農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 132 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1974/12/24
会議録
○委員長(佐藤隆君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび農林水産委員長に選任をされまして、はなはだ微力でありますので、理事並びに委員の皆さま方の御支援、御協力をいただきましてこの重責を果たしたいと存じます。何とぞ各位の格別の御協力をお願い申し上げましてごあいさつといたします。(拍手)初村君。
○初村滝一郎君 私は、過ぐる七十二国会以来、微力ながら当委員会の委員長の重責を果たさせていただきました。これはひとえに皆さま方の御支援のたまものと深く感謝を申し上げる次第であります。今後は一委員としてつとめますので、今後ともよろしくお願いをいたします。ありがとうございました。(拍手) —————————————
○委員長(佐藤隆君) 委員の異動について御報告いたします。 去る十一月二十五日、棚辺四郎君が辞任され、その補欠として山内一郎君が選任されました。 また、十二月十八日片山正英君が辞任され、その補欠として竹内藤男君が選任されました。 また、十二月二十一日相沢武彦君が辞任され、その補欠として桑名義治君が選任されました。 —————————————
○委員長(佐藤隆君) 梶木君から文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認めます。それでは理事に小林国司君を指名いたします。 —————————————
○委員長(佐藤隆君) 次に、調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産政策に関する調査を行なうこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(佐藤隆君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○工藤良平君 本来であれば、大臣がお見えになったところで全体的な問題をお聞きをしようと思いましたけれども、大臣が来るまでに四、五十分あるようでありますから、この機会に、私は少しこまめな問題につきましていろいろお聞きをしながら、逆になりますけれども、最後に大臣のほうに考え方を伺っていきたいと思います。 そこで、まずそれに入ります前に、これは水産庁長官にお伺いいたしますけれども、先日来、水島の三菱石油の重油の流出事故が発生をいたしております。私ども、瀬戸内海の汚濁の問題について今日まで非常に関心を持ってまいりました者といたしましては、たいへん重大な問題として認識をいたしているわけであります。特に、この瀬戸内海の汚濁の問題につきましては、過般、汚濁防止のための法律までもつくって、この対策を講じてきたわけでありますけれども、今回のこの事故につきましては、当然、直接的なもちろん加害者もありませんし、農林省の責任というものはないとは思いますけれども、これを将来にわたっての瀬戸内海の水資源の問題等を考えてみますと、非常に重要な問題であります。で、この点について農林省としてはどのような緊急対策なり将来にわたっての対策を講じようといたしているか、その点について若干私御意見を伺いたい、こういうように思いますので、ひとつ水産庁長官からの御回答をいただきたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 今回の三菱石油水島の油の流出事故につきましては、これは三菱の水島製油所からの油の流出によるものでございまして、原因者が明らかでございますから、被害の救済につきましては原因者負担の原則によりまして被害漁業者に対して補償がなさるべきものと考えております。 そこで、年の瀬も迫りまして非常に被害が広がっている——被害額につきまして御参考までに申し上げますと、これは昨日の午後五時現在でございまして、現在もなお被害広がっているわけでございますが、岡山県につきましては、ノリの養殖業で二十六億二千六百万円、ハマチの養殖業二千万円、ワカメの養殖業が一千百万円、その他漁船の休業についての実態、これがまだ明らかでございませんので、さらに被害がふえるというふうに思われます。香川県につきましては、ノリの養殖業の被害が二十億三千万円、漁船漁業の休業の被害が二億二千八百万円、そのほかハマチの養殖がかなりの被害を受けておりますけれども、業者が値段が下がること等心配いたしましてまだ正確な被害額を出しておりません。したがいまして、現在のところ、両県合わせまして四十九億一千六百万円の被害、こういうことになっております。 なお油はどんどんどんどん西へ流れておりまして、すでに兵庫県でもノリの養殖業について被害が出ているようでございますが、まだ金額等は不明でございます。 このような被害が出ておりまして関係の漁業者は困っているわけでございます。特に年の瀬が迫りまして越年もできぬということでは困りますので、県漁連が中心になりまして、香川県と岡山県につきましてはすでに三菱石油に対しまして補償金の年内内払いという交渉をしております。その結果、昨夜、香川県につきましては大体原則的な了解がついて年内にある程度の金が出る。それから岡山県につきましては現在交渉中でございまして、おそらくきょうじゅうには妥結するのではないかということで、一応とりあえずの被害につきましての補償金の内払いは行なわれることになっています。 なお、今後の被害状況の推移を見まして、たとえばその他の資金手当てが必要だ、特に系統資金について原資が必要だ、というような場合におきましては、水産庁といたしましても、そういった原資の確保等につきましては万全の措置をとりたいと考えているわけでございます。 なお、非常に大きな事故でございまして、私どもが水産業という立場から一番心配しておりますのは、これが後遺症を残すと申しますか、いろいろな漁業上に問題を起こすようなことが起こるのではないか。これは現在の段階ではどういうことが起こってくるか予見できないわけでございますが、水産庁といたしましては、西海区の水産研究所に特別なチームをつくりまして、そういったあとの影響というものについても十分調査研究し遺憾なきを期するようにいたしたいと思っております。 なお、水産庁では実は事故が起こりました直後に二名の係官を現地に派遣いたしましたが、きょう水産庁の次長の松下君を現地に出しまして、今後いろいろな救済対策その他漁業政策の維持等について遺憾なきように処置したいと思っているところでございます。
○工藤良平君 これは先ほども申し上げましたように、水産庁そのものが直接大きな責任ということはもちろんないとは思いますけれども、特に日本の食糧事情が非常に逼迫をして、先般の海洋法会議における専管水域の問題なり、あるいはアメリカとの漁業交渉の中におけるスケソウダラの問題等を勘案をしてみますと、私は、これからやはり特に瀬戸内海の持つ意義というものは見直されるべきだと考えまして、先ほど申し上げましたような、瀬戸内海汚濁防止のための法律が与野党一致いたしましてでき上がってきたという経緯があると私は思います。 そういうさなかに起こりました事故であるだけに、私どもはやっぱり非常に重大な問題だと思ってこの問題を見詰めておるわけでありまして、二十六日には参議院からも調査団が派遣されるようでありますけれども、問題はやはりいま長官もおっしゃったように、後遺症が一体どう残るかということだと思います。もちろん、この油の魚に及ぼす影響というものは、私ども、特に臨海工業地帯をかかえておりまして、建設段階における工事現場の油だけでも、沿岸漁業にとりましてはたいへん大きな影響が出てきた経緯があるわけでありまして、そういう面から、特に油の魚に及ぼす影響というものは、実際に魚が死ぬとかそういうことではなくて、食べる魚が非常に油くさいということから、もう市場価値が全くなくなるということなんですね。とれるけれどもそれが食べられないと。市場に出した場合に非常に重大な問題を私どもは過去経験をいたしておりまして、そういう意味合いから、いまお話しのように、私はこの後遺症について徹底的な調査が必要だろうと、このように思いますので、この点についてはやはり可能な限り水産庁総力を結集をいたしまして対策を講じていただきたい。ただ、水島や香川、この一帯だけの問題でなくて、私は沿岸漁業全体的な問題だということを考えておりますので、そういうことで特に最大限の努力を積極的に進めていただきたい。総力をあげていただきたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 私どもといたしましても、この異臭魚の問題は、これからどうなっていくのか非常に注意して見なければならない問題だと思っております。過去の経験にかんがみますと、異臭魚というのは、こう見たところ、全然影響ない。ただ、煮たり、焼いたりすると、油くさいというような話が出てまいりまして、それが魚の市場価格に影響してくるというようなことが起こったわけでございます。そこで、今度も、そういう問題が起こってきた場合にどう対処するか、従来の場合におきましては、異臭魚が非常にたくさんとれるようなところについては休業させまして休業補償というものをとったわけでございますが、今度の場合その辺どういうふうにやるか、目下事態の推移を見ながら慎重に対処したいと思っております。
○工藤良平君 これは、かつて新潟で油送船が事故を起こして、そういう問題があったと思います。まああそこの場合には外海でしたが、もちろんそれだってかなりの影響があったと思いますけれども。そういうのがこれからひんぱんに起こってまいりますと、特に、先般の東京湾の事故等も考えてみましても、油による被害というものが、漁業問題に対する影響というものが非常に大きくなっておると思いますので、この点については、今後将来にわたっての非常に重要な問題でありますし、また半面では非常に緊急な問題だと思いますから、ぜひ最大限の努力をしていただきたい、このように思います。 それでは、長官のほうも前向きの御答弁でありますからこの問題はその程度にいたしておきまして、あと、大臣がまだ来るまでにちょっと三十分ばかりあるようですから私具体的に、大臣の質問をあとにいたしまして、少し部分的な問題についてお話をお伺いをいたしたいと思っているわけであります。 これは話がたいへんやりにくいわけですけれども、各論が先に出てくるものですからやりにくいんですが、構造改善局お見えでございますからちょっとお聞きをいたしたいと思うのです。ことしの予算編成、いわゆる五十年の予算編成にあたって非常に私は、主要な柱といいますか、それは、農村のこれからの対策を考慮してみますと、どうしてもやはり基盤整備に最大限の力を置かなければならないと思っているわけです。ただ、それが総需要抑制という形の中で総体的にはかなり圧縮される、要求が制限されると思いますし、さらに異常な物価高の中で単価そのものについても私は問題が出てくるような気がいたします。 そこで、まず最初にお伺いをいたしますけれども、これはもう大臣に聞くといいんですけれども、おられないので局長に聞きますが、構造改善、基盤整備を中心といたしました五十年度の予算の農林省の大綱といいますか、そういう点について若干御説明をいただきたいと思っておるわけです。
○政府委員(杉田栄司君) 構造改善局がお答えすべき問題かどうかちょっと……。大臣がおいでになりました際に農林省の重点事項としてお話があると思いますが、構造改善局といたしましては、農業基盤整備事業が食糧自給体制というような観点から非常に重要な事項であるということで、農林省の最重点事項として予算要求をするということにしていただいております。農業構造改善事業はもちろんでございますけれども、農業基盤整備事業につきましては、いわゆる公共事業の全般にわたるきびしい抑制というような問題がございましてなかなか予算折衝はむずかしゅうございますけれども、やはり何といいましても、何でもできるいわゆる万能型の水田なりあるいは畑なりというものが、非常に食糧の需給が多様化してまいりました今日、あるいはまた労働力の観点からいきましても、まず最緊要の不可欠な問題というふうに考えておりまして、相当に腰を入れて予算要求をしてまいりたいというふうに思っております。
○工藤良平君 そこで、これからの絶対的な日本の食糧事情なりそういうものを踏まえた農村の基盤整備の問題を考えます場合に、私は、今日まで進めてまいりました米のいわゆる生産調整ですね、休耕、転作を含めました。で、その中で特に問題になりますのは、やはりこの休耕田というものが、一体どのような形の中で現在扱われているのかということについて私は重大な関心を払っているわけです。 で、本来でありますと、この休耕のために休みますと、それに対して補助金が国から出るわけです。これは、次のやはり生産をするための一定期間の休耕でありますから、当然その間には休耕田に対する手当てというものが農民自身の手によって行なわれなければならないわけですけれども、これがもちろん補助金もありましたけれども、それでは生活ができないということから、出かせぎに行かなければならぬという実態の中で、全く廃田に近いような形で放置されてきたというような実態が私はあると思います。 そこで、この休耕あるいは転作というものを現時点において一体どのように把握をし、それがいま直ちに農業の生産のために使われる休耕田が一体どのくらいあるのか。こういうことは、やはりこれを基本的に考えてみましても、私は、基盤整備の中で非常に重要な役割りを持つものであるというように思いますので、その実態をどのようにいま把握していらっしゃるか。その上に立って一体五十年の基盤整備をどうするかということが当然考えられてこなければいけないと思うんですが、そういう点について現在把握をしていらっしゃる状況をもしおわかりになれば説明していただきたいと思います。
○政府委員(杉田栄司君) 休耕田につきましては、数字はまた後ほど企画室のほうから申し上げますけれども、基盤整備との関係で申し上げますと、休耕中の管理をする費用というのは見込まれておるわけでございますから、休作補償料の中に。したがいまして、休耕田だから特別な取り扱いをするという考えはこれは基盤整備の中に現在持っていないわけでございます。しかし、圃場整備等を行ないます際に、いわゆる点々として休耕田があるわけでございますから、これは全く同じように取り扱いますので、いわゆる表土処理なり、あるいはその上のはえておりますいろんな雑木に近いようなものもあると思いますが、そういうものの処理もいたします。したがいまして、基盤整備をやるところについては、りっぱな水田に復元できるというふうに思っております。ただ、現況といたしましては、やはり転作を主にして施策が進められております関係で、休耕田そのものの特別な対策というものは考えていないわけでございます。
○説明員(森実孝郎君) ただいま御質問のございました不作付期の問題でございますが、私どもが調査で中間的に集計いたしましたものとしては、四十九年度で不作付になったものがそのまま五十年に全部持ち越すわけではございませんで、現実に不作付水田というのは壊廃とか転用の予備的な段階にあるものもかなりございます。このうち五万ヘクタールぐらいが農地という形で五十年度に持ち越すだろうと、そのうちかなりのものはやはり五十年産米においては復元するのではないだろうかと。そこでいまの現時点では不作付のまま残るのが大体二、三万ヘクタール前後ではないだろうかと、かように思っております。なお、不作付水田につきましては大体の概況を申し上げますと、都市周辺でいわば転用の予備軍的なものと、それから谷地田が非常に多いという実態を持っております。そういう点もございますので、来年の予算で実は追加要求を出しておりまして、復元の可能性についての経営状況なり立地状況というものを来年は少し十分調べてみたい、かように思っております。
○工藤良平君 私も農村をしょっちゅうかけめぐっているわけですが、現実に、これは話がたいへん余談になりますけれども、農村に参りますと、この休耕、転作については非常にきびしい査定が行なわれております。もちろんそれは、きびしい査定というのをやらなければ、不正があってはいけないわけであります。たとえば休耕した場合に、休耕田に対する補助金を渡すときに、必ず現地に入って一筆ごとに稲株までも調査するというそういう厳密なことが行なわれております。もちろんそれは国の金を有効に使わなければなりませんので、当然だと思います。ただ、都市近郊の場合に私も現実にそういうことを見聞いたしまして、ある一部については、ごく近く返納さしたという経験もあるわけですけれども、全く農業も——水田も十年来つくっていない、結局宅地として売るために保有している、農業もやっていない全く不正なものが休耕なり転作という形で奨励金までも支払われている。こういう現実を私は見ますときに、そういうものが逆に、せっかく基盤を整備し農業の基礎をつくろうというものをゆがめていくという結果が出ている。もちろんそれは全体的なものではないとは思いますけれども、非常にまあ残念なことだと実は思っているわけです。あえてきょうはその具体的な問題についてどうこうということを言いませんけれども、これは一つの例ですけれども。そういうことを考えてみますと、私はやはりこれからの日本の農業を、特に食糧の自給率を高めるということをみんな異口同音に言っているわけですから、そういうものを進めていくために、やはり基礎づくりをいま全面的にやらなきゃならぬ。そういう際に農林省といたしましては、今日まで生産調整を行なってきた水田の今後のあり方というものについては非常に私ども神経質に扱わざるを得ないというように実は思っておるわけで、そういう点からこれらの調査、それから将来の計画等につきましてはひとつ万全の対策を講じていただいて、もっとも今日までかなりの金を使ってきているわけでありますから、その復元なりという面についてはぜひ万全の対策を講じていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それからもう一つは、私は、ここ数年来非常に農村の基盤整備が進みまして、もちろん国営やあるいは県営、団体営それぞれかなり進んでまいりまして、もちろん米の生産調整というものが農村の生産意欲を非常に喪失さしたという反面はこれはあるわけですけれども、しかし、この間に圃場整備をはじめとして基盤整備が非常に進んだということも私は事実だと思っているわけです。それには特に通年施行とあわせて行ないました休耕の国の助成ですね、補助金というものがやはり基盤整備を非常に促進していったという一つの要素になっているのじゃないかと思います。先般も私東北に参りましたときも、非常に強い要請が出まして、ぜひ、この休耕あるいはこの通年施行を行なってまいりましたこのような制度を、もう少し実は延ばしていただいてこの基盤整備を進めたい、という意向が地方自治体に参りますと、かなり具体的な要求として出てきておるように思うんですが、こういう点については農林省としてどのように把握をしていらっしゃるか。これは予算的な措置から、米の生産調整、休耕の打ち切り等からこの五十年度は私は非常に重要な問題になってくるのではないかと思いますし、そういう点については、これはむしろ事務当局よりも政治的な判断で私は、農林大臣あたりに強く実は聞きたいということですが、その点については政務次官もお見えですし、かなり農業問題には詳しいようでありますから、そういう点ひとつ、もし農林省内部で御検討をなさっていられるとするならば、御意見を伺っておきたいと思います。
○委員長(佐藤隆君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(佐藤隆君) 速記を起こして。
○政府委員(柴立芳文君) 皆さんたいがい御承知だと思いますけれども、今回の三木内閣の出現によりまして参議院から農林政務次官に任命されました柴立芳文でございます。従来、農林水産委員会に私も希望いたしておったのでございますけれども、割り当てが一向できなくて失礼をいたしておりますが、初めてこういう立場で御意見を拝聴することができますことをありがたく思います。 いまごあいさつということでありますので、一分間だけ申し上げておきたいと思いますが、私が農林省に入りまして、課長以上の方が百六十人もいるということでびっくりをいたしましたが、たいへん大きなウエートを占めているわけでありまして、国民の食糧の確保ということがまず第一であろうと思います。それから農民の立場で農民を守っていく農林行政というふうなことを私はまああいさつで申し上げたわけでありますので、安倍農林大臣を助けまして皆さんのお知恵をかりながらひとつ進めてまいりたいと思いますので、よろしく御指導、御鞭撻を賜わるようにお願いを申し上げます。 以上、ごあいさつを申し上げます。(拍手) いま通年施行の問題で工藤先生からお話があったわけでありますが、まあいわゆる稲作転換の推進に資すという観点から、休耕の奨励、補助金を打ち切ったあとにおきましても、稲作転換対策の一環として、土地改良通年施行補助金を継続して交付するということにしておるわけでございます。五十年度におきましても、引き続き交付する方針で折衝を進めております。補助金の額につきましては、稲作転換奨励補助金そのものも五十年度が現行稲作転換対策の最終年度であるということは御承知のとおりでありますし、五十年度の稲作転換目標数量を四十九年度よりも引き下げる方針であることなどの事情を勘案し、据え置くこととしたいと考えており、土地改良通年施行補助金の額につきましてもこれに準じて取り扱いたいと考えておるところでございます。 以上でございます。
