決算委員会 第2号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/02/26
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十八年度特別会計予算総則第九条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書、昭和四十八年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上四件の承諾を求めるの件、及び昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十九年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件、並びに昭和四十八年度一般会計国庫債務負担行為総調書を一括して議題といたします。 まず、大蔵大臣から各件について説明を求めます。大平大蔵大臣。
○大平国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の事後承諾を求る件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十八年度一般会計予備費につきましては、その予算額は、六百五十億円であり、このうち、財政法第三十五条一予備費の管理及び使用一の規定により、昭和四十八年六月十二日から同年十二月十四日までの間において使用を決定いたしました金額は、百八十一億六千三百十二万円余であり、すでに第七十二回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十九年一月五日から同年三月二十九日までの間において使用を決定いたしました金額は四百六十八億一千九百三十六万円余であります。 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の九件、その他の経費として、国民健康保険事業に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費等の二十三件であります。 次に、昭和四十八年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は一兆八百四十三億六千百万円余であり、このうち、昭和四十八年八月二十四日から同年十一月二日までの間において使用を決定いたしました金額は、一千七百五十一億九千八百三十八万円余であり、すでに第七十二回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十九年二月十五日から同年三月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は、三百七十四億七千二十一万円余であります。 その内訳は、郵便貯金特別会計における仲裁裁定の実施等に伴う郵政事業特別会計へ繰り入れに必要な経費、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計漁船普通保険勘定における再保険金等の不足を補うために必要な経費等十七特別会計の十八件であります。 次に、昭和四十八年度特別会計予算総則第九条(特別給与の支出)及び第十条一歳入歳出予算の弾力条項一の規定により、昭和四十八年八月二十四日から同年十二月十四日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、二百七十三億八千百七十九万円余であり、すでに第七十二回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十九年二月十五日から同年三月二十六日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は一千三百七十七億四千百三十六万円であります。 その内訳は、郵政事業特別会計における業績賞与に必要な経費の増額、郵便貯金特別会計における支払い利子に必要な経費の増額等六特別会計の十件であります。 以上が、昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の事後承諾を求める件の概要であります。何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。 次に、昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十九年度一般会計予備費につきましては、その当初予算額は二千六百億円でありましたが、補正予算(第1号)により一千百九十億円を修正減少いたしましたので、改予算額は一千四百十億円となっております。 このうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和四十九年四月十二日から同年十二月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は、五百五十一億八千百四十二万円余であります。 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の二十八件、その他の経費として、畜産経営特別資金融通対策に必要な経費等の二十四件であります。 次に、昭和四十九年度各特別会計予備費につきましては、その当初予算総額は一兆四千九百六十五億一千九百八十七万円余でありましたが、補正予算(特第1号)により二千四十一億六千五百十五万円余を修正減少いたしましたので、改予算総額は一兆二千九百二十三億五千四百七十一万円余となっております。 このうち、昭和四十九年八月十六日から同年十二月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は二千三十三億五千四百八十一万円余であります。 その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費等七特別会計の十件であります。 次に、昭和四十九年度特別会計予算総則第十一条一歳入歳出予算の弾力条項一の規定により、昭和四十九年八月三十日から同年十一月二十六日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、五十七億四千七百八十二万円余であります。 その内訳は、治水特別会計治水勘定における河川事業等の調整に必要な経費の増額、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業等の調整に必要な経費の増額等六特別会計の十六件であります。 以上が、昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。 次に、昭和四十八年度一般会計国庫債務負担行為総調書の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十八年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額は四百億円であり、このうち、昭和四十八年発生河川等災害復旧事業費補助等三件につきまして、昭和四十九年二月二十六日の閣議の決定を経て、総額四十八億五千九百万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。 以上が、昭和四十八年度一般会計国庫債務負担行為総調書の報告に関する件の概要であります。
○井原委員長 これにて説明聴取は終わりました。 なお、各件につきましての質疑は後日に譲ることといたします。 ————◇—————
○井原委員長 次に、昭和四十七年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中環境庁について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として公害防止事業団理事長熊崎正夫君、理事宮城恭一君及び工務部長名須川淳君の御出席を願い、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、参考人からの意見の聴取は委員の質疑により行いたいと存じますので、さよう御了承願います。 —————————————
○井原委員長 次に、環境庁長官から概要の説明を求めます。小沢環境庁長官。
○小沢国務大臣 昭和四十七年度における環境庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。 環境庁の歳出予算現額は六十三億八千三百六十四万円余でありまして、支出済歳出額は五十七億一千二百四十万円余、翌年度へ繰り越しました額は三億四千六百五十五万円余であり、差し引き不用額は三億二千四百六十八万円余となっております。 歳出予算額につきましては、当初予算額八十億一千五百五十五万円余、予算補正追加額一億七千四百八万円余、予算補正修正減少額千九百五十四万円余、予算移替増加額一億四千八百二十八万円余、予算移替減少額二十一億三千三百三十三万円余、前年度繰越額一億四千六百八十六万円余、予備費使用額五千百七十三万円余を増減しまして、六十三億八千三百六十四万円余が歳出予算現額となっております。 支出済歳出額の主なものは、環境庁一般経費三十二億五千三百二十一万円余、環境保全総合調査研究促進調整費一億六千七百十三万円余、公害防止等調査研究費四億二千四百二十一万円余、自然公園等管理費二億五千四百四十九万円余、自然公園等施設整備費十四億一千百五万円余であります。 次に、翌年度へ繰り越した額は三億四千六百五十五万円余でありまして、その主なものは、国立公園等の施設整備事業が用地確保の困難等のため工事が年度内に完了しなかったことによるものであります。 また、不用額は三億二千四百六十八万円余であり、その主なものは、交付公債による国立公園内特定民有地の買い上げが予定より少なかったことによるものであります。 以上、昭和四十七年度環境庁の歳出決算の概要を御説明いたしました。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○井原委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。高橋会計検査院第一局長。
○高橋会計検査院説明員 昭和四十七年度環境庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○井原委員長 これにて説明の聴取を終わります。 —————————————
○井原委員長 この際、委員長から申し上げます。本日の時間の制約がございますので、政府におかれましても答弁は簡潔に願いたいと存じます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。林義郎君。
○林(義)委員 環境庁の決算の問題を審議するに当たりまして、私は、カドミウムによる汚染米の問題、なかんずく、これが原因であるイタイイタイ病の問題につきまして質疑を行いたいと思います。質疑の前に改めて申し上げますが、委員長から御発言がありましたとおり、時間が限られておりますので、政府の方の答弁も簡潔にお願いをしたい。 実は、文芸春秋の一番最新号で見ますと、「イタイイタイ病は幻の公害病か」こういうふうなタイトルで出ております。この問題に関連して私は少し質疑を行いたいのでありますが、まず農林省にお尋ねいたします。 カドミウムの汚染地域というのは、現在のところ生野鉱山周辺その他二十地域が指定をされておりまして、その中で、現在、計画を立ててやっておられるのが七地域ある。その総金額は約三十億円であります。ということは、大体これは事実かどうか、お答えいただきたい。
○二瓶説明員 カドミウムの土壌汚染対策地域の指定地域は、ただいま先生おっしゃいましたとおり、カドミウムに関する地域としては二十地域でございます。それから、対策計画を樹立いたしております地域、これは七地域でございまして、その総事業費は三十一億八千四百五十万円ということでございます。
○林(義)委員 これは農用地の土壌の汚染防止等に関する法律で実施されているものでありまして、カドミウム米が一PPM以上のものである、こういった地域について行っていると考えていいのかどうか。 第二は、〇・四PPM以上一PPM未満のカドミウム米につきましては食管法に基づきまして在庫保管をしておる、こういうふうに考えてよろしいか、お答えください。
○二瓶説明員 お答えいたします。 一PPM以上の地域及びそのおそれのある地域、両方に対して、この土壌汚染地域の指定なり計画の方をやっております。
○志村説明員 お答えいたします。 一以下〇・四までのものにつきましては食管法の規定どおり、食糧でございますので買い入れをいたしております。
○林(義)委員 環境庁にお尋ねします。 いわゆるカドミウム汚染地域として住民の健康調査を実施しておられますが、その地域は、いわゆる問題になりました神通川流域、そのほか黒部市を初めとしましてたくさんの地域があります。その地域は合計で、第一次検診を行った者が二万三千三百五十五人、第二次検診を受診をした者が二千六百五十四人、第三次検診を行った者が五百三十八人でありまして、この結果の要観察者というものが、福岡の大牟田で四人、それから長崎の厳原で五名ということであって、そのほかイタイイタイ病として認定をされたのは神通川で七十二名、死亡した方が五十六名ありまして、その他の地域たくさん調べられております。地域としては、秋田県で十八市町村、岐阜県で本巣町、石川県で小松市、富山で先ほど申しました神通川流域、黒部市、山形県で吉野川流域、上有無川流域、愛知県の岩倉市、福井県の武生市、宮城県の鶯沢等々とたくさんありますが、その他の地域ではまだイタイイタイ病患者として認定された方はない、神通川流域だけである、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○橋本(道)政府委員 いま先生のお挙げになりました四十八年度の数字でございますが、その地域ではイタイイタイ病として診定された者はございません。
○林(義)委員 私は、昭和四十六年の十二月十七日に公害対策特別委員会で、当時の小澤太郎政務次官にいろいろと御質疑をいたしまして、御答弁をいただいているのであります。当時の政府委員から、「イタイイタイ病についてはいろいろな原因があるという見解をとらざるを得ないわけでございます。将来学問的な究明が進んで、因果関係等が明確になりまするならば、当然政府見解もそれに合わせることになるだろう、かようにお答え申し上げます。」原文のとおりでございますが、私が質問いたしましたのは、「学問的な研究が進んで、学問的な見解がはっきりしたならば、その見解を政府見解とされることについて、これは当然のこと」と思いますがいかがでしょうか、こういうふうな質問をいたしましたのに対して、いまのような御答弁をいただいているのであります。 私は、環境行政の推進には科学的判断、学問的な判断というものにのっとって行わなければならないだろうと思うのです。この辺につきまして、私がいま申し上げましたような御答弁、前は小澤太郎政務次官でありますが、小沢辰男環境庁長官、いかがでございましょう。前の考え方と違った考え方をお持ちかどうか、お答えいただきたいと思います。
○小沢国務大臣 ただいま研究班で鋭意学問的な検討を進めておりますから、統一見解が出れば、当然その見解に従って私どもの行政指針とする、前の政務次官が答弁した趣旨と同じだと思います。
○林(義)委員 私は、学問的判断、科学的判断というのは、権力や圧力に屈したり、いたずらに過去の経緯等に拘泥して学問的真実を曲げたようなことをしてはならないだろうと思うのです。やはり学問は学問、科学的な判断は科学的な判断としてやって、これを行政の基礎に据えなければならないと思いますけれども、長官、私の見解はいかがでしょう。
○小沢国務大臣 そのとおりだと思います。
○林(義)委員 イタイイタイ病というのは、昭和四十三年五月に厚生省見解が発表されましてからできたものであります。イタイイタイ病というのは、疫学的な方法によってその当時調べたところによりますと、神通川流域において認められたものであります。その当時の問題になっておりますところの四十三年五月の厚生省見解を見ますと、また、それをいろいろと調べたところによりますと、その当時、神通川流域とその他の富山県内の河川の流域とを対照いたしまして比較をしたわけであります。そのときに比較をいたしましたのが、土壌の状態であるとか水質の状態、水の中にどういった成分が含まれているかというような問題、稲作の状態、患者の尿であるとか血液等を調査しまして、二つの間に決定的な差異と考えられるのはカドミウムの存在と非存在しかないという判断から出ているものである、こういった、いわば疫学的な手法を中心にしてつくられたものだというふうになっておるわけであります。 その後、四十三年から七年たっております。先ほどのように、全国的な調査を非常にしておられる、私が数を数えるほどもないほど大変な調査をしておられますが、私は、神通川流域とほとんど同じような環境汚染の地域がやはりあるのだろう、こう思うのです。その資料、まだ私いただいておりませんけれども、地域があるのだろうと思うのです。そういたしますと、同じような状況におきまして同じような病気が起こったならば、これは同じ病気である。環境汚染がありましてカドミウムが非常にたくさんある、それを、米を通じ、あるいはその他のものを通じて口から体の中に入っくる、それで病気が起こる、こういうことでありますが、同じような環境にあれば同じような病気が起こる、こういうことだと思うのです。ところが、1ppm以上のところがたくさんありまして、いろんな観察をする、調べもする、土地の土壌改良も行う、こういうことでやっておられますが、そういったところでは、実は病気というのは余り起こってない。起こっているのは神通川流域だけである。そういったことを言いますと、疫学的手法ということは、逆に言うとなかなかそういった有意性というか、因果関係論というものは出てこないのではないかということが環境論からして出てくるのだろう、こう思うのであります。この辺につきましてどういうふうに考えたらいいのか。学問的な話はわりとむずかしい話になるかもしれませんが、ひとつ簡単に環境庁当局から御答弁ください。
○橋本(道)政府委員 簡単にお答え申し上げます。 疫学的手法では、完全な因果関係の解明はできません。関連性の解明はできます。因果関係の証明となりますと、実験の問題と、もう一つは労働衛生、臨床等の経験から引くということでございまして、イタイイタイ病の見解の基づいた学問研究も、疫学が大きな役割りを果たしておりますが、一部かなり有力な動物実験、労働衛生の実験もあったことは事実でございます。
○林(義)委員 動物、衛生、それから臨床、病理というようなところでも御判断される、こういうことでありますが、この本に返ってくるわけでありますけれども、この本の中を見ますと、「イ病を追ったおもな人々」という図表が書いてあるのです。この図表の中を見ますと、いわゆる病理学者であるとか臨床学者等では余りカドミウム説を持っている人がおられないように拝見するのですが、動物実験の問題それから労働衛生の問題、その方を除いて、はっきりとイタイイタイ病がカドミウム原因説であると唱えておられるところの学者がおられるのかどうか、この辺についてお答えください。
○橋本(道)政府委員 いまのお話では、病理学者以外の方に、イタイイタイ病がカドミウムに関係しておるか、と言う方がおられるかという御議論でございますが、このカドミウムだけでイタイイタイ病が発生したと言っておられる方はきわめて少数でございまして、カドミウムにほかのいろいろの要素が加わっておるという立場になっておりますので、完全にカドミウムだけだと言っている人で先生の御指摘のような方といいますのは、私は、なかなか発見するのに困難な状態であるというぐあいに思っております。
