運輸委員会 第10号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1975/03/25
会議録
○木部委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 陸運に関する件、地方バスに関する問題について、明二十六日午後一時から、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○木部委員長 航空法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑の通告がありますので、これを許します。紺野与次郎君。
○紺野委員 航空法と航空の安全問題についてなお重大な点で問題があると考えますので、これらについて質問をいたします。 第一番は、三月の初めにウィーンにおいて国際パイロット連合ですね、これは国際定期航空操縦士の協会です。これが三月五日から会議を開きましたが、これが終わった後にスポークスマンがこういうことを言っておるのですね。世界の欠陥空港は約十とも言われ十一とも言われておりますが、この欠陥空港の中に大阪と那覇空港が指摘をされた。この国際パイロット連盟の指摘が公然と特に那覇空港について指摘をされておりますが、これについて運輸当局はこのことを知っておりますか。何でこのことが指摘されたと思っておりますか。
○中村(大)政府委員 国際パイロット協会の席でそのような指摘が行われたということは、われわれもニュースとして承知いたしておりますけれども、まだ正式に通告を受けておりません。したがいまして、内容について詳細を知ることができないわけでございますけれども、私どもといたしましては、大阪空港並びに那覇空港が欠陥空港であるとは考えていないわけでございます。ただその指摘の内容については詳細に検討いたしまして、われわれといたしましても空港の整備については遺憾のないように、もしその指摘の中でわれわれとしてとるべきものがあれば十分それをとって、ますます保安の向上に努めてまいりたいと思うわけでございます。
○紺野委員 こういう不名誉なことが那覇空港について言われ、また大阪空港についても言われている。こういうことは、つまり政府としても厳しく反省しなければならないと思うのですね。特にわが党の金子議員それから当委員会においても三浦議員、梅田議員も言いましたが、第九戦略偵察航空団それから三百七十六戦略航空団ですね、それから第十八戦術戦闘航空団と那覇空港交通管制部の間での協定書というようなものがやはり那覇空港の大きな欠陥の隠された原因として指摘をわれわれはしているわけなんです。そういう米軍との関係あるいは自衛隊との関係、こういう軍用機と民用機が錯綜している、しかも非常に過密であるというふうなところからこういう欠陥空港ということの第一の原因が来ているのであって、わが党の議員団が非常に心配して、これらについてオープンにせよ、隠していてはいけない、マラッカ海峡の暗礁に大きなタンカーが衝突するように、那覇空港のこういう暗礁にしょっちゅうこういう事故が多発するというふうなことが起きてくるのであって、出しなさいということを強く要求したわけですけれども、これについてその後政府の方の交渉、いろいろな点でこの協定はどうしても出せないのかどうか、この点まずお聞きしたいと思います。
○中村(大)政府委員 沖繩において米軍の基地が存在することは事実でございまして、したがって、そこから発進する軍用機と民航機との間で十分な調整を行いまして民間航空の安全を確保しなければならないわけでございます。したがいまして、そういうふうな両者の調整を図るために技術的な取り決めが行われておるわけでございます。ただ、この取り決めにつきましては、従来からたびたび申し上げておりますように、これは日米合同委員会に関連するものとわれわれは承知いたしております。したがいまして、その内容については、これを発表することは差し控えたい、こういうふうにたびたび申し上げておるところでございます。
○紺野委員 外務省の方どうですか、この点については。
○深田説明員 ただいま運輸省の方からお答えがございましたとおりでございます。
○紺野委員 そうすると、あくまでもこの協定は出さないのですか、もう一遍確かめますけれども。
○中村(大)政府委員 ただいま御答弁申し上げましたように、これを発表することは差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
○紺野委員 では沖繩の那覇空港のそういう点はまだまだ疑惑に包まれているという点で、もうちょっと実態についてお聞きしますけれども、那覇空港の昨年からことしにかけての毎月の発着回数というものはどうなのか、それから事故もどれくらい起きているのか、こういう点についてちょっと聞かせてほしいと思います。
○松本説明員 那覇空港におきます発着回数、四十九年の合計で申し上げますと、民間機が三万三千四百八十六回、民間機以外のものが三万二千三百二十回、こういう数字でございます。 事故につきましては、ちょっと私いま手元に数字を持ち合わせておりませんので、申しわけございませんが——事故というような事故は、私の記憶ではフライング・タイガーが着陸し損なって、わが方のILSのアンテナの一部を破損いたしましたのが、これがわりあい大きな事故であったかと思いますが、そのほかの小さなものにつきましては、ただいま申し上げましたようにちょっと手元に資料を持っておりませんので、御容赦いただきたいと思います。
○紺野委員 これは七三年の数字によると、一月から八月までの間の八ヵ月間に七十七件の航空事故が那覇空港で起こっているのですね。米軍機が五十五件、自衛隊機が十六件、民間機が六件、こういうふうにほとんど大部分が、九十数%が結局米軍機と自衛隊機の軍用機ということになるわけです。これはいろいろな無理な訓練その他のことをここでやっているということから、やはり事故が多いときには一日三件も起きている、こういうことなんです。だから、去年あたりのこの統計はわからないのですか。
○松本説明員 数字は私ただいま申し上げましたように手元に持っておりませんので、ちょっとこの時点でお答えいたしかねますが、調査すれば事故件数——事故と申しますのはどういう範疇のものを事故とするかという定義上の問題もございますが、私どもの調査によります数がどうなっているかということはわかると思います。
○紺野委員 すでに一九七二年、七三年、七四年、七五年というふうに、七四年の数字がわからないようですけれども、雫石後の七二年の数字を見ても、事故がやはりこの空港で非常に多発しているという数字が出ております。それでまた月平均にしまして七千ないし八千回ぐらいの発着が行われている、その半分が軍用機だ、こういうところから、先ほど国際パイロット連盟の会議が指摘しているような非常に危険な状態が出ている、こういう実態になっていると思うのです。 それで私は聞きたいんですけれども、雫石事件後にいわゆる運輸省と自衛隊の間の新しい覚書に基づいて七二年の七月七日に締結された新しい中央協定、これではっきりと、旧協定では軍事優先、自衛隊の要撃機等々に対する発進、飛行計画の承認等についての優先的な措置をするというふうになっていたものを改めて「便宜を図る」というふうに変えたということを言って、その後の自衛隊とそれから民間航空との間の関係を改善した、それが航空法の新しい改正の基本精神であるというふうに言われているんですが、この新協定の第十五条で沖繩における「要撃機等に対する管制及び誘導については、」運輸省と防衛庁と米空軍との間で現地で協議をして定めることとしたということをそのとき言っているわけですね。ですから、これに基づいて沖繩においてもこの新協定の精神で協定をしているかどうか、どんな協定をしているかということについてお聞きしたいと思うのです。
