運輸委員会日本国有鉄道に関する小委員会 第7号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1975/07/01
会議録
○増岡小委員長 これより運輸委員会日本国有鉄道に関する小委員会を開会いたします。 日本国有鉄道に関する件について調査を進めます。 この際、提出されております資料について、杉浦国有鉄道部長、伊江常務理事から順次説明を聴取いたします。杉浦国有鉄道部長。
○杉浦政府委員 お手元の資料に沿いまして、外国鉄道の事情につきまして御説明をいたします。 第一ページをお開きいただきたいと思います。これはイギリスとドイツ、フランスの三国と日本の国有鉄道とを比較いたしました経営規模等の比較表でございます。年度は一九七二年、四十七年度でございます。 上から営業キロは国鉄が二万一千キロ強でございますが、イギリスが一万八千、ドイツが二万九千というぐあいに、やや日本の鉄道と似通った線でございます。フランスが若干多いキロ程になっております。 作業量をあらわします列車キロにつきましては、国鉄の六億九千百十五万三千キロ、それからドイツの六億二千万キロ、これがやや似通った数字になっております。 職員数は国鉄が四十四万人に対しまして、ドイツが四十万人ということで似通った数字になっております。他の二国は若干数字が下回っております。 これに対しまして旅客貨物の輸送量でございますが、国鉄が千九百七十億人キロということで、非常に圧倒的な数を示しておりまして、他の三国は比べ物にならないという状況でございます。 貨物の輸送量につきましてはイギリスを除きまして大体同じような輸送量になっております。 二ページをお開きをいただきますと、鉄道の輸送シェアを各輸送機関に対比いたしまして、各累年別に挙げた数字でございます。 左から二行目の昭和三十五年度という欄と一番右の四十七年度という欄を比較をしていただきたいと思いますが、まず旅客につきまして日本の昭和三十五年度におきましては国鉄のシェアは五一%、これが四十七年度におきましては一二%に落ちております。 次のイギリスも三十五年度一六%のシェアが四十七年度に八%に落ちております。 ドイツにおきましては三十五年度四九%、これがやはり四十七年度におきましては三六%に落ちております。 フランスは三十五年度二五%が四十七年度一五%にやはり落ちております。 アメリカにおきましては旅客輸送の中の鉄道の占める割合が非常に少ないのでございますが、これもやはり三十五年度が三%から四十七年度一%に落ちております。何といいましてもアメリカで非常に多くのシェアを占めるのは道路輸送でございますが、なお一番右の下の航空輸送、これが一〇%を占めておりますというところが特徴的でございます。 次の三ページは同じように貨物のシェアを比較したものでございます。 日本におきましては同じように三十五年度を見ていただきますと三九%のシェアを占めておりましたが、四十七年度では一七%に落ちております。 イギリスも同様な落ち方をしておりますが、三十五年度三二%から四十七年度一八%に落ちております。 西独の数字を見ていただきますと、三十五年度四九%が四十七年度で四二%、余り落ち方がひどくございません。かなり鉄道の貨物輸送のシェアが高いということがわかるわけでございます。それからフランスは三十五年度は五五%が四十七年度に三七%、アメリカの四四%が三九%というぐあいで、欧米を通じまして比較的貨物輸送のシェアというものはかなり高いということが言えるのではないかと思います。 なお、一番右のところで非常に特徴的なのはパイプラインでございますが、西独九%、フランス一七%、アメリカは二三%のシェアをパイプライン輸送が占めておるところが非常に特徴ではないかと思います。 次の四ページに参ります。外国の運賃制度の中で、運賃を決める方式につきまして非常に日本と違っておりますので、ここに挙げたわけでございます。 イギリスの鉄道公社につきましては一般の運賃改定の場合に公社が自由に決定をできます。なお、現在インフレのために物価委員会に届け出るということはございますが、基本は自由でございます。なお、ロンドン地区、六大都市あるいは、補償を受けている非採算路線につきましては別途の手続が必要であるということが二に書いてございます。 次に、ドイツ連邦鉄道でございますが、ドイツ連邦の場合におきましては管理委員会が常設の運賃委員会へ諮りまして原案を作成をし、連邦の交通大臣の認可を受けるということになっております。この認可申請に対しまして連邦交通大臣が特段の意思表示がない場合等におきまして、これは自動的に認可されたものと見なされるというようなことが出ておりますし、また大臣が申請を拒否した場合におきましては政府がこれを補償するという制度がございます。なお、ドイツの欄の二番目を見ていただきますと、一九七一年以降、連邦鉄道は運賃水準の最高二〇%までの枠内で弾力的に運賃を自主的に改定できる権限を持っている、つまり認可が要らないで二〇%は自主的に決定できる、こういうような弾力条項もございます。 次にフランスの国鉄でございますが、これも原則として自由に運賃が決定できます。運輸大臣への届け出のみでございます。そのチェック機構といたしましては、その下の欄に書いてありますように、支配的な地位の乱用となる場合あるいは輸送サービスの限界費用を償わない場合、この場合には運輸大臣は異議申し立ての権限を有するということになってございます。なおパリの交通圏につきましては、これは運輸大臣の認可ということに相なっております。 最後にアメリカでございますが、アメリカも原則として自由運賃でございますが、各地区ごとに協会ができておりまして、その協会が運賃の改定の内容をまとめます。それで州際交通委員会ICCへ提出をされる、ICCはこれを受理した後、公聴会を開いて、異議申し立てがない場合は自動的に効力が発生をする、こういう仕組みになっております。なお、ICCの権限としましては、賃率の変更、それから実施時期の延期あるいは一時停止の命令が可能なような権限を有するということでございます。なお、AMTRAKという鉄道旅客輸送公社、これはアメリカの各私鉄の多くの部分を収納いたしました公社組織でございますが、この公社の運賃につきましては自主決定がされるということでICCの規制から除外をされております。 次の五ページは、各国におきます運賃の改定状況をあらわしたものでございます。 日本国有鉄道は一九六九年、旅客のみで平均一三・三%の改定を行い、以後一九七四年、昨年改定が行われておりますが、この表には載っておりません。 イギリスの鉄道公社におきましては、一九七〇年、昭和四十五年以降、毎年改定が行われておりますが、ここに見られるように一〇%あるいは一五%または五%というような改定が各年行われております。これは旅客でございますが、貨物につきましては契約者ごとに特約運賃で決定されるということでございまして、詳細は不明でございます。 ドイツにつきましては、旅客は一九七一年から一〇%を超える改定が毎年行われております。また貨物につきましても大体一〇%前後の改定が各年行われております。 フランスの国鉄につきましては、旅客、貨物ともに一九七〇年以来、毎年五ないし六%程度の改定が実施されております。 次の六ページは、各国の運賃水準というものを日本の国鉄と対比いたしました数字でございまして、斜線の部分が旅客運賃、白い部分が貨物運賃でございます。年次は一九七三年、昭和四十八年度の運賃水準でございまして、一人キロ当たりあるいは一トンキロ当たりの運賃収入を示しております。国鉄を一〇〇とした場合におきまして、イギリスでは旅客が一八〇、貨物が一六一、ドイツが旅客が三〇〇、貨物が三二四、フランスが旅客一七四、貨物一五二、アメリカは旅客一二八、貨物が八五と、アメリカの貨物の八五というものを除きまして、ヨーロッパ諸国におきまして日本の運賃水準よりも二倍ないし三倍程度の運賃が事実であるということを示しております。 次に七ページは、各国の国鉄に対しまして国がどの程度の助成をしているかということの数字でございます。年次は一九七三年度の数字でございます。一番上は、各鉄道の収支をあらわしております。申すまでもなく国鉄はここにごらんのように損益では四千五百四十四億円の赤字を計上いたしております。 イギリスにおきましては、この米印のところを見ていただきますと、七百三十三億という政府の補助、補償、そういったようなものを含めまして四百十四億の赤字を計上しております。 ドイツ連邦におきましては、米印のところの四千六百八十億円の補償金を加えまして、損益におきまして二千四百億円の赤字を計上しております。 フランスにおきましては千四百三十七億円の補償金並びにその下の括弧書きで支出控除というのがございますが、二千九百二十九億円の支出控除、これらを含めまして百七十二億円の赤字を出しでおります。 これらに対する国の助成がその下の欄に書いてございます。AグループとBグループに分かれておりますが、Bグループは年金等の助成でございますので、やや特殊なものとして分けてございます。 日本におきましてはすでに御承知のように工事費補助金等を含めまして助成金が九百四十一億円、このほかに政府出費が千九百五十億円、合計しまして二千八百九十一億円の助成が行われております。 イギリスにつきましては、収入の補てんとしまして非採算旅客輸送に対する補償が七百三十三億円、そのほかに支出控除がございまして、さらに欠損補てん、上の四百十四億に対する欠損補てんを実施し、それから基礎構造分担金、これは資本的な経費に対する国の助成ということになると思いますが、百十八億円、合計しまして千二百八十八億円、これが助成でございます。 ドイツ連邦鉄道に対しましては、収入の補てんといたしまして、旅客輸送の公共負担に対する補償、それから踏切に関する補償、それからいろいろな形の利子補給、それから累積欠損の補てん、この累積欠損の補てんは当該年度の二年前の年度、つまりここでは一九七一年度の欠損に対する補てんを二年後の会計に計上をするという仕組みになっております。そうした累積欠損の補てん、それから政府出費がございます。 そのほかに下のB欄で、Bグループで書いてございますように、児童手当とかあるいはいろんな形の恩給負担、年金負担、こういうものに対する助成が行われておりまして、総合計は七千五百六十八億円というような非常に大きな助成が行われております。 フランスにつきましては、収入補てんといたしまして、無賃輸送、割引強制に対する補償あるいは非採算旅客輸送に対する補償、それからパリ交通圏の通勤輸送に対する補償、その他支出控除といたしまして線路、踏切に対する負担、それからここで非常に特徴的なのは、運賃改定延期による収入不均衡緩和の分担というような項目で補償が行われております。 それからB欄で、これは支出控除という項目になっておりますが、ドイツと同じように年金に対する助成という項目がございまして、総合計四千三百六十六億円、これもかなりの助成が行われておるということでございます。 なお、注の欄でごらんいただきますと、イギリスでは、過去におきまして膨大な過去債務に対する国の手当てというものが行われておりまして、一九六二年、同じく六八年、七四年、こういう年度にそれぞれ法律によりまして民間に対する鉄道債券だと思いますが、これを国庫が引き受けたり、あるいは国の債務を凍結したりというような過去債務のたな上げ措置が行われておるわけでございまして、これらによる利子に及ぼす影響等を考えますと、先ほどの助成の金額よりもかなり上回る金額が助成されておるということが言えると思います。 以上が、外国の諸制度の概略の説明でございます。
○増岡小委員長 伊江常務理事。