○林(義)委員 いまお話がありましたように、私もそうだと思うのです。全くカドミウムだけで、という方が非常に少ない。カドミウムプラスアルファが原因でイタイイタイ病だ、こういうふうなのが大勢だろうと思うのです。私はこの文春の二月号を読みまして、学者の大多数はカドミ説というものを否定しておる、こういった表がありますから、否定をしておるということを言っておるのです。特に、私が新聞等で拝見しましたところでは、兵庫県の健康調査特別審査委員会での生野鉱山の解剖例というものがあって、そこでははっきり、普通の常識で言うとどうもイタイイタイ病ではないかと思われるような方が、そうではないというふうな形になっている。そのものを読みますと、骨軟化症ではなくて骨粗しょう症である、こういうことでありまして、イタイイタイ病というのは結論として骨軟化症を起こすと、こういうことでありますけれども、骨粗しょう症を起こすと、こういうふうな形で、違うんだというふうな診断を下しておられます。私は、考えますと、どうも学者の間において否定説が非常に強いような感じを持つわけであります。特に兵庫県の喜田村先生は否定説の方の非常に有力な方だとも聞いております。 私は、これは余り政治が関与してどうだこうだと言うことではないと思うのです。学者の間において学問的な討論を行うべきでありますし、特に文藝春秋にこんな白書が出ておりまして、「幻の公害病か」などと言われておるんですから、できるだけ早く会合を持って黒白をつけてもらいたい。聞くところによりますと、何か四月ごろになったならば会合を開くんだというふうな話も聞いておりますが、そのころにおやりになるのかどうか、結論だけで結構でございますから、四月に会合を開かれるのかどうか、その辺のお尋ねをいたします。
○橋本(道)政府委員 二月二十四日に第一回の鑑別診断研究班会議が開かれまして、骨の所見で、病理的には骨軟化症はないが臨床的にはあるという意見もあるので、この問題の結論は持ち越されております。三月中旬に総合研究班の会議があり、できれば四月にその次の鑑別診断研究班会議を開きたい、このような状態に現在ございます。
○林(義)委員 いまの鑑別診断班というのは、生野鉱山の問題につきましての鑑別診断をやる、こういうことですか。何か、私聞いていますのは、全体のカドミウムの学者に集まってもらってまた学問的な研究をする、こういうふうな話と、どちらでしょうか。
○橋本(道)政府委員 鑑別診断研究部会は、イタイイタイ病総合研究班の中の一部会でございまして、生野のためにだけ設けられたものではございません。全体の地域の問題をやり、その中で生野の問題を特に取り上げておるということでございます。
○林(義)委員 私は、そこでいろいろな御議論がされるだろうと思うのです。これの結論を出すときに、私はぜひお願いをしたいのがあるのです。 それは、学問の世界におきましては、学者の定説というものは必ずしも全会一致ではないということであります。また、多数決ということでもないだろうと思うのです。多数の意見があれば、大体それが多数説であるとか通説という形になる。多数説があると同時に少数説がある、通説があって反対意見がある、こういった形が、私は学問の世界の大体の考え方だろうと思うのであります。したがって、四十三年に厚生省見解が出されたときも、学問の通説である、こういうことで言われたんでありますけれども、このときだってやはり反対説があったわけであります。カドミウムが原因でないという説もあった。あったんですが、それを厚生省見解として取り入れ、一つの行政指針としていままで取り扱ってきておられるのであります。学問的な見解を出すということにつきまして言うならば、 やはり学者の間において多数説というか、大体これが通説だということで、全会一致だということを私は必ずしも必要としないのではないか、こう思うのであります。こういった学問的見解を、学問の立場におけるところのいろいろなルールというものはひとつぜひ尊重してやってもらいたいというのが私の希望であります。その希望に対して政府の方がどういうふうにお考えなのかということをお尋ねさせていただくと同時に、もう一つ私はお尋ねをしたいのです。 四十三年に、カドミウムに対する問題は、原因究明その他はこれで一応ピリオドを打って、これからは治療であるとか予防につきまして科学的技術上の調査研究を推進するということが、厚生省見解の中で述べてある。私は、治療についてどういうふうな研究をし、どのような補助を政府がしてこられたのか、その辺をお尋ねをしたいのであります。厚生省の見解を読みますと、特に富山県、金沢大学及び地元の主治医と協議の上これを決定するとしておられますけれども、どういうふうな治療上の問題について研究を進められ、どういうふうな決定をされたのか、これを簡単にお答えをください。
○橋本(道)政府委員 御質問の治療上の問題でございますが、一例を申し上げますと、四十六年の研究班会議のときにビタミンD過剰投与の問題が出され、それに対して萩野医師のところでらやれたビタミンDの投与のすべての実態の報告を細かく印刷として出されてきております。また、そのほか昨年は、公害特別医療研究ということで日本医師会と組みまして、イタイイタイ病も水俣病もほかの公害病も含めまして医療の特殊性の問題を検討いたし、医療内容改善研究費というのがございますので、来年度ではそのうちの一部としてカドミウムの問題も取り上げたいということでございまして、これは国際医学情報センターで内外の文献を全部集めるということを従来いたしておりますが、今後さらに広い医学者の参加を得ながら積極的に進めたいというぐあいに考えております。
○林(義)委員 実は私は、公害対策並びに環境保全特別委員会で昭和四十七年五月二十五日に学者の方をお呼びしたことがありまして、そのときに萩野参考人に対して質問をいたしました。やはり、学術論文を出していろいろと先生議論しておられますが、公正なデータを出してもらうことが必要である、ただ患者の秘密を害することがあっては困るから、「秘密を害しない範囲内において、どういった治療をされているか、患者の名前をABCDとかイロハニとかというふうに書いていただいてもけっこうでありますから、そういった資料を出していただけるかどうか、先生からお答えいただきたいと思います。」こういうふうな御質問をして、問題になっておられましたところの萩野参考人から、「いままとめております。出します。」こういうふうな話であります。続きまして、当時の……中委員長から、「県を通じてのデータは、理事会の協議の上で請求します。」ということでお話がありました。理事会でもそういうことをやっておりますが、残念なことに、公害対策並びに環境保全特別委員会から請求されたにもかかわらず、まだ現在私の手元には来ておらない、こういうふうなのが現状であります。いまお話を聞きますと環境庁の方にはそういった資料があるということでございますから、ぜひその資料の御提出を委員長の方でお計らいをお願いしたい、こう思います私は、どうもこの辺の資料が、文藝春秋の記事を見ましても、一つの問題になっておるんじゃないか、こういうふうに思うわけでございまして、この辺はひとつぜひ委員長の方からお決めいただいて、出していただきたい、これをお願いしておきたいと思います。
○井原委員長 後刻理事会で協議いたしまして、要求いたします。
○橋本(道)政府委員 先生の御要望の点につきましては、四十七年度の日本公衆衛生協会の研究報告にございますので、細かにお届けをいたしたいと思います。
○林(義)委員 イタイイタイ病につきましては、私はいろいろな疑問があるのです。先ほど、医者の判断というのにつきましても、環境庁当局からも、どちらかというとイタイイタイ病の原因がカドミウムであるということにつきましてはわりと少数説である、こういうふうなお話もありました。私はそういった問題を通じまして、実は三十一億円もかけるような金の支払いをしている、こういう状況が一方にあるわけでございますから、やはり最初に返りまして考えていかなければならない。カドミウムがあって、それに基づいてイタイイタイ病が発生する、そういった危険があるから土壌の改良をしなければならない。なぜ土壌の改良をするかといえば、そこでできるところの米について危険があるからである、こういうふうなことで、ありまして、その米の基準というのは一PPMというのが大体の基準でやっておる、こういう形になっておるわけです。ところが、そもそもの基本になるところのイタイイタイ病の原因について非常に問題があるわけでございますから、私は、この当決算委員会におきましてもお願いをしておきたいのは、経済的損失が非常に大きくなる、もしも学問的判断において違ったならばこれは大変な国費の損失になるだろう、こう思うのであります。特に、この四月ごろにはそういった考え方の整理を一遍されるということでありますから、いままでのことはともかくといたしましても、私は、現在のイタイイタイ病の学問的な関係が一歩進んだところで対策を講じてやってもいいのではないだろうか。現在のところ、非常にたくさんの地域で三十一億円にも上るようなものがありますが、これは恐らく、全体を見ますと、もしもこの一PPMというものがたとえば計算上五PPM程度でよろしい、こういうふうな話になりましたならば、ほとんどその費用は要らなくなるんだろう、こう思うのです。いろいろと一PPMか五PPMかとかというような問題、私はこの辺は、まだまだ学問的にも詰めていかなければならない問題だろうと思うんです。 農林大臣不在でございますから、環境庁長官、一体、私がいま申し上げましたような点につきまして、政府の方はどういうふうにお考えなっておられるのか。やはり米について一PPMというものを決め、イタイイタイ病の原因である、こういうことを固執をしてやっておられるのか。私は、もう少し弾力的な考え方をおとりになってもいいんではないだろうか、こう思うのです。学問が進歩してくるわけですから、その進歩の度合いに応じて、やはり行政というものは進めなければならない。いま、四十三年当時の見解だけを盾にしてやられるということは、どうもあまり行政の態度としてはかたくな過ぎるんではないか。公害行政というものは、しょせんは科学的判断、学問的判断というものが前提になる。そういうことでありますから、それが移ってくれば、ある程度までその辺も弾力的に運用していくということを考えていく方がいい行政ではないだろうか、私はそう思うのですが、長官、どういうふうにお考えになりますか。
○小沢国務大臣 私は、あくまでもやはり環境行政をやる上に当たっての基本は、科学する心をきちんと持っていかなければならないという基本的なお考えは、同意でございます。ただ、カドミの人体に与える影響というのは、イタイイタイ病についての原因、どの程度カドミが関与しているかということについては、いまだ学問上の論争があって、それが不確かであるということは、これは私どももそう思って、いま鋭意この総合研究班で解明を願っておるわけでございます。ただ、カドミはやはり腎には非常な影響があるということは事実でございますので、その腎に与える障害等のことを考えてのいろいろな意味での対策といいますか、基準を設けて注意を促している、こういうふうになっておるわけでございまして、そうしているからイタイイタイ病の原因はカドミである、必ずしもこういう結論を申し上げているわけじゃないのでございますから、その辺のところはやはりはっきり分けて考えていただかなければいかぬと思います。
○林(義)委員 腎の話が出ましたから申し上げますけれども、イタイイタイ病というのは、病人が痛い痛いと言って泣いて、骨が非常に痛む、こういうふうな病気なのであります。腎に及ぼすところの病気の問題でありますと、これはまたはっきり違う。厚生省見解で出ておりますところのイタイイタイ病というのは、腎に変異がありまして、その変異が尿細管等を伝わって出てきて、それが骨に及ぼして骨軟化症というものができるというのがイタイイタイ病だというふうに書いてある。それは、腎と骨との間の因果関係は直接的な因果関係か同時的な因果関係かということは書いてありませんけれども、少なくとも骨軟化症が起こるということが一つの大きなイタイイタイ病のメルクマールであります。だから、腎の問題だけをとらえておるならば、イタイイタイ病でなくて、カドミ腎障害症とかなんとかという名前をつけるのが筋だろう、私はこう思うのです。そうなりますと、腎の問題ならば、またこれは、いろいろな基準その他につきましても当然に変わってこなければならない、私はそう思うのです。腎の問題、イタイイタイ病といういままでのやり方は、四十三年の厚生省見解でやっておられた。その厚生省見解というのは、私が先ほどるる申し上げたような、骨に至るところのものであるから、こういうことです。ところが、腎の問題だけでございましたならば、確かに健康の被害はあるでしょう。ところが、腎に及ぼす影響ということになれば、私から申し上げるならば、これは単にカドミウムだけではないと思うのです。そのほかのものにつきましても、いろいろな腎に対する影響が出てくる物質はあるだろうと思うのです。これとやはり同じに考えていかなければならない。それから、腎に及ぼすところの影響であるならば、単に一ppmがいいのか五ppmがいいのかというのも、別途の研究をした上でやらなければならない問題だろう、私はこう思っているのです。とまれ、やはり学問的な見地ということを最重点に考えて行政を進められることを、私は心から切望いたしたいと思うのです。大体時間も参ったようでございますから終わりますけれども、私がいままで申し上げましたところの論理の展開、私の考え方、そういったことにつきまして、長官は、私が何か非常におかしなことを言っているというふうな御印象をお持ちですか、私の考え方が非常に間違っているから、もしもどこか直すならば直せと、私の尊敬する大先輩でございますから、一言、御忠告をいただきたいと思います。
○小沢国務大臣 私、先ほど申し上げましたように、先生の本日の三十分間の質疑を通じてのお考え方は、私も全く同意見でございます。ただ、先ほど最後に言われたイタイイタイ病、腎性骨軟化症に至る、腎から骨に移る過程の中でカドミがどの程度関与をしているかということについての学問的な明快な解答がまだ出ていない、そこで総合研究班でいろいろやっている。しかし、何らか富山の問題については、厚生省見解のときに、やはりカドミが一部かんでいることは事実であるから、それと——それだけではもちろんない。先ほど言った、主として更年期過ぎた婦人のあれがある、あるいは老化現象がある、あるいは栄養不足があるというようなものが総合されて厚生省見解というものが出ておるわけでございますから、私は先ほどちょっと、いまのカドミ汚染米のことに関連しつつお話があったものですから、そこで、イタイイタイ病というものと腎の問題との損害の補償の問題での話にそう申し上げたわけでございます。基本的には先生のおっしゃっていること、私は何もとっぴな意見だとも間違った意見だとも思っていないので、要は、私どもとしては、やはり一つ一つ科学的に、十分医学的に検討していただいて、その結論、もちろん先ほど先生が言ったように、こういうような科学的な判断を多数決でいくべきものなのか、あるいは全員一致が——本当にその真理は一つなんですから、そういうことでいってくれれば一番いいのですけれども、いろいろな学説がまだ分かれているときに、そういけるかどうかわかりませんが、しかし、非常にいろいろなデータを、共通のデータをもとにして、専門の医学者が集まっていただいて、検討を何回か重ねていただいておりますから、何らか一つの、ある線までは共通した点がお出しいただけるのではなかろうか、こう思っておるわけでございます。それを尊重して、それで私どもの行政のやり方を考えていくという基本の考え方に立って進めている、こういうことでございます。
○林(義)委員 どうもありがとうございました。これで私の質問を終わります。
○井原委員長 それでは、林君の質疑はこれをもって終わります。 原茂君。
○原(茂)委員 きょうは、前半、長野県に関係する汚染の問題ですとか河川、湖沼を中心にしての問題、後半に地熱発電の問題に入りますときに、これも長野県関係の二カ所の今後の見通しなども含めてお伺いをしたい、こう考えますが、最初に、いま長官の決算に関する概要説明を伺ったのですが、これは私はよくわからない、調べてみなければわかりませんが、なぜ歳入予算というものが全然入っていないのか、ちょっと簡単に説明していただけませんか。
○小沢国務大臣 ちょっと御趣旨がよくのみ込めませんが、歳入は一括して入っておりまして、私の方は慣例として、決算委員会には歳出予算だけの報告であるということでございます。
○原(茂)委員 私もまたあとで予算書で調べてみますが、そういう慣例なんですね。そこで、最初に森林開発公団の林道事業について二点お伺いしたい。一つは、長野県奥志賀の三十一キロ、工期が四十四年から五十一年ということで、すでに始まっているわけですが、七億五千五百万円の工費で、国が五億六百万円ですか、これの現状、今後の見通し。もう一つは、山梨県、長野県にまたがる南アルプス・スーパー林道、これも五十年完成予定、これの進行状況と見通しをお伺いするのですが、環境庁の立場では、この種の林道開発に関しては相当の厳しい当然の意見があるわけですね。その意見のあらましをここでお聞かせをいただいて、通産省の側から言うと、地元の住民から言いますと、また違った観点からどうしても開発を進めたいというので、毛利長官以来現地視察をしたりして、スーパー林道に関しては現在まだペンディングになっている状況で、結論的に言いますと、時間がありませんから簡潔にお答えをいただきたいのですが、一体いつ、これに対する正式の環境庁としての態度を決定されるか。許認可の問題ですが、現在残っております工事に関してストップがかけられたままになっている。いつになったらこれを明快に右あるいは左するのかを結論としてお伺いしたい。 いま環境庁がお考えになっている理由、なぜいまだに決定できないのかということが一つ。これは南ア・スーパー。それから奥志賀の林道に関しても、現状どうなっているのか。その二点。
○小沢国務大臣 南アルプス・スーパー林道二十二、三億完成しまして、あと残りはわずか残っているということを私、着任早々聞きまして、これを調べてみましたら、環境庁ができる以前の厚生省の国立公園部で、大体つくってもよかろうという結論で、ただし、峠のところについてはいろいろ問題もあるので、そのとき、そこの部分の施行については設計その他いろんな協議に来なさいよ、こういうようなかっこうになっておったように聞いております。 したがって、一応環境庁が厚生省から引き継いだ国立公園部、いま自然保護局になっておるわけでございますが、行政の継続性がございますので、そういう点はもちろん尊重していかなければいかぬとは思っております。思っておりますが、しかし、いずれにしましても、一体、私どもちょっと疑問に思うのは、道路の性格というものがどういうものなのか。いわゆる本当の林道として、奥に一千町歩もあるような山の林野行政から来る必要な道路だけでお考えなのか、あるいはその他の機能を持たせようとしておられるのか、そういう点もちょっと私、明確につかんでみないといかんなと思ったり、それから、自然環境保全については、道路の性格いかんによっては相当影響がございます。それからまた、大事なところでございますし、一部の自然関係の学者の意見によりますと、あの辺の地質上の問題も若干あるように聞いております。そこで、毛利前長官がおいでになっていろいろ視察をしてこられたわけでございますが、私がどちらかに断を下すときには、やはり私も現地を見て、また、現地の方々の御意見も十分承ってからでないとなかなか決断を下せない。非常にめんどうな問題だと思いますので、私どもとしては、いまのところは、雪解けを待たなければなかなか現地に参れませんので、現地へ参りましてよく調査した上で結論を下したい、こういうような気持ちでおるわけでございます。 それから、奥志賀の林道というのを私ちょっとわかりませんので、事務当局から……。
○柳瀬政府委員 奥志賀の林道につきましてお答えいたしますが、あの林道は、国立公園の中でも普通地域の中を林道を通すという計画でございまして、したがいまして、私どもの方には直接協議とかそういうことはないわけでございますが、現在、大部分が工事が終わりまして、若干修景緑化をしなければならぬ地点が残っておるというふうに聞いております。
