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75回国会衆議院1975/02/14

外務委員会 第3号

発言数
59
登壇者
8
会派数
2
開催日
1975/02/14

会議録

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 これより会議を開きます。  日本国と中華人民共和国との間の海運協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水野清君。

水野清自由民主党

○水野委員 日中間の海運関係が、国交正常化以前より民間レベルでいろいろと協定がありまして、続いてきたということは、政府側でも御承知のとおりでありますが、今度正式に政府間で協定が締結されたわけであります。  そこで、最初に、この日中海運協定というものは、日本にとって具体的にどういう利益があるかということをお話しをいただきたいと思います。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のように、この海運協定前に、日中間の海運関係は民間の取り決めによって行われてきたわけでございますが、この協定の締結によりますと、中の待遇規定に定めてございますように、中国の港においてわが国の船舶が受ける待遇でございますとか、それから海難救助の際の援助等に関しまして、最恵国待遇が保障されていることになっております。また、両国間の海運問題に関しまして、双方間で協議を行うルートも確立されておりますし、中国側では、この点、海運業も政府の直接のコントロールのもとに置かれているということもございまして、日本側の民間海運業者等が対等の立場で中国側と話す際に、政府間の協議ということによって支援することもできるというような関係になっております。

水野清自由民主党

○水野委員 普通は、ただいまお話のあったようなことは、日本がほかの国と結んでいる際は通商航海条約というものの中に包括されて大体規定をしていく、約束をしていくということが国際間の常識であります。それが中国との間に限って海運協定。いまの御説明にもありますように、比較的内容が狭いわけですね。両国間の人事の往来における身分保障であるとか、そういったようなことがもっと規定されるはずの通商航海条約というものを結ばないで、わりあいに守備範囲の狭い海運協定というものに置きかえられたことについて、どういう事情かということをまず承りたいと思います。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のように、この海運協定は海運事項に関するものだけでございまして、一般のいわゆる通商航海条約等に定めますその他の入国、滞在でございますとか、事業活動というものに対する規定は欠いておるわけでございます。これはなぜかと申しますと、実は日中共同声明第九項におきまして、実務協定を結ぼうということを当時約束いたしておるわけで、そのときに海運ということが特定されて共同声明中に書かれているわけでございます。  他方、中国は、通商航海条約と申しますと、一九六〇年代に同じ社会主義国と結んだ例があるにとどまりまして、その後、全然通商航海条約を結んでおりません。それに反しまして、中国は、海運協定は西欧諸国も含めまして十五カ国と結んでおるということでございまして、そのような関係もございまして、日本といたしまして今回、まあ通商航海条約まではいきませんで、海運の問題に関する両国間の取り決めとして海運協定を結んだという次第でございます。

水野清自由民主党

○水野委員 そうすると、いまの御説明だと、日本側としてはできれば通商航海条約を結びたかった。しかし中国側が、何か特別な例を除いては普通は海運協定というものでほかの国といろいろな約束をしているので、その範囲にとどめたい、こういうことを言ってきたというお話です。そうすると、今度はほかのたとえば日本とアメリカ、日本とフィリピンというような通商航海条約がありますが、そこで規定されている問題、たとえば貿易における関税の問題ですね、普通われわれ最恵国待遇というとまず関税を思い出すわけですね。それほどこの関税の問題というものは大きいわけですが、この問題は今後一体どうされるのか。それから為替の問題あるいはさっき申し上げた身分保障、入国、滞在、それから事業活動、まあ相手が社会主義国ですから、自由圏のような事業活動が認められるとは思いませんけれども、あるいは職業活動とか、そういったことが私はまだたくさん残ってくると思うのです。これを未決定のままおきますと、御承知のように航空協定が結ばれたり何かしておりますから、今後もだんだん日中の往来が激しくなってくる。その中で私は思わぬトラブルが発生する可能性があると思うのです。それについては外務省はどういう態度で考えておられるか。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 先ほど伊達参事官から説明ありましたけれども、実は日中共同声明第九項でなぜ海運というふうに限って約束したかということが基本でございまして、私たちの方としましては、通商航海に関する事項ということで協定を結ぼうじゃないかという提案をしたわけでございますけれども、先方の方で、ただいま参事官の申したような理由によって、貿易、海運というふうに限定した実務協定を締結することを非常に強く主張したものですから、その関係でそういうことになったわけでございます。  ところで、いま水野先生からお話があったとおり、いろいろ日中間の交流が緊密化するに従いまして、入国、滞在、居住、それから生命、財産の保護と、いろいろな問題が生じてまいります。こういう点は、いままで、第九項にあります実務協定ではカバーされない問題が確かにあるわけでございまして、この点は、今後の日中間の交流の緊密化に従いまして、どうしても協定あるいは条約の形でもって処理しなければならぬ問題だというふうに考えております。  これは、これから日中間の、共同声明と別個の問題でございますから、日中間のいろいろな政府レベルの交渉を通じまして、逐次処理していきたいというふうに考えております。

