沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1975/02/20
会議録
○松本委員長 これより会議を開きます。 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。 この際、沖繩及び北方問題に関する政府の施策について説明を求めます。植木国務大臣。
○植木国務大臣 沖繩及び北方問題について所信の一端を申し述べたいと存じます。 初めに沖繩の振興開発について申し上げます。 沖繩が本土に復帰してから、早くも三年近くを経過いたしました。この間、復帰直後の混乱の時期を経て、沖繩振興開発計画が策定され、それに基づく諸事業の推進に伴って新しい県づくりへの歩みが進められております。政府といたしましては、今後とも、この計画の基本方針に沿って、本土との各方面にわたる格差を早急に是正し、沖繩の持つすぐれた地域特性を生かすことによって自立的発展の基礎条件の整備を図り、平和で明るく豊かな沖繩県を築き上げることに最大限の努力を払ってまいる所存でございます。 このため、昭和五十年度においても、全国的に総需要抑制によって公共事業の伸びが見られない中にあって、沖繩振興開発事業費については、前年度当初予算の約七%増に当たる七百七十億円を計上いたしております。 この振興開発事業によって、昭和五十年度においても、引き続き、本土に比べて立ちおくれている社会資本の整備に一段と努力を傾注し、沖繩の現状に即した県民生活安定のための施策を推進してまいります。特に沖繩の離島については、本島に比べてさらにいろいろな面で立ちおくれが目立ちますので、離島における住民生活の向上を目指し、道路、港湾、空港等の整備、農業基盤の整備、教育施設、医療施設の充実その他きめ細かい配慮をめぐらして、離島の振興に力を注いでまいりたいと存じます。 次に、本年七月二十日開催予定の沖繩国際海洋博覧会につきましては、政府として、これが沖繩の振興開発上果すべき大きな役割りを十分認識するとともに、その国際的意義にかんがみ、ぜひとも成功させたいと存じ、引き続き、諸般の準備に万全を期している次第でございます。このため、明年度の振興開発事業費においても、海洋博に関連する交通施設、生活環境施設等の整備のため、約百二十六億円を計上しております。 このほか、昭和五十年度は、沖繩の特殊事情に基づく境界不明土地の調査を積極的に推進し、また不発弾等の探査、発掘に必要な経費を新たに計上するなど、これらの問題にも新しい姿勢をもって取り組むこととしております。また、沖繩の県民生活安定のためには最大の課題であります物価対策について、地域の特殊事情に即応して、住民の方々とともに、生産面、流通面その他に総合的な努力を払ってまいらなければならないと存じます。 また、沖繩における経済の振興と社会の開発を制度金融の面から促進する機関としての沖繩振興開発金融公庫につきましては、昭和五十年度において九百六億円の貸し付け枠を確保しておりますが、これは前年度に比べ、約一六%の増加となっております。 政府としては、これら各般の施策を通じて、沖繩の自然環境、伝統文化の保存に配意しつつ、経済社会の発展、県民福祉の向上のため、この上とも格段の努力を払ってまいりたいと存じます。 次に北方領土問題について申し上げます。 北方領土の復帰実現は、国民の長年の悲願であり、領土問題を解決して平和条約を締結することは、わが国にとって最大の対ソ懸案であります。 御承知のように、一昨年の日ソ首脳会談における合意に基づき、去る一月、宮澤外務大臣が訪ソし、ソ連側との間で平和条約締結に関する交渉が行われたのでありますが、北方四島返還に関するソ連側の態度は依然としてかたく、結局、平和条約の早期締結を目指して、交渉が継続されることとなりました。 政府におきましては、わが国の固有の領土である北方領土の復帰を実現して日ソ平和条約を締結するとの従来からの方針を堅持して、粘り強く対ソ交渉を続けてゆく考えでありますが、政府が外交交渉を行うに当たって最大の力となるのは、まさに、一致団結した国民世論の支持であります。 このような観点から、私は北方領土問題についての国民世論の高揚を図るため、啓発広報に関する諸事業の拡充を図る考えであります。また、北方地域元居住者等に対する援護についても、積極的にこれを推進してまいる所存であります。 ここに、沖繩及び北方問題に関する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を切望する次第であります。
○松本委員長 宮澤外務大臣。
