科学技術振興対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/05/29
会議録
○八木委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 まず、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力船「むつ」に関する問題調査のため、本日、日本原子力船開発事業団理事長島居辰次郎君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、御意見の聴取は質疑応答の形で行いますので、さよう御了承願います。 —————————————
○八木委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。米内山義一郎君。
○米内山委員 私は、いま行き場を失っていると思われるような原子力船「むつ」の問題に関連して、大臣からお尋ねしたいと思います。 あの「むつ」の事件が起きてから、いわゆる政府と四者協定をしまして、ある一定の時期に次の母港を決めるという約束があるわけであります。ところが、この約束はまだ果たされていない。いろいろな情勢を見ると、何だか新しい母港の設定というものはきわめて困難なような感じがします。 それで、仮りにこのまま進めば、何だかんだと言って、「むつ」が青森県に居座る可能性が出てくるじゃないか。こういうふうなことになると、ますます行政に対する不信感が加重されてくるだけだと思うので、この点の見通しについて政府の所見をひとつ伺いたいと思います。
○佐々木国務大臣 この問題の経過は、詳しくお話しするまでもなしに御承知だと思いますので、去年の十月以来の経過は、詳しい話は省略いたしたいと思います。 ただ、一言で言えますのは、青森県との協定の、いま申されました半年後までに新定係港を決める、それから二年半を目途として「むつ」本体は必ず移転しますということになっておるわけでございますが、その二年半後までをめどにして「むつ」を移転するという原則は、これは全然変えておりませんし、必ず実行いたします。 ただ、前者の半年後までに新定係港を決めるということでございますが、これに関しましては、私どもといたしましては、その第二母港の候補地等の選定に対しては、異常なというほど精力を集中いたしまして検討を加えてきたことは、これまた御承知のとおりであります。ただ、従来の行政事項と違いまして、中央政府対県庁との話し合いが決まればそれで事柄は済むかというと、そういう問題ではございませんので、ただいまのように大変決定がむずかしい状況になっているということでございます。ただし、それがむずかしいからといって、その努力を放てきするかといいますと、そうではなくて、あくまでも約束どおり今後も努力するのでございます。 したがって、お説のように、そのまま居座って、大変悪い言葉でございますけれども、お話しの言葉でございますからそのまま使わせていただきますが、青森に居座って、そして青森側の不信を買うということは、毛頭いたす所存はございません。
○米内山委員 それで、政府としてこの問題を打開するために、どういう新しい御構想をお持ちか、この点を確かめておきたいと思います。 いまも大臣が言いましたが、知事との交渉だけではだめだということは、そのとおりだと思うのです。むつ市にこの問題が起きたときは、むつ市の当時の市長もまた県知事も誘致に賛成だったのです。だが、その後事態が変わってこういう結果を生んだのですから、この原因を政府がはっきりと考えて対策を講じない限り、これはますます困難になると思うのです。 そこで、あれだけの大事件を起こし、国家としてもあるいは原子力船開発の上においても重大な損害を受けたはずです。単に金の問題だけじゃなくて、開発そのものの時間的なもの、さらには開発に対する心理的な不信感というようなものが出てきたわけですから、この際こういうことを反省する必要がある。 そこで、なぜこういう結果を生んだのか、青森のあの問題から政府は何を学び取ったかということを、まずお聞きしたいと思います。
○佐々木国務大臣 学び取りました結論が二つございます。 一つは、根本的には、政府の原子力開発に対する姿勢と申しますか、体制と申しますか、これに対して反省を加え、再出発をしなければいかぬ。そのためにはどうすればよろしいかということで、内閣に原子力行政刷新のための懇談会をつくりまして、ただいま鋭意検討中であることは、御承知のとおりでございます。 もう一つは、「むつ」そのもののああいう事故が起きました技術的な原因は那辺にありや、したがって、その原因に基づいて責任の所在はどこにありやという、この点を十分検討すべきだというので、これまた、去年の暮れから、政府で学識経験者の皆さんに委員になっていただきまして検討いたし、大山機関と言っておりますけれども、先般その結論が出まして、この問題に対してはかくかくにせよという結論が出ているわけですから、その面に対する、言いかえれば修理あるいは総点検、あるいはこの問題に絡む事業団、あるいは検査、監査機構等万般含めまして、あの部面から出ました結論に対しましては、それを尊重いたしまして、すでに実行しているものは実行を強化し、それから、これからさらに進めなければならぬものは進めるという態勢で実は進めておることは、御承知のとおりでございます。 原子力船のみに関しますともう一つ問題がございまして、これは陸上炉と違う点もいろいろございますから、日本の原子力船の将来をどうするか、あるいは「むつ」そのものをどうするか、事業団をどうするかという問題を兼ねまして、原子力委員会の中に原子力船懇談会を設けまして、これも七月を目指しまして結論を得るべく、ただいま検討中でございます。 したがいまして、あの問題を契機にいたしまして、国といたしましてはあらゆる部面から反省あるいは再建の要を認め、結論の出ましたものはその結論を実施する、目下検討中のものは極力結論を得るように進めているのが現状でございます。
○米内山委員 確かに、いまの大臣の答弁でも、一応学び取った形跡はうかがわれますが、およそこの問題のよって来る原因というものは二つある。一つは安全性の問題これは科学技術の問題です。それよりも、もう一つの不信感の問題というのは、政府のこれまでの、原子力開発のみならず、いろいろな巨大開発というものに対する姿勢の問題にあると思う。この姿勢の問題に限ってきょう私はお尋ねするわけです。 どういう姿勢が不信を招いているかということを、みずから御点検なさったと思いますから、その主なる問題点を二つ、三つお尋ねしたいと思います。
○佐々木国務大臣 不信の最たるものは、根本はやはり原子力の安全性に対する国の取り組み方と申しますか、言うなれば、安全性の研究とかあるいは検査、監査の仕方、あるいは住民の皆様との安全性に対する理解、協力の求め方といったような問題が、いずれの面をとりましても、政府のいままでの行政体制あるいは姿勢というものは、十分でなかったのじゃないかというのが根本じゃなかろうかと考えております。
○米内山委員 実は、私は御承知のとおり青森県の者でして、特にこの事件については身をもって感じたものだから申し上げるわけですが、まず第一の不信の問題というのは、国家権力をかさに着て、ナショナルプロジェクトだなどという、新しい国家的開発だなどというわかったようなわからないような言葉を使いながらかぶせてくる、この態度が第一番に不信の原因なんです。こういう態度こそ国民べっ視の姿勢なんだ。べっ視された者はこれに対してどうこたえるかというと、憎悪以外なくなるのは当然でしょう。だから、いままで、こういう原子力開発におけるエネルギーが必要なんだというだけのことでごり押しに開発を進めている事実があるのです。特に青森県にもある。こういうことが背景になってあの事件が起きています。このことについての、みずからお悟りになる点はございませんか。
○佐々木国務大臣 私は、当時責任者の地位になかったものですから、はっきりしたことはわかりませんけれども、しかし、いろいろ情勢を聞き、その後真相を教えていただきますと、まさしく御指摘の点も確かにあったように反省されます。 したがいまして、今後は、特に第二定係港選択に当たりましては、その点を十分考慮いたしまして、無用な住民との摩擦等の起こらぬように十分配慮いたしたいということで、慎重に進めている次第でございます。
○米内山委員 こういうふうな、かぶせることと同時に、どうしてもこの開発というものは、産業優先というかっこうをとっているのです。これは裏から見なくとも、表から見てもわかることなんです。産業優先ということは、言うなれば大資本と申しますか、独占資本の圧力によって行政が動いているという顕著な事実があるわけです。 たとえば、この原子力船開発の問題にしましても、原子力産業会議というものの中の原子力船懇談会というのがこういう見通しを立てている。紀元一九八〇年から二〇〇〇年までの間に、八〇年には原子力時代の幕が開ける、そして二〇〇〇年には、二百四十隻の原子力船を日本の造船業界が世界の海運業界のためにやらなければならぬという見通しを立てている。何かこういうふうな産業界の圧力のために、しゃにむに原子力船の開発を急ぎ過ぎたものだと考えます。 結果は明らかなんです。基礎研究の蓄積あるいは開発研究の蓄積というものは、アメリカ、ソ連などと比べますと、その時間においても、人員においても、経費においても、月とスッポン以上の違いがあるにかかわらず急いだ。しかも、その内容はきわめてお粗末であったということは、何か熟さないうちに実をもぎ取ろうとするようなことがあったとわれわれは理解する。これはだれにでもわかることなんです。 それからもう一つの問題です。むつ市と背中合わせの隣村に、東京電力と東北電力の両者が合体して二千万キロの電力基地をつくるということが具体的に進んでいる。こういう場合には、何よりも先に必要なのは土地の取得なんです。土地の取得に当たっては、農地法上の政府の許可が必要なんです。政府がこれに対して許可を与えているのです。その後にいろいろな科学技術庁や通産省所管の許可、認可が必要になるのです。土地さえ買っておけば後はどうにでもなるだろう、いわば国家権力と金力の結合によってごり押しするじゃないか、こういうふうなのが陸奥湾海戦の本当の背景なんです。しかも、長さ一キロの範囲に、私に対する政府の答弁によると、百万キロの炉を背中合わせにつくって十カ所に合計二十つくるというのです。その距離は三百五十メートルなんです。一体こういうことが、現在の長期計画においても要求されているものでもないし、もちろんそういう長期計画の中に位置づけのあるものでもないのです。技術的にも、常識的に見ても、世界の常識を越えたことが政府の行政上の権限によって進められているのです。これは可能性があるものです。いまの原子力の科学技術やいろいろな情勢から見て、許可されたり実現する可能性があるものです。そして、この農地転用の許可の条件にはそのことが明記されている。原子炉設置の許可、認可がとれない場合は、農地転用の許可は取り消すというような条件が付されているのです。この申請を許可する場合に、農林省と科学技術庁あるいは通産省との間に、この問題に対する連絡、合議があったのです。原子力行政は、単に科学技術庁や通産省だけではないのです。政府全体の責任でやらないと、こういうふうな結果が現実に起きているのです。 ですから、私はこの際はっきりと御答弁願いたいのは、東北電力と東京電力の両者から、一カ所に二千万キロという世界にも例を見ない原子炉の設置計画が政府に出されたことに対して、担当の庁としての科学技術庁に合議なり連絡があったかどうかを聞きたい。
○佐々木国務大臣 まず、前段の問題でございますけれども、「むつ」の計画、建造に当たっては大変急いで、しかもそのバックには、独占資本とかいうお話がございましたが、そういう圧力で進めたように言っておりますけれども、私の理解するところではそういうことはないのでありまして、日本は世界一の海運国でもあり、また世界一の造船国でもあることは御承知のとおりで、将来原子力商船時代というものが到来するとするならば、それにおくれをとらないように、民間自体としてやれないならば、国としてでもその問題を進めるのが当然の後世に対する責務じゃなかろうか。しかして、日本は御承知のように、軍事転用する意思は毛頭ございませんから、その開発の目的は何ぞやと申しますと、技術的な開発もございますけれども、同時に、日本の造船業界なり海運業界というものの将来を考えて第一のステップを踏んでいったものだというふうに、私は善意に解釈しております。 ただ、その間、軽水炉に対する安全の研究が十分であったかという点に関しますと、「むつ」で放射線の漏洩事故が起きましたように、いろいろ問題点を残しておりますので、そういう点に対する今後の進め方に対しては、大山委員会からも手厳しく指摘してございますので、その線に沿いまして、そういう間違いを起こさぬように、今後進めたいという考えでございます。 それからもう一つ、原子力発電の問題でございますけれども、これは何か誤解があるようで大変恐縮でございますけれども、原子力発電の立地に関しましては、初手から、東電あるいは東北電力が設置者である場合に、ここに設置する、安全審査をどうといって科学技術庁あるいは原子力委員会に持ってきません。そうじゃなくて、その計画は、まず電源開発促進法に従いまして、電源開発調整審議会というものが総理府にございます。そこに、通産省が主力になりまして関係各省庁、通産、農林、建設、いろいろ関係省庁がございますから、特に環境庁とも連絡をとりまして、需給関係あるいは資金関係以外に、環境汚染等考慮して、環境問題等から見まして、これであればということで審議会にかけまして、その審議会で決定になった暁に、初めて設置者が、その安全いかんということで、原子力委員会にその審査を持ってくるのがいまのルートでございます。 したがって、いまのお話のように、二千万キロワットかどうか、私、まだ聞いておりませんけれども、私どもに相談がまだ全然ないのが当然でございまして、科学技術庁としては、詳しい話は関知しておりません。
○米内山委員 大臣は御存じないはずです、ごく最近就任されたのですから。しかし、これはかなり古い問題で、日本の原子力発電界においては大きい話題になっている。したがって、原子力局長はこのことを御存じなのか。先ほど私が大臣に質問したことと同じことについてお答え願いたい。そうしてこういうものに実現の可能性があるのかないかということを、まずひとつ御答弁願いたい。
