運輸委員会 第18号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/06/06
会議録
○加藤(六)委員長代理 これより会議を開きます。 陸運、航空、日本国有鉄道の経営、港湾、海上保安及び観光に関する件について調査を進めます。 この際、タンカー「栄光丸」乗り上げ事故について海上保安庁から発言を求められておりますので、これを許します。
○寺井政府委員 タンカー「栄光丸」乗り上げ事故につきまして御報告申し上げます。 まず事故の概要でございますが、タンカー「栄光丸」(総トン数十一万五千六百六十七トン、乗組員三十一名、船舶所有者三光汽船株式会社)は、原油二十一万九千トンを積載いたしましてペルシャ湾から千葉港京葉シーバース向け航行中、六月四日午前八時十六分ごろ、東京湾中ノ瀬の西方においてリベリア船イースタンパーム号と行き合い状態になり、避航のため右転したところ、中ノ瀬のAブイ付近、本牧鼻南東三・六マイルの水深約十四メートルの地点に乗り上げ、フォアピークタンク及び一番中央タンク船底部に損傷を生じました。このため、一番タンクの積み荷油約三千トンがフォアピークタンクに流れ込むとともに、前述の損傷部から百トン前後の油が流出いたしました。なお、乗組員等には異常はございませんでした。当時の海上模様は、曇り、北々東の風一メートル、視界一・五ないし二海里でございました。第二に、措置状況といたしましては、事故発生の情報を入手した第三管区海上保安本部は、直ちに出動可能な東京湾内海上保安部署所属の全巡視船艇及び羽田航空基地所属機を出動させるとともに、横浜海上保安部内に栄光丸海難事故対策本部を設置し、油流出の状況調査及び防除作業を行いました。 船主に対し、流出油を局限するための措置として、瀬取り船の手配、一番タンクから他のタンクヘの移しかえ、サルベージによる調査などを実施させました。 東京湾災害対策協議会のメンバーに出動を要請し、官民協力による防除活動の積極的推進を図りました。 本防除活動には、巡視船艇十九隻、航空機三機、民間船三十四隻、これはいずれも六月四日現在でございますが、出動いたしました。 流出油個所付近にオイルフェンス五千百メートルを展張包囲し、回収船による流出油の回収を図るほか、オイルフェンス外の希薄な流出油に対しましては、油処理剤による乳化分散処理を行いました。 同船の損傷タンク残存油を瀬取り船「太和丸」により約二万四千トンの移しかえを実施いたしまして、五日午前十一時ごろより引き船六隻により引きおろし作業を開始、同日午後四時過ぎ根岸沖に投錨させました。現在潜水夫により船底損傷部の状況調査を実施しており、調査結果を待って事後の処置を徹底する方針でございます。 以上、事故の概略を御報告申し上げます。 —————————————
○加藤(六)委員長代理 質疑の通告がありますので、順次これを許します。兒玉末男君。
○兒玉委員 一点は、本年の四月十七日に近鉄の京都線で発生した事故に関連しまして、時期的にかなり経過しているわけでございますが、この損害賠償をめぐりまして加害者、被害者の立場からいろいろ問題が提起されているように聞いているわけでございますが、私は、いずれが是か非かということじゃなくして、この処理の公平なる解決を希望したいという立場から鉄監局長にお伺いしたいわけでございますが、一点は、この事故の発生しました踏切等に関しましては、昭和四十六年の二月に総理府交通対策本部通達で、二・三メートル未満の踏切に対しては車両の乗り入れを禁止すべきだ、こういう通達も出ておるわけでございますが、本踏切の場合はその幅員が一・八メーターしかないわけであります。これに類似する踏切が相当あるそうでありますが、やはりこの事故にかんがみて、このような通達の厳正な実行を求めるような措置が必要ではないのか。 それから第二点は、これに関連しまして、特に踏切に対するところの、開閉装置に対する反応灯というのがあるそうでございますが、この電車を運転した運転士の主張では、この踏切の該当個所から二百メートル前で反応灯が出た。ところが実際には、この機械が正式に作動するならば八百メートル前からこの反応灯が作用する。ところが、事故の結果この反応機能を調査したところではそういうふうな故障ではないというふうなことも言われておるわけでございますが、やはりこの種事故は被害者、加害者をめぐってかなりの死傷事故も出るし、その損害もかなりの額だそうでございますが、やはりいずれにいたしましても、主たるものはへ運転をするところの近鉄側がそういうふうな踏切対策あるいは運転士等の教育あるいはそういう関係信号機器等の十分な整備という点がやはり私は問題になってくるんじゃないかというふうに感ずるわけでございますが、これらの措置について鉄監局としてはいかなる指導をされるつもりなのか、また、この処置についてどういうふうな対策を練っておるのか、鉄監局長並びに大臣の御所見を承りたいと思います。
○後藤(茂)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように、その前に、九州の西日本鉄道の踏切事故がございましたまた後で、今年の四月に御指摘のような近鉄京都線の踏切事故がございました。私どもといたしましても、従来の踏切安全対策の進め方につきまして厳しく反省をいたし、いろいろと具体的なこの事故についての原因なりをただいま調査中であり、一般的な考え方につきましてもいろいろと検討中でございます。 御質問の問題点につきましてお答え申し上げます。 第一に、この踏切は、近鉄の京都線で四月に事故を起こしました踏切は幅が一・八メートルであって、これは、昭和四十六年の交通安全対策本部で決められました今後の「踏切事故防止総合対策」におきましては、幅二・三メーター未満の踏切につきましては自動車の交通を禁止する方向で全体の踏切の強化対策を進めるという考え方からすれば、いずれは自動車の交通を禁止する形の踏切でございました。この点につきましては、そのような方針が政府全体として決定されました以降、近鉄のこの線も含めまして、各社ともそれぞれに踏切の安全強化対策を立てまして、それぞれの立場からその実施をいろいろと行ってきたわけでございます。残念ながら、この問題の踏切につきましては、幅が一・八メートルでございますけれども、この事故当時、交通規制としては自動車の交通を完全に禁止するというところにまで至っておりませんでした。すこぶる遺憾に存じます。 言いわけではございませんが、こういった対策全体につきまして、四十七年以降関係各省と関係地方鉄道業者との協力のもとに進めてまいりました概要を御説明さしていただきます。 一般的に申しまして、踏切に遮断機をつけ、警報機をつける、こういった金と物をかけるというような安全対策は、当初の計画に比べまして相当に進んでおります。この問題の近鉄だけを例にとりまして申し上げますならば、いわゆる一種化、警報機をつけ、遮断機をつける、こういったことにつきまして近鉄全体で百四十二ヵ所の踏切についてそのような対策を進めるということが立てられまして、その後いろいろと進めました結果、本年三月三十一日で調査をいたしますと、その計画を大幅に上回ります四百三十二ヵ所についてそのような対策が立てられております。金と施設をかけるという点ではそのようにして対策が進んでおりまするけれども、御指摘のような狭い幅員の踏切の自動車の交通を禁止するということにつきましては、ただ単に金と施設をかけるということではなくて、地元の住民の方の交通の利便、取り締まりの警察の立場、そういったような方々と御相談をしながら、必要ならばどこかに踏切を合併して、幅の広い踏切をつくる。たとえば西日本鉄道の場合はそのような方向で検討が進められておりました。この問題の踏切は、いまここに正確なる資料を持っておりませんが、問題の踏切の京都側と奈良側と両方に、一方が約六百メートルで次の踏切がある。片方が三百何十メートルで他方の踏切がある。そのそれぞれの踏切の幅員は私はいまここで詳細に持っておりませんけれども、もしこの踏切の自動車の通行を遮断するならば、この近畿地方の人口稠密なるところで線路が一キロにわたって自動車が通れなくなる、こういった地理的な環境にある踏切でございまして、これらの自動車の通行を禁止するような措置というものを会社としては希望しておったのは事実でございます。いろいろと地元やその他とのお話し合いがうまくつきませんで、ついにこのような事態になったという事情でございます。このような対策というものを、現実的に、実際的に話がつきやすいような方向というものを今後とも関係各省と御連絡をしながら検討を重ねてまいりたいと思っております。 第二に、反応灯の問題につきまして御説明をさせていただきます。 反応灯は、踏切の遮断機がおりておるかどうかということを運転士に知らせる装置でございまして、御指摘のように、設計上この反応灯は踏切から約二百メートルいわば電車側に設置されておりまして、踏切から約八百メートルのところで運転士さんからその灯火が見えるような装置になっておる。私どもが大阪の陸運局を通じまして、その後いろいろと関係者から事情を聞きましたその報告によりますと、この運転士さんは踏切から約五百メートルでその反応灯がついたのを確認しておるという報告を受けております。その点、先生のおっしゃいましたのと若干違いますにいたしましても、八百メートル手前と五百メートル手前の差がございます。その差のところでどのようなことがあったのか、実はいろいろと——ただいま私どもが承知するところではよくわかっておりません。しかし、この反応灯はいわば遮断機がおりておるということを知らせる灯火でございまして、問題の事故が起こりました原因は、踏切の真ん中に自動車が脱輪と申しますか、まくら木が並べてあるその車の通れるところからタイヤを外してしまって、そこでえんごしてしまったという状態で、不幸にして前と後ろの踏切の遮断機はおりておったわけでございます。したがいまして、五百メートル前で運転士さんが確認したのは、前方の踏切は完全に遮断機がおりておる。つまり、その真ん中に自動車がとまっている、いないということは別といたしまして、通常の状態であるということを、運転士さんは踏切の五百メートル前でその灯火を見ていわば事実と違った確認をしてしまった、もちろん装置がそうなっておりますから。そういうわけでございますが、そのまま現実に自動車を目で見られる状態になって、それは踏切から約二百メートル手前のようでございますが、それからブレーキをかけた、間に合わなかった、こういう事態でございます。 実際の関係者のそれぞれの責任あるいは過失といったことにつきましては、担当の警察その他の機関で現在いろいろと手続が進行中のようでございます。私どもの口からとやかく申し上げることは差し控えさしていただきたいと思いますけれども、このような信号灯がついておって、そしてそれを手前で確認をして現実に踏切が目の前に見えるようになったら、両方の遮断機はおりておったけれども、その真ん中に車がとまっておったという事態を確認してブレーキをかけた。これは構造的にもう踏切の手前で電車をとめるような距離ではなかった、こういうふうに私どもは事態を認識しております。 いずれにいたしましても、この過失、責任問題につきましては、ただいま申し上げましたいろいろの手続をこれから進めると思いますし、そのことにつきましては公平なる処理、処断というものが行われることを私どもも期待をいたしております。
○兒玉委員 いろいろと説明がありましたが、やはり総理府が出しておるところの踏切等の整備に関する通達が厳正に行われておるならば、この種事故は防ぎ得る可能性というものは十分あるということを十分ひとつ認識していただいて、そして今後ひとつ積極的な指導を私は強く要望したいと思います。 時間がございませんので、次は沖縄の復帰に関連する問題として、航空局並びに観光局、それから大蔵省にお伺いしたいわけでございます。 沖縄のいわゆる復帰に伴う特別措置によりまして、特に航空燃料税の減免措置がなされてきたわけでございますが、本年三月でこの期限が切れております。私も一昨年沖縄の本島を視察しましたが、御承知のとおり、特に七つの島を結ぶ航空機の果たす役割りというものは非常に大きいわけでございまして、この燃料税の減免措置がなくなることは、とりもなおさずやはり航空運賃の値上げということを誘う大きな要因になるという点からも、ひいては沖縄関係住民の大きな負担になることは否定できない。これに対して航空当局並びに大蔵省はどういうふうな措置を考えておるのか。 第二点は、やはりこれに関連しまして、観光関係の観光戻し税という制度がございます。これは昭和五十二年の五月まででございますかで期限が切れるわけでございますが、これに対しましてもやはり沖縄におけるところの復帰後の県の観光産品の奨励という立場、あるいは財源補てんという立場からも、これは当然さらに要望どおり継続をされるべき性格のものと私たちは考えるわけでございますが、この二点について航空局、観光局並びに大蔵省当局、そして総括的にひとつ運輸大臣からもお考えをお聞きしたいと存じます。 以上、二点についてお伺いします。
○中村(大)政府委員 御指摘のように、南西航空は沖縄の離島間の重要な交通機関になっておるわけでございまして、現に四十九年度におきましても、他の一般の旅客の伸びに比べますと若干それを上回るような旅客数の伸びを呈しておるわけでございます。そういうことで昨年、四十九年度につきましては、運賃値上げを九月に約四九%いたしまして増収を図ったわけでございますけれども、燃料費のアップ、人件費のアップ、その他諸経費の高騰によりまして、四十九年度最終的には約三億六千万弱の赤字になったわけでございます。 御指摘の燃料税でございますけれども、これは四十九年度まで減免措置がとられ、五十年度からは本土並み、こういうことになったわけでございます。燃料税が全体の収入あるいは経費の中でどの程度になっておるかと申し上げますと、約四・四%ないし四・五%ということで、四十八年度に比べまして、いわゆる減免措置がなくなって本土並みになったことによる増加分というのは約八千万円、全体の二%足らずになると思います。したがいまして、その程度によって直ちに全体の運賃をどうこうするということには直接的にはならないと思います。むしろ南西航空の五十年度以降の経営をどうするかということにつきましては、いわゆる離島航路を担当いたしております重要な路線として、その運営をどのように安全に確保させていくかということについてより総合的な検討をいろいろしなければならないと思いますし、また最初に申し上げましたように、四十九年度に約五〇%程度の運賃値上げをいたしておりまして、それが五十年度以降どのように寄与いたしますか、その点も少し見きわめる必要があろうと思いますので、総合的に判断をしてまいりたいと思います。
