科学技術振興対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/05/22
会議録
○八木委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。石野久男君。
○石野委員 大臣にお尋ねしますが、統一地方選挙中には回答が出ないということで、結論待ちになっております「むつ」の母港の問題です。いろいろ新聞には報道がなされておりますが、現状はどういうふうになっているのか、まず最初に大臣から伺います。
○佐々木国務大臣 皆様に御心配いただいて、まことにどうもありがとうございます。少し経過を正確に御報告申し上げたいと思います。 この前にもお話し申し上げましたように、去年の秋、青森県陸奥湾で「むつ」問題が起こりまして、その決着を四者会談でつけまして、それをもちまして政府としても、それを了承するということになりましたことは御承知のとおりであります。 その内容は、詳しい話は、もちろん本題でございませんから申し上げませんが、一つは、財政面等でお約束の分を果たす。第二点は、「むつ」を凍結するというその措置も完了いたしました。三番目には、第二母港を四月の十五日、正確に言いますと十四日でございますが、ちょうど半年でございますから、半年の間に第二母港を政府としては決定する、そして二年半後を目途として本体を移す、こういう申し合わせになっておったことは御承知のとおりであります。 それを踏んまえまして、三番目の残された問題に、私が就任いたしまして間もなく推進本部をつくりまして、私の方と運輸省、それから原子力船事業団、この三者で推進本部をつくりまして、片山政務次官を首班にいたしまして、専属にこの問題に取りかかりました。たくさんある、いわば机上的な適当な地点からだんだんしぼってまいりまして、お約束どおり四月の十四日までには、私と運輸大臣の間に一応の合意を見て、そして、これでひとつできれば折衝に入ろうじゃないかということにしておったわけでありますが、何せちょうど統一地方選挙の真っ最中でございましたので、これを地方選挙の最中に公表したりあるいは現地との折衝に入ったりいたしますと、選挙妨害になりかねない情勢でもございますので、あるいはまたできるものもできかねるということも考慮されましたので、まず契約の相手方であります青森県側に了解を求めに参りまして、四月十五日までにはお約束どおり決めますけれども、しかし、机上で決めたからといってこの問題は通るというものではないので、地方との合意を見なければできません、その地方との合意を得るためのいろんな折衝等は統一地方選挙後にいたしますよ、そして正式な交渉に入りました際には、青森県に遅滞なく御連絡いたしますから御了承ください、二年半後までに「むつ」をその母港に移転さすということは、これは絶対に変えません、こういうお話をいたしまして、現地の方も御了解いただいたものでございますから、それをもちまして統一地方選挙の終わるのを待っておりました。 そこで、いよいよ四月二十七日でございますか、統一地方選挙が済みましたので、それではすぐ下交渉等に入ろうかしらんと思っておったのでございますけれども、だんだん様子を見ますと、どうもまだ地方選挙の終わったばかりで、県議会も市町村議会等も、いわば国会的な発言をすれば、まだ全然院の構成ができておらぬわけで、御承知のように、議長とかあるいはそれぞれの役職をきめるのに時間がかかっておったようでございまして、なかなかそういうことが手間取るようでございました。したがって、これはやはり連休明けまで待つ以外にしようがなかろうというので、連休明けまで待ちまして、いよいよ連休明けになりまして、現地との交渉に入ろうかという段階になったわけでございます。 そこで、青森県側には、いよいよこれから非公式な打診の段階に入りますが、という状況をお話ししまして、ただ、正式交渉には少し時間がかかりますというお話をいたしました。(石野委員「大臣、スピーディーにやってくれ、時間がもう十分たっている」と呼ぶ) そこで、正式交渉に入る前の打診でございますけれども、これはどうしたらよろしいかということでいろいろ考えたのですが、やはり何といっても現地の当該県の選出した国会議員の皆様に対してある程度お話も申し上げ、お願いも申し上げ、あるいは実情をお話しするというのが一番筋じゃなかろうか、選出国会議員の知らぬ間に、その足元へ行っていろいろ交渉を始めるということは、いかにもこれは仁義にもとるという私どもは政治判断で、関係筋とも相談いたしまして、そのサウンドに入ったわけでございます。 御承知のように、長崎県の対馬が一番最適地ではなかろうかということでございましたので、長崎県の国会議員の皆様にお話し申し上げました。まず自民党の皆さんに事情を話し、次いで野党側の皆様にも当然仁義を切るべきだということで、民社並びに社会党の中村先生のところまでお話を申し上げましたところ、それから二、三日でございますか、対馬の方で、実は詳細なお話の発表があったそうでございまして、私ども非常に困却いたしたのでございますが、それを受けまして現地の方では、そういう議員に打診があったということであれば、おそらくこれは真実に違いないということで、いろいろ反対陳情がありました。 私どもは前々から、皆様の御要望どおり、この問題は権力で、中央で決めて地方に押しつけるということは絶対いたしません、それから、地方住民の合意を得て円満に問題を進めたいということをお約束済みでございまして、何遍となく国会議員の皆様からも御注文があり、私どもはそういう態度でございましたので、その態度に沿うて問題を進めるためには、この際余り強引にやらぬ方がよろしい、現地の反対の御趣旨等もよくちょうだいして、それからいろいろ問題の進め方を考えればいいのじゃないかということで、いま、しばらく休んで静観しつつある状況でございます。 そういう点も青森県には、御心配でございましょうから、五月二十一日に、私の方の原子力局長から副知事さんに、お電話でございましたが、電話を申し上げまして、新聞で御承知のようなことに長崎県はなっておりますから、当分正式交渉にはちょっと入りにくい、事情を御了承くださいという御連絡を申し上げて、現地の青森県では、早期に、しかも、青森県で起きたような不幸な解決の仕方でなくて、ひとつくれぐれも円満に解決してもらいたいという副知事のお話がございましたので、さっき申しましたように、そのお話もちょうだいしながら、少し静観しておるというのが現状でございます。 大変長くなりまして恐縮でございます。
○石野委員 結局は、四月十五日に新しい母港を決めるということはできていない、それと、現在見通しはない、こういうことでございますか。
○佐々木国務大臣 中央で決めれば、それでいいというものであればできておったかもしれませんけれども、それじゃ決まっておらぬわけでございますから、さっき申しましたような慎重な歩みをとって、ただいま静観しておるというのが現状でございまして、まだ決まったとも決まっておらぬとも、実際のところは言えないのじゃないかという感じがいたします。
○石野委員 むつの漁民の諸君との話し合いは、二年半後には本船を移さねばいかぬということになっておりますから、それに対しての見合いの上で四月十五日というものができておったと思うのです。そういう話し合いになっておったと思うのです。この新しい母港についての決定が行われなければ、当然工事関係とかいろいろありますから、原子力船「むつ」を二年半後に約束どおり移すことができるかどうかということについての不安が残ってくる、そういう心配をわれわれは持つのですが、その点について、政府はどういうふうに考えておりますか。
○佐々木国務大臣 先ほども申しましたように、二年半後までには、それはもうどうしても約束どおり「むつ」は他に移すつもりでございまして、その移し方等に関しましては、ただいまいろいろ研究中でございますが、青森県の皆さんに御迷惑をかけるような、また約束を破るようなことは、絶対ないと思っております。また青森県の皆さんも、ただいま申しましたような事情をよく了解してくださいまして、それを無理してやれば、またむつと同じ、第二のむつ問題を起こすだけでございますから、そういう不幸なことはせぬでもらいたいというのが現地の希望でもあるわけでございまして、そういう意味では、大変良識をもって見守ってくださるのじゃないかと思っております。
○石野委員 大臣の言われる青森県側の言い分はよくわかりますが、今度は、だんだん期間が詰まってくればどうしても焦りが出てくるから、政府の方で母港を選定するに当たって、いまはなるべく民主的に地元の声を聞きたい、こう言っておりましても、いわゆるあとの二年半という期限が決まっておりますから、だんだん詰まってくれば必ず無理が出てくる、そういう危険をわれわれ感じるわけです。そういう点に対して、いかなる場合でも地元の反対を押し切ってやるということをしない、そういうことは、大臣が二年半大臣をやっているとは私は思いませんから、政府として、それについてはっきりした確信のある御返事がいただけますか。
○佐々木国務大臣 確信を持ってそういたします。
○石野委員 これは時間があることですから、絶対に地元の反対を押し切ってやるというようなことがないように、重ねて念を押しておきたいと思います。 局長が時間の関係で席を立つそうでございますから、局長の立つ前に一つお聞きしておきたいのですが、先般、東海の再処理工場で被曝の事故がテスト中にありましたが、そのことについてどのような経過をたどっておるか、当時の事情と、それからその後の問題の処理についてお聞きしておきたい。
○生田政府委員 先生御質問の再処理工場におきます事故でございますが、たまたま私、そのとき再処理工場に行っておりまして、私が再処理工場を見ておりましたそのしばらく後だったと思いますが、起こったものでございます。これは、再処理工場内におきます作業の手順の前後が原因でございまして、いわば不用意なラジオアイソトープの扱い方に起因するものと考えられますが、それによりまして被曝があったわけでございます。 それにつきまして、早速原子力局の水戸原子力事務所の所長に命じまして詳細を調査させまして、動燃事業団に厳重に注意を与えました。私もたまたまおりまして、動燃事業団の理事長もそこにおりましたので、私からも理事長に対しまして、非常に不注意である、今後厳重に注意されたいということを、口頭で厳重に注意をした次第でございます。
○石野委員 厳重に注意をしたというのですが、私もその後あそこを案内してもらいました。被曝現場というのは炉内ですから、きわめて狭い場所で、そして操作ミスといいますか、手順のミスだということですけれども、この種のような問題が、あれだけ注意深くやっているところに出てくるということ自体に問題があるのだと思うのです。これはただ単なる手順のミスというようなことだけでは済まされない問題があるのじゃないか。原子力局としては、特にどういう点をあの種の問題について注意せにゃならぬというふうに総括しておられますか。
○生田政府委員 被曝線量が非常に微量でございましたのは幸いでございました。ただ、被曝線量がわずかであるから大したことがないとは毛頭考えておりません。かような事故は決して起こってはならないものと考えております。 その原因でございますが、ただいま先生も御指摘になりましたように、再処理施設におきます各種の作業、もちろんこれはまだ再処理施設が稼働しておりませんので、その建設あるいはそれに伴う検査の段階でございますが、その各種の作業の間の総合調整と申しますか、あるいは手順の調整と申しますか、そこの手違いから起きた、いわば非常に初歩的と申しますか、不用意なものだと考えております。 かようなものは、いわば全体の作業の各段階、あるいは各作業班ごとの段取りの調整、そういうものをちゃんと行いませんと起こるおそれがあるものでございますので、特に動燃事業団に対しましては、全体の作業の進め方、その段取りの調整の仕方に問題があるのではないか、そういう点をよく点検して、今後そのようなミスの起きないようにという点で、注意をした次第でございます。
○石野委員 このような手順のミスということは、そこにおった作業者、作業している者のミスにかかわるのか、監督の立場におる者の責任にかかわるものなのか、どちらなんですか。
○生田政府委員 率直に申しまして、私は両方であろうかと思います。作業員につきましても、これは確かに不注意がございます。しかし、その不注意だけではございませんで、管理者といたしましても、これは当然各種の作業班が入り組んで作業しているわけでございますので、特にこの放射線で被曝するおそれのあるようなものの取り扱いにつきましては、その場合に十分、かくかくしかじかの点に注意してやるべきだという全体のシステムをはっきり確立しておきまして、事前に十分注意を与えるということが必要であろうかと思いますので、その点につきましても管理者に不十分な点があった、かように考えております。
○石野委員 これは現場の問題ですし、しかも、きわめて短い時間の問題です。その上に、場所が立体的になっておって、あらかじめ上と下との関係が十分に緊密な連絡がとれるようになっていたとしても、あの段階でとれていないわけです。そういうことであれば、階上におる作業者と下の方におる作業者、その作業者の責任というよりは、むしろ連絡の問題になってくるのですよ。そういう問題について、十分責任者の責任を明確にしなかったら、この種の過ちと言いますか、誤作業は必ず起きてくる。これは、初歩的ということだけに問題があるのだと思うのです。 最近、原子力における問題というのは、いつでも初歩的なミスが多く出ておるのですが、これは管理者側の注意不足、安全に対して口先ではやかましく言っておるけれども、実態として身についてないというところから来ている。もっと端的に言うならば、最高指導者の側に、その問題についての心構えがないということに帰するんじゃないか。私はあそこを見て痛切にそう感じたのですが、そういう点については、原子力局としてはどういうふうに考えておるか、また、どういうふうにそれを正そうとしておるか。
○生田政府委員 その問題点につきましては、先生の御指摘のとおりだと考えております。私も、動燃事業団の理事長に注意いたしました際に言ったことでございますが、いわば、まさに先生御指摘の初歩的なミスでございます。たとえば、自動車を運転して事故を起こします場合のわき見運転のような、非常に初歩的な、しかもやってはならない事故の原因であろうかと考えております。 先ほど来申し上げておりますように、全体の作業の手順の段取りを慎重に、こういうことが繰り返し起きないように十分注意されたいということを、そこに重点を置きまして、管理者に厳重に注意をした次第でございます。
○石野委員 この問題は、再処理工場のいろいろなテストが行われるに当たって、当局側と労働組合側との間にいろいろの意見の違いがありますね、こういうような問題が陰に陽にかかわってくるものです。やはりこの種の問題について、働く人の立場、組合の側の意見というものをもっと当局が入れないと、こういうミスを防ぐことができないのじゃないか、私はそう思うのです。その点について、局長はどういうふうに考えておりますか。
○生田政府委員 確かに、先生の御指摘のような点があろうかと思っております。とにかく人間の働き方の問題でございますので、これは従業員の側からの意見を十分管理者として聞きまして、それを参考にして全体の計画なりスケジュールを組み立てていくということが必要だと思っております。 従来から、そういう点にも力点を置きまして注意をしているわけでございますが、また改めまして、ただいま御指摘の点を動燃事業団の幹部に注意いたしたい、かように考えております。
○石野委員 具体的な問題については、適切な指導をしませんと……。特に、再処理工場の幾つかのテスト行為については、組合側の要請に対して理事長を初め当局側が、案外強引なやり方でテストが強行されている。この点は、やはり監督官庁としての原子力局はもっとまじめに取り上げて、この問題を指導しなければいけないだろうと思う。その点については、局長からいまお話がありましたけれども、もう一ぺんそういう点について、局長の指導で、特に組合側の要請を事業団の方に入れさせるということについて、所見を承っておきたい。
○生田政府委員 労働組合側の意見を十分に聞くようにということで、事業団の管理者に注意いたしたいと考えております。
○石野委員 再処理工場の問題については、まだいろいろ問題がありますが、時間の関係がありますので、私は、今度大臣に伺います。 昨日、エネルギー対策についての閣僚会議があったようです。エネルギー問題については原子力は非常に関係が深いわけですが、特に予算委員会以降、エネルギーの計画の中で原子力の長期計画をどういうふうにするかということは、議会でも非常に注目しておるところだし、事実問題として問題のあるところです。エネルギー閣僚会議の中でどのようにエネルギーの問題が論ぜられたか、そしてまた原子力の長期計画についてはどのような論があったかを、ひとつこの際説明していただきたい。
○佐々木国務大臣 内閣の中に、総合エネルギー対策閣僚懇談会でございましたか、閣僚会議でございますか、そういう名前の機関が設置されました。この機関は、個別個別の問題を詳細に検討するという機関じゃなくて、大所高所から判断して、それぞれのエネルギーがどういう役割り、どういう地位を占めるかというふうな大きい問題を国として決めたい、そしてエネルギー問題が、今後、日本の安定経済下においてもチェックポイントになると思われるので、まずこれに対する見通しをきちっとつけまして、一つは、来年の予算に役立て、もう一つは、長期経済計画の策定の際にそれを基本にいたしたいというふうな趣旨の御説明がございました。 第一回目は、三週間ほど前に開かれましたが、通産省の資源エネルギー庁長官から、主として石油に関する情勢と需給関係について、非常に詳細に御説明がございました。引き続きましてきのう第二回目でございますが、まず外務省側から石油をめぐる国際情勢、御承知のように生産国対消費国、あるいは消費国と生産国が一緒になって今後の問題を処理する、その処理に当たっては、発展途上国の方は、単に油の問題の解決というだけじゃなしに、第一次産品その他インフレに伴う発展途上国のいろいろな経済対策等も含めた問題にしてもらいたいというふうな希望があったりいたしまして、非常にむずかしい状況にあることは皆様よく御承知のとおりでありまして、また、中近東の情勢判断等も、今後の問題を進める上に重要なことでございますから、外務省側からそういう問題を総括的に説明がございました。続いて資源エネルギー庁長官から、各エネルギーの需給関係と、各国、主として先進国の米国あるいはEC関係等のエネルギー対策の実情について詳細に説明がございました。何せ五十分ぐらいの会議でございますので、その説明だけで実は終わりまして、きのうは質問する時間もございませんでした。 この次は、役所側の話は、一応資料提出もして説明が終わったわけでございますから、引き続いてこの次からは、学識経験者と申しますか、有識者と申しますか、そういう人たちの意見を聴取して、冒頭申し上げましたような趣旨に沿うて、閣僚の懇談と申しますか、問題をだんだん詰めるという方向でいこうじゃないかという発言が出まして、皆様が了承して、それできのうは終わりました。 以上のとおりでございます。
