしゃったようないろいろな技術的な問題、判断に苦しむ場合もある。これは各官庁のなわ張りの問題もあるのでしょうけれども、そういう技術的な問題も解決した上で、どうしてもやはりこれは一元化する方向に向かわなくてはならないと私は思うのですが、その辺、これは長官だけでもなかなか大変でしょうから、大臣あたり政治力を発揮してもらってやっていただきたいと思うのですが、大臣の見解をひとつ。
○福田(一)国務大臣 ごもっともな御質問だと思うのでありますが、実際問題といたしまして、特に防災においては御趣旨のように、どろぼうを見てなわをなうような話では困るのでありますから、その地域のタンクあるいは高圧ガスの貯蔵地あるいは劇薬その他いろいろの問題があれば、その地域として、どこにどういうことがあった場合にはどうするというようなことをふだんから一応研究をしておかなければならないかと思うのでありますが、その場合においても、何か起きたときにだれが責任者になるかということになれば、やはり県知事あるいは当該市町村長というものを実戦部隊の長としてやるということで問題を解消してまいりたい。非常に心配な面もいろいろございますが、そのようなやり方で今後は進めてまいりたい、こう考えておるようなわけであります。
○庄司委員 第三点でお伺いしたいのは、消防力の基準の問題なんです。これは、消防力の基準についての政令か何かあるわけですが、考え方の問題なんです。 冒頭に長官がおっしゃったわけですが、いわゆる自治体消防と企業消防、この二つの消防体制がある。その場合、コンビナートについては装備あるいは人員についてどちらに重点を置くかという点が一つ大事な点だろうと思うのですね。 この点では、昨年の国会で私が町村自治大臣に御質問申し上げて、町村自治大臣も、一般都市の消防力に依存することはもう私は非常に無理があると思う、不可能に近いような点も考えられますので、やはり今後はさらにこういった企業に対しまして十分な施設を講じさせるということに一層指導に力を注ぐべきだ、こういうふうに御答弁なすっているわけです。それから消防力の基準についても、企業負担、この問題について質問したら——これは基準の問題で、やはり法制化しないとだめだという質問だったのですが、その点で町村さんは、御指摘の点私どもも大変ごもっともだと考えている、ひとつ積極的に検討したい、こういうふうに御答弁があったのですね。 その点で、コンビナートで、これは火災なら火災でいいのですが、火災が起きた場合、現行の自治体消防力の基準がありますね、これでいくと一体どの程度の能力を持っているのか。町村さんの答弁では、一般都市消防力に依存する点では不可能に近いというような御答弁なんですが、その辺、長官、現状はどうなのか、ひとつ簡単にお答え願いたいと思います。
○佐々木政府委員 消防力の基準につきましては、昭和四十九年度におきまして、これまでの消防力基準につきましての見直しを行いまして、新しい消防力の基準というものを作成いたしまして、近くこれを告示する予定になっております。 ただ、この消防力の基準は、通常の市町村における消防力の基準という形で新しく改定をいたすものでございまして、今後における問題としましては、コンビナート地域における市町村についてどれだけの消防力をさらに付加していく必要があるかという点の検討を進めておりますけれども、これは当然に企業の自衛消防力というものについてどういう考え方を持つか、この点によってまた市町村の分担する部分が変わってくるだろうというふうに考えておりますが、これまでの企業の自衛消防力の考え方というものは、どちらかと言いますと初期消火について企業の自衛消防力を活用するというような方向だったわけでございますが、現実には、現在の消防法令の規定によりまして、初期消火につきましては、大体タンクその他に設置されます消防設備によりまして初期消火ということは可能になるような消防法の規定の改正が行われておりますので、これからの自衛消防力というものは、やはりタンク等におけるいわば独立火災というものを鎮圧することができるだけの自衛消防力を持たせるべきではないだろうか、そういう意味におきましては現行の自衛消防力の基準というものを強化していきたいというふうに考えております。 市町村の担当する消防力というものは、いわばそうしたコンビナート地域における火災の他の地域への延焼を阻止していくというような形の考え方で消防力の基準を考えていったらどうかというふうに考えているところで、早急に結論を出したいというふうに考えております。したがいまして、今後こうしたコンビナート地域における消防力というものは、数字的には企業の自衛消防力というものが相当高いウエートで考えざるを得ないというようなことになるだろうと思います。
○庄司委員 そうしますと、これは若干古い資料ですけれども、おたくからちょうだいしたのは四十八年の初めごろの数字らしいのですがね、現在コンビナートの数が、こっちの危険物保有状況の方では五十六、それから企業の消防力については、五十九ほどあるのです。数字が若干違うのです。しかし、それはともかく、現在の危険物の保有状況、これに比べた、コンビナートごとの関係企業の自衛消防力調べというのがあるのですが、これでいくと、きわめて貧弱なものなんですね。たとえば、おたくで出された、これは「石油コンビナート地帯の火災被害の想定について」という文書があるのですが、これと比べても全然問題にならないような数字なんですよ。たとえば、この「想定」を見ますと、川崎あたりの八万四千三百キロリットルのタンクでタンク内火災が発生した、その場合は、全面火災になると高性能化学消防車が九台必要だ、普通の化学車は効果がないと書いてあるのですね。ところがこれに対して、高性能化学消防車が川崎に何台あるのか、これは数字が古いかもしれませんが、この表では、全然ないのですね。現在はどうかわかりませんよ。それから防油堤内の火災になった場合、この場合は、初めのうちなら高性能消防車五台または放射砲五台。高性能消防車でまずあわ薬剤とかなんかを放射する。二十分たって初めて近づいて、それで毎分千五百リットルの普通化学車が、それでも二十四台要る、こういうふうな想定をされているのです。この「想定」と比べると、この企業の自衛消防力ですね、ちょっと失礼な言い分ですが、それはゼロに近いのじゃないか。ないよりは、あった方がいいわけですがね。きわめて貧弱だと思うのですが、この辺の現状を踏まえて今後の自衛消防力の基準改定をなさろうとしているのかどうか、その辺ひとつ具体的にお知らせ願いたいと思うのです。
○佐々木政府委員 確かに御指摘のとおり、現在の自衛消防力の基準というものはタンク火災を十分消しとめるだけの力があるかということになりますと、やはり相当不足しているということが言えるだろうと思います。この点につきましては、二月に発生いたしました四日市の大協石油のタンク火災の教訓から見まして、この自衛消防力の車両の構成割合といったようなものにつきまして、いまその具体的な検討を進めておるわけでありますけれども、単に化学車だけの構成では不十分である、やはりこれにはタンクの特性から見まして、高いところからのあわ放射というものが当然必要になりますので、化学車とスクアート車のいわばペアによる消火方法というものが今後重点になっていくのじゃないだろうか、こういうことで、いまコンビナート防災法の作業と同時に、こうした自衛消防力の新しい基準の作成の作業もあわせてやっておるところでございまして、今後、そうした具体的なタンクの大きさに対応する消防力の設置ということを今後の自衛消防力の中に織り込んでいきたいというふうに考えております。
○庄司委員 そうすると、コンビナート防災法、これは近いうち国会に上程されるだろうと思いますけれども、大体それと同時期に自衛消防力の基準、これも発表していただけるわけですか。
○佐々木政府委員 まだコンビナート防災法が完全にまとまった段階ではございませんが、今後コンビナート地域におきましては各企業の自衛防災組織とそれからコンビナート地域全体の企業が共同して持つ共同防衛自衛組織というものの二本立て方式というものを考えて、それぞれに必要な消防力を持たせていきたいというふうに考えております。これはコンビナート防災法と大体時期を合わせて具体化をしていきたいというふうに考えております。
○庄司委員 ところで、そのコンビナート防災法、これは大体いつごろ国会にかかる見通しですか。
○佐々木政府委員 大体各省との話し合いがまとまってまいりまして、いま法制局で最終段階の審議をいたしております。したがいまして、私ども、来週中ぐらいには提案をしたいというふうに考えております。
○庄司委員 来週中といいますと、今国会は二十五日までですからね、また審議未了になって来国会まで延びたのでは、火災はいつ発生するかわかりませんからね、これはひとつ、ぜひ急いで、しかも完璧なものですね、拙速ではだめですから、その辺ひとつ急いでいただきたいと思うのです。そういう点で、やはりコンビナート防災について、消防庁や関係各省が頭を痛めるだけじゃなくて、もっとやはり科学者なりあるいは、われわれも御協力申し上げますが、もっと開かれたもので——法案ができ上がってから、あそこが悪い、ここが悪い、いや修正に応ずる応じないとやっていたのではこれは話になりませんから、もう少しオープンに、おたくの試案なりも野党の方にもお見せいただいて、法案になる前にやはり野党の意見も聞いていく、これは三木さんの対話と協調が本物だったら当然そうだろうと思うのですが、その辺の心構えはございませんか。これは大臣でもいいですよ。
○佐々木政府委員 この法律案につきましては、何分にも一月末に大臣から指示を受けまして私ども作業に取りかかったものでございまして、関係省庁も非常に多くございますし、それからまた、関係地方団体の意見というものもこれに十分織り込んでいきたいというようなことで、これまで極力作業を急いできたわけでございます。国会の制約等もございますので、私どももこの国会におきまして、予算委員会あるいは地方行政委員会、災害対策委員会その他各委員会におきまして、各委員の方々からいろいろ御質疑なりあるいは御意見を賜りましたものを十分参考にさせていただきまして作成しているつもりでございます。もう少し時間をかけてつくれる法案でありますと、もっと内容等を十分広く検討をしていただくという機会が欲しかったのでありますけれども、そうした意味におきまして時間的な制約もございまして、まだ試案というものは発表いたしておりませんけれども、大体私ども、これまで、各方面からの御意見をできるだけ取り入れるという方向で作成したつもりでございます。