○生田政府委員 私も、いわゆる下北半島におきます大規模な原子力発電所の建設計画につきまして、具体的に東京電力、東北電力あるいは農林省から、話を聞いたことも相談を受けたこともございません。 したがいまして、その実現性があるかないかということにつきましては、今後計画の具体化に伴いまして、具体的な計画を聞きました段階で判断することになろうかと考えております。
○米内山委員 しかし、この問題について農地転用の許可を得るには、具体的な計画のないものには許可ができないことになっている。したがって、計画書が書かれてあるのです。着工年次、完成年次というものが明確にされないと、法律の制約で許可の処分ができないのです。このことは、いずれ計画書そのものを中心に改めて、御質問いたします。 そこで、最後になりますが、住民べっ視の問題なんです。これは記録にとどめておく必要があります。たとえば、横浜に拒絶されて青森県に行くときに、一部の反対運動が起きた。このときは、一部であることは私らも承知の上です。そのとき事業団の理事だったと思うが、西堀なんとかという人間がいまして、わざわざ地方紙に寄稿しまして、原子力船に反対する者は、大昔火を恐れた原始人のようなものだと、こういうこと言っておるのです。これは科学者というものの枠の中に入る人間だそうだが、こんな非科学的な、こんなおごり高ぶった住民に対する侮辱はない。さらに今度の出港の場合に、担当大臣みずからが現地へ行って、これに反対する者は科学に対する挑戦者だと言った。確かにそう言えばそうかもしれないが、じゃ、こういう大臣の態度は、青森県民に対する挑戦でなくて何なんです。さらに青森県知事の態度、最後まで反対する者は一部少数だと言った。森山大臣もこれに惑わされたかもしれない、そしてああいう強硬政策に出たのかもしれませんけれども、この一連のやり方というものは、対馬へ行っても甑島へ行っても、住民の心理を逆なでするものだし、挑戦するものなんです。 こういうことをきれいさっぱりと清算しない限り、どこへ持っていったって、こういう民主主義の発達したときに、情報の発達したときに、可能性があるものじゃないのです。どうかこの点を、莫大な金と損失を授業料として払った「むつ」の事件から学び取っていただきたい。これは、国のためにも原子力の正しい民主的な開発のためにも、私は強く要望しておきたい。この点に対する大臣の御所見を伺いたい。
○佐々木国務大臣 肝に銘じて御忠告を拝聴いたしておきます。
○米内山委員 これで終わります。
○八木委員長 次に、湯山勇君。
○湯山委員 私は、ごく最近起こった問題であって、わが国の原子力行政の上では初めての問題、しかも、緊急を要する問題についてお尋ねいたしたいと思います。 それは、四国電力が愛媛県の西宇和郡伊方町というところへ伊方原子力発電所の第一号機を建設中であります。これに対しまして地元住民から、四十八年の八月に総理大臣あてに設置許可取り消しの行政訴訟が行われておりまして、これは数次にわたって口頭弁論が行われております。その中で四十九年の十二月、昨年の暮れの口頭弁論において、原告側が被告側に対しまして資料の要求をいたしました。それは主として四国電力が許可手続をしたその書類とか、あるいは原子力委員会の議事録、あるいは安全審査会の議事録、現地調査報告、あるいは八十六部会の議事録等々でございまして、時間の関係で細かく申し上げられないのは大変残念ですけれども、とにかく、そういった文書を資料として出すことを要求したわけでございます。 その理由は、公開の原則というものと、それから、いま米内山委員からも御指摘がありましたが、「むつ」等の問題あるいは美浜の例の燃料棒の問題そのほか安全審査についてはいろいろ不信感が持たれているので、そういうことから安全審査のあり方、それから第三番目は、本来これは行政訴訟で行われております。行政訴訟は常に原告側が不利な状態に置かれている。これはもうたてまえがそうなっております。したがって、力関係からいって、この安全性の立証というものは国側にあるんだ、したがって、国はそれらの資料を立証のためにも出すべきだというような、大ざっぱなことを申し上げますけれども、そういうようなたてまえから資料要求がなされた。 これに対して被告側、つまり国側の方は、それは民事訴訟法三百十二条の三号による文書提出義務、それの解釈から言って疑義があるというようなことや、あるいはそういう議事録の中には、あるものもありないものもあり、メモのようなものもあるというような観点からこれを拒否してまいりました。 これに対して本年五月二十六日、松山地裁の民事第一部の村上裁判長は、この三百十二条の解釈について、こういう本人の生命、財産というようなもの、そういうようなものが脅かされるというような点からいって、当然そういうことばできるのだというようなこと、それから審査手続というものが重要な争点になっている、その解明にはこの文書は必要だ、まして、原告側はそれ以外に有力な立証の資料を持っていない、こういう点からいって必要であり、それから立証能力からいっても、資料を国が独占しておって、その独占しておる資料を非公開ということだと、それは訴訟の公平に、つまり訴訟が不公平になるというような理由のもとに、資料の提出を国側に通知したということでございます。 内容的に、細かい資料の名前だとかそういうものは、急いで申し上げましたので、あるいは不適当な表現のところもあるかと思いますけれども、しかし、大筋においてそういう事実があったかないか、それだけまず伺いたいと思います。
○生田政府委員 資料の提出つきまして、松山地方裁判所の決定があったことは承知しております。
○湯山委員 その資料の提出方についての通知がありましたか。
○生田政府委員 通知がございましたので、現在、法務省とも相談いたしまして、その対応の仕方を検討している段階でございます。
○湯山委員 これは、二十六日に通知が出されれば、一週間以内に抗告するかどうかということを決めて手続をしなければならない。したがって、期日はもう非常に切迫しています。それで、これに対して国がどういう態度をとるかということは、国民の原子力行政に対する信、不信、それからいま米内山委員も御指摘になりましたが、民主的に行われているかどうかというような問題と非常に大きなつながりを持ってまいります。そういう点における反省といいますか、そういうものが、従来行われていなかった公聴会を開くというようなことも、昨年ですか決定して、とにかく行われている。それから今度は安全局の設置、これも、いま提案されているというようないきさつからいって、私は、よもや国がこれに対して抗告をするというようなことはないと思います。 ただ、心配なのは、法務省の訟務部の検事がこういうことを言っています。これは新聞記事からだけのことですから間違っておれば幸いなんですけれども、住民に文書提出を求める権利を法的に認めるということは問題があるということが一つ、それから第二は、これについてはウエスチングハウス社との技術提携で企業の秘密に属するものもあって、これを出すというようなことは国際問題にもなりかねないというようなこと、そこで、科学技術庁と協議して抗告するかどうかを決める、こういうことを新聞で見たところでは申しております。また、たくさんの新聞の中には、もう抗告するんだということを、法務省のほうで言っておる者もあるということですが、私はそれを見ておりません。 そこで、法務省の訟務部の担当検事がそういうことを言っていいのかどうか、これはどうなんですか。私は、検事の役目というのは、科学技術庁で態度を決めて抗告するならする、どういうことをするというのを決めたときに、初めて手続的なことをやるのが検事の役目であって、それの解釈をしたり判断するということは、これは検事の役目じゃないというように理解しておりますが、その点いかがですか。
○生田政府委員 ただいま先生御指摘の新聞記事につきましては、私は承知しておりませんが、たとえば、今回の提出命令の対象になっております文書が、民事訴訟法に規定されております提出義務のある文書に該当するかどうかという法律的な検討も、非常に重要なポイントでございます。それから私どもといたしまして、たとえば財産権との関連、あるいは原子力基本法の公開の原則の解釈、あるいはそれとの関連、検討する点がいろいろございますので、いまそれらの点につきまして法務省と協議をいたしまして、結論をなるべく早く出したいと考えて作業をしている段階でございます。
○湯山委員 どことの提携があるから国際的な問題になるというようなことは、これは検事の判断で言うことですか。そういうことも検事が判断するわけですか。
○生田政府委員 どうお答えしたらいいのか、むずかしい御質問でございますけれども、その新聞の報道を私、承知しませんので、事実がどういうことであるかわかりませんけれども、これはその法律の解釈の問題でもございますので、法務省の担当の検事の方がそういうことをお考えになっても、考えることがいけないということは、ちょっと言いにくいのではないか、かように考えております。
○湯山委員 この問題は、私はそういうことじゃないと思います。答えにくいということじゃなくて、もう少し内部で御検討願いたいと思います。これは長官の責任においてぜひやってもらいたいと思うのです。 その次に、一番大事なのは科学技術庁の態度です。以前に、これは行政訴訟じゃなくて民事訴訟で、埼玉の浦和の地裁は、企業の秘密よりも住民の生命を守ることが優先するというので、資料提出を命じたことがありました。これに対して国側は抗告をいたしまして、その公開の原則というものは、国側の姿勢か何かそういうものであって、直接住民にそういう権限を与えたものじゃないとかというような解釈で、それをひっくり返した例がありましたが、御記憶でしょうか。
○奥平説明員 ただいま御指摘の件は、三菱原子力工業という株式会社が被告になっている案件でございますけれども、文書提出命令の決定がありまして、被告である株式会社が即時抗告の申し立てを行いまして、高等裁判所において、原決定取り消しの判断が下されたということを承知いたしております。
○湯山委員 そういうことで、これは民事ですからそれとして、行政訴訟ではこういう場合は初めてだと思いますが、これはどうですか。
○奥平説明員 原子力関係の訴訟におきまして、この種の決定が下されましたのは初めてでございます。しかし、行政訴訟一般といたしましては、家永三郎氏……
○湯山委員 いや、いまのでいいんです、原子力の問題ですから。 これは、とにかく非常に大げさに言えば、原子力開発始まって初めてのことで、したがって、日本の裁判では初めてのことだ、こういうことになるわけでございまして、その結果、これに対する政府の態度というものは非常に重大な影響があると思います。 今日、「むつ」の問題、それから美浜の問題、そのほか考えまして、国民に対して原子力の安全性というものが本当に理解されていると思っておられますか、まだまだ不十分だと思っておられますか、長官のお考えを簡単に伺います。
○佐々木国務大臣 原子炉と申しましてもいろいろな種類がございまして、何炉がどう、何炉がどうと言うと、大変長くなりますからやめますけれども、少なくとも軽水炉に関しましては、その安全性に関して、必ずしも日本のいままでの研究等は、十分でないというふうに一般的に見ているのじゃないかと考えております。
○湯山委員 長官の率直な御答弁で、そのとおりだと思います。 そこで、そういうことがあるから、安全局も設置されようとしていますし、それから公聴会も開くということになりました。ただ、公聴会等では、その公聴会が混乱するというような心配もおありになったのでしょうが、私どもがいろいろ申し入れいたしましたけれども、前々長官のときに、私どもの希望が入れられなかったという事例もございました。安全局の方はいつスタートするかまだ存じませんけれども、全体の方向としては、できるだけ地域住民に安全性について信頼できるような態度をとっていこうということが、科学技術庁のとらなければならない態度ではないか。ことに、わが国のエネルギーが原子力依存の度合いがだんだん大きくなっていく、そういうときに、国民の不信を買っておる、あるいは地域住民と対立的な関係にあるというようなことであれば、それは決して期待しておるようなエネルギー問題の解決にはならないと思います。 そこで、この場合は法廷という非常に限られたところで、しかも冷静にお互い議論を尽くせる場ですから、むしろこういう問題については、進んで資料を提供するという姿勢を私はぜひとってもらいたい、またとらなければならない、このように考えております。これについて長官の御意見を伺いたいと思います。
○佐々木国務大臣 先ほどはちょっと舌足らずで、誤解を招くといけませんから正確に申し上げます。 その安全性という解釈でございまして、軽水炉は、環境等を汚染するとか、あるいは第三者の身体に障害を与えるとかいうことはまずございません。これはあらゆる面で証明が立っております。 ただ、まだ技術が未熟でございますので、原子炉内のパイプとか接着地点等にときどき故障が起こります。ただ、その故障が起きますとすぐ、他の機械と違いまして、それをアラームする装置が非常に幾重にもできておりまして、炉をとめて修理にかかるというふうに、操作そのものができております。 したがって、その故障が起きたこと自体が安全じゃないというふうに考えると、これは非常に誤解を招きますので、普通一般の人たちが、安全じゃないと言うと、故障が起きたらすぐ第三者に被害を与えるというふうに解釈されますと、大変実は困惑するのであります。 そういう意味で、故障が起きるか起きないかといったような問題は、これば軽水炉に関してどこでもまだある問題でございますから、そのもの自体は、むしろ採算とか電力の供給の安全性に関連する問題で、すぐそのものが、住民にどうという問題ではないと私は考えております。 そういうことでございますので、先ほど申しました安全という問題に対する理解度が、いまの日本の住民の皆さんが、私どもの理解しているようには必ずしも理解しておらないのじゃないかというふうに実は恐れているものですから、先ほどのような御説明を申し上げた次第でございます。 それから、後段の問題に関しましては、先ほど局長からお話がございましたように、民事訴訟法に規定する提出義務云々の法的な問題もありますようで、法務省の方でせっかくいま検討中の様子でございますから、私どもの方との話し合いで、あるいは法務省の判断でなにしました場合には、その方針に従ってまいりたいと実は考えております。