水野清自由民主党

○水野委員 いまのお話はわかりましたが、御承知のように、中国問題で出てくるのは、同時に日台問題であります。そこの中で、この中国との海運協定の適用範囲というもの、いわゆる地理的な適用範囲というものについては、何らかお話をなさいましたか。たとえば、台湾の周辺で日本の船舶が遭難をしたとか、あるいは台湾の基隆港に日本の船が入っていてトラブルを起こしたときに、これは中国、いわゆる中華人民共和国に文句を言ったって、あるいはいろいろなあっせんを頼んでも相手にしてもらえないことは事実ですけれども、それに対して、もちろん台湾には台湾の政府がありますけれども、概念的に、外務省はそれはどう考えていらっしゃいますか。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 台湾の法的地位に関しましては、日中共同声明第三項に明確に規定してございます。  ただ現実の問題といたしまして、台湾が現に中華人民共和国政府の支配下あるいは統治下にないわけでございまして、そういう関係から申しまして、台湾周辺で、つまり台湾のオーソリティーの統治下にある水域で何か事故があるという場合は、これは当然、台湾の当局の問題として処理されるわけでございまして、そういう観点から申しまして、この問題を日中間で、この海運協定交渉の過程で議論したということはございません。

水野清自由民主党

○水野委員 こういう問題も一つのケースとして考えておいていただく必要があろうと思います。  私は、ちょっとこの日中の海運協定と関連して、友好平和条約のことで一、二、伺いたいのですが、御承知のように、いま日中間で平和友好条約というものがこれから交渉に入ろうとしておられるという事情は承知をしております。私はその交渉の内容はよくわかりませんが、先般、実は平沢和重さんが「ニュース解説」で問題点を挙げておられます。五つばかりハードルがあって、このハードルを飛び越えればというようなお話でしたが、その第五番目の問題、日中共同声明の中の第七項の問題について簡単に伺いたいと思います。お答えしにくいことがあれば、これはこれから交渉なさることですから、私は余り強く、明確に出せとはあえて言いませんから、一応考え方があれば出していただきたい、そのつもりで聞いていただきたいと思います。  第七項というのは、御承知のように「日中両国間の国交正常化は、第三国に対するものではない。両国のいずれも、アジア・太平洋地域において覇権を求めるべきではなく、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国あるいは国の集団による試みにも反対する」こういう内容であります。  これは、私の実は乏しい国際情勢の知識ですけれども、日本と中国はお互いに覇権を求めない。これは自分で言うことですから、大変結構なことです。次に、われわれの常識で、アジア・太平洋地域で覇権を求めそうな国というと、あとはアメリカとソ連ですね。カナダが覇権を求めてこようとも思えないのですが、このアメリカとソ連の問題、そのうちのアメリカの問題は、日米安保条約というものがあって、日本とアメリカの関係というのもお互いに理解がついている。それから米中関係も、これは上海コミュニケというものがあって、お互いにその辺の確認はできている。いわゆる消去法的な概念でいくと、残るのは、どうも問題の中ソ紛争をやっているお相手のソ連だ、こういう結果になりかねないわけですね。この覇権の問題を議論をなさり出すと、なかなかこれは大変だな、ハードルと言うけれども、一番大きいハードルだなとという気がするのですが、外務省はこのことについてどういう観念を持っておられるか。先ほど申し上げたように、お答えしにくければそれで結構です。交渉中だからということならそれでも結構ですが、答えができれば話をしていただきたい、こう思います。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 日中共同声明第七項の文言は、その前に行われました米中会談の結果発表されたいわゆる上海コミュニケ、この中で同様の文言がございまして、アメリカの同意している米中間の表現について、日本が反対できないわけはないという一般論的立場から、原則的に私たちといたしましてもこの趣旨に決して反対ではないわけでございまして、共同声明に盛り込むことにあえて異議を唱えなかったという事情がございます。  ただ、ただいま水野先生御指摘のとおり、いろいろ日中平和友好条約との関連で御質問がございまして、それに答えろということになりますと、私どもいま現に中国との間に意見交換をしている段階でございますので、ここで何か申しますと、それが直ちに中国政府の方にはね返りまして、それがどういう効果をもたらすかということも当然考えなければいけませんので、大変申しわけありませんけれども、平和友好条約との関係でこの問題について政府はどういう考えかということをこの席で申し上げることは、ちょっと御遠慮させていただきたいと思います。