○高野政府委員 先ほど払い戻し税の問題が先生から御指摘がございましたが、これは御承知のように五年間という経過措置で現在は進められておりまして、あと約二年ほど継続されるということでございます。御承知のように、復帰前における沖縄のみやげ品の価格等考慮されまして、こういう特例の措置が考慮されたものと思われますが、観光の面から見ましてもいわゆるショッピング観光と申しますか、その面からこういう税制がある程度の役割りを果たしておったということは十分認められますし、また、私ども沖縄の観光振興ということにつきましてはいろいろ配慮してまいりたいと思いますが、その中における一つの発展といたしまして、私どもとしましては今後の経過等も見ながら、必要がありますればそれぞれ関係の各省庁等と協議をしていきたいというふうに現在は考えております。
○島崎説明員 航空機燃料税の問題につきまして、お答えいたします。 航空機燃料税は、御承知のように昭和四十七年度から実施されている税でございまして、その際沖縄につきましては御案内のとおりの軽減措置がとられておりますし、それから本土におきましても小型航空機の運航業者の負担の軽減緩和ということで、三年間にわたりまして小型航空機の燃料につきましては軽減措置がとられたわけでございます。三年間過ぎまして当初予定した期間も過ぎましたので、沖縄のみならず本土につきましてもこの措置は三月をもって終了させていただいたわけでございます。いまのところ、これをさらに復活するという考え方は持っておりません。
○松尾説明員 観光戻税の問題でございますが、先生御発言のとおり、これは五十二年の五月までという限時法になっております。その後どうするのかということにつきまして地元の方から私どもの方にも継続の要望を私ども伺っておるわけでございますが、先ほど運輸省から御答弁ございましたように、まだ二年ほど先の問題でございますので、他の沖縄に対する優遇措置との関連ということもございましょうが、関係各省とも十分相談をいたしまして、今後検討していきたい、かように考えております。
○木村国務大臣 初めに近鉄事故についてちょっとお答え申し上げますと、鉄道監督局長が申し上げましたようなことで、踏切事故だけが陸上交通事故の中でなかなか減っていかないということで、もう長きにわたりまして踏切の対策は計画的に進めておるところでございます。その内容はいろいろ局長から申し上げたとおりでございます。 ただ、その格上げなりあるいは廃止なりあるいは立体交差なりの計画ができておりまして、それを逐次進めてまいっておりますが、本件の事故のようにたまたままだその計画にのっとって実現されていないというところにこういう事故が起きたということは非常に残念なことでございます。廃止というふうなことになりますと、そこを利用しておる地域の人たちからもいろいろ反対もございますし、円満に話し合いをつけた上で整理をするという態度をとっておりますので、この踏切の場合にもまだその時期が熟していなかったということで、非常に残念に思っておるわけでございますが、こういったまだ解決されていない踏切につきましては、できる限り関係者が精力的に努力いたしまして、早く対策の実施、実現ができるように努力いたしたいと思っております。 それから沖縄問題について御説明がございました。またそれぞれ答弁を事務当局からいたしたところでございますが、何といたしましても沖縄につきましては長い間の占領の時代を経験をいたして最近復帰したということで、わが国内の他の府県に比べまして民生あるいは産業経済等がおくれておる、これを他のわが国の各県に追いつくように、占領時代のおくれを取り戻す期間、いろんな恩典をそのまま続けておるわけでございますが、それぞれある時点が来ますと、やはりすべて本土並みにということに勢いならざるを得ませんですが、ただそれをいつもとに戻すか、いつ廃止するかという問題はやはりそれぞれの項目につきまして事情が違うわけでございますので、それらを十分考えますし、また民生が日本の他の本土並みにレベルが上がったかどうかというようなことも踏まえながら、今後十分慎重に検討いたしたいと思っておるところでございます。特に先般も沖縄県当局から直接私のところへも陳情もございまして、多くの島から成り立っておる沖縄県でございますので、その離島間の交通は、もちろん海上はございますけれども、航空が便利であることは申すまでもございません。その航空機についてできるだけ安い運賃で利用できるようにということは、私も心情はよくわかるわけでございます。十分そういう点も考慮いたしまして善処いたしたいと思っております。
○兒玉委員 終わります。
○加藤(六)委員長代理 金瀬俊雄君。
○金瀬委員 第十雄洋丸が事件を起こしたのが昨年の暮れです。それからまだ半年たっておりません。それからまた、この事件の補償問題あるいはいろいろな後始末、そうしたことがまだ解決が終わっておらないとき、しかもきのうは環境週間の、よい環境をつくる週間の初日です。そうしたときにこうした大事故が起きたわけでございますが、御存じのように、この栄光丸というのは三光汽船に所属しておる船でございます。そういうわけでございますので、巷間、三木総理大臣の最大のスポンサーと言われております。また、通産大臣の関係が一番深い会社の所属船であるということが言われておりまして、これが漁業組合あたりでもそうであるということを言っておりますので、この会社の処分あるいは補償問題その他について手心を加えるのではないかというような話が出ておりますが、その点についてひとつ、政府が三光汽船に対して厳しい態度で臨むということをはっきりさしていただきたい。これは漁民側からも相当な要望が出ておりますので、まず大臣にその点について質問いたします。
○木村国務大臣 東京湾内におきまして昨日御指摘のような事故が起こりましたことは非常に遺憾に思っておる次第でございます。その実情は先ほど保安庁長官から申し上げたとおりでございます。この船がたまたま三光汽船所属の船であったわけでございますが、こういう海難が生じました場合に、運輸省といたしましては、その船の所属する会社がいかなる会社であるか、またいかなる政治的な関連がある会社であるかというふうなことは、この責任問題については全然そういうこととは別個に厳正に考えていくつもりでございます。従来ともそういう方針を変えておりません。したがって、たまたま最近話題になっております三光汽船の所属の船であるからということで、もちろん手心を加えることもいたしませんし、また、それなるがゆえに過度に厳重なことをやるということも考えておりません。ごく普通の船会社ということで、それぞれ責任は責任として追及をいたすつもりでございます。
○金瀬委員 事故発生以来当局がとった態度なり処理の方法について質問いたします。 まず、海上保安庁長官に御質問いたします。 いま残った油、つまり船の中に入っておる油をどう処置するかということについて御報告がございましたが、瀬取りした後の油はどう処理をするのか、あるいはその船の修理は、どこへ入れて修理するのか。修理するときになると本当の原因がわかってくるのじゃないかと思いますが、そうしたことはどうなっているか。つまり、そのまま瀬取り船で取った残りを京葉シーバースへ持っていって揚げるのか、あるいは丸善へ持っていって揚げるのか、そうしたことについて、第二次の流出が起きるのじゃないかということを心配しておりますので、お答え願いたいと思います。
○寺井政府委員 先ほども御報告申し上げましたように、現在船底の損傷部分の調査をやっております。この船底の損傷の度合いとそれから油の流出のおそれがないことを確認しない限り、現在の位置から動かさないという方針でおります。ただ、その後どこへ持っていって油を揚げるかあるいはどこで修理をするかといったようなことにつきましては、現在のところ当庁といたしましては承知いたしておりません。
○金瀬委員 それがわかりましたら、どうするかまた後で知らしてください。 このときはたまたま瀬取り船があったからよかったけれども、この瀬取り船というのはマラッカ海峡で起きたときに瀬取りをした船がたまたまこちらへ係留されておったので、大変好都合であったということを聞いていますが、そういう事実はございますか。ふだん準備して、たとえば海上保安庁でそういう船を待機させておったわけではない、たまたまそこにおったから非常に好都合にいったということですが、そういうことでございますか。
○寺井政府委員 瀬取り船を常時ある地域に待機をさせるといったような方法は現在とっておりません。今回の場合も、先生御指摘のように最も手近にある瀬取りができる船を利用したということでございます。
○金瀬委員 今後、ここ半年ぐらいに一度ずつこうした事故が起きてくるとすれば、瀬取り船の準備というのは、海上保安庁としては準備する必要があるのじゃないか、さように考えておりますので、それは十分研究していただきたい、さように思っております。 それから、今回の流出油を処理するのに中和剤というのをどのくらい使いましたか。
○寺井政府委員 まだ正確に報告を受けておりませんが、百トン程度かと思います。
○金瀬委員 中和剤をどのくらい使ったかということは正確には海上保安庁でだれが知っていますか。
○寺井政府委員 これは調べればわかります。私どもで調べて、後刻正確な数字をお答え申し上げます。
○金瀬委員 それでは、こういうことが言われております。これは漁業組合の漁船が現場に行っておって調査したのだそうでございますが、五万五千リッター使ったと言われているのです。それで、海上保安庁の船は非常に上手にまいておった。訓練が行き届いておった。その点については漁業組合も認める。しかし、民間から持っていった船は、まけばまくほど後で代金が取れるから、どんどんまき散らした。だから油が全然流れてないところまでまいてしまったということが言われているのですよ。つまり、油が表面にないところまでむやみにまいたというのを見ていたということが言われているのです。それは海上保安庁の船では絶対ございませんということまで言われているけれども、そういう事実はございますか。
○寺井政府委員 油のないところに中和剤を散布したという報告は受けておりませんが、これもあわせて調査の上、御報告申し上げたいと思います。
○金瀬委員 これは中和剤をまけばまいただけ、後で金を支払うわけでしょう。そうなっていますか。
○寺井政府委員 防除作業に要した費用は、後で原因者に請求をして、原因者の方から支払うということになっております。
○金瀬委員 それは現実に漁民が見ておって、油が薄く流れてきたところへまいてくれればいいのに、油が全然ないところへもまいた、どんどん散らしていった。だから結局予防措置なのかどうなのかわからぬけれども、火事で言えば、火がついていない遠くの方の家までどんどん水をかけたというような形が出ているようですが、海上保安庁の船はさすがにみごとなものであったということでございますので、その点については今後気をつけていただきたい。 その次に、この航路は沈船がある、だから欠陥航路であるというふうに言われておった場所ですが、欠陥航路ということが言えますか。
○寺井政府委員 私どもの考え方としては、必ずしも欠陥とは言えませんが、現在沈船もございます。航路によりましては浅瀬もあるわけでございますが、そういう状態の航路として使用できるように、いろいろな障害物の通知を行いまして、船舶の安全航行に資しておるというのが当庁の立場でございます。
○金瀬委員 沈船があって、その場所を避けて通らなければならないとか、あるいはそれを撤去しなければならない、障害になっているという場合には、中ノ瀬航路の場合には港湾局が取るのが本当なんですか、海上保安庁ですか、それともどこが片づけるのが本当なんですか。
○寺井政府委員 中ノ瀬航路は現在海上交通安全法の対象水域になっておりまして、その法が施行された後で沈没をして、その船が邪魔になるといった場合には、当庁がこれを除去を指示するというたてまえになっております。先生御指摘の船舶は、かなり前に沈んだ船舶で、現在中ノ瀬には三隻沈船がございます。三隻ございますが、いま問題になっておりますのは中ノ瀬の一番浦賀航路寄りの片すみにある船舶であろうかと思います。これがあるために喫水の深い船はそこを避けなければならないという状態でございます。しかし、航路の非常に端にございますのと、中ノ瀬全体から見ますと二十メートル程度の浅さのところがかなりございますので、やはり喫水の深い船舶は非常に通れないという状態になっております。
○金瀬委員 港湾局長にお尋ねしますが、中ノ瀬航路は、現在深さ十六メートルの喫水の船しか通航できないように処置されていますか。
○寺井政府委員 十六メートルより喫水の深い船舶は中ノ瀬航路を通らなくてもよろしいというふうになっておりまして、通ってはいけないというふうにはなっておりません。これは潮の干満あるいは船の喫水等、船長の判断で通ることができまして、現実に相当数の船舶が通っております。
○金瀬委員 この栄光丸というのは喫水が十九メートルであった、そして中ノ瀬航路の西側の深いところを航行しておったということが言われておりますが、将来中ノ瀬航路を深く掘る計画か、あるいは大きい船が通る場所を指定して、そこ以外は通ってはいけない、水深によってここ以外は通るなというような指定をする考えはございますか。
○寺井政府委員 中ノ瀬航路全体をしゅんせついたしまして、より喫水の深い船が通るようにすることは望ましいというふうに考えておりますので、こういった点につきましては関係方面と十分検討していきたいと考えております。
○金瀬委員 東京湾の海上交通の現状では、大型船の東京湾に現在入ってきている隻数とか、そういうことを計算してみて、事故を起こさない方がおかしい、無事故にするのは不可能だ、だからこれ以上事故を起こさないために国が何か処理するとすれば、もう航行隻数を制限する以外にはないのだということが一般に言われておりますが、そういうお考えはございますか、隻数を制限するという考え方。