○伊江説明員 お手元の「国鉄の貨物営業について」という資料をごらんいただきたいと思います。 恐縮でございますけれども、一ページに入ります前に、一番最後の参考の資料をお開きいただきたいと思います。 これは国鉄の現在の営業規模というものをあらまし御説明申し上げてから中身に入りたい、こういう趣旨でございます。 これをごらんいただきますと、四十八年でございますが、輸送量が大体約五十五万トンの一日平均能力を持っている。内訳としましては、コンテナ五万トン、車扱い五十万トンということでございます。それで輸送力は列車キロであらわされるわけでございますけれども、一日五十四万キロ、列車本数一日五千四百本、それから貨車約十四万八千両、コンテナが五万四千八百個、貨物取扱駅が千八百五十九駅、これは四十八年度末でございますが、御承知のとおりいろいろ貨物の取り扱いの少ないところの集約をいたしておりますので、現在は約千七百駅ということに御承知おき願いたいと思います。平均収入は一日に八億円、こういうことでございます。 一ページに戻っていただきまして、これは先ほども御説明が運輸省からございましたけれども、三十五年から四十八年度に至るシェアの推移ということでございまして、特に詳しくは申し上げませんが、三十五年に三九%のシェアを持っておりましたのが、ただいまにおきましては一七%でございます。これは上のカーブをごらんいただきますと、そこにトラック自家用とそれから営業用とのシェアが書いてございますが、逐年伸びていってまいりまして、後ほどまたこれは御説明申し上げますけれども、このシェアは全体の国内輸送トンキロの中でトラックの占める自家用が二〇%、六百七十六億トンキロ、非常に大きなシェアでございます。営業用トラックは二二%、こういうことで陸上のシェアはこちらの右の欄にごらんいただきますように、国鉄は私鉄を含めまして二九%のシェアである、こういう姿でございます。 それから二ページに入りますと、まずこのハッチングいたしておりますシェアが国鉄の貨物輸送、トラックとのシェアのキロ地帯別の大体シェアはどうなっておるかということでございまして、百キロ以下のシェア、これがトラックその他に比べますと一%、トン数にして五千四百万トンということでございます。それから百一キロ以上、これはずっと百一キロ以上、六百キロ以上までを含めた数字でございますが、一億二千二百万トン、このシェアが二九%ということでございます。したがいまして、上に数字で書いた一番下の行に国鉄総輸送トン数は一億七千六百万トンであったということは、この百キロ以下と百一キロ以上、これを足していただきますと一億七千六百万トンという数字でございます。したがいまして、百一キロ以上を百キロごとに区切って内訳をずっと累計していきますと、右の欄のようなかっこうになりまして、五百キロ以上というものでやっと国鉄とトラックとのシェアが反転する、こういうことで、長距離輸送というものに国鉄が使われているという姿が出ております。 それから三ページでございますが、先ほども御説明申し上げましたように、一体トラックのシェアがどうなっているのかということを三十五年度末と同じく四十八年度末を比べてみますと、営業用のトラック、これが三十五年度末では百七十七万台であったわけでございますが、それがずっとふえてまいって、そして四十八年度末には五百二万台、こういうかっこうでございます。三百二十五万台ふえております。最も特徴的なのが自家用トラックのふえ方であるということでございまして、ごらんいただきますように、自家用が千二百九万台あったのがここでは六千五百五十六万台。しかも、トラックと称するもののシェアは、営業用よりも自家用の方が非常に大きくふえている、こういうかっこうでございまして、まさに貨物輸送がトラック、船舶に移転しているというものの、トラックの中の大きなシェアはやはり各自自家用を持って自分の荷を取りおろしをし、運んでおる、こういう姿が非常に顕著にあらわれている、こういう姿をこれは物語っているわけでございます。 それから、それでは船はどうなっているかというのが次の四ページでございます。 これはごらんいただきますように、四十一年九月末と四十九年三月末の比較でございますが、この中で貨物船は一般貨物を運ぶものと専用貨物船というのに大きく分類できるわけでございます。その一般貨物船のシェアがだんだん低くなりまして、専用船に転移していっているということで、その専用船の中でも特に石油のシェアが大きいということで、いまや貨物船の輸送のあり方は一般貨物船よりも専用貨物船的な運用が顕著に行われている、シェアを占めているということで、ここにシェアのパーセンテージが出ておるわけでございます。こういうふうに貨物は自家用トラックの進出が大きくなり、片一方、内航海運におきましてはこういった基礎資材が専用船に転化していっている、こういう姿でございまして、後ほど出てまいりますけれども、やはり大きな基礎資材の一次産品というものがだんだん国鉄の分野から減っていっているということの一つのあらわれが船舶にも出ているということでございますし、また二次産品につきましてもコンテナその他で一生懸命やっておりますけれども、自家用トラックというものに相当にシェアを奪われている、こういう姿がいままでの御説明で申し上げたところであります。 五ページをごらんいただきますと、国鉄の輸送の品目別の依存度というものがあるわけでございます。トラックに逃げあるいは船舶に転移するという姿でございますけれども、こういった鉄道依存度の非常に強いシェアと申しますか、品目が別にあるわけでございます。その中の主なものをここに摘録いたしたわけでございますが、その中で化学肥料をごらんいただきますと、これは七五%を超えておりまして、数字はここに書いてございません、まことに不親切な資料になっておりますが、大体化学肥料につきましては七七%という数字でございます。それから穀物、これは特に米が、大体国内輸送の需要の九一%は米輸送でございます。この米の需要は、九一%は国鉄が運んでおるという姿でございますが、この穀物は七六%ということでございます。それから紙・パルプは七〇%。それからセメントが五九%。以下、そういうふうに非常に依存度の高い品物をずっと並べてございますが、最近は木材、繊維工業品は少なくなっているという状況でございます。これは大体トンキロはこれの合計になりますが、大体二百億トンキロぐらいにこれではなる、こういうことで日用品あるいは米、化学肥料、そういったものは依然として国鉄の方の輸送シェアが大きいという姿でございます。 それから六ページでございますが、それをもう少し輸送の実態的な面からとらえた姿でございまして、先ほどもちょっと申し上げましたように、米につきましては国鉄の輸送割合は九一%を占めておるということでございます。以下、ミカン、肥料等が非常に大きなシェアでございます。石炭はまだまだ生産量としては、ここに千二百五十四万トン、総輸送トン数でございますが、国鉄にかかるのはそのうちの約六〇%、こういう姿になっておるという状況でございます。それから石油は、これは御承知のとおり内陸向けの石油輸送でございまして、これは主として国鉄のタンク車で運んでいる数量でございますが、九四%というものは内陸部への石油輸送の大きなシェアを国鉄が持っている、こんなような実情でございます。 なおこのほかに引っ越し荷物は、いまやほとんど、八十万トン程度はコンテナの輸送に依存しているというかっこうでございまして、コンテナ等は規格包装品あるいは雑貨といった引っ越し荷物に非常に適した輸送の体系を逐次伸ばしつつあるという、後ほどまた出てまいると思いますが、そういう姿でございます。 それから七ページ、国鉄は貨物の輸送においていろいろと先生から御注文があり、またいろいろ御指摘、御批判もございますけれども、しかし、やはり国内輸送におけるところのシェアは減りましても、非常に大きな力を持っているということをここにコメントしたものでございまして、もしこれを全部国鉄の輸送シェアをトラックに依存した場合にはどうなるんであろうかというのがここに書いてある数字でございまして、しかも、これは営業用トラックで運んでおります物量の約八〇%に当たるというところから換算いたしました数字でございます。必ずしも正確のものであるかどうかは別といたしまして、大宗としての御判断の材料にはなるかと存じます。 これによりますと、現在、営業トラックは四十八年度で五十万台でございました。これを仮にその八〇%が全部国鉄からトラックに転化するとしますと、なおかつ四〇万台近くのトラックが要る。現在の約倍に相当するトラックを投入しないと国鉄のいまの貨物は運べないというかっこうでございます。それから燃料消費も現在四百七十万キロリッターということでございますが、もしこれを国鉄の貨物を全部トラックに転移いたしますと、この四十万台のトラックの増備に伴う運行その他計算いたしますと三百七十三万キロリッター、これは現在国鉄が使っております燃料消費の約三分の一に当たる数字になるかと思います。 そういうことで、国鉄の運んでおりますシェアをもし道路輸送に代替した場合には大変な混乱が起きるであろうということをここにあらわしております。 その次のページには、それじゃそういったものが動いた場合の道路輸送はどうなるかというふうな観点がまた検討に値するものでございますので、八ページをごらんいただきますと、トラックで代替した場合に主要道路の交通量の増加というものの推算をいたしたわけでございます。 真ん中辺の一番大きな棒グラフをごらんいただきますと、東名道路と、それから国道一号線とありまして、現在こういう一日平均の運行交通量がございます。東名でございますと五万五千九百、約五万六千台、それから国道一号線が約二万七千四百、これで約八万台のトラックが一日動いているわけでございますが、もし道路に転化するといたしますと、東海道にかかるものだけでも約一万五千台の増加、これは全体に対して約一八%ということでございます。そういう増加が見込まれるということで、東名の道路の容量と申しますのは、現在でも建設省の御計算によりますと、約二・一倍に、道路容量を倍に使っているということだそうでございますので、これを足しますと、また相当に混雑し渋滞をするというかっこうになるということで、これは七ページ、八ページを相関関連でごらんいただければ、大体どんなような規模のものが移転するのであろうか、その影響はどうであろうかということを御想像いただけるものと思います。 九ページに参りますと、それじゃ法律の面からいってはどうなんだということでございまして、ここに「各輸送機関の資源効率」というタイトルで出ておりまして、コメントを読んでみますと、「単位当りのエネルギー消費量は、鉄道に対して営業用トラックは二・九倍、自家用トラックは七・八倍、内航海運は一・五倍となっている。また、従業員一人当り年間輸送量は、鉄道に対して、トラックは、六分の一、内航海運は三・四倍となっている。」こういうことで貨物一トンキロ当たりのエネルギー消費量というものを個々に計算しました姿でございます。国鉄は先ほど言いましたように営業トラックの二・九分の一でございますので、非常に低いエネルギー消費量である。また従業員一人当たりの年間輸送にいたしましても、やはり大量、長距離の輸送の力を持っている国鉄輸送は、一人で十トンないし十五トンを運ぶトラックに比べまして非常に効率が大きいということで、トラックとは比較にならない一人当たりの輸送量の生産量になる。内航海運は先ほど申しましたように専用貨物船が多うございますので、御承知のとおり大きな輸送船も油運送船もございますので、一人当たりの輸送にいたしますと乗組人員も少ないわけでございますので生産量としては高い、こういうことでございます。 そういうことでございまして、大ざっぱに御説明を申し上げましたことは、国鉄の輸送はやはり一般生活に密着した物資を主に運んでいるということと、それからシェアの面からいきますと、長距離の輸送に非常に力を持っておるということと、エネルギー効率から言いましても、鉄道の輸送の活用というものはやはり社会資本の充実の上からいっても非常に効果のあるものであるということ、私どもとして申し上げたいということのこれは多少PRめいた資料でございますが、大体実態の分析はそういうふうになる、かように存じます。 以上で説明を終わりますが、先ほど私、燃料の消費量につきまして大体約三分の一と申しましたのは、旅客、貨物全部含めまして年間の燃料の消費量が百十四万トンぐらいございます。しかし貨物に使っております量は三百七十三万キロリットルの約三分の一、こういうことでございます。訂正と言いますか補足をさせていただきます。かように存じます。 以上で私の説明は終わらせていただきます。 —————————————
