文教委員会 第1号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1974/12/24
会議録
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、はからずも文教委員長に選任され、その職責の重大さを痛感している次第でございます。はなはだ微力ではございますが、委員の皆さま方の御協力をいただきまして委員会の運営に当たる所存でございます。何とぞ、皆さま方の御指導“御協力を賜わりますようお願い申し上げまして、就任のごあいさつにかえる次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) 理事の選任及び補欠選任についておはかりいたします。 本委員会の理事が一名欠員になっておりますので、ただいまから理事の選任を行ないたいと存じます。 また、委員の異動に伴い、本委員会の理事が二名欠員になっておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に久保田藤麿君、有田一寿君及び加藤進君を指名いたします。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) 調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化、学術に関する調査を行なうこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) この際、御報告いたします。 地教行法第三十八条第一項の解釈についての通達は、地方教育行政制度の根幹にかかわる問題であるので、本件については今後引き続き当委員会において審議を行なうものとする。 なお、委員長としては、この間、本件に関し各県において混乱の起きないよう最善の努力をいたします。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) 永井文部大臣及び山崎文部政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。永井文部大臣。
○国務大臣(永井道雄君) このたび文部大臣の任をお引き受けいたしました永井でございます。 私から申し上げるまでもなく、よく御承知のように、私は行政経験というようなものにつきましては、全くしろうとの人間でございますので、ひとつ今後よろしく御協力をいただきますようお願い申し上げまして、ごあいさつにかえる次第でございます。
○委員長(内藤誉三郎君) 山崎文部政務次官。
○政府委員(山崎平八郎君) ただいまごあいさつのございました永井文部大臣のもと、同政務次官を拝命いたしました衆議院の山崎平八郎でございます。 この道にかけまして、はなはだ浅学非才でございまして、大臣をお助けしながら、なお各党の諸先生方の御指導を賜わり、粉骨砕身、文教方面に勉強しながらつとめてまいりたいと、かような覚悟でございますので、どうぞよろしく御叱正のほどをお願い申し上げる次第でございます。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) 国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案 文化功労者年金法の一部を改正する法律案 以上、両案を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。永井文部大臣。
○国務大臣(永井道雄君) このたび、政府から提出いたしました国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員につきましては、その職務と勤務態様の特殊性に基づき、昭和四十七年一月から、教職調整額の支給等の措置が講ぜられているところでありますが、本年七月二十六日、人事院から幼稚園等の教育職員についても教職調整額の支給等の措置を講ずべき旨の意見の申し出がありました。政府といたしましては、この内容を検討いたしました結果、この意見に沿って必要な措置を講ずることが適当であると認め、この法律案を提出したものであります。 次に、法律案の内容について御説明いたします。 第一は、国立及び公立の幼稚園並びに盲学校、ろう学校及び養護学校の幼稚部の教育職員について教職調整額制度を適用することとしたことであります。 第二は、この法律は、公布の日から施行し、本年四月一日から適用することとし、これに伴い、必要な経過措置を規定したことであります。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。 ————————————— このたび政府から提出いたしました文化功労者年金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 文化功労者年金法は、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者に年金を支給し、これを顕彰することを目的として昭和二十六年四月に制定された法律でありまして、以来今日までの間に文化功労者として決定された者は二百六十八人にのぼり、わが国文化の振興に資するところ大なるものがあったと信ずるのであります。 文化功労者に支給される年金の額は、現在百五十万円とされておりますが、昭和四十九年度予算におきましては、これを二百万円に引き上げることとされているところであります。 この年金額の改定のためには本法の改正を要するのでありますが、近年における社会的経済的諸事情の変遷には著しいものがあり、これらの諸事情を勘案して年金額の改定を行ない、すみやかに支給するため、このたび文化功労者に支給すべき年金の額は政令で定めることといたしております。 なお、昭和四十九年度分の年金額につきましては、附則により、これを二百万円といたしました。 なお、衆議院において年金額に関する規定等の一部が修正されましたので念のため申し添えます。以上がこの法律案の提案理由及び内容の概略であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
○委員長(内藤誉三郎君) この際、文化功労者年金法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について、衆議院文教委員長代理理事藤波孝生君から説明を聴取いたします。藤波君。
○衆議院議員(藤波孝生君) ただいま議題となりました文化功労者年金法の一部を改正する法律案に対する衆議院修正につきまして御説明申し上げます。 修正案文につきましては、すでにお手元に配付されておりますので、朗読を省略させていただきます。 修正の趣旨は、原案において文化功労者年金の額を政令で定めることとしているのを現行どおり法律で定めることとし、その額を百五十万円から二百万円に引き上げるとともに、この法律を公布の日から施行し、昭和四十九年四月一日から適用することとし、これに伴い必要な経過措置を講じようとするものであります。 以上をもちまして修正案の趣旨の説明を終わります。
○委員長(内藤誉三郎君) これより両案に対する質疑に入ります。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○安永英雄君 国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。 そこで、私はこの案についてはもちろん賛成でございますから、そういった立場で質問をしていきたいと思いますが、私はこの調整額というものをこの国会で出すというのは、むしろおそきに失しておる、早くからずいぶん請求もしたわけでありますが、やっと出たわけでありますから、この点については一応私どもとしてもよかったと思いますけれども、問題はむしろきょうここで提案をされるときに一緒に学校事務職員、この待遇改善についての、たとえば一つの例をあげれば一緒に調整額、こういったものの提案をなぜされなかったのかという私は気がするわけです。この点はもう御存じと思いますけれども、かって労働基準法の中から教員だけは適用除外ということで超勤の問題を解決する、こういったときにも、私自身もずいぶん人事院あるいは文部省当局に対して本委員会でも質問をして、こういった場合に学校の中で一緒に校務に携わっておる事務職員、この問題を忘れてはならないということでしたけれども、結果としてはあのとき調整額として四%のアップが教員の場合にはついたわけでありますが、事務職員はこれは取り残されてそのままいってしまったわけです。 さらに、人確法の問題が出ました。この人確法というものにつきまして私は前の文部大臣の奥野さんに予算委員会で当初からこの問題についてただしていったわけでありますが、これは議事録見てもらえばわかりますけれども、この人確法の中ではっきり義務制の先生だけが上がっておって、高等学校あるいは事務職員、こういった問題についてはその適用範囲に入っていないけれども、これはどうするのか、なぜこれは落ちておるのかという質問をしたわけであります。まあ文部省側の言い分からして優良な、優秀な人材を集めるためにという趣旨からいくならば、高等学校の先生も事務職員の先生も養護の先生もそれぞれやっぱり優秀な人材を得るためにはこの人確法の適用を当然受けなければならないのではないかという質問をずいぶんやったわけでありますが、奥野さんの予算委員会における答弁も、義務制の小中学校の先生方についてのこの人確法のいわゆる待遇改善という問題が起これば、当然これは高等学校にもあるいは事務職員にもこれは及んでいくんだと、当然考えているという答弁がありましたし、さらに私は、もうなくなられましたけれども、当時の愛知大蔵大臣にもその席上ではっきりと、「いま文部大臣からそのように答弁があったけれども、これは、小中学校のいわゆる人確の予算というものをぎりぎり一ぱい予算としては組んでおるが、いまの発言からいけば、当盤高等学校や事務職員のこの待遇改善のための予算は、人確に要する予算の中から当然はみ出してくるが、そのときには、大蔵大臣としてはいまの発言であなたは予算措置はするのか」と、こう言いましたら、これは当然私としてもそれについての準備がある、私にまかしてください、私は予備費を使うなり補正をするなり、これは必ず応じます、準備はいたします、こういう話があったことを思い起こすわけです。にもかかわらず、とうとう法文そのものには高等学校も事務職員も入りませんでしたけれども、そのときには、附帯決議というもの等でこの学校事務職員の給与についても当然配慮する。これは高等学校ももちろんでありましたけれども、配慮する。そのときに人事院総裁も、人事院の所管事項についてこの実現については努力をする、こういう答弁が行なわれておったわけなんです。したがいまして、法文の中には入らなかったけれども、しかし、そのときの答弁の内容やいわゆる会議の中で確約をされておったのです。やっと、いま幼稚園の先生の問題がいま実現をしたというわけでありますが、これだけ特にあの当時から私が事務職員の問題についてずいぶん質問をしたのでありますけれども、これが今度のこの法案の中に入っていない、要するに、その問題が約束が処理されないということについては非常に私は不満なんです。その当時からしょっちゅう言われておりましたように、学校事務職員の給与改善については、教職員との均衡を失しないように配慮するという約束が何回もされておるわけです。あとでいろいろ質問をいたしますけれども、さらに、これは古い話になりますが、昭和三十二年にやっぱりこの教職員とバランスをよくとるようにということで、事務職員の待遇の問題について通達が出ているわけです。「公立学校事務職員の給与等について」ということで通達が出ているのです。これはあとでいろいろ聞きますけれども、要するに、私は今日まで当然、事務職員のこの待遇改善というふうなものは、たとえば調整額という制度の中でこの幼稚園の問題と一緒に出てこなければならぬという私の気持ちなんです。それが出てこないというのはなぜかという問題について、あとで詳しくこのことを聞いていきますけれども、なぜとにかく今度出せなかったのか、この点について質問いたします。
○政府委員(安嶋彌君) 事務職員の処遇の改善が必要であるということば御指摘のとおりでございます。ただいまお話がございましたように、先般いわゆる人確法が当委員会で御可決いただきました際にも、そうした附帯決議があるわけでございまして、私どもそうした趣旨に従いまして検討をし、努力をいたしてきたつもりでございます。ただ、今回提案申し上げておりまする法案に含まれていないという点でございますが、これは安永先生、十分御承知のとおり、この法案は教育職俸給表日の適用を見ておりまする幼稚園並びに盲学校、ろう学校、養護学校の幼稚部の教員に対する法律でございまして、ここに事務職員を入れることば、法の体系からしても困難な次第でございます。 さらに、この教職調整額ということではなくて、一般の調整額を支給するという点も一つの問題点であろうかと思いますが、この点につきましては、この職務の特殊性等につきましてさらに詳細な検討を必要とするのではないかというふうに考えておりまして、現段階では一般の調整額を付するということにつきましても、なお、いろいろ問題が残されているように思います。 そこで、文部省といたしましては、この事務職員の処遇の改善につきましてどういうふうに考えてきたかと申しますと、第一は、その等級の格付けの問題でございます。昭和三十二年に通達が出ておるわけでございまして、その通達は二回ございまして、最初のものにおきましては学校事務職員の等級はおおむね五等級から八等級までに相当する等級に格付けされるようにということでございますし、二回目に出されました通達におきましては、おおむね五等級から八等級までに相当する等級というのは格付けの標準的な例を示したものであって、これに限定するものではないのだ、学校における事務職員の配置の特殊性を考えまして、個々の事務職員の学歴や経験年数を考慮いたしまして適切な処遇が行なわれるようにという指導もいたしてきたわけでございます。ただ、実際問題といたしましては、御承知のとおり、この四等級格付けを現に実施しておる府県は約十九県にすぎませんので、こうした格付けがさらに広く行なわれますよう、私どもも指導に努力をいたしておる次第でございます。
○安永英雄君 人事院、見えていますね。
○委員長(内藤誉三郎君) 見えています。
○安永英雄君 同じ質問ですけれども、私は、もうなくなられましたけれども、佐藤総裁ともこの問題についてはいろいろ打ち合わせをいたしましたし、国会の中でも特に人確法の中で佐藤総裁にはこの問題についてもずいぶん質問をし、答えていただいたわけでありますが、この問題について努力をされたことを私はよく知っているのです。きょう今日の状態で学校事務職員に対するこの待遇改善の問題特に私は、人事院そのものが、法律の上からいっても、みずから調整額制度あたりは人事院の所轄になってくるわけで、規制をつくればいいわけなんですから、どれだけ今日まで努力をされ、そして、いまの状態としてはどう思われますか、人事院として。
○政府委員(茨木広君) 事務職員の問題につきましては、まず、今回のこの勧告は、四十六年度の教職調整額制度発足の際に問題として残りました幼稚園について懸案事項になっておりましたので、その結論を得ましたので勧告を申し上げ、同時に、先般の人確法の際に附帯決議の中に入れられました幼稚園関係の問題の一部を解決するというような点から勧告が行なわれたわけでございます。 いま御指摘の事務職員の問題でございますが、この点につきましては、人確法にも基づきます第一次教員給与改善の際の勧告の「説明」の5のところに、こちらのほうといたしましては事務職員の問題について、問題をどうあるべきかというような点について触れたつもりでございます。この点は先ほど来論議されております三十二年の通達が三つ出ておりますが、その運用とも関係いたしまする問題であろうと思っております。人事院の所管しております国家公務員の問題ににつきましては、大学事務職員として大学全体の中で運営されておりますものですから、毎年の人事の状況等をよく拝見さしていただいて、級別定数増の際にもよくこちらのほうの御趣旨も体して配慮をいたしておるつもりでございます。 いま一番問題になっておりますのは、公立学校のことでなかろうかと思っておりますが、この点につきましては、前の勧告の際に触れました趣旨でよくお考えをいただければ、運用上支障ないようにそれぞれの団体で考えていただければいいんじゃなかろうかと、こう思っておるわけでございます。
○安永英雄君 これは、人事院のほうにはあとでまたお聞きをしますけれども、どうもやっぱり勧告にちょっと触れておったと言いましても、私は、人事院の今日までの努力というのはほとんどないと思うのですよ。ちょっとあすこに書いておったからということで、それで今日まで努力が云々ということは言えないと思う。また、多少勧告をしたが、はね返りが来ぬから待っておるという、政府やら、そういった筋の出方待ちということですが、それじゃいけませんよ。人事院はみずからその権限があるわけですからやらなきゃいかぬですよ。政府のほうから出てきたらというふうなことなり、文部省の中で何か給与の審議会あたりあるから、それの結論をのぞいてみてなんていうような、そんな、私は、人事院の態度じゃ、とでもこの問題は解決できないと思うのですよ。これは、総裁が今度かわりましたから、あらためて今度またお聞きします。 そこで、通達という問題がありますけれども、通達の趣旨も、内容もちょっと局長お触れになりましたけれども、私は、ここで三十二年の通達の趣旨というものをもう一回かみしめなきゃならぬと思うのです。いまあまりに三十二年通達、通達と、こう言って、とにかく事務職員の待遇を改善せにゃならぬという、そういうふうにしていますけれども、局長とにかくこの通達の趣旨というのはどこにあったと思いますか。通達の趣旨は何ですか。