○寺井政府委員 先生御指摘のように、こういう混雑する水域では総量規制をする方が安全であるという御意見がございますし、新聞等にも論説として出ておりますが、総量規制のやり方、効果等につきまして、私どもやはり検討をしております。しかし、実際問題としてどのような規制をするかということは非常に問題がございますので、これも相当慎重に検討した上で決定をしていきたいと思います。
○金瀬委員 海上交通安全法というのは終局的には漁民をいじめる法律だということを言われております。いま漁民がこれによって非常な被害を受けておる。さらに航行を安全にするために、漁民の方をいじめて取り締まるような法律を強化するとすれば、これは政府のやり方が、いままでもそうだけれども、産業中心で大型船を保護するというようなことになれば、漁民はこのままでは黙っていられないというような空気があって漁民が最後に立ち上がるときがあるというふうに言われております。また、漁民もそうしたことについていろいろ対策を練っておるようでございますが、漁民の不安を取り除く意味におきましても、いまの海上交通安全法をある程度直して、大型船を規制する考えはございませんか。
○寺井政府委員 先生の御指摘にもありますように、船舶の航行と漁業というものが、ある意味で非常に摩擦を起こすケースがございます。もともと、この海洋は交通と漁業ということで、長年両方で利用されてきております。したがいまして、今後こうした交通上の安全性の確保ということと漁業の立場の保護ということとの両者の接点ですべて物事を解決していかなければならぬというふうに考えております。さらに、現在の海交法は施行後まだ数年で、年も浅くて、ようやくなれてきたという状態でございまして、これを緩めるというような考えは、目下のところございません。
○金瀬委員 海上保安庁長官が制限を緩めることはない、強化するとも現状を船がもっと入れるような状態にはしないということでございますので、その方向で進んでいただきたいと思います。 いままでだと、事故を起こしたときだけ大騒ぎをしております。時が過ぎるとまたもとへ戻ってしまうということで、後は海上保安庁の方に任せ切りだというのが海上交通の現状でございます。 そこで、通産省の方がおいでになっておれば質問いたしますが、東京湾の中に工場立地をする場合に、海上交通のことを十分考えて配置したかどうか。いまのように石油化学工場あるいはガスを積んだ船がたくさん入ってくるような配置、そうしたことは考えておったのかどうなのか、東京湾の入り口がどうであるかということを考えてやったのかどうか、通産省の人に説明をお願いいたします。
○山中説明員 私、精製流通課長なものですから、全般的な立地のことは、若干私の対象でないので、遠慮したいと思いますけれども、石油の精製工場の立地につきましては、先生御承知のとおり輸入原油をもって精製するわけでございますから、当然港湾設備が必要でございますし、そのときには、もちろん運輸省の方でよく御審議いただいて立地している、こういうことになるわけでございます。 以上でございます。
○金瀬委員 東京湾の中に日本全体の何%ぐらいの石油精製設備がございますか。
○山中説明員 京浜地区、京葉地区合わせまして百九十六万八千バレルの石油精製設備がございまして、約三五%に相当します。
○金瀬委員 東京湾の中に日本全国の三五%の石油精製設備があるとすれば、そこへ大型船がどんどん入ってくるとやはり事故が起きるということは考えられますね。今後その事故防止のためにどういう設備をすればいいのか、その点についてお伺いいたします。
○山中説明員 海上交通のことについては、私ども直接の所管ではございませんけれども、現在京葉地区あるいは京浜地区を合わせまして、東京湾沿岸の石油精製工場の新規立地の計画というものは現在のところございませんので、われわれいまのところそれは考えておりません。
○金瀬委員 これは漁民が、シーバースをつくることについてもそれからいろいろな荷揚げ設備をつくることについても、いま港湾局とかあるいは海上保安庁とかで考えていることについてはある程度協力しようという考えがあるのですよ。だけれども、これ以上陸上に石油精製設備とか、あるいはいまの設備を改良するという名前のもとに拡張するということについては非常に強い反対があるのです。ですから、丸善とかあるいは極東石油とか、いろいろな会社がこれから先設備をさらに大きくしたいというようなことを通産省の方に陳情しておるようですし、折衝は続けられておるようですが、そういうことはやらないということをここで確約してくれれば、今後こうした事故がある程度防止できると思いますが、まだ拡張を許可するつもりですか。
○山中説明員 石油業法に基づきまして製油所の設置を一応石油審議会の意見を聞いて通産大臣が決めることになっておりますけれども、現在のところ、石油業法は五年間の計画を立てることになっておりまして、ことしの、五十年の四月に五十四年までの精製計画をつくっておるわけでございまして、その中には、先ほど御紹介申し上げましたように、京葉地区あるいは京浜地区の工場の新設というのは入っておりません。それ以後のことにつきましては、もちろん地元の御了解等々がなければ許可をしない、こういうことになると思います。
○金瀬委員 あと増設をすべく土地が大分準備されているのですよ。土地が買われておってまだ何もできていないという土地がたくさんあるわけです。だから、そういうのはだれが考えても増設準備であるということがわかるわけです。たとえば出光にしてもまだ使っておらない土地が港湾についてたくさんあるわけです。そういうことについて今後増設の場合には地元の了解なくては許可しない、あるいは東京湾の状況を見て、交通安全対策が十分でなければ許可をしないように、ひとつ通産省の方で措置していただきたいと思います。 それから水産庁の方に御質問いたします。この事故に関係して各漁業組合が少なくともきょうまで二日間いわゆる漁業に出動することをやめて待機をしておったのです。要するに操業を休んだわけですが、こういう休業補償というのは出ますか、出ませんか。
○山内説明員 漁業被害の補償につきましては当事者間の交渉にまつ、こういう原則になっております。直接的な被害につきましては当然補償の対象になりますし、現在待機してあるいはむしろを買った、こういう間接的な被害、こういう問題も当然予想されますから、各漁業者あるいは漁業者の代表と加害者、その間で積極的に話を詰めていくように指導してまいりたい、こう思うわけでございます。
○金瀬委員 中和剤で処理したとかいろいろなことが行われたわけですが、また油もある程度流れたわけですが、これが将来赤潮発生の原因になる。あるいは魚が値下がりをする。たとえばサヨリのような魚は表層、上の方を泳いでおりますから油臭くなるということで買い手がつかない。あるいはこの船が事故を起こした場所はもぐりの場所ですからここでもぐって操業しているわけですが、中和剤が進んでいきますと相当な第二次の被害が出るわけですが、これに対しては水産庁は何か対策を考えておりますか。
○山内説明員 油濁によります第二次被害等につきましてはこれからの研究にまたなければなりませんが、現在千葉水試を中心といたしまして今回の油事故について後遺症がどの程度残るか、こういうことを積極的に調査していく、こういうことになっております。 なお、異臭魚等によりまして漁業者が被害を受けた、こういうことであれば、これは当然補償の対象になる、こう考えております。
○金瀬委員 いままで漁業組合にそうしたことを補償するとか、あるいは買い上げるとか、そうした折衝が行われたわけですが、なかなか実現していません。そこで、スズキなんかの場合、水銀の問題が起きたときに旭硝子とかああいう関係者がスズキをつってきたのを全部買い上げますということで、いまでも一年に何百トンか買い上げて海岸を深く掘ってそれを捨てています。ですから今度のような場合異臭魚がたくさんとれたという場合、三光汽船、加害者が、会社がそれを買い上げてどっかへ捨てるとか埋めるとか、そういう方法をとるように水産庁で指導するなりあるいは両方の間の中へ入るような考え、ございますか。
○山内説明員 先生の御趣旨に沿いまして対処いたしたい、こう考えております。 〔加藤(六)委員長代理退席、佐藤(守)委員長代理着席〕
○金瀬委員 その次に、事故防止の点から御質問申し上げます。 先ほど大臣の方から、たとえ三木さんなり通産大臣と関係の深い三光汽船であろうとも、厳正な態度で臨むということがございましたが、刑事責任とかあるいは行政責任だけで済ませるということでないように補償が速やかに行われて、結局ばかを見るのは漁民であったということにならないように、ひとつ通産大臣あるいはこれは環境庁とか、いろいろな各大臣の方にも関係あることだと思いますが、ひとつ十分なことが行われますように大臣の方から御指示を願いたい、さように考えております。 それから、船長と言っても人間でございますので、人間がやる限りはいかに注意しようとも万全であるということは言えないわけですが、そうした事故が起きた場合、今後の問題についてですが、きょうは水先案内人の問題についていろいろと理事会で審議されましたが、水先案内人がついておればこうした事故は防げたではないかということを言われておりますが、その点についてはどうですか。
○山上政府委員 今回の事故につきましては、まだ詳細な事故原因について明らかになっておりませんので、具体的に今回の事故の船舶に水先人が乗り込んでいた場合に果たして絶対その事故が防げたか否かにつきましては、現段階におきましてはこれを結論づけることは困難かと思います。 しかしながら、一般的に言わしていただきますと、先生も御承知の海上安全船員教育審議会の四月三十日の中間答申におきましても、海上交通の安全を確保するためには交通環境の整備等の総合的な海上交通安全対策の一層の推進がもとより大切でございますが、安全は単に水先人の乗船のみによって担保されるものではございませんが、今回のような狭水道の航行の容易でない海域におきましてその海域にふなれな船長を補佐するために水先人が乗るということは、この海上交通の安全を確保するために非常に有力な手段であることは明らかでございます。したがいまして、先ほどの審議会の中間答申にもご指摘がありますように、浦賀水道とか中ノ瀬航路を含む東京湾の全域につきまして、この水先人を乗船することを強制するように御指摘がございましたので、この答申を実施するために必要な水先法の一部改正をできるだけ早い機会に講じていただきましてその実現を期したい、かように存じております。
○金瀬委員 漁民の人たちも水先人が乗っておればこういう事故は起きなかったんじゃないかというようなことを言っておりますので、なるべく早急にそうした処理をしていただきたい、さように考えております。 その次に、これは大臣がいるときに話せばよかったのですが、今回のことに限り、千葉県も副知事あるいは水産部長がヘリコプターに乗って上から見たようです。それから漁民も出動していってさっき言ったようにやったようです。海上保安庁が大変な活躍をしたということで、あそこへ五十隻も集めて処理したということはいまだかつてない非常に敏速であったということで、恐らく一万トンぐらい油が流れ出せば瀬戸内海以上の大変な被害が出たんじゃないか、それを最小限に食いとめたことは海上保安庁あるいはその他の方々が大変協力してやった、先ほどのような行き過ぎもあったけれどもまあ非常によかったんじゃないかということで、漁民も千葉県の水産部長も大変海上保安庁の活躍に感謝しておりました。ひとつこれから先大いに訓練をしていただきまして、今回のようなことが起きた場合に万全な処置がとれるようにお願いしたい、さように考えております。 それからきのうもう一つスエズ運河の再開ということが行われたわけでございますが、これは御存じのように中東和平とか世界の平和にとって大変ないいことでございますが、日本の国にとってスエズ運河の再開ということは、海運あるいは造船、そうしたことに対してどういう影響が出るかということについて、いろいろ大変不利であるというのも出ておりますし、あるいはそうでないということも言われておりますが、運輸省はどういうことを考えているか、その点について。
○薗村政府委員 さしあたってスエズが再開になりまして五万デッドウエートないし七万デッドウエートの船が通れるという事態になりました。当面わが方の海運活動としては、いきなりヨーロッパ行きのコンテナ船があそこを通るかということについては、若干今後の模様を見てという結論になりそうでございます。と申しますのは、これはせっかく再開されたのでありますから、もちろん安全性は大丈夫だろうと思いますけれども、やはり保険などの取り扱いにおきまして戦争保険などの負担がかかってくるというような経済負担がかなりかかる。それから通行料も旧に倍するような負担になってくるというようなことで、そういった安全性を加味した経済性の面から、果たしていきなりすぐに通るという事態にはならないのじゃないかということを承知しております。 なお、八年間のスエズが閉鎖されております間に世界じゅうの船腹が大変形が大きくなりました。喜望峰を回っていってもいいというような経済合理性を考えても、それも一因でございますけれども、かなり大きくなっておりますので、あのさしあたっての五万デッドウェートないし七万デッドウエート程度の船舶が通行できるというのが世界の海運にどういう影響を与えるかということはこれから未知数な点がございます。 ただ、やはりあそこが通れるということは、便利になりますという反面、やはり船腹過剰に対する影響が出てまいりますので、そういった面で世界海運それから造船に対する影響は避けられないと承知しております。
○金瀬委員 それでは海上保安庁関係それから海運関係の質問は終わります。 今度は国鉄関係、鉄道関係について御質問を申し上げます。 いま京葉線というのが東京から海岸線を通って千葉の木更津まで計画されていますね。この計画されておる京葉線というのは塩浜からいま蘇我までの間が認可になって工事が行われていますが、その工事の進みぐあいについてお伺いいたします。