○石野委員 閣僚会議の事情はよくわかりましたが、問題は、やはりそういう状態のもとで、現実の行政としての原子力政策、特に原子力の開発計画というものがどういうようになるかということです。 そこでお聞きしたいのは、原子力の長期計画は六千万キロワットを昭和六十年に達成するということになっております。予算委員会の席上では企画庁長官が、この六千万キロワットは達成しにくいと思われるから、考えなければならぬという話がありました。その後、最近伝えられるところによりますと、通産省は、この目標達成は困難だからどうするかという対策については、六千万キロワットは動かさないけれども、達成年次をずらしていくのだというような考え方であるという新聞報道があります。これが本当であるかどうかわかりませんけれども、そういう問題について、特に原子力を担当しておられる長官は、これは五月十二日の朝日の解説記事でございますけれども、大体この記事のような方向で運営なさるつもりなのかどうか、その点をひとつ説明願いたい。
○佐々木国務大臣 実は、そういう話はきのうは出ませんでございました。先ほど申しましたように、今後の各国のエネルギー対策の状況の詳細な報告がございまして、客観的に申し上げますと、エネルギーの需要は安定成長下でも伸びていくわけでございますから、その伸びていくときのシェアを、各エネルギー源がどう占めるかという点を押えていきますと、需要がふえますから、それで生産もあるいは供給もふえていくわけですけれども、そのシェアが何%を占めるかという点は、石炭あるいは天然ガス等は、シェアがふえるということに対しては、各国の状況では余り高く見ておられない。また油は、できますれば余りふやさぬようにというのが各国の意向でございますから、その間をどうするかといいますと、原子力発電に負うところが大変大きい。したがって、原子力発電の全エネルギーに占めるシェアは各国とも増大していくであろう、また計画はそうなっておりますという御説明がございましただけで、それ以上、日本が何をどういうふうにするか、これは今後の問題でございますから、きのうの説明ではございませんでした。
○石野委員 きのうの閣僚会議はそうであったということはわかります。しかし、政府はこれについてどういうふうに考えておるかということです。政策の問題としてどういうふうにいま対処しているかということで、通産省には一定の考え方もあるんだろうと思います。原子力委員会も一つの方向を持っているだろうと思うのです。そういう点を私はいま聞きたいのです。
○熊谷(善)政府委員 ただいま先生御指摘の朝日新聞の記事でございますが、この六千万キロワットターゲットということにつきましての取り扱いにつきましては、私どもそういった結論を出したわけではございません。現在、ただいま科学技術庁長官からお話もございましたように、閣僚ベースでの会議が行われておりますし、かたがた、また通産省の中に総合エネルギー調査会という会がございますが、ここで各界の方々に御参加いただきまして、従来からこの問題につきましては、いろいろ審議を行っておるわけでございますが、全体の総合エネルギー政策の一環といたしまして、この原子力の将来の目標につきましても位置づけをしてまいりたい。 全体の総合エネルギー政策につきましては、今後若干時間がかかるかと思いますが、私どもの方の現在の予定といたしましては、七月の初めあるいは中ごろ、大体その辺をめどにいたしまして調査会で一つの結論を出していただくということを期待いたしておりまして、その答申を受けまして政府としての結論を出す、そういう段取りになろうかと思います。
○石野委員 資源エネルギー庁の方で答申待ちだということ、そしてこういうふうな解説の結論が出てないということですが、私がいま資源エネルギー庁に聞いておきたいことは、六千万キロワットの計画をつくられたときは、六〇年代の高度成長の時期であり、今日のようなこういう経済の落ち込みということは、恐らく作案のときには想定していなかったと思います。いま新しい経済計画を今日の時点でつくり上げていくときに、GNPの伸び率をどのように見るかということと、総合エネルギー計画との関連性は非常に緊密に関係しているわけでございますが、答申は答申ですけれども、特に行政を担当している政府の考え方として、原子力発電をどのように持っていくかという一つの考え方、方針というものがなければならぬ、こういうふうに思います。総合エネルギーの計画と、原子力の持つシェアの位置づけというものを考えあわせて、どのようにするかという方針がなかったら、行政自体やっていけないわけです。あるいは資源エネルギー庁なり長官なり、そういう問題についての考え方を、ひとつこの際明確に聞かしておいていただきたい。
○熊谷(善)政府委員 先生御承知のように、石油危機後におきまして、各国がそれぞれ長期計画についての見直しを行っておるわけでございます。ECのエネルギー計画あるいは各国の計画、アメリカのプロジェクトインデペンデンスといったそれらの計画を見ておりますと、これらの計画のねらいは、やはり脱石油と申しますか、石油に対する依存度を低下させていこう、こういう考え方が第一に出ておりまして、それに対して、それではその低下した分を、一体どのようなエネルギーに期待するか、こういうことでございますが、各国とも、やはり原子力に大きく依存せざるを得ないし、また、その方向に原子力の開発を進めていくよう政策を集中していく必要がある、こういうのが、大体各国の共通した計画の考え方になっているかと思います。 先ほど大臣がお話しされましたように、閣僚会議におきましては、ただいままでのところ、各国の状況それから需給の実態といったような事実関係につきましての御説明が中心でございまして、それでは日本の将来の長期計画の中にこれをどのような形で取り上げていくかという問題につきましては、まだ議論が行われておりません。昨年の七月に総合エネルギー調査会におきまして中間答申が行われておるわけでございますが、ここにおきましても、大筋の考え方といたしましては、石油に対する依存度の引き下げと、原子力に対する今後の期待という骨格が答申をされておるわけでございまして、その後の状況を踏まえて、現在は、需給両面にわたっての再検討の作業が行われておるという状況でございます。
○石野委員 各国の事情や日本の事情が、いままだ混迷をきわめているときだ、それはよくわかります。しかし、ある一時期に脱石油の考え方が非常に強く出され、原子力に依存しなくちゃならぬという積極的な側面があった時点と今日では、必ずしも脱石油ということだけでエネルギーが考えられているとも思われない。アメリカでも、海外の石油には依存しにくいけれども、しかし、原子力へ持っていく前に、石炭に依存する、火力に依存するという側面を積極的に取り上げようとしているし、それから石油の価格と原子力、ウラン燃料だとか炉の価格、原子力のコストの問題から見ても、考え直さなくちゃならぬ側面が原子力にも出てきているわけですね。そういう側面は、いま日本の資源エネルギー庁の考え方の中には全然ありませんか。そのことをまず先に聞いておきたい。
○熊谷(善)政府委員 もとより、御指摘の国内資源の活用ということは、各国ともまず第一に考えておるわけでございます。アメリカにおきましても、非常に豊富な石炭エネルギーの活用ということは、当然考えておるわけでございますが、これにつきましては、そのような最大限の努力はやりましても、なおかつ、このまま放置いたしますとやはり石油の需要が増大するという見込みもございますので、これに対しまして、国内あるいはアメリカの大陸だな、はたまたいわゆるOPEC諸国以外の地域、広く世界的な開発を進める、こういった形で開発による需給の緩和を進める必要がある、こういう努力は当然行っているわけでございます。 ただ、それにいたしましても、なお将来の見込みが、全体のエネルギー需要はやはり伸びてまいりますので、増分につきましてのかなりのウエートを、やはり原子力に期待せざるを得ないというのが、国際的にほとんどコンセンサスがある認識であろうか、こういうように考えております。
○石野委員 原子力局長にお尋ねしますが、原子力に依存せにゃならぬという資源エネルギー庁の考え方に即応されるような原子力体制ができているだろうかどうかということで、非常に疑問を持つわけです。 そこで、美浜の核燃料に欠陥があるということが、本日の新聞にも大きく報道されております。この燃料棒の欠陥というのは前からも指摘されていたところですが、そういう問題は、大体解決したような言い分が続いておりましたけれども、非常に大量にこの問題が出てきておるわけですね。美浜原発の燃料棒の曲がりというのは、実態はどういうふうになっているのでしょうか。
○井上(力)政府委員 先生お尋ねの点でございますが、ことしの一月十三日から美浜原子力発電所第二号機は定期検査に入っておったわけでございますが、定期検査の中におきまして燃料体の検査を行っておったわけでございます。燃料集合体は百二十一体ございまして、この全数について、水中テレビによる外観検査、燃料棒表面に異常がないかどうかということをこの水中テレビで確認する、さらにシッピング検査、これは漏洩があるかないかという検査をやるわけでありますが、こういう検査をまず実施しております。この二つの検査におきましては、燃料棒の表面には全く異常がなかった、それから放射性物質の漏洩はなかったということが確認されております。 しかしながら、燃料集合体につきましては、さらに燃料棒間隔がどういうふうに変わっておるかという調査を詳細に行ったわけでございますが、すき間ゲージというゲージを使いまして測定をやっております。これによりますと、燃料集合体百二十一体のうち四十二体に燃料棒間隔が大きくなったものが認められております。四十二体のうちの二十二体は、この定期検査において取りかえるべき燃料でございましたので、当然のことながら全部取りかえますが、さらに残り二十体のうち、次の定期検査までの間に燃料棒同士が接触する可能性があるいはあるのではないかというものにつきましては、これは具体的には八体でございますが、取り出しまして取りかえるよう指示をいたしております。 大体、以上のような状況でございます。
○石野委員 それが現在の実情ですよ。この実情は、燃料棒の中にこういう事態があるということですから、同じメーカーのつくった燃料棒の中には、今後も、設計がえをするとかあるいは工作上の特に何かの手当てをしない限りは、この種の危険が出てくるという可能性を持つだろうと私は思いますけれども、そういう心配はありませんですか。
○井上(力)政府委員 お尋ねの点でございますが、私どもといたしましては、通産省に設置されております原子力発電技術顧問会に諮りまして、いろいろな角度から技術的検討をお願いいたしたわけでございます。こういった検討を通じまして、具体的に次の検査時期までに、接触といいますか、かなり間隔が接近するであろうというふうに予測される燃料につきましては、全部取りかえるという方針で臨んでおりますので、今後、こういったことはないというふうに考えております。 ただ、先生御指摘のように、それじゃ全然曲がりがないかということになるわけでありますが、この炉心の燃料体の設計からいきまして、全く曲がりがないということは、これは言い切れないわけでございまして、ただ、曲がりによる危険はないということでいろいろ対策を講じている、こういうことで進めているわけでございます。
○石野委員 曲がりは絶対ないとは言い切れないけれども、曲がりによる危険はないということの意味は、ある設計上の有効期間を完全に使い切るということでなくて、その七〇%、八〇%の時期に取りかえるというようなことでその危険を防ぐという意味ですか。それとも、二年なり三年なりぴしっと使っておって大丈夫だということなんですか。どっちなんですか。
○井上(力)政府委員 対策といたしましては、具体的に、製造いたします際に、たとえば、これは燃料をバネでとめまして振動を防ぐ、同時に、放射線が当たりますと、あるいは過熱されますと若干伸び縮みがございますので、そういったものは、そのバネのスライドで逃げる、こういうような設計になっておるわけでございますが、そういうものをつくります際に、品質管理を十分いたしまして、いまのようなひどい曲がりの燃料がないようにする。もう一つは、設計上燃料棒の上下に間隔をとりまして、ある程度の伸びを許すような設計にするというような対策を講じているわけであります。 こういったことで、ある程度の効果はいままで発揮しているというふうに考えておりますけれども、さらにこういう対策を徹底いたしまして、先生御指摘のように、今後は、寿命期間中こういった燃料がないように持っていきたい、基本的にはこういうふうに考えております。 ただ、現時点におきましては、すでに炉心の中にある程度の燃料が入っておりますし、これらのものにつきましては、絶対安全性を阻害することがないというような運転の方法で今後やっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○石野委員 このバネで振動どめをするということについての問題は、この曲がりの問題が出た、もう一年半ぐらい前のころから問題になっているわけですよ。そしてその間、皆さんがいろいろ設計上の指導や何かをされて、いま入っておる燃料棒は、その以前に入っておったものなのかどうか私はわかりませんけれども、恐らくその後に入れたものもあるんだろうと思いますし、なければ、前のものだろうと思うのですが、電力会社は、まだ入れてない新しい燃料棒がたくさんあるはずです。その燃料棒は、全部そういう設計上のチェックは済まされておりますか。それとも、買い入れてそのままになっているのもたくさんあるんじゃないですか。そこらのところはどういうふうになっておりますか。
○井上(力)政府委員 御質問の点でございますが、新しく入れます燃料棒でございますが、前回先生御指摘のように、やはり曲がりの問題がございまして、燃料棒のある程度曲がりがきついものについては取りかえたわけでございますが、そのときに、取りかえに際しまして、新しく入れました燃料体につきましては、いま申し上げましたような注意をかなりやりまして入れたわけでございます。 したがいまして、今回におきましては、前回入れました燃料体につきましては、一体だけそういった燃料がありまして、かなり改善の効果はあったというふうに考えておりますが、今後のものにつきましては、そういった品質管理あるいはその他装着いたします際の改良を進めまして、こういった燃料を絶無にするということで入れようとしておるわけでございます。
○石野委員 私どもは、積み重ね積み重ねていって、いい方向へ努力していってもらいたいという希望を持っておりますけれども、やはり依然としてこういう曲がりなどというような危険な状態が出てきている。しかも、百二十一体のうちの四十二というなには、三分の一ですからね。三分の一にこういうような問題が起きるということになると、これは安全度の上から言えば非常に憂うべきことなんですよ。 私は、原子炉の中にあるいろいろな機器のこういうような問題は、まだ技術的に十分克服されてないということを示しておるというように思いますし、美浜の二号炉では、やはり熱交換器の細管一本にピンホールが出ているという報道もありますし、減肉現象の起きておるのが二百六十五本もある、こういう報道もあるわけですね。これは燃料棒と違って、減肉現象ということになれば、一号炉で決定的なダメージを受けた問題なんですが、こういう問題の技術的な解決、設計上の解決というのは、まだ見通しは十分立っていないんだろうと思いますけれども、どうなんですか。
○井上(力)政府委員 御指摘の蒸気発生器の点でございますが、御指摘のように、漏洩しましたチューブ一本を含めまして二百六十六本に減肉現象があったわけでございます。 この減肉問題につきましては、現在、通産省の原子力発電技術顧問会におきまして今後の対策を検討中でございます。この検討が済みました段階で、今後の対策を十分講じまして運転に入る、こういうことになろうかと思います。
○石野委員 いずれにしましても、大臣、燃料棒にしても、熱交換器における細管の問題にしても、これはきのうきょうの問題でない。特に美浜一号炉のごときは、そのためにちょっと見通しが立たない状態になっておるわけですが、二号炉にまた同じような問題が出てきておりますけれども、いま一号炉の稼働になる見通しはあるのですか。どうなんですか。
○井上(力)政府委員 美浜一号炉の問題でございますが、これは先生御承知のように、やはり蒸気発生器に減肉現象が生じまして、その本数がかなり多い、現象の進行状況もかなり速い、こういうことでございまして、私どもの方でもこれを重大視いたしまして、現在、原子力発電技術顧問会におきまして特別委員会を設置いたしまして、各種のテストを行いつつ技術的な検討を進めているところでございます。 したがいまして、これの稼働の見通しにつきましては、この検討が完了いたしませんと、はっきりしたことはまだ申し上げられないわけでございますが、私どもの方といたしましては、各種の対策を含めまして、なるべく早い時期に見通しを得たいということで検討を進めているところでございます。
○石野委員 検討するのは非常に結構ですけれども、熱交換器の六千数百本のうち二千本以上が全部盲栓閉じをしちゃっているという、こういう状態のもとでは、所期の発電能力も出てこないと思いますし、その後、残ったものにもまた同じような危険が出てくる可能性を持っているとすれば、恐らくこの熱交換器は、ちょっと使えなくなっているのではないだろうか。私は、やはりこれはもう使えないものだというふうに断定してもいいんじゃないかと思いますけれども、皆さんは、これはどのくらいの期間があったら使えるようになると見ておるのですか。
