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74回国会参議院1974/12/23

予算委員会 第3号

発言数
758
登壇者
47
会派数
6
開催日
1974/12/23

会議録

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十九年度一般会計補正予算  昭和四十九年度特別会計補正予算  昭和四十九年度政府関係機関補正予算  以上三案を一括して議題といたします。  これより質疑を行ないます。矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は最初に、三木総理に政治姿勢について伺いたいと思います福。  総理はしばしば政治の信頼を国民から取り戻すためには、お金の問題、すなわち政治資金の問題について清潔でなければならない、この点を強調されてきておるわけでございますが、先日、自由民主党と財界との話し合いの中で、自民党の政治献金は三本立てにする、すなわち国会議員に支給されておる立法調査費、それから国民協会、それから党費と、こういう話が出たようでございます。そして、国民協会への献金は依然として財界、会社、法人からは受ける、こういうふうになったと聞いておりますが、総理は総裁になられましてからずっと、政治資金は個人に限るのが正しいんだと、こういうことを言ってこられましたが、このまままいりますと、依然として会社、法人から献金を受ける、こういうことが続くわけでございます。その点について総理はどうお考えなのか、最初にお伺いします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) お答えいたします。  私もしばしば申しておりますように、政治献金は党費、個人の献金というものが理想的ではあろうけれども、まだやっぱり個人の献金といっても、日本の社会的慣習の中にそういうことが深く根づいておりませんので過渡的な処置が要る、その理想を実現するにしても。したがって、企業献金というものも、過渡的には政治資金としてこれは企業からの献金も出ざるを得ない。企業献金がすべて悪いとは私は思わないんですよ。やはり企業といえども政治献金を出すということは悪いことではないが、そのことが、政治との癒着というものに対して国民は非常なやはり批判を持つわけでありますから、企業からの献金というものに対しても節度が要る。また、国民の前にそれが非常に公明正大なものでなくてはいかぬ。こういう点で政治資金というものは今後考えていくべきであって、企業からの献金は全部悪だというふうには、そうは考えていないわけです。おのずから節度と公明正大な資金でなければいかぬ。いやしくも、資金を企業から仰ぐことによって政治が曲げられるのではないかという疑惑を国民に与えるようなことは絶対にあってはいけない、こういうことだと思うのです。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま、節度ある会社からの献金であればいいんだと、こういうお考えですが、過去に会社からの政治献金でそういう節度あるものが非常に少ない。むしろ問題になった、疑惑になった政治献金のほうが非常に多い、こう判断をせざるを得ない状況が続いてきているわけです。それが今日の政治不信を呼んできたわけです。この間も衆議院の予算委員会において、わが党の坂井委員からも、この前問題になったあの脱税の大手商社からの政治献金も出ておる。あるいはやみカルテルで再三公取から告発を受けた企業が、相も変わらず自民党に政治献金をしておる。こういうふうなことから考えましても、節度ある政治献金なら会社はいい、また総理はいま、理想は個人だけれども過渡的にはやむを得ないと、こう言われますが、わが党はすでに個人献金だけでやっておるわけです。やる気になればできるわけです。だから、過渡的には少し認めておいても、まあ理想はやるんだと、これでは、ほんとうの政治転換をこの際三木総理がやろうとされておるならば、私は一挙に個人献金に限る、こう踏み出してもいいんじゃないかと思うのです。  やはり会社の献金はよくないというその一つの例として、私はいまから指摘をしたいのは、昭和四十六年のあのドルショック以来、大手造船会社が、まあ造船会社全般が為替差損のために赤字になった、こういうことは御存じと思いますが、ところが、この赤字になった大手造船会社から、国民協会をはじめとした自民党に多額の政治献金がなされておる。しかもこの大手会社は、赤字ということで国へ法人税、法人事業税はもちろん納めておりません。したがって、地方自治体には法人住民税という形でわずか年間四千円の納税しかしていない。ところが自民党に対しては、国民協会に多額の政治献金がなされておる。こういうことなんですが、この点について三木総理はどうお考えになりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私も国民協会にいままでどういう資金が入ってきておったかということは、つまびらかにはいたしません。だから、政治献金がいやしくも国民の疑惑を受けるような政治献金であってはならない。原則的にはそういうことでございますが、国民協会にどういう金が入ってきたのか実際に承知しておりませんので、いま御質問に対して具体的にお答えすることは困難でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それでは自治大臣は御存じですか。掌握されておりますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  国民協会にどのような金が入っておるかということについてはつまびらかにいたしませんが、私の見るところでは、一部入っているのじゃないかという感があります。しかし、これは事務的に詰めてみなければいけませんから、事務当局から答弁をいたさせます。

土屋佳照自治省行政局選挙部長

○政府委員(土屋佳照君) にわかなお尋ねでございますので、献金の額はちょっと手元に資料がございません。これは公表しておるものでございますから、すぐ調べればわかるわけでございますけれども、その時期に幾らかということは、仰せによってすぐ調査をいたしてお答え申し上げます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 通告を出してありますので出していただけるかと思いましたが、出していただけませんので、時間もありますからこちらのほうで申し上げます。  石川島播磨重工業が、国民協会に対しては四十六年の上期、下期、四十七年の上期はゼロであります。ところが、四十七年の下期に三千万円、国民協会に入っています。それから日立造船は、国民協会に対して四十六年上期、下期、四十七年の上期までは一銭も入っておりません。四十七年の下期に二千五百万円一挙に入っております。それから佐世保重工業は、四十六年上期、下期、四十七年上期は一銭も入っておりませんが、四十七年の下期になりますと一挙に八百万円。だから国民協会だけで六千三百万円が、一挙に四十七年度下期に政治献金がされたわけです。このときに税金のほうはどうかといいますと、先ほど申したように法人税も法人事業税も一銭も払ってない。法人住民税、これが年間わずか四千円、こういうことなんです。  だから、ここで総理言いたいのは、税金を一銭も払わないのに自民党には三千万の金が出せる、こういう政治献金のあり方がいいのかどうか。この点いかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 国民協会は御承知のように独自の活動をしておるので、どういうふうに金を集めておるのか私は詳細は知りませんが、御指摘のようなことがあると、やっぱり政治資金は、企業としてできる限り国民から疑惑を受けないような形で政治献金をされることが好ましい、こう思うわけです。いろいろ御指摘を受けるような、そういうふうな政治献金はやはり好ましくないものだと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 好ましくないと思う、これぐらいじゃ――しかも国民協会は独立したものだからと、いつも政治献金の問題になると、総理はこの間もそうですよね、私とは関係のない独立した個人がやっているんだと、いつもそれで全部逃げるようになっているわけです。そうじゃありませんか。いまの答弁だとそうじゃありませんか。国民協会というのは明らかに自由民主党の資金源であることは、はっきりしているわけでしょう。だから国民協会をどうするかと、この間から議論されているわけです。それを、国民協会がどうやっていたかわからぬけれどもと、こういういいかげんな御答弁では困るわけですよ。  だから私は最初言ったように、会社からの献金は受けるべきでない。疑惑疑惑とおっしゃいますけれども、いままでのは全部疑惑なんですよ。しかもこれはまだ、税金を納めてない問題だけじゃない。このとき造船業界に対してどういう措置がされましたですか。これは運輸大臣にお伺いしたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 御質問の点は、例のドルショックの際、あの前後に政府が海運事業に対してどういうふうな措置をしたかというところに焦点がおありだろうと思いますが、その点について申し上げますと、昭和四十六年の十二月、ドルショック、つまり三百六十円から三百八円になりましたときに、実は当時海運会社全体といたしまして外貨建ての債権が約一兆八千四百億ぐらいあったわけでございます。したがって、ドルショックによる為替差損が当時二千四百億ぐらいにのぼっておったわけでございます。これはわが国の造船事業から申しますというと、四期にわたって利益がとても出せないというふうな、非常に大きな損害額に相当する差損であったわけでございます。そこで四十七年の一月に閣議決定をいたしまして、大体三つの方法でこういう為替差損に対する救済の措置を講じたわけでございます。  その第一の点は、企業会計上の処理と税法上の処理とを別個に行ないまして、税務計算上は、為替差損額相当額を一期に繰り上げてこれを損金に算入するという方法。企業会計上は延べ払い期間に応じて計上するという方法をとったわけでございます。第二点といたしましては、日本輸出入銀行に対する償還金について、その償還金にかかる為替差損相当額を約定金利で六年から十年間返済を猶予するという点でございます。第三点は、昭和四十六年の八月、つまり変動為替相場に移行いたします以前の契約にかかる受注の残に対しまして、日本輸出入銀行の融資について融資ワクの拡大等をやってこれを救済する。大体この三つの方法を閣議決定に基づく線に沿いまして措置をとったのが当時の状況でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理にお伺いしますが、こういうふうに大手会社はいろんな面で優遇されるわけです。中小零細企業は、あのときには非常に困っておりました。もちろん少しの優遇措置はあったと思いますが、大手に対してはばく大な融資に対するめんどうを見、あるいは返済猶予を見る、あるいは為替差損に対する対策をやる。こういう恩恵も与え、そうして税金は一銭も払わない。にもかかわらず、十万や十五万の政治献金なら先ほど総理の言われた節度ある政治献金かわかりませんよ、一つの会社が一挙に三千万ですよ、一挙に。ぼつぼつ出して全部じゃないですよ、一挙に三千万。もう一つは二千五百万、八百万と、三つだけを調べてもこれだけなんです。こういう献金のあり方が、これはいいのかどうかです。もう一回答弁願います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 逃げるわけでも何でもないのですが、国民協会がどういうふうな金の集め方を企業からしておるか、私よく知らないのですが、国民協会もこの機会に改組をされるということでありますから、国民協会がいやしくもその金の集め方で国民の疑惑を受けることのないような運営をしてもらうように、私からも希望を申し述べることにいたします。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大蔵大臣、こういう場合、大蔵当局としてはどうされますか。要するに税金は一銭も払っていない。しかし、税金は払わないけれども自民党に三千万円のお金を献金する余裕が会社にあるということですよ。まさか重役さんと社長さんが必死になって金をかき集めてきて、そうして三千万円ポケットの中から出せるとは私は考えられないです。この三千万円はやっぱり会社の金なんです。税金は四千円ですよ、四千円。いいですか。そうでなくても地方自治体はいま困っているんですよ。御承知のように地方財政は逼迫をしている。前の年までは何千万と出しているんですよ。このときだけは四千円。ここにちゃんと証拠があるんです、こういう場合大蔵当局、特に国税庁としてはどうされますか。税金を取り直しますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 企業――大企業の問題が本院の論議を通じても絶えず問題になるのでございますけれども、率直に申しまして、私は日本はいわば企業国家だと思うのです。企業、大、中、小、零細、たくさんの無数の企業体に国民それぞれが属しまして、そこに生涯の浮沈をゆだねて懸命に毎日の経済活動に従事いたしておるわけでございまして、それ自体非常な国民の大きな活力の展開の場でございまするし、それを通じて国の財政がささえられておるわけでございます。したがって、企業は規模の大小にかかわらず、日本の国政の消長に大きな関連がある大事な組織体だと心得ております。したがって、わが国は産業政策といたしまして、規模の大小にかかわらず、十分な対策を講じてまいらなきゃならぬことは当然のことと思うのであります。  いま御指摘の造船業界でございますが、木村大臣からも仰せになりましたように、国際通貨が変動制に移りまして、ドル建ての債権によって巨大な損失が一挙に吹き出してきたという場合に、税制上どのように処理するかということを税務当局として冷静に判断し計算いたしまして、税制措置を講じたわけでございまして、税法上の権利義務の関係といたしまして造船会社は何をすることができるか、何をすることができないか、そういうことを冷静にきめたわけでございまして、そのこと自体は政治献金とは関係がないことと思うのであります。  矢追さんのおっしゃるのは、そういう非常に制上の特別な措置が講ぜられておる時期に、当該造船会社が国民協会へ政治献金をするということはマナーとしてどうかということの御指摘でございます。本来、私は企業といえども政治献金をする自由、権利があると思うのでありまして、それを抑圧する権利は政治にないと思うのであります。ただ、それがどの程度あっていいかという判断は、各企業体の責任者が判断すべきものでございまして、それは多過ぎるじゃないかとか、小さ過ぎるじゃないかとかいうことについて大蔵大臣として意見を申し述べるのは、やや行き過ぎであろうと思うのでございます。ただ、政治献金でございまして、これを献金をする方々の、法人であれ個人であれ、その自主的な判断においてなされたものが公明に経理されて、そして正しく使われるということを保証することがわれわれの任務であろうと思うのでございまして、そういう点につきましては、自由民主党におかれても間違いなく措置されておると思いますが、今後一そう気をつけるべき問題であろうと私は考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私が聞いているのはその問題じゃないですよ。もちろんそれも問題ですが、そうじゃなくて、法人税も法人事業税も納めていない。ということは税金も払えないぐらい苦しい会社ということですよ。それが自由民主党の国民協会に対して三千万ものお金を出せる。そういった場合どうするのですか、国税当局は。国税庁長官おられましたら、国税庁長官。それを聞いているのです。三千万のお金があるということでしょう、会社には、余裕が。四千円しか払っていないですよ、年間四千円しか。片方は三千万円お金を出す。それだけ力があるということでしょう。二千五百万円出せる、もう一つは八百万円、私の調べた三つだけでもこういうことです。ということはお金があるということじゃないですか。年間四千円というのは、われわれが払っている税金、サラリーマンの払っているお金よりもっと少ないですよ。あとはゼロなんです、法人税も法人事業税も。いかがですか。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) お答え申し上げます。  法人税法上の申告額がゼロあるいは赤字になります場合でも、寄付金の限度額の計算がございまして、資本金あるいは資本積み立て金の合計額に対しまして一定率をかけましてワクができます。そのワク内の寄付金あるいは課税済み所得からの寄付金というものがございました場合には、私どものほうの課税上の取り扱いといたしましては、それ自身を否認するわけにはまいらないわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうやってうまく逃げるわけですけれどもね、これは国民感情としてどうですか。大蔵大臣、どう思われますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 常識論といたしまして、企業にはいい時期もあるし悪い時期もあるわけでございまして、いつまでも苦しいわけでもなかろうと思うのであります。それからもう一つの問題は、現実の金繰りの問題と課税上の損益の計算の問題とは、またこれ別な問題のように思うわけでございまして、問題は、その企業が社会的存在といたしましてそういう時期に政治献金にどれだけのお金を割愛することが妥当であるかどうかという判断、これはその企業の責任者の判断すべき問題でございまして、私がとやかく申し上げることではないということを先ほど申し上げたわけでございますが、受けました自由民主党、国民協会といたしまして、それを適正に処理していく、公明に処理してまいるということは、受けたほうの責任になってくるということを申し上げたわけでございまして、いま矢追さんの言われておる問題の判断は、まず第一次的には、その献金をいたしました造船会社の責任者が御判断すべき問題であると思うのであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理、先ほど総理はいまの大蔵大臣と同じような答弁なんですね。要するに、会社が金を出すことはこれはもう自由なんだ、これは幾ら出しても、時期もいろいろあるかもしらぬけれども、かまわないと。受けたほうがちゃんと明朗にしておけばそれでいいんだと。しかも総理は先ほど、いま自由民主党で国民協会の改組も検討していただいておるし、まあ私としてもその点はガラス張りにするように要望したいと、こういうふうな非常に一ちょっと、総裁ですよ、三木さんはね。総理は総裁でしょう。総理がリーダーシップをとってこの政治資金の問題はちゃんとすると言われたわけでしょう。いまの御答弁聞いていますと、何か党のほうは党のほうでやってくれている、それに対して私は要望しておきますよと、こういうふうに聞こえてならないんですよ。  だから、私が主張しておるように、こういうふうな問題もある。これは国民感情から見て、税金は四千円、自民党に三千万とこうなったら、これは国民が聞けば非常に腹が立ちますよ。そうじゃありませんか。それで自由民主党がかりにりっぱな政治をしているならいいですけれども、インフレ、物価高、しかも先日来は金脈問題、相当いろんな問題が出ておる。その諸悪の根源は全部総裁選であり政治資金だと、三木さんは、総理は言われたわけでしょう。だから、この際やはり会社からの献金についてはやめるんだ、やめる方向にきちんとするんだと、こう総理が国民に約束をされてこそ、いま国民が、まあ大きい期待か、かすかな期待かわかりませんが、期待を寄せていることは事実ですから、それに対してこたえる三木総理の言う清潔な政治への第一歩になる。それをやらない限りは絶対に私はいままでの自由民主党とは変わらない、こう判断をしたいのですが、最後に重ねてお伺いをいたします。はっきりした御答弁を願いたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) どこの国を見ても、企業からの献金というものを全部禁止しておる例は少ないわけであります。それはやはりある限度を設けて企業からの献金というものを認めておるというのが多い。それから日本の場合も、金にまつわる不信というものが政治の不信の中で大きなウエートを占めておるわけですから、この点は、政治の信頼を回復するためにこういう不信はなくさなければいかぬ。  そういう点で、将来は政治資金は党費であるとかあるいは個人献金というものがいいと私は考えておるわけです。それは理想です。現実はまだそこまですぐに行くことは非常に混乱が起こると私は思います。だから、ある経過的な期間を置いて、そして個人献金にしても税法上のいろんな問題もあるでしょうが、そういうふうなことである期間を置かないと、いま矢追さんの言われるように直ちにドラスティックな改正をするということは、かえって混乱を起こす危険があると私は思う。どうしてもやっぱり政治には、政治活動には金がかかることは事実ですからね。そういうことからして、できる限り政治資金に対して国民の疑惑がないような形に、過渡的な期間においてもできるだけ政治資金に対する疑惑を受けないような形の規正を行なって、そうして理想的な方向に近づけることが一番現実的だと私は思います。そういう考えで私はおるわけでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 関連。  きれいな政治を行なうという総理の発言とうらはらに、いま矢追議員が指摘のとおりに、地方住民感情からいっても、地方財政規模の中でわずかに四千円の納税、片一方は三千万、六千万の献金を受けるというこういう実態の中で、先般の衆議院の予算委員会においても、やはり脱税であるとか、あるいはまた政府の特別な措置によって利益を生じたような業界、あるいはまたその会社から献金を受けている国民協会の実態というものに対して、総理はやはり主体的な立場から、これをやめるとか、あるいは税制上の損金算入の問題ももう一歩歯どめをかけるというような、そういう強い姿勢をとるべきではないかと私は考えるのです。この問題についての答弁。  もう一つは、やはり個人献金に移行することを総理は望んでいる。しかし、個人献金に対する租税の措置というものがあまりにもなおざりではないかと思うのです。企業にはあまりにも寛大である。個人献金に対する措置というものは全然ない。こういう問題を明確にすべきではないかと考えるわけでありますが、総理の考え方についてお伺いしたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 国民協会は別の人格であるといっても、自民党が資金的な供給を受けておることは事実でございますし、そういうことで、この機会に国民協会も思い切った改革をしようというときでございますから、私からも、国民協会の今後の資金の集め方については、いま御指摘のような問題などもございますし、いやしくも国民から疑惑を受けるようなことのないような集め方をするという改革をしてもらうことを強く国民協会に要請をいたすことにいたします。  また、個人献金に対してこういう慣習が社会的に根づいていくためには税法上の問題も大きな問題ですから、これは当然に、個人の政治献金に対しては税法上の優遇措置を講ぜられるような措置を政治資金規正法なんかの改正の場合に取り上げたいと考えておる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まあ、総理の今後の非常にリーダーシップをとられての成果を期待をしております。  次に、総理は資産公開について、私は近く自分の資産の公開をやるとはっきり言明をされました。先日ある世論調査、中央調査社の世論調査でございますが、やはり財産公開は必要だという人が四五・五%もおります。その中で、総理大臣は七九・八%、その次に各大臣六九・七%、やはり財産公開をすべきではなかろうか、こういう意見が出ております。総理は各大臣に強要はしないとこうおっしゃっておりますので、非常に時間がかかりますので簡単でけっこうです、きょう並んでいらっしゃる全大臣から、自分は資産公開をやる、やらない、イエス、ノー、簡単でけっこうですから一言お答えをお願いします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) きょうのどの新聞でしたか、新聞紙に資産の公開について各国の例を紹介しておりましたが、世界各国とも、この制度というものはまだ制度としてはなじんでないわけであります。いろいろの社会的な慣習としてやってはおるけれども、制度としてこれがちゃんと政治の運用の中に取り入れられておる国はないわけですね、ほとんどない。だから日本の場合も、私は、これはいま各大臣にノー、イエスということでございますが、制度としてこれを取り入れることにはまだ機が熟してない。これはやっぱり研究すべき問題だ。いやしくも公人というものが、財産に対して国民の疑惑を受けるようなことのないことは政治の信用を高める上において必要ですが、これはもう少し制度化するためには、よほどいろんな点から検討を要する。  たとえば私の場合でも、一体その公開というものの一覧表をどこへ出すかということについて、やはり出すところが、国会といっても議長はそういうものを受け取りませんしね、そういうふうにまだこれが、私自身は私自身の政治の姿勢としてこれをやりたいと思うのだが、一つの政治とかあるいは社会的慣習として熟してないだけに、やる場合にもまだそういう入口からいろいろと検討しなければなりませんので、私は、今回は私が代表した形においてやろうということでございますが、まあ各大臣に対しては、そういう意味でこれをいまの段階で各大臣に強要して、制度としてまだ熟してないのですから、それには無理があると思って、私自身は自分の政治姿勢としてやるということで、まだそういうふうには考えていないのでございます。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私の資産について御関心があれば、すでに文藝春秋のアンケートに対しましてお答えをいたし、それが文藝春秋に載っておりますから、これは相当詳細に私はお答えしてありますから御承知願いたいのです。  制度としては、いま総理からお答えがありましたように、これはなかなかどういうふうにするか、検討を要する問題である、さように考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 イエス、ノーでけっこうなんです、簡単で。時間がないですから。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 所得の申告の場合に、財産目録といいますか、財産の調査をしたものを添付して税務署にわれわれ出してあるわけでございまして、こういった問題をさらに公表するかどうかということは、一つの日本のデモクラシーのあり方として慎重に検討すべき問題だと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ほかの大臣、お立ちにならないのであれですけれども、もしこの中で、私は勇気をふるって総理のあとをついて資産公開をやりますと、こういう大臣がおられたら積極的に遠慮しないで御答弁をいただきたい。だれかおられますか。もしおられないとすれば、私はしたくないと、こう判断をしたいのですが、いかがですか。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) この問題は閣僚間でもたいへん重大な問題として受けとめております。したがって、総理が代表してああいうお答えがございましたが、そういう線で、いかなる方法、いかなる時期、そういうふうな問題を私の手元で少し検討させていただいておる、こういう段階で、前向きには考えておりますから、さよう御了承願います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 あとはおられますか。まあ官房長官が代表されましたので、いま申し上げたように国民は財産公開の必要性を約七割の人が求めておりますので、その点はお含みをいただきたいと思います。  それでは次の問題に入ります。これは総理から伺いたいと思いますが、田中前内閣は日本列島改造計画を掲げて登場いたしました。その中には幾つかの目玉商品がございました。たとえば苫小牧東部、あるいはむつ小川原、志布志、こういった大型の工業基地計画、いわゆる大型開発のプロジェクトが組まれておりました。その他新幹線あるいは高速道路、本四架橋、これに対して、これは福田副総理もおっしゃっておりましたが、新全総あるいは経済社会基本計画、こういったものを見直す、こういうふうに言われておりますが、徹底的に洗い直す、こう考えてよろしいですか。まず副総理から。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 御説のとおり洗い直しをいたすつもりでございますが、とにかく世界情勢が非常に変わってきております。それに対して、わが国がそれに対応する経済姿勢、これはもう思想的に転換をしなければならぬくらい大きな転換を必要とする、そういうふうに考えるわけであります。そういう際に、いままでの高度成長思想でつくられた経済社会基本計画あるいは新全国総合開発計画、これは根本的に全面的に検討し直しまして、そうして新しい計画を設定する。できたら昭和五十一年度を初めとして五年なり十年なりというような計画にしてみたらどうだろうかと、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 見直すということでありますと、総理にお伺いしたいのですが、三木内閣は田中前内閣のとってまいりました日本列島改造計画とはもう無縁である、縁もゆかりもない、根本的に違う、こう理解してよろしいですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 日本列島改造というのは政府の計画にはないんです。これは田中さんが自分の私見として発表した、こういう性格のものであります。政府としてある基本計画は、新全国総合開発計画と経済社会基本計画である。その二つの計画につきましてはこれは根本的な見直しをする。ただ、国政の継続性というものがありますから、いままで続いておった計画が全部そこでちょん切れて、そうして新しいスタートというものになるかならないか、これは国政の継続性ということを考えまして現実的な処理が必要である、かように考えます。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま言われましたように田中氏個人の、日本列島改造は私の案であります。政府の公的な見解を示すものではない。したがって、政府は政府としていま第三次の総合開発計画を五十年度中に樹立して、五十一年から六十年度までの計画を立てようとしておりますから、こういう新たなる変化された環境のもとにおいて日本の開発計画を立てたいと考えておる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまになって私的論文だとか言われますけれども、実際はもうあの「日本列島改造論」の中に書かれたことが、四十七年度の補正予算から始まって、四十八年度予算、四十八年度の補正、四十九年度予算と、ずっとそれが続いてきていることは事実なんです。  それはそれといたしまして、次に、昭和四十七年の十二月、中央公害対策審議会は公害未然防止に関する中間報告をまとめて、当時環境庁長官でありました三木総理に答申をいたしました。その中にはこう書いてあります。「今後の地域開発においては、環境保全優先へと立場を転換し、環境保全と両立しうるときのみ地域開発が認められるべきである。」、そして「環境保全水準の確保を絶対的な条件とし、」「場合によっては開発そのものをも中止すべきである。」と、こうはっきり書いてあるわけです。  三木総理、いま開発とおっしゃいましたが、今後開発を行なうに際して、この原則といいますか、この答申のとおりやられると、こう考えてよろしいですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 開発は地域住民のためにするわけですから、環境を破壊して開発をしても地域住民のためになるわけではないわけであります。環境を維持しながら開発するということでありますから、環境に対して悪い影響を与えて、そしてその開発が地域住民全体のためにならぬという開発は、これは認められるべきものではないので、環境の許す範囲内における開発である、その答申の精神は、これは当然に政府として今後の施策の上に生かしていかなければならぬと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 また昭和四十八年の二月に、やはり環境庁長官でありました三木総理は年頭の所感で、ことしは環境アセスメントを行政施策の柱とする、こう言われたわけでありますが、いまのお話から伺いますと、やはりこの環境アセスメントを行政施策の柱としていかなきゃならぬと思うわけです。すでにわが党はこの環境アセスメントに関する法案の検討を始めまして、要綱をつくっております。やはりあと追い公害行政になってはならぬと思いますので、この環境影響評価は私は法律化しなきゃならぬと思います。この法制度化に対する総理のお考えはいかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 御指摘のように、環境は事前に十分なアセスメントをやって、そしていろんな産業立地も行なわれなければならぬわけで、これからの環境行政の中心は環境アセスメントにあると言っても過言でない、そういうことで、いま法制化というものは政府は考えておらなかったわけでございますが、せっかくそういう御努力になって、そのことが環境のアセスメントに非常な前進に役立つというならば、われわれとしてもこれに対して十分検討の上、それに賛意を表することにやぶさかではございません。どうしてアセスメントということが効果的に行なわれるように今後やっていくかというのは、環境行政の中の一番の大事な点だと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 環境庁長官、いまの総理の御精神を体して環境アセスメントについての法律化、これの検討はお進めになりますか。大体どれぐらいの期間でお進めになるか、お伺いをしたい。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小沢辰男君) お答えいたします。  総理の御方針に沿いまして、私ども環境庁としては、中公審の中に専門部会を設けまして検討をしてもらう予定をいたしておりまして、その準備段階で環境影響評価制度等の準備会を発足させております。できるだけ早い機会に環境影響評価の基準をつくりたいと、このように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 通常国会に間に合いますか、どうですか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小沢辰男君) ただいまお答えをいたしましたように、中公審の専門委員会で十分検討していただかなければなりませんので、この通常国会にはちょっと間に合わないと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 通常国会に間に合わないとなりますと、少なくも昭和五十一年にもちょっとあぶないわけですよね。そうすると、あと二年間、総需要抑制で開発がかりに押えられるとしても、やっぱり開発が進むわけですから、それだけ環境破壊、公害というものが進む。そうなると何にもならないわけですよ。やはり私はこれは早急にやっていただきたいと、こう思うのですが、重ねて総理の決意をお願いします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 環境アセスメントは立法的な措置を講じなければできぬというわけではないので、環境庁としての行政のこれは中心になるわけです、これをやらなければあと追い行政になるわけですから。そういう点で、何も立法化ができなければアセスメントというものは進まないと、そういうふうには考えてないわけです。もう行政の当然の措置としてアセスメントをやらなきゃならぬわけでございますから、そういうことが、立法化がどうしても必要である、立法化したほうがアセスメントというものの効果をさらに発揮できるということならばわれわれとしても立法化にやぶさかでないと言ったので、立法化しなければできぬというものではないと私は思う。いま現にやっておるわけですからね。これに対して、もう少し行政の内容を充実していけば、それは立法化できるまでお休みということではないので、環境庁としてはこの仕事にこそこれから重点を置かなければならぬと考えておりますので、さようにひとつ御了承を願いたい。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この問題に関連をして、次に、これは総理が環境庁長官時代に非常に公害対策特別委員会等でも問題になりましたので御存じの苫小牧東部の開発の問題であります。  これは御承知のように、環境報告書が非常にずさんであった、しかも北海道はこの大気汚染のデータを隠蔽をしておった、こういう事実が明るみに出てきたわけですが、この点は御承知ですね。そういうことで、この苫小牧東部の環境報告書、これはいま見直すことになっておりますね。これの見直し、したがってこの環境報告書が出なければ、いまのお話からいきますと環境アセスメントがちゃんとできないわけですから、港湾計画は再検討されなきゃならぬわけです。この点についてはどうお考えになりますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 苫小牧東部の港を含めての工業基地としての開発でございますが、港湾計画の第四次五カ年計画の中に組み入れまして、昭和五十三年に完成するという計画でただいまスタートはいたしております。いたしておりますが、全計画二百九十億の中で、現在まだほとんど進んでおりません。この港湾をつくるための基地の施設その他に、約十億あまりを現在まで使っているという状況でございます。問題はこれからでございます。したがって、これからのこの建設がどういうふうになるかということは、新しくこれらの計画を全般的に見直しまして、日本全体の経済政策あるいは経済社会政策、そういう観点から見直すようになろうと思いますから、そのときには、その線に沿ってさらに考えていきたいと思っております。したがって、いまの環境アセスメントの問題につきましても同様に、新しい構想の上に立ちます場合に十分配慮していかなければいけないと、かように思っております。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 北海道開発庁を担当いたしておりますので、ただいまの問題についてお答えをさせていただきたいと思います。  環境保全の問題につきましては、北海道におきまして、四十八年の十二月に「苫小牧東部基地にかかる環境保全について」というものを作成をいたしまして、五十三年の工業開発規模に基づいて、大気、水質並びに自然環境の事前評価を行なっておる次第でありまして、今後ともこれについてその仕事を継続をいたしてまいる所存でありますが、御案内のように、この苫小牧の工業開発にあたりましては、北海道庁としてはもう十分環境保全ということには注意をいたして、配慮しつつ仕事を進めてまいるつもりであります。したがって、今後は関係各機関とも連絡を密にいたしまして、環境保全には万全を期してまいりたいと考えております。  しかしながら、この北海道が持っておりまするところの潜在力といいますか、その土地の広大性並びに今後の人口問題等々も考えまして、そうして北海道をどのように開発していくかという問題とも非常に大きな関連性を持っておることであり、国にとっては決して看過することができない問題であると思いますので、環境の問題も十分に考えながら、開発には今後ともひとついろいろの計画を進めてまいりたいと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 運輸大臣は先ほど再検討するとおっしゃいましたが、この港湾計画の大きさも含めて再検討されると、こう解してよろしいですね。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) ただいま北海道開発庁長官からお話がございましたような線に沿って再検討いたしますので、港湾開発の計画全体を含めてどういうふうにやっていくかというふうなことをこれから考えていきたいと、かように思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうしますと、先ほど少し言われました昭和五十三年までの工業出荷額四千三百億円、これに見合う港ということで計画が進められてきているわけですよね。それが、将来昭和六十年代には工業出荷額三兆三千億円に見合うという、これはもう世界最大の港湾計画なんですね。非常にこれは大きなものなんです。だから、私が聞いているのは、昭和五十三年までの四千三百億円に見合う港、要するにこの大きさですね、いまはこの大きさで進んでいるわけですよ。この大きさの縮小も含めた検討ですか。何かはっきりしないのですよ。これは小さくしなきゃだめなんですよ、私から言わせると。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 五十三年度の分につきましては、お説のとおり十分いま計画を進めておるところであります。そこで、六十年ということになりますとまだ七年間の先のことになりますが、しかし、これらの問題も含めて検討は続けますけれども、現段階においては一応それを目途として計画を立ててみまして、それがどの程度環境その他の問題に影響があるか、また日本の経済運営に影響があるかというようなことを十分検討させていただきたいと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまのお話だと、昭和五十三年の四千三百億円のほうはそのまま進める、こう聞こえるのですが、これも、私が言っているのは六十年代じゃないですよ。これをそのままいくと六十年代にうんとでかくなる。だから五十三年の四千三百億円もこれは検討しなきゃいかぬ、こういうことなんです。それを含めてですよ。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 五十三年の分につきましては、具体的ないま検討をいたしておる段階であります。しかし、それだからといって、六十年まで同じ過程において進めるということをいまきめておるわけではございません。その研究の段階において改定をする可能性もないとは言えません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私が聞いているのはそうじゃないですよ。昭和五十三年の四千三百億円も、これはでか過ぎるというのです。これも検討し直さなきゃだめだと言っている。しかも、北海道から出てきた環境報告書は、データを隠してインチキな報告書を出して、それがばれて、そうしてそっちのほうはいま再検討になっているわけでしょう。だからそれもはっきりしていない。しかもこれは相当大きなものですよ。だから私は環境アセスメントがもし出てきたら、ちゃんとならないと思うんです。だからこの四千三百億円もこれは問題だと言っているんです。その点いかがですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 政府委員から答弁をいたさせます。

秋吉良雄北海道開発庁総務監理官

○政府委員(秋吉良雄君) ただいま御指摘になりました五十三年度めどで四千三百億の出荷額に相当する港湾計画でございますが、これにつきましては、ことしの一月に港湾審議会の議を経まして、港湾計画の決定を見ておるところでございます。それに即応いたしまして港湾の整備が今後進められるわけでございまして、この港湾計画の決定にあたりましては、十分環境アセスメントと対応いたしまして確定を見たところでございまして、北海道開発庁といたしましては、既定方針どおりこの五十三年のめど、四千三百億に相当する港湾計画につきまして、経済情勢の状況とも十分にらみ合わせつつ着実に推進をはかってまいりたいと考えております。  なお、御指摘になりました昭和六十年代のいわゆる大きなマスタープラン構想につきましては、五十四年度以降の問題として、どういう立地規模、どういう立地業種ということを、なお環境アセスメントを十分やりつつその段階において具体的に詰めてまいりたいと、こういう見解でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまの答弁はおかしいですよ。港湾計画決定は環境アセスメントもちゃんと考えた上できめたと言われたですね、いま、はっきり。そのとおりですか。この環境報告書はちゃんと整ったんですか。違うでしょう。

秋吉良雄北海道開発庁総務監理官

○政府委員(秋吉良雄君) 四十九年一月の港湾計画の決定に際しましては、道といたしまして四十八年の暮れに四千三百億に見合う環境アセスメントの作定を見、政府の審議も経ておるわけでございまして、しかしながら、環境アセスメントにつきましては常時補完充実をしていくわけでございまして、具体的な工場立地においてはその範囲内においてのみ立地をすることとなるわけでございます。なお、環境アセスメントはその段階ごとに補完充実を積み重ねていくわけでございますから、四千三百億に見合う環境アセスメントの結果、港湾計画に変更を要するようなことがあれば、その際はもちろん港湾計画について検討をすることはやぶさかでないわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理はこの問題、非常にお詳しいはずですよね。いまのでいいんですか。要するにいまの答弁は、港湾計画がこの一月に決定された。環境報告書はだいじょうぶでございますというんです。これはインチキデータでやった問題の環境報告書でしょう。それで北海道のほうからきたからこれできめました、これからやります、あとは順次補完をしていくと、そんな環境アセスメントってありますかね。先ほど総理が言われたこととは矛盾してきますよ。これはやっぱり五十三年度までのいまの港湾計画、この一月にやったこの決定自体を見直さなきゃだめなんですよ。そうしなければ先ほどの総理の答弁と矛盾しますよ。どうですか。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小沢辰男君) ただいまのお話でございますが、当初、苫小牧東部大規模工業基地にかかわる環境保全についてのいわゆる環境アセスメントは、確かに若干不備な点がございました。したがって、これの補完を条件として私ども環境庁は同意をいたしておるわけでございます。したがって、ただいま他のいろいろな諸調査ともあわせまして北海道におきましてこの補完の作業を進めておりまして、それが近くおそらく終わり次第出てくるものだと思っております。おそらく相当の期間がかかると思いますが、その補完を条件にいたしまして五十三年度のこの目標に見合う環境の評価を私どもとしては承認をする、こういうことになっておるわけでございますので、先生おっしゃるように、いま開発庁からも答弁ありましたのも、そういう補完を条件として、もしその補完の結果、いろいろ支障が環境保全の面で出てくるということになれば再検討するというお答えでございますから、私どもの考え方は政府部内において少しもそごをしていないわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その補完というのに問題があるんですよ。いいですか。これは一月に港湾計画が決定をされた。そのあとで環境報告書がインチキであることがばれたんですよ、わかってきたんですよ。そうでしょう。データを隠したんですよ。隠蔽データによって政府はごまかされたんです。それを補完するというのはどういうことですか。もう一回最初から環境アセスメントをやり直さなきゃだめなんです。その点どうですか、補完なんということばは、これはおかしいですよ。またデータつくり直しですよ。港湾決定もされちゃった、何とか進めなきゃしょうがない、だからこれに合うようにまたデータをいじくるにきまっていますよ。政府はデータをいじるの好きなんだから。そうでしょう。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるように勇払とか、あるいは矢代等の市の測定点の中でS02のデータが明示されていなかったという事実はご、ざいまして、この点ははなはだ遺憾に存じますので、したがってこれらの点も含めまして十分な調査をやるように指示をいたしまして、いま北海道でその点の作業を進めているわけでございます。私どもは、これからその調査の結果を十分検討いたしまして環境庁としての態度を決定させていただきたいと考えておるわけでございます。  生産活動には環境保全のための適切な統御というものを行なっていかなきゃいけないのは、国民の価値観の変動から見て当然でございます。ただ最初に、御承知のようにこの環境アセスメントにつきましては、五十三年の生産高を目標にしましたそれを基準にしてやるようにいたしましたものですから、そり補完がそろいまして、支障ないということになれば、当然五十三年を目標にした計画というものの線に沿った開発計画というものを推進をされる。もしそこに不備が出れば、当然私のほうからそれをチェックいたしましてこの変更をお願いする、こういう手順になろうかと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 環境庁長官はこの間まで建設大臣をやっておられましたしね、あなたは田中派ですから、田中総理の日本列島改造論が頭にしみ込んでいると思うんですよね。だからそういう発想が出てくる、こう私は理解をしたいんですよ。やっぱり補完ということばはいけないですよね。これはほんとうに科学的にもう一度きちんとやり直してもらいたい。中公審のほうから出ているのは、先ほども私言いましたように、だめたったら開発を中止すべきだと言っているんでしょう。データもおかしいし、しかももうすでに始まっている苫小牧の地域でどれだけ環境が汚染されているか、自然が破壊されているか、御承知でしょう。それに、これだけの大港湾計画になったら、これはいいかげんな環境アセスメントではだめなんですよ。その点、補完ということばは私は訂正をしていただきたいと思うのです。これはよく検討してください。  福田副総理にお伺いをいたしますが、いま私がずっと言っておりますようなこういう大規模な港湾計画というもの、これは私は将来の先ほど来福田副総理が言われておりました線から考えますと、やはりこれは本格的に根本的に再検討されなきやならぬ、こう思うのですけれども、その点はいかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 政府には、非常に大きな基本的な計画として経済社会基本計画、新全国総合開発計画があるわけです。これは根本的に見直す、そういうことになります。同時に、各省ではあるいは河川をどうするとか道路をどうするとか、いろんな長期計画があるわけでありますが、それも基本二計画が改定になるということになりますると、それに調子を合わせながら見直しをする、こういうことに自然なろうかと、こういうふうに考えております。そういう中の見直しの一環といたしまして、大規模プロジェクト、これは各種の長期計画の中に入っておるわけでございまするから、これも当然見直しされなきやならぬと、かように考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 具体的に詰めて恐縮ですが、そうすると本年一月決定になった港湾計画も、この際、いまの政府の方針からしてこの苫小牧についても見直すと、こう考えてもいいですね。副総理は大蔵大臣のときにはっきり、この苫小牧の問題もその例外ではありません、見直すということをおっしゃっているわけですよね、そう解してよろしいですね。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) とにかく、基本計画がもう非常に大きく変わるのですから、したがって、それと関連を持っておる各種の長期計画、これは見直しされなければならぬ、そうすると苫小牧も同様だ、かように考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうしますと、これは大蔵大臣にお伺いをいたしますが、苫小牧東部港湾本工事用としては、四十八年度予算で使い残して四十九年度に繰り越しになっております、大蔵省留保となっている五億円というのがあるわけです。これも要するに今年度じゅうは使わない、こう解していいですね、見直すならこれは使えないわけですから。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私が先ほど苫小牧の計画など長期計画は見直すと、こういうことを申し上げましたが、それは長期計画そのものを見直そう、こう言うんです。昭和五十一年度から基本的な二計画が改定になるというか、新発足といってもいいと思いますが、それに関連いたしましてもろもろの長期計画、大規模プロジェクトを含めましての諸計画が改定されなければならぬ、見直されなければならぬ、こういうことを申し上げたわけです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いまお尋ねの五億円につきましては、事務当局から答弁させます。

秋吉良雄北海道開発庁総務監理官

○政府委員(秋吉良雄君) お答えいたします。  ただいま御指摘の五億円の金額でございますが、これは四十八年度予算に計上された金額で繰り越しになっておる金額でございます。そこで、ただいままでまだ未実施になっておりますのは漁業補償の問題、それから港湾区域の拡張の変更の手続の問題、この一点が、まだ未解決の状態でございますから未実施になっておりますが、漁業補償の問題、港湾区域の変更の手続の実施をまちまして所要の、ただいまの五億円の予算消化については着実に進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 副総理、ちょっと私答弁が後退されたと思うんですね。苫小牧の長期計画は見直す、しかしもう一月に決定された港湾計画はこれは実施をする、こういうふうに聞こえてしようがないのですが、本年一月にきめられたこの港湾計画から見直さなければ、その長期計画の見直しにならないんです。  これは副総理、よく調べてもらったらわかりますよ。あなた大蔵大臣をされたときにこの質問お聞きになっていると思うんですよね。あれは相当の大きなものですよ。五十三年度四千三百億円のまん中をとっても、相当でかい港湾なんですよ。六十年計画を私は言っているんじゃないのですよ。五十三年までの四千三百億円の問題を言っているわけです。これも見直さなければ、副総理の言う総需要抑制の方針、あるいはこれから安定成長へ返ると言われている、これと矛盾をしてくるわけであります。だから、いま言った五億円も凍結をする、そうして港湾計画を見直す、いま行なわれようとしているのを見直す、こうしなければだめなんです。その点いかがですか、重ねてお伺いいたします。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私は大蔵大臣当時、ことしの春の予算委員会で、苫小牧の港湾計画、これは見直しする必要があろう、こういうふうに申し上げておりますが、しかし、行政の継続性という問題がありますので、見直しをするからといって、いままで進めておった仕事をもうそこでストップだと、こういうわけにはいかぬと思うのです。ですから、見直しをするという前提のもとに、その見直しをしても支障のない工事につきましては、これを進行するということにして一向支障はないではないか。私は、先ほど総務監理官が答えているのはそのような趣旨のことを答えておるのだろう、こういうふうに聞いておった次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 だんだん後退をされていくんですよね。これはあといろんな問題が出てきますから伺いますけれども、要するに、いま副総理が言われておるのはどうも私納得できないのですよ。継続があるからその継続としてやるというのでしょう。その継続でやるということは、いまの長期計画、少なくも中期計画までの線に沿った工事なんですから、やっておいて見直しなんて、できないじゃないですか。この点いかがですか。技術的にできますかそういうことが。