○庄司委員 それで、もう一つ、自衛消防力の中で、いまは主として装備の問題を申し上げたのですが、今度のは隊員の問題です。人間の問題。これも数字がございます。古い数字ですが、消防隊員数が総数で五万六千二百二十七という数字があるわけです。そのうち専任の隊員が二千八百三十七なんですね。後は兼任の隊員数が四万七千何ぼだ。大部分が兼任だ。それから夜間の出動可能人員になると二万二千人ぐらいだという数字もあるのですね。四日市の場合なんかは夜間だったわけですね。これは災害ですから夜昼問いませんから、その点でほとんどが非常勤であって専任が少ないという問題と、それから特に夜間が少なくなる、この問題についてやはり基準の中にお入れになるのかどうか。しかも、これは技術者を含めてもらわないと困るのですね、高度に専門的な知識が必要ですから。たとえば石油の精製装置なんか、普通の消防員が行ったって、どこへ触わったらいいかわからないような問題があるわけでしょう。専門の技術者をやはり含めないとうまくない。そういう点に見合ったような基準改正、それもお考えになっていらっしゃるのかどうか、それをひとつお答え願いたいと思います。
○佐々木政府委員 自衛消防隊に非常勤の者が多いという御指摘でございます。確かにその面があるかと思いますが、通常この自衛消防隊員の非常勤という、兼務しているという者は、その企業における保安要員が自衛消防隊を兼務しておるという事例が多いわけであります。ただ、今後の企業の防災体制を考えます場合に、これまでのコンビナート災害というものが休日あるいは夜間に発生する事例が非常に多いのでございますので、やはり防災責任者というものは、そうした技術関係の企業の中のいろいろな物の流れというものを十分知っておる人を必ず責任者として任命すると同時に、専任の職員もこの自衛消防隊に一定の数を義務づけるという方向での改正を行いたいというふうに考えております。
○庄司委員 それから、コンビナートを抱えている自治体の消防力の問題でちょっと伺いますが、先ほどの御答弁だと、大体コンビナート敷地内の責任は企業消防隊が持つ。責任といいますか、守備範囲ですね。そして市町村消防隊は隣接地への延焼を防ぐというふうに伺ったのですが、大体そのとおりに理解していいのですか。これは念のため。
○佐々木政府委員 いま申し上げましたのは、消防力の施設の数量の形をそういうことで表現したわけでございますが、現実に災害が発生いたします場合には、やはり地元市町村の消防長が全体の指揮をとっていくわけであります。ただ、そのものの設備としては、そういう考え方で設備の基準をつくっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○庄司委員 その点で、市町村消防隊の財政についても、責任を持っておやりになるという御答弁ですが、これは水かけ論になるかもしれませんが、現在の基準財政需要額、それともう一つは促進法に基づく補助基準、これで十分なのかという疑問があるわけですよ。しかも、化学消防車にしろ、いろんな高性能の消防車にしろ、年々歳々値段が上がる一方なんですね。促進法に基づく補助が、そういったいわゆる値上がり、これに見合って毎年改定されているのかどうかですね。それから基準財政需要額、この点でも全然問題なしとはしないだろうと思うのですけれども、まあこれはいいです、もう時間ありませんから。その辺でひとつ機材整備についての補助額ですね、これ十分見合ったものを与えてもらいたいと思うのですが、その点大丈夫でしなうか。
○佐々木政府委員 補助基準額につきましては、従来ややともすれば実勢価格から二割三割というふうな乖離が見られたのでございますけれども、昭和五十年度の予算におきましては平均いたしますと補助基準額約五割程度の引き上げを行いまして、本年の場合にはほぼ実勢価格と見合った補助単価がとられるということになると思います。また基準財政需要額は、消防費の実決算額に対しましてこれまで基準財政需要額の方が多かったというのが現状でございまして、四十八年度の決算におきましてほぼ見合うぐらいの数字になっている。そういう意味におきまして、交付税措置は平均してみますならば十分に措置されているということが言えると思います。
○庄司委員 次にお伺いしたいのは油流出対策の問題ですが、これは海へ出てしまうと、ある一定の距離になりますと消防の権限を離れちゃうのだろうと思いますけれども、しかし、陸上の問題においては当然おたくの管轄だろうと思うので、一つはいわゆる不等沈下、この間大問題になったわけですが、その点での地盤対策ですね、これはこの検査基準に今度は入るわけですか。これは簡単に一言でいいですから。
○佐々木政府委員 いま技術基準の改定の作業を行っております。この中に当然この地盤の問題につきましての基準は入れるつもりでございます。
○庄司委員 それから、このタンクの設計上の問題ですが、これは外国のタンクの設計、それをそのまま日本に持ってきて、いわゆるヘドロ層の上につくられた地盤に建つわけですね。その点で、そういった日本の特殊事情を考慮した工法といいますか、あるいはタンクの設計基準ですか、こういうものを当然考えなくちゃならないだろうと思うのですが、その辺はおたくの管轄じゃなくて通産の管轄になるわけですか。
○佐々木政府委員 地盤の問題もタンク設計上の問題でございますので、これは消防法の基準で決めなければならない問題でございます。したがいまして、この地盤の問題につきましては、今度技術基準が改定をされます場合には当然入る、入れて考えなければならないというふうに思っております。また、この技術基準が正式に決まります以前におきましても、各消防機関の指導方針というものをつくりまして行政上の措置はとっていくつもりでございます。
○庄司委員 次に防油堤の問題ですが、これは防油堤、一つのブロックありますね。そのブロックの容量ですね、高さ掛ける面積、これが、そのブロック内に存在するタンク、このタンクの全容量に見合っているのかどうか。確かに、一つだけ壊れて流れればこれは十分間に合うのだろうと思いますけれども、もし地震や何かで全部壊れて流出したという場合は間に合わないんじゃないかと思うのですが、その点で、やはり一ブロックの容量というのは、その中に存在するタンク全体の容量に見合った容量にならざるを得ないんじゃないかと思うのですが、この点ひとつ。 それからもう一つは、この二重構造の問題ですね。この間の水島のように流れる、はしごが壊れて防油堤が壊れちゃった、そういった場合のもう一つの安全弁ですね、二重構造、これが必要じゃないかと思うのです。 それから三番目には、防油堤の強度の問題ですね、強度。これは若干の考慮は払われているだろうと思いますけれども、しかし、地震対策その他を考えて十分な強度を持っているかどうかというのは疑問なんですね。その辺の基準もあわせておつくりになるのかどうか、これをひとつ。
○佐々木政府委員 防油堤の構造基準等につきましても、近く消防法の関係政省令の改正によりまして改定をするつもりでございます。 容量につきましては、やはり防油堤で囲まれましたタンクの中の最大容量のタンクの一〇〇%プラスアルファという形で容量は決めていくべきではないだろうか。これを全容量を収容する防油堤ということになりますと、火災危険に対応してその防油堤自体で、火災が発生した場合に果たして防御ができるかどうかという点に非常に問題がございます。そういう意味におきましては、まず第一次の防油堤につきましては最大タンク容量の一〇〇%プラスアルファという形での防油堤容量というものを決めていきたいというふうに思っております。 さらにまた、この前の経験から見まして、二重防油堤方式というものは当然考えていくべきであろうというふうに考えておりまして、この点につきましてはコンビナート防災法の中で明確にしていきたいというふうに考えております。 また、防油堤自体の強度につきましては設計基準というものをつくってまいりまして、その強度を十分確保するようにしたいというふうに思っております。
○庄司委員 それから油回収船の問題ですが、これは現状の数字を見ますと、コンビナートごとで見ますと油回収船、非常に少ないんですね。気がつくのは、鹿児島県の喜入に若干あるとか、その他一カ所か二カ所ぐらいしかない。この油回収船、これはやはり企業ごとまたはコンビナートごとに持つという点を義務づける必要があるのじゃないかと思うのですね。 それから、これは消防庁の管轄じゃないかもしれませんが、よくタンカーなんか座礁したりして、この間小名浜であったわけですが、油抜き取り船がなかなか到着しない。その間に流れちゃうわけですね。ですから、油回収船であるとか油抜き取り船の設置の義務づけ、これはお考えになっていますか。
○佐々木政府委員 油回収船につきましては、コンビナート防災法の中におきまして、いわばコンビナート地域の企業が共同で設置をするというような形での義務づけをすべきではないだろうかということで、この点は海上保安庁の方と、その内容等につきましていま打ち合わせをしているところでございます。ただ、現実問題として油回収船が、この前の水島のような事故に十分対応し切れるかということになりますと、非常にまだ性能的に問題がございます。したがいまして、今度は、少なくとも陸上から海の方に油を流さないということに重点を置いた防災体制をとっていきたいというふうに考えておるところでございます。
○庄司委員 それからもう一つは、川崎なんかの事例でよく気がつくのですが、コンビナートの中に運河が入っていますね。あの運河というのは、それは確かに油を運搬する場合は便利かもしれませんが、いざ油が流れた、それから火災が発生したという場合、大変危険な存在になっちゃうんですね。おまけに避難橋が完備しているわけでもない。それから、避難橋があっても、下で油がぼうぼう燃えていればこれは問題にならないわけですから、コンビナート内の運河ですね、これはやっぱりなくしていく方向を考えないとだめだろうと思うのです。これは企業内の労働者の命の問題にもかかわってくるわけですから、その辺はどうお考えですか。