○松本説明員 先生ただいま仰せられましたように、中央協定の中にそれぞれの地方別にローカルの協定を結ぶということが決められております。それによりまして、国内におきましては自衛隊関係のそういったような飛行場がございます、それと、私どもの管制機関との間に地方協定、つまり具体的にどのポイントで飛行機を受け渡しをするとかそういうふうなことが決めてあるわけでございます。沖繩におきましてはこれができました時点が四十七年でございます。したがいまして、その時点においてはまだ沖繩の管制というものが戻ってきておりませんし、さらにまた当然地方協定の中に包含されてしかるべきものであるというふうなことからこのような規定が入っておるわけでございまして、沖繩において現在米軍を含めた地方協定というものができておりますが、その内容は、前段で申し上げましたとおり、国内における地方協定と変わるものではございません。
○紺野委員 そうすると、国内協定と違わないんですか。いま言いましたね、軍事優先というふうな、自衛隊の要撃機の優先というようなことはこれからやめて、改めて、そうして「便宜を図る」というふうに変えたということを言っておりますが、そのとおりですか。
○松本説明員 沖繩の協定におきましても、その趣旨は全く変わっておりません。
○紺野委員 ではお聞きしますけれども、一九七二年の十二月二十八日に「沖繩進入管制所、沖繩航空路交通管制センター、第六二三航空警戒管制中隊、第三一三航空師団、那覇基地司令部および那覇空港事務所のあいだの協定書」として協定されている文書があります。主題は、「航空自衛隊の迎撃機、標的機にたいする航空交通管制サービスについて」という主題ですね。あなたは協定があると言いましたね。この協定は、一九七三年一月一日に発効するというふうになっております。そして、その目的は、主として「那覇空港でのスクランブルと帰投の方式にかんする標準的方式をしめしたものである。」というふうに、特に「航空自衛隊の迎撃機、標的機の管制」と、いま言いました「那覇空港でのスクランブルと帰投の方式にかんする標準的方式をしめしたものである。」と言っております。いいですか、これはそういう目的を持っているのですが、これはあなたは知っていますか。
○松本説明員 いま先生仰せられたような逐一について、私明確に覚えておるわけではございませんが、先ほど来申し上げておりますように、中央協定と同様の趣旨において那覇においてその種の地方協定があることは事実でございます。
○紺野委員 ところが、あなたはそういうふうに言っているけれども、ずっとこれを追ってみますと、第二が「総則」です。第三が「定義」、第四が「責任」、第五、ここのところで「優先権」と、こうわざわざ書いてある、プライオリティーと。そして、それでははっきりとこう言っています。a、b、cとして、これは日本の自衛隊の迎撃機に対して、こう言っている。「ホットスクランブルは優先扱いをしなければならない。」それから、「スクランブル演習と訓練計画にもとづく飛行命令発進は、予定の発進時刻を尊重して優先扱いを与えるものとする。」つまり、演習計画を立てて出るスクランブル、飛行命令発進というものについては、優先扱いをするとわざわざはっきりしております。そして、Cとして、「日々の」日課として行われているような「スクランブル演習と飛行命令発進は常規の航空交通管制扱いとする。」というふうに、はっきりとここでは先ほどの新協定とは違った優先権ということを明瞭に取り出して、わざわざそのことを規定しているわけなのです。そうすると、沖繩のここでは、いまあなたが言ったこととこれは全然違っているのですけれども、どうですか。やはりあなたはうそを言っているのですね。
○松本説明員 先生いまお読み上げをいただいたわけでございますが、私の承知しております範囲におきましては、国内におけるこの種の扱いとことさら違った扱いをしている覚えはございません。
○紺野委員 しかし、ここで言っていることは、はっきりと優先権を、普通の訓練、毎日やっているようなものは別であるけれども、ちゃんと計画を立てた演習というふうなスクランブル発進あるいは帰投ということについては優先扱いをする、しなければならぬとはっきり言っているではありませんか。あなたはうそを言っているのじゃないですか。どうして沖繩の人たちに対し、また国民に対して、沖繩問題ではうそを言わなければならないのか。
○松本説明員 私の理解、承知しております限りにおきましては、沖繩におきましても国内におけると同様便宜を図るという範囲を出ていないというふうに考えております。
○紺野委員 しかも、これは一九七三年一月一日から発効すると言われて署名したものは、こうです。 日本航空自衛隊臨時那覇基地司令部司令山田隆二という人。それから日本・運輸省那覇空港事務所空港長佐藤亮吾。アメリカの方からは、アレン・Wカーバー、これはアメリカ空軍大佐です、第八二四戦闘支援部隊司令官。それからフォリスト・E・ベイカー・アメリカ空軍大佐、第一九六二通信部隊司令官。ジョン・J・ボル・アメリカ空軍大佐、これは第三一三空軍師団作戦部長です。 ですから、こういう五人の人が、しかも運輸省を代表して佐藤という人がちゃんと署名している。こういう書類が出ているのですよ。それについてあなたは全然そういうことはないと言うのはどういうことですか。
○松本説明員 先生御高承のように、沖繩の返還になりましたのが七二年でございます。七四年の五月十五日、昨年でございますが、私どもは沖繩の空域におきます航空路管制を米軍からテークオーバーをいたしております。したがいまして、七二年に沖繩が返還になりましてから七四年の五月十五日にわが方が沖繩の航空路管制を全面的に米軍からテークオーバーするまでの間は、航空管制のうちの主要なものと考えられますエンルート管制につきまして米軍が実務上これを行っておったわけでございます。したがいまして、その間といえども自衛隊が一部那覇空港におったわけでございます。そういう意味において、そこに何らかの協定が当然必要であったわけでございます。また、そういうことが予想されだからこそ、中央協定の中にも地方協定と併記いたしまして那覇の問題に触れているわけでございます。 七四年の五月十五日に私どもは沖繩のエンルート航空路管制をテークオーバーいたしました。この時点におきまして、米軍による航空路管制というものが終わりを告げたわけでございます。したがいまして、そこに当然状況の変化が起こっておるわけでございますので、私どもはその時点においてしかるべき所要の手を打ったというわけでございます。 私が先ほど来繰り返し申し上げておりますその内容は、七四年五月十五日、私どもが沖繩におきます航空路管制をテークオーバーいたしました以後の、つまり現時点において効力を持っております協定について、私の理解し、記憶している限りにおいては、何ら国内のものと変わりのある扱いをしていない、こういうことでございます。