○政府委員(安嶋彌君) 通達の趣旨は、先ほど申し上げましたように、学校における事務組織の規模は一般の事務官庁等に比べて非常に小さいわけでございますが、小さいという理由だけによりまして当該事務職員の格づけが不当に低くされるということがないようにということが趣旨でございます。したがいまして、そうした事務職員でございましても、個々の事務職員の学歴や経験年数等を考慮して他の一般職員に比して不均衡な扱いを受けないように十分配慮してもらいたいということがこの趣旨でございます。三十二年通達は、ただいま人事院の給与局長からお話がございましたように、私は二つあると申し上げたわけでございますが、この給与法の改正後におきましては三つございますが、改正前にもう一つの通達が出ておりまして、その通達におきましては、ただいま私が申し上げましたように、一人もしくは数人というごく少数の事務職員によって重要な学校事務が処理されておる場合もあるので、事務職員の職務の級の格づけにあたっては部下職員の数のみを基準としてこれを行なうことがないように配慮してもらいたいということ、このことが三十二年通達の趣旨、背景であろうかと思います。
○安永英雄君 私の言いたいのは——ちょっと読んでみますが、そういう内容の問題もさることながら、今日までごたごた事務職員の待遇問題が解決しないというのは、この事務職員の位置づけといいますか、学校内における位置づけ、教育内における位置づけというものがはっきりしていないからです。通達ぐらいはっきりしているものはないんですよ。その問題をとにかく認識すれば今日まで延びるはずはないんです。いいですか。これが待遇のいかんは、学校運営、事務能率等にきわめて大きな影響を及ぼすものと考えられる、その点に留意してこれが待遇の向上については格段の努力をお願いしますという趣旨なんですよ。ここではっきり位置づけは、短い文言ですけれども、できている。いわゆる学校運営というものの中でこれは非常なウエートを占めているのだということですから、あなたがいまおっしゃったような内容をこうしなさいということ、これを忘れてはだめなんですよ。私はこの点を認識してもらいたいというふうに考えたから言ったわけですが、内容はわかっています。また、いまのとおりでございますけれども、そうすると、三十二年から今日までもう十七年ですよ。十七年の間これだけのすばらしい内容の、はっきりした目的で格段の努力をしてもらいたいという通達を各県に流しておきながら、いまあなたがおっしゃったように、文部省調査では四十六都道府県の中でいまのところ十九県とおっしゃる。私は十九県調べてみましたけれども、十九県でもこの通達どおりにはいっていない、趣旨どおりにはいっていない。この間何されたのですか。この趣旨の徹底というのは出しっぱなしでしたのですか。これ、どういう形でこの趣旨の徹底をされましたか。努力したと言われますけれども、どうですか。
○政府委員(安嶋彌君) 具体的な趣旨徹底の方法といたしましては、教育長の会合あるいは人事給与主管課長会議の席上等で私自身からも、また担当の課長等からも強くこのことを指導し要請をいたしております。そういう方法によって趣旨の徹底をはかってきたということでございます。
○安永英雄君 主管課長会議あたりでやったって、これは徹底しませんよ、いまの状態では。実際にこれだけの通達を出しておれば本腰でかからなければだめですよ。これはいまからの問題として一月にも何か行なわれるという話ですけれども、そこらあたりでこの問題についての趣旨徹底なら徹底、とにかくできるものじゃないんだ。 それともう一つは、いま非常に混乱しておるのは、通達という問題で、たとえば十九県がやっていると、こう言いましても、その内容を見ますとこれが非常に抽象的なんですよ、内容が。基準もなければ何にもない。とにかく「他の一般職員に比し、不均衡な取扱いをうけぬよう、その適正化につとめる」とか、「その職員の学歴、経験年数等を考慮して、役付職員と同等の格付がなされうるように措置すること。」とか、こうなっていますけれども、この点が実際はそのとおりいっていない、、たとえば一番問題なのは、年齢、それから在等級年数、それから経験年数、こういったもので、ぐんぐん——たとえばこの通達に従って多少やっておるところでもぎゅうぎゅう締めつけられておる。ワクづけというもので非常に締めつけられている。この通達の趣旨のように、均衡を失しないように、こういったことが著しく行なわれておるところでも、不均衡なんですよ。たとえば、これはもう御存じと思いますけれども、一般職の行政職、こういったもので、いわゆる在等級年数あたりでいきますと、一般の事務をとっている人、これの在職年数と、こういったものは、大体いまお話しのように、四等級までいけると、こう言いましたら、結局十一年でいくんですよ。年齢でいけば、たとえば二十一歳で就職をしたと、こういきましても、この人は三十三歳で四等級にいくという、こういうケースを普通もとっている。ところが、現在十九県と言われておるその中を調べてみましても、いろいろ私は調査をしてみたわけでありますけれども、ほとんど十七年、十八年です。まあ一番あれで十三年。こういうふうにして四等級に格づけされていきましても、そこにいく間の経験、在級年数というのは非常に長い。年齢あたりでまた線を引いてみますと、五十一歳でないとだめなんだ、四等級にはいけない。各県、四十八歳、四十七歳、五十四歳、四十六歳、五十歳、四十三歳三カ月とか、こういう形でいっておりますから、この通達の趣旨で、不均衡にならぬように、不均衡を是正しなさいと、こう言っておっても、こういう実態なんですよ。これもやっぱり通達の徹底という形で、こういう問題も周知徹底さしてやっていくと、こういうことがなければならぬのじゃないか。年齢とかあるいは在等級年数あたりもそのまま同じようにいけというふうな指導も内容的になさったことはございますか。
○政府委員(安嶋彌君) 安永先生もよく御承知のことでございますが、事務職員と教員の給与では国の法律制度がかなり違うわけでございます。教員につきましては、御承知のとおり、教育公務員特例法の二十五条の五という規定がございまして、教員の給与の種類、額は国の基準によるということで、たいへん国の制度と密着した公立学校教員の給与制度を予定をいたしておるわけでございます。ところが事務職員につきましては、教特法二十五条の五のような規定はもちろんないわけでございまして、地方公務員法におきまして、国や他の地方公共団体の職員の給与制度等を考慮して各団体が定めると、こういうことでございまして、国の制度との関連がやや間接になっておるわけでございます。したがいまして、給与のあり方について指導をいたします場合におきましても、教員の場合はかなり具体的に詳細な基準を示し、指導をするということが法律制度のいわば要請するところでございますが、事務職員の場合は、ただいま申し上げましたように、その間の関連がややゆるいわけでございます。したがいまして、国の指導といたしましても、ある程度教員の場合に比べまして抽象的な指導にならざるを得ないということもぜひ御理解をいただきたいと思います。つまり、事務職員の給与を決定する、何と申しますか、主体は、地方団体自身にあるわけでございまして、それに対して、ただいま申し上げましたような形で指導をいたしておると、こういうことでございます。 同時に、学校事務職員の給与の問題は、一般の県庁や市町村役場等の事務職員の給与にも関連をいたしますので、自治省の公務員部等とも連絡をとりながら指導をしてきておると、そういうことで、教員の場合とは若干指導上のニュアンスに差異が出ておるということを御理解をいただきたいと思います。ただ、御指摘のような事実につきましては、三十二年の通達にもございますように、一般の事務職員に比べて学校事務職員なるがゆえに不均衡な扱いが行なわれているということであれば、これはさらに私どもとしても指導に力を尽くしたいというふうに考えます。
○安永英雄君 私は、そういう均衡を失するような取り扱いが現に行なわれておるから言っておるわけです。だから文部省のほうは、前半に言われたような一般論はある程度わかるんですよ、わかるけれども、私は、これだけの通達を出しておぎながら、そうしてこれもまだなかなか趣旨が徹底しない、十九県だと、その十九県の中でも、いま申し上げたような実態が出ているということになれば、これは当然やっぱり——しないとはあなたはおっしゃらなかった、おっしゃらなかったけれども、いまみたいな、いわゆる国の四等級に完全に格づけができるように、私ども趣旨としてはこれをやっているんですと、あるいはまた昇級昇格の基準ですね、いま申したような、年齢とかあるいは在職年数とか経験年数とか、こういった基準については、こうなけりゃならぬというふうなことぐらいは、こんなに不均衡があるじゃないかということはやっぱりはっきりつけて説明をし、指導をし、今後やっていくという迫力がなけりゃこの問題できませんよ。いまも話がありましたが、十七年何したか。主管課長会議やったときに言いましたと、こういうことですし、また、ちょっと所管が違うんで、学校教員のようにはそう強くは言われませんから、その気持ちは察してくださいという答弁ですけれども、それではとにかくこれは何年たってもできない。私は、それでどうしてもやっぱりもう一回通達を出す、そしていまみたいな形の四等級に格づけする、あるいはいまの昇級昇格基準というものをはっきり明示する、こういったことで、とにかく均衡を失しないようにやってくださいという通達を早急に、せめて今度の国会に何も提案しないというのだったら、この通達の徹底ということは私はぜひやってもらわなきやならぬし、そう思いますが、大臣どんなふうでしょう。答えにくかったら局長でけっこうですけど。そのくらいの気魄がなければだめですよ。
○政府委員(安嶋彌君) 基本的な考え方は、三十二年通達のとおりでございます。そうした趣旨の徹底をはかっていきたいということでございますが、地方公務員法にもございますように、職員の給与は、その官職の責任に応じてこれを行なうという原則があるわけでございます。したがいまして、学校の事務職員につきましても、一般の職員の場合にございますような事務主査とか主幹とか事務長とかいったそういう制度の導入なども考えながら、さらに適正な格づけが行なわれるようなくふうをこらしてみたいというふうに考えております。これは、いろいろ問題もさらにあろうかと思いますが、検討を重ねてまいりたい。その結論が出ましたならば、そういうことも織り込んで新たに通達を出すということも検討してみたいというふうに考えております。
○安永英雄君 検討ではもうおそいぐらいですけれども、要するにいま私が問題にしているのは、通達という問題を徹底させるためにはもう一回通達を出す、そうして徹底をはかる、内容はいま申し上げたような内容で、もう少し明確にしていく。現在まで、いわゆる十七年の間に均衡が破れている、そういうこともつけ加えて、基準をはっきり示して、通達をもう一回出すというお考えはないかということなんです。
○政府委員(安嶋彌君) ただ、かつて出しました通達と同じ内容のものを繰り返して出すということもこれはいかがかと思われますので、先ほど申し上げましているような点につきましても検討を加え、その他事務職員の処遇の改善について検討を加えた結果、新しい要素が出てまいりまして、これを通達する必要があるという段階におきましてそうした扱いをすることが適当ではないかというふうに考えております。
○安永英雄君 それじゃおそいと私は思うんですよ。同じものを出せとは言わない。同じものを出せとは言わぬけれども、三十二年のこの通達そのものを、当面の検討の期間に、当面この問題についてこういったこの不均衡がある、通達どおりにはいっていない。また、通達を受けてそれすら実施していないという県があるんだから、これは少なくとも、同じものとは言わない。さらに、この趣旨に従って内容を明示して、そして実施しているところでもこう改正しなさい——全然まだないところがあるんだから。そういったところは、この通達でとにかくやりなさいと、こういうふうにして。ということは、私は早急にやらなきゃならぬと思うんですよ。少なくとも明年度予算あたり、各県これはいまから組むんです。あるいはまた、これは人事院のほうにあとから聞きますけれども、第二次勧告等もあるんです、人事院勧告。そういったときにも配慮してもらわなければならぬですよ。だから、少なくとも通達の問題については急を要する。出すということはあなたおっしゃる。出すということはおっしゃったけれども、いま話したみたいな、検討して同じ内容といっても相当なやっぱり問題を含んでおる。それよりも、そのことも大事。ですから、私が申し上げておるように、三十二年の通達をまず徹底させるという通達、そして、その中でいま申したようないわゆる一番不均衡の国の四等級というのに格づけをしなさいという指導、これをはっきり入れる、今度は柱に。あるいはまた昇級昇格基準の改善というのはこうしなさいというふうにする。私はこの十七年、これでいくからと言いましても、あまり隔たりがあるじゃないですか。十八年もとにかくたって五十にならぬと四級等にはしませんよというふうなことじゃ話にならないんで、この点は私はもう一回聞きますけれども、出すあれありませんか、それでは時期は。
○政府委員(安嶋彌君) 御承知のとおり、これから来年度予算の編成作業が進むわけでございますが、私ども事務職員の処遇の改善の一端といたしまして、超過勤務手当の積算の改善等もいたしたいということで大蔵省に要求もいたしておるわけでございますが、そうしたことにつきましての結論も遠からず出るわけでございます。そうした事情の変化もあり得ることでございますので、どういう内容を通達に盛り込むかというようなことも、まあそうしたことと影響、関連があるわけでございますから、そういうことを考えながら、さらにどういう形で通達をするか、どういう内容を盛り込んで通達をするか、さらに検討をさしていただきたいと思います。
○安永英雄君 時期はどうなんです。ある程度その区分としましてね、十七年もほったらかしておいて、そして今度、まあ皆さん考えてください。幼稚園というもののただし書きがきょう出てるんですよ。同じようにずっとやっていると言いながら、またここで落としておいて、いつ通達が出るかわからぬというふうなことじゃあれですよ、一応どのくらいの期間が要るから、ここらでとにかく出すと、みんな待っているんですよ。明年度予算を。ことしの予算、あるいは各県の予算、あるいは人勧の中でこの問題解決しなきゃまた来年もあるというんですよ、これは。それを言っておるんです。私はそうゆっくり検討してそれから云々ということじゃないと思う。極端に言うなら、三十二年に出したものを、これにいま私が言ったようなことをつけ加えて、同じようなものだけれども出す、これでも私はいいと思う。早いほうがいい、早くなけりゃならぬと私は思う。それはどういうことです、期間は。
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、概算要求の内容との関連もございますし、また事務主査とか、主幹とか事務長とかいった制度をどう考えるかというような問題もございますので、こうした問題について検討をいたしまして適当な結論が得られますれば、なるべく早い機会に出したいというふうに考えます。
○安永英雄君 それじゃ、この点は、私もしょっちゅう指摘しますから、この点をひとつ、なるべく早くという答弁でしたから、なるべく早く——あしたでもですからね、それは早く急いでくださいよ。これは私、冗談で言っておるんじゃない、急がなきゃだめです。 次に、ものの考え方として、先ほどお出しになった調整額という問題についてですが、学校事務職員は、学校教育法において学校に置く、学校に置く職員、こういうふうにはっきりなっているわけです。戦後のこれは新しい学制の中で非常に特色のあるものであって、これは必要に応じて、これはもうぜひ必要だということで、これは新しい試みとして、これはいわば新しい学制の目玉だったんですよ。一つの制度としては目玉だった。それがとにかく教職員なりあるいは一般行政職といろんな不均衡な取り扱いを受けておる、いまだに受けている、新しい学制が改革されて以来受けているということなんですね。この点で、いつもやはり問題になるのは、先ほど申しましたように、学校教育の中で事務職員がどういう一体位置にあるのか。学校教育とは何かというところまでこれは解明しなきゃならぬ問題なんです。二十何年かかって解決されていない。 そこで、文部省としてこの学校事務職員の位置といいますか、これあたりで明らかになるのは、地方公務員法の五十七条の規定で、「職員のうち、公立学校の教職員(同法に規定する校長、教員及び事務職員をいう。)、単純な労務に雇用される者その他その職務と責任の特殊性に基いてこの法律に対する特例を必要とするものについては、別に法律で定める。」といういわゆる特例法の根拠法規があるわけです。あくまでも学校の中で、これは校長、教員、事務職員というものが必要なんだ、置くということになっている。それが、先ほどもあなたがおっしゃったような、特例法の中では、これは事務職員がはずされている、こういういきさつについてどうお考えになるか、ここらあたりが一つのポイントだと思うんです、学校事務職員の位置といいますか。これはどうしてはずされたんですか、特例法の中で。学校教育の中から事務職員がこういった法律の中でははずされているというのはなぜですか。