○佐々木政府委員 コンビナート地帯のいわば港湾施設のつくり方の問題になるかと思いますが、私どもの方としましては、現在のコンビナート地帯がそうした港湾施設を十分に利用することを前提にして形成されておるという点から見ますと、やはり現在の港湾というものを前提にした防災体制を考えていかざるを得ないというふうに思っておるわけでございます。この点は特に川崎のような、海を利用して、しかもコンビナートが五つの島的なところにつくられておるという場合には、それぞれの地域にいわば独立した防災体制がとられていかなければならないし、そしてまた一般のコンビナート以外の地域への連絡については相当綿密な計画をつくっておかなければ、従業員の避難対策が十分にとられないというような心配もございますので、現在川崎におきましては、市と各会社との協定あるいは船舶会社との協定、それからまた海上保安本部との連絡というようなことで、そうした従業員の避難対策については十分配慮しているつもりでございます。
○庄司委員 次に検査体制の問題で、先ほど原委員からも質問があったわけですが、例のコンビナートに参りますと、企業側は、これはノーハウだ、だから消防署員が来ても教えられない、という事例もあるのですね。これは企業秘密の問題とも関連するかもしれませんが、防災上はこうあってはならないのですね。その点突破するような何か法的な措置を考えておられるのかどうか。 それから立入検査権の強化の問題ですね。それから専門知識の問題です。その辺ひとつお伺いしておきます。
○佐々木政府委員 コンビナート地帯におきまして、消防の予防査察、立入検査等に際しまして、企業秘密を理由にして検査を拒否するという事例は、私ども報告を受けておらないのであります。ただ、これまで事例がございましたのは、いろいろ事故がありました場合に、当直の保安要員が会社の施設についての流れというものを十分知らなかった。そのために消防職員が十分その事故に対応し切れないという問題が出ておった事例が幾つかございます。 そういう意味におきまして、企業と消防署との間の連絡というものは、そうした施設の内容並びにそうしたいろいろな危険物質等の流れというものを十分に理解をした上でなければ防災体制がつくれないわけでありますから、その点は会社側としましても保安要員に対する教育を十分にやっていただくと同時に、消防機関に対する会社の内容を十分連絡をしてもらうということで、いま各地域ともそういう体制で取り組んでいくというふうに私ども考えております。
○庄司委員 その点ですが、やはり反応塔なんか相当機密にわたる部分があると思うのですよ。それから、温度が何度であるとか、どういう触媒を使っているとか、それに対して水をかけていいのか悪いのか、こういう点やはり十分つかまれるような十分な体制、これは要望だけしておきますが、これをひとつやっていただきたい。 それで、そういう査察をやった、あるいは事故を起こしていろいろなことが起きた、その場合、改善命令なりあるいは操業停止、これは消防法で権限があるわけですから、こういった違反に対して改善命令違反であるとか操業停止違反であるとか、この罰則が実は非常にゆるいんじゃないかと思うのです。たしか罰金三万円以下だったと思いますが、これではお話にならないので、やはりこういう相当広範な危害に及ぶような事例もあるわけですから、こういった点での罰則の強化、これは体刑も含めて強化すべきじゃないかと思うのですが、その辺どうお考えですか。
○佐々木政府委員 危険な施設の状態になっているというものにつきましては、むしろ、罰則を適用するというよりは、安全な状態に戻すということが私どもの仕事としては重要であろうというふうに考えられるわけでありまして、いわば行政処分としての使用停止命令というものを十分に活用して、消防機関としては十分にこの安全基準を満たしておるというような状態で使用させることが必要であろうと思います。そういう意味におきまして、これまでこうした行政処分というものを十分に活用して行っていたかどうかという点につきましては、やはり消防機関の中にはやや手ぬるい措置があったのではないかというふうに私どもも二、三見聞きいたしておりますので、そういう点におきまして今後消防機関の方におきまして十分強い姿勢をとっていくように、これを私ども指導してまいりたいと思っております。
○庄司委員 たとえば消火栓を壊せば、これはたしか五年間の禁錮か何かだったと思いますね。それから望楼を壊せば七年ぐらい——いや、それはいいですよ、長官、見なくても、大体そんなところだから。これは非常な体刑なんですね。こういう本当に広範な人身に危害を与える恐れのあるような事例で、しかも改善命令の言うことを聞かない、あるいは操業停止の命令を聞かないというような場合は、私はやはり体刑も含めた相当の罰則を強化する必要があると思うのです。その辺、重ねてひとつお伺いしたいんですがね。
○佐々木政府委員 罰則につきましては、これはいろいろ各種の行政罰の均衡の問題がございますので、これは常時その均衡を確保していくという点について見直しを行う必要があるだろうと思います。ただ、私どもは、改善命令を出し、使用停止を命じてその命令に従わなかったというような事例は、こうしたコンビナート地域におきましてそういう経験はないのでありますけれども、そこまでの処分を発動しないでおるという点について私どもはもっと強い姿勢で臨むべきであろうと考えておるということを申し上げたわけであります。
○庄司委員 コンビナート防災について最後にお伺いしたいのは、これは五十年三月の自治省消防庁の、石油コンビナート地帯防災法案(仮称)大綱(試案)というのが私の手元にあるんですが、これで見ると、定義の中で「石油コンビナート地帯」というのは「大量の石油等を貯蔵し若しくは取扱うことができる事業所の設置により、新たに石油コンビナート地帯として指定すべき地域となると認められる地域で、政令で定めるものをいう。」これは何か試案だそうですか、この「新たに」というところがちょっと気にかかるのですね。「新たに」ということになると、新設のコンビナートは規制できるけれども、既設の方はどうもこれにひっかからないような感じがするのですね。ただ、これが果たしておたくの試案なのかどうか。これは「週刊エネルギーと公害」という雑誌なんですが、こういうお考えおありなのかどうか、伺っておきたいと思います。
○佐々木政府委員 コンビナート防災法は、当然に既設のコンビナート地帯の規制というのが重点でございます。
○庄司委員 最後に、簡単に現在の市町村消防職員の処遇の問題でお伺いしたいと思います。 一つは健康の問題ですが、これは長官、一番おわかりだろうと思いますが、消防署員は非常に緊張した状態の連続にあるわけですね。その点から神経障害を起こしている方もおありだと聞いているし、あるいは冬の寒い晩に水をかぶるわけですね、そこからくる冷え症の問題であるとか、腰痛症の問題とか、あるいは火事の現場へ行けば当然に煙を吸うわけですから、最近のビル火災なんか見ても、有毒ガスも相当吸うわけです。一酸化炭素も含まれます。この健康管理について、これは市町村にまかせてあると言えばそれっきりなんですが、消防庁としてどういう指示をなさっているのか。やはり全員の精密検査ですね、これはときどきやる必要があるのじゃないか。 〔委員長退席、唐沢委員長代理着席〕 それから、災害出動直後の検査などというもの、これはしょっちゅうやるかどうかは別として、ときたま試みて、災害出動が健康にどういう影響を及ぼすのか、こういった科学的な測定をやるべきじゃないかと思うのですよ。そういった統計をとったり、いろいろな健康対策を講じていく、これは必要だろうと思うのです。 それから三番目には、公務疾病の問題ですね。これが場所によっては公務疾病の認定をなかなかやってくれないという不満も聞いているわけです。これはあり得ないことだろうと思いますけれどもね。この点はひとつ指導を強化して、やはり公務によるいろいろな疾病、災害を受けた場合、傷害ですね、これはやはり軽度のものであっても認定して、公務としてりっぱに治療できるという安心感、これはぜひ消防署員に与えてもらいたいと思うのです。その点が第一点。 それから第二点の問題は、勤務時間の問題です。日本の消防署員ぐらい勤務時間が長いのはちょっとないのじゃないかと思うわけです。日本の場合、一週間の勤務時間が大体七十二時間十分なのですね。これに対して、アメリカのデトロイトの消防局は五十六時間であるとか、ニューヨークの場合は四十時間、その他ロサンゼルスが五十六時間、サンフランシスコが五十二時間。これはいわゆる当直の体制ですね、これが日本の場合、非常に不十分だ。つまり二直制でしょう、いま大体のところは。東京二十三区は三直制らしいのですが。これはやはり三直制にする必要があるのじゃないかと思うのですよ。そうでないと消防署員、これは実際に長続きしません。ほかじゃ五十六時間で長い方でしょう。日本は七十二時間十分で、しかも仮眠時間も一拘束されているわけですからね。八時間あります。この仮眠時間というのは消防服を着たままで、くつ下も脱げないという状況ですね。このために、消防力の基準といいますか、それとあわせて基準財政需要額の問題、この辺の見直し、これはぜひやっていただきたいと思うのですよ。これはぜひ三直制を全国でも実施できるように御配慮願いたいと思うのですが、この二点、ひとつお答え願いたいと思います。