○後藤(茂)政府委員 御指摘のように京葉線は四十七年の二月に工事実施計画の認可をいたしまして、塩浜と品川埠頭との間、これはすでに開業をいたしております。つまり品川埠頭のところまでは南の方からすでにつながっておるということでございます。それから今年の五月にまた新たに、今度は千葉県側の端っこの方、千葉中央港と都川信号場、この間が開通をいたしております。この開通によりまして、川崎製鉄の専用線の線路を利用しながら、蘇我のところとつながりまして、つまり全体の計画の京葉線、蘇我から木更津の方の分は別といたしまして、この両方の端っこがすでに開業をいたしておるという状態でございます。 あと真ん中の長い部分というものをただいま工事しておるわけでございますが、この部分を二つに分けまして、西船橋、西船橋で東側と西側と二つに分けて御説明をいたしますと、千葉県側の蘇我から西船橋の問題につきましては四十六年六月以降鋭意工事を進めてきております。ただいまこの段階でいつごろ完成ということをはっきり時点をもって御説明申し上げる自信がございませんが、早々のうちにこれが完成を見込んでおります。 一方品川埠頭まで延びてきておりますこれをさらに延ばして西船橋の方に参りますにつきましては、昨年の三月以降鋭意工事を進めております。これにつきましてもできるだけ早く工事を進めまして完成をさせたいと思っております。
○金瀬委員 この路線の周辺には、海岸線ですが、埋め立てが行われて宅地開発がいま進んでおります。そしていろいろな団地、住宅公団とか県の経営の団地とか市営とかいろいろ行われておりまして大変な人口がふえておるわけですが、これの路線は貨物専用線ということになっておりますが、これを旅客にも使わせてくれということが東京、千葉県両方から非常な陳情が出ておるわけですが、その点につきましてはどういう考えでございますか。
○後藤(茂)政府委員 先生御指摘のように、このそもそもの計画の段階では貨物線として考えたものではございますけれども、現在すでに沿線には非常に大規模な宅地開発が進んでおりまして、たくさん沿線の人口がふえてきております。これを旅客線として使ってほしいという御要望を私どもも承っておりますし、私どもといたしましてもこの京葉線を旅客線としても使う、つまり貨客線とするということについては十分にその方向で検討をいたしたいと思っております。
○金瀬委員 その路線については、千葉県側でも用地は県の方で十分確保してあるようでございますので、県から話がございましたら、そういう点についてはひとつ話し合いで解決していただきまして、一日も早くこの路線が完成いたしまして、貨物と旅客と両方が使えるように御配慮を願いたい、さように思っております。 その次に、総武線の問題でございますが、いま総武線は複々線の工事をやっておるわけですが、まだ千葉までできておりません。この千葉までできておらない原因については、最大の原因は何であるか、その点について御説明願いたいと思います。
○内田説明員 津田沼−千葉間の複々線化につきましては四十四年の十月に運輸大臣の認可を得ておりまして、いろいろと地元と協議を進めておったわけでございますが、津田沼−稲毛間につきましては地平で複々線化ができるということで、四十八年の十一月から工事を推進しております。 稲毛−千葉間でございますが、このうちの稲毛−西千葉間につきましては市街化が進んでおりますので、いわゆる踏切の除却を含めまして連続立体交差を同時に進めていくということが地元との話し合いで提案されまして、この問題につきましては先生も御承知のように、千葉県側の都市計画決定が必要でございます。それで、設計その他につきましてもいろいろ問題がございますが、ただいま県側で都市計画事業の決定の審議中でございます。この審議が進みまして、都市計画決定ができましたならば、われわれの方としてはこれを進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○金瀬委員 この線については内田理事さんは千葉県の管理局長の時代があったですからよく知っていると思いますので、なるべく急いでできるようにお願いしたいと思います。 それから、時間がございませんので、最後に内房線の複線の計画、それから茂原駅を高架線に直す問題、それから成田線の複線の計画あるいは——いや、内房線の計画とそれから成田線の計画と外房線の計画、その三つあわせて簡単で結構ですので説明してくれませんか。
○内田説明員 そのうちまず外房線の計画でございますが、これは先生も御承知のように、五月二十六日大臣認可を得まして、永田−勝浦間の複線化に着工をするべく準備を進めておるわけでございまして、今後輸送の要請に応じまして複線化を進めてまいりたいというふうに考えております。 内房線につきましては、ただいまのところ君津以遠につきまして複線化の計画がございません。しかしこれは今後の輸送情勢に応じまして複線化の計画を進めてまいるようにいたしたいと考えております。 それから成田線でございますが、これは一応酒々井の付近を部分線増いたしまして、佐倉—成田間の輸送力増強は一応できておるわけでございますが、今後の空港の開港並びにそのアプローチの交通がどうなるかというようなことの基本的な方針が決まりますれば、政府の御指導によりまして佐倉−成田間の全面複線化を進めてまいりたいと考えております。
○金瀬委員 茂原駅を高架にする問題については現在どの程度進んでおりますか。
○内田説明員 茂原駅につきましては、建設省から高架化の調査をするようにということで調査費がついております。それでそれに基づきまして国鉄の方でただいま調査をしております。大体高架にする区間は、駅を含めまして前後三・二キロくらいの間を高架にするということで、ことしじゅうには計画を完成いたしまして工事の推進を今後進めてまいりたいと考えております。
○金瀬委員 あと計画から外されておりますのが君津−鴨川までの複線電化の問題ですが、これはいまの段階ではまだ考えておりませんか。それとも将来いつごろから検討するつもりであるとか、そういうことがわかりましたらお答え願いたいと思います。
○内田説明員 先ほど申し上げましたように、いまのところは具体的な計画はございません。しかし、今後の旅客の輸送需要その他を勘案しながら、今後具体的な計画を進めてまいりたいと考えております。これは恐らく東京の近郊でございますので、今後、観光等を含めて輸送の需要が相当出るというふうには考えております。
○金瀬委員 それでは、中和剤を使ったあれ、先ほどの質問がわかったそうですので、お答え願いたいと思います。
○寺井政府委員 先ほど中和剤の使用量について調査の上御報告申し上げると申し上げましたが、現在まで判明いたしておりますのは、当庁が使いましたのが五・五トン、民間が使いましたのが四十七トン、合計約五十三トンという報告を受けております。先ほど百トンくらいと申し上げましたのは訂正させていただきます。
○金瀬委員 もう一度言ってくれませんか。民間は幾らですか。
○寺井政府委員 四十七トンでございます。それから保安庁は五・五トン。
○金瀬委員 この中和剤の使い方、これは民間の方が蓄えておったのをどんどん使ったと言われておりますが、使い方がまだ保安庁ほど上手でない、まだわからないということもあると思いますので、後でよく民間の場合も指導をして、ひとつ今後使い過ぎということの、二次被害の心配がございますので、そういうことのないようにひとつ御指導願いたい、さように思っております。
○寺井政府委員 先生の御指摘を待つまでもなく、十分使用方法については指導していきたいと思います。
○金瀬委員 終わります。
○佐藤(守)委員長代理 三浦久君。
○三浦委員 鉄監局にお尋ねをいたしたいと思います。 私鉄の大手各社は、昨年の七月の二十日に、平均二六・九%の大幅値上げを行ったばかりであります。ところが、木村運輸大臣は、ことしの五月の十三日の日に、値上げが早急な検討課題に上っているというふうに記者会見で表明をされておられます。私は、これはきわめて不穏当な、慎重さを欠いた発言ではないかというふうに思っているのです。その証拠には、この発言を受けて、五月三十日に民鉄協会の総会が開かれまして、ここで運賃の早期値上げ実施を決議をいたしております。また、川崎民鉄協会長は総会後の記者会見で、九月ごろには大幅値上げを申請する、年内にも実施してほしい、こういうふうに発言をいたしておるわけであります。企業からの値上げの申請もない段階でのこの大臣のこういう趣旨の発言というのは、私は非常に軽率だと思っているわけなのです。特に政府というのは、五十一年の三月には物価上昇を対前年度比一〇%に抑えると、こういうふうに言っているわけですね。ところが、実際に今後の値上げの状況を見てみますと、酒、たばこ、郵便、国鉄なんか二倍にも上げたいと言っておりますし、消費者米価、また付加価値税新設の検討というように、物価値上げ要因がメジロ押しになっているわけなのですね。そういうときに、何とかして物価上昇を抑えなければならない。そのためには私鉄運賃の値上げも抑制すべきだという、そういう基本的な観点に立つのが運輸省の立場でなければならないというふうに思うのですけれども、大臣の発言というのは、まさに物価上昇の引き金を引くようなものだというふうに思うわけなのです。私は、大臣に直接その発言の真意をお尋ねしたかったわけですけれども、きょう大臣、退席されましたので、鉄監局長にお尋ねしますが、私鉄運賃の大幅の値上げというものが、もうすでに年内実施ということで、企業と運輸省との間に合意ができているのかどうか、その点をお尋ねしたいと思うのです。
○後藤(茂)政府委員 合意はできておりません。
○三浦委員 そうすると、年内に値上げを実施する意思があるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○後藤(茂)政府委員 この問題については、運輸省のただいまの立場はいわば白紙と申し上げるしかないと思います。
○三浦委員 そうであれば、私は、大臣の発言というのはことさら軽率な発言だったというふうに思うのです。 たとえば、いまの発言の経過を見てみますと、大臣が値上げを検討すべき時期に入った、こういう発言をされた。それを受けてすぐ民鉄協会の方で総会を開いて、そして値上げの決議をし、年内実施を迫る、こういうような経過ですから、国民の側から見れば、企業と運輸省との間にもう合意ができているんじゃないか、そういうふうに見られても仕方がないと思うのですね。ですから私は今後やはりこういう発言は慎重にすべきだというふうに思います。 私は、前回、政治献金を原価に算入するかどうかという問題について質問をいたしました。昨年の十一月二十六日、衆議院の物価対策特別委員会で小林委員もこの点について質問をしているわけですが、これに対する答弁が、一部は算入していないけれども一部は算入しているわけですね。たとえば議事録を見てみますと、「税法上の損金の算入が認められております限度までに削減をいたしまして、それを基礎といたしまして適正な原価を計算するという方法をとることによりまして適正な原価の算定につとめた、かような次第でございます。」こうなっているわけですね。そうすると、税法上の損金の算入が認められておる限度まで圧縮した、こういうことなんですけれども、なぜこうなるのか。前回私が質問をしたときに、当時の秋富鉄監局長は、控除する、いわゆる政治献金は原価算定に当たってその基礎から控除するという方向で「検討いたしたいと思います。」こういうふうにはっきり述べられているのです。私はこの問題、質問したときには、秋富さんはまあちょっと答弁に窮したわけなんです。ところが、これは不規則発言だったけれども、自民党の委員の方から、控除してもいいぞ、こういう発言がありまして、それを受けて、控除する方向で検討いたします、こういう答弁が得られたわけですね。ところがその後の処理の状況を見てみますと、これは原価の算定に当たって、全額は控除されていないわけなんですね。この点どうしてそうなったのか、お尋ねしたいのです。
○後藤(茂)政府委員 私鉄の運賃を申請によりまして審査いたしますときに、その会社が行っておりますいわゆる政治献金というものをどういうふうに考えるかということで、ただいま先生いろいろとお話しございましたように、前々からいろいろな国会の場でお話がございました。そのつどいろいろと、私の前任者の御説明も含めて御説明をいたしてまいった、その経緯は私自身もよく承知しておるわけでございます。ただいまも先生が引用なさいましたように、昨年の七月に認可をいたしました私鉄の運賃の申請の審査に際しましては、いわゆる政治献金といったものを含めまして、その会社が過去において、ある計算期間において、寄付金なり交際費なりそういったような支出全体を見まして、それを税法上の損金算入が認められる限度にいわば査定をいたしまして、その査定額というものを基礎にして将来の経費というものをその分については考えるという方法をとりましたということを、すでに御説明申し上げております。それは私どもがかねがねいろいろと世間の御批判というものを伺いながら、こういったことの処理ということをどのようにすれば合理的であるかということをいろいろと検討いたしました結果、そういう方法を選んで、昨年の七月にはとったわけでございます。御質問に対するお答えになるかどうか、さらに御説明を加えることといたしまして、とりあえずの御説明はそういうことでございます。
○三浦委員 合理的な処理方法というのは全額経費に算入しないということですよ。全額算入しないことが一番合理的だと私は思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。
○後藤(茂)政府委員 昨年の七月に私どもが私鉄の運賃の申請を審査いたしますにつきましては、いま御説明申し上げましたような方法が合理的な現実的な方法であると判断いたしたわけでございます。
