地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 193 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1974/12/23
会議録
○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案を便宜一括議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野口忠夫君 私は地方税法の一部改正案について、与えられました時間の中で御質問申し上げたいと思うわけでありますが、大衆課税の負担の軽減というようなことは私どもの日ごろの願いでありますし、また年来の主張でもあるわけでございまして、今回の地方税法の一部改正によりまして、電気、ガス両税の免税点の引き上げが行なわれる、税率の引き上げ等も行なわれる。インフレと不況の中で苦しんでいる国民の社会情勢、経済情勢の中から生まれてくる苦悩に対して、いささかのあたたかい政治の光を与えることのできることについては心から賛意を表したいと思うものでありますが、従来まで、私ども税改正というようなことについていろいろ要請をいたしました場合、自治省の皆さん方の態度は、どうもこの税制の本質上、年度間途中における改正というようなことはまことに困難だという理由によって、あまり私たちの話は言うことを聞いてもらえなかったと思うのですが、今回の二法の改正は、免税点の引き上げ、さらには税率の引き上げ等、まあ税制的に言えば非常に基本的な改正を、まことに年度間の途中で急速に行なわれておりまして、異例の措置だと思うわけでございますが、この点についてまずお伺いしたいと思います。 第一点は、いままでの間にこういう措置を前例としてやったのかどうか。第二点は、こういう異例の措置を年度間途中において行なうことになったほんとうの目的、理由、それをひとつお聞きしたい。第三点は、年度間途中においてこういうことをやった場合、従来の主張にある、今後の税制上の問題について支障は起こってこないのかどうか。第四点としては、まあ今回こういうことが行なわれたのですけれども、税制の改正等については、年度間途中においても事情によってはこれはなし得ることがあると、こういう考え方をこれからわれわれしていってよろしいかどうか。以上の点について御説明願いたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 今回、電気税及びガス税につきまして、年度途中に免税点の引き上げ、税率の引き下げ等のかなり大幅な減税をお願いを申し上げますのは、ただいま御指摘をいただきましたように、全く異例のことでございます。従前におきましては、このように年度間において特別の措置をとるというようなことはまずなかったことでございます。 で、今回このような措置をお願いを申し上げます理由でございますが、先生も御案内のように、この春の国会におきまして、電気税及びガス税につきましては、この両税を分離をいたしまして、ともに免税点の引き上げ及び税率の引き下げを行ない、特に電気税よりはガス税のほうの税率の引き下げを行なった、こういうような措置をとったのでございますが、その後、六月以降に至りまして、公共料金に非常に大幅な引き上げが行なわれることになりました。電気につきましては六月から、それからガスは秋口に入りましてから次々にでございますが、かなり大幅な料金の引き上げが行なわれたわけでございます。そこで、このような大幅な引き上げが行なわれますことによりまして、従前、免税点以下でありました世帯が納税世帯になるとか、あるいは税負担が料金引き上げに伴って非常に重くなるというような事態が起こるわけでございまして、これははなはだ大きな規模において起こりますので、ぜひ年度途中で、全く異例のことではございますけれども、とりあえずこのような措置をお願いを申し上げたいということで、まあ当時から、もよりの国会でございます、一番近い機会のこのような機会に提案をさしていただいて御審議をいただくと、こういうようにしたわけでございます。 したがいまして、今後のこのような措置の影響でございますが、通常の事態でございますと、やはり地方財政といたしましても、年度当初に財源計画を策定をし、地方財政計画を決定をいたしまして財政運営に乗り出すわけでございますから、年度途中にこのような非常に大きな変動があることは、地方財政としてはもう望ましくないことは御案内のとおりでございますが、今回の措置のように、料金の引き上げによって非常に大幅な税の増収が見込まれ、その増収を減額をいたしますその範囲内において減税措置が行なわれるということであれば、地方財政にもさしたる支障を及ぼさないだろう、このように考えまして措置をお願いを申し上げておるわけでございまして、特に今後地方財政にこのことによって支障が出るとは考えていないのでございます。 最後に、今回年度内減税をやったが、今後はどうか、将来年度内減税ができると考えていいかという御質問でございますが、これは通常のケースでございますと、若干の年度内の変動はこれは当該年度における自然増収ないしは自然減収として措置をしていくべきものであろうと思いますが、今回のように、要素に非常に大きな変化ができて、そのために税負担に激変、激動がある、こういうようなケースにおいては、年度内にこのような臨時の措置をとらしていただくこともまたあろうかと、このように考えておる次第でございます。
○野口忠夫君 年度内に急に行なわれました理由は、電気・ガス料金の大幅な値上げの中で免税点等の対象世帯が少なくなってくる。まあ物価調整減税ともいうようなものだと思われますが、御承知のように、石油危機というようなことに便乗した狂乱物価、インフレの重圧が国民の上に非常に深まってきて、物価問題ということが深刻な政治問題となっていることしの五月、同じような原油価格の引き上げに伴っての電気料金の大幅の値上げ、ガス料金の大幅の値上げ等が相次いで申請されたわけでありますが、当時国民は、この物価高の中で、こうしたような料金値上げについてはもうやめてほしいという声が満ち満ちていたと思うのですけれども、その国際、そうした国民の声はあまり聞かれることなく、これが閣議決定をされて五月に承認され、六月から実施、これは強行されました。その際、このような国民の不信と不満をなだめていくような意味で、当時減税というようなものをしてはどうかというようなことがこれに伴って発議されたと聞くのですが、そのようなことから今回の改正措置が生まれてきた。このことは、料金値上げのための減税、料金を上げるための減税であったと、これは素朴な国民のやっぱり了解するところであろうと思うわけであります。料金が上がって救われていくのは電力会社でありましょう、あるいはガス会社でありましょう。そして料金が値上げされて全く生活の上に苦しみを持ってくるのは国民大衆であるわけであろうと思いますから、そうしたようなことをわずかな減税措置——まあそう言ってはあれですけれども、そうなると思うのです、国民から言えば。そうしたものによって何かこれを糊塗しようとするような、そういう政治的なあるいは行政的なあり方というのは、どうも国民に対して良心的な行政措置あるいは政治的あり方であるとはどうも考えられないと思うのでありますが、何かそうしたような印象を持たしめていくような料金値上げをめぐる減税、端的に言えば、料金を上げるために減税をしたというふうに受け取られるような節があったという、この改正に至るまでの経過ですね、これ、ちょっとお話しを願いたいと思うのです、が、この点については皆さん方の見解をやっぱりただしておきたいというように国民のために思うわけでございまして、その点のところ、ひとつ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 電気料金及びガス料金の値上げの問題でございますが、この値上げの内容そのもの、あるいは値上げの理由あるいはその当否、こういう点につきまして、各種の問題があるであろうことは容易に考えられるわけでありまして、私どももまたそのような問題は数限りなくあろうかと思っておるわけでございます。 ただ、ただいま御指摘をいただきましたように、料金値上げをするためにと申しますか、それの一つの救いのために減税を行なったということではございませんで、税制の立場から申しますならば、是非はともかくとして、料金値上げという事実が六月一日から起こりまして、そのために国民の税負担そのものに——純粋に税負担を考えていただきまして、税負担そのものに増高があるとか、あるいは免税世帯が減少するとか、こういう状態が起こりますこと、そのこと自身を救済をするために税制としては減税に踏み切ったと、こういうことでございまして、私どもの役所そのものといたしましても、御案内のように、公共料金の値上げそのものを扱っておるわけではございませんので、料金値上げという現実に対処して税制としての措置をとったと、このように考えておるわけでございますし、また、事実そのとおりでございます。 なお、これは他省のことではございますが、公共料金そのものの値上げに対します議論、まあこれに対応します措置として、先生御案内のように、福祉料金等の制度によって、家庭料金の値上げ幅を少なく、産業用電力の値上げ幅を大きくといったような措置が料金そのものの改定の中においてとられたと、このような事実はあったというように私ども承って承知をいたしておるわけでございます。
○野口忠夫君 私、聞いたのは、いままでここに至る経過の中で、国民のこのような料金値上げに対する不満は減税等によって何とかなだめていこうみたいな言い方を、経過としてまあ私は聞いたことがあるんですけれども、そういう経過の中でこれが生まれてきているのかどうか。もちろん、これはその当時の責任の方でなければわからぬかもしれませんけれどもね。政治に対する不信とか、今日のやっぱり政治的な一番重要な問題は、そういう一方においては国民の皆さんに大きな苦労を与えるようなことが決定され、一方においてはそれをなだめていくようなものが行なわれていく中で、ほんものだというような感じはどうも受け取れないわけですね。そういう点についてどうかということもお聞きをしたんですけれども、そういうことについてはおわかりにならないかもしれませんが、今回行なわれる減税をめぐって、当時の電気料金の値上げあるいはガス料金の値上げ等についての国民のそういう不満は非常に大きかったということが残されているのではないかというように思うわけでありますが、まあ、それはそれでけっこうでございます。 こうしたようなよいことを考えているような立場でものが進んでいく中で、いまの御答弁にもありましたが、何か公共料金というのは私の関係しないものだ、それはそれとしてまあなったと、だから、私としてはこちらのほうだけというこの見解ですがね。これは大臣にでもお聞きしないとわからないところではないかと思うんですが、政務次官おいでになっていますので、あなたにちょっとお尋ねしたいと思うのです。 大体、今回の地方税法の一部改正を見ますと、政府が、一方においては料金を値上げをして国民大衆からたくさんの料金をもらっている。そういうことを政府が一方的にやっているわけです。そして、それによって税金がよけい出てくるからというので、同じ政府が今度は減税措置をすると。一つの政府が一方においてはそういう税の上がるような原因をつくっておって、それの始末のしかたを同じ政府がこう、片一方で行なうような、そういう何か一つの政府が二つのやいばを使ったような、そういうような印象を持たせられる。やっぱりこれは国民としては、自分たちで上げておいて今度は減税だと。それが減税と言えるのかどうか。何か政治的に言えば、同じものを両方でこうやっているような形になると、やっぱり何かあたたかい政治だというような了解は、そういう点では生まれてこないと私は思うわけでありまして、まあ、今日のあらゆる問題の諸悪の根源というものは、公共料金の値上げという極端な値上げのあり方の中に存在しているのではないかと思われるわけでありますが、政務次官にこれお尋ねしたいんですけれども、自治省の五十年度の方針の中には、地方公共団体というのは内政の中心であると、こう言われております。その地方公共団体の総元締めとしての自治省、それの一切を統括されている自治大臣は、単に地方税の一部を改正して、課税負担を軽減してもうそれでいいのだと、これ終わったのだというようなことであっては、自治省並びに自治大臣というものはあってはならないのではないだろうか。やはりその原因となる公共料金の値上げ等について、全地方公共団体、全地域住民の行政的な先頭の責任を持つ皆さん方が、そうしたような住民を苦しめるようなことについての公共料金の値上げ等については強い抑制の意思というものをお持ちいただかなければならぬと思うのであります。いまのところ、政府部内においては、この料金問題でもたもたしているような状況でございますけれども、そんなことをしておったのではとても退勢の挽回などはできないのじゃないか、ひとつしっかりやれというようなことで、こうしたようなもたもたしている現閣僚を、ひとつ叱咤激励して引っ張っていくような自治大臣でなければならぬと思うのでございますけれども、やはり全地方公共団体の先頭に立つ総元締めとしての自治省のこうしたことについて、先ほど御答弁のあったように、公共料金はそっちで上げたのだと、自治省はそれによって生まれた税負担の軽減さえやればいいみたいなことで、いまあの地域自治団体の皆さん方の自治省に対する期待、全住民の皆さんがこの高物価に苦しむ中で期待される自治省としては、当然、私は今日、関係のないといえば関係ないような立場にあるかもしれませんけれども、私はそういう点で、やっぱり強い態勢をとっていただきたいというふうに思うものですから、これ、自治大臣にお聞きいたしたいのですけれども。
○政府委員(左藤恵君) 確かに、公共料金の値上げの問題についてはわれわれ非常に考えなければならない問題がたくさんございます。まあいま諸悪の根源とおっしゃいましたが、いろいろこういった問題、公共料金、公営企業そのもののいろんな問題、経営について、これの悪化した原因というのはいろいろあろうと思いますし、それがまた国民生活に及ぼす影響というものが非常に大きいことはおっしゃるまでもないわけでありまして、その原因とか、そういった問題についてのいろんな検討はしなければなりませんし、また、公共料金の値上げそのものは、一般的に申し上げまして、とにかく何としてでもできるだけ抑制するということはわれわれはしなければならない。これはもう政府の立場といたしましても、また地方公共団体と国との接点に立ちます自治省としましても、この問題については真剣に考えなければならない問題だと私は思うわけでございます。 そこで、いまお話がございました、こういった公共料金の抑制に対してどういうふうな態度で対処するのか、こういう御質問だろうと思います。確かに、公営企業につきましては独立採算をたてまえとしてやっておるということでございますと、値上げの凍結ということを簡単にやることはできない。そのためにはいろんな配慮をして値上げを押えていかなければならない。まあ経営の不健全化をもたらすとかあるいはサービスの不安定につながってはならない。その中において公共料金をどうして押えていくかといういろいろな配慮をしなければならないと思います。そのために、まず私はやはり公営企業の経営状態というのが、最近いろんな面で、たとえば人件費の増加あるいは物件費、燃料、こういったものが非常に物価が上がっておるわけであります。そうしたことが料金を引き上げざるを得ないような要因になってきておる。そして、その料金を引き上げないで何とかいくというためには、これは経営の改善、効率化ということにまず努力することが望ましいわけでありますけれども、どうしてもそうした経営が、必要なコストを償うための最小限の料金改定をしなければならないというようなものも出てくるわけでありまして、そうした中におきまして、いまお話しのような物価対策というものとの関連は、われわれは考えなければなりませんので、国におきましても、こういった公共料金についていろいろな配慮を当然国が扱う問題についてやらなければなりませんが、自治体においても、そういったそれぞれの範囲のことについて、国の現在の物価対策というものの趣旨を地方公共団体にもよく御了解をいただく、そして国と地方公共団体と両方がそういった公共料金の値上げ抑制という姿勢をとらなければ、こういった非常にむずかしい時代、いまお話のございましたような時代に乗り切っていくことができない、まあこのように思うわけでございまして、われわれはそういう意味におきまして、政府として全力を傾けなければならない一番大切な問題だと、私はそのように考えております。
○野口忠夫君 政府全体として取り組もうとしている姿勢についてはわかるのですけれども、しかし、いま閣内では、きょうあたり公共料金問題の話し合いが福田さんと大平さんとの間で行なわれるみたいな新聞報道を聞くわけですがね。やはりそれぞれの要件があるのだと思うのですよ、料金については。ただ、自治省というこの役所は、やはりそうしたような料金値上げ、ことに電気料、電力料金とかあるいはガス料金とか、この辺でいわれる料金値上げというのは、ある私企業の経営上の問題に触れてくるわけでございましょう。公共的な問題については、それぞれ地域住民の皆さん方が、自分たちのものとしてこれは経営されているものとして考えることができると思うのですけれども、こういうような公共料金、非常に多くの人に影響を与えるような私的企業の中における料金問題等についてのあり方等が、案外、公共的なそういう問題で苦しんでいるものよりも先行して上げられてしまったというような傾向は従来まであったわけでしょう。当時、私は五月のころを思い出せば、生産者米価の問題があるころでございましたが、非常に米価の問題ではごたごたしながら、電気料金のほうは至ってそれほど問題なく上がってしまったというような、こういうことがあるわけでありまして、私は自治大臣として、自治省の先頭に立つ自治大臣が、閣議の中でそういう全自治体を代表したような立場でものを言うてもらわぬと、直接的、具体的に、国民主権であるといわれる一人一人の国民と接触している最も重要な機関としての自治省の大臣が、それはどうも上げられてしまったのだ、だから減税だけやっていればいいんだみたいな自治省の皆さんの御答弁がこれ出てくるようでは、自治省という本来の仕事の中で、ぼくは非常に何かこう情けないような感じがするものですから、自治省の大臣として、このことについてこうだというような——いまのお話を聞きますと、当然料金抑制についてはしていかなきゃならぬ、そうお思いになっただけでなくて、それをやっぱり閣議の中で、一人一人の国民の気持ちの反映として、全地方公共団体の発意や意思として出ていくような自治省にはなってほしいということを申し上げたわけですが。
○政府委員(左藤恵君) 私はいまの先生のお考えのとおりだと思います。自治大臣とされましては、今後は、国務大臣として、国の一般の公共料金を押えていく、どういうふうにこれから国民生活を考えていくかという姿勢、そういうものを当然真剣に考えなければならない立場と、そしていまお話ございました、自治省の長としての、地方公共団体を通じての国民生活に及ぼす影響というものを十分考えた発言もしていく。そしてまた、そういう立場というもので私は両面から大臣としてそうした問題について取り組んでいかれるというふうに思いますし、いまの先生のお話を大臣にもよくお伝えを申し上げたい、このように思います。
○野口忠夫君 ひとつ大いにがんばってほしいと思うのです。 次にお尋ねしたいのですが、おっしゃるような減税の要因となった料金値上げというのは、実は五月に行なわれているわけです。それから一月実施となりますと、この間七カ月間は、おっしゃるような意味の中で国民は非常に大きな過重な税負担をしてまいったわけでありますね。皆さん方の衆議院などにおける答弁を見ますと、もし電気料金、ガス料等の料金が上がって、免税点の世帯等が非常に影響があるというような際には、私たちとしてはひとつ十分な考え方でこれに対処していきたいという、この十分な考え方で対処したいという御答弁があったのですけれども、どうも五月、六月のやつをいままで置いて一月に実施と、この七カ月間は取りっぱなしであった。これは考えてみれば非常な増税であった、国民を苦しめたものであった。これを取りっぱなしにしておくわけですけれども、この七カ月間のいわゆる電気料金、ガス料金の値上げに伴う国民の税負担の過重というものをこのまま捨てておかれるんですか、これに対しての何らかの措置があるのですか。お尋ねしたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 今回の電気料金及びガス料金の値上げが、特に電気料金につきましては六月から開始をいたしておりますのに、ただいまから減税法案を通していただいたのでは一月からの実施になりまして、その間負担が増加をする期間があるではないか。この御説はまことに御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、六月に電気料金の改定がありました時点におきまして、すぐ免税点の引き上げとか税率の引き下げ等々の所要の措置を講ずべきである、このように考えておったわけでございまして、もよりの機会を見て、なるたけ早くこれを実現をしたいと実は念願をいたしておったのでございます。これは先生御案内のように、電気税及びガス税につきましては、免税点も税率も法定の要件でございますので、その実施手段といたしましては、地方税法の改正をお願いを申し上げるよりほかに手段がないわけでございまして、その御審議をいただきます国会が、国全部の御都合によりまして今回が初めての機会に相なった、こういうことでございまして、私どもといたしましては、この間期間を経過をいたしましたことについてははなはだ不本意ではございますが、やむを得ず、もよりの議会にともかく提出をさせて御審議をいただく、こういうことで御理解をいただきたいと思うわけでございます。 それからなお、いままで徴収いたしましたものについて、これの返還措置、そのほかの具体的な措置が講じられないかというようなことについてもいろいろ検討をいたしてみたのでございますが、この実際の取り方といたしましては、これも先生御承知のように、特別徴収義務者としての電力会社が、毎月の料金徴収の際に税額を合わせて加算をして代理徴収をする、こういう取り方をやっておりますために、これを全部返還措置そのほかをとりますにしても、事務的な措置そのほか非常に膨大なことになりまして、事実上、不可能に近いというほど困難でございます。そこで、やむを得ず、もよりの議会で御決議をいただきましたそのまたもよりの時期から、つまり一月一日からになりますが、これからの減税措置をもってごかんべんをいただく、このようにならざるを得なかったわけでございます。 なお、この間の金額でございますが、たとえば免税点を千二百円から二千円に引き上げるわけでございますけれども、これの二千円以下に落ち込みます場合の税負担、それから税率の差、こういったものは、月にいたしますとまあそうたいした金額でもございませんので、金額でたいしたことはないからそれでいいとは決して私ども思いませんけれども、料金的にもたいした金額ではございませんので、この間の期間、ごしんぼうをしていただかざるを得ない状況に相なった、こういうことでございます。