○井上(力)政府委員 美浜一号機の蒸気発生器の技術的な故障対策の検討でございますが、先ほども申し上げましたように、特別委員会をつくりまして現在検討を急いでおります。 私どもの方の希望といたしましては、ことしの夏、八月ごろには見通しを得たいというふうに期待しておりますが、なるべく早い機会にその見当をつけまして諸対策を講じていきたい、こういうふうに考えておるところでございまして、現在、どのくらいという御指摘の点につきましては、ちょっと回答がむずかしい段階でございます。
○石野委員 私は技術屋じゃありませんけれども、あの熱交換器を、もし皆さんが検討を加えて手当てをして稼働させるというときに、やはり所期の三十四万キロワットというものは、あの炉で出る可能性はありますか。
○井上(力)政府委員 美浜一号機の出力につきましては、昨年停止いたしまして、この減肉管の検査に入る以前にも、先生御指摘のように、約二千本のプラグをいたしましたチューブがあるわけでありますので、安全を見まして、約六〇%の出力で運転しておったわけでございます。 今後、仮にこの蒸気発生器が使えるといたしましても、一体どの程度の熱負荷をかけて運転すれば安全上支障がないかという点につきましては、やはり技術的な検討事項の中の非常に重要な点だろうというふうに考えておりますので、やはり特別委員会の検討の結果を待って、この出力問題については結論を出したい、かように考えております。
○石野委員 結論を出したいんじゃなくて、私は技術屋じゃないからわからないのだけれども、審議官は技術屋だから、結論はどういうふうになるか、それの上下の差は若干あっても構いませんから、どの程度修理を加えたり何かした場合に、所期の出力が出るというように見ておりますか。
○井上(力)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、二千十三本のプラグをされた状態で、六〇%という出力で運転をいたしておったわけでございますので、新しく起こりました減肉現象の対策を含めまして、どういう出力になるかということは、特別委員会に私どもの方で検討を依頼している関係もございまして、私の口からちょっと、どのくらいという見当はつけづらい、こういうところでございますので、お許しいただきたいと思います。
○石野委員 別にこれは意地悪で聞いているのじゃないのですよ。われわれが原子力行政を見詰めていくために、非常に大事だから聞いているのです。だから、それは若干の言い違いがあっても構いませんよ。しかし、すでに六〇%安全稼働ということでやってきたのですから、その後またいろいろな問題が出ておれば、安全稼働させようとすれば、それ以下になるのは間違いないと思う。 だから、私の見るところでは、本当に皆さんが大事に大事に守りながら運転していっても、四〇%くらい、あるいはそれ以下の発電しか出ないんじゃないかというように思うのだけれども、これは、もう大変な見当違いでしょうか。
○井上(力)政府委員 先生から四〇%くらいではないかという御指摘でございますが、先ほど申し上げましたように、現在技術的な検討を進めている段階でありますので、ちょっとどのぐらいかという見当がつけづらい段階でございますので、お許しいただきたいと思います。
○石野委員 重ねて聞きますが、それじゃ政府は、大体いつごろまでにその技術的検討を終えるつもりでおられますか。
○井上(力)政府委員 対策につきましての検討は、できればことしの八月ごろには出していただきたいというふうに期待をいたしております。
○石野委員 それじゃ、二号炉の問題については、いまもまだ休んでいるようですが、どういうふうになりますか。
○井上(力)政府委員 二号炉の問題につきましては、現在、発電所そのものは定期検査に入っておりまして、その中におきまして、やはり技術的な検討を進めております。 これにつきましては、一応一月十三日から定期検査を行っているわけでありますけれども、いつごろこれが運転が再開できるかというのは、やはりこの対策の結論が出ませんと、はっきり言いがたいという状況にございます。
○石野委員 一号炉のときも、最初は一本か二本のピンホールが出て、百十何本について減肉現象とか何か出たというようなことが言われている。それから、続いて半年かそこらの間に、百何本かの具体的問題が出てきてしまって、それを超えて、今度は、ものの半年もしないうちに二千本をとめたのですね。一号炉も二号炉も同じような経緯をたどっているのですよ。 私は、経験に学ぶということからするならば、二号炉は一号炉のたどった道筋をそのままたどっていくだろうと思うので、そうなるとすれば、皆さんの対策としては、一号炉で出てきたことを二度も繰り返さないような対策をしなければいけないだろう、こういうように思いますが、いま、その定検の中で行っている対策というものは、どういうようにその経験に学んで行われておられますか。
○井上(力)政府委員 御指摘のように、一号炉の経験があるわけでございますので、一号炉におきまして得られました貴重な経験を、二号炉の対策に反映しなくてはいけないということで検討が進められております。 その検討といたしましては、あらゆる方面から検討をするわけでございますが、たとえば一例を挙げますと、水処理を変えていくというような問題については、一号炉の経験を生かしまして、検討の中に入っているということでございます。
○石野委員 細かい技術的な問題は、技術屋さんが検討を加えれば、もっとたくさんあるんだろうと思いますけれども、私はそれはわかりません。しかし、いずれにしても、一号炉の経験を二号炉に生かさなくちゃいけない。もし生かすとすれば、恐らくこれはなかなか稼働に入る時期は、そう簡単に、早くはないだろう、こう思います。 そういうことになりますと、美浜一、二号炉というのは、率直に言いまして、操業を開始してから今日までの期間中、稼働時間というのは非常に短くて、全体として、投資資本に対しての収益というものは、ほとんど出ないままに投資損がどんどん重なっていく、コスト面では非常に不利な条件になっているんだろうと思います。今後、この一号炉、二号炉で、関西電力が投資額を回収し、利益を得られるという見通しは、この二つの炉ではちょっと、経営という立場からすれば、ほとんど見通しは立たないというふうに見ても差し支えないんじゃないかと私は思いますが、これはどうでしょうか。
○井上(力)政府委員 その見通しにつきましては、先ほど申し上げましたその技術的な検討、対策の講じ方に私はよると思いますので、何とも言いがたいわけでありますが、御指摘のように、非常に長い間すでにとまっておりますので、これが収益に悪影響を与えていることは事実でございます。
○石野委員 原子力について、いま一番大きい問題は、発電コストがどうであるかということだと思うのです。これは日本だけじゃありません。世界的にも非常に問題が多い。 もう一つ問題になるのは、もちうんコストとうらはらの関係になりますが、発電におけるところのリスクが非常に多くなっているということだと思います。日本における原子力発電所は、ただ美浜だけじゃないのです。福島の場合でも至るところにそういう問題が数多く出てきているので、私は、原子力の長期計画を立てるに当たって、採算点から来る原子力の問題というのを無視しては、計画は立てられないだろうというふうに思うのですよ。いまから一年、二年前のころは、そういうことは皆さんの方でもほとんど、われわれがそのことを注意を喚起しても無視されておりましたけれども、いまやそのことを十分に考えなければ、原子力開発計画というものを、十分に国民の納得のいくようなところへ持っていくことはできないだろう、こういうふうに私は思いますが、そういう点については、大臣はどういうふうに考えますか。
○佐々木国務大臣 資本主義の現在でございますから、長期計画を進め、設備を拡張する際には、まず企業家の決心が一番中心になるわけでございます。したがいまして、企業の方では、採算の合わぬものを自分でやるということは、私はなかろうと思います。政府も、採算の合わぬものを無理してやれということになりますと、おのずから経済論とかあるいは補償の問題とかいろいろ起きてくるわけでございますが、いまのところはそういう傾向は見られません。
○石野委員 大臣はいま、関西電力が一号炉も二号炉もこんなに遊んでおっても損は出てこないのだということ、そしてまたそういう傾向が見られないということについては、関西電力はほかの火力や水力でもうけているから埋め合わせができるという理屈ならわかりますよ。しかし、原子力発電炉では損は立っていないなんというようなことは、素人考えだってそんなことは言えばしないじゃないですか。いまわれわれが考えなければならぬことは、水力や火力でもうけて、そして原子力へどんどんと投資をしていって、やがてはもうけるだろう、あるいはもうけられないかもしれませんけれども、そういう期待感を持ってやっているということは、それは経営者としてはいいかもしらぬ。だけれども、この中には税金がたくさん入っていますよ。そしてそこからちっとも利益が出ていない。それどころか、環境汚染だとかあるいは一般の地域住民に対して不安感を与えている。こういうことになりますと、政治の面では、もっと真剣に考えなければならぬのじゃないだろうか。 最近、読売新聞がエコノミストの記事を新聞紙上で紹介しておる。題目は、「原発、今世紀は不要?」こういうようなでっかい記事を書いております。この記事は、エコノミストがイギリスの原子力政策について論じておりますが、これはただイギリスだけを論じているのじゃなくて、OECDにおけるところのエネルギー対策についても論じておるし、あるいは世界のエネルギー政策の中での原子力についても論じておるわけですね。ここでは、やはりコストの問題とリスクの問題について、そう簡単に石油にかわって有用だというような見方に立ってはおれませんよということを書いているわけです。そうして、どの国もみんなそういう点では、いわゆる再検討の時期に入っているのだと言っておる。私はまさにそのとおりだと思う。特に日本なんかは、その必要性を痛感する実情にあると思います。 そういう点で、原子力については、美浜やあるいは福島などで出ているような問題の解決へもっと熱心な政策がつぎ込まれて、そして、ただ六千万キロワットの発電量は、これをやめたのじゃ困ってしまうからというようなことだけで、安易な取り組みをしないようにしてほしい。それよりも、むしろ小さくてもいいから堅実なものをつくるような政策態度というものが必要なんじゃないだろうか。計画の側面でも何でもぐっと詰めて、そのかわり内容の充実したものに研究と施策が行われていくようにした方がいいのじゃないかというふうに私は思うのですけれども、大臣は、そういう点についてはどういうふうに考えますか。
○佐々木国務大臣 先ほどもエネルギー閣僚会議のお話をいたしましたが、今後二十一世紀の初めに実用化するであろう核融合とか水素あるいは太陽エネルギーといったような、こういう問題までの間、油でそのまま発電していくというのであれば問題ございません。しかし、それはどうしてもいまの情勢から、従来のようにそのまま伸ばすわけにいかぬということでありますれば、その間のギャップを何で埋めるかという問題がございまして、先ほど通産省の方からもお話がございましたように、いまの状況では、核分裂による原子力に頼る以外にしようがなかろうという結論が大方のようでございます。 ただいま、英国のエコノミストのお話がございましたが、英国は御承知のように、北の方で大変な油をただいま採掘中であることは御承知のとおりでございます。したがって、これはまたEC諸国の中でも大分事情の違う国でございますし、米国等とも大分事情が違いますし、ましてや、日本とは全然違った環境でございますので、エコノミストの議論をそのままわが国に当てはめるという行き方は、これはまた大変むずかしいのではなかろうかと思います。 そういう点で、そのギャップを埋める際に何で埋めるかという問題は、お話しのように、原子力ということになっても、その中には大変複雑な問題が介在している。そういう介在した問題を踏んまえつつ、今後どうするかというのが国策になるだろうと思います。ですから、ただいまのようなコストの面も一つの大きい考慮の対象になるでありましょうし、安全の面も大きい対象になりましょうし、いろいろそういう面を考慮しながら、国策としてはどうするかという点をこれから決めていくのが、われわれの任務と存じております。
○石野委員 私は、エコノミストの問題を出しましたが、それをそのまま日本に当てはめるというのは、イギリスとはまた事情が違うじゃないかという御所見ですけれども、私は、ちっとも事情が違っているとは思わないのですよ。イギリスは確かに北の方で石油をとるという一つの方策もあります。日本は石油が現実には出ない。けれども、ウランだって外から買うのですよ。石油だって外から買うことになるのでしょう。外から買うことではちっとも変わらない。ただ、ウランの場合は、一たん確保しておけば長期にわたって持ちこたえられるだろうという希望的観測があるだけなんです。それだって、炉がしっかりしていなくて、二年も三年も動かないような発電所を幾らつくったって意味がない。それどころか、つくったものについての周辺地住民の反対があるとか、つくろうとしてもできないとか、そういう事情を考えますると、代替燃料をある一定の時期においてどういうふうにするかということは、幾らでも方法があると思いますよ。 特に私は大臣にお聞きしておきたいのは、ウランをどこから確保するかという問題については、非常にいま問題が多いんじゃないでしょうか。前にも議会で問題になっておりますが、ナミビアのウランと日本との関係ですけれども、これはもう単にナミビアだけの問題ではなくて、国連の問題にまでなってきているのでしょう。日本のナミビアとのウラン契約の問題は、まさにあの地域における企業の買い付けば、盗掘とみなして差し押さえ、または損害賠償を請求するとまで国連は言っていると報ぜられているわけですよ。 私は、そういうようなことを考えると、燃料自体確保することも問題だし、その上に、濃縮ウランだって値段はぐっと上がってきていますよ。大臣が言うように、いまから五、六年前のような値段ではなくなっていると思います。もう値段だって二倍、三倍に上がっておるのじゃないですか。とても石油どころではないと思います。 そういうことを考えますと、むしろ私は、取っかかったんだからどうにもしようがないということではなくて、政府が原子力開発にかける予算措置、そういうようなものを、前々から言っているように、地熱だとか太陽熱というものにかけていく。核融合の場合は、これは世紀を変えないとなかなか実用化してこないということは、だれでもわかっているのだから、そのための研究費を入れていくとか、その間、当面ここ三十年の間あるいは四十年の間というものは、地熱だとか太陽熱だとかそういうものを抱き合わせながら、一方では石油を入れるということもあり得るわけですよ。私は、その方にもう少し政策をしっかりと決めてかかるということが大事なのではないだろうか、考える値打ちが十分あるのじゃないかと思いますけれども、大臣は原子力、原子力と言いますが、原子力は事故続きで動きがとれないような状態になっておって、どういうふうにその上に乗せていこうとするのか、私自身ちょっとわからないのだが、大臣は、それに対する見通しはどういうふうに考えているのですか。
○佐々木国務大臣 大変よいお話をちょうだいいたしてありがたいのでありますけれども、何も原子力、原子力と、原子力委員長だから太鼓をたたいているわけではございません。いろいろ困難な問題がございますことは十分承知でございますし、また、いまのような油からクリーンなエネルギーに移るまで、三十年あるいは三十五年、四十年というこの間をどうするかという対策が、おっしゃるようにございますれば、どうぞひとつお教えいただきたいと思いますし、私も、地熱発電のための自民党における議員連盟がございまして、その副委員長としてずいぶん努力いたしました。むしろ近江先生などは一番詳しいと思いますけれども、環境問題で大変むずかしいわけでございまして、すぐそれをというわけにはいかないような状況でございます。これがいいじゃないか、あれがいいじゃないかとおっしゃるのも結構ですが、それをやってみますと、なかなかむずかしいことばかりでございまして、あれこれ考えますと、困難な道はあっても、やはり原子力に頼らざるを得ないじゃないかというのが、大局的な一つの判断になっているのじゃなかろうかというふうに実は考えます。 燃料の問題あるいは技術の問題等いろいろございましたが、やはり原子力の一つの特性と申しますのは、幾つもございましょうけれども、油あるいは石炭のように、火力発電にする場合に、その燃料から取り出せるエネルギーが、もう技術的な改善が余りないというものと違いまして、原子力発電の方はまだまだあります。いまは、軽水炉からわずかに一%ぐらいしかエネルギーをとっておりませんが、それが増殖炉等になりますれば、六〇、八〇というエネルギーも取り出せましょうし、まだまだ技術的な改善もある。したがって、少数の燃料で大きいエネルギーを出せるようなものでもありますし、そういう技術的な改善の余地等も考えますれば、むしろ資源のない日本としては、これに対しては、何もこればかりというわけではございませんけれども、十分力を入れていく価値のあるものじゃなかろうかというふうに実は考えております。
○石野委員 言葉を返すわけではありませんけれども、大臣は原子力に非常に熱意を燃やしておるし、また従来もそうやってきたのだが、しかし、現実にいま炉が動かないという実態を、しかも、一週間か十日ですぐ手直ししてできるのならいいけれども、半年間も動かないような炉が幾つも幾つも出てくるということになってくれば、それにばかり期待をかけておったら、かえってエネルギー政策を誤らすのじゃないだろうか。たまたまいま経済の状況がこういうふうに落ち込みにきているから、これはいいのだと思いますよ。そうでなかったら、これはもうたちまちにして役に立たないものになってしまうわけですよ。 私は、それよりも、経済の見通し、国民生産力の伸びの問題等を考えて、そしてその間のギャップをどういうふうに埋めるかということについて、地熱だとかあるいは太陽熱だとかいうのは、確かにワンセットでは非常に小さいものである。けれども、それにもう少し政策的に力を入れていけば、不足しているものを補うのには十分だと思うのですよ。ただ、環境の問題でいろいろある。しかし、環境問題であるといっても、原子力におけるところの問題とはまたおのずから違いますよ。やるつもりならば、施策の方法は幾らもありますよ。これはひとつエネルギーの長期計画の中で考えていただくべきものだろうと思うのです。 それから、増殖炉の問題についても、私は、恐らく一九九〇年くらいまでは実用化される増殖炉というものは出てこないだろうと思うのですよ。そしてそこで出ても、また地域住民が、いまの原子炉よりももっとプルトニウムの放射能問題で関心が高まり、恐らく反対運動がもっと強くなるだろうと思われるようなものをこれは使うのですから、ひとつ大臣に、エネルギー長期計画の中における原子力の位置づけの問題については、もっとじっくりと落ちついて研究するということでやってもらう必要がある。開発をどんどん進めていって、後のしりぬぐいに追いかけられるようなことのないようにしてもらいたい、私はそういう考え方を持っております。これはやはり考えてもらわなければいかぬと思いますが、その点で、もう一度ひとつ大臣の所見を聞かしてもらいたい。