○原(茂)委員 いま大臣の答弁にありました南ア・スーパーですが、これは毛利長官も、いまの大臣と同じような答弁をいままで繰り返してきているのですね。そして現地視察だ、こういうことになり、また長官も、現地視察をしなければいけない、断は下せない。当分大臣はかわらぬでしょうけれども、大臣がかわるとまたやる。国民の政府に対する信頼感というものは、こんなことからなくなっていくわけですね。あんまり長い期間同じようなことを繰り返して、大臣の交代ごとに延ばされるという感じにならぬように、私は、大臣がいつごろおいでになるのか、見通しとしてはいつごろまでに行くのか、早急に現地視察するならして、断を下す時期がもう来ていると思うのですね。こんなものをいつまでもほうっておいて、それで、むだに地元民その他がとにかく定期的に大騒ぎをしている現状を何十回か繰り返しているのをほうっておくというのは、これは政治のたてまえではない。こういう状況になればなるほど早期にいずれかの決定をするということが当然の義務だと思う。その前提としては大臣も現地を見なければいけないとおっしゃるなら、いつごろ現地を見て、その後いつごろに決断が下せるかが決定してくるわけですから、いつごろ行くのかということをひとつ。 それから、私は南ア・スーパー林道を見まして、あれを貫通認可をするしないにかかわらず、既開発の林道のあの崩壊の状況は一日も修復をしておかないと——すでに開発した林道を取り壊すということはないわけですね。貫通するかしないかの問題なんです。あの既開発の林道の荒廃した状況というものは、あれは手をつけないと大きな災害のもとにもなる。ですから、この方は、大臣の現地視察をすると同時にその時期が明白になる。やがていつ決断をするという決定を下すときには必要な処置を講じて、いまの既開発の林道の荒廃の復旧工事を大至急にやるということまで同時に考えていただく必要がある。これはもう優先しなければいけない、こう思うのです。 まず見なければいかぬのなら、いつ行くか、お答えをいただいて、それと修復の問題ですね。
○小沢国務大臣 私、ちょっと先ほど申しおくれたのですが、まず、私ども、自然保護の専門家に御意見を承って、その御了解を得てどちらかに決めなければいかぬわけでございます。本来なら、原則的には、自然保護の立場から見ますとはなはだ好ましくないわけでございます。私は新潟県でございますが、新潟県の妙高の有料道路は、これははっきりとやめてもらう、許さないという考え方で、県に取り下げをお願いしました。しかし、妙高と違いましてこの南ア・スーパー林道というものは、先ほど申し上げましたような経緯がございますので、一たん行政庁がよろしいだろうといって始めたことでございますから、やはり私どもはただ自然保護の見地から、これはできたらやめてほしいがなあと思っても、地元から見ますと、一たん許されたもの、その設計の問題等にからんでいま一部残っているという問題でございますので、林道の性格というもの、それからいま先生がおっしゃった、もうすでにでき上がった林道、これが果たして——林道ができ上がりますと、管理は市町村なり公共団体に委託するわけでありますが将来その山の残っているところがいかなる性格の道路として、つくり上げたときに全体の機能が道路としてどういう機能を果たしているものなのか、それを受け取る道路建設側の意向が一体あるのか。ないとすれば、現在の林道のままでどの程度林道としての機能を果たすように回復をしていかなければならぬのか、こういう点も含めて検討をすべき問題だ、こう再三、私、ほかの委員会でも申し上げているわけでございますが、いま、いつごろかというお話でございますので、いま全く雪で見ることができませんので、見れる状態になりましたらできるだけ早く参りまして、そして、その後帰って相談をして決断を下したい、そういう考えでございます。
○原(茂)委員 雪がなくなって見られる状態になるのは、やはり五月になればそうできると思います。では、五月にぜひ行っていただくように、そして早期に決断を下していただきたい。 いま長官の言った前段の、林道としての機能が一体どうかというようなことが前提で荒廃を修復するというようなことが考えられるというのですが、私は、林道としての使用するしないにかわらず、現状のままに放置しておくことが、いわゆる災害のもとになる危険があるほどの崩壊をしている、大変な荒廃の状況だ。ほうっておいたらあれで災害が起きて大きな被害を受けたときの責任は一体だれが負うのか、そのことの方を心配しているので、この修復をして、しかる後に林道として使えるかどうかが前提で手をつけようという考え方は過ちだ。災害を防ぐということが目下緊急の課題になっているほどの状況だという認識を、おいでにならないからわからないのですが、私は入梅、集中豪雨その他が来たときに恐るべき災害が起きる発生源だ、こういうふうに考えますから、この方の手当てはもう緊急を要する、こういう前提で、別個の問題として考えていただきたいというのが私の趣旨ですが、もう一度……。
○小沢国務大臣 おっしゃるとおりの状況のようでございますので、私どもからもうすでに、植生度の回復だとか、あるいは自然環境保全のためにいまのままじゃ困るじゃないか、きちんとした整備をするようにという強い申し入れを開発公団の方へしておる、こういう現状でございますので、なお私も、先生の御注意がございますので、さらに再度ひとつ開発公団の方へ、そういうおそれのないような修復その他に万全を期すように強く申し入れをいたします。
○原(茂)委員 大臣 それはぜひお願いします。森林公団は予算がないかあるいは本腰が入らないか知らないが、とてもじゃありませんが現状では修復らしい修復になっていない。このままで放置しますと大変な災害が起きる。いま大臣がおっしゃったようにすぐに開発公団に強硬な申し入れをしてもらって、直ちにやってもらうようにしませんと、これでもし問題が起きたら、この委員会における大臣の答弁とは大きな食い違いができ、責任問題になるだろう、こう思いますから、これは特にお願いをいたしておきます。 次でお伺いしたいのは、全体的に言いますと蓄積性公害の抜本的な対策についてということになるわけですが、特に長野県の天竜川、犀川、千曲川、あるいは都市公害で岡谷市内の二河川、また諏訪湖、こういうようなものの大きな問題点は、やはり蓄積性の公害なんですね。全国でも、この蓄積性公害というものに対してどうするかが基本的な課題になっているわけです。 まず第一に、蓄積性公害に対してそれを絶滅することが国に与えられた使命なんですが、これに対して環境庁長官はどのような方策をお持ちですかをお伺いしたい。
○大場政府委員 蓄積性汚染の最たる代表的なものは、先生御存じだと思いますが、水銀あるいはPCB等による水質あるいは底質の汚染、それからわれわれの生活に直接関係ある食べ物としての魚介類の汚染、こういったことでございます。この問題につきましては、かねてからいろいろ問題になっておりましたが、環境庁といたしましては四十七年度から、それから四十八年にかけまして、こういった蓄積性汚染物質についての環境の汚染状況を一斉点検したということで、これは先日発表いたしてございます。その結果、かなり広範な地域、水域にわたりまして水銀によって環境が汚染されあるいは魚介類が汚染されている、あるいはPCBによって同じようなものが汚染されている、こういったところが出てございますが、それについては発表してございます。これに対する対策といたしましては、まず魚介類につきまして、それが一定の規制値以上に汚染されているという場合には、これは人体に影響がございますので、これを自主的に漁獲抑制をする、漁獲規制をするという形で、これも具体的に地域は指定して、自主的な漁業者の御協力を得て規制はしております。 それから水質につきましては、これはいろいろ環境基準の設定あるいは排水規制の強化等の措置をもって対応する。それから、過去の蓄積性汚染の結果ヘドロ等底質が汚れているという場合には、一定の除去基準というものをつくりまして、水銀、PCBにつきましてつくっておりますが、その除去基準を超える場合にはこれを除去するという形で、環境の浄化対策を図っておるわけであります。
○原(茂)委員 総論はそういうことになるでしょう。きょうも理事会で話があったように、余り時間がありませんから端的にお伺いをしてまいります。前段を抜かしますが、いま除去基準という話だけは出たのですが、除去基準がPCB、水銀その他に関して、もう明確にできているのでしょうか。
○大場政府委員 水銀、PCBそれぞれ、中央公害対策審議会の諸先生に長い間御審議願いまして、そしてつくってございます。 〔委員長退席、森下委員長代理着席〕 水銀につきましては、ヘドロの汚れている底質における水銀の溶出率あるいは底でとっている魚の割合、つまり底の魚が比較的汚れているわけですから、底の魚が多いか少ないか、それから回遊魚等、表層魚等が多いか少ないか、そういった漁獲の状況あるいはその水域の潮の文換度、交換がよければそれだけ拡散されますから汚染は薄まるわけですから、そういった交換度といったものを勘案いたしまして一定の数式をはじきまして、それに具体的な水域のデータを挿入して基準を自動的に算定する、こういったことができております。それからPCBにつきましては、これも諸先生の御意見を伺いまして、底質の除去基準を一〇PPmというぐあいに先ごろ決めて、すでに発表してございます。
○原(茂)委員 では、そういう問題、先にお伺いしておきますが、いまの除去基準というのを内訳を言うと、環境基準というものが前段にあるわけですね。環境基準がある、そうして底質基準がある、しかる後に除去基準があるという順序で、全部基準が完成していますか。
○大場政府委員 御指摘になりましたように、水質の問題につきまして環境基準がある。これを達成するために、各工場等が排出することを規制するための排水の基準があるわけです。これはすでに水銀、PCBともできております。 それから、過去において蓄積された底質、汚染された底質、そういったものを除去する基準も、これは底質の除去基準としてPCB、水銀とも設定済みでございます。
○原(茂)委員 それは後で参考資料に出していただけますか。では、お願いします。 そこで、これも具体的にお伺いしていった方がいいだろうと思うものですから聞きますが、いまのPCBに汚染された漁獲物ですね、漁獲する前にはこれの汚染されているかどうかはわからないわけです。それから、とってみなければ魚種もわからないわけで、たとえば天竜川で言うとウグイ、ハヤ、ああいうものは、もういけないと規制措置が講ぜられている。ところが、とらないことには、ウグイがとれたかどうかわからないわけですね。そういうふうに、他の新潟地先においても、直江津地先においても同じですけれども、こういう種類のものを漁獲した者に対する、漁獲物に対する補償措置が行われなければ——これは自分が汚したのではない。しかも、いつどこで底質汚濁があったのかもわからない。魚が勝手に汚染をされている。ずっと先祖代々の漁場でこれをとる、川も海も同じだ、こういうときに、とった魚を捨てなければいけない。これに対する補償というのが考えられなければ血の通った対策にはならないと思うが、これをまず先にお伺いします。
○大場政府委員 これはケースによって違うと思います。 原因者がはっきりしている場合、端的に申し上げますれば水俣のチッソによって水銀汚染魚が発生した、こういう場合には、もちろんチッソの株式会社が漁業者に、漁獲規制を行っている漁業者に対してその損失を補償する、これはあたりまえのことで、現実に行われております。 それから、問題は、先生が御指摘になりました御趣旨は、なかなか原因がわからない、あるいはあっても非常に資力が乏しくてなかなか補償ができない、こういうことがあるわけであります。長野県等の場合におきましても、犀川あるいは天竜川、そういったところでPCBによる汚染魚が発生し、ただいま御指摘になりました新潟地先で水銀による汚染魚が発生している。その結果、漁獲ができない、漁業者が損失をこうむっている、こういったことがあるわけで、これは残念ながら現在までの段階におきましては、いろいろ県で原因究明を急いでおります。急いでおりますが、まだ出ておりません。その間、それでは結局漁民が泣くということになってしまうわけで、これは環境庁独自の行政ではありませんけれども、私ども、水産庁と協力して、県庁の方にその間の原因究明がでさるまでの融資等の措置を講ずるよう、いろいろ配慮をお願いしているということでございます。地域によりましては、県で無償の融資をして漁民の救済措置を講じているというところもございます。ただ、長野とか、それから新潟等の場合には、いまその措置を準備中というところでございますので、まだ着手しているようには、残念ながら聞いておりません。
○原(茂)委員 いま御答弁ありましたけれども、局長の答弁だけでは、大臣、いけないと思うのですよ。融資の措置を講ずるという。これは本当に気の毒なんです、こういう人々は。これに融資だけではいけない。県だけに任してはいけない。特にこの種の天竜川、千曲川というような河川に関しては、国がやはり相当程度の責任を持っていまの補償の任に当たってやるということが基本的にないと、泣き寝入りがほとんどになるわけですね。だから、融資されたというのではいけないと思う。大臣、これをもう一歩進んで考えて、関係官庁とも折衝するということになりませんか。
○小沢国務大臣 原因者が不特定多数でなかなかつかまえどころがない。ことに水質になりますと生活排水の問題等が相当ございますので、まさに不特定多数の国民でもある。あるいはまた、全く休廃止鉱山等の長い間の蓄積公害というようなことがあった場合には原因者がいま現に存在しない、こういう問題があるわけで、その場合に、与えられた財産被害等についてどうするかという問題は、非常に大きな問題でございます。そこで私どもは、当面はそれぞれの——被害を受けた方が漁民であると、それを主管するのは水産庁、農林省である。したがって、水産庁で何らか別の方法なり何かをひとつ手段、方法を考えていただいて、公共団体と一緒になって何らかの措置をとっていただくという強い申し入れをしていく以外には、いまのところは方途がないわけでございます。 しかし、この問題は放置はできないわけでございますから、いま御審議を願っておる五十年度予算の中に、私どもがこの統一した考え方の基準だけは環境庁でつくろうじゃないか、つくって、それをそれぞれの官庁に提示をして、その考え方の基準に基づいてそれぞれの官庁が対策費を計上しようとする場合には、これはひとつ大蔵省のみなさいよという、実は文書の約束までいたしまして、今年度どうしてもこの問題の解決のための一定の基準をひとつつくり上げてみようじゃないかと、非常に困難な問題でございますけれども、そこまで実は予算の最終段階で踏み切って、調査費を相当額計上して、そのための人員を二、三名新たに取りまして、本格的にひとつ取り組もう、こういうことでやっておるわけでございまして、ちょっといますぐの間に合わないかもしれませんが、当面の問題は、やはりその被害を受けた方のそれぞれの主管庁でどうしてもめんどうを見ていただくように、いろいろなルートを通じてめんどうを見るようにしていただきたいという申し入れを強くいたす以外にはいまのところないのが現状で、はなはだ残念に思うわけでございます。
○原(茂)委員 一応基準をつくって、五十年度予算の中に文書に約束をつくりながら、環境庁長官としては、だからそういうものに対する補償措置に類したものをやろうというお気持ちが長官にはあるということなんですね。
○小沢国務大臣 さようでございます。
○原(茂)委員 次に、水銀なんかは四十八年にクローズドした、それからPCBは四十七年に製造禁止をした、したがって新たな汚染源が出てくることはないが、蓄積公害として原因不明のものがたくさんある。しかしながら、いまはPCBが完全に使われていないかというと、これもその保証はないのです。したがって、流れ込む排水に関するものもそうですか、水銀、PCBに対してもそれの使用は絶対されていないかどうかを含めた監視体制というものを強化しないといけないと思うのですが、この監視体制を都道府県あるいは地方の自治体だけに任しておいたのでは、なかなか予算の面でむずかしい。したがって、監視体制を強化しなければいけない。もう絶対にこの種の、PCBなり水銀というものは湖沼あるいは海などを汚物しない、そういう確信が持てるまでの監視体制というものは、まだ当分の間必要だ。その監視体制に対して国の立場で相当程度のめんどうを見ないと実際にはできないのが現状だ。これに対してどう思いますか。
○大場政府委員 御承知のとおり、たとえばPCBにつきましてはすでに使用禁止になっておる。一部閉鎖系のものにつきましては例外的に認めている例もございますが、原則的に禁止しているということでございますが、それでは工場等の排水からPCBがいま現在出ないか、そのおそれはないのかということにつきましては、これは警戒しなければならない点が、率直に申し上げまして多分にあると思います。具体的に申し上げますと、故紙、古い紙の再生業等で再生紙原料としての原料を集める場合、その中にPCBの感圧紙、そういったものが入っておる。しかも、そういった工場は主として中小工場でございますから、その管理等については、ややもすれば不十分な管理に陥りやすいということがございますので、それが工場排水を通じて外界に排出される、こういった危険性は多分に私ども感じております。そういう意味で、この間もその辺のところを中公審で議論していただきまして、特にこれは通産省にお願いしているわけでございますが、そういった故紙再生メーカーに対しての指導監督というものを徹底していただきまして、感圧紙等の回収、保管を適正にしていただくということ、つまりそういったものを再生紙の原料として絶対使用しないように、原料の選別をするということにつきまして徹底した体制をお願いしている、こういったことでございます。 それから、そういった故紙メーカーから排出される危険性があるわけでありますから、排水規制の強化につきましても、その浄化施設等につきましては財政負担の面でいろいろ難点がございますが、これも現在あるあらゆる可能な融資等を通じまして援助するということで、われわれはできるだけの努力をしている最中でございます。
○原(茂)委員 いまの御答弁の程度の監視体制の強化では、とてもじゃないが、実際にはまだまだ汚染が行われると思いますから、監視体制の強化に関しては特段の配慮をしてもらわないといけないと思います。地方自治体だけに任しておいたんじゃだめだ。 その次に、千曲川にしても天竜川にしても、あるいは犀川も同じですが、あるいは海にしましても、総量規制というのがやはり非常に大事だろうと思うのですが、総量規制というものに関して何かお考えがあり、これを対策するようになっているんでしょうか。非常にここは基準以下のものが流れている。処置をして〇・何PPM、ここは〇・一だ、ここは一PPMだ、基準から見るといずれもよろしい。だが、それがずうっとたくさん出ていくところに問題がある。蓄積ですからね。したがって、抜本的な対策としては総量規制というところに重点を置かないと、この環境保全は不可能だ。これに対して何か対策をお持ちで、やる気になっているかどうか。