○紺野委員 そうすると、私がいま読み上げましたこの協定は、現在ではもうないのですか。この協定はないのですか、廃棄されているのですか。
○松本説明員 私、現在空に逐一どの協定がどこでどうなったかということを記憶しておりませんが、先ほど御説明申し上げましたように、七四年の五月十五日、私どもが航空路管制をテークオーバーいたしました時点において所用の措置をとってあるということは事実でございます。
○紺野委員 そこのところをはっきりしてください。そうするとこの七三年一月一日発効という文書はいまでもあることはあるんですね。それはどうです。
○松本説明員 私の記憶しておりますところによれば、現在確かに沖繩においても中央協定の規定に従いました地方協定がございますが、この地方協定に関与しております米軍というものは必要最小限の範囲のものにとどめてあるというふうに考えております。したがいまして、先生御指摘の七三年とおりしゃいましたですか。(紺野委員「七三年一月一日に発効したもので」と呼ぶ)発効でございますから恐らく(紺野委員「その協定は七二年十二月二十八日……」と呼ぶ)七二年と申しますとちょうど沖繩の返還がございました年でございます。その時点において行われました何らかの取り決めというものは、その後私は効力を失っておるというふうに理解をしております。
○紺野委員 効力を失っている——これは協定をされたのは返還の後ですよ。しかしこれは廃棄されている、効力を失っているんですか。そこのところをはっきりしてください。
○松本説明員 先ほど御説明申し上げましたように、七二年に沖繩が返還になりました。その時点において私どもが直接関与いたしましたのは、那覇空港の飛行場管制だけでございます。その余はすべて米軍が実務上これを行っておりました。七四年の五月十五日に、私どもは航空路管制をも米側からテークオーバーをいたしました。したがいまして、このスクランブル機というものは計器飛行方式をもって発進をいたしますので、したがいまして当然のことながらACCと申しますか管制部のクリアランス、つまり管制承認がなければ発進ができません。その管制承認にかかる部分が従来は米軍によって行われておった。昨年の五月十五日からはわれわれの手によって行われておる。ここに非常に大きな状況の変化がございます。したがいまして、先生のおっしゃっておりますのが七二年という時点において(紺野委員「十二月」と呼ぶ)十二月かどうか私記憶しておりませんが、七二年という返還直後の時点において締結されたものであるといたしますならば、恐らくその時点における航空路管制は米軍がこれを行っておる、こういう状況でございますので、その状況下において行われた取り決めというものが現在依然として有効であるということはあり得ないというのが私の考えでございます。
○紺野委員 しかしこれは自衛隊の訓練スクランブルの問題について、運輸省とそれから——米軍とじゃないですよ。運輸省と自衛隊との間でこれが行われ、それに米軍が参加しているという形のものです。ですから、米軍との協定と、直接米軍機をどうするというのじゃない。自衛隊機をどうするか、自衛隊機の訓練スクランブルその他等々に対して優先権を与えている、こういうふうにはっきりと書いてあるこの協定を、自衛隊とそれから運輸省との間でこのことは破棄されているのかどうかということなんです。協定、ちゃんとこれ著名してあるわけですから。米軍との関係という意味だけじゃないですよ。むしろ自衛隊の問題です。
○松本説明員 先生御指摘のように、スクランブルは自衛隊が行っております。したがいまして、国内の場合は自衛隊がスクランブルを行い、管制はすべて運輸省がこれを行っておりますので、運輸省と自衛隊の間だけですべての話し合いは終わるわけでございます。沖繩におきましては、いろいろと御指摘いただいておりますように、進入管制の部分を米軍が依然として暫定的に行っております。スクランブル機をどう扱うかというものは、この趣旨は管制の取り扱いをどのようにするかということに最大の主眼点がございます。したがいまして、航空路の管制をだれがやっておるか、進入管制をだれがどのように行っておるか、飛行場管制をだれがどのように行っておるかということによって、多少その態様を異にしてくるというふうにお考えいただいてよろしいかと思います。現時点におきましては航空路管制をわれわれが行い、進入管制のみを米軍が暫定的に行い、飛行場管制はわれわれが行っておる。こういう状態のもとにおいて自衛隊機の要撃機の発進、帰投をどのように取り扱うか、こういう問題でございますので、先生が先ほど来御指摘されておりますような時点における米軍が航空路管制をも実施していた状況とは、状況が異なっております。したがいまして、当然この内容が改定されているというふうに私は理解しておるわけでございます。
○紺野委員 これはしかしちゃんと目的として、「那覇空港でのスクランブルと帰投の方式にかんする標準的方式」云々とこういっておりますから、これは那覇空港を発進する場合のことを決めているわけですね。全体のことじゃないですね。進入管制空域約五十マイルといわれている、それ全体についてのものじゃない。那覇空港に入ってくる、出ていく、そのときの優先順位や優先問題ということで、運輸省と自衛隊との間で、それに米軍も参加してこうやっているというものなんですよ。だからこの協定はあったことは知っていますね、いま言ったとおり。それがいまでも事は変わっていないと思うんです。飛行場から上がり下がりするときにそういう優先権を与えるということにこれは限定しているわけです。那覇空港でですよ、その当時から。どうですその点は。
○松本説明員 協定の内容の逐一について、私必ずしも現在承知しているわけではございませんし、また御説明し得るような問題でもないかと思いますけれども、繰り返しお答え申し上げておりますように、現時点におきまして私どもといたしましては、那覇空港を発進しまたは那覇空港に帰投します自衛隊の要撃機についての取り扱いというものについては、国内におけると全く同様に扱っておって何ら区別をしていない、このことは事実でございます。
○紺野委員 じゃ、この協定は、そういう点についてはもはや過去のものになっているということははっきり言えるわけですね。そういうふうに宣伝していいわけですね。
○松本説明員 先生のおっしゃいますような協定が存在したかどうかについては、私は何らかそういうものが恐らくあったんだろうと思いますが、少なくとも現在有効なものといたしましては、先ほどお答え申し上げましたような思想をもって構成されたものであるというふうに御理解いただいてよろしいと思います。
○紺野委員 それから現地の沖繩の方では米軍機がP3ですか、それからF4ですね、アメリカの岩国から来ている。こういうものもいずれここから出ていくということで、これを機会にP3その他の国外撤去とその後を自衛隊機が使うということについて強く反対して、そしてこれを民間航空のために完全に開放するようにという運動が起きているんですけれども、いままでどおり自衛隊機との関係でここはいつまでも使うつもりなんですか、その点はどうなんですか。
○中村(大)政府委員 那覇空港におきます通称P3地区と言っておりますところが近く返還になるということは、われわれも聞いておるわけでございます。その後の利用につきましては、運輸省といたしましてはこれを民間航空に優先的に使用したい、こういうことで関係省庁と目下協議をいたしておる段階でございます。