○増岡小委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。佐藤守良君。
○佐藤(守)小委員 先ほどから鉄監国鉄部長あるいは国鉄の常務理事からいろいろな表について説明をお聞きしたわけでございますが、私はこの資料から離れまして、あるいは資料を中心に御意見をお伺いしたいと思うわけでございます。 実はその前に一言申し上げておきたいのは、本日お見えになった鉄監の方も国鉄の方も、国鉄小委員会のできた経緯並びに目的は御存じのことと思います。何とかりっぱな国鉄を再建いたしたい、労使挙げて本当に生きがいのある職場にいたしながら国鉄本来の使命を果たさせたいというようなことをもちまして、いま熱心な議論が闘わされ、また各界にわたる御意見をお聞きしておるわけでございます。したがいまして組合の鉄労、国労、動労、全部に御意見を聞いておるというふうなことでございます。また皆さん方は実は説明員という立場で、いつもは枠の中に入った質疑、答えでなかなか答えにくい点もあると思いますが、きょうは説明員でありますと同時に参考人的要素も帯びておるというふうなことをもちまして率直な御意見を聞かせていただきたい、このように思っておるわけでございます。 私は、実はきょうは十二時半を目途におしまいになるということでございまして、質問者もたくさんございます。したがいまして、私に与えられた時間は大体十五分ぐらいのようでございますので、私も質問を簡単にいたしますゆえ、お答えもごく簡単にお願いしたいと思うわけでございます。 第一番に私がお聞きしたいのは、現行再建計画が破綻した原因は何であるかということについて、お聞きしたいと思うわけでございます。
○後藤(茂)政府委員 率直にお答え申し上げます。表面的に見れば、四十八年度を初年度といたしまして発足二年目ですでに破綻に瀕したというふうに御説明をしておりますが、表面的に見ればその原因は、運賃の改定がその計画で予想していたよりはぐっとおくれたということ、それからこの十カ年計画で描いておりましたいろんな支出、これが計画初年度、次年度で大幅な人件費の高騰とそれから石油ショックを契機とする諸物価の急激な高騰、こういったことですべて計画で描いていた数字と実績との間が大きく乖離してしまったこと、これまでいろいろと御説明をしてきたとおりでございます。 これは表面的な一つの説明でございまして、もう一つ掘り下げていろいろ考えてみたいと思っております。いろいろ考えておりますけれども、その一つとして、いま私どもが持っております十カ年計画というものが、四十八年度から十年間の国鉄の財政というものを数字で並べてみまして、五十七年度末に収支とんとん、赤字が消えるという数字を並べてあるわけでございますが、その並べ方につきまして現実に新しい実行可能性、いろんな経済の動向というものをよく考えてそういう計画を練り上げたのであるかどうか、極端に言えば十年後に収支とんとんにするという意欲が非常に強い余りに、現実の検討というものに相当の抜かりがあったのではないかという反省をいたしております。したがいまして、これから先の考え方というときには、いま申し上げましたような反省というものをよくかみしめて、そして新しい、いわば実行可能な、絵にかいたもちにならないような計画でなければならないと思っております。
○佐藤(守)小委員 いまお聞きしまして、大体現行計画の破綻の原因というものが、運賃の決定が非常におくれたことと、計画より一年か二年しかたっていないが人件費のベースアップということ、これは一昨年の石油ショックによるものであることも、皆国民の予測しなかったことであります。これは実は私たち政治家の責任でもある、こういうように実は私理解いたしておるわけでございます。あとはずっといろいろな問題があるわけでございますが、その中で実は先ほど鉄監の国鉄部長の説明の中にも、各国の運賃改定状況あるいは諸外国の運賃決定方式というものがございます。これを見ておりまして、イギリスの鉄道公社、これも実は大臣の認可事項、ドイツ、フランス、アメリカ、これは一般の国民世論、利用者の意見をどう取り入れるかという形ではございますが、大臣の認可事項ということになっておるわけでございます。前回も運賃の決定がおくれましたのは国会審議の場で非常に長くかかったということのように私どもせんじ詰めて理解しておるわけでございますが、運賃決定方式につきましていまの形のままで、先ほど鉄監局長おっしゃいましたが、これからは実情に即した計画をつくりたいということですが、この辺はどう思われますか、率直な意見を聞かしてもらいたい。 私見ておりますと、あの電信電話、公共料金全部見ましても実は料金が国会の審議の場にかかるのは日本だけのように理解しております。諸外国の場合は全部大臣の認可事項でございます。私はこれが実行をおくらせる大きな原因の一つではないか、こう思うわけでございます。もちろん国鉄には公共性と企業性がございまして、ある人たちは、いやそれはもう国が全部めんどう見ればいいんだという人たちもございますが、当然利用者といたしましてもある程度の負担をするというのは常識だと思っておるわけでございますが、その意味におきまして運賃決定方式がいまの形のままでいいのかどうなのかということにつきまして、鉄監局長、総裁の御意見をお聞きしたい、こう思うわけでございます。
○後藤(茂)政府委員 ただいま先生から御指摘になりました日本におきます運賃法定制度というものが諸外国との比較においてきわめて類例を見ない制度であるということ、それから過去におきます最近の国鉄の運賃というものが日本で、先生御指摘のような経緯で、そして計画していたよりも二年半おくれるという事実があったということは全く先生のおっしゃるとおりだと思います。私どもも、先ほども申し上げましたように、きれいな数字を並べてみて十年後とんとんと言ってみても、そこで描いた運賃そのものが思ったように動かないのであるならば、そこでまた破綻をしてしまう。これは、先ほど御説明申し上げたその一半はそういうことでございます。そういったことをすべて考えました場合に、これはやはり今後の問題としては、ただいまの運賃制度というものをどういうふうに考え直すかということは、これは私どもも慎重に考えなければいかぬ問題だと思います。先生がただいま提起なさいました問題、先生以外にも世の中で提起されておるお方がございますし、それからいろいろとむずかしい問題が一方であるということはこれまた承知しております。そこで、むずかしいという事情、国民の感情、これまでの経緯というようなものを踏まえますと、軽々しくごたごたといま申し上げることではないかもしれませんが、これはあくまでも慎重に現実的な解決というものを私どもは目指すべきだと思っております。
○藤井説明員 きわめて素朴な意見を申し上げますので、あらかじめお断りしておきますが、一体この国鉄の運賃、輸送機関の運賃とは何だということを考えますと、これは輸送サービスに対する価格である。したがって、価格である以上、賃金であるとか物価によって常時変動しているものである。それを法律で固定しようというようなことははなはだしく無理があるということで、私は法律は知りませんけれども、西欧諸国は全部法律ではないというようなことになっております。日本は御承知のように財政法で、国家のわがままを抑えるような意味で財政法にひっかかって、現にひっかかったと言ったらばなはだ言いようは悪いのですが、財政法で規定されておりますが、私どもはこの法体系がいいとか悪いとか言うのじゃなくて、そういう物価によって動くような賃率が適時、随時適切にこれが決定できるような機構は何であろうかということをお願いしたいと思うのでありまして、これは法定主義の方が早くていいというような御議論になればこれで否定するわけじゃございませんけれども、まあ過去の前例などを見ますと、いろんなことから常に運賃というのは低位に抑えられ、しかも相当の時間を要するというようなことになっておりますので、この問題だけ解消していただくというようなことで、その形がいかなる形をとりましても私どもとしては何ら異論があるわけじゃございません。
○佐藤(守)小委員 実は私は、いまの問題につきまして新しい再建計画も聞きたいわけですが、いつも自民党がトップに立ちましてたくさん時間をとるということで他の人たちに迷惑をかけておるものですから、新しい再建計画、後またどなたかお聞きになると思いますから私はお聞きいたしませんが、実は、現行再建計画を考えた場合に、国鉄総裁は大変あなたらしくない抽象的な言葉で言っておられるわけでございます。ぼくはもっと率直なあなたの意見を聞きたいと思ったわけですが、いまの経営形態が一つの大きな要素じゃないか。私は実は、現行再建計画が失敗した原因に二つあると思います。一つは、いまの経営形態に問題がある。もう一つは運賃決定方式。この二つを解決しないと国鉄の再建はむずかしいのではないか、私は実はこのように思っておるわけでございます。 たとえば先般春闘の場合でも、総裁も新聞を読まれたと思いますが、総裁当事者能力なしということです。この言葉、これは何を意味するかということです。たとえば、普通民間におきましては、会社の社長が自分の会社の社員のボーナスも決められない、ベースアップも決められないという社長で、だれが、従業員がついてきますか。私は実はそういうふうに理解しているわけです。したがって、国鉄職員あるいは国鉄の皆さんにつきましてはいろいろな批判がございます。けれども、私は全国歩いておりまして、実によくやっている、実はぼくはこのように理解しているわけです。ただし、そういう形の中に、いまのような日本国有鉄道法という経営形態の中で果たして職員は総裁にいまからついていくでしょうか。私は実は先般も、最初のときに、学者連中を参考人として呼んで、清水先生等から御意見を聞いたのですが、そのときに特に経営形態の問題についてお聞きしました。いまの日本国有鉄道法のもとでは国鉄の再建は不可能ですということを明確におっしゃったわけであります。私は皆さん方がどんなに努力されまして、どんなにがんばられて、どんなによい方法をつくられましても、このいまの経営形態の問題と運賃決定方式がある限りは国鉄の再建はむずかしい、実はこう思っておるのですが、それにつきまして総裁、鉄監局長から明確なる御意見を承りたいと思うのですが、よろしくお願いします。
○藤井説明員 現在の運賃の決定方式において国鉄の再建は直ちにだめだということは、これはちょっと、はなはだ言いづらい議論でございますけれども、先ほど御議論がございましたように、やはり当事者能力が全然国鉄総裁にはない。これはきわめて端的に言うと、運賃とは、自分のつくった——これは公共性があっていろいろな制肘を受けるにしても、自分の製品である、この価格は自分が決め得ない、さらに給与総額とかなんとかあって人間の数、職員の数も給与も決め得ない。これでは全くのあれがないので、しからばこれはどうするかということになると、私はよくわかりませんけれども、公共企業体というのはこういう運用をすればうまく動くのだが、表面はそういうような形になっておるのだということになって、そこらから根本の御議論を願わなくちゃいかぬと思いますけれども、第一の問題の運賃決定というようなことは、何も国鉄総裁に一任してもらわなくちゃ適切な運賃は決まりませんというわけではないのだが、これは適時適切に、ほかの物価政策その他の犠牲において不当に低く抑えられるというようなことがないとすれば、これは再建できる。国家が何かの必要上運賃を抑えるということになれば、国鉄の言い分の正しい限りにおいて、この運賃の差額を、イギリスだの外国がやっているように補償する。借りるのじゃないのですよ、補償する。そういうようなことにしていただければ、これは再建できないことはない。したがいまして、運賃決定権がないから国鉄再建はできぬぞというのは、そう言った方が簡単かもしれませんが、ちょっとひっかかるものがあります。