○野口忠夫君 たいした金額でないというお話がございましたが、国民の一人一人の金でございますからね。おっしゃった意味はわかるような気がしますが、そんな気持ちでおっしゃったんではないと思いますが、何かこれ国会のほうが悪かったことになるわけだな。私はその責任負いたくないんです、ちゃんと七月にあったはずなんだから。当時私らは、所信表明をして、そういうもろもろの問題があろうからお開きなさいということを言ったんだけれども、あのときやっておけば六月実施、七月ですから一月でやれたわけですね。そうすると、悪かったのはということになると、ちょっとおやめになった方のところにいってしまうわけですけれども、そう言われればそれまでですが、ほんとうにどうにもできないと言われればそれまでですが、非常なこれは国民から言えば一月ということについては矛盾があるわけですね。 こまかい内容についてちょっとお聞きしたいと思うんですが、免税点を引き上げることによって、免税世帯の該当世帯というものはどのくらいになって、それが全世帯のどのくらいのパーセンテージになるか、ちょっとお聞かせ願いたいと思うのですが。
○政府委員(首藤堯君) 今回の免税点の引き上げでございますが、電気料金を現行の千二百円から二千円に引き上げましたことによりまして、免税点以下で使用できます毎月の使用電力可能量は、いままでの約百キロワットアワーから月百四十キロワットアワーまでに上昇いたします。その結果、いままでは免税点以下の対象世帯数が二七%余りでございましたが、これが四九・九%、つまり約五〇%、つまり半数の世帯は免税点以下になる。ことばをかえて申し上げますと、ただいま現在におきます平均的な各世帯の使用量、これが約百四十キロワットアワーでございますので、その程度までを免税点以下に落とし込もう、こういう措置で免税点の引き上げをいたしたわけでございます。 それからガスでございますが、ガスのほうは、現行の二千七百円を四千円にいたしました。これによります月の使用可能量は約九十立方メーターでございまして、免税世帯数は従前約六二%でございましたものが、わずかではござ.いますが六三%に上がりまして、全世帯の六三%の世帯は免税点以下になる、こういうことでございます。
○野口忠夫君 だいぶ沖縄のほうの問題が、百分の幾つ幾つといったようなことでたいへんややこしいのですけれども、沖縄の返還に伴う特別措置の中で行なわれているんですが、何でこれはこんなにややこしいのですか。
○政府委員(首藤堯君) 沖縄につきましては、四十七年度以降、本土並みの税負担にいたしますために経過措置が実はとられているわけでございます。御案内のように、沖縄におきましては、電気、ガスの供給が従来特別の形をとっておりまして、本土におきますようなかっこうでの電気・ガス税がかかっていなかったのでございます。その経過措置におきまして、現在、昭和四十九年度現在におきましては、昭和五十二年度に本土並みの六%の電気税の税率になりますように、四十九年度は三%の税率でございますが、その間、五十年度が四%、五十一年度が五%、こういうようにだんだん上がっていって本土並みの税率になる、このような経過措置が実はとられておったのでございます。この最終年次の五十二年度の六%が、今回の減税措置、御議決をいただきますならば、五%ということで一%下がるわけでございますから、この間の経過措置にも所要の経過が要るということで、今回は、昭和四十九年度は、この法案を御議決をいただきました五十年一月から四十九年度一ぱいは、二%に一%税率を落とし、五十年度は三、五十一年度は四、五十二年度に五と、こういう経過措置をたどって本土並みの五%に達する、こういう措置をお願いをいたしたわけでございます。 ガスにつきましても、事情は全く同じでございまして、五十一年度に四%という税率に達しますまでの所要措置、経過措置をきめていただく、こういう趣旨でございます。
○野口忠夫君 沖縄は電気税、ガス税がかかってなかった。このかかっていなかったのは何か特別な事情があってみたいなお話でございましたが、どういう事情なんですか、かかっていなかったのは。
○政府委員(首藤堯君) 復帰以前の沖縄の税制は向こうの税制ということになっておりましたので、復帰以前の沖縄におきましては、電気税、ガス税、これの税の設定がなかったわけでございます。
○野口忠夫君 そうすると、これは電気・ガス税に関しては沖縄に復帰したほうがいいな。日本に復帰してきたよりも沖縄に復帰したほうがいいことになるような結論だな、これは。どうも私どもとしては、電気・ガス税というのは、やはり御飯を食べる、水を飲むと同じような毎日の生活の全く土台である。生活の中で消費されるものに税金がかかっている。これをまた守っていこうとするようないろいろな御意見もあるようですけれども、やはり電気税、ガス税というようなものはもう欠かすことのできない生活材料であるとすると、これに税金をかけていくということは、これはどうも私どもとしては悪税である、こういうものはなくしたほうがいいというような見解を持っているのですけれども、沖縄などはそういう意味で税がかかっていなかったのではないかと思うのだけれども、この電気税、ガス税について、これをやめていこうというようなことについての考え方は自治省にはあるのかないのか、お聞きしたいと思う。
○政府委員(首藤堯君) 電気税、ガス税につきまして、これを廃止すべきではないかという御議論が多々ございますことにつきましては、私どもも十分承知をいたしておるのでございます。ただ、私どもが電気税及びガス税を考えておりますのは、一つにはこれが市町村におきます非常に貴重な財源であり、しかも安定をした財源であり、しかも市町村に非常に普遍的に存在をする——特に電気税がそうでございますが——ものでございまして、市町村の税源として非常に貴重なものであるという点が一つ。 それからもう一点は、なるほど生活必需品等に課するかっこうの消費税に相なるわけでございますが、この電気の消費量といいますものが、これも先生御案内のように、かなり所得のあり方とパラレルな相関関係を持っておりまして、ことばをかえて言いますならば、一つの担税力捕捉、所得捕捉の補完的な機能を持つ要素としてもかなり適当なものではないか、このように考えられるわけでございまして、かなり多量の電力を消費する家庭においては、それだけの所得なり担税力があるものという想定に立ちまして負担を求めることもまた税制上不適当とは言えないのではないか、このような考え方を持っておるわけでございます。 ただ、その場合にも、御指摘のように、生活必需品で、しかも最低生活に必要なようなものについてまで課税が及ぶことはこれは当然避けなければならないと思うわけでございますので、従前とも免税点の制度を設けまして、そのような措置に対応してきたわけでございますが、今回、この免税点を月間使用量百四十キロワットまで、つまり一応標準世帯の使用量まで、その程度まで以下を免税点にするということでもってただいま申し上げましたような趣旨も貫かしていただけるのではないか。 そのような観点からいたしますならば、市町村の貴重な財源として大きな地位を占めておる電気税はぜひ存続をさしていただきたい、まあ地方財政の担当者としてはそのような気持ちを持っているわけでございます。
○野口忠夫君 いまの点、またあとで私の意見も言いたいと思うんですが、もっと具体的に聞きます。 これは料金課税のたてまえをとっているわけでありまして、検針後における料金に自動的にかけていく、こういうようなたてまえで徴収事務が行なわれているようでございますけれどもね。で、いまの検針は二カ月制であって、だから、毎月かけていく税というものの中の片一方は推定課税みたいな形になっていって、その差額をずっと長い間取ってきたのじゃないか、どうしたんだというようなことでの返還要求なども前にあったですね。これはああいう要求がありましたが、現在もまだそのまま続いているのか。その辺の経過はどんなになっているか。料金徴収をめぐっての非常に困難な問題なんですけれども、どんなになっているか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) ただいま御指摘のように、電気税もガス税も、徴収いたします料金に付随をいたしまして徴収をいたしておりますので、御指摘をいただきましたような事態が生じ得るのでございます。実情は、電気のほうは笹月検針でございますが、ガスのほうは二カ月検針になっております。これはいずれも、税法上一カ月分に置きかえて、つまり三十日に幾ら使ったか、そのことに置きかえて電気・ガス税は徴収する仕組みになっておるわけでございます。 ところが、ただいま御指摘をいただきましたように、最近幾つかの電力会社におきまして、検針日が必ずしも一カ月ずつにぴしっと検針に行けると限らないものでございますので、たとえば三十二日目に検針に行った、そのときの使用電力料に応じた料金が免税点以上であったので税金を徴収をしてしまったといったような事態が生じたのでございまして、これは税法上照らしても、明らかに三十日分に換算をして税金をかけておりませんので、取り過ぎである、こういう問題が起こったのでございます。 そこで、私どもといたしましては、このような事態が起こりました後、直ちに電力会社にも、それから地方団体にも、連絡なり相談なりをいたしまして、従前明らかに取り過ぎであると思われる分については、調査をいたしまして、これを納税者に返還をするように、返還をした場合には、市町村が電力会社にまたその財源を返還をするように、こういう指示をいたしましたとともに、今後このような措置が絶対起こりませんように、つまり簡単に申しますと、たとえば三十二日、三十三日で検針をいたしましたものを三十日に換算をして、免税点以上であるか以下であるかという判断を、これは簡単な判断表、簡易税額表みたいなもので判断ができるわけでございますが、それを用いて的確な徴収をするように、こういう指示をいたしたのでございます。この旨、ことしの十月一日に、私どもの市町村税課長の名前をもちまして市町村そのほかにも徹底をし、電力会社にも徹底をさして、今後はこのような事態が絶対起こらないように措置をしてございます。
○野口忠夫君 先ほどお話がありましたような、電気・ガス税を廃止してはどうかという見解についての御答弁は、現在の市町村における重要な財源である、だから存続していきたいと。十分わかります、それは。わかりますが、ただ、今日の地方自治体の実情というものは、そういう何か既定のことを守りながら、その中で何とかしていこうというような、そういうことでは処置できないような今日の状態の中に地方自治体はいま置かれているのではないかというように私は思うわけでございます。たとえば今度のこの地方税法の改正も、なるほど税負担の軽減ということの意味では非常にこれはけっこうなことでございますが、そのことは、一方においては地方自治体の自主財源を薄めてしまう、こういうこととからみ合ってくるわけでございますね。今日の地方行政の水準を確保していきたいというこの課題の前には、やはり両面の安定的推進ですね。だから、過重になるからこちらはこうしようということで、何かこちらだけを考えながら、一方が犠牲になるような形の中でものを進めておったのでは、行政水準をほんとうに上げていこうとするたてまえからはぼくはとてもおさまらないだろうというような気がするわけであります。 今日の自治体の実情からいいますと、六月に料金が上がった。その物価の影響はやはり個人にも及ぼしているでしょうけれども、地方自治体にも、その料金値上げに伴う物価の影響というものは及ぼされているのだと思うわけでありますが、だから、自治体としては、料金増によって増収されるであろうその税金は、まるまるいただいてもなかなか容易ではないという中では、減税しないでやってくれという陳情も実は私どものほうには来ているわけですね。全くかけがえのない料金値上げに伴う増収分だと。それをやっぱり減税等をする際は慎重にしてくれというような意味の陳情の要旨がこう来ているわけでありますが、地方自治体としては重要だと思われる電気税、ガス税がやっぱりそういう状態で薄められていくことについては、地方自治体の自主性が財政的に弱められていく、こういう中では、こういう矛盾が、今日の地方税法の中でだけ扱っていくと生まれてくるわけでございますね。それの一体補てんはどうするかというような問題にもなるだろうと思うんですが、私は、一方において軽減したと。まことにけっこうでございますが、一方においては地方財政の今日の困窮の中では困ったということになると、この減税によって起こってくるであろうそういう地方財政の穴に対しては、これは補てんをするなりそこを埋めてやるなりして、この地方自治体の今日の状態を救うようなそういう補てん策が何か考えられているのかどうか、お聞きしたいと思うわけです。
○政府委員(首藤堯君) 全くただいま御指摘をいただきましたとおりのことを私どもも絶えず考え、かつ苦慮をいたしておるわけでございまして、一方では税負担の軽減、合理化という要請に対応しながら、片一方ではやはり増高いたしております地方団体の財政需要をいかにしてまかなっていくかと、これは永遠に課せられた課題であると考えておる次第でございます。 今回の措置でございますが、具体的には、御指摘をいただきましたように、電気料金の増額によりまして増加をいたします電気税の負担を軽減をいたすわけでございますが、その軽減をいたします場合におきましても、家庭用消費に対する電灯用の電気税分をできるだけ減額をするということに重点を置きまして、この点につきましては、料金値上げに伴います増収額よりむしろ多くの額を平年度の減税財源に充てたのでございますが、一方、電力料金の値上げによりまして、いわゆる電力のほうでございますね、工業用、工場用等に使われます——これにつきましては、百八十四億ほどの増収が生まれるというようなかっこうをとりまして、差し引きいたしまして、平年度百四十億余りの税の増収が市町村に残るように、このようなことを内部操作としても考えて措置をお願いを申し上げておるわけでございます。 それからさらに、こういった個々の問題だけでなく、全般的に、地方税源の増強、特に市町村税源の増強、これをも考えていかなければならぬ事態であると、私ども常日ごろ思っておるわけでございますが、すでに御承知のように、本年度の税制改正では、住民税の法人税割りの引き上げによりまして平年度約二千億の増収、それから明年度はこれからの問題でございますが、事務所・事業所税等の設定によって都市税源の充実と、こういった新たな税源の発掘と申しますか、そういうことについてぜひつとめていきたいと、こう考えております。
○野口忠夫君 まあその計数上からはじいたものからいえば、電灯料金でこれは平年度三十七億くらい減るんですか、それから電力料金のほうで何とかカバーしたものが出てくるというんだが、問題は、やっぱり料金値上げによって起こってきたであろう、期待される税金ですね、それがいわば地方自治体にとっては、それでも足りないような状態の中での減税措置の影響は当然あったというように考えられるわけですけれども、この辺のところはもうそのままでございますか。つまり、料金が値上げされて、それによって起こってくる増税分、それを、まあ今回このくらいになったから減税に回したものだけは取ってもいいという考え方で考えられているか、その辺のところを補てんする何らかの措置があるのか。先ほどのお話では、その点ではないわけですね。いわばトータルとしてあらわれた最後の数だけでいきたいと、こういうお考えであるのか。やっぱりこの矛盾をどうするかという課題は、今日の地方行財政の問題としては、私、中心の課題ではないかというように思うわけであります。一方においては、税負担の軽減措置で一方を救いながら、他方においては自主財源を切り詰めるような傾向になっていく。何かどちらかの犠牲の中でどちらかが生きていくような、こういうような考え方の中での政治のあり方では、この矛盾の問題はやっぱり解決していかないのではなかろうか。自治省としての考え方のいわば万全的な水準の向上ということは、やっぱりそうしたような犠牲を一方に与えながら一方がよくなるというやり方ではなくて、全体としてやっぱり上がっていくというような方向で奉仕していくのが自治体を預かっている皆さん方の信念でなければならぬというような考え方をするわけですが、私は、この減税影響というようなことがなくて、そうして地方財源を守っていけるという手段が残されていると思うんですよ。減税をする部面があっても、地方自治体の財源が守っていけるというようなものが、やはり考え方によってはあると思うのですが、その点については少しもお話がないわけです。なければ——事務所・事業所税の問題もあります。法人税の問題もあったようでございますけれども、一番やっぱり考えていただきたいのは、この電気、ガス両税の措置を受けない産業用の非課税措置について、これはもう一方ではそういう矛盾の中で悩んでいる、そこだけをやっているんではなくて、この非課税というようなあたたかい手当ての中でぬくぬくとしている部面が残されている。この非課税措置によっての見込み額ですね、これを年度で、五年間ぐらいでけっこうでございますが、大体見込み額、何ぼくらいずつこの非課税措置で減免されているか。これはまるまるプラスするわけですからね。ですから、非常に今日の矛盾の問題を解決する一つの手段としては有効適切な手段ではないかというように私は思うわけなんで、五年間ぐらいの見込み額、おわかりでございましょう。
○政府委員(首藤堯君) ただいま御指摘をいただきましたように、電気税につきましては、産業用電気にかかる非課税措置があるわけでございまして、この基本的な考え方は、重要資材、機材、物資につきまして、その生産課程における使用の電力に対して原料課税をできるだけ排除していくという考え方に立っておる従前からの措置でございまして、製品コストの中に占める電気代のコストが五%以上の重要資材につきまして——これは品目にいたしまして百二十九品目ございますが、これに対して非課税措置がとられておるわけでございます。 その金額でございますが、昭和四十五年度では、一応年度当初の推計額でございますが、四百四十八億、四十六年度で四百四十一億、四十七年度で五百三十四億、四十八年度では五百二億と、まあ品目の変動とか当初見積もりの額によって、年間若干の変動がございますが、いま申し上げましたように、約五百億見当のものが非課税額になっております。 なお、この額は、今回料金値上げが行なわれますと、産業用電力に対してかなり大幅の料金値上げが行なわれておりますので、電力値上げ後、五%の税率で課したとした場合に、平年度で約七百七十億余りの金額になろうかと思っております。こういった措置につきましては、原料課税をできるだけ慎むという本来の考え方はございますが、できる限り非課税措置の整理というようなことについて努力をしていきたいと、このように考えておる次第でございます。
○野口忠夫君 これを存続させる理由についての御説明があったわけですが、年間五百億、五年間でこれ何ぼになりますかね。これ毎年毎年ですから、ある一年だけなら五百億で、あまりでもないですけれども、片一方はずっと取られているわけでしょう。民主主義の世の中ができてから三十年たったというわけですから、その間、これ、こういう措置が行なわれてくるわけですね。一方はまことに重い税金があると。今日的状態の、このような状態の中で、いわば地方自主財源を苦しめるような意味での減税というようなことによるこういうあり方で両者をいじめていくようなあり方ではなしに、やはりこういうものを改めていくということが、ここで二千億近い金が減免されて、これが地方自治体に回った場合、どのくらいに生きていくんだろう。産業用の関係の中でいろいろな問題はあるかもしれませんよ。それが地方自治体の今日的社会福祉の問題とかあるいは生活関連の問題について、総需要抑制という中で全く苦しめられているという今日の中で、やはりこういうものに手を触れていかなければ、単に地方税法の一部改正というその中でいじくっているだけでは、先ほどおっしゃったように、電気税というのは最も重要なんだ、ガス税はだめなんだ、動かせませんではなくて、そういう生活消費財にまでかけておくような課税のやり方をやっぱり改めていこうじゃないかと。あるいは中央と地方との税の配分の問題について一体どうしたらいいか、事務の配分等の問題ともかみ合わせて、やはりこの辺で地方行政の問題について従来のワクを離れた抜本的な考え方をしないと、いつも同じ中の、重箱のすみを掘るようなかっこうであちこちの矛盾を突つきまわしているようなかっこうでの自治省の行政にしかならぬだろうと、ぼくはこう思うわけなんですが、いまお話を聞きますと、非課税措置については努力すると、こう言っている。今日段階で、これ努力でいいでしょうかね。もうそろそろそれも入れるようになったと、こういうような形の中で今日の地方行財政の問題をやっぱり考えていくべきではないかというように、あちらこちら考えますといろいろ出ましょう。何か、いまの三木内閣では、本四架橋もやめる、自動車道路もやめちゃう、新幹線もやめる、防衛庁の予算もこれも大幅に削っちまうみたいな考え方を示されているわけですけれども、そういう中で、地方行財政の今日的状態の中で、これ努力したいと思うくらいではどうも私不満なんです。もう少し——これ、政務次官ですか。
○政府委員(左藤恵君) この問題もいろいろ問題はあると思います。特に国民生活及び国民経済というものに対する配慮もやらなければなりません。そういう二つの、いまの先生のお話をいろいろ伺っておりまして、非常にジレンマにおちいるような面もあると思いますが、そういった問題について、いまお話しのようなひとつの非課税制度を思い切っていろいろ整理するなりいろいろやることについて、積極的な態度で私はやっぱり対処していかなければならない。いまのお話のような、そういうひとつの現在の地方財政というものも考えた上で、私はそういった点で、そういう立場で考えていかなければならない、このように思うわけでございます。