秋吉良雄北海道開発庁総務監理官

○政府委員(秋吉良雄君) 五十三年度めどの四千三百億見合いの港湾計画は一月に決定をいたしまして、その際、運輸大臣から港湾管理者に、今後実施すべき段階においての考慮事項というのがございます。それによりますと、今後の工場立地の動向とか、あるいは入港船舶の動向とか、そういうものがまだ具体的になっていない、したがって、今後工事をやってまいります、それがある程度進みました段階においてそういうものもはっきりするだろう。そうした段階において、東防波堤の突端、あるいは中防波堤、あるいは東航路、あるいは中央航路について、よりよい案があればひとつ再検討すること、こういった実施についての考慮事項の審議会の意見があるわけでございまして、いま申し上げましたようなことは、そういうようなことも含めて解決されるのではないかと思っております。  いずれにいたしましても、今後のこの五十三年めどの港湾計画につきましては、私どもといたしましては、予算の着実な推進をはかってまいりたいと、このように考え、今後における五十四年度以降の問題等、あるいは先ほどの港湾審議会の意見等については、今後の港湾工事を進める段階のあとにおいて、入港船舶の動向であるとか、あるいは工場の立地動向、そういうものを勘案しつつ港湾審議会の意見について十分検討をしてまいりたいと、このような考えでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 結局は見直しにならないと思うのです。いま言われたとおり、この五億円も使わしてください、この計画も進めさしてくださいということですよ。うんと先になってから見直しする。結局五十三年までの計画は変えないということですよ。そうすると、副総理のさっきのお話とは矛盾をしてくると私は言っているんです。いかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) この春の予算委員会で、衆議院だと記憶しておりますが、私は東部苫小牧の港湾計画につきましてもこれを見直しをする、当然だと、こういうことを申し上げておるわけですが、これは長期計画としても中期と長期がありまして、その中期につきましては非常にこれは現実的な問題になってきておるわけです。そこで、他の十年計画とか、そういうようなものに比べますると性格の違うものである。そこでこの私の考え方の適用から見まして、これは若干の違いが出てくるということは、私はこれは当然そうあるであろうと、こういうふうに考えます。  そこで、五十三年までの計画がありますから、それを推進する、一応推進するという考えをとる。しかし、いろいろ指摘されておる問題点もありますので、それはそれなりに検討をする。一方、財政上の事情も出てきておるわけです。総需要抑制政策、それにのっとった考え方も取り入れなきゃならぬ。そこで一体五十三年度に完成の目標でいいのか悪いのかと、こういう問題も出てきておる、そういうふうに思うわけであります。したがって、長期計画は、これは基本二計画が変更された場合におきましては、もろもろの長期計画、これが改定される。これは自然そうなるわけでございまするけれども、苫小牧につきましては、五十三年という中期のものがあるわけですから、根本的にと申しましても、そこに事実上、現実的な問題といたしますると若干の適用上の差異が出てくる。これは当然そうなるんじゃないか、そういうふうに考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 結局、いまの計画は進めるということなんですよ。中期計画ならいい、長期ならだめだと。そこが私と違うところなんです。中期計画でも、この港湾計画はでか過ぎるのですよ。環境アセスメントのほうからいってもこれはまずい。また、いまの総需要抑制の立場、また今後の経済成長ということを考えた場合、副総理は大きな転換をするとおっしゃっているわけでしょう。だからもう一回原点へ返って、この港湾計画そのものを白紙に戻して検討して、それからでなければほんとうの見直しじゃないですよ。この間からずっと副総理の答弁を聞いておりますと、昭和五十年度と五十一年度は大体調整で押える、しかしそのあとはやっぱりまたいままでたどってきたと同じような道を歩むと、そう考えざるを得ないような答弁が一ぱいあるわけです。  これはまたあとで具体的にそのほかの大型開発の問題に触れますけれども、いまのこの問題一つ取り上げても、やっぱり、いままで経済社会基本計画を見直す、新全総を見直しますとおっしゃっていますけれども、ただそのカーブを少し落とす程度で、決してその基本的な姿勢、基本的な考え方、方針は変わっていないわけですよ。この点は大きな矛盾であると私は言いたいのです。再三聞いて恐縮ですが、何だったらこれよくごらんいただいてもいいのですよ。大きさ、そんなに変わっていないですよ。防波堤なんかもそのままです。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 五十一年を起点といたしまして新しい国家計画ができるわけでございますが、これは在来の計画をスローダウンするという性格のものじゃないのです。もちろん、ものによってはスローダウンという傾向になる。これは経済成長が、財政力、経済力の伸びが低くなるのですから、それはもう自然でございますが、同時に、いままでの高度成長政策というものは、これはどっちかというと産業を開発する、拡大するというような思想が非常に大きく出ておるわけです。五十一年度からの計画というものは、まあ経済社会基本計画について言いますれば、これはとにかく物価の再び狂乱状態というか、非常にむずかしい状態に押し込んでは相ならぬ、国際収支もまた健全性を維持しなきゃならぬ、さらに経済が成長発展する、その成果を次の産業拡大というところに主力をぶち込むというような考え方でなくて、われわれの生活周辺を、あるいは生活自体を安定するという方向へ重点を持っていくというような考え方、それから、それの一環といたしまして公害というような問題ですね、これを大きく取り上げていかなきゃならぬ、こういうようなことでございまして、したがって、いままでいろいろこの基本計画から出てくる諸計画がありまするけれども、それをただ単にスローダウンするんだというのじゃないのです。質的な変化を国の長期計画全体としていたしましょうと、こういうことでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま最後に言われた、その質的な変化をするということであれば、五十三年の中期の問題も最初から白紙に戻して、この苫小牧東部については検討し直さなければ、いまの福田副総理の言われたようにはならないと私はずっと言ってきているのですよ。白紙に戻して再検討できますか、できないのですか、はっきりしてください。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 長期計画は、すぐそう簡単にはできるものじゃありません。これが完成までには一、二年を要する。昭和五十年度という年はその長期計画ができるまでのつなぎの段階になるわけでありますから、いままでのプロジェクトの進行、その現実を無視するわけにはいきません。そういう、長期計画はこれから変更になるのだという展望を一方においては持つ。他方におきましては既存のプロジェクトがこういう進行状況にある。その間の調整をどうするかという両面をとらえまして中間的な処置をするというのが、下一十年度におけるいろいろな事業計画をきめていく、そういう基本的な考え方になっていくであろうと、こういうふうに思うのであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 答えてくださいよ、いまの問題、苫小牧。ちっとも質問に答えてくれない。開発したくてしようがないんだ。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたしますが、五十三年までの計画の内容が環境問題から見て非常に不合理な、やり過ぎの面があるということになれば、それはそこでいかなる時期においても、五十年においても五十一年においても、あるいは五十二年においても考え直さなければいけないかもしれない。しかし、現段階において一応の計画というものをスタートしてやっておりまして、ただいまのところで、いまその内容を研究しておるところでありますから、それをとめるというわけにはいきません。それではいままでの計画というものは全然もうゼロになってしまうということでありまして、われわれとしては、やはり苫小牧の東部開発というものは国のために非常に必要なものである、また道開発の意味においても非常に重要なものであると、こういう認識に立っておるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は何も苫小牧東部、全部つぶしちまえと言っているんじゃないのですよ。全部つぶしちまえと言っているんじゃないですよ。いいですか、政府の答弁を聞いていますと、福田副総理もそうです、あなたもそうですよ。とにかくもう決定しちゃったからやらなきやしようがない、そればかりでしょう。そういうことも含めて白紙に戻して、もう一回この港湾計画がいいのかどうか検討したらどうですかと言っているのですよ。その点どうですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 開発庁のといいますか、政府の考え方としては、いまの姿で進めていって差しつかえないと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そういう方針ですから、私はこれからあとで聞く問題についても、政府が経済社会基本計画を見直す、新全総も見直す、安定成長へ移るんだといわれても、どうも信用できないのです。この問題一つ取り上げたって、結局はいままでの延長じゃないですか。全然変わらないじゃないですか。副総理、どうですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 経済社会基本計画、それから新全国総合開発計画、これはもう全部、先ほど申し上げましたような質的な側面まで含めましての出直しをいたすわけであります。それに伴いまして、各省が立てておる諸計画、これも全部それに見合った計画として改定される、されなきやならぬと、こういうことになる。これは当然そう考えております。ただ、五十年度という来年は、そういう改定計画ができるまでのつなぎの年になる。だものですから中間的措置をとっておかなきゃならぬ。新経済計画が全部改定になるから、さあいままで進んでおる事業も全部ストップするのか、こういうことになりますと、そういうわけにはいかぬケースもまた出てくる、そういうふうに思うわけでありまして、苫小牧の現実の問題につきましては私もつぶさには承知いたしておりませんけれども、そういう考え方に整合するというものでありますれば私は支障はない。これが五十一年を起点とする新長期計画を大きく拘束をするというようなことになりますれば、これは問題でありまするけれども、そうじゃないんだ、いままでの続いておる計画遂行のつなぎ措置をとるんだというような性格のものであれば、私はこれはやむを得ないものであろうかと、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、新幹線、高速道路、この二つ、それから本四架橋、それからそのほかの各コンビナートの開発計画、これについて伺いますが、まず新幹線は、四十九年度予算が幾らで、五十年度の概算要求が幾らになっておりますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 新幹線の建設費でございますが、四十九年度は三千六百四十億でございます。五十年度予算として現在大蔵省に要求をいたしておりますのが、五千五百五十億円になっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 副総理、これはどうされますか。どういう方針で臨まれます。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 新幹線につきましては、この春の国会でもお答えいたしておるのですが、博多までの新幹線を今年度中に完成をする、三月開通するという予定になっております。それから、建設がかなり進んでおります上越新幹線、それから東北新幹線、それから成田新幹線、これはその推進のために必要な予算はこれをつけましょう、こういうことにいたしてあるのです。その他は調査というような段階でとめておこうということになっておりまするが、これも五十一年度から発足する経済社会発展計画、また新全国総合開発計画、これと大きな関係を持つ一つのプロジェクトになるわけでございますが、これはこの長期計画の改定に伴いまして当然見直しが行なわれなきゃならぬ問題である、こういうふうに考えております。そこで、五十年度というそのつなぎの年の措置をどうするかということにつきましては、これは大蔵省また運輸省あるいは建設省、そういうような間におきまして、そういう性格のものを予算としてどういうふうに表現するか、これはこれから協議さるべき問題である、かように考えます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大蔵大臣の方針はどうですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 御案内のように、財政金融を通じていま需要の抑制策をきびしくお願いいたしておる段階でございまして、公共事業一般につきまして、来年度は抑制ぎみにお願いしなければならぬと思います。したがって、運輸省関係の建設投資につきましても同様の感度でお願いしなければならぬと思っております。したがって、ことしの工事費と見合って、それから不当に大きくふえるというようなことは御遠慮いただかなければならぬと考えております。そういう感度で検討いたしておることをひとつ御報告申し上げます。  それから、国鉄自体がいま御案内のようにたいへんな危機的な状態でありますこと、御案内のとおりでございまして、このまま推移いたしますと、四千億をこえる損失を生むことになるわけでございまして、これをどのように押えていくか、できるだけ、損失をミニマムに押えていくかということも全体の予算の査定におきまして考慮いたしておるところでございまして、具体的にどの項目をどのようにしてまいるかということにつきまして御報告できる段階でございませんけれども、大まかに申しまして、そういった視点からいませっかく検討いたしておるところでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま福田副総理が、四つの新幹線については、これはいま進んでいるからずっとやっていく、これについての予算はつける。それ以外のたとえば調査費というのが出ておりますね、これなんかはもう全面的に削る、あるいは昨年度よりはふやさない。こう考えていいですか、大体の方針ですが。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) ただいま御承知のように予算編成中でございますので、具体的な数字についてどの部分をどうふやすとか、あるいは減らすとかというところについてはお答えしにくいのでございまするけれども、ただいま大臣からお話ありましたような、総需要抑制というような趣旨でただいま査定をしておるところでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、高速道路については建設省のほうにお伺いしますが、本四架橋も含めまして四十九年度予算、五十年度の概算要求、これに対する方針をお伺いしたい。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) お答えいたします。  高速道路については、現在施行中の路線の整備を促進するという意味で四千五百億、対前年度比二九%増であります。一般有料道路については、日本道路公団七百六十億をはじめ合計千六百九十億、対前年度比一二%増であります。それから地方公共団体、地方道路公社等の施行する有料道路については、事業費八百八十億、対前年度比二〇%増であります。本四連絡橋につきましては、建設省の主管道路分は二百六十億、対前年度比七五%増の要求をいたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 何%増ですか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 七五%増であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 また福田副総理にお伺いいたしますが、かなり高い概算要求ですね。特に本四架橋は七五%増、それから高速道路も二九%増というのが出てきておりますが、この高速道路、本四架橋、これに対する今後の方針はいかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 本四架橋を含めての高速道路の問題ですね、これは先ほど私が申し上げました基本計画の改定が行なわれると、経済社会発展計画と新全国総合開発計画、それと見合って、またこの計画も見直しを必要とする案件の重要なる一つである、そういうふうに考えております。ただ、先ほども申し上げましたとおり、五十年度というものをどういうふうにするか。まだ長期計画の改定が行なわれない、そういう時期であります。そこで、それはどういうふうに処置するかと申しますれば、改定が行なわれるであろうということを頭に置きながら、しかしいままでの道路の工事の進捗状況というようなものも踏まえ、つまり政府行政の継続性というものを踏まえまして、その中間的な処置をしなければならないだろうと、こういうふうにいま考えておるわけでありまして、これは全く、先ほど苫小牧の港湾計画について申し上げたと同じ考え方になるべきだと、こういうふうに存じます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 本四架橋については。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 本四架橋についても同断でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうなりますと、私も、結局さっきの苫小牧と同じで、その中間的処置というのが問題だと思うんですね。いま継続しているから――もちろんそれはいまここまで道路が走っておって、将来はここまで走る、それで最後にやめちまうとなったら、いまからもとに戻さなくちゃなりませんから、いろんな問題あると思いますよ。しかし、中間的な処置といま福田副総理の言われた、その姿勢が非常に問題だと思うのです。要するに、将来ほんとうに私たちが期待をしておるような産業構造の転換もやり、そしてまた福祉経済への本格的な転換になるというなら、その中間に対する処置にしてもその方向が出てこなくちゃならぬと思うのです。本四架橋にしても、いま一本にするなんていう話が新聞で出ておりますけれども、いま副総理ははっきりお答えになっていない。道路の問題についても、私はおそらく来年度予算の中で出てくるものは、本年度予算に出てきたものと同じ項目の上に、金額の違いはあってもやっぱり全部出てくる、顔を出してくる。そうすると結局、先ほどから私の言っております、五十年度は一応スローダウンをさせるだけであって、決して三木内閣がはなばなしく打ち上げられた経済の転換ということにはならぬ、こう考えるわけなんです。その点いかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げましたような考え方に従いまして五十年度は中間的措置をとる、そういう考え方で、これは建設省、大蔵省協議して、そして最終的には閣議で決定する。その中間的措置をどういうふうにするかということは、これから予算折衝の問題として解決されると、こういうふうに御理解願います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 もう一つお伺いしたいのは港湾整備事業費ですが、これは福井、新潟、酒田、石狩湾、金武湾、苫小牧東部、秋田、むつ、志布志、周防灘、この点について、先ほどと同じように四十九年度実施高と五十年度要求、これをお答えいただきたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 数多くの港湾の具体的な建設の予算等でございますので、港湾局長から説明さしていただきます。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) お答えいたします。  福井新港につきましては、昭和四十九年度の実施額が二十六億でございましたが、昭和五十年度の要求といたしまして二十七億八千万円を要求しております。新潟東港につきましては、四十九年度二十五億五千四百万円、それに対しまして五十年度要求といたしましては二十八億四千七百万円。酒田北港につきましては、四十九年度三十四億二千万円でございましたが、五十年度要求が四十三億二千二百四十万円。それから石狩新港でございますが、十億円に対しまして二十億七千万円。それから北海道の苫小牧東部でございますが、本年四十九年度十七億四千万円に対しまして、五十年度要求は四十九億でございます。  以上でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 あとのところは……。

竹内良夫運輸省港湾局長

○政府委員(竹内良夫君) たとえば金武湾というのがございますが、いわゆる大規模プロジェクトの事業費ではございませんけれども、一応現在そこで実施している港湾につきまして、四十九年度におきましては金武湾に六千万円の事業を行なっておりますが、来年度といたしましては一億六千八百十万円を要求しております。それから秋田付近でございますが、秋田港におきましては、二十五億七千百二十万円に対しまして三十六億二千二百万円の要求をしております。また志布志湾付近の志布志港に対しましては、現在八億の仕事をしておりますが、九億円の要求をしております。  以上でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これも副総理にお伺いいたしますが、こういった港湾整備についてもどんどん進んできているわけです。これはまさしく「日本列島改造論」の中に書いてあったやつばかりです。それがどんどん進んできているわけです。依然として、先ほどの新幹線や高速道路と同じような方針でこれも臨まれますか。これはコンビナートですから、道路とまた違った大きな意味があると思うのです。いかがですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 港湾につきましても、先ほど申し上げましたような中間的つなぎ的措置を五十年度においてはとらざるを得ない、こういうわけです。矢追さんのお話を承っておりますと、こういう大規模プロジェクトを一応五十年度は全部ストップしなければならぬようなことにもなるのですが、やはり行政はずっと進んでおるわけでありまして、一日もその進行をゆるがせにすることはできない。しかし、一方において、計画の基本になる、プロジェクトの基本になるところの経済社会発展計画だとか、新全総とかがまあ出直しだと、こういうのですから、そういうことのあり得ることを頭に置きながら五十年度というその年は現実的な処置をしなければならぬ、そういう年柄に当たるのじゃあるまいか。その現実的処置というものを、そういう考え方に立ってどういうふうにきめるか、こればそういう考え方に乗って、この予算の決定、その過程においてきめなければならぬと、こういうふうにいま考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大蔵大臣はいかがですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど申し上げましたように、公共事業一般、これは五十年度引き続ききびしい抑制ぎみにお願いしなけりゃならぬということでございまして、港湾もその例外ではないわけでございます。したがって、ことしの港湾整備費をこえるような予算はとても御相談に乗れないと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理にお伺いしますが、いままで大型開発、要するに産業基盤整備という問題で言ってきましたけれども、どうも聞いておると、来年度は要するに調整時期とか中間的手段とか、争ういうことで、何かその次に出てくるものはやっぱりもとと同じ日本経済の歩んだ道、政府自民費がやってきた道、また田中前内閣がやってきたと同じ方向、こう考えざるを得ないわけです。全部同じ項目が顔を出しているわけでしょう。ただ、少なくつけるだけで、その間に手直しをして、その次にまた新しい計画をつくる。そこでまたもとへ戻るにきまっていますよ。もしほんとうに総理が産業構造の転換もやる、福祉経済の転換もやろというなら、かりに少々予算編成がおくれたとしても、徹底的な検討をして、その転換の方向へ向くような五十年度予算編成をしなきゃいかぬと弔うのですが、その点いかがですか、総理のお考えは。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 高度経済成長は、田中内閣の時代とは条件が変わってきたわけですから、高度経済成長をささえておった諸条件はみんななくなってしまったわけです。どうしても、いままでのような路線ではなくして安定的な経済の成長、だから、よほどいままでよりもゆるやかな成長の時代に入るわけですから、従来のとおりやると言ってもやれるような客観的環境ではないわけです。第三次の新全総が五十一年度から始まるわけですから、本格的な計画というものは五十一年度からの実施に移るわけで、五十年度というものはやっぱり一つのつなぎの年に当たることは事実でありますが、一方において社会福祉的な費目もふえてまいりまして、そんなに何もかも公共事業というものをやれるような財政的な状態でもないわけでございますから、まあよほどいままでとは趣が変わった方向にいくことは事実でございます。これはいままでと同じようにやろうたってやれるだけの条件はないわけですから。だから路線をだんだんとやっぱり切りかえていかざるを得ないということが現実でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理はやれるような状況にないと、そう言いながら、いま福田副総理の話、大蔵大臣の話を聞いていると、やっぱり全部進むのじゃないですか、少しずつでも。あなたはいつまで総理をやられるおつもりかわかりませんけれども、自分の間はできないからと言ってある程度押えておいて、またその次の人になって上がった場合どうなりますか。一年や二年の問題じゃないですよ、これだけの大開発となれば相当長期になる。また日本列島を考えた場合、やっぱり子孫の問題もあるわけでしょう。いまのお話、ちょっと無責任ですよ。できないならできないと。だからこそ本気になって洗い直して、少々時間は短いかもわかりませんけれども、英知を結集して、じゃ、この港についてはやめよう、この高速道路はこれは将来意味がないからここでもう切ってしまおうと、それぐらいの英断をしなければ転換できませんよ。全部延長でいままでもずっときたわけじゃないですか。総理いかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま言ったように、いままでの高度経済成長をささえた条件というものはなくなったわけですから、できないと言ってもこれはやらざるを得ないわけですから、客観情勢がそういうことであるということを認識しながら、今後の予算の編成というものに当たることよりほかない。政府もそういう考えで予算の編成にも当たりたいと思っているわけでございます。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 午後零時五十分まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ―――――・―――――    午後一時開会

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、補正予算三案に対し質疑を行ないます。矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総理に最初に一点確認をしておきたいのですが、午前中の質疑で、要するに経済を見直す、洗い直すと言われておりますが、結局はいままでの延長にすぎない、スローダウンするかしないかだけであると、こう思うわけです。その点ほんとうに本気にやられるのかどうか、それが一つと、もう一つは、先ほど苫小牧東部の問題で指摘をしたいわゆる環境アセスメント、環境影響の事前評価というものをやらなければ開発はしない、その報告書がきちんとされなければ今後開発はしないんだと、こういう線で臨まなければいけない。そのことは三木総理自身が言ってこられたことで、先ほどもおっしゃいました。この点を確認をしておきたい。これは直ちに進めていただきたい、こう思うのですが、その点。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 当然に、総需要抑制といういまの政府の方針に従って、諸計画はやっぱりスローダウンせざるを得ないのは当然でございます。また、新しく全国総合開発で、いまの世界情勢等もにらみ合わせて今後の日本の開発計画というものが新しく見直されていくことになると思います。それはいろいろ資源の問題、環境の問題、バランスのとれた新しい総合開発計画であるべきことは当然でございます。  第二の苫小牧のほうは、これは環境庁というものが、アセスメントということに重点を置かなければ環境庁存在の意義もないわけですから、いろいろな開発を本格的に進めていく前に環境庁が納得のいくアセスメントというものがなされなければいかぬ。十分でないものは今後アセスメントを完全に行なって、そして本格的着工ということになるのは当然でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ほかの開発にもこれは当てはめていきますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 開発に対しては、環境庁長官とやはり協議をしなければならぬという、そういう立法的な措置が前の国会を通過いたしておりますので、アセスメントというものが環境庁も相当な行政権限を持って今後実施できることになるわけでございますから、従来の上にプラスそういう権限も持ったわけですから、一そうそういう点に重点を置いて、開発の前にやはり環境調査というものが行なわれなければ、環境の保全というものに対して十分なアセスメントが行なわれなければ、開発は実際の着工はできないということになると思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、一昨日の経済対策閣僚会議で大体の来年度の方針が出てきたようでございますが、その概要について御説明いただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 経済対策閣僚会議は、経済の運営というものがいま非常に重要な段階にきておるので、その基本的な方向というものを関係閣僚間で意思の疎通をはかるということでありまして、これは最後にはやっぱり閣議で決定をされるわけで、まだ閣議の決定には至っていないわけでございますから、その前に閣僚間で意思の疎通をはかって一応の思想統一をはかっておこうということで、個々の行政というものは従来どおり各省庁がやるわけであります。最後の内閣の方針を決定するのは閣議であるわけですが、その前に意思の疎通をはかろうというのが経済対策閣僚会議の性格でありますから、決定ということではないわけで、意見の交換をしてということでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 新聞報道によりますと、いろいろの大ワクといいますか、ワク組みが出てきておりますが、後退する可能性もあるということですね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 関係閣僚間で一応の大体の線の了解に達しておりますから、後退というようなことには相ならぬと思います。だけれども、正式の決定は閣議になるわけですが、大体意思の疎通をはかったので、大体のああいう線に閣議においても決定されるものだと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そのときに出されたのが、物価の上昇は一五%、そして五十年末には一けたに落とす、こう言われておりますが、具体的にこの線に押えるためにはどうされるのか、それに対する確固たる方針をお教え願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) まず本年度末、つまり来年三月の時点の物価上昇率一年間一五%、こういう目標を設定したわけです。これを実現するためには、第一に総需要抑制政策、これを引き続き堅持する。もちろん、それによって生ずる摩擦に対しましては、これは適当な対策を講ずるわけでございますが、抑制の方針はこれを堅持する。  それから第二は、消費者物価が上がります年末年始の時期であります。この間における対策、これはもう個々の物資につきまして、需給、輸送、そういうようなことに十分の配意をする、そういう点であります。  それから第三は、期間全体を通じまして個別物資の需給、これに十分配意いたしまして、その面から価格が上昇するというようなことを排除する。そのためにはもちろん行政機能が全面的に活躍することが必要でありますが、特に、物価調査官、価格調査官の方たちの活動、これは強化していかなければならないと、そういうふうに考えております。  それで、見通しといたしましては、十二月、一月、二月、三月の上昇率が毎月〇・七五%程度でいけば、これは三月時点の年間上昇率は一五%になる、こういうことでございますが、何とかして、一五%というものは生命線だというくらいな決意をもってこれを死守いたしたいと、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その次に、一けたに落とすと言われておりますが、この一けたというのはどういう意味なんですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 一けたというのは、昭和五十年四月から昭和五十一年三月までの十二カ月間における上昇のぐあいでございます。つまり、再来年の三月を来年の三月に比べての上昇率、これを何としても一〇%以内に押えたいと、こういうことでございますが、そのためには、もちろん総需要抑制政策、これを方針としては堅持しなければならぬ。それから個別物資の需給、これも十分配意しなければならぬという問題がありますが、同時に、政府のできる問題、つまり公共料金政策、これについても格段の配意をしなければならぬ、こういうふうに考えておりますが、この一〇%目標、つまり一〇%以内に消費者価格を押え得るか否か、これはもう賃金、特に春闘の賃問題と非常に大きなからまりが出てくるだろうと、こういうふうに思うわけです。まあ何とかしてなだらかな春闘と、そういうような形の解決を期待しておるわけでありまするが、政府としても、その春闘がなだらかに解決されるというための環境づくり、ただいま申しました諸点につきましては格段の努力をしてまいりたい、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 公共料金についてはいろいろ議論をされておりますが、現在八つあげられておるわけですが、その点についてまず総理からお伺いしておきます。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 最終的には予算編成の過程においてきめるわけですが、極力抑制という方向でこれを検討しようということで、まだ結論には達していないわけでございます。予算編成途中においてこれは重要な問題でありますのでこの問題を決定しよう、まだ今日の段階では公共料金に対してどうするかという結論には達していない、非常にいろいろと知恵をしぼっている段階であるというのが現状でございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 関連。  総理に伺いますが、いま福田副総理からも、三月には一五%程度に押えたいと、こういう目標をいつも言われるわけです。これは国民側から考えれば、特に労働者側から考えれば、春闘対策の一環として、なだらかな春闘とかいう話で何とかこの一五%を、一つのごまかしの、まやかしの数字みたいな感じをわれわれは強く受けるわけです。もしこの一五%を三月に達成できなかった場合の、三木内閣の政治責任はどうなるかということをここで明確にすべきではないかと思うのですが、いかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 春闘対策としてわれわれがそういう努力目標を掲げておるというものではありません。これは国民ひとしく物価の安定ということを一番望んでおるわけですから、その国民の期待にこの内閣はこたえなければならぬ。なかなか容易ならぬことであるけれども、一五%程度ということを目標にして全力を傾けようというのが政府の決意でございまして、したがって、これはぜひとも実現をしたいというのが現在の政府の第一目標と御承知おきを願いたいのでございます。

三木忠雄公明党

○三木忠雄君 一五%が達成されない場合の内閣の姿勢はどうか、責任はどうかということです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 国民のためにも一五%をぜひとも達成したいと願っておるわけですから、皆さんの御協力を得て、そういう責任問題の起こらないように、一五%程度の消費者物価の来年三月の前年度比、そういうところへ物価を持っていきたいと思っておりますから、どうか皆さんの御協力を願っておきたいのでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まあ責任をちょっと逃げられたように思うのですが……。  次に私は、これも三木内閣の最大の課題である独禁法改正について伺いたいと思います。  この独禁法改正の中で、やはり私は一番大事な問題の一つにカルテルの規制と、それから寡占対策、これがあると思います。公正取引委員長にお伺いをいたしますが、寡占対策を内容としない独禁法改正は独禁法の有効性を確保できないと私は思いますが、公取委員長の考えをお伺いしたい。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 原則的にお説のとおりであります。で、私どもの寡占と言いますその寡占にはいろいろな定義がございまして、非常にゆるやかなものと相当高度の寡占。私どもが試案として出しましたものは高度の寡占、そういうものに対する対策を含むことが、それがいまいわば盲点になっているわけでして、現在の独禁法では対処し得ない。そういう部分について法律の上での手当てが必要ではないかと私どもは考えているわけでございます。お説のとおりでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、公取委員長に伺いますが、集中度の高い寡占業種ほど価格の下方硬直性が強く、景気によっても変動しない、こういうふうに考えておりますが、そのとおりでよろしいですか。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) お説のとおりでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 また、いま公取委員長から言われましたので私からデータを言う必要もないと思いますが、総理にお伺いする意味でちょっと申し上げますが、経済白書にも出ておりますけれども、昭和四十八年上期だけで見ますと、収益率は、製造業平均一四・〇五%であるのに対して、上位三社の集中度が八〇%以上の業種にきわめて多い。その中でもトップ企業の収益率はきわめて高いわけです。たとえばフィルム二社が一〇〇%で、小西六の二五・六九の収益率、自動車三社が九〇%で、トヨタの二三・五三、日産の一九・八四と、非常に集中度の高いところほど収益率が高いというデータが出ているわけです。したがいまして、この寡占対策をきちんとしなければ独禁法の改正の意味がないと公取委員長はおっしゃっているわけです。総理はこの寡占に対する規制を今度の改正案に盛り込まれますか。これははっきり言明していただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) われわれが通常国会に独禁法の改正を御審議を願いたいと思っておりますのは、やはり公正な自由競争ができるだけの土俵、ルールといいますか、それを自由経済の体制の中につくりたいということでございますから、したがって、これは非常に重要な法改正になるわけで、いまのところ政府は、政府部内に独禁法改正に関する懇談会をつくりまして、いろいろその懇談会の各方面の人々から自由な意見の御開陳を国民の前で願って、そうしてこの問題に対する各方面の人々の意見に耳を傾けつつ一つの政府の原案を、まあ二月下旬にはつくりたいという考えでございますので、内容に触れて私がこの席上で、その内容にはこういう問題を織り込むべきだと言うことは今日適当ではないと思いますので、とにかく独禁法の改正は通常国会の御審議に間に合うように提出をいたしますということを申し上げるにとどめておきたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 関連。  三木総理にお伺いをしますが、いまやりとりされております独占禁止法改正については、これは国民の生活を守る経済の憲法であるから大事なのでございます。私はここで一点だけ、国民の立場からもう一回突っ込んでお伺いしたいのですが、原価の公表についてでございます。これは財界の要請について自民党政府の一連の骨抜きで形骸化されております。それが大企業の独占、寡占を許したのでございます。そういう立場の中で、三木総理にお伺いをしたいのは、高度の寡占企業の原価の公表を命令できるようにするのか。本予算委員会においてまだ御答弁がございませんので、あなたの姿勢をはっきりいただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま申したように、まだこれから懇談会も、年内にも第一回の会合を開きたいという段階で、私自身がいろいろな、こういうことを内容に盛りたいのだ、こういう点を感りたいのだということは申し上げるのに適当でないと思うのです。そういう結論がきまっておるならば懇談会というものも非常に制約を受けるわけでありますから、各自が自由な立場でこの問題に対する意見の開陳を求められておりますので、いま内容をここでこうするのだ、ああするのだということを申し上げることは適当でないということを、繰り返して申し上げるよりほかにはないわけでございます。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 矢原君、簡明に願います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 たとえば、昨年の狂乱物価で国民が非常に苦しんできた一部だけを見ておりましても、一つはトイレットペーパーとか学用品等における紙についての問題、二番目には洗剤の大メーカーについての問題、三番目には砂糖について、四番目にはプロパンの家庭用の問題について、五番には灯油の問題について、こういうふうに、しょうゆであるとか食用油であるとか住宅用の木材等についての係数的に国民生活のお台所に関係するものが、みんなこういう大問題で苦しめられたのであります。  ですから三木総理、もう一度お伺いしますけれども、高度寡占企業の原価の公表について、原価の公表を命令できるような厳然たる総理の姿勢というものを一言だけでも国民の前に明らかにすることが、総理のつとめではないのですか。再答弁をお願いします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 繰り返して申し上げておるように、公正な自由競争ができるような条件、これを自由経済体制の中に打ち立てたいということが根本の思想でございます。したがって、そういう打ち立てることによって中小企業の人々にもあるいは消費者の人々に対してもこれはいいような、価格の点などに対して非常な利益を守り得るものだという、こういう原則の上に立っておるわけで、個々の問題を具体化するのにどういうふうに内容に盛るかということは、今後われわれとしてもそういう懇談会の意見なども徴して、慎重に検討を加えて成案を得たいということでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 公取委員長、恐縮ですが、もう一点だけお願いします。総理はいま自由経済云々を言われておりますが、企業の分割や持ち株制限をすることが自由経済を根底からくつがえすと、こういうふうに私はならないと思うのですが、公取委員長の見解を伺いたい。  それからもう一つは、公正取引委員会でいままでいろいろ検討されて改正案の試案も出されております。もしそれが骨抜きになって国会へ出てきた場合、独禁法第四十四条二項に基づいて国会に意見書を出されるべきだと私は思いますが、そのお考えはあるかどうか。との二点をお伺いしたいです。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 私どもが提起しております企業分割におきましても、これはそう簡単にやろうというのじゃないのです。相当な前置きがあって、そうして万やむを得ない場合には分割ということができるのである、そういう規定を設けることが必要ではないかという考え方でございます。  それから総合商社等を中心にした持ち株の制限、あるいは金融機関についても同様でございますが、これらがいまの分割とあわせて自由主義体制といいますか、いまの経済体制を根本からくつがえすものであるというようなことはいささかオーバーな表現でございまして、私どもは、そうではない、競争条件が失われているというものに対してはしかるべき措置をとることによってそれが有効な競争を生み出せば幸いであると、そういう観点でございますから、むしろいまの自由主義体制を健全な姿で維持させたい。だから不健全なものとみなされるものにある程度規制を加えるということでございまして、根本をゆるがすとか、ひっくり返すとか、そういう乱暴なものでは決してないというふうに確信しておりますが、ただしかし、これに対してはいろいろと規制を受ける側から反論があるということだけはやむを得ません。  なお、もう一つのお尋ねとして、もしもそういった私どもの考えている重要な柱が相当程度に骨抜きにされた場合に、四十四条二項によりまして「総理大臣を経由して国会に対し、この法律の目的を達成するために必要な事項に関し、意見を提出することができる。」という規定の発動でございますが、私は、つい最近三木総理がみずから、この問題について初めから狭いワクをはめて討議するのでないんだ、懇談会を設けてやる趣旨の目標として、より広い幅でそうしてかつきびしくということをおっしゃっておられる。そういうことをおっしゃっておられますから、いまこの段階において言えば、私はいまお話しのような仮定の御質問にお答えしないほうがいいのじゃないか。私は、政府のこれからとられるそういう政策の方向を十分見守るといいますか、それに期待をかけておるわけでございまして、また、ああいう意見を提出することはいままでかってないことでございますから、これをみだりに使うということはいかなるものであろうかということを考えておりまして、私は政府のこれからの運営に十分期待を申し上げると、こういうお答えしかいま答弁はできないわけであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 法律が出たあとですよ。

高橋俊英公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋俊英君) 法律が出たあとにですか。その法律が出たあとに意見具申と。そういうことですから、まだ法律の骨格もにおいも出ていないわけです。その段階で私はこういう行動をとるかどうかと言うことは、はっきり言って穏やかな方向じゃないのじゃないか。私は政府のやはり機関の一つでございますから、政府がきわめて良識的にこの問題を取り扱ってくれることを切望しておる次第でありまして、法律が出た段階において私ども公正取引がどういう態度をとるかということは、いまから申し上げるのは早急に過ぎるという考えでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 公取委員長、遠慮しないでやっていただきたいんですよ。  この間からのずっと話を聞いておりますと総理、総理が最初言われたことは全部後退をしてきています。全部後退しております。――じゃ、はっきり答えられたらどうですか、私は具体的に言っているんですから。懇談会とかなんとか言わずに、もちろんそれは懇談会で検討されるのはけっこうですよ。だけれども、あなたは総理ですから、リーダーシップというものがなくちゃならぬじゃないですか。だから、独禁法改正については寡占対策についても検討する、これについてもこうだと、ある程度の方向を示して検討せよと言わなきゃ、総理じゃないじゃないですか。そうじゃないですか。評論家じゃないんですから。  私がきょう午前中指摘した問題も全部そうなんですよ。個人献金が理想だと言われながら、まだ会社の献金は受けるでしょう。大型開発については環境アセスメントをちゃんとやると言いながら、現実にもう苫小牧は始まっておる。また、総需要抑制、安定成長に切りかえると言いながら、依然として来年度予算は継続だとかなんとかいってまた頭を出してくる。この問題も後退です。大四架橋だって一本にすると言ったのを、まだきょうは答えていられないですからね。一本にしぼるなんて一言もだれも言わないわけです。これも後退です。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 時間になりましたから、簡明に。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 独禁法もしかりです。こういった点で私は総理のリーダーシップを疑います。こうなると、国民はせっかく三木内閣になった、何かやるだろうと期待しているのが、まだできて一つの国会も終わっていないですよ。それでもうそんなに後退されたりしたんじゃたまったものじゃないですよ。だから、ここではっきり総理がもっと明確なリーダーシップのもとに、独禁法にしても、あるいは来年度予算の編成にしても、あるいは政治資金の問題にしても、するとここではっきり国民にお約束していただきたい。このことを重ねてお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 矢追君の言われるまでもなく、全責任を私は負うておるものでございますから、したがって、リーダーシップを発揮せなければならぬことは当然でございますが、とにかく、後退というふうに言われますけれども、独禁法の問題一つをとっても、私の言っておることは少しも後退をしていない。いまここで提起されるような広範な問題を取り上げて懇談会などにおいても検討をするわけで、私が結論を先に出しておいて懇談会ということでは、私はそれはやっぱり懇談会に出席される方々にも失礼なことで、やはりいまの企業の秩序ということに関していろんな問題があるわけですから、総ざらいして検討をされることは当然でございます。だから、少しも後退はないと、こういうふうに御承知おきを願いたいのでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ほかの問題に対して……。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) ほかの問題に対しても、政治資金の規制に対しても、もうずっと終始一貫して、理想であるけれども、やはり経過的な措置が要るということを私は変えたことはないので、この国会に臨んで私は、その私の答弁というものはいささかも変化はないわけでございます。  それから、日本の全国の総合開発計画も、これは新しく見直しをして、そうしていろんな客観情勢にマッチした形において今後の開発計画を進めていくということも、これはもう最初から言っておるとおりで、後退ということはないんですよ。この国会において私が答弁を変更したことは一つもない、みな従来言っておることで、それがすぐに、矢追さんがお考えになって少し私の意見と違う点はあるでしょう、私自身の意見が後退ということはない。これはもう、この国会のわずかな期間に言ったことが後退するようなことでは、それは国民の期待にこたえるわけにはいかない。少しも後退はしていない。そのことが、あなた自身の意見との間に食い違いがあることはやむを得ない。しかし、私の言っていることにいささかも後退はないということは御承知おきを願いたいのでございます。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして矢追君の質疑は終了いたしました。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 上田耕一郎君。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私は、補正予算三案について、金脈と政治姿勢の問題、同和問題、それから経済問題、核持ち込み問題などについて質問したいと思います。  まず最初に、田中前首相の金脈問題についてですけれども、総理は田中本人が疑惑を解明するだろうと言われておりますけれども、一体、いつごろだと思いますか。この件について田中氏と話し合ったことがあるでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 話し合ったことはございませんけれども、田中総理自身が記者会者で、自分は違法なことはやっていない、そういうことがあるならば、総理大臣ばかりじゃなしに議員も辞職するぐらいの自分は考えであると、そういうふうな発言を、そういう意味のことですよ、そういうぐらいの発言をされたわけでありますから、もう鋭意詳細な調査を行なって、できるだけ早くこの問題に対して国民の理解を求めたいと考えていられることは当然で、私自身も、一日も早くそういう詳細な調査が公表をされて、この問題に対して国民のいろんな疑問にこたえられることを私も願っておるのです。この国会で、私がいろいろこうやって金脈問題というので答弁をしておるわけでありますが、やはりその事実を解明する責任を持っておるものは田中さん自身ですからね、この問題は。そういうことで、一日も早くそういうことが解明されることを私も望んでおりますし、田中さん自身だって、それは一日も早くそういうことをしたいと願っておられるに違いございませんから、私は、話してはおりませんが、これはもう最大限度、できるだけ早い機会に明らかにされることを考えておるものと考えます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 しかし、疑惑が解明できないからこそ、田中氏は首相をやめて、三木さんは青天のへきれきだと言いながら新首相になったんじゃないのでしょうか。共産党が発表した田中首相に対する公開質問状には、何と百項目に及ぶ疑惑が述べられているのであります。一体首相は、本気で田中氏が国会に出てきて疑惑を解明すると信じているのですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) どういう形でいろんな疑問にこたえられようとしておるかは私は存じませんが、やはり現に国会議員として、前の総理でもありますから、これはどういう形が一番国民の理解を得るのに適当であるかという形において解明をされるものだと期待をしておるわけでございます。  また、辞職された理由は、こういう自分の金脈問題でいろんな、政界を非常に、何と申しましょうか、とにかく政治の世界を、非常に政治を停滞さしたというようなことに対して責任を感じてやめられるということであったように私は記憶をしております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 御本人の疑惑解明は怪しいので、国会と政府が明らかにする義務があります。ところが、二十一日の本委員会で、信濃川河川敷の廃川敷処分について答弁が後退した。新聞は一斉に後退と。田中内閣時代よりも後退したと思います。信濃川河川敷は、私も十一月の初めに現地に参って見てみました。まあ驚くべき問題であります。現職の大蔵大臣が、自分の選挙区のふるさとの農民をだまして一坪五百円で買い上げて、そのあと堤防をつくり、バイパスができ、何と時価三百億円に達する、二十五万坪、膨大なところです。これをこのままもし室町産業、さらに田中氏の手に入らせたら、日本の政治の恥部のシンボルがあそこに残るということであります。  私は、この問題について、疑惑が解明されるまであそこの現状を凍結すること、万一詐欺行為が明らかになった場合には、だまされた農民たちに対して土地を戻すという措置をとるべきだと思いますが、首相御自身からこの問題についての明確な決意、方針をお伺いしたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私も、昨日でしたか、本院においても、この処置に対しては十分に注意をいたしますということを答えたわけであります。現在もそういう心境でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 だから後退だといわれているのであります。  さらに、総理は衆議院の予算委員会で、田中氏の喚問について院の決定に従うと述べました。しかし、この信濃川河川敷問題に関連しまして私が要求した、佐藤昭、入内島金一氏をはじめ田中ファミリー関係の十四人の参考人喚問を、参議院決算委員会理事会ではすでに決定しているのです。この院の決定を尊重しますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 政府は常に国権の最高機関である国会の決定を尊重することは、当然のことであります。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 ところが、理事会の全会一致できまったこの参考人喚問が、その後自民党の態度によって引き延ばされて、いまだに実現されておりません。首相は自民党総裁として、自民党を説得して十四人の参考人喚問の実現に、つまり院の決定に協力しますか、はっきり答えていただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 先ほど申したように、院の決定に対して政府が協力するのは当然でございますが、どういういきさつでそういうことになったのか詳細に存じませんので、それはその事情をよく調べてみないと、この場合に、その場面どういうことで――参議院でそういうことの決定をなされたという御発言でございますが、どういう事情になっておるのか詳細に知りませんので、そういうものをよく調べてみてからでないと、私の見解を述べることは適当でないと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 経過はきわめて明らかなので、ひとつ経過を調べて、院の決定、十四人の参考人喚問の実現をぜひ協力いただきたいと思います。  きのうの御答弁にもいろいろありましたけれども、どうも姿勢があいまいであります。このあいまいな問題は、やっぱり三木内閣自身の金脈についての疑惑にもからまる点がある。そういう点で、私は河本通産大臣の問題についてひとつお伺いをいたしたいのですけれども、あなたは大臣就任以前、三光汽船のほかにどういう会社に関係していたでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 三光汽船以外には、二、三の会社及び三、四の経済団体に関係をしておりましたが、大臣就任と同時に全部辞任をいたしました。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 具体的な会社名をおっしゃいませんけれども、その関係した会社の大株主だと思いますけれども、三光汽船をはじめそれぞれの会社名と、あなたの持ち株数、出資額、それから会社の役員の中に親族がいるかどうか、その具体的な名前、お答えください。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) ただいま明確な記憶はございません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 きわめてふしぎな答弁で、この間までそれほど関係しており、それほど株を持っていることについて明確な記憶がない。それで大臣がつとまりますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、三、四の私企業と三、四の民間経済団体……