水野清自由民主党

○水野委員 結構です。これから交渉なさることの内容を言えということの方が無理ですから……  そこで、けさの朝日新聞に、トロヤノフスキー駐日ソ連大使が、善隣協力条約を結びましょうと、きのう何か三木総理に会って提案をされたということですが、これは本当は大臣にお答えいただきたいと思ったのですが、いま日本と中国との間に平和友好条約を結ぼうとしている。日本とソ連との間にも、平和条約が、鳩山内閣以来議論されてきたけれども、いまだに結ばれないでいる。一般の国民は日中平和友好条約の内容と日ソ平和条約の内容との問題を余り知らないわけです。  そこで、日中間には尖閣列島の問題があって、どうもこれは平和友好条約の中ではたな上げしようかというような共通の合意があったように新聞で伝えられていますが、トロヤノフスキーさんが盛んにそれを言っているわけですね。おれの方の、北方領土と日本側で称している四つの島の問題は、日本側はたな上げしようと言ってくれないじゃないか。それで平和友好条約の内容はおれのところと同じようなのに、どうしておれの方とだけ善隣協力条約だ。これは新しい言葉ですね。いままでは出てこなかった言葉です。日ソ友好条約と言っていた。それが名前が変わってきたのでしょうが、どうして拒否するのだ、そういう非常に、単純と言ってはあれですが、国民の大半はそういう率直な感じを受けているわけです。この点は私はもう少し外務省が、私はその辺の事情はある程度伺っていますが、もっと明確にされる必要があると思うのです。これは国会の中でもきちっと明確にされていかれないから、この二つの問題が同次元で扱われていて、そのためにいま日本の外交方針というのがどうも少しはっきりしませんね。ぐらついていますね。こういうことでは大変困ると思うのです。  実はこれは大臣に伺いたいと思ったのですが、政務次官にその辺の御覚悟を承って、私の質問を終わりたいと思います。

羽田野忠文自由民主党外務政務次官

○羽田野政府委員 日中の平和友好条約、これは共同声明、それからその後の外務大臣の発表にもございますが、戦後の処理をするものではないのだ、今後、いまから先、日本と中国との間が平和友好関係をつくり出していくのだ、永続さしていくのだ、いわゆるこれから先の問題を決める条約でございます。そしてまた、日本と中国との間には戦後処理という問題は、特に領土の問題については残されていない、尖閣列島が日本の領土である、そして日本が現実にこの支配をしているという関係は現在も存続しているわけでございます。したがいまして、日本からこの尖閣列島の帰属の問題その他のことについて申し出る立場にはないわけでございます。ところが、日ソ平和条約、この関係になりますと、日本とソ連との関係はまだ戦後の処理が済んでいない。特に北方領土の問題、具体的に申しますと、歯舞、色丹、国後、択捉、これは日本の固有の領土である、このものがまだ日本に完全に返されるという状態は、戦後処理として日ソの平和条約の中で解決していかなければならない、こういう基本的な違いを含んでおります。したがいまして、ソ連の方から、けさの新聞にございましたが、善隣友好条約を結んだらどうか、いわゆる平和条約という領土の問題などをまだ後回しにして、さしあたって善隣友好したらどうかというようなことが申し出されても、日本の方といたしましては、その終戦処理、いわゆる領土の問題を含んだ平和条約というものをやらない限り、その前段階として善隣友好条約というものを締結するということは考えていない、こういうふうに中国の立場と、それからソ連に対する立場というものははっきり分かれております。