○野口忠夫君 これから検討をなさるということでございますから、ぜひ私としては、政務次官も、野口忠夫がここでただ発言をしただけだなんていう問題ではないと思うのですよ。大体、全国知事会からの陳情はそちらにも行っているでしょう。全国市長会からも行っているでしょう。全国町村会からも行っているでしょう。全国議長会からも行っているでしょう。全地方公共団体あげてこれの改善のあれを望まれている。国会の中では衆議院、参議院両議院委員会において附帯決議でこれが出ているとすれば、少なくとも非課税措置の問題をやっぱりこの辺でもうひとつ改めていこうではないかということに乗り切ることは、私は当然ではないかというような気がして御質問申し上げたわけでございますが、ひとつ御奮闘願いたいと思うのです。やると、こうお聞きしたかったんですけれども、そこまでにはまだ無理だと思いますので、やるつもりでひとつこれは御検討願いたいというふうに思うわけでございます。 その他、先ほどお話のあった事務所・事業所税の問題あるいは法人税の問題、いわばこっちとこっちとを置いて、それを穴をほじくるような問題ではなしに、地方の自主的な財源を増強するような方向で、あるいは国の手厚い考え方の中での中央と地方における税の配分というような問題について、もっと御質問申し上げたかったんですが、ちょっと時間の関係を間違えまして超過したようでございまするので、ひとつ御奮闘をお願いしまして私の質問を終わりたいと思います。
○上林繁次郎君 最初に、地方税法の一部改正の中から何点かお尋ねをしてみたいと思います。 もう御承知のとおり、私ども公明党は、この電気・ガス税については、生活必需品課税であるあるいは低所得者課税である、したがってこれは悪税なんだと、こういうことで全面的に撤廃をすべきじゃないか、こういったことをいままで主張し続けてきたわけですね。いまもこの点についてはお話あったわけですけれども、もう一度、いわゆる将来撤廃をする考えはあるのかないのか、この点ひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(首藤堯君) 電気税及びガス税が生活必需品に課税をするという面で非常に悪税であるので、これをすみやかに廃止すべきだという考え方が多々ありますことにつきましては、私どもも十分承知をいたしておるところでございます。しかし、私どもは現在電気税及びガス税を地方の税制としてぜひ存続をさしていただきたい、このように考えておるのでございますが、その理由は主として三つございます。 一つは、電気税及びガス税が市町村の有力な財源として現在現実に大きな効力を持っておるということ、特にその中でも、市町村につきまして、非常に普遍性に富んだ、どこの町村にもあるという税金として非常に貴重なものであるということでございまして、一つは地方財政の見地からぜひこの税金は必要だと、こう考えておるわけでございます。 それからもう一つの問題といたしましては、やはり電気の消費というものが所得のあり方、これに非常にパラレルな相関関係を持っておりまして、かなり多量な電気を消費をするということは、所得の面からでも、かなりな担税力の面からでも、かなりな担税力をお持ちの方であって、いわば所得捕捉をいたしますときの補完的な作用も持っておるんじゃないか、このようなことも考えられると思うのでありまして、そういう面で、一定程度以上の電力の消費に対して消費税を課していくということは、税制上もそう不適当なことではないのではないか、こう考えているわけでございます。 ただ、御指摘のように、この生活必需品の、しかも最低限度のものにかかっていくということは、これはもう非常に適当でないと思いますので、私どもといたしましては、この点は免税点を設定をいたしまして、標準世帯以下ぐらいの消費に対しては税金がかからないよう今後も措置をしていきたい、こう考えている次第でございます。
○上林繁次郎君 先ほどの答弁と全く内容が同じですね。地方自治体の貴重な財源である、確かにそうだと思います。普遍的に各市町村においてもこれは取れる税である、だから、これはそういう意味からも存続していきたい、こういうことなんですけれども、そういった考え方もあるでしょう。しかし、生活必需品課税ということ、こういった考え方に立ったときに、はたしてそれじゃ地方自治体の財政を満たすためには、いわゆる生活必需品課税であるという考え方、こういったものは全く無視されてしまう、そういう考え方は必要ないんだということになれば何にも論議はないと思いますけれども、やっぱりそういう考え方もあると思うんですよ。だから、やはりそういう考え方が、生活必需品課税であるという考え方が自治省にもどれだけかあった。そこで、いわゆるいままでにない今回の大幅——言うならば大幅ですね、五〇%近い人たちが免税になるんですから、だから、そういう考え方は私あったと思うんです。ですから、考え方としては、だんだんだんだんとこの自治省の考え方それ自体が変化してきていると、こう言っていいと思うんですね、私は。だから、そういう考え方に立った場合、ただ今後もそれらについての考え方が変わっていくという可能性は私はあるだろうと思うんですよ。だから、ここでもって、いままでの論議の中でも絶えずそういうことが言われてきて、そしてそれがさっぱり前進をしなかった、たいして前進しなかった——今回が一番大きな前進なんですけれども。ですから、そういうふうに変わってきたわけですから、将来変わらないということはあり得ないと思う。そういう意味から、私は方向性として、やはりこれは撤廃していくほうがいいんだ、そういう方向に努力していくんだという姿勢があるのかないのかということ、こういった点を聞いてみたいと思う。それと、富裕な人からは出してもらうんだという考え方。それじゃこまかく言えば、富裕とはどの辺で歯どめしているんだということ、まあ簡単に具体的に申し上げますと、たとえば奥さん一人でもって盛んにミシンの内職をやっている。これ電気食いますよ。じゃ収入はどれぐらいあるんだ。決して富裕とは言えないんです、これは。だから、こまかく分析してみればいろいろな問題がある。そういう問題を一切含めて、やはりそんな考え方でなくて、生活必需品という立場からこれを免税にするという考え方は私は妥当じゃないか、こういうふうに考えるわけですが、そういう意味を含めて、将来性、将来にわたってのやはり自治省の考え方、こういったものをお聞かせ願いたい、こう思います。
○政府委員(首藤堯君) ただいま御指摘をいただきましたように、当省におきましても、生活必需品的なもの、しかもいわば最低限度必要な生活必需品的なもの、それに税をかけてはならないという考え方は、私どもとしても前々から持っておったわけでございまして、先ほども申し上げましたように、それは免税点という一つの徴税技術、そこの中に含まれていままで操作をされてきたわけでございます。今回、いま御指摘をいただきましたように、この免税点を、ほぼ標準消費率と申しますか、平均的な消費額、その程度までは免税点以下になるという額にまで引き上げましたのは、全くそういった考え方に基づきまして、できるだけ生活必需品は最低限度のものについてはかけまいという考え方を具現化をしたものとお考えをいただいて差しつかえのないものと考えておるわけであります。 したがいまして、将来のこの考え方、見込みでございますが、これはやはり標準的な世帯におきまして使用します電力量のあり方、つまり、今後生活状況等の向上に伴いまして平均消費量も向上してくるのではないかと思うのでございますが、そういった平均的使用量の状況等を勘案をいたしながら、かっまた地方財政、特に市町村財政の状況、これにおける財源の必要性、こういうものも勘案をしながら、そういった両方の要素の接点として免税点等を今後考慮をしていく。そういう考え方において、今後電・ガスに対します税負担の適正合理化というものはやはりはかっていくべきものではないか、このように考えておるのであります。
○上林繁次郎君 ですから、いまのお話は全くいまと同じなんです、現在の立場から。今回の減税措置がなされたのも、いまのお話では、将来もそういうような考え方でやはりやっていこうと、こういうわけでしょう。ということは、だんだんだんだんその範囲を広げていこうということなんで、そうでしょう。ですから、行く行くはいわゆる悪税といわれるようなこういうものはなくしていこうという考え方があるのかないのかということなんですね。わかるんです、いまあなたの話はわかる。逐次そういうふうにしていくんだ、逐次そういうふうにしていくことによって、全くそうなって、これがどんどんどんどん免税点も引き上げられていけば、これはあまり地方自治体のいわゆる財源として貴重なものではなくなってくるという時代も来るかもしれない。だから、そういったことを考えると、長い将来にわたってはこれはやはり免税、撤廃をするという方向もあり得るのだと、こういうふうに考えていいですか。
○政府委員(首藤堯君) 電気・ガス税が悪税であるという考え方も一方にはございますが、他方、先ほど私申し上げましたように、市町村の財政の状況とかあるいは所得との相関関係とかにおいて、必ずしも悪税と言えないのではないかと、これは存続をさせていただいて差しつかえがないんではないかという考え方もあるわけでございまして、私どもといたしましては、その後者のほうの立場をとっておりまして、市町村財政のためにぜひこれはやはり重要な税源として存続をさしていただきたい、このように考えておるわけでございます。 したがいまして、存続はいたすわけでございますが、そのあり方といたしましては、やはり免税点の操作等は、世の中の推移に応じまして適正な免税点の設置等を考え、将来措置をしていくべきものである、このように考えおるわけでございますが、いずれにいたしましても、現在市町村に与えられました税源がそう簡単にあちらこちらから適当な税源がたくさんあるという実態でもなかなかないわけでございまして、ただいまの現状としては、どうしても与えられておる最も貴重な財源の税源の一つ、こういうかっこうで存続をしております現実にかんがみ、この税金そのものは存続をさしてまいりたい、こう考えておるのであります。
○上林繁次郎君 私の聞いていることが極端なので、ちょっとそのものずばりではお答えできないかもしれないけれども、あなたの話を聞いていても、現時点ではこうであるとか、あるいはまた免税点を今後高めていくんだと、こういうことなんでしょう。その時代に応じて対処していきたい、こういうことなんですよ。だから、その時代にあたって対処していきたいということは、将来にわたって廃止をする、撤廃をする、こういうこともあり得るんですねということを聞いているわけでして、その辺のところがさっぱり答えがないわけですよ。現在の話はわかりますよ。あるいはそれからもう少し先の過程についてもわかります、いまのお話で。だけれども、いわゆるそのときの状況を踏まえてという話がいまあるわけですからね、あなたの考えの中に。ですから、そうだとすれば、将来にわたって、長いか、中期か、短期か知らないけれども、撤廃という方向もそうするとあり得るのだなという感じも受けるわけですよ。だから、その点はどうなんだと聞いているわけです。そこだけ答えてください。
○政府委員(首藤堯君) 御案内のように、ただいまの地方財政の状況は決してなまやさしいものではないわけでございまして、税源はできるだけこれを充実していくべきだと。特に市町村につきましては、この自主税源の増強というものをあらゆる面から考えて努力をしていくべきものだと、こう思っておるわけでございます。そういう過程におきまして、一方では新税源の発掘ということについて私どももできるだけの努力を払ってまいりますが、他方、このような現存をしております貴重な税源、これをそうたやすく廃止のできる事態が来るとは考えられないわけでございまして、その意味で、市町村税源の充実をはかっていく必要のある現在、電気税の廃止というものを予定をするということはなかなかむずかしいことだと、こう思っておるのであります。
○上林繁次郎君 かみ合いませんので、これ以上言ってもしようがないでしょう。 そこで、自治省では、いままで優遇を受けていた産業用の電力料金、これを来年度からその非課税措置を大幅に縮小するんだ、こういうふうに言われているんです。大体どのくらいの縮小というものを考えておられるのか、ひとつお聞きしたい。
○政府委員(首藤堯君) 私どもといたしましては、この電気税の非課税措置の縮小措置はぜひ講じていきたいと、こういう考え方で、いろんな各省への相談であるとか、あるいは税政調査会への諮問であるとか、こういうことを現在やっておる最中でございます。その考え方は、この産業用の電力の非課税措置の基本的な考え方は、やはり基礎資材における特別の原料課税、これを慎んでいくべきだという考え方にスタートをしておるのはそのとおりでございまして、そういう面から考えてみました場合に、一つは、現在の五%以上の電力料金のウエートを占めておるものを原料課税だということで非課税にしておる、その基準そのものが適当であるのかどうか、もっとこの基準を引き上げていいのではないかといったような考え方が基礎にあるわけでございまして、そのようなことを基礎に置きながら、現在各方面と鋭意折衝いたしておる最中でございます。
○上林繁次郎君 そうすると、現在のところではどのぐらい縮小するのかという見通し、こういうのはまだ全くついていないということですね。
○政府委員(首藤堯君) ただいま申し上げましたような基本線で折衝を開始をいたしておりますが、いろいろに問題点がございまして、現在のところ、全く見通しが立っておる段階ではございません。
○上林繁次郎君 この問題につきましても、地方自治体では、いわゆる産業保護の色彩が非常に濃いという立場から、これはもう廃止をしてもらいたい、こういう声が強くなってきているわけですね。ですから、そういう地方自治体の立場を踏まえて、ということは、いま論議してきたように、いわゆる地方自治体の貴重な財源としてという話がいま主体になってきたんです。そういったことをほんとうに考えているならば、これはもう本気になって、いままでにもうすでに何らかの地方自治体を守っていくだけの措置がやはりとられていなけりゃならぬと、こう思うんですね。ですから、いわゆる地方自治体の貴重な財源ということをあなたが特に主張する以上、やはりその辺のところ——これは将来にわたっては廃止という方向に持っていくべきである、こう私は思いますけれども、これ、政務次官ひとつ。
○政府委員(左藤恵君) いろいろお考えがあろうと思います。先ほど私もお答え申し上げましたように、こうした問題につきましては、国民経済と申しますか、そういう立場でものを考える、そしてまた国民の生活というものとの、どういうふうにしてこの二つの矛盾の一体点を見つけるかという問題とのからみが私はあるんじゃないかと思います。特にいまの時代は、そういう意味におきまして、国民生活が非常に一つのきびしい状況に追い込まれているという意味で、積極的にいまのわれわれの立場であります産業用の非課税を縮小していく方向で努力をしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○上林繁次郎君 これもさっきと同じでね、なかなかこっちが思うような結論はお聞かせ願えないと思うので、これ以上申し上げませんけれども、とにかくそういう声があるということだけはもうはっきりしているわけですから、その方向に向かって、その期待にこたえる立場でひとつ努力をしてもらいたいと思います。 最近、東京都が法定外普通税ですね、こういうものをつくりたい。また千葉県では、石油コンビナートを中心にして、法人事業税、これをいわゆる利益課税から売り上げ課税、こういうふうに変えていきたいという意向を持っているようですけれども、私ちょっとわからないのですがね、これね。自治省、こういう千葉県の場合、どういうような内容を持ったものなのか。これに対する自治省の、内容とともに、これらの問題についての自治省の考え方、見解といいますか、こういったものをひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) 千葉県におきましては、法人事業税におきまして、いま御案内のように、法人事業税はほとんど大部分が法人の所得を課税標準にして課するというかっこうになっておりますが、それに対しまして、所得のないときでも事業税としては応分の負担を求めるべきではないか、こういう基礎的な考え方で、特に石油産業が現在所得が非常に赤字でございましたり少なかったりいたしておりますが、非常に大規模な工場として存在をしておりますので、石油産業に対して、所得の有無にかかわらず、売り上げ額に応じた外形標準としての事業税を課すことができないだろうかと、こういう考え方を基礎に検討を進められておるのでございます。 一般的に、すでに先生御承知のように、事業税が、本来ならば地域との受益関係に着目をしました物税でありまして、所得のあるなしにかかわらず、企業の活動状況に応じて応分の負担をすべきであるという性格を持っております税金でありますだけに、現行の法人事業税について、所得課税でなく、何か他の外形標準を持ち込んで事業税を課していくべきである、こういう考え方はずっとあるわけでございまして、またそのような考え方には非常に意味のあることだ、そんな考え方は正しい考え方であると私どもは一応考えておるわけでございます。しかし、現実の状況といたしましては、外形課税をとっておりますのは、御承知のとおり、生命保険や損害保険等の金融機関、それから電気、ガス、こういった少しの業種に限られておりまして、大部分の業種は所得を課税標準にしておるのでございますが、この所得を課税標準にしております業種に対して、所得以外のものにこれを切りかえますことにつきましてはいろいろ議論がございまして、特に中小企業等においては、所得のない時点においてかなりの税負担をやるということは、実際問題としてかなり租税負担の困難を感じるといったような議論もございまして、いろいろ検討いたしておりますが、ただいま結論がなかなかすっきり出ていない、検討中の問題であるわけでございます。 そのような事態でございますので、千葉県が所得課税以外の課税標準をもって事業税を課したという御検討をしていらっしゃること、これ自身は非常に貴重なことだと私どもも考えているわけでありまして、なお今後、関係の府県等とも十分検討し、私どももまた共同研究とでも申しますか、一緒に参加をいたしまして、所要の方向が見つかるものかどうか、できるだけ見つけていきたい、このように考えておるのでございますが、現状におきましては、やはり石油業界だけを取り上げましても、その県内だけの売り上げ額をどうしてつかまえるのかとか、所得課税との均衡をどうやってとっていくのかというような点についてかなり複雑な問題点がございまして、県自身もその点についてはなお検討を続行したいと、こういうように考えております事例でございます。
○上林繁次郎君 いわゆる自治省の考え方についての答えになっていないんですよ。こういう方向というものが好ましいのかどうかということ、こういったことについて自治省、どうお考えになっておりますか。
○政府委員(首藤堯君) 先ほど申し上げましたように、法人事業税に外形標準的なあり方を求めて租税負担の合理化をはかっていくという考え方自身は、私どもとしてもそうあるべき方向でありまして、今後研究を続行していかなければならぬ方向である、こういうように考えております。
○上林繁次郎君 いま、事業所税あるいは事務所税という問題がだいぶ盛んになってきたわけですが、そういう声が高まってきているわけですけれども、大蔵省、なかなか難色を示しているというようなことで、自治省案がまとまって自民党も了承したというような新聞記事を見ておるわけですが、これは先ほどの話の中からも、やはり地方自治体の貴重な財源として、当然本気になって取り組まなきゃならぬというようなことだと思いますが、なお大蔵省自体が非常に難色を示しておるということ、こういったことがわれわれとしては聞かされているわけなんで、その辺はどうでしょう。自治省の一応の案は——自治省は踏み切るというような腹はあるんだろうと思いますけれども、大蔵省とのかね合い、こういったもののこれからの見通しですが、こういう点についてはどういう見通しが立てられますか。
○政府委員(首藤堯君) 地方税としての事務所・事業所税の必要につきましては、毎々申し上げておりますように、ぜひ必要なものだと私どもも考えておりますので、何とかしてこれを実現をいたしたいという方向で、ありとあらゆる努力を現在いたしておる最中でございます。もちろん、新税の創設でございますので、それに応じまして各種の問題点の指摘等がございますし、また、必ずしも全部の人がこれの創設について賛成であるという態度を示しておるわけではないのもまたやむを得ないことでございまして、賛成論、反対論、それぞれにございまして、現在なかなか難航しておる最中でございます。ただ、私どもといたしましては、どうしても都市的な需要に対応いたしますためにこのような新税の創設ということが必要だという信念を持っておりますのでございまして、あらゆる方法、手段、努力を通じまして、反対の方々等にも御了解をいただき、これが創設ができる段階に立ち至りますよう、あらゆる努力をいたしておる、こういう状況でございまして、現在、ただいまの時点で確たる見通しが立っておるというわけではないわけでございます。
○上林繁次郎君 次に、交付税についてお尋ねしていきたい。 自治省が発表した昭和四十八年度都道府県決算の概況、この中に、四十七年にわずか四団体しかなかった赤字団体が、四十八年度には一挙に十六団体にのぼったと、こういうふうに報告されているわけですね。こういう状況、現状といいますか、これはいかに自治体が財政的に逼迫してきておるかということを意味しているわけであるわけですから、自主財源の強化というものがしたがって叫ばれておる。こういった点を考え合わせて、自治省はどういうふうに今後これらについて対処していくのかという点、この点についてひとつお答え願いたい。
○政府委員(松浦功君) ただいま御指摘いただきました四十八年度の決算で、都道府県の実質的赤字を、単年度の赤字をおとらまえになっておる数字であろうかと思いますが、四団体からなるほど十六団体にふえております。ただ、これ自体は、形式的に、最終的に赤字になっておるわけではございませんので、当該年度に少し仕事をよくやり過ぎれば単年度赤字が出るということもあり得ようと思いますから、この傾向だけをもって、非常に地方団体の財政が、四十八年度決算の数字からむずかしい状況になってきているという判断をするのはやや早計ではなかろうかという感じを私どもとしては持っております。通年の赤字を見ますと、四十七年度で二百四十二億、二団体で赤字がございました。四十八年度は同じ二団体で百六十一億に赤字が減っております。黒字のほうは、四十五団体で、五百二十九億円から六百五十四億円という形に黒字もふえております。そういう意味では、総体的に四十八年度の数字自体では、悪化ということはまだ必ずしも顕著になってはおらないというふうに、私どもとしては数字からだけは理解をいたしております。