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 名前を言いなさい、会社の名前を。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) それは突然の御質問でもございますので……

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 突然でなくったって御存じでしょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 一、二は覚えておりますが。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 一、二でいいですよ。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) たとえば、民間の企業であればセントラルエネルギー開発であるとか、あるいは経済団体であれば非集約船主協会であるとか、その他三、四ございますが、ただいま全部記憶しておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 河本大臣の記憶力が一つ証明されましたけれども、次に移ります。  法務大臣に聞きますが、商業登記制度は、記載されている事項と実態が一致しているのがあるべき姿であると思うが、どうでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) さように存じます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 法務大臣に。会社の本店は、主たる営業活動の本拠地の住所を登記すべきだと思うが、どうでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) そう思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 通産相、三光汽船の登記上の本店はどこでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 尼崎であります。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 その尼崎で本店としての業務を一切やっていますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 尼崎は、四十年前に初めて会社がつくられましたときに本店を置いたところでございまして、初めは尼崎を中心にやっておりましたが、その後、大阪に進出し、現在は東京が本拠になっておりまして、尼崎では業務はやっておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 有価証券報告書には、兵庫県尼崎市北難波町四五九番地が本店所在の場所と書いてあります。わが党の調査によりますと、この本店は、木造二階建ての民家で、木暮治佐志さん宅に看板がかかっているだけであります。これが二百五十一億の資本金を持つ三光汽船の本社であります。そこに表札がかかっているだけであります。電話もなければ、職員も一人もいません。木暮さんは、三光汽船とは何の関係もなくて、もう迷惑がっている。なぜ、いまだにこんなところに幽霊本店を置いているのですか、理由をお聞かせください。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 現在は資本金も大きくなっておりますが、創立当初は、資本金も非常に僅少なものでございまして、そこに本拠が置かれたものと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 これに類する問題がいろいろありますけれども、時間もありますので、次に移ります。  三光汽船の株価は、これまで選挙や総裁選のたびごとにものすごい変動を示しております。八十円の株が、前回の総選挙のときには何と二千五百円、そこまで上がりました。最近も田中さんが退陣したあと、ぷっとこう上がりまして、三木さんが総裁になりますとこれがまた下がるという、異常な値動きを示しております。さらに、第三者割り当ての時価発行を三回やりまして、何と八百四十一億円というばく大なプレミアムをかせぎました。ところが、浮動株わずか二%という品薄の株でありまして、兜町筋では「三ピカ」と呼ばれて、仕手株中の仕手株、政治株、そういわれており、一部には、株価操作によって三木派の資金づくりをしているのではないかという疑いが週刊誌その他で述べられております。大蔵省証券局は、この問題について調査しておりますか。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) お答えいたします。  東京証券取引所では、大体会社の増資のつど、適当な期間を区切りまして、売買審査室でもって売買の状況をつぶさに審査をいたしております。三光汽船につきましても、過去に増資がございましたので、その期間におきましてそれぞれ調査をいたしております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 株価の操作の疑いは。

田辺博通大蔵省証券局長

○政府委員(田辺博通君) 株価の操作の疑いと申しますか、株式価格の形成が公正に行なわれているかどうかという点が問題でございまして、特に増資がありました場合にはその点をつぶさに調査をいたしておる、こういうことでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 大平蔵相は、先日、田中首相の問題についても一度調査した、その後、新聞、雑誌その他で間接的にまた問題になったので再調査していると言われておりますが、三光汽船についても同じ事情だと思います。再調査する方針がありますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 三光汽船につきまして新たな問題が起きたというように私は理解いたしておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 これもまことにのんきなお話です。  大蔵大臣にもう一つ聞きたいと思います。この株価操作の問題で一つ大問題になりますのは、所得税法施行令の二十六条の税金の免除規定です。これはいま、どういうことになっておりますか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 事務当局から答弁させます。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) 所得税法の規定によりまして、年間二十回・五十万株以上の売買が行なわれましたときには課税いたす、そうでない場合には非課税になっております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 違いますよ。法令をもう一度調べてください。五十回・二十万株ですよ、もう一度調べてください。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) たいへん失礼いたしました。五十回・二十万株でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 個人が株を売買しても、一年間に二十万株または五十回以内の証券譲渡は税金免除されている。何百万株売り買いしても五十回以下なら税金はただなんです。これが田中ファミリーでも大問題になっている。横浜国大の宮崎教授は、これは日本の税法の恥部だと言われている。大金持ちに対するたいへんな援助であります、保護であります。大蔵大臣、この日本税法の恥部について、税制改革の際、廃止あるいは再検討、その気持ちありませんか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 業務の反復性をどこでとらえるかという問題だと思いますが、税制は毎年見直さなければならぬわけでございまして、税制ばかりでなく、その運用につきましても、われわれといたしましては絶えず見直しておるところでございますが、いま御指摘の点を直ちに改めるという意図はございませんけれども、なお検討……

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 政令ですよ。政府がやっているのだから、政令ですからね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 運用につきまして、政府が実行いたしておりますことも年々見直して、改正すべきは改正しなければならぬと思いますが、いま仰せの点、いま改正しようという意図を持っておるわけではございません。しかし、検討してみることにやぶさかでございません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 検討するという答弁があったと思います。  河本通産大臣にもう一つお伺いしたい。三光汽船が有価証券投資を会社の定款に入れたのは、いつですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 正確な日時ははっきりしておりませんが、大体二年か三年ぐらい前だったと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 四十七年五月であります。ところが、この定款改正前から、有名なジャパンライン株の買い占めによる七千五百万株等々、合計一億一千万株、百七十三億円余の新規買いを行ない、売却しております。  法務大臣に聞きますが、定款改正前に目的外の大がかりな株式投機を行なっていると、商法違反に当たらないでしょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 商法に関する試験問題みたいなお答えになるわけでありますが、会社は、法令の規定に従って、定款によって定められた目的の範囲内において権利を取得し、または義務を負担する行為をすることができるのでありますが、この目的の範囲内の行為には、目的を直接に実現する行為のほか、目的達成に必要な関係の行為も含まれていると解されます。いかなる行為がこれに含まれるかは、個々具体的行為を会社の定款に照らして判断することになりますが、このような行為に含まれない行為をした場合には、その行為の効力は会社には及ばない。この場合には個個の行為の相手方は、会社の役員個人に対し個別的に責任を問うことができると存じます。  なお、商法上の学力不十分でございますから、事務当局に補足させてもよろしゅうございます。

川島一郎法務省民事局長

○政府委員(川島一郎君) ただいま大臣が仰せになりましたように、会社の目的の範囲内の行為であればそれは会社の行為と認められるが、範囲外の行為であればその会社については無効である、こういうことになります。ただし、その範囲内の行為という解釈でございますが、これは一般取引の安全というような見地もございますし、判例、学説は相当広く解釈しております。したがいまして、お尋ねになりました具体的な場合につきましても、判例の現在の考え方からいたしますと無効とは言えないのではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございますが、具体的な問題でございますので、断定的なお答えはこの際遠慮させていただきたいと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 きわめて疑惑が大きい。会社の目的は海運業、船舶代理業などです。こういうものと、ジャパンラインの乗っ取りとか半期間で一億一千万株、百七十三億円の新規買いをする、これは関係ないですよ。この疑惑について法務省、よく調査してください。  運輸大臣、どうですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 運輸大臣としての海運企業者に対する監督につきましては、一応、海上運送法その他関連法規についての制約がございますので、その範囲内での監督は十分いたしております。  なお、いまの株式の買い占め等の問題、ジャパンラインの問題につきましては、当時そういうことがございましたが、その後間もなくこれは全部解決をいたしておりますので、運輸大臣としての監督の範囲内で申し上げますというと、それはそれで決着がついておる、こういうふうに認識をいたしております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 法務大臣、御答弁ございませんけれども、疑惑が提起されており、調査をお約束願いたいと思います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) そういう具体的な事案の捜査につきましては、法務大臣に捜査当局に対する指揮権はございませんので、ここであなたの御質問に応じて捜査をいたしますという御返事は申しかねます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 運輸大臣、この問題について調査する約束ができますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 運輸大臣が海運企業者を監督いたします範囲は、おのずから海上運送法等関連法規で明確にされておりますので、その範囲内の問題ですと、監督の責任も負いますし、監督もいたしますが、それ以外の問題につきましては監督する立場にございませんので、御理解を願いたいと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 まことに官僚的答弁で、どこもどうも調べる気持ちがないようであります。保留します。  次に、田中前首相は土地ころがしで有名だったのですけれども、どうも先ほどの問題で三光汽船には株ころがし、こういう疑惑があることが明らかになったと思いますけれども、もう一つ船ころがしの問題があると思います。  運輸大臣、先日東京湾で衝突事故を起こしたパシフィック・アリス号、これはリベリア船籍ですが、どこのチャーター船ですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 三光汽船がチャーターをいたしております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 三光汽船は、四十八年下期から四十九年上期まで七隻の船をリベリアに売っております。これでも明らかなように、いま大問題になっておりますリベリア、パナマ、香港などへの便宜置籍船の問題、河本ファミリーの各会社の間での中古船の転売、さらに第三者人の船員による低賃金など、いろいろなる疑惑が生まれております。海員組合も問題にしておりますが、これは運輸大臣の所管事項だと思いますが、調査していますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 海運事業は、七つの海におきまして各国自由競争の立場で行なわれておるわけでございまして、いまお話のような海外売船あるいは便宜置籍の問題、あるいは用船の問題等、いずれの海運企業といたしましても、あるいは企業の経営の合理化のために、あるいは競争に耐え抜くためにいろいろやっておりまして、三光汽船も同じような海運企業としてそういう行為をやっておることは事実でございます。  なお、内容について運輸省で調べておりますことを申し上げますというと、三光汽船の売船先はすべてリベリア及びパナマ籍の会社でございます。したがって、この売船先の会社と三光汽船との間には、それ以外の関係はございません。また、三光汽船のいわゆる関連のある会社といわれております新光海運、それから四月に二社合併いたしました瑞東海運、この二社の昭和四十一年以後の売船の実績は、全部で十隻でございます。これらの売船の相手国もリベリア、パナマあるいは韓国籍でございますが、これも、これらの会社とは関係のない外国の会社でございます。  それから、便宜置籍の問題でございますが、三光汽船の昭和四十九年十月末の現在で、置籍船の用船隻数は百三十三隻でございます。このうちリベリア籍の船が八十五隻、パナマ籍の船が七隻、合計九十二隻でございます。  また、先ほど申し上げました三光汽船と関連があるといわれております二社につきましては、最近外国から用船を行なっておるという報告は受けてございません。  以上でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 われわれの調査によりますと、いまの二社だけじゃなくて、さらに五、六社関連会社があります。いま運輸大臣一部述べられましたけれども、かなりの規模でこういうことが行なわれております。この便宜置籍船については、あるいは脱税といううわささえいろいろあるので、私は運輸大臣に三光汽船の過去五年間の売船のすべて、この価格、売却籍、さらに関係ないと言われるけれども、海外会社といろいろチャーター関係があるわけですから、三光汽船並びにその関通会社との契約関係を持った外国法人、その実態とその契約内容、こういうものについての資料を提出されたいと思います。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 上田委員から、いまの点について質問書が出ておりますことは承知しております。それを受けまして回答いたしますが、外国の売船をいたしました先の会社がどうであるかという点、それから価格はどうであったかというような点については、われわれの手では調べようがございません。それ以外で調べられる点については御報告をいたします。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 ぜひそれを期待いたします。  私は、以上一端を述べましたけれども、かなりの問題がやはりあるということであります。なぜこういう人物を産業企業情報が集中する非常に大事な通産相のポストに首相はおつけになったのか。自民党三木派に他に人材がないのでしょうか。こういうところから疑惑が生まれるのではないかと思いますが。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 河本氏は、長く実業界にあって国際経済の中で活動された人、また従来、船舶の集中集約化のときも国家の補助をもらわないで今日を築いて、非常に独創的な考え方を持っておる。そういうことで、通産行政というものは世界経済の中で非常な重要な局面に立っておるわけですから、河本君が通産大臣として適任であるという考え方から私が選任をしたわけですが、同時に、私が言ったことは、やはり従来持っておる株式に対しては、株主権の行使に対してこれを凍結する。そして今後はこういう重要な職責についたのであるから、政治家として国家のために御奉公する。従来の子会社であるとか三光汽船であるとかいう一切の従来の関係は断ち切って、この重要な難局にあたって国家のために専念してもらいたいと、こういうことで、河本氏もそういう意欲のもとで就任をされたわけでございます。非常に通産大臣としての彼の手腕に大きな期待を寄せるものでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 納得できません。われわれもこの問題、さらに調査いたします。  次の問題に移ります。  総理はこの委員会で、清潔政治の第三に選挙のあり方を述べられた。憲法前文にも、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」とありますように、選挙というのは非常に議会制民主主義の基礎であります。国民が自分の意見に基づいて自由に投票する。それによってわが国の議会制民主主義にも初めて命が入るのであります。もしこれを金力や権力で投票を強制したり、こういうことになったら、日本の議会制民主主義の基礎そのものがゆらぐと思います。先般の選挙で企業ぐるみ選挙が大問題になりました。この企業ぐるみ選挙の悪弊を断つために、首相は今後どういう措置をとるおつもりですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 選挙は、御指摘のように議会制民主主義の基礎をなすわけでありますから、現在の選挙界の状態というものは、私はこの機会にひとつ改めなければ日本の議会制民主主義の将来に対しても非常な禍根を残すということで、これはこの機会に選挙のあり方についても再検討を加えるべきだという強い考えを持っておるわけでございます。私自身もこれに対する一つの試案というものを用意しておるぐらいでございます。したがって、いろいろな制度的なものは改革を加えて、国民の疑惑のないような公正な選挙が行なわれるようにやっていきたい。企業ぐるみ選挙というようなことも、企業が選挙の場合にある特定の候補者を応援するということは、これはもう当然あってしかるべきですが、そのことがやはりいろいろな弊害をかもし出すようなことは、これはやはり自民党自体としても、今後大いにこういう選挙のあり方についても、ただ制度的なものばかりでなしに、党のあり方としても十分な注意をすべきものだと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 この問題については、今後われわれも注視していきたいと思います。  もう一つの重大問題は、官庁ぐるみ選挙であります。前回の参議院選挙でも、この官庁ぐるみ選挙が大規模に行なわれた氷山の一角があらわれております。元建設省河川局長上田稔派の選挙違反が宮城県岩沼市で起きまして、市の建設課長沼田盛氏が地位利用選挙違反で事件が起きました。その内容についてお伺いいたします。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 宮城県岩沼市建設課長沼田氏が、その地位を利用して事前運動をしたことで、昭和四十九年九月に略式命令によって刑が確定したことは事実であります。これは公務員が国全体の奉仕者として法令に忠実に従うことは当然なことであるので、本件のような事件はまことに遺憾であると思っております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 その裁判記録に、建設省から県、市、末端業者への票集めルート、これは町職員が書いたのですけれども、その圧力系統図が裁判記録の中にあります。建設省からずうっとこう宮城県にどのくらい割り当てがあったか。これは宮城県に四万票割り当てになっておりますけれども、実際にとったのは三万六千八百十二票、まことに正確な票の割り当て表であります。こういう事件があります。  もう一人の建設省関係の候補、元事務次官坂野重信氏についても、和歌山県有田郡の県事務所次長が二人起訴されております。この公訴事実をお伺いします。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 和歌山県有田事務所次長西島氏、坂本氏の坂野重信氏にかかる地位利用による選挙違反については、これは事実を調査いたしました結果、両名については御指摘の事実はないので、本件についての見解を述べることは差し控えたいと存じます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 二人起訴されているはずですけれども、法務大臣、公訴事実をお願いします。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 具体的な事案でございますので、事務当局をして答弁いたさせます。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 結論から申しますと、起訴されておるのは、西島という和歌山県の有田県事務所の事務次長と坂本清という同事務所の技術次長でございますが、いずれも公務員の地位利用による選挙運動ということで起訴されておりますが、いま御指摘の坂野候補に対する当選を得させる目的で選挙運動したということにはなっておりませんが、小林国司さん、それからその他村上正邦さん等五名に対する当選を得させる目的で地位を利用して選挙運動したというのが公訴事実でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 この事件に関連して、金屋町の助役がメモを落として拾われました。このメモをちょっと読み上げてみます。坂野重信さんについては、選挙の担当課は、県は湯浅土木事務所、町は建設課で八百五十票の割り当てであります。鳩山威一郎氏については県の総務、税務、会計が担当課で、町は総務課が担当、四百票であります。山東昭子氏については民生課、保健所が担当で割り当て四百票、佐藤信二氏については産業課が担当で割り当て三百五十票、こういうメモを金屋町の町役場の便せんに書いたのが事実として出てきております。建設大臣、こういう事態についてどう思っておりますか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 公務員が選挙に関与することはまことに遺憾なことであって、十分戒めなきゃならぬと思いますけれども、ただいま御指摘になった問題については私ども確認をいたしておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 確認していないそうですけれども、事実はいろいろあるわけであります。  ひとつ、じゃ建設省本省関係の問題についてお伺いしたい。元大臣官房の会計課課長補佐の栗田慶安氏が中国地方に移ったのは、一体いつからいつまででしょうか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○政府委員(高橋弘篤君) 栗田慶安君が本省の会計課から広島国道事務所副所長に転出しましたのは、四十八年四月一日から四十九年七月三十一日まででございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 いまの日時は、つまりことしの参議院選挙を終点として、その前のちょうど一年三カ月の期間、ちょうど参議院選挙の準備期間並びに実行期間であります。この栗田氏が広島で一体何をやっていたかといいますと、われわれの調査では、栗田氏、坂野重信氏ともに同郷で鳥取出身であります。そしてこの鳥取会を四十八年十二月下旬には広島市の的場町の料亭「一楽」、四十九年三月中旬には安芸郡海田町の料亭「俵」で開いて、ここで坂野氏をよろしく頼むということを述べて、業界ではこの人は後援会のやっぱりセンターではないかとさえいわれておる。こういう事実は建設大臣、どうお考えになりますか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○政府委員(高橋弘篤君) ただいま先生のお話の件、私ども全く承知いたしておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 建設大臣に聞いているのですよ。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) ただいまの御質問の問題、私は全く承知をいたしておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 官房長もう一度お願いします。

高橋弘篤建設大臣官房長

○政府委員(高橋弘篤君) 全く先生のおっしゃいましたことにつきましては、私ども確認いたしておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 確認してない……。

高橋弘篤建設大臣官房長

○政府委員(高橋弘篤君) 知りません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 官房長の課長補佐がちょうど選挙期間中広島へ行って、こういう坂野氏の選挙運動をやっておる。この事実についてわれわれは確認しておりますので、ひとつ官房長の責任で調べていただきたいと思います。  なぜわれわれがこういう問題に疑惑を持つかと申しますと、三十八年の衆議院選挙で、当時の建設事務次官山本幸雄氏の立候補で逮捕された建設省の元官房長平井学氏の裁判における供述がございます。この裁判における平井学氏の判決に載っておる供述によりますと、建設省では事務次官が立候補するときは、官房長が中心になって資金を世話する慣例がある、それで自分もやったのだというのですね。こういう慣例がいまでもあるのか。先ほどの栗田氏は官房長の会計課長補佐であります。だから建設省の事務次官の選挙運動は、まさに官房長が中心になってやったのではないかという疑惑をこれらの事実から私は抱かざるを得ない。そういう問題についてどうお考えになりますか。

高橋弘篤建設大臣官房長

○政府委員(高橋弘篤君) 十年前の平井さんの事件につきましては、これは事実でございました。まことに遺憾でございます。その後は全くそういうものに関与いたしていない次第でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 その慣例はいまはなくなっていると言われますけれども、そうはいきません。  四十九年八月十九日の読売新聞の「株式会社自民党」という記事がございます。この記事によりますと、建設省のP技監が票読みをやっておる。上田稔氏、坂野重信候補について票読みをやっておる。実にコンピューターより正確だと豪語しております。建設省に技監は何人いらっしゃいますか、建設大臣。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 政務次官が一人、事務次官が一人でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 技監。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 技監は一人でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 ことしの参議院選挙当時の技監は、お名前はだれですか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 現在の高橋次官でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 読売新聞のP技監は高橋国一郎氏であることは明白であります。さらに重大なことは、この読売新聞の記事は上田、坂野両候補について、全国四十七都道府県完全に地盤割りが行なわれている。出た票を見てごらんなさい。片方が数万票とっているところは、片方は数百票です。みごとに四十七都道府県を二つに分けている。この地盤割りを行なったについて「古賀雷四郎参議院議員は「建設省が決め、われわれは了承しただけ」といい、上田候補は「亀岡建設相から言われたが異議はさしはさまなかった」、亀岡建設相は「前建設相からの引き継ぎ」という。」と。前建設相はどなたでしょうか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 亀岡建設大臣の前は金丸大臣だったと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 読売新聞の記事が事実だとすれば、私ども確認しておりますが、金丸さんにお伺いします。この地盤割りは、あなたがやって亀岡さんに引き継いだものですか。

金丸信自由民主党国土庁長官

○国務大臣(金丸信君) お答えいたします。  その問題につきましては、全然私は関知いたしておりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 関知したらたいへんでしょうから、そういう答弁をなさるのでしょうけれども、氷山の一角が私は明らかになったと思います。建設省が主体になってお二人の選挙をおやりになった。下のほうも建設省の割り当てでずっとやっている。こういう疑惑が非常に強いのです。こういうことは建設省だけではございません。農林、運輸、大蔵、郵政、これらすべてでこういう官庁ぐるみ選挙が行なわれていると、そう読売新聞は書いてあります。  私は、ここで有名な専売公社の小林章氏にまつわる選挙違反事件の判決、この中でどういうことが書かれているかということについてちょっと御紹介したい。この判決文は、この事件、これは東京地方局長が有罪になったわけですけれども、裁判官は公社の幹部がやらせたんだということを述べております。そうして「一将功成って万骨枯れ、免れて恥なきものの人身御供としてはならない」と判決文の中でうたっております。そうして元凶は他にいると、そう判決文の中で述べている。そうして高級公務員の立候補者は現実問題としては例外なく政府与党議員の給源となっていると、こう指摘して、高級公務員の立候補制限をすべきだということを裁判長寺尾正二氏自身が判決文の中で述べているのであります。こういう官庁ぐるみ選挙を調べれば調べるほど、長年にわたって日本の権力を独占してきた自民党が財界と深く結びつき、さらに高級官僚と結びつき、官僚機構全体を動かして、参議院選挙その他で議会の絶対多数を占めてきた。議会制民主主義の公然たる破壊じゃありませんか。土台をゆるがしているじゃありませんか。三木首相、こういう事態についてはどうお考えになるか、お答えください。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 公務員が地位を利用して選挙運動をすることは選挙法の規定においても認められておりませんし、そういうことが公然と行なわれるということでは、お説のように議会制民主主義の根底にもかかわる問題だと考えます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 今後こういう問題についてきびしくこれを処断するし、予防する措置を具体的におとりになるかどうか、明確にお答えください。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 当然にとるべきだと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 それでは今後の措置を注視する、つまり、企業ぐるみ選挙に対する具体的対策と官庁ぐるみ選挙、こういうものを禁止する具体的措置を三木首相がおとりになることを期待して、次の質問に移ります。  次に同和問題であります。  衆議院の予算委員会で、同和問題に関して解放同盟朝田、丸尾派の暴力事件を取り上げたわが党の村上議員の質問に対し、翌日社会党の八木、湯山議員は、事件の背景として日本共産党の党利党略なるものを指摘されましたが、これはとんでもないことであって、問題は政党次元のことではなく、国民の権利と民主主義を守るかどうかという問題だと思います。私は、部落差別をなくす公正な同和行政を推し進める立場から質問いたします。  植木総理府総務長官、同和行政を公正、公平に進める立場から「同和対策事業の推進について」という通達が出ておりますが、その内容を御説明ください。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) お答えいたします。  昭和四十八年五月十七日付で「同和対策事業の推進について」という通達が総理府総務副長官、関係各省事務次官連名で出されております。これは、同和対策長期計画の前期五カ年の最終年度を迎えるにあたりまして、関係各地方自治団体が今後一そう同和対策の推進に努力するようにという趣旨で出されたものでございます。  要点だけ申し上げますと、まず同和対策事業特別措置法の趣旨にのっとり、効果的総合的な対策を検討し、残された期間内に所期の目標を達成するよう一そうの配意を要望します。次に、昭和四十六年六月に実施いたしました全国の同和地区調査の補完調査につきまして、未調査地区を有すると考えられる市町村に対して指導をお願いをいたしました。さらに、同和対策事業の執行にあたっては、同和対策行政の目ざす受益が対象地区住民にひとしく及ぶことが必要であるので、行政の公平性と対象地区住民の信頼の確保についても、今後とも十分留意されるようお願いいたします。これらの点について、管下市町村に対する指導を地方自治団体にお願いをしたのでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 建設省住宅局長は「特定目的公営住宅等の入居事務について」という通達を出しておりますけれども、これも内容を御説明願います。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 昭和四十五年十一月十八日付住宅局長通達は、母子世帯、老人世帯向き等の特定目的公営住宅及び改良住宅の入居について適正かつ厳正に事務を執行すべき旨指示したものでありまして、同和対策として行なわれる住宅についても、この通達に従って運営されるものと考えております。  なお建設省としましては、同和対策として行なう住宅の管理については、地方公共団体が公営住宅法及び住宅地区改良法の規定に従うとともに、同和対策事業特別措置法及び同和対策審議会答申の趣旨にのっとって、地域の実情に応じ、実態に即応した適切な判断のもとに公正に遂行すべきであるという考え方で指導をいたしておるのであります。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 建設大臣、いまの通達の特定団体問題がありますけれども、そこの該当個所を読んでいただきたいと思います。

山岡一男建設省住宅局長

○政府委員(山岡一男君) 通達の後半のほうを読ませていただきます。「特定目的公営住宅及び改良住宅の入居については、公営住宅法及び住宅地区改良法の規定に従い、合法かつ、厳正に、その事務を執行されたく、法に定める入居者の公募を行なわず、又は入居者を一部特定の団体に加入している者に限る等の違法な取扱いは絶対に行なうことのないように厳に注意されたい。おって、貴管下事業主体に対してもこの旨を周知徹底せられたい。」  以上でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 総務長官にお伺いしますけれども、いまの通達は法の下の平等を定めた憲法、地方自治法、同対審答申、同和対策事業特別措置法の精神に基づいて出されたものと思いますが、いかがでしょうか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) すべて行政は憲法及び関係法令に基づいて行なわれるのは当然でございます。同和行政につきましては、同和対策事業特別措置法及びその長期計画、その趣旨に基づいて行なわれるべきものでございます。当然でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 それでは、この通達は国及び全自治体で守られなければならないものであると思うが、総務長官、どうでしょうか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 同和対策行政はそれぞれの地区の実情に応じて行なわれるべきものでございますが、同時にまた先ほど申し上げましたように、関係地区住民をひとしく対象として公平に実施すべきものであるということは当然でございまして、その一般原則を示したものでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 未解放部落関係の団体には部落解放同盟朝田派のほかに、部落解放同盟正常化連、全日本同和会などがありますけれども、この団体の所属によって行政当局が差別行政を行なうことは、いまの通達の趣旨からいってどうでしょうか。許されないと思いますが、いかがでしょう、総務長官。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 先ほど来申し上げておりますように、同和対策行政は特別措置法その他の趣旨に基づきまして行なわれるべきでございまして、また同時に、それぞれの地方の実情に応じて対策が練られるべきでございます。関係の地方自治体の部課長を年に一回、ことしは十月に集めましていろいろ会議をいたしておりますが、その際にも、ただいま申し上げました昨年の次官通達等の趣旨に基づいて、これを徹底して行政が行なわれるべきであるという指導をいたしております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 差別行政は行なわれるべきでないという趣旨だと思います。ところが、きわめて残念なことに、東京都では同和対策事業の生活応急資金十万円の問題で、朝田派の四十三名には八月三十一日に無条件で貸し付けたにもかかわらず、他の十四名に対しては、朝田派の幹部を講師とする研修会の出席を資格要件として、いまだに貸し付けられておりません。   〔委員長退席、理事柳田桃太郎君着席〕 その後、さらにこの問題を拡大しまして、現在同和施策を受けられない都民が申し込んでいるにもかかわらず、百三十五件九十数名、未執行額が何と一億円をこえるという事態になり、内容も、たとえば入学・進学の支度金や奨励金、そういうものにまで及んでおります。こういう事態は通達の趣旨に沿って改善されなければならないものであると思うが、どうでしょうか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 先ほど来申し上げておりますように、同和対策事業は各省庁がそれぞれ事業を行なっているのでございまして、それを受けまして各地方自治体が地方の実情に即しまして行政を展開をしているというのが実情でございます。個々の事業につきましては、それぞれの事業ごとによりまして各省庁に分かれておりますので、それぞれ各省庁が把握をいたしておりまして、私どもはそれを総合的に実態を把握するという状況でございまして、個々の問題につきましては、これは関係の直接所管をいたしております所管庁の判断及び地方自治体のそれぞれの実情というものに即して判断をしなければならないと、このように考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 福田自治大臣、いかがでしょうか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいま総務長官が述べたとおりでございます。私は、同和行政というものは行政の一部でありまして、もちろん、公平に行なわれるべきものである、かように考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 自治大臣、東京都の問題、御存じだと思いますが、その問題についてはどうお考えになりますか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 東京都の問題については仄聞はいたしておりますが、私の直接監督のことではございません。どういうふうに取り扱っておるかということは仄聞しておりますが、行政としては公平に処置をしてもらいたいと、こういう考え方でおります。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 美濃部都知事も、実はいま不公正だということを御自身で認められている。問題は、こういう不公正な事態が起きたのは、やはり強制によるものであります。  事の起こりは、去る八月二十六日、東京都民生局に解放同盟朝田派が押しかけて、四十三名だけにすぐ資金を出せというので、婦人の民生局長の部屋を五日間にわたって占拠して圧力を加え、最後に九時間の交渉で都側が屈服した。このことから始まったのであります。あの但馬地方における、あすこまでいかないにしても、実際上同質の強制力が行なわれた。そのことによってこういう事態が起きているのであります。しかも、これに類する問題は全国各地に生まれております。  こういうことを私はやめさせて行政の公正を保障しなければならぬ。各地の実情に応じてと言われることで、逃げ口上では許されません。通達の趣旨に沿ってこういう不公正な事態をどういう方法で是正するつもりか。新しい通達をお出しになりますか。総務長官いかがでしょうか。また自治大臣いかがでしょうか。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 昨年出しました先ほどの通達の趣旨の徹底をはかってまいります。   〔理事柳田桃太郎君退席、委員長着席〕

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 各都道府県の一部におきまして、いま御指摘のあったような、いささか私らが見て不公正であるというものがあることは認めざるを得ないと思います。こういうものは今後ぜひ是正をするような措置を講じてまいりたいと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 是正の措置を強力におとりになるよう要望いたします。  もう一つ問題があるのは、こういう事態が起きるのは、たとえば東京都の同対協、これは都の理事者と解放同盟朝田派の二者だけで構成されております。つまり、合法的に朝田派が都の同和対策を独占できる仕組みに現になってしまっている。国の同対協、同和対策審議会は、各団体、各方面の委員で構成されておりますが、こういうふうに一部、一つの特定団体と行政当局のみで構成されているという、こういうあり方自体がまずいと思う。この種の審議会や協議会のあり方としてふさわしいとお思いになりますか。この同対協の構成問題について総務長官、自治大臣、明確な御答弁をお願いいたします。

植木光教自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(植木光教君) 協議会は二十名の委員によって構成をされておりまして、学識経験者及び関係諸官庁のそれぞれの責任者がそのメンバーとなっているのでございます。これは、御承知のとおり、五年間の延長措置がとられたのでございまして、したがいまして、それに基づきまして本年の五月に委員を委嘱をいたしまして、これらの方々によりまして、先ほど申し上げました同和対策事業特別措置法の趣旨が十分に生かされるように御審議をいただきたいということをこい願っております。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 同和対策というのは、御案内のように、これは差別がなくなるようにという目的で支出しておる経費であります。ところが、その経費の使い方でまた新しい対立が起きておるということは、私は非常に残念に思っております。何とかしてそういうことのないように内部的に調整が行なわれて、そうして平等な姿で事が進められるようにぜひやっていただきたいと、こういう私は考えでおります。したがって、いまの審議会等々につきましても、そういうような趣旨で行なわれることが望ましいと、かように考えております。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 関連。  東京都は、八月三十日に、台東区にある産業労働会館という地域住民を対象とした同和施設を、狭山裁判現地闘争本部として解放同盟朝田派が使用するのを同会館運営協議会の反対を押し切って許可しております。解放同盟朝田派は、この会館に長さ九メートルに及ぶ狭山現地闘争本部という看板を掲げ、宿泊設備もないところに外部からふとんを持ち込んで泊り込むなど、事務所同然に使用いたしました。この結果、地域住民の会館利用は著しく制限されました。そればかりか、この産労会館を舞台として去る九月十六日、解放同盟朝田派と野合して使用していた暴力集団中核派は革マル派の襲撃を受け、いわゆる内ゲバが発生し、流血騒ぎとなり、救急車、パトカー三台、警官三十人が出動するという事態となりました。解放同盟朝田派はこの事件に対する警察や館長の事情調査を拒否し、完全な無法区域と化し、周辺住民に大きな不安を与えました。公共施設の不法な使用許可、また不法な利用が内ゲバにまで発展しているのであります。自治大臣は、本来の目的に反して公共施設の使用許可が与えられていることについてどうお考えになりますか。公安委員長は、公共施設において内ゲバが行なわれていることをどう思われるか。当日の状況、警察の対応について説明をされたいと思います。  また東京都は、十月十一日付で同会館使用を申請した部落解放同盟正常化東京都連絡会議に対して、知事が使用を不適当と認めるという以外の何らの理由を示すことなく不許可にいたしました。一方に対しては約一カ月にわたって不法使用を認めながら、解放同盟正常化連に対しては理由もなく使用させないということを続けている。いま上田議員の質問にありました通達の立場から言って、これについての自治大臣の見解を伺いたいと思います。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) ただいまは自治大臣と国家公安委員長に対する御質問でございますので、分けて申し上げますが、自治大臣といたしましては、地方公共団体が暴力によってその自主性をゆがめられて、そうして行政をしておるとしたならば、そういうことはあってはならないとわれわれは考えておるわけでございます。暴力は、絶対にこれは否定されなければならないのでありますが、ただいま具体的な問題について御質問がありましたから、警察の立場からちょっと御答弁をさせていただきますが、警察は同和問題であるといなとを問わず、また地方自治体であると個人であるとを問わず、およそ集団暴力等によって被害を受けた事実を認知した場合においては、法の規定に基づきまして、事態に応じて警告、制止、検挙等所要の警察措置を講じてまいっているところでございます。  お尋ねの東京都民生局の問題につきましては、本年八月下旬ごろ部落解放同盟東京都連合会が、同和予算の要求に関し東京都民生局長と交渉した事実については承知をいたしておりますが、本交渉の過程において都側から、暴力行為とか施設占拠等につき被害申告等を受けた事実はございません。  なお、この産業労働会館を部落解放同盟が使用した事実は、先ほど御案内がありましたとおり事実があることは承知いたしておりますけれども、しかし同会館の使用については、お尋ねのような不正使用ではなく、部落解放同盟が管理者である東京都から正式に許可を受けて使用していたと聞いております。したがって、同会館の使用をめぐって、東京都から警視庁に対して警備要請等は全然なかったということでございます。  労働会館の内ゲバのお話でありますが、お尋ねの件は本年九月十六日に発生した事案をさしているものと考えますが、九月十六日の午後一時三十分ごろ、東京都営産業労働会館の管理人から、会館の玄関付近で十五、六人がけんかをしているとの一一〇番へ通報がございました。直ちに所轄浅草警察署からパトカーが現場に急行いたしましたところ、会館入口付近に二十人くらいの者がいたので事情を聞きましたが、内輪げんかだから関係がないと言って事情聴取に応じませんでした。このような状況で関係者の協力が全く得られない、事態を把握するに支障を生じたのでございますが、その後、革共同の革マル派が前進派を襲撃した内ゲバ事件であったと両派が機関紙等で言っているので、この点をも含め事案の解明につとめているのが、ただいまの警察としての措置でございます。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 須藤君、簡明に願います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 はい。公共施設がこういうゲバ団体に使用されるということは、これは許すべきことではないと思います。その点は自治大臣もよく腹に入れて、今後こういうことがないように、絶対に許さない態度で私は臨んでほしいと思います。  もう一点の質問は、上田議員が取り上げました東京都の差別行政は、文化面にまで実は及んでいるわけです。それは解放同眼朝田派の要求に上り、差別をなくすことを主題にした今井正監督の映画、あの「橋のない川」まで貸し出し中止にたったという問題であります。  昭和四十六年から東京都民生局の事業として始めた聴力障害者のための字幕入りフィルム貸し出し事業は、聴力障害者はもちろん、文化関係の多くの方々から歓迎されておりました。ところが、障害者団体の強い希望で字幕入りフィルムに選定され、貸し出されてきた映画「橋のない川」のフィルムが、本年四月、突然この事業の委託先の南京映画協会から民生局が引き揚げ、障害者団体に内密のままリストからはずされ、貸し出しが中止されるという驚くべき事態が起こったのであります。つけ加えておきますが、この映画は美濃部知事外、当時の日教組委員長の宮之原氏も制作の呼びかけ人に名前を連ねられた映画でございます。調べてみると、解放同盟朝田派の機関紙に、東京ではまだ部落差別を助長する「橋のない川」が上映されているという投書が載ったなどの理由で、都の総務局同対部と民生局の協議で貸し出し中止措置がとられたことがわかりました。  今井正監督が最近明らかにしておりますが、解放同盟朝田派は、この映画の撮影中から暴力でおどし、シナリオの改訂を要求し、さらに上映を全国各地で妨害し、暴力的手段で中止させるという事件を起こすなど、表現の自由、芸術作品鑑賞の自由を侵すゆゆしい行為を行なっております。東京都の今回の貸し出し中止事件については、今井正、山本薩夫、山田洋次、五所平之助、新藤兼人、家城巳代治氏ら十一名の映画監督が抗議声明を発表しております。行政の公平、さらに表現の自由、芸術作品鑑賞の自由に対するこの重大な侵害事件について、文部大臣の見解をお聞きしたいと思います。  もう一度はっきりさせておきますが、この映画は、部落問題が教育行政の面で一定の課題となっている大阪府教育委員会、福岡県教育委員会の選定と、日本PTA全国協議会の推薦も受けております。そればかりではなく、政府が責任を持っている……

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 簡明に願います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 厚生省中央児童福祉審議会の推薦も受けているのであります。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 須藤君、簡明に願います。

須藤五郎日本共産党

○須藤五郎君 私も試写会に出、この映画を見ましたが、映画の内容は部落差別をいささかも助長するものではなく、部落差別の不当性を強く観衆に訴えるものであります。われわれも差別をなくすために戦ってきた一員といたしまして実に感動したものでございます。文部大臣、はっきりとお答えを願いたいと思います。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 永井文部大臣。簡明にお願いします。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 文部省のこの問題につきましての方針は、同和対策審議会の答申に、同和対策というものは法のもとの平等に基づいて、そして基本的人権を重んじて、日本の社会にある根深い差別というものをなくしていくということが第一点、さらに同和教育につきましては、これを推進していく上で教育の中立性を守っていくということであります。そこで、そういう方針に基づいて文部省が行政を進めていくということを原則にいたしておりますから、そういう角度で今後も処置していくというふうに申し上げるのが一番正しいことだと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 東京都だけの問題でなく、こういう不公正な事態は全国各地の自治体に起きておりますので、通達の精神に基づいて、憲法、地方自治法の精神に基づいて行政を進めていく、その指導も強化するということについて総理の決意をお伺いしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私もそのように考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 次に、経済問題についての質問に移りたいと思います。  経済社会基本計画を根本的に見直すということが先日から問題になっておりました。私はこれは情勢変化だけでなく、当時からやはり時代錯誤のものだったのではないか。高度成長の破綻が明らかになったときに平均九・四%という高度成長の計画を立てたわけですから、そういうふうに思いますけれども。  そういういろんな欠陥の中で重大な欠陥の一つは、エネルギー資源がやはりあなたまかせだったということだったと思います。おかげで日本は石油自給率が非常に低くなって、石油危機の影響を先進国じゅう最も大きく受けたじゃありませんか。一体今後どんなエネルギー自立計画を立てるつもりか、通産大臣にお伺いいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 総合エネルギー調査会から今後の日本のエネルギーのあるべき姿について答申を受けておりますが、できるだけ国内の資源を開発していく等を行ないまして輸入の分野を減していく、こういうことが基本でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 あまりにも簡単過ぎますけれども、この自立計画はやはり対米自主性が非常に大事だと思います。石油の消費量中、中東石油の占める割合はアメリカはどのくらいでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 御案内のように、わが国は輸入石油のうち約八割を……