水野清自由民主党

○水野委員 それでは、私の質問は終わります。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 河上君。

河上民雄日本社会党

○河上委員 このたび日本国と中華人民共和国との間の海運協定がすでに調印され、また今国会に批准を求められておりますことについて、私ども日中共同声明の立場から見て非常に喜ばしいことと考えておる一人でございます。この条約は海運のことでございますので、わが国は貿易立国でもございますので、非常に重要な協定と思いますので、やや技術的なことにわたって伺いたいと思うのでございます。  それに先立ちまして、今回海運協定の調印の成立で、日中共同声明で約束せられております実務協定は、貿易協定、航空協定、そして海運協定と、順次その精神に沿って成立を見ているわけでございますが、そのほかの実務協定の交渉の経過あるいは見通しというものはどうなっておるか、それを初めに伺いたいと思います。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 日中共同声明第九項にあります諸協定の中で、残っておりますのは漁業協定だけでございます。漁業協定につきましては、昨年二回会合いたしまして、双方の立場はお互いにかなり明確になっております。そういう状況を受けまして、今回三月一日から、東京に先方の代表が来られまして、第三回目の会合を持つことになっております。その結果、できるだけ妥結に持っていきたいと私ども考えておりますけれども、果たしてどうなりますか、これは非常に漁業の利益にも関係する問題でございますので、時間を切っていつまでに妥結するという性質のものではございませんので、双方の利益を十分に調整した形でもって、できるだけ早い機会に妥結に持ち込みたいというふうに考えております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いま局長から漁業協定の交渉の途中経過の御報告がございましたが、これにつきまして今回の海洋法会議における日本の政府の態度ですね。出方、そういうものと日中漁業協定の交渉あるいはわが国の立場の主張についてかかわってくるところがあるのか、全く別なこととしてこれは処理されるおつもりか、伺いたいと思います。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  海洋法会議におきまして、御承知のように、漁業というものに関連いたしまして、経済水域二百海里ということが大勢として固まりつつあるということは、先生も御承知だろうと思いますが、この経済水域二百海里と申しますのは、その二百海里の間にある生物、それからその地下にある鉱物資源というものは沿岸国のものであるという説と申しますか主張でございますが、当然のことながら漁業に関係いたしてまいりますので、日中の漁業協定とも全く無関係ではないということでございます。ただ、この点に関しまして特別に日中間で争いが行われているというようなことは、いまのところないということでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 まあなるべく早く締結されることを望みますが、そのほか、日中共同声明にはうたわれておりませんけれども、わが国との国交を正常化する前から、民間の間でいろいろ御努力されまして、実際的にはある種の協定があるわけですけれども、たとえば郵便、気象などについては日中共同声明にはうたわれておりませんが、あれには貿易、航空、海運、漁業等となっておりますけれども、この郵便とか気象の協定を政府は結ぶ御意向があるのかどうか、またそういう要求が先方から出ておるのかどうか。私ども向こうの北京から手紙を出しましても日本へちゃんと着くわけですし、日本から向こうへ出すと、出したことは余りないのですが、着くのだろうと思うのですが、実際はどういうふうになっておるのか、その点を伺いたい。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  郵便に関しましては、日中間では特別の取り決めはございませんが、日中の両国とも万国郵便連合に加盟しておりますので、その万国郵便連合の規定いたします諸規則に従いまして、日中間の郵便交換というものが順調に行われているという現状でございます。  気象に関しましては、日中間では気象交換のための専用回線を設立する話し合いが行われていると聞いておりますけれども、両国とも世界気象機関、それからそれによります世界気象監視計画というのがございまして、世界の各地、各国における気象関係の情報の伝達ということを計画しているものでございますが、こういうことでもって気象関係においても実務上は差し支えがないという現状でございます。ただ、専用の回線につきましては、これがまとまってまいりますれば、世界気象監視計画に基づく業務が日中間で行われていくことになるだろう、そういう関係にございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 そういたしますと、特に日中間で特別な協定を結ばなくても国際的な規定あるいは機関に参加すれば、日中両国が参加しておればそれでいい、こういうような御判断というように伺ってよろしいわけですか。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  現状におきましては実際上の必要から日中間で特別な取り決めを結ぶ必要がないということでございますが、将来におきまして、もし何らかの日中間で特別にやることが必要な事態が生じました場合には、またそのときに前向きに検討していくということでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 そういたしますと、いまのところ実務協定としては、日中共同声明第九項にうたわれた四つを成立させることに全力を注いでおって、それ以外はここ当分は考えていない、こういうようなお考えというように伺ってよろしいのかどうか。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 共同声明の文言にも「等の事項に関する協定」といろいろ含みのある表現になっておりまして、あれに限るという趣旨では決してございません。したがいまして、日中双方でいろいろの話し合いを通じまして、あれ以外にも必要な協定があるというようなことになりますれば、もちろんわが方といたしましては前向きに検討していくということでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 そこで、私自身の持論でもございますけれども、日中両国のいわゆる子々孫々に至る友好関係を樹立するために、私は、相互の理解を深める、しかもかなり専門的な相互の理解が深まることが非常に必要ではないかと思うのです。そういう意味からいいまして、私は、日中両国の留学生の交換規定あるいは専門家の大学教授の交換派遣、相互派遣というようなことを、一つの両国政府間の文化協定に載せるというようなことがどうしても必要ではないか、こう思うのでございます。これはかつて大平外務大臣のときに、私はその点を、このように実務協定がまだ具体化、煮詰まらないうちにお尋ねしたわけでございますが、そのときには、留学生でなくて、語学生の交換についてはいま両国政府間でいろいろ進んでおるということでございましたけれども、単に語学生というだけでなく、もっと広い意味において、たとえば中国側には日本研究者、日本側では中国研究者というものを今後もっと養成していくということが当然必要だと思いますし、中国側から日本の科学技術を学ぶような留学生を受け入れるということは必要ではないか。いまのところ中国側は、日本のいわゆるプラント輸出か何かでいま到達しておる技術を日本から取り入れて、それを土台にして先へ進むということですけれども、やはり長い目で見たら、もっと本格的な相互の留学生を持つことが必要ではないかと私は思うのでございますが、こういうことにつきまして、いま政府はどういうように考えておるか。私は、これはぜひ外務大臣もこういう点について文部大臣とよく協議して進めていただきたいと思うのでございますし、いまから四十年前に太平洋を船で渡った日米交換学生の一人であった宮澤さんが今日外務大臣になっておられるわけですから、そういう点から見ましてもそういうことは非常に重要ではないかと思うのですが、まず事務当局の方でこの点についてどういうふうに考えているか伺いたい。