○紺野委員 そうすると民間機について優先的に、そして自衛隊機はむしろだんだんこれをなくすという方向ですか。
○中村(大)政府委員 運輸省といたしましては、那覇空港を民間航空のために優先的に使用したいという希望でございます。で、将来についてもいろいろな構想を持っておるわけでございますので、その構想の一環としてもP3地区の跡地については、できる限り民間航空に優先的に使用できるように関係省庁と協議をいたしておるというのが現在の段階でございます。
○紺野委員 現地の方でもこれを完全開放、完全返還をせよという運動をしております。現に国際パイロット連盟の総会で言われているように、非常に複雑な自衛隊と米軍機が共同使用するという事態のもとで、非常な欠陥空港という特徴が出ているわけでありまして、そういう点で米軍機の国外への撤去、それから自衛隊機もここから出ていくようにして、一日も早く那覇空港が完全に民間機のために使われるように、ぜひ運輸省の方でも最後まで努力してもらいたいというふうに思います。 それから第二点として、現在の航空法の中でどこを読んでも一つの不思議な点があるのです。似たような交通安全に関するいろいろな立法と比べて。それは、乗客を扱う特に客室乗務員に関する明確な規定がないということなんです。そういう点で、ほかのバスとか鉄道とかこういうものには、必ず車掌というものが乗務員の中に法的にも位置づけもされていると思います。ところが、航空法においては、操縦士とか機関士とかこういうふうな人たちの任務規定はあるけれども、客室乗務員についての規定というものはない。一体客室乗務員の業務、任務というものはどういうものか。これは何か規則がどこかにあるのですか、そこをお聞きしたいと思います。
○中村(大)政府委員 客室乗務員という名前は確かに航空法ないしはその省令にも出てまいらないわけでございます。ただ、客室乗務員のいわゆる責務、業務のきわめて重要な部分につきましては、運航規程——これは法律に基づきまして運航規程を定め、それを認可するということになっておるわけでございまして、この運航規程の内容については省令でその基準が細かく規定してあるわけでございます。その省令の中に、先生御指摘のいわゆる客室乗務員というものが行わなければならない仕事のうちのきわめて重要な部分、いわゆる緊急の場合にたとえば乗客を安全のために避難させるというふうな点について、これを運航規程の中に明確に定めまして認可の対象とする、こういうことにいたしておるわけでございます。したがいまして、名前は法律ないし省令の中に出てまいりませんけれども、その内容については十分規制の対象にいたしておるということが言えると存じます。
○紺野委員 最近、二月ですか、エールフランスで事故を起こしたのですね。これは知っていると思います。これがアンカレッジから東京に向かうとき、三百五十人ほどの乗客、その中で大体三百人が日本人という状態の飛行機が発動機に火災を起こしてそしてuターンをしてアンカレッジに戻ったのですね。その間、延々二十二時間何の情報も与えられずにほとんどパニック寸前にいったということが言われているのです。エールフランスで日本のスチュワーデスが二十五人ないし二十六人裁判問題を起こして、そしてこれが乗務することができないという状態にあることは皆さんも知っていると思うのです。すでにこれは運輸大臣に対して要請書を出しているのですね。日本の裁判でも勝訴をしているこの事件について、エールフランスが早くこれを乗務させて、そしてこういった非常事態に際して十分に安全の対策をやったり情報を提供したり、そういうことをやるべきであるということを言っているわけですけれども、こういう当然のことがやられておらない、非常に軽視されている。まるでホステスか何かのような、顔がいいとか八頭身だとかどうだとかというふうなことでこの客室乗務員を判断するような、人権を軽んじたそういうことが航空事業の中にあるんじゃないか、運輸省の指導の中にあるんじゃないか。そして、エールフランスのああいう事件についても大臣はどういうふうに考えておるのか。一刻も早くあの問題を解決して、最近のアンカレッジの事件のようなことがないようにすべきであろうと思うけれども、これらの点についてお答えをいただきたいと思います。
○中村(大)政府委員 これは外国の航空会社であろうと日本の航空会社であろうと、客室乗務員の責務並びにこれに対する規制の仕方というものは差異があるわけではございませんで、これはそれぞれの登録国の、いわゆる国家の満足のいくような基準というものをつくるということをICAOの条約で決めておるわけでございます。したがいまして、各国ともそのエアラインの客室乗務員につきましては厳重な基準を定めてやっておるわけでございます。 ただ、客室乗務員としていわゆる日本人のスチュワーデスを乗せた方がいいかどうかということはまた別個の問題でございまして、これは当然その登録国のその会社が独自に判断すべきことであり、安全の確保の上から、またサービスの上から日本人のスチュワーデスを搭乗させた方がいいと判断する場合には、そういう措置をとることはきわめて結構であろうと思いますけれども、そのことと、客室乗務員が緊急の場合に適切な措置をとることについて規制がない、あるいはあるということはおのずから別個の問題ではなかろうかと思います。
○紺野委員 それで、結局どうですか。エールフランスのあの事件について大臣が受けている問題を早く解決して、そしてスチュワーデスとしてちゃんと任務を果たせるように、今度の最近の事件はそのことを強く望んでいる。いろいろアンケートやその他見ましたけれども、これによっても、実にひどいことだ、二十二時間も全くつんぼさじきに置かれてそして不安なままに置かれてパニック寸前であったということを言っているのですね。そういうことを引き起こすということは重大な問題だと思うのですね。ですから、そういう点でやはり客室乗務員というものを尊重するというたてまえから、まずエールフランスに対して強硬に、その点問題を早く解決させるということを政府の方からも交渉してほしいと思いますけれども、その点……。
○中村(大)政府委員 エールフランスにおけるいわゆる紛争というものについては、われわれはその労使の紛争の中身については立ち入るべきではございませんし、また訴訟の問題についても、これまたわれわれとしてそれについて口を差しはさむべき問題ではないと思います。ただ、一般的にそういうふうな紛争が長引くことは好ましくないわけでございますから、できる限り円満な解決が望ましいことは当然でございます。 それから、先生御指摘のようないわゆる日本人の客室乗務員の搭乗問題につきましては、これは日本民間航空労働組合連合会から大臣あてに要請が参っておりますので、この要請をエールフランスの日本地区の支配人に対しまして文書をもって通知をいたしておるわけでございます。そうして、そのときに運航の安全については万全の配慮をされるよう希望するということをつけ加えて、これをエールフランスの支配人に通知をいたしておるわけでございます。われわれといたしましては、この具体的な問題についてとり得ることとしては、その程度が限度ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