○佐々木国務大臣 ここは議論する場でございませんので、ただお話に対する私の感想を述べたいのです。 先ほど申しましたように、閣僚会議に出されました資料を見ましても、米国ではこの十カ年間に二億数千万キロ、これは、いま日本で故障が起きたと言って非難をこうむっているのと同型の炉でございます。あるいは最近、イタリアの大使あるいは原子力委員が私のところに参りましたので、どうしていますかと聞きましたら、イタリアも同じでございまして、油による発電は許しません、フランスと同様全部軽水炉でやりますというお話でございました。ドイツもややそれに近い状況でございます。英国は若干違います。 ですから、お話しのように、美浜の一号、二号の例だけをとって万国でも同様であろうと推しはかるのも、これまた少しおかしいのでございまして、そういうものであれば、恐らくわが方よりもはるかに技術の進んだ米国やECの諸国でも、そういう政策をとらないはずでございます。そこに何らかの差があるとすれば、恐らく安全なりあるいは技術の未熟というか、熟度等に対して、わが国としてはまだ研究が不十分だとか、いろいろあろうと思います。そういう点はそういう点で、今後やはりおくれをとらないように進めることにいたしまして、美浜一号、二号がこうだから全部こうだというように推しはかるのは、ちょっと少しどうかという感じがいたします。これは議論ではございません。 しかし、私から希望を申し上げますれば、どうぞひとつ委員長におかれましても、このエネルギーを将来日本はどうするかという問題は、国の大きい問題でございまして、これは何党を問わずイデオロギー以前の問題でございますから、こういう点は、せっかくの特別委員会ですから、各党が意見を持ち寄って、そして解決に協力していくという行き方の方が、一番賢明じゃなかろうかと思います。もちろん私どもは、何も原子力でなくてはどうにもならぬということを申しておるわけではございませんけれども、しかし、現状ではそうならざるを得ないというようになっておるようでございますから、それに対してはどういう対処法があるかという点を、いませっかく苦慮しているところだということを申し上げたいと思います。
○石野委員 大臣の気持ちはよくわかります。私どもも、国の政策の運営に協力する立場にはいささかも変わりはない。 大臣がそうおっしゃるなら、私は、この際委員長にもう一ぺんお願いしておきたいのですが、原子力発電におけるところのコストの問題について、この前も一度お願いしましたけれども、なかなか出てまいりませんので、現在までのコストについて、各炉ごとにはっきりとひとつ出してもらいたい。そういうものが出てくれば論がかみ合ってくるはずです。それもないままに、いたずらに何か危惧感を持って論議を進めておるように言われると、私も心外なんです。だから、原子炉におけるところの発電コストについて、この際一定の期間を切って、少なくともあと二カ月ぐらいの間に、現在までの各炉におけるところのコストをちゃんと出してもらいたい。それを出していただければ、大臣との論もかみ合ってくると思うのです。それをひとつ委員長からお願いいたします。 それと、いま一つお聞きしておきますが、原発周辺の放射線許容線量について、全身五ミリレム、甲状腺十五ミリレムということの方向へ、今度規制していくという線が大体出ているようですが、環境規制について、やはりこの許容線量のなにを、どのように各地の原子力発電地帯におけるところの規制として実施され、指導されるお考えでありますか、この際ひとつ聞いておきたい。
○生田政府委員 線量値を全身五ミリレム、甲状腺十五ミリレムを目標といたしまして設定するということにつきまして、原子力委員会で決定いたしまして発表した次第でございます。 その内容の詳細にわたりましては、改めて資料その他で先生に御説明申し上げたいと思いますが、一つは、これが規制値ではなくて目標値であるということでございます。それからもう一つは、今後新設されるものにつきましては、その設計にかかわります安全審査におきまして、この目標値が達成できるように十分指導する、そしてその実現を図るということでございますが、建設中のものあるいはすでに稼働中のものにつきましては、仮にその目標値が達成されないといたしましても、それを直ちに達成させるために運転の停止、あるいは改造その他を指示することはいたしませんで、時期を見ましてその目標値に漸次近づけていくというように指導してまいりたい、かように考えております。
○石野委員 その指導のことですが、やはり原子力発電所のあるところでは、各地で監視計画を皆つくると思うのですよ。その監視計画をつくるに当たっての指導は、具体的にどういうようになさいますか。
○生田政府委員 先生十分御承知のことでございますが、五ミリレムということになりますと、大変微弱な放射能のレベルでございます。これは従来のモニタリングによりましてそれを測定しまして、その目標値を超えたか超えないかということを測定することは、現実的に不可能でございますので、私どものその指導の仕方といたしましては、計算上そのモニタリングシステムにおける測定値が五ミリレム以下になりますように、排出口におきまして規制をするという考え方でございます。
○石野委員 監視計画をするについて排出口でということになりますと、それはやはり発電所とか事業所自体がやらなければいかぬわけで、周辺地住民にはわからないわけですよ。ところが、監視計画をやるときには、周辺地の住民がそれに対する一定のコンセンサスを与えるということになるはずですから、そこらのところのかみ合わせをどういうようにするかということで、なかなかこれはむずかしい問題があろうと思います。それらのことをどういうふうに指導なさるかということを、もう一度伺いたい。
○生田政府委員 排出口におきまして測定あるいは規制をするわけでございますが、その測定値につきましては、定期的に国に報告する義務を課しております。したがいまして、それをもとにいたしまして、私どもといたしましては、その結果を適宜発表するような方法によりまして、計算上この目標値の達成がどうなっているということを、周辺住民の方に知っていただくという方法をとりたいと考えております。
○石野委員 先ほど委員長にお願いしました、各原子炉におけるコストの問題については、ぜひひとつ政府からコストを出すように、委員長によってやっていただきたい。これをひとつお願いしておきたい。
○八木委員長 いま石野委員から要求があっております各原子力発電所の各炉別のコスト、キロワットアワー当たりの単価が幾らになっておるかというようなこと等だと思うのですが、いま大部分の炉が動いていないという状況にあるわけですけれども、いまの資料を、政府側はいかがでしょうか、提出できましょうか。
○生田政府委員 原子力発電所の発電コストにつきましては、かねがね資料の御要求がありまして、作成について通産省と相談しているわけでございますが、計算上いろいろ問題点が出てきまして、ただいま作業中でございます。 ただいま先生の御要求の各原子炉ごとのコストということになりますと、さらに非常にむずかしくなるというように思いますので、作業方法その他につきまして通産省と至急打ち合わせをいたしまして、なるべく御要望に沿えるような方向で処理さしていただきたいと思います。
○八木委員長 石野委員、よろしゅうございましょうか。
○石野委員 はい。 ―――――――――――――
○八木委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力船「むつ」に関する問題調査のため、本日、日本原子力船開発事業団理事長島居辰次郎君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、御意見の聴取は質疑応答の形で行いますので、さよう御了承願います。 ―――――――――――――
○八木委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。山原健二郎君。
○山原委員 「むつ」の問題に問題をしぼって質問いたします。 昨年十月十四日、鈴木善幸氏が政府を代表して行かれて地元と結んだ協定は、現在守られているのか。特に、一項の二の半年以内に新母港を決定するという問題、これはどうなっているのですか。
○福永政府委員 原子力船「むつ」のむつに入港するにつきまして、昨年の十月十四日でございますが、鈴木善幸先生を政府代表と自民党総務会長という資格で、あと青森県の杉山漁連会長、県知事、それからむつ市長さん、この四者の協定がございます。 その内容の概略につきましては、先生すでに御案内のこととは思いますけれども、大きく分けまして、定係港に関する事項……
○山原委員 いや、そんなことを聞いてない。一項の二はどうなったのかと聞いている。
○福永政府委員 一項の二というのは、「原子力船「むつ」の定係港入港後の取扱いに関しては、入港後六ケ月以内に新定係港を決定するとともに、入港後二年六ケ月以内に定係港の撤去を完了することを目途として、」云々という項でございます。 そこで、当面の御質問は、入港後六カ月以内に新定係港を決定するということでございますが、この件に関しましては、先ほど石野先生の御質問に私の方の大臣から、今日までの経緯を御説明申し上げましたとおり、ただいま地元の、主として国会議員の先生方を中心としまして、地元の御意向を内々打診しておる、こういう段階でございます。
○山原委員 一項二は、要するに守られなかったわけですね。大臣、どうですか。
○佐々木国務大臣 だれに対して守られなかったか、大変これは問題でもありますけれども、少なくとも、お話し合いをいたしました青森県知事、あるいはむつの市長さん、あるいは漁連会長さん等には、これこれの事情で地方選の終了後に正式に交渉に入りますよ、よろしゅうございますか、よろしゅうございます。そこで地方選が済みまして、それでは交渉に入ろうかと思いましたところ、まだ現地の、新しい候補地の地方議会等が整備しないから、とても無理だということで、その由もまた青森県の当事者にはそれぞれお話し申し上げまして了承を得、次いで、ごく最近は、先ほど石野先生には、詳し過ぎると怒られたぐらい丹念に私は経過を御説明申し上げました。お聞きになったと思いますが、最近は、非公式打診の段階でございますけれども、打診の途上で、新聞で御承知のように、長崎県では反対運動が起こりまして、陳情にも参りました。 したがいまして、前々から皆様が御要望のとおり、この問題は、権力でもって押し切るなどいたさない、あるいは地元の皆様とよく話し合って、その合意の上で出発いたします、こういうふうにしておりますので、その態度は崩しておりません。したがって、青森県側に通報いたす際にも、二十一日でございますが、青森県側でも、早期に解決が望ましい、しかし、円満にやってくださいよ、またむつの問題と同じことを長崎で繰り返してもらいたくないというふうな、非常に温かい御要望でございましたので、ただいま静観中でございます。
○山原委員 半年以内に新母港を決定するということで、三月二十六日、この委員会で私はあなたに何遍も問うたのですよ。四月十四日で半年ですね。それが目の前に迫っているのにできるのかと言ったら、あなたはどう答えておるのですか。山原さん、あなたと契約しているのじゃないから、そんなことはまかしておけと言ったのですよ。二回も言ったのですよ。それからさらに、十四日にできるのですかと言ったら、できますと言ったのですよ。できないでしょう。あれからまた一カ月たったでしょう。決定しないのですよ。 だから、一項の二の新母港の決定についての協定は、守られなかったという現実があるでしょう。そうじゃないですか。青森県のことを私は言っているんじゃないのです。
○佐々木国務大臣 協定が守られたかどうかという問題は、ですから、現地側の御了解があるかどうかという問題だと私は思います。先ほど来お話がありました四月の十四日、半年後にそれを決めたかと申しますと、政府としては決めておりましたが、しかし、この問題の性質上、政府で決めたからそれでよろしいというのじゃ困る、現地とよく話し合って、その上で正式にしなさいという、これは皆さんのたっての御要望でもあり、私もそう思います。したがって、決めてはおりましたけれども、新しい現地との交渉をどうするかという点に関しましては、さっきから詳しく申し上げましたように、その客観的な情勢下にない事態でございました。たとえば、あの問題を決めたときには、四月の中旬ごろには統一地方選挙があるということを考慮して決めたものだとは私は思いません。 したがって、こういう事情がありますよと言ってお話しすれば、向こうもよくわかってくれるわけで、それはやむを得ぬじゃないですか、こういうことですから、一たん決めたものはもうてこでも動かさない、その日に全部現地の了承を得なければ、それは違反だ、こういうふうには向こうも考えておりませんし、こちらも実は考えておらぬ。そこで、ただいま鋭意努力中でございますと申し上げておるのでございます。
○山原委員 じゃ、この一項の二というのは政府が決めるということ、そういう解釈に変わったわけですか。半年以内に新母港を決定するというのは、要するに、反対や何かがあろうがどうしようが、ここだと政府が決めるということが、この協定の中身だというふうにいま解釈しているんですか。 それからもう一つ、いま政府の決定した場所はどこですか。
○佐々木国務大臣 正式に決めるとはどういう解釈かということは、青森県で決めたときに、そこまで詰めた問題とは思っておりません。ですからその解釈は、その後の状況に応じまして、いろいろ両者の話し合いで決めるべき性質のものじゃなかろうかと思います。これは法律でも何でもないのでありますから、両者で話し合って了解し得れば、それでよろしい問題じゃなかろうかと思います。 それから、どこに決めたのかと申しますと、それは先ほども申しましたように、長崎県の対馬が一番よろしいんじゃなかろうかということで、統一選挙も済み、その後の連休等が済んで、地方議会の構成も大体終わりつつあるようでございますから、それではひとつ交渉に入ろうかと思いましたが、しかし、すぐ正式交渉に入る、言いかえれば知事あるいは市町村長を相手としてこうだ、こうだと言う前に、少なくとも地元の国会議員の皆さんには、その選挙母体である住民あるいは市町村に話していくわけでございますから、自分らに何にも仁義も切らぬ、話もせぬでけしからぬじゃないか、こう言われた場合には、これまた全くおかしなことでございますので、内々長崎県の国会議員の皆さんにはそれぞれ打診をしておった。そうして、社会党の県選出代議士さんにお話をしましたところ、その明くる明くる日でございますか、何か現地で演説か何かございまして、すぐ大きく反対運動が起きた、こういうのが実は実情でございます。
○山原委員 この協定が結ばれた翌々日、参議院のやはり科学技術特別委員会で、わが党の小巻議員が、中村前政務次官に質問しているんですよ。「現地において、政府代表との間で協定の合意書に調印されたわけでありますから、結局国民に対して公約したも同然だと考えます。」そして、政府はこれを誠心誠意やっていきますという答弁がなされているわけですね。まさかこの一項二が、政府は内々決定はしたけれども、まだ何にも手がついていない、反対運動は一遍に起こっておるという事態ですが、むつの市長、あるいは県知事、あるいは漁業組合の会長ですか、こういう人たちが、そんなあいまいなことでこの協定を結ばれたのか。常識から判断しましても、半年以内に新母港を決定し、そして二年半の間に撤去を完了、こういうことですから、それは、政府が責任を持って半年以内にこの地に新母港をつくりたい、それにはそれなりの手順を踏んでここへ決定をしていくということが、この協定の趣旨ではないですか。 そうすると、きょうになってみると、あなたの御答弁によれば、政府は決めたんだけれども、話はちっとも進まないんだということです。じゃ、政府はあれですか、この対馬というところを決定しても、ここは要するに政府の思いですわね。政府はここが一番適当だと思っているだけのことであって、何ら問題は進展していないでしょう。むしろ反対運動は、長崎県知事からさえ反対の意見が出ておるという事態で、問題は何一つ解決していない。地元があれだけの問題を起こして、あの協定の中で数億円の金を使うというのに、そんなあいまいな協定を結ぶはずはないのですよ。 いま政府は、そういう解釈をしているんですか。要するに、政府がここだと言えばそれでいいんだ、そこに決定しようがどうしようが、事態がどんなになろうが、政府が頭の中でここだと言えば、この一項の二の前半部分の新母港決定というのは、協定に従ったやり方だというふうな判断をしているわけですか。
○佐々木国務大臣 お言葉でございますけれども、私どもは、去年協定を結びました皆様の御意思に沿うべく、専門にこの解決に当たる部屋をつくり、担当官をつくり、一生懸命やったことは、前々から御説明したとおりでございます。これはお認めいただけると思います。 そして、解釈問題というよりは、これは解決するのが問題でございますから、青森県側の意図に沿い、また、お話し合いができたそのとおりやるためにはどうしたらよろしいかということで、まず中央としての態度を決め、そして現地との交渉に入る。その交渉も、初めから、先ほど申しました正式交渉というのは大変無理のようですから、非公式な内々の打診をというただいま段階でございます。正式交渉にまだ入っておりません。しかし、その都度青森県側には連絡をいたしまして、いまこういう状況でございますから、御理解、御了承をいただきたいということで、契約当事者間の義務履行にそごを来たさぬように進めてきたつもりでございますが、おかしいでございましょうか。
○山原委員 事態の変化も、もちろん全くないというようなことを私は言っているのではないのです。しかし、この前の私に対する答弁などは、四月十四日にやってみせるとか、あなたと契約したんではないとか、大変失敬なことまで言っているわけですよ。それだけ言っておいて、しかもあれだけ大騒動を起こして、決定なんというものじゃないじゃないですか。まあ、第一候補ということでしょうかね。 では、対馬がだめだったら、次へ今度は移動するわけですか。もういま対馬一本にしぼって、政府としては対馬に決定したんだ、これに対して今度は公式にやっていく、そしていろいろな諸般の情勢が出れば、それを一つ一つ解決していくということで、いま対馬一本にしぼっているのですか。どうですか。
