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74回国会参議院1974/12/24

逓信委員会 第1号

発言数
210
登壇者
20
会派数
6
開催日
1974/12/24

会議録

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十八日、江藤智君及び高橋邦雄君が委員を辞任され、その補欠として木村睦男君及び棚辺四郎君が選任されました。  また、去る二十日、今泉正二君が委員を辞任され、その補欠として前田佳都男君が選任されました。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を行なうこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として本日の委員会に出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 速記を起こして。  この際、村上郵政大臣及び稲村郵政政務次官から発言を求められておりますので、順次、これを許します。村上郵政大臣。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) このたび郵政大臣を拝命いたしました村上勇でございます。  逓信委員会の皆さまには、平素から所管業務の適切な運営につきまして格別の御尽力を賜わり、厚くお礼を申し上げます。  私は、十九年前の昭和三十年に郵政大臣をつとめさせていただきましたが、当時と今日とを比較してみますと、情報化の進展に伴って、所管事務に対する社会の要請はますます高度化、多様化しておりまして、まさに隔世の感を深くするものであります。申し上げるまでもなく、郵政省の業務はいずれも国民の日常生活に深い関係を持つものばかりでありますので、私といたしましては、国民の御理解と御協力を得て、その施策を行ない、皆さま方の御鞭撻をいただきながら、この重責を全うしたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  何と申しましても、郵政事業は三十二万余の職員をもって運営しておりますので、正常な労使関係を基盤にいたしまして、明るく秩序ある職場をつくり、職員全員が一致協力して、国民の皆さまに信頼される郵政事業を育てていきたいと考えております。  まず郵便事業でございますが、すでに御案内のとおり、郵便料金の改正につきましては、先月十四日、郵政審議会に諮問いたしておりましたところ、去る七日、この際諮問案を骨子とする料金改正を行なうことはやむを得ないとの答申をいただきました。前大臣からこのことの事務引き継ぎを受けた私といたしましては、この答申を尊重いたしまして、関係方面と十分協議し、すみやかに成案を得るようつとめまして、国民の最も基本的な通信手段である郵便サービス確保のために、窮迫した郵便財政の立て直しをはかってまいる所存でございます。  また、現在、郵便事業は年末年始の繁忙期の最中にありますが、今期年末年始の円滑な業務運行確保には最大の努力を払いたいと考えております。  次に、郵便貯金につきましては、昨今のきびしい経済情勢下にあって貯蓄の果たす役割りはますます高まっていることにかんがみまして、今後とも、国民に魅力ある貯蓄手段を提供し、健全な資産形成に寄与すべく貯蓄の増強につとめたいと考えております。  また簡易保険につきましては、目まぐるしく変化する社会経済情勢下におきまして、保険需要も高度化、多様化いたしておりますので、これらの情勢に対応するために時代に即応した新たな施策を打ち出していくことが今後の課題であろうと存じております。  電気通信、電波及び放送に関する行政につきましては、情報化社会におけるこれらの役割りはきわめて大きいものがあると思います。技術革新と社会経済発展に伴い、電波、電気通信の利用はますます拡大し、重要性を加えておるものと思いますので、今後、電気通信の一そうの普及につとめるとともに、通信衛星や放送衛星をはじめとする新たな利用分野の開発をはかり、新しい時代の要求に即応した諸施策をも積極的に推進してまいりたい所存であります。  また、先ごろ、日本電信電話公社から経営の悪化に対処するため、電報・電話料金の改正を要請してまいりましたので、鋭意検討いたしておりますが、電電公社の経営状態は人件費、物件費の高騰により昭和四十九年以降膨大な赤字を生ずるものと推定され、このまま推移すれば電信電話事業の遂行に著しい支障を生ずるものと認められます。したがいまして料金の改正を含め、財政基盤の確立をはかる方策につきまして、国民生活への影響、国の財政、経済政策との関連をも考慮しつつ、目下、関係方面と種々協議いたしておる段階であります。  以上をもちまして私のごあいさつを終わらしていただきますが、今後とも、郵便行政に対しまして格段の御指導、御協力をお願い申し上げまして、ごあいさつにかえる次第であります。ありがとうございました。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 次に、稲村郵政政務次官。

稲村利幸自由民主党郵政政務次官

○政府委員(稲村利幸君) お許しをいただきまして、一言ごあいさつ申し上げます。  このたび、郵政政務次官を拝命いたしました衆議院議員の稲村利幸でございます。  微力でございますが、大臣を補佐して、郵政行政の円滑な推進のために一生懸命がんばらしていただきたいと思います。諸先生の御指導をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。     —————————————

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次、御発言願います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は、大臣に、きょうは、いまごあいさつがありましたが、先ほど申されましたように十九年ぶりに就任をされた。私は、かつて大臣が大臣に就任をされました十九年前は、郵政事業に働く一人として、なお中央の労働組合の幹部の一人として、大臣の御尽力や人柄に深く敬意を表していた一人であります。今回、新人でありますが、政治に志す一人として、再び御就任をされ、変わらない御尽力を心から期待をするものです。  そういう意味で、なかんずく村上郵政大臣には、今日の政局の多難のおりでありますから、たいへん御苦労が多いと思います。しかし郵政、電電はじめ所管事業に働いている膨大な人たちが希望を持ち、そして自信を持ち、あわせて国民のための事業としてその役割りを果たせるよう、今後、一段の御尽力を心から期待をいたします。その立場で、本日は、各論でなく総論的に大臣の所信をまず承りたいと思います。  第一に、田中内閣は極端な言い方をすれば打ちのめされ、むざんな形で政権の座を追われた、こう言っても言い過ぎではないと思います。田中内閣は金権金脈問題が命取りになったことは確かです。しかし、これは単に田中首相の個人的な問題ではありません、個人的な金権金脈問題で国民の批判によってそれが追及され、退陣されたのではない。それは歴代の自民党の内閣がその金権的体質と結びついて、大資本との癒着、産業優先の高度成長政策、そしてインフレ高物価政策、公害、環境破壊、人命軽視や権力政治などに対する国民の政治不信のあらわれだと言って言い過ぎではないと思うのであります。私は、この機会に、この自民党の金権体質、金権政治、政界・財界・官界の癒着、国民不在の政治、こういうものについて、その本質や、あるいは道義的な面から政治的にも抜本的なメスを入れる、そのことが国民の批判にこたえ、政治への信頼を取り戻す道だと思います。  三木内閣の閣僚として、大臣は、今日における国民の政治不信に対して、それを回復するため、どのようにこたえ、そしてどのような決意で取り組もうとされるのか、大臣の所信をまず承りたい、かように思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) すでに三木総理から幾たびか御意見を発表しておりますように、三木内閣は、いま御質問のありましたような点につきましては十分えりを正して、断じて国民の皆さんの批判を受けるようなことのないように、あくまでも社会的公正をめどとして、大いに国政に尽力したいということがそのすべてであろうと思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 今日までの三木総理大臣の所信表明、引き続く代表質問、予算委員会、この中でも指摘をされましたように、私は、クリーン内閣といわれても、その中で、恐縮ですが、たとえば河本大臣、小沢大臣あるいは関係閣僚の中で、それぞれ金権金脈問題について疑惑がかけられている。私は悲しむべきことだと思うんです。  こういう中で、私は率直にお尋ねしますが、大臣は資産の公開を率先してやる、こういう決意はございませんか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) これは閣僚全体の問題でありますので、私個人の意見を申し上げることは差し控えたいと思います。  ただ、私といたしましては、すべて納税の報告をし、そして十分その公正を認められて納税いたしております。そういうような関係もありますし、また私自身の財産を個人的に発表したからといって別に何ら差しつかえないものと思います。しかし、これは私の口から申し上げてはどうかと思いますが、私など先祖譲りの、父の代からあるいはその前からの財産というものを相当大幅に自分の時代になって減しております。そういうようなことで、あまり世間に発表してほめられたことでもないと思いまして、やはり他の閣僚と同じように発表することについてはちゅうちょする——個人的にちゅうちょするのでなくて、他の閣僚と同様な態度をとっておるのであります。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣は閣僚全体の問題だと、こう言われます。そして納税をしておる、公正が認められておる、発表したからといって差しつかえないし、また先祖譲りの問題については多くを減らしているし、世間にほめられるものではない、こう言われます。そして発表することは他の閣僚との関係もあってと、こういう御答弁です。  私は、今日、資産の発表問題で規定があり法律があるわけじゃありません。しかし今日まで田中内閣の金権金脈問題が国民の政治不信につながってきた。それは権力の座にあり、そして閣僚として、あるいは政治の中枢にある人、その地位の利用やあるいはそのことを通じて情報の先取り、政策の先取り等をする。土地ころがしじゃありませんが、多くの不当利得、金権金脈というものが国民の前に明らかにされることによって生じた疑惑であり、不信感なんであります。それは私は政治家としてのモラルの問題だと思う。  このことは、いま確かにあなたの言われるようにほめられた結果ではないかもしれません。しかし一国の大臣として、閣僚として、私は政治家としてのモラルとして、いま村上さんが言われるように、納税を行なって公正を認められているとするならば、そのとおり国民の前に明らかにすればいいじゃないですか。あるいは先祖譲りの財産を多くなくしてきた、そういうことが政治活動の中で、しかも誠実に行なわれてきた政治活動の一環としてそういうことが派生的に起こってきたということはかえって国民の信頼を増幅することになりませんか。そういうことについて、私は政治家のモラルとして村上郵政大臣は、この際、資産の公表をやるべきじゃないか、こういうふうに考えるのですけれども、いかがですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 私一人の問題でない、私個人の問題でないことです。御意見はよくわかります。しかし、ただこの内閣の閣僚全体の一つの考え方というものがそういうふうなことになっております。いろいろ意見はあります、ありますけれども、しかし一応これは官房長官がすべてをまとめて、その態度を決定することになっておりますので、私が出過ぎたことをするということについては、私もやはり三木内閣の閣僚の一人でありますから、この点ひとつ御了承を賜わりたいと思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣、閣僚の一人と言うけれども、閣員あるいは閣僚全体というよりも、村上個人として、政治家村上個人として政治家としてのモラルをどうお考えになるか、個人の見解というのは私ははっきりあると思うのです。私は公開をすべきだと考える、あるいはすべきではないと考えるという、この点は明らかにできると思うのですが、大臣いかがですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 私個人としては、何も出しても差しつかえないし、ちっともどこに遠慮することもない、これは私個人のことであります。  しかし、まあ一つの内閣でそういうふうに、申し合わせというと行き過ぎですけれども、そうでなくて、とにかく官房長官がすべてを統轄してやっておるのに、私一人で出しゃばるようなことは差し控えるのがほんとうは常識的なものじゃないか、こう思っております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は、大臣が政治家のモラルとして、今日、国民の期待にこたえる、あるいは国民の信頼を回復するという意味で資産の公表は行なうべきだ、あるいは行ないたい、これについて閣僚会議や閣議の中で官房長官等にその点について自分の意見として明らかにする、こういうお答えを実はいただきたいんです、そうあるべきだと思うんです。  いまお話を聞いていますと、閣僚全体の問題だから、官房長官にげたを預けたと。私はこれを聞いている限り、責任回避としか実は聞こえないのです。村上大臣は十九年前はもっと若くて、たいへん元気でありました。言われることもずばりと言われた。その点で人柄ともにたいへん敬意を表しているんですが、私はやはりそういったその当時の気概でもう一回いまの重大な今日の政局の中で、この問題、他の問題についても取り組んでいただきたい。どうなんですか、大臣、その点。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) あのころでしたら、私も財産を全部発表しても少々大分の選挙区で胸を張っておれるわけです。しかし、あれからわずか二十年の間に、まあ御承知でありましょうけれども、御承知のようなことになっております。私は自分のある財産を隠すということでなくて、私の場合はその逆をいっております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 なおさらいいじゃないですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) お互いに選挙をやる立場から、相当よかったふところぐあいというものが、それがずっとあまり自慢にならないことですから、私はそういう意味でもやたらに——必要があれば出しますし、また必要があればどんな追及をされてもやむを得ませんけれども、どうも必要もなく、お互いに選挙区を持っておりますから、その貧弱な状態をお知らせするということは、これはどうかと思います。そういう意味で、私は、さあ他の閣僚と同じような姿勢でいくと、これが三木内閣の閣僚として考えなきゃならぬ立場じゃないか、こう思っております。ですから個人的にあなたと私と世間に発表しないで知らせるということなら、私は逐一覚えておりますから、どうにでもなります。しかし、そうでないと、われわれは選挙区があるので、ちょっと申し上げにくいのであります。

案納勝日本社会党

○案納勝君 まあこれ以上この問題をしても始まりませんが、私はいま言われたように赤貧であればなおさら国民は拍手かっさいすると思う。それだけ政治に打ち込む情熱というのは評価をする。私はそうあってほしいと思います。  こればかりに時間をとるわけにいきませんので先へ進みますが、三木総理は、臨時国会の冒頭に、その所信表明で、インフレの克服、物価抑制、社会的公正と社会的経済的弱者に対する生活の安定、そして低安定成長路線への転換、これらが今日の国民の声として三つの柱として明らかにされました。私は、いま国民生活から見たら、これこそ政治の急務だと思っております。  この課題について、郵政大臣として、この政策を具体的にどのように生かそうと思っているのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 三木総理の御発言ばかりでなく、政治の終局の目的は国民生活の安定にある、これはもう与野党を通じて一致した考え方であります。ただ、その中でも病人とかあるいは生活戦線に疲れた人とか、そういうような人に対し手厚い御援助をするということは、これは大事なことだと、こう思って私どもずっとその姿勢で今日までまいっておる次第であります。

案納勝日本社会党

○案納勝君 具体的にどう実行するかということが実は課題だと思う。  そこで私は引き続いて質問しますが、いま言ったような三つの柱が、私が先ほど言うように、いまの政治の急務だと。ところがこれを実行するにあたって、反面、先ほど大臣はあいさつの中で、郵便料金の値上げについて審議会の答申を受けたので尊重をする中で事業の健全な運営をはかりたい、こういうふうに言われた。私は、これを聞いていますと、もはや既定の事実として改正案の提案理由の一端みたいに——またこれはニュアンスが少し違いましたが、電信電話料金の値上げ問題について同じく公社から大臣への決裁を求められておる。インフレを収束させる、これは政治の急務であります。そして社会的公正を確保し、よく言われる社会的経済的弱者の皆さん方の生活安定をはかり、国民生活、国民の経済について百八十度転換をするという今日、私は、いま言われる政策の実行と料金値上げについて、まことに不謹慎だと思うのですが、すでに値上げを前提とするかのようなあいさつがありましたが、福祉優先の政策、ナショナルミニマムというもの、そういったものをどう具体化しようと考えられているのか。  片や口で言うことばけっこう、しかし現実の課題として、いま郵便料金という、まだまだ今日高物価、インフレが続いている中で、公共料金の引き上げは国民生活にどれだけの影響を与えるかはかり知れません。これらの中で、大臣は、いまも私が質問しましたことについて、どのように具体的に取り扱おうとしているのか、もう一回はっきりお聞かせいただきたい。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 郵便料金あるいは電信電話料金の値上げということにつきましては、従来の経過とそれから将来の見通しというものを一つの基礎として、いま私がごあいさつの中でそういうことを申し上げたのですが、これはもう十分御存じのように郵便事業というものがすでに本年度千四百億近い赤字を出したというようなわけで、このままで推移いたしますと、ここ三年間をとってみましても約八千億ぐらいの赤字になる。でありますから、この郵便事業の性格として、やはり受益者の方々にどういう形にしろ負担をしてもらう以外にその方法がない。こういうようなことで、一応郵政審議会の答申を基礎といたしまして、ただいまのごあいさつの中に入れておるわけであります、電信電話またしかりであります。その辺、これは私よりもあなたのほうが——私はまだあなたの御質問に完全に御満足のいくようなお答えができないぐらいですが、あなたのほうは私よりより以上にこれはおわかりだと思うので、むしろ私にお聞かせいただきたいぐらいに思っております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 村上郵政大臣ね、いまあなたは従来の経過と将来の見通しの上に立って先ほどごあいさつをされたと言われた。その中で、審議会は受益者負担以外に方法がないという答申を出したと。  私が村上郵政大臣にお聞きしているのは、今日の国民生活の置かれている緊急な課題に対して、三木内閣として、その閣僚として、政治家として、従来の経過あるいは将来の見通しの問題で、後ほど申し上げますが、今日の時点で政治家としてどうこれについて対処するのか。片や三木内閣は、先ほど申し上げましたように国民生活優先の政治、その反面郵便料金の値上げを言う。私は、この中身を知っている知らないじゃなくして、国の政治をあずかる大臣として、国民生活をすべてに優先させていくというその政策にいま三木内閣は立っているんじゃないですか。そのときに公共料金の及ぼす影響を考えた場合に、今日、関係閣僚等で論議をされ、各委員会で論議をされている結果が出てきているんじゃないでしょうか。そういう立場に立って村上郵政大臣としてどう考えるのか、こうお聞きするのです。  私は重ねて申し上げます。政府は今日まで重ねて国会の答弁でこう言っているのです、高度成長政策と訣別をする、そして安定成長政策に切りかえるのだと。これは国民優先の政治の転換で基本姿勢なんだ、物価安定、環境問題、労働事情などの条件からして必然的にこういう結果が出てきたものであって、高度成長政策への回帰はあり得ない、すなわち百八十度の転換をやらなくちゃならない。新全総やあるいは経済社会基本計画を白紙にして検討し直す。五十年度の予算は五十一年からの新計画に伴うかけ足予算であり、踊り場予算だ、その立場から今日公共料金全体について見直す、こう言っておるのです。  インフレマインドがまだ強い今日、私は、この基本政策からいって、村上郵政大臣としてのさきの御答弁をお聞きすることができないのです。その点はいかがですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 御意見のように、いま、そういう料金改正によってこれを切り抜けるか、あるいはどうするかということについてははっきりしたお答えはできません。まだ経済閣僚会議等で今後どうきまっていくかということでありますが、ただ私としては、国民の基本的通信手段である郵便サービスを確保していくために、国民の御理解を得ることにつとめながらこの窮迫した財政基盤を立て直していかなければならない、こういうことで、いまこの段階ではどうするこうするということをきめているわけではございません。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣、私はね、郵政大臣として、国の国務大臣としての見解をお聞きしているのです。いま郵政大臣は、先ほどからお聞きしますと、何もまだそれらについての確信なり見解というものを、大臣としての責任といいますか、全くお持ちでないようにしか受け取れないのです。  私は、三木内閣の閣僚として、重大な局面に立っている大臣として、自分はこう考えるんだと、これについては。今日の国民生活を考えた場合に、こういうふうに考える、それで関係閣僚会議等でもこのように主張するという、明らかな自分の信念というのをもっとはっきり出してしかるべきじゃないでしょうか。私はその言質をとらえてどうだこうだと言う気はさらにありません。いまそれが求められているんじゃないでしょうか。  今日、郵政事業は、先ほど言われましたように、四十九年度一千四百億、そしてさらにこのまま続けばまた赤字の累積が続くと報告をされています。電電にして四十九年度二千億の赤字、このことも言われ、五十年度二千六百億の赤字も想定されると言われている。しかし今日のこれらの事業についての見通し、計画というのは、私は電電の総裁にも郵政の事務当局にもお聞きしたいのですが、今日までの経済社会基本計画、新全総によってつくられてきた計画じゃないですか。この事実は当局のさまざまな文献によっても明らかなんです、ここにもありますけれども。そうすると、今日のこのような時点に立って新全総も経済社会基本計画も白紙に返して洗い直し検討して、五十年度は国民生活を重点にしていく政策を進めるために新しい基本計画を立てる五十年度からの踊り場予算であり、かけ足予算だとするならば、その意味で公共料金を見直すとするなら、私は、この際、これらの問題についてもう一回見直すべきだ。そして見通しの展望を持った上で国民にその合意を求めるということが必要じゃないですか。  こういったものについて、大臣はどう考えるか。私はその見解を大臣がいま持つことが三木内閣の閣僚として一番大事なことじゃないかと思う。確信ある御答弁をいただきたい。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 御意見のとおりです。あなたと全く同じ意見を持っていま折衝しておりますが、ともかく、しかし、その財政措置ができない場合にはどうするかということに追い込まれるわけです。ですから、一つの私の立場からすれば、こういうことになるということを強く要望する以外にない。そしてこれが、いまあなたのお話しのように、新しい五十一年からこうして新しく発足するんだと、五十年では一つの足踏みをしているんだぞというようなことであれば、それはその事態で総理をはじめ各関係閣僚が考えることであって、郵政省の立場として、その先の見通しをして、それをまあ訴えることは私は差しつかえないんじゃないか。また、それが郵便事業に対する、また国民に対するサービスから申しましても親切というか当然なことじゃないか、こう思っております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃもう一回大臣にお聞きしますが、私の考えと全く同じだということは、少なくともインフレの収束のめどがつくまでは、公共料金である郵便、電信電話料金については凍結ないしたな上げをして、そしてその上で財源措置についてどうすればいいのかということで実は検討しているんだ、こういう意味で同じだというふうに受け取ってよろしいですか。私は事務当局に聞いているのじゃなくて、大臣に、要するに閣僚の一人としての大臣にお聞きをしている。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) そういう点を含めて検討いたしております。郵政省あるいは電電公社の立場に立ってこういうようなことになる、しかし、どこからかそういう措置ができれば、これはけっこうな話ですけれども、なかなかそういうこともいまここで私がこういうふうになりますとか、こうなるでしょうということは申し上げる段階でございません。その点はひとつ御了承願います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ、たな上げ問題を含めて、そういう公共料金については白紙で財源措置について検討している、こういうふうに私は受け取ります。  そこで、いま大臣が言われたように、私は現実の問題として郵政省や事務当局等が実際に説明をしている赤字問題について、一定の問題は現実だと思う。いま言われる財源措置の問題はこれは当然問題になると思います。確かに、たな上げというだけでは無責任だと思う。  そこで、私は、ここは事務当局にお聞きします。主要な先進諸国の郵便事業、電信電話事業というのは例外なく赤字のようでありますね。たいへんこの収支については各国とも苦労をしている現状にあることは間違いありません。世界的なインフレの中で、各国ともこれについてインフレ対策を含めて懸命に取り組んでいることは御案内のとおり。イギリス、フランス、さらにはアメリカあるいは西ドイツ等諸外国のこれらの今日直面している問題についての進め方といいますか、取り扱い方、対策についてはどのようになっているのか、この辺について事務当局からお聞きをいたしたいと思います。