○三浦委員 それは結局はやる気がないということなんです。この物価対策特別委員会での答弁を見てみますと、いろいろな寄付があるんだ、政治献金もその寄付の一部なんだ、寄付の種類によって区別するのはおかしいんだ、だから一律に処理する関係上、この損金に算入が認められているかどうかという、それを判断基準にしたんだ、こういう説明なんですよ。ところが、他の寄付金、たとえば学校に対する寄付であるとか宗教法人に対する寄付であるとか、それから地方自治体に対する寄付であるとか、そういうものと政治献金とは同列に取り扱わないというのが、この前の私の質問の趣旨であり答弁であったと思うのです。私が質問をし、また局長が答弁されたその真意というのは、やはり政治姿勢の問題、これが問題になっているわけです。技術上の問題が問題になっていたんじゃないわけなんです。ですから、私はそういういわゆる神社、仏閣に対する寄付であるとか学校に対する寄付であるとか、そういうものと政治献金というのは明確に区別をする必要があるというふうに思うのです。そして、それはやろうと思えばできることでしょう。たとえば地方鉄道業会計規則、ここにいわゆる勘定項目が規定されているけれども、そこに政治献金という項目を一つ起こしておけばいいわけですよ。それをただ会費とか交際費とか寄付金ということだけで全部ごちゃごちゃにその中に入れてしまうから区別がつかなくなるわけであって、会計処理上はただ政治献金という項を起こしておけばそこではっきりするわけですから、それで全額損金に算入しない、そういうこともできるわけなんです。要は運輸省がやる気があるかないかということだと思いますね。これはあなたの方とお話ししてもまた水かけ論になりますけれども、私の方はこの前の答弁の趣旨に従って、全額原価算入の基礎から控除すべきだというふうに主張しておきたいと思います。 それからもう一つは、この前の運賃値上げが行われた後、「やむを得なかった私鉄運賃の値上げ」ということで、昨年の七月二十日の朝日、日経、サンケイ、北海道新聞、それから東京中日、各社の朝刊、それから十一の週刊誌、こういうものに総理府の広告が行われているんです。その費用はお聞きいたしましたら総額二千二百万円。これは私鉄企業が宣伝をするならわかるけれども、政府が二千二百万円もの税金を使って、なぜ私鉄運賃の値上げをしなければならなかったのかというような広告をしているわけなんですね。なぜこんなことをしたのか、ひとつお尋ねしたいと思うのです。
○後藤(茂)政府委員 ただいま先生御指摘の事実関係、ちょっといま私どもはっきりした認識がございません。その点をよく調べました上で御答弁をさせていただきたいと思います。
○三浦委員 これは昨日、具体的にこういうことを質問いたしますよということで申し上げておったんですが……。
○後藤(茂)政府委員 ただいま先生の御引用になりましたのは、昨年のある月ある日、新聞広告を出した、それは政府の名前で出されておるというふうに私いま伺いましたが、実はそういうふうな御答弁の用意をいたしておりません。
○三浦委員 そうすると、だれが宣伝したのを覚えていらっしゃるのですか。
○後藤(茂)政府委員 最近よく週刊誌等に二ページ見開きの私鉄の経営者の協会の名前で漫画の入ったいろいろな広告が出ているのを私は見ております。
○三浦委員 実物を持ってくればよかったんですが、これは縮刷版をコピーしてきたのですが……。 〔三浦委員、後藤(茂)政府委員に書類を示す〕
○後藤(茂)政府委員 うかつでございました。こういうものがこの時期に総理府から出ておるということをへ私自身はいま初めて承知いたしました。またこれに対しましての御質問なりにお答えをいたす気持ちがございますけれども、なお若干検討の時間をお与えいただくことをお願いいたします。 〔佐藤(守)委員長代理退席、加藤(六)委員長代理着席〕
○三浦委員 それじゃこの質問は、保留をさせていただきたいと思います。昨日はちゃんと、こういうことを質問いたしますよとはっきり申し伝えてあったはずなんですがね。 それでは次の問題に移ります。鉄監局は結構でございます。 環境庁にお尋ねをいたします。北九州市門司区の田ノ浦地区と太刀浦地区がいままでにどんどん埋め立てられているわけですね。田ノ浦ではすでに埋め立てられているわけですが、その面積は約三十一万八千平方メートルです。そしてコンテナ埠頭や工場団地ができて、セメント工場それから肥料工場、こういうものが誘致されて公害を振りまいています。太刀浦地区は外貿埠頭建設のために、現在第一期計画として四十三万六千平方メートルのうち約三十万平米の埋め立てがなされています。そうして第二期計画も七十三万四千平米の埋め立てが予定されています。大変膨大な埋め立てなんです。ところがこの地域というのは、瀬戸内海国立公園関門海峡普通地域となっているはずだと思います。そうであれば、この埋め立てというのは県知事に届け出がなされていなければならないと思うのですけれども、そういう手続が行われているのかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
○新谷説明員 瀬戸内海国立公園の関門地区におきましては、港湾計画に基づきまして昭和十七年ごろから順次埋め立てが行われてきておるようでございますが、この地域がいま先生御指摘のように、瀬戸内海国立公園の普通地域としてその海面が指定されましたのは昭和三十一年の五月でございます。したがいまして、ずっと引き続き行われてきました埋め立て行為のうち、ただいまお話がありましたうちで田ノ浦地先で行われたものにつきましては、公園指定前にすでに着手をされておったということで、法律上いわゆる既着手行為といたしまして、法律上は届け出を要しないということになるかと存じます。
○三浦委員 どこがですか。
○新谷説明員 田ノ浦地先でございます。
○三浦委員 田ノ浦地区全部がですか。
○新谷説明員 はい。それで細かい地区の区分があるいは私どもの方の理解が違うかと思いますが、私どもが把握しておりますのは、大久保地先、古屋山地先、太刀浦地先で行われたものにつきましては、公園指定後に着手されたということでございますので、自然公園法の手続が県に対して行われなかったという事態を最近県の方からの報告で確認をいたした次第でございます。
○三浦委員 そうすると田ノ浦は一部自然公園法違反だ。太刀浦はどうなんですか。
○新谷説明員 太刀浦は届け出が行われなかったということで公園法違反でございます。
○三浦委員 国立公園の普通地域になったのは昭和三十一年とおっしゃいましたね。
○新谷説明員 そのとおりでございます。
○三浦委員 普通地域の場合、埋め立てをしたいという届け出があれば、その風景を保護するために環境庁としては必要な限度でその行為を禁止したり制限したり、必要な措置をとることができるということになっておりますね。それは間違いないですね。
○新谷説明員 そのとおりでございます。
○三浦委員 そうすると田ノ浦と太刀浦の膨大な埋め立てというのは見方によっては、届け出をすると環境庁から埋め立て行為を禁止されたり制限されたりすると困る、そういうことで無届けでやったというふうに考えられなくはないわけなんですけれども、無届けで埋め立てをしているということを環境庁が知ったのはいつごろなんでしょうか。
○新谷説明員 県から公式の報告を受けましたのはこの五月の中旬でございます。実はその前に新聞紙上で承知いたしました。
○三浦委員 そうすると何年間、というよりも十数年間、もっと前からですね。要するに昭和三十一年からずっと無断で埋め立てが行われておって、そして環境庁が気がついたときには約六十万平米というような国立公園がもう埋め立てられておった、こういうことになるわけですね。とするともっと早くこういう違法行為をチェックする必要があると思うのですよね。そういうチェックする体制というのは環境庁にはあるんでしょうか。
○新谷説明員 瀬戸内海国立公園は大変広い地域にわたって指定されておるわけでございますけれども、現在のところ、国の管理事務所の職員といたしましては、数名の者が主といたしまして瀬戸内海の中央の倉敷あたりに配置されておるわけでございまして、そういう意味から申しますと、国の直接の職員の管理ということにつきましては、残念ながらこういう事態につきましては十分な監視が行き届かなかったという点については、まことに申しわけない事態であったと思っております。
○三浦委員 これは一般の国民はなかなか気がつかないことですよ。たとえば、地方公共団体が白昼堂々と大々的な埋め立てをやっているわけでしょう。ちょっとおかしいなとか景色が損なわれるなというふうに思っても、それが自然公園法に違反しで行われているなんというようなことは素人にはなかなか気がつかないことですね。そうすればやはり環境庁がそういうものをチェックする以外に自然を守っていく道はないと私は思うのですよね。特に原状回復なんというのは膨大に埋め立ててしまえばできないわけですね。そうでしょう。そうすればやはり事前チェック体制というものを確立しておかなければだめだと思うのですね。違法に埋め立てた犯人が届け出なければ気がつかないという体制では、自然公園法をつくってみたって、仏つくって魂入れずとよく言いますけれども、これはまさにそういうことになっているんじゃないかと思うのです。国の環境行政の熱意を疑われてもしょうがないような事態ではないかと思うのですよ。 それで、私、環境庁をそんなに責める気持ちはありませんけれども、しかし、そういうチェック体制を確立してほしいという観点から、ちょっと意見を述べさせてもらいますけれども、私は、ここがこんな膨大な面積にわたって埋め立てられていることを大変残念に思っておるのです。ここは非常に景色のいいところです。国立公園というのは、わが国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地で環境庁長官の指定したもの、こうなっておるわけでしょう。ですから、これは大変景色のいいところなんです。そして普通地域になっているだけじゃないのですね。すぐ隣に古城山の特別地域があるでしょう。特別地域というのはもっと保護しなければならないという立場で指定されている地域でしょう。ですから大変に風光明媚なところなんです。それからここは三大潮流の一つですよね。また壇之浦の合戦があった歴史上もゆかりのあるところで史跡の大変多いところなんですよ。また近くには御承知の宮本武蔵で有名な巌流島なんかもありますよ。海と山とが一体となっていて、海の青々とした色と山の緑と、何とも言えないいい景色なんですよ。ですから、関門大橋がかかりましたでしょう。普通だったら赤のだんだらぐらいでやるわけですね、あんな高い建物の色というのは。しかしその色についても環境庁は道路公団といろいろ折衝されたわけでしょう、近所の風景を阻害しないような色にしよう、景色にマッチした色にしようということで。それだけここの地域は景色がいいところなんですよ。それで、特別地域に指定している古城山の山頂は和布刈公園という公園になっていますけれども、その上に、めかり山荘という国民宿舎があります。ここから関門海峡とか下関側をながめますと非常にいい景色なんです。ところが、同じ場所に立っていてひょっと右の方に目を転じますと御承知のとおりのセメント工場やら肥料工場やらがあって煙がもうもうと出ている、そういう状況ですよ。あなたの方から資料をお借りしていますけれども、そういう特別地域のすぐ横にこういう自然とは似つかわしくないような工場群ができているわけですよ。こういうものが地方自治体によって、また運輸省によって自然公園法違反の違法行為として白昼堂々と行われてきたということは、私は非常に重大なことだと思うのです。それで新聞なんか見ていますと、環境庁は「始末書でケリか」というような報道がなされていますね。しかし、これだけ重大な問題を始末書でけりをつけてしまうというようなことでは違法行為のやり得だ、こういうことになりますね。ですから、私たちはそういう始末書でけりをつけるという措置では納得がいかないわけですけれども、この点について環境庁はどういうふうにお考えでしょうか。
○新谷説明員 始末書でけりというのはどういう理解の報道か私存じませんけれども、自然公園法の手続をとって本来行われるべきものが行われなかったという事態でございます。通常の場合届け出がございますと、先ほどお話がございましたようにいろいろな条件をつけたりするわけでございますので、このたびの事態につきましても、もちろんこの事業を実施いたしました運輸省あるいは地方公共団体と十分話し合いをすることは必要でございますけれども、環境庁長官の持っている権限を行使する必要な措置につきましては、先ほどお話しございましたように全部原状に戻すことはいまや不可能でございますし、また適当ではないと思いますけれども、その山上からの景観のお話が出ましたけれども、なるべく必要な緑地が確保できるような方向で必要な措置を講じたいというふうに考えております。
○三浦委員 ちょっとまあ抽象的な御答弁なんで、もう少し具体的にお考えになっていらっしゃることをお聞きしたいわけなんですよ。 たとえば、いま工事が進められている太刀浦の第一期計画に基づく埋め立てですね。この埋立地については今後どういうふうにしたいというふうに思われているのか。私どもは、やはり国立公園ですから、そして特別地域まであるというそういう地域なんですから、さっき言ったように、非常に名所古跡の多いところで、これは修学旅行の人々もたくさん来るし、それから観光のお客さんもたくさんお見えになるところなんですよ。ですから、やはりそういう国立公園にふさわしい使い方をすべきであるというふうに思うのですけれども、そういう点についてどういうふうにお考えになりましょうか。
