決算委員会 第1号
- 発言数
- 135 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/02/19
会議録
○井原委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 今回、はからずも当決算委員会の委員長に選任され、その職責の重大さを痛感しておる次第でございます。 申し上げるまでもなく、本委員会は、国の予算が効率的かつ適正に執行されておるかどうかを中心として、決算全般について、予算と対比して審査しまた調査する重大なる使命を持っております。 私は、はなはだ微力でございますが、幸い練達なる委員各位の御協力を賜りまして、円滑なる委員会の運営を図り、重責を全ういたしたいと存じます。 簡単ではございますが、委員長就任のごあいさつにかえる次第でございます。 ————◇—————
○井原委員長 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動による理事の欠員一名並びに私の委員長就任に伴う欠員一名、計二名の理事が欠員となっておりますので、これよりその補欠選任を行いたいと存じますが、これは、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井原委員長 御異議なしと認めます。 よって、委員長は、 中尾 宏君 森下 元晴君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○井原委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、決算の適正を期するため、本会期中において、 一、歳入歳出の実況に関する事項 二、国有財産の増減及び現況に関する事項 三、政府関係機関の経理に関する事項 四、国が資本金を出資している法人の会計に関する事項 五、国または公社が直接または間接に補助金、奨励金、助成金等を交付しまたは貸付金、損失補償等の財産援助を与えているものの会計に関する事項 以上各項につきまして、関係各方面からの説明聴取、小委員会の設置及び資料の要求等の方法によりまして国政調査を実施するため、規則の定めるところにより、議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井原委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。 ————◇—————
○井原委員長 昭和四十七年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、農林省所管及び農林漁業金融公庫について審査を行います。 まず、農林大臣から概要の説明を求めます。安倍農林大臣。
○安倍国務大臣 農林省所管の昭和四十七年度歳入歳出決算について大要を御説明申し上げます。 まず、一般会計の歳入につきましては、収納済歳入額は八百二十七億一千九百九十五万円余でありまして、その主なものは日本中央競馬会法に基づく国庫納付金であります。 次に、一般会計の歳出でありますが、支出済歳出額は一兆三千九百八億六千百七十四万円余であります。この経費の主なものは、農業構造の改善といたしまして七百四十三億四千八百十五万円余、農業生産基盤の整備といたしまして三千百三十二億六千二百十八万円余、農業生産の再編成といたしまして二千二百三十九億六千九百九万円余、農産物の価格の安定と農業所得の確保といたしまして三千五百一億二千八百六十五万円余、食品流通加工の近代化と消費者対策の充実といたしまして三百六十九億三千六百三十五万円余、農村の総合的整備開発と農業従事者の福祉の向上といたしまして百億七千九百八十七万円余、農業技術の開発と普及といたしまして三百二十六億一千四百三十一万円余、農林金融の拡充といたしまして三百五十三億九千百四十五万円余、農業団体の整備強化といたしまして六十五億八千八百七十四万円余、林業の振興といたしまして一千四十四億四千九百七十三万円余、水産業の振興といたしまして五百八十七億七千五十三万円余、災害対策事業といたしまして一千三百三十三億九百二十四万円余等の諸事業の実施に使用したものであります。 次に、農林省所管の各特別会計の決算について申し上げます。 まず、歳入につきましては、収納済歳入額は、食糧管理特別会計各勘定合計において四兆六千百七十二億一千七百四十三万円余、国有林野事業特別会計各勘定合計において二千三百五十八億二千六百八十三万円余、農業共済再保険特別会計各勘定合計において三百八十億四千二百七十六万円余、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計各勘定合計外森林保険、自作農創設特別措置、中小漁業融資保証保険、特定土地改良工事の各特別会計の総合計において八百三十五億七千二百十万円余であります。 また、歳出につきましては、−支出済歳出額は、食糧管理特別会計各勘定合計において四兆六千五億七千四百二十九万円余、国有林野事業特別会計各勘定合計において二千三百六億八千五百五十万円余、農業共済再保険特別会計各勘定合計において二百十四億三千九百十万円余、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計各勘定合計外森林保険、自作農創設特別措置、中小漁業融資保証保険、特定土地改良工事の各特別会計の総合計において六百四十七億八千六百四十七万円余であります。 これらの事業の概要につきましては、お手元にお配りいたしております「昭和四十七年度農林省関係決算概要説明」によって御承知を願いたいと存じます。 これら事業の執行に当たりましては、いやしくも不当な支出や非難さるべきことのないよう、常に経理の適正なる運営について極力意を用いてまいりましたが、昭和四十七年度決算検査報告におきまして、なお、不当事項として相当の件数の指摘を受けておりますことは、まことに遺憾に存じております。 今後とも指導監督を一層徹底いたしまして、事業実施の適正化に努める所存であります。 何とぞよろしく御審議のほどをお願いをいたします。
○井原委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要の説明を求めます。桜木会計検査院第四局長。
○桜木会計検査院説明員 昭和四十七年度農林省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項八十二件、本院の注意により当局において処置を講じたもの一件でございます。 まず、不当事項について説明いたします。 検査報告番号一四号は、東北農政局が施行した母畑開拓建設事業導水トンネル第三工区その他工事において、調整池の爆破掘削によって発生する岩塊の小割り費の積算が適切でなかったため、契約額が割り高になったものでございます。 一五号から五九号までの四十五件は、いずれも公共事業関係補助事業に関するもので、コンクリート工事の施工が不良で設計に比べて強度が低くなっていたり、実際の事業費より高額な事業費を要したことにして過大に精算したりなどしていたものでございます。 六〇号から九四号までの三十五件は、公共事業関係以外の一般補助関係のもので、事業の実施に当たって補助事業の認織が十分でなかったため、実際の事業費より高額な事業費を要したことにして過大に精算したり、補助の対象とは認められない事業を実施したりなどしていたものでございます。 九五号は、都道府県が国からの補助金と自己資金とによって造成した資金を農業者等に貸し付けている農業改良資金関係のもので、貸し付けの対象にならないものに貸し付けていたり、借り受け者が事業を全く実施していなかったり、借り受け者が計画事業費より少額で事業を実施していたりしていて、県の貸付金の運営が適切を欠き、補助の目的に沿わない結果となっていると認められるものでございます。 次に、本院の注意により当局において処置を講じたものについて説明いたします。 林野庁の各営林署では、木材資源の利用合理化の促進や輸出の振興等産業の保護奨励のため、木材関連産業を営む者に対して国有林材を随意契約で売り渡しておりますが、これらの売り渡しを受けた者の中には、木材資源の利用合理化の技術がすでに定着していたり、高い競争力を有する産業に発展していたりしていて、もはや格別の保護奨励を行う必要がなくなっていると認められる者が多数見受けられ、しかも、この場合の売り渡し価額は、同種材を一般競争で売り渡している場合に比べて相当低価になっております。このような状況から見て、随意契約で売り渡す対象について再検討する必要があると認め、当局の見解をただしたところ、林野庁では、保護奨励を必要とする産業の範囲を検討し、合板、楽器、造船、パルプ等については、四十八年度から、随意契約による売り渡しを廃止または縮小することとしたというものでございます。 なお、以上のほか、四十六年度決算検査報告に掲記いたしましたように、四十六年度検査の進行に伴い、(1)展示会等に出品する素材の売渡しについて、(2)北淡路開拓建設事業の実施について、それぞれ是正改善の処置を要求いたしましたが、これに対する農林省の処置状況につきましても掲記いたしました。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○井原委員長 次に、農林漁業金融公庫当局から資金計画、事業計画等について説明を求めます。武田農林漁業金融公庫総裁。
○武田説明員 昭和四十七年度におきます農林漁業金融公庫の業務の概要について御説明申し上げます。 四十七年度のわが国農業は、米の豊作等生産水準の上昇に加え、米価引き上げ、畜作物、野菜等の価格上昇により農業所得が大幅に伸長し、こうした情勢を反映して農業投資も増大の傾向が見られ、農業固定資本形成も好転する結果となりました。 このように、わが国農業生産は、四十四年度以降四年ぶりに前年度を上回り、農家経済も好転いたしましたが、国においては、世界の農産物需給が逼迫基調にある中で、国内食糧の総合的供給体制の確立を目指し、国内農業の生産供給力の維持強化を図るための諸施設の充実が積極的に講じられました。 次に、当公庫の融資業務について概要を申し上げますと、四十七年度における貸付決定額は二千六百四十九億五千七百三十六万円でありまして、前年度実績と比較して百二十三億二千四百二十四万円余、四・九%の増加となりました。 この貸付決定実績の内訳を申し上げますと次のとおりであります。 農業、林業、漁業等に大別してみますと、一、農業部門千八百九十二億千九百万円余、二、林業部門二百七十一億千八百万円余、三、漁業部門三百九十七億九千三百万円余、四、その他部門八十八億二千六百万円余であり、農業部門が全体の七一・四%を占めております。 また、この貸付実績を主要資金使途別に見ますと、農林漁業経営構造改善関係が全体の三七・六%に相当する九百九十六億八千七十九万円余、土地改良など基盤整備関係が四六・九%に相当する千二百四十三億八千三十六万円となっており、この両者が依然として貸し付けの大宗を占めております。 このうち、委託貸し付けによるものが全体の六六・〇%に相当する千七百四十九億三千六百二十八万円余を占め、残りの九百億二千百七万円余が、公庫の直接貸し付けということになっております。 次に、四十七年度の貸付資金の交付額は二千五百四十五億九千二十八万円余でありまして、これに要した資金は、資金運用部からの借入金千九百七十二億円、簡易生命保険及び郵便年金の積立金からの借入金五十億円並びに貸付回収金等五百二十三億九千二十八万円余をもって充当いたしました。 また、四十五年度から開拓者資金に係る国の債権・債務を引き継ぐこととなり、最終年度に当たる本年度において九十四億七千七百九十八万円余の債権と七十八億五千八百四十一万円余の債務を引き継ぎまして、この差額十六億千九百五十六万円余が公庫に出資されたことになりました。 この結果、四十七年度末における総貸付金残高は一兆三千四百五十五億八千七百五十七万円余となりまして、前年度末に比べて千六百二十四億千六百十六万円余一三・七%の増加となっております。 四十七年度の融資に当たりましては、農政の重点施策に即応しつつ関係各機関との密接な連携のもとに、農林漁業の生産基盤の拡大整備及び経営構造を改善するための融資を一層推進するとともに、多様化する資金需要に対処して、融資条件の改善も含めて融資の円滑化に特に配慮してまいりました。 次に、四十七年度の収入支出決算の状況について御説明申し上げます。 四十七年度における収入済額は八百二十九億七千四百六十八万円余、支出済額は八百十五億三千八百七十八万円余でありまして、収入が支出を超過すること十四億三千五百八十九万円余となっております。 最後に、四十七年度における当公庫の損益について申し上げますと、本年度におきましては、三十六億九千七百四十七万円余の償却前利益を上げましたが、これを全額滞貸償却引当金及び固定資産減価償却引当金に繰り入れましたため利益金はなく、国庫納付はいたしませんでした。 以上が、昭和四十七年度農林漁業金融公庫の業務の概況であります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○井原委員長 これにて説明の聴取を終わります。 —————————————
○井原委員長 これにより質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
○原(茂)委員 いま会計検査院の説明にありましたように、林野庁の各営林署の国有林材の売り渡しについての特に随契を中心にして、これから申し上げますような相当な不公正が現に行われている。三木内閣の一番大きな柱は何と言っても不公正の是正という点からいきますと、この林野庁関係の国有林材の払い下げ問題などは農林省として率先改善をする必要があるだろう、こういうふうに思いますので、この問題から先に入りたいと思います。 最初に大臣にお伺いしておきますが、今日まで林野庁中心の国有林材の払い下げ、売り渡し、立木素材に関して随契などを中心に不公正があり、会計検査院のこうした注意も喚起されるという事態を御存じでしょうか。
○安倍国務大臣 会計検査院から厳しい御指摘がごさいましたことにつきましては十分承知しておりまして、これに対して対策を講じておるところでございます。
○原(茂)委員 きょう行管からおいでいただいておりますので先にお伺いしておきますが、全国の営林署のうち九営林署をピックアップして、この平均的な調査で随契中心の勧告が出されたようですが、一体、その九営林署はどこなんでしょうか。
○大田政府委員 調査対象といたしました営林局は札幌、函館、旭川、帯広、青森、秋田、東京、前橋、長野、名古屋、大阪、高知、熊本の十三局でございます。
○原(茂)委員 この十三局を特に選んだのはどういう理由なんでしょうか。
○大田政府委員 抽出いたしました営林局は、本来は全般的に調査するのがたてまえでございますけれども、現地のそのほかの業務とも関係いたしまして特に業務量が多いという局を中心として選んだ次第でございます。
○原(茂)委員 ここで会計検査院にお伺いしますが、この勧告、行管からも出されていて、行管に対する農林省の回答も出ているわけですが、会計検査院としては四十六年度、四十七年度、前年度も含めてこの種の検査を行った後、それが適正に行われているかどうかの検討はするのでしょうか、しないのでしょうか。しっ放しなんですかね、会計検査院は。
○桜木会計検査院説明員 随意契約が非常に多いということで、私の方は、先ほど申し上げましたように、林野庁に対しまして意見をただしまして、これに基づきまして、予決令の九十九条二十号関係のものにつきましては四十八年度から廃止したりまたは縮小するということになったわけでございますので、その後のこの関係の実施状況につきまして昨年あるいは昨年来検査いたしてまいったわけでございますが、特にこれと違う取り扱いをしているというふうなものはございませんでした。
○原(茂)委員 私のお伺いしたのは、四十六年度に検査を行ってこの種の勧告をした後、四十七年度にそれが完全に行われているかどうか、いなかったときにどうするという、そういうことを四十八年度についてもこれからおやりになるのかどうかということをお伺いしたがったのが一つ。いいですか。
○桜木会計検査院説明員 私の方の検査は、本件につきましては主として四十六年度それから四十七年度を中心としまして検査したわけでございますが、四十八年度分につきましても、この関係はどうなっているかということにつきましては十分検査いたしました。 なお、私の方は、この関係以外のものにつきましても、いわゆる随意契約の問題につきましては相当力を注ぎまして検査いたしましたし、また、これからも検査したい、こういうふうに考えております。
○原(茂)委員 行管にもう一度お伺いしますが、行管は勧告を出されて、農林省の回答が五十年一月に出ていますが、四十八年からこうします、ああします、いまの検査院の経過から言ってもそういうふうな、やりますという約束がされているのですが、その、やりましたかどうかを、行管というのはその後また追跡監査をやるのですか、調査を。
○大田政府委員 昨年の六月に勧告いたしまして、ことしの一月に回答をいただいたわけでございます。回答をいただきますと、その内容を検討いたしまして、その中で特に、改善の方法というものがどうも十分でないじゃないか、あるいは今後もう少し推進する必要があるという事項につきましては、その部分につきまして回答をいただいた後六カ月後に、もう一度再照会いたします。その内容を見まして、なお今後推進する必要があるというものにつきましては、おおむね二年あるいは三年後に推進監察という方法によりまして、その方法は書面ではございませんので、現地をもう一度調査いたしまして、そして推進をするという方法をとっております。したがいまして、現地調査による推進方法は大体二年ないし三年後というふうにわれわれとしては考えております。