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 日中間の相互理解促進のためにいろいろな文化交流が必要であることは先生のおっしゃるとおりでございまして、特に留学生の交換につきましては、私どもといたしまして、予算の許す限り積極的に進めていきたいというふうに考えております。ただ、そのために留学生交換に関する何らかの取り決めが必要かどうかという問題は、私の方といたしましては、現在どちらかと申しますと疑問を持っております。事実そういう取り決めを結んだ前例もございませんし、また取り決めがなくても十分に交換が可能であるというふうに考えております。  現に日中間に行っております留学生の交換は、主としてもちろん語学の関係の学生でございますが、政府レベルの交換とさらに民間レベルの交換と両方ともございます。それ以外にさらに文化交流一般につきまして何らかの取り決めが必要ではないかというお話につきましては、私どもこれは当然前向きに検討していきたいと思っておりますが、ただ、ほかの国と結んでおりますような意味での文化協定という形がいいのか、あるいはそうでなくて、文化取り決めと申すような実務的な取り決めの方がいいのか、そういう点を含めまして前向きに検討してまいりたいと考えております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 非常に具体的なことですけれども、相互に留学する場合、出身学校の成績簿みたいなものを必ず要求されるわけですけれども、たとえば中国ではそういう成績簿というものは一切出さないというようなことも伝えられております。そうなりますと、日本の大学では、これは一体できる学生なのかどうかわからぬということで、特に国立大学なんかは受け付けないというような問題も現に起きているようです。つまり日本と中国とではいわゆる文化のパターンが違うわけですから、したがってそういう場合にこそ国家間の文化協定というものが必要であって、その枠に乗せることによって留学生の交換というのも順調にいくのじゃないか、こういうふうに私は思っているわけでございまして、その点を単によその国、たとえばアメリカやフランスとそういう文化協定を結んだことはないとかというようなことだけでやっておったのでは必ずしもうまくいかないのではないか、こんなふうに私は思うわけであります。  そういうことで、そういう角度から私は御質問申し上げたわけでありまして、そういう点いかがでございますか。やはり国がそういうことについて責任を負うという一つの土台を据えた上で、民間の努力というものにまつということが必要ではないかと私は思うのですが、その点いかがでございましょう。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○宮澤国務大臣 両国が今後長く親善友好関係を保っていきます上において一番大切なのは、やはり河上委員が御指摘になりましたように人の交流であると考えますが、その人の交流の中でも学術学問を中心にした人の交流が一番純粋でございますし、長い意味で両国の友好関係に最も寄与するものであろうというふうに私も考えます。  そこで、そのような人の交流はぜひとも両国相談の上で今後大いに進めていかなければならないと思いますが、その場合に、その規範になります何かの取り決めあるいは協定が両国間で必要であるかどうかということはひとつ検討してみる必要があると思います。留学生の交換に関する取り決めというのはこれは余り例のないことと思いますが、むしろ広く考えて、文化協定というようなものの可能性というのは私は非常におもしろい、かつ展開いかんによっては有意義なことではなかろうかと考えますが、ただその場合、中国側とわが国とは先ほどもお話がございましたようにいろいろな意味で価値観が異なっておる、また体制も一緒ではございません。そのような文化協定に、したがってどのような有意義なものができるか。また中国側がどう考えるかということにつきましては、私ども全然いままで先方の意向をサウンドしたことがございませんので、本格的に考えるといたしますと、先方がそれについてのどのような考えを持っておられるか、いろいろな意味で少しずつ確かめていかなければならないのではないかと思います。  いずれにいたしましても人、純粋に学問、学術、文化等を中心した人の行き来がもっともっと大きくなることが、両国の将来の友好関係のための最も大切な基本であると考えますことは、私もまことに同意見でございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いま外務大臣から、そういう必要性について非常に熱意のある御答弁をいただいたわけですが、いろいろ技術的にはむずかしい問題はあろうと思いますが、しかしこれはぜひ具体化していただきたい。やはりそれが日中友好のいわゆる子々孫々に至る関係の土台になるというふうに私は思いますので、ぜひそれを具体化していただくようにお願いをしまして、次の質問に移りたいと思うのであります。  今回の海運協定につきましては、私も神戸港を持っております選挙区から選ばれておりますので、町を歩いておりましても、神戸へ帰るたびによく中国の船員の方が上陸をしている光景にぶつかるわけでございまして、非常に身近に感じている一つの協定でございますが、若干条文その他に触れて幾つかお尋ねしたいと思います。  まず第一に、第四条でございますけれども、両国はお互いに相手のすべての開港に出入する権利を有する、こうなっておりますけれども、日本の開港がどのくらいあって、中国の開港がどのくらいあるか。ことに中国の場合、ちょっと名前を挙げていただきたいと思うのです。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○浜田政府委員 お答えを申し上げます。  現在、中国の開港は、昨年年央現在におきまして、大連、秦皇島、天津、新港、塘沽、煙台、青島、それから連雲港、上海、温州、福州、厦門、汕頭、広東、黄埔、湛江、北海、海口、八所、以上十九港でございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 船員が上陸した場合のことをいろいろ書いてございますけれども、たとえば海員手帳とかあるいは海員証というような上陸した場合の行動の自由というようなことはどういうふうになっておりますか。この場合、相互主義でやっておるのかどうか。あるいは、何らかの一定の限界が相互に存在しておるのかどうか、その点いかがでございますか。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  船員の上陸は、わが国におきましては、船員手帳によって旅券にかわるものと認めまして、寄港上陸ということで入管令による許可をいたして、おります。これは日本で申しますと、七十二時間の時間的な制限がございます。また寄港地上陸でございますから、時間的にも制限されております関係上、たとえば東京へ上陸いたしまして九州あたりに観光に出かけるということは実質上、時間的にも無理なのではないかと思われますが、時間的な制限といたしましては七十二時間ということでございます。中国側においては特にそのような明文の規定があるということは承知しておりませんけれども、やはり寄港地の上陸でございまして、一般旅券によって入る入国とは異なりますので、そこにおのずからわが国の場合と同じような実際的な制約というものがある、だろうということでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いまあるだろうと言われましたけれども、そういうことについて条約交渉の過程で議論はなかったのですか。たとえば相互主義でいくというようなこと、もちろん相互といっても国柄、国の状況によって限界が違うかもしれませんが、相互主義という大体のたてまえでその点は了解されておるわけですか。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  中国側にも出入国の管理は当然あるわけでございますが、中国に出入するすべての外国人は、もちろん、出入国申請を行った上で許可を受け、検疫、税関及び国境防備検査の各検査手続を終えた者について出入国が認められるということになっております。ただ、外国船の船員については、旅券にかわる日本の場合の船員手帳でございますが、向こうの場合では海員証でございますが、そのような船員手帳によりました上で国境防備検査機関というものが国境にございまして、それの上陸証、証明書といいますか、許可と申しますか、そういうものの発給を受けて上陸が許可されるということになっております。これについて時間的な制限が特にあるとは聞いておりません。