○大場政府委員 御承知のとおり、現在の水質汚濁防止法による排水の規制は、PPMという形で表示されておりますように、いわゆる濃度規制という形をとっております。しかしながら、閉鎖性水域、内湾だとかあるいは、たとえば諏訪湖みたいな湖、そういったところにつきましては、単なる濃度規制だけでは不十分だというぐあいに私ども認識しております。やはり総量規制の導入を早くしなければならない、こういうふうに思っております。濃度規制ですと、極端なこと、工場が冷却水を多量に使って薄めてしまえば、それで排水はここでパスしてしまうということになりかねないわけでありますから、そこにはやはり問題があるわけで、停滞性水域、ことに閉鎖性水域につきましては早く総量規制を導入していきたいと思っております。 ただ総量規制を導入する際に問題となりますのは、実は濃度規制ですと簡単に——簡単にと言っては語弊があるかもしれませんが、現在でもつかめるわけでありますが、総量規制の場合には、出ている排水の濃度と、その排水が過去一昼夜なら一昼夜という期間にどれだけ出たのかどうか、つまり濃度と量とがうまく同時に把握できるような、そういった計器が開発されてないと実際上捕捉できない、こういった悩みをわれわれ持っているわけであります。 それからもう一つは、総量を規制するわけでありますが、それはやはり、その環境水域の一定の浄化能力というものがあるわけですから、浄化能力の範囲内にその総量規制の総枠を押さえ込む。諏訪湖なら諏訪湖の汚してはいけない限度というものを決めて、その中に汚濁の総量を押さえ込んでしまう、こういったことが必要でありますが、それは一体幾らなのかどうかという点についての計測がやはり必要であります。それから同時に、それを各工場、あるいは県際水域なんかの場合には各県にまず割り振って、各県はそれぞれ自分の枠内で自分の県の汚濁量を押さえ込んでしまう。それからさらにそれを各業界種別に割り振り、それをさらに末端では各工場別に割り振る。最終のところでは、ある特定の工場で、その工場の出すべき汚濁量はこれ以上越しちゃいけないんだ、こういうぐあいにするのが総量規制でございますから、そういった自浄能力の把握の問題、それから業種別の汚濁の原単位の問題、それから工場に割り振る場合の基準の問題かなりいろいろ解明しなければならない点が非常に多くあるわけであります。それをいまわれわれ、できるだけ早く解決するように腐心している最中であります。 今後の水質保全行政の当面の目標といたしましては、先生が御指摘になりましたように、総量規制をできるだけ早く導入するということにつきましては私ども全く同感でございまして、それを争いでおりますので、もうしばらく御猶予をいたかきたい、そういう方向で努力するつもりであります。
○原(茂)委員 総量規制に関する考え方は結構ですが、何といってもこれが根本なんですよ。ということになると、役所仕事というのはそうかもしれませんが、急いでやりますなんて言って、いつやるかという目標なしにやる。やはり仕事をするのには、この際は巧遅は除いて、拙速でもいいから、いつまでにはやるという目標を持たなきゃだめですよ。そうじゃないと、たとえば皆さんが県に対する総量規制、おまえはこれだけだということが、当たっていないと言っちゃ悪いんですが、非常に乱暴なものでもいい、大枠を各都道府県に対して与えるということが必要、各工場に対しても必要だというものがないよりは、それがあるということが非常に大事なんです。その意味では、環境庁が、とにかく急いでやりますからもうちょっと待て——恐らく来年、この決算委員会でまたお伺いするかもしれません。そうすると、いまやっています、もうちょっと待て、こういう答弁に多分なると私は思う。しかし、そういうのではやはり仕事というのは進まないので、いつごろまでにやる予定だ、総量規制というものはいつごろまでには、多少拙速主義でやるけれども、出す予定だという目標がないといけないと思う。そういうものがあればあるで、われわれも協力のしようがある。これはとにかくコンピューターのある現在、あまり人間がそろばんはじくような考えで考えないで、いつごろまでにはやる予定だということがないと、総量規制というのはもう基本問題なんですから、これを明確にひとつ答えてください、いつごろにやるんだという決意を。
○大場政府委員 私の表現がまずくておしかりをこうむったわけでありますけれども、決して遅延させるつもりでいるわけでは毛頭ございません。本当の意味で早くやりたいということでございます。 いつごろからかという重ねての御指摘でございましたけれども、しかし、一年というような短時日では、ちょっと私ども、ざっくばらんに申し上げて無理だと思います。かなりこれは技術的な解明すべき側面が非常に多うございますし、やってしまったけれども実際何もならなかったということでは、これは意味がないわけでありますから、やる以上はやはり用意万端整えて、もちろん、途中での蛮勇ということは必要でございますから、踏み切る段階があれば踏み切りますが、できるだけ早くしたいと思っています。しかし、一年という範囲内ではちょっと無理で、もうしばらくの御猶予を願いたいと思っております。
○原(茂)委員 一年という範囲ではむずかしい、そうすると二年くらいかなという想像をしますがね。想像をしますけれども、まさか三年じゃないでしょう。一年の範囲じゃむずかしいというやつが三年、三倍になることはないから、じゃ倍見て二年だなと思います。楽しみにしていますし、これは大至急やらないといけないと思いますから、二年目標ではやる、そういう考え方で理解をしておきたいと思います。いいですね。——納得されたから、それじゃ二年ということに…大変進歩です。 それから、汚染源の調査も必要なんですか、先ほど言った監視体制が強化されると、汚染源というものに対する目が非常に厳しくなるから私はいいと思う。 最後にこの問題でお伺いしたいのは、ヘドロそれから底質、これを除去するかしないかが、現在当面している魚の汚染というものを防ぐ直接的な方法になっているわけですね。天竜川にしても、あるところでは汚染源がわかった。全然わからないで、こんなところにと思う蓄積公害がある。千曲川同じ。それから直江津の地先に対しても、いまだに原因不明だ。ヘドロなり河川のここが悪いんだということだけはもうそろそろ県で調べて、長野県でこの間発表しましたよね。そうすると、全部がいいとか悪いとかわからないまでも、検査をした検体の地点が幾つかあって、その地点の中に、ここの底質はだめだ、二〇PPMがあるのは十三だというようなことはわかっているのですね。こういうものを除去することが緊急の仕事にならなければいけない。したがって、ヘドロなり底質の除去というものは、当面、とにかく魚で商売をして生計を立てている人々にとっては一日も早くやってもらいたいということになるわけですから、これはやはり環境庁が中心になって関係官庁との間に急速な折衝を行って、このわかっている、検出をされた底質、ヘドロに対する除去というものを思い切ってやらないといけない。先ほど環境庁長官が言われたように、五十年度、基準をつくり、そういう措置をしようというために予算の中に多少それを見ながらというようなお話がございましたが、この問題についても当然、当面の緊急事ですから、やるような考え方が五十年度予算に考えられているのか。あるいは、まだやっていないんだ、したがって関係各省庁に対しても強く、具体的にこのスケジュールをつくれということになっているのかいないのか。この底質、ヘドロの除去に関して具体的にどういうスケジュールを持っておいでになるか。そうしなければ川は生きてこない。死んだままになっている。蓄積は、おととしの調査よりは去年の調査の方が、皆さんの発表したとおりに、だんだん悪くなっているわけですから。諏訪湖にしても天竜川にしても千曲川にしてもそうなんですね。したがって、これはほうっておけばそのまま悪いという状況になるばかり。そうしてウグイその他をとってみると、そこに大きな汚染がある。もとがここだということがわかっている場所だけは除去するということをすぐにやるべきだと思うのですね。どうでしょう、この対策は立てておいでになりますか。
○大場政府委員 魚の自主規制をしているのはあくまでやむを得ざる措置で、本来の対策はあくまで底質を除去して魚がとれるように戻すというところにあることは、先生御指摘のとおりであります。具体的にかなり高濃度に汚染されているようなところにつきましては、わかっておりますところにつきましては、早急に計画を立てて事業を実施すべきものと考えております。予算とか実施担当官庁は、たとえば港湾で申しますれば運輸省、河川で申しますれば建設省が河川浄化事業でやるという形になっております。長野県の場合には河川でございますので、建設省所管の河川浄化事業で実施する。具体的には県を通じて実施していただくわけでありますが、その計画をそれぞれの具体的な場所につきまして現在立案中であります。たとえば、水流が速くてなかなか除去できないというようなところもあるようでありますけれども、具体的な工事計画を急いでいただきまして、できるだけ早く除去するという形で、私ども、県なり関係省庁に強く働きかけていきたいと思っております。
○原(茂)委員 できるだけ早く除去するという決意はわかりましたが、その場合に、除去の主体というのは実際には地方自治体になるのですよ。工事の主体が。それに対してはやはり国が予算の助成をしてやるというところまでいかないと、実際に仕事が進まない。長官どうですか。国の立場で全然予算措置を見てやらないというのでは、これは実際には進まない。国がやはりある程度の、地方自治体に対する予算のいわゆる助成なり補助をするということが前提にならなければいけないと思うが、どうでしょう。
○小沢国務大臣 先生のおっしゃる御意見、まことにごもっともでございまして、本来なら環境庁が、排出基準をつくり総量規制をやろうとしていろいろやっているわけですから、自分みずからそういうような実施部隊を持ち予算も持ってということが一番端的にいいことだと思いますが、環境庁というのは総合調整機関でございますので、そういう力を持っておりません。したがって結局、河川であれば河川管理者、そのもとは建設省河川局、河川の浄化対策事業という費目がございまして、そこに予算もございますので、建設省の河川局にお願いをしまして、それが県の土木部と一緒になって実行していく、こういうことになろうかと思いますので、いまの御意見をもとにして私ども、建設省ともよく相談をいたしまして、できるだけ早く実施態勢に移るように努力をいたしたいと思います。
○原(茂)委員 それからもう一つ、ついでにお伺いしておきたいのですが、たとえば直江津、鹿児島のように、水質、ヘドロともに調査の結果は異常なしですよ。にもかかわらず、漁獲した魚にいわゆる濃縮された汚染があるということになっていますね。これは専用語で食物連鎖というのですか、ということが、とにかく原因不明の魚の汚染となってあらわれている。これは非常にむずかしい問題なんです。こういう食物連鎖による魚介類の汚染、水質やヘドロには関係ない、これは食物連鎖に違いないという推定ができている。こういうものに関して、いま環境庁としてはどんな調査をし、どういうふうに理解をしているのでしょうか。
○大場政府委員 直江津の場合とそれから鹿児島の場合とやや事情は異なるかもしれません。直江津なんかの場合には、底質、水質を現在調べておりますが、従来の中間的な調査結果を見ても、極端に高い底質が出たということでもない、しかし魚を調べてみるとかなり高濃度の水銀が含有されている、こういったことになっているわけであります。しかし、現実にこの水域を見ますと、断定はできませんが、水銀取り扱い工場が存在していたということは事実でありまして、それらと無関係だというふうに断定するにはまだ早いのじゃないかと思っております。現在、もう一回よく調べ直すということを県にお願いして、詳細調査を実施中であります。近くその調査結果が出ますので、その調査結果を踏まえて環境庁内部の検討委員会で検討いたしまして、必要な対策を考えていきたい。当然何らかの原因があって汚染されるわけですから、水質、底質、現在の環境水域になくても、あるいは過去において排出されたのが蓄積されて、それが生物濃縮という形で魚に蓄積されているということがあり得るわけですから、やはり原因を究明して、それに対して漁業補償等の問題も出てくると思いますが、原因者に負担させるという形で早く解決したいと思っております。 それから錦江湾、鹿児島の奥深く錦江湾の場合には、これも現在調査中で、断定的なことは申し上げられないのでありますが、一説によりますと、どうも天然の汚染じゃないかという説もあります。いろいろ調べてみた結果、周辺にも水銀を発生する工場はない。それから農薬工場がかつてありましたけれども、どうもその農薬工場のせいでもなさそうだ。人為的な汚染というものはなかなかないのじゃないか、あるいはないのかもしれない。そうすると、やはり桜島の噴火等に見られるように、海底の爆発、そういったものに起因するのじゃないかという説もあるわけですが、これもいましばらく調べてみないと、断定的なことは言えないと思っております。
○原(茂)委員 蓄積性公害の最後についでにちょっとお伺いをいたしておきたいのは、天竜川に一例があったのですが、ある企業で排水の中に基準以上のものを流している、そのために天竜川の汚染が明瞭にあったというようなときに、その企業名を発表しない原則ですか。私は、住民の監視の必要性からも、あるいは用心をするという立場から言っても、そういう企業名は大胆に、大中小を問わず発表しろということを環境庁が指導していいんじゃないかと思うのですが、発表しないでいるのですよ。隠しているのですが、こういうことはよくないと思う。天竜川に一例があるのが、きっとこちらにも報告が来ているんじゃないですか。これはそういうことのないように発表すべきだということが、環境庁の厳たる指導があってしかるべきだと思う。非常に必要なことだと思う。どうでしょう。
○大場政府委員 工場で決められている排水基準に適合しない排水をある工場が出しているという場合に、それはまさにけしからぬ工場でありまして、そういう工場名を発表しないということはおかしいと思います。私、聞いておりませんので、実情を調べてみたいと思いますが、故意に隠しているということはないと思っておりますが、もしそういうことがありましたら、積極的に発表するよう県に指導いたしたいと思います。
○原(茂)委員 次に、諏訪湖、天竜川の上流についてお伺いしたいのです。 諏訪湖は、御存じのように昭和四十三年にあの大量の青粉が発生しまして、そのおかげで、いわゆる酸素の欠乏というようなことから、コイだフナだ何だというものがぷかぷか浮き上がる、ワカサギは死んでしまうというようなことで大騒ぎをして、諏訪湖に対しても流域下水道工事を始めて、そうして流入河川の浄化を図ろうというので、御存じのようにやり始めました。そのおかげで、一昨年ごろからワカサギもとれるようになった。これはいいぞ、こう思っているやさきに一あそこの一番大きな流入河川の上川というのがあるのです。これは一番でかい流量で入ってくるのですが、この上流が八ケ岳山麓なんです。ここに二万戸の別荘地も造成されて、ここで十分な政策ができていないために、この別荘集団地、集落を通じて新たな汚染源となって、じゃんじゃんまた諏訪湖を汚し始めている。それで、四十七年、四十八年と諏訪湖の調査をすると、四十八年末の方が四十七年よりずっと、あらゆる汚染が進んでいるのですね。その原因はと思うと、上川の上流から入ってきているのですね。それで、このままでいくとまた二、三年でワカサギが死滅するだろう。いまとにかくワカサギというものを大変なドル箱にしている諏訪湖が、またこれの死滅の状態になるということを恐れている。したがって、諏訪湖の浄化というものが大きな問題になって、環境庁を中心、あるいは建設省その他も一生懸命に今日まで対策を立ててきたのだが、その上流河川の流域における新しい汚染源というものに対する対策が十分ではない。こういうものに対する指導が行き届かないと、これは問題になるだろうと思うのですね。また、せっかくいままで努力したものがもとのもくあみになる。これが一つですね。 それから、天竜川の、諏訪湖から出ていったすぐ下のところに辰野町という町がある。そこに松尾峡というゲンジボタルの名所がある。 ゲンジボタルというのは、御存じのように幼虫のときにカワニナを食って、それから成虫になる。二年たってゲンジボタルができて、あの大きな光を放つので、県はこれを天然記念物に指定したというようなことでやってきたのですが、四十三年の青粉発生以来の諏訪湖が死滅した状況になったために、カワニナがみんな死んだ。そのためにゲンジボタルがほとんど死滅の状態になった。そこで、町が新たに、きれいな沢の水を松尾峡に入れたのですね。金をかけて入れました。そのおかげでここ二年、三年、四年、ようやくゲンジボタルがもう一遍——すなわちカワニナが生きてきた。そして、カワニナをえさにしているゲンジボタルもいよいよ出るようになった。しかし、昔の松尾峡という、ホタルの名所にはほど遠いというので、幸いに、政府のばかげた指導で休耕田というものがたくさんあるものですから、これに三十万粒くらいのカワニナを入れて、ゲンジボタルの卵も入れたというのを去年やりました。それで、恐らく来年になると相当にぎやかな、昔のゲンジボタルの名所が復活するだろう、こう言われている。 これも諏訪湖の汚れが原因で、こういう天然記念物になるようなゲンジボタルが死滅をするという状況が、いま言ったように上川の上流からもう一丁、諏訪湖を汚してくると、幾ら休耕田を養殖場にしてやっても、これはまた全部だめになるというようなことがあるわけですね。ということを考えますと、これは早急に諏訪湖自体の浄化、流域下水道の完備、同時に河川の大きなものの上流に関して、そういった新たないわゆる汚染源ができていることに対する適切な指導とそれから対策ができないと、いままでやってきたことが何にもならないというように思うのですが、この諏訪湖中心の、いま言った天竜川上流に関しても同じ原因で非常に憂うべき状態にあるというのをこれからどう指導するか、対策をお考えになられるかをお伺いしたい。
○大場政府委員 諏訪湖自身の汚染の問題がございます。これは先生御承知のとおり、単に工場排水だけではなくて、ある意味においては、物によっては生活排水のウエートが多いということで、水質汚濁防止法に基づく工場排水の規制だけでは対応できないという形で、下水道事業を徹底的に強化するという形で投資をしているわけであります。しかしまた、上流からの汚染が出てきていることは事実でございまして、せっかく諏訪湖自体でいろいろ浄化作業をやっても、上流からの汚染のためにそれがディスターブされてしまう、そういった傾向は多分にあると思います。 私も、先生が御指摘になったところと違うかもしれませんが、たとえば白樺湖等を見さしていただきましたけれども、周りに別荘がかなり林立しておる、それから旅館群等もあるわけでありまして、そういったところの生活排水が、たとえば白樺湖等にそのまま、ほとんど浄化されないままにどうっと入ってきてしまう。皮肉なことには、水洗便所化されておりますためにかえって汚れてしまうという傾向があるわけであります。先生には釈迦に説法でございますが、昔でしたら、くみ取りで、それは田畑に還元されて自然のリサイクリングという形で浄化されていたことが、今は水洗便所の普及とともに、それがほとんど浄化されないまま環境水域に直に出てしまう。そういうために上流が汚れ、それがさらに下流の諏訪湖を汚しているということになっていると思います。 その最大の原因は、やはり乱開発とかそういった問題にあるということも事実でございますが、そういった根本的な原因は別といたしまして、生活排水が環境水域に流れる、こういった問題につきまして大きく寄与しておりますのは、水洗便所化に伴う屎尿の浄化槽、こういったものでいま現実に対応しております。下水道ではありません。ところが、そういった屎尿浄化槽等の構造が残念ながら非常に不備である。それから管理も非常に悪いという形であります。旅館の例で申し上げますれば、旅館の収容能力以下の形での浄化槽しか施設されていない。また、冬場になるとその浄化槽が有効に作動しない。こういった形で、どうも浄化されないままに屎尿が環境水域に流れ、それが下流へ行って諏訪湖を汚す、こういったことになっておりますので、こういった点につきまして、県にも、屎尿浄化槽の構造の問題あるいはその管理につきまして、ある意味においては白樺湖とかそういったところは、地元の人にとりましても観光財産なんでありますから、それを大事にするという意味も兼ねまして、そういった生活排水による汚れの対策の強化、防止の強化ということについて呼びかけておりますけれども、今後さらにその努力は続けたいと思います。