○政府委員(安嶋彌君) 実はこの規定が入りました詳細な経過については、私つまびらかにいたしておりませんが、御承知のとおり、地方公務員法は昭和二十五年に制定されておるわけでございますが、教育公務員特例法は昭和二十四年、つまり教育公務員特例法のほうが早い時期にできておるわけでございます。したがいまして、地方公務員法ができます際に五十七条という規定が入ったわけでございますが、その際、すでに教育公務員特例法というものがあって、この教育公務員の範囲は、御承知のとおり、学長、校長、教員等に限られておったわけでございます。したがいまして、地公法の五十七条は、その特例的な規定が教育公務員だけに限られた規定であるということを前提にしてできておるわけかと思います。したがいまして、地公法の五十七条は、そういう規定を前提にしてのことでございますので、事務職員については特別な規定がさしあたりは少なくとも行なわれないということを前提にして五十七条の規定ができておるものであろうと思います。
○安永英雄君 まあ時間もあまりありませんから、そういうことは言いませんけれども、やっぱりポイントははずされておると思うんですよ。そこらあたりの考え方、そういう解釈が、事務職員という、学校教員の中における事務職員の位置というものは非常にさだかでないというのは、そこらから出てくる問題で、要するに、はっきり端的に聞きますけれども、事務職員というのは、これはやっぱりあれですか、一般の行政職、これと同じだというふうに思われますか。あるいはまた特殊な場合があるんだと、特殊な性格を持っているんだというふうに思われますか。それとも教職というものに非常に近いんだというふうに思われますか。三つある。この点どうですか。そこの認識が今後の通達問題の迫力にもかかってくるし、調整額の問題についてもこれは問題がからまってくるわけだ。少なくとも、局長の考え方は、学校教育の中で事務職員の立場というのはどういうところにあると思われますか。
○政府委員(安嶋彌君) たいへんむずかしいお尋ねでございます。われわれも事務官でございますが、ほかの省庁の事務官と比べてどういう特殊性があるか、あるいは大学の事務局にも事務官がたくさんいるわけでございますが、それがたとえば文部省の事務官に比べてどういう特殊性があるかというようなこと、同じようなことは小中学校の事務職員についても申し得るかと思います。小中学校の事務職員が県庁や市町村役場の事務職員とどういうふうに違うか。もちろんその担当する仕事が教育の仕事である、病院の事務職員でございますれば担当する仕事が医療に関係がある、そういう面での特殊性というものは、どういう事務職員の場合でもあろうかと思いますが、しかし、それは担当する仕事の特殊性でございまして、事務職員の仕事自体といたしまして、何と申しますか、非常に基本的に違った性質のものであるかどうかと申しますと、必ずしもそうは言えないのではないかというふうに考えます。つまり、担当する仕事の特殊性からくる違いというものがございましても、事務職員という基本性格についてまでそれが違っておるということが言えるかどうか、その辺はやはり問題ではなかろうかと思います。
○安永英雄君 そこがまさに問題で、あなたの考え方を切りかえぬ限りこの問題はなかなか実現せぬと思ったが、端的に聞いて、文部省はこの調整額の問題についても人事院で考えてくれないかというふうに申し込んだことがあるんじゃないんですか。私たびたび聞いている。この調整額については、人事院のほうにこれはいろいろ相談をしております、こういうことをずいぶん聞いたんですが。いまあなたのお話の中では、同じ事務職員——一般職の事務職員と学校事務職員というものは基本的には変わらぬのじゃないか、しかし、多少の特殊性で違ってくるところもあるのではないかという考え方、そういう考え方に立つならば、先ほども申しましたように、教特法の中でなぜ事務職員を外に出されたのかということは、これはちょっとこっけいしごくだ、あなたの考え方からいけば。そうすると、次に、この事務職員の問題で待遇改善等を考える場合には、これは給与法の十条の一項の調整額以外にはないんじゃないですか、あなたの考え方からいくと。その点にまだ疑問があるわけですか。調整額の問題いわゆる給与法の十条一項という問題で事務職員の問題や特殊性を出して、そうしてこれを制度化すればいいなあという考え方もないんですか、あなたは。
○政府委員(安嶋彌君) 事務職員の職務の特殊性とこれに基づくそれにふさわしい処遇の改善ということにつきましては、人事院に文部省から申し入れたことがございます。しかしそれば必ずしもその調整額という、そういう固まった形ではなくって、何か一般的にお考えをいただけないかということでございます。考え方といたしましては、ただ単に調整額だけではなくて等級の格づけについてくふうをするということももちろんその中に含まれておるわけでございます。そうしたことを含めまして、何らかの形での御検討が願えないかということを人事院に申し入れたことはございます。もちろん、その中には調整額という思想がなかったというわけではございませんけれども、しかし、調整額を事務職員に実施してもらいたいという、そういう具体的な形での申し入れば人事院にはいたしておりません。しかし、この学校事務職員の給与をどういうふうに改善していくかということにつきましては、絶えず人事院の関係の方々と相談は進めておるということでございます。
○安永英雄君 調整額という問題で人事院と話はどういうふうに進んでいますか。
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、調整額をやってくれいという、そういう申し出はいたしていないわけでございますが、話題にはいたしております。人事院のお考えでは、その職務の複雑性、困難性、責任の度合い等につきまして他の一般の事務職員と区別をする、その基準がたいへんむずかしいということが問題点になっております。小中学校の場合は単独配置あるいはせいぜい二人くらいの配置が多いわけでございますが、そうした配置というものが非常に特殊なものであるという認識をするためには、ほかの職域における事務職員の配置の特殊性というものとやはりつり合いをとって考えていくことが必要であろう。というのが人事院の基本的なお考えのようでございまして、そういう点から申しますと、必ずしも学校事務職員が一人配置あるいは二人配置であるということのみでもって職務の複雑性、困難性、責任の度合いといったようなものは直ちには導き出されないのではないかというのが、これはまあごく非公式な話でございますが、人事院のお考えであろうと私どもは理解をいたしております。
○安永英雄君 人事院のほうにお聞きしますけれども、いまと同じことですね。この調整額という問題について、これはもうまさに人事院のほうで決心すればできることなんですよ、何も文部省のほうをのぞくことは要らぬで。あいまいな合い議あたりはやめて、人事院自身が——もう長いことですよ、この話。これは結末つきませんか。いまみたいに、学校教育の中における事務職員の位置づけというものははっきりしている。だからこそ——といって、文部省のほうのいまの局長の話では、しかしそうは言ってもやっぱり一般の行政職なんだという、こういう中でこの事務職員の待遇を改善していこうという立場のときには、調整額以外にはないじゃありませんか、調整額のこの制度を確立するという以外にはないじゃありませんか。人事院としては、この点はどのように検討しておるんですか。話に聞くと、この点は非常に消極的だと。また、これは地方公務員の関係だから私どもは関係ないというふうな言い方をするそうです。超勤手当の問題のときには頼みもせぬのに入ってきて、そうして、あるときはぐうっと地方公務員の問題まで出てくる、あるときは全然関係ないということで、地方の関係ですからと逃げるということですが、人事院のこの調整額についてのいまの文部省との合い議なり、あるいは人事院自体の調整額——まあこれは時間がありませんからね、もう事務職員の待遇改善という問題については、それも含めてどういう検討をいまやっておるのか、それをお聞かせ願いたいと思う。
○政府委員(茨木広君) 調整額の問題は、先生御案内のように、給与法の十条の一項に根拠条件がございますわけですが、その中に、勤労の強度でございますとか、責任の度とか、困難性とか、勤務時間、勤労環境、このようないろいろ勤労条件があげてございますが、それが「他の官職に比して著しく特殊な」というような、程度の差が「著しく特殊」というふうに押えてあるわけでございます。そこで、まあ多少いろいろ職場によって職務の内容も異なりまして、多少環境その他が異なるということはございますと思いますが、それがやはりここに規定してありますような程度に及ばないと、調整額という形でもってそれをまとめ上げていくということがなかなかやはり困難であると。私のほうの立場といたしましては、各いろんな職場を持っておりますから、そうしますと、やはりそのところに勤務しております公務員相互のやはり関係というようなものもたいへんやかましくなってまいります。その辺のところから、学校内の事情としてはいろいろやはり変わった点があるということはわからぬわけでないわけでございますが、それが特殊な事情として拾い上げるところまでいけるかどうかということについてはたいへん問題であると、そういうところでございます。
○安永英雄君 私は、人事院のほうの、教育現場のいわゆる学校教育という中における事務職員が現在どういったことを実際にやっているか、教育の問題について事務職員がどうかかわりをもっておるか、実際どうかかわって毎日の事務職員の任務を果しているかという現状認識というのはないと思う。そういった意味で、私は人事院のほう、一ぺん都内でもいいし、調査といいますかね、一緒に見に行きましょうよ。何回言っても、とにかく机の上で、あなたたちの考え方でいったら、どうしても一般の事務やっているあの一般職の、あの感覚が頭の中に入ってきて、そうして学校現場の事務職員の仕事というのは、それと同じようだという認識が非常に強い、それは局長にもある、この考え方。これは大臣もいつか一度そういうひまがありましたら、都内でもどこでもいい、一ぺん学校に入って行って、毎日の事務職員がどんな教育とのかかわりの中におるのか。これは事務室に入っていって、——事務をとるだけじゃないんですよ。ガラスが一枚割れる、割れたときには事務職員の任事ですよ、この入れかえの問題とか購入の問題は。そのときに教育的にどうこれを指導するのか。割ったからガラスを買うてきて入れりゃいいという問題じゃないんですよ。なぜ割れたのか、そういった問題から考えなきゃならぬ。あるいは教具、教材を買い込むときでも、理科器材でも教育教材でも全部、どういった教育的な取り扱い方がされるのか、そういった問題を十分知って、少なくとも理科の指導要領、各教科の指導要領ぐらいははっきりのみ込んでおいて、予算を請求したり、それを執行したり、こういった仕事もやっておるんですよ。こまかい話ですけども、学校の中に購買部なんというのをつくりまして、六年生の生徒やら中学の生徒あたりで物を実際校内で売らせる。これあたりの指導は事務職員がやっている。この点はただ売りゃいい、買やいい、便利だからというだけじゃないんですよ。あそこには教育的な価値があるからこそやっておるんですよ。そこには収支決算とか、予算とか、いろんな教育の場として事務職員がその指導に当たっている。すべて一般の行政職の事務職と違うんですよ。そういった特殊な場合がもう非常に多い、毎日が。学校に行けば先生と言われておるんですよ。また、本人は先生と思っておる。思わなきゃ、とても学校の事務職員はつとまりませんよ。そういった実態を私はよく調べてみたら、あしたでもこれは解決しなきゃならぬ問題だと思う。新しく人事院総裁も出られたら、文部大臣と、私ども一緒にお供しますよ。どれだけの教育的なあれをやっているか。私に言わせれば、教特法の中からはじき出されるのが初めからおかしい。しかし、それは一応の理論もあるから、はじき出されたとするなら、特例法の調整額制度というものをつくって、そしてそこに見合うものをしなきゃならぬ。一般職との均衡を失しないように、教職との均衡を失しないように、こういった形で常に考えてやらなければ、これは学校というのは、これはもう校長も教頭も先生も事務職員も養護の先生も、あるいは給食に従事しておる人も、あるいは警備員も、あらゆる者が打って一丸にならなけりゃ、学校の教育というのはやれないんですよ。その中に給与の不合理が出てみたり身分上の差が出てみたり、こういったことが一番悪い。こういったことを考えるなら堂々と通達出してですね。よそのことですけれどもよろしくお願いしますじゃなくて、事教育の問題ですよ。この通達の趣旨からいったら、もうはっきりあの当時はしているのですよ。これはもう学校の教育の目的を遂行するためにはぜひやらなけりゃならぬ問題だということで、通達を出しているわけですから、通達の問題にしろあるいはこの調整額の問題にしろ私は早急にこれは解決してもらわなきゃならぬ問題だと思うのです。特に通達の問題はもういまさっき約束しましたように、できるだけ早くこれはもう通達を出していただくことをお約束していただきましたけれども、お願いしたいと思うのです。 最後に、今度の予算の問題ですが、時間外勤務手当の原資率の引き上げということで今度の予算の中に大蔵に対しての要求の中に入っているようですね。これは内容をもう少し説明してください。
○政府委員(安嶋彌君) 御承知のとおり、小中学校の教職員の給与は実績負担が原則でございます。したがいまして、事務職員の時間外勤務手当につきましても、各府県が支出をいたしました実績の二分の一を国が負担をするということでございまして、したがいまして、この負担に限度があるわけではございません。しかしながら、予算の福実際の積算といたしましては、地方財政計画等ともあわせまして、本俸の六%の積算というのが従来の積算でございますが、事務職員の超勤の実態等を見ますと、六%では不足であるというふうに考えますので、さらにこれを上積みをして、八%の積算にしたいということで、ただいままあ概算要求をいたしておるということでございます。
○安永英雄君 いまの趣旨で大体わかるんですけれども、いわゆる現在の二%の積み上げという趣旨は、あくまでもこの学校事務職員の超勤実態に対する手当支給というふうに考えてよろしいですか。
○政府委員(安嶋彌君) はい。
○安永英雄君 わかりました。そうであれば、話に聞くと、この調整額がうまくいかない、待遇改善の道もなかなかない。要求も非常に強い。したがって、まあ肩がわりで、二%ばかり上げてといううわさも聞くんですが、これは全くないですね、これはまた別の話ですな。あくまでも学校事務職員のこの超勤量と、超勤の実態というのはひど過ぎる。したがって、これについて純粋に二%上げてやるんだと、こういうことで要求をしているというふうに認識してよろしいですな。
○政府委員(安嶋彌君) 調整額の問題あるいは格づけの問題とはこれは別個の問題であるというふうに理解をいたしております。ただ、事務職員の処遇の改善という点ではその一部であるということは言えるかと思います。
○安永英雄君 いま大蔵との折衝のぐあいはどうですか。
○政府委員(安嶋彌君) 地方財政における他の職員との関連もございまして、かなりむずかしいという状況でございます。