河上民雄日本社会党

○河上委員 そうしますと中国側の事情によるということでございますね。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 そのとおりでございます。ただこの点につきましては協定上最恵国待遇ということが明記されておりますので、日本の船員が他国の船員と何ら差別ない取り扱いを受けるということが保障されています。

河上民雄日本社会党

○河上委員 もし何らかのトラブルが起こった場合、そういう問題当然あると思うのですけれども、従来協定成立前において両国間に、船員についてトラブルが起こったことがあるかどうか。またその場合はどういうふうに解決しておられるか伺いたいと思う。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○浜田政府委員 私どもいままで関知します限りさような情報に接したことはございません。

河上民雄日本社会党

○河上委員 よく見本市とかそういうようなときにあったあるいは日本の船員が向こうに行ってトラブルを起こしたこともないわけですね。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○浜田政府委員 さような情報は私ども入っておりません。

河上民雄日本社会党

○河上委員 また別な機会にもしあればあれさせていただきますが、ここではそういう、たとえば相互に亡命とか何かというようなことが起こった場合の処理については、この協定では何ら決めていないわけで、別なルートで解決する、こういうように判断してよろしいわけですか。

伊達宗起外務省条約局外務参事官

○伊達政府委員 本来海運協定でございますので、亡命関係のことはこの協定の対象となっておりません。将来そのような取り決めを行うかどうかは、また将来の問題だと思います。