○原(茂)委員 いま屎尿問題の話が出たのですが、そのとおりです。たとえばごみの問題、一般廃棄物もずいぶん汚染に関係しているのですね。昭和四十八年には八十七万一千トン一般廃棄物が出ているのです、諏訪湖周辺で。八十七万一千トン出ていたものが、四十四年、四年前には四十一万トンなんです。ちょうど四年間で二倍になっているわけですね。このごみの焼却が、いま持っている施設でどのくらいできたかというと四〇%しかできていない。それが最大の能力なんですよ。六〇%は自家処理、埋め立て処理、これを各地でやっているわけです。これが降雨その他を通じてじゃんじゃん河川に入ってくるわけです。ですから、屎尿ばかりじゃなくて、ごみ処理の問題に関しても相当な指導を発揮しないと、強力な指導をしていただかないと、諏訪湖の汚染というのは防ぎようがないということです。この屎尿の問題もお考えいただくのが必要ですが、ごみ処理に関してもいまのままではいけないということが、これは諏訪湖ばかりじゃない、どこでも言えるのじゃないかと思うのですよ。したがって、一体これに対して環境庁がどういう対策をこれから立てていくかということが、全国的な問題としても考えられなければいけないと思うのですが、この点はどうですか。
○小沢国務大臣 先生の御意見をお伺いしまして、また、最近のいろいろな現象を見ますと、本当に工場の固定発生源をできるだけ私どもは厳しくすると同時に、一方において生活排水、屎尿処理、ごみ処理についての対策が、どうも厚生省あるいは建設省のそれぞれ予算に待つような現状で、非常におくれているように思うわけでございます。特に集団的な別荘地についてはその影響が、河川に対するあるいは湖沼に対する汚濁への影響というものは非常に大きいと思いますので、この点は一つの問題点として、私ども、これこそ真剣にひとつ取り組んでいかなければならない。実は最近、まあ去年からお願いをしまして、建築基準法そのものをもう少し厳しく改正してもらおう、それから、でき上がった後の管理が厚生省の方でございますので、これらの管理基準についてももっと強化をしてもらおうということで、大体、建築基準法の方のそうした改正、強化改正は建設省の了解を得ておりまして、厚生省ともその面では、今後はひとつ汚濁の恐れのないような施設をできるだけ完備してもらうように手を打っておるのでございますが、何分、この第三次処理の高度な処理が現在のところ、下水の完備したところでもまだまだ行き届いていないわけでございまして、二次処理まででございますから、この問題が一番頭の痛い点でございます。 おっしゃったごみ処理と屎尿処理につきまして、なお一層ひとつ私も厚生省とよく連絡をとりまして、水質汚濁防止の見地からさらに、これはもう全く予算に関すると思いますので、できるだけ強力な対策をとっていただくように私どもも全力を挙げてみたいと思います。
○原(茂)委員 大臣もさぞそう感じているのだと思うのですが、私、いろいろ長官と話していて、環境庁というのは隔靴掻痒官庁みたいな感じがしますよ。これは大臣もやりにくいだろうと思うのですが、ひとつがんばって、環境庁がやはり相当大きく踏ん張らなければこれはどこも進まないと思うのです。ですから、ひとついまのお覚悟のように、非常な決意で取り組んでいただくようにお願いしたい。 それから、ここで話題を変えまして、途中ちょっとお伺いしたいのですが、環境庁が去年でしたか、環境破壊型の産業に対しては、出す方だけを規制するのでなくて、ひとつ公害賦課金というようなものをかけて、やはり公害をまき散らす産業そのものに賦課金をかけていこうという構想を持って発表をし、中央公害審議会の部会にこれを諮問した。九月に諮問して十一月ごろ答えを出してもらおうと考えていたような、そういう報道があったのですが、そういう公害賦課金のお考えはありますか。
○城戸政府委員 ただいま先生がおっしゃいましたチャージの問題でございますが、これはOECDが四十七年の五月に理事会の勧告としまして、PPPを含みますガイデイングプリンシプルというのを各国に勧告したわけでございます。この考え方としましては、受容可能な状態に環境を保つために公的機関によりましていろいろな措置がとられるわけでございますが、それの実施のための資金上の責任は全部企業が持つのだ、それに対して補助金等出してはいかぬ、こういう考え方になっているわけでございます。その公的当局によって決められる措置の中に、私ども従来からやっておりますいわゆる直接規制、これが一つのグループでございます。そのほかに、チャージという考え方がございまして、これは汚染を減らすためのインセンティブとしまして何らかの形で賦課金を課すということにあるわけでございます。私どもとしましても、こういうようなチャージの考え方も含めまして、いまおっしゃいましたような費用負担に関連します諮問をすでに四十七年にやっていまして、その一環としまして現在検討しているわけでございまして、なおいろいろ問題がございますから、今後詰めてまいりたいと思っておるわけでございます。 一般的な考えとしまして、チャージの考え方というのは経済的には非常に合理的な点がございまして、また、非常に継続的なインセンティブになるというような利点もあるわけでございますが、ただ、実施の上におきましては、行政の費用とか、利用できる情報の量だとか、いろいろの点がございますし、あるいは損害の費用をどう見積もるかという点もございまして、OECDでは現在なお、経済専門家小委員会等でそれらの検討がされている段階でございまして、世界的に見ましても、そういうような意味におきますチャージというものはまだどこもやっていない、こういう段階でございますから、できるだけそういう考え方も取り入れられるように努力してまいりたい、こう思っております。
○原(茂)委員 日本的なチャージ、公害賦課金、間接方式、これもお考えになっていて、やがてやる気があるようです。OECDのこともよく調べてまいりましたが、これとはまたちょっと違った考えを環境庁はお持ちのようですね。OECDをそのまままねをしようとしていないようです。したがって、税制の問題、地方自治体との問題、あるいはまた、この公害賦課金をかけるという制度ができたときの私どもの一番大きな心配は、やはり企業が原価負担を逃れる方法がなくて消費者負担に乗っけていくということなんですね。そういうことのないように、こういう点をいまから配慮して検討するようにお願いしたいと思うのですが、いかがですか。消費者負担にしないという前提で公害賦課金というものを考えるということがなければいけないと思うのですが、どうですか。
○小沢国務大臣 この点は非常にめんどうな問題でございまして、OECDの考え方はむしろそれを、先生の御意見と逆に、かぶせるような意味において考えておるようでございます。ですから、私ども、どういうふうにこれを考えていったらいいのか。いま先生のおっしゃるような、それを消費者から物の値段を通じまして企業が回収していくということを防止する手段、方法があるのか、実は非常に困難な問題でございますので、私自身は初めて着任しましたときに、そういう知識も経験もなかったのですけれども、生活関係から出てくるものの中でも、たとえば化学的洗剤とか、あるいは基本的にはもう全産業に通ずる石油の問題とか、いま石油関税については御承知のとおり石炭特会に全部つぎ込んでおるわけでございますけれども、ここでは石炭関係の中で起こる公害の処理にもその金を使っているわけでございますが、そういうものをひとつ一部全般的に公害の対策費に使う方向はないのか、いろいろ研究すべきじゃないかと思って、一つの素人論として省内に提起しまして検討を願う。今度の自動車排ガス問題でも、中古車なりあるいは高公害車が出た場合にそういうような考え方はないかとか、いろいろ検討はいたしておりますが、まだ実は明確な結論まで至っておりません。その手段、方法なりあるいはその結果起こるいろいろな影響なりというものを考えますと、そう簡単にはこれは決められない問題でございますので、どうも明確なお答えができなくて恐縮なんでございますが、非常に頭を悩ましていま目下検討しているというのが実情だと思います。
○原(茂)委員 きのう大臣は予算委員会で、大分いまの排ガス規制、五十一年度規制を強い姿勢で答弁をされていたのを聞きました。まあまああのぐらいに肩ひじ張らないとちょっと後ろに何か隠せないんじゃないかな、私こう思ったところでした。 いずれにしてもああした、私どもから言うと大後退をしたというときに、ちょうど広島県で公害車増税ですか、というような方式を打ち出して、やはり県民の健康を守るためにという前提で高公害車に対しては一〇%の増税、それから低公害車に対しては四五%の減税という思い切った——その幅が五五あるわけですね。五十年度からそれをやってやろうというような意気込みで、広島県方式としていま打ち出しているのですが、これはやがて実施されると思うのです。そうすると、東京都以下全部これを右へならえすることはもう明瞭です。今日まで中央の政治が一部動かされた現象として、七十歳以上の老人に対する医療の問題ですとか、あるいは乳幼児の医療問題、地方でずっとやってきたという実態がある。中央もこれを取り上げざるを得なくなってきたというのと同じような結果になって、この広島県方式の公害車増税というやつがやがて実施されてくるだろう。やがて中央も取り入れざるを得ない。かつて、この問題に関して大蔵省、自治省も大いに乗り気になってやろうとしたやつが、トヨタその他中心の大企業からの圧力でずっと後退してしまったというようなことが報道されている。その真偽のほどはわからないのですが、こういった広島県方式がすでに打ち出されて、これが実施に移されようとしている。これも私は、いま言った環境破壊型のものに対して間接徴税をしていくんだという考え方のちょっと形の変わったものになるんじゃないか、こう思うのですが、隗より始めよという言葉がありますが、この五十一年度規制があれだけ後退したということになったら、まあトヨタは別にして、東洋工業その他、やれると言ってすでにやっているところがあるものに対してはやはり減税の措置を講ずる、高公害車に関してはやはり増税をするといったこの広島方式というのは、非常に参考にすべきじゃないか。地方自治体がやがてできて、東京その他がずっとすぐにもうやることは明瞭なんですが、しかし、名目は、高公害車に対して懲罰的な増税をするんだという名目じゃない。地方自治財政が非常に困難だから新たな税源としてこれをやるんだということじゃないと、自治省がうるさいし、環境庁長官もうるさいのかもしれない。とにかく、なかなかできそうもないというので、名目はそういう名目じゃない、地方財政を救うんだ、こういうことになっていますが、私はこれは一考に値すると思うのですが、長官どうでしょう。
○小沢国務大臣 広島県の考え方は、環境庁から見ますと、自治省さえ許してもらうなら大変いいことだと思っております。ただ、あれはユーザーから直接、保有税でございますので、先生の言われるこのいまのチャージ問題を解決するときに消費者にはいくなという思想とは、ちょっと自動車はそういうわけにはなかなかいかないわけでございます。 この点は、私ども五十一年規制を総合対策の中で、より環境基準を達成するために総合的な対策で補っていこうという考え方の中の一つの大きな項目として、税による誘導を考えておりますので、この前の、現在大蔵委員会で御審議を願っている自動車の物品税その他の問題は当面の五十年度の措置として考えておりまして、これからの、いま先生がおっしゃったような考え方の税制はいま閣僚協で鋭意検討していただいておりまして、これは五十一年度から実施することになりますが、しかし、なるべく早目に決定してそれを出して、そして、駆け込みの生産だとかあるいはその他いろいろな問題をいまからひとつなるべくチェックをしていこうという考え方で検討を進めておるわけでございまして、先生のおっしゃるような、あるいは広島のそういうような方式がとれるのかどうなのか、あるいはチャージという形でとれるのか、そういう点をいま含めまして検討しております。考え方としては、方向としては私も実はそうありたいと思って、いろいろいま苦慮して検討している最中でございます。
○原(茂)委員 おっしゃるとおりチャージそのものではない。私が言ったようにちょっと変形のものですが、いずれにしても現在の段階で、高公害車と低公害車がせっかく出ているのですから、これに対して税制上からやはり考えていくことは非常にいいことだと思うので、いま原則としては自治省が許すなら替成だとおっしゃったけれども、事実そういう方向で、これがやがて、地方自治体各所でやるようになって中央もやらざるを得なくなるのだから、五十二年まで待たなくても思い切ってやっていいんじゃないかと私は思いますから、そういう意味の検討をひとつお願いしておきたい。 最後に、地熱発電に関して、時間がありませんから簡単にお伺いしたいのですが、科学技術庁なりあるいは学者の試算によると、ある人は、わが国の地熱発電は二千万キロが可能だと言う。ある人は、一億以上あるだろうというような人もある。しかし、そのことは別にして、通産省が少なくとも六十年までに六百万キロワット。最低でも二百万キロワット、そうして、よく条件が整えば六十年に六百万キロワットまでという考え方を持っているわけですね。そして、すでにこの三カ年を通じて、今年度までに三十カ所の調査をし、その前段調査は工業技術院がやって、資源エネルギー庁がその精密調査をやるというのが五つ終わり、十五かかり、残り十をやるという、三十カ所すでにやることになっているのですが、その七割ぐらいが国立公園、しかも特定地域の中にひっかかるものが非常にあるんですね。これは確かに環境破壊、環境保全という立場から言うと大問題だと思います。環境庁、あるいは国土の保全、澄んだ空気、きれいな水、緑をとをいうわれわれの念願から言うなら大問題には違いない。 しかしながら、一方においては、やはり総合エネルギーの立場から考えたときに、原子力はだんだんいま大きな問題が起きて、ある意味では後退しているという状況がある。原子力に六千万キロワットを期待しながらやっていっても、アメリカですら沸騰型に関しては一時全部ストップする、日本でもこの再点検をやらなければいけない、新たな建設に関しては土地に大きな問題があってなかなかできないというような状況になってきている。火力、水力には限界が出てきているということになって、しかも油は御承知のように、オイルショックをわれわれに与えて以来いまだに不安定な状況にある。 かれこれ考えていくと、わが国のエネルギー源の大きな一つとして、特に四十八年以来のサンシャイン計画などから言っても、この地熱発電というものに相当力を入れなければいけないと思うのです。通産省からきょう来ていただいているのですが、エネルギー庁の伊藤火力課長さんが来ているのですね。火力課長さんに先にお伺いしたいのですが、六十年で六百万キロワットぜひやりたい、三十カ所の調査を現在やっているという現状について、ちょっとお聞かせをいただきたい。
○伊藤説明員 ただいま先生御指摘ございましたように、地熱開発の調査につきましては、四十八年度から基礎調査、前段の調査を始めまして、四十九年度から後段の精密調査を実施いたしております。現在、基礎調査は十五地点、それから前年度の五地点、二十地点が調査中でございまして、近くその成果がまとまる。その後を受けまして、私ども精密調査を実施いたしているわけでございまして、この三年間のまとめができましたところでさらに企業化のベースに乗るわけでございまして、六十年の六百万キロにつきましては、これら三十地点に平均約二十万キロワットの開発が期待できる、そのような根拠から六百万キロを期待して調査を進めておるわけでございます。
○原(茂)委員 伊藤さん、その中に長野県の焼岳が四十九年度に入っていますね。五十年度に長野県の白根北部が入っている。これに対してはどのくらいの出力を期待して調査をしているのですか。
○伊藤説明員 御指摘のとおり、四十九年度の焼岳地点は、岐阜県から長野県にまたがります広域の調査を実施いたしております。この後を受けまして私ども資源エネルギー庁の精密調査にかかるわけでございまして、現在のところは平均的な地域のモデルとして二十万キロワット程度ということでございまして、基礎調査、精密調査の結果を待ちませんと、先生御質問の正確な数字が申し上げられない段階でございます。
○原(茂)委員 平均二十万キロを目標にして調査を始めた、この問題について実はきょう相当お伺いをしたかったのですが、時間がないようですから、最後に、環境庁が地熱発電に関して、環境保全というたてまえから、とにかくやらせない、やってもらいたくない、こういうお考えだろうと思うのです。特定地域の中においては特にそうだということになると思うのですが、七割くらいが、環境庁が認めなければできない場所を、通産省はすでにやっている。あるいは調査をし始めている。しかも、いままでの事例から言っても、四十八年度には大雪山が許可になってみたり、あるいは大雪山中に発電所の建設が、地熱ではないのですよ、これは環境庁の審議会が答申して認可を与えているというようなこともある。地熱発電に関しても、新たに八幡平ですか、松川に認可を与えているという例もあるのですが、一体、わが国のエネルギー事情を考えたときに、ある程度、この状況をできる限り勘案しながら、地熱発電というものに対する推進を考えていく必要があるのじゃないか、こう思うのですが、環境庁としては絶対にそういうことはできないというような立場だけをいままで聞いておりますが、しかし、前向きで環境庁としてもこの種の問題に取り組んでいかなければいけない刻下の事情にあるという前提で、考え方をお答え願いたい。 〔森下委員長代理退席、委員長着席〕 時間がありませんので、総括質問ないし科学技術庁のときに、この問題はまた引き続き詳しくお伺いをいたしますので、それを前提にして御答弁をいただいて終わりたいと思います。
○小沢国務大臣 先生の御意見ではございますが、私は、国立公園の大事な特別地域を使わなければならないような地熱発電については、いまのところ、率直に言いまして消極的でございます。 六百万キロワットという御計画だそうでございますが、もう少しいろいろ研究を進めてもらえぬだろうか、そうした自然保護で最も大事な、しかも後代に私どもが本当に残していかなければいけない貴重な自然というものを破壊をしなければ地熱発電というものは技術的にむずかしいのかどうか、この点も、やはり余りイージーに考えないで、もっと本当に技術的に深くボーリングできるような技術がないものか、全く素人論で恐縮なのでございますけれども、むしろ、私どもの立場からすると、そういう点のあらゆる検討をしていただかなければいかぬのじゃないだろうかと思っております。 なお、この地熱発電の場合に、外部から見た自然景観の破壊のみならず、やはり有害ないろいろな物質が出てまいります、その公害という問題を、水質なりあるいは健康の問題から十分検討していかなければいけませんし、エネルギー政策から言えば確かに少しでも、あらゆる手段、方法をもっていまのあれを補っていかなければいかぬわけでございますけれども、一方、本当に後代に伝える大事な自然の最も大切なところを軽々に破壊するわけにいかない。したがって、二十年、三十年先にエネルギーの状況がどうなるかという点も考えて、そのときになってから私どもは後悔するような環境なり、政治、行政をやってはいかぬと考えますので、そういう意味でいま慎重に御答弁申し上げているわけでございますが、いろいろな、本当の長期的なエネルギーの他の分野における、たとえばいま原子力発電は、おっしゃるように安全性の問題その他でいろいろ問題がございます。しかし、核分裂によるエネルギーを使うほかに核融合による問題が、学問的には日本は非常に進んでいるわけでございますし、こういうような問題が実用化される時期というものが果たして何年先になるのかという点も考えまして、私は一概に、代替エネルギーの開発研究というものを全部否定する考えではございませんけれども、本当に私どもが、とにかく三十年、四十年、五十年先に悔いを残さないように、もしそのときになってから悔いを残すようでありますと困りますから、そういう面で慎重に、こういう地熱発電については特に地域的な問題で検討をしていかなければいけないというふうに、基本的にはそう思っているわけでございます。 なお、勉強不十分でございますから、いずれ——当然、環境行政は、何もかも一切の経済活動、生産活動を禁止するのが能じゃありません。国民の経済活動というものに対して適切なコントロールをしていかなければいかぬわけで、それじゃ適切な分野とは何だ、範囲はどうだ、程度はどうだと、こういう問題があるわけでございますが、いまのところは、私まだまだ、もっと技術的な可能性について十分よく検討を進めていくべき幾多の問題があるんじゃないかという気がいたしまして、大変恐縮なお答えなんでございますが、私の立場からしますと、いまのところは、慎重に考えさせていただかなければいけないという立場でございます。