高仲優郵政大臣官房長

○政府委員(高仲優君) お答え申し上げます。  ただいまイギリス、アメリカ、西ドイツ、フランスの料金の決定のしかた及び赤字の取り扱い方について御質問がございましたが……

案納勝日本社会党

○案納勝君 ちょっとその前に、その中で特にイギリスとアメリカについて説明をしてください。

高仲優郵政大臣官房長

○政府委員(高仲優君) 各国とも、原則としては、収支相償をたてまえといたしております。また料金につきましても、政府限り、あるいは事業体限りでこれを決定できるようになっておると理解しております。  特に西ドイツ、フランスにつきましては、赤字が生じました場合、一般会計等からこれを補てんするという規定は私承知いたしておりません。しかしながらイギリス及びアメリカにつきましては、経過的に一般会計から補てんをしておるという事実がございます。しかしながらイギリス、アメリカにおきましても料金値上げは非常にひんぱんに行なわれておると理解いたしております。たとえばイギリスの場合、一九六五年以降六回にわたる値上げを実施しておる。アメリカの場合におきましても、六八年以降三回の値上げを実施しておるという実情にございます。  しかしながら、それとは別に、たとえばイギリスの場合について申し上げますと、一九七二年におきまして、これは郵便電気通信事業資金借り入れ法という法律に基づく措置でございますが、一九七二年以前における累積負債を解消するために相当額の繰り入れが行なわれたと承知いたしております。また同七二年の郵便事業につきまして、これは七四年の法律に基づいて、すなわちあと埋めの形になるものと私理解いたしておりますが、五千万ポンド余りの赤字の繰り入れというものをやっておると理解いたしております。  またアメリカにつきましては、これは事業運営の結果の赤字ということではなく、私どもアメリカ郵便事業公社といっておりますが、日本でいう公社とは若干違って、むしろ行政委員会に近い体系ではないかと思いますが、このアメリカ郵便公社の発足時におきまして、郵便事業組織法改正の際、一九七一年予算の額の一〇%に相当する額を一九八〇年に至るまで毎年繰り入れるという法的措置を講じておると承知いたしております。しかしながら、これは欠損補てんということではなく、むしろ法律の文面から見ますと、非採算地域における郵便事業の運営に伴う補償といった形で繰り入れられている部分が一つと、それから政策的に低料金を決定いたしました場合におきますその減額した料金に相当するものを埋めるもの、そのように私理解いたしております。  ごく概要を申し上げますと、以上のとおりでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 時間の関係で説明はあれですが、いま言われましたように、私はこの赤字が現実の問題であるとするならば、それを凍結をしても、そのことが国民の肩がわりになるということはこの際とるべきではない、政府の責任において処理すべきだと思う。  そこで、いま事務当局から説明がありましたが、イギリスの場合に今日まで何回か、先ほど事務当局の官房長のほうから、十年間に六回の料金改正をされたと、こう言われておりますが、六回の郵便料金の改正をされても、この郵便事業という性格からいって赤字が累積をしてきた、その上に立って、しかもインフレ対策、このことを柱にしてイギリスの場合に七二年収入不足額五千七百五十万ポンド、さらには七二年以前における累積の負債の解消のために一億七千二百二十万ポンドが国庫支出によって解消されている。そして国際的インフレの波をかぶるイギリスの国民生活のその意味でのそれを守るための措置がとられてきている。  アメリカにおいても、先ほど赤字解消のための国庫負担ではないと、こういうふうに説明されましたが、今日、郵政事業の中で赤字になっている原因はどこにあるのかといえば、国民生活を守る政策的低料金の分野、あるいは山間僻地における——新聞を配達するのに二里も三里もかかって、一通配達するのに山の上まで配達をして収支合うはずはないんです。小局運営にしてもそうなんです。そういうものについて郵政事業全体が国民に公平にサービスを提供するという基本に立ってやるから、この辺について赤字が出てくることはある程度想定をされる。それに対する国の一定の負担というものがアメリカなんか確立をされている。しかし、これは企業の努力等によって八五年まで漸減をされていくことにアメリカの場合なっています、毎年一%ずつ。  こういうふうに諸外国も、同じように郵便事業に悩んで、今日のようなインフレのさなかにある国民生活を確保するために、それなりのしかるべき措置をとっているという事実について、大臣もしっかり私は理解をしてもらいたい。したがって、今回、いまの国民生活を守らなくちゃならない緊急な課題のある今日において、しかも踊り場予算であり、新全総、経済社会基本計画を白紙にして新しい計画を立案するときに、私はこういう具体的な措置が政府においてとられなくちゃならぬと思いますが、大臣、どうお考えですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 御意見はごもっともだと思います。しかし郵便事業の健全な運営をするためには、どうしてもやはりこの事業会計でまかなっていくということが、郵便法におきましてもそういうようなことになっていると思います。そういうようなことで、一応、郵政当局としてはそれだけの収支のバランスをとっていく要求をすることは、これは私は当然じゃないかと思います。それから先をどうするかということにつきましては、これは内閣全体で考えることで、いまのあらゆる計画を全部白紙に戻して、そうして国民生活に負担のかからないようにという一つの内閣の方針が、この問題をどう解決するかということにかかる問題であろうと思います。  しかし郵政当局としての一つの考え方は、何としても健全な、しかも国民にサービスするためには、こういうふうに数字的にはなっていくんだということを示すことは、これは私としてはあくまでもこれを明示して、各方面の御理解をいただくということは、これはやはり郵政省の立場とすればやむを得ないことじゃないか、こう思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は、郵政大臣、十九年前のおつきあいもあるので、たいへん尊敬もしているのですが、いま聞いている限りでは第三者的な言い方にしか聞こえない。あなたは郵政大臣なんですよ、郵政事業及び電電含めて所管事業を国務大臣として預かっておるのですよ。事務局がこれだけの思慮をするのは当然だ、それから先は国がきめる、あなたがきめるんじゃないですか。  私は、郵政事業あるいは電電の事業の将来の展望をどう立てる、今日の問題をどう解決する、この時期にきていると思うのだ。国の政治の基本の立て直しとあわせて。  そういう中で、いままでみたいな新全総や経済社会基本計画に基づいて進めて、その立場しか見通しを持っていない、あるいは事実上見通しがないと言っても言い過ぎじゃない。たとえば、私はお聞きしますが、いまの出されている料金値上げなどはその惰性そのままに二、三年いこうというだけじゃないでしょうか。  郵便事業の財政、会計制度をどうするのか、あるいは今日問題になっている、後ほど聞こうと思いますが、郵便送達制度、安全にして確実な送達をするにあたって、その状態はどうなっているのか、どう改善をすればできるのかという問題があります。あるいは郵便制度そのものについて、郵便の各種別についての国民のナショナルミニマムという立場に立っての取り扱いの検討の余地がまだあるはずであります。あるいは料金決定の制度、審議会のあり方、こういった問題について、将来の経済展望とあわせて郵便事業の先行きというものを明らかにしながら、国民にこのことの合意を求めていくということが必要なときじゃないですか。  私は収支相償主義を否定しているのじゃないんです。しかし今日の時点における郵便料金の国民生活に及ぼす影響、そして今日置かれている郵便事業をどうするのか。私は電電だってあると思います、電電の計画の実体について、いままで進めている五カ年計画はいままでの基本計画に基づいた五カ年計画じゃないですか、文献見ても。そしてその中に出されている多額の設備投資の資金の問題、あるいは減価償却費の取り扱いの問題、こういった問題についても資本費用の増大をあげて赤字を指摘されている。しかし単にそれだけじゃない、データ通信の問題や画像通信の問題についても新しい国の経済社会基本計画の策定の中で将来の展望と見通しを立てるべきじゃないでしょうか。それが全くない、白紙になっているときに、そしてそれより国民生活を優先しなくちゃならぬときに、そんなものは全くどこかへやっちゃって、いままでのような惰性のままに料金値上げを認めてください、しかも密室の中で二、三年先がきたらまた同じことを繰り返すだけじゃないですか。そういう中で事業そのものについての展望、国民の事業としての見通しが立つのか、責任が持てるのか、私はこのことを言うのです。  諸外国だって収支相償制度を否定をしているのではないのです。アメリカだってイギリスだってその原則をとっているのです。それで赤字をかかえている、しかし国として国民生活優先の立場をとっているから、先ほど説明をされたようにとられているわけです。私は大臣にもっと国務大臣として自信を持って郵政事業、電電を含めて所管事業をほんとうに国民の事業として国民の負託にこたえられるような私はそういう施策をやってもらいたいと思う。  いままでの答弁を聞いている限り、全く何を言っておられるのか、あなたは所管大臣なんだか、全くどっかほかの第三者が来て、そして事務当局と政府の閣僚会議を見て、事務当局が出すのはもっともでございます、閣僚会議のほうも何とかきめるでしょう、こういった話じゃ、私は三十万から、いや六十万、七十万おるでしょう、郵政事業、電電、各関係事業に働いている人たちの身になって考えてみて、それをしかも利用する国民の立場でもっと明確に答えていただきたい、私の質問している点についてどう思いますか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) お話はよくわかります。よくわかりますが、いまのこの郵政事業の置かれている立場から、個々にその赤字を埋めていくためには、埋めてそうして国民にサービスするという基本的なものは、何としても受益者に負担してもらうということが原則——と言うと、私はまだよく調べていないが、もし間違っておれば訂正してもよろしゅうございますが、一つの受益者負担というものが原則じゃないか、こう思っております。それで一応そういう構想というものは、これは郵政当局としては当然な考え方だと、こう思います。  それから先が、今度は郵政大臣として、それでは国民の負担が重過ぎる、これをどうするべきかということについては、郵政省だけできめるわけのものでありませんので、これは各関係閣僚、いま三木内閣の経済閣僚会議というものが今夜にも開かれますし、そういうところでは私は私なりの主張をいたしますけれども、いまそれが確実にどうなるということを申し上げられる段階でないことを御了承願いたいと思います。

森勝治日本社会党

○森勝治君 関連。  まことに失礼な質問をして恐縮だが、いまの後段の閣僚会議か何かですか、そういうところでは私の考え方を述べることができるが、この委員会ではだめだとおっしゃるのですね。ちょっとそれは何かお考え違いではないでしょうか。他の部門では発言を慎むということはあっても、失敬でありますが、当委員会は逓信事業に関する国政の最高をつかさどる所管委員会でございますよ。所管委員会で郵政大臣は逓信事業に対するもろもろの質問について口を緘して、他の責任のない部門で発言する、閣僚会議は責任ないとは言わぬけれども、こういう場でこそあなたのかねてから抱懐する逓信事業に対する高邁なる知識、抱負、経綸というものを発表されて、私はかくあるべきが新しい時代に即応する逓信事業であるからという所信表明があってしかるべきだと思ったところが、いみじくも先ほど同僚案納君が指摘したように、事業に対する熱意の一かけらもないように、失敬でありますが、見受けた。まことにこれは私は残念しごくであります。  そこで私はあえて就任早々のあなたにこれ以上強いことばは避けたいと思うんでありますが、何かちょっとあなたの考え違いではないかと思いますから、郵政大臣として所管の委員会で自分の考え方を述べることができない、閣僚会議においてはどんどんぶつ、こんなことはありゃしませんから、おそらくお考え違いでしょうから、ひとつその辺をもう少しあなたらしい前向きのお話をいただきたいんですよ。そうじゃなきゃちょっと納得できかねますから、私はあえて関連質問に立ったわけです。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) お話はよくわかります。わかりますが、郵政当局として、郵便法と申しますか、一つの健全財政という立場からいえばこういうようになると言うことは、これは私はそれが親切だと思います。それから、いまの新全総その他みな洗いかえると、しかも総理も責任閣僚も、とにかく全部白紙に戻してやりかえるのだということですから、そこでは私なりの主張をしてまいりたい、こういう考えでおりますが、いま、その会議の開かれる前に、こういうふうになるのですよとか、こうなる予定ですとかというようなことを申し上げるということは、私は、何か当てにもまだならない、当てになるかならぬかわからないことを委員の皆さん方にお話しする段階ではない、こう思っております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 どうもさっぱりわかりませんな。チンプンカンプンということばがありますけれども、そんな気がしてならぬ。  これはあえて言うならば私のげすの勘ぐりかもしらぬ。先ほどあなたはいみじくも受益者負担を原則とするとおっしゃる。そうすると郵政事業というものは利潤追求をもって旨とするというふうにおっしゃっておられるような気がしてならぬ。だとするならば、歴代の郵政大臣の最初の就任のとき、ここ数年間ほとんど私が所信表明の質問をしてきた関係がありますから、歴代大臣の所感についてはほとんど記憶いたしておりますが、見ると聞くとは大違いだと、失敬でありますが、言わざるを得ません。  昭和三十年、わが国が敗戦の痛手、いわゆる混迷からようやく脱却しようとしたときの郵政事業と二十年をけみする今日的段階では、まさにそれは隔世の感がある逓信事業であります。しかし、失敬でありますが、あなたのそれを聞きますと、昔のように上できめたことを下へばんとおろしてくる上意下達、一方通行のこの考え方を二十年後も依然としてあなたがお持ちであるような気がしてならぬから、私はあえてこういう失礼な質問をしているわけです。どうもその点は私は解せない。  逓信事業というものは国民の福祉としあわせのためにあるものであって、受益者負担だということになるならば、それは株式会社と変わらぬのじゃないでしょうかな。たとえ公共事業であっても、なるほど国の政治の手が先端まで末端まで伸び切らぬから、やむを得ず受益者負担という過渡的な措置としてやっているのだが、本来、われわれが主張し、歴代大臣が言っている国営で郵便事業を動かすという、特に今日のように赤字をかかえているといわれたときには、当然、これは国のほうからこれに対して赤字補てんをしてしかるべきではないかと思うのだが、あなたの話だと受益者負担はあたりまえだと、物価が高いからどんどんどんどん郵便料金は値上げをいたしますぞという声に聞こえてならない。これであっては全く私は残念な発言のように聞きとれます。  ですから、私は先ほどあなたのお考え違いではないかと、まことに新任の大臣に失敬な表現をしたのでありますが、あなたは考え違いではない、私の持論だというふうなことをおっしゃるわけです。閣僚会議の中で発言をするにしても、郵政大臣として所管についての抱負、識見、経論、こういうものがなければ、的確なる、おれはこうやるのだという方針がなければ、何の発言ができますか。だから、どういうふうに発言するのだと聞いているんですよ。案納君の発言はそれなんです。よその場でしゃべるとおっしゃるなら、新任大臣としておれはこういうことについてはこう言う、電話についてはこうやるのだ、郵便についてはこうやるのだ、電波についてはこうやるのだという、あなたの所管事項についての考え方をこの席で述べてくださらなければ、この席では述べられない、向こうにいって述べるといったって何を述べるのですか。当然、あなた新任大臣としてのあり方があるでしょう。  放送事業についてもいろいろ世の指弾を最近は特に浴びるようになってきた。あなたのおっしゃる利潤追求を旨としておやりになっておるのかもしらぬ。しかし何といったってこの逓信事業というのは、これは公共事業であることはごうまつの疑いを差しはさむことはできない。したがって放送事業といえども利潤追求を旨とするな、こういわれておる。たとえば株の配当等でも最高一割程度というふうになっておるのではないですか。  ですから、そういうものでわれわれが聞きたいのは、あなたが逓信事業を動かすのですよ、あなたが改革の頂点に立つ人ですよ。それが所管の委員会で自分の考え方を述べることができないなんて、そんなことありますか。重ねて大臣の本件についての所見を問いたい。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) もう御意見はごもっともですけれども、しかし郵政省としては郵政省としての一つの考え方……

森勝治日本社会党

○森勝治君 だから、それを聞いているのです。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) しかし、いま閣僚会議というものもあるし、それから閣議決定の前に私がどうなるということを言明することは、これはちょっと行き過ぎだと思います。私の気持ちとしては、これはもうこういうふうになるけれども、どうだということについては、意見は持っておりますけれども、その閣議なり、あるいは経済閣僚会議の前に、それを私がこういうふうになるんですとか言うようなことは、これはちょっと行き過ぎだと思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ大臣にお尋ねしますが、予算委員会等でそれぞれの所管大臣が、たとえば福田副総理が経済担当大臣として経済社会基本計画の白紙の問題やあるいは新全総の白紙問題や公共料金問題等について答弁をされた。私は大臣としてそのくらいの確信と展望を持ってやるべきだと思うのですよ。大臣にはそのかけらもない、こんなこと言って申しわけないが。郵政事業や電電、NHKその他を含めて、この施策についてはこういうふうに考えるのだ、閣議でこう努力をする、おまえたちも協力してくれとなぜ言えないのですか。  私は、きょうは、各論をやる気はありません。事務当局の皆さんにお見えになっていただいていますが、時間の関係でお聞きしたいことはこの次の委員会に回さしていただきますが、ぜひそれはいま大事なときだけに、先ほど私が申し上げた諸外国の例も、収支相償制度というのは私たちは一定の立場に立っているのです、諸外国だって。その上でなおかつイギリスやアメリカの例を申し上げているのです。したがって、それらについて、国民の生活を守るという今日の政治の急務は三木内閣の三つの柱じゃないですか、大臣としてはっきりした確信ある態度をとっていただきたい。まことに何を聞いているのか私のほうもわからぬようになりそうです、御答弁聞いていると。この点はこの程度にして一応先に進みます。  次いで、大臣、これはひとつしっかりお約束をいただきたい。郵便事業でも電電の事業でも所管事業というのは、特になかんずく郵便事業というのは労働集約度の高い事業です。それだけに先ほど大臣がごあいさつに言われましたように、事業の中で、職場の中で労使の安定、このことは不可欠な要件です。どんな施策、どんな展望、どういう具体策を持とうとも、労使の信頼や協力が生産点で確立をされないようでは一切の事業が国民の負託にこたえることはできないと思う、そのことがまず先決だと思う。  郵政の労使の不安定な関係は、電電に増して、他の三公社五現業に増して社会あるいは国会の場でも問題になって久しいのです。それは今日までの長い間の歴史的経過があります。一気にこのことが今日直ちに百八十度完全によくなりましたということにならない状態もあるでしょう。しかし、このことはいま解決しなくちゃならない最大の時期だと思う。原因はいろいろありますけれども、大事なことは、労使が対等の立場に立って相互に信頼と協力関係をつくることなんです。そのまず前提は、ドライヤーじゃありませんが、まず上に立つ人間、権力側にある人たちが人間的な思いやりと理解のある態度で施策やあるいは姿勢をとるべきだと思う。いたずらに力によって上意下達あるいは処分の乱発、問答無用あるいは人権無視や差別人事、あげくの果ては組織介入、こういったことではいつまでたっても職場の中には信頼は築けません。  人間関係は砂漠の状態、現実に郵政事業の中でそういう状態を現出しているところは幾つかあります。この年末に全国で処分をされたのは解雇七名、停職十七名、減給九十一名を含めて八百七十六名にのぼっているのです。ただやはり今日価値観の変化や多様化の中で自分のむすこですらなぐってばかりおったら言うことは聞きません、そのことはよくおわかりだと思う。三木総理大臣は、所信表明の中で、国民の心を施策の根幹に据え、国民、世界とともに歩く、このことが政治の原点だ、政治は力で対決するのでなく対話と協調によって進められなければならない、こう言っている。ことばはりっぱなんです、私は実行してもらいたいと思う。  大臣には、その実行を、在任中、この労使の関係の安定のために信頼回復のために率先して当たってもらいたいと思うし、関係の各組合等とも十分に話し合いをするお気持ちがありましょうか。そうしてこの立場に立つにあたって、単にテクノクラートの集団、こんなことを言ったら事務当局の方からおこられるかもわかりませんが、そういう人たちの積み上げや、みこしの上に乗るのじゃなくして、私は国務大臣としてすぐれた先見性を持って決断、実行をやっていただきたいと思う。私は非力ですが、大臣がその決断をやる限り、そのことが私は今日郵政事業の将来の正しい展望を持つための最大の要因だといま信じている、そのために全力をもって協力することにやぶさかではありません。そのことを申し添えて、大臣の見解をお聞きしたい。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 郵政事業は何と申しましても人と人との関係であります。特に、この複雑な世の中で郵政三十二万という従業員が打って一丸となって国民のために働くということは、これはもう最も郵政事業の目的達成のために必要なことであります。  労使の正常な基礎の上にというようなことは一つの形式としてはありますが、私は労使というようなことばをほんとうは使いたくないんで、私もその組合員の一人であるというような、従業員の一人でありますので、ほんとうにお互いに胸襟を開いて語り合い、またしかられてもいいし、しかってもいいし、どっちがしかろうが、それは一つのこの郵政事業のためにどんな議論を戦わしてもいい。ただ、そこに大事なことは、ほんとうにこの事業を力を合わせてよくしようというような気持ちでやっていけば、これはもう何回でも会って徹底するまで話し合うということが大事だと思います。  従来も、そういう点につきましては非常に理解のある従業員、組合の人たちと語り合ってまいりましたが、二十年たっても私のその気持ちには何の変わりもございませんので、従来どおりほんとうに相携えて郵政業務のために十分努力を続けたい、こう思っております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 きょうは各論はやりませんので、大臣の答弁いかんではということで電電総裁等をお呼びいたしましたが、出番といいますか、お聞きするあれがありませんでした。  最後にもう一つ、いまの御答弁について。先ほどから御答弁いただいておりましたが、それではその大臣の所信を、全逓、全電通等関係組合としっかりひとつ、問題が起これば、あるいは起こる前でも十分に話し合いをする、こういうことについてお約束いただいたと思ってよろしゅうございますか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) けっこうでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ各論は施政方針演説等、通常国会で政府の提案を見てさしていただきます。一応総論的な大臣への御質問は終わりたいと思います。  事務当局に以下幾つかの問題について質問したいと思います。  一つは、心身障害者の雇用の問題であります。御案内のとおり今日のこのインフレ、高物価、環境破壊そして不況、この中で最も生活の危機に脅かされている社会的な弱者——「弱者」ということばを使うなというのがけさの投書の欄に載っておりましたが、私はそういう方々に対する生活安定は先ほども申し上げますとおり緊急の課題だと思います。  そこで三十五年に政府は身体障害者雇用促進法を制定され、四十八年十二月十三日に心身障害者の雇用促進対策についての中間答申等が出されております。この中で四十七年の三月の現在で十八歳以上の心身障害者が百七十三万人。そのうちの就業者は七十九万人、四六%。未就業者が九十三万人、五四%にのぼり、未就業者のうち当面十万人が就職を希望していると言っています、これは四十七年であります。  この四十七年というのは、御案内のとおり高度成長政策、日本列島改造でまさに日本の経済がインフレ政策によってわいているときです。この中ですら、雇用が拡大をされているときですらこういう現状にあった。今日、不況下で倒産が相次ぐ中で、このインフレの中でこれらの方々についてはもっと深刻な事態にあると思う。  そこでお尋ねしますが、労働省はこの今日の時点、これは毎年十月に集計し、報告をされているわけであります、心身障害者の雇用条件はどうなっているのか、まずお尋ねをしたいと思います。