○原(茂)委員 大臣、いまお聞きのとおりなんですがね。回答が五十年一月に出た。半年後になってから再調査をやる。万が一現地調査の結果何とかかんとかということになるなら二年ないし三年後に、後になってからもう一度勧告なり処置を行う。これじゃもう問題は過ぎちゃって、不公正はそのままどんどん拡大されていくんですよ。これは農林省自体で——行管なり会計検査院にいま言った程度の調査権しかない、勧告権しかないというのは、それさえ何とか回答をしてうまく過ぎればそれで済んじゃうというような、農林省自体の中にも習慣といいますか、空気というか、そういうものができてしまうおそれはないでしょうか。どこもぴちっとけじめをつけて、いけない、直ちにこれはやめさせるというようなことが何一つ行われない。で、随契中心の問題もはかばかしくいかない。廃止または縮小——一体、こういうところは基準に照らして廃止しなければいけない、こういう基準だ、こういう基準のところは縮小しなければいけない、いつまでに縮小しなければどうするというようなことは、やはり農林省自体が、いわゆる自分をチェックする範囲できちっと決めていかない限り、この種の国の事業というものが公正に行われることはむずかしいのじゃないかと思うのですが、大臣どうですか。
○安倍国務大臣 これはやはり、農林省が指摘を受けたわけでございまして、農林省自体が、こうした指摘に対しまして率直に反省をするとともに、指摘事項を改善をしていくために姿勢を新たにして努力を重ねていかなければならない問題であろうと思うわけであります。また、今日までこうした問題につきましても、農林省としても十分力を尽くしてこの改善に努めてまいっておる次第でございます。
○原(茂)委員 大臣、この種の問題は、やはり農林省の中で非常にきびしい内部照査といいますか、内部監査といいますか、しかも、それが実行に移されなかったときにはこういう罰則があるというようなことを決める。その前段としては、やはりいま言った随契の廃止あるいは縮小というのは、こういう場合この基準に照らして廃止だ、この基準に照らして縮小だというような規格らしいものをつくってやる必要があるのじゃないかというので、いまお聞きしたのですが、それがないようなんですね。ただ当局に任して、廃止、縮小を自由に選択をさして、しかも、その現地の状況その他の状況に応じて、これはまあまあ縮小にとどめる、これはもう廃止をしても差し支えないからするというような判断というものは、現地に任されている。本省にぴちっとした、この国有事業に対する基準がないというところに、問題がいつまでも尾を引いていくのじゃないか。これから細かいことをちょっとお伺いしますが、最後に大臣のその感想を聞きたいのですが、私は、こんなことをいつまでやっていてもだめだと思う。やはりいま言ったように、省内における、他力本願でなくて内部監査をもっと厳しくして、そして、国営事業というものの不公正があってはいけない、率先垂範をする、是正をしていくというための規格、内規、規範というものをはっきりつくっていかなければ、この縮小だの、あるいは廃止だのということが各地の原局に勝手に判断を任されているのではなくて、本省に基準があるということが必要じゃないかなと感じますから、最後に、細かいことをお伺いしたあとに、大臣からその決意をお聞きしたいわけです。 そこで、林野庁にお伺いします。きょう長官来られているようですから。 いまの随契中心に質問を四つ、五つ進めますが、第一に聞きたいのは、四十七年度の収穫量が年度当初計画量千九百四十七万立方メートル。五十四万立方メートルも四十七年には節伐をしているのですね。当初の計画より節伐をしている。御存じのように材価が非常に暴騰し始めたときなのに——予定計画が千九百四十七万立方メートルという計画があるなら、材が暴騰し始めたときには計画どおりに量を出して、そうして暴騰価格を少しでも鎮静させようという役目が国の方にあると私は思う。林野庁というのは、そういう立場で常に市場における市価がどうなっているかを考えて、その市価が暴騰している最中に計画よりも五十四万立方メートルも節伐をする、少なく出す、ますます暴騰を助長していく、こんなばかな考え方があっていいのかどうか。現に四十七年度それが行われているのですが、木材価格その他を通じて国民生活の安定を考えなければいけないという、国の為政者の一部である林野庁としては当然その配慮があってしかるべきだし、そのような五十四万立方メートルの節伐をしようといったときに、農林省の監督当局というのは、これに対してストップをかけて、計画どおりに千九百なり二千なりを伐採して売り出せ、こういうことができて初めて国の行う事業という非常に重要な意味が生きてくるわけですが、どうも林野庁のやっていることは逆なんです。これは一体、どういうわけでこんなことをしたのですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 林野庁の伐採量と申しますのは、国が立てます長期の計画を受けまして、国有林、民有林別に伐採量等を決めているわけでございます。それを受けて国有林といたしましては、長期の計画に基づいた伐採量というのを予定いたしております。先生御承知のとおりでございますけれども、非常に日本の経済発展と同時に収穫量が予想以上に拡大してまいっております。特に二千三百万立方も年間予定したこともございますし、現在私どもが持っております長期計画というのは、今後十五カ年間程度は千六百万立方程度に落とすということに計画いたしておるわけでございます。先生御指摘のちょうどそのころ私ども計画いたしておったわけでございまして、千九百万何がしを予定いたしておりましたけれども、そういう計画の変更の時期に参っておりまして、余り急激な変化ということはいかぬということで、地元産業等に与える影響等もございます関係からその五十万程度でおさめたというようなことでございます。なおしかし、たまたま四十七年度後半は木材暴騰時期に逢着いたした関係もございまして、もっと減らすべきものも五十万立方程度におさめた、こういう経緯があるわけでございます。
○原(茂)委員 いまになればそういう言いわけも成り立つでしょうが、私の言っているのは、木材の暴騰の時期に当たったら、その暴騰を抑えるために、計画以上に切れるものなら切りたいくらい、そうして価格を引き下げる多少の役割りを果たすということが、国の立場で考えられてしかるべきだと思う。どうですか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 木材の暴騰時には少し増伐してでもそれに対応する、あるいは価格が下がりました場合は節伐する、当然そういうことがとられていいんではないかという御指摘でございますが、確かにそのとおりでございまして、実は五十年度の制度といたしまして、収穫量約千六百万あるといたしますと、五%程度の増減というものをそれに対応してまいりたい。木材が安いということは木材の供給の必要性が少ないわけでございますから、節伐いたしまして、それを翌年あるいは高騰時に放出する、そういう制度を五十年度とることにいたしまして、それに必要な約二百億円の資金を準備いたしておるようなわけでございまして、先生の御指摘のような方向でわれわれは対応していこう、こういう姿勢でございます。
○原(茂)委員 いま長官の答弁のあったのと、数字を実際に見まして、じゃ、四十八年非常な暴騰しましたよね、そのときに一体、たとえば立木で見て四十七年よりよけい切っているかというと、四十七年が一万何がし、そうして四十八年になると八千何がししか切ってないのですよね。逆ですよ、いまの答弁とは。というように、そのことにはお答えは要りませんが、確かにここでおっしゃる理想的な言いわけといいますか、考え方はよくわかるんですが、その考え方が実際に実行されているかどうかが、内部監査で常にお互いに照査し合うということがやはり省内にないと、現実にはこういう間違いが犯されているわけです。理由はあるでしょう。あるでしょうが、基本的にいまおっしゃったように、暴騰時にはよけい計画よりも出したいんだといったことが生きていないということを一つ指摘しておきます。これも内部でやはり、もっとしっかりしなければいけないんじゃないかという感じがする。 それから二つ目にお伺いしたいのは、行政管理庁の監察結果でも詳細に出ていますからおわかりだと思うのですが、結果的に言うと、随契というものを通じて大手資本、大手企業というものにより多くの利益を与えるようになっている。そうして地元の資本といいますか、工場、中小零細といったようなところに非常な不利益な扱いが随契を通じて行われている。出してもらいました資料を見てもわかるんですが、たとえば同じ種目で同じ数量で、随契だとたとえば一千万円、一般公売だとこれが三千万円。一般公売だとぐうっと値がよくなって、随契だと値がずっと落ちているという事実は、どのリストを見ても明らかなんです。これは否定できない事実なんです、皆さんが出した資料から言っても。同じ数量を同じ在所へ売っていながら、随契だと非常に安くて一般公売だと非常に高い。一般公売でなければ地元の中小零細というのは手が出ない。ごく特別に随契でめんどう見なければいけないという部分がありますが、これも行管の勧告にありますように、地元工場というのはわずか九%しか随契の部分に頼ることができない。九一%は一般公売または輸入材に頼っているというようなことが勧告されているように、現にこの意味の不公平というのは大変大きなものになっていることがわかるわけであります。その意味では一般競争で、やはりできる限り原則としては競売の原理を入れてやっていけというようなことが行管の勧告にもありますが、これは一理はあるんですが、地元工場に対しては特別な配慮を従来も払ってまいりましたが、今後もずうっと払っていきませんと、この不公正の是正というのは非常にむずかしいんじゃないか。こういう地元工場の保護育成という点にからめて、随契の内容というものはもう少し厳しく検討をされなければいけないと思う。随契で合板でございますとか楽器だとか、あるいは造船ですとかパルプだとかいうようなものは、四十八年度から廃止または縮小いたしますということが書かれている。確かに少し減っている。わずかに減っている。ただ、これは、こんな程度の減り方でなくて、もっと厳しくやれば、この大きな安定した産業に向ける産業用の売り渡しというものは、もっと大胆に切れたはずです。なぜ切れないか。冒頭に申し上げたように、廃止の基準がないからだ。縮小する基準がないからだ。こういうものを早急につくらない限り、この不公平というものはいつまでも続いていく。細かいことを申し上げる時間がないから言わないのですが、あなた方の方が知っているはずの細かいいろんな理由から挙げても、地場産業というものはどのくらい不公平に扱われているかがいろんな事例で明瞭なわけです。二つ目に大臣、こういうことからいって冒頭に申し上げたんだということを、ひとつお聞きを願いたい。 それから三つ目に、いまの地元の工場の保護育成というものをやるときに、大企業に対してはパルプ材だというので一山幾らで売ってしまう。パルプ材といって売られた中に、用材として十二分なものがある。これはえり分けて、いい値段で用材として売る。パルプに使うという名目で、一山幾らでパルプ材で売り払っているところに大変大きな問題がある。私は、パルプ材などでなくて、地元住民が小さな工場などで営々として生活をしている、この状況を考えたら、一括一山パルプ材なんて言わないで、用材は用材で売るということをやって、そして地元の者に対しては薪炭材——炭、まきですね、薪炭材と同じくらいに売ってやる、値を下げる。一般随契における単価ではなくて、御存じのように一番安い薪炭材としての単価で地元工場等には売り払うというくらいのことが、いま前向きて行われないと、いままでの不公正の是正ができないし、今後この小さい零細企業に対する保護育成ということが生きてこないと思う。そういうことになっているんだから、なっているなら具体的に、大企業と競争させて、一般競争でございます。大企業に随契で売ります、その値段でございますという前に、ごく量は少ないんですから、地元工場に対しては薪炭用材という値段で売ってやるくらいなことをする前提で、パルプ材として一山幾らで売るようなことをしない、そして用材を仕分けをするというようなことが行なわれなければ、ほんとうの意味の中小零細企業を助けることにならないということをやれませんか。思い切ってそうできませんか。
○松形政府委員 お答え申し上げます。 第一点の、パルプとかあるいは輸出用とか合板用材とか、そういうことについてはこれを廃止または縮小した。ただ、急に数字的に減っておりません。これは、そういう産業奨励用というのの八割がパルプ用材でございまして、御指摘のような合板用材とか造船用材等は四十八年度から一切ございません。ただ、そういう数量的に見えますとパルプが八割を占めておったというようなことで、その数量を一遍に減らすというわけにもいかないだろうという問題もございます。あるいは紙の需要に対する資源の供給という意味もございまして、三カ年でこれを随契から外していく、こういう計画でいま進めておりまして、毎年、私の手元の数字で申し上げますと、パルプにつきましては大体百万立方ぐらいが、四十九年も落ちております。そして五十一年でこれがなくなる、こういうことで予定いたしておるのでございます。 それから第二点目に先生御指摘のございました、森林の中には御指摘のようにまきに、あるいはパルプに適した木もございますれば、製材の原木も一緒に立っているというのが実態でございます。したがって、私どもはそれを別々に調査いたしまして、製材に向くものは製材に、あるいは用材と申しますかそれに向けますし、パルプに向くものはパルプということで、その業種を共同いたしまして、共同買い受けというものを進めておるわけでございます。 なお、用材でございますと製材用でございますから、まき並みの値段にしてというようなことはなかなかできないわけでございまして、地元の零細な工場の育成という面につきましては、そういうことでなしに、別な意味におきましてそれぞれ対策を立てていく、こういうことに処置したいと思っておるわけでございます。
○原(茂)委員 私は、いまお話がありましたが、四十八年度にパルプだ何だという、そういう産業用のやつは一切ありませんというお答えがあったのですが、皆さんからちょうだいしたこのリスト、きのういただいたものにはあるんですね、四十八年。一切ございませんなんということはない。いま後になって説明されて、三カ年でこれからなくするということをお聞きしてほっとしたんですが、いまあって結構ですから、三年では廃止というのでよろしゅうございますね。これは、そのめどがつくことは非常に大事なことなんです、三年でなくなる……。
○松形政府委員 そのとおりでございます。
○原(茂)委員 非常に明快でいいんですが、三年以内にはぜひこれはなくしていただくということになりますと、非常に矛盾の大きな根源が一つなぐなるわけです。私、まだまだたくさん細かいことを言うといいのですが、ちょっとその時間がありませんので……。 いま、指名競争入札がだんだん減って、随契の方が多くなってきているような傾向があるのですね。これはどんな理由ですか。これは逆じゃないですかね。もちろん、指名入札はやめなければいけない。これがだんだん随契の方に多くなっている傾向というのはどういうわけか。これは全く時代逆行なんだ。これはどういう理由か。今後どうするか。 それから、皆さんは、森林施業上の理由で云々ということを常におっしゃる。その森林施業上の理由というなら、盗伐だのあるいは契約違反なんかの不祥事がじゃんじゃん全国至るところに起きていますよ、実際には。払い下げ国有林を中心にした不祥事が、盗伐があり、契約違反があって、ずいぶんあるわけです。一体、こんなことを考えるなら、施業上の理由ということを盾にして、間伐をする、何をする、周りの木を傷めちゃいけない、どうしちゃいけない、だから専門家でなければだめなんだというので特定の業者にこれをやらせるよりは、直営、直用でやったらどうなんですか。それが原則だと私は思う。実際に施業上の理由というものをお考えなら、今後直営、直用でおやりになる、下請に出すべきではないということが、一番国有林を愛し、しかも公正に行うもとになると思うので、直営、直用によって今後は素材として販売するということにできるかどうかを、これも明快に、いまのように三年の間になくしますというのと同じようにやっていただくのが一つ。 もう一つは、まだまだ行われている盗伐とか契約違反、こういう不良業者に対して、いまは罰則として二カ月か三カ月程度の取引停止というようなことが現に行われているのですが、私はこんなことじゃ、ちょうど冬に入る前にどんどん盗伐をやり契約違反をやっておけば、冬はどうせ仕事にならない、正月過ぎて二月、三月で仕事ができる、三カ月の取引停止なら何の痛みも感じないということになりますから、やはり五カ年ぐらい、この種のものに対しては罰則を設ける、取引は停止させるというぐらいにしなければ、この種の問題の解決ができないだろうと思うのですが、その三点について、これも明快にお答えをいただきたい。