○新谷説明員 率直に申し上げますと、そういう国立公園の普通地域になっておりました地先にそういう港湾機能ができるということ自体が、そもそも公園の目的とはかなり背馳した景観をそこに出現させるということになるわけでございまして、その点は大変残念でございますけれども、ただ、狭い国土の中でこういう公園を指定いたします際に、私どもは自然保護、自然景観の保護という観点から、なるべく広い地域をなるべく厳しい規制のかかる地域として指定をいたしたいわけでございます。しかし、国の中でやはり産業上あるいは住民の方の生活上、いろいろなほかの目的からの要請もあるわけでございまして、そういう地域との調整を図りながら自然保護行政が行われておるわけでございます。したがいまして、これも海面が普通地域になっておるところが、届け出が行われずしてその埋め立てが行われたということでございますので、私どもはやはりその辺は、自然公園法にもございますように、他の産業目的等との調整も図りながら、しかし、その起こった事態に対してはできるだけ運輸省御当局もこの際御検討をいただいて、必要な緑地の量ができるだけ確保できるという方向で今後措置をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○三浦委員 私は、やはりここの第一期計画ですね、いま工事中のところですけれども、ここに外貿埠頭をつくるというようなことはやめさせるべきだと思うのですね。それはいまあなたがおっしゃったとおり、国立公園の中にそんなものをつくるということはふさわしくないことだということでしょう。それは貫徹しようと思えばできるわけですね。たとえばこれをもう公園にするとか、そういうようなこともできるはずなんですよ。もしかあなたのおっしゃるように、このいま工事中のところを、まあ外貿埠頭はそのままつくらしてしまうんだ、しかし緑地をたくさんとるようにしたいんだ、こういうようなお考えですと、じゃ、第二期計画がもうその横に計画されているわけなんですよ。この第二期計画も同じような判断でもって許していかなければならないという結果になるんですね。そうすると一体どうなりますか。ここに地図がございますけれども、国立公園に指定されているこの範囲では、もう自然の海岸線というのは何にもなくなってしまいますよ。ごらんになればわかるとおりですね。国立公園に指定されている、普通地域に指定されているところで、自然の海岸線というのは何もない。全部違法な埋め立てによってつぶされてしまうということになるわけです。こんなことが放置されてはいけないのではないかと私は思うのです。それに、この田ノ浦の港湾建設も、また太刀浦の港湾建設も、その計画がきわめて非科学的であり、ずさんなんです。ですから、これはやめようと思えばやめられることなんです。港湾局長が隣にいて耳が痛いかもしらぬけれども、これは非常にずさんです。 たとえば、田ノ浦でコンテナ埠頭ができているのですよ。いまこの第一期計画の太刀浦でもコンテナ埠頭をつくるようになっているのです。この田ノ浦のコンテナ埠頭というのは昭和四十六年の六月にできたのです。そして当初計画としては、これは広島以西のコンテナを全部扱うのだ、年間二十万トンの荷さばきをするのだ、こういう計画です。ところが、四十八年度どのくらいの荷さばき量があったかといいますと、わずかに一万九千五百八十トンです。たった一割にも満たないのです。そしてこのコンテナ埠頭というのは一トンから十五トンのコンテナを千個もさばく能力があるのです。ところが、個数で言えば、昭和四十八年度一年間で九百七十七個のコンテナしかさばいていないのです。そして私もここへ何回も行っておりますけれども、コンテナ埠頭はいつもがらがらです。それを十四億七千万円も税金をつぎ込んでつくっているわけですよ。そして管理維持費は毎年八千万円ずつの赤字です。こういう、私たちに言わしたら、何も国の税金を十四億円——国だけじゃありませんけれども、税金を十四億七千万円も使って早急に建設する必要のなかったものなんです。全然使われていないと言っても過言じゃないのです。それにもかかわらず、さらにいま太刀浦に第二期計画でつくっているわけなんですね。これもコンテナ埠頭があるのです。こんなのは必要性がないです。だからそういう意味からいっても、こういうずさんな港湾計画なんですから、もう一回練り直して、いま違法に埋め立てられている土地については外貿埠頭をつくるとかコンテナ埠頭をつくるとかいうようなことではなくて、やはり公園にして国立公園にふさわしい緑地帯にすべきだと私は思うのですけれども、その点ひとつ運輸省ともよく御相談していただけるのかどうか、お尋ねしたいと思います。運輸省だけじゃない、北九州市港湾局とも環境庁は十分に打ち合わせをしていただけるのかどうかお尋ねしたいと思うのです。
○新谷説明員 運輸省並びに地元と十分打ち合わせをさせていただきたいと存じます。
○竹内(良)政府委員 先生のいままでの御発言で、私ども昭和十七年から田ノ浦の仕事を始めまして、その後太刀浦に仕事を継続しておりますけれども、その間確かに国立公園の手続を怠っていた面があったことをまことに遺憾に思っております。ただ、先生がいまおっしゃいましたようなむだな投資であるという点につきましては、やはりいろいろ意見もございます。特に、門司といいますか北九州市門司区等におきますところの港湾に対する考えは、先生がおっしゃったものとはまた別な、これによって地域の開発を願ったり、あるいは九州全体のことも考えながらある程度のコンテナを誘致するとか、あるいは定期船も来てもらうとか、いろいろな考え方のもとにこういう計画を進めてきているということをつけ加えさせていただきたいと思います。
○三浦委員 港湾局長、この問題はまたじっくりやりましょう、時間がありませんから。しかしずさんな計画であるということだけははっきりしているのですよ。 それじゃ、もう一つ言わしてもらうと、たとえば田ノ浦のコンテナ埠頭、これは現在四万トン、五万トンの船というのは着岸できないのです。なぜかというと、この岸壁から大体九百メートルの沖合いに半径五百メートルぐらいの浅瀬があるのですね。水深七メートルぐらいの浅瀬があるのです。ですからこの岸壁には一万トンぐらいの船が着くのがやっとです。当初計画は四万トンか五万トンぐらいまではこの田ノ浦の岸壁を使える、こういう計画になっているけれども、しかし、その浅瀬をぐるっと回ってこなければいけない。回ってくれば三大潮流の一つの非常に速い早鞆ノ瀬を通ってこなければいけないということで、大変危険な状態になるのですよ。これは危険だということは、強制水先区になっているということだけでもおわかりだと思うのですね。ですからそういう細かい問題については港湾局長とまた別の機会にやりたいと思いますけれども、しかしこういう計画自体が自然公園法に違反して行われ、そして実行されてきたわけなんだから、いまの時点で白紙に返して、環境庁それから北九州市の港湾局とやはりお話なさるべきだと思うのですが、いかがですか。
○竹内(良)政府委員 現在の港湾計画につきましては、先ほど申し上げましたように、港湾管理者を中心にいたしまして計画を審議してまいりました。その考え方は、先ほども申し上げましたような将来のその地域の発展あるいは全体的なヒンターランドの発展ということを考えながら進めてきたわけでございまして、大きな方向としてこの計画を変える意思は現在ございませんけれども、先ほども申し上げましたように、手続の点につきまして遺憾なところがございました。今後実施していくものにつきまして、たとえば先生さっきおっしゃいましたような太刀浦の第二期工事等につきましては今後の問題でございますので、こういう点につきましては知事に届け出また通知をいたしまして、環境庁の意見も聞きながらやっていかなければいけないというふうに考えておる次第でございます。
○三浦委員 故意か過失か知りませんけれども、自然公園法に違反をして護岸工事をずっと進めてきた、そういう運輸省の責任というのは私はやはり重大だと思うのですね。気がつかれたのもやはり最近なのでしょう。そうすると、気がつかないであっちこっちでこういうことをやっているかもしれませんね。そうすると、やはり事は重大ですよ。ですから私は、こういうことがよそでも行われていないのかどうかということをやはり調査する必要があると思うのですが、局長さんいかがですか。
○竹内(良)政府委員 先生のおっしゃるとおり私どもも二十年間気がつかなくて、まことにうかつでございまして、その点反省している次第でございます。早速各地の運輸省の直轄事業それから地方公共団体の港湾管理者のやっている事業、そのほか埋め立てにつきましても、この自然公園法上の問題につきまして調査をしていきたいというふうに考えております。
○三浦委員 では、その調査の結果を後日御通知いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○竹内(良)政府委員 おっしゃるとおりにしたいと思います。
○三浦委員 終わります。
○加藤(六)委員長代理 松本忠助君。
○松本(忠)委員 先ほどタンカー栄光丸の乗り上げ事故につきまして海上保安庁長官から伺いました。この点について若干質問をしたいわけでございます。 御報告を伺いましたが、その当時この栄光丸はどれくらいの速度で走っていたのか、この点をひとつお答えいただきたいと思います。
○寺井政府委員 正確な速度はまだわかっておりませんが、浦賀水道は十二ノットで走ってまいりますので、大体十二ノットでこの水域に差しかかっておったというふうに判断されます。
○松本(忠)委員 もう一つ、報告書にございませんことでございますが、この中ノ瀬のAブイ付近の水深約十四メートルの地点の海底の状況はどうかということでございます。祥和丸がマラッカ、シンガポール海峡で座礁しましたが、あそこは御承知のような岩盤のところでございます。東京湾の中はああいった岩礁地帯でないと私は思うわけでございますが、この中ノ瀬のAブイ付近の水深十四メートルという地点はどのような状態にあるのかお答えを願いたいと思います。
○寺井政府委員 事故現場の海底の状況につきまして具体的には承知いたしておりませんが、この中ノ瀬一帯は大体砂地でございます。
○松本(忠)委員 そこで船舶局長に伺いたいわけでありますが、いま保安庁長官からお話のあったように、速度は十二ノットだ、海底の状態は要するに砂地だということであります。そうしたところで、この重量トン二十三万一千トンという超大型船が船底部に損傷して油が流出した、こういうふうな報告であります。私ども考えますのに、いわゆるこの砂地と申しますか、そういうところに乗り上げたような程度のもので船底部が損傷するということは、船底の構造に非常に問題があるのではないかというふうに私は思うわけです。アメリカでは国内法で大型タンカーの船底部分を二重底にしよう、こういったことについて検討されているようです。こうした事故によりまして、油の流出を防ぐための立法を考えているというような話でありますけれども、まだできていないようであります。わが国においてもこのことは考えなければならないのではないかと思うわけでございます。御承知のように、日本は世界に誇る造船国でございます。造船技術も相当に進んでいると思います。しかしながら、こうした巨大船が単なる砂浜に乗り上げただけで亀裂を生じる、油が流出するというようなことは、もうここに問題があると私は思うわけです。よく世界の海を汚しているのは日本のタンカーだ、こういうようなことも言われておりますので、こういった汚名を挽回する意味からも二重底にして安全にすべきではないか、こういうふうに思うわけです。造船コストの面などから考えるとそうしなくて済ませているようでありますけれども、この辺に船舶局としての指導の問題に欠如があるのではなかろうかと思いますので、その点をお答えを願いたいわけであります。
○内田政府委員 本船が座礁いたしまして、船底に損傷を受けたことにつきましては、これは実際に今後ドックに入れて状況を把握してどういう状態であったか、これは調べてみなければわかりませんが、ただ強度的な問題といたしましては、先生御指摘のように、船は原則としてはそういう衝突とか座礁に対する強度というのは持っておりません。ただ、しからば御指摘のように、船底を二重にして座礁なり衝突の際少しでも流出を防ぐということはどうかということでございますが、これにつきましては、御承知のとおり、一九七三年に海洋汚染防止条約が締結されましたときに、大型タンカーの底を二重にすることが審議の対象になったのであります。そのときいろいろな問題がありまして、採択されなかったことになったのでございますけれども、それは経済的な問題ももちろんございます。それからもう一つは、いろいろ技術的な問題で、たとえば二重底にすることによって、かえって損傷した場合の船の復元性の問題であるとかあるいは運動性の問題であるとかあるいはデッドウエートが減ることによって、逆にかえって同じデッドウエートをとるために、船の大型化を誘発するとかいろいろな議論がそこにあったわけでございまして、先ほど申しましたように、採択に至らなかったわけであります。ただ、今後二重底という問題を検討するにつきましても、新造船でないとなかなかこれはむずかしい問題でございまして、したがいまして、それなればこそまた国際的な合意も必要だということで、その一九七三年の条約のときには一応それで議論は打ち切られたわけでございますけれども、いま先生御指摘になりましたように、今後、こういう事故等頻発しておりますし、何とか技術的に——これは二重底という問題ばかりではなくて、いろいろな技術的な観点から、構造面で改善する余地はないものかということを私どもも真剣に取り組んでいきたいと思いますし、また、いま申しましたように、そういうようなものが得られれば国際的な合意に達し得るように努力していきたいというふうに考えております。
○松本(忠)委員 要するに、大洋の中を、広いところそして水深の非常にあるところを大型船が通っている、これはもう問題がないと思うのです。しかしやはり、日本の油の基地に入ってくるのにはどうしても喜入を除いては内海へ入ってこなければならないということを考えれば、その船底構造などということも、諸外国はどうであろうと国際的にどうであろうと、日本としては十分考えておくべきではないか、こういうふうに私思いますので、この問題を提起したわけであります。 それはそれとしまして、あと、時間がありませんから、長官と港湾局長にお尋ねしたいことは、今度の栄光丸の座礁しました東京湾の中ノ瀬航路と浦賀水道航路の比較的浅いところに五隻の沈船があるという話を前にも伺っております。この問題は、第三管区海上保安本部でも、沈没船の位置というものは海図に示されているので大きな危険はないと言っておりますけれども、事実危険がないのかどうか、この点を確認をいたしておきたいわけです。
○寺井政府委員 沈船につきましては中ノ瀬航路の中に三隻ございますが、その一番浅いものが沈船から上十九メーター、一番深いのが二十四メーターということになっておりまして、二十メーターの浅さのところがございますので、現在の中ノ瀬航路といたしましては水深二十メーターというところが一つの限度になっておりまして、沈船のために特に危険であるということは考えられません。 それから、そのほかに沈船があるかという御指摘でございますが、実は沈船であるかどうかは明確でございませんが、障害物というものが幾つかございます。これはいずれも深いところで四十四メーター、浅いところでも三十三メーターの深さがございますので、現状といたしましては、航行上特に不都合はないというふうに判断いたしております。