○工藤良平君 それは五十年はもちろんですが、五十年以降についても同じような措置を講じていくということでございますか。
○政府委員(杉田栄司君) 五十年度以降につきましては、実はまだ方針がしっかり立っておるわけではございません。しかしもともとこの圃場整備事業というのは、従来はいわゆる休閑期にやっておったわけでございます。まあいわゆる冬期でございます。ところが北海道、東北、北陸等米作地帯がいわゆる積雪地帯でございます関係で、夏期施工をやってみたところが非常にできばえもよろしい、なお工費も安く上がるというようなことで、これが何となく定着してくるというような関係になっております。 もう一つは、従来は農村に相当労働力がございまして、冬期間のいわゆる現金収入源としてはまあ適当な仕事であるということもあったわけでございますが、まあ近年農村における労働力が減ってまいったという問題もございまして、それが拍車をかけまして通年施行という声が起きてまいったわけでございます。したがいまして、こういう新しい事態に対していわゆる転作奨励策も打ち切られるような事態になったときにどうするかという問題をあらためて考え直す必要がありますので、五十年度は最後でございますけれども、ことし一ぱいかかりまして慎重に検討したいというふうに思っております。
○工藤良平君 これは特に政務次官にお願いをしておきたいと思いますけれども、政務次官の寿命もたいへん短いようですけれども、私の質問も同じように、二時間やろうと思っていますが、三十分ということで非常に濃度を高めなきゃならぬ。政務次官も期間が短いわけですけれども、ぜひひとつ私は濃度を高めていただいて、今度の政務次官に私期待をしたいと思っておるんです。そういう意味から、いま次長がお話しのように、基盤、特に圃場整備に果たした休耕転作の奨励金、これが非常に私は有効的に作用したと思っておる。それがこの基盤整備を促進をしていった非常に大きな一つの要素と思っているわけです。で、これが打ち切られるという段階になりますと、これが逆に、圃場整備を中心とした基盤整備が、実は少しその伸び率が逆に減少するということを私は非常におそれるわけです。やはり公的機関で少しでもその負担をふやしていくという、基本的な考え方に立ちますならば、何らかの形で、私は、これを発展的に制度化するということはなかなかむずかしいことではありましょうけれども、やはり予算的な措置でそれに変わるべきような措置を講じて、いまやはりこの基盤整備を徹底的にやらなきやならぬという空気が農村に充満をしているそのときに、私は一気にやる必要があるのではないかということをかねがね主張しているわけなんです。そういう意味合いから、もちろんこれは五十一年度以降の問題になりまして、五十年度は続いていくわけですけれども、来年の八月になりますと、もうこれは五十一年の予算編成になりますので、私は、いまからそういうこの時点で、長期的な計画というものを何とかやっぱり講じておく必要があるんではなかろうかという気がいたしますので、この点について、ひとつ政務次官のぜひ前向きの答弁をいただきたいと思うんです。
○政府委員(柴立芳文君) ことし五十年度のことにつきましてはお話し申し上げたとおりでございますけれども、いま工藤先生おっしゃいましたように、これは、いままでやっておりました問題として、今後の問題としては非常に重大な問題だと考えております。したがって、五十一年度からの問題につきましては、おそらく農林省といたしましても、たいへん大きな課題として取り扱うということに相なると思うんでありますけれども、約束はできませんけれども、まあ一種の休耕助成をするというふうな形とも考えられるわけですし、五十一年度からは、増産の作目をきめて、計画的な耕作をやらしていくというふうなことから、いまの御意見を入れて持っていくということは、考え方の一つでしょうが、いずれにせよ、これからの取り扱いをどうするか、いまいろいろと考えていると申し上げて差しつかえないと思っております。
○工藤良平君 もちろん、それに私は関連をいたしまして、来年度以降の米の生産調整の問題も、やはり非常に固定的な考え方ではなくて、流動的にものを考えていく必要があるんではないかというように思っておるんです。来年度につきましては、百万トンの生産調整にしたいというようなことが、政府の方針としてもほぼ固まりつつあるように私は聞いているわけでありますけれども、そういたしますと、やはりこの生産調整につきましてもかなり量が減少してまいりますので、この操作によりましては私はきわめて可能性が出てくるというような気がするわけでありまして、これは話がまたちょっと横のほうにそれますけれども、いわゆる生産調整とのやはり関連ということもこの際御意見を聞かしていただきたい、このように思います。
○政府委員(今村宣夫君) お話しの来年度のことにつきましては、先ほど構造改善局あるいは政務次官からお答え申し上げたとおりでございますが、五十一年度以降の生産調整の問題につきましては、これはやはり全体的な食糧の問題、あるいはまた全体的ないろいろ諸般の状況を勘案をいたしまして十分検討をいたす必要があると思います。したがいまして、いま先生のお話がございましたもろもろの諸点も含めまして私たちとしましては今後十分検討をしてまいりたいというふうに考えておる次第であります。
○工藤良平君 生産調整が出たついでと申しますとたいへんあれですけれども、話を少しそっちのほうに進めてみたいと思います。来年度百万トンの生産調整というような目標を一応設定をされておるようでありますが、ことしの米の生産高が、先般発表されておりましたけれども、千二百万トンを少し上回ったというような状態で、当初の見込みからいたしますとあまり大きな変化はないようであります。で、現在の米の消費傾向とこれからの需要と供給の関係というものを小さく検討してみますと、この問題については、若干の問題は残りますけれども、農林省として、そういう関係を踏まえながら、五十年度については、百万トンの大体生産調整という方向でお進みになるのかどうか、その点をもう少し具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(三善信二君) 工藤先生御承知のように、四十九年度、ことしの生産調整は百三十五万トンで進めてきたわけでございます。私ども五十年度の計画として実は夏に予算を要求いたしますときに、この百三十五万トンの生産調整を百二十五万トンぐらいにしたらどうかというようなことも検討をいたして、とりあえずそういった予算要求も要求としては出しております。その後の状況としまして、一つは古米の持ち越し量、これが、先生御承知のように、ことしは十月から消費者米価を上げましたし、それに伴いまして仮需要的なものも八月、九月とあらわれて知りますし、それから最近の動向を見ますと、四月以降一人当たりの月の米の消費量と申しますか、大体横ばいないし多少ふえているという傾向も出ております。で、それは現実にふえているのかどうか、その仮需要の問題等もございますので、はたして現実にふえているのか、あるいはこれまで消費量が、一人当たり消費量が下がってきたのが下げどまりになったのか、その辺のところをはっきり私たち数字的にもまだつかみかねておりますが、まあ従来米の一人当たりの消費というのは多少減少してきましたが、最近それが下げどまりか、減り方が非常に少なくなってきた。そういったことが現実の状況かと思います。 そういうことも一方踏まえまして、現実にことしの十月末の在庫が、当初は九十五万トン古米在庫が持ち越し量を予定していましたが、六十五万トンということになりましたし、そういう関係も考慮して、できるだけ早い機会に、と申しますと五十一年の十月には百五十万トン程度の古米の持ち越し量を要請したいというようなことで、実は生産調整も百万トンに減らして、在庫の積み増し量も三十五万トンこれを増加していこう。需要のほうは大体千二百万トンで横ばいになっていくのじゃなかろうかというような状況で、生産調整百万トンということにいたしているわけでございます。
○工藤良平君 この点は、ことしの春から私も、食糧庁長官とずいぶんやりとりをしてきたところで、かなり潜在的な需要もありまして、手持ち米がかなり落ち込んだというような予測を私もしてきたわけですけれども、きょうは、そういう点について深く論議をしようとは思いませんけれども、いずれにいたしましても、かなり米に対する消費の傾向というものは大きくは伸びないけれども、横ばいないしは若干ふえてきている状況です。これが、将来にわたってもそういうかっこうで続くのかどうかということは、全体的な物価高の中で予測は非常にむずかしいと思いますし、米の消費の傾向だって、やはり自主流通米のほうよりも、むしろ標準米のほうを食べなければちょっと経済的にということから、そちらのほうにかなりウエートが私は移ってきているんじゃないかと。そういうことが逆に標準米の品質が悪いんじゃないかという意見になって、実は消費者から、はね返ってくるという状態が生まれてくることも事実なんですね。しかし、そういうことをきょうはそう深く触れるつもりは毛頭ありませんけれども、しかし、いずれにしても、これからこの米穀年度の年度末のいわゆる手持ち米を若干ふやしていかなきゃならぬということを考えてみますと、やはり私はさっきから議論をしてまいりましたように、この生産調整というものと、それからその基盤整備の、特にその中における圃場整備の問題については、やはり有機的な十分な結合の中で計画的に進められていかなきゃならぬ。このように考えますし、ぜひそういう点については各局との連絡を密にしながら、これは特に政治的な配慮も必要でありますから、政務次官といたしましても、これは大臣にも後ほど申し上げますけれども、万全の措置を講じていただきたいということを一点申し上げておきたいと思います。 そこで、またもとに戻りますが、これは構造改善局にお伺いいたしますけれども、この圃場整備をやると同時に、特にこれからの農業者の所得の向上、そしてまた安定的な食料、というのは広い意味の食料ですね、それを供給をしていくために、農林省がいま進めております農業団地育成対策の事業の問題についてでございます。これは、一つの大きな農林省の政策の主要な柱として今日積み上げられてきたものでありますけれども、このいわゆる高能率団地を中心といたしました三つの団地形成の方向ですけれども、私はこの点については賛成なんです。ぜひ進めなければならないと思うのですが、ただ現実に、予算の当初の計画と実際の実施をいたしました現実というもの、さらにこれを進めているけれども、うまくいっているところ、あるいはいっていないところ、それぞれ見てきておるわけですね。これは今日まで進めてまいりまして、すでに三年を経過しているわけでありますから、ここでやはりこの実態を詳細に検討をしながら次の年度に向かってその問題点の解明をしていくということが予算編成にあたって、私は、非常に大事ではないだろうか。実はこのように思っておるわけでありまして、統計的に見ましても、一時は四十七年、四十八年に——四十八年あたりはちょっと上向きになってきたわけですけれども、四十九年の実績を見ると、必ずしも農林省の意図している方向にいっていないような気がするわけであります。で、こういう点について、ぜひ私はこれはより積極的に進めなければならない事項だけに、その問題点というものをこの際はっきりと解明しておく必要があるのではないか、このように思いますし、これは大臣に、ぜひひとつ聞かしたいと思ったんですけれども、大臣まだ見えませんから、内容、実態について、もし把握していらっしゃれば御説明いただきたいと思います。
○政府委員(杉田栄司君) 農業団地の育成対策につきましては、先生のおっしゃいますように、非常に農林省も期待して、実は進めておるわけでございます。この事業につきましては、いわゆる農業基盤の整備促進と相まちまして、地域の作目の特性といいますか、それに即した高能率な機械あるいはまた施設の導入をはかりまして、専業的な農家を中心として、生産の組織化を進めて、農業生産団地をつくる。こういうことでやっておりまして、そのために必要な広域にわたる基幹農道の整備、あるいはまた流通加工施設の整備というような広域営農団地の整備をやっておるわけでございますが、やはり非常にむずかしい問題が幾つかあるわけでございます。 一つは、いわゆる生産組織の運営上非常に問題があるということがございます。特にそのいいリーダーを得られるかどうかという点が非常にいま問題になってきておりまして、必ずしも効率的に運営されていないという地区も確かにあると思います。しかしいわゆる組織の中核になりますリーダーの育成等につきまして、積極的に指導あるいはまたその創意工夫等を求めまして、団地の形成を成功させるように今後とも強力に進めたいというふうに思っております。予算的にあるいはまた団地の数としましては、この両三年の間に予算は倍増するようなかっこうで、農林省といたしましては力を入れておるわけでございますし、また、五十年度の新規事業といたしましては、野菜生産のための安定緊急対策事業あるいはまた、リンゴ産地の総合整備のモデル事業、畑作の高度営農団地育成事業、あるいは大規模な畑麦乾燥調整施設の設置事業というような新しい事項も実は要求をいたしておりまして、そういう従来足らざるところを補いつつ、多少試行錯誤もあると思いますけれども、今後とも強力に進めてまいりたいというふうに思っております。 現在までできております団地の数等は、四十七年度に六百三団地、四十八年度に八百八十二団地、四十九年度に八百団地、五十年度に千百団地というふうに、高能率の生産団地の育成をはかっておりますし、また、広域営農団地のほうは四十七年が百二十七カ所、四十八年に百十三カ所、四十九年に百十カ所、まあ五十年度の予定といたしましては百十四カ所というふうに評価をしておる次第でございます。
○工藤良平君 この問題については、私も現実に農村を回りまして、いろいろと把握をしているわけです。個々の問題について、きょうは触れる時間がありませんけれども、実際に中に入ってみますと、たとえば畜産とかあるいは野菜部門が非常に減少しているというような状態があります。あるいはまた、この畜産の場合でも、たとえば林地を利用した肉用牛生産団地の育成事業というようなものが案外成功してみたり、そういういろいろな問題がありますし、もちろんそのためには基礎的な条件なり環境の問題もありましょうし、いまお話のように、やっぱりそれの中核になるところの人という問題もあるわけです。そういうもろもろの問題はありますが、私どもこの内容を検討してみると、特にここ二、三年施設等の資材が非常に高騰している。その中で、ことし一回取り上げたことがあると思いますけれども、たとえば農業機械の一部がもう二倍、三倍とはね上がっている。これは通産省に対してもぜひ指導していただきたいということも申し上げてきたんですけれども、そういう問題もあります。そういうような非常に資材あるいは機械が上がっているにもかかわらず、予算措置というものは比較的単価が低いというようなこともありますし、あるいは計画を立てた時点と予算を実行する時点では、三年も四年も非常にかけ離れておりまして、やろうとしたときには、いま言ったように非常に物価がはね上がっているし、客観的な情勢も変わってきたということから、意欲がなくなるというような、しかしせっかく取ったんだからということで進めなければならぬという問題等さまざまあるわけです。ですから、私はやっぱりそういうもろもろの問題を解消しながら、一体五十年度にはその問題をどう解消して要求にこたえていくかということが非常に大事だと思うのです。もちろん私どもこの政治をやるものにとりましても責任があります。地域から陳情が参りますと、やっぱり一つでもよけい取ったほうが政治家の手柄になりますから、そういうことを、現実を無視してやるということもあります。しかし、それがほんとうに農家の皆さんのためになるのかどうかということになると、結果的にはそれが失敗してたいへんな負担を背負うというようなことにもなりますから、これはやはり事務当局と私ども政治家とも十分な連絡をとりながら、やはり徹底的な議論と新しい情勢に即応した対策というものを講じてやらなければならないという私は気がいたします。ですから、お互いの手柄ということではなくて、現実にやっぱりいま農村のこの実施する段階における状態を十分に踏まえて、その手当てをやるということが非常に大事だと思うんです。 これはぜひ私は進めていかなければならない事項だと思いますから、特に五十年度の予算編成にあたっては、これは大蔵省の抵抗はかなりありましょうけれども、たとえばこの実勢価格といわゆる予算単価というものの是正を一体どうやっていくのか。これはやはり特にこれは政務次官、自民党の政調会等にも相当強く働きかけていただきまして、原案をつくる段階からやはりかなり積極的な私は、対策が必要ではないかと、このように思うわけでありまして、そういう点からぜひこれらの問題につきましては、私はこの農村の実態に即応した体制づくりをやる、そのことにこたえていくという努力を積み重ねていただきたい。このように考えるわけで、この点についてはひとつ政務次官のほうからお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(柴立芳文君) いまおっしゃいましたように、食糧の確保、そして自給率を引き上げるというふうなことから、いまの問題につきましても、非常にギャップが変化をしておりますから、たいへん実際には農民に迷惑をかけるという点もあったかと思うんでありますけれども、非常に変化しつつありますので、この点は十分お説のように気をつけて——ほんとうに機械化してもそれが効用がないという面もあると思うんですよ。そういう面につきましては、農林省といたしましては、やはり農民の側に立ってそれに対応していくという形で進めなきゃならぬほんとうに緊急な問題だと考えておりますので、十分検討いたしたいと思います。
○工藤良平君 大臣が来ませんから、もう少し話を進めたいと思います。 そこで、いま前向きの御意見をいただきましたけれども、そういうようにして私たちが体制をつくり、農村を何とかしてがんばろうと、こういうことで一体となってやってまいりますけれども、なかなかうまくいかないという面が出てまいります。たとえば、農業の行き先が非常に不安だと。一番端的な例が、畜産に例をとりましても、一生懸命がんばってそういうことを進めていくけれども、残念ながら販売しようという段階では家畜は暴落をするという状態が出てまいります。もちろんこれについては、緊急対策等幾つかの問題が出されておりまして、これは私どもぜひ積極的に進めていかなきゃならぬと思いますけれども、特に現在、農家の皆さんが泣いていることは何か。結局、意欲があって牛を飼おうと思うんだけれども、飼料の暴騰、そういうような状態から生産費が非常に高くつく、しかも販売する段階では安い。小売りのほうを見てみると、必ずしもそう安くないというような現実があるわけで、この点については、一体この生産から消費者に渡るまでの間の、特にこの畜産の場合には、その市場メカニズムというものが非常に大きな問題になるわけです。私どももこれを徹底的に追跡調査をしながら、その問題をえぐろうといたしましても、この解決のためにはきわめて困難な問題があります。 ただ、一体どこからそういう問題をこわしていくのかということですね。これは私は、やっぱりやり方があると思う。たとえばこれはたしか広島か岡山ですけれども、農林省のほうから出ておりますパンフレットを見ましても、たとえばある家畜商をやっていた方が、これではいけないということから、その方が中心になりまして生産団地の育成の柱になりながら、中間的なものをなくして、いわゆる直売という形式をとって、現在約百五十頭の牛を飼いながら生産農家と結びついた形の直結方式というものをとっていきつつある。もちろんこれについてはかなりの抵抗があったようでありますけれども、どこからかやっぱりこわしていかなきゃならぬ。 そういうやはり改善の方法が私は必要だと、このように思っておるわけで、たとえば私どもの場合も、かってありました食肉センターの問題がありまして、大分の近郊で、実は私もその設置については、その場所には反対をする中心になったわけですけれども、しかし、それがやはりこの農村の家畜の生産と加工というその一貫体系の中で結びついていくとするならば、それは全面的に進めなければならないということで——現在進めている犬飼地区の問題については、私は、全面的にこの農業のサイドからこれは進めなきゃいかぬということを主張しております。かなりのその周辺の人たちから、においとか、という問題について、町部の人からの反発がありますけれども、しかし、将来にわたって私どもがやっぱり肉をいかに消費者に新鮮なものを安く届けていくか、そして農家の皆さんも農業経営に役立つという方法を考えなければならぬという立場から、この問題には取り組んでいるわけです。けれども、そういうことから特に私は、この畜産部門における市場メカニズムという問題ですね、これについては、どこからかやっぱり手をつけなければならぬ。そういう努力をする必要があると思っているわけでありまして、飼料の暴騰と同時に、やはりこの畜産の、いま日本の畜産農家の育成を阻害している要因というものをどこで私たちがそれを改善をしていくのか、そういう点についても特に私は、この農業団地育成対策事業を進める過程の中においても重要な課題だと思っておるわけでありまして、こういう点についてひとつお考え方をいただきたいと思います。
