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75回国会衆議院1975/04/16

運輸委員会 第13号

発言数
187
登壇者
25
会派数
4
開催日
1975/04/16

会議録

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 これより会議を開きます。  鉄道敷設法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  ただいま本委員会において審査中の本案について、本日、日本鉄道建設公団総裁篠原武司君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 まず第一に、新線建設あるいは新幹線鉄道網建設、こういうものの建設の基本方針というものについて運輸大臣にお伺いしたいのでありますが、先般も当委員会で、所信表明というか、これに関連しての御発言の中でも、あるいは予算委員会の中で総理初め関係閣僚からのお話も総合してみて、現在における日本の経済事情あるいはこれまでの政策推進の結果として、現時点において特に経済成長を中心にした政策に対して検討を加える必要がある。でありますから、いままでありましたところの高度成長経済政策、こういうものの反省をし、これを背景にした新全総、新全国総合開発計画というか、そういうものを見直し、さらには総合交通体系も検討し直すという、そういうことで、現在それぞれの関係のところで検討を加えているように伺っているわけであります。ついては、本日敷設法の一部改正ということで新しい予定線の追加について提案されているわけでありますが、全体の鉄道敷設法の別表並びに新幹線鉄道網建設の構想、こういうものも、これらを勘案すれば、改めて見直すというか、全体を見直すという必要がありはしないかと思うのであります。ついては、その見直しの考え方を持っておられるのかどうか。それからもう一つは、この見直しの幾つかの要素はございますが、その中でも特に高速長距離の大量輸送交通機関の整備ということで、今日まで新幹線鉄道網はその一つとしてやってこられたわけでありますが、国民生活の中でいま大きな問題があるのは、何といっても一つには新幹線鉄道に対する騒音、振動等による公害の問題がございます。新たに出てきたというか、そういうことがあります。空港の整備についても同様であります。それからもう一つは、都市交通におけるところの通勤輸送の渋滞というか、これは慢性化してきているわけであります、そういう問題。それからもう一つは、地方交通の経営困難という問題があると思うのですね。そういう問題がありますので、それと同時にオイルショックに発生したエネルギーの問題あるいは資源の問題、さらには労働力の問題、こういう幾つかの制約というか枠組みの中で見直すことが当然だと考えているわけでありますが、本日提案されている敷設法の改正は、それらの反省の上に立ってのあるいは見直しの上に立っての御提案ではないだろうと思うのであります。別に非難するわけではありませんけれども。冒頭申し上げましたように、新線建設なり新幹線鉄道網の建設については、一応改めて検討し直すということがこの際必要であろうというふうに思うのでありますが、いかがでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 鉄道の建設を中心といたしました非常に根本的な問題についての御質問でございますが、日本の鉄道は、御承知のように、明治以来もう百年の歴史を持ちまして、今日の状況になってきておるわけでございます。それまでの間に幾たびか新線の建設も行われてきたのでございますが、それぞれその時代の経済的並びに社会的な背景をとらえまして、そしてその中でそのときどきの必要な鉄道の新線の建設をやってまいったということであるわけでございます。今日の段階におきましては、その経済的あるいは社会的な背景というものが非常に複雑になってまいっておるわけでございます。したがって、それらを十分に考えながら、今日国鉄の新線の建設、これはどうあるべきであるかということを考えていかなければならないと思います。  新幹線は後で触れるといたしまして、従来の新線建設につきましては、現時点において陸上交通、諸種の交通機関があるわけでございますが、それらの中で、一体国鉄は今日までどのような使命を果たしてきたか。また、今後どういう方向にその使命は果たされていかなければいけないだろうかということが一番の問題であろうと思うわけでございます。  御承知のように、陸上輸送の実態を見ますと、旅客輸送につきましても国鉄の占めるシェアは三〇%くらいに下がりつつある。それから貨物につきましてはもっと下がりまして、十数%というふうな状況でございまして、たとえば道路交通による自動車輸送あるいは沿岸の海上輸送等とのシェアの関係において、そういう変化を来しておるというのが現状でございますが、しかし、過疎地帯あるいは山間地帯、十分にまだ開発発展されていない地域における交通機関といたしまして、国有鉄道の持ちます国民的な使命というものは、まだ相当重要視されておるわけでございます。ことに、これにかわります自動車輸送につきましては、道路網の整備が、自動車の増加に比較いたしまして十分それと並行して行われていない。そこへもってきましてエネルギー資源の問題でだんだんと自動車輸送もいままでのように将来に向かって非常に飛躍的に増加発展していくということは、必ずしも多くを期待できない。ふえることはふえますけれども、いままでのような加速度的な増加は考えられない。そういうふうなことをいろいろ考えてみますと、やはり私は鉄道の使命というものは依然として陸上交通の中におきましては一番大きなウエートを占めておるものである、かような認識を持っておるわけでございます。  そういう認識の上に立ちまして、しかしながら、他の競争的、共存的交通機関というものもそれぞれ発達をしてまいっておりますので、それらの状況を踏まえながら今後の鉄道の使命を考えて、新線建設を進めていかなければいけない、かように考えておるわけでございまして、今回御提案申して御審議をいただいております敷設法の一部改正の路線は、これは特殊の事情でございまして、北丹鉄道というものがあって、鉄道の端になっておりました、その北丹鉄道が廃止になって、途中で交通機関が切れてしまうという事態になりましたので、これをつないでおくのだということで、これは特殊の意味があるわけでございます。  一般的に申し上げますと、地方における鉄道の新線建設につきましては、ただいま私が申し上げましたようないろいろな背景を考えながら、現在敷設法に載っております予定線等の建設はそれぞれ個別的に判断をして決めていくべきである、かように考えておるわけでございます。  それから新幹線につきましては、これは最も幹線輸送という使命を持ちながら、高速であり、かつ長距離の輸送使命を果たすという意味で、近代的な要請にこたえた交通機関として非常にその効用も高く、また役割りも非常に大きいのでございます。これはすでに七千キロという一応の将来に向かっての青写真ができておるわけでございます。将来に対する一つの構想としてはそれなりに重要な意味を持っておる、私はかように思うのでございますが、これをいよいよ建設をしてまいって実際やっていくということになりますと、やはり先ほど申し上げましたような今日における、また将来変わっていきます社会的なあるいは経済的な背景というものを勘案しながら、そのときにその青写真の中からどうこれを引き出して建設をしていくかということは検討していかなければならないと思っております。  なお、新しい問題といたしまして、本来新幹線には相当な建設費がかかるわけでございますが、さらに環境整備の関係から、騒音あるいは振動防止という点でかなりきつい制約を今後受けることになるわけでございます。そうしますと、それの条件に合うように今後新幹線を建設し運営していくということになりますと、きわめて莫大な投資をさらに必要とするということで、財政上の非常に大きな制約を受けることになるわけでございます。これを国鉄自体で賄うということは、理屈からいいましても適当ではないと思いますし、また事実それだけの莫大な投資を国鉄自体の力でやりながら、いかに必要性が高いとはいっても、新幹線を建設するということは私は困難であろう、かように考えるわけでございます。そういうふうな状況の認識のもとに、現在、一面国有鉄道の財政の破綻、これをどう再建していくかという問題とあわせて考えなければならないのが今日の時点でございます。  そこで、国鉄の再建をいかにしていくかということにつきまして、現在いろいろとまず基本的な検討をいたしておるわけでございます。この基本的な検討の中におきましても、今後在来線の新線建設、運営、これをどうすべきであるか、また新幹線の今後の建設の青写真に載っておりますところの建設の構想というものを、どう今後実際の計画の中に取り入れていくかということも、あわせて考えていかなければならないわけでございます。そうなりますと、当然国鉄の資金力あるいは財政の力というふうなものを、どのようにして今後つけていくかということと切り離すことのできない問題でございますので、そういう点を十分に勘案しながら、国民的な要望に合うような新幹線の計画あるいは在来線の必要な鉄道の新線の建設、そういうものについての取捨選択をやっていかなければならないと考えておるわけでございます。  きわめて抽象的ではございますが、基本的な考え方をまず申し述べておきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 お話がありましたが、御意見の中に幾つか同感の点もあるのですが、総合的に、大臣がお述べになったような思想というか、考え方を総括して新しい交通体系というか、交通網というか、そういうものを考える時期だと思うのですよ。     〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕 その問題として、先年総合交通体系というか、そういうものが議論されたし、政府の中でも一部できたものもある。これは抽象的なものでありますが、それでもできた。しかし、これが実現しないうちに見直しということだろうと思うのですね。これは単に鉄建公団が建設する鉄道やあるいは国鉄がやるものだけではなくて、陸海空全体にわたるところの交通体系について言及しているわけでありまして、これは従来の方針から見れば前進だと思うのですが、いまのお話を聞いておりましてもそういう感じを深くするわけです。今度の提案されたものが、少なくともその地域における交通の整備はどうあるべきかという観点から予定線を延ばしたということではなくて、北丹鉄道が四、五年前に営業休止、四十六年かに営業を休止したまま今度廃止したということで、何とか廃線敷でも買ってもらえないかという気持ちもあってくっつけたし、理屈としては、短絡線にかっこうとしてはなるというような、単純なと言ったら大変失礼かもしれませんが、意味で出して決定がされたのではなかろうかというふうに思うのです。いわゆる短絡線としての効用は私も認めないわけではありません。しかし、宮津線と京阪神との関係ですね、丹後と京阪神との関係が短絡線をどうしても必要とするものであるかどうか、私は十分に検討したのかどうか、大変疑問に思うのです。というのは、現在あるいは将来の宮津を中心にしたもの、あるいは京阪神から宮津というか、丹後へ向かったものについて、そんなに私は短絡線を急いでつくる必要はないし、むしろいままでの新線建設全体を洗い直す中でこの宮守線もどうするかを決めていくのが当然でありますが、これは宮守線ばかりではありません。日本全国にばらまかれている予定線あるいは調査線というか、そういうものも含めて、着工線も含めて、いつできるのかわからぬものまでたくさんあるわけですね。こういうものをどんどん――どんどんというほどではありませんけれども、少しずつやっているわけです。この宮守線も少しずつやっているわけですね。いまだに開業はしていないように見ますけれども、開業していませんね。――いまだに開業していないのです。いままで着工線になっている十何キロかの区間も開業に至っていないのです。その先に今度はまた予定線というか、それで着工線の中に組み込もうというんでありましょうけれども、どうも不見識のように思うんですね。いま始まっている区間一区間でも動かしたらどうだろうか、世間の目というのはそういうふうに見ると思うのです。ところが、それができないままに先の方だけ継ぎ足しをするという、そういうのはどうもわれわれとして納得しがたい一つの問題であります。全体として短絡線ということだから効用がないわけではないだろうということで、これは承知はします。しますけれども、疑問がある。だから、さっきも申し上げたように、地方の開発として鉄道の効用もあるという御意見でありましたが、そのとおりだと思うのです。それならばそれなりに、その地域における全体の地方交通の整備計画というのはどうあるべきか。その中で宮守線は延長すべきかどうか、こういうものを考えておやりになるのが当然だと思うのですが、そういうものをやらないで、従来のケース・バイ・ケースのいわゆる運輸省を中心にした経済調査というか、そういうものを土台にしてまあまあということだと思うのですね。そういうものについては、この際もう思い切って見直しというか反省をしたらどうかというふうに私は思うのであります。  それで、話はちょっと飛びますが、民鉄来ていますか。――来ていますね。  それではお聞きするのですが、地方鉄道法によるところの免許を受けた線路で、鉄道で、いまだに着工も開業もしていないものはどの程度ありますかということです。――おわかりになりますか。時間が限られておりますので、総体でいいです。

永光洋一運輸省鉄道監督局民営鉄道部監理課長

○永光説明員 調査が十分ではございませんが、民鉄の中でも免許をもらいまして未開業で、そしてしかもまだ長期着工していないというものがやはりある程度ございます。それで、その中でも現在の既存の鉄道の事業者で、そして免許路線を持ちまして一応まだ開業してないというものと、それからいわゆる新規事業者で、それで鉄道事業者として免許をもらいまして、新規免許をそのまま、開業してない、こういうものと二種類ございまして、既存の事業者のものにつきましてはいろいろ細かいものがございますのですが、新規の事業者につきましての長期未着工路線というものは、いま手元にあります資料によりますと六社ほどございまして、大体免許を昭和の初めから、あるいは昭和三十年代に免許を取得いたしまして、その後着工に至っていないというものがございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 その資料は後で出してください。  大臣、いまお聞きのとおりなんですね。昭和の初期に免許を取っていまだに着工もしない。それだから、私は鉄道敷設法を全面的に承認する立場として、仮定として申し上げますれば、敷設法と地方鉄道法の免許線がある場合は、これは予定線には上げないんですね。これは上がらない。だから、免許をしてしまえばこれは恐らく予定線から外れるわけでしょう。あるいはないところが予定線。昭和の初期に免許を受けておきながら、いまだに着工をしない。秩父鉄道なんていうのもその口じゃなかろうかと思うのです。これはこの国会でも大きな問題になりまして、時の運輸大臣が事件の渦中に巻き込まれたこともございます。そういうのも恐らく免許の更新、更新ということで先に延ばしているんだろうと私は思うのでありますが、こういうものを見直すことが今日一番大事だと思うのです。免許を取っているから、必要であろうとも恐らくとてもそこへ乗り込むわけにいかないということでしょう。免許を取り消すということはないんですね、地方鉄道法によりますれば。期限内に更新を申し出れば、それは結構でございますとかいうことで、大体は免許をそのまま延ばしておる。漫然と言ったら語弊があるが、結果としては昭和の初期に免許して今日着工に至らぬというのは、漫然として運輸省はそのまま見逃しているわけです。そういうもの、必要でないものならば、免許したならば免許のとおりやらなければ取り消す。それで新しい免許者が出てくればこれに免許を与える。もしそうでなければ、いまの敷設法によって鉄道の建設をするのがあたりまえじゃないですか。そういうものをやっていないのがある。そういうものを見直してこの際はやるべきだと思うのです。そういう意味からいきまして、総合交通体系を早く樹立することが一番だ。そういう政策に基づいて鉄道はどうあるべきか、あるいは内航はどうする、港湾の整備はどうする、飛行場の整備はどうするというような陸海空全体にわたっての総合交通の政策というか、そういうものをつくることが先決じゃないか。その中でいま申し上げたようなものを全部整備すると言ったら語弊があるが、検討を加えて整備をする。交通網の整備を考えていくというのが当然だと思うのです。そういう意味で私はいまの新幹線鉄道網の問題も、それから鉄道敷設法、別表を含めてこれは白紙に戻して、単に鉄道敷設法とかあるいは新幹線鉄道建設法とかいうような小さい枠組みだけで考えて推進する時代ではもはやなくなったと思うのです。そういう意味で、敷設法あるいは新幹線鉄道建設法などは廃止して、廃止と言ったら語弊があるが、白紙に戻して、言うならば総合交通網整備法というかそういうものをまずつくって、その中ではいま申し上げたようにできれば交通網のあり方も決めたらいいでしょう。あるいはケース・バイ・ケースでも結構ですが、大ざっぱなものは決めたらいいでしょう。それと同時に、必要なもの、その財源をどうするかという問題、総合的な財源措置を講ずる。鉄道は幾らとか鉄建公団は幾らとか空港整備は幾らとか港湾の五カ年計画はどの程度だとか、そんな転がし予算みたいな個々別々の財政措置。しかもその財源の取り方も個々まちまちだ。道路については御承知のとおり、特定財源を中心にしたものでやっているんですね。道路を含めて交通網の整備法というか、そういうものをつくって、財源も総合的に取り組む。それから使い方については、配分はその整備の方向に従って配分をしていく。そういうものでなければ、しょっちゅう問題を起こすもとになると思うのです。この際、運輸大臣、聞くところによると当分内閣改造はないそうでありますから、改造はないというのなら腰を落ちつけて、来年には少なくともそういう基本方針くらいはあなたはお出しになった方がいいんじゃないかと思うのであります。投資配分にしてもずいぶん違ってきますね。そういうものを考えないでは、国鉄再建にいたしましても非常に無理ではなかろうかと私どもは思うのであります。いかがでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 総合交通体系というものを新しくつくりまして、それを基本にいたしましてもろもろの交通機関についての将来計画を立てていかなければならないという点につきましては、久保委員のおっしゃるとおりでございまして、いま運輸省におきましても運輸政策審議会からの答申を得まして、総合交通体系の作業にいま入っておるわけでございます。その作業の結果をもとにいたしまして、お話のような総合交通体系を基礎にした計画を立てていきたいと考えております。  なお、今回御審議をいただいております宮守線につきましては、お話がございましたように宮津から河守まではすでに建設線に予定され、もう建設中でございます。これが建設をやりましたゆえんのものも、河守から福知山の間は既存の北丹鉄道があるので、これが短絡線として宮津、福知山に通じ、さらに阪神地方に通ずるという交通系絡の一環として新線建設に当たったのでございますが、北丹鉄道が事業廃止のやむなきに至りましたので、そこをカバーしていくための延長ということで御審議をいただいておるわけでございます。  それから免許をもらってそのままになっておる民営鉄道、いま課長が申し上げましたように相当あるわけでございます。これはずいぶん古くからの話でございまして、鉄道建設ということになりますと相当な準備が要るわけでございますので、免許をもらいましてもある期間というものはかかることは私もわかるのでございますが、しかしいま着手していないそれらの路線は、そういった常識的な限度を超えて長期にわたって建設もやってないということでございます。したがって、これらの問題は当然再検討いたしまして、これはそれぞれちゃんとした申請の母体があるわけでございますので、免許の取り消しとかというふうなことでなしに、これは申請者とよく話せば私は取り下げていくものである、かように考えておりますので、これはそういう措置を今後進めていきたいと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 監理課長、先ほどの六社か何かの内容をちょっと発表してください。内容といっても免許の鉄道名、代表者の名前。

永光洋一運輸省鉄道監督局民営鉄道部監理課長

○永光説明員 お答え申し上げます。  ちょっと代表者の氏名があれですが、会社名から申しますと、札幌臨港鉄道、武州鉄道、大東京鉄道、鶴見臨港鉄道、四国中央鉄道、熱海モノレール、一応それだけ新規事業としては調査が進んでおります。(久保(三)委員「秩父鉄道はありませんか」と呼ぶ)先ほどお答えしましたように、一応これは新規の事業者で洗っておりまして、既存の鉄道事業者でなお一部未開業のものというのは、これまた別途調査をいたしませんと、ちょっといまのところわかりません。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 その全体を調べて、後で資料として出してください。  次に時間もありませんからなんですが、もう一つさっきの総合交通政策というか、そういうものの計画を進める場合に、さっき申し上げましたのは総合的な交通網の整備計画、それからこれに要する財源計画、これに配分される配分計画、そういうものともう一つ大事なのは、最近では特に労働力の問題が問題になってまいりました。多少見方によっては違いますが、これは大変大事なことになってまいります。そこで、これは労働力の需給計画というか、あるいは安定計画というか、そういうものをやはり一つの柱として中に織り込む必要があると思うのですね。そうでないと、せっかく交通網の整備や何かをしても、そこに配置される需給計画というものがない。たとえば後で午後から質問申し上げますが、船の問題にしても、船員の雇用の安定の問題などはすぐにはできないのですね。やはりある一定の期間が必要なんですね。そういうことを考えますと、ある程度長期の展望に立ったところの計画が必要のように思うので、そういうものも織り込んでみる必要があるというふうに思うわけです。いずれにしましてもそういうことを要望しておきます。  それからもう一つは、戻りますが、鉄建公団の担当している新線建設と、国鉄が経営を引き受けるわけでありますが、国鉄の経営との関連性が言うならば密接でないように手前どもは思うわけであります。これは事前に、着工並びに完成の引き渡しの時期、そういうものを含めて国鉄の意見というのは十分織り込まれてないうらみがあるのではなかろうか、こういうふうに思うのであります。と申し上げますのは、いまはないと思うのですが、先年北海道のある線が開業というか竣工した。鉄建公団がこれを国鉄に引き継ごうと思ったが、国鉄はこの引き継ぎをがえんじなかった。     〔佐藤(守)委員長代理退席、委員長着席〕 しばらくの間、竣工はしたが開業はしないという線がありました。もちろんこれは世に言うところの赤字ローカル線であります。そういうものは建設と経営が一体になった上での建設でないように思うわけですね。これについてはどういうふうに措置されているのか。これは今後も出ると思うのです、苦しくなれば。これはどういうふうに措置されるか。事前においてやるのか。たとえば御提案になっている宮守線の延長にしても、本当に短絡線として十分に利用価置があるのかどうかという問題も私は大変心配しているわけです。  それからもう一つ、公団が国鉄に引き渡しあるいは譲渡というか、あるいは貸し渡しですね、無償貸与というかあるいは有償の場合もあるが、こういうものが必ずしも十分でないことになってきましたね。先般、これはある資料で調べたので正確でないかもしれませんが、四十八年度末までの完成というか鉄建公団が引き継いだものは開業線三十三線、七百十一キロほどあるそうでありますが、うち有償が十二線、三百五キロ、無償が二十線で三百九十二キロ、そのほかは譲渡があるわけですね。有償が十二線、無償が二十線。無償の方は小さいローカル線ですから赤字も少ないのでしょう、十二億八千九百万だ。ところが有償十二線については百六十三億二百万、こういうことなんですね。結局、有償というのも、もちろんこれはそれぞれの、たとえば幹線、亜幹線の中に入るものかもしれません。しかし、いまごろ新線建設で幹線、亜幹線と言われるような部類に入るものは余りないと思うのですね。多少臨港的なものがあれば、そういうものかもしれませんが、いずれにしても有償で貸し渡しているのが赤字であるということなんですね。無償の場合も赤字である。だから先ほど言ったように、無償でも赤字なんだから引き受けられないということで開業を渋るのは、当然と言ってはちょっとおかしいかもしれませんが、あり得ることだと思うのですね。こういう問題について運輸省はどう考えているのか。時間もありませんから簡単にお答えいただきたいのです。