○宮澤国務大臣 外務省の所管事項につきまして、その概略を御説明申し上げます。 まず、北方領土問題につきまして、政府の所信を申し述べたいと存じます。 私は、去る一月十五日より十七日までソ連を公式訪問し、グロムイコ外務大臣との間で平和条約の締結交渉を行うとともに、この機会に日ソ間の諸問題についても忌憚なき話し合いを行ってまいりました。 今次会議の内容について、大要次のとおり御報告申し上げます。 第一に、懸案の北方領土問題につきましては、私より、一昨年秋の日ソ首脳会談の成果を踏まえ、ソ側に対し歯舞、色丹、国後、択捉四島の返還を強く求めました。これに対してグロムイコ大臣は、領土問題は解決済みとの態度を一度も示さなかったわけでありますが、同時にわが方に対し、現実的態度で本問題を解決すべきである旨主張いたしました。そこで私より、二十一世紀への展望に立って揺るぎない日ソ関係を確保することが日ソ両国共通の課題であり、このためにこそ領土問題というわだかまりを取り除くことが不可欠であって、これが現実的態度である旨反駁し、重ねてソ側の決断を促しましたが、ソ側の四島返還自体に対する態度は依然としてかたく、遺憾ながらソ連の厚い壁を破るに至らなかったわけでございます。 その結果、双方は一月十八日の共同発表にありますように、第二次大戦のときからの未解決の諸問題を解決して、平和条約を締結するという一九七三年十月十日付の日ソ共同声明の「当該部分」を再確認するとともに「平和条約を早期に締結することが望ましい」との共通の認識の上に立って「この問題について引き続き交渉を行うことに合意した」次第であります。 第二に、報告申し上げたいことは、今回の話し合いの結果、グロムイコ大臣が日本政府の招待に応じて一九七五年中に日本を訪問することを約束し、その旨共同発表に明記されたことでございます。グロムイコ大臣の訪日は、一九七二年一月以来のことでございますが、このような日ソ両国の外務大臣の相互訪問は両国間の相互理解を深めるとともに、北方領土問題を初めとして日ソ間の諸問題の解決に役立つものと信じます。 第三に、私とグロムイコ大臣との間では、このほか安全操業、日本近海におけるソ連船の操業問題、未帰還邦人問題、墓参問題等の二国間問題に関する協議を行いました。 私からは、まず、安全操業問題を取り上げ、北方水域における拿捕という不幸な事件をなくすため、人道的立場よりこの問題に関する交渉を促進するようソ側の善処を促すとともに、抑留中の漁夫全員の釈放を強く要請いたしました。これに対し、グロムイコ大臣は、安全操業に関する交渉を再開する用意がある旨述べましたほか、抑留漁夫の釈放については、十七日ブレジネフ書記長のかわりに私と会談いたしましたポドゴルヌイ最高会議幹部会議長より、抑留漁夫を全員釈放する旨の決定が知らされました。これら十五名の抑留漁夫については、二月上旬全員が無事帰国いたしました。 また、日本近海におけるソ連船団の操業問題については、私よりソ連漁船の大量進出により、わが国の漁民が大きな被害をこうむっている事実を指摘し、本件解決のため、ソ側の操業自粛方漁業省に伝達を要請しましたのに対し、グロムイコ大臣は日本側の要望を関係方面に伝達する旨約しました。 他方、未帰還邦人の帰国問題については、これらの者から要望があれば検討する旨、また、墓参については日本側より具体的な形で要請があれば検討するが、立入禁止区域は別である旨それぞれ回答がございました。 以上のとおり、私の今回のソ連訪問は短期間のものでございましたが、この間、平和条約の締結交渉を行い、また、日ソ間の諸問題につき腹蔵なき意見交換を行い得ましたことは、ソ連の対日理解を促し、日ソ間諸懸案の解決に資するものとして、その意義は少なくなかったと存じております。 なお、その後、二月十三日トロヤノフスキー在京ソ連大使を通じて三木総理に対し、ブレジネフ書記長の親書が届けられましたが、その中でブレジネフ書記長は、平和条約交渉を継続しながら善隣協力条約について討議することを提案してまいりました。このソ側提案につきましては、すでに三木総理がトロヤノフスキー大使に述べられましたように、まず、領土問題を解決して平和条約を締結することにより、日ソ両国の善隣友好関係の基礎を固めることが先決であるというのが政府の基本的考えであり、この考えは今後とも不動でございます。 政府としては、北方領土問題を解決して平和条約を締結することが、日ソ関係を真に安定した基礎の上に発展させるために不可欠であるとの一貫した立場を堅持しつつ、国民各位の御支持のもとに本問題の解決を図るべく一層の努力をいたす所存でございます。 次に、沖繩問題につきまして、政府の所信を申し述べたいと存じます。 