○説明員(高須儼明君) ただいま先生がおっしゃいましたように、今日畜産が直面いたしております問題は、えさの問題から流通の最後の段階まで種々ございまして、それぞれの段階で政策をとっておるわけでございます。特にただいま先生のおっしゃいました流通の段階につきましては、畜産、特に牛肉等、この食肉の流通過程はきわめて黒い色彩を多く持っておりまして、なかなか問題が多いところでございますが、私どもも従来からこの流通機構を何とか改善いたそうということで、たとえば包装食肉を普及させるといったような形で短絡をはかる。そういうような形では包装食肉流通体系整備促進事業といったような事業を進めておるわけでございます。 また、家畜市場にも非常に問題がございますが、何とかその近代化をはかるというような形で家畜市場再編整備促進事業といったようなものも従来から進めてまいっております。 そのほか、標準食肉の販売育成事業であるとか、また、食肉小売り規格の規格の問題を取り上げまして、そうした改善をはかるというようなものもございますが、特に総合食肉流通体系整備促進事業というような形で流通段階を大きく近代化をはかってまいる、というような事業も考えておるわけでございます。 しかしながら、先生もおっしゃいましたように、過去の流通体系にはいろいろな問題がございますので、そのような何とか直販に近いような短絡の方法を種々のルート、バイパスルートといったようなものも、でき得る限り進めていくというようなことを進めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○工藤良平君 この点で、特に政務次官とこんなにやりとりをするというのは、まあ私、委員会に出ましてから初めてのことでありまして、その点については私は非常に敬意を表しますし、ぜひ私はそういうことをこれからも進めていかなければならぬと思いまして議論を進めているわけなんです。が、特にやはりこの畜産の問題というのは、かつてこの米一本の農業から大きく変化をして、野菜あるいはくだもの、畜産という三本の柱だということで進めてまいりましたそういう今日までの長い経緯というものを考えてみましても、何とかやはりこの畜産の問題については、私ども対策を講じなければ、どんなに一生懸命太鼓をたたいてみても、現実には先行き不安であるということになりますと、積極的に取り組んでいる農家の皆さんもやはり放棄せざるを得ないというかっこうになるわけでありまして、これは後ほどまた飼料対策については大臣にも伺わなければならぬわけですけれども、特にいま穀物市場が非常に逼迫をしておるという状態の中で、畜産を日本が進めていくとするならば、特にこの問題については私は緊急の対策が必要ではないかと、このように考えております。この点につきましてはぜひひとつ政務次官からもお考え方もいただきたいと思います。
○政府委員(柴立芳文君) いまおっしゃいましたように、畜産農家というのは、過去におきましては、兼業という形で日本の場合は進んできたわけですけれども、これが非常に企業化の形になってきておる。これは、近代化の線だと言えばそれまでの話ですけれども、しかし、まあ外国からほとんど濃厚飼料原料を持ってきておる関係から、御承知のとおり、非常にむずかしい時代に入っておることも承知をいたしております。したがって、私は、まあさしあたりは、この一月から、えさの問題等が、まあ親基金制度についても、あと大臣が来てから話があるかと思いますが、そういう問題は、そういうことで一応やっていくとしなければ、非常にやる気を失うと、農民が。それで、いわゆるたん白資源で大きなウエートを占めておる畜産が、そのままではどうにもならぬというような観点でございますので、大臣もいま見えたようでございますが、私といたしましては、いまお説のとおり、生産対策、えさ対策、そしてそれは価格の保証の問題である。そして、それはその中にある流通機構の改善の問題である。こういうふうに理解をいたしております。したがいまして、そういうことにつきましては、十分な対策を、いま安倍農林大臣のほうでもやっておる、検討しておる最中であることを申し上げて答弁といたします。
○委員長(佐藤隆君) この際、農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。農林大臣安倍晋太郎君。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私は、このたび、農林大臣に就任いたしましたが、世界の食糧問題が深刻化しつつある状況の中で、わが国農林水産業を振興し、国民食糧の安定供給を確保することがきわめて重要となってきており、その職責の重大であることを痛感している次第であります。 私は、微力ではありますが、全力をあげてこの重責を果たしてまいる決意でありますので、委員各位の御理解と御協力を切にお願い申しあげます。 さて、一昨年の世界的な不作等に端を発して、逼迫基調に転じた穀物等の国際需給は、夏以降、天候不順や異常気象により、アメリカ等の作況の低下が見通されることにより、逼迫の度合いを強めております。 中長期の見通しにつきましても、楽観を許さず、穀物の国際市場は、従来のように、アメリカ等の過剰在庫を背景とした低位安定の時代から、高位不安定の時代へと変化を遂げつつあると言えましょう。 こうした状況の中で、去る十一月には、ローマにおいて、世界食糧会議が開催され、世界の食糧問題解決への第一歩が踏み出されたことは、御承知のとおりであります。 ひるがえって、わが国経済を見ますと、過去十数年にわたる高度経済成長は、農村の過剰人口を解消し、農家所得の増大をもたらしましたが、同時に、わが国の農業と農村に、農業労働力の脆弱化、地価の高騰等、真にむずかしい問題を投げかけたことも否定できないところであります。 また、経済の高度成長とともに、日本人の食生活の水準も著しく向上し、増大する需要を背景に、農産物の輸入が増大してきたことも事実であります。 このように、内外を通ずる多難な状況の中で、わが国としては一億をこえる国民の水準の高い食生活を支えていくために、将来にわたって食糧の安定供給を確保する体制を整備していかなければならないわけであります。 食糧供給の安定の基本をなすものは、いうまでもなく国内農業の自給力を高めることであります。 国内農業の生産体制を整備するためには、農業にとって必要な土地及び水資源を確保し、これを良好な状態で管理するとともに、高度に利用していくことが基本であります。 このため、まず長期的視点に立った需要見通しと生産目標を設定する必要があり、現在農政審議会に、その審議をお願いしているところであります。 このような考え方に立って、農業生産基盤の整備、優良農地の確保、水田裏利用の促進等のための施策を推進してまいる所存であります。 現在、継続審査となっております農業振興地域の整備に関する法律の一部を改正する法律案が早急に成立の運びとなりますよう御審議をお願いし、この法律に基づき農用地の利用増進を進めるとともに、集団的生産組織の育成、制度金融の強化、相続税制度の改善等をはかり、中核的にない手が土地利用を集積し得る条件を整備してまいりたいと考えております。 また、最近における物価の高騰が農業経営に少なからぬ影響を与えておりますので、農業生産の安定的拡大に資するよう、農産物価格政策についても特に慎重な配慮をしてまいる所存であります。 特に、需要減退等により短期的な需給の不均衡を生じ、経営の不安定を招いております牛肉やみかんにつきましては、これまでも、それぞれ輸入抑制措置、消費促進措置等や全国的な摘果奨励措置等を講じたところでありますが、今後は、中長期的視点に立って、需給及び価格安定のための基本的な対策を推進してまいる考えであります。 私は、今日、国際的視野で日本の食糧問題を考えることが大切であると考えます。世界食糧会議の決議によるまでもなく、わが国は世界の食糧事情の改善のために、できるだけの国際協力を果たしていかなければならないと考えております。また、同時に、世界の穀物市場の基調が変化していく様相を十分見通し、国内で自給することが困難であると思われる農産物等については、輸入を安定化するための方策を講じてまいる所存であります。 また、私は、今日の物価問題の重要性にかんがみ、国民の生活に直結する食料品については、内外を通ずる安定的供給の確保と、適正な水準による価格の安定を期することが必要であると考えております。 このため、需要に見合った十分な供給の確保対策、コストに対応した適正な価格形成、便乗値上げの抑制等、適正な行政指導を通じ、物価対策の的確な運営をはかってまいる所存であります。 林業につきましては、内外を通ずる木材の安定供給の道を確立するとともに、時代の要請を受けとめて、森林の持つ公益的機能を重視した行政を展開していかなければなりません。 このため、国内林業生産基盤の整備、海外からの安定輸入につとめるとともに、短期的な需給の不均衡による価格変動に対処するため、木材備蓄対策を拡充強化してまいる考えであります。また、保安林の整備、治山事業の推進、林地開発許可制度の適切な運用等により、森林の持つ公益的機能の発揮につとめてまいりたいと考えております。 水産業についてみますと、先般開催された国津海洋法会議で、経済水域設定の動きなどにみられる国際的規制問題等、我が国漁業をめぐる内外の環境は、きびしさを加えつつあります。 しかしながら、水産業は我が国国民の動物性たん白質の過半を供給する重要な産業であります。 このため、国際協力に基づく漁場の確保、新漁場の確保、優良な沿岸漁場の整備開発、漁場汚染の防止、漁港の計画的整備等を推進してまいる所存であります。また、流通加工対策の強化等により、漁家経営の安定をはかってまいりたいと考えております。 以上、所信の一端を申し述べましたが、農林水産行政の推進のために、本委員会及び委員各位の御支援、御協力を重ねてお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○委員長(佐藤隆君) 引き続いて質疑を行ないます。
○工藤良平君 大臣のお見えがちょっとおくれましたので、私一時間ばかり各論についていろいろ議論をいたしてまいったわけですが、時間が非常に制約されておりますから、ひとつ濃度の濃いところで大臣からの御答弁をいただきたいと思うのですが、まず、いまお話のように、国際的な食糧対策の問題につきまして御所見が述べられました。先般の本会議におきましても、国際的な需給情勢の中から、日本の自給を高めなければならないということが、大臣の御答弁の中から出てまいったわけです。ただ、そこまではだれもいま言っているわけであります。しろうとであれ、くろうとであれ、みんなそういうことを今日まで言ってまいりましたし、いまもそう言っているわけです。ただ、問題は、一体それから先どう踏み込んで具体的に日本の食糧自給率を高めるかということが、私は大臣としての本題でなければならないと実は思っております。今日まで、そのようなことは同じように言われてきたのですけれども、年年低下をしているわけです。で、これを一体どういう形で上向きにするのかというのが、私は新大臣、特に若々しい大臣の持つ私は任務ではないかというように考えて期待をしてまいっているわけですが、残念ながら本会議の答弁でありますから、そう詳しくはおそらく発言できなかったのではないかと思いますけれども、そういう観点に立って考えた場合に、先般のFAOの会議で示された国際的な食糧危機の中における日本の役割りというものは一体どういうことなのか。さらに九月の第十二回のアジア極東地域総会においても同じような議論がなされ、その中でアジアにおける特に最も先進的なといわれる日本の持つ役割りは何かと、こういうことがかなり強い論調で議論がされているわけでありまして、その点について、大臣のひとつこの就任にあたっての考え方をまず私は伺っておきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま御指摘がありましたように、世界の食糧事情というものは最近非常に逼迫をいたしておるわけでございますが、最近における穀倉地帯等におきましても、いわゆる食糧のダムというものは非常に窮乏をしてきた。そこで、来年でも、ことしのような干ばつ等による不作が穀倉地帯等に起これば、これは石油問題以上の食糧危機ということも考えられないわけではないわけでございまして、さらに私は、最近の世界における人口の増加、あるいはまた畜産物の消費が非常に増大したという傾向から、世界の食糧というものは、さきにごあいさつのとき申し上げましたように、高位不安定の時代に入り、私は恒常的にこの逼迫は続いていくのではないかというふうに判断をするわけであります。が、そうした世界的な大きな流れの中にあって、日本の農政をどういうふうに持っていくかということが今日の最大の課題であるし、その農政のまた一番大きなやはり基本となるものは、自給力がだんだん低くなってきた日本において、いかにしてわが国の自給力を高めていくかということが、これが農政の最大の課題であろうと思うわけでございますが、同時にまた、日本で自給できない農産物があるわけでございます。特に畜産物の飼料穀物といったものは、なかなか日本の客観的条件では生産は今後とも非常にむずかしい。そういうふうな自給できない農産物については、これはやはり国際協力を進めて、国際協力の中で外国からの輸入の安定をはかっていく。こういうことが私は大きな柱にならなきゃならぬと思うわけでございますが、やはりそういうことをやるにいたしましても、今日やはり日本の国内における食糧の長期的な需要がどうなっていくかということに対応した一種の長期的な生産目標というものをここに設定していく必要があるんじゃないか。幸いにして農政審議会におきましてそうした長期的な食糧需要と、さらに生産目標といったものがいま、現在審議をされておりまして、来年の春早々には需給部会の報告を経て、農政審議会の御検討をいただき、この結果をふまえて、長期的、総合的な食糧政策を一日も早く打ち立てていくことが私にとっては大きな責任であると、こういうふうに考えておるわけであります。
○工藤良平君 なるほど、まあ抽象的にはそういうことになるだろうと思います。 そこで、今日までの日本の食糧政策というものを見てみますと、私は、もちろん最大限の努力をなさってきたと思います。その点については私、評価をしたいと思うんです。しかし、現実には年年低下をしていったという、これも無視できないわけで、それを一体どう上向きにするのかということになるわけであります。そういう点から、日本の農業というものが、食糧事情というものが、いわゆるある時期は楽観ムードが非常に出てくる、楽観のあと必ず危機が来るということを繰り返してきているわけですが、それを一体最小限にどうどこで歯どめをするのかというのが農業政策になってこざるを得ない。私はそういうように思うわけです。そういう点から、いま大臣、確かにこの長期的な計画と、それはもちろんそのとおりであり、私も必要だと思うんです。これは、いつも私はこの委員会でも言っていたが、五年計画では大体二年目にしてくずれる、十年計画では三年目にしてくずれるというのがいままでの長期計画ではなかったのか。それだけ世の中が、経済が非常に大きく変化に富んだ動きをしているということも事実なんですけれども、しかし、農業というものはより長期的な展望に立たなきゃならぬという観点に立つならば、やはりもう少し科学的なデータを私たちが集めていく必要があるのではないかと、このように考えるわけです。 したがって、今回のローマ会議や、あるいは十二回アジア極東地域の総会における論議をいろいろ検討してみましても、日本の持つ役割りというものは、特に日本が、食糧輸入国として非常に大きな国際的な問題を持っているだけに、私は重要な問題としてとらえなきゃならぬと、このように思うんです。特にその中で、いま今日までアメリカあるいはカナダ、オーストラリアという、この三つの国に資源を求めてきた、日本のこれからの行き方として、一体どういう方向を考えていくのか。いま言うように、確かに日本でつくろうとしてもできないものは外に仰がなきゃならぬわけですけれども、しかし、その努力というものが事前になされているかどうかということも私はここでもう一ぺん考えてみる必要がある。最善の努力を尽くして、しかる後に私は外に求めるということでなければならないと基本的には思っているんですが、そういうことから、一体それではこれから外に求めるとすれば、どういう方向を見出していったらいいのか、その点についてお伺いしたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 国内のまず自給力を高めるという意味におきましては、主食である米は潜在的な生産力がありまして、これはもう生産過剰という基調が今日も幸いにして続いておるわけでございますが、しかし私は、やはり国民食糧の確保といった面におきまして、国民に主食については不安感を与えないという立場から、実は今度の五十年度予算要求につきましても生産調整——五十年度で終わるわけでございますが、百二十五万トンという予算要求をいたしておったわけでございますが、やはり主食についても生産過剰な基調はあるとしても、在庫の積み増しはやっぱりはかっておく必要があるということで百万トンに生産調整の量を減らすことをあらためて要求し直したわけでございまして、再来年には大体百五十万トンぐらい在庫を持てるというふうなところまではやっぱり米についてはやっていきたいと思うわけでございます。その他国内で自給できる、まだまだ十分自給できる余地のある可能性が十分残されておるところの麦であるとか、あるいは大豆であるとか、あるいは飼料作物であるとか、そういった農作物については、これは生産奨励のためのいろいろの政策を講じていく。今回も予算要求の中において、私になりまして、自給飼料の確保というたてまえから、実は三十億円ばかりあらためて上積み要求をしたわけでございます。これは積極的にやっていかなきゃならぬわけでございますが、反面、トウモロコシとかコウリャンといったような穀物は、これはなかなか、今日まででもそうでございますが、なかなか現在の国内の生産状況、条件では自給が非常にむずかしいのではないだろうかと思うわけでございまして、これはやはり外国に頼る以外にない。そこで、アメリカ、カナダ、豪州といった諸国と、二国間あるいは多数国間の協定等、今後長期的な輸入確保の協定といったものを結ぶ必要があるんじゃないか。最近、一週間前でございましたか、砂糖につきましては豪州との間に民間協定ができまして、大体日本の砂糖の消費量の四分の一ばかりが安定した価格で長期的に輸入できるという体制ができまして、今後の砂糖の価格の高騰には歯どめができたわけでございますが、まあ来年は、少なくとも輸入穀物についてはもう契約ができておりますから不安はないわけでございますが、さらにその先を考えて、国際協力の中で二国間協定といったものを結んで、輸入食糧を確保し、安心感を与えるということが大事になってくるんじゃないか、基調になってくるんじゃないかと。こういうふうに考えて、そういう方向で今後とも努力したいと考えております。