○佐々木政府委員 第一点が職員の健康管理並びに公務災害の場合の措置の問題でございますが、確かに御指摘のとおり、消防職員の特殊な勤務条件から見まして、この健康管理につきましては十分注意をしていかなければならないということは、私ども、お説のとおりであるというふうに考えております。そしてまた、災害現場等に出動いたしますと、一酸化炭素中毒といったような特殊な事案も出てくるわけでございますので、こうした健康管理につきましては、私ども、常日ごろ各消防長の方に連絡しているところでありますけれども、さらにこの点につきましての徹底を図っていきたいというふうに考えております。 また、公務災害の場合におきましては、たとえそれが軽症の場合でありましても、当然に公務災害の認定が受けられるべきものでございますので、私ども、そうした事例が軽症なるがゆえに公務災害の認定が行われないというようなことのないように、さらに積極的な指導をしてまいりたいというふうに考えております。 それから勤務体制の問題でございますが、現在消防におきましては、大部分の市町村におきまして二交代制でございます。拘束七十二時間、実質勤務時間四十八時間という体制をとっているのが実態でございます。昨年四十九年度におきまして、消防職員勤務条件研究会を設置いたしまして、その勤務体制問題についてのいろいろ御審議を願ったわけでございますが、大都市等における勤務条件を見まして、相当出動回数の多い地域がございますので、そういう地域におきましてはできるだけ早く三交代制を実施する、すべきであるというふうな御答申もいただきまして、本年度から、東京都を除く大都市地域におきましてまずさしあたり三交代制を実施をするように、その計画的な勤務体制の変更というものを各大都市の消防長にも連絡をいたしまして、その準備に取りかかっている段階でございます。この点は各都市における消防職員の充足状況等も見なければなりませんので、恐らく数元年、あるいは二、三年あるいは四、五年の期間が必要ではないかと思いますけれども、できるだけ早く三交代制に切りかえるということを指導してまいりたいというふうに思っております。その場合に当然にまた財政措置が必要になってまいりますので、大都市地域におきましては五十年度からそうした体制が組めるような措置を講じてまいりたいというふうに思っております。
○庄司委員 大都市というのは、大体人口何万以上ですか。 それともう一つは、その大都市からはずれる中都市なんかの場合、それでしかも出動回数が多いというような点についてはどうなさるのか。これ、最後にお伺いしたいと思います。
○佐々木政府委員 大都市と申しましたのは、地方自治法上の指定都市でございます。大都市周辺部におきまして特に出動あるいは勤務条件が二交代制では非常に過酷になっている、たとえば中央司令センターといったような勤務場所の場合におきましてこうした部分的な三交代制ということも考えられるわけでありますので、さらにこの点につきましては検討を進めていきたいというふうに考えております。
○庄司委員 これで終わりますが、最後に私は要望したいのは、いま大都市の問題はそれで片づくようなお話ですが、実際、私は仙台ですが、仙台のような中都市でも指定都市にはなっておりません。しかし、中都市でもやはり、こういう若情と不満が非常に多いんですよ。そういう点で、いわゆる大都市、大都市とおっしゃらないで、実情に見合って、中都市でもあるいは小都市でもそういう現実があるならばぜひそういう点は実現していただきたい、強く要望しまして質問を終わらせていただきます。
○唐沢委員長代理 坂井弘一君。
○坂井委員 地方自治体の行財政の危機あるいは硬直化ということが最近とみに論議されているわけでございますが、その一環といたしまして特に国と地方との人事のあり方について、これは自治省と都道府県ないし地方都市あるいは公庫、公団との人事の交流と申しましょうか、そうした関係性を中心としまして、時間がありますれば若干行財政の基本的な考え方ないし方針について、さらにもう一点は北海道東北開発公庫の金融のあり方、以上について御質問したいと思います。 そこで最初に、この国、自治省と都道府県の人事の関係でございますが、確かに最近実情を見てみますと、中央官庁から都道府県に対してお役人が、出向というのでしょうか、あるいはむしろ再就職というのでしょうか、あるいは転出というのでしょうか、非常にややこしい形でかなり多くの人たちが出られているようであります。都道府県に限らず地方の主要都市にまで及んでおる。ないし公庫、公団等に対する分も相当多いというような実態であるかと思いますが、自治省から都道府県あるいは主要都市ないし公庫、公団、こういうところに出向の形で出ている人たちは、一体どれくらい行っているんでしょうか。まず、その実態について御説明をいただきたいと思います。
○山本(悟)政府委員 ただいまの御質問でございますが、ただいま手元にございます資料は三月一日現在の調べでございますが、自治省から都道府県に出ております者の数は一応二百七名という数字が調べてございます。なお、都市等におきましても、同じ三月の中旬の調べでございますが、約十八名、それから公庫、公団等への出向者が、四月一日現在でございますが、七十六名という数字がございます。 なお、ただいま御質問にもございましたように、自治省から都道府県あるいは都市に参ります際には、出向と申しましても出向の辞令ということではございませんで、一応国家公務員としての身分を離れまして、地方公共団体の地方公務員として新規にそれぞれの任命権者によって任命をされる、こういうようなかっこうになっております。なお、公庫、公団等におきましては、復帰希望でございますとかあるいは休職でございますとか、そういう手段によって身分がつながるというようなこともございますが、地方公共団体の関係におきましては、一たん国家公務員としての身分から離れて地方公務員として採用になる、こういう手続を踏んでおる実態でございます。
○坂井委員 地方自治体には二百七名という御説明でございますが、クラス別に見てみますと、私がちょうだいいたしました資料では、特別職に十九名、部長級に六十四名、課長級に九十六名、その他が二十八名、合計二百七名。この二百七名をさらに副知事あるいは総務部長、財政課長、非常に重要ポストでございますが、これを見ますと副知事には十六名、総務部長に二十二名、財政課長に二十八名、きわめて多くの数を自治省からの出向と申しましょうか、ということで占められておるわけであります。 そこで、この議論は後ほどするといたしまして、二百七名という大変多くの自治省のお役人、かなり高給な方でしょう。それが都道府県に出向する。一体、いま自治省の本省の定数は何名でしょうか。
○山本(悟)政府委員 現在の昭和五十年度の定数は、自治本省におきまして三百八十一名、消防庁におきまして百四十三名、合計五百二十四名ということになっております。
○坂井委員 そうしますと、自治省本省職員が三百八十一名で、都道府県に対する出向が二百七名、こういうことに理解してよろしゅうございましょうか。
○山本(悟)政府委員 数字的にはそのとおりでざいます。
○坂井委員 そうしますと、大体六〇%、約三分の二近くの自治省の職員、官僚は都道府県に出向しておる、こういうことでございましょうか、念のために。
○山本(悟)政府委員 自治省の性格といたしまして、従来から都道府県なり都市、地方公共団体との交流ということが盛んに行われておるわけでございます。当初からそういう数を見越しまして自治省の職員構成ができておる。かつ、自治省の職員自体も各府県、主として府県でございますが、都道府県からの出身者によって構成されている。かような両方の事態になっておるわけでございまして、ただいま申し上げました数字はそのとおりでございます。
○坂井委員 三分の二近くが都道府県出向という形をとって、きわめて重要なポストにつくわけであります。繰り返しますが、二百七名中特別職が十九、部長級が六十四、課長級が九十六、そのほとんどであります。こういう形が固定化して今日に至っているわけでありますけれども、私はこうした形の出向ないし転出というものが、本来的に地方自治を守るという立場、そういう自治省の性格からしまして、直ちにいかぬと言うつもりはございません。ただしかし、一体、何のためにこのように大量の自治省の職員が都道府県に出向するのか、だれのためにこのような形をとっておるのかということがまさに問題であろうと思うわけであります。そうした中で特に心配され、あるいは言われておりますことは、そうした都道府県の大事な一つのポストにつきますと、それが既得権化して、せっかくの地方自治体の地方公務員が、優秀な人もそうしたポストにはつけないという実態が生まれてきつつある。また、これが固定化しつつある。そのようなポストについた人がまた本省に帰ってくる、かわりの人をよこす、そういう形ですね。こういう形というのは、一つのポストを全く自由に思いのままにというようなことに結論的にはなってきておるのではないかというような点については、実は非常に大きな危惧を持つわけであります。 そのことは一応さておくといたしまして、今度は逆に、これは何と言うんでしょうか、転出ですか、地方自治体から自治省にやってくる、つまり地方公務員から国家公務員として自治省に勤める。この実態については従来議論がなかったように思いますが、どれぐらいの人たちが都道府県から自治省に来ているんでしょうか。
○山本(悟)政府委員 四月現在の調べでございますが、現在の自治省職員のうちで、公務員として最初に都道府県で任用されまして、その後国家公務員として自治省に転出してきた者は、四月一日現在で二百八名という数字でございます。
○坂井委員 そうしますと、自治省から都道府県には二百七名行く、それから都道府県から自治省に二百八名やってくる、こうなるわけですね。数はちょうど見合うわけであります。こういう形というのは、なるほど、私は、前段に申しましたとおり、自治省の性格からして、直ちにいけないという立場はとりません。とりませんが、少なくとも本省職員の三分の二近い、これだけの多くの人が地方から、地方公務員をやめて国家公務員として自治省に入ってくる。自治省からは同じように三分の二近くの人が、国家公務員をやめて地方公務員の資格を取って地方に行く。これほど多くの数がこのような形で交流されるということの是非について、あるいは功罪について、自治省はどのようにお考えなのか。今後ともこういう形を継続するのか。私は、少なくとも数の上においても限界はあろうと思う。そうしたことについて基本的にどうお考えになっていらっしゃるのか。この際、方針等についてもお尋ねをしたい。