○佐々木国務大臣 これも、皆さんからも、各党からも大変御要望がございまして、この種の問題は、中央でこういうふうにしたから、地方で反対があっても、騒擾を起こしても強引にやれというふうなことはいけませんぞ、あくまでも、中央で一応技術的あるいは自然科学的に、経済的に決めたといたしましても、それでは決まったことになりませんよ、それを現地と話し合うためには、あくまでも現地の正当な機関あるいは住民の皆さん等々に十分御理解をいただいた上で、納得した上でこの問題を進めてもらいたいという希望もあり、私どもも、かねがねそういうふうに考えておりますから、ぜひそういたしますということで実は進めておるのでございまして、その途中に、いまのような状況になりました。 したがって、ここだけで、あとほかはやらぬのかといいますと、これはお約束でございますから、ここだけでだめだという場合には、それじゃやめましたという問題じゃないでしょうから、それはいろいろと、また次々と、特に地元で希望等のある地点であって、港湾として適当なところであれば、いろいろな条件を考えてまた再度交渉に入るということも、これは事柄の性質上やむを得ぬのじゃなかろうかと、実は考えております。
○山原委員 結局、対馬は第一候補じゃない、決定だとこうおっしゃるんですから、決定をしたけれども、そこで問題があって行けなければ次へ移る。私ども、強権をもって勝手に政府が頭の中で決めて、それをしゃにむにやれなんということを言っているんではないのです。実際、この協定を結んだときには、そういう努力もした上で、まさに決定だとはいかなくとも、ここへほぼ決定だという、それくらいの努力がなされるということで協定が結ばれたと私たちは理解しておったわけです。それが、いまのお話では、次々転々としていくわけですから、新母港の決定なんて、これはもう全く決定でも何でもないわけですよ。だから、一項の二は守られなかった。もう日は過ぎたんですからね。これはもう現実の状態です。 そこはまず認めて、それから、それではそんなふうにやっていけば、大体長官はいつごろ新母港が決定するぐらいの腹づもりですか。
○佐々木国務大臣 先ほど申しましたように、二十一日でございますか、青森県側からも、できるだけ早く、しかも円満に片づけてくださいよという、特にこの円満にという点は、むつのような騒擾を起こしてまでという意味ではなかろうと私は解釈しております。しかし、新聞等に若干、私ども公表した覚えがないのですが、載りますと、またあなたにはおしかりをこうむるかもしれませんけれども、すぐ電報で反対反対と言ってくるのは、もう大体決まっておりまして、これでは、決めろと言って、やるとすぐ反対、こうなりますので、大変実はつらいのでありまして、そこら辺は、少しゆとりを持ってこの問題をお取り扱いいただけば、大変ありがたいと実は考えます。
○山原委員 結局、見通しはつかぬということですね。大体、その反対があるということを心配しておられるけれども、いまの状態で、反対がないのがあたりまえじゃないのです。反対がありますよ。いま、青森の人たちが出ていけと言うのも当然、来るなと言うのも当然です。それは積年の科学技術庁、政府の原子力行政の安全性の問題を、いま根本的に見直さなければならぬ事態ですからね。それが何一つ解決されていないのに、ここへ持っていくと言ったって、だれも、はいそうでございますかなんて言う者は、おるとすればそれは異常な状態です。そんなことはもうわかり切ったことなんです。だからこの問題は、まあまあしばらく解決しない。協定は結んだけれども、新母港の決定なんということは、しばらく話にはならぬというのが現実だろうと私は思うのです。 だから、そういう状態を、この間の答弁のように、四月十四日にやってみせるのだとか、あるいは地方選挙が済んだらやるのだとか、あるいは今度は長崎の知事に対しては、少し冷却期間を置くのだとか、そんなことでは、これは全く無方針ですよ。政府は無方針、新母港決定はしばらくできない、これはもう現実の問題です。 それで、第二、第三の候補地は幾つあるのですか。これは作業班をつくっておられるそうですから、その方から答弁をいただきたいのですが、現在、幾つ候補地があるのですか。
○佐々木国務大臣 初めは二十四、五ございましたが、いろいろ検討して、幾つにいまなって、それがどこだということは、流動的な問題ですから、この際お話はできません。 ただ、お話しのように責めるばかりじゃなしに、私ども一生懸命努力しておる最中でございますから、できますれば、山原さんのようにこの道にも詳しい人でございますから、こうなすったらどうでしょうかという、少し温かい気持ちでやっていただけば、大変私もありがたいと思うのです。一生懸命やっているのですから、少しゆとりを持ってお考えになったらどうでございましょうかというふうに考えます。
○山原委員 この間は、大臣になったばかりでこの席へおいでたから、私は言わなかったけれども、議事録をあなたはごらんになったら、ずいぶん失礼なことを言っていますよ。だから、私はきょうは腹に据えかねて言っているのだけれども、答弁したことをちっとも守ってないし、あなたと契約したんじゃない、こういう言い方をする。政府の代表が行って、現地であれだけ大騒動を起こして、そして協定を結んで、しかも、中村政務次官はその直後に、これはもう国民に対する公約でございますと言っているわけです。私に対する契約なんという、そんなことじゃないわけですよ。そういう茶化したような発言をしておるから、私はいま言っているわけですけれどもね。 いま、二十四、五がもうちょっとしぼられたとかなんとかいうお話がありましたけれども、現在、新聞あるいはその他の情報で、対馬、これも三浦湾とか浅茅湾とかあります。それから鹿児島、これは甑島、官房長官が知事に対して打診をしたという新聞も出ている。種子島、川内、それから四国の西宇和の三机、あるいは横浜、那珂湊、大分、長崎は対馬あるいは香焼が出てくるわけですが、それから島根、能登、北海道四カ所、佐世保、こういう名前が、新聞やその他でずっと拾い上げてみると大体出てくるわけですね。たとえば、宇和島の三机なんというのは候補地に上っているのですか。これは作業班の方、おいでだったら答弁していただきたい。
○佐々木国務大臣 先ほど申しましたように、候補地がこうだとなりますと、すぐ反対の電報が来たりいたしまして、事柄を進める上において大変むずかしい状況になりますから、そういう点は、ひとつしばらく行政府の方にお任せいただきたい、こういうふうにお願いいたしたいと存じます。
○山原委員 こういうことですね。事柄を大きくしたくないために、いわゆるこそくな手段がとられているわけですね。それは地元選出の国会議員に相談するのもいいでしょう。しかし、そんなこそくなことでいつまでも隠せるという状態じゃないのですよ。昔の代官が住民をごまかしてやるような時代じゃありません、情報がみんな入るわけですから。だから、どんなにしたって地元の人は必ず知るのですよ。だから、政府が公然と本当に道理を分けてやっていくという、そういう姿勢がなければ、ずっとごまかして裏工作をやって――これはきょうは言いませんけれども、札束でほっぺたを張り飛ばすようなこともやっているのですよ。いずれわかるでしょう、この問題は。そういうやり方でやっている陰湿な動きがあるのですよ。そういうことで新母港が決定するなんて思ったら大間違いだ。反対が起こるのは当然です。 だから、そういう点で本当に何もかも隠して、そしてちらりほらりと新聞やその他に出る、問題が起こる、いわば隠微な世界の中で各地に火をつけて回っているのが、いまの新母港決定の政府の姿です。道理にかなった情報を流して、そしてたとえば、ここへはこういう理由でお願いしますなんという状態じゃないのです。何か裏でこそこそこそこそ動き回っている。そんなことでこの問題が解決できるか。 「むつ」の問題があれだけになったのは、こういう状態から起こっているということを本当に反省するかどうかが、いま政府に迫られているわけですよ。そんなやり方で、地元が、市町村長さんが賛成するなんていう状態は絶対に生まれてきません。だから、皆さんが恐らく賛成していただけるだろうと思っているような方たちまで反対をするという状態が、各地で出てくるのは当然のことです。こういうことを本当にお考えになる必要があると私は思うのですよ。 だから、私がこの問題で言いたいのは、要するに、むつへ鈴木善幸氏が政府の代表として委任をされて行って、結ばれた協定の一項の二の前半部の新母港決定四月十四日という、半年以内に決定をするという条項は、今日政府によっては守られていないというこの現実だけは、まず認めておく必要があると思うのです。どうですか。
○佐々木国務大臣 大変、隠微だとか、各地に何か放火犯みたいなことをやっているとか、あるいは札束でどうだとか言っておりますけれども、何かそういう具体的な事例があったら、ひとつお示しいただきたいのでございますけれども……。
○山原委員 じゃ、公然とここへ置かしてもらいたいとやったところがございますか。
○佐々木国務大臣 先ほども申しましたように、中央の権力で、あるいはいま申されましたような特殊な方法とかでやるという意図は毛頭ございません。また、そういうことはしておりません。いかにも正々堂々、筋を通して進めておるのでございます。 ただ、客観的な情勢が、交渉に入れるような状況でなかったのです。統一地方選挙のさなかにそういうことをやったら、どういうことになりますか。選挙妨害みたいなことになるかもしらぬ。これはやはり統一地方選挙が済んでからの方がいいのではないかというので、青森県側でも御了解いただいて、それが済んでから、さて交渉するのには、やはり地元選出の国会議員の皆さんに、国会議員の皆さんが選挙された足元に交渉していくのですから、何も話さぬでやるということは、私は政治家としてはできません。 ですから、事前に非公式にまず、こういうことになりますが、ひとつお含みください、あるいはいろいろ御協力いただきたい、こう言うのが隠微でございましょうか。そういうことをやらぬこと自体が私は隠微だと思うのです。むしろそういうことをして、そうして御了解を得、あるいはどうしても御了解を得られない場合はしようがないけれども、しかし、一応いわばお話を申し上げて、そうして現地にできれば参りまして、安全性の問題なりその他いろいろ、文字どおり話し合い等進めまして、そうして問題を展開していきたいというのが、何でこれが隠微でございましょうか。皆さんそうしてくれということを前から言っているじゃありませんか。交渉は決して権力でもってやってくださるな、あくまでも住民の皆さんと話し合いでということですから、そういう方向にいま進もうとしたやさきに、先ほど申しましたように、長崎ではいろいろ問題が起きてまいりましたから、しばらく様子を見ようじゃないか、こう申しておるのでございまして、決して隠微でもなければ、各地に放火したわけでもなし、ましてや、札束でたたいたなんて事例がありましたら、ひとつ教えてください。
○山原委員 そういうことはここで言う必要もないのだから、後で言うときには言いますよ。それで、権力でやれなんていうことを言っているのじゃないのですよ。もうちょっと深いところに根をおろさなければだめですよ。 じゃ、対馬の場合はどういう母港ですか。対馬にあなた方決定したというのなら、どういう母港ですか。青森県のむつ市と同じような母港なんですか。それとも、単に一時的に係留をしておいて、「むつ」を持っていってそこに置いて、どこか修理するとかそういうところは、別に置くということで対馬を考えておるのですか。対馬を、ちょうどむつ市のような状態で考えておるのですか。どっちですか。
○佐々木国務大臣 母港という概念は、本来はないのでございまして、原子力船の母港などというものは、ドイツでもソ連でも米国でもございません。しかし、日本はこういう特殊な事情でございますから、できますれば燃料の入れかえ等ができる港というものを、仮に母港と名づけておるのじゃなかろうか。これは外国の原子力船がどんどん入り、日本でもたくさんできるという場合には、必ずしもそこ一港に限るというわけにはいかぬかもしれません。しかし、とりあえずは、そういうのが一番中心的な一つの役割りである港というふうに考えております。 したがいまして、その規模の大小等どうするかという問題は、これは将来の日本の原子力船をどうするか、二船あるいは将来船をどうするかという問題とも絡み合って決まってくる問題でございまして、これは、ただいま原子力委員会で懇談会をつくって検討中でございますので、そういうものが固まってまいりますれば、おのずから規模等も決まってまいるというふうに考えております。
○山原委員 そうしますと、ちょっと聞きづらかったのですが、いわば青森から「むつ」を一時的に移動さすための仮停泊とか、あるいは燃料を積むとかということの対馬を考えておって、そのほか、原子炉を取りはずして修理をしたり、あるいは原子炉を取りつけるとか、恒常的な施設を置くとかいうようなことでいま候補地を探しておるのではない、こういう意味ですか。
○佐々木国務大臣 修理は、やはりドックに入れないと修理できないわけでございます。ですから、そういう点もいろいろ考えて、「むつ」を私の方で受けてよろしいという話し合いがつけば、今後の建設計画等机上では考えておりますけれども、具体的にいざ建設ということになりますと、いろいろな問題がございますから、あるいは第一期、第二期工事ということもございましょうし、そういう点も考えつつ具体的に進めていきたい、こういうふうに考えております。
○山原委員 じゃ、対馬の場合は、一時的な停泊、燃料を積むとかいう問題と、あるいは永久的、恒久的な施設をつくってやるという問題と、両方考えておられるという意味ですか。それから、そういうことも県知事に対しては打診をしているのですか。あるいは地元の国会議員に対しては、そういうことを含めて打診をしているのですか。
○佐々木国務大臣 そういう具体的なことは、現地をまだ見ていないのですから、ですから、これから調査に行くことについての現地の御了解も得、あるいは知事さんの御協力を得られれば、あるいは国会議員の皆さんの御了解も得られれば、ひとつ現地に参りまして調査もさせていただきたい、それから実際の建設計画もつくってみたい、そして安全性等に対して御理解も得たい、こういういわば非常に慎重な構えでいっているのでございまして、前から申し上げるように、中央で何から何まで全部つくっちゃって、現地が何と言おうがこれでやるんだということじゃないのでございますから、どうぞその点はひとつ御理解いただきたいと存じます。
○山原委員 かなりあいまいな、漠然とした形で新母港といいますか、とにかく新母港という言葉を使っておられるのですから、その新母港は、それはそういうことでは、まずしばらくこれはだめでしょうね。選挙のことが出たが、総選挙だっていつあるかわからぬから、選挙のあるたびに先に引き延ばすということになってくると、また問題ですね。だから、これは協定の立場から言えば、これは協定は明らかに現実の問題として守られなかったということは事実なんですよ。だから、その上に立ってどうするかということをお考えになっておるんだろうと思いますけれどもね。 だから問題は、私がこれから申し上げる問題なんです。なぜ反対が起こるか、あるいはなぜ協定を守れと青森の方たちが言っておるか、出ていけと言うのも、入ってもらっちゃ困ると言うのも、これは私は当然だと思っている。それは、今度の五月十三日に出されました「むつ」放射線漏れ問題調査委員会の報告書ですね、これが日本の原子力行政の根本の欠陥を一応指摘をしているわけです。「むつ」のあれだけの放射線漏れという重大な事件を起こして、それに対して結果が、一応報告書が出てきた。しかも、その報告書の中には、日本の原子力行政の全般的な欠陥についても指摘をしておるという事態の中で、安全性というものが保障されないという状態になってきたわけですね。これに対して、政府がどういう対応するかによって問題は解決していくわけです。 まず第一番に、この原子力船開発事業団は能力なき事業団だという指摘がなされているのですが、これに対して長官はどういうふうにお考えですか。
○佐々木国務大臣 もう一遍、失礼ですが……。
○山原委員 この放射線漏れの調査委員会の報告書が出ましたね。これには、全般的に言っておったら時間がありませんが、たとえば、原子力船開発事業団は能力なき事業団だということになっているのですよ。これについてどうお考えになっていますか。
○佐々木国務大臣 初めに、お答えする前に、さっき私の答弁の中で、「むつ」で直すとかという話をしたそうですけれども、これは明らかに間違いの発言でございますので、「むつ」で直すなんということは言っておりませんので、この点は訂正いたします。新母港で直すのが、あるいはドックで直すのが当然でございましょうから、もしそういう発言をしておったとすれば、訂正を申し上げたいと存じます。 それからあの報告書、私も丹念に読んだのですけれども、事業団に能力がないというんじゃなくて、技術的な統括と申しますか、あるいは一貫性と申しますか、そういう点に欠けておったんじゃないかという御指摘が確かにございます。それは確かにいろいろ人の入れかえがあったり、あの事業団自体が時限立法に基づく事業団でございますから、そういう点は、私もいま考えますと大変遺憾でございますけれども、それこれで大山機関が指摘したようなことは、まさしくあったんじゃなかろうかというふうに実は考える次第でございます。
○山原委員 原子力委員会が、昭和四十二年十一月十五日だったと思いますが、安全審査の報告書を出しています。これを読みますと、原子力船開発事業団は十分な能力を持っているという発表がなされている。これは国会でもそういう発言がなされているわけですね。ところが、今回の事業団に対する評価ですね、これはこの原子力委員会の安全審査の報告書とずいぶん違うと私は思うのですが、これについて原子力委員会の方で検討されたことはありますか。