○後藤(茂)政府委員 難問でございます。しかしお答えいたします。 再建計画、新しい国鉄の再建を目指しますことにつきましては、細かいことにつきましてはいろいろと考え方がございましょうし、またいろいろと知恵の出しょうもございましょう。基本的には、私の私見でございますけれども、これだけの大きな資産とこれだけの四十数万人の人間の集団と伝統というものを持っている国鉄が、働く人が働く気概を持て、そしてその経営を指導していく人たちがいわば経営者としてもりもりと腕がふるえるような環境をつくるということが、国民のいわば資産としての国鉄というものを最も国民に奉仕させるゆえんだと私は思っております。そういった方向で再建というものを考えるべきではないかと私は思っております。
○佐藤(守)小委員 大体不得要領な答えでございますが、なかなか言いにくいこともあるかと思います。総裁、鉄監局長も実は私、最初に申し上げましたように、思う存分な御意見を述べていただきたいと思うわけでありますが、お立場等もございまして言いにくい点もあるというけれども、気持ちはある程度理解できた、このように思っているわけでございます。 私は、たとえば、民間におきまして、国鉄総裁の郷里でございましたならば、一つの新幹線を敷設する場合でも、用地買収はいまのところ年次計画、予算で買っております。毎年上がっていく。仮に思い切って借入金ができれば、用地買収は一年でできる。恐らくいままで新幹線、たとえば新大阪−博多間の新幹線につきましては、用地代は何分の一かで済んでおるというような理解を私はし、経済効率も十分上がるのではないか、実は私はこのように考えておるわけでございます。したがいまして、私は、どんなことをしても最初申し上げましたりっぱな国鉄をつくっていただきたい、そのためにはどうしたらいいかということを、われわれも政界人でございますが、国民の一人として十分考えなければならぬ。本当に皆さんと一緒につくり上げたいというのが念願で、こういうふうな御意見をお聞きしておるということでございますが、私はいまの基本的問題につきましても十分御考慮願いまして、総裁、国鉄幹部、鉄監局長等も、本当にいい案をつくりましてもこういう点ができなければ再建はむずかしいというような率直な案をつくっていただきまして、五年、十年、二十年、三十年先の国鉄の将来を考えていただきまして、本当に国鉄職員が働ける、本当に労使挙げて生きがいがある職場にしていただくような、本当に日本のために国鉄の使命を十分果たしていただくような国鉄の基礎づくりをいまこそすべきではないかというようなことで御質問しておるわけでございます。 何かとお聞きしたいことがございますが、そのようなことで、時間も大体来たようでございますので……。私は、先ほど申しましたこの二つを解決しないと再建はなかなかむずかしいのではないか。それからよく一般的に言われておりますが、たとえば貨物の問題、旅客の問題等言われております。私は、いまの乏しい中でよくやっていると思います。私は、政治家というのは基本をどうするか、皆さん方にどういうことをしてあげたら本当に働けるかというのをつくり、決めるのが政治家ではないか、あとは皆さん方みたいに能力のある人がやればできると思っています。そういうことをもちまして、もっと真剣に、お考えになっていると思いますが、先ほど私言いましたような、方法論ではなくして実体論、本当にどうしたら国鉄再建はできるかということについて十分お考え願いまして、また御意見を率直に別の機会にお伺いしたいと思うわけでございます。本当にきょうはありがとうございました。委員長ありがとうございました。 質問を終わります。
○増岡小委員長 久保三郎君。
○久保(三)小委員 質問者が多いのに時間が限られておりますから、さしあたって簡単に二、三お伺いしたいのでありますが、佐藤委員からいまお話がありまして、そのお答えを聞いていると、どうもおざなりの御答弁でありまして、もはや運輸省も国鉄も、国鉄がこの時点に来たのに、いろいろな、思惑と言ったら語弊がありますが、そういうものを頭に置いて議論に立ち向かうというのは、私は責任逃れだと思うのです。特に鉄監局長の答弁はけしからぬ。というよりは、役人だから仕方がないと思うのだが、もはやここまで来て表面的な話をしても、だれも納得しませんし、前進などはあり得ないのですよ。私は、あなたの意見が私の意見とみんな一致するとはちっとも思っていないのです。しかし、これはお互いの立場や考え方は違うのでありますが、いままでの延長線上での議論や意見というのは何もならぬだろうというふうに私は思うのでありまして、そういう意味で、少し真剣と言ったら、真剣になっていますと答えるのでしょうが、どうも事務的にやられているのではないかというふうに思うのです。だから私は予定した質問で、佐藤委員と同じように国鉄を現況に至らしめた原因と責任はどこにあるんだろうかという質問をまずしたいのでありますが、お答えはきょうはしてもらいたくありません、そういう態度ならば。これは後で機会を見て徹底的に議論をしてみたいと思うのです。そういうことを約束しておきたいし、小委員長にもお願いしますが、できますれば、これは少なくとも国鉄が二十四年に公社に移行したのでありますから、二十四年からの歴史の上で今日の結論というか、現状があるわけでありますから、その徹底的に洗った上での意見を出してもらいたい。膨大なものになると思うから、これはできますれば休会中に文書で出してもらいたい、国鉄と運輸省に、というよりは運輸大臣に出してもらいたい。よろしゅうございますか。きょうは、十五分ぐらいで聞けるものではありません、先ほどの意見を聞いて私はそういうふうに痛切に思うのです。だから、これは後の課題にしておいてもらいたい。 それからもう一つは、先般、国鉄は大きな広告を出しています、意見広告。この意見広告の中でも、国鉄のとらえ方は昭和三十九年から赤字に転落した、その三十九年からだけ赤字になったというだけを基礎にして意見を出しているのでありまして、これは誤りではないかもしれませんが、先ほど言ったように、これでは中途半端である。問題の本質をえぐり取ることは不可能だというふうに私は思うのでありますが、どうなのか。結局、意見広告から、さっきの鉄監局長の意見を見ていると、いわゆる表面に出てきた赤字だけを何とかしようという形にとるわけでありますが、私はそういうものではないと思うのですね。またそうであっても、その赤字を解消するのにはそんな運賃の値上げだけやその他の多少のことでこれが解決するものと、あなた方だって思っていないのですよ。だから、本当のことをこの際やはり言ってもらいたい。だから私は、意見広告では三十九年からの議論ではこれはだめだなという感じがしました。中身の是非は別ですよ、議論のいい悪いは別にして、そういうふうに私は思う。 しかしながら、私は当面、あの広告についてお伺いしたいのは、新聞などを見たり週刊誌を見ていると、大変いろいろな反響が出ている。この反響についてどういうふうに考えておるのか。いわゆる反響も、直接の反響もあろうかと思うのでありますが、これに対して国鉄当局はどういうふうに対処しようというか処置しようというのであるか、この点ひとつお聞きしたい。 それからもう一つは、意見広告は、いわゆるこれからの財政を中心にして運営していくのには、運賃で賄うとすればいわゆるこれは倍になりますという計算を前提に置いてやっておるわけだ。しかし、運賃を議論する場合には、その前提になる制度、いまの運賃決定方式もありましょうが、運賃に当然含まれるべきものと含まれてはいけないものとがたくさんあるわけです。それから二倍上げても二倍の収入があるとはみんなも考えていないはずなんだ。その辺のことをきちんと整理しなければいけないと私は思うのだが、それはどういうふうに考えておられるのか。 それから特にもう一つは、一番末尾に「こうして経費に見合う運賃を払って頂いても、これまでの六兆七千億円という莫大な借金は未解決のままで残ります。」というのだが、この点はもちろん国鉄は自分の守備範囲ではないというふうに思っているのかどうか。そうだとするならば、これの措置はどうするのか、過去債務の処理はどうするのか、鉄監というか政府はどういうふうに考えているのか。これはもちろん詰めた議論は、恐らくさっきの佐藤委員に対する答弁のように出ないだろうと私は思うのです。しかし、これをどうなさろうとするのかという問題が一つある。 それから先ほども、運賃の部分に含められるべきでない、たとえば公共負担、手前どもはこの国会に、当委員会に法案を出しております。公共割引の負担についての法案を出しております。そういう問題について、もちろんあしたお尋ねをしますが、そういう問題、あるいは地方交通線と言われる、運賃を上げてもそのとおり返ってこない線区がたくさんあるという事実は否定しない。しかしそれは撤去すべき性格のものではなくて、国民生活上当然残さねばならぬ。だからこれは国鉄の運賃では賄えない、国民生活上は必要だとするならばどうするのかという問題、課題があるわけなんだが、これはどうするのか。さしあたりどういうふうに考えていくか、テストのようなつもりでお聞きするのですが、本格の議論には恐らくならぬと思うのでありますが、私は十五分ですから、どういうふうに考えているか。 それからもう一つは、貨物の問題もいま御説明ありました。貨物の問題もいろいろな問題がたくさんあります。だけれども、運び足りないのではないかということだな。シェアがだんだん落ちてきたということは運び足りないということ。運び足りない原因は何にあるのか。これはもちろん輸送力に限界があるという問題もある。たとえば青函の輸送力には限界がある。その限界をどうして解決しないままで今日来ているのか。そういう輸送のネックをなぜ解決しないのか。そういうところへの設備投資はなぜしなかったのかという疑問もある。 それからもう一つは、制度的にも貨物が乗ってこぬという。乗ってこなければ、レールはあいているのでありますから、あいているレールでは、まあいい悪いは別にしてかせげないということですから、そういう乗ってくる方法をどういうふうに考えているのか。十五分でありますからあと幾らもありませんから、御答弁もむずかしいかと思うのでありますが、思いついたままで、さっき言った背景をできるなら取り除いて率直に御意見をお出しいただきたいと思います。いかがでしょう。
○小林説明員 非常に広範にわたる御質問でございますが、最初にこの新聞広告につきましての反響について私からまとめて御報告いたします。 六月十六日から三日間、全国主要日刊紙九紙に御指摘の意見広告を出したわけでございますが、これに対しまして非常に多くの反響があったわけでございます。今日まで全国から約二千通に近い投書が寄せられております。そのほか新聞あるいは雑誌等にこの意見広告に関連したいろいろな記事が出ておるわけでございます。 これらの投書につきまして現在逐一内容を検討いたしておる段階でございますが、その中間的な取りまとめの状況を申し上げますと、第一にこの意見広告を出したことにつきましておよそ賛否両論の投書がございます。従来この種の広告は余り例がなかったわけでございまして、今回国鉄がこのような率直かつ積極的な広報をいたしたということについて非常な理解を示した投書がございます。二億円はむしろナショナルコンセンサスを得るための貴重な投資であるというような表現で、そういう好意的な理解を示した投書もございます。またこれと全く反対に、こういうお金があるならば、赤字の一部の埋め合わせになるんではないかというような意見ももちろんございます。こういうような好意的な理解と批判がおおよそ広告をしたことにつきましては半々に寄せられております。 第二にこの広告の主として趣旨、中心をなしますところの経費を賄える運賃をというような趣旨の点につきましての反響でございますが、この点につきましても、国鉄運賃の性格は利用者負担であるのは当然であるから適正な運賃改定を行って健全な国鉄にすべきであるというような、いわば無条件賛成の意見と、それから全く頭から反対な、突如請求書を突きつけられた感じだというような反対論もございますが、全体から見ますと、これらの無条件賛成とかあるいは頭からの反対論というものは非常に数が少ないわけでございまして、約九割は経費に見合う運賃の支払いという形での協力はやむを得ない、しかし国鉄自身が労使一体となって再建に取り組む意欲と姿勢を国民の前に明らかにすべきである、また民間企業並みの企業努力と申しますか、近代化あるいは合理化の施策をもっと積極的に進めるべきである、いわばこういったことを条件に国鉄の意見というものについての相当の理解を示しておるというものがございます。もちろん、ただいま申し上げました経費に見合う運賃の支払いという問題について理解を示して、条件つきに理解を示しておると申しますが、非常にニュアンスの差はたくさんあるわけでございます。ただいま申し上げました労使一体となって積極的な再建に取り組む意欲と姿勢を示すべきだという点について、あるいは徹底した合理化をすべきというこの二点につきまして、むしろ運賃改定の問題よりかもそれが先決の問題だというようなニュアンスの差は、ただいま申し上げました約九割の意見の中にも程度の差はいろいろございます。 いずれにいたしましても、国鉄が出しました意見広告につきましての経費を賄える運賃というその趣旨につきましては、ただいま申し上げましたように一つの条件というようなものを強く出しておられるようでございます。 これらの意見につきましては、ただいま第二点の御質問の、今後の再建に当たっての具体的な施策ということには当然織り込んでやらなければならないものと思っておるわけでございます。