○工藤良平君 非常に時間が制約されていますから、ほんとうにいま大雑把な話だけになってしまって残念に思いますけれども、私はいまの世界の食糧事情というものを考えてみた場合に、一人よがりで足らないものだけは外から買ってくるというような状態というものは、それは二、三年前は通用してまいりましたけれども、その予測をしなかったところに、とてつもないたいへんな不作が、日本の輸入食糧の価格を非常に高騰させるという結果が出てまいりました。たとえば、中国やあるいはソビエトの不作というものが、アメリカから買う値段も暴騰するというかっこうで、非常に間接的にそれが直接的な問題になってきたわけですけれども、そういうことを考えてみると、私は、このとてつもない遠い国の不作が直接あらわれてくるという現実を踏まえてどうするかということを日本が考えなきゃならぬというふうに思うわけです。そういう意味で、私はこれは農林省の外郭でありますアフから出ているこれを読みまして、非常にいつも感心するんですけれども、たとえば世界の食糧需給の予測をやるのに、日本がいわゆる消費国という立場から統計を集めて予測をするということ。いままでは国連やアメリカの資料をうのみにしてそのままわれわれが予測をしてきたということではなくて、消費国である日本が、われわれの立場からいろいろなデータを集めて長期予測をやるということは非常に重要になってきたし、農林省もそういうような機構をつくりながらやっているわけで、こういう点について私は思い切ったやはり予算をつけてやるということが、これからの世界的な需給体制の中においては非常に必要だというような実は感じがするわけですが、そういう点についてのお考え方を一つ。 それからもう一つは、これは先ほども再三申し上げておりますように、アジア極東地域の総会において、食糧問題についての検討がなされたときに、特に、アジアの中で何が一体問題なのかということで幾つかの問題出されているわけですが、その中で最も重大なものは何かというと、それはアジアにおける農業の小農性というものと肥料の問題が非常に重要だということが提起をされていた。そういたしますと、日本と同じように小農性というものがこれから打開できるかできないかということになると、これはたいへん大きな問題をはらんでいるわけですから、私は、アジアの後進地域に多くの食糧を求めることは可能であるかどうかということも根本的に考えてみなきゃならぬ。そうすると、私は、日本でいま制限をしているけれども、米などについては、これを大きく生産を促進をしていけばもっともっとたくさんとれる。その食糧の日本のできる米というものといわゆる後進地域における他の食糧との関連の中で日本がどのような対策を講じたらいいのか。そういう観点から、私は米の備蓄というものが当然考えられてしかるべきではないか。あるいはまたこの前私は大潟村に参りましたけれども、あそこでは大体平均十ヘクタール、今度完成いたしますと十五ヘクタールということ。これは極論ですけれども、あそこで話している農家の人たちの言っているのは、十五ヘクタールということになりますと、いま九俵から十俵とれるわけですからそうすると一軒の農家が大体千二、三百から千百五十俵ぐらいの米をとるわけですね。そうすると、若干値段が下がっても、それが輸出向けに若干下げてもいいから、国が買ってくれるということならば私どもたくさんつくりますよ、ということを農家の人は言っております。率直に言って、これは全体的な日本の農業にあてはめるということはきわめて困難な問題でありましょうけれども、そういう意見もある。それはやり方によって私はいろいろなやり方ができ得るだろうと思っているわけで、そういう点から考えてみまして、日本が消費国としての立場から国際的なデータを集めて長期予想を立てる。他人のデータじゃなくてわれわれが集めるという、そういう努力の中から見直していく。それの食糧対策というものを日本の国内でどうするかということ。これは私は新しい大臣に期待いたしたい非常に大きな一つの願望なんでありますが、その点についてひとつ決意を伺いたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 工藤さんがおっしゃるとおりであると思うわけでございまして、やはり長期的な予測をし、生産目標を立てるにいたしましても、先ほどお話がございましたように、科学的なやっぱりデータというものに基づいて立てなければ、これはたいへんなことになってしまうわけでございます。倉石前農林大臣もローマ会議でやはり国際的な食糧に関する情報の整備をやれと、情報システムの設置ということを、日本側の提案として提案をされておるわけでありまして、やはりそういう意味で世界的な食糧に関する情報を、世界的な情報システムという以前に、やはり日本が完全に先に——先にといいますか、日本がこれを手に入れるということをやるということが、これからやはり世界的な立場で食糧政策を打ち出していくという以上は一番大事なことじゃないか。これはぜひとも情報収集の能力を農林省が持つように、ひとつ最善の努力を尽くしていきたいと思っておるわけでございます。 いまアジアの問題が出ましたが、やはり世界的に開発途上国の人口がどんどんふえておりますし、一面畜産物の消費もどんどん進んでおるわけで、このままでいきましたら今世紀の終わりには五十億になると。そういう中にあって、はたして世界の食糧が人類を養うに足るだけの増産ができるかどうかということになりますと、まあアジアをとってみましても、農業地帯ではございますが、御承知のような非常に小農中心でありますし、あるいはまた技術がまだ向上していない、肥料等もたいへん問題があるということで、生産力につきましては大きな期待というものは現在では持てない情勢ではないか。ですから、やはり日本はこの際、アジアにおいても日本の高度な農業技術ということを、農業協力という形で積極的にひとつアジアに供出をして、そしてアジアの農業が少しでも近代化され、そしてまた生産性が高まってくる、こういう方向に、これはわが国としては協力する余地というものは十分あるんじゃないか。それをやらなければいけない。それが日本の農業の、農政のまた責任でもあるんじゃないかと、こういうふうに思っております。
○工藤良平君 それではもう一、二点お伺いしますが、具体的なことは先ほど構造改善局の次長と議論をいたしましたから、私は具体的にこまかなことは申し上げません。ただ、いま大臣のお話のように、畜産の飼料対策のために三十億上積みをしたいということのお話がありました。特に私はいま農村が非常にこの不況の中で窮迫をしておりまして、かつて出かせぎに行っておった人たちも農村に帰らざるを得ない。しかも、農村に導入した工業はつぶれるというような状態が続いております。もちろんこのことのためではありません。基本的に食糧を確保するという大きな前提に立って、基盤整備というものをこの際徹底的にやらなければならぬということを、私は緊急的な緊急事項として大臣に申し上げたいわけですが、それと同時に、またこのような農村の不況状態の中でこそ、私はいまこそこの基礎的な問題に力を入れるべきだと考えておるわけでありまして、そういう意味からぜひこの基盤整備事業につきましては、ひとつ勇断を持ってこの予算編成にあたって最大限の努力をしていただきたい。 それと同時に、また先ほどお話しのように、ことしの春、私どもは、公団法も設定をいたしまして、畜産開発、特に粗飼料を中心といたしました飼料対策を徹底的にやろうということで努力を積み上げているわけでありまして、この点についてもぜひこの予算編成にあたりましては大臣の最大限の努力をしていただきたい。せっかくつくった公団が手持ちぶさたで何もできないということじゃ話にならないと思います。ぜひひとつ積極的にこの飼料対策、基盤整備について万全の対策を講ずるようなひとつ御決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ基盤整備の充実につきましては、これはもう自給力を高めていく最大の問題であると思うわけでございますが、これについては、現在進行しております予算編成の中で、五十年度予算編成というのは、総需要抑制という基調を変えないという基本方針があるわけでございます。しかし、まあ私は、何度も財政当局に対して石油問題とともに、やはり食糧問題というのは、これはもう今日のわが国においても政治の大きな課題であるから、同じ公共事業に対して抑制という大ワクがあるとしても、農業の生産基盤については、これは少なくとも住宅だとかあるいはまた下水道といった国民生活に直接結びつく公共事業とともに、優先順位といいますか、これを高めるべきであるということを強く要求をいたしまして今日に至っておるわけでございますが、さらに全力を尽くしたいと思っております。 それから自給飼料の確保につきましては、三十億円の上積み要求をいたしたわけでございますが、ここでこうして申し上げる以上は、どんなことがあってもこれはひとつ確保しなければならないというかたい決意でございます。
○工藤良平君 最後に——私三十分ですがもう切り上げます。二十分で切り上げますが、最後に、いま問題になっております五十年度の税制改正におきます農業者の関連の相続税、贈与税、さらに各種奨励金の減免措置について、この点については現在どうなっているか、その点をお伺いし、農林省の考え方を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農家の相続税につきましては、御案内のように、農地がどんどん高騰をいたしておりまして、農家が相続をする場合にその相続税のために農地を手離さなければならぬというふうな事態が各地で起こっておることは承知をいたしておるわけであります。やはり農家経営を維持していくという意味においては農地を確保するということが大事でございますので、ぜひとも相続税を軽減をすべきであるということを強く主張して今日に至ったわけでございますが、ようやくにいたしまして税調あるいは財政当局のほうもわれわれの主張が通って、これは相続税の軽減措置だけはとれるようにほとんど九割九分まで決定したということをここで明らかにしておくわけでございます。それから、奨励金等に対する免税等の問題につきましても、これは農林省としても折衝はいたしておりますが、また、各方面からの御要諸等も受けておりますけれど、しかしどうも税法にいろいろと問題点があるようでございまして、これは引き続き私のひとつ課題として検討を進めていきたいというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 私は、短い時間なんですけれども、大臣が就任されましてからいろいろな言動なさっていらっしゃるわけですけれども、その中でだれしも一様に受けとめているのは、守りの農政から攻めの農政に変わるんだということだと思うんです。ですから、そういう意味では攻めの農政ということが看板になるんだろうと思うんです。そこで、その攻めの農政に変わる条件が熟していると。一つは、国際的に農産物の需給というのが不安になっておる。で、財界の中にも一部、あるいは国民の間にも食糧の自給率を高めるべきだという考え方が出ているんだと、これが一つの条件。もう一つは、高度経済成長の中で農業が飛ばっちりを受けた、今度はこれが安定成長になるんだ。これが農政が攻めに転ずる条件だと、こういうことなんです。 そこで、一体攻めの農政とは何かということも伺いたいわけですけれども、ただ私は、いま大臣が問題にしていらっしゃるその二つ——高度経済成長が安定成長になることによって、ただそれだけで農政が攻めに転ずるということにはならないという感じを非常に持っておるわけであります。それは高度経済成長の中で確かに農業が下敷きになった、飛ばっちりよりむしろ下敷きになった、大きな下敷きになったということは言えます。ですが、安定成長になったから農業がさらに飛ばっちりを受けないということにはならない。私どもが承知する限りにおいて、日本の農政の歴史の中で私は、そういうことが言えるのではないか。高度経済成長が安定成長に変わったから農政が攻めになる、そういう条件ができるんだ、ということにはならぬのじゃないかという気がしておるわけなんです。 もう一つの国際的に食糧が不安定になっている。そこで国民の間にも自給率を高めたいという感じが出ているし、それから財界にも一部あるという考え方、これは私は率直に言って財界が日本の農政の問題について、農業の問題について言うことは差し控えてもらいたい。財界は自分の財界のことを考えればよろしい。農業の問題は農業がものを言うべきだと、こういう考え方です。ですから、いたずらに財界の一部にそういう意見があるからといって、それで農政が転換になるか。私はならないという気がします。 それから国民の間にどうというお話がありますけれども、私は国民の考え方というのはいまのところまだ感覚的なものだと思うんですよ。農家が自給率を高めたいという、そういう意欲があるのかどうかという点が焦点じゃないでしょうか。実際、農業をやっている者は、これは何も国家のために農業をやっているわけじゃないでしょう、いま。自分の生活のためにやっておるわけです。その農家がほんとうになって生産力を高めようとか、あるいは自給率を高めようと、そういう意欲があるのかどうかという点が私は一番大きな焦点じゃないかというように思うんです。ですから、農家の中に、生産意欲を高めようという、自給率を高めようという意欲はないのではないでしょうか。一般的に言ったら出てこないのじゃないでしょうか。というのは、五百十万の農家で八五%が兼業農家である。これはもうこれでまた一応の生活は成り立っております。自立経営農家というのは五、六%と、それもそれぞれ自分の経営をどうしようかという考え方はあります。ですけれども、自給率を高めようという意欲が農家の中に出てくるという条件が、いまあるのかどうかという点を考えなきゃならぬのじゃないだろうかと思うんです。いま自給率の向上とおっしゃいますけれども、私はそれは農民不在の自給率だというふうに思います。ですから、自給率を高めようというなら、その前に一体、農家に対してどういう政策をやるのかと、そしてその自給率を高めたいという意欲を盛り上げていく、引き出していく、そういう農政をやるのかどうかということにかかっているのじゃないだろうかという私は気がするわけです。これは私の意見を申し上げました。 それで、具体的に攻めの農政に変わるということは、これは自給率を高めるということなのか、あるいは大臣もおっしゃるように高度経済成長の中の農政というものは、これは基本法農政でありました。その大きな高度経済成長が安定成長に変わると同時にこの農業基本法というものを手直しをするのかどうか、それが攻めの農政なのか。あるいはもっと具体的に言いますというと、先ほどから大臣のおっしゃる農業の生産力を高めていくという場合の基盤整備というのは、非常に重要であるということはもう言を待ちませんが、その基盤整備について、大臣が新しくなられて、それによって新しい要素が加わっていくのかどうかという感じですね。あるいはいま私は、いまの農政を、農業を背負っておるといいますか、農業生産を背負っているというのは、これはどこにあるのだろうということを、いつも不安に思うわけですけれども、しかし長い間、十五年の間これは政府としては、農林省としては、これは自作農中心主義、あまりにも固執した自作農中心主義でした。そしてその後の十五年というのは自立経営農家でした。これはあまりにもかたくなですよ。そしていま出ておりますのは中核的農家、こういうことなんですけれども、一体農政を背負っておる、農業を背負っておる、生産を背負っておる農業の担当者それは一体どこへ置いてやられるんだろうか、それは新しい考え方をお出しになるんだろうか。あるいはいま畜産が立ち往生いたしております。これは飼料がたいへん上がったということもありますし、あるいは消費が減退したということもあります。あるいは環境との衝突もあります。そういう中で畜産が後退をしている、立ち往生している。そういう状況の中で一体畜産をどうなさるんだろうか、それが新しい攻勢の農政なんだろうか、攻めの農政なんだろうか。あるいは果樹、園芸が御承知のとおり立ち往生いたしております。それをどう展開なさるんだろうか。どうも選択的拡大ということでいわゆる高度経済、高度成長を遂げてきた果樹あるいは畜産、そういうものが安定成長、ゼロ成長になることが新しいこれは攻めの農政なんだろうか、というようないろいろ考える点があります。 そこで、私はしぼりまして若干の点を伺いたいわけです。一つは、私は、米の生産力、これを五十年から解放したらどうだろう。何といいましても農業の中の大黒柱は米でありますし、生産の技術から言いましても、生産力から言いましても抜群の力を持っております。農家の意識としても非常に強いものがあります。さらに米を見直す必要があるんじゃないだろうか。どうも米と麦と対比したような形の農政が行なわれてきた。むしろ私に言わせますれば、結果的には、小麦を優先してきたような農政が行なわれてきたというふうに思います。いま日本のたん白質が非常に重要視されておりますけれども、米から一日二十五グラムでしょう、畜産から三十五グラム、そして水産物から二十五グラムですよ。ですから、日本における食糧の米というのは、小麦とは違う。ですから、食糧としての米の見直しが必要じゃないか。もう一つ米の生産、米作を見直す必要があるんじゃないか。私は、自給率を高めるとか何とかかんとかおっしゃる前に、攻めの農政なら、この米の生産調整というものを、五十年から解くという政策をおとりになることが最もはっきりする、最も明確になるというふうに思います。大臣になられまして二十万トン減ったようでありますけれども、ですが、百五万トンぐらいのものですね。百五万トンぐらいのものでありますれば、これはインドに持っていってもいいですし、輸出してもいいですよ。いま日本の米の価格というのはそんなに外国の米と差はなくなっておりますし、そう輸出しても何にもおかしくない。百万トンや百十万トンの米を輸出だって可能だと思うんですね。そのことによってタイと競合の態勢にも入らぬと思う。ですから、五十年から米を解くという政策をなされば、これは私は一番はっきりするというふうに思うんです。食糧としての米を見直そう、米作を見直そう。そして、五十年から米の生産調整を解くという政策をお出しになれば、最も明確になると思うんですけれども、それについての大臣の考え方を伺います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまの鶴園先生の御意見は、すなおに受けとめたいと思うわけでございますが、私は、農業を取り巻く客観的条件が先ほどお述べになりましたように、高度安定成長から低成長へと客観的情勢が変わっていく、さらにもう一つは、世界の食糧需給というのが非常に逼迫をしてきた。こういう二つの面から今後の農業を見直す空気がやはり国民の中でずっと生まれてきた。いまこそ、ですから、農政を転換をする私はチャンスであるんじゃないか。財界といまおっしゃいましたが、まあ経済界はとにかくいままでは、ドルでもどんどん安いドルが幾らでもあるんだから、外国の農産物を金にまかせて買ったらいいじゃないか、という経済合理主義的な考え方が一世を風靡した時代があったわけでございます。が、そうした経済界においても、やはり国際的なそういう食糧需給の逼迫ということから、これはやはり相当高くついても日本において自給体制をつくっていくべきだという声が経済界、あの経済合理主義を貫いておる経済界からも出てくるような時代になったということ。これは、いまさっきおっしゃいましたように、これからわれわれ農政をあずかる者の決意次第では、これからの農政を転換をして、そしてわが国の農民に一つの希望を与えることができるのじゃないかと、そういう意味で私の見解を申し上げたわけでございます。いまお話がございました米につきましても、私は農林省に参りましてやはり米ということも、何としても主食でございますし、世界的なそういう情勢の中にあって、国民がやはり不安を持たないような在庫は、米についても必要である。最近は、この一年間ぐらいは、米の消費動向等見ておりますと、いままではずっと米の一人当たりの消費が減っておりましたが、どうやら横ばいになってきたわけでございますが、これは私はこのまま続いていくのじゃないだろうか、そういうふうに思っておるわけでございます。そういう中にあって、国民に不安感を与えないためにもある程度の在庫量を持たなきゃならぬということで、とりあえず来年度は百二十五万トンを百万トンということにいたしたわけでございますが、再来年はこれを百五十万トンぐらいにはぜひとも在庫を持っていきたいというのが私の考えでございます。で、いま米の生産調整を稲作転換、もう休耕田は御存じのようにことしからやめておりますから、来年稲作転換を、来年度打ち切るべきであるという御意見でございますが、稲作転換によりまして反面また飼料作目であるとか、大豆とか、あるいは野菜とか、そういうわが国の自給力を高める他の農産物に転化もできるわけでございますから、私はそれはそれなりに意味があるんじゃないかと。全体的にはまだまだ米の潜在的な生産力というものはあるわけでございますから、来年百万トン、そしてこれを稲作転換を積極的にやって自給力を高めるための他の農産物に転換をしていくということは、それはそれなりに意味があるんじゃないかと思うわけでございまして、現在のところは、生産調整は来年は打ち切るという考え方はないわけでございますが、二十五万トン減らしたということをひとつ御評価をいただきたいと思うわけであります。