○上林繁次郎君 数字だけの面から言えば、たとえば十六団体に一ぺんに落ち込んだという、それだけですべてを律するわけにはいかぬ、こういう御答弁です。しかし、現在の経済情勢等から考え、あるいはまた地方自治体における住民の要望ですね、非常に多面的になってきた。こんなことは私が一々こまかく言うまでもなく御承知のとおり。すべていろいろな情勢といいますか、そういったものを踏まえて考えたときに、これからもっともっと私は落ち込みが出てくるのではないか、こんな感じがするわけですね、現実的には。ですから、そういったことを考えた場合、この時点でやはり国としても、何らかの、いわゆる地方自治体の財源措置というものをいままでどおりでなくて考えていかなければならない、そういう時代がやってきているのではないか、こう思うわけですね。特に、そういったことで、いままでこの法律が出てくるたびに言われることは、いわゆる交付率のアップということが言われてきているわけですね。この交付率の経過を見てみますと、これもあえて時間をかけて申し上げることはないわけですが、最後に——現在三二%であるけれども、それがきまったのが昭和四十一年、そうですね。それまでは逐次変わってきているわけです。四十一年で三二%になって、その後変わっていないわけですね。いままでの経過から考えてみても、これほどのいわゆる経済危機、また、地方自治体にとっても、その波は当然きびしくかぶってきているわけでありますから、当然いまの段階でこの交付率というものを大きく改正をするという考え方、考え方というよりも必要性に迫まられてきた時代、それはいまだと私は思うのですね。ですから、この点について自治省はどういうふうにお考えになっているか、ひとつ大事な時期に立ち至っているので、詳しく御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 現在の財政状況、非常に現実的には地方団体がその運営に苦しんでおられるということは御指摘のとおりであろうかと思います。財政計画とそれから実際の地方財政との乖離、この問題を四十七年度の決算と計画との比較において分析をいたしてみますと、その大きな部分が、歳入面で申しますならばいわゆるワク外債、これはほとんど土地取得費が多うございます。歳出面で申しますと人件費、こういう形になっておるわけでございます。したがって、私どもといたしましては、計画と決算の乖離をできるだけなくすという方向で、いわゆるワク外債をワク内に繰り込むというような方途も来年は検討したいと思っておりますし、また、人件費の中におきましても、単価の問題はこれはどうにもなりませんけれども、人数の食い違い等については、規模是正ということで来年考えてまいりたいと思っておるわけでございます。そういうような操作をいたしまして、なおかつ地方財政計画策定上歳入が不足をするという事態になりますれば、交付税率を引き上げる、あるいは臨時特例交付金を創設をするとか、あるいは借り入れをするとか、そういう方途によって必要な地方交付税を明年度ぜひ確保してまいりたいという気持ちでこれからの予算折衝に当たってまいりたいと考えております。
○上林繁次郎君 そうすると、いまおっしゃったことは、いろいろな手当てをしてみて、それでなおかっ足りなければ、その時点でいわゆる交付税税率も引き上げるということも考えていこうと、こういうことですね、これはね。ぜひその時期を私は早めるべきである、こう思うわけです。ということは、現在の経済情勢、いままではどっちかといえば——どっちかといえばというよりも、高度成長でもってどんどんどんどん進んできたわけですけれども、したがって、いわゆる自然増収の見返り、こういうものが地方自治体では大きく期待できたわけですけれども、今後はちょっとそういうわけにいかぬでしょう。現内閣——三木さんも言っているように、いわゆる低成長時代、そういう時代に入ってきたわけですから、いままでのような経済成長ということはもうとうてい考えられない。だとするならば、しかし、住民の要望というものは、私はもっともっと多角的になってくるだろうと思う。そういう中で、やはりそういったことを考えた場合に、どうしても基本財源であるこの交付税率のアップというものによってその基本財源を大きく確保させなければならない、そういう時代がまさにやってきていると思うんですよ。ですから、そういう意味で、私はこれは一日も早くこの税率の改正というものをはかるべきである、こういうふうに強く要望を申し上げておきたいと思います。 それから超過負担の問題ですけれども、今回の超過負担解消のためにとられた措置、これはたとえば学校校舎の場合、六万一千七百円から七万五千円に引き上げた。この全国知事会から出ているものを見ますと、これはちょっとあれですね、もっともっと単価が高いですね。九万円ぐらいになっているんじゃないですか、たしか。その辺をどう踏まえて今回の措置がなされたのか、ひとつお答え願いたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 今回は、御承知のように、学校、公立文教施設、住宅、それから保育所を中心とする社会福祉施設、三事業について実態調査を行ないました。四十八年の十月から三月までの契約部分につきまして書面で全部実態をお出しをいただいて、そのうちからアトランダムにピックアップをいたしまして現場へ参りまして、たとえば住宅でございましたら、標準設計に合っているかどうか。学校の問題でございますと、標準仕様に合っているかどうかというようなことで実態の調査をいたしました。これに基づいて関係各省で意見を交換して措置をとるという形で調査をいたしました。その調査の結果に基づいて数字をきめております。したがって、私どもといたしましては、少なくともいまの時点においては超過負担は解消されておるというふうに考えます。知事会のほうでどういう数字をお出しになっておられるのか、私必ずしも存じませんけれども、これはおそらく書面調査の段階のものをお出しいただいておると思います。したがって、書面調査と実態調査では結論はおのずから違ってまいります。たとえばちょっとよけいな——よけいなというか、標準仕様を越えた材料を使っておられるとか、そういうような要素は全部はねております。そこいらの差がそういう数字になってくるものというふうに考えております。
○上林繁次郎君 いまおっしゃったように、実態調査をやって、その対象になったのがいまおっしゃった範囲ですね。で、私どもの受け取り方とすれば、これ以外に超過負担を生じているものがあると、こう考えられるわけです。と同時に、今回は単価の是正だけであったけれども、たとえばこの対象差であるとか、数量差であるとか、こういう問題も残されているわけですね。これらに何らの措置がなかったことについて、これはどういうわけなのか、その点ひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(松浦功君) 今回行ないましたのは、いろいろと調査の能力等も考えまして、比較的地方公共団体に超過負担が多いという御主張の多い事業を選んだわけでございます。したがって、実態調査に関連をいたしまして、ある程度同種のものについては超過負担の解消をこれではかるようにしております。たとえば公立文教でございますと、小、中のほかに特殊教育の施設、危険物校舎、それから公立の幼稚園、そういったものも全部並びで超過負担の解消をはかることにしております。したがって、これから漏れてまいりますものがまだあるわけでございますので、明年度以降において、われわれといたしましては、実態調査をした上で、同じような方法で解消策を進めてまいりたいというつもりで大蔵省と折衝してまいりたいと存じております。 それから数量差、対象差につきましては、御指摘のとおり、今回は補正予算でございますのでいじっておりません。私どもの考えは、やや狭きに過ぎるかもしれませんけれど、本質的な意味の超過負担は単価差であるというふうに考えておりますし、また、まっ先にこれを直すべきだと思っておりますので、今回単価差を取り上げたわけです。数量差、対象差というのは、これからの補助金の政策というものとの関連もあるかと存じますが、やっぱり経済社会情勢に応じた、納得できるような対象あるいは数量ということであるべきだと思いますので、今後、これらの問題について時勢に合った改善策を講ずるように関係各省、大蔵省に要求してまいりたい、このように考えておりす。
○上林繁次郎君 現在は標準経費額制度をとっているわけですね。これを実際にかかった額で計算をする実額清算制度に改めるときがきているというような感じがするんですが、この点について自治省でどういうふうに考えますか。
○政府委員(松浦功君) 標準経費制度は、われわれとしてはやはり維持をしていくべきものだと思っております。ただ、先ほど先生から御指摘いただきましたように、単価差が出ないように、あるいは数量、あるいは対象、こういったものも合理的なものに改めるという方向で努力することは当然でございます。 〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕 せっかくの御指摘をいただきました実額清算方式、これはまさに補助の制度としては一番徹底した制度であろうかと思います。しかしながら、地方団体の実際の支出の中には、いわゆるデラックス部分でございますとか、単独部分というようなものがいま入っております。これをどこでチェックするかという問題が基本的に非常に大きな問題になりますので、現在の段階で、自治省としては実額清算方式を取り入れる考え方は持っておらないわけでございます。
○上林繁次郎君 超過負担の解消については、すべてあと追い的な対策を立ててやってきたという、こんな感じですけれども、これからまだまだよっぽど本気になってこの点を考え、また何らかの適切な措置をとらないと、超過負担が出てからそれをまた何とかしよう、次にまた出てから何とかしよう、こういうかっこうでやってきたわけですが、これからもそういうふうになる可能性が強いということ。そこで、やっぱり物価とかあるいは建築資材費あるいは労賃、こういったものが上がっていく、それに伴って自動的に改定する、そういうような考え方を持ってやっていかなければならないんじゃないか。そうでなければいつでもあと追い的になってしまう。あとばっかり追いかけている。抜本的な解決策は何も見出せないで、同じことを繰り返しているということではあまりにも能がなさ過ぎると私は思います。そういう意味で、私はいま申し上げたような考え方を持ってやっていくべきではないか、こう思いますけれども、この点どうでしょう。
○政府委員(松浦功君) 私どもも全く同感でございます。先般行ないました調査で、あるべき単価を出しました上に、物価騰貴率、これを労力あるいは資材等に全部積算をいたしました上でそれを乗ずるという形で今回の単価を出しております。したがって、今後もこういう形をとっていけば、きちんと物価に応じたスライドという形に結果的になってくるものと思っておりますので、そういう方向で各省、大蔵省にお願いをしてまいるという基本的態度をくずさないようにいたしたいと思っておる次第でございます。 現実の問題としては、事業費によって非常にスライドが違ってくるわけでございます。使う資材によって、上がり方によって違ってくるものでございますから、そこいらの点は、建設省のほうで十分技術的な解決方法を持っておるようでございます。それらをあわせて利用させていただきたいと思いますし、また、建設省におきましては、御承知のように、標準設計というものを公営住宅にお持ちでございます。こういうものを持っておりますと、比較的超過負担が現実に出にくい。ところが、学校につきましては標準仕様というものしか持っておりませんし、保育所においては標準仕様も持っておらないというような状況でございますので、各省にもお願いをいたしまして、ぜひこういう重要なものについては標準設計というものをお持ちいただいて、その上で補助金行政を展開をしていただくという形にお願いをしたいというようなことも考えておるところでございます。
○上林繁次郎君 交付税の過疎地域対策というか、過疎地域に対しての交付税、これはやはりいままでほかの市町村に比べて、どれだけか多く配分されていくというような形がとられてきているわけですか。
○政府委員(松浦功君) 段階補正、少なくなればそれだけ経費が割り高になるというような思想の段階補正は当然のこととして適用しておりますほか、人口が著しく減るような——これは過疎の代表的なものだと思いますが、人口急減補正、こういったものも適用いたしております。そのほか、最も大きなものとしては、過疎債というものの発行を認めまして、それの七割償還額は将来にわたって交付税で保証していく、こういう制度をとっておりますので、むしろ現在の段階では、過疎にならないけれども過疎に非常に近いという団体から、何であんなにあっちばっかりやるんだという逆に不満が出かねない状況で実はあるわけでございます。しかし、過疎団体というものが非常に財政的に行き詰まり、さらに行政的に伸びていかなければならない団体であるということを考えた場合に、私どもはそれらの団体をもある程度説得をしながらこの方策を伸ばしていきたいということを基本的に考えておるところでございます。
○上林繁次郎君 過疎市町村にもよりますけれども、歳出の伸びに見合ったいわゆる交付税が来ないということで、これはですから全部が全部ということじゃないんですが、そういった面から、県の支出金、これがだんだん多くなってきている、こういう傾向にあるわけですよ、実際に。そうしますと、これはやはり県といえども地方自治体ですから、この支出金が多くなるということはやっぱりその辺に問題があろうかと思います。そういったことを考えると、やっぱりもう一度この過疎市町村に対する洗い直しといいますか、交付税交付の場合の洗い直し、 〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕 こういうものが必要になってくる。そしていわゆる県支出金が増大していかないような措置をとる必要があるんではないだろうか、こう思います。この点、どういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(松浦功君) 過疎対策を強めたからといって県支出金がなくなるとは私どもは思っておりません。何ぼでも多いほうがいいというのがこれは財政の問題でございます。県と市町村というのは兄貴分と弟分みたいな関係でございますから、兄貴分がゆとりのあるときに弟に小づかいをやるということを私どもはあえて悪いとは思っておらないわけでございます。そういう意味で、その問題との関連をどうこうは私ども申し上げるつもりはございませんけれども、先ほど御指摘いただきましたように、過疎の実態に合ったようにこれからも過疎対策を前向きに進めていくということで御了解をいただきたいと思います。
○上林繁次郎君 給与改定財源についてですが、特に、おとといもちょっと話がありましたけれども、いわゆる不交付団体分ですね、九百十億円、これに対しては何にも措置がとられていないということなんですが、これはどうでしょう。それで間に合いますかね、これ。
○政府委員(松浦功君) たてまえ上は、先生十分御理解をいただいておられるところだと思いますが、不交付団体は交付団体に比べれば財源超過額を持っておるわけでございます。したがって、今回の給与改定に要する財源についても、節約、税の自然増等を充てていただき、その不足分については、いわゆる当初算定の超過額を充てていただくというのが、理論的にはそれがたてまえになるのかと思います。しかしながら、今回の法律をお認めをいただきました場合に再算定を行ないますが、再算定を行なった場合に、いわゆる財源超過額が昨年当初の財源超過額に比べて著しく減少するという団体が私どもも出てくるのではないかという推計をいたしております。そういう団体は、理論的には財源措置をしてやらないでもいいということになろうかと思いますけれども、現実の財政としてはたいへんな激変であろうかと思いますので、その減一少部分を一つの目途にいたしまして、地方債の許可等の手続を通じて財源の激変を緩和するという措置をとってまいりたい、このように考えております。
○上林繁次郎君 いろいろな理屈が生まれてくると思いますがね。いわゆる再算定をするという。で、再算定した場合に、なるほどあれですね、基準財政収入額、いわゆる超過分ですね。それと、いわゆる給与に充てるものと見合った場合に、収入額のほうが足りなくなっちゃう。いわゆる給与改定による経費のほうが多くなるという場合も出てくると思いますよ、これはね。そういうのを全部再算定して、その分については、そういう地方自治体に対しては国として惜置をとりましょう、こういうことなんですか。
○政府委員(松浦功君) たとえばAという団体をとりました場合に、当初の算定では二百億財源が超過した。再算定の結果、給与費が需要に大幅に立ちますので、その結果、税があまり伸びていないような団体では超過額が百億に減ってくる。去年二百億の超過額があったものがことし百億、実際の収入が百億減っているにかかわらず、給与費の増をその中でまかなえということになりますと非常に激変が大きいだろう。だから、二百億と百億との差額ぐらいは私のほうで、技術的に可能であれば、地方債の発行を認めて財政の激変を緩和していったらどうだろうか、こういうのが考え方でございます。
○上林繁次郎君 そうすると、あれですか、再算定をした場合、いわゆる交付団体に落ち込むところが出てくるわけですね。そのいわゆる対象となるのは、著しい減少ですね、前年と比べてその収入額が著しく減少したと、こういう表現をしてましたね、いま。その著しいというとどのくらいのところで歯どめをするのか。あまりばく然としたあれだと——私の言ってることは、実態に即して——理屈ではなくてですよ、実態に即して、ほんとうにそういった考え方ですべてが解決できるのかどうかということの立場からお尋ねをするわけです。
○政府委員(松浦功君) 計数的には私のほうもなかなか言いにくいんでございますが、団体によって著しいというのは全然違うと思うんでございます。小ちゃな町村でございましたら、これは二千万、三千万でもたいへんな問題。ところが、愛知県だ、大阪だという場合には、三十億や四十億はは、これは計数上はみんな財政当局者——向こうの財政当局者ですが、これは端数ぐらいに考えていると思います。やっぱり都道府県団体の不交付団体になりますと、百億オーダーの議論になろうかと思います。その辺のところは、私ども常識をもって判断をいたしたいと思っております。
○上林繁次郎君 先ほど、いわゆる足りない分は起債でもって認めようと、こういうことです。給与だけを対象にして起債を、あれですか、許可できますか。
○政府委員(松浦功君) ちょっとことばが足りなくて申しわけございませんでしたが、御承知と思ってお答えしなかったんで申しわけございませんでしたが、給与に起債を認めることは法律上できません。ですから、技術的に可能な限りということを申しましたが、Aという県が百億超過額が減った。その百億をめどにして起債を認めてあげたいと思っておった場合に、適債事業がどれだけあるかということが問題になろうかと思います。形から言えば、事業費に対する起債を認めれば、充てておった一般財源が振りかえられますから、それが財政的なプラスになる、こういう考え方でおるわけでございます。
○上林繁次郎君 あまり、何というんですか、やりくりという感じでね。 次、今回の臨時土地対策費千五百三十億、これを基準財政需要額に算入しているんですね。いままでのあり方を見ますと、いわゆる土地開発基金費、こういうことであれしたわけですけれども、これとどういうふうに違うのか。
○政府委員(松浦功君) 土地開発基金は、積み立てをしていただいて、その金をもって土地対策に運用していただくというものでございます。今回の臨時土地対策費は、非常に地方公共団体の土地に対する需要が強い。にもかかわらず、きわめて資金面が束縛をされておる、こういう実情でございますので、基金に積み立てるという形よりは、現ナマで土地を買っていただこう、必要なものにこの財源を充てていただこう、こういう趣旨で設けたものでございます。
○上林繁次郎君 土地対策費の配分、これはどのように行なうのかですね。私は現実に土地需要の多いところ、こういうところにはやっぱり当然多く配分すべきである、こういうふうに思うわけですけれども、具体的な方法、これはありましたらひとつ示していただきたい。
○政府委員(松浦功君) 私どももこれの配分にあたりましては、先生御指摘をいただきましたように、土地需要の多いところ、それから土地の単価の高いところ、これになるべく重点的に配られるようにすることが望ましいと考えておりますので、今回の臨時土地対策費につきましては、土地開発基金と違った形で、いわゆる態容補正——これは土地の値段をあらわすものでございますが、これをウエートを高めていく。さらに、土地需要が多いということで人口急増補正も用いるという形にいたしまして、平たく配りました場合の一番多い場合、理論的に多い場合でございますと六倍弱にまでなれるように、数字が出るようにという配慮で計数をつくって補正をしてまいりたいと。あくまで配りまする基本は人口一人当たり幾らという形にいたしまして、それをいま申しましたように、非常に幅の広い補正で、先生おっしゃられたように、土地の需要の多いところ、土地の高いところによけい金がいくように配分をいたしたいと考えております。
○上林繁次郎君 自治省の資料によりますと、こういうふうにあるんですけれども、「最近の金融引締めに伴う地方団体の資金不足を補うとともに、公共用地取得のための地方債を減額して将来の財政運営の健全化を図ることとする」、こういうふうにあるんです。この中で、「地方債を減額して」と、こういうふうにあるわけですけれども、一体どのような起債を減額対象としているのか、この点ひとつ明らかにしてもらいたい。
○政府委員(松浦功君) 全くその問題は臨時土地対策費に直接の関係を持っておるわけでございまして、私どもの手元に各地方公共団体から、地方債計画にはないけれども土地購入のための起債を認めてほしいという申請が、八千億に近いものが私どもの手元に参っております。これをお認めするということになりますと、一体銀行がそれだけ地方債の発行に応じてくれるかどうかという基本問題が資金不足からあるわけでございます。したがって、今度千五百三十億現ナマで出しますれば、八千億程度のものから千五百億へずった程度のものを発行すれば土地が全部予定どおり買えることになるわけでございます。そういう意味では、非常に銀行の資金繰りのきつさというものをこれである程度緩和できる、こういう考え方で地方債の減額ということを言っておるわけでございます。