○松形政府委員 約三点につきまして御指摘がございました。 指名等のものはどうするんだ、こういうことでございます。現在、指名は急激に減らしております。四十八年度は立木の場合、大体販売数量の一%まで落としておりまして、将来これはなくしていきたい、そして公売に回す、こういうことの処置をとろうといたしております。 それから、盗伐とか契約違反とかいろいろなものがあって、二カ月程度のものじゃどうにもならないじゃないかということでございますが、この点につきましては私ども厳重な処分等を考えておりまして、その案件の重大さによって、刑罰と言ってはおかしいのでございますけれども、それぞれ一年間の取引停止とかというようなものもございますし、十分厳重にやってまいりたいと思っております。 次に、しからば直営、直用でやったらどうだ、こういうお話でございますが、私ども、四十七年の十二月に林政審議会の答申をいただいておりまして、その答申の中で経営改善を進めておるのが現段階でございます。直営、直用、いい直用、よりよい直用あるいはよりよい請負、これをそれぞれ伸ばしていく、こういうことを考えておるのでございます。実は、先ほど御指摘がございましたような国有林の立木の伐採量と申しますと、千六百万立方あるいは千八百万であった時代もございます。そのうち立木で売るものが六割でございまして、丸太生産は四割でございます。その四割のうち、さらに二割が請負に出しておる。そういう段階でございまして、立木売りが六割あるということは、地元のそういう森林組合の労務班とかあるいは地元素材生産業者がそこで、そういうもので生きておるという実態があるということでございます。したがって、地元のそういう林業の振興ということも考え、あわせて国有林野の経営改善、そういう面と両面から、いい直用、いい請負をそれぞれ私どもは育てていくように努力してまいるということを、現在実行中でございます。
○原(茂)委員 長官、結構です。いまおっしゃったような趣旨が必ず生きるようにやっていただいて、直用の方をふやしていいという下請に重点のいかないように、時と場所によってはそのことをぴちっと使い分けて、直用がいいときには直用を必ずやるという趣旨が今後とも貫けるようにぜひひとつやっていただいて、私の心配したことに全部満足のいく御回答をいただいておりませんが、時間の都合でやめまして、大臣から最後に、冒頭申し上げた意味でお答えをいただきたい。
○安倍国務大臣 会計検査院から指摘を受けた事項を守っていくために、省内において基準を設けて、これを忠実に実行するような監査体制をつくるべきではないかというお話でございますが、やはりこうした指摘を受けることに対して、これにどういうふうに対応していくかということは、行政官庁としての姿勢にかかわる問題でもありますし、また責任の問題であろうと思うわけでございまして、指摘に対しては忠実にこれを反省をして、そして改善をすべきことは改善をしていくということに対しては、省、行政官庁挙げてこれに取り組んでいかなければなりませんし、農林省としても、いま林野庁長官からお答えをいたしましたように、努力を重ねてきておるわけでございます。 しかし、さらにこの実行を進めていくためには、やはり省内におきまして、これが十分に行われるという監査の制度といいますか体制をつくっていくということは必要でもあろうと思いますし、現在におきまして、農林省でも林野庁においてもそういう監査体制をとっておると聞いております。また、本省としても官房の中にそういう仕組みも持っておるわけでございます。しかし、全体としては、これは農林省全体の責任者である農林大臣として、この点が十分に実行されるように責任を持ってやっていかなければならぬわけでございますから、私も今後とも、御指摘につきましては、これに対して十分に実効が上がるようにさらに省内を督励いたしまして、ひとつ最善の努力を尽くさせたいと考えておるわけでございます。
○原(茂)委員 林野庁の皆さん、結構です。ありがとうございました。 大臣、私、これは確証があって言うわけではないのですが、この山の問題、国有林材の問題をいま言ったような監査を十分にしないと、田中金脈に見られるような、何かいつかはほじくり出されて問題が出てくる予感がしますね。国の政治が国民から信頼を得るために一番大事なことは、クリーン三木の看板どおりに、この種のことに最もクリーンでなければいけないのですが、そのクリーンであるためにも、本省における内部照査というものを、基準をつくりながらしっかりやっていくということが、私がつまらない老婆心で予感がするようなことが全然ないようにいまからやっておくことが必要だという意味であえて私は申し上げるわけですが、もう一度決意を聞かしていただきたい。
○安倍国務大臣 いま原先生のお話はもっともなことであろうと思います。私も農林省の最高の責任者として、そういうふうな事態が起こらないために厳重な監督を行う決意でございますし、またさらに、省内におきまして基準を設け、あるいは監査を強化していくという体制は、今後ともつくっていきたいと思うわけでございます。
○原(茂)委員 ここで大臣に、国務大臣として先にまず、ちょっと二、三お伺いしたい。直接農林省に関係ありません。 現在、農林省として一番責任を持って施策をし、しかも責任を負わなければいけないのは、わが国の食糧中心の農業に対してであり、農民に対してであるということは間違いないと思う。こういう観点から言って、現に論議されているような独占禁止法の公取の案に対して、いま自民党内なりあるいは政府部内で真剣な討議を行って、終着駅に着こうとしているわけです。国務大臣として、二点お伺いしたいのですが、一体、独禁法改正に対して農林大臣は、第一に企業分割はすべきだとお考えになるかどうか、原価の公表はすべきだとお考えになるかどうか。現在、好況を伝えられておりますような農機具、農薬、肥料といったようなものも、だんだん独占化が進み、ある面では独占企業に成り上がっているというようなことから言いますと、農民、農業を考え、わが国の、世界的な食糧危機の中におけるあすの食糧中心の農業を考えたときに、独占禁止法がどうなるかは、大臣としても非常に関心のあるはずでありますから、一体、いま言われているような独禁法改正に関しては、企業分割あるいは原価の公表、この二つで結構ですが、それに対してどうお考えになっているか。私は、企業分割を大胆にやる、原価の公表を条件なしでしなければだめだ、こう思いますが、大臣がどうお考えになっているかを一点お伺いしたい。
○安倍国務大臣 私も三木内閣の一員でございますし、御承知のように三木総理大臣は、経済における、自由主義の中におけるルールを確立するために、独禁法の改正ということにつきましては、異常な熱意を持っておられることは御承知のとおりでございます。 そういう中にありまして、現在、総務長官が中心になりまして素案を練っておるわけでございますが、現在のところは、御案内のとおり、各方面との調整中でございまして、具体的な問題につき・まして、まだ担当大臣としてもその方向を明らかにする段階になっておらないわけでございます。しかし、私も三木内閣の閣僚の一人として、内閣が決定をしていく、そして独禁法の改正を行うということに対しましては、これを支持し、これが実現されるために、私も国務大臣として努力したいと思いますし、いまお話のございましたような問題につきましても、やはり趣旨につきましては大いにこれは考慮しなければならない点であろうと思うわけでございますが、ただ、具体的な内容についてまだ明らかにされておりませんので、私からこの際イエスかノーかということについて明らかにすべき段階ではないと思いますが、しかし、三木内閣の閣僚の一人として、内閣の姿勢がこの独禁法の抜本的な改正ということに取り組んでおりますので、私もこれを支持したいと思うわけでございます。
○原(茂)委員 私もこれを支持したい、国務大臣として最後は国の立場で閣議決定をされようというときには、自由に安倍さんのような新進が御自分の意見というものを吐いて、初めてそのディスカスの中から閣議の決定があってしかるべきなんだ。現在、この重要な独禁法、すなわち農業、農民に関して非常に関係のあるこの法律の柱といってもいいような企業分割なり原価の公表、特に原価の公表は大事なんですが、こういうことに対して、一体、閣議があったときにどういう主張をするのだ。おれはこう思うという個人的な意見、強固な検討の後の意思というものがあってしかるべきだと思う、もう終点に来ているのですから。それがちょっと抽象的に、これは三木内閣のやろうとする方針だから趣旨には賛成だ、そういう方向で進みたいというたけでなくて——だから私は、いま二つの問題にしぼって、これに対して一体どうお考えですかと聞いている。これに明瞭に答えるようでなければ、大臣としておかしいと思う。こんなことで国の基本的な方向が閣議決定されるはずがない。もう一度答えてください。
○安倍国務大臣 企業分割あるいは原価公表、これは大きな論議を呼び起こしておるわけでございまして、私自身としても大きい関心をもちろん持っておるわけでございます。これからの経済の中においてルールをつくっていくという意味におきましては、こうした企業分割あるいは原価公表といったことにつきましても前向きな考えを持っておるわけでございますが、しかし、その中身につきまして、これからの経済運営といったものとも関連をいたしまして、この点につきましてはもっとさらに研究をして、そして私自身の考えを述べたいと思うわけでございます。
○原(茂)委員 ひとつがんばっていただいて、新進気鋭の農林大臣として、三木さんが思っていることが実現できるように、大いにやっていただきたいと思います。 それから次にお伺いしたいのは、先ほどもちょっと申し上げたように、現在、非常に冷え切った産業界の中でも、農機具、肥料、農薬等は好況部門に入っているのですね。この好況部門に入っているものに関してまで、現在の財界なり政府が、そういう圧力をかけるかどうかは知りません、かけてないと思いますが、とにかく一五%以内の賃上げに抑えるべきだというようなことも寄ってたかって言われるというような状況にいまなっているのですが、農民、農業のために一生懸命にやってきたその過程の中には、非常に不況時もあった。その不況時には耐えてきたのだ、この三部門の従業員は。不況時には不況なりのあれで、低姿勢で過ぎてきたわけです。現在周りがだめだというときに、この部門はいいのだ。しかし、周りがだめなときだから、影響があるといけないから一五に抑えてくれということで、抑えようというような空気が出てきていることに対して、大臣どう思いますか。私は、やはり農民、農業を考える立場から言うなら、悪いときには悪いなりにがまんしてきたこの農機具なり農薬なり肥料部門の労働者に対して、いたずらに周りに見合って、財界全体の必要から一五以内に抑えるというようなことはすべきでないと思うのですが、どうでしょう。大いに農林大臣としては、悪いときもあってがまんさせたのだから、いいときには、いままでほかのいいところが全部いいように配分があったのだから、今回いいのだからいいなりに賃上げをしてしかるべきだ、こうお考えになってしかるべきだと思いますが、いかがですか。
○安倍国務大臣 私は農林大臣といたしまして、農業の生産活動あるいは農家の経営安定というものに対してストレートな影響を与えるところの農機具であるとか農薬あるいは肥料等の価格が安定をするということが非常に大事なことである、こういう立場に立ちまして、農機具業界に対しましても、全農等を通じまして、適正な価格にこれが決定されるように行政指導等もしてまいりましたし、また、農薬、肥料等におきましても、そういう立場で努力をいたしておるわけでございますし、今後とも、こうした農業資材関係の価格が安定をしていくということに対しては微力を尽くしていきたいと思うわけでございますし、その間にあっていろいろの経済情勢等に応じまして価格を上げなければならないという事態が起こったときには、これはやはり、やむを得ないコストの上昇分については十分配慮していかなければならぬと思うわけでございますが、全体的にはやはり安定した価格で供給されるということが好ましいと考えておるわけでございます。しかし、そういう産業に従事されておる従業員の方々の立場というものは企業自体が十分考慮すべきものである、そうした中において決定されるべきものであるし、そういうところまで私たちが行政指導によって介入をするということは、これはまあいかがかと思うわけでございますが、全体的にはやはり価格が安定されるということを考え、これのために力を尽くしておるわけでございます。
○原(茂)委員 安倍さんのような大臣だったら、もう少し大胆なお答えがあるかなと思って期待したのですが、行政介入をしようという意味じゃありませんし、当然、農政を担当する大臣としては、この種の問題があって、これは労働大臣が決めて折衝すればいいんだ、あるいは産業界全体のためにできるだけ価格に影響しないように賃上げがされればいいんだ、そう言っていられる状況ではない。いまもうすでに、とにかく冷やそう冷やそうというので、悪いときにはがまんしたこの労働者に対して、いまいいのに、周りが全部悪いんだからがまんしろといったようなことがいいか悪いかということ、これはお互い政治家として当然感覚があるはずですから、それをお伺いしようと思ったので、もう一度その点に触れていただきます。 最後にもう一つお伺いしておきたいのは、この間、大臣が就任された後、新聞記者と会見をされた中に、たくさんいろいろなことをおっしゃっている。確かに、なかなかやる気十分だなという感じで期待をいたしております。その中の一つに、穀物以外、というよりは、米、麦以外の穀物に対してもいわゆる価格支持政策が必要だ、これを実行することが必要だとおっしゃっている。一体、米、麦以外に、今後新たに主要穀物として何と何を価格支持政策をやろうと考えているのか、いつごろそういうことを実行に移そうとされるのかを、先ほどの答弁の後、最後にこれだけお伺いして終わりたいと思います。
○安倍国務大臣 農業資材の生産に従事しておられる従業員の方々の待遇改善の問題につきましては、これは農林省が介入すべき筋合いではございませんし、自主的に労使の関係において決定をされるべきものであろうと思うわけでございますが、私たちはそうした中にあって、農業を支える重要な部面を担当しておるわけでございますから、こうした産業がいたずらに、ただ価格を頭から押さえつけることによって疲弊をしていくとか、あるいはこれが従業員の待遇にストレートに及んでくるというふうなことは、今後行政指導の中においては十分配慮して——こちらからストレートに行政指導をするわけではありませんし、全農等を通じて指導をするわけでございますが、やはりこういう点は配慮をしていくべき事柄であろうと思うわけでございます。 それから、私、就任早々、私自身の農政に対する考え方を申し上げまして、いろいろと御批判もいただいておるわけでありますが、私は、今日の国際的な食糧事情を考えますと、やはりこれは世界的な人口の増加あるいは生活水準の向上と相まって、恒常的に世界の食糧というものは不足をしていくような状況に向かっていくだろう、そういう中にあってわが国として考えなければならないのは、できるだけ国内における自給力を高めていく、制約された資源の中において可能な限りの自給力を高めていくということが、これからの農政の、われわれがやらなければならない大きな問題であろうと言っておるわけでございます。そうした中にあって、現在一〇〇%の自給率を持っているのは米でございますが、その他の農産物につきましては、まだまだ自給力を高められる余地はあるわけでございまして、特に麦であるとかあるいはまた飼料作物といったものは、これはいま非常に衰微をいたしております裏作を全面的に活用し利用することによって、相当程度自給力を高めることができると思うわけでございますし、あるいは食用大豆等につきましても、これまた、今後とも努力をすることによってある程度の自給力を高めることができると考えて、これらの対策につきましては、五十年度予算におきましてもいろいろの施策を講じておるわけでございますが、今後とも十カ年計画をもってこれが増産を図っていく決意でございます。 ただ、この畜産物、特に中小家畜の飼料でありますところの飼料穀物、トウモロコシとか大豆につきましては、なかなかこれは国内における生産情勢というものが整わない、こういうような関係からも、今後畜産物の消費が向上する中にあって、やはり依然としてこれは今後とも外国に依存せざるを得ない状況になっておるわけでございまして、そういう点につきましては、今後ともやはり外国からの安定的な輸入という基本方針のもとに、そうした輸出国との間の中長期にわたる契約等も含めて、輸入量が確保できるという方向で農政を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○原(茂)委員 私のお伺いしているのは、就任の談話で発表しましたような支持価格制度の拡大をおやりになるかどうかということですよ。何をやるんだ、いつごろやるんだ。
○安倍国務大臣 どうも失礼しました。 価格制度につきましては、先ほど申し上げましたような、この自給力を高めていくという観点におきまして、やはり農村における生産の担い手の再生産が確保されるという立場から、価格政策もこれからいろいろと改善をし強化していかなければならぬと思っておるわけでございますが、価格政策は、御案内のように、米以外それぞれの特性に応じた価格政策をとっておるわけでございまして、今回は、畜産につきましては牛肉を指定食肉に加えるための畜安法の改正をお願いをいたしておるわけでありますが、これに対して全体的に一つの価格保証制度といいますか、まとめた価格保証にしろという御意見がずいぶんあるわけでございますけれども、しかし、これはまあそれぞれの農産物の生産、流通の事情が違っておるわけでございますし、あるいはまたこの商品の特性ということもありまして、全部の価格制度を一本化するということは、現実の段階としてはむずかしい。それぞれの農産物に応じた価格政策を推進していくという方向で、今後ともその一層の改善に努力をしていきたいというのが私の考えでございます。
○原(茂)委員 終わります。
○井原委員長 安井吉典君。
○安井委員 農林省所管四十七年度決算に関連いたしまして、二、三伺いたいと思います。 いま原委員と大臣とのやりとりの中で、食糧自給度を高める今後の方針についてお話があったわけですが、今日までの米の生産調整ということと、それから食糧自給度の向上ということとの関連の問題なんですが、いままで農林省が米の生産調整をどんどん進められてきたということと、それからまた、これからも米の問題についてどうなさるのか明確ではありませんけれども、いままでのそういうやり方が食糧の自給度の向上にどういうふうな役立ちをしてきたのか、それからまた、これから後、米の問題をどうお扱いになるのか。過去の評価とこれからの方針について、ちょっとこの際伺っておきたいと思います。