○鶴園哲夫君 それは私もそう思います。あるいはいままで進めた経緯からいいましてむずかしい点もあると思います。ですが、やはり農業を見直そう、あるいは農業の自給率を高めよう、そういう場合に、何せ生産力に水をひっかけているわけですから、いま。いずれ五十一年には根本的にお考えにならなきゃならぬと思うんですね。ですから、それをいまやられる、攻めの農政というんだから、まずいままで水をぶっかけられちゃっておる生産調整についてこれを解く、もちろんいまおっしゃる飼料作物等への転作というものは奨励をしていっていいと思うのですよ。奨励をしていっていいが、ただ百五万トンは何としても生産力に水をひっかけるんだ、手足を縛っておくんだという農政では、これはどうも攻めの農政にならない。しかも条件は非常に変わってきておるわけですから、価格の問題につきましても変わっておりますし、それから世界的な食糧の需給の問題についても変わっておりますし、あるいは後進国に対する、開発途上国に対する日本の農業の立場というのも変わってまいっておるわけですから、ですから、私は一年早めて持ってくる。もちろん先ほど言いましたように、転作等に対する奨励金というものは残しておいていいと思うのですけれども、これはおやりになったほうがいいと思うのですね。これ最もわかりいいです。そうしないと、最もわかりにくいですよ、これは何をおやりになっても。大臣にいますぐなられて、いまつくられている八月か九月にできた農林省の予算をどうひねくり回してみても、どうにもこれは動きのとれるものじゃない。まあ若干はありましょうけれども、それは。ですから、そういう政策を政治的に判断なさったらどうだろうというのが私の意見なんです。そうすると、農村の見方も、農業に対する見方も変わってくる。これはやる気があるというんですね。これ、はしにも、棒にもかからぬ話ですかな。五十一年はどうせやられるでしょう、やらざるを得ないと思います。続いてやられるおつもりなんでしょう、生産調整を。——そうすると、輸出したっていいじゃないんですか。どこでも輸出できますよ。インドだって、これは手をすえて待っているし、バングラデシュだって手をすえて待っているんです。ですから、私はもう一ぺん米の生産力というものを再評価していく、見直していくということが私は農政の見直しになるんだというふうに思うんですけれどもね。しかし、重ねてお伺いをすることでもないでしょうから——何か重ねて御意見ありますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ことしの稲作転換事業等を点検しますと、飼料作物あるいは大豆等は相当やはり国内の自給力も高まっておるわけでございまして、そういう意味においては、これを休耕田にするということならこれはたいへんな問題だと思いますが、来年度も引き続いて積極的な転作をはかっていく、こういうことでございますから。しかし来年でとにかく生産調整は打ち切るわけでございますが、来年一ぺんにこれをやめるということよりは来年百二十五万トンを百万トンにして、さらに再来年は百五十万トン以上の在庫を持っていく。潜在生産力は高いわけですから、過剰生産という基調はあるわけでございますから、段階的にやったほうがいいんじゃないか、こういう考えで来年も続いてやらしていただく、こういうことになったわけであります。
○鶴園哲夫君 次に、先ほども大臣のお話のありました農業生産力を高める最もたいへんな、大切なことは、農業基盤整備だと思うんです。もちろん農政の二本柱の一つになっておるわけでして、この農業基盤整備、これがことし伸び率ゼロだという話がもっぱら伝わっておりまして、伸び率ゼロだというようなことになりますと、簡単に考えまして、四十五年当時の水準じゃなかろうかと思うんですね。ですから、四十五年当時の基盤整備の水準ということでは、これはどうにもいただけない。さっき大臣がおっしゃったように、これは農村における生活環境と一体になった面が非常にあるわけですししますが、そういう面で生活環境と同じふうに、一般の公共事業ということで一律に削減するんじゃなくて、ふやしていくべきだというお話がありました。そのために一生懸命今後も努力をしたいというお話でありますが、私は、この基盤整備というのは、どうも私は一般の公共事業とは違うというふうに思うんですね。いま農村は御承知のように、レイオフでやめていったり、あるいは出かせぎに行くところがないというようなことになったり、いろいろいたしまして困っているわけです。ですから、古い話になりますけれども、救農土木事業くらい起こさなきゃならぬような状態に来ているような気がするんです。それで、これは基盤整備というものは、大部分がやっぱり賃金になるわけですし、小さな土木事業者の仕事ですししますから、大臣のおっしゃるように——これはことしの伸び率もゼロだった。去年もゼロだったから、ことしもゼロだというような話では、どこにも攻めの農政ないじゃないかという感じがするわけですね。ですから、大臣のおっしゃるように、ほんとうに本腰きめてこれを伸ばすという方向に努力をしてもらいたいと思うんです。 三木総理が、本会議におきます答弁の中で、自給率を九〇%ということは考えていない。しかしあまりにも自給率は低い、したがって自給率を高めるために努力をしたい。そのためには基盤整備、それから価格、それに農業技術、そういう面について従来の惰性のあるような農政はやらないと、こういうお話なんですね。惰性的な農政はやらぬというお話ですが、基盤整備はことしも伸びはゼロだというんじゃ、これは文字どおり惰性の農政であって、どこにも攻めの農政の一かけらもないじゃないかということになるわけですね。これは最も大切な問題ですから、大臣としての考え方を伺いたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私もいま各方面に理解を求めておるわけでございますが、いまお話しのようにやはり自給力を高めていくという上におきましても生産基盤を強化するということが大前提であるわけでございます、しかし、予算の基本方針は総需要抑制ということで、公共事業は一律四十九年度並みという基本的なことが打ち出されておるわけでありまして、そういう中で何とかひとつ、生産基盤にはひとつ優先順位をつけていただいて、高めていただいて、何とかこの生産基盤関係の予算というものを確保したいという念願に燃えて、せっかく努力をいたしておる段階でございまして、今後とも予算編成の際にはひとつ全力を尽くしてみたいと思います。
○鶴園哲夫君 私は常識的に言って、攻めの農政という場合に、あまりごたごた言わないで、常識的に言いますれば、これは従来の国の予算の伸びに対して農林省の予算が、国の予算の伸びよりもちょっと上回るとか、あるいは国の予算の中に占めている農林の予算が、従来よりもちょっと上がるとかいうことがやっぱり大切な問題だと思うんですね。で、いままで、四十五年からいままで、ずうっと国の予算の伸びに対しまして農林の予算というのは低いわけですね。去年はまあ三%近い差ですが、その前なんか六%ぐらいの差ですし、たいへんな差ですよ、これ。それから農林予算の、国の予算の中に占めている農林予算というのも一一・五%からどんどんどんどん減ってきて、いまや一〇・七%というような状態ですね。ですから、そういう予算の伸びが、常識的に言って、攻めの農政に転化するということになるんじゃなかろうか——いろいろこまかい論議をすると、いろいろ根本的な論議をするといろいろありますけれども、常識的に言いますとそういうことじゃないだろうかというように思うんですね。大臣が新しくなられて、攻めの農政だとおっしゃった、三木総理も、これは惰性のような農政はやらないというお話なんですから、そういうことについてどういうお考えですか。これは、ことしもまた、国の予算の中に占めている割合は一〇・七%というように下がるようなことになりはせぬかと、あるいは国の予算の伸びよりも農林省の予算の伸びというのは下がりゃせぬかという心配をしておるわけですけれどもね、いかがでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 予算で飛躍的に、いままでの比率を変えて農林予算を獲得をするということはなかなか、これはいままでの長い歴史の中で積み上げられたものでございますから、そう簡単にはいかないと思うわけでございます。が、やはり農業食糧確保ということは非常に大事でございますから、そういう意味において何とかひとつ努力を、このからを打ち破るような努力はしてみたいと思うわけでございますが、まあ予算だけで、もちろん、予算というのは非常に大きな農政におけるウエートを持っているわけでございますけれども、しかし、予算だけで農政の姿勢というものを判断していただくということじゃなくて、農政全体の施策の中でこれまた御判断を願わなきやならぬ面もあると思いまして——いろいろと、予算だけではなくて、いろいろの政策の面においてくふうをこらして積極的な農政をやっていきたいと、こういうふうに思っておるわけであります。
○原田立君 重複する点もあるだろうと思いますけれどもお答えいただきたいと思います。 まず最初に、農業後継者の相続税の問題でありますけれども、これは、最近特に深刻になっていることでありまして、全日農あるいは全農総連等、種々の要望が出されているわけでありますが、この要望についてどういうふうに農林省は考えているのか、これが一つ。 それから、大蔵省は十二月の一十日の日に試案を出して、相続税については事実上非課税にすると、こういうふうに言っております。ところがきょうの新聞には、相続税は四千万円まで無税にすると、こういうのが自民党案で出ているわけです。ところが農業団体等については、こういう、何といいますか、免税点を上げるとかあるいは課税最低限度を上げるとかというんじゃなくて、農地というものについては、もっと別な角度で見てもらいたいという要望が強く出ているわけだけれども、農林省はどういうふうに考えていますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほども申し上げましたが、農家の相続税の軽減ということにつきましてはいろいろの抵抗もあったわけでございますが、私としても強く主張いたしまして、大体、財政当局との間に軽減措置を講ずるという了解点に達したということをきょう聞いておるわけでございますが、その内容等につきましては局長のほうから答弁させたいと思います。
○政府委員(杉田栄司君) 相続税の軽減につきましては税調等でいろいろ御審議をいただきまして、現在まだ決定されたという段階にはなっておりませんけれども、検討の方向といたしましては、一括相続した場合に措置としては猶予すると。その場合に、農業所得を中心にした農地の価格、そういうふうなものを考えまして、それをオーバーする分について、これは当分の間猶予する、その期間等も、相当長期にわたって猶予する、というような、そういう線が考えられておるというふうに聞いております。
○原田立君 そのことは、新聞を見て承知しているわけです。いま私が聞いている点は、農業各種団体は、その農地の評価については収益還元方式の採用を強く言っているはずであります。これについて農林省は、そういうような処置を本気になってあと押ししようとする考えなのか、それとも大蔵省の言われるとおりもうこれで行っちゃうのか、そこのところはどうなんですか。
○政府委員(杉田栄司君) 若干、農業団体等の御要望と違うようなことがございますけれども、農林省としては、農地として上がってくる収益、それを基礎とした農地の価格、これをやはり主張してまいってきておったわけでございます。最終的には、調査会等の決定にまたなければならないというふうに考えております。
○原田立君 調査会の結論を待たなければいけないと。じゃ、結局、農林省は、自分で考えていた案は引っ込めますと、もう調査会できめたものに従いますと、こういうことですか、大臣。
○政府委員(杉田栄司君) 決してそういうわけじゃございませんけれども、やはりこれは税の公平とかいろいろな観点があると思いますので、農林省の主張必ずしも通るかどうか現在の段階ではわからないというふうに思っております。
○原田立君 それはね、農林省が大蔵省の代弁なんかする必要ないんですよ。農民の要求の代弁をしてくれればけっこうだとぼくは思うんですよ。そういう意味で、その農民、各農業団体の人たちは、免税点の引き上げだとか税率の緩和だとか、そういうことじゃなくって、収益還元方式の採用を強く要求しておったんです。 安倍農林大臣、いまの次長のお話だと、調査会ですか、そちらのほうできまっちゃったからもうしようがない、頭下げますと、こういう返事なんだけれども、そんな弱腰でこれは臨むんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 少なくとも、農家の相続税を軽減するということについてすらいろいろと抵抗もあったわけでございますが、まあ軽減をするということにつきましては、大体了解点に達したということは聞いておりますが、まだその詰めの、いま次長が説明いたしましたように詰めの段階に入っておらないので詳細のことは私はまだ聞いていない状態でございます。が、まあ、これは十分農業団体等の考え等も配慮して折衝をいたしておることは事実であると思います。
○原田立君 まあ、聞いてないっていうんじゃ、もうこれから先になると思いますんで、その点はまた通常国会でも始まったら、しっかりと議論したいと思います。 それから次に、先ほど水島コンビナートの例の重油の流出事件について工藤委員から御質問があったわけでありますが、長官来ていますか——。じゃ次長でもいいや。——だれもいない。いま入ったというような連絡だったもんでやろうと思ったんですが、それでは、あとに回しましょう。 安倍農林大臣、就任早々十日の記者会見で、高度経済成長での農業基本法を手直しし総合的食糧政策を考えると、あるいはまた、明年一月から大幅値上げとなるえさ問題については補正予算で六十億組んでいると、また、飼料の備蓄を考えていると、こういうふうなことを新聞紙上で拝見いたしたわけでありますが、具体的内容とその実施の見通し、それをお伺いしたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業基本法は改正するという考えを言った覚えはございません。それから、御審議願って成立をいたしました親基金制度の創設につきましては、六十億を予算で盛り込んでいただきまして、この一月から異常補てん分については、補てんをするということになりましたので、すでに十一月のえさの値上げについても、これは三基金を活用いたしまして補てんをいたしておりますし、まあ一月からの値上げを予想されるえさにつきましても、相当程度農民に御迷惑をかけないで処理できると、こういうふうに思っております。 具体的な処置については局長から答弁をいたさせます。
○政府委員(澤邊守君) きのうの国会におきまして成立をしていただきました補正予算の中に、六十億円のいわゆる親基金、配合飼料価格安定の親基金に対します資金造成補助を計上しておるわけでございますが、この親基金の考え方は、現在民間に三つの配合飼料の価格安定基金がございまして、自主的な積み立てにより価格が上昇した場合には補てんをするということをやっておるわけでございます。最近のような国際的な需給の逼迫によります再三にわたります価格の引き上げに対しましては、これのみをもっては十分対処できないという点を考えまして、国際的要因に基づきます配合飼料価格の値上げ、国際的要因といいますのは国際的な市況、それからフレート、それから円レートの円安になるというようなこと等、国際的な要因に基づきます配合飼料価格の値上がりが著しい場合に、その異常部分につきまして補てんをするために、現在の三基金の上にいわゆる親基金というものをつくることによりまして、異常高値の場合の補てんをするということを考えておるわけでございます。 もう少し具体的に申し上げますと、では異常というのはどの程度を異常かということは、過去約一カ年間の平均の飼料価格、配合飼料の価格を見まして、輸入原料飼料価格が基準価格の、基準が一カ年の平均価格の一五%以上をこえて高騰し、しかもその製品になる配合飼料価格の八%以上上昇するという、八%を上回る部分を異常と言っております。それに対しまして補てんをするのを異常補てんと。それを親基金の機能ということにいたしまして、その補てん財源に必要な資金のうち二分の一を国が助成をするということで、六十億の計上をお願いをしたわけでございます。これによりまして、現在一月から全農は約四千円の引き上げを予定しております。小計はまだ全部終わっておりません。現在私のほうで引き上げについて審査をいたしておるわけでございますが、平均いたしますとトン当たり四千円を若干上回るかと思いますが、詳細はまだ申し上げる段階でございませんが、異常補てんはそのおおむね三千円前後の異常補てんができるのではないかというように考えております。 なお、異常補てんのほかに、現在の三基金が従来から継続をしております自主的な積み立てによる補てん、これが約四、五百円できるのではないかというふうに考えております。
○原田立君 非常に重大な問題でいまお話があったわけです。全農系で、来年度トン当たり四千円ぐらいのえさ代値上げを要望している。これについていま検討している。だけど、まあ、三千円ぐらいにはなるでしょうね、というような、そういう御答弁だった。そういう認識でいいんですか、違いますか。
○政府委員(澤邊守君) 全農は先般トン当たり平均四千円の値上げを決定をいたしております、一月一日から。これは、えさ価格は大体三カ月日ごとにきめることにいたしておりますが、全農の配合飼料におきます全国流通量のうちのシェアは四割でございますが、あと六割はそれぞれのメーカーの系統で販売しておるわけでございますが、これの価格はえさの種類が違いますので、完全に同じというわけにはまいらず、やや高いということでございますので、平均いたしますと、まだ全部終わっておりませんけど、審査は終わっておりません、決定も終わっておりませんが、一月一日から平均して四千円を若干上回るところになるのではないかというふうに見ておるわけでございます。そのうち、今回の親基金からの異常補てんが約三千円前後できるのではないかというふうに見ておる。そのほかに通常補てん部分が四、五百円出るのではないかというふうに見ておると、こういうことを申し上げたのです。
○原田立君 農業新聞を拝見いたしますと、大臣との問答の中で、田中首相の農地三十万ヘクタールの取りつぶし論はと、そういう問いに対して、もうあれはないよと、こういうような御返事なんですけれども、三十万ヘクタールの農地転用論というのは、もう完全に農林省からなくなったと、こういうふうに理解してよろしいんですか。この新聞を信用すれば、大臣がはっきり言ったんだから、だからこういうことになるんだなと、こういうふうに理解するんですけどどうですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは内閣も変わったわけでございますし、私は、農林大臣といたしまして、三十万ヘクタールについての検討は進められておったようでございますが、今日の段階では、全く新しい白紙の立場で対処していけばいいと、こういうふうに判断をしております。
○原田立君 じゃあ、三木内閣になれば、農地転用政策はまた息を吹き返したんだと、そういうことになるんですか。私は、いまちょっとほかのことを考えておったもんだから、中途半端なお聞きのしかたをしてたいへん失礼だけれども、要するに、農地転用の政策を田中さんは言っとった。そんなことはもう農地取り上げ論だからいかぬと、われわれはこう考えているわけです。で、農地転用の、そういうことの農地三十万ヘクタールの取りつぶし論は、という質問に対して、それはもうないよ、とこう答えたという、これはもうそういうことはないわけですね。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私は、三十万ヘクタールという計画は完全に白紙に返ったと、こういうふうに理解しております。
○原田立君 結局、農林大臣、まあ大臣は変われども、農民はいつも変わらずで、一生懸命いつも働いているわけでありますけども、要するに、生活ができる農家、食える農家、食べられる農家、そういうものをつくっていかなければならないと思うのですよね。働けど働けどわが暮らし楽にならず、というような農家づくり農政であってはならないと思うわけです。そこで、そういう食える農家、働きがいのある農家、これをつくるには、わしはこういうふうにやると、そういう大臣の所信表明を、先ほどちょっと聞いたけどね、もう一ぺんお願いします。 〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
○国務大臣(安倍晋太郎君) やっぱり農家に希望を与えていく農政を展開をしていくということが、一番の根幹ではなかろうかと思うわけでございますが、先ほどから申し上げますように、まあ現在、農村の見直しということも機運として出ているわけでございますし、世界的な食糧の逼迫という情勢の中で、自給力を高めなければならぬという、国民的な一つの空気も醸成されつつある今日でございますので、この農政全般について活力を与えるといいますか、生産基盤の充実を初めとする施策を全般的に総合的に講じていくということになれば、私は、農家におきましても、自信を持って農業に従事していただけるのではないか。その大前提としては、やはり指標——生産目標といいますか、長期的な需要の動向とそれに基づく生産目標といいますか、そういうものをやはり農林省として総合食糧政策という中で、そういう長期的なものに基づいた政策を打ち出していく必要がやっぱり前提になるんでないか。いつもネコの目のように変わる農政ということでは、なかなか農民の信頼もつなぎとめ得ないということになるわけですから、やっぱり長期的な立場に立った農政をここに明らかにしていく必要があるのではないかと、こういうふうに私は考えております。