岩崎隆造労働省職業安定局審議官兼労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(岩崎隆造君) いまの四十七年の三月現在の——これは厚生省の調査でございますが、その数字は先生おっしゃったとおりでございます。それで全数調査としてのものはそれ以後は実はございません。  いま先生おっしゃいました毎年十月に調査をいたしておりますのは、身体障害者雇用促進法の規定に基づきます雇用率を義務づけられている、すなわち七十七人以上の民間の事業所のその雇用率の実施状況並びに官公庁の雇用率の実施状況を私ども調査するために調べた数字でございまして、これは全数として、すなわち全国で心身障害者が十八歳以上何人あり、そして、就業者、未就業者がどういうことになっているかというような数としては出てまいりませんので、全数のものは四十七年三月が最新のものであります。

案納勝日本社会党

○案納勝君 じゃこれが最新のものなんですね。  重ねてお尋ねしますが、法律によって、いまも答弁をされましたが、心身障害者の雇用率が設定をされていますね。それで毎年十月一日現在調査を行なう法定雇用率、官公庁非現業部門、現業部門——現業部門には郵政、電電が入っておりますね。それから特殊法人、民間事業所。電電の場合は、これは職員局長にお尋ねしますが、たいへん労使で協議して今日まで進められてきて進んだ状態と承っております。  まず労働省に、この法定雇用率と、いま労働省が把握をしている総括をした各機関別の雇用状態はどうなっておるか。  それから郵政省、電電公社にお尋ねをしますが、郵政省、電電公社として法定雇用率と、今日四十九年度現在で何人採用され、何%になっているのか、この法定雇用率との関係を明らかにしていただきたいと思います。

岩崎隆造労働省職業安定局審議官兼労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(岩崎隆造君) いま先生御指摘の、民間、官公庁の雇用率並びにその達成状況でございますが、これは毎年十月調査のもので、ことしの十月のものはまだ集計中でございますので、四十八年の十月が最新のものでございます。  民間は一・三%が雇用率、それから官公庁につきましては現業部門が一・六%、非現業部門が一・七%、特殊法人も一・六%と、こういうことになっております。  民間で申しますと、一・三%の雇用率に対しまして、ちょうどその法定雇用率どおり全国平均集計いたしますと一・三%という達成状況になっております。それから官公庁につきましては、非現業部門につきまして法定雇用率が一・七%ですが、これに対しましては一・七一%、それから現業部門法定雇用率一・六%に対して一・七%、こういうのがトータルとしての達成状況でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 特殊法人は。

岩崎隆造労働省職業安定局審議官兼労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(岩崎隆造君) 特殊法人につきましては、ちょっとすみません、いま調べます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それでは次、郵政省、電電。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) 郵政省の場合でございますが、身体障害者雇用促進法施行令三条の規定によって対象とされている職員に対する雇用率は一・六%でございます。これが要請されているパーセントでありますが、四十八年十月の状態では、身体障害者の総数は三千二百十九名で、一・五一%でございまして、残念ながら一・六%の要請に対して〇・〇九%、人員にして約二百三名不足という状態でございます。

中林正夫日本電信電話公社職員局長

○説明員(中林正夫君) 当公社におきましては、昭和四十一年に部外学識経験者等によります身体障害者の雇用対策委員会というものを設置しまして、法定雇用率の達成のための具体的方策等あるいは身障者に適した仕事の分析、そういったものを依頼いたしまして、その答申に基づきまして適切な施策をしております。また組合ともいろいろ論議をいたしまして雇用促進につとめてまいったわけでございます。  昭和四十八年度におきまして雇用総数が三千八百九十八名、法定雇用率の一・六%の達成をみておるわけでございます。なお昭和四十九年度におきましても、各地域の公共職安等の協力を得まして、現在、最終的に採用内定中の者としては大体百五十名程度の者を内定いたしたわけでございます。その程度の採用が加わるかというふうに考えております。

岩崎隆造労働省職業安定局審議官兼労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(岩崎隆造君) 失礼申し上げました。  特殊法人の法定雇用率一・六%に対しまして、これは少し悪いのですが、雇用率が一・三一%でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 電電の場合は、部外経験者等を入れて対策委員会がすでに早くからつくられている、労使でも協議されて進んでいることにたいへん敬意を表します。  郵政の場合は、いまも報告されたように、最近特に労働力が緊迫をしているにかかわらず消極的な内容が私はこの中でもあらわれていると思う。法十一条によってあるいは施行令でこれらについての採用計画について三月三十一日までに所管の大臣のところに報告をするようになっております。郵政省はその報告はされていますか、また労働省はそれを受け取っておりますか。その計画の中身の概要がはっきりすれば御報告をいただきたい。

岩崎隆造労働省職業安定局審議官兼労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(岩崎隆造君) 郵政省の本年三月三十一日の採用計画は、私ども受理しております。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) 四十九年度の身体障害者採用計画でございますが、労働省に対して御報告申し上げております各機関別、地方別等に分けまして、計画書を提出してございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ、その計画が実行されていないということですか。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) この計画書の計画では四十九年度に百九十九名採用するということでございまして、ただいまの進行状況はまだ完全に把握しておりませんが、鋭意努力中でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 労働省にお尋ねしますが、この計画というのは、すでに法定雇用率がきめられ、それで法定雇用率に従って一日も早くというか、直ちにも特に政府関係機関は完全な充足をしてもらいたいという、そういう意味での法規制だと思います。四十九年度百九十九名採用で、それをやっても二百三名の不足に届かない、郵政省にやる気がないんじゃないですか、どうなんですか。

岩崎隆造労働省職業安定局審議官兼労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(岩崎隆造君) 先ほど郵政省の方から三百三名というお話でございましたが、私ども御報告を受けておりますのは百九十九名が不足数でございます。それで四十九年度百九十九名の達成目標を出していただいておりますので、私どもはこれが四十九年中に充足されるということを期待し、またそういった御連絡もしておるわけでございます。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) 資料のとった時点で数字が若干食い違いまして、申し上げるのを忘れましたが、ただいまの計画書は四十九年の二月末の状態で計画いたしまして百九十九名ということでございまして、これを達成すれば一・六となるということでございますので、御了承ください。

案納勝日本社会党

○案納勝君 そうするとあれですか、四十八年の十月では三百三名不足をしている、それが四十九年の三月では百九十九名だと、これを充足すれば完全充足になりますと、こういうことですか。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) そのとおりでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 重ねてもう一つお尋ねします。これは電電のほうにもお尋ねをいたします。  なお重度障害者の場合も同じように法十五条、施行規則七条、八条によって取り扱いをきめられていますが、法定雇用率を重度障害者の場合満たしていますか、各両方とも。また計画があれば計画はどうなっているか。今日、心身障害者の雇用の中で重度障害者の種別、この関係の種別はどういうふうな割合になっておりますか、この点。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) 身体障害者雇用促進法第二条第三項の規定によりまして同法施行令の第一条が定められておりますが、これによります重度障害者の雇用率でございます。  当省の場合におきましては、同条の別表に該当する特定職種はないということになっておりますので、御了承をお願いいたします。

中林正夫日本電信電話公社職員局長

○説明員(中林正夫君) 重度障害者の対象職種としましては、あんま、マッサージ、指圧師等が当公社の場合ございまして、これは定数的には十名でございます。それで法定雇用率は七〇%でございますから七名が法定雇用率を満たす数でございます。現在のところ、残念ながら、六名雇用いたしているわけで、一名下回っておるわけでございますが、これにつきましても今後早急に取り組んでいきたいと思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 もう一回お尋ねしますが、郵政省にはこの別表にあるやつはないんですか、ないと判断したというお答えですが、ないですか、そういう職種は。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) 身体障害者雇用促進法施行令の第一条でございますが、第一条で特定職種として、あんま、マッサージ、指圧師が掲げられておりますが、ただし、このあんま、マッサージ、指圧師の中で「(主として、中欄に掲げる者では行なうことができないと認められる労働大臣が指定する業務に従事するものを除く。)」というカッコ書きがございまして、これによって重度障害者では業務の遂行ができないものとして労働大臣が福指定する、それに郵政省の場合、病院、診療所に関しては労働大臣の指定がございまして、除かれておるということでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 これも電電と郵政にお尋ねしますが、定員配置上の能率をどのように見ていますか、通常のもので。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) 身体障害者につきまして、特にこれは能率算定というものは行なっておりません。これは身体障害の種類あるいは程度、それとそれに対応する仕事の中身、種類、やり方、そういうものによって非常に区々にわたろうかと思います。したがいまして能率算定というものは行なっておりませんけれども、身体障害者の実際の勤務に際しまして、職種とか担当作業等につきまして、その身体障害の程度あるいは部位等に従いまして無理のないように十分配意するように指導しております。現実にそういうふうに行なっております。

中林正夫日本電信電話公社職員局長

○説明員(中林正夫君) 身障者の方は、当該の障害部位を除きますれば全く一般現業者と同じでございますので、いろいろ仕事のあらゆる各部についての配慮をした上で一般現業者と同様の考え方で定員の算出はいたしております。  それから配置の問題につきましては、当該職員の心情等も考えまして、特定のところへ集めるというようなやり方じゃなくて、一般の現業者の方と一緒にまざって仕事をやっていただく、こういうような考え方で配置をいたしておりますが、職種の決定とかあるいは勤務場所といったようなものにつきましては、本人の障害の状況というものを考えて無理にならないような、たとえば外勤であるとか、あるいは高いところへ登るとか、そういったものをやめるように配慮をします。また配置局所につきましても通勤事情等を十分考えてやっていく、こういったふうにいたしております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 郵政省の人事局長の答弁はふらっと聞きますともっともらしく聞こえるけれども、実際は逆じゃないですか。  お尋ねしますが、電電のいまの答弁では、部外経験者を入れて対策本委員会等で検討しただけあって、配置にしても本人の精神的負担ができるだけなくなるように、コンプレックスがなくなるように配慮をされていることは私はたいへん望ましいと思う。郵政省のほうは、能率算定は行なってないということは、事業所に十人の定員がある場合、その定員算定に入れてないということですか。そういうことになりますと、この三千三百十九名、去年の十月、これは郵政省の定員上の能率算定基準からはずして別ワクで配置をしている、こういうことで受け取っていいですか。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) ことばが足りなかった点は申しわけなくおわび申し上げますが、この身体障害者の障害の程度、部位等につきましてはまちまちでございますが、そこを除けば一般の人たちに少しも劣らない能率を持っておられる方々でありますので、そういう無理のないような職種、職場に配置するように十分考えていくようにしてまいっております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 人事局長にもう一回。  無理のない職場というのは、主としてどういう職場に配置されておりますか、郵政省の。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) これは非常にケース・バイ・ケースで具体的な問題になろうかと思いますが、たとえば足が御不自由な方は手を主とする作業とか、そういうことが一般的には考えられようかと思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それは一般的にはいえるけれども、郵政省にある事業所の中で、どの仕事に、どういうところにつけてあるかと聞いているのです。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) これはただいま本省として全体の資料を整えてはございませんけれども、各事業所ごとにその方々に適当な職種なり仕事をしていただくように配慮をしてまいっておるところであります。

案納勝日本社会党

○案納勝君 郵政省は採用はしっぱなしということですよ、いまの答弁からいえば。本省はそういったものについて何ら把握をしてない、そういうことが答弁されました。私は、じゃ足の不自由な人は内勤の窓口にしているのか、あるいは貯金局か保険局か、保険局や預金局の中でも動かなくちゃならぬ職場がある、どこなんだと聞いてるわけです。ところが本省はわからない、把握をしていない。三千二百十九名、昨年十月、雇いっぱなし、こういうことを物語っている以外にないと思う。  そこで私はもう一回お尋ねしますが、これは労働省にもお尋ねしますが、この促進法に基づいて、さらには中間答申、やはり同じように当時の内閣総理大臣田中さんに出された要請書の中にも、相談担当職員をそれぞれ事業所に置けと、こういうふうに要請をされている。これについて労働省はどのように指導しているのか、電電、郵政省は相談員を置いているのか。郵政省はいまの答弁を聞く限り何ら具体的なものはないと思いますが、その点について御答弁いただきたい。

岩崎隆造労働省職業安定局審議官兼労働省職業安定局失業対策部長

○政府委員(岩崎隆造君) いまの先生の御指摘は身体障害者雇用審議会の中間答申にいわれております雇用推進員のことかと思います。これは大規模事業所において、先ほど民間一般は一・三%の達成をしていると申し上げましたが、大規模になればなるほど雇用率の達成状況が悪いという現況にかんがみまして、一定規模以上の事業所の中に心身障害者の雇用促進のための具体的な計画策定あるいは心身障害者の職場におけるいろいろな相談、これは生活相談に至るまでやらせるための職員をそういった大規模な事業所では選任してもらう。それを県知事の委嘱ということでこの身体障害者の雇用推進の問題に当たってもらうということで、答申に基づきまして私ども各県にやっていただきまして、現在やっておりますのは、常時五百人以上の従業員を使用する事業所、それからそれ未満のものでありましても心身障害者を比較的多数雇っている事業所につきまして最小限一名、まあ二名、三名程度の雇用推進員を置いていただくということで、現在、全国で四千以上の事業所におきまして約五千六百人ほど選任していただいております。  官公庁につきましては、私ども常々、これは率先垂範でございますし、特に先ほどの身体障害者雇用審議会の答申にも、これは大企業対策ということが主眼になっておりまして、官公庁について特に雇用推進員制度を設けてはおりません。ただ、本年の春にも、政務次官会議におきまして、各官公庁並びにその監督下にある特殊法人、それから地方自治体に対して、特にこれに対する推進を政務次官には号令をかけてはかっていただきたいということを、私どもの政務次官から御要請を特に申し上げて進めていただいておるというようなことで、各官公庁におきましては、当然、何らかの体制を持ってそういった指導推進に当たっていただくことを、私どもとしては自主的な御努力を期待しているわけであります。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) 郵政省におきまして、現在のところ、専門的な職員というものは配置しておりませんが、今後におきましては身体障害者雇用促進に関するいろいろの施策について実施していきたいという考えでございますが、そのために、いま、総合的に取り組めるような体制の整備をも含めまして、鋭意、検討してまいりたいというふうに考えております。

中林正夫日本電信電話公社職員局長

○説明員(中林正夫君) 公社におきまする採用業務は、これは現場ではなくて、通信局、通信部等が主体となってこれをやっておるわけでございますが、雇用促進に関する関係機関との連絡、あるいは募集活動についても、これら通信局、通信部の採用担当者が行なっておるわけでございます。  それからまた採用後におきますフォローにつきましては、各機関の、これは現場機関でございますが、現場機関の人事管理担当者に日ごろから十分指導いたしておりますので、特段に推進員という任命はいたしておりませんけれども、機能的には十分な効果をあげておるんではないかというふうに考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は郵政省の人事局長神山さんからさきの質問とあわせて御答弁もいただきましたが、たいへん立ちおくれていると私は郵政省の場合は言わざるを得ないと思うんです、電電と比較をしてみても。  特に今日の社会で、先ほどから繰り返して申し上げているように、緊急の課題であり最も意を使わなくてはならない心身障害者の法律で定められている雇用、しかも職員の数も多い、その中で働いていくにも相当の苦痛もあることは間違いないと思う。したがって私はここで郵政省に配置をされている三千二百十九名がどういう配置をされているのか、さらにはそれに伴っての業務の態様、これについて正式に資料を提出してもらいたい。あわせてこれは電電のほうにも要請をします。心身障害者の配置の状況、そして単位職場の態様、資料を提出していただきたい。  それで郵政省は省内に雇用促進のための対策委員会——仮称でしょうか、設けるなりして、この心身障害者の雇用の安定と生活の安定、あわせてこれについての十分な対策を進めるよう、そのプログラムと計画を明らかにしてもらいたい。いま明らかにせいと言ってもこれは無理でしょうから、計画ができ次第直ちにその結果を報告してもらいたいと思います。資料として出してもらいたい。  私が郵政省に特段に要請をするのは、もちろん電電公社等で早くからやっているように部外の学識経験者や部内の労働組合と十分に協議をして対策を立てるように要望したいと思いますが、いかがですか。

神山文男郵政省人事局長

○政府委員(神山文男君) 先ほども申し上げましたように、総合的な施策の遂行をはかるように体制を整えることも含めまして、早急に実施していきたいというふうに考えます。関係の組合からのいろいろの要求についても誠意を持って話し合って取り入れていきたいというふうに考えております。

中林正夫日本電信電話公社職員局長

○説明員(中林正夫君) 御要望の資料については提出いたします。

案納勝日本社会党

○案納勝君 心身障害者の問題はこれで最後にしますが、私が調査をした限りでは、働いている側から見ても、あるいは利用する側から見ても、局舎の改善というのが建築基準等でほとんど取り入れられてないというのが現状であります。これは両事業所ともそのとおりだと思います。なかんずく特に電電、郵政ともに公衆を相手にし、国民を相手にする事業であります。それだけにその局舎等について利用する側そして中で働いている側、両方含めて、十分な配慮が私は望まれるところであります。この辺についても、特に、今後の対策を進めるにあたって留意をして取り扱ってもらうよう特段に要望をしておきたいと思う。いかがですか、その点について、最後に。

中林正夫日本電信電話公社職員局長

○説明員(中林正夫君) ただいま先生申されました、いわゆる使うほうの立場の、まあ公社の職場におります身障者の職場環境の改善の問題、この問題につきましては、たびたび組合等とも話をいたしておりまして、たとえばトイレの洋式化であるとか、あるいは出入り口のドアの改良とか、こういったものについての配慮というものをできるようにいたしております。  ただ、電話を利用される方の問題につきましては、いろいろ電話の利用自体が電話で受付をするということができるふうになっておりますので、まあ身障者の方が直接窓口を御利用願うということはあまりないんじゃないかというふうに考えておりますが、なお検討いたします。

武田礼仁郵政大臣官房建築部長

○説明員(武田礼仁君) 実は自慢をいたすようでございますが、郵便局を利用される方々のためには、ただいま私どものほうでは、郵便局を設計する基準として、特に車いすで来られる方のために公衆室の前面にスロープをつけるとか、あるいは自動ドアをつけなさいというふうな基準がございまして、それでやっております。ですから、それ以外にもいろいろ、もちろんもっと前進的なことを配慮いたしたいと思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 時間がありませんから——。  いま答弁されました郵政省の車いすというもの、あの自動ドアをつけているのはそういう意味でつけたんじゃないんじゃないですか、郵便を一ぱい手に持って、小包持ってこなくちゃならぬから、それで自動ドアをつけたんじゃないですか。そういうふうにごまかさないで、それはやっぱり心身障害者はこれだけ、先ほど私が申し上げたように、就業者、未就業者を含めてかなりの方々がおられるわけです。特に公衆のたまり等についての配慮は私は十分にしてもらいたいことを重ねてお願いしておきます。  それから、もう時間がありませんので、私は資料を郵政省に最後に要求をしておきたいと思います。  一つは、郵便の標準送達速度というものが公示をされました。この公示をされた後の今日それはどうなっておるのか、どういう状態にあるのか、資料をもって明らかにしていただきたい。それから平常の状態における郵便結束の状況、これはどうなっているのか。それから郵便の伸びを地域別に見た場合にどのようになっておるのか。物数と要員の関係で昭和三十年と四十八年を比較して、三十年を一〇〇とした場合の物数と要員の関係。それから採用の状況、予定数と採用数、これは四十五年から四十八年まで。それから東京の管内における他管内からの採用者の数、同じようなものです。それから採用五年以内の郵便外務員、内勤の職員の退職率、数。それから現在の非常勤の総数  これは非常勤、一般非常勤、ママさん配達、パート、それからエプロン部隊というのは一般非常勤に入っていると思うけれども、これらを含めての非常勤の種別と採用の態様といいますか、勤務の態様、採用の状況、これについての資料。もう一つは要員の算定基準。算定基準というのは配置をする基準、要員配置の基準。これを次期委員会までに郵政省からの資料として提出をいただきたい。  以上、私の質問を終わらせていただきます。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 資料についてよろしいですか。