政府としては、沖繩県民の米軍施設、区域の整理統合を求める声が強いことにつきましては、十分承知いたしておりますので、これを常に念頭に置きつつ、他方安保条約の目的達成との調整を図るべく米側と折衝を重ねてまいりましたが、この結果合意を見ましたのが、御案内のとおり第十四回及び第十五回安保協議委員会で発表された整理統合計画であります。政府としては、海洋博開催が間近に迫っていることもあり、目下第十四回安保協議委員会で合意を見た那覇空港の完全返還を予定どおり実現すべく、右関連プロジェクトの実施に全力を傾注しておりますが、さらに第十四回及び第十五回安保協議委員会で合意された残余のプロジェクトについても実施可能なものから逐次実現する考えでございます。 なお、政府としては、わが国における米軍施設、区域の存在は、わが国の安全を含めた極東の平和と安全に寄与していると考えておりますが、沖繩県民の民生の安定にも十分配慮しつつ、沖繩県所在の米軍施設、区域の将来のあり方につき、今後とも検討を続けてまいる所存でございます。 また、沖繩返還協定の実施に関連し、請求権、ボイス・オブ・アメリカ中継局等今後も処理を要する事項につきましては、必要に応じ米側とも十分連絡をとりつつ鋭意取り組んでまいる所存でございます。 以上、外務省の所管事項につき概略御説明を申し上げました。 —————————————
○松本委員長 次に、沖繩及び北方関係予算について順次説明を求めます。山田沖繩開発庁総務局長。
○山田政府委員 昭和五十年度沖繩開発庁予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十年度におきましては、先ほど長官の所信表明にもございましたように、本年度に引き続きまして、昭和四十七年十二月策定の沖繩振興開発計画に基づきまして、本土との格差是正、沖繩の地域特性を生かすことによる自立的発展のための基礎条件の整備に努めることにいたしておりますが、特に明年度におきましては、離島における生活並びに産業基盤の整備と、本年七月開催予定の沖繩国際海洋博覧会以後に対処するための施策にも配慮を加えつつ、所要の財政措置を講ずることといたしております。 以下、その内容につきまして具体的に御説明申し上げます。 第一は、沖繩振興開発計画を実施するため、社会資本の整備を中心とする公共事業その他の振興開発事業に必要な経費でございますが、これを沖繩開発庁に一括計上し、積極的に事業の推進を図ることといたしております。 その総額は七百七十億三千三百万円でありますが、その内容といたしまして、 第一点は、公立学校施設整備費八十四億八千三百万円を初めとしまして、産業教育施設整備費、学校給食施設整備費、社会教育施設整備費等を含む沖繩教育振興事業費九十五億九百万円であります。 第二点は、公的医療機関等の施設整備費四億二百万円のほか、沖繩海洋博期間中のもの及び無医地区に対するものを含めました医師、看護婦等の派遣費二億四千三百万円、その他を内容とする沖繩保健衛生等対策諸費六億五千九百万円であります。 第三点は、糖業振興費十六億百万円及び植物防疫対策費二億二千九百万円を内容といたします沖繩農業振興費十八億三千万円でございます。 第四点は、道路整備事業費二百五十四億五千万円、生活環境施設整備費百四十六億八千八百万円、港湾整備事業費六十七億六千七百万円、農業基盤整備費四十一億七千二百万円、公営住宅建設事業費三十六億五千六百万円、空港整備事業費三十一億四千九百万円等を内容といたします公共事業関係費六百五十億三千五百万円であります。 この公共事業費の中には、沖繩振興開発計画に関する特定の振興開発事業を推進するための調査費として、新たに沖繩特定開発事業推進調査費を設け、一億円を計上いたしております。 なお、公共事業関係費のうち、国際海洋博関連の事業費は百二十六億円となっております。 第二に、これら一括計上の振興開発事業費以外の諸経費について申し上げます。 まず第一点として、沖繩の産業開発と県民生活向上のため、いよいよその重要性を増してまいりました沖繩振興開発金融公庫に対し、事務の円滑な運営に資するための補給金として十二億八千五百万円を計上していることであります。 なお、同公庫の昭和五十年度における貸し付け決定額といたしましては、九百六億円を予定しておりますが、その原資としては、財政投融資資金より六百四十億円を見込んでおります。 次に、その第二点として、離島振興のための施策の一環といたしまして、新たに沖繩の離島地域における伝統工芸産業の振興を図るため、製品検査室等を備えた共同作業施設の建設に要する経費二千二百万円を計上しております。 さらに、その第三点として、いまだに境界が不明な土地の調査費、首里城歓会門の復元整備費、砂糖価格差補給金及び不発弾等の探査、発掘費として合計三億八百万円を計上していることであります。 