○上林繁次郎君 その辺ですがね。いまおっしゃる土地に対して八千億ぐらいのいわゆる起債の申請がある、こういう話ですね。今回手当てしようとする額は千五百三十億ですか、これを現金でやろうと、こういうわけですね。そのかわりにいわゆれ起債は認めないと、こういうことになりますね。そういうことを言っているわけですね。
○政府委員(松浦功君) いま総体論で申し上げましたんで、八千億の申請から千五百三十億引いたものだけお認めをすれば、地方団体の土地需要は全部片づくことになるわけでございますので、そういう方法をとりたい。 具体的に申し上げますなら、Aという都道府県から、百億土地を買うために起債を認めてほしい、それがあれば土地の買収は全部済むと、そういう申請が出てくる。その団体に、今度五十億、臨時土地対策費が需要を通じて流れたとすれば、五十億は現ナマで土地を買っていただけるわけですから、五十億起債をお認めすれば地方団体の需要は全部まかなえると、こういうことになるわけです。しかも、百億起債を発行すれば、あとでこれは利子をつけて返さなければなりませんけれども、五十億につづめられるということは、将来の償還が非常に少なくて済むという意味で、将来の地方財政の健全化にも役に立つと、こういう考えでやっておるわけでございます。
○上林繁次郎君 そうしますと、ちょっとしつこいようですけれども、あれですか、いまのお話ですと、千五百三十億手当てをすれば、現時点においての土地先行取得、これについては事欠かないということですね。だからそれだけの手当てをするんだと。
○政府委員(松浦功君) 地方公共団体から出ている申請が全部認められれば、これは当然いいわけでございます。現金で千五百三十億配るんでございますから、全部認めればいい金額から引いた金額だけを認めればいいことになるんじゃないかと、こう申し上げておるわけです。
○上林繁次郎君 それじゃ引いたもの、八千億から一千五百三十億、これを引いたものに対して起債を認めると、こういうことですね。——わかりました。 次にお尋ねしたい点は、四十八年度の精算分の二千六百九十一億円ですね、これは今度充当するということですね。いままでは一年おきに、たとえば四十八年のいわゆる精算分は五十年にと、こういうことになるわけですね。それを一年早めたわけです、これはね。一年早めた。そこで、一年早めます。これは早めることはけっこうだと思うんです。けっこうだと思うんですけれども、これからの見通しを考えた場合、先ほどからいろいろと申し上げているように、ますます地方財政というものは逼迫してくるであろう、こういうことが予測されるわけですが、そういう中で今回特別にこういった、一年繰り上げてこれが措置されると。そうすると、五十年度はこれはどういうことになるのか。五十年度にもらう精算分というやつはこれはなくなっちゃうということですわね。こういう点、やっぱりいままでそういう精算分というものを地方自治体は相当ウエートを置いて期待をしておったということは間違いないと思う。そういうものが五十年度においてはさっぱり見通しがつかぬという状態では非常に不安な状態であろうと思うんですがね。その点はどういうふうにお考えになっておるのか。
○政府委員(松浦功君) 現在の段階では、来年度地方税収がどれだけあるか、あるいは国税三税の自然増がどれだけあるか、その辺のところは必ずしも明白でございませんので、私どもといたしましては、来年度の二千六百九十一億を先に使ってしまうことがどのような影響になって出てくるか、この点については必ずしも明確にいたしておりません。しかしながら、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、来年度の地方交付税の大蔵省との折衝にあたりましては、われわれとして必要だと思う額はぜひ確保したいと、こう思っておりますので、諸般の事情を見ながらお約束どおり私ども努力をしてまいりたい、このように考えております。
○上林繁次郎君 そうしますと、念押しのような形になりますけれども、五十年度においてはそういう心配があるということは事実であると思いますね。そこで、精算分はないけれども、自治省としては、その点についてどういう方法かわからぬけれども何らかの措置をとる対策を講じよう、こういう姿勢なんだと、こういうことなんですね。
○政府委員(松浦功君) 来年度の見通しについては、先ほども申し上げましたように、私どもも必ずしもまだつまびらかにいたしておりません。それらの計数を整理いたしました上で、現行制度における地方交付税の算定額に不足があるということになりますれば、先生御指摘のように何らかの手段をとる、足りればとらないと、こういうことでございます。
○上林繁次郎君 けっこうです。
○委員長(原文兵衛君) 両案に対する午前中の審査はこの程度とし、午後二時三十分まで休憩いたします。 午後零時五十六分休憩 —————・————— 午後二時四十七分開会
○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、大谷藤之助君が委員を辞任され、その補欠として中村登美君が選任されました。 —————————————
○委員長(原文兵衛君) 昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案を便宜一括議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○神谷信之助君 最初に、今日の地方財政の現状をどうつかんでいるのか、そしてその緊急の対策の重要性について政務次官にお伺いしたいと思うんです。 もうすでに御承知のように、この十年余り政府が続けてまいりました大企業優先の高度成長政策、これがいま完全な破綻に直面をしております。そして大企業優先の今日までの経済政策の根本的な転換を迫られていると思うんです。この期間に、高成長あって初めて高福祉がある、こういうことで、税制、財政、金融の各面にわたって大企業優遇の制度的な仕組みをつくってまいりました。そして自治体のほうも、国と地方団体は同一の基調だということで、地方自治体のほうも高度成長政策をささえる役割りを果たしてきたと思うのです。たとえば国庫補助金を見ましても、産業基盤整備のための道路とか、港湾とか、あるいは工業用水道などについては手厚い補助金を支給する。そして地方行政全体をその方向に誘導する。そのかわりに、学校とか保育所とか、公営住宅、下水道などのような生活関連事業に対しては基準単価を極端に抑制をする。そしてはなはだしい超過負担を地方自治体に押しつけてきております。そこで、これが今日までの状況ですが、このような中で、政府あるいは自治省は、この国の経済政策の破綻、そして転換に直面をした今日、政府の地方自治政策もまた根本的な転換を迫られているというように考えますが、今後の地方行財政をどのような基調のもとで推し進めようとお考えなのか、この点をまずお伺いをしたいと思います。
○政府委員(左藤恵君) 確かにいまお話のありましたように、地方財政が最近は危機だということについては、私も非常にその運営が急速に困難になってきておると、こういう認識でおるわけでございます。この原因についてはいろいろとお話があると思います。いまお話しの御意見と私どもの考えと、少し違う点もあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、最近のいろんな物価高騰あるいはまたその他のいろんな経費の増高ということから考えまして、最近の地方財政がそうした危機になっておることについては、私はそのとおりであろう、きびしい情勢にあるというふうに認識をいたしております。 それで、それに対しまして今後どういうふうな方向で進んでいくかということであろうと思いますが、地方財政の危機と申しましても、それはすべて一から十まで政府の責任であるということにはならないかとも思います。地方団体の財政運営のあり方によっても、もっとまた切り開いていく道もあろうと思います。また国が、補助金の、いまのお話しのような問題につきまして配慮をもっとやっていかなければ、こうした危機を切り抜けることがむずかしいという面もあろうかと思います。今後の総需要抑制という形におきまして、いろいろとまたそういった浸透が行なわれますと、財政的に考えまして、たとえば法人税が入らなくなるとかというふうな問題もありますので、明年の財政計画を立てます上において、また予算の計画を立てます上において、そうした事態も十分考えて、われわれは地方財政がとにかく円滑に運営できるように努力しなければならないと、このように考えております。
○神谷信之助君 いまもお話がありましたが、地方の税収の伸びなんかも、今後総需要抑制、低成長のもとでそう期待はできない。したがって、それは考え方の根本としては、政府のほうで思い切った地方財政に対する手当てをしようというのか。それとも、そうじゃなしに、地方団体の側で節約なり何なりをしようということで地方団体のほうに努力をしいるということに重点を置いておられるのか。どちらに重点を置いているのかという点についてお伺いしたい。
○政府委員(左藤恵君) これは全く私は両方が、両面で考えなければならない問題ではないだろうか、ともどもに考えていかなければこの危機は突破できないんじゃないか、このように考えております。
○神谷信之助君 それはつまりなんでしょう、結局、国もがまんするが地方のほうもがまんせいということになるわけでしょう。しかし、この立場では、今日の地方財政の危機を引き起こしてきたところの、今日までの地方剛体に対する政府の施策を転換をするという観点に立っていないと言うことができると思います。地方団体及び住民のほうは、この高成長のために生活環境整備、これがたいへんな犠牲にされ、逆にまた公害のような命まで奪われるというような状態が起こっている。そして今度は低成長になったら、やっぱり同じように、国もがまんをするんだから地方のほうもあるいはまた住民のほうもがまんをせいということにしかならない。そこで私はこういう状態を、いままでとは違って、発想といいますか一観点というか、この点を変えて、真に地方自治を確立する、そしてそれを擁護する行財政制度を確立をしていくんだという立場から、重要な一つの問題としては、例の高成長政策のもとにおける税制上の重要な支柱であった大企業に対する各種の特権的な減免税の措置、これを根本的にひとつ検討する必要があるんじゃないかというように思うのです。このことが、一つは地方財政にとって大きな打撃を与えた要因にもなっていたことは明らかであります。問題は、このところにメスを入れるかどうかというのが、まさに政府の経済政策あるいは地方自治政策を本気で転換をする意思があるのかないのかということを判断をする試金石の一つだというふうに私は思うのです。指定都市の資料によりましても、四十七年度の調査によれば、国税の租税特別措置による地方税の減収見込み額は千四百五十八億円、地方税自身の非課税措置等による減収の見込み額が千七百六十一億、合計して三千二百十九億になっています。今年度、四十九年度の見込みを見ましても、国税の特別措置による減収見込みが千四百四億、それから地方税の非課税措置による減収見込み額は二千九十億、合計三千四百九十四億、すなわち三千五百億からの減収というものが見込まれています。したがって、少なくともこのような地方税における大企業向けの優遇措置を全廃すること、同時に、国税の特権減免の地方税へのはね返り、これを遮断をする措置を断行すべきだと思いますが、この点についての御見解を聞きたいと思います。
○政府委員(首藤堯君) ただいま御指摘のように、国税、地方税を通じまして、租税特別措置によります非課税措置ないしは減収見込みがありますことは御指摘のとおりでございまして、昭和四十九年度の見込みにおきましても、国税の租税特別措置によります地方税への影響、この分が約手四百億、それから地方税法の非課税措置そのものによりますものが約二千億、合計三千五百億近くの額があるのは御指摘のとおりでございます。 この租税特別措置の内容につきましてはいろいろ内容がございまして、たとえば貯蓄の奨励面におきましても、少額貯蓄の利子等の非課税措置といったような、零細所得に関係をいたしますものに関連をする特殊の目的の租税特別措置もございますし、また、交際費課税の特例等のように、企業面に属するようなものもあるわけでございまして、私ども基本的な考え方としては、このような租税特別措置をできるだけ整理合理化をしていく、特に、すでに政策目的を果たしたもの等につきましては厳密にこれを整理をしていくという形で進みたいと思いますし、また、できる限り国税の特別措置による影響が地方税に影響しないような措置もとってまいりたい、こういうことを通じて租税特別措置の減少をはかりたいと考えておるわけでございます。昨年は、たとえば交際費課税の特例の制限を強めますことによりまして、かなりの国税面の増収も出ましたし、また、地方税の減収の防御もできたわけでございます。なおまた、電気関係の固定資産につきます特例を廃止をしたり、そのような措置をやったわけでございますが、ことしもなお引き続きまして、租税特別措置の整理には私どもとしても極力努力をいたしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○神谷信之助君 これは先ほども言いましたように、政府の地方自治政策をいままでと違って、住民の生活を守る、そういう立場に立つ地方自治体、この事業を保障していくかどうかという点で非常に重要な内容だと思うんです。どうしてもこれはもっと明確に思い切った措置をやるということを要求しておきたいと思うんです。 もう一つの問題は、これと関連をして、今日まで高成長のもとで犠牲にされて大きな立ちおくれを示しているところの生活環境施設整備、住宅とか保育所とかあるいは学校、下水道あるいは公園、こういったものを今後急速に進めていく必要があると思うんです。そのために、国のこの公共投資のあり方を、今日までの産業基盤重点から生活環境施設重点に転換をさせるということが必要ではないか。同時に、この資金については、財投資金の使い方を改めて、特にこの年々低下をしてきています地方債における政府資金の割合、これを根本的に高める必要があるんじゃないか。四十年度は地方債に占める政府資金、財投資金の割合は七〇・八%でした。それが四十一年には六六・八、四十二年には六四・八、四十三年には六二・二、四十四年には六〇・七、四十五年度は五七・二、四十六年は五二・八、四十七年は五〇・四というように、年々低下をしてきています。私は、国民の生活を守る福祉重点の政策をとるとするならば、この地方債における財投資金、これは全額政府資金で充当するぐらいの思い切った転換、これをはかる必要があると思うんですが、この点についての御見解を聞きたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 四十年度あたりから、御指摘のように、地方債計画の中における政府資金の割合が順次下がってまいりましたことは御指摘のとおりでございます。本年度、四十九年度にあたりましては、だいぶいろいろと折衝の過程もございましたけれども、六〇%台にやっと引き上げることができた、将来に向かってさらにこの率を引き上げるという方向で努力をしていきたいと思っております。
○神谷信之助君 ことしは六〇%に引き上がったと言うんですが、これは次官、本来地方団体がその地域住民のための生活環境基盤整備のための事業をやる、その地方債は、住民自身が提出をしている零細な預貯金をはじめ、そういった財政投融資の政府資金へこれで全額をまかなう、これは当然のことじゃないですか。来年度はそこへ向けて、それを実現をするという決意をお持ちであるかどうか、これをひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(左藤恵君) お話しの線につきまして、その方向で努力いたしたいと、かように考えております。
○神谷信之助君 地方債の問題、それから特権減免の問題、この二点についていま出ましたが、あと、超過負担の問題や交付税の問題、その他についてさらに質問をしていきたいと思います。 まず、超過負担の解消措置の問題ですが、今回、四十八年度の超過負担の調査に基づいて改訂単価をお示しになりましたが、結局、あの調査の結果、四十八年度事業についてはどれだけの超過負担があったということになったんですか。少なくとも御調査になった三つの事業について、御調査になった範囲内でひとつ御報告を願いたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 非常に膨大な資料に基づいて実態調査も行ないまして、その結果から物価騰貴率等を活用いたしまして今度の単価を出しております。それに至る道行きの簡単な資料は、この前お約束をいたしましたように、今国会中にできればお出しをいたしたいと思っておりますが、四十八年度に超過負担が幾らあったかということになりますと、全部もう一度ひっくり返さなければなりませんので、現在のところ、まだその作業が済んでおりません。
○神谷信之助君 四十八年度の十月から三月までの契約をした一切の事業を悉皆して調査、書類で出させた。そしてその中から三分の一ないし四割の部分についてピックアップをして、そしてお調べになった。そうしたら、それは四十八年の補助単価に比べればだいぶ上回ったわけですね。そのことはお認めになりますね。それで推計をして、四十八年度の下半期の事業数は悉皆調査で出ているわけですから、実際にそのうちの三分の一から四割は御調査になった、それから推計して、大体どれぐらいの超過負担に四十八年度は総額がなったのかということはおわかりじゃないんでしょうか。
○政府委員(松浦功君) 私どもは四十八年度の超過負担が幾らあるかということを調べる意図で調査はいたしませんでした。四十八年度の超過負担がどうあるかということを割合で出して、そしてそれに物価騰貴率をかけて四十九年度の超過負担として出るべきものを解消しようという対策をとったわけでございます。したがって、私どもの意図した結果は出しましたけれども、結果的に四十八年度に幾ら超過負担があったであろうかということは、十月から三月までの推計はできるわけでございます。先生のおっしゃるとおりできると思います。それは私のほうでまだ計算しておりませんので、なるべく早く計算をしてお示しを申し上げたいと、こう思います。
○神谷信之助君 ということは、どうなりますか。四十八年度で下半期だけやられたやつに基づいての推計はあとでお知らせいただくとして、四十八年度の事業の単価について、どれだけ超過負担単価があるかというのをお調べになった。それがわかったわけですか。四十八年度の調査をやってわかったのは何なんですか、その物価上昇率をかける前の数字ですね。
○政府委員(松浦功君) 昨年の単価——いろいろ年度途中で変わりましたけれども、その単価には、もとの単価、もっと古いところの単価に一体超過負担が幾らあるかということを頭に入れながら計算をしております。その超過負担よりもっと超過負担がたくさんあるだろうということでやったわけでございます。この率をつかまえまして、されとこれとの率で根っこの数字を置き直すという作業をとったわけです。その根っこの数字を置き直した数字に、その時点からことしの九月までの物騰率をかけたと、こういうやり方でございますので、私のほうでもう一度振り返って集計用紙をいじれば、十月から三月までの超過負担、われわれが考えておる超過負担が幾らあったかということは算出できるかと思いますので、いましばらく時間をかしていただきたいと思います。
○神谷信之助君 そうすると、こういうことですね。集計はまだ推定の数字はつかんでないけれども、四十八年度の下半期の三事業について調査をしたところ、超過負担が存在をしたということは明らかになった、これはお認めになるわけですね。 それでその次ですが、それをもとにして物価補正をして、そして今回の単価改正をやったということですが、これでいきますと、四十九年度事業については、超過負担を生じるおそれはあるのかないのか、この点をお聞きしたい。
○政府委員(松浦功君) ことし九月までの物価騰貴、これを各事業別に、労力費、資材費、それらの値上がり状況を勘案をしてきめております。これはもう結果が出ておりますから、その数字はよろしいわけです。それを年央でとるわけでございますから、極端な物価上昇が今日以降また出てくるということになりますれば、また超過負担が出るおそれがございます。ですから、物騰率というものが、われわれの考えている範囲あるいはそれに類した形で物価が動いているという間は、私どもとしては超過負担はあり得ない、こういう感じであります。
○神谷信之助君 そうすると、来年の——今年度末ですから来年の三月ですね。三月までの今日以降の物価の上昇率というのは見込まれていないということですか。一定の程度見込まれている、見込まれているとすれば何%見てるんですか。
○政府委員(松浦功君) 御承知のように、来年の三月までの物騰で見てしまいますと年度の当初が余ってしまうわけでございます。技術的にはやっぱり年央で見るという形で……
○神谷信之助君 いや、だからそれも見込んで年間平均してるんでしょう。
○政府委員(松浦功君) むろんそうでございます。
○神谷信之助君 だから、大体三月末のものも含めて単価を出しているということですか。
○政府委員(松浦功君) そういうことでございます。
○神谷信之助君 ところが、東京都で調べてみたんですが、私どもの調査によれば、やっぱり依然として解消されないんじゃないか、この単価差は。たとえば保育所ですが、これは宮前保育所、いわゆる自治省のいった国の指示に基づいた今回の調査ですね、その方法で計算をしたわけですが、それでありますと、宮前保育所が、四十九年度ですが、実勢単価が一平米当たり八万七千八百五十四円。ところが、今度の改定単価によりますと七万七千六百円。ですから、約一万円あまりの差がある。それから住宅ですが、足立区の東和四丁目の団地、これも四十九年度の実勢単価でいきますと、一平米当たり八万二千三百四十八円。ところが、国の改定単価、今度の単価でいきますと六万四千八百九十六円ですから、これはもう一万八千ほどの開きがある。したがいまして、これもちろん標準仕様に直して単価計算をしているんですよ。したがって、こう見ますと約三〇%前後実勢単価は高いわけですね。ですからこれに、東京都の場合ですから、一定の傾斜措置、これをかりに加えるにしても、これだけの差額というのは埋まらない。やっぱり実際上の問題としてはこういう問題が超過負担が解消されないで残っている。こういうことになるんじゃないかと思いますが、この点についていかがですか。