石井多加三郵政省郵務局長

○政府委員(石井多加三君) 若干時間がかかると思いますけれども、御猶予をいただきまして、できるだけそろえたいと思います。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十四分休憩      —————・—————    午後一時四十四分開会

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  午前に引き続き郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次、御発言願います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 午前中も御質疑があったわけでございますが、村上大臣は初めて当委員会にいらっしゃったわけでございます、大臣に就任して。先ほどごあいさつがございましたが、臨時国会ということもございますし、また明日で会期は終わるわけで、通常国会にその所信が表明されるんだろうと思うんであります。  かつて郵政大臣をなさっておった経験者でもございます大臣が再び大臣に就任なさったわけでございます。十九年といいますと大きな時の流れがございます、先ほども大臣のあいさつの中にもあったのでございますが。しかし、現在、当委員会としまして非常にもう関心を持たねばならない問題が山積いたしております。それは非常な物価上昇に対しての公共料金の問題をはじめといたしまして、電波のことにつきましてもこの逓信関係の問題は非常に多岐にわたり、そして現在この大きな時代の流れの中で改革しなければならない諸問題があるわけで、先ほどは大臣のあいさつということで一応お伺いしたわけでございますが、それはそれといたしまして、現在、五十年度の予算編成の大事なときにも至っておりますし、大臣に就任なさって、これはもう過去にも大臣経験があるわけでございますから、当然、大臣としてのこうしようというこれらの問題についてのお考えがおありだろう、こう思うわけであります。そういうことで郵政事業が関係いたしております諸問題についての大臣のひとつ率直な所信をお伺いしたい、こう思うんです。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) いろいろの問題が含まれておると思いますが、当面する一番私の五十年度予算に対する心がまえとして、最も困難な問題はいわゆる郵便事業の健全な運営であろうと思います。  御承知のとおり郵便事業は、昨年の十二月に郵政審議会の料金改定は妥当であるという答申を得たのでありますが、政府の物価抑制方針に沿って料金改定を見送ってきたのであります。ところが、さらに今春のベースアップがかつてない大幅なものでもありましたし、そういうような関係から本年度は約千四百億円の赤字が見込まれまして、このままほうっておきますと、五十一年度までの三年間で約八千億という膨大な累積赤字になるのであります。したがいまして、私といたしましては、国民の基本的通信手段である郵便サービスを確保していくためには、国民の理解を得ることにつとめまして、関係方面と連絡をとりつつこの窮迫した財政基盤を立て直してまいりたい、かように思っておる次第であります。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この健全な運営をなそうという、そのためには値上げをしなきゃならぬという話だけに終わったんですけれども、これはきょうはわずかな時間でもございますし、一つ一つ掘り下げてというわけにもいきませんので、総括的なお話になるかと思うのでありますけれども、特に大臣は大臣経験者であるということからいたしまして、あるいは具体的なお考えがやはりあろうかと思いますし、まあ総需要抑制というワクの中にありますけれども、やはり大臣に就任なさって、しかもいま予算編成り段階で五十年度からは何に力を入れていこうとなさるのか、当面する問題に対しての対処と、また大臣としてのお考えというものが当然もうあるだろうと思うんです。  健全な運営に、答申を得たから値上げをするんだというようなそういうお話では、これはちょっと所信としてはいただけない話でして、郵政のことについても電電のことについても、また電波行政についても、いろんな問題があるわけでございますけれども、それに対するお考えをもう少し具体的にお話しいただけませんか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 具体的に申し上げるということが御納得のいくことと思いますけれども、何さま財政的な裏づけのないことは、具体的にいまの私の立場ではこういうふうにいたしますということは申し上げられない状態であることを御了察いただきたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 大臣の意図するところのものはわかりますが、大臣としてやっぱり抱負の一端といいますか、何をどうするというような気がまえがあろうかと思うんですけれども、三十年も前に大臣をやったんで昔のことですといえばそれまでですけれども、やはり初めてなる方とは違うわけですし、われわれとしても大きな期待をしているわけですけれども、そういうことについての、まあ具体的に一つ一つ詳しくなんというそんなことを私は要求しているわけではございませんが、料金を上げるぞという話だけでは、どうですか、大臣。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 料金を上げるだけということではどうも御納得がいかぬようでございますが、とにかく財政措置をどうするかということにかかっておるのでありまして、結局、政府全体の問題として公共料金をどうするかという大きな一つの課題が残っております。  私としては、そういう財政措置がもしも政府全体としてできますならば、決してこれを料金値上げだけでまかなおうという考えはございません。しかし財政措置をかりにしたいといたしましても、これが累積赤字をいつかは返さなきゃならない金でありますから、今度は何年か先には非常に大きく膨大に国民に御迷惑をかけるおそれがあるんじゃないか。私は財政問題については何もわかりませんけれども、特に財政問題については乏しい知識でありますので、ここでどういう措置ができるんだということをお答えすることはできませんけれども、郵便事業は独立採算でやらなくちゃいかぬ、郵便法によっていろいろとそこに規定されておりますので、そのような点から財政当局がそんなにやすやすと金を出してくれるということも考えられません。いまの段階では、先ほどお答え申し上げましたように、どうしてもこの方法をとる以外にないんじゃないか、かように思っております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 財政上の健全な運営、このことで頭が一ぱいだという大臣のお話のようですが、これは逓信関係の労使のことからいたしましても、また現在国際的に問題になっております電波のことにいたしましても、その他の諸問題について、これまた通常国会のとき大臣の所信表明があろうかと思います。お考え等についてはまた詳しくお話を伺いたいと思います。いま何をお聞きしましても料金値上げのことが口から出て、あとはほかのことは何も仰せにならないほど頭が一ぱいのようなんで、私どももどうしても料金値上げは避けて通れないことだと思います。  しかし料金値上げにつきましては、いまもいろいろな閣僚の中でも論議されているようでございますし、われわれが先走ったことをするのもあれだと思いますが、本日は、各論的な詳しいことは別としまして、概括的といいますか、与えられた時間の中でお聞きしたいと思うのであります。  経済対策閣僚会議で、本日ですか、どういう結論になるか、今度の予算委員会を通じましても、また代表質問を通じましても、公共料金の値上げというのは至上命題といいますか最大の課題であるという、健全な運営云々ということではなくしても、日本の経済全体の上から考えなければならぬという、こういうことで三木総理も今日までいろいろ国民に約束したといいますか、物価が最大の命題である、課題である、こういうことから何としても取り組まねばならないこととしていろいろ検討しているようであります。  大臣の先ほどのあいさつ、またいまの答弁の中にもあったんですけれども、答申を尊重してというお話がございましたが、この答申はストレートで値上げをしろということじゃございませんで、この点も大臣の考え方をちょっと聞いておかなければならぬ、こう思うのです。  昨年の十二月の答申が出たにもかかわらず小包にとどめた、そういうことで、よけい値上げ幅が大きくなったという言い方をよくするのですけれども、これは単に郵便事業だけじゃございませんで、経済が非常に異常事態であったということを私どもは認識しなければならないと思うんですね。ですから、ただ大臣のおっしゃるように答申があったからというだけで判断してもなりませんし、また答申の中にあります内容というものもよく吟味した上でしなければならぬ、こう思うのです。  答申の中にはいろいろありますけれども、時間もありませんから、一々読みますと長くなるのであれですけれども、確かに「諮問案を骨子とする郵便料金の改正もまたやむを得ないという結論に達した。」「しかし、この料金改正案は従来になく大幅なものであって、直接間接に国民生活や経済一般に与える影響は軽視することを許さないものがある。したがって郵便事業の円滑な運営を損なわないで、その影響を緩和する方策については、慎重な配慮を怠らないよう申し添える。」とあるわけですね。  ここのところは非常に大事なところだと思います。ここを大臣はどのように受けとめていらっしゃるのか、ひとつお伺いしたいと思うのですが。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 事務当局のほうからお答えいたさせます。

石井多加三郵政省郵務局長

○政府委員(石井多加三君) ただいま御指摘のありました十二月の七日に郵政審議会から出されました答申の内容につきまして、いまお話にありましたような文句が出ておるわけでございます。いずれにいたしましても、昨年の十二月の答申をいただきながら、いろんな情勢から見送りましたために、このたびの料金の値上げ幅が非常に大きくなっておる、平均いたしまして二・五三倍というような料金案を答申としていただいたわけでございます。  そのようなことから、ただいまお触れになりましたように「この料金改正案は従来になく大幅なものであって、直接間接に国民生活や経済一般に与える影響は軽視することを許さない」「したがって郵便事業の円滑な運営を損なわないで、その影響を緩和する方策については、慎重な配慮を怠らないよう申し添える。」という字句は全くこのとおりでございまして、私たちも、現在、この答申をいただきました趣旨に従いまして、もちろん答申の料金改定案を尊重いたしまするけれども、なおいろんな考慮を張りめぐらせまして、関係の各省庁と、料金の値上げ案を出すとすればどういう案ができるかということで検討し、いろいろ案を考えておるところでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 各省庁と連絡をとり合って検討しているところですか。  大臣、ひとつどうですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 大体の骨子はできておると思います。と申し上げるよりも、できております。それをどうするかについては、各省庁といろいろと協議を続けておるところであります。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 特に、このあとのほうに「また、社会経済の変動に即応するよう料金体系その他全般的な問題について長期的な視野に立って調査検討すべき重要な時期に来ていると考えられるので、誤りなき対応策を講ずる準備を早急に進められることを希望する。」とありますね。  単に、いま赤字だから値上げするぞという、こういうことじゃならぬ、長期的な視野に立ってよくこの料金体系というもの、また全般的な問題について検討しなきゃいかぬ、こういうことも申し添えられているわけですね。  また、単に値上げしてもよろしいということじゃなくて、こういうように非常に抽象的でして、何がどうなのかというようなことがはっきりしてないということもございますけれども、こういう非常に経済変動の激しい中にありますし、特にいま政府としましては、三木内閣として来年消費者物価を一〇%台に押えようという、こういうさなかでもありますし、国民のこの物価上昇の重圧感というものはもうどうしようもないものがあるこういう今日でありますから、特に料金体系、またその他の全般的な問題、これは長期にわたっての検討というのが必要だという、こういう一項があるわけですけれども、ここのところは具体的に何か御検討なさったり、またお考えがあるでしょうか。

石井多加三郵政省郵務局長

○政府委員(石井多加三君) ただいまお触れになりましたところは、この答申の最後のセンテンスでございまして、ただいまお触れになりましたとおり、郵便料金の問題につきまして、当面の問題としては、諮問いたしました料金改定案はやむを得ないものと認めるけれども、しかしながら、こういった郵便料金の体系あるいはその他全般的な問題については一カ月や二カ月の郵政審議会の場でこれを議論するというのではなくて、またあらためてこれは長期的な視野に立って、たとえば郵政審議会の中にそういった、あるいは審議会の外でもいいわけですが、特別な専門家にかなり長期にわたって審議していただくような場をつくったらどうかといったような趣旨のことを触れておられるわけでありまして、これからあと、こういったことを当然取り上げていただかなきゃならない、そういうふうに考えておるわけでございますが、当面、料金問題については、先ほどお読みになりましたところで結論を一応は出しておるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 「国民生活や経済一般に与える影響は軽視することを許さないものがある。」という、非常に一面から言えばきびしい表現といいますか、こういう時代でありますからこのようにしるされているわけですけれども、特にこれは具体的に何をどういうふうに表現しているのかということは、われわれはその審議の場にありませんのでよくわかりませんけれども、特に問題になっておりますのは、大幅な値上げは三種郵便ですね。これは五倍から六倍ということで、はがきや封書の値上げももちろんのことですけれども、国民の声を無視してまで、なぜこのような非常に大幅な値上げをしなければならないのか。  この経過についてはいろいろ関係の方からも説明はいただきましたけれども、先ほど申したように、去年からことしにかけては異常な事態であるということでしてね、まあ戦後たいへん混乱した経済状態の中でやはり国が大きく経済的な問題についてはバックアップしたときもございましたですね。それに匹敵するたいへんな時代であったんだということを私どもは認識しなければならぬと思います。これがまたいつまでも続くものでもないだろうと思うわけです。  その中にあって三種郵便の持つ意義は非常に大きいわけですが、これが五倍から六倍という、ほかの公共料金や、ほかのものに比べてちょっとないたいへんな値上がり、これを一挙になそうという、こういう諮問案が出されたわけです。その答申をどう受けるかは今後の課題といたしましても、これだけの大幅な、五倍、六倍という大きな倍率を平然と諮問したというこの郵政省の勇気には感服するんですけれども、これはいろんな経過があったといたしましても、まあアメリカにおいても経過措置をとられていますね。五倍、六倍というのは、それはもう理由があったといたしましても、これは市民感情として庶民感情としてちょっと異常過ぎるし、アメリカ等においては五年から十年原価主義に基づく、それのためにはある程度期間を設けてやっておるということや、ほかの国のことについてもわれわれいろいろ聞いておるわけですけれども、一時に五倍も六倍もということはたいへんなことです。  特に、三種郵便というのは文化の普及とか、また農業振興とか福祉の向上とか、こういう非常に大事なものに使われておるだけに、これはもっと慎重でなければならぬ。こういう一挙に大幅な値上げ、そこには何の経過措置も設けないで諮問したという郵政省のお考えのねらいは一体どこにあるのか、これをちょっとお聞きしたいと思いますね。

石井多加三郵政省郵務局長

○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。  確かに、このたびの郵政審議会の答申で、第三種の料金につきましては——現在、第三種は三種類ございまして、官報、公報とか、あるいは週三回以上発行の新聞紙は現在五十グラムまで六円ということになっておるわけであります。また、月三回以上の新聞につきましては同じく六円でございますが、この五十グラムをこえ一キログラムまでについては五十グラムまでごとに三円の割り増し、最初申し上げましたほうは一円の割り増しということで、割り増し料金については差があるわけでございます。その他のものは五十グラムまで十二円ということで、その倍になっておるわけでございます。  実は、昨年の十二月の審議会における議論の中でも、この辺非常に議論されたわけでございますが、最終的な結論として、安いほうのものが十五円、高いほうのものが二十円というふうな答申を一応いただいておったわけでございます。  このたび、また、その後のベースアップ等を勘案いたしますると、実は、三種の赤字というものは非常に大きな赤字を持っておりまして、四十八年度の決算で見ますと郵便事業の赤字が一〇〇といたしますると、その中の三七%ぐらいははがきの赤字でございます。二番目に大きいのはこの三種の赤字でございます、これが二六%。この二つの赤字というものが何といっても郵便の赤字の一番大きなところでございます。  三種の意義につきましては、皆さん方の御評価もいろいろあるかと思いまするけれども、非常に現在大幅な割り安の料金になっておるわけでございまして、このような赤字ということが結局は第一種の基本サービス料金に、あるいは第二種の料金といったようなことにもしわ寄せされるようなわけでございまして、このような三種につきましては、過去の郵便事業の財政にかなり余裕のあった時代には、こういうきわめてコストを無視したような料金でも全体の中では何とかやっていけたわけでございまするけれども、現在のように非常に大きな赤字を持ってまいりますると、これもちゃんと考え直さなければならないのじゃないか。  郵政審議会の審議の際にも一番問題になりました一つでございまして、まあ原価をまかなうような料金ということになりますると、まだまだこれより高い料金になるんでございますけれども、少なくとも直接原価、これに直接かかった経費くらいはまかなうようにしたらどうかというような観点から審議会の答申でこのような数字が出されまして、六円のところを三十円、それから十二円のところのものは三十五円といったような、今度は二段階に分けるような料金改定案になっておるわけでございます。  実は、この第三種の郵便につきましてもいろいろ問題もあるわけでございまして、御存じのようにこの中身は先ほどちょっとお触れになりましたが、大多数が新聞、雑誌のような定期刊行物でございます。郵便料金の優遇割引というようなそういったものに対する特別な制度でございまして、ちょっと申し上げてみますと、現在の料金では二〇ページの大新聞の総合版を目方ではかってみますと大体平均して百三十グラムぐらいになっておるようでございます。これを郵送するのに現在八円ということでいただいておるわけでございますが、一通のはがきは大体三グラム弱でございます、それで現在十円という料金でやっておるわけでございます。このはがきの十円もいま申し上げましたような赤字の大きな一つの問題点になっておるわけでございます。三種についていかに安いものを採用しておるかということも、そういった点からおわかりいただけるのじゃないかと思うわけでございます。  まあ新聞、雑誌等、こういった非常に特別に安い料金でやってきたということは確かに歴史的な沿革もあるわけでございまするけれども、御案内のようにいろいろのこういった定期刊行物の頒布ということは何も郵便だけでやっておるわけじゃございませんで、書店とかあるいはスタンドとかあるいは直接販売あるいはまた配達店への委託といったようないろんな方法があるわけでございます。郵便もその中の一つとしてこれは利用されておるのにすぎないわけでありまして、郵政省のもちろん独占でもないわけでございます。いろんなマスコミの未発達の時代には、社会文化の向上のためにこういった刊行物が非常に依存しておったということは事実でございまするけれども、今日その当時と同じような情勢にあるかどうかということにつきましては、かなり役割りは落ちてきておるのじゃないかというふうにも考えられます。  また定期刊行物自体の流通機構をとってみましても、現在は非常にそういった面の整備がなされておりまして、郵便に対する依存度は非常に減っておりまして、たとえば日本新聞協会加盟の全新聞紙の一日の発行部数は四十七年の数字で見てみますと三千八百万部というふうに聞いておりますが、この中で郵送によっておるものは六十五万部でございまして、全体の一・七%というふうな数字になっておるようでございます。そういったような点からいいましても、三種の低料金政策というようなことの意義がだんだん薄れてきていると思います。  この問題は、実は、日本の郵便だけの問題ではございませんで、各国とも同じ悩みを持っておりまして、英国におきましても、現在新聞紙は一般の郵便と同じ料金になっております。これも同じような考え方でそういった制度になったわけでございます。それからアメリカでも、利用者の区別によって五年または十年計画で定期刊行物に対する特別優遇措置をなくしていくといったような方針を決定いたしておるわけでございます。第三種の低料金というもののいろいろな意味合いも各国でそれぞれ検討した結果、そのような切りかえも行なわれているような状況でございます。  私たちといたしましては、さればといって一挙にこれを原価を償うような料金にいたしますということになりますと、これは非常に大きな値上げになりまするので、先ほどの答申にありましたような、直接原価だけはまかなうようなところに持っていったらどうかというようなことで、このような料金の改定案が出されたものと考えておるわけでございます。  三種につきましていろいろ御意見はあろうかと思いますが、私たちの考え方はどうかというお尋ねでございましたので、そういったこともちょっとつけ加えさしていただきます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 三種郵便の持つ意味というのは、いまもお話ございましたし、私も先ほど申し上げたわけですけれども、確かにテレビの発達やなんかそういうものによって、また販売網やなんか整備発達したということで変わってきたことは変わってきたといたしましても、その反面また非常に専門的なローカル紙、それから専門紙、こういうものが非常に発達しておる。これは大きなものじゃございませんけれども、それぞれの専門分野、農業の振興とか漁業の関係とか、いろいろな普及活動や啓蒙とか、こういうものにそれぞれの専門紙がたくさん出ているわけです。それはそれとして三種郵便の利用価値といいますか持つ意義というものは非常に大きいと思うのです。  いま一般紙を含めた郵送の率は非常に低いのだというお話ですけれども、日本専門新聞協会の専門紙百十八社のこれを見ますと、専門紙のおよそ九五%が郵送だというんです。部数にすれば一般紙を入れた数からすると少ないかもしれませんけれども、大きな一流新聞ですと全部の配達網やなんかありますから、一々郵送というものは最末端の辺地に限られているかと思うのですけれども、専門紙の場合はそういう配達網を持っていない。特に農業の普及とか農業新聞とかいろいろなものがございますわね、最近そういうものが非常にある部面では発達しているわけですけれども、これは配達網というものを持っていないわけですね、全部が郵送になる。ですから、こういう非常にこつこつと技術振興とか文化の普及や福利向上、農業振興、こういうことに携わっております専門紙というものが非常な打撃を受ける。  一般紙のような大きいものについては配達網というものが完備されているからさほどのことはないのかもしれませんが、それにしても結局は僻地といいますか、配達の手の届かないそういうところに大きなしわ寄せがくる。そうでなくても過疎対策というようなことがいろいろ論議されているわけですけれども、ますますこういう文化からも遠のけられてしまう。また専門的なこういう普及活動というものにも大きな料金の負担というものが押しかぶさってくる、こういうことですね。  極端な言い方ですけれども、テレビを見れば新聞なんか見なくてもいいみたいな、こんな言い方もする人がおるんですけれども、こういう業界紙とかローカル紙とか、こういうものに対しての立場というものもこれまた現在の日本では軽んずることのできない、特に僻地においての問題として、こういうものについてはこれはもう配慮しなければならぬ。  確かに原価主義の上に立って、直接原価に満たないかもしれないけれどもというお話のようでしたが、しかしほかの物価との均衡やほかのものとの勘案ということを考えますと、五倍、六倍というのはどう見てもこれは大き過ぎるし、やはりある程度の年次計画、こういう経過措置というものをとってこそ血の通った行政といいますか、何も健全な経営のためにというそういう一本的直線的なことではなくて、やはりそこにいろいろな問題に対しての配慮という、去年は上げ得なかったからことしは上げるぞという、そういうのはどうかと思っている。  特に全郵便物の中で占める三種郵便の収入構成比というのは三・七%ですか、こういうことから考えましても、それから部数からいっても一二%ということですから、これはやはりある程度の年次計画なり、また経過措置というものを設けて、こういう結局弱いところ、僻地というこういうところに、小さい業界紙にしわ寄せがくるわけですから、そういう点の配慮というものは当然あるべきじゃないでしょうか。  さっき局長のお話ですと、どうしても上げなければならないみたいなことばかり並べ立てるのですけれども、大臣どうですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) いま局長からお答え申し上げましたように、一番落ち込みのひどい部分なんでありますが、五倍、六倍というのはちょっと常識的にもどうかと思いますが、よく御質問の御趣旨がわかりましたから、なお検討さしていただきたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 最初、冒頭からのあいさつから答申があったからというので大上段に振りかぶられたのではたまったものではございませんので、そういういろいろな問題があるということをひとつ十分に御認識——それは検討していらっしゃることはわれわれもよくわかっておるわけですけれども、やはりこういう弱いところ弱いところへ結局しわ寄せがいくということです。検討するというのはどういうふうに検討するんだか、結論はいつ出るのかわかりませんけれども、非常に重大な問題なので、十分この現状、現場の実態というものを調査した上で、ひとつだれもが納得のいく施策というものを考えていただきたい。  それから、先ほどお話ございましたけれども、二十ページの大型、こういう大きいやつを上げてもいいと私言うのじゃないのですけれども、先ほど来申し上げておりますように業界紙、専門紙、これが五十グラムですか、五十グラムと六十グラムのグラム数というのは、ちょうど大版でいいますと八ページ建てですか、八ページと、それから業界紙、タブロイド版ですと十二ページですか、そこのちょうど五十グラムというのは微妙なところでして、一グラム違ってどれだけの手数になるのかという、ここらあたりの出版物の一定の大きさがありますし、紙の質もきまっていますし、それがわずかの差で結局血も涙もなく大きな負担を課せられるというこういうことですと、三木内閣というりっぱなことばを並べ立てる内閣のやることじゃないのじゃないかと思うのですね。これもひとつ十分に御検討をいただいて善処していただきたい、善処といいますか、検討に値する重大な問題だと思うのですけれども、この点もひとつ現場のいろいろな問題については御検討いただきたいと思うんです。  次に、そのほかの一種、二種のことにつきましても、私どもいろいろな意見を持っているのですが、きょうはそれが爼上にのぼっているわけではございませんので一々詳しいことは申し上げませんが、ことしの年賀はがきが大量に売れ残っているということですが、これはやはり伸び率も非常に多かったということもありますけれども、これを郵政当局ではどのように御認識していらっしゃるですか、詳しいことを聞くわけじゃないのですが、ちょっと考え方だけ。