○湯山委員 大臣、違うのですよ。私の申し上げておるのはそうじゃないのです。いまのように、それは事故じゃなくて故障だという表現も、私どもは、言われることは幾らかわかります。しかしこれは、事故なのか故障なのかというようなことはいま一般にはわかってないです。故障というのは事故につながるし、やはりそこからは、これは単なる故障であると言われても不信感はぬぐえない。 いまから検討するというのは、地裁のそういう決定の以前の段階ならばそれは検討なさって結構です。しかし、出す条件はいまちゃんと出たわけです。資料提出せよという命令が来ておるわけです。だから、それに従えば、もうとやかく言う必要はなくて出すべきなんです。出すべきだという根拠は、いま長官自身おっしゃったとおりに、確かに理解は不十分ですが、そういうものについて、大部分は国が持っている資料でしょう。そういうものを出さないということから来る不信感です。手続なんというものは、それは枝葉の問題です。長官が、よし、それではそれに応じてできるだけ出すと言えばいい。出せないものまで出せと言ってはいない。メモまで出せということは裁判長は言ってないのですから、そうすれば、当然出すべきものは出すということが民主的な大原則であり、原子力行政の基本的な態度でなければならない。 ですから、法務省の方の解釈がどうのこうのじゃなくて、松山地裁がそういう命令を出した、それを受けて、素直に出せるものは出すという姿勢こそが、安全性に対する住民のそういう疑惑あるいは誤解というものを解く非常にいい機会であるし、そうしてまた、それはしなければならないことだ。これをどうするという問題は長官の判断ですから、その手続は法務省の方でなさるでしょうけれども、判断は長官の方の判断ですから、ひとつぜひこれは、とやかく言わないで出せるだけのものは出すということで臨んでいただきたい。 私どもも、わが国のエネルギーの状態、それをめぐって起こっているいろいろなトラブル、それからただいまの「むつ」の問題、ああいうのを見れば、もっともっと国がそれらを公開するし、それから住民の疑問にこたえる責任があると思う。これは大きい責任です。法律の解釈というような小さい問題じゃなくて、基本的に大きい責任がある。それを果たすためには、今度の場合、期限は六月四日ぐらいまででしょう。それまでに政府の態度を決める、これは抗告するようなことをしないでできるだけ出すのだ、出すことによって、いま国民の間にある不信感を払拭するのだという姿勢をとってもらいたい、こういう期待を込めてお尋ねしております。ひとつ明確な御答弁を願いたいと思うのです。
○生田政府委員 大変失礼でございますけれども、この問題につきまして、先生ちょっと誤解をしていらっしゃるのではなかろうかと考えるわけでございます。 この資料の提出の問題でございますが、裁判所は全部の資料を出せ、それからわれわれは一切出さないという、全く白と黒の対立した関係ではございません。これまでの公判の過程におきましても、私ども、といいますのは国側でございますが、原子炉の安全性を立証するために必要な資料は、立証の段階におきまして出すということを繰り返し申しておりますし、その方針には変わりないわけでございます。したがいまして、ただいま先生が出せるものは出せとおっしゃったわけでございますが、そのお考えと私どもの考えとは、基本的に違っていないと思うわけでございます。 問題は、非常に細かい問題でございまして、今回の提出命令の対象になっておりますものについて、ただいま私が申し上げましたような、基本的な考え方がどうであるかという問題、それから先ほど私も、大臣の答弁でも申し上げましたように、民事訴訟法の解釈の問題あるいはほかの行政訴訟の場合とのバランスの問題、そういういろいろな問題がございますので、その点を検討しているわけでございまして、従来から、資料は一切出さない、全く秘密だということではございません。
○湯山委員 私は、そんなことを申していないのです。今回の問題だけにしぼって言っているのです。今日までに、原告側の方も、これはどうも危険だということについての資料、データをできるだけ出しています。国側の方も、同じように安全性を強調するための論拠となるデータや資料を出しておることは知っています。しかし、問題は今度の問題です。そう言われるなら、抗告などしないでやはり出します、これが当然でしょう。改めて抗告するかどうか検討するというような必要はないのです、いまのような態度であれば。それなら何もあえて取り上げる必要はない。しかし、今度の場合、従来もそうやって出しておったと言うならば、抗告について検討する、国際的な問題を起こす、このような文書の提出の要求というのは民事訴訟法から言って疑義がある、こういうことをなぜ言うのですか。 ついでですから申し上げますけれども、科学技術庁の職員のメモだというようなことで提出しないというようなことは、これも変なんです。本来出すべきで、科学技術庁の職員というのは何のためにメモをとったのか。公務でその場に行っておってメモをとったのであれば、長官はそのメモを出せと言うことはできるはずです。それを、単に個人のメモだからというので、そんなものは出せないとか、いや、現地調査の記録がないとか言う。現地調査して記録がないということはありますまい。そういう姿勢が、どうもかえって不信感を増大している。 私は、こういう点でもっと言いたいことがたくさんあるのです。ただ時間がないものですから、基本的なことだけ申し上げておるのに、いまのように、私が認識不足だというようなことだと、やはり言わなければならない。そうじゃないですよ。長官、おわかりですか、申し上げておること。ですから、できるだけ求められたものは出す、そういう姿勢で臨むんだということを、長官がはっきり言っていただけばそれでいいんです。
○佐々木国務大臣 いま局長が御説明申し上げましたように、要求される文書を全部出せるかどうかという点は、いろいろ多方面から検討している最中なので、その検討が決まりましたら、その検討の結果に従いますということを申し上げているんでして、同じことじゃなかろうかと私、思いますけれども。
○湯山委員 違うんですよ。いまの御答弁はそうじゃなくて、出せるものは出すという前提に立って言っておるのじゃないのです。従来出したということを言われたので、そうじゃない、今度のは命令によって出すものですから。 そこで、じゃ、抗告などはしないということと解釈してよろしゅうございますか。
○佐々木国務大臣 抗告するかどうかは、いまいろいろ検討した上で態度を決めるでしょうから、その検討を待たずして、いまここでどうするということを問われても、ちょっと観念論で、ただ腹はどうだというようなことを示すだけで……(湯山委員「腹でいいです」と呼ぶ)腹といったって、これは検討しておる最中ですからおかしな話で、もう少し検討を待つ余裕をくだすったっていいんじゃないでしょうか。
○湯山委員 そうじゃなくて、ことしも安全局設置の提案を長官なさいましたですね。それから、長官になってからじゃないけれども、やはり住民に公開しなければならないというので、従来やらなかった公聴会をやるということも決めました。そういうことをやらなければならぬというのは、民主的に公開の原則を尊重するという姿勢で、従来よりもはるかに前進しておるということですね。これはいいことですが、そうすることの必要性を痛感されておるということで解釈していいのでしょう。
○佐々木国務大臣 御承知のように、電労連の報告でございましたか、見ましても、たとえば、いまの公聴会などは、技術的な問題はローカルのところではわからぬから、もう中央でそういう問題は公聴会をやるべきだというふうなことまで、同じ原子力発電に従事している労働者の皆さんですら言っておるような状況でございますので、この技術的な検討のための資料等に関して、先ほど局長も申しましたように、いろいろな問題が国際的にもありましょうし、あるいは国内的にも、私ども原子力基本法をつくった本人でございますから、公開の原則というのはどういう性格のものか、これもよく存じておるつもりでございます。 したがいまして、そういう点をいろいろ考え、あるいは民事訴訟法に基づく提出義務等もあるでしょうから、出さぬというわけにはいかぬでしょうけれども、その範囲等をどうするかという点は、せっかくいま検討中の様子でございますので、それが済むまでお待ちいただきたい。全部出しますか出せませんか、腹はどうですかと、この段階でそこまで問い詰められましても、行政府としてはいませっかく検討中と言っているのですから、その検討の結果を待っていただきたい、こういうふうに考えます。
○湯山委員 じゃ、時間もありませんから、最後にお尋ねしたいのは、御検討中だということは理解します。ただ、その検討するに当たって、ぜひひとつ御配慮願いたい問題は、これでもし抗告して資料を出さないというような姿勢を国としてとった場合には、一層不信感が増大するということを念頭に置いて御検討願いたい。このことについては、ひとつ明確な御答弁をいただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 御忠告は拝承しておきます。
○八木委員長 次に、瀬崎博義君。
○瀬崎委員 「むつ」をめぐる問題について質問をいたします。 五月二十三日に、長崎県の香焼町長が町議会の全員協議会を招集いたしまして、母港と原子炉の修理場所を切り離し、修理場所として香焼町の三菱重工長崎造船所の工場を使いたい旨の打診があったことを明らかにされたわけですね。これを報道した一部の新聞などは、政府が非公式に折衝とも書いているわけなんですが、政府は、この件について何らかの指示をしておりますか。
○生田政府委員 全く指示もしておりませんし、その事実については、全く関知いたしておりません。
○瀬崎委員 重ねてお聞きしておきますが、指示は別として、こういう事実があったということも政府は全然関知していない、こういうことですか。
○生田政府委員 私どもも、その新聞の報道で初めて知りましたことでございまして、全く関知しておりません。
○瀬崎委員 そうするとこれは、どこかは別にして、民間が勝手に母港探しというか、あるいは原子炉の修理場所探しというか、こういうものをやっていたのだ、こういう理解になるわけですか、政府側の解釈は。
○生田政府委員 全くわからないわけでございまして、もし新聞の報道が正確であるとすれば、政府以外のところで何かそういう動きがあったのではなかろうかと推測いたしますが、事実は、私どもには全くわからない次第でございます。
○瀬崎委員 新聞報道で云々とか言われますけれども、これはしかし町長が、事は大変重大だということで、正式に町議会の全員協議会を招集して報告したものなんですね。だから、この事実があったかどうかということについては、もはや疑いをはさむ余地がないし、報告された内容についても、きわめてこれは根拠のあるものなんでしょう。 ですから、これに対して政府が全然関知しない、政府がどうしてこういうことが起こったかについても、見解は持っていないというふうなことで済むものなんですか。
○佐々木国務大臣 むしろ、いま局長のおっしゃるとおりで、私の方としては関知していない事実でございますから、町長がそうおっしゃるのであれば、町長がどこからお聞きになったか、町長にお確かめくださった方が一番正確だと思います。私どもから確かめますと、また政府との関係がどうだということになりますので、大変私どもは困惑いたします。
○瀬崎委員 もちろん、言われるまでもなく、われわれはこの日にちゃんと町議会の全員協議会が招集されて、こういう報告があったかどうかについては、十分な事実確認を行った上での話であります。われわれですらこういうことを行っているわけであります。 ところが、政府はこの問題を知らない、関知しない、こうおっしやるわけですね。としますと、あの「むつ」の原子炉をつくったのは三菱原子力工業でしょう。ですから、同じ仲間の三菱重工などの民間が、勝手に母港や修理場所の選定工作をやっているということになって、もしこれがうまくいったら、そこへ政府を乗っければいいではないか、こんなふうに国民の側から見ると、いまの全然知らないという政府側の答弁と、町長が責任を持って議会に報告したというこの事実との関係からは、客観的に見られても仕方がないことになると思うのですよ。ですから、この点で、政府は一体「むつ」放射線漏れ問題調査報告書をどのように読んでおるのか、聞きたいと思うのですよ。 いろいろなことが指摘されておりますが、その中に、遮蔽の「実験結果を原子力第一船に反映させる責任は、本来事業団にあったにもかかわらず、十分機能することはできなかった。このような経緯から、第一船の舶用炉の開発については、三菱原子力工業(株)に大幅に依存する結果となった。この場合、事業団が細部の計画について、かなり業界に依存したという点に問題が残るであろう。」と指摘した上、続いて、「一般的に言えば、企業は利潤追求に重点をおきがちとされている。科学技術振興とは縁遠い異なった価値体系によって、問題が優先的に審議されたとすれば、技術開発を中心に据えた原子力船開発の審議は、不十分のまま終わったと思われる。」と、民間依存の弊害を、この場合で言えば、三菱依存の弊害を厳しく指摘しているわけなんですね。 ですから、政府の責任において、国民に信頼されるべき原子力行政の改革と、さらには科学性の確立とが一体となって進められる、そういう上に立って原子力船の母港問題が解決されるのならいいんだけれども、しかし、そうあるべき原子力船の母港問題が、どういう動機からかわからないけれども、政府の関知しない、しかし事実としては、そういう三菱系ではないかと、いまのやりとりからはわれわれが推定せざるを得ないような民間の画策に余地を与えているとすれば、この欠陥原子力船を生み出した過去の過ちを、いま出直そうとしているこのときに、もう一遍繰り返していることになるのじゃないかと思うのですね。 ですから、この点について、ここにも指摘している、利潤追求が第一義的だと言われている民間会社、これが後始末をめぐって恐らく画策するであろうことも、これは、もしこういう教訓をくんでいるなら、政府は当然予知できることなんだ。こういう動きがあったときには、一体これはどういう動きなのかということを直ちに調べて、そうして報告する責任と義務があろうかと思うのです。もしそれをしないでいるのなら、過去のこういう教訓を、一体この報告書からどう学んでいるのだろうかという疑問がわれわれには起こってくるわけです。一体どうなんですか。
○佐々木国務大臣 私は頭が悪いせいか、何か話がこんがらかっておるようで、大変理解に苦しむのですけれども、町長さんの協議したのは、その何とか町を母港にしろということで相談なさったのですか。
○瀬崎委員 私がいま言ったとおりでしょう。