○安倍国務大臣 米の生産調整につきましては、実は私が農林政務次官をしておりました四十二年ごろから、米が過剰生産に移行するという中におきまして、古米の在庫量がいたずらにふえる、国内における消費量は漸減をする、こういうふうな中で、生産調整をしなければならないという議論が起こって、生産調整ということが始まったわけでございまして、これは今年度でもって終わりとなっておるわけでございますが、しかし、その間にあって、四十九年度からは、生産調整というよりは減反政策といいますか、休耕田をつくるという政策は廃止をいたしまして、稲作転換事業という方向へ移ってきて今日にきておるわけでございますが、私は基本的に、やはり現在でも依然として米自体は生産過剰という基調にはあるわけでございますが、世界の食糧情勢とか、あるいは国内における食糧に対する不安感というものがあるわけでございますから、そういうものを十分配慮いたしまして、やはり今後は米についても端境期における十分の在庫の積み増しを持つべきであるというふうな考えで、ことしは生産調整量につきわしては百万トンにしぼりまして、大体ことしの十一月には百万トンの在庫が持てる。さらに来年の十一月ごろには百五十万トンの在庫量が持てる。その百五十万トン、百万トンが適当であるかどうかは今後の問題にもかかってくるわけでございますが、しかし、それまで在庫の積み増しを図っていくというのが私の考えでございますが、生産調整といいますか稲作転換事業を今後五十一年度以降どうするかという問題につきましては、やはり今後の米の需給関係ということも十分検討しなければなりませんし、あるいは国際的な食糧の動向というものも十分配慮しなければなりませんし、さらにまた、米以外にわが国において増産をしなければならない作目と米の生産との関係ということも、またこれ配慮のうちには入れなければならぬと思うわけでございますが、そうしたもろもろの要素を十分に勘案をいたしまして、そして今後、米の在庫については自信が持てるというふうな見通しが立った中において、この生産調整問題というのを五十一年度以降はどうするかということを検討したいと思います。しかし、これもそういつまでも検討検討というわけにもいきませんので、早急にこの点については結論を出したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○安井委員 いま私が初めに申し上げたかったのは、日本の食糧の自給率が、穀物の自給率においても総合自給率においても、だんだん落ちてきたわけですが、米の生産調整の進みと並行して落ちてきたという、そういう事実が私は明らかになっているのではないかと思う。もちろん、それだけがすべての原因ではないと思いますけれども、何かそういうふうな——米だけではありませんよ、総合的な、あるいは穀物全体の調整をしているんですから、落ちてくるのはあたりまえでしょう。 そういう事実を一つ指摘したかったのと、それからもう一つは、これから後どうするかという点なんですが、いまお尋ねに対するお答えで、これから検討するのだというわけですが、五十一年度以降の生産調整をどうするかということについての結論は、いつごろお出しになる御予定ですか。
○安倍国務大臣 安井さんのさっきの自給率と米との問題でございますが、私は、やはり一番、日本の自給率が落ちてきているというその主因というのは、何としても日本の畜産物の消費がふえて、それに伴って畜産物の生産が増大をした、そして、この飼料である飼料穀物をすべてほとんど外国に依存せざるを得なかったということに、自給率が落ちてきた最大の原因があるし、今後ともこれがわが国の農政の、自給率を一気に高められない、また大きな問題でもあろうと思うわけでございます。 そして、いまの五十一年度以降の生産調整、稲作転換といいますか、これをどうするかという時期につきましては、大体六月ごろまでにはぜひとも決定をいたしたいと考えております。
○安井委員 初めの私の、これまでの生産調整事業の評価の問題で、えさの問題だ、こういうふうに言われたが、私、全くそのとおりだと思います。それが一つの大きな要因だと思いますけれども、しかし、米の生産調整で、政府は米の裏作までつぶしてしまったわけですよ。これは生産調整事業に私は非常に関係があると思う。水田をつぶすことによって裏作までつぶしてしまったということ、その事実が私はこれから大切だと思うので、だから、むしろ米をつくり出した方が裏作がふえてくるのじゃなかろうか、そういうふうな感じも受けます。 明年度のことは六月ごろまでにはお決めになるというのですが、それで、できるだけ早く、農民の将来の方針が立つ方向に御決定を願いたいと思うのですが、米の問題も、水田をつぶしてほかの作物に移るように期待をし希望をするという人は、私はどんどんそうやっていただいていいと思うのですが、しかし、どうしても水田をつくりたいという希望を持っている人なら米をどんどんつくってもらって、備蓄の問題ももちろんありますし、さらに輸出の問題やその他、これは非常に困難かもしれませんけれども、むしろそちらの方向も考えていっていいのではないか。反当たりのカロリーから言うと米は非常に高いし、農家の所得も多いわけですから、そういう別な道をもっと考えていく必要があるのではないか。どうしても米をつくりたいという人を無理やり押さえつけて、米よりも反当たりのカロリーの少ないものをつくらせたり所得の少ないものを押しつけたって、私はうまくいく道理はないと思う。しかも裏作の問題にも関連がある。そういう点についてどうなるのかという点も、この際ちょっと伺っておきたいと思います。
○安倍国務大臣 これからどうするかという検討をする段階におきましては、いまも安井さんのおっしゃいますような、やはり農民の対応というもの、対応の仕方といいますか、農民のこれからの農産物生産に対するところの考え方、あるいは動向というものも十分配慮をした中でこれは対策を決めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 同時にまた、いま米はカロリーも高いし、これをどんどんつくって、場合によっては外国に輸出をするということも、困難ではあってもこれを考える必要はあるのではないかというお話もあったわけでございますが、私たちも、そういうことができればしたいわけでございますけれども、しかし、今日のわが国における米の価格と国際価格との間には大きな開きがあるわけでございまして、その米を外国に輸出をするということになりますと、非常な大きな財政の負担ということも考慮の内に入れなければならぬわけでございます。あるいはまた、外国側がこれに対するどういうふうな対応をしてくるかということも考えなければならぬわけでございますが、私たちは、むしろ外国に対する援助ということは、これはもう食糧危機に悩んでおる外国を助けるということは必要でございまして、ローマの会議でも取り上げられたわけでございますが、こういう点はむしろ金でもってこれを行った方が非常に効率的であり、また、外国にも現在のところは歓迎をされておるというふうに考えておるわけでございます。
○安井委員 ちょっと私も議論がまだあるのですけれども、限られた時間ですから、少し後の問題に、将来の問題にもう少し残しておきたいと思います心 次に、最近の報道によりますと、農林省は豚肉の輸入関税減免措置を発動する考えになっているというふうに伝えられておりますが、この点についてどうですか。
○安倍国務大臣 御存じのように豚肉は、最近の価格は上位安定価格を上回りまして、大体上位安定価格が六百二十円でございますが、六百七、八十円というふうな段階に来ておるわけでございまして、そういうことから見れば、これは関税の弾力条項を適用をいたし、関税を軽減をしなければならないという筋にはなるわけでございますが、しかし、これは、現在の畜産農家の経営の状態とか、あるいはまた畜産農家の動向、あるいはまた、これによって与えるところのいろいろの影響というものも十分配慮をして行わなければならぬわけでありますし、三月の末にはいずれにしても価格の安定帯の改定を行わなければならないわけでございますので、そういうふうなあらゆる情勢というものを現在慎重に検討をいたしておる段階でございまして、何ら結論は、いまのところは出していないわけでございます。
○安井委員 最近、豚肉の相場が上げ足状況にあるということも一つ事実だし、輸入促進の上限価格をオーバーしているところまで行っているということも間違いはないと思う。さらにまた、消費者価格の側面から言えば幾らかでも安い方がいいのは、これは当然だと思います。 私も現状をよく知っているわけじゃありませんけれども、報道によりますと、食肉加工業界や商社筋が、豚肉がだんだん上がりかけているのを見越して、先物買いでどんどんどんどん運んできて、そして、すでに約一万トンの豚肉が保税倉庫や沖待ち待機中である。これは関税の減免制度の発動というのをあらかじめ予想した先物買いであるわけなんですけれども、そういう状況のもとで免税措置が講ぜられれば、大もうけできるのは当然なわけです。この新聞報道によりますと、それが自民党や農林省に積極的に働きかけて、早く免税措置をやれやれと促進をしつつある、こういうふうな伝わり方がしています。 私は、国民全体の消費生活に対する役立ちという側面から問題を考えていかなければならないのは当然だと思います。しかし、そうかといって、業者の思惑だけによって農政の方向が間違ってしまうということも、重大問題だと思う。いま大臣お話しのように、三月の末にはいずれにしても畜安法による価格決定が必要になってくるわけですから、ここで輸入を進めて、それで豚の値段が落ちることによって、ようやく価格上げ足ぎみの中で養豚農家も少し励みがついてきたところで、価格を下げられた形で新しい支持価格を政府がお決めになる、そういうことに対する不安が養豚農家の中に広がっているというのが現状ではないかと思います。ですから、この際問題なのは、消費価格を冷やすということも一つ大事だし、それから、生産農家の問題も非常に重大である。しかし、そこに業者というものが一つは入ってくる。だから、どういうところで軍配を上げるのか、それがいま農林大臣に問われているところではないかと私は思います。さっきからのお話のように、国内の自給度をあらゆる側面において高めていくということになれば、国内の養豚生産農家が意欲を失うような形にしてしまったのでは、本来の大きな目的を達成できないわけですよ。そういう形では消費者の消費生活を満足させるわけにもいかなくなる、私はそう思うのです。だから、近くいずれにしても御決定をなさるお気持ちだと、こう言うのでありますけれども、三月のその支持価格の決定後でいいんじゃないですか。その点ひとつ明確にお答えいただきたいと思います。
○安倍国務大臣 いまお話がございましたように、私のところにも、こうした豚肉の相場が上がっているということで、関税の減免措置を一日も早くとるべきである、こういうふうな陳情があることも事実でございますが、しかし、先ほどからお話しのように、やはり私といたしましても、畜産農家の経営の安定あるいは生産意欲を確保していく、こういうことも十分考えていかなければなりませんし、また一面、お話がございましたように、消費物価の動向というものも配慮の中に入れなければならないわけでございまして、そういういろいろの要素を現在検討をして、慎重な態度でいまこれに臨んでおるわけでございまして、現在のところは、これに対してはっきりした結論を出しておる段階ではないわけでございまして、その辺はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○安井委員 ですから、この際、農林大臣としておやりになることは、市場が豚肉について品薄なら、あるいは高値ぎみで、場合によれば関税減免措置の発動もあるかもしれないという実態を生産農家の方によく徹底をして、出荷の協力その他の問題を強く働きかけていくということ、それがいま大事ではないか。そういうことで生産農民の協力を得ながら、いまの発動の問題は、これは支持価格が決定してからでも遅くはなかろう、私はそう思うわけであります。重ねて伺います。
○安倍国務大臣 農林省としても、実はそういうふうな考えでもって全農等に対して働きかけました。全農も生産農家に対して、出荷の促進等についていろいろの措置を講じておるようでございまして、私たちも、そういうことは十分今後配慮した中で決めていきたいと思うわけでございます。
○安井委員 いま、四十九年度中の消費者物価指数を一五%に押さえるかどうかということが、三木内閣にとって非常に大きな課題だそうです。押さえられないと春闘相場にも響いてくるしと、いろいろな思惑もお持ちのようでありますが、だから豚肉を冷やすんだというふうな問題の提起の仕方もあるのかもしれないけれども、私は、生産者の生活を守るのは当然なのですが、そういう政治的な意図で、あるいはまた業者の思惑の中に巻き込まれる中で、生産農民が意欲を失うというふうなことがないような、そういう方向で結論をお出しいただきたいと思います。 支持価格が決定されるまではいまの関税問題について決着をつけないということを、いま明言できますか。
○安倍国務大臣 やはり私は、いまのところは何ら決定もいたしてないわけでございますが、これは今後の豚肉の価格の変動といいますか、推移というものを十分見ていかなければならぬと思いますし、出荷がどんどん進んできて安定していくということになれば一もちろんその必要はないわけでございますし、その辺のところは、やはり今後の豚肉の相場の推移というものを十分見きわめた上で、先ほど言いましたいろいろのことも総合的に判断をして決めていきたいと思うわけであります。
○安井委員 模様を見るということが、ひとつ逃げ口上にならないように、問題の決着をつけていただきたいと思います。沖に豚を積んで、どんどん農林省に圧力をかけている、自民党を通して圧力をかけている、こう伝えられておりますことが本当にならないように、そのことだけひとつ申し上げておきたいと思います。 三月中に畜産物価格安定法の基準価格決定ということになりますと、乳価の問題もあるわけですが、四十七年をピークにして、牛乳の生産量は毎年減ってきています。牛の数も減ってきています。ちょうど私どもがいま審査をしている決算がその峠の年の決算だということになるわけでありますが、そういうような状況が続けば、農林省がお示しになっている自給見通し等が達成できないのではないかという恐れを持つわけでありますが、その点どうですか。
○澤邊政府委員 御指摘のように、牛乳の国内におきます生産は、四十八年、四十九年と、前年をやや下回っておるわけでございます。六十年の、現在検討中の見通しにおきましては、生産を、現在のような停滞からは年率で三%前後ふやすということで検討いたしておるわけでございますが、昨年、一昨年と二年続いております生産の停滞は、種々な要因があると思いますけれども、一つは、何と申しましてもえさの値上がりの問題、あるいは牛肉の価格の低落によります副産物といたしまして、酪農農家の収入になります子牛の価格が低落をしておるというようなこと、あるいはもう一つ、消費の面では、ここ数年来かなり伸びてまいりましたのが、相当の水準に達してきたことと、御承知のような一昨年以来の諸物価高騰の中での消費の減退というようなことがございまして、停滞をしてきておると思いますが、われわれといたしましては、自給飼料の生産の増大あるいは経済の安定成長というような中で、ただいま申し上げましたような粗飼料の増産の問題あるいはそのための用地の取得の問題、酪農労働の合理化の問題等に努力をいたしまして、六十年を目標として現在検討しておるもの程度はぜひ実現をさせたいというふうに思っております。
○安井委員 いま畜産局長がいろいろお挙げになった停滞の理由なり、それからまた、これからの対策の方向の中で、乳価の問題を、意識的なのかお忘れになったのか、お触れにならないようですが、今後の自給見通しを達成するために、乳価の問題についてはどうお考えなのですか。
○澤邊政府委員 もちろん、乳価を適正に決定をして再生産を確保するということは、大きな前提になると思います。四十九年度におきましては、御承知のように四四%上回る大幅な引き上げをやったわけでございますが、その生産に対する効果というのは、まだ十分にあらわれておりません。別のマイナス要因も、先ほど申し上げたように種々あるわけでございますが、われわれといたしましては今後とも再生産が確保できるような、生産事情の変化あるいは物価の動向等も十分織り込みまして、再生産を確保できる適正な価格を決定してまいるということは、五十年度はもとよりのこと、今後ともぜひやっていかなければならない一つの要件であると考えております。
○安井委員 四十九年の三月二十八日、畜産振興審議会が去年の価格に関する答申をしているわけですが、その附帯決議四項目あります。問題は、この四項目を、去年からことしまでの段階でどれだけ忠実に政府は実行に移してきたのかどうか、その点だと思うのですが、どうでしょう。