石井多加三郵政省郵務局長

○政府委員(石井多加三君) ちょっときょう現在のまだ売れ残りの枚数をつかんでまいっておりませんのであれでございますが、先日、私が承知いたしました数字では、全国で本年度発行いたしました枚数が二十七億枚でございましたのが二十六億三千五百万通までは売り切れまして、あと六千五百万でございますか、ぐらいが全国でまだ残っておるということでございましたが、実際に年賀状をお書きになるのは最近が一番大詰めにきておりまして、早期に差し出していただきたいということでPRはしているのでございますけれども、やはりどんどんと売れまして、書きながら不足の枚数を調達していただいておるということでございます。  この調子でいきますと、完全に年内に消化し切れるかどうかわかりませんけれども、御案内のように正月過ぎましてから、また返り年賀ということで、予期せぬ人から年賀状をもらったというようなことから出される方もありまするから、完全に消化し切れないまでも、大体皆さん方の御要望にも従い得たと思いまするとともに、事業財政のできるだけの増収もはかり得たと、私たちとしてはまあまあいい線をいっているのじゃないかというふうに考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いままでも何日も前に買ってすぐ書くわけじゃないんで、書く手順やなんかというのは去年もことしもそう変わらないわけなので、いままでですと、発売と同時にもう売り切れるような勢いであった。ことしはいろいろなことを勘案して伸び率をお考えになったと思うのですけれども、それが十分にいかなかった。全部売れるというのはけっこうな話でしょうけれども、しかしその内容が、売れる売れないだけじゃなくて、いままでとちょっと違うケースなものですから、その点についてのお考えはどうかということなんです。  結局、たいへんな不況というこういう社会の大きな変動で、年賀はがき、年に一度疎遠を謝するといいますか、だれもが出すはずの年賀はがきさえも、一たび不況がありますと出し渋るというか、枚数もだいぶ違ってくるのじゃないか、来年は地方統一選挙もありますし、いろいろなことをお考えの上に伸び率をお考えになったと思うのですけれども、非常にこういう不況感というか、そういうのに敏感に反応するという、こういう考え方もあるのじゃないかと思うのですね。  法律によれば信書以外は独占でないわけなのでございますから、あまりにも大幅な値上げをいたしますと、郵政事業の本質的なものにひびが入るような気がするわけなんですね。一部ダイレクトメールやなんかにつきましてはそういう傾向もあらわれている。で今度のような大幅な値上げ、これが郵便の利用度というものにどれだけ大きな影響を及ぼすか、特にこういう不況感の中で。こういうことを考えますと、いままでの郵政事業というものに本質的に大きなひび割れが入るような気がしてならない。  とにかく、いままでの高度経済成長というのは、これは非常に特異といいますか極端な姿でありまして、そういうものを頭に描きながらものごとを考えたんじゃ、これはもう必ず行き詰まりがくるにきまっています。先日来行なわれました予算委員会等におきましても新全総及び経済社会基本計画等についての見直し、こういうことがずいぶん論議されたわけですけれども、これはあらゆることに通ずることだと思います。  こういうことからいたしまして、郵政事業そのものについてあまりにも大幅な値上げ、これがまた大きな体質を変えることにならないか、その点についてどうお考えになっているか。郵便料金の値上げとともに電話料金、やはり郵便が高いということになると電話で、まあ安いからそっちのほうを利用する、そっちのほうに傾斜する傾向という面も出てくるでしょうし、やはり安いもの手軽なもの便利なものというふうに動くのはこれは当然なことですから、その問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、ちょっとお伺いしたいと思います。

石井多加三郵政省郵務局長

○政府委員(石井多加三君) 先ほどお尋ねのございました、まず第一点の、郵便料金の今度の値上げは確かに最近に例のない大幅なものでございますので、過去における郵便料金の値上げの私たちのささやかな経験だけでは利用減の見込みが十分つかみ切れなかったということは、私たちもむずかしい問題だと考えております。四十二年とかあるいは四十六年とか料金値上げをいたしましたけれども、せいぜい五割程度の値上げでございました。そのときの経験だけで申しますと、実は、郵便の物数の絶対減という形で、つまり対前年度比で郵便物数が減るというようなことはかつてなかったわけでございまして、ただいまお話に出ましたような高度成長のもとでもありましたし、やはり料金の値上げが若干の利用減としては出ましたけれども、しかし絶対物数としてはやはり前年よりは伸びておったのが過去の経験でございます。  しかし、このたびのような平均二・五三倍ということになりますると、そういった点はかなりきびしいものが出るであろうということを予想いたしまして、五十年度あるいは五十一年度の利用減を、まあ従来なかったような絶対減も八%程度出るというようなことで利用の物数の推計をいたしておりますが、これがはたしてこの程度でおさまるかどうかにつきましては、私たちとしても的確に現在自信を持って申し上げることはできないわけでございます。  それからなおもう一つ、電話への移行の問題は、これは現在電話が非常に普及しておりますそういった中で、もうすでに現在においても郵便がだんだん利用されなくなって電話に移行しておるということは当然出ておると思います。  郵便の利用実態の分析にもなるわけでございますけれども、特に個人通信的なものが全体の約二割程度でございますが、こういった個人通信的なものにつきましては、そういったものは相当いままでも出てきておるし、また今後もあり得ると思うのでございますが、残りの八割が企業通信といわれておりまして、その企業の出す通信の中で、特に景気に変動されやすいものとしては、いわゆるダイレクトメールのようなものがございます、これは全体の一九%くらいを占めておるわけでございます。このDMにつきましては確かに料金値上げということが同時に利用減に相当響いてくるのではないか。平素の景気でさえそういうふうな面が出てくるわけでございますから、値上げというものが相当響くということを予測しておりますけれども、それ以外の約六割ぐらいのものは、いわゆる業務用通信と申しまするか、会社の業務を営業活動上絶対に郵便に依存せざるを得ない分野、これはやはりあとに証拠が残るものが必要だというようなものもありましょうし、まあその他いろんなことで企業活動とも密着したもの、これは郵便以外には転嫁し得ないものである。まあ断定できるとは思いませんけれども、私たちのほうもいろいろ外部の機関に調査を委託いたしましたが、そういったような結果から、いま申し上げようなことを予測しておるんでございますが、いずれにいたしましてもかなりきびしい利用減はわれわれとしても覚悟していかなければいかぬというふうに考えています。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 総体的な問題についてはいろいろ論議があるところで、これはまた次回にさしていただくことといたしまして、情報化社会で手紙も電話も両方とも値上げになるということは庶民感情としてはなかなかこれは理解し得ないといいますかね、そういうふうな庶民感情で受け入れることのできない問題だと思うんです。  そこで電話料金の問題で、もう時間もありませんので一つ二つだけにしたいと思うんですが、定額料金のことについて、これは政府部内でもいろいろな発言がありまして、実際はどれが本心でどれがどうなのかということはわれわれにもちょっとわからないわけなんですが、この委員会の席上でひとつ現在の定額料金制度についての考え方というものを明確にお話しいただきたいと思いますが。

遠藤正介日本電信電話公社総務理事

○説明員(遠藤正介君) 前回ここでも御説明をいたしましたが、定額料金——定額通話料と正式に私ども申しておりますけれども、考え方と申しますのは、電話一本のコストが現在段階で大体四千五、六百円、これが昭和五十二年末には大体五千三百円ぐらいまでまいると思います。私どもが今回料金改定の対象として考えております五十年から五十二年の三カ年で大体一本当たりのコストが五千円台に入ることは現在の状況から間違いないと考えておるのであります。  これに対しまして、現在の収入面から見まして基本料と従量制の通話料を合わせましたもので五千円以下の収入しかいただいておらない電話の数が非常に多うございまして、住宅用電話で申し上げますと九二%が五千円以下の収入、いわゆる赤字路線ということになりましょうか。  したがいまして、私どもとしては、外国の電信電話事業の経営状況を見ましても、料金構造そのものの中で固定的な収入面、たとえばアメリカ、ドイツ、イギリスは、若干の差はございますが、大体三〇%から四〇%が固定的な収入でございまして、残りの部分が従量制でございます。日本の場合は、基本料金というものが大体一六、七%で、残りが全部従量制料金になっておりますので、この構造的な問題を解決する一つの方法として定額通話料金というものをお願いいたしたいと思っておるわけでございます。その考え方によりまして、私どもとしては、現在住宅電話の平均度数が、平均でございますが、二百四十度になっておりますので、二百度までを固定いたしまして、それから先を従量制にいたそう、それが現段階で一番合う考え方ではないかと思って政府にお願いをいたし  ておるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 この定額料金制度に踏み切ったにはいろいろな検討をなさったことだと思いますけれども、これが合理的な料金であるのかどうか。また「公共の福祉を増進することを目的」とするというこの精神に当たるのかどうか。ここらあたりもこれは大いに論議しなければならぬところであります。  たくさんかける人にも、たいしてかけない人にも、施設をつくるときには同じにこの施設費はかかるわけですね。それで一たん施設をして、その主で今度は利用度ということも出てくるわけなんで、そこらあたりの問題についてもこれはいろいろ論議をしなければならぬところだと思います。これはもう本日はこの問題を中心にしての委員会でもございませんので、詳細にまた今後詰めていきたいと思います。  最後に、電電公社の赤字についてのいろんな内訳が発表されておるわけですけれども、四十八年度の事業別の収支状況からいたしまして、データ通信の事業が非常に赤字が多いわけですね。多い理由というのはいろいろあるだろうと思います、私も大体承知しているつもりなんですが、データ通信はまだすっかり軌道に乗っているわけでもございませんで、経過的な段階だろうと思います、それだけにいろんなことがあるだろうと思うのです。  まず一つは、データ通信の事業に大きな赤字を出した問題これひとつお答えいただきたいということと、それからデータ通信を現在利用されているこの状況、これをちょっと概括御説明いただきたいということと、もう一つは、これは企業と契約なさるときにどういう契約状況になって、料金を取るのはどこからかという、時間もございませんので、一々私が申し上げるよりそっちのほうがよく知っているわけですけれども、過剰サービスといいますか、これは経過的にやむを得ないという御説明かもしれませんけれども、やはりこういう状況の中にありますので、よけいこれは検討しなければならない問題だということで私申し上げているわけです。特に先ほど来申し上げておりますように、今日までのこの異常な高度成長、こういう中にあってのものの考え方と現在とではやはり企業の考え方を変えなければならない、そういう時点でもございますので、現在までどういうふうにしてきたか、これからどういうふうにするお考えなのか、これもあわせてひとつお話しいただきたいと思うんです。

朴木実日本電信電話公社データ通信本部長

○説明員(朴木実君) お答え申し上げます。  まず第一点の、現在の公社のデータ通信事業が赤字になっている理由はということでございますが、赤字になっている理由は、何と申しましても、まだデータ通信事業は創業間もない、日が浅いという一言に尽きるわけでございまして、日が浅いとどうして赤字かという点を御説明申し上げますと、私ども二つあるというふうに考えております。  一つは、こういう設備産業でございますので、どうしてもサービス開始して間もないうちは支出の中に占める資本費用というものの率が非常に高くつくという点が一つでございます。それからまた、もう一つは、やはりサービス開始して間もないためにコンピューターで処理します業務量というものが比較的少ない。これが年とともに業務量もふえてくる、したがって収入もふえてくる。また資本費用の支出面における割合もだんだん減ってくるということで、八年間で収支均衡するわけでございますが、現在のところは、サービス開始後間もないシステムばかりでございますので、どうしても赤字の状態になっているということでございます。  それから二番目の現況でございますが、私どものデータ通信事業を大きく二つ分けて、一つが公衆データ通信サービスでございますが、これは現在全国で十六システムが嫁働中でございます。それからいま一つの各種の専用データ通信システムがございますが、これは現在三十六システムが嫁働中でございます。  それから三番目の契約のしかたでございますが、まずユーザーさんが電電に頼もうかということになりますと、最初にユーザーさんからシステムの作成につきましての検討依頼書をいただきます。この検討依頼書をいただきまして、私どもそのシステムの概略の設計をしまして、概案書というものを概略の料金の見積もり書とともにユーザーさんに提示いたします。ユーザーさんはその概案書を検討されました結果、ひとつ頼もうということになりますと、正式にシステム設計依頼書を私どもにいただくことになるわけでございます。このシステム設計依頼書をいただきますと、私ども本格的な基本設計に取りかかるわけでございます。いろいろ基本設計をやりまして、またより精細な見積もり書をつくりまして、私どもは基本設計書というものをユーザーさんにさらに再度提出するわけでございます。そうするとユーザーさんはその基本設計の中身とそれに付随します概略の料金、それをいろいろ検討されまして、ぜひじゃこれでやってほしいということを私どもとユーザーさんと両者確認をいたします。その結果、初めて私ども物品の手配をし、あるいはソフトの工事、ハードの工事に取りかかるわけでございます。  建設工事が進捗し、大体のめどがついたときに、私ども所定の手続に従いまして郵政省にシステム認可をお願いするということで、そのような状況が固まりました時点で公衆電気通信法の正式に定められた手続に従いましてデータ通信設備サービス申し込み書というものをユーザーさんからいただき、それに対して私どもが承諾するというのが大体セールス活動から承諾までのフローチャートでございまして、これは各種システムの場合におきましてもあるいは公衆データの場合におきましても、大体同じような手続で踏んでおるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 おたくが認可していろいろ正式な申し込みをする、その段階で、今日のような不況時ですと、倒産とか、せっかくセットしながらそれが利用されないということもあると聞いておるんですけれども、それらのところについてはどうですか。

朴木実日本電信電話公社データ通信本部長

○説明員(朴木実君) 確かに先生御指摘のとおり、私どもにサービスを提供してほしいということを申し出られまして、その後取り消された件数もございます。各種システムについてはそういうことは一件もございませんで、公衆データ関係でございます。  いままでの例を、ことしの三月末現在の数字で申し上げますと、DRESSつまり販売在庫管理システムでは、やってほしいというようなことで私ども作業を始めてからサービス開始前にやめたというのが五ユーザーございます。それからサービス開始後やはりいろいろなユーザーさんの御都合によりまして取り消したものが十二ユーザーございます。合わせまして十七ユーザーが取り消しでございまして、全体のユーザー数からの比率で申し上げますと大体四・七%に当たるわけでございます。  それからいま一つの公衆データ通信サービスのDEMOS、科学技術福計算でございますが、これは契約を取り消したものがやはりことしの三月末まで四十二ユーザーございます。これはDEMOS関係のユーザー数の九%に当たるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 一度セットしたもの、これは金額的にどのくらいの損失になるかというようなことはわからないんですか。

朴木実日本電信電話公社データ通信本部長

○説明員(朴木実君) 各種データー通信システムでございますと、個別にそのシステムの設計をいたしますので、これが途中で契約解除になりますと私ども大きな損失をこうむることになります。  しかし公衆データ通信サービスは、大体、公社としまして標準のプログラムを用意してお客さんにそれを活用していただくというのがDRESSでございます。それからいま一つのDEMOSは、ユーザーさんが御自分でプログラムをおつくりになって仕事をするというようなことでございますので、公衆データ通信サービス関係につきましては、契約解除によりまして大きな損害をこうむるということはないわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私は、最近、田中内閣が金脈問題それから物価・インフレ問題で国民の大きな批判を受けて退陣をせざるを得なくなる状態になって、そのあとを受けて村上郵政大臣を含む三木内閣が登場しました当面の政局において、非常に重要な焦点になっている公共料金、なかんずく郵便料金の問題について質問をし、そして解明をはかるとともに、国民の立場を代表して意見を申し上げたいというふうに思います。  まず初めに、三木内閣は、今回の国会においても、繰り返し清潔な政治、それから国民生活を安定する、そのためにはまずインフレ退治そして公共福祉の増進、こういうことを述べておられますけれども、私は、国民生活を安定し、インフレを退治し、そして公共福祉を増進するということは、まさに郵便料金の引き上げをしないで、これを押え、そのことによって大きく目的が達成できるものであるというふうに考えております。  十月の段階で、消費者米価、それから国鉄運賃をはじめとするたくさんの公共料金が上げられました。この時点で国会においても大きな論議がありましたけれども、その結果、十月における消費者物価指数が三六・二%というものすごい上がり方を示した。これは昨年来からのいわゆる石油パニックがもたらした物価狂乱という時期での最高の指数が二六・三%であったということを考えれば、まさにこの公共料金の引き上げが物価を押し上げる大きな役割りを果たしたということはどなたにも否定できないことだというふうに思います。そしてまた政府自身もこれを否定していません。  私は、まず郵政大臣に、もし郵政省が諮問をし、そして審議会が答申をしているような郵便料金の引き上げが行なわれるとすれば、郵便料金の引き上げによる負担と、それからそれがもたらす物価全般の上昇が大きく国民生活にはね返ってくる、こういうことは避け得ないことであるというふうに考えておりますが、その点についての御所見を伺いたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 三木内閣が発足以来、低物価政策をとってあくまでもインフレを押えていくというこの趣旨には私も全く同感であります。したがいまして何とかして、この線に沿ってまいりますために郵便料金その他の郵政関係の料金を押えていくということについては懸命の努力をいたしてまいりました。  しかしながら、すでに先生御承知のとおりの状態でありまして、この累積赤字というものがすでに郵政関係においては三年間で八千億という膨大なものになります。これをもし見のがしてまいりましたら、今度は郵便事業の独立採算という点から勘案いたしまして非常に大きな負担がかかるおそれがあるのであります。したがってただいまいろいろと苦慮いたしまして、近くその方向がはっきりきまると思いますけれども、いまの段階では、やはり去る十二月七日の答申に従って、私どもとしては、どうしてもこれらの改定の要求をせざるを得ないということであります。  諸物価にはね返る影響はどうかという御質問でありますが、経済企画庁その他の方面で検討いたしましたその結果は、大体、〇・二%ぐらいの上昇になるのじゃないかというように計算いたしておりましたが、いずれにいたしましても何らか財政的な措置でもできればともかくも、それが見当たらない限りは、これは三木総理並びに福田副総理が公共料金は白紙に戻すということで検討いたしておりますが、しかしそのお考えのとおりにできるかどうかということについては今後の課題であります。   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕  しかし郵政省としては、やはりこの健全財政のたてまえから要求するべきことは要求をしていかなきゃならぬということで作業をしてまいった次第でございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私はたいへん重大なことを大臣が言われているというふうに思います。  けさほど来の論議の中で、三木内閣が、三木首相をはじめとして福田副総理が公共料金の問題は白紙で検討をするということを繰り返してこられた。で、けさほどからの大臣の答弁もそういうことになっておりますから、経済閣僚会議その他でもってこれから論議されることであるから郵政省の態度を言えないと、こういうことを繰り返しておっしゃってきましたけれども、それはまず郵政省としては上げるのだという考えは持っている、しかし経済閣僚会議の結論がどうなるかわからないから結果的に上がるか上がらないかわからない、そのことを言えないのであって、郵政大臣としては、郵便料金の問題は、現在三木内閣が白紙で検討すると言っているその時点にあるにもかかわらず、郵便料金は引き上げるという考え方は変わらないのだと、こういうことをおっしゃっているわけですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 財政措置ができるにもかかわらず、そういうものではいけませんと、どこまでも料金のほうで上げてほしいということではないのであります。しかし経済閣僚会議あるいは三木、福田両氏がどこまでも白紙に戻してこれを上げないのだということに決定すれば、私はそれに従わざるを得ないと思います。  それにはちゃんとした、いわゆる郵便事業というものが健全に運営されて、そして国民の皆さんにりっぱにサービスができるということが条件でありまして、何でもよい、借金して使え、あとで払えというのじゃ困るのであります。でありますから、この郵便事業の性格として、その採算制は受益者に負担してもらう以外ないというたてまえが今日の郵政省のたてまえでありますので、その場合には、最低どこまで御負担を願ったらいいかという作業をしたという段階であります。しかし大きな三木内閣全体の中で、こういう財源があるのだからこれでひとつということになれば、これは私があえてそれに反対して、どこまでも郵便料金を値上げしろということを追求していくということはいたしません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 大臣、それは当然のことであって、私は、その前のことを問題にしているのです。  つまり郵便事業を管理監督する総元締めの責任者である郵政大臣が、国が金を充ててやるから上げるなと言われてまでも値上げを要求するなんて、そんなばかみたいなことをいま私はお答えを聞こうと思っているわけじゃないのです。  むしろ郵政大臣として国に金の心配をしてくれと、そしてそういうことをすることが郵便事業をほんとうに発展させていく上で、危機を乗り切る上で大事なことなんだという、そういう郵政大臣の立場、考え方、それが明確にならなければ、当然なことながら、国はあちこちそう金がない金がない、口を開けば大蔵省はそう言っているんですから、郵政大臣がそんな立場である以上、国が責任を持ってこの問題を解決するなんということにならないということは、もうとうに御承知のことだというふうに思うんです。  私は、郵政大臣がその経済閣僚会議にあっても、出席なすっていらっしゃるという報道も承っておりますけれども、そういうときにあっても、郵政大臣として、こうした問題を国の責任でもって解決をする、物価値上げを引き起こす、あるいは郵便料金の値上げで国民の生活に負担をかける値上げは避けたいと、こういう立場を貫徹なさるべきであるし、当然、そうしていらっしゃるというふうに思っておりましたけれども、たいへんとんでもないことを伺いましたが、もう一つ、その点についての簡単な回答をお願いしたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) ごもっともな御意見です。  しかし私が経済閣僚会議でどういう発言をしているかということについては、ここで発表することはどうかと思います。私も私なりに今後の郵政業務のために相当強く発言いたしております。ただ郵便事業の収支が独立採算制をとっておるということでありますので、郵政省として、これらがどういう程度の負担になるかという検討をすることは、これはやむを得ないことであります。そう御了解願いたいと思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私は、経済閣僚会議で郵政大臣がどのように発言しているかということをこの場で発表するのは適切でないというふうにおっしゃることについては同意をいたしかねます。まさに、そうしたことは新聞を通じていろいろと報道されているんです。ほんとうに国民が郵政大臣はそれでは郵便料金を押えるためにどういうふうに発言をしているんだろうかということを関心を持って見守っているこの国会の場でこそそのことを発言なさるべきだし、また、そうするのが責務であろうというふうに考えておりますけれども、そのことは指摘をしておくにとどめます。  それで、いま先ほどから、大臣は郵政事業の独立採算がたてまえになっておるということを言われておりますけれども、私は、まず第一に、郵政事業、郵便事業というものはどういうふうなものであって、国としてそれをどのように考えて位置づけているかということを、残念ながら、この場でもう一度はっきりさせなきゃならないというふうに思います。  私は、このように考えております。憲法の第二十五条の国民が健康で最低限度の文化的な生活を行なうことができるというこの条文、これが通信の分野での郵便事業の中にあって、郵便法の第一条で「この法律は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」と、こううたわれているその遠因になっているというふうに思います。最低限度の文化的な生活、つまり通信の分野にあっては、離れた人に自分の意思を伝える場合に、歩いていって、そこで伝えなきゃならないみたいなことではなくて、最低、通信という手段、郵便という手段でもってその最低限度の、ほんとうの最低部分ですよね、その部分が保障される、こういうことで、郵便法に、このようになるべく安い料金で、そしてあまねく公平に、公共の福祉を増進することを目的とするとうたわれているというふうに思いますけれども、この点についてのお考えはいかがですか。