○佐々木国務大臣 いや、私は知りません。それじゃもつ一遍……。
○瀬崎委員 一応町長さんの議会への報告によれば、母港そのものにするという報告ではない。母港と原子炉の修理場所を切り離し、修理場所として香焼町の三菱の工場を使いたいという打診を受けた、こういう報告なんですよ。 しかし、このことは、御承知のように地理的に言えば、香焼町と問題になっている対馬は非常に近い関係にある。あるいは香焼町そのものを母港にすることができるような立地条件が町そのものにもあるとも聞くわけなんです。一度われわれも実地には調査してみたいと思っておりますが、こういう関係から、現在の打診は修理場所であっても、当然これは母港という問題がついて回るわけですから、裏にはそういうことも含まれているのではないか、これはわれわれの推察でありますが、そういうことになるから、こういう動きについて、的確な情報を、むしろ政府自身が調べてわれわれに報告する義務がありはしないか。そういうことをいままで政府がやってこなかったから、つまり民間任せにしてきたから、あんな欠陥原子力船ができたのだという、こういう一定の指摘が報告書にはあるわけなんです。 そこで、いままたそういうことが母港選定の段階で繰り近されるのではないか、こういうことを私は尋ねているわけです。
○佐々木国務大臣 「むつ」そのものの修理あるいは総点検等するのに、大山委員会報告によりますと、どうせ修理はしなければいかぬ、だからついでに念のために総点検をせよということになっておりますから、これは今後やらなければいかぬのですけれども、その修理個所はどこでということ、あるいは何会社でというふうなことは、てんでまだ政府といたしましては問題になっておりません。事業団ではいろいろ修理のための技術的な検討を進めている由でございますが、私どもはつまびらかにしておりません。 そのやさきに、皆さんおっしゃるように、現地の町長さんがそうおっしゃったからどうだと言われても、下手に電話をかけますと、それ政府から電話がかかってきた、交渉が始まったとか何とか、必ずそうなるわけでございますから、むしろ町長さんの方から逆に、改府としてはどう考えますかと聞くのであればまた別ですけれども、私の方から、それを頼んでないのに問いただすのも、これはまた誤解を招くもとだと思います。まだそこまで問題は進んでいない段階ですから、関知しておらぬと答える以外にしようがないのです。
○瀬崎委員 そうすると、政府は現在までも関知していないし、今後とも、こういう事実があったにかかわらずこの問題に関知しようとはしない、こういうことなんですね、態度として言えば。
○佐々木国務大臣 現在関知していないことは事実でありまして、今後そうなるかどうかは、これからの検討の結果そうなれば、これは正式にお頼みしなければいかぬでしょうし、まだそこまで検討は進んでおらないということでございます。
○瀬崎委員 問題はそこなんですよ。今後そういうふうになればという、そこへ持っていくか持っていかないかということについて、政府があたかも第三者のような、これはほかの母港に対してもそうなんですが、そこが無責任だとわれわれは言うのです。 だから、いま起こったこの香焼町の問題についての政府の今後の方針は、さっきの大臣の話からいけば、関知しようとしないというふうに私はとれた。いまの話からすれば、しかしまたそのときになってみればというふうにも聞こえる。どっちなんですか。
○佐々木国務大臣 妙な質問だと私は思います。これから検討を進めて、修理個所をどこにするかという検討に入っていくわけです。その修理個所というのは幾つもあるわけでありまして、その場合にどういろふうにお願いするか、それはこれからの問題でございますから、必ずしもそこにお頼みすると決まったわけでなし、またそこでないときめつけるわけでもない。イエスかノーかと言えば、これから検討の上だ、こう言う以外にしようがないじゃないですか。
○瀬崎委員 私が言っているのは、香焼町にするというのかしないというのかを聞いているのではなくて、政府が関知しないと言っている間に、そういう打診がある筋からあったという事実だけはここに生まれてきたわけですね。このことについて、政府はいままでは関知しなかった。これはわかった。今後は一体どうするのかと言えば、一応あなたは先ほど関知しないと言ったが、今後は、そういう香焼も候補の一つに挙げていって、これも打診していくということなんですか。どっちなんですか。
○佐々木国務大臣 それは、何かドックや何かあるところですか。
○瀬崎委員 そんなことを私に聞くのはおかしいじゃないですか。
○佐々木国務大臣 おかしいと言ったって、あなたが質問するから聞くだけのことですよ。それはどうなんでしょう。私はその場所は全然知らぬですから、知らぬところへどうだこうだと言われても……。いまのところは関知してないと、その事実を申し上げているだけで、今後、いよいよ修理する段階になって、ドックがあるというようなところであれば、あるいはそこに修理をお頼みするかもしれませんし、それはこれからだと私は言っているのですから、おかしいことはちっともないと思うのですけれども、それをどうだこうだと言うこと自体が、どうも私は大変理解に苦しむのであります。
○瀬崎委員 私が言っているのは、事実としてはこれは香焼町に起こった事実なんですね。恐らく、町長さんが議会で報告されているんだから、ないものをあるとは言われないですよ。ですから、政府自身が関知しないのにこういうことが起こった。これはいままでの原子力船のいきさつから見れば非常に重大だ。一応よく政府も調べてもらいたい、なぜこういうことが起こってくるのだろうか。もし早まって三菱がいろいろ手回しよくやっているとするならば、こういうことに対して、政府は何らかの一定の見解や指示をするべきだとわれわれは思うのだけれども、政府はそれをしようと言うのかしないと言うのか、そういうふうな点を、いま起こっている事実について聞いているわけなんです。
○佐々木国務大臣 同じ答弁じゃいかぬでしょうか。答弁は同じになりますけれども。
○瀬崎委員 じゃ、まあいいでしょう。こういう点は非常に無責任なんですよ、あなたの答弁というのは。たとえば母港をどこにするかという問題で、対馬にしぼって考えてみましょう。 五月二十二日の委員会で山原議員が質問したときに、あなたは、候補地だとわかればすぐ反対運動があるので、公表は控えさしてほしい、答弁できないというふうに言っているわけなんです。また、修理はドックに入れないといけないので、そういうことを考えて対馬で話がつけば対馬も考えられる、こうおっしゃっているわけです。その同じ二十二日に今度は長崎県知事に対して、対馬については新母港候補地として交渉を進めることは白紙還元する、こういう話があったと新聞に伝えられている。また生田局長はこれを補足して、いままで長崎県選出の国会議員などに非公式に打診してきたことはすべて御破算になり、再び対馬を取り上げるときには打診のやり直しをする、こういう補足のやり方をしている。この白紙撤回というのが全くの、いわゆる常識的には白紙撤回でないことを示唆している。翌日二十三日の記者会見で、また長官は、現時点では地元漁民らが聞く耳を持たないほど反対している状況なので、しばらく静観するという意味でそう伝えた、無理をしないということだ、依然としてやはりこの対馬を対象に考えているというふうな、こんな記者会見として報道されている。さらに昨日の参議院の委員会の方では、私が聞いているところでは、青森県との協定の期日には今度はこだわらない、こういう答えになってきているようです。原子力船懇談会などの結論を待ち、原子力船の開発をめぐる体制固めが終わらない限り、地元交渉には入らない。 このように、二、三日の答弁がずいぶんくるくる変わっているのです。これを言っている方は、同じ意味だと思って言っているのかしれないけれども、聞いている方は、政府の態度はずいぶん変わっているという印象を受ける。こういう話の仕方なんです。 大体、佐々木長官と科学技術庁は、同じ問題について、同じ時期に、異なる内容に受け取れるような発言を、それぞれ異なる場所において行う。こういうことが、そもそも結果的には国民に混乱を与え、原子力行政に対する不信をつのらせることになるのだとは考えていないのですか。どうなんですか。
○佐々木国務大臣 大変おしかりのようですけれども、私自体は、いまいろいろお話しのあったことが、事実としてあなたただ言っているだけで、私はそれは事実ないのですから。たとえば………(瀬崎委員「いや、国会答弁」と呼ぶ)国会答弁で……。議事録を何でしたらごらんくだされば、私も後で調べますけれども、青森との間に話し合いで決めた、半年後までには新定係港を決めるということにはこだわらないということは言ってないはずでございまして、もし言っているとすれば、それは恐らく私自体の誤った表現だと思います。議事録を調べてみますが、議事録お調べになっての上でございましょうか。
○瀬崎委員 おおむね調べております。
○佐々木国務大臣 もしあれであれば訂正しますから。私、申してないはずです。そんなことを申すのであれば、いままでこれほど、半年、血を流すほどの苦労をしていませんですよ。一生懸命やってきていることは事実でございますから。今後も一生懸命やることも事実でございます。それですから、もしそれがそういう発言であれば、明らかにそれは訂正しなければなりませんので、訂正申し上げます。 それから、あなたいま白紙撤回というふうに御発言になって、間違いございませんか。(瀬崎委員「長崎県知事に対して」と呼ぶ)そうじゃないのですよ。白紙還元と言ってきたのです。撤回じゃないのですよ。(瀬崎委員「還元と撤回とどう違うのだ」と呼ぶ)撤回は、もうやめましたという意味ですから。還元は、私の解釈では、知事との正式交渉はまだしてないわけですから、慎重にやれということでございますから、地元の国会議員の皆さんにそれぞれ打診をして、こういうふうに交渉に入りたいが一応御了承しておいてください、それを踏まえた上で知事に、対馬の方に実測の調査隊を出したり、あるいは地元の皆様といろいろ安全問題等で話し合いもしたいので、ひとつ御協力いただきたいという大事を踏んで、知事も結構でございますということであれば、地元に参りまして、そして順次話を進めていきたいという、そのやさきに反対反対という漁民の皆さんの反対が起きたものですから、知事さんからも白紙還元というお話もあったときでもこれあり、それではしばらくひとつ様子を見ようじゃございませんか、無理押しは決していたしません、知事さんには御迷惑かけることはいたしませんと、こういう返答をしているのが白紙還元でありまして、白紙撤回と言った覚えはございません。 それから、青森の方には遅滞なく、こういう状況になったので、しばらくひとつ静観したいが御了承いただきたいと申しておきました。青森県の方からは、早期に決めてもらいたいのは事実だけれども、しかし、円満にひとつ片づけてください、青森県のむつの愚をもう一遍繰り返してもらいたくないのですというお話でございます。これはまことにまたありがたいお話で、その趣旨を体して、これから一生懸命やっていくということでございますから、どうぞ誤解なさらぬようにしていただきたいと思います。
○瀬崎委員 誤解したくはないけれども、結局、いまの答弁からわかることは、言葉のあやのようなものをうまく利用しながら、しかも、国会そのものを世論操作の道具に使っているような感じを私は受けて仕方がないのですね。 さかのぼれば、一斉地方選挙前の本委員会で、たとえば、四月十四日が新母港探しの期限だ、しかし、選挙中だからそれは言えないので、済んだら発表するなんというような答弁があったこともあるのですね。ですから、そういう一連の答弁が、国会での大臣発言としては非常に無責任だ。こういう感じを私は一つ持っている。 と同時に、それと相類する問題として、科学技術の委員会はちゃんと週に二回定例日というのが決められているわけですね。この定例日は委員会があることがわかっているのだから、大臣としては何をさておいても出席できる条件をつくっておくのが、私は憲法上の任務ではないかと思っているのですよ。ところが、理事会ではしばしば官房長を通じて、いや何の会議がある、いや何の勲章を持っていかなければいかぬ、きょうは何の行事だ、出席できないということがしばしば通知されて、そのために委員会の開会の日が少なくなっている。今日、このように原子力行政問題が高度の政治問題化している現状では、大臣の出席しない委員会審議というのは、これは徹底審議ができないわけなんですよ。 この点では、昨年や一昨年の通常国会、特別国会と比べていただければすぐわかる。ペースは半分以下ですよ。さらに、今国会で他の委員会等見てみても、たとえば、物特が定例日二回で十二回、交通安全が週二回でいままで十一回、公選が、これは小委員会を別にして五回、災害が定例週一回で全部で五回、石特が定例週一回で全部で五回、沖特が定例週一回で全部で四回、わが科学の委員会が定例週二回と決めておきながら、昨週までで四回しか開かれていない。これは最低ですよ。これは主として、そういう官房長発言が非常に邪魔になっておるわけなんです。もちろん、これは委員会独自の問題だから、われわれは委員会で努力をして解決したいと思うけれども、しかし、大臣の出席というものが保証されてこないと、非常に委員会としては困る現状なんです。 だから言葉のあやで違ったように聞こえるような記者会見があってみたり、また国会での答弁が、委員会の出席日によって、場所によって、よほど気をつけていないと違ったニュアンスに聞こえるような内容を言っておいて、後で弁解する。こういう答弁のやり方とあわせ考えて、私は、非常に国会軽視の態度があると思うのです。この点について大臣、反省するところがありませんか。
○佐々木国務大臣 私は、特別委員会が開かれるのは大歓迎でございまして、ここでもう十何年、あなたよりもはるかに古い時代から、家つき娘みたいにずっとここの理事をやっておったのですから、むしろファミリーな気持ちで皆さんにお会いできるのが楽しみなくらいで、決して、拒否するなんということは夢々考えておりません。 ただ、考えてみますと、予算委員会だとか、あるいはそれが済んでから決算委員会だとか、同じ問題で各個所で質問がたくさんふえておりまして、そちらと競合したりした場合には、恐らく皆様の御厚情に甘えて、そちらの委員会にひとつ先に出してもらえぬかという交渉等を官房長はしたのじゃないかと思いますけれども、私は、皆さんの科学特別委員会が開かれれば喜んで参りますので、どうぞ誤解のないようにしていただきたいと思います。