後藤茂也運輸省鉄道監督局長

○後藤(茂)政府委員 御指摘のように新しい線というものが鉄道建設公団でつくられまして、それを国鉄が営業するに当たりまして、それが赤字を出すという関係は多々ございます。一部には先生が御指摘のような空気があるいはあると私自身も承知しております。実際上の問題といたしまして、鉄道建設公団が新線を完成後、国鉄がこれを経営するということを前提として新線を建設する場合におきまして、公団と国鉄との関係、事前の打ち合わせというものは十分に行われるような行政上のいわばたてまえにしてあります。私どもが工事実施計画を認可するに当たりましても、その点ば十分に確認の上それを認可しておるわけでございます。ただ、御指摘のようにいろいろな地方の線路が開業のときに赤字の原因となるということはこれまた一方で事実でございまして、これは国鉄全体の今後の運営の問題といたしまして私どもも、先ほども大臣が御説明申し上げました国鉄再建問題の見直しということの中でも真剣に考えていかなければならない問題だと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 無償とか有償とかの方式は私は見直す必要があると思っているのですよ。単に鉄建公団がこれだけ資金を要したから、だからこれはこの程度の有償でというような単純なものだけではやり得ない。いま鉄監局長からも話があったように、全体の経営をどうするかの問題ももちろんありますが、その中に言うならば赤字の要因みたいなものをどんどんつぎ込んでいくわけですね。これは無制限にどんどんつぎ込んでいって、後は全体でカバーしていくのだということだけではどうも芸がなさ過ぎると思うので、やはり遮断できるものはその時点で遮断していくのが私は正しいあり方だと思うのです。そういう意味で、有償で貸していて百六十三億も赤字を生むという線区があるとするなら、これは少なくとも無償にしていく。まさか鉄建公団から経営の赤字までくっつけて国鉄に貸し渡すわけにはいかないでしょうから、少なくとも無償ぐらいにそこは断ち切ってやらせるようにする以外にない。これからの新線建設は、新幹線はいままではもうかる口でありますからいいとして、それ以外のものは無償ということに割り切ることならばある程度理屈もいいかもしれませんが、どうもそうでないとするならば多少問題がありはしないかということなんです。それと同時に、もしいまの方式をそのまま踏襲するにしても、少なくとも引き渡し後の経営について保障がなければいけないですね。それに対する国家保障というか、運輸省の保障がなければ、建設したものをおまえ経営をやれということもどうも酷なようにも思うわけです。その点はどうなんですか。それは全体でやると言うが、全体でやる方式がいまのところないわけだな。だから、ただ全体でカバーするのじゃなくて、新しい線がどこからどこまでできた。これは有償です。しかし赤字が出たらどうするか。経営に対するカバーの方策までつけ加えてからなければ経営の健全化を図るわけにはいかないのじゃないかというふうに思うのですが、どうですか、その点は。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 この問題は、これから新線を建設をいたしてこれを国鉄に運営さす問題と、それから従来のすでに建設をされ運営しておるいわゆる赤字線、共通の問題があるわけでございます。よく道路と比較されるのでございますが、道路はすべて国がつくっておるではないか、だから鉄道についても道路に相当する部分は全部国費でやるべきであるという議論ともからんでくるわけでございますが、今回いろいろ国鉄の財政の再建について検討いたしております中で、いま久保委員の御指摘になった問題初めから赤字がわかっておりながら経営させなければならぬ、そういう路線についての赤字の問題をどう解決するか、それから今後新線を建設いたしまして、当然これも赤字になる、これは建設するということはやはりそこに国民的国家的な必要性があって建設するわけでございますから、これを赤字覚悟で運営する場合の赤字はどうするかという問題も全部ひっくるめまして、これからの国鉄再建の中でそこをどういうふうに国がめんどうを見るか、あるいは受益者負担という原則をどういうふうな考え方で、どういうふうな比率でこれに負担を求めるか、そういう問題は今後総合して再建計画の中で考えていきたいと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 時間がありませんで、先へ行きます。  両総裁おいででありますから簡単にお聞きしたいのであります。篠原鉄建公団総裁、あなたのお考えをひとつ聞かせていただきたいのです。あなたは、言うなら鉄道建設というハードの方の専門家ですよね。だから相当な権威者なんでありますが、いままでの建設の基本的な考え方というのは、最近特に新幹線の中で出てきた騒音とか振動の問題、こういう問題に対して、多少はやむを得ぬという考えである限りは技術的に進歩が私はないと思うのです。やはりこの際は技術とそういうものとの対決というか、ぎりぎりの決着を迫られている時代だと思うのですね。そういう意味で、あなたは多少はやむを得ぬという考えでおられるのか、それともそうじゃないというお考えでおられるのか、その辺のことを一言だけお伺いしたいのです。どこかでお話しになったことで、どうもそういう点でちょっとひっかかりがありますので。そうだとすれば技術的に進歩をしなくなってしまうという心配が私はひとつあったものでありますから、お尋ねするのです。  それから、これはあなたにお尋ねするのはちょっと筋違いかもしれませんが、この機会でありますから何か反論があるならということでお伺いするのですか、――反論があるならと言ってはおかしいが、開き直ったらということでありますが、先般、行政監理委員会から公社公団の廃止の提言というか、そういうものがございましたが、その中にあなたのところの公団もあるわけでありますが、時間もたくさんなくて大変恐縮でありますが、これについてもし御意見があったら承りたい。  それから、時間がないので国鉄総裁にも最後にお伺いしたいのですが、先般あなたに当委員会で、たしか国鉄の独善性について、経営が独善的であるという話で、大変恐縮な話をしたのでありますが、その後ある新聞を見ますと、この間のダイヤ改正で、何かいろいろな問題というか、意見が出てきたということで、私は大変心配しているのです。意見が出るということは、まだ脈があるということですから結構だと思うのです。意見が出なくなってあきらめられたらそれっきりだと私は思っているのですよ。国鉄の経営陣営というか、それは今度のダイヤ改正を見ても、ああこれはもうつらい立場でやっているなという気持ちも私はよくわかります。何とかしてかせごう――かせごうと言ったらおかしいが、やろうということでありますから、サービスというか、それはどうしても二の次になる、と言っては語弊があるが、万人の要求を素直に受け入れられない場合はたくさんあるのじゃないかと思うのです。こういうものは私はどうかと思うのです。  ある線区で、私のところに陳情がありました。その陳情はどうかというと、山の男が乗る列車なんで、これは電車にしないで昔のボギー車のままでひとつやってくれないかという話がありました。それで国鉄の担当者が来ましての説明では、全部電車にしなければ効率は悪いのです、客貨車区でも、たった一編成かなんか保守するのに二十名ぐらいの客貨車区の要員が要る、だからこれは私の方ではどうでもやらせてもらいます、という話だった。それはわからぬわけではないけれども、国鉄はこういうもので必要だという、そういう人間の気持ちというのは何とかくんでやれる場所はないのかということで、私が提案したのは、その乗る時期、毎日乗るわけじゃないだろうから、土曜、日曜とかあるいは季節とか、そういうときにどうだろうかという話をしたらば、研究した結果そういうふうにしたそうであります。こういうのが国鉄はいま一番大事だと思うのですよ。そうでなければ、国鉄は国民から見放されたらば何をやってもうまくいかないと私は思うので、そういうことについて、いかがでしょうか。時間がないので大変恐縮ですが、一言お尋ねします。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○篠原参考人 ただいま御質問のありました件につきましてお答え申し上げます。  まず第一に環境の問題でございますが、騒音とか振動その他、鉄道による問題が起きていることは事実でございますが、これはあらゆる技術を動員いたしまして、極力そういうことの少ないように持っていくのがわれわれの使命だと思っておりますし、またそういうふうな御指導もいただいております。それで、何か、ある程度やむを得ないというような発言があったというようにおっしゃっておりましたけれども、そういうふうにとられたことはまことに残念なんですが、そういう意味じゃなくて、できるだけのことはする。しかし、まあ自動車によっても騒音は出ている、いろいろな問題がございます。そういう問題と、それからそれを排除するためにいろいろな資金を投入しなければならない、そういう問題を含めまして実態を国民によく理解していただいて、どういうところで落ちつかしていくかというような問題は慎重にやっていただきたいというような意味のことを申したのでございまして、騒音はある程度はやむを得ないというようなことは絶対に言っておりません。私どもは、あらゆる公害に対しては、できる範囲で、またこれからの技術を開発しまして、全力を挙げてそういう問題を排除していきたいというふうに考えているわけでございます。  それからもう一つの点を御質問ございましたが、行政管理庁から勧告があったというようなお話でございますけれども、まだ勧告は出ておりませんで、総理に何か御提言があったというように聞いております。しかし私どもとしましては、国鉄と公団で新幹線については両方で建設をやっているじゃないか、あるいは現在線については公団でやっているじゃないかというような問題で、どうしてそういうように分けてやっているんだというようなことではないかと思いますけれども、これは私の想像でございまして、そういう意味でおっしゃったかどうか知りませんが、公団は公団なりにやはり分離してやったために非常に能率が上がって、いままでございましたように開業した線区も相当出ている。そして、しかもその線区について、特にAB線につきましてはいわゆる一般会計の金を入れていただいて、利子のつかない金で建設するために国鉄に対する赤字の影響も非常に少なくで済んでいるというようなことも事実でございます。そういうような意味で、公団なりには相当に意義があったんじゃないかというふうに思います。しかし、この問題についてはもちろん政府御当局で御判断いただく問題でございまして、私どもがとやかく言う筋ではございません。  以上、二点についてお答え申し上げます。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○藤井説明員 お答えいたします。  御質問の前段の、国鉄は独善的にやって余り利用者の声を聞いていないんじゃないかというおしかりを過日も受けたのでありますが、実は私どものつもりでは、できるだけ皆様の、御利用くださるのは国民の各位だから、御希望を伺って、これも、あらゆるところで八十点なり九十点もいただこうというのは無理な話もございますけれども、できるだけ御満足のいくということをモットーにしてやっているわけでございまして、それにもかかわらず過日の山陽新幹線が延長しまして、まあ山陽新幹線はともかくとして、現在線のダイヤがはなはだ悪くなったじゃないかというおしかりを受けているのでありますが、これも山陽新幹線が開業しましてまだ一月足らずでございますので、もう少し模様を見まして、なるほどおしかりにはごもっともだという点もございますので、もう少し模様を見て簡単に直せるものは直す、それから根本的に直さざるを得ないようなものは次のダイヤ改正ということに送られるのでございますけれども、そういうところで、ごもっともな御主張は考慮して変えていきたい、かように考えております。  それから三段の問題、これは一番頭の痛い問題でございますけれども、国鉄は非常に貧乏いたしておりますので、貧乏して輸送量を上げていくということになれば、これはおまえら一生懸命働けというのは当然の議論でございますけれども、働いてもやはりサービスの問題にも響いてくる。それをさらに極端にいけば安全の問題にも響かぬとは言いがたいというようなことで、ことし、来年にかけまして財政再建の御計画も政府は進めてくださる、私どもも進めていただくということになっておりますので、その間におきまして、先生の御指摘のようなことは大胆にひとつ主張いたしましてお聞き届けを願いたい、かように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 国鉄総裁、いまお話がありまして、私は、ダイヤ改正ばかりじゃないと思うのですよ。ダイヤ改正は、改正して動き出してからいろんな問題が出てくるわけですね。もっとも、それまでには前広に余りおやりにならない。あるいは利用者も、前広に宣伝があってもじかに考えというか、びたっとこないわけですね。そこで、開業というか、始まってからいろんな問題を持ち込まれる。私は先年この席で申し上げたかと思うのでありますが、やはりダイヤ改正というのは、利用者にとっても国鉄にとっても大変大事な問題なんですね。国鉄にとれば経営のキーポイントなんです。そういうことでありますから、これは国鉄の中で創意工夫することはもちろん当然でありますが、と同時に、利用者に対して前広にコンセンサスを得るということが最も大事だと思うのですね。そのコンセンサスを得られないままにいろいろなことをやる。それはわからぬわけではありません。そういうことをやったら、やる前にみんな折られてしまうというような心配もあるのか知りませんが、やはりそれば勇気を出して、国民大衆の中へ入って国鉄は物を聞くという態度が、私はいま一番大事だと思うのです。そういうシステムをひとつ考えてみたらどうかと思うのです。モニター制というのは管理局ごとにあるようでありますが、これはまあ言うならロータリークラブのバッジをつけた人をモニターにしていたのでは、通勤電車の運行についてもよくおわかりになりません。そういうことでありますから、これは一般から、言うならどういうふうにするかわかりませんけれども、そういう人を選んで意見を聞く。ダイヤ改正になれば利用者のところへ割って入って、今度この汽車はこういうふうになりますとか、通勤電車や何かの問題、列車なんかは特に私はそういう方式をお取りになることが一番いいと思うのです。お考えをいただきたい、こういうふうに思います。  時間でありますから、以上で終わりますが、先ほど言った地方鉄道の免許の問題は後から資料をいただきますが、どういう理由でおくれているのか、その摘要をちょっと書いていただいた方がいいと思う。よろしくお願いします。以上で終わります。

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 紺野与次郎君。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 私は最初に河守-福知山間の鉄道をつくることによって、これが地域の経済や住民の生活にとってどのような利便が図られるものと考えておるのかということ、この路線の整備の目的、意義、メリット、これについてできるだけ具体的にお聞かせ願いたいと思います。

後藤茂也運輸省鉄道監督局長

○後藤(茂)政府委員 これまでも御説明申し上げましたけれども、今回御提案申し上げております河守-福知山間の鉄道線路というのは、普通のところに単に新線を建設するというのと若干性格を異にしておりまして、御承知のように宮津から河守までの間の現在の河守線、昭和二十八年に鉄道敷設法の別表に追加をしていただいておりまして、この線は昭和三十九年に工事の基本計画を指示いたしました。四十一年からただいままでその工事を進めてきておるわけでございます。  先ほどもお話がございましたように、この宮津からきて河守でとまる十八キロの線路はその先でさらに十二キロ延ばせば福知山とつながるわけでございますけれども、そのつながる空白の部分にはかつて北丹鉄道という地方鉄道が営業しておったという関係で、鉄道敷設法の別表には明示されておらず、もちろん工事もなされていなかったものでございます。したがいまして、今回お願い申し上げております区間十二キロは別表に追加せられますならば、その次の段階としてこの区間を調査線、工事線とそれぞれの手続を経て実際の工事に着手することができるようになるわけでございますが、このようにして、もし仮にこの線路の工事が完成して河守と福知山の間にも線路が完成し、もちろんその前に河守と宮津に現在工事中の線路が完成し、その全体がつながるといたしますと、これは福知山地方と宮津地方との間の短絡線としてはもちろんきわめて有効な線路として効用があるものと考えております。のみならず、それが途中で現在工事中のままで終点になっている場合の状態と比べますと、これは明らかに、山の中で終点になる鉄道と宮津と福知山の間がつながる鉄道との比較におきましては、もちろん十二キロの建設でつながることによりまして効果が非常に大きくなるものと考えられます。先ほどの久保先生のお話にも御指摘がございましたけれども、福知山から南に下がりまして阪神の巨大なる近畿圏がございますので、この地方と福知山を経て宮津地方に結ばれる線路というものもこの線路が全通することによりまして時間的に短縮をいたしまして、この間を、これは御質問のローカル交通と言えるかどうか存じませんが、近畿圏と宮津を中心とした日本海沿岸の交通の便利というものは非常によくなるものと考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それで、きょうもらいました運輸六法ですか、これにもあるとおり、鉄道敷設法の別表に掲載されているまだ建設されておらない未着手の予定線、これはこのとおりだと思いますけれども、何線実際上あって、そしていわゆる着工線とそれから未着手の線路とはどういうふうになっているのか現状についてお知らせ願いたいと思います。

後藤茂也運輸省鉄道監督局長

○後藤(茂)政府委員 鉄道敷設法の別表に掲げられております線路の数は全部で二百三十二線ございます。さらにこの鉄道敷設法の附則の第二項に、大正十一年現在工事中の線路も同じような扱いをするという趣旨の規定がございますけれども、この線が七十一線でございます。合計いたしまして、鉄道敷設法で建設予定線として名前が事実上挙げられたものは合計三百三線でございます。三百三線のうち全くただいままで工事に着手していないものは百三十七線でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それで、このような敷設法に掲載されて、三百三線が一応リストアップをされ、あるいは工事中のもの等々になっているわけですけれども、いまそれぞれこれらは、河守線がいま一定のメリットなり意義が言われたわけですけれども、それぞれ皆意義を持っていると思うのですね。どれが早くどれが遅くということは、そこから出ている人物のいかんにかかわらず、たとえば宮津の方は選挙区、前尾さんが出ているわけですか、そういうこととは関係なく、地域住民の利益やあるいは文化の発展というふうに言われている、そういう大義名分に応じてそれぞれの意義を持ち、メリットを持っていると思うのですけれども、ですから、たくさんあるその中から、いま運輸省として運輸大臣としてどういう計画をその中からピックアップして、まずどれとどれをいま今度は計画にのせていこうかというふうなことを計画を立て検討しておられると思うのですけれども、それはどういうものだかひとつ聞かしていただきたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 敷設法の別表に掲げられておりますのは明治時代からの一応の構想でございまして、当時としては恐らく鉄道による総合交通系絡としてああいうふうな路線を掲げたものであろうと思うわけでございます。自来今日に至るまでその時代時代の要請に応じて必要なものをピックアップして建設をしてまいったわけでございます。ただいまでは、いま鉄道監督局長が御説明申し上げましたように、全然あの別表の中で着工も何もいたしていない線が百線以上あるわけでございます。  今後それではそれをどういうふうな考え方でやっていくかというお話でございますが、これはやはりそのときどきの社会的なあるいは経済的な背景というものを考えながら、ことにただいまでは総合交通系絡というものを現在検討いたしておりますので、その総合交通体系の中におきまして、今後新線建設を必要とするものを選び出してやっていくということに終局的にはなると思います。もちろんその間で、その地元の必要性というものはやはり利用されるためにつくるわけでございますから相当重要視しなければならないと思います。いろいろな形でぜひ建設をしてほしいという要望は、いま全然着工しておりません中にも相当現在出ておるわけでございます。それらの要望が出ております路線につきましても総合交通体系の中で見直していかなければなりませんので、要望だけを中心にして着工するとかしないとかいうことも判断ができないわけでございます。それらも含めまして、総合交通体系の中で着工すべきであるかどうかということを決定してまいりたいと考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 計画としてはいま何線ぐらい現実に検討されておりますか。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように現在未整備のものにつきましては約八千キロばかりございます。そのうちで鉄建公団法に基づきまして運輸大臣が基本計画をつくりましてこれを公団に指示しておるものが四十九線約二千キロございます。実際にこの二千キロのうちで現実に工事に着手しているもの、これは四十三線、千七百キロメートルばかり現在着工をいたしておる状態でございます。以上が数字でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 その四十九線とか四十二線というのは、これは資料としてもらえますか。――出していただきたいと思います。  それで、私は地方に行きましていろいろな陳情を受けているわけなんですよね。そういう点で具体的な例をひとつ挙げますけれども、一つは山形県の左沢-荒砥というのがこの二十五という番号であるんですね。それでこれは実際にどのような効果なり意義を認めてここに載せられたものであるかどうか、そしてこの線は現在何らかの検討というものをなされているのか、あるいはされたことがあるのか、この点についてお聞きしたいと思います。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 ただいまお話がございました左沢-荒砥間につきましては、現在鉄道敷設法の別表の第二十五号に掲げられている予定線になっております。しかしながら現在のところこれにつきましては運輸大臣の基本計画に組み入れまして工事の指示をいたしておりません。現在の段階では検討はまだ不十分でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 これについて一応予定線に選ばれたというその理由となっているメリットですか、こういうものはどうですか、ひとつ説明してください。

杉浦喬也運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○杉浦政府委員 大正十一年の敷設法の際にこの区間が組み入れられたときの線におきます効用、必要性というものにつきまして、実は私ども具体的に調査が不十分でございまして、いかなる理由によりましてこの線が入ったかどうかにつきましては今後検討してまいりたいと思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そういうふうにもう効用も忘れてしまった、そういうものがお蔵に入って、法文の中で居眠りをしている、こういう状態なんですけれども、これは大蔵省の仕事のやり方がそういうことではないかと思うのですね。ですから私はひとつそれについて、いま現実に生きているここの人たちの希望や何かについてそれを代表して申し上げますけれども、それはこういうことなんですね。  これは一つは左沢ですけれども、妙な名前ですけれども、その名前の点でなかなか有名でもあるわけなんですが、これが山形市からずっと左沢線というのが来てるのですね、そこで行きどまりになっております。ちょうど河守みたいにそこで行きどまりになっている。それからもう一つは米沢、赤湯という奥羽線の方から長井を経て荒砥というところに、これも荒砥線というか、そういう名前で来て終点になっております。これは両方とも山形県における穀倉地帯を走る鉄道で、そしてそれぞれそこでとまっておりますが、左沢線の方は、これは最上川中流の平野なんですね、米どころです。そこでそれが最上川の沿岸のところでとまっておりますが、もう一つは上流地帯の米沢盆地、そこのやはり終着駅になっておる。だから最上州の上流の米沢盆地と中流の山形県の平野部、それとを結ぶ性質を持っているのですね。なぜそこが切れてるかというと、最上川がそこでは狭くなって、昔からそこがなかなか行き来が困難であると言われておったのですね。それでそこが隔絶されておったのですが、現在の技術水準その他のいろんな経済の発展等々から見て、それを結合することが可能であるということですね。結合しますと、これが一つの内陸循環線を形成するというのです。これは奥羽本線とそれからいま言いました二つの枝がくっつきまして、そして山形の内部に一つの内陸循環線を形成する、そういう意味で、いま改めて住民たちの間で問題にもなり、これをしてもらうことによって停滞している二つの盆地のところを結合して、そして経済的にも、人と物の交流についても、文化的にもそれが打開されて活気を取り戻すであろう、こういうふうに内部からの一つの回春、地域経済、文化に対して刺激を与えて新しい活気をもたらす、これはこういう性格を持っております。ですから、そういう点について、やはり新幹線建設だけに熱中して、そして地元、地元のそういう国鉄として当然配慮すべき地方の経済、文化、福祉、こういうものを改めて反映させるような、そういうものをもっと考えるべきじゃないかと私は思うのですね。ここにあるものがほとんど研究もされておらない。もう新幹線のことばかり考えて、それでそれも行き詰まってしまうというふうな点で、やはり総合交通体系そのものについての考えもこういう点で見直しの時期に来ていると私思いますけれども、そういう点で、改めてその点からのこの別表の見直しと、総合交通体系の中でそういう地元からあるいはわれわれが提案するというようなことについて真剣に検討する、研究する、そうして知りませんというふうなことのないようにしてもらいたいと思うのですが、そういう点についてどう思いますか。