石井多加三郵政省郵務局長

○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。  ただいま御指摘になりました郵便法第一条の条文はお話しのとおりでございまして、なるべく安い料金で郵便の役務をあまねく公平に提供することによって、公共の福祉を増進するというのが郵便の大原則でございます。  ただ、この表現だけを読みますと「なるべく安い料金」というふうなことでございまして、まあ料金は全然値上げができないかといいますと、そうではございませんで、第三条に、申し上げるまでもなく「郵便に関する料金は、郵便事業の能率的な経営の下における適正な費用を償い、その健全な運営を図ることができるに足りる収入を確保するものでなければならない。」この第三条は、実は、昭和四十六年に郵便法の改正が行なわれまして、そのとき郵便料金の値上げもあったわけでございますが、それまで実はこの条文はなかったわけでございます。この条文があるとないによって郵便事業の独立採算制というものの原則が急に変わるわけではございませんけれども、とかく郵便料金は安ければいいということだけでは料金決定原則としては不十分であるというふうなことで、当時の国会の審議の際に、独立採算という大原則を打ち立てるために、また明示するために、第三条が挿入された。これによって従来から当然そうであった独立採算という大原則が明確にされた、そういうふうにわれわれは理解しておるわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 郵便法第三条の改正については、私どももそのときに反対をいたしましたように、多くの論議のあるところでした。しかし私はいまそのことについて深入りはいたしません。  問題にしておりますのは、まず第一条の目的としてうたわれている公共性です。その公共性というのは、憲法で定めるところの国民の権利である、そこから郵便、通信の分野にこのようにつながっている問題です。このことを常に第一義的に理解をする、これが私は郵政省のとるべき姿勢だというふうに考えます。それが大前提として一つあります。それからその上に、現在、このものすごいインフレ、高物価、そしてまさに三木内閣がこのインフレ退治、国民生活安定を緊急の課題とするということで見直す、こういう姿勢になってきている。その二つの要因を合わせれば、当然のことながら、この郵便の問題については料金を上げるということなどは考えられない。そういうふうないまの国民的な要求にもなっているし、政府としての課題にもなってきているはずだというふうに私は指摘せざるを得ないと思います。  それで大臣に伺いますけれども、それでは、いま郵便事業がこのように困難になってきている、郵政省のことばをかりれば、年度末で千四百四十億の赤字である、来年は幾らになる、こういうふうにおっしゃっておられますけれども、この原因は何によるものだとお考えになりますか。

廣瀬弘郵政省経理局長

○政府委員(廣瀬弘君) 郵政事業は、御承知のように、人力を主とする事業でございます。したがいまして経費の科目上で申しますと七〇%は人件費でございます。しかも物件費の中でも請負費とかあるいは賃金とかそういったことが含まれておりますので、郵便事業の九割が人件費であるというふうにいわれておるゆえんでございますが、こういった経費は年々増高してまいりますが、郵便物数はそれに伴って比例的に増加する企業ではございません。御承知のように非常に弾力性に乏しい企業でございますために、その人件費の負担にたえかねる、あるいは諸経費の負担にたえかねるというような状態が出てまいってきております。  したがいまして御承知のように、ことし年度当初におきましてはすでに六百九十六億の赤字を生じておりますが、これは借り入れ金によってまかなうという予算編成をいたしたわけでございます。四十九年度の途中におきまして、五月でございますが、さらに仲裁裁定によって人件費の増加がございまして必要額が増高してまいりました。したがいまして、先ほど先生の御指摘のように、年間といたしまして千四百億近くの赤字が出たというのが現在の状況でございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私がお伺いをしたいと思いますのは、かりにいまお答えのように人件費が非常にかかる、したがってこの赤字の要因になっていると、しかし先年度までは赤字になっていなかったわけですよね。なぜ人件費が上がったんですか、要するに何が原因ですか。

廣瀬弘郵政省経理局長

○政府委員(廣瀬弘君) 先年度におきましても、決算上は郵便におきましては二百五十億の赤を生じております。その赤は、先ほど言いましたように予定いたしました人件費、それよりもさらに上がっております。それから収入は、先ほどから申しておりますように、弾力性が非常に乏しい、そういう企業でございますので、その差額が増高してまいってきておる、こういうわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私がお伺いをしたいと思っているのはちょっと違うんですけれども、まあよろしいです。  これは否定はなさらないと思います、人件費が上がったのは物価が上がったからですよ、インフレだからですよね、そうですね。このインフレ、物価高こそは、自民党政府がいままで続けてきた政治によって、その結果によって、とりわけ田中内閣の悪政の結果によってもたらされた、そのことに対する国民の批判でもって田中内閣が退陣せざるを得なくなった一つの要因であるということは、私が最初申し上げたことでも、また大臣自身もそのことはお認めになっていると思います。ですから、私は、こういうことで郵便料金が赤字になって値上げをせざるを得ないということで料金の値上げに持ち込むということは、政府自身の失政の結果の責任を国民に転嫁するものである、このことを言わなければならないというふうに思います。  インフレ、物価高で人件費が高騰する、では郵政労働者が高い賃金でもって満足しているかといえば、そんなことでないということは、何よりも郵政大臣はじめ郵政当局の皆さんがよく御存じのところだと思います。たいへんな生活難でもって苦しんで、そして激しい労働に従事をしているわけです。そういう事態をもたらした原因は自民党のこのいままでの政治にある、自民党政府の政治にある。その責任を国民に負わせて、そして政府が何ら責任をとろうとしていない。独立採算がたてまえであるというようなことを言って、何ら緊急のこの事態の責任をとろうとしていないということは私はたいへん不当なことであるというふうに考えておりますが、一言でけっこうですから、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) インフレ、いわゆる物価の上昇については、いろいろあなたの御意見と私は違うところがあります。ただ単に田中内閣あるいは自民党内閣の失政だと、悪政だということだけではないと思うのです。  その大きな要因は、結局、昨年の石油ショックというようなことが非常に物価を刺激して今日に至っている。これはまあ私がそういうことを申し上げるのはおかしいのですけれども、すでにあなたも御存じの世界的な現象であったということでありまして、これをただすべてを田中内閣の悪政というようにきめつけられることはこれはどうかと私は思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 その結果、少なくとも「すべてを」というふうにおっしゃる以上は、すべてではなくても一部はそうだということはお認めになっていらっしゃるんだというふうに思いますけれども、まあそれは見解の相違でけっこうですけれども、いまもうすでに国民の中で石油パニックのあの大企業の買い占め騒ぎ、便乗値上げから始まってその一連の事態の中で政治の失政ということを指摘しないということはないわけです、一般的に、それで政府自身もそういうことは何回も繰り返し言ってきているわけです。そのことは指摘をしておきます。  問題は、それでは郵便事業が、たてまえが独立採算であるというふうに言われていらっしゃいましたけれども、私は、先ほど申し上げましたように、公共事業としての郵便法の目的の精神からいっても、当然国が責任を持ってしかるべき問題が多々あるというふうに考えます。  その問題に入る前に、実際問題として、七〇年の十二月の審議会の答申の中に書かれてあったことだというふうに思いますけれども、それから先ほど若干答弁の中にも含まれておりましたけれども、現在の郵便が個人用の通信が非常に少なくなって、そしてまあダイレクトメールをはじめとする業務用通信、営業用通信がふえてきている、これが郵便事業の困難の一つの要因になっているということは答申の指摘にもありました。で現状、いま郵便物の中身ですね、「公共の」ということからいえば、国民の最低限度の文化生活を行なうための保障としての対象となるべき郵便物と、そしてそれとは違うと私は思いますダイレクトメールなんかの営利を目的とする宣伝物ですね、そういうものとは当然違うというふうに思いますけれども、まず現実に郵便物の実態というのがどうなっているのか、そしてそういうことについて郵政省はどのように考えておられるのかということをお伺いしたいと思います。

石井多加三郵政省郵務局長

○政府委員(石井多加三君) 全体の郵便物の中で個人から出されるものと企業から出されるものと一ちょっとこの表現は的確ではないかもしれませんけれども、まあ大体大ざっぱに申し上げてそういう角度でとらえますと、全体の中で一九・五%までが個人のお出しになるものでありまして、残りの八〇・五%が企業の出されるものになるというふうに理解しておるわけでございます。  その企業の出される郵便物の中で、ただいまちょっとお触れになりましたダイレクトメールというものは、このダイレクトメールの定義も非常に実はいろんなところでいろんなことが言われておりまして、的確な定義はまだないとも言えるのかもしれませんけれども、いわゆる直接見込み客に送り届けられる周知宣伝広告を内容にした郵便物といったような角度でとらえてみておるわけでございますが、いま申し上げました企業の出す中で、そういったものが一九・一%あるわけでございます。したがって残りの六〇%ちょっとのものがそれ以外の企業の出す、たとえば業務用といいますか、企業のいわゆる株の配当金の通知でございますとか、あるいは事業上必要な書類でございますとか、それから特に最近多いのは自動振替制度が非常に普及いたしまして、いわゆる金銭関係の、請求というよりもむしろ受領の証拠として出すようなもの、そういったものが非常に多いわけでございまして、個人から出されるものも、これはまあいろいろの各種消息等に使われておるものが全体で一番多いわけでございますけれども、中にはクイズ等に対する応募というような形で個人から企業へ出されておるものもございます。そういったものが全部で一九・五%でございます。  ダイレクトメール等につきまして、これについてもいろいろ意見はあるようでございまして、私たちは決してダイレクトメールを別に弁護するわけではございませんけれども、私のほうの全国に数千人おります郵便のモニターの方々、これは家庭の主婦の方が多いのですが、そういった方々にいろいろダイレクトメール等についての意見を求めております中では、全然これはもうむだなものだというふうに否定なさる方はわりあい少なくて、やはりかなり読んでおられる、あるいはまたそれを見て通信販売等によってこれを活用しておられるというようなことから、その意義をむしろ認めておられる方もかなりございまして、完全に否定される方は半数にも達してないような状況でございます。いま御質問に的確にお答えできませんけれども、したがって、どれがそういった意味で個人の生活上必要なものであり、必要でないかということについては、私も正確にお答えすることができないということでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 一九・五%のほかの八〇・五%が企業というふうにおっしゃいましたけれども、私はそういうことはないのではないかというふうに思います。つまり個人発信以外の郵便物の中にほかにどういうものがあるかといいますと、官公庁、地方自治体、各種団体、政党、そうしたものがたくさんありますね。私、もう毎日いろんなものが一ぱい来ますので、ちょっと一生懸命仕分けしてやってみているんですけれどもね、だから八〇・五%が企業用ということは私はないというふうに思うのです。  もう少しはっきりさせていただきたいのは、まず、個人用のほかの部分の中で、いわゆる企業ですね、企業、営利を目的とする通信、ダイレクトメールだけではありません、ダイレクトメールも含めて、営利を目的とする、つまり営利団体の通信というのがどのくらいあるかということが一つです。わからなければ——私はそれはわかる、郵政省としてわからなければいけないと思うのですけれども、その辺のことをちょっとお答えを願いたいと思います。

石井多加三郵政省郵務局長

○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。  ちょっと私、先ほど個人と企業というふうに分けるのはまあ的確でないということをお答えしながら申したのでございますが、実は、こういう分類自体、郵政省で、あるいは郵便局で郵便を引き受ける際に、これは個人の出したものであるとか企業の出したものであるとかいったような区別は、またそういった分離は実際はできないわけでございまして、実は昨年の九月に、全国で相当大量の郵便物数を配達いたします際に、その郵便物にアンケート調査をつけまして、家庭でそれを受け取られた郵便は相手の方のお仕事あるいは御商売等に関係する郵便でありますか、そうでありませんかと、したがって企業と申すのはちょっと——もちろん企業、団体等含めてのつもりでございましたけれども、まあむしろ正確に申し上げますならば、業務用とでも申しますか、個人の方でも、弁護士の方が仕事の上で出されているものは相手の方は業務用だという判断をされると思います。もう一つの個人用のほうもそういう意味でいいますと家庭用ということばで申し上げたほうが的確だったかと思います。  家庭用と業務用ということで申し上げますと、先ほど申し上げたように大体二対八というような割合になると思っております。  それから、いまお尋ねの団体等、したがってそのときに出ておられた方にそこまで企業以外の団体から受け取られたものはどれだけありましたかといったようなアンケート調査はいたしておりませんので、いま御質問の点につきましては、まだわれわれのほうとしては何も資料を持っておりません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 七〇年の十二月の答申の中に、そうしたダイレクトメールの激増や企業通信の激増が郵便事業に対して大きな影響を与えているということが指摘されているわけです。  現実の問題としても、少なくとも個人間通信ないしは個人用通信が二〇%以下になっているということが大体把握できるわけですから、私は、その辺についての調査分析は、郵政省として、郵便事業を今後どういうように困難を打開していくかという上で当然もっと責任を持って、どういう方法でするかも含めて、把握をする努力をされる必要があるというふうに考えますけれども、その点についてはいかがですか、簡単に答えていただきたい。

石井多加三郵政省郵務局長

○政府委員(石井多加三君) なおよく検討させていただきたいと思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それで、もう一つこれは大臣にお伺いしたいのですけれども、現状はそのようなものです。つまりそのようなという中身は、個人の通信というものがたいへん総体的に毎年少なくなってきて、そして少なくとも団体とか業務用通信が多くなってきています、圧倒的多数を占めています。  それで、その中の少なくともダイレクトメールを含む営利団体の営利を目的とする通信ですね、これが個人の公共の福祉という、そういうふうに扱われる精神でもって生み出されている郵便事業と同じ扱いでいいのか、いいというふうに考えていらっしゃるのかどうなのか、これは私は別にいま料金問題だとかそういうことに限っては申し上げません、少なくとも同じ性格のものであるというふうに考えられますかどうですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 私としては、事務当局はどういうあれをしているか相談していませんが、私はダイレクトメールと個人通信とは分けられたら分けるべきだ、こう思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 つまり中身がいわゆる同じ性格のものではないというふうに考えられるということですね。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 中身は同じ性格のものでないということも、同じ性格のものであるということも、この内容の調査ができない段階で、いまこれをはっきりとお答えをすることは困難だと思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 赤字であるというふうにいわれていて、その答申の中身は五十一年度で収支を償うということであるというふうな中身になっているそうですけれども、具体的にこの値上げをおたくのほうで出された根拠として、五十年度末ではそれではどうなるのか、五十一年度末ではどうなるのかということをちょっとお知らせ願います。

廣瀬弘郵政省経理局長

○政府委員(廣瀬弘君) 郵便事業の収支の見込みをいたします場合、私ども大体三ヵ年間の収支ということで算出をいたしたわけでございます。  先ほど申し上げましたように、四十九年度におきましてすでに千四百億近くの赤が出ておるわけでありますが、五十年度におきましては、もし答申案どおりの料金改定が行なわれたといたしますと、千百八十億ばかりの収支差額が出てまいります。そして五十一年度で八十九億ばかりの差額がさらに出てまいります。しかしながら三年間を通算いたしますと、したがいまして合計百四億の赤字というような形で計算をいたしております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 五十年度は千百八十億の黒字になるということですね。これは四十九年度の千四百億の赤字を相殺して黒字になる、こういうことですか。

廣瀬弘郵政省経理局長

○政府委員(廣瀬弘君) そうではございませんで、四十九年度の赤字はそのまま出ておりますので、これは引き継いでまいらなければならない数字でございます。したがいまして千三百八十一億の赤字、それと五十年度の黒、五十一年度の黒を相殺いたしまして合計百四億の赤という意味でございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 先ほど申し上げましたように、いままでの赤字というものはほんとうにいままでの政府の物価政策、そうしたものの責任によって生み出されてきているものであるということを、五十年度一年を限ってみれば千百八十億の黒字を出すような料金の仕組みによってそれを解決しようということ自体がやはり私は二重の不当な値上げの中身をはらんでいるというふうに言わなければならないというふうに思います。  で、その具体的な中身の問題としてなんですけれども、先ほど申し上げました公共的なこの郵便事業のあり方からいいまして、第一条、それから何回も申し上げております憲法の規定からいきまして、当然、国が責任を持って行なうべき事業であるというふうに考えておりますけれども、その具体的な中身として、一つは郵政省の郵便部門にかかわる共通的な経費ですね、こうした経費がほとんどやはり郵政事業特別会計でもってまかなわれているという事実があるというふうに思いますけれども、この問題は他の特別会計の例を見てもわかりますけれども、必ずみんなそういうふうになっていないんですね。つまり共通管理段階部門の経費というのは一般会計になっているのです。それがなぜ郵便事業だけ、郵政省だけ、ほとんどの共通管理段階の経費が事業特別会計の中でまかなわれているかということについては私はたいへん矛盾もあるし、郵政省としても改革をしていくべき積極的な中身だというふうに考えますけれども、その点はいかがお考えになっていますか。

廣瀬弘郵政省経理局長

○政府委員(廣瀬弘君) 私、他の会計のことをつまびらかにいたしませんけれども、公企業のあり方といたしましても、直接経費だけでなくてやはり間接経費も同じように料金に組み込んで考えていくというのが普通のあり方ではなかろうかと考えております。  それから先生御指摘の共通経費というふうに言われましたけれども、その中身を検討いたしますと、たとえば給与事務だとか、あるいは物品の修理、出納事務だとか、あるいはその他いろいろ会計、庶務事務等がございます。こういったことはやはり事業を営みます以上は経費として考えて予定しておかなければならない経費であろうと思います。そういう意味合いで直接費と同じように管理共通費は全体の経費として考え、これを郵便法第三条にいういわゆる経費というふうに考えるのが、正しいのではないかと私どもは考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 本省とかあるいは郵政局ですね、そうした管理段階の人件費も含めて、すべての経費を、説明を伺いましたらごく一部分は一般会計になっているそうですけれども、そのほとんどすべてを郵政事業の特別会計でもってまかなうということは、たてまえとしてというふうに言われますけれども、どのような根拠があるのか、私は全く根拠がないというふうに思います。むしろ逆に、現場のいわゆる郵便事業を管理監督する部門ですから、当然、その郵政事業特別会計と切り離された一般会計でもって政府の責任で見るべきそうした支出である、このほうがよっぽど根拠があると考えておりますけれども、いかがでしょうか。