○福永政府委員 四十二年十一月の、先生ただいまお読みになりました資料は、私どもの安全審査報告書の「技術的能力」のところかと存じますが、事業団の「技術的能力」とそこで申しておりますのは、原子炉を設置し、先行き運転するということを踏まえまして、原子炉主任技術者を中心として、その他関連する技術者を擁しているということでございます。他方、「むつ」放射線漏れ問題調査委員会の提言がございますが、その提言の第一項についてただいま先生御指摘かと承知いたしますが、それでは、「事業団の組織を、単なる事務処理機関的性格のものから、一層技術的な能力をもったものに改めること。」こういう何と申しましょうか、事業団全般の技術スタッフと申しましょうか、そういう技術スタッフの充実、こういうことを指しておられるのではないかと思うわけでございます。 したがいまして、当初この安全審査の報告書で申しております原子炉の設置、運転といったような「技術的能力」と、こちらで、大山先生の方の委員会でおっしゃっております「技術的な能力」というものは、直に結びつくものではないと考えております。
○山原委員 この事業団に関する部分だけちょっと抜き書きしておりますから読み上げますと、原子炉の基礎的研究や実験は事業団の業務に含めなかった、二十八ページ。特に事業団が専従の研究者や技術者を置かなかった、二十九ページ。遮蔽実験でも事業団は十分な体制をつくることができなかった、二十九ページ。研究の責任者、技術者がしばしば交代した、四十一ページ。事業団が細部の計画についてかなり業界に依存した、三十ページ。それから同じ三十ページには、企業は利潤追求に重点を置いた。結局、事業団は事務処理だけの組織であったということになるわけですね。こういうことで「むつ」が発足をしているわけですよ。 だから、こういう点から考えましたら、実際これらについて一体どう解決していくのか、これがまず一つです。これは事業団の理事長さんもせっかくお見えになっておりますから、どういうふうにこれを受けとめられておるか、お聞きしたい。 それから二番目に、安全審査についての指摘も、これはもう時間がございませんから申し上げませんけれども、これは主として三十二ページですが、安全審査にふさわしいものでないわけですね。たとえば三十二ページのあるところでは、原則として書面審査のみであるということも書かれているわけでございます。さらに同じ三十二ページには、申請された原子炉の安全性についての計算について、再計算によって確認することは事実上困難、こういうことも指摘されている。これは安全性の問題です。こういう状態で、かつての森山長官は安全だ、安全だと言ってきたわけですね。この安全だということを、まだ政府は取り消しておりません。 それから今度は、政府の責任の指摘も一応なされているわけです。五十一ページ、監督の不行き届き、欠陥原子炉をつくることを許可した問題を指摘している。そして提言の中には、「各企業も、企業秘密の殻に閉じこもることなく、それぞれの技術を結集して適切な作業を進めて行くという社会的道義的責任を自覚」せよというような指摘がなされているわけですね。 こういう全般的な欠陥、これについて政府がどうこたえていくのか、どういう体制をこれから築いていくのか、ここがまず問われているわけです。これを解決して初めて国民は納得できるでしょうし、その結果、たとえば新母港の問題が出てくるならば話はわかるのですよ。けれども、五月十三日にこれが出されて、それに対する対応策が何もいま出ていない。新母港だけは次から次へとつくろうとする工作がなされる。ここに問題があるわけです。私は最初からそのことを言っているわけですね。だから反対が起こるのは当然だ。この問題の決着を政府はどこでつけようとしているのか、これを聞きたいわけです。どうです。
○佐々木国務大臣 委員会の御報告によりまして、これから改善を加える分野と、指摘を待つまでもなしに改善をしつつある問題と二つございまして、それを各預日別にお話しすればあれでございますが、客観的に申しますと、機構の問題等に関しましては、御承知のように、閣議では新しい機構をつくってはいかぬという決定があったにもかかわらず、原子力の安全問題に関するのみは特例といたしまして局をつくって、ただいま御審議をいただいておるような状況であるのみならず、今後の全般的な安全の研究、あるいは審査、検査、あるいは国民の御理解等に対する国の機構等はどうしたらよろしいかということは、総理の私的諮問機関として特別な機関を設けまして、有沢先生が議長になってただいま進めつつあることは御承知のとおりで、これは、恐らく秋口には結論が出るのじゃなかろうかと思います。 それから事業団の方は、これまたいろいろ御指摘のような問題がございましたので、人員も入れかえ、新しい理事長のもとに、ただいま御指摘のございました「むつ」そのものの修理をどうしたらよろしいか、あるいは総点検はどうしたらよろしいか、その具体的な技術的な点を新しい陣容で、あるいは在野の達識と申しますか、技術者の皆さんの御協力を得まして、ただいま鋭意検討中でございます。 その他、御指摘のございましたようないろいろな点に関しましては、十分反省を加えまして、私どもはいままでの行政そのもの、あるいは原子力に対する進め方等が全部満点だなんということはゆめゆめ思っておりませんので、皆様の御協力を得まして直せるものは逐次直し、そして国民の負託にこたえるように持っていきたいというのが念願でございますから、大山機関の御指摘はまことにありがたい御指摘としてちょうだいいたしまして、それにこたえ得るよう、今後あらゆる面で御指摘の線に沿うて進んでいきたい、こういうふうに考えております。
○島居参考人 私、先月理事長を拝命いたしまして、いままでの経緯については、実はいろいろのものを読んだり聞いたりしただけでございますが、きょう初めて原子力船の問題に関してこういう席に出席をさせられまして、新聞その他読み物で読みますよりも、現実に皆様からいろいろ御教訓のある言葉をいただきまして、私としてもまだ初めてでございますが、今後この立て直しをやっていく上においては、きょうは非常に参考になりまして、まずお礼を申し上げたいと思うのであります。 それから、事業団といたしましても、まだ私だけがかわったのでありまして、ここにおられます大臣とも御相談いたしまして、その他の人事の刷新をまず図りたいと思っております。 それから、いろいろお話のございましたところも、言葉の端は別にいたしまして、御意思のあるところ非常にごもっともだと思うところも多いのでございます。また、この「むつ」の放射線漏れ問題調査委員会の調査報告書を拝見いたしましても、これまた非常にもっともなところが多いと私は感ずるのであります。 そこで、何はおきましても先ほど問題になっております、まずこの「むつ」そのものの改修をいたさなければなりませんので、あとの幹部の人事は、これは相手のあることでございますので少しは時間がかかりますが、とりあえず、今後の遮蔽改修のことをやっておるわけでございます。改修のためのまず詳しいデータを得るために、御存じのように、一次遮蔽体から放射線漏れの量を計算により解析、評価いたしますとともに、遮蔽改修につきまして、構造、強度、工事の方法、材料等の面から検討いたしまして、幾つかの案を考えて比較検討いたしております。それから、これらを整理した上に、遮蔽性能の計算及び遮蔽改修が船体に及ぼす影響についても技術的に検討することにいたしております。その結果によりまして改修のための基本計画をつくりまして、改修のための設計を進めるに当たっては、万全を期するため、関連する試験研究をも並行して行うこととし、遮蔽性能、材料の強度等についての試験を行って、設計、計算等の結果を十分確認しつつこれに当たる所存であります。 こういう段取りで、この方はもうすでに取りかかっておりまして、四月二十二日に第一回の会合をやっておるようなわけで、逐次かように、事業団だけでやれるものについてはやるし、また、ほかの団体あるいは政府その他と話し合いしなければならないものについては、目下話し合いして進めていっておるような次第でございます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
○山原委員 関連質問もありますのでこれでおきますが、この報告書の中に、特に企業秘密の問題なども出てまいりまして、この放射線漏れ問題調査委員会が、企業秘密の問題について果たして触れることができたのか、全貌を見ることができたのか等の問題がありますので、私の党の理事の瀬崎さんにもお願いしたいと思うのですが、委員長にお願いするわけですが、三菱原子力工業の責任者、そして大山委員会の責任者を当委員会に、日を改めてお呼びくださいますように最後に要請をして、私の質問を終わりたいと思います。
○八木委員長 ただいまの御要望につきましては、理事会にお諮りをしまして協議をいたしたいと思います。 関連質問を許します。津川武一君。
○津川委員 時間がないので、先に全部の項目を申し上げますから、書いて的確に答えていただきたいと思います。五つでございます。 一つは、いま問題になっておる協定、これは鈴木善幸前自民党総務会長が署名をしておるが、政府の方針として認めて、この実現に当たることが必要だと思うのですが、そのとおりであるかどうか、この協定は、三木総理大臣に話して承諾を得てやっておるのかどうか、これが第一の質問です。 第二の質問。協定をつくったのは、漁民たちが何日も仕事を休んで漁場を守るために闘った。私もあの現場におったけれども、海上保安庁は漁民を検挙しようとしていた。そういう危険まで冒して、やっとのことで協定した。こういう漁民の苦しみに対して、協定を結んだ側が責任をもって協定を実行しなければならぬ。現実に実行されていない。この責任をどう感じてどうとるのか、これからこの責任を果たすためにどうするのか。いま一項の二が問題になっているけれども、一項、二項にたくさん公約したことがありますが、この公約がどうなっているのか、どう実現するのか。この最後の、一項、二項での公約はどうなっているのかは、時間がないので、きょうは答えていただかなくていい。この委員会に文書で提出していただきたい。委員長にもお願いしますが、文書で取っていただきたい、質問の時間を節約する意味において。これが二つ目の質問。 三つ目は、いま議論になったとおり方々で返上、なかなか受け付けない。そこで、再びむつ市に定係港を持ってくる、そういう心配はないのか。三月二十日のこの委員会で、長官が私にはっきり、ありませんと申しておる、それを再び確認していいのか。というのは、一部地元自民党の中から、再び持ってこようとする大変不逞な運動が起きておりますので、この点が第三点。 第四点。この五月十三日に「むつ」放射線漏れ問題調査委員会で出した報告書、これをどのように受け取っているか。これは私たちの指摘したとおりになってしまった。特に十五ページ、「今後、地元の住民に、責任をもって積極的に接触、交渉し、正確な情報を伝え、理解を深めるよう努力をすること。」この調査委員会の調査報告書を鏡にするならば、いまみたいに隠微な交渉はぼくはできないと思う。この点が、「地元の住民に、責任をもって積極的に接触、交渉し、正確な情報を伝え、理解を深める」という、むつで繰り返したのと同じことをやっている。こそこそやったり、地元の了解を得ないでやっている。これを根本的に改めなければならぬ。その鏡がこの報告書の十五ページに出ている。ここのところをどんなふうに検討し、このとおりやるのか、これが四つ目。 五つ目。最後に、このように「地元の住民に、責任をもって積極的に接触、交渉し、正確な情報を伝え、理解を深めるよう努力」しても、うんと言わなかったらどうするか。この報告書ではさらにこうも言っている。「未知の部分が多かったことに加え、相互の連絡も十分でなかったため、事態を正確には握し、適切な判断を施して、設計、建造に反映させるということができなかった。」こういう点をはっきりさして、大胆にやって、どうしても受けるところがなかったならば、原子力船を廃棄して貨物船にするなどして、この調査報告書が指摘しているような新しい原子力船、これこそ公開して、自主的に、民主的に平和利用の立場で新しくつくる、こういう考え方が必要かと思っておりますが、この五点について答えていただきます。
○佐々木国務大臣 まことに簡明な御質問で、お答え申し上げます。 第一点は、四者協定はその後、関係閣僚の協議会のようなものがございまして、そこでそれを了承してございますので、前田中内閣といたしましては、その協定を承認したものと思います。したがって、三木内閣になりましても、行政は継続いたしますから、そのまま生きておるものと思いまして、その線に沿いましていろいろ努力中でございます。 第二番目は、公約の実行に対しては、それは文書で出せと言っておりますから、詳しい話は申しませんが、しかし、大きく分けまして三つございまして、一つは、いろいろな予算的な措置を要する事項がたくさんございますが、これは完璧にやっております。よく御存じだと思います、現地ですから。二番目は、燃料棒を抜かないでそのまま係留しろということ。三つ目の問題は、第二母港の問題でございますが、これは、先ほど来るる長い間御説明したとおりの現状でございます。 それから、むつにまた持ってこないか、そういう御疑念のようでございますが、ただいまのところは、そういう考えは全然ございません。 それから、大山機関の報告をどう受け取っているか。これも先ほど山原先生から御質問ございましたので、詳しく答弁申し上げておきました。 ただ、理解いただけませんで、お言葉を返すようで恐縮でございますけれども、津川さんまでこそこそ何かやっているという御非難のようでございましたが、全くこれは心外でございまして、真意をもってこれからやろうというときにこういう問題が起きたので、こそこそでも何でもないのでございます。住民の方にいろいろ説明に参りたいと思っておったやさきに、いまのままでいきますと、またむつと同じようなかっこうになりますから、しばらく、現地へ行って説明をしたりあるいは実地調査をしたりするのは、静観いたしたい、こう申しておるのでございますから、こそこそなどというのは、どうも少し御理解がいただけないように存じますので、そうじゃないということを、先ほどから申し上げました。 それから五番目は、最後にどこもなかったら、放棄するか、船をつぶしてしまうかという御質問でございましたが、これは、いまから想定する問題じゃございませんので、せっかく世界の第四船として原子力船ができて、これは国民の皆様の御期待に沿えるように、今後修理をしあるいは実験をして、その後の活躍にまちたいという念願で、ただいまこれの活用方をせっかく勉強中でございますので、ゆめゆめ放棄なんということは考えておりません。
○津川委員 そこで大臣、田中内閣と政治の継続がある、そこで三木内閣もそう思う。しかし、こうなったので、一度三木総理と、この協定をやるということを相談してみる必要があると思うのですが、これが再質問の一つ。 二つ目には、四月十三日までに新定係港を決めると言って決めていないのです。地元のあれほど苦労した漁民が怒っている。これに対して責任をどうするか。せめて長官か、協定した鈴木善幸前総務会長あたりが行って、漁民に状態を説明して、おわびぐらいしなければならぬ。これが行政の責任だと思うのですが、これをどうされるか。 三つ目。こそこそじゃないと言うが、十三日に出したこれには何と書いてある。「地元の住民に、責任をもって積極的に接触、交渉し、正確な情報を伝え、」地元代議士に内意を求めよなんて書いてありませんよ。「責任をもって積極的に接触、交渉し、正確な情報を伝え、」この点がぜひ必要なわけです。だから、ぼくがそう言うと、津川さんまでもがと言う。そうじゃないのよ。あんたたちがやっているのがそうなんですよ。このつもりでおやりになるか。またやらなければならぬと思う。 この三点答えていただいて、質問を終わります。
○佐々木国務大臣 もちろん、同じ内閣でございますから、三木総理大臣に経過をお話しします。細かい話は、もちろん前内閣の意図をそのまま継承して努力しますよということは、言っております。三木さんも、この問題は大変慎重を要する問題なので、慎重にやってくださいということで、決してこそこそやれなんて言っておりません。もちろん慎重にはやっております。 それから、四月十四日の問題でございます。これは先ほども詳しく申し上げましたように、三月二十七日に片山政務次官がわざわざ現地に参り、当時の契約者の一人でありました鈴木善幸先生もお立ち会いになって、そして、県知事だけじゃいかぬと知事さんおっしゃるから、知事さん、同時にまたむつの市長さん、それから漁連会長の四者に集まっていただいて、あの契約を結んだ当事者がそのまま再現して、そして片山政務次官から、四月十四日に中央としては決めます、しかし、これは中央で決まったからいいという問題ではないので、現地に交渉に入りますが、その交渉に入るのは統一地方選挙後にしてください、理由はこれこれですというお話をして、それはそのとおりである。そこで、正式の交渉に入りました際には、皆さんには遅滞なく御報告申し上げますよということ。それから第四番目には、二年後には約束どおり「むつ」は青森から移しますよ、この点だけは変えません、こういうことを現地に行ってお話を申し上げてきたわけでございますから、これは、別におわびとかなんとかという問題でなくて、実に堂々とした話じゃなかろうかと私は思うのです。向こうでも、これでしようがないじゃないかということなんでございますから。 それから第三点は、こそこそでも何でもないですよ。地元住民に情報を伝えあるいはその他の理解を深めるために接触すべきだ、お説のとおりで、そうしたいんですよ。ただ、そうする前に、地元の国会議員に何ら断りなしに選挙民にこうだと言ったら、その地元の国会議員はどういう感じがいたしますか。政治道徳としてそんなことは許されるわけがどだいないと思いましたので、国会議員の中でも、まず自民党から、それから社会党さん、民社さん、そして公明党さんにお話しに行こうというときにああいう問題になってしまったものですから、もうしばらく静観しよう、こういうふうになっているのです。ですから、こそこそどころじゃなしに、堂々と仁義を切ってやっておるわけですから、私は、どうもそういう御非難は余り当たらぬと思います。ですから、現地にお話し合いに行く以前に、静観せざるを得ないような状況になっておるということ、そういうことをお話し申し上げておる次第でございます。
○津川委員 委員長、これで終わりますから……。
○八木委員長 時間が来ておりますので。
○津川委員 終わりますが、長官、一度だまされてもまだがまんするの。二度だまされればもうがまんできないの。あなたたちは三月に行って、一斉地方選挙が終われば決めると言ったでしょう。それが、だまされているからいま怒っているのです。この点は指摘するにとどめておきます。 第二の指摘。全部予算で組んだなんてうそ。うそを言わないで。道路なんてまだ決まっていません。この点は、予算の中でまだ決まっていないところがある。だから、私が文書で求めているのはそういう意味なんです。この点を指摘して、それから委員長に……