河上民雄日本社会党

○河上委員 現に協定が成立していなくても、中国船は日本の港にたくさん入ってきておりますし、貿易量も年々ふえているわけでございますけれども、今回この協定を結ぶことによって、今後さらに飛躍的に拡大するというふうに期待しておられるのかどうか、そういう意味のメリットというものを具体的にどういうように考えておられるのか。  いまここに、神戸港に中国船が入ってくる隻数あるいは貿易のトン数などの資料をいろいろ持っておりますけれども、年々この神戸港に入ります中国船の数はふえておるわけでございます。もちろん、いまのところまだ台湾船の方がやや上回っておりまして、だんだん台湾船が減り中国船がふえるという形で、だんだん接近はしておりますけれども、この協定を結ぶことによりまして、さらに日中両国の貿易が発展することを期待するわけですけれども、特にこの協定を結ぶことによって、技術的にどういう点がメリットになるのか、その点はどう考えておられますか、事務当局に伺いたいと思います。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○浜田政府委員 この協定ができますことによりまして、われわれの船舶が中国の各港におきましていわゆる最恵国待遇を受ける、こういうことになるわけでございますが、そのほか、あるいは海難救助におきますところの協力でありますとか、あるいは海運関係の収益の相互の送金の保証でありますとか、いろいろなことに法的な根拠が与えられるわけでございます。  具体的な問題といたしましては、私どもも、今後この協定が発効されましたならば、早急にまず政府間の協議を行いまして、あるいは双方に各海運企業の支店を設けるとかいうようなことから始めまして、両国の海運におきまして、どのような積み取り比率でもってどういう貨物を運ぶかとか、あるいは運賃をどうするかとかというようなことを決めていくということになろうと思います。そういうことのために、その基礎を置いたということに非常に大きい意味があるんじゃないかか、かように考えております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いま御答弁の中に、日中航路の運賃の決定を、新しく設ける協議機関の一つの仕事にするようなお話がございましたけれども、運賃をどのようにして決定するのか、また、いまおっしゃった協議機関というのはいつごろから始めるおつもりなのか、その点をもう一度伺いたい。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○浜田政府委員 いわゆる政府間の協議は今後の問題でございますし、相手もありますので、今後外交ルートを通じましていつごろから始めるかということの折衝に入るということであろうと思います。その政府間協議の結果をまちまして、私、先ほど運賃等の決定と申しましたが、これは政府が決めるべきことではございませんので、そういう政府間の協議に基づきましたところの民間同士の話し合いにおきまして、そういう具体的な問題に入っていきたい、かように考えておるわけでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いま海運協定に関連しまして政府間の協議機関を設けたいというようなお話でございましたが、この貿易協定の第九条には混合委員会の設置の規定がございますが、この貿易協定の発効後それがどのように実行されておるのか、またどういうことを実際に協議しておるのか伺いたいのです。これは実際にやっておられるのかどうか。あれによりますと、少なくとも毎年一回北京ないし東京でやるということになっているのですけれども、どうも余り聞いたことがないのですが、実際にはどうなっておりますか。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 貿易協定に基づきます日中間の貿易合同委員会は、ことしのなるべく早い機会に北京で行いたいということで、大体の日中間の合意がございますけれども、これまでのところ、まだ双方の都合が整いませんで、開催に至っておりません。しかし、これはできるだけ早い機会に、ことしの前半中にぜひ北京で行いたいということでは原則的な合意がございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 前半といいますことは、六月までの間ということでございますか。——少し技術的なことばかり伺って恐縮ですけれども、二月十二日の日経新聞に、新しい海上輸送システムを日本と中国と共同で開発するというような話がかなり大きく報道されておるのでありますけれども、その特色は、中国のように巨大河川が発達しているところには非常にうってつけのシステムだ、こういうことで、何か技術的なことがいろいろ書いてございますが、新しいアイデアに基づいた海上輸送システムを開発する、それを中国と日本と共同でやるんだということが出ております。そして、日本側は大体商船三井グループ四社が中心でやるというようなことが書いてあるのでございますけれども、これにつきまして政府としてはどういうようなかかわり合いをしているのか、どの程度その進捗状況を承知しておるのか、今後この海運協定の批准後、どういうふうにこれを評価するのか、そういうようなことについて伺いたいと思います。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○浜田政府委員 お答えをいたします。  先生御指摘の新しい海上輸送システムというのは、フローターという非常に大きい浮き船の中にはしけを積みまして、それを押してまいりまして、今度はそのフローターを沈めまして、そしてはしけを外して、今度はそれを引っ張って港湾に持っていくという新しい方式のものであるそうでございます。  一昨日の日経の報道と同様の趣旨を私ども会社から一応は聞いておりますが、現在のところ、中国と商船三井その他の四社の話し合いは、今後そういう方向で共同研究を進めていこう、こういう結論に達したというにとどまっておりまして、たとえば、非常に遠い海をそういうようなものが行けるかという堪航性の問題でありますとか、あるいはいま申しました、はしけをフローターから外すところの技術的な問題とかいうようなものについて、大体の技術的な結論を得たという段階であるそうでございます。したがいまして、これら四社のこういう計画がどのように具体化するかということは今後の問題でございますし、私どもも研究をしなければいかぬと思っております。  ただ、一つの問題は、やや敷衍いたしますと、わが国の船舶職員法あるいは船員法というようなものを、こういうバージの形の輸送にどのように適用するかということがいま大きい問題になっておりまして、現在私どもの省内におきまして鋭意検討中でございまして、まだ結論が出ておりません。さような状況になっております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 それは運輸省としては非常に好意的に考えておる、特に中国との関係において、それが日中間の海運業務には非常に有効であるというように判断しておられるわけでございますか。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○浜田政府委員 ただいまの新しい海上輸送システムにつきましては、いま申しましたように、もう少し状況を見ませんと、いまの段階は、これが中国の問題であるからという理由でどのような考え方をするかというところまで行っていないという段階でございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 それでは、まだたくさん伺いたいことがあるのでございますけれども、時間がそろそろ来たようでございますので、後一つだけ伺って、そのほかのことはまた後日に回したいと思います。  日中航空協定のときに一番大きな争点になりましたのは飛行機の国籍の問題でございました。海運協定におきまして、事情はやや違うかもしれませんけれども、船の国籍の問題、船籍の問題がどういうふうに処理されたのか、またどういう交渉経過があったのか、また船と飛行機とを区別できる理論的根拠は一体どこにあったのか。そういうことを伺いたいと思います。