廣瀬弘郵政省経理局長

○政府委員(廣瀬弘君) 一般に企業を考えます場合に、やはり本社経費だとか、あるいは工場、地方の経費、そういったものはやはり総合的に全体的に経費として考えて、これを料金に反映するというのが普通の立て方ではなかろうかという意味で申し上げた次第でございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私は、いま申し上げたことは繰り返しませんけれども、他の特別会計ですね、たとえば食管の問題でもそうですし、厚生省の病院会計でもそうですし、それに見合う本省とか管理段階の人件費までが特別会計に含まれていないはずです。これはぜひ御検討いただきたいというふうに思います。  私のほうで四十九年度の予算で、その分に見合う金額がどのくらいになるのかはじいてみましたら、八百億をこえるのです、管理段階の共通経費ですね。人件費がやはり多うございますけれども、それは八百億をこえるという金額になります。千四百億円の中で五〇%をこえる部分が、赤字といわれているその中で五〇%をこえる部分が共通管理段階の経費によって占められているということ自体の中に、私は具体的に言って、郵便事業は公共的事業としてこのように位置づけられているにもかかわらず、国がそれにふさわしい責任を持った姿勢をとっていないということが一つの大きな問題として指摘せざるを得ないのではないか、このことはぜひ郵政大臣において御検討いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。大臣に質問しております。

廣瀬弘郵政省経理局長

○政府委員(廣瀬弘君) その前に一言申し上げます。  先生の御指摘の管理費の中で、確かに電気通信監理関係だとかあるいは電波関係の経費はこれは一般会計から出しております。それから管理共通費ということばで一括されておりますけれども、郵便局の中で先ほど申しました庶務会計課がやっております給与計算とかあるいは物品の出納事務、そういうのが七百億あるわけです。したがいまして管理段階だけとってみますと、先生が御指摘の八百億何がしかの中で七百億は郵便局の共通費ということになっておりますので、その点を御了解願いたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) にだいまお答え申しましたように、郵便事業支出の五千五百三十二億円のうちに、管理共通費というのが八百六十数億支出としてあるわけなんですが、しかしこの管理共通費は本省、郵政局における郵便事業の計画部門に必要な経費のほか、郵便局における切手とか出納事務、俸給支給事務、収入支出事務等、いわゆる庶務会計の事務に必要な経費でありまして、これら管理共通費は郵便事業運営のため事業として当然必要とする経常的な経費であるのであります。でありますから、郵便利用者に負担していただくべきものであるというように、こう解釈いたしておりまして、一般会計からの繰り入れをやるべきではないというような考え方で従来きております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そうしますと、お尋ねしますが、管理監督段階の共通経費ですね、これは全部一般会計で持っていると、こういうことですか。

廣瀬弘郵政省経理局長

○政府委員(廣瀬弘君) いま大臣の申し上げましたのは、私と全く同じ意味で先生に申し上げたと思います。管理共通費の性質がこのようであるから、一般にただいままで経費の中で考えてきておる、こういうふうに申し上げたと思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 ですから、管理監督段階の郵政省における共通経費が郵政事業特別会計の中でまかなわれるべきものではなくて、一般会計の中でまかなわれるべきものであると、ほかの特別会計もそういうふうにやっているんですよ、その辺のところはどうなんですか、御検討になる余地はないんですか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) ほかのことはよくわかりませんが、郵政省関係のこの種の問題は一般会計から繰り入れるべきものではないというように解釈いたしております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 このほかに、たとえば郵便局の設備、これはやはり国民がすべて共通して使う公共施設です、当然のことながら。たとえば国道のように、国道だって当然のことながら国の経費でもって建設される。そうした意味から言えば基礎設備にかかわる部分、それからいま私が申し上げました共通経費にかかわる部分、それからもう一つ申し上げたいのは、先ほども問題になっておりましたたとえば三種、四種、これは政府、国としての政策割引制度だというふうに言って差しつかえないというふうに思いますけれども、こうした政策料金から生まれてくる収支の問題先ほど郵務局長のほうからこれがたいへん赤字になっているというお話がありました。  これは私は郵便法のこの中で、特に三種の中身として「政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的とし、あまねく発売されるものである」という、こういう条件がついておりますけれども、だからまさしくその公共的なゆえをもって割引料金制度がしかれているというのがこの三種だというふうに思います。ですから、こうした国の政策によって行なわれている割引料金から生まれてくる郵政省がおっしゃっている赤字ですね、こうしたものについては、先ほど申し上げました共通管理経費それから基礎設備にかかわる経費、そしてこうした政策料金から生み出される経費、こうしたものについては当然国が責任を持って一般会計から投入をして、そして郵便事業の発展をはかるべきである、このように考えておりますけれども、その点についての御意見をお伺いいたしたいと思います。

廣瀬弘郵政省経理局長

○政府委員(廣瀬弘君) 経費全般の問題として同じような性格のものではないかと思います。  たとえば減価償却費につきましても、これは郵政の場合きわめて少額でございまして、これによって料金が左右されるほどの大きな額ではございません。しかしながら全般的に考えまして、郵便法第三条のいわゆる精神というものは利用者が負担すべきであるという考え方についての表現であろうと思っております。したがいまして、そういう原則からいたしましても全般的に経費とわれわれが考えるものにつきましては、料金でまかなうという原則を守ってまいりたいと私どもは考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 大臣に、この問題についての考え方をお伺いしたいというふうに思います。  繰り返しませんけれども、つまり公共的な当然国が責任を持つべきものが郵政事業特別会計に組み込まれていることによって赤字が出てきている、これはやはり国が責任を持って負担をすべきである、私は、郵政大臣はそういう立場で郵便料金の引き上げをしない、こういう確固とした姿勢に立っていただきたい、こう思っているわけなんですけれども、御所見を伺いたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 御意見としてはよく承っておきますが、御承知のようにこれらの固定資産等につきましても、これらの経費も郵便業務の運営に要する経費でありまして、郵政事業特別会計法の第一条、第三条等によりまして、やはりこれは独立採算のたてまえによって利用者負担ということが原則であろうと思います。そういう点から、これを郵便料金でまかなうことが社会的公正にもなるのではないか、こういうようにも解釈をいたしてただいまのところおります。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 あとでまとめて料金問題について大臣の最終的なあれを伺いますけれども、その前に電電公社にお伺いしたいと思います。  ごく具体的な二、三の点についてまとめてお伺いいたしますので、まとめてお答えいただければけっこうです。  一つは、最近、電電公社が専用料金等の改正に関する認可事項を二月実施ということで出されておりますけれども、この中身によりますと、少なくとも十キロ以上の長距離の部分に関しては三一%の値下げになる、こういうことの内容になっております。  私がここで問題だと思いますのは、一般電話と比べましていまの専用料金自体非常に割り安になっている、これはもうお認めになると思います。具体的な例を申し上げますと、一般電話東京−大阪の場合で考えてみますと三百六十四万五千円、もし二十四時間使えば、単純に計算をして。そうしますと、三百六十四万五千円かかるんです、東京−大阪間。それが専用料だと四十三万七千円になっているわけです、八分の一ですね、うんと単純に計算いたしますと。これをさらに三一%値下げをして三十万に下げるというんですね、東京−大阪間の例で申し上げますと。そうすると、これはまたたいへんな値下げ分になると思いますけれども、いま赤字だ赤字だと言って電話料金を値上げするというふうに言っておられる公社が、何でこの専用料、しかも大企業が使うということがほぼはっきりしているこの長距離専用料について三一%もの値下げを行なうのか、この点についてひとつ質問をしたいと思います。  それから二点目は、同じくこの中で専用線の設備料を二万から五万へ値上げをする、こういうふうにいわれております。でこの根拠として、いままであまりにも一般の設備料五万円とそれから専用線の二万円という設備料では非常に差があり過ぎた、不均衡である、こういうことをいわれておりますけれども、これがほんとうであるならば、私どもがかねてからこの問題については不均衡で不公正ではないか、大企業に特別にサービスをしているのではないかということを追及してまいりましたけれども、そういうことをお認めになってもし均衡をされるとするならば、なぜ専用線の使用料のほうを、専用料のほうをこのように大幅に下げるのか、そのことを二つ目の問題としてお尋ねしたいと思います。  関連いたしまして、それではビル電話やデータ通信の設備料はなぜ格安になったまま置いてあるのかということでございます。  それから三点目は、少し前ですけれども、秋草副総裁が今後一〇〇番扱いの夜間割引は行なわないようにするというふうに言われた報道がされましたけれども、このことについての公社の考え方を、今後一〇〇番扱いの夜間割引は廃止するという考え方なのかどうか、そのことについて、以上三点まとめて御質問したいと思いますので、お答えをいただきたいと思います。

遠藤正介日本電信電話公社総務理事

○説明員(遠藤正介君) お答えいたします。  まず最初に、現在の専用線は公衆線に対して割り安だというお考えには私ども見解を異にいたします。  公衆線を二十四時間使うというまことに不確実な前提で御議論をされておりますが、そういう前提に立ちました数字というものは実際問題としてあり得ない数字でありまして、私どもは公衆線の通話料と専用線の通話料については需要を考えた上での均衡の上に立って定めております。  したがいまして今回改定を申請いたしております専用線料金につきましては、前回、二年ほど前に広域時分制になりました関係で、近距離——以前申しておりました市内回線が非常に割り安になりましたので、その部分を大幅に上げたわけでございます。したがいまして、それと均衡をとった形で中距離、遠距離を下げておるのでありまして、これは距離区分の区切り方にもよりますが、ある部分をとると下がっておるようなところもございますが、ある部分については、ある距離の段階では上がっているところもございます。これは距離区分を九段階に整理をいたしました関係上、先生御案内のように上がっておる分もあるかと思います。  そこで私どもとしては、従来から申しておりますように、専用線をことさら安くしておるわけではございませんで、むしろ専用線の収支をよくいたしまして、庶民の電話のほうにその増収分を持っていっておるわけでございますが、その場合、考えなくてはいけないのは、何でも上げればいいというんじゃなくて、上げれば必ず需要の減退がありまして総体としての減収にもなるわけで、そこで私どもとしては、今回の改定案では大体需要の弾性値も見まして七%程度の増収をさらにはかる、こういう形で改定案を申請いたしております。  したがいまして、その中に設備料の問題もございます。設備料は、これは公衆線の場合の設備料と専用線二端末の場合の設備料とは効用という面から見まして確かに差はございます。差はございますけれども、一般的に言いまして公衆線の場合も設備料で設備費の全額をいただいておるわけではございませんので、やはりその面で均衡をはかったほうがいいだろうという御意見に従いまして設備料の改定をさしていただいたわけであります。  したがいまして、同じでんでまいりまして、いま先生御指摘のセントレックス、現在ビル電話と申しておりますが、ビル電話等につきましても、あらためて主管官庁に御協議をいたしたい、こういうぐあいに思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 データもですか。

遠藤正介日本電信電話公社総務理事

○説明員(遠藤正介君) はい。その上で、次回までに——次回といいますか、次の機会に御協議を申し上げたいと思っております。  それから夜間割引につきましては、これは先生一番よく御存じだと思いますが、現在ダイヤル通話ができる対地に対します夜間割引についての問題でございまして、私ども現在政府にお願いをしております料金案をかりにお認めをいただきましたならば、その上に立ちまして夜間のダイヤルサービスを、割引を行ないたい。その機会に、従来から問題になっております手動の一〇〇番——ダイヤルができるにもかかわらずサービスをいたしております手動の割引は廃止をいたしたい、こういうぐあいに考えておりまして、これは、現在、人の問題にも関連をいたしますので、労働組合の方々にも御意見を伺っている段階であります。   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 したがって、これだけ単独に切り離して割引を廃止するという考えはございません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 時間がありませんので、指摘だけにとどめますけれども、専用線を均衡を保つということで下げるということは、私は全く根拠がないというふうに考えます。  なぜならば、赤字だから料金を上げたい、こういうふうに言われている公社が、いままででも割り安になっている——割り安でないとおっしゃるけれども、割り安でないということならばその根拠がなければいけません。そのことについては、いま時間がありませんので、これ以上追及いたしませんけれども、少なくとも割り安になっていることは確かなんです、だから使うんです。割り安になってなければ、大企業は専用線なんか借りませんよ、そして一般の公衆線を使って仕事するでしょう。なぜ専用線を借りるのかというのは、それは割り安になっているからなんです。そんなことはもう子供だってわかる理屈です。そういうものをさらにこの時期になぜまた下げるのか、ここにはやはり大きな問題が残されているというふうに思います。  それから夜間割引の問題につきまして一言だけ私は指摘をしておきたいんですけれども、再三問題になりますが、電電公社の料金がちゃんとした内訳がなくて、ほんとうにこれだけの料金を使ったのかどうかということで、たいがいみんな不安になるということがあって、現実の問題としても一けた間違えて取られちゃったなんということが新聞にも出るということがあります。これはすべてがそうだということではありません、もちろん例外的な結果ですけれども、そういうものがありますから、ですから、なおさらのこと長距離にかける場合に一〇〇番を利用したい、しかも夜間割引で利用したいという国民の、加入者の要求というのは当然生まれてくるわけです。  ですから、私がここで問題にするのは、たとえばこの問題にあらわれているように、一方で料金の引き上げというふうなことを言いながら、一方で国民に対するサービスをこのように切り下げようとしているという、こういう問題。そして片方、その反面では大企業に対しては一そう安いサービスを提供していこうとする、こういう公社の基本的な姿勢自体が問題ではないかというふうに考えます。  しかし、こうした問題については、通常国会においてそれぞれまた質問もし、深めてもいきたいというふうに思いますので、最後に、郵政大臣から、郵便料金並びに電話料金の引き上げということがいかに国民にとって生活を破壊するものであるかということはもういまさら申し上げるまでもないというふうに思いますので、郵政大臣として、郵政省として、この問題について引き上げないという立場で努力をするという決意を一言述べていただきたいと思います。  私の質問はこれで終わります。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) いずれ、今晩にもこれら一の問題の最終的な協議が行なわれると思います。でありますから、私も前向きで大いに努力するつもりでございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 主としてNHKにお尋ねをいたします。  小野NHK会長は、前回の当委員会におきまして、NHKの財政は苦しいけれども視聴者もインフレで苦しいだろうから、前会長以来の公約どおり五十年度末までは受信料を据え置くという、こういう言明をされております。たいへんけっこうなことだと私も思っています。  ところで、私どもは放送作家やあるいは芸能家の方々から、NHKの契約料金では創作的芸術的意欲もわかないなどという苦情を聞いているのであります。ほんとうにそうであるならば、番組の質に直接影響をしてくるんじゃないかと懸念するあまり、その実情をお伺いをして、改善できるものがあるならば大いに改善をしていただいて、いま大詰めの段階にある予算編成の面にこれを反映していただきたい、こういうつもりできようは御足労をいただいたわけでございます。私も率直に端的に簡潔に申し上げますので、ひとつ簡潔にお答えをいただきたいと思います。  NHKの財政事情は四十七年度から赤字に転落をした。本年度は当初から経常収支において四十五億五千万円という大幅の赤字が見込まれております。激しくゆれ動く社会経済状況のもとにおいて、公共放送としてのNHKの役割りはますます大きいわけです。したがって番組を刷新、充実をさせるということは、どんなにNHKを取り巻く環境が変わったとしても、その目的、使命は私は同じであろうと思います。  さて、番組の質は企画であるとかシナリオ、演技によって大きく左右されるものでありますから、NHK当局はこういった点に留意をされまして、職員以外の関係者の処遇についても十分に御配慮はされていると思いますけれど、私どもは、放送作家や芸能家の方々から一様に脚本料、出演料ともに社会的な水準を無視した非常に低い料金である、これでは創作的芸術的意欲も殺されてしまう、こういうようなお訴えもしばしば聞いております。一体、その実情はどうなっておりますか、まずその放送脚本料のことからお伺いをしたいと思います。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) いま木島先生からたいへん私どもにとっては重要な部分についての御指摘がございました。  この点につきましては、昭和四十八年度の予算それから昭和四十九年度の予算を当委員会で御審議いただきます際にも、特に附帯決議として御決議がつけ加えられておりますので、私どもといたしましては、そういう趣旨にのっとりまして、昭和四十八年度それから昭和四十九年度、二年度にわたりましてそれぞれ最低の執筆料金の値上げをいたしました。そしてそれらの時点から全執筆者並びに出演者に影響を及ぼす手直しを実施したわけでございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 放送脚本料の最低基準料金というのは毎年改定されているということでございますけれど、その改善額は、この資料で見ますと、本年度テレビが五千円、これは三万五千円が四万円に上がった。ラジオが二万四千円から二万七千円に上がって三千円。アップ率にいたしますと一四・二八%と、もう一つは一二%ということになると思うんです、これは非常に私は低いと思う。  しかも最低ランク以外の者は、上のほうにランクをされていない限り、つまり上位にランクづけをされていない限り、いわゆるベースアップの恩恵にもあずかり得ない仕組みになっているようであるんでありますが、この基準料金の、何といいますか、底上げと申しますか、底上げによって改善される者がどのくらいいるのか、またその額はどのくらいなのか。いま予算編成前でなかなか微妙な時期にあるということは私も一応承知をしております。ですから、もしお答えになりにくい点がございましたら率直におっしゃっていただいてけっこうでございます。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 昭和四十九年度、本年度の最低料金の値上げをいたしましたことによって、放送作家の方々への全体の影響は、放送作家組合の方々を例にとれば、大体六六%ぐらいの方々が要するにお願いする執筆料の額が上がった、こういうことになろうかと思います。  出演料のほうも大体それに準じまして、出演料に関しましては昭和四十八年度、四十九年度という二カ年にわたって、NHKに御出演いただく方々がほとんどそれぞれの出演料の値上げと申しますか、そういうものを実施した、こういうことになろうかと思います。