○安永英雄君 むずかしいと、そう簡単に言われちゃ困る。むずかしいという実態は私もわかるのですけれども、これはひとつ是が非でも、わずかな金額でもありますし、大蔵との折衝をひとつぜひ成功させてもらいたいと思います。これは要望です。 まあ、きょうの質問は幼稚園の問題から事務職に移って、ほとんど時間がありませんけれども、せっかくの時間でもありますし、あとでまた一般的な質問もあるということでありますけれども、幼稚園の問題で一言だけ大臣に聞きたいと思うのです。 中教審が答申を出しまして、そしてやっぱり一番私も関心を持ち、これは大きなやっぱり問題だと思ったのは、先導的試行ということなんです。そこで、私はもう事あるごとに委員会、予算委員会、本会議等でもこの問題について歴代の総理なりあるいは文部大臣に質問をしてきた。この問題については、何といっても一貫性を持たせるということでありますが、具体的には四歳児、五歳児と、こういった幼稚園の子供、こういったものと小学校の低学年、こういったものを組み合わせをして、いわゆる一つの段階をつくっていくという構想なんですよ。これをめぐって非常にやっぱり問題があるわけです。そこで私は、やっぱり先導的試行というふうなあやしげなことばを使わずにこれはやっぱり相当の検討期間とあるいは研究を要するということで、まあ大まかにいって総理もどの文部大臣もこれは慎重にいきたい。そして、まあむしろこの問題については、これを実施するのは困難だと。だから、何年までというふうな目標を初め立てておったけれども、とてもその目標もはっきりしないという、そういった現状になってきている。しかし、やっぱり私は全国各地を回りまして、幼稚園関係者というのは非常にこれについてはまだまだあの中教審の答申の先導的試行という問題そしてあのときにばあっと出しましたように、幼稚園の四歳児、五歳児、こういったものを公立に持っていくということで、特に私学の幼稚園あたりは、この問題については非常に一時は、反対の理由が基本的な問題じゃなくて、自分たちの幼稚園がつぶされるんじゃないか、こういうことで反対の陳情もずいぶんあった。ごく最近の文部省の動きをお聞きしたいんですけれどもきょうはよします。予算の中にも多少あるようです。この問題についての研究の予算が多少あるようですけれども、内容的にはそうは進んでいないし、現行のこの法律を破るような研究はされていないようです。いわゆる幼稚園と小学校とが一緒になったような実験学校というものはないようです。別個のものになっていますから、これは違法なものじゃないと思う。細々研究をやってもいいと私は思う。しかし、まだやっぱり心配があって、そういう方向にいくんじゃないかというふうな心配もまだあるということですが、この幼稚園にからんで、先導的試行ということにからんでの中教審の考え方について、文部省として今後どうしていくのか。ここらあたりやっぱりいま一つの考え方を出してあげないと、まだまだ混乱する時期にありますので、この点はきょうまだ検討中であれば私はあえて聞かないで、これはほんとうにやっぱり新しい文部大臣の考え方を出してもらわなきゃならぬので、その場限りではぐあい悪いんですけれども、これは一言言えば非常にばあっと広がりまして、全国的にすぐに幼稚園の問題がとくるわけですが、この点、いま答えられれば幼稚園の問題について、中教審の先導的試行という問題これをどうするのかという点についての見解を承って私の質問は終わります。
○国務大臣(永井道雄君) ただいまの安永委員の御質問にお答え申し上げますが、先導的試行というものを直ちに実行に移すという考えはございません。しかしながら、幼児教育が非常に大事であるということは申すまでもございません。さらにまた、園児のあれは、私の記憶にして誤まりがなければ、約七〇%が私立に通っておりますし、したがいまして、そういうところの経営というものはむずかしくなっているという問題、こういうものを考慮していくこと、それが重要であることも間違いないことでございます。さらにまた、小中の教育につきましては、小中高を一貫する教育課程審議会というものの審議が進行しておりまして、そういう小中の学校の教科課程のあり方についても審議が進んでおりますわけでありますから、先導的試行というものを直ちに実現するということはございません。そこで、そういう幼児心理のあり方などにつきましても、あり方というか、実態につきましても心理学者の方々に御検討をいただき、他方、義務教育のほうについてもいまの教科課程なんかの審議が続いておりまして、そういう状況で検討を続けていく、しかし、幼児教育の重要性については全く疑いないので、それを充実する方向というものを考える、そういうことでございます。
○有田一寿君 安永委員の質問に対して関連質問をちょっと。 いまの最後の問題ではございませんが、いままで論議されました調整額あるいは超勤等、要するに学校に勤務する事務職員の問題についてであります。 この調整額を適用したいということについては、私自身は安永委員の発言に同感でございます。ただし、いま人事院からもお話がございましたように、この学校事務職員というものが他の一般行政職等と異なるもの、それはいま安永委員が言われましたように、それはガラスの取りかえから修学旅行の世話からこれは万般にわたっておって、一言で言えば、教育という配慮のもとに進められる事務であるということはもうそのとおりでございます。それなるがゆえに、私は調整額を適用するということは賛成でございます。いま安永先生も言われましたが、事務職員について先生と言う、しかしながら、みずからやはり誇りを持って教育に従事する。教育、言いかえれば教職のほうは単なる労働者ではないという自覚、認識があって初めてそれに伴う教育事務もまた教職に伴う事務として権威づけられ給与もまた上がる。ところが、みずから労働者であるというような認識で行動しておる限り、それに伴う学校事務もまた一般事務と何が違うか、教育的配慮だと言っても、それは一般の国民は納得をしない。だからそれが口にはみんな出しませんけれども、声なき声としてそこまで先生も使命に徹した観念を持って教育に従事していただき、したがって、その学校で一緒に仕事をしている事務職もまたそれに伴って厚く報いられるべきであるということをみんな了承するわけでありまして、いまのような私は考え方——一般の労働者であるという考え方から事務職は特殊性があるぞ、特殊性があるぞということでは私は三年、五年待ってもこれはなかなかむずかしいという気がいたしますが、それについて永井文部大臣いかがでしょうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) 私は、いまの事務職の問題でございますが、これは先ほどからいろいろ討論されましたように、職務の複雑性あるいは困難性を伴う特殊なものではないか、そこで一般行政職と違うのではないか、そういう御質問もありましたし、さらに教育に近いのではないかということでございましたが、いまこの問題というのは、ですから二つの方向に向けて、教育の方向とそれから一般行政職との関連の中で事務職を位置づけていくという問題だと思います。これは十分に検討しなければならないことだと思うのであります。 そこで、さらにその場合に、いわゆる教職における労働者の問題でございますけれども、これは私は一般的に割り切れない問題であるというふうに考えますのは、これは教員というものは、当然一つの重要な使命を持ちまして専門家としての活動をしていくものだと考えます。その点は十分に認識して、そして強調しておかなければならない点であると考えます。他方、それでは労働者ではないのかといいますというと、これは教員に労働者という側面があるというわけで、私はこれかあれかという形で割り切ることができない問題ではなかろうか。ただ、この問題につきまして一般に非常に議論が戦わされております事態を承知しております。したがいまして実はこうした問題につきまして、いまのような考え方も、私が申し上げたような考え方もあり得るという角度が一つある。また、他の立場の方々もあるわけでございます。こういうふうなことを十分に論議をいたしまして、そしてはっきりした考え方を持つということの関連におきまして事務職の将来の規定というものを行なっていくことが妥当であると、かように考えます。
○有田一寿君 関連でございますから、終わります。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、大谷藤之助君及び中沢伊登子君が委員を辞任され、その補欠として中村登美君及び栗林卓司君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○久保亘君 私は、いま審議をされております法案に賛成をする立場でありますが、この法案が影響をしてまいります私立幼稚園の問題について、 〔委員長退席、理事久保田藤麿君着席〕 その関係にどういう配慮が考えられているかということでお尋ねをしたいと思います。 国家公務員の給与が改定をされますと、地方公務員の給与の改善などには制度的に連動をしていく仕組みになっております。しかし、いま大臣が最後にお述べになっておりましたように、幼稚園の教育は、他のすべての段階に比べて著しく私立の経営に負うている部分が多いわけであります。したがって、この給与の改善等が行なわれますと、それは私立幼稚園の経営や教職員の確保などには制度的な連動を伴わないで大きな影響を持ってまいります。だからその点について、十分な配慮が加えられていかなければならないと思います。大臣に最初に少しお尋ねしてみたいと思うのですが、大臣はまだたいへんお若いですから、幼稚園に出られる子供がいらっしゃるのかもしれません、あるいは最近、幼稚園を出られた子供さんがいらっしゃると思うのですが、いまその幼稚園の教育に対して、教育費の負担というのが非常に高いというお感じを自分の子供さんの教育を通してお持ちになっておられますか。いろいろ奥さんとお話になることもあると思いますので、その辺の大臣の率直な気持ちを最初にお聞きしてみたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) 私はさまで若くないのでございますけれども、たぶんむしろ非常におそい子供がいるというほうが正確な言い方だと思いますが、確かに幼稚園に子供が行っております。したがいまして、これは私立の幼稚園でございます。そこで幼稚園の御父兄の方々とも話をするんでありますが、これはだんだん物価の上昇に伴いまして、先生方の待遇の改善という要求も一般に起こってまいりますから、したがいまして、幼稚園の月謝といいますか、上がってきているということは皆さん御承知のとおりで、そのことが常に話題になっております。でありますから、やはりこれはたいへんじゃないかということは私自身というよりは、私がおつき合いする父兄の中に相当そういう考え方があるという実態は十分承知しております。
○久保亘君 それで、私立幼稚園の場合には、教育という仕事の性格から考えますと、教職員の確保並びにこの教育施設や設備の充実ということがたいへん重要なんでありますけれども、それらの問題が父母負担の軽減という国民の要請と、それから教職員の待遇を改善をしていくという教育上からの立場、特に今度のような国公立の幼稚部、幼稚園等に関係をする教職員の待遇が改善をされていくということになりますと、その関連においての教職員の待遇の改善の必要性、そういうものとの関係というのは逆の相関関係を持ってくるわけです。その父母負担を軽減をしたいという気持ちと、それから先生たちの待遇をよくしてあげたいということとが逆の関係を持ってくるわけです。そうすると、この逆の関係を正常な状態にしながら両方同時に解決をしていく手段というのは、これは国が私立の幼稚園というものに対して、その経営や施設、設備を含む経営に対して、かなり大胆な援助を行なうということなしには解決してまいらないわけです。そのために、この幼稚園の教育が非常に私立に負うところが多い、そのことは私はそれで非常に意味があるとも思っております。多いという立場から考えてまいりましても、いまのように用地の取得、施設、設備費の非常に高騰のために経営がたいへん困難になってまいりますと、幼稚園がなかなかできないために困る。先般テレビで放映をされておりましたことの中に、若い家族を中心にした人口が集中してまいります団地で、幼稚園ができないために、そうしてまた幼稚園が近くにないために、とうとう母親たちが集まって団地の集会所を利用して幼稚園という名前のつけられない幼稚園を開設をしたという報道がありました。私はそういうようなことから考えてまいりますと、私立幼稚園の設置や経営が容易になって、私立幼稚園の教職員の待遇の改善がこれらの国の幼稚園教職員の待遇改善に制度上連動しなくても、制度上連動していくのと同じように作用していくように、その影響についても深く配慮を加える措置が当然必要であると考えるわけです。 それで大臣にお尋ねしたいのは、私立幼稚園の問題について、この法案との関係も含めながらどのような方針をお持ちになり、特に五十年度からその見通しのきく時期までについてどのような対策、配慮といいますか、それをお考えになっておりますか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(安嶋彌君) 幼稚園教育におきまして私立幼稚園が非常に大きなウエートを占めておるということはただいま御指摘のとおりでございまして、幼稚園の園児数二百二十三万人のうち、私立に存学いたす者が百六十九万人、約七六%でございます。こうした多数の園児が私立幼稚園に学んでおるわけでございますが、これに対しまする国の施策といたしましては、一つは、地方交付税制度におきまして運営費の補助ということが私立の高等学校以下につきまして行なわれておるわけでございますが、この中で幼稚園分といたしまして百六億円が地方財政計画上積算をされておるわけでございます。ただいまお話がございましたように、この法律は直ちに私立幼稚園の教職員の給与に連動するものではございませんが、実際上各般の影響を受ける。これだけではございませんで、たとえば先般の人事院勧告につきましても同じような影響が実際上あるわけでございますが、そうした影響を配慮いたしまして私立幼稚園に対しまして、学校法人立でございますが、百六億円の運営費の補助を用意をいたしておるということでございます。 それから施設につきましては、四十九年度予算におきましては十六億円の補助を予定をいたしておりまして、特に四十九年度からは人口急増地域の幼稚園施設の整備につきましては、一般地域につきまして補助率が三分の一でありますものを、人口急増地域につきましては二分の一にするというようなことも行なっておるわけでございます。ほかに、幼稚園に就園する父母負担の軽減をはかるという趣旨から就園奨励費というものを計上いたしておりまして、その額は四十九年度予算におきましては二十五億円でございます。これは内容といたしまして、市町村民税の所得割りの非課税世帯に対しましては公立幼稚園は二万円、私立幼稚園は三万円を限度といたしまして、保育料の全額を免除するために必要な補助を内容にいたしております。さらに、市町村民税の所得割り税額が五千円以下の世帯につきましては、保育料の一定限度の三分の二を免除するに必要な措置を講ずる、その他詳しく申しますといろいろございますが、そうした措置を講じておる次第でございます。なお、先ほど施設について申し上げたわけでございますが、設備につきましても約二億八千三百万円の補助をいたすことにいたしております。ただしこれは、私立だけではございませんで、公立も含めた数字でございますが、そうした補助を用意をいたしておるということでございます。ただいまの御質問にもございましたように、幼稚園教育に対する要請が非常に強いわけでございますが、これに対しまして文部省では幼稚園教育振興の十カ年計画を定めまして、五十七年度の当初までに希望するすべての四歳児及び五歳児を全部就園させるということを目標にいたしまして、四十七年度からただいま申し上げました五十七年度当初までの間におきまして、約六千の幼稚園の新設と四万二千の学級の増加を行なうべく計画をいたしまして、これに対応する予算措置をただいま申し上げたような形で講じておるということでございます。
○久保亘君 いま局長がお答えになりました中で、地方財政計画上、百六億が積算されているということでありましたが、交付税が全国の自治体で百六億のうちどれだけが実際に幼稚園の運営費として自治体で予算化されているか、それはお調べになっておりませんか。
○政府委員(安嶋彌君) 実は幼稚園の部分についてだけの資料をただいま持ち合わせておりませんが、高等学校以下につきまして地方財政計画に計上いたしておりまする金額は、約五百七十五億円でございます。幼稚園の百六億円をも含めまして五百七十五億円でございます。全府県について申しますと、この財政計画額をはるかに上回る助成金が実際に支出されております。ただ、県によりまして多少の出入りがございまして、地方財政計画額あるいは地方交付税が予定しておりまする金額をはるかに越えて出しておるところもございますが、実はそこまで出していないという府県も若干はございます。
○久保亘君 それじゃ、いまはるかに総ワクとしては越えているということでございましたから、できましたら各県ごとの実情を資料としてお示しをいただきたいと思います。それはいいですか。
○政府委員(安嶋彌君) 実はこの問題は直接の所管は管理局でございますので私からそちらのほうに十分連絡をとっておきたいと思います。
○久保亘君 それから五十七年度までに希望するすべての四歳児、五歳児が就園できるようにしたい、こういうことでありますが、希望するすべてのということの意味でありますが、私は今日、四歳児、五歳児を持つ親にとって幼稚園の教育を希望しない者はいない、こう考えております。もしことばを厳密に言うならば、希望できない人がいるのかもしれません。だから希望する者全部を収容するようなものとしたい、こういうことでありますならば、このことは言いかえれば、幼稚園の教育を義務教育化するという意味に解してよいのではないかと思うのですが、大臣のお考えをお聞きしたい。
○国務大臣(永井道雄君) いまの問題でございますが、幼稚園義務化ということをいたします上には少なくとも二つの基本的な条件が必要だと。第一には、財政的な裏づけの面から十分義務化し得るということでありますし、もう一つは、教育の内容の側面から考えて、絶対に幼稚園というものを義務化しなければいけないという裏づけが必要だろうと思います。その双方につきまして、今日決定的、断定的なことを申し上げることはできないということであります。さらに一般的に、この幼稚園の問題との関連においてお考えいただきたいことの問題は、先ほど御指摘がございましたように、わが国の幼稚園教育は非常に私立への依存度が高いということは事実でございます。他方、先ほど初中局長からお話し申し上げましたように、高等学校につきましても、これも私の記憶に誤りがなければ、約三〇%の生徒が私立に通っているという状況でございます。しかも、高等学校への進学率が九〇%をこえるこういう状況が一つあり、さらにまた、大学の場合ですというと、幼稚園の私立への依存度よりさらに高く、約八〇%が私立の大学に通っておる、そして、そういうそれぞれのレベルの学校というものがやはりこれも御指摘になりましたように、父兄の負担というものとそれから教員の待遇の改善という、いわば二つの非常にすれ違う要求を持っているわけでございます。そこで、そういう状況の中で、いま全体図の中でやはり国庫による補助ということを考えなければならない、そういう中で、考えでいかなければならないことでありますので、幼稚園の義務化とその二つの要件のうちで、財政的に絶対に義務化し得るということをいまここで申し上げることができないというのが現状ではなかろうかというふうに考えております。