○政府委員(松浦功君) ただいまの実勢単価とおっしゃられるのが、各三省で共同調査をいたしましたものかどうか、私ちょっとわかりませんが、書面調査でございますと、実態調査をいたしますと、相当やっぱり仕様でオーバーした部分そういったものが入っております。それをへずりますると、かりに——かりにということにしていただきたいと思いますが、五%そういうものが入っていたとしましても、八万七千円というのは約四千円下がりますから、八万三千円程度になるはずでございます。七万七千円というのはこれは全国の平均でございまして、東京、大阪のようなところには地域差をつけていただくようにいまお願いをしております。結論必ずしもわかりませんけれども、私どもとしては八万円を割るなどということは絶対あり得ない、こう思っております。そうなりますと、ほとんどこれであれがなくなる、こういうことになるんじゃないかというふうに私ども思っております。
○神谷信之助君 約五%ほどの仕様との差をかりに引いた場合と言うんですがね。東京都のほうで一緒に私どもも調べたんですが、そういう仕様の余分なやつ全部削って、そうして今度の調査でお示しになった基準に従って計算をすると、こうなっておりますね。ですから、まあ八万円を下回らないといっても、かりに係数をかけてそれだけやっても、約五千円から七千円、一平米当たりの差が出てくる。これは保育所の場合ですが、そういう状況が生まれてくる。そこでこの点は、したがって、実際上これからまだ最終の工事が終了するまでにいろんな動きがありますから、これからの問題になりますが、私は自治省のほうがほんとうに確信を持って、これで超過負担は、お見込みになっている、来年三月末までの物価騰貴がかりにあったとしても超過負担は起こらない——しかし、これは実際上やってみないと、これから進んでみないとわかりません。この辺はひとつ十分に実態に即して考えていただきたいというようにお願いしておきたいと思います。 そこで、今回を含めまして、今日まで過去三回にわたってこの超過負担の実態調査を行なってこれらましたが、この解消措置ですがね、たとえばこの今回の調査でも、四十八年度の超過負担は残っている。解消されるのは——四十九年度は超過負担は起こらない、もし自治省のおっしゃるとおりであるとしても。そうすると、四十八年度はどうなっているんだ。このように過去の解消措置というのが、いわゆる現在から将来にわたる新しい超過負担が生じないための措置であって、それ以前の分についてはもう知らぬ顔だと、こういう状態の中で、御承知のように、例の摂津訴訟も起こったと思うんです。あの摂津訴訟を見ましても、政府のほうは補助金適正化法の規定をたてに、所定の手続はもう完了しているんだと、したがって、もう過年度は知らぬと、こういう態度をおとりになってきたんですが、そのほったらかしにされてきた過去五年間の、最近五年間の超過負担というのは、一体どの程度になるというようにお考えですか。
○政府委員(松浦功君) 私どもは、調査がまだ結論得ておりませんので、何ともお答えをしかねます。
○神谷信之助君 これはちょっと怠慢だと思うんですよ。これだけ地方団体がこの超過負担の解消の問題について切実な要求を出しているし、国会でもたびたび問題になっているし、また、それに基づいて今日まで、今回を含めて三回の実態調査もやっている。そういうことをやりながら、そしてたとえば今回の調査でも、四十八年度の下半期で調査をしてみたら実際に超過負担があるということは認めながらも、それが一体どれだけの金額になっているのかということを、地方団体のお世話をしている自治省が全然つかんでおられないというのは、一体どういうことですか。これはひとつ政務次官のほうから明確に、明らかにしていただきたいと思います。この責任を明らかにしていただきたい。
○政府委員(左藤恵君) 現在のいろんな国の状況から考えまして、過去の超過負担について、いまの段階でこれを措置するということはできないんじゃないか、このように考えております。
○神谷信之助君 いや、措置するかせぬか、措置することができるかどうかというのはこれからあと入りますよ。措置するしないにかかわらず、府県なり市町村のほうは超過負担があるといってやかましく言っているんでしょう。それで、国会でもそのことが問題になり、何回も決議をされているんでしょう。それじゃその解消されなかった超過負担というのはいままで一体どれだけあるか。少なくとも最近五年間ぐらいの調査というのは一ぺんぐらいしたらどうなんです。その責任は一体どこにあるのかと言っているんですよ。措置をするとかしないとかというのは、これからあとまた私が聞きますよ。
○政府委員(松浦功君) 先般、大臣のところで飛鳥田市長さんその他とお話のありましたときに、一兆円超過負担があるかないかというやりとりがありまして、過去にさかのぼってどのぐらいあったか調べてみようという趣旨のお話し合いがあったやに聞いております。私どもとしては、いま過去五年にさかのぼってそういう証憑書類その他のものが、地方公共団体に迷惑をかけない形ですらっと報告を求められるかどうかということを含めて、どういう方法で調査するかを検討いたしております。なるべく早く結論を出しました上で調査をし、結論を出して御報告を申し上げる、こういうことにいたしたいと思います。
○神谷信之助君 四十五年度の全国知事会の調査によれば、二千六十九億円という数字も出ています。それがその後年々各年度、超過負担額が増大をしておりますから、大体一兆円と推定がされるというように私も思うんです。たとえば京都府の超過負担額を調べてみますと、四十六年度で十億八百万円、それが四十九年度の九月の現計で二十二億三千三百万というように、どんどん超過負担額というのはふえてくる。超過負担率を見ましても、四十六年度は二九・二%でしたが、四十九年度の九月の現計の計算で四八・五%になりました。約倍近くになっている。あるいは京都市も、この四十九年度の推計で約八十億というようにいわれている。そこで、先ほどもおっしゃっておりましたが、この過年度の超過負担について措置できないとおっしゃるんですが、その根拠は端的に言えばどこにあるんですか。
○政府委員(松浦功君) すでに先ほど先生からお話がございましたように、手続きがもう完了しておるわけでございます。補助申請が出て、精算もしておる。それに、超過負担があったからという理由で新たな財源措置をするということはできないとわれわれは考えております。
○神谷信之助君 とおっしゃることは、御承知のように、いわば異議申請をしていない、もうそれで、その年で終わっているとおっしゃるわけでしょう。だとするならば、今後、府県なり市町村がそのつど、どんどん、補助金申請にあたって、実勢に合わない補助単価だということでこぞって異議申請を行なうという場合、国はそのつど、これはもう法律上やらにゃいかぬわけですから、補助単価の再検討を加えなきゃならない。そういう用意がありますか。また、こうやってどんどんどんどん、それぞれの団体から異議申請が出てきたということになったら、これは実際上、国の行政自身が執行麻痺の状態になるでしょう。こういう点について一体どのように責任をとると言うんですか。
○政府委員(松浦功君) いまの制度は補助金を御申請いただくわけでございますから、そういう条件に従ってこれだけの補助金をくれという申請が出ているはずでございます。それをお考えいただけたら、いまのような用意を別にしないでも私どもはいいと思っております。
○神谷信之助君 実際のことはもう御承知になっている。どれだけの補助金をもらえるかという大体の内示を得て、それに合わして申請をするわけで、そして話は済んだことになります。しかし、実際に現場で仕事をしておればそれでは済まぬ。それじゃ実際の状態でこれから申請をしましょう、補助金の申請がどんどんどんどんそうやって出てきたら、これをどうやって処理をするかというのはたいへんなことになってくるでしょう。ですから私は、手続法にすぎないところのこの補助金の適正化法、これをたてに、過年度分の累積の超過負担はもう切り捨てだというのは、まさに国の居直り的態度だと思うんです。この態度を続けるならば、まさに行政に混乱を持ち込む結果となります。しかし、同時にこれは、その額がわずかでない——もうばく大なものであります。そして今日の地方財政の危機を生んだ主要な要因になっておる。したがって、政府がこれを今日までのような切り捨てるという態度を変えない限り、地方団体のほうが政府を信頼することはできない、こういうことになるのはあたりまえだと思うんです。三木新内閣が、三木さん自身も「信なくば立たず」とおっしゃって、そして国政を進めていく立場を明らかにされているわけです。したがって、地方団体のほうが実際に必要なものは、要ったものは、法律どおり補助金はちゃんと払ってもらいたい、この信頼関係というのをちゃんと進めていく上でも、これを打ち立てなければ、また自治省自身も、地方団体に対する行財政の指導がますます困難になっていくんじゃないかと思うんです。したがって、この際、この超過負担を解消するために、その何らかの方法、これはいまの制度あるいはいまの法律でぐあいが悪ければ変えればいいんで、そういうことを自治省自身が提起をし、そして政府をその立場に立たせ、今日の政府とそして地方団体との間の不信の大きな原因になっているこの超過負担の解消、これを行なうための特別の立法あるいは方策、これをお考えになる用意はございませんか。これはひとつ次官のほうからお答えをいただきたいと思うんです。
○政府委員(左藤恵君) 超過負担の解消という問題につきましては、これは補助金の関係で各省にも関連いたしますし、当然大蔵のいろんな問題がありまして、政府全体のいろんな問題として考えなきゃならないことであろうと思います。まあ自治省といたしましては、いまの問題について、今後こういった問題が起こらないように努力するということ、そしてまた各省に要請していくということを考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 この超過負担を解消するためには、私は、超過負担とは何かということを、単に政府なり自治省の立場だけで考えるんじゃなしに、客観的に、少なしとも地方団体と政府と両者において確立をせにゃいかぬと思う。単価差やあるいは数量差、対象差、あるいはさらにこのごろは認可差もあります。こういったあらゆる形で生まれている超過負担というもの、これは本来今日の法律、制度によれば政府が責任を持つべきものなのかどうなのか、地方団体が持つべきなのか、負担をしなきゃならぬのかどうなのか、こういう点をはっきり客観的にきめなきゃならぬ。したがって、私はそのためには、わが党がすでに提案をしてますが、地方六団体それぞれ三名ずつの代表を出して十八人、そして政府のほうも自治省を中心にして関係機関の代表十八人、同数で構成する、それに学識経験者を五人ほど入ってもらう、こうした調査委員会というのをちゃんと政府機関としてつくって、そうして、少なくとも今日まで過去五年間の超過負担の実際を調査をする、それから政府機関もそれから地方団体の側も含めて、一致できるものというものについてはっきり確定をする、そしてそれを少なくとも今日の地方財政の危機の状態から言うなれば三年間で解消する、こうやって初めて今後もそういう基準に従って超過負担を出さずに済む、こういう処置ができると思うんです。ひとつこういった問題についても、次官のほうで大臣にも提言をしてもらって、来年度の方針決定の際、十分にひとつ御検討いただくことをお願いしたいと思いますが、この点についての御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 今般、六団体のほうに委員十八名からなる委員会ができたようでございまして、そちらのほうへ私どももお呼びがあれば出席をする、あるいは必要があればお呼びがなくても出席をするという形で、地方公共団体の御意見を十分聞きながら、政府として超過負担の解消に向かって今後努力をしてまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 それはね、まさに政府の責任を回避するものです。超過負担をつくり出したのは政府なんでしょう。それじゃ、これを解消するために、政府自身が政府の機関としてそういう機関をつくるのがあたりまえじゃないですか。幾ら言っても政府がその気にならないから、六団体のほうが任意にそういう機関をつくって、そして何回も交渉し、やっと頼み込んで政府が顔を出すという、そういう状態です。まさにこれは無責任だと。この点はここで論争しても始まりません。ひとつ次官、その点をよく御承知いただいて、政府でも責任をもって、誠意をもって、この問題の解決のために御努力をいただきたいと思うんです。 その次に、当面の財政危機と今度の交付税の補正措置の問題について入っていきたいと思います。 いままでの政府の側の答弁を聞いておりますと、当面この地方財政危機の現状認識において、政府とそれから地方団体を含むわれわれの側との間に相当のズレを私は感ずるんです。そこで、繰り返しになるかもわかりませんが、幾つかの点をまずお尋ねしたいと思うんです。 第一点は、今年度の決算見込みで、赤字を計上する見込みの自治団体数及びその額というのはどのくらいに見込まれますか。
○政府委員(松浦功君) 四十九年度の決算がいまわかるわけございませんので、私どもとしては何ともお答えを申し上げかねます、計数では。ただ一般論として、人件費等の圧迫が非常に出てまいりましたので、赤字団体もふえ、赤字額もふえるだろうという見通しは立てております。
○神谷信之助君 大体年度内の決算をずっと行なっていく中で、今年度中に新たにいわゆる交付団体になると、不交付団体から交付団体に——交付金をもらうほうですね——なる団体というのはどのくらいありますか。
○政府委員(松浦功君) まだ税収入の見込みが明確になりませんので、私ども個所数としてどうだということを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。ある程度、不交付団体から交付団体になる団体が再算定によって出てくると思います。
○神谷信之助君 それは相当数になる見込みですか。
○政府委員(松浦功君) 税収入の結果を見ませんと何とも申し上げかねます。
○神谷信之助君 それじゃ各地方団体のいわゆる保留財源ですね、財調資金、その他の形での。これの取りくずしの状況というのはどうなっているか、お伺いしたいと思うんです。昨年の、四十八年度の当初の残高といいますか、当初予算における状況。そして今年度の当初予算の状況。で、現在の状況というのをひとつ示していただきたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 四十八年度の決算におきましては、積み立て金の額が、都道府県だけ精査が、できておりますが、市町村はまだできておりません。千百二十八億。四十七年の調整基金に比べて七百八十六億に対比するものでございますから、約三百四十億程度増加をいたしております。これに対してどの程度調整資金を取りくずしておるかというのは、いろいろ入れたり、出したりやっておるものでございますから、正確なものは決算を見ませんと私どもにもなかなかわかりませんが、三月になりますればおおむねの方向をつかめるのではないかということを考えております。
○神谷信之助君 各団体の九月予算、それからいまの十二月予算なんかでも、ほとんどこの財調資金を取りくずしているという状況のように聞いておるのですが、その辺の状況の把握は自治省のほうでどう見ておられますか。
○政府委員(松浦功君) 取りくずしの傾向が出ておることは否定いたしておりませんが、団体ごとに見ますると、非常に堅実にやっておるところは取りくずしておりません。ばらばらであるというふうに申し上げておきたいと思います。
○神谷信之助君 それからその次は、四十八年度においての繰り越しの事業。繰り延べの事業ですね。あるいは本年度の——今年度の当初予算というのはどこも非常に抑制して、抑制の予算を組んでいますが、それさえも繰り延べ措置をとらなければならないというような状況、こういった状況は自治省のほうではどのようにごらんになっておりますか。
○政府委員(松浦功君) 九月の段階で、御承知のように、公共事業費の八%繰り延べ——原則としてでございますが——これをやったわけでございます。当然、公共事業も含めまして地方団体が執行いたします部分、それと関連をいたしまして、同種の事業には同種の繰り延べをお願いするということで、公社の事業あるいは公営企業、こういったものを含めまして、閣議のときに提出いたしました数字は三千七百億円ということになっております。大体この程度のものが繰り延べになるものというふうに期待をいたしております。
○神谷信之助君 まあいままで保留財源として積み立てておったものをくずしたりあるいは事業の繰り延べをしたりあるいは予算の先食いをしたりあるいは短期融資でころがしながら進めてきたり、特にこの年末を控えまして、十二月の補正の財源手当てでいま地方団体というのは深刻な状況に追い込まれているというように思うのです。これは過去の二十九年当時あるいは四十一年当時の地方財政危機、あの状態にも匹敵をするような重大な危機の状態ではないかというように思います。 二、三例を言いますと、たとえば京都市は、給与改定の差額、この八十五億円を含めまして、年内の決済に必要な所要額は二百四十億円ぐらいを見込んでおります。ところが、そのうち百二十億が、まあ大体政府の資金の借り入れを予定をしているけれども、あとの百二十億円については三和銀行の融資がいまだに難行している。こうやってやりくりをしても、最終決算の見込みは本年度単年度で四十億円の赤字計上を見込んで、予想をしております。京都府でも、給与改定は結局来年まで実施完了をするということはできないのではないか、来年度に持ち越さざるを得ないだろう、そういう措置をやっても、年内に決済をするための財源捻出のために財調資金を取りくずす。ゼロにしています。あるいは政府資金を八十六億借り入れる。しかし、そうやっても結局決算では約五十五億の赤字を見込まざるを得ない。 あるいは千葉県は、給与改定や年末手当やの財源に困りまして、銀行に振り込んで、そして職員が必要なだけ銀行から取り出してもらう、そういうことで、所要財源を何とか職員の協力によって切り抜けていこう。押えて切り抜けていこう。 あるいは神奈川県にしても職員共済から借り入れをする、あるいは職員に支給をした後にその一部を共済組合に預金をさせるとか、まあいろいろなやりくり算段をしている状態が明らかになっています。 ところが、このような地方団体の深刻な危機にもかかわらずに、今回の補正予算における地方交付税の措置は、このような実態にこたえるような見るべき対策はないのではないか。わずかに臨時土地対策費の千五百三十億、あるいは交付時期を年内に繰り上げて、年内まあ五千億円ほど資金を出そうと、こういう措置。あるいは都市銀行の縁故債の買い上げ措置とかという措置をなされておりますが、これでこういういま自治省のお考えになっているような措置で、現実に地方団体がやりくり算段に困っている状態を切り抜けることができるというようにお考えかどうか。この点をお聞きをしたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 資金繰りの問題といたしましては、交付税の五千億繰り上げと政府資金二千億の融資、それから買いオペの一千億、こういった一連の措置で、私どもとしては資金繰りは乗り越えられると思っております。 財源の問題になりますと、これは各団体ごとに違っております。私どもといたしましては、今回の補正予算で千五百三十億の臨時土地対策費と、それから国費、地方債、交付税を含めて千二百億の三事業に対する超過負担の解消、これらの措置を講じておりますので、地方公共団体がそれぞれ健全に財政を運営しておられれば何とかやっていけるものというふうに考えておる次第でございます。 —————————————
○委員長(原文兵衛君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、鍋島直紹君が委員を辞任され、その補欠として遠藤要君が選任されました。 —————————————
○神谷信之助君 それではひとつ、それでやりくりができるかどうか、具体的に詰めてみたいと思いますが、この給与改定で、地方団体がいわゆる人事院勧告ベースといいますか、国家公務員ベース、これを上回って措置している額、いわゆるあなた方のほうで言われている地方上積み分というんですかね、これの所要額というのはどの程度というように推定をされていますか。
○政府委員(松浦功君) 四十七年度の決算でそれぞれ修正すべきものを修正いたしまして七千三百億円、四十七年度ベースで七千三百億円という数字を皆さま方に御報告を申し上げたところでございます。 四十九年度につきましては、これは決算の状況、これからの地方団体のやり方によって数字が変わってきますので、何とも申し上げかねる状況でございますが、衆議院の山本弥之助委員の御質問に対して、私は一兆をこしておるのではないかというふうに個人的に推定をしておるという御答弁を申し上げましたので、同じ御答弁をここで御披露申し上げておきます。
○神谷信之助君 それから、この秋から年末ですが、こういった給与財源以外に、今日自治体が措置を迫られておるところの緊急対策的な施策ですね、たとえば中小企業の倒産防止のための対策とか、あるいは年末緊急融資とか、あるいは社会福祉関連施設に対する手当てとか、あるいは生活保護者なり失対事業者等へのインフレ救済の措置等々、この不況と物価高の年末を控えて、その地域のそれぞれの住民の暮らしを守るために、最もひどい影響を受けている人たちに地方団体として当然手を打たなければならない。これはきわめて多額にのぼっているんですが、この辺については御理解いただいているんでしょうか。
○政府委員(松浦功君) 生活保護のアップその他に伴いまする裏負担は今度の補正予算の中に入れておりまして、地方交付税で裏は措置することになっております。先生の言っておられるのは、おそらく単独のモチ代等のことであろうかと思いますけれども、これは既定経費の中でやっていただくということで、交付税の中には算入をいたしておりません。ただ、繊維等の特別の対策がいろいろほかにもあろうかと思いますが、こういう納得をすべき問題につきましては、私どもといたしましては特別交付税で所要の措置を講ずべきものがあれば講じてまいりたいと考えております。 またさらに、単独事業費の財源、特に単独事業費の物価高騰に伴う単価アップ、こういった問題を予想いたしまして、当初、千三百億円財政調整資金というものを財政計画に組んで、それぞれ交付税に算入の上御配分申し上げているものがございましたが、これについては大蔵省が何とか今度の給与改定財源に使うようにということで、相当われわれにうるさく折衝がありましたけれども、この問題については、私どもの言い分どおり、地方公共団体に自由に使っていただこうじゃないかということで、近くその趣旨を通達を申し上げるつもりでございます。それでまかないがつくものと考えております。