○山本(悟)政府委員 ただいまの御質問の点、きわめてごもっともな点があるわけでございますが、自治省の性格というものは、国の機関の中におきまして、地方公共団体の実態を十分に把握していろいろと国の施策に反映をさせていくという立場であろうと存じます。また、地方公共団体の任命権者におかれましても、国家公務員で採用された者で地方に来て能力を発揮し、地方のために活動するということはやはり一つのメリットとして評価をされる。こういう場合にいまの交流人事というものが可能になるわけでございます。先ほど申し上げましたように、現在、国家公務員が地方公務員になります場合は、全くの新しい、その府県の任用制度によりまして採用になるというかっこうでございまして、地方の任命権者と自治省なら自治省というものと本人の意思、こういうものが一致しない限りにおきましては交流というものは不可能なわけでございます。いわゆる昔式の辞令一本というようなことは全くあり得ないわけでございまして、そういう意味では地方の任命権者、市長さんなり知事さんなりがそれはそれなりに評価をされてそういう制度で活用されている、こういう点もあろうと存じます。 また、自治省におきましてこれだけの多くの職員を府県の採用の者から新規採用してきている、それによって自治省自体が構成されている、こうも言えるわけでございますが、そういうかっこうは、それぞれ府県の行政の実態と地方の実態というものを知った者によって自治省の仕事が動かされることが自治省の性格から言ってきわめて適当である、こういうような判断もあるわけでございまして、女子職員というようなものはもちろんそういうかっこうにはなっていないわけでございますが、主として行政の実体を担う者につきましてはこういうようなやり方も中央官庁の中で一つの行き方ではないか、こういうようにも思っているわけでございます。国の職員が地方団体に転出してその実態を知る、地方の職員が国の機関の中に入ってその実務を修得する、そうしてさらに最終的にはそれぞれの希望のところで能力を発揮する、こういうのも一つの行き方ではないか、こういうふうに思っておるわけでございまして、各種の出先機関を持っております国の中央官庁というものと自治省というものの違いと申しますか性格の相違といいますか、というようなものがこういった点にあらわれてきているのじゃなかろうかというように存じているわけでございまして、これはこれなりに一つの行き方ではないかというようなぐあいに存じているわけでございます。
○坂井委員 そういたしますと、このような形は今後とも続ける、こういうことに理解してよろしいのでしょうか。
○山本(悟)政府委員 先ほど申し上げましたように、自治省といたしましての一般の職員というのは、府県で公務員になられた方、府県と申しますか、市の場合もございますけれども、主として府県で公務員になられた方の中から自治省に来たいという方に来ていただいている、それが自治省の職員の大部分を占めている。そしてまた、国家公務員の上級職を取られた方は自治省として採用して、地方の方でそれが欲しいとおっしゃるところにはさらにそれを、出向というのはあれでございますが、転出をさせている、こういうかっこうでございますので、そういうかっこうの状態というのは一つの行き方として続けることになるのではないかというぐあいに存じます。
○坂井委員 大臣、これは大変基本的な大事な問題だと思うのですが、地方自治の本旨であるとか地方自治体の民主化の問題であるとか、国と地方自治体、これがそれぞれ主体性を保ちながらそれぞれの立場に応じた適正な行政という担当分野がある。そういう中で、ともすると最近地方自治体が、国の大きな一つの権力と申しましょうか、そういう中に組み込まれるような形の中から、行財政の圧迫の問題であるとか、地方自治の本来的なあるいは主体的な能力あるいは仕事そのものが各種の制約を受けるとかいうようなことが、一方では懸念もされ議論もされているわけでございますけれども、そうした中でいまのようなこういう形が今後とも続けられていくとするならば、私は少なくとも、やはりここには功罪両面があると思いますが、そういう中で罪の部分がかなり大きな比重を占めているのではないかというようなことを、具体的ないろいろな事例から実は心配するわけであります。たまたま都道府県に出向の形で行く、一年か一年たたぬうちにもうまた次の府県へ行くわけですね。転々としながらまた本省に帰る。それはなるほど、地方自治の勉強に行くんだといえばそれまでのことかもしれませんけれども、もっとやはり腰を落ちつけてやるならばやるということで、せめて二年ないし三年というような効率的な仕事の仕方もあるであろうし、どうもそういういまの自治省と都道府県との人事の交流の関係を見てみますと、非常におざなりで、つまり、そうしたある種の既得権化したものが、もうそうであらねばならないように、お互いに地方も国へ、国も地方へというような形が固定化してしまったという感じを実は深くするわけです。決してこれがこのままの形で好ましいとは私はどうも思えない、ましてや、数の面においてもこれだけ膨大な、三分の二近く、こんな形で交流することが果たしてよろしいのかどうなのか、もっとやはり根本的なことに触れてこれは検討してみる必要があるのではなかろうか、こう思うわけでありますけれども、自治大臣御自身、この問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、ひとつ率直に御見解等を承りたいと思います。
○福田(一)国務大臣 ただいま坂井さんが御指摘になりましたように、これは功罪があると私は思うのであります。いい面もあるし悪い面もある。私としてはできるだけ罪の面がなくなるようにし、功の面がふえていくように指導をしてまいりたい。こういう制度をなくしてしまうということがいいとは私は思っておりませんので、やはりこの制度を残しながら、罪の面が少ないように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○坂井委員 確かに罪の面を少なくしてもらいたいと思います。とく御承知のとおりであると思いますから、具体的ないろいろな問題をきょう一々指摘はいたしません。そうした点についてひとつ具体的に検討もしていただきたいということを要望しておきたいと思います。 この際、念のために人事院にお伺いしておきたいと思いますが、国から地方への場合は、国家公務員を一たんやめまして、そして地方公務員という資格を新たに得て地方自治体のいわゆる地方公務員になる、それから地方自治体からは、地方公務員の資格を捨てまして、そして国家公務員の資格を新たに得まして自治省に来る、こういう形になっておるようでありますけれども、その間、採用のための試験等については、これはないのですね。どうもその辺が釈然としないものがあるわけですけれども、人事院はこの交流、そういう身分を捨て新しい身分を得る、こういう形の交流の中でこのような採用の仕方というものが、果たしてこれでよろしいのかどうなのか、人事院としての御見解もあろうと思いますので、これはまたひとつ率直に、人事院としての交流についての見解をお伺いいたしたい。
○小野政府委員 地方行政に密接な関係がございます省庁におかれまして、その所管業務を円滑に推進するために、地方団体の任命権者の要請を受けましていわゆる人事交流が行われておるということは承知をいたしております。 一方、地方公務員の方が国家公務員に転出と申しますか出向されてくるというそのことは、公務員制度上は国家公務員への採用ということに相なるわけでございます。国家公務員の採用につきましては、法の定めるところによりまして成績主義の原則というもの、この原則によってなされねばならないということになっているわけでございまして、現在は、行政職について申し上げますれば、本省課長以上の採用は人事院がみずから選考機関としてこの選考を行う、それから係員に相当いたします行政職(一)の七、八等級につきましては競争試験もしくは選考試験によるべきものとされておるわけでございまして、この七、八等級の選考につきましては人事院の承認を要する、このようになっているわけでございます。自余の官職につきましては、各任命権者が選考機関としてそれぞれ選考の基準を定めて選考を行う、このように定められているわけでございます。 問題は、その七、八等級係員のところが、競争試験によるべきものという一応の原則がございますけれども、地方公務員からの採用につきましては人事院規則で例外の特別扱いの規定を設けておりまして、これは選考によって採用することができるというように定めております。この選考試験も当然成績主義の原則によってなされるべきものでございまして、自治省におきまして七、八等級の御採用あるいは六等級以上の御採用に当たりましても、この成績主義の原則に従ってそれぞれ選考が行われているというように承知をいたしております。
○坂井委員 厳正適正に行われるよう、これは要請しておきたいと思います。ともすると都道府県はとにかく送り込みたいわけですね。言うなれば、いままでの縁もありますよ。そういう中でこのような人事が、少なくとも情実であるとかあるいはある種のゆがんだ形で行われるということになりますと、これはやはり行政当局、自治省そのものに対する大きな不信というようなことにもつながりかねない問題でございますので、その辺のところはひとつ慎重に、間違いなく、厳正にやられるよう特に要請をしておきたいと思います。自治省から非常に多くの人がこうして都道府県等に出向していくということになりますと、予算あるいは事業あるいはポスト、そういうものの固定化であり、悪く言えば支配化というのですか、そういうことにもなりかねないという要素を多分に持っているだけに、やはり慎重であらなければならぬということを、あえて重ねて御忠告申し上げておきたいと思います。 次に、これは地方行財政のきわめて基本的な問題でございますが、自治大臣にお伺いいたしたいと思います。 高度経済成長から低成長の時代に入ったわけでありますけれども、低成長下におけるこの地方財政、これがまた、そうした中でなお今日、非常に多様化、複雑化しつつあります。こういう地方行財政に対応する地方財政制度において、やはり長期的なビジョンあるいは施策、こういうものが当然必要になってくると思うのですね。どうも明確でないように思う。 〔唐沢委員長代理退席、吉永委員長代理着席〕 したがって、そのような長期的ビジョンというようなことを早急に確立する必要があるのではないか、こう思うわけでございますけれども、こうした点について自治大臣はどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いしておきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 御指摘のように、ただいまは高度成長から低成長時代に移ってまいる段階であります。