○澤邊政府委員 昨年三月の畜産振興審議会の酪農部会におきまして価格の答申をいただいた際に、附帯決議が御指摘のように四項目あるわけでございますが、それぞれにつきましてどのような施策を講じたかという点についてお答えを申し上げます。 「加工原料乳不足払い制度をも含めて、畜産政策の全般にわたり検討を加えること。」という第一項目でございますが、これにつきましては、先ほど申しましたような飼料事情等も考えまして、配合飼料価格の安定を図るということのために、先般の臨時国会におきます補正予算に六十億、五十年度の予算で現在御審議いただいております中に二十億という予算を計上いたしまして、配合飼料価格安定特別基金、俗称親基金と言っておりますけれども、そういうものをつくりまして、価格の異常変動によります経営の打撃を緩和するために補てんをする財源に対しまして補助するということにいたしておるわけでございます。さらに、粗飼料の増産をやるということが酪農経営の安定のために必要でございますので、草地造成を初め、特に来年度は既耕地におきます飼料作物の生産増大を図るために、緊急総合対策等含めましてかなりの拡充をいたしておるわけでございまして、また、酪農にも関係がございます牛肉の価格の安定制度を五十年度から発足させたいということで、法案も提出して、御審議を煩わしておるところでございます。 第一項目につきましては以上のようなことでございますが、不足払い制度そのものにつきましては、なお慎重に研究をしてまいりたいというふうに考えております。 それから第二項の、畜産振興審議会を開催して、保証価格等の改定について検討することという項目でございますが、これにつきましては、確かに牛乳の生産は、全国的に見ますれば昨年をやや下回っておる停滞現象が見られますけれども、この加工原料乳の生産者補給金の対象になっております加工原料乳の主要な生産地域、北海道を初め一道四県でございますが、この地域におきます牛乳の生産は、四月から十二月まで見まして前年をやや上回っておるというような情勢にもございますので、なお慎重に推移を見守っておるということでございます。したがいまして、本審議会を開催をして年度内改定について諮問をするというところまでは至っておらないわけでございます。 それから「乳製品の市場価格は安定指標価格に維持するようにつとめること。」という点は、大体三月末に定めました安定指標価格は、バターにつきましても脱粉につきましても、その他の指定乳製品につきましても、ほぼその価格に維持をされておるわけでございまして、輸入のバターなり輸入の脱粉なりの放出を通じまして市場価格が上がらないように操作をして、おおむね目的を達しておるという現状でございます。 加工原料乳の市乳化の促進につきましては、なかなか意に任せない点がございますけれども、北海道等の遠距離からの大阪周辺あるいは東京周辺、大都市への市乳化を促進するために種々の援助をしておるわけでございます。これは前からやっておりますが、五十年度につきましても新たに、輸送をするためのコンテナをリースする協会に対しまして出資をするというような予算も計上しておりまして、御審議を煩わしておるところでございます。
○安井委員 この附帯決議のうちの特に第二項で、物価、飼料価格その他の経済事情に著しい変動が生じた場合には審議会を開くという点をめぐって、審議会は開かなかったじゃないか、それは著しい変動がなかったからだという農林省の解釈と、いや、もう大変なことで、首つり自殺の人が続出しておるというような状況の中で、何が著しい変動がなかったのだという農民の声とその不満がいま積み重なってきて、ことしの乳価決定の段階を迎えつつある、私はそう思います。生きるか死ぬかという、そういうふうな状況の中にある酪農の問題。いま日本の農政は、どの部面も私は大変だと思う。お米の問題もそうだし、畑作もその他の畜産もそれぞれ大変なんですけれども、私は、最大の危機に直面しているのは酪農ではないかと思う。それがいまお話しのように、政府も幾らかの対策を飼料問題その他お示しになったわけでありますけれども、しかし、最終的な不満はやはり乳価の問題に集中的にいま来ているということではなかろうかと思います。 報ぜられるところによりますと、キロ当たり百十七円四十銭ぐらいの乳価の要求をするんだという農民組織の決定があるように聞いています。これは年間所得を四百二十万円とするということからの逆算の数字のようですけれども、しかし、そういう声が現実に強まってきているという事実だけは無視するわけにはいかないのではないかと私は思う。生産費所得補償という方式をもっと真剣に考えるべきではないか。そしてまた、加工原料乳不足払い制度についてはなお検討する、こういう御答弁でありますけれども、その検討は、もう一年たったんですが、いまどんな状況になっているのか。それからもう一つは、この畜産物の審議会はいつごろお開きになるのか。時間がありませんので、この三点についてお伺いをいたします。
○澤邊政府委員 三点についてお尋ねでございますが、まず、畜産審議会の今年度の開催の予定でございます。まだ未定でございますが、例年どおりの時期にやってはいかがかというような方向で検討はいたしておりますが、まだ決定はいたしておりません。例年でございますと、三月の下旬が通例になっております。 それから、不足払い制度の検討についてどのように考えておるのかという点でございますが、一れは率直に申しまして、現在の不足払い制度ができました時点と比べますと、客観情勢がかなり変わっております。需給関係も変わっておりますので、昨年の審議会におきましても、先ほど御指摘がございましたような附帯決議がついておるわけでございまして、われわれといたしましても、これはやや時間をかけて研究すべき問題だというふうに思いますし、一般の生産者の方々あるいは第三者の方々等も、まだ、どのような案がいいのかというような点について十分の議論が始まっておらない。問題点の御指摘はいろいろあるわけでございますが、そういう状況でございますので、われわれとしてはもう少し時間をかげながら研究を進めてみたいというように考えております。 それから次に、生産費所得補償方式の問題でございますが、これは米と違いまして、加工原料乳の場合は生産費所得補償方式というものを直接にはとっておりません。ただ、酪農労働の特殊性から見まして、飼育管理労働につきましては都市労賃に換算をしておる。それから、これは従来からやってきておったわけでございますが、四十九年度の乳価を決めます際に、粗飼料なり飼料作物の生産増大を刺激するというような去年の飼料事情の中での必要性が特にございましたので、飼料作物労働につきまして農業労賃と都市労賃の平均をとって算定をしておるというような方式の改善を昨年はしたわけでございます。われわれといたしましては、米の場合と農産物としての性格なりウエートなりあるいは生産性向上の発展段階等が違いますので、直ちに生産費所得補償方式を米価の場合と同じようにとるのは非常に困難ではないかというふうに考えております。
○安井委員 たくさん問題がありますけれども、あとの問題は後日に譲りたいと思いますが、最後に大臣に、いまの農産物価格決定の問題であります。つまり、何の作物をよけい生産してもらいたいから千円、あるいは二千円、二千五百円の奨励金をつけるとか、そういう安易な形でいまの農政は対応しているわけですが、すべての農産物について生産費所得補償方式というのができれば、何の作物をつくっても同じ所得が得られるんだということになれば、所得水準が同じになるんだとすれば、転換はどこにでもいけるわけですよ。それをただ価格だけで、価格は所得には全く無関係に決めて、奨励手段と言えば話はいいんですけれども、お金でつる方式で今日やってきているというところに基本的な問題があるのではないかと思う。食糧の自給度を総合的に高めていくという中において、私は価格政策そのものについていま大きな再検討の段階に来ていると思うのですが、どうでしょう。いま乳価の問題を議論しているわけですけれども、乳価の問題についての詳細な問題はもう少し後の機会でないと、近寄ってからでないと問題にならなぬと思いますけれども、しかし、いまの生産費所得補償方式という、そういう農畜産物の価格決定の基本方式を統一的に持つという、それは非常に重要なものではないかと思うのですが、いかがでしょう。
○安倍国務大臣 農産物全体について生産費所得補償方式をとった方がいいんじゃないかというお考えでございます。そういう御意見が多くあることも私も承知いたしておるわけでございますが、価格制度につきましては、やはり農産物それぞれ生産と流通の事情等も違っておるわけでありますし、また、やはりそれぞれの農産物の特性ということもあるわけでございますから、ただ、米あるいは麦の方式をそのまま全体の農産物に一挙に及ぼすということは、現在のところは非常に困難ではないだろうか、私はこういうふうに考えておるわけでございます。そういう中にあって生産の向上、増産を図り、あるいはまた農家の経営を安定をさせるという上において、価格政策は大事でございますから、その農産物ごとにいまございますところの価格政策を十分に活用をしていく。そして、その中にあっては、先ほどもお話がございましたように、乳価等につきましては畜産審議会の附帯決議等もあるわけでございますから、改めていくところはこれを改めていくということでもって、総合的に価格政策というものを充実強化していくということは、もちろんやらなければならぬことでございますが、いま一挙に生産費所得補償方式を実現をするということは、今日の段階においては非常に困難であるし、これをやるということにつきましては、ここで肯定的な御返事をする段階に至っていないわけでございます。全体的にはこの価格制度全体を強化していくということについては、私たちも今後とも力を尽くしていきたい、こういうふうに思うわけであります。
○安井委員 議論を残しまして、これで終わります。
○井原委員長 庄司幸助君。
○庄司委員 私は農林大臣に、農協資金の使い道、農協金融の問題ですね、この点をお伺いしたいと思うんです。あり方の問題です。 昨年の十二月二十四日の決算委員会の総括質問の際、私は、三光汽船に多大の農協資金が融資されているという点を御指摘いたしまして、それで農林大臣から、それに対する御答弁があったわけです。その御答弁の要旨は、大企業に対する貸し出しは必ずしも望ましいものとは考えぬ、農協本来の趣旨にのっとった資金の運用が図られるよう検討を加えているという。検討を加えているという進行形ですね。そして指導もいたしておりますと、こういうふうな御答弁です。 そこで私、まずお伺いしたいのは、検討をお加えになっているわけですから、どういう検討を加えられたのかという点が第一点。それから、指導をなすっていらっしゃるというわけですから、どういう御指導をなすったのか。この二点、まずお伺いしたいと思います。
○安倍国務大臣 私は、やはり農協の資金の運用といいますか、貸し出しにつきましては、農協本来の趣旨に即した貸し出しを行うということがその根本でなければならない、こういうふうに思っておるわけでございまして、そういう前提に基づきまして今日までも農林省といたしましては、しばしば通達等を出しまして指導を行っておるわけでございますし、また、共済事業の資金運用等につきましても、これはやはり、共済の契約者の掛金の実質的な軽減を図るためには効率的な運用をするということが必要ではありますけれども、最近の経済、金融情勢等もございますから、やはり本来の目的ということにのっとってこれが適正に運営されるように指導もいたしておるわけでございます。いま、農協の組織及び事業のあり方について、検討を農協制度問題研究会において行っておるわけでございますが、今後、農協資金の運用のあり方についても調査、検討を十分加えて、本来の目標がかなえられるように努力を続けておる最中でございます。
○庄司委員 そうしますと、最中であって、まだ具体的な御指導あるいは具体的な御検討はなすっていないというふうに受け取れるわけです。これは、この間の自民党の湊さんの質問にもあなたはお答えになっておりますが、いわゆる不正な融資とかその他の問題があるので指導を徹底する、検査員をふやすとか、こういう御答弁だったと思いますが、問題は、農協金融がいろいろな問題点はらんでいる——これは後で申し上げますか、そういうことについて、三木内閣の公約である社会的不公正の是正、こういう観点で、当然私はこの検討をなさる必要があるんじゃないか、こう思っているんです。そういう点で、私は具体的な問題で、たとえばあの際御指摘申し上げました三光汽船に対する兵庫県信連の融資ですね、あるいは共済による融資、これについては何か減らすような指示をしたとか回収の指示をしたとか、そういうあれはございますか。
○岡安政府委員 兵庫県信連の三光汽船に対する貸し付けでございますけれども、これはその当時私からもお答えいたしましたとおり、兵庫県にあります商工信用組合、これが兵庫県信連の会員になっておりまして、そのメンバーである三光汽船に金が貸されているということでありますけれども、昨年の六月八日付でこの信用組合の定款が変更されまして、三光汽船は信用組合の組合員ではなくなったわけでございます。そこで、私どもとしましては、それ以降の新規貸し付けは停止するように、それから既貸し付け分につきましてもできる限り計画的に償還を図るように指導をいたしておるわけでございます。
○庄司委員 それで、二番目にお伺いしたいのは、検討をなさるということですから、やはり検討するためには実情、実態をよく把握していなければならないと思うのです。これは農林金融統計、ここにありますけれども、これは一般的な全体の数字を述べているだけですね。貸し付けの実態がどういうふうになっているのか、これではほとんど示されていないのです。その点で私は、検討の素材として実態を把握する、実情をつかむ必要があると思うのですが、そういう調査はなすっておられますか。
○岡安政府委員 やはり最近のような金融情勢に対処いたしまして、昨年から、一般の常例検査に加えまして、信用事業を行います連合会それから特定の単協等につきましては特別の調査ということで、私どもは調査をいたしておるわけでございます。
○庄司委員 そうしますと、調査の結果は出ておりますか。
○岡安政府委員 何しろ対象が数が非常に多うございますし、また、単協につきましては都道府県に依頼をしているということもございまして、一部は出ておりますけれども、まだ全体的には集計は出されておりません。
○庄司委員 ですから、私はくどいようですが、これは経済局長に考えてもらいたいのですよ。やはり調査が遅いと思うのです。これは後でも言いますけれども、農協の系統資金の流れというのが、インフレ抑制で窓口規制を盛んにやりました、その抜け穴になっていたという事実があるのです。そういう実態を調査もなさらないで、それで検討すると言ったって、私は検討できないのじゃないかと思うのです。 それで、私もこの点非常に気がかりでしたから、一応実態を私なりに調べてみました。昨年のあの総括審議の際、私は、十億円以上の大企業に対する県信連やあるいは県共済連、全共連、これの貸し付けの実態についての資料をお願いしたのですが、これはなかなか困難だという御答弁だったのです、あのときは。あれからもう二カ月たっております。そういう点で、私一人で東証の一部上場の会社なんか調べていますが、そんなに時間がかかるものじゃないのですね。まして、これは有価証券報告に出ている数字ですから、企業秘密でも何でもないわけです。こういうものを二カ月たってもやられていないというのは、私は怠慢じゃないかと思うのですよ。 それで、その点、若干御紹介します。 東証の第一部で資本金百億円以上の超大型の企業、この農協資金の実態について若干調べてみました。そうしたら、貸し付けを受けているのは七十五社ありました。その数ですが、全共連関係が四十六社で、長期が三百二十四億四千九百万円、短期が三億八千八百万円、合計で三百二十八億三千七百万円です。それから県信連関係五十一社、長期が六百六十八億六千五百万円、短期が五十七億八千六百万円で、合計七百二十六億五千百万円です。それから県共済連、これが六十九社、これは大変多いですね。長期が千七百九十六億五千九百万円、短期で十三億三千七百万円で、合計が千八百九億九千六百万円。それから単協とかあるいは市の農協連、こういう小さいところ、こういうところでさえも二十二社、長短合わせて百一億九千百万円借りております。延べ件数で百八十八件で、二千九百六十六億七千九百万円、これだけ使われております。そのほか農林中金は七十二社借りております。これは長短合わせて三千三百八十二億八千九百万円。合計すると六千三百四十九億円ぐらいになるのですね。莫大な資金量です。しかも、これは氷山の一角ですね。東証の上場された一部の分だけです。二部の分を調べればもっと出ます。それから、大証の一部、二部を調べればもっと出ます。 しかも、貸し付けを受けている企業をいろいろ調べてみると、建設大手は大成、大林、清水、鹿島ほか四社、熊谷組とかいろいろあります。八社借りております。繊維関係は鐘訪とかユニチカとか、これが合計六社、化学関係は昭和電工ほか十社で十一社ですね。ガラス、セメントは日本板硝子やいろいろなセメント会社四社。鉄鋼、これは新日鉄、川鉄、日本鋼管、もうトップクラスがずらりと八社、全部借りております。非鉄金属は日軽金初め鉱山まで、借りています。これが七社。電気、機械、これは東芝やあるいはナショナルとかいろいろありますが、六社。それから造船、船舶は三菱重工、そういったようなものですね、こういうものが合計七社。それから、これは一昨年の国会でも問題になった商社。これは中金だけですが、ほかにもありますが、中金が多いのです。これはもう丸紅からトーメンから伊藤忠から三井物産、住友商事、三菱商事、あらゆるところ借り散らかして七社。それから陸運関係です。このごろ不動産投機に手を出している。東急であるとか京浜、京成、これが八社。海運は、この間御指摘した三光汽船、これを初めとして四社ですね。そのほかに不動産業、百億円以上の資本金を持ったもの、これが三菱地所やあるいは三井不動産、住友不動産角栄建設、これは田中角榮さんとは関係ないようですが、それから藤和不動産。これが七社、五百十七億円借りています。 だから、そういう点で私は、東証の二部やあるいは十億円以上の分、それから大証の一部、二部、こういうものを入れると相当莫大な数字になると思うのですね。一体、幾らぐらいになっていると思いますか。