○神谷信之助君 たとえば生活に困っている方々に対するモチ代とか、そういうのは地方単独事業だ、したがってそれに対する財源の手当てはできない、こういうたてまえだと。しかし、各地、各府県回りました。たとえば肉牛の値段がどんどん下がる。そうすると、これは委員会の調査で行ったわけですが、宮崎県あたりでも、肉牛の値段を下げないために、特別にやはり十億余りの財源を出して、そして牛を買って値段の下落、暴落を押える、ささえる、こういう措置をやられている。あるいは、いまの中小企業の不況の中で、それに対する緊急の措置、金融措置をやらなければならない。これは、それぞれがやっているのはそれぞれの地方がかってにやっていることで、したがって、まあ余分なこと、ぜいたくなことをやっていると、そういう認識になるわけですか。
○政府委員(松浦功君) 私どもはそういう考え方は持っておらないんでございます。地方財政計画をつくります際に、相当大幅な単独事業と一般行政費というものを見込んでおりますので、それをどのようにお使いいただくかは地方公共団体におまかせをしてある、こういう態度でございます。ことしも、単独事業費は国が全然伸びを見ておらないのに対して、そういう事情を勘案して、一〇%単独事業は増強しておるわけでございまして、そういうふうに御理解をいただきたいし、いまの肉牛の問題、飼料の問題、これらについては国が政策をいろいろとっている部面もございます。それには裏負担も出てまいります。そういったものは特別交付税で当然われわれとしては考えていきたいと、こう思っております。
○神谷信之助君 それからもう一つ。先ほどの説明で、縁故債の買い上げ措置なんかの手も打てるという話ですね。そうすると、先ほどちょっと触れましたが、京都市のような場合に、銀行融資が何か難航しているという話ですが、もしこうした場合、難航している場合には財投資金なりで措置をするというようなことを、あるいはその融資についての援助をするとかいうような問題はお考えいただけるわけですか。
○政府委員(松浦功君) 私どもが政府資金をお貸しするわけではございませんので、総ワクとして二千億出してもらうということについては交渉いたしました。その具体的な配分は、各地方公共団体が財務部にどれだけ借りたいということを申し出しておきめになられるものと思っております。したがって、先生からお話があったからといって京都の問題について乗り出すということはこれはいかがかと思います。ただ、京都のほうが、どうにもならないということで私のほうに御相談においでになればまた別でございます。そういうふうに理解していただきませんとちょっと困ると思います。
○神谷信之助君 それはそうですから、相談に来たらということですから、よろしくお願いします。 それで、その次の問題に移りますが、私は、今回の補正措置よりもより基本的な問題としては、地方財政のこのような状態というのを根本的に解決をするために、今回の委員会でもたびたび問題になっておりますが、地方財政計画と実態との関係、これがあまりにもかけ離れているという状態を解決をするということが必要じゃないかというように思うんです。それで、ことしにおいても、今年度の四十九年度の地方財政計画を立てる場合においても、自治省としては交付税率を引き上げる必要はないということで計画を設定をし、そして今日まで措置をされてまいりました。しかし、今日地方団体の関係の人たちが共通して指摘している点は、大体自治省の交付税の計算というのは、三二%の交付税率、これを動かさぬと、これを大前提にしてそのワクの中でおさまるように地方財政計画を立てる。さらにはその投影である、いわゆる基準財政需要額と収入額との不足、差額、これをはじき出している。したがって、この基準財政需要額算定自身も、実際の需要額からあまりにもかけ離れた低い水準だという批判をしています。自治省はこのような批判についてどのようにお考えか。今日の基準財政需要額、これは地方の実態に即しているというように確信を持って言うことができますか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 私どもは地方交付税を除いた地方税なり地方債なり、その他の財源というものを十分検討して、つかめるものをつかむ。そうして、所要の歳出というものを十分検討をして確定をして、交付税でその穴が埋まるという形にならなければ納得をしないわけであります。したがって、来年の国税三税に基づいて地方に配られます地方交付税が、いま申し上げたような計算方法で足りなければ、交付税率の引き上げを要求するなり、あるいは特例交付金の要求をするなり、借り入れの要求をするなり、当然私どもはすべきだと思います。そうでなくて、交付税を現在のままでやりまして、歳入歳出のバランスがとれるのであればそれでよろしい、こういう考え方でおるわけでございまして、地方公共団体がおっしゃっておられる御意図はわかります。いろいろと需要があるからということもよくわかりますけれども、理論的に一体どういうふうに積み上げてきてそれが不足なのかということについては、なかなか具体的に私どもが納得するようなものはとり得ない状況で困っておるわけでございます。交付税の基準財政需要額のことにつきましては、財政計画の投影でございますが、御承知のように、二五%、市でございますので、これははねのけておりますので、現実に合うはずがございません。それだけは落とした形になっておるというふうに御理解いただかないといけないのではないかというふうに思います。
○神谷信之助君 それじゃ、二、三の例を申し上げますが、たとえば京都市の例で見ますと、四十八年度の決算、これで言いますと、主要費目の基準財政需要額が四百九十一億七千六百万円。消防費、土木費、教育費、厚生労働費、産業経済費、その他の行政費、公債費、土地開発基金費、それらの費目で調べてみますと、その財政需要額は四百九十一億七千六百万円、それに対する一般財源の充当額は六百六十五億七千四百万円。ですから、一般財源充当額の約六五%しかこの需要額に算入されていない。二五%をはずすんだとおっしゃっても、これでも合いません。これはまあひとつ全体として見た場合。 それから個々に見ますと、たとえば東京都下の立川市で、今年度保育所の運営費が、一般財源の充当額で負担をしている分は、人口一人当たりにして二千七百四十二円。ところが、国が定めた単位費用というのはわずか百六十六円。まさにべらぼうに低い状態であります。「あるいは寝屋川市で、清掃費の部分についてこまかく調べてみますと、交付税基準の三倍の経費を実際には使わざるを得ない。なぜそうなるのかというと、人口の四分の一は特別清掃地域外として切り捨ててしまう。あるいは機械とか人員、これも非常に過小に見積もる。さらにその単価も低く見積もる。あるいはその清掃事業の労働者、事務員、運転手、作業員の年間給与、これも、夏期、年末手当を含めまして一人七十一万一千円という、まさに実情にそぐわないそういう額できめられている。 こういうように、個別にずっと見ましても、全体として見ても、この現在の基準財政需要額の算定の方法は実態にそぐわないという状況がある。 これはそういう人口過密地帯だけでもありません。過疎の地域でもそういう状態があらわれています。先般、京都の美山町という山村に行きました。ここは総面積が三百三十九・八一平方キロです。そのうち山林が三百二十二・六三平方キロ、すなわち大部分が山林です。この産業経済関係の測定単位は、四十五年の国勢調査の林業、水産業及び鉱業の従業者数、これを対象にしています。しかし、実態はそれで振り出してみても、実際には林業行政費の増加というのがこの算定の内容には反映をされない仕組みになっている。ですから、広大な山林を持ち、保安林やあるいはその他林業行政を進めていく、そういう行政需要がふえているところで実際の実態にそぐわないという状態が生まれてきています。普通交付税で経常及び投資の合計をいたしますと千六十五万五千円、それに対して林業費の歳出は五千六百六十三万四千円、そのうち一般財源充当額は千九百二十九万七千円、したがって、この面だけ見ましても八百六十四万二千円という算入不足があらわれています。 あるいはこの他で、いわゆる普通態容補正ですね、これがまたその係数が実態に合わない状況になっています。どんどん道路がよくなってきますから、いわゆる甲地からの距離で点数がきまるわけでしょう。隣の町は乙種の一種地になります。ところが、この美山町は丙の四種地になる、こうなります。いわゆる三百五十点未満だということで丙の四種地になる。これだけで、かりに過疎補正分を加えてみましても、五百九万円の算入不足、損をしているのだということになります。 こういうようにこまかく見てみますと、あの精緻を誇るような測定単位、あるいはその係数、これらが正しくそういう農村の変化やあるいは都市構造の変化、こういったものを反映をしているのかどうかというとだいぶ問題が出てきていると思うのですが、この辺について自治省のお考えを聞きたいと思います。
○政府委員(松浦功君) 御承知のように、いろいろ交付税の算定については各団体ごとに、こうしてほしい、ああしてほしいという御意見があることはよく承知をいたしております。それらの御意見の中で、なるほどこれはわれわれの考え方が正しくないというものがあれば、私どもとしては年々これを改めるにやぶさかではございません。 ただ、先生御指摘いただきましたように、ある町村の森林費が足りない、ある町村の何が足りない、こういうことになりますと、ほかのほうでゆとりを出しておるはずであります。普通交付税というのは別にあの費目どおりに使っていただくというためではなくて、普通交付税を配るための一応の目安ということでああいう積算をしておるわけでございますので、土木費に重点を置かれる市町村長でございましたら、需要の五倍使っておっても、ほかが少なければそれでバランスが合うと、こういうことになるはずでございますので、そういう観点からだけ御指摘をいただいては私ども非常に困る。 それからもう一つは、地方公共団体の事業のやり方によっても、一般財源の充当額は変わってくるわけでございます。地方団体の支出が全面的に肯定されるべき正しいものだというふうに理解するということはいかがかと思います。 そういう意味から、われわれとしては改めるべきことを改めるにはばかるつもりはございませんが、いずれにしてももとは地方財政計画にあるわけでございます。交付税の額と税収入の一定割合と、それと地方譲与税、それを加えたものが需要になるわけでございまして、需要をむやみやたらに伸ばしてしまえば今度は交付税が足りないということになります。そういった技術的な問題にわれわれもしばられているということを御理解をいただきたいと思います。
○神谷信之助君 いまの場合、本音が出てきたと思うんですね。どんどんと需要を伸ばしていけば、地方税あるいは交付税のワクがきまっているから、そうもいかないんだと。だから問題は、そういうことで交付税のワクを、いわゆる地方財政計画の収入ワクを大前提に置いて、そして行なうというところに一つの問題が出てくる。しかも、それはきょうの質問の一番最初に申し上げましたように、今日まで十数年にわたって産業基盤整備の事業にどんどんと国費が使われる。それにまた自治体も従属させられる。そして生活基盤整備がどんどんと押えられてきた。こういった、そういう高度成長のもとにおける地方団体に犠牲をしいるという財政計画の組み方、それに、したがって三二%という一定のワク以外にはもう賦与しないという、そういう前提のもとでそれが進められてきているわけです。私はこの点を、今日いわゆる低成長に経済政策自身が転換をする。言いかえたらいままでのような大企業中心の政策ではなしに、国民生活の基盤を整備をしていくということになれば、これは地方団体の必要とする財源、地方財政をより一そう豊かに、しかも民主的に確立をするということが何よりも必要じゃないかというふうに思うんです。 さて、さらにもう一つお伺いしたいのですが、この基準財政需要額に用いるところの単価ですね。単位費用といいますか、単価。これは事業の国庫補助の場合は、国庫補助の事業の単価と同じになるわけですか。——そうですね。そうしますと、それ自身が、いわゆる先ほども言いましたように、超過負担が低い単価。で、交付税の計算の場合も同じようにその低い単価を使うということになれば、これは政府も先ほど超過負担があることをお認めになったように、低い単価で、しかも基準財政需要額、これを計算をするということになりますから、これは二重に低い財政見込みを行なうということになると思うんですが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(松浦功君) そういう問題がございますので、私どもとしては、国の責任において超過負担をなるべく早く解消しなければならぬという立場をとって、今回も千二百億の解消をはかったところでございます。なお、現実の問題としては、神谷先生の御指摘のように、二重の超過負担になっては困りますので、起債をお認めする際には、一割程度のアローアンスを大蔵省との間でとりまして、現実に近いほうの単価で起債をお認めするという努力をいたしております。
○神谷信之助君 さて、いままでいろいろお伺いしてまいりましたが、今日の地方財政計画が、地方団体の長の皆さん、住民の生活に責任を持っている都道府県の知事なり市町村長さんが、一様にこの地方財政計画が実態と離れている、したがって、その投影である基準財政需要額も実態を反映をしていないということをおっしゃる。いままでのところで明らかになりましたように、私は再々言っていますように、この大企業のための産業基盤整備重点で、そして住民生活基盤の整備に犠牲をしいるところの政府の自治体政策、しかし地方団体の側では、住民の行政需要というのはどんどんふえてまいっておりますし、切実になってきております。特に最近のインフレ、物価高のもとではますます激しくなってくる。あるいは、たとえば昨今の保育所の問題、学校問題というのは、ちょうどベビーブームの人たちが結婚をして子供が大体一定の年齢に達する時期で、これを反映して、したがって、保育所とか学校に対する要求も社会構成の変化に伴って強くなってきています。こういったようなものが正しく反映をされない。特にそういった保育所、学校建設関係なんかの実態とかけ離れた状態というのは、もうすでに明らかになっていると思うのです。 しかも第二番目には、単価が実勢単価にそぐわない。超過負担が解消しない。しかも過去の超過負担はほったらかしで、逆に政府が居直りの状態を進めている。そして、いまも話がありましたように、その低い単価で交付税の計算がそのままやられている。二重に低い措置をやられている。これは一割プラスアルファをつけて地方債のところで見るのだとおっしゃっていますが、それで済む問題ではないと思います。さらに、測定単位自身も地方の実態を反映をしていない。こういうことが言えると思います。さらにまた、東京都のように、不交付団体というようになっていますけれども、しかし実際には、東京都の主張によれば算入漏れが約六百億、あるいは算入不足が約二百億ですか、それぐらいある。これを正しく見られれば、東京都でさえも不交付団体ではあり得ない、こういう主張も東京都から出ているわけです。 さらに、今日の地方財政の困難の主要な原因に、人件費の問題を盛んに主張されています。しかし、それも調べてみますと、これは人員のほうが、お認めになっているように計画自身とそぐわないわけです。実人員との間に大きな乖離が生まれている。しかもその人員の増も、民生あるいは清掃、教育、こういった関係ですね、住民の暮らしに密着をした事業部門での人員増、これが調査をして見ましても、そこのところで人員がふえてきています。これを実際に即したものに改める必要があることは明らかである。 さらに給与についても、自治省は人事院勧告ベース、いわゆる国公ベースを基準にして、そしてそれで組む以外にないと言っている。しかし、現実にはそれぞれの大都市周辺の賃金条件、これを無視をして、地方公務員の人件費、給与水準というのをきめることは実際上はあり得ない。このことを——われわれ何ぼでも高ければ高いほどいいと言うんじゃない。しかし、現実にそれだけの人材を雇うことができないような、集めることができないような給与水準では、自治体がその仕事に必要な人員を確保することができないのは当然です。しかし、これをもう画一的に無視をして、そういう地方の実情を無視をして、そして給与水準を国公並みに押える、こういう状態、こういった問題が重なり合って今日の地方財政計画が実情に見合わないという状態になってきていると思うのです。 この点を正しく見ていくならば、まさに今日もう交付税率を引き上げる段階にきているのではないか。前回ときょうの答弁をずっと聞いておりますと、来年度の計画の策定あるいは予算の編成にあたって、ことし先食いをしている精算分、これは先食いをしておりますから、したがって、その後の経済情勢の変動に応じて、税率の引き上げも含めて検討するということをおっしゃっていますが、私はいまこそ交付税率の引き上げが実現をされなければ、実行に移されなければならないんじゃないかと思うんですが、この点をいままでの質問の中で明らかにしたいと思います。この辺をひとつつかんで、踏まえて、次官のほうで大臣にも伝えてもらって、来年の地方財政計画の策定、あるいは交付税率の引き上げ、こういった問題について検討し、地方財政の深刻な危機の打開をはかっていただきたい、こういうように思います。
○政府委員(松浦功君) ただいま御指摘をいただきました超過負担の問題については、私ども今後最大の努力をいたします。人数の食い違いにつきましても、理論的に納得できるものは、来年度の財政計画において規模の是正を行ないたいという方向で検討をいたしております。基本的に国のなすべきことは国の責任においてやると、そのかわり、いまの給与費の問題については、地方公共団体にもっと努力をしていただきたいという気持ちでおるわけでございまして、少なくとも人数の是正を行ないましたものに残りました部分、この部分について、国としては措置のとりようがないわけでございます。それが大きな財政の圧迫になっているということについてはわかっていただけると思うのでございます。われわれとしては、地方団体にもっと給与水準の適正化、これに努力をするように私どもとしては指導してまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 次に、事務所・事業所税の実現の見通しは一体どうなのかという点、これが第一点です。 それから第二点は、これを創設することによって、同時にいわゆる超過課税の廃止あるいは制限税率、これを採用するというようなことが言われていますが、こういうお考えがあるのかどうか。この点についてお尋ねをしたいと思うのです。
○政府委員(首藤堯君) 事務所・事業所税につきましては、大都市周辺におきます都市環境整備のための財源を確保をいたしますために、私どもとしては、何としても明年度の税制改正においてこの創設を実現をさせたいものという考え方でいま鋭意努力中のところでございます。まだ明年度の税制大綱、政府、税調等においてもきまっておりませんので、まだ見通しはついておりませんが、私どもとしてはできる限り実現に向かって努力を続けたいと、こう考えております。 それから第二点でございますが、この事務所・事業所税の創設と関連をして、超過課税につきましての制限税率を設けるかどうかという問題でございますが、御案内のように、ただいま地方税法上標準税率超過税の制度が、特別の財政需要がありますときには地方団体の自主性を発揮するケースとして設けることができるという規定があるわけでございますが、ただいまのところ、事業税につきましては、この標準税率超過課税の場合の制限税率の規定が頭からないわけでございます。その他の税目、特に市町村税におきましては、超過課税をやるにいたしましても、全国的なバランスの問題から、そう極端な段差があるのはやはり全国の税制の体系上望ましくありませんので、一定の制限税率の規定があるわけでございますが、法人事業税だけはないのでございます。 しかも、この法人事業税におきましては、これも先生御案内のように、大きな法人等が集中をいたしております団体がこの法人事業税の超過課税を行ないました場合には、この法人事業税の額が経費に算入をされます関係上、国の法人税ひいては地方の他の団体に回ります地方交付税、それから住民税の法人税割り、あるいは法人事業税、こういったように、他の団体の歳入に非常に大きな影響を及ぼすしかけになっておるわけでございます。 そこで、この事務所・事業所税の新設があるとないとにかかわらず、最近のように法人事業税についてかなり大幅な超過課税をやるという団体が出てまいりました現在においては、地方団体においても、これについてやはり制限税率を設けて、他団体に及ぼす影響を軽減をしてもらいたいい。つまり、超過課税をやりますにいたしましても、他団体に及ぼす財政上の影響等をやはり勘案をして、そこのところを地方団体としての良識を働かしながら超過課税を行なっていくべきである。こういう考え方が出ておりますのはもっともなことだと思っておるわけでございまして、そういう面につきまして、法人事業税に一定の制限税率を設けるべきであろうと、このようにも考えておるわけでございます。 なお、この点は、この十九日でございましたかに、地方制度調査会からも御答申をいただいたわけでございますが、法人事業税の制限税率の問題について十分検討すべきであるという旨の御答申をいただいておりますので、明年度の税制改正の一環としてこれから鋭意検討してまいりたい、こう思っております。
○神谷信之助君 それじゃ、いまの事務所税の問題ですが、御承知のように、大企業がもたらしたところの負経済、マイナス経済、あるいは自治体の供するところのサービス、道路とか港湾整備とか、交通機関、上・下水道の整備などに対して、企業が負担をするのは当然であると私は思うのです。したがって、この事務所・事業所税の創設の実現をはかっていただくことをお願いしたいと思います。 同時に、したがって、これはその対象とするべきは、資本金少なくとも一億円以上の大企業に限定をすること、これが必要だというように思います。それから、この課税標準に賃金総額といいますか、給与総額を加えるということが言われたりしておりますが、これは反対であります。このことをやるならば、労働者に対する合理化が強まります。こういったものを課税の対象にすることについては反対をいたします。同時に、いまお話しになりましたが、制限税率を設けよという意見もあるし、それが望ましいということです。しかし、これはすでにそういう法人事業税の超過課税を行なっている団体でも、この事務所・事業所税が創設されるならばそれをもうもとへ戻すとか、いろんな話がもうすでに出ているわけです。これはまさに地方団体自身が、日本の経済全体の状況や世論にかんがみて裁量すべき範囲であります。これを現在制限税率がないものをわざわざ今度制限税率を加えるということは、まさにそれだけでも、私は地方自治に対する侵害、地方自治の破壊行為だと思います。こういった点をひとつ十分に自治省のほうも重視をして、この問題についての御検討をいただきたいと思うのです。 最後に、当面する地方財源の不足、この地方財政の危機を打開をして、そうしてインフレや不況にあえぐところの中小零細企業あるいは生活困窮者、心身障害者、農民など、住民各層の緊急の要求にこたえるために、当面地方財源を確保することが何よりもいま必要になってきています。したがって、その緊急対策として、今年度限りの特例措置として、国税三税の六%相当分、それに若干の部分を含めまして、すなわち昨年、今年の両年度にわたって一方的に削減をした分を含めまして、これを地方公共団体に交付をして、今日の地方財政の危機というものを当面乗り切っていく。そして住民の切な要求に地方団体が積極的にこたえることができる。今日までの政府の無策と失政を、少なくともこの段階で、地方団体に協力をお願いをして、少しでも手を差し伸べるためにもそういう措置をとるべきであることを強く要求をして、私の質問を終わります。