○原(茂)委員 日本では、御存じのように二ヶ所で三万三千キロ試みにやっている。もうできましたね。イタリア、アメリカ、ニュージーランド、アイスランドというような順序で、すでに百万キロになんなんとするところ、何十万キロやっている。こういうところは、やはり環境庁としても、環境問題をどうしているかを調べていただくようにお願いしたいと思います。そうしないと日本の国内だけで、いまおっしゃった答弁だけでいってはいけないので、やはりすでに先進国はやっていますから、イタリアなんか一七七七年から硼酸をとるためにやったわけですから、ああいうところをずうっと今日までの歴史を調べていただきまして、いまの四ヵ国くらいの環境は環境庁としても調査をさせるというくらいのことを、ぜひひとつやっていただくようにお願いをしたいと思います。では、これで終わります。
○井原委員長 庄司幸助君。
○庄司委員 いまの地熱発電の問題が出ましたので、これは飛び入りになりますが、ちょっと質問いたします。実は地熱発電所の問題、私も若干調べておりますが、宮城県の鳴子温泉があるのですが、その奥の方に鬼首という国定公園があるのです。そのど真ん中の中心部分、非常に景観のいいところで片山地獄というのがあるんですが、ここに地熱発電所ができて、いまやっているわけです。ところが、去年の夏現地を見ましたら、本当に天然ものの五葉の松の大木が群生している場所、ここに地熱発電所ができてそれで五葉の松が枯れる、こういう事態が起きているわけです。この問題が地元の観光関係の方々に大問題になりまして、全くひどいことをやる。しかも私、現地へ行って発電所の方から聞いたら、原価はキロ当たりたしか十円近くかかる。なんか七円という数字もありますけれども、それじゃ、もうこれは、東北電力がもしあそこから買電するとなれば、そんな高い電力を買うはずもない。非常に採算割れの問題もあるんですね。それから八幡平の話も出ましたが、ここでも松川の地熱発電、これも地元で問題になっておるわけです。それから大分の地熱発電ですね。ここでは砒素が湧出しまして相当量が出ている、こういう話を聞いております。この砒素をどう始末するのかということで、何か穴掘って埋める。そうすればまた雨水に溶けて砒素が今度川に流れる、こういう問題もあるんです。 ですから、私は、環境庁長官が非常に慎重に構えておられる点は一応評価はできるわけですが、この点、具体的に環境庁、地熱発電によるいわゆる環境破壊がどういうふうに行われ、有害物質がどういうふうに飛び出してきているのか、この辺の御調査をなすっているかどうか、その点だけひとつお伺いしたいと思うのです。 それからもう一つ、これは環境庁の関係ではないかもしれませんが、温泉地帯が周囲にあるわけです。温泉源が枯渇する心配もされているわけですから、その辺の御調査もなすっているかどうか、一言、簡単で結構ですから、お答え願いたいと思います。
○春日政府委員 現在、実験的あるいは研究調査的な段階で、全国で六カ所の地熱発電所を認めておるわけでございますが、先生おっしゃいますようにいろいろな問題がまだございまして、物理的な自然破壊の問題、それからいろいろな砒素その他の有害物質の問題があるわけでございます。したがいまして、現在は実用化を促進するという段階ではまだない、あくまでも実験、研究調査、有害物質にどういうふうに対応するか、あるいは自然破壊というものをどういうふうに考えていくか、その影響がどうなっているのかということを、慎重に調査、検討をすべき段階だと思っておるわけでございまして、現在そういう面につきまして、環境庁といたしましても調査研究を進めていこうと考えておる次第でございます。
○庄司委員 そうすると、いまから御調査なさる。そういういまからの御調査の前に、そういう環境破壊が起きているという実例、私申し上げたわけです。ちょうど、景観の非常にいい中心部に宇宙人が惑星か何か乗ってきて突然おりて、にょきにょきと冷却塔なんか立っていますからね、これが環境とマッチするなんという考えは、とうてい考えられない問題なんですね。ですから、実験段階でもう環境破壊が起きているという問題ですね。これは長官にもひとつ、ぜひ頭にとめておいていただきたいと思います。 本論に入りますが、きょうは公害防止事業団の業務のあり方の問題でお伺いしたいと思うわけです。 四十五年度の会計検査院の検査報告を見ますと、何か工事数が十六やって、四千四百八十五万八千円の適切でない工事費を出している。原因は何だというと、敷地造成工事の施行の際、設計や積算や施工管理の大部分をこの建設コンサルタントに任せっ放しだ、こういう指摘がされているわけです。 それから、翌年の四十六年の検査院報告によりますと、今度は貸付金の問題ですね。対象外の事業に貸したとか、あるいは貸した後対象外に転用されているとか、その資金の一部が流用されちゃったとか、それから目的外のことに一時使用されている、こういう指摘をされて、原因はやはり受託金融機関に対する監査指導がおろそかであった、こういう指摘があります。それから四十八年度の検査院報告を見ますと、これは宮城県の多賀城のいわゆる緩衝緑地帯、この造成事業ですが、これは監督や検査が適切でなくて九百四十八万円余過大支払いをやった、こういう指摘がされているわけです。これも地盤沈下の測定方法で過ちがあった、こう言われておりますが、どうもこうしてみますと事業団、後からも申し上げますが、いろいろ問題点があるんじゃないか、こう思われるわけです。 その点、会計検査院にお伺いしますが、会計検査院は事業団に対するこういった三年の指摘、その前は私まだ見ていませんが、その検査を通じて会計検査院として、どういう問題点を事業団として抱えているのか、その辺ひとつ総括的に簡単にお答え願いたいと思うのです。
○中村会計検査院説明員 ただいま庄司委員からお示しがありましたように、私どもで公害防止事業団を検査いたしました結果、是正処置を要求したものが二件、不当事項一件というものが検査の結果上がっているわけでございます。 この直接の原因につきましては、ただいまお示しのようなことだろうと思いますが、もっとさかのぼって、事業団自身にどういう問題点があるかという御質問かと思いますが、端的に申し上げまして、たとえば最初にお挙げになりました土地造成事業、これは四十六年当時でございますが、これを担当しております職員がたしか当時として七名、しかもこの七名の職員の方の専門と申しますかは、むしろ土木関係よりも公園をつくるという方の専門の方がほとんどだ、そこら辺に、人数の点もございますし、それから専門の関係でも、そういった土木関係に余り得手でなかったのじゃないかというようなことが考えられるわけであります。それから、その次の四十七年の貸付事業につきましても、その融資を担当しております職員が、ちょっと私、正確な数字は覚えておりませんが、十数名だったというふうに記憶しておりますが、この人たちも、事業団早々ということもございまして外部から来られたというようなことで、やはり余り事務になれておらなかったというようなこと。 それから、最後の不当事項でございますが、これはちょっと事情が違いまして、土量の沈下の深さのはかり方に多少ずさんな点があったのじゃないか、もっと慎重にはかっていけばそういうような間違いはなかったのじゃないかというようなことでありますので、これは前の二つの点とは多少原因が違うのじゃないか、そういうふうに私どもとしては感じております。 以上であります。
○庄司委員 事業団の理事長さんいらしていると思いますが、これまで事業団で事業をなさって譲渡した、それから貸し付けをやった、そういう中で、いわゆる期限が来ても償還されない、償還繰り延べ、何件でどれくらいあったのか、それからその原因はどういうところにあるのか、これは簡単で結構ですから、ひとつお答え願いたいと思います。
○熊崎参考人 公害防止事業団の理事長でございます。償還繰り延べの件数につきましては、いま詳しい資料を実は持っておりませんけれども、相当の方から聞きますと二回程度でございまして、そう多額なものにはなってないように考えております。ただ、最近になりまして、造成事業につきまして、相手方が中小企業でありますために、このように景気が悪くなっております関係上、償還を猶予してもらいたい、繰り延べしてもらいたいというふうな要望が出ておりまして、それにつきましては、ただいま私の方で検討いたしておるところでございます。
○庄司委員 実は、私が聞いている範囲で、いま会計検査院が指摘なさった事項以外に若干問題点があるようだ、それを申し上げてみますが、一つは、塩釜市の水産加工団地をつくって譲渡されたわけです。これはもう衆議院でも参議院でも大分問題にされまして、第一次の分はもう論議済みの問題でありますけれども、このケースなんか見ますと、公害がどういうふうに発生するのか、どう処理するのかという基礎的な問題については、事業団自体にスタッフがいなくて、何か日本衛生協会に排水の基礎データを委託されてつくられた。それから施工業者も、これは住友重機にやらせた。ところが、これはいずれもデータの収集違いといいますか、あるいは設定の違いといいますか、それから施工の問題もありまして、地元の業者やあるいは地元の自治体に多大の迷惑をかけた、これはもう参議院でも衆議院でもやられた問題ですから……。 それから、それで済めばよかったわけですが、新たに第二次の団地造成をおやりになった。これはもう契約も済んでいる。そうしたら、この第二次加工団地の中の集水管が故障を起こして、水を集めるはずのものが、逆に亀裂か何かあったかしれませんが、いわゆるヘドロの浸透水、これが一日千トンくらい流入してくる。団地の方の業者は大変困りまして、これをピットに集めて、それからポンプアップをして排水処理槽に入れる。自分たちが出したものを浄化するのは、これはやむを得ないわけですが、よけいな土壌の堆積したヘドロの分までおたくの事業によって、いわゆる公害処理をしなければならない、こういう事態が起きて、いろいろすったもんだしたあげく、たしか去年の九月ころだったと思いますが、おたくとの話し合いで、結局、こういう状態ではとてもじゃないが業者も赤字になる一方だ、それでもう償還金、いま払える状況にないというので、三千万ほどですか繰り延べなさったというお話を聞いているわけです。しかも、こういう団地の業者の中で排水処理をやる、そのよけいな分、これはまあ業者からは普通、排水処理費用は一トン当たり百二十円取っている。ところが、おたくからちょうだいするわけにいかないだろうかと思っても、いろいろ金を借りている弱みもあるでしょうから、請求もできない。一トン百二十円で、千トンにしますと、幾らか減ったろうとは思いますが、一日十二万円、この分だけでかかるのですね、集水管の亀裂から入ってくるヘドロの水だけで。そうすると、十日で百二十万、百日で千二百万、こうかかっているわけです。だから、こういう実態が一つ起きているということは間違いのない事実でございます。それからもう一つ、私、不思議に思っておりますのは、おたくが、下関の共同利用建物、山口県下関造船関連事業協同組合、ここに譲渡された建物並びに土地の問題をめぐって、やはり疑惑があるわけです。これはおたくの四十五年度事業です。これを見ますと、土地の問題で申し上げますが、東亜港湾工業株式会社から一万五千平米を買った、単価は六千二百八十円だった、それから同じく東亜港湾工業株式会社から二千五百十九平米買った、この単価は六千八百円、図面がありますが、それから今度は東和造船株式会社、これは譲渡の相手方の一メンバーですが、ここから五千九百二十平米買っている。この値段は平米当たり五千百五十一円です。ところが、これが地元の方のお話を伺うと、この地図見にくいだろうと思いますけれども、いわゆる一万五千平米分、それと五千九百二十平米分、つまり東亜の方と東和の方と二つの会社から買った土地の分が実は、いわゆる協同組合の有力メンバーですね、有力メンバーというよりは主力メンバーですが、この東和造船でその前の年あたりに買っておいた土地なんだ、どっちも。そうして登記だけはしないでおいて、この一万五千平米分、これを東亜港湾工業株式会社の方から直接事業団が買ったようにしたのだ。その差額約千七百万円ぐらいが東和造船株式会社が事業団に売ることによってもうかったということが、地元で言われているわけです。そうすると、東和造船の方は——十九業者が一緒になって協同組合つくって、共同利用建物をおたくの方から譲り受けたわけですが、実際はここが親会社みたいなもので、あとは下請ですね、十八社というのは。こういう土地購入代金も、おたくとの契約によれば割賦、つまり分割払い、長期にわたって払っていけばいいのですね。土地でもうけた上にしかも長期で支払える利益を得た、そういううわさがあるので、私は、これはあってはならないことなので、こういう疑惑もあるのだということを申し上げておくわけです。 そういう事業の失敗もあれば、それからこういう土地購入をめぐって、これは疑惑とだけ申し上げておきますが、そういうものもある。だから、その点やはり事業団として、先ほど会計検査院からの御指摘もあったわけですが、やはりスタッフの問題というのは非常に大事な問題じゃないかと私は思うのですが、これは御指摘だけ申し上げておきます。 それで、お伺いしたいのは、こういった事例や会計検査院の指摘から言えることは、塩釜の事例なんかは、公害防止を目的とした事業をやりながら、何らかの失敗があって二千一三〇PPMの設計が、原設計ですが、そしてそれを落として、たしか一〇〇PPM以内におさめるという設計だったんですが、それが一〇〇PPMどころか、何か一万PPMぐらい、百倍ぐらいの公害が出た。だから、公害防止事業団ではなくて、公害倍加事業団だなんて、大変失礼でありますが、市民の中に声があるわけです。だから、そういう点で、能力がないとは私言いませんけれども、大分不足しているのではないか。公害防止事業団法の第一条の趣旨から見ても、この点が不足しているのではないか。 それから二番目は、造成土木工事を行いながら指導、監督、検査の能力が欠けているという問題、それから融資をやりながら監督、指導、検査能力、この問題でやはり問題がある。それから下関なんかの、これは疑惑の範囲ですが、業者に利用されてもうけられたというような問題点もありはしないか。 その点、ひとつ事業団の理事長さん、それから環境庁の長官、どうお思いになるのか。それから、御反省があるのかないのか。その辺、簡単で結構ですから、ちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。
○熊崎参考人 お答えいたします。 庄司先生からいろいろ御指摘を受けまして、また会計検査院の方からも、過去三回にわたります事項につきまして御指摘の中身につきましての御意見も承ったわけでございますが、御承知のように事業団はいろいろと仕事を手がけておりまして、政府から委託を受けております仕事の割りに人員が多少少ないのではないかという感じは私、常日ごろから持っておりますし、また、技術関係の職員につきましても必ずしも十分ではないということは、私も日ごろから痛感いたしておるところでございます。しかし、ことしになりまして事業団が発足いたしましてちょうど十年になりますし、やはり事業の進め方、それからまた事業団の基本的な問題等々につきましても職員と十分相談をいたしまして、今後の事業内容の改善、また、従来指摘を受けましたようなことのないように業務改善を図りたいというふうに考えておる次第でございます。 御指摘になりました点につきましては、下関の関係につきましては、四十五年度事業でございまして、なかなか当時の事業につきまして、私もおりませんでしたし、つまびらかにいたしておりませんけれども、少なくとも事業団が買収に当たりまして何らかの他に指摘されるようなことをやったというふうなことは、私は全然聞いておりませんし、そういうことはなかったというふうに信じておりますけれども、後段御指摘になりました塩釜問題につきましては、大変地元の方々にも実はたび重なる御迷惑をかけておるわけでございます。しかし、この方もその後、昨年来、鋭意地元の不満を解消するために努力いたしまして、昭和四十九年の調査時におきまして一日一千百トンくらいの汚水が出ておりました分が、その後改修工事を実施いたしまして、昨年の十月三十一日の測定の段階では三分の一程度の三百八十トンということになりまして、市長も上京されまして私もお会いしましたけれども、この程度の漏水であるとすれば社会的に大体妥当なところではなかろうかというふうなことで、現在市当局側も納得をいただいておるところでございまして、とまれ、いろいろと私どものやりました事業につきましていろいろと御不満があることは私も承知をいたしておりますし、今後関係当局の御協力をいただきまして、人員あるいは業務内容の改善等につきましては十分努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○小沢国務大臣 公害防止関係のいろいろな事業が、私どもの公害規制というものを強くすればするほど需要が多くなってまいります。その意味において、公害防止事業団の使命とその責任は非常に大きくなりつつあるわけでございますが、一方、人員の定着やあるいはスタッフの増加がこれに伴っていないという点で、いろいろ行いました、特に直接事業をいたしました共同排水処理施設等について、一部十分にその機能を発揮できなかったというようなことで大変御迷惑をおかけいたしましたことは、私も遺憾に存ずるところでございます。したがって、どうしてもこの事業団の職員の量、質、それらを今後確保を十分にいたしていかなければならない、これは当然でございます。ようやく来年度では百名を超すようになろうかと思いますが、この点についてなお監督官庁、また、実際の推進をしていかなければいけない私としてこれからも大いに力を入れまして、それぞれの専門家が確保できるように、また人員についても必要な人数が確保できるように、一層努力をしてまいりたいと考えます。
○庄司委員 具体的な問題で、市当局が、三百八十トンぐらいなら常識の線だから納得せざるを得ないとおっしゃったそうですか、私は、これが常識だかどうか判断に苦しむのですよ。確かに塩釜市の上水道は漏水率が高いのですけれども、しかし、事業団がやった集水管の事業で三百八十トンで納得がいくとかがまんができるとか、これは私は考えられない問題なんですよ。この分、結局処理しなくちゃならないのですからね、よけいな分を。 まあ、それは後でまた申し上げますが、そこでこの事業団の歴代の理事長さんですね、今度の理事長さんは厚生省御出身らしいですが、前の方々はほとんどが警察畑だ、こう伺っているのですが、その辺、お名前と警察庁の地位ですね、ひとつ簡単にお答え願いたいと思います。
○小沢国務大臣 初代はたしか原現参議院議員。前職は、理事長になる前は警視総監。二代目が江口さんといいまして、警察庁長官をやった方でございます。三代目が、前に厚生省事務次官をおやりになりまして、その後二年ばかり環境関係のいろいろ事業団の仕事をおやりになりました、現在の熊崎理事長でございます。
○庄司委員 だから、これは警察畑、まあ警視総監とか警察庁の重要な地位にある方々が、どうもいまの理事長さんの前はずっと歴任なすってきた、その辺に私はやはり問題があったんじゃないかと思うのですよ。警察畑でこの公害の事業をうまくやれるか。それで現にうまくいってないという事例が出てくるわけですから、まああなたの代ではないにしても、こういう人事、これは長官人事ですから、やはりぼくは何か警察のシマ——シマと言うと語弊がありますから取り消しますが、なわ張りみたいに公害防止事業団が考えられていたんじゃないか、こういう感じさえしているわけです。 それからもう一つ、これは時間がありませんから私言いますが、スタッフの問題ですね、大変出向者が多いのですね、各省庁からの。厚生省から十六名出向している。通産省から九名だ。建設省から四名だ。大蔵省四名で、合計三十三名だそうです。百二十四名中、中堅スタッフが三十三名も出向者だ。平均の勤務年数は何年か私わかりませんが、きのう伺った話では二年ぐらいじゃないか、こう言われておるのです。これでは私は、定着するはずがないと思うのですよ、技術の問題でもあるいは指導監督、検査の問題でも。だから、公害防止事業団がこういった腰の落ちつかない——まあ、この出向された方々には大変お気の毒で、本省にいればもっととんとん拍子に御出世なさるかもしれない、本当にお気の毒だと思うのですが、こういう出向人事で中堅スタッフが構成されているとなれば、やはり検査院の指摘のような事態が出てくるのじゃないかと私は思うのです。その点、長官でも理事長さんどちらも、いま申し上げた理事長さんの問題点、それからこの出向人事の問題ですね、これは当然、相当真剣に考慮しなくてはならない問題だろうと思うのですが、その辺どうお考えですか。