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 いやいや、アメリカの石油消費の中で中東石油の占める割合です。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) アメリカは年間約八億五千万トンの石油を消費しておりますが、そして約三億トンの輸入をしておりますけれども、三億トンの輸入のうち、中東からは約五千万トンでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 つまり五、六%というわけであります。日本の石油消費量のうち、中東石油の占める割合をお伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 約八割でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 まるで立場が違うわけであります。  ところで、キッシンジャー国務長官はシカゴ大学での十一月の演説で、石油値上がりを第二次大戦後二度目の西側世界の危機だと、それに基づくインフレーション、オイルダラー問題等々。そう述べて、アメリカを中心とする消費国の団結で産油国に圧力をかけるキッシンジャー構想、これを発表しました。総理大臣、このキッシンジャー構想についてどうごらんになり、どう検討しておりますか、お答え願います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 上田さんも御承知のように、最近フランスのジスカールデスタン大統領とフォード大統領との間に会談が行なわれて、そして産油国も含めて消費国が話し合うというような方向で合意に達したようでございますから、消費国が団結してそうして産油国に対して圧力をかけるというような方向では進んでいないようでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 ところで、ひとつ外務大臣にお伺いしたいのです。いまアメリカは第五次中東戦争を予測して、禁輸に対抗するために石油出兵の準備もしているという報道がヨーロッパで行なわれております。それによると、アメリカは石油禁輸の際出兵もする。そのために砂漠戦用の特殊部隊まで編成している。すでに航空母艦、コンステレーションを約二十数年ぶりにペルシャ湾に向けて送ったという事実もある。こういう情勢を外務大臣、どうごらんになっておりますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そういううわさはときどき聞いておりますけれども、事実ははっきり存じません。いずれにしましても、しかしそういう形ではこういう問題は解決しないと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 しかし、フォード大統領も九月二十三日の演説で、資源問題でかつて戦争になったのだということまでちらほらさせて、非常に強い態度を述べておる。軍事力まで含めてこの石油の値上がり、これを産油国に圧力をかけて値下げさせようという態度にアメリカが出ていることは、いろいろ明らかであると思います。こういうせとぎわ政策にもし日本が万一追随していたら、第五次中東戦争でも起きたとき、日本は再び禁輸対象国になる、そういう危険があります。これに追随すると、平和をも日本の経済をも破壊する、そういう危険な可能性があると思う。三木総佃は、特使としてアラブ諸国を回られた際に、国連決議を無視しているイスラエルは非難されるべきだ、正義はアラブ側にある、こう述べました。こういう点で、日本の石油問題、自主的な政策を立てる上で、強力な自主外交、アラブ諸国との友好的外交、これと結びついた自立的エネルギー政策をとることはいま非常に緊急になっていると思いますが、総理の決意をお伺いします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 石油の問題については各国とも事情が違うわけでありますから、各国の事情に即して外交を行なうことは当然でございます。日本は、産油国との対決の中にこの問題は解決できない、産油国との協力の中にこそ石油問題は解決できるという日本の立場から中東問題に対処していきたい。ことに日本は、いま御指摘になった一九六七年の二四二の国連安保理事会の決議のときに、日本は非常任理事国の一つでして、この決議の推進に日本は一役買ったわけですから、あの決議というものが実施をされるために日本も、日本のやる力は限られておりますけれども、日本もできるだけの寄与をするということは当然のことだと考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 対米追随の態度をとらないで、アラブ諸国との友好の立場を進めて石油問題を解決する決意だとお伺いします。  その点で、メジャーとの値下げ交渉、これがいま大事な問題になっていると思います。十一月十二日の日本の各紙に、一ページのイランのパーレビ国王の意見広告が載りました。その中でパーレビ国王は「もし石油会社が二ドルのもうけでなくて、五十セントだけを取るならば、値下げになるでしょう。もしあなた方が石油会社にしたい放題にさせておくと、値が上るでしょう。」、こう述べております。しかもメジャーは、この二ドルだけでなくて、日本で最大のもうけをあげているのではないかという疑惑もあります。パーレビ国王も言うとおり、三木総理大臣、メジャーとの価格の引き下げ交渉をいまやはり日本は開始すべき時期だと思いますが、いかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) メジャーの現在の世界において占める分野等から考えまして、当然値下げの方向に交渉すべきだと思いますけれども、交渉にはなかなか困難が伴うものと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 困難は伴うにしても、国民のために交渉を開始する方針があるかどうか、お伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 石油の価格は、御案内のように非常に高くなっておりまして、このことがいま不況の原因になっておるわけでございます。そういうことから判断いたしまして、機会あるたびに石油の値下げのためには努力するつもりでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私は、いまがその機会だと、そう言っているわけであります。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) よく分析してみたいと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 どうも、なかなか国民のために行動する決意を表明されませんけれども、よく分析して決意していただきたいと思います。  ところで、DD原油がこの十二月上旬に行なわれたOPECの新価格体系で、いまのメジャーの石油と価格がほぼ今度同じになりました。いまのこのチャンスは、メジャーとの引き下げ交渉のチャンスでもあると同時に、産油国との直接取引を広げて、メジャーを通さないDD原油の輸入をふやすそのチャンスでもあると思います。そのDD原油をふやす具体的な構想をお持ちかどうか、通産大臣、お伺いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 御指摘のようなことも、あわせて目下いろいろ対策を立てておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 関連。  政府は、この十九日の日にエネルギー節約国民運動の実施要綱を内定したというふうに聞いております。一体、この実施要綱の内定の案によれば、全体としてどのくらいの消費節約を考えておられるのか、これを一点伺いたい。  それからもう一つ、この実施要綱によりますと、非産業部門及び一般家庭は一〇%の節約を目標にする、官庁部門は最低一三%の節約をするというふうに数字がはっきり出ているわけですが、産業用のほうは数字がはっきりしていない、一体、産業用は何%の節約を考えておられるのか。この二点を伺いたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 来年は約九百万トンを目標といたしまして節約をしたいということで作業をしておりますけれども、ただし、それは最終の数字ではございません。そういうことを目標にしていま作業をしておるというところでございます。そしてわが国の石油の消費は、御案内のように産業用が非常に大きくて七割をこえております。民需が三割弱と、こういうことになっておりまして、アメリカ、ヨーロッパとだいぶ事情が異なりますので、産業面を一律に節約をいたしますと直ちに生産の縮小と、こういうことにもなりますので、産業面では生産に直接関係ある生産部門、これはできるだけ効率をよくして、そのことによって節約をさせる、しかし産業面でも管理部門につきましては、大体一割ぐらいは節約するように指導しております。また、民間にありましては一割ないし一割三分、それぐらいな節約をお願いをしたい、強制ではございませんが、そういう方向で目下検討を続けておるところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 なお関連、もう一点。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 関連はなるべく簡明に願います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 福田経済企画庁長官は、来年度の経済成長は実質四%台だろうという趣旨のことを言われました。いまもおっしゃいましたように、日本の石油消費の七割を産業が占めている。その産業の成長が全体としては四%ということであります。その点が不明確であって、そうして一般家庭用などが一〇%の消費節約ということになりますと、これは国民の生活用の消費は大きく節約して、産業用はたいして節約にならない、こういうことになるんじゃないでしょうか。昨年十二月に制定されました石油需給適正化法、これの第三条によりますと、まさにこうした民生用の石油の確保ということを第一としなけりゃならぬという趣旨がうたわれております。この法律の趣旨にも反することになりますが、いまの節約の基本方針、これ再検討しなけりゃならぬと思いますが、どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどちょっと申し忘れましたが、大体そういう行政指導をお願いをいたしまして、生産の分野と民需の分野では節約の量はほぼ同じぐらいになるのではないか、数量でございますね、そういうぐあいに考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 経済社会基本計画のもう一つの重大な欠陥は、九・四%という、高度成長という大企業本位の政策をとりながら、他方、国民に関してやっぱり低福祉、高負担になっている。たとえば、高負担で言いますと、社会保険負担並びに租税、租税外負担足しますと、四十五年の二八・三%が五十二年には三二%に上がる、そういう状況になっております。三木首相は今後情勢の変化に基づいて福祉を重点にと申しておりますけれども、今後五十一年度から策定される新しい長期計画で福祉重点型の長期計画をつくるおつもりでしょうか。お答えお願いします。福田さん。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 御説のとおりでございます。まず、成長の高さが非常に変わってくると思うのです。高度成長の時代におきましては、社会の低所得階層、これも高度成長でございますから、その余慶をこうむる。去年よりはことしはよくなったなあという実感をみんな持ってきたと思うのです。ところが、低成長といいますか、静かな成長時代になりますと、そういう状態が期待できませんので、低所得者対策というものは非常に重大になってくる、こういうふうに考えておるのでありまして、改定の基本的理念といたしましては、われわれの生活環境をよくするとか、そういう福祉、これに重点を指向する、かように御承知願います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 この経済社会基本計画の一四二ページに公共投資の事業別投資額がありますけれども、これを計算してみますと、道路、鉄道、港湾、航空、電気通信、三十七兆三千二百億、四一・五%、他方、環境衛生、公共住宅、厚生福祉、学校などこういう生活関連を計算すると二十兆、二二・二%、つまり産業二、生活一という比率、私どもこれを福祉重点と言うならば、一対二を二対一に逆転させるべきだと、そう思いますが、その点いかがでしょう。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) まだ具体的に数字を申し上げるわけにはまいりませんけれども、傾向といたしましてはさようなことに相なるであろう、そうしなけりゃならぬ、こういうふうに考えます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 これまでの産業優先、こういう福祉犠牲政策の典型的なあらわれの一つが地方自治体の超過負担問題であります。つまり、地方自治体のやる場合、産業用の道路だとか川などは、実績に、かかった事業費に補助金が出る仕組みなので、超過負担は全然出ておりません。ところが住宅、学校、保育所、この三つにものすごい超過負担が出るという状況になっております。  どこの例でもいいのですけれども、私が住んでいる国立市の建設中の西保育所の実例をあげますと、今度百人の定員の建物を八千六百九十万円で建てるんですけれども、この超過負担が三千四百六万五千円ということになっております。さらに運営費の超過負担も非常にひどい。矢川保育園の場合には保母さん十六人、百人の園児でおりますけれども、九人しか認められておりません。二つの保育園で運営費の十分の八の補助が出るはずで、当然一億八千万円出なければならないのに、実際に出ているのは何と三千八百八十万円という数字であります。  厚生大臣、四十八年度には約九百カ所の保育所が建てられましたが、そのうち補助が出ているのは何と五百五十カ所、これらの問題について、こういう超過負担、特に保育園の超過負担、この点どうお考えになりますか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 保育所関係の超過負担、いろいろ実はあるのでありますが、施設費についての単価の低いこと、これについてはだいぶ実は改定をいたしました。今年度はいま御審議中の補正予算にも出ておるところであります。それからいま一つは、この措置費の中におかれる超過負担、この問題についても年々改善をいたしておりますが、今後ともさらにこれについて超過負担が皆無になるように努力をいたしたいと思っております。  そこで、最後のお尋ねでございますが、約九百カ所設置を昨年いたしましたが、この中には自転車振興会あるいは日本船舶振興会等の寄付金によるものがあるわけでございますが、この点を一体超過負担とみるべきかどうかについてはいろいろ議論のあるところでありまして、私どもとしては、これが国の補助金が児童福祉法による二分の一が出ていないからといって、直ちに超過負担問題につながるものではないであろうという見解を持っております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 今度の補正予算では、単価差の補正分に限って三百二十八億円見込んでおります。しかし、全国で五千億という計算もある。あまりに少な過ぎると思います。いま厚生大臣の言われたこの保育所の運営費の超過負担の解消策、これは来年度回しになっている。大蔵大臣、抜本的な解消策をとるべきだと、共産党は過去五カ年間の超過負担を三カ年間で解消するための特別立法を提唱しておりますが、抜本的解消策についてお伺いいたします。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 御案内のように、これまでも超過負担の解消につきましては鋭意努力してきたつもりでございまして、いままでの実績をたんねんに調べまして、それをベースにいたしまして逐次解消をはかっていくという方針をとってまいっておりまするし、今度の補正予算でもその一部をお願いいたしておるところでございます。ただ、御理解いただいておきたいのは、その場合の基準をどこにおくかということでございまして、実費主義をベースにやるという方針を政府はとっていないわけでございまして、標準的な地方団体によって合理的な企画、規模において、しかもその事業が能率的に行なわれた場合の費用を前提として積算すべきものという考え方でございまして、今後これを基礎といたしまして逐次解消につとめてまいりたいと考えております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 次に、住宅金融公庫の追加融資についてお聞きしたいと思います。  小沢さん、元建設大臣当時における大蔵省との折衝経過を御説明願います。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 仮谷建設大臣。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 いや、小沢さんにお伺いします。建設大臣当時の、この問題について御努力いただいた折衝経過。

小沢辰男自由民主党環境庁長官

○国務大臣(小沢辰男君) 結論を申し上げますと、大蔵事務次官との間で、五十年度予算編成過程を見通して何とか善処をしたいと、こういうことでお別れをいたしておるわけでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 仮谷建設大臣、この八万戸の追加融資問題、実を結びそうですか。

仮谷忠男自由民主党建設大臣

○国務大臣(仮谷忠男君) 上田先生御承知のように、七月二十日の締め切りの場合に七万戸超過をして、その分については一千七百八十六億の資金の手当てができたことは御承知のとおりであります。その後、国民の持ち家に対する要望も非常に強いし、中小工務店や建材店等の救済等もありまして、さらに受け付けの再開をしたいと思って、前大臣からの引き継ぎもこれあり、大蔵大臣といろいろと相談をいたしております。大蔵大臣たいへん理解を示しておりまして、積極的に検討してくださっておりますから、近く結論が出ると思っております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 住宅ローンの引き締めで、庶民はやっぱり住宅金融公庫に非常に、最大の頼みにしているんですね。しかも、これを申し込む方は土地の手当ては済んでいる人が多い。また中小建設会社、職人さんたちにとっても、この問題はいま死活問題になっておりまして、私のところにも山のようなはがき、陳情その他が参っております。非常に血の出るような年の瀬を迎えた声であります。大蔵大臣、この問題について非常に積極的に措置願えるということですけれども、いつごろ、どの規模で再開できるでしょう。新聞では四万戸と出ておりますが、もっとこれをふやしていただきたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 住宅政策の場合に、戸数も大事でございますけれども、その内容、すなわち規模、単価、そういった点も配慮してまいらなければなりませんので、戸数主義一本やりでまいるわけにはまいらぬと思っております。  それから第二に、いま総需要抑制策をお願いいたしておるところでございまして、住宅政策だからこれは全然総需要抑制策の及ばない聖地であるというわけにまいりません。やはりそれなりに自重していただかなければならぬと考えておりますけれども、ことしは十五万戸のところを二十二万戸まで、たいへん実情を聴取いたしますと深刻でございますので、財投の追加投入をさしていただいたわけでございます。財投にも無限に金がわいてくるわけじゃないんです。どこから金を出すかといっても、それだけの蓄積が郵便貯金なりその他でないと、貸して差し上げようと思ってもできないわけでございまするし、それから、ことし足らないから出せというわけで、私のほうでそれでは右から左に考えるかというような、そうぞんざいなことをやっておったのでは国会からおしかりを受けかねないわけでございます。したがって、私といたしましては、建設大臣との間で十五カ月ぐらいの展望を見まして、その中で来たるべき一-三をどう考えるかというようなことで考えさせていただかないと、無前提で、ただバナナのたたき売りみたいなぐあいにはまいりません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 財投の原資の郵便貯金は最近非常にふえておりますし、それから総需要抑制政策の影響も、これは在庫を吐き出せば、建設関係の在庫は非常に多いので、それほど影響なしにやれると思いますし、これは非常に明るい話題でもありますので、ぜひ積極的な施策をお願いいたします。  次に、先ほど副総理は福祉重点の計画をつくられると、そう言われました。これまで政府は、四次防とかあるいは道路整備計画とか、こういう産業基盤整備や軍備関係は非常に第何次計一画とやってまいりましたけれども、残念ながら福祉計画その他についてはやはり弱体だと思います。その長期計画、厚生大臣、福祉関係の長期計画は幾つありますか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) いわゆる社会福祉関係につきましては施設整備の計画がありますが、広い意味において当省所管では、いわゆる衛生関係については水道、ごみ等についての計画がございます。しかし、社会保障プロパーについての計画はまだ策定されていないというのが事実でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私の調査した範囲では、各省庁の長期計画全部でどうやら七十八ぐらいあるようです。この中で福祉関係は、いま答弁のとおり、たった一つなんですね。これではまずい。私どもはこの七三年に「いのちとくらしを守り住みよい国土をつくる」長期計画、総合計画を提案して、具体的な計画を共産党としても提案しております。ぜひ今後の長期計画、福祉重点型の長期計画にすると同時に、それぞれの省庁でもこの福祉関係、生活関係の具体的な実行計画、三カ年計画、五カ年計画、こういうものをぜひつくるべきだと思う。こういうことをやらないと、幾ら三木首相が福祉重点、福祉重点と言われても、この実行計画というのはやはりから約束になると思います。総理の決意をお答えいただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 福祉の問題は長期的に考える必要がございますので、そういうふうな長期的な展望に立って、そういう計画の問題についても十分検討いたします。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 経済社会基本計画はたった一年十カ月で白紙に戻るということになりましたが、こういう誤りを繰り返さないための重要な問題は、この計画をつくった経済審議会などの問題です。福田経企庁長官、経済審議会の会長はだれですか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 木川田一隆氏でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 木川田氏のいろいろな肩書きがあると思いますが、お答えいただきます。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私が承知している限りにおきましては東京電力会長と思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 木川田氏は経済同友会と産研の代表幹事、こういう肩書きを持つ人物。この委員構成を調べてみますと、財界関係者が非常に多い。資料をお配りいたしましたけれども、三十名中、財界関係者は約十六名、政府関係機関七名を入れると二十三名であります。この中に学術会議の会員は、学者が五人いますけれども、一人もおりません。産業構造審議会についてもやっぱり同じような問題があります。私は、こういう審議会の内容自体が財界に非常に固まっている、そう思います。  この点で私は首相にお伺いしたいのですけれども、首相は広く対話をする政治をお述べになっておられる。そして先日衆議院での答弁でも、審議会などの問題についても各方面の意見を広く取り入れたいと、そういうことを言われました。いま私は経済審議会、それから産業構造審議会だけの一例を申し上げましたけれども、これらの財界のほとんどがやっている審議会、ここで実際の提案がつくられるということでは、ほんとうに国民のための計画がつくられない、そう私は思います。首相は先日……

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 簡明に願います。時間超過一分間です。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 閣僚の地位の問題で閣僚が知っている情報の問題を言いましたけれども、それを閣僚に先に知らせるどころか、財界の関係者が主になって政府の計画をつくる、こういう事態は非常に大問題だ。ここに私は先ほど触れました日本株式会社の実態があらわれていると思います。政府に審議会は二百四十六あると申しますけれども、これらの審議会のあり方、それを、自民党が一党で絶対多数を衆参両院で占めていた時代につくられた慣習でほとんどが財界で占められておりますけれども、この構成をいまの時点で……

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 上田君、簡明に願います。時間超過。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 根本的に再検討される御意思があるかどうか、その点をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 審議会の意向というものは行政の非常な参考になるわけですから、審議会のメンバーというものはできるだけ広く国民の意見が反映できるようなメンバーが好ましい、そういう考え方で今後も審議会の委員の選任に当たりたいと思います。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして、上田耕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 上田哲君。(拍手)

上田哲日本社会党

○上田哲君 緊急体制で発足された三木新内閣に対して、最緊急課題であります石油問題にしぼって私は質問をいたしたいと思います。  総理は壁頭の所信表明演説で、特に一項を設けて石油問題に触れられたわけでありますが、石油の全政策体系の中に占める比重についてお伺いをいたしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 日本がエネルギーの中の七〇%は石油に依存しておる。その石油が九七%も輸入に仰いでいる。しかも四倍も近く石油の価格が上がって、日本の国際収支の上にも重大な問題が起こってきておるわけでございますから、日本の産業を維持し、あるいはまた日本の国際収支を均衡をとるために、石油問題というものはきわめて重要な課題である。また、これには国際政治の問題がからみ合っておるわけでございますので、特に私の所信表明で一項設けた次第でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 最重要課題であると。そしてそれは、総理は所信表明では二項にわたって指摘されたと思うのでございますが、その真意を伺いたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私もこの石油の十二月の危機のときに中東に特使として参りまして、中東諸国の政治指導者との間にはいろんな意見の交換が行なわれたわけでございますから、しかもそういうふうなことがある上に、日本は一九六七年の安保理事会の一四二の決議が行なわれたときに、ちょうど、非常任でございますけれども、理事国であった。あの決議の推進というものに対して一役買ったわけでございますから、石油問題のみならず、中東の和平というものに対しては関連を持つわけでございますので、そういう意味で、単に産業面のみならず、世界の平和維持という問題についても、中東問題に、日本の力は限られておるにしても、できるだけの努力を今後傾けていきたいという決意を私の真意の上で述べたわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 総理の第一回の所信表明演説、私はたいへん美文調のものとして承ったのでありますが、特に最後に触れられた石油問題の骨子は、国際協調を旨としながら自主的な節減を努力する、こういうふうに承ったのですが、それでよろしいですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) どうしても石油の価格が、そう従来のような水準に戻ることはあり得ないと思っておるわけですから、高い水準が続くわけですね、資源が高価格の時代が続く。しかも、石油にかわるいろいろ新しいエネルギーの開発というものも、これは促進されていかなきゃならぬけれども、急に太陽熱だ、核融合だといってもすぐにエネルギー源としては間に合わない。どうしてもやっぱり石油にエネルギーの源をたよらなけりゃならぬ事態が来る。  それはしかも、資源エネルギーの価格というものが異常な値上がりをしたわけですから、どうしたって日本の国内経済の状態からいって、他国から言われるというのでなくして、できるだけ石油の消費を節約するというよりほかにはないわけですね。これが一点。よそから言われてするのでなくて、日本としてはできる限り石油の使用というものを合理化して、節約できるものは節約するということがなければやっていけないわけです。そういう点でみずからの判断においてやらなきやならぬ。  ことに、石油というものが限られた資源であって、産油国自身も細く長く使いたいという気持ちがあるでしょう。クウェートなんかは生産制限もしておるわけですからね。そんなに短期間に石油の資源が枯渇してしまっては困るという気持ちもあって、その節約というものは産油国の意図と私は背馳するものではないと思うんです。これは人類の貴重なエネルギー源ですから、限られたものである、みんながやっぱり大事に使うということは、ある意味において人類全体の責任かもしれない、こういうことがある。  もう一点は、やはりキッシンジャー構想といわれるもの、私直接に一月に会ってみて、ことしの一月ですが、直接話し合ってみて、そんなに大きな考え方の開きがあるとは思わなかった、私が会った限りにおいて。それはなぜかといえば、私は、消費国が団結してそうして産油国に対して圧力を加えるという形で石油問題は解決しないと思うんですよ。どうしたところで産油国と消費国との間にお互いの妥協点を見出して話し合わなければ解決できるものではない。そういうことで、日本はもう終始その立場をとってきたわけで、最近の米仏両大統領の会議でも大体そういう方向で動いておるようなことでございますが、非常に好ましい傾向だと思っております。だから、石油問題の解決を、対決ではなくして、産油国と消費国との協調の間にこの問題を解決したいというのが、変わらない日本の方針でございます。そのことが、ときに諸外国の中東政策と違いがあっても、日本はそのことがやっぱり日本としては正しい方向である、そういう立場に立って中東外交というものは推進してまいる所存でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 一言で言えば賛成なんです。いまおっしゃったこと自体には、大まかに原則的に賛成なんでありまして、総理の言われるところは、国際協調の中での自主的な節減計画を進める、そういうことですね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 一口に言えばそういうことでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 私は長期展望としてそういう原則に賛成であります。しかし、いま政府の政策体系、なかんづく最重要課題である石油政策を具体的に見てみますと、言うまでもなく、石油は産業の米、生活のともしびでありますから、この重要な石油政策が、政策不在ないしははなはだ不可解、怪奇な状況に終始しているように思えてならぬのであります。たとえば、注意深く総理も触れられましたけれども、対米追随というところがやはりうかがえてならぬのであります。  その部分についてひとつ逐次伺っていきたいと思うのですが、キッシンジャー氏はフォード来日以降、安保条約は軍事安保から経済安保に変わったという意味の表現をされておりますけれども、経済安保とはどういうことを言うのでありましょう。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは安保条約そのものにも書いてございますように、しょせんは世界の平和、安定に寄与したいというのが精神でございますから、それは軍事だけの問題ではなく、だんだん経済的な繁栄、安定ということが大事になりますことは当然のことで、そういう趣旨でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 全く御答弁にはなりませんが、少なくとも軍事安保から経済安保へという潮流を日米相互間で認めようという、これは少なくとも前向きの努力がある。経済関係閣僚として名の高い宮澤外相が、もう少し突っ込んだ御答弁いただけるものと私は期待をしておったのでありますが、脈絡がはなはだ一致いたしません。少なくとも、日米共同声明に初めに予定されていた九条が十一条になる。石油の部分は明らかに文脈から突出している。二回予定されていた第一回会議は政治会議、二回目が経済会議だったのに、一回目からオイルの話になった。オイルの問題がこの中の中心課題であったことは、これはだれでも常識であります。それでも変わりませんか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまおっしゃいましたのは、何についてでございますか。

上田哲日本社会党

○上田哲君 経済安保というのは――経済安保という表現をお好みになるかどうかは御自由ですけれども、これまでの日米安保というものの性格から経済的色彩を強めてきた。それは、石油というものがその色合いを濃くしてきたことではないかという質問として受け取っていただいてけっこうです。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 第一回、第二回と言われましたのは、あの……。

上田哲日本社会党

○上田哲君 フォード会談です。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この間の。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうです。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 田中総理大臣とフォード大統領との会談におきましては、当然石油の問題、国際経済の問題、大きな主題の一つになったわけでございます。その前に、いつものこれは例でございますけれども、世界情勢をどう見るかというようなことがまず最初に討議になった、こういうことでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 答えてください。経済安保ということの意味を石油の色合いが濃くなったことだと理解していかぬかと言っているのです。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それば先ほども申し上げましたとおり、世界の大勢として、世界の平和というものが軍事的なものからやはり経済的な繁栄、前進ということに、大きな潮流としてもうここ数年変わりつつあるわけでございますから、それが基本にあると思いますが、最近石油の問題がいわゆる世界の経済安定をやや脅かすようなことになってまいりましたから、当然、ただいまの問題はそれ及びそれをめぐる通貨の問題に焦点が置かれてきたと、こういうことだと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 総理、先般の日米会談の中で石油問題が非常に大きなウエートを持っていたと、こういう御認識でありましょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは、大きなウエートを持つことはやはり当然のことだと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 その会談の中で、日本は石油問題について何を求められましたか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 会談の詳細について申し上げますことはあるいは適当じゃないかもしれませんが、共同声明にもございますとおり、この石油の問題というのは一国だけの努力では解決をしないので、消費国ばかりでなく、産油国とも、また発展途上国をも含めて、国際的に解決をしなければならないんだということについて両者の意見が一致をしておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 全部を言ってくれとは言いませんけけども、抽象的に言うことは報告にはなりませんよ。  具体的に伺いましょう。消費国の結束優先ということが認められましたか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そういうことはそれ自身としては認められておりませんで、むしろ産油国と、発展途上国を含めてでございますけれども、お互いの理解、協調の上に立たなければ終局的にはこの問題の解決はしないという認識のほうが勝っておったと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 消費国の結束優先ということは議題になりましたか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) もともと御承知のようにアメリカの基本の考え方が、消費国が全く団結をしないで利害が対立したままで産油国と話をすれば、これは話し合いにはならないという気持ちがございますから、やはり消費国は消費国として、これはグローバルに産油国もあわせて解決をしなければならない問題だという意味での消費国側の合意、こういうことは大事であろうということは話題になりました。

上田哲日本社会党

○上田哲君 石油価格の引き下げの可能性について、アメリカ側から説明はあったでしょうか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その点、私つまびらかにはいたしませんけれども、ただいまの現状で、あまりそういう見通しはアメリカ側は持っていなかったのではないかと想像いたします。

上田哲日本社会党

○上田哲君 持っていなかったと思うのですが、その辺はもう少し、たとえば事務当局の問題を含めてはっきりしてください。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 米国といたしましては、ちょうどフォード大統領来日前に行なわれましたキッシンジャー国務長官のシカゴにおきます演説のラインに沿いまして、米国の考え方を説明いたしました。ただし、石油価格につきましては、これが引き下がることが望ましいということは、そういう見解は述べておりましたが、これが具体的にはたしてどうなるかということにつきましては、必ずしも十分な……

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうじゃない。大臣が言われたように、引き下げの可能性はあるような示唆はあり得ないと、これははっきりしているじゃないですか。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 引き下げの問題につきましては、やはりできれば引き下げたいというのが……

上田哲日本社会党

○上田哲君 願望を言ったんじゃないです。可能性を聞いているんです。私ははっきり可能性と聞いているんです。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 先方の考え方でございます。しかし、これを実際に具体化いたしますためには、やはり産油国との対話を通じて実現したいということでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 質問に答えてない。可能性について何と言ったかと聞いておるんです。よけいなことを私は尋ねていません。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 可能性はあるということでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 引き下げの可能性ありということをキッシンジャーは言明したのですか。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 引き下げを行なってほしいし、また、その可能性はあるということでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 願望じゃないですよ。キッシンジャーはNATOで引き下げの可能性はないと言っておるじゃないですか。日本にだけうそついたのですか。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) キッシンジャー国務長官は、再三にわたっていろんな場で言明しておりますように、引き下げの可能性はあるという前提で行動しておるものと考えております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 質問を変えましょう。そうであれば、キッシンジャーは三百万B/Dの節減構想をやめるということを言いましたか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) おそらく、ただいま御議論になっておりますのはその可能性ということの意味だろうと思いますが、まあ可能性と蓋然性というようなことで分けて考えてみますと、そういうことはポシブルでないかとお尋ねがあれば、それはないということは言えないことでありますけれども、たいへんにありそうなことかと言えば、なかなか、願ってはいるけれどもそう簡単にはいくまいという認識ではないかと私は思うのでございます。でございますから、そういうこともありまして、節約ということをやはりこの際としては考えなきゃならない。そういう脈絡ではないかと私は思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 まあその程度でいいです。事務当局のようにうそついちゃいけない。キッシンジャーは日本にうそついたことになりますよ。それから、いま宮澤さんの言われたのは逆でありまして、引き下げのために節約をということではない。節約をすれば値下げになるからということが提案されておるはずなんです。  ここは御訂正になればけっこうだし、議論になってもむだでありますから、もう少し具体的に伺いますが、二百五十億ドル基金やIMFの開発途上国基金に拠金を求められましたか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはまだこれからのことでございます。つまり来年の時点でどういう構想でやるかということが、まずおぼろげながらでもきまってこなければなりません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 外務大臣はそのために、キッシンジャーと会談をするため訪米の意思がありますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私、ただいまそういう意思を持っておりません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 総理、アメリカの方向というのは節減計画です。節減方針です。日本は自主的な節減計画だとおっしゃった。これは日米会談で私は合致したんだろうと思うのですが、自主的というのはこの協調の中にあるのですか、別にあるのですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 石油問題は、上田さんも御承知のように、これはもう国際的に解決をしなければならぬ問題ばかりですが、したがって日本自身としても、限られた資源を有効に使うということは日本ばかりでなしに世界共通の義務でありますから、日本の国内の経済情勢からしても当然にやっぱり節約をしなければならぬ。アメリカもまた節約ということを強く打ち出しておるわけでございまして、その動機がいかような動機であろうとも、結果的には節約をするということについては方向は一致しておると、こう見るべきであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 日米方向を一致している節減計画の中で、日本の自主性とは何でしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 日本自体の持っておる国内経済的な事情、あるいは日本の持っておる利益、そういうものを踏まえて判断をするということが自主性だと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 よくわかりました。日本の利益のほうがアメリカの利益、キッシンジャー構想の利益よりも優先をするということだとおっしゃった点を理解をいたします。  ところが、実際にはよくわからない、不可解というのはそこにあるのでありまして、たとえば通産大臣、あなたが十七日に出された三%、十五万B/D、これは一体どういう根拠で出されたのですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) まだ最終的な数字ではございませんで、大体九百万トンですね、九百万トンぐらいを節約したい、こういうことでいま作業を続けておるところでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そういう答弁じゃ困るんですよ。通産大臣は三%、十五万B/Dと言う。三木総理は、伝えられるところでは、総理の意向として十二月の初めに平沢和重さんがキッシンジャーに合ったときには、一〇%はむずかしいが、総理は八%ならと言われたと報道をされています。宮澤さんは、五%は大きいけれども五%以内ならプラスのほうもあってよかろうということを言っておられる。これはどれが政府の見解ですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) だだいまの大体の考え方の基礎を申し上げますと、日本は御案内のように産業用が大部分でございまして、七割をこえておるわけでございまして、残りは民需用でございますが、そういう関係で非常に節約がしにくい。この産業用の分につきましては、直接生産の部門に使う石油は節約をしますと直ちに工業の生産量に響きますので、これはできるだけ効率化するという程度しかやれないわけです。しかし、管理部門につきましてはある程度やれますので、大体一〇%ということで指導をしております。それから民需用につきましては大体やっぱり一〇%、それから官公庁等につきましては一三%ということでいまいろいろ作業をしておるわけでございますが、大体ほぼ九百万トン前後ということを目標にしておりますが、先ほどもちょっと申し上げましたが、大体この民需用と産業用が半々ぐらいになろうかと思います、数量では。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま平沢和重君の名前を御指摘になりましたが、平沢和重氏は日本の政権交代がある前から、アメリカに会議があって、日米欧の会議ですか、それでほかの人たちと一緒に行ったわけで、私の意図をキッシンジャー国務長官に伝えるというようなことを依頼したものでもございませんし、また平沢氏がそういうことを言うはずはないわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 八%ということはありませんね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) ありません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 外務大臣、どうですか。これはサンケイ新聞の報道です。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私が申しましたのは、過去十年ぐらいの平均をしますと、わが国の石油消費は年間一二%ぐらいずつふえてきておるのであるが、これからはそういうことはむずかしくて、まあ五%を上回ることは困難であろうなと、こういうことを実は申しました。で、お気づきのとおり、節約と言いますときに、ある基準年次からの節約であるのか、昨年の実績からの節約であるのか、あるいはことし何もなくて自由に使ったであろうその数字からの節約であるのか、そこが人の言いようによっていろいろでございますので、多少そういうニュアンスもあろうかと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そこはよくわかります。そこはよくわかるとなると、通産大臣の説明がまるでわからぬです、九百万が先にあるのか、三%が必要なのか。それをちゃんと計算すると、もとは三億キロリッターになるじゃないですか。どっちが先ですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) できるだけたくさんの節約をしたいというのが基本的な考え方でございまして、そこで大体いままでの計算では、ほぼそれくらいな数字になるのではなかろうか。ただし、いま関係方面の最終の了解を全部まだ得ておりませんので、まだ試算の段階でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 試算というのは、そういうふうにしてやるものじゃありませんよ。三億キロリッターの根拠を示してください。普通に使ったら輸入量は三億キロリッターになるだろうというのはどうやって計算したのです。指数があるでしょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) それは、ずうっと伸びてまいりました日本の石油の消費量ですね、輸入量、これを基礎にして出したわけです。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それは説明にならぬですよ。事務当局でも何でもいいですよ。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) それではエネルギー庁の長官から説明させます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ただし、そんな説明じゃだめですよ。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) お答え申し上げます。  ただいま河本大臣が御説明いたしました九百万トン、一日十五万バーレルという数字は、節約をしないで日本の石油の消費量を一応計算いたしまして、それをもとにいたしまして、それから各種の節約努力をお願いして、その努力の結果九百万トン減る、こういう数字でございます。  それからお尋ねの三億でございますが、昭和四十八年度におきましては二億八千九百万、それから昭和四十九年度におきましては大体二億八千万前後ということになっておりますが、来年度の経済成長率と石油との間の弾力性、それから私どものほうでは石油供給計画というのを毎年つくっておりますが、一応品種別に全部分析いたしまして、灯油、ガソリンあるいは重油、それの需要業界の今後の需要の動向というものを計算いたしまして、一応三億前後の数字を出しておるわけでございますが、それに対しまして一応節約しますと、それから九百万キロリッター減ると、こういうことでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 全然しろうとですよ、そんなものは。小学校の算数に通らぬでしょう。四十八年度は二億八千九百万キロリッター、今年度は実績がまず二億八千万キロリッター、それから出発して、どういうパーセンテージで使っていったら三億キロリッターになるのかというのが出なかったら――もとがあって、その中からこれだけ節約するんでしょう。もとがなくて節約が先にきまるというばかなことがありますか。三億キロリッターの説明をしっかりなさい。国民はそんなことでは生活できない。最重要政策だと言っているんですよ、総理は。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 先ほど御説明いたしましたのは非常に簡単に御説明いたしまして失礼をいたしましたのですが、私どものほうでは、石油製品の需要見通しというものを五年間ずつ、これは石油業法に基づいて計算することになっております。それで、ことしの九月に計算いたしました数字を基礎にいたしまして、その後の経済動向あるいは需要業界の動きその他から計算した数字でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それじゃわからぬと言うんですよ。数字を出してごらんなさい。普通に使っていくということは何%伸びるということなんです。その数字がありますか。それがなけりゃだれも計算できぬじゃないですか。私が聞きたいのは、そういうものがないということを言っているんだ。目の子なんだ、三億キロリッターというのは。何の根拠もない。そんなことで国民生活は保たれませんよ。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 一応五十年度の数字は三億三百二十万キロリッターという数字になっております。この中には原油のなまだき分とか、あるいは備蓄の数字とかいうのを含んでおりますが、数字としてはいま申し上げたような数字になっております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そこを聞いてはいないですよ。だめだ、それは、委員長。そんなこと聞いていない。積算の根拠をぴしっと聞いているんです。パーセンテージ一つ出しゃいいんです。あるなら出しなさい。ないならないとおっしゃればそれでいい。そんな子供みたいな説明じゃ説明にならぬでしょう。委員長、これ説明にならぬでしょう。これは国民の来年の生活のすべてを決定するもとの数字なんです。それが積算の根拠の数字がないんだ。そんな目の子で最後のトータルだけ示されて、国民は生活できぬ。重箱のすみをつついているんじゃない。たった一つの数字があるかないかを聞いているんだ。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) お答え申し上げます…

上田哲日本社会党

○上田哲君 ありはしないよ、そんなものは。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) いや、ちょっとすぐに出しますから……。

上田哲日本社会党

○上田哲君 算術の方法が逆になっているのだから、出るわけがないでしょう。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) お答え申し上げます。  原油の計でございますが、これは精製用その他をまぜまして、合計いたしまして二億七千二百五十四万七千でございます。これに原油のなまだきが二千四百万ばかりふえる。それからそれ以外に備蓄数量ということで、先ほども申し上げました約三億キロリットル……

上田哲日本社会党

○上田哲君 足し算でしょう、それは。足し算ですよ。私は掛け算を聞いているのだ。二億八千九百万キロリッターと二億八千万キロリッター、ことしは実績はそうなるでしょう、まず。そういうものからちゃんといって、順当に使っていったらこれぐらいになるだろうというのは、掛け算じゃないですか。あなたは最後の結論だけ先につくって、それを足し算したら三億二百万キロリッターになるなんて、そんなのは説明にならぬでしょう。ないならないでいいよ、ぼくはないの知っているのだから。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) いや、ないわけじゃございません。私の説明がどうも先生に御納得いただくような説明ではなかったわけですが……。  私どもの石油の計算は、ただ経済成長率に弾性値を掛けてその合計を出すのじゃございませんので、先ほど申し上げましたように、一々の品目につきまして見通しその他を計算して出すものですから、非常に結論だけ先に申し上げましてはなはだ恐縮でございますが、一応、品種別の積み上げをやりまして、そこで計算を出す、こういうことになっております。ですから、掛け算を申し上げると、全部品種別あるいはなまだきの量その他計算しなければならないと、こういうことでございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 概算を申し上げますと、先ほども長官が申し上げましたように、昨年は大体二億八千八百万、それからことしは約九百万の節約をいたしました結果二億八千万と、こういうことになったわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 減ったでしょう、それはね。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) そうです。九百万減って約二億八千万になったわけでございます。来年は若干の経済成長を考えておりますので、それに相当ふえるわけです。それが一千万ふえますか、千二百万ふえますか、いまそれは最後の作業をしておるわけでございますが、しかし、それは九百万を節約してその程度の数字になるわけですね。ですから、節約をしなければほぼ三億はどうしても要る、こういう数字になるわけなんです。