高島益郎外務省アジア局長

○高島政府委員 御承知のとおり、航空機の場合は政府間の協定に基づきまして、政府の許可のもとに外国の航空機が乗り入れてくるというたてまえでございますのに反しまして、海運の場合はいわゆる海運自由という原則に基づきまして、そういう国際的な慣行のもとで、いかなる国の船も開港には自由に出入港できるというたてまえになっております。この日中海運協定の交渉につきましても、そういう立場から本問題を処理いたしまして、実際上日中航空協定の交渉の場合におけるような問題は起きないで、御承知のような協定が締結されたということでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いま実際に各港では 台湾籍の船と中国籍の船とが日本へ入ってきた場合にどういうような配慮をしておるのかどうか。たとえば同じバースになるべく並べないようにするとか、そういうことを現にしておられるのかどうか。また、いろいろ船籍のあれを見ますと、中国というのは非常に船が少ないのでありまして、協定にもありますように、用船、雇いの船ですね、おそらくギリシャ、オナシスかなんかが持っているようなギリシャの船が多いのだと思うのですけれども、そういうギリシャ船などを借りてやっているケースも多いと思うのですけれども、そういうような用船との関係もどういうふうに協定で今後処理せられるのか。そのことだけちょっと答弁を伺いたいと思う。

浜田直太郎運輸省海運局次長

○浜田政府委員 お答えをいたします。  先生御案内のとおり、わが国では海運自由の原則という考え方のもとにいろいろな海運関係の問題が処理されるわけでございまして、港湾法の十三条に、いかなる船舶に対しましても、その出入国、停泊というようなものについては国籍等による差別を一切行わないという趣旨の規定があるわけでございます。したがって、中国と台湾の船舶が仮に同一の港に参りましてもこれを区別するという考え方はないのでございますが、しかし現実の問題といたしましては、やはり港湾の行政上の立場からは混乱を避けるということをしなければいかぬということでございますので、従来、中国船が協定締結以前に日本に入ってきておりましたときから、さような混乱を防止するために、横浜あるいは神戸等の特定の重要な港におきましては、航路別にバースを指定いたしまして、中国もしくは台湾の船舶が隣接をして停泊するとか、あるいは背中合わせになるとかいうことのないように配慮をしてまいっております。そのために、私どもも、いままで中国及び台湾の船が何らかの混乱を起こした、こういうような情報には接していないわけでございます。  それから、第三国船の問題につきましては、三条の二項にありますように、用船につきましては他方の締約国の異議なき限りこれを認めるということになっておりますが、その用船自体の取り扱いにつきましては、これは当該用船の旗国とそれから日本との条約関係の問題になる、こういうことでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 なおまだ技術的なことで伺いたいことは残っておりますけれども、きょうはもう時間が参りましたので、一応ここで中断いたしまして、これで終わりにいたしたいと思います。また後日機会を与えていただきたいと思います。

栗原祐幸自由民主党

○栗原委員長 本日の質疑はこの程度にとどめ、次回は来たる十九日水曜日、午前十時理事会、午前十時十五分委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時五十六分散会

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