○瀬崎委員 それは同じ国会内の用事で出席できないというのなら、われわれ取り立ててこんなところで言いませんよ。国会外の用事が優先させられて、そして出席できないと言う。これは現に官房長がそういうことを言ってきている。委員長もここにいらっしゃるが、よく御存じのはずですよ。みんなが、ここに立会人がいるところでこそ私はこれを言っているわけなんです。ですから、過去のそういう態度をはっきり改めるという態度がない限り、私はあなたを信用するわけにいかぬですね。これはある意味では、稲葉法務大臣が国会へ出てきて、答弁拒否したというふうな問題があった。あるいはまた、過去に、自分の言ったことについて責任を持たなかったということもあった。私、それは似たようなケースだと思うのです。三木内閣は大体こういう方針をとっているのかなという感じがしないでもないぐらいなんです。 ですから、、こういう点で、これもある新聞なんかを見ていますと、政府のやり方は小手先を使っていろいろやっているけれども、一体こんなもので解決するだろうか、本命だと言って大騒ぎしておるところが案外当て馬かもしれないというふうな勘ぐりもあるとか、あるいは一生懸命やっているというジェスチュアを青森には示しているのではないかとも言われているとか、こういう点では、それこそ自主、民主、公開の三原則をいまこそ守って、公明正大にやるべきじゃないか、こういうふうなことも言われているのですね。 ですから、本当にあなたがそういう国会に対する態度について、絶対国会軽視はない、憲法を守って答弁にも責任を持つと言うのなら、改めて、聞いている方に全く誤解を与えないような、この「むつ」の母港に対する政府の方針というものをここではっきり示してほしいのです。 その内容としては、これは繰り返し長官は、「むつ」の問題から学んで、原子力開発の再出発のためには原子力行政懇談会をつくった、その結論を待ちたいとか、それから「むつ」の事故から、原因と責任はどこにあるのか、これをはっきりさせるために大山機関をつくってその結論を待っていたのだとか、こういうふうに言われているわけです。これには一定の期間がかかることは初めからわかっておるわけです。そういう点から考えると、半年以内に母港を決めますという、あの青森の漁民、県民に対してした約束が果たしてできる相談であったのか、できる約束であったのかどうか、この点をどう考えているのか、これがまず一つです。 それから、今後、原子力行政を再出発させるに当たって、どういうところをどのように改革していくのか、また事業団はどうするのかなどという重要な問題、こういう問題についてはほとんどが結論待ちになっている現状で、原子力行政全体の見直しと、「むつ」という船を一体どこへ持っていってどのように修理するのかという、この「むつ」に関する個別の問題と一体として考えているのか、別の問題として別々に解決を図ろうとしているのか、この点が第二点。 そして、現在出されているこの大山機関の報告書に対して、政府は本当にこの中に盛られている指摘に対して、改革を実行しようとする気があるのかどうか、こういう点について答弁してほしいのです。 最後に、四つ目としては、これは個別に上がっている問題として、問題の対馬、それから香焼、これはもうすでにずいぶん世間を騒がしている問題であります。次いで、同じ長崎県内で、佐世保がどうも九九%ねらわれているのではないか、またそういう話が内々進んでいるのではないか、これはもっぱら地元でそういううわさになっているそうであります。ですから、こういう点について、長崎県知事に対する回答、まあ白紙撤回じゃなくて白紙還元だそうでありますが、これは長崎県内のすべての、候補地と言ってよいのかどうか知りませんけれども、対象になっているような地域は白紙還元の対象なのかどうか、そういうことについて答弁を、今度は責任のある答弁をしてほしいと思うのです。
○佐々木国務大臣 もし責任のない答弁をしておったようであれば、どうぞ御指弾のほどをお願いしたいと思います。私は、行政の長として責任を持って答えているつもりでございます。 「むつ」の第二母港ができるかできないかわからぬのに、この問題に取っ組んだんじゃないかというお話でございますが、そうじゃなくて、去年のあの大騒動の中で問題を決めまして、そして単なるその四者会談じゃなくて、これは行政の義務として約束を果たすべきだという責務から、先ほど来るる申し上げましたように、一生懸命第二母港を決定すべく努力したわけでございます。 ただ、従来の行政のように、三権分立で、しかも行政府に与えられた権限内で、私どもがこういうふうに中央政府で決めた、知事あるいは町村長とも話して決めた、それで問題がおさまるかというと、そうじゃないのじゃないか。そうしないでください、それだけでは問題がおさまらぬから、地元の住民の皆様によく理解を得るようにしてください、こういうことを繰り返し、これはこの委員会でもしかり、あるいは予算委員会でも皆さんが言っている考えでございますから、それには私どもも同感でございます。したがって、こういうふうに閣議を通りました、はいさようなら、こういうことではこれは済まぬ問題でございますから、あくまでも慎重に、地元の住民の皆さんの御理解、御協力を得た上で決めたいという念願に燃えていままでおったことは事実でございまして、それができるかできないかという問題は、初めからできないということであれば、これは青森で決めたこと自体がおかしいということになりますので、そうじゃなくて、少なくとも決めたことに対しましては一生懸命努力いたしますし、また努力しつつあります。 ただ、その間いろいろな事情がございまして、あるいは当時決めましたときとは、客観情勢、たとえば統一地方選挙なんかは考えていなかったのでしょうから、そういうところまで配慮しての決定とは思えません。したがって統一地方選挙、こういう場合ですから、それはよけた方がいいんじゃないですかと、これは契約者の青森県とも了解を得て、そして必要な事務手続を踏むこと自体が無責任だと言われますと、これは全く私どもとしてはやるせないのでございます。ですから、できるように努力しているのですということでは答弁にならぬじゃないか、それは無責任だと言われると、何が責任やらわからなくなってしまいますが、私は、行政府の長として大変努力をしておりますということで、答弁にかえたいと存じます。 それから、原子力船の将来との関連を考えつつ「むつ」問題の処理を考えているのかともし質問でございましたら、それはもちろんでございます。ただ、将来の見通しの問題に関しましては、先ほど申しましたように、原子力委員会の中に懇談会を設けまして、そこでただいま鋭意検討中でございます。幸い五月二十日ニューヨークでフォーラム主催の、原子力商船の将来性について各国の案を持ち寄りつつ検討した会がございましたので、その経過等も踏まえまして、いろいろ検討いたしたいと思います。 それから、その原子力船の将来性と関連して「むつ」の問題をどうするかという点は、おのずから出てくると思います。 それから、それと原子力行政との関連がどうかという問題に関しましては、これは先ほどの御質問に答えましたように、あの「むつ」の問題が起きまして以来、一つは、体制あるいは姿勢の問題だというので、それをどう大変革をするかという点に関しましては、有沢機関で、ただいま内閣として総理がみずから出まして検討中でございます。これは行政府としては、最大のいわば責任を持った一つの行政行為じゃなかろうかと思っております。決して無責任な行為ではございません。 それから、その結論がまだ出ませんから、これは何ともまだ私の口から言えませんけれども、しかし、その結論が出て、そしてその上で予算化して云々ということになりますと、これは相当おくれますから、そういう時間的なことじゃなしに、ひとつことしの予算で、とりあえず原子力局を原子力局と安全局とに分けまして、そして安全に対して真剣に取っ組むようにしようじゃないか、まずそれをスタートとして始めようじゃないか、従来ももちろん安全問題については取っ組んできたわけでございますけれども、しかし国の姿勢としては、この際はっきり意思表示すべきだというので、その前々日でございましたか、閣議で新しい局はつくらないということを決めておったにもかかわらず、安全局をつくるということでやっておるわけですから、決して私は無責任どころか、あらゆる障害を排除して再建に取っ組んでおる、その意思というものはよくおわかりじゃなかろうかと思います。 したがって、そういう点を踏まえて、あるいは大山機関の結論も出ましたから、それに基づいてただいま事業団の改組、充実も図りつつございますし、また「むつ」そのものの将来、あるいは修理、総点検をどうするか、あるいは事業団を将来どうするか、そういう問題も、おのずから責任を持って決めていくつもりでございます。 三番目は、大山機関との関連がどうかという問題でございますが、大山機関の報告は、先ほども申し上げましたように、大変短い期間に集中的に委員の皆様が真剣に検討を加えて結論を出してくれたということは、大変感謝をしているわけでございます。したがいまして、その結論を拳々服膺いたしまして、すでにもう着手しておるものもございますから、それはさらに充実し、それからまだ未着手のものは早急に着手いたしまして、あの要望に沿うた改善策を進めたいというふうに考えております。 最後に、対馬等の問題でございますが、第二母港の対馬の問題に関しましては御承知のようなてんまつで、ただいま白紙還元ということで静観しているところでございます。それ以外の地点に関しましては、候補地でございまして、まだどこどこという公表もしておりませんし、むしろ今後いろいろ、新しいと申しますか、自分のところへひとつ来てもらえないかというふうな一部の話もございますが、それが全部の住民の意思と見ていいものかどうか、大変むずかしい点もございましたりして、対馬の経過もございますし、それこれあわせながらこれから検討に入ろうかということでございますが、いま、どこの地点がどうということは、これは申し上げるわけにはまいりません。
○瀬崎委員 いまの答弁の中であいまいなのは、白紙還元という言葉の中に、長崎県下の佐世保なども入れて理解しておいていいんだなということに対する明確な答弁がないことと、それから結局、原子力行政全体の見直しとの関係で「むつ」の問題解決も考えているというふうな趣旨にとれたのですが、それだと、いままでの長官の論理からいけば、そういうものが各種の懇談会等でいま検討中であり、その結論を待って実行していきたいと言うんだから、しばらく母港問題静観というのは、つまりその静観の時期は、そういう原子力行政の見直しについて一定のめどが立ち、政府が具体的にはこのような改革をするのであろうということが国民に理解される時期、そういう時期まで静観だというふうに理解しておいてよいかどうか。もっと簡単に、明瞭に答えてください。
○佐々木国務大臣 行政機構の改革あるいは事業団の充実を待たなければ、母港が決められないという性格のものではないと私は考えております。 それから、白紙還元は対馬についてでございますので、誤解のないように願いたいと思います。
○瀬崎委員 それじゃ、大臣のつもりでは、静観というのはどういう期間を意味しておるのですか。
○佐々木国務大臣 静観でございますから、どの程度の期間かということは申し上げませんけれども、しかし、何年も静観するなんてばかなことは常識的には考えられませんので、できるだけ早くというふうに考えております。
○瀬崎委員 できるだけ早くはいいけれども、静観と言った限り、またこれも余り短い期間では静観にならないでしょう。だから、一定の信頼を得ようと思ったら、静観の間に何するんだということをはっきりおっしゃっていただきたいと思うのです。
○佐々木国務大臣 青森との話し合いもございますから、対馬の件は静観するとして、それ以外は全然検討を加えないでおるかといいますと、やはりそれは責任上そうはいかぬと思いますので、さっき申しましたように、いろいろ要望をする個所もございますから、そういう点に関しましては、地元の要望等に仮にこたえるとすればどうすればいいのか等、いろいろな検討を加える必要があると思っております。
○瀬崎委員 私ども思うのは、この静観の間にまずなすべきこととして、政府が真剣に、本当に原子力行政の立て直しを考えておるかどうかの試金石の一つは、この「むつ」問題について大山委員会の出した報告書に対する政府の態度じゃないかと思うのです。ですから、その点でとても全部はできませんから、二、三だけで拾って具体的に質問してみたいのです。 この間の山原委員の質問に対して福永次長が、私はよく理解できなかったけれども、こんな意味のことを答えましたね。原子炉安全専門審査会の技術的能力というのは、技術者を擁しているということである、それから報告書の提言第一項の技術的能力というのは、事業団全体の技術スタッフの充実を意味しているんだ、両者は直に結びつくものではないとおっしゃいましたね。 ところで、この原子炉安全専門審査会の言う技術的能力というのは、恐らく炉規制法の第二十四条のことだろうと思うのです。そこには、「その者に原子炉を設置するために必要な技術的能力及び経理的基礎があり、かつ、原子炉の運転を適確に遂行するに足りる技術的能力があること。」となっているわけです、法律の方は。福永さん、あなたはこの法律の内容を、技術者を擁していればよい、このように理解しているのですか。
○福永政府委員 私の答弁でございますので、私からお答えさせていただきます。 原子炉等規制法に申します技術者の条件というのは、先生ただいまお読みになったとおりでございます。私の答弁では、正確な記憶ではございませんけれども、原子炉主任技術者を中心として原子炉の運転、管理というような趣旨でお答えしているものと記憶いたしております。
○瀬崎委員 だから、この報告書が指摘している、技術能力が充実されていなかったというこの指摘、これの理解は、そのことに照らして一体どうなんですか。
○福永政府委員 他方、この報告書で事業団の技術的能力というのを言っておりますのは、全体を通じてお読みいただければ御理解いただけると思いますけれども、設計、施工、完成に至るまでの一連の技術、それからそれに伴う技術研究開発の技術、こういったものを広く指しておられるものと了解しているわけでございます。
○瀬崎委員 だから、結局あなたは、ここに指摘されている事業団において技術的能力に欠けておったというこの指摘、しかし事前の原子力委員会の答申では、技術的能力は十分であった、こういう答申をしているんですね。ここにも大きな食い違いが起こってきている。しかも、原子力委員会の答申は、少なくとも法律を踏まえての話だろうと思うわけなんです。ですから、そういう点では原子力委員会の審査にも問題があったし、また現に事業団にそういうものが欠けていたからこそ問題が起こったんだ、こういう報告書の方の指摘になっていると思うのです。そういうふうにはっきりと読み取っていますかどうかということなんですね。