○天坂説明員 まず初めにあの広告が国鉄の責任で出されたということを申し上げたいと思います。運輸省御当局には一切お許しを得ていない、連絡のない形であって、国鉄の責任で出したものでございます。 それから反響その他につきましてはただいま御説明がございましたけれども、これは私どもなりにまとめてまた御報告の機会があろうかと思いますので、その折に譲りたいと思いますが、正直申しますと、私どもは反響云々ということについてあれこれ実は考えるゆとりはございません。これを出した本当の真意と申しますのは、国鉄の実情を国民によく知ってもらわなければこれだけの大きな問題の解決、本当の解決にはならないのではないかというようなことからいろいろ考えた末でございます。 それから内容に入りまして、確かにあのあそこの紙面では三十九年以降について触れております。しかしながら、問題はさかのぼりまして、むしろ国鉄としまして二十四年に発足以来の大きな問題がございますし、またそれ以前の戦時中の大変な酷使があったということにも淵源してまいりますと、そういった原因なり理由はあると思うわけでございます。 ただ基本的な態度といたしまして、先ほど御質問ございましたけれども、国鉄として基本的に考えましたことは、二月の衆議院の予算委員会で国鉄総裁といたしまして、来年度、五十一年度の予算の試算をしてみますと大変な収支が合わない状態でございます。これをすべて運賃で賄うとすればほぼ二倍程度の実収を必要といたしますということを申したわけでございまして、現在ただいままで、国鉄として言えますことはそこまででございます。当時としましては、こういう小委員会もまだ設けられておりませんし、国鉄として言えることはまだそこまででございますが、しかしながら、あの紙面でも触れておりますように、国鉄の経営としては、基本的に解決をしてもらわなければならない大きな問題を含んでおるんだということについては、いささかではございますが触れたつもりでございます。 その一つは、先ほど御質問にございました地方交通線が大変な国鉄の経営上のハンディになっているということが一つ。それから過去債務につきましても、これは大変な経営上の重荷になっておるわけでございまして、これも振り返って考えてみますと、使わざるを得ない、そういう状況で使ってきたものでございます。主として輸送力が不足でございまして、それを追いかけるのに精いっぱいだったわけでございます。この十年間、東京近辺だけの通勤輸送を見ましても、私ども五方面作戦と申しまして大変な工事をやったわけでございます。大体七千億程度の工事をやってきておるわけでございますが、主としてこれは債務によってやってまいったわけでございます。と申しますのは、当時の情勢自体が、もう経営の状況が悪かったわけでございまして、自己資金をもってこれに充てるゆとりがなかった、そういう状態でもってやってきた結果が債務の大変な増高となってあらわれておるわけでございまして、これも私どもなりには大きな問題であるという問題提起をいたしておりますし、なお、これにつきましても根本的にお考えをお願いいたしまして、解決のめどが立ってほしいという念願を持っておるわけでございます。 なお貨物につきましての設備投資のおくれその他御承知のとおりでございます。貨物が今日ありますのは一にかかってと申してもいいくらい設備が貨物までには手が回らなかった、そういう実情でございます。貨物のみならず職員の職場環境その他につきましても現在は大変な苦慮をいたしておるような状態でございまして、ともかく足りない輸送力を充足するので精いっぱいだという状態でいままで推移してきております。その点につきましても今後の解決のためには大きな一つの問題として考えていかなければならない問題であろうかと思います。
○久保(三)小委員 総裁と鉄監局長には課題をお願いしたから答弁はいいでしょう、時間もないししますから。ただいやみを言っているわけではありませんが、いままであるいはきょうまでいろんな御意見なり資料もいただきましたが、あるいは新聞広告を含めて、いま天坂常務からも若干話がありましたが、輸送力のネックを解決できない、じゃこれからどうするのかという問題が一つもないのですね。一つもないと言ったら失札かもしれませんが、一つもないと言ってもいいくらい。鉄監局長を含めてこれからどうするのか、世間はこれからどうするのか聞きたいのですよ。これまではわかっているのです。汽車は動いてるが赤字だそうだがということはわかっている、これは。それだけの話なんです。これからどうするのですかという話なんです。運賃は上げなくちゃいけませんというあれは新聞広告で大体わかった、いい悪いは別にして大体わかった。しかし、これから中身をどういうふうにするのかということはちっともお触れになっていない。ただ地方交通線は赤字であります、これだけの負担をしていますとかということはわかったが、これをどうするかというのは、みんなこの小委員会でもこれからどうするのかを聞いていこう、私は参考人からも意見を聞いているのはそういう意味なんです。現状は御説明いただかなくても、大体ここにいる人は専門家と言っては語弊がありますが、運輸委員会にずっと所属している方々ばかりでありますから、おわかりだと私は思うのです。もうこの辺で会期も四日で終わりでありますから、本当のことはやはりこういうふうにしたらいいというふうな意見を逐次お出しになることが私は適切だと思うのですね。そうでないと、これはいつまでたっても回しことだと思うのです。せっかく二億の金を出して新聞広告をしても空鉄砲に終わるのじゃないかという気持ちがあるんです。どうかそういう意味で、この次には論文と言っては語弊がありますが、書いたものを出していただきましょう、膨大でも精いっぱい読みますから。御意見を聞いていると三時間ぐらいかかっちゃうかもしれませんから、それじゃ時間がありませんから、ひとつこの小委員会に対する私の要求の意見を出していただきたいと思います。 以上で、時間がありませんから終わります。
○増岡小委員長 太田一夫君。
○太田小委員 私も時間の関係があるようでございます。簡単にお尋ねをいたします。 最初に国鉄の総裁に所感を述べていただきたいと思うのですが、それは総裁の任期ということです。どうもいままでの過去を振り返ってみますと、優秀な人がずいぶんいらっしゃったと思うのですが、意外に早くおやめになります。これはいやになって本当に投げ出したくなっちゃった、それでおやめになったのか、やる気十分なのに、やめろと言われて、みんなやめられたのでしょうか。そういうことをあなたがちょっと感じていらっしゃることを率直に述べていただいて、総裁の座というものはある程度任期何年というような限られたものであるべきではないと私は思っておりますが、そのことについてあなたのお考えを少し率直に承りたいと思うのです。それは、管理はあるが経営がないということを国鉄の場合世間で言っておりますよ。経営などというところに突っ込むのには、そんな四年や五年たったぐらいのことでわかるもんじゃない、本当の経営をやるためには。管理、監督するぐらいのことはできる。そこであなたには、ひとつ本腰を入れて命の限り、根限りやってもらいたいと私は思うが、いままでのことを振り返ってみて、総裁の座というものはやがて早晩、おまえ、かわれよと言われそうな気がするかどうか、ちょっと表明してください。(「いつやめるんだ」と呼ぶ者あり)いやいや、長くやってくださいと私は言っている。どんどんやってください。 それからもう一つ、久保先生がちょっと御質問になってお答えがないが、長期債務の問題ですね、借入金の問題です。これは鉄道債券等を含めまして、大体利子を払ってやっていける経営じゃないことはわかっているんだから、この問題に言及しなければ、明日の国鉄、あすの国鉄は語れないのに、小林さんがおっしゃったが、反響がよかった、反響がよかったなんて、反響がいいはずがない、二倍にしてくれということ、だれが喜ぶもんですか。だから、このがんじがらめの赤字のもとである借金というものをどうするのだという長期債務、借入金対策というものをどうするつもりですか。これは言いたいことが何かありませんか。私はもう本当にゼロにして全額利子補給するなり資本に組み入れるなりしてもらわなければ困ると思う。そういうことに対する国鉄と運輸省の鉄監局長の方針もちょっとお伺いしておきたい。 それからもう一つ、三番目は、細かいことが少しおろそかになっていませんかということです。それはたとえば市町村納付金というのがありますね。そんな何百億なんというものは問題じゃないよとお考えになったら、これは国鉄の再建はあり得ないと思う。同時に、関連事業というものと国鉄の関係において経営上どうとらえるか。もっととっていいところは取り上げればいいじゃないですか。そういうことが粗末になっておるような気がする。それでたとえば地方線、ローカル線が赤字だ、赤字だと盛んに言っていらっしゃいますが、東北本線、私この間ひょっと乗ってみましたが「ひばり」は一日十三往復、一時間に一本ずつ出ている。それが満員なんですね。何ですか、ローカル線の赤字説というのは私はまゆつばだと思う。地方線の幹線でもほとんど赤字ですが、中央線にしても乗りますね。ですから、赤字だとかどうとかという既成概念にとらわれないで、一遍線というものの価値というものを見ていただく必要があると思いますが、とにかく細かい、いわゆる血の回った、神経の行き届いた経営がないような気がするが、関連事業、いろいろなことを含めてさらに相当細かく突っ込んで、取るべきものは取る、払わぬでいいものは払わぬということをしなければ再建はないと思うが、その点はどうか。以上です。