後藤茂也運輸省鉄道監督局長

○後藤(茂)政府委員 先ほど部長から御説明申し上げましたとおり、百三十何線の未着手の線路の一つ一つについて、私どもがその線路をつくったらそれがその地域、地方にどのような効果があるかということについて十分なる勉強をしておりませんことをいまここで御指摘を受けまして深く恥ずるものでございます。ただいま先生が御指摘になりました左沢と荒砥の一つの線の例を取り上げても、ただいま御指摘のようなそういった御議論、御意見があるということを深く感じまして、私どもとしては、先ほど大臣からも御説明申し上げました、私どもは国鉄の再建ということで非常にむずかしい問題をこれからいろいろと各方面からの検討を進めながら一つの成案をつくるべく努力をしておりますけれども、その中で、国鉄がこういった線区についてどのような役割りを果たすべきか、また、久保先生御指摘のいろいろな問題もそれにからまっていると思います。そういうこともすべて含めまして真剣に検討させていただきたいと思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それでは、そういうことで、基本的にもここに百何十というか、たくさんのそういうものがあるわけで、それはすべて住民と結びついているし、結びついているだけじゃなく、ある意味では生きている、地方の経済なり人々の生活と直結しているという点で、決してこれは枯れ木の枝じゃありませんから、もう春で芽を出しておりますけれども、こういうものも一斉に芽を吹き出して、やはり住民の要求や経済というものと国鉄が密着して、計画があるんですから、せっかくこれを枯れ木にしておくということはおかしなことで、そういう点でやはりそれぞれの検討を運輸省としてもやり、またわれわれの方からも提起してあるいは地元から来たものも真剣にそういう点で検討してもらって、そうしてこれからの国鉄の再建というものに生かしてもらいたいと思います。  それで次にお聞きしたいのは、やはりこれも私は地方に行って陳情を受けたんですけれども、それは奥羽線の合理化の問題なんです。これについては、奥羽線の南線、奥羽南線というんですかね、これがいま現実に電化その他の近代化の計画を実行しているわけですけれども、これについてやはり住民が非常に不満を持っているんですね。具体的に言えば、その南線の方の四十九年あたりから五十年にかけていろいろ問題になっていたところで、いわゆる停留所化する、委託駅にするあるいは貨物集約をしてやめてしまうというふうな点について、ある駅についてはいろいろ説得を受けてそうなったというところもあるようですけれども、大部分は反対しているんですね。地方自治体の長まで納得できないということで、どうしてもこれはやめてほしいということを言っている自治体の陳情もわれわれ受けたわけですけれども、たとえば楯岡というところ、こういうところではいわゆる市長、村山の市長ですけれども、あるいは農協とかあるいは町の人たちがこぞって反対をしているというふうなことで、住民からは非常に困ったということで、どうしてもいまの計画を変更してほしいということを言っているわけなのです。そういう点で奥羽線のいわゆる近代化、合理化、この計画がどういう計画で、どういう進行状況なのか、これをちょっとお聞きしたいと思います。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 お答え申し上げます。  御指摘の奥羽南線は、秋田から米沢まででございますけれども、その間におきまして、今度電化工事を進めてまいっておりますのは御高承のとおりであります。電化工事を進めまして、同時に列車の保安を集中的に制御するいわゆるCTCという設備をつけます。これによりまして、もちろん保安度も向上いたしますと同時に、各駅で運転の取り扱いをいたしておりました職員が機械に置きかえられる、こういうことが一つ出てまいります。したがいまして、この近代化という設備の機械化に伴いますところの要員の減、これは当然でございますが、それにあわせまして、先ほど来から御指摘の経営の見直しの段階におきまして、やはり業務量の多寡、そういったものを勘案いたしまして、要員を最生産点に振り向ける必要が出てまいります。そういうことを同時にいたしたいというのが私どものいわゆる営業の近代化と申しますか、御指摘の駅の停留所化あるいは委託、貨物集約、こういうふうなかっこうに具体的になってまいります。もちろん私どもは安全度というものを犠牲に置いての要員の縮減あるいは機械の置きかえはできませんので、この辺のところを十分に踏まえての措置でございます。  多少、御指摘のとおりの地元の御不満はございますけれども、私どもの立場をわかっていただくように、目下秋田の管理局を中心にいたしまして、沿線の方々のコンセンサスをいただくように努力をいたしておる、こういう状況でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 実際に調べてみると、こうなのですね。停留所化というのが五駅。そのうちまだ話がまとまらないのは芦沢、舟形、羽前千歳、あとの置賜というところと中川は、これは実施することになったそうです。それから委託駅。これは蔵王、これはよく覚えてほしいと思うのですか。それから貨物集約は四駅、芦沢、舟形、東根、楯岡、そのうち半分の舟形と楯岡は反対しております。しかも、これは計画によりますと、五十年三月三十一日で実施予定となっているのですね。実施時期はもう越えております。その過半数がまとまらないという、こういう満身創痍ですね。こういうものをどうするのかということなのです。それで強行するのかどうか、この点まずお聞きしたいと思います。自治体が反対している場合、それを強行するのか、これが一つ。まずそれを聞かしてください。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 これはやはり地元に御理解をいただく努力がまだ十分じゃないように思うわけです。したがいまして、強行という言葉は私どもは避けたいわけでございますけれども、やはり駅の取り扱いの変更程度のことでございますし、別途地元からこういう点が不便である、こういうふうにしてほしいという、やはり建設的な御意見をいただかなければわれわれの仕事も進められないわけでございますので、そういう意味におきましてのコンセンサスをいただくために、もう少し努力さしていただきたい、かように考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そうすると、どうしても地元のコンセンサスを得られない場合には強行するという間違ったやり方はしないということですね。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 地元はただ反対であるというだけの御意見では、話にならぬわけでございますので、やはりそうなった場合には、それに代替する設備あるいは代替する輸送の方法についての建設的な御意見をいただきたい、かように考えるわけです。ただ、地元もこの駅につきまして、あるいは具体的に自分の駅につきましては、業務量も少ないということは十分御承知の上のことでございますので、むしろそうなった場合には、どういうふうにかわりの手段を講じてくれるかということについて、私どもも御提案申し上げますし、また地元の具体的な御要求を出していただく場をつくりながら御相談していく、この時間をとりたい、こういう意味でございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 いずれにせよ、もちろんただ反対反対と言っているわけじゃない。それはあらゆる問題と関連して言われているわけで、あなた方考えているよりももっともっと複雑な生活要因と結びついて言っているわけだね。そのことをそう簡単に考えてもらってはいけないと思います。  特に、国鉄広報部が出している「国鉄通信」四百七十一号、昭和四十八年一月十一日号ですね、これにはいまの奥羽本線の輸送力増強ということについて言っている中で、いろいろいま言ったようなことの中に、こういうことを言っているのですね。電化をやる、電化によって輸送力を強化する、しかし、この線は首都圏と山形及び秋田地区を結ぶ輸送の動脈としての重要な線路である、特に最近は、豊富な観光資源のある当地方へ大都市からの観光客がふえているとこうわざわざ書いているのですね。ところが、どうもそれと違うんだな、蔵王というものを委託駅にしたい。私はこれこそ金をかけても、蔵王、蔵王とディスカバージャパンですね、あなた方が掲げたあのスローガンの、まさにその一つが蔵王なんだ、やっぱりね。その蔵王にもっとでかいりっぱなサービス駅をつくって、そしてここに若者がたくさん来て、そして健康センターになるような、そういう積極的な施策をやる最もいいところですね。はい、さいなら、委託でお任せいたしますというのは、この国鉄の広報、これとも完全に違う、矛盾したことだと思うのですね。これはだれが見てもわかる、矛盾したことです。こういうことをやっているというところに、あなた方が合理化としていま言いましたいろいろなことが本当にとことん見通しを持ってやられておらない。過去のある時期の何かならいざ知らず、蔵王駅というふうなものはむしろ大きくして、そしてここは蔵王山のスキーその他で有名なところですし、また、発見したいい観光資源ですよ。そういうものをなぜ見通しを持った展望の中で位置づけして、そして直営にして、それでりっぱな駅にしないか、この点どうですか。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 観光資源の開発が進んでいるところをわざわざ無人駅にするのはおかしいじゃないかという御指摘だと思うのですけれども、シーズンが限られているということもございますけれども、やはりいかに人件費を節約しながらいかにかせぐかというのが本道だと思うのです。先ほど申し上げましたように、安全というものを前提にいたしまして私どもはものを考えますし、その次にやはり御指摘の商売の問題も考えます。蔵王は年間あるいは一日平均をとってみましても実は乗降量は少ないわけでございます。生産点と先ほどから申し上げた意味は、あの付近でも、もっと大変な勝負どころがあるわけでございます。そういうところに重点的に人を回すためにやむを得ずそういう措置をせざるを得ない、こういう事情であるわけで、御指摘のとおり観光開発に重点をいたしながら、旅客の誘致に努めて、収入の増に努めるという努力は、御指摘のとおり私どももしてまいりたいと思っております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 全くそれは矛盾していますよね。せっかく日本を発見しよう、大変いいものが見つかった、そういうものをどうして売り出さないのですか、商売で。そういうものに背を向けるということは、商売としても下の下だ。  それからもう一つ聞きたいことは、この蔵王というものは、いまではあそこの山形交通という独占的な会社、これにあの山をまるごと買収されたというか、されようとしているというか、それで大きな問題になっているのです。あなた方はそういうものを幇助しているのじゃないですか。国鉄が取りて、そうしてむしろ蔵王が日本のいい観光資源であるならば、何も地方のそういう大きな企業にまるまる任せないで、もっともっと積極的にそこに国鉄のバスの線を入れるとか、積極的なそういうやり方をやるならば、りっぱに収入のあれにもなる。現にその地方の大きな問題になっている。山形交通というものがいわばその山を破壊しつつあるのですよ、りっぱな観光資源を。それで大問題になっていますよ。あなた方はそういうものを見て見ないふりをするというのか、それを援助して、そうして観光の資源をむしろおかしなものにしてしまうということに対する共同責任があるということなんです。どうです、その点知っていますか。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 国鉄がなりふり構わずどこにでも出ていくというような性格の企業ではございませんので、おのずから営業には限界があると思います。  それからいまの山形地区の開発の問題は、やはり地域の企業の発展のためにもやるべきことじゃなかろうと思います。これは私見でございますけれども。私どもは地域のたとえば山形交通でありますと、そこと周遊券その他のタイアップをいたしております。したがいまして、問題はお客様に非常に便利な周遊コースを地元のその他の交通機関とタイアップしながら進めていく、これが私どもの基本方針でございます。  それから、先ほど申しおくれましたけれども、蔵王はなるほど蔵王の入り口でもございますけれども、最近は主として山形からの入り込みあるいは山形からの乗りおりということに転化いたしつつございますので、そういう状況もあるということをつけ加えて申し上げておきたいと思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それはせっかくのいい場所をあなた方のそういう消極的なやり方で人に任せてしまうんだということを言っているから、そういうことになってしまうわけですよ。だから最もいい最短距離はやはりここであり、またここに一定の施設をやればどんどんここから勤労者が行くのは間違いないのですよ。それを民間委託だ、その先はどうなるかわからぬ。そして山形交通との間ではいま言ったようななれ合いのことをやっておる。どういう非難を浴びているか、何も研究していないのか、しても対応しないというふうに、私はやはりこういう合理化計画というものは、ただ自分の労働者、国鉄従業員を一人でも首を切ればいいんだ、これがお手柄のようにあなた方掲げている、成績主義じゃないですか。なぜもっと国民の便利とか、あるいは国鉄を本当に国民に愛されるようなものにするということをしないのですか。こういう点についてもう一つあなたの、また大臣もそういう点がどうなのか、ひとつ基本態度としてお聞きしたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 これは私は、国鉄の本来の使命にやはり立ち返ってお話を申し上げないといけないと思います。やはり国鉄は鉄道の経営をやるということが基本的な使命でございますので、それをもとにしてどこへでも出かけていくということが許されるものでもございません。また地元の観光資源の開発等はやはり地元資本に任せるというのが適切である、私はかように考えております。ただし、その開発の状況において行き過ぎがあったり、あるいは間違ったことがあったらこれは改めるべきでございますけれども、基本的な考え方は、地元は地元資本によって開発するということが原則であると思います。そういう考え方に立ってわれわれは国鉄の運営を考え、また観光資源の開発ということも考えるべきであると思いますが、国鉄というものは観光にはなくてはならない大きな輸送機関を持っておるわけでございますから、これとその地方地方の観光資源なりあるいは観光開発というものとの関連ということはもちろん考えなければいけませんけれども、国鉄が何でも出かけてやるということはやはり適当でない、かように考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 何でもやれと言っているんじゃないんです。そこまでお客さんを運ぶのが国鉄の役割りだろうということ、そしてまたそれを資本だけじゃなくて、国民がわずかの金をもって一番いい娯楽を得よう、そういう場合には国民、住民、利用者に対して便宜を与えるということを考えないで、土地の資本に実は便宜を与えたいんだというのはちょっとおかしいんじゃないですか。これは自民党の体質ですか、どうです。もっと蔵王になぜりっぱな駅を置いて、少なくともそこに何人かの人を配置してサービスするということができないんですか、その点どうです。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 資本という言葉を使いますと、すぐにいろいろ御批判がありますけれども、私が申し上げておるのは、やはり地元の観光開発は地元でその力のある者がやるということが適切であるということを言っておるわけでございます。もちろん観光開発も、そこにお客に来てもらって大いにその観光地の利用価値を高めるということが最後の目標でございますので、利便を図るということは、これは国鉄でなければできないという問題でございませんで、やはり地元のそいう観光事業者というものも、利用者の利便を図るために一生懸命努力しなければならないわけでございまして、その辺はやはりその精神を持ってやるべきであると思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 だから最もいいその名も蔵王、そのすぐ下だ。そういうところの国鉄の駅をわざわざ委託にして、さあ開発は地元の資本でやってください、私たちはあまり責任はありません、一人でも二人でも従業員を整理することが最大の任務でございますというふうな態度ですね、これは私大きな間違いだと思いますね。それで、納得しないですよ、地元は。なぜ蔵王に国鉄自身の駅があるのに、本当なら置いてくれ、わざわざつくってくれということなんだ。そういうことを逃げて、そうしてそういうところに金の出し惜しみをするというのは根本的な間違いだと思いますね、どうですか。もう一遍聞きます。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 先ほどちょっと言葉が足りないでいろいろと申し上げなかったわけでございますけれども、蔵王の駅というものは蔵王の山の唯一の登山口ではございませんので、先ほども御訂正申し上げましたように、やはり山形の駅あるいは上ノ山の駅、そういったところから蔵王に登るわけでございますので、その中で一番乗降の少ないところに私どもはいま計画は委託にしておりますけれども、そういう計画であるというふうに申し上げたわけでございます。したがいまして、観光地の開発のために手をこまねいて見ている、乗降も多いのにサービス要員もいないというふうな状態をわざわざつくっていると、こういうことではございませんので、御訂正申し上げておきます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それは何も努力しないでそう言っているわけで、やはり私は間違いだと思います。地域の住民がそういうことを間違いだと判断して、ぜひここは国鉄がもっとりっぱな駅をつくってほしいという、これは最後までそういうふうに地元民が言っておりますから、それを尊重してもらいたいと思います。  それからその次は、奥羽線のCTCなんですが、このCTCというのはどういう効果をねらっておりますか。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 先ほどもちょっと触れてお答え申し上げましたけれども、簡単に申し上げますと、一カ所でもって全駅のポイントのあいたり閉めたりする、つまり操作を中央で制御する、こういうのがCTCでございまして、私ども各線大体電化をいたします際には、同時にこのCTC化をいたしております。これは簡単に要員が自動的にその機械に置きかえることによって減るということだけを目的にしたわけではございませんで、やはり保安度も向上するということで、ずっと近年来取り入れている施策でございます。  ただ、奥羽線は非常に雪の多い地帯でもございますので、このCTCによるところの扱いは慎重に耐雪の設備を整えていたしますので、そういう意味におきましても一般的に暖かい地方でやっておりますCTC、それから寒い豪雪地帯のCTC、変りない機能を維持できるように考えて進めてまいっております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 CTCは、結局信号機と転轍機を遠隔集中操作するものでしょう。そうですね。ところが奥羽線を見ますと、これに入らないのがありますね。CTC、集中遠隔操作されないで省かれている除外駅があるでしょう。それはどういうところですか。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 CTCの装置は全駅にいたしますけれども、先生の御指摘のは、貨物の駅の引き込み線に入ったものについてのポイント操作は遠隔操作できないということでございますので、原則としては各駅には全部ポイント操作はCTCで機能できる、こういうことでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それで、あなた言わなかったけれども、具体的に言うと、米沢、山形、北山形、新庄、横手、大曲、秋田、こういう大駅はできないのですね。そうじゃないですか。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 資料を見ながらお答え申し上げますが、いま御指摘のとおり、米沢と秋田間に四十九駅ございますけれども、その中で米沢、山形、北山形、新庄、横手、大曲、秋田、これだけが外れております。これは構内が非常に多うございますし、本線に入るものだけのCTCの操作をする、構内は全部外れる、こういうことでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 そこにきわめて重要なことを言っていると思いますが、なぜできないかと言うと、本線から貨物線が入っておりてその分岐点のポイントを返すことができない、だから、大駅の場合は特にそういう側線が多くて貨物線も多い、そういうところはできない。CTCにはそういう能力の限界があるわけですね。それでそれに合わせようとしているんじゃないかという重大な疑惑があるのです。つまり、もっと大きくない、もう少し小さい、しかし中ぐらいの都市、そういうところで貨物はどうしても必要だ。いままで見ると、国鉄の構造は本線のホームのほかに貨物の引き込み線があってポイントがあって、そしてそこには人以外に地方の経済を反映する物資があるわけですね。そして側線で鉄道に乗せてやるという仕掛けがあるわけですよ。それを、いま大都市ができないということを言うたとおり、CTCはそういうことめんどうくさくてできないのです。そうするとそれに近いような駅については貨物駅をやめちゃう。CTCのために、そんな貨物線の側線を、めんどうくさいことを一々やってはおれない。だから貨物駅はできるだけ整理した方がいい。大きな駅以外は極力やって、そしてどんどん本線を流す式にして地方の貨物に対しては敬意を表さない、もうさようなら、やめてもらいましょう。こういうことじゃないんですか。楯岡のごときはそうじゃないですか。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 設備よりも扱い量が先でございまして、もし扱い量が多ければ集約いたしましたところをもとへ戻すというのが私どもの仕事でございますので、いま先生御指摘のようにさようならするために設備をつくるんじゃなくて、さようならさせるような業務の状況を私どもは十分把握している、逆に言えばそう申し上げたいと思います。したがいまして、くどいようでございますけれども、貨物の扱い量が多くなりあるいは旅客の乗降が何らかの事情で多くなった場合には当然に停留所化の駅をもとへ戻しまして有人駅あるいは委託駅にいたしますとかあるいは貨物を始めますとか、そういったことに応じてのCTCの機能をまた付加すればいい、こういうことでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 じゃ、その点はひとつ確認します。つまり量が可変的で、たとえばいま少なくても将来ふえれば当然それはもとへ戻すということは原則的に、それひとつ……。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 原則はそのとおりでございます。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それから今度は地方の現実ですね。いま幾ら言われても、困ると言っているのは村山市というところなんですね、楯岡というところは。楯岡という町があるわけじゃなくて、現在は村山市です。山形市のもう一つ北の方にある大きな中心的な都市なんですよ。そこはもちろん高度成長で虐待されたというか農業面でも優遇されない、いろいろの点でそのしわ寄せがそういう地方都市にも起こっている。だから、いまの時点で貨物の量がそれほど多くないじゃないかというようなことを言ったとしても、それは、村山市自身の位置を見ると平野の中の大きな町なんですよ。だから当然それはいまの瞬間だけで見てはいけないし、また住民は長く生活して後先を知っているわけで、そういうことで反対をして、ここにはどうしても置いてもらわなければ困る、都市の機能として第一困るということですね。ただ単に貨物の量一つだけで、しかもある時期だけの判定ではさっとこうやられるというのでは、地域の都市構造というか経済の状況というものにおいて占めるその都市の役割りというものをやはり誤るわけです。それを殺すことになるわけなんだ。そういうことをやれば決してプラスにならないですよ。またそういう中小都市に打撃を与えるということなんです。だからそういう点でただ採算――採算というよりもいま言ったあれから見れば、CTCがポイント返しの労働者何人かを整理するというようなことにかまけて、そして地方都市の何万人の人たちの繁栄なり安全というものをやはり阻害するというようなことはやるべきじゃないと思うのですね。それは現在でも決して貨物の量が少なくないところであります。だからそういう点で、CTCということを口実にしてわずかの人の整理ということで、そうして当然その都市の位置づけその他から見て置くべきところを無理に切っている、その点に地域住民の不満があるわけなんですよ。そういう点について今後とも、住民の側では納得できないと言っておりますので、いまのような、前もって頭でやっちゃうぞということだけでやっているそういう計画自身をこの際見直す時期に来ているのではないか。現実から言っても見直さざるを得ないと思いますけれども、十カ年の財政再建法、これ自体ももうことしでおしまい。ああいう新幹線万能、ほかはお蔵に入ってしまう、運輸省の方も知らぬ、こういうふうな十カ年計画自体がもう成り立たないということは明瞭なんですね。改めて検討しなければいけない。そうしたら、もっと地元の中に新しい可能性というものを積極的に見てやらなければいけないと思うのですけれども、現在のそういう点から言って見直しの時期に来ている。奥羽線のCTC、電化、そして何よりも十カ年の再建計画に基づいて営業体制をこういうふうにつくる、こう言っているのですから、その十カ年計画自身がもう御破算になっているんだから、そのときに、それに基づいてつくり上げられているこの営業体制、いわゆる無人化、委記、貨物集約、整理というふうな計画自体をやはりこの際――実行は今年の十月までとなっているけれども、こういう状況でそれはとうてい間に合わないですよ。強行すればそれはパンクだ。だからそういうことでやはりこれを見直し、かつ今年十月までというのを延期する意向はないかということであります。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 十カ年計画の中にはもちろんそれは入っておりますけれども、もともと十カ年計画あるなしにかかわりませず、国鉄の体質の改善のためにやらなければならぬことだと思います。と申しますのは、いまの駅の配置は、申すまでもなく鉄道の開業以来の駅配置が主体でございまして、全国にいま五千二百ほどの駅がございますが、営業キロは二万キロでございますので、十二キロに一駅ぐらいの割合で配置されているわけでございます。いままでは代替交通機関というものがない時代でずっと経過してまいっておりますので、ちょっとした貨物の扱いも、全部貨車がとまって拾っていく、こういう能率的にもまた御利用になる荷主の方にも非常に――最近の経済テンポの速い、市場の早い時間に荷物を到着させなければならぬこの要請にこたえるような貨物輸送ができない状況でございます。それを、少なくとも貨物については集配区域を広げて、能率のいいトラックにその集配区域を任せて、そして拠点の貨物の駅に荷物を運び、そして所要の地にスピードをもって運ぶという体質に貨物の輸送は変えつつあるわけでございます。そういうためにこの貨物の集約ということを行っているわけでございますので、別に人を無理やりに生み出すからというだけの目的ではございません。旅客についてもそうでございます。したがいまして、国鉄の現在の輸送体系、旅客で申しますならば、便利、快適、スピードということを私ども合い言葉にしております。それから貨物につきましては、確実なスピード、到着日時がはっきりするような輸送のシステム、こういったことを荷主にお約束いたしませんと、国鉄は見放されてしまいます。そういう体質改善のためにいたす計画でございますので、十カ年計画の中には当然入るし、また見直しをされる十カ年計画諸元の中にも当然これは私どもの大目的として、体質改善の目的としてこれを織り込んでいかなければならぬ、こういうふうに考えておりますので、先ほどの御指摘の十月時点を踏まえて云々ということに対するお約束は実はできないわけで、その間に、先ほど申しましたように、地元の建設的な御意見もいただく、こういうことを、まだ時間がございますので、やってまいりたい、かように考えております。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野委員 それで、その計画のピンからキリまでもう完全なのだということに誤りがある。現にオーケーしたところもありますね、それからしでいないところもありますね。その差は何を意味するかということです。これは現実の要求なんですよ。また、現実にそぐわないところはあくまで抵抗されるんだ。だから、どれもこれもみんな平均にばさっと切るというのではなくて、現に大都市、は認めざるを得ないというふうに言っているわけで、そういう点で、やはり根強く反対しているところに対しては当然再考慮せざるを得ないと思います。そういう勉強をしてもらいたいと思いますね。ある枠をつくってしゃにむにやるというのではなくて、なぜ反対しているかということについて、やはりその地方の都市の昔からの歴史的な位置というものはあるわけであります。そういうようなものにやはり考えが足りないと私は思います。だから、そういう点でこの計画自体がやはり十カ年計画と同じように御破算に現になっていると思います。そめで、十カ年計画も御破算です、改めてやらなければいけないのです。だから、そういう点でやはり考慮すべきものは考慮する。あなた方は説得しよう説得しようと言うでしょう。しかし、そればできない限界、むずかしい場合には、そこに何かがあるということをやはり考えて、そして出直ししないと、同じことを繰り返して、だんだん国民から離れた国鉄、骸骨の国鉄になるのじゃないですか。われわれも現地でいろいろ聞きました。やはり自動車その他にどんどん取られていくということの中には、サービスその他の点でもまずい点があるということ、まだまだ研究してやっていけば、これからは特に石油というものが重要になる時期でもあるから、昔のように自動車万能というふうにはいかないと私は思うのです。国鉄はやはり大量の、最も安い、そして有力な交通機関として、石油が荒れようがどうであろうが、やはりみずからを貫いていくと思います。そういう時代の変化ということも考えて、すべて自動車にやられっ放しというのではなくて、国鉄自身の有利ないい点をむしろ改善して、そして住民にサービスという方向もとってもらわなければならないと思います。  それで、私は時間がありませんから、最後に一言何かあなたから……。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 御指摘の点は十分踏まえてまいりますが、要するに、地元の方はただ反対だということだけではいけませんので、なぜそこがいわゆる貨物の集約の対象の駅になっているかということに対する十分なる反省、と言っては申しわけないのですけれども、荷主は都合のいいときはトラックに出す、都合が悪くなるとこっちへ出すということではだめでございます。やはり安定の輸送をするということが原則でございます。現在、御指摘の楯岡の駅は、年間にいたしまして非常に業務量が少のうございまして、一日平均やっと五車か六車程度の業務量でございます。それが場合によっては、トラック、都合が悪くなると国鉄、こういうふうなかっこうでは非常に不安定でございます。ですから、地元の御協力もいただきたいと申しますのは、そこで荷物をふやしていただくということでないと私どもも成り立ってまいりませんし、またトラック業界と私どもの連絡協調ということも必要でございますので、そういったことも十分踏まえてお考えいただかないと、ただ反対だけでは事が進まないと思います。私どもその点につきましてもう一遍地元の御事情も聞きますし、またいままでも聞いてまいっておりますけれども、御指摘の点もございますので、いつまで延ばすということでなくて進めてまいりたいと思っております。