○紺野委員 じゃ、最後に詰めますけれども、そうすると、やはり客室乗務員というものの役割りをはっきりさせるために、これはハイジャックとかその他いろいろな緊急事態が起こるということが証明されておりますから、ですから、そういう点でこれを重視して、航空法の中に位置づけるということ、これはぜひしてもらいたいと思うけれども、その点どうですか。
○中村(大)政府委員 この点につきましては、私どもも客室乗務員の職務の重要性というものは十分認識いたしておりますし、また、その規制の仕方というものは適切でなければいけないと思っております。したがいまして、今回航空法の改正を御承認いただきました暁におきまして、省令を改正する必要がございます。その中で明確にこういうものを規定する方法を今後真剣に検討してまいりたいと思います。
○紺野委員 最後に、中央協定第十五条に基づく米軍、自衛隊、運輸省との取り決め、つまり、あなたが新しい去年できたものと言っていると思いますが、この取り決めを提出してもらいたいのですけれども、どうですか。
○松本説明員 先ほど局長御答弁申し上げたようなことと類似のことになるかと思いますが、この協定の中に米軍が入っておるわけでございます。この米軍が入っておりますいきさつというものが、日本合同委員会の合意あるいは地位協定、こういうふうなものをベースにして、そこに米軍が入ってきておる、合同委員会合意関連事項であるということでございますので、協定そのものをここであからさまにするということについては差し控えさせていただきたい、このように考えております。
○紺野委員 やはり、協定書を出せないということは、これと変わらないということを証明することととっていいですか、はっきりとそれは違うというふうに言えますか。
○松本説明員 協定書が出せないと申し上げておりますのは、ただいま申し上げたような理由でございまして、それ以外の特段の理由をもって申し上げておるわけではございません。
○紺野委員 結局、沖繩の那覇空港においては優先権は与えておらないということをあなたは確言した。前にそういうことがあったものが、いまはありませんということですね。
○松本説明員 要撃機等に対して優先権を与えるという取り扱いは、現在いたしておりません。
○木部委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
○木部委員長 これにより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤守良君。
○佐藤(守)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、本案に対し賛成の討論を行うものであります。 昭和二十九年、わが国民間航空が再開されましてからすでに二十年余を経過いたしましたが、その間におけるわが国航空の発展はまことに目覚ましく、国際的には世界の航空交通の要衝となり、国民経済の伸張とともにいまや国民の足として不可欠な交通手段となっております。 しかしながら、去る昭和四十六年七月の全日空機と自衛隊機との衝突事故及び翌年の日航機による一連の事故により多数の尊い犠牲者を見ましたことば、まことに一大痛恨事と申さねばなりません。 航空の安全と秩序を維持するための基本法であります航空法が制定以来昭和三十五年の改正後本格的な改正もなく今日に至っていることは、近年の情勢変化に対応した航空交通の安全対策を実施する上において法制上少なからず不備な点があり、また一方、最近の航空機のジニット化による飛行場周辺における航空機騒音は大きな公害問題となっていることは御承知のとおりであります。 これらの諸問題を解決するため、航空機の運航に関する規制を強化し、航空機に装備すべき装置の範囲を拡大し、また自衛隊の使用する航空機についてもこのような規制を行うとともに、航空機騒音の音源対策として、騒音基準適合証明制度を新設しようとする本改正案は、まことに時宜に適したものとして、まず賛意を表する次第であります。 次に、本改正案の内容につきまして賛成の理由を申し上げます。 第一に、航空機の高度変更の禁止、速度の制限等一般の航空機が遵守すべき飛行のルールを定め、操縦練習飛行、姿勢を頻繁に変更する飛行等の特殊な飛行、及びロケットの打ち上げ等の危険な行為を、一般の航空機の飛行する空域から排除するなど、航空交通管制を行う空域における運航に関する規則を強化していることは、航空機の衝突事故を防止するため、きわめて適切な処置と存じます。 第二に、航空機の操縦者の見張り義務を明確化したことば、あるいはいまさらとの感がないでもありませんが、雫石事故を思うとき適切妥当な処置と存じます。 また、ニアミスが発生したとき、これを報告することとしたことは、衝突事故の防止のため、適切な措置と申さねばなりません。 第三に、一定の航空機にATCトランスポンダー、気象レーダー、フライトレコーダー等の装備義務を強化したことは、航空機の安全と発達を図るため、ぜひ必要な措置と存じます。 以上の点につきましては、これを自衛隊機にも原則として適用することといたしていることは、雫石事故を思うとき当然の措置であり、むしろ遅きに失した感すらございます。 また、航空機騒音対策の一環としてICAOの条約の趣旨に従い、騒音基準適合証明制度を新設したことは、航空機騒音対策の一歩前進として賛意を表するものであります。 以上、本改正案は、航空機の大型化、高速化及び航空交通量の増大化の現状にかんがみまして、航空交通の安全を確保するとともに航空機の騒音の減少を図るため、きわめて適切妥当な措置と存じますが、さらに本改正の趣旨をより実効あらしめるため、全国をカバーする航空路監視レーダー網の速やかなる整備とその運用要員の充実並びに航空交通管制の近代化を強く要望いたしまして、賛成の討論を終わる次第であります。(拍手)
○木部委員長 梅田勝君。
○梅田委員 私は日本共産党・革新共同を代表いたしまして、航空法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行うものであります。 日本の空がいかに危険にさらされていたかは、百六十二名の犠牲者を出し、日本航空史上最大の事故となった雫石上空における自衛隊機と全日空機との空中衝突事故によって明白に証明されました。今回の盛岡地方裁判所の判決が自衛隊機に厳しい刑事責任を課したことは当然であり、国民はいま軍事優先や空の欠陥行政に激しい憤りを覚えると同時に、科学的な航空交通保安体制の徹底した改善と充実で安心して飛行機に乗れる日本の空を心から望んでいるのであります。 今回の航空法の改正に当たって明確にしなければならないことは、まず第一に、この痛ましい惨事から教訓を学び取り、このような惨事を二度と繰り返さない保障をつくることが大切であり、軍事優先の空の状態が改められたかどうかという点であります。 今回の改正案において、自衛隊機に対しても、原則として操縦訓練空域の制限を行うとともに、航空法適用除外の例に条件つき制限を加えたことは事実であります。 しかし、審議の経過が示すように、このような手直しによって軍事優先の日本の空の危険がなくなったかと言えば、断じてそうではありません。 雫石事件以後、運輸省の航空行政と自衛隊の業務との間の調整に関する新覚書が締結され、要撃機等に関する管制及び誘導に関する中央協定の改定も行われました。