○原田立君 大臣は二十一日の経済対策閣僚会議の席上、主要加工食品の値上げを年度内は認めない旨の報告をしておりますが、年度内凍結の品目を発表されたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ちょっと局長から答弁させます。
○政府委員(森整治君) 凍結ということばが非常に誤解を呼んだかと思いますが、そういう意味では非常に申しわけないんですけれども、要するに、ただいま砂糖だけ、農林省で値上げをする場合には事前に協議をしてください、という方針をとっております。その他は全部監視品目といたしまして、値上げをする場合には、届け出をしてくださいと、こういうことを言っておるわけです。で、今回きめましたことは、要するに、行政指導で値上げは差し控えていただきたい、こういう趣旨でございます。したがいまして、実態からいたしますと、まあ、ねらいは凍結と同じということでございまして、行政指導としてそういうことをしたい。そこで例示といたしまして、監視品目になっておりますようなものをすべてあげまして、その他の物品につきましても値上げにつきまして極力押えたい、こういうことを明らかにしたわけでございます。
○原田立君 ぼくは品目を聞いたんだ、そういう説明があったんだけれども。そこで私も、二十二日の新聞によりますと、砂糖、食用油、小麦粉、しょうゆ、みそ、即席めん、バター、チーズ、粉ミルク、マーガリン、食パン、きしめんなど、ほとんどの主要食品を網羅しており云々と、本年度内は凍結と。こうなっているわけですけれども、この中にバター、粉ミルク、チーズなどの乳製品が含まれているわけですが、そこで心配なのは飼料の高騰から当然これらの製品にも影響があると考えられるんですが、この点の心配はないのかどうか、これが一つ。それからまた、この凍結を、一応は年度内としているが、明年一体何月まで保持するつもりなのか、これが二つ。また凍結解除をするとすれば、主要原因を一体どんなふうに、どういう理由で上げようとするのか、理由ですね。これが三つ目。以上三つ御答弁願いたい。
○政府委員(澤邊守君) バター、チーズ、調整粉乳、育児粉乳もこの品目の対象に考えておるということは、先ほど森局長からお答えいたしましたが、これにつきましては、もちろんえさの価格は先ほど申しましたように、値上がりいたしますけれども、先ほど申しましたような親基金制度等によりまして当面措置をできますし、現在これらの乳製品の原料になります生乳につきましては、不足払い制度によりましてメーカーが買います価格と生産者に保証する価格との差額を不足払いをしております。こういうことでございますので、また需給関係から見ましても本年度内抑制ができるものというふうに考えております。 〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
○政府委員(森整治君) 第三点の御質問でございますが、今回の措置はあくまでも五十年三月、来年の二月の消費者物価の上昇率を去年に対しまして一五%程度とするという政府の目標、それに寄与するために行なったわけでございますから、少なくとも三月まではそのとおり実施をしていきたい。で、その時点で、いろいろ賃金あるいは資材あるいは原材料等まだ高値もみ合いのものもございます。具体的に申しまして砂糖ですとか、大豆ですとかいうのはそういう状態にございます。それらを、そういう推移を見ながら、そういう段階で再びどうするかということは判断をしてまいりたい。ただ気持ちといたしましては、あくまでも従来の価格をなるだけ上げてもらいたくないし、また、それが国民の要望だというふうにわれわれは判断をいたしておるわけでございます。
○原田立君 話が飛び飛びになりますけれども、事務次官が何か最近麦の価格を二割ぐらい引き上げたいというようなことを言ったというのが新聞に出ているんですけれども、まあ何言ったってかまわないとは思うんですけれども、これはまあ非常に重要な影響をもたらす問題ですから、軽々に二割値上げなんということを言っちゃならないと思うんですがね。ほんとうに農林省は麦価を二割ぐらい値上げする考えがあるんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 麦価につきましては、二十六日には米価審議会も開かれるわけで、その際、農林省としても諮問をしなければならぬわけでございますが、現在は三月三十一日、本年度中は政府の売り渡し麦価は凍結ということをきめておるわけでございます。まあ御存じのように、外麦の買い入れ価格と政府のいま売り渡し価格の間では一トン当たり三万三千円ほど逆ざやがある。こういうふうな状態でございまして、考えようによっては、これは外国の農産物に補助を出すということは、外国の農民に補助金を出すということにもなるわけでございますし、まあいまの先ほどもお話がありました対米比価等も考えてみましても、やはりこれから米を国民に食べていただくという面をまた考えてみましても、理論的な立場からいけば、これは現在やはり政府の売り渡し価格をある程度上げるということは理論的には私は妥当じゃないか。財政論を離れても、食糧政策からいっても妥当ではあると思うわけでございますけれども、しかし、今日の物価を安定さしていくということが三木内閣の至上な課題になっておるわけでございまして、そういう意味におきまして、公共料金の一環としてこれを取り上げていかなきゃならぬということで、実はきょうも経済対策閣僚会議が開かれまして公共料金についての論議を行なうことになっておるわけでございます。が、これについては福田副総理もしばしば国会で答弁をいたしましたように、公共料金——物価を安定するという至上課題の面からいろいろな財政的な問題はあったとしても、公共料金はあくまでもなるべく押えていくという姿勢で貫きたいということでございますので、理論的には上げなきゃならないという要因はありますが、私どもも三木内閣のその政治姿勢といいますか、これには協力をしていかなきゃならぬというふうに考えておるわけであります。
○原田立君 どうもあんまりはっきりしないみたいだけれども、要するに、三木内閣の性格からいって、公約からいって値上げはしない。次官はそう言ったけれども、値上げはしない方向で考えている、こういうふうに受け取っておきます。 水産庁長官お見えですか。——先ほど若干の御説明があったわけでありますが、わが党も実は緊急に塩出啓典議員が現地に行きまして、もう現地調査をやっているわけでありますが、水産被害の実態は先ほどお話がありましたので、これはよしとし、大体新聞報道によれば百億をこすのじゃないかと。こういう被害総額と言われておりますが、まあ漁民の人たちは年の瀬を控え、そのショックは非常に大きく、はかりしれないことはもう長官御自身が胸を打つような思いでお感じだろうと思うんでありますが、この補償額の交渉などについても最終調整結果を待たなければきめられないと思いますが、被害補償に対しては漁民の意見を十分尊重して交渉に当たってほしいと私は思うのです。で、越年資金など漁民に対して年内支給を、漁民側は強く要求しているわけですけれども、もう日にちもだんだん迫ってきているが、年内支給ということがはたしてできるのかどうか。それからまた、被害をもっと、いまだんだん拡大しているけれども、何とか縮める手はないのかどうか。この二点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 補償金の年内支給でございますが、香川県につきましては、すでに年内に補償金の一部を内払いするということで、関係の漁連と三菱石油の間で原則的了解がついております。岡山につきましては、昨日その点について、精力的な交渉が行なわれたわけでございますが、昨日中には話がつきませんで、きょうじゅうには話がつくという報告を受けております。まだ、額等については、詳細な報告は受けておりませんけれども、一応、漁業者側の要求する線でまとまるのではないかというふうに考えております。 それから被害がどんどん大きくなっているという点。これは、油がどんどん流れているわけでございますから、いまのところ、どうということを申し上げることはできないわけでございますが、やはりある段階で被害の精査ということは必要になるかと思います。先ほど申し上げました数字は、とりあえずの県の報告でございまして、もっと精査をしてみないとわかりませんけれども、先ほど申し上げました数字より減ることはないのではないかという感じがいたします。
○原田立君 最後にもう一つ、畜産農家の健全なる経営には飼料価格の安定を欠かすことはできないと思うんであります。十一月に値上がりしたばかりだというのに、来年一月一日からまた値上がりすると。現在ですら大幅な赤字をかかえ、自殺さえ真剣に考えている農家が少なくない今日、追い打ちをかけるように明年また値上げするだなんというようなそういう現状は、非常に悲しいことだと思うんであります。畜産農家は壊滅的打撃を受けて、救済対策の手もないんじゃないだろうかと、こう心配もするわけであります。 それで、これも新聞で拝見したのでありますが、福井県下の肉牛肥育農家の赤字の実態が報道されておりますが、その悲痛な訴えとして三点あげております。一つは、負債の利子を減免してほしい。二つには、長期低利の融資をしてほしい。三番目に、牛肉を組み込んだ価格安定法を四月を待たずいますぐ発効されたい。こういう要望をこの農家の人たちは言っていると報道されておりますけれども、これについて局長から説明してもらい、あと大臣からどうかという結論をお聞きして、私の質問は終わりにします。
○政府委員(澤邊守君) それでは、いま福井県の事例でお尋ねございます三点についてお答えしたいと思います。 まず最初の負債の軽減措置でございますが、これは、ことしの五月末現在で、肥育経営農家の肥育経営によります赤字というのは、要するに、負債で遅延になっておるというものと、それはまだ遅延にはなってなくとも、前年の同時期と比べまして負債額がどの程度ふえているかということの調査をいたしまして、負債の軽減をするということで準備を進めてまいりまして、十一月の末でございましたか、総額二百八十億、五年で四分まで、五分五厘の利子補給をするという条件で一頭当たり十万円を限度といたしまして、原則として一千万円を限度ということで、低利融資といいますか、負債整理、負債の軽減措置ですね、正確に申し上げますと、負債の軽減措置をすることになりました。結局、いままで借りて返せないものを、それによりまして延期をする、借りかえる。低利な金利の融資に切りかえると、こういう措置を講ずることにしたわけでございます。今後、具体的に個別農家に再調査をいたしました結果、県の指導のもとに、系統資金あるいは市中金融融資資金から融資を行なうようにしたいと思っております。 次に、長期低利資金の問題でございますが、これはやはり五月末に、当時から肥育経営農家が経営が悪化をいたしまして、一頭出すごとに何万円かの赤字が出るというようなことが言われ出しまして、その後、最近に至るまでそのような状態が続いておるわけでございますが、これに対しましては販売によって赤字が生ずるということのために、肥育をやめるあるいは縮小するということがあっては、長期的にみまして牛肉の供給安定、供給を確保するために支障を生ずるおそれがございますので、後継子牛、肥育のもと牛でございますが、肥育を仕上げまして、売ったあとにかわりの子牛を導入をするのに対しまして、同じく四分で融資をすることにいたしまして、これは総額三百五十億の総ワクで現在融資をいたしておるわけでございます。これによりまして肥育経営を縮小あるいは廃止することのないようにてこ入れをしておる、こういう現状でございます。 さらに第三点の畜産物価格安定法を改正をいたしまして、牛肉を豚肉と同じように、畜産振興事業団による需給操作による安定対象品目に指定品目として追加するということにつきましては、現在農林省におきましてその方向で検討いたしております。通常国会のなるべく早い機会に提出をして、御審議をわずらわしたいということで準備を進めておる段階でございます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま局長が説明をいたしましたような緊急対策をとっておるわけでございますが、畜産、特に牛につきましては、現在牛肉の輸入については、これを中止をいたしておりまして、ここ当分の間、畜産の経営が安定をする条件が整うまでは、これを続けていきたいとこういうふうに考えておりますし、こうした緊急対策とあわして、草地の開発等を含めた自給飼料の確保等につきましても、今後とも強力にひとつ施策を進めていきたいと考えております。
○小笠原貞子君 臨時国会が開かれて、そしてまた、三木内閣が誕生するというような時期に入りましてから、いままでたくさん来ていました陳情書だとか、また切実な要求を聞いてほしいという農民の代表の方々が、期待とそして大きな不安を持ちながらこのところたくさんお見えになっています。そして私もその方々から実態を伺い、またお供をして農林省にいろいろお願いにもいってまいりました。ちょうどそのころは公務員の皆さんボーナスが出た時期でございまして、東京へきて役所へいって陳情しても、陳情受けるほうは、あったかい東京でボーナスもらったという方、そしてお答えはまことに冷厳なお答えしかいただいていない。私は、去年の十月からこの農水委に初めて出まして、そうして——ほんとうにいまの農民の方々の問題というのは、農民の問題ではなくて、日本の食糧の問題、すべての国民の問題として考えなきゃいけないし、そしてこんなことにならないで済む手があるのに、政府の農政のその犠牲のもとに、実際に人の命が失われていっています。委員会のたんびに、今度の委員会ではこの間なくなったという人の実情をお話しなければならないというまさに異常なような状態なんです。そういう中でまた先ほどからお話出ましたように、一月からはえさ代の値上げというのがきめられました。親基金から補てんされるということを言われましたけれども、私がお伺いしたいのは、なぜこう上げなきゃならないのかということです。 時間がないから続けて伺いますけれども、農機具についても、一月一日で平均五・三%の値上げというのを農林省は認めておられます。当初、農林省としては、値上げは四月以降というふうに指導していらした。ところがそれが一月一日に実施ということを認められている。私がどうしてもわからないから、一体値上げしなければ会社はやっていけないのだろうか、ということで調べてみました。そうしたら、たとえば日本農産工、飼料では大きなシェアを占めておりますこの日本農産工を調べてみても、四十七年の利益、経常利益ではなくて利益が四十七年八億四千百万円、四十八年度は十一億九百万円、四十九年度は十一億八千五百万円。来年度の予想は下がるだろうということだけれども、五億円の利益が予想されるのです。そして、農機具、先回の委員会でも申し上げましたけれども、大きな久保田鉄工というところを見ますと、四十八年度上半期で六十三億六千四百万円、下半期で七十四億四百万円。四十九年度上半期は七十七億二千三百万円。四十九年度下半期は八十五億四千五百万なんです。そして五十年度の上半期の予想は実に百億という数字が出ている。私はどうしてもわからない。赤字になって困るというのじゃない。農家の人たちが、ほんとうに生活やっていけない、借金につぶされて死んでいるというときに、これだけの利益が、私が言うのじゃなくて、向こうからの資料ですから。本人が言っている資料を見ても、これだけもうけがあがっているのになぜ値上げを認めなければならないのでしょう。なぜ、農機具の値上げを四月以降と言っていたのに、一月一日に繰り上げて値上げをしなければならないのでしょうか。簡単にその辺を、時間がございませんから簡単にお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(松元威雄君) 農機具の値上げは当初十二月一日からと予定をいたしておりました。これは全農とメーカーの間でそういうふうに予定いたしておりましたのを、こちらが指導いたしまして一月延期をさせたわけでございます。 それから五・三%、これは機種により違いますが、平均五・三でございますが、これはやはり前回二月改定以降のいろいろ物価上昇要因がございます。特に農機具というのはいろいろ外注費とか、そういうのが多うございまして、そういうコスト上のアップはやむを得ないということで判断いたしたわけでございます。 なお、ただいま御指摘がございました数字でございますが、確かに会社の中には黒字の経営もございます。ただし、これは絶対金額だけで判断するものではなくて、いわば率で判断すべき性質のものでございまして、一般の製造工業その他に対する経常利益、これと比べてみますと、会社によっては、特にたとえばいま例にございました久保田などは農機具のウエートは三割でございますから、その他の部門が非常にございます。したがって、農機具部門について見ますれば、そういうふうにならないということでございます。 それからさらに、確かにいいのもございますが、かなり農機具業界は企業格差がございます。したがいまして、もちろん私ども決算書を見たわけでございますが、通常よりも他の兼業部門を合わせましていいところが二社ございますが、あとは人並み以下というのが多うございまして、そういうことからコスト上の上昇要因を勘案いたしましてやむを得ないと判断をいたしたわけでございます。
○小笠原貞子君 たいへん熱心に、それくらい熱心に農民の立場に立っていただけば申し上げることはないのですけれども、値上げは妥当だというときにはいまのようにたいへん真剣にお答えになるのです。 時間がないから、あと続けますけれども、そういうようなことも、もっと本気に考えて、農機具部門は久保田など少ないからといっても、会社自体がもうけているわけなんだから。いま農民の問題を考えたら、その値上げはよろしいという指導は、そもそもおかしいと思うのです。考えていただきたいと思います。 それから、十月末に岩手県の肉牛農家が自殺しています。そして、これもこの間陳情にこられた方ですが、おととい北海道でもまた自殺者が出ましたということなんです。いままで農民の方の自殺というのは年に十人近くありました。まあ、ずいぶんあったということで、なれっこになってはいけないんですけれども、今度はちょっと違うケースなんです。それは北海道の厚岸町の太田種畜農協の生産部長さん、この方が一生懸命に肉牛の増産と販売を一手に引き受けてやっていらしたのですね。その方が、こうやって指導はしたけれども、生産者が借金をたいへんかかえた。その責任を感じたら自分は死ななきゃならないというので、遺書五通も残していらっしゃるんです。そうして、その中には、もうこれでは返済が追いつかない、私はいまになってはどうすることもできないから死をもって償わせていただきたい。こう言って、種畜農協生産部長さんが農民に対する責任を負って自殺していらっしゃるという新しいケースまで出たんですね。こういうことを農林大臣、どういうふうにごらんになりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 現在畜産農家、特に牛につきましてはたいへんきびしい情勢にあることは、私もこれは認めざるを得ない情勢だと思うわけでございまして、そういう中にあって、何とか畜産農家を安定的成長の方向に持っていくべく、先ほども局長が答弁をいたしましたように、負債整理あるいは生産対策としての低利の金融等も続けてきておるわけでありますし、同時にまた、牛肉の外国からの輸入をストップしておる。そして生産者価格を何とか維持したいということで懸命に努力もしておりますし、さらに、畜安法を改正して牛肉を指定食肉として指定するという措置も来年度はぜひともとりたいということで、私たちといたしましても、いま痛ましい犠牲者のお話が出ましたが、そういうことのないように、これからも畜産政策につきましては積極的に取り組んでいかなきゃならない、こういうのが私の考えでございます。