ところが、一方におきましては、住民の希望というものはだんだん多種多様になっておりまして、これを充足するための予算措置というものがまた要請されておるような事態であります。 高度成長から低成長へ入りますときには、国の行政もそうでありますが、地方の行政におきましても一挙に高度から低成長へ入っていくというわけにもまいりませんから、そこは何らかの緩衝的な行財政の措置を講じていく必要があると私は思っておるわけであります。といいますことは、いままでとは違いまして、もう坂井さんも十分おわかり願っておると思うのでありますけれども、とにかく原材料を低廉に輸入するということはほとんど困難な事態に相なってきておるのでありまして、非常な制約を受けるのであります。資源のない日本が今日まで高度成長を果たし得たゆえんは何であるかと言えば、もちろん、いい労働力があったことも一つの大きな原因ではありますけれども、いま一つは、やはり低廉な資源を金さえ出せば幾らでも購入できる状況があったということであったと思うのであります。その一つの要素がいまやなくなったといいますか、減少してきておる段階でございますから、これからは国においても地方においても、それほど財源をふやしていくというわけにはいかない。そのときにまたこれを借金政策によって、足りない分はどんどん公債を発行してというようなことでやっていったならば、これまた国の財政あるいは地方の財政は参ってしまうわけでありますからして、こういう点を踏まえて、地方の行政を担当する公共団体の長あるいはまたこれに関連のある議員の皆さん方がひとつ十分こういう点を考えられて、一面においては適当な歳入を図る工夫をすると同時に、一面においては歳出で合理化できるものはひとつできるだけ抑えていく、こういう考え方に立たざるを得ないのではないかと思っておるのであります。 よく、歳入の問題については、国との関係においていわゆる地方交付税を増強するというようなことをすればいいではないかというようなお話もありますが、この交付税の比率の問題にいたしましても、これは国の方も財源を必要といたしておりますからして、そう簡単にここで比率を上げるというようなことができるかどうか、私はなかなかそう簡単に物を考えていくわけにはいかないと思うのでありまして、そうなればなおさら、これはわれわれとしてやはり現実の事態というものをよく踏まえながら将来へ、また、低成長の時代でありながらも国民の福祉を順次伸ばしていくという姿において、この際ひとつ現実の姿をみんなで振り返ってみるというか、よく勉強してみるということがいま一番大事なことではないかと私は思っておるわけでございます。 といいましても、たとえばことしの予算などにおきまして一応財政計画を立てて、そして地方に示しております。そうすれば、その財政計画に基づくところの交付金その他の問題、事は十分計算に入れて地方では考えておるでありましょうから、そういうものが減ったのをどうするのかということも出てくるでありましょうが、これはもう何とかひとつ、この際においては国との交渉によってこれを確保するということはいたしてまいる所存でございまして、ことしの予算については問題はありませんけれども、しかし今度は、地方自体の財源はどうなっていくかということを考えますと、いわゆる歳入が相当減ってくるという面もあるわけでありますから、そこいらも全部国に補ってくれと言われても、なかなかそれはできないということが出てくると思います。 しかしまた、国に対しては一面において、いままでも超過負担の問題というのがございます。これは施設面と運営面と両方あるわけでありますけれども、こういう面では、たとえこういうような、国も財政的に非常に苦しい事態であっても、やはり補助をするというもの、これだけは分担してあげましょうというようなことを決めておってそれを十分に分担しない姿というものは認められてはいけない。やはりこれは法律どおりに分担をしてもらわなければならないという意味で、われわれは超過負担の解消については、財政当局いわゆる大蔵省に対しても十分強硬なというか、その理由のあるところを示し、原因を探求しつつ、必要に応じてこれは是正をしてもらうということで、一面歳入の欠陥を補っていくということもいたさなければならないかと思うのであります。 何かいろいろ申し上げたようでありますが、要するに、今後の地方公共団体のとるべき措置というものを考えてみますと、こういう低成長の時代でございますから、歳入をふやすという面も考えると同時に、歳出を何とかしてセーブする面があればこれを抑えていくということを考え、一面において、当然国が補うべき面があるとすればこれは補わせるというようなことでやっていかなければなりませんが、しかし、いま高度成長時代になれて、そしていろいろの要望を住民が持ったのを、ここで直ちに充足をしていくというような姿で地方行財政の運営をしていってもらうことは事実上困難になるのではないかと私たちは考えておるのでありまして、そこはひとつ良識のある運営の仕方を地方行財政の長あるいは関係者は考えていただくようにお願いをいたしたいものである、こういうふうにいま理解をいたしておるところでございます。
○坂井委員 私の考えだけを申し上げて次の問題に移りたいと思いますが、ただ、大臣、地方交付税が四十一年以降、国税三税のいわゆる三二%ということで固定化されてきておるわけでありますけれども、いま確かに低成長という時代に入ったという反面、地方行政に対する行政需要というものが、先ほど申しましたように非常に多様化しつつ、あるいは複雑化しつつある。そういう中で、少なくともこれからの地方財政の運営はやはり福祉経済志向型と申しましょうか、そういう方向に基本的に財政運営を持っていかなければ、一方における不公平の是正ということがなかなか期しがたい。つまり福祉行政の推進によって不公正の是正ということも可能になるということもあるわけでありますから、新しい地方公共団体自体の行財政のあり方として、そういう点を十分やはり自治省としては、自治大臣としてはお考えの中に持っていただいて、よくよくひとつ御検討をいただきたい。国と地方との行財政の再配分の問題等々、大変基本的、根本的かつ早急な、非常に重要な問題を抱えているわけでございますので、特にそうした点について御配慮をいただくようにひとつ要請をしておきたいと思います。 なお念のために、私、実はある東京都内の区を例にとりまして、いわゆる法外負担、法外援護と申しますか、そういう実態について調査をしてみました。これはある区でございますけれども、この区の一般会計の規模が四百五十億、このうち法外援護がざっと八億七千万。一般会計規模が四百五十億の区で八億七千万の法外援護を出しておる。これは区の単独であります。どういうところに出しているかと言いますと、重度視覚障害者に対する用具及び設備改善費の給付であるとか、あるいは重度心身障害者に対する特殊いすの支給であるとか、あるいは老人クラブ、児童遊園等清掃事業費の助成であるとか、あるいは交通事故被災世帯に対する生活つなぎ資金の貸し付けであるとか、いずれもこれは、もう福祉の先取りでも何でもない、人気取りでも何でもない、とにかく非常にささやかな、非常に細かいことかもしれぬけれども、どうしても出さざるを得ない、そういう性格の福祉のためのこうした法外の、つまり国の補助、交付の対象にはならない、区が単独で、もう必要に迫られてやむなくやらざるを得ない、こういう分であります。これがいま申しましたように八億七千万、これだけの金が区で単独で出されておる。こういう実態等についても、全国的な地方公共団体、自治体の実情というものを自治省はひとつ十分把握をしていただきまして今後の行財政運用に資していただきたいということを、これまた意見として申し上げておきたいと思います。 さて、北海道東北開発公庫の融資に関係する問題でございますが、北海道東北開発公庫の四十五年度から四十八年度に至ります滞り貸し金償却の償却対象の会社、数社あるようであります。できますればこの会社名、それから貸し付けの金額、償却の金額、つまり焦げつき、これを年度別に、簡単に数字だけで結構でございますが、御説明いただきたいと思います。
○吉田説明員 ただいまの貸し倒れ償却と申しますか、その金額でございますが、四十五年度一社でございますが、償却金額が二百三十八万二千円というのが一件でございます。四十六年度、これは松尾鉱業でございますが、十二億八千九百七十四万七千円、それから四十七年度同じく同社でございますが、三億三千六百五万三千円、四十八年度におきましては、これの関連会社でございますがやはり一社で、三億四百一万八千円、これを貸し倒れとして償却いたしております。
○坂井委員 そういたしますと、償却金額を合計いたしますと十九億三千二百二十万ということになろうかと思いますが、いま三社でございますか——松尾鉱業の子会社ですから二社になりますか、これに対する貸付金額の合計が二十五億八千九百万、回収できた金額が六億五千六百八十万だけ、したがって十九億三千二百二十万が焦げついたという償却金額、こういうことでよろしゅうございましょうか。
○吉田説明員 さようでございます。
○坂井委員 松尾鉱業については、これは倒産したわけですね、倒産したのが四十三年の十二月、その後会社更生法の申請、認可がございますが、更生法の認可されたのが四十六年の四月三十日ですね。ところが、四十七年に入りまして同じく、いま御説明がございましたが、この松尾鉱業が償却を受けております。三億三千六百五万三千円。これは前年の四十六年の四月三十日に更生計画の認可決定がされているにもかかわらず、明くる年にさらに、いま申しました金額の償却を受けた。これは一体どういうことなんでしょうか。