○久保亘君 そうすると先ほど局長が言われております、希望するすべての四歳児、五歳児を収容するための六千の新設、四万二千の学級増というのは、これは希望しながら、経済的に就園できないもの、これは積み残してもやむを得ない、こういうことになっておるのでしょうか。
○政府委員(安嶋彌君) 希望する全員と申しましたのはそのとおりなんでございますが、ただこれで除外されておりまするものは、保育所におきまするいわゆる要措置児とそれから特殊教育の対象になりまする児童を除いて全員を就園させたいということでございます。したがいまして、ただいま御指摘の経済的条件に恵まれないものは、計画数には含めてございまして、これは先ほど申し上げましたように、就園奨励費の対象等として取り扱ってまいりたいということでございます。
○久保亘君 それならば、大臣はいろいろな財政当局やそれから各面への配慮もあってはっきりお答えができにくい点もあるだろうと思うのでありますが、そうすれば五十七年度には、制度としてではなくても、事実上は、実態としては幼稚園は義務教育と同じ状態になる、このようにお考えになりますか。
○政府委員(安嶋彌君) 実態としてはほとんどの幼児が幼稚園に就園するという結果になると思います。また、そういうふうに持っていきたいというのが私どもの施策でございますが、ただ、これを義務教育と考えるかどうかという点につきましては、これはかなりいろいろな検討を必要とするように思います。大臣も申されましたように、児童心理学やあるいは教育学等における学問上の検討にもまたなければなりませんし、そうした検討の成果をどう教育に受けとめていくかというようなこともございます。また、小学校教育との関連の問題がございます。それから、実際上の問題といたしましては財政上の問題もございますし、その際、義務制にするといたします場合には現在ございまする私立幼稚園をどう扱っていくかというような問題もございます。つまり、教育論といたしましてもなお検討すべき点があるわけでございますし、また実際上の諸問題につきましてもかなり多くの問題があるわけでございますので、そうした点を十分見きわめた上で慎重に検討すべき問題であるというふうに考えております。
○久保亘君 よく私理解できない点があるんですが、私立幼稚園をどうするかとか、いろいろなことを言われますけれども、現に義務教育の課程であります小中学校でも、私立の教育機関を含んで義務化されているわけです。そしてまた、私立の幼稚園を含んでいるから義務教育化することがたいへんむずかしいという議論であるならば、これは非常に問題があるところであります。私は、むしろいま言われたように、希望する子供はすべて収容する、こういうようなことでありますならば、特に経済的な理由で就園の困難と思われる者に対しては、国の責任においてその希望がかなえられるようなやり方を含めて、少なくとも幼稚園の教育をすべての子供が受けられるようにするという意味での、厳密な法律上の義務教育という立場に立たなくても、幼稚園の教育は希望する者が全部はいれるという意味において、国民のすべてが受ける教育、こういう意味で義務教育と理解していいのではないか、義務教育というものの考え方が、国がきめた教育を親が子供に受けさせる義務という意味だけで理解をすれば、そういう言い方が出てくると思う。私はそうではなくて、義務教育というのは、国民が子供たちにやってほしいと希望している教育を国が国民の希望している方向に沿って完全に実施しでいくということの義務も含めて義務教育ということばがあると思うんです。そういう意味で考えますならば、この五十七年度、すべての子供たちがはいれるような体制をあなた方がおつくりになるということは、事実上幼稚園の教育を義務教育の状態にすることを目ざしてこの計画をされるんだと理解していいのではないでしょうか。
○政府委員(安嶋彌君) 義務教育ということばの定義はいかんによるわけでございますが、御承知のとおり、憲法、あるいは教育基本法、あるいは学校教育法における義務教育の定義というものを前提といたしますと、これは、やはり保護者がその保護する子女に法律の定める学校教育を受けさせる義務を負う、その教育が義務教育だということかと思います。同時に、それに対応いたしまして、それを受け入れる側の市町村が当該学校を設置する義務を負う、これが一体に把握されたものが義務教育である、こういうふうに考えるわけでございます。 先生のお話しのようなそういう義務教育の理解のしかたというものも、これは、お考えとしてはあり得るかと思いますが、私どもはいま申し上げたような考え方を前提といたしておりますので、現在の法令上の概念からは必ずしも義務制ということまでは考えていない、こういうことでございますが、ただ、実体の議論といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、要措置児等を除きまして、希望者の全員を収容したい、それがまた国民の期待にこたえるゆえんでもあろうというふうに考えておるわけでございまして、そうした方向にぜひ運びたい、こういうことを考えておるわけでございます。
○久保亘君 幼稚園の段階における教育というのは、大学の場合と違いまして、教育を受ける本人の選択というものはあまり入ってこないわけです、年齢的な段階がありますから。したがって、その課程の教育については、やはり本来、すべての子供がこの制度を、幼稚園課程の教育を受けられるという意味においては義務教育の状態にすべきものだというふうに大臣はお考えになっておりますか。
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、義務教育ということばの定義いかんによるわけでございますが、先生がただいま御主張になっておる点も、私どもがやりたいと考えておる点も、実体としては全く同じではないかと思います。希望する園児全部を幼稚園に収容したいということでございますから、その実体は同じだと思いますが、ただ、それを現在の概念に従って、つまり、実質的に全部就園をいたしておりましても、それが法律上の義務の履行としてではない場合には、これは、義務教育とは言わないのが現在の法律上の制度でございますから、私ども、そういう前提でお答えをしておるわけでございますが、先生のようなお考えも、そういう新しいお考えとしては十分考えられるところだと思っております。
○久保亘君 少し、私がお尋ねをしましたことは、派生をして、一般的な質問のようなことになりました。もとへ返ります。 私立幼稚園の教職員の給与の改善ということは、今回出されておりますこの幼稚園教職員の給与に関する法律の改正だけではなく、さっき言われましたように、今度の全体的な給与の改定などとも関連して、十分配慮が加えられなければならない問題だと思っております。その配慮を加える前提といいますか、対象となるべき私立の幼稚園の教職員の給与の実態がいまどういう状態にあると把握をされておりますか。
○政府委員(安嶋彌君) 公立幼稚園の教員の給与の額につきましては、これは、比較的詳しい資料があるわけでございますが、私立の幼稚園だけではございませんが、私立学校の教員の給与の実態につきましては、必ずしもそう的確な教字が、実は遺憾ながら、ございません。ただ、一般的に言えますことは平均額でございますが、私立幼稚園の教員の給与は、公立幼稚園あるいは国立幼稚園に比べてかなり低いということは申せるかと思います。ただ、職員の構成の実態が私立と公立とではまたかなり違うということもあろうかと思います。つまり学歴の関係でございますとか、あるいは年齢、ひいては勤務年数の問題等が違いますれば、それに従ってある程度の、ある程度と申しますか、それに対応した程度の格差があるということは、これはある意味で当然でございますが、その職員構成その他等を前提にしながら比較した資料が実はございませんので、正確に言ってそれが低いかどうかという判断はいたしかねるわけでございますが、平均額から見る限りにおきましては、かなり低い状態にあるということは言えるものと思います。
○久保亘君 ずいぶん、そうすると、あいまいな根拠で交付税の中に私立幼稚園の運営費の助成が積算されているということになりはしませんか。私は地方で私立学校審議会の会長を数年にわたってつとめてまいりましたが、その審議会の中で私立幼稚園の側からいつでも述べられる意見の中に、まず一番比較しやすいものは同じ大学を出て同時に幼稚園、私立の幼稚園と公立の学校に勤務をした者との給与を比較すればはっきりしてくるわけです。公立の教職員の給与でさえも、非常に今日の経済情勢の中では不満足な状態にあるにもかかわらず、それに対比をしてもきわめて低い状態にあります。私は正確な数字でないと申し上げたくないんで、いまここにその数字をはっきり記憶はいたしておりませんが、たいへん低い状態です。そうすると今後この私立の幼稚園の教職員の待遇改善に関する方針が放置をされたままでまいりますと、最初に私が申し上げましたように、私立の幼稚園は経営上も父母負担にたよらざるを得なくなる一方、待遇上の問題からますます教職員の確保に困難を感ぜざるを得なくなってくるわけであります。 そういう意味で、その他の課程でもそうでありますけれども、特に幼稚園の課程においてはその及ぼす影響というものを決して無視することができない。だから幼稚園の教職員の待遇改善に関するいろいろな取り扱いをきめられるときには、必ず教育上連動していく私立幼稚園の経営に対する十分なる配慮がなければならない、私はこう申し上げておる。だからその配慮について五十年度私立の幼稚園の経営、運営に関して、どういうような助成の計画を持って望もうとしておられるのか、それを私はお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(安嶋彌君) 私立幼稚園の教員給与の実態でございますが、先ほど申し上げましたようにかなり低いわけでございますが、まあ低いと申しましても年齢段階によりましてかなり差等があるようでございます。ただいま手元に持っておりまする資料は四十三年の資料でございますが、十八歳の教員の場合でございますと、公立が約一万八千円に対しまして私立が約一万六千円で、九一%というような率でございますが、これが五十五歳をとってみますと、公立が五万七千円に対しまして私立が三万一千円、約五六%といったような比率が出ております。 それから、先ほど職員構成のことについて申し上げたわけでございますが、助教諭の率をかりにとってみますと、四十七年の数字でございますが、公立の助教諭の率は六・二%でございますが、私立の場合には一二・一%というようなことでございます。それから公私立の年齢構成でございますが、十八歳ないし十九歳の者は、公立では〇・一%でございますが、私立では〇・二%、それから二十歳から二十九歳までの者は、公立では四八・六%でございますが、私立では七二・三%というようなことでございます。つまり職員の構成等がかなり違う。そういうこともあってただいま申し上げましたように、公立と私立の幼稚園の教員の給与の間には格差があるということが実態であろうかと思います。 それでは、地方財政計画ではどういう数字を根拠にして先ほど申し上げました額を積算していろかと申しますと、これは実績が基磯でございます。実績が基礎でございまして、それぞれ改定率、精算率等を乗じて金額を出しておるということでございまして、実態が上がってまいりますならば、それにつれて積算の状態も高くなってくるということでございます。理論的な計算をして特に低く押え込んでおるというようなことでは全くございません。
○久保亘君 もう一つ私が聞いたことがあります。
○政府委員(安嶋彌君) 来年度の要求でございますが、実は手元に資料を遺憾ながら持ち合わせていないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、施設費につきましても、それから設備費であるところの園具につきましても、それから就園奨励費につきましても、それぞれ増額をはかっていきたいということで折衝中でございますが、ほかに新たな事項といたしまして、高等学校以下の学校に対しまして国から直接経常費を補助するようなことも考えておるような状況でございます。
○久保亘君 最後に大臣にお尋ねしたいのですが、大臣が就任されます前から文部省としては、幼稚園を含む私学に対して、人件費をはじめとして思い切った運営費の助成を行なっていくという立場に立って年次計画を立てられ、その年次計画に基づいて五十年度の要求をされておると聞いております。されようとしたのか、されたのかわかりませんが、そういうふうにお聞きしておりますが、大蔵省のほうではたいへんこれに対して壁が厚いという話を聞くのです。で、大臣はまだその点については事務当局からお聞きになっておらないのでしょうか。
○政府委員(安嶋彌君) 私学振興につきましては、従来国の補助は、大学、短大、高専についてのみ行なわれておったわけでございます。この振興計画も実は四十九年度でもって五年目を迎えた関係上、五十年度から新たに振興計画を発足させたいということで、そういう観点の要求をいたしておるわけでございますが、ほかに新たに、さっきもちょっと申し上げましたように、高等学校以下の私学につきましても国から直接補助することとしたいという要求を掲げて大蔵省と折衝をいたしておるような状況でございますが、まだ内示はございませんが、せっかく努力をいたしたいということでございます。
○久保亘君 何か、大臣のほうは所感はありませんか。
○国務大臣(永井道雄君) 私は、私立学校の助成というものをやっていかなきゃいけないという考えは強く持っております。そして年次計画に基づいて国が進めていかなければいけない。まあこれ、いま就任いたしまして二週間でございますけれども、その二週間の間に承知いたしました点は、いま初中局長からお話し申し上げたとおりでございます。そこで、これを文部省としてぜひ進めて、そうして実現していきたいというのがさしあたっての問題でありますけれども、さらに、将来におきましては、できるだけの努力をいたしまして、そして私立学校というのは、実に広範にわたっているわけなんでありますが、こういうものについて、どこまで国庫補助ができるか、そういうことをデータに基づいて、そしてしっかりした計画を立てていく、そういうふうにつとめたいと考えております。非常に重要な問題だと存じます。
○内田善利君 それでは、私は国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに文化功労者年金法の一部を改正する法律案、両方とも賛成の立場で、時間の許す限り質問さしていただきたいと思います。 いままで安永委員から、学校事務職員の待遇の問題について質問がありましたが、人確法もはずれたと、また、この教特法にも調整額の中からはずれていると、こういう実態で、先ほどのようなお話しがあったわけですが、それではこの学校事務職員の待遇改善について、文部省はどう対策をとろうとなさっているのか、この点をお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(安嶋彌君) 先ほども申し上げましたように、三十二年通達の実施が十分ではないという状況でございますから、さらに、この趣旨の徹底をはかりまして、学校事務職員が一般職員と不均衡にならないような、適正な処遇が行なわれるように指導してまいりたいということが一つと、それからまあ先ほど多少次元が違うという御指摘がございましたけれども、超過勤務手当、時間外勤務手当等につきましても、予算の積算を改善してまいりたい。そうした形によりまして、実質的に事務職員の処遇の改善がはかられるように努力をいたしてまいりたいということでございます。
○内田善利君 この教職調整額の四%ですけれども、この間も、前回のときも質問したわけですが、期末あるいは勤勉手当あるいは退職手当、退職年金等の手当にはね返ってくるわけですね。そうしますと、支給額の実質的な価値といいますか、これは超勤手当なんかに比べますと、非常に低くなってくるわけですが、これは昭和四十六年五月二十八日成立したわけですけれども——この四%をもう少し拡大する、諸物価の値上がり等も考慮に入れて、拡大あるいは増額するというようなことは考えておられませんか。
○政府委員(安嶋彌君) これは、ただいま御指摘のように、四十七年の一月から実施されておるわけでございますが、定率でございまして、人事院勧告等によりまして、本法の改善が行なわれれば、自動的にそれにリンクして額がふえていくということでございます。したがいまして、いまこの率を変えるという考えは、私ども持っておりません。