上田哲日本社会党

○上田哲君 補正予算で、あしたがないから私は時間を協力しますよ。しかし、これは私ははっきり申し上げておくのだ。先にあるのですよ、そのまま使っていったら幾らになるのかと。だから、そこからこれだけ節約しようというので九百万が出るのですよ。ここで、これでこれを割ったら三%が出るのですよ。ところが、これが先にあって、ずっといったら向こうは三億になるだろうなんということは、経済見通し、経済政策の立案の数字じゃないです。それは、だから順序が逆なんだということがはっきりすればそれでいいから、それ以上のことは言いません。委員長に協力をします。  そこで、それならばおととい出た経済閣僚会議の数字、この数字を正確に教えていただきたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) まだ最終的には固まっておりませんが、ほぼ四十八年度並みと、こういうことでいま最終の作業をいたしておりますが、あすじゅうには大体決定すると思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 飛ばしていきますよ。飛ばしていきますが、はっきりだけしておきたいのは、ほんとうはこれは一緒でなければならぬでしょう。経済閣僚がそれだけいらっしゃるのです、そして大ベテランもいらっしゃるのですよ。その中でおつくりになる。事務局があれだけある。計算機が足りないことはないだろう。国民生活の中心が石油だ。それがどれだけの輸入量で決定しているか。九九・七%の輸入国だ。その中で来年の消費量はどれだけになる、すなわち輸入量はどれだけにするかという大まかな基本的な数字が先になければ、経済政策は成り立たないじゃないですか。全部それがあとからつくられる数字になって、三%と九百万が先に出ている。いまも四十八年度並みというのが来年の輸入量の目標として置かれてしまっているのですよ、途中の積算がなくて。これは経済政策の詰め方とは私は思わない。これは全くばらばらなんだ。あわてふためいて、三億二百万というのはそこに合わせたのです。そこのところ、また、小わざをするようなことはしません、小またすくいはしませんよ。それは違うのだ、数字が違ってきているのだということをはっきりしておきたい。そして、その違っているというのは、積算が全然違うのだということ、これでは石油政策の根幹はありませんよ。こんな不勉強じゃ困りますよ。これでインフレじゃ、納得できませんよ。  この中で非常に重要なことは、ふしぎなことに、アメリカの年間平均節約量が六十万B/Dです。これは全消費量の三%です。河本さんが、ほかのことは言えないけれども三%、九百万とさっきからしきりに言われている、この三%とはぴったり合うのです、ふしぎなことに。これでこれを割らなければならない総量もない。何とかして目の子で初めから節約量が出る。そのパーセンテージが先にあるからなんだ、これは。三億というのは初めにあったのじゃない。九百万節約しなければならない。それは三%節約しなければならないから、逆算をすれば三億になるのです。これでできているのだから、この数字は出っこない。こういう形で三%が大事だった。アメリカの三%とぴったり一致する。はたして偶然でありましょうか。これが偶然であるなら別。これが政策的あるいは政治判断ならば、これはさっき自主性と言われたけれども、日本の石油政策の根幹は、アメリカの言うところのキッシンジャー構想の数字にぴったり合わせて三%、九百万ということが出ているということにならざるを得ない。反論できますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) アメリカの節約量は、来年の年末にはほぼ百万バーレルになるそうでございますが、年平均すると大体おっしゃるところでなかろうかと思います。ただ、来年日本におきまして節約しようという九百万は、これはことし節約いたしました数量がほぼ九百万なんです。ことし並みの節約をしていきたいと、こういうことでいま最終の努力、作業をしているわけでございまして、アメリカの数字に合わせたわけではございません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それでは何のために節約するのですか。九百万は何のための節約になるのですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これは御案内のように、先月国際エネルギー機関が発足いたしまして、そうして十六カ国が加盟をいたしました。そうしてお互いに節約をして、ある程度備蓄をふやして、緊急のときにはお互いに助け合おうじゃないかと、こういうことでいま作業をしているわけですね。そのための節約ということが一つと、それから何ぶんにも価格がこういうふうに非常に暴騰しておりますから、外貨関係、経済関係からいいましても節約をしないとやっていけない、こういう二つの面があるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 はっきりしたじゃないですか。IEPですよ。十一月二十八日に発足したキッシンジャー構想を絵にかいたようなIEP、これは石油のかさですよ。そのIEPに出さなければならないから九百万、三%が必要だったのです。だから、逆算すれば分母があとから出てくるのですよ。それが必要なんです。これはまさにアメリカのキッシンジャー構想に従属する、追随する、乗る、含まれる、込められる、どんなことばを使ってもいいけれども、自主性がないじゃないですか。さっき総理は、自主性とはそういうアメリカのキッシンジャー構想の下風に座するのではない、そうおっしゃっておる。これでは逆じゃないですか。こんな計算の上に立って日本の国民生活、四十九年度、五十年度の生活指標は立ちますか。総理。総理です。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) その前に事務的にちょっと説明いたしますが、アメリカがさっき申し上げましたように三%程度の節約になるであろうから日本も三%になる、こういうことではございませんで、ことし節約いたしました量がほぼ九百万トンである。だから来年もほぼ同量を節約したいと、こういうことでいまやっておるわけなんです。アメリカに追随しておるわけじゃないのです。  それから、国際石油エネルギー機関でございますが、IEAでございますね……

上田哲日本社会党

○上田哲君 IEPが計画ですよ。Aは機関です。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) その機関に加盟している国が十六カ国あるわけです。そこでこの節約の話し合いをしよう、こういうことになったわけでございますが、これとてもアメリカに追随してやっているのではない。その点はひとつ御了承いただきたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ないといっても、数字の上で説明してくれなければ、目の子ばっかりじゃだめじゃないですか。総理、私は総理に基本姿勢を聞いているのです。これは自主性がないじゃないですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまの通産大臣の説明を聞いてもおわかりのように、日本の昨年度からの石油の消費の実績などを踏まえて、そうして日本がそういうふうな節約計画を立てたものでございまして、キッシンジャー国務長官の数字に合わすために日本がやったというものではございません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ことばの水かけ論争にされちゃ困るので、私は数字を申し上げているのです。いま、ほかに何にも説明なさる数字を政府はお持ちにならぬのです。「去年と大体同じぐらい程度」では、しかも母数がないような説明では、これは政策的な説明にはならぬのです。私のほうは数字を出して説明を求めている。それを、決して向こうに追随しているわけじゃないんだと、私もそう思いたいが、説明としてははなはだ不十分だということを申し上げる以外にほかに道はない。  時間を節約するために前へいきますけれども、総理、これは総理なり政府なりの基本的な石油認識がないと思うのです。私は、基本的に長期計画としての、有限の資源としての石油の節約には大賛成だとさつきから申し上げておる。しかし、目の前の石油状況は違うのです。そんなに大きな節約を、太鼓を鳴らしてちょうちんかざして言わなきゃならぬというような状況とは違う。私は基本認識がそこにあると思うのですが、これは総理に伺う。大まかでよろしい。第一に、今日、石油の供給に現実的な不安があると思いますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 石油の供給については中東情勢というものが一番大事です、中東情勢が。これはやっぱり安定をするということが供給を確保する上においては大事である。まあ中東情勢もいろいろ不安定な要素もあるわけですからね。しかし、われわれは中東における、中東地域の安定ということを望んでおるわけです。そういう状態のもとにおいて石油の供給に不安があるとは思わない。  しかし、日本自体の、これだけ石油の価格が高くなってきている。日本はやっぱり石油の外貨支払いに対しても非常に重要な国際収支の上において影響を持ってくるわけですから、だから、日本もそういう面からもしなきゃならぬし、考えてみれば、これだけ外国の資源を輸入しておる国として、その資源というものをできるだけ有効に使って、限られたものですから、その有限な資源をできるだけ長期にわたってお互いの人類が利用していくということは、また一面からいえば大きな責任でもある。こういう点で、できるだけ節約できるものは節約するほうがいい。ただしかし、国々によって事情が違いますからね。日本の場合は民需といえば二七%ぐらいですから産業用が大部分で、まあ欧米は民需と半々ぐらいのものでしょう。そういうところに、節約というものも日本の場合は諸外国に比べてむずかしさがあるでしょうね。そういう各国の持っておる国内の事情あるいは生活のパターンなどを踏まえて、各自がやっぱり節約をする一つの計画を立てるよりほかにはない。キッシンジャー国務長官の数字と合わせておるといっても、アメリカと日本とはエネルギーの事情に非常に違いがあるんですからね。そういうことでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 私は節約、それから備蓄、そうした長期展望は賛成だと言っているのです。現状においては供給不安というのは非常に少ないですね。おっしゃったとおりです。OPECはもう減産傾向を示しているわけでして、実際に過剰は三百万バーレルとも六百万バーレルとも言われておるわけですから、そういう状況からすれば、今日ただいま、明日をつめの先に灯ともして節約しなければいけないんだということを中心に置いて考えるときではないんだと、この認識が必要だと思うのです。  第二の問題は、現在の原油の価格あるいは需給状況というものは、日本の物価経済をさらに押し上げていく緊急要素になっているかどうかです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) この石油の価格がさらに上がっていくとは私は思わない。ちょうど五月にもヤマニ石油相とロンドンで会ったとき、何とかしてサウジアラビアは石油の価格を下げたいんだということを言っておりました。しかし、産油国がみんな意見が一致しなければならぬからむずかしさがあるという、そういうことからくる石油価格の高騰による日本の物価の異常な高騰をもたらすということはないと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 つまり、四倍になったといわれますけれども、このあと、原油価格というものが日本の物価上昇に大きく拍車をかける状況にいまはない、こういうことだと思います。その他、今日の石油の現状が、わが国のインフレ要因とか国際収支状況あるいは国際経済秩序というものに大きな悪影響を与えるということを考えることは、私は当面の問題として第一の課題ではなかろうと思います。いいですか、それは。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これからはやはり、しかし絶えずそういうことを頭に入れて……

上田哲日本社会党

○上田哲君 長期はいいというのです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 長期といっても、その長期はきょうに始まるわけですから、そういうことを頭に入れて、お互いに人類、責任を持ち合うということでなければいけないのじゃないでしょうか、これからの世界は。当面はいいからというのでなしに、長期という考え方、共通の有限な資源を有効に使おうということは、やっぱりきょうから始まることであって、将来であっていまではないとも私は考えないわけです。

上田哲日本社会党

○上田哲君 禅問答にされちゃ困るのでして、私はやっぱり政策論争をしたいのです。  そうすると、長期にわたっての備蓄なり節約なりということの計画をしっかり立てよということは私のほうからもっと言いたい。しかし目の前、需給関係がどうなっているか、インフレ要因としてどれぐらいのものであるかということを的確に見ないことはない。それは緊急性はいまない。そこのところをしっかり見るのであって、節約節約ということだけを、国際政治情勢その他を全部ネグレクトしながら議論するということでは政策の基本を誤るだろうということをしっかり言っておきたいわけです。そういう意味では、やや政府が、いま非常に危機的な鐘を鳴らしながらこの国際的節減計画というところへ、そうした事情を乗り越えて走っていく気配が私は強過ぎると思うのです。そのことを警告をしたいわけです。この点、いかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 国際通貨の面から石油の価格の高騰というものが非常な混乱を各国に与えておるわけですが、国際的に見てもこれは重要な課題になってくるわけでありますが、しかし、そういう点でみんな危機感を持っておると思いますね。この点で各国とも持っている。そういう点から、何も圧力ということでなくして、みんな各国が、消費国は消費国で持ち、ことに石油を産出しない発展途上国なども重大な問題を提起しておるわけですから、何か圧力というのでなしに、そういう声が世界にあがることは、これはやむを得ないことだと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それは、私は日本の自主性をお持ちくださいということを強く申し上げているのだと御理解ください。これなら次の論点がかみ合うでしょう。観点をかえましょう。  石油政策の問題として、アメリカ、フランスの対立点は何ですか。それから合意点といわれるものは何ですか。ひとつきちっとお答えいただきたい。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) マルチニク島の会談で、ほぼそれらが合意に達したわけですけれども、対立点は何かとおっしゃいますから、ことしの二月にさかのぼらなきゃならないのだと思います。それはアメリカ側が、先ほど上田委員が何度もおっしゃいましたように、いわゆるキッシンジャー式な考え方がありまして、フランスがどちらかといえば最後に産油国と話をしなければ片づかないというところに主点を置いておったわけで、私どもはやはり消費国だけで産油国を、どう申しますか、おどかすというようなことは避けるべきことで、したがって、先ほどお話の国際エネルギー計画にしましても、OECDのようなところでやったほうが、これは本来国際協調の機関でございますから、いいのであろうという主張をずっといたしてまいりまして、最後のところ、そういう主張のほうが結局多数を占めることになりまして、このたびのあの機構もOECDの中に組み込まれることになった。  この点は、どちらかと申せば、本来アメリカがそう考えておったのではないような結論になったという感じがしております。広く門戸を開いて、そうして産油国との話に持ち込もう。その点は、御承知のようにマルチニクの会談ではああいう合意になりまして、その合意の内容は、御承知のとおり、最終的には産油国との話し合いをしょう、そうしてその準備会議をアジェンダ、手続等をきめますために三月ごろにやろうかと、しかし、その前後において消費国側もよく相談をし合おうではないか、こんなところが合意になったわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 外務大臣、私はこう思うのですが、キッシンジャー構想というのは簡単に言うのはむずかしいでしょうけれども、今日の、シカゴ大学の演説にも出てきた考え方、それをもっと大きく見るとして、そこでは値下げということはやはりどうしても具体的な効率として読み込むことはできない。しかし値下げというよりは、IEAへの参加で、国際エネルギー計画、IEPを通じて先進消費国が、私たちの言い方で言わしてもらえばメジャーの供給体制にしっかり結びつける。そして石油のかさによる新アメリカ体制の挽回であろう。それは、これから石油問題がOECDやIMFで語られるときには、できるならばフランスも包含をしながら、そういう中でアメリカとしての節減計画を進めていく考え方、こういうふうに考えていいですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) というふうに、かってのフランスの総理大臣は考えられたようでございますけれども、私どもはどうもそう極端に、そこまでには考えておりません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 どういうふうにお考えですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 要するに、石油の価格がたいへん高くなって、供給体制にも、昨年以来、ただいまの値下げのことはともかくとして、あれだけ脅かされたわけでございますから、節約をしなければならないということは、これはだれが言いませんでも、だれでもが考えておることでございます。そして、それは日本だけがやったのではどうもなりませんし、アメリカだけがやったのではどうもならない。やっぱりみんなが一緒に節約をしなければ目的は達せられないだろうということは、これはだれでも考えることでございますから、そう考えたからといって、それが何もキッシンジャーの言うことに追随をしたということにはならない、こういう意味でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 これはもう全く一般論、抽象論もいいところでありまして、だから自主性が大事だと言っているんです。各国の自主性が失われるので、私もいまフランスの大統領並みに扱っていただいて光栄でありますけれども、まさにフランスの大統領は、みずからの国益を守るために入らないと言ったのです。ノルウエーも入らないと言ったのです。世界じゅうがみんな石油を節約すべきでありましょうなんという、修身の教科書みたいなことを言われちゃ困る。そんなことはわかり切っているんです。もっと長期的計画を立てなさいと私は言っているんです。しかし、それはそれぞれの国の国益を主にして考えるべきであって、アメリカを主導とするところで権利義務を付与するようなリーグの中に包括されるということではまずいだろう。キッシンジャー構想というのは、そういうものがあるではないか。メジャーの供給体制の中にしっかり入っていく、そういう問題がここにどうしても出てくるということを、あなたは福すきっと否定できますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) でございますから、私どもは、やはりOECDのような機構の中に置くことがいいと考えたのですし、そうおっしゃいますフランスでも、予算措置でもって来年の石油の輸入は節約しようということを自分で言っておるわけでございますから、そういうことを認めていないわけではない。わが国もわが国なりにわが国の方法でやろうと、こういうことなんでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 何をおっしゃるか。節約はフランスがまさに例を出しているように、自分の力で節約をすればいい、相手の国の都合で節約をする必要はないではないかというのがフランスの立場じゃないですか。そんないいかげんな言い方しちゃ困る。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはわが国も同じことでございます。もう一つ、わが国とフランスとの共通点で言えば、これは自分の国だけがやってもだめである、世界全体でやらなければだめではないか。これはもうごく常識的にすべての人がそう考えるでございましょうから、フランスもわが国もそう考えておるのでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 私もフランスの大統領にしていただきましたから、どうかあなたはアメリカの国務長官でない立場でお話をいただきたいと思うが、しからば、IEAというのは何ですか、ひとつ詳しく御説明をいただきたい。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどの話の続きになるわけですが、結局、そういうことでOECDの中にIEAというものを置いて、そしてできるだけその門は広く開こう。IEAでこれからいたしますことは、御承知のようにIEPというものを具体化するわけでございますけれども、これは一つは節約の問題であり、一つはこれからの代替エネルギー新規開発の問題でございますし、それからもう一つの問題は例のリサイクルの問題ですけれども、これはおそらく仕事はIEAの中でなくって、どっちかといえばG10のほうの仕事になるであろうと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 何……。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 主要十カ国蔵相会議、あちらの系統の話になるだろうと思いますけれども、全体のIEPというのはそういう主として三つの問題について考えようと、こういうプログラムでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 IEPはまだ聞いてないのですけれどもね。事務当局でいいですよ、IEPの概要をきちっと説明してくれませんか。私はIEAを聞いたのですがね。IEPをひとつ事務局から。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 実はIEAというのに二つございまして、それは国際エネルギー機構という、そのAのほうがエージェンシーという場合と、御承知のようにそれをつくりますための協定、アグリーメントという場合の両方ございます。で、OECDのかさの下にいわゆる十六カ国が集まりまして、まずそのIEAという協定のほうを議論をいたしまして、その協定に署名をし、あるいは批准をした場合、それから、ちょっとここが複雑なんでございますが、批准はいたしませんでも、もともとOECDのメンバーでこの話に最初から入っておりましたわが国のような場合、これは批准をしませんでも、IEAの協定の規定によりまして当然にIEAのメンバーになって、そうしてIEP、プログラムをつくる作業に入る。こういう仕組みでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 複雑でも何でもないのでありまして、日本語でわかりやすく言えば、ごまかしなんです、そこが。  そこで、その前に具体的にデータを明らかにしていただきたいので、IEPに入るメリットをまず説明してください。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたことでございますが、石油の節約あるいは新規代替エネうギーの開発、それから通貨面の問題等等は一国の力だけではどの国もどうもならぬのでございますから、みんなで一緒に相談をして、そうしてその問題はまた、しょせん産油国とも話をしなければ解決しないわけでございますから、そういうことを最終の目的にして、そういうプログラムを立て進めていこうと、簡単に申しますと、それが内容でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 簡単でいいのですから、ポイントをはずさないでいただきたい。この参加の場合のメリットは供給恩恵でしょう。緊急事態の供給制度でしょう。どういう供給メリットがあるんですか。そのポイントでいいですよ。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 詳しくは事務当局から申し上げますけれども、つまり、一定限度以上に供給量が今後不慮の事態に会って減りましたときに、各国の間で、融通ということばを使っておるわけでありますけれども、融通をし合おうと、そういうことでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 事務局、説明してください。とてもそんなものじゃない。非常に特殊な状態でなきゃだめでしょう。そこをはっきり言ってくださいよ。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) IEPの骨子は三点ございます。一つは、緊急事態に備えましてあらかじめ備蓄をしておくということ。第二は、緊急事態、つまり石油供給の削減が生じましたときに、一つは節約を行なうということ。各国が節約を行なうということ。もう一つは、融通を行なうということ。この二つがIEPの骨子でございます。  なお、詳しく申しますと、目的は……

上田哲日本社会党

○上田哲君 いや、そんなのはいいですよ。そんなのはいいから、その緊急供給を受けられる条件があるでしょう。それが一番ポイントでしょう。そこを言ってくださいよ。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) これは世界の石油の供給がある一定比率……

上田哲日本社会党

○上田哲君 その一定比率が問題なんだ。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) たとえば七%削減が

上田哲日本社会党

○上田哲君 七%じゃだめでしょう。七%ではだめですよ。そんないい加減なことを言っちゃだめだ。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) これは、IEPの発動要件につきましては三段がまえになっておりまして、供給の削減が七%に達しましたときに第一段の発動が行なわれることになっております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 あのね、だめですよ、こんないいかげんなこと言ってちゃ。七%じゃ、ちっとももらえないじゃないですか。一二%という段階になっても、世界じゅうで日本だけあるいは日本を含む非常に極小部分で石油が困ったときには、ほかの国から石油が来るんじゃない、あらかじめ自分の国にためておいた――いま六十日分しかない、七十日分になったけれども、九十日分までためておいたところから自分でためておいたものを取りくずすことがよろしいということが初めて外から許可が来るという……。間違いですか。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) この緊急事態につきましては、第一に、世界全体の供給が七%以下になりましたときにまず発動をするわけでございます。このほかに、ある特定の国に対します供給が減った場合、この二つの仕組みが書いてございます。で、一般的に申しますと、前者のほうは、世界と申しますか――失礼いたしました、参加国でございます。参加国全体について石油供給不足が生じた場合、これが参加国全体の消費の七%以上に相当する石油の供給不足が生じたときには、参加国は石油需要を七%に抑制するとともに、グループ内おいて入手可能な石油は融通されるということ、また各参加国は備蓄の取りくずしを行なうということでございます。さらにこの参加国全体に対します供給不足が一二%に達しましたときの規定がまた別に掲げられております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そこをしっかり説明してください。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) これは、その供給不足が一二%に達しましたときには需要抑制を一〇%に高める、また各国の備蓄が半減すれば、需要抑制及び融通に関し追加的措置をとる、追加的措置は機関の理事会が決定するということに相なっております。  このほかに、一部の参加国のみに対しまして石油供給不足が生じた場合の規定がございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 あのね、ぼくが質問したのは――よけいなことはいいんですよ。日本がそういう融通を受けられるのはそんな小さいパーセンテージじゃなくて、もっと、日本の国だけとか、非常に極小部分としての日本がそこに含まれるときの不安が生じたときに、日本が自分の油を備蓄した中の九十日分の取りくずしの裁量を与えられるだけではないかと聞いているんですよ。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 普通考えられております、この協定と申しますか、このプログラムで考えられておりますのは、先般の石油危機の場合のように、参加国全体に対しまして供給が削減されました場合に融通スキームが発動するということに主眼を置いて書いてございます。で、一カ国のみに対しまして、たとえばある特定の国に対しましてねらい撃ち的に石油供給が削減された場合、これは、これまた消費の七%以上に相当する石油供給不足が一部の参加国について生じましたときには、その他の参加国が当該参加国に不足分を融通するということに相なっております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 どうも説明がへたくそだからよくおわかりにならぬのだが、これじゃ入る気はしませんよ。よそから融通されるんじゃない、自分のところでためておいたものを、よそからオーケーが来なければ全部も使えない。これはだれでもいやになりますよ。しかし、これがメリットだとおっしゃる。デメリットもあるでしょう。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) メリットと申しますのは、先般の石油危機の場合には、大体輸入を基礎として割り当てが行なわれたということでございますが、今度のIEPにおきましては、供給が基礎になっております。したがいまして、米国は国産の石油が半分以上あるわけでございます、米国あるいはカナダにもございますが、こういったような国産の石油も含めました供給ベースで融通が行なわれるということになるわけでございまして、その点に日本としてのメリットも大きいかと存じます。  デメリットといたしましては、これに対します義務が、デメリットと申しますか……

上田哲日本社会党

○上田哲君 義務でいいです。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 義務がございます。この義務は、まず備蓄水準を、六十日分の備蓄を維持するということと、将来……

上田哲日本社会党

○上田哲君 それは間違いだ。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 将来、今後合意されるべき期日までに九十日分の備蓄への増加を努力するということが一つでございます。  それから第二は、緊急時におきます石油節約の義務がございます。  第三の融通のほうは、わが国の場合は融通を受けるほうがほとんどでございまして、融通するということはございません。したがいまして、融通の面につきましては、義務は実質的にはないということに相なるかと存じます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 正確に言ってくださいよ。六十日じゃないですよ。これは、九十日がもう義務と同じなんですよ。そうでなければ、融通を受ける権利が出てこないじゃないですか。そんないいかげんなことを言ってもらっちゃ困る。  時間がもったいないから私はそんなに言いたくないけれども、たとえば、情報提供義務が生ずるとか、あるいは非常にIEAの理事会の決定に拘束される。しかも、アメリカが四〇%の決定権を持っているじゃないですか。そういう状況、六十日じゃなくて、九十日。そういうさまざまな状況、このデメリットがあって、これだけの国民的権利義務が生ずる。それはだれだって入りたくないですよ。国民的権利義務がこのように大きく生ずるということはお認めになりますね。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) このIEPにおきます備蓄の義務水準は六十日でございます。これを今後合意されるべき日限までに九十日にふやす努力

上田哲日本社会党

○上田哲君 何日ですか。その日限というのは何日ですか。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) これは明年の、日にちは忘れましたが、明年の五月一日だったと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうです。五月の末だ。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 五月一日に合意されます年限、つまりこれは、三年後であるとか、五年後であるとか、その時点におきまして合意されるわけです。ですから、明年の五月に、たとえば三年後ということをターゲットといたしますと、そのときまでに九十日に備蓄をふやすという努力が要請されることになっております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 なければ融通されないわけでしょう。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) もし、その合意されました日限までに九十日の備蓄を達成していない場合におきましては、あたかも九十日の備蓄があるかのごとく計算をいたしまして、この備蓄取りくずしあるいは融通等の、その計算の根拠としてこれを使うということになっております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 申しわけないが、総理、起きていただかなければなりません。  そういうたいへんなデメリットがあるんです。しかも、これは非常に政治的な危険度が増す、たとえば、どこかの局地戦が行なわれた場合には非常に拘束をされる。たとえばオランダの例ですよ。オランダのときには具体的な例です。そういうことが起きるんです。こういうところへ何で入らなきゃならないか。私は、これは、日本の国益、自主性を考えれば、フランスのように、ノルウェーのように、思いとどまるのが筋だと思うんです。政府はこれに対してどういう対応をされましたか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、先ほどの議論にちょうど返ってまいりましたが、節約をしなければならないということ、そのためには、わが国は六十日の備蓄能力でございますけれども、これでは足りないからふやそうというようなことはわが国自身も考えておったことでございますから、やっぱりその努力は、人が言おうと言うまいとやっていかなきゃならないという、これはわが国自身の立場でもあると私は思うのでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 いや、私はメリット、デメリットのことを聞いているのですよ。これだけの義務があって、私がさっきから質問したのは、国民的権利義務が生ずるだろうと言っているんです。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 備蓄をしなければならないだろうということを私はデメリットだとは思いませんので、わが国として、こういう現状のもとではやはり節約も備蓄もしなければならない。わが国自身がそう考えることでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 私が出したアイテムに答えてもらわなきゃ困るですよ。備蓄の話だけしてないですよ。そんな不公平なやり方はないじゃないですか。メリット、デメリットと、さっきから五項目もあがっているじゃないですか。それに何にも答えないでですな……。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、私は十分それにお答えしていると思いますので、備蓄をするなんということは、そのデメリットであるかとおっしゃれば、私はそうは思わない。

上田哲日本社会党

○上田哲君 備蓄の話をしてないですよ。アメリカの四〇%決定権というのはどうだという話が出ているじゃないですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それも私はデメリットとは思わないので……

上田哲日本社会党

○上田哲君 なぜですか。なぜデメリットでないか。答弁にならぬですよ。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) こういう協定をしますときに、一人が一票ずつということではやはり現実的ではございませんでしょうから、おのずからその投票にウエートを置くということは一つの考え方であろうと思います。  それから、さっきノルウェーのお話がございましたが、念のため申し上げておきますけれども、ノルウェーはぼつぼつ石油の産出国になろうとしておりますから、おそらくそういう考慮が働いたのだろう、これは国際的にそういわれておることでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 委員長、ちっとも答えてないのです。政府はどう対応したかと聞いているのです。なぜ二回立たなければいけない。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 政府はIEPというものがわが国政府が考えております国益というものに概して合致すると考えておりますので、これに参加をいたすという方針を持っておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 参加をいたす方針ですか。十月二十五日の閣議了解は、これに対して参加をしたのじゃないですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ですから、参加をいたす方針を持っておるわけでございますと申し上げました。

上田哲日本社会党

○上田哲君 いや、十月二十五日の閣議了解で一ここにあるじゃないですか。まだ参加していないのですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 署名をいたしましたから、参加をいたすのが政府の方針であって署名もいたしました。

上田哲日本社会党

○上田哲君 じゃ、いたす方針じゃないです。はっきりしてください。したのか、方針なのか。これは日本語は違うじゃないですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 署名をいたしたのでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 参加したのですね。方針じゃなくて、したのですね、ここにあるのだから。その参加したのはOECDのほうへいったのですか、IEAのほうへいったのですか。協定にはどうなっているのですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ですから私がいまのような表現をいたしたので、よくおわかりの上でのお尋ねなんですが、わが国はOECDのメンバーで、この話にずっと最初から加わっておりましたから、このIEAというものに署名はいたしましたけれども、これは批准とかというような問題は起こりませんで、その協定のたしか十何条か、一番最後にありますあの条文によって、わが国はIEAそのものの条約を批准いたしませんでも、あの規定によりましてOECDのメンバーであるがゆえにIEAのメンバーになり、IEPに参加する、こういう構成になっておりますことは、条約をごらんになりますとおわかりになります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 だれもそんなこと聞いてないじゃないですか。あなたは過去形と未来形を間違えられたから、正確にお答えなさい、ここに二十五日の閣議了解の文書がありますよと聞いているんです。そのことをそんなことでごまかしてはいけないです。私が伺っているのは――まだ批准のことはこれからです。どちらへお入りになっても国民的権利義務が生ずるのだから、これは私は国会批准をすべきだということをこれからお伺いしようとしたのです。OECDの授権の理由にされるのでしょうけれども、OECDはこういう授権をしていますか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その点は、厳格に申しますと、OECDにおける諸種の決定について、参加をいたしました場合に――今度の場合はまさしくそうなるわけでございますけれども、これは各国の現行の国内法が認める範囲、現行国内法できめられておる範囲の権利義務を生ずる。非常に厳格に申しますと、それがOECDの解釈でございますが、今回OECDのメンバーとしてこの計画に参加をすることは、わが国の場合、現行法規でその規定の内容を順守できる、こう考えておるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 国会批准を求めないということですね。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) OECDのメンバーとしてOECDの決定に参加をしたのでございますから、そしてそれはわが国の現行法でその参加した結果としての義務を順守できると判断をいたしておりますから、あらためて本件について国会の批准を求めるという方針は政府は持っておりません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そこが、だから私はごまかしだと言うのです。国家的権利義務というものが生じていれば、これは当然に国会に条約のレベルにおいて批准を求めるというのが当然だと思います。一般論として伺う。権利義務が、国家に対する権利義務が生ずれば国会に批准を求めるのは当然だと思いますが、これはいかがですか、法制局長官。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) ただいま外務大臣からお答え申し上げましたように、この国際エネルギー計画に関する協定、その協定そのものを国会の御承認をいただいて協定に参加するということになりますと、これはもう国際法上の確固たる権利なり義務なりの問題になりまして、また逆に申せば、そうであればこそ国会の御承認を得て条約として締結しなければならないということに相なります。ところが、この国際エネルギー計画と実質的には同じ計画をOECDの決定として別に採択をしております。そのOECDの決定に従う場合には、現行法令の範囲内においてその義務を履行し――権利についてはそういう問題は生じませんが、義務を履行すればいいということになっておりますので、国会の御承認を得る必要はないということでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 私が聞きたいのは――もう一ぺん聞きます、国家的な権利義務が生ずるならば、これは国会の承認を求めなきゃならぬということになりますね。一般論です、一般論。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 一般論として申し上げますが、現行法におきまして、行政権に与えられた範囲内において国として一定の権利を有しあるいは義務を負うという場合に、現行法の範囲内で処理できるものにつきましては行政取りきめとして処理をするということでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 OECDの授権の範囲を言ってください。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) OECDにつきましては、もちろんこれは条約として国会の御承認を得て締結したものでございますが、そのOECDの決定に従うという態様でございますが、これが現行法のワク内において、つまり現行法でできる範囲内において……

上田哲日本社会党

○上田哲君 授権の範囲を質問しているのですよ。ほかのことを言わないで……。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) やるということでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 授権の範囲を質問している。ほかのことを答えたってしょうがない。質問に答えてくださいよ。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 今回のこの計画の内容といたしましては、わが国の現行法令の範囲内において処理できるもの、それを日本としては国際法上の義務として、いわば負っていることになりますから、問題はございません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 OECDの授権の範囲を聞いているんですよ。そんなこと聞いていないじゃないですか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) あるいは私が御質問の意味を理解しないでお答えしたかもしれませんが、OECDの授権と言われますのは、何でございましょうか、権利を授けるという意味の授権でしょうか。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうそう。OECDの中にIEAをつくるということをOECDの授権としているわけでしょう。それ以外には行政行為の範囲内だから必要ないんだという論理は出てこないでしょう。授権の範囲はどこですかと言っている。わかりますか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) OECDでは、第五条におきまして、すべての加盟国を拘束する決定を機構の目的を達成するために行なうことができるということになっておりまして、その決定として今回の内容も決定されたものと私は了解しております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 OECD加盟一周年記念に、前木村大臣が、OECDはそういう範囲にはいかないものだということを演説されておりますが、調べてください。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) ただいま法制局長官から御説明いたしましたように、OECD条約第五条に規定がございましてへ場合によりましてはその政府を拘束するような決定を行なうことができるということでございます。ただ通常の場合は……

上田哲日本社会党

○上田哲君 ちょっとわからぬ。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 明確に。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) OECD条約第五条には「機構は、その目的を達成するため、次のことを行なうことができる。」――機構と申しますのはOECDでございます。「別段の規定がある場合を除きすべての加盟国を拘束する決定」「加盟国に対する勧告」云々という規定がございます。ただ、OECDの通常の業務におきましてはこのような加盟国を拘束する決定が行なわれることは必ずしも数多くはございませんで、一般の場合には、加盟国に対する勧告ないしはそれ以下のものが行なわれることが多いわけでございます。木村大臣の説明は、主としてOECDのやり方といたしましては、政策の調整、協議、こういったようなことに重点が置かれてあるということを述べられたものと存じます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 木村大臣の見解は正しいと私は思うんです。それが常態ですね。だから今度は、もしそうだとすれば非常に例外的なことになるんです。そしてOECDの中には、あるいはIEAの中には、各国の憲法云々という表現もありますね。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) このIEPの……

上田哲日本社会党

○上田哲君 IEA、この場合はね。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) その協定の中には、憲法上の手続を経て完全に実施する国はそういうように通報しなさいという趣旨の規定がございました。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうですね。だったら、おかしいじゃないですか。じゃ授権行為の範囲を逸脱するじゃないですか。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 先ほど外務大臣から申し上げましたように、日本はこの協定に署名いたしました。しかしながら、いまのところ、この協定を批准するという考え方はとっておりません。そこで、このIEPに関しますOECDの理事会決定、つまりこのIEPをきめました理事会の決定におきまして特例が、特別の規定がございまして、明年の一定期日までに憲法上の手続を了したという通告を行なわれない国は脱退することになっておる。しかし、そういう国であっても、また別途通報いたした場合に、いわゆる国際エネルギー機関、IEAの理事会が異議を唱えないときはそのまま当該国はIEAのメンバーとして、つまりプログラムのメンバーとして他のメンバーと同じような権利義務を享受することができるという規定がOECDの理事会決定の中に設けられているわけでございます。したがいまして、もし日本が憲法上の手続を経まして本件を条約として取り扱わないことに相なりました場合には、その趣旨の通報を行ない、IEAの理事会が反対の決定を下さない限り、日本は引き続きIEPのメンバーとしてとどまることができるということになろうかと存じます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ほら、見てごらんなさい。そんなうしろ足から入っていくような入り方で入ろうというんですか。明らかに各国の憲法に云々ということもあり、そしてOECDというのは、木村大臣が言われたように、従来そういう権利義務の内側にあるんだということであり、現にフランスやノルウェーも、だから困ると言っており、これは明らかに五月まで余裕があるんだから、国会の承認を得りゃいいんです。得りゃいいじゃないですか。それを何でそうやってうしろ向きに入っていかなきゃならぬのですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それが私が先ほどから沿革として申し上げておったところでありまして、つまり、こういうふうにいたしておきませんと、まあ国によっては、どうもアメリカ主導というような話には入りたくないと、そういう考えでおる国も、これはおそらくございますでしょう。そういたしますと、OECDというところはもともと国際協調の機関であるから、そこできめたことであるならばまあ協力ができる、こういう立場の国があり得るわけでございますから、確かにこういう規定のしかたは、私がさっき申しましたように、かなり複雑でございますけれども、そういう配慮があってこういう規定のしかたをしたわけで、これは上田委員はよくもう御承知でございますから、ちょっとくどいかもしれませんけれども、少しわかりにくいので、そこをちょっと読ませていただきますが、「前項の規定にもかかわらず、その政府が協定に署名した国は、機関理事会による計画の採択が、この決定に従い、当該国を拘束する旨機関理事会及びベルギー政府に対し文書をもって通報したときは、協定が当該国に適用されないこととなった後も、機関の参加国として残ることができる。」と、こういうふうに、これは確かに非常に複雑な規定ですけれども、このよって来たったゆえんは、二月十一日にワシントンで会議が開かれまして以来、アメリカ主導型のこういう計画に乗りたくないと考える国があり得るということから、OECDのもとでなら入りやすかろうと、そういう配慮のもとにこういうむずかしい規定を置いた、そういう経緯でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 OECDのもとなら入りやすいだろうということがあったから、だからそれに乗ったんだと。どっちでもいいほうを選んだとおっしゃる。そういう道があったんではないじゃないですか。その道をつくったのは日本じゃないですか。この事実はどうお考えになるんです。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申しましたように、わが国としては、できるだけこれをOECDのもとにやっておきませんと、産油国からも誤解があるかもしれない、消費国の中には入りたくないという国もあるかもしれない。確かにわが国はそういう主導をいたしました。いたしましたことの論理的な帰結がこういうところにいったわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 それじゃ納得できませんよ。ベルギー大使館の、このことをやった日本の役人がいるじゃないですか。日本がつくったんじゃないですか、このことは。そうなっていますからそっちを使ったんです。冗談じゃありません。そうするようにしたんじゃないですか、国際的に。これは日本がやったんでしょう。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) OECDでやろう、やろうと。そうでないと誤解も招くし、いやな国もあろうというふうに主張いたしましたのは、まさにわが国が、いわゆるわが国独自の立場でずっと言ってきまして、大勢をそこへ導いたわけでございますから、わが国がやったのかといえば、いばるわけではございませんけれども、そういうことがよかったろうと思って、それが大勢になったんでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そんな、だからおかしいじゃないですか。小学校の教室じゃない。そういう言い方は通りませんよ。その辺で、それは悪うございましたと言わなければいかぬのですよ。こっちの道があったんだと、だからおれはそっちに乗ったんだと。実はそれはおれがつくっておいたんだと。そんなことが通りますか。それはだめですよ。ここまでしか知らないならしようがないが、それがわかっているんです。ベルギー大使館の、名前言ったっていいですよ。かしら文字はH君だけれども、まあお認めになったからいいけれども、それは外務省じゃほめていただく人なんでしょう。あるいはOECD大使の吉野文六さんが言っているじゃないですか、そういう姿勢を薄くするためにやったんだと書いてある。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ですから、産油国の誤解を受けないとか、アメリカがあまり主導的になるということは事の成否のために好ましくないであろうとかいうことから、わが国はOECDという国際協調の機関の下へこれを持っていこうと努力したわけで、私は、この努力は、おそらく上田委員からもおしかりを受ける努力ではなくて、しかるべき努力であったと思いますし、それがこういう形で実を結んだと、こういうことだと思うんです。

上田哲日本社会党

○上田哲君 いや、私は国民の立場から反対をしますよ。それなら、国会の承認を得るなら私は認める。私たちがやったことは、政府がこれだけやったことは、どうぞ国民の皆さん審判してくださいとおっしゃるなら私は認める。させないというのはおかしいじゃないですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 何か、この国会で批准を求めることにこだわり、とまどいがあって、それを避けるためにこういう規定を設けたんではな  いかと。もし、もしそういうお尋ねでございましたら、そうではございませんで、昨年の二月以来のわが国の努力の、これ、何度も申し上げますとおり、論理的な帰結でございまして、そういたしておきませんと、OECDのもとでなら入りたいけれども、そうでない話にはいやだという国があったり、産油国がいろいろな疑いを持ったりいたしますから、それでこういうごとにいたしましたので、決して国会云々というような、そういう発想から来たのでないことは御了解をいただきたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 これはもう、常識で考えれば、あなたの論理は破綻していますよ。しかし、水かけ論になるのはいやだから、私はほかの質問にちょっとそこを変えますがね、たとえば手続論上からいったって、三十四国会の答弁ので、「国家間の約束であって、国家間の新しい権利義務関係を設定するものは、国会の御承認を得べきものである。」という答弁があります。まさに該当するじゃないですか。これならとにかくいまおっしゃるような権利義務を生ずる、国会の承認を受けるようにすべきじゃありませんか。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 先ほど法制局長官から申し上げましたとおり、国家間の約束であっても、現在の法令に基づきまして行政府限りでこれを実施することが可能なものにつきましては行政協定として処理していることは御承知のとおりでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 何をおっしゃるか。安保条約だって、行政協定は旧安保では三条でもってそのままでよかったが、学説に従って、新安保では第六条をつくって地位協定はちゃんと国会の承認を得たじゃないですか。その論理なら、さかさまに言う、まさにその論理で国会の承認を受くべきであります。そうですな。あなたの論理ですよ、これはまさに。あなたの論理でそれを受けるべきだ。これは国会の権威です。

松永信雄外務省条約局長

○政府委員(松永信雄君) 旧安保条約及び同条約のもとにおきます行政協定につきましては、いま先生御指摘のとおり、旧安保条約は国会に提出いたしましたけれども、行政協定については政府限りの責任において締結したということでございます。これに関しましては国会においても非常な論議が行なわれたということを私も承知いたしているわけでございます。そこで、新しい安保条約につきましては、安保条約につきましても、また、アメリカ合衆国の軍隊の地位に関する協定につきましても、双方国会に提出いたしまして御承認をいただいた上で締結するという手続をとったわけでございます。ただ、これといまのOECDの決定についての問題点は若干違うと思います。OECDの決定につきましては、これによって、もしも日本におきまして新しく法律的な効果が発生するというものでございましたならば、それはまさしく国会の御承認を経て、すなわち立法審議権を持っておられます国会の御承認を経てでなければ参加できないだろうと思います。しかしながら、現在問題になっておりますOECDの決定につきましては、そういう性質のものではございませんで、これは政府のいわゆる行政権の範囲内において処理することができる事柄だけを取り上げていると、こういうふうに了解しているわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そうじゃないじゃないですか。いまおっしゃったように、先ほど来、だからこういう綿密な議論をしてきた。メリットのところは言いますまい、私はそれをデメリットだと思っているが。しかし、少なくとも五項目に対しての、五項目を数える義務があるじゃないですか。この義務があるのを国民に対して行政権の範囲だと言うことは強弁ですよ。いまの論理ならそのとおり。国民に対する義務が生じない、法的義務が生じないならば行政権の範囲だとおっしゃる。まさにここに議論が生じているということは、さっきからあなた方の答弁の中に出ている。それならば、あなた方の論理の中で、明らかにこれは国会の承認を求むべき法理論になるではないですか。詭弁ではなくて、しっかりお答えなさい。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) OECDのIEPに参加しますことによって生じます義務の一つは、先ほど申し上げました、現在六十日の石油の備蓄がございますが、これを九十日の備蓄水準まで一定年限に引き上げるという努力を行なう義務がございます。これは政府としましては努力をしたいということでございます。毎年の予算審議その他法令審査の際に国会の御承認を得てそういう努力を続けてまいりたいということを考えているわけでございます。しかし、これは国会あるいは政府を拘束する義務ではございません。  第二に、節約でございますが、節約につきましては先般の石油危機の際の緊急二法がございまして、もしも石油の供給が非常に削減された場合におきましては、この国内法を運用いたしまして節約させることができるというふうに考えております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 驚くべき国会無視、国民無視、これは脱法行為ですよ。それならもう一つ具体的に伺います。逃がしませんよ、こういういいかげんな論理は、詭弁なんですから。すでにあなた方の論理は完全に破綻している。脱退条項はどうなっていますか。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) この憲法上の手続を経てこの協定にとどまるという意思……

上田哲日本社会党

○上田哲君 憲法上の手続なんか要らない。脱退規定はどうなっているかと言っているんです。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 通告をしない場合には脱退したものとみなされると、来年の五月一日、脱退したものとみなされるということになっております。しかし、なおOECD理事会決定の十三項におきまして、これにとどまりたいという意思表示をした場合にはとどまることができるということになっております。もともとプログラムのほうは非常にがっちりとした条約の形式を整えておりませんので、プログラムのほうは、したがいまして、そういう規定はございません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ないことはないですよ。そんなの答弁にならない。私が聞いているのは、脱退するときはどうすればいいかと言っているんじゃない。脱退規定はどうなっているかということを問うているんです。そんな答弁は答弁にならない。委員長、こんな答弁は認めませんよ。正確に答えてください。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 脱退規定はないというふうに委員長はいま聞いたのだけれども、明確にひとつ。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そんならIEP協定六十九条を読んでごらんなさい。ないないんて、ばかなことがありますか。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) わが国は、このIEPの協定に署名いたしましたけれども、この協定の当事国どなる考えはないわけでございます。したがいまして、明年の五月でございましたか、その期間までに協定のメンバーとしての正式手続をとることはいたしませんで、IEP、プログラムの OECDの……