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 石田幸四郎君。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 まず鉄道敷設法の一部を改正する法律案につきまして大臣にお伺いをするわけでございますが、四十七年の予算委員会におきまして、公明党の松本委員の質問に応じて、この場合はいわゆる国鉄運賃の値上げに絡んでの質問でございますけれども、鉄道敷設法の問題について佐藤総理が発言をしておられるのでありますけれども、どういう発言をしておられるか、御存じですか。     〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 存じ上げませんので、教えていただきたいと思います。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それでは後ほど申し上げることにいたします。  国鉄の方にお伺いをいたしますが、この宮守線ですか、四十一年以来工事を進めてきたけれども、四十九年の二月北丹鉄道の廃止に伴って終点を福知山までに改める、こういうことなんでございますけれども、この敷設に関する費用は別にいたしまして、実際に鉄道が開通をしたときに、いわゆる営業指数というのはどの程度になってくるか、この点についてまず御答弁をお願いをいたします。

後藤茂也運輸省鉄道監督局長

○後藤(茂)政府委員 御質問にはむしろ運輸省からお答えをすべきことかと存じます。  いろいろと試算をしてみたものでございますが、この河守と福知山の間を線路でつなぎまして、そして現在工事中の宮津-河守間とあわせて列車を運行しました場合に、大体仮に昭和五十六年という時点をとって収支を計算しました場合には係数が約四〇〇、つまり一〇〇の収入に対して支出が四〇〇、この程度でございます。  なお、参考までに申し上げますならば、宮津と河守だけの区間で同じ時期に列車が運行しましたと仮定しまして試算されます指数は一四〇〇でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大臣、お聞き及びのとおりでございまして、大変な赤字路線が敷設されるわけでございます。  四十七年の予算委員会におきまして、松本委員が佐藤総理に質問をいたしましたのは、この鉄道敷設法そのものがこのように国鉄に大きな赤字を負担させる一つの大きな原因になっておる、したがって、この鉄道敷設法については抜本的に改正をする必要があるのではないか、こういう質問に対しまして、佐藤総理は、そのとおりだ、この鉄道敷設法については再検討の必要がある、こういう答弁をされておるわけでございますが、それから三年間経過しておるわけでございますけれども、一体これはどのように再検討されておるのか。一国の総理大臣がそういう明確な御答弁をされた中におきまして、これが検討されていないということでは、これはきわめて大きな問題ではないかと思いますが、いかがでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 佐藤総理が当時そういうふうに答えられた意味はどういうことだろうかと思うのでございますが、鉄道敷設法を改正したから国鉄の財政再建ができるということではないように私は思うのでございます。恐らく敷設法にずっと上がっておりましてこれから新線建設をしようという線は、大体地方開発路線的なものでございますので、ことに自動車交通その他、他の競争輸送機関もあるということ、交通事情が当時と変わっておるというふうなことで実情に合わないところもあると思う、したがって、敷設法にありますところの予定線を片っ端から全部建設しなければならぬということでやったらこれは大変だというふうな意味で、再検討というふうに言われたと思うのでございます。そうでないと質問と答弁がかみ合わぬような気がいたしますので、私はそういうふうに理解をいたしておるわけでございます。  その佐藤総理の趣旨は私たちもそのとおりに考えて、今後敷設法に書いてありますところの新たに建設を予定しておるような路線につきましては、どれをとり、どれをとるべきでないかということの取捨選択の面において、佐藤総理の意向を生かして敷設法を運用していかなければいけない、かように考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大臣のおっしゃること、ごもっともかと思います。しかしながら、佐藤総理が答弁をされた趣旨も、この鉄道敷設法の問題について、いまも営業指数が示されたように大幅に赤字が出るんだという状況は認めた上での発言だと私は思うのです。したがって、これはいまも大臣がお話しなすっておられますように、いわゆる地方開発的な意味があるわけでありまして、私らもそういう問題について反対をいたしているわけではないわけです。国鉄は一つの営業体でありますけれども、これは国鉄運賃値上げの際にも私は再々申し上げておるのでございますが、一般の企業とは全く性格が違うわけでございまして、いわば国の施策に基づいた営業体でございますから、どうしてもそういう赤字というものが出す要素を多分にはらんでおるわけです。そうかといって、国鉄自体に営業のバランスをとれというような相矛盾することを当局はしばしば言っておられるわけですけれども、これでは私はだめだと思いますね。確かに財政的な措置もされておりますけれども、それではその財政的措置が営業の収支をコントロールできるだけの財政措置かというと、そうじゃないでしょう。そこら辺のところはもう少し明確にしないと、この敷設法の問題を推進するごとに赤字が倍加されるということになるわけでございますので、この際鉄道敷設法の実施に伴う明確な財政的な措置というものを、その原則をやっぱり運輸省としても大蔵当局と御相談の上、確立していかなければ、国鉄の営業というものは成立しない。地方開発的な事業をやらしておいて、どんどん国が赤字をつくることを一面においては奨励しておる、こういうことになりはせぬかと思うのですけれども、ここら辺についての御意見はいかがでしょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 国鉄は公共企業体ということでございますので、企業性も発揮しなければならないし、公共性も大いに堅持しなければならない。二つの、見方によったら非常に相反する使命を持っておるとも言えるかと思います。  そこで、いま御指摘の敷設法に書いてありますところの地方開発路線的なものは、企業という面からいきますと、私は企業性には合わぬと思います。これはやはり公共的使命という観点から国鉄が運営すべき部類に入ると思います。そこで、そういうものをやりますと赤字が出る。在来の路線につきましても、交通事情の変化等によりましてほとんどが赤字路線だという状態でございますので、やはりこの際は、将来の敷設線のみならず、既設の赤字路線等も抱えております国鉄、その国鉄に対してどういうふうに政府がめんどうを見るべきであるか、また国鉄自体はどういうふうに努力すべきであるかという、やはり公共使命を遂行するために政府が手助けをする、企業性を発揮するためには国鉄自身が考えてやるということで今後の国鉄の再建を考えていかなければならないと思うわけでございまして、私はそういう意味では、今後敷設する線路ということのみならず、在来のいかに努力をしても赤字、経営の成り立たない路線も含めて、国鉄はこれを運営する使命がある、その国鉄の経営をいかに政府がめんどうを見るかという問題として解決すべき問題であろうと思います。  しからば敷設法に記載してあるところのそういった路線、あれは何もそのとおりにどんどん建設しなければならないという意味ではございませんので、あれは一応の新線の構想を示した別表であるとわれわれは理解しておりますので、これの採否はやはりそのときどきの経済的あるいは社会的な事情、あるいは交通事情等を勘案して取捨選択をすべきである、こういうふうなことで考えていくのが適切であろうかと思って、そういうふうにやっておるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 それではその議論はまた後でもう一度させていただきます。  次に、国鉄側にお伺いするわけでございますが、実はこれは私の方の機関紙の切り抜きなんでございますけれども、私は去年の暮れに名古屋鉄道管理局内の線路を四キロ歩いてみました。その中で非常に大きな問題は、やはり屎尿のたれ流し、私らも二回ばかり屎尿をかぶりましたけれども、そういうような問題、それからいわゆる保線区の中で働く人々の労働条件というものは非常に厳しい、そういう問題を感じました。その中で非常に危険だと感じましたのは、列車の連結器を高さを調整する鉄板と言っておるのですけれども、これが五枚ばかり四キロの中に落ちておったわけですね。これは名古屋駅に近いところですから、そうスピードが出るところではないのだけれども、それでもそういうような鉄板が落ちておったということは、これはもう少ししっかりひとつここら辺の問題を技術的に研究をしていただかなければならぬ、こう思うのですね。  この問題はともかくとしまして、一つはそういういわば技術労働者ですから、余り労働条件が過酷であると技術者が集まってこない、そういうようなこともあり得ると思うので、実際に私、線路を歩いてみますと、電車が来るたびに百メートルかそこら辺前にいる人が、大きな声で、列車が来たぞということでどなるわけです。そこでどかざるを得ない。実際に私どももそういう指示に従ってわきによけて見たのですけれども、ちょっと危険だなと感ずる個所もかなりあるわけです。そういう技術労働者を確保するという点からも、危険性をカバーするという意味からも、そういう保線区に働く人々が安全に歩ける道路――道路と言っちゃおかしいですけれども、そういうようなものももうちょっと整備をできないものかというふうに思うのでございます。これは特に都会地、それから鉄橋、ここら辺の問題は、私らも鉄橋の半ばで電車の通過を迎えたわけでございますけれども、そういう避難できる個所というものがそうない。とつととつと走って、そして鉄橋を渡らなければならぬ、そういうような状況が見受けられるので、そこら辺はもう少し整備する必要があると思いますけれども、いかがですか。

内田隆滋日本国有鉄道常務理事

○内田説明員 先生の御指摘のように、保線の仕事、ことに従事員の仕事、非常に厳しい環境の中でやっておることは事実でございまして、これに対しましては、われわれとしてはできるだけの対策を従来やってまいりました。  御指摘のとおり、いわゆる線路の環境をよくするためにのり面の片幅を広げるあるいは鉄橋に待避施設をつくる等の事柄につきましても環境改善ということで毎年項目を決めまして整備をやっておるわけでございますが、何しろ非常に長い膨大な施設でございますので、場所によってはそういう施設がまだ完全に整ってない個所もございます。総裁の方針といたしましてこういう職場の環境改善というものに今後とも重点を置いて設備をやってまいるということになっておりますので、そういう施設を重視してまいりたいというふうに考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 では具体的な話はまた次の機会に譲るとしまして、もう一つ黄害の問題については、これは非常に不衛生である、雨が流れればそのまま周辺に流れるという、特に都会地においてはそういうことが見受けられるわけであって、これは何とかしなければからぬという前々からの議論なんですけれども、一体これは五十年度予算の中ではどのぐらいついているのですか。またどのぐらい増額されているのですか。

山岸勘六日本国有鉄道常務理事

○山岸説明員 現在、工事中の個所が七カ所ございます。なお地元と交渉いたしまして処理装置等の取りつけにつきまして関係の機関と交渉いたしており、できるだけ早く着工すべく一応の設計等の進んでおるところも十二カ所ございます。これらに対しまして、五十年度といたしましては地上設備に二十九億を予定いたしております。なお、車両はいままでも約三千七百両ほど準備いたしておりますけれども、さらに今年度もできるだけつけるべく一応十九億を予定いたしております。合計いたしまして四十八億を予定いたしております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 皆さんいろいろ鉄道に乗っていらっしゃるわけだから皆さんの方が詳しいと思いますけれども、特急に乗りましてもスピードアップのために、便所の中にそういった屎尿が逆流してくるという体験を私自身積んでいるわけでありまして、これは鋭意研究してもらわなければなりません。またふん尿処理にしましても、それぞれの終着点におきましても、いろいろな都市別の問題がありますから一遍には解決しないにしても、こういうふうにすれば必ずよくなる、あとは金をかければよくなるんだという明確な一つの実態証拠といいますか、そういうものを国鉄さんとしてもつくってもらわなければいかぬ。そこから国民全般の理解も生まれてくるのじゃないか、こう思いますので、この問題は御注文だけ申し上げておきます。  それから新幹線問題についてまず大臣にお伺いをするわけですが、その前に、大臣でなくても結構でございますけれども、工事三線の進捗状況、東北、上越、成田この個所に、具体的に進捗率あるいは今後の完成に伴う経費の増加、そういう問題について御報告をいただきたいと思います。

後藤茂也運輸省鉄道監督局長

○後藤(茂)政府委員 お答えいたします。  いわゆる工事三線、東北、上越、成田の三新幹線と工事の進捗状況でございます。御承知のように総需要抑制の予算で、この予算は五十年度は四十九年度の金額据え置きということでございまして、てきぱきと進んでおりません。  数字で申し上げますと、東北新幹線につきましては、総延長のうちの九一%については測量を始めております。それから六八%につきましては用地買収を終わっております。また四〇%について工事の契約を済ませております。     〔佐藤(守)委員長代理退席、増岡委員長     代理着席〕  同じようなデータを上越新幹線について申し上げますと、八九%について測量をやっており、四九%について用地の買収を済ませており、同じく四%について契約を済ませております。  成田新幹線につきましては、予定の沿線の方々、の反対の運動がございまして、成田空港内の停車場に手をつけたにとどまっております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 来年度の国家予算規模がどの程度になるかはもちろん定かなことではありませんけれども、そう大きな変動はない、現在の経済見通しからいけばそういうことになってくると思いますが、本年度の進行状況のままに進むとしますれば、完成予定というものが五十一年度末というのが当初の計画でありましたけれども、東北、上越、成田それぞれどのぐらいおくれる見込みでございますか。

後藤茂也運輸省鉄道監督局長

○後藤(茂)政府委員 先生もおっしゃいますように、五十一年度以降の財政状態がどうなって、したがって、全体の予算のつけ方がどうということがはっきりいたしません。もう一つの要因といたしまして、新幹線の騒音基準が新たに告示をされるということが見通されております。その場合は当然この工事中の新幹線につきましては、もう一度環境対策についていろいろといままでやっていなかったことについての考え方を詰めなければならぬと思います。したがいまして、いつごろ、どのくらいの時期にできるであろうかということを明確なる時点で御説明するだけのデータが現在のところはそろっていないというのが正直なところ実情でございます。御指摘のように現在、当初考えておりました完成時期というものは相当大幅におくれざるを得ないと考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大臣、少なくとも工事三線、成田の分については全然まだ見通しがないわけでありますからこれはやむを得ないとしましても、やはり東北、上越についてはかなりの進捗状況もあるわけでございまして、これは来年度の財政見通し等いろいろあるにしましても、あるいは新幹線の新しい騒音基準というものが仮に告示されるといたしましても、これは相当の見通しをつけなければならぬというふうに思うのでございます。これはまあ国鉄あるいは鉄建公団それぞれが担当しているようでございますけれども、やはりこれは政治的な判断を要するのではないか。五十一年度と申しますれば来年の末というのが当初の計画であったわけでございますから、そういった意味で早いところめどをつけなければ工事はさらに延びていくだろうというふうに思いますので、大臣としては責任を持って閣議で問題にし、その明確な見通しをつける必要があると思いますが、いかがでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 三線につきましては、成田はいまお話しのように空港内の駅等の工事をいまやっておりますが、路線そのものはまだ手をつけていないという状況でございます。いずれにいたしましても五十二年度を目標にこの三線の完成を考えておったのでございますが、(石田(幸)委員「五十一年」と呼ぶ)五十一年度末つまり五十二年であるわけです。そういうことで、これはもう五十一年度末までに完成ということは現状ではむずかしいと思います。しかし、これは既定の方針どおりやる予定でございます。  ただ、いつごろに目途を置くかということは、これはいま検討いたしております。再建ともからむわけでございますし、さらにもう一つは、近く一応騒音関係の規制基準というものが決まるようでございますから、これが決まりますと、決まり方にもよりますが相当な投資が要るわけでございます。その投資いかんによってやはり完成の時期が多少延びざるを得ないのではないかというふうに現在は考えておりますが、いずれにいたしましても再建計画が構想が固まるころには、これらの問題についての一応の見通しは立てなければならないと考えておるわけでございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 これはまあ大変不確定要素が多いので答弁を求めることがかなり無理とは思いますけれども、やはり真剣に考えていただかなければならぬと思います。  そこで、そういった国鉄再建計画とのからみもありますが、先ほど来議論いたしております財政問題ですね。この問題をもう少し議論をするために国鉄当局にお伺いをしますが、たとえば山陽新幹線に伴って、旧来の山陽本線の輸送量、それから営業係数等が変化してきているわけでございますけれども、一体これはどのような状況になっているのか、ちょっとお知らせをいただきたいと思うのです。