○内田善利君 事務職員につきましては、先ほどから質疑が行なわれましたので、これぐらいで終わりたいと思いますが、やはり学校内において事務職員の占める教育的な効果というのは非常に大きいわけですから、事務職員を忘れないように配慮していくべきだと、こう思います。 それから人確法に基づく待遇改善ですけれども、文部省としては、五十年度予算に第三次の教育職員の給与改善を盛り込んでおられると思いますが、新聞等によれば、この実現が危ぶまれておると、このように聞いておりますが、この点はいかがですか。
○政府委員(安嶋彌君) 御指摘のとおり、大蔵省に要求をいたしておるわけでございますが、その要求に対する内示はまだございませんで、御承知のとおり、予算編成は年を越すということでございますが、私どもといたしましては、当初要求の線に従って、努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○内田善利君 人確法成立の趣旨からいきまして、一年度で終わってしまったんでは非常に人確法の成立の趣旨に反すると思うんです。だから、昭和五十年度もそうですけれども、当初の計画が遂行できるように、文部省としても、これについては特に力を入れていただきたいと思うんですが、この点は、文部大臣はいかがお考えですか。
○国務大臣(永井道雄君) 私、この問題につきましては、いま局長が申し上げたのと全く同意見でございます。人確法がせっかくできまして、そこで当初の計画どおり文部省はこの実現のために努力をしていく、そういう線で進んでいくつもりでございます。
○内田善利君 参議院でこの人確法が採決になったときの附帯決議ですね、これは覚えておられろと思いますが、局長、このときにも、附帯決議には、高等学校それから幼稚園、学校事務職員などに対しても本法案の対象に加えるよう附帯決議があったわけですが、高等学校、幼稚園学校事務職員に対しても対象にしていくべきであると、こう考えますが、文部省としてはどう考えてこられたのか、とう対処されてきたのか、——事務職員についてはわかりましたが、その附帯決議の線に沿ってとられた措置ですね、これをお聞きしたいと思います。
○政府委員(安嶋彌君) 小中学校のほかに高等学校と幼稚園があるわけでございますが、幼稚園につきましては、御承知のとおり教育職俸給表の(三)が適用されておるわけでございますから、小中学校の俸給表がそのまま基準になるということでございます。高等学校につきましては俸給表が違うわけでございますが、御承知のとおり、小中学校の改善に対応すると申しますか、それと均衡をとった改善が行なわれるということは御承知のとおりでございます。本年の一月からその改善がすでに実施を見ておるということでございます。
○内田善利君 文部省内に教員等待遇改善緊急調査会、これが発足したわけですね。これは教員給与のあり方等の検討がなされておると思いますが、この附帯決議もあわせて、今回まで、きょうまで何回検討がなされたのか、そういったことについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(安嶋彌君) ちょっと、会議開催の同数につきましては、資料はちょっと手元にございませんですが、第一次改善は、先ほど申し上げましたように、すでに実施に移されているわけでございますが、第二次改善につきましては、高等教育の部会と初中教育の部会とこれは別個でございますが、初中教育の部会について申しますと、ことしの夏から約五、六回の会議を開催をいたしております。
○内田善利君 先ほど幼稚園教育についての質問があったわけですが、私が質問したいことは、十一月五日に行政管理庁が調査した結果私立幼稚園は平均一・二倍、ひどいところでは七・五倍の定員の増の園児を収容していると、こういうふうに指摘しているわけですが、こういった実態を踏まえての六千ですか、新設ということだろうと思いますが、先ほどは私立幼稚園の先生方の給与の実態も的確に把握されてないようですけれども、こういった定員増の実態はどのようになっておりますか、オーバーの状態は。
○政府委員(安嶋彌君) 行政管理庁から私立幼稚園の定員超過について御指摘があったことば、私も承知いたしておりますが、実はその関係の資料を手元に持っておりませんので、計数的なお答えはいたしかねるわけでございますが、調査の結果といたしましては、行管が指摘いたしておりますとおりのものもあるわけでございますが、ただ、その定員増の手続を怠っていたがために著しい定員超過だというような形になったものも中にはあるというふうに聞いております。つまり、必要な施設なり設備なり教員なりは用意はされておったんだけれども、定員を改定する手続を怠ったがために、形の上で非常に大きな定員超過があるようになったものもある。それからまた教員や施設、設備は、収容する園児に対応するものが用意はされておったけれども、実は用地が十分取得できなかったために成規の手続がとれなかったというものも中にあるようでございます。しかし、いずれにいたしましても、法令に定める施設設備が充足されていない、あるいは定められた定員を超過して園児が収容されておるということは、これは遺憾なことでございますから、それぞれの方法によりまして是正をはかるべきものと考えております。
○内田善利君 幼稚園の実態ですけれども、一学級定員は、基準は四十人ですか、四十人以下が原則となっておるようですが、そうですが。
○政府委員(安嶋彌君) 御指摘のとおり、幼稚園設置基準の第三条におきまして、「一学級の幼児数は、四十人以下を原則とする。」というふうに規定されております。
○内田善利君 その四十人以下が守られておるかどうかですね。それともう一つは、一九六一年ジュネーブの国際公教員会議では、教師一人当たり二十五人をこえないことという勧告まで出ておるわけですが、やはり年のいかない園児を預かる場合、こういった園児を教育する場合はやはり三十五人以下が望ましいのじゃないかと思いますけれども、こういったことを考えてみましても、私立幼稚園では、ひどいところでは七・五倍、平均一・二倍と、こういう実態ですが、やはりこの実態を解消する意味におきましても、今度のこういった措置も、幼稚園に措置することによって、私立の幼稚園はまたひどい格差が出てくるのじゃないかと、このように思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(安嶋彌君) 御指摘のように定員を著しく超過した私立幼稚園があるということは、これは事実でございますが、ただ、全国平均をとってみますと、一学級当たりの在籍幼児数は、私立の場合は三五・六人でございます。公立の場合は三一・九人、国立の場合は二九・六人ということでございます。平均値で見ます限りは、幼稚園設置基準の三条を越えていないわけでございますが、ただ、多いものあるいは少ないもの等があるわけでございますからこうした数字が出てきたものと考えております。定員を超過しておる幼稚園につきましてその是正が必要なことは先ほど申し上げたとおりでございます。
○内田善利君 この本法が適用されますと、国公立の幼稚園の対象になる教職員の数はどうなりますか。
○政府委員(安嶋彌君) 四十九年の五月一日におきまして、公立幼稚園で約二万人でございます。それから、国立幼稚園におきましては二百二十五人でございます。
○内田善利君 この公立幼稚園の教員ですね、この適用されている給料表ですけれども、これはどうなっておりますか。
○政府委員(安嶋彌君) 先ほども申し上げましたように、幼稚園教員につきましては、小中学校の教員と同じように教育職俸給表(三)が適用されるというのが教育公務員特例法の二十五条の五の規定でございますが、その規定どおり適用されておるものは全体の三四・七%でございます。それ以外に、市町村吏員と同じ俸給表の適用を受けておるものが約五〇・三%、それから幼稚園教員独自の俸給表をつくりましてその適用を受けておるものが二二%、その他というような状況でございます。
○内田善利君 その教育職俸給表の適用を受けているものと行政職俸給表の適用を受けているものと二つあるわけですね。行政職給科表の適用を受けているものがあり、教育職俸給表に適用されない、その二つの差、二つの原因がある。これはどういうような事情があるわけですか。
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたとおり、幼稚園教員の俸給表は教育職俸給表(三)が適用されるということが法令の規定でございますが、実際上ただいま申し上げましたような形になっておりますのは、やはり一般の町村役場の事務職員等とのバランスあるいは保育所の職員とのバランス等からいたしまして、こうした実態になっておるものかと思いますが、文部省といたしましては、教育公務員特例法が規定いたしますとおり、公立幼稚園の教職員につきましては教(三)を適用すべきものであるということをしばしばこれは通達をして指導をいたしておるようなことでございますが、実態は遺憾ながらただいま申し上げましたようなことになっておる次第でございます。
○内田善利君 私立幼稚園に対する国庫助成ですね、これはどのようにお考えになりますか。
○政府委員(安嶋彌君) 私立幼稚園に対する国庫助成は二つございまして、一つは、園具、幼稚園の設備に対する補助。一つは、施設に対する補助でございます。それから就園奨励費、これは私立の幼稚園に対する補助ということには正確には当たらないかと思いますが、幼稚園の就園奨励費の補助、そうしたものがございます。今後ともこれは拡大をしていきたいというふうに考えております。
○内田善利君 次に、文化功労者年金法の一部を改正する法律案について質問したいと思いますが、今度百五十万から二百万に引き上げられるわけですが、この文化功労者年金の性格ですね、それと二百万円に上げる根拠を伺います。
○政府委員(清水成之君) 最初の文化功労者年金の性格でございますが、文化功労者年金法にございますように、文化の向上発達に関しまして特に功績顕著な者を顕彰する、その方に年金を終身支給すると、こういうことに相なっておりまして、この性格は顕彰をする、いわば賞金的な性格である、かように考えておるわけでございます。あるいはお尋ねの意味が生活給的なものかとうかということも含まれておろうかと思いますが、法律の性格、制度から見まして生活給というのが本旨ではございませんで、顕彰、賞金的な性格が主なる目的である、かように考えておるわけでございます。 なお、二百万にいたしました根拠、こういうことでございますが、先ほど申し上げましたとおり、年金の性格がそういう性格でございますので、これを一義的に一つの方程式できめるということもなかなかできぬということでございます。 〔理事久保田藤麿君退席、委員長着席〕 一つは沿革の問題がございますが、制度発足の二十六年におきまして税込み五十万円で発足したわけでございます。それから三十七年にこれが所得税非課税措置がとられまして、三十九年度に百万に引き上げられ、また四十六年度に百五十万、こういうことにしていただきまして現在に至っております。 そこで、いろいろ要因はあるわけでございますが、何と申しましても、一つは社会経済事情の変動と、こういう点がございます。それとからみまして文化功労者年金として顕彰するにふさわしい額にしたい、その主たる要因が社会経済の変動ということ、また、これはまあ付随的と申しますか、結果的になるかもわかりませんが、四十六年当時から四十八年、この辺の給与ベースの引き上げなりあるいは国民生活水準あるいは物価水準の動き等を勘案いたしまして二百万円ということで御審議をお願いをしておる次第でございます。
○内田善利君 この年金額の決定につきましては、政令で定むることになっていたのを法律で定めることにしたわけですが、将来この点については、どのように考えておられるのか、それからこの年金額の決定の基準というようなものは考えておられるのか、また、今後年金額を引き上げることについての基本的な姿勢、態度、そういったものをお聞きしたいと思います。
○政府委員(清水成之君) いま政令の問題がございましたが、実は当初政府提案として五十年度以降、政令でお願いし、四十九年度は予算で決定いただきました二百万、こういたしました理由につきましては、先刻大臣から提案趣旨の説明で申し上げたところでございまして、今日のように社会経済事情の変動が著しいときで、ございますので、予算の御審議をいただきまして、きまりましたらできるだけすみやかに支給をさせていただきたい、こういうことで政令でお願いできないかと、かように考えた次第でございますが、衆議院のほうで御修正をいただいたわけでございます。そこで、将来そういうことを考えていくのかどうか、こういう点につきましては御修正の趣旨、また、今度の国会が臨時国会等でもあったというようなこと、いろいろとまた勘案いたしまして、将来の検討課題とさせていただきたい、かように存じておる次第でございます。 なお、年金額の基準の点で何かつくる考えはないか、こういうことでございますが、これまた先刻お答えしましたような年金の性格からいたしまして、これこれというふうに一義的に何かつくるというのも非常に至難であり、また一面、その妥当性がどうかという点を思うわけでございますので、社会経済事情の変動、そういうものを踏まえまして文化功労者年金にふさわしい額を改定する時期にはまたお願いをいたしたい、かように考えておる次第でございます。 第三点といたしまして、これを将来引き上げる用意があるかどうか、どういうふうに考えているか、こういうことでございますが、私どもこの二百万が決して十分であるとは内心思っていないわけでございまして、今後もいろいろな要素を勘案いたしましてまたお願いする時期があり、かつまたそのように努力をいたしたい、かように考えております。
○内田善利君 最後に大臣にお伺いしますが、文化功労者の年金額の引き上げ、もちろんいま考えておるということですが、これはいわば過去の功績を顕彰するということなんですね。ですから今後こういった文化功労章、広い意味の文化の向上発展ということを実現するためにむしろ若い人たちを養成し、伸ばしていくということが望ましいのじゃないかと思いますが、こういったことについて大臣はどのようにお考えでしょうか。文化功労章といったら七十歳以上の過去の功績を顕彰すると、もっと文化向上のために若い人を養成していくということが大事じゃないかと思いますが、この点について伺います。
○国務大臣(永井道雄君) その問題はもちろん御年輩の方ばかりということではなくて、これは、文化功労章ということよりたとえば文化勲章受章者でも江崎先生のような方、まだ相当お若いのでありますが、文化勲章だけでなくノーベル賞もとられるというような事実もあるわけです。そういうことを考えますと、これはもちろん生涯を通してりっぱなことをなさるという方に対して功労者というふうに考えることも意義があると思いますけれども、しかしながら、若い方がりっぱなことをなさったという場合には、やはり当然尊重すべきものと思います。ただ、これ、若い人を奨励するという場合には、まだはっきりしたことはよくわかっていないのに奨励するということになりますと、これはなかなか基準を設けにくいことでございますから、これはちょっと考え方が、いまわれわれが論じている問題から幾らかはずれるものになるんではないか、かように考えます。
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして。
○宮之原貞光君 提案になっております二つの法案に賛成でありますが、これから若干時間、主として幼稚園関係にからむところの諸問題につきまして、同僚議員の質問とはできるだけダブらないような角度から質問さしていただきたいと思います。 提起をされております幼稚園関係の調整の四%の問題は、先ほども同僚の安永議員からも指摘がありましたように、むしろおそきに失したんじゃないだろうかと、こういう感じがしてならないわけでございますが、ただ問題は、先ほど来若干質問の中にもありましたけれども、私は単にこの四%という問置も、やはり日本の幼児教育のあり方のたいへん基本的な問題等もありますので、この問題について若干お尋ねをいたしておきたいと思います。 先ほどやりとりの中で五十七年度をめどに希望者をできるだけ入れることのできるように幼稚園の増設をはかりたい、こういう答弁があったわけでございますが、それと関連をして、私ここ一週間ぐらいの新聞の中で胸を痛めておる問題があるのであります。それは御存じだろうと思いますけれども、東京の北区の滝野川第二小学校ですか、それともう一つの小学校において、その校庭に幼稚園を付設すると、この問題と関連をし、この小学校のPTAの皆さんがこのことについて異議を申し立てられてすわり込みという事態が起きて、区議会ではこの問題について幼稚園の併設をきめたけれども、校庭の中につくるということをきめたけれども、今度は父母の立場から見れば自分たちの子供の遊ぶところの校庭が非常に狭くなる、こういうことでは困るということで何回か区当局に陳情をされ、これが取り入れられないで強行という、工事の前にほんとうにもう父母の皆さんが、お母さん方を主体にしてすわり込んでおられた。この問題についてしばらく冷却期間を置くということで年あけて十四、五日まではひとつ冷却期間を置こうと、こういうことで、この問題については一応休戦状態だということが新聞に出ておるのでございますが、このことは非常に私は父母の皆さんの教育ということを考える立場から見ましてもきわめて重要な問題だと思うんです。確かに幼稚園をできるだけ公立の幼稚園をふやしてもらいたいというのが、これはまた関係者の声である。と同時に、また子供さんを小学校に入れているところの父母の立場から見れば、ただでさえも狭いところの東京の各学校の校庭、この校庭を削り取られて、そこに幼稚園をつくられるということになりますと、これは子供にとって遊び場がない、だからたいへんな問題だという二つの問題から、このいま申し上げたような事象、事件が起きておるわけですが、一体このことについて文部省当局としてはどうお考えになっておられるか。これはもちろん設置者の区の責任であるかもしれませんけれども、教育行政をあずかるところの立場からは、これはよそごとではない、きわめて重要な問題だと私は見ますが、この点、これは大臣も就任早々で大臣の御所見を承るのもどうかと思いますけれども、これはやはりきわめて重要な問題でございますので、もし大臣のほうからお答え願えたらお答えいただいて、でなければ事務当局でもいいですけれども、どうこの問題を見ておられるか、どのような方向に解決すべきだとお考えなのかまずお聞かせいただければけっこうだと思います。