上田哲日本社会党

○上田哲君 質問に答えなさい。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) メンバーとしてとどまることになっているわけでございます。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 脱退規定について……。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 脱退規定――このプログラムにつきましては脱退規定はございません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 IEP協定六十九条によれば、発足後三年間、場合によっては予告期間を入れて四年間は脱退できない、これがIEPじゃないですか。

宮崎弘道外務省経済局長

○政府委員(宮崎弘道君) 先ほど申し上げましたように、IEPの協定の当事国になる、署名をした上でこれを受諾する通告をした国についてはそういうことに相なります。しかし、日本はその協定の当事国にはならないということでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 何をおっしゃる。だから、さっきわざわざ明晰なる外務大臣は過去形と未来形を間違えられた。これは閣議了解です。十月二十五日、四十九年。十月二十九日までに報告をしなきゃならないという規定に基づいて閣議了解でこれはちゃんと出しているじゃないですか。署名されたとおっしゃっているじゃないですか。脱退規定がここにあるんです。簡単に脱退できない権利義務が生じているんです。私は、単なる手続論で申しわけない、単なる手続論で申しわけないが、少なくとも国民的権利義務、世界じゅうに有期限の石油を純消費国であるわれわれの国がどのように使っていくかということについて国際的な協力を求めるのはけっこうだ、そのことのためにわれわれが自主的な立場で国際的なリーグを組むことはいいだろう、しかし、それは明らかに国民の了解を得なさいと言っている。手続の上でもそうじゃありませんか。少なくとも五十五国会で政府の高島説明員は、たとえばその機構から三年ないし五年間は脱退できないというふうな種類の国際機関の場合ですと、これは当然国会の御承認を得なければならないと答弁しています。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これはちょっとした法律論でございますけれども、法律論ですからお許しを願いたいのですが、そこが私がさっきああいうちょっとテンスを違えましたことばを使ったわけでございまして、わが国はこの協定には署名をいたしました。署名はいたしましたけれども、これを批准する気持ちはないので、したがって、来年の五月になりますと、その筋から言いますと、わが国はこの協定のメンバーではないということになってしまうわけです。ですから、協定そのものには拘束されない。しかし、OECDのメンバーでありますから、先ほど政府委員が申し上げましたように、OECDの決定の第十三項に従って、わが国はこのプログラムに一緒に入っていくことができる、こういうことになるわけでございます。ですから、そこはたいへんに複雑な法律構成であるけれども、そうなっておるわけでございます。その問題が一つ。それからメリット、デメリットという話はまた別の話で、これは国内法の範囲でわれわれはやっていける約束である、こう考えておりますから、新たな義務を課せられたものでない、それはわれわれのいわゆる行政府の権限によって、たとえばこういう備蓄をしようとかなんとかいうことは与えられた現行法の中でできると、こう考えております。三つの問題がございますけれども、法律的にはそういうことになるわけでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そんな詭弁が通りますか。国会ですよ、ここは、宮澤さん。あなたは先ほどから過去形と未来形を言い違えながらいろいろと説明してこられた詭弁、こういうでたらめなことが許せますか。IEAには加盟しない、IEAには加盟しない、つまり国際石油機関には加盟しない。しかし、OECDの中に――実は同じものなんです。ここにあるのがIEPですよ、国際石油節減プランですよ。これは外務省からとったものです。ここに訳もありますよ。外務省だけれどもずいぶん誤訳があるので御注意願いたいが。これをOECDとIEAと、国際石油機関と、同じものをつくった。同じものをつくったんです、委員長。全く一行変わらない同じものをつくった。同じものをつくって、そうしてこっちへ入るのがほんとうのところを、わざわざOECDへ入ったという言い方をして、未来形と過去形を変えて、そして、ほんとうはどっちでもよかったんですが、あっちに入り口がありましたから、あっちへたまたま入っただけですという詭弁を、さっき三十分前におっしゃった。ところが、それをやったのは日本のベルギー大使館、それもお認めになった。そんなことまでなさるんなら、五月になったら自然入会だなんて、そんな詭弁じゃなくて、IEA、国際石油機関に入っていないという言い方は、あなた方がうまくつくったことだから、入ってない。しかし、まぎれもなくキッシンジャー構想のかさであるIEP、国際石油計画の中には参加する。署名したのは、これはまさにあなた方が十月二十五日に閣議決定でやったではないですか。ここに文書があるじゃないですか。ならば、そこにある脱退六十九条の規定というのは――どうしたって出入りがあるんでしょう。出入りがないリーグというのがありますか。そうでなくて権利義務が生じますか。こんな明々白々な法律論をそんな形で押えるということはあり得ない。  私は明らかにここで国民のため、国会の権威において、国会の承認を得なさいと言っているんです。今国会だとは言いませんよ。今国会だとは言いません。五月の末までに出せばいいのですから、それならば、裏口からあと足で入っていくような、そんなことではなくて、堂々と……。三木さん起きてください。どうか自主性の節減計画をお持ちになるのならば、まさに偽りのない政治をここで出してください。あなたの前のことなんだから、ここからすっきりと、これは国民の承認を得て――いいですか、同じものなんです、これは。政府がつくった、日本政府が世界じゆうにつくってきたトリックなんです。それをあなたが堂堂と国会に承認を求めて、国際石油機関に参加するという立場を少なくとも約束をしていただくのが、国際法上も、国内の国民に対する政治的な立場からいっても、当然な政治姿勢だと思いますが、総理、いかがですか、総理。――総理ですよ、あなたに聞いておらぬ。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) もう一度……。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) トリックであるとか、裏口であるとか、あと足とか、いろいろ仰せられますけれども、ひょっとしたら、それはこの規定が何か国会の批准を回避するために設けられた規定だという、ひょっとしたらそういうお疑いでおっしゃっていらっしゃるのではないかと思いますが……

上田哲日本社会党

○上田哲君 そのとおり。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、もうるる御説明いたしましたように、こういうふうにOECDの下に置かなければ、それこそアメリカ主導であるとか、産油国が疑うとかいうことがございますから、そういう二月以来の苦労の論理的な帰結がここになりましたので、国会云々という意図があったのではないということを私先ほども申し上げましたが、再度申し上げておきます。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 外務大臣と同じ見解でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 総理、それはおわかりになっておらぬということです。総理がその程度しかおわかりになっておらないで、同じでは困ります。宮澤外務大臣は、先ほど来おっしゃっておるが、明らかに、さっき通産大臣もお困りになったんだけれども、来年は一体どれだけの石油を節減するのか。九百万であると。しかしそれならば、もとに、一年間使っていくのは幾らかと言ったら、それがなくて、それがなくて先に節約するパーセンテージと節約壁が出てきた。それは何かといえば、まぎれもなく、いまここにあるIEPに、国際石油プランに、アメリカの、悪いことばを使うならば顔を立てて、早く出さなければならない。そんなに急がないならば、なぜ、なぜ先ほど来通産大臣が言われているように、これを国際機関にお出しになるんですか。必要だったのは三%しか必要でない、その数字は。まさにその三%は、アメリカの三%と同じ数字に合わせるためだけのトリックを、そのことを国会の承認を得るときに、議論が起きるのを避けるために、わざわざ日本のベルギー大使館の手をもって――世界じゅうのだれもが言ったことではない、さっきあなたがお認めになった、まさに日本の外交においてこういう形をつくった。これは明らかに、少なくとも、あなたがどのように強弁されようと、国民の疑惑を持たれることでしょう。こんなことで疑惑を持たれる理由はないでしょう。それならば国会の審議に付しなさい。もう間もなく終わるこの臨時国会に出しなさいと言っているんではない。五月まであるのだから、通常国会に当然承認案件として出して、国論に付すべきだと私は思う。それが政治姿勢ではありませんか、総理。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私も、上田さんと外務大臣のやりとりを考えて、聞いておりまして、やはり日本はOECDの下部機構にIEPをすることが、やはりこの問題に対していろいろ各国の誤解を解くためにはこのほうが好ましいということで努力をして、そしてOECDの一つの下部機構としてこれをやるわけですから、国会の批准を回避するというよりかは、OECDに日本は加盟しておって、そのOECDに加盟しておる権利義務の範囲内において日本がやるのですから、再び国会の批准というものを必要としないのではないかと。何も国会を軽視したからというのでなくして、一つの論理はそういうことで一貫をしておると思いまして、私も外務大臣と同意見であると申したのでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 脱退条項はどうなんですか。御答弁いただいてない。御答弁いただいてない。脱退条項はどうなんですか。

松永信雄外務省条約局長

○政府委員(松永信雄君) 先ほど経済局長のほうから御説明いたしましたように、このIEPの計画に参加する方式に二つあるわけでございます。協定を批准、国会、憲法上の手続に従って発効させるという、協定に参加するという方式と、もう一つが、先ほど来御説明しておりますOECDの決定を受諾するという方式と二つあるわけでございます。その前者の場合には、脱退と申しますか、廃棄に関しましては、先ほど先生がおっしゃいましたような十年間という有効期間、拘束期間があり、当初三年間は廃棄通告ができないというたてまえがございます。これはしかし、その協定当事国になった場合の規定でございます。OECDの決定を受諾するという方式につきましては、脱退ないしはその廃棄に関する規定というものは全然設けられていないわけでございます。そこで、おそらく先生の御質問としましては、それではたとえば、かりの問題としまして、一年か二年先に日本が、ここのIEPで言っておりますいろいろな義務、これを履行しなかった場合にどうなるのかということだろうと思いますが、それは、そのときのIEPの理事会の決定によってきまるとは思いますけれども、おそらく日本は除名されるということになるだろうと思います。それだけの話ではないかと存じます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 除名をされるなどということ、日本がわざわざ諸外国を抱き込んで、と言うとことばは悪いかもしれない、呼びかけておつくりになった二筋道、そこでつくった自分の穴で自分が除名をされるなんて、何でまどろっこい方式をおとりになるか。これは国際的に通りません。入るには、脱退がある、三年、四年以上の脱退条項があったら、当然国会の承認を得べしというのが国会の判例になっている。そうであれば当然に、何を――皆さん方にうしろ暗いところがないのであれば、うしろめたいところがないのであれば、国会の承認を得ることにためらうことがあるか。当然、クリーン三木内閣とおっしゃるのであれば、国会の承認を、あすと言っているのではない、当然にこれまでの国会の審議の慣習あるいは国際慣例、条約の解釈、その立場から、メリット・デメリットも十分にため直しながら、当然に国会承認案件として付すべきであるというふうに私は思う。しかし、こういう非常にあいまいな御答弁ではこの審議はできないと思う。理事会をお願いいたしたいと思う。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 何度も申し上げておりますからおわかり願っておると思うのですが、われわれは、この条約の当事国、締約国となるのでないのでありますから、脱退という問題はわれわれについては起こってこないのであります。

上田哲日本社会党

○上田哲君 脱退条項をそういうふうにごまかしてはいけない。そのことのためにつくったのではないですか。理事会をお願いします。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) いまのやりとりの問題については、委員長は政府側の答弁においても別に問題ないと存じておりますが、委員長及び理事打ち合わせ会を開く必要ないように受けとめていますが、理事間でよく御協議願いたい。

上田哲日本社会党

○上田哲君 そこまで詭弁を弄しちゃいかぬですよ、国民が聞けば、みんなわかるんです、これは。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) ただいまの案件につきましては、政府側の答弁、また質疑者の御質疑、それぞれ食い違いないように受けとめておりますけれども、発言者についてはいささか受けとめ方にまだ十分納得いかれぬような点もあるように思われます。したがって、この問題は後刻理事会においてそれぞれ委員長、理事検討はいたしますが、政府側の答弁も私ども受けとめておるところにおいては食い違いないと思いますけれども、さらにこの点は十分検討されて、質疑者についても十分一言で納得がいかれるような答え方については御検討をしていっていただきたいと思います。  次の質問に続いて入っていただきたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 では、その問題を理事会にお願いをして、残り時間が少なくなりましたから先をまとめて進みたいと思います。  こうした石油問題のいろいろ波及してくる問題としてしぼってお伺いするが、副総理、何としてもいまのインフレです。私は、そのためにこの石油問題を国民の前に大きく照らして、大きな議論の場に置くべきだということを主張したかった。公共料金です。私は公共料金を何としても政府がまず押える、このことが今日のインフレに対する政治責任だと思う。副総理は御努力をなすっていらっしゃることも私は漏れ聞いておりますけれども、ここで公共料金一を押えるということになれば、私はその政策を評価したいと思う。白紙だということよりも。白紙ではゼロですから、先へどれだけ進めるかということについての前向きの御答弁をいただきたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) いまわれわれが当面している最大の問題は、インフレをいかにして抑圧するか、こういう問題です。インフレは需給インフレの段階を脱しまして、いまコストインフレの段階に来ておるわけであります。狂乱というような状態はありませんけれども、根強く物価を押し上げる力がある。これはコスト要因である。コストとしてこれから考えられるのは、一つは賃金の問題、もう一つは、いま御指摘の公共料金の問題である、こういうふうに思うわけでありますが、その他にもいろいろありましょうが、大きく物価に影響するのはその二つではないか。また、これが相互に関連を持っておるというふうに思うのであります。  私は、来年の春闘、これは何とかして労使双方の理解のもとに、なだらかな解決をしてもらいたい、こういうふうに念願をしておるのです。しかし、それには政府もこの物価の抑制についてでき得る最大の努力をしなければならぬ。その考え方に立つと、この公共料金の問題は非常に重大である。公共料金はもとよりこれは主として政府の、公共企業体の料金でございますが、それが、賃金が上がった、物価が上がったということで赤字の状態にある。その企業体の実情を考えますと、これはどうしても企業体の立場から見れば、何とかして経理を健全にする、また職場秩序もそれによって改善をしたい、こういうふうに考えるのは私は当然であり、またもし公共料金改定を行なわないで赤字が出るという状態に放置するということが、今度はまた財政当局から見ましてこれは非常に大きな問題だろう、こういうふうに思うのです。  そういう企業体なり財政当局の立場も十分よくわかる。わかるけれども、私はとにかくインフレを抑圧する、これが最大の政治課題である、こういう観点に立ちますと、そういう企業体や財政当局の立場、これを乗り切って、乗り越えて、そしてこの公共料金の引き上げを見送るという考え方ができないかということをいま私の頭の中で真剣に考えておる、こういう段階です。でありますので、これからも財政当局あるいは公共企業体をかかえる各省、そういうところといろいろ詰めをしなければならぬ。私の気持ちは、何とかして、いま上田さんがおっしゃいますが、公共料金、しばらくこれは物価問題だという見地で、この引き上げを見送るということにしたいと思っておるのですが、まだこれをどうするかという結論につきましては、ここでせっかくのお尋ねでございまするけれども、申し上げることのできない段階なんです。せっかく私はそういう考え方で政府部内の意見調整をしてみたい、かように考えております。

上田哲日本社会党

○上田哲君 副総理の前向きの姿勢は私は評価したいと思う。私が申し上げたいのは、国鉄は二三%、米が三二%、医療費一六%、それでもたいへんです、これはほんとうにたいへんです。しかし、いま私ははがきが三十円、封書が五十円というのは寒けがしますよ。これはたいへんなことです。そういう値上げのムードだけでもこの年の瀬を何としてでも押えるのが私は政治だと思う。だから、計算をすればできないいろいろな事情はおありでしょうけれども、私は特に内閣に、またその担当の副総理に申し上げたいのは、この国会はこれで終わるんです。皆さんと議論をできるのもまさにこの時間が終わりになるんです。ですから、これは計算ではなくて、国民の前に明らかにしていただきたい。これは私は切望する。政治の姿勢を評価したいために、たとえばここで郵便、つまり、はがき、封書、電話、電報、つけ足すなら麦、塩等々ありますけれども、それをいつまでとかということはできないが、四月以降――いま政府の姿勢は、副総理の姿勢はゼロですね。白紙だということですから、それを数字では言わないが、当分の間、四月以降凍結する、その意思表示を、努力方向をしっかりとこれは出していただきたい。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) なかなかむずかしいお尋ねでございますが、いま上田議員のおっしゃるような方向でせっかく努力をしておるのです。いま三月までは公共料金は凍結する、こういうことになっておりますが、五十年度において公共料金をどうするか、四月以降の問題です。この問題は昭和五十年度予算の関連において最終的にはきめる問題なんですが、この公共料金問題をきめないと予算の編成の大組みもできない。こういうような状態でありますので、取り急いで、とにかくこの公共料金問題の最終的解決をしたいと、こういうふうに考えておりますが、とにかく私の気持ちとしては、いまおっしゃるとおり、当分の間ぐらいは何とかこの公共料金、まあおもなものにつきましては物価対策、そういう重要な問題の立場からこれを据え置くことはできないかということがこの頭の中を去来しておるわけですが、せっかくそういう方向で意見の調整をしてみたい、かように考えます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 くどいようですが、これは国民の声です。郵便、電話、電報、麦、塩の五十年四月以降当分の決意、いいですね。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) そうたたまれるとなかなか弱るんですが、そういうような気持ち、私は上田議員の気持ちはよくわかる。私もそういう気持ちなんですが、一方、公共企業体の立場もある、あるいはまた財政当局の立場もある。そういうことも私はよくわかるのです。その間の調整をどうするか。そこが問題なんです。いまそれの最後の詰めの段階に入っておる。私としては、物価は非常に大事だという立場で、とにかく当分凍結できないかというような考え方のもとに努力をしておる。かように御理解願いたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 四月以降、当分。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) いやいや、そういう当分の間凍結するというような考え方で五十年度予算が処理できないものかということで、政府部内の意見調整をいま進めておるところである、かように御了承願います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 わかった。国民は期待しています。どうか、はがき三十円、封筒五十円ということのような、そういう年の瀬を不安をもたらさないように、五十年四月以降当分の間努力すると、政策努力としてそのことをしっかり胸に入れておきます。  労働大臣、春闘の問題が出ておりますけれども、労使自主交渉というものが一番大事だと私は思う。労使自主関係の中で処理するということを最大の形として尊重されますか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) まさに、わが国の労使の国民的、経済的立場を考えての自主交渉、円満なる自主交渉、これこそが国民各位が期待しているところと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 その場合、労使自主交渉がガイドラインをこえた場合にも政府は介入をしませんか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 賃金の問題は労使の自主交渉でございまして、政府は所得政策には介入しないというのが原則でございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 所得政策には介入しない。所得政策ととられるようなすべてのアドバルーンもあげないように慎んでいただきたいし、ガイドラインをこえるような労使自主交渉の結果については政治的介入はあり得ない。いいですか。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) 私は、いろいろなところでおしゃべりしておりますのは、いまの日本が従来の一一%台の高度経済成長を遂げておったところが、今日はゼロ成長じゃない、マイナス成長。こういうときには、いま持っている資料を国民、労働組合、いろいろな方々に提示しまして、お互い国民的連帯感でここを円満にやっていこうと、こういうことでして、ガイドラインその他は一切考えておりません。それだけにまた良識をお願いしておる、こういうことです。

上田哲日本社会党

○上田哲君 介入です、介入。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) もちろん、介入することは考えておりません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 総理、ここは来春闘、国民春闘という中で非常に重要になってまいります。いま労働大臣の発言、ガイドラインということがいろいろ言われますけれども、労使自主交渉を最大に尊重し、政治的介入は一切これを行なわないという決意を総理から承っておきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 賃金の問題に対する労使自身の決定に介入するという――自治の原罪われわれは十分に尊重いたしまして、それに政府は介入する考えは一切持ってない。ただしかし、きびしい客観情勢を考えられて、労使ともに良識のある解決を望むというだけで、労使の自治の原則に介入しない。

上田哲日本社会党

○上田哲君 しかと承りました。了解をします。  総理ね、一転しますけれども、総理が新聞で宮尾さんという重症身障者のことばに感動されたと言われた。ところが、総理からその返答が来ないという声があるんです、いかがなもんでしょう。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは、厚生省においても予算編成と関連もあるわけですから、いろいろと検討を厚生省に対しても指示をいたしておるわけでございます。これは十分に検討いたそうと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 関連。  総理大臣は国民の声を聞くというおことばを何回もおっしゃっているわけなんです。それで、総理になられて第一回目の記者会見のときに、重症身障者の宮尾修さんの投稿を引用なさいまして、自分からこういう恵まれない人の声を政治に生かしたいというふうに、たいへん感動したというふうにおっしゃいました。あの投稿の中身では、先天性の脳性麻痺で半身が全然不随で四十何年も生活してきた。こういう人が日本じゅうにたくさんいる。こういう者は自分で収入を得ることができないんである。そうすると、厚生省のほうは無拠出の者に福祉年金を与えるというようなことについてたいへん冷たい。現在月一万一千円の福祉年金でやっている。そうすると、とてもそれでは食べられないから、肉親から援助を得なければいけない。あるいは、自分でからだが動かせませんから、介護をする人がどうしても必要だ。だから、もういまのこのインフレのときには三万円はどうしても福祉年金としては必要である。それから介護手当もほしいというふうに思うけれども、こういう人たちの声を聞いてくださる厚生省の立場が、無拠出者に金をやるということは何かよけいなことであるかのような態度をとってこられているので、この際三木総理にお訴えしたいというのが、あの内容でございました。それで、五十年度予算を編成する前に、こういう身障者の代表の方たち、恵まれない方たちをお呼びになって、そしてほんとうにその状況をお聞きになってくだされることはできないでしょうか。そのことをお尋ねいたします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまの段階で呼んでというわけにもいきませんけれども、あれは新聞などにも詳しく事情を書いてありますし、看護の問題も含めて、これは十分に検討をいたしたいと思います。

田中寿美子日本社会党

○田中寿美子君 身障者たちは、ぜひ総理にお会いしたいと言っているんです。それで、各野党の党首とお会いになったり、いろんな人とお会いになるのもけっこうですけれども、じかに総理大臣ぜひ会ってあげてほしいんですが、いかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまいろんな予定を持っておりますが、そういう方々に機会、時間をつくって、お目にかかるような時間をつくりたいと思います。

上田哲日本社会党

○上田哲君 就任早々の総理が、恵まれない人たちに愛の手を差し伸べるという、コマーシャルではなくて。ここにあります。新聞を読んで――総理大臣が新聞を読んでいるのか、と思うんです――それで感動したと言われることばを、どうか具体的に、そうした自分の足では歩けない人たちのために会ってやっていただきたい。ただいまの約束をしかと私は受けとめておきたいと思います。きょうは年の暮れですから、そういう声が一ぱいあるわけです。戦っている労働者もいるでありましょう。そこに向かって、しっかりひとつ政治の目を向けていただきたい。  最時に、昨日の統一見解を出していただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 国政調査権と守秘義務との関係について、政府の見解を申し上げます。一 いわゆる国政調査権は、憲法第六二条に由来  するものであり、国政の全般にわたってその適  正な行使が保障されなければならないことはい  うまでもないところである。   一方、憲法第六五条によって内閣に属するこ  ととされている行政権に属する公務の民主的か  つ能率的な運営を確保するために、国家公務員  には守秘義務が課されている。二 そこで、国政調査権と国家公務員の守秘義務  との間において調整を必要とする場合が生ず  る。国政調査権に基づいて政府に対して要請が  あった場合、その要請にこたえて職務上の秘密  を開披するかどうかは、守秘義務によってまも  られるべき公益と国政調査権の行使によって得  られるべき公益とを個々の事案ごとに比較衡量  することにより決定されるべきものと考える。三 個々の事案について右の判断をする場合にお  いて、国会と政府との見解が異なる場合が時に  生ずることは避け得ないところであろうが、政  府としては、国会の国政調査活動が十分その目  的を達成できるよう、政府の立場から許される  最大限の協力をすべきものと考える。  ということでございます。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 かねて田中総理をはじめといたします公人の疑惑問題、そしてそれがひいて言えば政治に対する国民の不信というものをめぐりまして、長期にわたりまして議論をされてまいりました。残念ながら、まあ率直に申し上げまして守秘義務が乱用されて、あえて言えば、国政調査権というものが否定されているかのごとき事態が続いてまいりましたことは、きわめて残念であります。きょう、いま総理から、各委員会などで混乱をいたしておりました事態に対して政府側の統一見解を述べられたその真意というものに対して、私は率直に申し上げて、これが一つの国民の側から見る政治に対する信頼の第一歩になるのではないか、ないしは、公の立場にある皆さんに対する疑惑解消への道が開けるのではないかという意味で、一応の評価をいたします。  そこで、二、三の点について率直に伺いたいんで、お答えをいただきたいと思います。  その第一は、先般、小谷委員からの国政調査権の本質の問題について、朗読は省略をいたしますが、重大な国会の権限であるという立場から、一つの学説ないしは私どもが主張してまいりましたものを、総理はそのとおりであると御確認をなさったわけですけれども、その後の審議過程において若干の混乱がございましたので、あらためて小谷委員が朗読して総理の見解を求められ、総理はそれを同感であるという見解を述べられたことを、ひとつあらためて御確認をいただきたいと思います。これが第一です。  それから、ついでにもう一つ申し上げたいんでございますが、その基本的な考え方というものに基づいて――先ほど述べられましたうちの第二の点でございます。つまり、国政調査権という立場からする公益というものと、行政権という立場からする公益という守秘義務というものの、いずれもやはり公益でございます。この点、私も同感なんでございます。ただ問題は、実定法上からいたしまして、これは大蔵大臣ともかつて議論をいたしたところでございますが、この公益とば一体何かという意味できわめて率直に伺いたいのは、実定法上、国の利益に重大な影響を及ぼしては、事は基本の柱であって、そういう観点から、行政の分野からも国政の調査権の分野からも公益というものをながめるのだと、その基本の考え方が貫かれているならば比較衡量することができる、こういうふうに私は受けとめたいわけでございます。それならば、正しくこれからまじめな意味で、国政調査権という立場からする国会の要求、そして行政執行の分野からする政府側の態度というものが一致する点があるのではないか、そこに民主政治の根幹が貫かれるのではないかと考えられるわけでございまして、この点、まずお伺いをいたしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 昨日の小谷さんの御質問に私がお答えしたのは、国政調査権というのは政府の立場からも最大限度協力すべきものである。ただしかし、政府は行政責任を持っているわけで、いま申したような場合が起こるわけですが、この守秘義務というもの、政府の行政責任から来る守秘義務というものは乱用すべきものではない。しかし、たとえば徴税の問題からしましても、徴税の円滑なる運営が非常に支障を来たすということは、これは重大な国益でありますから、そういう国益との間の比較を、重さに対しての比較をしなければならぬ、判断をする場合に、そういう守秘の秘の重さというものはそういう見地から判断をすべきものであることは当然でありまして、いたずらにこれを乱用するべきものではないと、国の利益に対して重大な影響をもたらす、ということであるべきだと考えております。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 そこで、田中さんの金権、金脈といわれるようなこの問題は、多くの場合、脱税とか、あるいは国有地の払い下げなどの問題にからむ疑惑問題でございます。率直に申し上げて、学説的にも東大の教授、京大の教授などが、ここにございますように、述べていらっしゃるものも、しょせんは、総理であると個人であるとを問わず公平でございますが、田中さんがあれだけの脱税をしたのではないか、あれだけの所得があるのではないかという疑惑をもたらすようなことになることは、結果として国民の徴税に対する信頼度というものが薄らいでまいりまして、これが税徴収などの客観的公平な徴収を妨げる結果になっているのではないかという点に、疑惑の解消、公正ということが議論になるわけでございます。そういう意味では、私が申し上げた点は、率直に申し上げて、国の利益に重大な損害を与える節があるという観点から国政調査権が議論にされているということを、ぜひ関係閣僚の皆さんも十分にその点を了知されたいということが希望でございます。  それから、第二に申し上げたい点は、官吏服務紀律はいまだに存在しているわけでございます。特別職たる公務員というのは、総理以下閣僚の皆さんでございます。これには罰則によって担保されている守秘義務というものがあるわけではないわけで、まさにここは公の立場で客観的公正な行政を行なうという思想があればこそ、官吏服務紀律というものは存在しているのだということをあらためて御確認をいただきたい、これが私の希望でございますし、当然の常識だと思います。  さてそこで、率直にあえて申し上げるのですけれども、総理のおっしゃる、政府の立場から許される最大限の協力をすべきものと考えると言われる点は、私はこの意味で正しく評価をいたしたいと思います。そこで、おっしゃるように、個々の具体的な事案について最大限協力するよと言われるのは政府側であり、国政調査権の側で主張する国会も、良識、公序良俗に反しない、つまり国政調査権の乱用と言われるようなことが行なわれないというところに接点があるものと私は考えます。そういう意味で、具体的な事案というものは、これが適当であるかどうか、いわゆる適否についても国政福調査権の分野から判断されるものであり、これに現政府が協力するというふうに受けとむべきものであるというように、私はいまの総理の答弁、統一見解であるものを受けとめたいと思います。率直に気持ちを述べていただいて、私はわざわざこれに議論をするつもりはございません。具体的な案件については、それぞれ各種の委員会などで、いま申し上げた趣旨、総理の言われ実る見解、これを中心にいたしまして、これから国民の信頼を得るような議論、調査、審査というものが行なわるべきである、こういうように申し上げながら、率直な気持ちを伺いたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 政府の気持ちは、可能な限り最大限度に協力をするという態度をあらわしておるのですが、しかし、いま申したように、国政調査権と守秘義務との間にやはり衝突が起こる場合もあり得るわけです。そのときの判断というものは、当然に政府の行政責任としてなければならぬので、これはやはり個々の事案について比較検討するよりほかにはないし、そのことは、国会の、またその判断に対して御批判もあろうし、世論もあるわけですから、そこを接点として、そうしてその問題について、いろいろな国会の論議やあるいは世論の批判を受けることになるわけでありまして、あらかじめもうこちらが絶対だということは言えないと思うのでございます。また、この事件が、田中さん自身だからという、田中さん個人の名前はないわけです。だれの場合でも共通でなければ、前総理であったからこういうものに対して区別があるというものではあっては断じてならない、だれのケースにも共通する判断でなければならぬということでございます。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 最後に一言だけ申し上げておきますが、いま総理がおっしゃられた気持ちは、私もそのように受けとめるから評価をする、こういうふうに言っているわけでございます。問題はエスカレートすれば議証法ということになってしまわないようにすることが、正常な意味の国政調査権と行政権の接点ではないか。あとは数で来いなんということのないように、ぜひ対立ということばをお互いに避けましょうよ。そういう意味で、国民の信頼をあなたと一緒に考えていこう、これが私の率直な希望でございまして、あえて答弁を求めません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 その守秘義務との関係で、いま夕刊がここに届きまして、たいへんショッキングな「田中金脈に捜査の手」というのが出ております。これについて御報告をいただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 各大臣もこの委員会にくぎづけになっておって、夕刊の情報のほうが早かって、まだ法務大臣もこの事実に対しては承知しないようでございます。後刻政府で御報告でき得るものがあれば御報告することにいたします。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) その問題についてちょっとお答えをいたします。  この問題については、警察庁におきまして――その毎日新聞の記事のことでございますが、警察としては、ただいま建設省において詳細な調査が行なわれているようであるので、建設省が調査の結果を判断され、必要と認めて警察に通知があれば具体的措置方法を考えたいが、いまのところ何ら通知もないので、具体的に何をするかということは考えておりません、こういう説明をいたしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっと関連。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 簡明に願います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この中で、公安委員長、非常に具体的な内容でもある。つまり宅建法の疑いがある。その内容は、四十一年に免許取得をして四十四年の更新の時期に免許再申請が行なわれていない。したがって、その後は、無免許営業というのか、免許なしで営業をやっている、こういうかなり具体的な内容を指摘されているんです。これはいまどういう扱いをされるかという話とは別にして、事案の内容として、この妥当性といいますか、事実をお認めになるんですか。  それからいま一点は、そういうことが一つの背景になれば、四十四年から今日に至るまで無免許営業ということになりますと、当然脱税という問題に発展をする可能性がある。こういうことについてどういうようにお考えになるか。もちろん、建設省からの通告があれば警察も動かざるを得ない、こういう御所見は御所見として聞いておきますけれども、事案の内容としてはどうお考えになるか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) 私は、この問題は非常に注目をされておる問題の一つであるとは思いますが、それだからといって、新聞の報道を私がこの真偽について論及することはいかがかと思いますから、具体的な事案として出てまいったときにはそのように処置をするという答えでお許しを願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 もう一つ出しましょう。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 時間も時間で。どうですか、簡明に。

森中守義日本社会党

○森中守義君 公安委員長、それでいいんですが、しかし、この東京都の認可を得たものがすでに時間切れになっていた。これはもう動かしがたい事実関係としてすぐわかるわけです。ですから、建設省のそういう通知があるなしにかかわらず、警察独自でも、約五年間という長い間無免許営業活動が行なわれたという、こういう事実の解明ぐらいはできるんじゃないですか。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  そういう事実は認定をしておらないと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 だから、聞けばわかる。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) いや、そういうことについて認定をいまのところいたしておらないし、いまそこにその問題についてお答えする範囲ではないと思っております。そういうような違法のことがあれば一々全部調べるということの原則は、なかなかそう具体的な問題について、こういうこともあった、ああいうこともあったということを一一調べていくということは、これはいかがかと思うんでありまして、そういうような法律違反の事実が指摘されれば、それはそうしますけれども、ただ新聞に出たというだけですぐに調べる、そういう考えは持っておりません。

上田哲日本社会党

○上田哲君 では、最後に石油の問題に、もう一ぺん返ります。  私は、石油の問題が、純粋輸入国である日本にとって長期の計画を十分に立てるべきである、それが適正な節減の方向であるということについて異論はありません。で、その方策を立て得ないことのかわりに、あるいは目の前の非常に短期的な、かねや太鼓を打つような、特にまたそれが民生の節減のほうに傾いていくような節減計画、そういう形になることを一番憂えます。実は、ここにいろいろな資料も持ってまいりましたけれども、そのことはあとに回します。そういうものとして、三木総理が最初に言われた自主的な節減計画ということをしっかりお立てになることが急務であり、いまそのことは十分に体系化されているとは思いません。しかも、その中で私が幾つかの疑点を提出いたしましたけれども、キッシンジャー構想ということによってでは値段が下がるということではないし、新アメリカ方式の中に、私のことばを使うならば石油安保と、石油のかさの中にいよいよ組み込まれてしまうということになるのではないか。そのことに対して十分に国民の納得のいく政策を提示していただきたいし、論議の場を与えていただきたい。ためには、先ほど来私が申し上げた幾つかの疑点は、私の感覚では十分に了解したとは思いませんけれども、どうかひとつ、五月までの期間がありますから、そういうさまざまな舞台を使って国民の場にそうした議論が展開できるような方途を政府側でも考慮していただければ幸いだと私は思います。  四次防の問題、五次防の問題、あるいはPXL、AEW等々の問題等についても御質問したかった問題がありますけれども、年の瀬二十三日、副総理の強い決意で、少なくともはがき三十円、封書五十円の方向は四月以降当分の間と前進したということを私は深く胸に受けとめ得たと思いますから、三木内閣の大きな年末の努力をそこに期待をしていきたいと思います。  そうした問題全般についてと、特に最後の点についても三木総理のひとつ強い決意を承りたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 石油の問題というものはきわめて日本の産業、国民生活に影響があるし、国民の関心も一番高い問題でありますから、きょうの御質疑を通じて、いろんな点において今後国民に対して政府の政策を十分理解をしてもらうような機会を持ちたいと思います。  公共料金は、先ほど福田副総理から御答弁のありましたように、これはもう普通からいえば、公共料金というものはそれはやはり受益者に負担を願わなければならぬわけで、それをずうっと累積するとたいへんなことになるわけですが、今日は物価の安定ということが内閣の至上命令である、非常事態である、非常事態は非常事態の考え方をしなければならぬのではないか、そういう見地から、いま内閣のほうとしても、非常にこの問題を最も予算編成上の重要な問題の一つとして検討をしておるんだという政府の立場をよく御理解を願いたい。

上田哲日本社会党

○上田哲君 はがきはどうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは、はがきも封書も含めて公共料金一般に対して、何とかこういう非常事態らしい政府の態度がきめられないかということで苦心をいたしておるということでございます。

上田哲日本社会党

○上田哲君 ゼロではないですな。ゼロではなくて前進しますね、公共料金。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 公共料金は、前進することは間違いない。

上田哲日本社会党

○上田哲君 終わります。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして上田哲君の質疑は終了いたしました。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 木島則夫君。(拍手)

木島則夫民社党

○木島則夫君 初めに、三木総理の政治姿勢について確認をしたい点がございます。  金脈問題で退陣をされた田中内閣にかわりまして、三木内閣の登場となったわけです。確かに国民の皆さんはあなたに期待を持っている。しかし、当委員会をはじめとする今度の国会での質疑を通じまして、たとえば独禁法の改正の問題一つとってみても、どうも姿勢がぐらぐらしていたり、あるいは三木さんに関係をする政治団体、無届けの団体があって、相当大きなお金がそこに入っているというような事実がわかったわけであります。国民のこういうものを受けとめる声としては、結局、三木さんね、田中さんと五十歩百歩じゃないかという声がたくさんあるわけですよ。私は、確かにこういう声はほんとうだと思う。確かに田中さんとあなたとではお顔は違いますね。ニュアンスも違う。しかし、同じ幹から咲いた花であるという点は同じだという認識は私も変えていない。どうですか、ここで前内閣の政治姿勢、そして、政策に対する死亡宣告というものをきちっとお出しになっていただきたいと思うんであります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) とにかく、前内閣に限らず、最近、政治に対する不信、幾つかの原因がありますが、一つは、金にまつわる不信というものが相当大きな不信の原因をなしておるわけですから、この問題を政治が金によって支配されるようなことの絶対にないように、われわれとしてはあらゆる角度から今後の政治の出発点にしようと考えておるわけですから、どうかその点は木島さんも御理解を願いたい。これがこの内閣の政治の新しい出発点であるということでございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 ことばをかえて、もう一点だけ私は確認をしたい。  三木さんは十字架を背負って登場をなすったはずでございます。したがって、物価を安定をするというこの公約、清潔な政治をなさるという公約、偽りのない政治をなさるというこの公約を、もし裏切ったときには、自民党内閣はこれでおしまいなんだという認識を私は確認したいんですけれども、間違っておりませんね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 自民党がおしまいなどというような僭越なことは申しませんけれども、ここでまた再び政治不信を招くようなことになれば、これはもう日本の自民党のみならず、やはり議会政治に対して重大な危機を呼び起こすものだと、それほどに深刻に受けとめております。

向井長年民社党

○向井長年君 関連。  ただいまの木島質問の政治姿勢に対しまして、二、三点質問いたしたいと思います。  これは、言うまでもなく、今日の国民が大きく政治に対する不信感を持っている、これを回復しなければならぬということを三木総理は当初から言われております。当然のことだと思います。しかしながら、これはもちろん金脈問題もあり、あるいはまた国際的なインフレ問題もないとは言えぬと思います。しかし、過去の自民党内閣の政策の誤謬というものは見のがせない事実だと思います。これに対して、言うならば、三木総理自体も当時の閣僚の一人であり、あるいはまた自民党の大幹部であったと思います。そこにおられる各大臣は、永井文相を除いて全部がやはり自民党の閣僚であり、あるいはまた党の大幹部であったはずであります。この皆さんが今日こういう事態を招いた点について、もちろん反省はされておると思いますけれども、しかし、それに対して国民に対する陳謝の気持ちがあるのかどうかということ、私はこれをまずお聞きしたい。  ということは、実は私は、ちょうど春の予算委員会で、田中総理をはじめ、当時の福田大蔵大臣等に質問をいたしました。――企画庁長官おりませんな。そのときに私は、田中さんの高度成長政策、福田さんは安定成長政策、大きな違いがあるじゃありませんかということを尋ねた。このインフレをもたらした原因は田中さんの政策にあったのではないかと。ところで、当時、福田さんも大蔵大臣でおりましたけれども、いや、そう違いはありません、新潟県と群馬県の違いぐらいですと、あるいは場合によれば、静の福田と動の田中だ、あまり違いはないんですと、こう言われたんです。三木さんは当時環境庁長官でございまして、やはり自民党の大幹部であるから、三木さんにもこの経済政策を私は聞きたかった。おそらく私たちと同じような感じを持っておったであろうということで、この問題について若干聞こうとしたところが、三木さんは答えたくなかったようであります。そういう中で、少なくともやはり皆さん方は、今日のこの事態は皆さん連帯の責任として私は国民に陳謝すべきである、それが新しい今後の三木内閣の発足の大きな土台になるのではないか、こういう感じがするわけであります。この点について三木総理はどう考えられるか。私は、少なくとも国民に対する皆さん方が陳謝の気持ちがあってこそ、初めて新しい今後の政治不信回復のための第一歩が生まれてくると思います。この点、まず一点だけ先にお聞きいたします。  そこで第二点目は、先ほどからもいろいろ言われておりますけれども、三木内閣が発足して国民は大きな期待を持っておると思います。しかしながら、ある半面、やはり自民党内閣であり、派閥均衡内閣であるからどこまでできるだろうという疑惑も、これまた大きく持っておると思います。先ほど言われるように、公共料金一つの問題をとらえましても、福田副総理は、何とか白紙でできるだけこれは凍結したいんだということを言われておる。非常にけっこうだと思う。しかし、一方においては、その他の問題に立つときに極力抑制というような表現も使っている。これ一つ見ても合わない。あるいは独禁法の問題を見ましても、党内あるいは政府内で、まだまだこの問題は大きな問題として意見の相違があるように私は考えます。あるいは政治資金規正法の改正の問題についても、なかなかそう簡単に、きれいごと言っても、進まない。こういう状態も私たちは何となしに感知をいたします。しかし、通常国会には必ず出すんだと言われておりますから、私たちは期待をいたしておるのでありますが、こういう問題について、私は、まず三木総理の今後の決意のほどを聞きたいということ。  それから三点目は、ちょうど新聞で拝見いたしますと、三木総理が各党の党首と会談したいと言っております。したがって、二十四日になるかどうか知りませんけれども、なるほどこれはけっこうなことだと思います。しかし、これはただ儀礼的な会談であってはならないのでありまして、少なくとも、これから各党のいろんな意見を聴取をし、その中から国民的視野に立った、言うならば建設的意見は取り入れて政策に生かさなければならぬということだと思います。いま皆さんどう考えておるか知りませんけれども、先般の参議院選挙におきまして保革伯仲、参議院におきましては、皆さん御承知のように、常任委員会におきましては七つの委員会は野党が多数でございます。過半数を自民党は割っておるのであります。また、この委員会におきましては、皆さん、委員長を除けば同数であります。二十二対二十二であります。野党がこぞって反対すれば委員長が決定をしなければならぬという事態であります。こういうような事態にあって、自民党は政府を持ち、多数を持っておるからゴリ押しをするんだというようなことは、これはもう通らない時代であります。また野党も、何としてもこれを廃案に持ち込まなければならぬというので、少なくとも物理的抵抗をするということも、これまたでき得ないいまの状態ではなかろうかと思います。そうなれば、やはり政策の問題、特に重要法律案の立案の問題、あるいは予算の大綱の問題等については、各党が十分意見を立案前に述べる機会を持たなければならぬのではないか。党首会談もけっこうだけれども、まず、政策担当である四各党の政調会の責任者、あるいは専門的な人たちに政府は意見を聞いて、その中から建設的意見は取り上げて、これを立案するべきではなかろうか。ただ国会に上程されて、国会は修正権を持っているからしてもらったらけっこうだという、こういう考え方では私はうまくいかないのではないか、こういう感じをいたしますが、この三点について総理の見解を私は伺いたいのであります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 第一点の問題でございますが、われわれ自民党内閣としても全力を傾けて国政担当の責任を果たそうとしておることは申すまでもないことでございます。しかし、振り返ってみると、時にやっぱり政策の面についても、あのときにこうすればよかったかという反省はあります。そういうことをやはり教訓として、あまり独善的な考え方におちいらないで、反省すべきものは反省と、将来の一つの教訓として、そしてわれわれは今後政局担当の責任を果たしていきたいという心境でございます。  第二点は、いろいろ政府の考え方がぐらついておるのではないかというような御意見でございますが、とにかく、その法案というものを作成する過程においては、こういう時代ですから、いろんな意見が出ることは、これは当然のことでもあるわけです。これをどのようにして、その意見を一本にまとめていくかというところにこれからの課題があるわけで、どうか、いろんな意見が出るということが、そういう一つの政府がいろんな法案を用意しようという、そのこと自体がぐらついておるというふうにはおとりにならないで、その法案を作成するまでの過程においていろいろな議論が出ることは少し寛大にごらんを願いたいと思うのでございます。根本においては後退はしてないと、こういうことでございます。  第三点については、党首会談のごときも、いま向井さんの言われるように、形式的なことをしたって意味はないわけです。したがって、率直な話し合いをできるような会談になり、野党の声もわれわれの政策の中に取り入れるべきものもいろいろとあると思いますから、そういうふうな声も聞き、できるだけ国民の意向というものが政治に反映されることが理想ですから、そういう意味で野党の党首の方々にもお目にかかりたいと、いま政調会あるいは政審会長なんかの会議もしたらどうかと、それもけっこうだと思うんです。いずれにしても、野党側もどうか建設的な意見を述べていただいて、イデオロギーというようなものはありませんからね、そういうものを離れて、実際に政権を担当するという現実的な立場に立って建設的な意見を御開陳願えれば非常に自民党としてもありがたいと思うのでございます。それが初めからイデオロギーをぶつけ合うような話では、それはやはり実りのある会合にはなりませんから、われわれとしても率直な態度で野党のいろいろな声にも耳を傾けますから、野党の側においてもできるだけ建設的な意見をお出し願いたいとお願いをする次第でございます。