○藤井説明員 大変どうもお答えしづらいような問題ばかり御質問があったのでありますが、第一番の総裁の問題でございますけれども、国鉄というのは、きわめて言いたくないととなんだが、時たま総裁が責任をとれと言われるような事故を起こしまして、過去において私の知っている範囲内におきましては四、五人の、磯崎さんは必ずしもでかい事故とは言えませんけれども、石田さんくらいは幸運にしてそういう事故に遭っていない。他の方は皆事故に遭いまして、責任をとることはいいことか悪いことか別にして、いわゆる腹を切ったのだということが実情で、私は総裁になって一番心配しているのは、国鉄の赤字の問題もあるのだが、四六時中皆さんには小さい事故を起こしてしかられておりますが、事故の大きいのがないだろうかということを考えておるんで、事故ということが一番恐ろしいんで、総裁の任期はもう少し任期にとらわれずにやれというような激励の言葉はございましたけれども、これは、先ほど来議論しているように、何ら自治権というか、当事者能力というか、無能力者みたいなものですから、こんな商売長くやらされたんじゃかなわぬので、私個人に関しては総裁任期をもう少し短かくしてもらえぬだろうかということを考えておりますが、しかし本格的な経営を考えれば、これはあなたのおっしゃるとおりで、がんと腰を落ちつけてやらなくちゃいかぬ、これはお説のとおりです。 それから、第二番目の長期債務をどうするかということで、これもはなはだ言いづらい問題だけれども、長期債務は今年度末には七兆近くになるのだけれども、このうちまあまあ半分以上は財産になっているわけですね。借金じゃなくて、新幹線であるとかなんとか財産になっているので、これはそう恐ろしくはないのだが、累積赤字と称する、今年度末には三兆くらいになりますが、これは純然たる借金で、これをどうするかということになりますと、これも国会あたりで言ったらえらくしかられる議論なんだけれども、国鉄の運賃が不当に安く抑えられておったんで、当然いただくべきものの不足分が政府が貸してやるということなんで、その借金はつまり不足分の累積であるという言い方は、これはいささか詭弁なんだけれども、できる。そういうことも考えて政府が貸してやっているという見解もむろん立つのだけれども、私どもの方から言っても、政府に半分くらい貸してあるんだというような議論だって成り立たぬことはないということで、そんな議論は離れて、ひとついわゆるたな上げ方式でもとっていただいて、毎年五千億もの借金払っておったんじゃどうにもこうにもならぬ、非常な議論があるのでしょうが、でき得ればひとつたな上げ方式でもとっていただきたい。 第三番目の、小さいものの、地方線もひっくるめて、おまえらまだ走らせれば何とかもうかりそうなローカル線なんかは十三本しか走らせぬで、二十本にしたらどうだというような議論になりますけれども、先ほど来言っているように、国鉄の運賃が現在では諸物価の三分の一ぐらいの水準にあるんで走らせれば走らせるほど損するなんて言ってはしかられるけれども、そういうような言い方もあり得るんで、あれでございますけれども、こんなことを言っても地方線は極度に利用していただかなくちゃいかぬので、運賃の額とか何とか、それから政府の財政補助といったようなものをやっていただいて、五十年度から五十一年度に借金を持ち越し、また五十一年度の借金を持ち越すというような体制が少なくとも救われれば、こういうもののサービスも大いにやらなくちゃいかぬ、かように考えておりますので、お答えに全部なったかどうか知りませんけれども……。
○後藤(茂)政府委員 久保先生はおしかりになって、きょうは答えぬでもよろしい、太田先生は何か答えろとおっしゃいます。しかし、それは無理でございます。それは、いろいろとお挙げになりました。過去債務の問題も特にお挙げになりました。勉強しております。で、いままでもいろいろと例のあることでございます。だれが考えてもそれしかないじゃないかというふうに考えます。しかし、いま先生おっしゃいました、あるいは前にも久保先生がお触れになりました、これから先国鉄はどういうふうにするか、そしてその膨大なる投資をやはり今後とも続けなければならぬと思います。その投資は、通常の利子が支払えるような、そういう普通の投資ではない、もうからぬ投資になろうかと思うのですね。それに対する財政はどうすべきかということがもう一つあります。そうすると、全体を考えまして、国鉄の今後の再建について国家財政がどの程度のことをやってもらわなければならぬかということに、過去債務のたな上げの問題、そして今後の投資の問題、地方線の問題これはすべてが全部絡んで、国家財政と今後の国鉄再建というものに絡むわけでございます。その一つだけを取り上げてこうします、ああしますということをいま軽々しく申し上げられない、そこで私は久保先生からおしかりを受ける、これは当然だと思いますけれどもただいまのところはそういう段階でございます。宿題の論文をつくりますけれども、この論文も、それを早く出すのであれば、またおしかりを受ける種になるかもしれませんが、それはそれでやります。
○増岡小委員長 梅田勝君。
○梅田小委員 第七十一特別国会で国鉄財政再建計画の審議が行われましたときに、時の新谷運輸大臣は、この計画は確信をもって出しましたと、そのように明言をいたしております。われわれは、この計画というものは必ず破綻するということを申し上げて、そして政府の考え方というものを根本的に改めることを要求したわけでありますが、事実そのとおりになったわけであります。国民にとりまして、この予測がみごとに当たったということは余り幸せではないのでありますが、これが現実でございます。実際考えますと、今度の十カ年度計画というものは初年度で狂って三年にして破綻。もともと、ずうっとさかのぼって考えますと、四十四年からの第一次計画も破綻ですね。それから、四十七年からの第二次計画も破綻。もっと言えば、三十二年に策定した長期計画も破綻している。大体計画を立てれば立てるほど当局の信用が低下をしていく、こういう因果関係になっているかと思います。われわれは、今回国鉄小委員会を設けて徹底して国鉄の再建問題を議論しようというからには、何が原因であったか、この問題についての真剣な反省、事実の分析、政策の見直しというものがなければ、私は、国民は納得しない、そのように思います。本来ならば政治責任を追及したり——小委員会の四つの柱の一つは政治責任の追及だ、再建計画の財政破綻の原因を明らかにして政治責任を追及するということがいわば一番前提になる大きな柱だと申し上げておるのでありますが、きょうは運輸大臣もおりませんので、鉄監局長に幾ら言うても出てくる答えは二つですね。すでに明らかにされているような実行計画と再建計画の乖離がはなはだしくなってきたと人ごとみたいなことを言うている。それから二つ目には、政府においても経済社会基本計画というものが見直しになる。運賃の値上げがおくれたとか計画が十分に進まなかったとか、あるいは物価が非常に値上がったとか、いろいろ言われておりますが、本当の原因について、問題点について、明らかにされようとしていないというところが、一番大きな問題ではなかろうかと私は思うのです。 きょうは、前の打ち合わせにおきまして、外国における鉄道の助成のあり方というものがどうなっておるかということをひとつ研究して説明していただきたいということであったわけでありますが、期待しておったほどのものが出てこなかった。しかし、先ほど御説明がありましたような内容を見ましても、イギリス国鉄、ドイツ連邦鉄道、フランス国鉄、それぞれの国の助成のあり方を見ておりますと、公共的な事業としての国有鉄道に対して、国はその公共性というものをどのようにして維持していくか。赤字が出た場合には、当然それは財政的に補償していくという積極性というものが見られるわけですね。この諸外国の例を運輸省当局はどのように引き受けてやろうと構えておるのか、ここのところが実は聞きたいわけです。これは再建計画が破綻したことと非常に関連がありまして、膨大な借金計画が十カ年計画の中で策定をされました。いままでの計画も大体借金をどんどんしていくという計画であった。昭和三十二年から四十七年まで、設備投資は合計いたしますと四兆六千六百九億円に達している。それに対して国がどれだけ出資したか。これは尋ねてもいいのですけれども、いまさら尋ねることもありませんので申し上げますと、六百九十一億円しか出さなかったのですね。そうすると、工事資金を国鉄自身は自分たちの企業努力といいますか、内部の操作によってつくらなければならぬということで、われわれに言わせますと過剰の減価償却をどんどんどんどんやっていく、やらざるを得ない。借金には利払いがつきますから、結局何のために仕事をしておるのかいなと、ずっと総括して見たら、利息を払うために仕事をしてきたというような状況だと思うわけですね。今後この計画破綻の二の舞をやらないような新しい財政再建というものを真剣に考えようとするならば、私どもが年来主張しておったような、基礎建設部分に対する、国民が実際に必要としている建設に対しては、国が当然出資をして手当てをするということが原則でなければならない。いままで出てきた累積赤字については当然国がしりぬぐいをしなければならない。このように確信をするわけでありますが、この点について一体どうなのか。一番明確にしなければならぬところが、あなた方の説明ではぼやかされているというように思いますので、念を押してお尋ねいたします。
○杉浦政府委員 ただいま先生から外国等の助成のあり方につきましてどういう感じを持っているかというようなお話がございました。助成と運賃のあり方決定方式とあわせまして私ども御説明を申し上げましたが、運賃の決定方式につきまして非常に日本と違う。それから助成のあり方につきましても日本とかなり違うということを深く私ども考えておるわけでございまして、特に助成につきまして日本と違いますのは、日本の方は御承知のように総括的な総合助成といいますか、国鉄の全体の収支に対する助成、それも建設費、工事費というようなものに絡んだあるいは過去債務に絡んだ助成という形で、総括的な助成が行われていることは御承知のとおりでございます。それに対しまして外国はごらんのとおりいろいろな形で個別的な助成が行われておるというところに大きな違いがある。外国の、特にヨーロッパの鉄道あたりは余り建設という面では進んでいない。日本はかなり建設投資が行われます。そうした背景も原因するのではないかと思いますが、とにかくそうした総合助成と個別助成という違いがあろうかと思います。またイギリスなどで過去債務に対していわば完全なたな上げというような措置も行われるというようなことで、わが国の助成と非常な違いがございます。こうした点もわれわれ十分に参考にしながら、新しい再建計画におきまして、国の全体の財政との絡みもございますので、十分に実効のある形の助成あるいは運賃制度というものを考えていきたいということでございます。
○梅田小委員 国鉄の意見広告ですね、これを拝見いたしますと、前のときにも言うたのですけれども、前は三方一両損の議論がかなり展開されたのですね。国も助成をいたします、それから国鉄も企業努力をいたします、したがって、国民も応分の運賃値上げの負担をお願いしたい、かような議論が特徴であったと思いますが、今回ずっと国鉄当局が出された宣伝物を見てみますと、三方一両損というのはもうずっと影をひそめたというか、全くなくなって、そして企業努力も手いっぱいでございます。そして自由民主党の諸君は、財政硬直化一歳入欠陥ではどないにもならぬ、国はもう出せぬ、取るものは運賃値上げしかないということで、あの意見広告は三日間出されて、新聞が漫画で皮肉をかきましたな。一こま、二こま、三こまは、健全な国鉄をめざしてとこういう題が書いてあって、四つ目には国鉄は運賃を値上げしたいと書いてあった、これだけが言いたかったというように皮肉ってありましたけれども、あの内容は、私は非常にけしからぬと思うのだよ、国鉄当局が出した意見広告。なぜならば、実際にいま国鉄が何を必要としているか、何を訴えなければならぬかという一番肝心なことが書いてない。そうではないでしょうか。国から助成をどっとしてもらわなければどうにもならぬというところの問題。それから過去の再建計画というものがやはり大企業奉仕であった。度外れな設備投資計画でもどんどんやって借金をつくってきた。借金の計画について言えば、借金の方は計画どおりじゃないですか。計画よりちょっと速い速度で借金ができただけの話です。もう最終段階は十一兆円にするという借金計画なんだから。そういうことはちょっともおっしゃらないで、また借金が将来、先ほども久保先生おっしゃいましたように、これでも六兆七千億の借金が残るんだ、どないしてくれるんですという言い方。あなた方自身が最初に立てられた十ヵ年計画というものは、十一兆円の借金をつくるという計画だった。この意見広告というものはそういう点でまじめな広告とは思えないのです。先ほどそちらから小林常務理事から、全国から約二千通の投書があって、大きな反響でございました、国鉄の事態に対する相当の理解を示したというようにおっしゃるが、誤った理解を広めるためにあなた方は努力しておるのやから、これはとんでもない話なんです。このために何ぼ金を使うたですか。正式にこの場でお答えを願いたい。広告代、全国五大紙、地方四大紙、交通新聞等業界紙にも出したそうですけれども、何ぼ金を使うたですか、明細を明らかにしてください。