○吉田説明員 同社につきましては、硫黄鉱山というものが、そのできます硫黄の需要面から申しましても、また供給面から申しましても、異常な変化をいたしたことが基本的な原因でございます。それで、当初は何とか立て直そうということで、四十六年の更生決定におきましては、従来の硫黄をつくるのはやめて、硫化鉱だけを売るということにして何とか再建できないかということで、四十六年四月三十日付で更生計画の決定が行われたわけでございます。しかし、その後硫黄の市況はますます悪くなってまいりますし、また、硫黄は石油からの脱硫装置といったような、要するに公害防止のために亜硫酸ガスを取ってしまうというような形で、いわば公害防止の副産物としての硫酸の供給が非常にふえてまいりました。したがって、こちらの方は公害防止という意味でございますから、コストが幾らと見るかということは、極端なことを言えば硫黄としてはコストがゼロであってもいい。要するに亜硫酸ガスが出るのをとめるのが目的でございますから、そういう意味での硫酸が非常にふえてまいりました。したがって、どうしても硫黄鉱山という形で持っていくことは困難だ。また、いまの硫化鉱としての処置としては、一面ではそこから硫黄を取り、残った鉄の部分を鉄鉱石として鉄の原料にするという形にするのが当初の目的でございましたけれども、鉄の方でも、硫黄分が残っているものを使うということはやはり公害関係で非常に迷惑だということから、需要がばったりなくなってしまった。わずか一年間の間でございますが、実はそれまでは何とかつくりたい——まあ通産省等とも十分御相談した結果でございましたけれども、何しろ日本一の硫黄鉱山で、つい三十年代におきましては日本の硫黄鉱山のうちで一番大きくて、しかもそれによって硫安の原料としてずいぶん供給しておりました。ところが、肥料の方も硫安から尿素系へ移っていって、また人絹にずいぶん使っておったのですが、それも化繊からいまの合成繊維に変わってくるというようなぐあいで、一方では需要が落ちてくる。そして最後に、そういった公害関係の側からいって硫化鉱の処理ということ自体がもはや無理であるということになりまして、そうすればもうこれはどうにもならないということで、翌年の四十七年の三月二十八日に営業を休止し、四十九年九月十六日に東京地裁で、清算を内容とした更生計画の変更に相なったわけでございます。ですから、その以前では何らか小さな形でも仕事が残るという形でしたが、最後にどうしても何もつくるべきではない、また、つくっても売れないということになりまして、ここでとどめを刺された。したがいまして、最初の計画のときには、返済金として私どもにも六億余りの返済ができるという計画でございまして、そのうち一億三千万円程度をそのときに払ってもらいましたけれども、一年半たってみると、もうこれは何もできないということで、六億幾らの予定のところをさらに一億三千万円ですか、合計いたしまして二億八千万円を返していただいて、それ以外の分は返せないということに相なったわけでございます。
○坂井委員 理由はいろいろあろうと思う。ただ、この関連子会社に貸していますね、五億五千九百万、三十七年から四十年まで。親会社の松尾鉱業が倒産したのが四十三年の十二月なんだ。そうですね。この子会社に五億五千九百万貸した。この五億五千九百万、これが二億五千四百九十八万二千円しか返らない。三億四百一万八千円こげついた。これはもっと早く手を打つべきだったのじゃないでしょうか。四年間ほどほっていますね、これは。親会社が倒産した段階で、関連会社、子会社危ないぞということでもっと実態的な調査をして、そうして回収に努めるという努力に多分に欠ける面があるのではないかということを、実は私は指摘せざるを得ないわけです。 そういう中で、はしょって申し上げておきますが、会計検査院からの指摘もあったようです。つまり、北海道東北開発公庫のこの融資に対する担保物件を含めて債務者の状況、これを明確に把握する必要がある。特に行管から、延滞状況等を的確に把握するための記録整備が十分励行されていないではないかというような勧告、こういうところに一つのこうしたこげつきを生む要因があったのではないか。延滞債権の督促状況の記録、こういうものも適正に行われているのかどうなのか。そうした明確な記録、こういうものを公庫にはやはり完備してなければならぬと思うし、同時に公庫の監事は会計事務だけではなくて、公庫の業務全般について的確なる監査をいたして、そして回付文書によるところの常時監査だけではなくて、やはり実地監査もやるとか、そうした点についてもっともっと改善すべき余地があるのではないかという点を申し上げたいわけですけれども、いかがでございますか。
○吉田説明員 いまのお話の最初の件につきましては、これは東北鉱化工業という会社でございますが、いま申しました硫化鉱をいままで遠くへ運んでおったのですが、運賃がかかりますから、鉱山のすぐそばに東北鉱化という会社が昭和三十七年にできました。これは、その運賃を一方では省きながら、硫化鉱を受け入れて硫酸と鉄資源をつくるということで発足したわけでございます。 それで、この会社に私どもがお貸ししましたのは、最後が昭和四十年の九月でございます。それまでは、硫化鉱をその子会社に供給することによって鉱山の方の、言えば売り先もできるし、両方がうまくいきそうだという状態でございまして、決算内容としても、四十年にはこの子会社の方は一応黒字を出したような状況でございます。しかし、その後ますます石油の需給関係あるいは価格が悪くなりまして、四十二年に至って、いまの松尾鉱山が更生会社の申請をすることになったわけです。しかし、この段階ではまだ倒産しているのではございませんで、このままほっておいたら倒産になってしまうかもしれない、ここで更生会社にして更生計面を立てる、そして何とか生き上がる道を見出そうというのが、この更生会社の申請でございます。 それで、その間いろいろ練りましたところでは、一応硫黄をつくって売るのはやめて、硫化鉱だけを掘り出してそれを東北鉱化等に売りさばく。それで東北鉱化等もそれによって硫黄と鉄を回収するというようなことで、四十六年の更生計画は一応できそうだということで、そういう認可決定があったわけでございます。そしてその後に至って、やはりそれすらも無理だ、硫化鉱自身の製練も無理だということになって四十七年に至ったわけでございまして、四十七年にいよいよ解散と申しますか清算の段階に入るべく更生計画の変更があったわけでございまして、この件に関しましては私どもとしては終始注目し、また債権の確保ということについても厳重に見張っておったわけでございますが、そういうようなことで過去に投資したものもほとんど価値がなくってしまったということは——この鉱山の場合に一番大きに金をかけたのは、露天掘りにするためにどろをはがしたわけでございます。そういう金に使いましたものですから、結局、その鉱山が動けばこれは非常に価値があるけれども、鉱山がつぶれてしまえば一文の価値もないというような形に相なってしまいまして、その結果、担保として取ったものも最後にはほとんど価値がなくなってしまったというような経緯をたどった次第でございます。 なお、ただいま、後で御指摘になりました点は、行政管理庁の監察の際にこの管理関係の書類が不備がありはしないかという御指摘を受けたことでございます。これは実際は私どもの貸付先の会社の数は少のうございますので、各会社ごとにそういう延滞の事実、それに対してどういうふうな措置をしたかというような事実を、各会社ごとの別々なファイルと申しますか、貸し付け関係のファイルと一緒に整理していたものでございますから、一覧的な意味で、延滞会社の一覧と同時にそれに対するいままでの管理措置というものを一覧できるようなシステムになっておりませんでした。しかし、実際問題としては個別会社についてそれぞれの管理記録をもって処置してきておったわけですが、そういう一覧性を持った措置をしておりませんでしたので、そういう御指摘を受けたものと存じます。したがって、これは、だんだん融資対象の会社も多くなってまいりましたし、金額も多くなってまいりましたので、これを一覧性のある処置をするように、そして細かいことは各会社ごとのつづりにつづって、重要なことは一覧性のある管理帳簿というようなものをつくるということで関係官庁の御承認も得、また行政管理庁にもそういうことでお答えいたした次第でございます。 今後とも私どもとしては、こういったものの管理につきましてはできるだけの努力をしてまいるつもりでございます。
○坂井委員 時間が参りましたのでやめますが、ただ、この公庫は全額政府出資の公庫でありますし、この金につきましては、これは国民の血税であります。少なくとも十九億という金がこげついたということは事実でございまして、こういう点についてはいろいろなやむを得ざる事情等もあったということは十分わかります。わかりますが、しかし、かといって、こうした金がこげついて回収不能であるということは、決してよろしいことではない。念の上にも念を入れるべきである。今後においてもこういうことがありては相ならぬという立場に立たれまして、十分ひとつこれからの公庫の運営について厳正、適正を期していただきたいということを要請いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○吉永委員長代理 大臣ありがとうございました。 ————◇—————
○吉永委員長代理 次に、歳入歳出の実況に関する件について調査を行います。 この際、国税庁次長より発言を求められておりますので、これを許します。磯辺国税庁次長。