伊江朝雄日本国有鉄道常務理事

○伊江説明員 御指摘のとおり非常に従来と違った現象が出ておりまして、山陽新幹線の方は、特に新大阪-広島間が非常に込んでおります。それから九州に近くなればなるほどまた込むという現象が出ておりまして、目下のところは大体一〇〇%程度毎日平均乗っておる、こういう状況でございます。もっとも岡山から西の方は一時間二本程度でございますので、将来の問題として増発その他を部分的にやっていかなければならぬと考えております。一方在来線は、昼間の特急、急行はほとんど新幹線に肩がわりということでございますので、在来山陽線だけをとりますと、場所によりましては二〇%、あるいは場所によりましては三五%、したがいまして二〇%ないし三五%程度、輸送量はダウンをいたしております。しかし、御指摘の営業係数がどうなっているかというのは、まだ開業一月そこそこでございますので、輸送量として現状のような、さっき御説明申し上げました現状ではございますが、今後どういうふうに推移いたしますか、よく見守ってまいりたいと思っております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 これはまた非常に大きな問題でございまして、大臣にも深刻に考えていただきたいのでございますけれども、いわゆる新幹線の新設に伴いまして在来線が二〇%から三五%減、しかしながら実際に列車は運行しておるわけでございますから、要員等については急激な減少をさせるというわけにはいかないというようなことになろうかと思います。そういうことになりますと、新幹線をつくるたびに在来線はいまでも赤字のものが大幅に赤字に転落をしてくるということでございますので、このいわゆる東海道の問題、東海道新幹線と東海道線の問題、それから山陽新幹線並びに山陽本線の問題、こういう問題を研究をされて、そして今後起こり得る工事三線にしましてもあるいは整備計画五線にいたしましても、その在来線との関係というものはどうなってくるのかということを当局も、これは運輸省の方も明確な一つの理論立てをしていかないと、将来大変なことになってくるのじゃないかと思うんですね。先ほど新しい再建計画を立てなければならぬと言うけれども、そういう見通しを含めた再建計画を立てなければならぬと思いますが、いかがですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 新幹線と並行をいたしております在来線をどういうふうに扱うかという問題は確かに大きな問題であると思います。新幹線は速くて快適でフリケンシーも多いということですから、その方にお客が集中するということも当然でございますが、しかし非常に近距離あるいは中距離でもってやはり鉄道を利用しなければならぬお客もあるわけでございますので、在来線のことを、並行しておる路線についても考えていかなければなりませんので、これは今後さらに新幹線が次々と敷設されていきます、そこでの並行する在来線の問題と将来の問題として同じように考えていかなければならない大きな問題であると私も思います。そこで、現在たとえば山陽新幹線と東海道新幹線と多少運行の仕方が違っておるわけでございますが、運行の仕方も私は今後考えていかなければならない。つまり新幹線についてずっとABCと駅があるわけでございますが、三種類ないしは四種類ぐらいで間引いて駅にとまる列車、各駅どまりと、いろいろあるわけでございます。それらの運行の仕方がまた在来線にいろいろな影響があるわけでございます。そういう意味で新幹線の運行については在来線との関連において十分考えていかなければなりませんが、同時に在来線の方も新幹線ができたということで、やはりこの在来線の運行の形も考えていかなければならないわけでございまして、全体として鉄道に対する輸送要請、輸送量というものが減っていく傾向にあるのか、また依然として同じ、あるいはふえていく傾向にあるかということも、輸送量の測定予想をいたしまして、新幹線とこれに並行する在来線との運行の仕方あるいは輸送力のつけ方、そういうものも総合して考えなければなりませんが、これはかなりむずかしい問題で、実施に当たっております国鉄の方で十分検討してもらいたいと思っております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 総裁に伺いますが、再建計画というのが、この前、あれは磯崎総裁のときでしたか、四十八年お出しになりましたけれども、一年を経ずして簡単にあの計画はだめということになったわけです。それは、確かに経済変動がありましたからやむを得ないとは思いますよ。しかし、これから安定成長の時代が続くということは政府の見通しですが、そういう見通しに立って再建計画というのを早目につくらなければならぬというふうに思いますけれども、いつごろできるのか。それから、どういう基本的な要素を前提条件としてこの再建計画を立てられるのか。この前の再建計画を拝見いたしまして、確かにそれは不確定要素が多くてむずかしいことはわかりますけれども、まあ、いわば子供だましみたいな再建計画というふうに言わざるを得ない。もろくも半年、一年で崩れてしまう再建計画ではだめなんで、それは確かに高度経済成長下におきます再建計画というものはむずかしいと思いますが、これからいわゆる安定成長が続く、少なくともここ四、五年は続くというような見通しの上でお立てになるべきだと思うのですが、いま申し上げました、いつごろ再建計画を結論を出されるおつもりなのか、あるいはそういう再建計画にどういう要素を特に考えていかなければならないのか、そこら辺を、御意見をひとつ承りたい。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○藤井説明員 お答えします。  国鉄財政再建十カ年計画というものは、ある程度は絵にかいたようなものであるという御指摘はそのとおりでございますけれども、われわれ国鉄人から考えますと、国鉄というのは今後半世紀くらいにわたって陸上交通の主力でなくちゃいかぬし、主力であるだろうから、少なくとも十年後には政府だの何だのの御厄介に余りならずにひとり歩きをして、自己に課せられた使命を達成するような力をつけなければならぬというのが財政再建十カ年計画であって、内容的には、若干の金を現在線に投じ、新幹線、これは現在においては御指摘のように検討の余地があることはわかりますけれども、当初の計画では四兆幾らかをこれに投ずるというのが財政再建計画でございまして、根本的から財政の、財政というか、経済上の変化でもって計画が崩れたじゃないか、形の上ではまさにそのとおりでございますけれども、とにかく、国鉄が余り政府だの何だのの御厄介にならずに一人前に歩いて自己の使命を達成しなければいかぬというのは、これは何も変わっておらぬというふうに私は考えておりますし、財政再建十カ年計画なんというと、立案当時はともかくとして、十年たたなければ一人前に相ならぬというのじゃ、しょっちゅうふらふらするような形になりますので、来年度あたり運輸省も非常なお力を入れて国鉄の財政建て直しをやろうというふうに皆さん御努力を願っておりますので、今度のは十年とかなんとか長い話でなくて、でき得れば単年度、五十一年度はもうひとりで歩けるよと言われるような形に持っていき、それが困難ならば、少なくとも五年くらいにはひとり歩きができるような形に持っていっていただきたいというように私は考えておるのでございます。それには、御指摘のように、しからばその金をどうするのだというような問題がございますので、これは、こういうことを言っていいかどうかわかりませんけれども、国鉄自体としては、運賃がきわめて低位であるということは皆さん御承知のとおりなんで、これを世間に通るようなプライスレベルに直していただいて、余り政府だの何だのの御厄介、御援助にならなくても歩けるような形に持っていかぬと、四十三万の従業員がどうも余り張り切らないというようなこともありまして、私自身としては、全部運賃ベースでカバーするのだとは決して言いませんが、できるだけ国鉄は自力で歩けるというような形を与えていただきたい、かように考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 実はその議論をしたかったのですけれども、しかし総裁、国鉄がひとり歩きしたいというお気持ちもわかりますよ。また、そのためには運賃を他の物価と比較してのアップということも、国鉄の総責任者としては、そういうふうにすれば、という仮定の上の議論はわかりますけれども、これはいまの経済情勢の中から無理だということはよう御存じのはずです。一遍に二倍、三倍にも上げることはできないということは御存じのとおりだと思うのです。さすれば、国鉄当局としましても当然政府の財政措置というものを大幅に期待する以外にないという、この点も私は明確であろうかと思うのですが、いかがですか。その点だけにしぼって、いかがですか。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○藤井説明員 私は、少なくとも五十一年度には運賃を二倍にしていただかぬと政府の御援助を得るということを無遠慮に申し上げたのでありますが、現況においてもそう考えますけれども、しかし、政府に援助してくださいと申し上げても、これは皆さん、国民の税金からいただくということであり、私の無遠慮な発言は、御利用願う方からちょうだいするということであって、本質的には余り違いませんけれども、先生御指摘のように、にわかに私が二倍だと開き直っても二倍下さらぬことはほぼあれなんで、できるだけ政府にもお願いして歩くと、こういうことであります。     〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 これは総裁としては発言しにくいところですから結構でございますが、大臣、これは私は前々から何度も申し上げて、先ほども議論をしているわけでありますけれども、工事三線にしましても計画五線にしましても、これをつくれば大幅な在来線の赤字が出てくるということはもう目に見えているわけでありますし、また、再建計画そのものを達成しようと思っても、国鉄の営業収入というものを考えたときに、そう大幅な運賃値上げというものはできるはずはありません。さらにまた、最近のいわゆる安定成長、低成長時代へと変革をしましたそういった産業界の中において、貨物輸送という問題も大幅に落ちているわけです。そうしますと、再建計画と幾ら口で叫んでみても、これはもう容易ならぬことだということはだれしもわかるわけでございますね。それからもう一つ、先ほど新幹線の新しい騒音基準の問題の話が出ました。三月十五日に、環境庁の騒音振動部会の中にあります特殊騒音専門委員会ですか、それによって基準が発表されておるわけでございます。そういったものがだんだん審議が煮詰まってくると思うのでございますけれども、一部新聞等によって伝えられるのは、国鉄当局の方の概括的な試算だと思うのですけれども、それを達成するだけでも一兆二千億からかかる問題だと、こういうような発表がされているわけですね。国鉄当局にまずお伺いしますが、この間新聞に一部出ましたその一兆二千億、この新しい基準を達成するためにはこの程度の金がかかろうかという報道が出ておりますが、これはほぼ正確な数字ですか。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○藤井説明員 一兆二千億という数字は、東京から博多までの千六十九キロですか、に対しまして、七八ないし七十五ホンのあれを受けて、これで最小限度、恐らくあれで七十-七十五にはならぬと思いますけれども、まあまあわれわれつくる側で、できるだけちびった案で一兆二千億ということでございまして、考え方によったら、いやいや、三兆何千億かかるというような議論も議論としては成り立つということでございまして、そう正確な数字ではございません。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 そういうことになりますと、とても一兆二千億程度ではおさまらぬだろうというような見通しもあるわけでございますので、こういうような金のかかる問題も国鉄当局だけで財政措置することは不可能なわけですね、実際問題として。しかし、これは、恐らく新しい騒音基準というものは、中央公害対策審議会の議を経て、何らかの形で環境庁として決めざるを得ない、そういう状況だと思いますよ。そういった場合に、もしこれが告示されるようなことになったときに、政府はこの財政措置をどうするんですか、一体。国鉄に、おまえの方で考えろというわけにいかぬでしょう。大臣、いかがですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 騒音規制は、いずれ最終的には規制基準としてある線が出ると思います。いま専門部会で議論しておりますのは七十ないし七十五ボンというところでございますが、それが仮に社会的あるいは経済的な事情も考慮して最終的には決めるということに中公審が決められておりますので、そういう純技術的なこと以外の要素を入れて考えまして、多少それにゆとりが出たといたしましても、これはそのための相当の投資が要ることは覚悟しなければいけないと思います。この大変な投資を全部国鉄の自前の経営の中で賄えといっても、今日でも自前の経営ができない状況でございますので、とてもできた話ではございません。これはやはり再建計画の中において国鉄の経費をどう分担するかということの中で考えていかなければならないと思います。しかし、いま当委員会でも小委員会を設けて、これからいろいろ御研究もいただき、また教えもいただくことにしておるわけでございますが、過去十年の間に国鉄は非常に赤字が重なってきたということでございます。じゃ、なぜ過去十年の間に重なってきたか、いろいろ理屈はあるのでございます。理由があるわけございますが、私は、やはり交通事業というものが本質的に事業に要る経費は運賃で賄うんだというこの原則がだんだんだんだん乱れて、むしろ運賃を上げてはいかぬ、運賃は抑えなければいかぬ、あとは政府がめんどうを見るべきだということは、これは物価その他社会、経済的な事情から出ておる議論で、議論としてはそれなりにあるのですが、しかし交通事業というものを本当に真剣に考える場合には、その議論でもって交通事業の再建を考えるということは本筋ではない。やはり運賃というものを中心にして考えて、そうしてあと公共性その他の立場から政府はどうめんどうを見るかという順序で物を考えなければいけないというふうに私は考えておるのでございますが、この点においてはいろいろ小委員会でまた御意見をお聞きしたいと思いますが、いずれにいたしましても、いまの騒音問題についての莫大な投資というものについては当然政府も考えなければいけないということを考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 この議論はいろいろあると思いますけれども、慎重にやらなければえらいことになってしまう。  そこで、私はお伺いするのでございますけれども、財政的な面から見ますと、一つは金の問題ですね。金をどう調達するか、運賃で調達をするか、あるいは税で賄うか、こういう問題が基本的にあるわけでございますが、これに対してはいろいろな意見が分かれるところでございます、物価とのからみもありますしね。  さて問題なのは、問題の観点をがらっと変えて、いわゆる下から見た場合、新幹線の騒音という問題あるいは振動という問題を一個人のそういうような生活環境破壊という立場から見た場合には、肉体的な苦痛並びに精神的な苦痛、これは一体のものですね。まずそこら辺の観点から承りたいのでございますけれども、総裁としてそういう個人の精神的な痛み、特に精神的――肉体的な痛みについては、これはいわゆるいろいろ手当てのしようもあると思いますけれども、精神的な痛みについて、一個人が受けている精神的な痛みについては一体総裁、大臣はどうお考えなのか。工事の騒音対策の状況を見ましても、これは大幅におくれているわけですね。  だから、私は特に大臣に申し上げたいのですけれども、確かにこれは物価を安定させなければならぬという角度から、いわゆる財政投融資の問題については大幅な縮小があったわけでございます。しかしながら、そういう問題があったからといって人間の精神的な痛みをがまんしろというようなそういう政策というのは私は不可解だと思うのですね。新線の計画についてはそれはストップしなければならぬけれども、こういう精神的、肉体的痛みを現実に感じている面については、こういう際ですから、もっとむしろ予算を増額して、少しでもそういった人心の安定に努めるべきじゃないか、こう思うのでございますけれども、大幅な繰り越しがありますね。こういう問題については大臣は閣議等ではどのように考え、どのように議論をされておるのか、承ってみたいと思うのですが、いかがでしょう。まず大臣から承りたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 騒音を含みますいろんな公害問題は、帰するところ個人個人のそれによる被害を最小限度にとめるということであるわけで、これは議論の余地のないところでございますが、いままでは確かにそういう環境整備の点ではおくれておったということは事実でございます。それだからこそ次第にこの環境整備の方に予算の重点も置いてまいっておるわけでございますが、これから先そういう騒音を起こしあるいは振動を起こすといったような、交通施設のみならず、いろんな社会施設にしましてもより一層その点に重点を置いて考えなければならぬということであるわけでございます。  いまの繰り越し云々の話はちょっと私わかりませんですが、騒音等についてはそういうように考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 これは哲学的な話になるかもしれませんけれども、もう少し人間の痛みについてどういうふうにお考えなのか、藤井さん、総裁ひとつお答え願いたいと思います。いかがでしょう。

藤井松太郎日本国有鉄道総裁

○藤井説明員 お答えします。  われわれのつくった新幹線、一般に御利用願っている新幹線が、騒音その他のゆえをもって個人に被害を及ぼし、心身ともに個人に恐ろしい被害を及ぼすということに対しては、動機とかなんとかはとにかくとして、はなはだ申しわけない、かように存じております。したがいまして、現在の技術とかなんとかでできる限りのことはいたしたい、かように考えている次第でありますが、心身的な――これはまたお気に召さぬような答えになりますけれども、非常にむずかしい問題でございまして、客観性がないと、私どもの金は公共の金なんでどうも困るという面もありますけれども、根本的には、まことにお気の毒なんで、私はできるだけの努力はする覚悟でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 大臣、そういう問題からお考えいただきたいのは、そういう精神的な痛みを客観的に判定するということは、これは絶対にできないのです。たとえば私が国鉄総裁をぶん殴ったとしますね。その痛みはほかの人は絶対にわからぬのです。それだけにいわゆる人間の生活環境を守ろうという運動が起きているということを私たちは基本的に認識をしなければならぬ。特に新幹線問題については、やはりそれだけの鉄道を走らせるについては基本的にそういう騒音、振動が起こるということはもう明確なことなんですね。どういうふうに整備をしましても、これをゼロにすることはできない。だから、やはり技術的にどこまで抑えることができるかというような問題をある程度見通しをつけると同時に、今度は個人的な環境整備あるいは町の環境整備というものを明確に分けて考えなければいかぬのじゃないかと私は思っているわけです。したがって、都市計画そのものにしましても、これから特に計画五線もあるわけですから、そういうところについては明確にいわゆる国鉄当局がなし得る分野というものと、それからあとはそういう騒音、振動というものを政治的に排除しなければならない環境整備というものと明確に二つに分けて、そうして各省との打ち合わせの上で、これだけは進めていくんだというものを政府として、国全体としてつくっていかなければならないんじゃないか、こういうふうに私は思うのです。もう少し言うてみれば、これからの計画五線というものをつくる場合に、もう少しやはり――特定地域だけでもいいですよ、先ほども申し上げたように模範的なものをつくって、金があればこういうものができるんだ、ここまでやれば完全にそういった生活環境というのは守られるんだ、そういうようなこれから五年後、十年後、十五年後、二十年後の社会のためにそういうものを運輸当局としてつくる必要があるんじゃないか。そういう理想的なものを一カ所でも二カ所でもつくるということは、将来の私たちの子孫に残していくべきわれわれの責任じゃないか、私はこういうふうに思うのでございますけれども、大臣、いかがですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 環境整備は、究極するところ個人の生活の環境整備でございますので、これは都市と言いあるいは地方と言いすべてそこに帰一するわけで、その点私は差異はないと思います。  それから今後新幹線五線あるいは三線建設の場合の騒音、振動その他の環境整備、当然やらなければいけません。これを抜きにして何が何でも新幹線をつくるという態度はもう許されないと思います。またそういうことを整備しないで新幹線をつくるということは国民も望んでおられないと思います。  そうしますとここで問題になりますのは、環境整備をやっていく場合には先ほどお話し申し上げたような莫大な金がかかる。要するに金さえかければできることで、金をかけてもできないという面はごくわずかだと思います。これは時間をかければ技術の面で研究して克服できる。そうすると、ひっきょうするに大変な投資がかかるということですね。そうするとそれを一体だれが出すのだ、国鉄自体に出せ、こういうことになりますと、運賃によって国鉄は収入を得ておるわけですから、運賃値上げをいたしますがそれでよろしいでしょうかと国民にお尋ねしなければならない。じゃ運賃はいけないから政府が出せ。政府の財源にも限度がありますから、政府のお金というものは税金から出さなければいけませんから、それじゃ税金を高く取りますがよろしゅうございますかということも問いかけなければならぬということに、結局ひっきょうするところそういうところに落ちつきまして、その辺でひとつ御一緒にいろいろと議論をして国鉄の再建を考えてみたい、かように私は実は考えておるわけでございますので、そういうところでひとつ今後いろいろとお教えをいただきたいし、また一緒になってひとつ研究をしていただきたいことを私の方からむしろお願いしたいと思っておるような状況でございます。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 私はそれだけの問題ではないと思うのですがね。やはり日本列島全体のことを考えてみて、計画五線までもあるわけですが、確かに交通の利便を提供するという公共性から考えれば、確かに日本のすみずみまで新幹線を走らせるのが理想ではありましょうけれども、それによって精神的破壊が増大をしたのでは何にも意味がないのであって、日本民族のこれは将来の精神的な建国精神にもかかわる問題じゃないかと私は思いますよ。そういった意味でもう少しこれは慎重に、もう一度計画五線についてもどういう方向がいいか、あるいはつくるということを決めておっても、その前提としてやはり環境破境をある程度防げるという見通しがつくまではこれ以上のものはやらぬというようなところまで踏み切る必要だってあるのではないかと私は思うのですね。再建計画の問題を考えてみたって、新幹線ができるたびに在来線にどんどん赤字が出てくる。まあ大臣や総裁の議論によりますれば、これはやはり利用者負担でやらざるを得ない、原則的にはそう思うということであれば、これは物価問題にも非常に大きな影響を与えてくるし、まあむずかしい問題だとは思いますけれども、ひとつ慎重な配慮をお願いしておきたいと思います。  もう時間がありませんから最後に具体的な問題だけお伺いをいたしますが、この前私が四十八年の予算委員会においてこの新幹線騒音の問題を取り上げたときに、前磯崎総裁がこの調査員の増強をいま二十名程度でやっておるけれども、六十名程度にふやしたいというようなことを言うております。それから同時に、振動公害については実害補償でいくということになっているのですけれども、振動公害に対する実害補償の基準というものができてませんね。これは客観的にそれを判定するのはむずかしいというふうなことなんですけれども、しかし先ほど来私が申し上げているように、人間の精神的な痛みというものを考えたときに、大幅にこれはやはりそういった訴えをしておる人たちの状況を認めなければいかぬのではないか、こういうふうにも思うのです。その意見を加えて、振動に対する実害補償基準というものを私はつくる必要がある、こういうふうに思うのでございますけれども、この二点。もう一点申し上げれば、実害補償がさっぱり進んでおらぬですね。この点もう少し積極的にやってもらいたいということも加えて、最後にこの調査員の増強、それから振動に対する実害補償基準はどうしてもできないのかどうか、この二つの問題についてお伺いして、私の質問を一応終わります。いかがでしょう。

内田隆滋日本国有鉄道常務理事

○内田説明員 騒音防止並びに振動対策に対する現地の張りつけの問題、これは六十名を現地に充足をいたしました。本局も合わせまして六十名、お約束どおりいたしております。  それからいわゆる振動に対する補償の問題でございますが、これは先生も御承知のように、いわゆる振動に伴う実害といいますか、振動に対する国の環境基準がまだございませんので、われわれといたしましては振動の問題に対する補償の基準がないということでございます。したがいまして、われわれといたしましては実際に振動によって実害が出た場合に、これはもう補償しなければいけないということでいままでもまいっておりますし、今後もやはり国鉄だけで先生のおっしゃるようなことをいたしますとまた非常に問題が出てまいりますので、国の基準を早くつくってもらうということでまいりたいと思います。  なお、先生の御指摘のとおり、補償につきましては現地の職員を督励いたしまして苦情の解決に努めてまいりたいというふうに考えております。

石田幸四郎公明党

○石田(幸)委員 これは国鉄当局としては振動に対する基準をつくってもらいたいということでございますので、大臣としてもその点はぜひ含んでいただきたい、こう思います。以上。      ――――◇―――――

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 陸運、海運、航空及び海上保安に関する件について、調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。大竹太郎君。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 たしか先月の二十六日、水曜日でございましたか、過疎バスの問題について参考人においでをいただいて私からも御質問を申し上げたばかりでありますが、実は役所の方にも一緒にお聞きすればよかったのでありますけれども、時間もございませんでして参考人だけにお聞きしたということになっておりますので、きょうは役所の方から若干お聞きをいたしたいということであります。  御承知のように、昭和五十年度の予算におきましては、四十九年度と比較いたしますと、いわゆる過疎バス補助金は相当大幅に増額になっております。したがいまして、五十年度のいわゆる過疎バス補助金はどういうような基準で配分をおやりになるのか。四十九年度と多少変わって配分をされるというようにも聞いておりますので、特に四十九年度と違う面について御説明をいただきたいというふうに思います。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 五十年度の地方バスの路線維持費補助の予算は五十七億八千三百万円で、四十九年度の二十一億九千四百万円に対しまして二倍以上の増額を見たわけであります。この増額を見ました主な点を簡単に申し上げますと、一つは補助対象路線でございまして、従来一日の運行回数が三回以下、平均乗車密度が五人から十五人ということを対象路線にいたしておりましたけれども、これによりまして私ども補助をした方がいいなと思っている路線でもこの基準があるために補助し切れなかったという点がございました。その点を改正いたしまして、五十年度では一日運行同数十回以下の路線を対象にいたしました。これによりまして補助対象路線はかなりふえてまいります。それから従来一日の平均乗車密度五人以下という超過疎路線につきましては補助対象外といたしておりました。考え方といたしましては、この種のものは廃止をするかないしは市町村代替バスに代替をしてもらうということでありましたけれども、事実問題といたしましてはなかなかこれができません。そこで、五年を限りまして五人以下というふうな超過疎路線に対しましても補助金を出すようにいたしたわけでございます。  それから補助単価でありますが、諸経費の増高という現実を反映させまして走行一キロメートル当たりの補助単価を四十二円何がしから五十八円何がしまでかなり大幅に上げております。そのほか車両購入費の単価を一台当たり三百万円というのを六百五十万円にいたしております。それから市町村代替バスの場合につきましても車両の補助単価を百五十万から三百万に引き上げる。さらに市町村代替バスを新しく開設する場合には、開設の準備あるいは開設当初の費用の支弁のために一回限りの開設のための費用の補助をするようにいたしました。これらの点が昨年と大幅に変わった点でございます。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 いまの御答弁で確かめておきたい点が一点ありますが、単価を引き上げた、こうおっしゃったようでありますが、単価を引き上げたということはいままで入っていなかった一般管理費を含められたので単価は上がったのですか。そのほかに何か、一般管理費は別に見られるのですか、どうですか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 単価の引き上げの中には、従来一般管理費を対象にしておりませんでしたものを今度新しく一般管理費も加えたということ以外に、人件費、物件費等上がっております。これらも加味いたしたわけでございますか。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 次に、これはこれから出てくる問題でありますからなかなかおわかりにならぬと思うのでありますが、たしかこの前の参考人にお聞きしたときは大体申請額の八十何%を実際に補助金としてもらったというようなお答えだったのですが、一体五十年度は、これから各会社から申請が出るわけでありますからなかなかお見込みはつけかねる面もあるかもしれませんが、見込みとして八〇%以上になるのですか、または全部補助できるお見込みですか。その点はどうですか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 従来地方バスの補助金は、たとえば四十八年度のときは一〇〇%交付したわけでありますが、四十九年度は不幸にして平均八〇%という交付率になったわけであります。これの主な原因は、やはり石油ショックの影響で私ども予算要求当時期待していなかった単価の増加があったという点が唯一の理由でございます。したがいまして、四十九年度の後半にかけて全国的に運賃の適正水準への見直しをやりましたこと、それから今度の補助金額の大幅引き上げ、これらによりまして私は五十年度につきましては一〇〇%交付できると考えております。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 そこで、いま一つこの交付の基準について確かめておきたい点があるのでありますが、いろいろ事業をやっておる会社でありますが、会社全体として黒字になっていてもこの補助金は交付をするのでありますか。それが一点と、またたくさん事業をやっておりましてバス部門が赤字ということが交付の条件になるのですか。その二つの点、確かめておきたいと思います。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 これは現在の補助制度の説明になるわけでありますけれども、この補助制度の基本は地方のバス路線をできるだけ集約をしてその上で補助をしようという考え方に立っておりますので、全国八十七のブロックに分けまして、それぞれのブロックの中で集約の度合いが高いものに対して補助率ないし補助の制度を手厚くするということにいたしております。そこで、たとえば一ブロックの中で一社というふうに集約されている場合には、バス事業だけが赤ならば、全事業がたとえ黒字でも補助をするということになっております。ところが、そうなってない、そこまで集約されてないようなブロックにつきましては、バス事業も赤でありかつ全事業も赤であるというところまでいかないと補助ができないというふうになっております。この点は私ども補助制度の拡大ということでここの壁を取っ払うことをやりましたのですけれども、不幸にして五十年度は実りませんでした。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 そこで、この間の参考人にお聞きした点からお伺いしたいのでありますが、岩手県の県南バスの社長さんでしたかの御意見だと、ことしは全額補助できるだろうというお見込みでしたけれども、四十九年度八〇%しか補助を受けてないというような面から特に言われたのだと思いますが、とにかく会社の経営の立場から言えば過疎バスはできるだけやめたいのだという御意見でございました。そして一面、あれは広島県の何という町でございますか、余り大きな町じゃないように思ったのですが、いままでバス会社がやっていたのをバス会社がやめると言うから、やむを得ないで自分の町でやることになった。しかし非常に金がかかって、何とかやめたいのだ、しかしバス会社ではとても引き受けてくれそうもないわという御意見だったと思います。そういたしますと、せっかくこの補助金を出していながら、片一方は、もらわぬよりはいいかもしれませんけれども、いまの程度の補助金なら、これはもらっても赤字は出る、できるだけやめたいんだ、片一方の町の方では、引き受けてみたけれども、これはとてもやり切れないということになりますと、一体この補助金の制度そのもの――もちろん全然やる必要ないものだとは申し上げませんけれども、これはやはりお役所の立場でもう少しこの整理をされる必要があるのじゃないかというふうに思うのでありますが、その点についてのお考えを承りたいと思います。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 私どもの考え方は、一日運行回数、先ほど十回以下全部補助すると申し上げましたけれども、乗車密度という考え方がございまして、平均乗車密度五人から十五人という路線を補助対象にいたしております。平均乗車密度五人ないし十五人という路線は、適正な補助制度さえこれに加わるならば、と同時にもちろん適正な運賃水準あるいは会社の中での企業努力、この三つを合わせますならば、これは収支を償っていけるはずである、したがって、私どもは、五人ないし十五人の路線については補助をしながらこれは運行していただくという考え方でございまして、こういったものについて廃止をするということについては認めたくない。ただ、五人以下の路線については、これはなかなかむずかしいと思いますので、できれば市町村代替バスにかわっていただくかあるいは地域との話し合いのもとに廃止の方向に持っていくか、どちらかが望ましい、その場合でもしかし急にはできませんので、五年の間は五人未満の路線でも補助金を出しまして、その間に地域とよく話をするというチャンスを与えておるわけでございます。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 いまの御意見、大体私も賛成でありますが、ただ、どうしても会社としてやれないものは自治体にやらせるというようなお考えのようでありますが、私は、やはり国全体の経済の立場から考えてみまして、二台や三台で本当にやれるはずはないのでありまして、これはやはり台数もあり、人間も持っている民間企業にやらせることによって全体の節約というものができるというものの考え方に私は立つわけでありますが、その点はいかがですか。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 一回当たりの乗車密度が五人未満という超過疎路線になりますと、それ以外の路線との総合収支あるいは補助制度等をかみ合わせましても、なかなか会社でこれを運営することには困難な点が多いんじゃないかと思います。そこで、そういったものは、従来のバス会社による運行というふうなああいう形ではなくて、もうちょっと簡便な、その地域の実情に合った簡便な運行方法で、また運行時間等も、その地域の人たちの都合のいい時間に運行するというふうな形にして、したがってまたその費用も地域社会として負担すべきものはやはり負担する、それから、県としても国としても補助すべきものはするという形で、やはり五人未満の路線については、できるだけ地域社会の責任といいますか、自発性、自主性といいますか、そういった中で運営していただくということの方がいいのではないか。さらにまた、考えますれば、市町村には、他の省からの補助でありますけれども、患者輸送バスとかスクールバス等もございますので、よく地方の町村長のお話を聞きますと、ああいったものを、たとえばスクールバスなんかを、朝晩の子供の送り迎えをしないときに一般の村民が乗れるようにできないかというようなこともお話を伺うわけであります。そういった点をやはりもうちょっと弾力的に、せっかくあるバスなのですから、そういったものを住民の昼間の足に使うとかいうふうなことを総合的に考えれば、私は、五人未満の路線というものについては、そういう地域社会の知恵と工夫、それに対する国と県の援助という形で運営することができるのじゃないだろうかというふうに考えておりますので、できればそういう方向に持っていきたいと思って、おります。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 いまの点については私まだ多少意見がありますが、時間が三十分ということですから、またの機会にいたしまして、次に進みたいと思います。  先ほども御答弁の中にありましたが、お客が何人以上のところはバス運賃も上げるし、会社が企業努力をすればやれるはずだというお話がございました。私もそのとおりだと思っております。ただ、この間の参考人からお聞きしたいろいろの事実からいたしますと、どうも補助金をたくさんもらっている会社ほど合理化その他の努力が足らないように私は思うわけでありますが、運輸省また自動車局といたしまして、こういう方面の御指導その他はどうなっておりますか。また、いま申し上げたように、たくさんもらっている会社がどうも企業努力が足らないというように、私はこの間の参考人からお聞きした点ではそう思ったのでありますが、全国的にはどういう傾向になっておりますか、それらもお聞かせいただきたいと思います。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 私どもの考え方といたしましては、国民の税金の中から補助金をもらうわけでありますから、その会社が他のバス会社、全国的なバス会社の一般水準に比べてはなはだしく企業努力がおくれておるということがあってはいけないと思いますので、補助金を出す場合にはそういった点につきまして従来とも見ておりましたけれども、一年間に五十七億八千万、府県の分を合わせますと百二十億近くになるわけでありますので、そういった点につきましては十分に会社の企業努力という点を見た上で補助をするということを考えていかなければいけないのではないかというふうに考えております。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 次に、この間の参考人からやはりお聞きした中で、私が感じたことでお聞きしたいのでありますが、この補助金をいただくようになり、そしてだんだん額が大きくなってきたというような面からいたしますと、これからは企業努力等と相まって、何とかその年の収支は合うようにだんだんなっていくと思うのでありますが、ただこの間の参考人等のお話から聞きますと、べらぼうに累積赤字があるというようなことを見ますと、その年その年何とかやっていかれるにしても、この累積赤字の利息を払うだけでもまいってしまうのではないかというような気がしているわけでありますが、これはお役所にそういうことをお願いしてもなかなか大変なことだと思うのですが、この累積赤字を何とか処理する面においてお役所としてもある程度お考えになり御指導になる必要があるのではないかと思いますが、そういう点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 四十八年度につきまして、ごく私ども大ざっぱな推定でございますが、二百億ほどの累積赤字がございます。これらのうち、親会社があって、そこがめんどうを見るつもりになれば消せるものでありますとかあるいは兼業が相当黒字で、そちらの方から補給すれば何とか埋まるものとか、そういうものを私ども知り得た限りで消去してまいりますと、どうにもならない累積赤字は五十億ぐらい残るわけであります。約十社くらいでありますけれども、そういったものについては何とかこの累積赤字のたな上げ、利子補給というふうな形を五十年度やりたいということをいろいろ考えてみたわけでありますが、いろいろむずかしい要素がございまして、まだ実現いたしませんでした。たとえば会社の累積赤字といっても、バス事業から出た赤字と兼業から出た赤字の区分がなかなかむずかしいわけでございますね、さかのぼってトレースすることが。そういった技術的な問題がございまして五十年度予算では実現しませんでしたけれども、今後そういった傾向がもし続くということになれば、やはりいま申し上げましたような他の手段をもって埋め得ないような経営体における累積赤字につきましては何らかの方法を考えなければならないということで、継続的に検討するつもりでございます。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 次にお伺いしたいのでありますが、この補助金の額をふやしていただいたこと、これは非常に結構なんでありますが、これは運賃と非常に関係があると思うのでありまして、いままでは大体二年に一度運賃の値上げをお認めになって、去年あたりは特別に、物価の上昇その他が激しいということで多少早められたというようなことになっているようでありますが、一体今後はどういうふうに運賃の方はお考えになっていらっしゃるかということ。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 私どもは、諸経費の値上がり、特にバス事業の場合人件費のウエートが高いものですから、人件費の値上がりが主たる要素になりますけれども、この値上がりが通常考えられる範囲を大きく越えないという場合でございますれば、やはり二年に一遍の見直しということがいいと思います。昨年は特殊な事情がございましたものですから一年ないし一年半で見直しをいたしました。かつ相当大幅な値上げをいたしましたが、こんなことが続きますとバスを見捨てる住民がふえてくるということを私は恐れます。そういった意味でも、もとの経費がやはり問題でございますが、経費の値上がり状況がモデレートなものになるのであれば、バスの運賃値上げは二年に一遍ぐらいでいきたい。しかしこれは経費次第でございますので、万一経営できないような経費の増高があるならば、これは二年にはこだわらずに適時見直しをしていきたい、こう思っております。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 時間がありませんから、最後にいま一つお聞きしておきたいと思います。  補助金は運賃値上げの場合にどうお考えになっているか。それを考慮して運賃の値上げをお考えになるのかということが一点。いま一つは、いわゆる公共割引をしておるわけでありますが、学割あるいは通勤割引または身体障害者割引というものがあるようでありますが、これらは運賃の値上げの際にどうお考えになるのか、いままでどういう処理をされていたのか、その二点。