○福永政府委員 ただいまお答えしたとおり、前段の安全審査におきます技術的能力と申しますのは、原子炉主任技術者を中心として原子炉の運転、管理、こういうのに必要な技術、こういうふうな了解でございます。 それから、繰り返して同じようなことを申すようで恐縮でございますけれども、研究開発し、その研究開発の成果を実際に反映させていく、そしてまた研究開発を加えていく、こういった一連の技術開発の手順と申しましょうか、そういう一連の手順を踏まえての技術的能力というものをこの報告書では指しておる、こういうふうな理解でございます。
○瀬崎委員 だから、あなたはそこには矛盾はない、こういうことなんですか。
○福永政府委員 そのとおり了解いたします。
○瀬崎委員 大体この報告書を読むのに、長官、担当の次長がこういう読み方をしているわけですね。結局、ここに指摘されているのは、法律で言う内容も含めて、やはり技術的能力に欠けるところがあったというふうに私たちは理解するのが正しいと思うのです。ところが、いまの次長のように違った概念なんだ。主任技術者などを置いておったんだから、それで事業団の方に問題はなかったと言うけれども、問題が起こって、能力の問題を指摘しているんだから、私は、やはりそういう理解をしていること自身に、非常に軽率で無責任な感じがまずここにするわけです。 次に、安全審査そのものについても、もう少し深い指摘があるでしょう、次長。また別のところにこういうことが言われているでしょう。安全専門審査会の方の審査内容を見ますと、「原子炉の製造は、三菱原子力工業があたることになっており、さらに、原子炉全般にわたる運転、保守、燃料取替計画等については、同社の指導訓練を受けることによって技術的能力があると認める。」こうなっているのです。こういうことを基準にして、この原子力委員会の答申の技術的能力というのは出ているわけなんですよ。ここに問題があるというのが大体この報告書の指摘なんです。 そして、さらに別なところでは「いうならば、高名で多忙な学者、研究者にこのような実務的な作業を委ねること自体に無理があると言わざるを得ない。この結果、審議内容は往々にして、結果に対する責任と役割の限界をあいまいにしたまま、無難な結論が採用される恐れがある。」と言っているわけなんです。これなんかは私は予算とかなんとか長官はひまがかかるとおっしゃったけれども、やる気があれば直ちに解決可能なことだと思うのです。 ですから、こういう点について、政府はこの指摘を正しく受けとめているのかどうか。もし受けとめているとするなら、すぐにこれを改善する用意があるかどうか、これを一遍お聞きしたいと思うのです。
○福永政府委員 ただいま先生の御指摘のところは、報告書の三十二ページあたりの安全審査のところかと存じます。「高名で多忙な学者、研究者にこのような実務的な作業を委ねること」云々というあたりだと存じますが、ただいま原子力委員会の安全専門審査会では、審査委員三十人の方々にお知恵を拝借しているわけでございます。そのほかに、こういった実務的な面を補佐すると申しましょうか、そういうことで調査委員といった、いわば大学で言えば助教授クラスの方々、こういったような専門家の方にお手伝いも願っております。またさらに、情報の解析とか収集とかといったような実務的な面、こういった面は私ども事務局もやっておりますけれども、そのほかに、さらに原子力研究所の研究者の方々にもお手伝い願ってやっておる、こういうふうな体制で漸次強化してまいっておるわけでございます。 したがいまして、この先生方にすべて実務をお願いしておる、こういうことではございませんので、御理解をお願いいたします。
○瀬崎委員 いまの説明を聞いていると、むしろ報告書の指摘が的外れと言わぬばかりの話になってくるのです。しかし、ここに指摘されている内容をよく読めば、いま説明のあったような、非常勤の人々をあちこちから寄せ集めてきて、この重大な非常に仕事量の多い審査体制をやっておることにも問題があるということは、言外に私は読み取れると思うのです。 これは長官に聞きたいのです。一つ一つの指摘事項について、結局ああいう弁解がましい話しか出てこない。まず一遍真剣に、これをまじめに受けとめて検討してみようという気が私はないように思うのです。どうですか、長官。
○佐々木国務大臣 お話は、せんじ詰めてまいりますと、いまの審査体制のようなものでなくて、いわば行政事務として、諮問機関に諮問するのではなくて行政事務としてやったらどうか、こういうところに問題が入ってくると思います。 この点は大変重要な点でございまして、おそらく有沢機関の結論も、そういう審査、検査をどうするか、それをまた行政機関にするか、いまのような諮問機関にするか、こういう点がいろいろ問題の焦点になってくるだろうと思います。大山機関の御忠告もあり、それも踏んまえて有沢先生のところでは最後の結論を出すものと存じますので、それを待ちたいと存じます。
○瀬崎委員 時間があれば、長官の考えはそうであり、担当者の考えはさっきのようなことで、大きな隔たりがあるわけで、まず担当者がまじめにこれを検討していないことが問題だと思うのですが、そのことについての見解も聞きたいと思いますけれども、もう一、二点聞きたいので先へ進みます。 さらに大山委員会の調査報告書では、三菱原子力工業の責任にも触れているわけです。それは、 「鉄製遮蔽リング(あるいは、熱中性子に対してこれと同効果を持つとされたコンクリート製遮蔽リング)の効果推定計算書が三菱原子力工業にも残っておらず、」こういう指摘があります。これは非常に重大な問題だったということです。これほど技術的な面から見れば重大であったこの効果推定計算書が、三菱原子力工業に残ってなかった。一体、これはどこでどうなったのですか、ひとつ政府の方に、委員会でわからなかったんですから答えていただきたいと思うのです。
○生田政府委員 三菱原子力工業がウエスチングハウス社に依頼しましたいわゆるチェック・アンド・レビューでございますが、その中の一つのポイントが、ただいま先生御指摘の二次遮蔽における遮蔽リングの材質の問題でございます。この点をウエスチングハウス社から指摘を受けたことは事実でございますが、三菱原子力工業といたしましては、それを採用する方向で十分検討しなかったのではないかということのようでございますので、これは今後私どもの方で、全体の原子炉の点検あるいは所要の改修を行うわけでございますので、その過程におきまして十分事実も探求いたしますし、その対応策も検討いたしたいというように考えております。
○瀬崎委員 それは当然のことなんですよ。私が聞いているのは、その計算書が残っていなかったという指摘ですね、なぜそういう大事なものが残っていないということになったのか、そのことについて政府の考えを聞いているわけですよ。どこでどうなったのかということです。
○生田政府委員 現在のところ、なぜ残っていなかったのか、あるいは初めから計算しなかったのか、その点はわかりません。これは三菱原子力工業に対しまして、十分私どもで調査をいたしたいと考えております。
○瀬崎委員 こういうようなことは、もっと早くから政府がちゃんと調査してなければいかぬ問題なんですね。きょうあたりはちゃんと答えられてしかるべき問題だと思うのです、報告書に出ているのだから。長官、これがまだ答えられない状態に政府はあるわけですね。ですから、ここにある問題で、政府がこれをどう受けとめ、どういう処置をとっているか、聞きたいことがもっとたくさんあるけれども、いまの二、三の点についてすら、まだ政府はこの報告書をまともに検討していないというふうな現状がうかがえる。 ですから、私どもから言わせれば、優先して解決しておかなければならない問題がなおざりにされて、あるいはまた懇談会などにゆだねられて、この結論を待ちながら母港探しだけ優先してやっていこうというのは、これは本末転倒ではないか。こういうことで、本当に国民の信頼が得られて、うまく円満に母港探しの決着がつくとはわれわれは考えられないのですよ。 そこで、ひとつ長官にもこの点について明確にもう一度、いま何を、この静観している最中にやらなければいかぬのか、このことについて改めてお答えをいただきたい。 こういうわけですから、私も理事会で、ぜひ一遍この報告書を検討するための、特に報告書に名の出てきた人あるいはこれを作成した人、つまり関係者ですね、こういう方々をお招きして、政府がどうも責任を持とうとしないから、国会の方でひとつ大いに論議をして、政府の責任も追及し、実現を期していくことが必要であろうということで集中審議もお願いし、前向きの検討という委員長さんの意見をいただいているわけでありますから、このような論議でありますから、なおこの席でひとつ、ぜひこういうことは実現したいという委員長の決意も表明していただいて、私の質問を終わりたいと思うのです。まず長官から。
○佐々木国務大臣 大変御勉強のようで、まことにありがとうございます。 私どもの方も、報告書の内容を逐次ただいま検討中でございまして、細部の点は、いま御質問のあったように、まだ検討未済の点も残っておるだろうと思いますけれども、仰せどおり、ひとつ一生懸命勉強してみたいと思います。
○八木委員長 ただいまの瀬崎委員の御要望の点は、昨日の理事会でも若干の討議をいたしたところでございますが、御要望の線に沿って善処したいと思っております。
○瀬崎委員 どうぞよろしく。
○八木委員長 次に、近江巳記夫君。
○近江委員 原子炉の事故が非帯にいろいろと起きておるわけでありますが、敦賀発電所の一号機、それと東京電力福島第一原子力発電所一号機、この沸騰水型原子炉の配管異常が見つかり、溶接がひび割れしておるという、これについて簡単に報告を聞きたいと思うのです。
○中村説明員 敦賀発電所におきます炉心スプレー系配管ににじみが発見された点と、福島第一原子力発電所の一号機の同じく炉心スプレー系ににじみがございまして、その点について通産省の立ち会いのもとに点検検査を行い、その後通産省におきまして、その技術的解明をしてまいったところでざいます。 この技術的解明に当たりましては、原子力発電技術顧問会の専門家の先生方の御意見も拝聴しながら検討を進めてまいったわけでございますが、昨二十八日、その最終的な結果を通産省から発表しております。 その結果は、にじみのございました個所は、これは敦賀発電所の方でございまして、東京電力の方はにじみがあったわけではございませんが、異常な指示があったということで問題とされた個所でございます。その個所を切断しまして、金属組織の調査等も踏まえ、さらに切断した個所につきましての残留応力の測定等の詳細な解明を行いました結果、これらは管の内面から微細なひび割れが発生したものである、これにつきましては、溶接の施工に伴います金属組織の変化、それから配管内の水の停滞による影響及び局所的な応力が加わっていたというような要因が重なり合って発生したものと考えられるというのが、原因についての最終的な結論でございます。 この点から、この部分につきましては、当然のことながら、新しい配管に取りかえて修復をいたすわけでございますが、その修復に当たりましては、溶接施工管理というものにつきまして十分慎重に実施させる。この溶接施工法につきましては、通産省が認可を行い、かつ、その施工後の溶接についての検査も通産省が行うわけでございますが、その溶接施工管理を慎重に実施する、かつ、施工後におきましても、毎年一回の定期検査等の際に重点的にこういった点を点検していくということにして、今後こういうことのないようにしていきたい。 それから、万一のそういう漏洩に対しましては、すでにその漏洩についての監視装置等についての強化を図っておるわけでございますが、先ほど申しましたような定期検査等におきます点検等、点検の頻度を高めて対処していきたいということが、最終的な通産省としての見解でもございますし、当方も相談にあずかりましたが、そういうことで対処していきたいということの結論になったわけでございます。
○近江委員 両原子炉のこうした異常というものは、ことしの一月末、米国のドレスデン二号機で、同じようにこの炉心スプレー糸配管に異常が発見された、こういうことから点検を命じて発見されたわけですね。しかも、御承知のように、これは緊急冷却装置になっておるわけでありまして、従来からも、こうした緊急の場合に作動しないとかいろいろな問題が出ておるわけですが、この配管自体にもこういう重大な問題がある。しかも、すでに米国でこういう問題が提起されて、それからわが国ではそれを点検しようということで、常に後追いになっているわけです。 そういう点におきまして、この点検個所とかそうしたところは、まあ定期的にいろいろやっておるわけでありますが、もっと、いわゆるアメリカが指摘したからやるんだということじゃなくして、私は、もう細部にわたりこうした点検ということをやっていかなければならないし、技術的にも溶接なんというものは最も基本的な問題だと思うのです。これは、こういう異常が発見されたということ自体、この問題が必ずまた重大事故にもつながってくるわけでありますし、いまどちらかというと、通産省がそういうことを指示しておる、科学技術庁はそういう相談があればまたやりましょう、こういう無責任なことじゃいかぬと思うのですね。やはり科学技術庁、通産省は一体となって、そしてこちらから未然にそうした場所を発見できるような、いろいろとまた技術をさらに更新していかなければならない、このように思うわけです。 そういう点において、後追いのそういう未熟さ等から考えまして、今後そうした定期検査等のあり方についてどういう考えで進められるか、この点をひとつ原子力局長と大臣からお伺いしたいと思います。
○生田政府委員 ただいま先生御指摘のように、後追いになるということは、決して私どももそれがいいことだとは考えていないわけでございまして、日本独自の研究開発あるいは検討、分析によりまして、そういう問題がありましたら、未然に発見できるように極力努力しているわけでございます。その点、いわゆる安全研究全般の拡充がまず必要なことであるというように考えております。 最近、ただいま先生御指摘になりましたような溶接の問題あるいは応力腐食の問題にしましても、数年前から原子力研究所で、この溶接あるいは応力腐食の研究もやっているわけでございます。残念なことに、まだアメリカよりもこちらで問題を先に発見できなかったということは、大変残念ではございますが、そういう方向で十分努力しております。 それから、通産省との関係につきましても、これは非常に密接に協力いたしておりまして、今回あるいは前回のような配管のひび割れの問題につきましては、これは主として通産省の電気事業法によります審査あるいは検査の段階に関する部分が大きいという判断でございまして、先方が主務、こちらが応援するという形でやっておりますが、これは私どもも通産省に任したわけではございませんで、当然協力いたしまして検討を進めておりますので、その点は十分協力体制が整っている、がように考えております。