けれども、この内容は決して民間機優先の原則ではなく、自衛隊に便宜を図るものとすることを原則とする徹底した自衛隊、軍事優先の原則であることは明白であります。昨年の自衛隊の総合演習において、わずか五日前になってから空域制限を設定するなどの例や、本改正案でも、防衛長官に対する職権委任の優先的取り扱いが基本的には何ら改善されなかった点を見ても明白であります。 改正案に反対する第二の理由は、米軍機に対して規制が及ばないということであります。 周知のように、日米合同委員会における航空交通管制に関する合意は、航空交通の保安管制を必要な場合米軍に任せることを認めるとともに、米軍飛行場の進入管制業務については米軍への協力が義務づけられ、米軍本位の制限空域、防空識別圏がつくられるという徹底した米軍優先の屈辱的協定であり、空の主権が著しく制限されたものであります。政府はこの改定の必要性を認めながら、それは進展せず、この合意書と付属書の全文を国会に提出することすら拒否しているのであります。米軍と那覇航空交通管制部との間で締結したSR71戦略偵察機の超音速帰投に見られる協定は、単に屈辱的であるばかりでなく、極東の平和と安全、民間航空機の運航にとってきわめて危険であることは、重大と言わねばなりません。 また、位置通報義務違反機の約八割までが米軍機であった事実も、まだ全航空路がレーダーによって完全にカバーされていない日本の空にとって、これまたいかに危険なものか、論をまたないところであります。 このような空の無法者を断固として取り締まることがいま必要なのであります。日米安保条約とそれに基づく米軍の地位協定や航空法の特例法の廃棄こそが必要なのであります。まして、今回の改正案において、米軍機に対しては除外するというのは、断じて認めることができないものであります。 反対理由の第三は、航空交通の安全対策に国が基本的な責任を持つことなく、操縦士ら搭乗員の責任だけを問題にしている点であります。 わが党が繰り返し指摘しておりますように、空の安全は、空の主権の回復と航空における軍事優先に終止符を打つとともに、航空保安施設の充実と航空管制官を含む航空保安要員の大幅な拡充を図り、科学的な航空交通体系を確立することであります。 ところが政府は、米軍には言いなり、民間航空事業においても、不平等な日米航空協定のもとで、航空機の大型化、増便を認め続け、騒音問題を深刻な社会問題にまでしてきたのであります。その上、航空会社は、安全性を無視した極度の合理化計画の推進によって、空の運航が一層危険となっていることは重大であります。 軍事優先の無法を許し、国の責任である航空保安施設や体制の不備をたな上げにして、ジェット機のスピード化された時代において、パイロットにだけ目視義務を課して事態を糊塗しようとしても、それは無責任のそしりは免れないものであります。 以上述べましたように、本改正案は、若干の改善が含まれているとはいえ、いま国民が求めている空の安全、米軍と自衛隊による軍事優先の危険な状態の一掃、民間航空のもうけ本位の合理化を抜本的に改めさせる航空法の改正とはなっておらず、逆に、航空騒音証明制度の新設においても、米軍、自衛隊には適用しないというような特権が認められるなど、対米従属、軍事優先の反動的本質が強められていることも、断じて認めることができません。 最後に、わが党は、政府が日本の空の主権の放棄と航空の軍事優先、人命軽視の航空行政を速やかに改め、抜本的な航空法の改正案の提出へ再検討するよう要求いたしまして、反対討論といたします。(拍手)
○木部委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○木部委員長 これより採決いたします。 航空法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木部委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○木部委員長 この際、増岡博之君、太田一夫君、松本忠助君、河村勝君から、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四派共同提出をもって、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 本動議を議題とし、その趣旨の説明を求めます。松本忠助君。
○松本(忠)委員 ただいま議題となりました本案に対し附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。 附帯決議の案文は御手元に配付してありますので、その朗読は省略させていただきます。 本附帯決議案は、航空交通の安全と発達を図るため、本法の実施に当たり、政府において、積極的に措置すべきところを明らかにし、もってその実施に遺憾なきを期そうとするものであります。 以下、附帯決議の内容につきまして、簡単に申し述べます。 第一に、航空路監視レーダー網の整備についてでありますが、航空機のレーダー管制による航行の安全性の向上と空域利用の効率化を図るため、全国をカバーする航空路監視レーダー網の完備が何よりも必要であることは言うをまたないところであります。 政府は、既設の箱根、三郡山、山田及び八重岳に加えて、現在、北海道、東北、近畿及び南九州の四カ所の航空路監視レーダーを昭和五十一年度までに完成、整備する計画を進めておりますが、この計画達成が万一にも遅延することのないよう十分留意するとともに、でき得る限り速やかに整備を完了し、その運用を開始すべきであるということであります。 第二に、航空保安施設の整備、近代化と航空交通保安要員の充実についてでありますが、航空交通保安施設は、航空機の安全な航行にとって最も不可欠の条件でありますので、政府は、これが施設の整備につき、技術開発の促進、航空保安施設関係機器の改善、それらの近代化を図るよう最大限の努力を払うとともに、また一方、航空保安施設を有効適切に運用するための管制要員等の育成、訓練の一層の充実に努め、もって人と機械とが一体となって航空交通の安全と発達を図る必要があるということであります。 第三に、航空交通管制についてでありますが、関係省庁間の連絡調整をさらに緊密化し、もって航空交通管制の一元化の実をおさめるよう努めねばならないということであります。 以上をもって、本動議の趣旨の説明を終わります。 何とぞ御賛成賜りますようお願い申し上げます。(拍手) ————————————— [参照] 航空法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、航空交通の安全及び発達を図るため、次の事項につき所要の措置を講ずべきである。 一 航空路監視レーダー網の整備計画を速やかに達成すること。 二 航空保安施設の整備、近代化と航空交通保安要員の充実を図ること。 三 関係省庁間の連絡、調整をさらに緊密化し、航空交通管制の一元化の実をおさめるよう努めること。 右決議する。 —————————————
○木部委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木部委員長 起立総員。よって、本案は増岡博之君外三名提出に係る動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、木村運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。木村国務大臣。