○天坂説明員 大体二億を超える金額になるかと思っております。
○梅田小委員 二億三千万円というぐあいに言われておりますけれども、それは事実ですか。
○天坂説明員 端数までははっきりしたお答えはいまのところはできかねますが、大体二億三千万円前後ということでございます。
○梅田小委員 その金額は現在の国鉄の財政の苦しさ、火の車の台所、そこから考えてみて妥当なものかどうか、どのようにお考えですか。
○天坂説明員 先ほどもこの広告につきましては私どもの考え方を述べたつもりでございますが、もう一度その点につきましては、国鉄の構えが問題になっておるようでございますので、お話しいたしたいと思います。 国鉄の財政だけ見ましても大変な、一年も猶予ができない、数字的に見れば国鉄始まって以来の大変な状態になっておるわけでございまして、これを基本的に、根本的に解決をしていただかなければならない。そのためには、何と申しましても国民の十分な御理解を得なければならないという考え方に立ったわけでございます。いろんな広告、宣伝もいたしました。パンフレットにいたしましたり写真にもいたしました。しかしながら、国鉄に対する理解というものを考えてみますと、常に事故とかストとか、そういう新聞の見出しからくる印象でしか国鉄を見ておられないということも事実でございます。こういう状況では、国鉄の理解が本当に行き届いた形で国民になされるかどうかという点につきまして、やはりわれわれとしましても最も直接的な国民の目に触れる方法を考えざるを得ない、そういうことでもって新聞を利用せざるを得ないと判断したわけでございます。 確かに、いま先生がおっしゃったような批判はその後の投書にもいろいろあらわれておりますし、私どもあの広告を出す際にもある程度は予測できた問題でございます。これは広告の内容として取り上げられるのでなしに、その前の構えでございますから、ある意味では内容をよくお読みいただければ、かなりの程度国鉄の基本的な態度につきましての御理解は得られるのではないかというふうに考えたわけでございますが、何としても国民の理解を得るためには使わざるを得ない費用であると私ども考えて掲載したわけでございます。
○梅田小委員 あなた、いま一番理解をしてもらわなければならないのは、自由民主党が組織をしている政府からの国鉄に対する援助、あるいは国鉄の財政再建計画に対する正しい指導というものを期待しなければいかぬ。間違ったことばかり言うてくるということについてきちっとした計画を示してもらいたい。計画の訂正をやってもらいたい。国はもっと助成しなければならぬということを求めるのが最大の努力ですよ。あなた、何ですか、国民の御理解を求める、国民に正しく御理解を得られるのには何も広告を使わぬでも、新聞は社会の公器です、国鉄は記者会見をやって、かくかく考えるということを毎日のようにやればいいんです。(「書かないよ」と呼ぶ者あり)毎日は書かないにしても、重要と思えば新聞は書いてくれるんですよ。社会の公器ですから。それを紙面を買い占めて、意見広告で一方的なことをやるというのはけしからぬ話です。そういう発想自体を改めてもらう必要がある、これが一点。 それからもう一点は、内容を読めば正しく理解してもらえる、間違うたことばかり書いておって、だれも正しく理解しませんよ。ますます間違った理解というものが広がるだけの話ですからね。あるいはもうそれは当然間違いだということがわかった人たちが、国鉄をますます信用しなくなるということをみずからつくり出すだけですよ。そこらあたりで考え方というか発想というか、それ自体が私は根本的に間違っている、だから二億三千万円も金を使うんだったら——国鉄総裁にお尋ねいたしますが、あなたに私は繰り返し言うておるんだけれども、内部疾患の身体障害者の運賃割引をするのに年間の費用がどれだけ要るのかと聞いたら、五千万円ほど出てきますと言うた。二億三千万円もあったら四年間は悠々といけるじゃないですか。国民に対してそういうサービスをしてこそ本当に理解が深まるというものです。どうですか、今回の問題についての反省——いや、あなたに聞いているんじゃない、国鉄総裁にお伺いしておる。
○天坂説明員 第一点につきまして、重大な問題でございますのでお答えいたしますが、国鉄といたしましては、ああいう形で出すことが直接国民に知ってもらう最も効果的な方法だと思って、いまだに思っておりますし、ああいう方法をとるべきであるというふうに考えておるわけでございます。一般紙ではとてもあそこまでは載っけてもらえない。過去の例から申しまして、これはぜひ知っていただかなければ本当の問題の解決にはならないという考えに基づいたものでございます。
○藤井説明員 あの広告に関しましてはいろいろな御批評はあったのでありますけれども、私どもとしては、その内容が誤った広告であったかどうかは見解の相違でございますけれども、国民の鉄道を預かっておるのだから、国民の意に逆らってもおしかりを受けても、実態を知らす厳然たる義務があるというような観点に立ってやったことで、国鉄財政から言うと恐ろしく負担が大きいじゃないかという御議論も篤と検討してみたのですが、そういう結論に達したということでございます。
○伊江説明員 現在身体障害者の全体の金額は大体十五億くらいになっておりますが、そのほかに内臓疾患をつけ加えたらどうかという御意見でございますが、確かに五千万円というお答えを申し上げたことは事実でございますが、これは金の問題じゃございませんで、社会福祉の問題というものは、運賃を通じて間接的に社会福祉をやるかどうかという国の基本的な問題だというふうに考えますので、事柄としては全然別の問題だと思います。
○増岡小委員長 松本忠助君。
○松本(忠)小委員 運輸省の方にちょっと補足的な説明を求めます。 運輸省からいただきました御説明をいただいた資料の方の第一ページでございます。ここにはアメリカの様子が全然出ておりませんが、これはもちろん私鉄でございますので、こういった連邦鉄道とか国鉄、公社というような形でございませんので、なかなか集計がむずかしかったと思いますが、二ページの方にはアメリカのいわゆる鉄道の実数が出ておるわけです。こういう二ページ目の方に実数が出ておるのは、各社のものを集計してこういう実数が出たんじゃなかろうかと思うわけです。そうした点からすれば、アメリカ全体として、企業の形態は違うけれども国全体としてのいわゆる鉄道というものがどういう状態にあるかということはどうなのか、この点を一遍お聞かせ願いたいわけであります。 それから第一ページに、これは後で結構でございますが、いわゆる営業キロ、線路でございますが、この線路が複線化しているところはどれくらいあるのか、単線はどうなのかというような数字、後からで結構です。 それからまた電化区間、ディーゼル区間、石炭は恐らく使ってないと思いますが、そういうものは区分をして、燃料の区分によってこれもお知らせを願いたいと思います。 三ページ目、西ドイツが「長距離トラック」とございますが、長距離だけの実績なのかそれとも近距離の区域は含んでないのか。アメリカの方は単に「トラック」としてあるが、これは長距離を含んでいるのかあるいはまた区域も含んでいるのか、どういうものか、その区分を明確にしてもらいたいということです。日本については全体の自動車という意味でしょうかそれとも区域だけのものか、あるいはまた路線トラックなのか、その辺を明確にしてもらいたい。 それから四ページ目でございますが、イギリスそれからフランスの運賃の決定方式の中でロンドンあるいはパリ、こういうものが一つの区域、特別の区域、そこだけが運賃の適用方法が他のところとは違っているようであります。そこで、たとえばロンドン、パリを一〇〇とした場合に、それ以外の圏外はどれくらいの運賃になっているのか、この計数をお知らせを願いたいと思います。 それから七ページ目の財政助成の問題は大分きょうははっきりしてまいりましたが、たとえばイギリスの場合でございますが、要するに七三年単年度で国鉄の収支というものが四百十四億の赤字だ、これは財政の欠損補てんで四百十四億補てんをしているわけでございます。そしていわゆるAグループで千二百八十八億の赤字、これをこの年度で助成をしているのかどうなのか、この点を明確にしてもらいたいわけであります。下の(注)の方に「イギリスでは過去債務に対し、次のような助成を行っている。」ということで、六二年に運輸法で約四千八百億、六八年に運輸法で約四千三百億、七四年には鉄道法で約千五百億国庫引受と、こうあります。なお、さらに約七千百億凍結している。この辺の事情を明確に説明を願いたいわけであります。 国鉄の側でございますが、誇大広告と言うと怒られるかもしれませんが、余りに度を過ぎた広告だったと思います。この点につきましては、国鉄側からも広告掲載する前に私のところにも見えました。こういう広告を出すというお話でございました。私は、それは結構でございます。国鉄の御費用でやるんなら結構でございますが、現在はそういう費用を、多額の金を支出する余裕があるのかないのか、この辺のところも御検討願いたい。 と同時に、この広告を私読ませていただきまして、ざっと一読しましたが、果たして一般の家庭の主婦の方々がこれによって国鉄の財政状態を知り、そしてどういう状態であるということがよく理解できるかどうか。まず私は自分の女房に持っていって見せてみるから、あなたも奥さんにこれをお見せしてその返事を聞かしてもらいたい、こう申し上げました。私は家内に見せましたけれども、国鉄さんが値上げをしてくれということを言っているらしいけれども、内容がよくわからない。これは私のところの家内の頭脳の程度が低いのかもしれませんけれども、さっぱりはっきりしなかったわけであります。それに対して国鉄に翌日申し上げましたけれども、何の御返事もありませんでした。 そこで、この問題についてはいろいろ久保先生からもまた梅田先生からもお話がございましたが、本当に国鉄は運輸省にこの問題に対しては何の相談もしなかったのか。何事によらず運輸省の鼻息をうかがわなければできない国鉄が、この広告に対しては全く運輸省に対して何も聞かなかったのか、指図を受けなかったのか、相談もしなかったのか、その辺は鉄監局長も同時にお答えを願いたいわけであります。 それから、国鉄総裁から任期の問題についてお話がございましたので、私もちょっと申し上げておきたい点は、これは国鉄ばかりに限りません、日本の役所全部でございますけれども、いわゆる大学出身者というものが単に一年か二年一つの場所に腰をかけていると、すぐまたかわってしまう。どんどんかわってしまうから、ある一定の期間何も仕事をしないでじっとしていれば出世するというようなことが言われるくらいです。したがいまして、日本の役所というものの効率が悪い。もう少し専門的に本当に取り組んでいかなければならないという気持ちがない。どんどん出世していく。そのためには、むしろ仕事をしないでじっとしている方がいいんだというようなことが言われるくらいです。 そこで国鉄の場合でありますけれども、いまこうした赤字を抱えてにっちもさっちもいかない。しかしそれを何とかして解決するためには、ここで本当に本腰を据えてやろうというような気概のある者は、二年でも三年でも四年でも五年でもその位置にとどまってしっかりやれというような、そういうことにやらせなければ国鉄の再建などはまず不可能であろうと私は思います。こういう面について総裁はどう考えるか、鉄監局長はどう考えるか、お答えを願いたいわけであります。 投資の問題、長期債務の問題等については、なかなか国鉄だけではどうにもならない。確かに国家財政との関連がありましょう。そういう点も考えまして、この点はまたゆっくりとお伺いするわけでございますが、いまの点についてお答えを願いたい。 最後に、これは最近の例でございますが、小さな問題かもしれませんが、国鉄のサービスの問題、特に新幹線が博多開業いたしまして、非常に広告をしております。「ひかりは西へ」大変結構であります。しかしあの新幹線に乗って博多から東京へ来られる方が、ビュッフェがないためにすきっ腹で帰ってくる。要するにビュッフェがないために食事もとれない。それでは中で何か売りに来るかというと売りに来ない。そういう状態が最近頻々としてあったようでございます。こういう点については、日食とかあるいはビュッフェとうきょうとかあるいは精養軒とか帝国ホテルとかそうい、うところに任してあるんだから、おれの方ではわからないんだと言われればそれまででございますけれども、国民はやはり国鉄さんを目のかたきにするわけであります。すきっ腹を抱えて、そうして東京まで帰ってきた、こういう話を私のところに言ってきた人があります。こういう点に対するサービスの問題については篤と営業担当の重役からお話しを願いたいと思います。 以上です。