向井長年民社党

○向井長年君 ただいまの総理の答弁で、ある程度納得いたしますが、ただ意見を出しなさいというんじゃなくて、先ほど私が申しましたように、通常国会でいろいろな法案が出るでしょう。予算も出てまいりますね。しかし、現状の趨勢の中で野党が結束すれば通らないという事態なんですよ。そういう事態が従来とは違うんですよ、伯仲の中で。衆議院は別としてね。そういう中で、やはり意見は聞きますよではなくて、少なくとも、外交とか防衛とか、若干イデオロギーのかかるやつは別として、一応内政の国民生活に通ずる問題、こういうような政策については立案の前に野党の意見を聞くため、政調会なり専門的な人たちで話し合うというのが、まず必要ではないか。あるいはまた、予算の大綱についても野党の要望というものを聞くという、これもいま言われましたように国民的視野に立った建設的意見を言っておるのでありまして、独善的な党利党略を私たちは言っておるのではないと、これで私は三木総理にそういう意見を聞く状態をつくり上げるべきではないか、これを聞いておるのであって、それをされるかどうかということですね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) こういう時代においては、そういうふうな考え方というものは私は賛成ですよ。全部が全部というわけにはいきませんけれども、国民生活に重要なものについては各党間で事前にいろいろ話し合うという、そういうこともあっていいと私は思います。いずれにしても、全国民的協力でなければこれは乗り切れる時局ではありませんから、われわれも謙虚な気持ちで野党の各位とのお話し合いを進めていく考えでございます。

向井長年民社党

○向井長年君 福田副総理からも答弁を願います。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま向井委員のお話、私はまことにごもっともだと思うんです。参議院の保革伯仲、そういうような事態を考えないでも、これはもう話し合いの政治といいますか、やはり野党の皆さんの御意見を十分お聞きし、意見を交換した上、重要施策は決定したほうがよかろうと、かように考えております。

木島則夫民社党

○木島則夫君 総理もごらんなったと思いますけれども、これをちょっとごらんください。「年の瀬の悲しい三十万円老人のトラの子戻ったが…盗んだ犯人は小学生 母、兄らに「ボーナスだよ」」といったこの事件であります。きっと総理も、お忙しいにもかかわらず目をとめていらっしゃると思う。実は私も、老人福祉、弱者救済について総理の見解を明らかにしたいと思っていたやさきのできごとでございます。  内容は、私が簡単に御説明すると、喉頭ガンで声も出ない老人が、生活保護費の中からお葬式代にといって、食事を三度に切り詰めまして、五年がかりでやっとためた三十三万円を小学校の子供に盗まれてしまった。で、母親にはボーナスだよと言ってお金を渡しているわけであります。母親はそれがどういうお金かを確かめないで、自分の買いたかった時計を買ってしまったというのがおもな内容であります。きっとお目にとまったと思うし、あるいはテレビをごらんのお家でもきっと関心を高めた事件じゃないかと思いますけれど、総理、あなたはどういうお感じをお持ちですか、この事件について。率直に聞かしてください。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 記事を私読みました。お食事を切り詰めて三十万円の金を貯金しておったのが盗まれてしまった。そういう、何というんですか、何か倫理の基本というようなものが失われておる。そのときのせつな的な衝動で動いている。こういうことに対して、非常に一つのこの事件で憂いを深くしたわけです。そのときそのときの自分の衝動で動いて、人間に大事な、ものごとを基本的に考えてみようという精神が失われてきておるということは、これは政治に携わる者として、こういう社会風潮の中にこういうことが生まれるということに対して、非常にわれわれとしても注目をしなければならぬということを考えさせられたわけであります。高度経済成長という一つの社会環境がそういう人間の精神面といいますか、そういう面に対して、何か荒廃を来たした一面もあるのではないかという点で深く考えさせられた事件でございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 いま三木総理もはっきりお認めになった。高度経済成長と無縁ではないんだということをきちっとお認めになったわけであります。実は、私はこの事件からお年寄りに対する福祉対策の薄さ、そしてすべての価値が金によって代表をされる、金の価値がすべて優先をする、そういうものを高度成長が生んでしまった、植えつけてしまったという、そこに大きな問題があろうかと思います。この点についてはあとで掘り下げていきます。   〔委員長退席、理事柳田桃太郎君着席〕  そして、こういうお話が出ましたので、私は一つの三木内閣の試金石という意味でもフォローをする必要があると思う。つまり生活保護法では三千円をこえる収入に対しては保護費から差っ引く規定になっておりますね。このお年寄りの場合も、戻ってきた三十万円が収入と認定されますと、保護費が打ち切られてしまうわけでございます。近所の方からよくお話を聞くと、刻みキャベツにおしょうゆをかけて、それで御飯を食べていたという。そして御自分がなくなったときに、まわりの人に迷惑がかかるといけないからといってためたこの二十万円でございます。法は法です。私はこれは政府がこうせいというような問題じゃないと思う。やっぱり地方自治体がほんとうに法のワクにとらわれずに御処置はなさると思うけれど、根本の問題に触れることだと思いますから、三木さん、そして関係大臣からの前向きのお答えをしていただきたい。これが鈴木老人をはじめとするテレビをごらんになっているお年寄りに対して、やっぱり三木さん、いいことを言うじゃないか、やるじゃないかという、私はステップにしてほしいという意味ではっきりここでお答えをいただきたい。いかがですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 本件について、私も新聞を見まして一番厚生大臣として心配をいたしましたのは、このお金が返ってきたときに、収入認定をされて保護が打ち切られるではないかという一くだりでございましたが、これは私は衆議院予算委員会でも申しましたが、今日の生活保護法、これは例の補足性の原則というものが、あまりにも厳格にこれを貫くというような傾向がございまして、もちろんこれについては通牒等でかなり緩和しているわけでございまするけれども、なおこの補足性の原則を貫くということになると、いま新聞に書かれているようなことが起こり、いわゆる社会面でよくこの種のことが論ぜられるというのは、生活保護法の実態と社会の常識とが乖離をしている。ここに社会面の新聞記事が出るものというふうに思って、かねがね私どもも生活保護法の実態についてはこれを考え直さなければならぬというふうに思っておったのです。  私、就任早々に、生活保護法の規定といまの通牒行政でやっているものとの乖離というものを全部洗い上げて私のところへ持ってきていただきたいというのは、まさしくこういうことを踏まえて生活保護法のあり方というものを近代的に直したいという気持ちからやったわけでございますが、本件につきましては、これを収入認定するということは私どもとしてはいたさない方針で、このお金が戻っても、これについて保護を打ち切るなどということはしないように地方庁を督励をいたしておるところでございまして、御心配はないようにいたすことを確約をいたしたいと思います。

木島則夫民社党

○木島則夫君 これにからまる年金福祉の抜本改正については、後ほど私も触れたいと思います。  今度の国会、予算委員会を主としていままでいろいろ確認やらがなされてきたわけでございますので、私も重複をなるべく避けたいと思います。三木さん、あなたは所信表明演説の中で、清潔な政治、そして話し合いの政治、偽りのない政治というものを強調されております。また国会答弁や記者会見では、国民のいやなことも率直に申し上げて、国民各位の協力をお願いしたいと述べていらっしゃる。私も全く同感でございます。  そこで、いままで出ましたことを私は確認をする意味で、イエス、ノーという端的なお答えで、ひとまず三点ほどの質問に答えていただきたいのであります。総理、まず独禁法の改正は、おとといあなたははっきりおっしゃった、幅広くきびしく行なうとおっしゃいましたけれど、これは財界にとりましては確かにいやなことだろうと思う。しかし、これは三木さん、おやりになりますね。イエス、ノーだけでけっこうです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 自由経済体制を守るためにやはりルールというものが必要でありますから、財界の人たちもその必要性というものは理解をされるものと考えております。独禁法の改正は、通常の国会に提出をいたしたいと思います。

木島則夫民社党

○木島則夫君 銀行にとりまして大口融資を規制される、そうして歩積み両建ての禁止をされるということはいやなことに違いない。これをあえておやりになることは、お金のさいふにもきっと関係してくると思いますね。だけど、これをきちっとおやりになることは国民にとっては私は大きなプレゼントであると思いますけれど、金融界にとって不人気なこともあえてなさいますね。確認だけでけっこうです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまの銀行法は昭和二年ですからね。消費者保護という立場から銀行法というものは制定されたのですが、その後の経済情勢に非常な変化がある。しかし、この問題は民間の金融機関の一つの基本法でありますから慎重を期さなければならぬけれども、銀行法は今日の経済情勢から見て再検討を必要とする時期に来ておる、こう思います。

木島則夫民社党

○木島則夫君 自民党にとりまして財界からの政治献金を規制する、これは当然献金は個人に限るというふうに私どもも主張をしておりますけれど、この政治資金規正法の改正を行なうことは、きっと自民党の皆さんにとっては私は劇薬を飲むことにひとしいと思う。総理もあえて劇薬をお飲みになりますでしょうね。国民の立場に立った改正をなすってくださるでしょうねという意味です。これも確認だけしておきます。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 金にまつわる不信をなくしたいと願っておるものですから、政治資金規正法の改正はやらなければならぬと考えております。

木島則夫民社党

○木島則夫君 このほか医師の税優遇措置を改正をする、そのほか労働組合とも相当詰めた話し合いをしなければならない、きびしい排気ガスの規制もあえてなさらなければならない、いろいろございます。こういうことを三木さんがほんとうにおやりにならないと、私は日本の政治も経済も沈没をしてしまうと思う。そういう意味で、どうですか、三木さん、私は財界とか産業界とか、外の世界に対するよりも、むしろその壁は自民党の中に厚くおそらく三木さんの前に立ちふさがっていると思うのでありますけれど、これはあなた自身にお聞きしても私は優等生的なお答えしかいただけないと思うので、永井さん――永井さんとあえてお呼びをいたしたい。私も三年前に民間から政治の世界に入ってきた者でございます。あなたもついこの間、民間から三木内閣に招請を受けてお入りになりました。まだ日が浅いわけでございますけれど、あなたが三木内閣というか、自民党内閣の中にお入りになって感じた壁、政治の壁は一体何なのか。あなたが今後自民党から選挙にお出にならないならば、ここではっきり言っていただいて、一緒になって、三木さんも自民党の体質を改善しなきゃいけないんだと言っている。その三木さんと共通の広場をお持ちになっている永井さんとして、それが一体何なのか、どうすれば改善できるか、ひとつきょうは家庭のおかあさんたちに、いまの時間だったらおそらくそうだろうと思います、わかりやすく、あんまり優等生的なお答えでなく具体的にわかるように聞かしてくれませんか。そうすれば壁が何であるかということははっきりわかるはずです。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 確かに木島さん――木島議員がおっしゃいましたように――私も木島さんと思わず出たのですが、私、民間から……

木島則夫民社党

○木島則夫君 木島さんでいいじゃないですか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 民間からこの文部行政を担当することになりました。そこで民間からとおっしゃったのですが、ちょっとそこは修正を要することがあるんです。といいますのは、私は民間の新聞社に五年足らずつとめておりましたが、その前は実は国立大学の教官というものでございまして、これは国立大学にも、まあ違う種類の官僚性というものはあるんです。そういう意味におきましては、別に人生で初めてこの官僚機構の中に入ったというのではないということは御理解願いたいと思います。  さて、過去二週間ほどでありますから、その経験に基づいて申し上げるほかないのですが、文部省の職員の方々は、まあ政党内閣の方が、政党人が大臣におなりになれば答弁の方法なども知っているでしょうから、もう少し時間的にも楽だったと思うのですが、私が何をやるかわからないということで、次官以下ほんとうに大ぜいの人が過去二週間一生懸命働いてくれたというのは、これは事実です。事実ですから、事実の報告を申し上げるほかないのです。  さてそれから、自民党内閣ですから、そこで自民党の方々と会いますと、教育について私と見解が違う方が当然いらっしゃるわけです。そこで討論をいたしました。対話と討論ですね。その経験を申しますと、私はこれは御理解と御協力の気持ちで討論してくださったというふうに思ってます。そして違う意見を出してくださった。私も私の意見を申し上げる。さてそのあとで、この国会に参りますと、今度は野党の方もいらっしゃる。野党の方ももちろん私と違う意見の方が多いわけで、なかったら国会やる必要はないのですけれども、その意見を述べていただくのは、私はやはり理解と協力というそういうスピリットでやっていただいたと実際のところ感じているのです。それじゃ皆さん方は永井という人間のことを特に考えてくださったのかというと、まあそれもあるのかもしれませんが、終局的には、やはり行政の方であれ、あるいは国会議員であれ、国民の教育というものを考えておられるんだと。だから過去二週間の私というのは、それはめちゃくちゃに忙しいでしたけれども、いやな二週間ではございませんでした。これは国民が聞いていてくださるそうでございますから申し上げます。  さて、選挙に立つのですか、立たないのですかというようなお話ですが、それは私が政党人として活動するという大臣になるのでしたら、文部行政を私などよりはるかに熟達しておやりになる、経験能力のおありの方は、これは自民党の政党政治家の中に何人もおいでになるのだと思うのです。で、私がなぜこの任につけということになったかといいますと、私の能力とか経験ということではなくて、いまの日本の歴史的段階におきまして、民間出身で私以外にもはるかにいい方はたくさんあると思うのですけれども、私にやれということを三木総理がおっしゃいましたし、三木総理はなぜそう言われたかというと、それは日本の国民の教育のことを考えられた。私はそう理解しておりますから、党籍のない文部行政の担当者として仕事をしていくつもりでございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 最初は客分としてたいへん大事にされていらっしゃるようでありますけれど、これからのひとつ手腕を拝見をしたいと思います。  三木総理、私はここでほかの方があまり触れていらっしゃらない問題について触れたいのであります。それはあなたが御就任になったときに、あえて国民にとっていやなことでも、それがあなたにとって不人気になることであっても、言い出さなければならないし、やらなければならないんだという意味のことをおっしゃっておりますね。それを具体的にきょうはここで披瀝をしていただきたい。いままでは主として当委員会をはじめとして、財界であるとか産業界であるとか労働界であるとか、そういった特別のグループというか、そういった問題に焦点がしぼられたはずでございますけれど、私はここでこの高度経済成長の惰性をほんとうに洗い直していくためには、やはり大多数の国民の皆さんにもむしろいやなことをあなたがおっしゃらなければ、総体的に政治というものは進んでいかないんだという意味で、あなたの具体的な、何がいやなのかということをお聞きしたいのであります。おっしゃってください。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いままで高度経済成長ということで順調に、国際環境も日本のためにしあわせしたのでしょう、ここまで来た。ところが、非常に事情が変わったのは、資源の問題について違ってきたのですね。いままでは金さえ持っていけば幾らでも安く資源が手に入ったわけですが、そうはいかなくなってきた。またそれが、それなら一時的な現象かというと、そうは私は思わない。資源国というものが自分の資源を大事にして、それを種にして自分の国の新しい国づくりをしようと考えておりますから、昔の時代には返らないということであります。だから、これが大きな日本の高度経済をささえた柱であったわけですね。  ところが、いまはその条件は失われたわけですから、どうしても今度はいままでと違って、いままでは世界と並みはずれた経済成長をしたわけですが、世界並みになってくるということですよ、これからは。速度もやっぱり落とさなければならぬ。まあ安定成長といえばいいでしょう。そういう調整期に入ってきますと、いろんな、やっぱり国民の方々にいやなこともお願いしなければならぬというのは、第一資源の問題をとらえてみても、できるだけ資源を多く使うような産業、生活のパターンというものは変えていかなければならない。節約もしなければならぬし、生活もやはり簡素な生活というようなパターンにも切りかえていかなければならぬし、そのことは、人間には現状維持が一番楽なんですよ、それを自分の生活の一つの態様からそれに合わせていくということになれば、いままでと違った生活に入るわけですから、その間いろいろ国民の方々にもごしんぼう願わなければならぬ時代が相当これから続いていくわけでありますから、なれてしまえばいいのですけれども、高度経済成長から安定成長に切りかえるその途中というものは、調整期のいろんなごしんばうを願わなきゃならぬ面が多い。こういうことについてときどき申し上げなければ、これは正直な政治にならぬという考え方があったわけでございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 いま伺っていると、節約と、それから何というか生活様式の切りかえだということですが、もう少し具体的におっしゃっていただきたい。どういうことを、どうやって切りかえて、どういう目標に行くのかという、そこがやっぱり大事です。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) たとえば、生活の面でも非常に使い捨てですね、大量の物資の使い捨て。そうなってくると、やっぱり資源というものは限られたものであるし、それが容易に手に入らないということですね。そういうことになってくると、いままでのような使い捨てで、何でも使って捨ててしまうというのではなしに、生活資源などについてもそれが回収をされなければならぬでしょうし、なるべく、そういうふうな大量に消費するようなことは、生活のパターンをだいぶ切りかえていかなければいままでと同じですから、そういうふうな面にも私は切りかえが必要になってくる。まあ個々の問題についていろいろあると思いますが、結局は、いままでのような潤沢な、こういう大量の物資を使い捨てていくというのでなくして、物を大事にするというようなことが必要になってくる時代になるということも一つの大きな問題だと思われます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 私は、きょうは非常に卑近な、ほんとうにまわりにごろごろころがっているような、そういうことを一つずつ伺います。  三木さん、いまテレビはどういうテレビでごらんになっていますか。テレビには、スイッチを入れるとすぐ画面が出てくるテレビがありますね。こういうものはどうですか、もったいないなあと思いますか、そこまでいく必要はないなあと思いますか。こうなったら一つずつ私はあなたに伺いたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 両方あるんですけれどもね。旧式なものもあるわけです。また、すぐに切りかえのつくものもあるわけです。私自身もそれは便利は便利だと思いますけれども、そうなくてもわずかな時間ですから、どうしても必要なとは……。ほかの必要があれば、少しぐらいの時間はおくれてもそうたいして違いないだろうと思います。

木島則夫民社党

○木島則夫君 これは三木さんの奥さんもきっと御経験だと思いますけれど、古い型のたとえば電気器具など部品がこわれましても、修理屋さんに行っても、メーカーに行っても、もうその部品の型はありませんよと言って、取りかえるのならば新しいものとお取りかえなさいと言う。これは高度経済成長だと思いますけれど、そうはお思いでございませんか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) われわれも、やはりテレビがこわれましてね、どうも部品がないというので、その部品をつくってもらったりして、私も次々に新しく買いかえるというのはあまり好きじゃないものですから、それをつくるのに非常に苦心をしたわけです。まだ買って二年ぐらいのものですが、それで部品がないというようなことで、これはやはり単に消費者ばかりでなしに、メーカー自身もこれは考えるべき問題が非常にあるという感じがしました。普通ならばしばらく待ってつくってもらうのですけれども、そこになければすぐ間に合わないものですから、新しいものに切りかえて、新しいものを買うという必要な場合も起こってくるでしょう。言われるようなことをみずから経験してみて、こんなに短年月しかたってないのに新しいものを買わなければ修理ができぬというような、こういうメーカーのあり方というものもやはり反省を要するという感を深くしたわけです。

木島則夫民社党

○木島則夫君 まあこういうことをあげれば切りがございません。たとえばパーティーなどでホテルに参りますと、もうやたらにたくさんぜいたくなものが出てくるし、パーティーのあと、お酒が残ったり食べものが残ったりする。たとえば、いまおかあさん方が困っているのは、これから先は違うと思いますけれど、たとえば子供さんに対して、もったいないからちゃんと全部食べなさいよと言っても、せせら笑って一笑に付されるのですよ。つまり高度成長というのは、もったいないという感覚を消滅させ、物を大事にするとか、そういう価値観を全部洗い流してしまったというところに私は一番大きな罪がある。きっと三木さんもそのことをおっしゃりたいと思うのですよ。違いますか。そうしておとなは、子供に対してそう言ってもきき目がないから、そこでぐらぐらして、ただただうろたえるだけだ。それが大きな社会的混乱にもつながってきたということで、結局もとをただせば、あなた方が消費は美徳だと言ってすすめてきた、それに国民が乗せられてしまって、いまや石油ショックでもって、ああ物はやっぱり有限なんだなと思った。そうして石油ショックが来たときに、それを災いを転じて福になすことができればよかったけれど、政府の無策によって狂乱物価を呈してしまった。私は問題はここにあると思う。消費は美徳だと言ってあおったのは自民党内閣でしょう、三木さん。違いますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 当時は世界的に、日本に限らず諸外国もそういうふうな傾向があったわけです。それは、世界的にどこの国もやはりあり余るぐらいの物資があって、幾らでも製造できるような環境のもとにあったのですから。日本においても節約をしようという気分がいろんな統計の上にもあらわれていますから、またわれわれのようなものでも、もったいないという気持ちがあるものですからね、いろんな食べものなんかでも残すのはもったいないという気持ちがあるわけです。このごろは、そういうもったいないという気持ちがいま御指摘のように失われてきた。しかしだんだんと、人間、簡素な生活の中にも心の豊かさというものは持てるわけですから、むしろあんまり物質に囲まれた生活よりも、簡素な生活の中にそういうゆとりというのですか、潤い、そういうようなものもやはり起こってくる。そういう環境のほうが起こりやすいものですね。そういう点で、高度経済成長のもとにわれわれが考えておった考え方というものも、大きなやっぱり転換期にきておると思います。

木島則夫民社党

○木島則夫君 そういう意味で三木さん、一番政治がいまやらなければならないことは、高度成長がもう終わって、それは誤りでしたと、あれは安い石油の上に咲いたあだ花なんですよと、政府もついつい甘いことばっかり言ってきたけれど、もうそんなことはないのですよと言って、ここですみませんでしたということを一得おっしゃるのが私は筋じゃないかと思う。そうして、政府みずからを律すること、もちろん業界に対し、産業界に対し、あるいは財界に対し、労働界に対しても、言うべきことをそれからおっしゃれば私は筋が通っていると思うのでありますけれど、いかがですか。高度成長になれ切った生活、習慣、ものの考えを変えていただかないと、とても日本はやっていけませんと、ここで初めておっしゃるのが私は筋論だと思いますけれど、どうもその辺がはっきりしてない。いままでの田中さんのやり方と、どこで、どういうけじめがあって、どういうふうな区切りがついているのか、ちっともはっきりしない。したがって、協力したくても協力できないというのが正直なところではないか。こういうことを私は申し上げているわけです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 一つの政策を、悪かった、あやまると、こういうふうに一がいに、一つの政策が悪かった、よかったと一言のもとに言うことはなかなか困難があると思います。やはり高度経済成長というものがもたらしたいろんな、敗戦直後のことを考えればそういう経済の発展がもたらしたいろいろな効果もあるわけですから、したがって、いままでのやったことを全部間違っておった、あやまりますというような言い方は、それは適当ではないと思いますが、とにかくいままでのような高度経済成長をささえてきた日本の条件というものはみな失われてきたのだ、これからはそういままでのようにはいかないんだ。だから全部世界の水準と同じような形になってくるわけですね。日本だけが世界からかけ離れたような形をとってきたわけです。そういう異常なものが正常なものに返ってくる時代がくる。その間、やはり生活の切りかえというものにいろいろな御苦心もあるだろうけれども、この試練は乗り切っていかなきゃならぬですから、国民の皆さんにもやはりいろいろとごしんぼう願わなきゃならぬ点が起こる。これに対して率直にわれわれとしても国民に訴えていきたいと思うと考えているということが、率直ないまの私の考え方でございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 だから、前内閣の政治の姿勢、高度成長を進めてきた政治の姿勢、政策に死亡宣告を出しなさいと私はさっき申し上げたわけであります。  高度成長の惰性をどう直して改めていくか、これはこれからの政治の中で一番大事なことです。主としてこの委員会では物価の問題、不公平を是正をする問題というようなところにしぼられてきたけれど、私はやっぱり高度成長にすっかりおちいってしまったこの心というものを、どういうふうに方向づけをしていくかというそういう意味では、まさに永井さんの出番であろうと私は思うのです。非常にむずかしいと思います。ことに若い人たちは、高度成長のワクの中で育って、高度成長に基盤を持つ価値観を持ってしまっているわけであります。だから、あなたの教育改革の理念とあわせまして、こういう惰性からどうやって抜け出していったらいいんだろうか、これは非常に私は三木内閣の大事なポイントだと思うので、これも具体的にわかりやすくひとつおっしゃっていただきたい。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 先ほど来、木島さんと申し上げさせていただきますが、七月ごろのイギリスの新聞を読んでいましたら、やはりイギリスでも、経済発展期というものが終わる、そうすると人間の心が変わらなきゃいけないと書いてあるわけです。やっぱり経済発展成長期というのは、金をもうけたい、高い地位につきたいといって人間が競争するというんですね。これではその次の時代に移行できない。もちろん経済政策のほうを変えなきゃいけませんが、   〔理事柳田桃太郎君退席、委員長着席〕 いまおっしゃったように、心が変わらないといけない。心は何が大事かというと三つあるというんです。  第一番目は、やっぱりみんなある程度の人間は生活の安定の要求がありますから、これは満たされなければいけない。二番目には、生きがいだというんです。その生きがいというのはどういうことかというと、そんなにたいそうなことではなくて、だれでも家庭がありますね、その家庭で親子兄弟が愛情を持って蘇らす。これはもう非常に身近なんですが、実は案外むずかしい。あるいはみんな職場で働きますね、職場で働いて、働く喜びが必要だ。これも簡単なようだけれど、むずかしい。これをつくること。それから第三番目は、人間はやっぱり創造の喜びがあるというんです。物をつくる喜び、これを伸ばすようにしなきゃいけないということが書いてありました。  私はそれを読んで、なるほどと思いました。いま日本流に申しますと量より質の生活、あるいは競争よりも連帯の生活、あるいは競争をやるにいたしましてもルールを守った競争、そういうことだと思うのです。しかし、これを具体的に言うとどういうことかということをおっしゃいますから、具体的に申しますと、私の知っているある人が、相当お金持ちのおとうさんを持っておられて、その関係で家が冷暖房完備なんです。ところが去年からことし、石油危機になりまして暖房装置ができなくなった。そこで電気ごたつに入って原稿を書いたそうです。そしたら、頭寒足熱ということがあって、頭がさえてたいへんよかったと、そう言っていました。だから冷暖房完備よりか、やっぱり電気ごたつぐらいのほうがいいぞと。そうしたらもう一人の人が、いや手あぶりというのがあって、手あぶりでこうやりながら善くというと活気が出ていいというようなことも言っていました。こういうのは一種の創造の喜びでしょう。  さて、そういうところはみんなおとなの話なんですが、私はやっぱりおとながちゃんとしないで、子供にしっかりしなさいと言うのは変だと思うのです。ですから、いまおとなの話をしました。子供のほうはどうするかというと、東大の江橋先生が最近書かれた論文を読みますと、日本人は体格はとてもよくなりました。身長、それから体重ですね。ところが、体力というのが案外だめだというんですよ。これはいろいろなこまかい統計を書いていらっしゃるのですが、統計によりますと、戦前より悪くなっている部分さえあるんです。符に背筋力がそうなんです。  そこで私は具体的に言うと、これは昔、嘉納治五郎先生とかあるいは安部磯雄先生のように熱心に体育、柔道、野球ですね、ああいうものをおやりになった方は、実は体育だけやるつもりでやっておられたのじゃなくて、あれは同時に徳育だと思ってやっていらしたんです。どういうわけか、そういうりっぱな指導者がいて戦前やれていましたのに、戦後、そういうスピリットを継いだ方も相当いるでしょうけれども、少しそういうものが弱まったと見るのが当然なんでしょう。そうしてカロリーが十分入って、体格だけは大きくなった。というのは、ちょっと人間の体育GNP主義みたいなところがあるんですね。ですから、体力がほんとうにできれば、幾らか背が低くて小さくてもいいんだと思います。そんなことをやりながら、ほんとうに健康な精神は健康な肉体に宿ると、これも管からの教えでございまして、具体的なことを申し上げるとうんと時間がかかりますから、以上のようなことを、創造の喜びということで国民のいろんな方々が考えながらやっていく。その原則は、初め申し上げたようなことではなかろうか。私もこういう気持ちで文政の問題に当たっていきたいと、こう思っております。

木島則夫民社党

○木島則夫君 そうすると、これからは冷暖房守備より、置きごたつの経済のほうがいいということですか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) それは人々の好みによりましょうけれども、私自身は冷暖房の家に住んでないので、あんまり必要を感じてないという、それはパーソナルなことで、私自身が全部冷暖房やめなさいということも、これは言えないのだろうと思います。

木島則夫民社党

○木島則夫君 そうすると、福田副総理に伺います、経企庁長官に伺いますけれど、要するに、経済成長率五%の日本のこれから安定した成長というものは、いま文相のおっしゃったようなお話に象徴されるような生活まで下がるのでしょうか、下がるというとおかしいですね、引き締められるのだろうか。具体的に、やっぱりこういう生活がほんとうのしあわせな生活なんだと、政治はそれを求めなければいけないんだという、福田さんはなかなか具体的にはおっしゃらないだろうと思うけれど、いま永井さんがはしなくもその一端をおっしゃった。その辺を福田さん、どういうふうにとらえていらっしゃるのでしょうか。

福田赳夫自由民主党経済企画庁長官・内閣総理大臣臨時代理

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、世界経済はこれから波乱含みの低成長時代に入ると言っておるのですが、しかし、これはやっぱり成長は成長なんです。ですから、決して世界の人々の生活水準が下がると、こういうわけじゃないんです。わが国においてもまた私は同様だと、こういうふうに思います。しかし、その低い成長、いままでのような毎年毎年あざやかに変わっていくような、そういうのじゃないけれども、静かな落ちつきのある経済成長というものがあるわけです。  しかし、それを背景にして一体、どういうわれわれの精神面を含めての安定した暮らし、これを実現するかということが問題なんだろうと、こういうふうに思うのでありますが、そういうことを考えますと、毎年毎年幾らか力は日本国としてつきます。そのついた力というものは、これを次のまた生産を伸ばすという、そういう方向へ投入するという考え方でなくて、われわれのそういう静かな安定した暮らしを実現させるための、生活環境でありますとか、あるいは福祉諸施設でありますとか、そういうほうへ投入する、こういうことになるだろうと、こういうふうに思います。  そういう国家の経済的なかじのとり方、それに対応いたしまして、いま文部大臣からお話がありましたが、心の問題、こういう問題があると思うのです。先ほどからあなたが力説されておる、物をもったいないと、こういうような国民の意識というものがたいへん薄れてしまった。私は非常にこれは残念なことだと思いますが、そういうものも復元しなけりゃならぬし、また、人のあわれみというような、あるいは人の不幸というものを見たら、やっぱりそれに対しまして、これは昔「親げない」というようなことばがありましたが、そういう感情も私は取り戻さなきゃならぬ。世の中は私は社会連帯だと思うんです。自分だけで生きていくわけにはいかない、お互いがあって初めて自分である、こういうふうに思いますが、同時にそれはお互い人間同士の関係ばかりでなくて、地球上の森羅万象全部がこれは大事な存在である。その森羅万象があって自分というものがやっぱり完成されていくんだと、そういうような情操というか、そういうものを静かな経済成長の中で取り戻すというか、再建していくというか、そういうこともまた非常に大事である、こういうふうに考えます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 これも永井さん、高度成長に無縁ではない問題ですけれど、人に勝つためにはどんな手段をとってもいいんだ、それが端的にあらわれているのが私は受験地獄であり、受験戦争だと思う。友人の勉強の時間をいわゆる短くするために、コーヒーの中に睡眠薬を入れてしまうという話はやたらに聞くところであります。あなたの教育改革の一つが、受験地獄をいかに解消するか、このテレビをごらんの家庭でも、いま一生懸命寒い中で勉強されているわけであります。この点について具体的に伺ってみたいのですけれど、どういう方策をお持ちでございますか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 学校教育が非常に受験体制化しておりますのは、これはいろいろな要因が重なっていると思います。まず学校以外の社会のほうにあるんです。社会のほうに学歴偏重ということがあります。ある職業によってはもちろん学歴が必要なんですが、学歴偏重というのと学歴が必要である職業があるというのは別問題だと思います。それから次には、大学の間に格差がございます。そういう問題があります。それから次には、非常に小中商のカリキュラムというものが、教科課程が過密になっています。こういう要因が全部重なっているわけなんですね。  そこで、私はこれをどうしてよくしていくかという場合には、この一つ一つを解きほぐすように努力していかなければいけないと思っております。そこで、こういうふうになってまいりましたのは、これはやっぱり長い年月の蓄積ですから、私はいまのように事柄を理解しておりますけれども、文部大臣になりましたからといって、それこそ急にそれを全部変えてしまうというわけにはいかない。一つ一つを解きほぐす努力をしていく、そのお約束はいたします。  そこで、その間、御家庭でも見ておられるからというお話がありました。そうでしょう。どうしたらいいかというと、変化の時期というのは、私は人間それぞれ二枚腰でなければいけないような気がするんです。つまり、ほんとうに先にいったらいい制度ができるでしょうが、といって、いまの学校の中に相当の競争がありますね、その場合に、人をだまして競争をする。これはいけないに違いありません。しかし、その競争がある。それはある程度やらなければいけない。そしてまた、おとなのほうが非常に努力をして、特に文部省など一生懸命やらなければいけないのですが、この制度を変える。子供たちも世の中をよくしていくことを考える。そういう二枚腰でやっぱりがんばって、私もやりますし、皆さんも少し根気よく私がやろうとしていることを見ていただきたい。そして協力していただきたい。私はできるだけのことはやりたい。そういう気持ちでおります。

木島則夫民社党

○木島則夫君 いろいろ申し上げたいことは山ほどあるのでありますけれど、時間も切迫をしております。  福祉対策について一言触れさせていただきたい。インフレの直撃を一番受けているのはやはりお年寄りの生活でございます。昨年までは、ぎりぎりの最低生活をしながらも、それでも月々ほんのわずかではあるけれど、たくわえができた方たちも、ことしに入ってからはそのたくわえをすべてはたいている。生活ができない。しかも、栄養不足のために病気になりがちであったり、また体じゅうがかゆくなるという症状も私はついこの間見てきた。老人ホームに入っているお年寄りが、施設に入っているだけでも自分たちはしあわせなんだと言う。こういうことばに政府は甘えていないだろうかということ。福祉の現場に働く人たちの善意に甘えていないか。  老人ホームのお年寄りは、世話をしてくれる寮母さんとか、ヘルパーの重労働ぶりに対しては、あなた方たいへんですね、病気にならないようにと、こういうふうな謙虚な気持ちで接しているわけであります。医療費は無料になったとはいいながら、お年寄りは、入院しなければならなくなったときの付添人への支払いであるとか、あるいは紙おむつ代、こういうものの用意ができず、特別養護老人ホームというものを強く望んでいるのです。何とかしてそういうものをつくってもらいたい。それができなければ、いいですか総理、安楽死の方法を考えてもらいたいということ、こういうこともはっきりおっしゃるわけです。  私は、ここで一問一答したくないですけれども、老人福祉年金にしてもそうだろうと思う。いま七千五百円、酒とたばこが上がってしまったら、もうすっ飛んじまうわけですよね。お孫さんにあめ玉一つ買ってやれない。そこで、十二兆にのぼる厚生、国民年金の積み立て金を、積み立て方式から賦課方式に変えて徐々にこれをくずしていく、老人福祉にも回すぐらいは、私はやろうと思えばやれないことはないと思うのです。厚生省は反対のようでありますけれど、私は、制度的公正さというワクの中でしかものが考えられないこの考え方を、総理は徹底的に改めていかなければいけないと思います。お年寄りについて言えば、明治、大正、昭和の激動の時期を戦争を乗り切って、戦後は廃墟の中からこの日本を建設をされた。そして子供さんを育てた。現在はその子供さんたちに見捨てられてしまってインフレの波をもろにかぶっているわけであります。だから、掛金を払っていない者に掛金を払っている者の年金を回すのは不公平だなどとは、私は大局的にものを見れば言えないと思う。それを不公平だと言うのは浅知恵であります。この辺も三木さんは取っ払う公約をされたはずでございます。  そこで私は、制度の根本的な改正というものをしていただかなければいけないのでありますけれど、緊急な課題といたしまして、厚生年金、そして国民年金の物価スライドの時期を繰り上げてもらいたいということ、いつごろこれは実施できるか。私どもは、少なくとも春までにこれを、実施してもらいたいということを希望するのです。いかがですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) いろいろ先生から老人福祉の話がございました。広範多岐にわたっての御質問でございましたが、まず、このスライドの時期については、できるだけ早めようと思いまして今日関係当局と折衝中であります。  それから年金、ことに福祉年金についてもっと増額してはどうかということでございますが、これにつきましては、根本的な問題を解決せざれば、いま世間で言われているように、生活をややささえるに足るだけの年金を支給せよというお答えには、私はなかなか困難であろうと思われますので、いまあなたがおっしゃったような賦課方式を含めて、年金の制度の財政方式というものを根本的に改定すべく鋭意努力をいたしておるところでありまして、その目標は、昭和五十一年度に年金再計算時を二年間繰り上げまして、その節にこういったような問題について決着をつけたいというふうに思っておるわけでありまして、現行の一般会計方式による老齢福祉年金等につきましてはできるだけのことをいたしますが、これはあくまでも腰だめに終わらざるを得ないということを申し上げたほうが私は正直なことになろうと思いますので、さよう申し上げておきます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 三木さんね、いかがですか。財政のたてまえ論からすれば、それは無理なことはわかっている。しかし、無理なことをあえてしなければならないいまは非常事態であるとあなたもおっしゃっている。そこをもう一回聞かしてください。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 福祉年金制度というのは、私は政調会長のときに創設をしたわけです。これは単なる敬老という意味から出たわけでもないわけで、徐々にやはりその年金の金額をふやしていきたい。何ぶんにも全部財政的支出でありますから、一万円をふやすということになると六千億ほどの財政資金が要るわけであります。いまは積み立てをしてないわけでありますから、だから賦課方式といいますか、こういうふうな方式もひとつ取り入れて、そして、それを足してもう少し福祉年金の給付率を高めたらどうかという声が非常に強くなってきておるわけなんです。こういう年金制度というものは、やっぱりいろいろと検討してみなければならぬ時期だと思いますが、いまここでどうするということは、これは年金というものは、全体の年金制度にもいろんなバランスの問題もございますし、そういうことで年金制度全般の一ぺん再検討の時期にきておると、そういうふうな感がいたすのでございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 時間がございませんので、以下、在職老齢年金の改善についても、当時福田大蔵大臣だったときに、わが党の議員がその改善方を強く要望をしております。調査をするとはっきりおっしゃっております。それから通算制が認められていない遺族、障害、この年金についてもほかの年金との通算制を認めるべきじゃないか。少なくともこういうことを緊急課題としてやらなきゃいけないということでありますが、どうですか。

田中正巳自由民主党厚生大臣

○国務大臣(田中正巳君) 在職老齢年金については収入段階に応じて、収入の低い人ほどよけいのパーセンテージ差し上げる仕組みになっておりますが、これはもともと五万円年金というものを基礎にいたしまして、それに合わせるように数字を合わせておるわけでありますが、五万円年金についてもいまスライド規定が働いておるものですから、これについては近く検討をいたしまして、何とかこの点については先生の御趣旨に近づけるように努力をいたしたいというふうに思っております。  それから、例の障害その他の通算問題でございますが、これについてはいろいろとむずかしい問題が実はほんとうはあるのであります。たとえば、資格期間等が各種の年金や共済でみな違うのでありまして、なかなかめんどうでございますが、しかし、これについても御要請は私ごもっともだと思いますので、近い機会にこれについても作業を進めまして、これらの問題が通算できるように取り計らいたいというふうに思っております。