○松本(忠)委員 今回の事故に、栄光丸の中園船長ですか、第三管区海上保安本部の調べに対して、航路の沈没船があって危険なので、中ノ瀬を通らず、横浜寄りの深いところを通った、こういう証言もあるわけですね。こういうことを見ますと、いま長官が言われるように、確かに沈船があってもこれはいまの水深からいって心配ないんだとおっしゃるかもしれないけれども、本当にこれが大丈夫なのかどうかという問題です。私は、これによって事故が起きて東京湾の中が、そういうことにならないように望むわけでありますけれども、火の海になったとしたら一体どうなるのか、そういう危険を考えますと、潮の干満もありますし、これらについてはやはり引き揚げるべきではないか、こう思うのです。 財団法人水路協会でも確認いたしましたけれども、先ほど長官が言われたのはこれに当たると思いますが、中ノ瀬航路南口付近の水深十九メートルの地点に、昭和三十八年の一月に開成丸という砂利運搬船が沈没している。これもそのままになっている。それからそこの同航路内に二隻、第二海堡の西の浦賀水道の航路内にも二隻、合計五隻あるというようなことを言っております。これらについて、いずれも百トン以下という小さい船でありますし、水面からもう本当に深いところにあるわけで現在は心配ないというお話を言われましたけれども、こういうものはやはり引き揚げておくべきではないか。ただ残念なことに、こういうものの引き揚げについて、当然原因者負担でありますから、そういった百トン程度の砂利を運搬している砂利船、そういうものの企業者は大体中小企業というか零細企業というか、そういう方々でありますので、これを引き揚げる費用を負担することができない。こういうところからそのまま放置されていると思います。しかし、果たしてそれでいいのかということです。やはり、航路の安全というものを考えてみたときに、これははっきりとして絶対間違いないなら間違いないというふうに確認をしていただけるならよろしいけれども、これが将来において何かの状況によって今回のような事故に結びついたとしたならば大変なことになるのではなかろうか、こう思うものですから、心配の余り言うわけでありますが、本当に心配ないのかどうか、この点を再度確認をいたしておきます。
○寺井政府委員 ただいま御指摘の十九メーターの深さのところにある機帆船の沈船につきましては、これは十九メーターで、中ノ瀬の一番浅いといいますか、自然的に浅いところが二十メーターでございます。一メーターしか違わないわけでございますが、この十九メーターのところにある船というものがやはりない方が、船長あるいはパイロットにとっても望ましいということでございますので、私どもといたしましては、この現状をもう一度詳細に調査いたしまして、これを除去することについて目下検討中でございます。
○松本(忠)委員 わかりました。 一応この沈船がお魚の巣になっている。こういうところから、漁業関係者はこれを撤去すること、引き揚げることを反対だというようなことも言っています。しかしまた、これが原因になって大事故になって海面全部が油になってしまえば、もう漁業者そのものが絶対だめになってしまうということを考えれば、やはり前向きに検討してこの引き揚げをして、安全に航行できるようにすべきではないかと私は思いますので、そのように希望しておくわけであります。 それでは海運関係、保安庁関係は以上で終わりでありますので、退席していただいて結構であります。あと、航空関係だけお残りを願えば十分であります。 航空局長にお尋ねいたします。 新東京国際空港の開港はいつかという問題については、もう歴代の運輸省の航空局長が頭を悩ましてきた問題であります。中村局長も御多分に漏れず頭を悩ましておられる問題であろうと思います。最近、毎日新聞にも「壮大なゼロ」というような見出しのもとに物語風に書かれております。非常に興味ある記事として私も読んでいるわけでございますけれども、三十七年の十一月に新空港の建設方針というものが閣議決定されて以来、総理大臣を考えましても、池田、佐藤、田中、三木と、こういうふうにかわっております。運輸大臣は何代になるか。この前私が成田の問題で質問をしたときにすでに九代でございましたから、それ以降を考えましても十指を過ぎるのではないかと思うわけであります。 現在はもうわれわれも、この開港がおくれている問題について、パイプラインの問題が大きくネックになっているということは十分承知しておりますけれども、一体開港の見通しというものはいつになるのか、こういう点であります。 それともう一つは、最近問題になっているのが、この開港がおくれたためにこの周辺の転業農民に対する補償問題というのが出ております。成田興業という空港敷地内のごみ処理を目的とした会社、あるいは成田国際空港食堂株式会社、ターミナルの中で食堂を経営する会社、あるいはまた、京成電鉄が先般も五月二十八日、運輸大臣に陳情したというようなことの新聞報道もありますように、また私の方にも京成電鉄からも陳情が参っておりますけれども、この空港線が未開業のために、それに伴うところの損失が大変になってきた、この補償をしろ、こういった問題がございます。 いずれにしましても、開港が延びに延びているがゆえにこうした問題ができてくるわけでございまして、この問題に対しては、開港が延びているのだからしようがないんだ、がまんしろというだけでは済まない問題ではないかと私は思います。こういう点に対しまして、ひとつ局長の責任ある答弁をお願いいたしたいと思うのであります。
○中村(大)政府委員 成田の開港につきましては、政府といたしましては一日も早く開港のめどをつけるべく努力をいたしておるわけでございます。 御承知のように、現在問題になっておりますのは燃料輸送の問題でございます。これにつきましては、すでに暫定パイプラインが完成をいたしましたので、それを用いまして、輸送するための手段、タンクをつくるとかそういう手段が必要になるわけでございますけれども、これについて、あらゆる困難を克服するため、現在最大の努力をいたしておりまして、一日も早く開港のめどをつけたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、第二点、こういう開港がおくれておることによる関連企業の受けておる損害、迷惑、こういうものに対してどのように措置するかということでございますけれども、これはもうわれわれとしては非常に頭を痛めておる問題でございます。特にこの中で、農地を提供した農民がいろいろな新しい会社をつくって、成田の空港に関連して営業をしようというふうないろいろな計画があるわけでございますけれども、こういうものについては、開港前でございましても、公団としてできるだけこれを活用することのできるものについては活用する方法を講じておりますし、また、小さな企業というものについては、千葉県の方で低利融資の道を開くというふうなこともいたしておるわけでございますけれども、決してそういうことで問題が解消するとは思っておりません。ただ、やはり現在の時点になりますと、補償問題もさることながら、一日も早く開港のめどをつけて開港にこぎつける、こういうことが先決かと存じますので、その方に全力を傾注いたしておるというのが現状でございます。
○松本(忠)委員 具体的に言って、その開港のめどをいつと考えていらっしゃるのですか。
○中村(大)政府委員 その開港のめどを一日も早く立てたい、こういうことでございます。
○松本(忠)委員 これはもう歴代の航空局長と何遍も何遍もやってきた禅問答でありまして、別に中村局長に初めての問題ではないわけでありますが、非常に国際的な信義の問題ではないかと思うのです。この問題にはいろいろの関連がありますので、きょうはその程度にとどめておきます。しかし、やはりこの空港が開港しないためにいろいろ損害を受けておるあまたの方々に対する補償という問題は、やがて政治問題化してくると思います。これは、きょうは大臣から十分な責任ある答弁を私も期待していたわけでありますが、大臣が退席されるということなので、きょうはこの問題はこの程度にとめておきますけれども、次回は一遍この問題について篤とはっきりしたお答えを聞きたいと思っております。 それからもう一つは、五月一日から新大村空港がオープンしました。世界でも初めてのいわゆる海上エアポート、こういうふれ込みであります。先般秘書を派遣いたしまして視察をいたしました。非常にすぐれた設備であって、感心をしております。私も報告を聞いて非常にいいことだと思うわけであります。いわゆる海上エアポートでありますけれども、これがやはり今後関係のある関西新国際空港建設につきまして、どのような参考になっていくのか、当局としても十分これらを考えてやったことと思うわけであります。先般の報道によりましても、大臣が近々関西新空港の建設に関連する地元の府、県、市等を訪問するというお話もあるようでございます。どんな形でこの新空港の実績といいますか、機構といいますか、そういうものを新しくできるところの関西新空港の建設のために反映させていくか、推進させていくか、こういう点について私も大きな関心を持っているわけでございますけれども、この新関西国際空港の建設がこれによって促進されるかどうか、スピードが増すかどうか、こういう点について簡単なお答えをひとついただいておきたいと思います。
○中村(大)政府委員 大村新空港の完成は、いわゆる本格的な海上空港という点に関する限りにおきましては、これは世界でも初めてというふうに言われておるわけでございます。新関西国際空港も現在の答申による予定地は泉州沖の海上にそのような空港を建設する、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、本格的な海上空港のきわめてみごとな具体的な見本を目の前に提示した、こういうことが言えると思います。そういう限りにおいて、新関西国際空港の建設にきわめて大きな影響を与えると思うわけでございます。しかしながら、両方を比べますと、その建設位置、それから規模、自然条件その他違うわけでございます。したがいまして、大村が完成したことが直ちに新関西国際空港の建設に具体的な促進の役割りを果たすということになるかどうかは、これは今後新関西国際空港の建設について具体的ないろいろな調査をしていきます段階において大村空港の経験がどのように生かされるか、こういうことになろうかと思います。
○松本(忠)委員 先般大村に秘書をやりましたときに、いろいろと地元からの話を聞いておりますので、二、三点申し上げておきたい点がありますが、それはローカルの離島空路の問題であります。 御承知のように、離島の空港に乗り入れができるというのは、YS11程度のものでございます。このYS11が日本航空機製造が生産を中止するというようなことになっておりますので、二、三年後には部品の調達もなかなか困難になってくるのではなかろうか、こういうことが言われているわけであります。 そこで、先般も鹿児島の県議会におきまして問題になっていることでありまして、これもいろいろと地元の人からも鹿児島県から来られた方に話があったそうであります。その話というのは、YSが製造されなくなると離島の輸送対策というものを根本的に考え直さなければならないのではなかろうか。離島の空港としては、地理的な条件として滑走路を千二百メートル以上延ばすことができない、こういうところがあると思います。鹿児島県でもそういうために非常にYSの将来のことに関して関心を持っているようでございます。また、これは離島でなくても、日本の内地におきましても、騒音の問題とか土地の買収ができないとかということで、どうしても滑走路の延長ができないでいるというところもあります。そうしたことを考えましたときに、YS11にかわるものの生産をどのように考えているのか、この点をひとつお答えを願いたいと思います。
○堺説明員 ただいま御指摘がございましたように、YS11につきましては、昭和四十八年の三月に生産を中止いたしまして、全部で百八十機で終了いたしたわけでございます。その主要な原因につきましては、不幸にして大変な赤字が出たということで、これ以上生産いたしますとますます国庫負担が大きくなるということでございまして、実は通産省といたしましてはYS11の後継機を速やかにつくるということで、昭和四十二年からジェット機化したYS11の後継機の検討に入ったわけでございますが、何度か各種の機体につきまして検討した結果の結論は、適当なエンジンが開発されていなかったということで延び延びになっておりまして、現時点ではYS11の後継機と必ずしも直接に関係ございませんが、航空機産業育成のためにYXという飛行機をボーイングと共同開発すべく折衝中でございます。 このYXにつきましては、二百人ないし二百五十人乗りの飛行機でございまして、滑走距離は千八百メートル程度を予定しておりますために、離島用の千二百もしくはそれ以下の滑走距離の空港には必ずしも適しておらない、かつ収容人員が大きいということがあって、先生の御指摘のようなYS11の直の後継機には必ずしもなっておらないと思います。ただ、YS11をつくりましてから、各エアラインが購入されてから相当時間もたっておりまして、その後継機についてはどうしても必要だということでございますので、運輸省の方とも御相談をいたしつつ、現在たとえば外国機で改造して、そういう短距離の飛行場に適合するものがあるかどうか、また、たとえばカナダにダッシュ7という非常に滑走距離の短い飛行機ができましたけれども、そういうものを、これは運輸省サイドでの御検討にまたなければいけませんけれども、エアラインとしては導入することもあり得るのではないかというふうに考えておる次第でございます。 それから、一点訂正させていただきたいのですが、四十八年の三月に生産終了いたしましたと申し上げましたが、四十九年の二月でございますので、訂正させていただきます。
○松本(忠)委員 通産省の考え、わかります。ですけれども、やはり日本というこの島国、そして離島の航路ということを考えますと、やはりこれは、YS11級のものはどうしても将来必要だと私は思うのです。搭載する人員の問題も、大型機で運ばなければならないような人がいるわけじゃないわけでありますから、やはりそれに見合ったところのものがどうしても必要だと思うわけでございますが、これに対して、航空局としてはやはりそういうものを希望されると思いますけれども、この点はどうなんですか。