○杉浦政府委員 資料の補足について御説明いたします。 第一表のアメリカの実態につきましては、いま手元に資料がございませんので、後ほどできますれば提出いたします。 それから電化、複線化の状況でございますが、これはいま数字がございますが、それも資料で差し上げます。 それから三ページのトラックのことでありますが、日本、イギリスその他、西独を除きまして自動車あるいは道路と書いてありますのは、自家用、営業を含めましてトラックということでございます。西独の長距離トラックの長距離と言いますのは五十キロ以上を運行するトラックということでございます。 それから運賃の決定方式のうち、ロンドン地区とその他一般との運賃の比較につきましては、これもいま手元に資料がございません。取れますかどうかちょっとわかりませんが、できましたならば提出したいと思います。 それから最後の助成の、イギリスとドイツの年間の赤字の補てんの方式でございますが、イギリスにつきましては当該年度に当該年度の赤字をそのまま補てんしてしまうということ、それからドイツにつきましては、二年前の赤字を二年後に補てんする、こういうやり方でございます。 資料につきましては以上のとおりでございます。
○藤井説明員 順次、御指摘の問題にお答えいたしますが、まさに御指摘のとおりでございまして、われわれも及ばずながら先生の御指摘のような方向に進もうということで努力をいたしておりますけれども、それははなはだむずかしい問題で、早急にどうこうというわけにはまいりませんが、漸次その方向に進みたい。これは国鉄だけじゃなくて、官庁おしなべての問題で、それから逆に言えば、そういうふうに機械的に割り切ると若い者が張り切らぬから、その方の損失もあるぞという御意見もございますが、しかし大体本筋としては先生のおっしゃることに賛成でございます。
○速水説明員 ただいまビュッフェの営業についておしかりをちょうだいしたわけでございます。今度は博多へ延長いたしましてから向こうの車内の食事に関しましては、従来のようにビュッフェの営業業者に車内の販売をやらせると同時に、大阪以西については弁当業者に車内で地元の弁当を売らすというダブルシステムをとって遺憾なきように期しておるわけでございます。いま実は先生のおしかりを受けまして、私、車内に両方だれも乗ってなかったとはちょっと腑に落ちないのでございますが、ビュッフェ業者の方はまだ要員量が非常に悪うございまして、どうも人のやりくりがつかぬということで乗らないということもあります。しかし少なくとも弁当業者は大抵乗っていると私ども承知しております。いま先生からおしかりをちょうだいいたしましたが、なおよく調査いたしまして、もしそういうことがありましたら厳重に指導させていただきたいと思います。
○松本(忠)小委員 鉄監局長、広告の問題に対して国鉄の方から何の相談も受けなかったわけでありますか、その点を確認しておきます。
○後藤(茂)政府委員 広告の問題につきましては、先ほど天坂常務理事が御説明したとおりでございます。
○増岡小委員長 河村勝君。
○河村小委員 きょう御説明いただいた資料について二、三質問をいたします。 いま松本さんから外国との比較で七ページの助成の問題を伺いましたが、イギリスは単年度の欠損そのまま補てんする、西ドイツは二年前の欠損を補てんするということのようですね、フランスは大体とんとんで行っているようだから。そうすると、これら主要国の国鉄の場合には、いわゆる累積欠損というのは西ドイツで二年分の欠損が滞留しているだけで、あとはないと考えてよろしいのか、これが一点。 それからもう一つ、累積債務については、イギリスでは助成を適用して七千百億の肩がわりをやっておるということでありますが、他のドイツ、フランス等について累積の長期債務というのは一体存在するのか。存在するとすればどの程度なのかわかりますか。
○富井説明員 お答えいたします。 最初の累積欠損につきましては先生のおっしゃるとおりでございまして、イギリス及びフランスは原則的にはその年に補てんする、ということであります。それから西ドイツにつきましては、先ほど国鉄部長の説明のとおり、二年おくれで補てんをする、こういうことでございます。 それから長期負債につきましては、イギリスは一九七三年でございますけれども、それまでに過去にかなり大幅な債務のたな上げをしておりますので、一九七三年末に残っております長期負債は三千二百四十二億円ということになっております。それから西ドイツは少し多うございまして、一兆五千七百八十三億円、これはいまの為替レートに換算をいたしております。それからフランスはやはり七三年度末で六千六百八十六億、約六千七百億、こういう負債でございます。 以上でございます。
○河村小委員 この外国の比較とそれから貨物関係の資料と両方総合いたしまして、この輸送のシェアでありますが、国鉄貨物輸送、貨物の場合、日本が一七%、西ドイツが四二%、フランスが三七%、大分違うわけですね。日本の場合は貨物のシェアが非常に少ない。これはトラックと内航海運と両方あるわけでございますが、自動車の場合に日本ではトラックのシェアが四五、西ドイツが二六、フランスが三八ですね。フランスはやや近いが、しかし道路網の整備状態から見れば、フランスは本来ならもっと大きくてしかるべきではないか。そういうのを含めると、日本のトラックのシェアというのは他に比べて異常に多いと言わなければならない。これは総合交通政策の問題で、きょうはそこの責任者はいないのでしょうが、一体運輸省としてどう考えているのか。 路線トラックの場合に、過積みやあるいは過重労働で大きなダンピングをやっているという問題が前々からある、これは常識であるが、日本の場合にはこの資料で見て九三%ぐらいが自家用トラックであるという特異な事情があるわけですね。この自家用トラックというのは便利なことは大変よくわかるけれども、これは一体安くついているのかどうか。それはどう考えているのか。もしこれが安くついているとなれば、これは国鉄自体が努力する以外手がないので、政策の問題ではなくなるかもしれませんが、一体国民経済的に見て、この自家用トラックが九三%も占めておるという事実をどう考えるのか、これが一つ。 それから内航海運、これは日本の場合には臨海工業地帯が大部分で、おまけに沿岸が長いから内航海運のシェアが大きいのはわかりますが、しかし同時に内航専用船というのはほとんど荷主兼親会社、これが存在して、事実上船会社に対しては一方的に運賃を押しつけるから、基準運賃みたいなものが決まっておっても基準運賃が守られたためしがない。一体、内航海運もやはり同様にダンピングという面があってそういうふうにシェアが大きくなるということはないのか、それとも専用船が圧倒的に多くなって、その上に石油が非常に大きくなってしまったのか、それをどうやろうと思ってもとうてい国鉄は対抗できないようなものであると考えているのかどうか、資料と関連をして、もしわからなければこの次でもよろしいですけれども、その辺の見解を聞かしてもらいたい。——ではこれは宿題にしておきましょう。 それから国鉄の赤字について貨物の赤字をはっきり区分できないとかできるとかいう議論はあるけれども、とにかく貨物で赤字が出ていることだけは間違いないので、この点についてはさっき天坂常務理事が貨物についての設備投資の不足があることは認めておられたが、にもかかわらず、この貨物関係の資料にはそれに関する資料を全然つけておらぬのは非常に怠慢である。きょうは、資料があるかどうかわかりませんが、輸送力の不足を補うための輸送力増強投資に追われておったという事実があるにしても、それを除いた、旅客と貨物を比較して、旅客には車両にしてもフロントにしても相当な近代化投資が行われておるはずで、それに比べて貨物はヤードにしてもフロントにしても設備投資のおくれが目立っておって、それがやはり貨物の大きな赤字の原因をなしておるのではないかと推測されるのですが、旅客、貨物を比較して投資のバランスは一体どういうふうになっているのか、過去の事実がおおよそ見当つきますか。
○伊江説明員 投資がおくれたために決定的に貨物の輸送がだめになったという原因も一つあると思いますけれども、すべてじゃないと思います。それは、国鉄を取り巻く外的な経済条件の変更が一番大きな問題でございますし、その中にはエネルギー問題がございますし、またいまの御指摘のとおりの自家用トラックの機動性の問題もあると思います。しかし確かに貨物の設備投資は即効的な効果はなかなか期待できませんで、大きな設備投資を必要とするので時間がかかるという点がございますので、投資面から言うと実りに非常に長時間かかるという点はございます。先生おっしゃいましたように旅客の投資に比べまして少のうございますが、御質問に端的にお答え申し上げますならば、三十九年度から四十八年度までの大体十ヵ年の旅客、貨物の総投資を見ますと四兆三千億、円ぐらいでございます。これを貨物関係だけ抜き出しますと約四千億円ということで一割足らず、九%ぐらいであります。そういうことでございまして、今後は、天坂常務理事がお答え申し上げましたように、貨物の基礎的な輸送力を充実させるためにネック区間の側線の強化でございますとか、ヤードの設備あるいはまたターミナルの設備を充実してまいりたいと考えております。
○河村小委員 終わります。
○増岡小委員長 この際、最後に私から国鉄総裁に申し上げますが、いままでの各先生方の質疑を通じて国鉄再建について決意と意見があれば率直に表明していただきたいと思います。
○藤井説明員 当運輸委員会におきまして、財政上危機に瀕している国鉄を何とか蘇生させてやろうというようなことからこの小委員会をつくっていただき、熱心な御討議、御勉強を煩わしていることに対しまして、心からお礼を申し上げます。 ただいまの御意見を拝聴してもわかりますように、国鉄の財政の危機という実態は何だということになると、運賃がきわめて低いということに相なりますので、わが国鉄の赤字を運賃でカバーするかあるいは財政上の処置でカバーするかというようなことはいろいろな議論がございますが、私どもとしては、まず賃金であるとか材料、原料費であるとかでき得べくんば償却費といったようなものは運賃でちょうだいする、その他公共の関係に対するものであるとか一万キロにもなんなんとする赤字線の運営であるとか五千億にも達する金利の支払いであるとか、こういったようなものは政府の財政の方からお助けを願いたい、かように考える次第でありまして、その方法論としては、国鉄の累積赤字は三兆にもなりますので、これを政府の特段の御配慮によってたな上げをしていただくというようなことにすれば途端にその金利の何千億が浮いてくるというようなことでございますので、結論的に申しますと、私ども四十数万の者が、命がけというのはちょっとオーバーな言いようでございますが、一生懸命働きますが、働けるように収入を確保してほしい。その確保の道は、賃金、材料並びに償却をまず原則として運輸収入でカバーする、その他のものは政府の財政援助でお願いいたしたい、かように考える次第でございますので、私のお願いどおり実現されるというようなことはきわめて虫のいいあれでございますが、そういうことをお含みの上お助けを願いたいと思います。 ありがとうございました。
○増岡小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十六分散会