○小笠原貞子君 去年の十月、私が初めて質問しましたときも、一家心中が出たり、そして一家蒸発で牛が残されて餓死するというようなときだったのです。もう、それから一年以上たちますの。で、そのときの御答弁もいまと同じようだったんです。いまいろいろなすっていらっしゃるというのは、私も勉強させていただいてわかります。もちろん、やっていただかなければならないんです。しかし、ここまで、こういうふうな事態に追い込んだというのは農民だけの責任というふうに見れないでしょう。政府がやりなさいということを、一生懸命それを信頼して協力して、そしてこうやって死ぬところまで追い込められたということを考えたときに、こういうふうなことをやっていますということだけでは、これは済まないと思うんです。それが私のほんとうに言いたいことなんです。ここまで追い込めたその農民の犠牲、これはもう命の問題なんだから。まあ一生懸命やっておりますでこれから何人殺すつもりなんですか。考えていただきたいと思うのです。そして同じような答弁が一年前もその前もそうだったと思うのです。一体いまこの年の暮れを迎えて死にたいと思っている農民が現実にいるんですが、その方たちにどう言ったらいいでしょうか。いつまで待ったら、いつになったらこういうふうになるんだという展望があるのか。その辺、いま言った方の遺族の方にも、そしていま死にたいと悩んでいる農民にも、どうおっしゃったらいいでしょうか。そのことばをちょっと言ってください。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほどのお答えに結局尽きるわけでございますが、今日までも政府としては畜産の振興対策についても努力もしてまいったわけでございますが、御承知のような外国のいわゆる飼料関係の暴騰等もあり、あるいは畜産物の消費が非常に停滞をしたといいますか、減ってきた、そういうふうなこともありまして、牛につきましては非常に経営が苦しくなったということも、これも事実でございます。 そこで、先ほどから申し上げましたような総合的な対策を強力に実行して、何としても畜産経営については安定をするように努力をする以外にないと、私たちはそういうふうな立場で懸命に努力したいと思っております。
○小笠原貞子君 ほんとうにしっかりやっていただきたいと思います。あとにまた続けますけれども…… その大きな原因の一つとしては、肉牛がたいへん安い、この問題があるんですけれども、これが北海道にはもろにかぶってきているわけです。生まれた乳用牛を育てるその値段、売るときにしてもたいへん安いんです。この秋、十月の末にもここから委員派遣で行きましたけれども、ほんとうにかわいい雄牛が生まれて、もうすぐ殺されているんですね。それが二頭殺しに連れていって、そしてサケ一本買えるんです。一頭三千円、サケ六千円なんです。もうそういう現実を見て、農民の方とお話ししますと、ほんとうにこれはたいへんなことだと思うんです。そして一日でも生かしておけば、それだけえさ代がかかるから、とても生かしてはおけないというふうで屠殺に回されているんです。この屠殺の状況というのをちょっと見てみますと、北海道の衛生部の統計なんですけれども、初生牛の屠殺を前年比で調べますと、四月には前年比五・四倍殺されています。五月には十五倍殺されています。六月には前年比十八倍、七月には五十二倍、そして八月には実に八十三倍、一万七百三十八頭という乳雄子牛が殺されていっているという数字が出ているんです。で、農家はこの経営ピンチの中で一日だって食べさすわけにいかないという事情だから、これも無理ないことだと思われるんですけども、こういうふうにどんどん殺されていっている事態どういうふうに考えられるでしょうか。
○政府委員(澤邊守君) 御指摘のように、一昨年から昨年の秋ごろまでにかけまして非常に価格が高騰いたしまして、従来は乳牛の雄牛につきましては、生まれてから間もなく屠殺するのが習慣でございましたのが、肥育に回るということで、わが国の肉資源の確保という面で非常にいいことだというふうに考えておりましたが、先ほど大臣からも御説明いたしましたような事情によりまして、牛肉価格が非常に停滞をしておる。したがって肥育農家が赤字である、したがって子牛を飼わないということで酪農家にまで影響が及んでおるわけでございます。 われわれといたしましては、まず牛肉の価格の回復をはかるということが先決であるということで、調整保管あるいは輸入の停止措置あるいは安売りとかいうような対策をいろいろ講じておるわけでございますが、この八月終わりごろからやや上回ってきまして、実はきのう初めてキログラム、卸売り価格でございますが、東京、大阪ともに千円をこして一つの関門を越したわけでございますが、このままずっといってくれればいいがと願っているわけでございます。が、いずれにいたしましても、それがいずれは酪農家の雄子牛、生まれたばかりの子牛の販売価格にも好影響を漸次及ぼしてくると思いますが、いまはそこまでいっておりません。したがいまして、現在やっておりますような調整保管をさらに拡充実施するとか、あるいは安売り等につきましてもさらに一そう指導する。あるいは事業団手持ちの輸入肉についても、これを特別の安売りをすることによって消費回復をはかる効果があるならば、一部放出をするということも現在検討いたしております。まあ、各般の施策を通じまして牛肉価格の安定回復をはかるということに懸命の努力をしたいというふうに思っております。
○小笠原貞子君 そういうような状態の中で、たとえば北海道では、農民の皆さんがどんな意識になってきているかということの調べがちょっと出ておりました。これは、北海道統計情報事務所が、北海道の酪農民の意向調査というのを行なった結果なんです。その中で、昨年の後半からことしにかけて酪農を取り巻く情勢というのが非常に変わってきている。これからどうしようと考えているか、という問いに対して答えて、規模拡大したいというのが三二・八%、現在のままと言っているのが五五・三%、昨年に比べ拡大するという意向を持っているものが一〇%もの大幅減少になっている。現状維持が六・六%もふえている。で、つまりそのほかの縮小したい、やめたいというようなのも一・四%、三・六%とそれぞれふえているという結果になってくるんですね。この数字から見ますと、北海道の酪農というのは、明らかに現状維持から縮小の方向に向かわざるを得ないという将来の方向を示していると見なければならないと思うんです。しかも、ことし三月末の新乳価決定後、昨年の意向と変わったものというのが一九・九%だったのが、積極的な考えになったのはわずか五・四%、逆に後退的な考え方になったのが一四・五%、こうなっています。 で、酪農王国と言われるようなこの北海道の酪農民の、酪農に対する意欲というものが後退しているというふうに、この調査でわかったわけなんですけれども、どんどん雄子牛は殺されていってしまう、いざみんなが必要だというときに肉資源が足りなくなってきちゃった。酪農民はもうこれではやっていけないということで、だんだんやめてしまうというようなことになったら一体これどうなっていくんだろうか、こういう事情について大臣はどういうふうに見ていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 北海道の酪農の実態は、おっしゃるようなことじゃないかと、私もいろいろと聞いて、そういうふうに思っておるわけでございます。そのために酪農を安定し、畜産農家の経営を安定させるために全力を尽くしておるわけでございます。私は、畜安法を改正いたしまして牛肉を指定食肉に指定をすれば、これは価格が維持できるわけでございますから、生産者のためにもまた、消費者のためにもなるわけでございまして、この制度、法律改正をやることによって、相当私は酪農経営にも安定的な基礎ができてくるんじゃないかと。そうなった場合には、いまの金融等のいろいろの諸措置と相応じて、酪農経営は安定する方向へ進んでいけると、私はそういうふうに考えております。 また、飼料につきましては、金融制度もできたことでございますから、この点についても畜産農家は外国の飼料の値上がりということで、すぐそれが価格にはね返ってくる、生産費にはね返ってくるということでなくて、この制度を活用することによって、これは非常に安定的なものになっていくと。私は、そういうふうに将来は安定的に日本の畜産というものは進んでいけるんじゃないかと、こういうふうに期待をいたしております。
○小笠原貞子君 いまおっしゃったように金融の問題だとか、それから飼料に対する補助、補てんするというような問題、それから肉牛の価格を畜安法の改定によってちゃんと保証してもらう、これ当然全部やってもらわなきゃなりません。しかし、それ全部やってもまだ農民のいまの苦労を解放することできない。 そこで、いま農民の皆さんの要求というのは、乳価をどうしても上げてくれという具体的な問題になってくるわけです。この乳価の問題についても何度もいままでお伺いしてきましたけれども、この前、私が去年の九月の委員会で質問したときに、乳価改定のお願いについてこうおっしゃっているんですよ。その乳価を改定するというようなことは、生乳の生産量が減っていないから再生産が確保されている。だから、したがっていま再生産確保されているんだから、いま変える必要はない、こういうふうに見ている、というのが、おっしゃってたことなんですね。この間も、農民の方といったらやっぱりそう言っていらっしゃるんです。再生産はちゃんと去年に比べて大体同じ程度だからと、こういうふうに言っていらっしゃるんですね。これが農林省としての統一見解なんですか。再生産がそこなわれていない、減っていないから前年に比べて。だから生産確保されている。したがって、乳価改定の条件にはならないと、これが農林省としての統一見解かということについて、お答えをしていただきたいんです。と申しますのは、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法第十一条第八項ですね、そこの改定の条項で「物価その他の経済事情に著しい変動が生じ又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるとき」と、こういうふうに書かれているわけなんです。この法令の文の中から、再生産されている、生産量が減ってないと。だからこれは経済事情の変動などもうこんなのは全然関係ない、上げる必要ないと、こういうふうにどこからこれがとれるのかということなんですね、私が聞きたいのは。 そしてずっとこの間からの委員会で私が質問したりしたときのお答えを、こう議事録見てみたんです。そうしましたら、四十八年の八月二十九日の衆議院で、大河原局長さんですか、その経済事情というようなことでこう言っていらっしゃるんですね。「保証価格の生産費をめぐる諸要因といたしましては、飼育管理労働費における評価がえの製造業賃金の動向」、それから「飼料価格の動向というようなコストを引き上げる諸要因もある」、また「後継牛を上回る老廃牛の価格の値上がり率というようなことからくる償却費の問題」というように——その改定の価格をきめるときの要因というのは飼料の値上がりだとか、労賃だとか、老廃牛の問題というようなものも考えてというふうにおっしゃっているわけなんです。 そして、その次に、ことしの三月、私がお伺いしましたときに、下浦審議官が、「経済事情の変動ということに相なっておるはずでございますが、その著しいということをどう解釈するかという点」では「きまった解釈というものはございません。」と、こういうふうに、きまった解釈というのはないと、こういうふうに言っていらっしゃるわけなんですね。そして、十月の二十九日に私が質問いたしましたときに、「現在再生産が著しく阻害されておるというような判断に立つのはまだ断定できないという状況にございますので」と、だから価格を変える必要はないと。つまり生産が去年に比べてちゃんとできているから改定する必要ないんだと、こういうふうにだんだん後退してきているんですね。だから、その統一見解としては経済事情の変動というのは一体どういうときをさすのかということと、もしも最後に言われたように、去年に比べてちゃんと出ているんだから、生産されているんだから、これは価格を引き上げるという条件にはならないというのであれば、農民が価格を上げてほしい、やっていけないから価格を上げてほしいというためには、もう乳もしぼるのをやめちゃって、生乳の生産を去年よりも減らしちゃうというようなことにならなければ価格を上げてもらえない。それとも、もう自殺に追い詰められて農業を放棄するということにならなければ価格は上げてもらえない。 これは、まさに去年と大体同じように生産が保障されている、確保されているが、それは農民が、この間も言ったんですけれども、どれだけの借金をしょって、どれだけ命をかけての犠牲のもとにぎりぎりまでやっているかという、そこを見ないで、量としては去年に比べてたいして差はないからということになってくるわけなんですね。だから、こういうことでは、さっきからいろいろ言われたけれども、酪農振興も農民を生かすも——生かすどころか殺すことになる。酪農産業というのは破壊させられて、畜産は破壊させられていってしまう。一体この「経済事情に」ということでの政府の統一見解というのはどういうことになっているんですか。
○政府委員(澤邊守君) 十一条第八項の年度内の改定に関する規定の中に「物価その他の経済事情に著しい変動が生じ又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは」というふうな表現になっているわけでございますが、「経済事情」はもちろん一般経済事情もございますし、また、酪農の経営の事情、この中には、コストが上がったということももちろんその要素の中に入ると思います。あるいは牛肉の、牛乳の需給が最近どうなっているかというような事情も含まれると思います。 それから、先ほど来のお尋ねで、前年から生産がふえておるから変えないんだ、というふうにわれわれが申し上げているというようにおっしゃいましたけれども、もちろんわれわれも、その点も一つの要素として考えておりますけれども、それだけではないわけでございます。御承知のように、やや前年よりは上回っておりますが、加工原料乳の価格の決定につきましては、改定ではなくして、決定の際、主要な加工原料乳の生産地域に、おける「再生産を確保することを旨として」というふうな表現になっておりますので、まあ再生産が維持されているかどうか、再生産に著しい支障が出ているかどうかということは、確かに改定の際の一つの大きな要素だと思いますが、その他、他の施策で、価格だけではなくして、その他のいろいろな施策もございます。先ほど来の融資あるいは予算に対する措置、そういうものも総合的に勘案してその必要性を検討すべき問題だというふうに考えております。
○小笠原貞子君 そういうことなら当然、われわれまた農民側から見ても、経済事情というものは非常に変わってきて、価格を変えてもらうということは当然だというような状態だと思うんです。 そしてまた、審議会のほうでも、この問題については、農民の意向もあるので、審議会を開いて検討するというふうに、それをやりたいというふうに片柳畜産振興審議会長も言ってらっしゃるし、また、この間、大臣におなりになってからお会いになりましたね、全農の小林委員長なんかとも。そのときに、大臣のほうから、審議会の開催については検討したいというふうな、乳価改定について審議会を開くというようなことについても検討したいということを、その要請を受けられたときにおっしゃってたということを私、新聞で見ました。時間がございませんので、あとで一言言っていただきたいのですけれども、ここまできている中で、いままでの年度途中で改定したことがなかったからというのではなくて、もう今年中といっても無理ですけれども、新年早々審議会などを開いていただいて、そしてその乳価の問題についてもいまおっしゃったようないろいろな条件を考えて、どうなんだというふうに御審議をいただいて、酪農民の皆さんが死なないで済むような、そういう手を一日も早く打っていただきたいというのが私の希望、お願いなんです。最後にお答えいただきたいと思います。 あと二分でもう一つの問題をお伺いしたいと思うわけなんです。これはもう時間がないから私のほうから申しますけれども、北海道の苫小牧の東部開発で、そこのところを東部開発ということで土地を買い上げるということになりました。その買い上げられた酪農民の方たちに、追分というところに新しく国営農地開発事業で農地をつくるからということで入植させたわけなんですね。その入植させるにあたって、北海道の企業局というのが「入植地のあらまし」というような——これは農民のほうからもらってきたのですけれども、こういうような書類を出して、それで苫小牧東部開発というのは国の政策であり、北海道の第三次総合開発計画、大きな国の計画だから協力してくれということを言って、そして農民はそれじゃ協力しましょうかと。しかし、いま二十何頭牛を飼っているのだから、向こうの行った先に草地がなかったらやっていけませんと言うと、いや、草地はちゃんとつくります、これは国の事業でつくりますのでということで——この北海道の説明にもまたいろいろ問題があったと思うのですけれども、ここでは五十年には工事が完成いたしますということで、農民の人たちは移っちゃったのですね、去年からことしにかけまして。 それで、移ったはいいんだけれども、現実にそれじゃ、その草地が、どういうのが国営事業でつくられているかということになりますと、予定としては、全部で五百三十二ヘクタールというものが国営草地開発事業という予定になっているのです。そして年度でいいますと、これが全部完成するまでには五十二年までかかるのです。問題は、四十九年度で五十六ヘクタールが草地開発の客土ができたというところなんですね。で、残り六十二ヘクタールは来年以降に回すと。そしてさらに九十ヘクタール。これだけをつくっても四四%くらいにしかならないのですけれども。このための予算というのを今年度で二億四千万請求しているということなんですね。だから、ほんとうなら、五百三十二ヘクタールという国営農地がちゃんと造成されてから移って、安心して酪農できるようになればよかったのに、そこが問題の苫小牧東部開発ですよ。ここのところを先取りして土地を買い上げるということのために、農民には五十年度でできるような幻想を与えて、手続上ではきちっと縦覧期間もあったしと言われるだろうけれども、現実には農民のほうは五十年度でできるのだということで入植してしまったというわけなんですね。なぜそんなにあわてて入植したのだ、もっと落ちついていればよかったじゃないか、できるのを見てから入ればよかったじゃないか、と私なんかしろうとで言うわけだけれども……。学校はなくなる、電線はなくなる、そして人はいなくなる、野ネズミは一ぱい出てくるという中ではやっていけないというところに現実に入っちゃったわけですね。入っちゃって、草地ができないというような状態になって、いま非常に困っているわけなんです。 そこで、もうそちらもお調べになったと思いますけれども、営農計画が立たないということで苦労しています。そして、ここは、入植した十四戸の農民だけの問題ではなくって、四十戸全部で参加する、この国営農地開発事業に参加するわけですね。そうすると、地元にいて増反したいという者には手が回っていかない、新しく開発したのには回っていかないというような状態もできてきている。非常にいろんなことを言われても、具体的に協力をしたんだけれども、国営農地開発というのがおくれて、そしてしかも、来年度予算でどうしても二億四千万取ってもらわなければ、ただでさえたいへんなんだから、これがまた総需要抑制というようなことで減らされれば、もうほんとうにどうしようもないというような状態になってきているわけです。いろいろ道のほうにも調べてみました。そうしたら、道としても、これはたいへんまずかったと、農民をペテンにかけて、だましたような結果になった、というわけで、その草が取れなくて、えさをお金を出して買わなきゃならないという分について、損失補償というのを一戸平均百七十万出しているわけなんですね。だから、道のほうも、自分たちのミスを認めて、その分のえさ代として補助しているというような状態があるわけなんです。それで、犠牲になったのは農民だけということになります。 農林省としては、これ直接のおたくのほうの、ミスというわけではないけれども、国営農地開発事業ですから、おたくの責任でやっていることが、地方のレベルではそういうふうにひどいことになって農民が犠牲を受けているというようなことでは、これはちょっと困るのではないか。だから北海道開発局にもきちっとした指導もしてもらいたいし、こういうことが、またまた起きるというようなことがないようにちゃんと目を光らせてほしいし、そして二億四千万という、少なくともいま要求されている予算については、ぜひそれを実際に取って農民を助けていただきたい。その見通しなどはどうなのかということについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほどからお話がありました加工原料乳の保証価格の問題ですが、これはもう御案内のように、四十九年度は対前年比四四・三%と大幅に上がったわけでございますし、その後の主要生産地帯の状況を見ておりますと、生乳のほうの生産も上回っておるということで、現在私たちは再生産が著しく阻害されているとは認められないという判断の上に立って、審議会を開いて保証価格の改定を行なうということにつきましては、現在の段階ではきわめて困難であると、こういうふうに考えておりまして、これらの地帯の今後の生乳の生産事情等は今後慎重に見守っていきたいとは思いますけれども、しかし、現在の段階では、審議会を開くという予定は持っておりません。 それから苫小牧のプロジェクトの問題につきましては、具体的な問題でございまして、私よく承知しておりませんので局長から答弁をいたさせますが、私も十分調査したいと思います。