○政府委員(安嶋彌君) 私も新聞を読みましてたいへんむずかしい問題が起こったというふうに感じたものでございますが、しかし、ただいま先生のお話しのように、幼稚園側の考え方もたいへんもっともでございますし、小学校のPTAの考え方も理屈のあることでございます。いずれを立てるかということになりますとたいへんむずかしい問題でございますが、やはりただいまのお話しの中にもありましたように、北区の教育委員会がやはり地域住民を説得をし、納得をさせる、してもらうということ以外に妙案はないのではないかというふうな感じを持っておるわけでございます。もちろん、近接地に適当な土地等があれば、そこに幼稚園の新設をはかるということも当然なことかと思いますが、北区がいろいろな努力を尽くして、なおかつそうした新しい用地を入手することができなくて、やむを得ず小学校の校庭にということになったものと思いますが、そうなれば、やはり両者がよく話し合うなり、あるいは北区の教育委員会が住民の協力を求めるなりすることではないかという考え方でございます。
○宮之原貞光君 これは幼稚園側のということよりも、私はいろいろな用地がなかなか見つからないという条件はあるかと思いますけれども、小学校に併置をするという安易な考え方が都会地でやはりとられ過ぎているのじゃないかという点にも問題があるのじゃないだろうかと思うのです。これは将来の文部省の方針としていわゆる幼児教育のあり方ということでその義務教育の年限を一年ないし二年は今後は下げていくのだと、こういう基本的な考え方でも持っているとするならば、これはまたそういうやり方も一つ成り立つと思いますけれども。確かに全国を見てみますと、いわゆる過疎地域とか、あるいはいなかのところに行きますと、校庭も広いし、同じ学校の敷地の中に併置されているのもいいのではないだろうかと教育的に考えられるわけですけれども、ただでさえも狭い都会地の学校において校庭が削り取られるということは、父母の立場から見ればこれは耐えられない問題だろうし、一体、区当局がほんとうに積極的に敷地でもさがすとか、あるいは都の助成でも受けてどこか用地を獲得するとかというような努力がなされておるのかどうか。そういうやっぱり私は問題も残っておるだけに、いま安嶋さんのお話ではただ感想だけなんですけれども、具体的にそういう問題について、文部省としては、新聞記事を見て都なら都にどういう状態になっておるかということをお聞きになったことでもあるんですか。
○政府委員(安嶋彌君) 特に都に事情を聞くといったようなことはいたしておりません。ただ、小学校併置の問題でございますが、文部省は一般的に併置したほうがいい、あるいはしないほうがいいという指導はいたしておりません。実際は、たとえば東京都内でも、都心でございますと小学校の生徒が減少するというような場合、そのあいた教室に幼稚園を併設するというようなこともかなり行なわれているようでございます。 それからまた、御指摘のように、最近見た例でございますが、千葉県の館山の北条小学校などでは幼稚園を小学校の校庭と申しますか、隣接地につくりまして、やはり小学校と幼稚園と連携をしてたいへん教育効果をあげているというような例も聞いております。これはやはりその関係者の指導方針なり熱意なり、あるいはその土地、土地の事情によりまして一がいにどちらがいい悪いということは言えないと思います。もとへ戻りますが、併設は避けるべきである、あるいは併設が望ましいというような、そういう特別な指導はいたしておりません。
○宮之原貞光君 これは、たとえば東京のどまん中の千代田とか、あるいは中央区とかという、言うなら昔の名門校でも過疎になっているところは校舎が余っておるのだから、これは住民の父母の方々もスムーズに納得していけるのです。問題は、やっぱりさっき申し上げた北区というのは、やはり発展地域でしょう。しかも校庭が狭い、そこを削り取られるわけですから。これは、私は、父母の皆さんの声というのは、やっぱり子供を思うという立場から見れば、これは当然だと思うのです。それだけに私は、やっぱり問題の本質は、一体、文部省が幼稚園教育、幼児教育のあり方というものと、この義務教育の小学校教育との関連性についてどうなのかと、そういう立場から、分離するほうが好ましいのかどうなのかという、そこらあたりのやはり考え方が若干野放しになっておるから、ほんとうは、やはりこの問題もすべて設置者まかせといえ形でいろんな問題点を巻き起こしているのじゃないか、ここらあたりが私は一番問題の本質じゃないだろうかと思うのです。私は、きょうは時間もありませんから、ここで即答は求めませんけれども、この問題は、単に困った問題ですと、何とか両方話し合って解決つけてもらいたいのですというものの言い方じゃなくて、少なくともやはり日本の文教政策を預かるところですから、ぜひともやはり今後の幼児教育のあり方という問題と義務教育との関連性のあるところのきわめて重要な問題ですから少し検討していただきまして、また通常国会あたりでこの問題についてのまとまった段階のひとつ見解なり、あるいは大臣の御見解をひとつ聞かせていただきたい、この点だけをこの問題については申し上げておきたいと思います。 それから第二のやはり基本的な問題は、教育界の中でも幼稚園と保育所との関連でこの問題を一本化すべきかどうかという問題がいま議論をされておるわけです。教育関係の面から見ますると、保育一本化という問題が私は大方の意見になっているのじゃないだろうかと思いますが、このことについて、文部大臣として、基本的にこの保育一本化の問題についてのものの考え方と申しますか、もしお聞かせ願えればお聞きしておきたいと思います。この間の予算委員会では、逆な立場から保育所はどうも困る、言うならば、子供を家庭にできるだけ預けるようなことをやれと、子供を保育所に預けないで子供はできるだけ親のもとに長く長時間置けという立場からの何か自民党の代表質問があって、いろいろまた文相も答えておられたようでございますが、その問題はさておいて、この保育一体化という問題は、これは避けて通ることのできない幼児教育の基本の問題ですね。この問題についてどういうものの方向性と申しますか、基本的にはどうお考えになっておるのかということをお聞かせ願えればありがたいと思います。
○政府委員(安嶋彌君) 先生御承知のとおり、幼稚園と保育所では本来の目的が違うわけでございます。幼稚園は学校教育法に根拠がございまして、幼児に対し学校教育を施すことを目的とするわけでございますし、保育所は児童福祉法に根拠がございまして、保育に欠ける幼児等を日々保護者の保育を委託を受けて保育する施設ということでございます。したがいまして、一方は学校教育の施設でございますし、一方は社会福祉、つまり保育に欠ける幼児を受託して保育をするというものでございます。本来の性格が異なるわけでございます。しかしながら、実態としてそれじゃそういうふうに割り切れておるかと申しますと、必ずしもそうではなくて、保育所が幼稚園の代替的な機能を果たしておりましたり、あるいは幼稚園がある一定時間でございますけれども保育所の代替的機能を果たしておるというような点が見受けられるわけでございます。保育所と幼稚園の全国の設置状況を見ますと、完全に補完という関係ではございませんが、大体の傾向といたしまして、幼稚園が多数設置されておる府県におきましては保育所の設置が少ない、逆に保育所が多数整備されておる府県におきましては幼稚園の設置が非常に少ないというようなことで、実態はかなり相互補完的なものになっておるということが現状でございます。したがいまして、この現状からこの幼稚園と保育所の問題をどう調整するかということが問題として出てくるわけでございますが、御承知の一おり、昭和三十八年に厚生省の児童局長と文部省の初等中等教育局長名をもちまして通達をいたしまして、その基本的な考え方を示しておるわけでございます。その第一は、設置、運営について十分連絡をとり計画的な整備を進めるということが一つでございます。それから幼稚園は四、五歳児を重点に置いてその一そうの普及、充実をはかるということ、第三点は、保育所における保育内容のうち教育に関するものは幼稚園教育要領に準じた内容とするということが合意されまして、こうした方向で実際の指導が行なわれておるわけでございます。しかしながら、この幼保の関連の問題がそれではこれで解決をしたかというと必ずしもそうではない、依然としていろんな問題が残っておるわけでございますが、今後とも厚生省等と連絡をとりながら実際上問題が生じないようにいたしたいというふうに考えておりますが、ただ、いずれにいたしましても、幼稚園にいたしましても保育所にいたしましても、現実に収容力が必ずしも十分ではないという今日でございますので、この調整ができなければ、その拡充整備には手をつけないということではなくて、保育所も幼稚園もそれぞれ不足をいたしておりますので、この整備を進めておるということでございます。基本的な両者の調整につきましてはただいま申し上げましたようにさらに調整を進めていくべき問題であろうというふうに考えております。
○宮之原貞光君 局長の答弁としてはそれでいいでしょうね。やはり行政官ですから、法律上の立場からこうなっておりますと。その法律上の立場は、こうなっておるということはこれは百も承知です。問題はやはり幼児教育のあり方という立場から見て一体、こういう通達を出しました、これでどうですと、あるいは今後両方とも拡充をはかるようにしますという形で私はおさまらない。あなたのいまの御答弁の中で現実に言われましたように、実際、保育所のあり方の問題はもともとの趣旨というのはそれは違っておっても、現実の実際やられておるところのものはほとんどやはり五歳児、六歳児、四歳児になってみますと同じみたいなものですよ。ただ、たまたま保育所という中で幼稚園のカリキュラムがそのままやられておったり、あるいはまた幼稚園というところで団地などではそのまま保育的な側面がだいぶあるという、これは実際なんです。問題はやはり日本の教育を預かるところの文部省として、これは厚生省の所管です、これは文部省の所管ですという立場の答弁じゃなく、一体これはどういうかっこうにしてもらうのだ、日本の幼児教育のあり方としてこれでいいのかどうか、ここのところの基本的な問題を実は私お聞きしておるのです。ただ、その点は、永井文部大臣も文相になられてそう長くないので、行政上のことなら私は文相にお聞きしませんけれども、この問題について大臣としては今後どういう方向でこれを検討されたいというお気持ちなのか、そこらあたりの所見をお聞かせいただければありがたい、こう思うのです。
○国務大臣(永井道雄君) 宮之原委員からたいへん重要な御指摘をいただきまして勉強になりました。実は先ほどから初中局長お話しているように、幼稚園と保育所というのは役割りが違うというふうに思っておりますけれども、しかしながら、幼保がいかに連携していくかというのが実際上の問題でございますから、就任いたしまして日も浅いのでございますが、実はこの問題について私すでに厚生大臣とお話をしたのでございます。 そこで、現在までも種々の連絡を両省がしてきているというふうに理解いたしておりますけれども、しかしこれは、役割りは違いますけれども重なり合う面がいろいろありますから、これについてやはりまず双方の連絡を十分にやりまして問題点を出し合って検討していくということが第一点でございます。 第二点の問題は、やはり保育所に子供がたくさん行くという問題は、一つは、確かに家庭教育との関係もあるわけです。といいますのは、いろいろな調査によりますというと、たとえばアメリカの核家族とそれからポーランドの農民の拡大家族、その子供のどちらが非常に発達をしていく上でいいかというような研究が、ございますけれども、実際精神障害というふうな、いわゆるノイローゼですか、起こっているのは核家族のほうが多い。そして、非常に狭いところに追い込まれて、そしてまた共働きで出ていってしまう。そういうデータもあります。そうなりますと、あるいは現在も日本はそういった核家族が進行しておりますけれども、あるいはでき得る限り家庭における教育というもので親子が接触するチャンスを強めていくという政策を進めていくということが保育所の拡充という問題と同列あるいはそれ以上に重要ではないかという角度、これもまた検討しなければならないことでございまして、これはもちろん所管的に申しますれば直接文部省の仕事じゃございません。これはいまの日本で共働きでいかなければ生きていくことができないという家族が多い問題もありますし、それから物価がどんどん上がっていく中でそういう条件が一そう深まっていくという問題がありまして、主として経済的な面というものがあるわけでございますが、こうした問題も含めまして、ですから幼保の関係、さらに家庭との関係、こういうものも含めて十分に検討していかなければならない。さしあたっていままでのところは、厚生省とのことについて厚生大臣とお話をした、そういうところまでをやったわけでございますが、今後はそれをさらに進めて、二つの面を考えていくべきではなかろうかというふうに私は考えております。
○宮之原貞光君 幼児教育のあり方の問題から申しますれば、確かに大臣も言われたように、家庭教育のあり方の問題とも結びつくところの問題です。そうなれば、確かに今日の社会の状態という問題、政治の問題とも関連をしてくるところの問題で、きわめていろいろな角度から総合的な検討を要するところの問題だとは私も承知をしておりますけれども、いずれにしても、私はやはりこの問題は、教育という観点から見れば避けて通ることのできない問題であるだけに、新聞等にはよく大臣が、大学教育の問題についてひとつ本腰を入れて検討しよう、こういう点が見えていますが、どうぞひとつ幼児教育のあり方という基本にかかるところの問題についても積極的に省内でも検討してみていただきたいと思うのです。特に先ほどの局長の話によりますと、五十七年度には希望者をみな幼稚園に入れたいぐらいの施設の拡充をしていきたいということになりますればなりますほど、保育所との関連をどうするかという問題にまた突き当たってくる。確かに現状の中ではカリキュラムの問題いろいろの問題がありますけれども、早急にこの問題についていろいろ御討議をいただきたい。またいずれ、この問題については聞く機会もあろうかと思いますので、この際は時間の関係もありますので、私の意見は述べることを差し控えて、ひとつ検討課題として十分留意をしていただいてお願いをしておきたいと思います。 次に進みますが、いま一つは、先ほど来問題になりましたところの幼稚園の先生方の給与改善の問題と関連をするところの事務職員の問題。端的に申し上げますと、やはり学校教育の、一つの学校の構成員である中で、一般の教職員あるいはまた幼稚園の先生方も養護の先生方も、いろいろな形でこの待遇改善の問題がなされておる。取り残されておるのは事務職員だけだと、これが実際じゃないかと思います。したがって、私は先ほど来問題が出ておるのだと思いますが、一体文部省としては、学校事務職員というものを学校教育の中でどういう位置づけをしておるのか、ここのところをやはりきちんとしておかないから、何か三十二年通達を出しましたという形だけで終始されておるのじゃないだろうかと思える節もありますので、この点、初中局長、省内では学校教育の中で学校事務職員というものをどういう位置づけをされておるのですか。
○政府委員(安嶋彌君) 学校は教育を行なうことがもちろんその施設の目的でございますが、その目的を十分に発揮いたしますためには、これを裏づけるいろいろの用意が必要なわけでございます。先生方が教育を十分に行ない得るためにはやはり施設をよくする、あるいは設備を整備する、あるいは一般の需要費も用意するほかに、各種の事務が学校には非常に多いわけでございます。人事、会計の事務のほか、地域との連絡でございますとか、そうした事務が非常に多いわけでございますが、そうしたものを全体として円滑に推進をしていくためには、これはやはり事務職員が適確に、ただいま申し上げましたような人事、会計、地域との連絡等に十分に対応していくということが、やはり学校本来の目的を十分に達成するために必須のものであろうというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、御承知のとおり、先般義務教育諸学校の教職員の定数標準法を改善をいたしまして、事務職員の配置の基準も引き上げたわけでございます。まだ十分ではございませんけれども、そうした施策を進めておりますのも、やはり学校におきまして事務職員が非常に重要な役割りを果たしておるということを前提にしてのことであると考えます。先ほどもお尋ねがございましたけれども、学校の運営、事務能率等にこの事務職員が非常に大きな影響を与えておるということは、ただいま申し上げましたところでもおわかりいただけたかと思いますが、そらした基本的な立場に立っておる次第でございます。