○木村国務大臣 ただいまは、航空法の一部を改正する法律案について慎重な御審議の結果御可決いただきまして、まことにありがとうございました。 また、決議されました附帯決議の内容につきましては、その趣旨を十分尊重し、誠意を持って実施に当たる所存でございます。 まことにありがとうございました。(拍手) —————————————
○木部委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○木部委員長 この際、鉄道敷設法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。木村運輸大臣。
○木村国務大臣 ただいま議題となりました鉄道敷設法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 鉄道敷設法は、本邦に必要な予定鉄道線路、鉄道建設審議会の設置等につきまして定めたものでありますが、同法の別表、すなわち予定鉄道線路につきましては、経済事情の変化等に伴いまして、大正十一年の制定以来過去十回の改正を行い、今日に至っております。 今回の改正案は、一昨年十月の鉄道建設審議会の建議に基づき、京都府北部に必要な鉄道を整備するため、同法の別表を改正して、京都府宮津と河守とを結ぶいわゆる宮守線の終点を福知山まで延長しようとするものであります。 現在の宮守線は、当初、河守と福知山との間を結ぶ民営鉄道の北丹鉄道を介して京阪神地域と日本海沿岸丹後地域とを短絡する計画で昭和四十一年以来工事を進めてまいりましたが、昨年二月北丹鉄道が廃止されるに至った等の事情の変更がありましたので、本路線の所期の目的を達成するため、その終点を河守から福知山に改める必要があります。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願いを申し上げます。
○木部委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○木部委員長 次に、久保三郎君外二十八名提出に係る地方陸上交通事業維持整備法案、同じく中小民営交通事業者の経営基盤の強化に関する臨時措置法案、同じく交通事業における公共割引の国庫負担に関する法律案、同じく中小民営交通事業金融公庫法案を一括議題とし、提出者から提案理由の説明を聴取いたします。久保三郎君。
○久保(三)議員 ただいま議題となりました地方陸上交通事業維持整備法案、中小民営交通事業者の経営基盤の強化に関する臨時措置法案、交通事業における公共割引の国庫負担に関する法律案並びに中小民営交通事業金融公庫法案について、提出者を代表し、提案の理由並びにその概要を御説明申し上げます。 まず、地方陸上交通事業維持整備法案の内容について申し上げます。 高度経済成長の中でのモータリゼーションの進展は、全国的に過疎、過密の現象をつくり出し、国民生活に重大な影響を及ぼしております。 とりわけ交通の分野における混乱は際立ったものがあります。すなわち大都市の通勤地獄、交通の渋滞、地方における生活路線の休、廃止、そして絶えることのない交通事故と、公害の激増、そして地方交通企業の倒産、交通労働者の離職等深刻な事態に直面しております。 中でも過疎地を含む地方における公共輸送の衰退は、地方住民から通勤、通学の手段を奪い、雇用と教育に制約を加え、あるいは二重生活を強い、ひいては自家用車の激増に拍車をかけ、交通事故の増加にもつながっております。そればかりではなくほかに交通の手段を持たない老人、子供、主婦及び身体障害者等は交通から疎外され、その生活は一層苦しいものがあります。またこうした交通事情が過疎現象を起こさせております。 このように見てまいりますれば、これら地方における交通を維持整備し、地域住民の生活をいかに守るかは、当面する交通政策の重要な課題と言えましょう。これに対し現に行われている国及び地方自治体の政策は徹底を欠き、多分にびほう的であります。これは公共輸送の確保はそれぞれの当該企業の責任にあり、国はその規制や監督だけが責任であるとする古い制度的観念と、住民の生活を守り、足を確保すべき立場にある地方自治体には、公共輸送に対する積極的な権限のないことにも起因しております。 こうした情況のもとでの公共輸送は、地方住民にとって、与えられるものであっても、住民の要求するものではなく、情勢の変化に会えば一方的に運行の休、廃止となり地域住民の生活は無視されております。 このような地方における公共輸送を改善し、住民生活を守るためには従来の政策を抜本的に改め、それぞれの地域において総合的な地方交通の維持整備計画を利用者、地域住民等の参加のもとに民主的に策定し、地方自治体がその中心となって、推進する必要があります。これが本法案提案の理由であります。 以下本法案の内容について、その概要を申し上げます。 まずこの法律はすでに申し述べましたとおり経済的社会的な変動により、輸送需要が低下して陸上交通事業の経営が困難になった地方における地域の輸送確保を図るため、特別な措置を講じ、その地域における住民の福祉と陸上交通事業の従業員の雇用安定を図ろうとするものであり、都道府県知事をして該当すべき地域における国鉄を除く鉄道、軌道、乗り合い旅客自動車の事業の維持整備計画を立てさせ、その実施によってその目的を達成させようとするものであります。 この維持整備計画には当該地域における輸送需要の見通し及び陸上交通事業の維持整備の目標、輸送施設の整備改善のほか目標達成のため必要にして適切な方法を定めるものといたします。この維持整備計画は当該地域における陸上交通事業の維持整備のみを目的とするものではなく、当然のことながら関係地域住民の日常生活の利便を確保するために特段の考慮を払うべきことを義務づけております。 またこの維持整備計画の策定に当たってはあらかじめ、関係市町村長、関係する陸上交通事業者とその企業の従業員の代表、さらには利用者の意見を聞かなければならないこととし、民主的な計画の樹立とその推進を図ることにし、またこの場合には当該陸上交通事業の従業員の雇用安定についても配慮すべき旨規定いたした次第です。 この維持整備計画の実施に当たって、都道府県知事は関係陸上交通事業者に対し、輸送施設の整備改善等の維持整備計画で決めた事項の実施について勧告することとし、これを受けた地方陸上交通事業者はこれを尊重し、その実施に努めなければならないことにし、かつ、国及び地方公共団体をして、そのために必要な資金の確保あるいは税制上の優遇措置を講じさせ、計画の円滑な実施をいたさせようとするものであります。また都道府県知事は地域における陸上交通事業の維持整備を円滑に行わせるため、必要により関係陸上交通事業の合併、譲渡、管理の委託、業務運営の調整等について、あっせんすることができることといたしました。 維持整備計画の目標達成のため、地域住民の生活に必要不可欠の生活路線の運行確保による欠損について十分に補助できるよう制度化し、予算措置を図ることにいたします。 運輸大臣及び建設大臣、陸運局長または都道府県知事が、維持整備計画に係る地域の陸上交通事業の路線の休、廃止等、住民の利便を減少するおそれのある処分をしようとするときは、関係市町村長等の意見を聞かなければならないこととし、地域住民の意向によって処分を決定させようとするものです。 