○佐々木国務大臣 事実と違いますから、御答弁申し上げます。 道路の予算はつきましたですよ、あなたのお話もありまして。おかしいですよ。
○津川委員 それは文書を出してください。長官と現地の評価が違いますので、それは文書で出していただいて、その上で、もう一度私なり瀬崎委員なりがここでやりますから。地元はまだ納得していませんから、この点お願いします。委員長が取り計らうようお願いいたします。
○八木委員長 いま津川委員から要求が出ております文書による回答、お願いできますか。――では、早急に御提出をお願いしたいと思います。
○津川委員 終わります。
○八木委員長 次に、近江巳記夫君。
○近江委員 まず、初めに「むつ」問題でお聞きしたいと思います。 長官も、新しくなられまして非常に苦しんでおられることもわかるわけでありますが、現実にこのように鈴木さんとの間に協定を交わされまして、これは政府の約束でございますし、長官は政府の、言うならば当事者として最高責任者であります。そういう点におきまして、現実に四月中旬ということが、これだけずれ込んでおるわけです。 ところが、先ほどからの答弁を聞いておりまして、これだけおくれたということについて、申しわけなかったとか、率直なそういう気持ちというものが出てないわけですね。ですから、私はまず初めに、こういうずれ込んだということについての率直なあなたの御答弁をお伺いしたいと思うのです。
○佐々木国務大臣 誠心誠意努力しておりまして、ただいまも継続中でございます。ただその間、契約いたしました青森側に対しては、事情を逐次お話しして御了承を得つつ進めております。 こういうことでございまして、これは相手のあることでございますので、長崎の方面とは、さっきから申しましたように、事態を静観中ということでございますから、今後、さらにまた事態を見ながら、いろいろ折衝に入るかもしれませんし、これは、その後の経過を見た上でというふうに実は考えております。
○近江委員 私が言っておりますのは、いわゆるむつの地元の方、また青森県、漁業関係者をはじめそういう関係者の人々に対して、これだけ政府が約束をしながら、ここまでおくれておるということに対して、まず率直ないわゆる謝罪なり、率直な長官の感想なり、そういう御答弁を私は求めておるわけであります。
○佐々木国務大臣 ですから、現地の方には、こういう事情なので御了承ください、延びておるのはこういう事情ですからという御了解を得ているわけですから……。
○近江委員 御了解を求めるその前提には、やはり現地に約束したことがおくれておるわけです。これは関係者だけではなく、国民注目の中でこういう協定も行われておるわけです。ですから、政府がその約束を守るか守らないかということは、これは国民全体にとっての大きな関心になっているわけです。ですから、おくれておるということ自体、これは責任という点において、申しわけなかったという率直なそういう気持ちというものが、言葉というものが前提になって、そして地元に対しても了解を求める、こういうかっこうになるんじゃないかと私は思うのです。この問題は、国会の本委員会においてずっと大きな問題になってきたわけですし、政府が約束しながらずれておるということに対して、率直に政府としては、申しわけなかったという言葉が全然出ておらぬわけですよ。率直に出ないわけですか、長官。
○佐々木国務大臣 申しわけなかったと言えと言われれば、幾らでも言いますけれども、実際はそういうことで現地に話しておるのですよ。ですから、こういうふうにおくれますから御了承くださいということは、申しわけないということなんで、それを謝って、後やめました、それで済みますかというと、そうじゃないでしょう。やはり責任ある態度としては、延びておりますけれども、片づけますということが政府としての毅然たる態度であって、謝ってそれで済むのであればまことに簡単ですけれども、そうじゃないと私は思います。
○近江委員 私もそう思いますよ。それはあたりまえですよ。これからきちっと約束を果たさなければならぬわけですから、ですから、先ほどからもいろいろな論議が行われておるわけです。いずれにしても、政府の約束はずれ込んでおるわけですから、この点は、申しわけなかったという前提がまずあって、そして今後こうしていくという、それが出なければいけないと思うのです。 ですから、その点について長官としては、まず前提として、本委員会におきましても、必ず四月の中旬にはそうしますということをおっしゃっていたわけですから、これはずれているじゃないかということに対して、あなた自身の率直な感想をひとつお聞きしたいと言っているわけです。どうしても長官謝れとか、そこまで私から言わせたらおしまいだと思うのですね。それをお聞きしているわけです。
○佐々木国務大臣 これは大変むずかしい解釈でして、十四日までに何にもやらなかった、決めてもなかったということになると、お説のようにこれは大変ですけれども、そうじゃなくて、あの状況下において中央ではできるだけのことはしたけれども、現地の交渉はかくかくだという経過を述べたのでありまして、十四日に計画どおり、現地まで全部ひっくるめて決まらなかったということが御非難であれば、それは残念に思っていると言う以外にしようがないですね。それはそうなっていないのですから。
○近江委員 この問題は、それでいいと思います。 それから、新母港を決定するまで冷却期間を置く、このように示唆されているわけですね。そうしますと、二年半で撤去をするとして、新母港の建設にはかなりの時間もかかるわけですから、冷却期間ということが、これまた一つ問題になってくるわけでありまして、新母港の建設ということから考えますと、ぎりぎりのタイムリミットというのはどのくらいなんですか。
○佐々木国務大臣 私は、あのときの二年半という計算をどういうふうに出したか、スケジュールというものはよく聞いていないのですけれども、しかし、「むつ」を移転させるに際しまして新母港が、大きい設備と申しますか、港湾として完璧な設備、港湾としてはこれはもう最高のものだというふうな設備をつくらなければ移せないかというと、そうじゃないんじゃないか。水深があって、そこで燃料棒の入れかえ等ができるようになっておれば、「むつ」は動かせるわけであります。港湾として第二期、第三期の計画がその後どういうふうに進むか、それは問題だろうと思いますが、いろいろ考え方があるわけでございますから、そう窮屈に考えぬでもいいんじゃなかろうかと考えております。
○近江委員 それは非常に抽象的な御答弁だと私は思うのです。この点、原子力局長、おらなければ次長でよろしいが、ぎりぎりはどのくらいだと見ているのですか。
○福永政府委員 基本的な考え方は、ただいま大臣から申し上げましたようなことかと思います。 事務的に考えてまいりますと、母港が決定いたしますと、気象、海象等の調査あるいは建設のための調査等々もございます。他方、かつてむつで母港を建設した経験も持っておるわけです。そういうことを勘案いたしますと、調査等の期間はございましょうけれども、建設そのものは、かつてむつでつくりました際は、あれだけの設備をするのに全部で大体三年ぐらいかかったかと思います。しかしながら、これもすべて現地の調査の結果、それに伴う技術的な港湾の設計、建設の計画等によって大きく左右されるものでございますので、いまのところ、具体的にいつまでがデッドラインかということは、事務的にもちょっとむずかしい状況でございます。
○近江委員 確かに、そういう母港の状況で変わってこようかと私は思うわけですが、この冷却期間というのは、大臣としては、腹ではどのくらいと思っておられるのですか。
○佐々木国務大臣 冷却期間というと、これは解釈のしようによってはどうとも考えることができるので適当じゃなかろうと思いますけれども、要するに、いまのままで知事さんとか市町村長と正式の交渉に入るということになりますと、恐らくは、その交渉を受けました知事さんも、市町村長あるいは漁連の皆さんのところも、大変困却するだろう。もう少し事態を見まして、いろいろその間にやりようもあるでしょうから、そういう点も考慮しつつ、正式交渉に入るのを少し延ばしているのだ、こういうふうに解釈していただけばいいのじゃないか。何か冷却期間というと、騒ぎが全部おさまって、未来永劫騒がぬのだというところまで待っているのかということになると、これは何ぼ先かわかりませんので、そういう意味ではございません。皆さんの言うように、余り迷惑をかけないで、合意の上でということで本筋をわきまえていくとすれば、あらゆる機会を通じまして皆様に御理解をいただけるような方途というものは必要なわけでございますから、そういう点を踏まえまして、今後どうするか、ただいま考慮中でございます。
○近江委員 これ以上言ってもその期間は出ないと思いますが、いずれにしても、政府がこれだけのことを約束しているわけですから、責任を持ってやっていただきたいと思います。 それから、「むつ」放射線漏れ問題調査委員会の調査報告書を見ますと、私たちがかねて指摘しておったのとほぼ同様の問題点が指摘されておるわけです。こういう問題につきまして、今後これを受け、政府としてどうしていくかという問題ですね。これが一つ。 それから、西ドイツのGKSS、海運原子力利用会社ですか、こうした構想を、今後取り入れようという動きがあるように若干聞いておるわけですが、この辺の事情についてはどうか。 以上、二点についてお伺いしたいと思います。
○福永政府委員 最初の、総理府に置かれました「むつ」放射線漏れ問題調査委員会の報告、これをどういうふうに受けとめているかという御質問でございますが、この報告書の十四ページ、十五ページあたりに、「今後の進め方についての提言」というものが大きく分けまして六項目ございます。内容を簡単に申しますと、事業団に技術的能力をもっと持たせるようにする、あるいは「むつ」自体の総点検を改めて行って必要な改善、改修をする、それから先ほど来お話に出ておりました、地元住民に正確な情報を伝えて積極的に理解を深めるように努力をする、こういったような内容でございますが、これは、私どももこのまま率直に受けとめておりまして、内容の一部につきましては、事業団の技術陣の強化というあたりで、私どもがすでに着手しているものもございます。それから技術的再検討を行って必要な改善、改修をすることにつきましても、事業団を中心にいたしまして技術的に、改修計画と申しましょうか、そういうものを固めつつあるところで、一部については実行を始めているところでございます。 それから、GKSSでございますが、西ドイツのGKSSはオットー・ハーンを運航している会社で、その後も引き続いて実用化の原子力船を建造する計画も進んでいるようでございます。このオットー・ハーン号は、就航以来鉱石運搬船として実用に供されておりまして、非常な成果を上げております。こういった情報もぜひ今後積極的に取り入れてまいりまして、事業団の改善計画、さらには将来の原子力船計画というところに反映させてまいりたいと思っているわけでございます。
○近江委員 この「むつ」問題というものは、わが国の原子力問題における象徴的な事件であったと私は思うのです。こういう点におきまして、こうした調査報告も出ておるわけでありますし、謙虚にこうした点を受け、ひとつ充実した体制をつくっていただきたい、このように思います。 それから、次に柏崎の原発問題をお聞きしたいと思うのです。 原子力委員会としては、この二十日に安全審査を開始するよう指示したというように聞いておるわけでありますが、こうなってまいりますと、当然公聴会という問題も出てくるわけですが、特にこの柏崎の問題につきましては、本委員会でも何回も指摘しておりますように、地盤の問題等も、活断層の疑いもあるわけでありまして、非常に心配されておるわけであります。そういうことで、綿密な審査が必要であろうかと私は思うわけですが、まずこの公聴会については、いつごろやられるのですか。
○生田政府委員 ただいま先生のお言葉にありましたように、五月二十日の原子力委員会の会議におきまして、安全審査に付するよう決めたわけでございます。 従来と申しますか、前回福島の公聴会をいたしましたときの内規によりますと、安全審査の開始後なるべく速やかに公聴会を開くということになっております。なるべく速やかにということは、具体的には、三カ月以内ということでございますが、今回の柏崎につきましてはいろいろな問題もございます。新潟県当局との打ち合わせその他もございますので、三カ月の福島のときの内規にはこだわらないで公聴会の開催期日を決めたい、かように考えておりますが、ただいまのところ、いつ開催するかというのは、まだ決めておりません。
○近江委員 公聴会はやることは間違いないのですね。それはどうなんですか。
○生田政府委員 公聴会の開催を決めまして、一昨年第一回の公聴会をやったわけでございますので、現在の時点におきましては、その一昨年の公聴会の開催要領がそのまま生きております。原子力委員会といたしましても、公聴会をなるべく開催するという方向で考えているわけでございますが、その具体的な内容、方法等につきまして、なお検討を要する点が多分にございますので、その点をまず検討いたしたい、かように考えております。
○近江委員 この原子炉の設置に係る公聴会開催要領の実施細則は、四十八年七月二十四日に原子力委員会でおつくりになったわけですが、これには、「公聴会は、原子炉安全専門審査会が当該原子炉の安全審査を開始した後三月以内に開催するものとする。」とある。いまの局長のお話ですと、必ずしもこれにこだわらない。そうしますと、こういう細則というものをお決めになっておっても、いわゆる中身というものはこだわる必要がないんだ、こういう点からいきますと、福島におきますあの公聴会というものは、極端に言えば、ああいう中身であれば公聴会とは言えない中身じゃないかと私は思うのです。その点の問題点については、いろいろと政府としても掌握なさっておると思いますが、今後のこの公聴会のこういう開催のあり方ということについて、政府としては、それじゃどういう改善の中身を考えておるのですか。
○生田政府委員 ただいま先生御指摘がありましたように、前回の福島公聴会の開催の方法それから内容等につきまして、その開催の前後に、この国会におきましても、あるいはマスコミを通じましても、いろいろな御批判をいただいたことは、私ども重々承知しております。 私どもの考え方といたしましては、いろいろな角度からの御批判をいただいたわけでありますので、なるべくその御批判を真剣に受けとめまして、次の公聴会の開催には反映させるようにいたしたい、かように考えているわけでございますが、具体的にそれではどういうふうに改善し、どういうふうに変えるかということにつきましては、ただいま検討中でございますので、現在のところ、はっきりした形でこういうふうにするように決めたというようには、まだ申し上げられない段階でございます。
○近江委員 柏崎の公聴会が三カ月以内、これについては若干ずらすというようないまニュアンスがあったわけですが、しかし、細則の変更等につきましては、これはもうすでにいまの時点でやっていかなければ、やはり現地に対して、いわゆる告示するとかいろいろなそういう手続きもあるわけです。そういう点からいきますと、先になってから考えるというような、そういう姿勢というものは、また同じスタイルで、形式で、ただゼスチュアだけすればいいのだ、こういう公聴会であってはならぬということを私は申し上げておるわけです。ですから、当然この点については考えようという問題点は、すでに政府としてはチェックをし、お考えになっておると私は思うのです。 たとえば、公聴会開催の要領からいきますと、原子炉だけが対象となっておるわけですが、いわゆる原子力発電所の設置が自然、社会環境にいかなる影響を与えるか、こういうような視点からも当然問題にしなければならぬわけでございますし、また、その開催の時期ですが、これは、電力会社が原子炉設置許可申請書を提出した後になっておるわけですが、こういう時点におきましては、原子炉の設置を前提とした工事が進行しておるところもあるわけですね。これでは、設置の可否を根本的に検討するという公聴会の持つべき任務が、初めから形骸化しておるのではないか、こういう大きな問題点もあるわけです。あるいは福島の場合におきましては、資料等につきましても、電力会社が一方的につくり上げたそういう資料だけしか配られていない。いままで審査会が事前にいろいろな点についてチェックをして、論議もしておると思うのですが、そういうような中身等につきまして何の資料もない。資料一つの問題を見ましても、そういうような問題もありますし、あるいは発言につきまして十五分間、しかもその中で、福島の場合は賛成意見の方がはるかに多かった、こういう非常に不公平な問題もあるわけですし、そういう疑問点に対して、解明を一体どうするのだとか、一方的に聞く、どれだけ取り上げておるかどうかという問題も大きな問題があるわけですが、そういういろいろな点を見ていきますと、こういう形式的なゼスチュアのような公聴会であってはならぬと私は思うのです。特に柏崎等につきましては、先ほど申し上げましたように、地盤のそうした問題もございますし、そういう点で形式的な公聴会であってはならない。 そこで、少なくとも何点かは、政府として今後公聴会についてはこういう問題を取り上げていきたいということは、当然考えておるのがあたりまえなんですよ。その点についてはどうですか。
○生田政府委員 先生御指摘のように、かねがね私ども事務的に福島公聴会の経験、あるいはそれに対して寄せられました御批判を参考にいたしまして、いろいろ検討を進めている段階でございます。 ただ、先ほども申し上げましたように、この開催に当たりましては、いろいろ関係方面と十分打ち合わせあるいは意思の疎通を図っていくことも必要でございますので、それも並行して行っている状況でございますが、まだ最終的に、どういうふうなやり方に変えるとか、あるいはどういうふうなやり方で今回行うとかいうことを、具体的に決定するまでに至っておりませんので、もうしばらく御猶予をいただきたいと考えております。
○近江委員 私は、柏崎は当面する個所であるし問題点でもあるからいま出しておるわけでありまして、いまの政府の姿勢から見ておりますと、原発をどんどんつくっていくと、当然公聴会は今後開催しなければならぬわけであります。そういう点におきまして、その中身について私は何点か指摘をしたわけですが、当然いまの段階において、こういう問題点についてはこうしていきたいという何らかの、ある程度の骨格というものはぼくはあると思うのですよ。福島のあの問題については当然反省なさっているわけですね。そして、この細則にしろ要領にしろ改正なさるわけですね。確認します。