○政府委員(大山一生君) いま御指摘の国営農地開発事業追分地区でございますが、これの土地改良法上の手続は、四十八年に着工して五十二年と、こういうことを含んで決定しているわけでございます。現在までわれわれが調査いたしました結果では、入植しようとしている十四戸のうち、いわば苫小牧東部関連が十三戸、その中ですでに入植したのは七戸というふうに聞いております。今後五十年に三尺五十一年以降四戸というような計画になっているようでございます。 そこで、この追分地区のよって来たったゆえんのもの、こういう問題もございますけれども、そういう経緯も踏まえまして、同年次に発足した他の地区に比べますと、進捗率はかなり上回っている、こういうのが現状でございます。ただ、全体の予算ということになりますと、これまた来年度の予算がどうなるかという問題との関連において考えなければなりませんけれども、極力工期に間に合うような方向につとめてまいりたいという気うに思っております。 なお、現在ここに入っておられる方々については、企業局のほうで五ヘクタールをすでに造成しているほかに、昔のところにおいて自由に草を取ってよろしいということで最高三十ヘクタールに至るまで取っている、こういうふうな実態がございます。これが好ましいというわけではございませんけれども、とにもかくにも早いにこしたことはない。ただ他の地区との均衡も考えながらこれの経緯を踏まえて今後進めていきたいというふうに思うわけでございます。 三億四千万という問題になりますと、これはこれからの予算の問題というふうになると思います。
○喜屋武眞榮君 さきに委員長の宣言された定刻五時は過ぎたわけですが、私もそのことを考慮に入れながらできるだけはしょって、また次回に回すこと、こういう気持ちで、どうしてもお尋ねしたい二、三の点についてお尋ねしたいと思います福。 まず最初に、大臣にお尋ねしたいのですが、先ほどのごあいさつの中にもございましたとおり、今日の、また将来に向けての日本の食糧事情は、国際情勢の立場からもまた、日本のこれまでの農政のあり方から来た一つの欠点と申しますか、欠陥と申しますか、そういった集約として食糧の重大危機に直面しておるということをきびしく反省して、このあたりで決意を新たにして立ち上がらなければいけないという、こういう決意がもっと強く述べられてほしいと、こう期待しておったわけでありますが——でもそういった意思はうかがわれたわけであります。そこで、結論的に最初にお聞きしたいことは、いま日本の食糧自給率の向上、向上ということを強調されておりますが、現在日本の食糧の自給率の現状はどうなっておりますか。これは多岐にわたって時間を要すると思うので結論的でようございますから、アバウトでいいですから、日本の食糧の自給率は一体どういう現状になっているか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本の食糧の自給率は、総合の自給率で七三%、穀物で四三%、こういう状態になっておると聞いておるわけでございまして、これは年々低下してきてこういう状態になっておるし、特に穀物の自給率は世界的に見ましてきわめて低いというふうに思っております。
○喜屋武眞榮君 私の調査によりますと、飼料を含めて日本の食糧自給率は四〇%以下に落ち込んでおると、こう発表しておる資料がございます。こういう現状の中で、日本の食糧危機は刻々危機に直面しておる、こういうことなんです。そこに、いま述べられたことと私の食い違いがありますが、これは飼料を含めて四〇%以下に落ち込んでおる。そうすると六割以上は他に依存しておるという、こういう状態であるということ、これはおそろしいことであるというふうに思います。 それでは、そういう自給率の現状をどこまで引き上げたいという具体策を持っておられるか、そのことをお伺いしておきます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは自給率のとり方の、計算の基礎がいろいろあると思いますが、たとえば主食の米については一〇〇%の自給率があるわけですし、あるいは野菜であるとか、あるいはまあ豚肉だとか、あるいは鶏卵であるとか、鶏肉であるとか、そういったものも大体自給率は非常に高いわけでございますけれど、しかし飼料穀物については、もう大半が外国に輸入を求めておる。そういうことで、総合的には、やはり七三%で、穀物だけを取り上げてみますと、四三%というところに落ち込んでいるんじゃないかと思っておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 いまの現状、それをどこまで……。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは全体的な自給率が低いことは事実でございますから、何としても、農政の基本として、自給力を高めていくということで、現在、農政審議会に、農産物の長期の需要と見通しと、さらにその生産目標ということについて諮問して、農政審議会で学識経験者の方に検討していただいておりまして、来年の初めにはその結論といいますか、答申が出ることになっておりますので、その答申等も十分背景にいたしまして、長期的な見通しに立った自給力をどこまで伸ばせばいいか、伸ばせられるか、という計画を、プランをつくりたいと、こういうように考えております。
○喜屋武眞榮君 大臣に一つ要望いたしますが、どうか、このような現状の中ですから、きびしい反省の上に立って、食える農業、そして食糧の上で安定した国民生活ができますような方向に、ひとつ思い切って転換していただくことを私は望みます。いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も、気持ちとしては、まさにそういう気持ちでこれからがんばりたいと思いますが、何分にもまだ非力でございますので、どの程度期待にこたえることができるかわかりませんけれど、とにかく現在は、客観的な事態から見ても、非常にむずかしい状態の中で農政の転換を求められておる時期であるというふうに私認識しておりまして、そういう認識のもとに立って、これから全力投球をしたいと考えております。
○喜屋武眞榮君 どうかひとつ、正直者がばかを見、働き者が損をするといったような、そういった狂った世の中、そして、狂った農政のあり方にならぬように、ひとつ働く者こそ幸せだ、農民こそ生きがいがあると。そういうふうにして初めて、国の食糧の安定、国民の生活の豊かさというものがあり得ると私は思うわけなんです。その意味でしっかりがんばっていただきたい。 そこで、一つ具体的な問題について。いま沖繩で、農業問題に関連して最も重要な基幹作目は、何と申しましてもサトウキビとパインであります。そのパインが、百九十万ケースの大体生産予定があるにもかかわらず、八十万ケースのストックを抱えて、たいへんな大騒ぎをしておるわけなんです。それにそばづえを食らった例の冷凍パインとの関連があるわけでありますが、詳しいことは申し上げられませんが、その冷凍パインからのそばづえを受けた沖繩農民の救済については、政府として、農林省中心に真剣に検討しておられると、こういうことを聞いて安心もいたしておるわけですが、その検討の内容を、具体的にもしお聞かせ願えるならばお聞きしたい。
○政府委員(松元威雄君) 御指摘のように、最近冷凍パインアップルを原料としたかん詰めが急激に増加いたしまして、景気後退に伴います需要の減退と相まちまして、滞貨を生じておることは事実でございます。そこで、これに対する対策としまして、大きく分けまして二つあるわけでございます。一つは、今後冷凍パインを原料とするかん詰めの製造を抑制するというための手段、これが一つでございます。それからもう一つは、とりあえず緊急対策として、いわば滞貨融資等の問題がございますが、そういう緊急な措置と、こういうことでございまして、要は沖繩のパインが圧迫されないというふうにしなければならぬということでございます。 そこで、一番問題になりますのは、冷凍パインを原料とするかん詰めの製造を抑制するということでございますので、そのために、まずとりました手段といたしまして、三つございまして、一つは、冷凍パインを原料とするということをはっきり表示させるということ、これが一つでございます。それからもう一つは、JAS規格の受検を励行させまして、粗悪品ができないようにすると、こういうことでございまして、この二つによりまして、いわば製造が抑制されるという効果を期待いたしております。これにつきましてすでに実施をいたしているわけでございます。それだけで十分でございませんということになりますれば、さらに他の対策を講じなければならぬわけでございますが、その一つの方法といたしまして、生産者やパッカーのほうからは、冷凍パインアップルの製造を抑制するために、いまのような措置の上に、さらに加えまして、輸入冷凍パインアップルの関税の引き上げの要望が出されております。これにつきましては、いろいろ技術的にむずかしい問題もございます。たとえば冷凍パインはかん詰めだけではございませんで、ほかの用途もある、こういった問題もございますので、いろいろむずかしい問題がございますが、農林省といたしましては、これを引き上げるという方向で、目下関係方面と折衝をいたしておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 そうしますと、いまの冷凍パインの要求に対して、具体的には関税の問題になりますが、その引き上げについても十分検討をしておられるということなんですね。
○政府委員(松元威雄君) 農林省といたしまして、これを引き上げるという方向で関係方面と折衝いたしております。
○喜屋武眞榮君 いまここで具体的な率をお聞きするわけにはいかないでしょうか。いかがですか…… それでは、それは、引き上げてもらうと、こういうことを期待いたしまして、そこまでは。結果によっては、またあとで意見を申し上げたいと思いますが、その点ひとつがんばってくださるようにお願いします。 次に、ストックの八十万ケースの処理の問題をめぐって、年末の資金詰まりにからみまして、運転資金として非常に強い要望が出ているわけですが、それに対して農林省から三十億円を出してもらうと、こういうことを聞いて、これはよかったと思うわけなんです。これは要望の満額ではないにしましても、よかったと思うわけなんですが、その二十億のワクの根拠がどこにあるのか、これが一つ。次に、この二十億の支出のしかたにインターバンク方式をとられておる。そのために工場側が非常に借りたいことは山々だけれども、利率が高くて手が出しかねると、こういうことを強く訴えておるのであります。たとえば農林省から中央金庫を通して、それから、沖繩の市中銀行を通すと、この間に年利一四%、それから市中銀行は工場にさらに三%をプラスして、計一六%ということになるわけなんです。ところが、いま沖繩の業者が市中銀行から借りておる年利が一〇・五%なんです。こういうことで、出してもらうことはけっこうだが、利子が高過ぎて非常に困っておると。借りたいけれどもどうも手が出ぬ、しり込みしていると、これが実情であります。 そこで、お聞きしたいことは、なぜこのインターバンク方式でなければいけないのであるか。そして市中銀行の借り入れ金よりももっと利率を低くするわけにいかないのであるか、このことについてひとつお尋ねをいたします。
○政府委員(松元威雄君) ただいま御質問の二十億の追加融資及びその金利の問題でございますが、実は、その前に滞貨融資をいろいろいたしたわけでございます。御案内のような事情でございまして、過剰在庫をかかえておりますから、滞貨融資につきまして、まずすでにやった分がございまして、その分を申し上げますと、これは沖繩県の預託をもとにいたしまして、商工中金から三億九千万円、それから沖繩県農信連から四億円、合計七億九千万円融資を行なうということにいたしましたし、さらに沖繩振興開発金融公庫の中小企業資金四億円の融資も行なうという予定になっておったわけでございますが、そのうち商工中金にかかるもの、これはすでに貸し付けを完了しておりまして、その他につきましては、近々貸し付ける予定でございます。が、その場合の金利は、これはすべて市中銀行金利並み、ないしそれよりも低いわけでございます。したがって、まずそういう金融をいたしたわけでございます。 それで次に、それでは不足である、もう少しさらに融資してほしいという要望になったわけでございますが、問題は原資の問題になっておるわけでございます。ここまでは、すでにこういった比較的市中より安い金利の金融機関からいろいろ手配したわけでございますが、おのおのの原資とつり合いがつかないわけでございます。そういたしますと、それをどうやってカバーするかというわけでございまして、そこで、私たちも、二十億と申しますのは、現地調査をいたしまして三十億というふうに一応設定いたしたわけでございますが、あと原資の不足という事情のもとにおきまして、どのような方式をとったら——金の量と金利と両方の問題でございますから、たとえば量の不足を補うためにはインターバンク方式ということになるわけでございますが、そうなりますと確かに途中の手数もございますから、金利は高くならざるを得ないわけでございます。そうなりますと、一体需要はどうなるのだろうかと。金利が高ければ借りなくて済むというならば、資金需要もそれほどということになるわけでございますが、要は、資金需要と金利との見合いになるわけでございまして、私どもといたしましても、すでに安い金利のものにつきましては、極力できる努力をしたわけでございますが、さらに追加分につきまして、量と金利とを見合わせまして、目下関係者のほうから資金需要等について資料の提出を求めているという段階でございますから、それらを吟味いたしまして、なお御要望の点も——私ども、なるべく安いならもちろんそれけっこうでございますから、ただしそういった実情もございますから、それを踏まえまして今後資料の提出を待ちまして検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 そうしますと、その方式以外はちょっと無理だとおっしゃるんですね。
○政府委員(松元威雄君) それは金融の問題でございまして、原資の問題でございますから、実は前段申し上げました過去のものも、いろんなことを折衝しましていろいろ出してもらった経緯もあるわけでございます。私ども、なるべく低いなら、これにこしたことはないわけでございますが、どうも基本的には、金額が大きくなりますと、どうしてもやっぱりたとえばインターバンク方式をとらざるを得ないんじゃなかろうかというふうに考えまして、しかし、それでもなお努力の余地はあると存じますものですから、なかなか大きくこの方式のワクをくずすことはむずかしいとは存じますが、なおできることはいたしてみたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 その点はひとつぜひ……。 これはどう考えても、利率のほうから無理ですから、ひとつもっと利率が下げられるように御検討を要望いたします。そして沖繩のパイン業者が喜んでこれが利用できるように御検討をお願いいたしたいと思う。 じゃ最後に、これも結論だけ。実は基幹作目のサトウキビのトン当たり最低一万八千円以上の要求に対して、これが一万五千円になったわけでありますが、しかしこれも沖繩のキビ作農民にとっては、どうしてもこれでは満足せぬと、特に最近の物価高や沖繩の特殊事情から、一万五千円に上がってもたいしたことはない、こういう実情でございます。ところで、さらに再生産意欲を高めていくためには、いろいろと基本的な基盤整備の条件、もろもろの諸条件があるわけでありますが、きょうはその点には触れません。が、ここで最近、十二月二十日の新聞によりますと、日本政府は豪州から原糖を長期輸入契約、五カ年契約で契約をしたという、こういうことが新聞で報ぜられておるわけですが、これが事実であるかどうか、そしてその量は幾らであるのか、そしてその契約値段は幾らであるのか、このことをまずお聞きしたい。 と申しますのは、沖繩のキビ作農民としては、日本の甘味資源の補給地というこういう立場から、北海道のビートと沖繩、奄美大島のサトウキビ以外にはない、こういう自覚に立って非常に張り切って意欲的に立ち上がりつつあるわけでありますが、そういったやさきにこのようなことが報ぜられたものですから、沖繩糖のさらに買い上げ価格にそれが響いてくるのではないかという心配を非常に持っておるわけであります。そういった立場から、このいまお尋ねした問題の要点についてはっきりしたひとつ御回答を願いまして私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(森整治君) 日豪間の砂糖の長期のとりきめにつきましては、その内容のおおよそにつきましては、新聞で報道されているとおりと承知しております。ただ、相手国側の事情がございまして、この内容については、まだ公表をちょっと差し控えさしていただきたいと思いますけれども、いずれ手続的な問題でございます。近く公表を民間側でされると思います。 そこで、御指摘の問題でございますけれども、これだけやっぱり外糖が非常に変動が激しい、それで、やっぱり安定的に粗糖を輸入するということも一つの考え方、同時にもちろんそういう高い砂糖、いま非常に高うございます、そういうものよりもやっぱり国内で自給をしていくということにつきましては、かねがねその線でいろいろ努力をしておるわけでございます。先般きまりました一万五千円、この問題につきまして、この協定が何か影響があるかということでございますけれども、これにつきましては、私ども先般決定されましたとおり、一万五千円の生産者の手取り価格、これは十分確保できるように指導してまいるし、それについて直接影響を受けるものとは考えておりません。そういうことで、この点につきましては、何ら沖繩の農民の方々が御心配なさることはなかろうと私どもは信じております。
○喜屋武眞榮君 最後に大臣に一言。 いまの御答弁聞きまして少しほっといたしておりますが、この日本の砂糖年間消費量からしますと、八割が外国糖で二割が国内産。ところがそれがだんだん落ち込んで一九%以下になりつつあるんですね。こういう現状に照らしても、どうしても自給、生産を高めていくという、しかも、沖繩にとってはこれにかわるべき基幹作目がないわけでありますので、そういった立場からも、また、日本の甘味資源の増産という立場からも、これはどうしてもさらに強力に推進してもらわなければいけない。こういうことを強く要望いたしまして、それに対する大臣の御見解を承りまして終わりたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 沖繩におけるパイン生産者並びにサトウキビ生産者、これは沖繩の農業の大きな柱であると思いますし、この生産者を守っていくことは農政の大きな責任であると思うわけでございまして、先ほどから局長が答弁いたしましたように、現在、冷凍パインの問題で非常に問題が起こっておるわけでございまして、この冷凍パインにつきましては、いま関税率を上げるために鋭意努力をいたしておるわけでございまして、これはまあ、いろいろと反対等もあるわけですが、何としても実現したいという決意でございます。 また、サトウキビの点につきましては、現在、砂糖の輸入につきましては、何としても、最近の異常な砂糖の値上がりということで、やっぱり安定的な供給を確保しなきゃならぬという立場で、オーストラリアとの間に民間協定も、長期的な取りきめもできたわけでございますが、これが沖繩のサトウキビ生産者に影響がないように、これまたあらゆる措置を講じておるわけでございます。全体的にこれから沖繩の生産者が安心をして働いていただけるように、ひとつ農林省としても万全の措置を講じていく覚悟でございます。
○委員長(佐藤隆君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(佐藤隆君) これより請願の審査を行ないます。 第二四三号食肉価格の補償に関する請願外十件を議題といたします。 本委員会に付託されております十一件の請願につきましては、先ほどの理事会におきまして内容を審査いたしました結果、第二四三号食肉価格の補償に関する請願外九件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、第一八三二号農林退職年金給付異議申立に関する調査に関する請願は、保留とすることに意見の一致を見ました。 つきましては、以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十三分散会 —————・—————