なお都道府県知事が維持整備計画を策定するに当たっては、都道府県の議会の議員、関係市町村長及び学識経験者のうちから都道府県知事が都道府県の議会の同意を得て任命する者をもって構成する地方陸上交通事業維持整備審議会に諮問することとし、計画策定に万全を期した次第です。 以上で本法案の説明を終わります。 次に、中小民営交通事業者の経営基盤の強化に関する臨時措置法案について申し上げます。 最近におけるインフレ、物価高、そして過疎過密の激化という著しい経済社会の変動の中で、公共輸送を担当している交通事業者のほとんどが経営の悪化に悩んでおり、なかんずく中小と言われる陸上中小民営交通事業の経営は深刻な事態に追い込まれております。これら中小民営交通事業の背負っている財政的重荷を軽減し経営基盤を強化することは、他の施策とともに公共輸送確保のため必要な施策であります。このため借入金の利子の支払いを猶予する等の措置を講じようとするものであります。 これが本法案提出の理由であります。 次に、法案の概要について申し上げます。 この法案は、資本金または出資の総額が五億円以下の鉄道、軌道及び一般の乗り合い自動車、路線トラック、区域トラックの事業を経営する中小民営交通事業を対象として行うものでありますが、これらの交通事業者の経営する公共輸送が地域住民の生活に必要不可欠のものであり、かつ、政府がこれら事業者にかわって利子の支払いを肩がわりすることが、事業の経営再建に役立つものである場合に限って実施しようとするものであります。 利子の支払いを政府が肩がわりしようとするものは、政府が政令で指定した金融機関から中小民営交通事業者が借り入れた昭和五十年三月三十一日現在の借り入れ残高について、承認の日から五年間にわたって行い、当該中小民営交通事業者は、肩がわりを受けた利子相当額を元本の返済に充てなければならないことにし、債務の軽減をいたし、財政基盤の強化を図ろうとするものであります。 政府によって利子支払いの肩がわりを受ける中小民営交通事業者は、五年間の猶予期間経過後、十年間の間に肩がわりを受けた利子相当額を指定金融機関に支払うこととし、利子の支払い猶予の期間中、その決算の額が資本金または出資の総額に対し政令で定める率八%以上の利益を生じた場合は、その年度の猶予利子分を当該中小民営交通事業者が支払うものとし、また、その利益が政令で定める率一二%以上の場合は、その年度の猶予利子分及びその率を超えた額の二分の一に相当する額の猶予利子分を指定の金融機関に支払わねばならないことといたしました。 さらに、当然なことではありますが、この制度の適用を受けている中小民営交通事業者に対し、運輸大臣が経理や事業内容の改善について勧告することができることとし、単に利子支払いの猶予にとどまらず、経営基盤の強化を図ろうとするものであります。 以上で本法案の提案の説明を終わります。 次に、交通事業における公共割引の国庫負担に関する法律案について申し上げます。 従来から行ってきております交通事業の旅客貨物に対する運賃割引のうち、その交通事業の営業上必要とする割引のほか、国の政策に起因する運賃割引があり、これらは法律によるものもあるが、その多くは慣行により行われてきたものでありまして、一部を除いて大半はそれぞれの交通事業の内部補助方式にゆだねられ、一般利用者の負担において実施しているところであります。 しかるに最近の経済社会の激変によって、公共輸送を担当している多くの交通事業の経営が悪化し、これを維持し継続することに困難を来しております。このように経営の悪化せる事業に国家政策の遂行の責任まで背負わせることは、まさに不公正であり、また交通事業の健全な発達により国民の足を確保することにも逆行するため、これら国の産業政策、文化政策、社会政策等の要請による公共割引につき、国庫負担の原則を打ち立てようとするものであります。これが本法案を提出する理由であります。 次に、法律案の概要について申し上げます。 この法律の適用により公共割引を実施した場合に国庫負担を行う交通事業は、日本国有鉄道の行う鉄道、連絡船及び自動車運送の各事業、地方鉄道法、軌道法による交通事業、一般乗り合い旅客自動車並びに貨物定期航路及び旅客定期航路事業とし、国庫負担をいたす公共割引としては、一、国鉄が国鉄運賃法によって割り引く身体障害者及びその介護者の割引額、二、通勤定期乗車券及び通学定期乗車券の運賃を普通旅客運賃の十分の七より低くしたものについて、その差額、三、国が運輸審議会に諮り、産業政策、文化政策、社会政策その他の政策上の必要から運賃割引を政令で定める場合の割引額といたします。 これによって、交通事業の不当な負担を解消し、事業の健全な発展により公共輸送の確保を図るとともに、交通機関の機能を利用し国家政策の円滑なる遂行を期そうとするものであります。 以上で本法案の説明を終わります。 次に、中小民営交通事業金融公庫法案について申し上げます。 最近における交通事業の経営、中でも中小民営交通事業の経営は、インフレ物価高に加えてモータリゼーションの急速な進展により大きな打撃を受け、いずれも深刻な経営危機に立たせられております。特に過疎地を中心とする地方における多くの中小交通事業は、従業員に対する賃金の遅欠配をはじめ、人員整理、さらには会社更生法の適用を申請するなど、公共輸送を維持するに大きな支障を来しております。このように極度に悪化した経営を改善し、地域における公共輸送を確保するためには、各種の施策の遂行が強く要求されているところであります。なかんずく中小民営交通事業の経営に必要な長期かつ低利の資金を供給することは、当面の経営危機から抜け出し、健全な経営に発展させるための必要な施策であり、これら中小民営交通事業が、ともすれば一般金融機関から円滑に資金の供給を受けられない現状に照らし、かつその公共性にかんがみ特別な金融制度の設立が強く望まれているところです。これが本法案を提出する理由であります。 次に、本法案の内容についてその概要を申し上げます。 中小民営交通事業金融公庫の設立は既存のこの種金融公庫に準ずることといたし、この金融公庫によって資金の融資を受けられる中小民営交通事業は、資本金もしくは出資の総額が五億円以下の会社、協業組合等政令で指定した組合または個人の経営による鉄道、軌道、バス、ハイヤー・タクシー、路線及び区域トラック運送事業、並びに船舶運航事業(外航及び特定を除く)といたします。 この公庫の資本金は政府の全額出資二百億円とし、資本金の二十倍を限度とする債券の発行及び政府からの借入金によって貸し付け業務を行うことにいたします。 この公庫が融資する資金はこれらの経営者が当該事業に必要な施設の整備のためのもの、または運営のための必要資金を貸し付けるものであり、また、中小企業等協同組合のほか商工組合、内航海運組合等の政令で定める組合もしくはその連合会に対し、業務の運営に必要な資金を貸し付けることができることにいたしました。 以上で本法案の説明を終わります。(拍手)
○木部委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 次回は、明二十六日午後零時三十分理事会、午後一時から委員会を開くこととし、本日は、これをもって散会いたします。 正午散会 ————◇—————