○磯辺政府委員 田中角榮氏及びその親族並びにその関連企業といわれている法人等に関します国税課税関係の見直しのための調査につきましては、昨年の十一月以降実施してきたところでございますが、このたび調査を完了するに至りました。 この結果、全体として特に税務上に大きな非違は個人、法人を通じまして発見されておりませんけれども、ただ、所得計算に当たっての誤りや税務当局の解釈との食い違いなどが見受けられ、その結果、是正を要すると認められた点につきまして所要の措置をとることにいたしました。 この見直し調査の内容、それから問題点、それに対する結論、そういったことにつきまして御説明をさしていただきます。 まず第一に、調査は東京国税局及び関東信越国税局が中心となって行い、国税庁が総合調整並びに指導に当たりました。調査に投じました人員は、その最盛期におきましては一日約二十名といったような人員でございます。調査に際しましては納税者本人、法人の役職員その他関係者の出頭を求めまして事情聴取を行うとともに、帳簿書類、物件の見取り図、公簿の写しその他の証拠書類の提出を求め、また必要に応じて現地調査を行うなどをいたしまして、課税関係を判断するための基礎となる事実を的確に把握することに努めた次第であります。 なお、この場合、田中氏本人に関します事情聴取あるいは目白の私邸に対します現地の確認調査等につきましては、当局の求めに応じまして税務調査に必要な資料が提供され、また、調査上協力を得なければ実情がわからない、本人に会わなければ実情がわからないといったような問題もなくなりましたので、本人に対する面接調査あるいは目白私邸に対する立入調査というものは行っておりません。 調査の対象としましては、個人につきましては、田中角榮氏のほか、その秘書、親族それから関係者等数名の所得税及び贈与税の課税関係を中心として行いましたけれども、なお、調査の過程で関連調査の必要があると認められた人につきましても、逐次見直し調査の対象といたしました。 また、法人につきましては、新星企業、室町産業、東京ニューハウス、浦浜開発、パール産業等の会社を中心として行いましたが、個人の場合と同じように、関連調査の必要があることが判明したものや、これらの会社と関連が深いと判断されたもの約二十数社について、逐次調査の対象といたしました。 調査の結果といたしましては、現在、個人、法人を通じまして事実関係の調査は終了しております。その結果は、先ほど申しましたように、税務上全体として特に大きな非違は発見されておりませんけれども、所得計算の誤りあるいは税務当局との解釈の食い違い、その他通常の税務調査で発見される否認事項等があることが明らかとなりましたので、これら是正を求めるべき点につきましては、それぞれ修正申告を徴しまたは更正処理を行うことにいたしております。 問題となりました点のうち主要なものについて、以下御説明さしていただきます。 まず第一には、法人による資産取得が多額に行われているけれども、この実態は田中氏個人の資産の隠蔽等のために行われたものではないかという問題でございます。 それで、問題となった事案、各種の不動産、物件等につきまして検討いたしましたが、それぞれの資産の取得資金が当該法人から支出されております。また、その法人の資金の出所も明らかであるというふうなことから、さらにまた、法人が資産を取得した後も、法人側におきまして法人の資産として経理されておるというふうなことから見まして、税務上は法人所有であることが明らかとなり、その法人名義の資産が個人のものである、法人格を否認してこれを個人に帰属させるということはできず、これは法人のものとして認めることとしております。 それから第二の問題としましては、田中角榮氏が関連企業からいろいろの経済的な利益を受けておるようであるけれども、それに対する課税関係はどうなっておるかということであります。 その具体的な例を拾い上げて申し上げますと、一つには、田中角榮氏の目白にある邸宅の一部として使用しております東京ニューハウスの所有地でございますが、それにつきましては、税務で調査いたしました結果、その使用の実態等から見てこれは東京ニューハウスが田中角榮氏に経済的利益を与えておるものだというふうに認定いたしまして、個人につきましては雑所得として課税し、法人につきましてはこれを寄付金として、限度計算をやった上その限度オーバー分については課税処理をいたしました。 また、これは若干古い時代でありますけれども、北海道宮の森の土地でありますが、それを田中角榮氏その他の方々に贈与したといったようなことが指摘されておりますけれども、それをさかのぼって調査いたしましたら、当初登記名義の移転があったときに、田中角榮氏はこれを一時所得として申告しておるということがわかりましたので、税務上の問題はないと認めました。 それからまた、政治活動に従事しています使用人等の給与を関連企業において負担しておるという問題がありましたが、これにつきましては、当該法人から支払いましたその使用人に対する、従業員に対する給与というものを否認いたしまして、これを寄付金と認め、当該法人に対しての寄付金課税を行っております。 なお、関係者につきましても、これは田中角榮氏以外の関係者につきましても同様に若干の関連企業からの経済的利益の享受が認められておりますので、それぞれ経済的利益を享受した人たちに対しましては、給与所得または雑所得として認定して課税しております。 また、田中氏が使用しておられる東京ニューハウス所有の軽井沢の別荘の件でありますが、これは田中氏から応分の賃借料が支払われておりますので、経済的利益として認定、課税するということはいたしておりません。 第三番目には、田中角榮氏は競走馬をかなり持っておられる、そしてそれに対する申告状況はどうなっておるかということであります。また、田中角榮氏の持っておられる競走馬が田中角榮氏の妻名義に変更されておる、これは贈与関係があるのではないかといったような疑問点が出されましたので、それについて調査をいたしました。 その結果、競走馬に係る経費あるいは譲渡原価の計算誤り、あるいは所得区分の入り繰り、雑であるとかあるいは一時所得とか、そういった入り繰りがありましたけれども、全体として把握した場合に特に漏れば発見されておりません。 なお、田中氏が自己の所有する競走馬を妻名義で登録しておるという問題につきましては、その競走馬の登録はレースに出場するための名義の変更、つまり出走馬の登録手続上なされたものであって、そこに所有権の移転、そういったものが行われてないということが明らかになり、また、もともと、この競走馬に係る所得というものはすべて田中角榮氏個人の名において申告されておるということが明らかとなりましたので、課税上の問題は生じておりません。 それから第四番目に、これもよく議論になった点でありますけれども、個人が多額の不動産を取得しておられる、これは一体どうしたことなんだという問題であります。 問題は、脱税資金からそれが回ったんじゃないか、あるいは政治資金の流用があったのではないかといったような疑問点が提出されたわけでありますが、問題となった個々の不動産につきまして、それぞれの資産の取得の時期、それからその資産を取得したその取得金額、それを把握いたしまして、そしてその不動産を取得するため支出した資金の出所、そういった点につきましての念査をいたしました。同時に、この不動産の取得につきましては、それはやはり本人の資金繰りということが問題となりますので、その不動産を取得いたしました年分だけではなく、可能な限り過去にさかのぼりまして田中角榮氏の資金繰りを念査したわけでありますけれども、その不動産を取得した資金の出所というものが明らかとなってまいりましたので、新たに課税関係を生ずるというものはないと認定したわけであります。 また、田中角榮氏の関連の会社が次々と設立され、また多額の増資が行われておりますけれども、同様に、不動産の取得と同じようなかっこうで、その増資資金あるいは設立資金の出所、真の株主はだれかといった問題についても調査したわけであります。 その結果、その一部に名義株の存在というものが認められております。しかし、その場合も単なる他人名義の使用である、そしてその間に贈与の事実ということは認められておりませんので、贈与税の課税はいまのところ生じておりません。ただ、田中氏とは直接関係はございませんけれども、ごくわずかにそういった一連の関連会社の間に贈与税の課税を要するものがありましたので、これについては課税処理を行っております。 それから、いわゆる関連法人が関与した土地の売買の問題であります。 これは関連法人間で土地の売買があるというふうなことがございますので、その売買の価格は適正かどうか、そしてそれが正当に申告されておるかどうかということについて調査をいたしました。 売買価格につきましては、近傍類似地の売買の実例価格あるいは税務署の見込み時価額等を比較検討いたしまして、その結果、そのいずれも、譲渡価格が時価に比し著しく高いあるいは著しく低い、つまり税務上で否認をしなければならない程度に極端に低いとか高いとかいったような事実はございませんでしたので、その間の否認ということはございませんでした。 以上申し上げましたほか、田中角榮氏及びその他の個人につきましては、配当金、印税、テレビ出演料、家賃収入などの若干の申告漏れがございます。それから関連企業からの資金の無利子立てかえ、それから有価証券の客観的時価に比し低廉な価格による取得、そういった経済的利益の享受がございます。そういったことがありましたので、これらの事実に対しましては課税処理を行っております。 なお、経費の控除漏れやすでに源泉徴収済みの税額の控除漏れといったような減額要素もあわせて処理いたしました。 また、法人関係では、ただいままで申し上げました、あるいは指摘されました事項に関連を要する事項のほか、通常の税務調査において調査する事項につき、それぞれの角度から収入、経費の各項目につき基礎的事実の精査、帳簿経理の分析、取引先に対する反面調査などを行い念査したわけでありますが、その結果、関連企業間の受取配当金、手数料の計上誤りなどがあったため、これを益金に加算いたしました。 さらに、さきに述べました個人における経済的利益の享受について、個人に対して課税したことに伴い、供与した法人側においても寄付金として限度計算を行いまして、限度を超える分は益金に加算したわけであります。 このほか、貸し倒れ損失の計上で否認を要すべきもの、あるいは損金に計上した役員賞与や損金扱いをした中間納付法人税額で否認を要するものなどを否認し、課税処理を行いました。 以上が田中氏並びに関連企業等の見直し調査の結果でありますけれども、個人関係につきましては、一般の例によりすでに修正申告を受理しており、また法人関係につきましては、ただいま国税局の内部におきまして内部手続を進めており、近く所要の更正処分を終了するという見込みであります。 以上、簡単でございますけれども、いわゆる田中金脈問題につきましての税務調査の概要につきまして御報告させていただきました。
○吉永委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとして、本日はこれにて散会いたします。 午後五時九分散会