高橋寿夫運輸省自動車局長

○高橋(寿)政府委員 補助金につきましては、収入として計上いたしております。しかし先のことはわかりませんので、実績は収入として計上しております。  それから割引による額でありますけれども、これは私ども、バス運賃の査定をいたしますときには総原価をはじきますので、割引した分は、仮にその分だけ目減りしているとすれば減った収入ということで、それをベースにしてはじいておりますので、結局いろいろな形で公共割引等がございますけれども、これは他から何らの補給がない限りは、そのバス事業の全体の収入はその分だけ減るという形になりますので、それを償うために収支均衡するような運賃を設定するわけでありますから、結果的には、割引した分は他の乗客が総合的な立場で負担をして収支均衡をとっている、こういうことになると思います。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 私はいまの点、それは現在の制度をお認めになっている以上はそれよりほかに仕方がないように思いますけれども、いわゆる一般の人が割引の分もかぶっている、また通勤の人も、その分については、上がっていて、そのうちから割引してもらっているという不合理があるように私は思います。したがいまして、国が補助するというようなことも必要かもしれませんけれども、普通から言えば、民間企業に通勤割引あるいは通学割引なんというようなものを少なくとも負担させておくことがおかしいのでありまして、通勤割引は労働省が見ればいいし、通学割引は文部省がその立場で、文教政策の立場あるいは労働対策の面で考えるべきものであって、そういうものをそのままにしておいて、そして金が足らなくなったから補助してやるというような物の考え方自身が間違っているのじゃないか。取るべきものはちゃんと取らして、それでも足らぬ分については、むしろ今度は厚生的な社会保障の立場で国がめんどうを見るというのが本当の物の考え方じゃないかと私は思うのでありますが、これは大臣にひとつお答えをいただきたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 公共割引の中で、たとえば通勤でありますとか通学でありますとか、そういう利用回数の多いお客に対する割引というものは、企業の側から言ってもある程度割引をしてもいいという面があると私は思うのでございます。したがって、通勤、通学につきましては割引率の問題がいかがであるかという点が一つ問題であろうと思います。その割引率の問題から言いますと、今日の通勤、通学の割引率というものは、企業の側から見て適切であるという以上に割引率が非常に大きいということは事実であると思います。  それから身体障害者その他の割引は、これはもう純粋に社会奉仕の立場からやっております割引でございますので、政府並びに政府に準ずる機関の交通機関がやるのは別といたしまして、純粋に民間事業としてのバス事業がそういう社会奉仕をやるのがいいのかどうかという問題は確かにあると思います。ことに、片方において赤字なるがゆえに政府から補助を受けておるというふうな事業につきましては、理屈の上で非常に矛盾であると私は思います。  これは将来の問題といたしましては労働省あるいは厚生省と十分連絡をとりまして、正しい割引制度というものはいずれ解決していかなければならない問題でございますが、いままでは、いろいろな過去の社会慣習その他で現状がこういうことになっておるということでございまして、これはやはり検討の対象にすべきである、かように考えております。

大竹太郎自由民主党

○大竹委員 最後に、いまの大臣の御答弁に対して御希望を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  なるほど、いまおっしゃったように通勤、通学はある程度割引することが企業側に有利な場合もあります。一々切符を売ったりあれしたりさせられたんじゃ、これまた実際たまりませんから、そういう面で、五%とか一〇%のものは企業も当然かぶるべきだと思いますけれども、いまのように、たしか、バスは通学が四割五分、通勤が二割五分ですかの割引になっておりますが、そういうものは、それぞれ文教政策の面あるいは労働政策の面で、それぞれの所管官庁が、補助金をもらうことがなかった時代は別といたしまして、補助金を出すという現段階においては、私は当然そうあるべきだと思いますので、大臣の御意見もそのようでございましたので、どうかひとつその方向で御処理をいただきたいということを最後にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 海運に関係して二つほどお伺いするわけですが、答弁をいただく方にお願い申し上げますが、全部で三十分でありますので、まとめて御質問を申し上げますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。  一つは最近急激に低落をしてまいりました近海邦船の問題であります。中身については詳細に私から申し上げる必要はないと思うので、答弁される方は十分御承知のはずであります。  そこで、この近海海運対策というか、こういうものは従来政策らしきものがなかったといっては失礼かもしれませんが、余りなかった。特に、集約をやりました際にもそうでありますが、オーナーに対しては余り、というよりはほとんど、対策がなかったままに来た欠陥というものが今日一つはあらわれてきていると思うのです。それから、近海海運では、特に南洋材の輸送というものが大手商社の投機の対象になっておりますので、一たん総需要抑制という声を聞くというと極度に輸送が低落してくる、そういう二番目の問題。それから、三番目の問題は、いわゆる念書船というものが、単なる念書船という形だけでありまして、実際は近海マーケットの中に念書船が入り込んできている、こういうことだと思うのです。  そこで、近海海運の中で邦船の占めるシェアは半分程度なんですね。二分の一ぐらい、あるいはそれ以下になるかもしれませんが、大体その程度。あとは念書船を含めた外国船、そういうものがオペレーターの手によって運航されている。たとえば大体近海海運は三百隻、二百五十万デッドウエートトンぐらいが適正船腹量であろうというのに対して、その半分、大体百二十五隻ぐらいが念書船を含めた外国船なんですね。そういうところに問題があると思うので、一つはこの念書船を完全に排除するということを考えていかねばならぬと思うのでありますが、単に念書船で、念書をとって、近海には参りません、日本の港には参りませんというだけであって、入ってきてもこれに罰則というか懲罰的なものはないのですね。しかも、この念書船の大半を持っているというか、かなり多数を持っているのは大手商社を中心にしたものが多いのですね。荷主そのものが持っている、あるいはこれのダミー会社が持っているということでありますから、念書船の完全な排除を工夫せねばならぬと思うのです。もしもそういうことで入ってきたものについては、今後そういう荷主、オペレーターについては一切今後の建造は認めないというようなことも一つだろうと思うのでありますが、そういう考えを持っているのかどうか。  それからもう一つは、日本船を外国へ裸用船をどんどんするわけですね、最近の傾向として。そういうものについての規制を強化できないのかどうかということです。  それから、先ほど申し上げたように、近海海運のオペレーターに、いろいろ事情はあると思うのでありますが、少なくとも日本船、いわゆる邦船の使用を強制するというか、ある程度義務づける方法はないのかどうかというようなことが一つだろうと思います。  もう一つは、できれば総体的な適正船腹量というか、そういうものを策定して、輸入協議会ですか、そういうものとの間に適正な協定を結ばせてそれに応じて船舶の建造を許可していく、あるいは保有を許可していくということも一つだろうと思うのであります。そういう方向で船の安定を考える必要がありはしないか。  それからもう一つでありますが、当面の措置として、一つには倒産というか、どんどんやめていくものが出てくるわけですね。最近ではかなりやめてきているようでありますし、先般近海の船主協会は総撤退を宣言しているようでありまして、こうなりますと、安定供給ということの大義名分が全然邦船では立てにくくなってくるわけですね。だから、それらに対して海運当局はどういう方針でおるのか。将来の傾向としてそういう傾向が強いが、それを食いとめようとするのか、それともそうではなくするのか、これはどういうふうに考えるか。  それから、当面の措置として、これら経営困難なものに対しては、まず第一に金融の問題があると思うのですね。金融の問題は、長期の借入金を元本たな上げ、これは従来も外航船ではやりましたが、そういうもの、あるいは船舶整備公団の使用料の返納というか、使用料を延期してやる。あるいは運転資金の緊急手配をしてやる。それから中金関係の保証協会の倒産関連企業として指定をしてやって、そこから資金を導入するというような方法等々、金融の措置はどう考えておられるのか。  それから、最も深刻なのは乗組員である船員の問題であります。御承知のように船は売られてしまうし、やめていくのでありますから、乗る船がなくなっていまう。そこに失業の問題が出てきて、大変な問題が出てくるのですね。ところが、これは保険庁に関係がありますが、船員保険法の中で失業保険はあるわけでありますが、ただ問題は、最近おかの業種については雇用保険法が実はできているわけですね。これによってそれぞれ手当てをしているわけです。ところが海の方についてはこの部分が全然考慮されないままでいるわけです。これはおかの方では労働省が所管で雇用保険法をやっている。船の方は、船員問題は船員局が中心だが、保険は保険庁でやっている。言うならば二つに分かれたかっこうになっているわけだが、そういう関係もあって、実はおかのようにうまくいかないのではないかというふうに見ているわけであります。しかし、事態は深刻なので、船についても、船員についても雇用保険法と少なくとも同じ仕組みをこれは考える必要があるべきなので、漫然として今日までいるのかどうか、もし保険庁で所管するとするならば、保険庁は雇用保険法ができる際にいかなる態度と方針を示したのか。そうでないとするならば、船員局はいかなる考えでいるのか。これは明確な答弁をもらいたい。そういう大体緊急の問題がございます。  それからもう一つの問題は、同じような形になりますが、いわゆるカツオ、マグロの漁船の問題であります。漁業の問題であります。これはやはり外国船の、日本に寄港して水揚げをどんどんやっていく。そのために市場を撹乱されて日本のマグロ船が不振である。経営が成り立たなくなっちゃった。最近のようなことになりますと、資材は上がる、油は上がるということでありまして、そういう面からも言うならば魚価は低落するということで、実はあおりを食ってもうすでに二十一社ほどこのマグロ関係の水産会社は倒産しているわけです。関係の労働者は大体推定六百人失業しているだろうということです。これは深刻だと思うのです。これはそれだけにとどまらず今後拡大の見込みである。いま大体マグロ漁船は二千六百隻、関係漁船員は約五万人、こういうものなのでありまして、そこでこれは水産庁に中心としてお伺いしたいのですが、いままでも各方面から申し入れがあったように、外国の漁労船の本邦への水揚げを禁止する措置をとれないものだろうか。特にこれは韓国だと思うのです。それから将来――将来というか即刻水揚げ地を指定すると同時に、これは輸入数量をある程度規制する。それから魚価安定の立場からいっても当然だと思うのでありますが、これを野放しにしておいて、しかもマグロはやはり先ほどの南洋材と同じように商社の投機の対象に一部なっている。これも問題だと思うのです。そういう意味からいっても、これを規制する必要がありはしないか。それから海外買船をやはりやって、その船がまたマグロを積んで帰ってくるということでありますので、買船の規制をもう少し強める必要があるということであります。それらについては特に外国、韓国が主だそうでありますが、水産庁は先般韓国との交渉を行い始めたというふうに聞いているのだが、それはいつからどういうふうになって、いまのような規制というか魚価安定、水産業の安定、そういうために韓国との交渉はどんなふうになっているのか、それを尋ねたい。  それから、先ほど申し上げたように、これについてもやはり雇用保険法というのは欠落したままでいるわけですが、これについても同じように答弁をしてもらいたい。  それからもう一つは、これは保険庁だろうと思うのですが、船員保険法によるところの失業保険、これは御承知のようにマグロ漁業は周年漁業として許可を受けてやっておるわけでありまして、これに乗り組む漁船船員も周年労働というか、遠いところは周年どころか二年も三年も帰ってこない者もあるわけでありますから、そういう者に対して失業保険の付保というかそういうものが十分でないために、失業者が出ても失業保険がもらえないということでありますが、その態度というか方針を改める必要があると思うのだが、その用意があるかどうか。  以上が私の質問の要点であります。それぞれお答えいただきたい。

薗村泰彦運輸省海運局長

○薗村政府委員 多少順番が前後するかもしれませんけれども、お答えを申し上げます。  先生御指摘のとおり近海船については問題が非常に大きくて、しかも差し迫った問題になっているということを私どもは十分承知をしております。  近海船の問題につきましては、近海船の一般貨物船の大宗貨物というのは木材でございまして、現在の船腹の過剰問題も主としてその木材の輸入の活況時期に建造された船が現在の不況時期に輸送需要を失っているというところから発生していると思われるのでございます。大体近海船全体の荷物のうちで二四、五%が木材であるということでございますが、木材が景気の影響を最も受けやすい商品で、その市況性が強くて現在の体制では安定した計画的輸入は困難であるというところが、一番近海船の問題の根っこになって大きな問題であると思います。したがって、近海の貨物船につきましては、計画造船で取り上げておりますような石油だとか鉄鋼というものはそれ自体の計画が確立されておって、荷主と船側との間での長期契約を基礎とした安定輸送体制というものを計画的に整備することが可能であるから、実は計画造船で取り上げていくことが可能であるということになっているのは御承知のとおりでございます。  ところが、さらに近海海運は言うまでもなく内航と違いまして国際海運でございまして、日本船が輸送を担当しているというだけではなくて、日本船だけで需給調整がなかなか困難であるということでございますし、またその荷主に対してその一定量を日本船に積み込むことを義務づけるといいような政策はOECDの自由化コードの違反となって、なかなかわが国としては実施ができないという点がございます。  それからもう一つは、近海海運の就航船舶というものは、取引の実態、それから相手方の港湾事情等から見て、中小型の一般貨物船に限定されるために、人件費の高騰によって国際競争力がだんだんなくなっていくという状態を、資本集約的な船ならば大型化、近代化ということで吸収できますけれども、それがなかなか困難な船であるということでございます。  そこで、過去幾たびか近海船の好況、不況が訪れてまいりまして、景気が波動的でありましたが、われわれとしては過去において、四十六年十月ごろから四十七年十月ごろまでに不況が来ましたときには、業界の自主係船対策に対して政府の金融機関を通じて運転資金の融資を行ったりしたこともありました。     〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 また、船舶整備公団の共有の近海船について、一部使用料の納入を猶予するということも行いました。また、四十八年度では予算を二十億ばかり計上いたしまして船舶整備公団による解撤融資ということを実行するように予算に組みましたが、その間また景気の模様が変わりまして、好況時に入ったために、その解撤予算は実行額が約半分の十億足らずで終わったという状態もございました。ごく最近の不況のときには、四十七年の六月から四十九年の三月まで邦船の建造をストップし、輸出船については日本に寄港しないという念書を取って、その船に限って建造を許可するということをいたしました。  それから先生先ほど御指摘のございましたように、念書船についてはわれわれは念書をとるだけでなくてその事後の監督を十分にしたいと思いまして、再び今回の不況に入りました去年の十二月にその船を使うところの輸入業者、それからその船を建造するときにその仲介に入ったであろうと思われるような輸出業者、そういった人に海運局長名で、これは去年の十二月九日でございますが、念書船の日本の配船について警告書を出しました。そこで私どもは先生御指摘のように念書をとって建造許可を行った船であるが、その後これらの船がわが国に配船されている事例がどうもあるようだ、そこで、そういう行為は建造許可に際しての約束に違反するものであるということで、これらの船舶について日本に配船されることのないように、相手の船主にもう一度強く指示を与えてくれ、それからなお……

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 局長、大変恐縮ですが、あと十分しか時間がないものですから、経過の説明はよくわかっておりますので、先ほど私から尋ねている、いまお話をしております念書船を完全に排除するために私から幾つかのお話をしましたが、そういうことはどうだろうかということ、それに対してだけお答えをいただきたいと思います。

薗村泰彦運輸省海運局長

○薗村政府委員 念書船の取り締まりにつきましては、したがって先生先ほどの御指摘のように実は現行の法規では罰則はございません。しかし、もう一度、こういう船の本邦への就航が続く場合には、輸出業者に対して今後建造許可、譲渡許可等の申請の審査に当たっては特にわれわれとして慎重に調査をする必要がありますということを書いて、暗に今後そういった輸出業者からこの種の申請が出てまいりましても簡単に許可はしないよということを出してございます。それが念書船でございます。  それから裸用船につきましては、これは二年以上のものは私どもの許可制度にかかっておりますので、十分チェックできると思います。ただ二年以下のものは現在は許可制度になっておらないということでございます。  それから輸入貨物輸送協議会をめぐっていろいろ適正船腹量の指導をしたり使用を義務づけたりということのお話がございましたが、これは私どもも十分これからもやっていきたいと思います。できるだけそういった船腹の調整に役立つようなことが許される範囲においては私どもも指導していきたいと思いますし、また相談にも乗っていって実効のあるものにしていきたいと思います。  それから総撤退のお話が出ました。実は私どもも三月に総撤退を前提とした船主協議会の近海海運問題対策委員会から出た冊子を拝見しまして、事態をどういうふうに理解したらいいかということを私どもも実はいろいろその後考えておるところでございます。労使の間でお話し合いがついているようでございますから、具体的に撤退を前提とするのだったらどういう方法なのかあるいはまた両方でお寄りになって御相談になって合理化の方法というものは全くないものであるかどうかというような点を、両者のお話し合いの経緯を今後よく見守りながら私どもも考えさせていただきたいと思います。  それから経営困難な企業が出てきた場合にどうするかというお話でいろいろ先生から御指摘がございました。私どもも現在いかに困窮しているかというその困窮度、緊急度について調査をして各方面に働きかける必要がございますので、先般日本近海船主協議会に対しまして具体的な資料を提出するように求めております。まだこれは出てきておりませんが、その資料を見まして、実情を勘案して必要な措置をとるように関係方面に働きかけようと思っております。先生御指摘のように金融機関の返済猶予、公団の使用料の徴収延期、その他運転資金の調達等について可能な限りわれわれは努力をしていきたいと思っております。  以上で、抜けました点がございましたら、また御指摘いただけましたらお答えを申し上げます。