木島則夫民社党

○木島則夫君 以上、三木さん、本日の質疑を通じて提案しましたことは、あしたですか、あさってですか、行なわれる党首会談を通じて、より体系的に、またより具体的に申し上げますので、ぜひ明年度の予算案なり通常国会の法改正に反映をしていただきたいと思うのであります。  要は、私はもう実行だと思います。あとがないのであります。たとえば交通遺児の年末のもち代ですね、わが党の春日委員長が、あなたが首班指名をお受けになったその日に、食べるものも切り詰めてやりくりをしている、インフレの直撃を受けているこの交通遺児には、何としても越年資金、もち代は出してくださいよというふうに申し上げているわけであります。このことは、あなたをはじめ厚生大臣、それから総務長官、官房長官にも申し上げておりますけれど、何もいま実行されていないようでございますけれど、これは一体どうなっているのか。きっとテレビの前で首を長くして政府の前向きの答弁を期待をされていると私は思う。ひとつどうですか、さっき上田委員が盛んにクリスマス、クリスマスと言われていた。私も別にクリスマスは繰り返したくありませんけれど、それがほんとうのあたたかい政治ではないだろうかということ。できることを一つでもいい、そうじゃないと総論に終わる危険性がございます。それを各論において、実行をするという、この実を三木さん見せていただきたい。交通遺児の問題、やっていただけますね。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 交通事故で父親を失った気の毒な母子家庭、私も身内にそういうのがおりますが、ことに長い間私は運輸関係の仕事をやっておりましたので、心情的には一そう気の毒に思います。しかし、考えてみますというと、どんな原因で父親をなくしようとも、そのさびしさを味わう未亡人、またそれを悲しむ子供の気持ちはみな同じでございます。そこで、交通事故によって遺児になった人だけを特別に扱うという問題は、社会的な公正というふうな観点からも多少問題があろうかと思うわけでございます。しかし、交通戦争ということばまでありますほどに、特にこの交通事故に対する遺児等の救済については、社会責任的な立場に立って政府もある程度別の厚い手を伸べなきやいかぬということもあるわけでございまして、それらの点につきましては、十数年前から自動車損害賠償強制保険というのがございまして、加害者の経済的負担がなくて、被害者が非常に気の毒なときには国がある程度めんどうを見る。また、昨年からは自動車事故センターというのができまして、交通事故のみに原因する遺児の教育費あるいは育英費の一部を、貸し付けという形でございますが、やっておるという点で、他の母子家庭、遺児の救済とは若干プラスアルファの方法を講じておるわけでございます。  そこで、年末の一時金の問題でございますが、これらは、やはり現在やっております、生活保護世帯に年末の一時金がおりることになっておりますし、あるいは他の社会保障制度の中に包括して、交通遺児の方に対する、母子家庭に対する一時金の問題もその中であわせてやっていただかなければ、ちょっと、他の原因でなくなられた方に原因の種別をつけてやるということについては、若干いろいろ問題があると思いますので、まことに私は心情的には非常に気の毒に思いますけれども、そういうことでひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 委員長、あと十五秒ください。  心情的にわかるということは、前進しないということです、三木さん。私は何も交通遺児だけ特別に扱っているのじゃない。そのことを手がけることによって次々に私は前向きな具体的な施策ができていくという、その第一歩になさいと申し上げているわけであります。そして私が一番言いたいことは、高度成長の人柱なんだ、こういう人は。そのことをあなた方はよくわきまえてもらわなきゃだめですよ。一体何言ってる。清潔な政治、偽りのない政治、不公平でない政治、こういうことを言っているじゃないですか。それをほんとうにおやりになるならば、この際、私は従来の慣習とかワクとか、そういうものを離れたところで三木さんが勇断をするそのこと、それが交通遺児の問題にたまたまつながるという、そのことです。私は特別に分け隔てをして交通遺児の問題だけをやれと言っているのじゃない。三木さんから直接お答えをいただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 交通遺児の人たちには、育英資金などに対しては増額をして、いままではそういう方面で増額をしてきておるわけでございます。これが、いま木島さんは何か年末にこの交通遺児にもち代ですか、出したらどうだということでありますが、この点について、いまここで約束せよと、こう言われましても、この点は予算を伴うものですから、いま非常に熱心なお話があったことは私も頭によくとめておきますけれども一、ノー、イエスをこの席で言えということは、少しやはり全体の予算編成の中で考えてみる問題だと考えております。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして、木島則夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 市川房枝君。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 総理、お疲れでしょうが、私の時間は十分でございますから、もう少しごしんぼうを願いたいと思っております。  私は、最初に総理の政治姿勢について幾つか伺いたいと思います。  三木総理の意見あるいは御熱意には前から敬意を表しておりましたが、この党役員あるいは閣僚の御選任あるいは国会でのいままでの論議、あるいは自民党の動きなんかを拝見しておりますと、総理の主張が少し弱くなっておいでになったような感じを受けるのでございます。これで、はたして国民の期待にこたえていただけるかどうか、少少心配になってまいりました。まあ金脈、人脈後の自民党もあんまりお変わりになっていないように思うのですが、これでは国民の自民党への不信、あるいは政治不信というものは解消しないのじゃないかということを心配します。  そこでこの際、この状態を打破するために総理に特に御期待したいのは、自民党の体質改善の第一歩として、総理御自身の三木派の派閥を解消し、派閥に対しての財界からの献金を御辞退なさる御決意はございませんか、伺います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 派閥の問題というのは、池田内閣当時も私は派閥解消の答申をしたこともございます。これは自民党が改革をせなければならぬ問題点の一つだと思いますが、いま、自民党の総裁として全体の派閥問題というものに真剣に取り組んでおる。派閥をつくるような原因をなくさないと、現象面だけで派閥がなくなったといっても、これが実質に残ることでは意味がないわけであります。そういうこともひっくるめて、この問題は真剣に私は取り組んでいかなきゃならぬ問題点だと考えております。  また、企業献金というのは、先ほどからお答えしておりますように、できれば党費と個人の献金だけでまかなえるような政党になることが理想だと思います。しかし、そこまでいくまでの間には多少の経過的な年限も要りますので、やはり、いますぐに企業献金というものを全部断わってしまえというのは現実の問題として無理がある。企業献金が悪いということではない。企業もやはり自由社会の健全な発展のために貢献をするということは、企業側としても当然にお考えになることだと思いますが、その献金からくる財界との政治の癒着ですね、そういう疑惑を国民に与えるような、そういうことに対して、その国民の疑惑が解けるような形の政治献金、企業献金というものにしていかなければ、やはり企業献金というものは、過渡的にそういう時代があるにしても、公明正大なものにして、それによって政治がゆがめられていってはいないんだという国民の納得のいくような方法をとらなければ、国民の政治に対する信頼というものは取り戻せない。そういう点で政治資金規正法の改正も考えてまいりたいと考えておる次第でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 政治献金の問題、またあとでちょっと触れようと思いますが、次に伺いたいことは、あなたの総裁の任期は七月まででなくて、三年ありますね。総裁選挙の新しいルールをつくって来年七月改選するようなことをおっしゃったことがありますが、それが私は、各自民党の中の派閥の方々があなたに、私どもから見ればほんとうに協力を心からしておいでになるのではなくて、この次の総裁にやっぱり立候補しようというようなお気持ちがあるのではないのかと、こう国民には映るわけなんです。新しいルールができましたら、それは次の総裁の任期が終わったときからするのが普通でありますので、私は、むしろ三木総理が三年間の任期をやるんだということでがんばっていただきたいと、そういうふうに思うのですが、いかがですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 任期はむろん三年でございますけれども、やはり、自民党の総裁の話し合いの席上で公選をやれという議論もあったんですよ。公選をやるとすると、いまの総裁選挙の規定というものはいろんな弊害があるから、だからひとつ総裁公選の規定をこの際思い切って変えて、もし公選をやるという場合にはその新しい総裁公選の規定によってやるべきではないか、いまのままの総裁公選の規定は非常に弊害があり過ぎる。だからそのときに――私はまだそのときには総裁にきまっておるわけではないが、そのときに洗礼を受けてもいいじゃないかと、その改正ができたときに。任期一ぱいこなくても洗礼を受けてもいいんじゃないか、また洗礼を受けてもやはり確信の持てるような人を推薦をすればいいじゃないか、こう私は発言をしたことがございます。だから、私自信が発言をしたことでございますから、そういうことになればそれでいいと思っておるのでありますが、党自体がこれはいろいろ検討される、まだ総裁公選規程もこれから取り組むわけですから。そういういきさつがあったわけでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 次は田中さんの金脈問題について。  先ほどからいろいろ御意見が出ておりましたが、政府なり国会なりでの田中さんの調査が何だかうやむやになるような印象を受けて、国民はそれを非常に不満に思っております。総理のこの問題についての御発言もだんだんございましたけれども、何だか田中さんをかばっておいでになるみたいな印象を受けるのですけれども、何らかの方法でこれは国民の満足するようにひとつしていただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私が申しておるのは、この問題、いわゆる世間にいわれる金脈問題というのは、一番事情をお知りになっておるのは田中さん自身ですから、そして自分の名誉のためにも、これはできるだけ早く詳細に国民の前にこの全貌を明らかにして理解を求めたいと言われておるのですから、私も田中さん自身がこの問題に対して国民の前に答えられるような機会が一日も早く来たらいいなあと考えておるわけです。これは一番大切なことです。もしまた国会でいろいろ調査を国会の機能としておやりになるということであれば、政府としてできるだけの協力を申し上げるということを言っておるわけであります。  また、税法上の問題については、大蔵大臣もおとといですか、答弁しておりましたように、税務当局でいろいろお調べにもなっておるようですし、また違法なことがあれば、これは法律に照らして適当な処置をとられることは当然である。法の前に、田中さんだからといって特別な待遇を受けるわけはないのですけれども、そういう意味で、まあ田中さん自身のためにも、自民党の名誉のためにも、できるだけこの問題が国民の前に明らかになって、そしてこういう問題がいつまでも国会で議論をされること、それに対してもピリオドが打てることを願っておるわけですよ、私もね。また、このことから自民党自身として党の体質改善に反省をしなければならぬ面も関連して出てくるわけでございますが、それは自民党の総裁として、当然にそういうことも教訓として自民党の体質改善も行なわなければならぬと反省をいたしておる次第でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 あなたが私財を公表すると宣言されたことは、国民からたいへん歓迎されております。いつ御発表になりましょうか。それから、閣僚の方々は矢追さんの質問に対して、皆さんは総理に続く方がなさそうだったのですが、そうなると、三木内閣では総理だけはきれいだけれども、ほかの方々はどうもきれいじゃないというような印象を国民が持つと私はたいへん残念だと思うのですが、財産の公表といいますと、それはなかなかめんどうかもしれませんけれども、三月の十五日までに税務署へ確定申告を皆さんお出しになるわけです。それで、それの写しをお出しになればわりあいに簡単で、これは控えがちゃんとおありになる。これを私は前から発表しているんですけれども、これは閣僚の方あるいは議員の皆さま方にもそれをやっていただくようにすれば、国民はたいへん安心をすると思いますが、いかがでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 財産の公開というものは、まだ制度としては熟していない。諸外国ともそうでありますから。したがって、今回私がいたそうというのも、まあ総理としての姿勢という意味からいたすのでございまして、これを一つの制度論という中で考えておるわけではない。これにはやはりよほど研究しなければならぬ問題がたくさんあると思いますので、今回の場合は閣僚の人たちに全部このことを、制度として熟してないのに全部三木内閣の閣僚財産公開ということには無理があるので、だから私だけが今回の場合は公開をしようということでございます。先般も週刊誌に公開をしろと言われて、しまして、これを今度いろいろもっと詳細に調べて、これは年内に報告をしたいと思っております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 制度としてじゃなくて、自主的なあれでいいと思うんですよ。  それから次に、自民党の政治資金と、それから政治資金規正法の改正についてちょっと伺いたいと思うのですが、総理は自民党の総裁として――四十八年の自民党の選挙及び政治活動費は百八十六億円で、その九六%は財界から献金されている。それから四十九年の上期のを見ますと、だいぶふえて百四十七億円ですが、その九七%はやっぱり財界から来ているんですよ。だから、まるでまるがかえといいますか、自民党はほとんど財界の金で運営されている。一体そんな政党がほかにありましょうか。  まあそういうことからの反省ですか、自民党としては、この間、中曾根幹事長と財界とでお話しになって、党の財政は三本立てでいく、三分の一は党費、三分の一は立法調査費の増額、三分の一は財界からということをおきめになったようなんですけれども、やっぱり財界からもらうのが入っているということは私としては非常に不満なんですが、この中の立法調査費の増額というのは、いま十三万円ですけれども、何でもうわさで月百五十万円という話が出ておりまして、勘定するとちょうどそのぐらいになるんですが、これには私は反対だし、国民も私は賛成をしないと思いますけれども、結局これは税金ですからね。だから、その辺はどういうふうにお考えになっているんでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 立法調査費はまだ固まっていないようです。そういう声があるんですね、やはり議員の立法調査費というものは、それが党にくれば政策の調査研究ということになるわけだから、政党の中で一番大事な仕事に関連を持つのだから、立法調査費というのはもう少しふやしてもいいじゃないかという意見があるわけです。しかしいま今日の段階では、これを幾らにふやすかというような点についてまだ結論には達していないようですけれども、そういう声がある。これはふやすにしても一番必要な経費ではないかという声があるということでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 政治資金規正法の改正は二月に出すとおっしゃっておりますが、その内容についていろいろ問題がありますが、それは省きまして、政治家の個人の政治資金の収入と税金について、総理あるいは大蔵大臣、長官にちょっと伺いたいと思うのです。  いまの政党なり政治団体のは、一応政治資金規正法で届け出があってその報告があるわけですから、表金だけは一応わかるのですけれども、政治家個人に対する政治資金というものは、これはわからない。しかも、わからないのは相当の額のようでありますが、そうしてそれに対する課税はほとんどされていないという実情ですね。だから、そっちのほうをそのままほうっておいてそれでいいのでしょうか。総理はどうお考えになりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) もし、その金が政治活動でなしに、個人の生活に消費されておるならば当然課税の対象になるものだと、税務当局においてもそういう点では十分に検討をされておると思います。当然に課税の対象になる。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 時間がだんだんなくなりますので予定したことが伺えないのですが、国税庁長官、おいでになっておりますね。  国税庁は、毎年二月に全体の議員に対して政治資金にかかる雑所得の計算というのを書いたものをお配りになっておりますけれども、これは私に言わせると、政治資金をもらうことをすすめるような書類なんだと、こう考えます。政治活動に使って残りがあったら課税する。いま課税と総理はおっしゃいましたけれども、残りがなければ届け出なくていい、こういうような現在の状態ですけれども、これは私はおかしい。少なくとも収支の計算ぐらいは出してもらったらいいのではないかと思います。そうしてなお政治資金を全くもらっていない議員も、税金を払っている歳費から政治活動費用を出しているわけですから、その間に非常な不公平があるということも言えるわけでございます。  国税庁は、いままで政治家の収入については各税務署にまかしていたけれども、今度は国税庁が直接にするんだということをこの間、参議院の法務委員会でお答えになっておりますけれども、そうですか。それから、その理由をちょっと国税庁長官から伺いたい。

安川七郎国税庁長官

○政府委員(安川七郎君) お答えいたします。  国税庁が毎年国会議員の方に対しまして申告の手引きを作成いたします。これは、国会議員の方でございますから、税に関係いたしましても適切な処理がなされるように、そういう趣旨で特に編集をいたしておるわけでございます。まあ技術的に書いておりますのであるいは御指摘のような印象を一部に受ける場合もあるかと存じますけれども、この文章につきましては、なおよく念査をいたしまして、適切でないところがございましたならばさらに改良を加えてまいりたいと思います。  それから国会議員の方に対します調査でございますけれども、これは昭和四十四年から、現在税務署あるいは国税局で主として分担をいたしております。そこで、最近いろいろ御指摘の問題が出てまいりましたので、やはりこの態勢をもう若干整える必要がある、かように考えております。そこで、いろいろ税務署あるいは国税局で調査をいたしました際に、法律の適用の問題、あるいは非常にむずかしい問題というようなことがございましたならば、これは今後は国税庁がすみやかに取り上げましてその点の処理に誤りなきを期したいと、かように考えておりますが、これは相当の方になりますので、これを全部国税庁が自身で調査する、こういうふうにはまいらないと思います。しかし、従来よりは国税庁がよく税務署あるいは国税局の監督に十分注意をいたしまして、むずかしいケースがございましたならば国税庁がこれを取り上げる、かようにして充実をはかっていきたいと考えております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 総理に伺います。  総理は、選挙で金がかからないようにしなけりゃいけない、そのためには選挙粛正といいますか、公明選挙といいますか、それに関する法案を臨時国会に出したいと、これは総裁就任直後におっしゃいましたことばですが、その点はどうなっておりましょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 臨時国会というふうには申したのではないわけです。通常国会で問題として取り上げるような検討を始めたいということであります。それは、こんなに金がかかっては――市川さんは金をお使いにならずに当選されたわけですけれども、ほかの方々はそうはいかないと思うのです、今日の選挙界の状態は。これをこのままに放置しておけば、民主政治というものはこういう面からくずれてくる可能性すら心配されるわけでありますから、選挙にもっと金がかからないようにして、金づくりの能力のある人でなければ選挙に出られないということは、これは民主主義の基本をくずすわけでありますから、そういう点でもう少し公営を拡大することも考えられるでしょう。それからまた、候補者自身がもっとやはり自粛せねばならぬ面もあるし、また法律的な規制も、必要ならもっと強い法律的規制も必要でございましょうし、そういうこともあわせてひとつ党のほうで真剣に検討してみたい。私自身の案も持っておるわけで、党のほうで検討してもらいたいと考えておるわけでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 総理に伺いたいのは、実は同僚の議員でいらっしゃるのですけれども、糸山さんがたくさんの金を使い、選挙違反をずいぶんお出しになったということについて、まだ判決はありませんけれども、道義的責任で辞任をしてもらいたいということを民間の団体がしきりにいま要求しているのですけれども、それは糸山さん御自身の良識にまつ以外にはないのですが、糸山さんを公認し、推薦し、応援をなすった自民党には一体責任はないのか。これは前にも例がありまして、小林草さんという方は離党をされたわけです。ですから、総理はそのことについては一言もおっしゃっておりませんけれども、私はやっぱり自民党としてしていただかないと、国民はその点で満足しないと思います。いかがでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 選挙違反の事件はやっぱり判決というものを必要といたすでありましょう、法律的な責任は。その間に、道義的責任というものは個人個人の問題でもあるわけで、もしそれが選挙法違反等の事案に属すれば、これはもう当然に法のさばきを受けるわけでありますし、また自民党としても当然に考えなければなりませんが、道義的責任という段階においては、個々の判断というものも尊重しなければならぬと考えております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 最後に、婦人の問題に、ついてちょっと総理に伺います。  ことしの三月の二十九日に、内閣で調査しました――婦人の諸問題に関する調査会というのがこの調査を実はいたしまして、そしてこれは佐藤総理のときにきめたことですが、田中総理に報告を出したわけでございます。この中に、婦人の最も新しい調査、それからその婦人の実態に対して行政としてどういう対策を立てたらいいのかというようなことが提言として出ております。田中総理からお引き継ぎがなかったかもしれませんけれども、これはひとつ内閣で適当な委員会でもつくって、そしてそれを実現するために検討していただくような委員会をつくっていただいたらいいと思います。  それから、ちょうど来年、昭和五十年は国際連合できめました国際婦人年というのでございますし、それから婦人参政権もちょうど三十年になるわけでございます。その機会でありますので、総理の婦人に対しての考え方をちょっとおっしゃっていただいて、私の質問を終わりたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 市川さんの御指摘になりました、婦人に対しての調査を行なったその結果は、本年の二月に報告書が提出をされたわけであります。この報告書は、結婚・家族・家庭、職業、市民活動、レジャー、四部に分かれておって、それぞれに提言がなされておるわけであります。この報告書の内容については、四月二日の閣議に報告をされて、現在関係各省庁からなる連絡会議を設けて内容を具体的に検討しており、それを各省の施策の中に生かしていきたいということでございまして、ただ報告がなされたものをそのままに放置しておるということではないわけでございます。  何ぶんにも、婦人に関する問題というものは非常に広範多岐にわたっておりまして、複雑な問題もありますので、今後政府の施策を適切なものにするため、民間の有識者をさらに参集を求めて、調査の結果を中心にして、いろいろ幅広く御意見をいただくこともしておりまして、その結果を今後、ただ一片の報告書の提出を願ったというわけではなくして、政府の施策の中に生かしていきたいと考えておるわけでございます。  来年は、国連においても婦人の年というものが初めて制定をされて、婦人の問題というものは、憲法上には対等な地位ということが保障されておりますが、いろいろ職場などにも問題があって、閣議でも先般問題になったわけですが、やはり婦人の職場において、たとえば公務員の場合でも、なかなかやはり婦人が公務員試験を受かっておっても、あるきめられた部署だけには婦人の方々が進出をしておりますが、それ以外のところにはあまり、試験を受かってもそういうところで働くような機会というものが少ないというような声も聞きまして、今後はできるだけ-諸外国においても御婦人の活動というものは、われわれが見ても非常に活発な活動をされておるわけですから、日本においても、できる限りそういう機会を婦人の方々にも提供して、何としても人口の半分以上は御婦人ですから、そういう人たちがやはりそれぞれの分野で活動をしていただけるような機会を、政府は政府の場で今後できるだけ提供していくように心がけてまいりたいと考えておる次第でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 ありがとうございました。またあらためてそのこまかいことをお願いしますけれども、どうもありがとうございました。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして、市川房枝君の質疑は終了いたしました。  質疑通告者の発言は全部終了いたしました。これにて補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) これより補正予算三案の討論に入ります。  順次発言を許します。発言者は賛否を明らかにしてお述べを願います。宮之原貞光君。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、日本社会党を代表いたしまして、昭和四十九年度補正予算関係三法案に対して反対の意見を表明いたします。  反対理由の第一は、本予算三案は矛盾を深める一方の超大型予算案で、国民の期待にこたえるものでないということです。  総理は、高度成長に訣別をした安定成長路線に立って財政支出を切り詰めるという方針を明らかにされておるのでありますが、木三案はこれとは逆の水ぶくれ予算案であります。当初予算を含めますと、予算総額は実に十九兆一千九百八十一億円という大型で、対前年比で二五・七%増で、これは四十七年度の一五・五%、四十八年度の二六・〇%増と何ら変わらない総需要抑制とは名ばかりのマンモス予算です。私も、本補正予算三案が田中内閣崩壊に伴う政変劇の落とし子で、言うならば前政権のお仕着せ予算であることは理解をいたしておるものの、総理発言とはあまりにも大きな隔たりがあると指摘をせざるを得ません。あるいはまた、本三案は人勧に基づくところの人件費増が中心で、言うならばインフレあと始末予算で、いわゆる三木色が出るのは来年度の予算だとの弁明もあるかもしれません。しかしながら、どう抗弁しようとも、本補正予算三案は、新たな需要を誘発をし、物価を押し上げるところの役割りを果たすものであることは間違いないと見ています。これでは物価安定最優先を期待をしている国民の願いを裏切るものと言わなければなりません。  当初予算審議の際、わが党の同僚議員が指摘をいたしました、公共事業関係費の伸びはゼロであるといっても、前年度の八%の繰り延べや財投の三四・八%増を考慮に入れると、政府の総需要抑制政策はごまかしだと言ったことがありますが、そのことは、四月以降の公共投資を中心にしたところの財政支出の急増を見れば実証できるのであります。現に、四月から九月に至りますところの財政資金対民間収支の実績は、政府の財政政策はむしろ引き締め緩和の要因となっていることさえ示しておるのであります。このような現実に何ら反省を加えることなく、本三案にさらに多額の公共事業関係費を計上しているというこのことは、財政面でも、総需要抑制よりも不況対策にウエートを置いた景気刺激策をとっておると見ていいのではないでしょうか。金融政策は、この点はよりはっきりいたしました。政府、日銀は、表向き総需要抑制の堅持をうたいながらも、その実、秋ごろから日を追って微調整とか手直しの措置を強め、十二月に入って選別融資規制の解除、外資取り入れ規制の緩和等の処置をとって、引き締めの緩和に拍車をかけていることは周知のとおりであります。  このように、政府の総需要抑制策は、すでに財政、金融の両面からなしくずしにくずれ始めておって、本三案はこのことに一そうのはずみを加えておると言ってもいいのであります。確かに不況対策、特に中小企業対策を早急に確立するということは、今日的な緊急課題です。したがいまして、この不況対策と物価対策とには、財政、金融をどう組み合わせて調和をはかるかということは、確かにきわめて重要であります。しかし、それには今日の抑制政策の質的な再編成が私は絶対に不可欠だと思うのであります。たとえば独禁法の抜本的改革によるところの管理価格に大胆なメスを入れるとか、税制の所得分配の大変革をはかるとか、列島改造論の破棄をするという等の思い切った施策なしには、この両立は私は困難だと思うのであります。この点、残念ながら政府の態度は、いままでの質疑の中にも終始態度をあいまいにされておりますし、予算案からはこの点はうかがうべくもありません。  第二の理由は、このような抑制策のなしくずし緩和をはかりながら、国民に対しては総需要抑制の堅持を喧伝をし、その目をあざむきながら、物価騰貴の責めを労働者の賃上げに押しつけようとするところのこの態度であります。賃上げこそは物価高騰の最大の元凶という一大キャンペーンを張って、みずからの政策の失敗を労働者に転嫁しようとするところの魂胆は、断じて許すわけにはまいらないのであります。  政府は、本年度経済見通しの改定試算の中で、消費者物価は最終的に二二%程度、卸売り物価は二五%程度と言いながら、消費者物価を三月末には一五%前後に押えたいと述べております。しかし一方では、先ほど来指摘をしてまいりましたように、補正予算三案は、なしくずしの緩和予算を組み、また、一連の公共料金の凍結の約束を拒んでおいて、一体、三月末に一五%にこれを押えることができるでしょうか。ノーと言いたいのであります。まさに、いまのような状態において、三月末に一五%に押える云々というのは、木に登って魚を求めるところのたぐいだと申し上げても私は決して言い過ぎでないと思うのであります。その上、例の二兆円減税は、文字どおり金持ち減税で、インフレ南進によって名目所得の上がった労働者には増税になっておるのであります。その上に労働者は、いま、この増税と物価高というダブルパンチを受けておるのであります。それでいて春闘一五%説を喧伝をし、資本に働きかけているというこのやり方は、労働君に一方的な犠牲をしいるものと言っても言い過ぎではございません。  第三の理由は、本予算案は、依然として地方自治を無視したところの中央集権型の予算案であるということであります。  論争点になっておりますところの地方交付税の政府の保留分はそのままにしておいて、交付金の追加と、前年度剰余金の先払いの七千八百四十三億円と、超過負担解消の三百二十八億円を計上いたしておるのでありますけれども、地方財政の現状を直視をいたしましたときに、これでは全く不十分であり、一体政府は、地方自治の本質というものを無視しておるのではないかと書いたくなります。市町村段階では文教、社会福祉関係が、県段階では住宅関係に超過負担が集中をしておりまして、各自治体はその処理に非常に困窮をいたしておるのにもかかわらず、政府はいろいろの口実を設けてこれを放置しておるばかりか、地方自治体の固有財源であるところの地方交付税のピンはねさえをもしておるというのは許されません。このような事態は、国が少ない予算で、できるだけ地方自治体に仕事を受け持たそうとする、いわゆる補助金の薄まき政策に起因をするものだと私は見ておるのであります。それだけに政府は、国が果たすべきところの最低の行政水準、すなわちナショナルミニマムは何か、そうして地方自治体のなすべきシビルミニマムは何かということを明確にし、その調整を明確にすべきであると思うのであります。そうしてまた、税源配分率を変更をして、地方財政の大幅な充実をはかるべきだと考えるものであります。  第四の理由は、本補正予算三案は、物価問題とともに緊急の政治課題であるところの社会的不公正の是正の施策がきわめて不十分であるということでございます。  確かに本三案にも、医療費値上げに伴う当然増や、実施期日の繰り上げ等に伴うところの年金改善費等が計上はされていますが、これらは言うならば大部分は事後処理のものばかりで、総理みずからも強調された、物価高で最も深刻な影響を受けておるところの生活保護世帯、老人、心身障害者、母子世帯の救済にはほど遠い予算案であります。それだけに、これらの人々に対するところの対応策を緊急に樹立をするということが、今日要求をされておるのでございます。  さきに衆議院で、わが党が公明党とともに、生活保護費と失対賃金の五〇%の引き上げ、老齢福祉年金の月額二万円への引き上げ、交通遺児、母子世帯への年末一時金の支給等を内容としたところのインフレ救済対策費として、三千九百六十億円の増額を織り込んだ予算組みかえの動議を提出したところの理由もここにあることを付言申し上げまして、討論を終わるものであります。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 岩動道行君。

岩動道行自由民主党

○岩動道行君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十九年度補正予算三案について賛成の討論をいたします。  政府はさきに四十九年度予算の編成にあたって、経済政策の目標を物価の安定を最重点に置いて、財政、金融両面にわたるきびしい総需要抑制政策を講じてきたのであります。  わが国経済は、昨年秋の石油危機を契機として、国際的要因も大きな原因となり、戦後の混乱期を除いてはこれまでに例を見ない物価の高騰と社会不安を招いたのでありますが、長期にわたる総需要抑制と金融引き締めの政策の効果がようやく浸透し、今春以来物価の騰勢は落ちつきを取り戻し、卸売り物価、消費者物価とも鎮静化の傾向をたどるに至りました。しかし、インフレ心理はなお根強く、賃金、物価を押し上げる要因は依然として強く働いておりまするから、政府は、当分インフレ克服を基調とした財政、金融、物価対策等、強力な総合的経済政策を推進すべきものと思います。  今回の補正予算は、このような困難な経済事情を背景にして、公務員給与の改善、米価引き上げに伴う食管会計への繰り入れ、地方交付税交付金の追加などを行なうものであります。  以下、一般会計歳出の主要項目について述べてみたいと思います。  第一は、公務員給与の改善であります。去る七月、人事院は、国家公務員の給与を二九・六四%という、これまでにない大幅な引き上げの勧告を行ないました。この勧告に基づいて、実施期日を四月にさかのぼり完全実施しようとするもので、七千二百十一億円を計上しております。人事院は、昨年の公務員給与引き上げ以後の異常な物価上昇と、民間産業における三二%の大幅の賃上げが実現したことからの配慮もあって、七月を待たず、五月に異例の臨時勧告をされ、すでに国会の議決に基づいて七月勧告の一九・六四%から暫定分として一〇%の支給がなされているのであります。物価高騰がもたらした異例の措置でありますが、時宜を得たものと考えるのであります。公務員諸君におかれても、これら巨額な給与はすべて国民の負担でまかなわれていることや、全体の奉仕者であることを自覚し、国民サイドの観点に立った行政を心がけ、サービスの改善に一そうの努力をされることを強く望むものであります。  第二は、地方交付税交付金の追加払いについてであります。今回の地方交付税交付金の総額は七千八百四十三億円で、この内訳は、補正予算において所得税及び法人税の増収を歳入に計上したことに伴う追加額五千百五十二億円と、四十八年度の地方交付税に相当する金額のうち未繰り入れ額三千六百九十一億円となっております。特に、四十八年度分の精算は、従来翌々年度に行なわれるのが普通でありますが、政府が、今回のように翌年度の補正予算に計上、繰り上げて交付を決定したのは、地方自治体が年末にかけ深刻な資金難にあることを考慮した異例の措置であります。  ここで一言申し述べておきたいことは、近年、地方自治体の財政資金を圧迫している原因の多くは、国家公務員の給与を平均一〇%も上回る地方公務員給与水準にあると自治省の実態調査で明らかにされておりますが、このような傾向がさらに進めば、住民サービスへ回るべき財源に不足を生じ、自治体の行財政の健全さが失われ、地方自治の危機にもつながることをおそれるものであります。政府は、真剣かつ本格的に本問題に取り組み、健全な地方自治の姿を確立していかれることを強く要望するものであります。  第三は、生産者米価の引き上げに伴う食管会計への繰り入れについてであります。食糧の安定供給は、国民生活安定のための緊急課題となっております。しかし、最近の賃金、生産資材価格の高騰は、わが国農業生産にとって重大な影響を与えております。また一つには、これまでの米の過剰生産を背景にとられた農業政策にも問題があり、この結果、米作の将来に対する不安をつのらせる一方、米作農家の生産意欲を著しく減退させたのであります。今回の生産者米価は、昨年来の物価の高騰と大幅な賃上げを背景として、生産者米価が三七・四%引き上げられたことにより、食管特別会計の経理運営の改善をはかるため、一般会計から食管特別会計に三千七十六億円を繰り入れるものであります。今日、世界的な食糧危機が唱えられている中で、わが国においても食糧自給の見直しが行なわれ、いまや自給度の向上が国民の合意となっております。これまでの高度経済成長の中で魅力を失いかけている農業に農民の生産意欲を回復させ、農業所得の向上をはかられたものとして、適切、妥当な措置と考えるわけであります。  第四は、インフレと物価高の中で、特にその影響を受けやすい社会的に恵まれない人々に対しての措置であります。  その一は、生活保護基準の引き上げであります。年度当初二〇%の引き上げが行なわれましたが、最近における物価上昇等に対処して、さらに二度の引き上げを行なっております。また、厚生年金、国民年金や老人福祉年金についても引き上げ期日を繰り上げる等、社会的不公正の是正にきめこまかな配慮を加えたことは適切な措置であったと考えます。  公務員給与の引き上げに伴う人件費、物価上昇に伴う資材費などの過去の上昇分を精算するものがほとんどでありまして、景気を刺激的にいたし、需要を喚起するおそれはないと考えるのであります。  いまこそ国民があらゆる面でがまんをし、節約をし、むだを省く政治、行政を行ない、国民もまた認識を新たにしなければならない重大な時代に入ったのであります。政府はこの基本的認識のもとに、本補正予算案の審議の経緯を踏まえて、来年度本予算に取り組んでいくべきであります。  以上、今回の補正予算は、現在の経済状況下においてその内容、金額ともに法令、制度上緊急を要する最小限度の措置であり、かつ適切なものであると思うのであります。  最後に、新内閣に対する全国民の期待は、この困難な経済環境のもとで、清新で信頼できる政治の実現と、国際協調のもと、物価、インフレを克服し、かってない危機を乗り切り、経済の安定をはかることにあろうと存じます。何とぞ、深くそして広い層にまたがる国民の政治への不信を回復し、国民生活を一日も早く安定されんことを強く国民とともに願って、私の賛成討論を終わります。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十九年度補正予算三案に反対の討論を行なうものであります。  日本の政治史で、総理の金脈とモラルが世論の総攻撃を受けて瓦解したことは、田中内閣が初めてであります。政治不信を招いた金脈問題の真相を明らかにすることは、後継内閣の国民に対する責任であったはずです。しかし、今国会ではついに明らかにされませんでした。また、本予算委員会の答弁においても明らかになったように、依然として三木内閣は歴代自民党内閣の域を脱することができず、政治姿勢の転換、経済の転換に対する目六体策はついに提示されなかったのであります。ここで私は、三木内閣の政治姿勢は、評論政治、総論あって各論なしであると断ぜざるを得ないのであります。総理の猛省と公約の実行を初めに強く要望するものであります。  次に、補正予算に直接関連する反対理由を申し上げます。  第一の理由は、インフレで苦しんでいる社会的、経済的に弱い立場の人々が放置されていることであります。  老齢福祉年金の受給者は、このインフレ下に一カ月七千五百円の年金額しか与えられず、生活保護者は月一万六千三百円、母子、準母子の福祉年金は月わずか九千八百円、失対賃金は日額千八百四十五円、養護老人ホームのお年寄りの生活費は日額五百八十円、養護施設の子供たちの生活費は日額五百二十五円等といった貧弱きわまる内容で、これらの恵まれない人々にとっては、暗い、悲しい年の瀬を迎えております。公明党は、老齢福祉年金を月額二万円に引き上げること、生活保護基準を五割引き上げ九万一千円程度にすること、失対賃金を日額約二千六百円にすることなどの緊急対策を要求しておりますが、予算修正を含め、もっと積極的な姿勢をとられんことを強く要請しておきます。  第二の反対の理由は、勤労者の税負担の軽減措置がとられていないことであります。  インフレは名目賃金の上昇によってなしくずしに徴税強化をもたらし、二兆円減税のかけ声も勤労者にとっては無縁のものになっております。わが国の税制は全く不公平税制でありますが、その是正のためにも、一兆六千億円もの税金の取り過ぎ分を、働く人々のために緊急に減税すべきは当然であります。これが、三木総理が口にする社会的不公正是正の税制面でのあかしとなるはずであります。この点で、わが党が主張した勤労者への緊急減税三万円を三木内閣が一顧だにしなかったことは、取るべきところから税を取らず、重税のしわ寄せを国民大衆に押しつけてきた歴代保守党内閣と全く同じで、許すことはできません。  第三の反対理由は、不況に苦しむ中小零細企業対策が十分行なわれていないことであります。  インフレ抑制を旗じるしにした総需要抑制策も、その実態はもっぱら弱い者いじめの需要抑制と、節約をしい、さらに高値追いの新価格体系づくりの犠牲によって、中小、零細企業はかつてない倒産の激増にさらされ、親企業の減産体制の犠牲によって自殺者が出ていることなどは新聞に報じられているとおりであります。しかるに政府は、たった七千億円の融資ワクの拡大を大々的に宣伝しておりますが、これでは不十分の一語に尽きます。大企業、大商社への金融引き締めはともかく、中小零細企業には、生業資金と仕事のあっせんが緊急課題であります。そうした施策に本補正は見るべきものが何一つ含まれておりません。  第四の反対理由は、地方財政の危機対策が不十分なことであります。  中央政府の誤れる政策運営によって、今年度の地方財政は危機に直面し、今年度の補正はもちろん、来年度予算も組めないというのが自治体関係者の訴えであります。その中でも、超過負担の累積額は七、八千億円から一兆円にもなるといわれており、その解消を怠った政府は、訴訟を起こされ被告の汚名を着せられたのに、本補正ではわずかに建築単価の手直しで当面を糊塗しております。さらに、今年度の国の予算の伸び率を二〇%以下に押え一九・七%にする見せかけの抑制予算をつくるテクニックとして、地方交付税千九百七十九億円を国が召し上げた上、本補正では二千六百九十億円という本来なら五十年度の地方交付税となるべき分を先食いするという、中央政府の御都合主義によって地方財政を操作している政府の姿勢は許されません。  以上のように、インフレ物価高の責任を回避し、犠牲を国民に転嫁し、社会的不公正を拡大し、国民生活を破綻させる本補正に断固反対するものであります。  以上。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 岩間正男君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十九年度補正予算に対し、反対の討論を行なうものであります。  その第一の理由は、本補正予算が、前内閣のもとですでにきまっていた経費の支出に限られ、今日の物価高、インフレと不況に悩む国民の切実な声にこたえる新施策は全くないからであります。  第二の理由は、軍国主義復活、強化をはかる二百億円をこえる軍事費の増額を認めるものとなっているからであります。  第三に、前田中内閣の列島改造を依然として継続し、大企業本位の公共投資を改めていないことであります。  このように、本補正予算は、黒い霧に包まれた田中内閣の大企業本位、国民無視、対米従属と軍国主義復活の政策をそのまま受け継いだものであり、三木総理の言う社会的不公正の是正は、事実上、からの文句となっているのであります。しかも政府は、本委員会での審議においても、金脈問題の解明には消極的な態度に終始し、外交、安全保障問題でも従来の政策を堅持する態度をとり、社会的不公正の是正についても実のある施策を示しておりません。  日本共産党は、政府が田中内閣の政策を根本的に改めるとともに、四十九年度補正予算に少なくとも次の緊急措置を新たに盛り込むことを要求するものであります。  第一に、インフレから社会保障、福祉を守る緊急対策を講ずることであります。そのために、老齢福祉年金を二万円にし、その他の年金もこれに応じて引き上げること。また、生活保護費の五割引き上げ、低所得者に三万円以上の年末一時金を支給すべきであります。  第二に、今日の不況のもとで失業者は優に百万人をこえるであろうという事態に際し、失対賃金の引き上げ及び失対事業等の拡大をはかるべきであります。また、不況に便乗した労働者の首切りを許さない措置を緊急にとることです。  第三に、さらに中小企業の問題ですが、金脈もない、人脈もない中小零細企業の前途にあるものは、まさに倒産だけであります。目下、戦後最高の倒産を重ねつつある中小零細企業に対し、官公需の五割以上を発注し、不況の際のつなぎ融資制度をつくり、融資ワクを拡大する等の施策を緊急に講ずるよう要求するものであります。  第四に、畜産農家がいま直面している困難を打開する措置を緊急にとると同時に、農家に対し制度融資の償還期限の延長をはかり、農業経営の安定をはかることを強く要求するものであります。  第五に、深刻な地方財政の危機を打開するため、さしあたりわが党が主張する総額約一兆円の緊急地方財政交付金を地方自治体に交付すべきであります。  第六に、すべての勤労所得者に対し、三万円の税額控除による年内緊急減税を実施すべきであります。  これら緊急措置に対する財源としては、第一に、大企業に対し臨時資産税を課すること、第二に、不要不急の四次防や列島改造などの経費を大幅に削減すること、第三に、財政投融資の一部をこれに充てること、以上の財源措置により、わが党の主張する要求は、政府が実行する意思さえあればいますぐにも実現可能なものであります。  私は、以上の理由により、わが党の道理にかなった施策を政府が緊急に実施することを強く要求し、本補正予算に対し反対の態度を明らかにして討論を終わるものであります。

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 木島則夫君。

木島則夫民社党

○木島則夫君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております補正予算三案に反対するものであります。  まず、反対の第一の理由。わが国を取り巻く内外の経済的、社会的な情勢からして、もはやいままでのような超高度の経済成長が不可能であったにもかかわらず、ひたすらこれを求め、ついには金権、汚濁の政治で退陣せざるを得なかった田中内閣時代の案を、今回、三木内閣がそのまま提出してきたという無定見な方針に対してであります。三木内閣のいわば初仕事とも言うべき予算の補正が、国民の糾弾を受けて退陣した田中内閣の遺産をそのまま踏襲するというのであっては、クリーンな三木内閣とは全く相反するものと言わなければなりません。  反対の第三の理由。福祉と社会的公正に対する対策の不徹底についてであります。三木総理の政治的信条の一つには社会的公正の実現が織り込まれていると伺いますし、また過日の所信表明演説においても、社会的、経済的に弱い立場の人々の生活安定を主張されたところであります。けれども、福祉年金を例にとるならば、月額五千円から七千五百円へと既定のべース変更を一カ月繰り上げた措置にしかすぎなかったではありませんか。これでは決してお年寄りの方々の期待にこたえたものとは言えないのであります。この年金支給を受ける老人の切なる願いは、せめて生活費の半分でもよいから、ということであります。これら老人の切望にこたえるため、月額二万円の福祉年金の実現と、生活保護、身障者、母子、交通遺児、そして社会福祉施設の措置費などを大幅に引き上げることは、現実の財政のワクの中でも十分可能であると考えます。  また、政府案では、中位以下の勤労者所得に対し、インフレ、物価急騰に対応する減税が全く配慮されていない点です。インフレが債務者利益を不当に高め、勤労の価値を不当に低下させるという分配の不公正をもたらすことは、国民のだれもが知っている厳然たる事実です。何ゆえに三木内閣はこの事案を等閑視するんでしょうか。  次に私は、教育における私立学校の果たしている役割りが大きいにもかかわらず、その財政が破綻の危機に直面している現実を取り上げなければなりません。もちろんわが民社党としましては、日本民族の経てきた歴史を顧みると同時に、日本人の誇りと国際性の調和を求め、それに対応する教育改革に国民の合意を形成しようとする基本政策を掲げ、それを世に問うているところでありますが、少なくとも今日の段階では、私立学校の健全なる発展をいかに確保するか、ここに重点を置かなければなりません。けれども政府は、今回の補正において七十二億円足らずしか計上せず、また、国立大学などの研究費の増額などに配慮を欠くことは、教育の現状に対する政府の認識を疑わざるを得ないのであります。  以上が予算三案に対する私の反対理由であります。(拍手)

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) これにて討論通告者の発言は全部終了いたしました。よって、補正予算三案に対する討論は終局いたしました。  これより採決を行ないます。  昭和四十九年度一般会計補正予算、昭和四十九年度特別会計補正予算、昭和四十九年度政府関係機関補正予算、以上三案を問題に供します。三案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条により、委員長は原案どおり可決すべきものと決定いたします。(拍手)  なお、本院規則第七十三条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 派遣委員の報告に関する件についておはかりいたします。  前国会閉会中、本委員会が行ないました予算の執行状況に関する調査のための委員派遣について、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大谷藤之助自由民主党

○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時二十六分散会      ―――――・―――――

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