○岡安政府委員 東証の一部とか二部とか、資本金百億以上の企業とか、そういうふうな分類では調査をいたしておらないわけでございますが、概略考えましても、たとえば農協系統金融機関の場合、その原資である預かり金、これは昨年の三月末でございますけれども、十一兆を超えておりますし、その資金の運用先は、まず組合員に対する貸し付けが五兆七千億円、それから上級団体に対します預け金が五兆四百億円、それ以外に、いわゆる員外貸し出しというのが農協段階で三千七百六十三億円という数字が、昨年の三月末でございます。 それ以外に、農協から上がってきました資金が県段階の信用農業協同組合連合会で運用されるわけですが、その段階でも、会員貸し付けが二兆六千億円、それから上級団体への、農林中金への預け金が一兆九千億円、それ以外では、員外貸し付けが四千九百六十八億円というような数字が出ております。 さらに、それぞれ段階を経まして農林中央金庫に上がってまいっております金の運用としまして、農林中央金庫の所属団体貸し付けが一兆三千億円、それ以外に対する、いわゆる関連産業貸し付け等が一兆四千億円ということがございますので、おっしゃるような企業に対します貸し付けも、員外貸し付けまたは関連産業貸し付けの一部として運用されているということも予想されるところであるというように考えております。
○庄司委員 関連産業という言葉をあなた方はお使いになりますが、確かに、関連と言えば何でも関連すると思うのですよ。鉄がなければ農機具をつくれませんからね。そういう関連産業という言葉自体が、私はおかしいと思うのですよ。 それで、こういった貸し付けに回っている資金、これはもうほとんど、農民が汗水たらして積んでいるわけでしょう。中には、この東京にも来ておりますが、出かせぎをやりながら金を持っていって積む者もあります。本当に汗の結晶です。中には体を張った金もあります。大体九九%ぐらいが農協の農民の掛け金、預金。使っているのは、こういう大企業が使っている。これに対して河本通産大臣なんかは——私は、大したものだと思いましたよ、あの答弁を聞いていますと。農協から借りているのが私の得意のわざだ、独特の技術だ、こういうふうにいばり返るわけですね。これが腕の見せどころだと言わんばかりの答弁をなすっているわけですね。私がこの問題を農民に話したら、あきれ果てて、あいた口がふさがらない、大した男が三木内閣の通産大臣をやっているものだ、こういう言葉を吐いておりました。 それから、これは後でも申し上げますが、この間、宮城県の、これはちょっと規模は違いますが、系統外融資の背景と問題点が新聞に出たのです。「“農協商法”これでいいのか?」、宮城県亘理町の一農協組合員——この事件というのは、後でも触れますけれども、レジャーランドに農協の金が十九億円も貸されて、焦げつきになっている、会社は倒産してしまったという問題なんですよ。これを聞いた農民が、「農民が生活費から無理をしてでも農協貯蓄をし、共済掛け金や保険金を積み立てているのは、その金が農民のため、農業のために役に立っていると信じてきたからだ。ところが、この農民の汗の結晶ともいうべき金を、ゴルフ場造成や娯楽施設の建設資金に融資していたとは、驚きよりも、激しい憤りを感じる。法的に認められているとかいないとかは別にして、道義的に間違っている。」大憤慨です。 だから、その点、私は、どうも三木内閣の路線、これは田中内閣の路線と変わっていないのじゃないかと思うのですよ、そういう点で。これは「日本列島改造論」です。大分売れた本ですがね、田中さんの。一番最後にこう書いてあります。「民間デベロッパー」——三菱地所とか京成とか、ああいう連中です。「民間デベロッパーの参加にあわせて、民間資金の活用も真剣に考えたい。」そして「保険、信託、農協などの資金を新しい国づくりのために流入させることができれば、まさに“鬼に金棒”だ」こう言っております。これがこれの結論です。そのとおりですね。いま言ったのは氷山の一角をちょっと申し上げただけですが、農協の資金が鬼に金棒のように大企業にいっている。まさに田中内閣の路線ですね。「日本列島改造論」の路線を相変わらず三木さんが踏襲しているんじゃないか、こういう感じがするのですが、安倍農林大臣、その点、三木内閣になってどう変わったのか、これをひとつ端的にお答え願いたいと思います。
○安倍国務大臣 農協資金は、いまお話がありましたように、農民の大事な金を預かっておるわけでございますから、この農協資金を農民あるいはまた地方公共団体といったようなところへ貸し付けていくというのが、これはやはり農協の本来の資金運用としてのあり方だと思うわけでありますが、しかし、農協といえども、やはり大切な資金を預かっておるわけでございますから、安全確実な資金の運用もしていかなければなりませんし、また、効率的な資金の運営ということも同時に考えなければなりませんから、本来のあり方というものを著しく逸脱をするということについては、農林省としてもこれに対していろいろと指導もいたしておりますし、また、土地に対する投資等については規制枠等も設けておるわけでございますが、本来的には、そういう基本的な考え方でやっておるわけでございます。 ただ、これが逸脱をして、いまお話しのような問題がいろいろと起こるというふうな運営がされるということに対しては、これは今後とも厳しく指導していかなければならぬと思いますが、とにかく、本来的な趣旨を著しく逸脱しない限りにおいては、資金が効率的に運用されるということは、農協自体の健全な運営という面からも、これはもうある程度は認めざるを得ないのじゃないか、こういうふうに私は思うわけでございます。
○庄司委員 それで、本来の趣旨ですね、これは何度も引用されますが、農協法の第一条にあるわけですね。「この法律は、農民の協同組織の発達を促進し、以て農業生産力の増進と農民の経済的社会的地位の向上を図り、併せて国民経済の発展を期することを目的とする。」その「併せて」の方の抽象的な文句の方に何やら重点が大分いっているのじゃないか、こういう節が、いまの数字をちらっと見ただけでも、私は出てくると思うのですね。しかも、これがインフレをあおる一つの要因になったという点です。 私は、これは大事な点だと思うのです。一般市中銀行が大蔵省の厳しい窓口規制を受けている最中、この農協資金の方へ今度はどんどん行ったのです。企業というのは、ふだん緩んでいるときには、農協資金なんか見向きもしない。詰まってきたら、今度は農協資金を借りてやろう。床の間に座って借りているのですね、これは。だから、こういう責任、これは私は、農林省にやはり一端の責任が、このインフレの問題でもあるんじゃないかと思っているのです。ただ、これで論争をやると時間ばかり食って、制限がありますからあまりやりませんけれども、それで私は、やはりいまの農林大臣の御答弁ですね、本来の趣旨にのっとりということ、これはひとつ態度で示していただきたい。そのためにお伺いするのです。 まず、事務当局で結構ですから、資本金が百億円以上で、東証一部だけでいいですが、いわゆる土地投機の元凶と言われました不動産関係、ここに一体何ぼ農協の金が回っているのか。信連、共済連——まあ中金はいいですから、これをひとつ、お調べになっているなら答えてもらいたいのです。これはまさに本来の趣旨を逸脱しているわけですから。
○岡安政府委員 現在手元に資料がございませんので、とりあえず有価証券報告書の資料を取りまして調査をし、整理をいたしたいと思っております。
○庄司委員 これもおやりになっていないわけですね。農民の土地がこういう金でどんどん二束三文で買いたたかれて、一坪三百円ぐらいで買いたたかれて、それで今度は宅地に化けて十万だ十五万だになって、彼らの私腹を肥やしているわけですよ。そういった問題をまだお調べにもなっていない。 それじゃ、私、申し上げましょう。いいですか。三菱地所、これは四十九年九月の決算です。全共連から二億一千六百万、それから県信連、これは北海道のホクレンが多いのです、五十七億一千万、県共済連二十六億八千万、合計で八十六億六百万出ております。それから三井不動産これは全共連三億八千五百万円、県信連六十九億二千八百万円、県共連七億円、単共三十三億八千五百万、合計百十三億九千八百万円です。それから住友不動産、これは四十九年三月決算ですが、県信連から百三十七億円、県共連から四億円、合計百四十一億円です。それから角栄建設、合計で二十一億四千五百万、太平洋興発七十九億八千七百万、小田急不動産五十九億八千七百万。これだけの、六社ぐらいのところで五百十七億五千五百万使っています。県信連、県共済連、全共連含めて。これは明らかに土地投機なんですよ。北海道で三菱地所は、札幌の郊外を十一ヘクタールほど買ったのです。これは坪四千円。それが現在の値段は、時価で大体十五万円ぐらいになっているのではないかと思う。そうすると、これは四十九億円もうけたのですよ、造成費用もかかるでしょうが。農民の金がこういうふうに使われている。 それから三菱地所ですが、宮城県で問題を起こしています。宮城県泉市の市街化調整区域の土地を二束三文で買って、これが調整区域で開発許可にならない。それで、政治の圧力をかけて線引の変更をやらせる。こういう策動までやっているのです。 それから京成電鉄は、この間の委員会で私申し上げましたが、やはり蔵王の開拓地ですね、開拓資金の打ち切りで困っている農民の足元を見て買い進めている。 これでは、農民が自分の金を、せっせと汗水たらして出かせぎまでやって働いてためた金が、自分たちの農地を削り取られるために使われているという結果になるのですね。だから、農民は自分の墓穴まで、自分で生きているうちに掘らなくちゃならない。これはもう明らかに、私は政府の指導上の責任だと思うのですよ。一々県信連や県共済連とか、いろいろ経済事情にもうとい側面もありますから、これはやはり政府が指導しなければだめなんですね。特に農協法の一部改正、四十八年の五月にやられましたが、あれがやはり拍車をかけている。これは農林大臣、どう思います、こういう事態。大臣、答えてください。
○安倍国務大臣 農協の資金運営につきましては、確かに行き過ぎた点が今日まであったことも事実でございますし、問題も現在起こってもおるわけでございます。農林省としては、監督官庁という立場からこうした行き過ぎを是正をしていく、改めさせるというふうな見地に立って、今日まで土地投機の資金等については資金枠の規制等もいたしておるわけでありますし、先ほど局長が答弁をいたしましたように、農協に対する検査制度というものが必ずしも十分でなかったという点も考えまして、この五十年度からも検査制度を充実するための検査員の増員であるとか、あるいは大蔵省との検査官の交流であるとか、あるいは常例検査以外に適宜に検査を行うというふうなこともこれからやるわけでございますし、今日までも、そういう問題があったものですから特別調査等もいたしてまいりまして、その辺の実態をいま明らかにし、同時に、これらの問題を是正をしていくための行政指導も行っておるわけでございますが、しかし、農協の経営の安定というふうな立場から見ますと、もちろん、本来的には農協法の趣旨にのっとって、本来の農協法のあり方の線に沿った資金運営がなされるのがもう中心でなければならぬわけでございますが、しかし、農協の経営安定ということを考えますと、やはり安全確実な投資先といいますか融資先というものについてある程度の融資ということが行われることも、資金の効率的な運用という点からも、これはやはり、先ほども経済局長が申しましたように、やむを得ない問題であろう。ただしかし、これが行き過ぎてはいけませんし、そしてまた、いたずらに投機をあおるような、そうしたような資金の運営が行われるということは、これはやはり慎んでいかなければなりませんので、いま申し上げましたようないろいろな対策を今後とも強化をいたして、農協の資金運用が適正に行われるように今後とも努力をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○庄司委員 いままでおやりになってきたようなお話なんですけれども、いままでの路線というのは田中さんの「日本列島改造論」なんですよ、さっき言いました。民間デベロッパーを非常に重視しています。三菱地所、京成電鉄、いろいろな不動産、これに農協などの資金を新しい国づくりのために流入させることができれば、まさに鬼に金棒だ——私は、鬼に金棒じゃなくて、どろぼうに追い銭だと思いますがね。いままでこういう路線がとられてきたんです。この路線をやはり、いま早急に直さなくちゃならない時期に来ているのでしょう。高度経済成長路線はもう破綻したと、三木さん言っているのです。安定成長路線に変えなくちゃならない。この路線の変更が、どうも私は、三木内閣になっても変わっていない、こういう危惧を持っているわけです。これはひとつ大臣、いまの具体的に指摘した土地の投機、不動産関係の大企業に貸されている分、これは私は六社をあげましたが、大証関係とか二部関係調べたら、もっともっと出てきます。これは氷山の一角です、あなた方まだ調べてもいらっしゃらないようですから。こういう土地投機に回った金、不動産会社に貸した金、これはすぐ回収されるよう指示を出されますか。
○安倍国務大臣 これはやはり、大手のそうした不動産会社に貸した金だからといって、すぐ回収しろ、こういうふうな指導は、今日の農協と農林省との指導のあり方から見ても必ずしも適当じゃない、私はそういうふうに思うわけでございます。ただ、行儀の悪い、そしていろいろと問題を起こす、こういうふうな可能性があったときは特別調査等もいたしておりまして、こういう点については、大事な資金運用でございますから、この資金の債権の確保であるとかあるいは回収が行なわれるような行政指導等をやりまして、この資金が安全に回収されるようにやっていかなければならぬと思いますが、全部いま出しておるものを回収しろ、こういうふうなことは、農林省としてもいまのところは指導をする段階にはなっていない、私はそういうふうに思っております。
○庄司委員 社会的不公正の問題ですが、いま庶民は、宅地が手に入らなくて困っているわけでしょう。それから、あなたもこの間、農林省の経済見通しか何かの中で、農地の拡大をやると言っているわけでしょう。また、農地の拡大をやらなくちゃならないのです。それからいま豊富、低廉な宅地の提供をやらなくちゃならないのです。そうなれば、やはりこれは改正を急ぐ、改正させる。そうすれば、こういう不動産会社は、苦しまぎれに今度はたたき売りやるわけです。土地の値段は下がります。これは私、一挙両得だろうと思うのです。こういうこともやれないのじゃ、私には、三木さんの社会的不公正の是正というのは、どうもまゆつばじゃないか、こういうふうに思われるのですが、こういう金を返してもらって、その金で農民が安くなった土地を買い戻す、あるいはこれを国が買って農地の拡大に回せるわけでしょう。その辺もやれないのじゃ、私は、総論もどうも間違っているんじゃないかと思うのですよ。総論はいいんだけれども各論が悪いというような批判もあるようですが、私は、どうも総論の政治姿勢、この辺直っていないんじゃないかと思うのです。その辺どうです、大臣、おやりになりますか。
○安倍国務大臣 そうした大手の不動産業者に資金の貸し付けが行われておることも、確かに事実であろうと思いますし、そういうふうなことが土地を高騰させる原因にもなり、過剰流動性を生む原因にもなるということで、政府としても農協の資金運営について、土地に対する融資枠の規制等も今日まで行ってきておるわけでありますし、またさらに、監査制度等も充実しているわけでありますから、その後の問題としては、いたずらに不動産業界に対する融資の枠は拡大してない、そういうふうに私は理解をしておるわけでございます。 かつて貸した金は直ちに回収しろということにつきましては、その融資が行われたのは相当前の話で、そうして、それは償還計画に基づいて現在回収が行われておる、こういうふうに思っておるわけでございまして、農協の信用事業といえども、金融機関でございますから取引慣行等もあるわけでございまして、そうして、一定の回収の基準に基づいて回収が行われているわけでしょうから、この点についてはそこまで立ち入る必要はない。ただしかし、そうした土地投機の資金が農協からどんどん出ていかないようにということは、農林省としてははっきり農協等を指導して今日に至っておるわけですから、最近においてはそういうふうな状態はない、私はそういうふうに考えております。
○庄司委員 これは農協法の一部改正の際、附帯決議がついたわけです。附帯決議の二番目ですが、「貸付範囲の拡大に伴い、これが組合員に対する融資の円滑化を妨げることのないよう十分指導すること。」三番目は、「農業協同組合の宅地等供給事業については、農協本来の目的にかんがみ、優良農地の確保を旨としつつ組合員の委託によることを原則としていやしくも投機的行為にはしることのないよう十分配意すること。」さらに七番目に、「行政庁による検査体制の強化拡充を図り、」とある。この経過を見ますと、どうも決議の趣旨が尊重されていないのです。だから、大臣はいろいろ、いままでの指導の方針やその他お話しになっていますけれども、事実の経過は、こうやって土地の投機がどんどん進んで、それにさっき言ったような融資が行われておる。これは決議の趣旨にも反するわけです。その点で私は、もちろん、農協の貸付金だって期限の問題その他もあるでしょうから、期限到来前に返せと言えば契約違反にもなりますから、そこまではやれないだろうと思いますけれども、少なくとも、短期資金は一遍返してもらったら後は貸さない、それから長期資金については期限が来たら後貸さない、これぐらいの措置はとってしかるべきだと私は思うのです。これをおやりになりますか。
○安倍国務大臣 かつて、そういうふうな不動産会社等にとにかく農協資金が大変出ていったというふうなことが問題になって、やはり農協の資金運営の姿勢を正さなければならぬということで、農林省としても行政指導に乗り出して、資金枠の規制とか特別調査等今日までいろいろ続けてきておるわけでございますので、今後につきましては、そういう基本姿勢を貫いて、農協の資金運営が本来の趣旨にのっとって適正に行われるようにやっていくように、これは厳に指導をしていきたい、こういうふうに考えております。