○宮之原貞光君 いまのことばじりをとらえようとは思いませんけれども、学校の事務職員というのは、やはり依然として俸給をどうするんだ、いろんな庶務をやるんだというようなことで、非常に文字どおり、事務という側面だけを文部省は考えておるんじゃないですか。いわゆる教育という側面からの学校事務職員の位置づけ、評価と申しますか、そういう点はどういうようにお考えになっておられますか。
○政府委員(安嶋彌君) そういう点も、御指摘のように、きわめて大切なことだと考えます。児童・生徒に対応いたすにいたしましても、それなりの教育的な配慮というものは当然に必要であろうかと思いますが、ただ、職域が違いますと、そうした特別な配慮というものは、これは多かれ少なかれどういう職域におきましても必要とされると思います。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、病院の事務職員でございますれば、やはり医療ということに関連をいたしまして、患者に接する機会が多いわけでございますが、そうした患者に接する特別な心づかいと申しますか、配慮と申しますか、そういうことも必要なわけでございます。事務職員の教育的なそういう配慮というものをもちろん評価しないわけではございません。非常に大事だと思いますけれども、ただ、それなるがゆえに、それを給与、待遇の面にどういうふうに評価し、具体化していくかということになりますと、これはやはり事務職員一般のあり方といったようなものにつきまして全体的に検討をしていく必要があろうかと考えます。
○宮之原貞光君 これは、いまの学術局長の木田さんが「教育行政法」の著書の中で言っておるこの学校事務職員の問題ですが、こう局長は書いておるんですよ。 「最後に学校事務職員の問題について若干つ け加えたい。近時、学校事務職員にも教育公務 員特例法の規定を受けさせるべきであるという 主張が一部の人々によってなされている。これ は学校事務職員が、教育公務員たる校長、教員 と職場を同じくし、また学校の運営に校長、教 員に劣らぬ重要な役割を持っているのに、給与 その他の待遇において校長、教員よりも不利で あるのは不公平であるから、校長、教員と同じ 取扱を受け得るようにしてほしいというところ に、動機があるように思われる。学校における 事務の適正を確保し、学校の機能を充実するた めに、その勤務条件を妥当なものとすること、 或は人事制度上一般公務員と同様な取扱いでは 不適当な点があればその特例を設けるというこ とは、充分検討に価するする課題であろう。」 こういうふうに述べておるんですがね。ここは、このとおりだとは言いませんけれども、少なくとも、やはり今日の学校教育におけるところのやはり事務職員のこの役割りとかあるいは評価というものをある程度私は正しい側面からきているところの面だとこう思うんですがね。私はもしこの著書にあらわれているところの木田さんの考えをもし文部省自体も同意されるとするならば、少なくとも、いろいろ教員の待遇改善の中で事務職員だけは、あの通達一本で済まされない問題だと、こう思うんですがね。先ほど安永委員の質問に答えてあの通達についてはもう一回ひとつあれをより充実したところの通達を出されるという答弁もあったんですが、ほんとうにいま申し上げたところの面がそのような大体理解されるとするならば、このままではぼくは文部当局としていけないと思うんですよ。どうなんですか。もっと積極的なやはり方向性はないんですか。
○政府委員(安嶋彌君) 学校事務職員についての基本的な考え方については、ただいま御指摘のような面もあろうかと思います。さらに、十分検討をいたしたいというふうに考えますが、ただ、学校事務職員の置かれている現状は御指摘がございましたように三十二年通達もなお十分生かされていないということでございますので、ぜひ当面はそれを生かしていくということに努力を注いでまいりたいというふうに考える次第でございます。基本論につきましては、さらに検討さしていただきたいと思います。
○宮之原貞光君 先ほどもお話がありましたけれどもね、十七年間も放置をしておいてですよ、いまごろになってあれが実施十九県しかありませんのででは、これは怠慢のそしりは受けざるを得ませんよね。だから、もっともっとやっぱりこういうところで指摘される前に、文部省としてはこれだけやっておるんだと、これがなければ私は片手落ちだと思うんですよ。よく教員を縛るとか教員に何するなということは一生懸命になって、この委員会で問題になっても強引に通達を出すところの文部省が、こんな大事な問題については十七年間もほっぽらかしておくということは、これは片手落ちもはなはだしいですよ、率直に申し上げて。こういう点から一つずつきちんとやってこそ、私はやっぱり文部行政のほんとうの教育ということを考えたところのものの考え方が出ると思うんです。これ以上は申しませんけれども、その点ひとつ早急に手だてを講じていただきたいと思います。 なお、関連をして人事院にも若干お聞きしておかなければなりませんが、この給与法十条一項の規定ですね、いわゆる調整額の問題ですがね、これは先ほども安永委員からも話があったわけですが、言うならば、やはりここで言われておるのは、回しやはり官職に比してその職場の条件に非常な特殊な条件がある場合には、これは調整額の表を定めなさいと、こういう意味だと解しておるんですがね、その点は間違いないですね。人事院のものの考え方ですが。問題は、その事務職員がいわゆる特殊性があるかないかというところはこれは議論になりましょうけれども、ものの考え方としては、十条の調整額表というのはそういうことなんでしょう。どうなんですか。
○政府委員(茨木広君) 十条の考え方は、同一の俸給表等を適用しております相互間において、そのままの状況において持っていくのについては、やはり著しく特殊な事情があるというような場合に、この問題を考えていくということだろうと思います。ですから、そこの程度の度合いが、先生のおっしゃる特殊性という度合いがやはり著しくなければいかぬというような考え方をしておるわけでございます。それが法律の趣旨だろうと思っております。
○宮之原貞光君 まあ何か六時までで終わる約束だそうですから、まああとお二人質問があるし、採決もあるようですから、これでやめますけれどもね、その特殊性の問題が、人事院は機械的だと私は言っておきたいんです。この事務職員の問題はいまもちょっと局長とやりとりしていましたように、いわゆる一般の官職の、それは法律上は確かに一般行政職ですよ。しかし、事務職員の場合はいわゆる子供との関係で生ずる特殊性、一つずつ言っておきますから。教育内容とのかかわりで生ずる特殊性、特殊な環境にあることによって生ずる特殊性、仕事の多面性によって生ずる特殊性、勤務時間によって生ずるところの特殊性というこの分類をしますと、そういう角度からの特殊性というのがあるんです。きょうは、私時間がありませんから申し上げませんけれども、もっともっとここのところに、一体こういう特殊性というのは何かというのをあなた方の判断だけではなくて、教育の実際を知っているところの人々の意見、さらには文部省の意見等も十分聞いて、私は少なくともこの問題について、第二次勧告の中で明確にしておいていただきたいと思う。第二次勧告は近く出されるでしょうから、その第二次勧告の中で、この問題をぜひとも検討しておいていただきたいし、第二次勧告はいつごろ出されるかということを最後にお聞きして御質問を終わります。
○政府委員(茨木広君) 第二次勧告はいまいろいろ各方面の意向も聞いておりますので、来年に入りましてからになるだろうと思います。
○宮之原貞光君 来年はわかっておるんです。いつごろなんですか、来年のめどは。もうあと一週間しかないんだから。
○政府委員(茨木広君) 明確に何月というふうに申し上げるのも多少あれかもしれませんが、おそらく二月か三月の両月の間だろうという感じを持っております。
○宮之原貞光君 以上で終わります。
○鈴木美枝子君 私は文化功労者年金法の一部を改正する法律案に賛成をしつつも、このたび永井文部大臣に文化一般、そしてまた、ここに代表されるところの方たちの問題を含めて、文化全般に対して十分御承知でいらっしゃる大臣にお伺いしたいと思います。 ここに書かれてありますとおり、昭和二十六年より今日までの間に二百六十八人です。先ほど清水さんがおっしゃいましたように、定義しにくい文化功労、この長い間にたったの二百六十八人でございます。そしてまた、先ほど清水さんがおっしゃるように、この二百万の金は生活資金ということばを含めて、賞金のつもりで出しているということをおっしゃいました。受け取る側の功労者の先生方にとっては、賞金であろうと、生活資金であろうと、そういうことは問題ではないと思います。そしてまた、いままでの経過を見ましても、ある作家の人がお断わりになったり、そしてまた、おもらいになったあと自殺をしたり、これはすばらしい貢献をなした人に対する年金の、その日本の文化の代表されるところのあり方の年金だと私は思っております。これが他の軍人の年金、これと比較してみましても別に二百万円にしたからといって特別に多いというわけじゃないし、それから軍人年金をもらっている人々の年金の額を言ってみましても、位、階級から言いまして大将が二百九十七万一千二百円かもらっている、そういう階級的な意味でもらっているという軍人の方たちの兵隊に至るまでの問題がございます。で、きょうは特に私は文部大臣に、文化について詳しい永井文部大臣に日本の文化に対しての方向について、定義づけることのできないこの文化の方向についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) これは私は、いまの御質問に対してお答えすることでありますが、戦後の日本というのは、最初は経済復興ということを考え、同時に、民主的な社会の建設ということを考えたと思います。しかし、第二の時期に入りますというと、経済復興という力から経済成長という力が非常に強くなってきたというのが偽らざる事実であって、ここで学校教育などにおきましても、受験体制化ということが進行いたしましたが、これはそういう中でやはり学校教育がゆがめられてきたというのが、文化全体ということを言いますというと、子供に関係することとしては非常に重要なところと思います。 そこで、文化功労者に対する問題というのは、実はそういう全体の一部でございまして、一体、文化国家ということを戦後申しましたのですけれども、しかし実は最近文化国家ということばはあまり使いませんで、どちらかと言うと経済国家ということばを使うわけです。しかしながら、いま経済国家というのは非常に経済的な危機にぶつかってくることになりまして、そこで、そういう中でどういうことをみんな言うようになってきたかと言いますと、たとえば量より質というようなことを言ったり、あるいは競争よりも連帯とか、あるいは競争の場合にもルールのある競争ということを言うようになったんだと思います。それで、それは実を言うとやっぱり文化の問題だと思うんです。つまり、経済生活というものを日本人が復興ということを考えたのは、これは当然でありまして、たいへん荒廃していました。それ以後いわば加速的にそちらの方向が相当強く出てきた。そのことは、それによって確かにわが国全体のGNPというものは拡大したわけでありますけれども、初めに一生懸命に考えた文化の建設というほうは、教育を含めまして非常に苦しいというか、むずかしい時期を経験してきたと思います。そこで、今日並びに今後の問題それは、この年金を多くすれば問題が片づくというような、そういう問題ではないと思います。ほかのことにもかかわっている。それこそ文部省の仕事というのは文教行政と申しておりますが、そういう文化全体にかかわりまして、やはりこれからの日本の経済生活のあり方というものとの関連においてもう一回考え直していかなければならない、そういう時期にきているというのが私の考え方でございます。
○鈴木美枝子君 いま文部大臣がおっしゃるとおり経済国家ということばを出したのも、やはりそれは一つの政策としてあったと思うんです。政策としてあったということは、逆に言えば、その責任を問われなければならないんじゃないか。その面の責任を問う場合に、文化を見ると一番よくわかる。現実の文化を見ればよくわかる。その点について文部大臣はいまおっしゃったのだと私は心得ております。ですから、永井文部大臣と同じ意味において、いまお金をよけい出せばいいものじゃないとおっしゃった点について、私も賛成でございます。たとえば私のような専門の映画の仕事をしておりましても、七十八億の東南アジア向け映画に金を出した。東南アジア向けの映画という名目にしてつくったためにエロ映画とギャング映画がふえていくという、もっと広範囲な世界の中の日本の民族をとらえる映画、こういう形にしなければいけないのだから、その点についても銘記し反省しなければいけないと思うんです。そしてまた先ほど清水さんがおっしゃいましたように、少し金が少ないから生活費じゃないとか賞金だとか、いうような、そういう自分の中の名目々つけて、受け取る側に指定してくれということも、やっぱり文化性がないのじゃないか、こういうふうに思うのです。 たとえば無形文化財の方たちもおります。文化全体にいま話が広がりましたので申し上げますけれど、無形文化財の人たちのことで私の知っている限り調べてみましても、「久留米がすり」を保存するという意味と、人間国宝という意味はまるで分離しているわけでございます。その分離している名前を一律につけながらこの五人の人に少額の金、四人の人に三百五十万円を払っている。そうすると、一人について八十七万五千円となりますと、人間国宝というこの名前は一体その長い間「久留米がすり」に苦労してきた人の名誉の名前であるか、あるいはこれを保存するということはたいへんにむずかしい。近代的な時代に手織りで、そしてどろの中に布をつけ、そういう経済の持続性というものは持ちにくいものです。そのことを昔のままの方法で保っていくための費用を出さなければならないということだと思うのです。それを兼ねることが「近代」だということで、何も機械を使うだけが近代だとは思わないわけです。それ自体が文化だと思う。そして私は大臣が文化的な方だから、十分知っていらっしゃるから私はそういうことを行政の問題に血と肉をおつけくださいまして、いままでの経済成長ということばの陰へ追いやられた「人間の教育とかかわる文化」というものをおつくりいただきたいと思います。私の質問時間は十分でございますので、お願いを兼ねて終わります。
○国務大臣(永井道雄君) 長らく存じあげておりました方からお励ましをいただきまして、せいぜい努力するつもりでございます。
○片岡勝治君 時間がありませんのでやめます。
○委員長(内藤誉三郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(内藤誉三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、文化功労者年金法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(内藤誉三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両法案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) これより請願の審査を行ないます。 第三号 私立幼稚園教育振興に関する請願外百三十九件の請願を便宜一括して議題といたします。 速記を中止願います。 〔速記中止〕
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こしてください。 第三号 私立幼稚園教育振興に関する請願外百十三件の請願は、議院の会議に付するを要するものとして内閣に送付するものとし、第三六二号人口急増都市に対する教育施設整備に関する特別措置の立法化等に関する請願外二十五件は、保留と決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告妻の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(内藤誉三郎君) この際、委員派遣の報告に関する件についておはかりいたします。 先般、本委員会が行ないました教育、学術及び文化財保護に関する実情調査のための委員派遣につきましては、各班から報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記を中止してください。 〔速記中止〕
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして。 これより委員会を休憩いたします。 午後五時五十九分休憩 —————・————— 午後六時二十二分開会
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十三分散会 —————・—————