○佐々木国務大臣 私は、おっしゃるように、軽水炉自体の安全性に対する国の取り組み方、これはドイツ等に比較いたしましてはなはだ不十分だったんじゃないかと反省しております。遅まきではございますけれども、最近、二、三年前からこの問題に真剣に、原子力研究所を中心といたしまして取り組んでいることは、御承知のとおりでございます。 私見でございますけれども、最近の故障の状況を国内的にも国際的にも見ますと、ほぼ故障の起こる個所等は突き詰められつつございますので、これに対する対処方法等も、あるいは定期検査の際何を重点的に検査するかといった点も大分はっきりしてきたこの際でございますので、お説のように、今後十分気をつけまして、そういう故障が起こらないように、いろいろ改善してまいりたいというように考えております。
○近江委員 こうした点は、基礎研究に最も重点があるということを局長も先ほどおっしゃったわけでありますし、全力を挙げてこういう問題についてはいろいろと検討していただきたい、このように思います。 それから、今度「むつ」の問題をお聞きしたいと思うのですが、この「むつ」の新定係港につきましては、かねて対馬を候補地として内々には政府として交渉されてきたわけでありますが、長崎県知事の要請により、対馬については白紙撤回することにしたということを聞いておるわけです。 ところが、昨日の参議院決算委員会で大臣は、対馬を白紙撤回することを撤回すると答弁したということを聞いておるわけですが、大臣の真意というものについてお伺いしたいと思うのです。
○佐々木国務大臣 けさ、読売新聞でございましたか、私も実は見出しを見てびっくりしまして、内容を読んだら、まことに正確に報道しておりましたので安心いたしましたが、内容の方が本当でございまして、撤回を撤回したというのはどうも私の考えでございません。これは、恐らく見出しをつけるところで、余り事情をわからずにつけたのじゃないかと憶測するのでございます。 さっきも申しましたように撤回ではなくて、白紙還元という言葉を使っておりまして、撤回ということになりますと、もう二度と交渉しないというふうにとられますけれども、そうではないのでありまして、還元というのは、先ほども瀬崎先生ですかに御説明申し上げたとおりでございまして、各選出国会議員の皆様に打診をしておったのですけれども、その際に、まだ知事さんあるいは地元の町村長さん等にいろいろ交渉に入る事前にああいうことになったものですから、無理をしてまいりますと必ずや青森県と同じような状況下に置かれるのじゃないか、むしろこの際は、それがわかっておりながら強引にごり押しするということはまことにまずいと思いましたので、むしろ静観をし、事態が成熟してくるならばそれに応じて今後の対処を考えていこうというので、白紙還元ということにしたのでございまして、誤解ないようにお願いしたいと思います。
○近江委員 この候補地に挙がったところが地元で反対をする。そしてまた全漁連も、非常に全国的な組織でありますが、反対を表明した。それは、結局安全性が確認されないということが一番のポイントになっているわけですね。それで、この安全性を確認または証明するというためには、どういうプロセスを経るわけですか。
○生田政府委員 安全性の確認、その前に、原子力船「むつ」の安全性という問題につきまして、私どもはかように考えております。 まず、現在大湊港に係留されておりますような形で、しかも原子炉を凍結した形で原子力船「むつ」が安全であることは、昨年の入港時に際しまして、政府側が委嘱いたしました大山義年先生以下の専門家会議、それから青森県漁連が依頼しました田島先生を座長とします専門家のグループ、その両グループによって、原子炉を凍結したまま係留することについては安全であるということが確認されまして、それをさらに実証いたしますために、青森県漁連の漁民の方が実際に船にお乗りになって、自分の手で計器を使って放射線の測定をやられまして確認されております。したがいまして、その形で安全であることは、すでに問題がないと考えております。 しかし、いわゆる「むつ」の安全性についてのいろいろ各地での御疑念は、恐らくそれだけの問題ではなかろうと私どもは考えておる次第でございまして、再び「むつ」の出力試験を始めます場合に、果たして安全であろうかどうであろうか、また同じような問題が起きるのだろうかどうだろうか、そこのところが問題ではなかろうか、その点の安全性が現在問題になっている、かように考えております。 したがいまして、私どもといたしましては、これからやるべきことはその二番目の方の安全性で、一番目の方の安全性はすでに確認されておりますので、二番目の方の安全性をどうやって確認するか、そして国民の皆さんにどうやって理解していただくかということが一番問題であろうかと考えますので、そのためには、大山委員会の報告書にも指摘されておりますように、原子炉の点検をまず行う、それからその点検の結果によりまして必要な改修修理を行うということがぜひとも必要であると考えております。その結果によって、今後出力試験を再開いたしましても安全であるということを政府として確信を持ち、あるいは事業団としても確信を持ち、地元の方だけではなくて国民全般に理解していただける、かように考えておりますので、まずその原子炉の点検と修理をなるべく早く行いたい、それを徹底的に、多少時間をかけましても行いたい、それが第一の一番必要な問題であろう、かように考えております。
○近江委員 そうすると、この原子炉の点検あるいは改修修理はどこで行われるわけですか。現在陸奥湾に係留されているわけですね。そうなってきますと、この点、現地とは矛盾することになるわけですね。この点についてはどうされるわけですか。
○生田政府委員 ただいま先生の御質問の点が実は最大のポイントでございます。昨年の秋放射漏れを起こしまして以来現在までの政府といたしましての考え方といたしましては、新定係港を早く決定いたしまして、新定係港におきまして点検と修理を行いたいというのが基本的な考え方でございます。 ただ、ただいま先生の御質問にもございましたように、たとえば全漁連の決議として、これは実は私、まだいただいてないので、新聞の報道だけで承知しておりますので、あるいは不正確かとも思いますが、まず政府が安全性の確認をしなければ、日本じゅうのあらゆる港において受け入れないという決議のように新聞報道で承知いたしております。これは実は、安全性を確認しようとしますとどこかの港でやることが必要でございます。安全性を確認しなければ港に入れないということは、明らかに循環論法と申しますか、矛盾でございますので、その点をどうやって解決したらよろしいか、これが最大の問題であろうか、かように考えております。
○近江委員 そうすると、問題点は明らかになってきたわけです。確かにいまそうした修理をどこでやるかという問題で非常に困っておられるわけですが、これについては大臣としてはどういうようなお考えになりますか、ただ困った困ったということでなくして。
○佐々木国務大臣 いま局長からもお話がございましたように、港の方は、青森の方は出ていってもらいたいと言うし、受ける方は受けられない。そうすると、結局点検、修理する場所がないわけでございまして、それを一体どうするのだという点が大変実はむずかしい問題になっているんじゃないかと思っております。 ですから、これをどういうふうに解決するか、これからいろいろ検討いたしまして、なるほどこれが一番いい方法だという方向を見出したいと思っております。
○近江委員 そこで、なるほどこれがいい方法だと、あなた方の頭の中なり話し合いの中でほぼいろいろな点を考えられておるのじゃないかと思うのですが、その点についてはどうですか。
○生田政府委員 具体的な場所につきましては、先ほど来新定係港の地点につきまして大臣が答弁されましたこと以外には、現在出ておりません。 しかし、繰り返すようでございますけれども、どこかの港で点検と修理を行いませんと、安全性が確認できないということだけは事実でございます。これは洋上での修理が不可能だということは、もう昨年の漂流いたしましたときの専門家の調査によって明らかにされております。したがいまして、どこかの港でとにかく点検と修理をしなければいけないということでございますので、どこかの港かということは、私どもただいま頭にございませんけれども、そのしかるべき港の地元の方に十分御説明をして何とか納得していただいて、そこでまず点検と修理をするということ以外にはないのだろうというふうに思っているわけでございます。 しかし、先般も対馬の問題に関連しまして長崎漁連の方がお見えになりまして、私もお目にかかりましたが、ひとつそういう安全性確認の問題についても、私どもの説明を聞いてくれということをお願いしたわけでございますが、もう説明を聞くのもいやであるということでございまして、非常に困惑している次第でございます。
○近江委員 そうしますと、原子炉の点検あるいは改修をするということになってきますと、当然港の設備といいますか、それにふさわしい状態がなければできないと思うのです。どこの港でもいいというわけにいかぬと思うのです。そうしますと、ほぼそうした設備があるというような港としまして、大体どういうところがあるわけですか。
○佐々木国務大臣 どういうところと申しますと、大変これはむずかしい質問でございまして、港ですから、適地であればこれから設備をつくれるわけでありますが、そういう設備を新しくつくるのかどうするのかという問題は、新母港が決まり、また決まる際に、いろいろ実地調査をしたりなどして具体的な作業に入ることだと思っております。現在の段階でどこがいいんだということは、先ほど来申しましたように、いろいろ候補地は考えておりますけれども、しかし、もう出ますとすぐ明くる日は反対の電報ばかりでございまして、地元の住民だけだとまだいいのでありますが、そうでもない面がございましたりして、大変実は困っている次第でございます。
○近江委員 大臣は、新定係港とごっちゃになさっているわけですけれども、新定係港を決めるために点検、改修をしなければならぬ。その点検、改修をする港とすれば、当然それだけの設備もあるところでなければだめじゃないか。どこの小さな港でもいいというわけにいかないでしょう。だから、そういう設備のある港はいまどことどこがあるのだ、こう聞いているわけです。これはまず事務局からひとつ。
○生田政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、私どもはその辺を一つにまとめて考えているわけでございます。現在の段階ではそう考えております。つまり、新定係港に移しましてそこで点検と修理をやりたい、したがって、新定係港にはそれができる設備までつくりたいというのが私どもの基本的な構想でございます。 ただ、先生御指摘のようないろいろな問題点がございますので、場合によりましてはそれを二段構えにするということも考えなくてはいけないのではないかというように考えておりますが、現在のところ、具体的にどこどこの港というところまでは検討いたしておりません。
○近江委員 それで、安全性の確認の中に、結局原子炉の点検あるいは改修をして初めて納得が得られるのだ、こういうことですね。 それと、原子力船懇談会があるわけですが、基本的にそこでは、原子力船開発を今後どう進めるか、「むつ」をどうするか、あるいは来年の春で期限切れとなる原子力船開発事業団の扱いをどうするかというようなことがテーマになるのじゃないか、こういうことがセットになって初めて安全性の確認ということにつながるのじゃないか、私はこのように思うのですが、いま申し上げた三項目につきまして、原子力局長なり大臣はどういうお考えを持っておられるか、ひとつお伺いをしたいと思います。
○生田政府委員 先生のお説のとおりでございまして、原子力船懇談会におきまして私ども、まず原子力船第一船をこれからどうするか、それから第二船以降の開発をどうするか、それらに関連いたしまして原子力船事業団、これは先生御承知のように明年の三月で一応期限切れになりますので、それの存廃をどうするかという点を検討していただいているわけでございまして、七月をめどにいたしまして結論を出すように、いま急いで御審議を願っているという段階でございます。
○近江委員 もちろん、その懇談会でそうした結論は出るわけですが、あなた方政府としては、いま私が申し上げたこの三項目については、どういう希望なり考えを持っておるのですか。
○生田政府委員 余り私の方から先走ったことを申し上げるのはいかがかと思いますが、御質問でございますのでお答えさせていただきます。 私どもはまず原子力船事業団につきましては、現在の「むつ」に関連いたしますいろいろな計画の進捗状況、それから今後の進め方、その計画等から考えまして、明年の三月で廃止をするということはとうてい考えられないことでございますので、当然、期間を延長いたしまして存続させたいという方向で、原子力船懇談会にも御審議いただきたい、かように考えております。 第一船についてでございますが、これも、大山委員会の報告によりましてもいろいろ問題点の御指摘はありますけれども、原子力船として一応の水準に達している、それからこれの開発計画を中断してしまうと、今後それを再開するのは非常に困難が伴うという御指摘もございます。したがいまして、当然原子力船第一船を完成させるという方向で進みたいというように考えております。 第二船以降の問題は、これは非常にいろいろ問題が多うございまして、先ほど大臣の御答弁にもありましたように、先週ニューヨークで国際会議がございまして、その出席者からの報告も聞いたわけでございますが、原子力船開発と申しますよりも、とにかく実用化に対する各国の姿勢が非常に積極的であるという報告を聞いておりますので、当然、わが国におきましても原子力船の実用化の時代になりましたときに、それにおくれをとらないような体制をいまから十分とっておかなければならないというように考えておりますが、しからば、それにどういう体制で臨むか、原子力開発利用長期計画、四十七年の計画でうたっておりますような、第二船以降は民間に期待するという形をそのまま踏襲するか、あるいは別の形を考えるか、その辺は、今後もう少し検討させていただきたい、このように考えております。