○庄司委員 具体的なことになると、答弁が少しあれになるのですね。私は、期限が来たらもう返してもらって、後は貸すなと、こういうことについて御答弁を求めたのですが、なかなかその辺、どうも割り切れないようですね。またお貸しになるような指導をなさるような不安があるのです。もう時間がありませんから言いっ放しにしますが、これは厳重にひとつ、私が申し上げた趣旨でやってもらいたいと要望しておきます。 それから、検査体制を拡充する、こう、この間の答弁でも答えられたようですが、現在本省で検査官が九名、それから農政局で四十名——四十名かどうかわかりませんけれども三、四十名と、こういう御答弁ですから。それから県段階で三、四百名、こういう状況ですね。これは何名ふやしますか。まあ県段階はともかく、本省と局、これは簡単に一分ぐらいでひとつ……。
○岡安政府委員 五十年度に二名増員したいと思っております。
○庄司委員 二階から目薬というのはこのことですね。二名だけでは話にならないでしょう。これは大臣、第三次定員削減その他かかってきていますが、こういう問題、大事なんですから、これはひとつがんばって——二名なんて、けた違うんじゃないかと思うのですよ、少なくとも。大幅にひとつふやしていただきたい。これは要望しておきます。 最後になりますが、これは若干個別の問題です。さっきもちょっと触れましたが、宮城県で起きた事件です。一月二十九日に、東北建設機動株式会社という会社が会社更正法の適用を申請したのです。資本金五千万円。ところが、ここに対して宮城県の信連が、四十七年三月から融資を開始して別荘分譲地をつくらせた。これは釜房というダムがあるところのわきです。それから同時に、十二月からは共済連も融資に乗り出してきたんですね。四十八年になりますと、この会社は総合レジャーランドの「バリハイセンター」というのをつくっているのです。その隣にゴルフ場もつくったのです。これに対して信連と共済連で十九億一千万の貸付残があるのです。これはもう焦げついちゃったんですね。二百七十ヘクタールの土地買収をやって、それで焦げつき。何か、ハワイの婦人を六人も呼んで踊り子をさせていて、その方々の帰る旅費もない。これはもう国際問題です。一般金融機関はいち早く手を打って取っちゃって、農協だけがかすを食ってる。新聞には農協だけ大やけどと、こう書いてあります。 こういうことがあるかと思うと、弘前では、ニューキャッスルホテルなんてところへ十一億円も貸している。こういうレジャーの施設に農協の系統資金が使われているのです。こういった問題。一方では、今度弘前の農協では、貸し付け担当課は貸す金がなくて暇で困っている、こういう話もあるのです。 この実態についてどういうふうにお調べになって、どういう御指導をなすっているのですか。一方は弘前の単協ですから県の指導になると思いますが、これは非常に小さい事例です。だから、一部、二部上場会社だけじゃなくて、こういう事例もあるんだということなんですよ。そうするとますます膨大になるのです。これはどういう御指導なすっていますか。
○岡安政府委員 宮城県にございます東北建設機動株式会社に対します宮城県信連並びに共済連の融資の中身等は、大体お話しのとおりだと思っております。やはりこの株式会社は、一月三十日付で会社更正法の適用を申請をし決定を受けたようでございますので、問題は清算段階に入るわけでございますが、いずれも信連並びに共済連の貸し付けにつきましては土地を担保に取っておるようでございますので、今後やはりこの貸付金の保全ということにつきまして最大の努力をいたすということであろうというように思いまして、そのような方向で指導をいたしておるわけでございます。
○庄司委員 これで終わりますが、農林大臣、いま言ったような実情、これは氷山の一角ですから、ぜひ早急に実情を全面的に調べて、当委員会にもひとつ、貸し付けの実態、これは企業の秘密とかなんとか守秘義務とか、めんどくさいことをおっしゃいますけれども、私は、東証と大証の一部、二部の上場会社、それだけでいいですから調べて、これはいや応はないと思いますから、提出していただきたい。大臣いいでしょう、どうですか。
○岡安政府委員 資料の件でございますけれども、一部、二部上場会社のすべてということではなかなか時間もかかると思いますので、先ほどございました資本金の限定その他をいたしまして、できましたものから整理して御提出いたしたいと思っております。
○庄司委員 終わります。
○井原委員長 理事会でも検討いたします。 坂井弘一君。
○坂井委員 戦後、地域産業の開発という名のもとに、企業が急激にかつ大量に日本列島の沿岸各地に進出いたしました。その間、企業の立地のために国有地が、その企業進出を促進した。これはよかれあしかれ、国有地というものが企業の進出に対して、ある意味では大きな役割りを果たしたということは事実でございますが、ただ、その間、時間が経過いたしまして、今日、各地においてさまざまな問題が提起されております。そうした中で、きょうは農林省所管にかかる元国有農地の売り払いに関しまして、具体的に一つその事例を取り上げて御質問したいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 実はあと四日後、つまりこの二十三日、九州で、これは佐伯市でございますが、興人の不当所有地を返還させる市民の会、仮称でございます。これを結成しようという動きがございます。これは大分県の佐伯市に所在いたします興国人絹パルプ株式会社、ここに元国有農地が払い下げ、売り払いがされた。この市民の会の結成がここに実は起因をいたしておりまして、あらかじめ農林省では御承知と思いますので、この払い下げの経緯につきまして、まず、あらまし御説明をいただきたいと思います。
○大山政府委員 御指摘の佐伯市の興国人絹パルプの用地の払い下げの経緯でございますが、この土地はかつての海軍の航空隊の基地である、こういうところであって、大蔵省の所管に属しているわけでございますけれども、農地改革のときに、自作農創設特別措置法の用に供するということで、二十二年から二十三年にかけまして大蔵省から所管がえを受けて、未墾地として売り払いをしたわけでございます。その後、佐伯市の方におきまして、地元産業の振興のために興国人絹パルプを誘致する、こういうふうな話があり、そして、聞くところによると、当時市を挙げてそれを非常に歓迎する、こういうような中で農民も離農するというようなことがありましたので、当時の自作農創設特別措置法によりまして国が買い戻して、とりあえずまず佐伯市に貸し付けて、その佐伯市を通じて興国人絹に貸す、そして興国人絹がその土地を貸し付けどおり使われているという場合に売り払いができるということで、二十九年四月六日に佐伯市に売り払いをしたというのが、何分二十数年前のことでございますけれども、われわれがつかみました資料によりますと、そういうふうな経緯になっておるようでございます。
○坂井委員 これは農林省所管分と大蔵省の所管分の二つでございますが、合わせますと四十一万二千三百五十一坪、たいへん広大な土地であります。うち農林省が所管しましたものが三十六万坪でありました。 いま御説明がございましたが、この土地につきましては、農地法に基づきまして自作農創設あるいはまたこの経営の安定に供するために、まず配分計画がなされまして、配分計画の策定された後に大蔵省から農林省に所管がえがされた。したがって、この土地の用途につきましては、農地法の目的に沿いまして農地として利用されなければならない、これは当然のことであります。ところが、大蔵省から農林省に所管がえされた後数年を経ずして興人に対して貸し付け、売り払いが行われた。ところが、この土地につきましては、御承知のとおり、戦後地元の農民約四百戸が、ここを畑として耕作をいたしておりました。この土地を手放すために離作補償費五千九百万円、これが支払われております。つまり、耕作不適地ではない。自作農創設あるいは経営の安定に供するためにとして大蔵省から農林省に所管がえがされた。この土地がいかなる理由によって、あるいは根拠法令に基づいて関係省庁において協議がなされて、農業者以外の第三者に売り払いがされたのか、きわめて疑問の残るところでございますので、明確にひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○大山政府委員 農地改革で売り渡しました未墾地というものにつきまして、耕作がされなくなった場合、いわゆる当時の自作農創設特別措置法のたしか二十八条だったと思いますが、それを準用する未墾地の規定によりまして国が買い戻しするということになっておるわけでございます。そこで、買い戻しました土地の使い方につきましては、これを耕作の目的に使う場合、それから他の用途に使うことを相当とする場合、これによって、その後の払い下げにつきましては、また農地改革のあの規定に基づいて農民に売り渡す場合、それからまた、不要地というかっこうの認定をいたしまして払い下げる場合、またその前提として貸し付ける場合、これが両方とも自作農創設特別措置法の規定によって実施できる規定になっておるわけでございます。
○坂井委員 つまり、この物件に関してなぜ農業者以外の第三者、つまり興国人絹に払い下げたか、その理由をお尋ねしたい。
○大山政府委員 当時の資料がもう廃棄処分になっている現在でございますので、当時の動機というものにつきましては定かでないわけでございますけれども、いろいろな方面の情報を挙げますと、佐伯市というあの立地条件からいって、市を挙げて工場を誘致したいということであり、そしてまた、それを非常に歓迎する空気があったというふうにも聞いているわけでございます。市というものが、いわば農工一体といいますか、そういうふうな方向で工場誘致をする、こういうふうな背景のもとでこのことがなされたというふうに理解するより方法はないと思っております。
○坂井委員 明確な御答弁をいただけないだろうと思ってお尋ねしたのですが、実はここに、ことしの一月二十一日、大分行政監察局のこれに対する監察の回答がございます。いまの件について触れておるわけであります。一体なぜ農業者以外の者に処分されたのかは理解に苦しむというのですね。これは大分の監察局です。当該市であります佐伯市の関係者から特に大分行監に対しまして、この問題に対して監察を願いたいということに対する報告であります。その中にあるのです。当時の関係資料がないからいかんとも判断しがたいという結論に実はなっております。したがって、この問題につきましては、時間の範囲内でいま法律的な議論をする余地がございませんので、あとに譲るといたしまして、幾つかの疑問点をきょうは提起をいたしますので、次の問題についてもお答えをいただきたい。 これは国有財産でございます。したがって、国有財産の処分につきましては、いわゆる中間登記の省略ということは原則的には許されないはずであります。実はこの土地につきましては、大分県ないし佐伯市が管理をしておる。で、農林省は、佐伯市の要請に基づきまして、佐伯市に対して当該国有財産国有農地を売り払いをしております。ところが、登記を見ますと、佐伯市を中間省略いたしまして、直接興国人絹に農林省は売り払った、こういうことになっております。なぜ中間登記を省略したのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○大山政府委員 毎度お断りしてまことに相済みませんが、とにかく昔のことでございますのでよくわからないわけでございますが、登記の場合に、原則としては中間登記を省略するというのは異例のことであろうと思います。われわれといたしましては、登記は、その売買の相手方の系統を通じて流れていくということを登記簿上に明確にするような方向で、現在は指導しているわけでございます。 当時においてなぜしなかったのであろうかと、こういうことでございますが、国有農地の払い下げをする前に、それが農業以外の用途に使われる場合には、まず貸し付けいたしまして、そして貸し付けどおり実施されているといいますか、実施されるということを確認した上で売り払いをする、こういうふうな手続になっているわけでございます。そこで、この売り払いの際にも、いわばここに貸し付ける当時から興国人絹パルプの事業の用に供するということで貸し付けが行われておる、こういうことから、おそらくその事実に着目して、興国人絹がその土地を貸し付けの目的どおり使っているということを確かめた上で売り払いがなされたのであろう。そこで、その売り払いにつきまして、興国人絹が現実に利用しているという点に着目して登記の中間省略をしたのであろうというふうに想定するわけでございますが、これが好ましいことかと言えば好ましいことではなくて、やはり市に売り払い、それから市から興国人絹にいくべきものであろうというふうに考えます。
○坂井委員 好ましいことであるかないか、あるいは実態に即してそのような方法がとられたのではなかろうかということでございますが、大蔵省においでいただいておりますので、大蔵省にお尋ねしたい。 国有財産の処分の際に、中間省略が許されますか。
○安倍説明員 お答えいたします。 大蔵省のいわば普通財産を処分する場合に私ども訓令がございまして、普通財産取扱規則と申しますが、その際には、処分後直ちに買い受け人から移転登記の嘱託請求書というのを取りつけまして、法務局に登記の手続をする。したがいまして、この手続に沿って行う限り中間省略登記ということはないということでございます。 農地についてそういった扱いがなされたというお話でございますけれども、一応、普通財産取扱規則は大蔵省所管のものでございまして、直接的に農林省所管のものを縛るわけではございませんが、考え方といたしましては、中間省略登記は避けるべきである。聞くところによりますと、農林省も現在は、通達か何かでそういったことをせぬようになっているというぐあいに聞いております。
○坂井委員 奥歯に物をはさんだようなあいまいな言い方をされますと、やはり法律的な問題として私は言わざるを得なくなるのですが、実はこれも、行監の回答もあるのですよ。それで、この問題に対して大分行監が、南九州財務局大分財務部の説明を求めたわけです。「農林省のこのような登記は、理解しがたい」これははっきりしている。ケース・バイ・ケースで許されるかどうか、それは明確に答えてください。そうであればこれからの問題もありますから。国有財産に対して中間登記の省略、そういうことも場合によってはあり得る、それともそういうことは許されない、いずれでしょうか。
○安倍説明員 いまのお話、私も聞いておりますが、これは、財務部はわが方の系列下に属するもので、普通財産取扱規則にそうなっておるというので、もう当然そんなことは理解しがたい、こういうぐあいに答えたと思います。これはいまお話しいたしましたように、この規則というものは私どもをまず縛っておる。でございますので、農林省の農地につきましては、第一義的には農林省が所管しておる。したがって、好ましくないとは思いますし、現在も農林省はそういったことをしないというぐあいにしておりますので、たまたまこの案件につきましてミスをしたんじゃないかと思っております。
○坂井委員 それではミスにしておきましょう、たまたまこの案件につきまして。昭和二十九年の話であります。 それで、実は九州農政局長の回答もあるのです。これが昨年の十一月の十一日、この問題に対して農政局の見解を求めた際の回答であります。この回答の中に——一体、本件はいかなる経緯によって興人に払い下げられたのか。四十一万坪という広大な国有農地が払い下げられながら、今日に至るまで、つまり二十年間、約二十万坪という遊休地がある。これはいかんとも理解しがたいことであって、非常に大きな疑問が残るということでもって問い合わせをいたしました。それに対して回答が、本件の場合は転用貸し付け後売り払いをした、こう答えているわけですね。つまり、先ほどの説明でもございました。すでに前年、昭和二十八年に興国人絹が転用貸し付けを受けまして、もう操業を開始しておった。そういう経緯にかんがみて、翌年、昭和二十九年この国有財産を興人に対して払い下げをした。したがって、転用貸し付け後の売り払いである、こう答えておるわけですけれども、しからば、これを売り払う際に農林省は現状の確認をされたんでしょうか。あるいはまた、この四十一万坪というのが妥当であると、そう判断されたのでしょうか。その点についてはいかがでしょう。
○大山政府委員 農林省の当時の売り払いの仕方というのを調べてみますと、まず貸し付けしまして、そして貸し付けどおり使われていることを確認いたします。その確認をした後で売り払いをする、こういうふうな方式をとっております。いまも国有農地の売り払いの場合には、まず貸し付けをして、その貸し付けどおり使われることを確認した上で売り払いするという方針は、現在も変わっておりません。その貸し付けいたしまして貸し付けどおり使われているということについての手続からは、県のその旨の申告といいますか、申請を受けて売り払いをする、こういうことになっておりますので、県からのその旨の申達があったと考えられるわけでございます。それで、申達を受けて売り払いの手続をしたというふうに考えるわけでございます。 なお、規模の問題でございますけれども、規模の問題につきましては、これは適正であったのだろうというふうに推定する以外の証拠は、現在のところ何もございません。