○小沢国務大臣 塩釜に排水施設につきまして十分機能を発揮できなかった例がございますので、私はどうも、そういうふうに先生がおっしゃることもまた、一部においてはもっともだとは思いますが、警察庁の関係者、内務行政を広くやった経験者でございまして、内務行政というのはまさに昔から牧民官と言われまして、各県のあらゆる総合的な行政を経験した人でございますから、理事長が二代続いて警察畑だからこういう問題が起こったと御認識なさるのは、私は少しいただけないのでございまして、それよりも、あそこの土地柄を十分調査し、地盤関係あるいはまた技術的にまだこの排水、水処理施設の技術が民間においてもなかなか進んでいなかった点等もあろうかとは思いますが、いずれにしましても、十分な技術者が確保されていなかったことに最大の原因がございますので、これからはそういうことのないようにいたしていきたい。できるだけひとつ配慮をいたします。 なお、出向の問題でございますが、私は、出向者必ずしも能率が悪いとは思っておりません。むしろ、それぞれの関係の各省から参りまして、そしてまた、それぞれの関係各省で経験を積んでいただいたその経験を自分のものとして公害防止事業団で大いに精励をしていただくということは、決して悪いことではないと思うのでございます。先ほど二年と言われましたが、大体平均しますと四年でございまして、それは個々によってはいろいろ違いがございますが、出向必ずしも全面的にいかぬのだというわけにいかぬと思いますが、いずれにしましても、私は環境庁の長官として、公害防止施設のあらゆる、いま公害防止事業団がやっているようなこと、大企業の新規のものについては開発銀行でやるとか、いろいろなことを言われておりますが、これはひとつ、国の能率から見ても、公害防止事業団に一本化すべきじゃないかとさえ思っておる、もっと強化したいと。それには、そういう点を一つの機会にとらえて、ひとつ人員も強化して、いささかもそういう非能率的な事業の遂行がないようにいたしたいと考えておるのでございますが、そんなことを私が言いますと、各省それぞれなわ張りがありまして、そんなのをとられたら大変だというようなことで、相当の抵抗があるかもしれませんけれども、私は、環境行政を民間に厳しい基準を押しつけていく場合には、やはりそれに必要な、ことに中小企業等については十分な配慮をしていかなければいかぬ。その配慮の機関が公害防止事業団だと思いますので、ひとつ御指摘の事項が今後起こらないように、強化拡充に向かって一層努力をいたしたいと考えております。
○庄司委員 この高級官僚の天下り人事の問題ですね、当委員会でもたびたび指摘されているわけですね。それから世の糾弾を浴びているわけですが、地元の方が申されているのは、とにかく、ミスを起こすとその担当者がいなくなってしまう。だれにかかっていいかわからない。だれが責任をとるのだ。被害をこうむった方は、やはりお金を借りている手前がありますから、文句が言えないのですよ。なかなか、思い切ったことも言えない。 その点でやはり私は、具体的に改善するとなれば、理事長さんについては——さっき長官が、内務省出身でいろいろ見ていると、こうおっしゃっていますけれども、これは私は見解が違うのです。内務省というのは人民弾圧の相当の大きな部分を果たしたという歴史があるわけですから。それはともかく、公害問題というのは、内務省時代、余りなかったのです。しかも、技術的にも非常に高度になっているのですね。そういう点で、公害問題のキャリアのある、実力のある方、こういう方が理事長に就任される、これが一つ大事な点だと思うのです。 それから二つ目には、やはり理事の方にも、技術の問題や金融の問題やあるいは価格の問題に相当明るい方を選ばれる。 そして、もう一つは出向の問題ですね。やはり事業団内部にも若手がいらっしゃると思うのですよ。ところが、中堅は出向者に占められる。そしてどこかへ行ってしまう。これではうだつが上がらないのですね。だから、やはり若手の人を尊重して、こういう人を育てていって出向者をどんどん減らしていく、こういう体制をおつくりになる必要があると思うのです。 その点いかがでしょうか、ひとつ簡単にお願いいたします。
○小沢国務大臣 先生のおっしゃるような意味で、現態崎理事長は最も適任者を得たと思っております。 それから、若手の育成についてはおっしゃるとおりで、私が先ほど言いましたのは、それを否定した意味で申し上げたわけじゃありません。できるだけ公害防止事業団本来の職員として将来とも情熱を打ち込んでいけるような、そういう人材を養成していくべき御見解には賛成でございます。 それから、理事なり、あるいはその他部長、課長等に公害関係に明るいいろいろな技術者を配置すべきじゃないか、これもごもっともな御意見でございます。 現在のところ、早急に人員、予算の点でできないかもしれませんが、私も公害防止事業団の強化については真剣に考えなければならないと考えておりますので、十分御意見を体して検討をさしていただきます。
○庄司委員 それから、私は検査院に一言伺いたいのですが、塩釜の場合、やっぱり不経済の問題があると思うのですね。こういった問題とかあるいは地元への迷惑の問題は、これは会計検査院の所管じゃないかもしれませんが、これはひとつ調査を一遍していただきたいと思うのです。これは決して事業団を糾弾する意味じゃありませんから……。不経済ですからね、問題は。それから、疑惑があるわけですから、私は国民にかわって、こういう疑惑があると申し上げているわけですから、これについてもひとつ調査していただきたい、こう思うのですが、どうでしょうか。
○中村会計検査院説明員 ただいまの塩釜と下関の関係につきましては、本日お伺いいたしまして、つまびらかにいたしておりませんが、お話の内容から拝察いたしまして、事業団の事業としては過去にもう済んだということかと思いますけれども、私どもの考え方といたしまして、公害防止というのは、物をつくってしまえばそれでいいというわけではございませんので、その効果が上がって いるかという意味では、多少従来の検査とは違うかと思いますけれども、事後のトレースということについても考えてみたいというふうに思っておりますので、ただいまの件につきまして、今後私どももそういう意味での検査ということをやってみたいというふうに考えております。
○庄司委員 それから、事業団にお伺いしますが、塩釜の問題ですね、大変もう困難な状況にあるわけです、あの加工団地組合が。何遍も財政再建計画をつくってみてはまただめになる。非常に困難な状況なんです。ここがもしだめになると、塩釜市民が税金でこの分、あなたの方にお支払いしなくちゃならなくなるのですよ。その点で、十分この再建計画とあわせて償還期限の問題もひとつ考慮していただきたい。これは具体的な相談をなさればいいわけですから。 それからもう一つは、この集水管の問題ですね。実際、余分な水をあなたの方のミスで処理しているわけですから、これについて補償と申しますか、あるいはめんどうを見るとか、かっこうはどういうかっこうになるかわかりませんが、ひとつ地元とよく話し合って対策をとっていただきたいと思うのです。いかがでしょうか。
○熊崎参考人 御指摘の点につきましては、償還の問題につきましては私ども十分考慮をいたしたいと思いますし、過去におきましても償還を延長いたしておるところでございます。なお、先生の御意見のとおり、地元と相談をして善処いたしたいと思います。 それから、集中管の問題につきましては、実は先ほどちょっと説明が足りなかったわけでございますが、三百八十トン程度というのは多いんじゃないかというふうな御疑問をいただいたわけでございますけれども、これは一方的に私どもがそういうふうに考えて私が発言いたしておるわけではございませんので、実は、非常に塩釜の漏水が多いということで、事業団の方で専門家の方々に調査検討委員会という名目の委員会をつくりまして、委員長には御存じの東北大の松本先生、以下建設省、それから地元の仙台市、宮城県等々から専門家に集まっていただきまして数回検討いたしまして、それで検査の結果が三百八十トンということになりましたので、これならば、大体流入水量の率が三万トンでございますから、そのうちの一・五%の漏水ということになりますので、これはいわば技術者の常識として、社会通念上許容されるべき数値であるというふうに、委員会からのそういう御意見を賜りまして、私、先生の前で申し上げておるわけでございまして、私の方で一方的に申し上げたわけではないことを御了承をいただきたいと思います。
○庄司委員 終わりますが、最後に長官に……。 いわゆる水産加工業ですね、これは日本の一つの、海産物の処理にとっては欠くことのできない問題なんですね。これは日本の沿岸にずうっとあるわけです。このいわゆる排水処理の問題というのは、環境庁も環境基準を定めておられますから、非常に大事な問題になってきておるわけです。この塩釜の問題も、あそこの海域の水域指定がありまして発生した問題なんですね。その点で、環境庁でやはりそういった公害防止の技術開発、これは当然おやりにならなければならない立場だろうと思うのです。法律にもありますから。排水処理の技術とか施設に対する研究開発の問題で、水産庁もこれは当然御心配なすっていると思うんですよ。水産庁は同じ身内の問題ですから。水産庁はセンター方式で、いろいろメニュー方式でやっていらっしゃるけれども、水産庁なりの考えをなすっていると思うんですよ。環境庁と水産庁が別個にばらばらにこの研究開発をやっておられたんでは、非常に不経済だと思うんです。不経済だし能率も上がらないし、開発も進まない。この点、環境庁と水産庁とそれからしかるべき科学者も加えて、大分習熟した科学者も出てきていると思いますから、それで共同の研究体制といいますか、予算もとって、これは合議の上でやっていただきたいと思うんですよ。水産庁は、長官もいらしておりませんから答えにくい面もあるかとは思いますけれども、その辺もし内意があるならば、それぞれ環境庁長官と水産庁の方からお答え願いたい。これで私の質問を終わりたいと思うのです。
○小沢国務大臣 事業団自身も予算を計上しましてその問題をやっておりますが、御指摘のように水産庁でもいろいろ御考慮願っておるわけでございますが、これは日本海にも太平洋岸にも各地でそういうのがございますから、この問題の処理技術につきましては十分協力し合って、本当に排出基準に適合するような処理技術の開発に私も努力をいたします。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、私たちの方でもセンター形成事業で公害防止施設、共同利用施設でございますが、補助してまいっております。そのほかいろいろ公害防止事業団の方にもお世話になっておるわけでございまして、今後ともこのような水産加工公害の防止につきましては、環境庁御当局あるいは公害防止事業団の方と密接な連携をとって万全を期してまいりたいと思っておる次第でございます。
○庄司委員 終わります。
○井原委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 新聞報道によりますと 昨日、三木総理が、自動車の排ガス規制問題に触れて発言があったようでございます。そこで、総理の発言に関連いたしまして小沢環境庁長官の御方針を承りたいと思います。 いわゆる専門委員会の設置の問題でございますが、長官はかねがね、これから一番問題としなければいけないのはトラック、ディーゼル等の排ガスの規制というようなことの御意見を述べていらっしゃったようであります。そのようなことも背景にあるのかと思いますが、これからメーカーがだんだんと技術開発を進めていく、その段階でどうしてもその技術開発の度合いをチェックしなければならぬ。ためには、どうしても専門委員会が必要ではないかということのように承知をいたしておるわけでございますが、長官はこの専門委員会を発足させるというお考えがおありなんでしょうか、いかがでしょう。
○小沢国務大臣 総理は、メーカーの技術開発の状況を常にチェックしてやるためだけの専門委員会というお考えではなくて、もちろんそれも含んではおりますが、五十三年には何とか〇・二五の理想値を達成さすように技術開発の促進を図っていきたいという御念願から、いまの自動車専門委員会八田委員長、いま何とかひとつとどまってもらいたいと思って、お願いはいたしておりますけれども、いろいろな御事情でおやめになりたいという強い申し出がございます。そんなことから、委員会の拡充強化を図っていかなければなりませんし、しかし、御承知のとおり学者の方をお願いをするという場合には、どうしても大学の教授会の了解からいろいろな手続を考えますと相当おそくなるだろう、こういうようなお考えで、とりあえずひとつおまえのところで、いろいろな幅広い専門家の御参集を願っていろいろ討議を、どういうようなやり方をしたらいいのか、あるいは今後とも御協力を願って技術開発の促進を図る意味で、いろいろ御意見を承るような仕組みを考えたらどうだ、こういう御趣旨で、昨日、何かテレビの最後の場面でお話しになったようでございまして、その点は、私ども総理の御意向を受けまして、早急にひとつその体制づくりをやっていきたいと、いま考えておるところでございます。
○坂井委員 長官、つまり設置をしよう、発足をさせようという考えのもとに早急にその準備づくりをしよう、こういうことですね。いつごろの予定なんでしょうか、あらまし、めどとしては。
○小沢国務大臣 先ほど申し上げましたように、大学の先生あるいはその他いろいろ機関におられる——遊んでいる方は少ないものですから、りっぱな学識経験を持つ方々ということになりますとなかなか手続がめんどうでございますが、さしあたり私どもの方で、できるだけ早く発足をさせたいという総理の御念願でございますので——総理はきのう、私御一緒じゃなかったのですけれども、何かその後の記者会見等のお話では、できたら三月中にでもひとつやりたいと思っているんだがなというお話があったというふうに聞いております。きのうの夜でございましたので、まだ私、きょうはよく総理のお考えを承ってお打ち合わせをする間がなかったものですから、その時期のめどはいまのところついておりませんけれども、もし総理の御意見がそうであれば、それは私もそのように努力しなければいけない、かように考えております。
○坂井委員 これはそのような御意見だと思うのですね。できるだけ早く発足させるべきではないか。長官前向きにお取り組みになるように、私いま御方針を承ったつもりでございますので、さらに重ねてお聞きいたしますが、この専門委員会というのは全く新しい編成、構成メンバーで発足させようということなのか。それともいまある専門委員会を、一部メンバーの入れかえ等をしてさらに継続していこう、こういうことなのか、いかがでしょう。
○小沢国務大臣 総理がお考えになりましたのは、先ほど私が言いましたように、中公審の中の専門委員ということに正式になりますと、やはり御了解の手続が相当かかりますので、さしあたって懇談会方式で発足するようなお考えでございますが、そのメンバーについては従来の経過、それから、当面、私どもはトラックの規制強化の問題もお願いをしなければいけませんので、従来の専門委員の方々一部入れかえと言われましたが、家本さんおやめになりましたし、後は大体学識経験あるいは研究機関の長でございますので、この方々はやはり活用をさせていただいたほうがいいんじゃないかと、いま思っているところでございます。なお、もちろん、いい方がいればもっと幅広くふやしまして、できるだけ早く発足するように努力したいと思っております。
○坂井委員 そうしますと、もう一つお尋ねいたしますが、今度発足させる専門委員会についてはその審議の内容を公開したい、公開するという総理発言があるわけでございますが、長官としては当然御賛成されると思いますが、いかがでしょう。
○小沢国務大臣 私、総理の、公開という意味のことをけさ録音で聞いて、それをメモをとったのでございますが、委員会を設けます、公開をするようこの委員会は、というところで切れておりまして、はっきりいたしませんで、まだ御真意を率直に承っていないわけでございますが、大体おっしゃっている意味は、審議を公開をして、いやしくも誤解を与えるようなことのないようにしたいというお気持ちじゃないかと思います。その意味で審議の公開という意味が、専門委員が集まって私の方との懇談をやる際、あるいは御意見を伺う、討論をしていただく場そのものを公開するという意味でおっしゃったのか、あるいはその結果を明らかにしていけという意味でおっしゃったのか、その点はよく確かめてみないとわかりませんが、私は、要は人選を早くやりまして、その人選をした委員の方々と御相談をして、できるだけそういう趣旨に沿うような方法をどうしたらいいかということを相談して、たとえばですよ、極端に公開をするような、だれでも入ってきてその場でわあわあ議論をする、それを黙って聞いておるんだ、こういうようなことの場合に、専門委員の人はそれならおれはいやだというようなことになっては委員会は成り立たないわけでございますから、その辺も、専門委員を依頼した皆さん方に御趣旨をよくお諮りして、私どもはなるべく方法、手段について十分よく御相談の上でそういう趣旨に沿うようにしたい。きのうの晩のきょうでございますから、私ども、まだその辺のところ、十分詰めた考え方を持っているわけじゃないわけでございます。
○坂井委員 ぼくは、長官としての排ガス規制に対するきわめて前向きのかつ真剣な腹組みの中で、長官御自身の方針として出されてもいい問題じゃないかと思うのですよ。少なくとも総理がそのような審議公開に触れて発言があったということは、前後のつながりから見まして、いま私がそのことについてくどくどしく申し上げる必要もさらさらないかと思いますけれども、つまり、この委員会の審議の内容がメーカー側に漏れておった、筒抜けである、この密室審議のあり方というものが、いまこの排ガス規制問題に関して環境庁もえらい大幅な後退じゃないか、メーカー側に押し切られたのじゃないかというような批判の声が国民の間にふつふつとしてある。これは事実としてやはりお認めにならなければいけない。そういう認識に立っての総理の一歩前進した発言であったとこれは評価したいわけです。したがって、長官としては、総理がそういう腹組みであるならば、むしろ長官が潔く、全く勇断でもって、審議公開をやりましょう、こうあってしかるべきじゃないかと私は思うのですね。それは自由討議というようなことの問題をかねがね長官はおっしゃっておったようでございますが、わからぬではございません。しかし、この経緯等を踏まえて、なぜこの際専門委員会を新しく発足させるのかということから考えてまいりますと、審議公開ということが、ぼくはそれなりの説得力を国民に持つと思うのですね。したがって、そういう方向に前向きに検討されることが必要ではないかということを、この際申し上げておきたいわけでございます。 同時に、もう一点お聞きしておきますが、遺憾ながら排ガス規制については非常に大幅な後退であると言わざるを得ないわけでございますが、たとえば継続生産車、これが五十二年の三月というようなことで猶予期間がずいぶん先になってしまった。そこで、長官御承知のように、トヨタとか日産とか、メーカー側がこの際継続生産車の駆け込み生産をやろうというわけで、ずいぶんいろいろな動きがあるようでございます。これに対して具体的にどのような方策をもって対処していくか、これは環境庁としても何らかの方針をお持ちにならなければならないと思いますし、あるいはまた、すでに具体的に、そのようなことに対してはどう対処するかというようなお考えがおありかもしれません。あればひとつ具体的にお述べをいただきたいということを、同時に、他の補完的な排ガス規制に対する対策の中で、具体的にこれこれということを環境庁としては考えているのだというようなことがおありであるならば、この際ひとつお述べいただきたい。