○中村(大)政府委員 私どもがこのYS11のいわゆる後継機というものを渇望しております理由は二つあるわけでございまして、一つは、物理的にYS11が生産を停止し、部品の購入等についてもいろいろと困難があるということで、いわゆる物理的にこのYSの後継機を確保しなければいけないという問題と、それからもう一つは、現在のYS11の運航状態を見ますと、ほとんどの路線について、いわゆる利用率を見ますと非常に高い、七〇%以上を確保しておるというふうな路線であってもこれが赤字である。YS11について損益分岐点を見ますと、これは非常に高い状況でございます。なぜかと言いますと、結局、一機当たりの輸送人員が非常に少ない、こういうことでございます。したがって、今後の日本の重要なローカル路線の運営というものを確保いたしますためには、やはりそういうふうな収益性ということを考慮いたしますと、相当の搭乗人員を確保でき、かつ、先ほどからお話が出ております滑走距離の短い、そういうふうな新しい機種が一日も早く開発されてわれわれの眼前にあらわれることを渇望しておるわけでございます。
○松本(忠)委員 日本の島国という特殊性から言って、私はそういう離島に対して時間的に非常に短い時間で飛んでいける、そういう点から考えてどうしても航空機の必要というものはこれからもどんどん増してくると思います。しかし一方、その島における滑走路がどうしても千二百程度しかとれないということになってくれば、やはりいま局長の言われたような、滑走路の短くてそしてかなりたくさんの人が乗れる、十分にいま旅客があるようでございますので、そういったものの開発を待ち望むわけでございますが、それらにつきまして、これも大村で話が出たわけだそうです。ことしの九月に対馬の空港が第三種空港として開港が予定されている。これができましたときに対馬からの路線についてはどのように考えていられるのか、御検討なされているかどうか、伺いたいわけであります。壱岐と同じように福岡からの路線になるのか、あるいはまた福岡を含めて長崎空港、大村と結んでやっていくのか、この点についてはどうなのか、さらに便数をどれぐらいいま考えているのか。この対馬の空港の開設を九月に控えてどのようにお考えがあるのか、お漏らしを願いたい。
○中村(大)政府委員 対馬の空港につきましては、目下滑走路の整備それからいわゆる保安施設の整備をいたしておるところでございまして、開港時期は当初九月という考え方もあったわけでございますけれども、若干おくれましてやはり十月ごろになろうかと思います。その場合の運航でございますが、まだどこの会社がどういう計画でということは決まっておりませんけれども、恐らく考えられる経路としては福岡と対馬の間ということに相なろうかと思いますし、機種は当然YS11ということになろうかと思います。
○松本(忠)委員 これは十月開港ということならば、十月までに十分需要の面も考えた上で検討してもらいたいと思うわけであります。 もう一つは、大村の新空港と五島列島の福江空港、この間にも現在YS11が毎日二往復しているわけです。ここでも調査によりますと輸送実績というものが九〇・九というような非常に高いものを占めているわけです。地元の意向としても、現在福江—大村間の二往復ございますけれども、それよりももう一つ、福江から直接福岡空港に乗り入れる便ができないか、こういう大きな希望があります。この希望はかなえられるものかどうか、この点についてお考えを聞かせていただきたいと思います。
○中村(大)政府委員 大村−福江間の輸送の実態につきましては先生御指摘のとおりでございまして、相当な輸送需要があるということでございます。現在まだ具体的に増便の計画ないしは福江—福岡間の新路線の開設ということについての具体的な計画は持っていないわけでございます。離島航路の重要性は十分承知いたしておるわけでございますけれども、企業全体としての機材の運用計画との関連もございますし、その他YS路線の経済性という点もやはりある程度考えなければなりませんので、新路線の開設ということについては、現在の段階といたしましては、ここである程度の前向きな御答弁をさしていただくまでに至っていないわけでございます。
○松本(忠)委員 これはやはり福岡直行便がどうしても欲しいという大きな希望があります。大村まで行ってそれからまたさらに乗りかえて行くということになって、どうしても福岡直行便はぜひつくってほしいというような地元の希望が大変強かったために、私、申し上げておくわけでございます。 それからもう一つは、海洋博が七月十九日からいよいよ始まるわけです。これに対しては船あるいは航空機によって本島から沖縄へ渡る人が多いわけでありますけれども、一応航空機がやはり中心になって運搬するのではなかろうかと思います。この辺について臨時便の増発あるいは大型機、ジャンボあるいはトライスターの導入ということについて対抗していかなければならないと思うわけでございますけれども、御承知のように大阪からは実際問題として大型機を飛ばせることができないという現状にございます。こうしたことを考えましたときに、海洋博の期間中だけであってもどのような体制で輸送の計画を練っておられるのか、この点を伺っておきたいわけです。
○中村(大)政府委員 海洋博中に本土から沖縄に訪れる観光客の予定数というものがあるわけでございますけれども、それから勘案いたしますと、航空機の輸送力といたしましては、大体八千席程度の提供が必要になるのではないかというふうに考えております。 現在本土と沖縄との間は十九便、約四千席の輸送力でございます。したがって、これを約倍にいたしまして便数では三十四便、座席数で約八千二百程度の輸送力、これを東京、大阪、福岡、名古屋、鹿児島等から増発する。この中には一部大型機を使用いたします。そういうことで、本土と沖縄との間の海洋博中の輸送需要は十分これによって賄えるものというふうに考えております。
○松本(忠)委員 いまある四千程度のものを八千二、三百にふやすということでございますが、その計画はわかるわけでありますけれども、現在のところほかに新規路線の計画というものはあるのですか、ないのですか。
○中村(大)政府委員 現在申請いたしておりますものが数路線ございます。あるいはまた今後申請が予想されるものもございます。こういうものにつきましては今後どのようにこれを処理いたしますか、これはひとつ慎重に、具体的な輸送需要があるかどうかということなども勘案いたしまして、今後決定することになろうかと思います。
○松本(忠)委員 その新規の申請というものに対しては、やはりもう目と鼻の先まで開催期は来ているわけです。これはどうするかをはっきり決めなければ沖縄自体としても困るのではなかろうか、海洋博の当局としても困るのではなかろうかと思いますので、申請が出ているのは一体どこがどういうふうに出ているのですか、具体的にお話し願いたい。
○中村(大)政府委員 現在出ておりますのは、全日空から松山−沖縄間、これが週五便、それから奄美から伊江島を通りまして那覇へ、これが一日一便、それから熊本から沖縄、これが週二便、そのほか南西航空から同じく熊本−沖縄間に週三便という申請が現在出ております。
○松本(忠)委員 それだけのものがいずれにしても限られた時間の中で沖縄空港に離着陸するわけでありますが、その点についての事故の心配、そういうものはございませんか。十分に離着陸ができるというだけの体制にあるのか、その辺、ちょっと心配がありますので。
○中村(大)政府委員 そのような点も勘案いたしまして、今後この具体的な申請事案をどう処理するかを決定してまいりたいと思います。
○松本(忠)委員 それでは一応その問題は終わります。 あといわゆる第三次の空港整備計画、この問題について若干聞いておきたい。 時間もありませんので、大体のことで結構でありますし、お答えも簡潔に願いたいと思うわけでございますけれども、現在第二次の空港整備五ヵ年計画というものが御承知のように四十六年度に発足して、五千六百億というような事業費で始まって五十年度で終了することになっているけれども、この問題が、地元住民の騒音反対運動が激化したとか社会情勢の変化によって所期の達成ができないままに終わろうとしているわけであります。 そこでどうしてもできなかったいわゆる第三種空港の中での旭川、帯広、花巻、高知、こういうところですね、旭川で言うならば五十年度の予算はついていない、五十三年度以前の開港は無理だというようなことも言われておりますし、帯広も用地買収の交渉中であって、五十二年以前の開港は無理だ、こういうふうないろいろの具体的な事実の指摘もあります。こうなってまいりますと、第二次計画でできなかったところは当然新しい計画、いわゆる第三次計画と言いますか、そういうものの策定が必要になってくるのではなかろうかと思いますが、これに対して局長はどのようにお考えでございますか。また、もし第三次計画を立てるとするならば、どういうことを基礎にしておやりになるのか、この辺をひとつお答えを願いたいと思います。
○中村(大)政府委員 第二次五ヵ年計画は本年度をもって終了するわけでございます。したがいまして、当然五十一年度を初年度といたします新しい第三次五ヵ年計画を策定いたしたいというふうに考えておるわけでございます。 この中身につきましては、どの程度の事業規模にするか、その中にどのようなものを織り込むか、また財源措置、これが非常に大きな問題でございますが、財源措置をどうするかということについて実は目下検討をいたしておる段階でございまして、ここでまだ結論めいたものを申し上げる段階には至っておりませんけれども、とにかく従来考えておりました高度成長ということは期待できないまでもやはり平均的な成長の過程で、全体的な総合交通体系の中で航空の占める役割りというものをわれわれとしては見きわめまして、特に距離、時間を克服する航空のメリットというものを十分考えまして、いろいろの困難はございますけれども、前向きに空港整備に取り組んでまいりたい。その場合に環境との調和、安全対策の充実、こういうことを十二分に織り込みまして新しい空港整備計画を立ててまいりたいと思っております。
○松本(忠)委員 いま局長のお答えのとおり、確かに第二次五ヵ年計画で先ほども申し上げました第三種空港、こういうものの整備がおくれたというのは、一つは騒音問題であり、一つは空港の用地の確保難だ、こういうことが指摘されると思います。そうなれば、当然新しい計画においても騒音対策はどうするか、環境整備の対策をどうするか、総事業費のうちでどれくらい占めてくるのか、こういうことについて十分検討がなされた上で新しい計画を立てなければならないと思いますし、その点についてどうか万遺憾のない対策を立てていただきたい、このように思うわけであります。 それからもう一つ伺っておきたいことは、ローカル空港のジェット化の問題につきまして、航空評論家の中には、現在の空港を拡張しなくても、滑走路の基準を現行の二千メートルから千五百メートルに引き下げることによって可能だというような意見を言っている人があります。このような意見についてどうお考えになるのか伺いたいわけであります。 たとえば高知、秋田、山形、帯広、鳥取、出雲、石垣、こういったところは千五百の滑走路でございます。ここへ中型のジェット機の運航を認めるならば、現在の滑走路を二千メートルにしなくても千五百でも十分可能ではないかということが言われておりますので、中型ジェット機の運航を認めるということについての考え方を航空当局としてどのようにお考えになるか、これを伺っておきたいわけであります。
○中村(大)政府委員 現在二千メートル未満の空港で現有の機種のジェット機を飛ばしておる空港はたしか三つ程度だと思います。これについてもいろいろな客観条件に合わせましてある程度の制限を加えて飛んでおるということになるわけであります。先生御指摘のように、現在の機種で千五百メートル程度の滑走路でジェット化ができるかどうかということについては、これはやはりその空港、空港によりましてそのいろいろな条件があるわけで、そのあらゆる条件がうまくかみ合いまして、そういう場合に千五百メートルにおいても離発着できるという可能性はあろうかと思います。ただ、これを一般的な原則としてそれによって一般的に千五百メートル程度の滑走路においてジェット化ができるというところまで結論づけることはやはり問題があるのではないか。この点につきましては、最初申し上げましたように、今後のジェット化の必要性とそれから新しい機種の開発、こういうことを総合的にやはり見きわめまして、滑走路というものはどれだけあるべきかということもあわせて検討し、結論を出してまいりたいと思っております。
○松本(忠)委員 それでは最後に一言だけお願いしたいことは、御承知のように航空各社の三月決算が出ました。日航が百七十七億千六百万円、東亜航空が十九億九千三百万円、南西航空が三億四百万円ですか、日本近距離航空が三億二千百万円、いずれも赤字であります。全日空だけが辛うじて十二億五千百万円という黒字になっておりますけれども、これも乗客の伸び率が非常に落ちているので、五十年度は赤字になるだろうというようなことが言われております。こういう点から考えまして、この赤字の問題が深刻になればなるほど、各社としてもいろいろ対策は考えるでしょうけれども、運輸当局としてこの赤字に対し、この赤字解消に対してどのような指導をしていくのか、その点を一応お伺いして終わりたいと思います。
○中村(大)政府委員 今回の航空会社のこの赤字の原因は、内部的な要因もさることながら、外的要因が相当大きな要因となっておることも否めない事実でございます。したがいまして、五十年度以降において航空各社の収支を改善いたしていくためには、やはりこの外的条件についての改善というものを期待することもこれは当然でございますけれども、やはりこれについての期待は余り大きく求められないだろう。したがって、現在の段階ではやはり低成長下において収支を改善するためにどうすべきかということを真剣に考えざるを得ない。各社当然これはもうみずからの問題として考え、検討いたしておるわけでございますけれども、やはりこの経費の節約、非常に通俗的なことでございますけれども、あらゆる経費の節約をするということ、それから国内線につきましては便数のやはり調整をするということも場合によっては必要ではないか。総合的に対策を講じていく必要があろうかと思っております。
○松本(忠)委員 終わります。なお、航空局長も、ひとつ日本の航空の安全と利用率の向上のためにも、大いにがんばっていただきたいと思います。 質問を終わります。
○加藤(六)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十三分散会