○委員長(原文兵衛君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(原文兵衛君) 速記起こして。 暫時休憩いたします。 午後四時十九分休憩 —————・————— 午後八時二分開会
○委員長(原文兵衛君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、安孫子藤吉君、井上吉夫君及び夏目忠雄君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として今泉正二君、古賀雷四郎君及び吉武恵一君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(原文兵衛君) 休憩前に引き続き、昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案を便宜一括議題といたします。 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。 神谷君及び和田君から、委員長の手元に、昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案に対する修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。 この際、本修正案を議題といたします。 まず、神谷君提出の修正案の趣旨説明を聴取いたします。神谷君。
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十九年度の地方交付税の特例に関する法律案に対する修正案の提案理由並びに修正案の要旨を説明いたします。 今日の地方財政の危機はきわめて深刻であります。この深刻な事態の基本的な原因は、政府の大企業奉仕、国民生活破壊の政策によって、地方自治体の行政需要が著しく増大しているにもかかわらず、国と地方との事務と財源の配分がきわめて不合理なところにあります。それが、今日のインフレ、物価値上げ、総需要抑制政策によっていよいよ促進され、深化したところにあります。 このため、地方自治体の事業は重大な困難に直面し、地方自治体の基本的責務である住民福祉事業までが大幅に削減され、行政水準の著しい低下をもたらしています。地方財政を民主的に強化し、地方の行政需要にこたえる財源を確保するためには、行政事務と財源の民主的再配分を実現しなければなりませんが、とりあえず、地方の一般財源を補強する緊急な対策が必要であります。共産党は、この特別の危機を乗り切るために、緊急な交付税上の措置が必要であると認め、本修正案を提案したものであります。 次に、修正案の概要を申し上げます。 昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案の修正案要綱 一、昭和四十九年度に限り、全地方団体に対して緊急地方財政交付金を交付するための特例を設けること 一、緊急地方財政交付金の総額は、昭和四十九年度分国税三税の百分の六に相当する額に二五二五億円を加算した額とすることとする 一、交付金はその総額の四〇%を都道府県に、六〇%を市町村(特別区を含む)に交付することとすること 一、交付金は、都道府県、市町村(特別区を含む)に交付すべき額を、それぞれ、昭和四十九年九月三〇日現在の住民基本台帳人口であん分した額とし、過疎地域の市町村についてはその人口に一・五を乗じた数をもって人口とみなすこと 一、交付金は、昭和四十九年十二月に全額を交付することとすること 一、その他必要な修正を行うこと 以上が修正案の提案趣旨及びその内容であります。 何とぞ慎重な御審議の上、御可決をいただきたいと思います。(拍手)
○委員長(原文兵衛君) 次に、和田君提出の修正案の趣旨説明を聴取いたします。和田君。
○和田静夫君 私は、日本社会党並びに公明党を代表をいたしまして、修正案の提案をいたします。 政府のインフレ政策によって、地方財政はまさに危機的な状況を呈しております。公営住宅、保育所、義務教育施設などの単価は急騰して、超過負担の増大は地方財政を大きくむしばんでおります。地方財政は、まさにその意味においても危機的状況といわねばなりません。 ところが、政府は、超過負担においては約三百三十億円の単価是正しか行なっておりません。地方交付税においても、地方の財政実態とはほど遠い内容となっています。すなわち、法人関係税の伸びを意識的に高く見込んで、給与財源措置を低く押えるなど、地方財政の危機に全くほおかむりをしている状態であります。したがって、地方交付税を緊急に増額をして、地方の財政需要を満たす必要があります。 このような見地から、本修正案の提案を別紙のとおりにしたのでありますが、その内容は、簡単に言って次のとおりであります。 第一に、資金運用部資金から千五百二十億円を借り入れること。 第二に、臨時調整資金費としてこの千五百二十億円を、府県においては人口一人当たり千二百十九円、市町村においては七百九円の単位費用として配分すること。 第三に、千五百二十億円の借り入れ金の返済については、国は五十年度以降三年間で交付税特別会計に繰り入れること。 以上が提案の趣旨であります。 何とぞ慎重な御審議の上、御可決あらんことをお願いをするものです。(拍手)
○委員長(原文兵衛君) ただいまの神谷君及び和田君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。福田自治大臣。
○国務大臣(福田一君) 二つの議員修正案が提出されておりますが、これにつきましては、いずれも政府としては反対でございます。 —————————————
○委員長(原文兵衛君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、橋本繁蔵君が委員を辞任され、その補欠として斎藤栄三郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(原文兵衛君) ただいまの神谷君及び和田君提出の修正案に対し、御質疑のある方は順次御発言願います。——別に御発言もないようですから、これより昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案及び神谷君及び和田君提出の昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案に対する修正案を一括して討論に入ります。
○和田静夫君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案に対し、日本社会党、公明党提出の修正案に賛成をし、この修正が行なわれない場合の政府原案並びに神谷委員提出の修正案に反対の意を表するものであります。 今日の地方財政の状況は、政府の積年にわたる経済、財政政策の失敗により、きわめて危機的な事熊に直面をいたしております。自治体の当局者は、インフレによる事業の行き詰まりと膨大な資金需要をかかえて、その対策に日夜追われている現状にあります。このような財政事情を考えますと、私は各自治体に対し、この際、十分な財源を早期に供給し、地方公務員の給与の引き上げや、社会資本の充実をはからなくてはならないと痛感いたしております。政府原案は、一応自治体に対する財源付与を内容としております。しかしながら、私があえて政府原案に反対せざるを得ないのは、その内容、方法において、これでは地方財政の窮乏がほんとうの意味で解決できないと確信するからであります。すなわち、自治体に対する財源保障は、総量的にも、また方法論的にも、自治の拡大という展望とその実現の可能性に基づいたものでなくてはなりませんが、政府原案には、住民を主体にした自治財政の確立という基本的視座が欠落をしております。これでは中央支配型財政構造の変革は指向できず、また自治体の行政水準は低下して、住民の要望にこたえることはできません。政府原案は、わが党の考え方と根本的に立場を異にする、これが反対理由の第一点であります。 反対理由の第二は、政府原案は、自治体の行財政に対する誤った認識を前提に、現状を無視した内容のものであるという点にあります。 政府は地方公務員の給与は高いとPRしておりますが、そんなことはありません。地方公務員の給与は、労使の交渉と住民のコントロールによる自治の原則に基づいた決定を基本としなくてはなりませんし、また、交付税算定の際の公務員定数も、行政サービスの向上を目途に算入すべきものであります。今回の政府の給与財源の付与は、この点から考えて、きわめて実態を無視したものであります。また、超過負担の解消等に関する措置を見ましても、地方負担額の大部分を起債に依存しているのをはじめ、対象差や数量差は最初から度外視しております。超過負担解消問題に対する政府の熱意を疑わざるを得ません。 反対理由の第三は、地方公務員の給与改定の財源措置が、政府の怠慢によって今日まで放置されたことであります。 公務員の給与は、民間のベアの状況等により、あと追い的に改善されるのが、遺憾ながら現行制度の仕組みであります。したがって、人事院勧告が出されてすぐ改定しても、民間に比べその実施が相当おくれるわけであります。しかるに、政府はこのインフレ下、昭和四十九年も終わろうとする現在まで、公務員のベア問題を放置したことは許されないところであります。しかも、政府は、各自治体が公務員の生活の窮状を配慮し、給与改定議案を早期に議会に提出しようとするにあたっては、それを妨げるような行政措置をとったのであります。インフレ手当の支給などの問題とあわせて、政府に猛省を促したいと思います。 現在の地方交付税制度は、国の財政的、経済的メカニズムに完全にビルトインされ、住民サイドに立った独自の機能を全く喪失いたしております。国が産業優先、高度経済成長政策を唱えれば、地方交付税制度も同じ役割りを分担し、国が総需要抑制と言えば、交付税もまた完全にそれに追随するように運用され、国の財政的混乱がそのまま交付税制度の運用となってあらわれています。今日の地方財政の危機の根源も、実はこうした政府の交付税運用に基づくものであります。そのため、現在の交付税制度は、シビルミニマム達成の財政的柱としての役割りを果たしておりません。 私は、現行の地方交付税法について根本的に改正する必要があると思いますが、現下の地方財政の状況にかんがみ、とりあえず公明党と共同で修正案を提出し、当面の窮状を打開する方途を選びました。したがいまして、日本社会党及び公明党提出の修正案及びこの修正部分を除く原案に賛成し、修正が行なわれない場合の政府現案に反対するものであります。(拍手)
○金井元彦君 私は自由民主党を代表して、昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案に対し賛成をいたします。 本法律案は、国家公務員に準じて地方公務員の給与を大幅に改善し、また物価等の騰勢に対処して、超過負担の解消等所要の措置を講じ、あわせて緊急を要する公有地拡大の要請にこたえるため、昭和四十九年度分の地方交付税の総額及び単位費用等について必要な規定の改正を行ない、地方団体に財源の付与をする基礎を確立することをおもな内容とするものであります。 現在、地方団体は、国の総需要抑制策が浸透する中で、拡大する財政需要と伸び悩む地方税収との板ばさみにあって、府県、市町村ともその財政運営は非常に困難な状況に立ち至っています。 本法律案は、このような状況に対処し、別途補正予算による国の財政支出の追加、不交付団体に対する起債措置などとともに、自主財源である地方交付税七千八百四十三億円を財源不足団体に交付し、当面する課題の合理的な解決をはかろうとするものであります。したがいまして、私は本法律案は、地方団体の財政の実情にかんがみ、きわめて適切な内容のものであると思います。経費の効率的な使用と厳正な態度で財政運営に臨むことを各地方団体に期待し、いずれの修正案にも一反対、原案に賛成の意を表します。(拍手)
○阿部憲一君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております内閣提出の昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案及び日本共産党提出の修正案に対して反対し、日本社会党並びに公明党の共同提案による同法修正案に対して賛成する立場から討論いたします。 以下、主として政府原案に対する反対のおもな理由を申し述べます。 反対理由の第一は、今回の地方財政補正措置の財源として、四十八年度の精算分を繰り入れて糊塗していることであります。従来の慣例からすれば、五十年度予算に算入すべき二千六百九十一億円を、来年度の交付税の見通しも立てないまま本年度の補正に繰り入れるという小手先の対策に終始しております。今日の地方財政は、税収の伸び悩み、給与費の増、超過負担の重圧、福祉施設等、行政需要の増大により深刻な危機に直面しており、明年度にかけて逼迫した事態に立ち至っております。私は、急増する地方財政需要に適合した財源を確保し、激動する社会経済情勢の推移に機動的かつ弾力的に対応する財政運営を保障するために、交付税率の引き上げにより抜本的な対策を講ずべきであるにもかかわらず、政府原案は、この点について何ら措置も講ぜられていないということはまことに遺憾であります。 反対の第二は、不交付団体に対する給与改定財源の確保がなされていない点であります。不交付団体分については、既定経費の節約、法人関係税等の増収によってもなお九百十億円の財源不足を生じており、この点について政府は、再算定後の財源超過額が前年度に比べて著しく減少することとなる団体については、当該団体の財政状況を勘案して所要の措置を講ずるとしておりますが、この点、まことに不明確であり、納得のできないところであります。 反対の第三は、超過負担の解消措置が十分なされていないことであります。今回、四十九年度の実態調査に基づき、公立文教施設等三事業についてのみ単価の改定がなされておりますが、政府の超過負担解消策が常に一部の国庫補助負担事業に限定され、調査時点も過年度であり、あと追い的なものであるため、国庫補助負担事業全般にわたる超過負担解消までには及ばないのであります。加えて、最近の物価高騰により、新たな超過負担が発生している現状にあります。超過負担を抜本的に解消するには、国庫補助負担事業の全般について年度中途においても定期的に見直しを行ない、補助基準単価、補助数量、対象等を実情に即するよう改善することが必要であり、物価、労務賃金等の上昇に応じて自動的に単価の改定が行なえる制度の確立をはかるべきであります。 以上、日本社会党及び公明党の共同修正案に賛成し、共産党提出の修正案並びに修正されない場合の政府案に対し反対する討論といたします。(拍手)
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十九年度の地方交付税の特例に関する法律案に反対の意思を表明するものであります。 いま地方財政は、インフレーションによる諸経費の大幅増、不況による税収の伸び悩み、総需要抑制政策による起債と一時借り入れ金の抑制などによって、軒並み深刻な危機に直面しているのであります。住民のための緊急を要する事業、施策さえ削減し、財政調整資金の取りくずし、八方手を尽しての資金借り入れなどによってもなお職員給与改定財源のめどが立たず、住民サービス行政の切り下げを余儀なくされており、赤字団体に転落が見込まれる地方団体が続出する事態となっています。昭和二十九年、四十一年以来の危機的状況と言えるのであります。 いま、全国の地方自治体は、保守、革新のいかんを問わず、危機打開の緊急対策を切実に求め、地方財政の抜本的拡充を強く迫っているのは当然であります。しかるに、今回の政府の改正案は、地方交付税総額を、国税三税の自然増分五千百五十二億円と四十八年度精算分二千六百九十一億円の計七千八百四十三億円を増額したにすぎません。危機打開にふさわしい対策を何らとろうとしていないのは明らかであります。これでは当面二兆円といわれる地方自治体の財源所要額、これをとうてい満たすことはできませんし、地方自治体の借金と住民犠牲によって危機の打開をはかろうとするまさに反動的措置であり、とうてい容認し得ないものであります。これが第一の反対理由であります。 第二の理由は、改正案が、本来五十年度に精算さるべき四十八年度の精算額の先食い措置と、交付税の趣旨に反して用途を特定をした交付税措置、これを行なってつじつまを合わせている点であります。 特に、来年度の経済見通しが今年度同様きわめてきびしく、租税の収入増が見込めない事態を考慮するならば、精算分の先食いが来年度の地方財政を圧迫することは明らかであります。そして、これのみでは何ら根本的な解決につながらないこともまた明白であります。 第三に、単位費用の改訂が、給与改定とわずかばかりの超過負担解消措置に伴うものに限定され、そして単位費用が依然実情から著しくかけ離れたものになっています。さらに、いわゆる算入漏れ費目も依然数多く放置されているのであります。こうした実態無視の低い基準財政需要額算定を行うことによって、政府は交付税率を三二%という低率に無理やり押え込もうとしている、こう言わなければならないのであります。財政需要を正確に捕捉した測定単位の設定、単位費用の実態に即した引き上げ、不算入費目の適正な算入措置、これらの施策を行なうだけでも、それだけで現行交付税の大幅改定が必要となることは明らかであります。 以上の立場から、私は最後にわが党が、当面の地方財政危機打開をはかるための緊急措置として、国税三税の六%相当額を含む約一兆円の緊急特別交付金の交付を修正案として提案をしております。ぜひともこれの御協力をいただくことを明らかにして私の反対討論を終わります。
○委員長(原文兵衛君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案及び神谷君及び和田君提出の昭和四十九年度分の地方交付税の特例に関する法律案に対する修正案について採決に入ります。 まず、神谷君提出の修正案を問題に供します。神谷君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(原文兵衛君) 少数と認めます。よって、神谷君提出の修正案は否決されました。 次に、和田君提出の修正案を問題に供します。和田君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(原文兵衛君) 多数と認めます。(拍手)よって、和田君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(原文兵衛君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 次に、地方税法の一部を改正する法律案の討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 地方税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(原文兵衛君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 和田静夫君から発言を求められておりますので、これを許します。和田静夫君。
○和田静夫君 私は、ただいま可決されました地方税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、第二院クラブ、各派共同による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地方税の一部を改正する法律案に対する附帯決議案 政府は、国・地方を通ずる税源配分を抜本的に改め、地方の自主財源の充実強化をはかるとともに、次の諸点について善処すべきである。 一、住民税の所得控除額の引上げ措置等を積極的に講じ、住民負担の軽減に特段の配慮をすること。 二、法人事業税の課税標準、税負担等については、その合理化を検討し、税負抵の公正をはかること。 三、地方税としての事務所・事業所税を創設すること。 四、産業用電気にかかる非課税措置等を抜本的に整理し、電気税、ガス税の軽減を引続き検討するとともに、国税の租税特別措置が地方税に及ぼす影響をしゃ断するよう努めること。 五、国民健康保険事業に対する国の財政援助措置を強化することにより、国民健康保険税(料)の負担を軽減するよう努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(原文兵衛君) ただいま和田静夫君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(原文兵衛君) 全会一致と認めます。よって、和田静夫君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、福田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。福田自治大臣。
○国務大臣(福田一君) ただいま満場一致で御決議のありました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重し、善処してまいりたいと思います。
○委員長(原文兵衛君) なお、両案についての審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないものと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後八時三十五分散会 —————・—————