山上孝史運輸省船員局長

○山上政府委員 近海船の問題とカツオ・マグロ船の問題と船員の雇用問題につきましては共通の事柄であるかと思いますので、まとめてお答えを申し上げます。  両方の問題につきましては、まず労使間で話し合いをするということが当然先決でありますけれども、その結果、万一失業とかあるいは事業縮小という事態が生じた場合には、私ども運輸省といたしましては、まず縮小される職場の範囲あるいは船員への影響の度合いあるいは当該船員の転職希望等、その実態の把握にまず努める。それで運輸省として所管しておりますあらゆる手法、たとえば船員職業安定機能の活用、これは全国に先生御承知のとおり五十五ヵ所ございます。それでほかの船員の職場へのあっせんを申し上げる、あるいは職業補導の強化、たとえば海技大学校あるいはほかの補導機関、これを個々具体的に当該の船員に指定をして、そこで再教育を受けていただく等の措置の強化をいたしまして、そのような船員の保護を図ってまいりたいと思います。  しかしながら先生先ほど御指摘のように、船員の雇用問題につきましては何分船員保険につきましては先生も御承知のように社会保険庁、それから漁業そのものにつきましては水産庁、あるいは陸上産業へたとえば職をかえるというような場合には労働省というように、いろいろ関係のところが多くあるわけであります。多くあるからといってその関係で適切な手が打てないということがあってはいけませんので、私どもといたしましては、つとにいまの関係省庁、すなわち社会保険庁、水産庁、労働省それから船員局という間で担当の課長同士の連絡会議をつくりまして、随時頻繁に連絡体制を利用し、強化してまいっております。  なおこの中で御指摘のように雇用保険法の船員への適用の問題があります。これにつきましては後ほど社会保険庁の方からお答え願うのが適切かと思いますが、この問題につきましては雇用保険法のいわゆる雇用三事業、これにつきましては船員に直接適用はありません。この法の適用はないけれども、現行の船員保険法の福祉事業としてこの三事業が十分にできるという確認をいたしております。  さらに事務的に申し上げますと、四十九年の二月二十一日付で運輸事務次官と社会保険庁長官との間に覚書を交換をいたしまして、雇用保険法と同様のあらゆる措置を、必要に応じて船員保険法の福祉施設の運用により積極的に実施するということが確認されております。今後必要があれば、この線に従って措置をするということになるかと思います。  以上お答え申し上げました。

佐伯徹社会保険庁医療保険部船員保険課長

○佐伯説明員 先生御指摘の雇用保険法の関係につきましては、雇用保険法の制定に伴いまして、船員保険におきましても、たとえば所定給付日数の改善でございますとか、低所得階層に対する給付率の引き上げでございますとか、全国延長給付、個別延長給付等の制度の導入でございますとか、こういったような失業保険本来の措置につきましては、陸上と同時にこの四月一日から実施する運びになっております。  それからもう一つ、いま運輸省船員局長からお話がございました、いわゆる雇用三事業につきましては、関係省庁とも十分連絡をとりながら船員保険の福祉施設事業の一環といたしまして、船員保険として適切かつ必要な事業につきましては順次実施してまいるということで、ただいま鋭意検討中でございます。  それからカツオ・マグロ漁船の乗組員に対する失業保険の適用の問題でございますけれども、先生御指摘のとおり、現行法ではカツオ・マグロ漁船の乗組員につきましては全面適用とはなっておりません。しかしながら、法律上通年雇用の状態にあるものにつきましては適用すべきことになっておりますので、遠洋カツオ・マグロ漁船等の乗組員で通年雇用の実態にあると認められる方々につきましては、従来とも失業保険の適用を行っているところでございます。さらにその実態の把握に努めて、現行法の範囲内におきましても極力その失業時の補償に遺憾のないように努めてまいりたいと存じております。  また、最近における漁船乗組員の就業あるいはこの雇用の実態の変化等にかんがみまして、こういった失業保険がまだ適用されていない漁船員の方々の取り扱いにつき再検討いたしますために、昭和五十年度予算においては、失業保険未適用者実態調査費が計上されておりますので、近くその就労状況等の実態を把握するために調査を行いまして、その結果を踏まえまして、社会保険審議会の意見等も徴しながら適切な方途を講ずるように努めてまいりたいと存じております。

兵藤節郎水産庁漁政部長

○兵藤説明員 マグロ業界が大変な不況の時期に陥っているという実態はいま先生からお話しのとおりでございまして、この原因につきましては、四十八年末のオイル・ショック以来、重油の高騰あるいは漁網綱の高騰あるいは人件費等の上昇、こういったようなものが相乗化されて出ておる。さらに加えまして、マグロの消費が減っている、こういうことからしまして、浜相場が、この経費、コストのアップにもかかわらず上がっていないということ、さらに加えまして、外国からのマグロの輸入が年々増加している、こういったようなものが相重なってマグロ業界というものが大変な不況の中に入っておるわけでございます。  数字で申しますと、大体マグロ類について三十七万トン程度の国内消費があるわけでございますが、そのうち六万トン程度が外国からの輸入、それからさらにその三分の二の四万トン近く、三万九千幾らというのが韓国からの輸入である、こういうことからしまして、私ども政府といたしましても、この輸入数量の規制あるいは水揚げ港の指定等につきまして、いろいろと現行法令のもとで対処することを検討してまいったわけでございます。御承知のようにマグロは自由化物資でございまして、関税は五%かかっておるわけでございますが、向こうから積み荷証明をもって正当な輸出手続をとってくる限りは、漁船であろうと、運搬船であろうとあるいは一般貨物船であろうと、どの港で揚げてもよろしい、これは貿易活動である、こういうふうな考え方でやってきているわけでございまして、これらにつきまして急に法令を改正してどうこうと言いますと、特に韓国側を極度に刺激する、こういったような問題も出てくるわけでございまして、私どもといたしましては、まず政府間交渉、また業界自身の自主的な交渉によりましてこの問題の解決を図っていきたい、こういうことでこれまで鋭意努力しているわけでございます。去年十二月の末に日本の水産庁の長官と向こうの水産庁の長官とが会談いたしましてこの問題の解決方について相談いたしました。その結果としまして、この一月に日本の日本鰹鮪漁業協同組合と韓国の韓国遠洋漁業協同組合との間で話し合いが持たれたわけであります。ところが日本側の数字は、たとえば輸入数量について言いますと、三年前の二万トン程度に減らせと、こう言い、韓国側は三万八千トン程度、こういったようなことでかなりの開きがあって、業界による自主的な交渉は不成立に終わった、こういうわけでございます。  この三月二十五日、実は私が韓国に参りまして、政府間交渉を試みたわけでございます。そのときの私の方からの主張は三つあります。第一は、韓国からのマグロの対日輸出数量の自主規制でございます。それから第二は、韓国漁船の水揚げは漁港あるいは漁港区についてはやめる、こういうことが第二点。第三点としましては、今後漁船によらず一般運搬船によってマグロ類を日本に持ってくる、こういうことであったわけでございます。これに対しまして、韓国水産庁は、第二、第三については何とか考慮していこうということでございます。つまり、この韓国の漁船による日本への直接水揚げはこの四月一日から自粛し、五月一日からは完全に実施しようということになっておるわけでございまして、五月一日以降は韓国漁船が日本の漁港及び漁港区にマグロを水揚げするということはない、こういうふうになるわけでございます。それから運搬船によるところの水揚げでございますが、現在韓国にはこういった高能率の冷蔵運搬船がない、こういう実態でございますので、これは韓国水産庁としましては、業界をできるだけ将来におきまして運搬船によって水揚げをするように勧告をしていく、こういったような覚書を取り交わすということになっているわけでございます。  肝心の第一点の輸出数量の自主規制でございます。これは韓国側としましては、韓国の経済三大政策、これは、一九八〇年代に、第一は国民所得を一人当たり一千ドルに持っていく、第二は現在輸出額が五十億ドルでございますが、これをその倍の百億ドルに持っていきたい、それから第三点は、重化学工業化を図っていきたい。かつての日本のような政策をとっておるわけでございますが、この輸出額を倍増するという計画を持っていることであって、韓国水産庁自身では判断できない。これは通商部あるいは外交部、それから向こうの経済企画院にも、日本の大蔵省と経済企画庁と一緒にしたような非常に強力な官庁があるわけであります、さらには大統領府との協議が必要であるということからしまして、この輸出数量の自主規制については向こう側はすぐに話に応ずることはできないということで、この点につきましては今後とも両国政府、両国水産庁が緊密な協議を遂げ、五月中には何とか結論を得るように最善の努力をいたそう。なお、この間関係業界をも指導しまして、自主的な解決方について努力するよう指導する、こういったような覚書を交わして帰ってきているという状況でございまして、現在日本と韓国との間にはこの輸出数量をめぐっての話が進行している、こういうような状況でございます。  それから、先生からお話ございましたマグロ船のいわば中古船の輸出でございます。これは確かに日本が、日本のマグロ漁業界が中古船を韓国に輸出しまして、韓国はそれをもって日本と同じような方式をもってマグロ漁業をやってきたということが実態でございます。そういうことにもかんがみまして、五十年からはマグロ船の中古船の輸出もこれは非常に押さえてやっていくということで運輸省との間にも話がついて、現在実行している、こういうような段階でございます。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 もはや時間はとうに過ぎましたので、幾つかのお答えの中で、さらにお尋ねしなければならぬことがありますが、時間でありますので、念のため項目だけ申し上げておきます。  まず第一には、監理課長でありますが、裸用船の規制強化。二年以上のものは云々ということですが、二年以下のものが問題になっているのですから、その点はおわかりだと思います。これは強化をする方向でやってもらいたい。  それから近海からの撤退は、労使間の問題としてはいま詰めているようだからそれを見守っていくというのじゃなくて、日本の国策というか政策としてどうなのか。これは政策問題だと思うのですね。そういう意味で、やってもらいたい。  それから保険の問題でありますが、お話がありました三事業についてですけれども、検討中というお話ですが、検討も結構でありますから早いうちに結論を出して、それぞれ見合ったものを対策を立ててほしい、こういうふうに思います。  それからもう一つは、いま漁政部長からのお話でありますが、自主規制の問題はむずかしい問題だと思うのだけれども、五月中ということじゃなくて、連休明けくらいには結論を得るように、もう一遍韓国へいらっしゃって詰めてもらえないか、こういうふうに私は思います。大変心理的なものもありまして、何か五月中というとのんびりじゃありませんけれども、なかなかむずかしいのじゃないか、こういうふうに心配しておりますので、以上申し上げておきます。  大体そういうところであります。時間過ぎまして失礼いたしました。     ―――――――――――――

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 この際、海上保安庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。寺井海上保安庁長官。

寺井久美海上保安庁長官

○寺井政府委員 去る二月十四日の当運輸委員会におきまして、質疑のございました三菱石油株式会社水島製油所の水門に関しまして、事実関係を調査いたしましたので、次のとおり御報告申し上げます。  三菱石油水島製油所第二ガードベースソの水門は、昭和四十年同所敷地内の低地内のかさ上げ工事を施工するに際し、工事請負業者がしゅんせつ土砂の海域への流出の防止のため排水用の水門として設置したもので、同年十月工事完了時、同製油所がこれをそのまま受領したものでございます。  同製油所は、その後水門としてこれを使用する意図がなかったので、整備を行わず放置しておりました。このため、昭和四十九年十二月十八日現在では、開閉ネジ部は腐食して作動せず、とびら部の板は全部腐って相当脱落して使用できない状態でございました。  以上が、その後調査をいたしまして判明いたしました事実でございます。御報告させていただきます。

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 山本海上保安庁警備救難部長。

山本了三海上保安庁警備救難部長

○山本説明員 二月十四日の当委員会におきます梅田先生の御発言に対します私の答弁の中に、三菱石油水島製油所の排水溝にあります水門は、県の港湾事務所の管轄にかかるものであると聞いております、こういうふうに申し上げましたけれども、その後詳細に調査いたしましたところ、ただいま長官から御報告申し上げましたとおりに、この水門は三菱石油の水門であるということが判明いたしましたので、発言の当事者であります私から、ここに謹んで訂正いたします。

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 質疑を続行いたします。梅田勝君。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 二月十四日の当委員会における三菱石油水島製油所における重油流出事件に関しまして、私が質問をいたしたのでありますが、そのとき寺井海上保安庁長官は、陸上のタンクから大量の油が出るということを正直に申し上げて余り十分想定をしていなかった、このように言われたのであります。     〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 しかし、事故は起こりまして、余りにも大きな被害を、関係漁民を初め地域の住民に与えたのであります。まさに、十分想定できなかったと言って済まされるわけにはいかないものであります。この問題は、本国会におきましても予算委員会を初め多くの委員会におきましても多面的に取り上げられまして、そしてたとえば石油タンクの保安基準の改定やあるいは第二防油堤の義務づけなどを政府として見直していく、検討していく、こういうことが答弁されるようになっております。このことは一歩前進だと思います。しかし、問題はまだまだあるわけであります。  ところが、私はさきの委員会の際にも強調いたしましたが、海洋汚染防止を重要な任務の一つにしている海上保安庁として、あのような大量の重油流出事故が起こった場合の応急措置、これはどのようにすれば最善であったと、いまから振り返って反省して、どのように考えておられるか。油の流出の防除という観点から、明確にお答えを願いたいと思う。本日は時間がございませんので、簡潔にお願い申し上げたいと思います。

寺井久美海上保安庁長官

○寺井政府委員 油の防除という点につきまして、まず第一に、陸上施設から海上に油が流出しないようにあらゆる措置をとる必要があるということが第一点であろうかと思います。この点につきましては、先生御指摘のように、政府といたしましてもコンビナート防災法等を目下検討中でございまして、これによって新たな規制が行われていくであろうと思います。  それから第二といたしまして、海上に流出いたしました油をどう処理するかという点でございます。この点につきましても、過去の、今回の水島の事故の経験にかんがみまして、まず第一義的にはオイルフェンス等で油の拡散を防ぐということでございますが、潮流、海象、いろいろな状態によりまして、オイルフェンスが十分効力を発揮し得ない場合がございます。したがいまして、これが拡散いたしていきます過程におきまして、これに見合う油除去剤等を効果的に使用するということも必要であろうかと思います。また油回収船が、残念ながらあの時点で非常に手薄でございました。油回収船を相当数整備していく必要がある。この三点を考えております。また防除体制といたしまして、やはり海上に広がりますと非常に範囲が広がりますので、広範囲な地域で有機的な防除作業ができるような組織の強化ということも考えなければならないというふうに反省いたしております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 海上保安庁は、ああいう場合の排出された油に対して防除をやる。そして設置者に対して必要な措置を命ずるということが法が定めているところであります。運輸省令、海洋汚染防止法施行規則によりますと、第三十一条に「(排出油の防除のための措置)」というのがございますが、「当該排出油の防除のため有効かつ適切な措置であってそれらの者が現場において講ずることができるものとする。」こう書きまして、五つの点を列記しております。第二番目には「損壊箇所の修理その他の引き続く油の排出の防止のための措置」そのほか油の移しかえですね。あるいは「排出された油の回収」その他が書かれてあります。ここで重要なことは、「それらの者が現場において講ずることができるもの」というように条件を付しているんですね。幾ら気張っても回収船がなければだめでありますし、それから先ほども問題になりまして三石のものであったということで訂正がございましたけれども、あの水門がきちっと生きたものであればこれは防止ができたわけです。ですから、ふだんにおきましてそういうものがちゃんと整備されておるということが必要でございます。私がいろいろ現地に入りまして調査いたしましても、あの排水溝の水門が修理されておったならば、これはかなりといいますか、ほとんど防止できたというように思うわけであります。問題の排水溝の水門の存在は、水島海上保安部は事前からよく知っておりました。長官は御存じなかったかもしれませんが、現地の係員は日ごろからよく知っておりました。会社側も、事故が発生をいたしましたときに当日の当直でありました青木正昭という人が責任者でありますが、当夜は七人が当直をしておりまして、この者が直ちに部下の職員に水門の閉鎖を命じております。これを実際にだれがやったか御存じですか。実際にやったのは下請の中谷石油の労働者がやっているのであります。当直の職員が指揮して下請にやらせる。こういうことが事実としてわかったわけでありますが、要するに、このこと自体が会社側が油の大部分が排水溝より流出したということを、また流出するということを一番よく知っていたということの明確な証拠であります。なぜ海上保安庁が事故発生に際して直ちにあらゆる手段でこの水門の閉鎖を命じなかったのか。土のうを積み上げてまずそこを阻止するということが重要であったにもかかわらず、そういうことをやってない。また日ごろそこが故障しているということを知っておったのでありますから、万一のことを想定するならばその修理を当然勧告すべきだった、かように思いますが、その点について長官の見解を伺いたいと思います。

寺井久美海上保安庁長官

○寺井政府委員 まず、なぜ事故発生の時点で水門の閉鎖を命じなかったかという点でございますが、私どもが報告を受けております限りにおきまして、最初の報告が桟橋から出ておるという報告を受けております。そして直ちに出動いたしまして、オイルフェンスの展張等の指揮をとったということでございまして、当事者が水門を閉鎖する、あるいは閉鎖できるというふうに考えておったかどうか、その点は明確でございませんが、海上保安庁の出先が水門を閉めろという指示はいたしておりませんことは事実でございます。  それから、それでは水門があって作動しない状態であったとしても、それを閉めれるようにすることをなぜ指示しなかったかという点でございますが、この点につきましては先委員会で私もお答え申し上げましたように、正直に申し上げて陸上のタンクが破損をしてああいう流出油が起こるということは当事者が考え及ばなかったということでございまして、この点はまことに申しわけない点であったかと思います。確かに今回の事故が、われわれにいろいろな点で反省をさせられるという重大な教訓を与えておるという点も事実でございます。  以上のような事情でございまして、水門の修理その他を命じなかったのはそういう事情でございます。  ただ、水門を閉めれば果たして油が流れ出なかったかどうかにつきましては、冷却水との関連もございまして、一概に結論が出るというふうには考えられませんが、相当の効果があったであろうというふうに考えております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 片桐海上保安官というのが、十二月の二十一日に当直をしておりました原紀之という第二セパレーター送油課の係員を呼んで調書をとっておりますが、それによりますとこう言っておりますね。「九号桟橋の方に行きました。」油はもうすでに大量に流れている。「この桟橋に来たときには、G号道路及びI号道路より流出した油が流れてきて、桟橋より海の方に少量でしたがこぼれておりました。」「少量でしたがこぼれておりました。」という程度であります。事実写真がありますが、ごらんになりましたように、私この間言いましたように、タンクが破れた地域の油はこんな高い量で流れております。それが海岸に行けば行くほど、ずっと低くなっております。そうして海岸線の近くは、もうほとんど油はありません。そして実際に岸壁のところを見ますと、これを乗り越えて油が落ち込んだという形跡はほとんどない。原さんのおっしゃっている、少量であったがこぼれておった程度なんです。まさに油は大量にこの排水溝より流れている、ここはもう真っ黒であります。だからここがもし閉鎖されておったならば、相当の大きな効果があったということは明白でございます。  そこで問題は、二月の十八日に岡山県におきまして、議会で油の流出事故の対策協議会が行われております。そこで三菱石油株式会社が「今後の防災体制について」ということで、会社側の今後の改善点を報告しております。一つは「タンク点検・整備措置」、二番目に「構外への油流出防止措置」、四番目には「通報体制の強化」、五番目に「保安組織の強化」、六番目に「海上流出油対策の改善」、七番目に「製油装置の安全点検整備」、八番目に「教育訓練の強化」、この八項目による防災体制の改善策というものを報告しておりますが、その中で第二番目の構外への油流出防止措置の内容でありますが、一つば敷地周囲に防油堤を新設する、二番目に排水放流口ヘの閉止門の設置、こういった問題を改善策として出しております。そのほかタンクのレベルの異常警報装置及び漏洩警報装置の検討、こういった問題も掲げております。先日私が見に行きましたときには新しい堤防というものは敷地の周囲にできておりました。会社側の説明によりますと、仮にあのような事故が起こった場合には、冷却水が毎時二千トン出ておりますが、一これが事故発生後十時間停止しなかったとしても約十万キロリットルの容量を保持することができるというように会社側は言っております。だから、先日のは四万三千キロリットルですか、でありますから、あれの二つ分が起こったとしても防止ができるというように言っておりますが、保安庁としてはそれでもう大丈夫というように見られるか、そのようにしてもなお油が外へ漏れる可能性があると判断されておりますか、お伺いしたいと思います。

寺井久美海上保安庁長官

○寺井政府委員 ただいま先生御指摘のように、三菱石油水島製油所では防油堤を新たに約六千四百キロメートル設置いたしまして、タンクのある部分と製油施設のある部分と、大きく分けまして二つの区画に全部張りめぐらしておる、そしておのおの十万立法メートルの容量があるというふうに報告を受けております。現在のところ、この二重防油堤の設置によりまして、先般のような事故が発生いたしましても油は一応陸上にとどまるであろうというふうに考えております。この防油堤のほかに、排水口に閉止用の門を設置いたしておりますし、また雨水の排水溝を通って海上に出ないように、雨水の排水溝も閉鎖用バルブが取りつけられておるという報告を受けておりますので、一応陸上でとまるであろうということでございます。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 先日製油所へ行きまして雨水溝の系統図をいただきました。この系統図によりますと、雨水は全部ここをたどって四本の排水溝へ行くようになっております。それから冷却水と北の方の部分の雨水とを合わせまして第二ガードベースンのところへ流れてくる。これはこの先に新しい水門を設置する、かようになっておりますが、保安庁として、こっち側の雨水が四つの排水溝をたどって流れる場合の閉鎖措置をどこへとったか知っておりますか。

寺井久美海上保安庁長官

○寺井政府委員 まず第二ガードベースンに雨水と冷却水が入ってまいります。この閉鎖措置はガードベースンと排水用のピットと申しますかその間で新しい水門を設けましてここでとまるというふうになっております。それから反対側から、やはり排水溝がありまして、雨水が参りますが、これも排水ピットの手前でバルブをつけてそこでとまるというふうに聞いております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 先日私が現地を視察いたしましたところ、問題の今度締まらなかった水門の手前にこういうちょっとした、従来は油が流れないようにちょっと高くしてあったところがあるのですね。そこの溝の入り口を土のうを積んで締めているのですよ。閉鎖しているのはそこだけしかない。私が聞きましたところ、これは雨がたくさん降ったときにはどうなるのかと聞きますと、従来は、どっと流れたところは土のうを積んであるのでございますが、それをオレバーフローするような状態になった場合には水門のところへ流れていくのかと聞きますと、流れると言うのですね。なぜならば、排水系統ずっとあるでしょう。これを全部閉鎖したわけじゃないんだから、ここの部分ばここへ通して流れる、全部この系統をこっちへ流れるようにいたしましたと言うておるんだが、あすこは海岸へ向かって低いんだよ。ここを完全に締めてしまったのならばそれはそういうことがあるかもしれぬけれども、雨水溝というのはここに全部穴があるでしょう。雨が降ったやつはここへ全部流れるんだよ。だからここのタンクが破れたときには全部この排水溝をたどって流れてしまった。だから私の判断では、ここをとめるんではなくてやはり壊れた水門ですね。写真に撮ってきましたけれども、御承知のようにこうやって腐って穴があいている。この水門を完全にしなければ、大量の油が流れたときには相当の量が流れるというふうにぼくは判断いたします。その点で水門というのは二重にあったっていいんだから、この水門を修理するのに金がかかる金がかかると会社側は言うておりますが、新しくつくり直すのに一体何ぼ金がかかるのですか。計算したことありますか。