木島則夫民社党

○木島則夫君 改善額全体についてはどうですか、おっしゃりにくいですか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) ちょっといまその点につきましては各組合の方々と交渉しております最中でございまして、いま予算編成期でございますので、できますればいましばらく御猶予いただけたらというふうに思う次第でございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 私の調査によりますと、NHKの放送脚本料というのは、県域を放送対象とする民放に比べましてかなり低い料金となっているようでありますし、また放送作家の世界的な組織団体であるインターナショナル・ライターズ・ギルドというのがあるんだそうですが、この資料によっても世界で最低に属するというふうにいわれております。ちなみにアメリカにおける脚本料は三十分ものの最低料金が三千二百ドル、約九十六万円でございますか、というように日本とは比べものにならないくらい高い、しかもNHKは脚本の委嘱からその脚本を納める日までの期間が短い上に、要求枚数とか、そのほか録画日の三十五日前から七十日前に納めなければいけないというように、非常に民放に比べてきびしい条件がついているにもかかわらず、いま言ったように安いというようなことであります。  現行の脚本料金については、NHK側としてどんな御認識をお持ちでしょうか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 確かに御指摘の脚本料については私どもも十分だというふうには思っておりませんし、それがためにできるだけ逐年改善したいという努力を続けておるわけでございますが、いま先生の御指摘のインターナショナル・ライターズ・ギルドという組織のデータを実は不勉強で私もよく承知しておらないのでございますけれども、ただ私どもが調べました限りにおきましては、多少アメリカ等の脚本の委嘱の条件と私どものほうの条件とは必ずしも算術的に比較はできない、向こうは場合によれば六カ月買い取りというようなそういう制限をつけて、かなり高額の脚本料を払うというようなことも行なわれているようでございますけれども、そういう条件があったとしても、それと比較してわがほうが十分だというふうに申し上げるほどの所存はございませんけれども、ただ算術的な比較というわけにはいかないデータでもあろうかと思いますので、その点はひとつ御理解いただきたいと思います。  なお脚本の委嘱の状況につきましては、大体、いまテレビにおきましては録画日の六十日前ぐらいまでに台本をいただきたいということでお願いしておるのでございますけれども、実際問題としてはなかなかそう機械的にはいかないというのが実情のようでございます。  ただ、この点につきましては先生方にも御理解いただきたいと思うのでございますが、テレビジョンの場合は、台本をいただきましてからデザイナーの方が美術装置のくふうをしたり、あるいは俳優さんはせりふを覚えたり、それからわれわれは演出上のプランを立てたりということで、かなりの日数を要することでございますので、正直言って私どものほうから言わせていただけば、一日でも早く本をちょうだいしたいというのが偽らざる心境でございます。ただし、それがためにお書きになる方々に心要以上に御負担をかけたり、そのことのために本が悪くなるというようなことであっては意味がございませんので、そういう点については十分配慮していきたいというふうに思っておる次第でございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 こういう短絡した言い方は私もきらいなんですけれどもね、私がNHKに在職をしておりましたときに多少感じていたことは、要するに出さしてやるんだ、書かしてやるんだという官僚的な気持ちがいまでも私は必ずしも払拭されたとは思わない、残っているように思います。だから書かしてあげるんだとか、出さしてあげるんだ的なものがその底からほんとうに抜け切らないと、私はその辺は解決をしない問題であるという、精神論ではこういう問題は解決できないんでありますけれど、そういったバックグラウンドみたいなものもこの際申し添えておきたいんであります。  御承知のとおり、この出演料についても、当逓信委員会では、四十八年度のNHK予算の承認に際しまして、附帯決議をもってその改善方を要望しておりますね。一々ここで私が読み上げる必要はないと思いますけれど、どういう附帯決議であったか。「放送番組の刷新充実に努めるとともに、番組の質的向上に直接関係する出演者の処遇についてさらに配意すること。」こういうふうな附帯決議が厳然とついているわけであります。  こういう措置を、その後、おとりになっておりますでしょうか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 四十八年度のその附帯決議の御趣旨に沿うために、出演料のやはり最低料金の改善をいたしまして、テレビ三十分、四十八年度におきましては四千円でございましたのを五千円、それからラジオが三千円でございましたのを五千円ということで、それぞれ手直しをいたしました。そして先ほども申し上げましたように、大体四十八年度、四十九年度という二年間にわたりまして、NHKに御出演いただいております出演者の方々の全体の格づけの改定をした、こういうことでございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 出演料は、テレビ、ラジオとも四十六年度から四十八年度まで毎年最低基準料金を約一千円ですか、また本年度はテレビ関係だけ一千円のアップをしていると理解をしておりますけれど、これは間違いございませんね。  この出演料も、脚本料と同様、民放関係から比べますとかなり低いもので、はたして今日の物価、賃金水準から見ても十分であるかどうかというと疑わざるを得ません。しかもリハーサルとかリピートの料金も長年これはそのままになっておりまして、この点についても出演者の不満は相当大きいようであります。  たとえばテレビ出演の基準料金が六千円の場合、リハーサルに二日を要したとしますと、出演料の総額は八千四百円、一日当たり二千八百円にしかならない。どうも学生アルバイトのアルバイト料ぐらいにしかならないということですね。で出演者は基準料金も低ければ、特にリハーサルについては時間の長短にかかわらず一日当たり基準料金の二〇%という、これもずいぶん私は低い額だと思いますよ。こういうものをしいられており、いわばダブルパンチというんでしょうか、二重のここに負い目を負っているということになります。  ですから、少なくともリハーサル料金につきましては、私もこれ前に申し上げたと思うんでありますけれど、拘束時間を加味した体系にすべきだというふうに思うんでありますけれど、この辺はNHKも当然検討なすっていらっしゃると思うし、改善もされているんだろうと思いますけれど、いかがでございますか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 一部の出演者の方々から時間制を導入しろということで、拘束二時間というようなことを一つの単位にして考えろという御指摘もございますけれども、御承知のようにNHKの出演者の方々はいろいろな方々がおいでになりますので、私どもの考え方といたしましては、かりに出演料を改善するということであるならば、まずその放送に出ます部分、そのエネルギーと申しますか、その芸と申しますか、そういうものに改善の重点を置いて、放送という一つの最終の場で出てきますものに改善の重点を置いて、それに至ります過程のけいこ、リハーサルというものはやはりその放送のエネルギーの何%というような形で評価すべきではないかという考え方でおりますので、今後も、そういう点については私どもも変えずにやっていきたいというふうに思っております。  ただ、いま木島先生の御指摘の、しからばそのリハーサル料が二〇%でいいのかという御指摘につきましては、これはやはり十分検討する要があろうかと思います。ただ現状では非常にNHKの財政も苦しい時期でございまして、来年度はまた格段ときびしい情勢を迎えますので、この時期にそのレートを変えますというふうにお答えすることは非常に困難でございますので、気持ちとして、そういう点の改善ということは将来の問題としてやはり考えていくべきだというふうには承知しておる次第でございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 基本的な出演料というものをもっと改善をすることで、放送全体の出演料のアップというんでしょうか、貢献度というか、そういうものを大きくしていきたいというお話でございます。私もまさにそのとおりだと思います。しかし問題は、やっぱり基本的なものが低いもんだから、どうしてもアクセサリー的なものでいろいろ手かげんをしなければいけないという、この辺も思い切って私はやっぱりNHKはお考えになるべきだと思いますよ、ほんとうに。  NHKの番組は内外から高く評価されているわけですよね。ですから、この名声というものをくずしてもらっては困ります。この名声はなるほどNHK側の英知というか努力によることももちろんでございますけれど、やはり放送作家であるとか出演者という外部の方々の御協力によらなければならない部分というものも非常に大きいわけです。しかし、そのシナリオライターやタレントさんは、一部の売れっ子を除きまして、何というか、この狂乱物価といわれるインフレの中にありまして定期昇給もベースアップもないわけですね。そういう中で契約料金をしいられているというのが実情でございます。  ですから、こういうことでは、このままほうっておきますと私はやる気をなくしてしまうのではないだろうか。そしてそのやる気をなくしたことが、NHKは放送の中身も形もよくなければいけないという、その中身をくずすやはり大きな要因につながってくる、その辺を一番心配するわけでございます。ですから、喜んで外部の方々が協力できるような処遇をしていただきたい。  そこで来年度はぜひとも脚本料であるとか出演料の改善方を御協力お願いしたいんでありますけれど、NHKのお考えはいかがでございますか。さっきいますぐというわけにはいかぬという、非常にNHKを取り巻くきびしい状況もあるからというお答えがございましたけれど、もう一回聞かしていただきたい。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 放送総局長という立場で申し上げれば全く先生の御指摘のとおりでございますので、そういう点については、私は放送総局長としては格段の努力をしなければならぬというふうに思っておる次第でございます。  ただしNHK全体の経営の中で、その問題をやはり考えます場合に、先生の御期待に沿い得るような予算編成が五十年度においてできるかどうかという点につきましては、いまのこの段階では何とも申し上げかねるというのが偽らざる心境でございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 NHKの財政事情、そしてNHKを取り巻くこのきびしい社会的な環境、経済的な状況というものもよくわかります。が、それでは脚本料とか出演料の改善措置によりまして四十八年、四十九年の両年度においてそれぞれどの程度の負担増になっているのか、この辺ちょっと聞かしておいていただきたい。むずかしいですか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) ちょっと具体的数字をいまここで申し上げるのは資料不足かと思いますけれども、大体、脚本料と出演料の四十八年度、九年度ということであれば、二年間で五、六億というような段階ではないかと思います。

木島則夫民社党

○木島則夫君 NHKの予算書によりましても、四十八年度の国内放送費は全事業支出の二五・五%ですね、対前年度比二・七%増。これは四十七年度の札幌オリンピック用の特別経費を除きますと五・二%増ですか。それから四十九年度はそれが二四・二%、三・三%というふうになっております。  しかし、この収支予算内訳を拝見すると、ほかの費目が一〇%をこえているというのが相当あるんですね。一〇%台の増加率を示しているのが相当あるにもかかわらず、国内放送費の伸びというものが前年度比三・三%というのは、これは私は何としても少な過ぎる、これは。だからその中で幾ら改善方をいたしますと言っても、いわゆるアップ率なり伸び率なり改善率というものは、私はしれたものだと言っちゃしかられるかもしれませんけれど、当然そうなろうと思うんでございます。ここにおたくからいただいた資料がございまして、NHKの「代表的テレビ番組の制作経費」の実績というものをちょうだいをしております。これで見ますと「国盗り物語」、これは四十五分番組が一本当たり制作直接経費ですね、四百三十七万四千円、これは四十八年ですか、「勝海舟」の前ですね。で、その「国盗り物語」が四百三十七万四千円のものが、いま放送している「勝海舟」、同じく四千五分一本当たりが四百六十四万六千円、どのくらい「勝海舟」の制作費がふえているかというと二十七万二千円です、少ないですね。それから「藍より青く」が五十一万二千円でございます。それがそのあとの「北の家族」になりますと、十五分で一本当たり五十七万三千円、アップ率は六万一千円でございます、非常に少ない。どうもこの辺にその問題があるようなんですね。で四十七、四十八年度の代表的なテレビ番組の経費の単価はほとんどいま申し上げたように同額となっている。じゃ物価のほうはどうかというと、いま私が申し上げるまでもなく二十数%の上昇になっているわけであります。  ですから、こういうことから見ましても、放送作家や出演者がいかに犠牲をしいられているかということがよくわかる。非常に一つの番組の制作単位の中でのいわゆる前年度の番組に対する今年度の番組の伸び率というかアップ率が少ない。ということは、その中で行なわれる出演者なり放送作家なりに払われるいわゆる出演料というものも当然少ないということになるんだろうと思います。  私は、NHKの財政というものは、ある意味で来年度が一番苦しいんじゃないかと思いますね。こういった事情も考えまして、今年度の予算審議では、財政立て直しの方策としまして、取るべきものは取る、切るべきものは切るという思い切った手段を講ずべきじゃないだろうかと、たとえばこれは前の委員会で私は触れたことがございます。各種の助成金の整理、私はこういうものをもっと徹底的にやるべきだと思います。  たとえば放送文化基金の業務との調整ですね、似たようなものはほかにたくさんある。それから文教、福祉施策の一環として受信料免除額の国庫負担、これも私は大きく強調をしているところであります。ずいぶんたくさんの福祉施設あるいは教育関係にNHKは特別な措置をとっておりますね。その免除の総額が三十六億三千五百万円、そうですね。基地周辺関係の六億二千五百万円は防衛施設庁が補助をしておりますから、これを差し引いたといたしましても、免除額は約三十億円でございます。これはこういう財政的にきびしくなったNHKが、昔はいざ知らず、今日の段階でこういうものを私はNHKが十字架としておしょいになる必要があるんだろうか、むしろ私は本来防衛施設庁がおやりになっているように防衛庁に、あるいは文部省に、厚生省に、こういうところにやっぱりちゃんと負担をしていただかなければいけないのじゃないだろうか。だから、この辺の整理というものは私は来年度の予算編成の時期には、取るべきものは取る、切るべきものは徹底的に切るという、こういう姿勢の中に含ましていただきたい、こうした措置によっても相当の財源を生み出せるんじゃないだろうか。  ですから、来年度の予算編成の中で、いま私が指摘をした数々の提案なり提言というものを前向きに入れて御検討くださるかどうか、この辺を伺いたいのであります。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 確かに先生御指摘のとおり、助成金等についての整理と申しますか検討と申しますか、そういうものは確かにわれわれとしてこの際していかなければいけないだろうというふうに考えております。  ただ、受信料免除の国との問題ということにつきましては、先生の御指摘という点については私受けとめさせていただきますけれども、それについて、いまここで私が具体的にそうするとかしないとかというふうにお答えすることについては御猶予いただけないかというふうに思います。

木島則夫民社党

○木島則夫君 NHKの役割り、それから目標、社会的責任度、こういうものは公共放送として私もよく知っているつもりでございます。したがってNHKの財政が潤沢な時代には私はそうあったっていいと思いますけれど、何しろ四十五億というような赤字、こういう状況でNHKであるからそういう十字架なり公共的な負担を負わなければいけないのか。もう一つ裏返して言うと、ここまで差し迫った財政の中でいいかっこうができるんだろうかということでございます。その辺もひとつ十分にお含みをいただきたい。これはお答えはけっこうでございます。  最後に、私はもう短い時間の中で結びたいと思いますが、ワースト・プロデューサーとかワースト・ディレクターというようなものが週刊誌をにぎわしているのであります。これは週刊誌であるとか新聞の投書欄をよくにぎわしているようであります。私はNHKには少なくともこういう方々はいないと信じているのでありますが、放送作家の方々は無断で脚本を改訂されたり、プロデューサーの好みに合わないからといって途中でというか一方的にキャンセルをされたり、長編ものを途中で交代をさせられたという点についての不平不満も実は私のところに伝わってきている。もちろんこれは一方的には言えないと思うんですね。番組をよくするためには、やっぱり大乗的な見地に立って、なたをふるわなければいけないことだって私はあるだろうと思いますから、その辺もよく考慮に入れましても、やはりこういういま言った事例があるわけでございます。  プロデューサーなど特定の者の好みで一方的に変更される、いわゆる切り捨てごめん的な行為には問題があると思いますけれど、この辺も、そういうことはないのだ、絶対にあってはいけないのだというNHKのひとつ確約をいただきたい。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 先生には具体的な番組名をおあげにならずにお話しいただきましたけれども、世の中で伝わっておりますので、「勝海舟」の問題であるとか、あるいは「鳩子の海」の問題であるとかということで、たいへん世間をお騒がせいたしまして、総局長としては申しわけないというふうに思っておる次第でございます。  ただ、一言釈明させていただきますれば、テレビというようなものは、やはり俳優であるとか演出者であるとか美術であるとか、いろいろな人たちの総合芸術でございますので、お書きになったものをそのままやるということが一番作者にとってもよろしいことでもあり、最善のことでもあろうかと思いますけれども、そういう総合的なものであり、しかもスタジオの事情であるとかカメラの事情であるとか、中へいろいろ機械的な部分も入りますので、どうしても直していただかなければならないというようなケースが間々ございます。そういうものはやはり御納得いただいてお直しいただくというのが当然でございますので、今回の場合も、そういうヒューマンリレーションというようなところに私は落ちがあったのではないかというふうに思いまして、監督責任者である私として関係の先生方にはおわびも申し上げたわけでございますが、今後は、そういうことのないように努力いたしますが、一方、先生方にもテレビの特殊な状況を御理解いただいて、やはり直すべきところは直すという点についての御協力もいただきたいというふうに考えておる次第でございます。

木島則夫民社党

○木島則夫君 具体的な番組名をおっしゃったものですから、私もわりあい具体的に言います。  たとえば相当ベテランの方がこの場面どうやったらいいんだいとプロデューやディレクターに聞きますね、そうすると、先生どうぞそのままあなたの地でやってくださいと言われる。地でやってみてあとビデオとったら困っちゃうなあとあっちにいって言っている。そういう例がずいぶんあるんですね。そしていまNHKというか職場での問題点は、上からも言われるし、組合からもいろいろつっつかれるので、あまりああだ、こうだやらないほうがいいやというような、そういうことも私は聞いているんです。これじゃいいものはできない。結局、しわ寄せはどこにいくかというと、いま盛んにいわれている弱い立場の出演者であるとか脚本家にそのしわ寄せがいってしまう。これじゃ私は何にもならないと思いますので、そういうことがあっちゃいけないという意味で御指摘を申し上げておきたいと思うんです。  最後に一言だけ加えて質問を終わります。いずれにいたしましても、私がいま提言したことが来年度予算に反映されるように望んでおります。三木内閣じゃありませんけれど、いいことはどんどんおっしゃるけれど、やらなければ何にもならない。だからここで受け答えがあってもそれが結局態度になってあらわれるのは、NHKの場合でいえば来年度予算の編成であり、それを軸とした私は放送番組の質的向上という形であらわれてこなければいけないと思うんであります。その場合、何としても弱い者が踏みつけになった形で放送が行なわれないように私は十分に御提言を申し上げておきたい。  そしていま言った予算の内容が編成をされたらば、早くやはりお出しになって、十分な日数をかけて審議をしなきゃいけないんであります。いつもどうもおそい。これは私だけじゃなくて、ほかの委員からの要望も一言申し添えまして、私の質問を終わりたいと思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私にも時間をいただきましたけれども、ただいまの木島さんの質問あるいはNHKのお答えで、私の考えますことも伺いたいと思うこともすべて網羅しておりました。この上、あえて数字をあげまして重複することは避けるつもりでおりますけれども、感じたままを気分の上から私申し上げまして、今度の予算の上にそれがどのようにいまのお話が反映するかということの幾つかの足がかりになればと、こう思うんですけれども。  どうも最近はNHKは非常に近代化されてきているし合理化されてきている。これも一つの社会の要求する方向にいっているので、まことにけっこうなことじゃないかといえばいえるのですけれども、どうも内部にばかり近代的であって内部にばかり合理的である。そうなればなるほど、このきびしい社会状況の中で外部協力者に対する処遇などの問題にそのしわ寄せがきてしまうのではないか。どうも外に近代性を発揮してもらうようにしたらいいんじゃないかというのが大かたの声のように私は伺っております。  いまさらまた数字をあげることもないんですけれども、ほかのものが一〇%、一五%という上昇をしている中で、国内放送費が三%というような増加率しかないということは、実質十何%かずつダウンしているということですね。もう一つは、その制作費の中に占める機材というものは、これは物価の上昇に従って買いたたいて買い入れるというわけにはまいりませんので、どうしてもおまえのところはもとがかからないんじゃないかというので、作家とか出演者とか演奏家にそのしわ寄せがいってしまうという傾向が非常にあるのじゃないか、それ以外に考えられないんですね。  いま木島さんがおあげになった数字でもおわかりのように、その程度の値上がりでよくまあ番組がここまで支障なく進行してきたもんだと、常識的に考えても、そうとしか思えないような部分が間々あるわけですよ。これがみんな外部協力者の忍従と屈辱の上にもし成り立っているとすれば、これはやっぱり芸術的な意欲をそぐし、社内あるいはものをつくろうとする環境の中に荒廃を招くものと思いますね。これがNHKの世間の信頼を失う原因になりゃしないか、これは私も木島さんと同様に憂える点でございます。  先ほど放送作家との間のトラブルの問題がまたお話にのぼりましたけれども、これはNHKさんにはNHKさんの御言い分があると思いますし、作家の方々にはそれぞれ事情があったと思うんですけれども、しかしそれを世間がどう取りざたするかということですね。私の言い分も聞いてください、こちらの言い分もこうですということの以前に、そういう外部協力者に対して冷遇をしているんだというようなバックグラウンドがそうだそうだというような声を一般化せしめているんではなかろうか、もしNHKが胸を張ってそんなことはありません、私どもは十分な処遇をしておりますんで、放送をよくするためにこそこの英断をなしたんです、おほめいただきたいというような態度でいられるような状況があれば、問題として起こっても、何もNHKが責めを負わなくてもいいことですね。そういうバックグラウンドがやはりNHKのこれからの発展に大きな障害になってくるんじゃないかという感じがするんですけれども、私もう感じだけで申し上げてたいへん恐縮ですけれども、そういう外部から見ている一人の人間の感じというのをどういまお感じになりますか、ひとつ御披瀝いただきたいと思います。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 私ども、木島先生の御質問の際にもお答え申し上げましたように、外部出演者並びに執筆者の方々を冷遇するなんていうような気持ちはさらさらございませんで、やはり正当の処遇の努力をしなければいかぬということで努力しておるつもりでございますが、その具体的な中身についての御不満等々につきましては、私どもも今後の問題としてとらえていきたいというふうに考えておる次第でございます。  ただ、先生の外部がそう見ているがどうかという御質問につきましては、まあ正直いって私どもの気持ちはそうでないということを御理解いただきたいというふうに申し上げる以外はないのではないだろうかというふうに思っておる次第でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 それはNHKを取り巻く諸条件もたいへんきびしくなっておりますので、私がいま申し上げておりますことが受信料値上げの論理的な根拠になったりすることはたいへんに私も本意とするところじゃないんですけれども、木島さんもるる述べておられましたように、外部の協力者の力があって初めて成り立つ放送ですから、その点も十分に御留意になりまして、今度の予算の中にその趣旨を反映していただくようにしていただきたい。  坂本さんと私の間には、当委員会を通じましていろいろ経緯があるわけですね。お互いにここでやり合いましたし、さまざまの言質も私いただいておりますし、それから私どもで要求いたしましたことが、程度の問題はともかく、誠意をもってある程度おあらわしいただいたということも私評価しております。ですからその辺のところはくどくど申しませんけれども、こういうふうな事情でNHKはいまそういうことを要求されているんだということをしっかりと心におとめになりまして今度の予算編成に臨んでいただいて、十分なる実を示していただきたいと最後に要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 速記をとめてください。   〔速記中止〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 速記を起こしてください。     —————————————

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 次に請願の審査を行ないます。  第一六九〇号有線放送電話制度に関する請願外一件。第一九七五号新聞雑誌等第三種郵便物の郵送料値上げ反対等に関する請願外一件。  以上、四件を一括して議題といたします。  これらの請願につきましては、理事会におきまして慎重に検討いたしました結果、請願第一七九五号外一件につきましては、第三種郵便物だけでなく、郵便物料金の全般にわたる問題であり、今後きわめて慎重に検討するを要する問題でありますので、保留とすることにいたしました。  請願第一六九〇号外一件につきましては、願意の一部に検討を要する部分がありますので、その部分を除く旨の意見書案を審査報告書に付することとし、本請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものといたしました。  なお、詳細につきましては専門員をして説明をいたさせます。

竹森秋夫参議院事務局常任委員会専門員

○専門員(竹森秋夫君) お手元に配付してあります資料のとおり、この請願の内容は五つの項目からなっております。  一につきましては、有線放送電話の業務区域は、現行法上、原則として一の市町村の区域内とされておりますが、また一方、隣接する市町村にまたがって社会的経済的一体性を形成している場合には、その区域を含めて業務区域とすることができることとされております。したがいまして地域の実情に即応するよう、この制度の適切な運営をはかることによりまして要望に沿う必要があると考えられますので、この項は採択といたしたものであります。  二につきましては、有線放送電話は、電話による連絡の不便な地域共同社会における通信手段として制度化されたものでありますから、市街地及び公社電話の普及率の高い区域における有線放送電話の設置に制限を受けることばやむを得ないものでありますが、現在の許可基準は実情に応じてこれを緩和することが望ましいと考えられますので、この項も採択としたものであります。  第三につきましては、有線放送電話が地域共同社会の通信手段であるということ、設備の改修に相当の経費を必要とすること、また電電公社の電話が急速に普及していること等を考慮いたしますと、電電公社の電話との接続対地に一定の制限を受けるということはやむを得ないものであると考えられますが、公社の電話による連絡が特に不便な地域に所在する有線放送電話につきましては、地域住民の福祉に資するよう通話の道を開くなどの施策を講ずることも必要と思われますので、この項も採択といたしたものであります。  四の項目につきましては、公衆電気通信サービス全般との関係を考慮しまして、その適否を慎重に検討する必要があると考えられますので、採択を保留することとなったものであります。  五の項につきましては、当委員会の所管外の事項でありますし、また、すべて免税措置を講ずるということには問題もあろうかと考えられますので、採択から除いたものであります。  以上でございます。

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 速記を起こして。  つきましては、理事会の申し合わせのとおり決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書並びに意見書案の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村清一日本社会党

○委員長(川村清一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十八分散会      —————・—————

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