○坂井委員 実は関係の一件書類、まずこれで全部でしょう、ここにそろっているわけです。この際の国有地払い下げ申請のための事業計画、それから工場敷地の利用計画、国有農地等売払通知書、興人佐伯進出に伴う市の経費その他の問題、それから興人の別会社、これはまた別の問題になりますけれども、西日本振興株式会社、これは宅地を分譲いたしております。それから大分行政監察局の回答書等々、大体この問題の経緯、それから現状ですね、そういうことに対する関係資料であります。 四十一万坪ございまして、このままでは——ちょっと大臣ごらんになってくださいね。これが遊休地なんですよ。二十万坪遊んでいるわけです。これ全部で四十一万坪ですね。約半分、これが約二十年間そのまま来ているんですよ。何も使わない。したがって、もともと、この四十一万坪の払い下げを受ける際の払下申請書、事業計画ですね、それから工場敷地の利用計画、それは別途出されておりまして、四十一万坪必要です、こうなっておるわけです。ちょっと見にくいのであれですけれども、これは当時の計画書ですよ、敷地の利用計画。これは確かに四十一万坪必要とするんです。それから申請書等もありまして、それを見ますと確かに四十一万坪必要だと、こう書いてあります。それに対するあれもつけてあります。資金計画等全部ありますが、つまり四十一万坪払い下げを受けながら、今日なお二十万坪を遊ばしておるということは、裏返しに言いますと、二十万坪は要らなかった、必要としなかった。必要としないものを払い下げを受けた。必要としないものを払い下げを受けるについては、それ相応の理由の立つような工場敷地利用計画書、申請書をつくる必要があった。それがいまお見せしたこれであります。現在はこういうような形で——もしごらんいただければ、ごらんいただいて結構です。 そこで、私がいまお尋ねしていることは、少なくとも転用貸し付け後の払い下げである、すでにここに工場が立地され操業されておる。しかし、契約書がございますが、この契約書によれば、農林省は現状を確認いたしまして、計画書どおり、申請書どおりこの土地が利用される、建物、工場等も申請どおりここに建設されるということを確認しなければ払い下げしませんよというような項も入っているわけです。当然確認された後払い下げていなければならないはずでありますが、もしそうであるとすれば、いまのような事態が起こるはずがない。したがって、確認されたのかどうなのか。その後、農林省は、当然監督義務があるわけでございますから、これが計画どおり、この四十一万坪が払い下げ条件どおり使われているかどうかについて調査監督されたかどうか、ここのところをお聞きしているわけであります。
○大山政府委員 売払通知書といいますか、その売り払いの条件には、「申込にかかる用途を目的とする着工を目的物全部について農地事務局長が確認するに至るまでの間は」云々、「立入調査を妨げないこと。」こういうふうなことがございます。農地事務局長の確認の仕方というものは、原則的には県知事からの申達ということでございます。 そこで、いま考えてみますと、パルプ会社の場合にはいわば立木を置くところという問題が相当の大きな面積を占めるということは一つあろうかと思います。それから、当時の職員住宅といいますか、それがその後アパートに変わって、そこで何か面積が余ってきたというようなこともあるやに、いまにして思うと考えられるわけでございます。われわれといたしましては、当時においては何といいますか用途指定というものもなかった時代でございますので、いわば当時の申達に基づいて、当時それだけのパルプ会社というものの性格上、相当の立木の置き地というものが考えられざるを得ないというようなことを考えますと、当時としては相当に十分に確認をした上で売り払いがなされたものであろうというふうに考えるわけでございます。
○坂井委員 私、早い話で手っ取り早く申しましょう。つまり、確認しないままに払い下げたとしか実は言いようがないのですよ。これは当時の話でございまして、いろいろな事情があっただろうと思います。思いますが、ここで工場敷地利用計画書が出されておりますけれども、これが移転登記された時点、つまり昭和二十九年五月二十八日、この現在では、ここに化繊工場あるいは寄宿舎等もつくりますというわけで、りっぱに敷地利用計画書があるのですよ。ところが実際は、化繊工場も寄宿舎なんというのも青写真だけでありまして、いまここで契約をいたしております国有農地等売払通知書の第六項目の(七)に「申込にかかる用途を目的とする着工を目的物全部について農地事務局長が確認するに至るまでの間は」云々というこの条項については、確認されないままに払い下げられた、こうとしか言いようがないわけですね、これは。つまり、工場は建ってないわけです。したがって、そういう形のままで、いま言う二十万坪がそのまま遊んで今日まで至っておる、こういうことなんです。その点についてはひとつ、まず御認識をしておいていただきたい。 この売払通知書の中で、記の六の(六)、これはいわゆる申し込みどおりの用途に供されなかった場合には国が買い戻しますよということ、それから(七)、これはいま申しましたとおりです。いわゆる「申込にかかる用途を目的とする着工を目的物全部について農地事務局長が確認する」、こういうことですね。こういうことにつきまして、一方、不可解な回答があるんですね。どうも解せないのです。この辺が非常にややこしいのですけれども、転用貸し付けを省略して売り払った場合にこの条件を付したんだ。——一体何でこんなことの必要があるのだという問い合わせに対して、転用貸し付けを省略して売り払った場合にこういう条件が必要だからこういう条件を付したのだということを、九州農政局が回答しておる。払い下げの方は転用貸し付け後の払い下げでございます。こう言っておいて、そして一方、国有農地の売払通知書の条件としては、転用貸し付けを省略した場合にこの条件が必要なのでこれを入れました、こう言っているわけです。これは矛盾もはなはだしいわけですね。だから、そういうことになりますと、転用貸し付けを省略した部分は一体どこなのか、四十一万坪のうち転用貸し付けを省略した部分、それは一体どこなのかということ。そういう矛盾が起こるのですけれども、私がいま申し上げておりますことを御理解いただけるでしょうか。
○大山政府委員 この売払通知書、これは当時における例文だろうと思います。そこで、いろんな場合を想定してこういう規定を入れておると思うわけでございます。そこで、目的物が部分的に用途に供せられない場合ということも、一つの想定としてはあります。また、貸し付けなしに直接着工ということもあり得る、そういうことで(六)、(七)の規定が入っておる。本来から言いますならば、本件についての通知書としては、その他の売り払い要件のうちの該当しない部分は消して出しておけば、そういう誤解は出なかったのであろうというふうに考えるわけでございますけれども、ここで写しの写しみたいなかっこうでまた舞い戻ってまいりましたこの通知書で見る限りにおいては、私がいま判断いたしますと、(六)なり(七)ということが該当しない場合ならば、(六)、(七)はむしろ削って通知書を出すべきであったろうというふうに考えるわけでございます。
○坂井委員 いまの御答弁ならば非常に明快だと思うのですね。確かにそうあるべきはずであったと思うのですね。それがそうなされないで、このようなややこしい、売り払いは貸し付け転用後の売り払いである。売り払い自体は貸し付け転用後の売り払いだ。それから今度はその条件を付する。使用目的であるとかそういうことについては、売払通知書の中では貸し付け転用を省略した、そういう条件下における条件を付した、ここの矛盾があるのですね。これが佐伯市なりあるいはこの関係者の間にいま非常に大きな問題になっておるのですね。そういう点については十分御理解いただいておることと思います。 そこで、もう一つお尋ねいたしますが、国有農地等売払通知書、先ほど申しましたこの(七)のところですね。つまり「用途を目的とする着工を目的物全部について農地事務局長が確認するに至るまで」、この条件は成就しているのかいないのか。農林省はどう判断されておりますか。
○大山政府委員 先生の御質問の御趣旨がちょっとよくわからないのですが、この条項が用途指定を意味するのかどうかという意味でございますならば、これは用途指定を意味するものではないというふうに考えております。 実は、二十九年九月以降の国有農地の売り払いにつきましては、用途指定ということについての規定を設けまして、そして、二十九年の九月二十日以降の売り払いにつきましては、その用途指定ということを必要に応じてつけるというようなことになっております。実はそれ以前の行為でございますので、それまでの売り払いについては用途指定という考えはございませんでした。
○坂井委員 そういう意味ではなかったのです。興人が全面工場を建設するまでは、農林省としてはこれに対しまして無期限に監督義務を継続するということになると思うのですね、この契約からすれば。したがって、農林省は当然監督、あるいはこれが全面工場を建設するに至るまでの調査、監督等やらなければいけないはずなんですが、それはおそらくおやりになってなかろう。ということであれば、この売払通知書の七項は全く有名無実であるということになるから、私はそう判断するから実はお尋ねしたわけでございますが、恐らくや先ほどの答弁のとおりでありまして、非常にその辺には疑問が残りますけれども、いまここで直ちにこれに対する農林省の明確な答弁を、私は恐らく得られないだろうと思いますので、あえてこのことについては申し上げません。 ただ、次に一つお尋ねいたしますが、興人が、工場敷地及び社宅にするという条件でこの国有農地の売り払いを受けた。ところが、この条件に反しまして土地の切り売りをやってきておりますね。木材団地あるいは道路あるいは物専埠頭に売っている。それからまた、別の地点でございますけれども、土地の分譲をやっていますね。これは西日本振興という子会社をつくっている。これも第五期ですわ。国有農地ですよ。いま分譲をやっているのです。十年経過しているからそれはよろしいやろということです。だから、この問題については言いません。ただ、こんなに土地の分譲をするほど、興人が目的とする事業計画以外の部分、事業に手出しをいたしまして、元国有地を分譲しておる。道義的にも、こういうことが大っぴらに許されるということになりますと、これは市民感情としてもちょっとおもしろくないということになろうと思うのですね。それで、少なくともそのような形で、埠頭であるとか道路であるとか木材団地等に切り売りをして多額の利益を得ておる。このこと自体は、国有農地等売払通知書の、先ほど申しました六の売り払い条件あるいは先ほどの七項、これに違反しているのじゃないかとぼくは思うのですが、御見解いかがでしょう。
○大山政府委員 先ほどちょっと別の問いに対して答えたみたいな感じがいたしますけれども、この六項、七項というものが、先ほどもちょっと申し上げましたように、国有農地の払い下げにつきましての用途指定の規定がなかったということもございまして、このことが用途指定を意味するわけではないわけでございます。そこで、その後につきましては場合によっては用途指定をつけるということになっておりまして、その用途指定がついているところについて用途がそのとおり使われぬという場合におきましては、一つの問題が出てまいると思います。ただ、この当時においては用途指定はなくて、ただ貸し付けをして、それから貸し付けどおり使われていることを確認した上で売り払うというようなたてまえをとっていたわけでございます。その限りにおいてその確認は県知事の申達書といいますか、それを受けて売り払いをするという手続になっておりますので、この土地についてその目的に使われているという確認は、当時、知事の申達書によって確認したものだろうと思うわけでございます。 ところで、先ほど来申し上げておりますように、用途指定ということがないわけでございますので、法的には、二十九年に売り払った土地を四十四年以降ですか、用途外に、一部他に売っているという事実があっても、これはこの規定に違反するということには法律上はならぬというふうに考えるわけでございます。
○坂井委員 そこで安倍農林大臣、大変お待たせをいたしました。 大体粗筋、お聞きいただいたとおりであります。この問題につきましては、実は興人側もかなり無理をしたなという感じがございました。いま佐伯市が、この遊休地を市に返還してもちいたい。同時に、佐伯市の市民、心ある人たちが、先ほど申しましたように、何とかこの遊休地を市民のためにということでもって、市民会議を二十三日に結成しようという機運にある。たまたま興人側も、少なくとも二十万坪、これだけの大変広大、払い下げた半分ですね、これをそのまま遊ばしてきたことについては、当時の払い下げの経緯、先ほど申しました幾つかの疑問点、問題点がございます。いろいろなことから考え合わせて、少なくともこれを企業がこのまま、市民の要求、市の要求に応じないというわけにはいかないということで、ときに佐伯市の方も、遊休地を利用してここに終末処理場をつくりたいとか、あるいはまた木材団地をここに形成したいというような要請がございまして、十分検討いたしましょう、興人はこう言っておる。実はその利用計画が来月、三月中に市と興人側の間でつくられる、合意を見ようというような段階にまで至っております。 そこで、農林大臣にねがわくはひとつ、このような形で進みつつありますので、少なくともこの広大な土地は元農林省所管の国有農地でございまして、そういう経緯にかんがみて、市ないし市民の要求が最大限に入れられるように、大臣としてこの問題に対して事態の解決のために誠意をもって当たっていただきたいし、また当然当たるべきではないかと私は思うわけでございますけれども、大臣の意のあるところをひとつ表明していただきたいと思うわけであります。
○安倍国務大臣 いまの坂井さんのお話を聞いておりまして、また同時に事務当局の答弁を聞いておりまして、率直に言いまして、これはやはり問題があると思います。やはり、過去のこととはいいましても、中間登記を怠ったという、いろいろな事情はあったとしても通常ならざる方法で払い下げが行われた、あるいはその後ずっと続いてそういう膨大な空き地が何ら使用されずに残っておる。これが契約違反につながるかどうか、資料等もう少し検討しなければならぬとしても、問題はあると私は思うわけでございます。したがって、過去のことだからといって、これは農林省に何ら責任がないとは率直にいって言えないのではないか、私はそう思うわけでございまして、ただ、法律的に、あるいは行政権限としてどういうことができるかということにつきましては、私もその辺のことは、ここでお答えをするほど理解はしておらぬわけでございますが、そういうふうな過去の払い下げを行ったときのいろいろと問題点がやはりあるということも、これはわれわれとしても十分認識をして、今日のこの問題事態には対処していかなければならぬと思うわけでありまして、農林省としても、行政権限といいますか、たとえば私が乗り出すとか乗り出さないということにいたしましても、果たしてどういうふうな力といいますか、過去二十年前のことでございますから、私が農林大臣としてこれを解決するに当たりまして、どれだけの力といいますか、そういうものがあるかどうか、これはまた、私自身がまだわかってないのです。しかし、これはやはり何らかの形によって市民の、あるいは市の皆さん方が要望されるような形で解決をされることは、私は望ましいことだと実は思うわけでありまして、農政局なんかも早速督励をいたしまして、そして市の御要望等にもこたえられるように、何とか善処ができるように、ひとつできるだけやってみたいと思います。
○坂井委員 時間が参っておりますので、これでおきたいと思いますが、いま農林大臣から前向きな、誠意のある、これから解決に当たるんだという、大臣の意のあるところであったと思います。私は了といたしたいと思います。農政局をひとつどうか督励していただきまして、一日も早い事態の解決を図っていただきたいと思います。 ただ、この際なお一言申し上げておきますが、確かにこの国有財産、国有農地の売り払いにつきましては相当無理があったようであります。昭和二十八年、二十九年当時といいますと、戦後、確かに地域におきましては何とか企業を誘致したい、というような願望もこれあり、かつまた、企業としましても適当な立地を求めておったというようなことが背景でございますので、そういう中でずいぶんいろいろな政治的な動き等も含めて行われたようでございまして、いまさら私はそのことに対して触れようとは実は思っておりませんので、本日もそのことについては申し上げておりません。ただ、先ほど幾つかの、大分行政監察局の監察の回答に基づきまして疑問点を実は提示したわけでございまして、その辺でおおよそのところは理解していただけるのではないか、こう思いましたので、このような形で質問を申し上げました。 なお、行政管理庁にも御出席いただいておったのですが、私、大体いまのやりとりの中で理解できましたので、あえて御答弁を求めなかったことを御了解いただきたいと思います。 佐伯市が、このことでもって市の財政が非常に窮乏いたしまして——地方税の減免措置を一億一千九百万ばかりやっております。というようなことで、昭和四十年に赤字財政に転落したというようなことでもって、市財政が大変ピンチに追い込まれた。これもひとえにこの興人の誘致にかかっておるというようなことで、ずいぶん議論があったようでもありますし、たまたまいま、そうした佐伯市の市民がこの現状を見まして、遊休地を市民感情としてどうしても納得しがたいというようなことで、いま運動が起ころうとしておるわけでありますが、そういう点につきましてもさらに理解をひとつ深めていただきまして、たまたま九州農政局もこのことについてはずいぶん苦慮いたしておるようでもございますし、同時に、大分監察局といたしましても相当熟心に監察をされたようでもございますし、さらには大分県知事、佐伯市長、そうした関係者がこの問題の解決のために非常に大きな神経を使い、努力を重ねているという折も折でございますので、どうかひとつ、ただいまいただきました大臣の前向きの御答弁のとおり、直ちにひとつ現場を督励していただきまして、円満に事態が解決するように、重ねて要請をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○井原委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 牛後二時三十五分散会