寺井久美海上保安庁長官

○寺井政府委員 水門を新設した場合にどのくらいの経費がかかるか私どもでは計算したことはございません。ただ、水門をつくるのには相当時間がかかるというのが一つございます。そこで、こういう排水施設の系統の先で応急のバルブをつけて水が流れないようにしておりますので、一応これはここでとまるということでございます。それから第二ガードベースンのところからあふれた場合、あふれるという程度にもよりますが、これが相当量あふれた場合に、私ども現在見ておりますのは排水ビットの周りのコンクリートの高さです。これと先生のおっしゃる水門といいますか、構内と海面との間の、今度新しくつくりました、一番高いところで地面から七十センチぐらい、低いところで三十センチ、海面から五メートル五十ないし四メートル三十ぐらい、これの全体の中でむしろ構内に逆流をしていくというふうに聞いております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 実際行っても、ここへまた新しくコンクリートのブロックをつくったわけです。排水溝は中から来るんだからね。それで最前言ったように、排水溝は完全に閉鎖はされないんだよ。だから、あなた言われるけれども、実際見に行ってみなさいよ。大量に出た場合にはこっち側にも流れてきますよ。だから、そんなに金がかかるわけじゃないんだから、海上保安庁としては海を汚されたらかなわぬわけでしょう。あなた方の任務は汚させないことと防止するということが任務でしょう。そうじゃないですか。だから最前言っているように、日ごろからこうやって穴があいておるのを知っておってやらなかったんだから、引き続きこれは二重、三重にやってもいいんだから、少なくともそういう危険性がある場合にはここを直したらどうだということを勧告なさったらどうですか。大臣、いかがですか。長官では足りないから大臣、答弁してください。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 お話だけ聞いておりますと、もしその水門をもう置く必要がなければ、固めてしまえばそれでいいのじゃないかと私は思いますが、その点は私も周囲の事情がわかりませんですから……

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 そこから冷却水がずっと流れているのだから……。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 それならそこにきちんと水門の装置をつくるべきだと思いますが、これは……

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 水門はここにあるのですからね。四つの排水溝です。新しいのをここへつくるのです一から、ここに古いのがあるのですから、ここからこう流れるのですからね。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 そうですか。それじゃきちんとした水門に直すべきだと思いますが、これは消防庁が本来所管になりますので、消防庁とよく相談をいたします。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 ちょっと先ほどのあれで海上保安庁の方が訂正発言をなさったので、五分ほどいただきたいと思うのですが、委員長よろしいですね。  大臣がそのように御答弁なされましたので、消防庁とも協議していただいて、海上保安庁としてはやはり万全の策をとる必要があるということで、三菱石油にも協議をしていただいて、ここはやはり二重に完璧にすべきだということを要望しておきたいと思います。  最後に一つだけ宮崎空港の問題を御質問したいと思うのです。  三月二十六日、宮崎県議会は、知事選挙のさなかにもかかわらず、異例の臨時会を開き、一日に二度も機動隊を導入して、本会議場を包囲し、傍聴席からは地元住民らを強制退去させて、そして宮崎空港拡張促進の請願を強行採択いたしました。請願の採択ですね。請願というのは、反対の請願が八十二件、それから促進の方が十九件、二つ出ておったのです。ところが、促進の方だけを強行採決、事もあろうに請願のような採決に機動隊を入れてやるというのは全く前代未聞でございます。地元の新聞の宮崎日日新聞も空前絶後の不祥事とかように報道いたしております。全く異常でございます。そこまでしなければならぬ理由が果たしてあるのか、簡潔に答弁をお願いしたいと思います。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 宮崎県議会の請願の処理については、私ども後からその報告を聞いておるわけでございまして、県議会における処理についてわれわれがああだこうだという批判は避けたいと思います。いずれにいたしましても、宮崎空港の拡張問題については、従来からわれわれはこれを慎重に扱っているわけでございまして、二千五百メートルに拡張するという計画はあるわけでございまして、それにはいろいろな手順があるわけでございますから、手順を踏んで、地元の理解を十分に得てこれをやっていきたいというふうに思っておる方針については何ら変更ございません。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 新谷運輸大臣が四十八年の八月に、これは地元の合意なしには着工しないということを約束をされておりますが、大臣がかわられたわけでございますけれども、県議会ではこんなむちゃくちゃをやっておるのだけれども、国として、前の新谷運輸大臣が約束された方向を大臣は引き続いて守っていかれるかどうか、お伺いしたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 新谷前運輸大臣が申し上げましたのも、いま航空局長が手順を踏んでと申し上げたのも、同じ意味でございます。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 とにかく漁民は非常に反対をいたしております。漁業補償交渉につきましても、昭和四十二年の一月に関係漁協とやられたそうでありますが、地元の要求は一億六千万円の要求ですね。ところが、運輸省の提示額は六百四十万円で、非常にかけ離れていて問題にならぬというので、先日三十人ほどの方から陳情も受けたのですけれども、これはもう全然問題にならぬし、現地を視察いたしましても、ずっと砂浜のところから大体千二百メートルのところに防波堤をつくるというのでしょう。そうしたらシラス、チリメンジャコですね、これはもう全然漁業できないということで、大変な反対でございます。  さらに、陳情書が二月二十二日付で大臣あてに出ていると思いますけれども、宮崎空港対策協議会長、津和田区長、それから赤江区長から木村運輸大臣に対して出ておりますが、健康被害も非常に重大な問題になっております。鼻血が出まして大変だ。前年騒音防止のときにでも、大阪の勝部地区の鼻血の問題を出しましたが、ここでも起こっておりまして、たとえばいろいろアンケートをとってみますと、津和田は二百七十一人の人のアンケートによりますと、せきが出やすいが五十五人二〇・三%、鼻血が出るという人は二十五人九・二%、いらいらが百十九人四四・三%、赤江地区におきましては二百六十五人の対象で、せきが出やすいが五十三人二〇%、鼻血が出るが十五人五・七%、いらいらが百三十九人五二・四%ということで、たとえば中村道子さんという人は六年前に移転してきた、それまでは鼻血なんか出なかったのに出るようになったということで、自動車の排出ガスもあるだろうと思いますが、しかし飛行場がそこの交通停滞の一つの要因にもなっておるし、やはり航空機の吐き出すガスの問題等あるいは騒音等でいらいらが起こるということで、体に故障ができて、全体として弱ってくるという、因果関係を問題にすれば非常にたくさんのあれがあるわけですね。ですから、大阪でも健康調査というものは国の責任でやっておりますね。これはやはりやらなければいかぬと思いますが、その点いかがでしょうか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 先生御指摘のいわゆる航空機の排出ガスと健康被害との関係でございますけれども、これは伊丹空港でございますとかそれから東京、福岡等につきましても、――いろいろ大阪府等の調査もございますけれども、航空機から排出されるガスが直接健康に影響がある、そういうふうな調査結果というのはいまだ実は出ていないわけでございます。この関係については実は環境庁がいろいろ調査をしておられるということで、私どもとしては、そういうふうな調査結果というものが出た上でこれに対する対策というものを、これは政府全体の問題だと思いますけれども、考えていくのが至当ではないかというふうに考えております。

梅田勝日本共産党・革新共同

○梅田委員 仮にもそこの地域住民がそういう被害を起こしておるというのですから、やはり直ちに健康調査もやる、健康診断もやってみるというのが誠意のあらわれじゃないですか。それさえやらないから、それは空港の拡張けしからぬということになってくる。その点で大臣、地元に対してもう少し漁業補償の問題も含めて誠意ある話し合いをやるということについて御所見を伺って、私の質問を終わります。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 こういう問題は双方が誠意をもって接しないと解決できない問題でございますので、その点ばよく承知をしてやります。

増岡博之自由民主党

○増岡委員長代理 松本忠助君。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 去る三月十八日の航空法の一部を改正する法律案の審議をいたしました折に時間が非常にオーバーいたしましたために、質疑の若干が残りました。この点について私きょうは詰めておきたいと思いましてお願いします。  今回の航空法の改正の主眼点の一つに、航空機騒音の規制がございます。これにつきましてお尋ねをするわけでございますが、大阪国際空港周辺整備機構、これができましてから、空港周辺の騒音の問題処理を一生懸命にやっている、この実情を私ども調査をいたしてみました。現在百十一名の役職員が一丸となってやっているわけでございます。非常に困難な事業に取り組んでいる。その状態を私ども調査をいたしました結果、私どももその努力の労を多とするものでございます。一応の評価はしなければならぬと思います。  しかしながら、一方におきまして、どうも行政の無策によって、こうしたいわゆる第三セクターのやっている仕事とうらはらな問題が幾つも幾つも出てきた。言うならばこの機構を半減するような現象が実際問題として現地に起こっているわけでございます。この点は十分当局としても御存じのことと思うわけでありますけれども、一応この点についてただしておきたいわけです。  その一つは、いわゆる移転補償について、これは従来航空局がやっていたときに比べまして、着実に実績を上げているように見受けられるわけであります。ところが、建物の移転補償、宅地の買い取りが行われている一方において、不動産業者、宅地業者によって住宅が建設されるといった状態があるわけです。これは豊中市の利倉東二丁目というところの第一種区域のちょうど滑走路の延長上、進入コースの真下に十年前に建設された住宅地が整備機構の努力によって大部分が移転して実績を示したわけでございますけれども、その隣接地に、どぶ川を隔てましてある一角、これに最近新しい分譲住宅が建設されているのです。どぶ川の一つでそういうちぐはぐな行政が行われている。この状態を私どもが見てまいりまして、一方において移転補償、事業を進める、他方ではどんどん空き地が住宅に変わっていく、こういった問題についてどのようにお考えになるか。  この写真は現実に私どもが調査の結果とってまいりました写真でございますが、手前の方は全く一空白地になったけれども、どぶ川一つ向こうに建て売り住宅が非常に建っているわけです。これは大臣ひとつ見ておいてください。こののこぎりの歯のようなのは新規に建った建て売り住宅です。このどぶ川一つ手前ができたところですね。そういう状態をいま現実の写真をお見せして伺うわけでありますけれども、答弁をいただく前に私どもとしては、どうしたらいいかということについて、いろいろ地元の方々とも相談をしたり聞いたりしました。  そこで提案であります。  周辺整備機構及び再開発事業の策定を促進すると同時に、周辺における宅地造成等について、早急に規制措置を講ずる必要があるのではないか、こういうふうに思うのです。この点をひとつ大臣からお答えを願いたいと思うわけです。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 先生御指摘のように、空港周辺におきまして、一方において移転補償ないしは民家の防音工事をやっておるわけでございますけれども、その反面、そのような新しい住宅が建ってくるということは、われわれとしてはきわめて残念なことでございます。  現在の法制下におきましては、いろいろな法律を駆使いたしましてこれについての制約をするということについては、きわめてむずかしい問題がございます。したがって、これは新規立法というものを考えなければならないのではないかというのがわれわれの考えでございまして、昨年来、建設省その他関係省庁とこの問題について緊密に連絡をとりまして、できる限り早くこれの結論を出して立法化の方向で目下努力をいたしておるわけでございます。  ただ、いずれにいたしましても、これは所有権の制限になるわけでございます。一方においてそういうふうな規制をするということと、もう一つはその土地全体をどのように利用するかという土地利用計画というものとの関連もございます。したがって、立法技術的にはいろいろむずかしい問題がございますけれども、前向きに現在努力をいたしておるところでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 前向きに検討するというその意向はわかるわけでありますけれども、確かにこれはむずかしい問題だと思うのです。たったどぶ川一つはさんで、指定になっているところとなっていないところによってそういう事態が起きてくることも、われわれはわかりますけれども、これではイタチごっこですね。幾らやっても切りがない。ですから、こういうことはある程度、いま局長も言われましたけれども、建設省と速やかにこれをやらないと、ますますこういう方向は拡大されていくと思いますので、この点についてひとつ前向きも前向き、大いに前向きに検討していただくということを私は大臣に御答弁で確認を求めておきたいわけであります。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 航空局長が申し上げましたように、これはやらなければいけない問題でございますので、積極的に関係各省庁と相談をして、その措置をとりたいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 それから、これも私どもは調査の結果確認した問題でございますけれども、四十九年の三月二十八日に運輸省から告示された以前に指定区域内にあった建物については、移転補償の対象になっているわけでございます。この指定日以降に建てられた建物については補償の対象から除外されている、これは当然のことでございます。しかし、指定区域内における建物の規制が何らなかったために、土地代が安いということで、そういったことからも告示以降もどんどん建物が建っているわけですよ。将来再開発事業を行っていく上において、これは明らかな障害になるのではなかろうか、こう思うわけです。したがって、現在指定区域に告示されているこの枠を拡大する、こういったことをとる必要があるのではないかとわれわれは思いますが、この点はどうでしょうか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 地域の枠の拡大につきましては、いろいろ派生する問題がございますので、この点についてはひとつ慎重に検討をさせていただきたいというふうに思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 結局大臣、やっぱりもう縛られてしまって、できないのです。慎重に検討したい、事務当局はまさにそのとおりだと思うのです。それ以上の答弁が出ないことも私はわかりますけれども、これでは全くいま申し上げたイタチごっこだ、さいの河原と同じだ。これをやっていたのでは何ら第三セクターをつくった意味もなくなってしまうと思うのです。こういう面は、やはり行政を担当される局長としてはそれ以上のことはなかなかできない、むずかしいと言われますけれども、国務大臣としての大臣がこういう問題について真剣にお取り組みになる必要があると私は思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 必要性は、運輸省だけではございません、関係各省庁とも認めておると思いますが、私権の制限という問題で法律問題がかなり明快に処理できなければいけないのじゃないか、そういう問題が非常にあると思うのです。そういう点ではなかなか結論が出るようになっていないように私も想像いたしますけれども、現実問題としては、おっしゃるようにそういう制限を設けてきちっとしなければなりませんので、これはその意思でもって今後やっていきたいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 確かに法の盲点というやつをくぐり抜けて悪いことをするというやつはたくさんいるわけでありまして、こういう面を私は注意していかなければならぬのじゃないかと思うわけです。  それから、民家の防音工事の問題でございますが、五十年度は家族構成五人以上の場合は一世帯二室、こういうふうに拡大されました。今後防音工事の希望者が増大する傾向にあることは十分考えられるわけでございますけれども、その点周辺整備機構としても四十九年度千世帯に対して五十年度は三倍増の三千二百世帯を目標にしているのです。こういうふうに目標を非常に高く持ったことは結構だと思うのでありますけれども、四十九年度の計画が本年の三月現在で一体どれぐらい進行しているのか。この点に御調査がございますか。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 四十九年度の実績でございますけれども、民家の防音工事につきましては、約四百六十戸程度でございます。したがいまして、当初の計画に照らしますと約半分ということでございます。これは確かに先生御指摘のとおりでございますけれども、この機構が発足いたしましていろいろな内部の整備、諸手続、それから予算の措置等、不備がございまして、本当にこれがフルに稼働をいたしましたのはやはりことしの二月ごろからでございます。したがって、四十九年度の実績だけをとりますと確かに先生御指摘のようなかっこうでございますけれども、私どもといたしましては、この五十年度の目標額というものはぜひともこれを達成しなければならないし、また現在の機構の事務能力、それから地方公共団体の協力体制というものから必ず達成できるというふうに考えております。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 大いにやっていただかなければならぬのでありますが、われわれが調査した範囲では、申し込みを受け付けしたのが六百八十六、設計及び施工中というのが三百二十二、工事の完了したのが百四十一だ、こういうことでいまの局長の報告に近いと思うわけであります。これが推捗しない理由としていま局長が言われましたように確かに期間が短かったと思います。しかし、まだやはり手続の問題があるのじゃないか、手続が非常に繁雑だ。これらの防音工事を希望する家族というのはいろいろの事情のある家族を先にやっているわけですね。そういうところから希望者が非常に困難な体の中で工事の申し込みを関係市に行って行おうといたしましても、その各市が受け付けて、周辺整備機構さらにはこれが運輸省航空局というふうな、こういった順序を踏んで許可が行われる。その許可までにはやはり三カ月もかかるというふうなこと。確かにいま言われたように期間が短かったわけでございますので、大変困難な仕事だったと思うのでありますけれども、申し込んでから許可がおりるまで少なくとももう少し事務的の期間を短縮できないかという希望があるわけですね。そういう希望をぜひかなえてやってもらいたいと思うわけです。  特に現在、いわゆる寝たきり老人、心身障害者、あるいは病人のいる家庭、こういうのがいずれも防音工事の対象になって第一優先に扱われているわけです。こうした家庭は、いずれにしてもいろいろな事情があって、家を留守にして来ることもなかなか大変な状態です。そうした中で書類をつくって持ってくる、証明書も二通ももらわなければならない、借家の場合には家屋の所有者から確約書ももらってくる、当然だと言えば当然だと思うのでありますけれども、いろいろと書類が繁雑なわけです。こういう点を考えまして、これはいろいろ研究された結果そういうふうにしたわけでございましょうけれども、もう一度再考をする必要があるのではないか、こう思うわけです。この書類のひな形を見ましても実際問題としてこれを書くのにはなかなかなれない人では大変だなという気がするわけです。そういう面をひとつ考えていただいて、前向きに期間の短縮と手続の簡素化、こういう面についてお考えがあるかどうか、これを確認しておきたい。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 先生御指摘のように手続の簡素化、期間の短縮については、私どもはできる限りの努力を払う所存でございます。  特に期間の短縮につきましては、現在私どもが目標といたしておりますのは、本人から最寄りの市役所に申し出があってから機構に書類が回りますのに約二週間、それから機構が受け取りましてからこれを決定するまでが約二週間、全部で四週間でこれを決める。後の二週間で工事を完了する、こういうふうな一つの手順で現在やっておるわけでございます。これについては先ほど申し上げましたように地方公共団体の御協力が非常に要るわけでございますけれども、これも非常に御協力を得ておる状況でございますので、短縮はいま申し上げましたようなかっこうで可能であろうというふうに思っております。  それから諸手続につきましても、これはできる限り簡素化するように努力をしてまいる所存であります。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 いま局長の答えられた点はぜひひとつ前向きに取り組んでもらいたいと思うわけでございます。  それから大臣、これは現地へ行ってずっと方々歩きながら見たり聞いたりしておりますと、こういううわさが飛んでいるのですよ。私は非常に残念なことだと思うのでありますけれども、うわさでございますので一応耳に入れておいていただいたら下情もよくわかるのではなかろうかと思うわけですが、いわゆる民家の防音工事が非常に進まない。確かに百四十一件という完成は、局長の言われたように期間が短いという点もありますけれども、一四%だということです。極端な考え方を言っている人は、防音工事をするよりも移転補償をして住民をなるべく早く追い出そうという魂胆なんだ、こういうことを第三セクタしではやろうとしているから少しもそっちのことが進まないんだ、もうわれわれを追い出してしまう、それが根本の考え方なんだ、こういうことを言う人があるわけです。非常に私どもは残念に思うわけでございまして、国の方針はそんな方針でありませんということで、一応私たちも国の方針というものについて理解を与えるように言いはしましたけれども、そういううわさが飛んでいるわけです。こういううわさが飛んでいるということに対して私は非常に残念に思うわけでございますけれども、これはやはりPRが不足なのではないかと思う。第三セクターとしても真剣な仕事をしているのですから、それにふさわしいところのPRをして、皆さん方の希望があるならば防音工事は速やかに行いますということを言って実施をしてあげないからそういううわさが飛んでいる。結局これでは第三セクターをつくってみても何にもならないと思う。なかなかこの問題は複雑な問題でございますけれども、そういう問題を一つ一つ私たちは取り上げて、下の民情というもの、下の人たちの考えというようなものを考えながら政治というものは行うべきではないかと思いますので、この点について大臣からお答えを願いたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 いま航空局長が申し上げましたように、時間的な日にちの手順まで決めて指示をいたして促進を図っているような事情でございますので、この点の第三セクター並びに運輸省側の誠意は現地の人も理解していただきたいと思うのでございます。毛頭いまおっしゃるようなことはございません。こういう場合にはえてしてそういう流言が起こったりすることがありますので、この点は、第三セクターの方も十分にいまお話しのように地元の人の御理解を得られるように努力するように、改めて本省からも十分注意をいたします。毛頭そういう意図があるわけではございませんので、それはひとつ現地に出向かれた場合にも今後ともよろしく御理解をいただけるようにひとつ御協力をお願いいたす次第でございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 そういう方針でないことはもう私どもも承知しておりますので、やはりPRが不足だと思うのです。大臣がいま言われたようなことも本当に付近の住民に徹底してあげれば、そういう話も飛んでこないのだろうと思う。その点もお願いをしたいと思います。  最後でございますが、民家の防音工事を実施しました結果、二十ホンから三十ホンぐらいの騒音が緩和されている、これは事実でございます。皆さんの意見を聞いてみましてもその点は確認できました。問題はその維持費が月に八千円から一万円従来よりかかり過ぎるという事実が訴えられました。そこで対策として税法上の特典が考えられないかということです。現在でも住宅の取得控除とか住宅の貯蓄控除の制度もあるわけでございますので、何らかの形で税法上の恩典を与え、そして維持費の負担を少しでも軽減することができないか、これが現地の強い希望でございますので、この点についてはどのようにお考えになられるか、それを伺って終わりにいたしたいと思います。

中村大造運輸省航空局長

○中村(大)政府委員 先生御指摘の点はよく理解できるわけでございますけれども、この考え方を取り入れますについてはやはりより技術的に非常にむずかしいわけでございます。普通、防音工事をいたしますとまあクーラーをつけるわけでございますけれども、そのクーラーそのものの費用といいますか電気代、それが全体の電気代の中でどれだけになるのかということを明確に分けるということが非常にむずかしいわけでございます。     〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕 それから、まあこういうことを申し上げると非常に失礼でございますけれども、そういうふうな空調設備をつけることによるメリットというものもまたあるわけでございますので、そういうものをプラスマイナスいたしまして、さてどれだけのものについてどのような措置を講ずるのがいいかという判定がきわめてむずかしいということでございます。したがって、御趣旨はよくわかるのでございますけれども、われわれも今後とも検討はいたしますが、なかなかこれについてはっきりとした見通しを立てることはむずかしいのではないかというふうに思うわけでございます。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 現在、第一優先として扱われている人間は御承知のように寝たきり老人であるとか心身障害者、そういった病人のいる家庭、当然私は人道上から言ってクーラーをつけられなければ、密室の中に寝ていられるわけはないのですから、これはもう空調をつけられるのが常識だと思うんですね。  そこで確かに役所としてはそれはできないと、にべもない返事が返ってくる、それでは少し気の毒だ、かわいそうだという気持がします。何らかこれに対して前向きの答弁を私は大いに期待したいわけです。確かにいま不公正の是正であるとか弱者救済であるとか、いろいろ言われております。やはりそういう面に対する温かい思いやりというものが必要じゃなかろうか、私はこう思います。そういう点から最後に大臣の所信を伺って私は終わりにいたしたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○木村国務大臣 心情の上では私も全く同感でございます。ただ国費を使うという観点から厳正にそれを使うという問題との兼ね合いでございますので、いま航空局長が申し上げておるようになかなかむずかしいと思いますが、確かにそういう方々が密室の中に閉じ込められざるを得ないような状況のもとではクーラーも要るということはよくわかりますので、何とかこれは恩典が与えられる、その恩典の比率といいますか、金額に換算して税金等の免除もあるわけですから、それの合理的な数字が何とか出ないものかなということにあるわけでございますので、この点はよくひとつ研究いたしたいと思います。

松本忠助公明党

○松本(忠)委員 終わります。

木部佳昭自由民主党

○木部委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時二十四分散会

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