このうち、土地調査につきましては、新たに境界設定のため、直接必要な経費を含めまして七千四百万円を計上しておりますし、また不発弾等の探査、発掘につきましては、特に沖繩の特殊事情に対応した財政措置を講ずることといたしまして、新たに当庁予算に一億三千万円を計上して、いずれも積極的な処理を進めることといたしております。 次に、その第四点として、沖繩県の公共用地等の先行取得を推進する目的で、昭和四十八年から続けてまいりました土地開発基金造成のための県に対する経費補助として、昭和五十年度は、その最終年度分十二億円を交付することといたしております。 このほか、沖繩振興開発に関する基本的計画の調査に必要な経費として六千九百万円、沖繩振興開発事業の指導監督に必要な経費として四千六百万円を計上しておりますほかに、沖繩開発庁所掌の一般行政経費として三十四億八百万円を計上いたしておるのでございます。 以上、申し上げました沖繩開発庁計上経費の総額は、八百三十三億七千百万円となっております。 これをもちまして、御説明を終わりたいと思います。
○松本委員長 田中北方対策本部審議官。
○田中説明員 昭和五十年度総理府所管の北方関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。 お手元に資料を配付してございますが、総額で二億七千九百十万円を計上いたしております。対前年度比三五・九%の増であります。 この内容を申し上げますと、(1)が、北方対策本部に必要な経費であります。これは、北方対策本部の人件費及び一般事務費で三千五十七万六千円であります。(2)が、北方領土問題対策に必要な経費で、二億四千八百五十二万四千円であります。 この内訳は、まず、1北方地域総合実態調査2北方領土問題解説資料の作成頒布等3北方問題説明会に要する経費でありまして、以上三項目は、北方対策本部が、その事業として行うものであります。 次が、北方領土問題対策協会の補助に要する経費であります。この補助金は、二億四千百十八万三千円であります。北方領土問題対策経費の大部分を占めておりますので、これについて若干御説明申し上げたいと存じます。 北方領土問題対策協会は、御承知のように、昭和四十四年十月、北方領土問題対策協会法に基づいて設立された団体でありまして、北方領土問題に関する世論の啓発及び調査研究のほか、北方地域旧漁業権者等に対する貸付事業を含めた援護の業務を担当いたしております。 この補助金の内容について申し上げますと、事務費四千六百三十六万三千円、事業費一億九千三百八十二万円、予備費百万円となっております。 事業費補助は、さきに触れました協会の業務に対応して啓蒙宣伝、調査研究、援護及び利子補給について行うものであります。 まず、啓蒙宣伝費について申し上げます。一億六千七百四万一千円を計上いたしておりますが、前年度に比べ、三八・二%の増となっております。これは、主として新聞広告の拡充、テレビ放送の実施等を通じまして、家庭の茶の間に入る広報を実施するための経費の増、及び関係諸団体のより効果的活動を促進するため、協会が委嘱する地方推進員の設置に要する経費の増等によるものであります。 調査研究費及び援護費でありますが、それぞれ四百九十三万三千円、二百六十二万二千円で、四十九年度予算と比べ、若干の増となっております。 次に、利子補給費であります。協会は、北方地域旧漁業権者等に対する事業資金、生活資金の融資を行うため、金融機関から長期の借入金をしておりますが、これは、この長期借入金について協会が支払う利子の一部を補給するための経費であります。千九百二十二万四千円を計上いたしております。これによって、昭和五十年度も四十九年度と同規模の貸付事業を実行することができるものというふうに考えております。 以上でございます。 ————◇—————
○松本委員長 この際、理事会の協議に基づき、委員長より一言政府に対し、要望いたします。 現在、沖繩県恩納村において県道百四号線をはさみ、米軍の実弾射撃演習が行われ、県民に重大な不安を与えています。政府は、速やかにかかる不安を除去するため、善後処置をとるよう要求し、あわせて事態及び対策の詳細について、次回の委員会に報告されることを要望いたします。
○宮澤国務大臣 ただいまの委員長の御発言につきましては、速やかに調査をいたしまして、委員会に御報告を申し上げます。
○松本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることにいたし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十五分散会