○生田政府委員 福島の公聴会におきまして、それが不十分である、あるいはこういう点を改善すべきであるという御意見がいろいろ寄せられましたことは、重々承知しておりますので、そういう点にも十分意を配りまして、この開催要領の改正をいま検討している段階でございます。
○近江委員 いまそういう検討をなさっているということでありますから、その中身につきましては、ひとつ十分公聴会としての本来の趣旨が生かされるように盛り上げていただきたいと思うのです。 いまの段階として局長としては、何点かのこういう方向にしていきたいということ、それは何も決定ではなくても、どういう方向なんですか。ただ変えていきたいんだということでなくて、方向ぐらいは政府の考え方を聞かなければ、今後われわれとしてはどうしてもこれをやらなければならぬというそうした意見すらも、政府の方向がわからなければ、意見も言うことはできないわけですよ。その点はどのようにお考えですか。
○生田政府委員 大変お答えを申し上げにくい点でございまして、現在のところ、こういう方向で改正すべく作業を進めているということは、ちょっと申し上げにくい段階でございます。 繰り返すようでございますけれども、福島の公聴会に対しましていただきました御批判に対して、それにどう対応するかということを中心にいたしまして、原子力委員会でただいま検討中でございますので、いずれ原子力委員会としての方向が固まりました段階で、また御説明申し上げさせていただきたい、かように考えております。
○近江委員 そうすると、間違いなく柏崎の公聴会においては、その要領を改定した線に沿ってやるわけですね。これを確認しておきます。
○生田政府委員 実施細則、あるいは必要に応じまして、開催要領の改正をする方向で検討しております。
○近江委員 そうしますと、その改定した要領によって公聴会をやり、それで三カ月にとらわれないということでありますが、しかし、大体のめどはいつごろですか。
○生田政府委員 いろいろ関係方面の御意見をいまお聞きしまして、打ち合わせている段階でございます。 ただ、先生御承知のように、開催要領におきましては、安全審査開始後なるべく速やかにということでございまして、実施細則におきまして、なるべく速やかというのは、三カ月以内という書き方をしているわけでございます。その三カ月と申しますよりも、さきに申しました安全審査の開始後なるべく速やかにというのが重要な点であろうかと思います。つまり、安全審査が相当進行してしまった段階で地元の方の御意見を伺っても、十分反映させられないではないかということは当然でございますので、安全審査開始後なるべく早い時期に行いたいという考え方は変わっておりません。ただ、それを三カ月というふうに切りますと、ただいまそういう問題点をいろいろ検討しておりますので、三カ月以内に行うことがかなりむずかしいという感じを持っておりますので、若干それを超えることになろうかと思います。ただ、それほど大きくおくらせるということは、現在のところは考えておりません。
○近江委員 それから、建設予定地の地下に活断層があるじゃないかということを学者は指摘しておるわけですが、これは安全審査会の問題になるわけですけれども、政府としても当然何らかの調査等につきまして考えておられると思うのですが、特に他の地域とは非常に違う面があるわけですね。この辺の問題についてはどのようにお考えですか。
○生田政府委員 その点は、先生御指摘のとおりでございます。さらに新潟県知事あるいは柏崎市長からも同様の要望書が寄せられておりますので、特にその点に留意いたしまして、今回安全専門審査会に付議するに当たりましても、異例ではございますけれども、その地元からの要望に沿って、その点を特に入念に審査するようにということをつけ加えた次第でございます。 したがいまして、原子力委員会といたしましても、当然、この地盤の問題につきまして大きな重点を置きまして安全審査を進めてまいりたい、かように考えております。
○近江委員 この公聴会の問題につきましては、何度も申し上げますが、内容のある、真にそうした意見が反映できるような、くみ取りができるような、そういう公聴会をひとつやっていただきたい、これを強く要望しておきます。また、骨格ができ次第、本委員会にも提案をしていただきたい、このように思います。これは委員長にもお願いいたしておきます。 それから、原子力発電所にいろいろ、いわゆる爆発事件等もありまして、常に国民は不安を抱いているわけです。もしも原子力施設にそういうようなことがあればというようなことにおきまして、そうした警備体制という点につきまして、私も東海村に何回も行ったことがありますが、それぞれ警備員もおりますけれども、各地のそうした原発を見てまいりますと、その点の不安はやはりあろうかと思うのです。こういう警備の問題についてはどのようにお考えであるか。 さらに、そういう自衛措置として、別に秘密の制御室といいますか、そういうものを今後設けるとかというような、そういうことも言われておるわけですが、この種の問題につきまして政府としてはどういうような考えを持ち、対応をとろうとしておるか、その点についてお伺いしたいと思います。
○生田政府委員 ただいま先生御質問の点は、私ども非常に重要な点だと考えております。いわゆるフィジカルプロテクションという問題がそれに当たるかと思います。ただいま先生の御質問にございました、たとえば爆破されるような危険性ももちろんそうでございますし、あるいは外国におきまして現在非常な問題点となっております原子力施設の乗っ取り、いわゆる核ジャックという問題、あるいは核物質が盗難に遭うおそれがあるという問題、そういう問題の全体をひっくるめまして、いわゆるフィジカルプロテクションの問題としまして対策を検討しておりますし、これは国際的にも非常に関心を持たれまして検討が進んでおりますので、重点施策の一つとしてぜひ進めてまいりたい、かように考えております。 それから、第二の制御室云々の問題でございますが、これは先般新聞に報道されましたことでございますが、これはそういうフィジカルプロテクションの対策の一つとしてそういう構想を打ち出したと言いますよりは、万一の事故の場合等も考えまして、いわゆる多重防護の観点からその制御室を二重にするというようなことで考えられたものでありまして、そういう設計の原子炉も設計許可の申請がされている現状でございます。
○近江委員 それで、そういう設計の申請も出されておるということですが、政府としては、今後、出すところもあれば出さないところもある、その辺の点につきましてどのようにお考えですか。
○生田政府委員 これは技術的な観点から考えました場合に、現状と申しますか、そういう二重の設備のない原子炉につきましても、実際的には余り問題はないという考え方でございます。 ただ、いろいろ手数がかかるあるいは手間がかかる、時間がかかるというような点がございますので、制御室の外で原子炉停止ができるというシステムの方が、より改善された形であろうかというように考えております。
○近江委員 そうしますと、そういうような制御室を別につくるというようなことは、条件として今後政府として考えていくわけですか。
○生田政府委員 現在のところ、それを条件といたしまして、先生御指摘のような、そういういわゆる第二制御室のようなものが必ずなければいけないというほどまで、突き詰めては考えておりません。 ただ、今後原子炉が次第に大型化してまいりますので、大型の原子炉につきましては、そういう装置があった方がはるかに望ましいという感じでございますので、そういう方向で考えてまいりたいと考えております。
○近江委員 その点については、今後政府としてはさらにどうしていくか、まだ煮詰まっていない、そういう感じがするわけですが、今後、一つの大きなテーマとして検討されるのですか。
○生田政府委員 そういう方向で検討してまいりたいと思っております。
○近江委員 それから、原子力の平和利用ということで、まあ電力会社の場合なんかそうですが、そういう関係機関で、テレビなんかでいろいろなPRをなさっているわけです。 これは「いはらき」新聞ですけれども、「原子力サロン」というテーマで、五十年二月二十八日に出しておられるわけですね。これは原研の東海研究所の安全工学部次長が主婦四名と対談をしているわけですが、それをずっと見ていきますと、「平和利用の過程で放射線の被害を受けた例は一例もありません。」あるいは、「そのために、なん重にも防護装置がつけてあります。いかなることがあっても放射線による被害が発生しないよう設計しています。また、敷地の管理区域外の放射線は、一年の間に、人間が自然に受ける放射線量の約五パーセント以下に抑えるようになっています。」こういうようなことであるとか、「事実、今まで一度も人身事故を起こしたことはないのです。」とか、「石油や石炭に相当する資源コストは十パーセント」これは先ほど石野委員が、最近の原子力発電は、設備を初めウランの高騰等もあって、経済性という問題でしりを出すというお話がありましたけれども、こういうような記載もあるわけです。 それから、放射線障害の問題につきまして、「それについては、世界中の学者たちで構成している国際放射線防護委員会で、どのくらいまでなら影響がないかという基準を決定し、われわれは、それに従っています。ですから〃出ている〃とか〃出ていない〃とか騒がれますのは、あくまでも基準以下のことで、われわれの現在持っている知識からしまして、今、出している量ならば、将来にわたって障害が起こるとは考えていません。」こんな断定的なことを言えるかという問題なんですね。これは遺伝学者等は、たとえ微量であっても、将来において非常に心配であると言っています。 いろいろ中身を検討していきますと、もっと問題点が出てくるのではないかと思うのですが、そういうPRの諸問題について、こういう中身でいいのですか。政府はいまどういう指導をしているのですか。
○生田政府委員 各原子力機関のそのような種類のPR資料その他につきましては、科学技術庁原子力局と十分連絡をとってやっているわけでございます。 ただいま先生お読みになりましたところにつきましても、私どもは、特に誤った事実あるいは誇大な説明というものが行われているとは考えておりません。
○近江委員 しかし、こういうような断定的な書き方がいいのですか。「今、出している量ならば、将来にわたって障害が起こるとは考えていません。」と書いてある。もっと真剣に検討しなさいよ。これはあなた全然反省ないのですか。それじゃこれはいいんですか、どうなんですか。
○生田政府委員 先生のただいま御指摘の点は、いわゆるごく低線量の放射線被曝を受けました場合の障害につきましては、まだ学問的に必ずしも解明されていない。解明されていないと申しますのは、それが影響があるということも解明されていないと同時に、絶対ないということも解明されていないということが、学問的な正確な表現であろうかと思います。あるいは学問的に非常に正確な表現をとりますと、ただいま私が申し上げたようなことをそのまま書くのが正確であろうかということになるわけでございまして、ただいま先生の御指摘も、そのような御趣旨のものであろうかと考えております。 ただ、学問あるいは研究の分野におきましてそのような表現をいたします場合と、一般に対しましてそういうPRを行います場合の表現とは、おのずから表現の仕方が多少は異なってくるわけでございまして、これは、いわゆる安全性の絶対か絶対じゃないかという論争にも通ずるわけでございますけれども、まず社会的あるいは常識的な判断といたしましては、ごく低線量の被曝の影響につきましては、一応それは問題ないという断定をしているわけでございまして、そこが問題があるということになってまいりますと、ICRPの基準その他にもまたはね返ってくるわけでございますので、その辺の、学問の分野における先生御指摘のような厳密性と、それから一般的な社会的あるいは常識的な立場の表現と、そこにある程度のずれがあるということはやむを得ないのではないか、かように考えておる次第でございます。
○近江委員 「平和利用の過程で放射線の被害を受けた例は一例もありません。」とか、「事実、今まで一度も人身事故を起こしたことはないのです。」とか書いてあるが、いままで放射線被曝を受けているということは何ぼも出ているじゃないですか。これはこんなうそを書いていいのですか。
○生田政府委員 私、実はそれを読んでいないわけで、申しわけございませんけれども、従業員を含めますと、先生御指摘のとおり、人身事故を起こしたことがないというのは間違いでございます。この、「事実、今まで一度も人身事故を起こしたことはないのです。」という点でございますが、これは周辺住民に関する限りはこのとおりでございますが、従業員を含めますと、これはごくわずかではございますけれども、人身事故を起こしたことがございますので、その点、表現が不足である。これは、周辺住民に関する限りはというただし書きをつけるべきであろう、かように考えます。
○近江委員 いま指摘しましたのはほんの一例でありますけれども、そういう非常に表現のあいまいな、いかにも読んでおる人に絶対安全なんだという感じを与える。ですから、これは科学技術庁においてどういう基準で指導しているのですか。言論統制ではありませんけれども、いわゆるうそを書いていいなんということは絶対ないわけですよ。いまこれだけ原子力問題についてはシビアな感覚で皆見ているわけです。ですから、その点について科学技術庁としては、何らかのそういう基本的なルールといいますか、こうこうこういう点の表現についてはしてはいけないとか、各関係機関等にそういうことは徹底すべきじゃないですか。私は、各地の原発にも行っておりますけれども、あそこで、大衆に原子炉の内部構造の模型を前にして、映画やスライドでPRもやっていますけれども、ずいぶんいいかげんなことを言っていますよ、全然そういう放射線の事故もないとか。 ですから、一遍その辺、どういう会社がどういうPRをしておるか、政府関係者は見に行ってください。見に行ったことがありますか。年間何十万という人が行っているのですよ。たとえば関西電力にしても何にしてもそうです。いま稼働しておる原発自体については、会社のそういうPR室があるのですよ。展望台のようなものがありまして、そこで係員がいろいろ説明しているわけです。その点についていつチェックしましたか。それは国民に誤ったことを教えることになるのですよ。その対策についてはどうやっていますか。
○生田政府委員 一つの手段といたしましては、私どもで正確な内容表現を持ちましたPR資料をつくりまして、これをかなり広く頒布しております。それから関係機関につきましては、広報連絡会というのを設けまして、二カ月に一回程度の頻度で開催しておりますが、各種の広報あるいはPRの内容、方法等につきまして情報を交換し、あるいは討論をし、必要があればこちらから御説明し、あるいは各機関の説明も聞くという形で、連絡を密にしている次第でございます。
○近江委員 言うならば、そういう連絡なんというものは机上の連絡と一緒ですよ。あなた方自身が各原発のPRをそういうようにやっておる現場へ行って、それを全部チェックしましたか、担当官が行って。それをぜひやりなさいよ。ずいぶんといいかげんなことをいっていますよ。私は、別にいまここで会社の名前を挙げてどうのこうのと、そこまで言いませんけれども、早速全部行きなさい。行きますか。
○生田政府委員 機会を見まして私ども、私自身も含めまして、なるべくそういう各種の広報館その他を視察いたしまして、その辺の実情を把握するように努めている次第でございますが、ただいま先生の御指摘もございましたので、もう一度全面的にチェックするようにいたしたいと思っております。
○近江委員 いま、局長からチェックするという話がありましたので、それでいいと思いますが、いずれにしても、現地へあなた方は行かなければだめですよ。どういうスライドを使ってどういう説明をしておるか、行って見てもらいたい。原子力というのは私らだって素人ですよ。まだこの科学技術特別委員会がありますから、ここでの聞きかじり、あるいは見て、どうにか若干の勉強をしているわけですが、一般の方々は、ほとんど知識のない方が多いんじゃないかと私は思うのです。そのときに、何となくいいかげんなことを教えているわけですね。それは本当に皆さん方が一般の人とまじって、じっとその説明をお聞きになったら、びっくりするようなことを言われていますよ。ですから、早速そういう各原発、原子力施設におけるPR状況について現地視察をやって、そして速やかにそれを直さすとか、科学技術庁としては、こういう点については今後厳重注意するように、こうした点についての指導徹底ということを強力にやってもらいたい。大臣にひとつその点をお伺いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 大変これはむずかしい問題で、各機関でそれぞれPR資料を出しておるでしょうから、急に禁止するわけにもいかぬわけですけれども、しかし、局長の言いましたように、できる限り誤りのPRをしないようにすることは当然でございます。 しかし、また反面、「むつ」のように、しばらく放射能がたまると爆発するような、ああいうことをやられるのは、これも全く間違ったことでございまして、そこら辺非常にむずかしいですけれども、いまの御趣旨に沿うようにやりたいと思います。
○近江委員 どうも歯切れの悪い答弁ですが、要するに、私は正確なことをPRしなさいということを言っているので、何も無理なことを言ってないでしょう。うそを書いたり、状況のその辺の説明も何もなしに、そういうのは一件もありませんとか、そういうことをしてはいけないと言っているのですよ。何もPRが悪いとは言っていませんよ。PRをどんどんやったらよろしい。やってもいいけれども、うそを言ったり、そういうことじゃいかぬ。その点は、局長がいまおっしゃったわけですから、早急にひとつ総点検をやって直させて、正確なPRができるように、今後のそういう指導を厳重にやっていただきたい。各電力会社がテレビでもやっているわけですからね、畑の中の原子力発電所とか。別にそれをとらえてどうのこうのと言いませんけれども、よろしいですね。これは言論統制じゃないのですよ。正確なことをPRしてもらいたいと言うのです。
○生田政府委員 ただいまの先生の御趣旨に沿いまして、特に本日の委員会におきまして先生から、そのような正確なPRをするようにという強い御要望があったということは、早速関係機関、各電力会社に伝達するようにいたします。
○近江委員 終わります。
○八木委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後五時八分散会