○近江委員 これは、原子力船懇談会での結論を待つという方向になるんじゃないかと思います。 そこで、新定係港が、いわゆる安全性が確認されないということで、全漁連等は、どこになっても認めるわけにはいかぬというようなことになっているわけですね。そうなってきますと、点検、改修ができる港を探し、そこで修理をし、安全性を確認してさらに交渉する、必然的にそういうプロセスになってくるんじゃないかと思うのですが、そういう改修できる港を見つける大体の時期というのはいつごろと見ておられるのですか。
○生田政府委員 具体的にいつごろということを、ちょっといまお答え申し上げるだけ準備が進んでいないわけでございますが、なるべく早く、でき得ればいま先生御質問のような修理のできる個所を決定いたしたい、かように考えております。 総点検と申しましても、設計段階から全部見直すことになると思いますので、相当時間もかかることでございますし、母港の移転に関します青森との協定の履行も当然しなければいけないわけでございますし、そういう時間的な制約もございますので、なるべく早くその点検に取りかかれるような条件を整えたい、かように考えております。
○近江委員 いままでの新定係港の、政府がいろいろ探しておられた、そういう行動を見ておりますと、いわゆる地元選出の国会議員なりにアプローチするというようなことであるとか、知事への接触であるとか、いろいろなことがあるわけですが、この修理の港を見つけるための折衝というものは、どういう形をとられるのですか。いままでの交渉のやり方というものは、非常にいろいろな点での批判もあったわけでありますし、いろいろな意見があったわけですね。こそくであるとかどうだとか、大臣に言わしめれば決してそうじゃないんだということもおっしゃっておるわけですが、その点、この修理のための港を折衝なさるについては、どういう基本的な方法、またお考えに立たれるのですか。これは局長からお伺いしたいと思うのです。
○生田政府委員 新しい定係港でございましても、あるいはただいま先生の御指摘のような、中間段階としての修理のための港でございましても、同じでございます。地元の御理解と御協力を得ない限りは、先ほど来諸先生からの御質問にもございましたように、国家権力で押しつぶすというようなことは、われわれは毛頭考えておりません。万一考えましても、できることではございません。まず地元の理解と協力を取りつけるということが第一でございますので、、その点に全力を注いでまいりたい、かように考えております。
○近江委員 そうすると、地元の理解と協力を得るためにはどうすればいいとお思いですか。
○生田政府委員 そこで非常にはたと困惑するわけでございまして、ただいま正直に申しまして、私どもは全く途方に暮れた段階でございます。地元の理解と協力を得ようとしますと、まず地元にいろいろのことを御説明したいのでございます。これは御説明して押しつけるということではございませんで、御説明もしたいし、地元の御意向も承りたいというように申し上げるわけですが、説明も聞きたくないし、これ以上話もしたくないとおっしゃる。どうやって地元の理解と協力をいただいたらよろしいのか、実は全く途方に暮れておりまして、何ともいまのところ知恵がない段階でございますので、どうも逆に申し上げて大変申しわけございませんけれども、先生のお知恵をおかりしまして、何とか打開したいという気がしております。
○近江委員 まあ、わが国の科学技術の中枢である科学技術庁、またそのトップにおられる局長が、そういうお手上げということでは困るわけでありまして、やはり科学技術庁というのは知恵袋でありますから、いろいろお考えを持っておられると思うのですけれども、その点について、知恵袋の中の第一人者である大臣はどのようにお考えですか。
○佐々木国務大臣 私は、正直一方で余り知恵のない方でございますが、実は、私も大変事態の打開に苦慮しておりまして、いま申しましたように、修理、総点検をすれば安全になるということはわかっています。大山報告もそのとおりなっております。さて、それをどうするかというと、全部ノーサンキューということになりますので、どうも大変むずかしい事態になっております。どうして国会あるいは各地方議会の皆さん、あるいは執行部の皆さん、あるいは漁連等利害関係の強いところ、こういう人たちの合意の上でこの問題を進めていったらよろしいか、どうも大変むずかしい状況だと思っております。
○近江委員 「むつ」をつくりました三菱重工ですね、その造船所のある長崎県の香焼島等につきまして、町長が議会に報告したという話があるわけですが、こういうところもその一つに入っておるわけですか。これは局長からお伺いしたいと思います。
○生田政府委員 先ほど瀬崎先生の御質問にお答えいたしましたのと同じでございまして、私どもは、いままで長崎造船所のございます地元に接触したことも全くございませんし、そこを一つの候補地として検討したこともございません。 ただ、先ほど大臣の御答弁にもありましたように、それじゃ今後も一切手をつけないんだなとおっしゃられますと、これはそう申し上げられないわけでございまして、いわば、全く白紙の状態であろうかと存じます。
○近江委員 まあ、非常に行き詰まっておるという印象でありますが、いずれにしても、今後の科学技術庁の基本的な考え方というものをお示しになったわけでありますし、国民の安全性に対する疑問、こうした問題にもこたえなければならないし、知恵がない、方法がないということでずるずるいけばますます不信を増してくる。しかし、頭ごなしに押しつけるということはもう絶対にしてはならないことであります。この問題は、四月十四日という期間からこれだけもう経過しておるわけですし、科学技術庁の苦しい立場もわかりますけれども、これはひとつ全力を挙げて解決に当たらなければならぬ、このように思うわけです。ですから、いままでのやってこられたそういう行き方に対しても、総点検、総反省をなさって進めていかなければならぬ、このように思うわけです。そのまとめとして大臣からお伺いしたいと思うのです。
○佐々木国務大臣 私は、問題の困難性はよくわかりますけれども、しかし、これを何とかして皆さんの合意の上で円満に打開していくのが私の責務でございますから、その道を見出すべく一生懸命努力いたしたいと思います。
○近江委員 それから、四国電力の伊方原発の行政訴訟の問題であります。この資料を提出せよという問題でありますが、その前に私が申し上げたいのは、公聴会もやってないわけでしょう。そうしますと、公聴会のいままでの要領を見てまいりますと、いろいろな取り決めをいたしておるわけでありますが、原子炉の犬型化、集中化、新型の場合、また地元の知事の要請のある場合とか、こういう点でしぼっておるわけですね。だから、一カ所だけの設置であればやらなくていいんだ、いままであった原発じゃないか、同じ型式じゃないかというようなことになるわけですね。そこで、こういうことも非常に連動してきて、結局地元に何の了解もない、こういうことから地裁の判決もこういう形で出てきておると思うのです。 そういうことで、今後公聴会のあり方については、局長も変更するということもおっしゃっているわけですから、やはり単発の原発であっても、今後は公聴会を開くべきじゃないか、このように私は思うのですが、局長はどのようにお考えですか。
○生田政府委員 公聴会の開催につきましては、先般もお答え申し上げましたように、東電の柏崎原子力発電所、この申請が出ておりまして、すでに安全審査にも取りかかっておりますので、その公聴会は開催する方向で、いまどうやったらいいか、原子力委員会におきまして検討している段階でございます。間もなく結論が出ると考えておりますが、その中におきまして、ただいま先生御指摘の、従来の基準の見直しというのもやっているわけでございますので、原子力委員会の検討の結果を待ちまして、御報告さしていただきたいと考えております。
○近江委員 それは原子力委員会で最終的にお決めになることでありますけれども、今後こうした原発の設置については、これ以上の問題がどんどん起きてくることは必至でありますし、こういう基準に合っておらない、そういう個所についても、当然原則として今後原発の設置については公聴会を開いていくんだ、局長としてこういう認識に立たれておりますか。
○生田政府委員 先生にそう理詰めで問い詰められますと、非常に困るわけでございますけれども、率直に申しまして、地元の意向を、設置許可という行政処分あるいはその前の安全審査に十分反映させたいという考え方につきましては、私どもは、全く先生の御意見と同じでございます。 ただ、それの手段といたしまして、公聴会というものが果たしていいのかどうかという点でございまして、これにつきましてはいろいろ御意見がございます。先ほど大臣の答弁の中にもありましたように、たとえば電労連の提言の中には、技術的な問題は、むしろ地元でやるよりも、中央で専門家ベースの討論会をやった方がいいのではないかという御意見もございます。そういう場合には、むしろ公聴会をそういう形にして、地元の御意向の反映の仕方は別途考えるという方法もあるわけでございますので、私個人といたしましても、現在のところ、原則としてすべての原子力発電所について公聴会をやるというところまで考えがまとまっておりません。その点も含めまして、いまいろいろ検討している段階でございます。
○近江委員 地元のそういう意見を反映させるという点は、第一項目にいまお挙げになったわけですが、これについては非常にいいことだ。これが大事なんですよ。またその公聴会の中身についても大いに改善をさせなければならぬわけですが、公聴会をやればよいのかどうか、技術的な問題は原子力委員会の方で、また安全審査会の方でやればいいじゃないかというお話もあるわけですが、少なくとも原子力基本法の自主、民主、公開という三原則の精神にのっとりましても、今日原発を設置するということは、これはもう日本だけではない、世界的な大きな問題でありますし、やはりフェアにやっていく。技術上の問題と言っていますけれども、技術上の問題だけじゃないのです。結局環境汚染の問題である。今日、環境問題は世界的な問題になっているのです。そうした環境問題を含めてさらに地元の声を聞くということは、これは私は非常に大切だと思うのです。 いままで科学技術庁としては、環境に対する配慮がどうしても薄い。しかし、これは私は根本的な問題だと思うのです。局長の認識にも住民とのずれがあるのですね。これが今日の原子力行政において大きな問題になってきている。実は局長、また最高の立場にある長官が、この認識を変えなければいけません。ですから、この環境問題等を最大の問題としてさらに今後配慮していく、こういう観点に立てば、そうした原子力施設等については、すべて公聴会をやるということを原則にしていくことは一番大切だと思うのです。もう一度、ひとつ御答弁いただきたいと思うのです。
○生田政府委員 ただいま御指摘の、まず地元の住民の意向を十分に反映させる必要がある、特に環境問題においてしかりであるという御指摘は、私ども全く同感でございますので、御趣旨を体しまして検討させていただきたいと思います。
○近江委員 局長はいま十分検討したいということでありまして、大臣も同じ考えだと思います。すべてのそういう原子力施設については、今後公聴会をやるということを原則としてやっていただくということを強く要望しておきます。ですから、そういう方向に行けるように結論を出していただきたいと思います。 それで、先ほど湯山委員からも質問があったのですが、この資料の問題等も、やはり科学技術庁としては素直に、素直ということはどうかと思いますが、やはりお出しになった方が私はいいと思うのですね。そういう気持ちになられて、そしてその立場に立って、いまの時点で資料として何と何を出そうと思っておられるのですか。地裁から言われた中にいろいろあるわけでしょう。何と何を出そうと思っていられるのですか。
○生田政府委員 先ほど大臣からも私からも御答弁申し上げましたように、現在法務省と事務的に詰めておりまして、本日ここで何と何を出そうと思っているということまでお答えいたしかねるわけでございます。 ただ、私どもといたしましては、こういう問題を全部密室の中で、なるべく隠して人にわからないようにやっていこうという気は毛頭ございません。出せるものはなるべく出すという方向で考えておりますので、そういうことで今後処理したいと思っておりますが、具体的に資料の種類は、現在ちょっとまだ申し上げられない段階でございますので、御容赦いただきたいと思います。
○近江委員 時間が来ましたので終わりますが、最後に大臣、先ほどの資料の点については最大限お出しになることを、私は強く要望いたします。 それから、公聴会の点については、いま局長からも答弁があったわけですが、大臣としても今後はすべて公聴会を開く、そういうベースに立って考えていただく、これをひとつ大臣からさらに表明をしていただいて、それをお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○佐々木国務大臣 御要望は、しかとちょうだいしておきます。
○近江委員 長官として、今後そういう方向で十分実現できるようにやっていくということを、ことばでひとつおっしゃってください。
○佐々木国務大臣 公聴会の方は、局長から申しましたようにいろいろやり方があるだろうと思いますので、いままでのままで、福島でやりましたあのままの形がいいのかどうか、私、実は大変疑問に思っております。幸い電労連等からも御忠言がございましたので、そういう点も踏んまえて善処したいと思います。 それから、資料の点に関しましては、これは先ほど申しましたように、いませっかく検討中でございますので、その検討に待ちたいというふうに存じております。
○近江委員 終わります。 ————◇—————
○八木委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力開発に関する問題調査のため、参考人の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、参考人の人選、出頭の日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて敢会いたします。 午後一時一分散会