○小沢国務大臣 いま現在、駆け込み生産ということが果たして行い得るかといいますと、五十年規制というものがもう始まるわけでございますから、五十年規制が十二月から出なければいけない、あるいは四月から新型車を出さなければいけない、こういう状況のときでございますので、したがって、いま現在、来年の五十一年規制というものを頭に置いた駆け込み生産というものが実体的には一体どういうものなのか、それは私もちょっとよく理解できないわけでございます。ただ、五十年の規制を頭に置いた駆け込み生産というような御心配でしたら、それはあるいはあり得るかもしらぬなと思います。そういう意味で、これを私ども環境庁として、通産なり運輸省なりそれぞれに厳重に監督指導してもらおうという以外に、環境庁自身が権限をもってどうこうするということはなかなかできないわけでございますが、できることは、たとえば五十一年規制適合車とそれ以外の車というふうに分けてくれば、たとえば五十二年の二月までに生産された車だって、販売の猶予期間が何カ月かあった場合でも、これは五十一年規制適合車以外のものになるわけでございますから、それらにあらかじめ税制なりその他のいろいろな問題として、あるいは総合交通規制の中でどういうような対策をとっていけばそういう点がチェックされていくのか、それをひとつ具体的に閣僚協のもとの幹事会その他で真剣に対策を検討してもらおう、こう思っているわけでございます。そうすれば、やり方いかんによっては相当効果が上がっていくかな、環境庁としてはその辺が一番有効な手段、方法ではないかなという気持ちを私自身は持っているわけでございますので、いまそういう点を、税制なりあるいは他の総合対策にからんで、要するに全体的に低公害車がよけい使われるということが大事なわけでございますので、先生の御心配、私どももそういうものを十分頭に置いて対策をつくり上げていきたい、かように考えております。
○坂井委員 それに関係いたしまして、この際、長官にお伺いしておきたいと思いますが、公園がございますね、国立公園、国定公園、あるいはまた都道府県の公園、自然公園等の車の乗り入れの問題なんですね。御承知のとおり、これまたずいぶん問題がございます。私は必ずしも全部と申し上げるわけじゃございません。中に心ない人がおりまして、ごみくずは捨てるわ、空きかんは投げ捨てるわ、あるいはせっかくの貴重な高山植物を抜き取ってマイカーのトランクに忍ばせて帰る、あるいは大変な渋滞が続きまして排ガスがあの自然公園の中で充満する、いささかオーバーな言い方かもわかりませんが。しかし、そうしたことによって環境の破壊、自然資源というようなものがまた心ない人に破壊もされるとか、さまざまな問題があるようでございます。 そこで、乗り入れの制限というようなことを一部行っているようでございますが、むしろこの際、乗り入れの全面禁止をやったらどうだ。ただし、それには補完的に輸送を考えなければいけませんよ。つまり、ある意味では公共輸送機関的な大量輸送——というと、これも必ずしも、そうした公園の乗り入れとしては適当な機関ではないかもしれませんが、バスであるとかその他そうした代替輸送機関というもので補完しつつ、今回の排ガス規制にからんで、この自動車排ガスによるところの公害というものを何とかしてでき得る限り防いでいくんだという考えの中、あるいはまた、そうした心ない人たちによる自然破壊、景観、自然資源の破壊ということも阻止するんだという考え方の中で、いま言ったような乗り入れの禁止というようなことを踏まえながら、少なくともそれに近いような何らかの具体的なことを考えていくべきではないかと思うわけでございますけれども、いかがでしょうか。
○小沢国務大臣 御承知のとおり、全国で六カ所モデル地区を指定して、一応関係省の了解、協力を得て、規制をやってみたわけでございます。逐次これを広げていきたいというふうに考えておるわけでございます。いま先生がおっしゃるように、思い切って、あらゆるところをひとつやってみたらどうだ、そうしてバス輸送等を考慮して、その対策をとり次第、逐次乗り入れ規制をやったらどうだという御意見、自然保護の観点から見ますと非常にありがたい御意見なんでございますが、ハイウエーや有料道路等が方々に——まあこれから認めないように、認めないようにという努力をしているのです浮けれども、現実にあるところが、それじゃ一体、今度その償還財源をどうしてやるのか等のことも考えていかなければならない。その場合に環境庁は力ありませんから、それはまあほかのところで建設省に言うて、有料道路から国道に直してしまえとか、県道に直せとか、一般道路に直してしまえ、いままでの借金は棒引きにしろと言ってみても、そこができるのかできないのかわかりませんし、そういういろいろな制約がございますので、御意見としては、私も実は環境庁の立場から言うと大変ありがたい御意見なんでございますけれども、一遍にやるには相当の困難が伴うのじゃないか。しかし、逐次全国的に、本当に大事なところを、いまの代替輸送を考えつついろいろな方法を考えていく心要があるのじゃないかと思っております。 たとえば奥入瀬というのが、車でずっとつながりまして、あそこの景観が大変将来心配されるという問題。したがって、これは建設省に申し入れて、むしろバイパスをつくりなさい、別のところからその十和田の上の方へ行けるようなバイパスを考えてもらえぬか、しかもそのやり方としては、自然景観に影響のないようなやり方をひとつ極力考えてもらいたい、というようなこともやっておるわけでございます。そうして、いまの奥入瀬のあの景観の一番いいところは、いまのように交通制限しまして、老人やその他の方はバス輸送するというような方法を青森県にもお願いをして、検討を進めておる。まあ一例でございますけれども……。 そういうようないろいろな考え方をその地域地域によって考えてまいりまして、できるだけ御趣旨に沿うように、私どもと同意見でございますので、逐次ひとつやらしていただきたいと思います。
○坂井委員 長官、力ないことないんですよ。長官は力あるんですよ。私は勇断と言いたいが、蛮勇をふるったっていいのじゃないでしょうかね。つまり、長官が音頭をとらないとこれはできる話じゃないんです。むしろ、いまもう国民全体が、われわれの健康の問題、同時にこの環境保全というものはみんなでやらなければいけないんだというような考え方が、最近においては定着しておりますよ。したがって、そういう中で、むしろ下からの国民的な意思として盛り上がるそういう気持ちというものが、だんだんいまのような環境の保全なりあるいは公害防止、健康というようなものに、具体的にそうした住民運動が高まりつつある。こういう背景を踏まえて、やはり環境庁が真っ先に音頭をとって、いささか蛮勇であっても、こうやるんだと方向を示されたら、拍手喝采しますよ、本当に。そうであってこそ、また環境庁の長官としてここに厳然とおられるゆえんがあるわけですから。だから私は、おだてて言うわけでもなければ何でもない、本当にそうだと思う。したがって、そういうお立場を長官なお一層御自覚もいただきたいと思うし、同時に、やはり主体性を発揮していただきたいということを私は強く要請しておきたいと思います。 次の問題に移りますが、実は青森県の陸奥湾の開発に関係しての質問でございます。環境庁が陸奥湾の水質環境調査を、四十八年の一月からたしか三月にかけて行ったようでございますが、この調査の目的、調査期日、いつやられたのか、あるいはその経緯と結果がどうなったかということにつきまして、ひとつ簡単に御答弁いただきたいと思います。
○大場政府委員 陸奥湾の水質調査につきましては四十八年の一月十七日から二十一日、これが第一回目の調査、それから第二回目を二月二十三日から三月二十七日に実施いたしまして、十月に発表いたしました。調査の目的は、陸奥湾の環境保全のための基礎資料を得るための調査であったわけであります。調査の結果は、これも先ほど申し上げましたように発表いたしましたが、おおむね陸奥湾の水質は自然環境の状態にあるという形で非常に良好な水域であるというようなことが中身になっております。
○坂井委員 陸奥湾の水質の環境の調査、名前はそうなっているのですが、経済企画庁より環境庁に対して要請があった。その際、経企庁より環境庁に対しては開発の事前調査として依頼をした、こう私は承知しておるわけでございますが、いかがでしょうか。
○大場政府委員 予算の費目といたしましては、当時経済企画庁に計上しておりました調整費を使って調査をいたしました。いたしましたが、あくまで調査目的は、先ほど申し上げましたように環境保全のための基礎資料を得る調査であって、開発を前提にした調査では絶対ございません。
○坂井委員 調査の費目につきましては陸奥湾水質環境調査、名目はそうである。私は事実のことを申し上げておる。環境庁の当時の岡安局長さんは、経企庁から開発の事前調査をやってもらいたい、確かにそう言われましたと、こういうことをおっしゃっていらっしゃるのですね。まだあるのですよ。経済企画庁が青森県の環境保健部長にこの陸奥湾の水質調査を申し入れて一たん断られた、そういういきさつがあるのですが、環境庁は御承知でしょうか。
○大場政府委員 当時の水質保全局長が経済企画庁から頼まれたと、こういうようにおっしゃいましたが、私はその事実は存じておりません。経済企画庁からどのような趣旨で環境庁に話があったかよく存じませんが、いずれにいたしましても環境庁自身としては、先ほど申し上げましたように、開発を推進するための調査でないことは申し上げるまでもございません。それから、企画庁と地元の県庁との間でどういうやりとりがあったかは、私、実は申しわけございませんがつまびらかではございません。しかし、現実に環境庁が環境調査を実施いたしました段階では県の十分のコンセンサスを得、またメンバーの中にも県の方々にも御参加願っておりまして、環境庁単独で、地元の意思を無視して一方的にやったということではございません。
○坂井委員 それじゃ申し上げますが、青森県の環境保健部長は、当時、これはつまり四十七年、経企庁から湾の水質を調査したいと言ってきたが、地元が開発問題で割れているときなので断った、その後予算の配分で環境庁がやるというので了承した、こういうことをはっきり言っているのです。最初経企庁が調査さしてくれと言ったのです、これは開発のための調査なんだと。青森県は、うちは反対だからお断りしますと正式に断った。後で今度は環境庁が来たので、それで了承したと、こういうことを言っているわけですね。 環境庁にもう一つ聞きますが、環境庁では青森県の漁連の会長に対しまして、陸奥湾の調査の承諾をお求めになっていらっしゃいますか。
○大場政府委員 調査を実施する段階におきまして、青森県を通じまして、昭和四十七年の十二月でございますが、無用な誤解を避けるために県漁連に了解を得ました。それから、さらに明けまして昭和四十八年一月でございますが、当時の担当課長が地元の各漁協の代表者及び漁連の理事の方方とお会いいたしまして、調査の実施につきましてよく説明をし御了解を得たものであります。したがいまして、環境庁としては地元の了承を得たものと考えておる次第でございます。 それから、御指摘になりましたように、当時の県の環境部長が、開発を前提にした、企画庁がどう言われたか私、知りませんけれども、仮に開発を前提にした調査を依頼されたら、それは断るのは当然だろうと思います。環境庁としても、もちろん断ったに違いありません。
○坂井委員 青森県の漁連の方に、これは一体何のために調査をするのかという調査目的、それはどういうふうに説明されたでしょうか。
○大場政府委員 先ほど申し上げましたように、環境庁としては、環境の把握のための基礎的な資料であり直接的目的といたしましては環境基準を設定して、そこに陸奥湾の保全すべき水質の目標を設定するための基礎資料、それからさらに、その目標を達成するための排出基準強化のための資料、こういうぐあいに説明したように記憶しております。
○坂井委員 漁連の会長さんの杉山さんとおっしゃる方も、だまされたと言っているのです。この調査の目的は何ですかと聞いたらば、環境庁の説明は、漁業振興調査だ、漁業振興基礎調査だ、こう言ったので、じゃあやってください、大変結構な話です。ところが、これは漁業振興の基礎調査ではありませんよね。とんでもない。陸奥湾開発の調査ですよ。 そのように、環境庁ないし企画庁と地元あるいは漁連との間がことごとく違うのです。私はこの背景をずっと追いながら感じましたことは、この予算は、これはどうもまずいですよ。経済企画庁の国土総合開発事業調整費、その一部を環境庁に移しがえして、予算額といたしましては三千二十八万三千円、この予算をもって環境庁が陸奥湾の水質調査をやった。本来的には、ここの場所は、これまた私いまさら言うまでもなく、これは列島改造の北の拠点として、むつ小川原開発の中で非常に重要な、この陸奥湾がその一環を占める、標的ですよ。ここの調査が、もともと国土総合開発事業調整費でもって開発のために調査しましょうという予算が組まれて、それで経企庁が地元に行って断られる、全部断られる。最後に環境庁が乗り出して、どうやら漁業振興のためにやってくれるらしい、環境庁なら間違いなかろう、われわれの味方だといって飛びついた。あにはからんや、そうではなくて、やはりこの実態は陸奥湾の開発のためであった。この予算の移しがえなんかは、これはぼくは、環境庁としては当然断るべきだったと思うのですが、特に深い理由があったんでしょうか。
○大場政府委員 漁業関係の振興のための調査でであるというふうに、当時の担当課長が説明申し上げたということでございます。あるいはそうであったかもしれません。しかし、陸奥湾の利用の仕方としては、漁業を振興して陸奥湾を利用するということでございますから、そのために水質をされいに保全するということになるわけでありますから、ただいま私が申し上げましたことと矛盾するわけではございません。あくまで漁業として大事に使っていく陸奥湾の水質を保全するというための環境調査であったわけであります。 それから、ただいま先生から御指摘ありましたように、経済企画庁の計上しておりました総合開発事業調整費を使ったのは穏当を欠くのじゃないか、こういう御指摘がございました。これにつきましては、その当時、環境庁の環境保全関係の調査の予算がいまから見れば決して十分ではなかったという事情もございましたし、そういう経費を便宜的に使ったということにあるわけで、そのためにいろいろな誤解が生じて、私どもは残念に、ある意味においては申しわけなく思っておりますけれども、大筋といたしましては、環境庁が自分の主体性のもとに、自分のイニシアで実施するこういった調査費というものは環境庁に計上いたしまして、そしてそれを堂々と使うというようなものが本来の筋であろうという御指摘につきましては、私、全くそのとおりであったと思います。その当時の事情として、残念ながら環境庁自身の予算もそれほど充実してなかったという経緯もありましたので使ったということだったろうと推定するわけでございます。
○坂井委員 青森県では、この陸奥湾開発につきまして、四十七年の六月八日に第一次基本計画を作成をした。同年の九月十三日に関係各省庁間の申し合わせがなされまして、翌日九月十四日に閣議において口頭了解を得ております。 そこで、工業開発規模につきまして近く第二次基本計画が出される、こういう予定になっております。環境庁は、やはり今後のこうした大規模な工業基地開発、建設ということについては、公害防止を初めとして自然環境の保全あるいは文化財の保全等々、万遺漏なきを期さなければならないことは、これは当然であります。この開発の是非は一応おくといたしましても。 私、少なくともいま言いますことは、「国土総合開発事業調整費によるむつ小川原地域関連調査一覧表」、これを見ますと、環境庁、水産庁、厚生省、通産省、運輸省、気象庁、建設省と、ずっと並びまして、四十五年から四十九年に至るまで、合計いたしまして、この調査費が、十七億二千百五十二万八千円投じております。これは大変な大がかりな調査であります。この調査が、たとえば陸奥湾の水質環境調査は環境庁。通産省あたりになりますと、大規模工業基地開発計画の調査あるいは工業用下水道計画調査。あるいは大規模臨海工業基地計画調査、大規模開発計画調査等々、ずっと並ぶのですが、このような計画調査がどんどん進行していきますと、やはりこのこと自体が環境破壊あるいは公害というようなものを引き起こしかねないような情勢にあると思うのです。したがって、環境庁としてはやはり十分なチェックが必要ではないかということが一点。 同時に、これからもこうした調査費が非常に大きな額としてどんどんつぎ込まれていくであろうと予想されるわけでございますが、少なくとも環境庁はこの開発に手をかすような、悪い言い方かもわかりませんが、つまり国土総合開発調整費の一部をもらい受けて調査を環境庁でやるとかいうようなことは、今後はやらない。その問題、その御決意を承りたいこと。 それから、あわせて今後、環境破壊、汚染、そうしたものを未然に防止するために、環境庁として、後追いではなくてむしろ事前に何らかの、こうこうした具体的な対策を立てていかなければならぬ、私はこう思うのですが、そのような御方針がおありであるならば、この際ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○小沢国務大臣 むつ小川原開発につきましては、私ども、十分なる事前の環境アセスメントをやりまして、その結果を住民に知らせ、その了解を得て基準を決定をするという段取りになろうかと思います。したがいまして、開発によって大気、水、自然環境、全体の汚染をひどくしたり、あるいはそれを放置したりするようなことのないように、むしろ先取り的な意味で十分アセスメントをいたしてまいりたい、かように考えております。
○坂井委員 時間が迫りましたので大急ぎでお尋をいたしたいと思いますが、先ほど触れました国立公園あるいは国定公園——国立公園を見ますと、全国で二十六ヵ所、これに対しまして管理事務所がわずかに十ヵ所しかないのです。つまり、十六ヵ所は管理事務所がないわけですね。実態がそういうことですから、なかなかこの国立公園等の良好な環境を保持していくことが至難である。したがって、これはもう当然管理事務所をふやすべきではないかということについて御意見をいただきたい。 同時に、管理員が、国立公園を見ますと七十八人ですな。したがって、二十六ヵ所といたしますと、平均一ヵ所に三人ということですね。これが多いか少ないか、これは議論のあるところではあろうかと思いますが、しかし、少なくとも今日、公園の景観が破壊され、あるいは貴重な動植物等が、先ほど申しましたように盗み去られるといいますか、あるいは空きかんだとかごみの山だとか、その問題はなかなか手が行き届かないのではないかと思います。したがって、こうした管理員等も、いまのままではきわめて手薄であろうと私は思うのですが、これをひとつ大幅にふやすようなことを環境庁としては強く手だてをされたらどうだろうかと思いますので、そうしたことに対しましてひとつ長官から最後に御意見をいただきまして、質問を終わりたいと思います。
○小沢国務大臣 確かに、日本の国立公園を管理して守っていくといくという体制として七十八名の人員ではとても不十分でございます。また、管理事務所も非常に数が少ないのでございまして、私は十二月に着任したものですから、この点は来年度ひとつ大いにがんばってやりたいと思っております。おっしゃるとおりだと思いますので、できるだけ努力をさせていただきたいと思います。 それと同時に、国立公園の管理体制を、もっと少ない人員で有効にやるいろいろなやり方がないのか、方法がないのかという点についても、もう少しよく、ひとつ検討していきたい、かように考えております。
○坂井委員 終わります。
○井原委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時十九分散会